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1994/06/03 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 国民生活に関する調査会 第9号
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1994/06/03 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 国民生活に関する調査会 第9号

#1
第129回国会 国民生活に関する調査会 第9号
平成六年六月三日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
    日下部禧代子君     篠崎 年子君
  出席者は左のとおり。
    会 長         鈴木 省吾君
    理 事
                清水嘉与子君
                竹山  裕君
                三重野栄子君
                小島 慶三君
                武田 節子君
                吉岡 吉典君
    委 員
                太田 豊秋君
                加藤 紀文君
                溝手 顕正君
                青木 薪次君
                菅野  壽君
                栗原 君子君
                篠崎 年子君
                村沢  牧君
                和田 教美君
                下村  泰君
   政府委員
       文部省初等中等
       教育局長     野崎  弘君
       厚生省老人保険
       福祉局長     横尾 和子君
       運輸省運輸政策
       局長       豊田  実君
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        小林 正二君
   説明員
       文部省初等中等
       教育局特殊教育
       課長       嶋崎 和男君
       厚生大臣官房審
       議官       太田 義武君
       厚生大臣官房審
       議官       阿部 正俊君
       厚生大臣官房調
       査室長      小林 和弘君
       厚生省社会・援
       護局施設人材課
       長        吉武 民樹君
       厚生省老人保険
       福祉局企画課長  大田  晋君
       運輸省運輸政策
       局消費者行政課
       長        淡路  均君
       労働大臣官房審
       議官       伊藤 庄平君
       労働省職業安定
       局次長      中井 敏夫君
       建設大臣官房審
       議官       梅野捷一郎君
       建設省道路局企
       画課長      佐藤 信彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国民生活に関する調査
 (本格的高齢社会への対応に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○会長(鈴木省吾君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二日、日下部禧代子君が委員を辞任され、その補欠として篠崎年子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○会長(鈴木省吾君) 国民生活に関する調査を議題とし、本格的高齢社会への対応に関する件について政府より説明を聴取いたしたいと存じます。
 本日は、まず、昨年議長に提出いたしました中間報告書に対する政府側の対応及び今後の課題等について、次に、二年目の調査項目である高齢者福祉の視点から見た家族、医療及び生活保障等に関する現状と今後の取り組みについて関係各省より順次説明を聴取いたします。
 それでは、まず、中間報告書に対する政府側の対応及び今後の課題等について政府から説明を聴取いたします。
 最初に、厚生省より説明を聴取いたします。厚生省横尾老人保健福祉局長。
#4
○政府委員(横尾和子君) 横尾でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 委員各位のお手元に厚生省という表紙のつきました資料が配付されております。時間が限られておりますのでポイントのみを御説明申し上げることをお許しいただきたいと存じます。
 これまでの本調査会の御提言に沿いまして説明をさせていただきます。
 一ページをお願い申し上げます。「高齢者保健福祉推進十カ年戦略の推進について」でございます。
 まず、一ページ下段にございますゴールドプラン関係予算の推移の図について御説明を申し上げます。
 ゴールドプランの初年度であります平成二年度でございますが、政府予算は三千三十四億円でございました。現在提出をしております平成六年度の予算案におきましては五千二十九億円になっているところでございます。この五千二十九億円に地方負担分及び設置者の負担分を合わせまして、ゴールドプラン関係の総事業費の規模はおおむね一兆二千億円になるものと考えております。
 この図では、在宅の経費、施設整備の経費、その他の国費というふうに三つに分類してそれぞれ伸びをお示ししているところでございますが、ごらんいただきますように、この五年間の間に在宅経費が倍増しているというのが特徴ではないかというふうに思っております。
 それでは、こうした関係予算をもちまして計画自体がどのように進捗をしているかというのを二ページに表でまとめさせていただいております。
 平成四年度の欄の括弧の中が四年度の実績でございます。この四年度のところでごらんいただきますと、幾つかの施策、特にホームヘルパーにつきましてはかなり大幅な実績が出てきているわけでございますが、デイサービス、在宅介護支援センター、老人保健施設、ケアハウスが予算を下回る実績になっているところでございます。いずれも新しく発足した施策で、まだ四年度でその十分な周知徹底が行われていないということもあろうかと存じますが、何とかこれのおくれを取り戻すべくさまざまな対応策を講じてきているところでございます。
 例えば、デイサービスでございますと対象人員を小規模にして小規模なものも運営できるようにする。あるいは在宅介護支援センターにつきましては、今国会に提出いたしました健康保険法等の一部を改正する法律案の中で老人福祉法の改正も入れまして、従来法律で定められていなかった在宅介護支援センターを法定のサービスとして位置づけるようなことも考えている次第でございます。
 また、施設の部分につきましては、老人保健施設について、先ほど申し上げました制度改正案の中でこの老人保健施設に対する施設整備費の助成という制度を新しく創設することを織り込んでおります。
 ケアハウスにつきましては、今年度の予算案の中でその運営費の改善を図りまして運営が円滑にいくような条件を整えるとともに、設置主体を、従来社会福祉法人あるいは一部の協同組合を中心に行っておりましたが、医療法人を加えるとともに、それらに対する融資の道を開くなどいたしまして、おくれを取り戻したいと考えている次第でございます。
 さて、このゴールドプランの推進に関係してもう一点申し上げますのは、地方自治体が策定いたします市町村あるいは都道府県の老人保健福祉計画がおおむね出そろってまいりました。平成六年度を初年度といたしまして、各自治体で自治体レベルの計画の推進が図られる運びになったところでございます。こうした地方の計画が出そろってきておりますが、それを踏まえまして、自治体計画と平成元年に定めました国のゴールドプランとの関係を精査いたしまして新しいゴールドプランをつくるべきであるということを関係方面からも指摘されているところでございまして、私どももそういった方向でただいま準備を進めているところでございます。
 三ページをお願いいたします。「長寿社会対策十カ年計画の策定等について」でございます。
 本調査会の御提言は、コールドプランが福祉に中心を置いた計画ではあるけれども、福祉のみならず医療や住宅、まちづくりについても織り込んだ計画とすべきであるというふうな御指摘であったと存じます。
 こうした御提言につきましては、去る三月に厚生大臣の諮問機関であります二十一世紀ビジョン懇談会の報告におきましてもそうした基本的考え方に沿った御意見をちょうだいしております。
 具体的には、三ページの一番最後のところでございますが、例えて申しますと、@で「保健・医療・福祉を通じた利用者本位のサービスの提供」、あるいはCにございますように「高齢者の自立した生活の基盤となる住宅対策、まちづくりの推進」、これらの視点に立った総合プランとして新しいゴールドプランを作成すべきである、かような御提言でございますので、先ほど申しました新しいゴールドプランの検討の中で十分にこの御意見を踏まえてまいりたいと存じます。
 四ページをお願い申し上げます。
 これは、これからの高齢化社会の諸サービスを支えるための人材の確保についてでございます。
 保健医療関係に対するマンパワーにつきましては、既に看護婦について看護婦等の人材確保の促進に関する法律に基づきまして各般の施策を進めているところでございます。
 また、看護婦以外で、特に現場で不足が指摘されております理学療法士及び作業療法士につきましては、これらの養成施設に対する助成を設けまして、その施策をもって必要数を確保したいと考えている次第でございます。ちなみに現在、理学療法士が一万三千人、作業療法士が六千四百人という数でございますが、十一年度までにそれぞれ二万四千人あるいは二万五千人を上回る数としたいと考えている次第でございます。
 また、福祉に関するマンパワーにつきましても、看護婦等と同様の時期に関係法律を改正いたしましたので、これに基づきまして人材の確保を図っているところでございます。特に平成六年度の予算におきましては、福祉施設職員の勤務時間短縮の問題とホームヘルパー手当の改善を行っております。
 また、ホームヘルパーについては、先ほどの進捗状況の資料でお示しをいたしましたように、毎年数万というオーダーで増加しているわけでございますが、現状はホームヘルパーの講習会をいたしますと大変講習受講の御希望が多うございまして、ややお断りをしているというような状況もございます。そういった御希望をかなえるような体制をどうつくるかということも今のうちに考えておかなければならないことと考えております。
 六ページをお願いいたします。「家族介護者への支援について」でございます。
 私どもは、この家族介護者の支援の基本は何よりも在宅サービスが行き届くことであるというふうに考えておりまして、極力在宅施策の進展を図っているつもりでございます。また、そうすることによって在宅サービスが、具体的に寝たきりの高齢者の方々のお世話ができるというだけではなくて、介護をする人々の日常の生活と介護が両立できるような運営が必要ではないかと考えております。
 そのために、六ページの下の方でございますが、「在宅サービスの充実(平成六年度予算案)」という欄がございますが、そこで今年度は二つの新しい施策を提案しているところでございます。
 ショートステイにつきましては、従来一、二週間というような利用でございましたが、最長三カ月程度、また計画的な利用を図る。例えば、一年のカレンダーを見ながら一月置きに利用するというような申し込みができるような条件を整えまして、御家族のいろいろな農作業の計画等の予定にショートステイ利用が組み込まれ得るような運営をしたいと思っております。
 また、デイサービスについて早朝や夕方の時間延長を図ることによりまして、介護をされる方の就労と介護が両立できるような条件を整備したいというふうに考えている次第でございます。
 七ページの「福祉マインドの育成について」は、新しい動きとしてAに、平成六年度予算におきまして、都道府県のボランティアセンターがございますが、サラリーマン等の社会人を対象にしたボランティア活動というメニューを整えたところでございます。サラリーマンと男性の介護への参加ということを一つのキーワードとして取り組んでいるところでございます。
 八ページをお願いいたします。社会資本の整備促進でございます。
 平成六年度の予算案におきます高齢者施策関係の施設整備の目標でございますが、特別養護老人ホームが一万床、老人保健施設が二万六千床、ケアハウスが七千人等の予定を立てておりまして、これらに伴う施設整備費は政府ベースで八百八十億円でございます。
 今後、こういうふうな形でまた進めてまいりたいと思いますが、当面、直面しております用地取得の問題がございます。当委員会でもいろいろ御助言をいただいたところでございまして、小中学校との合築あるいは公営住宅等集合住宅との合築等について一層の工夫が必要ではないかと考えている次第でございます。
 九ページをお願いいたします。
 「住宅困窮高齢者の居住の確保、公的ケア付き住宅の整備促進」でございますが、先ほど来申し上げておりますように、福祉のサイドからの取り組みとしてケアハウスの整備を一層進めると同時に、公共住宅に生活援助員を派遣するシルバーハウジングプロジェクト、これらも平成六年度に八十八カ所に拡大をしたいと考えている次第でございます。
 また、先ほど合築の問題を申し上げましたけれども、特段新しいメニューではありませんが、公営住宅とデイサービスセンターあるいは在宅介護支援センターを一つの建物に整備をすることによって事実上公的なケアつき住宅の代用をする機能が実現できるのではないかというふうに考えておりまして、そうした点については建設省とも御相談をさせていただいているところでございます。
 十ページでございます。
 高齢者の居住に適した住宅の普及促進等でございますが、高齢者住宅改造マニュアルを策定いたしまして幅広に御相談をさせていただいているところでございます。
 全国でただいま介護実習・普及センターを設けておりまして、介護の実習をするために介護機器を展示いたしまして、どういうものが使いやすいかということを試しに使っていただくような場を整備しておりますが、その一環として高齢者仕様の住宅の展示あるいは相談ということも力を入れて取り組んでいるところでございます。
 十一ページでございます。「福祉のまちづくりの促進」でございます。
 各自治体に独自に福祉のまちづくりの条例を策定していただいております。私どもは、こうした補助金を使っていただきまして、それぞれの自治体の取り組みを、ある意味では種まきをし、ある意味では応援をするような取り組みをしてまいりたいと思っております。
 十二ページでございます。言葉の問題でございます。
 厚生省の中でこういう言葉の問題についていろいろ工夫をして、わかりやすい違和感のない説明ができるように努力をしてまいりたいと存じます。
 最後に、この関係で十三ページでございますが、「福祉サービス等の利用手続の簡素化」でございます。
 たくさんのサービスがふえてまいりますので、かえって高齢者の方にはおわかりにくいという状況も出てくることが懸念されます。基本的には、中学校区に必ず一カ所できる在宅介護支援センターがそうした高齢者の御相談を受けて、高齢者の立場に立ってサービスが利用できるよう努力してまいりたいと思っておりますし、そうした市町村がしかるべく情報を住民に届けることも大切な責務であるということを、先ほど来申し上げております健康保険法等の一部改正法案の中でその規定を設けさせていただいているところでございます。
 以上、大変急ぎましたが、厚生省資料について御説明申し上げました。
#5
○会長(鈴木省吾君) 次に、文部省より説明を聴取いたします。文部省野崎初等中等教育局長。
#6
○政府委員(野崎弘君) 文部省から配付資料についての説明をさせていただきます。
 文部省におきましては、福祉マインドの育成ということで「文部省における福祉教育等の取組み」ということについての状況をまとめさせていただきました。
 文部省におきましては、学校教育と社会教育両面で取り組んでおるわけでございます。
 まず、「学校教育におきます福祉教育等の取組み」でございますけれども、基本的な考え方は、ここに書いてございますように、高齢化社会の進展する中で学校教育におきまして福祉や社会保障制度について正しい理解を深め、そして望ましい態度の育成を図っていくことが極めて重要である、このように考えております。また、現在、生活経験が大変希薄化しておるわけでございまして、そういう児童生徒が体験を通して社会に奉仕する精神などを培っていくことも重要なことだと思っております。
 こういうような観点から、従来から、児童生徒の発達段階に応じまして、小中高等学校を通じまして社会科、家庭科、道徳等におきまして福祉の重要性や思いやりの心、公共のために尽くす心を育てることなどについて指導をしているところでございます。
 教育内容の改善につきましては、新学習指導要領が平成元年に改訂をされました。丸のところにございますように、中学校の社会科公民的分野、この中で国民生活の向上と福祉の増大を図るために社会保障の充実などが必要であることを理解させる、こういうことにしておりまして、その指導に当たっては、新たに高齢化の進展など社会の変化と関連させて指導するように示しておるところでございます。
 今回、高等学校の家庭科につきましては新たに男女必修ということになったわけでございますけれども、家庭一般、生活技術、生活一般のいずれの科目におきましても「高齢者の生活と福祉」の項目を設けまして、社会福祉の意義や課題、ボランティア活動を通じての高齢者への理解等について指導することとしております。
 それから、小中学校の道徳におきましては、高齢者への尊敬と感謝の気持ちを深める指導の充実を図っております。
 特別活動におきましては、中高等学校のクラブ活動の中に奉仕的な活動を明示いたしておりますし、小中高等学校の学校行事の中で、勤労・生産的行事と従来なっておりましたが、これを勤労生産・奉仕的行事というふうに改めまして、社会奉仕の精神を培うことを強調したところでございます。
 新学習指導要領は平成四年度の小学校から順次実施をされておりまして、社会科、家庭科の教科書におきましてもこれらの内容につきまして適切に記述をされておるわけでございます。また、各学校におきましては、地域の実情に応じまして昔の遊びなどを通した高齢者との交流活動あるいは老人ホームでの奉仕活動などのさまざまな活動が行われているところでございます。
 それからもう一つの柱は、ボランティア教育等の推進でございまして、昭和六十三年度から奉仕等体験学習研究推進校というのを各都道府県に指定しまして、その成果は刊行物によりまして全国に普及を図っているところでございます。そして、平成五年度からは高校生に地域社会における奉仕等の幅広い社会参加の体験をさせる活動を推進するために、勤労体験学習総合推進事業ということを実施しておりまして、全国で五カ所を指定しているところでございます。
 新しい事業といたしましては、平成六年度から、幅広くボランティア教育のあり方等につきまして協議をしていただこうということで、ボランティア教育研究協議会、あるいは具体的な指導、実践事例集を掲載した指導資料の作成、一定地域の小中学校の児童生徒に対しまして地域の教育力を生かしつつボランティア活動等さまざまな体験活動の機会を与えることについて実践的研究を行いますいきいき体験活動モデル推進事業、こういうものを平成六年度から実施することとしております。
 次に、二枚目でございますけれども、「社会教育における福祉教育等の取組み」でございます。
 基本的考え方は、急速に進展する高齢化に対応しまして、活力ある豊かな社会を実現するためには、国民一人一人がみずから積極的に学び、生涯を通じて自己の啓発、向上を図って、生きがいのある充実した生活を送ることができるような諸条件を整備することが重要である。こういう観点に立ちまして、2以下に書いてございますような施策を通じて、社会教育におきます福祉マインドの育成に努めているところでございます。
 2の「福祉にかかわる学習機会の提供」ということで、社会教育におきましては従来から公民館等の社会教育施設の整備を図っておりまして、これらの施設を拠点といたしまして、福祉に関する学級、講座の開設を奨励しております。また、大学、高等学校等におきます公開講座あるいは放送大学の開設科目の中に福祉関連の講座等を用意いたしまして、福祉に関する学習機会の提供に努めているところでございます。
 それから、3の「福祉体験学習に資する事業」ということでございます。
 福祉分野などのボランティア活動につきましては、最近の世論調査によりますと、国民の関心が大変高まっているところでございまして、その振興を図るために平成五年度から生涯学習ボランティア活動支援推進事業を実施しています。また、平成六年度からは新たに、青少年に障害児等との交流、世代間交流等の機会を与え、青少年の健全育成を図る事業として青少年交流推進事業を実施することとしています。
 次に、四番目でございますけれども、「高齢者の社会参加活動の促進」ということで、高齢者の生きがいのある生活を実現するため、平成六年度から新たに高齢者に充実した学習機会を提供し、その学習成果を生かして社会のさまざまな分野で活躍できますよう、高齢者社会参加促進総合事業というものを実施することとしているわけでございます。
 以上が福祉マインドの育成ということで文部省が取り組んでいる事業でございます。
 よろしくお願いいたします。
#7
○会長(鈴木省吾君) 次いで、労働省より説明を聴取いたします。労働省松原婦人局長。
#8
○政府委員(松原亘子君) 国民生活に関する調査会の委員の先生方におかれましては、日ごろより労働行政の推進につきまして深い御理解と御尽力をいただいておりますことを、この機会に改めて御礼を申し上げたいというふうに思います。
 それでは、昨年八月の本調査会の中間報告のフォローアップに関しまして、労働省関係施策について御説明をさせていただきたいと思います。
 中間報告の御提言のフォローアップに関しましては、労働行政関係では、三の「マンパワーの確保」と四の「家族介護者への支援」が該当いたしております。
