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1994/06/03 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 予算委員会 第10号
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1994/06/03 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 予算委員会 第10号

#1
第129回国会 予算委員会 第10号
平成六年六月三日(金曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     上山 和人君
     喜屋武眞榮君     青島 幸男君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     寺崎 昭久君
     吉岡 吉典君     橋本  敦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                片山虎之助君
                久世 公堯君
                村上 正邦君
                梶原 敬義君
                北村 哲男君
                角田 義一君
                足立 良平君
                林  寛子君
                常松 克安君
    委 員
                岩崎 純三君
                遠藤  要君
                大島 慶久君
                合馬  敬君
                沓掛 哲男君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                成瀬 守重君
                野間  赳君
                服部三男雄君
                松浦 孝治君
                松谷蒼一郎君
                吉村剛太郎君
                一井 淳治君
                上山 和人君
                川橋 幸子君
               日下部禧代子君
                谷畑  孝君
                種田  誠君
                肥田美代子君
                三重野栄子君
                峰崎 直樹君
                山田 健一君
                藁科 滿治君
                池田  治君
                笹野 貞子君
                武田邦太郎君
                寺崎 昭久君
                直嶋 正行君
                荒木 清寛君
                牛嶋  正君
                刈田 貞子君
                上田耕一郎君
                橋本  敦君
                吉岡 吉典君
                青島 幸男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
   参考人
       元鹿島建設株式
       会社埼玉営業所
       副所長      廣瀬  透君
       前公正取引委員
       会委員長     梅沢 節男君
       前島根県知事   恒松 制治君
       日 南 市 長  宮元 義雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○予算の執行状況に関する調査
 (ゼネコン問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 委員長として一言申し上げます。
 去る五月二十日の委員会において、理事間で協議した結果、「参議院予算委員会で要求されている証人及び参考人問題については、平成六年度予算の審議前までにその取り扱いを各党間で協議し結論を得るものとする。」と御報告いたしましたが、その後、現下の経済状況にかんがみ予算委員会の責務を能率的に果たしていくため、理事間で精力的に協議した結果、衆議院で公聴会が開かれる本日、参考人をお呼びしてゼネコン問題について調査を進めることとなった次第であります。
 以上であります。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(井上吉夫君) 予算の執行状況に関する調査のうち、ゼネコン問題に関する件を議題といたします。
 本日は、本件について参考人の方々から御意見を承ることにいたしております。
 まず、午前中は元鹿島建設株式会社埼玉営業所副所長廣瀬透君から意見を求めることといたします。
 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席をいただき、ありがとうございました。
 参議院予算委員会は、予算の執行を全般にわたって審議する中で、公共事業費の執行についても多大の関心を払ってまいりました。
 この点に関し、いわゆるゼネコン問題が国民の注視するところとなり、国会においても、その実態と原因を解明するとともに問題発生の防止策を確立し、予算の公正な執行の確保に努め、もって国民の政治と行政に対する信頼を回復することが急務となっております。
 このため、本委員会といたしましては、問題の実態を把握することが重要であるとの観点から、建設事業関係者、公正取引委員会関係者及び地方公共団体関係者に直接お話を伺うことといたしました。
 そこで、本日午前中は、建設事業関係者として廣瀬透君に参考人として御出席いただくことになった次第であります。
 廣瀬参考人にはどうか忌憚のないお話をお聞かせいただきたいと存じます。
 質疑に入るに先立ちまして、委員各位に申し上げます。
 本日は、申し合わせの時間内で参考人に対し質疑を行うのでありますから、不規則発言等議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。
 また、質疑時間が限られておりますので、参考人の答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。
 それでは、これより廣瀬参考人に対して質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。合馬敬君。
#4
○合馬敬君 きょうは、廣瀬参考人、御多忙のところを御苦労さまでございます。
 世上、ゼネコン疑惑という言葉が一般化されておりますが、建設業は国民経済上非常に重要な役割を果たしておりまして、建設業の就業者は六百四十五万人といいますから全産業の九%を占めている。建設業の許可業者は五十二万二千四百五十事業所もある。大変なものでございます。建設投資額が八十九兆九千八百億円、約九十兆円になる。GNPに占める建設投資一九%、もう二割に近い。公共事業費は三十七兆一千六百億、もう大変なものでございまして、特に公共投資は社会資本の整備に非常に不可欠なものでございまして、十年間で四百三十兆円の投資を行うとか大変なものでございます。
 しかし、一方におきまして、公共投資は国民の税金を使用するわけでございますので、これはもう大事に大事に使ってもらわないと困る。価格、品質、工期、これも非常に大事な問題でございまして、これがしっかりと守られてもらわないと困る。こういうときにいわゆるゼネコン疑惑、地方公共団体の首長さんあるいは国会議員も含めての政治家、業界、これを巻き込んだ事件が起こったというのは私どもは非常に遺憾である、こう思っておるわけでございます。
 そういった意味で、これは私どもは、これまでの事件の処理もさることながら、そういったことの再発防止に向けてやはり努力をしていかなければならない、どういう対策を立てるか、これも慎重に考えていかなければならない。そういう点を踏まえまして、長年、廣瀬参考人は業界にあって実情に極めて詳しい、そしてしかも知識、経験が非常に豊かな方である、こう承知しておりますので、きょうは忌憚のない生の意見をお聞きいたしたい、このように思うわけでございます。
 まず最初にお伺いいたしたいのは、廣瀬参考人は昭和六十三年から埼玉土曜会の会長を務められておられるということをお聞きしておりますが、この埼玉土曜会というのはどういうことを目的としてつくられたものなのか、構成員は具体的にどういう方がなっておられるのか、どういう仕事のといいますか業務の内容を持っておられるのか、どういう方が加入されるのか、そういったところを含めまして御説明をお願いいたしたいと思います。
#5
○参考人(廣瀬透君) 埼玉土曜会の目的でございますが、これは親睦を目的といたしました団体でございます。
 構成員は、埼玉県外の六十六社が加入してございます。
 加入条件は、埼玉県に支店、営業所等拠点を持ちまして土木の営業をしておる会社ということでございます。
 活動内容につきましては、総会、それから月一回の月例親睦のゴルフ大会、さらに年一回の研修旅行、これらを行っております。
#6
○合馬敬君 まず、その埼玉土曜会の仕事の実態についてちょっとお伺いしたいんですが、六十六社がこの構成員になっておられる、それぞれ埼玉県から工事を受注しておられる、こういうように思いますが、この六十六社の構成員が、いろいろ統計のとり方あると思いますが、過去三年間にわたりまして受注した工事の量、それからその同じ期間に埼玉県が発注した量、これに対します割合、六十六社の構成員が全体の埼玉県発注の工事量の何%を占めておるのか、客観的にまず概要を知りたいと思いますのでお教え願います。
#7
○参考人(廣瀬透君) まず、三年間に我々埼玉県外業者が受注した金額は、ちょっと資料がないので記憶で、もし間違えましたら御勘弁いただきたいんですが、平成二年が六百億、平成元年が四百億、六十三年が五百五十億。
 おのおのに占めるパーセンテージは、これも記憶でございますので、こうでございます。平成二年が一三%程度、平成元年が一二%程度、昭和六十三年度が一一、一二%、一一%台ですか、と記憶してございます。
#8
○合馬敬君 今の受注量をお伺いいたしますと、年々わずかではありますが割合が上がってきておるわけでございますですね。それだけ構成員の受注能力というのが向上している面もあると思いますが、それなりにやはり埼玉土曜会を結成したメリットがあると、こういったようにも受け取れるわけでございますが、この埼玉土曜会について、廣瀬参考人、六十三年からでございますか、会長に御就任されたということでございますけれども、会長はどういうような役割をその会において果たされるのか、それからどういう方法で選任といいますか就任するのか、これについてお知らせをお願いいたします。
#9
○参考人(廣瀬透君) まず会長の就任でございますが、年一回の総会において会長選挙がございます。各社一票の議決権を持っておりまして、その投票によって会長が選出されます。会長は、理事会社、会長会社を除きますと八社ございますが、その合計九社で合議制で会の運営を行っております。私は、会の催し物の司会その他等を行っております。
 以上です。
#10
○合馬敬君 普通、常識的に考えますと、このような会をつくるのにはそれなりの、もちろん親睦的な意味ということもわかりますが、それ以上のいろんなやはり仕事、役割を期待してできたと、こういうように思うわけでございますが、もう一つは、埼玉県には建設業者さんの集まりということであれば県の建設業協会、これがございますよね、その建設業協会では役割が足りないからこういうものをつくったと、こういったようなことにもなろうかと思いますが、ざっくばらんに申しまして、工事受注のためにこの埼玉土曜会はやはりいろんな役割を果たしているんじゃないか、こう思うわけでございまして、もちろん一般的な情報交換等、こういったようなこともあろうかと思いますが、それ以上のものをやはり期待してできておるんじゃないか、こう思うわけでございますが、その点についていかがでございましょうか。
#11
○参考人(廣瀬透君) 私は昭和六十三年から三年間の会長を務めているわけでございまして、設立の趣旨、それから今までの経緯については、習慣的なことは知っておりますが、詳しいことについては知らぬがままに土曜会を解散してございます。
 それから、県の建設業協会につきましては、県外業者として相当の協力をしてございます。技術的協力、その他要請のあるものについてはこたえております。県の建設業協会の予算等につきましても、我々県外業者は大いに協力してございます。ちなみにパーセントで申せば二三%という協力を申し上げております。
 以上です。
#12
○合馬敬君 今のお話の中で、埼玉土曜会はもう解散をしたわけでございますね。そうすると、県外の建設業者の親睦団体、こういうことでおつくりになったのが主目的であるとお聞きしておりますが、その機能はもうどこも果たしていない。どこかおかわりになった機関、新しいまた会ができたわけでございますか。
#13
○参考人(廣瀬透君) 埼玉土曜会は解散してございまして、以後は活動はしてございません。
#14
○合馬敬君 なぜ解散をしたのかちょっと唐突な感じもいたしますが、埼玉土曜会は、私が承知しているところでは昭和四十六年ですかからもう二十年以上にわたって存続してきた立派な団体でございましょうから、何か特段の理由があるのかどうか、それをちょっとお伺いしたいんですが。
#15
○参考人(廣瀬透君) 平成三年でございましたか、公正取引委員会の立入検査を県外業者が受けまして、その後、委員会のいろいろ独禁法違反の御指摘等を受けまして、それらによって我々は解散いたしました。
#16
○合馬敬君 なかなか答えにくいお話であると思いますが、もうずばり申しまして、そういったような風評を受けて、埼玉土曜会はいわゆる談合組織ではないかと言う人もおるわけでございまして、また伝えられる実態についていろいろなマスコミ等で相当詳しく説明がされておりますが、これについて廣瀬参考人が知っている限りで真偽のほどを御説明をお願いいたしたい、こう思うわけでございます。
 まず、埼玉土曜会の仕事は、報ぜられているところによれば、工事の発注に対してだれが受注するか本命を決める役割、それから、いわゆるそれを助けるといいますか、今回は受注をしないという指名業者、これは合メンバーというんだそうですが、それで土曜会が、本命と合メンバーが一致しましてこれで本命を決定する。この決定する会合を開くのを点呼というと。昔、何か軍隊で点呼という言葉を聞いた覚えがありますが、点呼という。それで本命業者がいわゆる最も低い価格で落札をする。
 予定価格、これをどうやって知るのか、これもまた問題でございますが、それをまた決定するのにPRチラシというものをつくるんだと。一応業者がそれぞれ受注を希望する工事を、二年間なら二年間にわたってこの工事をとりたい、こういうことで内容を封筒に入れて、これをしかるべきところに差し出す。それを見ながら、だれが受注するのが一番適切であるか、こういうことを決めていく。そのときに土曜会の会長である方が内容を、PRチラシを見て、今回はじゃあなたのところでいこう、今回は君のところはちょっといろいろ条件が悪いからやめた方がいいんじゃないかとか、いろいろアドバイスもされる。
 それだけではなかなか全体がまとまりませんから、今度はみんなで仲よくということで、全体の業者さんでそのとき受注しなかった方については救済措置ですね、マル救というんだそうですが、救済措置について、あなたは今回辞退してくれてよかったということで、しかしやっぱり仕事は確保してやらないといかぬと、こういうことで工事を分けてあげる。分与してあげる。かなりの割合に上っておるんじゃないか。また、逆に談合破り、これに参加をしなかった違反者については、例えば工事完成保証人になってやらないとか、いろいろな制裁措置を講ずるとか、こういったように言われておる。
 そういったような機能もこの埼玉土曜会が果たしたのではないか、こういうようにまた言っておる人もおるわけでございますので、そういうことも含めまして、参考人、忌憚のない知り得る限りの意見を言っていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
#17
○参考人(廣瀬透君) まず、点呼という言葉でございますが、これは古い時代に使われていた言葉でございまして、この意味についてはここであえて御説明する必要はないかと思います。
 次に、二番目のPRチラシでございますが、これは集積した分については開披をしてございません。中がどういうふうになっておるか、我々は、私としては把握できなかったというのが現状でございます。立入検査時も開封されずに公取に押収物件として挙がってございます。改めて申しますが、内容についてはわかりません。
 それから、三番目のアドバイスということでございますが、これは業界、やはり技術的それから社の大小ございまして、出件物件に対してはそれ相応の技術と資本力が必要となってきます。それに適合した会社が受注した方がこれはすべてにいいわけでございまして、そのために技術なり資本力のある会社がそれらのアドバイスを求めた会社に対してはアドバイスしたというのが現状でございます。
 それから、第四番目の救済でございますが、救済というのは、六十六社すべてが工事を受注することはできません。各社の所長、支店長、これは社内でサラリーマンである以上は相当のノルマを与えられます。我々としても、そういう横の救いの手を伸べるのに大いにやるべきだということで、私としては救済をそういう意味で武士の情けとしてやってきました。
 五番目でございますが、談合破りとかそういう言葉については、一切談合はしてございませんので、ありません。
#18
○合馬敬君 私、業界にあって非常に御苦労された廣瀬参考人の気持ちはわかるんですが、今言われた、確かに公平なワークシェアリングといいますか、いろんな業者が生きていくためのことで、しかし規則は規則でございますから、その武士の情けというやつ、これはもっと具体的にどういう点を武士の情けというのか、ちょっと御説明をお願いしたいわけでございます。
 それから、今、談合をやっていない、こういう話でございますが、これについてはまだ後ほどいろいろと質問をいたしますが、もしそういうことなら、なぜ公取の調査が入ったのかどうか。そういう意識がなくて、その公取の調査について、が入るのは全く理由がない、無実の疑いである、こういったように受け取られておるのであればこれはちょっと大きな問題でございますので、ちょっとこの点については参考人のお考え方、今言ったとおりなのかどうか、もう一度お聞きいたします。
#19
○参考人(廣瀬透君) 我々は公共工事に関してガイドラインというものを提示されてございます。そのガイドラインに基づいて営業なり受注なりしておりましたので、そういう意味では間違ったことをしなかった、こう思っておるわけでございます。
 以上です。
#20
○合馬敬君 ちょっと今のお話で、そうすると調査が入った段階で、時期は平成三年五月二十七日、最初の公取の立入検査、これは鹿島営業所を含めて重立った事業所には全部ということに聞いておりますし、平成三年の十月十五日、第二回目の調査が入っております。これは明らかに談合を含めて、この土曜会の活動も含めまして違法な行為があったのではないか、こういったような濃厚な疑いがあったからこそ公取は私は調査に入ったのだと思うわけでございます。
 それを受けて、当然、当事者である事業所の責任者、もちろん廣瀬参考人もそのお一人だと思いますが、これは違法な行為を今までやってきたのではないか、こういう意識を私は当然持っておられたと、こう思うわけでございます。
 最初に、既に独禁法という不正な取引の制限、このような厳しい行為を犯した、厳然たる法律があるわけでございまして、これはもう御承知のように告発までいきまして、最終的には刑事罰でございますから三年の懲役または五百万円の罰金という大変厳しい処分がかかるわけでございますので、当然それについては今までの行為は独禁法に触れるのではないか。そしてそれを受けて、最初に一九八四年、昭和五十九年に公取のガイドラインが出されておるはずでございます。営業活動のための情報交換はこれは認める、こういったような緩いガイドラインであったとは承知はしておりますが、それなりに独禁法を受けての規制でございますので、当然これについては認識をされておったと、こう思うわけでございます。
 そういったことで、本当にその時点でそういったことについて認識をしていなかったのか。それじゃ、いつの時点で、公取の調査が入って、ああこれは悪いことをしたなと、こういったような違法性を意識したのかどうか、それについての御説明をお願いしたいと思います。
#21
○参考人(廣瀬透君) お答えします。
 営業活動中はガイドラインに基づいて違法でないというふうにして営業活動をしておったのでございますが、公取委の立入検査を受けた後、独禁法違反という指摘を受けまして、それを我々は素直に受け入れまして反省してございます。(「その中身は何だ」と呼ぶ者あり)勧告にありますように、独禁法違反ということでございます。
#22
○合馬敬君 公取のガイドラインは、当然のことながら御承知と思いますけれども、平成二年の六月に出されましたのはもっと厳しいものでございまして、価格カルテル、入札談合等の違反行為であって国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案等について積極的に刑事処罰を求めて告発を行う方針である旨を公表した、こういうことになっております。
 こういう規則はもちろん御存じでございますね。
#23
○参考人(廣瀬透君) 今御指摘のことについては、おいおい勉強しておって、徐々に認識しつつありました。
#24
○合馬敬君 ちょっと隔靴掻痒で、いま一歩私もよくわからないのですが。
 そうすると、参考人、各業者が土曜会を通じて、各業者が行うそれぞれの営業活動について具体的にどういうのが合法であるのか、こういう行為はやってはいけない、そこをどういうように参考人は自分の部下なりあるいは土曜会の会員なりに指示をしていたのかどうか、そこをちょっとお話をお願いします。
#25
○参考人(廣瀬透君) 当社の部下その他につきまして、私の認識している範囲内ではガイドラインに基づいて違反を起こさないということで認識もしておりましたし、部下にもそのようなことを伝えております。
 以上です。
#26
○合馬敬君 最初に公取の調査が入ったのが平成三年の五月二十七日ですね。この時点で参考人は、どういう内容について公取の調査が入ったのか、どこの項目が独禁法に違反すると判断をしたのか、どういうことについて疑いがあって独禁法の調査が入ったのか、公取の調査が入ったのか、そして、これが将来告発問題にまで発展するといつの時点で考えたのか、その時点、これについてもう少し詳しく御説明をお願いします。
#27
○委員長(井上吉夫君) 参考人に申し上げます。
 五月二十七日、独禁法の疑いありということで公取が入ったと。その中身はどういうことだったのがという具体的なことについて質問者は聞いておりますので、それらの点について明確な御返事をいただきたいというぐあいに思います。このことをお願いしておきます。
#28
○参考人(廣瀬透君) 公正取引委員会が五月二十七日に立入検査した件につきましては、独禁法違反ということで立入検査を受けております。何条でしたか、ちょっと私、今記憶しておりませんが、それらについては公正取引委員会から提示されました。
 以上です。
#29
○合馬敬君 一般的な抽象的な話ですが、もう少し具体的に公取の方から項目を提示して、この点、この点、この点について疑いがあると、特に談合の疑いについてはこれは世上の話でこれだけ流布しておるぐらいでございますからもう少し厳しい指摘があったと思うわけでございますが、その点についてもう少し御説明をお願いいたします。
#30
○参考人(廣瀬透君) 公正取引委員会の立ち入りは、先ほど申しましたように独禁法違反、内容は、我々受けたのは、いわゆる工事の、土木工事の調整行為に対する……、失礼しました、ちょっと忘れましたが、それらの云々という文がございますが、そこに違反するということで立入調査を受けました。
#31
○合馬敬君 この件につきましては、最終的には平成四年五月十五日に公取の排除勧告が出て、企業者が不正な取引行為の制限をやりましたと、こういうことを認めて、企業者が勧告を応諾して、そして六月三日に公取の審決に入り、課徴金の納付命令が平成四年九月、十億円余を払っているんですよね。
 そういうようなはっきり最終的な決定が出ておるんですから、その過程において、もっと詳しく、こうこうこういう疑いがあって、これについては事実がこうだったからこういう支払いに応じたんだと、こういうように説明してもらわないとちょっと私にはわかりかねますですね。
#32
○参考人(廣瀬透君) 勧告を受けた件に関しましては、公正取引委員会から独占禁止法違反ということで指摘を受けましたので、それを謙虚に受けまして、反省もし、さらに課徴金を納付しております。
 以上です。
#33
