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1994/02/28 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 決算委員会 第1号
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1994/02/28 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 決算委員会 第1号

#1
第129回国会 決算委員会 第1号
平成六年二月二十八日(月曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         三上 隆雄君
    理 事         北  修二君
    理 事         守住 有信君
    理 事         西野 康雄君
    理 事         村田 誠醇君
    理 事         風間  昶君
    理 事         高崎 裕子君
                笠原 潤一君
                鎌田 要人君
                木暮 山人君
                佐藤 静雄君
                清水 達雄君
                陣内 孝雄君
                鈴木 貞敏君
                永田 良雄君
                南野知惠子君
                真島 一男君
                矢野 哲朗君
                会田 長栄君
                稲村 稔夫君
                今井  澄君
                清水 澄子君
                中尾 則幸君
                堀  利和君
                浜四津敏子君
                横尾 和伸君
                泉  信也君
                小林  正君
                長谷川 清君
                喜屋武眞榮君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     木暮 山人君     溝手 顕正君
 二月七日
    辞任         補欠選任
     村田 誠醇君     岩本 久人君
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     真島 一男君     小島 慶三君
     岩本 久人君     喜岡  淳君
 二月十六日
    辞任         補欠選任
     西野 康雄君     糸久八重子君
 二月十七日
    辞任         補欠選任
     糸久八重子君     西野 康雄君
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     陣内 孝雄君     林田悠紀夫君
 二月二十四日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     陣内 孝雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         三上 隆雄君
    理 事
                北  修二君
                守住 有信君
                今井  澄君
                清水 澄子君
                高崎 裕子君
    委 員
                笠原 潤一君
                鎌田 要人君
                佐藤 静雄君
                清水 達雄君
                陣内 孝雄君
                鈴木 貞敏君
                永田 良雄君
                南野知惠子君
                溝手 顕正君
                会田 長栄君
                稲村 稔夫君
                喜岡  淳君
                中尾 則幸君
                堀  利和君
                泉  信也君
                小島 慶三君
                小林  正君
                長谷川 清君
                浜四津敏子君
                横尾 和伸君
   国務大臣
       農林水産大臣   畑 英次郎君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       久保田真苗君
   政府委員
       総務庁人事局長  杉浦  力君
       総務庁行政監察
       局長       田中 一昭君
       総務庁統計局長  小山 弘彦君
       経済企画庁調整
       局長       小林  惇君
       経済企画庁総合
       計画局長     吉川  淳君
       経済企画庁調査
       局長       土志田征一君
       厚生省生活衛生
       局長       柳澤健一郎君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産大臣官
       房経理課長    澤井 義雄君
       農林水産省経済
       局長       眞鍋 武紀君
       農林水産省構造
       改善局長     入澤  肇君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       農林水産省畜産
       局長       東  久雄君
       食糧庁長官    上野 博史君
       林野庁長官    塚本 隆久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 重夫君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       寺澤 辰麿君
       会計検査院事務
       総局第一局長   阿部 杉人君
       会計検査院事務
       総局第四局長   平岡 哲也君
   参考人
       農林漁業金融公
       庫総裁      後藤 康夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○湾岸平和基金への資金拠出についての財政報告
 に関する件
○平成三年度一般会計歳入歳出決算、平成一二年
 度特別会計歳入歳出決算、平成三年度国税収納
 金整理資金受払計算書、平成三年度政府関係機
 関決算書(第百二十六回国会内閣提出)
○平成三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百二十六回国会内閣提出)
○平成三年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百二十六回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三上隆雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月十五日、荒木清寛君が委員を辞任され、その補欠として浜四津敏子君が選任されました。
 また、去る十一月十六日、青島幸男君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君が選任されました。
 また、去る十一月十八日、下村泰君が委員を辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君が選任されました。
 また、去る一月三十一日、木暮山人君が委員を辞任され、その補欠として溝手顕正君が選任されました。
 また、去る七日、村田誠醇君が委員を辞任され、その補欠として岩本久人君が選任されました。
 また、去る十五日、真島一男君及び岩本久人君が委員を辞任され、その補欠として小島慶三君及び喜岡淳君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(三上隆雄君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(三上隆雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に今井澄君及び清水澄子君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(三上隆雄君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(三上隆雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(三上隆雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成三年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(三上隆雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(三上隆雄君) この際、湾岸平和基金の財務報告に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会が資料要求いたしました湾岸平和基金の財務報告について、外務省から平成五年十二月十四日、「湾岸平和基金への資金拠出について」の報告書が本委員会に提出されました。
 つきましては、同報告書を本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(三上隆雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(三上隆雄君) 平成三年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、農林水産省、総務庁、経済企画庁及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(三上隆雄君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(三上隆雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(三上隆雄君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#15
○陣内孝雄君 農業問題についてお伺いさせていただきたいと思います。
 昨年は、農業や農家にとりましては思いもよらない深刻な年となってしまったわけでございます。稲作は百年に一度という冷害によって大凶作、水田の三〇%近くが減反されている中での米の大量輸入、三度の国会決議を無にした米部分開放の決定、農業にかかわる公共事業の抑制を目指す財政審議会の答申など、農業や農家にとって衝撃的な出来事が相次いで起こったわけでございます。
 このような農業を取り巻く情勢の変化を受け、これからはどういう農政を展開されようとしておられるのか、少し私の現場感覚でもってお伺いをしたいと思っておるところでございます。
 国民の主食である米の問題ですので、消費者に喜ばれるように良質な国産の米を安定的に供給できる体制づくりをすることが農政にとって一番大事なことであるという、こういう実感を最近輸入米の変質などのニュースを聞くたびに強くいたしておるところでございます。
 そこで、消費者の期待にしっかりこたえていけるような生産者になってもらうためにはどうすればよいのか。それは一言で言いますと、農業経営や農業環境が急速に改善されていくことによって魅力ある立派な農業を確立していく以外にはないだろう、こういうふうに感じ取っておるわけでございます。
 先般の予算委員会で農林水産大臣から既に力強い御答弁をいただき感謝しているところでございますが、そのほかにもまだ充実していかなければならないと思ういろんな手だてがあると思います。きょうは、稲作の経営規模の拡大に関しましてさらにお尋ねしていきたいと思うのでございます。
 経営規模拡大によって米の生産性を上げる、生産費を下げていくということが可能になるわけでございますが、同時に経営規模拡大でもって生産者にもその努力のかいがあるような農業、ゆとりのある農業、こういうものへと前進させ、そしてまた農家の生活水準を高めていかなければならないわけでございますけれども、そのためには何が必要か。私は、まず米価の決め方をこれからは検討し直す必要があるんじゃないか、このように思うのであります。
 御案内のように、現在の状態で規模拡大を行って米の生産性を向上させても、現行の米価の決め方では、生産性向上によって安くなる米の生産費の低下分をすべて消費者米価の引き下げに回してしまう仕組みになっておるわけでございます。このような現在の米価の決め方のもとでは、ほかの農家よりも先駆けて生産性を上げていく農家にはそれなりの利益が残されることにはなりましょうが、しかし日本全体で生産性が向上してしまえば米価が下落してしまい、全生産者に生産性向上の努力に対する配当は全く還元されないようになってしまうわけでございます。これからは生産性の大幅な向上を急速に進める段階に入っていかなければならないわけでありましょうから、そういう事態を考えますと、これからの米価のあり方といたしましては、生産性向上の努力を適正に評価して、それに対する利益配当として米の生産費の低減分の一部を生産者にしっかりと還元するように、米価決定の方式を検討し直していく必要があるだろうと私は考えておるところでございます。
 二年前の新農政でも規模拡大政策を打ち出してありますが、あれはどちらかといえば、当面規模拡大に意欲のある経営感覚のすぐれた農家、こういう人たちに規模拡大への道を開いてあげようではないか、こういうことではなかったかと思うわけでございます。これからは、外国との競争あるいは消費者へのサービスの向上に向けて、いや応なしに何が何でも急速に規模拡大を推し進めていかなければならないというようなことが農政の大きな一つの方向になっていくんじゃないかと思うわけでございます。
 そういうことを考えますと、米価の決め方を改善していく中で、規模拡大を誘導して消費者ともども満足のいくような農政へと持っていってもらいたい。そのための米価のあり方について大臣のお考え方をお伺いしておきたいと思います。
#16
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘のございましたいわば米価の問題、それに伴います農家所得の問題等々、さらにまたウルグアイ・ラウンド問題等、そしてまた新農政の展開、こういうことに伴います、せっかく農家の方々が生産性向上、経営規模の拡大等々に御努力を賜って逆に米価が下がる、そういうような意味合いのものが私自身の認識でも従来から生産者サイドにおきましては大変一つの問題点としての御指摘をいただいておった、かように受けとめさせていただいているわけでございます。
 今回のような異常事態の中にございましても、やはり従来の米価決定方式の生産費所得補償方式、これを基本といたしましてこれからも対応していく。さような意味合いでは、いささか荒っぽい言い方になるかもしれませんけれども、一物二価はつくらないというような意味合いでも、今回の輸入米の位置づけにつきましても、やはり日本のただいま申し上げました従来の米価、そのありように比較しました物差しをもって輸入米の価格も決めさせていただいた。この辺は御承知おきいただいているところではなかろうかというように考えるわけでございます。しかしながら、何といっても生産性を向上したその努力に対してそれなりの評価をするということがまず一つ大切ではないかな、こういうようにも考えておるわけでございます。
 なおまた、その米価という問題とあわせまして、所得の総体的なもの、これをやはりふやし得る時間的な余裕等々もそこに出てくることもこれまた事実。この辺につきましては、やはり農村におけるそういった所得のチャンスをふやすということもこれまた念頭に置いたこれからの新農政といいますもの、あるいはまた農村地域の活性化等々の問題もこれまた念頭に置いておかなくちゃならぬというように考えるわけでございます。
 こういうような新しい難しい要素が入ってまいりますので、これから各界の方々のこれらの問題に伴います御意見等々を十二分に拝聴しまして、これからの米の管理のありよう、あるいはまたこれからの新しい問題展開に伴います米価の問題点、こういうものを十二分に拝聴しながら事柄の展開を図り、あるいはまた各政党のお立場の御意見等々も踏まえて問題解決に当たってまいりたい、かように考えているところでございます。
#17
○陣内孝雄君 農業経営を改善していくということは、これは農業の経営感覚のすぐれた人に任せていくということでもあるわけでございます。経営感覚のすぐれた人というのは、当然のことながら、生産性の向上に対する利益の配当というのは自分でもらえるものと、こう思うわけだろうと思います。その辺も含めて、さらに事態が大きく変わっていこうとしているこの段階で抜本的にひとつ考えを前進させていただきたい、かようにお願いする次第でございます。
 次の問題として、これも経営規模の拡大の促進策の一つだろうと私は位置づけておるわけでございますけれども、土地改良負担金の軽減が必要ではなかろうかと思うわけでございます。これはいろんな側面からの必要性が求められておりますが、その一つは、よく言われるように、土地改良を実施した水田でなければ規模拡大のために利用してはいけない、利用してもらえない。さりとて、これからの不透明な農業事情のもとでは、高い土地改良の負担金を新たに背負い込むような踏み込み、決断というのがこれまた難しいじゃないか。進むに進まれない、とどまるにとどまれないというのが正直な農村の実態ではなかろうかと私は見ておるわけでございます。
 また、既に土地改良事業が実施されている農地につきましても、規模拡大を促すためには土地の流動化に協力してもらえるような土地持ち非農家へのインセンティブ、これも必要だろうと思うのでございます。いずれにしましても、土地改良負担金の軽減を図ることがこの際大事な問題になってきているだろうと認識するところでございます。
 規模拡大をいたしますと当然コストが低減していくということで、国民経済上の見返りもあるわけでございますから、大局的な立場からこの問題に取り組むべきだろうと思うわけでございますが、この農家負担の軽減策あるいはその効果、こういったものをどういうぐあいにとらえておられるのか、農水省のお考え方をお尋ねしたいと思います。
#18
○政府委員(入澤肇君) 御指摘のとおり、規模拡大を進めていくために一番大事なことは、土地改良事業を円滑に進めることが必要であるということは言うをまたないわけでございます。今先生御指摘のとおり、土地改良事業に係ります農家の負担金の軽減対策、これは私ども一番頭を悩めているところでございますけれども、従来からいろんな政策を展開していることは事実でございます。
 一つは、事業費単価を極力抑制する、これはもうその効果としまして六十年度と同じぐらいの水準で事業費単価が推移しております。
 それから二つ目は、国営事業における償還方法を改善する。最近は総合的な土地改良事業がふえております。かん排であるとか圃場整備であるとか農地開発であるとか、そういうものを総合的にやる。その全部を待ってから竣工するのではコストがかかるということで、工種別の完了制度を設ける等の工夫をやっております。
 それからさらに、利子補給等を通じまして負担金を軽減するということで、土地改良負担金総合償還対策、一千億円のお金を積んで、そのお金を基金といたしましてそこから利子補給をしていくというふうな政策もやっております。
 それからさらに、自治省とも連携いたしまして、地方公共団体の負担もお願いするということで、平成三年度には土地改良事業における市町村負担を明確化する。それから、平成二年度から事業費補正等の地方財政措置を充実するということで、地方公共団体の事業費負担を支援する措置を講じてもらっているわけでございます。
 これらの対策の効果といたしまして、年償還額が例えば十アール当たり三万円または一戸当たり二十万円以上の償還が困難な地区を対象としまして年償還額の平準化を図る事業をやっておりますけれども、これを例にとりますと、十アール当たりの負担金二万二千円がこの事業の結果としまして一万六千円というふうに七割近くに軽減されております。
 これからもこういう施策を拡充強化することによりまして可能な限り土地改良事業の負担金を軽減して、そして新政策のねらっている規模拡大あるいは連担化ということを進めていきたいというふうに考えております。
#19
○陣内孝雄君 確かにいろいろなことをやっていただいております。それによって大変助かっている面もあるわけでございます。
 ただ、さらに経営規模を拡大していく中で一つは水田の集積が進んでいくわけでございますが、この水田の集積を進めるためには、現在進行中の土地改良事業についてはいろいろな誘導、推進の政策を導入しておられると。しかし、結果が同じでございますので、既に土地改良が済んだものを改めてこういう規模拡大の中で流動化し集積していくという場合にも、私は、今まであるようないろんな制度がもっとさかのぼって拡充できるような、それぐらいのボーナスを、インセンティブを与えてあげることがこの際重要になってきているのじゃないかなと思うわけでございます。一歩一歩前進していくということはわかるわけでございますが、この際、そういう面にも目を向けるときに至ったということを指摘させていただきたいと思います。
 金利の高いものを借りて負担にあえいでいるというようなこともございます。金利負担を実質的に低減させるということは、今お話しございましたような総合償還制度のピークをもっともっと長期にならしていくというような形でも私は実現できる方法が残っていると思うわけでございますので、十分考慮していただきたいと思うわけでございます。
 また、農業の経営規模を拡大していくためには、圃場整備等の実施を契機として農用地利用の集積を図る担い生育成基盤整備事業、こういうのが昨年がことしか何か始まったようにも聞いておるわけでございますが、この内容といいますか、これの取り組みの状況はどういうぐあいになっておりますでしょうか。
#20
○政府委員(入澤肇君) 我が国の農地の現況は今先生御指摘のとおり、零細、分散錯圃と言われる状況でございまして、大体一農家当たり十四筆に分けて田畑を持っております。これを連担化して規模を拡大するための一番大きな効果のある手法としまして従来から圃場整備事業を実施しております。その中でも今御指摘のありました平成五年度から担い生育成基盤整備事業というのを行いまして、効率的、安定的な経営体、要するに新政策のねらっている経営マインドを持った経営体を広範に育成していくという目的に則しまして農用地の利用集積を図るということになっております。
 この事業は、集落関係者の意向を踏まえまして、農地の流動化とかあるいは農業農村整備等の目標を定めた農業農村活性化計画が策定されていること、それから受益面積は県営でおおむね二十ヘクタール以上、それから団体営でおおむね十ヘクタール以上の地区で速やかに大体五年以内に事業が完了することなどを要件にいたしまして、圃場整備事業の通常の補助率が四五%でございますが、これを五〇%にがさ上げします。そして、大区画化を行い、それから畦畔の除去等を行いまして生産基盤と生活環境の整備を一体的に実施するということ、さらに担い手の経営面積が事業完了後に事業前と比較いたしましておおむね二〇%以上増加するということを要件にいたしまして、その要件が充足されるような場合には事業費の一〇%を限度といたしまして土地改良区等に無利子資金を貸し付ける、その部分だけ農家負担が軽減されるという事業でございます。
 現在実施中の一般の圃場整備事業地区につきましても、このような要件を満たす場合にはこの担い生育成基盤整備事業に移行できるというふうに約束がなされております。
 現在の取り組み状況は、平成五年度予算額、三次補正まで含めまして国費が八十億円、無利子融資枠が三十四億円、現在全国百十四地区で実施されております。今後ともこの担い生育成基盤整備事業は強化していかなくちゃいかぬというふうに考えております。
#21
○陣内孝雄君 わかりました。
 いろいろな手だてをひとつやってもらってというわけでございますが、もう一つ、観点を変えまして、私は、水稲栽培の技術といいますか、そういう点から経営規模を拡大していく切り口があるんじゃないか、こういうふうに見ておるわけでございます。
 と申しますのは、二年前に私が農林水産省の筑波の研究機関、ここは大変立派な研究をたくさんやっておられるわけでございますけれども、そこをお伺いしたときに、湛水直播の方式を見せていただいたことがありました。私にとってみると大変画期的なやり方だなというふうに感じたわけでございます。それ以来、農作業の時間を短縮したりコストの低減を図っていくには、大げさに言えばこれしかないじゃないかというふうな思い込みさえ持ちまして、この実践普及に私なりに取り組んでおるところでございますが、その後農林水産省ではどういうぐあいにこの問題について評価をされたりあるいは展望をお持ちであるのか、お聞かせいただきたいと思うわけでございます。
#22
○政府委員(日出英輔君) 今先生の御指摘のように、この直播技術は新政策でも書いてございますけれども、大変有望な栽培方式である。といいますのは、先生も御案内のとおり、今苗を移植する方式でいいますと労働時間が四、五十時間、これは幾ら縮めましても二十時間そこそこでございますが、アメリカ方式の直播でございますと二時間とか三時間といった形でいわば現在の方式を超える、限界を超える大変新しい有望な方式だと思っております。
 実は田植え機が普及してきました一九七〇年代から急激にむしろこの直播の面積が減ってきたという経緯がございます。理由はいろいろあるようでございますが、収量が不安定であるとか、あるいは省力化効果がなかなか出てこないとかいうことでございます。
 ただ最近、先生のお話にも出ておりました湛水圃場直播、これが一部の非常に熱心な農業者の方々が基点となりまして全国で広がり出しました。平成六年からこれをさらにかなり大がかりな幾つかの技術向上のための事業、例えば直播に適した品種の問題、あるいは実証実験、そういったことを行いましてこれを大いに広げてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#23
○陣内孝雄君 先日、NHKのテレビを見ておりましたら、オーストラリアで飛行機を使った湛水直播をやっている状況がありました。私ども日本でやっているのは酸素供給剤をコーティングしたものですが、向こうの場合はそうではなくて、ただ稲もみをそのまままくという、しかも飛行機ですから大ざっぱにまいていくというような私どもが大変想像できないようなことをやっておったわけでございます。
 日本の場合は、これは倒伏しやすいんじゃないか。これを非常に農家は心配しておりまして、その倒伏に対してのもっと品種改良が必要じゃないか。外国はああいう形でやっているんだから、何とかこの辺についてなるんじゃないかなという期待を持っているんですが、よかったらちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#24
○政府委員(日出英輔君) お話しのように直播の泣きどころが倒伏しやすいというところでございます。これは先ほども申し上げましたように直播適性という面で、外国産の例えはアメリカなんかの品種でございますとこういった適性はかなりあれでございますが、日本の場合には移植するということで品種をつくってまいりましたので、この点が手薄といいますか、少し弱いわけでございます。
 平成六年度からやります事業の中に、ちょっと私はしょって申し上げましたが、こういったアメリカ等の外国品種が持っております直播適性、こういったものを使った新しい水稲の育種素材の開発といったことにも大いに取り組んでいきたいというふうに考えております。
#25
○陣内孝雄君 ぜひお願いしたいと思います。
 ただ時間もかかることでしょうから、例えば今の品種を使って倒伏性を強くするには、例えば肥培管理とか水管理、こういったもので私はかなり改善できる面もあろうかと思います。これはいろんな流儀がありまして、私はこれがいいとかあれがいいとか、いろんなことを言う方がいらっしゃいますが、ひとつ権威のある農水省でこれぞきわめつきだというふうなものを、これならそう時間をかけなくても答えが引き出せると私は思うんですけれども、御努力いただきたいと思うのでございます。
 それから、こういう湛水直播の泣きどころとして、これは全国的な問題じゃないかと思いますが、スクミリンゴカイ、よく言うジャンボタニシでございますけれども、こういうのがありまして、これが弱い芽を食べ尽くしてしまうんじゃないか、こういう心配を九州ではされているわけでございます。佐賀県も、その中でもこの問題は大変心配の多いところでございますが、これもひとつ解決しなければ規模拡大に当たっての湛水直播の可能性を狭めていくんじゃないかという私は心配をしているわけです。佐賀県でも事の重大さに気づいて、今、急にこの対策に取り組んでいただくようになったわけでございますが、農水省としてはどういうぐあいに考え、どういう取り組みをしておられるのか、お伺いしておきたいと思います。
#26
○政府委員(日出英輔君) 先生今お話しの俗にジャンボタニシと言っておりますが、スクミリンゴカイ、これは六十年ごろからかなり発生をし始めまして、特に昨年は雨が多かったものですから、用水路に寄生じておりますジャンボタニシが田んぼに入ってくるということで、昨年はかなり発生面積あるいは被害面積が広がったようでございます。
 ただ、なかなかこれは厄介なものでございまして、先生お話しのように、湛水直播なんかを行いました後、発芽後間もない小さな芽を食べてしまうというようなことで、この直播という問題からもあるいは一般的な稲作全体からも非常に大きな問題だということでございます。
 今のところ発生の状況が九州を中心にして出ておりますのですが、各県が先ほどお話しのように、例えば佐賀県なんかは単独事業で相当やっておりますが、我々も、実は平成六年度から新しく病害虫総合制御技術推進特別対策事業、こういったものを使いまして、発生県とよく連絡をとりまして効果的な対策をとっていきたいというふうに思っている次第でございます。
#27
○陣内孝雄君 九州の場合、日本住血吸虫による肝臓病が一時蔓延して大変な病気とされておったわけでございますが、これをみんなの努力で駆除できたという経験を持っている地域でございます。このジャンボタニシも、これは一年に十回ぐらい卵を産む。その卵が数も大変多いし、ふ化したのが水に流れてどこへでも届いていくというような状況でございます。この駆除というのは大変難しい面もあろうと思いますが、やっぱり住民、農民が力を出して努力して駆除していくという面も必要かと思います。
 それにしましても、卵の状態でこれを駆除するのが私は効率的、効果的ではないかと思うんですが、かつて火炎放射器でミヤイリガイを焼いたように駆除するというのも一つの手だと思います。最近のことですからもっと有効な手だてもあろうかと思うんですが、そういう面でひとついろいろな知恵をあるいは取り組みを出していただきながら、国としてこの問題解決に御努力をぜひお願いしたい、そのことを心からお願いして私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#28
○佐藤静雄君 自由民主党の佐藤でございます。
 個々具体の問題につきましては、私、農林水産委員会に所属しておりますのでそこでお尋ねをし、お教えをいただきたい、こう思っております。本日は総論的なことについてお尋ねをしていきたいと思います。
 昨年、皆さん方、本当に血の出るような思いをして真摯な議論を積み上げて、新しい時代の新しい農政の展開を目指しましてみんなでつくった新政策、これは昨年十二月の米の自由化を政府が容認し、すべての農畜産物を関税化するという、こういう言葉を使ってはいかがかと思いますけれども、政府の裏切りによりまして新政策の前提となる国境措置が崩れたものと私は理解せざるを得ないわけでございます。
 とすれば、我が国農林漁業を守るために国内自給率、国内自給目標、これで必要な耕地面積、新たな国境措置の検討、これは非常に難しいこととは承知しております。削減対象外となった国内支持策の検討あるいは価格政策のあり方、抜本的な中山間地域対策、そういうものについて新政策の全体的な見直しを迫られているものというふうに私は考えるのでありますけれども、農水大臣の御所見をまずお伺いしておきたいと思います。