 そこでまず、マンパワーの確保でございますが、資料の一ぺ−ジをお開きいただきたいと存じます。
 ここに書いてございますように、労働省では第一に公共職業安定所を通じた介護・看護労働力確保対策を実施しております。具体的には、介護・看護分野の労働力確保の拠点となる公共職業安定所を平成四年度から福祉重点ハローワークとして各都道府県に一カ所ずつ指定し、きめ細かな職業相談、職業紹介、病院、社会福祉施設等の事業主に対する雇用管理の改善に向けた指導などを行っております。平成四年度、五年度とも十一カ所ずつ指定をし、平成六年度も新たに十一カ所の指定を予定しているところでございます。
 第二は、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づく施策の推進でございます。
 平成四年に成立した介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づいて、介護労働安定センターを中心といたしまして介護労働者の雇用管理の改善のための種々の施策を推進しているところでございますけれども、平成六年度には、この資料にございますように、新規事業を二つばかり予定をいたしております。
 一つは、家政婦紹介所団体と企業が連携して介護クーポンを発行する。これによりまして介護労働者を勤労者に紹介し、このシステムを行う紹介所団体に対しましては一定の助成を行う在宅介護需給安定事業でございます。
 二つ目は、介護労働安定センターで実施しております現行の職業講習の講習時間を拡充し、かつ全都道府県において実施する介護労働者能力開発事業でございます。
 第三は、次のぺ−ジにございますが、公共職業能力開発施設におきまして介護関連訓練科の増設を図り、介護関係に携わる技能労働者の育成確保に努めているところでございます。
 次の四の「家族介護者への支援」という関係では、三ぺ−ジをお開きいただきたいと思いますけれども、介護休業制度の法制化問題の検討を含め介護休業制度の普及促進に努めているところでございます。
 まず、介護休業制度の普及状況をちょっと見ていただければと思いますが、この資料にございますように、昭和五十六年度で介護休業制度があるという事業所は八・七%でございましたけれども、徐々にこの普及率が高まっており、平成五年度では一六・三%というふうになってきております。
 ただ、一番下の欄に規模別の状況が出ておりますけれども、五百人以上の大きな規模の事業所では既に介護休業制度があるという事業所は五一・九%という過半に達しているわけでございますけれども、片や三十人から九十九人規模の事業所におきましては、まだその普及率は一四・二%という状況でございまして、規模による差が大きいというのが現実でございます。
 また、介護休業制度の法制化問題でございますけれども、これは私どもとしても非常に重要な問題であるというふうに認識いたしておりまして、早急に具体的な検討に入りたいと考えているところでございます。ただ、介護休業の問題、形態としましては育児休業と似ているでまないかという面もあるわけでございますけれども、育児と介護というのはやっぱり非常に大きく異なる点がございます。したがいまして、この介護休業の法制化問題を検討するに当たりましては介護休業が取得できる状態、別の言葉で言えば要介護者の要介護状態というのをどういうふうにとらえるかということについてさらに詰めた専門的、技術的検討が必要であるというふうに考えております。
 そういうことから、次の四ページに書いてございますけれども、昨年の十一月に介護休業制度に関する専門家会合というのを設置いたしまして、そこで今申し上げましたような技術的、専門的事項について検討をいただいているところでございます。ことしの夏ごろ、七月中にはまとめていただきたいというふうにお願いしてございまして、今最終的なまとめの段階に入っているところでございます。
 この専門家会合の報告をいただきましたら、それをもとにいたしまして関係審議会、具体的には婦人少年問題審議会におきまして、法制化問題も含めました介護休業制度の有効な普及対策について検討をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
#9
○会長(鈴木省吾君) 引き続き、運輸省より説明を聴取いたします。運輸省豊田運輸政策局長。
#10
○政府委員(豊田実君) 運輸省でございます。運輸行政につきまして日ごろ御指導いただきまして、まことにありがとうございます。
 昨年八月の本調査会の中間報告の中で、福祉のまちづくりの推進ということで鉄道駅等におけるエレベーター、エスカレーター等の設置の促進のためのガイドラインの強化、それから超低利融資制度の創設等を講ずるべきであるとの御提言をいただいております。御提言の趣旨を踏まえまして運輸省が進めております施策につきまして、お手元に資料をお届けしてございますが、その資料に沿いまして説明させていただきます。
 三つの主要な施策がございまして、一ページから二ページに記述してございます。
 第一番目は、「公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備ガイドラインの策定」でございます。
 昭和五十八年に策定されました施設整備ガイドラインが策定後約十年経過しておりまして、運輸省としましては、平成四年度、五年度のニカ年をかけてこのガイドラインの見直しを行いまして、この三月に新しい公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備ガイドラインというものを策定したところでございます。
 今回の策定に当たりましては、対象として鉄道駅だけではなくて、バスターミナル、空港あるいは旅客船ターミナルも対象に加えております。また、最近の技術開発の成果を反映したものとし、さらに障害者の方々への対応とともに高齢化社会への対応も重要なポイントとしております。
 二番目は、「高齢者・障害者等のためのモデル交通計画の策定」でございます。
 運輸省は、これまで高齢者、障害者等の方々が安全でまた身体的負担の少ない方法で移動できるように、施設整備のガイドラインを初め各種の整備指針というものに沿ってターミナルであるとか車両の整備を進めてまいっております。高齢者、障害者等の立場からこうした個々の交通施設とか車両改善対策に加えまして、出発地から目的地に至る全体の移動ニーズを満足できるような連続性のある公共交通機関の体系的整備というものが求められております。
 このため、平成五年度から三カ年かけまして、高齢者、障害者等の視点に立脚して最適な交通体系のあり方について検討をするために、大都市それから地方都市それぞれ一都市をモデル地区として選定いたしました。大都市としては横浜、地方都市としましては金沢、この両市でございますが、この両市において具体的また総合的に検討するということによってモデル交通計画を策定することといたしております。
 本年度は、昨年行っております両モデル地区における高齢者、障害者等の交通特性把握というものの実態調査をやっておりますが、それを踏まえましてこれから段階的改善策の検討を行うということになっております。
 それから、三番目でございます。
 二ページの方に記述してございますが、「鉄道駅における障害者対応型エレベーター・エスカレーター整備事業に対する補助金の創設」でございます。
 鉄道駅におけるエレベーター、エスカレーターの整備事業につきましては、日本開発銀行の超低利融資制度による公的支援スキームが既にございますが、こうした事業のより一層の促進を図るために、六年度予算案において新たに交通施設利用円滑化対策費補助金を計上しております。
 この補助金によりまして、特に整備が急がれております鉄道駅の障害者対応型エレベーター・エスカレーター設置事業につきまして、六年度に設立を予定しております財団法人を通じまして事業費の一〇%相当の補助を行うということにしております。また、この補助に加えまして、交通事業者等からの出指により造成されました財団の基金の利息収入からさらに事業費の一〇%を助成するということを検討しております。
 以上が主な施策の概要でございます。
 三ページ以降は参考資料でございますが、まず三ページは、公共交通機関における施設整備等の状況を一まとめにしております。
 四ページは、私ども運輸に係る高齢者・障害者等対策の概要ということで、今申し上げましたエレベーター・エスカレーター整備指針、あるいは施設整備ガイドラインというものに基づいて整備を進めていくということ。あるいは鉄道とかバスの車両構造モデルデザインというものがありますが、それに基づいて車いす用スペースの確保とか、リフトつきバスというようなものの導入を促進していくということ。あるいは技術の研究開発、先ほど申しましたモデル都市における交通体系というものを策定するというようなことで、安全かつ安心な公共交通の実現ということを目指して取り組んでおるところでございます。
 五ページは、先ほど御説明申しました新たに見直したガイドラインの中身につきまして主な点を御紹介させていただいております。
 六ページは、それを図に示したものでございます。
 七ページは、先ほど御紹介しましたモデル地区の交通計画調査フローということで、本年は、中ほどに点線で囲んでございますが、六年度分ということでこのようなことを検討するということになっております。
 八ページは、その交通計画策定に御協力いただいております委員の方々でございます。各方面から御協力いただいて進めております。
 それから九ページ、横になって恐縮でございますが、本年度予算案で計上させていただいております国の予算、一億一千二百万という予算がございますが、これを財団を通じまして鉄道事業者の事業に助成するということのほかに、一般的に広く民間の方の出掲を仰いで、その運用によりましてはかのターミナル、バス、空港、旅客船等についても一部助成をしたい。それに加えて、本事業の啓発、広報、調査ということも進めていきたいと思っております。
 最後に、平成六年度の予算案の中身としまして四点御紹介させていただいております。
 一番目は、今申しましたエスカレーター、エレベーターの整備の助成費でございます。調査費も計上してございますが、最後の四の方にその他ということで、数字は掲げてございませんが、この趣旨はほかの一般的な鉄道整備助成費とか港湾の整備事業費とかいう中でも、高齢者、障害者対応の施設整備というものを進めていきたいということでございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
#11
○会長(鈴木省吾君) 次に、建設省より説明を聴取いたします。建設省三井住宅局長。
#12
○政府委員(三井康壽君) 建設省の住宅局長でございます。
 日ごろから住宅行政並びに建築行政につきまして御指導、御鞭撻いただいておりますことをこの席をおかりしまして御礼申し上げます。
 資料に基づきまして要点を御説明させていただきたいと存じます。
 まず一ページでございますが、高齢社会に対応した社会資本の整備促進についてでございます。
 二十一世紀の本格的な高齢社会に備えまして、高齢者、障害者も安全で快適に暮らしていただくような生活空間づくり、これが非常に大事だというふうに建設省としても認識しているところでございまして、そのための福祉の生活空間づくり大綱というのを今策定しようとしているところでございます。その中で、住宅供給や公共施設等の整備を行っていこうという基本的な考え方に立っております。
 具体的にこれを申し上げますと、例えば住宅についてでございますけれども、種々やらせていただいているところでございますが、平成六年度に新たに拡充させていただくものとしましては、高齢者対応の工事、手すりでございますとかおふろですとかそういったものを直す際の公庫融資の割り増し額の引き上げ。あるいはシニア住宅といいまして、高齢になられた方が医療のサービスを受けながら生活していただくという団地をシニア住宅といってつくっているわけでございますけれども、生活相談室等につきまして公費の助成を行うといった施策の拡充をさせていただいております。
 また、エレベーターつきの立体通路等々の、人にやさしいまちづくり事業の一環としまして、そういったものの助成を進めるというふうにいたしております。また、道路につきましてもなるべく歩道の幅を広げていくといった事業をさらに公共団体も含めまして進めてまいる考えでございます。そのほか、高齢運転者がふえることに備えまして簡易パーキングエリアの整備でございますとか、あるいは高齢者とお子さんがともに楽しめるふれあい公園等々の施策を具体的に進めてまいる考えでございます。
 二ページが、公共団体への分権化への取り組みでございます。
 当然、国土づくりに当たりましては国と地方の適切な役割分担が必要でございまして、国の場合は、県を越え広域的な事業あるいはナショナルミニマムの観点からの事業、こういったことをやらせていただいておりますし、県、市町村はそれぞれ地域の住民のニーズを受けとめてやっていただいているわけでございます。そういった中で我々の仕事も地方分権というのを進めていこうというふうに基本的に考えておりまして、既に従来から都市計画の事務の分権化等々もやらせていただいておりますけれども、まだまだもっとおろすべきだという御議論もありまして、そういったことをさらに今後も検討し、進めていきたいという考えでございます。
 三ぺ−ジが住宅困窮の高齢者への居住対策でございます。
 住宅に困窮しておられる低額所得者につきましては、平成三年度から公営住宅の供給に当たりましては原則としてバリアフリー、段差をなくす住宅を供給するというふうにいたしておりまして、同様に公団住宅も同じことを原則としているわけでございます。公共住宅関係はこれからのストックは高齢者、障害者仕様でつくっていく、こういうことになっております。そして、民間から地方公共団体に借り上げられます福祉型借上公共賃貸住宅という制度もございますが、そういった民間でおつくりになるものも公的な資金の配賦、公的な一般財源を入れますものにつきましては同様の考え方で進めていくわけでございます。
 それから、入居に当たりましてもお年寄りの方をなるべく優先的に入居するようにしたいということで、六十歳以上のお年寄り、女性の場合は五十歳以上でございますけれども、単身入居ができる、公営住宅は通常は世帯持ちを前提にいたしておりますが、単身入居ができるというふうにいたしております。
 平成六年度予算におきましても、福祉型借上公共賃貸住宅等々高齢者仕様の住宅の供給に努めてまいりたいと考えております。
 また、民間のアパートで高齢者の方を拒否するといいますか、入居の拒否というのが多いという御議論がいつも出されるわけでございますけれども、基本的には私人間の契約というものでございますので公的な介入がなかなか難しゅうございます。従来から申し上げておりますように、一般的な仲介業をやっておられます宅建業者にぜひこういったことを、高齢者の方が入居拒否されないような形で啓発といいますか、そういったことを引き続きやらせていただこう、こういう考えでございます。
 それから、五ページにまいりまして、公的なケアつきの住宅をどんどん進めていったらどうかという御指摘でございます。先ほどの繰り返しになりますけれども、高齢者向けの仕様の住宅はバリアフリー化を平成三年度から標準化いたしましたとともに、公的なケアという意味では完全な福祉を組み込むわけにはいきませんけれども、福祉部局との連絡をとる事業を二つほど進めさせていただいております。
 一つがシルバーハウジング・プロジェクトでございまして、公営住宅、公団住宅を建てかえていく際に、その中に一定の割合の高齢者の住宅を供給させていただきまして、優先入居をさせていただきます。そして、その方々が生活にお困りにならないように、生活の相談員といいますか、厚生省から補助金をいただきますライフサポート・アドバイザーという方に管理人になっていただきまして、そして場合によりましては厚生省関係の予算をちょうだいいたしまして、建てかえ団地の中にリハビリテーションセンターでございますとかあるいは生活相談室でございますとか、そういったものを併設いたしまして、高齢者のケアとまではいかないまでも日常の相談等々をお受けするような形で暮らしていただく団地づくりを進めております。
 先ほどちょっと申し上げましたシニア住宅というのは、住宅・都市整備公団あるいは地方住宅供給公社が供給しているわけでございますけれども、一定額の生命保険を一括してお払いいただきまして、その額を取ります形で賃貸料にかえましてお年寄りの方に入っていただく。その施設の中には簡単な医療施設が整っている、あるいは生活の団らん室等がある、そういったものを組み込みました制度でございまして、大都市圏を中心にしてかなりのプロジェクトが現在進行しつつございます。そういったことを進めまして、福祉との連携をとりながら高齢者住宅対策を進めているわけでございます。
 それから、六ページにまいりまして、高齢者の居住に適した住宅の普及あるいはリフォームの推進ということでございます。
 私どもも昭和六十二年度から長寿社会向けの居住環境向上技術の開発という研究テーマを持ちまして、高齢者仕様の住宅の設計指針というのをつくってまいったわけでございます。その一環といたしまして、先ほど申し上げました公営・公団住宅のバリアフリー化を進めているわけでございますが、民間住宅にもこれを普及しなきゃいけないということで、現在民間のこういった住宅の設計指針をつくっております。公庫も前々から、高齢者仕様でおつくりになる住宅あるいは改造につきまして融資を用意しているわけでございます。ただ、現実にはなかなか若いうちからこういった割り増し融資をお使いになる方がまだ少ないと私どもも思っておりますので、さらに今後こういったことをあらかじめやっていただくように啓発していきたいというふうに考えているわけでございます。
 それから、次のページにまいりまして、特に改造、リフォームについて掲げてございます。
 住宅のリフォームは住宅のストックがある程度ふえてまいりますと当然ふえてまいるわけでございます。特に昭和六十年度あたりから住宅リフォームセンターというところで消費者の方々に対して増改築の相談をあずかる増改築相談員というのをつくらせていただきました。高齢者向けの住宅リフォームというのは人によりまして随分違うわけでございます。障害部位によりまして住宅を改造する仕方も違います。そういったかなり個々具体の問題になってまいりますので、そういった増改築相談員も高齢者用あるいは障害者用のリフォームのやり方につきましてよく勉強していただく、そういった研修会を相当今進めさせていただいておりまして、いざというときにいろいろ御相談にあずかれるような体制を整備してございます。
 そして、高齢者向けの割り増し融資等の住宅をやっておりますけれども、平成五年度は特に経済対策と兼ね合わせまして従来は八百万程度のリフォーム融資を四けたの一千万円にさせていただいたわけでございますし、また、平成六年度はさらに五十万円上積みいたしまして一千百二十万円をリフォームに住宅金融公庫からお貸しができる、こういうふうにさせていただいているところでございます。
 それから八ページにまいりまして、福祉のまちづくり関係でございます。
 もとより福祉のまちづくりは建設省だけではできないわけでございますが、しかし私どものできる範囲では積極的にやらせていただこうという考えでございます。
 平成三年度に福祉のまちづくりモデル事業ということで、主として道路と建築物、これをなるべく総合的に、高齢者や障害者の方々が歩きやすい、あるいは住みやすい、こういった事業を進めております。この事業を進めるに当たりましては、やはり地元の市町村が熱心にやっていただくというのが大事でございまして、現実に例えば高崎市ですとか徳島市ですとか先進的な市町村では、駅前地区でございますとか中心的な繁華街でございますとか、そういったところを中心にしまして、まだわずかのエリアでございますけれどもこういったモデル事業をさせていただいているところでございます。
 来年度はこれをさらに拡充いたしまして、「モデル事業」から「人にやさしいまちづくり事業」というふうに名前を変えまして進めさせていただくわけでございますが、いずれにいたしましても、都市計画や街路、公園等々の建設省関係のそれぞれの仕事を、面的な形で福祉の観点からも、住みやすい歩きやすい、そういった都市にしていこうという考えでございます。もとより建設省ばかりでなくて交通関係等々の御相談も当然していかなければなりませんが、こういった形で現在やらさせていただいております。
 最後に、今国会に御提案申し上げております高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律案について概要を御説明させていただきたいと思います。
 二十一世紀の本格的な高齢社会に備えまして、住宅もやらせていただいておりますけれども、非住宅の、不特定多数の方が出入りされますデパートですとか劇場ですとか公的な公民館ですとか、そういった不特定多数の方が利用される際に高齢者、障害者の方も当然入っておいでになるわけでございますので、全体としていいストックのこういった仕様の建築物の建築を促進しようという考えで提案をさせていただきました。
 骨子は、高齢者、障害者仕様ということになりますと、出入り口のアプローチの問題、段差をなくするとか、あるいは出入口のドアの幅の問題、廊下の幅の問題、エレベーターの車いす利用の問題、あるいは車いすで使えるトイレの問題、こういったことが多角的に必要となってまいりまして、そういったものにつきまして特定建築主、不特定多数が利用される建築主にそういう仕様でつくっていただくように努力をしていただこうと、努力義務を課させていただきます。
 努力をする基準といたしまして、建設大臣が、基礎的基準という最低の基準といいますか、それと望ましい基準、二十一世紀に本当にいいストックをつくったなというふうな意味での望ましい基準の二つの基準を公表させていただきまして、この判断基準に基づきまして建てる際に知事が必要な指導あるいは助言をさせていただく。そして、特に誘導基準、望ましい基準でつくっていただくような建物につきましては幾つかのインセンティブを差し上げるというふうにいたしております。認定という行為をとっていただくわけでございますが、一つは予算、税制で措置をさせていただきます。ちょっとここには書いてございませんで失礼いたしました、法律上はストレートに出てまいりませんので。でございますが、高齢者・障害者仕様で誘導基準でおつくりになりますと、平均して工事費は三%ぐらいふえるわけでございます。そのうちの一・五%ぐらいを平均しまして、税制と助成措置で応援しようという考え方でございます。