○合馬敬君 じゃ、ちょっと視点を変えまして、そうしますと、もちろん廣瀬参考人、こういう問題を全権を持って処理するという権限がないのは、営業所、しかも次長さんでございます、私よくわかっているんですよ。だけど、これは大問題でございますから。
 そうしますと、埼玉営業所あるいは埼玉土曜会の幹部として、本社の方に、いつの時点でこういう事態が発生して、これは大変なことだ、将来は告発に至るかもわからないと、そういったような事態をいつの時点で報告されたのか、それをまずちょっとお伺いしたいと思います。
#34
○参考人(廣瀬透君) 公正取引委員会が立入検査に入りました当日、我々営業所は支店に立入検査の件を報告いたしました。
 さらに、告発の件については、当初、告発ということは心配しておりませんでしたが、後々、記憶でございますが、ラップ問題とかいろいろ新聞に出てきた時点で告発ということがあり得るんじゃないかという認識は持ちました。
#35
○合馬敬君 それで、それを受けまして本社の方からどのような、それじゃこういうぐあいに対処しろ、あるいは既に起こったことでまだ改善できることがあるんだったらこうしろとか、こういったような指示というのはどういう内容があったのか、いつあったのか、これをちょっと御説明願います。
#36
○参考人(廣瀬透君) 本社の方から指示といたしましては、土曜会活動についての説明を求められましたので、その説明を本社にしてございます。さらに、本社からは再三、独禁法違反とかそういう世間を騒がせるような行為はできるだけ慎めと、やっちゃいかぬということはたびたび受けておったところでございます。
 ただ、我々は、ガイドラインに基づいてやっておりましたので、その注意には違反していなかったんじゃないかというふうに考えて営業しておりました。
 以上です。
#37
○合馬敬君 当然のことながら、埼玉土曜会の存在、そのやっておる仕事、内容等はもう前から既に本社の方も知っておったと思いますが、この今回の公取の件について、そういったようなことであれば参考人、土曜会会長あるいは営業所次長さんとして、責任者として本社と密接にコンタクトをとって、だから本社は今こういう動きをやっておるんだと、こういったようなことを全部承知をしておったのかどうか、それについてちょっとお話しをお願いします。
#38
○参考人(廣瀬透君) 我々は営業所としましては事態の報告だけでございまして、本社の会議その他には私は会社の地位からいってもそういうところに参画できない立場でございますので、しておりません。
#39
○合馬敬君 そうしますと、この後これに関連して出てきます、清山さんという副社長さん、清山副社長さんがこういった告発に発展したら大変だということで今度はいろいろ公取なり国会議員なりに猛烈な働きかけを行ったと、こういうことにつながっていくわけでございますが、清山副社長とのコンタクトといいますか、そういったような指示なりというのはそうすると一切参考人にはなかったと、こういうことでございますか。動きを全く知らなかった、関係ないと、こういうことでございますか。
#40
○参考人(廣瀬透君) 清山副社長とのコンタクトはございません。全くどういう動きをしていたかは私にはわかりませんでした。
#41
○合馬敬君 これだけの大事件なのを一切関係がないというのはちょっと私には信じられないわけでございますが、そうすると、当事者に一番関係があります公取の告発がこれがもう終わりになりそうだ、やめてもらえそうだ、課徴金になりそうだ、罰金ですか、になりそうだと、これはいっの時点で参考人がお知りになられたんですか。まず、それを先にお願いいたします。
#42
○参考人(廣瀬透君) 公正取引委員会の告発ということにつきましては、先ほど申し上げましたように、新聞紙上でラップ問題が起きたときに、そういう問題、我々が告発を受けるんじゃないかという心配を、そういう情報を得ました。
#43
○合馬敬君 単なる一方的な伝達だけで当事者として全く受け身で動いておられた、こういうことについて私はこれはまた非常に大きな問題であると思うわけでございますが、そうしますと、今回のこの事件に関連しまして問題になっております独禁法の改正、例のカルテル等の行為を事業者等が行った場合には上限一億円の罰金を課するという、大変な対立の中で成立した法律でございますが、この独禁法の審議が行われておった、こういったようなことも一切知らなかったと、こういうことでございますか。知っていたんですか。
#44
○参考人(廣瀬透君) その点については、私ちょっと無関心でございまして、存じ上げませんでした。
#45
○合馬敬君 最初の話に戻りますが、そうしますと、参考人は今回の事件について主体的な責任をとる立場にない、こういったように聞き取れるわけでございますが、私ちょっとここで本当にお聞きいたしたいのは、今言った独禁法、それからこれに基づいて公取の指針、ガイドライン、これはいろいろ出ておりまして、こういったような厳しい規制というものがあるわけでございますが、ますます厳しい規制があるわけでございますが、こういうものについて、ふだん、いわゆる業者と申しますか業界と申しますか、どのような法意識を持っておられるのかどうか。
 まあ、それはそれ、あれはあれ、本音と建前、法律と実態、その乖離もある程度はもう黙認する、こういったようなことになっておるのじゃないか、そこまで懸念を持つわけでございますが、こういう法意識について業界はどのくらい関係者を啓蒙普及し、そして実際の営業活動等にわたって教育をしておるのか、そこら辺をもう一回ちょっとお答え願いたいと思いますが。
#46
○参考人(廣瀬透君) 業界他社については詳しくわかりませんが、当社においては法違反を犯さないような、何ですか、教育会的なことはあったように記憶してございます。
 以上です。
#47
○合馬敬君 どうもはっきりしないわけでございますが、まあ参考人という限界がありますので。
 あと、私、その埼玉土曜会の活躍について、一つ言われておりますのは、前の州知事さん、畑和さんが埼玉県の知事のとき、埼玉土曜会の幹部の方といろいろと問題になるような関係があったというように専ら言われております。今の土屋知事さんは三権の長からなられた神様のような方でございますが、地方の首長さんがどうしてこういう事件に、いろいろゼネコン関係に巻き込まれるか。一つは、予定価格、これを知る一番近い立場にあるのが公共工事を発注するその地方公共団体の首長さんである、これがもう最大量高の問題だと、こう思うわけでございます。
 埼玉土曜会としてそういった県の工事を受注するために、もっとずばり言えば、予定価格を知るためにかなりいろいろな行為をされたのではないか、本当に予定価格を一切知るような立場になかったのかどうか、これについてもちょっとお話をお願いいたしたいと思います。
#48
○参考人(廣瀬透君) 県の予定価格を私は知る立場にございませんでした。
#49
○合馬敬君 建前はあくまでもそういったようなお話に参考人の立場としてなるのはそれはそうでございましょうが、それなら、そもそもこの埼玉土曜会が、何度も問題が戻りますが、最終的になぜ十億円に及ぶような課徴金を払ったのか。払ったのは当然それだけの、払うだけの独禁法違反の事実があったわけでございます。しかも、これは告発による刑事罰と課徴金とは全然質が違う、そんなことはございませんよ。これは質によってだんだん刑罰の度合いが高くなっていくわけでございまして、違反した事実について、性質については同じものでございますので、だから、告発を受けなかったからそういったことはやってないんだと、そういうことにはならないわけでございますね。
 私は、今のお話をちょっと聞いておったら、いま一歩、なぜすんなりと十億円の課徴金の支払いに応じたのか。これはやっぱりもっと具体的にこうこうこういう事実を認め、そういう中で、それはいろいろ言い分はあると思いますが、必要悪だとかなんとか、現実に今までこうやってきたんだとかありますとは思いますが、そこについてもう一回ちょっとお話をお願いしたいと思います。
#50
○参考人(廣瀬透君) 公正取引委員会の違反の御指摘を謙虚に受けとめまして、当社としては課徴金を払ったということでございます。
 さらに、これにつきましては、社を挙げまして再発防止ということでいろいろ通達等がございます。一例を挙げますと、社長からはこれらいわゆる調整行為に参画するようなことは一切いかぬという通達もございまして、我々は自後それを守って今日に来ております。
 以上でございます。
#51
○合馬敬君 時間がなくなりましたが、最後に一つ。
 やっぱり今のこういった問題を惹起するのに指名競争入札制度の問題があると思うんです。今、これについては制限つき一般競争入札等改善の措置がいろいろ講ぜられておるということでございますが、これは確かに公正な受注を行うための制度としてそれはそれでいいと私は思うんですが、ただ、やはり五十二万業者が全部生きていくというのはこれまた大変な問題があろう、こう思っております。本当に競争だけでやりますと、これはもう強くて正しくて大きな業者が勝ち残り、中小零細業者は仕事の配分を受けるのかどうか、こういったこともあると思います。
 そういう点については、やはりこの制度改正については十分に考えていかなければならないと思いますが、これについてはまだ参考人もいろいろ御意見あろうかと思いますが、ちょっと一言お願いいたします。
#52
○参考人(廣瀬透君) 今御指摘の件につきましては、試行錯誤を、有識者その他について検討されておられるようでございますので、まだ私の口からこういう意見ということは申すことを差し控えさせていただきたいと思います。
#53
○合馬敬君 終わります。
#54
○委員長(井上吉夫君) 以上で合馬敬君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、北村哲男君の質疑を行います。北村君。
#55
○北村哲男君 私は社会党の北村哲男でございます。
 冒頭、若干申し上げたいと思いますが、大変残念なことながら、昨今、公共事業の発注、受注をめぐるいわゆるゼネコン疑惑の暗雲が国民の頭上を覆っております。国民の血税で賄われて国民の福祉の向上に役立つべき公共事業が、中央、地方の政治、行政と建設業者との金まみれあるいは欲まみれの関係の中で執行されていることが白日のもとにさらされ、国民の政治不信、行政不信はそのきわみに達していると思います。
 特に、本日おいでになった廣瀬参考人も関与されておられた埼玉土曜会をめぐっては、二十七年ぶりに前建設大臣の現職代議士が国会開会中に逮捕、起訴されるという事態が起こっております。しかも、企業活動の番人である公正取引委員会をも巻き込んだ事件ということで、このことをとても残念がる国民の歯ぎしりが聞こえているような気がいたします。
 このような状況の中で、私どもは、全力を尽くして公共事業費の執行を公明正大なものとし、政治と行政に関する国民の信頼を回復する責務を負わされているわけであります。本日、廣瀬参考人におかれましては私どものこのような気持ちを理解され、困難なお立場にあるにもかかわらず本委員会に出席していただき、私としては感謝しております。
 つきましては、私たち国会の場にいる者がいわゆるゼネコン疑惑についてその真相の一端に触れ、疑惑防止策の樹立に努め、国民の信頼にこたえることができるよう、そのお立場を超えて御協力をいただくことをお願いしたいと存じます。
 そこで、若干の質問をしたいと思います。
 今いろいろとさきの委員の方の質問で答えられて重複することもあると思いますけれども、少し順序立てて聞いていきたいと思うんです。まず参考人の御経歴でありますが、当時この事件が起こったときには鹿島埼玉営業所の副所長というふうに言われておりますけれども、参考人は埼玉にいつどういう資格で転勤されたかということについてお伺いしたいと思います。
#56
○参考人(廣瀬透君) 資料が手元にないものでございますので、ちょっと記憶でお答えいたします。
 昭和六十一年だと思いますが、埼玉土木営業所の副所長として転勤してまいりました。昭和六十三年に前任者の定年退職によりまして埼玉土木営業所長になってございます。同年だと思いましたが、土木と建築との合併によりまして埼玉営業所の副所長となりました。
 以上でございます。
#57
○北村哲男君 ちょっと言葉がはっきりしなかったんですが、所長をされて、その後、副所長になられたというふうな形なんでしょうか。
#58
○参考人(廣瀬透君) 埼玉土木営業所、埼玉建築営業所と二つございまして、土木と建築が合併して埼玉営業所となりましたので、建築側が所長、土木が副所長と、こういうことでございます。
#59
○北村哲男君 今はどういう仕事を、あるいはこの事件があった後、現在どういう仕事をしておられるか、お伺いします。
#60
○参考人(廣瀬透君) 現在は、定年を迎えまして、関東支店に参与として在籍してございます。
#61
○北村哲男君 当時、この土曜会事件が起こったときに副営業所長ということなんですけれども、六十六社を束ねる大きな組織の会長が副営業所長というのは何か理由があるんでしょうか。
#62
○参考人(廣瀬透君) 会社の組織が合併しましたので、それで建築の所長の方が私より上席でしたので、建築が所長になり私が副所長になったと、こう私は解釈しております。
#63
○北村哲男君 埼玉土曜会の会長は、そうすると代々営業所長さんがやっておられたんでしょうか。
#64
○参考人(廣瀬透君) 埼玉土木営業所の所長が選出によって会長をやっておりました。
#65
○北村哲男君 私が聞きたいのは、いわゆる業務屋さんという言葉があります。これは、この山本さんの「談合悪のからくり」という本を見ますと、「業務屋は、ゼネコンにはなくてならない機能職ですが、汚れ役であるから、正式な社員でなく、嘱託という形が多いようです。業務屋の肩書は各社によって違いますが、営業部長補佐、副支社長、社長付きといった名刺が多く使われます。」と言っておりますが、特に「副」ということは、あなたの会社の一番トップの清山信二さん、これは副社長であって、いわゆる業務屋と世間で言われておるんですけれども、あなたもそういう意味では埼玉における業務屋さんの立場にあったのではないかというふうなことについてはいかがなんでしょうか。
#66
○参考人(廣瀬透君) 会社の組織上、副という立場になってございますので、あえて議員今御指摘の、例示された副というニュアンスのものとは全く違います。
 それからさらに、私は業務屋でございません。土木屋でございますので、技術屋でございます。
#67
○北村哲男君 失礼しました。
 それでは、埼玉土曜会は代々鹿島建設の方が会長を務めてこられたということは、これはどういうわけなんでしょうか。
#68
○参考人(廣瀬透君) 私の前のことについては、会の古い連中から聞いた話でございますが、会長というのは選挙で選ばれますので、勢い当社がずっと引き続いて会長職をやっていたということでございます。
#69
○北村哲男君 そうすると、たまたま代々――相当、昭和四十七年ぐらいから続いておるわけですね。それはたまたま鹿島がずっと続いたというふうなことなんですか。あるいは鹿島が埼玉においては特定の地位があった、そういうことから来ているんでしょうか。
#70
○参考人(廣瀬透君) 私が会長になる前は、ちょっと不的確でございますが、聞いたところによりますと、選挙であくまでも会長になってきたということを聞いております。
#71
○北村哲男君 まあ、その辺はそういうことに聞いておきます。
 ところで、先ほどから参考人は、独禁法違反であるということで、談合であるというふうなことは認めておられないような言い方なんですけれども、私どもはあなた方が行った独禁法違反はすなわち談合であるというふうに理解しているんですけれども、その辺は認識の違いがあるんですか。
#72
○参考人(廣瀬透君) 私は独禁法違反という認識を持っております。
#73
○北村哲男君 それでは、もうちょっと具体的に聞きましょう。
 あなた方の行為、埼玉土曜会の行為については、公取で勧告を受け、鹿島本社はその勧告をそのまま受け入れて、すなわち応諾された、その結果、審決が下されたということは、先ほどのお話でもそのとおりでございますけれども、その中で、あなた方が事実上調査を受けて、あるいは取り調べを受け、そして受けた結果、公正取引委員会が認定した事実があります。その事実についてもあなたの会社はそのまま受け入れておられるんですけれども、その内容について一つ一つ伺っていきますけれども、そういうことを認められればすなわち談合であって、あなたの言いわけがちょっとその辺はだんだん一つになってくると思うんですけれども、一つお伺いしますけれども、今から申します。
 まず、審決によりますと、六十六社は、先ほど言われた親睦と情報交換ということはもちろんであるけれども、受注活動の円滑に資することを目的としてつくられている団体であるというふうに認定しておりますけれども、それは認められますか。
#74
○参考人(廣瀬透君) 土曜会はあくまでも親睦団体であったのでございますが、そこに加入している六十六社というのが県外の業者でございまして、土曜会を使うと連絡その他については非常によかったものですから、勢いその土曜会組織を利用したというふうに私は理解しております。
#75
○北村哲男君 いいですか、土木一式工事の受注活動の円滑化に資することを目的とした団体がどうか、その点を答えてください。
#76
○参考人(廣瀬透君) まことに申しわけございません。今質問の趣旨をちょっと履き違えているようで、もう一度お願いいたします。
#77
○北村哲男君 埼玉土曜会はどういう性格のものがということについて、一つは親睦団体であることはわかりました。しかし、もう一つの目的は、土木一式工事の受注活動の円滑化に資することを目的とする団体であるというふうに公正取引委員会は認定し、あなたの会社はそれを応諾しておられますけれども、あなたの認識はそうではないとおっしゃるのかそうであるとおっしゃるのか、その点を言っていただきたいと思います。
#78
○参考人(廣瀬透君) ちょっとこの点につきましては、私ども市民団体からの告訴も受けておりまして、明確な返答を差し控えさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#79
○北村哲男君 私が申しているのは、これはあなたの会社が既に認めておられる、公取は勧告をして、それを聞かれなければいいんですけれども、はい、そのとおりでございますと言うことによって審決が行われる、そういう中身を聞いているんですから、会社自体は認めているのにあなたの認識が違うとなるとちょっとまた会社の人に正確に聞かなくちゃならぬことも起こってきますので、やっぱり土曜会の会長であられたというお立場を自覚されてその辺はお答え願いたい。もちろん刑事事件に関係することを拒否されるのは構いませんけれども。
 それじゃ、もう少し聞いていきましょう。今の点についてははっきり申されなかった。では、こういうふうに言っています。
 埼玉土曜会は、埼玉県が指名競争入札の方法により発注する土木一式工事の受注価格の低落防止を図るために、土曜会会員は自社が受注を希望するものについて、あらかじめ工事ごとに工事箇所、工事名、自社名、近隣の自社の工事実績等を記載したPRチラシと称する書面を作成し、土曜会に提出していた、ということを公取は認定しております。この事実はあったんでしょうか。
#80
○参考人(廣瀬透君) 御指摘のPRチラシにつきましては、県外業者、集めたことは事実でございます。ただし、先ほど御返事申し上げましたように、開封してございませんのでその内容については私はわかりません。
 以上です。
#81
○北村哲男君 PRチラシについてはわからないとおっしゃっても、意味はおわかりだと思います。
 あなたはこの審決に先立ちあなた自身も取り調べを受けておられますけれども、あなたの調書を見ますと、そこには「各社は、埼玉土曜会に入会するに際しては、埼玉土曜会に入れば、指名ももらえる、入札ももらえる、PRチラシも用いている、救済も受けられる等のことは、推せん者等にあらかじめ聞いて知って入ってくると思います。」というふうにはっきり答えておられるんですよね。
 そうすると、その意味、今のことをあえて私は知りませんとおっしゃっても、ここではPRチラシを利用して入ってくるんだということをあなた自身言っておられるんだけれども、何かこだわられる理由があるんですか。
#82
○参考人(廣瀬透君) 厳封されている中のPRチラシについてはわかりません。ただし、実際にそれと同じものと思われるものは私のところへ来て、いろいろ営業活動の中で、私とか理事会社に説明に来ております。それについてはわかります。
#83
○北村哲男君 PRチラシということは既に証拠にも出ておるようですから、またそれはそれとしておくとしまして、もう一つ、談合の中身について聞きたいと思います。
 土曜会の会員は、複数指名して指名競争入札の方法をとる場合に、あらかじめ受注を希望する会員の中から受注すべき者を決定していたというふうな認定をされておりますけれども、そういう事実はありましたか。あっなかなかったかでいいです。
#84
○参考人(廣瀬透君) なかったと思います。
#85
○北村哲男君 そうすると、これは会社本社の認識、本社がありましたということで認諾したということとあなたの認識は違うと。土曜会の会長さんは、そんなことはなかったとおっしゃると、そういうふうに聞いてよろしいわけですね。
#86
○参考人(廣瀬透君) この点につきましても、民事裁判ございますので、ひとつ細かい返答については差し控えさしていただきたいと思います。
#87
○北村哲男君 それは限界もあるかと思いますが、結構でございます。
 それでは、もう一つ確かめたいと思います。
 土曜会会員は、受注予定者の決定に際して、点呼もしくは研究会と称する会合を開催して、または受注を希望する会員の間で会合を開催するなどして話し合いを行っていた。こういう事実はありましたか。どうでしょうか。
#88
○参考人(廣瀬透君) 予備指名の際、JV組み合わせということがございますので、その場合は一堂に会して話し合いをしたことはございます。
#89
○北村哲男君 その点の認識も違うようですが、もう一つ。
 土曜会会員は、受注予定者の決定に当たっては、PRチラシの提出の有無、提出の時期及び記載内容の正確度、当該工事に関連する過去の工事実績等の要素を勘案していたということを言っておりますけれども、先ほどからのPRチラシは見ていないとかいうあなたのそういう話と随分違うようです。そうすると、これは一体どういうことで公正取引委員会はこういう認定をしたのだろうか。それで、事実でもないのにあなたの会社はそれを認めたのかという疑問が生ずるんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#90
○参考人(廣瀬透君) PRチラシの私の解釈は、その社の営業の熱意と営業の環境、これらを他の業者にPRするためのものと、こういうふうに私は解釈しております。これによって受注できたかできないかということはなかったと私は解釈してございます。
#91
○北村哲男君 それでは、最後にもう一つなんですが、指名を受けた土曜会会員は、入札価格を相互に連絡することによって受注予定者が受注できるよう協力する、そういう旨の合意のもとにあらかじめ受注予定者を決定し受注予定者が受注できるようにしていたというふうに認定をしておりますけれども、その点についてもあなたの認識と違うんでしょうか。
#92
○参考人(廣瀬透君) 再三申し上げますが、まことに申しわけございません。この点につきましても、自後の公判その他がございますので答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
#93
○北村哲男君 私どもは、一応あなた方の会社が今の事実を認められたということをもって、これは世間的にはそれなりにおさまったと思っておるし、認められていると思っておるわけですよね。そして、先ほどあなたは独禁法違反であるけれども談合でないというふうに言われたけれども、こういう事実をもって公取は独禁法違反、すなわち談合として認めたということなんですよね。しかも、課徴金まで払っておるということとあなたの認識がそんなに違っておると、この審決自体の信急性というか、正しいかどうかということも非常に問題になってくるわけですよ。
 その点についての御感想というか、あなたの立場としては会社が勝手にやったとおっしゃるわけですか、本社が勝手に事実でもないことを認めてしまった、だから私は不満である、そういうふうなお考えなんですか。あるいは、先ほどから独禁法違反については謹んでお受けしますと言われましたが、それはこういう内容をお受けしたんじゃありませんか。その辺はどっちなんでしょうか。
#94
○参考人(廣瀬透君) 私の解釈は、談合というのは刑法上の談合違反というふうに解釈しておりまして、今御指摘のものは独禁法違反というふうに私は解釈しております。
#95
○北村哲男君 わかりました。いや、あなたがなぜそうこだわっているのかわかりませんが、確かにそうです。これはまだ刑事違反までは立ち入っていません。しかし、通常はこのことを談合談合と言っておると私は思うんですが、まあ結構でしょ一つ。
 それは今までの事実をお認めになったということでも一つ一つ聞いてみるとあなたは非常に微妙な判断の違いを示しておられますが、その点については、最初に総論的に独禁法違反については謹んでお受けするというふうにおっしゃった認識、それは事実として今まで言ったことを大筋で認めていくというふうな立場なのか、あるいは随分違うのか、そういう質問についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#96
○参考人(廣瀬透君) 公正取引委員会の御指摘ありました独禁法違反については謙虚に受けとめてございます。
 以上です。
#97
