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1994/06/21 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 環境特別委員会 第7号
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1994/06/21 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 環境特別委員会 第7号

#1
第129回国会 環境特別委員会 第7号
平成六年六月二十一日(火曜日)
   午後三時四十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹村 泰子君
    理 事
                石渡 清元君
                小野 清子君
                堂本 暁子君
                河本 英典君
    委 員
                狩野  安君
                須藤良太郎君
                野間  赳君
                大脇 雅子君
                菅野  壽君
                清水 澄子君
                矢田部 理君
                粟森  喬君
                勝木 健司君
                刈田 貞子君
                横尾 和伸君
                有働 正治君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  浜四津敏子君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        大西 孝夫君
       環境庁企画調整
       局長       森  仁美君
       環境庁自然保護
       局長       奥村 明雄君
       環境庁大気保全
       局長       松田  朗君
       環境庁水質保全
       局長       野中 和雄君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        小林 正二君
   説明員
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課産業廃
       棄物対策室長   飯島  孝君
       農林水産省農蚕
       園芸局植物防疫
       課長       吉村 正機君
       水産庁研究部漁
       場保全課長    杉浦 正悟君
       通商産業省生活
       産業局窯業建材
       課長       平松 博久君
       運輸省運輸政策
       局環境・海洋課
       長        柴田 耕介君
       海上保安庁警備
       救難部海上防災
       課長       佐々木直彦君
       建設省河川局海
       岸課長      川上  隆君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成六年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成六年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(公害等調整委員会、環境庁))
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 去る六月十七日、予算委員会より、六月二十一日の午後三時から、平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会及び環境庁について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○石渡清元君 ただいま議題となりました平成六年度一般会計予算外二案中、総理府所管の公害等調整委員会、環境庁についての委嘱審査について質問をいたします。
 まず、環境関係の予算全般的なものでございますけれども、予算の成立が大幅におくれているわけでございまして、その大幅におくれている中での環境行政への影響は今現在どんなところにあるか、お答えを願います。
#4
○政府委員(大西孝夫君) 御指摘のように、平成六年度予算につきましては例年に比べ成立がおくれておりますのは事実でございますが、環境庁にとりましてこの間に必要な予算は、一つは、例えば自然公園等の整備事業、公共事業につきましては、他省庁並びでもございますが、年間予算の七分の三、四〇%強に上る額を既に計上していただいております。その他の経費につきましても、事務的経費についての二五%の原則率計上のほか、この期間内に必要な予算項目につきまして個々に計上いたしておりまして、幸い所要額を確保できたところでございまして、そういう意味でこれまでのところ特に支障は生じておりません。
#5
○石渡清元君 環境庁にとって目玉の一つであります環境の日はもう既に行事を行って終わっているわけでありますけれども、そういったようなことも事務的経費二五%の中に入っているんですか。
#6
○政府委員(大西孝夫君) 御指摘のように、環境の日、六月五日にやらせていただきまして、無事成功裏に終わったと思っておりますが、これに必要な予算につきましては、暫定予算で手当てをいただきました事務的経費の枠の中から充当することができまして、格別の支障はなかったわけでございます。
#7
○石渡清元君 きょうはもう六月二十一日で、そろそろ平年ですと来年度予算の概算要求取りまとめの時期になっているわけでありますけれども、七年度の概算要求取りまとめ状況あるいはシーリング等々については、環境庁はどのように対応しているのか。
#8
○政府委員(大西孝夫君) 現状におきましては平成六年度予算の成立に一生懸命努力をさせていただいておるわけでございますが、七年度分の概算要求につきましては、まず来年度施策の重点、これが前提になるわけでありますが、内部的な検討を既に開始させていただいております。
 具体的な概算要求作業につきましては七月以降着手するというのが例年の例でございまして、ことしもそうなろうかと思っております。現在作業中の環境基本計画に基づく最初の年の予算でもございますので十分検討してまいりたいと思っております。今御指摘のシーリングの問題は、現内閣としてどのようにするかという方針がこれから決められていくわけでございますし、そういう推移も見ながら私どもも十分準備をしつつ検討作業を深めてまいりたいと思っておりまして、そういう意味では両にらみといいますか、シーリングの決定に対応できるように柔軟な形の準備が必要かと思っております。いずれにしましても十分検討を深めてまいりたいと思っております。
#9
○石渡清元君 今、重点という話がありましたけれども、重点のベストスリー、あるいは新規のものか何かはわかりませんけれども、それを発表できましたらお答えを願いたいと思います。
#10
○政府委員(大西孝夫君) 正直言いまして余りたくさん目玉はないわけでありますが、予算を発表するときのニュースがなくなるようなことになってもなんでございますので、なお検討中ということでこの場はお許しをいただきたいと思います。
#11
○石渡清元君 ニュース性がなくなっちゃうから発表まで待ってくれ、これもちょっと記録に残っている答弁だと記録的な答弁じゃないかと思いますけれども。
 それじゃ、平成六年度が環境基本法制定後初めての予算の年でありますけれども、その中での重点項目、そして環境基本法制定自体の自己評価をお伺いいたします。
#12
○政府委員(大西孝夫君) まず、平成六年度予算の政府案のうちの環境庁予算は御承知のとおり約六百七十三億でございまして、対前年度比五・七%の増ということで、一般歳出全体の伸びに比べましても伸びとしてはかなり大きなものになっているわけでございます。
 その主な項目を見てみますと、何といいましてもまず、環境基本法の成立を踏まえまして、その新たな枠組みのもとで今後の環境基本政策の展開を図る、そういうための布石といいますか条件の整備ということが一つの大きな眼目でございます。その一つは例えば環境基本計画の策定であり、あるいは環境影響評価の特別総合調査研究の実施でありますし、それから今後大いに伸ばしていかなきゃならぬ分野としては、例えば化学物質等の未規制物質の安全性の確保でありますとか、それから環境と経済・貿易に関する非常に広い見地からの研究、特に経済的手法と言われているいろいろな問題についての検討費、さらにはいろいろな立場の方々に今後環境問題に取り組んでいただくための環境保全活動の推進のための経費等々各般にわたりまして、環境基本法の精神を踏まえつつ新しい芽を出していくという予算になっている点が一つございます。
 それからもう一つは、生物多様性条約の発効ということもありますが、環境基本法に盛られましたその自然環境の保全、生物多様性の保全という精神を踏まえまして、そのための調査の経費でありますとか、それから自然公園等の整備事業の公共事業化といった点がやはり大きな柱、目玉になっていると思います。
 このほか、地球環境保全のための地球環境基金事業でありますとか、それからADEOSの搭載用の研究機器の製作等研究の推進、あるいはNGOの支援といった観点の経費も新しい方向に向けた施策と思っておりまして、基本法に基づきますこれらの施策が新しく次代に向かって進むために必要な第一歩を踏み出すという意味で必要な予算を確保できたのではないか、そういう意味で、自画自賛ではございませんが、私どもとして合格点を与えていいのではないかと思っているところでございます。
#13
○石渡清元君 自画自賛をしたところで、重点項目の中に環境と経済、あるいは環境と貿易のお話がございました。この前のウルグアイ・ラウンドのマラケシュの閣僚会議で採択された「貿易と環境に関する決定」、これらの評価あるいは対応というのはどういうふうに考えているんでしょうか。
#14
○政府委員(大西孝夫君) 実はこの問題は大変大きな問題でございまして、政府全体として今後しかも長期的な視野に立って世界各国と話し合いをしていかなきゃならない大きな課題だと思っております。その中で、環境問題はいろんな側面があるわけでありまして、貿易を阻害する要因にはならないという面と、貿易が環境を阻害してはならないという二つの異なった側面からこの問題を取り上げていくわけでありますが、先進国、後進国の間の貿易構造にも絡む問題であり、大変複雑な問題だと思っております。
 環境庁としましても、非常に視野を広く持って、政府の一員として十分この議論に参加できるように、まずは十分勉強するところから始めたいということで、既に既存の予算の中で勉強会も始めさせていただいておりますが、今度このいただいた予算の中でさらにその研究を深めたいと思っているわけでございます。
