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1994/02/23 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 予算委員会 第1号
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1994/02/23 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 予算委員会 第1号

#1
第129回国会 予算委員会 第1号
平成六年二月二十三日(水曜日)
   午前九時一分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         井上 吉夫君
    理 事         片山虎之助君
    理 事         久世 公堯君
    理 事         村上 正邦君
    理 事         梶原 敬義君
    理 事         佐藤 三吾君
    理 事         角田 義一君
    理 事         木庭健太郎君
    理 事         磯村  修君
    理 事         足立 良平君
                岩崎 純三君
                遠藤  要君
               大河原太一郎君
                大島 慶久君
                沓掛 哲男君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                成瀬 守重君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                林田悠紀夫君
                星野 朋市君
                松浦 孝治君
                一井 淳治君
                大渕 絹子君
                喜岡  淳君
                北村 哲男君
                國弘 正雄君
                谷畑  孝君
                田  英夫君
                三重野栄子君
                山口 哲夫君
                山田 健一君
                藁科 滿治君
                荒木 清寛君
                牛嶋  正君
                刈田 貞子君
                北澤 俊美君
                武田邦太郎君
                萩野 浩基君
                直嶋 正行君
                有働 正治君
                吉岡 吉典君
                下村  泰君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     星野 朋市君     佐々木 満君
 二月三日
    辞任         補欠選任
     國弘 正雄君     菅野  壽君
     田  英夫君     庄司  中君
 二月十日
    辞任         補欠選任
     佐々木 満君     松谷蒼一郎君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     下村  泰君     島袋 宗康君
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     大渕 絹子君     上山 和人君
     菅野  壽君     川橋 幸子君
     喜岡  淳君     峰崎 直樹君
     佐藤 三吾君    日下部禧代子君
     庄司  中君     肥田美代子君
     山口 哲夫君     種田  誠君
     磯村  修君     笹野 貞子君
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     楢崎 泰昌君
     林田悠紀夫君     陣内 孝雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                片山虎之助君
                久世 公堯君
                村上 正邦君
                梶原 敬義君
                北村 哲男君
                角田 義一君
                足立 良平君
                北澤 俊美君
                木庭健太郎君
    委 員
                遠藤  要君
               大河原太一郎君
                大島 慶久君
                沓掛 哲男君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                陣内 孝雄君
                楢崎 泰昌君
                成瀬 守重君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                松浦 孝治君
                松谷蒼一郎君
                一井 淳治君
                上山 和人君
                川橋 幸子君
               日下部禧代子君
                谷畑  孝君
                種田  誠君
                肥田美代子君
                三重野栄子君
                峰崎 直樹君
                山田 健一君
                藁科 滿治君
                笹野 貞子君
                武田邦太郎君
                直嶋 正行君
                萩野 浩基君
                荒木 清寛君
                牛嶋  正君
                刈田 貞子君
                有働 正治君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   細川 護煕君
       外 務 大 臣  羽田  孜君
       法 務 大 臣  三ケ月 章君
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
       文 部 大 臣  赤松 良子君
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
       農林水産大臣   畑 英次郎君
       通商産業大臣   熊谷  弘君
       運 輸 大 臣  伊藤  茂君
       郵 政 大 臣  神崎 武法君
       労 働 大 臣  坂口  力君
       建 設 大 臣  五十嵐広三君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤 観樹君
       国 務 大 臣 
       (内閣官房長官) 武村 正義君
       国 務 大 臣 
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)     
       (国土庁長官)  上原 康助君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  愛知 和男君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       久保田真苗君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       江田 五月君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  広中和歌子君
       国 務 大 臣
       (政治改革)   山花 貞夫君
   政府委員
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房内政審議室
       長        藤井  威君
       内閣官房内閣安
       全保障室長
       兼内閣総理大臣
       官房安全保障室
       長        坪井 龍文君
       内閣官房内閣広
       報官室内閣広報
       官       
       兼内閣総理大臣
       官房広報室長   半田 嘉弘君
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第一
       部長       津野  修君
       警察庁長官官房
       総務審議官    山本 博一君
       総務庁人事局長  杉浦  力君
       総務庁行政管理
       局長       八木 俊道君
       総務庁行政監察
       局長       田中 一昭君
       防衛庁参事官   萩  次郎君
       防衛庁参事官   太田 眞弘君
       防衛庁長官官房
       長        宝珠山 昇君
       防衛庁防衛局長  村田 直昭君
       防衛庁教育訓練
       局長       上野 治男君
       防衛施設庁長官  米山 市郎君
       防衛施設庁総務
       部長       草津 辰夫君
       防衛施設庁施設
       部長       江間 清二君
       経済企画庁調整
       局長       小林  惇君
       経済企画庁物価
       局長       谷  弘一君
       経済企画庁総合
       計画局長     吉川  淳君
       経済企画庁調査
       局長       土志田征一君
       沖縄開発庁総務
       局長       渡辺  明君
       国土庁長官官房
       長        藤原 和人君
       国土庁土地局長  原  隆之君
       外務省総合外交
       政策局長     柳井 俊二君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高野幸二郎君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省北米局長  佐藤 行雄君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省条約局長  丹波  實君
       大蔵省主計局長  篠沢 恭助君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省銀行局長  寺村 信行君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆俊君
       国税庁次長    三浦 正顯君
       文部大臣官房長  吉田  茂君
       文部省高等教育
       局私学部長    泊  龍雄君
       厚生大臣官房総
       務審議官     佐々木典夫君
       厚生省保健医療
       局長       谷  修一君
       厚生省生活衛生
       局長       柳澤健一郎君
       厚生省老人保健
       福祉局長     横尾 和子君
       厚生省児童家庭
       局長       瀬田 公和君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産大臣官
       房総務審議官   山本  徹君
       農林水産省経済
       局長       眞鍋 武紀君
       農林水産省構造
       改善局長     入澤  肇君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       農林水産省畜産
       局長       東  久雄君
       食糧庁長官    上野 博史君
       通商産業省通商
       政策局長     坂本 吉弘君
       通商産業省産業
       政策局長     堤  富男君
       郵政大臣官房長  木村  強君
       郵政大臣官房財
       務部長      楠田 修司君
       郵政省通信政策
       局長      五十嵐三津雄君
       労働大臣官房長  征矢 紀臣君
       労働省労政局長  齋藤 邦彦君
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定
       局長       七瀬 時雄君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       建設省都市局長  黒川  弘君
       建設省道路局長  藤川 寛之君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
       自治大臣官房長  遠藤 安彦君
       自治大臣官房総
       務審議官     松本 英昭君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○平成五年度一般会計補正予算(第3号)(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成五年度特別会計補正予算(特第3号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成五年度政府関係機関補正予算(機第3号)
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に北村哲男君及び北澤俊美君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(井上吉夫君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(井上吉夫君) この際、御紹介いたします。
 今般、本院議長のお招きにより来日されましたイスラエル国のシェヴァハ・ヴァイス国会議長の御一行が、本委員会傍聴のため、ただいまお見えになりました。
 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと存じます。
   〔総員起立、拍手〕
    ―――――――――――――
#7
○委員長(井上吉夫君) 議事を進めます。
 平成五年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 質疑を行うのは本日一日間とし、総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は百六十分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党八十八分、日本社会党・護憲民主連合三十分、新緑風会十三分、公明党・国民会議九分、日本共産党十二分、二院クラブ八分とすること、及び質疑の順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりとすることに決定いたしました。
 以上、御報告いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(井上吉夫君) 平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を徴収いたします。大蔵大臣藤井裕久君。
#9
○国務大臣(藤井裕久君) 平成五年度補正予算(第3号)の大要につきましては、既に本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での審議をお願いするに当たり、その内容を申し上げます。
 最初に、一般会計予算の補正について申し上げます。
 まず、歳出の補正について申し上げます。
 政府は、我が国経済を平成六年度中のできるだけ早い時期に本格的な回復に移行させ七年度以降の安定成長を確実なものとするため、去る二月八日、十五兆円を上回る史上最大規模の総合経済対策を決定いたしました。
 今回の補正予算におきましては、この総合経済対策を実施するため、公共事業等の追加一兆九千二百一億円を計上しております。
 また、中小企業等特別対策費八百二十二億円、国際化対応緊急農業対策費一千四百二十八億円、産業投資特別会計へ繰り入れ等百九十一億円及び都市開発資金融通特別会計へ繰り入れ二百九十一億円を計上しております。
 このほか、明るい選挙推進委託費十八億円を計上しております。
 これらを合わせた歳出の追加総額は二兆一千九百六十億円となっております。
 他方、歳出の修正減少として、既定経費について百八億円を節減することとしております。
 次に、歳入の補正について申し上げます。
 まず、歳入の追加につきましては、その他収入につきまして四十六億円を計上するほか、総合経済対策を実施するためのやむを得ざる措置として、公共事業関係費の追加に対応するもの等について建設公債二兆一千八百二十億円を追加発行することとしております。
 他方、歳入の修正減少として、その他収入につきまして十三億円を減額しております。
 以上によりまして、平成五年度一般会計第三次補正後予算の総額は、歳入歳出とも第二次補正後予算に対し二兆一千八百五十二億円増加し、七十七兆四千三百七十五億円となっております。
 特別会計予算につきましては、国立学校特別会計、道路整備特別会計等十五特別会計において所要の補正を行うことといたしております。
 政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫、公営企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫におきまして所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、総合経済対策を実施するため、住宅・都市整備公団、公営企業金融公庫等に対し所要の追加を行うことといたしております。
 以上、平成五年度補正予算(第3号)につきましてその内容を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
#10
○委員長(井上吉夫君) 以上で平成五年度補正予算三案の趣旨説明は終了いたしました。
 なお、政府委員の補足説明は省略し、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(井上吉夫君) それでは、これより質疑に入ります。久世公堯君。
#13
○久世公堯君 今回の予算委員会の開会に当たりまして、衆議院では三日間、そしてきのうの夜参議院に送られたわけでございますが、しかしながら、現在の景気を見ますと、総合経済対策もまた予算もおくれにおくれましたために一向に回復の兆しかございません。参議院の予算委員会といたしましては、国民生活に最も関係の深いこの予算を一日も早く上げるべく本日一日の予算委員会となったわけでございます。また、でき得れば今晩中に本会議で上げたいと願っているところでございます。
 そこで、このように一日にしたことによって予算執行上あるいは経済対策上どのような効果があるか、大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。
#14
○国務大臣(藤井裕久君) 今回の第三次補正予算につきまして、ただいま久世委員からお話しのあったような方向で速やかな御審議をいただけるということは、本当に政府としてありがたいことだと思っております。
 補正予算の速やかな成立を受けまして、公共事業等について早速あすからでも執行に取りかかり得るということになると存じますが、三月に入り込むことなく二月下旬の中ごろから第三次補正予算を執行することができるということは、この時期に第三次補正予算の御審議をお願いした趣旨にもかなうものと考えておりますし、現下の経済情勢に照らして極めて意義のあることと考えております。ありがとうございます。
#15
○久世公堯君 総理、いかがでございますか。
#16
○国務大臣(細川護熙君) 今、大蔵大臣からお答えがあったことにほとんど尽きておりますが、現下の経済情勢にかんがみて参議院でこのようなことを決めていただいたということは……(「さすが参議院の見識である」と呼ぶ者あり)さすがに本当におっしゃるように参議院の御見識であると高く評価をいたしております。
#17
○久世公堯君 どうかひとつ、きょうの予算委員会を実りある一日にいたしたいと考えます。
 この三次補正予算は内容もいろいろありますが、今申しましたように一日でやらせていただきたいと思いますが、しかし、かねてから私どもが要求をいたしております例えば総理の一億円問題、NTT株問題、さらには藤井大蔵大臣の献金問題、あるいは週刊誌に出ております坂口労働大臣の一億円問題、神崎郵政大臣の盗聴問題、いろいろ細川内閣にまつわる問題につきまして既に証人喚問等を要求しているわけでございます。また、このほかにもゼネコン問題、あるいは政教分離問題、池田大作さんの証人喚問も要求をいたしております。そういう問題が山積をいたしておりますので、当委員会といたしましては証人喚問も含めてぜひこれを究明してまいりたいと思います。
 つきましては、当初予算に入ります前に、予算委員会のこの中で、特に細川総理大臣の問題と藤井大蔵大臣の問題につきましてはぜひ一日集中審議をやりたいと思いますので、よろしく委員長の方でお取り計らい願いたいと思います。
#18
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#19
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
 ただいまの久世委員の要請につきましては、理事会で協議し、前向きに対応するということにいたしてまいりたいと思います。
 質問を続けてください。
#20
○久世公堯君 細川内閣が成立をいたしましてから半年が過ぎたわけでございます。当初のうち内閣支持卒というものは七〇%を超えるというかなり高い支持率でございましたが、しかし、昨年の暮れあたりから経済・景気問題につきまして六〇%台に低下をいたしております。それから、政治改革の法律が成立したときにまた七〇%になったわけでございますが、先般の国民福祉税問題で五〇%台まで落ちているわけでございます。
 内閣支持率と申しますのは、国民の声を反映をしているものでございます。これにつきまして総理の御所見を承りたいと思います。この数字につきまして御感想をお聞かせいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(細川護熙君) 世論調査による内閣支持率というものは、内閣の運営をしてまいります上で大変大きな一つの指標にもなりますし、また政権の支えにもなるものでございますから、その数字というものは重く受けとめてまいらなければならないというふうに思っております。
#22
○久世公堯君 前回、この予算委員会が開かれましたのは昨年の十二月十五日、最終日でございました。そのときに朝からこの三次補正問題、それから年内に予算を編成すべき問題、これにつきまして大蔵大臣が何回か答弁を変えられたわけでございます。また、官房長官は昼過ぎに年内編成というものについて政府の統一見解というものを発表されました。それについて大蔵大臣、官房長官から承りたいと思います。
#23
○国務大臣(藤井裕久君) 私の国会答弁についてのお話がございましたが、私が終始申し上げておりましたことは、現下の厳しい経済情勢のもとにおいて一般論として第三次補正というのはあり得ることではあろうが、しかし現在考えていない、このようにお答えしてきたつもりであります。
#24
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のように、十五日のこの委員会におきまして政府統一見解として私が文書を朗読いたしました。
 年内予算編成の問題につきましては、政府とし
 ましては、現在、年内編成に向けまして鋭意作
 業を進めているところであります。仮に大幅延
 長になれば年内編成が難しいことは承知をして
 おりますが、年内編成ができないかどうか可能
 性を探ってまいりたいと存じます。とお答えをいたしました。
#25
○久世公堯君 大蔵大臣は大変雄弁家でいらっしゃいますが、このときは、午前中は三次補正はあり得る、その次は一般論としてはあり得る、最後には絶無ではない、こういうふうにくるくると答弁を変えられたわけでございます。
 また、官房長官がおっしゃったことは今のとおりでございますが、その二日後の総理の談話でどのようにこの年内編成の問題を言っておられるか、官房長官、御答弁願います。
#26
○国務大臣(武村正義君) その後、総理、大蔵大臣を中心に真剣な検討をいただいて、記者会見で発表いたしました。
 ちょっと概要を申し上げますが、政府としましては、大幅な会期延長になれば年内編成が難しいことは認識をしておりましたが、年内編成の可能性を真摯に今日まで探ってきたところであります、しかしながら、第百二十八回国会の会期の大幅延長が決定されたことなど諸般の情勢を踏まえて、十七日の内閣総理大臣談話にあるように、五年度に新たな第三次補正予算を組むことにいたしまして、年度がわりの春先に向けて切れ目のない財政出動をすることとし、したがって、六年度予算編成は越年をいたしたいという趣旨の発表をいたしました。
#27
○久世公堯君 ただいま官房長官が前におっしゃったのと後に言われたことは、たった二日しか離れていないわけでございます。そのときに、初めは年内予算というものを何とかやりたいと言い、二日後には越年にすると。この問題が非常に景気対策なり予算なり、そういうものに影響しているわけでございます。
 私ども自由民主党は、昨年の九月以来たびたび政府に申し入れまして、ぜひこの二次補正も早くやってもらいたい、また予算はどうしても越年にしてもらっては困るということを要請したにかかわらず、こういう始末になったわけでございます。その結果、この七〇%台の細川総理の支持卒も、新聞社によっては五八%、多くは六〇%台に低落した原因かと思うわけでございます。
 さて、そこで次の問題に入ってまいりたいと思いますが、もう一点お尋ねしたいことがございます。総理、GHQというのは何でございましょうか。また、特に連立与党のGHQというものはどういうものか、御説明いただきたいと思います。
#28
○国務大臣(細川護熙君) そのようなものがいろいろうわさとして出ているようでございますが、それが連立与党の中に本当にあるのかどうかということにつきましては、私はそのように余り感じておりません。
#29
○久世公堯君 この連立与党のGHQというのは、衆議院の特定の与党の特定の人がいろいろと国会運営について指示を出す。この被害を最もこうむったのが参議院でございます。今の参議院の予算運営、特に官房長官がさっき言われた政府の統一見解、これもGHQに伺いを立ててこういうことになったわけでございますし、また予算委員会の審議中に会期を四十五日間延長したのもその一つでございましょう。
 特に政治改革委員会、その後の問題につきましては、このGHQによる問題によって参議院の独自性がいろいろと侵害をされているわけでございます。特に政治改革四法案は参議院においては否決されたわけでございます。憲法五十九条によりますと、真っすぐ三分の二の議決をするか、これはある意味においては衆議院の力の優越でございます。それに対して、この両院協議会というのは、衆参意見が異なった場合に話し合いをすることによって解決をするということで憲法で認められたわけでございます。私どもはひとつこの両院協議会において、四十年ぶりに開かれるわけです、ある意味においては憲法始まって以来でございます。したがって、ここにおいて実りある議論をしたかったわけでございます。ところが、もう開いて三日目にこのGHQでございましょうか、そちらからの指令によりましてこれは総・総会談によって解決をすると、こういうような話になったわけでございます。
 そこで総理にお尋ねをいたしますが、この総・総会談にどういう資格でお出になったわけでございますか。
#30
○国務大臣(細川護熙君) 連立与党を代表する形で出させていただきました。
#31
○久世公堯君 細川総理と自民党総裁の河野洋平さんとの中において合意書というのができておりますけれども、総理、この文書の効力はいかがでございますか。
#32
○国務大臣(細川護熙君) 与党各党の代表として私と新生党の小沢代表幹事とが代表して立ち会いましたし、また自由民主党から河野総裁と森幹事長が立ち会われました。連立与党と自由民主党を代表してそこで合意をしたわけでございますから、その合意につきましては大変重みのあるものであるというふうに受けとめております。
#33
○久世公堯君 この点は衆議院においても論議があったようでございますが、大事な問題なもので本院において重ねてお尋ねしたいと思います。
 その合意書には内閣総理大臣細川護熙と書いてあるわけでございますが、この肩書はなぜ内閣総理大臣とお書きになって、連立与党代表とはお書きにならなかったわけでございましょうか。
#34
○国務大臣(細川護熙君) そのときに、その場でもそのことが議論になりましたんですが、河野総裁ともお話をして、連立与党代表というのもいかがなものか、そういう肩書もいかがなものかと。単なる肩書として、まあ単なる肩書としてと申しますか形式的な肩書として、総理大臣ということでいいのではないかということでそのように書かせていただいたわけでございます。
#35
○久世公堯君 連立与党の各党からは本当に代表として委任をされていたんですか。
#36
○国務大臣(細川護熙君) 代表者会議の結果を受けまして、私がそこに出席をするようにと。両方でトップ会談をするということでそのような設定がなされましたものですから、そのような形で最終的に合意がまとめられたということでございます。
#37
○久世公堯君 これもまたGHQの指令かもしれませんけれども、しかしこの両院協議会あるいは議長裁定というのは立法府の中の問題でございます。そこに行政府の長である内閣総理大臣細川護熙という肩書で署名をするのはいかにもおかしい。いかがですか。
#38
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃることも確かに一つの理屈ではないかと思います。しかし、何もそこに書かないというのも、ただ名前だけ書くというのもいかがなものであろうかということで、結局最終的にそのような名称、肩書で落ちついたということでございました。
#39
○久世公堯君 単なる肩書でと。確かに、私人として結婚式に出たときとか、何かの会合に出てきたときとか、あいさつ状に書くとか、それは私人として書く場合はまだいいです。いやしくも公党の代表同士が会うということは、それは公的なものでございます。片や、内閣総理大臣というのは憲法上に定められた公的な存在です。
 その点について、私人とは違うと私は思いますが、いかがでございましょうか。
#40
○国務大臣(細川護熙君) さきに御答弁申し上げたとおり、おっしゃることはそれなりによく私も認識をいたしております。
#41
○久世公堯君 私が一番申し上げたいのは、両院協議会は憲法始まって以来というようなことでございました。それがこのような総・総会談というようなものによって決着を見たということは、あしき慣例だと思います。いやしくも良識の府であるところの参議院の存在というものを汚したと言っても過言ではないと思うわけでございます。いかがでございますか。
#42
○国務大臣(細川護熙君) 両院協議会における御協議というものも、もとよりこれは憲法に書いてある大変重要な協議のあり方でございますから、おっしゃるようにそれはそれなりに大変重要な協議の仕方だと思いますが、しかし、野党の中を代表する自民党と与党との間のトップ同士の会談でもって合意が得られるということは、これもまた政党政治の一つのルールのあり方ではないか。これも議会政治のあり方として、いや政党政治のあり方として私は大変意味のあることではないか、このように思っております。
#43
○久世公堯君 納得いたしません。
#44
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#45
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
#46
○久世公堯君 一つは両院協議会と総・総会談という問題、もう一点はそこに内閣総理大臣という行政府の長として署名されたこと、この二点について重ねて総理の御答弁をお願いします。
#47
○国務大臣(細川護熙君) 合意文書への署名は肩書として総理大臣を使用しただけでございまして、総理大臣の権限として行ったものではございません。行政府の長として総・総会談に臨んだわけではございませんが、もっとも、今回は実質的に連立与党全体を代表する地位にある者という意味を込めて臨んだということでございます。
#48
○久世公堯君 法制局長官、御見解をお願いします。
#49
○政府委員(大出峻郎君) この御指摘の合意書の作成に関して私ども関与をいたしておるわけではございませんので、その合意書について御説明すべき立場にはございませんけれども、一般論として申し上げますというと、文書等で内閣総理大臣○○○○と表示するような場合、内閣の首長あるいは総理府の長という行政組織上の地位をあらわす意味で表示する場合と、それからその地位にある者、すなわち内閣総理大臣という地位にある者、こういう意味でその人の肩書として表示をする場合とが、日常にはしばしばあり得ることだと思います。
 先ほど総理の答弁されたことは、この後者の意味合いにおいて内閣総理大臣という言葉を使ったということであり、ただそれはそれだけではなしに、先ほどの総理の御説明によりますというと、今回は実質的に連立与党全体を代表する地位にある者、そういう立場で、そういう意味を込めて用いたということであり、それはあり得ることだと思います。
#50
○久世公堯君 納得できません。
#51
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#52
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
 午前十時に再開することとし、暫時休憩いたします。
   午前九時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午前十時四十分開会
#53
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。久世君。
#54
○久世公堯君 今までの経緯から、総理は、総・総会談と言われるものには連立与党を代表して出席をされたのでございますね。
#55
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃるとおりでございます。
#56
○久世公堯君 連立与党の代表でありながら内閣総理大臣という肩書をお使いになったことは、間違いだったんですね。
#57
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃるとおり、道切ではなかったと思います。
#58
○久世公堯君 そうしますと、あの署名の肩書を訂正されるわけですね。
#59
○国務大臣(細川護熙君) ただいま申し上げましたことで御了解をいただきたいと存じます。
#60
○久世公堯君 明らかに間違いであったということを細川総理はお認めになったわけでございますので、よく了承をいたしました。
 私は前から感じていたわけでございますが、この内閣は全体として憲法感覚と申しますか、そういう認識が少し足りないんじゃないか、こういう気がしてならないわけでございます。あるいはリーガルマインドと言ったかもしれません。と申しますのは、今までのいろんな御答弁のときに、国務大臣としてこちらがお問いかけをしているのに、自分の所管ではないと。どうも憲法と内閣法と国家行政組織法の関係がおわかりになっておられない閣僚がかなり多いわけでございます。ひとつ皆さん方の反省をこの一例からしても申し上げたいと思います。
 三ケ月法務大臣は、民事訴訟法の日本一の権威かつ憲法の感覚の豊かな方でいらっしゃいますが、今私が申し上げました閣僚としての憲法感覚、リーガルマインド、そういうものについてどういうふうに御認識しておられるか、御答弁を願います。
#61
○国務大臣(三ケ月章君) 民事訴訟法につきましてもそれほどの権威ではございませんし、それから、ましてや憲法の問題につきましては法律家の一人としてわきまえている程度のものでございまして、御質問のような形での資格で申し上げることは到底できないことを自覚いたしておりますが、しかしながら、せっかくの御指名でございますので、国政運用ということにつきましては、十分な憲法感覚と申しますか、憲法というものの精神というものを踏まえながら、閣僚の一員としてやはり勉強してまいらなければならないということをただいまの御指摘を契機といたしまして深刻に心に刻み込んでおるところでございます。
#62