#29
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘をいただきましたとおり、ウルグアイ・ラウンドの受け入れ等々の難しい将来方向で御関係の方々に大変な御不安等々を与えておるわけでございますから、さような意味合いでは、今委員御指摘のような新農政の見直しということよりも、逆に申し上げれば、新農政そのものにつきましてはさらにテンポを速める、あるいはまた厚みを持たせる。そしてまた、新農政の目標とするところはやはり足腰の強い農業の展開ということであるわけでございますから、国際化対応という要素も従来から十二分にその新農政の中に組み込まれておる。
 かような意味合いでは、ただいま申し上げたような取り組みが必要ではないかなというように考えますとともに、ただいま御指摘がございましたように新たな事態を踏まえた、これからあるべきさらなる上積みといいますか強化策といいますか、そういうものを農林水産省におきましてもあるいは政府そのものにおきましても万般にわたって検討を加えていかなければならない。そういうような意味合いにおきましては、先般来、農政審議会等々も開催をさせていただきまして、こういった厳しい状況下における新しい物事の展開等につきまして各分野の専門家の、そしてまた幅広く団体等々の御意見を聞きながら上積みをしていかなければならない、こういうような考え方に立っておるわけでございます。
 御案内のような経営規模の拡大の問題、中山間地域対策の問題、あるいは複合経営の問題等々、そういったような意味合いでは万般にわたりましての上積みを、積極的な御検討を願いながら、御意見を拝聴しながら、我が方におきましての取り組みを予算面におきましてもあるいは政策面におきましても展開を図っていかなければならない、かような考え方に立っておるわけでございます。
#30
○佐藤静雄君 ここでちょっとお伺いをしておきたいのでございますが、ウルグアイ・ラウンド合意の政府の調印は四月と聞いておりますが、アメリカあるいはEUの国別表の公表はまだされていないというふうに承知しておりますけれども、このアメリカ、EUの国別表の内容はどうなっておるか、それについてまずお伺いしたいと思います。
 それと、昨年十二月に合意したままの考え方で調印されるかどうか、その点についてもお伺いをしたいのであります。
 また、仄聞するところによりますと、我が国は二月二十五日に譲許表を提出したというふうに聞いておりますけれども、アメリカはちょっとごたごたしておったはずでございますが、アメリカさんも出したのかどうか。
 それから、アメリカがごたごたしている一つの理由として、林産物の関税引き下げをエレクトロニクスと絡めて、十二月の合意をしたにもかかわらず我が国に要求しているというふうに聞いておりますけれども、その事実関係、あるいは我が国の今後の対応をいかにするか、それについてもお伺いします。
 あと、一部の報道でございますが、アメリカはウエーバー品目について、ガットの合意にもかかわらず残存させようと考えているという報道がなされておりますが事実かどうか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#31
○政府委員(眞鍋武紀君) ガットのウルグアイ・ラウンドの農業交渉でございますが、これにつきましては昨年十二月十五日に実質的な合意を見ておるわけでございます。農業分野におきましても、一定のルール、国内の支持措置でございますとかあるいは国境措置、ウェーバー品目、さらには可変課徴金、あるいは関税等についての国境措置、さらに輸出補助金等の問題につきまして一定のルールのもとで交渉をしたわけでございます。
 十二月十五日の段階におきまして、それぞれこのルールにのっとりまして、例えば国内支持につきましてはAMSという計量手段によりまして実施期間中に二〇%引き下げをするというふうなこと、あるいは関税以外の国境措置、可変課徴金でございますとか輸入数量制限あるいはウェーバー品目については関税化をする、そういうふうなこと。さらには関税についても一定の率を引き下げる、こういうルールがあったわけでございますが、それぞれのルールに基づきまして各国が、オファーと言っておりますが、譲許をしておるわけでございます。アメリカ、ECにつきましても、これらの原則にのっとりました譲許をしておるわけでございます。
 そういうことで、実質的に十二月十五日に交渉は終わっておるわけでございますが、それを譲許表という紙に書いて出すというふうなことでございます。それが二月十五日というふうに予定をされておったわけでございますが、これが御指摘のございましたような、アメリカが一部品目についていろいろとあったというふうな状況のもとで、この提出がおくれておるということでございます。これはいずれにいたしましても出しまして、これを約束どおり書かれて出されておるかどうかというふうなことを精査した上で、それを見た上で四月十五日に署名をする、こういう段階になっておるわけでございます。
 それから、御指摘のございました米国のウェーバーでございますが、これにつきましては若干御説明をさせていただきますと、ウエーバーというのはガット上、農産物の輸入数量制限だけではなくていろいろな義務があるわけでございます。これを一定の、多数決といいますか、承認をとればそういう義務が免除できる、こういう規定が現行ガット規定にもあるわけでございます。現行のガット規定上そういう免除規定があるわけでございますが、これを新しいWTOといいますか、新しいガットにかわるべき国際機関にどういうふうに引き継いでいくかというふうなことでございます。この場合に、現在承認を得ておるアメリカのウェーバー品目、これを今後どうするのかという問題と、新たなWTOのもとで新たにそういう義務免除を取得できる規定を置くかどうか、こういう二つの問題があったわけでございます。
 それが交渉で話し合われたわけでございますが、まず現在そういう承認を受けておりますアメリカの落花生でございますとか、そういうウエーバー品目についてどうするかということでやったわけでございますが、品目以外にも、農産物以外にも輸入数量制限だけではなくていろいろな義務免除があるわけでございますが、そういうもので引き継いでほしいものをリストアップしまして、これは引き継ぐ、これは引き継がないというふうに仕分けをしたわけでございます。その中には、アメリカの農業調整法に基づきますウエーバー、落花生でございますとか、そういう品目は含まれておりません。
 したがいまして、アメリカは既にそういうウエーバー品目は関税化をするという意思表示をしておりますし、それからそういうガットからWTOに引き継ぐべき品目のリストにも入っておらないというふうなことでございますので、これは新しい機関にいくと失効する、こういうことでございます。
 それから、もう一方、そういう一般的な義務免除の規定を置くか置かないかということでございますが、これはいろいろな状況で義務免除というふうなことがあるわけでございますので、そういう一般的な規定を置こうというふうなことになりまして、その規定について若干現在よりも非常に厳しくするというふうなことで、要件を厳しくした上でその存続をしようというふうなことになったわけでございます。
 具体的に申し上げますと、現在はウェーバーを取得するためには投票数の三分の二以上の多数決、かつ加盟国の二分の一以上。加盟国の二分の一以上で、かつ投票の三分の二以上の多数決によって、そういう賛成があれば義務免除が取れたわけでございますが、新しいWTOのもとでは加盟国の四分の三というふうに非常に限定をされたわけでございます。
 したがいまして、どの国でも、アメリカと言わず日本でも、そういう農産物に限らず、あるいは輸入数量制限にかかわらずいろいろなWTO上の義務の免除申請ができるわけでございますが、農産物につきましてはこれまでの交渉経緯等から見ましてこの義務免除を取得することは事実上難しい、こういうことでございます。
#32
○政府委員(塚本隆久君) 林産物の関税引き下げ問題についてお答え申し上げます。
 昨年十二月のウルグアイ・ラウンドの実質合意の後におきましても、米国側はただいま委員のお話にもございましたことを含めまして、いろいろの場で我が国に対しまして林産物の関税の一層の引き下げを求めてきております。ウルグアイ・ラウンドにおきましては、我が国の最大限の努力といたしまして、昨年十二月に林産物については基準税率から平均約五〇%、実行税率から約三〇%の引き下げを内容とする最終オファーを提出し、これについて米国を含む主要国との間で実質合意が成立したものと考えております。したがいまして、米国との林産物関税問題についても決着済みと考えており、米国と再交渉を行うことは考えておりません。
 林産物関税につきましては、我が国の国土、環境保全に果たす森林の役割や林業、木材産業の健全な育成という観点から、最終オファーを超えるさらなる関税引き下げには応じられないという立場で、今後とも対処してまいりたいと考えております。
#33
○佐藤静雄君 WTOの問題については、同僚の笠原委員から彼ほど質疑があると思いますのでこの程度にいたしておきますが、大国のエゴをまかり通させるような外交あるいは姿勢、そういうものは私どもは断じて容認できない、こう思っておりますので、大臣におかれましてもひとつ十分なるアフターケアをお願いしたい、こう思います。
 ところで、これもまた決まっておるわけでもないわけでございましょうから、ちょっとお尋ねをしたいのでございますが、ポストウルグアイ・ラウンド、これは環境問題に配慮したグリーンラウンドになるのではないかという話も聞いております。事実であれば我が国の農林漁業にとって極めて好ましいことでございます。ウルグアイ・ラウンドで、農畜産物を工業製品と同列に扱わず、農業の多面的な役割を重視した貿易ルールが必要だというふうに我が国は主張してきたはずでございます。
 そのような視点からのラウンドの開始を、ひとつ世界の他の国に先駆けて我が国が主張をし、国際的にリードをしていくべきではないか、こういうふうに考えておりますが、大臣いかがでございましょうか。
#34
○国務大臣(畑英次郎君) 今回のウルグアイ・ラウンド問題の決着に当たりまして、いわゆる非貿易的関心事項という表現がなされておるわけでございますが、その事柄そのものにつきましては、ただいま御指摘がございましたように環境問題、国土保全の問題等々、この問題に引き続き重要な関心、重要な留意を、そしてまた従来以上にこの事柄に重要性を認識しながら今後の対応を進めていこうというような意味合いのものがただいま文書の中にも盛り込まれておるわけでございます。
 ただいま佐藤先生御指摘のとおり、これらの問題、我が国の場合にはとりわけ農地そのものが国土面積のわずか一四%しか現在残っていないというような意味合いを考えました場合におきましては、いわゆるヨーロッパ諸国等々とは全く数字の比較にならないわけでございますので、この辺の国際社会における御理解をいただくように引き続きあらゆる機会を活用しながら主張をし、御理解を得る下地をつくっていく必要がある、かように考えておるところでございます。
#35
○佐藤静雄君 日本の農業あるいは農村の現状は非常に厳しゅうございます。この農業、農村を崩壊させないためにも構造対策あるいは価格・流通対策、あるいは後継者対策、あるいは中山間地対策、これを抜本的に見直しをしなければならないというふうに考えておりますが、七月ごろと予定されている農政審議会の中間報告では当面の対策を提示して、本格的な対策についてはさらに一千間くらいかけて検討をするというふうに聞いておるんですが、これは事実でございましょうか。そんな悠長なことでは私は間に合わないと思いますから、可能な限りテンポを速めて迅速に結論を出すべきものというふうに考えておりますが、いかがでございましょうか。
#36
○国務大臣(畑英次郎君) 先般会合を持たさせていただきました農政審議会におきましては、事柄の重要性等々にかんがみまして、従来の農政審議会のありようといいますものもいささか変化をそこに加えさせていただきました。例えば、農政審議会を東京でやるばかりではなくして地方にも出向きまして地方農政審議会等々もやる、そしてまた、あるいは専門委員の方々のメンバーの御参加をもお願いするというような意味合いで、従来のパターンと違った幅広く国民各界各層の、とりわけ農業関係者の方々の御意向を踏まえた対応を進めていこうというような意味合いでの取り組みの展開をただいま予定をお願いいたしておるところでございます。そういう中にございましても、七月ごろに向けましては、やはりそれなりの緊急性、あるいはまた平成七年度予算にというような意味合いの絡みもございますので、さような意味合いでの七月という数字を出させていただいたわけでございます。
 そしてまた、従来の新農政のさらなるダイナミックな展開、先ほど申し上げましたような意味合いでの厚み、こういうことを踏まえながらも、ただいま申し上げたような意味合いで御安心の願える、そしてまた足腰の強い農政、農業展開のためにそういった方々の御意見を踏まえた役所側の取り組みも展開をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
#37
○佐藤静雄君 農水省随一の頭の切れる食糧庁長官が出現したということでお教えをいただきたい。
 このたびの大冷害によりまして、あるいは従来の備蓄政策の不備によりまして大量の米の輸入を余儀なくされたことは私にとってはまことに遺憾なことでございます。これを教訓として、全国の自治体あるいは農業団体は備蓄水準をやはり二百万トンぐらいにしなきゃいかぬという主張をしておりますけれども、私もこの主張に同意するわけでございます。少なくとも二百万トンぐらいの備蓄を持たなければ、やはり国家の安全保障ということはあり得ないというふうに考えておるわけでございますが、備蓄をいたしますると当然古米の処理という問題になるわけでございます。
 十二月の予算委員会でも申し上げましたが、この古米の処理については従来の発想を転換して、ODAによる無償援助あるいは飼料、工業原料等を組み合わせてクレバーに処理していけばこんなものは処理できるというふうに思います。主食用需給に影響が及ばないように備蓄のことを考えていかなきゃいかぬというふうに思っておりますが、まずこの点について長官の御意見を聞きたいと思います。
#38
○政府委員(上野博史君) ミニマムアクセスの受け入れということになりました場合には、今先生御指摘のように、需給事情にかかわりませんで毎年一定数量の米の輸入が行われるわけでございます。これを国内的にどう処理をしていくのか、国内の米の需給に悪影響を与えない、あるいは米の生産に悪影響を及ぼさない、そういうような対策を考えていかなければならないわけでございまして、現在全体としての検討の一環として検討を進めているところでございます。
 米の備蓄の問題がその場合の一つの考え方のキーになるということはそのとおりだろうというふうに思うわけでございますけれども、この備蓄の問題につきましては、昨年の米の不作を受けまして現在三カ年計画で実行中の水田営農活性化対策、生産調整の対策についての見直しか行われました際にも備蓄への取り組みの問題が提起をされたところでございます。
 これはもっと時間をかけて、この活性化対策の実行状況や何かも見ながら結論を出すというふうになっているところでございますけれども、いずれにいたしましても、そういうものも含めましてミニマムアクセスで入ってまいりますお米を国内的にいろいろな用途の開発なども考えながら処理をしていくという、その際にはまた海外への援助用に向けるということもお話しのとおり一つの考え方かと思うわけでございますが、これにつきましては、援助についての国際約束というようなものもございまして、それとの関連なども考えてまいらなければならない。
 いろいろと検討を要するところがあるというふうに思っているところでございまして、今後中期的な観点に立ちました備蓄、並びに用途に応じた需給均衡、こういうものを図ってまいるための新たな米管理システムの整備ということで現在検討に取り組んでいるところでございます。
#39
○佐藤静雄君 そこでお尋ねをしたいのは、政府は昨年十二月十七日の閣議了解の中で、米のミニマムアクセス導入に伴う転作の強化はいたしませんというふうにはっきり決めておられるわけでございますが、米の需給バランスから考えていきますと、平成八年以降は平年作であれば輸入の増加を考えますと転作面積はおのずとこれは拡大せざるを得ないと思われますが、平成十二年まで転作面積を現行六十万ヘクタールに固定化されまして拡大されないというふうに私ども確認をしてよろしゅうございましょうか。
#40
○国務大臣(畑英次郎君) これはウルグアイ・ラウンドの受け入れという政府の態度決定の際の閣議了解の中にございましても、このミニマムアクセスに伴いますいわゆる転作の上乗せ強化はしないということを基本にうたわせて、了解事項とさせていただいておるわけでございます。
 その豊凶、いわゆる豊作であった、あるいはまた大凶作であった等々、そういった特殊事情、あるいはまた大きな需要関係の変動、こういうことが現実の姿として起きましたときにはそれなりの通常の見直しということはあり得るということも御理解がいただけるというふうに考えるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、基本的には転作の強化は行わない、こういうようなことを重ねてお答えを申し述べさせていただきます。
#41
○佐藤静雄君 大変恐縮でございますが、今の御答弁で通常の見直しはあり得るかと、こういうお話でございましたが、基本的に六十万ヘクタール、これを平成十二年まで見直しをしないということで確認してよろしゅうございますか。
#42
○政府委員(上野博史君) この点につきましては若干補足をさせていただきますけれども、現在の生産調整が、大体年間一千万トンぐらいの需要に対して、一千六十五万トンぐらいの米の生産をするということで計画変更が行われて、ことし、来年とお米の生産が行われるわけでございます。それだけの転作の緩和が先般の見直しにより行われたわけでございまして、単年度ベースで考えますと六十五万トンほど消費を上回る生産を行って在庫の回復を図るというのが現在の計画でございます。
 したがいまして、適正な在庫がどれくらいかという議論はあるわけでございますが、そこに先ほど私お答えしましたように備蓄の水準の問題も絡んでまいるというふうに思うわけでございますけれども、毎年六十五万トンすっ消費をオーバーする生産が行われていくということになりますと、これはやはり非常に過剰な在庫を抱えるということもあるわけでございまして、従来の米の生産調整の考え方、すなわち需要に見合った国内の米の生産を維持していくというこの考え方の基本は維持をしてまいらなければならないんではないかと思います。
 ただ、そのミニマムアクセスが入ってまいるから、じゃその部分を国内の米の生産の減反でカバーをするのかと言われれば、そんなことはない、ミニマムアクセスが入ってきたからその部分国内の生産調整の増大をしなければならないということは考えていないということでございます。
#43
○佐藤静雄君 お話を聞いてもさっぱりわからないのでありますけれども、減反は強化しないとおっしゃりながら通常の需給のためには見直しもあり得る、これは農林水産委員会でじっくりお話をお聞きしたいというふうに思っております。
 ミニマムアクセスを受け入れたことによりまして、農家は米の需給に、今御答弁があったことを聞いても農家の人たちは決して納得しないと私は思うのでございますけれども、大変な不安を持っておるわけでございます。このため、農家に安心を与えて、これはある意味では消費者にも安心感を与えることになるわけでございますけれども、さらに農家の営農設計の指標とするために、平成七年度以降少なくとも五カ年程度の需給見通し、こういうものを公表して農家に営農の指標にさせてあげてはいかがかというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
#44
○政府委員(上野博史君) 農家がやはり先行きいろいろなことが計画的に行えるように指針を示すという、そのことについては私はお説のとおりだろうというふうに思うわけでございまして、私どもの役所といたしましても従来から需給の長期見通しというようなことを行って見通しを立ててまいっているわけでございます。
 しかしながら、お米の需給計画というような話になりますと、これはそのときどきの需要や生産の動きをもっと着実に把握をして計画を立ててまいるべきものでございまして、五年先というような話になりますと、その間のいろいろな要素が不確定なものが多々あるわけでございまして、立ててはみたものの信頼性に欠けるというようなことも出てまいるんじゃないかというふうに思うわけでございまして、やや困難なことなのではないか。
 ただ、いずれにいたしましても、ミニマムアクセスが導入をされてまいりました場合に、安定的な国内生産が可能になり国民への安定供給が行われるというようなことを担保いたしますために、備蓄であるとかあるいは用途別の需給均衡を確保することができるような新たな米管理のシステムの整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#45
○佐藤静雄君 平成六年、平成七年は政府は百三十万トンの備蓄を考えておりますからこれはこれでいいと思うのでございますが、平成八年以降にミニマムアクセスとして輸入される米は、国内産が平年作であるということならば主食用としてはあえて必要がない米であります。具体的にどのような用途をお考えになっておるのか。
 昨今の米の需給状況を見ましても、外国産の米は評判はそうよくありません。食味もそんなにいいはずはありません。そういうことで、あえて平成八年度以降に入ってくる米は日本の主食用に無理無理突っ込まなくてもいいと思うんです、国内産で自給できるわけでありますから。その場合にどのような用途をお考えになっているのか、お聞かせをいただきたい。
#46
○政府委員(上野博史君) これは、今お話しの前提としてお米の生産が平年作で行われた場合というようなことでございました。そのときのお米の状況によりましていろいろな用途に仕向けてまいるということが出てまいると思っております。そういう意味で、主食用であるとか加工用であるとかというようなことが当然全体として考えられるわけでございますが、いずれにいたしましても、安定的な食糧管理ということを確保するための方策を考えてまいらなければならないというふうに思っております。
 そこで、やや踏み込みまして、用途の問題ということになりますと、新規用途を開発して加工用米への供給や何かを新たに考えてまいるというようなこともございましょうし、備蓄として積み増すということも考えられる一つの方策がとも思います。それから、海外への援助用というようなことも一つの方法ではあろうかと思いますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、援助についての国際的なお約束もございまして、そういうこととの関係を勉強してまいらなければならないわけでございます。もう少し検討をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
#47
○佐藤静雄君 今入っている米で、これは新しいものに飛びつくという心理もございましょうが、評判のいいのはアメリカの米だけてあります。この点については、後ほど同僚の笠原委員から徹底的にお話をお聞かせいただきたいと申しておりますので、その笠原委員に譲りたいと思います。
 平成六年度の転作目標面積の配分状況についてお伺いしておきたいと思うんですが、まずどのような進捗状況になっているのかということをお聞きします。それと、農業団体と農林水産省の中に亀裂が入って一時大変不安定な状況になっておったはずでございますが、農業団体特に農協系統の協力体制はどのようになっておるか、これもお聞かせいただきたい。また、目標面積配分の結果、未達成が起きるかどうかということについてもお聞かせをいただきたい。
 私は、あらゆる調整措置、県間調整あるいは市町村間調整を徹底してやればペナルティーは回避できるというふうに思っております。ペナルティー回避のための弾力的な対応をする必要があるというふうに思いますが、農林水産省のお考え方をお聞かせ願いたい。
#48
○政府委員(日出英輔君) ことしの転作の状況でございますが、まず実施状況はどうであろうかというお話でございますが、二月二十五日現在で見ますと、市町村からその下におりた数字が四一%でございます。西の方は大体例年どおりのような時期でございます。東が若干おくれているかもしれませんが、通常のペースから少しおくれておりますが、全体的な作業には支障がないだろうというふうに思っている次第でございます。
 それから二つ目に、生産者団体との関係につきましてお触れになったわけでございますが、お話しのように、このガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴いまして生産者団体との関係でいろいろ経緯があったわけでございますが、具体的には二月十六日に全国農協中央会の水田農対本部委員会の名前で平成六年産米の生産対策の今後の進め方ということで転作につきまして早急に進めていこう、こういうようなことが言われております。
 この基本は、先生も御案内のとおり、平成六年産の転作目標面積六十万ヘクタール、これは昨年の段階で、市町村の段階で復円の意向調査をいたしたわけでございます。これは基本的に言いますれば生産者の意向に沿っておる、こういう理解でこういった全中の対応が行われたというふうに理解をしているわけでございます。その後、部課長会議を見ておりますと、順調に実務的な対応をするというふうな方へ、どんどん方向がそちらの方へ行っているんだろうというふうに思っておるわけでございます。
 それから、転作の未達成になるかどうかという話でございますが、これは今の段階では何とも申し上げられませんが、先生お話しのように、この前提といたしまして市町村間調整あるいは県間調整、これをしっかりやるということが前提だろうと思っております。これにつきましては、先ほどの二月十六日の全中の水田農対本部委員会の決定でもそうでございますが、この県間調整、市町村間調整は農協が積極的にやる仕事でございます。この全中の中では、関係者の理解と協力を得ながらしっかり地域間調整を行うんだということを言っておりますので、行政としても大いに支援をしてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#49
○佐藤静雄君 平成六年度の農水省関係の予算案では、国内対策を意識されまして融資条件の改善あるいは構造対策の拡充など概算要求時点よりも充実したものが見受けられまして、私はある程度の評価をしなければならないというふうに考えております。
 しかし、これは本格的な国内対策ではないわけでございます。本格的な特別国内対策を講ずるためには、省庁別のシェア、こんなものにはとらわれる必要はない、長期的な視点に立って十年間程度の大規模な特別予算編成を考えるべきであろうというふうに思っております。牛肉・オレンジの自由化に際しては年間一千億円以上の対策を講じたはずでございます。米の場合には、耕地面積あるいは従事者数あるいは生産額等から考えますと、年間一兆円ぐらいの対策は従来の予算に上積みをして講ずるべきであるというふうに考えております。これを農業者に明示することが農業者の信頼の回復にこたえる道じゃないかというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
#50
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘がございましたとおり、事柄の緊急性にかんがみまして、本年度第三次補正にございましては緊急な国際化対応ということで予算の計上が図られ、その議決を見たところであることは御案内のとおりでございます。
 そういう中にございましても、なおまた新農政の農業基盤整備等々の問題、これも公共事業分野等におきまして合わせますと三次補正の中で五千億円を上回る予算計上をさせていただいた、この辺につきましても御理解を賜りたいというふうに考えます。先ほど来申し上げますように、さらなる本格的なというような意味合いにおきましては、各分野の方々の御意見等々を踏まえながら、来年のウルグアイ・ラウンドの実施時期等々を念頭に置きながらさらに懸命な努力を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
#51
○佐藤静雄君 今回の予算の編成に際しまして、財政審、どんな性格なものかわかりませんが、これは別に法律でつくった審議会でも何でもないわけでございましょうが、その財政審が農林水産省の公共事業をCランクに位置づけ、それを受けて財政当局は、農業農村整備事業あるいは漁港あるいは沿岸漁場整備事業に極めて冷淡な態度を示したわけでございます。まことに遺憾に考えております。
 第三次補正予算、当初予算を通じてのこの予算編成についての大臣の評価はどんなものであろうか、それをまずお尋ねをし、当初予算の比較で言えば、農業農村整備事業、漁港、沿整、これは伸び率も対前年比非常に低い、あるいはシェアも他の公共事業と比べまして落ちております。これが後年度の災いとならなければいいなというふうに私は考えておるのでございますが、いかがでございましょう。
#52
○国務大臣(畑英次郎君) いわゆる財政審議会等々のA、B、Cランクといったものが公表されましてから、この関係の立場の方々を初め、全国的にこの問題に対する、これの内容を問題視する大変な高まりを見せましたことは御案内のとおりでございます。
 そういう中にございまして、関係者の御努力、そしてまた国会側の御意向等々が反映される中にございまして、先ほど申し上げましたような第三次補正におきます五千億円を上回る予算計上の問題、なおまたただいまの概算決定金額等々を考えました場合におきましては、例えば農業農村整備につきましては、この第三次補正を加えました場合におきましては前年対比一〇%の伸びというようなことも数字の上では御承知がいただけるんではないかというふうに考えます。あるいはまた、事柄の性質上、従来、公共事業分野でありましたものを非公共分野に回したというようなケース等々もあるわけでございます。
 さような意味合いでは、ただいまの数字等々をもってもそういった懸念材料をかなり解消した姿の中における予算計上要求等々が出される中での今日の運びである、こういう点につきましても御理解を賜りたいと考える次第でございます。
#53
○佐藤静雄君 本格的な国内対策は平成七年度以降に講ずることとなると思うわけでございますが、本格的対策を打つ場合には、単なる従来の政策の延長であってはならないというふうに私は考えております。
 対策の内容としては先ほど同僚の陣内委員からも御発言がございましたが、土地改良事業負担金の軽減はもちろん、その性格上全額これは政府が負担してもいいんじゃないか、こういうふうに思っております。
 さらに、米の価格について、やはり将来を見据えた営農ができるように、先ほども申し上げましたが、五年程度の見通しの公表の義務づけ、そのぐらいのことはやってあげてもいいんじゃないか。あるいは農林業の国土保全機能について評価して、中山間地域に対するいわゆるデカップリング、直接補償制度の導入の検討、そういうものも当然考えていく必要がある。あるいは補助事業の相当部分について、目的とか補助率等骨格部分をこれは政府が決めて、具体的な基準あるいは規格あるいは単位、そういうものについては地域の実情に応じて地域の創意工夫、自主性を尊重する新しい補助制度を創設して、農林業の実態に即応し機動的に対応することが可能になるよう検討してはどうか、こういうふうに思っておるわけでございますが、その点について御所見を賜りたいと存じます。
#54
○政府委員(入澤肇君) 土地改良事業の負担金の全額政府負担につきましてお答え申し上げます。
 これは先生御承知のとおり、土地改良事業はその公共性の程度等に応じまして国と地方公共団体が一定の負担を行っているところでありまして、事業による効果が個別農家にも及ぶ部分がありますことから受益農家にも応分の負担を求めるということは基本となっております。この基本原則は私はなかなか変えることはできないんじゃないかと思います。
 しかし、こういう基本原則のもとにおきましても可能な限り農家負担の軽減を図るということで、例えば農道整備のようにその受益が広く一般にまで及ぶ事業につきましては負担の大半部分を地方公共団体が負担しておりまして、もうほとんどが農家は負担していない。それから、構造政策を推進する上で重要となります圃場整備事業、これは先ほども議論がございましたけれども、これも補助率をかさ上げするあるいは農家負担を軽減するために無利子資金を導入する等の工夫をやっているところでございます。
 これからも農家負担の軽減対策につきましては可能な限りの努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
#55