○北村哲男君 というと、先ほどから多少ニュアンスの違うことを言われましたけれども、今言った事実はあなたがお認めになったというふうに私は理解いたします。
 ところで、参考人は、平成三年五月二十七日と十月十五日に土曜会が独禁法違反で強制調査を受けておりますが、その場合、単なる独禁法違反でなくていわゆる行政処分の域を越えて刑事告発を受けるんではないかという危惧は持たれたんですか、持たれなかったんですか、その調査を受けた時点で。
#98
○参考人(廣瀬透君) 調査を受けた時点では持っておりませんでした。
#99
○北村哲男君 そうすると、その後、公取の判断であなた方の行った行為が独禁法違反であるというふうに認定された時点、それが刑事告発されそうになる、されるというふうなこと、このことについてはどのあたりでその認識を受けたんでしょうか。
#100
○参考人(廣瀬透君) 告発の認識を持ちましたのは新聞記事、特にラップ問題で告発があった時期だと記憶しております。
#101
○北村哲男君 そうなると、十一月ごろですよね。
 先ほど、あなたは、清山信二さんとは一回も会ったことがないというふうに言われましたね。あの清山副社長ですね。と言われました、たしか。
 そのころの報道によりますと、これは平成六年三月五日の朝日新聞なんですが、立入検査から約二カ月後の七月の中旬ごろのことで、清山前副社長が招集したとされる対策会議が本社で行われたと。その会議には「関係する幹部が出席、埼玉土曜会会長だった埼玉営業所幹部を呼び、同会の活動実態の説明を求めた。さらに、公取委に押収された書類などの内容を検討、事情聴取を受けるに当たっての対策も協議したという。」という報道がなされております。
 この中の埼玉営業所の幹部というのは当然あなたを指していると思うんですけれども、七月中旬のころに本社に呼ばれ、事情説明したことはありませんか。
#102
○参考人(廣瀬透君) 本社で行います対策会議というのには、私の社内的地位では出席はできません。ただ、公取が入った後、土曜会活動について説明を求められましたので、それは説明をしてございます。
 なお、清山信二副社長とは全然面識がないわけではありません。事件以前は、いろいろ営業所長時代に社員の昇格、そういうところについては、筆頭副社長でございますので、お願いに行っておりますので面識はございます。
#103
○北村哲男君 面識があるにしても、この件に関しては会ったことがないというお話だったと思うんですけれども、ただ、考えてみると清山さんは今もう刑事告訴されているわけなんですが、それも土曜会の事件で、まあ言葉は悪いんですけれども、それをもみ消すというか、刑事告訴をさせないために働きかけた、そのことがいわゆる贈賄罪に当たりかけ、それにお金を使ったことが贈賄という疑いをかけられているんです。ですから、当然あなたから直接どういうことがあったか、どういう調べを受けたかを聞かない限りは、そういう対策はとれない。
 しかも、この新聞によると、これから事情聴取を受けるであろうあなたについての対策の会議もしたというふうに言われているんですけれども、それをお会いにならないという言葉は非常に不自然なんです。それじゃ、それから清山さんがどなたかの政治家のところへ行ってあの事件を消してくれというふうに頼む、その内容がわからないんですよね。
 ですから、とても不自然に聞こえるんですけれども、本当に清山さんに対してあなたはこうこうこうあったということを説明されなかったんですか。
#104
○参考人(廣瀬透君) 社内的には副社長からしかられる立場でもありますけれども、副社長にこうこうもみ消しをお願いしてくれというような立場では決してございません。
 土曜会の活動については説明を求められまして、その席には顧問弁護士先生とか法務部とか法務部長、これらの関係者の前で説明はしております。
#105
○北村哲男君 このあたりで関連の質問を種田委員に許していただきたいと思います。
#106
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。種田誠君。
#107
○種田誠君 今話を伺っていまして、まず重要なのは、平成四年の五月十五日に公正取引委員会から勧告がなされ、それを鹿島さんを含め六十六社はすべて事実を認めて、その結果、六月三日には審決がなされているわけであります。
 したがって、先ほどの北村委員の質問にあったように、あなたの答えにあったようにこれらの事実が全く異なるんだということになりますと、公取の審決というのは間違いであった、こういうことになってしまうんですが、その点はあなたはどうお考えでありますか。
#108
○参考人(廣瀬透君) 公正取引委員会の独禁法違反についての御指摘については、謙虚に私も受けとめてございます。
#109
○種田誠君 ということは、審決に書いてある事実については、これが独禁法違反になる事実として現に存在していたということは認めるということですね。
#110
○参考人(廣瀬透君) その件につきましては、まことに申しわけございませんが、今後の公判等もございますので返事を差し控えさしていただきたいと思います。
#111
○種田誠君 事実を事実として存在しているかどうかということを聞いているのであって、あなたの犯罪に関してどうこうということではないということを、まず頭に置いてください。
 それからもう一つ、あなたはかって平成三年の十二月五日、それから平成三年の十二月六日、公正取引委員会事務局審査部において調査を受けておると思います。そこで供述調書をつくっていると思いますが、そのことに記憶ありますか。
#112
○参考人(廣瀬透君) 日にちについてははっきりお答えできませんが、公正取引委員会で事情聴取を受けたことはございます。
#113
○種田誠君 そうしますと、その二日間にわたってつくられた調書にはあなたは真実を述べておりますか。
#114
○参考人(廣瀬透君) 供述調書の内容につきましては、私の必ずしも意のままの供述調書にはなってないと思います。
 以上です。
   〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕
#115
○種田誠君 そうなってきますと、私たちは、埼玉土曜会というのが独禁法第三条の公正な取引を妨げるということで公正取引委員会の調査や審決を出し排除をしてきたということが何であったのかわからなくなってしまうんですけれども、少なくともあなた自身が述べられてきたことが私どもは事実として存在するということを前提にして今までの措置がなされたと思うんですが、今のあなたの話だとそれらが全部崩れてしまうんですが、あなたはそのことに関してはどういうようなお考えを持ちますか。
#116
○参考人(廣瀬透君) 供述調書の内容につきましては、再度申し上げますが、必ずしも的確な供述書でないというふうに御理解いただきたいと思います。
#117
○種田誠君 調書には、もちろんあなたの署名もあるし、判も押して訂正印も何カ所か押されながらつくられているわけです。したがって、今の言葉に関しては余りにも国会の質疑を軽視していると、そう私は言わざるを得ないわけなんですけれども、いずれにしろこの調書の大半は事実あなたが語ったことだろうと思います。そうしますと、先ほど来あなたは答えを明確にしておりませんけれども、審決に当たって認定された事実というのは確かに存在したと、こういうことになるだろうと思うんですね。
   〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕
 そうしますと、それが独禁法違反に当たるということはあなたも先ほど来認めているようでありますけれども、問題はこれが刑事事件としての談合罪に当たるかどうかということになりますと、刑事事件の構成要件、問題は刑法の九十六条、公正な価格を害し、または不正な利益を得る目的をもって話し合いをしたということになりますと、これは談合罪になるんですが、埼玉土曜会というのはこういう役割を果たしたというふうにあなたは思っておりませんか。
#118
○参考人(廣瀬透君) ちょっと法律、私詳しくわかりませんのでお答えしにくいんでございますが、いわゆる今のような談合罪に道合するようなことについては県外業者としてはやってなかったと、こう認識しております。
#119
○種田誠君 あなたは積極的に認識していなくても、あらかじめ受注予定者を決定し受注予定者が受注できるようにしていた、過去の工事実績等の要素を勘案してこの受注予定者の決定をした、いわゆるPRチラシをつくって、また救済措置なども考えて行ってきた。こういうことになると、当然公正な価格を害してしまう。その結果、国民の税金などをいわゆるむだと言われるような形で使ってしまう、まさに公共事業がゆがめられてしまう、こういうことになってしまうんですけれども、あなた自身はそういうことまで考えておりませんでしたか。
#120
○参考人(廣瀬透君) 税金のむだ遣いになるようなふうには考えてございませんでしたし、我々の行っていた行為はある程度ガイドラインにのっとってやっておったという認識でございます。
#121
○種田誠君 私の方は終わります。
#122
○委員長(井上吉夫君) 時間です。
#123
○北村哲男君 それでは、最後に一点だけなんですけれども、参考人は、土曜会の会長をしておられたことで世間の注目を浴びて、事件以来マスコミに追い回され、個人的にはあるいは御家庭的には大変迷惑をこうむったと言われ、今日ここにお出になることを非常にちゅうちょされたということであります。
 しかし、私どもの目的も、これはもちろんそういう個人的なものについて迷惑を与えるということについては厳に慎まなくちゃならないと思っておりますけれども、しかし一面、再び同じことを起こさぬよう原因を究明しきちっとした対処をする、そして公共事業という国民の税金を使った事業が適正に行われるということを目指してこうして言っているわけですけれども、その点について。
 この二点について、最後にあなたに御意見を伺いたいと思います。
#124
○参考人(廣瀬透君) マスコミの取材につきましては、私の住んでおる近所の御迷惑も考えていただきたかったのと、それから私自身の立場も考えていただきたかった、こういうふうに思っております。
 なお、二番目の問題でございますが、先ほど来申し上げておりますように、謙虚に受けとめまして、社内の通達その他厳守いたしまして今後とも世間をお騒がせするようなことのないように鋭意努力したい、こう考えております。
 以上でございます。
#125
○北村哲男君 終わります。ありがとうございました。
#126
○委員長(井上吉夫君) 以上で北村君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、林寛子君の質疑を行います。林君。
#127
○林寛子君 廣瀬参考人におかれましては大変種々の御事情、今おっしゃったような個人的な御事情もおありの中を当委員会に参考人として御出席いただいたことに、理事の一人として心から御礼申し上げたいと思います。
 また、私もきようここで先ほどから各委員の質問にお答えになっているのを拝見いたしまして、重なる部分はなるべく避けたいと思いますけれども、参考人のお言葉の中にまだ重ねてお伺いしたい点もございますので、その点はよろしくお願い申し上げたいと思います。
 談合という言葉を一度も参考人はお使いになりませんでした。そして、談合ではないと言い切られました。
 私は談合というものを余り詳しくない素人でございますので広辞苑を引かしていただきました。談合というものは、「話し合うこと。談じ合うこと。」。当たり前のことで、これはごくいいことでございます。また、談合といいますのも、やはり円滑に世の中の商売をしていくという上には欠くべからざるものであるということであれば、業者にとってはこれはあるいはいいことであるかもしれません。
 また、談合という言葉を否定されましたけれども、とにかく材料を集めましょうと思いますと、とにかくマスコミも含めまして山ほどあるんですね。そして、県の首長談合汚職で逮捕、A社の落札は談合、談合体質こそが問題、談合と汚職を一緒にしてしまって報道していることもございます。けれども、これだけマスコミすべてに談合という言葉が出てまいりますけれども、談合という言葉自体はお認めになりますか。
#128
○参考人(廣瀬透君) 御高説を受けまして、談合という言葉については認めます。
#129
○林寛子君 もう一度。ちょっとはっきり聞こえません、もう一度。恐縮です。
#130
○参考人(廣瀬透君) 談合という言葉については認めます。
#131
○林寛子君 談合という言葉があるということはお認めになった。広辞苑にも載っている日本語でございますから、私はそのとおりだろうと思います。
 ただ、談合ということすべてが悪いことであるという先入意識があるから、参考人は自分たちのやったことは談合ではない談合ではないとおっしゃるんですけれども、私が引きました広辞苑には、談合は「話し合うこと。」というのですから、当初の土曜会というものを設立された中に親睦で話し合うということですから、これは談合という言葉を私は使ってもいいんではないかと思いますけれども、もう一度お伺いします。
#132
○参考人(廣瀬透君) 御指摘のいい意味の談合というんでしたら、私もいいんじゃないかと、こう思います。
#133
○林寛子君 大変不謹慎と思われるかもしれませんけれども、ちょっと失礼します。
 「トントントンガラリと土曜会 あれこれご苦労研究会 希望のある方 手を挙げて まとめられたり まとめたり」と、こういう替え歌、御記憶にありますか。
#134
○参考人(廣瀬透君) 私が埼玉にいた時代はありませんでした。これは、公正取引委員会で立入検査後、そういうものがあるということを認識いたしました。
#135
○林寛子君 参考人は埼玉に何年からいらっしゃるか、もう一度お知らせください。
#136
○参考人(廣瀬透君) 多分昭和の、先ほどとちょっと答えが違うかもしれませんが、六十一年だと記憶してございます。
#137
○林寛子君 私が替え歌を参議院で言って不謹慎だと思われるかもわかりませんけれども、これは参考人が六十一年から埼玉と今おっしゃいましたが、昭和六十二年の埼玉土曜会十五周年記念誌に堂々とこれが載っているわけでございます。そして、その記念誌の中では、草創期という説明のくだりがあるんですけれども、「会の目的の話が行われた。その主旨は、業界調整は本会で行う」と言い切っているんですね。公共事業を受注する業界で、「調整」、「話し合い」、これはすべて談合を意味することなんです。私が広辞苑を引いたとおりなんです。これが堂々と土曜会の十五周年記念の記念誌の中にあるということは、今、御記憶、思い出していただけますでしょうか。
#138
○参考人(廣瀬透君) 十五周年記念誌というのは私が会長になる前に出ておりまして、土曜会ではそれは正会員にしか配られておりません。私はその会誌は目を通しておりません。
#139
○林寛子君 参考人、それは会長になるまで土曜会には一切タッチしていらっしゃらなかったんでしょうか。
#140
○参考人(廣瀬透君) 昭和六十二年に副会員として登録されました。
 以上です。
#141
○林寛子君 それでは、どっちにしましても土曜会の会長になられたら土曜会自体の歴史というものを否定されるものではありませんね、念のため。
#142
○参考人(廣瀬透君) 三年間の土曜会生活でございまして、私以前を否定するか否定しないかという御質問なんですが、否定もしなきゃ肯定もしない、いわゆる私以前についてはさほど関心がなかったと、こうお答えさせていただきます。
#143
○林寛子君 私、参考人は大変実力のある方だと伺っておりますし、そういう方が会長になるには会長になられる資格をお持ちだからこそ選挙で選ばれた方だと、私はある意味では御尊敬申し上げております。その方が自分が会長になる会の歴史も認めないような、認めても認めないようなというあいまいな、なぜそんな実力者の方が土曜会の会長になるのか。それでは会長を御辞退なさればよかったのになという危惧の念を今ちょっと持ちましたので、念のために。
 それでは、時間がございませんのでもう少し。
 官民懇という言葉、どう御解釈なさいますか。
#144
○参考人(廣瀬透君) 官は、何と申しましょうか、(「官僚」と呼ぶ者あり)官は官僚です。民は我々民間。コンというのはどういう字をお書きになるのですか。
#145
○林寛子君 わからない……。官民懇というのは、今おっしゃったように文字どおり官民でございますので官と民。コンという字がわからないとおっしゃる。懇談会の懇でございまして、難しいことでも何でもございません。
 実は、土曜会が官民懇という懇談会、官と民の懇談会をずっと持っていらしたんですね。これは公取に書類を押収されました中にもこの書類がたくさんございまして、その中に土曜会の六月の例会という文書のメモの中に「官民懇 8月上旬県幹部、土曜会役員、技委」とあるんですね。こういうメモがたくさんございまして、それでおかしいということで、談合事件の摘発後、埼玉県の県議会でこれは調べよう、県みずからも調べようということになりまして、埼玉県の県会の企画財政総務委員会が土曜会について調査をいたしました。報告書が出ております。
 その委員会の調査で、土曜会の幹部が毎年、新年のあいさつで知事、副知事を訪問、住宅都市部長や県部長を囲んでの官民懇談会の開催。この年月日は多過ぎますので省略します。
 それから、土曜会の会長名で県に要望書も提出しております。また同時に、希望工事を出し合う土曜会のPRチラシ、先ほどおっしゃったチラシですね、それは希望工区表というものだそうで、自分の工事をしたい工区を表にして提出する、それがいわゆるPRチラシです。その制度は県から工事情報が流されないとできないというような指摘もされているんです。
 また、委員長の報告で、官民懇に出席したとされる当時の住宅都市部長が、県建設業協会最高幹部の経営する建設会社に天下りし、現在副社長に就任していることを見ても、発注者・県と業界の関係はきれいだとは言えないだろうという埼玉県議会の委員長報告もあるわけですね。
 ですから私は、あなたがおっしゃるように、すべて自分は談合というものを認めないでしてきたとおっしゃいますけれども、談合という言葉がすべて汚いとあなた自身が思っていらっしゃるから先ほどから否定なすったんだろうと私は思いますけれども、もう一度、談合だとは思っていらっしゃいませんか。
#146
○参考人(廣瀬透君) 思っておりません。
#147
○林寛子君 今私が申しましたように、情報が流れていなければ談合も成立しない、いわゆる談合、悪ですけれども、その情報をとり得る手段はどういう手段があると思われますか。それは、今まで話し合いの中で、こういう予想価格だろうなというような単純な予想はできないと思うんです。想像でもある枠があると思うんですけれども、どういう方法で話し合いに入られましたか。
#148
○参考人(廣瀬透君) 御質問、もう少し具体例を挙げてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#149
○林寛子君 具体例を挙げてくださいとおっしゃいましたので、では申し上げます。
 工事の予定発注価格はどのように知り得るのか、私は今そういう質問をいたしました。けれども、事例を挙げろとおっしゃいますので、あえて事例を挙げさせていただきます。
 工事の予定発注価格、工事の発注担当者から暗号で情報を得るんです。その暗号とは、例えば工事発注者が「上司の××は、八月二十五日の午前九時五十分発のひかりで大阪に出張し、帰ってくるのは翌日の午後三時の予定。」という数字の入ったコメントをもらうんです。そうしますと、それは予定価格は八十二億五千万円から九十五億円で、予備費は三億円、帰ってくる翌日の三時というのは予備費の三億円、こういうふうに解読されるんですけれども、全くそういう手口については聞いたことも見たこともないでしょうか。
#150
○参考人(廣瀬透君) 御指摘の暗号その他については全くわかりません。聞いたこともございません。
#151
○林寛子君 わかりました。
 それでは、先ほどから土曜会というものを六十六社で結成し、私が冒頭に申しましたように談合によってお互いの工事をお互いの身分を守り、そして公平を期すという意味で土曜会を結成されたということであれば、情報交換のために私はこれに近いことがあっても不思議ではないと思うんですけれども、そういう金額の話は土曜会では一切ないんでしょうか。
#152
○参考人(廣瀬透君) 今おっしゃられたのは入札時の価格ということでございましょうか。
#153
○林寛子君 はい。
#154
○参考人(廣瀬透君) 入札時の価格についてはございません。入札時の予定価格については我々は知りません。
#155
○林寛子君 それではだんだんおかしくなってきまして、これだけマスコミに言われております土曜会がなぜ解散しなきゃいけなかったのか。金額も何にも相談したこともない、そして談合悪はしていない。それであれば解散する必要もないし、公取に……(「十億も払うことはない」と呼ぶ者あり)そうです。十億も払うことはない。そしてこの場所に参考人がおいでいただくこともなかったんです。
 今までの土曜会に関しては談合悪というものを一切認めないというお立場ですか。
#156
○参考人(廣瀬透君) 土曜会というのは親睦団体でございまして、県外業者六十六社が今御指摘に近いような行為をしていたということだと思います。特に土曜会ということで問題になっておりますので、世間をお騒がせしたり疑惑を持たれるということはよくないことであるということで土曜会を解散いたしました。
#157
○林寛子君 私はいけないことだとばかり言っているわけではなくて、参考人の貴重な経験の中から今後こういう疑惑を起こさないための当委員会の貴重な審議なんです。ですから、私は真実を申していただきたいとお願いしたんです。
 ある幹部が談合がなければ倒産すると堂々と談話を発表しているんです。今のこういう業界、皆さんの業界の中で本当に談合がなければ倒産するんだろうか。倒産するのであれば、それを参考人の貴重な経験でどう今後それを発展させていけばいいのかという前向きな御検討、お答えをいただきたいために私は質問に立ったわけですけれども、こういうことで二度と世間を騒がせないようにとおっしゃる前向きな御答弁が何も得られなかったということは大変残念ですけれども、今後私はあらゆる段階で参考人の貴重な御意見を業界に役立てるようにぜひ御努力いただきたいということで、きょうおいでいただいたことに御礼申し上げながら、残念ですけれども、時間でございますので失礼します。
 ありがとうございました。
#158
○委員長(井上吉夫君) 以上で林君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木君。
#159
○荒木清寛君 公明党・国民会議の荒木清寛でございます。
 きょうは、我が委員会の調査に御協力をいただきまして、ありがとうございます。
 先ほどもありましたけれども、我々は決してその個々の責任を追及する場としてきょうを設けたわけではございませんで、ゼネコン汚職あるいは業界による不当な取引制限、そういったものを根絶していこう、そういう趣旨でやっておるわけでございます。しかしながら、先ほど来の参考人の御発言を聞いておりますと、参考人は、埼玉営業所の副所長、また現在も関東支店の参与という重責にあるわけでございますけれども、そういう方の御発言として伺いますと、本当にこの業界が真摯に反省をしているんだろうか、そういう懸念を私は強く持つわけでございます。
 そこで、まずお聞きいたしますけれども、埼玉土曜会におきましては、昭和六十三年、平成元年、平成二年、公取の独禁法違反対象のそういう行為を行いまして、六十六社が排除勧告、また課徴金の納付ということをしているわけでございます。
 この一連の経過を見ますと、あなたは埼玉土曜会の会長として、まあ刑法に言います談合になるかどうかは別としましても、業界による価格カルテルあるいは受注調整、そういった行為にかかわってきたというふうに思うわけでございますけれども、その点の御認識はいかがでございましょうか。
#160
○参考人(廣瀬透君) 今御指摘のカルテルその他の問題については、やったかどうかということでございますが、明確な回答につきましては、ちょっと今後のこともございますので、今後の裁判のこともございますので、明確な御返事を差し控えさせていただきたいと思います。
#161
○荒木清寛君 そうしますと、あなたは、埼玉土曜会の会長にあられた三年間全くみずからの行いは清廉潔白であった、そのように断言できますか。
#162
○参考人(廣瀬透君) 私としては、埼玉土曜会に対しては清廉潔白だと思います。さらに、県外業者六十六社ともどもやっていたことについては、とかくうわさに上るような行為については是正しなきゃいけないという考えは持っておりました。
#163
○荒木清寛君 そうしますと、埼玉土曜会におきましては六十六の土木各社が集まりましていろいろ協議をしておった、そのことが独禁法違反というふうに認定されたわけでございますけれども、その点につきましても悪いことをしたというそういう反省はないわけですか。
#164
○参考人(廣瀬透君) 埼玉土曜会としての活動については、これはあくまでも親睦団体でございましたので、別にないと思います。
#165
○荒木清寛君 そういうお言葉を聞きますと、まことに残念に思うわけでございます。
 あなたがこの土曜会の会長になりましたのは昭和六十三年でございますけれども、あなたが会長になってから、この会の運営システムが何か変わったということはございますか。
#166
○参考人(廣瀬透君) 会の運営については変わったことはございません。
#167