○久世公堯君 それでは次に、第三次補正予算と九四年度の予算編成について申し上げたいと思いますが、増減税問題、いろいろと経緯につきまして不可解、不明瞭なものがございます。ただ、この総合経済対策、三次補正、そして当初予算は一応編成ができたわけでございます。世論を見ますと、故意に引き延ばした。結論というものは、財源を含む税制改革を決められないままに単年度の減税に終わり、かつ一カ月半もおくれたわけでございます。そして私は、その最大の原因というものは減税の財源をめぐる連立与党内の意見の調整であったと思うわけでございます。そういうことで、この点は衆議院でもある程度議論しておられますけれども、一番問題はこの点でございますので、少しく私の考えを申し上げ、またお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。
 国民福祉税構想、非常に世論を騒がしたわけでございますが、これは内容や政策よりもその手順に問題があったということが言われております。国民は三つの点で怒っている。総理、国民がどのような点で怒り、かつ、それについてどう反省をしておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#63
○国務大臣(細川護熙君) 一つは手続、もう一つは内容、もう一つは、これも手続ということでございましょうが、深夜であったというようなことかと思います。
#64
○久世公堯君 私は三つの点、一つは、今、総理もおっしやいましたように、草木も眠るうし三つどきに総理自身で発表された。寝首をかかれたとか寝込みを襲われたとか寝耳に水であったとか、そういう評価が一般的でございます。二番目には、実質的な消費税のアップ。これを名前だけを国民福祉という名前に変えただけである。国民を愚弄するも甚だしい。三番目には、税率を七%にしますと増収は九兆五千億になります。減税額は六兆円。いろいろ理屈をつけておられますが、この三兆五千億という必要以上の増収である、こういうことを言っているわけでございますが、この三点について、総理、どのように思われますか。
#65
○国務大臣(細川護熙君) 少し長くなりますが、この福祉税構想の提案あるいは手続の話からまず申し上げたいと思います。
 連立政権の樹立に当たりまして、私どもは所得、資産、消費のバランスのとれた総合的な税制改革を行うということで合意をいたしました。この合意を踏まえまして、九月以来税調で御審議をいただいてまいりまして、十一月中旬に答申をいただきました。それ以降、平岩研究会におきましてもまたこの問題について御論議をいただいたところでございます。
 連立与党側におきましては、その後政策幹事会あるいは代表者会議におきまして協議をしてまいりまして、そうした協議を踏まえまして経済問題協議会、これは閣僚だけでございますが、そこにおける対応の一任を受けまして、景気対策でありますとか、あるいは補正予算、あるいは当初予算、あるいはまた訪米の日程等々限られたその時間の中で、期限がある意味で区切られた中で、今申し上げましたように経済問題協議会に対応を一任し、また代表者からの意見聴取と総理一任の手続を経まして税制改革の具体案として私の草案を代表者会議に提示をさせていただき、拡大政府与党首脳会議に提示をして私の判断で発表させていただいたということでございます。
 大変唐突ではないかということでございますが、発表間際まで関係閣僚も知らなかったのではないかと、恐らくこういうことも含めてのお尋ねであろうと思います。
 事実関係について若干申し上げますと、税制改革の具体案を税制改革草案として提示をいたしましたのは二月二日でございますが、税制改革のあり方につきましては、就任以来、所信表明演説におきましても一貫して高齢化社会に対応した税制改革の実現ということを訴えてまいりました。
 確かに多くの閣僚の方々は税制改革草案を発表間際になって知られたと思っておりますが、関係閣僚の対応一任の手続を経て、連立与党の代表者の方々からの各党の意見聴取、対応一任などぎりぎりの調整を経まして、先ほど申し上げましたように、限られた、後ろが区切られた時間の中で最終的には私が判断し提示をせざるを得なかったと、こういうことで大変慌ただしい中の決定でございましたから唐突な思いを国民の多くの方々が持たれたと思いますし、その点につきましては大変申しわけなく思っております。
 とりあえずそれでよろしゅうございますか。
#66
○久世公堯君 はい。
 今、数カ月のことを言われるとそういうことになるのかもしれませんが、あの二月二日の深夜というのは、衆議院の御答弁を聞いていただけでも大変不可解でございます。
 そこで、官房長官、自治大臣、厚生大臣、総務庁長官、それから外務大臣、それぞれの方が一体二日の何時ごろ聞いて、それから自分の見とどう連絡をして、そしてどうわかって、最後は内閣としてどう決まったんだということをそれぞれお答えいただきたいと思います。
#67
○国務大臣(武村正義君) 今、総理がお答えになったとおりでございますが、党の問題は主としては私は閣僚に入っておりますので党の責任者にお任せをいたしておりまして、私自身が党に持ち帰ってどうこう協議ということはいたしておりません。
 いずれにしましても、国民の、子供さんからお年寄りに至るまで大きな負担をお願いするという課題でございますだけに、大変唐突な感じを与えたことは振り返って反省をしなければならないというふうに思っております。
 私は、この問題について、特に政権の中におって重視をしましたのは、社会党が委員長、書記長が賛成されていないという事態を、これこそ大変重く見詰めておりまして、この後、総理とも相談をしながら、これが間違えば政権の瓦解になりかねないという心配もいたしまして、そのことを総理と真剣にお話し合いをさせていただいた経緯がございます。
 以上です。
#68
○久世公堯君 何時にお聞きになったんですか。
#69
○国務大臣(武村正義君) この税制改革の議論は、私ももう就任のときからずっと……
#70
○久世公堯君 それは知っていますよ。国民福祉税のことを……
#71
○国務大臣(武村正義君) 国民福祉税草案要綱でしたか、ペーパーで知ったのは七時か八時ごろだと思います。
#72
○国務大臣(佐藤観樹君) 総理からお答えになりましたように、全体的には私も自治大臣という立場で経済問題協議会の中で何度か羽田座長のもとでいろいろな議論をしてきたわけでございます。
 一月三十一日、月曜日でございましたけれども、夕方に経済問題閣僚会議がございまして、ここで一任をしてもらいたいというお話ございましたけれども、中身が必ずしも判明しておりませんので一任ということには社会党としてはならないということを申し上げ、草案そのものを聞きましたのは二日の夕方、七時ちょっと過ぎだと思います。現物を見たのは最終的な拡大政府与党首脳会議の場、十一時ちょっと過ぎだと思いましたけれども、その場でございました。
#73
○国務大臣(大内啓伍君) 国民福祉税及びその税率、実施時期といったようなものを明記いたしました書類を拝見いたしましたのは、自治大臣からも今お話しかございました二日の十一時過ぎから
#74
○久世公堯君 夜の十一時ですか。
#75
○国務大臣(大内啓伍君) 夜ですね。夜の十一時から始まりまして未明にかけました会議がございまして、そこで初めて拝見をいたしました。
 しかし、それよりさき、夕刻ごろでございましたか、私どもの政策幹事の方に報告を求めましたところ、そういう問題が浮上してきているというお話がございました。しかし、私どもの党の場合は減税先行論という立場でございましたので、そういうものをにわかに決定することについては承服しかねるということから目下交渉中であるという報告をいただいておりまして、恐らくそういう方向で意思統一がなされるのであろうと、私自身は大体そういう見通しを持っていたのでございますが、実際に今の十一時過ぎからの会合でその書類を見ることになったということで、そういう福祉税構想について事前にいろんな議論をしたわけではございません。
#76
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。
 私はかなり早い時点でこの構想については聞いておりました。現実にペーパーを見ましたのは確かに十一時ごろの話でございますが……
#77
○久世公堯君 何時ですか。十一時。
#78
○国務大臣(石田幸四郎君) はい。
 その前に、ネーミングの問題は別にしまして、いわゆるどのぐらいの減税をやるべきか、いわゆる財源確保の時期をどういうふうに決めるべきかというようなことになりますれば当然税率は決まってくるわけでございますから、そういうような議論につきましては、政府・与党会議の中でも、あるいは政策幹事会の中でも、税制のあり方として随分議論をされてきたように私は聞いておるわけでございます。
 そういった最終的な流れの方向につきましては党内でもその間たしか三回ぐらい議論をして、今までのそういった政務幹事会なり代表者会議の議論を踏まえて党内では議論をいたして、大体方向性としては承知をいたしておったわけでございます。ただ、申し上げましたように国民福祉税というネーミングについては十一時ごろのペーパーで初めて知ったわけでございます。
 そういうわけで、党内的には私の方は何の異論もない、そういった意見の集約を経ていわゆる代表者会議に一任をした、こういうような経過でございます。そこら辺が他の政党と議論の中身がちょっと違っておったのかなというようなことを大変残念に思っておるところでございます。
#79
○国務大臣(羽田孜君) ちょうど二日の日のたしか六時ごろだったと思いますけれども、総理のところに各党の代表の皆様方がおいでいただきまして、それぞれの御意見を聞かせていただきました。そして、その御意見の中で国民福祉税という、いわゆる福祉税というネーミングといいますか、そういったものが多かったというふうに承っております。
 そういう中で作業を総理の方からお命じになりまして、実際に文章といいますか一覧にしましたのは、政府・与党と経済問題協議会のいわゆる拡大の会議が夜の十一時ごろ開かれたわけでございまして、そこで草案をみんな拝見したということであります。
#80
○久世公堯君 今承りましたように、総じて申しますと、新生党と公明党は若干早かった、あとはもう真夜中に近いときに大体わかったと。
 特に、税制改正が必要だという議論は、それこそ政府税調からずっとやってきておりました。それは私も十分知っております。しかし問題は、消費税をすりかえて国民福祉税という名前をつけて国民に発表したところに問題があるわけでございます。そういう意味でこれは大変なことでございます。新聞には、脚本大蔵省、演出一・一、そして主演細川と。何か本当に主演だったのかあるいはわき役であったのかわかりませんけれども、そういうことが言われるのもなるほどと私は今の御答弁を聞いて感じたわけでございます。
 そこで、総理にお尋ねをいたしますが、先ほど経緯は承りましたが、総理は白紙撤回を簡単におやりになりました。そして、その白紙撤回の過程におきましては、代表者会議で異なる結論が出ればそういうことで結構だ、自分はメンツにこだわらない、こういうふうにお答えになっているんですが、御自分で判断して白紙撤回をされたんでしょうか。それとも、GHQか一・一か知りませんが、そちらからの指令でおやりになったんでしょうか。
#81
○国務大臣(細川護熙君) 連立与党の政策決定過程というのは、最終的に政府・与党で決定をいたしております。その前に代表者会議で各党の御意見を集約をして方向づけをしていただくという形になっているわけでございまして、私が白紙撤回をいたしましたときにも、当然それはそのようなところにお諮りをして白紙撤回させていただいた、こういうことでございます。
#82
○久世公堯君 総理は記者会見をおやりになりましたが、これは国民に向かっておやりになったのだろうと思いますが、先ほどから肩書がいろいろ問題でございますが、これは総理大臣としておやりになったんでございましょうね。
#83
○国務大臣(細川護熙君) これは、政府として提出をさせていただいたわけでございますから、私の総理大臣としての肩書においてやらせていただきました。
#84
○久世公堯君 私はこの問題を聞いておりまして、連立政権というのはそんないいかげんなものなんだろうか、議院内閣制と連立政権につきまして非常に痛感することがあります。
 それは、党の機関が決定する。各代表等がいるからそれを閣僚と連絡する。このような重要なことを直前に閣議も開いていない。そして、総理の口をかりて発表する。党の機関がしまったと言えば、また総理が白紙撤回をする。連立政権というのは、よく総理は、ヨーロッパはみんなそうだということでございますが、連立政権というのは一体このようなものなんでございましょうか。少なくとも、自民党の場合は総理と総裁は一体でございまして、こういう食い違いは絶対ございません。
 お答えいただきたいと思います。
#85
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃるように自民党の場合には一つの党でございますから、総裁と総理の間に、あるいはまたほとんどの場合にお一人の方でございますが、同「人物が兼ねておられるわけですが、党の執行部と総理・総裁との間に乖離があることはないんだろう、それはそのとおりだと思います。
 しかし、連立与党の場合には、八党派が一緒になってやっているわけでございますから、その政策の決定の過程におきましてさまざまな議論もございますし、また限られた時間の中でどうしてもその調整というものが必ずしも十分にいかないという面もあろうかと思います。そうした試行錯誤というものを繰り返しながら、何とかその政策決定の過程というものが少しでも透明化をされていくように、そしてきちんとした形でそれが進められていくように今後とも十分気をつけていかなければならないことだというふうに思っております。
#86
○久世公堯君 総理は、七%について腰だめとおっしゃっておられますが、腰だめというのはどういう意味でございましょうか。
#87
○国務大臣(細川護熙君) 確かに、腰だめという表現は適切ではなかった。これは、その記者会見のときにも私はそういうことをすぐ申し上げました。
 ただ、私が申し上げました趣旨は、その七%の根拠について、あえて申し上げますと、七%という税率を考えるに当たりましては、ゴールドプランの見直しなど社会保障制度の歳出の増加を見込んでいたわけでございますが、これにつきましては、今後の福祉政策の方向を示す福祉ビジョンの発表が三月になるということでございますし、それからまたもう一つは、ゴールドプランの見直し作業の土台になる各市町村、都道府県の老人保健福祉計画、これがやはり三月末にならないと出そろわないといったようなこともございますものですから、そういう事情がございましたので、税率の根拠についてはおおよその見当で申し上げる、そういう趣旨をお伝えしようということでそのようなことを申し上げたところでございます。
 いずれにいたしましても、腰だめというのはそういう意味で申し上げたことでございまして、適切な表現ではなかったというふうに思っております。
#88
○久世公堯君 私は、この「腰だめ」を字引で引いてみますと、当てずっぽうで物事を決める意に用いられると、こう書いてございました。また、新聞によりますと、総理のお言葉では、正確にはじいていない、腰だめの数字だ、しかし大体この程度の財政の需要は必要だ、こう言っておられるわけでございます。
 総理は、ここでこういう失言をしておられるだけじゃないんです。もう一つ、政党助成法についての御答弁でもこんなことを言っておられます。大ざっぱだが、とにかく導入してみてからと、こういうふうに言っておられるわけです。いやしくも、税金で政党助成をする、またこの国民福祉税は税金として国民からいただく、こんなもので国民の痛みがわかるのでございましょうか。あるいは殿様というのはそういうものなのでございましょうか。御答弁いただきたいと思います。
#89
○国務大臣(細川護熙君) 先ほども申し上げましたように、確かにその辺の点につきましては表現が適切でなかったことがあろうかと思います。
 先ほど税率の問題につきましては不確定な要素が幾つかあったということを申し上げましたが、あの七%の根拠をお示ししましたときに、中身としては、ゴールドプランの見直しなどで〇・八兆円、政府部門の国民福祉税負担の増として一・三兆円、つなぎ国債の償還財源として一・四兆円といろいろそれはあるわけでございますが、にもかかわらず、先ほど申し上げたような要素もいろいろある。こういうことを踏まえて、そのように正確な根拠ということでは必ずしもないがというようなことで、それはもう少し時間がたたないとそこのところは出てこないけれどもということで申し上げたところでございます。
 もう一つの政党助成の点につきましても、これもいろいろな考え方があろうと思います。現に、いろいろな考え方を各党とも持っておられますし、またそれは学界などにおきましてもさまざまな御論議があるわけでございまして、この辺のところにつきましては、なかなか説得力のある、それぞれに考え方があるものでございましょうから、いやこの点については自分はどうしても理解できないんだと、それなりの根拠を示してもなかなか御納得をいただけない方もおられるのではないか、こういう感じはいたしております。そういう意味で申し上げているわけでございます。
#90
○久世公堯君 細川総理は前に自民党におられたわけでございますが、大平政権のときの一般消費税、そのときには大平総理は総選挙で惨敗をされました。中曾根政権では売上税でこれまた失敗をされました。竹下政権では、消費税の導入に非常に苦労をしてようやくできたものの、参議院でも衆議院でも惨敗をしたわけでございます。
 税の導入というのは、それほど国民の痛みを伴うものでございます。少なくとも私ども自民党は、こういう税制をつくるときには自民党税調でそれこそ何十時間も議論する、それがまた国民にも伝わる、批判も仰ぐ、大蔵省の原案も直させる、これだけの努力をしているわけです。
 総理はそのあたりの御体験もあるわけでございますが、どうお感じでございましょうか。
#91
○国務大臣(細川護熙君) ちょっと御質問の趣旨がよくわからなかったんですが、歴代の大平内閣、中曾根内閣、竹下内閣における税制改革をどう評価するのか、こういうことでございましょうか。そういうことでよろしゅうございますか。
#92
○久世公堯君 はい。
#93
○国務大臣(細川護熙君) それは、もとよりこれからの高齢化社会というものを迎える中で、いかに安定した税体系というもの、受益と負担の関係を構築するかということについて歴代の内閣が大変御苦労なさって、また今お話しかございましたように、自民党の税調の中におきましても大変活発な御論議があって消費税というものが成立をした、成り立ったということにつきましては、私は大変な英断であると高く評価をいたしております。
#94
○久世公堯君 総じて私は総理のお言葉というのは軽過ぎるという気がいたします。衆議院の方の代表質問で谷垣禎一議員は言葉の重みということを終始言われたわけでございますが、私も同感でございます。「綸言汗の如し」という格言がございますが、このような古諺を引くまでもなく、私は総理に言葉の重みということをひとつ御注意を申し上げたいと思います。
 こういうことでは、これからの内政や外交の問題についても、今のように政策決定というものを軽くやって、しかもGHQとかというところの指令がかなり重みがある、間違っていたら簡単に撤回する、これでは困るわけでございますので、今後の問題も含めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#95
○国務大臣(細川護熙君) 総理大臣の言葉の持つ重みということにつきましては、御指摘のとおりだと思います。極めて重いものであるというふうに認識をいたしております。
 ただ、先ほども申し上げましたが、連立政権におきます政策決定につきましては、まだまだ初めての、ヨーロッパのように少数の与党が連立をしているという状況ではございませんから、いろいろ試行錯誤もあろうかと思います。しかし、そこのところでそごを来すことがないようにできる限り最善の努力をしてまいりたい、このように思っております。
 それからまた、何かGHQというお話が先ほどからたびたび出てまいりますが、連立政権の政策決定過程というのは、先ほどから申し上げますように、それなりの政策決定過程というものを、政策幹事会とか政務幹事会とか代表者会議とかあるいは政府・与党とか、そうしたものを積み上げてやってきておりますわけでございますから、何かどこか特定の方向からそのような指示が出てそのような方向に向かって動いている、そういう非民主的な手続でもって決められているものではないということは念のために申し上げておきたいと思います。
#96
○久世公堯君 今度の国民福祉税構想というのを連立与党が白紙還元いたしましたのは、社会党が消費税の反対姿勢というものを示したのが引き金だと承っております。
 社会党は、消費税を導入するときに反対だけを唱えて、またほかの政治的要因も加わったために参議院選挙を大勝されたわけです。引き続く衆議院選挙も大勝されました。反対の一言、だめなものはだめで選挙をお勝ちになったわけでございます。消費税にかわる財源は一体何か、あるいは財源問題に係る議論というものを後回しにして反対だけを唱えられたわけでございますが、これで与党の第一党としての責任が逃れられるわけではございません。
 これは山花大臣か佐藤大臣か、どちらがこの問題に関与されておるのかわかりませんが、お答えをいただきたいと思います。
#97
○国務大臣(佐藤観樹君) 私たちはそのような無責任なことで対応しているつもりは毛頭ございません。
 国民の皆さん方のあの消費税導入に対する非民主的なやり方に対する怒りで野党第一党でありました当時の社会党に大変票が来た。そのことは事実でございます。その後、参議院の方から消費税の廃止の法案を出しました。そのときには、法人税の課税の強化あるいは資産課税の強化というようなことで物品税等も含めてちゃんと財源をつけた消費税廃止法案というものを出しておるわけでございまして、私たちは政党として責任ある行動をしているつもりでございます。
#98
○久世公堯君 単年度の減税に終わったことにつきまして、大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#99
○国務大臣(藤井裕久君) 先ほど来も御議論がありましたように、私どもはやはり税制改革というものは将来の社会を見据えて一つの大きな改革として取り組んでいかなければならないという気持ちで終始取り組んでまいりました。
 そういう中でも、今、先ほどの経緯のとおりでありますが、政府・与党のぎりぎりの御選択によりまして年内にそういう税制改正をやるという御決定もあるのは御承知のとおりであります。同時にまた、現在の極めて厳しい経済情勢の中で減税を先行するという御決定もいただき、その線でやっております。
 私は、単年度というように言われておりますけれども、政府・与党の中で約束のあります本格的税制改正というものが今年中に行われるものと考えております。
#100
○久世公堯君 今、今年中にというお話がございましたので、この増減税問題についての今後のスケジュールについて承りたいと思います。
 協議会がつい先般発足をしたそうでございますが、協議会の発足とスケジュールについて、大蔵大臣、お答えいただきたいと思います。
#101
○国務大臣(藤井裕久君) 二月十七日にその協議会ができたことは私も承知をいたしております。ただ、党の問題でございますので、私からこれ以上申し上げることは差し控えさせていただきます。
#102
○久世公堯君 私が知り得た限りにおきましては、「福祉社会に対応する税制改革協議会」というのができて三つの小委員会ができた、そして社会党も御参加いただいた、社会党も土俵の上に乗っかってきた、このように新聞は書かれております。そして、話によりますと、そこで合意書ができているわけでございますが、その合意書によりますと、先ほどからお答えがありましたように、年内の国会において関係の法律を成立させるものとすると、はっきりと連立五会派、全党で合意をしておられるわけでございます。
 そこで、お尋ねをいたしたいと思いますが、年内に国会で関係法律を成立させるということについて、それぞれの党のお立場としてこれをお答えいただきたいと思います。外務大臣、総務庁長官、官房長官、大内厚生大臣、社会党は山花大臣、佐藤大臣、五十嵐大臣、それぞれお答えいただきたいと思います。
#103
○国務大臣(羽田孜君) ただいまの御指摘のありました点につきまして、私どもといたしましては、年内にこれをつくり上げるために全精力を挙げてまいります。
#104
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。
 私も党の責任者としまして、減税財源確保を含め、将来の世代に対する責任のある税制改革を一日も早くつくらなきゃならないと思います。そういった意味におきまして、連立与党内に設置する協議会において年内に関係の法律を成立させるということの合意が得られているわけでございますから、その合意に向かって誠心誠意やっていかなければならない、こう思っております。
#105
○国務大臣(大内啓伍君) 連立与党の代表者間でそのような合意書が署名入りでつくられたということはよく承知をいたしております。これは各党間の大事な約束でございますから、年内の国会においてそれを成立させるために努力を尽くしたい、こう思っておるわけでございます。
 と申しますのは、やはりこれからの高齢化社会の中におきまして必然的に財政需要というものが増大してくる、これに対して早期に答えを出すということは、我々政党人にとっても、また政治家としても、また行政の長としても責任ある姿勢ではないか、こう思っておる次第でございます。
#106
○国務大臣(山花貞夫君) 連立与党の合意でございます年内の成立、そして協議会における協議等を含めて誠実にこれに対応することになると私は承知しているところでございます。
#107
○国務大臣(佐藤観樹君) 山花大臣の答えたとおりでございますけれども、そこに書いてございますように、中身は、私も若干国会に出てから税をやっている者でございますけれども、大変深く広いと思っております。精力的に国民の期待にこたえてやるのが政党の責任だと思っております。
 私も今は閣僚の一員でございますので、また私のところの地方財政も安定的な財源が必要であるということのテーマも持っておりますので、そういった意味では協力できるところがあれば私も協力するのはやぶさかでないことは当然だと考えております。
#108
○国務大臣(五十嵐広三君) お答えを申し上げたいと思います。
 福祉ビジョンの構想から、あるいはバランスのある全体の税制の設計、あるいは消費税の内容の議論というようなものも含めて全体的にやっていこうということでありますから、正直なところ、なかなか時間的に大変だな、そういう思いはあるんでございます。しかし、連立与党の合意ということでございますから、そういう合意に基づいてそれを進めることは申すまでもないことであります。
#109
○委員長(井上吉夫君) 官房長官は記者会見のため一時中座しております。
#110
○久世公堯君 今、五十嵐大臣はニュアンスがちょっと違うことをおっしゃったわけでございますので、社会党は大変不安でございますので、久保田大臣と上原大臣にもお答えいただきたいと思います。
#111
○国務大臣(久保田真苗君) 連立政権成立のときの合意、覚書事項としましてバランスある税制体系を検討していくということは、私ども十分承知して入閣しております。
 この間の件に関しましては、それよりも恐らくさらに広く行政改革その他全般にわたる国の財政問題を論じていく機会だと思いますので、私は極めて精力的に協議会の協議が行われ、本当に合意点を見つけることができるとよいと思っております。
#112
○国務大臣(上原康助君) せっかくの御指名ですからお答えいたします。
 連立与党の間で税制協議会を設置して、これを国民に公約しているわけですから、私はいろいろ困難な面はあろうかとは思うんですが、社会党も誠心誠意合意にこぎつけるように努力をしていくものと信頼しています。
#113
○久世公堯君 伊藤大臣、お願いいたします。
#114
○国務大臣(伊藤茂君) 与党間の合意の文書を私も見ましたが、代表の皆さんがサインをした下にはそれぞれの党の判こがちゃんと押してあります。私は、やはりこれは当面する大きな国民的課題でございますから、きちんと責任を果たしていこうということのあらわれであろうというふうに思っております。私もそう思っております。
 せっかくなので一言だけ申し上げますが、先ほど、消費税のときに反対だけで、だめなものはだめというお話がございましたが、あの当時、私は政策審議会長として他の野党の政審会と一緒にあの廃止九法案の取りまとめの役割をさせていただきました。一番苦労したのは、当時、政府、大蔵省の協力を得るわけにはまいりません。わずかな人間でございましたけれども、責任のある立派な税制にしようではないかと。それだけ鋭意苦労いたしまして、参議院選挙が終わった翌日からその作業に入り、九月の終わりごろだったと思いますが、完成いたしまして、感想を問われましたから、あのときには真夏に休みなく働きまして、「汗でなく税にまみれて夏終わる」と言った覚えがございますけれども、そういう気持ちで当時からもやってまいっております。
#115
○久世公堯君 大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、あの国民福祉税のときには社会党が反対し、民社党も、与党の中でもいろいろ異論がございました。私は年末にこの法律案をまとめるときにまたぞろ同じことが起こるんじゃなかろうかと非常に危惧の念を持っているわけでございます。
 大蔵省として、年末にまとめるに当たってどういうお考えをお持ちか、その場合に、かねてから言われておりますように実施の時期なり税率なり消費税との関係なりそういうようなものについてどういうことを今お考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#116
○国務大臣(藤井裕久君) 今お話しありましたように、連立与党間の合意というものは極めて重みのあるものだと考えております。私はその線で連立与党の皆様が合意を得られるということをかたく信じております。同時に、大蔵省といたしましては、その御作業に対してあらゆる御協力というか、やっていかなければならないと思っております。
 今、具体的なお話があったことは、その中でおのずから決まっていくことだと考えております。
#117
○久世公堯君 ただいま各大臣から御答弁ありましたように、この税制改革の年内成立というものは政治改革と同じように細川総理の公約と考えてよろしゅうございますか、お答えいただきたいと思います。
#118
○国務大臣(細川護熙君) 閣僚の方々からそれぞれに決意のほどが述べられました。私も政治的な使命である、このように考えております。
#119
○久世公堯君 それでは次に、政府の経済見通しと総合経済対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 政府は経済見通しを先般発表されましたが、平成六年のGDPまたはGNPについてどのようにごらんになっておられるか、御答弁願います。
#120
○国務大臣(久保田真苗君) 平成六年度の実質GDPにつきましては二・四%、実質GNPにつきましては二・六%の成長を、さまざまの経済対策の成果を見込んだ上で策定させていただいております。
#121
○久世公堯君 かなり高い見通しであり楽観に過ぎると思いますが、現実を見誤らないようにと感ずるわけでございますが、平成四年度、平成五年度はいかがでございますか。また、その実態をお聞かせいただきたい。
#122
○国務大臣(久保田真苗君) 平成四年度につきましては、実質GNP三・五%と見積もりまして、結果的にはバブル崩壊の大きな影響が出まして〇・七%となりました。また、平成五年度につきましては、三・三%と見積もりまして、結果的には、見込みでございますが、現在〇・二%と下方修正いたしました。
#123
○久世公堯君 努力目標だということはわかるんですが、余りにも下方修正だと思います。
 民間では、いろんな機関がございますが、どのような数字を出しておられますか。
#124
○国務大臣(久保田真苗君) 民間諸機関の平均を見ますと〇・五%、高い方が一・六%でございますか、低いのがマイナス〇・四というくらいの見通しを立てておられます。
 ただ、これは政府が総合経済対策を発します以前に見通されたものでございまして、政府といたしましては、累次の経済対策に加えまして、二月の総合経済対策の効果を織り込んで、望ましい姿としてぜひここまでこぎつけたいということで二・四%。実際、現在さまざまの明るい景気回復に向けての要因も見えてきておりまして、例えばストック調整が進んできているとか、住宅、公共投資が高水準で依然として推移していきそうだとか、それから金利の低下、物価の安定といったような要因が現在も好ましい要因として見えておりますので、ぜひこれを総合経済対策によって元気づけていきたい、一生懸命やりたいと思っております。
#125
○久世公堯君 私は数字だけを聞いたつもりでございますが、先ほどから言いわけが多いようでございます、バブルだとか何だとか。しかし、同じ参議院からの御出身の大臣でいらっしゃいますからこれ以上は申し上げないことにしたいと思いますが、私はかつて公務員もやっておりましたが、かつては、企画庁というのは官庁エコノミスト、そして経済見通しというのは非常に権威が高かった、民間を引いていくだけの力があったわけでございます。
 今の数字でごらんになったように、下方修正、来年度も恐らく補正予算でつじつまを合わせるんだろうと思いますけれども、非常にそういう点は問題であろうかと思います。みずから信用を落とすことがないように今後お気をつけ願いたいと思います。
 そこで次に、今回十五兆円の総合経済対策をおやりになったわけでございますが、景気浮揚と果たして結びつくでしょうか。
#126
○国務大臣(久保田真苗君) 今回の総合経済対策は史上最大規模の十五兆円を上回るものでございまして、その中でも冷え込んでいる個人消費を刺激するために大規模な所得税・住民税減税を実施するということになっております。
 また、現在いろいろな問題を抱えている。つまり、資産価格の上昇、低下等による結果を受けたり、農業対策あるいは中小企業対策、こういった問題の手当ても出しておりますし、広範な規制緩和、前向きに発展的な分野を開発していく、こうした総合的な成果でございますので、ぜひこれが相乗効果を発揮して、私どもの試算で言いますと名目GNPの二・二%程度の効果を上げ得るものと考えております。
#127
○久世公堯君 今回の不況というものはもう戦後最大かつ最長だと言われているだけに早くこれは脱出をしなければいけないわけでございますが、この不況にあえいでおります国民なかんずく中小企業の方々は非常に切実な思いを持って我々の予算審議を眺めていただいているだろうと思います。
 また、一方におきまして日米の首脳会談が決裂をいたしましたので対外摩擦も高まっております。円高も進んでおります。
 こういうような内外の諸問題が山積する中で、来年度は一体どのような経済運営を行って国民の期待に沿われるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#128
○国務大臣(久保田真苗君) 先ほど総合経済対策のところで申し上げましたような幅広い対策によりまして、切れ目のない十五カ月予算という認識を持ちまして今後の経済運営をやってまいりたいと思いますし、またそれぞれ出てまいります予期しないさまざまの状態にもぜひ機動的に対処して、あらゆる必要な手を打っていくということを実行したいと考えております。
   〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕
#129
○久世公堯君 次に、十五カ月予算と鳴り物入りで昨年から聞かされたわけでございますが、大蔵大臣、十五カ月予算というものの意義をひとつ御説明いただきたいと思います。
#130
○国務大臣(藤井裕久君) 日本の財政は単年度主義をとっていて、それがノーマルな形であることは事実でありますが、こういう景気の異常な時期にはいわゆる切れ目のない公共投資政策あるいは減税政策を通じて総需要の引き上げ効果を持たせるということは大変大事なことだと思っております。
 御承知のとおり、昭和五十二年の福田内閣、福田総理は同じ発想でこれを手がけられました。それ以来のことと存じますが、私は大変これは意義のあることだと思っておることを申し上げたいと思います。
#131
○久世公堯君 ただいま御説明になりました十五カ月予算ということだけで、果たして景気回復についてはどのくらいの効果があるでしょうか。
#132
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま久保田長官から全般的なお話がございましたが、一つ具体例で申しますと、例えば六兆円減税、このうち所得税関係は五兆五千でございますが、この二、三十年間で最大の減税政策をやったというのがアメリカのレーガンと言われております。これとの対比で見ますと、アメリカのレーガン減税はGDP対比〇・九%、今回の我が国の減税は一・二%。さらに所得課税の総額に対してどれだけの減税率かということを見ますと、レーガン減税九%、今回一六%、極めて大きなものであって、二、三十年の歴史の中では世界にないようなものであるということをぜひ御理解いただきたいと思います。
 全般の問題としては久保田長官が言われたとおりでありまして、総需要対策のほかに問題のある土地の流動化あるいは資本市場対策など、非常に幅広くとらえているということも御理解をいただきたいと思います。
#133
○久世公堯君 今年度は補正予算を三回もやっているわけでございまして、特に公共事業を追加しているわけでございますが、これも景気対策をねらったものでございますが、九四年度の予算も含めて、なお私は不況脱出には力が不足をしている、この三次補正も九四年度予算の編成も同時の決定でございますので遅きに失した、そう思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
#134
○国務大臣(藤井裕久君) これもノーマルな状況からいえば、年内編成をするというのがノーマルな状況だとは思います。
   〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕
しかしながら、景気の現状ということから見ると、むしろ三次補正ということによって切れ目なく総需要効果をあらわすということは非常に大きな意義があるというふうに私は考えております。
#135
○久世公堯君 この三次補正なりあるいは九四年度の予算というものを通じて、どうも連立与党の予算編成についてのリーダーシップとか総合調整というものが発揮できていないという気がするわけでございます。総理は調整作業も含めて大蔵省と各省庁の官僚任せになっているのではないかと思います。