 それから、二つ目のインセンティブは、確認手続と認定手続二つ要るわけでございますので、認定手続をもって認定申請を受けました知事、指定都市の長が建築主事に確認をとってもらう、両方申請をしないで済む、そういう手続の簡素化はいたします。
 それから、廊下を広げたりトイレを広げたり、誘導基準でやらない場合よりもそういった部分の面積が広がるわけでございますので、広げた分の容積は不算入にしようと。したがって、いいことをしたといいますか、廊下を広げたりトイレを広くしたりという分でほかの面積をいじめないようにしようと、そういった容積率の特例もつけさせていただいております。
 また、二階建てぐらいのスーパーを考えまして、これは既存の建物についてもそうでございますけれども、大体は階段で二階がつくられておりますので、そうしますと車いす利用の方は二階にはなかなか行けないということから、簡易なといいますか、ちょっと言い方は悪いんですが、安全ではありますけれども、設置型のエレベーターをおつくりになります場合には基準法の特例でできるようにしよう、こういったことをインセンティブとしてつけさせていただいているわけでございます。
 一枚おめくりいただきますと、レジュメといいますかそういったことが書いてございますけれども、こういったことで現在、参議院先議で御議論をいただいて、建設委員会の方で御審議をきょう賜ろうということでございます。
 以上、大変簡単でございますけれども、国民生活調査会のフォローアップにつきましての御報告をさせていただきました。どうかよろしくお願いいたします。
#13
○会長(鈴木省吾君) 次に、二年目の調査項目に関する現状と今後の取り組みについて、政府より順次説明を聴取いたします。
 まず、厚生省より説明を聴取いたします。厚生省阿部大臣官房審議官。
#14
○説明員(阿部正俊君) それでは、幾つかの点につきまして御説明を申し上げたいと思います。
 お手元にお配りさせていただいております資料を基礎にいたしまして、簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 私どもの方からは、一つは家族と高齢者福祉という点と、それから高齢者の福祉と生活保障という観点、それからいわば医療というふうなものを取り巻く状況、この三点について御説明申し上げたいと存じます。
 お開きいただきまして、最初に家族というものの変化といいましょうか、これが将来の高齢者福祉なりにどういうふうに影響していくのかという観点が大変大事だと思うわけでございます。
 この資料にございますように、一ページの下の方に、いわば家族といいましょうか世帯といいましょうか、というふうな一つの変化というものがかなり急激な様相であるということを示す数字を入れてございます。ここ数十年の中でやはり核家族化の進展というのは引き続き進行しておりますし、あとはやはり夫婦のみの高齢者世帯の増加というふうな点、下の資料で下から三つ目の数字でございますけれども、高齢者単独世帯というふうな表現になっておりますが、これは現在既に二百数十万の世帯に上っております。これが将来的にはさらに、一応私ども推測的に考えまして二百九十一万ということですが、あるいはもっとふえるということになるかもしれません。というふうなことが一つの特色でございます。
 それからあとは、やはり核家族の増加等もかなりの勢いで進んでおりまして、結論的に言いますと、下から二番目の数字ですが、総世帯数というのがやはり昭和三十年代の千八百九十万世帯と比べると倍以上の数になっているという、小規模化しているということがやっぱり一つの大きな特色だろうと思うわけでございます。
 ここに書いてございますように、そういった小規模化が進みますと、こうした状況の中で、事のよしあしはともかくとして、これまで家庭という一つの枠の中で担われてきました介護だとか育児とかというふうな機能がいわばそこで期待できなくなるというふうなことが起こるわけでございます。そうしますと、そのサービスといいましょうかその機能というのは、これは社会の存立のためにぜひ必要な機能でございますので、それをどういう形で担保していくのか、賄っていくのかということが一つの課題になるわけでございます。それはやはり広い意味での社会保障制度というようなことでカバーしていくということになるのではないか、こんなふうな認識を持っているわけでございます。
 そういう中で、次のページに入りますが、もう一つはやはり側面としていわゆる少子社会というのが言われるようになっておりまして、いわゆる合計特殊出生率の低下ということが数字として出てくるわけでございます。これは私どもは、子供の数が二百七十万人時代から現在は百十万、二十万というふうな数字になったこと自体は余り衝撃的に考えるのはどうかなと思いますが、ただやはり、余り極端な形で特殊出生率というのが減っていくというのは、社会としては歓迎されることではないんじゃないか。やはり子供が生まれ育つ環境づくりというのに力を入れて、もう少し回復していくといいましょうか、それを担保できる仕掛けというのをつくっていくべきじゃないか、こんなふうに考えているわけでございます。
 そういうことで、私どもは平成六年度におきまして、幅広い児童家庭対策を講じようということで、ネーミングとしてはそこに書いてございますようにエンゼルプランプレリュード、ちょっと横文字で恐縮なんでございますけれども、将来的にはさらに本格的なエンゼルプランということをつくるということを想定いたしまして、それの前奏曲といいましょうか、というふうな認識で六年度予算を編成した、こんなふうな状況でございます。
 いずれにしても、やはり少子化対策というのは活力ある福祉社会をつくっていく上での重要な課題でございまして、同時にやはり今後の働く女性の増加、これは働く人がふえるから大変だという意味だけではなくて、将来のいわゆる高齢社会における社会全体としての一つの労働力というふうなことから考えましても、もっともっと本格的な女性の社会参加というものがむしろ想定されなきゃならぬのではなかろうかというふうに思います。そういったふうな状況に対応するためにもかなり本格的な児童家庭対策、中でも育児ということの直接的なサービスに対する取り組みというものをもう少し拡充し、かつ観点もさらに若干変えて取り組んでいく必要があるのではないか、こんなふうな認識でいるわけでございます。社会的な育児需要の増大、こういう表現をしておりますけれども、そんなふうな認識が必要であり、そういった認識を前提にした積極的な対策が必要なんではないか、こんなふうに思っております。
 今プレリュードということでございますが、いずれこれより本格的なエンゼルプランというものが必要になってくるのではないかと思っておりまして、そういったふうな視点からの、新しいまた観点からの検討を行っているところでございます。
 それから四ページ目に入らしていただきます。
 それでは一面、今度は高齢者福祉というふうな側面から家族という関係を見てみますと、現在高齢者福祉につきましては、一言で言いますといわゆるゴールドプラン、十年間の計画をもちまして進めているわけでございますけれども、これが果たして今のままでいけるかということについては、やはり私どもは、さらに拡充していかなきゃならぬのじゃないか、こう思っておりまして、現在新しいゴールドプランというのを検討中でございます。
 ただ、これの前提といたしまして、各市町村に老人保健福祉計画というのを作成していただきまして、ほぼ出そろっておりますので、こういったふうなものをさらに積み上げまして、将来の物的、量的、システム的な福祉施策の拡充ということを考えていくべきだろう、こんなふうに思っておるわけでございます。
 それからあと、今後の取り組みとしては以上のようなことでございますけれども、今国会にも老人福祉法の改正ということで、一部、福祉サイドでも、例えば在宅介護支援センターの法的な位置づけをしっかりするとかというふうな点も盛り込んだ形で提案しているところでございます。
 それから、六ページでございます。
 福祉サービスということとちょっと離れまして、生活保障といいましょうか、あるいは就業というふうな側面として見てみますと、いわゆる社会的弱者という言葉が従来ございましたけれども、そういったふうなときに、やはりお年寄り、高齢者というものをそれの範疇の中で無意識的に意識してきた側面がなかったのかなというふうに私どもも少し考え直してみなきゃいかぬのじゃないか、こんなふうに思っております。
 数字的に見ましても、六ページの一番下の資産の保有状況を世帯主の年齢階級別に見た数字でございますが、これで見ますと、やはり六十から六十九、あるいは七十歳以上というのが、金融資産におきましても宅地資産におきましても一番高い所有率、所有額になっているというふうになっておりまして、これはやはり大事なポイントの一つではないかと思っております。
 ただ私どもは、だからお年寄りはみんなお金持ちだとかと言うつもりは毛頭ありません。やはり一つの特性として、いわば二極分化という側面もあるということを十分に頭に置いた上ではありますけれども、一律的ないわゆる社会的弱者論というものだけで事を見ていくというのは適当なのかどうなのかというところが、これから考えていかなきゃいかぬテーマではないか、こんなふうに思っております。
 そういったふうな資産なり所得なりということを、きちっとお年寄りの生活なり、あるいはいろんな例えば介護サービス等々に活用されるような状況づくりというふうな物の考え方が大事なのではないだろうかな、こんなふうに思っておるわけでございます。
 それから、いわゆる年金等々の問題でございますが、七ページに入ります。
 その中で、やはり高齢者の生活保障といいましょうか、経済的な意味での生活保障の中に果たす公的年金の役割というのはますます大きくなっておるわけでございます。年金を受給している御家庭が全体の九七%に上るとか、あるいはその中に占める公的年金等の額が全体の所得の半分程度になっておるとか、いわば一番主要な生活の支えになりつつあるというふうに言っていいんだろうと思うのでございます。これの長期的な支えを安定させるというのが非常に大事な施策になってくるわけでございまして、そのための年金制度の改正といいましょうか、手直しというものもやはりぜひ必要なことではないか。
 これはもう世代を超えて永続をさせていかなければならぬ制度でございますので、これを一時的な対応だけで考えるということではなくて、より二十年、三十年、五十年といったふうなタームで物を見ていったときの年金制度としての仕組みというものをどう構築していくのかというのがやはり大事な時期になっているというふうに認識しているわけでございます。例えば、支給開始年齢の問題だとかあるいは年金額の評価の問題とかいうこともそういったふうな視点からやはり考えられるべきものであろうというふうに思っておりまして、現在の国会に改正案を出させていただいておるというような状況でございます。
 それから、最後に簡単に触れますが、九ページ。
 いわば元気なお年寄りというのが望ましいわけでございまして、何がしか多少の不自由さがありましても明るく元気にやっていただくということが非常に大事なので、そういったふうな方々を応援していく施策というのも、金銭的な問題はともかくとして、施策の進め方として大事な一つのポイントなのではないか。全体の医療なり介護というふうな経費から比べますと微々たる経費かもしれませんけれども、社会参加の促進とかあるいはボランティア活動の振興等々にきめ細かな対策を講じていくということもやはり大事な一つの施策であろうというふうに認識しているわけでございます。
 時間がありませんので細かくは説明申し上げませんが、多様な視点からの施策を展開してまいりたいというふうに思います。
 次の医療につきましては太田審議官から説明させていただきます。
#15
○会長(鈴木省吾君) 厚生省太田大臣官房審議官。
#16
○説明員(太田義武君) 審議官の太田でございます。
 三番目の「福祉の視点から見た高齢者医療」につきまして、十ページ以下につきまして簡単に御説明させていただきます。
 高齢者につきましては、病気にかかると大変不安、大きな心配でございます。ただ、高齢者につきましては、普通の疾病と違いますのは、介護をさらに重視しなきゃいかぬという点があるかと思います。そういうことで、昨年の医療法の改正で療養型病床群という制度をつくりまして、長期慢性疾患の患者さんへの対応を図ったところでございます。現在この病院は八十七カ所もう既に承認されていまして、引き続き増加するものと思っています。
 これは施設に入った場合の状況でございますが、さらに今後のポイントとして、第二点は、在宅医療ということをさらに進めなきゃいけません。特に、老人関係につきましては老人訪問看護事業というのがございますが、それの普及を図る必要がございます。さらに、私どもはその基本になるのはお医者さん、地域においてかかりつけのお医者さんを持っていただくということではないだろうかというふうに思っておりまして、かかりつけ医推進モデル事業というのを全国十四カ所で実は実施いたしまして、その報告をまとめておるところでございます。
 さらに、第三点といたしまして、今後、保健、医療、福祉の連携ということが大変大事であるということでございます。御存じのように、福祉関係につきましては平成二年に福祉八法の改正がなされまして、基本的には市町村の仕事とされたわけでございますが、保健関係につきましてもできるだけ身近な保健サービスを市町村においてやっていただくのがいいんではないだろうかということから、今国会に地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案、いわゆる地域保健法というものを提出させていただいておるところでございます。これが成立いたしますと、市町村レベルにおきまして保健と福祉の一体的なサービスが提供できることになるというふうに考えておる次第でございます。
 次の十一ページ、「療養環境の整備」でございます。
 我が国の医療につきましては、医療水準そのものはかなり高いと思っておりますけれども、それに比べまして療養環境とかあるいは衛生環境、あるいはそこで働く人にとってみれば労働環境、そういうものが見劣りするんではないかという指摘が多々ございます。それに対しまして、私どもそういう環境の改善ということを強力に推し進めなければいけないと思っております。
 まず、療養の環境につきましては、予算の補助とそれから診療報酬面の対応と二つございまして、予算的には平成五年度から、民間病院に対しまして医療施設近代化施設整備事業ということで新たな補助を約百億円ほど計上しておりまして、御議論をいただいておるところでございます。また診療報酬面におきましても、この四月から、入院中の療養環境を総合的に評価するということで入院環境料というものを設けるということとしてございます。
 次に、院内感染の防止でございますけれども、院内感染につきましても、予算的な補助あるいは診療報酬上の措置、この二本立てで行われておりますけれども、補助としては個室整備等のために院内感染対策施設整備事業等を行っておりますし、また診療報酬上も、今度の改正でMRSA等に対しましていわゆる検査、固定検査と呼んでいますが、それを評価した点数設定がなされておるところでございます。
 いずれにいたしましても、今後の療養環境をさらに整備する必要があるということで、これらの補助の充実、あるいは診療報酬上の手当て等の施策を総合的に推進していく必要があるものと考えております。
 十三ページをごらんいただきたいと思います。「医療マンパワーの確保」でございます。
 医療マンパワーにつきましては、処遇の改善とそれから資質の向上ということが大事かと思います。その中でも特に看護婦さんにつきましては、平成四年に看護婦等の人材確保の促進に関する法律が成立し、さらにその法律に基づきまして平成四年十二月に基本指針というのがまとめられました。これを踏まえまして、看護婦さんが働きやすい環境づくりということで、業務改善のマニュアルの事例集を作成して関係者に配付しております。さらに、夜勤回数とか労働時間の改善等に配慮した離職防止、これを含めた確保対策を講ずるよう医療機関に対して指導を行っているところでございます。
 看護婦さんにつきましては、我々は四本立てで施策を進めておりまして、一つは離職防止、二番目は就業の促進、再就職、三番目は養成力の強化充実、四番目は資質の向上ということに努めておりますが、特に処遇の改善に関しましては、下の方に書いてございますけれども、今年度から院内保育所の二十四時間体制というものを確立したいということでございます。その所要の予算を計上させていただいております。
 また、資質の向上に関しまして、いろいろな職種がございますが、ひとつ医師につきまして研修制度の充実ということを考えておりまして、今年度から、研修病院というのがございますけれども、そこにプログラム方式を導入いたしまして二年間のプログラムをきちっとつくっていただいて研修していただく。あるいは、従来は研修というと医療機関の中だけの研修だったのですが、さらに老人保健施設というような、そういうサイドにおける研修もやっていただくというような形で、いわゆる老人を福祉的な面とかいろんな面で立体的な見方をできるような、そういうお医者さんを育ててほしいということで対応を考えておる次第でございます。
 次の十四ページでございますけれども「痴呆性老人対策」、これにつきましては施設の整備とそれから研究が大事だろうと思っております。
 施設の整備につきましては、痴呆性の老人の個別の状態に応じた施設、例えば老人保健施設とか特別養護老人ホーム、あるいは老人性痴呆疾患の専門病棟ということで治療病棟あるいは療養病棟の整備、これらを図っていく必要があるわけでございまして、下に数値を書いてございます。
 また、ゴールドプランの一環といたしまして、いわゆる長寿科学総合研究というのがございますけれども、そこで痴呆の発症メカニズム解明とか予防法等を課題とした研究を推進することといたしております。
 なお、今後の取り組みの、一番下から四行目でございますが、この痴呆性老人の問題につきましては、平成五年の秋から痴呆性老人対策に関する検討会というのを開催いたしております。平成六年、今年の夏ごろに報告書を取りまとめていただく予定でございまして、この報告書をいただきまして総合的に痴呆性老人対策に取り組む所存でございます。
 次に十五ページの「ターミナルケアの充実」という点でございます。
 「施策の課題」のところに書いてございますが、がんの増加等の疾病構造の変化とか医療技術の進歩等を背景といたしまして、ターミナルケアに対する国民の関心は大変高まっておると思います。患者さんの苦痛の緩和とか精神的ケアに重点を置いた適切なターミナルケアを受けられるようにしていくことが大変重要であるというふうに我々は認識しております。
 そこで、私どもは平成元年五月に、末期医療に関する、ターミナルケアのあり方に関する検討会がありますが、そこから提言をいただきまして、そこでがん末期医療に関するケアのマニュアルというものを同年の九月に作成いたしまして、このマニュアルを、お医者さんとか看護婦さんとか、いわゆる末期医療に関係しております方々に講習会を実施いたしまして、そこでこれに関する知識や技術の普及を図っておるということでございます。
 また、いわゆるホスピスというものがございますが、ホスピスにつきましては、そういう適切なケアをできる病棟、これを診療報酬におきまして緩和ケア病棟というふうに位置づけまして評価する制度を設けておりまして、ことしの四月現在におきまして十二の病院、二百五十三床が承認されておるところでございます。
 なお、ことしの四月の診療報酬改定におきましては、在宅のターミナルケアということに対しても評価を行いまして、それぞれの点数化を行い、高齢者のいわゆるクオリティー・オブ・ライフの向上を図ることとしておるところでございます。
 最後でございますが、「高齢者の選択の尊重」ということでございます。
 高齢者も、先ほどちょっと表にもありましたけれども、人数が多くなる、さらにいろんな考え方、いろんなニーズを持った方がたくさん出てきますと、やはり選択ということが大変重要であると思います。その選択に対応した制度というのをそれぞれ構築しなければなりませんが、その中で私どもは、特に医療に関して重要なのはインフォームド・コンセントであろうかと思っております。もちろんそのほかにも、いわゆるニーズの多様化で特別の病室の提供とかいろんな制度がございますけれども、もう少し基本的にはインフォーム、ド・コンセントという問題があります。それにつきましては私ども、インフォームド・コンセントの在り方に関する検討会というのを昨年設置いたしまして、関係の方面の先生方に実は今御議論をいただいて検討しておるところでございます。その結果を踏まえまして、どういうふうな対応をするのかさらに勉強していきたいと思っております。
 さらに、選択ということになりますと、その前提として、いろんな情報がそういう住民の方々、老人の方々、関係者に届く必要がございます。そのためのシステムというのができる必要がございます。
 それで、中学校区には在宅介護支援センター、それから市町村には福祉事務所あるいは市町村保健センター、都道府県には高齢者総合相談センター等が設置されておりまして、それぞれ情報の提供、相談に応じているところでございます。
 今後、さらにそれを強化するという必要がございまして、一番下の「今後の取組」の中に、特に四つの黒丸で書いてございます。特に一番目、住民に身近な相談窓口といたしまして、地域の在宅介護支援センターあるいは市町村の福祉事務所、保健センター等が十分に機能する必要があるというふうに思っておりますし、さらに最後の方に、いろんなセンターができ、あるいはサービスが出てまいりますと、どこに行っていいのかという問題も出てくると思いますので、相談先がわからないことのないように、行政側からも広報活動をさらに充実させる必要があるのではないかというふうに考えております。
 以上でございます。どうかよろしくお願いいたします。
#17
○会長(鈴木省吾君) 次に、労働省より説明を聴取いたします。労働省松原婦人局長。
#18
○政府委員(松原亘子君) それでは、二年度目の調査項目に関しまして、「家族の変貌と高齢者福祉」及び「高齢者の福祉と生活保障」について御説明をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、「家族の変貌と高齢者福祉」の関係でございますけれども、資料の一ページ目をお開きいただきたいと思います。