#15
○石渡清元君 そして、環境と経済の関係なんですけれども、これは基本法制定のときにも相当議論がありましたけれども、いわゆる経済的手法ですね。やはりどうしても、環境負荷に対してどのような対策を講ずるかということと、金が必要になってくる、財源が必要になってくる。そのときに環境税という税目、名前はともかくとして、そういったようなものについて環境庁が具体的に考えないと、どこでその財源を頼っていくのか、あるいは基本計画の中での財源なのか。経済的手法については一歩前進をしないと、もう基本法が制定されたわけですから。その辺のところは何か見解がありますか。
#16
○政府委員(森仁美君) 経済的手法につきましては、いろんな考え方があるわけでございます。端的に申し上げますと、私ども考えております経済的手法というのは、環境に負荷を与えるような行為に対する一種の抑制効果をねらっているということが主眼でございます。それを経済的手法と言っているわけでございますが、その際に、仮に税というような仕組みを入れたといたしますと、そこに税収が上がり、その財源をどこに振り向けるかという問題になるわけでございまして、それを目的税的に考えるということではなくて、手法として税を入れていくというのが今の考え方でございます。
 したがいまして、税制全般にもいろいろ影響を与えるということもございます。私ども今いろんな形で勉強を始めておりますし、その勉強を大いに進めていかなければならないということで、今年度も精力的に取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#17
○石渡清元君 環境庁としては新税を導入しようというのはなかなか答えにくいかもしれないけれども、よその国ではこれに対応するような炭素税とかいろんなことをやっているわけです。環境先進国として、ただ経済的な手法で抑制効果があるとか、かなり消極的な意味での効果だけの期待で果たして通るものかどうか。税がだめだったらペイ、料金とかあるいは何々代とか、そういう考え方もあると思うんだけれども、具体的にやらないと予算折衝での限界が出てきちゃうんじゃないんでしょうか。その辺についてどういう方向で研究、検討、勉強会をされているか。
#18
○政府委員(森仁美君) 環境基本法のときにも随分議論があったわけでございますが、経済的手法は、これまでとっておりました環境への負荷に対する規制的手法に並ぶものとして、組み合わせて環境負荷を減少させていくという目的を持っているものと考えております。
 したがいまして、税だけではなくて、例えば賦課金でございますとかデポジット制度でございますとか、あるいは売買可能な排出権というような目新しい仕組みでございますとか、これが世界的にいろんな形で検討されておりますし、それを一部取り入れた国もございます。これはそれぞれの国情が違っておりまして、日本に導入をするとした場合にどういう形が最も効果的なのか、どうやっていくべきなのかという点について、まだまだ議論を要するのではないかと思っております。
 環境庁といたしましては、既に研究会を昨年度からやっております。これは中心的には、リサイクルを推進していくという形のときにどういう手法が考えられるかというところに焦点を置いたものでございます。また、関係省庁、例えば厚生省におきましては、ごみ処理に関して料金を取るというような形での一種の経済的手法の導入ということも研究を進めておられると聞いております。今政府全体ではいろんな考え方を一生懸命勉強しているという状況だと思っております。
#19
○石渡清元君 これらの手法については、一生懸命やっている、勉強している、勉強中だという答弁がずっと今繰り返されているわけなんです。あくまでも規制的なものが経済的な手法だと言っているんですが、現状の日本の場合でも、環境負荷に対して自浄の能力というのはもう飽和状態、限度を超しちゃってるんでどうしようかというのが我が国が置かれているところであります。
 したがって、やはり具体的にメスを入れて、あるいは金をつぎ込んで直していかないと、リサイクル、ごみの処理で費用をもらっているんだ、この程度では環境飽和状態がさらに膨らんでいっちゃうんじゃないか。やはり環境庁がその辺リーダーシップをとって具体的な形を出していかないと、いろんな大蔵とか他省庁のあれがあるかと思いますけれども、それをやっていかないと環境についての責任が持てなくなっちゃうんじゃないんですか。どうなんですか。
#20
○政府委員(森仁美君) ただいま石渡委員のお話はよくわかるところでございます。今回の今我々が一生懸命やっております環境基本計画、この策定のときの基本的な考え方も、まさに、大量生産、大量消費、大量廃棄、こういうような社会の仕組みを変えていかなければならないというところに大きな問題があるわけでございまして、それを変えていく手法としていろんなことが考えられる。そのうちの一つが経済的手法の導入ということでございます。
 この経済的手法の導入というのは、かなり大きな力を発揮するであろうことはよく理解できるわけでございますが、それだけにまたその導入に向かっての検討もよくやっておかなければならないということで、私どもは、リサイクル社会をつくり上げていくについての大変重要な手法、そのための勉強ということで、繰り返し勉強と申し上げていて進んでいないような印象をお持ちではなかろうかと思いますが、決してそうではなくて、私どもも一生懸命前へ前へと進んでいるということを御理解いただきたいと存じます。
#21
○石渡清元君 環境税という表現が果たしてぴんとくるかどうかというと、私自身はちょっと、もっといい形のものがないかなと思っていますが、ぜひひとつこれを早めていただいて、具体的にやらないと後手後手になってしまうような気がいたしておりますので、特にここは強調いたしておきます。
 それから、環境基本法の英訳をつくって何か外国へあれされたそうですけれども、その辺の海外の評価というのがあったらちょっと教えていただきたいと思います。
#22
○政府委員(森仁美君) この環境基本法の制定作業の最中に、実は私の部屋にも在外公館の方がわざわざお越しになりまして、みずからその考え方を聞きたいというお申し越しもございました。大変外国から関心を呼んでいるポイントでございます。
 公式にはOECDがことし三月に日本の環境政策レビューというのを公表いたしました。その中の評価は、環境基本法は環境政策の制度的な枠組みを刷新するものであると大変評価をされた表現をとった上で、環境基本法の三つの理念、これをわざわざ紹介をしておられるわけでございます。
 私どもは、地球サミットの後、地球環境問題も視野に入れた新しい法制をつくり上げたという点で自負いたしておりますし、外国の方からもかなりの評価を受けているものと考えております。
#23
○石渡清元君 先週ちょうどIPU、列国議会同盟の科学技術に関するアジア・太平洋会議が日本で開かれました。私も参議院からその一員として出させていただきまして、基本法についてちょっと話し、そしてアジア・太平洋の地球環境研究ネットワークの構築と地球資源情報発信の中核の提案を、環境庁にも大変御厄介になりましてこれを話させていただきました。非常にその反応は、基本法などを制定してすばらしいという反応は確かにありました。しかし、大多数の国はまだ途上国でありますので、まだまだそこまでいかないのが現状でございまして、これから世界、特にアジア・太平洋の環境保全のリーダーシップをとるのはこれは大変なことだ、費用も大変だなということをIPUの会議を通じて感じたわけでございます。
 きょうちょうどエコ・アジアのアジア・太平洋地域の環境と開発について、あれが始まるのかな。自然環境や文化の面で極めて大きな多様性を有し、今世界の成長センターになっている、そのニカで、人口や環境、資源、消費の急増などに起因する問題も生じており、この地域での持続可能な開発を実現するために、環境と開発に関する科学的な知見に立脚した政策決定は極めて重要だということから、環境庁とこれは埼玉県ですか、アジア・太平洋地域の環境問題を解決するために各種の会議や共同研究などを行ってきたようでありますけれども、まさに本日からのエコ・アジア94、埼玉県で開催をしていると聞いておりますけれども、長官、この会議の成果として何を期待するか、お答えを願います。
#24
○国務大臣(浜四津敏子君) ただいまお話がありましたようにエコ・アジア94、本日より二日間、大宮市で行われます。この会議には、アジア・太平洋地域十五カ国、八国際機関等の環境大臣を含む政府関係者あるいは学識経験者等の皆様が出席されまして、自由に意見を交換することになっております。この議論におきましては、UNCEDのフォローアップにおけるアジア・太平洋地域の役割とかあるいは環境と開発のあり方、そして長期的視野に立った展望と課題が明らかにされることを期待しております。
 環境庁は、これまでにも、日本がイニシアチブをとってさまざまな各種の国際会議あるいは研究協力等を推進してまいりましたが、こうした取り組みを進める上でエコ・アジアは大変いい機会であるというふうに考えております。このエコ・アジアの成果を生かしまして、アジア・太平洋地域の持続可能な開発の達成に向けて、一層努力させていただきたいと考えております。
#25
○石渡清元君 基本法の話がどんどん海外の方へ行っちゃったんですけれども、また戻りますが、基本法の施行に伴って、環境アセス、影響評価制度の法制化という問題になるわけであります。
 環境アセスの法制化というのはナショナルミニマムを確保する上で非常に必要だと思いますけれども、既に多くの地方自治体ではもうそれを条例化しているところがあるわけでありまして、私ども神奈川県でも昭和五十六年七月に既に施行して、一定の成果を上げております。したがって、この基本法にいうところの環境影響評価制度についても、自治体の自主性と実績を十分尊重してもらわないといけないと思います。その辺のところの地方の実態に対する配慮について、ちょっとお考えを聞かせていただきたいと思います。
#26
○政府委員(森仁美君) 環境影響評価につきましては、環境基本法上もその重要性を位置づけて明確に規定をしたわけでございます。これにつきましては、これからも、どういう形でそれが進んでいくのか、すなわち現行制度自体についてまずよく勉強をし、どこに問題点があるのか、どこに改善をすべきなのかというところを含めまして、諸外国の運用実態までもよく調査をした上で検討を進めるということでございます。
 その中で、公共団体のこれまでの実績というのも当然私どもよくよく勉強をしなければならないと思っておりまして、今年度から研究会を設けまして本格的な調査を始めるわけでございますが、公共団体の実情調査というのもその大きなテーマになろうかと思っております。
#27
○石渡清元君 環境基本法関係で、今のお話のように、地方の役割分担が出てくるわけであります。そして、環境基本計画においては、地方の諸施策の実効性を確保するために、地方の意見を反映させるとともにいろんな政策をやるということになっているんです。そうすると地方の財政負担がかなりそれによってふえてしまいます。その財源措置等々について基本法あるいは環境基本計画には、地方にもそれをやりなさいということは明示しであるけれども、財源までははっきりしていないんですが、その辺のところはどういうふうになっていますか。
