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1994/05/30 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 決算委員会 第2号
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1994/05/30 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 決算委員会 第2号

#1
第129回国会 決算委員会 第2号
平成六年五月三十日(月曜日)
   午後六時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任
     喜屋武眞榮君     下村  泰君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     清水 達雄君     野村 五男君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     溝手 顕正君     松谷蒼一郎君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     野村 五男君     清水 達雄君
     松谷蒼一郎君     溝手 顕正君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     西野 康雄君     庄司  中君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     今井  澄君     峰崎 直樹君
     小島 慶三君     山崎 順子君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     今井  澄君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     長谷川 清君     直嶋 正行君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     長谷川 清君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     溝手 顕正君     岩崎 純三君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     溝手 顕正君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     浜四津敏子君     武田 節子君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     清水 澄子君     肥田美代子君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     肥田美代子君     清水 澄子君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     野末 陳平君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         三上 隆雄君
    理 事
                北  修二君
                守住 有信君
                稲村 稔夫君
                今井  澄君
                風間  昶君
                高崎 裕子君
    委 員
                笠原 潤一君
                鎌田 要人君
                佐藤 静雄君
                清水 達雄君
                鈴木 貞敏君
                永田 良雄君
                南野知惠子君
                矢野 哲朗君
                会田 長栄君
                喜岡  淳君
                庄司  中君
                中尾 則幸君
                堀  利和君
                小林  正君
                野末 陳平君
                長谷川 清君
                山崎 順子君
                武田 節子君
                横尾 和伸君
                下村  泰君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
       労 働 大 臣  鳩山 邦夫君
        ―――――
       会計検査院長   矢崎 新二君
       検  査  官  佐伯 英明君
        ―――――
   政府委員
       厚生大臣官房総
       務審議官     佐々木典夫君
       厚生省健康政策
       局長       寺松  尚君
       厚生省生活衛生
       局長       柳澤健一郎君
       厚生省薬務局長  田中 健次君
       厚生省社会・援
       護局長      土井  豊君
       厚生省老人保健
       福祉局長     横尾 和子君
       厚生省児童家庭
       局長       瀬田 公和君
       厚生省保険局長  多田  宏君
       労働大臣官房長  征矢 紀臣君
       労働省労政局長  齋藤 邦彦君
       労働省職業安定
       局長       七瀬 時雄君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     渡邊  信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 重夫君
   説明員
       総務庁行政監察
       局監察官     笹岡 俊夫君
       文部省生涯学習
       局社会教育課長  水野  豊君
       運輸省運輸政策
       局消費者行政課
       長        淡路  均君
       会計検査院事務
       総局第二局長   森下 伸昭君
       会計検査院事務
       総局第五局長   中島 孝夫君
   参考人
       環境衛生金融公
       庫理事長     坂本 龍彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成三年度一般会計歳入歳出決算、平成三年度
 特別会計歳入歳出決算、平成三年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成三年度政府関係機関
 決算書(第百二十六回国会内閣提出)
○平成三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百二十六回国会内閣提出)
○平成三年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百二十六回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三上隆雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 皆さん御承知のように、今百二十九国会はいろいろ異常な状況で進行しております。この決算委員会についても、そういう事態に対処しながら、各党各会派の御協力をいただきまして、審査の促進そしてまた濃密化を図るという意味で、この時間帯に開催することを御理解いただいて、これから開催することにいたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(三上隆雄君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月十日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君が選任されました。
 また、去る四月十九日、西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として庄司中君が選任されました。
 また、去る五月十日、小島慶三君が委員を辞任され、その補欠として山崎順子君が選任されました。
 また、去る二十四日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として武田節子君が選任されました。
 また、本日、泉信也君が委員を辞任され、その補欠として野末陳平君が選任されました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(三上隆雄君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(三上隆雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に稲村稔夫君及び今井澄君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(三上隆雄君) この際、会計検査院長矢崎新二君及び検査官佐伯英明君からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。会計検査院長矢崎新二君。
#7
○会計検査院長(矢崎新二君) 去る四月十二日、会計検査院長を拝命いたしました矢崎でございます。
 微力ではございますが、全力を尽くして職員を全ういたす所存でございますので、何とぞよろしく御指導御鞭撻のほどお願い申し上げます。
#8
○委員長(三上隆雄君) 次に、検査官佐伯英明君。
#9
○検査官(佐伯英明君) このたび検査官を拝命いたしました佐伯でございます。
 まことに微力ではございますが、最善を尽くして職員を全ういたしたいと存じます。何とぞよろしく御指導御鞭撻のほどお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(三上隆雄君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#11
○委員長(三上隆雄君) 速記を起こしてください。
 平成三年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、厚生省、労働省及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(三上隆雄君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(三上隆雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(三上隆雄君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#15
○南野知惠子君 大内厚生大臣の再度の御就任おめでとうございます。
 私は、参議院自民党の南野知惠子でございます。
 質問をさせていただきますが、国民福祉税を目的とした消費税引き上げの構想というものは一夜にして撤回されました。現政権におきましては税の直間比率の是正が第一課題とされておりますが、税制改革にとっても高齢社会の福祉問題が前提となるとされるほどに、将来の福祉構想が出発点であると言われております。
 四人に一人がお年寄りといった超高齢社会を健やかで安心できる社会にするために、自民党でもこれまで長年業績を積み重ね、いつでもどこでも受けられる介護サービスの確保のために自民党政権時代にゴールドプランをつくりましたが、超高齢社会の基本となる介護対策は今後も強力に推進されるべきであると思います。
 去る三月二十八日に、厚生省は少子・高齢社会に向けての二十一世紀福祉ビジョンを発表されました。ビジョンの中では、老後生活に関する国民の不安の多くは、経済面よりもむしろ寝たきりや痴呆状態になったときの介護に問題があると指摘されております。寝たきりや痴呆状態は、程度の差こそあれだれにでも起こり得るものであり、こうした状況を社会の必然としてとらえ、介護に不安のない社会を築いていくことが、安心できる福祉社会づくりの大きなポイントであると報告されております。現在、介護サービスについては、サービス量が十分でないこと、提供機関や利用手続についての情報が得にくいこと、保健・医療・福祉にまたがるサービスの中から個人のニーズに最もふさわしいサービスを選択することは容易ではないこと、サービス内容が画一的であること、ニーズに対応する多様な民間サービスの健全な発達が必ずしも十分でないことなどの問題点が具体的に指摘されております。
 そこで、厚生大臣にお伺いしたいのですが、ゴールドプランの見直し、介護対策の現状について、具体的に指摘されたこれらの問題に関して、どのような政策で介護対策を充実させようとしておられるのか、お答えをお願いしたいと思います。
#16
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のように、超高齢化社会の到来は避けて通ることのできない日本社会の大きな流れでございまして、今介護を必要とする御老人の数は約二百万人、二〇〇〇年の段階では二百八十万人、二〇二五年の段階に入りますと何と五百二十万人にもふえる、こういう事態が生まれております。
 したがいまして、これまで推進してまいりましたゴールドプランというものについて何らかの見直しというものを行わなければ、この介護に対する対応ができません。したがいまして、私どもは、来年度に向けまして新ゴールドプランというものを発足させまして、そうした要介護対象者に対する介護に対して万全の体制を整えたい、こういう考えを持っております。
 それは具体的にはどういうことを意味するのかといえば、言うまでもなく施設あるいは在宅のサービスの目標水準というものを思い切って引き上げるということが必要であると考えておりますのと、保健・医療・福祉を通じた利用者本位のサービス提供などの視点に立った総合プランとしてこれを策定しなければならないと考えている次第でございます。
 昨年来、御案内のとおり各自治体に対しまして老人保健福祉計画の策定といったようなものをお願いしてまいりまして、ほとんどの自治体においてこれの策定がほぼ完了をしているわけでございますが、その内容を踏まえまして財源の確保を配慮しつつ早急に新ゴールドプランの策定に入りたい、この夏には来年度予算の概算要求がございますので、何とかそれに間に合わせるような形でこのプランを確定したい、目下そういう見地から作業を進めておる次第でございます。
#17
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 次は、厚生省では四月十三日に増大する老人介護対策を主目的とした高齢者介護対策本部を設置されたと思います。社会保険制度の仕組みを取り入れた公的介護保険で介護費用を賄う考えを特徴としたゴールドプランの見直しに着手をされたと聞いておりますが、その具体的な検討課題はどのような内容になることが想定されておるのでしょうか。また、制度改正のスケジュールとしてはいつごろ国会に法律が出されるのでしょうか、お伺いしたいと思っております。
#18
○政府委員(佐々木典夫君) ただいま大臣からゴールドプランの見直しについて御説明申し上げたわけでございますが、今先生からお尋ねのありました件につきましては、厚生省におきまして去る四月に高齢者介護対策本部を、事務次官を本部長といたします省を挙げての介護問題に取り組む体制をしいたところでございますが、これをめぐって今後どんな形で、どんな方向で検討していくのか、そのようなお尋ねと承ってお答えをさせていただきます。
 実は、この介護対策本部を設けましたことにつきましては、ただいまもお話がございましたゴールドプランをまず着実に実施し、さらにそれを大幅に見直していく、そして今世紀中に介護の基盤整備をきちっとやるというようなことでまず取り組むわけでございますが、その基盤整備を前提にいたしまして、さらに、本当に介護の需要がある人が身近なところで必要なサービスがよりきちっと受けられる体制を二十一世紀をにらんで固めていく、このような観点から設けたところでございます。
 先ほど先生も御指摘なさいましたように、現状でございますと、介護をめぐりましてはそもそもサービス量が十分でないことを初めとして、数点御指摘がございましたように、多くの改善事項がございます。そういったような問題に取り組む観点から、実は先般三月二十八日にちょうだいいたしましたいわゆる二十一世紀福祉ビジョンの中でも、新しい二十一世紀に向けた介護システムの構築に向けての提言をちょうだいしているところでございます。そこの提言も踏まえまして、さらにその中で以下五つの視点をいただいております。
 一つには、医療・福祉などを通じて高齢者の介護に必要なサービスを総合的に提供できるシステムであるべきだ。二つ目には、高齢者本人の意思に基づき、専門家の助言を得ながら、本人の自立のために最適なサービスが選べるような利用型のシステムを考えるべきではないか。三つ目には、多様なサービス提供機関の健全な競争により、質の高いサービスが提供されるようなシステムであるべきではないか。四番目に、増大する高齢者の介護費用を国民全体の公平な負担により賄うシステムが必要ではないか。そして五つ目には、施設・在宅の両方の対策を通じて費用負担の公平化が図られるべきではないか。こういったようなことを視点に入れて新しいシステムの検討が指摘を受けているところでございます。このようなことを踏まえて、介護対策本部を発足させて今鋭意検討に入っているところでございます。