 ここに書いてございますように、仕事と育児の両立支援策がまず第一点でございます。
 これにつきましては、平成四年四月から施行された育児休業法の定着を図るために、啓発活動、相談、指導をもちろん実施いたしているわけでございますけれども、それに加えまして、育児休業者職場復帰プログラム実施奨励金制度というのを創設いたしましたが、その活用の促進ですとか、今年度が規模三十人以上の事業所に対しての育児休業法の適用猶予の最終年度でございますが、その最終年度における事業所に対するこの育児休業制度の早期導入を奨励金制度の活用によって図っているという点が第二点でございます。
 三点目は、事業所内託児施設助成金制度を創設いたしましたけれども、その活用の促進をいたしているところでございます。
 また、仕事と育児の両立に関する環境整備を図るために、仕事と育児の両立のための特別援助事業、私ども簡単にファミリーサポート事業と言っておりますけれども、これを平成六年度から実施をいたしたいというふうに考えております。
 また、これまでも実施してきております育児、介護等を行う労働者の就業支援事業の拡充なども図っていきたいと考えているところでございます。
 さらに、労働者が育児休業を取得しやすくし、その後の円滑な職場復帰を援助促進するための育児休業給付制度の創設などを内容とする雇用保険法改正案を今国会に提出しているところでございます。
 次に、介護休業制度等普及促進対策でございますが、二ページに資料をお示ししてございます。
 介護休業制度等に関するガイドラインというのを平成四年に策定をいたしまして、これに基づく介護休業制度の普及促進を図っているところでございます。そのため、仕事と介護に関するシンポジウムですとか労使など関係者に対する啓発指導を行っているところでございますけれども、六年度には中小企業集団における仕事と介護支援トータルプラン事業を実施いたしたいというふうに考えているところでございます。
 これらの施策に加えまして、三ページにお示ししてございますけれども、職業生活と家庭生活の両立支援策の今後の課題でございますが、介護休業制度の法制化問題の検討というのは先ほどフォローアップに関連いたしまして御説明させていただきましたけれども、その検討を行うとともに、職業生活と家庭生活との両立支援策を一層充実させる必要があるというふうに考えておりまして、今後この点についての検討を深めたいというふうに考えているところでございます。
 次に、国際家族年に向けての取り組みでございますが、資料の四ページにございます。
 平成六年、ことしが国際家族年であることを踏まえまして、労働省といたしましては、その記念行事として、国際家族年記念シンポジウム、十月を予定しておりますが、開催することとしております。また、この国際家族年関係事業といたしまして、育児、介護などを行う勤労者支援策のあり方を調査研究したいと思っておりますし、また先ほど申し上げましたファミリーサポート事業を開始するということにしているわけでございます。
 次は、女性の地位向上対策でございますが、五ページの資料を見ていただきたいと思います。
 労働省では、昭和二十四年以来、我が国の女性が初めて参政権を行使いたしました四月十日から始まる一週間を婦人週間として定めておりまして、女性の地位向上のための啓発活動を全国的に展開してきているところでございます。また、各種審議会等の委員における女性委員の比率を高めるために、あらゆる機会をとらえて関係機関等に対して協力要請を行うなど、女性の政策方針決定の場への参加を促進しているところでございます。
 次に、資料六ページに行きたいと存じます。
 介護労働力確保対策でございますが、まず介護労働力の現状でございますが、民営の家政婦紹介所の数が現在千二百六十五カ所でございまして、そこに登録されて働いている家政婦の数は約十四万四千人でございます。その職域を見ますと、病院付添看護業務に従事するものが全体の約八割を占めておりますが、今後は在宅介護分野での需要の拡大が見込まれ、介護業務の経験と実績を有する家政婦の活用を進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 そこで、資料七ページにございますように、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づきまして介護労働安定センターを指定し、以下申し上げる四つの事業を行っております。
 第一は介護クーポンを活用した在宅介護需給安定事業でございます。二点目は要介護者に対する情報提供。三つ目が介護労働者に対する職業講習。四つ目が事業主等に対する雇用管理研修等でございます。このうち介護クーポンを活用した在宅介護需給安定事業及び介護労働者能力開発事業については、先ほどフォローアップに関連いたしまして御説明したとおりでございまして、平成六年度から新たに行うこととしているものでございます。詳細は資料の八ページ、九ページに書いてございます。
 また十ページには、公共職業安定所を通じた介護労働力確保対策について、先ほど御説明を申し上げましたけれども、ここに具体的に記載いたしておりますように、福祉重点ハローワークを指定し、きめ細かな職業紹介や事業主に対する雇用管理の改善指導等に努めているところでございます。
 次に、「高齢者の福祉と生活保障」について資料に基づいて御説明いたします。
 第一は、高齢者雇用対策でございます。
 資料十一ページに書いてございますけれども、まず高齢化の現状でありますが、我が国の人口は世界に類を見ない速度で急速に高齢化が進展し、二十一世紀初頭には極めて高齢者の割合が高い超高齢社会が到来することが見込まれているわけでございます。また、二十一世紀初頭には労働力人口のうち四人に一人が五十五歳以上の高齢者となるというふうにも見込まれております。
 十二ページに高齢者の就業意欲、高齢者の雇用の実態等についての資料をお示ししてございますけれども、まず、就業意欲の状況について見ますと、五七・一%の人が六十五歳まで働きたいというふうにしておりまして、多くの高齢者が高い就業意欲を持っているわけでございます。
 また、高齢期の就業希望の状況を見てみますと、下のグラフにございますように、六十歳を超えますと短時間勤務や任意就業を希望する者がふえるというような傾向もございまして、希望の就業形態が多様化するという傾向にございます。
 十三ページに、我が国の雇用失業情勢、高齢者の雇用失業情勢のデータをお示ししてございます。
 我が国の雇用失業情勢は依然として厳しい状況が続いておりまして、平成六年三月の完全失業率は、六十歳から六十四歳の年齢層について見ますと五・〇%。なお、資料にはちょっと間に合いませんで書いてございませんけれども、四月はこれが五・一%というふうになっております。年齢計で平成六年三月が三・二%、四月が二・九%ということでございますので、年齢計と比べますと非常に高齢者の失業率が高いという実態があるわけでございます。
 また有効求人倍率を見ますと、五十五歳以上で平成六年三月で〇・一七倍、その後出ました新しい資料で四月の分が出ておりますが、〇・一四倍というふうに若干下がっております。さらに、六十から六十四歳層につきましては、平成六年三月で〇・一倍、新しい四月の数字は〇・〇九倍というふうになっておりまして、年齢計の〇・六八倍と比べますとさらに厳しい状況があらわれておりまして、一たん離職するとなかなか再就職が難しいという状況にあるわけでございます。
 次に、十四ページにお示ししてございますが、企業における六十歳定年制の進捗状況をごらんいただきたいと思います。
 企業の六十歳定年は着実に進展をしておりまして、六十歳定年制を定めている企業の割合は平成五年には八〇%というふうになっております。さらに、これから六十歳以上とするということを予定している企業まで含めますと九四・四%という数字になっております。
 勤務延長制度、再雇用制度などの継続雇用制度につきましては、六十歳以上定年制のある企業のうち七一・七%の企業において設けられておりますけれども、希望者全員が六十五歳まで働けるという継続雇用制度を持っている企業の割合は約二割という状況でございます。
 今後の高齢者雇用対策でございますが、資料十五ページにございますように、急速な高齢化が進展する中で我が国経済社会の活力を維持していくためには、高齢者がその豊かな知識、経験を生かし、少なくとも六十五歳に達するまで働けるようにすることが極めて重要な課題になっているというふうに認識しているわけでございます。
 このため、企業における六十五歳に達するまでの雇用機会の確保を図るとともに、高齢者がその希望に応じた多様な形態で働くことができるようにするため、六十歳定年制の確立、六十五歳までの継続雇用制度の導入促進や高齢者に係る労働者派遣の特例等を内容とする高年齢者雇用安定法の改正法案、及び、高年齢者の働く意欲と能力にこたえ、六十五歳までの雇用継続を援助、促進するための高年齢雇用継続給付制度の創設等を内容とする雇用保険法の改正法案を今国会に提出しているところでございます。この高年齢者雇用安定法改正案及び雇用保険法改正案の概要は十六ページ以下のとおりでございます。
 次に、高齢化の進展に対応した職業能力開発対策について御説明をさせていただきます。
 資料十九ページにございますように、高齢期におきましても労働者が安定、充実した職業生活を送れるよう、企業が労働者に対して行う能力開発を支援したいというふうに考えておりまして、それを支援するとともに、労働者の自己啓発の促進に努めるなど、職業生涯を通じた計画的な能力開発を図っているところでございます。
 高年齢の離転職者につきましては、再就職に役立つ知識や技能を習得することが必要になってくるわけでございます。そこで、公共職業能力開発施設に高年齢者向けの訓練科を設置いたしまして、新たな職業に再就職するために必要な知識、技能の付与などを行っております。
 さらに、今後長期化する職業生涯の全期間を通じて労働環境の変化に対応できる専門的能力の開発、向上を図るため、今年度から新たにビジネスキャリア制度を開始したところでございます。
 以上、簡単ではございますが、高齢化社会への労働行政の対応について御説明をさせていただきました。何とぞ、御審議の上、労働行政に一層の御理解、御支援を賜ればと存ずるところでございます。
 どうもありがとうございました。
#19
○会長(鈴木省吾君) 以上で政府からの説明聴取は終了いたしました。
 これより政府からの説明に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#20
○清水嘉与子君 各省庁のお話を伺っておりまして、平成六年から新しい施策を大分考えてくださっている、あるいは重要な法案を大分提案してくださっていると伺いまして、ちょっと胸が痛くなったところでございます。早く私たちも頑張って皆様方が本当に仕事ができるようにしなきゃいけないなと痛感したところでございます。
 そこで、本調査会におきましては既に二年間いろいろな側面から本格的高齢社会への対応について取り上げて調査検討してきたわけでございまして、そういう中で幾つかの問題点が明らかになってきたというふうに思います。特に、私考えますに、日本はかなりいろんな面でいいところまで来ていると思いますけれども、医療にしても福祉にしても、やはり施設がどうしても中心になっていて、在宅でのサービスというのが量的にもまたサービスの内容からいきましても余りにも少な過ぎるんじゃないかというのが実感でございます。
 ちょうどこの三月に厚生省から二十一世紀福祉ビジョンが出されたということもありますので、これを中心に幾つかの質問をさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 まずその一点は、二十一世紀福祉ビジョンが発表されたわけですが、このビジョンのねらい、そしてまた厚生省としてこのビジョンを今後どのように取り扱っていくのか、またどのように対応していくのかといったところから伺いたいと思います。
   〔会長退席、理事竹山裕君着席〕
#21
○説明員(小林和弘君) 二十一世紀福祉ビジョン、ことしの三月に策定をさせていただきました。主要施策の基本的な方向についてそこでお示しいただいたわけでございますが、今後、その中身の中で、実現に時間を要するものについての検討の着手でございますとか緊急度の高いものにつきましての実現に向けて、できるだけ早く厚生省としても取り組んでいきたいというふうに考えております。
 特に介護対策、さらに子育て支援対策という点に重点を置きながら、二十一世紀福祉ビジョンで示された方向に沿いまして望ましい福祉社会の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。このため、財源の確保に留意しつつ、介護対策としての新ゴールドプランの策定を急ぐとともに、子育て支援対策として総合的な計画の策定の検討について早急に進めてまいりたいというふうに思っております。
#22
○清水嘉与子君 この福祉ビジョン、私もよく読ませていただいたわけですけれども、全体的には、少子・高齢社会で必要と考えられるサービスを網羅的に全体像を描いてあり、そして、かなり幅広にその問題点を指摘し、改善すべき提言をしているというようなことで、一々うなずける点が多いわけでありますけれども、いかんせん、例えば適正なとか最適なとか、あるいは公平なとか質の高いとかいったような表現がもう至るところに出てまいりまして、ビジョンということですからしようがないのかなとも思いますけれども、一体具体的に何なんだろうかという感じが率直にするわけなんですね。
 これが全部公的なサービスでやってくれるのであればこれはもう問題ないんだろうと思いますが、よく見てみますと、目指すべき福祉社会像としては、ここで見ますと、「公民の適切な組み合わせによる適正給付・適正負担という独自の福祉社会の実現をめざす」、こういうふうになっているわけでありまして、従来言っていたような高福祉高負担、低福祉低負担の中間的なものだというようなイメージかなというふうに思うわけですが、このビジョンで言っているような非常に広いサービスの中で公的なサービスというのは一体どんなことをしてくれるんだろうか、その辺がやはりみんなの一番の関心事ではないかなというふうに思うわけです。
 しかも、具体性がないと言いながら、このビジョンをもとにして既に社会保障の給付と負担のところまで一応幾つかのケースを挙げて必要な経費を計算しているわけですよね。その計算の仕方がもとになって、また大蔵省でも、具体的な税制改正に関する、機械的な試算と言っていますけれども、試算も行われているというようなことを考えますと、やはりかなり細かいものを積み上げていらっしゃるんじゃないかなという気もするんですが、何か具体的に適正給付というのはこんなものなんだよ、公的サービスというのはこんなものなんだよというようなことがわかるような例があったら教えていただきたいと思います。
#23
○説明員(小林和弘君) ビジョンの中でどういうサービス水準なりを具体的にイメージして見込んでいるのかというお尋ねでございます。
 例えば、この二十一世紀福祉ビジョンの中で特に今後重点的に拡充すべき方向として出されました介護対策というあたりを例にとってみますと、寝たきりのお年寄りに対します在宅福祉サービスにつきましては、ホームヘルプサービスについて現在週一、二回の訪問ということを想定しておるわけなんですが、これを将来的には三から六回ぐらい、あるいはデイサービスにつきましては現在適一回でございますが、これを週二回から三回程度、老人訪問看護サービスにつきましては現在週一回というのを週一、二回ぐらいに拡大、さらにショートステイサービスにつきましては現在年四回程度でございますが、これを年六回に充実するというような方向を打ち出してございます。これによりまして、在宅サービスにつきましては、在宅で寝たきりの介護を必要とするお年寄りの方々が毎日何らかのケアが利用できるようになる、また施設サービスにつきましては、入所を希望する方が入所を待つことなく利用できるようなものにしていくということを基本としております。
 またもう一つ、介護と並んで育児という点が強調されておるわけでございますが、こちらの方の点につきましては、子育て期の女性のニーズに対応いたしまして保育サービスがいつでも利用できるようなところを想定いたしまして、さらにあわせて育児休暇等雇用対策面の推進ということも含めまして、これらの充実、実現によりまして仕事と子育てが両立しやすい環境が整備できるのではないかというふうに考えております。
#24
○清水嘉与子君 今御説明伺ったわけですけれども、「いつでもどこでも受けられる介護サービス」というふうに書いてありまして、今おっしゃったように、かなり今のサービスに比べれば頻度が高くサービスが受けられるんだという御説明でございました。
 先ほどの阿部審議官の説明でもありましたけれども、二〇〇〇年になると全世帯の約九〇%近くが核家族あるいは単独世帯になる、こういう話でございまして、もうとても家族の介護力というのは期待できなくなってくるわけですね。
 例えば、今ひとり暮らしの寝たきりのお年寄りは今おっしゃったようなサービスが受けられると。しかし、考えてみれば、ホームヘルプサービスが週に三回から六回受けられるんだということでありますけれども、それじゃそれで十分生活できるかというと、一週間というのは実際六日じゃありませんで七日あるわけですよね。日曜日は来ないサービスでどうやってやるのかということもありますし、また昼だけでありませんでやっぱり夜間なんかもあるわけで、とてもこれで十分、つまり公的なサービスだけで全部カバーするというのはどだい無理な話ではないかというふうに思うわけなんですね。そうじゃないかと実は思うんですが、その辺いかがでしょうか。そこの辺まである程度公的サービスで将来カバーできるような形になるんでしょうか。
#25
○説明員(小林和弘君) 先ほど御説明申し上げた点につきましては、こういう在宅福祉サービスの充実、この二十一世紀福祉ビジョンで想定される水準が確保されることによって毎日何らかの在宅サービスが受けられるような体制、まずそこまでの水準を目指していこうということでございます。
 また、公的なサービスだけですべて賄えるのかという点につきましては、その基本的な部分については公的サービスで賄えるような体制をつくっていくというのは当然ございますが、あわせて、いろいろな形で利用できる民間の活力、サービスというようなものも全体としての福祉水準の向上に役立てていこうというふうな基本で考えてございます。
#26
○清水嘉与子君 私は、日本のこれからの介護サービスというのは民間の方々、民間のサービスを相当導入してこなければできないのじゃないかというふうに思うんですね。
 ただ、そのときにやはり問題になるのは、サービスの質の確保でありますとか、それからそれを使いたい利用者が非常に負担がかかり過ぎるというようなことが問題になるのではないかと思いますけれども、既に民間の方々もこういう介護サービスに参入してきてくださっているとは思いますけれども、今後その辺の民間事業の普及支援といいましょうか、この辺については何かお考えがあったら教えていただきたいと思います。
#27
○説明員(大田晋君) 高齢者のサービス、とりわけ介護についてのお話とさせていただきたいと思いますが、厚生省といたしましては、ただいまの民間の活力をどう導入するかという観点から三年前に組織改正をやっておりまして、老人福祉振興課という新たな課をつくっております。
 ここにおきまして、とりわけいわゆる民間の事業者の活力を導入するという観点で現在精力的に活動を行っているところでございますが、実際にやってきまして御指摘しておきたいことは、民間といった場合に二つあるというふうに考えております。すなわち、全くの民間、株式会社でございますとか、身分ももちろん民間の方、そういったタイプと、もう一つは公の行うサービスを受けてサービスとしては民間の方がお出しになると、こういうふうな二つのタイプがございます。
 前者の全くの民間シルバーサービスは、我々が想像するほどまだ伸びてきておりません。原因はいろいろございますけれども、現実に大きな活動をしていただいている場面は、今お話ししました例えば市町村が行うそういったサービスを受けて、受託をして、自分たちが民間の組織として提供する、このタイプが大きなシェアを占めております。
 そういった意味で、委員御指摘のことにつきましては、我々はこの二面から民間の振興を行わなきゃいけない。ただ単に、いわゆる株式会社だけがいいとか、そういうふうに決めつけないで、日本の現在の介護サービスの相当部分、施設でいきましても八五%は社会福祉法人という一応民間の組織でございます。そういった意味で、この民間振興、非常に重要であるという認識は持っておりますが、いささか日本的な場面もあるということをつけ加えさせていただきたいと思います。
#28
○清水嘉与子君 今おっしゃいました後半の、社会福祉法人等が市町村の委託を受けてやっているというのは、まさにこのビジョンのサービスの中に入っているというふうに考えてよろしいわけですよね。
 それで、私はそれで十分だろうかというふうに申し上げたわけでして、恐らくまたそれ以外にも出てくるんじゃないかということが思われるものですから、そこで質の問題とか、要するに厚生省がある程度ビジョンを示した以上にサービスがもっと展開されてくるんじゃないだろうかというふうに思いますので、まだ余り十分な参入はないというお話でございますけれども、ぜひその辺についても今後お考えいただきたいというふうに思っております。
 次に、ちょっとゴールドプランの問題についてお話を伺いたいわけですけれども、既に高齢者につきましてはゴールドプランに従って政策が進められているわけですけれども、新たに拡大された事業を含めて今見直しをするというお話がさっきございました。
 新ゴールドプランの策定というわけですけれども、当然この中には市町村から出されてくる老人保健福祉計画の内容が加味されると思いますが、ほとんどもうそれが出そろったという段階だというふうに承りました。たしかこの三月に全部そろってきているはずだろうと思うんですが、そうするとある程度厚生省も国としてのゴールドプランの改正、修正と言うんでしょうか、行われるんだろうと思いますが、まだ全部あらわされていないにしても、どんなところが修正される見込みなのか教えていただきたいと思うんです。
 現在見ましても、実際にはもう計画以上に達成されたところもあるけれども、そうでなくて計画がもう計画倒れになっているような部分もあるわけで、そうしますと下方修正なんかもあるのかなと思ったりするんですが、いかがでしょうか。