#28
○政府委員(森仁美君) これは先生よくもう御承知のとおりでございますが、補助金系統で組んだ場合にはそれのいわゆる裏負担部分、これが地方財政計画上入ってくるわけでございます。私どもは補助金のような形で組む場合、それはそれで対応ができると考えておりますが、そのほかに、それぞれの公共団体が独自性を発揮しておやりになるもの、これもまたあるわけでございまして、地方財政計画上、特にそういうものに対応できるように自治省においても御配慮をいただいているところでございます。
 さらに、きめ細かな問題を進めていくという点では地方の環境基金がございます。その果実を活用して処理をしていくというのも今盛んに行われつつあるところでございます。ただ、大きなお金にはなかなか結びつかないという点がございます。しかし、県民に対していろんなことをPRしていくというような、きめ細かな小回りのきく仕掛けとしてはその基金の活用というのもあろうかと思っております。
#29
○石渡清元君 自治省にお願いをするというのは、それはまあ地方のことだから交付税で扱えとか、そういうお願いだろうと思うんですが、御案内のとおりに、地方団体でも大きいところとか小さいところ、財政規模がまちまちなわけです。それから、早くからやっているところ、まだこれからのところ、いろいろありまして、やはりその地域の特性をよく環境庁の方で見ていただいて、それで適切なアドバイスなりそういうことをぜひやっていただくために、地域の特性への配慮を十分ひとつやっていただくと同時に財源措置もと、こういう意味でありますので、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは環境保全経費についてお伺いいたしますけれども、取りまとめの意義やら環境基本計画推進経費のこれからの課題等々についてお伺いをいたします。
#30
○政府委員(森仁美君) さきに当委員会で環境庁予算の概要の説明の際に、あわせて各省庁の環境保全経費等の概要について私から御説明を申し上げました。これは実は、環境庁設置法に基づきまして、環境庁では、予算の要求段階で関係省庁に対しまして、環境保全施策の重点的展開を図るために、毎年度環境保全経費の見積もり方針調整の基本方針というのを示して、これに沿ってやっていただきたいということを申し上げ、あわせて大蔵省の予算査定に際しまして環境保全経費について格段の配慮を行ってほしいということを私から主計局長あてに文書をもって要請するとともに、予算編成の閣僚折衝が必ず行われるわけでございますが、その際にも環境庁長官から大蔵大臣に対しまして政府全体の環境保全経費について特段の配慮をお願いするということを要請いたしておるわけでございます。
 このような形で環境庁としての考え方を財政当局に伝えまして、広範多岐にわたる関係行政機関における環境保全施策、これが政府全体として効率的、効果的な展開が図られるように努力をしてまいっておるところでございます。
#31
○石渡清元君 予算関係全般としての最後の質問は、やらなければならないことはたくさん環境庁はあるわけでありますけれども、そこで、組織定員関係の特色やらあるいは拡充強化をどのようにこれからされようとするか、あるいは平成六年度の予算でどのように組織関係に重点を、ウエートを置いているかとか、今後の強化状況について長官からお答え願いたい。
#32
○政府委員(大西孝夫君) まず事実関係といいますか事務的な部分で平成六年度におきます組織定員の特色は私から申し上げさせていただきまして、今後の方針につきましては後刻長官からということにさせていただきたいと思います。
 平成六年度の私どもの組織定員要求は、環境基本法のもとで今後の環境行政の推進体制を充実していく、こういう観点を盛り込みまして、一つには例えば、環境計画を推進する課をつくりたいということで環境計画課を設立させていただくことにいたしておりまして、それに伴う再編を行おうとするわけでございますし、また今後の一つの課題であります化学物質によります汚染の未然防止体制という観点から環境安全課というものを設けるということにし、それに伴う組織の改廃を行いたいと思っております。
 また、絶滅のおそれのある野生生物対策という意味では、全国の国立公園管理事務所を国立公園・野生生物事務所ということに改組して、そういった面の組織体制の強化を図るといったことなどが主要なポイントでありますが、いずれにしましても、新しい方向に向かった対応ができるような組織にしたいという点に特色があろうと思っております。
 なお、定員も九百六十一名から平成六年度には九百七十五名にするように増員を図ることにいたしております。
#33
○国務大臣(浜四津敏子君) 今後の予算及び組織定員の拡充についてでございますが、今日、環境行政は、環境基本法に示された理念のもとに持続的発展が可能な社会の構築に向けまして、政府、地方自治体、また国民、事業者が一体となって取り組むということが求められております。
 こうした中で環境庁は、政府全体の環境行政の中枢としての機能を十分発揮できるよう、とりわけ広範な環境問題に関する情報を集め、それを的確に解析し、また政策の企画立案へと結びつける機能、総合調整の機能の強化を図ることが大切であると考えております。
 このような環境庁に期待されております任務を十分に果たせるだけの予算、そして組織定員の確保に最大限努力させていただきたいと考えております。
#34
○石渡清元君 それでは、環境行政一般についてお伺いをいたしますが、地方分権と環境行政について。一方では今もう地方分権がなり話が流行のようになっておるわけでありますけれども、環境庁の関係の機関委任事務というのはどんなものがあるんですか。
#35
○政府委員(大西孝夫君) 環境庁所掌の事務のうちの機関委任事務の例を申し述べますと、例えば環境基本法に基づく公害防止計画の作成でありますとか、大気汚染防止法に基づくばい煙発生施設の届け出の受理、事業場等への立入検査等といった事務がございますし、公害健康被害の補償等に関する法律に基づきます公害病認定患者への補償給付、あるいは自然公園法に基づく公園事業の執行に係る認可等の事務といったのが私どもの代表的な例でございます。
#36
○石渡清元君 今まで環境行政の中じゃ大したことを機関委任事務としておろしてないわけですよ。これからやはり地域の特性、前にも申し上げておりますけれども、どんなようなものをこれから、ただ余り細かく地方におろしちゃうのも環境の性質上あると思いますけれども、やはり思い切って地方に任せた方がいいと思われるものはどんどん任せた方がいいと思うんですが、これからどのようなものを移譲しようとされているか。
#37
○政府委員(大西孝夫君) 私どもの事務でいわゆる機関委任事務の形をとらせていただいております理由の一つとしまして、やはり、一方では地域の特性を生かしながらしかし全国一律に一定の基準に従って進めるという必要性があるものがございまして、そういう両面の期待にこたえる意味ではこの機関委任事務という形がふさわしいのではないかという形で、従来そういうのがいろいろ法律上組まれているわけでございまして、私どもとしては、権限を地方に移せるものについてはもう既に基本的にほとんど移したという認識を持っております。
 それから、今後につきましても、もちろん国民に余分な負担を求めるような、例えば過大な報告を求めるでありますとか過剰な規制があるということであれば、これは不断に見直しをして必要な是正措置を今後とも講じてまいりたいと思っておりますが、現時点においては、今のところ特に急いで地方に権限移譲しなきゃならない項目というのはない、当面はまずないと思っております。ただし、今後鋭意、地方の意見も聞きながら見直しは進めてまいりたいと思っております。
#38
○石渡清元君 こういう話になると絶対放さないというか、ということは、地方といったって都道府県もあれば市町村もあるわけです。私が強調したいのは、地方に任せた方が地域の住民が環境に対して非常に関心を持つということなんです。環境庁からだといま一つ隔たりがあってぴんときてない、したがっておろした方がより国民的な環境に対する関心というかあるいは貢献というか協力というか、そういったようなものにつながるので、そういうような効果をもっともっとねらうべきではないかと思って地方に移譲ということを言っておるわけでございます。
 次の質問は、今度、臨時大深度地下利用調査会設置法案という、参議院の我が党の議員立法で提案をしたものがございまして、これはかなり前から実はいろいろ答申等もありまして話題になった問題でありますけれども、その中でやはりどうしても安全面と環境面がこれは条件になっているわけですね。
 そこで環境庁にお伺いをいたしますけれども、今まで内閣を中心とした関係十省庁の関係局長、課長会議が何回か繰り返されていると思いますけれども、今までの経過と問題点についてお伺いをいたします。
#39
○政府委員(野中和雄君) 大都市地域における大深度地下利用につきましては、先生お話しのように、関係十省庁、これは内閣官房、環境、国土、厚生、農林水産、通産、運輸、郵政、建設、自治でございますけれども、この十省庁によりまして局長レベル及び課長レベルの会議が開催をされまして検討が進められてきているところでございます。
 そこでは大深度地下利用に伴いますいろんな問題を取り上げておりますけれども、特に土地所有権という私権の制限に関する法律上の問題、あるいは大深度に工作物を建造することに伴います環境安全面への配慮といったようなさまざまな難しい問題がございまして、慎重に検討が行われているところでございます。
#40
○石渡清元君 慎重に検討ですけれども、私権だとかいろいろありますけれども、しかしこれはかなり大規模な公共サービスであり大規模地下開発なわけですよ。
 そういうことに対して、これから私、環境庁のそれぞれの専門分野からその影響というのをお伺いをしたいと思うんですが、もう少し環境庁としての問題点というのを前面に出しておかないと、これはなかなか大深度地下利用なんて口で言ってもそう簡単なものじゃないと思う。しかし、環境に関する問題についてはかなり積極的に前に出してもらいたい。その点の環境サイドでの問題点というのはどんなものがあるか、もう一度ちょっとお答えください。
#41
○政府委員(野中和雄君) 大深度地下利用に伴います環境上の問題点といたしましては、地盤沈下あるいは地下水、土壌汚染などなど、さまざまな影響が考えられるわけでございます。したがいまして、これらを事前に環境影響を検討、評価をし、また必要な対策を講じ、さらに事後の環境影響の監視というようなことを行うなどの対策が十分に講じられる必要があるわけでございます。また、大深度地下利用に伴う環境影響評価の手法につきましては現在未開発な部分もありまして、十分検討がされる必要があるわけでございます。
 したがいまして、環境庁といたしましては、先ほどの関係省庁会議の場におきましても、これらの環境への影響等を初めとする事項につきまして十分検討が進められるべきことを申し上げてきているところでございます。
#42