 対策本部におきましては、ただいま申しましたような視点を踏まえ、そして先ほど先生から御指摘いただいたような現状を踏んまえまして、四月十三日発足以来まさに調査研究に取りかかっておるところでございます。さしあたっては、各自治体における介護施策の実情の把握、それから利用者の意識の調査、あるいはドイツ等の他国におきます介護施策の動向把握などの基礎的な調査に今入っているところでございます。鋭意これらを進め、先ほど申しましたような視点に沿ったシステムづくりに向けての検討に励んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#19
○南野知惠子君 今御説明にあったかと思いますが、これが介護保険制度というものの概要でございますでしょうか。
 また、ドイツでも介護保険制度が開始されようとしているということをお聞きいたしておりますので、その状況もお知らせいただければと思っております。
#20
○政府委員(佐々木典夫君) 対策本部におきまして検討の方向は、まさに検討を開始したところでございまして、今先生の方から介護保険かというお尋ねでございますが、まさにいろんな角度から幅広い検討に着手したところでございまして、必ずしも保険方式ということを前提にした議論をするとかいうことではまだございませんで、幅広く検討を進めているところでございます。
 今ございましたドイツにおきましては、確かに介護保険方式ということで先月、まだほやほやでございますが、四月の末に介護保険が制定されたというふうに私どもも承知をいたしております。この場合は、とりあえずの私どもの情報では、いわゆるドイツの健康保険の仕組みがございますが、そこの保険者、疾病金庫と言っておりますが、そこがあわせてこちらの介護保険の保険の機能も引き受けてやるという方向であるというふうなことを承知いたしております。今まさに第一の情報が入っておりますけれども、このドイツの新しい制度等につきましてはよくよく研究をさせていただきたいというふうに思っております。
 先ほど申しましたように、我が国の介護システムをどうするかということにつきましては、先ほど申しました視点を踏んまえて、我が国に即したものをこれから多角的に検討してまいりたいというふうに思っております。
#21
○南野知惠子君 では、現在進められているゴールドプランの見直しということについて、その内容とスケジュールというものがございましたらお知らせいただきたいと思っております。
#22
○国務大臣(大内啓伍君) 先ほどちょっと申し上げたのでございますが、介護問題というのは二〇〇〇年を越えまして二〇二五年にかけての非常に長期の問題でございます。ゴールドプランの見直し、つまり新ゴールドプランの発足というものは緊急事態、緊急措置と言ってもいいのでございますが、したがいましてこれは来年度の予算編成に対しましても要求していかなければならないといったようなものでございます。
 この中身につきましては、もう既にビジョン等でも明らかにしているのでございますが、例えばホームヘルプサービスにつきましては現在週一回から二回でございますが、これを将来は週三回から六回。デイサービスにつきましては現在週一回でございますが、これも二回から三回。老人訪問看護サービスにつきましては現在同じく週一回でございますが、これもできれば二回ぐらい。ショートステイサービスにつきましては現在四回でございますが、これを年六回にする。つまり介護を必要とする御老人が毎日何らかのケアを利用できるようにする。そのために施設サービスについては入所を希望する方が待つことなしに入所もできる。こういったような一連の中身を盛った新ゴールドプランというものを来年度から発足させたい、こう考えている次第でございます。
#23
○南野知惠子君 二十一世紀初頭には寝たきり百万人、痴呆百五十万人と推定されており、そのすべての人が施設に収容されることは不可能であります。在宅ケアは避けられないと言われておりますが、厚生省の「二十一世紀福祉ビジョン 少子・高齢社会に向けて」と題するパンフレットにおいては、在宅介護サービスのためにホームヘルプサービス、それからデイサービス、ショートステイ、老人訪問看護サービスなどが組み合わされることが示されております。これらの中で老人訪問看護ステーションの役割は大きくなると思うのですが、その推進方策はいかがでございますでしょうか。
#24
○政府委員(横尾和子君) 老人訪問看護ステーションにつきましては、かねがねその整備箇所数を二〇〇〇年までに約五平というふうに目標を置いているところでございます。平成六年の三月末現在で約四百弱のステーションが開設されているところでございます。今後その整備の促進を図るために鋭意努力をしてまいりたいと存じますが、既に平成五年度におきましては社会福祉・医療事業団による開設時の融資制度を創設いたしました。
 また、本年四月の療養費の改定におきまして老人訪問看護の療養費を引き上げましたり、あるいは利用回数を、従来週二回までとされておりますのを回数をふやすような措置もいたしまして、利用者が利用しやすい方向に施策を展開しているところでございます。
 また、御提案を申し上げております医療保険制度の改正を待ってということではございますが、本年度でき得れば訪問看護ステーションの設備整備のために新たな補助制度の創設も予定をさせていただいているところでございます。
#25
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 今療養費は引き上げられるということをお聞かせいただきましたが、利用者が多くて効率的に活動できる大都市ではよろしいんですが、人口が多くない町村部での療養費は運営に難点があるのではないかと思うんですが、療養費をさらに引き上げるよう設定すべきとお考えでしょうか、お聞かせいただきたいんです。
#26
○政府委員(横尾和子君) 先ほど申し上げましたように、訪問看護ステーションの数が四百弱ということでございまして、全国的に動向を把握するところまでなかなかいっておりませんし、またその四百弱の訪問看護ステーションの多くが開設後半年または一年というふうに経営の期間が短うございますので、十分な実態把握ということはなかなか難しゅうございますが、今後の動きについては機会を得て検討させていただきたいと存じます。
#27
○南野知惠子君 では、質問を変えさせていただきますが、診療報酬におきます基準看護の見直しなどの問題でございます。
 厚生省中央社会保険医療協議会は、五月二十日に付き添いの解消と基準看護の見直しの方針を決定したと報道されております。私どもは基準看護についてその役割は大きいものと思っておりますが、国民に良質な医療サービスを提供しますのには、良質な看護を保障するだけの看護要員の数を確保することが必要であり、その配置基準を保障できる経済的裏づけが不可欠であると主張してまいりました。
 現行の基準看護制度は、保険医療機関における看護要員の人件費の相当部分を看護料金として診療報酬で保障し、国民が受ける看護サービスやそれを支える看護体制の向上のために大きな役割を果たしてきたと思います。今回の見直しは、看護婦及び准看護婦を評価する体系とそれ以外を評価する体系とを組み合わせた新看護料体系をつくり、それと一般病院については患者二人に一人の看護・介護職員の体制づくりを推進するとともに、付添看護・介護を廃止するものと説明されているようでございます。
 そこで、厚生大臣に質問でございますが、これまでの基準看護の果たしてきた役割をどのように評価されておられるのでしょうか。今回の見直しに当たっても、看護婦をふやすという基本的なお考えは変わっておられないと思いますが、お伺いいたします。
#28
○政府委員(多田宏君) これまでの基準看護制度の評価でございますけれども、基準看護制度は病院である保険医療機関が責任を持って看護を行える体制を確立することを目的といたしまして昭和三十三年に設定されたものでありまして、我が国の看護体制の充実に大きな貢献をしてきたというふうに考えておるところでございます。しかし、制度創設以来既に三十年以上を経ておりまして、その間、看護類型が非常に多岐にわたり複雑化してきているというようなこと、あるいは基準看護を実施している病院においても特に介護の面で必ずしも必要なサービスが提供されていないという御指摘もあるというような問題が生じていることも事実でございます。
 こういうことから、中医協の基本問題小委員会の報告でも指摘されておりますように、時代のニーズを踏まえてさらにその向上を図るように見直すべき時期に来ているのではないかということで、現在見直し作業に入っているところでございます。
#29
○南野知惠子君 現在の基準看護における看護婦、准看護婦の比率は、国民が看護サービス、医療サービスを受けるための最低水準の基準であると思います。看護婦が看護の責任を常にとれるようにするためには、現在の看護婦、准看護婦の比率以上の看護婦割合と数を確保することが必要だと思います。
 そこで、質問させていただきたいのですが、今回の基準看護の見直しによっても現在の看護婦、准看護婦の比率は維持されるのでしょうか、あるいは看護婦比率が高まることになるのでしょうか。もしならないのであれば今より看護の水準が低下すると思いますが、どうでしょうか。お伺いいたします。
#30
○政府委員(多田宏君) 現在の基準看護制度におきましては、看護婦、准看護婦及び看護補助者の比率が看護類型においてさまざまに設定されてございます。比較的手厚い看護類型におきましては、これらの看護要員の総数のうち看護婦を五割配置するということを基本としているという状況であることは先生御承知のとおりでございます。
 今回の医療保険制度の改正を前提といたしました十月の診療報酬の改定につきましては、二月の中医協の答申におきまして、従来の看護婦、准看護婦及び看護補助者一体の看護料体系というものを先生今お話しのように見直すことにいたしまして、看護婦及び准看護婦を評価する体系とそれ以外の看護補助者を評価する体系とを組み合わせた看護料体系とするという方向が示されているところでございます。
 具体的には今後さらに中医協の御議論を踏まえまして検討していくということになるわけでございますけれども、いずれにいたしましても現行の看護の質と量を担保するということを基本的な考え方として踏まえた上で見直しを進めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#31
○南野知惠子君 ぜひ数と質を担保していただきたいと思っておりますが、基準看護がとれない病院につきましては、病院の機能を明確化するとともに、正看護婦が採用できるように診療報酬上の条件を整備して正看護婦の就業者数をふやすことが必要ではないかと思っておりますが、厚生省のお考えはいかがでございましょうか。
#32
○政府委員(多田宏君) 付き添いに頼らない看護・介護体制を確立するということを目指しまして、現在国会に提出している医療保険制度の改正案を前提とした十月の診療報酬改定におきまして、中医協の御議論を踏まえて、看護補助職員を手厚く配置できるような評価を行うように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 また、看護職員の確保につきましてはこれまでも重要な問題として位置づけているところでございまして、看護婦等の人材確保の促進に関する法律に基づく基本的な方針を踏まえまして各般の施策を進めていくことが必要だという認識に立っております。
#33
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 さらに、付添看護・介護の廃止ということがございますが、患者、家族の負担にならなくなるということは前進でございます。それは私もいいことだと思いますが、現在、職業紹企業務や付き添いの業務に携わっておられる方々が心配しなくていいという政策を、厚生大臣、労働大臣にそれぞれお伺いしたいと思っております。
#34
○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘いただきましたように、付添看護・介護につきましては、時によっては十万円を超える患者負担が生ずる、あるいはそのサービスの質においていろんな問題があるということが指摘されてまいりました。したがって、現在国会に提出をいたしております医療保険制度の改正の一環といたしまして、私どもといたしましては原則として平成七年度末をもちましてこれを解消したい、こういう考えを持っておるわけであります。
 しかし、その解消を円滑に進めていくためには、看護補助職員に対する診療報酬上の評価を行うこととあわせまして、現に付添婦として働いておられる方々の雇用に対する配慮、あるいは付添婦の紹介事業を行っている紹介所の理解と協力が不可欠であると考えておりまして、そういう見地から、本年三月に厚生、労働両省におきまして家政婦対策等連絡調整会議というものを設置いたしまして目下鋭意検討しているわけでございますが、その検討の中でそうした関係者の皆様の御意見も十分承り、それらの方向について御協力を賜りたいと思っている次第でございます。
#35
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほどまで開かれておりました衆議院の予算委員会の方では、先ほど大内厚生大臣からもケアを必要とするお年寄りの数の発表がありましたけれども、例えば少なくとも二〇〇〇年には寝たきり老人が百万人は超すであろうというようなことで、今後の産業構造の変化と労働力の移動というようなテーマの中で、介護労働力の圧倒的な不足ということが起きてくるので今後それをどういうふうに、調達という言い方がいいのかどうかわかりませんが、していったらいいのかというようなことが議論になっておったわけですね。
 片や、参議院の決算委員会の方にお邪魔をいたしますと、ただいまの南野先生のお話は、私は厚生行政はよくわかりませんが、いわゆる基準看護、介護という考え方は、患者、家族の負担を軽減するというか、あるいは一つの病院という建物の中で看護、介護をできるだけ完了せしめるというそういう発想からきているんであろうと。そうなりますと、今までいろいろな紹介所を通して個人のお宅へもあるいは病院へも来ていただいて面倒見ていただいていた、いわば介護についてのプロであるそういう方々が病院から締め出されてしまって一体どうなってしまうのかと、こういうお話でございます。
 そもそも労働行政というのは働く意欲があって一定の能力を持った方と需要というもの、仕事というものをマッチさせるのが仕事であると考えれば、厚生省とも御相談をして、労働行政の分野ではそこのところがきちんとマッチできるようにいわばお見合いのような仕事をしていくのが正しい、そのように考えております。
 具体的には、政府委員から御説明してもよろしいのですが、既に平成六年度予算において、例えば長年付き添いとして病院の介護業務の中に携わってきた方々に一定の御援助をしてまいるというようなこと、あるいは今後増加していくと思われる在宅介護分野においてどのように有効に働いていただくか、そのお手伝いをしていくというようなこと、講習等を通じて介護していただく方々の質的な向上を目指していくというようなこと、あるいは企業と家政婦紹介所の間を取り持たせていただいて、いわば企業と紹介所団体との提携の中でその企業の関係の方で介護の必要な方があらわれればすぐそこに手が打てるようにネットワークをつくっていくというようなこと、それらの点については、多少のというか、それなりの予算措置を予定いたしておるということでございます。
#36
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 では、次はまた別の質問でございますが、医療施設におきましては現行の看護の質と量を確保するとともにさらに向上させるというのが厚生省の方向だと伺っておりますが、既に基準看護をとって頑張っている病院、これから基準看護をとろうと努力する病院また医療機関に不利にならないようにすることが重要であると思います。看護、介護の質に対する評価については、看護ニーズの複雑化、高度化に応じて専門化を促進するように専門技術料を経済的に保障し、ケア中心の病棟についてはケアの質を評価できる方式とすることが必要であると思いますので、この方向で今後とも御検討していただきたいと思っております。
 さて、中央社会保険医療協議会には看護職が委員に入っておりません。全国百七十万人の医療従事者のうち八十五万人を占める看護職の代表が入っていないのに、先ほど御答弁いただきましたような事柄につきましても看護の議論が行われておりますということは甚だ遺憾と思っております。
 厚生大臣にお伺いいたしますが、中央社会保険医療協議会の委員に看護の代表者を加えるべきではないでしょうか。民主的討議を重んじておられる大臣に八十五万人の気持ちをお伝えして、ぜひ前向きの御答弁をいただきたいと思っております。
#37
○政府委員(多田宏君) 中医協の組織についてのお尋ねでございますけれども、先生御承知のように社会保険医療協議会法という法律に法定をされておりまして、支払い側八名、診療側八名、公益を代表する委員四名という構成になっているところでございます。
 診療側の委員でございますが、これにつきましては医療保険の制度の上で保険医療の担当者というのは保険医及び保険薬剤師ということになっておりまして、その担当者の職能代表として医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員を任命するという形になっておりますので、この点につきましては御理解をいただきたいというふうに考える次第でございます。
#38
○南野知惠子君 大臣にお答え願いたかったのでございますが、法律改正をお願いしたいと思っているのでございますが、大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#39