○政府委員(上野博史君) 米の政府買い入れ価格を五年ぐらい先まで決めておいたらどうだろうかというお話でございましたが、この点につきましては、現在食管法の規定で生産費及び物価その他の経済事情を参酌し米の再生産を確保することを旨として毎年定めるというふうになっておりますので、制度的な調整の問題が出てまいるわけでございます。
 仮に五年先の価格を考えるとしますと、やはり生産費とか生産事情とか、そういうものを考慮した価格の設定というものが行われなければならないことになるんだろうと思うわけでございますが、そういうことについて一体どういうふうに考えていくのかという議論が行われなければならないわけでございまして、それぞれ非常に難しい問題があるんじゃないか、そういう意味でやはり現在の制度に従ってやっていかざるを得ないのではないかという感じがする次第でございます。
#56
○政府委員(高橋政行君) まず、お尋ねの中山間地域対策に関係してでございますが、この問題も、我々、中山間地域が国土保全とか環境保全、あるいは農林業に果たしている役割というものの重要性からいたしまして、今後ともその点については十分配慮していかなきゃいけない事項というふうに思っております。したがいまして、中山間地域等のこういった対策につきましては、農政審議会の場を通じましてもさらに広い角度からまず検討を行いたいと思っております。
 今お尋ねの直接所得補償制度の導入についてでございますが、この点につきましては今までもいろんな議論が展開されてきております。その中でもいろいろ申し上げておりますが、やはりこれが真に地域全体の活性化あるいは定住の促進に資することになるのかどうか、あるいはこうしたことが国民的な合意を得られるということになるかどうかといった難しい問題もあるわけでございまして、まず我々といたしましても、やはり中山間地域対策といたしましては地域の自主性と創意工夫を生かした農林業の振興をやっていくということが基本でなければならないというふうに考えております。
 したがいまして、そういった基本点を頭に置きながら、今後、農業・農村の活性化のための総合的な観点からの施策を推進していくという中で、御指摘の問題も含めて検討を深めてまいりたいというふうに思っております。
 それからもう一つは、補助事業のあり方に関係してでございますが、補助金、御承知のとおり国民の税金を財源とするものでございますので、どうしても特定の政策目的の実現を図るということから、その目的に応じました必要最小限の要件が必要であるというふうに考えております。したがいまして、これらの要件を全く外してしまうということは、補助金という行政目的、行政手法のあり方としてはいかがなものかと考えておるわけでございます。
 しかしながら、先生御指摘がございましたように、その実施に当たりましてはそれぞれの地域の実情に応じまして地域の創意あるいは工夫が生かされていくということが必要であると思っております。したがいまして、類似目的の補助金等をできるだけ統合するとかメニュー化いたしますとか、あるいは補助条件の弾力化をするとかというような見直しなども今までやってきておりますが、今後さらにこうした方向での努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#57
○佐藤静雄君 時間も参っておりますので用意した質問を割愛させていただきますが、同僚の委員から時間をいただきましたので、石田長官わざわざお見えでございますので、最後に国家公務員の人事管理についてお尋ねをしたいと思うのでございます。
 国、地方の人事交流については、私は、地方の人材育成あるいは広い立場に立って行政の判断が行える、非常に有益な面が多い、さらに国のエリートさんにとっても地域の行政の実態に触れ、地域の産業等を理解する貴重な機会であって有意義だというふうに考えておりますが、その実情について問題点も若干ありますので、例を挙げて御質問させていただきます。
 その一つは、地方自治体あるいは地方の官公署に課長あるいは署長でおいでになられる方は、全く戦前の昇進スピードと同じでございます。したがって、県の課長なんかにも、国家公務員の上級職採用後六年、ですから二十八、九の若い人がおいでになります用地方の税務署長なんかも同じでございまして、二十八、九の税務署長がおいでになる。優秀な方々ですから私はその能力については別に問題はないだろうというふうに思いますけれども、余りに現状では戦前と違って若過ぎます。したがって、これについては当該団体あるいは官公署の職員に違和感が非常にあります。そればかりでなくて、例えば税務署長さんですと商工会議所の会頭さんのお相手をしたり、いろんな経済団体の方々ともお相手をしなきゃいかぬということで、そういう面でも違和感がございます。せっかくの交流がそのようなことで円滑を欠くということでは、私はこれは画竜点睛を欠くというふうに思うわけでございます。
 それからもう一つは、一方で中央官庁では国の幹部クラスは定年までお勤めになることがほとんどない。省庁によっては二十五年勤続、五十歳を過ぎますと肩たたきが始まる。そういうことでせっかくの有為な人材を失うことになるのでございます。そのため、再就職が必要となることから、外郭団体あるいは天下り先の開拓、新設、そういうような問題を生じまして、それについては国民の批判も強いのでございます。
 今後は、前は五十五歳定年でございましたが今度は六十歳でありますし、さらに六十五歳になろうという時代でございますから、そういう定年制の延長あるいは高齢化の進展、公務員を取り巻く環境の変化を十分に踏まえて、人事管理のあり方、人事交流のあり方、あるいは退職管理のあり方についても政府全体として見直し、是正するべきではないかというふうに考えておりますが、長官の御意見をお聞きいたしたい、こう思っております。
#58
○国務大臣(石田幸四郎君) ただいま佐藤先生から御指摘をちょうだいいたしました。まず基本的な問題について先生がお話しになりましたんですが、これはまさに第三次行革審でも明確に基本的な考え方として二つの問題を挙げておられるわけでございます。一つは、公務員につきましては高度の専門的能力の養成が重要であること、それからもう一点は、行政の現場から国際的経験に至るまでの幅広いバランス感覚もしくは経験を有することが必要だ、このように言われておったところでございまして、まさに第三次行革審の中で議論された御認識を先生が持っていらっしゃるというふうに承ったところでございます。
 特に地方との交流について先生御言及でございますんですが、確かにそういった問題点があろうかというふうに思っているところでございます。
 地方自治体と国家公務員との交流問題につきましては、特に特定ポストが特権と見られている向きもあるわけでございまして、そういった点については十分配慮をする必要があろう、このように思っているところでございます。
 年齢の若い点につきましての見方はさまざまあろうかと思うのでございますが、やはり新しい人材を育てるという意味合いにおきましては若い人もどんどん登用していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この平成六年の二月十五日に行革大綱を閣議決定させていただいたわけでございますが、その点については三つの問題を申し上げておるわけでございます。
 一つは人事交流、啓発・研修という問題で、各省庁間の人事交流及び国際機関への派遣の充実、国・地方間の人事交流、あるいはまた民間企業への派遣等、そういうような問題を踏まえての研修をしっかり進めたい、こんなふうに思っており、その趣旨を書いてございます。
 二番目としまして今先生御指摘の高齢化対策の問題でございますが、これは生産年齢人口の伸びの鈍化というようなことを考えますと極めて重要な問題であるというふうに思っているところでございます。
 そういう意味におきまして、公務員の高齢化対策をどうするかというのが非常に大きな行政上の問題点になっておるわけでございまして、当然社会全体の流れからいきましても現在の状況からさらに高齢者をそのまま継続的に採用していく問題が検討されなければならない、このように思っているところでございます。特に、この高齢化対策が進みますれば先生御指摘の天下りの問題等につきましてもかなり大きな変化をもたらすことは必至でございますので、これは総務庁といたしましても各界の御意見を承りながらしっかり検討をしてまいりたい、こう思っているところでございます。
 またもう一つは、公務員の人事管理というようなことで、「公務員の人事管理については、政府一体となった人事管理を一層推進するとともに、行政をめぐる諸環境の変化に対応した今後の制度・運営の在り方」を幅広い観点から検討するということがうたわれているわけでございますが、先生も御存じのとおり、例えば今国家公務員の一括採用などの話も議論として大変出ているわけでございます。
 しかし、この問題はかなりさまざまな難しい問題がございますので、私としましては、第三次行革審でお示しになった各省庁との将来の統合問題、さらにまた行革大綱でうたわれております地方分権の問題、特に地方分権は皆様にも御議論をいただいて一年で地方分権大綱をつくろうといたしておるわけでございます。その方向が定まりますれば、例えば国の行政の範囲を縮小する、外交、防衛問題を中心にしまして基本的な問題を国が担当する、地方は生活関連の問題を担当するというような、大ざっぱに分ければそういう御議論が今多いわけでございますが、そういう方向が仮に決定をいたしますということになりますれば、現在の公務員制度の問題についても必然的に大きな方向性が示されるわけでございますから、こういった各省庁の統合問題とかあるいは地方分権の問題等と絡めて一括採用その他の公務員の人事管理の問題は考えるべきであろうというふうに思っているところでございます。
 先ほど先生が御指摘になられました問題点は非常に貴重な御意見でございますので、私としてはさらに総務庁におきましてそういう意見を踏まえて十分検討するようにいたしてまいりたいと存じます。
#59
○笠原潤一君 自民党の笠原潤一であります。
 まず、農林水産大臣にお尋ねいたしますが、実は農林水産大臣は大分県の日田市の御出身だと聞いております。
 私は、実は昭和四十七年か八年であったか、当時、岐阜の市会議員でありまして、御地にお邪魔をいたしました。実は私の方は有名なウ飼いがあるところでありまして、御市にもウ飼いがありましたので親しく拝見させていただきました。ちょうど日田林工が甲子園へ出場するときでもありまして、町の方で大変応援なさっておられました。それから、流しそうめんをいただいて、非常にユニークなことをやっていらっしゃるなと思って実は感心したわけであります。そういう点から、いつも大臣のお顔を見ますとあの当時のことが思い出されます。今回、幸い決算委員会で大臣所管の問題についてお尋ねできることを大変に光栄に思っております。ちょっと厳しい点もあるかもわかりませんので、そういう点は御容赦をいただきたいと思います。
 実は、先ほど佐藤先生からもお話があったように、昨年十二月十五日でありましたか、ガット・ウルグアイ・ラウンドが合意されたわけでありますけれども、この問題について私どもその経過と実態を振り返ってみまして大変残念だと思っております。
 このウルグアイ・ラウンドでありますけれども、国別約束表と言われているものに関しまして極めて不明瞭な部分があります。特に、サザーランド・ガット事務局長は昨年の十一月十五日まで国別約束表を提出するよう各国に求めていたのでありますが、この期限を十二月十五日まで延期したと伝えました。
 この理由については、細川総理大臣が十二月十四日未明にドーニー調整案受諾の公式発表をされたわけでありまして、その後伝えられたところでは、十二月十五日の期限が今年の二月十五日まで延期されたにもかかわらず政府は実は十二月十四日に国別約束表を提出したとしましたが、この提出したのは日本だけだったといううわさもありますが、この点についてお尋ねをしたいと思います。
#60
○政府委員(眞鍋武紀君) 国別約束表でございますが、これは委員御指摘ございましたように昨年の十二月十五日、これを目標に交渉をやってきたわけでございます。
 国別約束表というものを、完全、不完全、こういう問題はございますが、それぞれ提出をして、実質的に大体こういう中身になるということになるわけでございます。そういうものは一応出しておるわけでございますが、それらについて一定の期間を設けまして、ベリフィケーションと言っておりますが、精査をして、確かに約束どおりになっておるか、なっておらないかというふうなことを精査をして、その上で四月十五日に署名をする、こういう手はずになっておるわけでございます。
 そこで、一たん国別約束表というものを出しておるわけでございますが、それをさらに譲許表という、専門的なことで恐縮でございますが、要するに様式を変えまして出す期限として、十二月十五日にサザーランド事務局長から二月の十五日までに各国はそういう新しい様式の譲許表スタイルのものを出しなさいよというふうなことで期限が設定をされておるわけでございます。
 これにつきましては、先ほど若干御答弁申し上げましたが、そういうものに基づきましていろんな国が出しておるわけでございますが、いわゆる四極、アメリカ、日本、カナダ、EC、この四つについてはまだ出していないというふうな状況であったわけでございまして、さらに早く出せ、こういうふうな要請がございまして、二月の二十五日、先週の金曜日までに出せ、こういうことでございまして、それぞれ我が国も含めまして出したわけでございます。ただ、これが一部、EC等では一部のものがまだ不完全であるというふうな面はございます。それから、アメリカも一応出しておるようでございますが、全部をカバーしておらないというふうな状況のようでございます。アメリカは本日中にもさらにその補完をしたような格好のものを出す、こういうふうに聞いております。
 いずれにいたしましても、一応は二月二十五日現在で出されておるようでございますが、それが十二月時点の約束どおり出されておるかどうかということにつきましてこれからそれぞれの国別に精査をする、こういう段階になっておるというふうに御理解いただきたいと思います。
#61
○笠原潤一君 お聞きいたしまして、実はこの国別表でありますが、どうも今回のクリントン大統領と細川総理大臣が、考えてみますと日本の建国記念日であるにもかかわらず出かけていって、本当にこれはもう外国だったら大変なことなんですよ、アメリカの独立記念日に大統領がいなかったらこれは本当に大変なことなんですが、にもかかわらず我が国の建国記念日に細川総理が行かれた。また、それをセットする方もする方ですけれども、招請する方も私はアメリカというのはちょっとおかしいなと思っていますが、にもかかわらず行かれて、大人の関係と言われるけれども、結果的には両方が合意を見なかったということであったわけでありまして、完全に決裂したわけです。
 私はこの交渉の結果を見ておったときに、問題は数値目標とよく言われていますが、昨年の十二月の交渉で、実は日本側の方は米をミニマムアクセスさえすればあとの問題は恐らくうまくいくんじゃないか、そんな簡単な考えでなかったか。考えてみますと、外堀を埋められたんだけれども、実は大坂夏の陣の内堀があったにもかかわらず、どうも我が方は何かこの問題だけ決着すればあとの問題はそんなに問題、まあ多少はいろいろあるでしょうけれども、そんなような感じで交渉が行われたやに、これは私見ですが思います。
 ですから、二月十一日のあのクリントン・細川会談というのは完全に失敗に終わったわけでありまして、考えてみますとどうも日本の方が対応が甘かった。同時に米が犠牲にされたんじゃなかろうかというような気がしてなりません。
 そういうことでありますが、ドゥーニー調整案、これは四百五十ページにわたっているといいますけれども、内容がほとんど我々に示されていませんが、この点についてはどうなんですか。
#62
○政府委員(眞鍋武紀君) ドゥニー調整案につきましては、先般、受け入れるかどうかということにつきましていろいろな場で御議論をいただいたわけでございますが、その際、骨子をまず公表し、それからさらに若干詳しいものにつきまして報告をさせていただいておるわけでございます。したがいまして、その要点は既に公表をしておるというふうに御理解いただきたいと思います。
 ただ、大部のいろいろな合意、農業分野あるいは非農業分野も含めましていろいろな合意があるわけでございまして、それは非常に大きな紙数になるわけでございます。これにつきましては、現在外務省を中心に翻訳の作業なりいろいろな作業をしておるわけでございます。この翻訳をし、一定の条約といいますかそういう形にいたしまして、秋の国会にお諮りをして御承認いただく、こういう段取りにしておるわけでございます。
#63
○笠原潤一君 今お聞きいたしますと、まだこれから翻訳しながらいろいろということですから、実質はまだ内容を我々は把握しておりませんし、これは間違いないと思います。
 それから、先ほどいみじくもおっしゃったんだけれども、国別表について、アメリカ案もまだ、きょうの段階で出してくるだろうということでありますが、実はそれは十二月十五日までに出すのが本当でありまして、日本に米の自由化を迫るならばこれはアメリカの方も出してくるのは当然であって、それがどんどんおくれてきたわけですよ。二月十五日が今になってしまう、あるいはもっとおくれるかもわかりません。
 そして、先ほど話があったウエーバー品目ですよ。実は、アメリカは自由主義で、ガットの基本精神からいっても自由貿易主義というのはアメリカの国是ですが、農産品でこれだけのウエーバー品目があるんですよ。我が国は米というのがなぜ同じようにウエーバーにならなかったかということを私は非常に疑問に思っていますよ。
 というのは、考えてみましたら、アメリカですらもこれだけの品目をウエーバーにしながら、我が国は何が一番基本がといえば、米なんですよ。そして、米というものは皆さん御承知のように、五億トンとかなんとかいいますけれども、実際世界で流通しておるのは千三百万トン。そして、米というのは世界の趨勢からいって、特にアメリカあたりからいえば、これ日米の二国間が一番問題だったわけですが、アメリカにとっては米とは一体何ですか。
 先ほどのカリフォルニアの話じゃありませんが、カリフォルニアでは三百万トンしかとれないと言われています。しかし、恐らくこれはもっと減ってくる可能性があるんですよ。それはどういうことかといいますと、カリフォルニアというのは人口が今どんどんふえているんですよ。さらに、その南のアリゾナ州ツーソンの周辺というのは今人口百万になっていますよ。暖かいものですから、どんどんお年寄りがあそこにみんなレジデンスを構えて、人口がふえていくわけです。
 そういたしますと、一番の問題は水なんですね。カリフォルニアの米は、どこの水でつくっているか、それは経済局長もよく御存じだろうと思うが、私は今から四十年前にフーバーダムへ行ったんですよ。フーバーかシャスタから水を持ってくるんです、延々五百キロもかけて。私は、当時アメリカの有名な映画俳優が死んだすぐ後にベーカーズフィールドへ行ったんです。あの周辺一帯はアメリカの米作地帯ですからね。
 もともと米を一番最初におつくりになったのは、何とこれ福島県の国府田さんでしょう。国府田敬三郎さんがアメリカのカリフォルニアで米をつくったんですよ。それがたまたまアメリカ人がもうかると思ってアメリカで米をまき出して、まあ中国人もおるし日本人もいるからその米は多少売れるということで米はどんどん広がってきたんだけれども、アメリカの全体のシェアからいったら、米なんかわずかなんです。
 今、日本は、アメリカから食糧をどれだけ入れていますか、実際の話二千七百万トンも入れているんですよ。アメリカにすれば、日本のことはローカル、かつて日本の金はローカルカレンシーと言われたけれども、本当にわずかなローカルフードですよ。それが何か日本とアメリカの交渉の中で一番の最大関心事になって、国会は衆参で六回も決議しているんですよ。
 私がここで申し上げたいのは、農林水産省がワシントンで交渉されたかもわからぬ、時たま日本の農業団体もあるいはシカゴヘ行ったかもわかりませんけれども、アメリカの最大の農業団体は、かつて言ったように、アメリカン・ファーム・ビューロー・フェデレーションとかペザント・ユニオンとか幾つかあるんですよ。彼らが実際のアメリカの農業政策をやっているわけです。ロビイストをたくさん使ってやっているわけですよ。
 私はワシントンへこの四十年間しょっちゅう行った。そしてダンフォースの事務所で会ったんですよ。ダンフォースさんの補佐官のスーザンさんなんかとは僕は本当に何回も米の問題で会ったんです。USTRにも行ってきましたよ。私は、自分の国の農業、自分は長い間百姓をやっていますから、そういう意味でやってきました。米の問題がこんなに大きく取り上げられるとは僕は思わなかった。アメリカにしてみれば大したことないんですよ。
 そこで私がお尋ねしたいのは、これは農水省が直接やるわけにいかぬかもわからぬけれども、一体ワシントンでどの程度のロビイスト活動をやったかということと、それから本当にじかにアメリカン・ファーム・ビューローとかそういう皆さんと話し合って、カリフォルニアだけしかつくっていない米、それだってこれは完全に少なくなってくることは必定なんです、水の問題がありますから。先ほど豪州のお話も出ましたが、豪州も百万トンがマキシマムです。これだって水の問題で減ってくるかもわからない。
 そういう点からいって、私は、その米の問題で農林水産省、自民党時代を含めて随分おやりになった、しかし今度の新政権になって一体どの程度の交渉がなされたかを一回お聞きしたいと思います。
#64
○政府委員(眞鍋武紀君) 米の問題でございますが、先生御指摘のとおり、米につきましては日本では非常に大きな作物として相当なウエートを占めておるわけでございますが、確かにアメリカの農産物としては非常にシェアが小さいという点は御指摘のとおりだと思います。
 ただ、このウルグアイ・ラウンドにつきましては、国境措置というふうなことで輸入数量制限とかあるいは可変課徴金でございますとかウェーバー品目等につきましてはすべて撤廃をして、これを関税化するというふうなルールが提案されたわけでございます。そういう中におきまして、我が国は米のようなものについては例外にしろというふうなことを長年にわたりまして主張してきたわけでございます。その間におきまして、アメリカ、ECは、それぞれ自分のところのウェーバー品目でございますとかあるいは可変課徴金についてはすべて関税化をするというふうなことを容認し、既にそういうことを提案してきておったわけでございます。
 そういう状況の中で、アメリカ、ECを含めましてほとんどすべての国が例外を設けてはならない、こういうふうなことでやってきておったわけでございますが、我が国は例外を設けるべきだというふうなことで強く主張をした結果、米について御案内のとおりの特例措置が認められた、こういう経緯があるわけでございます。
 そういうふうなことでございまして、ただ、我が国としていろいろ主張していった中におきまして非常に難しい問題を抱えておったというのは、アメリカが精米業者を中心に三〇一に訴えるとかあるいはガット提訴をする、こういうふうな動きがございまして、残念ながらこれがガットに訴えられた場合には判定としてクロになるというふうな可能性も非常に強かったわけでございます。そういう現行の我が国の米についての輸入禁止というものがガットと整合しないというふうな意見も強かったわけでございますので、そういう状況の中でぎりぎりの判断をした結果、ああいう特例措置ということで決着を見たということを御理解いただきたいと思います。
 その間七年間にわたりまして、アメリカのファームビューローでございますとかいろいろな農業団体に対しましても、例えばアメリカの要人が政府を訪問される場合に農業団体の方を伴ってくるケースもあるわけでございますので、政府はそういう機会に日本のお米の重要性等々について理解を得るように訴えてまいりましたし、あるいはアメリカへ出向きまして可能な限りやってまいりました。さらには、農業団体自身も全中を中心にいろいろ向こうの農業団体と意思疎通を図るというふうなこともやってきたわけでございます。
 そういうふうないろいろな努力も可能な限りやっていたという点も御理解いただければありがたいと思うわけでございます。
#65
○笠原潤一君 今局長のお話を聞いておりまして、努力されていることはよくわかるわけですが、しかし、一体どれだけのロビイスト活動をやったかと僕は今聞いたんですけれども、どうも今のお話では、何か交渉をやっておるということですが、余りやっておられぬと私は思っています。それは、ロビイスト活動がいいか悪いかは別として、アメリカの政治というのはロビイスト活動に尽きると思うんです、もう御承知のようにワシントンは。
 それから、今のウエーバー品目関税化と言うけれども、実際にまだ国別表を出していないし、アメリカは本当にこれを受け入れているかどうか私は非常に疑問だと思っています。
 アメリカというのは、御承知のように新農業法が新しく制定されたのは一九五七年代の後半です。そのころアメリカというのは物すごく好況でして、どんどん作物ができ過ぎるんです、日本の米と一緒で。アメリカのまねをして日本も一時減反をやったんです。何とか調整法というあの減反政策をやったんですが、これは何も日本が考え出したんじゃなくて、アメリカのまねをしたにすぎないと思っています。アメリカは御承知のようにトウモロコシも大豆もどんどんできるものですから、結果的には第二次世界大戦の後、ヨーロッパが御承知のようにああいうふうに戦禍に見舞われておって、食糧がどんどんヨーロッパへ輸出されたものですから、アメリカは史上空前の好況だったわけです。
 そのころ何が行われたかというと、ここで一つ問題になるのは、当時私が一九五七年代の終わりにアメリカに行ったんです。そうしたら、毎日毎日私はオークションに駆り出されたんです。小さな農家がどんどん淘汰されて、五十エーカー、四十エーカーの農家はだめになってしまうから、そのうちに百エーカー、二百エーカーというふうな農家がどんどんふえてくる。ですから、四軒ぐらいの農家が一気に集約されてしまうんです。そして、農機具から土地からどんどんオークションにかけられていく。それを見ておって、ああこれはと思ったんです。
 日本は多少違いますけれども、同じような傾向になりはしないかと思って心配しているんだけれども、そのアメリカの農家は今どうなっているんですか。中西部のイリノイとかミズーリとかアイオワとか、この二百エーカー、三百エーカーになった農家が今みんな大変な借金に苦しんでいるんです。日本も同じように、米の自由化をやって、地元の地方へ今帰っできますと、もう嫌になった、米は自由化されて百姓をやらぬでもいいということなら我々もやりたくない。
 仮に一千万トンが八百万トンになり、事実、ことしは去年の凶作で二百万トンも減ったんですから、緊急輸入で二百万トン入れなきゃなりません。かつての農家というのは、みんな農家備蓄で大きながんがんがあって十俵ぐらい一年間の分はどこの家でも持っておったんです。ですから、安定的に食糧が供給されておったんだけれども、昨年たった三十万トンでしょう。実際にそれはあっなかなかったかわかりませんけれども。今度、史上未曾有の、空前の凶作で大変なことなんです。カリフォルニアから何から、タイから入れてくる。来年はまた凶作でないとだれも保証できないんですからね、実際に。
 海外へ行ってごらんなさい。アメリカの百姓でもヨーロッパでもみんな地下室がたくさんあって、一年か二年分の丸ごとの牛や豚を、あれをちゃんと冷凍庫に入れているんです。それぐらい物すごくたくさんの食料品はちゃんと蓄えているんです。それが食糧安保であり、いつ何ときどんなことがあるかわからぬということなんですから。日本はゼロでしょう、実際の話が。またことし凶作だったらどうなるんですか。また、今ミニマムアクセスじゃなくてもっと入れなきゃならぬということになったら、これは実際おかしくなってしまうでしょう。
 だから、私は、農業政策がいいとか悪いとかじゃなくて、これから本当に基本的に農業というのはどうあるべきか。それから、大規模単作経営というのが果たして本当なのか。今度、新しく緊急農業対策で、いわゆる世界に通用する農業をつくりたいとおっしゃるけれども、本当にそれができるんだろうか。
 今はアメリカでもそうですけれども、最近は家族経営が一番大事だということと同時に、農業は実験ですから、バイオテクノロジーとか新しいいろんなことをやったり、いろんな実験農法がたくさんあります。ほとんど失敗なんです、実際に言って。ですから、農業というのは基本的には自給自足であり、やっぱり家族経営を主体にしてやらないと大変なことでしょう。私の近くで四十町歩、五十町歩やっている連中はいます。大きな農機具を何千万と買い込んで、朝は三時か四時から夜は十二時まで働いているんです。しかし、そんなことはいつまでも長続きしませんよ、実際に言って。ですから、本当に日本の基本的な農業というのは、家族経営を主体にして、兼業農家がいいとは言わないけれども、やっぱりそういうものがしっかり下支えしなかったら日本の食糧は将来大変なことになると私は心配しているんです。
 ですから、土地改良事業も、まあ構造改善局長さんもおられますが、一生懸命やっていただきました。しかし、考えてみますと、日本のような土地改良事業をやっているのは、世界広しといえども日本か韓国ぐらいなんです。そして、私も子供のころから百姓をやっていますから知っていますが、作土というものは大体八寸ぐらい、二十五センチから三十センチぐらいの床土があるのが一番いいんで、深耕はいいと言ったけれども、実際に深耕をやってしまうと土地がだめになってしまうんです。それは、長い間農民が時間をかけて土をつくってくるんですから。今度も冷害に強かったのは何かといったら、そういう農業だというんです。だから、本当に土づくりをやるためには、大規模農業で果たしてそれはできるだろうかと私は心配しているんです。
 それからもう一つは、先ほど先生のお話で豪州の話がありましたが、なぜアメリカはカリフォルニアだけでしか米ができないか。大きな理由があるんです。それは、あそこは年がら年じゅうほとんど雨が降らないんです。ですから、計画的に給水もできるし、全部できるわけです。アメリカは、米が売れると思ってそれと同じで南部の方でたくさんの圃場をつくろうと思ったんですけれども、これは無理なんです。なぜ無理か。ハリケーンが来るからです。倒伏してしまったらもう大変ですから、大規模農業であんな倒伏した稲をどうやってコンバインするんですか、ハーベストするんですか。
 だから、日本だってそうですよ。本当に日本の農業というのは、稲は弱いんですから。特にいいもの、私どもハッシモというものがありますが、今一番コシヒカリとかそういうものは非常に茎がやわらかいんです。その倒伏するのを何十町歩、何百町歩やれますか。私はそういう点を心配するし、有畜農業を含めながら本当に土づくりを今こそやらなかったら、もう酸性土壌になって日本の農業なんてしまいにだめになってしまうんだから、そこら辺で、本当に緊急的なこの問題に絡めて、もっと農業の基本を、土を大事にするという農業をもう少し考えてもらいたい、こう思っています。
 農林水産大臣、ひとつお願いします。
#66
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま笠原先生の御自分の今日までの歩みの中の貴重な体験を踏まえての示唆に富んだお話をいただいたわけでございますが、この農政問題につきましては、いささか弱気を申し上げるわけではございませんけれども、いわゆる百点満点の処方せんといいますものが、なかなかこれは実際問題としまして対応の展開ができない。そういう中にございましても、我が国の置かれております土地事情等々、国土利用計画等々、こういうものを踏まえました場合におきましては、先ほども申し上げましたが、これ以上日本の農地をふやすことは絶対にあってはならない。
 そういうことを踏まえました場合には、今先生御指摘のような難しい問題点はいろいろございますが、やはり東北、北海道等々の経営規模の拡大の問題、あるいは複合経営の問題、そしてまた中山間地域という我が国特別な厳しい状況下にございます地域の対応の問題、いわば経営規模の拡大、複合経営、そしてまた中山間地域対応、この三本柱を念頭に置きながら、いわゆる後継者確保の問題等々、そしてまた御指摘がございましたようなバイオその他の新しい技術開発等々を念頭に置きながら今後の農政展開を図っていかなければならない。
 そしてまた、何といっても現在農業関係者の方々は約五〇%近くが六十歳以上であるという、こういう実態を踏まえますと、この分野が他の産業分野と比較をいたしまして若い方々がそれなりの、少なくとも横並びで、勤労条件も、そしてまた生涯所得問題等々につきましても、それ相応の魅力がそこにあり得るという状態を、懸命の努力を新農政等々でやっていかなければならない。
 さような責任を感じますとともに、ただいま御指摘のございましたような先生方の御意見も十分念頭に置いて、これからの具体化のダイナミックな展開を心がけてまいりたい、かように考えております。
#67
○笠原潤一君 農林水産大臣の意欲、私もその意欲でやっていただきたいと思いますが、と同時に、ちょっと先ほどの話に戻りますが、日本は二千七百六十八万三千トンもの穀物輸入をしていますね。そのうちの大半がアメリカなんであります。ですから、また話は戻りますが、ウルグアイ・ラウンドのときに、あるいはその前に、先ほど私が申し上げたのは、なぜアメリカと二国間で本当にさして話し合わなかったか。