○石渡清元君 大深度地下の環境影響評価、アセスは例があるんでしょうか。千代田線の国会議事堂前駅が地下三十七メーターあるんですよね。大深度というのは、大体五十メーターより深いところを大深度地下というふうに言うんですが、今お答えになった大深度地下の環境アセスというのは例があるんですか。東京湾横断道路なんか地下、海底部分がありますけれども、その辺のところをちょっとわかりましたらお答えをいただきたい。
#43
○政府委員(森仁美君) 御承知のように、閣議決定をされた環境影響評価実施要綱、これに基、つきまして環境影響評価が実施されているわけでございますが、その事業のうちで、今お話のものにぴったり当てはまるかはどうかちょっと定かではございませんが、トンネルなどの地下利用を含むものとして、最近で環境庁長官の意見を求められたものとしては、東京湾横断道路、これが昭和六十二年にその例がございます。それから、都市高速道路中央環状新宿線、目黒−豊島区間の平成二年の意見照会、こういうようなものがございます。
#44
○石渡清元君 地下空間の開発による環境影響評価というのはこれからいろいろな面で研究も進むと思いますけれども、例えばさっきもお答えになった地盤沈下とかあるいは土壌汚染だとか地下水汚染だとか、そういったようなものに対しては環境庁ではどのような指導とか対策をされているんですか。
#45
○政府委員(野中和雄君) まず地盤沈下でございますけれども、大深度地下では通常利用されております深さの地下に比べまして大きな水圧を受けるわけでございまして、工事中あるいは完成後に大量の地下水の漏水が発生をいたしまして地下水位の低下を引き起こして地盤沈下を生ずる可能性がありますとともに、それが大深度の場合広範囲に及ぶおそれがあるわけでございます。また、十分な施工管理を行わないと地盤が緩みまして地盤沈下を引き起こすというようなおそれもあるわけでございます。したがいまして、大深度地下の開発に当たりましては事前に十分な地盤情報を収集し、地盤沈下に及ぼす影響を検討評価する必要があるわけでございますけれども、現在までのところ大深度地下について十分な情報が蓄積され、精度の高い予測評価手法が確立されているとは言いがたい状況にございます。
 したがいまして、大深度地下利用に当たりましては、地盤沈下の防止の観点からもあらかじめ十分な地盤情報を蓄積し、予測評価手法を開発いたしますとともに、これを用いて環境影響評価を行っていくといったようなことが必要でございます。また地下水、土壌汚染でございますが、これにつきましても工事段階等におきまして地下水あるいは土壌汚染ということが引き起こされる可能性があるわけでございまして、これにつきましても十分な環境影響評価等を実施をし、またこれを未然に防止する、さらには工事終了後も適切な方法によりまして地下水、土壌への影響を監視するといったようなことを実施していく必要があるわけでございまして、環境庁としてもこれらにつきましていろいろと勉強をいたしているというところでございます。
#46
○石渡清元君 次は、自然保護関係なんですけれども、大深度地下利用、道路トンネルか鉄道トンネルか、あるいは下水道の公共的なものなのか、共同溝なのか、いろんなものが予想されるわけでありますけれども、地下の水脈とかあるいは温泉とか、そういったようなものに対する影響などはどんなものなんでしょうか。
#47
○政府委員(奥村明雄君) 先生御案内のとおり、温泉は温度が二十五度以上、または特定成分が規定量以上含まれる地下水でございますので、当然地下水とは密接な関連を有しておりまして、大深度地下利用によりまして地下水脈が遮断をされたような場合には、温泉への影響を否定することはできないというふうに考えております。
 最近では、温泉についても大変深いところでの採掘が行われておりますので、そうした点から大深度地下利用に当たっては十分事前の影響の評価をすることが重要ではないかというふうに考えておるところでございます。
#48
○石渡清元君 それと、大気保全関係でありますけれども、鉄道、あるいは特に道路の場合ですね、排煙とか排気、その環境の対策あるいは影響というのはどんなものでしょうか。
#49
○政府委員(松田朗君) 大深度の地下を道路に利用することにつきましては、これは、一般的には、地上を走っている自動車がその分だけ地下へ走ることになりますれば、地上においては自動車排気ガス対策あるいは騒音対策としてはそれなりにいい面もあると思いますが、しかし局地的には先生御指摘のように出入口だとか排出口、そういうところにおきます窒素酸化物等の汚染が懸念されるわけでございます。想像しますに、大深度地下利用というのは恐らく大都会であろうと思うわけでございますから、そうすると、現在大都会におきましてはまさに二酸化窒素等環境基準を上回っている悪い状態でございますので、その懸念がより大きいというふうに考えております。
 したがいまして、環境庁といたしましては、このような大気保全上の観点からもそういう問題点を踏まえながら適切に対処すべきじゃないか。この大深度地下の構想はいつ現実のものになるかわかりませんが、今私どもは低公害車の普及開発というのを進めておりまして、うまく時期が合えば、願わくば地下を走る交通機関は無公害車、より低公害車を使っていただければありがたいなというふうに思っているわけでございます。
#50
○石渡清元君 うまいところで宣伝をやったような感じでありますけれども、結局今、各局にお伺いしても、この対策とかあるいは環境アセス自体がまだ十分でないということなんです。したがって、大深度事業について環境保全の立場からどのようなことが必要なのかを含めて、最後に長官の御見解をお伺いします。
#51
○国務大臣(浜四津敏子君) ただいまいろいろお話がありましたように、大深度地下の利用に当たりましては、その利用の形態によりまして環境への影響の内容、そして、程度が違うかとは思いますが、先生からお話がありましたように、地盤沈下とかあるいは地下水汚染、あるいは土壌の汚染、また地下水脈を遮断することによる井戸がれとかあるいは温泉の枯渇、また今お話がありました道路として利用する場合のその出入口付近、あるいは排気口付近での大気汚染等、さまざまな環境汚染が生ずるおそれがあるというふうに考えます。
 したがいまして、大深度地下の利用のための事業の実施に当たりましては、あらかじめその環境の影響の内容及び程度、影響を評価いたしまして必要に応じた対策をとる等の措置が十分にとられることが必要であるというふうに考えております。アセスメントにつきましても、こうした利用形態に応じての環境影響評価、そしてまたそれに基づく対策がとられるように、今後十分に検討が必要であるというふうに考えております。
#52
○石渡清元君 大深度地下利用がまだいつになるかわからないという答弁がありましたけれども、案外遅いようで早いような気がするんです。したがって、なるべく環境庁が先にやって、私は関西新空港のときも、もう最初の計画段階から環境庁さんが入っていかなきゃだめだよと、何年か前の委員会でもそれを言ったんですけれども、これもいわゆる過密対策ですから、大深度地下利用というのは。結局、陸海空、地上があるいは空が、地下しかないということでこの発想になっていますから、ぜひひとつこの面についても強力に対応していただきまして、これからの環境行政の成果を願って質問を終わります。
#53
○堂本暁子君 きょうは予算の審査ということでございますけれども、まずことし環境基本法が制定されて目新しいこと、そして環境庁として新しいことの中に、千七百万円の海外における事業活動に関する環境調査費が入っております。実際にどのような調査をされているのかまず伺いたいと思います。
#54
○政府委員(森仁美君) ただいまお話しの予算は、さきの予算編成の段階で党の方で大変強い御要請があり、それが引き金となって実現したものでございます。在外日系企業の環境配慮活動動向調査ということで一千七百二万九千円を計上いたしております。
 お尋ねはどういう調査をやるかということであろうかと思います。実は、この調査につきましては、大きく分けまして詳細なアンケートによります調査に加えて、この予算をつくってまいります段階で大変御議論がありました、実際に行ってみなきゃいけないじゃないかという点を踏まえて、現地調査を組み込んでおります。これらの調査のやり方につきましては、検討委員会を組織いたしまして調査の詳細設計、そしてその取りまとめと解析、それからさらに環境配慮を強化するための施策の方向、ここまでを検討してもらいたい、こういうことで進めてまいる予定でございます。
#55
○堂本暁子君 環境庁はそういう意味で大変監査的な役を果たしていただきたいわけですけれども、実際私が参りましたフィリピンでも、鋼の精錬の工場のところでは硫酸をじかに海に流していましたから、ほとんどPHがお酢と同じぐらいになってしまって酸化していました。ほとんど点もすまなくなるというような現状がございました。これはODAの部分もあれば日比合弁の会社ということもありましたけれども、やはり日本が非常に大きくかかわっているところですので、こういうところをODAであろうと企業であろうと厳しく見て回るのが日本の責任ではないかと思います。今まではここは、日本のNGOが行って調査をして報告をしているだけで、住民の人たちに医療のための援助とか、そういうことを細々とやっていましたけれども、これはむしろ国のレベルでやっていただきたいというよん、なお願いをしておきます。
 次に、例えば基準のようなことですけれども、やはり環境基本法のときにも大変議論になったことですけれども、外国であると難しいということも多々ございましたが、そういった汚染に対して、実際に現地を見た上で、ガイドラインでは少し弱過ぎると思いますが、そういった何らかの基準を設けることは可能でしょうか。
#56
○政府委員(森仁美君) 私どももそういう問題意識は十分持って対応してまいりたいと考えておりますが、この調査のやり方につきまして、先ほど申し上げましたように、まず検討委員会をやりまして問題意識を明確にした上で調査を行う、そしてその調査をして取りまとめ解析して、さらにその先の方向を検討していただくということにいたしておりますので、その段階で、ただいまお話しのような問題があることは私どもからも十分御説明をし、御検討をまちたいと思っております。
#57
○堂本暁子君 余り長い時間をかけていると現場がなくなってしまうこともございますから、SOSということでこれは緊急に常に対応できるような体制で臨んでいただきたいと思います。
 陸の自然保護ということは言われるのですけれども、今の海外の場合も海でした。レイテの非常にきれいな湾なんですが、そこが企業によって汚染される、極端に汚染されているというケースでしたけれども、日本は島国でございまして、周りを海に囲まれているわけですので、きょうは、海のことに関連をしながら、予算との関係で伺っていきたいと思います。
 次に、八九年にアメリカでバルディーズの大変大きな原油の汚染が起きたことは御承知のとおりですけれども、日本の場合も、北海道の苫小牧で、これは九三年一月末にリベリア船籍の船が座礁して原油が流出した。そのために、これは共同電によりますと、二百羽ぐらいの鳥が死骸になっていた。そしてさらにもっと多くの鳥が保護されたというようなことが記事になっています。後の方の記事を見ますと、鳥は目につかないところで死んでいるので、さらに多くの鳥が死んでいるのではないかということの記事も書かれています。