○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘の法律は、社会保険医療協議会法というのがございまして、ここで定められている趣旨を多田局長の方から今御説明申し上げたのでございます。
 この法律の改正を求める声は、看護婦の皆さんのみならずいろんな方面から出ておりまして、私ども勉強するにやぶさかではございませんが、今の法律の基本を崩した場合には各方面から大変な要請が参りますだけに、非常な混乱も実は予想されるのでございます。しかし、先生せっかくの御指摘でございますので、勉強させていただきたいと思っております。
#40
○南野知惠子君 大臣、前向きに御答弁いただきましたというふうに解釈したいのでございますが、民主的討議を重んじておられる民社党の党首でおられますので、ぜひそこら辺よろしくお願いしたいと思っております。法律改正につきましては、ぜひ私たちもお手伝いさせていただきたいと願っているところでございますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 次に、出生率の低下が今日大きな話題となっております。合計特殊出生率が平成四年には一・五〇と低下しており、今後、社会保障や雇用など社会のさまざまな面に想像を超える影響が及んでくることが心配されます。
 こうした少子化の問題につきましては、国民生活白書や厚生白書でも特集されており、厚生白書には出生動向基本調査の結果としまして、夫婦の予定子供数は理想とする子供数を下回っているという結果となっております。年齢的な問題であるとか家が狭いとか、その他さまざまな理由が挙げられておりますが、子供を育てるのにお金がかかるという経済的な理由が最も高くなっております。俗に子供一人の教育費は二千万円、さらに住宅購入費を四千万円としますと、子供二人を持つ若い夫婦は八千万円を背負っていかなければならないわけでございます。
 現在、経済的支援としての児童手当制度、働きながら子育てをしていくための保育サービス制度、その他児童館、児童クラブ等の制度がありますが、厚生省では六年度予算におきましてエンゼルプラン・プレリュードと銘打って総合的な子育て対策をスタートさせると聞いておりますが、こうした調査結果等も踏まえまして、女性が安心して産み育てやすい環境をつくっていくためにどのような施策が必要と考えておられるのでしょうか、御説明いただきたいと思っております。
#41
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のように、非常に未婚率というのがふえておりまして、今結婚は男性の場合は二十八歳、女性が二十六歳という状況になっておりまして、この二十年の間に未婚率は約倍ぐらいにふえているわけでございます。
 それは、今御指摘いただきましたように、一つは女性の高学歴とそれから就労の増加というものが考えられまして、そこから稼得能力の増大が起こっている。もう一つは、子育て等結婚に伴うさまざまな負担の増加、例えば心理的な不安あるいは身体的な負担に対するいろんな不安といったようなものに加えまして、女性の経済的な地位の向上といいますか、所得の向上によりまして独身生活の魅力の増大といったようなものも実は重要な原因になっているわけでございます。
 したがって、私どもが提案いたしました六年度の予算をごらんいただきましてもおわかりのとおり、女性の皆様が安心して出産あるいは子育てができるようなさまざまな対策というものをかってないほど実は提起しているわけでございます。
 その中心的なものは、言うまでもなく保育の多様化という形で、乳児保育から延長保育から学童保育からいろんなものを出していることは御案内のとおりでございます。私どもは、まずそうした児童家庭対策というものをしっかり進めるとともに、実は今住宅の問題まで出たのでございますが、そうした厚生省分野だけの問題では解決できない問題がございまして、それは一つには雇用、もう一つは教育、さらには住宅といったような総合プランが必要でございますので、厚生省段階ではエンゼルプラン・プレリュードという形で今提起をさせていただいておりますが、できるだけ早い期間にプレリュードをとりまして、そうした総合プランとしてのエンゼルプランという形で提案をしたいと思っております。
 この時期を今申し上げられる状況にはございませんで、各省庁との調整もございますので、そういう観点に立ちまして、先生の御期待にこたえるような児童家庭対策というものをしっかり進めてまいりたいと思っている次第でございます。
#42
○南野知惠子君 時間が迫ってまいりましたので、労働大臣に質問を用意させていただきましたが、ちょっと後回しにさせていただきたいと思っております。
 母子保健につきましては、地域保健の見直しの一環といたしまして母子保健事業の市町村への一元化というものの法案を提出されると聞いております。
 母子保健事業の実施に当たりましては、専門要員である助産婦の積極的活用を図るべきと考えますが、この点において、今後母子保健法の改正に当たってどのように対応されようとしておられるのかお聞きしたい。厚生大臣よろしくお願いいたします。
#43
○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘の助産婦の活用については、妊産婦あるいは新生児の訪問指導として、母子保健の専門要員である助産婦が新生児や妊産婦にじかに接しまして一人一人の心身の特性に応じた保健指導を行うとともに、その相談に応じているものでございまして、母子の健康の保持増進、育児不安の解消のためには極めて重要な意義を持っていると考えておるものでございます。
 新生児等の訪問指導につきまして、今後とも子育て支援のための対策の一環としてその改善に一層取り組んでまいりたいと思っている次第でございます。
#44
○政府委員(瀬田公和君) 大臣の御答弁のとおりでございますけれども、国会に今提案をしております地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案につきましてもちょっと御質問がございましたので補足をさせていただきたいというわけでございます。
 助産婦は妊産婦及び新生児の保健指導についての専門要員でございまして、母子保健事業の実施に当たって、母子の健康の保持増進や育児不安の解消のため重要な役割を担っていくということは大臣がおっしゃったとおりでございます。
 母子保健事業につきましては、従来から助産婦の積極的な活用をお願いしているところでございまして、新生児訪問指導等は助産婦への委嘱を含めまして実は現在でもほとんど助産婦の方々によって行われているところでございます。
 また、国会に現在提案をさせていただいております法律案、母子保健法の改正法案の中におきましても、基本的な母子保健事業を市町村に一元化するに当たりまして、市町村が訪問指導等の母子保健事業を助産婦に委託できる旨の規定を実は設けさせていただいておりまして、助産婦の積極的な活動をお願いしているところでございます。
 今後、母子保健事業の市町村への一元化に当たりましても、助産婦がその専門性を生かし適切に同活動をすることができますように、市町村に対しましても周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#45
○南野知惠子君 今御答弁いただきましたが、子供を産み育てやすい環境づくりということについていろいろと御説明いただきました。その中で、助産婦などによる新生児や妊産婦に対する訪問指導という制度が今あるということもお示しいただきました。それらは核家族の進展により育児ノイローゼといった育児に対する不安に陥りやすい若いお母さん方にとっては非常に有益な制度だと思っております。
 ところが、助産婦に対する訪問指導の単価は、御存じでしょうか、極めて低いという実態がございます。老人訪問看護では月に一回訪問看護に従事した場合、十月から引き上げがあるのでございますが、大体一万円ぐらいになるようでございます。一方、新生児訪問指導料といいますのは、実施する地方公共団体においても差があると思うのですが、一回の訪問指導料が二千円にもならないところがございます。それでは訪問指導に従事する助産婦の交通費さえ持ち出しになってしまうところがございます。助産婦が訪問指導に従事した際には、新生児の問題だけじゃなく、当然そこに母親もおりますので、乳房管理や家族計画など産褥ケアについても母性の指導を行うのでございますから、単価もこれに見合った額に引き上げるべきであると思っております。
 少子・高齢社会と言いながら、二十一世紀の主役になる新生児とその母性支援対策が充実されなければ、高齢社会の対策はさらに不安に陥ってしまうことになるのは明らかであると思います。少子と高齢社会の対策は密接に関連するものと思います。
 そこで、母親、父親、家族が安心できる子育て支援として、助産婦などが行う訪問指導料金の単価を引き上げるべきではないかと考えておりますが、実施主体である地方公共団体が単価を引き上げやすい何らかの工夫をしていただくよう、積極的な方策についてお伺いいたします。
#46
○政府委員(瀬田公和君) 新生児等の訪問指導につきましては、これは母子の健康の保持増進や育児不安の解消のため重要な役割を担うものでございまして、先生から今新生児等の訪問指導について料金が適切でないのではないかというおしかりを受けたわけでございますけれども、実は私たち従来からその充実のために必要な予算の確保に努めているところでございます。
 確かに、いろいろと各地方公共団体におきまして料金が区々であるという問題、または絶対額が低いというふうな問題もございますけれども、子育て支援のための総合的対策をつくっていく中で、今後とも積極的に先生の御指摘の点についても取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#47
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 労働大臣、お待ちいただいて申しわけございません。
 労働省では、育児休業を取得するという労働者に対しまして雇用保険制度から育児休業給付ということを行っておると聞いておりますが、労働省といたしましては、働く女性の子育て支援をこれからどのように進めていこうとされておられるのか。手短にお願いしたいと思います。
#48
○国務大臣(鳩山邦夫君) 実は、今回提案をさせていただいております雇用保険法の改正の中で育児休業給付は休業前の大体四分の一ぐらいの給付を考えているわけですが、これを新設することによって少しでも少子化現象に歯どめを打てるように努力をしてまいりたい。予想いたしますと、育児休業給付を受給するであろう方が多目に見れば年間大体十四万人ぐらいではないか。予算としては五百八十億円を組んでいるわけでございます。
 本来、この育児休業という制度は、官も民もなくてオールジャパンで、すべてが一気にいけばそれが一番よろしいんでしょうが、先生方御承知のように、学校の先生とか看護婦さんとか施設の保母さんとかそういうようなところで、官というか公の方で、公務員の方で始めていって、そして育児のために休むということを理由にして解雇してはいかぬというところまでは来ているわけですが、今回は雇用保険法の改正によって新しい給付をつくって御援助申し上げる、このようにいたした次第でございます。
#49
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 では最後になりますが、世界じゅうにおきましてはいまだ戦火が消えていない状態でございます。人の命の大切さは心ではわかっていても、どうにもならないものがあるようでございます。
 過日、欧州議員会議参加の機会がございました。ボスニア・ヘルツェゴビナの大量虐殺反対をテーマとし、議員及び宗教家による討議が行われました。スピーチの要請を受けまして、私は看護職を背景に持つ者といたしまして、生命の重さや健康の大切さと、戦う双方ともに武器を捨てて話し合い、お互いを信頼できるようになってほしいということを訴えました。さらに、いまだに苦しみを味わっている唯一の核被爆国であることから、ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキと平和の重要性を訴えてまいりました。
 その後、戦禍を味わったザグレブに行きまして、明石代表に会議の国連に対する要望をお伝えしたり、また現地の病院や難民収容所を訪れ面談し、さらに援護物資倉庫なども視察してまいりました。
 戦争には常にやるせない悲しみ、苦しみがつきまといます。また、我が国も過去に非常に悲しく耐えがたい苦しみを経験いたしております。国内外の被災者に対して戦後処理は今日までも行われてきましたが、まだ不満も残されております。自分としましても、例えば中国残留邦人などの対策に議員立法を行うなど積極的に取り組んでまいりました。
 そこで、戦後五十年という大きな節目を間近に控えております。援護行政を所管しておられる厚生大臣として、このような大きな節目に対しどのように取り組まれるのか、御決意をお伺いしたいと思っております。
#50
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のように、来年は戦後五十周年という歴史的な年を迎えるわけでございますから、決意を新たにして、過去の戦争に対して反省の意を表しながら、そこから生まれたさまざまな悲劇に対して国としてもあとう限りの努力を尽くさなければならない、こう決意をしている次第でございます。
 厚生省といたしましては、御案内のように、これまで中国残留邦人に対する援護措置、あるいは戦没者の遺族を対象といたします遺骨収集や慰霊巡拝等の慰霊事業、あるいは戦傷病者、戦没者遺族等の援護といったようなものをやらせていただいてきたわけでございます。
 明年にかけまして私どもがぜひともやらなければならないと考えておりますのは、いろいろございますが、一つは、中国残留邦人の早期帰国と日本社会への円滑な定着の促進、これはできるだけ計画性を持ってやり遂げたいと思っております。二つは、ソ連抑留中の死亡者等に対する遺骨収集等の慰霊事業の推進もしっかりやらせていただきたいと思っておりますし、三つ目には、援護年金の恩給に準じた改善といったようなものも重要な課題だと思っておりますので、それらの諸点について最善の努力を傾注していく決意でございます。
#51
○南野知惠子君 ありがとうございました。これで終わります。
#52
○守住有信君 自民党の守住でございます。
 時間がもう二十分しかございませんので、どっちかというと、回答じゃなくて私の意見を申し上げますのでそのようなおつもりで。そして、大臣はお食事がまだのようでございますので、どうぞ後で行っていただきたいと思います。
 まず、ここは決算委員会でございますから、やっぱり検査院の、特に不当事項の指摘、これが平成三年度は厚生省は七項目、労働省は五項目あるわけでございます。
 それで、四年度の方もちょっと眺めてみましたら同じような項目があるわけでございます。もちろん時代の変化に即応する新しい政策や施策、これは重要でございますけれども、継続的な、毎年同じようなテーマについて不当事項が指摘をされておる、七項目、五項目でございますがね。
 検査院もそういう不当事項の指摘をやっておられて、この決算の場で我々国会議員は超党派でやっていくわけでございますが、ここのところを、回答は要りませんけれども、並みいる各省各局の幹部の皆さんも、毎年同じ不当事項が指摘されておるが、これはみんなどうお考えか。同じ決算委員会の一員として、新しい変化の施策もいろいろございましたけれども、もう一つ継続的な制度、予算の執行、その実態、これについて、私は決算委員会らしく、項目は具体的に申しません、あと私の関心を持っておる別のテーマがございますので。そのことをまず冒頭に御指摘申し上げて、いずれかの場で答弁なり決意なりを十分承りたいと思うわけでございます。
 それからもう一つだけちょっと申し上げて、厚生大臣、お食事の方へ。
 私は前から水の問題、環境、かつてここで、大分前でございますが、竹下総理が大蔵大臣を兼ねておられるときがございまして、それを中心に厚生省、建設省、環境庁等にお並びいただいてこういうことを申し上げました。ふるさと創生の前にふるさと再生をと、小ブナ釣りしかの川。そして地球環境より前に生活環境と。それで、私が知るところでは厚生省に生活衛生局、経済企画庁に国民生活局とございますね。せいぜいそれぐらいで、生活重視、足元、こういうことで私は厚生省が環境衛生の中で非常に重要な役割を占めておると思います。
 そこで、その水の問題は、入り口と出口がございます。入り口は水資源の、量的にも質的にも良質な水の確保。それから後が使った後の生活排水でございますね。それで当時、もう六、七年ぐらい前になりますか、厚生省がバクテリアを逆利用した合併浄化槽、こういう方式を考案されました。それで御一緒に私は大蔵省の主計官のところに行きまして大いに論争したわけでございます。
 そうして大蔵省は、司計課長も後ろに来ておるだろうからよく聞いておいてよ。私生活、家庭の中、住宅等々の中でございますから、個人の住宅等々には補助はやらない、これが大蔵の税金の使い方の鉄則だ。じゃ市町村はできるかと言ったら、市町村はできますと。ならばよしということで市町村にそういう補助を出す。厚生省から三分の一、県から三分の一、そして自治団体が三分の一。それから、次の年には自治省の財政局長のところへ行きまして、やった分だけは交付税でちゃんと後で面倒を見るようにと。こういうことが六、七年前から始まりまして、最初は一億の補助でございましたが、もう百億以上。
 ところが、これを見てまいりますと、片や建設省は昔から公共下水道あるいは流域下水道、それから中山間地域では農水省が農業集落排水施設、これはなかなか意義がありますよ。やっぱりバクテリアを使って厚生省のような同じ方式でその水をまた田んぼに再利用する、リサイクルする、貴重な水資源を。これは中山間地域でございますが、その中間地帯に、都会の近郊も地方都市も町村もと、これが私は合併浄化槽だ、このように考えておるわけでございます。