 一体細川色をどれだけ出せたのか、そのあたりのところを、総理、お答えをいただきたいと思います。
#136
○国務大臣(細川護熙君) 生活者重視でありますとか、いろいろ個々の点につきましてはめり張りのきいたものにしてきたというふうに考えております。
 シェアの見直し等々につきましても、できる限りのことをやった、連立政権がスタートしたのが八月、もう既に概算要求が終わってからという事情もございましたが、そういう状況の中で可能な限りの見直しはしてまいったというふうに思っておりますし、とにかくそうしたことを踏まえて、できる限り重点的、効率的にめり張りのきいたものにしていこうという努力を積み重ねてきた結果が今日の姿であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#137
○久世公堯君 大蔵大臣にお尋ねをしたいと思います。
 三次補正と九四年度予算の二つの予算を切れ目なくつないだ十五カ月予算、これは不況脱出のねらいもあったかもしれません。しかし、普通ならばこれは年末に終わっていたはずの予算編成なんです。この日程がここまで先ほども申し上げましたようにずれ込んでしまったわけです。平岩レポートには確かにいいことが書いてありました。そして細川総理は、再三再四この硬直化した公共事業の配分を変える、そして生活者重視を公約として言っておられたわけでございます。しかし、拝見をすると、三次補正はもちろん、九四年度予算についても従来型の予算であって、細川色とか連立与党の特色はほとんどないと思いますが、いかがでございましょうか。
#138
○国務大臣(藤井裕久君) 総理の御答弁の補足みたいな形になりますが、例えば公共事業のシェア配分でございますが、私は、細川内閣の姿勢である質の高い実の伴う方向に公共投資を向けていくということはそれなりの大きな効果があったと思っております。
 例えて言いますと、自然公園は二〇%アップです。それから廃棄物処理が一四%、農村集落の排水事業が二八%、そのほか下水道、それから地下鉄、公園等は非常にアップ率は高くしておりまして、全体の公共事業が四・一%でございますから、その点は御理解いただきたいと思います。
 さらに、シェアでございますけれども、事業別シェアで見ますと、おっしゃるとおり一・六%動いているわけです、上下一・六%。ちなみに平成五年度予算はそれが〇・五%でございますから、三倍の効果があるということも御理解をいただきたいと思います。
#139
○国務大臣(細川護熙君) ちょっともう少し補足をして言わせていただきますが、先ほど申し上げましたとおり、可能な限りめり張りをきかせたものにした、従来にも増して歳出も徹底した洗い直しに取り組んできたということでございますが、ODAあるいは公共事業関係費につきまして比較的高い伸びを確保したということでございます。防衛関係費につきましては一%以下に抑制をした。それからまた、公共事業関係費につきましては国民生活の質の向上に資する分野に思い切って重点投資をした。今、大蔵大臣からおっしゃったとおりです。事業ごとの伸び率を見ましても、二けたを超すものがある一方で横ばいに近いものがあるといったように、かなりめり張りをきかせたものにいたしております。
#140
○久世公堯君 総理、お尋ねをいたしますが、この予算編成について連立与党内で十分議論をされたのでございましょうか。それから、年末に予算編成をしていたらもっとよかったという悔いが今残っておられるんじゃないでしょうか。
#141
○国務大臣(細川護熙君) 諸般の事情で年内編成ができなかったことは大変残念だと思っておりますが、連立与党の中の政策決定につきましては、予算の編成作業につきましては、先ほど来申し上げますようにそれぞれ機関がございますから、政策幹事会が中心となって、また重要な問題は代表者会議に上げて結論を出したということでございます。大変私は短期間で円滑に調整が進んだというふうに思っております。
#142
○久世公堯君 自民党政権当時の予算編成につきましては、もちろん世上、族議員の批判もございました。政権交代というのは、予算の配分を見直すにはいいチャンスだと私は思います。自民党もそれは反省をいたしております。
 しかし、自民党時代に既にこの予算配分の見直しというのはやり始めたところでございました。宮澤内閣は、生活大国の実現というものをスローガンにいたしまして、生活関連公共投資というものを見直そうということでやり始めていた。恐らく細川内閣はそれを承継されたものと思いますが、それが余り出ておりません。この点について、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
#143
○国務大臣(藤井裕久君) 私も前内閣の公共投資基本計画はよく承知をいたしております。非常にきちっとした文章であることもよく承知をいたしております。
 ただいま申し上げましたように、平成五年度に比べて平成六年度はそういう点で相当大幅な改革になっているということもあわせて御理解をいただきたいと思います。
#144
○久世公堯君 今度の予算に選挙の啓発経費の追加について項があるわけでございますが、私どもの参議院は政治改革四法案を否決したわけでございます。そして、先ほど申し上げましたように両院協議会を通ってようやく成立をしたわけでございます。今盛んに政治改革協議会において最後の詰めが行われているわけでございますが、その結果は、今度、政府提案ではなくて議員立法になる可能性が多分に強いわけでございます。自治大臣、この議員立法になる可能性が強いものに対して予算を計上することに問題はございませんでしょうか。
#145
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、御承知のように修正協議をしていただいておりますけれども、母体はこれは政府提案の法律でございますので、その部分の修正でございますから、その議論自体は議員立法になると思いますし委員会の議論となりますが、母体としてはこれは政府提案の修正というふうに考えております。
 今、それに伴いますところの啓発費、いわゆる政治改革の啓発予算のことに触れられましたので大事な問題ですからちょっと答弁させていただきますが、先般の臨時国会における細川総理と河野総裁の合意では、平成六年度予算の審議に先立って修正を実現させることが合意されており、政府としてはこれを真摯に重く受けとめて、修正法が成立した段階で、その段階における国会の意思を国民に周知するため、今回の第三次補正で所要の予算措置を講ずることとしたものであります。
 今回の第三次補正に係る周知事業については、あくまでも立法府の意思が確定することが大切でありますので、修正法の成立以前に予算の執行をすることはないということと考えておるところでございます。
 なお、今お話しございましたが、細川総理と河野総裁の合意と申し上げましたけれども、これは合意文書がそうなっておるのでそのまま読み上げた次第でございます。
#146
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#147
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
#148
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、私答弁の中で細川総理と申し上げましたけれども、それは今の、この本委員会におきます議論の中で総理から御発言がございましたけれども、与党を代表する細川護熙氏、こういう意味でございますので、その点は御理解いただきたいと存じます。
#149
○久世公堯君 今、こういう段階で政府が啓発予算の追加を行うことはいろいろと問題点がございます。
 もし、成案になってから法案が廃案になった場合につきましては、この予算は不用額として落とすことだろうと思いますが、自治大臣、いかがですか。
#150
○国務大臣(佐藤観樹君) 与党を代表いたします細川護熙氏と自民党総裁である河野洋平氏が合意をなされ、そして今修正協議がなされていることでございますから、今仮定の話でそのようなことを言われましたけれども、そういうことは本来あってはならないことだと思いますけれども、御質問に答えれば、そういう事態にならない場合にはこれは不用額になると認識しております。
#151
○久世公堯君 法案が通らなければ不用額。私どもはこれは本来的なら削除あるいは執行を凍結すべきと考えております。大蔵大臣、いかがでございますか。
#152
○国務大臣(藤井裕久君) 院の御審議にいろいろ申し上げることは私は差し控えたいと思いますが、とにかく私が申し上げられることは、この法案が正規に成立したときに執行をするということを申し上げたいと思います。
#153
○久世公堯君 今度の三次補正予算の中には一兆五千億の公共事業というものが組まれております。私は、この公共事業の三分の二以上は地方自治体によって執行されるものだろうと思いますが、あと一カ月余り大変心配でございます。これから一体契約ができるのか、あるいは繰越明許は全部づけてあるのか、事務手続はどうか、ひとつ事業の執行官庁でございます農水大臣と建設大臣からお答えいただきたいと思います。
#154
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘を賜りましたとおり、我が方におきましては、公共事業四千億円を上回るものが計上をされておるわけでございますので、年度内執行に向けての全力を尽くしてまいりたい。
 そしてまた、残念ながら繰り越しというようなことになります場合におきましては、いわゆる繰越明許の手続、これがなされておりますので、その点を念頭にも置きながらも、やはり年度内執行ということに全力を傾けていくのが与えられた課題と、かように考えております。
#155
○国務大臣(五十嵐広三君) 第一次、第二次補正にさらに今回の第三次の相当額の追加でありますから、お話しのようにその執行に当たりましてはなかなか例年以上に十分な努力、留意が必要だろう、こういうぐあいに思います。まして、こういう不況の折でありますから、私どもの関係の者はもう最善を期して早期にこれを進めるという必要があろう、こういうぐあいに考えている次第であります。
 せんだっての総合経済対策に基づいて既にさまざまな諸準備は進めて現在やっているところでございまして、事務手続等の簡素化などとあわせて、これらにつきましては万全を期してまいりたい、こういうぐあいに思います。
 しかし、そうしながらも結果として年度内に支出が終わらないという面が生じました折には、これは大蔵省等関係機関と十分な協議をしながらその繰り越し、早期実施に遺漏のないように努力してまいりたい、こういうぐあいに思っている次第であります。
#156
○久世公堯君 大蔵大臣、自治大臣、どのようにお感じでございますか。
#157
○国務大臣(藤井裕久君) 今、関係の大臣が言われたように、執行に全力を尽くすと言っておられますので、それをまずぜひやっていただきたいなと思っておりますが、それの最後の受け皿はあるということもお話しになったとおりでございます。
#158
○国務大臣(佐藤観樹君) 今度の三次補正に伴うところの公共事業に対しまして地方負担が約一兆二千億出てくるわけでございますが、これは全額地方債で手当てをいたしまして元利償還金を後で交付税措置をするということにしております。
 それから、執行の具体的なことにつきましては、関係省庁とよく相談をいたしましてできる限り年度内に執行できるようにする。万が一それでもなおかつできない場合には、繰越明許ということになっておりますので、できる限り年度内に執行できますよう関係省庁と連絡を密にしていきたいと存じております。
#159
○久世公堯君 今回の新年度予算につきましては、地方自治体は大変心配したわけでございます、もう各県は知事査定が御承知のとおり二月の初めに迫っておりましたために。しかしながら、ぎりぎりとはいえ地財対策ができて滑り込みセーフをしたわけでございまして、各都道府県なり市町村は今やっと安堵して胸をなでおろしているというのが現状がと思うわけでございます。
 特に税制大綱決定前に地方財政対策をおやりになってぎりぎり間に合ったことにつきましては、自治大臣はよくやっていただいた、私はこう思うわけでございますし、また大蔵大臣も協力をいただいて本当によかったと地方自治のために感ずるわけでございます。
 しかし、とはいっても、来年度の地方財政対策はこれは大変でございまして、特に平成六年度の地財対策では特例地方債また交付税の特会の借り入れによりまして対処をしておりますが、その額は二兆九千億にも上っているわけでございます。また、今回の減税に対処するための地方の借入金は非常に多くなりまして、これから地方財政が悪化するというおそれがあるわけでございます。
 これについての自治大臣並びに大蔵大臣のお考えを承りたいと思います。
#160
○国務大臣(佐藤観樹君) 自治省の先輩として地方財政につきまして大変御心配いただいて、まことにありがたいことだと思っております。
 もう御質問の中にすべてが入っているように思いますけれども、減税分あるいは地方交付税からのはね返りも含めまして約六兆円財源不足ということになってまいります。これにつきまして、減収補てん債の発行とか地方交付税特別会計からの借り入れあるいは地方債の発行ということで対処いたしますけれども、最終的に借入金の残高が百二兆に達します。
 したがいまして、やはり間接税が一割しかないというこの地方財政、消費税の欠陥の見直しという中において、基本的にこれから地域福祉の問題あるいは社会資本の整備という中で、恒久的、安定的な独立財源というものがぜひ必要である、こういうふうに考えております。
#161
○国務大臣(藤井裕久君) 久世委員と私は地方財政対策を一緒にやったこともありますが、あのころの言葉で公財政の車の両輪というような言葉もよく使われたと思います。一方だけがおかしくなってはいけない、車の両輪でやっていかなければならないということだと思います。
 地方財政については、今、自治大臣のお話しになったとおりでありまして、前年とほぼ同じの交付税を確保する等々を通じまして、国、地方苦しい中ではありますが、相助け合っていかなければならないと思っております。
#162
○委員長(井上吉夫君) 久世君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会

#163
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、久世公堯君の質疑を行います。久世君。
#164
○久世公堯君 細川総理にお尋ねをしたいと思います。
 日米首脳会談についてお尋ねをいたしますが、日米首脳会談が行われました二月十一日というのは日本にとってどのような日でございましょうか。
#165
○国務大臣(細川護熙君) 申し上げるまでもなく、建国記念の日でございます。
#166
○久世公堯君 この二月十一日、国民の祝日で建国を祝う日なのでございますが、法律にょりますと、建国をしのび国を愛する心を養う日でございます。これにどのような政府の後援の行事があるか御存じでございますか。――官房長官で結構でございます。
#167
○国務大臣(武村正義君) この日は教育会館で、政府主催ではありませんが、建国をしのぶ民間の皆さんの団体の主催によりましてホールで会合がございまして、私が総理の代理として出席をして祝辞を申し上げてまいりました。
#168
○久世公堯君 官房長官がおっしゃいましたように、建国を祝う国民式典が毎年行われまして、自民党内閣のときには必ず総理が出席をしておられました。ことしは官房長官が代理で、あと大蔵大臣も御出席になり防衛庁長官も御出席になったと承っております。社会党の六名の閣僚は一人も出席をされなかったということも承っております。
 そこで総理、日米首脳金談を設定する際に、建国記念日であるということを念頭に置かれましたか、それとも単なる休日で三連休だからということで設定されたんでしょうか。
#169
○国務大臣(細川護熙君) 相当前から二月というタイムリミット、この包括協議の期限というものが一応設定をされておりましたので、その二月までという範囲の中でいろいろな事情を考えてこの日程を組んだというふうに承知をしております。
#170
○久世公堯君 ひとつ、総理も建国を大事にし、そして国を愛する心を国民に植えつけていただきたい。いかがでございましょうか、範を示していただきたい。
#171
○国務大臣(細川護熙君) 全く同感でございます。
#172
○久世公堯君 今回の日米首脳会談は細川政権が始まってからある意味では初の本格的な首脳会談だったと思いますが、首脳会談の結果、包括協議の中の優先分野については合意に至らなかったわけでございます。大人の日米関係の幕あけとか、あるいは冷戦後の日米関係が新しい成熟した段階へ移行しているというようなことが言われておりますが、それどころではございません。まさに物別れであり、決裂であり、失敗だったと思うわけでございます。
 こんなことを言っている時代ではなくて、いろいろと問題が起きております。日本に対する批判も厳しければ日本たたきも始まっているわけでございます。アメリカの新聞等におきましてはいろいろな話が今出ている最中でございます。日本の新聞にもそろそろ出ております。
 改めて、今回の日米首脳会談についてどのように総理は評価をされたのか、といいますよりは反省をされたのかということをお答えいただきたいと思います。
#173
○国務大臣(細川護熙君) 包括協議が合意に至りませんでしたことは、大変残念なことだと思っております。
 しかし、日米間の関係というのは、事経済の問題だけではなくて、申し上げるまでもなく政治や安全保障の問題、あるいはまたもう少し大きな地球的な規模での協力関係、例えば人口でありますとか環境問題でありますとかエイズの問題でありますとか、いろいろなテーマがあろうと思いますが、大きく言えば経済問題と今申し上げた二つの問題、合わせて三つのテーマがあるんだろうと思っておりますが、その経済の関係の中で幾つかのテーマにつきまして、政府調達の問題でありますとかあるいは自動車部品の問題でありますとか保険の問題でありますとか、そうした点について特に数値目標の点をめぐって合意に至らなかった。
 その中でもいま一歩というテーマも幾つかあったわけでございますが、残念ながら最終的に合意に至らなかったということは、先ほども申し上げましたとおり大変残念なことだと思っております。今後できる限り打開の糸口を見つけるべく、何と申しましてもこの経済関係というものは、今申し上げた三つの関係がございますが、重要な柱だと思っておりますし、このことが他の分野に悪い影響を与えるようなことがあってはならない。そういうこともよく認識をいたしておりますから、そうした観点からできるだけ早く打開の糸口を見つけるようにあらゆる手だてを考えたい。
 具体的にまだどういうことを考えているかというところまでまいりませんが、そのようにあらゆる手を打ってまいりたいと考えているところでございます。
#174
○久世公堯君 今もお話しがありましたように、ミクロの分野では合意できなかったことは残念でございますが、今後は合意が不成立による日米関係にとってのダメージをできるだけ最小限に抑えるよう日本側として努力いただきたいと思います。
 今、世界は日本の行動に注目をいたしております。したがいまして、ひとつ総理はここで官僚任せではなくてリーダーシップを発揮していただいて、まず黒字減らしに役立つものは何でも行う。何でもと申しますか、行う。内需の拡大とか市場開放とか、さらには思い切った規制緩和もやっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#175
○国務大臣(細川護熙君) 市場アクセスの改善あるいはまた規制の緩和、おっしゃったようにやれることは自主的な努力として最大限の努力をしてまいることは当然だと思っております。
#176
○久世公堯君 先ほど総理が言われましたように、日米関係は経済面だけではなくて、政治面におきましても米国の同盟国としての役割をフルに果たす必要があるわけでございます。
 例えば、北朝鮮に対して制裁措置が決定されたならば、日本は全力を挙げて、場合によっては法律をつくってでもこれを実施すべきだろうと思います。この点について。いかがでございましょうか。
#177
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御案内のとおり、IAEAとの話し合いというものがだんだん進み、そして米朝がこの問題について話し合っておるということで、査察受け入れの方向というようなところに今来るのかなという一番大事なときでございますので、先に制裁ありきでない、ともかく話し合いによって解決していきたい、今その緒についたところでございます。
 ただ、私どもといたしましては、やっぱり国連として一つの方向が定められたときに、日本は責任ある姿勢というものをきちんととらなければいけないということを肝に銘じなければいけないというふうに思っております。
#178
○久世公堯君 総理は先ほど安全保障面というお話でございましたが、冷戦が終結をした今、東西の両陣営の大戦争の危険はなくなったと思います。しかし、個々の国にとりましては安全保障上の脅威がなくなったわけではございません。日本について見ますと、北朝鮮の核疑惑による脅威は現実的なものでございますし、またロシアにおきましては大量の核兵器を抱えたままに民主主義国家への改革がスムーズには進んでおりません。
 このような状況にありながら、日本がその安全についてさしたる不安感もなく過ごすことができますのは、あるいは防衛費の削減を検討することができますのは、ひとえに日米安保条約が存在していて米国が日本の防衛に責任を持っているからだろうと思うわけでございます。
 したがいまして、日米関係を最大限緊密なものにしていくためには、日本の安全にとって非常に不可欠だと思いますけれども、こういう認識についての総理のお考えを承りたいと思います。
#179
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃるように、日米安保体制というものが両国の基幹的なきずなでありますとともに、単に二国間の問題のみならず、世界の中で大きな役割を果たしております。二国間の問題にとどまらず、アジア・太平洋地域における米国の存在というものが大きな安心感を与えていることもまた現実の問題として事実でございましょうし、そうした観点から考えましても、日米関係というものは今後ともよりしっかりとしたものに、危うげのないものにしていかなければならないということにつきましては、全くおっしゃるとおりだと思っております。
#180
○久世公堯君 次に、行革の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 減税に対する財源対策というものも大事でございますが、そのためにも行財政全体のあり方について行革に大なたを振るう必要があります。総理も政治改革実現後の内閣の最大課題の一つが行革であると言っておられますが、いかがでございましょうか。
#181
○国務大臣(細川護熙君) 二月十五日に規制緩和を初めとする行革の推進方策について閣議決定をいたしました。私自身が本部長となりまして行革推進本部というものもスタートをいたしておりますし、ここにおきまして規制緩和を初めとするもろもろの課題に前向きに積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#182
○久世公堯君 今、総理からお話しをされましたのは先般の中期行革大綱だろうと思いますが、この内容について簡単に御説明を賜りたいと思います。
#183
○政府委員(八木俊道君) 中期行革大綱の御説明を簡単に申し上げます。
 推進方策の第一の柱は、規制緩和でございます。
 当面の規制緩和の着実な推進を図るという考え方のもとに、昨年九月の緊急経済対策を初め一連の取り組みを今回取りまとめたものでございます。これに基づきまして、今通常国会に政府として所要の法律案を提出する予定でございます。また、今後の規制緩和の推進に当たりましては、規制緩和推進計画の策定を行うことといたしておりまして、諸般の準備を進めていく方針でございます。規制の新設審査に関する充実、新設規制に関する一定期間の経過後の見直しの問題、届け出、報告等に係る負担の軽減、さらに競争政策の積極的な展開等についても取り組んでまいりたい。これが計画の第一点でございます。
 第二の柱は、地方分権の推進でございます。
 地方分権の推進を図るため、国、地方の関係等の改革に関する大綱方針、これを策定することにいたしたいと存じます。大綱方針の策定の後は、地方分権の推進に関する基本的な法律の制定を目指すことにいたしておりまして、そのための諸般の準備を進めたいと考えているところでございます。また、自立的な地方行政体制の確立、地方分権特例制度の円滑かつ着実な実施を図ることといたしております。
 三番目の柱は、行政情報公開の推進、行政手続の適正化でございます。
 行政情報の公開に係る制度につきましては、その本格的な検討を進めることといたしておりまして、行政改革委員会において調査審議を行うことをお願いしたいと考えているところでございます。また、行政手続法につきましては、その円滑かつ適正な施行を図るため、施行前準備の万全を期することといたしております。
 第四に、総合調整機能の充実の問題がございます。
 内閣の総合調整機能等の充実を図ることとするほか、財政資金の重点的・効率的配分の推進などに努めることといたしております。
 第五は、公務員の人事管理等の改善でございます。
 人事交流の拡充や啓発、研修の充実等を図るほか、高齢対策の検討、公務員の人事管理に関する制度、運営のあり方について検討を進めることといたしております。
 第六は、行政組織、特殊法人等の改革、合理化であります。
 行政組織につきましては、その簡素化、効率化を推進するとともに、新たな行政需要への対応を進め、定員につきましてもその適正配置等を進めることといたしております。また、特殊法人等の見直し、現業等の合理化などを進めることとするほか、行政の情報化に関し推進計画の策定に向けた検討を行うことといたしております。
 最後に、行政改革委員会の設置でございます。
 政府による規制緩和等行政改革の実施状況を監視し、必要に応じ意見を述べることのできる行政改革委員会を設置することとし、今通常国会に法律案を提出するための所要の準備を進めることといたしております。
 以上が概要でございます。
#184
○久世公堯君 総理は、今回の行革、あるいは去年の九月には規制緩和ということを非常におっしゃっておられまして、規制緩和元年にしたい、こういう看板を掲げておられますが、その意味と決意について承りたいと思います。
#185
○国務大臣(細川護熙君) 今、局長の方から話がございましたように、行革の中でも地方分権でありますとか幾つかの主なテーマがございますが、その中でも規制緩和は本内閣として取り組んでいくべき重要な課題だと認識をしております。
 今までも歴代の内閣におきまして規制緩和に取り組んでこられたわけでございます。行革審などの答申も随分出されております。そしてまた、それらはそれなりに進めてこられたものと思っておりますが、さらに効果的にこれを進めていくためにどうするかということにつきまして、私どもはできる限り重点的に、例えば一万一千件ほどある規制を何年たって半減するとか三分の一にするとかといった、そうした数を減らしていくということも重要でございましょうが、やはり言うならばできる限りねらい撃ちをした方が効果があるだろう。
 例えば、まず第一弾としては、土地、住宅というところにねらいを絞って、この点について、まあ住宅に関する規制が幾つぐらいあるのかちょっと定かではございませんが、もっと安い住宅を国民が購入をすることができるように、何と申しましても、今、福祉社会というものの質を充実していく上で、みんな給料が貯金に回ってしまう、そうした投資と貯蓄のインバランスとかいろんなことが言われておりますが、いろんなところの問題は、やはり一生働いてもなかなか満足な家が買えないといったようなところに大きな原因があるという認識に立ては、土地や住宅に関する規制にまず的を絞ってやるということが大変重要なポイントではないかという観点から第一弾でそれをやろうと。そして第二弾では、これも新規企業の参入といったような観点から通信とか放送とかそういったようなことも一つのターゲットになるのかなと。あるいはまた、どっちが第二弾か第三弾がはわかりませんが、いずれにしてももう一つの柱は、物価を下げていくという観点から流通のポイントに絞って考えてみたらどうだろう、そんなようなことをあらあら考えているところでございます。
#186
○久世公堯君 総理は今なかなかいい哲学をおっしゃいましたが、それでは総務庁長官、今回の規制緩和の目玉商品をわかりやすく三つ挙げてください。
#187
○国務大臣(石田幸四郎君) お答え申し上げます。
 去年の九月の緊急経済対策の問題については既に九十四項目発表をいたしております。その中で三つ挙げますとすれば、地ビール製造の問題、あるいはタクシー運賃弾力化の問題、乗用車の六カ月点検の義務づけ廃止、そういうものがあろうかと存じます。
 さらに、今回、件数にして千五百九十一件規制緩和をいたしておるわけでございますが、その中の目玉として考えられるものが幾つかございます。一つは、住宅の地下室に係る容積卒の緩和の問題であろうと思います。それからもう一点は、自家発電等に対応した電気事業規制の見直しの問題、これも大きなテーマかと存じます。もう一つは、やはり個人の輸入手続の円滑化、迅速化の問題がございます。これは従来、東京等におきましては個人でさまざまな物資を輸入する場合に成田空港等に出かけていかなければならないというような方向になっておりましたけれども、そういった通関支援のシステムを整備いたしまして、料金も安くまた簡便にできるようにいたすことになっております。
 そういった点があえて三つとおっしゃれば挙げられるのではないかと存じます。
#188
○久世公堯君 それが目玉商品でございますか。胸を張って言えるものでございましょうか。重ねて御答弁をお願いします。
#189
○国務大臣(石田幸四郎君) 今も申し上げましたように、電力関係なんかにおきましては大きな変化を社会全体に及ぼすであろうというふうに考えておりますので、まさに胸を張って目玉であると申し上げることができるかと存じます。
#190
○久世公堯君 先ほどの総理の哲学なり看板とはかなりの差があるように思えますが、ちなみに平成四年と平成五年の許認可数がどのくらい減っているのか、お答えいただきたいと思います。
#191
○政府委員(田中一昭君) お答え申し上げます。
 平成五年三月三十一日現在で把握をいたしました国の許認可等の総数は一万一千四百二件となっておりまして、前回の調査時、つまり平成四年三月三十一日現在でございますけれども、そのときに比べまして、新設されたものが七五二十七件、廃止されたものが二百七十七件、差し引きまして四百六十件増加しております。
 以上でございます。
#192
○久世公堯君 ふえたんですね、一年間で。そうすると、今行革をやられて、平成六年度はふえるんですか減るんですか。
#193
○国務大臣(石田幸四郎君) 平成六年度の内容については改めて精査をしてみる必要がございますけれども、いずれにいたしましてもこの規制緩和の問題は法律変更を伴うものでございます。そういうものが多いわけでございます。したがいまして、規制緩和をやればさらにまた、例えば今まで規制したものを緩やかにするということになりますと法律改正が必要になる場合がございます。そうしますと、項目によってはふえることがあり得るわけでございます。
 したがいまして、全体の数を減らす努力をしなければならないことはもちろんでございますけれども、実質的に我が国の経済社会が新しい経済、いわゆる自由経済の方向に向かって進展をしていくために、それに効果があるような規制緩和のあり方を突き進めていかなければならない問題だというふうに考えておるところでございます。
#194
○久世公堯君 そうしますと、来年の今ごろお聞きをいたしますと、またふえたということになるんですね。そうなったら行革というものを幾らやってもさいの河原ではないですか。いかがですか。
#195
○国務大臣(石田幸四郎君) そういうことを懸念いたしまして、今回の行革大綱の中にも織り込んだのでございますが、法制局とも相談をいたしまして、新しいそういった法律をつくる場合には原則的にやはり時限立法的な考え方を織り込んでいく、そして五年なら五年たてばその法律の見直しをするというような形にしていきませんと、大体毎年法律が五十本ないし六十本ぐらいふえてくるわけでございますから、そうなりますればやはりそういった許認可の数というものは勢いふえざるを得ないわけでありますから、根っこのところで押さえていかなければならない、このように思いまして、法制局と話を詰めでそのような措置を講じようとしているところでございます。
#196
○久世公堯君 要するに、ふえるかもしれないということを言っておられる。
 それでは、一体規制緩和をしてどのくらい組織がなくなるのか、あるいは担当職員はどれだけ減るんでしょうか。
#197
○国務大臣(石田幸四郎君) 規制緩和によりまして公務員の数が減るというようなことはなかなか想定できない問題でございます。
 実は規制緩和は、九月の緊急経済対策のときにもこの経済効果というものがどのぐらい出るであろうかということを経企庁にもお願いをしまして精査をしてみたのでございますが、実施時期等の問題もございましてなかなかこれは一律にいきませんから、そういった意味で経済効果を数字の上であらわすことは難しいという結論でございました。
 やはり公務員の数におきましても、規制緩和をやるから直ちにそれが公務員の数につながっていくということではなくて、全体のこういった公務員の定員の計画に従って今日も進めておるわけでございまして、ことしは二千三十三人ですか、前年度よりかなり大幅に定員削減をしておりますが、そちらの角度からの定員の削減を進めていくのが妥当ではなかろうか。それもまた各省庁の新規需要というものがございますものですからなかなか難しい。その省の中におきますいわゆる新規需要と定員削減との関連を考えながら強力に進めていただいたところでございます。
 以上です。
#198
○久世公堯君 要するに、件数も減らなければ組織も人員も減らない、こういう行革をやろうというお話でございますが、それでは、スクラップ・アンド・ビルドというような格好のいいことを言っておられますが、各省庁の垣根を越えたスクラップ・アンド・ビルドは具体的にどんなものをお考えでございましょうか。
#199
○国務大臣(石田幸四郎君) 久世先生のおっしゃるのは、第三次行革審におきます各省庁の統合問題まで視野に入れたお考えであろうかと思うのでございますけれども、しかし、いずれにしましてもこの行革、とうスリム化していくかというのは非常に大きな問題でございまして、第三次行革審においてもいろいろ御議論が分かれたところでございまして、将来の一つのイメージ的な問題としてあそこに掲げたものというふうに受けとめておるわけでございます。
 ただ同時に、この行革大綱の中にあります例えば地方分権の本格的な検討をこの平成六年に行うわけでございまして、そういった地方分権大綱というものをつくりますれば国と地方との行政の問題が当然検討されてくるわけでございますから、そういったところからやはり中央省庁のさまざまなスリム化の問題もあわせて考えるべき問題でございまして、そういった意味におきましては、私は、このスリム化の問題は中期的に考えなければならない問題である、ことし一年でどうこうできるような問題ではなかろう、このように存じております。
#200
○久世公堯君 私はそうは思いません。やろうと思えばきょうからでもできる問題があると思います。
 今もう先のことを答弁してしまわれましたが、三次行革審では六省統合案という勇ましい意見が出ておりましたが、イメージかもしれませんが、それはその後どうなったんでしょうか。
#201
○国務大臣(石田幸四郎君) 当然その問題も考えなければなりませんし、また行政の進め方について、今後の内閣のそういう調整機能の問題等のことも真剣に検討をしていかなければならない問題であろうと思っておりますが、今後、行革推進本部の議論あるいはまた第三者機関の議論等を踏まえて検討すべき課題であろうというふうに思っております。今直ちに新年度に向かって各省庁のスリム化についてイメージを固定しているわけではございません。
#202
○久世公堯君 特殊法人の改革についても述べておられますが、これはどうなんでございましょうか。
#203
○国務大臣(石田幸四郎君) 特殊法人の問題についてはしばしばいろんな角度からの御指摘があるところでございます。これも各省庁が自主的に進めていかなければならない問題でございますが、実は行政大綱の中にはこの特殊法人問題については二年をめどにというようなことをうたっておるわけでございます。
 これは大変言いわけになるかもしれませんが、地方分権の問題もございますし、実に大きなたくさんの課題を抱えているわけなんで、一遍にいかない面もございます。しかし、皆さん方のいろいろな御議論をいただきながら、二年と言わずになるべく前へ進めなきゃならない、特に行政監察等の機能を十分に活用してこの特殊法人へのさまざまな改革を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
#204
○久世公堯君 要するに、何もできない、やらないということに等しいと私は思うわけでございますが、各省の縦割りを解消するには幹部職員の一括採用、一括人事をやらなきゃだめだと、これは私が昔から思っている考えでございます。今一緒に研修ぐらいやっているんですが、それではだめです。これについてどう思われますでしょうか。
 また、大蔵事務官とか農林水産事務官というんじゃなくて、もう日本国政府事務官、名前も統一してやるくらいでなければいけないと思いますが、いかがでございましょうか。
#205
○国務大臣(石田幸四郎君) この御議論も随分前からあることは承知をいたしておるわけでございますが、今もいろいろな御議論がございましたように、やはり今後の日本の行政のあり方をどうするかということが大綱的にはっきりしないと、これは公務員のそういった配置をどういうふうにしていくか、例えば一括採用ということも当然考えられるでしょうけれども、これについては志望者の希望もありましょう。いわゆる一括採用というのはどちらかといえば上に立った方々の考え方ということにもなりかねない。