#29
○説明員(大田晋君) いわゆる新ゴールドプランの策定の状況あるいは内容ということでございますが、委員が最初にお話しになりましたこの新ゴールドプランあるいは現ゴールドプランの見直しの量的な一つの基本は、昨年度一年間かけて行いました全市町村の市町村老人保健福祉計画というものの積み上げであるというふうに考えております。
 その出そろい状況でございますけれども、おかげをもちまして九九・九%出てきております。県におきましては三月三十一日現在で三県ほど出てきておらないところがございましたけれども、その後出てきておりまして、一つの県だけもう少し時間がかかるという状況でございますし、市町村におきましては九九%出てきている。その意味で、地方の老人保健福祉計画に盛り込まれておる内容、とりわけ量的な整備状況あるいはニーズの状況というものは現在集計、分析中でございます。
 そういった量的なことを踏まえまして、我々といたしましては、先ほどの福祉ビジョンの示された方向、すなわち総合的なサービスの提供でございますとか、あるいは利用しやすいサービスでございますとか、そういった視点を踏まえまして、これまでの五カ年間の実績、それからこれまで五カ年間に新たにつくられた政策、そういったものをも盛り込んで今後折り返しの五カ年間、今世紀いっぱいでございますが、それを新ゴールドプランという期間として据えまして新しく対応していきたいというふうに考えております。
 そういった場合に、最後に御指摘ございました下方修正はあるだろうかというお話でございますが、なお完全なる集計、分析は行っておりませんけれども、我々の現在の考えといたしましては下方修正はないであろう、むしろそれは好ましくないであろう。確かに中間点でございます現時点におきましてはややおくれが見られるものはございますが、そのおくれが見られるものにつきましても周知度が相当に高まっておりまして、ここのところ非常に進んできておる。そういった状況から下方修正は我々は考えられないであろうというふうに考えております。
#30
○清水嘉与子君 大変安心いたしました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 これから在宅看護あるいは介護を充実させるということは大変必要なことですけれども、やはり問題は、どうしてもこの介護費用の負担の問題になります。
 今は在宅サービスの量も種類も不十分だということもありますし、また、在宅よりも病院だとかあるいは福祉施設の方が安心も買えるし、また安上がりだというのが実態でございまして、在宅が進まないというのも無理はないんじゃないかというふうに思うんですね。そこで、ぜひ将来はもう少しいろんなバラエティーに富んだ使いやすいサービスを用意してほしいというふうに思うわけですが、そうなるとそのときの介護の費用をどういうふうにして個人が用意するか、これは大きな問題になってくると思うんです。
 在宅、施設を問わず、このビジョンにも大分あるわけですが、これからの介護費用の負担の適正化についてこれはどんなふうに考えていったらいいのか、何かお知恵があったら教えていただきたいと思います。
#31
○説明員(大田晋君) 具体的なお話になるかどうかは疑問でございますが、例えば今回国会の方に提出をさせていただいております健康保険法等の一部改正の中で老人保健法の改正もいたしております。その中で、非常に申しわけございませんが、入院時における食費の負担一日八百円ということをお願いしている。
 こういった内容もございますけれども、そこの考え方は、我々、老人という、あるいは高齢者という方、一つのニーズをどう受けとめるか。病院で受けとめるのか、特養で受けとめるのか、はたまた在宅で受けとめるのか。こういった比べ方をしましたときに、非常に本人の負担にばらつきがございます。このばらつきがあるということは、一方で見てみれば、恐らく本当のサービスということとの合致でなく、値段である意味では行く場所が決められているという必ずしも好ましくない状況もある。そういった意味で、これから大変な勢いで高齢社会が参りますけれども、そこを見据えたときに、少なくとも公平の負担ということは大いに考えなくてはいけない。
 しかし、委員御指摘のそういった負担を個々どういうふうに対応していくのかという問題につきましては、一方で老齢年金のレベルも上がってきておるという状況もございますし、その他の調査におきましても、高齢者は本当に経済的に劣っているだろうかということに対する疑問を呈するデータもまたございます。そういった意味で、我々は今日、平等あるいは公平という観点から負担をならしておくということがぜひとも必要であるということで、現在この問題に取り組んでおるところでございます。
#32
○清水嘉与子君 最後におっしゃいましたけれども、確かに現金収入はないけれども資産、土地だとか住宅があって、そしてお金がないばかりに生活保護になるというような実態もあるわけでございまして、この問題をこのビジョンでも指摘しておられるわけですが、やはり介護費用に活用するということをもっと積極的に考えてもいいんじゃないかと私は思うんです。
 あるいは介護費用をどう考えるのか。今おっしゃったように在宅と病院、福祉施設の不均衡といった問題もありますしね。こういった問題をやはり真剣に考えていただく必要があるんじゃないかと思いますけれども、そういったことについては検討は進んでいるんでしょうか。
#33
○説明員(大田晋君) この介護費用の問題は、先般厚生省内にできました介護対策本部という、これからの介護対策を全般にわたって考える、その中で恐らく一つの大きなポイントとしてこの費用をどのように補てんするのか、確保するのかという視点が論じられると思っております。
 また、資産の活用ということについても、この本部かどうかは別でございますが、我々はぜひとも研究を進めていきたいというふうに考えております。
#34
○清水嘉与子君 一つ労働省にお伺いしたいんですけれども、働く人が家族の在宅介護をするために介護休暇の制度が必要だということで、これはまだ随分先になるのかなと思っていましたけれども、かなり法制化の方向に向けて検討が進んできたということを大変うれしく思っておるわけです。
 しかし、実際に先ほど御説明いただいたものを見ますと、まだ具体的には平均すれば十数%しか及んでいないわけですが、このレベルで本当に法制化ができるのかなということを心配いたします。規模別に見ればかなり大きいところはもう五〇%以上なんだからいいんじゃないかということになるのかもしれませんが、その辺について、これを進めるのにどんなことがネックになるのか。早く進めてほしいわけですけれども、それが本当に夏にゴーというふうな方向で進むのかどうかというあたりですね、もし今の検討状況の中でおわかりだったら教えていただきたいと思います。
#35
○説明員(伊藤庄平君) 御指摘の介護休業制度でございますが、高齢化が進展していく中で寝たきりのお年寄りを抱えた勤労者などが働き続けるためには大変重要な制度だというふうに考えておりまして、平成四年に私どもこの介護休業に関するガイドラインをつくりまして、これが普及徹底していくようにということでいろんな形で事業主を通じてその普及に努めてまいっております。
 先生御指摘のとおり、大企業ではかなり、半数以上の企業が導入してきておるわけですが、中小企業等ではまだまだという状況でございます。今後はその普及促進に一層努めていかなくちゃいかぬという状況でございますが、一方、この介護休業制度を法制化を含めて考えていくというのもこれから大変重要な課題ではないかというふうに思っております。
 したがいまして、私ども、現在専門家の方々にお集まりいただいて、例えば要介護の状態にある、したがって休業しなくちゃいかぬ、その辺の事実関係をどうとらえていくのか、あるいはどのように証明して労使関係の中で処理していくのかとか、そういった専門的なあるいは技術的な事項について研究をしていただいております。夏ごろまでにはその研究の成果をまとめていただく予定にいたしておりまして、それがまとまりましたら関係の審議会に報告し、法制化を含めた介護休業制度のあり方について具体的な検討に着手いたしたいというふうに思っております。
#36
○清水嘉与子君 まあそこまでしかお答えできないだろうと思いますけれども、育児休業制度あるいは労働時間短縮、そして今度また介護休暇制度というようなことで、今のこの不景気な状況の中でやはり企業の方々には相当大変なことだろうというふうに思うんですよね。
 しかし、それを労働省がどんどん乗り切ってやってくださったことを大変ありがたく思うわけです。やっぱり、できるところから実際に移していくというのが今までの労働省のやり方ですよね。そうしますと、やはり大きなところはある程度は進むけれども中小企業のところではどうしても相当に後に残るというようなことになるわけでして、この問題については、その辺も含めてなるたけ早く、早くといいますか、余りおくれることなく進めていただけるようにぜひお願いをしたい、そういう注文だけ出しておきたいと思います。
 時間もなくなってきましたので、次に訪問看護ステーションの問題を少しお伺いしたいと思うんです。
 この訪問看護ステーションが今度の診療報酬の改定で大変運営しやすくなったということで、みんな大変喜んでおります。サービスを受けた人から大変喜ばれているというふうに聞くんです。しかし、実を言うとまだ十分この内容が理解されていない。関係者からも理解されていないし、また利用する人からも理解されていないというようなことで、運営に苦しんでいるところもあるのも事実でございます。そこそこの施設もそれぞれ頑張ってはいると思いますけれども、こういう事業の拡大といいましょうかPRをぜひ一般国民の方々にもよろしくお願いをしたいと思うわけです。
 それから、この訪問看護ステーションの事業として、さっき御説明もございましたけれども、ターミナルケアに対して配慮がなされてきたというお話を伺ったわけですが、大変これは結構なことだと思いますし、そこまでしなければ本当に在宅ケア、在宅で最後を送るという方々はもうおうちへ帰ってこれないんだろうというふうに思うんですね。
 先ほどの点数これで十分かどうかわかりませんが、始めていただいて実際実績があるのでしょうか。その辺もしわかったら教えていただけますか。
#37
○説明員(大田晋君) 実績は、実は去る先般の改定で行ったばかりでございまして、今のところ把握しておりません。
 ついででございますが、訪問看護ステーションはなかなかの勢いで現在伸びてきております。三百を既に突破しておりますが、委員御指摘のように非常に評判が高い面もございますし、大いに進めていきたいというふうに考えております。
#38
○清水嘉与子君 ちょうど昨日、アメリカ大使館の方がアメリカの訪問看護の状況を見てきたということでお話を伺ったんですが、今、非常にアメリカでは訪問看護が普及してきているというお話でございまして、看護婦も非常に生き生きと働いている。十年前には相当専門家がやっていたような技術がもう素人でもできるような非常な技術開発も行われているそうでございますし、また、非常に高いレベルの教育を受けているということもありますけれども、かなりな部分、看護婦に医療行為も任されている、あるいは死亡診断書も書けるというようなところまでいっているそうでございまして、こういうことによって多くの方々の在宅医療が可能になっているというふうに聞いております。
 私は実はこの調査会でもぜひ訪問看護の実際の場面というのを先生方に見ていただきたいなということを思っていたんですが、日本ではプライバシーというようなこともあってなかなかそういうことができなかったんですね。ですけれども、きのうのアメリカ大使館の方からも、地方でもチューブをつけたりして平気で歩いているような方々がいっぱいいて家庭で治療している、それが普通になっているというようなことを聞きまして、随分違うものだなというふうに思ったわけなんです。
 やはり、本当にこの在宅ケア、在宅看護、在宅医療といったものをこれから推し進めるということであるならば、思い切った政策転換をしなきゃならない部分が出てくるんだろうと思うので、この辺についてはぜひ厚生省の方々もアメリカなどで見ていただきたいなというふうに思うわけです。私もぜひその辺について勉強もしたいなというふうに思っているところでございます。
 時間がもうなくなってしまいましたけれども、だれもが利用しやすい質の高いサービスをしかも優秀な人材でやってほしい、こういう要求をすれば、当然費用の問題はどうするのかということを言われるに決まっているわけでございまして、個人の費用、介護費用、あるいは国の財政にも非常に大きな影響があるということはわかっております。そういう意味では、このビジョンが、これだけのことをやればこれだけお金がかかるんだぞということを国民に投げかけたという意味は非常に大きいというふうに思うんです。ですから、それはそれでわからないではないわけですし、いいのですけれども、しかしまだ国民の皆様方は一体何のことやらさっぱりわからないというのが実態だろうと思うんです。
 もっとこのビジョンをわかっていただいて、そしてもっと、一体こういうときどうなるのかというような質問でも国民から受けるくらいのPRをぜひしていただいて、そして本当にどこまでのサービスをみんなが望んでいるのか、それにはやっぱりこれだけお金がかかりますよというような辺から進めていっていただきたい。つまり、時間的な余裕を少しとって、ゆっくりと慎重に検討していただきたいなというふうに思うわけなんです。
 これを見ましても、例えば外国に比べて日本は寝たきりの老人の率が非常に高いと言われます。たしか寝たきり老人ゼロ作戦なんというのを始めたはずなんですが、今度この要介護老人の数を見ても決してその出現率を落としてなんかいないわけですよね。今までどおりのままでやっているわけでして、この辺とっても私は残念なんですね。このままやっていけば寝たきり老人がこれだけふえるんじゃなくて、いかに努力したら減るかというあたりをもっと私はこの計画に盛り込んでいただきたいと思ったわけです。それにはもちろんお金がかかります。しかし、できる可能性は非常にあります。ですから、寝たきり老人をたくさんつくって医療、看護をするのがいいのか、あるいはそういう寝たきり老人をなくすのがいいのか、どちらにお金がかかるのか、どちらがいいのか、その辺もあわせてぜひやっていただきたいなというふうに思った次第でございます。
 時間がなくなりましたので、済みません、労働省の方にもまたいろいろ質問をするというふうにお願いしていたんですが、時間がなくなりまして申しわけありませんでした。
 ありがとうございました。
#39
○栗原君子君 社会党の栗原でございますが、幾つかお伺いをしたいと思います。
 私は、先ほど各省庁からの報告を聞かせていただいておりまして、何と知恵者がたくさんいて、何とすばらしいことをたくさんやっているんであろうかと、大変キツネにつままれたような気持ちになったわけでございます。と申しますのは、私の方に報告として上がってきているのは、本当に胸の痛むような報告がたくさん上がってくるからでございます。だから、各省庁の皆さん方の意見とそして実際に自治体の現場でやっている人たち、そしてそのケアを受けている人たちの間に余りにも差がある、私はこのように思うわけでございます。
 例えば、先ほどもありましたが、夫婦のみで高齢者になられて、そして片方が老人ホームに入っていった。だけど、帰りたい帰りたいと言っても帰るところがない。自治体の職員からもそういう声が出ております。さらには、九十八歳の親を七十三歳の娘さんが介護されている例とか、あるいは痴呆の妻を夫が介護されている例など、心の痛むような報告が相変わらず入ってきています。これらのことを考えますとき、私は、高齢化には死は避けて通れないことだと思うんです。その人らしい老後を送ってほしいと思っております。
 幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、厚生省の皆さんにお伺いをいたします。
 マンパワーの確保でございますが、これは三K職場と言われるように、ヘルパーの皆さん方が大変まだ少ないと私は思っております。そして、そのヘルパーの平均年齢が四十七歳とか四十八歳とか大変高くなっているということを聞くわけでございます。伺うところによりますと、若い人は家事などに十分なれていないからむしろ年の多い方がいいんだなんて厚生省の方がきのう私におっしゃったんです。でもそういったものじゃないと私は思うんですよね。
 それから、パートで働くヘルパーの方が大変多いものですから、パートはやっぱりパートなりの考え方になっているんです。夫の扶養を外されたくないと。だから、パートは気楽に働けるから、朝になって急にきょう休ませてくださいということがあってその人が休まれますと、ほかのヘルパーさんがそれを肩がわりしなければいけないという、そういった状況があると報告を受けております。やっぱり私は、質の向上も必要であろうと思います。数だけヘルパーをそろえておけばだれでもいいじゃないかということにはならないと思うんです。やっぱり私は、ヘルパーさんは本当に人権を基点にしてケアをしていただく必要があろう、こんなことを考えます。
 それから、私は男性のヘルパーというのは余り聞くことがないわけでございますが、おふろの介助とか、あるいはまた力仕事も結構あるわけでございまして、私はもっと男性がこのヘルパーの職場に入ってもらったらいいんじゃないか、こんなことを思うんです。年をとられたからどうでもいいというんじゃなくて、やっぱり同性に自分の介護をしてもらいたいと思う人は多いわけでございます。男性の寝たきりの方を男性のヘルパーさんが行って介護をしてもいいじゃないかと私は思うんです。そのように男でも女でも望むような職場になっていく必要があるのではなかろうか。このことについてお伺いいたします。
 それから、介護手当についてちょっとお伺いをしてみたいと思いますけれども、市町村によって介護手当というのが大変まちまちの状況があると思うんです。自治体によっては全く出していないところがありますし、あるいはまた月に一万円出しているところ、一年間で一万円出しているところとか、あるいま年に五十八万八千円、これは東京でしたかしら、そういうことも聞きました。平均では八万四千九百五十三円という金額も聞いておりますけれども、これらについて厚生省の方ではどのようにお考えになっておられるか、お伺いをさせていただきます。
 そして、福祉施設の入所につきましてお伺いをさせていただきたいと思うんです。
 私は、障害を持って高齢者になられたときにどのような介護になっているのか、このことについてお伺いいたします。例えば、盲の障害の方、聾の障害の方、知的障害を持たれて高齢者になられた方についてお伺いいたします。
 それから、外国人の施設への入所についてはどうなっているのか。特に日本には六十三万人ぐらいいらっしゃるという在日の韓国・朝鮮人の方というのは、大変多うございます。このことについてお伺いさせていただきたいと存じます。
 そして、次に文部省の方にお伺いいたしますけれども、福祉教育の取り組みについてはどのようになっているのか、お聞かせいただければと思うんです。
 現在、核家族とか少子化時代とか、子供たちが高齢者や障害者との交流を知らずに成長するということを私は大変不幸なことであると思うわけでございます。高齢者を学校へお呼びして、運動会とか学芸会とか文化祭とかに来ていただいてそれを見てもらい、そこで交流をしている学校なども見かけることがあります。これをもっとさらに幅を広げてもらいまして、学級園とか学校園を一緒に、地域の高齢者の皆さんと子供たちが草花を育てるということとか、あるいはまた時には一緒に給食を食べてもいいし、あるいはまた文通をするのもいいでしょう、さまざまな交流の仕方があるわけでございます。
 先ほどの文部省の方からの報告を聞いておりますと、小中高を通じて社会科とか家庭科とか道徳とか、こういう中で福祉の重要性とか思いやりの心などを育てているという報告でございますが、もっと私は、何といいますか、机上の福祉教育だけでなくして、本当に実践を積み重ねることが必要ではなかろうかと思っております。
 私もよく地域の学校を回っていますけれども、障害児学級がありましても、学校の中に入っていきますとその障害児学級が孤立化しているわけでございますね。そういうような中で本当に福祉教育をやっていると言えるのかどうか疑問に思って帰ることもあるわけでございますが、もっと障害児とかそれから地域の高齢者との交流とか、本当に私は交流が必要になっていると思うんですけれども、ここらあたり文部省の方の御答弁をお願いいたします。
 それから、建設省の方にお伺いをさせていただきますけれども、障害者や高齢者にやさしい建物とか道路の整備についてでございますが、近年、歩道などの段差の切り下げとか点字ブロックの設置とかスロープなど高齢者や障害者にやさしいまちづくりが進められておりまして、私も大変喜んでいるわけでございますが、これはまだ私は十分とは言えないと思うんです。そしてまた、せっかく歩道に点字ブロックを敷かれましても、そこに自転車がはみ出していたりとか、あるいは商店の商品がはみ出して並べてあるとか、こういうことがあるわけでございます。私はもっときめ細かい、道路の舗装など、あるいはまた点字ブロックを設置するなど、せっかくつくってもそれが利用されないようなことでは困るわけでございますので、そこらあたりをお伺いさせていただきたいと思います。
 それと、道路をつくるにしても建物をつくるにしても各省庁が連携をしてやってもらう必要があると思うんです。国の方では私はまだまだ十分な連携がとれているとは思えないんですが、例えば、自治体の方に行きますとこういうお話があるんですね。福祉の担当の職員が道路をつくる建設課の窓口に行って、そこはちょっとスロープにしてくれとか言いますと、何で福祉担当の者が建設のところへ来て口出しをするんだと、こういうような状況があるようでございますので、私はもっとこれはきめ細かに各省庁、自治体では各担当部課が十分な連携をとってやってもらう必要がある、このように考えております。
 それから、先ほど説明を聞いておりまして気づいたわけでございますけれども、ケアつきの住宅とかあるいはシニア住宅の供給とか随分援助していただいて大変結構なことだと思っておりますが、これは私は、皆さんがお年を召されたときにはそれは安心した老後がきっと送れるのかなと私は思うんです。退職金も十分で年金も十分、そういう人たちにはそれはシニア住宅もいいかもしれません。そしてケアつき住宅にも安心してお入りになれるかもしれませんけれども、そうなっていない高齢者がたくさんいるということを私は考えていただきたいんです。