 運輸省に伺いたいのですが、四カ月もかかったということですけれども、緊急の対策はどうしてとれなかったんでしょうか。
#58
○説明員(佐々木直彦君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の件は、平成五年一月二十六日午後十一時四十四分ごろ、北海道苫小牧港内におきまして、リベリア船籍の貨物船ノードホープ号、総トン数九千百八十七トンが錨泊中、荒天により走錨いたしまして、その後座礁いたしました。この結果、燃料油約四百四十五キロリットルが流出したわけでございますが、この流出油は海上保安庁及び民間防除事業者によりまして、オイルフェンス、油処理剤、油吸着剤等を用いまして処理したところでございます。
#59
○委員長(竹村泰子君) ちょっと聞き取りにくいんですが。
#60
○説明員(佐々木直彦君) 一般的に荒天下での座礁船からの油の抜き取りは船固めを実施した上で行う必要があるのでございますけれども、この海域は冬場は特に気象海象条件が悪く、船固めが非常に困難であった。この結果、油抜き取りに時間を要しまして、また船体撤去作業につきましても長期間を要したという結果でございます。
#61
○堂本暁子君 大変長い期間かかって、しかもそのときにクロガモですとかいろいろ渡り鳥もそこで被害に遭っているわけですが、環境庁にほ連絡されたんでしょうか。
#62
○説明員(佐々木直彦君) 地元のマスコミなどでもこの事件は大変大きく取り上げられまして、海上保安庁といたしましても直ちに巡視船艇あるいはヘリコプターを動員いたしまして調査を行うとともに防除作業を実施しております。
 また、地元自治体とも連携をとりつつ防除活動を実施したわけでございますけれども、この際特に環境庁に直接海保から連絡するというようなことはやってなかったかと思います。
#63
○堂本暁子君 アメリカの場合もやはりラッコとか海鳥が非常に大きな被害を受けたということが大きな大きな問題になりました。
 それから、もっと私たちの目に鮮やかだったのは、やはりペルシャ湾で九一年に原油の汚染で多くの鳥が死骸になったということですが、このときは日本からそういった野生鳥獣の救援のために三人、人が派遣されている。国内なのに海上保安庁は、そういった船のことだけではなくてどうして総合的な発想を常日ごろは持たれないわけですか。
#64
○説明員(佐々木直彦君) お答え申し上げます。
 海上保安庁は、精力的にと申し上げましても、大体巡視船艇の運用を中心とした体制をとっておりますので、被害が陸上に及びました場合は、どちらかと申しますと、地元自治体を中心として対策をとっていただくという形になろうかと思います。
#65
○堂本暁子君 ラムサール条約のような条約もありまして、北海道庁ももちろんいろいろやったんでしょうけれども、全体としてやはり日本の縦割りの行政の弊害のような気がいたします。
 自然保護というのは、もっと大局的に対応しなければいけないのではないか。特に、海の場合にそういった大局的な対応がなされていないのではないか。環境庁の方にもある程度は関心を持っていただいて、調査にはいらしているようですが、どのような対策をなさったかということは報道の限りでは出ていませんが、何か具体的にされていますでしょうか。
#66
○政府委員(奥村明雄君) お答えをいたします。
 御指摘の事故につきましては、現地の鳥獣保護員の方から、苫小牧市の海岸でカモ一羽を保護、収容したという報告がございました。私どもは、早速北海道庁に実態調査をお願いいたしますとともに、私どもの国立公園の管理事務所職員を現地に派遣しまして実情の把握に努めますとともに、海鳥の洗浄、治療などの保護対策を急ぐことといたしました。この際、日本獣医師会にも協力を要請いたしまして、獣医師の方々も派遣をしていただいたわけでございます。
 この結果、一カ月半の調査終了時点で三百六羽を収容いたしまして、生体八十四羽を北大の家畜病院等で治療し、回復した三十二羽を放鳥いたしたというのが結果でございます。
#67
○堂本暁子君 運輸省、いらしていらっしゃると思いますけれども、日本はこういった原油の汚染については積極的に国際的にも対応しようということで国際海事機関、IMOにも参加しておられると思いますが、国際的に努力してくださることも結構なんですが、国内的な問題とあわせてお答えいただきたいと思います。
#68
○説明員(柴田耕介君) お答え申し上げます。
 国際的な油汚染体制の強化という問題については、国際的にも極めて重要な問題でございまして、我が国としてはまずその率先した取り組みといたしまして、我が国の主要なオイルルートでございますASEAN海域につきまして、ASEAN諸国における地域の油防除体制の支援を目的とするOSPAR計画というのを成功裏に進めているところでございます。
 本計画は、ASEAN六カ国におけるオイルフェンス等の備蓄基地、それからASEAN六カ国が地域的に協力するためのシステムづくりということでございまして、これを進めております。
 それから、我が国は造船、それから海運の先進国でございますので、先ほど先生おっしゃいましたような国際海事機構、こういった場におきましてこういった取り組みを積極的に進める。特に、ダブルハルといいまして、船体構造を二重化するといったことで事故が起きた際にも油が漏れにくい、こういうことについても積極的に進めでございます。
 それから、先ほど先生おっしゃられました、今まではどちらかというと人だけではないかというようなお話、海を守るというところは生物の面について欠けていたのではないかという御指摘でございますが、これにつきましては、いわゆる沿岸域における生物、植物、それから人の利用といったことも含めましてもう少し総合的に情報を集め、そういった効率的な体制を構築するということで、今年度からそういった取り組みについても進めていきたいというふうに考えてございます。
#69
○堂本暁子君 これからやるというお話なんですけれども、今それだけASEAN地域で熱心にやっておられる。それにしては、この苫小牧のときはもっと総合的に省際的に環境庁と連絡をとったり、それから海上保安庁との連絡とかそういうことで、運輸省はもう少し総合的に対応できなかったんでしょうか。
#70
○説明員(柴田耕介君) お答え申し上げます。
 苫小牧のケースにつきましては、私どもは通報を受けた、要するに保安庁の方から連絡を受けたということだけでございまして、先生御指摘のようなところについてどれぐらいの対応が十分とれたのか、環境庁さんとの連携がどれぐらいとれたのかというところについては御指摘のような反省すべき点があるのかもしれませんということでございまして、そういったことも含めましてさらに体制を強化していきたいというふうに考えております。
#71
○堂本暁子君 別に海は鳥だけではありません。もっと微生物のこととか、それから魚、海草、ありとあらゆる生態系が陸との関連で、陸と海とがそこで遮断されているわけじゃありませんから、もう少しやはり運輸省といえども船のことだけではなくて、こういった原油の汚染、九〇年から世界じゅうで大きいものだけでも十ぐらい起きていますし、日本を見ても京都沖で起きている。そういうようなことがあるわけですから、単に船を解体すればいい、運べばいいということではなくて、生物の問題についても緊急にすぐに対応してほしいと思います。よろしくお願いします。
 では、次の質問に移ります。
 次は、オーストラリアから砂が輸入されている。オーストラリアだけではないですね。私のいただいたリストによりますと、北朝鮮、中国、台湾、ベトナム、それからマレーシア、スウェーデン、ベルギー、アメリカ、それからオーストラリア、そしてミクロネシアからは最近はあれしていませんが、今のような国がこの四年間、九〇年、九一年、九二年、九三年と、日本が砂を輸入している国ですけれども、通産省に伺いますが、実際に何トンぐらいの量を輸入しているんでしょうか。
#72
○説明員(平松博久君) お答え申し上げます。
 通関統計によりますと、一九九三年の天然の砂の輸入量は約三百万トン強ということになっておるところでございます。
#73
○堂本暁子君 通産省は、そのことについての検疫の方はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#74
○説明員(平松博久君) 検疫については特に何も考えてございません。
#75
○堂本暁子君 通常、私どもが植物検疫、動物検疫を空港などで受けるのは農水省ですが、農水省の担当官の方、お願いいたします。
 砂についての検疫は農水省はやっていらっしゃるでしょうか。
#76
○説明員(吉村正機君) お答え申し上げます。
 我が国は、植物防疫法に基づきまして、海外から輸入されてまいります植物につきましては輸入港におきまして、空港を含むわけでございますが、検査を実施いたしまして、植物に有害な病害虫がついていないかどうか、そのような病害虫が我が国への侵入及び蔓延をするおそれがないかということで検疫を実施して、その防止に努めておるところでございます。
 しかし、この法律は、農業生産の安全及び助長を図るということを目的に制定されておる法律でございまして、この法律の七条におきましては、病害虫の混入の可能性が非常に高い土につきましては輸入を禁止しております。しかしながら、土が混入しておりません砂れき、いわゆる砂につきましては、これは土に該当しないということで輸入することを認めております。したがいまして、砂に対する植物検疫は行っておりません。
#77
○堂本暁子君 水産庁にも伺いますが、水産庁は海の方の御専門ですからよく御存じだと思いますが、砂の中にも間隙生物というようなもの、それから卵などがたくさんあると思うんですね。水産庁はこの検疫については関与していらっしゃいますか。
#78
○説明員(杉浦正悟君) お答えいたします。
 一般的に申しまして、海の埋め立てによる漁場環境の影響については最小限にとどめる必要があるというふうに考えております。
 御質問のありました輸入した砂による水産資源等への影響については、現在のところ承知していないというのが現状でございます。
 それからさらには、水産庁にはそのような検疫の権限が現在ございませんので、水産庁といたしまして特にそういう検疫をやっているという実態はございません。
 以上です。
#79
○堂本暁子君 和歌山県は、ここのリストを見ますと、非常に長く、もうこご五年ぐらいオーストラリアから続けて砂を輸入しているわけですが、これは建設省の御担当だそうですが、建設省はここに砂を入れるについては何らかの検疫的なことはやっていらっしゃるでしょうか。
#80
○説明員(川上隆君) 御説明します。
 和歌山県では、西牟婁郡白浜町におきまして、建設省所管の海岸環境整備事業として、輸入した砂を使った人工海浜の整備を平成元年度から実施しております。これは、失われた砂浜を復元することによりまして、波浪を抑え国土を安全に保つとともに、海水浴などのレクリエーションのための快適な空間を創出するために行っているものであります。