 例えば、自民党の議員の先生方にしてもいろいろな省庁を経験しておられるわけですが、そういった方々は自分は何々省へ入ってこういう仕事をしたい、そういうところからスタートをしておられる方もおるわけでございます。そういうような状況を踏まえて、今各省庁は相当それぞれの人事の交流を進めておるというような事情についても御勘案をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、そういった日本の行政の改革のあり方と同時に考えるべき問題であろうというふうに思っているところでございます。
#206
○久世公堯君 この公務員の改革の中で、国会の答弁のために各省庁はもう真夜中まで今みんなやっております。これをひとつ、皆さん方がきょうからでもできる行政改革でございますから、ぜひやってもらいたい。
 連立与党では政務次官をふやすとか政務審議官を置くとか、これはもし政府委員や説明員を全部廃止するなら別でございますが、こういうものを新設するだけでは百害あって一利ないと思います。それ上りは、公務員の皆さん方が真夜中まで国会答弁をやっている、それを皆さん方が改めるということは私は公務員の改革であろうと思いますが、長官、どう思われますか。
#207
○国務大臣(石田幸四郎君) 大変厳しい先生の御指摘であろうと思います。
 いろいろな国会答弁を申し上げるには相当の知識を集約しておかないとお答えができないわけでございますので、要するに答弁に立っ大臣よしっかりしろと、こういう御叱正かと思うのでございますが、同時にまた、できますれば早く御質問を出していただきますと私たちも勉強の機会がふえるわけでございますから、その点もお願いを申し上げたいと存ずる次第でございます。
#208
○久世公堯君 総理、どうお考えでございますか。
#209
○国務大臣(細川護熙君) 私も大臣の考えと大体同様でございます。
#210
○久世公堯君 地方分権についてもいろいろ書いてあるようでございますが、この内閣は知事出身者二名、市長出身者二名という地方自治の薫りの高い内閣でございます。総務庁長官、地方分権についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#211
○国務大臣(石田幸四郎君) 地方分権の問題は大変大きな広がりを持った、また行政の深さを持った問題で、これをどう改革していこうかというのはまさにいろんな御議論のあるところであろうと思います。
 当初、私も総務庁長官になりましたときに、これはそういった意味では幅広い何かやはり審議会みたいなのをつくってやるべき筋合いのものかなというふうに考えておったのでございますけれども、その後、総理ともいろいろお話し交換をしまして、そんななまぬるいことを言っている状況ではないという反省に立ったところでございます。そういった意味で、行政改革推進本部でこの地方分権の問題を本格的に取り組む、そして何としてもこの一年間で地方分権大綱をつくり基本法をつくりたいというところへ、議論の末、結論に達したわけでございます。
 さまざまな意見を私もお伺いをいたしておるわけでございますが、やはり地方のそういった地域性、特性を生かすためのものでなければならないわけでございますし、また地方行政というのは生活に直結した行政であるわけでございますから、そういった点に力点を置いて考えてみますと、やはり権限と財源の問題、また現在のかなり変化してきた地方自治体の実態でございますので、例えば極端に高齢化社会が進んでしまった高齢化率が高い町村等も現在あらわれているわけでございますので、その全体の調整、いわゆる地方行政単位をどのように構築していくか、しかもそれが地域住民の意見が生かされた形で行われていかなければならないわけでございますから、そういったシステムも考えなければならないと思うわけでございます。
 それから同時に、もう一つ大きな問題は、人材の問題だということがしばしば指摘をされるわけでございます。確かに、小さい自治体ということになりますれば財源も乏しゅうございますからなかなか優秀な人材を数多く集めることは不可能でございますので、そこら辺の問題をどういうふうにクリアしていくのかということを考えなければその自治体の特性を発揮することはできないわけでございますので、そういった問題もあろうかと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、そういった意味で中央、地方の行政の区分の仕方を含め、また地方の特性を生かしたやり方を含めるためにどう財源を配分していくか、その地方の行政を執行するための例えは手法、体制というものも現在のままでいいのかどうか、こういった問題を御指摘なさる方もおるわけでございますので、さまざまな角度からの御議論を集約していきたい、このように決意をいたしているところでございます。
#212
○久世公堯君 武村官房長官、お答えしたいようなお顔でございますので、この地方自治の問題についてお答えいただきたい。また、自治大臣にもお願いいたします。
#213
○国務大臣(武村正義君) いや、お答えしたいような顔は全くしてはいなかったのでありますが、半分居眠りしているような顔ですからおしかりを受けたかと思っています。
 地方自治は、しばらく前までは地方の時代という言葉が盛んに使われたんですが、最近は地方分権という言葉が非常に一般化してきております。いずれにしましても、国の法律上の権限や財政の権限を地方に移譲するということでありますが、国と地方を通ずる日本の国の統治システムそのものを思い切って見直していこうという議論でもあると私は思っております。
 国がこれだけ大きくなりましたから、まあ明治にまでさかのぼりますと、殖産興業とか、専ら国の近代化とか、あるいは戦争までの軍事大国とか、何か国が一点に集中して国を挙げて努力をするようなときにはいわゆる能率、効率ということが前面に出ますけれども、平和な日本でこれだけ大きな経済国になった今は、もう少し国全体のバラエティーといいますか、多様さを考える時期に来ている、そこに地方分権という問題があるというふうに認識をいたしております。
#214
○国務大臣(佐藤観樹君) 私の方から三点にわたって簡単に答弁をさせていただきたいと思います。
 一つは、今やりつつあることでございますが、例えば平成六年度の予算の中でも厚生省関係七件ございますけれども、これも一般財源化するということで、定着をしたものについては財源的に地方に移していくということもやっております。
 それから昨年の十一月十六日でございますが、いわゆるパイロット事業、地方分権特例制度、これにつきましても十五カ所指定をしたわけでございますけれども、率直に言うと少ないのではないかということで、本年六月末までにこのパイロット自治体をもう少し手を挙げてきてもらうようにしようということをしております。
 それから二十四次の地方制度調査会、これは内閣総理大臣の審議会になるわけでございますけれども、これも自治省が庶務になり発足させるように着々と人選等も総理とも相談をしながら詰めておるところでございます。それから二十三次の地方制度調査会から出ました広域連合制度あるいは中核市構想、これにつきまして今各省庁とも連絡をとりながら、今通常国会に出させていただくということは前々から言っているわけでございますので、準備を着々と進めております。
 最後になりますのは、石田長官からお話しかございました去る二月十五日に閣議決定をいたしましたこれからの行政改革の問題、これは今までの話とイメージが全く違う。極端なことを言えば、国は外交、防衛、あるいは基本的な政策だけやる、あとはほとんど地方に移そう、第三次行革審のイメージとしてはそういう中身になっておるわけでございますので、これはまことに自治省限りの話ではなくて、あれにも書いてございますように、内閣総理大臣をリーダーにしながらこの平成六年度以内を目途に大綱をつくっていこうというまさに国家のリストラに当たるものだと思っております。
 したがいまして、たくさんのやらなきゃいかぬことがございますけれども、これからやりますこの問題、これは国会の決議もございますし、また衆参とも特別委員会ができておるわけでございますので、これは単なる政府の問題というよりはやっぱり行政を監視をしていただきます国会の立場、そして行政をやる我々政府の方の立場、これがぴったり一致をしてでき上がることだというふうに考えておりまして、これからできます行政改革の中身につきましてはもう既に石田長官からお話しかございましたので省かせていただきますが、そのように意欲的に取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
#215
○久世公堯君 総理、お考えを聞かせてください。
#216
○国務大臣(細川護熙君) 今、各大臣からそれぞれ御答弁がございました。そのことにほとんど尽きております。
 地方の主権をどうやって確立するかということにつきましては、これはもう今までさまざまに御論議が長い間なされてきたとおりでございまして、何とかその地域主義というものを本当に確立していかなきゃならぬ。それがまた内需主導型の日本の経済社会をつくっていく上でどうしても必要であろう。これはもう大方の認識の一致をするところだろうと思います。
 問題は、どうやってその権限や財源を分かち合っていくか、あるいはまた今お話しかございましたが、そこでどのように人材を確保していくか、こういったようなことも含めまして、まさにお話しかございましたように国全体のシステムのあり方をどう考えていくのかということになるわけでありまして、このことについて本年度内に大綱というものを策定し、それに続いて地方分権の基本法とでも言うべきものを手がけていこう、こういうことで今まさに取り組みが始まっているということでございます。
#217
○久世公堯君 石田長官、大山鳴動してネズミ一匹、あるいは竜頭蛇尾、こういうことを御存じでございますか。お答えいただきたいと思います。
#218
○国務大臣(石田幸四郎君) 行革がそうなってはならないということを厳しく戒めてくださっているんだと思うのでございますが、しかし、お考えをいただきたいわけでございますが、細川政権が発足をいたしまして、確かに緊急経済対策というような厳しい要素もございましたけれども、規制緩和一つを取り上げてもこれだけの大がかりな構えをした行革大綱というものは今までなかったわけでございます。規制緩和、先ほど申し上げましたように千五百九十一件、現在国民の皆さんにお示しをいたしておるわけでございますが、毎年これからきちんとそういった計画を示しながら、あいまいでないやり方で進めていきたいと決意をいたしておるわけでございます。
 さらに、地方分権の問題、御指摘もございましたし、御議論もございました。あるいはまた、先ほど総理からお話がございました。とりあえず実行していくために土地・住宅問題の専門部会を近く発足をさせようという構えになっておりまして、そういうふうに具体的に進めてまいりますので、先生が御指摘になっている竜頭蛇尾になってはならぬぞということを肝に銘じながら実効を確保してまいりたい、このように決意をいたしておるところでございます。
#219
○久世公堯君 総理、三次行革審の答申には、政治の奮起を促す、こう書かれております。私は、行革は実行あるのみだと思います。総理の行革に対する情熱、行革に対する看板に偽りのないようにぜひ政治のリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、お答えいただきたいと思います。
#220
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃるように、しっかり頑張ってまいりたいと思っております。
#221
○久世公堯君 最後に、政治改革と参議院の問題について一言だけ御質問をしたいと思っております。
 その前に、参議院の独立性については冒頭申し上げたわけでございますが、この間の政治改革法案につきましても、衆議院は百二十一時間、前の国会を含めますと二百数十時間やっておりますのに、参議院は七十六時間しかやっておりません。前国会だけでも六三%にすぎない。そしてそれが、冒頭申し上げましたようなGHQと申しますか、そういうようなところの運営によって非常に妨げられているわけでございます。
 これについても聞きたい面はありますが、私がお聞きしたいのは、私は政治改革の代表質問でも申しましたし、政治改革の特別委員会でも申しましたが、今度とりました並立制と我が国の衆議院選挙制度として望ましい究極的な姿、これはどうであるかということをもう一度この席でお答えをいただきたいと思います。
 総務庁長官、官房長官、それから政治改革担当大臣、厚生大臣、外務大臣、お願いいたします。
#222
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘がありましたように、日本は二院制であるということ、参議院の院の重みというものを私どもも大切にしていかなきゃならぬ、かように考えます。
#223
○委員長(井上吉夫君) 答弁は簡潔に願います。
#224
○国務大臣(石田幸四郎君) まだ参議院の選挙制度の改革については各党で……
#225
○久世公堯君 衆議院です。
#226
○国務大臣(石田幸四郎君) 失礼しました。
 衆議院の方では、私は今度の選挙制度というのはまさに二大勢力志向、いわゆる政権交代を可能ならしめる選挙システムの構築だというふうに思っておるわけでございますので、そういった選挙が間近というようなことになりますればそういう方向への議論が高まってくるし、またやはり政権交代ということを考えますと、今までの強大な自民党政権というものがございました。それに対抗するためにはそれにふさわしい新しい政治権力が出てそして政権交代を政策で競い合うというような形が今後の日本の選挙制度としては望ましいのではないか、そういうふうに私は考えているところでございます。
#227
○国務大臣(武村正義君) 国民の皆様の政治に対する不信を我々が自浄能力を発揮する意味も含めて取り除いて、新しい時代に対応できる日本の政治を生み出していくために政治改革に取り組んでいるというふうに思っております。
#228
○久世公堯君 二大政党か多党制か、そこら辺は。
#229
○国務大臣(武村正義君) 私は、しばらくは多党制だと思っております。多党制といいましても十も二十もあっていいと思いませんが、まあ三つか四つぐらいでしょうか。
#230
○国務大臣(山花貞夫君) 四法成立することになりますと、一言で言って新しい政治文化、政治風土がつくられるものと思っています。どういう形の政治の形態になるかは国民の選択するところだと思いますが、私はいわゆる穏健な多党制という形があり得るのではなかろうかと思っているところでございます。
#231
○国務大臣(大内啓伍君) 今度の新しい選挙制度ができました後の一つの大きな課題というのは、しっかりした政党のあり方、また政治家の資質というものがこの選挙制度を生かすか殺すかという面で非常に大きいと思っております。
 というのは、この選挙制度は言うまでもなく民意の集約度が非常に高いわけでございますので、それだけにその政党というものの政策的なバランス感覚とかあるいは良識とかあるいは政治家の謙虚さとか、特にこれはリーダーでございますが、誠実さといったようなものがこの選挙制度を生かすか殺すか非常に大きな影響を持っていると私は考えておりまして、決して、ただこの選挙制度ができたからすべて政治は万々歳になるというふうには考えてはおらないわけでございまして、これからが本当に大事なときに入る、こう思っております。
#232
○久世公堯君 前にもそうでございましたが、大きく仕分けをして、新生党と公明党は二大政党を志向する、それからさきがけあるいは日本新党は穏健な多党制だと、社会党の方はもともとは併用制なのが穏健な多党制に近づいている、こんな仕分けができるんだろうと思います。
 ただ、総理は私には再三御答弁されまして、二大政党というものを将来に描きながら穏健な多党制というものを強調しておられましたが、最近の新聞報道によりますと、二大政党を志向する方向に動いておられるような報道が多うございますが、その点、総理のお考えを承りたいと思います。
#233
○国務大臣(細川護熙君) 私は、将来は穏健な多党制にいくであろう、二大政党にはならないんじゃないかという見通しを申し上げました。今もそう思っております。ただ、選挙の戦い方としては、それはなかなか七党も八党も一緒にやれるのかなと、そういう感じはいたしております。
 当面の選挙の話と政党がどういうふうに収れんをしていくかということ、これは別の次元で考えなければならないんじゃないかというのが私の感じでございます。
#234
○久世公堯君 重ねてお聞きしますけれども、そうしますと新生党や公明党のお答えとは若干違うということでございますね。
#235
○国務大臣(細川護熙君) そこはどういうふうに他党がお考えなのかは、よくお話ししたことがございませんので私も承知をしておりません。必ずしも二大政党というものをすぐ志向しておられるのかどうか、そう考えておられるのかどうかということについては、私は定かに承知をしておりません。
#236
○久世公堯君 いろいろ承りましたが、私は連立与党内の基本政策の不統一というものが、やはりきょうも国民福祉税あるいは秋の税制改革にも影を差しているような気がしてなりません。
 総理、ぬえという怪獣を御存じでございますか。
#237
○国務大臣(細川護熙君) 見たことはございません。
#238
○久世公堯君 見たことはない。これは想像上の動物でございますが、頭は猿、手足はトラ、体はタヌキ、尾っぽは蛇、声はトラツグミに似ていると、平安朝、それも近衛院の時代にうし三つ時に京都の国民を脅かしたと、こういう怪獣でございます。
 私はぬえという話を聞くと何となくこの細川内閣に似ているような気がいたします。連立与党の政策、今までも自衛隊、非核三原則、政治改革、それから国民福祉税、そして一番心配しておりますのはこの秋に控えました税制改革、こういうものについて、内政や外交の重要課題に直面すればするほど、私どもも不安でございますが、国民は一層不安をかき立てられるわけでございます。このぬえを成敗いたしました源頼政、我々は源三位頼政の心境で今後政策面で大いに細川内閣といろいろと論議を闘わしたいと思います。
 以上で私の質疑を終わりたいと思います。(拍手)
#239
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。陣内孝雄君。
#240
○陣内孝雄君 私は自由民主党の陣内孝雄でございます。同僚久世委員の関連で質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 ところで、現在の不況は戦後最悪のものであり、私としても極めて憂慮しております。このような折も折、日米包括経済協議が決裂し、急激な円高問題が噴き出しました。この結果、第三次補正予算の目玉となっている国民期待の所得税減税の景気浮揚効果が円高の影響を受けて打ち消されてしまうではないか、こういった心配が強まっております。国民の関心を集めているこの円高問題に対しましては、政府の責任については同僚の楢崎議員の質問に譲ることといたしまして、私はこのような中での景気回復のために公共投資を拡大することが重要であることを取り上げてまいります。あわせて、住宅土地対策の推進並びに農業政策の充実を求めて、総理及び関係閣僚にお伺いいたします。
 現在の景気を下支えし内需主導型の経済成長へとつないでいくためには、政府においてはあらゆる手段をとろうとしておられますが、その中心となるのはやはり公共投資ではなかろうかと私は考えております。それは、公共投資が建設資材や建設機械に対する需要をもたらすのみならず、幅広く生産や就業の増大をもたらすなど大きな波及効果を有しているからであります。
 そこで、公共投資が景気浮揚を図る上で最も有効な施策であることに今も変わりはないと思いますけれども、経済企画庁長官はこの点についてどのようにお考えになっておりますでしょうか。
#241
○国務大臣(久保田真苗君) 公共投資は、同じ内需拡大策の中でも非常に波及効果が高く乗数効果も大きいところから、極めて有効な手段であると思っております。
 今度の十五兆を超える大規模な総合経済対策の中で公共投資七・二兆円の規模というふうになっておりまして、したがいましてその波及効果を大いに期待しているところでございます。これを実施していく上で、大いに機動的な運営によって効果が早く上がり、回復に向かうことを期しております。
#242
○陣内孝雄君 今の長官のお話を数字で申し上げますと、経済企画庁の世界経済モデルによれば、一兆円の公共投資の追加によりまして一年目には一兆三千九百億円、三年間には二兆三千三百億円というようなことになっておるようでございますが、これは他の施策に比べましても非常に景気刺激効果の高い施策だと思うわけでございます。
 そこで伺いますが、新たな総合経済対策をこの時期から実施して政府の目指す経済成長率の二・六%を達成しようというのでございますけれども、現在のような円高問題その他を考えますと、今考えておられますような公共投資の規模で果たしてそこまで行けるのかどうか、この辺を私は懸念するのでございますが、経済企画庁長官のお考えはいかがでございましょうか。
#243
○国務大臣(久保田真苗君) 現在のところは、九〇年に作成し、九一年から二〇〇〇年までに至る十年間の公共投資計画を持っておりまして、これを着実に実行し、その効果も上がっているということでございます。もちろん、今回のさまざまな累次の経済対策というものもこの中に含まれておりまして、今後一層弾力的に機動的にやってまいることが必要と考えております。
#244
○陣内孝雄君 景気対策には、タイミング、中身がわかりやすい、そしてビジョンを明確にする、こういった三つが必要だと思います。しかし、どの点から見ましてもこのたびの景気対策にはどうも感心できないなという実感を私は持っております。
 三十のシンクタンクは、平均してみますと、経済成長率を〇・五とか〇・六を予想しております。政府の見通しは二・六というふうに算定しておられますけれども、これとても、聞くところによると、公定歩合は一・七五とかあるいは為替の一ドルは百二十円で計算しているんじゃないかと言うエコノミストもおられるわけでございます。もしそうだといたしますと、今度の急激な円高の影響で景気回復がまたまた遠のいてしまったんではないか、公共投資の追加を早い時期に実施しなければならなくなるんではないか、私はこのような心配もしておるところでございます。
 公共投資を景気浮揚に最も効果的に結びつけるにはどういうぐあいに公共投資の地域配分を行ったらよいかという問題も大変重要だろうと思いますが、この点につきまして経済企画庁長官はどのような御所見をお持ちでございますか。
#245
○国務大臣(久保田真苗君) 地域的な経済規模あるいは経済の性格の差異というものがございますので、都市、農村、あるいはさまざまな工業地帯、こういったもの別にその特徴を生かすような公共事業の配分ということが最も大事なことだと存じます。
 現在の状況で申し上げますと、先ほど総理からも言われましたように、公共事業の配分を、やはり土地、それから住宅、こういった規制緩和とともに、そういったものを引き上げていくことのほかに、農村部におきましては生活施設の設備も市部より劣っているというようなことがございますので、そういった面への配慮が必要かと存じます。
#246
○陣内孝雄君 さらに私が強調したいのは、公共投資は本来、景気浮揚のためばかりではなくて、大都市、地方を通じてよりよい暮らしをつくる基盤の整備や二十一世紀の世代に引き継いでいく社会共通の財産を形成するために行うものであるということであります。我が国においては、諸外国に見られない速さで高齢化が進行し、本格的な高齢化社会はもうそこまでやってきております。投資余力のある今のうちに質のよい社会資本ストックをつくっておくことが何よりも重要であるわけでございます。
 そこで、世界の歴史を振り返ってみますと、どこの国も豊かな時期に自分の国の国づくりをし、子孫に美しく誇れる姿を残しております。第二次大戦後のアメリカもそうでありますし、イギリスやフランス、例を挙げればたくさんあるわけでございます。日本は、世界有数の経済大国になった今こそ社会資本の整備をするラストチャンスではなかろうかと思うのでございます。
 時まさに、総理におかれては、最も大きな努力を払って日米間の緊張打開に努めていく、こういうお考えでもあるわけでございます。これらのことを考えあわせますと、公共投資基本計画を大幅に増額しまして、内需拡大主導による貿易黒字の解消、こういった方向への道筋を今立てるべきときじゃないか。このことにつきまして、総理に公共投資基本計画の拡充をするお考えがおありかどうか、お伺いさせていただきたいと思います。
#247
○国務大臣(細川護熙君) 昨年の十二月に平岩研究会から報告が出されておりますが、その報告によりますと、「後世代に負担を残さないような財源の確保を前提として、公共投資基本計画の配分の再検討と積増しを含めた見直しを行うべきである。」という提言が行われております。
 この提言にどういうふうに対応するかということにつきましては、もちろん財政事情などを一番考慮に入れなければならないことは当然でございますし、そうしたことも十分念頭に置きながら、また、この基本計画が策定をされましたときのいろいろないきさつなどもあろうと思いますが、そんなことも含めましてよく検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#248
○陣内孝雄君 我が国を見た場合に、誇るべき資産といえば奈良とか京都、こういうところでございます。平成の御世に何かすばらしいものを残す、しかも次世代の人が誇りを持ってこれに対する負担をやっていけるようなそういうものをぜひ心がけていただきたいと思います。
 幸いなことに、現在の四百三十兆という公共投資基本計画は補正予算等でかなりの進捗を見ているわけでございますので、ただいまの総理のお言葉をそういう気持ちを込めながらお伺いさせていただきました。
 次に、住宅宅地対策についてお伺いいたします。
 住宅建設はこのところ大変順調に推移してこれが景気の下支えを行っているということでございますが、今年度はこの第三次補正を含めますと七十七万戸にもなる、また来年度は六十三万戸が予定されているということでございます。これらの住宅建設を円滑に進めていくためにはいろいろな対応が必要だと思いますが、そういう中で、ひとつ手続上の規制緩和を国土利用計画法の監視区域制度の指定を緩和するという形で行う必要があるんじゃないか、私はこういうふうに思うわけでございますが、そのあたりの現在の状況、監視区域の現在の運用の状況をお聞かせいただきたいと思います。
#249
○国務大臣(上原康助君) お答えさせていただきます。
 先生御案内のように、監視区域制度は、本来、機動的かつ弾力的な運用を前提とした土地利用上の制度でございます。これは都道府県等がこの趣旨を踏まえてより一層的確な運用を行うことができるように、昨年十一月に土地局長通達を発出をいたしまして、その緩和を図ってまいりました。
 この通達後の状況でございますが、現在、山梨県、東京、大阪府、大阪市など十七都府県市で届け出対象面積の緩和等が実施されております。なお、十県市で緩和等の方針が決定されておりまして、この結果、三割程度の自治体が平成六年度の早期に結論を出す方向で検討されている状況にございます。
 国土庁といたしましては、各都道府県等と一層緊密な連携を図りつつ適切に対応するとともに、監視区域の緩和、解除を行った後においても、本制度の趣旨に準じてといいますか、尊重した上で、地価の動向や土地取引が適正かつ合理的になされるような必要な措置を講ずるように一層努力をしているところでございます。
#250
○陣内孝雄君 先日の新聞によりますと、群馬県が監視区域の指定の解除をしようというような機運になっているという話も聞くわけでございますが、どうか宅地の安定供給の支障にならないように、いやしくもそう思われないように適切な運用をお願いしておきたいと思います。
 次に、住宅問題は土地問題だとよく言われるわけですが、宅地供給を円滑に進める上で土地の譲渡益課税を軽減することが欠かせないと考えております。
 この問題で政府が税制改正に取り組んでおられることはよく承知しておるわけでございますが、本当に土地を流動させ宅地供給の促進に役立つようにするには、もっと抜本的に長期保有土地に対する譲渡益課税の軽減を図って、現行三九%となっておりますけれども、これを従前のとおり二六%に戻さなければならない、こういうふうに考えるわけでございますが、建設大臣のこの点に関するお考えをお伺いしたいと思います。
#251
○国務大臣(五十嵐広三君) お答え申し上げたいと思います。
 そのような御要望が大変強くあることもよく承知をいたしているところであります。その上に立ちまして、平成六年度の税制改正につきましては、先般その案が固まりましたように、土地譲渡益課税の見直しにつきましても以下申し上げるようなことについて決めさせていただいたような次第であります。
 優良な住宅地造成などのために土地などを譲渡した場合の軽減税率などの適用対象範囲の拡充が一点であります。それから、一定の優良な建築物整備事業のために土地などを譲渡した場合の軽減税率等の特例の創設がございます。さらに、一定の計画的な造成事業のために土地などを譲渡した場合の軽減税率等の特例の創設というようなものがそれぞれ決められました。さらに、民間の宅地造成事業などのために土地などを譲渡した場合の千五百万円特別控除制度の創設が行われました。これは従前は公的なものにはあったのでありますが、民間にはなかったのでありますが、これを今回は創設をいたしました。それから、長期保有の土地などから建物などへの買いかえ特例の拡充について、これも今回措置を講じることにしているわけであります。
 御要望の趣旨全体から見ると、必ずしもそれを見ているものではございませんけれども、しかし、ただいまのような軽減措置等については土地の流動化を考えるときに景気回復に相当の効果があるものと、このように考えているような次第であります。
#252
○陣内孝雄君 今の御努力は多としますけれども、どの土地でも必要に応じて流動できるようなそういう税制上の条件が整わなければ、土地の総体的な流動あるいは町づくりをよくするとかという上でやっぱり支障が出るものと思います。
 国土利用計画法には、県が規則をつくれば三百平方メートルまで面積要件を引き下げることができるということになっておりますけれども、実際にはこの規則をつくっているのは非常に少ない。ということは、やっぱりこのような制度では、単に一千平方メートルを五百平方メートルに下げるとか、あるいはさらにこれを三百に下げるというだけでは解決できない問題があるだろう。私は、従前のように長期に土地を保有した者については譲渡益課税を三九%から二六%に戻すこと以外にはない、このように考えていることを改めて申し上げさせていただきたいと思います。
 なお、地価税についても、これも今度固定資産税についての改正があるわけでございますが、これとの関連でこれは廃止すべきだ、あるいは凍結すべきだと考えるわけでございますが、この点については若干の前進は税制上あるものの、やはり私は不満であることをここで述べさせていただきたいと思います。
 次に、農業対策に進ませていただきます。
 昨年十二月のウルグアイ・ラウンドの決着につきましては、交渉のあり方、その結果など、決して納得できるようなものではありませんでした。
 ところで、首相は、ドゥニー調停案を受け入れられることを決められた後、記者会見されて、緊急農村対策本部を設置し、首相自身本部長となり、万全の国内対策をしていく旨の御発言があったと思います。このたびの補正予算の編成に当たってどのような対応を本部長としてされましたか、まずお伺いいたします。
#253
○国務大臣(細川護熙君) 第三次補正予算におきましては、新たな国境措置が導入されることを踏まえまして、緊急に農業の体質強化を図ってまいりますために国際化対応緊急農業対策という項目で緊急的に必要な措置を盛り込ませていただいたところでございます。
#254
○陣内孝雄君 次に、農林水産大臣に幾つかお尋ねいたします。
 このたびの補正予算では、今お話しにありましたように、国際化対応の緊急農業対策ということで国費が一千四百三十八億円計上されていますが、これはどういうねらいのものであるのか、まずお伺いしたいと思います。
#255
○国務大臣(畑英次郎君) 先般のウルグアイ・ラウンド決着に伴いまして、当面する私どもの課題は、農民の方々の農村地域の将来に対する不安の解消ということが一つの大きな課題ではないかというふうに考えております。
 さような意味合いにおきまして、第三次補正にございましても、ただいま総理が御答弁のとおり、緊急な対応策としましての公共事業、あるいはまた金融面、この二つの柱を中心としまして、積極的なやる気の意思表示というように受けとめていただければありがたい、かような趣旨も組み入れた予算計上である、かように御理解を賜りたいと思っております。
#256
○陣内孝雄君 説明を見てみますと、我が国農業の体質強化を早急に推進するための条件・整備はいっときを争うような重大な問題だから補正で取り組み始めたということになっているんじゃないかと思うわけでございます。
 そのようなねらいからの対策費ということでありますと、もっと多額な補正予算として計上しなければならなかったじゃないか。六年後へ向けてミニマムアクセスが六%から八%へ進んでおる、しかもその裏では関税化が着実に進行しているわけでございますから、このようなガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意に伴う新たな国境措置ということでの国際化対応緊急対策であれば、私はどうもこの一千四百億何がしの国費ではまことに不十分であると言わざるを得ないと思います。この調子でいきますと、来年度予算案の中にはこの国際化対応緊急農業対策を受けてどういうぐあいな計上がなされているか、これも大変気がかりであります。
 それというのも、昨年の財政審で農林水産予算というのが生産基盤を整備するものとして厳しく抑制することになっていたので、総理は昨年の十二月におっしゃいましたけれども、お約束どおりの万全の措置をとっていくというような形が本当に示されておるのかどうか、私はそこが知りたいところであります。ただ、これは突然でございますので数字でお伺いするわけにはいきませんが、農水大臣のその辺に対する感じ方を御説明いただきたいと思います。
#257
○国務大臣(畑英次郎君) 第一点でございますが、第三次補正の中にございましては、国際化対応緊急云々という点につきましては一千億を上回る国費の計上、そしてまたいわゆる景気対策に絡みました公共事業等々、これを合わせますと四千億を上回る第三次の補正という数字に相なっておりますので、この辺お含みおきを賜りたいというふうに考えます。
 なおまた、近く御審議を賜ります来年度予算におきましては、これは与党並びに従来そのお立場にございました自民党等々のお考えを生かすべく、そしてまた農村、農家のためにお役に立つような例えば金利を思い切って二%にするといったようなもの、あるいはまた無利子の融資というものも組み込んだ内容になっておりますことをもってお酌み取り賜りたい、かように考えるわけでございます。
#258
○陣内孝雄君 この補正予算で国際化対応緊急農業対策という立派な看板ができているわけでございますが、これを汚さぬようにひとつこれからも頑張っていただきたいと思うわけでございます。
 それにつきましても、農林水産予算というのは、この公共事業というのが財政審の答申に足を引っ張られているということは否めないと思うわけでございます。これはウルグアイ・ラウンド決着以前の答申でございます。ウルグアイ・ラウンドというのは我が国農業にとっては一大国難でございますので、そういうものを受けた後、財政審の考え方を変えるぐらいな意気込みで農林水産大臣に行動していただく、これが我が国の国民がひとしく望んでいるところであると思います。
 その点につきまして、総理、いかがでございましょうか。
#259
○国務大臣(畑英次郎君) 財政審の答申といいますものが、いわゆる意見具申といいますか、そういうものが行われました中にございまして、御案内のとおりただいま平成六年度の考え方の中にございまして、いろいろ予算上の技術的な面はございますけれども、一つの数字のありようとしましては、農業の基盤整備分野におきましては一〇%の伸びということも裏づけがなされておる。全体の公共事業が四・一%という中にございましては思い切ったその辺の取り組みもなされておるということも御理解を願いたいというふうに考えるわけでございますし、あるいは漁港問題等々も前年度予算を上回る、この辺につきましてもこの問題を十二分に受けとめた前向きの取り組みをさせていただいた、その細川内閣の姿勢をお酌み取り賜りたいと考えるわけでございます。
#260
○陣内孝雄君 次に、去る十二月十七日に閣議了解された「ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に伴う農業施策に関する基本方針」についてお伺いいたします。
 この別紙に掲げる対策項目の第一番目に、米の生産・供給安定対策として、「米のミニマム・アクセス導入に伴う転作の強化は行わないこととしことあるわけでございます。減反強化はないということで農業者は今考えておりますけれども、どのような対策をしてこの減反強化を避けていけるのか、これが私は大変関心のあるところでございます。例えば予算対応その他で既にその対策が始まっておるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
 いずれにしましても、農業団体はこのガット・ウルグアイ・ラウンドの決着に反発して減反政策に協力できないというような動きもあるわけでございますので、そのようなことも踏まえていただいてお答えをいただきたいと思います。
#261
○国務大臣(畑英次郎君) 御指摘がございましたとおり、政府としましていわばミニマムアクセスの導入に伴います転作の強化は行わない、これはこれからもきちんと守っていくということをこの席をかりまして申し上げさせていただく次第でございます。
 いずれにいたしましても、私どもはいわゆる農業団体の方々、生産者の方々の十二分な御理解と御納得の上で、強制という要素を踏まえた物事の展開というものは長続きができるはずもございませんし、そういうことをやってはならない、かような姿で対応を進めてまいりたいと考えております。
#262
○陣内孝雄君 これも先日の新聞で見たわけでございますが、他用途利用米につきましてこれから自主的な生産にゆだねていくんだと、こういうことのようでございます。
 そこでお伺いしたいのは、最近、この平成六米穀年度で二百万トンになろうとする大量の米を緊急に輸入するというようなことで、大変世界の米の市場が高騰してきている。また、入ってくる米も御案内のようないろいろ品質上問題があるというわけでございます。そういうことも考え合わせますと、この他用途利用米の早場米については、外国からの輸入を抑制してでも当面国内産で輸入にかえて利用していくというような考え方はないのかどうか。もちろんこの前提としましては、来年以降はまた自主生産に任せるという大原則を踏まえての話でございますが、その点について大きな視野からお考えいただいたお答えをいただきたいと思います。