 というのは、ナショナル・コンファレンス・オブ・ステート・レジスレーチャー、これは日本流に言えば、アメリカの州の議会の下院が毎年各地で州ごとに行われるわけです。私は一昨年、国際分科会というところに出ました。大体一週間ぐらいやるんですが、夫婦連れで七千人ぐらいやってくるんです。そして、そこで七日間にわたっていろんな問題を討議するんです。
 いつも問題になるのは農業問題で、日本の米のことをある農業州でない人が言ったものですから、じゃセネター、あなたの州は米をつくっていますかと言ったら、いやつくってないと言う。なぜあなたがそんなことをおっしゃるんですかと言ったら、あのころは、ナショナル・ユニットじゃありませんが、米のことを言いまくるものですから、何か日本だけが閉鎖的なことをやっているというようなことでみんなそういうふうに、アメリカ人というのは、アメリカの国というのは、何か事が起こるともう物すごく国家的な意思が一つに統一されてしまうんですよ。どうもそんなふうにだれかが誘導していったような気がしてならないんです。
 ですから、そのときに私が申し上げたようなことで、そういうナショナル・コンファレンス・オブ・ステート・レジスレーチャーというのは、アメリカで一番大きな州の上院議員、下院議員の会議なんですよ。そういうところへ行ってもっと日本の実情を話すこと、それから先ほど言ったファーム・ビューローと話すとかいろいろなことをやれば、この問題はこんなに大きな問題でなくて、お互いに米の問題はこれだけだと。
 それはなぜかというと、アメリカというのは、私は失礼なことを言うかもわかりませんけれども、大臣御存じかもわかりませんが、土を耕す者は選ばれた神のしもべであると言ったのはトーマス・ジェファーソンなんです。アメリカの精神というのはここにあるわけですからね。そういう話をしていくと彼らはわかったと言うんですよ。じゃ、あなたの国はスイートコーンがある、あなたの州はそうでしょう、こんなの日本ではないから、あなた、そういうものを努力したらどうですかとか、いろいろなことを申し上げたら、そうだそうだということになって、ですから私は、そういう点でもっと日本の方が、そういうアメリカの農業団体であるとかアメリカの州政府、特にアメリカは州権の強い国ですから、そういうところともっと話し合わなきゃいけませんよということを申し上げたいんです、これは。
 同時に、あなたの国からこれだけの量の小麦やトウモロコシやあるいは大豆を買っているんです。本来言えば大豆なんかでもアルゼンチンから買った方がいいんです。しかし日本はアルゼンチンからたくさん輸入していませんから、ですからお米のわずか三十万トン、四十万トン、そうわあわあ言いなさんな。そう言われりゃ我々も向こうから買った方が安いんですよと。こういう交渉がなぜできなかったかということをもう少し、これは国際交渉ですからね、そういうことを私は申し上げたいんですよ。
 私は、非常に尊敬している小島先生の「ニュープアーマー」で書かれたこれを読んで、そのとおりだと思っていますよ。これは今から約五、六年前でしたか何か国際分業論で、どうも日本は産業界と一緒になって、米だけやれば何かこちらの方はうまくセーフになるだろうというような考えがあったように私は見受けられてしょうがないんです。先生はこの国際分業論で英国のリカードとマルサスの例を引かれておりますが、なるほどそのとおりだと私は思っていますよ。
 ですから、もう少し私どもは交渉の場合に毅然たるそういう駆け引きも大事なんです、アメリカ相手のね。だってそうでしょう、恐ろしい輸入量を日本は入れているんですから。米の三十万トン、四十万トンじゃありませんよ。二千七百万トンからのものを入れているわけですからね、アメリカに対して。ですから、一番入れているそのアメリカの中西部の諸州の農業団体やそこの議員と話し合えば、米の問題はこんなに我々が国会を二分してやるほどの問題じゃなかったと私は思っていますよ。そういう点ついて今後そういう取り組みをしていただきたいと思います。
 それからもう一つ、このウルグアイ・ラウンドの政府合意は批准しなきゃなりませんね。このままで果たして日本国で批准されるかどうか、非常に私は疑問だと思っていますよ。例えば批准しないとこれは国際孤児になってしまうんじゃないかと言う人もあります。それはそうかもわかりませんが、アメリカという国は、これまた私は歴史的背景が大事だというのは、特にクリントンでもカーターでもレーガンさんでもそうだし、ケネディさんでもみんな歴史的背景で物を言うんですよ。アメリカのウィルソン大統領は国際連盟をつくったけれども、実際帰ってきてアメリカ議会でいわゆる拒否されてしまって批准できなかったんですね。いや、アメリカは議会で大統領が話したって拒否されること幾らでもあるんですよ。
 ですから、そんなにこの問題は深刻に、何か批准をとれなかったら日本は国際孤児になって大変だということを思うかわかりませんけれども、そうじゃないと私は思っていますよ。アメリカだってよその国だってそういうことは幾らでもあるんですからね。それが国際的なしたたかな交渉だと私は思っていますから、その点ひとつ大臣、よくお聞きをいただきたいと思います。
#68
○国務大臣(畑英次郎君) このガットの問題につきましては、釈迦に説法でございますが、今回のケースにおきましては、とりわけ七年間といったような中での結果であったわけでございますが、さような意味合いではこの内容をもってぜひとも批准を賜りたい、こういうような気持ちであり立場でありますことは言うまでもないわけでございます。
 ただいま先生御指摘のようないわゆるアメリカ事情といいますか、あるいは国際情勢といいますか、そういうものを念頭に置きながら、今度の問題を踏まえて、さらにまた将来に向けてのたゆまざる御指摘のような問題点を踏まえた取り組みが、私どもに、役所側にも関係者にも求められておる、こういう謙虚な気持ちでもって、国際社会の中における環境問題等々、あるいは国土保全の問題等々、さらなる御理解が得られるような努力を今からやっておく必要がある、こういう立場でこれからの対応を進めてまいりたい、かように考えております。
#69
○笠原潤一君 大臣、そういうことでお願いしておきますし、それから同時に、米というものは、日本の水田がいかに環境の保護に役立っているかということは、私が言いますまでもなく過去の衆参の両方の委員会でも申されましたから、私はそのとおりだと思います。アメリカもその点についてはだんだん最近は認識しかけておると思うんですよ。
 日本というのは特殊な国なんだ、台風が起きてしょっちゅうこれだけ日本列島を襲って大水が出てくるんだ。それを補完しているのは何か。いわゆる山林であり水田である。これは本当に世界でこんな国は日本しかないと思うんですよ。先ほどのアメリカなんてほとんど雨が降りませんから計画的な生産ができるんだけれども、日本だけは天変地異が起こってくるわけですから、そういう点はこれは世界的に日本の特殊事情、特殊な気象条件、特殊な環境ということをもう少し言ってもらえば、日本農業はなぜ米に依存してくるかということがわかってくると思うんです。
 それから大規模経営ですが、私は北海道は北海道の行き方、東北は東北の行き方、中部は中部、九州は九州のそれぞれ農業のやっぱり行き方があると思うんですよ。そして、ここで特に大臣にお願いしておきたいのは、私は根釧のパイロットファーム、すばらしい計画だと思ったんです。そしてあれを見て、これは日本、ヨーロッパ、いやアメリカよりもすばらしいなと思いましたが、残念ながら、最近になりましてこの根釧のパイロットファームへ入植された皆さん方、だんだん後継者がないということで、それから多額の借金でもうやめていきたいという人が非常に多くなってきたんです。私は、農政が本当に基本的にこれを何とかして救ってやらなきゃ日本の農業は壊滅していく、北海道の農業ですらも大変なことだ。
 食肉輸入法でも、アメリカだってこれはいろいろと問題あるんですよ。日本から肉を輸入してくるかと思えば、オーストラリアから買ってくる、そしてそれをまた制限する、こういう法律をアメリカは平然とつくっているんです。スーパー三〇一条にしても国内法なんですから。ウエーバーでもこれはアメリカの国内法を適用しておるのであって、ですから私はそういう点で非常に矛盾を感じます。しかし、どうも日本は一方的に押しまくられてしまう。日米建設協議のときでもそうでした。
 日本の商習慣はいろいろとありますよ。しかし、アメリカと日本は違うということ、いろんなことをもう少し、これは本当に向こうに徹底的に議論をして理解してもらうことが私は大事だろう、こう思います。その議論が大事だと思うんです。単なるワシントンでの、一日か二日じゃなくて、本当にひざ詰め談判で話をしてもらえば恐らく意思は疎通すると私は思います。それで意思が必ず通ずると思いますので、そういう点をひとつ特に農水省、これからまだいろいろありますから、またよろしくお願いいたしたいと思います。
 農林水産省につきましてはこれくらいにいたしまして、次に、経済企画庁長官にちょっとお願いしたいと思うんです。
 実は、御承知のように日本国史上始まって以来、大正の終わりに大恐慌がありました、第一次世界大戦の後。それに匹敵するほど今大変な事態でありますが、幸い日本は経済的にも基盤もしっかりしていますし、あんな事態は招来しておりませんから安心はしておりますが、実は昨年の六月に、あなたの前任者である経済企画庁長官が、六月の時点で景気は底入れをしたんだと、そうおっしゃいました。事実そのころは株も二万円を超しておりましたし、一般の産業界も設備投資もしようかとか、あるいは外食産業、第三次産業の方も結構皆さんお客が行ってよかったんですが、最近になってはたっととまってしまったんです。
 そして、顕著な例は、私の方のある専門校ですが、もういつも十倍近い競争率があって、それは調理専門学校ですが、最近板場さんがはやるとかなんとかでもってやっていましたが、驚いたことには、かつては授業料の免除は頼まれたことがありますが、最近入学金が払えないという家庭が多くなってきたというんですよ。景気もここまで深刻になったかなと思って非常に心配しております。
 昨年の六月に景気の底入れを宣言されて、今日細川連立政権ができて約半年になりますが、非常に景気が停滞しています。この原因はどこにあるとお考えですか。
#70
○国務大臣(久保田真苗君) 景気の山というのが平成三年の四月で、そこから下降期に入って、平成四年の実績が〇・七、平成五年度の実績見込みが〇・二というふうに出しておるわけで、その辺非常に底になってきていると見られるわけでございますけれども、昨年の六月に底入れ宣言というのをされました、そのときの状況が実は四−六月期でマイナス〇・五というふうになっております。
 その内容を見ますと、外需がマイナス○・五、つまり輸出が落ち込んだということだと思うんです。それは直接的には、二月からスタートしました急激な円高の影響というそのインパクトが心理面でも事実上また輸出産業に及ぼした影響というのはかなりあるというふうに見ております。
 それからまた、実績見込みが平成四年、平成五年度というふうにかなり大きいずれを生じておるわけでございますけれども、その面につきましては、やはりバブル崩壊の影響というものがある程度長期的なものだという見方、それが、このバブルというのは初めての経験だったものでございますから、必ずしも見通しが易しくなかったという、そういう点は否めないだろうと思うわけでございます。
 ですから、今度総合経済対策を二月に出しました。そこになりまして、そうしたバブルの影響を受けた分野への手当てを今回講じているという状況でございまして、主には私は、バブル崩壊の後遺症とそれから急激な円高、それに加えて異常気象などでお米が非常に凶作になった、そういうことが重なって現在に至っていると思います。
#71
○笠原潤一君 その点については、どなたもおっしゃっているところでありますが、私は、実は六月の時点で景気底入れをした、いろんな政府投資も一昨年の八兆円、それから年度途中の数兆円、約三十兆円近い金が効果を徐々にあらわしつつあると思ったんですよ。そうしたら急に政治改革の話がどんどん浮上してきまして、御承知のように宮澤内閣総理大臣は不信任をされる。その一カ月間の停滞があって、そして連立内閣がおできになった。これは結構な話ですと、国民がそういうことになって。
 そのときに、NHKがテレビでやっていたんですよ、いろんな主婦のアンケートをとっておりまして、連立内閣ができる前ですか。私はそのときびっくりしたのは、ある主婦が、少々貧乏になってもいいから自民党内閣から新しく変わってもらいたい、こう言う方がいたんです。ところが、そういう方々は、本当に一体貧乏というものがどういうものか、日本は高度成長以来ほとんどそういうことがないものですから、本当に貧しいとか苦しいとか、そういうことはなかったと思うんですよ。実感はないけれども、感覚の上で物を言われるんですからね。はあ、なるほどこういうことかなと思っていました。
 それから連立政権がおできになって、七党一会派が政権をおつくりになった。自来、景気対策を一時的におやりになったけれども、どうもその間に、政策幹事会という会があるかもわかりませんが、そこの中でも話がうまくいかない。どうも政府・与党の話で、どんどん景気対策のおくれが出てまいりまして、からっとしたものがないわけです。それは確かに冷夏もありましたよ。しかし、それを補完するのに、すぐにでも早く補正予算を組まなければならぬけれども、十一月早々に出せばもっと何とかなったかわかりません。
 また、NAFTAがあってクリントン大統領が出てきまして、そして徹底的に各国会議員を、アメリカの上院、下院の人を説得した。初めはNAFTAはあれ無理だったんですよ。にもかかわらずクリントンが徹底的にやりまして、そしてようやくこぎつけた。その余勢を駆ってAPECに乗り込んできたわけですよ。日本の細川さんも格好よくマフラーをこうやられて出かけられましたがね。
 そのことよりも、もっと早くあの十一月早々に、こんな悪くなっているんだから、九月早々からわかっているんですから、なぜ早く補正予算が提示されなかったかということを私は非常に疑問に思っていますよ。それはカンフル注射が大事です。風邪が高熱で三十九度のときにもカンフル注射を打ては治るんですよ。四十一度、二度になったら、もう肺炎になってしまったら手おくれですからね。
 そこで、経済企画庁長官、あなたがもうとにかく経済のいろんな問題で各省庁に対して、これはどうしなさい、こうしなさいということを厳しく経済企画庁としてその手法を踏まえておやりになれば、多少は事態が私は変わったんじゃないかと、こう思っていますが、その点いかがですか。
#72
○国務大臣(久保田真苗君) 景気が非常に急ぐということは、内閣発足の当時から認識は十分にしておったと思います。
 それで、特に円高が八月の半ばに百円台までいったというようなことから、経企庁としましては、緊急経済対策を九月十六日に出しておりますが、それはもう本当に徹夜作業でやって調整をさせていただいたところなんです。しかしその後、二次の補正予算が大分おくれたということについては全く私も本意でないところでございまして、その点についてはまことに微力であったことを申しわけなく思っております。
 また、二月の総合経済対策、これは史上最大規模で出しておりますけれども、三次補正とともに越年をした。そして、私どもといたしましては、一月の半ばにはできるものだと思っておりましたけれども、そういう事情にならなくて二月の上旬というようなことになったわけでございまして、その間のさまざまなおくれにつきましては私も非常に遺憾なことだったと思っておる次第でございます。
#73
○笠原潤一君 補正予算を早く組まれなかったことについて、今経済企画庁長官からもそのようなお話が出まして、私どもの言っていることは間違いなかった、こう思っております。
 長官、実は今消費傾向がどんどん落ち込んでいるわけですよ。先般も、腰だめということで細川総理大臣が国民福祉税なるものを打ち出されたんですが、これはまことに唐突な話でありまして、こんな景気の悪いときにまた税金を取る話なんということになりますと、それは消費が湿ってしまいますよ。ですから問題は、マインドの問題とよく言われますが、今実際に買う金がないわけじゃないです、みんなやっぱり郵貯でもたくさん持っていますから。もう膨大な金があるにもかかわらず、金を使いたくない。それはなぜかというと、先行き不透明だから本当に金を使ってしまっていいだろうかという危惧があるんですよ。
 今回、経済企画庁の方は二・四%というふうに策定されましたね。ところがよく問題になるのは、民間ではもうそんなに経済成長率が見込めるはずはないじゃないかとか、〇・四%とか〇・七%とかいう話も出てくるわけです。しかし、景気の先行きが明るくないと、人間湿ってしまってもいけませんから、やはり先にそういういい目標を掲げることは私も大事だと思います。現実の問題として、その消費傾向をもっとふやす方法の考え方を私はやらないといけないと思うんです。
 大蔵省のことを言っちゃいけませんが、御承知のように、今度藤井大蔵大臣がフランクフルトまで行かれて、ベンツェン財務長官に握手をしようとしても横を向いて行ってしまった。日本の方は何ら景気対策をやってないじゃないか、一年の減税で、あれでいいのかというようなことを言っていまして、それはもう三年連続と初め言っていたのが知らぬ間に一年になってしまった。ここら辺の方にも問題があって、また政府もどうもはっきりしていないなということで、私は国民の方も本当に消費にこれが結びつくか非常に疑問に思っていますよ。
 そこら辺の問題に対して経済企画庁長官、大蔵省主導で、とにかくツーペイという考え方ですね。減税をやれば同じように足らぬ分は税金で補うんだという考え方は先送りはしたということですが、ここら辺のことが消えない限り、なかなか私はそんなに簡単に十五兆円の今景気対策をおやりになっても、本当にこれが実効をあらわすかどうか非常に疑問に思っています。
 それから、今は地方自治体も冷え切っておりまして、あの減税も約半分は国の方が減収補てん債とかなんとかといってまた債券を出すわけですよね。そうすると地方の方はまた借金をしなきゃならぬということでありますし、先ほど長官いみじくもおっしゃったけれども、十二月末に今度の本年度の予算が決まれば、地方自治体もそのように予算をつくっていくでしょう。しかし、これは手おくれになってしまった。
 例えば、地方で一番大きな問題は公共工事なんです。これは公共工事の悪口を言う人があるかもわかりませんが、公共工事のインパクトは物すごく大きいんですよ。それはもう小さな土建屋さんから大きな土建屋まであって、田舎の方まで行けばそこへ働きに行く、セメントから何から買いますから。それが先送りされてしまうわけです。そして、日本の特殊事情で、今の状況でいきますともう六月に建設省なんかでもいろいろと個別にやるでしょうけれども、恐らく七月以降になってしまうんです、発注が。そうすると、川なんかみんな御承知のように水が出てきますから大体仕事ができませんわね、実際に。もう四月になりますと田んぼの田植えをしなきゃならぬから仕事ができません。そうすると、その間ずうっと遊んでしまう。これはもう本当に地方では冷え切ってしまいますよ。
 それで、私ども政府に何を言ったかというと、地方財政計画を早く出して早く地方の予算をつくらせにゃいけませんよと。地方で一番大きなインパクトを与えているのは何かといえば、今度米の問題もあるし、東北とか北海道ではたくさん農家のお金が地方で回るから地方経済はもつんですよ。それと、いわゆる公共事業の金が行くから、それが圧倒的に地方では多いんです。それがもう執行されなかったら、これは大変なことになるんですよ。
 ですから、私は二・四%は本当に大変なことだけれども、経済企画庁長官、その点、そういう地方の実態を本当に肌身で感じてやっていただかないといけない。先ほど、私農林水産大臣にもお願いしたかったのは、もっとアメリカでも地方へ行っていろんな話をしなさい。ですから、経済企画庁も大蔵省もみんな地方へ出ていって本当に地方の実態をもう少し把握してもらうことが大事じゃないか。そうじゃなかったら絵にかいたもちになってしまうのではないか。ですから、そういう点で二・四%、果たして、私は無理だと思っていますが、その点どうですか。
#74
○国務大臣(久保田真苗君) たくさんいいポイントを挙げていただきました。確かに私ども経済企画庁は地方の組織を持っておらないのでございますけれども、しかし、地方へ行って経済界の方、あるいは私自身も農家を訪れたり、努めて地方の実態に触れて御意見も伺うように努力していることはぜひお認めいただきたいと思います。
 二・四%について申し上げますと、確かに二・四%というのは民間の機関などの出している数字より大分高くなっております。しかし、これは十五兆円を超えるこの経済対策を打ち出す前に民間の方で予測なさったものなので、私どもとしてはこの経済対策の効果をその上に積み上げさせていただく。特に五年ぶりの減税というのがございまして、これも極めて大規模な減税でございますので、私はこの減税が、もちろん単年度限りではなく当然続くべきだと思っておりますし、この減税によってマインドが明るくなり、消費が刺激されるというその効果はかなりに期待しております。
 また、現在住宅が非常に好調にいっております。これは、どの地方を見てもそうなんでございまして、一月なんかも年率百六十万戸というふうになっておりますけれども、これが民間の持っていらっしゃる貯蓄と政府の融資と、こういったものが合体しますと非常に大きい経済効果を上げるというふうに思っております。
 たくさんございますけれども、この辺で失礼いたします。
#75
○委員長(三上隆雄君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十一分開会
#76
○委員長(三上隆雄君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成三年度決算外二件を議題とし、農林水産省、総務庁、経済企画庁及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○高崎裕子君 あしたから輸入米が一斉に販売となるわけで、この八カ月というのは私たちの主食の七割を輸入米にゆだねざるを得ないという状態で、このことによる安全問題というのは国民の中で極めて不安が出ているわけです。
 二十五日、食糧庁が発表したアメリカのカリフォルニア米と中国米にカビや変色、異臭が発見され、回収されたのが全国十六県、百四十一・四トンに及んでおります。これは流通過程で発見されたもので、港で発見されたものは三件、四十四トンですね。そしてまた、虫の発生による薫蒸命令は二港で八千五百トンということで間違いありませんね。
#78
○政府委員(上野博史君) 大体お話しのとおりだというふうに報告を受けております。
#79
○高崎裕子君 これは、流通過程であっても港であっても全く同じお米ということで、私たちが日常的に食べていかなければならないという点では非常に重大な問題だというふうに思うんです。流通過程とそれから港を合わせて百八十六トンで、約二百トン。二百トンといえばこれは二十万キログラムということで大変な量になるわけです。日本では全く考えられないことで、虫の薫蒸も今言ったように八千五百トンという大変な量になっているということです。
 私は、大臣にぜひお尋ねしたいのは、食糧庁が現在把握し報告を受けているものだけで、今後も同様に出てくるという可能性があるわけですが、カビなど被害粒については一応回収され、また回収の見込みということなんですけれども、そのほかに異物もかなり発見されております。これについてはチェックもされていないし回収もされていないということです。
 私、手元に持っておりますけれども、(資料を示す)これは主食用のタイ米なんですけれども、大阪のある精米工場で最初の粗選機というものから出た異物なんですけれども、紙、それからこれは明らかにタイのたばこの吸い殻、ゴキブリもあります。ひも、木片、チョーク、こういうものが出てきております。それから、これも大阪の精米工場で石抜き機から出た、これは真ん中あたりの工程なんですが、これだけの石ですよ。そして、ここに三センチ近いくぎがいっぱい入っております。針金、小石、くぎ、これが発見されているわけです。こういう大量の異物が大阪から出ている。
 それから福岡、これは博多港から出てきて、私の手元にあるんですけれども、まずこれはタイ米なんですが、カビが生えてこういうふうに固まっているもの、それから色のついた赤いお米だとかいろいろなものがまざっているものがこういうふうにあります。それからこれは、もう本当に私驚くんですけれども、これもタイのたばこの吸い殻がいっぱいあり、それからこれはケンタッキーフライドチキン、鳥の骨です。それからあと針金、小石も入っております。私ここにはとても持ってこれなかったんですけれども、実は手元に持っております。これと同じように出てきたのが、写真でお示ししますけれども、ネズミの死骸なんです。これまでが発見されているということで、大臣、こんなものまでが含まれているという点で、もう日本ではとても考えられないことなんですね。
 それで、国民はこういうのを見たら本当に許さないというふうに思うんですが、これちょっと大臣に見ていただきたいんですけれども、これを見て大臣はどのように受けとめられますか。そして、これは同じタイ産でも違いますし、どこの産地なのか、直ちにストップをする、調査をする、そしてカビも含めて対策をきちっと全般的にしていただかなければならないと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
#80
○政府委員(上野博史君) 外国からの輸入米の中に、今お話がございましたような各種の異物が入っているというのはそのとおりでございまして、私どももそういうものが流通過程に乗らないように、あるいは最終の精米として製品の中には入らないように十分な注意をして対応をしているところでございます。
 ただ、どうしても考えておかざるを得ませんのは、輸入をしてまいるその生産地の外国のお米の生産の事情あるいは流通なり袋詰めをするところの状況、これがやはり我が国の国内におきますそれらの状況とは非常に違うわけでございまして、例えば金属片が入るというのも、日本の場合ですとコンバインで穂先だけ刈り取っていく、下の稲の本体のところについては立ったままで後の処理に任されるということが多いのに対しまして、タイあたりの収穫方法というのは、稲の底の方から切り取って脱穀をするというようなやり方をやっている。そういうことに伴って異物が巻き込まれて入ってくるというような状況もございます。
 それから、大体製品をつくり上げる際の規格の内容が輸出国と我が国とでは違うわけでございますので、輸入先から輸入をします際にはその輸出国の規格に沿ったものを入れるということにせざるを得ない。その辺の規格の差が入ってくるものの差になっておるということを御理解いただきたいというふうに思います。
#81
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま実務的な要素を踏まえた長官からのお答えをさせていただいたわけでございますが、いわゆる精米段階、流通段階等々も十二分に念頭に置きながらも、要は国民の皆様方の口に入るというようなことがあってはならない。
 我が方におきましては、食糧事務所段階でのチェック等々、そしてまた厚生省側におかれましても大変な御理解とお取り組みをいただいておるわけでございますので、さような意味合いではより連携を深めながら、こういった問題で何としても国民の皆様方の口に直接入らないようにということにさらなる努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#82
○高崎裕子君 あってはならない、そして流通過程の中で国民の口に入らないようにということなんですけれども、私、それではやっぱり大変問題だと思うんですね。つまり、なぜこういうチェックができないのか。これは安全検査の基準が輸入米と国内産米では余りにも違っている、そこに問題があるわけです。
 例えば、これはもう時間がないので大臣にお答えいただきたいんですけれども、国産米では、生産者が渡す玄米では石も土砂も一切入ってはならないということになっているんですね。ところが、タイの米の輸入時では石は一キログラム中二個まで入ってよいと。これは十キログラム、大体四人家族で一週間ぐらいの食事の量になるところもありますが、これに二十個も石が入っていいというのが基準なんですよ。そして、土砂も百グラム中〇・〇二%まで許容ですから、これは十キロで見ますと二グラムぐらいは土砂が入ってもいいという量になっています。そのほかヒルガオ科の植物の種子も許容範囲にある。
 福岡とか大阪とかこういう例を私お示ししましたけれども、国内産で言えば農産物検査法違反、明らかに違反のものである。ところが、国内産と基準が違うために、安全に対する基準が甘いためにこういう問題が起こってくるわけです。しかし、同じ日本で食べるお米だと、これを水際、輸入の時点でやっぱり十分なチェックをしていかなければならない。こういうことが輸入米だから許されるということはあってはならないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#83
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘をいただきましたように、我が国と外国産米とにつきましては、その生産国での基準につきまして御指摘のようにかなり差がありますのでございますから、しからば今我が国の基準と全く合うような国ということになりますと、これは残念ながらそういう対象の国が、タイ米等につきましてはそういうような現物がすぐには対応ができない。
 今問題点を相手側には指摘をしながらも、そういう中で我が国が受け入れてから後の、あるいは受け入れる段階でのチェックを厳しくすることによって問題点の解消を図っておるというのが現状でございますが、御指摘のような要素を、いわゆるミニマムアクセス等々の問題を考えますと、相手国側にその改善策を理解等を求めながらこれからの努力を重ねていかなければならない、かような考え方に立っておるわけでございます。
#84
○高崎裕子君 日本の場合は生産者が玄米で出すときに入ってはならない。だから流通過程で、最後の段階でチェックできればいいという問題にはなっていないんですよね。ところが、この輸入米というのは輸入のその時点でいいとされている。
 タイのお話がさっき長官からも出されましたけれども、私どもの食糧担当の方がタイに直接行って調べてきたんです。そうしたら、ある地域では脱穀を牛に踏ませたりトラクターでやっている。それを拾い集めて袋に入れてくる。だから、石もくぎもたばこもこれはもう転がり込んでくるのは当然だという大変な実態が報告もされているわけなんですよね。そこで、こういう輸入米から国民の安全と健康を守るという点で今求められているのが徹底した輸入時でのチェック体制なんだということを私繰り返しお話ししているんです。
 そこで農水省と厚生省にお尋ねいたしますが、入港時の検査のサンプルの抽出率、これがどうなっているかというと、農水省については十袋のうち一袋、一〇%だというけれども、実際はその一袋の一回刺すだけで、二十グラムから三十グラム、二十グラムというのはわずかこんなものですよ、十袋のうちわずかこれだけ。それから厚生省は、輸入時ですけれども、一般当たり四キロということで、この検査率、サンプルの抽出率というのはこのとおりで間違いありませんね。
#85
○政府委員(上野博史君) 私どもの抽出検査のサンプル率についてはお話しのとおりでございます。
#86
○政府委員(柳澤健一郎君) 検疫所で検査する場合には二百カ所以上ということになっておりまして、大体キロ数にすると四キログラムぐらいではないかということで間違いないと存じます。
#87
○高崎裕子君 そこで、厚生省に重ねてお尋ねいたしますけれども、食品衛生法の四条で、不潔、異物の混入等、その他の事由で人の健康を損なうおそれがある食品については輸入をしてはならないという規定があるんですけれども、これについても当然検査されるわけですよね、輸入時に。
 ですから、これで発見できないということは結局こういうものを抽出していく際にこれが余りにも少な過ぎるという問題があると思うんですけれども、これについてはぜひ厚生省として、輸入できない異物があるわけですから、こういうものについてやっぱりチェックできるということでなければならないと思うんですが、いかがですか。
#88
○政府委員(柳澤健一郎君) 異物の混入につきましては、食糧事務所や営業者により流通加工の段階で除去する等適切な措置がとられているものというふうに承知しておりますけれども、検疫所におきましても食品衛生監視員が検体を採取する際に異物の混入についても確認を行うとともに、必要に応じて適切な措置をとってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#89