○荒木清寛君 この埼玉土曜会のように各土木業者あるいは建築業者、この場合には土木業者でございますけれども、各社が集まりましてこういったいろいろな親睦活動あるいは話し合い活動をしているというのは埼玉県に特有な現象なのか、それとも各地にこういった類似の組織はあるのか、あったのか、参考人の知っている範囲でお答えをいただきたいと思います。
#168
○参考人(廣瀬透君) 親睦団体があったかどうかについては、短い営業活動期間でございましたので認識してございません。
#169
○荒木清寛君 公取の方から排除勧告あるいは課徴金納付命令がございましたのが平成四年の五月また九月になりますけれども、その後あなたは社内におきまして何らかのそういう処分を受けたことがありますでしょうか、ありませんでしょうか。
#170
○参考人(廣瀬透君) 社内では処分というものを受けたことはございません。
#171
○荒木清寛君 そういういわゆる正式な処分でなくても、社長、副社長等の役員から、指導といいますか、反省するようにとか厳重注意ですとか、そういうこともございませんでしたでしょうか。
#172
○参考人(廣瀬透君) 今御指摘のことについては十分ございました。
#173
○荒木清寛君 あなたのお話ですと、私は清廉潔白であるということでございますから、そういうおしかりを受ける筋合いは一切ないように思うわけでありますが、どのようなことを行ったことに対して、これはまずい、反省するように、違法である、そういう指摘を受けたんでしょうか。
#174
○参考人(廣瀬透君) 世間をお騒がせしたことということでおしかりを受けたと記憶しております。
#175
○荒木清寛君 そうなりますと、単に報道によりまして会社の体面を傷つけたということだけのおしかりのように思いまして、会社自体としても、この埼玉土曜会に加わっていろいろやっておったそのことに対する反省が全くないように私は思うわけでございます。
 一般論としてお聞きいたしますけれども、建設業者は全国で五十二万業者もいるわけでございますけれども、これらの業者が生き残っていくためにはいわゆる受注調整が必要である、これは必要悪であるという声も業者の中からは出ているわけでございます。現に、全く勝手な言い分かどば思いますけれども、この前もニュースでやっておりましたけれども、ある業者が、こういった受注調整がないとたたき合いになる、そういうことをおっしゃっておりました。
 参考人の御認識をお聞きいたしますけれども、これはもう一般論として聞いていただければいいんですけれども、このように業者が話し合いをして取引制限をするあるいは受注調整をする、これは必要悪である、こういった認識につきましてはあなたはどう思いますでしょうか。
#176
○参考人(廣瀬透君) 一般論として申しますと、必要ないと思います。
#177
○荒木清寛君 繰り返しになりますけれども、参考人としても、先ほどの業者が必要悪であるといったような行為は一切行っていない、関与していない、そう断言できるわけですか。
#178
○参考人(廣瀬透君) 私としては、当時の法解釈で違反しなかったということで行動してございました。
#179
○荒木清寛君 先ほど来お話がありますけれども、そうしますと、独禁法違反として勧告を受けた、あるいは課徴金の納付を命ぜられた、そのことには内心非常に不本意である、不満である、そういう決定はおかしいというお気持ちがやはりあるわけですか。
#180
○参考人(廣瀬透君) 公正取引委員会の勧告等の御指摘に関しては、先ほど来申し上げておりますように謙虚に受けとめてございます。
#181
○委員長(井上吉夫君) もう少し語尾をはっきり言ってください。
#182
○荒木清寛君 もう時間もございませんが、今、建設省を中心としまして一般競争制度を導入するという動きが出ておりまして、各地域にも広がっております。あるいは指名競争制度につきましても、透明性を高めるためのいろんな努力がなされているわけでございます。
 これも建設省の調査によりますと、日本の公共工事というのはアメリカに比べましても三〇%高い、そういうデータもあるわけでございます。これがすべてこういった業者間による価格調整のために高くなっているということは言えないかとは思いますけれども、しかし、いろいろ入札制度の改善をし、競争をもっともっと自由にし、激しくしていけば、公共工事の価格も下がっていくのではないか、私はそう思うわけでございますけれども、この点につきまして最後に参考人の御見解を一般論としてお聞きして、終わりたいと思います。
#183
○参考人(廣瀬透君) 入札制度については、先ほど来申しましたように有識者その他で試行錯誤しましてございますので、それらを参考にしたい、こう考えでございます。
#184
○荒木清寛君 ありがとうございました。
#185
○委員長(井上吉夫君) 以上で荒木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。
#186
○上田耕一郎君 参考人、どうも御苦労さまです。
 公正取引委員会は、埼玉土曜会事件について平成三年の五月に立入調査をし、その際留置した文書に基づいて、その年の十二月から翌年一月にかけて、あなたを初め大林組、大成建設、熊谷組の幹部の供述調書をとっています。埼玉では住民裁判が起きまして、この供述調書の開示を要求し、昨年秋、浦和地裁で開示されました。私ここに全文を持ってきています。私はもう一月にこれを読んで、ノートもとりました。
 そこで、あなたにお伺いしたい。
 十二月五日のあなたの供述調書の最後にこう言われている。「複数の社が受注を希望する場合は、受注希望社が一社となるようにした上、その一社となった会社」、つまり本命ですな、「が落札できるように、合指名各社は入札価格でも間違いの生じないように協力して行ってきているわけです。このようなことは地元業者も行っていることです。」と。また、署名捺印があります。
 それから、大成建設埼玉営業所の押田副所長の供述の最後には熊谷組の関越支店で留置された文書、札、これが載っています。これ、入札価格連絡用紙、本命になっている社が全部に渡すわけですよ、一回から四回まで幾らにしてくれと、その文書まで載せている。これは事実ですか。
#187
○参考人(廣瀬透君) 私の供述書については、私の意のとおりでない供述もございます。その辺、返答につきましては、先生今御指摘の民事裁判もございますので明確な返答は避けさせていただきたいと思います。
 それから、大成建設の札云々という今の御指摘の問題については、私はこういう実務もしてもおりませんし、詳しいことについてはわかりません。
#188
○上田耕一郎君 あなたの十二月六日の供述、これも大変なんですね。
 公取は、平成二年の六月二十日に十七年ぶりに今後この問題を積極的に告発するという方針を決めた。平成二年六月二十日以後こういうことが続けて行われていれば、これは告発になるんですよ。
 あなたの十二月六日付の供述によりますと、平成三年の三月、つまり公取が決めた翌年ですが、三月の役員会で、これは文書が載っています。留置された文書には「PR図は従来通りとする」と、つまりPRチラシで今までどおりやるということを役員会で決めた。最後に「札は前日会員が会員に一対一で見せて相手が記録後に回収する」と。あなたはこの供述で、これまで渡しっ放しだったんだけれども、この三月の役員会で、渡しっ放しにしないで回収することを、メモして回収することを決めて、四月二十五日、月岡温泉での総会で全会員にそのことを知らせた、そう供述に書いてある。これも事実ですか。
#189
○参考人(廣瀬透君) それは私の供述書でございますか。
#190
○上田耕一郎君 そうです。あなたの供述。あなたの署名捺印がある。
#191
○参考人(廣瀬透君) その供述書については、ちょっと私記憶がございません。
#192
○上田耕一郎君 熊谷組の林欣司関越支店営業部長の供述、これは平成四年一月十六日。これおもしろいですよ。昭和五十七年か五十八年の静岡事件のとき独禁法違反を認識したと。その後、廣瀬会長が例会の席で公取さんのことを話され、書類等の保管にも注意するよう、外部に話さないようにということも言われておりましたと。
 ですから、あなたは独禁法違反だということを重々承知の上、会長としてずっとやっていたんですよ。いかがですか。
#193
○参考人(廣瀬透君) 私が申し上げたとすれば、独禁法違反をしないようにということで注意を促したかもしれません。
#194
○上田耕一郎君 もう時間が参りました。
 このPRチラシのやり方等々の詳しい供述が幾らでも出ているんです。しかし、私は、これは公取は告発しなかったけれども、埼玉土曜会として告発に値する違反をしていただけじゃなくて、会長としての廣瀬参考人の責任も極めて明白だと、告発に値するという証拠が無数にあるということを指摘したいと思うんですね。
 委員長、廣瀬参考人は、参考人としてきょうずっとお話をされましたけれども、やっぱりあいまいで事実もなかなかお認めにならない。そこで私は、このゼネコン疑惑という全国民が非常に大きな関心を持っている問題について、国権の最高機関としての国会が真相を明らかにするために、廣瀬透氏を証人として喚問することを要望したいと思います。
#195
○委員長(井上吉夫君) 理事会で協議します。
#196
○上田耕一郎君 どうもありがとうございました。
#197
○委員長(井上吉夫君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島君。
#198
○青島幸男君 私は、二院クラブの青島幸男でございます。
 早速お尋ね申し上げますけれども、建設業界で事業にかかわる場合に談合が行われるということはしばしば言われておりますけれども、新しい創意工夫だとか今までの実績だとか資力に基づいて意欲的に事業に参画するために入札を通じて参画をするということ、それはどの業者の方も真摯な態度でお感じになっていらっしゃるし、新しい創意工夫を実現するという意欲は仕事に携わっている方としては当然お持ちになってしかるべきだと思うんですが、発注する側にそういう意欲をそぐような何かネックがあるんではなかろうかというふうに私は感じますが、その点ほどのようにお考えになりますか。
#199
○参考人(廣瀬透君) 発注者側のことについては、御承知のように我々は請負業者でございますので、御返事を差し控えさせていただきたいと思います。
#200
○青島幸男君 私が考えますのは、新たな意欲に基づいて真摯な態度で入札に応じたにもかかわらず、合理的な理由が何も示されずに、天の声とか神の声とかいうようなことで理不尽に要求が踏みにじられる、参画が踏みにじられるというようなことがしばしば行われれば、それは新たな意欲を失って当然だと思いますし、むしろ話し合いの上で仕事がとれるならそっちに流れるということも理の当然のように感じるんですね。
 ですから、例えばA社が入ってB社、C社、D社が落とされたと。落とされた側に何ら合理的な理由が示されないままに流れてしまいますね。君のところが入札に落ちたのはこれこれこういう理由でだめになったということが明確にされるような事実がもしあれば、新たに業者の方々の意欲も増すのではないかというように考えますけれども、その点はどうお考えになりますか。
#201
○参考人(廣瀬透君) 今申し上げましたように、発注者側のことにつきましては私はちょっと返事を差し控えさせていただきたいと思います。
#202
○青島幸男君 御経験に基づいて何らかもう少し具体的なお話が承れるかと私は思って発言をしているわけですけれども。
 例えば、公取以外にそういう合理的な理由に基づいてA社は入りB社は落ちたということを明確に国民の前に披瀝するような機関がもしあれば、もうちょっと談合など行われずに、各業者の意欲が充足されて発展的にいくんではないかなという考えが私にあるから申し上げているわけです。
 もう一つお尋ねしますけれども、土曜会の有力なメンバーの一人としてお尋ねするんですが、選挙のときにある特定の候補者をこぞって応援しようではないかというようなお話し合いをされたことは一回でもありますか。
#203
○参考人(廣瀬透君) 選挙のことに関しては、我々できるだけ関知しないようにしてございます。
#204
○青島幸男君 もう何も御質問申し上げることはないと思います。
 そういう事柄が結びついて天の声になったり神の声になったり談合が行われたりということは、もう国民のどなたもがそう考えておる明白な事実だと思いますので、そのことを私は、的確にと申しますか、明確に指摘しまして質問を終わります。
 ありがとうございました。
#205
○委員長(井上吉夫君) 以上で青島君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 以上で廣瀬参考人に対する質疑は終了いたしました。
 廣瀬参考人には、長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。
 それでは、御退席くださって結構でございます。
 午後一時十分に再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十一分開会
#206
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査のうち、ゼネコン問題に関する件を議題とし、休憩前に引き続き、参考人の方々から御意見を賜ることといたします。
 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席をいただき、ありがとうございました。
 当予算委員会は、予算の執行全般にわたって審議する立場から、公共事業費の執行についても多大の関心を払ってまいりました。
 この点に関し、いわゆるゼネコン問題が国民の注視するところとなり、国会においても、事実を解明するとともに防止策を確立し、政治と行政に対する国民の信頼を回復することが急務であるとの観点から、本日、関係者各位に直接お話を伺うことといたしました。
 そこで、午後の前段は、公正取引委員会関係者として梅沢節男君に参考人として御出席いただくことになった次第であります。
 梅沢参考人にはどうか忌憚のないお話をお聞かせいただきたいと存じます。
 質疑に入るに先立ちまして、委員各位に申し上げます。
 本日は、申し合わせの時間内で参考人に対し質疑を行うのでありますから、不規則発言等議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。
 また、質疑時間が限られておりますので、参考人の答弁は要点を的確に簡潔にお願いいたします。
 それでは、これより梅沢参考人に対して質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。吉村剛太郎君。
#207
○吉村剛太郎君 自民党の吉村剛太郎でございます。
 本日は、参考人におかれましては、大変御多忙中に当委員会に御足労いただきまして、心から御礼を申し上げる次第でございます。
 参考人はかつて公正取引委員会の委員長を経験されたと承っております。そういう関係できょうはこちらにお見えいただいたわけでございますが、質問に入ります前に、ここに公正取引委員会が発行いたしました「独占禁止法ガイドブック」というもののコピーがございまして、独禁法の歩み、また独禁法がどのように運用されているかという抜粋がございます。大変重要な意味を持っておりますので、私の方から概略ちょっと読まさせていただきます。
  戦前のわが国経済には、巨大な財閥とカルテル組織へ経済力が集中し、その力を利用して国家の経済統制が強化されていくという歴史がありました。このような経済体制が国内市場の発展を妨げ、軍需生産への依存を強め、海外市場を確保するため戦争に突入したと考えられました。
  戦後、民主主義社会を支える経済的基盤を形成するために、財閥解体、経済力集中の排除、私的統制団体の解散などの措置すなわち産業民主化政策でございますが、を通じて、多数の私企業が公平な機会の下でそれぞれの能力を発揮して自由に競争し得る体制を創り出すこととしました。そして、独占禁止法は、わが国の経済の将来にわたって自由私企業体制を維持するための恒久的な産業民主化措置として立案され、昭和二十二年三月に成立し、同年七月二十日に施行されました。
と書いてあります。そして、
  戦後のこのような競争政策の導入は、それが企業行動のみでなく、産業構造、市場構造そのものを競争的に変革するところとなり、わが国の経済体質を本質的に競争的なものとしました。その効果は、昭和三十年代、四十年代にわたって広く現出することとなり、他の経済政策の運営と相まって、わが国経済の基本となったと考えられています。
と、こう書いてあります。そして、
  独占禁止法を運用する行政機関として、公正取引委員会が設置されています。公正取引委員会は、内閣総理大臣の所轄に属し、行政組織上、総理府の外局として位置づけられていますが、独立の行政委員会であるところに特色があります。
  独占禁止法は、自由経済社会における企業の事業活動の基本的ルールを定めたものですから、その運用に当たっては、政治的な影響を受けることなく、中立的な機関により公正に運用が図られねばなりません。
  このため、公正取引委員会は、独占禁止法の運用については、他から指揮監督を受けることなく、独立してその職務を行います。
と、このように書いてあるわけでございますし、自由経済体制の中で、競争原理のもとで経済を発展していこうという一点と、それから公取委が何ら指揮監督をほかから受けることのない独立した、またそれだけに非常に大きな権限と、またその裏に大きな責任を持った委員会であると、このように書いてあるわけでございまして、参考人は委員長をされた方でございますから当然その点は十分御存じでございましょう。
 そこで、前委員長として委員長在職中どのような気構えで職務に当たられたか、そして今後の競争政策のあり方についてどう考えていらっしゃるか、お述べいただきたいと思います。
#208
○参考人(梅沢節男君) 独占禁止政策なり公正取引委員会の任務につきましては、ただいま委員が的確に御指摘をいただいたところでございます。
 私が公正取引委員会に在籍いたしました、これは法定任期期間が五年でございますが、その期間を通じまして今振り返って考えてみますると、日本の競争政策が新しい段階に入った、あるいは入らざるを得ないという時期であったと思います。そして、それらの問題は相当部分現在もまたその状況、条件は継続しておると思うわけでございますが、二つございます。
 一つは、私が在任いたしましたころから現在も、今、日本経済全体の問題になっておりますけれども、成熟経済のもとで市場経済機能というものをより活性化することによって、日本の市場なりあるいは企業活動というものをもっと生き生きさせるという意味で、独占禁止政策の強化はもちろんでございますけれども、政府規制の緩和とか、等々の問題に当面している。
 もう一つは、ほとんどこれは同時並行的と言ってもいいと思いますけれども、外国とのv関係でございまして、日本の経済か世界経済の中で非常に大きな地位を占めるに至りまして、端的に申しますと、一九八九年に始まりました日米構造協議に端的にあらわれておりますように、日本の市場開放、あるいはアメリカだけではございません、EC等OECD諸国にこの大きくなった日本の経済についてその市場原理なりその公正さについて疑念を抱かせるような対応をしては、これは国全体としては非常にマイナスになるということでございました。
 したがって、ほとんど対外的な配慮、同時に国内的には、成熟経済下における究極的には国内の消費者の生活を充実させるという意味で競争政策を強化し、あるいは積極化する方向で進めてまいったというふうに私は考えております。
#209
○吉村剛太郎君 もう一点。
 独立性の問題についてどういう気構えで当たられましたか、ちょっとその辺を。
#210
○参考人(梅沢節男君) これは委員御指摘になるまでもなく、独占禁止法の二十八条で、公正取引委員会は独立して職権を行使する、いかなる機関の指揮監督も受けない、独占禁止法を厳正に運用するということが求められておりますし、またそのために委員等の身分保障という制度的な担保もございます。私どもはそのことを常に念頭に置きまして厳正に対応してまいりました。
#211
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。その辺に関連いたしましてはまた後ほどの質問の中で出てこようかと思います。
 さて、本日は午前中におきまして、話題になっておりますゼネコン汚職、その中の埼玉土曜会に関連いたしまして、当時の埼玉土曜会の会長廣瀬氏に参考人として来ていただいた次第でございます。
 同僚の合馬議員がいろいろと質問をされ、またそれなりの答弁もあったわけでございますが、本日は、その間、直接に埼玉土曜会との関連が深かった梅沢参考人にお見えいただいたのもまさにこの点に重点を置いた配慮であるということでございます。
 さて、埼玉土曜会六十六社のうち四十九社でございますか、ちょっとこれは間違いがあれば訂正していただきたいと思いますが、平成三年五月二十七日及び平成三年十月十五日の二回にわたり独禁法違反容疑で公取委が立入検査を行われたと思いますが、どういう経緯で検査に入られたのか、またその調査結果についてお知らせいただきたいと思います。
#212
○参考人(梅沢節男君) 個別の事件の着手の状況あるいは具体的な調査内容について、私が一々知っておることばかりではございませんが、一般論として申し上げまして、私も在任当時、個別の事件についての御質問を受けました際に、国政調査の場でできるだけ説明できる範囲のことは説明申し上げなければなりませんけれども、今後の事件処理に支障が起こるということにつきましては、そういった観点から、やむを得ない場合に御説明を御容赦いただくということで対応してまいりました。
 私は、今、公正取引委員会を引いた身ではございますけれども、これからの公正取引委員会の事件処理というものが厳正適正に行われるように、それとそれの障害にならないようにということを強く願っておりますので、現役当時と同じようなポジションでお話し申し上げることをまずお断り申し上げておきます。
 そこで、埼玉のいわゆる土曜会の談合事件でございますけれども、これは土曜会において、埼玉県内に所在する土木工事事業者が、埼玉県が発注いたします土木工事一式につきまして共同して受注予定者を決めておる疑い、いわゆる入札談合につきまして具体的な違反事実の端緒を得たわけでございます。したがいまして、委員が今御指摘になりました、私は会社数につきまして正確に今あれいたしませんけれども、平成二年、いえ平成三年でございますね、平成三年の五月とそれから秋に、恐らく五月に入ったときの状況からさらに補足して必要と認める状況が発生いたしましたので、二回にわたって立ち入りをしたということは事実でございます。
#213
○吉村剛太郎君 二度の立入検査及び恐らく多くの方々からの事情聴取もあったものと、このように思いますが、その結果といたしましては、公取委は平成四年五月十五日、これは後で参考人が御存じであれば言っていただきたいと思いますし、私の方は資料は持っておりますが、もろもろの違反事実によりまして独禁法違反であるということから排除勧告を行っておられます。
 その排除勧告に至りますまでの独禁法違反の違反事実を、もし覚えていらっしゃるならおっしゃっていただきたいと思いますが。
#214
○参考人(梅沢節男君) これは当時、平成四年五月でございましたけれども、排除勧告をいたしまして、その内容については当時公表もいたしております。
 今、私、手元にその具体的な資料は持ち合わせないわけですけれども、最初に申し上げましたように、土曜会所属の六十数社、これは県外に本店のある事業所だったと記憶をいたしておりますけれども、これが一定のルールのもとで工事ごとに受注予定者を決めて、独占禁止法三条にいうところの不当な取引制限、いわゆるカルテル、談合もカルテルの一種でございますけれども、カルテルと認定したわけでございます。
#215
○吉村剛太郎君 実は、午前中の埼玉土曜会会長の廣瀬参考人は、まあニュアンスの問題もありますが、独禁法違反はなかったというような感じの御発言もありまして、また違反事実についての御認識が非常に浅かったわけでございます。
 そこで、若干時間をとりますが、これは公取委が出され公表されたものでございますので、違反事実を簡単に申し上げますと、幾つかございますが、PRチラシを作成し土曜会に提出をするとか、受注を希望する会員の中から受注予定者を決定する、また点呼、研究会と称する会合を開催して話し合いをする、受注予定者の決定に当たってはPRチラシの提出の有無、時期及び内容、当該工事に関連する過去の工事実績等の要素を勘案する、土曜会会員は入札価格を相互に連絡することにより受注予定者が受注できるように協力する、また工事を受注した者は、必要に応じ、土曜会の役員等の助言により、救済と称して受注を希望していた受注予定者以外の会員または一定期間受注の実績のない会員に当該工事の一部を施工させる、もろもろございまして、これはまさに独禁法第三条に違反するものであるということで排除勧告をなされた次第でございます。
 その中で、一つは、きょうの午前の参考人質疑にも関連するんですが、当時の現場の土曜会の会長さんが全くそれを認識されてないわけなんですね。これは大変奇異な感じが私はいたしまして、これだけの違反事実で排除勧告したわけでございますが、その前に土曜会としては各社が応諾を当然しておるわけでございます。
 公取委といいますのは、そういう不正取引を取り締まると同時に、やはり業界の指導ということも当然なさられる立場のものだ、このように思うわけでございますが、ここまで来た問題が現場で全く認識をされていないというところに一つの、この当時どのような排除勧告をされ、どのような指導をされ、そしてそれをどう委員会の方でフィードバックを受けて判断をされたのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思うんですが。