#263
○国務大臣(畑英次郎君) 他用途米の分野につきましては、御案内のとおり四十五万トンというものをただいま想定いたしましての取り組みをさせていただいておるわけでございまするけれども、ただいま御指摘がございましたような意味合いから、従来以上に生産者と実際に他用途米をお使いになる方々、業界の方々との話し合い、それにまた我が方の立場を、それに十二分ないわば行政指導といいますか、将来に対するいろいろな意味合いのものを御相談申し上げながら納得ずくでこれまた事柄を進めていこうというように考えておるような次第でございまして、さような意味合いでは、今幸いなことに、農業団体、生産者の方々におかれましてもひとつ自主的な意味合いでは他用途米の問題も前向きに考えていこうというような雰囲気になりつつある、こういうことを期待しながら引き続き先生の御意向を生かすべく努力をしてまいりたい、かように考えております。
#264
○陣内孝雄君 これからの農業を進めていく上で規模拡大が大変大事だということはよくわかるわけでございます。しかし、これを実行していく上で、一つは、土地を提供する人がいなければならない。今、提供する人はどちらかというと兼業とかそういうことで、所得があって水田をただででもいいから管理してもらいたいという人が貸してあげていると。しかし、これから急速に規模拡大を図っていかなきゃいかぬ事態が生ずるとすればその辺の事情は変わってくるから、やはり貸す人も所得が手元に残るような形が必要だ。つまり、いただいた金を土地改良の負担金で返してしまうようなそういう小作料のあり方では成り立たぬと思いますし、また、土地を預かる人、つまり規模拡大する人、この人も小作料を払い、しかも土地改良費も払いながら経営が成り立つようにしていかなきゃならない。ということは、土地改良費の負担軽減がどうしても避けられないんじゃないか。これを、今、例えば水田の総合償還制度なんかありますが、こういうもの、あるいは二十一世紀型水田モデル事業、こういう制度を拡張することによってそういう負担金の軽減策を図れないかどうか、その辺についてのお考えをお尋ねしまして終わりたいと思います。
#265
○国務大臣(畑英次郎君) 先生御指摘のとおり、何といっても後継者あるいは担い手、そういった方々のやる気のある方たちにつきましては経営規模の拡大というのが一つの大きな柱、なおまた中山間地域対策といいますものがもう一方の柱でございますことは御案内のとおりでございますが、今、先生御指摘のような意味合いのものがかなり平成六年度予算の中に仕組みとしましてもあるいは予算面におきましても計上がされておりますので、そういうものを十二分に生かすような立場でもって対応を進めてまいりたい、あるいは新農政そのものもそういうものを従来から踏まえての対応を進めておるわけでございますから、これに厚みを持たせて取り組んでまいりたい、かように考えております。
#266
○陣内孝雄君 終わります。
#267
○委員長(井上吉夫君) 以上で久世君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#268
○委員長(井上吉夫君) 次に、角田義一君の質疑を行います。角田君。
#269
○角田義一君 今回、補正予算の審議は一日ということでございます。国民の皆さんが一日も早い景気回復を願っているという中で、自民党さんに大変な御理解をいただいて一日ということになりました。与党としても心から感謝申し上げる次第でございます。
 総理に若干お尋ねしたいと思いますが、細川連立政権の最大の任務は政治改革を断行するということであろうと思います。いろいろ紆余曲折はございましたけれども、今、実務者で最後の詰めが行われております。特に政党助成の上限の問題、あるいはそれに絡みまして政党法の制定等々の議論がされておるわけでありますが、いずれにいたしましても、最後の詰めといいましょうか、九仞の功を一簣に欠くというようなことがあっては私はならないというふうに思っております。この最後の土壇場に参りまして、総理御自身がこの政治改革をなし遂げるということのお気持ち、これを改めて私は伺っておきたいというふうに思う次第でございます。
#270
○国務大臣(細川護熙君) 今お話しにございましたように協議会の方で最後の詰めが行われておりますし、少しでも早く成案が得られますように心から願っております。
#271
○角田義一君 山花国務大臣におかれては大変な御苦労をされて今日まで来たわけでありますが、私はこの政党助成の問題、あるいは政党法の問題、なかなか大きな問題だと思っておるんです。これを何とかクリアしなきゃならぬ。やはり担当の国務大臣といたしましても最後の踏ん張りどころじゃないかというふうに思っておりますが、いかがでございますか。
#272
○国務大臣(山花貞夫君) 協議会の合意の成立を強く期待しているところでございます。誠実にこの仕事を担当してきた私の気持ちといたしましても、合意が成立して法案が衆参通過いたしましたならば政治改革にもう一歩踏み出すことができるのではないだろうか、この法案に魂をどう入れることができるのか、これがこれからの課題であると思っているところでございます。
#273
○角田義一君 総理、何としてもこの政治改革法案というものは成立をさせなければならないというふうに私も思っておるわけでございますが、選挙制度というのはベストのものはないというふうに思うのでございまして、いろいろやってみてまずいところは直していくべきだと。国民の皆さんもかなりその辺は柔軟な考え方を持っておられると私は思っておるのでありまして、長いスタンスの中ではやはり試行錯誤をして立派な選挙制度をなし遂げていくんだと、こういう柔軟な対応をされることも大事だというふうに思っておるのでございますけれども、その辺はいかがでございますか。
#274
○国務大臣(細川護熙君) 今、山花大臣から御答弁がございましたように、魂を入れていくことができるかどうか、それはこれからの我々の取り組みにかかっているだろうというふうに思います。
 制度というものに万全なものはございませんから、絶えず見直しをしていくということは当然のことだと思いますし、少しでもよりよいものになるように、そのような気持ちというものを常に持っておくことが肝要なことであろうというふうに考えております。
#275
○角田義一君 私は、細川連立政権は最大の課題であります政治改革というものをなし遂げて、これからいよいよ本格政権に飛躍をしていかなきゃならぬ、こういうことではなかろうかと思うわけでありますが、地方におきましても、この連立政権を支えなきゃならぬ、こういう機運も出てきているわけであります。私は群馬県でありますが、群馬県は日本に冠たる自民党王国でありますけれども、その中でも五党の連絡協議会というものをつくりまして支えていく体制をつくろうと、これが実は二月二日の日でございました。
 私はわりかし早寝なものですから、三日の朝、テレビ、ラジオで一斉に国民福祉税構想なるものが出まして、与党はこのことについて質問しない方がいいんじゃないかという御指摘もありましたが、私はやはり一言どうしても申し上げておかなきゃいかぬというふうに思うのでございます。
 やはり税というのは、今さら私が申し上げるまでもございませんけれども、国民の痛みを伴うものでございますから、どうしても国民の理解、納得が得られなきゃならぬことだろうと思います。
   〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕
 今回、一連の経過はございました。連立与党はさまざまな英知を結集をして乗り切ってきたわけでありますが、総理はこの辺の一連の経過の中でどういうお感じを持たれたか、率直に私はもう一度与党という立場からもお尋ねを申し上げておきたいというふうに思うわけでございます。いかがでございましょうか。
#276
○国務大臣(細川護熙君) この一連の政策決定のあり方につきましては、大変性急過ぎたのではないかといったような御批判があったことにつきまして、これは国民の皆様方からもございましたでしょうし、また与野党の中からもそうした声がございました。そのことは率直に受けとめなければならないことだと思っております。
 ただ、昨年の九月から税調の御論議の中などでもずっと言われてきたことでございますが、また私も所信表明などでも申し上げてまいりましたが、これからの高齢化社会の中であるべき受益と負担の関係というものをどういうふうに考えるのか、あるいは税制のあり方というものをどういうふうに考えるのかということについては、やはりこれは私どもは後世に、あるいは後世にと言うとずっと先のことのようですが、もう近い将来のためにも責任のある態度というものをとっていかなければならないであろう。これはまた我々の大きな責任であるということも強く感じております。
 とにかくいろいろな経過がございましたが、そのような経緯を踏まえて、今、協議会におきまして御論議をいただくということになっておりますし、年内にあるべき税制の姿を浮き彫りにしていただくということでございますから、固めていただくということでございますから、ぜひそのようにお願いを申し上げたいと思っているところでございます。
#277
○角田義一君 きょう正式に協議会が発足をいたしました。先ほど社会党は消費税廃止ということだけ言っておるんじゃないかというような御指摘もありましたが、日本社会党はそんな単純な政党ではございません。この消費税問題を初め税制のあり方については真剣に取り組まなきゃならぬ、こういう私どもの立場でございますし、この協議会、どんな苦労があっても私は一定の結論を出さなきゃならぬ、そのために私ども汗をかかなきゃならぬ、こう思っておるわけでありますけれども、これはやはり政府の御協力というものがなければいかぬというふうに思っておりますが、大蔵大臣、いかがでございますか。これは全力を挙げて与党が一生懸命汗をかきますから、政府としても協力してもらうということだけお尋ねしておきたいと思います。
#278
○国務大臣(藤井裕久君) 二月十七日に協議会が正式に設立されたことは承っております。そして、今お話しのように、精力的に御議論をいただく、しかも連立与党合意に従ってやっていただけるということは、私ども大蔵省としての物の考え方と全く同じでございますので、あらゆる努力をしていい結論が出るべくやらせていただきたいと思います。
#279
○角田義一君 今回の補正予算あるいは来年度予算、いろいろな事情があって大変編成がおくれまして国民の皆さんに御迷惑をおかけをしたわけでございますが、しかし私は率直に申し上げまして、私どもが野党のときには、野党というのは政権担当能力がない、こういうようなことを言われてきたわけです。
 しかし、やはり今度の予算を見ますと、五党が真剣になって知恵を出し合い、しかも編成の過程も公開されて非常にオープンな形で私はやられてきたというふうに思っております。そして、国民が願っておった減税、さらには生活者重視、そして防衛力の抑制なり長年手がつかなかったいわば企業の使途不明金に対する課税等、いろいろ私は見るべきものがあったというふうに思うのでございます。
 したがいまして、連立政権がつくった初めての予算、しかも自民党さんの時代の概算要求の上に苦労してつくった予算でございますが、この辺、率直に総理はどういうふうに評価をしておられるか。私はある程度自信を持って国民に堂々と言っていいんじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
#280
○国務大臣(細川護熙君) 先ほどどなたかの御質問にもお答えをしたところでございますが、六年度の予算は景気にできる限り配慮をしようということで、そのような考え方を貫かせていただきました。もちろん歳出の洗い直しにもできる限り取り組んでまいりましたし、また、そういう中で質的な充実ということに意を用いたところでございます。
 具体的に申し上げますと、一般歳出では、五年度の当初に比べまして二・三%増と極めて抑制をした中で投資部門の経費は高い伸びを確保いたしました。それからまた、二十一世紀のビジョンでお示しをしておりました方向に沿いまして、生活者重視というところにもできる限り光を当てていこうということで経費の確保に努めたところでございます。
#281
○角田義一君 これから本格的な来年度予算の審議も始まる、さらには日米経済協議が容易ならざる事態に立ち至っておる、こういう状況の中で、最近盛んに内閣改造ということが云々されておるわけでございます。これは総理の専権事項でございますから私どもが云々する立場ではないのかもしれませんけれども、私は政権は天下の公器であるというふうに思っております。(「凶器じゃないの」と呼ぶ者あり)公器、天下の公器である、公の器である、こう思っておるんです。したがいまして、私は、この難局を乗り切るためには連立与党というものはやはり一致団結をして頑張っていかなきゃいかぬ、こう思っておるわけでございます。
 聡明な総理のことでございますから私はこの改造について非常に慎重なお取り組みをいただけるものというふうに思っておりますが、率直な心境をお聞かせいただければありがたい、こう思っております。
#282
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃることはまことにごもっともだと思っております。政局、とりわけ与党内の動向などもよく見きわめました上で、やるかやらないかというようなことも含めて判断をさせていただきたい、こう思っております。
#283
○角田義一君 大蔵大臣にお尋ねいたします。
 今回さまざまな景気回復のための施策が行われておるわけでありますけれども、なかなか景気が回復しない一つの大きな理由に、銀行、金融の機能が必ずしも十分に十分に働いていないのではないか、その最大の理由は銀行が抱えておる不良債権の問題、こうも言われておるわけであります。
 最新の不良債権の実情、実態について、まず御説明を願いたいと思います。
#284
○国務大臣(藤井裕久君) 現在の経済運営の中で金融問題がある、しかも金融の中でも不良債権問題がある。御指摘のとおりだと思います。
 御承知のように、昨年九月末現在で十三兆八千億という数字の不良債権が公表されております。これは一定の公表基準で、取り立て不能になったものと六カ月以上利子を滞納したものでございます。
 角田委員の質問の中には、恐らく今もう少しほかにあるんじゃないかと。これは私はないということはないと思います。ただ、それは一定の基準というものが大事なのでありまして、一定の基準によってこれが公表されているということが大事だと思います。もちろん、非常に相手方が経営がうまくいってないとか、あるいは金利減免債権というような形で一つの再建のシステムをつくったものとか、そういうものがあることは事実でございます。
 今回、総合経済対策によってこの金利減免債権についても不良債権買取機構のような、昨年一月にできたものに匹敵するような仕組みをつくりまして、金利減免債権の金融機関における片をつけさせてあげる仕組みをつくるということを正式に決定いたしております。これらを通じまして不良債権問題は一つ一つ処理をしている段階でございます。
#285
○角田義一君 要するにここ三年ぐらい、銀行が金を貸している金額というのは約五百兆円前後、ほとんど動いておりません。それから、銀行は銀行同士で金貸しをするのが一番かたいということで、コール市場は四十五兆円ぐらいの残高を持っておる。これは二、三年前に比べますと倍近いコール市場。逆に言えば、本当に必要なところには金が回ってないんじゃないか、こういうふうに言われておるわけです。はっきり言うと、中小企業等に対して銀行は貸し渋っておるのじゃないか、こういう指摘があるわけでございまして、大蔵省としてはその辺どういう指導をしておられるのか、率直に承りたいと思います。
#286
○国務大臣(藤井裕久君) 世に言う貸し渋りという中にはいろんな要因があると思います。それは一つは、例えばいわゆる資産インフレ期に余りに金融機関の融資態度がルーズだったということに対するみずからの反省があると思います。これは我々がサポートしなければならない部分だと思います。また、実際の資金需要がないという点もあるかもしれません。また、いろんな資金調達手段が出てきているために銀行のみが資金供給の唯一の機関でないという点もあるかもしれません。しかし、同時に、今、角田委員の御指摘のような本来お貸ししなければならないところに貸し渋りが行われているのではないか、これが一番重要な問題だと思います。
 この総合経済対策をつくりました機に、金融機関に対する指針を同時に発表いたしました。この基本的な物の考え方は、担保が不足したからといってそれで貸し渋るということではいけない、金融のあり方としては、もっとその会社の事業計画がどうなのか、収支の見通しはどうなのか、そしてまたこの資金の使途はどうなのかというようなことが大事なのであって、単なる一時的な担保不足とかなんとかいうことに余り目を強く向けない融資態度で臨まれたい、こういうようなことも出しておるところでございまして、今おっしゃったような点は我々として十分考えなければいけない大切な点だと思っております。
#287
○角田義一君 大蔵大臣、明治以来の最低の公定歩合でございますね。これはいろいろ議論のあるところでございまして、例えば金利生活者、大変な私は打撃を率直に受けておると思います。
 しかし、銀行は、この低金利政策というものをいいことにして、はっきり申し上げまして、かなりの利ざやを稼いで、そしてそれを不良債権の償却に充てておるのではないかと率直に私は申し上げたいと思うんですよ。大蔵当局とすると、これ以上の低金利政策、中にはもっと下げろというような方もおられますけれども、それは暴論ではなかろうか。これ以上の低金利政策をとるということはいろいろな面で私は弊害が出てくるんじゃないかというふうに思いますが、いかがでございますか。
#288
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもは金融機関に対して、不良債権の償却を積極的にしていただきたいということを申していることは事実であります。
 また、金利低下局面においては、角田委員の今御指摘のようなことは往々にして起こることは事実です。いわゆるタイムラグだと思います。しかし、これを一日も早く埋めていくようにと、金利上昇局面のときは逆の現象が起こるわけでありますが、これを一日も早く埋めていって本当に第一線の中小企業者の方がこの低金利政策の恩恵を受けていただけるように強く指導しているところでございまして、今後も一層これを推進したいと思います。
 金利政策につきましては私どもの所管でないので余り多くは申せませんが、ただ一般的に、景気対策というものは必ず表と裏があるということだけは私どもはいつもこの委員会で申しております。公共投資政策は借金の累増になります。低金利政策は当然のことながら御指摘の預金者の犠牲の上に成り立ちます。それを景気の上でどう判断するかというのが政策選択であろうということを申し上げたいと思います。
#289
○角田義一君 この問題に関連して最後に一つだけお尋ねしておきたいんですが、いわば不良債権の買い取り機関、共国債権買取機構、これが必ずしも十分に機能してないと私は思っておるのであります。
 細かいことは言いませんけれども、大銀行はなかなか利用し得るけれども中小銀行は資力の点からいってなかなか難しいということが一つ、それからもう一つは、この共国債権買取機構自体がどうやって自己資金をつくるか、例えばコマーシャルペーパーのような商業手形の発行を許すのか許さないのか、私はこれは大きな問題だと思いますけれども、大蔵大臣、いかが考えておられますか。
#290
○国務大臣(藤井裕久君) 共国債権買取機構は昨年一月発足いたしました。ごく最近までの実績で申しますと、二兆四千億という相当大きな不良債権を買い取りました。これを一兆三千億で買い取っておりますから、金融機関は一兆一千億損出しをいたしております。さらに問題がこれの最終処分でございますが、現在のところ百五十億円担保処分をいたしておる段階であります。
 次に御指摘の、中小金融機関はどうかという点でございます。
 現在、中小金融機関もこれに大分加盟をいたしておりまして、一千万以上の不良債権ならば中小金融機関といえども買い取ってもらう仕組みになっております。共同機構の方ではそういう中小金融機関についても広く声をかけているということは事実でございますし、今の御指摘は大変大事なことだと私どもも考えておりますので、一層その努力はいたします。
 また、資金の問題でございますが、この機構は、買い取った資金は関連の金融機関が融資する形でできておるわけでございまして、それがまさに自己責任における処理でございますので、これを一層推進することによって処理してまいりたいと考えております。
#291
○角田義一君 総理大臣にお尋ねいたします。
 今日の景気の状況の中で、私は雇用の問題が非常に深刻だと思います。自分の連れ合いがいつ解雇されるかわからぬというような状況の中で、これはもう消費支出が抑えられるのはむしろ当然でありますから、雇用の確保ということが極めて私は重大だと思っておるんです。
 そこで、政府も対策本部をつくって真剣に取り組んでおられるわけでございますけれども、やはり企業の社会的責任という立場を考えますと、経団連を初めとする経済四団体、こういう首脳をお招きになっていただいて、改めてこの厳しい雇用情勢の中で雇用確保宣言というものを経営者団体に出していただくということは、私は今日非常に意味のあることではなかろうかというふうに思っておるのでございますが、そういう立場で、いわば財界、経済界に対して働きかけをなさるおつもりがあるかどうか、総理から御所信を承りたいと思う次第であります。
#292
○国務大臣(細川護熙君) 今お話しございましたように、本部をつくりまして、私みずから本部長になって雇用対策につきまして万全を期していこうということで取り組んでいるところでございます。
 今度の経済対策におきましても、トータルプログラムでございましたか、これを積極的に進めていこうということにいたしていることは御承知のとおりでございます。
 政府としては、経済団体のお話が今ございましたが、あらゆる機会をとらえまして、経済団体なども当然含まれると思いますが、あらゆる機会をとらえてそのように働きかけをしてまいりたい、お訴えをしてまいりたいというふうに思っております。
#293
○角田義一君 私が承っているところでは、連合と経済四団体の中で雇用確保宣言等についてどうしようかというような御議論もされておるというふうに聞いておるものですから、ここはひとつ総理から一押ししていただくことが大事じゃないかというふうに私は思っておるのでございます。
 というのも、最近、連合が雇用問題で一一〇番ということをやったところが、もちろん企業の厳しい状況は私どもよくわかりますけれども、この厳しい状況に名をかりてといってはちょっと言い過ぎかもしれませんが、解雇であるとかあるいは出向であるとか、こういう働く人たちに対してかなり厳しい態度をとっておるところも多いわけでございますので、その辺のことを踏まえてひとつ対処していただきたいと思いますけれども、もう一度その辺のことをお尋ねしたいと思います。総理に御決意をお尋ねしたいと思います。
#294
○国務大臣(細川護熙君) 今申し上げましたように、あらゆる機会を通じて積極的に対応してまいりたい、このように思っております。
#295
○角田義一君 労働大臣にお尋ねいたします。
 いよいよ春闘が始まります。春闘に対して、これは国家権力が労使の賃金交渉について云々するという立場ではないと私は基本的にはそう思いますけれども、やはり大企業というのはかなりの内部留保もありますし、経理対策の面からいっても相当な賃上げを頑張ってもらわなきゃならぬじゃないかという気もいたすわけでありますが、この辺、大臣として率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
#296
○国務大臣(坂口力君) ただいま御指摘のように、今春闘の一番大事なときを迎えているわけでございます。労使双方のお話し合いの中で決着をしていただくのが常道でございまして、その結論を私たちがさせていただくわけでございますが、しかし、こういう時期でございますし、景気も雇用も、そして賃金も大事なところでございます。最大限ひとつ頑張っていただきたいというふうに私たちも経営者の皆さん方にお願いをしているところでございます。
#297
○角田義一君 そのほか、土地問題を初めいろいろ経済政策、さらには日米経済交渉が決裂をいたしました。それにどう対応していくかということについて、同僚の山田健一議員の関連質問をお許しいただきたいと思います。
#298
○理事(久世公堯君) 関連質疑を許します。山田健一君。
#299
○山田健一君 山田健一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回の総合経済対策、我々が強く求めてきた減税問題を含めて、先ほどお話しがありましたように、雇用対策さらには農業対策、中小企業対策を含めて文字どおり総合経済対策、しかも十五兆二千五百億円、史上最大の規模、こういうことでございまして、この第三次補正、そしてまた九四年度政府予算案、これらと一体のものとして一刻も早く成立をさせて何とか景気回復を目指していきたい、私自身もこういう気持ちであります。
 それにしても、景気が後退局面に入りまして今月で三十四カ月目を迎えるという状況でございまして、これまで三度にわたって、トータルにして三十兆円近い総合経済対策が打たれてきておるわけでありますが、依然として景気回復のきっかけがつかみ切れていない、こういう今日だというふうに思います。
 なぜなのか。確かにバブル崩壊という大変重い後遺症に引きずられておる今日の状況があることも事実でありますが、私はやっぱり今回の景気後退局面において的確な景気判断がなされなかったということが尾を引いておるというふうに思っております。あの後退局面を認めるまでに約一年ぐらい政府の判断がおくれた、そしてその間に過剰投資がどんどん行われていった、そして人も採用されていった、そのことが今日まで大変傷を深くしてきた、こういうふうに思っておりまして、その意味からいえば、私はある意味では前政権のツケの清算を今やっておる段階だと、こういうふうに思っております。
 いずれにいたしましても、適切な経済運営をやっていく上では的確な景気判断というものが大切だというふうに思っております。そういった観点から、過去の反省を込めて、どうぞひとつ経企庁長官の方から、的確な景気判断がなされていくようにどのように今対処をされているのか、さらにこれからの決意を含めて御答弁をお願い申し上げたいと思います。
#300
○国務大臣(久保田真苗君) 昨年の七月に出しました経済白書におきましても、景気の判断について、これが後手に回ったという反省はしておるところでございます。また、この景気の判断が非常に大事でございまして、今回のバブルの形成と崩壊の過程というのは、戦後、安定成長期に入ってほとんど初めての体験でございましたから、その見通しについて困難があったことは否めないと感じております。
 したがいまして、今回の予算要求におきましても、景気の早期判断につきまして、従来、景気動向指数の中の先行指標については景気の山に対して六カ月、谷に対して二カ月というような先行指標を含んでこれを判断の材料の一つとしておりますけれども、経済企画庁としては、今後これに加えまして一年程度の十分な先行性のある新しい指標を開発していく。このためにことしは所要の予算を盛り込んでございますので、ぜひこうした的確な判断に努めますとともに、おくれないところの景気対策あるいは予算の編成、こういったものをお願いいたしまして、景気がことしは早く回復して安定成長の軌道に戻れるということを念願して、決意を込めてお答えさせていただきます。
#301
○山田健一君 次に、総理にお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほど角田議員の方からも国民福祉税の関係について質問がありました。この構想は総理は一連の経緯にこだわることなく白紙に戻された。私はこの真摯な政治姿勢はやっぱり評価したい、こう思っております。ただ、先ほどもお話しがありましたように、協議会でこれから結論を得るべく検討が行われていく。いずれにいたしましても、私たちもこれは最大限の努力を払って責任のある対応をしていかなければならぬというふうに思っているわけであります。
 これからの福祉ビジョンに基づいて、税制のあり方、あるいはまた国民の負担と給付のあり方、こういうものが真剣に検討されていくものだと思いますが、先ほど政府としてもできるだけの協力をというお話でありました。私は同時に、政府としてもできるだけこういった情報なり資料、あるいはいろんな試算、こういうものも積極的に公表していただいて、そして何よりも国民的な議論にこれをしていかなければいけない、このことが大事だというふうに思うわけでありまして、そういった国民的な、来るべき高齢化社会に臨むこれからのあり方というものについて現状なり見通しについてのしっかりした展望を示していけるように、総理としての決意をお伺いいたしたいと思います。
#302
○国務大臣(細川護熙君) 御承知のように、連立与党の中にも協議会ができて、三つの小委員会でさまざまな角度から検討が行われ始めるということでございます。この国会の間に国民の御理解が得られるような結論が得られることを期待いたしております。
 また、福祉ビジョンにつきましても厚生省の方で検討をしているところでございまして、これからの福祉社会のあり方というものがどういうものが望ましいものであるか、給付と負担の関係について結論が示されるかということを大変強い関心を持って多くの方々が見守っておられると思いますし、今お話しかございましたように、その懇談会の方向というものにつきましては折に触れて国民各位にお示しかできるようにしなければいけないだろう、厚生省の方においても、これは厚生大臣の方からお答えをした方が適当なのかもしれませんが、ぜひ考えていただけるであろう、このように思っております。
#303
○山田健一君 ぜひお願いをしたい。やっぱり国民的な議論の中で国民合意を形成していく、その努力が求められているというように思っておりますから、ぜひとも御協力をお願い申し上げたい、このように思っております。
 次に、午前中もいろいろ議論が出ておりましたが、景気対策に伴う公共事業、とりわけ地方財政にとっての大変厳しい今日の地方財政状況下においてこれからいろんな手だてがとられようとしているわけでありまして、特に今回は大幅な補助公共事業やあるいは地方単独事業もかなり上積みをされるという状況であります。地方自治体にとってもこれらは専ら地方債を増発して賄っていかなきゃならぬ。ましてや、その地方債もこれから償還を、これは国債よりも期間が短いということもありまして、償還費がこれからどんどん高まっていくという非常な懸念を実は持っているわけであります。
 自治大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、こうした一連の公共事業が追加をされる、もちろん円滑に執行されるということを私たちも望んでいるわけでありますが、財政面から一体どういう手だてがとられているのか、この点がまず一点。そしてまた、とりわけやっぱり財政力の弱い地方公共団体の場合、今後の財政運営に支障を来さないような措置が望まれるというふうに思いますが、この辺についてはどのように手当てをされるおつもりか、お尋ねをいたしたいと思います。
   〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕
#304
○国務大臣(佐藤観樹君) 御存じのような景気の情勢でございますので、地方財政計画の中で八十兆九千億円という大変大きな地財対策を組んだところでございます。地方交付税につきましても、前年より〇・四%伸ばしまして、十五兆五千億円ということで、地方自治体が心配なくやっていただこう。景気対策に資するために、これまた十八兆五千七百億円という一二%増の積極的な地方財政を組むことによって、生活者本位の本来政治を担うべく地方財政がやっていかなきゃならぬことをやっていこうということで取り組んだわけでございます。
 今、山田委員御指摘のように、当面補正予算で俗に言う裏負担、地元負担が一兆二千億円出てまいります。それから、地方単独事業も三月いっぱいに仕上げるものが三千億円ということで組みました。締めて一兆五千億円ございますけれども、これにつきましては、地方債の発行によりまして後ほど元利償還金は交付税措置をするということで、地方に財政的に心配のないようにひとつやっていただこうという手当てにしてございます。
 それから、御懸念のように、当然だと思うのでございますけれども、これだけ積極的なことをやりましたので、とりあえず平成六年度の当初予算のときの借入金残高というのが百二兆円に達するわけでございます。そういった意味で大変大きな借入金になるわけでございまして、しかもそれは、平成五年度で六兆五千五百億円返し、さらに平成六年度で公債金が八兆九千億円、約九兆円返した上になおかつ残高が百二兆円ということになるわけでございますので、私たちとしてもこの負担は大変大きなものとなっておると思っております。
 したがいまして、一日も早く景気の回復をさせまして、平成二年の補正から平成四年までに約十三兆八千億円、これは交付税特会からの借り入れの返済あるいは地方債償還のための基金の積み立てということで、通常の返済のほかに十三兆八千億円、あのバブルのときに地方は返しておるわけですね。このように、景気がよくなったときに私たちとしてはぜひともこれは早く償還ができるような経済体制にしたいし、あわせまして、恒久的にやはり地方の独立財源ということを今御指摘がございました与党の税制協議の中でしっかりとひとつ考えていっていただかなきゃならぬ、こういうふうに考えておるところでございます。
#305
○山田健一君 ありがとうございます。
 次に、建設大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 今回の総合経済対策の柱の一つとして土地の流動化策というものが据えられておりまして、とりわけ民間都市開発推進機構、いわゆる民都機構、これの活用によって新たに開発事業用地等の先行取得等が行えるようになった、こういうことが大きな一つの目玉として打ち出されております。政府・与党関係者の皆さん方の今回の活用に当たっての御努力について私は敬意を表したいと思っております。
 ただ、最近の経済状況を考えますと、土地の流動化ということも確かに大事でありますけれども、この民都機構は本来良好な町づくり、いわゆる都市づくりをやろう、こういう趣旨で設立をされているわけでありまして、その意味からいえば、今回のこの対策をきちっと町づくりにつなげていく、こういう視点が今求められているんではないかというふうに思っておりまして、この点について、どのように町づくりにつなげていかれようとしておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#306
○国務大臣(五十嵐広三君) 山田委員のお話しのとおりでございまして、やはり今度のいわゆる民都機構による、皆さんにお願い申し上げている法律改正の部分に関しては、これは何といいましても、最近の景気の低迷の中で、ここは素質のあるいい土地なんだけどなと思うようなところで、しかし活用されていない遊休地がかなりあるわけで、そういうようなところはこの際やはり民都機構のノウハウを入れてしっかり立案し、計画し、調整をしていく、それで立ち上げていくというようなことを通じて町づくりを活性化していくという必要があるのではないかと思うのであります。そのことはまたあわせて土地の流動やあるいは景気の活性化にも資する、こういうものであろう、このように考えておる次第であります。
#307
○山田健一君 私が今申し上げておるのは、民都機構の果たしていかなければいけない役割というものを十分踏まえて、特にこれは地方の民活を推進するという大きな目的があるわけでありまして、確かに都市部で今いろいろ土地の市場が動かないというようなこともありますけれども、やはり地方にあっても活用されるべき遊休地等を含めてありますから、こういった今回の対策がせっかく打たれたわけでありますから、これは確かに都市部だけじゃなしに、全国的に一つの施策を展開していただきたい、こういうふうに思っているわけでありますが、簡潔に御答弁をお願いいたします。
#308
○国務大臣(五十嵐広三君) これも仰せのとおりでございまして、三大都市圏の政策区域、それから県庁所在地及び二十五万以上の人口の都市の市街化区域に関して適用する、こういうことになっておりまして、殊に地方の駅周辺の場所だとか、あるいは工場の跡地であるとか、やはり再開発が非常に必要だという部分も随分ありまして、そういう点では民間の意欲を十分に応援していくという可能性のある部分について先行取得をしていくべきであろう、こういうぐあいに考えております。
#309
○山田健一君 次に、先ほど予告がありました日米首脳会談に関連をいたしましてお尋ねをいたしたいと思います。
 今回、この会談が不調に終わったと。大変残念に思っているわけでありますが、冷却期間を置こう、こういうことでありましたが、その置く間もなく円高が進む、あるいは日本の官僚批判、あるいはまたいわゆる移動電話に対して、八九年合意、これに違反、クロということで裁定の手続を開始する、あるいはまたこれから包括貿易法三〇一条を復活させるんではないかというような可能性が指摘をされているわけでありまして、対日制裁に向けての動きが高まっておることを大変懸念いたしております。
 どうも、背景としてよく言われておりますが、大変な日本の貿易の黒字の問題、アメリカにとっては大変な赤字、これに対するいら立ち、同時に私は、今日までの日米交渉のあり方、特に「ガイアツ」というのがもう英語になっておるぐらいのことでありまして、この外圧がなければ日本は変わらないんだ、こういうような不信があるんではないか、このような気がするわけであります。
 細川総理はクリントン大統領とも、もう三度ですか、会談を持たれて、クリントン政権の対日観、これはどのように総理として抱いておられますか、お尋ねをいたしたいと思います。
#310
○国務大臣(細川護熙君) 一言で申し上げれば、大きな姿から日米関係というものをとらえたときに、基本的に日米関係というものを安定したものにしていかなければならない、これはもう両国とも共通の確固とした認識であると思っております。