 と申しますのは、実は私の近所で県営住宅の建てかえがございまして、そして県の方からはその入居者に対して、ここを建てかえるから当分の間ちょっと出ていてください、そしてまた建てかえたら入ってください、そういうお話であった。これはきれいになって大変結構なことだと思うんだけれども、だけど今度入るときには家賃が県営住宅でも四倍になるんですよという報告を私は受けたんですね。狭くてもいいんだ、汚くてもいいんだ、ここの場所に私はいたいんだ、そういうお年寄りの方がいらっしゃるんです。これは公営の住宅だってこういう状況でございますから、私は民間のアパートなどになりますともっともっと厳しいものがあるような気がいたしますが、ここらあたり建設省の方はどのようにお考えでいらっしゃるか、ちょっとお聞かせいただければと思います。
 一応それぞれ答弁を聞かせていただきまして、時間があれば再質問をさせていただきたいと存じます。
#40
○理事(竹山裕君) 通しで御質問がありましたが、それぞれ要領よくお答えをいただきたい。
#41
○説明員(大田晋君) 私の方からは、委員最初に御指摘がございましたホームヘルパーということについて答弁させていただきたいと思います。
 このホームヘルパーは在宅介護の決め手であるというふうに我々は考えておりまして、いわゆるゴールドプランで今世紀末には十万人という人数を必要とし、それの確保を図りたいというふうに考えておるわけでございます。
 このヘルパーのお仕事といたしましては大きく介護と家事というふうに分けて仕事がございますけれども、非常に女性が多く、ほとんどといっていいぐらい女性の活躍の場所になっている現実がございます。このことがよろしいというふうに我々は考えておるわけではございませんが、現実に介護、家事という業務の若干の特殊性から女性がほとんどを占めているという実態がございます。
 それから非常勤、常勤ということを見ましても非常勤の方が非常に多うございます。これも事実でございまして、よい悪いじゃございませんけれども、一つ言われることにおきましては、結局ある固まったヘルプサービスを提供できるということについて一番いい方法の一つとして、必ずしも常勤でなくてもいいという声もございます。それは自分の勤務条件の方から見て、自分の時間がとれるときに二時間あるいは四時間、自分が働ける曜日に五時間、六時間、そういったことも可能だという意味から非常勤ということに対する一つの評価もございます。
 それからもう一つ、ヘルパーの特徴といたしまして、高齢と言ったら失礼だと思いますが、四十五歳後半に平均年齢が来ているという事実もございます。その分布を見ましたときに、四十五歳平均を超えて六十歳あたりの方もおられます。このこともいい悪いということじゃございませんで、事実でございますが、いずれにいたしましても一我々はヘルパーの確保、質の向上ということは非常に重要なことと考えておりまして、研修の充実、手当の改善も含めまして、今後とも大いに精力的に頑張っていきたいと思っております。
#42
○説明員(吉武民樹君) ただいま先生お尋ねのありました福祉の職場での男性の職員に御活躍いただくということでございますが、現状を申し上げますと、社会施設全般では約一六%ぐらいの男性の職員の方がおられます。それから特別養護老人ホームで申しますと一八%ぐらいの方々でございます。少しずつではございますが男性の職員の方の比率はふえてきております。
 それからもう一つは、介護の福祉サービスでこれから中核的な役割を担っていただく仕組みといたしまして、介護福祉士という国家資格制度がございます。この登録をしておられる方がことしの三月末で約三万八千二百人ほどおられます。この方のうちの五千四百人ぐらいが男性の方でございます。一四%ぐらいでございます。
 それから、私どもの方で実は人材確保のために平成五年度に全都道府県に福祉人材センターを設置させていただきまして、ナースバンクあるいはナースセンターと同様な機能を福祉の分野で担っていただこうということで、本格的にことしから開始をいたしております。まだ全国展開は始まったばかりでございますので十分な統計はとれておりませんが、東京都の福祉人材センターにおきまして昨年度求職を申し出られた方が全体で四千六百六十七名おられまして、この方のうちの千三百五十九名、約二九・一%は男性の方でございます。
 こういう指標を見ますと、少しずつではございますが、男性の方もこの福祉職場に入っていただくということがだんだん実現できておるのではないかというふうに思っております。私どもはいろいろな機会に、実際にサービスを受けていただく方、それからサービスを担っていくサービスの供給主体、双方の理解と協力がありまして多分この職場へ男性の方々が入っていただくということは進むのではないかというふうに思っておりますので、いろいろな広報、啓発にも努力をいたしたいというふうに思っております。
#43
○説明員(大田晋君) 次の御質問といたしまして、介護手当についてどのように考えるかということがございました。
 介護手当につきましては、現在市町村あるいは地方におきまして手当が出されているところもあるということは承知いたしておりますけれども、国といたしましてはこういった現金給付というものについては非常に慎重な検討をする必要があるというふうに考えております。何よりも現在高齢者が求めておられるものは介護サービスそのものであって現金ではない、現金よりも介護そのものである。そういったことから、我々は、ゴールドプランの精力的な進捗ということを図ることによりまして介護サービスそのものの馬力アップ、充実ということがなされて初めて手当が生きる場面があろうというふうに考えておることからも、この現金給付の一形態でございます介護手当を今日においてそのまま国の制度としてとるというような考えは持っておりません。
 次に、外国人適用を入所施設の場合には何か問題があるのかということでございましたが、外国人ということでの国籍要件は、入所の場合要件として聞いておりません。これが現実、法的にもそうでございます。
 三点目でございますが、いろんな知的な、あるいは場合によっては盲、聾という障害を持った方が年をとられた場合、そういった方についての対応はどのようなものであろうかということがございました。
 盲聾唖者、この方たちの高齢者に対しましては、現在養護老人ホームにおきまして寮母、サービスを提供する職員の加配を行っております。増員を行っております。また、盲あるいは聾の方の高齢者の専用の施設もございまして、現在、盲の養護老人ホームは全国で四十七カ所、聾唖者専用の養護老人ホームは全国で三カ所でございます。また、知的な障害を有する高齢者につきましては、原則は一般の高齢者の方と同じように同じ施設で行うということで一応対応できるのではなかろうかというふうに考えておりますが、いわゆる知的障害も含めまして重度というふうな、サービスがより一層濃密でなきゃいけないということに着目いたしました施設として、そういった施設につきましては同じように寮母の加配を行っているということでございます。
 今後、いずれにいたしましても、盲あるいは聾唖の方を含めまして、そういった専用の施設も含めて必要な場合には前向きに対応していきたいというふうに考えております。
#44
○説明員(嶋崎和男君) 先生の御質問の趣旨は、学校現場におきまして生徒と地域の高齢者や障害者との交流が非常に少ない、学校行事だけでなく日常的なつながりができるようにすべきではないか、こういった趣旨の御質問だったかと思います。
 学校教育におきましては、児童生徒が高齢者や障害者についての正しい理解と認識を深めることが極めて重要と私ども考えておるところでございまして、今回の学習指導要領の改訂におきましても、方針の一つに、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成を図ることということを掲げまして、他人を思いやる心や感謝の心、公共のために尽くす心を育てることなどを重視し、社会の変化に適切に対応する観点から内容の改善を図っているところでございます。
   〔理事竹山裕君退席、会長着席〕
 先生も先ほど御指摘のとおり、具体的には小中高等学校の道徳や特別活動において、人間愛の精神、福祉の心、社会奉仕の精神などの育成を図りますとともに、社会科や家庭科において社会福祉についての理解を深める指導を行っているところでございます。
 ただ、それだけではございませんで、これからの学校教育のあり方といたしまして、いわゆる開かれた学校という観点が大切であるというふうに私ども考えておるところでございまして、地域の高齢者などこういった社会人を講師として迎えたり、福祉施設など地域の諸施設の積極的な活用や特殊教育諸学校との交流など、家庭や地域社会との連携を深めるとともに、学校相互の連携や交流を図っていくことについて学習指導要領の配慮事項として新たに示しているところでございます。このため各学校では、例えば社会科の郷土の歴史の学習で、地域での高齢者の方々のお話を伺ったり、家庭科の授業の一環として老人ホームを訪問するなどのさまざまな工夫が行われているところでございます。また、特殊学級の心身障害児と通常の学級との交流が不十分との御質問の趣旨であったかと思いますが、これにつきましては、特殊教育諸学校や特殊学級と通常の学級との交流を推進するための施策をいろいろと講じているところでございます。
 文部省といたしましては、今後とも学校におきまして高齢者や障害者との交流が進むよう一層指導の充実に努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
#45
○説明員(佐藤信彦君) 初めに、道路関係の御質問がございましたが、道路につきましては、高齢化社会の進展とか障害者の社会参加の増加に対応しまして、おのおのの方々が安全で快適な生活を送れるよう道路整備を進めることが一番大事なことだといったことで進めさせていただいております。特に、平成五年度から第十一次五カ年計画の中で、こういった高齢者、障害者、児童などの利用に配慮しました人にやさしい道づくりの視点から道路整備を行うといった方針を一つの柱として進めてきております。
 その中で、歩行者の観点からは、歩道などが部分的には断絶したところが従来見かけられたこともございます。そういったものを、特に駅とか病院周辺、そういったところについては連続的につくるとか、それから歩道の幅員でございますが、従来は一・五メーター以上ということでかなり狭い道路が多かったわけでございますが、今回、道路構造令の改正を昨年の十一月に行いまして、三メーター以上の歩道幅員、これは障害者の方々もそうでございますが、歩道におきまして車等がすれ違いができる、そういった幅員を確保するといったこともございますし、それから駅周辺におきましてま立体横断施設こスロープとかエレベーターつきといったことが付加されるようなことなどが進められております。特に歩道につきましては、幅員を広げると同時に電線類の地中化を行いまして、歩行空間の確保といったことが進められてきております。
 それから、運転者の観点の方から考えてみますと、道の駅などいろいろございますが、休憩施設をかなりの箇所設置するようにしております。それと、二車線の道路が多いわけでございますが、これが追い越しがうまくいかないといったことで、高齢者の方が運転していてもいらいらすることも多いかと思いますが、こういったものについての譲り合い車線、追い越し車線でございますが、それからわかりやすい道路標識といった、いろいろな施設を設けることによって運転が快適にできるよう進めてきているところでございます。
 そういった中で、先ほど先生から御指摘ございました。事業間の調整をとってうまくやったらどうかということがございましたが、これも私ども今年度から、駅前などの中心市街地におきまして、そういった歩行者の利用がうまくいきますよう沿道の建物と道路とを一体的に整備します人にやさしいまちづくり事業ということを実施しております。これは特に駅前などで建物から建物に行くときに、下へおりてきまして、横断歩道を幾つか渡らないといけないといったような、特に高齢者の方には不自由をおかけしているところでございますが、そういったものの多いところにつきましては、建物から建物へ渡れる歩道橋的なものでございますが、そういったものの設置とか、先ほどのエレベーターとか、そういうものをくっつけた立体施設といったようなものなどを重点的に整備してきております。そういったことで道路の整備については積極的に進めてきているところでございます。
 それから、住宅につきましては私は直接の担当ではございませんが、そういった建てかえとか、それから高齢者の方々に対するいろいろな施策でございますが、少しでも低額な住宅とか、それから民間の場合には公共団体などが借り上げすることによって行うといったようないろいろな施策があるかと思いますが、いずれにしましてもそういったことを前向きに進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#46
○栗原君子君 もう少し時間があります。
 介護手当のことでございますが、この前そういう現場で働いている人の声を聞きましたら、これからはやっぱり家庭介護、在宅介護が本当に必要になってくる、すべて行政などでは引き受けることはできない、そういう声が出ておりました。そして、在宅で介護しようと思えば、勤めている人が家族で一人やめなきゃいけない状況があるんだと。そういうことを見ると介護手当も必要なんじゃなかろうか、そんな研究をしておられる研究者の声がございました。私もどちらがよろしいのかはよくわかりませんけれども、また検討してみていただきたいと思います。
 それから、障害を持った高齢者が施設に入る場合、実は私は三年前に手話サークルのメンバーでございまして、聾のホームを慰問いたしました。そういたしましたら、その当時はまだ全国で広島と北海道とニカ所しかないと。そしていろいろお話を伺いましたけれども、中にいらっしゃる方が、一度は他のホームに入っていたんだ、だけどその中でとっても折り合いが悪くて自分たちは結局はここに来たんだと。ここは身ぶり手ぶりでみんなが同じ状況だからできるんだということでございました。そして他のホームのように外からの慰問といいますか、というものは余りないようでございました。まず言葉が通じないんです。そして年を召された方はかつては聾学校も行ったことがない、だから全く文字は書けないんだ、そして手話も習っていないんだ、本当に身ぶり手ぶりでやっているんだと。そういうことがございまして、それから一カ所できまして全国に今三カ所あろうと思うんですけれども、本当に全国から来ていらっしゃいました。秋田の方からも広島まで来ていらっしゃったという状況でございますので、もう少しこういったことも含めて考えていただきたいと思うんです。
 私が報告を聞いた中には、一般のホームに入ったんだけれども、結局そこでは寮母さんたちが手に負えなくて、意思がまず通じないわけでございますから、手に負えなくて精神病院に入れられちゃった、こんな報告も受けておりますので、少なくとも障害を持って高齢になられた方ももっと選択の幅があるように、生きがいの持てるような老後を送っていただくようにやっていただきたいと思うんです。
 それから、もう担当者がいないとおっしゃるかもしれませんけれども、新ゴールドプランの話が出ておりますが、この三月で各自治体がそれぞれ高齢者の保健福祉計画を出してくれてよかったという、大変お喜びのようでございますけれども、でもその実態というのはそうじゃないんですよ。自治体の窓口に行って聞きましたら、そこの自治体で自分のところの町の十カ年の計画ができたと言っているところがあるかと思えば、そうじゃなくて、コンサルタント業者に委託をしてやった。そして、うちの町でやったんだけれども隣の町も見せてもらって何か似たような作文だけはっくつて出したんだ、作文だけは出したんだけれどもこれからどうやるのかということになると全くわからない。そういったことが市町村の窓口で現実にあるわけでございます。だから、この東京で考えることと地方の町や村で考えることというのはかけ離れているということを私は知っていただきたいと思うんです。
 どうぞ、まだまだ本当さまざまな問題がある中でございますので、新ゴールドプランにつきましてはゴールドプランの総括を十分にやっていただいて次のステップに踏み出していただきたいという、これは希望でございますので、お願いをして終わりたいと思います
 ありがとうございました。
#47
○武田節子君 公明党の武田でございます。
 きょうは、我が国がかつて経験したことのない少子社会とか超高齢化社会、低成長の中で新しい時代を迎えるために各省庁ではさまざまな御苦労をされたきょうのもろもろの計画について敬意を表したいと思います。
 私は時間の関係で建設省に二件、労働省に一件、そして厚生省に二件と質問いたしますので、簡単にお答えをしていただきたいと思います。
 まず建設省にお願いしますけれども、私は、一昨年までは働く婦人の会の委員長として中高年の働く女性の問題に取り組んでまいりました。たまたま平成三年七月に働く女性の老後の不安について五百人を対象に訪問面談によるアンケート調査を行いましたときに、不安のトップというのは経済、それは年金で老後を暮らせない。二番目が健康、病気したときに見てくれる人がいない、子供は当てにならない。三番目が住居となっておりました。
 住居について困っていることについてと聞きましたところ、狭いが四五・七%、家賃が高過ぎるが三〇・八%、立ち退きを迫られている、高齢でいっ追い出されるかわからない、ひとり暮らしなので入居を断られるといった順でございました。
 住居について行政に望むことはというふうに聞きますと、複数回答ですけれども、低家賃の都・区営の住宅の増設というのが二百八十五人、低家賃の高齢者向け住宅の増設が二百二十二人、低家賃のケアつき公的住宅の建設が百八十人、家賃補助制度、公営住宅の入居基準の見直し、低家賃の単身者住宅の増設等々ですね、住宅問題の総合的対策が緊急課題として浮かび上がった調査でございました。
 今後、急速に進む高齢化社会にあって高齢者の住宅問題は深刻でございます。こうした状況に大変憂慮しておりましたところ、この設問の答えにこたえられるような、今回の建設省の計画がこのまま本当に実現したならばこの人たちにそっくりそのまま答えになっていくなと思いながらきょうの発表を聞かせていただいたわけですけれども、今後土地とか財政の問題で大変な難しいこともあると思いますけれども、ぜひとも実現に向かって頑張っていただきたいことをまず一つお願いしておきたいと思います。
 そこで一つお尋ねいたしたいことは、我が国が直面しております少子社会、高齢社会、そして経済の低成長のもとで、いまだ我が国の住宅政策は地方自治体、公団、公営となっておりまして、役割分担、政策なんかばらばらに感じられているんですけれども、こうした諸状況の変化の中では、特に高齢者住宅政策を進めるためには地方自治体におけるきめ細かな対応が大変必要であると思っております。このことに対して建設省の御意見を伺いたいと思います。
 御意見を伺う前に、ちなみに私は世田谷に住んでおるものですから、世田谷では四年前に区の住宅条例が全国で初めて定められまして、地域住民のだれもが安心していつまでも住み続けられるようにという公共住宅に取り組んで大変効果を生んでいるようでございますけれども、こういったことに対してどのようにお考えになっているか伺いたいと思います。
 それからもう一つは、平成六年一月の連合傘下の労働組合による働く女性の生活と住まいに関する調査という結果では、ひとり暮らしの定年後の三大不安に生計、住宅、生活の張りというふうにありまして、ひとり暮らしの女性は民間の賃貸住宅を利用する人が大半ですけれども、ひとり暮らしの四十歳以上の女性は民間賃貸住宅の契約を拒否されることが大変多くなっております。定年後の住まいに不安を抱いております。これはもう六十歳以上になるとほとんどもう貸すところはないと言っても過言ではないと思うんです。
 そういったような将来に対する不安を感じて住宅取得の制度として単身女性が持ち家を取得しようと住宅金融公庫の融資制度を利用しようとしても、公庫融資の対象は五十平米以上でありまして、そして居住水準の実情というのは四十二平米しかないんですね。四十二平米がそういう住宅であって、融資を受けられるのは五十平米以上となりますと、そこに矛盾がありまして、融資対象にはならないわけです。建設省としてはこの対象基準を引き下げる方向で検討されてはいかがなものかという点で二点お尋ねいたします。
#48
○説明員(梅野捷一郎君) 最初の、地方公共団体がきめ細かな対応をする必要があるんではないかという点についてまずお答え申し上げます。
 今先生御指摘のとおりでございまして、高齢者の住宅の対策は国というようなところだけではなくて、当然身近なテーマでございますから地方自治体がきめ細かな対応をしていくということが実を上げることだというふうに認識しているわけでございます。そんなこともございまして、従来から私どももいろいろな対策を、具体的なテーマは用意いたしておるわけでございます。例えば公営住宅の優先入居であるとか、シルバーハウジングであるとか、そういういろいろなテーマは用意しておりますが、そういうものをそれぞれの地域で具体的に地域の実情に合わせて受けとめていただいて、それぞれの組み合わせ、あるいはいろんな補完する制度を用いて実情に合うようにしていくということが重要でございますので、それぞれの地域の実情を踏まえながらそういうことがやっていけるように、民生部局とも連携をとりながら、地域高齢者住宅計画という一つの公共団体におきます考え方をきちっとまとめて取り組んでいただこうという仕組みを用意しているところでございます。六十一年以降、現状で申し上げますと百三十七市町村が今申し上げました地域高齢者住宅計画というものを作成いただいておりまして、その一種のマスタープランをつくった上で地域の実情に沿って高齢者対策をやっていただいているというのが実情でございます。
 それから二点目の、単身女性の場合、持ち家を取得しようというときに住宅金融公庫が対象五十平米であって、そういうことに対してという御質問でございますが、持ち家に対しましても借家に対しましてもいろんな政策はもちろん講じておるわけでございますが、公庫の対象を五十平米で絞っておる、最低を五十平米でやっておるというのは、いわゆるワンルームマンションというような問題が一方でございます。御案内のように、現在の日本の住宅ストックというものが非常に小さいもの、特に賃貸住宅におきましては小規模なものが大変多うございまして、全体で見ますと世帯向けの住宅というものが非常に今不足しているということに重点を置いて、なるべく世帯向けの住宅の整備を公庫の場合には進めていこう、そんなことがございまして特に重点を五十平米以上のものに置いてきたということでございます。