#216
○参考人(梅沢節男君) 御質問になりました点は、埼玉土曜会について、つまり私どもが、入札談合行為を行ったその企業ないしはその代表者でございますか、独占禁止法違反の認識がなかったということについてどう思うかと、こういうことでございますか。
#217
○吉村剛太郎君 ここまで勧告した以上やっぱり趣旨の徹底というのが当然なされるべきだと思うんですが、そのあたりが非常に不十分だなということを実は午前の参考人の方の答弁で私は感じたわけでございまして、何か事務的にただやっているんではないかな、そういうところがどうなんだと。
 ということは、こういうことを繰り返しておりますと、現場が認識をしていないということはまた同じことを繰り返すということになるんですね。やはり公取というのはこれだけの権限を持っておられる委員会でございますから、独立性も保障されておるということは、それだけのやっぱり権限がありまた責任もあるんではないかというときに、こういう現状ということは何かどこかに手落ちがあったんではないかなという感じが私はしてならないというところで、今、参考人にお聞きしているところでございます。
#218
○参考人(梅沢節男君) 委員の御質問に対するお答えになるかどうかわかりませんが、当時の私の記憶をたどりながら今の御質問についてお答えするとすれば、平成四年五月に排除勧告を出しました。ここで違反事実を述べ排除措置を命じたわけでございますが、その中に、今後こういった違反行為を行わないように、各社の代表者はもちろんでございますけれども、従業員まで周知徹底する措置をとるということを命じておりまして、当時、私ども新聞等でも拝見したわけですけれども、ある会社によりましては、末端まで一々本社からそういう周知徹底書が参りまして、それを確かに認識いたしましたという判こまでつかせるというのは関係のない職員まで行き過ぎじゃないかという議論すらあったわけでございまして、私どもとしては、そういう排除措置のみならず、今後そういった違反行為が再び起こらないようなかなりそれを担保するための措置もとったつもりでございまして、私としてはそれ以上申し上げられないわけでございます。
#219
○吉村剛太郎君 はい、わかりました。
 そこで、この排除勧告とあわせて、当時、刑事告発を行うか否かに関し委員会ではいろいろと議論もあったと、このように思っておりますが、公表された文書を読ませていただきますと、告発を行うか否かに関し公取委員会が独占禁止法違反に対する刑事告発に関する公取委員会の方針を公表した。平成二年六月二十日、これは確かに公表されておりますが、以降における事実について検察当局とも意見交換を行った上、法律上、事実認定上の問題を検討してきた結果、同日以降において独禁法の規定に違反する犯罪ありと思料し、告発を相当とする具体的事実を認めるに至らなかった、よって本件については告発を行わないこととしたと、このように公表されております。
 先ほど申しましたように、もう独禁法違反は隠してございますが、確かにこの平成二年六月二十日以降にそのような行為がなかったということ、その他事実認定に問題があったということだと思いますが、告発を行わなかった。なぜ行わなかったか、そこをちょっと参考人にお述べいただきたいと思います。
#220
○参考人(梅沢節男君) この問題につきましては、在任中、立法府におきまして私もたびたびお答えを申し上げております。
 繰り返しになるかもわかりませんが、御容赦をいただきたいと思うんですが、まずその入札談合、いわゆるカルテルの独占禁止法違反は独禁法で言いますと二条あるいは三条、ここでは事業者、端的に言ってしまえば会社主体で共同行為がある、そういうことで独禁法三条違反は成立するわけでございます。したがいまして、会社相互間において相互に相手方の行為を拘束しながら、例えば入札金額を申し合わせるなどして受注者を決める、それか会社として行っているということが認定できれば、これが過不足なく三条違反ということで法律の適用が可能でございます。まさに埼玉土曜会事件の勧告はその見地から行ったものでございます。
 一方、これを刑事罰、刑事訴追をする場合にどういうことになるかと申しますと、細かい話になって恐縮でございますけれども、独占禁止法は八十九条以降に刑罰の規定がございます。独占禁止法の実体法それぞれの条項違反に即して刑罰が皆決められておるわけでございますが、ここの領域に入りますと、これは独占禁止法だけではないと私は承知しておるんですが、我が国の企業関係の刑事法制におきましては、法人ないし会社には犯罪能力がない、こういう前提で構成をされておるわけでございます。
 そういたしますと、独占禁止法で排除措置になった違反事件についてこれを刑事事件あるいは犯罪として構成し得るには、基本前提といたしまして、その会社の役員とかあるいは従業員の犯罪行為が具体的に特定するということがまず基本になるわけでございます。先ほど委員が引用になりました当時の公正取引委員会の公のこの問題に対する説明の中で、事実問題、法律問題というふうに書いておりますけれども、これは検察当局と専門的なレベルで事実あるいはこれに対する評価等の意見交換を重ねてまいりましたけれども、結論的に申しますと、事実問題、これは証拠事実の問題でございますが、法律問題、これは主として構成要件上の問題になると思います。これらを総合的に判断した場合に、残念ながら本件について刑事事件として構成することに非常に困難があると。
 しかし、この告発につきましては当然のことながら公正取引委員会の専属告発管轄に属するものでございますから、検察当局とたび重なる協議の過程の中で、今言ったような困難性というものが明確になった時点におきまして残念ながら告発を見送っだということが当時の事情でございます。
#221
○吉村剛太郎君 今のお話をお聞きしますと、確かに土曜会としてのグループ、それから所属する企業としての独禁法違反ということは間違いない事実であろうと。それによって排除勧告に至ったわけでございますが、刑事告発にもっていくためにはそこの個々の役員なりどなたかを問わなければならないということ、それが難しかったと、このように解釈をいたします。
 そこで、今いみじくも参考人がおっしゃいましたように、その経過の中で、先ほど冒頭に申しました大変権限を持った独立機関の公取委でございますが、この時点でなぜ検察とそういう御相談をしなければならないのか。告発は告発で、若干勇み足でも、やはりそれだけの使命を持った委員会でございますから、あと受けるか受けないかは検察の問題でございますが、そこで、なぜ検察当局と相談、たび重なる相談をされたとおっしゃいましたが、をなぜしなければいけなかったのか。
 私は、蛮勇を振るってもここで刑事告発もできたのではないかなと、公取委員会といいますのはそういう義務を負った委員会ではないかなと、このように思っております。
 それは、独禁法七十三条、もう釈迦に説法でございますが、「公正取引委員会は、この法律の規定に違反する犯罪があると思料するときは検事総長に告発しなければならない。」と、これはある意味では大変強い義務規定が明記されておるわけでございますが、そういうことを背景として、委員長時代にお持ちであれば、これはやはり告発すべきだという判断になぜならなかったのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
#222
○参考人(梅沢節男君) これは、若干の経緯も含めまして御説明申し上げなければならないと思います。
 その前に、委員が今、独占禁止法七十三条の犯罪ありと思料したときには告発しなければならないと。これは講学上は義務規定じゃなくて訓示規定と解されておりまして、事案の内容を見て公正取引委員会の裁量を否定しているものではないわけでございます。それがまず前提でございます。
 実は、この独占禁止法の違反に対する告発問題というのは、昭和四十年代の末に例の石油カルテルの告発がございました。これは当時非常に大きな問題になったわけでございますけれども、実際の事件処理については、検察当局もさることながら、大変な事務効卒が必要となりまして、その後、むしろ私はそういった経緯も踏まえてと考えておるわけでございますけれども、昭和五十二年になりまして例の課徴金の制度ができたわけです。それは、違反行為があった場合にそれ以前は刑事罰の規定だけしかなかったわけでございますが、それに対して機動的に行政的に一定の金銭的負担を違反行為者にかけることによって違反行為を抑止しようということで課徴金の制度が導入されたわけでございます。
 ただ、当時、この課徴金制度についての国会での御議論などを見ますと、一方に刑事罰があって一方に課徴金があると、これは憲法上の二重処罰の規定に違反するのではないかという大変大きな議論がございました。
 しかし、国会でこの法律が成立しましたが、そのときに当時の政府の方針といたしまして、これは私はやむを得ない妥当な方針であったと思うんですけれども、それだけの議論を呼んだ課徴金でございますので、当分の間は違反行為の抑止については刑事罰ではなくて課徴金を中心に運用をするということで、平成二年六月、ただいま御指摘になりました当時の公正取引委員会として刑事告発の再開を実は宣言したわけでございますが、それまでは刑事告発は行わないで課徴金の運用を中心にやってまいったわけでございます。
 そこで、今後はこの刑事告発というものも大いに活用する、課徴金も活用し刑事告発も活用すると。これはたまたま当時日米構造協議の中で、アメリカは刑事制度一本の国ですから、それに対して日本の制度の運用等について我々非常に議論したわけです。アメリカの司法当局と日本の法務省も随分議論したと思いますわ。
 そういった経緯を踏まえまして、しかし独禁法についても今後刑事訴追というものを活用していこうと。
 その場合に、これは実は公正取引委員会側の発意でございましたけれども、この制度を今後有効に根づかせるためには、例えば今一番有効に機能している脱税の刑事告発、これはやはり調査をした、端緒をつかんだ行政庁とこれを刑事告発して公訴維持をするいわば刑事訴追の専門部局である検察当局と事前に問題点なり事実関係をすり合わせるということによって結果的に機動的に刑事告発が行われる。したがって、これはあくまでそういった機動的な刑事告発の運用という観点から、当時法務省ともこの告発についての手続、検察当局との手続というものもその年いっぱいかかって決めたわけでございます。
 したがって、これもぜひ付言しておきたいわけですけれども、これは公表はいたしておりませんけれども、例えば告発基準というようなものも決めております。
 で、それはどういう効能があるかというと、刑事告発については、今おっしゃったように、公取委の専属告発に属するわけでございますけれども、やはりそれは厳正であり、あるいは恐竜的にわたっちゃいけないわけですね、逆に言えば。したがって、その意味では独立性の問題とは私は抵触はしないと思います。その有効な刑事告発を行うために、しかし最終的な判断は公正取引委員会がやるんだということで例の連絡体制をつくっておるわけでございます。
#223
○吉村剛太郎君 冒頭、いわゆる独禁法並びに公取のあるべき姿というようなことを申し上げました。まさに今日の自由競争の経済、これを守っていただく公取の皆さんでございますから、ある意味では前向きに前向きにやっていただいてよかったんではないかな、こんな感じがするわけでございます。
 と同時に、先ほどの独禁法七十三条、訓示規定だとおっしゃいましたが、これは訓示規定でございますから、これは受ける方がどう解釈するかではないか、このように思うんです。また、二重処罰になってはというようなこともおっしゃいましたけれども、これは結果論だ、こう私は思うんですけれども、それも踏まえて参考人は結果的には告発をしなかったということでございますが、いずれにしましても、平成二年六月二十日ですか、公取委の方針が出ております。これは非常に強い決意を示したものだ、このように思っておりまして、これからなお一層その決意でやっていただきたい、このように思うわけでございます。
 それに関連しまして、当時委員長でございました参考人、いろいろの政治家からの働きかけその他もあったやに聞いております。今、訴訟問題になっておりますことも含めまして、その当時、参考人、かなり多くの政治家からの働きかけがあったんではないか、このように思いますが、あっなかなかったか、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#224
○参考人(梅沢節男君) これも若干の経緯を申し上げなきゃいけないわけですけれども、平成二年に課徴金の強化の議論がまとまりまして、これは平成三年の国会に提出されたかと思うんですが、その平成三年の年の初めに、今度は刑事罰を強化しなければならないということで、法律の学者、専門家だけによる刑事罰の研究会というものを発足させていただきまして、年内かかって刑事罰の強化の大体の方向、これは要するに両罰規定のうち企業、法人の罰金の額を飛躍的に引き上げる、こういう内容のものでございますが、それから年を明けましてこの実際の法案の策定作業に入らざるを得ない状況でございました。
 公正取引委員会は、先ほど申しました独占禁止法に定められる職権の行使については、これは独立に行使しなければならない、この地位は保障されておるわけでございます。ところが、今日経済政策の中で重要な部分を占める競争政策なり独占禁止政策というのは、違反行為の取り締まりの問題のほかに、法律改正の問題とか、あるいは万般の政府規制の緩和についてどういうポジションをとるかと、そのサイドでは、冒頭に委員がおっしゃいましたように公正取引委員会は国家行政組織法のいわゆる三条機関として経済政策官庁としては普通の官庁と一緒なんですね、権限の範囲も。そういたしますと、議院内閣制のもとでは政府提案の法律を提出する場合、与党との調整というのは不可避でございます。
 したがって、この時点で、今から思い起こしましても、私はこの問題を中心にそれぞれ与党の調査会あるいは関係部会に所属される国会議員の方と、これはこちらからの必要に応じていろいろ御理解を求めたり接触をしないと法案ができないわけですね。その過程の中でいろいろな国会議員の方と接触したことは事実でございます。
 現在の公正取引委員会の機構を前提とする限り、二十八条の職権行使機関と、もう一つは経済政策を推進する機関、これをうまく使い分けながらやらざるを得ない立場にあるわけでございます。
 そこで、今、委員がお尋ねの話は、この過程で特定の違反事件についてどういう働きかけがあったかという御質問なんでございますけれども、これはまことに申しわけないわけでございますけれども、御案内のとおり今この件につきまして司法手続が既に開始されておるわけでございます。私は、国会の御質問なり事情を明らかにせよという要請にはできるだけ答えなきゃならないという心づもりできょうは参っておりますけれども、やはりこの司法手続が始まったばかりで今後これが進むというような事案につきまして、私は、公務を退きました役といえども、この司法手続の外でいろいろなことを今の段階でやっぱり申し上げるべきではないのではないかと考えております。
 したがいまして、非常に申しわけないんですけれども、御質問の点についてはお答えすることを御容赦いただくようお許しを願いたいと思います。
#225
○吉村剛太郎君 おっしゃった件につきましては大変よくわかります。
 ただ、公取委の立入検査がありまして以降、これは新聞報道その他の情報でございますが、当時の梅沢委員長のところに複数の政治家も行かれた、また議員会館の方に参考人が呼ばれて行ったというようなうわさも聞いております。その時期にこの問題とは関係なくそういうことがあったのは事実でございますか。
#226
○参考人(梅沢節男君) 先ほども申し上げましたように、この点についての具体的な事実関係を現時点で私はやっぱり申し上げるべきではないだろうと考えております。
 ただ、これは一般論になって恐縮でございますけれども、例えば公正取引委員会の委員長が特定の国会議員に議員会館に呼びつけられるというんですか、そこで運用に注文をつけられたと、私は在任当時そういう事実は一切ございません。
#227
○吉村剛太郎君 これは間違っておれば大変失礼な形になろうかと思いますが、立入検査以後、情報としてはいろいろな人のところに働きかけがあったと。それがこの問題に対する働きかけとは別といたしましても、多くの国会議員の方がお見えになったり、また会館の方に当時の委員長が行かれたことは私はあるんではないかと、このように思います。
 ただ、その具体的な名前は差し控えますが、非常に偏っているなという感じが実は私はするんですね。私のところには、当時私は独禁法の罰金引き上げのときはまだ商工委員で当事者でございましたが、一言の根回しも実はございませんで、ただ私は賛成をしたわけでございます。ここにおられる先生方も、果たしてそのようないわゆる一般官庁の責任者としてのアプローチといいますものは、これは当然だと思います。当然だと思いますが、それが非常に偏っているなという疑念を私は持つわけでございます。
 先ほど申しましたように、公取委、そういう不公正な商行為を取り締まるという立場では本当に独立した責任と権限を持った官庁でございますから、よもやそういう形で刑事告発について若干の、何といいますか、手心を加えたということはなかろう、このように思っておりますが、私は、ぜひ今後、参考人の後輩の方々に、これからの公正取引委員会というのは大変重要な、特にこれからの世界経済の中で大変大きな意義を持った委員会でございますから、断固たる決意でこれからも業務を遂行していただきたい、このように思っておるところでございます。
 時間も随分迫ってまいりました。埼玉土曜会についていろいろと質問をしたわけでございますが、要は指名競争入札というものからこういう問題が出てきたわけでございます。ただ、日本のこういう入札制度というのはおよそれ十年前からずっと営々として続いてきたものであると私は聞いておりますが、それはそれなりのやはり意義と役割と長所があっただろうと、このように思います。
 ただ、これだけのグローバルな社会になった中で、どうもこの制度が世界の流れにマッチしないというような点が今日出てきておるんじゃないかなと、このように思います。と同時に、やはり国民の皆さんからいただいた税金を本当に正当に使うという面では、個々言われておりますように非常に官工事は高い、高いといいますか一般より価格が高いと、このようなことも言われておりまして、これから一般競争入札というような制度も今考えられておるわけでございます。
 それはそれぞれ長短あろうかと、このように思っておりますが、公取委員長を経験された参考人といたしまして、今後この入札制度といいますものはどういう形に持っていったらいいかというようなことを、アイデアがあればお聞かせいただきたいと思います。
#228
○参考人(梅沢節男君) 御質問の点につきましては、私自身が建設市場そのものについての専門家でも何でもございませんから、単なる個人的な意見ということで感想のようなことを申し上げたいと思うわけでございますけれども、建設市場における談合といいますのは、これは実は世界各国共通の事象なんでございますわ。
 つまり、経済学の教科書に書いてあるような原理、その前提となっております完全市場というものは、現実には市場構造とか市場の実態を見まするとそれぞれ特性とか癖があるわけでございます。建設市場の特徴というのは一品受注産業でございますから、どうしても供給者の間で相互の連絡、場合によっては競争回避的な共同行為に対する危険性、インセンティブが潜在しているわけでございますね。
 そこで、各国ともいろんな工夫をしながら、しかも入札談合につきましてはそれぞれ的確な手は打っておるわけでございます。もちろん、独占禁止政策の立場から、今後もこれに一つの焦点を合わせまして厳正な運用をしなければならない。しかし、この問題をトータルに解決するのに一体どういう工夫があるかというのは、これは大変広範な問題を含んでおります。
 ただ、その中の一つとして入札制度の問題は確かにございます。つまり、発注者サイドがなるべく競争市場というものがうまく運用できるように、その一つが私は入札制度だと思うわけでございますけれども、一般論からいえば、私はいわゆる指名競争入札よりも一般競争入札の方がいいんだろうと思います。ただ、またそれにはそれの弊害の議論もございますけれども、基本は技術力を中心にいたしました資格審査というもののシステムがきちんといけば、一般競争契約につきまとう弊害というものを除去できるんじゃないかと。
 私は、今、建設省のサイドでいろいろ入札制度の改革等について御議論をなさっているのは非常に結構なことだと考えております。
#229
○吉村剛太郎君 終わります。
#230
○委員長(井上吉夫君) 以上で吉村君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、種田誠君の質疑を行います。種田君。
#231
○種田誠君 きょうは、梅沢参考人にはお忙しいところありがとうございます。
 先ほどの吉村委員の質疑にもございましたけれども、今まさに日本において自由な競争のもとに公平な経済をつくっていく、そういう意味では、そのルールを守り発展させるためにも公正取引委員会の役割はますます重要なものになっていくだろう、そして、そのことが十分に機能を発揮することによって諸外国からの信頼も高まるだろう、こういう時期にあるものですから、ぜひ公正取引委員会の元委員長である梅沢さんに、先ほども議論がありました、苦いというか、私たちにとって非常に難しいというか、埼玉土曜会をめぐる公取委のあり方等についてお話を聞かせていただきたいと思うわけであります。
 そこで、先ほどもお答えがございましたけれども、一番の疑念は、マスコミさらには学者の方々からもさまざまな考え方があの埼玉土曜会事件に関して、九一年、平成三年の五月二十七日に第一回の立入検査が行われ、そして十月十五日には第二次の検査が行われ、そして当時私どもも、公取はかたい決意のもとにやっておるなと、こういうふうに認識も持っておりました。ところが、その翌年の五月、梅沢さんは告発は断念するという表明をしたわけであります。
 そうしますと、多くの国民は、平成三年の十月から平成四年の五月の間に何があったんだろう、何かがあったんだという疑念を当時持たれたんですね。そして、私どもはマスコミの方での表現として知ったわけですけれども、東京地検の関係者なども、我々もてっきり公取が告発してくれると思いました、現場としては手ぐすね引いていたんです、ところが一転して見送りでしょう、これは何かあるなと思いました、というような言葉もマスコミを通じて地検の関係者という者が述べているんですね。そうなってまいりますと、ただ単に告発を断念したというそのときの梅沢さんの理由では、なかなか国民も、私たちもですが、納得できないんじゃないかなと思うんですね。
 先ほどもちょっとお答えがありましたけれども、告発ができなかった理由というのを国民の皆さんにもわかるように、簡単で結構ですから述べていただきたいと思うんです。
#232
○参考人(梅沢節男君) これは先ほど吉村委員の御質問にもお答えしたことでございますので簡潔に申し上げますけれども、排除措置の、行政措置の対象となる独占禁止法三条の考え方と、それが刑罰に値する犯罪であるかどうかということになりますと、法律構成が異なると思うんです。構成が質的に異なるということを申し上げました。つまりここのギャップが、行政措置をやったにもかかわらず刑事告発をしないのはおかしいではないかという御疑問につながっているんだろうと思うんです。
 それでは、特定の個人の犯罪行為を確証するといいますか、埼玉についてどういう難点があったのか、あるいは構成要件上これを犯罪として構成するにどういう難点があったのかということを恐らく具体的にもっとお話ししろということだろうと思うんです。
 これは、国会等でも私は当時申し上げたのでございますけれども、この種の具体的な事件に即していろんなことを申し上げますことは、結局、将来の犯罪を告発する場合に、いわばそのいろんな仕組みとか問題点を白日のもとにさらすわけでございますから、したがってこの点については、不十分とはおっしゃるけれども、私どもが御説明申し上げる限界は、ただいま申し上げたことにやはりとどめるべきだろうというのが当時も今も私の考えでございます。
 ただ、それは、そういった事実問題なり法律問題というのは、恐らくこれは平成三年の秋、暮れごろから平成四年春ごろまでずっと検察当局と情報なり意見の交換を重ねてまいったわけでございまして、その過程の中で私どもは非常にこれは難しいという判断に達したものでございます。
 ただ、委員が今御引用になりました報道の記事そのものについては、私どもが関知することではございません。
#233
○種田誠君 先ほどの説明で、独占禁止法三条、これに違反する行為は会社はあり得る、個人とのかかわりが立証できなくともそれは一定の制裁の対象になるんだ、こういうふうなお話がございました。しかし、問題は、埼玉土曜会の場合には、一つの公正な価格を害するようないわゆる公共事業を通じての談合を行ったのは会社じゃないんですね。実際はそこに加盟している人が行っているわけですね、所長さん、副所長さん、それが行っているんですから。まず行為があって初めて会社が処罰されていくんですよね。会社は一人じゃ歩けないんですよ。会社は一人で談合できないんですよ。問題は人がやったんでしょう。