 先ほどどなたかのお尋ねにもお答えをいたしましたが、大きく分ければ三つのテーマがあるのではないか。一つは経済の問題、もう一つは政治と安全保障の問題、もう一つは地球的な規模での協力の問題。経済問題を除けば、その問題の中でも今回はごく限られた問題につきまして合意ができなかったわけでございますが、大方の問題につきましてはまずまずの関係にあるということなんだろうと思います。
 しかし、今お話しかございましたように、八〇年代の半ばぐらいからでございますか、五百億ドルを超える収支のインバランスがある。この点についてまさに強いいら立ちを持っているということは事実であろうと思いますし、また、そこのところに何か改善の兆しか目に見える形で出てまいりませんと次から次と同じような問題が繰り返されることになりかねないということで、私も大変危惧をいたしております。
 この点につきまして、これも繰り返し申し上げておりますように、何とか打開の糸口を見つけるべく、いい方向に向かっていくようにあらゆる手だてを考えてまいりたい。目下、具体的にどういうことを考えるかという妙案があるわけではございませんが、できるだけ早く何とか知恵を絞っていい方策を考えたいというふうに思っております。
#311
○山田健一君 これからの取り組み方まで含めて今御答弁をいただいたわけでありますが、今回のこの会談は物別れに終わったと、こういうふうに伝えられておりますが、市場開放の度合いをはかっていく客観基準の性格なり解釈、こういうものをめぐって最後まで話がまとまらなかった、対立が解けなかった、こういうふうに伝えられているわけでありますが、仮にそうだとすれば、去年の七月、宮澤・クリントンさんの会談、日米間の新しい経済協議を始めよう、その枠組みを決めていく合意のときに、客観基準についてのきちっとした定義がここでなされていなかった、そのことが今日のような結果を招くことになったんではないか、私はこういうふうに思っているわけでありますが、この点についてどう考えられておりますか。
 それからもう一つ、あわせてお尋ねをいたしますが、協議のあり方。これもマクロ、ミクロ、それは結構だと思いますが、政府間で本当に解決をし得る分野と、あるいは今回のように民間のレベルで協力をし合って解決をしていくレベル、おのずからそこは区別をして協議していかないと、もう民間の問題も政府の協力でやれ、規制緩和に逆行するようなことまで言われるということになるわけでして、この辺については一体どのように外務大臣は責任者としてお考えになっておられますか。
#312
○国務大臣(羽田孜君) 七月のお話が今あったわけでありますけれども、あのときには、日本側として将来に向けた数量目標を設定することには応じられないという基本的な立場に立って終始一貫していた、そういうふうに私どもの方は承知をいたしております。
 ただ問題は、先方の方に、今まで枠組みの協定をいたしましてもどうもその成果が上がらなかったなといういら立ちがあったということであります。また、日本側の方といたしますと、どうも自動車ですとかあるいは半導体のように、一つの数字を示すとひとり歩きされてしまうという不信が今度は我々の方にあったということ、これが一番の、ぶつかっていたといいますか、問題があったことであろうと思っております。
 そういうことで、私どもといたしましては、これから本当に成果が上がるのか、こういったことについて少し頭を冷やしながらお互いに話し合っていきたいというふうに思っております。
 それから、民間との問題については、自動車、政府調達、保険、こういったものについては一つの方向を出せないかな、自動車とか部品については、これは少し別の問題だねというようなことも先方も言い出してきておるということでありまして、日本の自動車産業界の中にもいろんな対応があるかなということもありますので、このあたりは別にやっぱり考えていくことが必要であろう、御指摘のとおりだというふうに思っております。
#313
○山田健一君 最後に、もう一点お尋ねをいたしたいと思います。
 今焦点になっておりますが、この問題に関連をいたしまして移動電話の問題が出ております。これは郵政大臣にお尋ねをいたしますが、まさに高度情報化社会、二十一世紀に向けて、とりわけこういった電気通信分野において各国とも、むしろ先進国はこれからリーディング産業といいますか基幹的な戦略産業だというふうに位置づけをいたしております。それだけに今回のように、時として個別の企業の要求というものが場合によっては国益というような格好で出てくるケースが今回の場合典型だというふうに私は思うわけであります。
 こういった状況に日本がどう対応していくのか、これは大事な問題だというふうに思いますし、国内的にも今いろいろと規制緩和をやろう、そしてまた公正な競争の条件をつくろうということも言われておりますし、国際的にもいわゆるグローバルな一つの合意形成、こういうものをつくり出していく、そういう必要があろうというふうに思うのでありますが、今回のような摩擦を繰り返さないために、あるいは誤解や不信でこういうことがないように、場当たり的でないきちっとした基本政策、あるいはまた将来に向けての長期戦略、こういうものを示していかなきゃならぬだろうというふうに思いますが、この点について大臣の御見解を賜りたいと思います。
#314
○国務大臣(神崎武法君) 政治、経済、社会、あらゆる分野におきまして現在国際化が進展いたしておりますけれども、その中にありまして、我が国が主体性を確保しながら国際的秩序の形成に貢献をしていくためには、国際面におきまして積極的な役割を果たしますとともに、規制緩和を含みます国内面との調和を図ることが重要であるというふうに考えております。その意味では、委員が御指摘のようなことをすることによって摩擦を未然に防止することにもつながるだろうというふうに考えます。
 そのような観点から、私ども国際的理解の増進、国際協調の進展等を図るために、ITU、ガット等の国際機関におきまして重要な役割を果たしますとともにグローバルな合意の形成に努めてきたところでございます。同時に、国際広報活動を推進したりあるいは二国間の定期協議というものに努めてまいりましたけれども、今後ともこれらを充実いたしますとともに、さらに民間をも含めたフォーラムについても十分検討をいたしてまいりたい、このように考えております。
#315
○山田健一君 終わります。
#316
○角田義一君 私の方から農政問題について農水大臣に若干お尋ねいたします。
 ウルグアイ・ラウンドがああいう形で決着を見まして、我が国にとっては大変苦渋の選択だったと私は思いますが、政府は早速対策本部等をつくりました。しかし、農家の皆さん、あるいは農業団体の皆さん、大変政府に対する不信は強いというふうに私は率直に思います。しかし、そういう中で減反の問題であるとかあるいは他用途米の問題であるとか、そういった農業団体の御理解、御協力がなければ私は農政は進まないと思うんです。やはりここは辞を低くして御協力を願う、こういう態度でなきゃならぬというふうに思うわけでございますが、その復そういう事態を打開をするためにどういう御努力をされておるか、まず承っておきたいと思います。
#317
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま角田先生御指摘のとおり、やはり生産者、団体、そしてまた行政サイド、三者一体となってこの厳しい環境を打破していかなければならない。さような意味合いで、幸いに先般、農協中央会、全国農協中央会長会議にも出席をさせていただきまして、ただいま考えております例えば転作の上積みはしない、強化はしないというようなことも申し上げ、あるいはまた農協関係婦人部の全国大会にも出席をさせていただきまして三、四十分ばかりただいまの我が方の考え方、そういうものを誠心誠意披瀝させていただいているわけでございますが、引き続き誠心誠意触れ合いの場、そしてまた誤解を解くような意味合いで、疑心暗鬼を生ずることのないように誠意をもって対応を進めてまいりたい、かように考えております。
#318
○角田義一君 日本農業は新しい時代に入るわけでありますが、食管制度は大変議論のあるところでございます。私はその根幹はやはり堅持しなければならないんじゃないかというふうに思っておりますが、その食管制度に対する政府の基本的なお立場、さらには先ほども議論がございましたが、中山間地帯における農業を保護するためには直接所得補償方式というようなものも入れなきゃいけないんじゃないかというふうに私どもは考えておりますけれども、その二点について農林大臣の御意見を承りたい。
#319
○国務大臣(畑英次郎君) 第一点の所得補償の問題、私自身のただいまの物の考え方の中にございましては、所得補償政策といいますものは、それをとらなくてもやはり勤労意欲があればそこでいわゆる所得の実を上げ得るそういう条件整備を、例えば中山間地域におきましても小型な土地改良をやる、あるいは生活道路を整備する、あるいは総合対策というような意味合いでは、これは対策本部等々で、厚生省の方におきます老齢化対策、あるいはまた地方財政対策等々、平成六年度にも組まさせていただいておるわけでございますが、そういうものをダイナミックに展開してまいることが第一義ではないかな、こういうふうに考えておるわけでございます。
 所得補償の問題が政策の課題にならないようにまず当面は努力をしていくことが与えられた課題ではないかなというように考えておるわけでございますが、そういう所得補償がどうしても必要な場所、これにつきましてはまた各関係者の御意見等々を踏まえて検討を加えさせていただきたい、かように考えておるわけでございます。
 食管制度につきましての問題は、いろいろ今回の緊急事態等々あるいはまた最近の実態を踏まえての論議があるわけでございますが、やはり昨年の大凶作におきましても、食管制度なかりせばというような意味合いの視点から考えました場合には、骨格はあくまでも堅持をしていく必要があると、かように受けとめさせていただいておるわけでございます。
#320
○角田義一君 最後に総理にお尋ねをいたしますが、いよいよ防衛大綱が見直される。私は、再来年度の予算、やはりこれは連立与党の合意がございますから軍縮元年の予算にしてもらいたいなという気持ちを持っておりますが、この大綱見直しの審議会、私的諮問機関もつくられたようでありますけれども、どういう基本的な考えでこれにお臨みになるのか、あるいはどういうことを事項として総理として諮問をお求めになるのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#321
○国務大臣(細川護熙君) 時期的には夏ごろまでに再来年度の予算に少しでも反映されるように何とか懇談会におきましてお取りまとめをいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 今月中にも第一回目の懇談会をお願いしたいと思っておりますが、その中身につきましてはその懇談会のメンバーの方々で十分話し合っていただきたいと思っておりますし、また、私もできればその初めての会合には出席をさせていただきたい、このように考えているところでございます。
#322
○角田義一君 防衛庁長官にお尋ねをするわけでありますが、最近、交戦規則だとかあるいは行動規定第二部だとかいろいろ物騒なことが新聞に出ておるんでございますが、時間がありませんから端的に聞きますけれども、私が一番恐れますのは、一体シビリアンコントロールというものはちゃんと堅持されておるのかどうか、防衛庁長官としてこの点どういう認識を持っておられるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#323
○国務大臣(愛知和男君) 私、長官に就任しましてまだ三カ月弱でございますが、その間、部隊の視察とかあるいは演習、訓練などの現場を視察をしたりいたしまして、そういう中で実感として感じておりますのは、シビリアンコントロールが十分行われているということを感じております。確信を持っております。
#324
○角田義一君 最後に、一点だけ外務大臣にお尋ねいたします。
 いわゆる北朝鮮の核疑惑の問題でございますけれども、私は一連の経過を見ておりまして日本外交の姿が見えないのが非常に残念に思いますが、この問題についてのやはり基本的な日本外交のスタンス、国民にわかるような外交のスタンス、これがどうしても私は欲しいように思いますけれども、このことだけ最後にお尋ねしておきたいと思います。
#325
○国務大臣(羽田孜君) 確かに日本は全方位外交という話がありますけれども、しかし全方位外交というのは、言葉だけでなくてどこの国とも積極的な対話をしていくということが大変大事だろうと思っております。
 その意味で北朝鮮とも、やっぱりあそこが国際社会に出てくるということが非常に大事だろうというふうに考えておりまして、いろんな形で呼びかけております。
 しかし、残念ですけれども、今、核の問題等がありましたり、あるいは我々の呼びかけ等に対してまだ率直に応じてくる感じというのは受け取っておりません甘しかし、我々はこれからもいつでも話し合う門戸は開いておくということを申し上げておきたいと存じます。
#326
○角田義一君 終わります。
#327
○委員長(井上吉夫君) 以上で角田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#328
○委員長(井上吉夫君) 次に、楢崎泰昌君の質疑を行います。楢崎君。
#329
○楢崎泰昌君 私は、冒頭に日米包括協議のことについてまずお伺いをいたしたいと思っています。
 私は、基本的には日米包括協議で決裂状態に入ったのかなという感じを持っていますが、二月十一日の共同記者会見でクリントン大統領は、中身のない合意よりは合意のない方がましだということを記者会見でお言いになり、それに対していろんなことを申されましたが、細川総理は大人の関係あるいは成熟した関係というぐあいに記者会見でしゃべっておられます。
 現在、何か私に言わせれば、どうも決裂したと。結局は、六カ月間の長い下協議をしたにもかかわらず合意に至らなかったわけですから、よく言えば合意に至らなかった、悪く言えば失敗したというぐあいに思うんですが、成熟したあるいは大人の関係というぐあいに細川総理は言われていますけれども、現在の御感想はいかがですか。
#330
○国務大臣(細川護熙君) 首脳会談の後で大統領が記者会見で言われましたことをそのまま申しますと、日米関係は相互の信頼と責任に基づき成熟しつつある関係の中で一層の発展強化をしていくものと確信をしていると、こう言われました。
 私も記者会見で同じような趣旨のことを申し上げたわけですが、私が申しましたことは、日米関係はお互いの判断を信頼し尊重する関係に成熟しつつあると、こう申し上げたわけでございます。
 しかし、このような関係はもちろん一朝一夕に確立てきるものではございませんし、それを維持するためにはお互いがやるべきことをやるというそういう努力を絶えず続けていく必要があるということは、これはもう当然のことだと思っております。
#331
○楢崎泰昌君 総理はさらに記者会見の後の同行記者団との懇談会等で、交渉はまとまらなかったけれども成熟した揺るぎない欄係を築くことができたと言ってボルテージを上げたというように新聞に書かれているようですが、現在、先ほども申されたように非常に日米関係は深刻な状態の中にあるわけですが、現在においても、成熟したあるいは大人の関係だと思っておられますか。
#332
○国務大臣(細川護熙君) 先ほど申し上げたように、成熟しつつある関係になっているのではないか、こう申し上げているわけでございまして、そういう趣旨で申し上げている。その関係というものは一朝一夕にできるものではないと。先ほど申し上げたとおりでございます。
#333
○楢崎泰昌君 私は、成熟したとか大人であるというような言葉の中で、非常に細川総理は自分の言葉に酔っておられるんじゃないかというような感じがしてならないんです。現在の状態は、先ほど移動電話等で言われたように非常に危険な状態の中にあると思うんですわ。
 そういう中で、例えて言えば為替の問題というような問題がございますけれども、総理は交渉が決裂したときに為替に影響があるなというようなことを考えられておられましたか。
#334
○国務大臣(細川護熙君) それは生き物の経済でございますからいろんなことがあり得るだろうと、それはもう当然あらゆることを想定しながら、大変残念な結果になったなという思いを持った次第でございます。
#335
○楢崎泰昌君 クリントン大統領は、為替レートは市場開放をはかる一つの客観的基準となると言って、直ちにそれを指摘された。そして、その結果として為替レートは百一円台にまで一時突っ込んだということがございます。さらに言えば、先ほどの移動電話の例をまつまでもなく、いろんな形で日本に対する圧力、あるいは日本いじめと言ってもいいでしょう、そういうことが急速に進展をしているように思うんですね。
 大変失礼な言い方ですけれども、言葉だけのきれいごとでは到底済まない関係に日米関係が突入している。言ってみれば、先ほど総理、三つの分野があるよというぐあいに言われましたけれども、少なくとも経済の分野ではプッツンなんですよ。それはもう非常に重要なことであるというぐあいに思うんです。
 それで、この間の新聞を見ると、細川さんは大変反省をしておられるように書いてありますね。それは、この言葉は使うのはまずいなということで、日米包括協議の報告の中にはこの言葉は使わないというようなことが新聞に書かれていますが、今現在の時点においては反省をされておりますか。
#336
○国務大臣(細川護熙君) お言葉ではございますが、国益というものは、やっぱりこれはそれぞれの国益がぶつかり合うというのが国際社会の常識でありまして、必ずしもすべてがうまくいくという話にはならないのが普通の姿ではないかと思っております。そこのところはお互いに、これは合意のできないことは合意できない、やむを得ないということで、少しでもその合意できない部分を少なくしようという努力をするということが一番基本的に大事なことではないかというのが私の認識でございます。
#337
○楢崎泰昌君 そういうことで、自民党政府のときも、羽田大臣よく御存じのように、一生懸命に努力をした。例えば、先ほど質問がありましたけれども、客観的基準というのは、その指標というのは望ましくないんだということを七月のときにはっきりおっしゃっておられるわけですね。それから後六カ月の間いろんな交渉はされたんでしょうけれども、その結果としては決裂ということになったんですね。
 先ほど申し上げましたように、為替のことは考えておられましたかと、それについてはあらゆることというぐあいに言われましたが、当然為替のことも考えておられたんでしょうね。
#338
○国務大臣(細川護熙君) 今申し上げましたように、国際関係というものがお互いの国益をぶつけ合うぎりぎりの場でございますから、きれいごとでいかないことはもうそれは当然のことだと思っております。そういう意味で、為替のことも今お話してございますが、あらゆることがそこにはかかわり合ってくるだろう、こういうことであろうと思います。
#339
○楢崎泰昌君 そして、そのことの結果として為替がぐっと上がってきた、円高になってきた。
 この円高というのは日本の経済にとっては非常に大事なことなんですね。経済企画庁の試算によれば、円レートで一〇%と言っていますけれども、一〇%上がることによって国民所得が〇・四ないし〇・六%ダウンする、一年後には一・一%ダウンする、二年後には一・四%ダウンするという数字が出ています。
 それは、要するに、国益国益とおっしゃるけれども、国益はやっぱり合意することに国益があるんで、決裂することにその国益があるわけじゃないと思いますが、いかがですか。
#340
○国務大臣(羽田孜君) この点についてちょっと申し上げたいと思うんですけれども、決裂というより、話は不調に終わったということです。
 しかし、不調に終わる前に私どもの方から、ただその成果のほかりだけでこれが不調に終わるということは本当に残念なことだ、全部、保険の分野にしてもあるいは政府調達の分野にしても、相当いいところまで来ているんじゃないか、このほかりだけで不調になることは残念だということをもう相当しつこく申し上げました。ただ、先方の方は、おれたちの方は今までもいろんな協定を結んだけれどもその結果がどうもあらわれないところにうちの方で不満があるものだから何とかこれをひとつ入れてほしい、そういう強い話がありました。
 ただ、最後に彼らが言ったのは、羽田さん、カナダとヨーロッパでは年がら年じゅうこんなことがあるんですよ、だからあなたは余り不調に終わることを恐れないでくれ、またゆっくり話し合いましょうよというのが実はあの未明の不調のときの空気であったということ。
 ただ、困ったことに市場というのはありとあらゆる条件を探しているんです。クリントンさんは、別にあのときに為替レートのことを言ったんじゃないんです。要するに、為替レートもそういったときの、一つの数値の中には為替レートなんというものも、そのときに為替が下がった上がったということによっても違うんだねという話をしたのをうまく市場がとらまえたということだろうというふうに思います。
#341
○楢崎泰昌君 いずれにしても、外務大臣言われましたが、いいところまでいった。しかし、いいところまでいっても合意に至らなきゃ何にもならないんです。それはひとつその責任を細川総理大臣には厳しくお感じを願わなければならぬというぐあいに思っています。
 ところで、今、為替レートの話が出ましたんで、ちょっと経済見通しに話題を移したいというぐあいに思います。
 名目四・〇、実質二・四ということで経済見通しを立てておられますが、経済見通しをお立てになったときの為替レートは幾らで予測をなさいましたか。
#342
○国務大臣(久保田真苗君) 計算作業、一カ月前の一カ月の平均で百十・一八円ということを前提として、これは予測ではなくて前提として作業をいたしました。
#343
○楢崎泰昌君 既にそれだけで〇・数%の差が出てきているわけです。
 私は所得税減税、今度大きな目玉として考えられたと思いますけれども、所得税減税の効果は為替のレートが円高に移行したこと及び、我が橋本政調会長が指摘しておりますけれども、年金保険料一兆二千億等々で私は相殺されるんじゃないかというぐあいに思っていますが、いかがですか。
#344
○国務大臣(久保田真苗君) 為替レートが急激に変動いたしまして円高が進行するということは、確かに経済に影響を及ぼすだろうと思います。しかし、現在の状況はファンダメンタルズを反映したというよりは思惑で動いているという面もあるかと思いますので、私どもはこれを注意深く見守って適切に運営したいと思っております。
#345
○楢崎泰昌君 為替の動きというのは摩訶不思議で、いろいろな要素が加わってくるものです。しかし、ファンダメンタルズと今言われましたけれども、貿易収支に係る為替決済というのは、日本の国内あるいは世界で現在行われている為替のディーリングのうち五%ぐらいしか占めていないんです。あとは資本の移動とかそういうことでやられているんです。その中で特に大事なのは、これは細川総理に申し上げたいんですけれども、やはり各国との協調がどういうぐあいにできているかということです。
 二十六日にG7があります。その中でいろいろ日本の立場を御主張なさるというぐあいに聞いておりますが、藤井大臣、いかがでしょうか。
#346
○国務大臣(藤井裕久君) まず、為替レートでございますが、一国の為替レートが急激に変動するということは、その国の経済のみならず世界経済に大変マイナスである。このことは基本的な原則だと思いますし、そのことはまず主張しなければいけないと思います。
 それから、いろんな話があるわけで、その一つに今回の経済対策の中に例えば減税とか施策が単年度ではないかというような話もやや誤解として私はあるように思いますから、今回の総合経済対策の本当の内容と効果というものもよくお話ししなければならないと考えております。
#347
○楢崎泰昌君 いずれにしても、G7で我が国の立場を主張していただかなきゃならないことはもちろんですけれども、為替の安定のためにはやっぱり政策協調というものがきちんとなされていなきゃいかぬということが第一です。その上で各国が、政策協調として市場に介入するとか、そういうような意思を表明するとか、そういうことが基本なんです。
 私は、細川さん今ちょっとおられませんけれども、実は日米の経済関係での協調がプッツンになっている、そこのところを非常に心配するものです。外務大臣がおられますから、外務大臣ちょっとかわりに答えていただけますか。
#348
○国務大臣(羽田孜君) まさに日米関係をこのためにおかしくしてはいけないということでありますし、もとはといえばやっぱり日本が大きな黒字を持っているということでありますから、私どもとしてやっぱり主体性を持って今までこうやって積み上げてきた問題について積極的に進めていくことが大事であろうというふうに思っております。
#349
○楢崎泰昌君 そこで、経済企画庁長官に戻りますけれども、先ほどもちょっと御答弁になりましたけれども、民間の予測というのは大変低い、それに対して政府の予測がちょっと高過ぎるという感じがしますけれども、原因はどこだとお思いになりますか。
#350
○国務大臣(久保田真苗君) 民間機関の状況から見ますと、確かに低い。経済企画庁の方が高いです。ですけれども、これは経済企画庁が今般策定しました総合経済対策等の効果を、まだできる前に予測なさった。しかし、民間の場合も、去年よりはことしの方が緩やかではあっても上向きになるというのが大方の見方だと思っておりますので、私は希望を持っております。
#351
○楢崎泰昌君 希望では困るんですね。しかとした見通しを立てていただいて、それに基づいて税収等をはじくわけですから、それはしかとした確信を持ったものでなきゃいかぬと思います。
 私は、政府の見通しはまさしく希望だというぐあいに思っています。そして、一番違うところは民間消費と設備投資のところなんですね。そこのところを、十五カ月の経済対策を立てられたかもしれませんけれども、私はどうも過大に見積もっておられ過ぎるんじゃないかと思います。
 経済の原則というものは、政府の施策というものはある程度経済の下支えをすることは可能ですけれども、上向きに転じさせる、しかもそれを引っ張っていくというのは非常に難しいんです。我々は過去の経験でそれを十分知っているんですね。ところが、経済企画庁の経済見通しは、経済の自律反転というものをあたかも政府の施策によってすぐ引っ張り出せるんだというような見方をし過ぎているというぐあいに思いますね。経済はもっと冷たく、冷静に、正確に、客観的にごらんになるんでなければぐあいが悪いんじゃないかというぐあいに思っているところです。
 先ほど申し上げた、そのうち減税が飛んじゃうんじゃないかというところについて、もう一遍御答弁願えませんか。
#352
○国務大臣(久保田真苗君) 減税の効果、これは過去最大の規模でございまして、やはり個人消費に与える影響、マインドを明るくするという意味で私は相当の効果があると思っております。特に、冷え込んだ個人消費に対しては減税をもってすることが最も的確な方法だと思っております。
 また、先ほど言われました希望という点でございますけれども、これは私どもがこの総合経済対策をやり、なおかつ予算の中で十分の景気浮揚の配慮をしていくということにおいてこれを実行していこうという決意でございますので、言い改めさせていただきます。
#353
○楢崎泰昌君 今、経済企画庁長官はマインドという言葉を使われましたね。私も、景気の気の字は気分の気の字だというぐあいによくいろんな講演で言っているんですけれども、やっぱり景気が上昇する、あるいは下支えでもう本当に何とかなっていくんだという気分が消費者の中に入ってこないと、景気の回復は非常に難しいんですね。
 ところが、そう言っては大変失礼ですけれども、内閣改造をするとか、あるいは政治改革が、今協議会でやっておられるんでしょうけれども、おくれているとか、そういうことで国民は経済が上昇するんだといううれしい顔をどうもしていないようですね。減税はするけれどもあと一年限りだとか、さっき大蔵大臣は誤解だというぐあいに言われましたけれども、私はマインドが余り出ていないように思います。いかがですか。
#354
○国務大臣(久保田真苗君) 減税の呼び声で、マインドは明るくなっているんじゃないかと思います。つまり、住宅投資などが非常に好調であり、その波及効果で耐久消費財も最近非常に明るい兆しか出てきております。また、減税があるいは政策減税とあわせまして、中堅層の教育盛り、それからローンをやっている家庭、こういったところには非常に久しぶりの減税ですから、これが朗報になっていると思います。
#355
○楢崎泰昌君 私は、どうもお話を承っただけで希望がわいてくるということにはなかなかなりにくいですわ。いずれにしても、将来の予測の話でございますから、長官をずっとお続けになっておられればまた後でお伺いをしなきゃならぬと思います。
 次に、ちょっと移りまして、景気と関連するんですけれども、税収の見込みを、平成五年度、今年度のあれですが、第三次補正でおいじりにならなかった。ところが、ずっと月別の執行状況を見てみますと、前年度の執行状況に対して若干落ちている。さらにいえば、法人税と申告所得税がどうも三月期において落ちる気配が濃厚であるという点から見て大丈夫かなということを心配しておりますが、大蔵大臣お答えください、細かい技術的なことを別段聞くわけじゃありませんから。
#356
○国務大臣(藤井裕久君) おっしゃるように、第二次補正で、そのときわかっている状況によって精査した結果があの五兆五千億の減であった、これはおわかりのことだと思います。その後まだ現在の状況では約半分しか税収の状況はわかっておりませんけれども、私どもは三次補正の段階においてはこの二次補正で見通した部分というものは誤りなくいけるであろう、こういう見通しのもとにやらせていただきました。
#357
○楢崎泰昌君 私は非常に心配をしております。これは三月にならないとその実施状況はわかりませんけれども、さっき申し上げたような根拠で心配をしているところです。
 そこで、平成六年の税収ですけれども、これの見積もりについては、先ほど申し上げましたように、経済成長率というんでしょうか、経済見通しが非常にあやふやで、希望に満ちでいると言うと失礼ですけれども、のような数字のように私は思うものですから、これは大丈夫でしょうか。
#358
○国務大臣(藤井裕久君) 当然のことながら、経済見通しにスライドしてというか、それをもとにして税収見通しを立てております。
 そこで、久保田長官のお話しのとおりだと思うんですが、私は円レート、これは水準も言う立場にはございません。しかし、さっきからお話のあるように、若干の過去の事態というのは明らかに思惑的なものがあったと考えざるを得ないと思っておりますので、それに対しては適時適切に対処しなければならないと思っております。楢崎委員の言われましたG7等の場を通じて行われております随時の国際協調という精神は非常に大事なことだということもあわせて申し上げたいと思います。
#359
○楢崎泰昌君 税収の問題は時間がたたないと論議の分かれるところだと思います。
 次に、公債政策についてお伺いをしたいんですけれども、これは平成六年度の末に残高が二百兆を超えるという状態にとうとうなってきました。さらに、隠れ国債と称するものが国鉄清算事業団等を初めとして約三十兆円あるわけですね。それで国民一人当たりに計算すると百九十万円の借金をしょっているわけですよ。
 そういう事態について、ことしは十三兆の国債を発行するということでございますけれども、そういう深刻な財政危機に我々が達しているんだということを十分認識した上で今回六兆円の減税をなさる。そして、それについて赤字特例公債の垂れ流しはしないとおっしゃったけれども、あるいは一体処理をせよと税調はおっしゃったけれども、それにもかかわらず財源と減税とは分離されてしまった。それについての御感想をお伺いしたい。
#360
○国務大臣(藤井裕久君) まず、これはこの場で何度も申し上げておりますように、私は経済政策なかんずく景気対策というものは必ず裏を持っているということを常に申し上げてまいりました。公共投資政策はまさに今御指摘の点であります。政策減税は不公平税制ということを是認する上に成り立っておるわけでありますし、公定歩合政策は預金者の犠牲において成り立っている、その中で厳しい選択をしているのが経済政策であると思います。したがいまして、現在の経済政策はそういうぎりぎりの選択の上に成り立っておると考えております。
 また、減税政策に関連してでございますが、財政当局としては終始、あの言葉は使っちゃいけないんで、使うことは差し控えさせていただきますが、歯どめなき赤字国債ということに対しては、今後の財政のあり方あるいは日本経済の体質ということからして許してはいけない、これは今でもそう思っております。しかしながら、連立与党という中で、本当におのおの各政党がいろんな過去を持っていらっしゃる中でぎりぎりの選択をいただいて、しかもあのしっかりした文書で書いていただいているということを我々は信頼して、このぎりぎりの選択というものを信頼しておる次第であります。
#361
○楢崎泰昌君 今ぎりぎりの選択で信頼をしてというお言葉を使われました。確かに、与党の中では協議会をおつくりになって財源問題について議論をするということに相なっているようでございます。
 そこで、細川総理にちょっとお伺いしたいんですが、何回も念を押して恐縮ですけれども、これは間違いなくおやりいただけるんでしょうね。先ほどちょっと久世委員の質問に使命であるというぐあいにお答えになりましたけれども、これは公約ということですか、お伺いします。
#362
○国務大臣(細川護熙君) 公約ということでもございませんでしょうが、とにかく年内にこれは連立与党の中で合意を得るということで今全力を挙げて、年内に合意を得るではなくて年内に成立を図るということで協議会で全力を挙げて取り組んでいただいているわけですから、そのことどおりに受けとめていただきたいと思っております。
#363
○楢崎泰昌君 総理は今、公約でないようなことをおっしゃっていますね。国民に対して約束するんですかしないんですか。それは、非常に大きなかかわりがあることは、今回お出しになる特例法の償還期限を一体いつに決めるかということなんです。
 大蔵大臣、今回お出しになる三兆何千億かの赤字国債、特例公債、これの返還期限というものはどういうぐあいに考えておられるのですか。
#364
○国務大臣(藤井裕久君) これは衆議院において渡辺委員にお答えいたしたとおりでありまして、六カ月程度の短期国債をもって当面当たる、こういうことでございます。
#365
○楢崎泰昌君 私は、当面のことを聞いているんじゃないんです。
 例えて言えば、特例公債を発行するときに、湾岸戦争のときは四年間で返還するということを法律に明記されています。それに対して赤字公債を今度発行されるに際して、六カ月のというのはそれはテクニックの話で、六カ月で償還するという話しゃないでしょう、まただめだったら借りかえていくんですから。そうじゃなくて、今度の特例債発行に際してこの公債はいつ償還するとお書きになるつもりですか。
#366
○国務大臣(藤井裕久君) 今後の今申し上げたような情勢を見ながら、また市場の状況を見ながら考えるべきことだと思っております。
#367
○楢崎泰昌君 ということは、政府は赤字公債をお出しになる、しかも垂れ流しはやらない、そして協議会をおつくりになった、この協議会で結論を年内にお出しになる。それは公約なんですか公約でないんですか、使命なんですか、どっちなんですか。総理、お答えください。
#368
○国務大臣(細川護熙君) 協議会で何としても取りまとめていただく、この国会で方向を出して年内に結論を出していただく、こういうことでございますから、公約というとちょっと違うのかもしれません。
 正確も言葉としては、そういうことで全力を尽くして連立与党でやるということでございますから、そのとおりにお受けとめをいただきたいと、こう申し上げているわけでございます。
#369
○楢崎泰昌君 いや、不思議な言葉を聞くもんですね。国会に法律案をお出しになるわけでしょう。そのときには期限をつけない。よくわからない。それは協議会でお願いをするんだ。協議会でやるということは、政府が主宰するんですか。そうじゃないわけでしょう。与党がおやりになるんでしょう。それを信用して特例公債は赤字公債じゃないんだというぐあいに言い募ることはできないんじゃないんですか。
#370
○国務大臣(細川護熙君) おっしゃることもわかりますが、しかし今、与党の中で御協議をいただいているわけでございますから、そこで御協議をいただいて、政府・与党でそれを踏まえて対応するということでございますから、そのとおりにお受けとめをいただきたいと、こう申し上げているわけでございます。
#371
○楢崎泰昌君 この問題は政府対国会の話なんですよ。政府対与党の話しゃないんですよ。国会に対して政府が物も言うときにはちゃんとしたことを言ってもらわないと困ります。
#372
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#373
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
#374
○国務大臣(藤井裕久君) 総理から今のことについて基本的な御発言があると思いますが、私はそれに従って処理をさせていただきます。
#375
○国務大臣(細川護熙君) 公約とは何かというのはなかなかこれは難しいことなのかもしれませんが、二月十八日の閣議決定で「税制改革については、引き続き検討を進め、年内にその実現を図るものとする。」、これは閣議決定でございますからそのようなものであろう、このように思います。
#376
○楢崎泰昌君 公約か公約でないかだけを言ってください。
#377
○国務大臣(細川護熙君) 閣議決定というのがすべて公約なのかどうかと言われますと、そうでございましょうか。ちょっとその辺のところは私も言葉の意味が、政府の約束ではございます、もちろん。しかし、まだ実際には与党で協議をしておられるわけでございますから、その辺のところはちょっと違うのではないか、こう申し上げているわけでございます。
 しかし、これは政府の閣議決定でございますから、その重みというものはずっしりと重く受けとめておりますと、こういうことでございます。
#378
○楢崎泰昌君 再度、公約か公約でないかを答えてください。細川総理の公約か公約でないかを答えてください。
#379
○国務大臣(細川護熙君) 閣議決定でございます。
 公約ということの意味がよくわかりませんが、政府の方針であることはこれはもう間違いございません。
#380