○高崎裕子君 今の体制でさっきお話ししたようにネズミが実際に入っているというこういう重大問題について、一方で輸入してはならないということに明らかに違反している問題が起こっていて、ここがどうなっているのかという問題を指摘しているわけですから、これについてはこういうことがないように厚生省としても十分やっていただきたいと思うんですけれども、よろしいですね。
#90
○政府委員(柳澤健一郎君) 今後とも必要に応じて適切な措置がとれるようにしてまいりたいと存じます。
#91
○高崎裕子君 必要に応じてということですけれども、もうこういう事態が現実に起きていて、必要性があるからこそ私が指摘しているので、これはすぐ改善をしてほしいと思いますが、よろしいですね。
#92
○政府委員(柳澤健一郎君) 万全な措置をとってまいりたいと考えております。
#93
○高崎裕子君 そこで農水省にお尋ねいたしますが、十分の一やっているということですが、さっきお示ししましたように、十袋というのは五百キログラムなんですよね。五百キログラムのうちやっている量はたった二十グラムというのは、私持ってきましたけれども、これだけなんです。これは一〇%どころか〇・〇〇〇〇四%、つまり十分の一ところか二・五万分の一、もう宝くじを当てるよりも大変な比率だと。だから、ネズミやたばこやくぎや石が発見できないというのは言ってみれば当然のことなんですね。
 農産物の検査官がどれだけかというと、十年前、五十八年度では一万人を超えたのに比べて今は四年度で五千五百八十五人と、半分に減っているという点では、検査官もやっぱりふやしていかなければならないと思いますし、この二・五万分の一の検査ではなくて検査率ももっと量をふやすという形で徹底したチェックをすべきだというふうに思うんですけれども、この点いかがかということ。
 それから、先ほど流通過程で消費者の口に入らないようにするということなんですけれども、流通過程に入って輸入米が精米工場や小売業者のところですべて取り除かれているかというと、それについてのチェック体制も検査官が減っているために年一回の巡回検査でしかなっていないわけですね。ですから、これについては厳重なチェックを行うためにも、輸入時での水際でのチェックとあわせて流通過程でも巡回検査等を大幅にふやすということで、やっぱり国民のそういう不安にしっかりこたえるための強化ということが必要だと思いますけれども、この点大臣いかがでしょうか。
#94
○政府委員(上野博史君) 先ほどの抽出率の問題というのは、農業その他の安全のための検査ということでございまして、そのほかに水ぬれの麻袋があれば、こういうものは船からおろした段階でもう有効にはじいていくというようなことをやっているわけでございまして、その抽出検査以上に私どもとしてはかなり気を使った対応をしているというふうに申し上げてよろしいかというふうに思います。
 それからまた、消費者に異物のまじったようなものが購入されないということを確保いたしますために精米についての基準というものを設けておりまして、これにつきましては国内の三等の玄米を使ってでき上がった精米並みの規格に当たるように、でき上がった外国産の玄米を用いた精米ができるように、そういう基準を設定してそれに沿うように指導監督をしておる、こういう状況でございます。
 人員も少なくて、いろいろネックはあるのでございますけれども、巡回検査等につきましても大いに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#95
○国務大臣(畑英次郎君) やはり事柄は人間の健康に、そしてまた今回のこのケースは非常な大きな国民的な関心事であり、御不安等々も与えているわけでございますから、ただいま食糧庁長官から申し上げましたような立場を踏まえて、より真剣な努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#96
○高崎裕子君 それで、安全性の問題にかかわりますので、輸入、水際の問題、それから流通過程の問題をしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 次に、給食の関係なんですけれども、三月からの国民の米の配分については、国産米が三〇%、タイ米二〇%、ほかの輸入米が五〇%の割合に対し、自衛隊の割合というのは国産が三〇%、タイ米一〇%、そしてほかが六〇%ということで間違いありませんね、結論だけ教えてください。
#97
○政府委員(上野博史君) お話しのとおりでございます。
#98
○高崎裕子君 そこで、私は本当に不思議なんですけれども、屈強な自衛隊の皆さんにはタイ米が一〇%。問題にしたいのは、学校給食は皆さんの声にこたえて国内産でということになりました。しかし、私、病院の給食では北海道栄養士会の方、それから保育園の問題では私保連の理事をやっている堀岡さんなどの方々、それから老人ホームの方々等いろいろなお話を伺ってきましたが、病気の方は、やっぱり食欲のない、体力のないときに、治療食という立場から安全性の面でも味の面でも不安のある輸入米ではなくて国産米を確保すべきだと思います。日本患者同盟の方に食糧庁として試食をお願いしたその結果、タイ米は粘りもないし、味の点でもとても治療食としてのおかゆには適さないという回答も提出しているというふうに聞いております。
 自衛隊の方のこの比率と比べますと、やっぱり弱い方、病人とか子供だとか赤ちゃんだとかお年寄り、こういう方に優先して何とか大臣として配慮していただけないのかという切実な声が上げられております。この点ぜひお願いしたいことと、もうあしたを前に、きょうもすごくトラブルが起こっていますが、なかなか国内産がないとか、あるいは安全性の問題だとか、これからいろんなトラブルが予想されると思いますが、そのための消費者の相談窓口もこの際ぜひつくっていただきたいというふうに思いますが、大臣からこの点決意も含めてお願いいたします。
#99
○政府委員(上野博史君) 今お話のございました日本患者同盟の方々の試食の結果ということにつきましては、私どもまだ拝聴をいたしておりません。
 病院の給食の問題につきましては、これはやはりそれぞれの病院に運営の方針というものがございますので、従来どおり小売業者との相対取引を通じて病院側が購入をされていくものであろうというふうに考えているところでございまして、一般のルールに基づいて供給をされることが適当なのではないかというふうに考えております。
 それから消費者の問題につきましては、私どもお米一一〇番というようなものを設けたりいたしておりまして、私ども本庁なりあるいは食糧事務所なりでお話を承るよう対応しておるところでございます。
#100
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、その自衛隊の関係を御理解願いたいと思いますけれども、自衛隊のお立場は、訓練等々でいわゆる冷えた状態での食事をとられるというケースが極めて多い。そういうような意味合いのものの現実をいろいろ検討の結果、先ほどお話がございましたようにタイ米の混入率を下げたということでございまして、その辺の業務の現実の特殊性といいますものを御理解賜りたいなというように考えておるところでございます。
 その他の点につきましては、ただいま長官から申し上げました点をさらに十分徹底して親切に対応するように努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#101
○喜岡淳君 社会党の喜岡でございます。農水大臣を初め農水省の皆さんにはよろしくお願いをいたします。
 お米のことがずっと続いておったんですが、私は畜産の関係と中央競馬会にかかわる件についてお尋ねをいたします。
 平成三年度の決算を見ておりますと、中央競馬会の売り上げが三兆四千三百三十八億円、三兆円を大きく上回っております。非常にお客さんがふえたようでありまして、去年の年末の有馬記念、新聞に報道されておりましたが、新聞の写真を見ておりますと、これ多分高校生か大学生かわかりませんが、馬券をしっかり握り締めて元気に応援をしておる大きな記事が写真つきで掲載されております。これだけたくさんの人が行くわけですから売り上げも伸びるだろうというふうに思います。昭和二十九年度の売り上げが百十二億円だったということを考えてみますと、売り上げが三百倍以上に膨れ上がってきておるというわけでございます。
 さて、その売り上げがどんどんふえてきて三兆円を超えていった最大の理由は、言うまでもなく場外馬券売り場の急速な展開だろうというふうに思います。平成三年度で見てみますと、場内の売り上げが五千八百三十七億円、これに対して場外は二兆八千五百億円、売り上げの八割以上がもう既に場外というところになっておるわけであります。私は、売り上げの八割以上が場外に依存をしておるというのは、果たして健全なレジャーとして是認できるのかどうか疑問を持っておるわけであります。
 言うまでもありませんが、場外はこれはいわば馬がおるわけでもありませんし、あの雰囲気はまさにギャンブル場であろうというふうに思うわけでございますけれども、そういう意味で、八割以上も売り上げを場外が占めておる今日のこの状況について、農水大臣初め監督官庁の方は果たして健全なレジャーの状況だというふうに認識されておるのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#102
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま先生御指摘のとおり、数字におきましてはそういう比率でございますが、なお、これはもう既に御案内のとおり、Aという競馬場でBの競馬場の馬券を買うという分野が一〇%ぐらいこの場外購入の数字の中に入っておるということを考えますと、大体競馬場内で三〇%弱ということにもなるわけでございます。
 実は、正直申し上げまして私も競馬には全く無縁でございまして、今度こういうポストになりましてから関心を持って物事を見させていただいておるわけでございますが、私も生まれて初めて競馬場にお伺いさせていただきましたところが、家族連れ、そしてまた私自身の想像よりも大変健康的な要素が結構強いなというのをすごく感じたわけでございます。
 なおまた、専門的なお話もそのときいろいろ伺ったわけでございますが、のみ行為等の不正行為の防止とか、遠隔地域のファンに対する馬券購入機会の提供等、そういうような意味合いで場外発売がいろいろ今日なされてきたいきさつがあるようでございます。問題は、やはりそれに伴いますいろんな弊害が出てくること、そういうことについて極めて厳しく受けとめて今後の対応を進めていかなければならない。
 さような意味合いでは、その地域の方々あるいは地域の実態、そういうものを現場の関係者の方々、地方行政関係の方々、あるいは住民の方々、そういうようなお立場の方々と十二分にお話し合いをさせていただきながら、いわゆる未成年者の方々に対する対応、あるいは防犯対策、あるいはまた交通混雑緩和の問題等々、そういうものを十二分に念頭に置いて今後は事柄を進めていかなければならない、こういうような受けとめ方をいたしておるわけでございます。
 これから先、よりその健全性といいますものに十二分に物事の考え方のすべてを置きながらも、ただいま申し上げたような意味合いでの対応を進めてまいりたい、かように考えております。
#103
○喜岡淳君 刑法の百八十五条とか百八十六条とかを引用するまでもなく、賭博については厳禁されておる。その中で、競馬法という法律によって特例的にやられておるというのが従来の農水省の御答弁だったというふうに思います。
 そういう意味ではいわゆる一つの例外的なことでございますから、やはり場外をどんどんふやしていって、八割も九割も収入はもう場外でやっていくんだ、コンビニエンスストアでもどんどん売っていくんだ、こういうふうなことになってきますと本末転倒ではないか、青天井でいったんではいけないんではないかというふうな気がいたしますし、やはりこの際、競馬会法の第一条、本則ですか、原則ですね、「競馬の健全な発展」ということが法律の第一条に明記されておるわけですから、そういう原則の上に立ってやっぱり青天井であってはならない、私はそういう抑制的な議論が少し冷静に行われてもいいのではないかというふうに思っております。
 それから、のみ行為の問題でありますが、これははっきり言って、まあ考えれば、のみ行為がそれだけ減っていきますよ、場外を各地に展開することによってのみ行為が減っていくということは理論としては可能ではございましょうけれども、これを立証する統計などというのは私はあり得ないと思います。
 警察庁もそういう答弁ですね。九二年四月七日の参議院の農水委員会での私の質問に対して、場外をふやせばのみ行為が減っていく、そういった関係を証明する統計はありませんという御答弁でございましたので、私はこれは立証のできない議論じゃないかと思います。
 そういう意味で、場外馬券の展開がふえることによってのみ行為がこれだけ減ったんだという資料を一度お見せいただきたいなというふうに思っております。
 次に、二つ目の御質問をいたしますが、競馬会の国庫納付金の問題であります。
 これは法律では、四分の三を限度として畜産振興事業等に国庫納付金を使っていいのだということになっております。平成三年度で言いますと、四分の三は二千四百六十七億円に当たるわけであります。これが畜産振興の事業に充てられるという中身であります。
 一方、農林水産省の平成三年度の予算は、畜産局に聞きますと一千七百二十三億円なんです。国が畜産予算に充てておるのは一千七百二十三億円。競馬会から畜産振興に上がってくるお金が二千四百六十七億円。こういうことを見ておりますと、我が国の畜産振興の予算はもう競馬会頼りだ、競馬任せのように思えるわけでございますけれども、果たしてこういう構造が、国として積極的に畜産振興をやるんだ、競馬の売り上げが減ろうが少なくなろうがきちっとやっていきますよ、予算をきちっとつけますよと、そういう姿勢に見えるのかどうか、私は疑問を持つ一人でございますが、この点についてのお考えをお願いいたします。
#104
○政府委員(東久雄君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、競馬会法の三十六条に明確に規定がございまして、社会福祉のためと、それから畜産振興のために使うことになっておりまして、社会福祉については四分の一ということになっておりますので、四分の三が畜産振興ということになります。数字等、御指摘のとおりでございます。
 畜産局の予算、平成三年度を御指摘になりましたが、千七百二十三億円でございます。しかし、我々予算の編成に当たりまして、競馬会の収入が幾らになるからどういうふうにこの畜産の予算をするかというような折衝といいますか、そういうことはほとんどというか全くやったことがないぐらい、畜産予算はたくさんございます。
 実は、この畜産局の予算はこうでございますが、御存じのとおり構造改善局の方に計上しておるものもございますし、それから農業共済といいますか、保険のところで畜産の保険業務関係の大きな予算がございます。それ等々、例えば平成六年度については約一兆円ぐらいの関係予算がございます。
 したがいまして、先ほどの数字、約三千億円ちょっと下のところはほとんど我々は頭に置かないで予算編成をしているというのが現状でございまして、これが畜産予算の桎梏になるような形にはなっておりませんことを御答弁させていただきます。
#105
○喜岡淳君 畜産振興へ国庫納付金を回す問題ですが、見ておりますと、使い道の中に畜産振興事業という関係経費の中に農業者年金、これが平成三年度で百七十三億円、水田農業確立助成補助金三百六十六億円、あと水産業という項目もございましたけれども、畜産振興という関連経費というものをどこまでの範疇でとらえるのかという点からは、この使い道の範囲についてはやはり畜産振興に直接かかわる分野、そういうところを対象とすべきであって、どんどんそれを拡大適用していくことは少しどうかなというような考えを私は持っておるものでございます。
 続きまして、会計検査院の方にお尋ねをしたいと思います。
 きょう、皆さんの机の上には検査院からの主管局長の説明というものが配られておると思います。この第一ページを見ておりますと、平成三年度の農林水産省の決算に当たりまして、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項について説明がされておりますが、その中で青森県、宮城県における畜産関係の具体的な説明が書かれておるわけであります。
 私がお尋ねしたいことは、平成三年に全国競馬・畜産振興会という財団法人が設立をされておりますけれども、この財団法人の振興会に対して、会計検査院として検査対象として検査をやっているのかどうか、私はそれについてお尋ねをしたいと思います。
 前段の青森県とか宮城県のことが直接この振興会と関与するかしないか、それはまた話は別として、私が聞きたいことは、この振興会に対する検査をやっておられるのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#106
○説明員(平岡哲也君) 財団法人全国競馬・畜産振興会の会計経理につきましては、会計検査院法上、直接の検査対象にはなっておりませんけれども、日本中央競馬会に対する会計検査の一環といたしまして、この振興会が中央競馬会から交付を受けておる畜産振興交付金等、そういったものが交付目的に沿って適正に使用されているかなどの観点から実際に調査をしてまいっております。
#107
○喜岡淳君 調査をされておるということでございましたが、御存じのとおり、やはり検査院の業務の中では国が直接または間接に補助金などを交付し、または貸付金などの財政援助を与えているものの会計とあるわけでありますが、この振興会は競馬会からのものでありますので、ぜひ検査の対象として私は検査をしていただきたい、そういう検討をお願いしておきたいというふうに思います。
 それから、最後になりましたが、高松の場外馬券売り場の問題でお尋ねをしたいというふうに思います。
 既に、高松のウインズにつきましては二月五日からオープンされておるところでございます。この高松の件につきましては、既にもう九年近く地元のPTAを初め地元住民は設置に同意したことはない、高松の場外馬券売り場のすぐ東側に隣接するおうちの方もそんなものを私たちは同意したことはないということで、今裁判をやっておりますね。地元が同意もしないのになぜオープンするのだ、こういう裁判が今係争中であります。
 もう一つは、この高松のウインズの駐車場をめぐりまして、果たしてそれが六十億円で売買されたのか十八億円で売買されたのか、これをめぐりまして不動産業者、それからこの土地の所有者等々の裁判ももう一つ行われているところであります。
 二つの裁判が係争中にもかかわらず、高松の場外売り場がオープンを強行されたわけでございますが、私はこの問題について監督官庁である農林水産省の指導のあり方についてお尋ねしたいことがあるわけなんです。係争中の場合は裁判の結果を見てオープンするということも行政指導の一つとして私はあってもいいのではないかと思うわけですが、この点についての御見解を伺いたいと思います。
#108
○政府委員(東久雄君) ウインズ高松の件でございますが、平成三年十月十八日にその設置につきまして農林水産大臣の承認を行ったところでございます。
 これは、先ほどちょっと周辺同意ということで、いろいろ係争中の案件でございますので細部にわたるところは除きますが、平成二年三月末までに周辺六自治会の同意が得られたという状態で私の方も承認を行ったわけでございます。これに対して地元の一部の方々から平成四年四月に営業禁止を求める仮処分申請が出ました。これについて昨年の八月、裁判所による当該申請に対する却下の決定がなされたわけでございます。それまでの間、しばらくこの状況を見ておったわけでございますが、こういうことで却下されたということでございます。なお、もう一件の方で、この後、五年十一月に営業禁止等を求める本訴訟が提起されております。
 これとは別に、駐車場用地の土地取引について、これは御存じのとおり競馬会が借りている施設でございますので、その貸し主等に係る土地取引について第三者間の争いがあることは事実でございますが、これは関係がないところではないかと思います。
 しかしながら、農林水産省といたしましては場外設備の承認はその内容も手続も適切であったと判断しておりまして、訴訟があったことをもって開業延期等の指導を行うということは必要ないというふうに判断したわけでございます。
#109
○喜岡淳君 それじゃ、お尋ねいたしますが、設置申請があって認可をされた、しかしその後裁判に進んでいったという例が今まであるでしょうか、前例が。あったら教えてください。
#110
○政府委員(東久雄君) 過去においてあったようでございます。ちょっと手元に資料を取り寄せたところ、大阪の梅田及び道頓堀場外というもの、それから名古屋の場外についての訴訟があったというふうに承知しております。
#111
○喜岡淳君 じゃ、建築された後にも裁判になっておるという例はどこがあるでしょうか。
#112
○政府委員(東久雄君) 名古屋の場外につきましてはオープン後に本訴があったというふうに聞いております。
#113
○喜岡淳君 そういう意味で、私はこういう問題は全国でたくさんの場外馬券売り場がさまざまな事情を抱えておると思いますが、極めて異例な問題でしょう。建築後も裁判になっておるのは名古屋だけだと。今、高松が係争になっておりますから二つ目です。極めて異例です、これは。
 そういう意味で、地元の同意を得たということについてはパンフレットを配ったということで皆さん方おっしゃっておるわけでございますが、この競馬会の陳述書にもパンフレットとビラを配ったということで地元のさらなる理解を求めたとあるわけでございますけれども、私は国の特殊法人が行う場外馬券売り場についてはやはり地元との納得のいくことをやらない限りなかなか難しいんではないかと。さっきも言いましたように、これは競馬法があるから特例として行われておるものですね。無制限であっては私はならない問題だと思うんです。
 あの成田の飛行場だって地元の住民との対話に失敗をして、ボタンのかけ違いからああいう非常に残念な経過をたどってきたわけです。そういう意味ではあの轍を踏まない、そういう姿勢こそ生活者重視の細川政権のもとにおける私は行政指導のあり方として農水大臣には特にお願いを申し上げたいと思うわけでございます。
#114
○政府委員(東久雄君) 今、先生の御指摘の周辺住民からの同意云々ということでございますが、私ども平成二年に周辺の大自治会から同意をいただきまして、それで許可をしたということでございます。その後、平成三年十月十八日に正式承認をいたしましたが、そのときに、あわせて私の方からさらに地元の理解を深めるようにいろいろと努力しなさいと。その結果が先ほど御指摘のパンフレットの配付等を行ったというふうに理解しております。
 先ほど先生も、さらに地元の理解を得るためこうやりましたというふうに競馬会の方が回答したということでございますが、まさにそうだと思います。できるだけ私ども周辺の方々の御意見を聞きながらこれを進めていくというのが場外設備についての一般的な方針でございます。この件につきましても、高松場外につきましては十分な形でやってきたと思っております。
#115
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま喜岡先生お話しのとおり、物事のいわゆる原点を見失うことなくというお気持ちでの御指摘であろうかというように考えるわけでございまして、今回のこのケースは別といたしましても、一般論としまして、競馬関係等々につきましては慎重な原則にのっとった節度ある、そういうことを念頭に置いてこれからも対応してまいりたい、こう考えております。
#116
○喜岡淳君 終わります。
#117
○稲村稔夫君 私は、きょう対象になっております四つのそれぞれの省庁、機関に伺いたいと思っております。そうすると時間が十分ございませんので、主として事務方から最初お答えをいただいて、最後にまとめてということで大臣から御答弁をいただく、そんなやり方でお願いをしたいというふうに思います。
 さてそこで、実は金曜日に通告をしておりました以降にちょっと私の方も改めて伺っておかなきゃならないと思ったことが起こりましたので、けさお願いをいたしました。それは、今も高崎委員からもいろいろと御指摘のありましたように、輸入米の安全性の問題ということであります。
 いずれにいたしましても、被害が十六県で出て、カビとか異臭とかいうような形のものになっております。高崎委員御指摘のように、異物が混入していることも非常に重大な問題でありますから、これは絶対あってはならないということになりますと、それでも異物の混入というのは比較的目で素人でも確かめられます。しかし、カビとかそれから農業の残留とか、そういう目に見えない、色がもう大幅に変わったりするとわかりますけれども、直接すぐにはわからないそういう被害というんでしょうか、これは非常に大きな問題だというふうに思います。一部見つかったということは非常にこれ私はショックなことだというふうに思うんでありまして、この実態についてまず明らかにしていただきたいと思います。
#118
○政府委員(上野博史君) まことに残念でございますけれどもカビの発生の報告がございまして、御紹介を申し上げますと、二月にいわば試行的に売却をいたしました五万トンのうちの中国産米、米国産米三万トンにつきまして約百二十トン、これ割合でいきますと○・五%でございますが、カビが発生をしたものがあったということでございます。
#119
○稲村稔夫君 カビというのは、それは農業を使わない場合に発生することも随分多いわけでありますから、農業という観点からはいいかもしれません、ある面では。しかし、生物体、生命体の生命力の活力が落ちてくると大体カビが生えるわけであります。私なんかも活力が落ちてきたら水虫というのができてまいりました。まさに、その生命の活力の衰えでありますけれどもね。
 これは、輸入する米というのがいつ生産されたかわからぬという側面などとも絡んできて、このカビが生えてくるというのは非常に大変な問題だというふうに思うんですよ。これに対する対策というのはなかなか面倒なものがあると思います。それだけに万全の体制をということを要望したいわけであります。
 特に、今の検査体制というのは非常に貧弱でありまして、それは先ほど高崎委員からも指摘がありましたけれども、カビの検査まで含めて残留農薬の検査も実際やるということになりますと、今の厚生省と農林水産省の体制の中で果たして万全な体制ができるだろうかというのは極めて疑問であります。サンプリングの問題についても非常にわずかなものしかとれないわけですね。サンプルとしても技術的にそういうことになってしまうんです、短い期間でやろうとすると。
 ということでありますから、私がきょう伺いたいのは平成三年度の決算についてということでございますから、このことについての詳しいことはもう触れられません。これはまた改めて当該委員会でいろいろとお伺いをするということになろうと思います。少なくとも今の体制の中にさらに一つでも二つでも、こういうことが発生しないように、事前に発見できるようにいろいろな対策を講じていただけみような姿勢をしっかりと見せていただきたい、このことを伺いたいんですが、いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(畑英次郎君) やはり口に入れる、そしてまた米という姿の今日の問題におきましては、これは非常に大きな国民の皆様方が御関心を持っておる問題でございますから、その安全性ということにつきましては念を入れ過ぎることはあり得ない、こういうような気持ちを持って対処していかなくちゃならない。さような意味合いでは、厚生省のお立場におきましても大変な御努力を賜っておるわけでございますが、いわば当事者の私の方におきましてチェック体制の強化、そしてまた関係筋あるいは流通段階における御協力をさらにお願いを申し上げる、そういったことにつきましては引き続き全力を挙げて取り組んでまいりたい、かように考えております。
#121
○稲村稔夫君 御決意、伺いました。その御決意のとおりに物が進むかどうかというのは今後しっかりと私どもも見きわめていかなきゃならぬ、こういう課題だと思いますので、ひとつしっかりと頑張っていただきたいと思います。
 そこで、平成三年度の農林水産省関係の決算ということになるわけでありますが、これまた五十分の持ち時間の中でそれを全部やれなどということはとてもできるわざではありませんので、一つのことに絞って私はお伺いをしたいと思います。それは米の備蓄の問題でございます。
 平成三年度というのは、一体最終的にはこの期末持ち越し量、なかなかこの辺面倒なんですが、適正在庫と言ったり期末持ち越し量と言ったりいろいろあるわけでありますが、その期末持ち越し量、これは一体どのくらいに最終的になったのでありましょうかということが一つ。
 そしてさらに、米の備蓄については、昭和五十九年、韓国から米を返却してもらわなきゃならないというあの騒ぎが起こっておりましたときに、本院の農水委員会でかなり厳しく議論をされたところであります。当時の農水省側からの御答弁は、これは角道さんがお答えになっているわけですが、大体一千万トンくらいの生産量になっても百五十万トンくらいの備蓄の規模が適当である、「百五十万程度が妥当ではないか」、こういうふうに答弁をしておられます。その百五十万程度と言っていたのが、いつの間にか百万トンということになったわけであります。私たち国会に対して正式に答弁をされたのは百五十万トン程度、それがいつの間にか百万トンになった。この平成三年度は百万トンという目標だったですね。そして、その中でどの程度の持ち越しになったのでありましょうか。
#122
○政府委員(上野博史君) 平成三年十月末の持ち越し量として、当初計画では百五万トンから百十五万トンぐらいのものが持ち越しされるというふうに予定を立てておりましたが、実績といたしましては百八万トンということでございました。したがいまして、若干、三ないし七万トンぐらいの減少があったということでございます。
#123
○稲村稔夫君 それで今度は、平成四年はどうなりましたか。
#124
○政府委員(上野博史君) 平成四年度は、この間、平成三年産米のできが余りよくなかった、作況が九五であったということによりまして六十万トン余り、六、七十万トンぐらい見込みよりも少ない生産に終わってしまったということが一つ。それから、需要が予定よりは堅調であった、減るはずのところが余り減らなかったというようなこともございまして、当初の予定をいたしました百万トンから百十万トンぐらいの持ち越しか残るんではないかという予定のところが二十六万トンということで、七、八十万トンの減少になってしまったということでございます。
#125
○稲村稔夫君 そして、五十九年に農水委員会で答弁をされたときの百五十万トンということの根拠は、従来は二百万トンだったけれども、これは大体百五十万トン程度そのくらいあれば、今現在一千五十万トンくらいのところが一千万トンくらいの生産量に減っても大体やっていけるんだということがこのときは述べられているわけであります。
 そして、その後、百万トンの水準というのは、これはいつお決めになったのかはっきりしないので、私はこれも確かめたいわけでありますが、百万トンになってからの食糧庁の方の御答弁は、百万トンの適正在庫数量であれば、大体作況指数が九五というのが二年続いても大丈夫である。つまり、一ポイントが十万トンということになると、九五というと五十万トン、年間五十万トン減っても大丈夫なんです、こういうお話でありました。
 しかし、これは五十万トンずつの減少というのを見込んだ形でしょう。ところが三年と四年との間で百八万トンあったのが既にもう二十六万トンというお話でしょう。そしたら減り方が随分大きいじゃないですか。そして平成五年度、あの大凶作というその年を迎えることになるわけです。そうすると、百万トンの適正在庫というのを平成三年ころは標榜しておられたように思うんですけれども、これが果たして正しかったかどうかということが非常に問題になると思うんです。
 私は、実は凶作のこと、特に冷害についてはいろいろと調べてみました。私自身の調査をしたものでまいりましても天明以降、随分古いことから引っ張り出しますけれども、天明の大凶作が七年です。それからその後寛政にありますけれども、これは三年。また天保の飢饉というのがありまして、これが九年。それから慶応から明治にかけて、これは三年。それから明治三十五年から三十八年まで、三年ですね。昭和六年から十年までの四年間。それから昭和二十八年から三十一年まで、三十年がちょっと抜けますけれども、これは三年間。そして五十五年から五十八年の四年間。あとその間に、安政のときが二年間。それから大正元年から二年にかけての二年間。それから昭和の十五年、十六年、昭和の三十九年、四十年というようなところが二年連続でとまっているんですよ。
 これは冷害だけですよ、イナゴなどの虫害だとか病害だとか、干害だ干ばっだとかということは入れないで冷害だけで見たものです。そうすると、ずっと連続をしているのが通常なわけでしょう。二年間作況指数九五で足りるという計算自身が間違っていたんじゃないですか。これは間違っていたということを認めなければ、私は今後の対策は立っていかぬのじゃないか、そう思うんですが、この点はいかがですか。