 ですから、あなたの説明ではこれは納得がいかないわけなんですね。むしろ、この事件は構成要件該当性、そのためには行為があった、違法があった、しかし最終的に告発すべき事例だったのか否かという裁量で、私どもは裁量の余地がありますから告発しなかったんですと、そう言うんなら何か落ちるところがあるんですよ。いかがでしょうか。
#234
○参考人(梅沢節男君) これは先ほども申し上げましたとおり、本来なら告発すべき事案であったけれども公正取引委員会の裁量で告発を断念いたしましたと、これはそうではないわけでございます。それを端的にそういうふうにお受け取り願うと非常に誤解を招くわけなんで、これは告発すべき事案として検討に検討を重ねてきたわけです。
 しかしながら、先ほど申しましたような法律上、事実上の問題として公訴維持等も含めまして非常に難点がある、そう判断せざるを得ないということで断念したということでございます。
#235
○種田誠君 まず、それでは平成四年六月三日、公正取引委員会委員長として審決をあなたは出しておりますね。その審決に書かれておる事実、これを見ますと、当然これは十分、私も弁護士でございますから、談合罪の構成要件に該当するような行為がむしろあったと認定するのが正しいんではないだろうか、こう思うわけなんです。
 そこで問題は、もう一つ、公正取引委員会はこのような事実を調査した結果、果たして起訴すべきかとか起訴後の公判を維持するに値する証拠があるかとかないかまで公正取引委員会は調査をする権限を持っておるんでしょうか。それはむしろ抑制されておるんでしょうか。
#236
○参考人(梅沢節男君) これは先ほど刑事告発を再開したときの経緯を申し上げました。これが今後行政の告発として有効に定着するためには、いわゆる起訴当局、専門機関である起訴当局との連携というものを機動的に有効にとり得るということが全体の行政資源の効率化にもつながるわけでございますね。したがいまして、そういうシステムを是とするか非とするか、これは評価の違いがございますけれども、私どもは公正取引委員会が独立して職権を行使するに当たって、この連絡システムというものを今後とももっと強化していくということによって恐らく日本における独占禁止法違反に対する刑事訴追というのが将来にわたって有効に根づくだろうと、私は今でもそういう期待を持っておるわけでございます。
#237
○種田誠君 今の梅沢参考人の御意見は、これからの独占禁止法を改正し公取に新しい権限や役割を持たせる上では、極めて参考になる意見だろうと思うんです。
 しかし問題は、現在の独占禁止法四十六条の四項、御記憶があると思うんですが、公取の立入検査は犯罪捜査ではないと書いてありますね。ということは、皆さんが行うのは、犯罪の容疑たる事実を確定する、埼玉土曜会のこの審決に載っているような事実を確定する、確定したら、これを先ほどお話があったように検事総長に告発をすべきである。日本の刑事訴訟法は、まさに起訴すべきかしないか、この権限を持っているのは唯一検察官であると書いてあるわけですね。御存じだと思います。検察官こそが起訴便宜主義のもとにおいて起訴をすべきかしないかという独立官としての権限があるんですから、公取が告発する段階のときに、起訴すべきであるとか公判が維持できるかとかそういうことをやってしまうと、検察官の役割と公取の役割というのが混乱しちゃうわけですよ。今の法律の中でこれは矛盾を来してしまうわけなんです。ですから、この点はもう少し正確なお答えをいただきたいと思うんですが。
#238
○参考人(梅沢節男君) これはいわば見解の相違にわたる部分も私はあるかと思います。
 その前に、四十六条の犯罪捜査のために行わないと。これはいろんな説があるようですけれども、講学上は、この規定は独占禁止法違反によるこれは告発ですから、自主的な犯罪捜査に結びっくわけですね、結果的に。これを排除するものではないと。これは当たり前のことを書いた規定にすぎないわけですね。逆に言えば、公正取引委員会は、独占禁止法上の強い権限をもらっておって、ほかの犯罪のためにそれを使っちゃいけませんよということにすぎないわけですから、委員が今おっしゃったのとは私はちょっとすれ違いがあると思いますね、御指摘の点は。
 それから、専属告発の問題については、公正取引委員会が専属告発権を持っていることについても、立法論として講学上いろんな議論がございます。私はそれも承知をいたしております。しかし、それはまあ立法論の問題はこちらへ置きまして、現行の専属告発制度のもとにおきましても厳正にかつ恣意にわならないような告発を、しかも有効に、行政コストがなるべくかからないように運用するに当たって、検察との連絡体制というものは、これはいろんな御批判はあるかもわかりませんが、それは現時点において、この告発をいよいよスタートするというこの時点において、スタートしたという時点において、決して私は間違っていないというふうに考えております。
#239
○種田誠君 それは梅沢参考人の個人の見解と私は考えております。
 むしろ大事なことは、先ほど申し上げましたように、告発というのは犯罪の事実を特定したらば、それを捜査機関に提供して捜査機関の捜査の端緒にする、これが告発ですよね。捜査じゃないんです。専属権が与えられているのは告発権なんです。したがって、最終的に公取が告発しても、このケースは立件すべきものではない、こう検察庁が判断する場合もあっていいわけです。事件によっては、今回猶予しようというのがあってもいいんです。すべてを告発は起訴だと、同じものと考えてしまうと、まさにそれぞれの、検察官は検察官の独立を保障されている、公取は公取の独立を保障されていることがだめになってしまうんですよね。ですから、立法論としては聞き及びますけれども、立法論はむしろ参考にさせていただいて、我々が決めることですから、そこでの議論はやめましょう。
 そこで、この問題に関して、もう時間がなくなりますからこれ以上私は求めませんけれども、今の節度だけはぜひとも後輩の公取委員会の方にお伝え願いたいと思います。
 次に、これもまた国民が大変疑念に思ったことなんですが、九一年の十二月十七日、あなたは自民党の方に、独禁法を改正して一億円ないし数億円の罰金改正をしたいという御報告をしたと思うんですね。そのときに自民党の皆さんから猛反発を受けた記憶はございますか。
#240
○参考人(梅沢節男君) 十二月の自民党の独占禁止問題調査会の件でございますけれども、これは、慣例といたしまして与党の独占禁止調査会には公正取引委員会の委員長は出席をしないことになっております。事務局が出席をいたしまして、その説明はしたと思います。
#241
○種田誠君 で、どうなんです。自民党の猛反発を受けたかどうか、聞いているんでしょう。
#242
○参考人(梅沢節男君) これは一般論としてお許し願いたいんですけれども、いろんな法案あるいは政策を立案した過程におきましていろんな調整の段階というのはあるわけなので、私は現時点でも、いついつの時点はこういう空気であった、いついつの時点はある国会議員はどうおっしゃったとか、そういうことは私は行政府に身を置いた者としまして退官後も言うべきではないと考えております。
#243
○種田誠君 私は、自民党のどなたが反対したとかそういうことを聞いているんじゃなくて、十二月の十七日に説明したときには猛反発を受けたらば受けたでいいんですよ。
 じゃ、もう一個聞きましょう。
 翌年の平成四年の三月十二日、自民党の方にまた罰金値上げのことでお願いに行って、そのときは自民党さんは了承してくれましたか。そう聞いておりますか。
#244
○参考人(梅沢節男君) 今おっしゃいました三月二十何日というのは、それは政府・与党できちんと調整の結果もう法案ができ上がった時点でございまして、結果として申し上げますと、一億円という案でどうやらまとまりましたのはもう少し早い時期だったと私は記憶しております。
#245
○種田誠君 このことが実は、ここに新聞の切り抜きがたくさんあるんですけれども、なぜ当時の与党が暮れのうちに猛反対をして、その翌年、三月十二日に了承ですけれども、その前の二月の上旬ごろに急速罰金の値上げに関してこれを理解していく、そして三月二十七日に国会上程、こうなったことに関して、率直に申し上げまして、このマスコミの記事の中には告発断念とこのことが取引があったんじゃないかという記事がばっと出たんですね。こういう疑念を持たれること自体が極めておかしいんですね。
 ですから、たまたまそれは梅沢参考人が委員長でいろんなことが重なっちゃってそういう不幸な結果になってしまった、疑念を持たれるような不幸な結果になってしまったのかもわかりませんが、そういっても、その辺の説明はできますでしょうか、なぜ一億円了解に至ったのかということは。
#246
○参考人(梅沢節男君) これは明確に申し上げておかなければならないわけですけれども、先ほど来その告発を断念した法律上、事実上の問題については何回かお話しを申し上げておるわけなんで、そのかわり告発を見送ったことと、世上あるいは伝えられたのかもしれませんけれども、法案と取引するために告発を見送った、これは絶対に事実と違います。
#247
○種田誠君 そうですか。
#248
○参考人(梅沢節男君) はい。
#249
○種田誠君 じゃ、これは念のために確認しておきます。
 これも新聞に大きく書かれておることですが、あなたは九二年、平成四年の二月上旬、総理官邸に出向いて当時の宮澤総理に一連の経過を報告した。そのとき宮澤総理の方から、法人罰金引き上げの法案にぜひ協力していくので刑事告発の方は見送ってほしい、こういうふうなことを言われた経過はまずあるかないか。
 それからもう一つ、平成三年の十月十八日にあなたが中村議員のところを訪問したことがあるかどうか、逆に十二月の二十六日に中村さんがあなたのところを訪問したことがあるかどうか、そして翌年の平成四年の一月下旬に中村さんがあなたのところに二回要請に行ったことがあるかどうか、その事実だけ教えてください。
#250
○参考人(梅沢節男君) まず、内閣総理大臣は、独占禁止法にも規定されておりますように、公正取引委員会を所管される国務大臣でございまして、同時に独占禁止法を所管する国務大臣でございますから、法案等の問題につきまして私が総理に適宜説明をするのは当然でございます。
 具体的にどういう話をしたのかということは、これは申し上げられません。ただし、これは一国の総理にかかわる話でございますから、公正取引委員会の独立した職権を保障されるという制度上の立場から、時の総理大臣がそういうものに関与される体制にもなっておりませんし、そういう認識は一切持っておりません。
 それから、後段のお話は、先ほども申し上げましたけれども、司法手続に入っている問題につきましては現段階では一切の御説明は御容赦願いたいと思います。
#251
○種田誠君 これとの関係でもう一つぜひ伺っておきたいのは、ことしの四月一日に中村喜四郎衆議院議員があっせん収賄罪で起訴されたという事実は知っておりますね。これが一つ。
 それから、この起訴状の中に、これは参考人はもちろんそういうことはあずかり知らないことだろうと思いますけれども、起訴状の文言に「同委員会委員長梅沢節男及び同委員会委員らに対し、告発すべきものと思料される場合であっても同委員会が布告発をしないように働き掛けてもらいたい旨の斡旋方の請託を受けて」と、こういうふうな文言があるわけであります。これが実は何と平成四年の一月の下旬のころの話になるわけなんです。そうしますと、あなたは全く関係ない、会ったことがないと言えないかもわからないけれども、こういう事実が当時重なってしまったんですね。そういう中で、あなたは中村衆議院議員に会ったことがあるか、この問題で話し合いをしたことがあるかどうか、そのことだけ答えることが可能ならば答えていただきたいと思います。
#252
○参考人(梅沢節男君) 起訴状を引用しての御質問でございます。
 これは先ほども申し上げましたけれども、事柄の性質上、私は司法手続の外で具体的なことは申し上げるべきではないという考え方に立っておりますので、御理解を賜りたいと思います。
#253
○種田誠君 しかし、このことは公取委員会にとって極めて重要なことなんですよ。あなたが仮にそういう要請を受けたとしても、私は断固拒絶いたしました、私は公取委員長としての独立を守りました、そうあなたがここで答えることによって日本の公正取引委員会はまさにその名誉と地位が回復され、さらに大きな信頼をつくっていくことになるわけです。
 ぜひそういう意味合いからもあなたが、そのような要請があったにしても、私は拒絶したと述べていただきたいんですが、その事実はいかがでしょうか。
#254
○参考人(梅沢節男君) 委員のお気持ちを含めての御質問でございますから心苦しい限りではございますけれども、私は、いずれこういうことは明らかになるということになるとすれば、司法手続の外で申し上げない方がいいというのが私の考え方でございます。
#255
○種田誠君 では、後日の司法手続の中でぜひとも公取の名誉が維持され、回復、発展するような御見解を述べていただきたいと思います。そうしませんと、先ほど私が述べた日にちを挙げての接触のことやら、たまたま告発断念との関係の時期が重なっているというようなところから、多くの国民の持っている疑念というのが晴らすことができないということになっておりますので、ぜひその辺のところを積極的な前向きな対応を今後していただきたいと思うわけであります。
 もう一点。
 実は先ほどもちょっと参考人の方からお話があったんですけれども、また平成四年の五月二十九日の商工委員会で、梅沢参考人はきようと同じように、
 私どもは今回の事件を契機に、今後談合の問題につきまして私どもの事務局と検察当局との間でワーキンググループをつくりまして、いろいろな事案について法律問題等検討を重ねる、その過程で今後の談合事件に対する審査方法等についてもさらに改善、開発を図っていくという作業にこれから取り組んでまいりたいと思うわけでございます。
と、こう述べておるんですが、その後の在任中これらの取り組みはいかなような形で行われてきたでしょうか。
#256
○参考人(梅沢節男君) 私は、その年の九月に退任をしたわけでございますけれども、国会でそういうことを申し上げました時期に前後して、あるいは直後であったかもわかりませんけれども、現実にワーキンググループが発足をいたしておりまして、検討を重ねておりました。
 現状につきましては、私はもう部外者でございますから介入する問題ではございませんけれども、私は、公正取引委員会と検察当局において、特に日本の建設談合の大きな特徴である慣習的なこういうカルテルというものについて刑事法上の対応をするには、調査の段階から、あるいは事件構成上どういった問題点がありどういった打開の道があるかということについて、やっぱり両当局間でお互いに研さんをしながら対応していかなきゃならないわけですから、この作業自身は私は進捗しているのではないかとひそかに期待をいたしております。
 ただし、現状については私は承知をいたしません。恐らく現在の公正取引委員会当局がこの問題に真剣に取り組んでくれているものと私は確信をいたしております。
#257
○種田誠君 先ほど質問の最初の方に、告発との関係での検察官との協議云々、公判維持、起訴のためと、これは私は現行法上極めて問題のある御発言だったと指摘をいたしましたけれども、これからの日本の公共事業にまつわる新しいシステムをつくっていく、捜査を含めた、また、談合を回避して新しい公平な入札制度をつくっていく上で、やはり検察と公取が持っていたノウハウをお互いに出し合って立派なものをつくっていくということは、今、極めて時宜を得たものだろうと思うんですね。そういう意味で、ぜひとも梅沢参考人もその辺のところはこれからも、委員長はやめられたとしても、御支援やら御協力をしていただきたいと思うんです。
 ちょっと関連で北村委員にかわりたいと思います。
#258
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。北村哲男君。
#259
○北村哲男君 北村でございますが、実は午前中、埼玉土曜会の会長の廣瀬さんを呼びました。彼は、埼玉土曜会について、これはあくまで親睦団体であって談合組織ではないというふうに言われるんですよね。ところが、先ほどから梅沢参考人のお話を聞くと、あの埼玉土曜会の行った行為は共同して談合、入札談合であるとか、それから談合組織であったとかいうふうな言い方をしておられますけれども、で、どうしても認められないんで、談合組織だろうと、公正取引委員会も審決の中で談合ということを事実上認めている、しかも会社も応諾をしているのにどうしておかしいんだ、と言ったら、廣瀬さんは、自分は談合というのは刑事事件に当たるものを談合というと思う、我々がやったことはあくまで独禁法違反だ、というふうに言い張るんですよね。
 その点について、参考人は審決を行った立場として、いや、刑事事件に限らずああいう行為そのものを談合なんだというふうに私は思うんですけれども、どう考えられますか。
#260
○参考人(梅沢節男君) まあ、今おっしゃいましたこと、私、論理的に必ずしもはっきりその御質問の趣旨がわからないんですが、あえて委員の御質問の要旨を私なりに解釈して一つ二つ申し上げますと、土曜会というのは、これは事業者のいろんな親睦団体というのは現実にあるわけです。会員相互の親睦を図るほか、共済事業をやったり、いろんな団体があるわけですけれども、その土曜会がどういう団体であったかということは、公正取引委員会が関心を持つのは独占禁止法違反の談合を行う場として土曜会があったかどうかということで、親睦団体であるかどうかという議論とこの場で独占禁止法三条の違反行為が行われたかというのはどうも論理的に結びつかないわけですね。
 それからもう一つ、今おっしゃったのはどういうことなんでございますか。刑事告発にならないから、法違反でないけれども独禁法違反であると。そこの辺ちょっとお教え願いたいんですが。
#261
○北村哲男君 その点は、午前中の廣瀬参考人は、刑法の九十六条三に公正な価格を害しまたは不正な利益を得る目的でもって談合した者は二年以下の懲役に処す、そういう条文ありますが、それに当たれば談合だけれども、自分たちはそれに当たっていないんだから、刑事事件に当たっていないんだから我々は談合はしていないというふうな言い方をされたんで、それで見解を求めたわけなんですが、私は、参考人、そうでなくても通常ああいう埼玉土曜会がやってきたことを我々は談合と言うではないかということなんですよ。いかがですか、簡単に。
#262
○参考人(梅沢節男君) 確かに、刑法の談合罪の構成要件と独占禁止法の三条の構成要件とは違います。
 これは先ほどの御質問にも答えたわけでございますけれども、三条にある「不当な取引制限」というのは、いわゆるカルテル、事業者が相互に拘束をして共同して競争回避的な行為を行う、これは例えば価格値上げのカルテルもございますし、同時に、一つのカルテルの形態として建設業に特徴的な受注調整、これはいわゆる談合と言っておるわけでございまして、これはもう言葉の遊びのような感じがするわけでございます。談合でございます。
#263
○北村哲男君 その点は結構でございます。
 それで、土曜会の問題で実は審決が出されましたよね。その中では、平成四年五月十五日に排除勧告を行い、それを六十六社が応諾したので、六月三日に審決を行っている、そういう経過になっているんですが、この応諾の意味なんですけれども、これは、各会社が公正取引委員会が認定した事実を認めだということを応諾というふうに理解してよろしいでしょうか。
#264
○参考人(梅沢節男君) これも講学上はいろいろな議論があるわけです。ただ、応諾というのは、端的に解すれば、公正取引委員会が命じた排除命令をわかりましたと、しかし事実は認めているわけではありませんということも争い得る余地があるという議論もそれはあるわけです。
 ただ、しかし、この辺は確定をいたしておりませんが、私は公正取引委員会のOBといたしましては、勧告、審決であろうといえども、勧告に書かれた事実というのは今後の裁判上でも司法当局においてできるだけ尊重してもらいたい、そういう強い希望は持っております。
#265
○北村哲男君 終わります。
#266
○種田誠君 先ほどの質問の続きで最後に一点だけお伺いしたいんですが、東京地検と最終的に協議をした、しかしそのときに公判維持、起訴をするには不十分であるというのは、東京地検からの意見だったんでしょうか。そういう意見があったんでしょうか。
#267
○参考人(梅沢節男君) 検察当局と公正取引委員会事務局の折衝の手順あるいは現場は全部事務局に私ども任せておりますから、私も含めまして委員が具体的に承知をできる状況ではありません。
 ただ、当時この検察当局との関係で申し上げますと、恐らく窓口は東京高検であったのではないかと思いますけれども、しかしそれはあくまで窓口であって、どういう検察官がその場に参加されてどういう議論があったかということは私は承知をいたしておりませんし、承知をしても申し上げることではないと思います。
#268
○種田誠君 終わります。ありがとうございました。
#269
○委員長(井上吉夫君) 以上で種田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、林寛子君の質疑を行います。林君。
#270
○林寛子君 梅沢参考人には大変今週はスケジュールがいっぱいで、来週ならばとお返事があったところを無理無理きょうおいでいただくことに御協力を賜りましたことに、予算委員会理事の一人といたしまして心から御礼を申し上げるとともに、特に梅沢参考人には私ども公正取引委員会に国民の一人としてもあるいは当委員会としても万雷の信頼を寄せているところでございますけれども、公正取引委員会のもってする目的が正常に国民の目にも見えますようにぜひ私どもに多くの指針を与えていただくために参考人においでいただいたと私は認識しておりますので、わずかな時間ではございますけれども、知り得る中で最大限の短いお時間で御返答をいただければ幸いに存じます。
   〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕
 今まで御質問があったこととダブるのを避けたいと思いますので大変唐突な質問の入り方をいたしますけれども、お許し賜りたいと思います。
 埼玉土曜会に対して、大手ゼネコン、いわゆる総合建設業に報告命令書をお出しになりましたね。例えばその報告命令書というのは三十ページに及ぶと聞き及んでおりますけれども、大体どんなことをお聞きになったか、ちょっとお漏らしいただければと思います。
#271
○参考人(梅沢節男君) ただいま委員が御指摘になりました報告命令書というのは、これは埼玉の事件に限りませず、一般的に違反事件が起こりましたときに、独占禁止法四十六条の規定に基づいて相手方事業者に一定の内容を強制的に報告させる、そのことを指していらっしゃるものだと思います。
 突然のお尋ねなのでございますけれども、この報告命令というのは、それぞれその事件を担当する審査官というのが指定されまして、審査官が調査の進捗事情に応じて必要と思うものを会社に報告させたいということで命令をするわけでございますから、記憶違いがあっては申しわけないんですけれども、会社に出す命令書の発出人も担当の審査官になっているわけでございます、これは自由に必要な調査活動をさせるわけでございますから。ということは、もう昔の話でもございますけれども、私自身はその具体的な当時の報告命令の内容というものを承知もいたしておりませんし、それからまた、仮に承知をいたしておりましても、今の時点で、やはり今後の事件処理全般に公取がやる関係が支障が生じる問題でもございますので、ひとつ……
#272
○林寛子君 答えられない。
#273
○参考人(梅沢節男君) 答えられないし、また内容も把握していないということでございます。
#274
○林寛子君 それでは、質問を変えたいと思います。
 もしその報告命令書で虚偽の申告をした場合には、公取としてはどういう処置をとられますか。
#275
○参考人(梅沢節男君) これは法律上はたしか罰則、罰金の規定があると思います。
 ただ、私が承知する範囲内では、これを虚偽の報告ということで、従来、昔のことは存じませんけれども、刑罰の対象として処分されたという例は私はないと思います。
#276
○林寛子君 埼玉土曜会のようないわゆる談合組織、そういうものは全国に東北、関西、九州など他の地方自治体にもあると言われているんですけれども、なぜ埼玉にお入りになったか、それは内通者がいたのかあるいは余りにもひど過ぎたのか、なぜ埼玉に捜査官を入れられたのか教えてください。
#277
○参考人(梅沢節男君) これまた一般論になって恐縮でございますけれども、公正取引委員会が四十六条の規定を中心といたしまして違反行為に対して実際の立入検査等を含む強制調査権限を発動するに当たりましては、やはり具体的な違反事実があると十分認識し得るという程度の情報端緒というものに接して強制調査に入るわけでございますが、しかし、埼玉について一体じゃどういう情報があったかということは、これは申し上げられません。
#278
○林寛子君 それでは、公取が入るときには通常大体何人くらいを予定されますか。
#279
○参考人(梅沢節男君) これも難しい御質問でございまして、事件の規模にもよります。たた、私は具体的な実数は把握してはおりませんけれども、大きな事件になりますと、もちろん審査部に属する職員を審査官に指定するほか、他部からあるいは他の地方事務所からの動員も得て臨むことになると思います。
#280
○林寛子君 私の把握しておりますところでは、今まで公取が検査に入るときには大体数人というのが常識的、通常的な人数だと私は聞いております。しかも、今度の場合は十数人が入ったわけですね。十数人入るということは、よほど事前に何かを把握しておかなければ十数人という人数はできないだろうと。ただ、加入者が六十六社と数が多いから多かったというだけなのか、あるいは事件の大きさを予測していられたのか、その辺はいかがでしょう。