○楢崎泰昌君 政府の方針ということは、細川さんの公約であると理解していいですか。――なぜためらっているんだか全然わからないね。
#381
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#382
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
#383
○国務大臣(細川護熙君) 辞書も引いてみたわけではございますが、それはともかくといたしまして、「税制改革については、引き続き検討を進め、年内にその実現を図るものとする。」、こういう閣議決定をしたということを先はと申し上げました。政府の方針としてこういうことを決定したという意味で公約である、こういうことでございます。
#384
○楢崎泰昌君 やっと公約と言っていただけました。
 そこで、その協議会で公約どおりやった場合に、垂れ流しをしないということで法的な措置も含めてきちっとおやりいただきたいということを大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
#385
○国務大臣(藤井裕久君) 今、総理のお話しのようなことでございまして、そういうふうに年内に処理をする、その実現を図るというぎりぎりのけじめができているというふうに私は考えております。
#386
○楢崎泰昌君 時間も余りないですから、ちょっと税制の問題に移らせていただきたいと思います。
 去年の十二月に予算編成しているとこういう問題はなかったんだというぐあいに思いますけれども、補正予算がおくれにおくれてしまったんです。そのためにあと期限が一カ月ちょっとしかない。きょう本院が一生懸命努力をして本会議まで持っていきたいということを意思表明しておりますけれども。
 そこで、所得税減税、それから酒税の増税の話が本予算では絡んでおりますが、これの施行の時期だとか方法とか、それはどういうぐあいになさるおつもりか、ちょっと御説明いただきます。
#387
○国務大臣(藤井裕久君) 所得税の減税については一月からさかのぼるわけでございます。また、酒税につきましては五月ということになっております。
#388
○楢崎泰昌君 私は施行の時期というぐあいに申し上げました。それはさかのぼるのは結構です。しかし、施行の時期はいつを考えておられるんですか。
#389
○政府委員(小川是君) ただいま大臣が申し上げた内容の改正事項につきまして、現在、法案を準備中でございます。できるだけ早くこれを施行させていただくように法案を準備の段階でございます。
#390
○楢崎泰昌君 まだ法律案が十分練られてないということのようですけれども、衆議院に予算を提出されるときはいっでございますか。予定をされていますか。
#391
○国務大臣(藤井裕久君) 現在、印刷に入っておりまして、最大限の努力をしているところでございます。なるだけ早く提出させていただきます。
#392
○楢崎泰昌君 私は予算の提出がどうも三月の上旬になると思うんです。そうすると、どうも三月中にうまいぐあいに衆議院通らないんじゃないか、参議院の予算の審議の時間もある。ぜひ施行のときには参議院の予算審議ということを頭に置かれて物事を考えていただきたいということを要望しておきますが、いかがですか。
#393
○国務大臣(藤井裕久君) 院の御審議のことでございますので、私どもそれ以上のことは申し上げかねますけれども、そのことは十分考えなければいけないことだと思っております。
#394
○楢崎泰昌君 その問題はその程度にとどめておいて、実は第三次補正予算、今かかっているわけですけれども、公共事業が二兆円近くありますね。これの執行が一番問題だと思うんです。私は、申し上げますけれども、地方の準備が十分できるかということ、それからさらに言えば、これが繰り越しにならないかということ。
 先ほど某委員の質問において繰越明許があるからとおっしゃっているんですが、繰越明許というのは、よく考えてみてください、契約をするときには翌年の四月、五月に納期が来るような契約はできないんですよ。繰越明許であるというのは契約ができなかったものが白紙で翌年度に繰り越すのを繰越明許と言うんです。そこの点も十分考えると、どうも繰越明許ではうまくいかないな、どうも繰り越しかぼろぼろ出るんじゃないかというぐあいな懸念をいたしております。本来ならばこういう、先ほど大蔵大臣も言われましたけれども、単年度予算主義でありますから、単年度予算主義を守りながらしかも長期の経済を見詰めるという意味からいえば、国庫債務負担行為、また補正予算でこのごろ使われ始めておりますゼロ国債、そういうものを活用すべきではなかったかというぐあいに考えられますが、いかがですか。
#395
○国務大臣(藤井裕久君) 御意見として承っておりました。承っておりましたが、現在のところ今提出させていただきますような処理をさせていただいておるわけでありますが、できるだけこの執行の円滑を図って、しかし最後の受け皿は今おっしゃったようなことでやらせていただきたいと思います。
#396
○楢崎泰昌君 これで質問を終わります。
#397
○委員長(井上吉夫君) 以上で楢崎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#398
○委員長(井上吉夫君) 次に、直嶋正行君の質疑を行います。直嶋君。
#399
○直嶋正行君 新緑風会の直嶋でございます。私ども、この国会を機に新緑風会という新しい会派を結成いたしまして、きょうは新緑風会としての初めての予算委員会での質問でございます。総理初め関係閣僚に御質問させていただきますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず最初に、細川総理に日米関係についてお伺いしたいと思います。
 先日の日米首脳会談が物別れに終わったわけでありますが、その後、総理は成熟した大人の関係ということをおっしゃいました。私はこの大人の関係とおっしゃった総理の真意をお伺いしたいと思います。
 これは一つは、今後の日米関係について政治や安全保障の問題も含めてこの大人の関係という同じ考え方で臨んでいく、こういうことで大人の関係とおっしゃったのか、それとも、政治や安全保障面を初めとして日米関係は全般的に深まっておる、したがってそういう意味での相互信頼関係ができている、その上に立って経済分野においてノーと言ってもいい、あるいは言い得る状況であった、したがって大人の関係でというふうにおっしゃったのか、お伺いしたいと思うんです。
 といいますのは、もし前者の立場ということで言いますと、やはり日米関係はこれまでとはかなり変わった、つまり政治も安全保障も含めて全般的にこれまでとは異なる関係に転換をしていく可能性があると思います。また後者の立場で言えば、考えようによっては日本は経済分野という特定のところで自分に都合のいい解釈をした、こういうふうに非難される面もあるのではないかと思います。
 この点についてのまず総理の真意をお伺いしたいと思います。
#400
○国務大臣(細川護熙君) たった今、楢崎委員にお答えをいたしましたし、またその前にもお答えをいたしたかと思いますが、日米関係というものはお互いの判断を信頼し尊重する関係に成熟しつつある、こういうことを記者会見で申し上げました。成熟しつつある、そのことはクリントン大統領も同じような表現でおっしゃったわけですが、成熟しつつある関係の中で日米関係というものを一層緊密なものとして発展をさせていきたい、こういう趣旨のことをおっしゃいました。私も全くそういう認識でございまして、それは大人の関係という表現も使いましたが、そういうものになりつつある、またなっていくことが望ましいということを申し上げたわけでございます。
 それは今お話しございましたように、政治と安全保障、そしてまた経済、それからまたグローバルな関係、そうしたものを全部含めてそのような形に成熟をしていくことが好ましい姿であろう、こういう趣旨でございます。
#401
○直嶋正行君 今のお考えの上に立ってもう一点お伺いしたいと思うんですが、私は日米関係はやはり冷戦構造が崩壊した等のいろんな状況の変化によってこれからやはり変わってこざるを得ない、つまり経済問題というのはかなり大きなウエートを占めてくる、そういう意味でも質的に変わってくると思うんです。
 そういうことで考えますと、今抽象的に成熟した関係に進みつつあるので大人の関係というふうにとらえているとおっしゃいましたが、そういう状況を踏まえて、じゃこれからの日米関係の中で基本的に日本はどういうスタンスでアメリカとつき合っていくのか、この点についての基本スタンスあるいは哲学みたいなものをお伺いいたしたいと思います。
#402
○国務大臣(細川護熙君) お互いに自助努力でやるべきことはできる限りやる、そういう姿勢が何よりも必要だと思います。双方向でお互いにこれは考えよう、相手に対して一方的に何か押しつけるというようなことではなくて、お互いにこれは双方向の話として考えましょうということは、あらゆる問題についてですが、特に経済問題について、まあ安全保障の問題などでは大きく依存をしているわけでございますが、経済問題について、お互いに相手のことばかりを言うのではなくて、みずから競争力をつけるとかあるいは市場アクセスを改善するとか規制を緩和するとか、そうした点についてやれることは自助努力で精いっぱいやりましょうと。
 それからまた、それは九月のときだったかあるいは十一月のAPECのときだったかどちらかに、クリントン大統領と確認をした三条件がございまして、数値目標のこともそのときに申しました。民間企業の活動にまでいろいろ政府がこうしてほしいああしてほしいと言うことはなかなか難しい、そういう管理貿易的な話ではなくて、政府の手の及ぶ範囲のことで努力することは最大限お互いに努力をいたしましょう、こういったようなことを確認をしたわけでございまして、そうしたことが基本的なお互いにとってのスタンスではないかというふうに思っております。
#403
○直嶋正行君 次に、当面の問題について羽田外務大臣にお伺いしたいと思います。
 先般の衆議院の予算委員会の質疑の中で、日米関係についてこれからどう対応していくんだという民社党の北橋議員の質問に対して、外務大臣は、貿易戦争にしてはならない、我が国の市場開放の意思をできるだけ早く取りまとめアメリカを初め各国に説明をしたいと、こういう趣旨の答弁をされました。
 私は、最近の首脳会談以降の状況を見ていますと、言葉じりをとらえるわけじゃありませんが、外務大臣のおっしゃった意思を明確にするだけではなくて、それによってどういう政策をやりその成果がどうあるんだと、こういうところまで明確にしていかないとなかなかアメリカの納得も得られないのではないか。
 最近、政府の方でも二十五日に会議を開いてこれからの対応を御検討されるということでありますし、またこの数日来、例えば貿易黒字について日本は具体的に削減目標を出すべきだ、こういうような御意見も幾つかのところから出ておりますが、目標なのか課題なのかは別にしまして、そういう位置づけも含めて今どのようにお考えがお伺いしたいと思います。
#404
○国務大臣(羽田孜君) 例えば政治あるいは安全保障また国際的な地球規模の関係、こういったものがどんなによくても、どうも経済問題がうまくいかないとそこにやっぱりフラストレーションがたまってきてしまうということになろうと思っております。そして、そういった中でいろいろな言葉がどんどん両方ではんらんいたしますと、まさに言葉の弾丸が飛び交うという中で両国関係というのは悪くなっていってしまうということ、これを私たちはやっぱり基本的に考えなきゃいけないということ。
 それから、先ほどもお答えいたしましたけれども、今度の包括協議が起こった一番のもとというのは、何といっても日本が、ひとり勝ちという言い方はあれでございますけれども、一方的に黒字をずっと積み重ねてきてしまっておるということに対する問題から起こっているということを考えたときに、この間の会議そのものは不調に終わりましたけれども、しかし、具体的な例えば政府調達の問題ですとかあるいは保険の問題ですとか、これは割合といいところまできておるわけですね。ですから、そういった問題について、先ほど総理からお話がありましたように私どもとしては積極的に自主的にやっていくということが大事であろうというふうにも思っております。
 それともう一つは、例えば規制緩和の問題等にいたしましても、規制緩和規制緩和と言うわけですけれども、本当に規制緩和というものは実際に進んでいくのかどうか、こういったものを今度は第三者機関をつくってチェックしていきましょうということもやっておるわけで、こういうことを見たときに、ああ本気で日本は市場開放をするなという思いを先方の皆さん方にも知っていただくところに私はこの問題について前進していくであろうという確信を持っております。
#405
○直嶋正行君 先ほどの総理と今の外務大臣のお話の中でも出てきましたが、ちょっと内外価格差の問題と規制緩和について以降御質問させていただきたいと思います。
 まず、経企庁長官にお伺いしたいと思います。
 これも先日の予算委員会で民社党の北橋議員が、日本の物価は、消費税、ヨーロッパの場合にはVATでございますが、二けた以上の消費税が乗っかっているヨーロッパの国よりもまだ高いんだ、こういう指摘をしました。
 内外価格差の是正ということについては、たしかもうプラザ合意の直後のあの急激な円高のころからではないかと思いますが、政府も内外価格差是正ということで盛んに言ってこられました。しかし、実態を見ますと、例えば東京とニューヨークの物価の関係を見ましても、むしろ拡大こそすれ決して縮まっていないわけであります。一体、長年こうやってやっていながらなぜこの問題が改善をされないのか、その点をお伺いしたいと思います。
 特にこの問題については、今、連合の傘下の組合を初め賃上げ交渉に入っております。その中で、具体的に賃上げがどうなるかは別にしまして、これは私どもが行きましても労使双方から大変強い声が出てくるのは、やっぱりこの日本の高物価を何とかしてほしい、物価が下がればその分生活の質は必ず向上するんだからこれは政治の責任としてやってもらいたい、こういう強い要望もたくさん出てまいっております。
 そういう意味では、単に是正ということではなくて、もっとその中にメスを入れて取り組む必要があるんではないか、このように思うのでありますが、御所見をお伺いしたいと思います。
#406
○国務大臣(久保田真苗君) 確かに、日本の高物価は世界の主要都市に比べて一割ないし三割高いということがございます。
 これは、そのときに輸入制限など公的規制の存在とか流通段階に競争阻害要因があるとか、あるいは一時は消費者のブランド志向、今は消えてまいりましたが、それからブランドイメージを維持していこうという輸入総代理店、あるいは再販価格の設定とか、いろいろな条件があって競争を阻んでいる、あるいは輸入を阻んでいる、それが大きいと思います。
 しかし、今回のその後の円高でもってますます開くという傾向はございますけれども、経企庁としては内外価格差の是正、これは円高の差益還元という形でまずこれ進めているところでございまして、物価安定政策会議の中に内外価格差を特別に分析していく委員会を設けております。
#407
○直嶋正行君 総理にお伺いしたいんですが、経済企画庁長官から今御説明ありましたが、ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、私はこれまでの政府の内外価格差の是正の取り組みはどっちかといいますと分析の域を出ていないんじゃないかと思います。要因がこうだ、そういうことが中心だったと思うんです。
 私は、これは本気で取り組もうとするとやっぱり目標を立てなきゃいかぬと思うんですよ。例えば五年間で東京の物価をニューヨーク並みにする、こういうことを立てて、じゃどこに問題があるかということで進めていかないと、非常に構造的な問題ですから私は改善できないんじゃないかと思うんです。
 昔、池田内閣のときに所得倍増計画というのがありました。あれとちょうど逆の、あれの裏板で物価削減計画みたいなものをおつくりになって、そしてみずから陣頭に立ってそれを是正していく、これこそが、先ほど総理もいみじくもおっしゃいましたが、みずからやっていかなきゃいかぬ分野だというふうにおっしゃったわけですが、そのことに当てはまるんじゃないか、こう思うんですけれども、いかがでしょう、私のこの提案、ぜひやっていただきたいと思うんですが。
#408
○国務大臣(細川護熙君) 数値目標という言葉を聞くとちょっとアレルギーがないわけではないんですが、為替の変動などもございましょうから、技術的にどうなのか、その辺は難しいところもあるのかと思いますが、内外価格差がこれだけある、物価が高いということはおっしゃるとおりでございまして、何か本当に具体的な効果の上がる取り組みをやらなければならない。確かに、おっしゃるように分析だけではこれはどうにもならぬわけでございまして、真剣に取り組んでまいりたいと思っております。
#409
○直嶋正行君 先ほどの経済企画庁長官の御答弁の中にも、物価の問題の大きな要因の一つとして公的規制の問題がございました。
 そこで、ちょっと角度を変えて通産大臣にお伺いしたいのでありますが、日本の産業政策といいますか、私はこれとの関係でも規制緩和は大変重要だというふうに思っております。といいますのは、今の日本の経済を見ますと、やはりこれまでのいわゆる基幹産業として競争力の強かった産業が非常に危機に直面しておりまして、構造的に見て大きな転換点にあると思うんですね。じゃ将来の日本の経済を支える産業はどうかといいますと、まだはっきりしないわけです。そうしますと、新しい産業を育成する、その芽を出していこうとすると、やはり規制緩和を行って民間の自由な創意が確実に生かせるようなそういう社会にしていかなければいけないと思うんですが、そういう観点で、特に産業政策面から見て、通産大臣の御見解をお伺いしたいと思うんです。
#410
○国務大臣(熊谷弘君) 委員御指摘のとおり、現在の日本の産業というのはある意味では大変構造的な問題を抱えております。この構造的な問題、一つは、いわゆるリストラと称しまして合理化、効率化をしていくということで生き延びていく。今これは日本の企業が塗炭の苦しみを味わいながら懸命にやっているわけですが、結果として雇用問題というのが出てくるわけでございます。しかも、全体としてはただただ企業サイズを小さくしスリムにしということになってまいりますと、やはり閉塞感は免れがたいものでございまして、どうしても我々としては新しい産業を育てる、そして新しい事業機会をつくり出す、新しい発展分野をつくり出していくということが望ましいと思っておりまして、その政策として私ども一番有効だと思っておりますのは、先生御指摘の規制緩和、これが非常に大事な分野だと思っております。
 これは通産省だけではできませんけれども、郵政大臣などとよく話しをしているんですが、情報通信分野などというのはこの規制緩和政策によってやがては二百万人の雇用機会をつくり出すだろうと郵政省でも御指摘になっておられるわけでございます。もちろん、それだけではなくて、医療の分野があり環境の分野があり、そして住宅その他の分野がございまして、私は適切な政策をすれば規制緩和は新しい事業機会の拡大に大いに役に立つというふうに考えているところであります。
#411
○直嶋正行君 今の通産大臣のお答えも含めて、この規制緩和について総務庁長官にお伺いしたいと思います。
 今議論しましたように、物価の問題にも直結しているわけでありますし、産業の問題にも直結している。そういう観点からしますと、朝、総理が御答弁の中で考え方をおっしゃっていましたが、たくさんある規制の中でどれを緩和していくかということについて、私はやっぱりより効果が出るやり方をとるべきではないかというふうに思うのであります。
 細川内閣になってから、この規制緩和というのは従来に比べて大きく前進はしていると思うんです。ただ、失礼ですが、今までの出てきた項目等を見ますと、結果的には私が申し上げたような効果的に何かの思想を持って出してきたという感じにはなかなか受け取れない面もあるわけでありまして、私はそういう点、これから規制緩和を進める上において、合目的性といいますか、そういう視点で効果測定もし実際に具体的な項目を選定していく、こういうことが必要だと思うのでありますが、長官、いかがでございましょうか。
#412
○国務大臣(石田幸四郎君) 先生御指摘の点はよくわかります。
 ただ、やはりこの規制緩和そのものが今後のいわゆる経済構造の変革を促していくものでなければなりません。
 それから、今御指摘がありましたように、物価が下がるようなそういう問題を拾い出して規制を緩めていく。要するに、許認可事項というよりは報告事項みたいなものが多くて、そういうものが大変な経費を食っている例がございますので、そういったものをやめることによって経費の節減、それがひいては物価にもつながるというようなことを十分検討しながらやってまいりたい、このように思っているところでございます。
#413
○直嶋正行君 今の問題に関して総理にもう一点お伺いをしたいと思うのでありますが、今議論してまいりましたように、この規制緩和というのは物価にもつながっている、それから産業政策にもつながっている。もちろん言うまでもなく、例えばさっきおっしゃったように貿易問題等についても諸外国からいろいろ指摘がされているわけであります。
 それから、私やはりもう一点大事だなと思うのは、先ほど公約かどうかという議論がありましたが、これから私たちは税制改正をやっていこう、こういう時期にあるわけであります。この税制改正をやっていこうということで考えますと、これからの高齢化社会をにらんでやっぱり国民の皆さんに新たな御負担もお願いしなければいけないかもしれない、あるいは今までとは違う負担の仕方をお願いしなきゃいかぬかもしれない。
 こういうふうに考えましたときに、やはり今申し上げたような物価を下げて実績を見せるとか、規制緩和によってできるだけ簡素な行政にしていくとか、要は物価引き下げなり行政コストの面でもやっぱり目に見えたものを国民の皆さんに御提示していかないとなかなか国民の皆さんの幅広い理解というのは得られないと思うんです。特に今、不況で企業も家庭もリストラの最中ですから、国民感情からしてやはりなかなか私はそういうものなしには難しいんじゃないかと思うのであります。
 そうやって考えますと、私は、この規制緩和とか物価の問題というのはまさに細川政権の最重点の課題じゃないか、ですから、失礼ですが、例えば行革推進五カ年計画も本当はもっと前倒しをするぐらいのつもりで積極的に取り組んでいただかないといけないんではないか、このように思っているのでありますが、ぜひ総理の御決意をお願い申し上げます。
#414
○国務大臣(細川護熙君) 基本的な認識は全く私も同じでございます。
 今、前倒しをするぐらいの気持ちでということをおっしゃいましたが、まさにそのぐらいの気持ちで今のような規制緩和の問題あるいは内外価格差の問題、そうした問題に取り組んでいかなければなるまい、このように思っております。
#415
○直嶋正行君 続きまして、厚生大臣にお伺いしたいと思います。
 今のお話との関連で、高齢化社会に向けた福祉ビジョンでありますが、これは三月をめどに作成をされるというふうに伺っているわけでありますが、二つの点についてお伺いしたいと思うのであります。
 一つは、今検討されているこのビジョンの大枠とか基本的な考え方をできる範囲で結構ですが御提示いただきたいということと、その議論をするときに、いわゆる受益の部分だけなのか、受益だけではなくて負担あるいはその負担の財源、これはちょっとどういう官庁の役割分担になるかは別にしまして、やはり負担とか財源のところもある程度考えていかないといけないわけでありまして、その辺まで触れて議論されていくおつもりなのかどうか、これが一点目であります。
 それからもう一点は、これは要望という形になるかもしれませんが、ぜひその議論の経過をオープンにしていただきたい。といいますのは、先ほど申し上げましたように、非常に難しい議論の中でこれから国民の皆さんの御理解も得ていただかなきゃいけない、こういう状況下にあるわけでありますから、できるだけ中間報告するとかあるいは記者発表するとか、そういうオープンな形での進め方をお願い申し上げたいと思うのであります。
 以上二点、よろしくお願いいたします。
#416
○国務大臣(大内啓伍君) 委員御案内のとおり、今、社会保障の給付費の総額が平成三年で五十兆を超えました。このうち政府が出資するものは約十三兆一千億でございますが、この推移を見ておりますと、西暦二〇〇〇年の段階で約百兆を超えます。西暦二〇一〇年の段階ではこれがまた倍になりまして二百兆を超える、こういう事態でございます。
 したがって、老後に対する不安というものが大変大きくなりまして、国民の大体七〇%が不安を感ずる。これは、将来の社会保障の全体像というものがはっきりしない、また年金、医療、福祉というものの構造が今のままでいいだろうかということになりますと、やはり超高齢化社会の中にありましては介護等の需要が物すごくふえてくる。つまり福祉がふえてくる。そうすると、欧米並みにこの比率、構造というものを変えなきゃならぬ。そのためには例えば年金とか医療というものの改革を制度的にどういうふうにするかという問題があるわけでございます。
 したがって、まずこの高齢化社会の福祉ビジョンで示したいと思っておりますのは、一つは、将来の社会保障の全体像を示したい。二つには、その全体像を推進していく主たる制度の改革の基本方向を出したい。三つ目には、その給付と負担の割合をどうするかということを明確にしたい。その中で国民負担率の限界というものはどのぐらいにするのかということを明らかにしたい。それらの点を総合的に明らかにすることになりますと、単に定性的なビジョンというものをお示しするだけでは問題は解決しない。したがって、定量的な面つまり数字的な面につきましても、その負担、それも税、保険料、それらの問題について一つの具体的な方向を示すことによりまして国民の皆様のいろいろな御批判、御討議をいただきたい。
 中間発表というお話がございましたが、三月の末の段階で一応の案を出しまして、これが決定版ではありませんが、つまりそれを一つの土台にいたしまして皆様に御討議をいただくわけでございますが、なぜそういう結論を持つに至ったのかという背景等につきましては私どもとしてはできるだけ国民の皆さんにわかりやすいように御説明をさせていただきたい、こう思っている次第でございます。
#417
○直嶋正行君 終わります。
#418
○委員長(井上吉夫君) 以上で直鳴君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#419
○委員長(井上吉夫君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木君。
#420
○荒木清寛君 公明党・国民会議の荒木清寛でございます。
 まず、総合経済対策につきましてお尋ねをいたします。
 今回の総合経済対策は、大変厳しい財政状況ではございますけれども、総額十五兆二千五百億円という過去最大の規模を確保しております。しかも、内容を見ますと、公共工事につきましては国民生活の質の向上につながる分野への重点配分、さらには大型所得税減税、また雇用や住宅等暮らしに身近な対策、さらには規制緩和など個人向けの対策等が盛り込まれておりまして、一言で言いますと国民生活の現場を重視した経済対策である、そのように私は評価をしております。
 そこで、まず総理御自身に、この対策のねらいと期待されている効果につきましてお話しいただきたいと思います。
#421
○国務大臣(細川護熙君) 申し上げるまでもなく、現在の景気に対していかに効果を与えるかということが最大の眼目であることは申すまでもございません。そうした観点から、できる限り効果的なものを考えていこうということで予算の編成をいたしたところでございます。
 今回の対策の中では、もちろん所得減税のこともございますし、個人消費なりあるいは民間部門のマインドにもいい影響を与えるようなそうした点というものを十分配慮いたしておりますし、そうしたことが民間設備投資にもいい影響を与えていくであろうということは当然期待をされるところでございますし、さらにはまた土地の有効利用の促進でありますとか、できる限りの施策を盛り込んでいると、一言で言えばそのように確信をしているところでございます。
#422
○荒木清寛君 次に、経済見通しにつきましてですが、平成四年度、五年度と二年続けて経済成長の実績が政府の当初の見通しを下回るということになっております。もしことしもということになりますと、三連敗ということになりまして、まさにかなえの軽重を問われるという事態にもなりかねません。
 そこで、経済企画庁長官から、この景気回復の見通し、いつ底を打つのか、そして六年度のGDP実質二・四%成長という見通しは達成できるのかどうか、その確実なところをお示し願いたいと思います。
#423
○国務大臣(久保田真苗君) 確かに、平成四年度、五年度につきましては大きくずれております。それは、主としてバブルの形成、崩壊の過程、これが初めての経験だったものですから見通しが非常に困難であったということは否めないと思いますし、食い違ったということは厳粛に受けとめなければならないと思っております。
   〔委員長退席、理事片山虎之助君着席〕
 今回の見通してございますけれども、不況が長引いて、しかしその中に自律反転の兆候もあらわれてきている。まだ全般的なものになっておりませんからいつ底入れだというようなことを申し上げるということはできませんのですけれども、そのような兆候は家電の一部、あるいは住宅、それから乗用車の一部、そういったところにあらわれてきている。その芽を大事にして、経済対策の実施によって確実なものにしてまいりたいと考えております。
#424
○荒木清寛君 次に、国民福祉税構想につきまして総理にお尋ねをしたいと思います。
 政治家を皮肉った言葉で、だれもがうそをつく、しかしだれも聞く耳を持たないから問題にならない、そういう皮肉がございますけれども、メキシコのサリナス大統領は、困難なことではあるが国民に本当のことを言って希望を与えるのが政治家であるとおっしゃっております。税金の負担がふえるということを喜ぶ人はおりませんから、そういうことを政治家が言うということは大変に勇気の要ることであるというふうに思います。
 総理は、二月三日の未明にいわゆる国民福祉税構想を決断され発表されたわけでございますけれども、そのときの総理の心中といいますか、御心境を簡単にお聞かせ願いたいと思います。
#425
○国務大臣(細川護熙君) たびたび本委員会でも申し上げて――たびたびではございません、きょうも朝から申し上げているわけでございますが、昨年の九月以降、税制調査会などでこれからの高齢化社会のあるべき受益と負担の関係につきまして議論がなされてまいりました。また、連立与党の中でも論議があったわけでございまして、私も所信表明の中で、これからの高齢化社会に向けて資産、消費、所得のバランスのとれた税体系というものを構築していかないとなかなかこれはやっていけない状態になる、そうしたことについて申し上げてきたわけでございます。
 そうした状況を踏まえて、経済対策、三次補正、あるいはまた当初予算、あるいは日米協議、こういったタイムリミットが迫る中で、私としても与党の御協議を踏まえてぎりぎりの判断をしなければならない。確かに、いろいろ御批判がございましたように、唐突であるとかいろいろな御指摘はそのとおりだと思います。しかし、そのようなぎりぎりの状況で減税の問題も含めて判断をしなければならなかったという状況もぜひ御理解をいただきたい、こう思っているわけでございます。
 また、先ほど冒頭に申し上げましたように、これからの高齢化社会のあり方というものを考えましたときに、歯どめのない赤字公債を出してそれをしのいでいくというそういうことも私どもは責任のある態度として何とか回避をしなければなるまい、こういうことも考えてぎりぎりの苦しい判断をした、こういうことでございます。
#426
○荒木清寛君 はい、よくわかりました。
 総理は、かねてから公正で活力ある社会を目指すということをこの国会でも委員会でもおっしゃっております。間接税というのは、よく逆進性とかあるいは低所得者の人に負担が重いという指摘があるわけでありますけれども、いわゆる消費課税のウエートを上げて高齢化社会を支えていく、そういう手法が果たして公正と言えるかどうかということにつきましてはいろんな意見が、賛否両論といいますか、あるんじゃないかというふうに思います。
 今回の国民福祉税というのは、もう白紙撤回されましたから今は一応ないわけですけれども、しかし今後の検討の中の選択肢の一つとしては残っていると思いますので、消費課税に頼るということが公正と言えるのかどうか、簡単で結構でございますが、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#427
○国務大臣(細川護熙君) 累進的か逆進的かというお話は、所得税などを含めました税制全体の中で考えなければならないことだと思いますし、もっと広く申し上げれば、社会保障などを含めた財政全体も含めて考えなければならないことであるというふうに思っております。そうしたもの全体を含めまして資産、消費、所得のバランスのある税制というものを考えていくということであろう、このように思っております。
#428
○荒木清寛君 もし国民に負担の増加をお願いするというのであれば、国としてもやらなければいけないということが幾つかあると私は考えます。
 第一は、福祉ビジョンを明確にするということでございます。
 先ほど厚生大臣からもお話しがありましたけれども、今、三月下旬をめどにしまして高齢社会福祉ビジョンの作成が進められているというふうに承りました。先ほどお話しのように、現在の社会保険給付費は五十兆円に達しておりますけれども、そのうち年金と医療で約九割、それを除いたいわゆる狭い意味での、それ以外の福祉ということでは一〇%にも満たないというのが今の使われ方でございます。
 私は、医療、年金ももちろん大事ですけれども、それ以外の福祉にももっともっとこれからは力を入れなければいけないと思う一人でございますけれども、その中でも特に子育て支援と介護に力を入れなければいけないと思っております。保育施設と育児休業を充実するならば、女性の社会進出というのももっともっと広がっていくというふうに考えます。また、寝たきり老人の介護につきましても、現実は九割以上は女性が介護をしているわけでありまして、その場合にはもう半数近くが仕事をやめて介護をしなければいけない、仕事をしている人についてはもう半数以上がやめなければいけない、そういう実態がございます。
 今、直面しておりますのが出生率の急激な低下ということでございますし、将来的には労働力の不足ということも十分予測されるわけでありまして、そういう意味で私は、子育てと介護は個人に全部押しつけてしまうというのではなくて、社会全体で責任を持っていかなければいけないですから、その分野にぜひとも福祉ビジョンでは力を入れていただきたいというふうに考えますが、厚生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#429
○国務大臣(大内啓伍君) 先ほどお話し申し上げましたように、社会保障の給付金が急激にふえてまいります。毎年大体三兆円ぐらいずつふえるわけであります。今御指摘のように、年金、医療、福祉という分野を見てまいりますと大体五、四、一ぐらいになっておりまして、これを欧米と比べますと、特にヨーロッパと比べますと、福祉の分野が非常におくれております。御指摘のように、超高齢化社会の到来や少子社会という現実に直面している私ども日本にとりましては、施策の方向というものを徐々にやっぱり福祉の方に重点を移していかなきゃならぬ、こういう現実に直面しているわけでございます。
 その意味で、例えば私どもの平成六年度予算に対する取り組みにおきましても、児童家庭対策といいまして、エンゼルプランあるいはエンゼルプラン・プレリュードといったようなものに最大の力点を置きまして予算の要求をしていることも御存じのとおりでございます。そして同時に、もう一つの柱としてはゴールドプラン、これをやはり強化しまして、特に介護関係といったようなものの施策を強化してまいりたい。つまり、一つは少子社会に対応する子育ての対策、産み育てるための対策、もう一つは御老人に対する介護等を中心とするゴールドプランの強化、この二つが実はこれからの大きな社会保障の柱になってくる。
 ですから、今委員御指摘の諸点については私どもも十分留意いたしまして、皆様の御期待にこたえるような立派な社会保障制度をつくってまいりたい、こう思っている次第でございます。
#430
○荒木清寛君 十分に期待をしております。
 そこで、労働大臣にもお聞きしたいのでありますが、今回育児休業法の所得保障がつくということは大変な朗報であると思いますが、これをさらに充実するように検討していただきたいと思います。さらには、仕事と介護の両立という面では介護休業法の制定も急務であるというふうに考えますが、大臣の御見解をお聞かせ願います。
#431
○国務大臣(坂口力君) まず、育児休業法でございますが、前大臣の村上大臣のときにつくっていただきまして、現在大きく成長しつつあるところでございます。今お話しいただきましたように、もう少しこれをとりやすく、そしてまた復帰をしやすいような状態にしたい、そうしたことで、雇用保険法を改正いたしまして給与の二五%をここから出すということをことしのこの国会でお願いしたいと思っているところでございます。
 三十人未満の企業等につきましては、平成七年の四月一日から正式にスタートするわけでございますのでまだこれからでございます。まだスタートしたところでございますので、さらに充実をということでございますが、一応全体的にスタートをさせていただいて、そしてその結果を見てまだ次に打つべき手を考えさせていただくというのが順当な手だてではないだろうかというふうに思っております。
 それから、もう一つの介護法の方でございますが、今鋭意研究会等をやりまして煮詰めさせていただいているところでございまして、これも育児休業法と同じように大変大事なものでございますので、一日も早いうちに皆さん方に御審議をいただけるようにしたいと努力を重ねているところでございますので、何とぞひとつよろしくお願いを申し上げます。
#432
○荒木清寛君 今回の三次補正では身体障害者・高齢者用情報通信システムの研究開発という項目がございます。これは郵政省の事業でございますけれども、郵政省がこういう高齢者関係の研究に着手をするということはまことに画期的なことではないかというふうに私は思います。
 そこで、これはどのようなものを予定しているのか、簡単で結構でございますから、その内容と今後の見通しも含めましてお話しいただきたいと思います。
#433