 なお、単身者の持ち家取得を支援するためには、五十六年度に単身者に対する融資というものをその段階から対象に加えてまいりまして、今申し上げましたように公庫融資というのは世帯向けというものを中心に従来考えていたということがございまして、五十六年から単身者に対する融資を新設いたしまして、さらにそれには実は年齢制限がついていたわけでございますが、現状ではすべての単身者が利用できるようにした。そういう面では単身者に対する公庫の利用のしゃすさといいますか、そういうものは広めてきたわけでございまして、現実にも五年度の公庫のマンションの場合には約一〇%が単身者が御利用いただいているというような状況でございます。
 その中で今の単身女性の方々の問題ということで、一方では居住水準という問題を四十数平米というようなことで我々は目標にしていますので、それとの関係については持ち家を特に重視すべきだというような御指摘があるとすれば、公庫でもそういう点もさらに重点を置くべきかどうかというようなことは積極的に今後の検討の中で検討させていただきたいなというふうに考えております。
#49
○武田節子君 高齢者対策の中でぜひとも御検討いただきたいことをお願いしておきます。
 次に、労働省にお願いいたしますけれども、やはりこのアンケートの中で五百人中介護経験者を調べたところ百七十五人おりまして、今回のビジョンの中で働きながら親を介護している、働く女性の介護に対する対策が何か見落とされているような感じがしているわけです。その中で、介護のために仕事をやめた、不眠続きで身体に無理がかかった、日中ひとりでいる母を見てくれる人が欲しい、病院に泊まり込みで仕事との両立て地獄のような毎日だった、休みをとることによって収入が減少した、介護のために退職金を全部使い果たしてしまったという調査がございました。
 そこでお尋ねいたしますけれども、介護休業制度の普及状況を見ますと、ただいまも局長から御説明がありましたけれども、かなり制度の導入が進んでおりまして、大企業では特に大変進んでおるようでございますけれども、果たしてこの制度の利用者というのはどのぐらいふえているのでしょうか。また極端な少子社会と超高齢化社会がセットで押し寄せてくる我が国の二十一世紀を展望したときに、女性雇用労働者を確保するために、また女性の人権上からもどうしても介護休業制度の法制化は急がなければならないと思っているわけでございます。労働省の法制化の検討はどこまで進んでいるのでしょうか。今、この夏までには何とか目途をつくって、そして法制化の問題に専門家会合の成果を得て関係審議会において論議を行いたいというふうな御説明がありまして、かなり進むような感じではございますけれども、やはり男女で取得できる実効性のあるものにするためには、生活保障のある介護休業制でなければ私は本当にとらないんではないかと思うんです。そのことに関して検討されているのでしょうか、お尋ねいたしたいと思います。
 特に、日本の育児休業が生活保障がないということで、ECの委員からは生活保障のない日本の育児休業法はサバチックだというふうに言われているんです。サバチックというのはユダヤ教の安息日だということらしいんですけれども、経済大国の日本がそんなことを言われないように、やはりちゃんとした生活保障がついて、男女がともに、両親がともに安心して介護休業法を利用できるようなふうに考えていただきたいと思うんです。その辺の御検討はどんなふうに進んでいるのか、またいつごろまでにその法制化を計画していらっしゃるのか伺いたいと思います。
 もう一件は介護クーポン券について伺おうと思いましたけれども、時間の関係で介護休業法だけに絞らせていただきまして、介護クーポン券は利用の手続の簡素化、周知徹底をよくしていただきたいということだけをお願い申し上げて、質問は一件だけに終わらせていただきますので、お願いいたします。
#50
○説明員(伊藤庄平君) この介護休業制度につきましては、ただいま御指摘のありましたように私どもガイドラインを作成してその普及促進に努めてきております。大企業を中心にその導入企業がふえてきていることは事実でございますが、まだまだ中小企業等に対してこれからも努力していかなくちゃいかぬというふうに思っております。
 ただ、そういったことを通じまして、介護休業制度を導入した企業におきまして、実際に介護休業をとった方々の割合でございますが、介護休業制度がある事業所でその利用者の状況を見ますと、女子の場合は既に七六・九%、そういう介護の必要性が出た方の七六・九%、男子は二三・一%の方がこれを利用したというような調査結果が出ておるところでございます。
 それから、こういった普及促進に加えてさらに介護休業制度の法制化について検討をしていくべきではないかという御指摘でございますが、私どもも全く同様の認識のもとに、そういった検討を進めていくことを大変重要な課題だというふうに受けとめております。そういったことのために、まずそういった検討の前提となります例えば介護が必要な状態、あるいはその介護が現に必要な状態でそのために休まざるを得ないというような事実関係をどういうふうにとらえてどう証明させていくのかとか、技術的な事項、専門的な事項につきまして、まずいろんな検討の前提として、現在専門家の方々にお集まりいただいて検討を願っておるところでございます。この検討も夏ごろまでにはまとめていただく、こういうことでお願いをしておりますし、大体まとまってくるのではないかという状況になってきておりますので、それがまとまりましたら審議会の方に報告し、審議会の方で法制化を含めた具体的な検討に着手していきたい、こういうふうに思っております。そういった法制化を含めた具体的な検討に入りましたならば、先生御指摘のように、こういった介護休業制度、男も女もとれる制度にするためには、当然の方向としてそういう方向で考えて検討されていくものというふうに思っております。
 またもう一つ、所得保障といいますか、経済的な援助の問題でございますが、これも先生例に出されました育児休業制度、今国会で審議をお願いしております雇用保険法等の一部改正におきまして一定の経済的援助を行うといったようなことが盛られておるわけでございます。この介護休業制度につきましても、法制化を含めた具体的な検討に入りましたならば、そういったものとの兼ね合いといいますか、そういったものも当然念頭に置かれてその辺の問題が詰められていくものというふうに思っております。
#51
○武田節子君 次に、厚生省にお願いします。
 一点は、介護を必要とする親を抱えながら働く中高年女性がふえ続けております。日中一人で生活する親については家族が立ち会わないでサービスが提供されない場合や、ひとり暮らし老人のみがサービスの提供の対象となっている場合がございます。働く女性が利用しやすいサービスが見落とされているように思うんです。働きながらも介護できる条件、どんな家族でも介護できる体制をつくり上げていくことが課題であると思うのですけれども、この点について厚生省の考えをお願いしたいと思います。
 もう一点は、在宅介護の生活を支援するために最も重要なものとしてはホームヘルパーの強化と地域医療の二十四時間体制、医師の往診が大変大事だと思っているんですけれども、どのような施策を考えていらっしゃるのか教えていただきたいと思うんです。
 私はこの点非常に不安だと思っているんですけれども、私も世田谷にかかりつけの医者を持っているんですが、非常にお年寄りの方で、ある日突然、往診いたしませんという木札がかかっているんです。見てみますと、医者の後継ぎはほとんどいなくて、息子さんはいても大きい病院の高度医療の設備のあるところに行く。そうでないと将来自分は取り残されていく。それから親が遅くまで往診している勤務状況を見てそれを非常に嫌うという状況がございます。
 私の女性の秘書が昨年十二月まで杉並で眼科をやっているところへ勤めておりましたけれども、その医者も八十の高齢で、突然暮れで開業医をやめました。そういう状況にあるときに、地域医療二十四時間体制というのがどのように施策を講じられようとしているのか、その辺をお答えいただきたいと思います。
#52
○説明員(大田晋君) 一点目でございますけれども、在宅サービス、中でもホームヘルプ事業につきましては、現実の介護の中心をなすものでございます。
 そのホームヘルプサービスにつきまして、委員御指摘のような区別といいましょうか、あるいは拒否、ひとり暮らしだったら嫌だとか、そういったことはあってはならないことでございまして、我が方といたしましては、各都道府県に対しまして手引きをつくりまして、そういったことがあってはならないという具体的な記述のもとに指導をいたしております。とりわけ、各担当課長を相手といたしました全国課長会議でもそういったことを重視あるいは指摘しておりますし、今後とも今の御意見を踏まえて機会があるたびに徹底をいたしたいと思っております。
 二点目は、非常に難しい現実の問題が提起されましたけれども、あえて一言だけ。
 つい先ほどの四月の改定でございます。あるかかりつけのお医者さんが一人だけで二十四時間を診よう、あるいは住民の方に対応をしようということはなかなかに難しい現実もございます。そういった意味で、もう少し広くとりましてチームでもってそのかかりつけ医の持っておられる患者さんの二十四時間の対応をするというふうに、危険の分散といいましょうか役割の分散ということも可能にするべく、先般、四月の改定で二十四時間連携体制加算という新たな診療報酬上の評価、いわゆるお支払いをするというふうな制度もつくりました。このことと診療所の高齢化をどう食いとめるかということは全く別問題であるかもしれませんけれども、一応報告をいたします。
#53
○武田節子君 ありがとうございました。
 終わります。
#54
○吉岡吉典君 厚生省に最初にお伺いします。
 日本の高齢化対策は非常におくれていろいろ問題があるという認識なのか、大体いいところまで来た、うまくいきつつあるという認識なのか、お答えください。
#55
○説明員(大田晋君) 我々厚生省の認識といたしましては、なかなかにいいところに来ている、しかし劣っているものも多くある、さらに解決しなければならない問題はたくさんある、その意味で決して世界一とは思っておりません。
 それから、ゴールドプランで先生方にも御理解、御支援をお願いしていますのは、やはりおくれている部分を補充し、進めるべき場面に加速をかけるということでございますので、答えになりにくいことでございますけれども、そのような認識を持っております。
#56
○吉岡吉典君 その認識が、先ほどの委員から、現場の人からの訴えときようここで聞く話との驚くべき乖離という発言の中にもあらわれていることだと私は思いますし、私の知っているいろんな事情からいってもいいところまで来ているという認識でかかられると僕は本当に大変なことだなと思います。ここでずっと参考人の意見を聞いてきて、私どもは本当に今の日本の高齢化対策のおくれを痛感したんです。これは全部速記録になっているんですが、お読みになっていますか。
#57
○説明員(大田晋君) 委員が御指摘の速記録そのものは私はたしか読んでおらないと思います。
#58
○吉岡吉典君 こういうのも読み、全国の実情も念頭に置いて、いいところまで来ているという認識でかかられては困るということを私は申し上げておきたいと思います。
 さて、そういうことともかかわりがあるいはあることになるかもしれませんけれども、ゴールドプランでは寝たきり老人ゼロ作戦というのが提起されたわけですね。寝たきり老人ゼロ作戦ということはいろんな問題があると思いますが、清水委員からも問題提起があったこととかかわるわけですが、どれだけの介護があれば寝たきり老人をなくすことができるか。こういうゼロ作戦を提起するからには、だれが介護するか、家族かヘルパーかそれは別として、どの程度の介護が必要かということについての何らかの基準等をお持ちになっているかどうか。
#59
○説明員(大田晋君) 寝たきりゼロ、言葉はお許しいただきたいと思いますけれども、このためにこうやれば寝たきりゼロになるという証拠つきの施策はございません。すなわち、およそ寝たきりにならないためのあらゆる対策を総合的に講ずるというのがこのゴールドプランの中におきます寝たきりゼロ作戦でございます。予防、リハビリ、こういったあたりをあらゆる対策を講じて行うということで寝たきりを少しでも減らす、ゼロを目指していく、こういう考えでございます。そういった意味で委員の御指摘のこうやればゼロになるという切り札、決め手のようなものをお示しはできておりません。
 したがいまして、我が方は、基準というものあるいはマニュアルというものを寝たきりゼロについては持っておりませんけれども、ひょっとすれば、ただいまの御質問、ヘルパーのサービスのようなものについて例えば基準を持っているのか、つまり寝たきりの方、その方に対するサービスというふうなことでの基準のようなものを持っておるのかという御質問であれば、それにつきましては一応持っておりまして、局長通知でもちまして都道府県に対し徹底を図っております。中身は、ついででございますけれども、身体の介護、それから家事の援助、そして生活に関する相談という大きな切り札で、それぞれについてもう少し詳しく内容を定義しておるところでございます。
#60
○吉岡吉典君 今ヘルパーの話になったから確かめておきたいんですけれども、週一、二回だった訪問を週三四ないし六回にふやすことになったと先ほど答弁がありましたけれども、これは二十一世紀福祉ビジョンで打ち出したのじゃなくて、ゴールドプランのガイドラインでも示されている数字で、これで新しくなったわけではないわけです。ゴールドプランでは目標水準の思い切った引き上げを行うということもあったように先ほども述べられているわけですけれども、この週三四ないし六回というのもこれで変わるんですか。先ほど数値目標は変えないというようにお話があったんですけれども、これも変えないんですか。これは新しく変えるわけですか、週三四ないし六回訪問というのは。
#61
○説明員(大田晋君) 少し整理させていただきたいと思いますけれども、先ほど福祉ビジョンというお話での我々の数値でございましょうか。あるいはゴールドプラン・……
#62
○吉岡吉典君 ゴールドプランでいいです。
#63
○説明員(大田晋君) ゴールドプランにつきましては、ただいま委員の御指摘のとおりでございますけれども、我々恐らくその回数というものも充実を図らなければならないだろうというふうに、地方の老人保健福祉計画を見つつ考えております。
 今御指摘の数字に関していいますと、我々が地方におきまして老人保健福祉計画をつくっていただく上での一つの参酌していただく基準というふうなことでお示ししましたものにも、要介護老人というのをとらえましたときに、ホームヘルプサービス週三回から六回というふうに示しておりまして、幅がございますけれども、相当その中で各市町村の実態にあった格好でそれぞれ積算がなされておる状況でございます。
#64
○吉岡吉典君 そうすると、そういう市町村の計画を集めた場合に、場合によると十万人というのが変わるだけじゃなくて、三回目六回というそこの見直しもあり得るということですか。もう一度。
#65
○説明員(大田晋君) この回数というものは、我々は参酌すべき基準ということで示したものがやはり基準になると思っております。
 しかしながら、これは回数ということと実際にヘルプ事業、ヘルプサービスが提供される様態、形態は必ずしも同じでございません。典型的に六回ということについて、我々の説明が悪うございますけれども、つまり、週七日あって六回というのは一日ないということか、こういうふうなとらえ方をされるということは我々の説明のまずいところであろうと思いますけれども、実際のヘルプ事業というものの展開は、毎日二回の場合もありましょうし、三十分ずつ分けるということもありましょうし、朝夕に分ける、あるいは訪問看護ステーションが間を行く、さまざまのサービスの組み合わせということで行われるということを考えておりまして、この六回というのはそういった量的な一つのカウントの仕方というふうに考えていただきたいと思っております。
#66
○吉岡吉典君 そうすると、回数は検討の余地もあるんだ、見直しすることになり得る、数字の示す中身はそういうものじゃないということですから、私は、これは抜本的に見直して、同時にどの程度の介護があれば寝たきり老人を出さなくて済む、そういうことができるかという、文字どおりゼロ作戦の具体化というのを一層進めていただきたいと思います。
 介護の問題のついでに、先ほど来論議になっている自治体からの介護手当ということに一言触れてお伺いしたいんですけれども、先ほど要求は現金ではなくて介護のサービスだという答弁でした。私もそう思います。介護サービスが行われておれば何も介護手当を出すか出さないかということが問題にならないわけです。しかし、実際に週三回が六回であろうと、そのサービスで寝たきり老人が暮らしていけるかといえばできないわけです。だから、そこでどうするかというところから、地方自治体もせめてということでそういう問題が出ているわけで、厚生省がそれは手当を要求しているから考えものだと言うのなら、それはなくしてサービスでそれは全部やれるようにするんだということならこれは大変前進的な方向での解決になると思います。
 したがって、地方自治体の介護手当に疑問を提起される、去年ここで答弁のときにもはっきりそこまで言われなかったから、どうも反対のようだし、反対とも言われないし、どういうことかなという疑問を持っていたのが、きょう非常によくわかって、その点はわかったことはよかったわけですけれども、そこでとどめておくわけにはいかないわけです。手当については疑問を呈する、現金提供には。しかしサービスは大いに抜本的に見直してやれるようにするという、一方での検討の用意があるかどうか。
#67
○説明員(大田晋君) 委員と意見を同じくするものでございまして、このゴールドプランの後半戦、平成七年度から折り返しにかかりますけれども、いわば新ゴールドプランとも称して中身を量質ともに充実して後半を折り返したいという考えの根底は、まさに必要なサービスというサービスそのものの供給体制の確保であり充実でございます。
#68
○吉岡吉典君 意見を同じくすると言われましたけれども、その論理の問題で私は言っているわけで、現状で大体いいところへ来ているという認識でかかられて、それと同じだと言われれば大変迷惑でございますということも申し上げておかなくちゃいかぬわけで、私と同じ認識の検討をやっていただければこれは大変すばらしいことだというふうに申し上げておきたいと思います。
 私、もう一つ厚生省にお伺いしておきたいのは、市町村で今つくられている福祉計画について先ほど栗原先生から意見があったんですが、自治体でいろいろな状況があるわけです。厄介者だと思っているところもまだたくさんあるということを参考人がここでの意見で述べられたこともあります。ところが一方では、本当に意欲的にやろうとしているところがある。そこに対してどうやら抑制する指導が行われているということがこの間公聴会では問題になって、一方でおくれているところがあるときに、大いに先進的な意欲的な取り組みをやろうとしているところがあるときにそれに今度は抑制の指導をやったんでは、これは一向に進まない。そのなぞも、大体いいところへ来ているから余り張り切るなという認識があるのかもしれませんけれども。
 それからもう一つ、ここで本当にたくさんのすばらしい経験を聞いたんですけれども、そういう経験を全国的に交流する場というふうなものはないということです。私は、そういう全国の進んだ、外国からも見に来るところがあるような状況だそうですけれども、そういうのを国内で経験交流することは厚生省大いに音頭をとってやるべきだと思う。そういうのがやられていないということも、余り突出したのがあらわれると厄介だという認識がもしかしたらあるのかなというような気もいたしましたので、そこら辺、日本でどんどんすぐれた経験が生まれることについて、大いに奨励していくという姿勢なのか、抑える姿勢なのか、ちょっとお答え願いたいんですけれども。
#69
○説明員(大田晋君) 最初に、いいところに来ておるという表現を使ったとすれば、いいところに来ているものがあるというふうな修正をしなければどうもその言葉で誤解を生むのでございます。足らないところがあるからこそゴールドプランも頑張ってやるということでございまして、すべてがいいところに来ているということじゃないことをひとつお許しいただきたいと思います。
 ただいまの老人保健福祉計画でございますけれども、恐らく御指摘のような個々のそれぞれの事情はあろうと思います。我々自身も三千三百の市町村すべてとおつき合いできているわけじゃございませんが、都道府県を通じてお聞きしたところ、どう言ったらよろしゅうございますか、初めて計画なるものを民生部局でつくった、大変苦労したけれども、できた今は大変勉強になったと。できばえということじゃなくして、初めて計画を自分たちでつくった、あるいは計画なるものを初めて手がけたという、そういった我々の予期せぬ、いわば民生部局の職員のレベルアップと申しましょうか、そういったことさえあったというふうな御意見もございました。
 それから、この計画は、ある日思いついて我々は地方にお願いしたことじゃございません。さかのぼりますと平成二年度からモデル的な全国八カ所のあたりで計画づくりもやり、それから今度はそれの集積を分析し、それからどういった要素についてニーズを把握したらよろしいかといったこともずっと三年、四年かけて専門家による分析をやって、最後にいわばマニュアルのようなものをつくって各都道府県及び市町村にお願いをした、こういったようなものでございます。
 そういったものの中に抑制に働いた、あるいは抑制をしたのではないか。少なくとも国としては一切のそういったことはやっておらないということは事実でございますが、それよりも、最後に御指摘になりました、今後いろいろいい動き、いい計画、いい実施といったものについて厚生省としてはそれを全国的に何らかの意味でPRあるいは紹介をするというふうな考えがあるか。ございます。