#281
○参考人(梅沢節男君) 違反事件についてどういうふうな審査体制で臨む必要があるか、あるいはその効率性の観点から、これはむしろ審査を指揮いたします部門におきましてその事件事件に応じて的確に対応するわけでございまして、その意味で私自身もその件について具体的にお答えできるという立場ではございません。
#282
○林寛子君 公取委員会が平成二年六月、入札談合など悪質で重大な事案、違反を反復して行政処分では独占禁止法の目的が達成できないと考えられる事案、以上の事案に対して積極的に検察当局に刑事告発していく方針を明らかにされました。これをされたにもかかわらずこれが入っだということは、埼玉土曜会は以上の二点に照らして違反していると最初から疑っていらしたんでしょうか。
#283
○参考人(梅沢節男君) これも一般論になるわけでございますけれども、独占禁止法違反の端緒に接して調査を進める、その調査の段階、全容がはっきりしてくるその中で刑事告発に該当するかどうかというのは判明してくる、理屈としてはそういうことだろうと思います。
#284
○林寛子君 今回これだけの人数を投入し、そして多くの資料をお持ち帰りになってされたと思っておりますけれども、今まで刑事告発を前提に公取が審査スタッフ等を大量投入した事件で、検察当局との正式協議が行われないまま行政処分をとったという事例はないと思うんです。これだけの人数を出し、そしてこれだけの資料を集められて、告発しないで行政処分にとどまるというのは異例だと思うんです。それはどう思われますか。
#285
○参考人(梅沢節男君) これは、先ほど来再々御説明を申し上げておりますように、平成三年の秋以降、検察当局と何回かごの問題の、刑事罰に該当する事案がどうかという意見交換、情報交換等を重ねてまいったわけでございます。
   〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕
 委員が今おっしゃるのは、これは先ほど来各委員おっしゃっていることと同じような御疑問といいますか問題の提起だと思うんですが、日本の建設市場におけるこういう慣習的な談合について、しかもこういう大きなものに当面したのは実はこの事件が私は最初だったと思うのでございます。その意味では、これからのこの問題に対する対応について大きな教材になる、その意味で今の公正取引委員会は検察当局等とも今後の対応について真剣に私は取り組んでおられるだろうと思うんですが、これでお答えになっておりますですか。
#286
○林寛子君 それでは視点を変えまして、独占禁止法というのは、今回のような談合と言われるような体質を持った業界に広く理解されているとお思いになりますか。
#287
○委員長(井上吉夫君) ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕
#288
○委員長(井上吉夫君) 速記起こして。
#289
○参考人(梅沢節男君) 今の委員の御質問は、我が国のいろんな産業の市場全体を含めまして競争政策あるいは競争という観点から一体現状をどう評価するのか、それから、今後どうこれに対応するのかということじゃございませんで……
#290
○林寛子君 いや、そこまでいきません。独禁法の理解が徹底されているとお思いですかと聞いただけです。
#291
○参考人(梅沢節男君) これは私の個人的見解でございますけれども、先ほど吉村委員の冒頭の御質問にもお答えいたしましたけれども、一九八九年ぐらいから今日に至るまで独占禁止法の強化の問題もございました。それから流通取引ガイドラインも具体的なものを制定いたしました。それから、それと並行して一つ象徴的なのは、特に上場企業を中心にいたしまして独占禁止法遵守マニュアルというのを各産業で非常に熱心に取り組んでおられる。それを単にマニュアル化するだけじゃなくて、社内にそれを徹底させるシステム、こういうものが進捗している。そういう状況を見ますると、各産業によって跛行的ではございますけれども、私は独占禁止法に対する理解というものは決して後ろ向きの方向では進んでいないというふうに考えております。
#292
○林寛子君 私は、公取がそれなりに努力をしていらっしゃる、また、今、参考人がそう思っていらっしゃるのはよくわかるんですけれども、ここに一つの事例がございます。
 日本建設業団体連合会、いわゆる日建連幹部が、独禁法遵守を徹底させるためにセミナーや手引書等づくりに取り組んできたが、建設業五十一万社という末端組織にまで浸透させるには難しい。言いかえれば、みんなでやれば怖くない、そういうふうに幹部が発言するようなこういう談合組織の認識、あるいは独禁法の徹底がいかに難しいかということがあると思うんですけれども、そういう甘さというものが、今日世上に言われている談合が相変わらず横行している、またそれを取り締まれなかったということにつながるのであろうと思いますけれども、これに関して御感想はございますか。
#293
○参考人(梅沢節男君) これは建設業という特定業種に限定してのいわば御質問でございますが、この建設業の実態につきましては私はさまざまな評価といいますか、角度から評価をする必要があると思います。あると思いますが、他のいわゆる製造業分野、あるいは流通分野も含めましてですが、に比べまして、これは市場が先ほど言いましたように受注市場という非常に特殊な特性を持った市場でございます。その意味では、競争が壊れにくいという性格を持っているわけです。これは世界どこの国もそうでございます。
 したがいまして、そういった企業なり産業での意識の改革といいますか、企業体質の改善も含めまして、これは相当時間がかかるかもわかりませんけれども、やはり独占禁止当局も含めまして、先ほど入札の問題もございましたけれども、うむところなくいろんな方法を進めていって市場の公正さあるいは自由さというものを確保するより道がないのではないかというふうに考えます。
#294
○林寛子君 時間がございませんから、平成四年五月十五日、告発断念の記者会見のお言葉の中に、参考人は、政治的な圧力と政治家との取引は一切なかった、告発はできず残念だと記者会見でおっしゃっています。その残念だとおっしゃったのは何が残念だったかというのが一点。またそのとき、委員会の調査権限の問題については各方面で将来に向けて早急に考えたいと発言されているんです。私は、公取が今後も公正な競争を維持して消費者の利益を守るために独禁法違反に断固とした態度を貫くためには、この将来に向けて早急に考えたいという点は何なのか。
 以上、二点をお伺いして終わりたいと思います。
#295
○委員長(井上吉夫君) 時間が来ておりますので、簡潔に答えてください。
#296
○参考人(梅沢節男君) まず後者の方でございますけれども、これは要するに、独占禁止法の現在の四十六条の調査権限を反則調査権限というふうに強化すべきであるといういろんな議論があるわけでございますが、これについてはもう既に国会等でも当時お答えしておりますけれども、種々の問題がありまして、やはりこれは将来の検討課題ということで、にわかに結論を出しにくい問題だろう。
 それから、一番目の御質問は何でございましたか。
#297
○林寛子君 記者会見で告発できず残念だとおっしゃったんですが、その残念という意味はどういう意味でしょうか。
#298
○参考人(梅沢節男君) これは、告発を再開する宣言を出して、これはいろんな議論がございましたけれども、前年にいわゆるラップ事件については刑事告発に持っていきました。それから埼玉の事件についても、その年の秋ごろからずっと春にかけて検察当局も真剣に取り組みましたし、当方の事務局の専門家も何とかして告発できないかということで取り組んだわけですけれども、結果的にそれが実現できなかった。これは当時、私は率直な気持ちとして残念だと申したわけであります。
#299
○林寛子君 以上で終わります。ありがとうございました。
#300
○委員長(井上吉夫君) 以上で林君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木君。
#301
○荒木清寛君 公明党・国民会議の荒木清寛でございます。
 きょうは調査への御協力、大変にありがとうございます。私の方からも何点か御質問をさせていただきます。
 公正取引委員会というのは言うまでもなく消費者の味方でございまして、それ以上でもそれ以下でもない、そう確信をしております。しかし、これは九〇年九月のロンドンのエコノミストという雑誌ですけれども、日本の公取に対しまして、かみつかないように訓練された番犬と、そういう手厳しい批判を浴びせているわけでありまして、また国内でもそういう批判を私よく目にしたわけでございます。
 参考人も当時は委員長でございまして、当然そういう批判といいますか、やゆも耳にされたと思いますが、どうお感じになっておられましたでしょうか。
#302
○参考人(梅沢節男君) そのロンドン・エコノミストの記事は私もたしか読みました。もちろん、当時独占禁止政策の強化の過程にございましたから、公正取引委員会といたしましては、それからもう一つ、そういった批判が外国にあるということはこれは決して愉快な話ではない、そういう印象を強く持った覚えがございます。
 ただ、それ以降、制度の改正等を通じまして、それから運用の強化等を通じまして、私が在任中体験した限りでは、米国の競争当局にしてもECの競争当局者にしても、この期間のうちに日本の公正取引委員会がいわばこの競争政策を強化する方向で取り組み始めているということについて、かなり正確な認識を私は持つようになったと考えております。
 当時はコミュニケーションの関係で多分に私は誤解もあったんだろうと思いますが、その意味では、当時のエコノミストの記事と、私が退任いたしました後現在に至るまで、それは少なくとも対外的評価というものほかなり変わってきているのではないかと考えております。
#303
○荒木清寛君 そのかみつかない番犬がついにきばをむいたかと言われましたのがいわゆる建設談合の事件でもあったわけでございますけれども、この建設談合というのが広く一般的に行われているというのはある意味では公然の秘密ではないかというふうに思うわけでございます。今、全国各地で入札方法の改善ということがなされているということからも、それは十分に裏づけが可能ではないかと思うわけでございます。
 そこで参考人にお尋ねをいたしますけれども、こういった各地における建設談合の情報というのは公取に数多く寄せられているんではないか、そういう情報についてきちんと調査をしているのか、調査をしたにもかかわらず一件もいわゆる告発ができないというのはなぜなのか、そういった点につきまして参考人にお尋ねをしたいと思います。
#304
○参考人(梅沢節男君) この談合というものは非常にインフォーマルな、内部的な組織で行われる可能性が非常に例が高いわけでございますね。したがって、内部告発の場合と、それから排除されたアウトサイダーの申告と申しますか、これはどこの国の談合の情報源も大体そういう申告だろうと思うわけであります。
 どの種の情報が入ってどういうふうにしているか、私は現状を承知しないわけでございますけれども、それはやはり公正取引委員会の審査部にございます情報管理部門が的確にそれをえり分けながら、やはり違反事実の存在についての具体的端緒があれば、これは積極的な対応を従来もしておりましたし、これからもするだろうと考えております。
#305
○荒木清寛君 こういう公取法違反で調査をする過程につきまして、個々の事件についていわゆる政治家からいろいろ横やりが入るということは一般論としてこれまであったんでしょうか。
#306
○参考人(梅沢節男君) これは独占禁止法の二十八条の独立して職権を行使するということが公取の基本的な骨格をなす部分でございますから、いわゆる国政に携わっておられる方々がこの公取の性格というものを認識されてないはずはないわけでございます。ただ、御質問の点について、これは恐らく今までのいろんな問題との絡みでおっしゃるのだろうと思うんですけれども、これは一般論としてでも大変お答えにくい問題であります。
 ただ、はっきり申し上げておきますことは、よしんばそういうことがたまに行われたと仮定いたします。しかし、それにしても、それによって公正取引委員会の職権行使が曲げられることは絶対にないと、これはもう御信頼を賜りたいと思うわけであります。
#307
○荒木清寛君 大変お答えにくいことはわかるわけですけれども、今回の埼玉土曜会における継続的な談合、カルテルにつきまして、最終的に刑事告発は見送りになったわけでございます。その間の事情を先ほど来お話しになっておりまして、御説明は理解をいたしましたけれども、しかし、この公取法違反事件といいますのは昭和六十三年、平成元年、平成二年と三年間にわたる継続的なそういうカルテルを問題にしたわけでございます。
 先ほどのお話ですと、告発を見送りました理由としまして、会社同士のそういうカルテルというのは確かに認定ができた、しかし個々の実行行為者といいますか、だれがそういう話をしたのかというそれが特定できなかったから告発をしなかったんだというお話だったんですけれども、三年間の行為ですから、談合の場面といいますか入札の場面というのは数多くあったと思うんです。それを全部調査して、そのうちの一件もそういう実行行為者が判明しなかったと、これはどうしても納得できないんですけれども、本当にそういうことだったんでしょうか。
#308
○参考人(梅沢節男君) これは実行行為者といっても、例えば現場説明にこの談合事件のときに行ったのはだれだとか、あるいは実際に入札行為を、つまり入札の札を入れるときにどこの社員がそれをやったかとか、その社のだれがやったかとか、こういうレベルの個人の問題ではないわけでございます、私が申し上げているのは。それは個々の調査の過程で我が方の審査部はできるだけの事実を発掘しておりますから。
 そうではなくて、これから具体的なことを申し上げることは先ほども申しましたように今後の事件処理に影響を与えるわけでございますけれども、そういう共同行為の枠組みというものを自然人レベルでどういった証拠によって確定し得るのか、あるいはそれが独占禁止法八十九条にございます構成要件に該当するのかどうか、これは大変難しい問題であったということを申し上げているわけでございます。
#309
○荒木清寛君 独禁法の七十三条によりますと、「公正取引委員会は、この法律の規定に違反する犯罪があると思料するときは検事総長に告発しなければならない。」、これが問題になっている規定だと思うわけです。今回の一連の事件というのは、そういう意味ではカルテルがあったということははっきりしているということですから、だれかがそういうシステムの中で相談をしそういう結果になったということははっきりしているわけでありまして、しかし、だれかがやったことは間違いないけれども、それが何のたれべえだというところまではわからないという話なんですね。
 要するに、法人のカルテルがあり、しかもそういう個々人の実行行為者がきちんといるということはもうはっきりしているわけでありますから、この七十三条の規定に照らせば、これはもう犯罪があるというふうに十分信じることができるわけですから、この規定を活用して告発することは私は十分可能であったのではないか、そう思いますが、いかがでしょうか。
#310
○参考人(梅沢節男君) これは先ほど来繰り返しの議論になるわけでございまして、結果として、これは具体的な個人を特定して、これを八十九条、今回の場合ですと一号違反、特別の個人を特定いたしまして告発するというまでに特定できなかったと、特定するには至らなかったと、こういうことでございます。
#311
○荒木清寛君 そうなりますと、今回の土曜会の事件のように、業者が団体を形成して談合ルールをつくって、以後そのルールに従って継続的自動的にいわゆる落札業者を選定する、こういうシステムの談合の場合にはほぼ一〇〇%刑事告発ができないというふうにもなろうかと思うんです。
 そんなことで本当にいいのかという気がするんですが、最後にお尋ねしたいのは、もうそれは今の法律の原則の上からはやむを得ないんだ、あるいはこれはもっと公取の捜査能力を充実してもらえば解決するんだ、あるいは法律を改正すれば解決する問題なのかという点につきまして、最後に一言御意見をお伺いしたいと思います。
#312
○委員長(井上吉夫君) 梅沢参考人、時間が来ておりますので簡潔に願います。
#313
○参考人(梅沢節男君) 慣習的談合については、やはりこれからどういう対応をするのかということはなお前進、調査手法あるいは事件構成も含めて、あると思います。
 法律改正の問題は、これは刑事法の問題でもございますし、私既にもう公務を離れておりますので、法人に犯罪能力を認めるかどうかという問題にもかかわる問題でございますので、私の答弁申し上げる範囲を超えている問題でございます。御了承賜りたいと存じます。
#314
○委員長(井上吉夫君) 以上で荒木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。上田君。
#315
○上田耕一郎君 日本共産党の上田です。
 梅沢参考人、どうも御苦労さまです。
 午前中、鹿島建設の廣瀬参考人は何回も、ガイドラインに従ってやっておりましたからと言われたんです。この八四年の二月に公取が決めたガイドライン、これは情報交換も独禁法違反でないとして、談合の免罪符とまで言われたんですね。公取がことし決めた新しい指針の原案では、受注にかかわる情報交換、これも原則として独禁法違反としているんです。だから、当時のガイドラインは極めて甘かったんです。ところが、あのときも政治的圧力があったんじゃないかと我々は思うんです。
 「全国建設業協会沿革史」によりますと、ガイドライン発表の一カ月前、一月十七日、全国建設業協会が自民党三役に業界の適正な調整行為を独禁法の適用除外にしてくれと要望した。そのとき金丸幹事長は「公取委が閣議決定を理解できないというなら、議員立法によって独禁法を改正する!」と言い放ったと。この沿革史は、「この時の金丸発言の重みは絶大であった。」と書いてある。
 どうです、あなたは当時公取委員長だったんだけれども、金丸信幹事長らから政治的圧力は一切なかったですか。
#316
○参考人(梅沢節男君) 委員が今おっしゃったのは昭和五十九年のガイドラインで、私は当時公正取引委員会に在籍いたしておりません。
#317
○上田耕一郎君 前任者の場合でもどうです、この問題は。
#318
○参考人(梅沢節男君) 具体的な事実を承知しない問題についてなかなかお答えはしにくい、正確なお答えはできないわけでございますが、ただ、当時の経緯を公正取引委員会の方の資料等によって見ますと、このガイドラインは巷間伝えられるような談合ガイドラインだというふうな言われ方はちょっとひどいと思うんです。
 これはやはり、入札談合は明らかに独占禁止法違反だという前提に立って、特に中小事業者が多い建設事業者がこののりを越えて違反行為にならないぎりぎりはどこかということを定めたもので、本質的に私はこのガイドライン自身に問題があったとは考えてないわけです。
 しかしながら、このガイドラインの運用を通じて、あるいはこのガイドラインをその後も継続して各業界団体等に周知徹底してきたわけですけれども、今回、現在の公正取引委員会が平成三年の流通ガイドラインのひそみに倣ってもう少し、事業者にあるいは建設業者に何が違反になるのかということの行為類型をもう少し具体化して明確にするという方向で私は作業を進めているふうに新聞等で受け取っておりますので、これは大変いい方向であるというふうに考えております。
#319
○上田耕一郎君 平成二年に公取は十七年ぶりにこの告発方針を決めたわけですね。それで、当時これを告発しなかった問題について国会でもかなり大きな議論があって、梅沢さんも埼玉土曜会事件について何回も答弁されております。ラップ事件の場合は、具体的な個人、やった内容、これは特定できたので告発したと。ところが、埼玉土曜会事件については、会社の独禁法違反は明確だ、しかし個人の犯罪行為、個人名、内容を特定できなかった、だから告発しなかったという答弁をされております。
 私、午前中にも明らかにしたんですけれども、公取の審査官による廣瀬氏を初めとする鹿島、大成、大林組、熊谷組に対する供述調書が去年浦和地裁で開示されているんですね。それを見ますと、あなた方が告発方針を決めた平成二年六月二十日の翌年の三月に土曜会は役員会で決め、四月二十五日には総会を開いて、ここで例の札の問題、今までどおりPRチラシでやると、同時に札についてはこれは価格を決めて談合行為をなすよと。これは、これまでどおり渡しっ放しじゃなくて、一対一で知らせたらメモをさせて後で回収するということを決めたという供述があるんですね。
 そうしますと、これは証拠隠滅ですよ。特定内容、特定個人、明らかじゃありませんか。何でこれにもかかわらず告発しなかったんですか。明らかに何らかの政治的圧力があったんじゃないかという疑惑が生まれるのは極めて当然だと思いますけれども、はっきり答えていただきたい。
#320
○参考人(梅沢節男君) これは先ほど来るる申し上げているところでございますけれども、この事件の犯罪性という点についてはあらゆる角度から検討いたしました。ただし、具体的に今おっしゃったような点についてどういう判断を下したのかということは、これは今後の事件処理に私は関係すると思いますので申し上げることはできません。
 それから、繰り返し申し上げますけれども、埼玉事件の談合の見送りは、いわゆる今おっしゃいました政治的圧力というようなこととは全然関係がございません。
#321
○委員長(井上吉夫君) 時間です。
#322
○上田耕一郎君 公取委員長としての政治的、社会的責任を明確に果たしていなかった事態ではないかというので残念に思うということを申し上げて、質問を終わります。
#323
○委員長(井上吉夫君) 以上で上田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島君。
#324
○青島幸男君 二院クラブの青島幸男でございます。どうぞよろしくお願いします。
 先ほどから参考人は、談合入札の問題が後を絶たないのを悔しく思っておられると思うんですけれども、建設業の場合、個別にいろいろ条件が変わっていますので、ですからほかの税務調査みたいに同業他社の実績から類推するというようなことも難しいし、一々どういう計画でどういう入札がなされたかということは個々に別個な条件がそろっているので摘発がしにくいんだということを再三おっしゃられまして、私はそのとおりだと思います。
 しかし、発注者がそれで子とすれば、どういう経過でどういうところに決まろうとそれは知ったことではないんだということではないと思いますね。やっぱりそれが適正に行われているかということを常に見張っていなきゃならないのが公取の仕事だと思います。
 それで、談合が防げるということ、防ごうという意欲がもしあればこういうことはどうだろうかということで私はお尋ねするんですけれども、一位入札者が決まってしまったらそれでもう事は終わりということではなくて、真摯な努力を積み重ね工夫を積み重ね実績の上から書類を出し入札に臨んではねられた二位、三位の方は、そのはねられた理由が天の声とか神の声とか非常に理不尽で明確でない理由のためにはねられたとすれば、改めて真摯な態度で事に臨もうと思うことはやめてしまいますね。意欲は減衰してしまいます。ですから、二位、三位の方がなぜはねられたかということを明確にしていく、国民の目に明らかにするようにしていくということも、歴史的な積み重ねがあれば談合が行われなくなるのではないかという考え方を持っているんですが、長年担当の位置においでになられた参考人はどのようにこのことをお考えになりますか。
#325
○参考人(梅沢節男君) 大変難しい問題の御指摘でございますので、今確たるお答えをする用意は必ずしもないわけであります。
 ただ、先ほど申しましたように、建設市場における談合というのは、我が国のみならず世界共通の、実は残念ながら市場に生じやすい問題であります。
 アメリカ等において、特に公共入札については日本以上にと私は恐らく申し上げてもいいと思うんですけれども、司法省の反トラスト局と各省の発注官庁との間に非常に緊密な連絡体制ができているのと今おっしゃったものと関係があるかどうかは存じませんけれども、入札の札入れの状況から見てこういう場合には談合を類推できるのではないかといったような経験事例、そういったものも含めて、競争当局と発注官庁とのいわばネットワークといいますかチェックシステムというのは、率直に言って日本の現状よりは私はかなりかっちりしたものをつくりつつあるように存じます。
 ただ、我が国の場合も、私が退任いたしまして以降、公正取引委員会と各発注官庁との間のいわば独占禁止法の観点から、競争、公正な入札ができたかどうかというものをいわばウォッチする、怪しいと思ったら公正取引委員会に連絡するというふうな連絡体制を整備強化しつつある方向にあるように私は受け取っておるわけでございます。
 これが、今私が申し上げる答えでございます。
#326
○青島幸男君 もう時間もありませんが、確かにそのような方向で検討されて、これが歴史的に繰り返されていけば、公開入札の正しい民主的なあり方というのが確立されるんではないかと私は思っておりまして、こういうことを申し上げた次第です。
 ありがとうございました。
#327
○委員長(井上吉夫君) 以上で青島君の質疑は終了いたしました。
 以上で梅沢参考人に対する質疑は終了いたしました。