 もう一つは、コスト的に考えましても、じゃ一世帯、一人当たりのコストがどれだけ余計かかるか比較しろと、これは行政監察局から指摘されまして、そういう比較表も厚生省でもみずからおつくりでございます。やっぱりこの税収、今高齢化社会でいろいろ出ましたが、だれが負担するのだろうか、消費税問題等々があれになっておりますけれども。
 そういう中で、三者の方式があります。片や建設省、それから農水省、厚生省。コスト論に目を向けて政策を総合的にと、縦割り行政ではなくて。それで実は私はまた大蔵省へ行ったわけでございます。そうすると、厚生省担当の主計官、次長、建設省担当の主計官、次長、農水省担当の主計官、次長と、大蔵自体が縦割りになっておる。そうすると、調整するのは総務課長と主計局長しかいないじゃないかといって私は駁論したわけでございます。
 その中で、ひとつ幅広い視点で、厚生省だけでなくてまさしく横断的な視点で、コストダウンというかコストのより安いものに対する予算、政策の展開を大いに生活環境、水の浄化という意味で、冒頭この点私の主張、意見をまとめて申し上げまして、あと厚生大臣からお言葉があればいただいて、予算委員会以来の引き続きでございますから、どうぞお食事を。
#53
○国務大臣(大内啓伍君) 昭和六十二年、一億の予算をもってこの合併処理浄化槽の整備が開始されまして、先生の大変な御努力によりましてこれが軌道に乗ったと、本当に心から感謝をしている次第でございます。平成六年度予算におきましては、この一億の予算が百十六倍になりまして百十六億円、今要請を申し上げている次第でございます。
 私ども厚生省といたしましては、生活排水対策といたしまして合併処理浄化槽の整備というものが非常に重要である、こういう認識に立ちまして今後ともそれらの整備促進のために一生懸命努力をさせていただきたいと思っておりますので、今後ともいろんな意味で御鞭撻等を賜れば大変うれしい限りでございます。心から感謝を申し上げます。
#54
○守住有信君 答弁は要りませんけれども、大蔵省主計局司計課長、来ておりますか、手を挙げてください。帰ったら、主計局長、総務課長、大蔵も総合調整が要るよ。内部が縦割りだよ。厚生省からいろいろ分析が出ておる。一人当たりのコスト、これは厚生省の合併浄化槽が一番コストが安い、自治団体があるけれども。ただこれが一軒一軒なんです。
 それで正直言いますと、厚生省は保健所には強いですよ、保健所には。ところが、これは住宅の一部でございます。業者は、家を建てるとき、建て直すときは許可をもらいに必ず市町村の建築課に行きます。そのとき何で合わせわざで合併浄化槽のパンフレットを置いてないんですか。保健所には置いてありますよ。これが実態でございますからね。縦割りを末端の市町村からも私は眺めております。こういう点も一つ大きな本省での大蔵省の役割。
 それと、地方自治体の末端における窓口といいますか、保健所では家庭婦人の会と御一緒に合併浄化槽を私もやりました。「暮しの手帖」とか、NHKを使ってあの印旛沼、あるいは「ぐるっと海道三万キロ」とか「にっぽん水紀行」とか、こういうのをシリーズではっとやりました。朝の時間帯も「くらしの経済」かな、こういうのを大いに厚生省の役人の諸君とNHKのチーフプロデューサーと組んでもらって番組をつくった。もう今やテレビが一番影響力を持ちますから、こういうのもやったという次第でございますので、厚生大臣、どうぞ結構でございますから、よろしく。
 それで、そういう努力ですけれども、局長さん、先ほど言った市町村の窓口で私がずっと観察した市町村長に問いを投げかけます。そうすると、みんな公共下水道の話ばかりするんです。なぜだと。はっきり言いますよ。業者が後ろにおる、大型ゼネコンばかりじゃない、細かなところがあれして。だからそういう知識しか持っていないですよ。下水道についての知識は持っておる。ところが合併浄化槽はどうだ。田舎の方は私はぜひとも農業集落排水施設でやってくれ、水をリサイクルする、また田んぼに返すわけですから。この合併浄化槽の方はこういう点があるんだけれども、県を指導していますとおっしゃるが、どういうふうに、まず聞きましょう、百十六億の予算の未消化はありませんな。
#55
○政府委員(柳澤健一郎君) 大変評判のよろしい予算でございますので、さようなことはございません。
#56
○守住有信君 それともう一つ、ついこの間新しい政策を立法化されました。水道の一番のもとの水源地の特定地域、これに対しての補助も個人じゃなくて自治団体が取り組む、自治団体がまとめてやる。今までの個人個人の家庭のあれじゃなくてそれを上乗せしたような仕組みを立法化されたと聞いておりますけれども、そこのところをちょっと、皆さん方全部にもわかるように、みんなの地域の切実な問題でございますから、お願いします。
#57
○政府委員(柳澤健一郎君) 先生今おっしゃいました水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律についてでございますけれども、水道水源等生活排水対策の重要性が特に高い地域では、合併処理浄化槽の面的な整備を強力に推進する必要があることから、この水道原水法の制定に合わせまして平成六年度には新たに市町村が設置主体となって合併処理浄化槽の面的な整備を行う特定地域生活排水処理事業を創設することとしているわけでございます。
 この事業は、国庫補助対象を従来の合併処理浄化槽と単独処理浄化槽の設置費の差額の三分の一から合併処理浄化槽全体の設置費の三分の一へと大幅に拡大するとともに、残額につきまして市町村の起債措置でありますとかあるいは交付税に係る地方財政措置によりまして、従来の事業に比べまして極めて手厚い補助内容となっておりまして、この事業の活用によりまして合併処理浄化槽の計画的かつ面的な整備が可能になるものというふうに考えているところでございます。
#58
○守住有信君 もう時間もございませんが、きょうの新聞に、私は熊本でございますが、熊日新聞、西日本新聞、そして飛行機の中で朝日新聞を読みました。朝日は第一面に、ちょっとデフォルメがあり過ぎるような行政監察の――いわゆる河川、湖沼あるいは港湾の方とか、特に地下水にそれが浸透いたします。私の熊本でも、実は熊本市は六十三万ございますけれども、六十三万がみんな地下水の水道。よそはせいぜい五万ぐらいが関の山ですけれども、六十三万人で地下水オンリー。これは阿蘇の伏流水でございます。この水源の枯渇もありますが、時々その井戸水でトリクロロエチレンがどうだとか。それで自治体は一生懸命になって、井戸があります、水道が入っていない人もあるわけですから、それを検査したりしておりますけれども、何か「半数で調べず」とか、「「費用が」「方法知らぬ」」とか、これは朝日の五月三十日、けさですね。
 それで行政監察を読んだ。行政監察の報告、勧告、これとえらいデフォルメがあり過ぎるような、何か不安感をあおるようなあれのように思いましたが、これについて、行政監察局も来ておられると思うけれども、両方からでもいいですよ。正しい報道でないと、知識でないと誤解を受ける。近ごろマスコミがある部分だけではっとデフォルメするから、そこらあたりをきちっと説明していただきたいと思います。両方が一番いいな、行政監察局と環境庁、みんな絡むから、環境庁こそ私は本当に中核になって推進してもらいたいと思っていますから。
#59
○説明員(笹岡俊夫君) 先生御指摘の下水道の関係でございますが、総務庁におきましては下水道に関する行政監察、これを昭和六十三年の第一・四半期に実地調査をいたしまして、御指摘の点につきましては平成元年八月、次のように勧告いたしております。すなわち、
  下水道事業計画区域の拡大が近い将来予定される区域等における下水道と下水道類似施設の整備が効率的に行われるようにするため、下水道整備のスケジュール、下水道類似施設の経済的耐用年数、接続などを勘案しつつ相互調整を行う必要があるので、下水道と下水道類似施設の担当部局間の協議システムを整備して調整措置を講ずること。
こういったことなどにつきまして、建設省、農林水産省及び厚生省に勧告を行っております。
 そしてまた、この問題に関しましては第三次の行革審でも取り上げられておりまして、昨年末の行革審の答申を踏まえまして、今年二月の中期行革大綱におきまして「各種の汚水処理関連施設の整備について、下水道事業計画区域の拡大が近い将来予定される区域等における下水道と農業集落排水施設、コミニティプラントの効率的な整備を促進するため、関係部局問の協議システムを確立する。」と閣議決定されているところでございます。
 行政監察局におきましても、この問題につきまして、行政監察三カ年計画の中で、下水道と下水道類似施設との調整をさらに推進するといったような観点から、平成七年度に下水道につきまして行政監察を実施する予定で準備を進めておるところでございます。
#60
○守住有信君 きょうの見出し、これを見てみると、「浄化対策も進まず」というのは非常にアピールでいいんですよ。ただ、「汚染源、半数で調べず」とか、何か新しくボーリングやればそれは三千万もかかりますよ。そういう点で、行政監察局のその記者会見をもう一遍やり直しなさい、環境庁と一緒に、厚生省も入れて共同で。正しい情報を国民に伝えませんと、「費用が」「方法知らぬ」とか、「汚染源、半数で調べず」とか、こういうデフォルメではいかぬから、あなたは監察官だろうが、帰ったら、行政監察局と環境庁と厚生省等と一緒になってもう一遍記者会見のやり直し、それを私は要求する。でないと、国民側に生活環境、水の浄化というのは大いに関心を持ってもらわにゃいかぬけれども、マスコミを通じてその途中経過で誤ったデフォルメが出るといけません。
 重ねて申し上げまして、それを要求しておきます。後で聞くから、聞かぬのなら内閣委員会でやるからね。
 以上でございます。
#61
○堀利和君 私は、柔道整復師の保険請求の不正についてお伺いしたいと思います。
 以前、厚生委員会で、私は視覚障害を持つ鍼灸師の立場で実はこの問題について指摘させていただいたわけです。といいますのは、視覚障害者が鍼灸の業を看板を上げてやっておりましても、はり治療というのはなかなか高額で患者さんにとっては大変負担の重いものであります。もちろん保険がきくわけですけれども、その際には医師の同意書、診断書というものも必要になります。
 ところが一方で、柔道整復師がみずから鍼灸なりあるいは鍼灸師を雇って患者さんにはり治療を行う。患者さんにとっては安く治療を受けられるわけですから結構なんですけれども、はりの治療をしながら実際に保険請求する際には柔道整復の保険で請求するという極めて不正な行為が行われて、そのためにお年寄りなどが鍼灸の看板を上げている施術所に来るのではなくて、安くやってもらえるということで柔道整復の方に行ってしまうと、こういうことがあるわけですね。
 こういう観点から柔道整復師の保険請求についてお伺いしたわけですけれども、そこで、会計検査院の方から報告が出ました。私はそれを見まして率直に言って大変驚いたわけです。私が指摘しました、はりの治療をしながら実は柔道整復の保険で請求しているという事実もその中にありましたし、当時都道府県の資料を手に入れて見た中でも明らかに不正だなという、そういうものについても報告の中でしっかり出ておりました。
 それで、まず会計検査院の方にこの報告の概要について御説明を願いたいと思います。
#62
○説明員(森下伸昭君) ただいま先生の方から柔道整復師の施術に係る療養費の支給について、私どもが検査した内容について説明をしてほしいということでございますが、私ども九十四の施術所について調査をいたしましたところ、療養費が柔道整復師の施術の対象とならない傷病について請求されていたり、患者の療養上必要な範囲及び限度を超えて行われた施術について請求されていたりしているというふうに認められる事態が多数ございました。
 そこで、さらに詳細な調査を都道府県に対し要請いたしまして、都道府県が調査いたしましたところ、施術所の側におきましても請求が不適切であったと認めて保険者等に療養費を返還したものが六十二の施術所で五千百六十一万余円あったわけでございます。その主な内容といたしましては、架空請求やつけ増し請求をしていたもの、これが三カ所で二千二百六十九万余円、それから現に医療機関の診療を受けている患者、主として内因性疾患の患者でございますが、これを施術の対象として請求していたもの四十八カ所で一千七百三十六万余円、それから医師の同意なしで行ったはり、きゅうの施術を柔道整復の施術をしたこととして請求していたもの四カ所で 百八十万余円、このようなものがございました。
 したがいまして、厚生省において柔道整復師、保険者等に療養費制度などの趣旨を周知徹底させる、それから算定基準等について所要の改正を行う、それから審査体制の整備を図る、こういったことが必要であると認められましたので、厚生大臣に対し昨年の十二月是正改善の処置を要求したものでございます。
 以上、概要でございます。
#63
○堀利和君 そこで、厚生省にお願いしたいんですけれども、こういった不正の請求についてはきちんとやはり取り締まっていただきたい。具体的な対応策をお願いしたいわけです。制度の欠陥を悪用したこういう不正についてきちんとしていただきたいと同時に、制度の限界といいますか、そういう観点から、まじめに施術していてもそこが十分患者さんに対しても施術できない、こういうケースも中にはあるわけですので、こういう観点から厚生省としての対応をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#64
○政府委員(多田宏君) 会計検査院の方から是正改善の御指摘をいただきまして、本年度の柔道整復師の施術料金の算定基準の改定におきまして、多部位及び長期間の施術に係る支給の適正化を図るため、多部位及び長期間の施術に係る支給額を従来の一〇%低減から二〇%低減に強化するなど是正措置を講じておりますけれども、特にポイントになっております審査あるいは指導、監査の方の強化の問題につきましては、近く医療保険審議会の中に検討の場を設けまして、ややシステム的にもチェックのできるしっかりした体制をもう一回見直さなければいけないというふうに考えておりまして、近々そういう場を設定する予定にしておるところでございます。その検討結果を踏まえてしかるべき改善を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#65
○堀利和君 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、日本商事という会社が昨年九月に新薬として発売しましたソリブジンという帯状疱疹治療のための抗ウイルス剤でございますけれども、これが発売一カ月余のうちに十五名の方が亡くなるということが起きたわけです。これはFU系抗がん剤との相互作用の副作用によって亡くなられたわけですが、これほど大変な事態を引き起こしたということでございますけれども、この件について厚生省としてはこれまで何らかの調査をいたしたんでしょうか。
 また、日本商事がこのソリブジンの新薬を開発し販売する一連の過程の中で、当然厚生省は中薬審において承認したわけですので、こういう事態を引き起こしたということから見て、果たしてどこに問題があったか、客観的にその辺の分析も必要かと思うんですけれども、その辺のまず御見解をお伺いしたいと思います。
#66
○政府委員(田中健次君) お話のソリブジンでございますが、これはヤマサ醤油と日本商事によりまして平成二年の二月に製造承認の申請がなされまして、中央薬事審議会におきまして審議がなされた後、昨年の七月、お話のございました帯状疱疹を効能・効果として承認をされました抗ウイルス剤でございます。
 今お話がございましたように、発売後一カ月余りでフルオロウラシル系の抗がん剤との相互作用によりまして白血球減少等の副作用症例が報告されましたので、私ども厚生省といたしましては、緊急に中央薬事審議会の副作用調査会に諮りましていろいろとその後の対策を講じたわけでございます。
 ソリブジンと抗がん剤の相互作用についてでございますが、これは承認の段階で明らかになっておりましたことから、両剤の併用を避けるように添付文書に記載をさせたところでございます。また製造業者におきましても、医薬情報担当者、現在はそれをMRと申しますが、このMRを通じまして医療現場へ伝達をいたしたという報告も受けております。
 それにもかかわりませず今回の問題が生じた原因といたしましては、私どもといたしましては、一つは、添付文書に記載をされておりました併用を避けることという表現の意味が十分に理解されていなかった可能性があるのではないかということ、また医師等の医療関係者が医薬品情報を十分に活用していなかった可能性があるのではないかということ、それからさらに、これはがんの告知の問題から患者の服用薬の確認が困難な例があったことなどの情報の不徹底あるいは未活用があったものと考えておるところでございます。
#67
○堀利和君 大分、発売後あるいは発売に当たっての問題点が御指摘されたわけですけれども、私の方でもいろいろ調べますと、このソリブジンは、八六年に臨床の試験段階に入ってから、第三相治験の八九年に実は動物実験がされているんですね。臨床に入る前も当然動物実験をするんですが、臨床に入ってから八九年の第三相治験のときに動物実験をしているということは私は極めて異例なことだと思うんですけれども、この点をどんなふうに御判断されるかということと、その動物実験のデータが明らかになっておりません。これが私は大変重要なデータであろうと思うんですね。これについて提出をお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#68
○政府委員(田中健次君) お話の新薬の開発のプロセスでございますけれども、個々の医薬品によって若干異なっております。通常のケースといたしましては、まず物理的、化学的な試験を行いまして、それから動物等を使っての基本的な一般毒性試験と基礎的な薬事試験等を経まして臨床試験を開始いたしまして、臨床試験の進行と同時期に安定性の試験あるいは特殊毒性試験等が実施されることが多いのが実態でございます。そういたしまして、これらの各種試験の成績によりましては、必要に応じまして新たな試験、例えば今回のような相互作用に関する動物実験が実施される等、こうして全体として開発が進行していくわけでございます。したがいまして、すべての動物実験を臨床試験開始前に終了しなければならないというものではないわけでございます。