#126
○政府委員(上野博史君) 先ほどの答弁のいわば続きみたいなものになるわけでございますけれども、平成三年産米の作況がよくなかったということによりまして、在庫が大幅に落ち込んだ事態に対応をいたして生産調整を緩和いたしまして、十三万ヘクタールの緩和をして在庫を積み増そうという努力をいたしたわけでございますけれども、残念ながら生産が思ったような水準に達しなかったというようなことで、持ち越しの在庫数量が目に見えて増加というわけにはまいらなかったというのが先ほどの委員御指摘の点につながるわけでございます。
 一体どれくらいの在庫あるいは備蓄を持った方がいいのかということにつきましては、多々ますます非ずということはもちろんそのとおりなんでございますが、一方で在庫の保有に伴います経費というものがございまして、かって大変膨大な過剰米の在庫に伴う相当多額の国費の支出というような経験もあったことでございますので、そこら辺の兼ね合いをどう考えていくのがいいのかというところが常に問題になるわけでございまして、これからのミニマムアクセスの問題も含めまして、備蓄のあり方については検討しなければならぬというふうに考えている段階でございます。
#127
○稲村稔夫君 もう時間がなくなりましたから一方的に私の意見を先に申し上げて、最後に、大臣が今の備蓄という点についてどう考えるかということを簡単に、基本的な考え方をお伺いしたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事今井澄君着席〕
 といいますのは、大体米というのは世界的にも大変貿易量が少ないですね。言ってみれば、動かせる量の薄いそういうものでもあるというだけに、我が国だけが大量に輸入をするなどということが起こったときに、いろんなことを各国にもいろいろ起こしていきますということもありますし、それから天候に左右されるものだけに、連続不作ということは、冷害での不作が起こるということをやはり想定して物事は考えていかなければならないという問題であろうと思うんです。
 私は、天明以降のこと重言いましたけれども、それ以前の研究もあります。それについてもやっぱり続いているというのが多いんです。ということを見ていきますと、やはり九五が二カ年というのが適当かどうかということは大きな問題であろうと思うんです。そういう計算を平成三年のころには皆さんの方が堂々とやっていたんです。そして、そのときにちゃんと、五十九年に我々に約束をしたとおりの百五十万トンの積み増しかできるための努力がいろいろと払われて実際にそれが実現をしていれば、去年のあの大凶作になっても今こういうふうに輸入米の安全性だとか、やれ外国に及ぼすいろんな影響だとかということをこんなにまで深刻に考えないで済んだのではないかというふうに思うわけでありまして、私はやはりそういう反省点というものは明確にしていただくことが必要なんだと思うんです。
 そして、そういう上に立って今後の米の備蓄ということについて大臣の方もしっかりと考えていただきたい、そう思うんですが、いかがでしょうか。
#128
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、この備蓄という問題につきましては、昨年来のいわばかつてない大凶作とは言いながらも、備蓄体制により万全を期しておくべきであるというような意味合いでの反省を求められておると素直に受けとめさせていただいておるわけでございます。
 そういう中にございまして、既に申し上げさせていただき、なおまた見直しの結果といたしましては、いわゆる平成六年産米の生産量等々、これはこれからの問題ではあるわけでございますが、少なくとも平成七年の十月末在庫といたしまして六十六万トン程度、そしてまた平成八年の十月末までには少なくとも百三十万トンというものを既に計画見直しの中での数字として発表させていただいておるわけでございますが、これはまだこれからこのありようにつきまして、いろいろ今回のミニマムアクセス等々の問題を踏まえて見直し論議が、そしてまた各界から御意見を伺いながらも、この数量につきましては、百三十という数字につきましてはこれが下限ではなかろうかなというような率直な印象を私自身は持っておるわけでございます。
 なおまた、来年からの最低輸入量の輸入米につきましても、この備蓄という分野とのかかわり合い、これもこれからの論議の検討の対象にしていかなければならぬな、こういうことが、まだ整理はされておりませんけれども、私の今頭の中にある姿であるわけでございます。
#129
○稲村稔夫君 これは、今お答えがありましたから、その決意に基づいて、今後ぜひということで要望しておきたいと思います。
 ニュートンという雑誌が出ております、現在売られている段階のものですが。これによりますと、書かれているのは天保飢饉のときとほとんど天候のあれがよく似ておると。平成五年が天保七年とよく似ておるというような指摘などもあります。そして、私はここにこんなに本を持ってきました。これは専門家が読む本ではなくて一般の人たちが読む本。これみんな今の異常気象について書かれているものでありまして、これを見ただけでも異常気象というのはみんな大変な、これどれを見ても大体これから異常気象が続くということを想定しなきゃならぬということを提起しているんです。そういうことを頭に置き、腹に置きながらこれからの計画をきちんと立てていただきたい、これは要望でございます。
 そこで、今度は農林漁業金融公庫の決算について伺いたいと思います。時間が足りなくなりましたからこれは余り詳しいことを聞いておられませんので、私の方から先に私が持っている問題意識を申し上げてお答えをいただきたいというふうに思います。いろいろと資料もいただきましてありがとうございました。
 私が今持っております問題点は、今や新農政のもとで規模拡大をしていかなければならない、新しい形の複合経営をして経営を強化していかなきゃならないという状況が今農林水産省の政策として進められようとしているというときに、金融関係を担当される公庫の役割は非常に大きなものになると思うんです。ところが公庫がお貸し出しになるときに、どうも最近はネックが出てきているようでありまして、バブルの時代はどこを見てもみんな地価がぼんぼんと上がっていっていましたから担保能力がどんどんと上がっていきますことになりますが、今や地価が農村地域、中山間地を含めて、むしろ下落をするという傾向にあるところがふえてきているわけです。
 そうすると、資金量はたくさん要るということになっているのに、ところが担保能力は落ちてきている。そうすると、借りられる人が限定されてくるんじゃないですか。保証人になることをちゅうちょする人もふえてくるというような問題がいろいろと出てまいります。この担保能力とのかかわりというのがどうもこれから先ネックになっていくんじゃないだろうか。
 そうすると、そういうこれからの新農政展開の中で必要とされる資金需要に対してその辺が心配されるのでありますが、公庫としてはそういうことを想定しておられるのか。そして、もしどんどん担保力が落ちているのに資金需要がふえるということを想定しておられるとすれば、どういう対策を今後公庫の立場でおとりになっていこうとお思いになっているか。
 この辺のところは特に公庫の関係でいけば、系統金融などをずっとお使いになってきている。その系統金融が焦げつきますとさらに保証金をとられたりなんかしますから、そうするとどうしても大きいものは貸したくないという傾向も出てくるとかというような問題などもあるようでありますが、きょういただいた資料などを拝見させていただきますと、直貸しの方がふえているようであります。その辺のところの危惧は少しは減ってくるのかなという気もいたしますけれども、その辺のところとあわせて、概括で大変恐縮でありますけれどもお聞かせをいただければと思います。
#130
○参考人(後藤康夫君) 御指摘のように、主要農業地帯でございます北海道、東北、九州といったようなところで近年農地価格が一般的に下落する傾向にございますので、そういう意味で担保負担力を低下させているということは否めないことでございます。
 公庫といたしましては、一方におきまして金融機関でございますので、そしてまた国民からお預かりした財投の資金を使って融資をしておりますので、当然融資に当たりまして物的な担保なり人的な保証を必要に応じて徴求するということをやっておりますけれども、他方で政策目的を達成する、また借入者に多大な負担をかけないようにということで担保なり保証の問題につきましてはケース・バイ・ケースでできるだけ弾力的な取り扱いをするということでこれまでも努力をし、また受託金融機関にもそういうことで繰り返し指導をいたしてまいってきております。
   〔理事今井澄君退席、委員長着席〕
 今御指摘のありました受託金融機関が債権回収がうまくいかなかったときに負担を負うという問題でございますが、これは私どもの受託金融機関が代位弁済義務を負っておるということでございますけれども、やはり受託業務をちゃんとやっていただきました上にある程度のこういった代位弁済義務を負っていただくというのは一般に行われているところでございまして、中小企業金融におきましては、国民公庫とかあるいは中小公庫でございますとこれは五〇%から八〇%といったような水準でございますので、私どもの代位弁済をお願いしている程度というのがそれほど過大なものではないというふうに考えております。
 なお、にもかかわらずいろいろ個別のケースで受託金融機関の担保なり保証の考え方からすると、どうしても自分のところで扱えないというようなケースも時々ございます。そういう場合には、借入申込者の経営の実績とか計画をよく見まして、これは政策の方向にも合い、融資をしてしかるべきだというふうに私ども判断をいたしました場合には受託機関との協議を行いまして、公庫が直接に取り扱うというふうなことも含めまして努力をいたしてまいってきております。
 これからまた新農政なりあるいはまたガット交渉の決着に伴います農政の充実ということの中で、私どもの担う役割ということもまたいろいろ重くなってくるのではないかというふうに思っておりますが、担い手として想定をされております農業者の方々、簿記なり記帳などの管理能力もあり、技術的にもすぐれた方々が地域ごとに認定をされて私どもの借入申込者になってこられるというふうに考えておりますので、今お話しございましたような融資の判断に当たりまして、担保とか保証というものにウエートをかけ過ぎないように、申し込みをした方の経営の実績なり将来の見通し、また意欲なり能力といったものの適切な判断ということをまず第一に融資判断の中心に置いて考えてまいりたいというふうに思っております。
#131
○稲村稔夫君 せっかく足を運んでいただきましたけれども、時間の関係で一問しか伺えませんでした。ありがとうございました。
 そこで、農林水産省に伺いたいのでありますけれども、金融機関として持っている性格上、今のお答えのような範囲で、それでも精いっぱい御努力をいただいているとは思うんです。しかし、先ほども申し上げましたように、新農政を展開していくというのはかなりの新しい資金の需要も要る。新しい資金制度もつくられたようでありますけれども、しかし資金としての需要はうんとふえる、大きくふやしていかなきゃならぬということになるんじゃないかと思うんです。
 そういうときに特に大事な問題は、専業農家が多い地域といいましょうか、北海道とか九州というところとか、あるいは新しい形で農業の展開をしてもらわなきゃならない中山間地、複合経営でというようなところでその担保能力が落ちていくということは私は非常な問題点だと思うんです。そうすると、それだけに政策的な対策というものが、そういう担保力が落ちていっていることをカバーして、なおかつそういう積極的な大きな規模拡大なり複合経営なりということができる体制をつくっていくということが農林水産省としての対応としては大事なんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺はどういうふうに今取り組んでおられますか。
#132
○政府委員(眞鍋武紀君) 農林漁業金融公庫資金の担保の問題でございますが、ただいま総裁からお答えがあったようなことでございますが、新しい農政の展開に当たりまして、補助から融資へというふうなことで一段と融資の役割が重要になっておるという点につきましては御指摘のとおりでございます。このため、我々としましては、新しい政策資金を適確に借りていただけるように努力をしてきておるわけでございます。
 昔に比べまして、最近の農業というのは、施設にしましてもあるいは機械にしましてもいろいろと金のかかる、非常に投資の要る農業になってきておるわけでございます。そういう中でございまして、最近いろいろと負債の問題等も出ておるわけでございます。やはりこれから農業をやる場合にはいろいろと投資をする、その場合に失敗したんではなかなか後々大変なことになるわけでございますので、やはり企業経営と同じように、金利とかあるいはいろいろな問題について経営感覚を持った農業を育成していきたい、こういうことでございます。
 そういうことでございますので、政策的にそういう新しい資金をつくり出すとともに、そういう資金を使ってどんどんと飛躍、発展をする人には金が十分貸してあげられるようにというふうなことで今後とも努力をするわけでございます。しかし、やはり何と申しましても、どういう人を対象にどういう資金を貸すかということにつきましては、それぞれ具体的なケースに当たりまして、資金の種類でございますとか貸付対象事業がどのようなものであるかとか、あるいは金額の大小でございますとか、そういうふうなものを勘案して現在の公庫規定でも弾力的に対応し得る道があるわけでございますので、そういう弾力規定を生かしまして政策目的が達成されますように今後とも一層適切な指導を行ってまいりたいと思っているわけでございます。
#133
○稲村稔夫君 私の方が聞いていることが抽象的だということなのかもしれませんが、局長の御答弁もどうも抽象的な話であります。
 私は、担保力が落ちていっているということが融資農政というのを進める限りにおいてはやっぱり大きな課題なんだろう、そこのところを何とかしなきゃいかぬのじゃないか、そうしないと新農政の展開というのもうまくいかぬのじゃないかということを危惧して聞いているわけであります。
 その辺大臣はどういうふうにお考えですか。
#134
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘がございましたとおり、いわば農村地域の活性化、そしてまた農業の活性化、逆に申し上げますとその市町村段階におけるいわゆる活性化に向けての政策展開、そういうものをベースにした地域に対する融資のありようといいますものもこれまた積極的な要素を大きく加味してもらわなければならない、していくのがこれからの要請されておる姿ではなかろうか。かような視点に立ってこれからの農政展開をやってまいりたい、かように考えております。
#135
○稲村稔夫君 またこれ要望をくっつけて大変恐縮でありますが、いずれにいたしましても、新農政を今後展開していくというときには、今地価が下がっているようなところ、つまり担保能力が落ちているようなところ、これが一つは大きな新農政を担う地域になっていきます。そして、新農政のもう一つの新しいスタイルという中山間地農業対策ということでいったときにもここが落ちていっているということが大変気になります。ですから、その融資はもちろん利息の関係だとかいろいろとありますが、融資ということを考えていったときにその辺の動向というものも十分に把握をしていただきながら今後の展開をしていただきたい。そうしないと農業はますます厳しいところへ追い込まれてしまいますということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、時間がありませんからもう農水省は以上にさせていただきまして、次に経済企画庁に伺いたいと思うんです。
 経済企画庁が毎年出しておられます経済見通し、これと実績とはかなり食い違いが多い、かなりギャップが大きいということがかねて問題になってきております。バブルの時代というのはそれでも見通しよりも実績の方がよかったということになってきますからまだいいんですけれども、まさに平成三年度あたりからは逆に経済見通しに対して実績が落ち込んでいるということが続いてきているわけですね。
 これはどの辺に原因があると事務当局の皆さんはお考えになっておりますか。
#136
○政府委員(小林惇君) ただいまの委員のお尋ねでございます平成二年度から五年度までの要因について簡単に御説明いたします。
 二年度につきましては、民間設備投資あるいは民間住宅投資が政府の予想を上回る好調を示したということで、政府の見通しの四・〇%を上回る五・一%という実質GNP成長率が達成されたわけでございます。三年度につきましては、政府経済見通しとほぼ同様の数値でございます三・六%、政府の見通しは三・八%であったわけですけれども、でございました。それから、四年度については三・五%と見込んでいたものが〇・七%ということになったわけでございます。それから同様に五年度については、これは実績見込みでありますけれども、三・三%程度と見込んでいたものがわずか〇・二%程度ということで下方修正の数字を先ごろ発表したものでございます。
 それぞれの要因につきましては、平成二年度につきましてはやはり民間設備投資が政府の予想を大きく上回りまして伸びた。その原因については、先ほどの御質問にもございましたように、バブルの影響ということで企業の設備投資環境として、企業の判断として設備投資をしやすい状況が生じたということが一番大きな原因でございます。平成三年度につきましても設備投資について見込みが過大であったということで、見通しと実績の差の大きな要因は設備投資に関連する見通しの差でございます。それと、個人消費についても同様に政府の見通しが過大であったわけでございます。
 四年度につきましても、民間企業設備投資についての評価がプラスというふうに判断いたしましたけれども、これがいろいろな理由によってマイナスであったということでございます。五年度についても設備投資等の判断についての差ということと、五年度につきましては全体としてバブル経済の崩壊ということでございましたわけですけれども、そのほかに冷夏、長雨、あるいは円高の影響等も相まって見込みの数字を大きく下回った、こういう実態でございます。
#137
○稲村稔夫君 私から今のお話を伺うと、それぞれどうも言いわけにしか聞こえないんですよね、率直なことを申し上げると。
 といいますのは、私も雑誌としては例えば日経ビジネスとか、それからエコノミストとかいう雑誌をずっと購読しております。いろいろと経済見通しが出ておりますから、それぞれ目を通させてもらってまいりました。そういう面でいったら、ここらへ書かれるような方々の見通しというのは政府の見通しよりはかなり低いんですよ、最近のものは。それから、銀行とか証券会社の経済研究所、その他民間の経済研究所というところがいろいろと想定をするそれについての見通しもかなり政府のものよりも低いという結果が出ています。民間のものはみんな低いんですよね。使っている資料は政府の調査をされたものがかなり使われているというふうに見ていいと思うんですけれどもね。
 ずっと同じようなものをかなり使っていながらなぜこういう乖離が起こるんだろう、これは私は不思議でしょうがないんです。その辺はどういうふうにお考えですか。
#138
○政府委員(小林惇君) 最近数年間の見通しと実績との乖離の要因の主なものとしては先ほど申し上げたようなことでございますけれども、やはり一番大事な見落としからな点といたしましては、企業あるいは個人消費に関連した家計のマインドの動向について政府見通し策定段階で十分な評価をできない場合がある。
 それから、例えば企業の設備投資環境につきましては、経済の日々の動向によって動いてまいる面もございますし、例えば平成六年度の数字につきましても、円高が進むような動きが生じますと、企業として次年度の設備投資計画である程度予定をしておりますものをもうちょっと決断を後ずれさせようとか、そういうことが生じまして、日々の経済の統計あるいはデータ等によって影響を受けるものである。そういうところ全部を事前に読み切ることがなかなかできていないというところに一番の原因があるというふうに思っております。
#139
○稲村稔夫君 時間もなくなってきましたから、今度は長官に総括的にお答えをいただきたいというふうに思います。
 今の御答弁を聞いておりましても、同じような資料を使っていながら、民間との間ではかなり差が出てきているということの御説明にはならないと思うんですね。
 それから、これはこれからの質問にもなってくるんですが、消費者動向を把握していく上では消費者物価の指数だとか家計調査だとかという総務庁が行っておられる統計等も非常にこれからの課題の中に入ってくるんだと思いますけれども、しかし私は、経済の分析をしていくときには、余り政策的なことなどというものが前面に出て、そしてそれだけが何か大事にされてしまうとかえっていろんな点で間違いを起こすことがあるんじゃないかということを心配いたします。
 ですから、むしろこういう経済見通しなどについては、かたく見積もっていけば、我々、今の状況でいったらほぼ納経済的に見ていけばこういうふうに見られます、しかしその政策的な努力をこれからしていきますからその政策的努力をしていく中でこれだけのところまで持っていきたいという、持っていけると思うとかというようにして、一定程度の、政策的なものと納経済的なものと分けて国民にもわかりやすくしていただくとかなんかという工夫を、今までの内閣でいろいろとおやりになっていたことでいろいろこういうふうにして矛盾が出てきているわけですから、やっぱり新しい体制というものをつくっていただかなきゃいかぬのじゃないかと思うんですね。その辺のところをどのようにお考えになっていましょうか。
#140
○国務大臣(久保田真苗君) 二年度にわたりまして見通しが大きくずれておりますことは、一同厳粛に受けとめさせていただきます。
 私どもとしましては、確かに政府は経済運営の態度と政策によりましてその分を加味して望ましい姿を出していくものでございますから、そこに民間と多少違うところがあるかと思います。政府の方はその分の積算などについて十分に吟味はしているわけでございます。しかし、政府の指数といえども決して万全ではないのでございまして、その意味から、私どもは反省の中から平成六年度におきましては新しい早期景気判断の指標というものを開発する、その予算要求をさせていただいております。
 それは、従来使っておりますいわゆるDI、景気動向指数でございますけれども、これが景気の山に向かいますときは六カ月間、それから谷に向かいますときは二カ月間、そうした先行指標を用いておりまして、特に谷に向かうときには決して十分とは言えないということでございますので、今後は一年先を見通せるような指標を開発しましてそれを十分補いたい。また、現場からのヒアリングを行うということが最近特に重要になっておりまして、企画庁の幹部一同それは努めてそのようにしているところでございます。
 でございますから、二・四%というこの見通しも、私どもとしましては、今回の景気対策だけに頼るわけではなくて、平成六年度の予算の中でも景気に十分配慮した内容にしたというふうに思っておりますし、これを切れ目なくやっていくことにおいて平成六年度中に本格的な景気回復の軌道に乗せる、このことをぜひともやろうと決意を込めて出しております。よろしくお願いいたします。
#141
○稲村稔夫君 新しい手法でぜひ近いものが出てくるように御努力をいただきたいと思います。
 そこで、もう時間が随分なくなってしまいましたので、かなり私の見解の方を先に言いまして、後、事務当局とそれから長官からそれぞれお聞かせをいただきたいと思うのは、総務庁でございます。これも一点だけてあります。
 今も経済企画庁のお話の中で出てまいりましたけれども、統計調査の問題であります。その中で、家計調査についてはいろいろと全体を見ることができないというお話がありました。それはかなりの部分を占めている単身者世帯の問題であるとか、あるいは企業が寮とかいう形の中で使っていかれるものや、あるいは交際費で飲み食いしているようなものだって随分あるわけですからね。こういうようなものがなかなか経済の今の統計の家計調査という形での実態の中にはあらわれてこない。だけれども、それが経済の成長の判断の材料になっていくというようなところにいろいろと問題点があったんだと思います。
 また、統計というのはなかなかサンプリングのとり方だとかなんかでもいろいろと問題があるわけでありまして、難しいものがあります。私の手元に、これ随分古くから、結構今も再版されて何版にもなって売れているようでありますが、「統計でウソをつく法」と書いてあります。こういう題の本です。主体的にはちっともうそをついているつもりではない、しかしながらサンプリングのとり方や統計の手法のあり方一つ、その発表の仕方一つで結果的にはうそになってしまうということだってあり得るというようなことなども配慮しながら、今後のこういう経済統計というものは経済の判断、景気動向の判断などに非常に重要な役割を果たしますので、その改善方をどのようにお考えになっておられて、具体的にいつどういうふうにしていかれようとしているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
#142
○政府委員(小山弘彦君) お答えいたします。
 今問題になっているお話を総合しますと、いわゆる指標としましては消費者物価指数、それから家計消費の関係ということでございます。簡単に御説明申し上げますと、消費者物価指数は消費者が購入するさまざまな商品やサービスの価格、これを総合した物価の変動として示すもので、全世帯の平均的な消費構造、これに基づいて作成しているところでございます。
 まず消費者物価指数に採用する品目でございますけれども、これは消費者が購入する多数の商品及びサービスの全体の物価を代表できるように家計支出上の重要度の高いこと、さらに継続調査が可能であること等の観点から約六百品目、これを選定しております。
 また、調査の店舗、価格調査地区内にある最も代表的な店舗を選定しております。いわゆる一般小売店、百貨店、スーパー、ディスカウントストア、量販店等が調査されております。これらの調査店舗、調査銘柄、これは適宜見直しております。消費者の選択の多様化等を含め、その実態を反映するよう的確な選定を図っているところでございます。
 ところで、家計消費の問題でございますけれども、私ども家計調査というものを毎月実施しております。この家計調査は、農林漁家を除くいわゆる世帯を対象として毎月約八千世帯調査しております。単身世帯が対象になっておりません。
 そこで、この単身世帯につきましては、平成二年の国勢調査の結果によりますと九百三十九万人ございます。いわゆる九百三十九万世帯でございますけれども、これは昭和六十年から五年間の伸び率で見ますと二〇%に近い伸び率を示している。
 そこで、平成七年、来年の一月からでございますけれども、やはり単身世帯についても全年代につきまして何らかの形で消費を把握しておく必要がぜひとも重要ではないか、このように計画しております。そうなりますと、農林漁家を除く世帯についての消費の実態が毎月把握されていく、このように考えております。
#143
○国務大臣(石田幸四郎君) 今、統計局長からお話を申し上げたとおりでございますが、やはり統計の問題については、例えば調査品目といったものが固定的に十年も十五年も続いていたんではいかぬわけでございますので、そういった点は十分統計局でも精査をしまして、五年ごとに今申し上げた六百品目等は見直しをしながら進めているわけでございます。
 先生御指摘の単身赴任の問題は、最近の社会動態と申しますかそういうものの変化でございますから、今申し上げたように七年から正確にこれも把握していく、こういう決心で進めたいと思っているところでございます。
#144
○稲村稔夫君 会田さん、申しわけありません。本当にあと一言だけ追加させていただいて、私、会田さんにかわります。
 百貨店ではなしに、ディスカウント商品など、あるいはスーパー、そういうところのものがなかなか調査の中で引っかかってこないとか、いろいろな問題がまだいっぱいあると思うんです。ですから、そういう点も十分に加味をされて、できるだけ正確な統計が提供できるように今後も御努力をいただきたいということを御要望申し上げまして、終わります。
#145
○会田長栄君 日本社会党の会田でございます。
 農水大臣、総務庁長官、経済企画庁長官、まことに内外情勢ともに厳しく、課題も山積みしている中、御努力願っていることにまず敬意を表して質問に入りたい、こう思います。
 まず、経済企画庁長官にお尋ねしてまいりたいと思いますが、実は昨年の七月二十七日に経済企画庁は経済白書を発表いたしました。政府の公式文書である白書が過去の政策を自己批判したというのは、ニクソン・ショック以来長いことありませんでした。これはまことに率直だと、私もその点では共感を持っているわけであります。
 とりわけ一九八五年、中曽根内閣以来、実は財政拡大政策と低金利政策というものが同時に進行いたしましてバブル経済を生み、今日の不況の要因になっていったわけでありますが、この経済白書の中でただ一点、政策とバブルの因果関係というものについてはわかりやすく明らかにしないまま実は逃げているんですね。これは非常に大事なところなんです。
 昨年の六月十一日に、平成三年度の決算報告につきまして本会議で私は宮澤総理に質問いたしました。宮澤総理からも経済運営、財政運営、金融政策を含めまして率直な答弁をいただいたわけでありますが、政府といたしまして十分な予知と対応がタイムリーにできなかったことについては率直に申し上げなければなりませんが、先般総合経済対策をいたしまして、今後この不況は乗り切れるのではないかと、こういう自信のある答弁をされたわけでありまして、どうしてもこの決算審査に当たりまして経企庁に率直に四点お伺いしていきたい、こう思います。
 その第一点は、平成景気は平成三年四月に転換点、いわゆる景気の山を迎えて以降、景気は後退局面に入っていくんですね。しかし、月例経済報告では、同じ年の九月に初めて景気の減速を認めているんですね。四月と九月ということでありますから、大分時間がたっています。
 そこで、政府の景気判断のおくれについて一体どう考えたらいいのかということについて、第一点聞かせてください。
#146
○政府委員(土志田征一君) まず、お尋ねの平成三年度の景気判断についてでございますが、御承知のとおり、先ほども御議論ございましたけれども、それまでの三年間は五%を上回るような高成長が続いておりまして、平成三年度につきましてはこれをいわば持続的な適正成長の経路へソフトランディングさせようと、こういう政策運営をやっておりましたわけでございます。
 結果といたしまして、先ほども御答弁申し上げましたが、三・六%という実績になっておりますので結果としての数字はまずまずの数字だったわけでございますけれども、実は昨年度の経済白書でもまさしく指摘したところでございますが、一度スピードダウンが始まりますとそれが累積的に全体に波及していったということ、それからバブルの崩壊の影響というのが不良資産問題を初めといたしまして広がってきたというようなことで、当初意図いたしました適度な減速にとどまらなかった、こういうふうに後から見ては判断をしているところでございます。
#147
○会田長栄君 それでは、次にお聞きをしたいのは、今回の不況に対して第一回目の経済対策は平成三年度末でございましたね。景気の山が四月に大体わかったんではなかったのか。ところが九月だと。そして実際に対応したのは平成三年度の末でございました。
 政府の政策対応がこのようにおくれているということについてどのように考えたらいいのか、率直に聞かせてください。
#148
○政府委員(小林惇君) 今、委員お尋ねの点でありますが、平成三年十二月に次年度の平成四年の予算編成をやったわけでございますけれども、その際には景気に配慮した四年度予算編成ということでやったわけでございます。
 それからもう一点、次年の平成四年三月になってからでございますけれども、緊急経済対策ということでやった内容は、特に平成四年度の公共事業等の前倒し執行、上半期に七五%ということでやったわけでございまして、これが実際には振り返ってみますと上半期で七七・四%の契約を実施したということになってございます。
 それからそのほかに、これは日本銀行の政策でございまして政府のそれとは独立をして行われているものでありますけれども、平成三年七月に公定歩合がそれまでの六・〇%から五・五%へ、それから平成三年の同じく十一月、十二月にもそれぞれ〇・五%すっ引き下げられておりまして、三回にわたりまして合計で一・五%引き下げが行われているという、これも政策対応の一つであろうというふうに考えております。
#149
○会田長栄君 その後、政府は去る八日の総合経済対策まで合わせて五度の経済対策が決定されて今日を迎えているんですね。しかし、今後の不況克服、景況回復というものは予断を許さない状況になってきているのではないか。なぜ私がこういうことを言うかというと、子供が教育盛りの時代に職場を離れざるを得ないとかあるいはせっかく大学まで出ても就職することが困難であるというような状況というのは、これは一刻も早く回復しなきゃいけないという気持ちがあるから、改めて後手にならないようにお尋ねしているわけであります。