 一般的に人工海浜の整備におきましては国内の砂を利用しておりますが、当地では、昔の白い砂浜を復元するという地元の強い要望を受けまして、オーストラリアの砂を導入することとしました。本件砂の輸入につきましては検疫の対象になっておりませんが、オーストラリア南西部の陸の砂を原産地で洗浄しまして乾燥させ輸入したものであり、白良浜海岸の周囲の環境に影響を及ぼすことのない適正な対応がなされているというように思っております。
#81
○堂本暁子君 私の持っている表によりますと、元年に一万四千七百立方メートル、それから三年に六千六百立方メートル、四年に七千三百立方メートル、五年には一万三千四百立方メートルの砂を輸入しているということです。これを全部洗って、水洗いをするのかどういう洗い方をするのか存じませんが、そういった間隙生物、それから中の卵とかそういうものが完全に消毒されて全く日本に影響がないということを十分に検査の上、建設省としてはそのような措置をとっていらっしゃるのでしょうか。
#82
○説明員(川上隆君) 御説明申し上げます。
 全体の計画としましては今後を含めまして十万立米ほど予定しておりますが、今先生のお話のありましたような具体的な個別の項目についてまで検査をしているかどうか、私の方は今のところ実態をつかんでおりません。実際は、民間の企業がその辺の処理をきちっとしているというふうに伺っております。
#83
○堂本暁子君 環境庁に伺いますが、土については、もう花の根っこに少し土がついていても私たちは飛行場から持ち込めないわけです。この土とこの何万トンという砂と実際にどれだけ違うのか。
 海岸へ行げば砂浜にだって植物は生えています。そして、専門家の言によりますと、恐らく何億という微生物が砂の中には生きている、しかも南半球と北半球のそういった微生物がまざることによってどのような自然の影響が起こるかということは全く未知数だということです。こういった三百万トンという量、しかもこれはもう本当に中国からも来れば今申し上げたようにベトナムからもスウェーデンからも、そして今建設省がお話しくださったようにオーストラリアからも来る。それだけのことをやって日本の海岸の自然というものを本当に保全できるのかどうか。環境庁はこういった事実は今まで御存じだったんでしょうか、認識していらっしゃいましたか。
 それから、どの省庁も全部、それは自分のところではない、それから検疫については考えていないというお答えは、通産それから農水、水産、建設と全部伺ったわけですけれども、何の検疫もなしに、これだけの、微生物が恐らく含まれているか含まれていないかも確認されないまま日本国に持ち込まれていたことを環境庁としては認識していらっしゃいますか、御存じてしたか。
#84
○政府委員(奥村明雄君) 私どもも、具体的にチェックする手だてを直接的な行政としては持っておりませんので、その意味ではそうした事態が起こるということについての認識はしておらなかったというのが実情かと思います。
 先生御指摘のように、外来種が国内に入ってきまして国内の種に大きな影響を与えるということは大変大きな問題であろうというふうに認識しておるわけでございますが、具体的にいろいろな形でいろいろな状況によって外国から入ってくるわけでございまして、なかなか実務的にそこに制限を一律に設けるということは難しいのではないかと思います。しかし、生態系に大きな影響を与えかねないというような形での外来種が入ってくるということについては、それに対する適切な方策がないかどうか、私ども関係省庁連絡会議を設けておりますので、そうした場を通して関係省庁ともども研究してまいりたいと思っております。
#85
○堂本暁子君 実は私がこの質問を思いっきましたのは、ちょうど一年前の生物多様性の公聴会のときの公述人の方がたまたまそうおっしゃったんですね。南半球で独自に進化してきた間隙生物が砂と一緒に日本に運ばれてくることがある。消毒、殺菌を全くすることなく日本の海岸に何十万トンという形で入っている。これは海岸における生物相にいろんな入れかわりが起こるのではないかということで、野放しになっているということ、はよくないのではないかと。これは環境委員会の公聴会でそういうことが述べられて、それ以来一年間、環境庁としてはほっておかれたということでしょうか。
#86
○政府委員(奥村明雄君) 事柄として大変難しい点がありますので、私どもなりに研究をしてきたわけでございますが、今後とも引き続き研究をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
#87
○堂本暁子君 どのような研究をなさったか、ぜひお知らせください。
#88
○政府委員(奥村明雄君) 具体的にどういう形で入ってくるか、人と物はいろいろな形で移動しておりますので、そうした中で外来の種が荷物の中に入ったり、先生御指摘のようなものは砂の中に入ってくるわけでございますので、それをどうした形でチェックすることが可能かどうか、これは関係省庁の行政とも関連してまいりますので、関係省庁ともども連絡会議の場で相談をし研究をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
#89
○堂本暁子君 偶然に入ってくる土は、おっしゃるように検疫があるわけです。そういう偶然に入ってくるものではなくて、例えば今建設省のお話などはもう国の予算の中で正規に輸入されている。それから、ここの通産省からいただいたリストも、これは通産省の正規の公表できるリストでございます。それが三百万トンということですから、これはちゃんと貿易として買っているということなんですね。であるとすれば、少なくともサンプルの調査だけではなくて、ランダムにいろんなところから抜き、例えばお米にしてもそうですね、いろいろ抜いてそれの検査をする。一体そこにどんな微生物が入っているか全くわからない。
 生物多様性条約というのは、まさに微生物から生態系まであらゆる意味で生物を保全していかなきゃならない。とすれば、日本の生態系をどう守るかということは、何も下北半島の猿だけの問題ではない、トキが二羽から五羽になることではない。もっと微小な微生物からバクテリアから、コケの類からシダの類から、もう名もない、ありとあらゆる植物の生態系、そういったものが今非常に危険な状況にある、それを世界じゅうで守っていこうという条約でございますよね。それは申し上げるまでもないわけです。
 そういったことでいえば、余りにもこれは、どこの省庁も所管をしていない、しかも堂々と輸入されている。やはり、環境庁が基本計画をつくられるのであればこういったところはきちっと、単に各省庁と連絡をとるというだけではなくて、もっと積極的な環境行政をしない限り、日本の動植物そして人間までが守られない状況にあると思うんです。この辺は長官に、今の答弁をずっとお聞きになって、今後どういうふうに対応なさるか、責任のある御答弁を伺いたいと思います。
#90
○国務大臣(浜四津敏子君) ただいまの砂とともに運ばれてくるであろう微生物の問題については、これから調査、研究、検討をさせていただきたいと思います。
 また、陸と同様、海の中にも、また海浜にもさまざまな生き物が生息しているわけでありまして、陸の上のみならず、こうした地球全体という観点に立ちまして、その保護は極めて重要な課題であるというふうに考えております。これまでも海洋汚染防止法、自然環境保全法、自然公園法あるいは種の保存に関する法律等に基づきましてそれなりの保護を図ってまいりました。また、調査につきましても、自然環境保全基礎調査の一環としまして、干潟、藻場あるいはサンゴ礁等の調査を実施してまいりました。
 また、先ほどのリベリア船籍の船の苫小牧沖での座礁事故のような際には、先ほど詳しくお話しさせていただきましたが、傷ついた鳥あるいは犠牲になった鳥等の保護または救出等の対策も図ってまいりましたが、ただいま御指摘のありました点についても確かにおっしゃるような心配があるというふうに考えておりますので、さらにそうした認識に立って保護のための対策に一層努めてまいりたいというふうに考えております。
#91
○堂本暁子君 誠意を持って対応していただけるものと信じますけれども、今長官がおっしゃったような法律の、一つの網の目の抜けたようなところだと思うんです。土についてはそういった厳密な法律があるわけです。でも、恐らく五年ぐらい前まで砂を輸入するなどということは考えてもいなかったことだから、そういうことについては何ら規定がない。ですから、そういったことについて専門家が指摘した、しかも環境委員会で。公述人がただ形式的に公述を行ったのかということになるわけです。きちっとそういうことの指摘があったにもかかわらずそれに対して環境庁が対応しなかった、一年もたってしまったということがあるわけです。
 やはり、刻々と世界の情勢がいろんな意味で変わってまいります。技術も変わってまいります。そういったときにどうやって環境を保全するのか。これは刻々と変わることに行政的な対応をしていただかなければ困ると思います。
 これは一環境庁だけではなくて、各省庁の方にもきょうお越しいただきましたけれども、砂の輸入については十分に研究していただいて、安全な範囲のことが確保された上でやっていただきたいということを、通産省にも、それから農水省にも、そして建設省、水産庁、皆様にお願いしておきたいと思います。
 最後に、これは竹村委員長のお部屋で見た新聞なんですが、エトピリカという鳥がいます。大変奇遇なことに私は土曜日に東京都の水族園に参りまして初めてこの鳥を見たんですけれども、空が飛べて水の中が泳げる鳥で、だいだい色のくちばしをしていて、飛ぶことと潜ることの両方の能力を持った非常に貴重な鳥だなと思って見ていました。ところが、これは多分北海道新聞だと思いますけれども、今やもう絶滅の危機に瀕してきているということが書いてあります。
 きょうは海外の海、そして日本の国内の砂の問題、それから原油の問題も伺いましたけれども、そういった中でやはり海の生物が、貝も魚もそして鳥も非常に虐げられていると申しますか、すみにくくなっている。この鳥については環境庁としては今後どう対応されるのか、最後に伺いたいと思います。
#92
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のエトピリカでございますが、これはカリフォルニアの沿岸からベーリング海、オホーツク海沿岸を経て北海道東部沿岸に及ぶ北太平洋の広い範囲に分布している海の鳥でございまして、我が国はちょうど繁殖域の南の限界、南限に当たるわけでございます。したがいまして、世界的な観点からは必ずしも絶滅に瀕しているということではありませんが、我が国においては大変数が限られているというのが実情でございます。
 私どもとしては、繁殖地でありますユルリ島、モユルリ島、それから大黒島という三つの島を、集団繁殖地ということで国設鳥獣保護区を設定し、生息環境の保護を図ってまいったところでございます。しかしながら、先生御指摘のように個体数が減少傾向にあるわけでありますが、この原因はいろいろの点、例えばオオセグロカモメによる繁殖妨害などが一つの原因として指摘されておりますが、明確な減少原因については確定した見。解ということにはなっていないのが実情でございます。