 本件につきましては、日本商事によりますと、臨床試験の実施段階に海外から、この本剤の類似薬とそれからフルオロウラシル系の抗がん剤との相互作用に関する情報を入手したということから、本剤での相互作用を確認する動物実験を実施するとしたこととともに、治験担当の医師にフルオロウラシル系の抗がん剤との併用を避けるよう伝達したということでございまして、こういう意味で特に今回の動物実験が問題になるような対応ではなかったというふうに考えております。
 それから、お尋ねの動物実験の公表でございますけれども、医薬品の承認申請の際に提出をされました試験デー等は、これは申請者の知的財産にかかわるものでございまして、また行政情報の公開基準というのがございまして、これとの関係もあるために非公表の扱いとなっておるところでございます。
 しかしながら、医薬品の承認申請に添付されます主要な部分につきましては専門誌等に公表するよう従来から指導してきたところでございますので、企業みずからの意思で専門誌での公表をするように指導してまいりたい、このように考えております。
#69
○堀利和君 この八九年の動物実験についてのデータは当然厚生省の手元にあろうかと思うんですが、それを提出いただけないということで大変に不満に思います。
 そこで、この八九年の動物実験では、三月から五月に予備実験を行っているんです。その後にいわば本実験として二種類の実験を行っています。その二種類のうち一つは、この動物というのはラットなんですけれども、かなり衰弱し、えさも食べられないほどに弱ってしまったというものであります。もう一つの方は、すべてのラットが死んだというふうに私の方ではこの動物実験結果を承っているんですね、私なりに調べた限りでは。
 そうしますと、八九年の予備実験はもちろんですけれども、本実験のすべてのラットが死んだということについても第三相治験担当医師らに日本商事は伝えたということでしょうか。
 さらには、先ほどお話しあったように、八八年のベルギーの論文の中に、BVDUという類似薬とFU系抗がん剤との相互作用の論文がございますけれども、この辺も十分伝えたということでしょうか。
#70
○政府委員(田中健次君) 日本商事の報告によりますと、一九八八年の十一月ごろにソリブジンの類似薬とそれからフルオロウラシル系の抗がん剤との相互作用に関する動物実験の論文を入手したということで、一九八九年の三月に追加併用実験を開始する。それとともに、治験の総括医師と検討をいたしました結果、一九八九年の五月にすべての治験担当医師に対しまして、その論文の要約をつけましてフルオロウラシル系薬剤との併用を治験段階でも避けるよう依頼をしたということでございます。これは日本商事の報告でございます。
 またさらに、日本商事からの報告によりますと、ただいま申しましたように、一九八九年の五月に全治験医師に対しましてベルギー論文の要約、それからソリブジンとフルオロウラシル系薬剤との併用を避ける旨の注意を伝達いたしたというところから、改めて同様の趣旨の依頼をする必要がないという判断をしたためにこの動物実験の結果については伝えなかったという報告を受けております。
#71
○堀利和君 私は、大変そこが問題だろうと思うんです。臨床中に改めて動物実験をしてすべてのラットが死んだという、非常に大変な実験結果について知らせなかったというのは私は大きな問題であると思うんです。
 あわせて、京都府立医大で行われた八七年の第二相治験で五十四歳の女性の方が当時原因不明で亡くなっているんです。この方は乳がんでFU系抗がん剤を投与していたわけですが、当時は担当医師によれば、ウイルス感染か、この薬の副作用か、あるいは乳がんの転移の再発か、この三つのどれかということだったんですけれども、はっきりした死亡原因はわからないということで、原因不明という形で処理されていたんです。この京都府立医大の治験担当医師に対して、この八九年の動物実験のことやらベルギー論文のことについてこれはお伝えしたんでしょうか、日本商事の方は。
#72
○政府委員(田中健次君) 先ほど申しました一九八九年五月に全治験医師に対しましてベルギー論文等の情報を伝えておりますので、そこでこの医師にもその情報を伝えておる、こういう報告を受けております。
#73
○堀利和君 そうしますと、日本商事の側としては、このベルギーの論文なり動物実験の結果なり、あるいは八七年に行われた京都府立医大の治験で亡くなられた女性の方のことについて、当然中薬審に申請の審査をお願いしているわけですので、今言ったような一連のデータというのが出されておると思うんです。これを日本商事あるいは中薬審の方では関連づけた審査といいますか、十分な審議というのがされたんでしょうか。
 私は、もちろんいろいろ専門家の立場もあるし、専門家によって違うかもしれませんけれども、この辺の動物実験のデータとかベルギーの論文なり、京都府立医大の亡くなられた女性のことを総合的に考えればかなり危険性を伴う、場合によっては死亡に至るかもしれないというこういうことが十分考えられ得るということも聞いているんです。
 そういうことからいいますと、一連のこういったデータなどが日本商事なり中薬審の中で関連づけられていたかどうか、その辺の中薬審の審議の方法についてもお伺いしたいと思います。
#74
○政府委員(田中健次君) まず、死亡された方の関係でございますけれども、日本商事からの報告によりますと、この死亡例の主因につきましては研究会を設けて検討いたした、その結果原因不明であるという結論でありまして、日本商事としては治験段階で決着を見たものと判断をしていたことから、動物実験結果と特に結びつけて検討したことはなかったという報告を受けております。したがいまして、承認申請用に添付された治験成績でも原因不明として取り扱われております。
 そこで、中央薬事審議会でございますが、この一九八七年の死亡例、それから動物実験の治験等を含めまして提出されました申請資料を慎重に検討いたしまして、ソリブジンとフルオロウラシル系抗がん剤を併用した場合に、血漿中の抗がん剤の濃度を高めまして、毒性を高進することによって危険な状態になり得るものと判断をいたしまして、使用上の注意の相互作用におきまして、併用による副作用発現の仕組みの解説をいたしますとともに、併用を避けることという使用禁忌の表現によりまして医療関係者の注意を促すということをもって対応したものでございます。
#75
○堀利和君 確かに、昨年の七月に認可された際の添付資料の注意書きに、先ほど来言われているように「併用投与を避けること」とあります。この「避けること」というのがどの程度のものか。そのことを伝える側の意思が現場のソリブジンを使用する医師なりにどの程度きちんと伝わっているのかということが今後問題になろうかと思います。この辺の改善ということも私はお願いしたいと思うんです。
 そこで大臣に、いろんな問題が私はここに潜在していると思うんです。まず、ソリブジンという抗ウイルス剤がFU系抗がん剤との相互作用による副作用で死亡するということまであるわけです。抗がん剤使用ということは当然がんであります。がんの場合、欧米に比べて日本ではがん告知というのはなかなか難しい問題であります。そうなりますと、医薬分業、薬歴管理というのを徹底しないと、併用は避けることということの注意書きがあっても、本人を含めてどんなふうな薬が処方されているのか、ましてや本人自身ががんということを知らなければ併用投与が行われてしまうわけですので、この辺はやはりきちんとこのようなことがないような形で改善を進めていただきたいということを私はお願いしたいと思います。
 そしてもう一つは、八七年の京都府立医大の治験中に亡くなられた女性の方の例を見ましても、治験中に不幸にして亡くなられた場合、そのときに原因がわからなくても、後でその治験における新薬、薬によって不幸にして亡くなられたということが明らかになった場合に、厳密に言うと今は何の補償もないんです。副作用救済基金の対象にもなりませんし、薬事法の施行規則六十七条の六でしたか、これでもやはり十分な救済ができないということから、善意によって被治験者になった方が、安心してというのはおかしいですけれども、何かあったときに、被害をこうむったときに十分補償できる制度というものを私は創設すべきだろうと思うんです。
 こういうことから見ましても、今回のソリブジンの事件といいますか問題を通してさまざまな問題が私は見えてくると思うんです。何も日本商事を告発糾弾するためにではなくて、この問題を徹底的に解明して、それで二度とこういうことが起こらないように厚生省としては臨むべきだろうと思うんですけれども、その辺のところの大臣の御決意もお伺いしたいと思います。
#76
○国務大臣(大内啓伍君) 私ども、厚生行政にとりまして医薬品の安全性を確保するということは最も重要な仕事でございます。今御指摘を賜りました今回のソリブジンの事件のような不幸な事件が今後絶対に起きないように、厚生省といたしましても御指摘のような医薬分業を推進いたしまして、薬局における薬歴管理あるいは服薬指導の充実を図ってまいりたいと思っている次第でございます。
 製薬企業が治験を行うに当たりましては、あらかじめ被験者の副作用被害に対する補償方策を講じておくこととされておりまして、それが今御指摘がございましたような薬事法施行規則の六十七条の第一項第六号といったようなものに基づいて行われているわけでございますが、損害賠償保険に加入するなど補償の中身についてはさらに改善するよう私どもとしては指導してまいりたいと思っている次第でございます。
 新薬の治療の質的向上を図るために医薬品の臨床試験の実施に関する基準、GCPと言っておりますが、これの一層の徹底に努めますとともに、新薬の審査過程などを取りまとめた新薬承認審査概要、SBAでございますが、これを公表し医薬関係者への情報提供を開始したところでございまして、今後とも新薬の評価に関する公正な情報を提供させるようにしたい、こう思っている次第でございます。
 また、市販後については、製薬企業の医薬情報担当者、先ほどお話がございましたMRの資質の向上や、医薬品の添付文書等の記載の充実あるいは副作用データベースの整備等一連の対策を講じてまいりたい、こう決意している次第でございます。
#77
○堀利和君 ありがとうございます。これで終わります。
#78
○庄司中君 私は、労働省の決算関係について質問したいというふうに思います。
 既に平成三年度決算につきましては会計検査院から報告が出ておりますけれども、この報告によりますと、不当事項として五件挙げられております。
 一つは労働保険の徴収の問題、それからあと三件が雇用保険の支給の問題、そして最後の一件が労災保険の問題でございます。毎回この不当事項の中に挙げられておりますのはこういう問題でございますけれども、毎回毎回不当事項に挙げられてなおかつそれが続くということは、この不当事項に挙げられた問題を防止するというそういうノウハウが十分な蓄積を見ていない、そんな感じがいたしますけれども、まずこの点につきまして大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。
#79
○国務大臣(鳩山邦夫君) ただいま先生から御指摘のありました平成三年度決算に係る検査院から指摘をされた五件について、こうした問題、従来から誤りがないように適正化に努めてまいったところでございますが、まだ完全には直すことができないでこのような指摘を受けたことはまことに残念でございます。
 私も労働大臣になりましてつくづく思いますことは、なかなかきめ細やかな施策を実施しているんだなと、それは感心するぐらいそう思っている部分があるわけです。それもほとんどが労働保険、雇用保険あるいは労災保険に係るものでございます。これは当然お金もちょうだいをする、そして支出もする、さまざまな事業も行うという、そのような財源があって初めてきめ細やかな政策を実行に移せるということなのでありますが、したがって失業給付金につきましてもあるいは特定求職者雇用開発助成金というものもいわば政策のエースの一つだと思いますし、地域雇用開発助成金についても同様で、大変有効に機能するべき制度でございます。労災診療費の問題またしかりでございまして、今後有効な政策手段であるがゆえに過ちのないように努力をしてまいりたいと思っております。
#80
○庄司中君 この五件の不当事項のうち、私が特に関心を持ちますのは地域雇用特別奨励金の問題でございます。地域雇用開発助成金の問題は、今度の雇用支援トータルプログラムの中にも一つの目玉として入っておりますように、かなり有効で重要な施策であろうというふうに思います。
 特に私が思いますには、この施策といいますのは非常に雇用情勢の悪い地域を対象にしておるということが一つでございますし、それからもう一つは、これは労働省にはちょっと珍しいんですけれども、つまり雇い入れに伴う費用といいますか、一種の投資でございますから、投資を対象にして支援をしていく、助成をしていく。片方にはやっぱり雇用という問題がございますし、それから雇用に伴う投資の場合にこの二つの条件で支援をしていくという制度、これは労働省としては余り数多くはないだろうというふうに思います。
 それからもう一つは、金額の大きさだろうというふうに思います。例えば五百万円以上の投資をした場合に、中小企業の場合には三人以上の雇い入れ、それ以外は五人以上というふうになっておりますけれども、最長五年間これを助成するということになりますし、それから投資に対する助成の額を見てみますと多いところは二割に達しますね、最低一割から出発をしますけれども。
   〔委員長退席、理事今井澄君着席〕
そういう点では投資に対する助成額の大きさということがあるだろうというふうに思います。
 その点で、この特別奨励金がたしか六十二年に制度化をされましてずっと続けられているというふうに思いますので、この実績、いわば件数あるいは給付金の総額、これをちょっとお知らせいただきたいと思います。
#81
○国務大臣(鳩山邦夫君) 具体的には局長の方からお答えいたしますが、昭和六十二年から平成四年度末までの地域雇用特別奨励金の総支給件数は四万百三十三件、総支給額は千七百十四億三百三十二万五千円となっております。
#82
○政府委員(七瀬時雄君) 年度別ということで数字を申し上げます。
 昭和六十二年度は支給件数が千百四十一件で支給額約四十六億円。六十三年度が支給件数七千九十一件で約二百九十九億円。平成元年度が一万二千四百二十八件で約五百三十八億円。平成二年度が支給件数一万二千百二十八件で五百二十二億円。平成三年度が支給件数五千三百七十二件で二百二十一億円。それから平成四年度が支給件数千九百七十三件、支給額約七十六億円。このようになっております。
#83
○庄司中君 平成三年度の不当事項の中には特別奨励金の、雇い入れ数の奨励金ですね、その特別奨励金の不当はここに挙がっておりますが、かつて特別奨励金の雇い入れに伴う費用の不当事項があったというふうに聞いております。
 その点で会計検査院の方にお尋ねいたしますけれども、過去にこの特別奨励金の不当事項、つまり指摘事項があって、そしてその内容というものは一体どういう内容であったのか、その辺を説明していただきたいというふうに思います。
#84
○説明員(森下伸昭君) 私どもが行いました地域雇用特別奨励金の検査の概要でございますが、これは平成二年に検査を実施しております。
 その検査の結果でございますが、事業主が建物の建設費等について申請した費用よりも低額で実施していたもの、あるいは既に購入していた機械などを新たに購入したこととして申請しているのにこれを支給の対象としていたもの、あるいはまた他の省庁の補助の対象となった建物や機械について労働省が重ねて助成の対象としていたもの、こういったものが二十一事業主で一億一千六百万円ございました。
 これらにつきましては、大変適切ではなく、また支給要領等に問題があると認められましたので、労働省に指摘をしましたところ、労働省では設置あるいは整備に要した費用につきましては、実際に支払った額を帳簿等により確認するとともに、施設等について現地調査をする、また他の省庁の補助の対象となった施設等については当該特別奨励金の対象としない、こういう処置を講じられましたので、改善処置済み事項という形で平成元年度決算検査報告に掲記したものでございます。
 以上でございます。
#85
○庄司中君 それでまた、労働省に戻りますけれども、一番最初の指摘事項、つまり実際に払っていない、そして払ったものとみなして助成をしたということですね。しかも、今会計検査院の方から指摘がありましたように、これは支給要領自身に問題がある。支給要領自身が、実際の支払いではなくて、例えば業者の証明で事を済ませていたというふうなことがあったと言われております。つまり、施策の設計段階、策定段階で既に問題があったというふうに思いますけれども、これはやっぱりかなり大きい問題だろうと思います。その辺についてどういうふうにお考えなのか、見解をお聞きしたいと思います。
#86
○政府委員(七瀬時雄君) 冒頭、先生からお話がございましたように、この特別奨励金につきましては地域の雇用の開発のために非常に役に立っているというお話がございまして、第一線の職員を含めて一生懸命この制度の実効性が上がるようにやっていかなきゃならぬ、そういう気持ちでおりましたところ、ただいまお話がございましたように、私どもがそういう制度を設計する段階において、御指摘のようなお金を御援助申し上げることについていわば初歩的な問題があったことについては深く反省すべきであると思います。
 今後こういう制度をまた改善したり新しくつくったりするときに、本当にぐっと引き締めた気持ちで反省材料にしなきゃいかぬという、非常に深刻な気持ちで受けとめているところでございます。
#87
○庄司中君 それでは、今の件でどういうふうに支給内容を変えたかということをもうちょっと詳しく言っていただけませんか。
#88