 要するに、三年度のときに政府の景気判断なりあるいは政策対応というものについて、もう少し手おくれにならないうちに手を打っておけば今日の不況というものがこれほど長期化したり深刻化したりしなかったのではないか、私はこう考えるわけでありますが、その点について率直に聞かせてください。
#150
○政府委員(土志田征一君) 平成三年度の状況につきましては、先ほど申し上げたように適度な減速をさせようとしたわけでございますけれども、なかなかその段階でとどまらないで平成四年度以降さらに成長率が大きく落ちた、こういう状況になったということでございます。
 その中で特に、先ほども御指摘がありましたが、昨年度の経済白書で反省をしておりますのは、やはりバブルをつくり出してしまったということによりまして、その後いわばバブルのツケを払わざるを得なくなったということを反省しているところでございまして、そういうことも含めまして今後とも景気判断につきましては的確な判断ができるように努力してまいりたいというふうに考えております。
#151
○会田長栄君 要するに、最初申し上げたとおり、経済白書の中でかつてないほど厳しく自己批判しているにもかかわらず、バブル経済と経済財政運営のあり方の因果関係についてちょっと控えたために私は今日あるものと思いますから、バブル経済を生み出した反省と教訓というものを今後の経済財政運営にどうしても生かしてほしい、もう一度やっぱりかみしめてやってほしいということをお願い申し上げて、経済企画庁への質問は終わります。その点はお願い申し上げます。
 二つ目の問題は、昭和四十一年に着手をして昭和四十五年に着工して、会計検査院が四たびにわたって会計検査の結果意見表示までしてきた木曽岬干拓地問題について質問を申し上げます。
 まず第一番目に会計検査院に質問いたします。元年、二年、三年、四年と同じような意見表示をしていますね。率直に言いまして、何年続ければ会計検査院は意見表示をあきらめるんですか。
#152
○説明員(平岡哲也君) ただいまの木曽岬干拓地の問題につきましては、遊休になっております土地の規模の大きさ、期間の長さ、さらには原因が境界の争いであるということ等々から考えまして、私どもといたしましては大変残念な事態であるというふうに考えておりまして、重大な関心を持って継続して対応してまいっておる次第であります。
 昭和五十五年に、特記事項といたしまして検査報告に掲記をして問題を提起いたしました。さらに、平成元年度の検査報告におきましては、一歩進めまして具体的な意見表示という形にいたしまして強く問題解決を促した次第であります。さらに、今先生がおっしゃいましたように、この意見表示を踏まえまして、二年度、三年度、四年度と現在の問題の状況につきまして掲記いたしてまいっております。こういう中で、いまだ解決を見ていないということはまことに遺憾な事態であるというふうに言わざるを得ない次第であります。
 昨年五月の両県知事間の協議によりまして、当年度末を目途といたして境界問題の早期解決を図るという合意がなされました。私どもといたしましてはそういう合意を踏まえまして推移を見守っているところでありますけれども、いずれにいたしましても、三重、愛知両県あるいは農水省などにおきますさらなる解決の努力が不可欠でございまして、私どもといたしましては引き続き重大な関心を持って検査などのあらゆる機会をとらえまして関係者に事態の進展を促してまいりたい、かように考えておる次第であります。
#153
○会田長栄君 それでは、事業主体の責任者は農水大臣でございますから、農水省にお尋ねいたします。
 一昨年の五月二十五日に、この委員会でこの干拓事業の問題につきましてやりとりがありました。その際、この事業はいわゆる会計検査院の指摘に基づいて農地としてよりは他の目的にこの土地を利用するというような意見が出ている。ところが、これを解決していくためには三重県と愛知県の県境問題がネックです、こう言っている。両県で精力的に話し合っていただいています、したがって十二月、できなければ年度末、三月までには結論を出します、こういうことでございました。あした三月であります。議論になって十カ月。いよいよ残されているところは三十一日。その見込みありや否や、ひとつ聞かせてください。
#154
○政府委員(入澤肇君) この問題につきましては、昨年の五月に両県知事によりまして県境問題等の早期解決を図るということが合意されたことは今御指摘のとおりでございます。
 その後、九月二十八日、十一月二日あるいは十七日、再三にわたりまして両県の当事者による話し合いが行われ、私自身も昨年の秋には両県に赴き現地調査をしていろんな話を聞くと同時に、ことしに入りまして一月二十四日に、たまたま愛知県に新政策の講演の機会がありましたので現地へ赴きまして、両県当事者に年度内の解決を図るように督促したところでございます。できますればこの際私に白紙委任してもらいたいというふうなことまで申し上げまして、何としても当初の約束を守ってくださるようにというふうにお願いしたところでございます。
 ただ、二月九日に三重県知事さんが体調の不調でにわかに入院されるということになりまして、現在容体を見守っているところでございますけれども、それにしましても約束どおり年度内に両県知事間で合意が見られるようにということで今事務当局を督励しているところでございます。
#155
○会田長栄君 農水省は、昭和六十二年にこの干拓地の営農計画というのを立てて発表したんですね。しかし、営農計画は計画で終わって、今や愛知県も三重県もこの土地を別なものに利用するということになって、そのことに精いっぱい努力しているようでありまして、これは農水省の事業方針推進状況からいけば全国的にこの問題は波及するだろう、私はこう思っているんです。
 畑を造成した、田んぼを造成したといったって、今日の農業情勢でありますから、できることなら宅地に売った方がたんまりお金になる、工業団地に売った方がたんまりお金になる、それでいわゆる自己負担分を返して悠々と後継者に譲っていった方がいいという気持ちになっていく状況にあります。その点はきょうはさわりませんけれども、年度末に近いわけですから、最終的に本当にこれは愛知県と三重県の、まあ嫌な言い方でありますが、それぞれ自分の県を愛するがゆえに最後まで妥協しないということなんでしょう。しかし、現実には国の金は百五十億円余既に使われている。この間の利子は大変な問題であります。同時に、この土地を他に利用すると四百億円かかるだろうと言われております。一体、日本はこれほどまでに金に恵まれている国なんだろうか、こう思うから特にお願いしておきます。
 次に、今度は我が国の基礎的食糧である米問題について一点お伺いしておきます。
 その一点というのは、実は日本の食糧の根幹をなしている米の生産基盤というものは、最も水田の耕作面積が多かったときどのぐらいあったか、平成五年度末を見越してどのくらいか、それを教えてください。
#156
○政府委員(上野博史君) ちょっと調べておりますので、後ほど正確な数字をお答え申し上げたいと思いますが、一番多かったときには三百万ヘクタールぐらいはあったんじゃないかと思いますし、それから現時点では二百五十万ヘクタールぐらいの水準じゃなかったかというふうに思います。後ほど数字をお届けしたいと思います。
#157
○会田長栄君 現状の二百五十万ヘクタールの水田面積というものが、今後五年間見通していった場合に農水省はどのくらい減ると思っていますか。
#158
○政府委員(入澤肇君) 最近の統計を見ますと、毎年の農地転用の面積が大体二万七千から三万ヘクタール、それから耕作放棄地が現在のところで大体二十五万ヘクタールございます。ですから、二万七千から三万ヘクタールというのは毎年減っていく。五年間で最大十五万ヘクタールぐらいまでは農地が減少するんじゃないかというふうに見込まれます。
#159
○会田長栄君 今や都市化の波というのは農村に相当強い波となって押し寄せています。したがって、日本の基幹的食糧の米の耕作面積というのは恐ろしいほど私は減っていくんではないか、こう見ています。そういう意味におきまして、日本の米の自給体制というものについてよほど先を見通してかかっていかなければいけないという意見の持ち主なんです。
 ましてや、先ほど同僚の稲村委員がおっしゃったとおり、平成不況というのは間違いなく続くというのが今世界各国の学者の意見です。とりわけ気象学者の意見です。これは平成四年度単年度、五年度単年度では終わりません、こういう大方の意見になっている。ましてや、それは日本だけの気象条件ではない。これは世界的にそういう悪条件の気象になるということがもう予測されて、それぞれの学者が見解として発表しておる。
 そういう中にあって、日本の食糧自給体制というものをどう維持していくのかということは農水省だって相当考えていかなきゃいかぬことだろうと私は思っているんです。余ったときの責任なんというのは大したことない。米が余ってどうしようかなんというのは大したことない。足りないときの責任をどうするかというところを今それこそ細川内閣あるいは農水省挙げて検討してみる必要があるんではないか、私はこう思っています。
 以上、それだけの意見を申し上げて、私の質問時間が短縮されましたのでこれで終わります。農水省の皆さんには予告していたことを聞かないで終わるということについてはまことに申しわけない、こう思いまして、おわびしながら終わります。
#160
○小島慶三君 本日は、農水大臣、朝からずっと御苦労いただいておりまして、本当に平素の御苦労とあわせてお礼を申し上げます。
 きょうは、私、三つほど実は質問申し上げようと思っておったんです。一つは、水田農業確立特別交付金の交付効果について、それからもう一つは、中山間地域向けの公庫融資の状況、それから三つ目は、農山漁村振興基金の設立経緯それから運用状況等についてということで御質問申し上げたかったわけであります。
 その前に、せっかく農水大臣がお見えでございますので、これからの日本の農業、殊に水田の問題とそれから中山間部の問題につきまして私は従来いろいろ考えておりまして、今度の細川総理の断腸の思いのウルグアイ・ラウンド決断まで、そしてまたその後までどうしてもわからない、脳裏を離れない問題が幾つかありますので、それを最初に申し上げて、農水大臣のお考えも伺いたい、こういうふうに思っております。
 まず第一に、私は農業というのは日本の森林と殊に水田というこのシステムは世界に冠たる社会システムであるというふうに思っております。すばらしいシステムである。しかも、歴史的にこれによって日本はテークオフのチャンスもつかみ、ここまで来る経済大国の基礎もつくったというぐらいにまで思っております。
 その第一は、まず、これはある地理学者の話によりますと、日本は海底からはかると大体八千メートルから一万メートルの高さにあるというわけであります。これはヒマラヤと同じです。それから長さもヒマラヤと同じです。幅もヒマラヤと同じだ。そこへ世界の二倍半の雨が降るのであります。世界の平均の雨量が七百三十四ミリ前後であります。日本が千八百十五ミリ前後であります。したがって、その高い峻険な山脈にそれだけの雨が降るのであります。しかも、日本の岩石というのは花崗岩質、内部風化しやすいそういう花崗岩質のものでありますから、ほっておけばこれは瓦れきの山になるのは当たり前、ヒマラヤと同じように峨々たる裸の山になるのは当然なわけであります。
 しかし、日本はそうならない。なぜかといえば、これは先人の苦労もありまして、国土の六八%が森林で雨を食いとめるダムの役割をしているということがまず第一であります。そのダムから流れ出るものは渓流、川、用水等を通じて田んぼに注がれていきます。だから私は、プロ野球じゃありませんけれども、森林と水田のダブルストッパーを日本は持っていると言っているわけであります。そういうふうなことで国土の保全がなされている。
 例えば、これがいかに大切なことかは、昔のギリシャもローマも森林の過伐、そして林間放牧で森林をだめにして、それで文明は滅びたということからもよくわかると思うのであります。そして、そういうふうな国土の保全と水サイクルの保持、生態系の維持、こういった役割を日本の国土に対する対応システムはちゃんと持っているわけであります。
 それから第二には、水田がこれがまたすばらしいシステムである。これによって、例えば地下からアルカリ分をサイホン現象で吸い上げたといたしましても、そのほかのいろんな廃物を吸い上げたといたしましても、これはやがて流すことができるということです。これはどれほどすばらしいかといえば、昔のメソポタミア、今のフセインが暴れているイラク、あそこは昔非常にすぐれた農地であったわけでありますが、それがこのアルカリ現象によって塩の砂漠になってしまった。日本は水田であるからそういうものを全部流すことができるということで、これは同時に非常に高い連作性ということにもつながっていくわけであります。
 それもさらに、水田でありますための要素が大きいと思うんですけれども、単位当たりの有機物の生産性というのは、世界で一番高い生産性を持った稲というのを生み出しているわけであります。稲が土地当たりの生産性が非常に高いものですから、これは狭い土地で多くの食糧を賄うことができる。同時に、これは人口密度からしましても非常に稠密な人口密度を支えることができる。人口密度が高いということは、同時に情報密度が高いということでありますから、ニュービジネスは幾らでも日本では成長する、育つというわけであります。だから、工業化が速かったのもこれを考えないとわからないというふうに私は思っております。
 だから、さっき申しましたように、廃棄物を流して環境に優しいシステムである、それから人口密度の高いシステムを育てることができるということで、初めの国土の問題とあわせて、私はこの三つが日本のすばらしいシステムであるというふうに思っておるわけであります。これは森林と水田のベストミックスであります。だからそういうことで、これを破壊するというのは私は日本人のあるいは日本文明の崩壊につながっていくと。最近、日本衰運とかいろいろ言われておりますけれども、一つはやはりこういうことも、自分の宝である、祖先からの宝であるこういうシステムを自分の手で破壊してきているというところに問題があるのではないかと思っておるわけであります。
 したがって、農水大臣にお願いしたいのは、この森林と水田のシステムというのをぜひ農政の最重要課題としてこれからもキープしていっていただきたい、本当に心からお願いをいたします。
 それでもう一つは、こういうことを申しますのは、よく水田の問題というと米の問題だと言うんですけれども、確かに米の問題には違いないんですけれども、同時に国土の問題であり水サイクルの問題であり、それから環境保持の問題であり、食の安全の問題であるというふうに考えていかなければいけないのだろうというふうに思っております。そういう複合的なすばらしいシステムというのを日本は持っているということが、現状を考える場合に非常に大きな意味を持つというふうに思っております。
 だんだんに食糧が余るというふうなことで減反減反とやってきたわけでありますけれども、この減反というものを私はもう十年ぐらい前からストップするべきであるというふうに言ってきたわけであります。もちろん、減反をストップすれば過剰な米がどうなるかということは起きてまいりますけれども、あみいは他用途米の利用とか、あるいは食糧の粉化とか、最近は玄米を粉化する技術というものが非常に進んでまいりました。あるいは、さっき皆さんの御議論にも出てまいりましたけれども、ODAでの輸出とか、いろいろ過剰に対する手はあったと思うんです。それを減反一本に絞ってくるということになりますと、それじゃ今度のような不測の事態が起きたときにもう一遍田んぼに返せといったって、これはなかなかできるものではありません。
 現に、イギリスが一八四六年に日本と同じような考え方を持ちまして、国際分業論ということを持ち出しまして、米や小麦は買えばよろしい、その代金は世界の工場であるイギリスは幾らでも稼ぎ出すことができると思ったわけです。ところが、それで実施しましたら、今度は田んぼが九割方崩壊をしてしまいました。
 イギリスの工業はどうしたかというと、そういう時期によそから買えたかというと、イギリスの工業は繁栄が続いたのは二十五年間だけです。たった二十五年です。それで、しかも、しまったということで今度はまた田んぼをもとに戻して増産をしようといっても、これはおいそれとはいかない。イギリスが七〇%の自給率に返ったのは、実に自由化後百年、一九四六年ですよ。そこまでいってやっと七〇%に回復した。イギリスは普通の田んぼだからあるいはその土地は簡単に回復するかもしれません。日本の水田は一遍つぶしたら百年やそこらじゃもとへ戻らぬでしょう。
 そういう点がありますので、日本民族の将来を考えると、やはりどうしても水田というのはキープする必要がある。だから、我々は今度の事態に対しましても、さっきから御議論が出ておりますので繰り返しませんが、備蓄二百万トン、もみで二百万トンという提案をしているわけであります。だから、仮にミニマムアクセスで若干米が入ってきても、これはできればその備蓄に入れて、そして現場の生産には影響を与えない、こういうことが大変重要だと思いますけれども、こういうこともひとつぜひ大臣のお心にとめておいていただきたいというふうに思っております。
 今度は調査費が何千万円かついておりますから、我々はできれば最初からそういったもみ備蓄の予算というのを組んでいただきたかったわけでありますが、せめて調査費がついておりますから、これは我慢しなきゃならぬかもしれません。
 それからもう一つ、先ほどからも議論が出ておりますけれども、ウルグアイ・ラウンド交渉はここまで来たわけでありますが、私は初めからこのウルグアイ・ラウンドの問題については、考え方の統一というものが関係各国の間に若干できてなかったんじゃないかと思います。
 米はまさしく商品であります。しかし、単なる商品ではありません。水田は装置であります。しかし、単なるこれは装置ではありません。これはさっき言ったような大きな社会システムの一環であります。だから、それをなぜ日本が維持しているか、なぜ日本が大事にしてくれと要求しているかといえば、やっぱりこれが日本の、日本人のあり方として、国土あるいは自然に対する最適なシステムであるからです。
 こういう最適なシステムをつくるというのはどこの国も努力しているはずである。例えば、ヨーロッパはヨーロッパで、とにかく氷河が削った土地でありますから本当に地味が低い。だから広い土地が必要になる、冬場の食糧として畜産が必要になる。それぞれのシステムを持っているわけです。アメリカだってそうであります。だから、それぞれの一番いいシステムをお互いに採用しているのでありますから、それをお互いの間で認め合うということがなぜできないかということであります。
 ですから、私は、今後のウルグアイ・ラウンドの後の措置といたしまして、次の世界の農産物貿易というのが、また必ずやそのあり方とか仕組みとか、これは問題になってくると思うんですけれども、その場合にまず第一に、各国のそういうふうな国土、自然に対する適応のあり方、これはお互いに認め合う、理解し合うということから始めないと強い国のエゴがまかり通るということになってしまう。日本のように米は食糧という観念だけで対抗していますと、これは対抗できない、理論武装できないと思うんです。ですから、やっぱりその辺をきっちりして、そしてできれば従来のガット条約の修正、これにぜひ生存権という一条を入れてもらいたいというふうに私は思っております。
 日本のシステムをよく理解してもらう、外国のシステムも自分も理解する。そして、お互いに生存権というものを認め合う。この生存権というのは最適な社会システムであるということで、ぜひこういった努力をお願いしたいと思っておりますので、まずその辺を大臣はどういうふうにお考えになるか。
 先ほどからよく聞いていますと、水田の集約化という線は出てきておりますが、どうも水田全体の規模は原則として減らさないんだ、しかし状況によって減らすんだと。ちょっと私はわかりかねたんですけれども、その辺も含めてぜひ一言御感想をいただきたいと思います。
#161
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま小島先生から大変貴重なうんちくに富んだ御意見を交えてのお尋ねをいただいたわけでございまして、私におきましても、先生の今御指摘の事柄を心にとめてこれからも努力をしていかなくちゃならぬというふうに考えるわけでございます。
 これはちょっと話がわき道に入るかもしれませんが、私どもが子供のころからよく言われましたのが、山があって田んぼがあってそのお互いの相乗効果があって、それにもう一つはその沿岸の漁業。これは、山があって田んぼがあってその付近の海洋域において初めて漁業が盛んである、三位一体であるということを私どもの田舎の方では昔から言われておったわけでございまして、最近いろいろな専門的なお話の中でもやっぱり三位一体であるということがよく言われるわけでございます。
 ただいま先生からもお話がありましたように、日本の地形からいたしまして、これからの特に日本民族が心していかなくちゃならない国土のありよう、土地の利用方針、こういうものを今先生に御指摘いただいたんではないかなというふうに考えるわけでございまして、とりわけ何といっても日本の場合は林地が七〇%近い、そしてまた残された農地が一四%といったような今日の姿でございますので、私自身はやはり農地は減らしてはならない、面的にも数量的にも減らしてはならない。
 さような中で新農政等々、残念ながら問題はやはり後継者、農業従事者の方々が、先ほども申し上げましたけれども六十歳以上の方々が約五〇%。十年後あるいは十五年後ということを考えますと、どうしてもそういった方々の少なくとも現在の三分の一はリタイアされるということも頭の中に置いておかなくちゃならない。さような意味合いでの水田あるいはまた農地の維持ということを考えますと、法人化等々の問題を進める、あるいは中山間地域に対しまして、かなり地域ぐるみでもっていわゆる将来方向あるいは将来の作付等々を考えながら問題展開をやっていかなくちゃならない、こういうことを考えるわけでございます。
 逆に申し上げれば、先生御指摘のとおり、もう限度いっぱいにきているそういう中において、米の問題は最低輸入量という問題はございますが、少なくとも基本的には国内産でもって自給体制そのものを維持できるようなそういう方向での努力をしていかなくてはならぬ、こういうようにも考えさせていただいておるわけでございます。
 さような意味合いでは、特にこれから国際社会の中における御指摘のようないわゆる位置づけ、環境の問題、国土保全の問題でも大きく御理解願う努力を今から世界各国に向けてあらゆる機会を活用しまして、農水省におきましても、外交問題としましても、内閣としましても努力をしていかなくてはならない重要課題ではないかな、こういうように受けとめさせていただいている次第でございます。
 ありがとうございました。
#162
○小島慶三君 どうもありがとうございました。ぜひそういうことでこれからの新農政にさらに新をかぶせた新しい農政のスタンスとしてひとつやっていっていただきたいとお願いを申し上げます。
 それから、私もちょっとこれから申し上げようと思っておりましたものに中山間部の問題があるわけでございます。
 それで、今の新農政の軸を占めている水田の効率化、水田の規模拡大ということについては、先ほども笠原先生からも少し御意見がございましたけれども、若干私は疑問を持っております。大きいということだけで、それで生態系の維持とか、それから親がちょうど子供を育てるような綿密な土地の手当てとか、そういったものが果たしてできるのだろうか。
 私は、前後五、六回中国へ参りまして生産性の指導ということをやったわけでありますけれども、中国の場合にやはりあそこの生産性の向上に一番役に立ったのは、農業の面ではケ小平のやった人民公社の解体であるわけです。要するに、ただ人民公社というああいうふうなシステムで労働の生産性を上げるというそういう方向というのは、これはうまくいかなかったわけです。それで、結局家族経営的な手法というものを取り入れて人民公社というものをいわば民営化したわけであります。それが非常に農業の生産性の向上に役に立った。
 逆にソビエト・ロシアの方は、これはコルホーズ、ソホーズというふうな大農方式で機械化でやっている。過剰な農業を投入して結局あの宝庫ウクライナで飢饉ということが起こった。私はちょっと耳に信じがたかったんですけれども。そして餓死者も出たということで、これは中国式のそれぞれの働き手に土地を任せるというやり方、これを学ばなかったからだと思っているんです。結局、ロシアがアメリカに頭を下げて冷戦が終わりましたのも、これはやっぱりウクライナの土地の疲労であります。だから、そういった点で果たして大農式一辺倒でこれからの農業がいいものかというふうに私は疑問に思っているわけでございます。
 そういう点も一遍じっくり御検討いただきたいと思っておりますけれども、仮に今の農水省のようなお考えで、大きくまとめる兼坂方式みたいなものだけでやろうということになっても、恐らくそれに当てはまる条件の土地というのはそう多くないと思うんです。仮に平野部の一部がそうなったといたしましても、経済的な合理性だけを追求するようなそういうやり方でいきますと中山間部は恐らく崩壊してしまうでしょう。
 しかし、農業のコストというのは単に労働コストの反映としての商品コストだけでなくて、環境のコストも生態系のコストもみんな入っているんです。トータルなコストとして考えないから日本の米、農産物は高いとかそういうことが言われるわけであります。アメリカの一見安い農産物だって、これはトータルのコストとしては決して安くない、環境を崩壊させているわけですから。土地の流亡とか水の枯渇とかそういうものをもたらしているわけでありますから、これはアメリカの農産物だって決して安くないというふうに思うんです。日本はその点トータルのコストを農産物、水もしょっているわけでありますから、その辺を裸で比較するのは全く理不尽な話であります。そういうふうな比較をされますと中山間部は立つ瀬がありません。
 しかし私は、中山間部というのはある意味では日本の農業の原点でもありましょうし、それからやっぱりあそこがだめになりますと、さっき言った森とそれから水と土、このかかわり合いが全く変わってしまうでありましょう。そこを担う人もなくなるという程度に過疎化してまいりますと、中山間部は全く崩壊してしまいます。だから、農水省の方で非常に今度の予算でも中山間部の担い手とかそういった点で御苦労いただいておりまして、私は全くそれは同感なのでありますが、ただ金をやれば済むということではいけないんじゃないかというふうに思っております。
 それで、私、前に立地センターという仕事をしておりまして、そのときからの懸案で、中山間部の村おこしというのを一体どうするかということでいろいろやってまいったわけでありますが、殊に最近では農水省の御指導で特産物とかこういったハーブとかいろんなものを育ててきております。花なんかも育てておりますが、もう一つ、例えば生産者と消費者の間でお互いに顔の見える関係をつくる。
 観光農場とか観光牧場とか最近いろいろできておりますけれども、さらにそういうところに例えば農場であれば食肉の加工までするといったような工場をインプットする。それから鶏でも何でも、その後、鶏を食べるようなレストランも入れていく。そして、そういうところに小学生やなんかも連れていって一日農業、一日牧場を体験させる。もちろんママが連れていけばいいわけでありますが、場合によっては亭主が一緒に行けばよい。そうすると、お互いにめったに顔を合わせない家族が日曜とかいろんなときにそういった牧場、農場やあるいは工場へ行って手づくりのいろんな喜びも味わいながら一日暮らせるということで、これがやっぱり新しい生産と流通とそれから教室と観光と全部備えたようなシステムであろうと思うのであります。
 そういうふうなシステムを持った新しい農業と工業を融合したような仕組みがだんだんふえつつあります。だから、そういう点も中山間部としてはこれは大いに役に立つのではないか。先端工業も単に持っていったというだけではこれは一過性でしかありません。地域の参加もなければ家族の参加もありません。それにかわる生産者と生活者といいますか、それが一体になったようなシステムをつくるということもこれからの大きな課題であるし、また逆にそういうところまで出かけていくという喜びを一般の市民に与えるということもこれも大変なメリットがあろうと思います。
 そういう都市と農村との関係というものをこれから考えていけば、魅力のあるものが随分できてくる。現にできつつあります。また、そういうものができれば人の問題も大分考えやすくなるというふうに思うのであります。
 要するに、後継者がいないと今言われましたけれども、例えば私は全国に二十ばかり小島塾というのを持っておりますけれども、その一番北の北海道に北竜町というのがあります。これは人口三千、ヒマワリの里と言っておりますけれども、農協のトップが外国へ行ってヒマワリの里を見てきて日本でもこういうふうにしようということで、全町ヒマワリなんです。ここには若い人が喜んで帰ってくる。だから、農業の後継者がいないという家はないわけです。それから都会からも大分人が帰ってくる。ことしも八人、町で引き受けて、そしてやっているそうであります。
 都会は確かにこれから住みにくくなりますし、やっぱり空気も水も、それから働く条件や何かも、通勤でも、非人間的な状況にだんだんなっていくということになれば、必ず人は魅力のある土地に向かって帰っできます。だから、そういう人をどうすれば受け入れられるかという方にむしろ問題が私はあるのではないか。
 せっかくUターンで帰ったんだけれども、村八分になってうまくいかなかったという例もないわけではありません。私どもの塾でも随分そういうふうな形で人が帰っております。だから、こういう方面も悲観すべきではないというふうに思います。これはやっぱり魅力のあるところがあれば若い人が行かないわけはないわけです。殊に最近の女性は、こんな都会の非人間的なところで子供も一緒に団らんを持つということもできない、これは嫌だというので亭主を引っ張っていく、そういう傾向もあるようであります。
 それから、もう一つ私は農業の可能性として申し上げておきたいのは、今のところ農業の将来性について非常に暗い見方をする人が多いわけでありますが、私はそうは思わないのであります。「農に還る時代」という本も書きましたけれども、どうしてそんなことを言うんだといろいろ質問されるんですが、その一点はこういうことなんです。
 これからの社会、工業社会というのは非常に難しい問題をたくさん抱えている。殊に化石系を原料とした工業というのは、これはなかなか原料資源の問題もありますし、それから廃棄物もなかなか処理できない。全体の半分近くが廃棄物になるというのがその化石系の工業のシステムでありますから。これはやっぱりこれから、環境基本法も通りましたし、それから恐らくPL法も出るでありましょう、そうすると工業の社会というのはなかなか難しいというふうに思うんです。
 ところが、農業も林業も畜産業も水産業もこれは全部有機物ですから、この有機物というのは捨てられた場合でもいずれ微生物が全部処理をしてくれる。そして、また無機物を排出しまして、その無機物はまた、木の根っこを通じて光合成されるということで、これは本当に無限の循環であるわけです。そういった意味で農業には廃棄物問題というのはないはずなんです。今はそれを利用していないだけでありまして、これは完全にリサイクルできる、農産物も林産物も畜産物も全部利用できる、そういうものなんです。
 これまた利用すれば利用したで付加価値が生まれます。今までは、例えば農村でつくったものの二六%がかつて昭和四十年から四十五年にかけては農村にとまった。今、九%しかとまらないです。それは全部よそへ流れているわけです。だから、農村でさっき言ったようなシステムをつくるということも一つでありますし、それからそういうふうな有機物をリサイクルする、こういうシステムをつくることも一つであります。
 例えば、都市で処理に困っている下水汚泥。下水汚泥から、これを微生物処理して、そしてコンポストにして堆肥にする。これをやると非常に植物の育ちも早くなる。年輪が数倍になるとか、あるいは田んぼの収穫も考えられないくらいの生産性が上がる。この間の冷害のときにも影響はなかったといったような例もあります。
 そういうふうに農業と工業と微生物を利用して循環させるという手もありますし、私は農業の将来というのは決して暗くないというふうに思っております。
 人の問題というのは、さっさ言ったように、魅力のあるシステムづくりをすればいいということでありますので、コストダウンも確かに農業の生き残る一つのあれでありましょうが、コストダウンと同時に付加価値をプラスするというふうなことをぜひお考えいただきたい。
 私、これを生意気にも生命系の産業コンプレックスと言っておるんですけれども、農業も林業も畜産業も全部生命系ですから、そういう点で、もう一つぜひ大臣のお考えの中に入れておいていただきたいというふうにお願いをいたします。
#163