 私どもとしても、北海道庁と連絡をとりながらその生息・繁殖状況を監視いたしますとともに、保護対策について検討してまいりたいと思っております。
#93
○堂本暁子君 生物多様性条約を批准して、さらに種の保存法を日本でも持ち、そして環境基本法ができた現在、予算の中でも生物そして自然の保護ということが少しだけですがふえてきました。
 こういった海洋の生物や日本の沿岸、それに対して環境庁としてはどのような施策を今後展開していらっしゃるおつもりか、お聞かせください。
#94
○政府委員(奥村明雄君) 海洋は陸上と違いまして、やはり独自の生態系を形成しておりますので、そこに生息する野生生物を保全することは、陸上生態系と同様大変重要なことと考えております。
 私どもといたしましては、各種の法制度を活用しまして生息地域の保全を図りますとともに、干潟とか藻場、サンゴ礁などの調査を緑の国勢調査の一環として行いましてその実態把握に努め、そして先ほど来御指摘があります海洋汚染などの事態が起こりましたときには、私どもも関係省庁とよく連絡をとりながらその保護対策を行ってきたところでありまして、今後ともさらにそうしたことを進めてまいりたいと思います。
 ただ、いずれにしても、科学的に未解明な点が多いということと、実態把握が必ずしも十分でないという面があることは事実でございますので、私どもとしてもそうした面での対応策をさらに強め、関係省庁とも連携して保護に万全を期するよう努力してまいりたいと思っております。
#95
○堂本暁子君 これからというような御答弁だったと思いますけれども、きのうの委員会でも、イリオモテヤマネコが保護希少種として指定されながら実はそこに農地改良事業というのが展開されているということで、やはり大変弱いんですね。ましてや、これから研究しなければならないと言っている間に、この鳥にしろ、それから砂の問題にしろ、それから原油でもって多くの死骸になってしまった鳥たちにしろ、もう間に合わないということがあります。
 ですから、やはり私は、環境庁がもう少し積極的な態度で各省庁にアプローチしていただくよりしょうがないんじゃないか。余りにも弱腰過ぎるというふうに思えてなりません。せっかくこの二年間大変環境のことが話題になりました。各省庁の中で環境的な配慮ということは大変おっしゃっていますけれども、環境庁はとかく調査研究というふうにおっしゃっているんです。もう少し積極的に、今の砂の問題なんかが私は一番顕著だと思います。委員会で出ていながら、そのままどこの省庁にも連絡をしていなかった。だからこそ各省庁はそのまま輸入をし続けたという現実があるわけで、その辺は環境独自の問題というのはどんどん発言していただいてどんどん施策を展開していただきたい。環境の予算は比較的割合では伸びているわけですけれども、その使い方というのが調査だけではやはりいけないんではないか。さもないと、日本列島はいろいろ経済発展はしたけれども、あと自然は壊れてしまう。
 最後に、長官にそういった点について御決意のほどをきちっと伺いたいと思います。
#96
○国務大臣(浜四津敏子君) ただいまお話しいただきましたように、環境の問題につきましてはあらゆる国の施策の際に環境への配慮ということを必ず入れていただく、各省庁に申し入れる、あるいはさまざまな機会に発言していく、そしてまた施策の展開を図る、こういう方向に向けてこれまでも一歩二歩進めてきたんだろうというふうに思います。
 また、これからも今お話がありましたような方向で一生懸命努力してまいりたいと考えております。
#97
○有働正治君 環境庁の予算について、先ほど自民党委員の質問に自画自賛をしておられましたけれども、言語道断だと。自画自賛で、自己満足で前進は生まれない、驚くべき姿勢だということを私は一言苦言を呈しておきます。
 公害・環境問題は依然として深刻であります。私どものところにも全国各地から種々の要望が寄せられています。具体的な仕事を解決する上でも、環境庁が積極的に対応することが求められているわけであります。私はその中で、きょうは瀬戸内海の国立公園内の問題を二、三取り上げて、積極的な対応を求めるわけであります。
 一つは、芦屋ゴルフ場開発許可違反問題であります。
 瀬戸内海の国立公園内につくられています兵庫県芦屋市にあります芦屋カントリークラブのゴルフ場が、山を崩しての駐車場工事を行いました。その残土または廃材を国立公園の区域の外に搬出して適切に処理することとの環境庁長官の許可条件に反しまして敷地内の雑木林に積み上げたため、地すべりを起こして残土が流出し、近くの湿地が埋まってしまったという事件があります。
 国立公園内のこの湿地には、貴重なカスミサンショウウオが生息しているわけであります。これは六甲山系では貴重な動物で、自然が守られているか、自然が生きているかの一つのあかしとも言えるわけでありますが、湿地が埋まったため水がほとんどない状況になってしまっています。この湿地では従来、カスミサンショウウオは六月ごろ卵がふ化する時期ですが、したがって産卵ふ化が絶望視されているわけであります。
 また、近くの別の湿地にはハッチョウトンボが生息していますし、またラン科の植物でありますトキソウ、モウセンゴケなども多く生息していましたが、今は激減している状況にあります。地元の自然保護関係者や市民から、自然の宝庫を余りにも軽視していると怒りの声が上がっているわけであります。
 まず、環境庁長官として残土について許可条件が示されたわけでありますが、残土についての許同条件はどうなっていましたか。
#98
○政府委員(奥村明雄君) 御指摘の芦屋カントリークラブの駐車場造成工事についての許可条件でございますが、御指摘の残土につきましては、先生からお話がございましたように、国立公園区域外に搬出し処理をするというのが許可条件でございます。
#99
○有働正治君 この件で、地元自然保護団体がことし三月、残土が貴重な動植物が生息する湿地に流れ込まないようにしてほしいと要望しています。我が党の県会議員、市会議員らも、六月一日現地調査を行い、湿地保護などの対策を要望しています。兵庫県は、五月三十一日と六月一日現地調査して、土砂崩れ防止対策と残土運び出しを指導したようではありますが、その後地すべりを起こして湿地が完全に埋まってしまったという経過があるようであります。
 環境庁は、この許可条件が守られていないことを知ったのはいつでありましょうか。
#100
○政府委員(奥村明雄君) 私どもは五月十九日に情報を得て、関係機関とともに五月三十一日に現地調査を行い、現地調査の結果をもとに対策の指示をしたところでございます。
#101
○有働正治君 芦屋の動植物を研究している方々は、サンショウウオというのは移動しないので、一たんいなくなるとその場所で二度と生息しなくなると極めて憂慮しているわけであります。結局、この種の開発申請には条件をつけて許可はするけれども、それが厳格に守られないで、今の事例に見られますように環境破壊が多発しているわけであります。
 この件では五万七千立米もの土砂の開発自体を認めたことも問題であると批判が起こっているわけであります。事は国立公園内のこういう事態であるわけであります。許可者であります環境庁長官として、埋まった湿地の原状回復に万全を期するよう指導し対応していただきたいということを求めるわけであります。
#102
○国務大臣(浜四津敏子君) この問題につきましては、六月九日に土砂流出防止の緊急措置またその後の土砂の取り除きなどの環境保全対策を指示しているところであります。今後とも適切な対応がなされるように事業者を指導していきたいというふうに考えております。
#103
○有働正治君 その対応を私は厳格に見守っていこうと思います。
 次の問題は、瀬戸内海の国立公園特別地域内にあります香川県小豆島の北東部の灘山地区で、九一年四月以降の採石事業の更新で、森林法に基づく開発許可がされないまま採石が続けられ、この間新たに十七ヘクタール以上の森林が破壊され、六十三ヘクタール以上の採石場の操業が行われたことが昨年六月発覚している問題であります。
 御承知のように、小豆島といえば瀬戸内海のシンボルの一つでありますし、国立公園指定のポイントとなった島であるわけであります。その小豆島の海岸美が環境破壊に遭ったことは極めて残念であるわけであります。採石業は、三年ごとの採石法による採取計画の県知事の許可と森林法の同じ県知事の開発許可が必要です。ところが、採石法を所管している県土木部は、跡地緑化のために山の斜面を階段状に採石するよう指導していたわけでありますが、実際は最大高さ百メートル近くのがけ状の現場になっている。森林法に基づく無許可の開発に加えて、採石法に基づく許可の条件も事実上無視されているということであります。
 この問題について、近く採石事業改善計画、つまり切り羽をすべて階段状に変える、そして計画的な緑化を進めるなどの改善計画による、採石法、森林法、自然公園法に基づく許認可申請が提出される方向と聞いているわけであります。
 そこで、環境庁にお聞きするわけでありますが、国の審査に関係法とのかかわりで環境庁は直接タッチすることになるわけであります。したがって、この件のこれまでの経緯に照らしまして、審査には厳格な態度で臨む、同時に許認可後の監視が大切であるわけで、きっちり対応していくということを求めるわけであります。
#104
○政府委員(奥村明雄君) 御指摘の小豆島灘山地区の採石につきましては、地元で採石事業改善計画が策定をされて、これに基づきいろいろ申請手続が行われることになると思いますが、私どもといたしましても、自然公園法に基づく手続を行うに際しましては、跡地の緑化計画等につきまして十分な審査を行いますとともに、先生御指摘のように、許可後の条件の履行状況の確認など監視についても十分行ってまいりたいと考えておるところでございます。
#105
○有働正治君 これも対応を厳格に私は見守っていきたいと思います。
 いま一つの問題といたしまして、瀬戸内海の国立公園第二種特別地域と普通地域に指定されています香川県の土庄町豊島におきます産業廃棄物の不法投棄問題であります。
 この豊島に十一府県三十社以上から集められた製紙かすなど五万二千トン、自動車車体を粉砕して金属類を取り除いた残りかすのプラスチック類、いわゆるシュレッダーダスト十九万八千トン、ニッケル含有の汚泥百六十二トンなどの産廃が搬入された件で、一九九〇年十一月、兵庫県警によりまして廃棄物処理法違反で摘発されました。しかし、現在もシュレッダーダスト十七万トン余りが放置されたままになっているわけであります。山積みにされたあたり一面は悪臭が立ち込めて、水銀、カドミウムなどの有害物の含まれた汚水だまりは異様そのものだという状況であります。現在も油分が浮き出てどす黒く変色している池ができています。悪臭の漂う一帯が残されたままになっているという状況であります。
 この香川県の水質調査結果によりますと、生物学的酸素要求量、BODが排出基準の百倍、化学的酸素要求量、CODが五十倍、浮遊物質量が十一倍、油分が九十五倍、それから水銀が基準値の六千四百倍、カドミウムが五千百倍、鉛が十五万倍、クロムが四十六万倍、砒素が八百六十倍、これは香川県の調査結果でありますけれども、驚くべき事態になっているわけであります。周辺海面の水質汚染も心配されるところであります。