○政府委員(七瀬時雄君) 例えば、設置・整備に要した費用の額、それから設置の状況についての確認方法について、御指摘がございましたように事業主の費用申告等によった、要するにそういう助成金を受け取る側の自主申告だけに頼っておったということにつきまして、事業所の設置・整備に要した費用及び施設等の確認については総勘定元帳、現金出納簿などの事業主の帳簿、それから領収証などの原資料、そして現地調査により確認を行うということにいたしましたし、またお金の支給につきましては完了日までに実際に支払った額によることといたしております。
 それから、重複助成についてはそういうことがないように支給要領を改正したところでございます。
#89
○庄司中君 最後のところでちょっと言いましたけれども、助成の重複ですね。これは、例えば私が聞いておりますのは、農水省とたしか厚生省でしたか、そこで補助したものを労働省がその上にまた助成をしていったという問題が取り上げられておりますけれども、行政というのは縦型ですから往々にしてあるわけですね。ですから、よっぽど気をつけませんとこの点についてはもう一度同じ過ちを犯す可能性があるだろうというふうに思います。
 その点で、どういうふうにこれは改善処置を講じましたか。その点をはっきりしていただきたいと思います。
#90
○政府委員(七瀬時雄君) これも冒頭先生からお話がございましたように、この制度につきましてはかなり実際に投資した額に対する助成率の手厚さがございますので、これがさらに重複ということになるとおっしゃるような問題が出てくると思ったわけでございます。
 それで、こういうことから横並びのほかの助成金をよく調べた上で、そういうことがない、いわば私どもの方にだけ助成金の申請があるようなものに限って御援助するというふうにきちんと問題を整理したところでございます。
#91
○国務大臣(鳩山邦夫君) ただいまのが局長の答弁ですけれども、私は一政治家として思いますには、複数の助成制度が重複してしまう、当然そういうことはあり得るわけでしょうから、それをきちんとチェックできるかどうかというのは私はいわゆる行政改革上の問題ではないかと思うことがございまして、そういう意味では各省庁、何も労働省がどうのこうのというのではなくて、全中央官庁が重複しそうな可能性のあるものについてお互いがよく連絡をとり合う仕組みというものをつくっていくことがいわゆる行政のむだを排するという意味で行政改革上重要だなということを感想として持っております。
#92
○庄司中君 局長、例えば重複しないのをどういうふうに確認するかというところまで支給要領なんかでつくってありますか。具体的に重複しないような仕組みとかシステムみたいなものはつくってあるわけですか。
#93
○政府委員(七瀬時雄君) これは支給要領土、確かにその支給要領のとおりやれば重複しないということが保証されるようなものがあればよろしいかと思いますけれども、なかなかどういう施設整備に対してどこの省がどういう助成金を出しているのかということは個々具体的に把握しないとできないところがございますので、支給要領土の問題というよりは、むしろその第一線の職員の調査なり努力なり能力に頼っているところがあることは申し上げざるを得ないというふうに思っております。
#94
○庄司中君 さっきもちょっと申し上げましたけれども、毎回同じ不当事項が出てくるというのは、それを防止するノウハウみたいなものが蓄積をされて、それがちゃんと整備をされて、それから周知徹底をされるということが必要だろうというふうに思います。大臣もおっしゃいましたけれども、これは行政改革の問題ですけれども、縦型の行政の場合にはあり得るわけですね、これは。ですから、支給要領土もその仕組みとかシステムとかはもう一度やっぱり検討していただかないといかぬだろうと思います。
 それから、それと関係をいたしますが、各省庁によっていろんな助成がございますけれども、今度の場合には直接的な補助金だったわけですね、例えば農水省と厚生省。ところが、助成措置にはいろんなものがあるわけでしょう。例えば大蔵省でいきますと投資の場合には投資減税、税制の支援システムがある。通産省でいきますと低利の融資をする支援のシステムがございます。
 ですから、重複しないのは直接的な補助金だけなのか、あるいはそれ以外の支援についても重複を避けるというふうになっているのか、その辺どういうふうに整理をされていますか。
#95
○政府委員(七瀬時雄君) 重複というのがよろしくないという基本的な考え方を持っておりますけれども、第一線の支給実務の問題もございますので、例えば税制なり、一つ一つの具体的なところまでかなり踏み込んで重複を避けるような措置までやるのはなかなか実務的に難しい問題もございます。その辺は実務とそれから重複を避けるというところのバランスのとり方だろうと思いますので、今後助成金の問題を議論していくに際して、十分先生の御指摘の点を頭に入れながら検討してまいりたいと思っております。
#96
○庄司中君 その辺は割合楽にできるだろうと思いますね。助成のタイプというのは幾つかあるわけでありますから、やはり幾つかあるタイプとの関係でこの施策が重複しない、その限界とか境目はやっぱりきちんとしておかないとまた起こり得るということ、つまりあいまいなことをしていますとやっぱり起こるんですね、こういうことが。しかも、縦型の行政ですから当然起こり得るということになると思います。
 そこで、時間がございませんので、最後に大臣、この施策というものは非常に重要な施策だろうというふうに思います。例えば、極端に雇用が不足をしている、そこに雇用をつくり出す。これはもう地域社会にとっても大変な大きい問題ですから、つくり出す。そのために投資に対して例えば補助する、助成をするという施策は、労働省の中じゃ数少ない貴重な施策だろうと思います。ただ、その場合に、今言ったようなやっぱり支給条件のあいまいさとか問違いとか、こういうことがあってはいけないだろうというふうに思います。しかも割合金額の大きい施策ですね。しかも最長五年に及ぶ施策でもあるということになりますと、かなり慎重にかつ厳正に取り扱いをしていかなきゃいかぬだろうと思いますけれども、大臣、最後に決意とか見解を求めたいと思います。
#97
○国務大臣(鳩山邦夫君) 労働省では、昨年の暮れに雇用支援トータルプログラムを策定いたしまして、年が明けてから実施していく段階でこれを総合経済対策に組み込んでいったわけでございます。もちろん、この平成六年度の予算が成立をしないとその中で拡充できないものもありますけれども、大部分は既にこの雇用支援トータルプログラムが今までの幾つかの施策を拡充するような形で有効に機能をしている。
 先生御承知のように、例えば雇用調整助成金のような制度あるいは就職に困難性を伴う方々をどのように援助するかという問題、これらは非常に有名な施策であるわけですが、それぞれの地域というところに目をつけて、地域の中でこういうような援助をいたしましょうというのは、その目玉がまさに先生御指摘のとおりこの地域雇用特別奨励金制度でございます。地域経済というものをこれから開拓をしていくという意味で、活性化していくという意味ではまさにエースでございますから、そのエースにつまらない傷がついていてはいけないという思いがありますので、より一層注意をして誤りがないように努力をしてまいりたいと思っております。
#98
○高崎裕子君 かつては死亡していた超未熟児、異常出産による疾患など、ハイリスク新生児の救命率が医療の目覚ましい発展に伴い格段に今進歩しています。
 例えば新生児特定集中治療、NICUにより、一千グラム未満の超未熟児は一九七五年で千四十人、九一年は二千三百六十一人と二倍以上の生存率になっています。NICUの施設は全国に今三百三十八カ所、二千六百二十四床整備されておりますが、出生率が下がっているのにこの超未熟児などは少しずつふえている。にもかかわらず昭和六十二年に比べてこの施設が減少しているという中でいろんな大きな課題を抱えております。
 平成四年度の厚生省の報告でも、NICUが満床であるために受け入れが不可能だとか、とりわけ東京圏、大阪圏の都市圏で満床であるために受け入れができないということが増加している。逆に地方では、新生児の全死亡の七一から七九%、まだかなりの例が専門治療を受けないまま産科で死亡しているということが報告されているわけです。東京では十七カ所あるわけですが、この三月には病床が満杯で受け入れ不能が八日間も続いたというこれまでの最悪の事態になっております。
 私はこの間、道立の小児総合保健センターの本谷所長、札幌市立病院の服部先生、勤医協札幌病院の瀬川、中佐藤両先生、そしてきょう天使病院の南部先生にそれぞれお会いしてNICUを直接見せていただき、懇談もさせていただきました。
 大臣、超未熟児というのは、六百グラムで産まれた赤ちゃん、九百グラムになってもこの手のひらに辛うじて乗るぐらいの小ささなんです。そしてNICUの中で精いっぱい生きている。その中で、本当にこの小さな命を日夜寝ないでお医者さんと看護婦さんが必死になって生かそうと努力されている。赤ちゃんに対する愛情と献身的な看護、自己犠牲的な看護がなければ成り立たないというのが実態で、この過酷な仕事の中でお医者さんは四十歳を過ぎるとこの仕事は続けられないと言われる。私は本当に頭が下がりました。
   〔理事今井澄君退席、委員長着席〕
 小児センターではNICUは十五床あるんだけれども、夜勤三人体制の中で、多い月で八件、平均すると二、三件は赤ちゃんを断らざるを得ない。未熟児というのは一分一秒を争う、障害が残るか死んでしまうか、そういう中で断らざるを得ない。断った赤ちゃんが死んだという話を聞いて本当にショックだと言われたことに私、涙が出てしまいました。いつでも受け入れられる体制を、これが切実な要望でした。NICUの国の対策はこういう実態に見合うものにはなっておりません。
 まず第一点目に、無認可のNICUに対する対策の問題です。
 厚生省が承認している六十七施設、四百六十八床、これは認可を受けると診療報酬は現在五千八百点になりました。特別の加算があります。ところが、無認可のものは施設数三百三十八カ所、二千六百二十四床のうち八割に上るというのが実態です。施設、設備は全く同じだけれども、医師、看護婦が基準に満たない。全く同様に未熟児等を救命しているという中で構造的な不採算が生まれている。診療報酬が全く実態に見合わない。高度の技術が要求されるのに適正に評価されていない。看護がほとんどになるけれども、予備力のない赤ちゃんのそれに対して評価ができていない。どんなに重症でも認可を受ければ一日五千八百点、しかし認可されていないところは重症でも多いときで三千六百点、大体平均すると千点から二千点です。つまり三分の一、三カ月分違うというのが私たちが伺ってきた実態です。
 それから、診療報酬が仮に適正化されても、例えば札幌市立病院、人件費がどの施設も非常に多いわけですけれども、NICU部門、二億円を超える赤字で一般会計から持ち出しをしている、この運営について何とか国の補助をしてほしい。
 それから、基準も非常に厳しいわけですが、この施設の基準、これはやっぱりレベルを下げないという問題はありつつ、実態に見合った形で見直しをということで、小児科学会としては来年度の学会で報告書をまとめるというふうにも伺っております。
 診療報酬の適正化、国の補助の措置、拡充強化とあわせて小児科学会のこの要望について積極的にお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#99
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のような非常に残念な事態があることをよく承知いたしております。私自身の家庭の中でも経験したことであるだけに、非常に深刻にこの問題を受けとめております。
 新生児に対する医療体制の整備という問題は厚生省にとりましても大事な政策の一つでございまして、御指摘のような事態が一つ一つ改善されますように決意を新たにいたしまして努力をしたいというふうに思っております。
 もとより、厚生省といたしましてもそのような実態を踏まえまして医療施設の整備等につきましてはできるだけの努力をさせていただいてきているところではございますが、なお御指摘のような事態があることも事実でございますので、今後とも安心して子供を産むことができるような、そういう母子保健医療体制の確立を目指しまして設備の整備のためにあらゆる努力を傾注したいと考えております。もう少しお時間をちょうだいしたいと思っている次第でございます。
#100
○高崎裕子君 施設の整備だけではなくて、診療報酬の適正化、それから経営、特に人件費が非常に大きいわけですから、その点での補助等が大変重大になっておりますので、ここもあわせて検討していただきたいと思います。
#101
○国務大臣(大内啓伍君) 先ほど施設だけの問題に言及いたしましたが、もちろん委員御指摘のような診療報酬その他の問題についても同様に努力をさせていただきたいと思っております。
#102
○高崎裕子君 新生児医療は、これからの人生のすべてのスタートになる、死なせない、障害を残さない、そういう意味で本当に重大だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 重ねてなんですが、今は無認可の施設でお話をいたしましたが、天使病院は北海道で唯一認可を受けている施設です。しかし、ここも一度不採算と看護婦不足のために一時閉鎖をして病院の努力で再開をした。ここの南部先生は、四十歳以上は無理と言われる中で五十五歳になられるまで当直をしながら頑張っておられた方ですが、五千八百点に加算されたということも改善としてはありますが、例えば診療日数が、千グラム未満が九十日、千五百未満が六十日、千五百以上が十日、これが二十一日に改善されましたが、全体として診療日数の制限がある。今赤ちゃんは長期化をしておりまして、厚生省の報告でも、百五十日以上のNICU長期入院が六%にも上っているということで、この九十、六十、二十一というのはやっぱり実態に合わないという問題もございます。
 それから、何といっても人件費が大きいということで、それも低く抑えながら努力していても、やっぱり診療報酬、こういう加算点だけではカバーできない問題があり、国の特別の措置をぜひお願いしたいというのが認可されている施設での問題でもありました。この点、大臣、ぜひ先ほどと同じ立場でよろしくお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
#103
○政府委員(多田宏君) 新生児の医療につきまして、本年の四月の診療報酬改定でも、先ほど先生御指摘になられたようにできるだけ改善を行う方向で対処してまいりました。
 なお検討すべき点もあるという御指摘でございます。今後とも中医協の御審議を踏まえつつ、新生児の心身の特性等に応じた診療報酬上の評価に努めてまいりたいというふうに考えております。
#104
○高崎裕子君 それで、大臣、第三点目なんですけれども、専用救急車の問題です。
 NICUの重要課題の一つとしては、一分一秒を争うということで救急車の役割というのは非常に重大になっております。各県で専用車を持っていないところもまだあり、ようやく平成三年度にドクターズカーについての国の補助が実現いたしまして大変喜ばれております。しかし、三千万の三分の一の補助ということで、実際には旭川の厚生病院、これは補助のないときでしたが、六十二年で四千万円、静岡県では平成四年度で三千三百万と、この四年間補助率がアップしていないということで、ぜひ実態に沿うように拡充を図っていただきたい問題。
 それから、消防署の救急車のほかにこのドクターズカーでの救急車が最近の五年間で急増しておりますが、消防署の救急車と違って往診料について低く評価されている問題とか、救急搬送の診療料が全くこの自家用については見られていないという問題があり、また維持費などについて国の補助がないということで、ぜひこの国の補助の問題。それから、消防署の救急車と同じように国として保険で見ていただきたい。それから、補助率の問題、これもぜひ積極的に御要望申し上げたいと思います。
 最後に、大臣、よろしくお願いいたします。
#105
○国務大臣(大内啓伍君) 今さまざまな問題を御指摘いただきましたが、新生児の医療におきまして、ドクターズカーは地域の医療機関と専門医療機関の効率的な連携のために大きな役割を果たしていることは事実でございます。しかし、その絶対数も十数台というところでございまして、絶対量そのものが不足している。そこにはいろんな先ほど来御指摘の補助金の問題等々もある。それから報酬の問題もございます。
 したがいまして、今御指摘の諸点につきましても、何らかの改善を図るために、実は平成三年度からドクターズカーの整備の補助を行ってきているところでございますが、今後とも引き続きその整備促進のために努めてまいりたいと思っております。
#106
○下村泰君 まず厚生省に学習障害児のことについてちょっと伺います。
 この学習障害のLDの方々なんですけれども、厚生省では現在LDに関する施策としてどういうことをおやりになっていらっしゃいますか、ちょっと聞かせてください。
#107
○政府委員(瀬田公和君) 学習障害という問題につきましては、実はその定義とか判定基準とかにつきまして関係者の意見が一致しているとは言えない状況にありまして、また先生も御承知のようにその原因にも不明な点がございまして、対応の方法なども実は確立をしていないという状況でございます。
 このため、厚生省といたしましては、文部省における調査研究と十分に連携をとりながら学習障害に関する研究を進めることとしているわけでございまして、平成四年度からは心身障害研究の中におきまして学習障害の定義の明確化、原因、対応方法等について実は研究を行っている、そういう段階でございます。
#108
○下村泰君 私も初めてこのLDという言葉を聞いたのが八年前なんです。ニューヨークでこういうお子さんたちの教育をしていらっしゃるカニングハム久子さんという方が日本へ参りまして、たまたま向こうへ行っていらっしゃる商社のお子さんたちがニューヨークの方であちらの検査を受けたりしたときに、おたくのお子さんはこういうお子さんですよと言われて、学習障害児だと言われて親が驚いた。ところが、そういうものの専門の先生がいらっしゃらないので、何とかして文部省から派遣してもらいたいと。これはたしか中島源太郎さんが文部大臣のときでしたか、確かに送っていただきました。そのころから私はこのLD児というのを知ったんですけれども、まだ厚生省も文部省も全然知らなかった。