○国務大臣(神崎武法君) 身体障害者や高齢者の方々が安心して暮らせるような生活環境を実現するための一環といたしまして、新しい情報通信システムを四年間をめどに研究開発することを予定いたしております。
 具体的には、家庭におりまして医師等から健康相談を受けられるあるいは介護の支援を受けられる遠隔健康相談システム、あるいはいわゆる徘回老人の問題が大変深刻な問題になっておりますけれども、屋外に高齢者の方々がいらっしゃってもこれを捜し出すことのできます高齢者位置探査システム、こういったもの等を研究開発しようといたしているわけでございます。
 郵政省といたしましては、いわゆる通信・放送身体障害者法の施行等によりましてテレビの字幕放送等も支援をいたしておりますけれども、急ピッチで進みます高齢化社会に対応することが情報通信政策にとって重要かつ喫緊の課題でございますので、身体障害者、高齢者に優しい情報通信を活用するために積極的に取り組んでまいる所存でございます。
   〔理事片山虎之助君退席、委員長着席〕
#434
○荒木清寛君 福祉と負担という面で国民の理解を得るには、次には不公平税制の是正に抜本的なメスを入れるということが必要であると思います。特に現在、所得税につきましては不公平感が強いわけでございまして、この抜本的な是正に向けまして取り組んでいただきたいと思います。
 さらに必要なことは、この際、政府が自分の身を切るようなそういう行政改革を行う、あるいは財政改革を行う、さらには不要不急の経費を節減するということであると思います。現に現在不況でございまして、一般の家庭ではもうぎりぎり家計を切り詰めておりますし、また企業におきましても経費の節減さらにはリストラ等に本当に真剣になって取り組んでいるわけでございまして、もしも我々が国民の皆さんに高齢化社会のための負担をお願いしたいというのであればもう徹底的な行財政改革に取り組んでいくべきである、そう私は考えます。
 そこで、この行政改革を進める上で不可欠となりますのが情報公開法の制定でございますが、どうも一部の新聞によりますと、何か公開法の制定につきまして総務庁が一歩後退をしたというようなことも言っておりますので、この点につきまして最後に総務庁長官から決意と見通しをお伺いしたいと思います。
#435
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えいたします。
 情報公開法の問題については、昨年の十一月三十日、総理にお会いをいたしまして、情報公開法制定を目指すということの認識で一致をいたしております。そういった意味におきまして、前国会、各委員会におきましてその決意を申し上げているところでございます。
 この問題は、いわゆる行政改革委員会、現在仮称になっておりますが、第三者機関におきましてどのような考え方で進めていただくか検討していただくことになっておりますが、いずれにしてもその行政改革委員会にお願いするのは情報公開法ということでお願いをする決意でございます。
 以上です。
#436
○委員長(井上吉夫君) 以上で荒木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#437
○委員長(井上吉夫君) 次に、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡君。
#438
○吉岡吉典君 総理の政治姿勢をただしながら幾つかの問題で質問を行います。
 まず、消費税の問題です。
 細川内閣が政治改革法成立を強行した直後に国民福祉税という名前での大増税を迫る、こういう構想を打ち出したことは、細川内閣の政治姿勢と政治改革のねらいを象徴するものだったと思います。これは景気対策の上でも非常に重大な問題だと思います。
 総理は政治改革審議の中で、消費税、年金問題などつらく苦しいことを国民に求めるためにも選挙制度を変えなければならない、こういう認識を示しました。その認識を示したことは、今こういう形での大増税構想を発表することを念頭に置いたものであったかどうか、まずお答えください。
#439
○国務大臣(細川護熙君) 連立政権が成立をいたしましたときの合意というものがございました。それからまた、その後、税調でも御協議がなされましたし、また与党の中でもさまざまな議論があってきたところでございます。そうした御論議を踏まえまして、税制改革の草案というものを私なりに最終的に与党の御協議を踏まえて提起させていただいたということでございます。
 ただその際に、物理的な時間の制約もあって十分に御説明ができなかったという点につきましては大変申しわけないことだと思っております。二月十七日から協議会が連立与党の中にできまして具体的な協議が始まっておりますから、できる限り早くその結論が得られるように政府としても期待を申し上げているところでございます。
#440
○吉岡吉典君 国民の総反発を受けたにもかかわらず、総理はこれを明白な形で白紙撤回というふうには言っていないと私は思います。
 そこで私は、もう一つ政治姿勢に関連してただしておきたいのは、これは中身も手続も非常に重大なものだった。それは唐突とかいろいろなことを今もおっしゃいましたけれども、私が一番重視しているのは、閣議にもかけない、与党内も一致がない、したがって内閣として一致して責任を負えない、そういうものを個人の案として発表された。こういうやり方というのは、あなたがお書きになっている「権不十年」という本の中でおっしゃっている政治権力の強化、集中ということの中身なのかなと私は思いながら、あなたのこの構想を受けとめました。
 そこで、私は総理にお伺いします。
 総理の構想というのは、完全白紙撤回してゼロから出直しての与党協議が始まるのか、そこにあなたの構想を反映して考えてもらいたいと思っておられるのか、この点きちっとしてもらいたいと思います。
#441
○国務大臣(細川護熙君) 協議会におきましてどのような御協議がなされるか、それに私は何も申し上げておりません。
 ただ、今までの経緯を踏まえて私の草案も出させていただいたわけでございます。先ほど申し上げましたように税調などの御審議あるいは与党の中でもいろいろございました、あるいは平岩研究会でもございました、これからの高齢化社会にどう対応していくか、その場合のあるべき税制というものはどうあるべきか、大まかな考え方はその中で示されてきておりましたから、当然そうしたことを踏まえて私も草案を出させていただきましたし、そのような基本的な考え方についてはそうしたものを踏まえて恐らく協議会におきましても御論議をいただけるであろう、このように思っております。
#442
○吉岡吉典君 完全白紙ということではなく、踏まえて協議されるだろうということで私はよくわかりました。
 それだけではなく、あなたがあの案を出されたときには、私はこれはもうこの案を貫くのだというつもりでお出しになったというふうに受け取っております。それは、これ、国税庁があなたの草案をもう全国の税務署長あてに全部送付しているんですよね。これ、その証拠ですが、取り扱い注意として全国の税務署長にこれを配ったわけでしょう。あなたはもうそういうものの執行体制をとらせたんですか。どういうわけでこういうことが起こったんですか。
#443
○政府委員(三浦正顯君) 国税庁からお答え申し上げます。
 税制改革、目下ある意味では国民の最大の関心事だと思うわけでございます。たまたま私ども、二月十六日から所得税、消費税の確定申告が始まっておるわけでございます。その直前の時期でございました。納税者等からさまざまな機会にいろいろな質問が出てくることは現に多く、また今後とも予想されておった時点でございます。
 そこで、私ども税の仕事を担当しております者がそういった質問に答えられないということであれば職員を全うできないわけでございます。納税者の信頼も失うわけでございますので、税制改革草案の発表を受け、あくまでも納税者の質問に対し受け答えを行う際の参考の資料として税制改革草案を送付したものでございます。
#444
○吉岡吉典君 何日何時に配りましたか。
#445
○政府委員(三浦正顯君) 二月三日の未明に行われました税制改革草案についての総理の記者会見を受けて、その際に記者に配付されました資料を部内参考用としてそのまま送ったものでございます。それは二月三日のお昼でございます。
#446
○吉岡吉典君 三日のお昼というのは、この未明の総理の発表を受けて大騒ぎになっている真っ最中です。これはもうこのまま執行できるようなものでも何でもない、そういうものを三日に全国に配っているわけです。
 私は、総理が言えばこれが通って、この執行体制を整えなければならない、そういうことを前提としたものだと、こう受け取らざるを得ません。同時にそれは、国税局がそういう態度をとる、そこの根底には総理の政治姿勢が反映していると思います。
 総理、この問題についてのあなたの見解を求めます。
#447
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの話は、実は今初めて伺いました。しかし、恐らく国税庁の説明のようなことだったと今聞きながら考えておりました。
#448
○吉岡吉典君 これは重大な問題であるということを指摘して、次に移ります。
 総理、あなたは国民福祉税構想を高齢化社会対策ということを第一に掲げて発表しておられます。その国民福祉税構想をそういうふうに強調しておられますが、あなたの構想の中で社会保障費はどれだけ組まれているのか、具体的に示してください。
#449
○国務大臣(細川護熙君) 草案のイメージとしてお示しをしましたものの中で、社会保障制度等の歳出増は総額で平年度八千億円としておりますが、これはゴールドプランの見直しで六千億円、それから年金などの給付額の引き上げなどで二千億円を考えております。それから、政府部門の国民福祉税の負担増、つまりこの税の創設によりまして財貨やサービスなどの購入主体として国や地方公共団体の負担額が現在より増加することになるわけでございますが、これは平成元年度の消費税導入時の負担増などをもとに推計をいたしますと、国、地方を合わせて約一兆三千億円というふうに見込まれていたところでございます。
#450
○吉岡吉典君 今、九兆五千億円の税収中、社会保障、ゴールドプランの見直しのための増加額は六千億円だと、こういうお話がありました。一割にも満たない額です。ところが、この構想というのは国民には高齢化社会を迎えてそれに備えるためのものだということが冒頭から強調され、あたかも社会福祉、高齢化社会のためにこういう増税をやるんだからやむを得ないかなというそういう気持ちを起こさせようとするものだとしか私には思えません。私はそういう点でこの構想、一割にも満たない九兆五千億円の税収のうちのわずか六千億円しか組んでいないということは看板に偽りありだと、こういうふうに言わざるを得ません。
 そこで、私は総理の高齢者問題についての認識を明らかにするために一つお伺いしたいことがあります。
 政府税調会長の加藤寛氏、この人がある大学のシンポジウムでこういうことを言っていることが今大問題になっています。ちょっと読んでみます。
  老人ホームなども、国の基準で、食事代が一人当たり月三十万円となっておりますが、とても使い切れないので、お昼ごはんにウナ丼などを一斉に提供している。何しろ、相手は老人ですから、そうそう、ウナギなんが食べられない。しかし残ったウナ丼は、職員がみんな食べている
こう言っています。
 厚生大臣、老人ホームと国立病院の食費の基準はどうなっていますか。
#451
○国務大臣(大内啓伍君) お答えいたします。
 今、特別養護老人ホームでは、平成六年度の予算で申し上げますと一カ月二万九千八百十六円、約三万円でございまして、加藤寛教授のおっしゃった一カ月三十万円というのは年額の誤りではないかと、実は月刊アサヒの二月号におきましてその点が加藤寛教授から訂正されたと、こういうふうに伺っております。
#452
○吉岡吉典君 そういう認識しかない、これが政府税調の会長。この政府税調のメンバーというのは総理の任命なんです。そういう人のこういう事実認識を総理はどう思いますか。
#453
○国務大臣(細川護熙君) 今、厚生大臣から御答弁ございましたように、それは事実誤認に基づく御発言であったということのようでございますから、そのように受けとめさせていただきたいと思います。
#454
○吉岡吉典君 事実誤認では済まされないんです。政府税調の会長で、例えばこの政府税調の答申の中にも、今や老人は社会的弱者でなくなった、だからこれにも消費税の負担をしてもらうんだ、そういう答申を書いているわけです。総理はこの答申を尊重すると繰り返し言っているわけです。
 こういう事実認識を持った人の答申を尊重するわけにはいかないと思いますが、どうですか。
#455
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま厚生大臣からもお話しありましたように、御本人は事実誤認だったということをお認めになっていらっしゃいます。しかし、税制調査会は全体としていろんな方々が集まっていらっしゃる中でいろんな御議論を詰めてなさった結果でございますから、私はこの問題とは別に税制調査会の答申は尊重すべきものだと考えております。
#456
○吉岡吉典君 あなたらの今の答弁に事実誤認があるんです。加藤税調会長は事実誤認だと訂正してないんです。編集部が訂正しているんです。編集部の訂正であって、本人は訂正していないんですよ。これを言っておきます。
 私は同時に、総理の、また内閣の政治姿勢を正す上で、次の問題に移ります。
 それは米の問題です。ガット農業合意に関連して私は幾つかお尋ねします。
 三月から政府米、政府が提供する米の七割が輸入米になる。このことから外米への不安が広がり、国産米への要求というのがいよいよ強くなっています。そのときに米の輸入自由化に等しい農業合意が行われた。私どもはこれの撤回を要求しますが、政府はこの農業合意を今後どういう段取りでどうしようとしていますか。
#457
○国務大臣(畑英次郎君) 本問題につきましては、その後事務的な整理等々を行いまして、ただいま関係各国の間での作業が進められつつあるわけでございますが、大方のめどといたしましては四月中旬に調印式を行い、その後国会での批准等々を行わさせていただきたい、こういう段取りを考えておるわけでございます。
#458
○吉岡吉典君 外務大臣にお伺いしますが、署名して未締結の条約、これは主なものとしてどういうものがあるか、あるいはどれぐらいあるのか、これちょっとお伺いします。外務省事務当局でも結構です。
#459
○政府委員(丹波實君) 先生の御質問は、日本政府として署名済みの条約であるが、いまだ国会の御承認を得ず、したがって締結していない条約はどれぐらいあるかということでございますが、主たる条約ということでお答えさせていただきますと次の八つぐらいがそういうことに該当するんじゃないかと思います。
 一つは現在国会に御承認をお願いしております児童の権利に関する条約、それから化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止に関する条約、それから今国会に御承認をお願いしようと思っておりますところの国際電気通信連合憲章等条約、それに関連するところの附属議定書、四番目に武力紛争の際の文化財保護に関する条約議定書、五番目に海洋法に関する条約、六番目に国と国際機関との間または国連機関同士のいわゆるウィーン条約、七つ目に環境保護に関します南極条約の議定書、それから八番目に、今国会に御承認をお願いいたしたいと思っております千九百九十三年の国際ココア協定の改定ということでございます。
#460
○吉岡吉典君 そのほか幾つぐらいあるんですか、こういう条約が。
#461
○政府委員(丹波實君) 国際社会の中で存在しておりますところの、あるいは国連関係で採択されておりますところの条約をどういうぐあいに数えるかという点につきましては、例えば議定書をどういうぐあいに数えるかというようないろんな数え方がございますので、政府として正式に数えたことはございませんけれども、報道によりますと、二百数十本ぐらいの条約に日本政府としてはまだ入っていないということが言われております。
 この中には、そもそも国際社会の中でまだ発効していないような条約、それから日本の国内法の整備との関係で日本政府として現在検討中の条約、それから三つ目には古い条約であって既に新しい条約ができているのでその古い条約には入る必要がないという意味で入っていない条約、そういうふうに分けられると思います。
 最後に、今まで、戦後、国会に御承認をお願いして締結した条約といたしましては約七百七十本ぐらいの条約に日本政府としては入っておるということでございます。
#462
○吉岡吉典君 今答弁がありましたように、条約は署名しても批准をしなければ発効しないし実際上発効してない条約が二百数十本もあると、こういうことですね。
 農業合意も、またこれは署名もしてない段階なんですね。ところが、署名、もしていないうちからこれはもう発効したのと同じような、あるいは発効することを前提とした行政指導が市町村段階では現に今いろいろ起こって問題になっているんです。
 農水大臣、そういうふうに国会の批准など全然問題でない、これは通ることを前提としてやれという指導をなさっていますか。
#463
○国務大臣(畑英次郎君) いわゆるガット・ウルグアイ・ラウンドの問題は、あくまでも国会批准が終わってから正式なレールが引かれる、かような受けとめ方をさせていただいているわけでございます。なおまた新農政等々、従来から農業につきましては、足腰の強い競争力のある、そういうことを目指しての行政指導があり、農政展開がされておるわけでございますから、いわゆる考え方の中におきましての受けとめ方はいろいろあろうかというように考えますが、あくまでも正式なものは調印後、そしてまた批准後、こういうように受けとめておるわけでございます。
#464
○吉岡吉典君 これは当たり前のことでして、政府が決めれば何でもいいというふうな態度をとってもらっては困る。
 私はもう一つ、これは大蔵大臣にお伺いしたいんですが、きょう受け取った補正予算の説明書、これは今年度の補正予算ですが、まだ署名もしていない段階からこれにはウルグアイ農業合意を踏まえた項目が挙げられている。これも私は国会無視も甚だしいと思いますが、どう説明しますか。
#465
○国務大臣(藤井裕久君) この経費は、基本的には過般決まりました経済対策の実行のために農業関係における公共投資をどのようなものを優先的に取り上げるか、これが基本でございます。
 同時に、ウルグアイ・ラウンドそのものではなく、そういう背景も踏まえながら今展開しております新農政というものを推進していこうという経費でございますので、御理解をいただきたいと思います。
#466
○吉岡吉典君 ウルグアイ合意を踏まえてと書いてあることについての質問です。
#467
○国務大臣(藤井裕久君) 今お答えしたとおりでございまして、それができたという前提のものではないということは御理解をいただけると思います。
#468
○吉岡吉典君 それなら、大蔵大臣、これ訂正しなさい。
#469
○国務大臣(藤井裕久君) 趣旨は今のようなことでございまして、ウルグアイ・ラウンドということも見定めながら現在の新農政というものを推進する、そして補正の要因としては現在の経済対策の一環である、このように御理解をいただきたいと思います。
#470
○吉岡吉典君 私は、繰り返しこういうところにも政府が決めれば何でも通るという今の内閣の姿勢があらわれていると思います。
 次の問題は、ここでも繰り返し論議になりました減反問題です。
 減反の根拠は何ですか。法的根拠があるかを含めて、農水大臣。
#471
○国務大臣(畑英次郎君) 減反につきましては、これは法的根拠、法律そのものというものは背景にはございません。しかしながら、いわゆる営農の安定、そしてまた地域活性化等々、そういうものを考える中にございましての生産者あるいは団体側、そしてまた行政サイド、そういったそれぞれの立場における合意の中でかかる事業が進められておる、かように御理解を賜りたいと思っております。
#472
○吉岡吉典君 山本審議官はかつて朝日新聞で、減反は自主的に実施し強制するものでないとおっしゃっていますが、これが今まで貫いているものですか。おられたら、大臣とあわせて答弁してください。
#473
○国務大臣(畑英次郎君) 行政指導という我が方の立場の中にございましての、そしてまた合意、納得、こういうものを尊重しながら従来から取り組みをさせていただきましたし、なおまたこれからもさような姿で問題を解決していかなければならない、かように心得ておるところでございます。
#474
○吉岡吉典君 法的根拠もない、自主的なものだとおっしゃっているんですが、実際に運用されたのは事実上の強制ですね。しかも、未達成に対してはペナルティーを科す、こういう形でこれはやられてきました。そのペナルティーというのも、減反と全く無関係のものにまで補助金を出さないというやり方です。未達成のところには、例えばニンジンとかトマトの選果場あるいは湿田地帯において腐朽し老朽化した排水用のパイプの取りかえの補助金も出さない、こういう形でやられてきたわけです。したがって、今、米不足という問題も起こった中で改めて大問題になっており、市町村段階で、この減反、他用途米の割り当ての中で今までのこういう強制に類するやり方は抜本的に改めようという強い声が出ております。
 農水大臣、この減反、他用途米、早場米等を含めて、どういうふうにお考えになっているか。
#475
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、昨年の大凶作という実態の中にございまして、減反緩和政策等々をとらさせていただいている今日の実態に照らしまして、転作の問題あるいはまた他用途米の問題等々につきましては当事者間の合意といいますものをあくまでも軸として従来以上に問題推進にこれからも当たってまいる、こういう考え方に立っておるわけでございます。
#476
○吉岡吉典君 早場米はどうですか。
#477
○国務大臣(畑英次郎君) 早場米につきましては、こういう実情にかんがみまして、緩和の中にございましても早場米の位置づけをより高からしめた姿の中における配分等々をこれから推進を図っておる、こういうところでございます。
#478
○委員長(井上吉夫君) 時間です。
#479
○吉岡吉典君 もう一問、ペナルティーの問題を最後にお伺いします。
 これはあなた方は罰則でない、ペナルティーでないとおっしゃっていますけれども、先ほど言いましたように、全く無関係の一般営農資金にまで下では起こっているわけです。これは私、どういうところへ行われているか、ここにいろいろたくさん資料も持っています。ですから、このペナルティーについてはどのようにするのか、今までどおりのようなやり方をするかどうか、はっきり答えてください。
#480
○国務大臣(畑英次郎君) ペナルティーという言葉がそのまま適切かどうかということは別にいたしまして、少なくともまじめに話し合いの中での転作あるいは他用途米協力の方々のお立場をも尊重しながら対処してまいりたい、かような考え方に立っております。
#481
○吉岡吉典君 終わります。
#482
○委員長(井上吉夫君) 以上で吉岡君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#483
○委員長(井上吉夫君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋君。
#484
○島袋宗康君 まず、総理大臣にお伺いしたいと思います。
 日米首脳会談の決裂で一時は百円台まで円高が進んでまいりました。第三次補正予算の経済効果も帳消しになるんではないかというふうなことで大変心配しておりましたけれども、現在ではかなり回復してまいっております。この間、総理も大変御苦労なさったと思われますが、日米の成熟した関係を定着させるためにはこれからも規制緩和や市場開放等のかなりの努力が必要と思われます。そのためにも、今後ともあらゆる分野ではっきり物を言うというふうな態度が必要ではないかというふうに思います。
 そこで、総理にお尋ねしますけれども、防衛計画の大綱の抜本的見直しに着手されるとの報道がなされております。冷戦の終結や連立政権の誕生等昨今の内外情勢の変化を考えますと、当然のことだと思います。日米双方が保護と従属の関係ではなく対等に自己主張を貫くという大人の関係を維持するという意味において、私は経済問題以上に安全保障の問題は重要だと思っております。総理は、防衛大綱の見直しとともに日米安保条約の点検、地位協定の再見直しなどについてどういうお考えを持っているか、お聞かせ願いたいと思います。
#485
○国務大臣(細川護熙君) 冷戦が終結した後も国際社会は不安定な要因を抱えておりますし、そのような中で特にアジア・太平洋地域において米国の存在というものが大変大きな意味を持っているということは、これは多くの人々、多くの国々の認識であろうというふうに思っております。
 そうした観点から、我が国としても日米安保体制というものは極めて重要な二国間関係の基軸だと思っておりますし、今お尋ねがございましたような日米安保条約あるいは地位協定といったようなものの見直しについて今考えているというようなことはございません。
#486
○島袋宗康君 それでは、新聞に載っている問題については全く考えていらっしゃらない、いわゆるこの防衛計画大綱見直しについてはお考えになっていないという意味ですか。
#487
○国務大臣(細川護熙君) いや、防衛計画の大綱は見直しをしていく方向で懇談会を近くスタートさせるということでございます。そのことは、日米安保条約あるいは地位協定と直接かかわりのある問題ではないというふうに認識をしております。
#488
○島袋宗康君 外務大臣にお尋ねいたします。
 在日米軍の駐留経費、いわゆる思いやり予算、その九三年度の日本側の負担総額は幾らになっているか、またその負担率は幾らになっているんでしょうか。米軍人一人当たりどれだけの経費負担になっているか、それとまた国民一人当たりの負担額は幾らになっているか、それを御説明願いたいと思います。
#489
○国務大臣(羽田孜君) 平成五年度の我が国の在日米軍の駐留経費の負担総額でございますけれども、防衛庁の予算を含めまして五千六百十二億円、およそ四十六億ドルでございます。
 また、今年度の米側の負担額につきましては、いまだ米側の方から報告を受けておりませんのでお答えできるものではありませんけれども、平成三年度にさかのぼって申し上げますと、日本側の負担額は約三十七億ドル、四千七百七十一億円でありまして、米側負担額は約三十九億ドルであります。日米間の負担割合は四十九対五十一というふうになっております。
 米軍の一人当たりに換算いたしますと、およそ千二百万円ぐらいということになろうというふうに思っております。
#490
○島袋宗康君 御答弁のように、我が国の安全保障のためになされる莫大な費用負担でありながら、基地周辺住民にとってはそのことによって逆に生活の安全が脅かされております。例えば戦闘機の夜間訓練や実弾砲撃演習で生活環境や自然環境の破壊が繰り返されております。日米安保の建前上、演習場の撤去や演習の中止を要求できないのであれば、せめて移設や移転あるいは移動のためのコストを日本側が負担する方法による解決が考えられます。
 この際、基地周辺住民の基地被害の軽減という視点から、思いやり予算を含めて地位協定の再見直し、ひいては安保条約の再検討が必要だと思われますが、外務大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#491
○国務大臣(羽田孜君) 今、島袋委員の方から御指摘のございましたような基地住民からの要請、この点につきましては従来から米軍ともお話し合いいたしまして、実際にそういったものが本当に移転することができるものなのかどうか、そういったことについては率直に私どももお話を申し上げてきておるところであります。
 ただ、コストの問題についてのお話が今あったわけでありますけれども、これは米軍が今の基地というものをやめます、必要なくなりましたということの場合だと思うんですけれども、具体的な要請が今行われていないというこの時点で御指摘のような仮定の質問に対してお答えすることだけはお許しをいただきたいと思います。
#492
○島袋宗康君 それでは、具体的に基地被害の問題について総理大臣にお尋ねしたいと思います。
 まず、訪米直前の二月一日に、上原開発庁長官も同席して沖縄県知事から基地問題について直接の要請があったと報道されております。その要請内容についてどういうものであったのか、さきの訪米でその要請をどのように折衝されたのか、それを御説明願いたいというように思います。
#493
○国務大臣(細川護熙君) さきの日米首脳会談の際には経済問題が主たるテーマでございまして、もちろん北朝鮮の問題等々も議題になりましたが、この駐留軍の地位協定にかかわる問題につきましては論議になりませんでした。
 ただこれは、前に沖縄県の知事さんから御要望をいただいておりますような点につきましては、昨年の何月でございましたか、アスピン長官がこちらに見えましたときにもモンデール大使御同席のもとに百四号線を挟んだ演習の問題でありますとか、あるいは落下傘の降下演習の問題でありますとか、あるいは基地の整理縮小といったような点につきまして具体的に私の方からも強く要望をしたところでございます。
 その後も外務当局、防衛当局の方から同じような要請をしているものと存じます。
#494
○島袋宗康君 ちょっと防衛庁長官にお尋ねします。
 軍事基地については、演習等の日常的基地被害から返還後の跡利用の問題、さまざまな課題を抱えております。今、沖縄県民が一番望んでいることは、基地の整理縮小と演習被害の軽減、解消、跡利用のための軍転特借法の制定であります。特に跡利用については施設提供の主務官庁として防衛庁や防衛施設庁の責任がとりわけ大きいと思います。軍転特借法の制定問題について防衛庁長官はいかなるお考えであるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#495
○国務大臣(愛知和男君) お答えいたします。
 駐留軍用地の返還並びに返還後の補償及びその有効利用につきましては、沖縄振興開発の点または土地所有者の生活保障の点から国の積極的な対応を地元が強く要望しておられることは承知をいたしております。
 いわゆる軍転特借法県要綱案につきましては、返還後の跡利用に重点を置いた沖縄振興開発に関するものでございますので、防衛庁が主管官庁となるとはちょっと考えられないわけでございます。しかしながら、しかるべき官庁から提案がございましたら防衛庁としての所掌の範囲に沿って何ができるか十分検討していきたい、このように考えております。
#496
○島袋宗康君 それでは、今の防衛庁長官のお話によりますと、私は防衛庁の主管と申し上げたいのですけれども、全く検討されてないと。
 そうすると、沖縄の基地問題の解決の前進のために十一省庁で連絡協議会を持っておるというふうに聞いておりますけれども、軍転特借法一つとってもまだ主管が決まらないというふうな問題については非常に残念に思います。細川内閣として責任の所在というものをはっきりすべきじゃないか、そのためにはやっぱり主管をはっきりさせてやるべきじゃないか、対応すべきじゃないかというふうに考えます。
 官房長官、その点についてどういうふうにまとめていかれるのか、ひとつ御説明願いたいと思います。
#497
○国務大臣(武村正義君) 平成三年八月に、施設、区域の返還を行うに当たって返還の予告や返還後の補償及び跡地利用の問題等について関係省庁間で情報、意見の交換を行うことを目的にしまして関係省庁連絡協議会を設置いたしました。これまで平成三年八月以降五回開催をいたしております。そして、沖縄における米軍施設、区域の具体的な返還状況等について実情の把握に努めますとともに、現在、返還予告問題について検討をいたしております。
 いずれにしましても、本協議会は個別具体的な返還の問題を取り上げておりまして、現行制度の中でより適切かつ効率的な処理に資するという観点から意見交換をいたしておるところでございまして、今御指摘の軍転特別措置法などの法制定にかかわる問題についてはここでは検討いたしておりません。
#498
○島袋宗康君 沖縄ではその軍転特借法をぜひ制定してほしいということでありますので、ぜひその面を内閣として検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 時間がありませんので大急ぎになりますけれども、私はこの予算委員会でなぜ沖縄の基地問題を取り上げたかと申しますと、実はきょうから三日間にわたって在沖米軍海兵隊が百五十五ミリのりゅう弾砲の射撃訓練を恩納村で始めます。この実弾砲撃演習は、本土復帰後、一九七三年三月以降実に百四十四回目であり、県民の生活道路を封鎖し、住民地域に接近して行われております。
 また、明日二十四日は那覇地裁沖縄支部で嘉手納基地の爆音訴訟の判決が出されます。
 上原開発庁長官の住んでおられる嘉手納町の爆音は、例えば今月十七日の例を挙げますと、七十ホン以上の騒音発生回数は午前六時から午前十時までに実に三十一回も集中しております。最高は九十九ホンであります。
 沖縄では、一九七二年の復帰の時点、そして九二年のいわゆる復帰二十年の節目に当たって基地の整理縮小が大いに期待されたわけでありますけれども、現状はこういうありさまであります。
 しかも、政府は現在、シーレーン防衛構想に基づくP3C送信基地の建設を地域住民の声を無視して強行しようとしております。これなど我が国の国土面積のわずか〇・六%にすぎない沖縄に在日米軍専用施設、区域の約七五%を集中させているばかりか、これまでの自衛隊基地に加え、さらに新たな基地を建設していこうということに対して県民の反発は大きなものがあります。
 来年で戦後五十年になります。東西の冷戦構造も崩壊し、国際社会も激変しました。また、我が国でも自民党政権から連立政権に変わりました。地域住民を犠牲にしない新しい安全保障政策の確立が早急に求められております。
 そこで最後に、在日米軍基地問題に対して今後どのような対処をしていくおつもりなのか、総理の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
#499
○国務大臣(細川護熙君) 今お話しがございましたような地域住民の方々の御要望と、それから日米安保条約というものの目的を達成するということ、その両方の調和をいかにして図っていくかということであろうと思いますが、いずれにいたしましても、諸問題の解決のために引き続き政府としても可能な限りの努力を傾けてまいりたいと考えております。
#500
○委員長(井上吉夫君) 以上で島袋君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#501
○委員長(井上吉夫君) それでは、これより平成五年度補正予算三案に対する討論に入ります。
 討論の通告がございますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。有働正治君。
#502
○有働正治君 私は、日本共産党を代表しまして、第三次補正予算三案に対する反対討論を行います。
 まず、本予算委員会での補正予算の審議がわずか一日間とされたことについて、私は激しく抗議するものであります。不況問題や大増税問題、米輸入自由化、細川首相の佐川からの一億円借り入れやNTT株購入にまつわる疑惑、ゼネコン疑惑、小選挙区制法をめぐる問題など重要問題が山積しており、これら諸問題に十分な時間をかけて審議するのが本委員会に課せられた当然の責務であります。これを一日で終わらせるなどということは、衆議院が三日間の審議を行ったことと比べても、審議権の放棄というそしりを免れ得ないものであります。
 反対理由の第一は、本補正予算案が戦後最悪の不況に対して犠牲を国民に押しつけて景気回復を図ろうとするものであり、国民本位からの不況打開はできないものとなっているからであります。
 補正予算案は、減税要求に全く背を向けています。また、中小企業や労働者の雇用を守る対策は全く不十分なものです。公共事業の追加も、ゼネコン疑惑にメスを入れないままでは巨額の浪費を温存することになります。土地流動化を名目に新たに公的資金による土地買い付けを行うことに至っては、大企業、銀行のバブル経営の破綻のツケを国民の負担で救済するものであり、到底認めるわけにはいきません。
 本補正予算案は、政府自身が十五カ月予算と言っていますように、大量の赤字国債発行を財源とした一年限りの減税と引きかえに、消費税率引き上げを中心として大増税計画を今年中に決定することを前提とした来年度予算案と一体のものという性格を持っています。不況打開のかぎは、増税なし、赤字国債なし、庶民が潤う減税を直ちに実施することであります。
 我が党は既に国民の立場での不況打開の方策を発表していますが、ゼネコンの浪費をなくし公共事業費を節減する、軍事費を圧縮する、大企業優遇の不公平税制を正すなどの措置をとれば財源は十分確保できますしかるに細川内閣は、国債の大量増発と借金財政を押しつけ、これを逆手にとって国民福祉税を持ち出すなど、消費税の税率アップを含め大増税を強要しようとしており、到底容認できません。
 第二には、国際化対応緊急農業対策費として一千四百億円余りが計上されていますが、これは農水省の新政策に沿って大規模農家を育成するものであり、政府自身明言していますように、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意による新たな国境措置が導入されることを踏まえ実施するものであります。これでは調印も国会の批准もまだなされていない条約を政府が一方的に強行しようとすることに等しいものであり、断じて認めることはできません。
 第三には、憲法と民主主義に反し、施行日すら決まっていない政治改革関連法の周知徹底のための予算が計上されていることであり、これは断じて認めることはできません。
 日本共産党は、従来型政策の転換と国民本位の不況対策実現のために全力を挙げることを申し上げまして、反対討論を終わります。
#503
○委員長(井上吉夫君) 以上で討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#504
○委員長(井上吉夫君) 多数と認めます。よって、平成五年度補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#505
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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