 香川県としましては、九〇年十二月に、不法投棄産廃の撤去を求める措置命令を企業に出しています。また、昨年十一月には、環境対策の一環として、法違反で摘発された国会業に対して、事業場地下水の流出を防ぐ止水壁、延長九十メートルを設置すること、事業所内の産廃へ周辺からの雨水流入を防ぐ延長六百七十メートルの排水溝を設けること、こういう措置命令を出したようであります。これが履行されるかどうか、そのことが求められていますし、その点での環境庁の指導も求められている、また厚生省の指導も求められているということであります。
 そこで、まず厚生省の方にお尋ねしますけれども、この一回目の措置命令、二回目の措置命令、その履行状況はどうなのか、御説明いただきたい。
#106
○説明員(飯島孝君) 御説明いたします。
 香川県は、豊島総合観光開発株式会社に対しまして、平成二年十二月に、産業廃棄物の撤去及び適正処理を行うよう、また昨年の十一月には、事業場の外に汚水が流出しないように止水壁及び雨水の排水溝を施工するよう、廃棄物処理法に基づき措置命令を発しております。
 平成二年の一回目の命令によりまして、事業場内にありますドラム缶入りの廃油、焼却灰、廃酸及び油のまじった汚泥などにつきましてはほとんど撤去されておりますが、大量に積まれましたシュレッダーダスト十数万トンにつきましては放置されたままでございます。
 また、二回目の命令に対しましては、雨水排水溝は設置されましたものの、止水壁については現在までのところ施工されておりません。
 なお、昨年十一月に発せられました二回目の措置命令につきましては、ことしの五月三十一日に香川県が措置命令違反の疑いで豊島総合観光開発株式会社を告発したところでございます。
#107
○有働正治君 依然としてその措置命令に対してきちんと履行されていないという問題があるわけです。違反が摘発されてから既に三年半以上もたつのにこういう状況である。基本的な水質汚染防止対策も放置されたままに等しい状況であります。
 根本的に問われていますのは、この放置されたままになっている十七万トンに及びますシュレッダーダストの完全撤去に向けまして、産廃の許認可を与えた香川県が代執行をも含めましてきちんと対応するということが求められているわけであります。
 そこで、厚生省に聞くわけでありますが、この問題で不法投棄原状回復方策検討委員会を設け、対応を検討中と聞いています。この豊島の不法投棄原状回復実現に、速やかに検討結果を示し対応するということが求められると思いますが、いかがでありましょうか。
#108
○説明員(飯島孝君) 御説明いたします。
 廃棄物の不法投棄が行われた場合には、都道府県知事は廃棄物処理法に基づきまして投棄者などに対して原状回復などの必要な措置を命ずることができます。しかし、投棄者が不明である場合あるいは投棄者の資力の不足により原状回復が行えない場合には、不法投棄された廃棄物はそのまま放置されまして、環境保全上の問題となっている例もこの豊島のようにあるところです。
 厚生省としては、この解決のための方策について検討を進めているところでございまして、先生御指摘のように、昨年九月から地方自治体の担当者や学識経験者などにより構成されます不法投棄原状回復方策検討委員会を設置いたしまして、廃棄物が不法投棄された場合の原状回復の措置につきまして、排出事業者などに対する行政措置のあり方、民事上の賠償責任のあり方、あるいは原状回復基金などを含めました費用負担のあり方について現在総合的な検討を鋭意進めているところでございます。本年秋までに検討結果を取りまとめる予定としておりまして、厚生省といたしましては、この検討結果を受けまして不法投棄の防止や原状回復のための措置につきまして速やかに対処してまいりたいと考えております。
#109
○有働正治君 問題は、県の対応がてきぱきしなかったりする場合もあるわけであります。その点での厚生省の毅然とした指導が求められるわけであります。この豊島の問題でも県の対応は極めて重大であったと私は考えるわけであります。
 当事業者が二十年前の操業開始当時から違法操業を繰り返してまいりました。地元住民は機会あるごとに違法の事例を香川県に訴えていたわけでありますが、県が聞き入れようとしなかったということがあります。一九八三年ごろ、つまり十年前からシュレッダーダストやタンクローリーで運ばれるえたいの知れない有害物質を含んでいると思われる液状物が急増しています。しかし、県は、シュレッダーダストは有価金属の回収原料であるとして事実上不法投棄を容認してきたわけであります。そして、兵庫県警の摘発を平成二年十一月受け、問題が大きくなってようやくシュレッダーダストは産廃であると見解を百八十度変更しましたが、十七万トン以上ものダストは不法投棄された後であります。
 この違反事件では、神戸地裁姫路支部の公判記録があるわけでありますが、それを見てみますと、香川県廃棄物対策室の担当者が、事業者が違法な産廃の処分を適法な金属回収業に見せかけることに協力していたということを指摘しています。また、被告の暴力を恐れ本来の指導を県としてしなかった、怖くて指導ができなかったことも明らかにしています。そして判決では、行政当局は立入検査に際し、違法な現状を認識しながら不徹底な指導にとどまることが多く、本件犯行を助長せしめた責任の一端が存すると明確に指摘しているわけであります。
 こうした経緯から見ましても、違反した事業者が原状回復が現在無理であれば、許認可に責任を負っている香川県が責任を持って不法投棄の産廃物の完全撤去を行うべきである、この間のその無責任ぶりからいっても当然責任の一端を速やかに負うべきだと私は考えるわけであります。その点で厚生省として厳格に指導していただきたい。そして、代執行など、また今、秋までに検討と言われましたその検討結果を待つまでもなく、そういう指導を速やかに行っていただきたい。
 それから、そのほか各地でこういう問題が起きているわけであります。代執行などに必要な基金や予算措置をも含めて検討委員会では検討されているということも聞いていますけれども、それらを含めて国が執行できるような対応を示していただきたいと思うわけでありますが、厚生省の方に答弁を求めます。
#110
○説明員(飯島孝君) 先生御指摘の豊島の問題は、厚生省といたしましても、生活環境保全上の問題があると考えております。このため、現在香川県が豊島総合観光開発株式会社に対しまして行いました産業廃棄物の撤去と適正な処理、さらには汚水の流出防止のための止水工の設置に関する措置命令が早急に履行されることが最も重要と考えておりまして、県といたしましてもこのための最大限の努力をすべきであると考えております。
 さらに、現在県を指導しておりますのは、シュレッダーダストの排出事業者、これはいろいろな府県にまたがるわけでございますが、この排出事業者に対してもその撤去についての協力を求めるように、あるいは先生御指摘ございました県による行政代執行の可能性につきましても検討を行うよう県を指導しているところでございます。
 生活環境保全上の支障が生じないよう万全の対策が講じられるように努めてまいりたいと存じます。
#111
○有働正治君 最後に、この問題で環境庁長官にお尋ねします。
 瀬戸内海国立公園の環境保全に直接責任を負う長官としても、非常に重大な対応の責任があると考えるわけであります。環境庁としても、関係省庁と協力して、不法投棄の産廃の撤去、原状回復を指導していただくということが必要だと考えます。
 同時に、私二、三の例を挙げましたが、こういう瀬戸内海の自然や水質環境破壊があちらこちらで進んでいる、それから守るということが非常に重要です。瀬戸内法が施行されて二十年が経過した中でこういう問題が続出していることは極めて重大であると考えるわけであります。その点で環境庁長官としましても、乱開発の規制等々を含めまして毅然たる対応をしていただきたいということを求めるわけであります。
#112
○国務大臣(浜四津敏子君) まず、初めの豊島における不法投棄の問題につきましては、廃棄物処理法に基づきまして、香川県から事業者に対しまして撤去及び環境保全についての措置命令が二回行われておりまして、現在その確実な履行のための指導が行われているというふうに承知しております。事業者に対するこうした行政処分あるいは指導などにつきましては厚生省が担当しておりますが、環境庁といたしましても、環境の保全を図るという立場から、厚生省と連携をとりながら適切な措置が確保されるように努めていきたいというふうに考えております。
 また、瀬戸内海の問題でございますが、瀬戸内海は国立公園に指定されておりまして、瀬戸内海環境保全特別措置法によりその環境の保全についての対策がとられているところでございます。今後とも自然公園法また瀬戸内海環境保全特別措置法等関係法令の適切かつ総合的な運用を図って、瀬戸内海の環境保全を図ってまいりたいというふうに考えております。
#113
○有働正治君 最後に一問だけ、鹿児島県の出水平野のツルの保護問題について長官にだけお尋ね申し上げます。
 私の出身の熊本の隣でありまして、この問題は自治体、自然保護団体を含めまして関係者の強い要望が政府にも出されているわけであります。その中で、特にツルの外遊地が農地である点で、農家に経済的負担をかけ、また外遊地の公有化が難しい状況の打開が強く求められているわけであります。そして、地権者が農業を継続しながらツルの保護区を確立する、いわばツルと人との共存を図る国家的事業として必要な予算も確保しての抜本的対策を立てる必要があるということが強く求められているわけであります。
 そういう点で、環境庁としても、イニシアチブを発揮して、関係省庁、関係自治体とも連携して積極的な対応を求めるわけであります。長官の決意のほどをお願いしたいと思います。
#114
○国務大臣(浜四津敏子君) 出水のツルによる農業被害の問題でございますが、近年、野生の鳥獣の保護に関する国民の要請がますます高まってきておりまして、人間とこうした野生動物が共存できる環境をどうつくっていくかということが強く求められております。
 ただ、日本のように国土が狭くまた人口密度が高いところでは、この出水のマナヅルあるいはナベヅルに見られるような野生鳥獣による農林作物への被害もありまして、こうした野生鳥獣と人間がどう共生じて生きていくか、その調整という大変難しい問題が往々にして生じてまいります。
 環境庁といたしましては、この出水のツルの問題を今後の野生鳥獣と人間の共存に係る課題として、その解決に向けて関係省庁とともに今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#115
○委員長(竹村泰子君) 以上をもちまして、平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会及び環境庁についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
#116
○委員長(竹村泰子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十九分散会

ソース: 国立国会図書館
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