 以来、当事者の方々や親の方々と話をしてきたんですが、大変こういった施策の谷間で苦しんでいらっしゃる。八年たってもまだまだなかなか進まない。それで、通級制度の中で対応するということはありましたけれども、親御さんたちがお金を出し合って私塾のようなものをつくってこういうお子さんたちの面倒を見ているという現状もあるわけです。ただ、困ったことにもう八年もたっていますよ、私がこの問題を取り上げてから。それで八年間の間に子供が育ってきた。ついに義務教育も終わった。それで今度は高等学校へ入るか入らないか、これまた今問題になっている。それから今度は就職の問題も出てきている。こういう方たちが一体どういうふうにしたら就職ができるのか、就職の手だてさえも今ふさがれている状態なんです。
 これ労働省に伺いますけれども、障害者雇用促進法はLDの人々の就職に当たってどういう施策、どういう制度を用意しているのか、もし具体的に何か示すことがあるなら教えていただきたいと思います。
#109
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私も文部大臣時代にLD児のことをいろいろと勉強したこともありますし、国会で御答弁申し上げたこともございます。
 神経か脳か、どこかにちょっとしたほくろのようなものか傷のようなものか、何かそういうようなことが原因で、すべて普通にできるんだけれども特定の事柄だけだめであると。私が聞いた例では、ノーベル賞作家でLDの方がいるんだと、ノーベル賞とるだけの作品を書けるんだけれどもスペリングということに関してだけはもうめちゃくちゃと、こういう方がいるということを聞いたことがございます。
 実は、先生今御指摘の障害者雇用促進法は、これは後で先生にお渡しをいたしますが、もう先生十分御承知と思いますが、雇用義務があるかどうかという点と、いわゆる六十三人に一人でしょうか、雇用率へのカウントがされるかどうかということ、助成金が出るかどうかということ、職業指導や求人開拓等が行われるかどうかという仕事の方を四つに分けまして、あと身体障害者、精神薄弱者、精神分裂病、躁うつ病、てんかん、そして第四分類その他の障害者というふうに四つに分けて、それぞれが、何というんでしょうか義務があるかどうかが変わってくるんですね。
 そういう意味でいうと、LDの方の場合、形としては精神薄弱的要素があればこれはいわゆる精神薄弱者の中に入って雇用率へカウントもされますし助成金も出るということになるわけですが、そういうふうに見えない方の場合は、きめ細かな職業指導等はできるけれども、他の雇用義務、雇用率へのカウント、助成金というところは当てはまらないということになってしまうので、まあ一つの谷間になってしまうのかなと。
 LDの定義というのか、その辺の態様がまだ余り明らかになっていないという点等を考えてみますと、障害者雇用促進法もまだすべてを網羅しているわけではないんだなという反省もいささか持たせていただいております。
#110
○下村泰君 厚生省の方に伺いますけれども、障害者の等級表というのがあります、また療育手帳というのもあります。これは雇用、就労についてどの程度配慮してっくられたものなんでしょうか。
#111
○政府委員(土井豊君) 身体障害者福祉法に基づきます身体障害の認定についてでございますが、これは日常生活活動に受ける制限ということを念頭に置きまして、その程度につきまして等級を定めているという形に相なっております。
 したがいまして、今、日常生活能力というものと職業能力というものは一致する点もございますけれども、それは結果として一致するかどうかということでありまして、私どもの障害の程度の認定の際には就業という点は考慮の中に入っていないということでございます。
#112
○下村泰君 今、労働大臣もいろいろとお話ししてくださいましたけれども、結局こういったことに対してまるで対象外になっちゃっているんですよね、今LD児は。そうしますと、今後このLD児という問題はやっぱり社会問題になってくるんじゃないかと思うんですよ。文部省の方でもどういう子供がLD児の対象になるのかまだわからないでしょう。文部省の方でもしっかりしたあれがないわけですよね。ですから、これから先に行くとこういうお子さんがふえてくる。そうすると、ますますこういうことに対する労働行政も大変だと思うんです。
 一言、ちょっと。
#113
○国務大臣(鳩山邦夫君) 大内厚生大臣に話は今聞いていただいておるわけでございますし、私も文部省にはまだほんのわずかぐらいは顔がきくかとも思いますし、その当時の経験もあります。今労働省におりますから、これは行政の谷間で沈んでしまってはお気の毒でございますので、しりをたたいて、先生を最高顧問にしてみんなで協議をさせまして、例えば今の私の仕事の範囲で言えば、障害者の雇用促進法上の扱いもできるだけきちんとできますように、これは急がせていきたいと思っております。
#114
○下村泰君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 ことしの四月から人工内耳が保険手当の対象になったのは本当にありがたいことだと思います。ですから対象になっていらっしゃる方々は大喜び。
 もう時間も来ましたので、一つだけ厚生省に確認させていただきたいのは、既にもう埋め込んでいる、手術した方がいらっしゃる、その方たちが、何らかのぐあいで、あるいは電池がなくなるとかいろいろございますけれども、そのときにもう一回やり直します。そのやり直したときに対象になるのかならないのか、これだけ一つ確認させていただきたいんです。
#115
○政府委員(多田宏君) 埋め込んだインプラントが不良品であったとかあるいは患者が故意に壊したとかというような場合は別にいたしまして、医学的に必要だということである場合には再埋め込みも保険で見るということにしたいと考えております。
#116
○下村泰君 実はこの方たちからそういう問い合わせが大分来ているんですよ。ですから、今お答えいただいたら、議事録をその方たちに送りまして、こういうふうに答えているから安心してくれということを言いたいものですから、これだけ確実に確認させていただきたいと思います。
#117
○政府委員(多田宏君) 再埋め込みが医学的に必要であれば保険から給付されることになります。
#118
○野末陳平君 私は、大都市のサラリーマンの立場を代弁いたしまして、二、三の要望を大臣にいたしたいと思います。雇用促進事業団のこと、サラリーマンの通勤地獄の問題、美術館や図書館の閉館時刻の延長、それらについて質問します。
 まず、古くて新しい問題ですけれども、例の通勤地獄といいますか、この解消なんですけれども、これには運輸省も知恵を絞っているとは思うんですが、決め手がなかなかない。私思いますに、やはり決め手はもう時差通勤というか時差出勤しかないだろうと思うんですね。
 運輸省の立場でこれについてはどういうふうに思いますか。
#119
○説明員(淡路均君) お答え申し上げます。
 先生御承知のとおり、我が国の大都市圏、特に首都圏の通勤ラッシュ時の鉄道の混雑率というのは、輸送力の努力にもかかわらず、若干低下傾向は見られるもののいまだ二〇〇%を超えるという高い状態にあります。その意味で、国民一人一人が豊かさを感じるという観点からなお一層の改善が必要であると思っております。
 運輸省としましては、混雑緩和を図るためまず第一に鉄道整備による輸送力の確保、増強ということを図ってまいりたいと思います。あわせまして、今御指摘のフレックスタイム制や時差通勤の普及拡大によりまして、ピーク時間帯に集中いたします需要を平準化するためのオフピーク通勤というものの推進を行っているところでございます。
 特にオフピーク通勤につきましては、労働省と協力いたしまして、経済界、労働界、関係行政機関、交通事業者のトップの方々をメンバーといたします快適通勤推進協議会というようなものを昨年の九月に設置いたしまして、現在官民一体となって取り組みを進めておりまして、フレックスタイム制を採用する企業も徐々に増加しているというふうに理解しております。
#120
○野末陳平君 まさにオフピーク通勤がうまくできればサラリーマンは相当楽になるだろうと思うんですけれども、会社側も個別事情がいろいろありますし、それから本気の協力を企業にしてもらわなきゃならないと。そういうわけで、ここが労働大臣の出番だと思うんですね。
 ですから、大臣はみずからが企業だけでなくて連合などにも働きかけて積極的にこのオフピークの通勤ということを実現する方向で努力していただいて、何とか時差出勤、時差通勤、これを実現して、少しはサラリーマンも楽になるように、これは急務だと思うので、そこで大臣のお考えをお聞きしたい。
#121
○国務大臣(鳩山邦夫君) これは野末先生おっしゃるとおりでございまして、特に生活大国五カ年計画の終了する平成八年度までに千八百総実労働時間を実現しようということで努力をいたしておりますし、長期有給休暇をまとめてとれるようにするにはどうしたらいいかとか、いろんな議論をいたしております。
 考えてみれば、行き帰りという通勤がまさに地獄のようなありさまであるのとそうでないのとでは、これはそれこそ労働時間にしても何百時間分にも当たるような疲労あるいは逆に快適という違いが出てくるわけでありましょうから、千八百労働時間が実現できても、とにかく一時間半かけて地獄のような毎日を過ごしているのであればせっかく千八百にした意味も半ば以上消し飛んでしまうわけでございますので、労働組合の方々にも経済界の方々にもこれは真剣に語りかけていきたいと思いますし、先ほど運輸省の方からお話しありましたような協議会もありますし、また私と運輸大臣が話し合っていくような機会もあるようでございますので、強力に推し進めてまいりたいと思っております。
#122
○野末陳平君 まさにそのとおりで、幸い雇用事情も少しずつ変わってきていますから、経済事情が変わりましたから、今がチャンスだろうと思うんですね。ひとつ大臣の在任中にいい答えが出るようにお願いしておきます。
 それから次は、図書館とか美術館とか、いわゆる公共の文化施設なんですが、閉館の時刻が余りにも早過ぎるんですね。
 まず、図書館のことですけれども、大抵は夕方五時か六時で終わってしまう。中には閉館を遅くして市民サービスに努めているところもあるようですが、そういう主なところと、全体でどのくらいが閉館時刻を六時、七時までしているのか、その辺簡単に説明してください。
#123
○説明員(水野豊君) お答えいたします。
 公立図書館につきましても、例えば東京都の杉並区の図書館は全部で九館あるわけでございますが、午後八時まで開館をいたしておりますし、大阪府立の中之島図書館などでは午後九時まで開館するなど、住民の利用の促進の観点から閉館時間の延長をするケースがふえてまいっております。
 全体の状況でございますが、平成元年度に文部省で調査いたしましたところ、千八百七十九館のうち午後六時以降も開館するものが七百五十五館、全体の四割を占めているわけでございます。
 内訳といたしまして、七時まで開館するものが四百四十二、八時まで関館するものが二百三、また午後八時以降開館しているものが百十という状況になっているわけでございます。
#124
○野末陳平君 図書館は半分近くまで閉館の時間を延長していてかなり便利になってきているんですが、美術館を含めた博物館の閉館の時刻が早過ぎるんですね。国公立の大きいところでは夜までサービスしているところもあるんですけれども、まだまだ少数だと思うんで、その辺の事情も短く、ここから先が大事だから。
#125
○説明員(水野豊君) まず、国立の美術館、博物館でございますが、例えば東京国立近代美術館では原則といたしまして春分の日から秋分の日まで毎週金曜日を午後八時まで開館しておるわけでございまして、国立の美術館、博物館は全体で十館ございますが、四館におきまして何らかの方法でそのようなことをやっております。
 また、公立の関係でございますが、名古屋市の美術館などでは毎週、これは毎週でございますが、金曜日八時まで開館をいたしておりまして、財団法人の日本博物館協会の最近の調べでは、調査いたしました八百十八館のうち七十二館がそのような措置を講じておる状況でございます。
#126
○野末陳平君 確かに金曜日だけ七時とか八時まで開くところがあるんですが、お答えのとおり一割にも満たないというか、十カ所、二十カ所、まだまだ少ない。だから、一部の人たちは利用できるとは思うんですけれども、全体からいえば、サラリーマンがこういう公共の文化施設を利用したいのに夕方の五時で終わってしまうというところが多いんで、四時にはもうだめ、四時半で閉めるとか、そういうところがあり過ぎるんで、まだ明るいのに、これから利用者がふえようというのに、何でこんな早く閉めてそのままにしておるのか、改善が見られないというのはそれはどうしてか。
#127
○説明員(水野豊君) お答えいたします。
 図書館、博物館等は生涯学習の中心的な施設でございまして、私どもといたしましても、例えば博物館の設置、運営の基準でございますとか公立図書館の設置、運営に関する基準におきまして開館時間の弾力化等をお願いしておるところでございますが、職員体制の問題でございますとか予算等の関係等もございまして、それぞれの地域の利用者の要請等も踏まえて各設置者において工夫をいただいておる現在でございます。
#128
○野末陳平君 確かに事情はいろいろあるんです。しかし、ここからが世の中の流れが変わってきたと言うべきところなんですけれども、サラリーマンなども別に金曜日だけという、もうそういうニーズじゃないんですね。土曜日遅くまでやってほしいという人もいればウイークデーも連日やってほしいと、いろいろあります。つまり、会社が終わってからの余暇時間がふえましたね、この余暇時間をどううまく活用するかと。そういう場合になかなか格好の場所がない。そういう場合には図書館あるいは美術館、博物館はとてもいい。となると、やはりこれは館側の都合で決めるんでなくて、利用者の便宜をさらに図る、こういう立場での検討が必要で、美術館、博物館は閉館時刻の延長というのはもう当然のサービスであろうと思っているんですよ、特に大都市サラリーマンにとっては。
 そこで、労働大臣は文部省にも顔がきくということですから、これはぜひ実現してほしいと思う。御一考いただきたいんですが、どうですか。
#129
○国務大臣(鳩山邦夫君) 今私は勤労者の味方でございますから、いわゆる働く方々、もちろんサラリーマン中心であろうと思いますが、そうした方々が、金曜日だからとか、何月何日から何月何日の間の金曜日だからきょうはやっているかなというんでは本当の文化的な欲求を満たすことができないわけで、いつ行っても、夜でもあいているなというふうになれば、国立博物館も科学博物館も東近美も京近美もみんなあいているというぐらいであれば、日本は本当の文化大国になったと、そういうときに初めて言えるのではないかなというふうに考えます。
 それは結局は予算の問題、職員の体制の問題がありますからいろいろ難しい問題はあると思うんですよ。それは当然予算がかかることですし、それこそそうした方々、公務員の方々の労働条件、勤務条件の問題もありますから一概には言えませんけれども、やはりヨーロッパ等では夜やっているのが当たり前と。夜委員会をやるのは日本だけなのか外国だけなのかわかりませんけれども、かなり夜やっているのが当たり前という地域もあるように私は聞いたことがありますから、諸外国の例等もひもといてみまして、でき得る限りそうした方々の文化的な要求にこたえられるように頑張っていきたいと思います。
#130
○野末陳平君 これを積極的に僕もお願いしようかと思ったのは、ことしの春に上野でバーンズ展がありましたけれども、宣伝が派手だったのでお客さんがどんどん詰めかけた。お客さんが詰めかけたんだけれども、待ち時間が三時間、四時間、これは当たり前だったんですが、館側はちょっとしか延長サービスをしてくれないんですね、三十分やってみたり六十分やってみたり。これは連日七時、八時ぐらいまでいろんな事情はあってもやってくれるのが私は当然だと、多くの人が見られたはずなんだから、ということが一番大事なことじゃないかと。何たって五時ぐらいに終わるというのは、異論もあるようですけれども、いろんな問題があったって早過ぎる。
 そこで、私個人の考え方ですが、大都市に限って言えば夏のシーズンはもうこれは八時までやるのは当たり前。じゃなきゃサラリーマンは困っちゃう。そのかわり日曜日は五時でいいと思うんですよ。そういうような現代人のニーズに合った開館閉館、そういう時刻の設定を努力によってサービス業だからしてもらわなきゃならない、こういうふうに考えるので、ひとつ大臣にお願いしておきます。
 ついでにと言ってはなんですけれども、ちょっと今思い出したので、美術館、博物館と言っていますが、シルバー料金というのがあってもいいかなと思っているんです。いや、もともとそんな高いものじゃないけれども。これはもう民間じゃ当たり前で、映画館なんかシニア料金というのは学割より安いからね。ということは、美術館などが夜八時まで、特にこれからのいいシーズンには遅くまでやっていて、しかもシニア料金があるとなれば、老夫婦が連れ立って仲よく美術鑑賞もできる、こういうことだろうと思うので、やはり公共の文化施設は今や発想を変えてサービス業に徹すると、こういう方向で行ってもらいたいと思うんですが、これは文部省それとも労働大臣、どっちに聞いたらいいか。文部省答えてくれる。簡単でいいです。
#131
○説明員(水野豊君) お答えいたします。
 現在、身体障害者等につきましてはそういう入場料の減免措置を講じている施設がかなり多いわけでございますが、高齢者につきましてはそういう減免措置を講じている施設はまだないわけでございます。私どもといたしましては、そういう国公私立美術館等の状況、また海外の例も参考にしながらこの問題につきましては検討を進めていく必要があると思っております。