 これにつきましては、我々は機会があるたびに、個別にいろいろ聞かれてもあそこには非常にいい例があるというふうなことを紹介することから始まりまして、ブロック会議であれ、あるいは全国のある町あるいは県がおやりになるこういった先進的な取り組みの場合についてはいろいろ紹介をしたり、場合によっては、ことしも行われるというふうに聞いておりますけれども、ある県で全国に呼びかけて先行事例の勉強会というものもおやりになるし、我々は人的資源も含めまして何らかの支援をしたいというふうに考えております。
#70
○吉岡吉典君 最後のところは私は大いに期待したいと思います。日本国内のすぐれた経験また外国の経験、それらすべてを取り入れて、私に言わせれば非常におくれている日本の高齢化対策が本当に立派なものになるように願いたいと思います。
 それで、これは時間的に最後になると思いますが、公的保障の問題ですね。
 このビジョンは厚生省の名前になっていないわけですから、これが厚生省の考え方というふうに言うわけにもいかないと思いますけれども、自助努力中心でもなく同時に公的保障中心でもない日本的な保障のあり方ということが書いてあると思うんですね。公的保障でもなく自助努力中心でもなくというと、わかったようなわけのわからないことで、何を言おうとしているか問題になったところでもあるんです。もうちょっと、つまり、北欧の経験等を見ても、それからここで参考人に来てもらって話を聞いても、やはり高齢化対策、福祉というのは公的保障でなきゃできない、本当に公的保障が確立して初めて介護についていえば家族のサービスとかボランティアの力も生きてくるようになるというのが実際だというふうに私は思い、この公的保障が十分でないところに日本の高齢化対策のおくれの最大の問題があるというふうに私は感じました。
 そこで、公的保障中心でもなく自助努力中心でもなくというわけのわからぬことじゃなくて、やっぱり公的保障を中心に据えて日本の高齢化対策、社会保障というのを進めていく。それが今直ちにできないにしろ、そこへ向かうべきだという考えは少なくともあるのかないのか。そうでなく、日本的な社会保障、日本的な高齢化対策というのは公的保障中心でなく云々というわかったようなわからないのがすぐれたものだというお考えなのか。この点はきっちりしておいてもらわないといろいろな言葉というのが宙に浮いた言葉になりかねないという気がしますので、端的によくわかるように教えていただきたいと思います。
#71
○説明員(大田晋君) 私がというよりも、従来から厚生省といたしましては、国を中心といたした公的なサービスについては国民のニーズの基本的な部分を受けとめるという姿勢は今も変わっておりません。
 北欧型というものをどのようにイメージするのか、なかなかに見解の分かれるところであろうかと思いますけれども、日本型ということも輪郭が必ずしもはっきりいたしませんけれども、一応国民が安心して健康に生きていくというふうなことで出てくるニーズ、この基本的な基礎的なニーズは公的に受けとめるということでございます。他方、新しいニーズあるいは個人的な好みのニーズはカウントできない種類と量がございます。この部分について公的でやる、やるべきという話は今のところ我々は聞いておりませんが、いずれにしても基本的な部分を公的でやるということが基本姿勢でございます。
#72
○吉岡吉典君 じゃ最後にもう一問。今の答弁はやっぱりわかったようなわからないような気がするので、具体的にお伺いします。
 特殊なものまで公的にやるかどうかというふうなことじゃなくて、例えば先ほど問題になりました介護保障の問題。結局、家族が仕事をやめて介護に当たらなきゃならないという場合に、北欧ではそれをヘルパーとみなしてヘルパーとしての給料を払う。そうなれば、これはもう介護保障とかどうとかいうややこしい論議をやらなくて済むようになるわけですね。
 私は、日本でもそういうふうになるのが一番いい。そうすれば安心して介護ができる。そのかわり、その人をヘルパーとして家族の面倒を見るだけかもつと広い範囲で見てもらうようにもできるかどうか等々、いろいろな研究の余地は出てくると思いますけれども、例えばそういうふうに家族が介護に当たる場合に、それをヘルパーとみなして北欧がやっているような保障、給与を支払うようなことも検討なさっているか、あるいはなさる余地があるか。
#73
○説明員(大田晋君) 家族の者が家族の面倒を見るという状況をどう評価するかということは、恐らく意見が分かれていると思います。すなわち、委員御指摘のような考え方、見方もありますと、例えばそれは当然家族という中の共助あるいは自助の延長というふうなことでとらえるべきだという双方の意見があるというふうに我々は理解しております。
 したがいまして、ただいまの、家族がやった場合にその手当を出すか、あるいはそれを経済的に評価するかということは、残念ながら現在結論を述べるわけにはいかないと思います。
#74
○吉岡吉典君 時間が来ました。終わります。
#75
○下村泰君 厚生、文部、労働、運輸、建設のそれぞれの方々からお話を伺いまして、いやこれは立派なお題目だなと思ったんです。お題目は立派なんだけれども、何かぴんとこないんですな、心臓に。どうして心臓にぴんとこないかというと、結局は現実と余りにも落差が大き過ぎる。運輸省のお話にしても建設省のお話にしても、エレベーター云々エスカレーター云々とおっしゃっているけれども、実際にはまるっきりついていないところが多い。それで果たしてこのとおりにいくのかいなと思った途端に、何かレインボープランみたいな、にしかぱっと出てばっと消えた、そんなような感じしか受けない。
 そこで、質問というよりはちょっとお教え願いたいんですが、まず厚生、労働、運輸、建設の各省に伺います。
 それぞれ所管というものがあるわけですね。高齢社会というのも、これは何も厚生省ひとりがしょって立つというわけのものでもありません。日本全体がそういうことを前提に考え方や社会のあり方を考えていかなきゃならない。そういう意味で、各省それぞれが高齢社会をどう認識し問題意識を持つか。また、高齢社会の基本理念をどう示すのかが問われていると思うんです。その点を伺います。
 例えば労働省、これまでのような雇用形態がどのように今後変化していくと考えているのか。そのときに高齢者はどう位置づけを持つと思うのか。どういう雇用メニューが必要とされるのか。そこでは生活スタイル、価値観も大きく変化すると思います。そんなことを伺います。
 それから建設省では、例えば住宅ですね。いわゆるバリアフリーなんて、そんなややこしい舌かみそうな名前ですが、こういうのが当然であり、その上に立ってどのような供給システムとプランを持つのかといったことも問われるでしょう。二十年先を見越した展望を持つ必要があると思います。この点についていかがでしょうか。
 運輸省については、交通アクセスをいかに保障するかではなくて、保障することは当然のこととして、駅のあり方がソフト面も含め問題になるでしょう。身体機能に合わせたインフォメーションのあり方、車両構造、運賃などをどうするのか。すなわち人間の身体機能の前提が変わると思うんです。そこをしっかり見詰めた対応が必要だと思いますが、どうでしょうか。
 それから厚生省、マンパワーの確保や施設整備に追われる余り人間としての高齢者の生活のあり方をベースにした高齢社会像が描き切れなくなっては困るわけです。
 どんな社会像を目指しているのか、各省それぞれ描く高齢社会像を目指す姿を説明していただきたいと思うのです。今こうこうこう、こういうことをやっていますよということではなくて、こういう社会を目指して公私、官民、国地方の関係も含めて、これから二十年、三十年、四十年先の考え方を御披露願いたいと思います。
#76
○説明員(中井敏夫君) 労働省の場合、高齢者雇用ということに責任を負っておりますが、人生八十年時代が到来しておりまして、人生六十年時代につくり上げました企業における雇用管理あるいは職場環境などの雇用システムの見直しが必要になっております。
 ただ、その取り組みが十分でないこともありまして、高齢者の雇用情勢は非常に厳しい状況にございます。今後、このまま超高齢化社会が到来いたしますと、高齢者の雇用機会が不足いたしまして、働きたくても働けない高齢者が多数生ずることになります。そういったことによって、社会、経済の活力を損なうという問題が生ずるわけでございます。私ども労働省といたしましては、我が国の経済社会の活力を維持していくためには、少なくとも六十五歳までは現役として働けることができるように、そういうことが重要であるということで、そういったことを中心に施策を積極的に進めていきたいと思っております。
 特に、高齢者の場合は六十歳を超えますと健康などの個人差が拡大いたしまして、今までのフルタイムの労働よりもむしろ短時間の勤務をしたい、あるいはその他いろんな御希望が多様化いたします。私ども労働省としても、そういった高齢者がその希望に応じて多様な働き方ができるように、例えば労働者の派遣を活用したシステムづくり、これは今国会にお願いしております高齢者の雇用安定法の改正でございますけれども、そういった問題、あるいは短時間勤務雇用とかあるいは隔日勤務、そういったものの普及を進めまして高齢者が多様な雇用の形態で働けるようにしていきたい、そういうふうに思っております。
#77
○説明員(梅野捷一郎君) 私ども建設省におきましてもこの問題は大変重要であるというふうに考えているわけでございますが、当然ながら住宅、社会資本の整備を担うという立場でございまして、従来からもバリアフリー化とか、先ほどおっしゃいましたような具体的なことも手がけてはございます。
 しかしながら、今後将来にわたって考えるべき点は、高齢者もその他の世代もともに日常生活を安定して送れるような結果をもたらす、あるいは積極的経会参加ができるよ環境をつくっていく、そういうものにつながるようなものとしてやっていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
 例えば住宅につきましてはそのうちでもとりわけ重要でございますけれども、高齢者の方々が多様なライフスタイルに合わせて選択の幅が広がって生き生きとした生活が送れるというような姿に持っていくようにということでございます。従来のいわゆる高齢のお困りの方がこれくらいいるからこうやっていく、あるいはバリアフリー化していくというところから、できれば今申し上げたような考え方で全体が取り組めるような形に持っていきたいということでございまして、現在の五カ年計画の考え方の四つある柱の中に一つは入れておりますが、再来年から始まります次の五カ年計画ではさらに今申し上げたような観点から内容を拡充して、それに沿ってやっていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、住宅だけではなくて、今申し上げたように住宅、社会資本を整備するという我々の役割から、それぞれの住宅と社会資本というようなものが基礎的な状況がお互いに連続していくようにやっていこうということで、現に省内各局全部通じましてその基本的な考え方や施策の進め方について議論を進めているところでございまして、それを大綱化し、それに向かって今申し上げたような方向で取り組みたいというふうに考えているところでございます。
#78
○説明員(淡路均君) 運輸省としましても、国民の四人に一人が六十五歳以上になるという二〇二〇年を一つのターゲットにして、高齢化社会の対応に重要な課題ということで取り組んでいきたいと思っております。
 先生から厳しい御指摘がございましたけれども、例えば駅につきましても、私どもとしては、単なる通過点ということじゃなくて、例えば地域のコミュニティーあるいは福祉の町づくりの中心的な機能となれるような形での整備を最終的には目指していきたい。そのためにはやはり事業者だけじゃなく、地方公共団体とかそれから国が三者一体になって進めていくべきだというふうに考えております。その中で、最近の動向として、私どもとしてはやはりまず一番おくれている駅についてどうやっていくかということでございまして、昨年の八月には駅におけるエレベーター、エスカレーターの整備指針をつくりまして、その整備指針にのっとって今鋭意進めているわけでございます。駅の改良とかいろんな問題がありましてなかなか進んでおりませんけれども、鋭意進めたいと思っております。
 それから、駅ばかりじゃなくて、ほかの空港とかいろんなターミナルも含めて新しい観点で施設整備をするということで、ことしの三月に新しいガイドラインをつくって今施設整備を進めようとしているところでございます。
 新規の施策としても、今年度から、今予算をお願いしておりますけれども、特に駅におけるエレベーター、エスカレーターの整備について、国としても助成をするということで新たな制度を設けようとしているところでございます。
 もう一つは、やはり移動というものを、先ほど申し上げたように駅を例えば一つの面というふうにとらえるという考え方からいきますと、ある地域全体、ある町全体を考えて施設整備をしていかなきゃいけないということでございまして、これにつきましては平成五年度から、地方の都市として金沢市、大都会の都市として横浜市をモデルに選びながら、連続性のある移動をどうやって確保していくかということを研究しているところでございまして、平成七年度にはある一定のモデルを描きたいということで進めているところでございます。
 今後ともひとつよろしくお願いしたいと思います。
#79
○説明員(大田晋君) 厚生省といたしましては、高齢社会を四つのキーワードで考えております。一つは国民の健康というキーワード、次が生きがい、安心、そして社会としての活力、こういった四つの分野が同時に成立する社会を我々はこれからの高齢社会のイメージとしてとらえております。平たく言いますと、長生きをしてよかったと実感できる社会というのが我々厚生省の高齢社会のイメージでございます。
 その観点から、年金とかあるいは医療、こういったものの充実は当然でございますが、とりわけ介護というものが、どんな世論調査をとっても一番大きい国民的課題として出ております。それを厚生省といたしましては先ほどのキーワードの中に照らし合わせましてこの介護問題に正面から取り組みたい。そのために、一つは新ゴールドプランを策定してまいる、もう一つは、新しい介護システムの研究という観点から省内に介護対策本部というものを先般つくって、あらゆることを動員してこの問題に取りかかっていきたい、こういうふうに考えております。
#80
○下村泰君 今、長生きしてよかったと言われるような、とおっしゃいました。それはそのとおりでなきゃいけません。でも現状からいくと、長生きしない方がよかったという声が多いんです、現実はですよ。ですから、どうぞそのゴールドプランがレインボープランにならないように皆さんでひとつ頑張っていただきたいと思います。
 そこで、伺いたいことがあるんですけれども、ほかの方とダブるといけませんからダブらないようにしたいと思います。
 デンマークのお方で、ヨーロッパ筋ジス協会の会長をやっていらっしゃるエーベルト・クローという方、五十歳の方なんですね、筋ジストロの患者さんなんです。この方が今来日していらっしゃる。それで講演をなさったそうですが、この方はオーフス方式というデンマークのヘルパー制度の生みの親なんだそうですが、厚生省はどこまで御存じでしょうか。
#81
○説明員(大田晋君) 御指摘のデンマークにおきますオーフス方式につきましては、我々は情報としてその仕組みは理解しております。我々の控えによりますと、いわば在宅サービス、とりわけ在宅のヘルパーサービスの入手の仕方ということで、障害者の方あるいは高齢者の方御自身がヘルパーを選ぶ、雇う、そしてその費用を公的に現金によって支払う、こういうふうな仕組みがそのポイントであると理解しております。
#82
○下村泰君 これは大変すばらしいことだと思うんですがね。デンマークでは一九八七年に生活支援法というのがあってその中にこれが取り入れられて国の社会保障制度になったんだそうですけれども、デンマークというところには三種類のヘルパー制度があるんだそうですね、ホームヘルパー、家族ヘルパー、それにヘルパー。
 ホームヘルパーは、もちろん市町村の職員で、訓練を受けて資格を持っている。朝起きるとき、夜ベッドに入るとき、生活の節目にあらわれて身の回りのことができない人々の世話をする。デンマークに寝たきり老人と呼ばれる人々がいない最大の秘密はこのホームヘルパーの数と質だと言われているそうです。市町村職員なんですが、もう日本では想像できないくらい、まるっきり家族の一員として、お役所仕事なんというのはまるつきり見受けられないように、友人がそのまま面倒を見ているという感じなんだそうです。
 家族ヘルパーというのは、文字どおり家族。ただしホームヘルパーに準じた給与が市町村から支払われるんだそうです。これは先ほども問題になっていました。休暇も保障されているそうです。
 ヘルパーというのは、障害を持った人自身が先ほどもおっしゃったように広告を出して面接して選んだ人たちなんだそうですね。市町村のホームヘルパーと違って資格は持っていない、そういう人たちなんです。市町村のホームヘルパーと違って資格は持っていないけれども、その報酬は市町村から支払われるんだそうです。将来、行く行く医師や看護婦、市町村のホームヘルパーになろうとしている人々で、したがって競ってヘルパーを志願するんだそうですね。入学試験や採用のときに大変この経験が評価されるので、みんな喜んでこのヘルパーをなさるんだそうです。
 このクローさんという方も御自分で新聞広告を出したら何十人も集まってきた。その中から自分と一番意見の合う方にヘルパーについていただいている。今、日本へ来ている方は二人いらっしゃるそうです。お一人はアネッタさんといって、四歳の娘の子育て、六頭の牛と農地の世話とを両立させながらヘルパーを務めていらっしゃる。いま一人は男性でヤンさんという方ですね。この方はもとは自動車整備工だったそうです。情緒障害児施設で働いた後に、昨年の十一月からこの仕事についている。このクローさんという方はもう指先も動かないんだそうです、現在。そうしますと、講演中に眼鏡がずり落っこってきたりなんかするんですよ。そうするとこのヘルパーさんが横にいて眼鏡を持ち上げてあげたり、それこそもう本当に細かいところまで面倒を見る仕事をしているそうです。
 このクローさんに実際に月々何か二十八万円ぐらいお払いになるんだそうですよ、国と市町村がね。こういうふうなことをやっていると国と市町村の負担が非常に重くなりはせぬか、余計費用がかかるんじゃないかと言われているんだそうですが、クローさんのおっしゃるには、障害者を施設に収容する費用のことを考えればそんなに高くはないはずだ、こうおっしゃっているんだそうです。この方は何ですか爵位まで贈られたんだそうです、こういった方式を生んだことによって。
 こういうのは日本で果たしてやれるのかやれないのか。現に東京でも大阪でもこれにやや近いものはあるね、近いものはですよ。だけどここまではいっていない。殊に日本の場合ですと、合う合わない人がいるでしょう、下手にヘルパーさんに来てもらっちゃ困る人もいる。あんなヘルパーなら来ない方がいい、これじゃ困る。それで、これは募集してきた人の中から自分とお気持ちの合う方を。
 このクローさんという人はおもしろいことを言うんです。自分のお父さんがいますね。お父さんを、親をヘルパーとして採用してもいいんだけれども、親だからやめさせるわけにいかないと言うんです。だから、他人で気心の合う人のヘルパーに来てもらった方がいい。この人はロックなんかが好きで、ロックコンサートにはロックのわかるヘルパーさんと一緒に行って楽しむ。実に要領がいいんです、これは。
 こういう制度が果たして日本にできるのかできないのか。どういうふうにお考えです。
#83
○説明員(大田晋君) 我々も数十年にわたってデンマークのみならずスウェーデン、北欧からたくさんのことを学んで、導入してきていることも多うございます。とりわけ処遇、サービスの提供の仕方という処遇面では非常な大きな差がございますし、相当我々も取り入れてきました。しかしながら、いわゆる国の制度という制度として取り入れるという場合には、いずれも大きな差あるいは乗り越えられないギャップというものもある場合が多うございます。
 そういう中で、このオーフス方式、非常にただいま委員御指摘のように、すばらしい、制度として魅力的だというふうに考えております。これがもし日本にということを仮定した場合には、現状を見ていただきましたときに、それだけのヘルパーの数はいません。したがって、何よりもまずヘルパーをそれだけ多くしなければ無理であろう。お聞きしますと、数といたしましては日本とは五倍、数え方によるとそれ以上の違いがあるというふうなデータもございます。果たしてそういった方式が日本にとれるかどうか。とりわけ現状を見たときにはまだそこまでの基盤が整備をされていないし、これからゴールドプランで一生懸命やるということを前提にいたしましてもデンマークのような対応というものはなかなかとりにくいだろうという気がいたしております。
 しかし、我々といたしましては、一つのポイントといたしまして、自分がサービスを選ぶという観点からこのオーフス方式は非常に大きな魅力がある。これまでの我が国の福祉のあり方で一つよく指摘される問題は、サービスがあてがわれるというふうな、本人不在と申しましょうか、選択がないというふうな指摘がよくなされております。その意味で、この方式に非常に我々が魅力を感ずる、その場面は、本人が、自分が選ぶというところに大きな魅力を感じております。その意味で我々は、ヘルパーのみならず、これからの高齢者対策の中では本人の選択というものをいろんな角度で入れていきたい、その点でまず学びをさせていただきたいと思っております。
#84
○下村泰君 時間ですけれども、一言だけ。
 今もおっしゃったように、確かに日本は少ない。じゃなぜヘルパーが少ないんだろうか。なる人がいないんだろうか、どこに欠点があるんだろうか、こういうことを一生懸命厚生省の方でも研究していただいて、少しでもヘルパーというものに魅力があるような、せっかくなったってどうにも生活もできない、ヘルパーなんかになるんじゃなかったというようなことじゃ困るんです。だから、魅力のあるような職業にしていただければおのずとふえてくるんじゃないかなと。国民意識も低いですけれどもね、日本はまだ。そういう意味では厚生省もやりづらいところがあるでしょうけれども、そういうものを向上させていって、あなたもそうお考えになっているんだから、少しでもそれに近づきたいなと思います、お互いに。どうぞ頑張ってください。
#85
○会長(鈴木省吾君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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