○国務大臣(畑英次郎君) 先生御指摘のとおり、これからの農業問題等々を考えます場合におきましては、経営規模の拡大というのも、その許される地理的条件の地域においては推進を図っていく。しかしながら、御指摘がございましたように、やはり複合経営である、あるいはまたとりわけ中山間地域、過疎地域、こういうものに対するこれからの施策といいますものが重要課題ということで、ここ数年来力が入ってまいっておりますことも御案内のとおりでございます。
 先ほど、小島先生御指摘のような都市と農山村との触れ合いの場、あるいはまた本年度、平成六年度の概算要求等々の中にも盛り込まさせていただいておりますが、当地域の活性化事業の中にございましては、都市の家族連れの方々が現地においでになって、場合によっては農業の実態に御参加を願うとか、あるいはまたその恵まれた環境、自然といいますものに触れていただくとか、こういうことがこれからの大きな必要な大切な要素ではないかなというふうに考えております。
 ただいまお話を伺いながら、いささか手前勝手なことを言わせていただければ、来年度予算の中にもかなり、今御指摘をいただきましたような要素を踏まえた新規事業等々も、例えば中山間地域への若い方々の定着、あるいはベンチャービジネスといいますか、そういうような意味合いでの取り組みもでき、そしてまたそれにいささかてこ入れをさせていただく、そういうような要素も組み込まさせていただいているわけでございますが、これからも一層ただいまの御指摘の内容を踏まえた農政の展開をやってまいりたいと、かように考えております。
#164
○小島慶三君 決算委員会でございますので、さっき申し上げました三つの問題のうちの一つだけでもお伺いをしたいというふうに思います。御了承をいただきます。
 まず、水田農業確立特別交付金の交付効果についてということでございます。これは、たしか平成二年の総選挙を前にして自民党政権時代の平成元年の補正予算に計上された水田農業確立特別交付金、これはどういう目的、趣旨で交付されたのでありましょうか。また、その効果をどのように期待していたのでありましょうか。せっかく農水省、これからアフターウルグアイ・ラウンドのいろんな施策に向けて全力投球をなさるときでありますので、この点もできれば全体の予算の効率化ということも含めていろいろ勉強しておきたいと思うんですが、またその効果をさっき申しましたようにどういうふうに期待しておられたのか、現在はこれからどういうふうに考えられるのか、まずこういう点ひとつ伺いたいと思います。
#165
○政府委員(日出英輔君) 先生、今お尋ねの水田農業確立特別交付金でございますが、現在転作目標面積が六十万ヘクタールでございますが、当時転作目標面積が平成元年度までは七十七万ヘクタール、それから二年度からが八十三万ヘクタールということで、我々といたしますと転作の政策上経験のない面積をこなさなきゃいかぬという、そういう状況でございました。
 加えて、転作奨励金についての合理化といいますか、見直しということで基本額の単価を減らしまして、例えば加算額を重点化するといったようなそういうことも考えながらでございますが、今申し上げましたように何分にも八十三万ヘクタールという転作目標面積をどういう形で実現していくのかといったときに、いずれにしても多様な水田農業、水田農業は一色ではございませんので、多様な水田農業というものを地域の独自性といいますか独自の工夫の中からつくっていこう、こういう趣旨で、実は使途を決めないでこの後期対策を実施します上で適切な共同事業に使う経費だと、こういう形でこの交付金が仕組まれたわけでございます。
 具体的には地域間調整活動を推進するとか、あるいは土地基盤整備を進めるとか、あるいは景観形成作物の作付費に充てるとか、私どもとすれば、大多数は今申し上げましたように大変難しい状況の中ででございますけれども、転作の推進に大いに役立ったというふうに理解をいたしておるわけでございます。
#166
○小島慶三君 ありがとうございました。
 私、これを質問いたしましたのは、実は会計検査院の方の検査結果、平成三年度決算検査報告を読んでみますと、会計検査院から、水田農業確立特別交付金について検査して、そしてその結果を踏まえて農水大臣に意見が出されております。それで、これについてどういうことでこういう意見が出されたのか、ひとつ検査結果をわかりやすく御説明をいただきたい。会計検査院の方にお願いをいたします。
#167
○説明員(平岡哲也君) ただいまお話にありましたように、元年度に市町村に交付をされました水田農業確立特別交付金でありますけれども、水田農業確立後期対策、これは平成二年度から四年度までの間に実施をされたものでありますけれども、水田農業確立後期対策の円滑な推進に資するために適切と認められる共同事業に要する経費に充てるものということで交付をされたものであります。
 この交付の趣旨から申し上げまして、後期対策の期間内に事業の効果を確保することが要請されていると認められるわけでありますけれども、これについて私ども調査をいたしましたところ、十三県の八百八十四市町村の交付金など約七十一億円について検査をいたしましたところ、本件交付金の趣旨に照らして適切とは認められない事態というものが約三十七億円あったということであります。
 幾つか態様を申し上げますと、例えば後期対策が最終年度である四年度を迎えた時期におきまして、交付された多額の交付金の全額またはその過半が未使用となっているというようなケース、あるいは市町村から地元推進協議会等に一括配付をされました交付金が配付先で滞留をしたものとなっているようなケース、あるいは交付金によりまして自動車とかOA機器を調達しておるわけでありますけれども、その使用形態等から見まして交付金事業として効果的に使われだということが認められないケース、こういったことなどであります。
 こういうことを踏まえまして、私どもといたしまして、未使用となっておりました交付金につきましては、その後の状況を把握していただきまして適切な措置を講ずるとともに、今後この種の交付金を交付する場合にはその必要性等を十分検討の上、交付目的、使途等を明確にするなど、交付金の趣旨の徹底等について適切な指導を行い、その効果を十分確保するよう努める必要があるというふうに判断をいたしまして、その旨意見表示を申し上げた次第であります。
#168
○小島慶三君 ただいま会計検査院の方からお話があったわけでありますが、これに対してそれでは農水省の方でどういうふうに自後対応されたのか。私のような水田マニアには大変気になるところでございます、ぜひひとつ。
#169
○政府委員(日出英輔君) 先ほど申し上げました交付金でございますが、関連する市町村数が三千六十四ということで、かなり広範な市町村にまたがっているわけでございますが、いずれにしましても交付金の使途を明確に決めずに地域の自主性で、特に市町村と農協が相談をして使途を決めていく、こういうものでございましたので今会計検査院から御指摘のようなことも一部にはあったわけでございます。
 そこで、例えばまだ金額が残っておりました市町村に対しましては早急に使用計画をつくって適切に使用するようにとか、あるいは既に機械等を導入していた市町村につきましては交付金の目的に沿った適切な利用が行われるようにとか、こういった細かい指導をその後いたしておるところでございます。
#170
○小島慶三君 それから次に、農山漁村振興基金の設立の経緯、それから運用状況等に絡みましてひとつお尋ねをしたいと思います。
 この基金がつくられましたときに、元年度の補正予算の説明、これは今改めて読んでみますと、中山間地域活性化対策及び土地利用型農業経営体質強化策を緊急に行うための基金の造成に関する経費の補助というだけで、これは法律予算ではなかったようであります。それで五百億円を予算で補助するということでありますが、どういう団体に資金を補助するのか、これは中身は利子助成でありますが、どういう仕組みで利子助成を行うのか、この辺のところが説明がないので何かこれはよくわからないわけでありますが、この辺のところについてこれは初めに大蔵省の方から、それからまた後、農水省の方から御説明をいただきたいと思います。
#171
○説明員(寺澤辰麿君) 農山漁村振興基金への予算につきましては、先ほど先生から御指摘ございましたように、予算の説明の中にそのような資料を提出しているところでありますが、詳しい内容につきましては、農水省におきまして法律案審議の過程等において個別に詳しく説明をしたと伺っております。
#172
○政府委員(眞鍋武紀君) この農山漁村振興基金でございますが、これは近年の農林漁業を取り巻きます非常に厳しい状況を踏まえまして、一つは生産性の高い農業経営を育てていくというふうなこと、それからもう一つは先ほど来御指摘のございます中山間地域の活性化を図る、こういう二つの目的を持ちまして設立をされたわけでございますが、御指摘のとおり平成元年度の補正予算によりましてこの措置がされておるわけでございます。そこで、平成二年度から五カ年計画で、金利負担の一%に相当する利子助成を行うというふうな目的で農山漁村振興基金というものが設置をされたわけでございます。
 それで、そのときの経緯でございますが、これは平成元年度の補正予算で、先ほど御指摘のございましたように補正予算等の説明ということでその中で説明が書いてございますほかに、これは利子助成の対象の一部でございます中山間地域活性化資金、先ほど御指摘のございました中山間におきましていろいろな企業が入りまして活性化を図るために必要な資金でございますとか、そこで加工流通施設を設置するための資金でございますとか、そういうふうな中山間地域活性化資金というものを創設する必要があったわけでございます。
 さらに、土地利用型農業経営体質強化資金というふうなことで農林漁業金融公庫法の改正、こういうものが必要だったわけでございますので、そういう資金の創設についての法律改正を補正予算とあわせまして国会で御論議をいただいたわけでございます。
 その中で、農林水産委員会でございますが、その利子助成の方式等々についても、あるいはどういうところに基金を設置するかということについても御説明をし御審議をいただいたということでございます。
#173
○委員長(三上隆雄君) 時間です。
#174
○小島慶三君 時間が来ておりますので、私の質問はこれで終わらせていただきますが、今の設立の趣旨はわかりましたけれども、現実には利子助成の対象額は二千四百億円程度というふうに私の手元には資料が届いておりますが、これは当初六千億円程度を予想されていたというふうなことでございますので、これはもう少し実効を上げるようにぜひお願いをしたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#175
○横尾和伸君 公明党の横尾和伸でございます。
 まず初めに、留学生の受け入れ対策についてお聞きしたいと思います。
 昭和五十九年にいわゆる留学生受け入れ十万人計画が打ち出されまして、これは目標が二〇〇〇年で十万人を達成するということでございますが、一九八三年実績で約一万人という実態であったそうでございます。約十年後の一九九三年、昨年の五月時点で五万人を突破して数の上では順調に伸びているということでございますが、このベース自体が我が国の実態からして意外なくらい少ないという気はいたしますが、一方では目標達成に向けて急速に伸びているということで数字の上では一見安心できるかのように思えます。内容につきましては、このような状況を踏まえて総務庁が昨年の九月に「留学生の受入対策に関する行政監察結果に基づく勧告」を出されました。
 国力に応じた国際貢献が内外から強く求められている中でございますが、留学生の受け入れについては、我が国の国際貢献の一形態としてむしろ将来的には柱の一つとすべきではないかと私は思っているわけでございます。受け入れが急速に進みつつある現在、総務庁が勧告をしたということ自体まことにタイムリーであったと思います。勧告の内容はもちろん各般にわたるものでございますが、教育の内容や体制それ自体につきましてはまた文教委員会等の場に譲ることとしまして、今回は留学生の住居の確保問題についてお尋ねしたいと思います。
 私は地元が福岡選挙区であることもございまして、場所柄、つい一月ほど前に九州大学の何人かの留学生と懇談をする機会を得ました。話題は広範になりましたけれども、その中で、今住んでいる寮を数カ月後に出なければいけない、あるいはアパートを探しても断られてしまってまだ見つからない、あるいは家賃が高い、敷金、礼金が高いということで大変悩んでいたんです。
 そういった話の中で、実はその方々は私に対して依頼をすることを一切しなかったんです。その態度が私にとっては大変気高く、誇りを持っているなというふうに感じまして、感動した次第でございます。こういう人たちが次世代のリーダーになるんだなと実感して、一方では納得し、さわやかな感じを受けました。むしろ、こういう方々がこんなことで悩まないで済むようにしなきゃいけないんだということを痛切に感じた次第でございます。私に依頼がなかったというのは、それに値するほどの信頼感なりそういったものがなかったのかもしれませんけれども、やはり気高さ、誇りといったものはさわやかに感じた次第でございます。
 総務庁のアンケート調査の結果でも、やはり住居の確保問題というのはかなり中心的な問題として浮き彫りにされております。そういった観点からお尋ねしたいと思います。
 まず、総務庁にお尋ねしたいんですけれども、この昨年九月に出されました勧告に関しまして、特に留学生の住居の確保についての勧告の趣旨と内容について簡潔にわかりやすく御説明いただきたいと思います。
#176
○政府委員(田中一昭君) お答え申し上げます。
 まず最初に、監察の趣旨について御説明したいと存じます。
 留学生の受け入れは、申し上げるまでもございませんが、国際貢献としての人材養成、我が国と諸外国相互の教育研究水準の向上、相互理解や友好親善、我が国の大学の国際化等々、こういうことを図る観点から極めて重要でございます。
 政府は、ただいまも委員の方からお話しございましたが、留学生受け入れ十万人計画を立てましてその推進を図っておりますけれども、急増しております留学生を円滑に受け入れるとともに、優秀な留学生が積極的に我が国への留学を希望するようにするために、まず留学生に関する教育研究条件、それと宿舎等の生活条件の整備充実等々、留学生受け入れの基盤整備を進めることが必要であります。また、留学希望者に対する的確な留学情報の提供や、帰国留学生に対する各種の支援施策を充実することが必要となっております。
 ただいまお話しの監察は、このような状況を踏まえまして留学希望者に対します情報提供、留学生に対する教育、留学生の生活等への援助、帰国留学生に対する支援等の実態を調べまして関係行政の改善に役立てるということを目的として実施したものでございます。平成五年九月十三日、文部省と外務省に対しまして勧告いたしました。
 さて、お話しの留学生の住居の確保に関する調査結果と勧告の概要でございます。
 この監察の中で住居の確保……
#177
○横尾和伸君 手短かにお願いします。
#178
○政府委員(田中一昭君) 住居の確保についての調査結果を申し上げますと、第一に、文部省では留学生宿舎の整備を推進しておりますが、留学生数の増加に追いつかないということから留学生の八割近くが民間の下宿、アパートに入居しておるということであります。
 こういうことから、大学等での留学生に対する住居のあっせんが重要であると考えられますけれども、調査しました八十一大学等の留学生に対する住居のあっせんの方法を見ますと、家族同伴の留学生が公営住宅に入居できるように積極的に支援している大学や、これもただいまお話がございましたが、留学生宿舎から退去せざるを得ない場合に民間住宅への円滑な入居のためのオリエンテーション等を実施するなど積極的に支援している大学があります一方で、留学生の宿舎探しに特に配慮しておらないという大学等もかなりございます。
 第二に、留学生が民間アパートに入居する際に家主から保証人を求められますけれども、保証人が見つからないために多くの留学生が指導教授等に保証人を依頼している状況が見られたということであります。教授等からの聞き取り調査によりますと、多くの教授が保証人を依頼されたとしておりまして、中には一人の教授で十数人の留学生の保証人となっている等々、教授等に個人的な負担がかかっている状況がございまして、したがいまして……
#179
○委員長(三上隆雄君) 答弁者は簡潔にお願いします。
#180
○政府委員(田中一昭君) これらの調査結果から、文部省に対しまして二点勧告いたしました。
 一つは、留学生の宿舎等の整備を引き続き進めますとともに、留学生を受け入れている大学等に対しまして留学生の住居の確保により一層配慮するよう啓発指導せよということ、第二に、留学生が民間アパートに入居する際の保証人につきまして、身元保証制度を設けている大学の例などを参考にしながら組織的な身元保証制度の創設を含め、その確保対策を検討してくださいという趣旨のことを勧告いたしました。
 以上でございます。
#181
○横尾和伸君 文部省に、その後半年を経ているので、その勧告を受けた後の対応についてお聞きしたいと予定をしておりましたけれども、時間の都合がございまして質問ができなくなりました。
 そこを飛ばしまして、結論の部分について総務庁長官にお尋ねしたいと思うんですが、留学生の住居の確保については、今御説明のありましたように、勧告では大変厳しい問題を指摘されております。大変ですけれども、それゆえにこそ勧告後のフォローアップが大切なわけでもあります。タイムリーな勧告であるだけに、本当にその勧告の結果が生きるか否かというのはこのフォローアップにかかっているかと思います。
 この点に関して、特に今後の国際貢献の柱の一つにしたいと願っている私の気持ちを察していただいて、長官のお考えをお尋ねしたいと思います。
#182
○国務大臣(石田幸四郎君) この留学生の問題につきましては、平成五年五月現在で五万二千四百五人というふうになっております。特に、平成元年から五年にかけて総数では二万一千二百五十四人というふうにふえておりまして、いわゆる十万人計画がようやく軌道に乗ってきたというような受けとめ方をいたしておるわけでございます。三年、四年、五年、ここら辺を見ますと、やはり三千五百人前後毎年ふえているような状況にございます。
 この留学生の問題につきましては、今監察局長からもいろいろ御報告申し上げたとおりでございまして、日本の経済事情、受け入れ側の方の経済事情によりますが、それぞれの国から来ているわけでございますから経済事情は大変違うわけで、特に住居の入居要件、要するにそういった貨幣価値の問題等が絡んで大変厳しい状況にあります。しかし、せっかくこのように多くの留学生を受け入れようとしているわけでございますので、総務庁としてもこの実態、また今後の改善に対する注目を大変いたしておるわけでございます。今後もそういう角度からできるだけのフォローアップをしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
 さらに御報告を申し上げますと、昨年の十一月ですか、細川首相と金泳三大統領との日韓首脳会談がございまして、そこで、いわゆる韓国の短期留学生、こういう者を受け入れるようにいたしておるわけでございます。この実施状況を文部省に伺ったわけでございますが、かなり改善をされてまいりました。
 特に、短期交換学生については、日本人の派遣学生のためにはいろいろな助成制度があるわけですが、受け入れ学生に対しては既存の留学生向けの奨学金制度を利用する以外に方法がなかった、こういうような状況でございまして、学生交流計画の協定が締結されても実行が伴わなかったというような嫌いがございます。
 しかし、今回の韓国に対する措置というものは対象人数はまだ百人程度でございますが、奨学金制度として月額十万円を支給する、また往復の旅費を支給する、また渡日の一時金として一回限りでございますが五万円を支給する、こういうふうに大幅に韓国問題については今改善をされようとしているわけでございます。初年度は韓国からの留学生を対象にしたものでございますが、七年度以降は人数また対象国も広げたいというような考えで進めておりますので、総務庁としてはこれらの動向を期待し、また大幅にそういった留学生の環境整備をしてもらいたいと思っておるところでございます。
 ただ、今監察局長からもお話がございましたように、実際に日本に来てそれぞれの大学で学ぶ、しかし生活環境はやはり他国との為替レートの関係は大変厳しいわけでございます。日本の住居費は非常に高くついている。ここら辺のところを十分に今後も調査をしながら、実効性のある留学制度、いわゆる国際化というような意味合いでは各大学間の、各国のいろんな交換制度が拡大をされておりますし、将来の国際交流ということを考えますれば、あるいはまた国際親善というものを考えますれば、これらの人たちが日本で本当に学んでよかったというような実感を持ってもらえることが将来の国際交流には大事なポイントでございますので、十分その点に配慮しながら行政を進めるよう努力してまいりたい、このように決意をいたしているところでございます。
#183
○横尾和伸君 ぜひお願いいたしたいと思います。
 次に風倒木、平成三年九月に台風十七号、十九号による森林災害がございました。大変大きな規模だったことを御記憶の方も多いかと思うんですけれども、この点に関しまして、その後のいわゆる後片づけも済んでいないという実態を踏まえてお尋ねしたいと思います。
 まず、この台風による森林災害についてのその被害の概況について、これぜひ全国的な数字で手短にお答えいただきたいと思います。
#184
○政府委員(塚本隆久君) 平成三年九月の台風十七号、十九号における民有林における立木の折損、あるいは倒伏等の森林被害についてでございますが、九州地方を中心とする三十都道府県に及んでおりまして、被害区域面積は約六万ヘクタール、被害額約千二百四十億円となっております。
#185
○横尾和伸君 私は、地元の関係で筑後川流域、大分、熊本、福岡とこの実態をこの目で何回も見ているわけでございますけれども、今のお答えで、筑後川流域だけではないということがよくわかりました。三十道府県、六万ヘクタールという大変大規模なものだと。
 その復旧状況ですけれども、時間の都合もありますのでこれも全国の数字で結構でございますが、実質二年半たっておりますけれども、その復旧状況の全国的な数字についてお尋ねしたいと思います。
#186
○政府委員(塚本隆久君) 復旧状況でございますが、平成三年度から鋭意復旧作業を実施してきているところでございます。
 そして、その数字につきましては、激甚災害法が適用されておる地域において実施されております森林災害復旧事業、これは被害木の処理面積で全国的には平成五年度十二月末現在で五三%となっております。
 また、激甚法の対象となっていない一般の地域における被害森林についての復旧状況については、一般の造林補助事業等によって行われておりますが、これについての復旧の進捗率は全国で五一%ということになっております。
#187
○横尾和伸君 大まかに言って約五〇%程度の復旧状況だと理解をいたしましたが、重立ったところでもですけれども、秋田、石川、山口、福岡、佐賀、大分県と大変広範にわたっているわけでございますが、約五〇%の復旧だそうでございます。
 ところが、実際には現地の実態はちょっと違うんではないかという面もございます。ある現地の新聞等の声を二、三拾ってみますと、災害の復旧事業の期間である五年間で倒木を片づけるなんて無理だ。十年はかかる。また、別な新聞では、「倒木の搬出だけでも十年から二十年はかかる、というのが関係者の一致した見方だ。」と。これは場所が違うので先ほどの内容と違うんですけれども、そういったことが言われております。筑後川流域の例、私が見聞きしている例だけからしても、とても半分の処理が終わっているとは思えない実態がございます。
 最近では、昨年の十二月に私は現地に行ってほぼ一日かけて山の中を走らせていただきましたけれども、道路際とかあるいは民家のすぐ上のかけの崩壊とか、そういったところは確かに緊急を要するということで片づけられておりました。しかし、山の中腹あるいは中の方に入ったところでは、かなり危ないであろうと思われる、危ないというのはがけが崩れるだろうと思われるところでも、そのままの状態で放置されているところが大変多かった。そういったことからすると、五〇%というのは面積で言っているのだと思いますけれども、実際これから残った五〇%を処理するということは、今までのと同じ力で五〇%が、今までかけたお金と労力を同じようにかければ五〇%ができるかというと、私の実感ではとてもできない、大変なところが残っているという気がしてなりません。
 そういった観点から、地元の最近の新聞、最近といいましても昨年の十二月ですけれども、もう二年と少しだった時点でのことでございますが、ちょっと西日本新聞の「こだま」という読者の声の欄の一部を紹介したいと思います。
  山の斜面には一昨年の十九号台風による風倒木が未処理で、やっとの思いで通った。いまなお残る風倒木の山が日田・玖珠地区には多い。
  今年六月の杖立温泉のかけ崩れで、死者や家屋倒壊の原因は、懸念されていた風倒木の二次災害との研究結果が出た。上津江村でも同様な被害があった。復旧作業は遅々として進まず、慣れぬ処理作業で犠牲者が出たり、山をあきらめる林業家もいるのは至極残念である。ということでございます。
 こういったことで、ちょっとパネルを用意してきているんですけれども、大変悲惨な状態でして、これが風倒木で被害を受けた山の一部でございます。(写真掲示)こんな状態でして、完全に倒れたものと一部分がすぽっと吹き飛ばされたような形のものとがございます。これが倒れたところが多い、根こそぎ倒れているところでございます。こういったところが、実はこれはちょっと見にくいかと思うんですけれども、これは山全体でございまして、全体というか一つの山でございまして、山のこの茶色になっている部分が倒れている部分でございます。これが百数十カ所、この筑後川の流域だけでもあるわけでございます。
 もう一つ専門家のこの件に関しての意見を紹介しますと、「倒木の根が腐り始め、十年後には完全に腐ってしまう。植えつけた苗木は、斜面の崩壊を防止するだけの根が張っておらず、今後、十数年間にわたって、「山の崩壊」が心配される。」、これは平成四年の地元の読売新聞でございます。
 もう一つ朝日新聞の記事を紹介しますと、これは筑後川の例でございますが、「倒木は筑後川流域全体で千五百万本から二千万本。梅雨の大雨でわずか一%」、これは二十万本に当たりますが、「一%が駆け下るだけで、あちこちで鉄砲水を起こし、ダムの機能もまひさせるはずだ」、こういうことが載っておりまして、この平成四年四月の朝日新聞の記事から約一年たった昨年の六月の梅雨のときに、ちょっと見にくいかもしれませんけれども、こういったいわゆる山崩れで、土木流という名前をつけられているようですけれども、土木流があちこちで発生した。
 その結果、これは筑後川の上流ですけれども、松原ダムというダムですけれども、三十万本の材木がこのダムに流れ込んで機能麻癖。まさに一年前、この事件の一年数カ月前に言われていたことがそのまま起こった。
 これはどういうことかというと、一%程度の材木が梅雨の雨で流されたということです。つまり、これを一生懸命片づけたとしても、これは毎年梅雨が来ればこういう状態が起こる。また、梅雨に続いて台風など豪雨が集中したときにはこれは大変なことになる。それがこれから約二十年間近く続くんではないか、こういう状況でございます。
 二次災害防止の観点から、こういった流木被害を農水省としてどのようにとらえているかお尋ねしたいと思います。
#188
○政府委員(塚本隆久君) 被害跡地の復旧につきましては、これまで人家に近いところで二次災害が発生するおそれのある箇所が優先的に実施されてきている、あるいは林道の周辺の地域を優先的に実施してきているということでございます。したがいまして、五〇%と申し上げましたけれども、残っております五〇%は奥地に点在しているわけでございまして、これからそうした奥地の被害跡地の復旧につきましては、条件的にも大変厳しいわけでありますので、これまで以上にいろんな努力が必要であろうというふうに考えておるところでございます。
 今後、林道網等を整備する中で高性能機械を導入する、あるいはまた他県かも労働力の応援をいただく、こういったことも必要でありましょうし、また、先ほどダムに流入した流木の写真を見せていただいたわけでございますが、こういったことにつきましては、治山事業等を通じまして風倒木を除去することはもちろん、上流から流れてくるいわゆる流れ木をとめるためのスリットダム、こういったものを数多くつくることによりまして、なるべく下流への流木の被害というものが少なくなるように今後全力を挙げてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#189
○横尾和伸君 地元の話ばかりで恐縮でございますが、筑後川を例にとってもう少しお話しさせていただきたいんですが、筑後川流域にはヤマシオナという野菜がございます。これはタカナの一種だそうでして、昔々、上流の阿蘇の方からタカナの一種の種が出潮とともに流されて、出潮というのは聞いてみますと大洪水のことなんだそうです。暴れ川であった筑後川が、まあ土石流みたいなイメージだと思うんですけれども、山そのものが潮のごとく押し寄せてくる、そして川をはんらんさせるというそういうことが頻繁にあった。そういう中で治山また治水がなされて現在の状況があるんですが、山そのものが今回このように根底から大きく状況が変わったとなりますと、今後、またこの出潮というものに値するような大洪水によって下流域の人たちの生命や財産が危なくなるということも十分考えられるわけです。
 そういったことから、林業の立て直しということのみならず、下流の人たちの生命や財産を危険から守るという観点からもこれは本気にならなければいけない、私自身そう思った次第でございますが、実は昨年の十月のある会合で畑農水大臣と御一緒させていただきました。大臣はお気づきにならなかったと思いますが、実はそのとき二次災害問題で、この十九号台風関係で大臣が私が今申し上げたことと全く同じ認識で大変なんだということをお訴えになっておられた姿を見て、私は意を強くするとともに感動いたしました。
 そんなこともありまして、昨年の十二月に時間を見つけて現地を見に行ったということでございますけれども、今申し上げたような状況で、やっぱりこれは五〇%といえども実態はそんな甘くないんだということを確認してきた次第でございます。
 筑後川流域を例にしましたけれども、実は全国の問題でありますので、そのことを踏まえて、ぜひとも畑農水大臣の底力をここで発揮していただかないとこの問題は絶対解決しないんじゃないか。国土庁にもまた別な場でお願いをするつもりでございますけれども、まず畑農水大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#190
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど来横尾先生のお話を伺いながら、御指摘のございました日田、上津江、すべて私の地元でございます。さような意味合いで、地元の市長を三期やっておった関係もございましてつぶさに承知をいたしておりまして、実は農林水産大臣に就任する前は、かなり厳しく林野庁長官に対しまして、二次災害は間違いなく起きますよというような意味合いの指摘をしながら、幸いに林野庁におかれましても、農林水産省におかれましてもここ二、三年来、大変なこの二次災害の問題、風倒木処理の問題は懸命の御努力を賜りまして、いわゆる復旧計画に対しましては五〇%、しかしながら地域の方々はやはり三〇%ぐらいしか済んでいないんではないかなというのが実感ではなかろうかというふうに考えます。
 一つの原因は人手がないこと、そしてまた残念ながら材価が低いこと、そういうことによっての残念な今日の姿でございますが、先ほど御指摘がございましたように、国有林のお立場の方々が仲間意識を持って、そしてまた林野庁の前向きな対応の中におきまして、ただいま全国の国有林の関係の職員の方々がこの風倒木処理にも泊まり込みで当たっていただいておる。あるいはかって自衛隊の方々が延べ四十万人出動を賜った。そういうことの中でも、ある意味ではそれほどのことをしましてもなかなか片づかない大問題。
 しかし、御指摘のような実情にございますので、私自身は当時雲仙岳の土石流等々の問題がございましたが、土木流という命名者は私ではなかろうかというように思うわけでございまして、横尾先生のような御理解者のありますことを心強く感謝を申し上げながら、層一層ベストを尽くしてまいりたい、かように考えております。
#191
○横尾和伸君 終わります。
#192
○委員長(三上隆雄君) 他に御発言もないようですから、農林水産省、総務庁、経済企画庁及び農林漁業金融公庫の決算の審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時散会
     ―――――・―――――

ソース: 国立国会図書館
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