#132
○野末陳平君 これは、勤労者の定年後のことも考えればシニア料金なんというのはもう当然だろうと思いますから、検討してくださいね。
 それから、時間の関係でちょっと急ぎますが、雇用促進事業団について聞きます。
 雇用促進住宅というのがありまして、これは転職者用の住宅なんですが、今までどのぐらいできて、そして空き家率はどのくらいになっているか、未利用率というのかな、それを答えてください。
#133
○国務大臣(鳩山邦夫君) 雇用促進事業団が設置運営いたしております移転就職者用宿舎でございますが、平成五年十一月末現在で約十四万戸の宿舎を設置運営いたしておりまして、大体入居率は八九%程度、約一一%が空室となっておりますが、これは就職のために移転をしてきた方が使われるわけですから、一〇%程度はあいていないと困るという状況にあるだろうと思います。
#134
○野末陳平君 本来、これは転職サラリーマンのためにつくられた特別の目的の住宅ですから、一割ぐらい空き家があってもいいわけです。
 しかし問題は、本来一、二年で移ってもらうような宿舎感覚でこれは始まったと記憶しているんですが、現実にはどうなっているのか。つまり、事情によって転職者がそのまま居ついてしまって長期化してしまう。悪く言えば定住のような、そんなようなところもかなりあるんじゃないかと思って、今どの程度までそういうような割り増し家賃でもって長期化しているケースがありますか。
#135
○政府委員(七瀬時雄君) 入居期間の点でございますけれども、数字だけ申し上げますと、五年未満が四五・二%、それから五年以上十年未満が二六・一%、十年以上が二八・七%となっておりまして、確かに御指摘のとおり、本来制度の趣旨としているところよりはかなり長い期間そこに入居し続けている方が多いということは言えようかと思います。
#136
○野末陳平君 個別事情はあるにしても、十年以上というのがもう三割もいる。五年も含めたらかなりの率になるということは、転職者用住宅であるという本来の趣旨から外れてきている。かといって、そこに暮らしている方に出ていってもらうなんということもできませんから、そうなると何か公共アパート、公団と同じことになりますので、事業団にとってこの住宅がただの金食い虫になっていくんじゃないか、そういうような心配もしますが、これはどうですか。大丈夫ですか、このままで。
#137
○政府委員(七瀬時雄君) 数字はただいま申し上げたとおりでございますが、私どもといたしましては、この長期入居者の方々が社宅だとかあるいは公営住宅に移っていただくような環境整備について事業主などの方々についても理解を求めるとか、あるいは割り増し家賃制度の導入などといったそういう対策に努めてきているところでございますけれども、確かに地域によって非常に住宅を探すのが難しいというようなことでございますし、またある程度期間はたったにいたしましても、新たな土地に移転してきた方々のことでもございますので、実際上出ていただくことについてこれ以上の強制力を行使するというのがなかなか難しい状況にございます。
 しかしながら、ただいまおっしゃいましたように、これからの新設のあり方でありますとかいろんな点で、この事業団の予算の中でお金ばかりかかってというようなことにならないようにこれからも鋭意検討していかなければならぬだろうというふうに思っております。
#138
○野末陳平君 臨調の答申で、活用されないものは地方公共団体に移管したらどうかというようなことになっておりましたが、この点についてはどうなんですか。
#139
○政府委員(七瀬時雄君) 昭和五十八年の臨調の答申の中で、この移転就職者用宿舎の問題について、御指摘の点を含めていろいろと意見と申しますか答申の中に含まれているわけでございますが、ただいまの問題の地方公共団体への移管につきましては、当時も地方公共団体といろんな形で相談をしたりしたわけでございますけれども、入居者のいる住宅の管理ということになりますと急に設置管理者を変えるということがなかなか難しいというような事情があってまだ実現していないということでございます。
#140
○野末陳平君 私は思うに、雇用促進住宅はそういう事情がいろいろあるから、この際、乱暴な発想だけれども住都公団に売却して管理一切を任せちゃうとか、そういうぐらいのことをやっていかないと、事業団のあり方というものも検討しなきゃならないし、これはちょっと重荷じゃないかと思っているんですが、今後の方針、今お答えがありましたが、労働大臣に改めてお聞きしておきましょう。
#141
○国務大臣(鳩山邦夫君) すべて野末先生がおっしゃったとおりでございます。
 ただ、雇用促進事業団の行っている事業は、基本的に雇用保険のお金がもとになっているわけでございますから、これはもちろん使用者側のみが払う部分もありますが、労使折半をしてみんなでみんなのためにいろいろと事業をやってきておるわけでございまして、非常に大切な組織であり、またつくっております雇用促進住宅と通称しておりますものもそれは大切なものであろうと思っております。
 その利用方法が、十年も住んでいるとか五年以上で半分ぐらいを占めるというようなことであっては本来の目的から逸脱をいたしておりますから、そういった意味でみんなで相談をしてもっといい利用法が見つかるように努力をしてまいりたいと思っております。
#142
○野末陳平君 これは特殊法人のあり方とも絡めていろいろ議論をしなきゃならないと思いますから、今後の検討課題ということにして、きょうは時間が来ましたからこれで終わります。
#143
○横尾和伸君 公明党の横尾和伸でございます。
 私は、まず生活大国づくりとの関連でし尿のくみ取り業に従事されている方々の問題についてお伺いしたいと思います。
 し尿のくみ取りについては、国民の生活に直結した仕事で非常に重要なものであるということは言うまでもありません。この方々が、従来より市町村にかわってこの業務に携わってこられたわけであります。日本のこれまでの発展を支えてきた、また今後も相当期間続くことは間違いないことと思います。
 一方で、生活大国を実現するという流れの中で、下水道や合併浄化槽の整備が急速に進んでおります。最近の予算の伸びを見ても、特に新しい平成六年度の予算案におきましても、特別に他の分野より突出して前年度対比で一〇%以上の伸びを示しているわけであります。
 こういった下水道等の整備が急速に進むことによりまして、し尿くみ取り業に従事されている方々は仕事がなくなるわけです。事業の転換、廃止を余儀なくされる。しかも、これは逆に下水道による処理が行われるまではやめることができない。自分の都合でもうやめたいということでやめてしまっては混乱するばかりであります。
 このために、最後の一戸までくみ取りが適正に行われるように市町村においては所要の措置を講ずることが求められているわけですけれども、このことを徹底する趣旨で既に法律がございます。いわゆる合特法、長い名前でございまして、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法、これが制定されておりますけれども、その積極的な活用が期待されているにもかかわらず、市町村における対応の実態は必ずしも十分でないという面が多々見受けられるわけであります。私は、この点に大変強い関心を持っておりまして、一年半ほど前から御指摘やらお願いやらさせていただいております。
 このような状況の中で、厚生省においては昨年の四月、ことしの四月と続いてこの特別措置法に関連して通知を出して趣旨の徹底を図っているというふうに聞いておりますけれども、その御趣旨を簡単に御説明いただきたいと思います。
#144
○政府委員(柳澤健一郎君) 今先生仰せのとおりでございまして、この合特法の施行に関しましての通知でございますけれども、昨年の四月には、合特法に基づく合理化計画につきまして下水道の整備の具体的な見通しが明らかになった以降できるだけ早い時期に策定することという通知を出しましたし、さらに第二点といたしまして、し尿処理業者の事業の転換先といたしまして下水道の維持管理業務あるいは清掃関係業務等を活用することなどにつきまして地方公共団体に対して指導したところでございます。
 さらに、本年四月の通知は、合理化計画の策定が円滑に進められるよう計画策定の手続やあるいはモデル計画を盛り込んだマニュアルを示すなどして、厚生省としても積極的にこの問題について取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#145
○横尾和伸君 大変時宜を得たといいますか、昨今下水道等の整備が急速に進んでいる時期でございます。非常に的を射たものと評価すべきものと考えております。
 少し現実的な問題として一つお伺いしたいんですけれども、し尿あるいは浄化槽汚泥の処理を含めた生活排水の処理に関する計画、これがはっきりしないことには、今申し上げましたようにし尿のくみ取り業に従事されている側からすると最後の一戸まで責任を持って実施をするという立場でございますので、計画がはっきりしないと生活の基盤あるいは自分の事業をどう維持していくかという計画も立たないわけでございます。
 大変重要な問題であるにもかかわらず、下水道と合併浄化槽、その両方をきちっと計画的に進めないことにはその要請が達成されない、こういう状況でございますので、ぜひ厚生省のリーダーシップを発揮していただきたいと思うんですが、その点について厚生省のお考えをお伺いします。
#146
○政府委員(柳澤健一郎君) 廃棄物処理法に規定されました一般廃棄物処理計画の一環といたしまして、すべての市町村に対しまして長期的総合的視野に立った生活排水の処理計画の策定を求めているところでございます。
 しかしながら、現時点では必ずしもすべての市町村において生活排水処理計画の策定が徹底されていない状況にありますので、今後ともこれが適切に行われるよう市町村を指導してまいりたいというふうに考えております。
#147
○横尾和伸君 大臣にお伺いしたいんですけれども、合特法に基づく合理化計画の策定を強力に推進すべきだ、こう思うわけですけれども、これからの問題として、現実面ではさらに深刻な問題というのが出てくるであろうと予想されますし、また個別の事情、それぞれいろいろな問題を抱えていると思われます。
 そういったことを考えますと、関係業者の意見を聞き、これを尊重するということがこれから大変重要なことになってくると思います。この点を踏まえまして、大臣のお考えを伺って今後の基本的方向を確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
#148
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘の趣旨は全く賛成でございます。下水道等の整備が進められる中におきまして、し尿くみ取り業に携わる方々の業務の安定を保持するということは私どもにとっても重要な課題である、こう認識しておるわけでございます。
 したがいまして、厚生省といたしましては関係省庁と緊密な連携をとらなければなりませんが、市町村におきましてし尿くみ取り業界等の関係者の御意見も十分お聞きをいたしまして、合理化計画の策定及び実施が進められますよう適切な指導をしてまいりたい。先ほど局長から御説明を申し上げました二つの通知の問題も、実はそういう立場に立って出したものでございまして、今厚生省としては最善の努力を傾注している次第でございます。
#149
○横尾和伸君 今後の大切な問題ですので、ぜひとも御決意のとおり実施していただきたいと思います。また、私も一面では安心をさせていただきました。
 次に、障害者対策について伺いたいんですが、今高齢化対策がいろんな場で言われております。その陰に隠れて、実は障害者対策の充実がおくれるのではないかということが少し気にかかってきております。そんなことを考えているときに、いろんなサイドから同じようなことを心配されているということも耳にするわけでございまして、今、二十一世紀を目前にしてひとつ新しい社会のあり方を示すものをつくろう、そういうことで二十一世紀福祉ビジョンが先日発表されたんだと思います。あえてこれが高齢化対策ビジョンではなくて福祉ビジョンとなっているのは、幅広いこういった障害者対策も十分含んでいるものと思います。私も読ませていただきまして、内容的にも確かに入っておりました。
 そこで、入っているのは結構なんですけれども、やはり少し不安がある。これは相対的な問題なのかもしれませんけれども、そこで一つ御紹介させていただきたいんですが、一九七九年の国連の第三十四回の総会で決議された有名な一文があります。国際障害者年行動計画の一部分なんですけれども、ちょっと読み上げさせていただきます。
 ある社会がその構成員のいくらかの人々を閉め出すような場合、それは弱くもろい社会なのである。障害者は、その社会の他の異なったニーズを持つ特別な集団と考えられるべきではなく、その通常の人間的なニーズを満たすのに特別の困難を持つ普通の市民と考えられるべきなのである。こういう一文がございます。
 弱くもろい社会になってしまう、障害者を締め出すような社会であってはいけない、こういう非常に重みのある一文だと思うんですけれども、この考え方というのは今二十一世紀福祉ビジョンにも十分受け継がれていると思うんです。
 ところが、そこで一つ私が気づいたことは、例えば社会参加の促進という面から、その一例として、授産施設に次ぐ法定外の事業として障害者の小規模作業所が近年増加の一途をたどっている、相当な速度でふえているそうでございます。これは、いろんな条件から法定のレベルに達せずに、一番自分の身近なところで障害者の小規模作業所が確保できるようにということで、非常に小規模な中で関係の家族の方たちが大変な努力をして運営をされているそうでございます。その職員は、昼間はその作業所で働き、夜はコンビニで仕事をする、こんな事情もあるようでございます。
 そういう中で、確認をしたいんですけれども、増加の一途をたどっているというその実態をお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
#150
○政府委員(土井豊君) ただいまお話しの小規模作業所についてでございますが、無認可の施設でありますために私どもの方では直接的には実態の調査を行っておりません。関係団体の調査によりますと、地方公共団体が積極的に地域の実情に即した助成を行っておりますけれども、その助成箇所数でございますが、平成元年度は二千六十カ所、これが平成五年度には三千三百六十四カ所と増加をしていると伺っております。
 なお、国の予算上、奨励的な助成を行っておりますけれども、新年度予算におきましては百五十五カ所増の千二百七十五カ所、助成金額は十万円増の百万円ということで予算計上しているところでございます。
#151
○横尾和伸君 今の数字は、恐らく私の今持っている数字と同じだと思います。ちょっと前までいきますと、一九八五年でざっと千カ所、四年後、オリンピックじゃないですけれども、四年後には二千カ所、その四年後の九三年には三千三百カ所。千件、二千件、三千件、四年ごとにこれだけ相当な速度で伸びているわけなんですが、こういった対応については基本的には別途デイサービス事業の充実で対応すべきだというのが厚生省の考え方のようでございますが、それについての考え方はよくわかりましたが、ではその数字の計画はあるんだろうか、そういう観点からいろいろ調べてみたところ、どうもお持ちでないようでございます。
 実は、先ほど申し上げました高齢者対策の陰に隠れてという心配は、この具体性のなさに問題があるんじゃないか。つまり、それに対応するような障害者対策についても数字のある、具体性のある計画が必要ではないか。
 そこで、大臣にお尋ねしたいんですが、二十一世紀福祉ビジョンでの障害者対策を明確なものにするために国の長期計画、国の障害者基本計画と言ったらいいんでしょうか、その目標年次等をより明確にすべきである、こう考えるんですけれども、その目標の具体化、明確化を図るなどによってプロセスも明示すべきである。そのことによってまた関係の方々にも安心していただくことができると思うんです。そういった面から、障害者対策の充実を図る観点から、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#152
○国務大臣(大内啓伍君) 今後の障害者に対する施策の基本的な方向につきましては、昨年の三月に障害者対策に関する新長期計画というものが策定されたところでございます。
 この計画の年次目標等を具体化、明確化することにつきましては、一つは、障害者に対する施策が障害の程度及び種別によりまして非常に多岐多様にわたっているということ、それからそのニーズを定量的に把握することが極めて困難であること。それから二つには、積極的な取り組みが今後期待される施策の中には、町づくりといったような民間の事業者の協力を得ながら進めていかなければならない施策もございまして、このような施策は年次目標の設定ということにはなかなかなじみにくい問題点を抱えているわけでございます。
 しかしながら、二十一世紀の福祉社会の建設に当たりましては、障害者の自立や社会参加を支える施策の充実を図っていくことが重要であると考えておりまして、平成六年度予算においてもその方向が私どもの要求として施策として掲げられておるわけでございますが、これらを一層具体化することにつきましては、なお検討させていただきたいと思っている次第でございます。
#153
○横尾和伸君 遅くまでどうもありがとうございました。
 以上で終わります。
#154
○委員長(三上隆雄君) 他に御発言もないようですから、厚生省、労働省及び環境衛生金融公庫の決算の審査はこの程度といたします。
 次回の委員会は六月一日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後九時四十八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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