 梅沢参考人には、長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。
 それでは、御退席くださって結構でございます。御苦労さまでした。(拍手)
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#328
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
#329
○委員長(井上吉夫君) 引き続いて、予算の執行状況に関する調査のうち、ゼネコン問題に関する件について参考人の方々から御意見を賜ります。
 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席をいただき、ありがとうございました。
 当予算委員会は、予算の執行全般にわたって審議する立場から、公共事業費の執行についても多大の関心を払ってまいりました。
 この点に関し、いわゆるゼネコン問題が国民の注視するところとなり、国会においても、事実を解明するとともに防止策を確立し、政治と行政に対する国民の信頼を回復することが急務であるとの観点から、本日、関係者各位に直接お話を伺うことといたしました。
 そこで、午後の後段は、地方公共団体関係者として、多年にわたり島根県知事を務めてこられ豊富な行政経験をお持ちになっておられる恒松制治承並びに現在日南市長として御活躍されている宮元義雄君に参考人として御出席をいただき、行政の経験を踏まえたお話をお伺いすることとなった次第であります。
 両参考人には、どうか忌憚のないお話をお聞かせいただきたいと存じます。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、各参考人からそれぞれ七分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 それでは、これより恒松参考人から御意見を賜ることといたします。恒松参考人。
#330
○参考人(恒松制治君) ただいま御紹介いただきました恒松でございます。
 参考人ということで本日まかり越しましたけれども、果たして私が適当であるかどうかというのは大変私自身が心もとなく思っております。
 その理由は、一つは、知事をやめましてからもう七年たっておりまして、記憶もどうもだんだん定かでなくなってきているということがございます。それからもう一つは、十二年間知事を務めましたけれども、今回のゼネコン的ないろんな問題は一度も経験をしたことがございません。したがって、どうも果たして適当であるかどうかというのは大変おぼっかないわけでございますが、このことをお含みおきの上で、何か御参考になればと思ってまかり越したわけでございます。
 まず第一番目に、公共工事の発注というのは実態が一体どうなっているのかということについてでございます。
 私が知事になりましたのは、大学の教壇から直接知事になったわけでございまして、何も知りませんでございました。そのときに、最初に公共工事の発注について入札という場面に立ち至りましたときに、土本部長が参りまして、予定価格を記載するということと指名業者を御承認いただくということは私と知事との二人だけの間の問題でございますので御承知おき願いたい、こういうことでございました。そのときに初めて、入札というか、公共工事の発注ということがいかに重い責任を持つかということを痛感させられたわけでございまして、以後十二年間常にそういう面では非常に緊張したやり方でこの工事の入札に当たったわけでございます。
 もちろん積算の仕方、いわば予定価格を算出しますための積算のやり方であるとか、あるいは指名業者を選定する場合の基準といったようなものについて、私自身は素人でございますのでよくわかりません。しかし、よくわからないといって部長に任せておいたんでは務めが果たせないということで、大変その点については神経を使ったことを今でも覚えております。
 島根県の公共工事というのはそんなに大きいものはありませんのですが、たしか記憶に間違いなければ五億円以上は知事が直接予定価格を記入し、そして指名業者の選定について判こを押すということであったと記憶いたしております。そういう点では大変緊張したことを覚えておりますので、それが地方団体における公共工事発注の私が経験をいたしました実態でございます。したがって、先ほども申しましたけれども、いろいろな業者からのお誘いであるとかあるいはいろんな願い事であるとか、そういうことは全く私の場合にはございませんでした。そういう事実だけ申し上げたいと存じます。
 それから第二番目に、指名競争入札が今問題になっておりますけれども、一般競争入札、言いかえれば業者のだれもが自由に参加できるようなそういう一般競争入札と一体どっちがいいかということについては、専門家の皆さん方の間でも今いろいろと議論をなされております。
 ただ私は、大変率直に私個人の意見を申しますと、公共工事というのはやっぱり国民の税金を使うということでございまして、したがってそこで行われた工事が極めて信頼できる姿でなくてはならない、そのためには業者の選定に当たっては信頼できる業者であるかどうか、言いかえれば国民の税金を使ってやる工事が十分に国民に満足していただけるような工事が実現できるかどうか、そういう点を一番重要な課題として私は受けとめたわけでございます。したがって、私自身は公正な手続によるところの指名競争入札の方がむしろ望ましいのではないかというふうに、私自身の経験から申しましてそういうふうに判断をいたします。
 ただ、一般競争入札というような仕方をやったわけではございませんので、どちらがすぐれているかということについては私はよくわかりませんけれども、少なくとも私は指名の仕方としてはその方が県民全体の納得を得るやり方ではないだろうか、こういうふうに思っております。
 しかし、今盛んに言われておりますように、指名制度でありますととかく公明性が欠ける、言いかえれば不透明であるというような問題がありますために、汚職が起きやすいということは事実だと思います。しかし、私は入札制度が指名であるか一般であるかということと汚職の問題は必ずしも同じたとは思っておりません。どんなにきめ細かな制度を実施いたしましても、発注者の方が非常にあいまいなと申しますか、そうした汚職の生ずるような土壌である限りは私はそういう余地があるというふうに思っておりますので、そのように考えているわけでございます。
 そういう意味で、このゼネコン汚職というのは実は私には信じられない出来事でございました。あってはならないことだと思っております。競争の激しい企業社会で指名に入りたいためにいろんな誘惑がある。言いかえれば、金品を贈るという受注者側の気持ちは理解できないわけではございません。あるいはそういうことはあるかなというふうに思いますけれども、しかし問題はその発注者側の問題であります。発注者側にそうした余地があったとすれば、これは大変遺憾なことでございます。特に地方団体の場合には一連の事件がございました。たとえ一部であったといたしましても、地方団体全体に対する不信につながることでございます。したがって、私は今後のことについては厳に戒むべきことであると思っております。
 ただ、一つ感想として私が思いますのは、地方自治体にもっともっと行政全般に対する主体性があればむしろこういう問題は避け得るのではないかな、そういう期待感は大変持っているわけでございます。
 そこで、それでは再発防止のためにはどうしたらいいかということは、もうただ一つ、発注者側、例えば首長であるとかあるいは議会の方々がその責任の重要性というものをしっかり受けとめて、そして再発防止に努める以外には私はないとさえ思っております。もちろん公共工事に関する運営手続などの改善は必要ではございますけれども、もっと必要なことは、地方自治体の責任者がみずからを引き締めて公正な仕方をする以外にはない、こういうふうに考えております。
 以上で終わりたいと思います。(拍手)
#331
○委員長(井上吉夫君) 恒松参考人、ありがとうございました。
 次に、宮元参考人から御意見を賜ります。宮元参考人。
#332
○参考人(宮元義雄君) ただいま御紹介にあずかりました宮崎県の日南市長の宮元でございます。
 日南市はわずかに四万七千余の人口の小都市ですから、果たしてこういう場で大きな団体を中心にしたこの問題について参考人としてふさわしいかどうかわかりませんが、その点あらかじめ御了承をいただきたいと思います。
 日南市は、ただいま申し上げたように人口は四万七千人余、予算は平成五年度で一般会計が百八十億、特別会計が九十六億でございます。
 市の契約関係の実態について申し上げますと、公共工事の契約は、土木建築等を初め管工事、電気工事、上下水道工事、耕地・林道工事、水産工事等の各種に及んでおります。各工事とも契約については市の建設部の契約管理課というところに集中管理をいたしております。集中管理をしているというのが管理運用としては特色ではなかろうか、こう思っております。
 工事発注は、業者格付一覧の中から、これは登録業者と申しておりますが、工事の種別によって業者を六名ないし十名程度、契約管理課長のもとで原案をつくりまして、直ちに助役を中心とした各部長、それに所管の課長を構成員とした指名審査委員会において直ちに指名をする、こういうことで運用をしておるところでございます。指名委員会の結果について市長が決裁をするわけでありますが、これまで決裁において内容を変更したことは一件もありません。すべて指名審査委員会の決定に従って市長は決裁をしておるということでございます。
 目下のところは、日南市は公共工事について一般競争入札あるいは制限付一般競争入札方式は採用しておりませんが、平成五年度の日南市の公共工事等の入札状況を見ますと、件数で八百三十件、金額で約五十八億円余で、全体予算の約三一%に相当いたしております。共同企業体で実施をしたものは十件で十九億円、議会の議決対象は三件でありました。
 日南市の業者は、土木建築百九社、業者全部では百六十九社で、このほかに市外、県外の業者を加えますと、発注件数、金額に比較して業者の数が多いんじゃなかろうか、こう思っているところです。
 公共工事についての契約方式としての一般競争入札あるいは指名競争入札についてのメリット、デメリットはいろいろありますが、一投競争入札については実施しておりませんから、その内容は省かせていただきたいと思います。
 指名競争入札については、恒松参考人からも話がありましたが、日南市の場合にはこれまで一件も事故が起きておりませんから、従来から実施しておる指名競争入札をそのまま現在実行しておるところでございます。この指名競争入札制度は、確実な業者が指名されるということ、質の高い工事が期待できること、さらに地元業者優先ということは、これは市民に対するサービスといいますか、市民からの要望も非常に強うございます。市議会においても常に地元業者優先ということがありますので、地元でできる工事の範囲のものは指名業者を選定しながら運用しておるという現状でございます。
 ゼネコン疑惑に対する所見でありますが、公共工事の発注をめぐる汚職事件によりまして知事、市長等のトップに立つ者が逮捕されるということは絶対にあってはならないということであって、甚だ遺憾に思っている次第でございます。また、このように一部の首長等の不祥事件によりまして国民の皆さんの間にすべての他の地方自治体の長も同様であるかのような印象をもたらすことは、まことに残念なことでございます。
 再発防止に向けた所見としては、一つは、このような不祥事件は専ら首長等公務員のモラルの欠如によるものが原因でありますので、いかにしてモラルの向上を図っていくか、公務員のみんなで考え、厳正な事務の執行体制とその処理方法というのを正していくということが最も大事なことではなかろうか、こう思っている次第でございます。二つは、行政運営の改善とあわせて、契約運用の適正化によりまして二度と不祥事件が起きないように徹底することであります。そのためには、一番のポイントとなります発注者を客観的に縛る方法を考える、そして受注者の談合の防止方策の手だてを工夫する。この二つがポイントだと、こう思っております。
 なお、建設省や自治省で出しております各種の通知というのは、最近では一片の通牒じゃなくして相当具体的に指針を出しておりますので、この指針も参考にしながら運営していくべきだと、こう思っておりますが、ただ地方自治体の自主性、自律性というのを損なわないように、つまり中央管理あるいは中央の統制にわならない範囲において大いに活用すべきだと、こういうように思っている次第でございます。
 以上でございます。
#333
○委員長(井上吉夫君) 宮元参考人、ありがとうございました。(拍手)
 それでは、これより両参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。岩崎純三君。
#334
○岩崎純三君 自由民主党の岩崎純三でございます。恒松参考人並びに宮元参考人には、御多用の中、急速本委員会に御出席をいただきまして、心から厚くお礼を申し上げます。
 ただいま、地方自治に精通をされ、また経験豊かな両参考人から、ゼネコン問題に対していろいろな分野から意見の御開陳がございました。したがって、私といたしましては、ただいまの御意見を踏まえ、ゼネコン問題の再発防止あるいは入札制度等々についてお伺いをいたしたいと存じます。
 こうした本論に入る前に、午前中には埼玉土曜会の会長でございました廣瀬参考人、午後にはただいままでさきの公取委員長でございました梅沢参考人、ともどもおいでをいただき、各党各会派からそれぞれ質疑のやりとりがあったところでございます。その質疑の概要の一端を申し上げ、その上で両参考人から御所見なり御感想をいただければありがたい、かように存じます。
 廣瀬参考人につきましては、差し支えのない問題につきましては大変明瞭に答えておられました。また、核心に触れる部分につきましてはあいまいで言葉じりも濁って事実が全く見えない、そんな印象を受けました。さらに、答弁に窮しますると、今後の裁判もあるので、そうおっしゃって明確な答えをいたしませんでした。また、土曜会というものは六十六社の親睦団体であって健全で潔癖潔白である、したがって談合はございません、こんなやりとりがあったところでございます。
 午後、梅沢参考人につきましては、冒頭に、一般論としてはこの場において私の知る限りについてはお話をいたします、ただ今後の事件処理に障害にならない範囲でお許しをいただきたいという前置きがございました。その上で、共同して受注予定を決めるこの土曜会の問題はまさに談合事件であると言い切っておられます。独禁法違反については排除勧告も行っておる。また、告発に至らなかった理由につきましても可能な範囲内で答弁をされておると本人は認識をされた、そのように聞きながらも、これはもう少し論議を深める問題がなという感じは否めないところでございました。
 ここは国会でございます。司法の場ではございません。問題を掘り下げるのにも限界があろうかと思います。そういう中で、いずれにしても、廣瀬参考人の件につきましては疑惑は深まるにしろ薄れるような感は出てこなかったところでございます。そういったものを受けまして証人喚問を委員長に要求する場面もございました。地方自治体には、両参考人には関係はございませんでしょうけれども、百条委員会というものがございます。いずれにしても、同じ問題が右と左、午前と午後、全く違った内容で両参考人については論議が一応終わったわけでございます。私は歯がゆさを感ずる、そんな思いでもございました。
 こうした状況に対しましてどう判断をし今後どのように対処したらよろしいのか、御感想を両参考人からお願いいたします。
#335
○参考人(恒松制治君) 今、岩崎委員の方から御質問がございましたが、私が十二年間いろいろやってくる過程で談合というふうなことはやっぱりあり得ただろうというふうに思っております。正直なところであり得ただろうと思っております。逆にそういう談合がむしろ事業のスムーズな進行をあるいは促した面もないわけではないというふうに思っております。
 そうは思っておりますけれども、それじゃそれに対して行政の担当者、いわば発注者側はどう対応したかと申しますと、それは業者間の問題であって行政がかかわるべき問題ではないというふうに私は処理をしてきたつもりでございます。
 今考えますと少しなまぬるかったかなという気がしないでもございませんけれども、そこまで行政が踏み込むということは決して行政の方としていいことではないので、むしろそういうふうなものが起こらないような仕組みをきちんとしておくのが大切である。したがって、例えば指名をいたします場合に、ここからここまで指名したんだよということをはっきり公表するというふうな形でもって問題を処理した方がいいというふうに私自身は考え、対応してきたつもりでございます。
#336
○参考人(宮元義雄君) 私は恒松参考人とは若干違った立場におります。つまり現職でございますので感想といってもまた違った感想を持っておるわけでありますが、いずれにしましても、地方自治体で起きている今の汚職あるいはゼネコン汚職の問題ということに対しては、私は、申し上げましたように、甚だ遺憾であり残念なことだ、こう思っている次第でございます。
 やはり国の場合は、国が一つで、各省各庁でいろいろと契約制度について何か是正をしようと思えば、すぐ法律をつくったりあるいは政令、省令と、自分自身を規制するということは可能でありますが、ところが地方自治体というのは三千三百余もありまして、地方自治法の契約制度も基本規定を法律に、運用の規範というのを政令に、そして地方自治体の事情に応じて条例とか規則とか約款等をつくるということで運用もまたいろいろ多様でございますので、なかなか一律に今のような問題についてこうあるべきだ、こうすべきだという感想をここで端的に申し上げるというのは難しゅうございますので御了解いただきたい、こう思っております。
#337
○岩崎純三君 昨年六月に、国会では地方分権の推進に関する決議を各党会派の全会一致をもちまして国政史上初めて行ったところであります。戦後、日本国憲法のもとにおきまして地方自治が高らかにうたわれ、その定着化に向けた国民の努力あるいは関係者の努力には大変なものがあったであろうと思います。半世紀を経過する中におきまして、東京への一極集中がさまざまな社会、経済、政治上の問題を派生させております。それだけに地方分権の推進を決議する意味というものは極めて大きかったと存じます。
 決議では、中央集権的行政のあり方を問い直す、あるいは「国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務である。」と述べておりますが、この一つ一つを実現していくことは今後我が国にとりまして革命的な大事業、こう言っても言い過ぎではなかろうと存じます。
 その理想に向かいまして一歩を進めようとしたそのやさきに、自治体首長による一連の公共事業汚職が起こったわけでございます。やはり地方はだめだ、地方自治体に大きな権限を与えると汚職事件や腐敗行為が続発する心配がある、中央がきちんと監督する権限を保持すべきなどの声が聞こえてまいります。両参考人には、在職中今日までそういったことがそれぞれの行政を預かった中では全くなかったわけでございますが、昨今目に余るものがございます。これでは、地方の時代と申しましょうか地方分権が遠のいてしまって、中央集権の力が助長される一方ではなかろうかと思うのでございます。
 そこで、地方分権の推進を目指す観点から、こういう声に対してどのような対応をしたらよろしいのか、承りたいと存じます。
#338
○参考人(恒松制治君) 今、岩崎委員からの御指摘、もう全くそのとおりだと思います。
 私、現職ではございませんけれども、そういう地方自治に携わった人間として、こうした汚職が起こって、そして地方に任せておいたらだめだという声が今非常に強くなっているということについては大変残念なことだと思っております。残念なことだとは思うんですけれども、これ、逆に考えますと、むしろ地方分権が十分に行き渡っていないというか十分なところまで進んでいないからこういう問題が起こったんじゃないかというふうに、私は一方では学者なものですから裏を裏を行くようなことをせんさくするわけでございますけれども、実はそういうふうな感じもするわけでございます。
 ということは、例えば地方の行政があらゆる面において常に中央の方を向いてしまうわけですね。中央の方へ向いてまいりますと、住民に対して自分がいかに責任を負うべきかということをつい忘れがちでございまして、したがって、このぐらいなことはやっていいじゃないかとか、あるいはこういうことが言われればそれは行政全般の問題として公共事業をうまく進めるためにはある程度やむを得ないじゃないかとか、住民に対して大きな責任を負うというそういうことが若干忘れられた結果ではないかというふうに思っております。
 したがって、その点では、こういう事件が起こったから地方自治はだめなんだとか、あるいはもっとやっぱり中央できちんとコントロールしなきゃだめだという発想ではなくて、逆にこういうことが起こったからこそ、地方に対してもっと責任のある行政あるいは政治、行政を行わなければいけないんだという、先ほどお示しになりました地方分権ということの重要性をむしろアピールしていくべきではないかなと、私はこんな感じを持っております。私はそういうことでいろいろ皆さん方に訴えているつもりでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
#339
○参考人(宮元義雄君) 私は、国の方のいわば公務員の皆さんが事件を起こさなかったということではなくて、やはり例はあるわけですが、国の方に向かっては地方が国の不信を訴えるということの発言というのはなかなかやるわけじゃありません。逆に、今お話しのように、地方で汚職を受ければ地方分権等を含めて地方不信の声が出るということは、それ自体が中央集権的な発想である、中央集権的な考え方のもとにそういう発言があるんだろう、こう理解をしておるわけです。
 ですから、地方分権の決議をしていただいて、これから実現に向かっていろいろと皆さん方でお進めいただくということは大変ありがたいことでございますので、もう少し、一部の地方の汚職でもって全体を律するんじゃなくして、非常に多い、地方のはたくさんあるわけですから、その方の声を大事にしていただいて、今後とも地方分権の一層の推進をしていただくようにお願いをしておきたい、こう思う次第でございます。
#340
○岩崎純三君 ただいま両参考人のお話を承ったわけでございますが、確かにかっての日本に比べますとナショナルミニマムというのはもう大変進展をいたしました。したがって、地方に主体性を託するというか、地方分権がスムーズに行われれば、行政の目もまさに国を見ないで地元を見るということで今のような問題は防止できるんじゃないだろうか。宮元参考人も同趣旨の発言のように受けとめたわけでございます。これからも国会で一生懸命決議に従って地方分権について努力をいたしてまいりたい、かように思います。
 ゼネコン汚職の主な原因というものは、政官業でございますか、この癒着によるものだということがマスコミ等によって指摘をされております。
 そこで、業界の政治家もしくは地方自治体の首長さんへの働きかけ、恒松参考人は在任中そういったことは全くなかったということでございますから、この件については現職の宮元参考人にお伺いしたいと思いますけれども、そういった働きかけを断ち切る、そのためには、お話にあったとおり発注者側のいわばモラルの問題である。そしてさらに突っ込んで言えば、これは関係者同士の倫理観をまず第一義的に考えていかなきゃならない問題でございますが、それを乗り越えてなおかつ癒着問題がある。その業界からの働きかけをどのような方法で断ち切ったらよろしいのか、今までの御経験の中で、また今後の問題の中で、対応の仕方があったらお教えをいただきたい、かように存じます。
#341
○参考人(宮元義雄君) 大変難しい問題でございますが、業界の人たちが働きかけをどのようにしているかという点を申し上げますと、勤務時間中にもし時間があればほとんど業界の方がいろんな方の紹介状を持って訪れておられます。まずこれを何とか、勤務時間中ですから絶つことができないかなといろいろ考えて方策を立てておるんですが、まあ先輩やあるいは各地区の方々あるいは国の人たち、皆さんの紹介状を持ってこられたのを追い返すわけにはいけない。だから、まずはお会いするだけお会いしようということで実は目下やっているわけでありますが、やはり社会構造の一つの表現だと思いますが、紹介者がまず紹介をしないようにしてもらうのが一番ありがたいなと、こう実は思っているところでございます。
 それから、私はモラルのことを申し上げましたが、私個人のことを申し上げて恐縮ですけれども、私の家庭にいろいろ業界の方がおいでになることは一切お断りをいたしております。それから、各業者の方がいろいろな贈り物、届け物をされますが、すべて返送いたしております。着払いで返送して、現在ほとんど届かないような状況になっております。
 みんなそのようにしてもらいたいということで、秘書官、部長、課長、この人たちもそれに追従しておりますから、やはり私はモラルの問題だと、こういうふうに思っている次第でございます。
#342
○岩崎純三君 みずからを律するに厳しいお話を承りました。その前段に、紹介はなるべく差し控えてほしいという参考人からの御要望、というよりも切なる願いであろうと思いますが、ここにおる予算委員のメンバーとともに肝に銘じなきゃならぬ、そう思って聞かせていただきました。
 汚職に絡むゼネコン問題を解決するためには、ただいまもお話にあったとおり、モラルの問題、第一義的には関係者の倫理観にあろうかと思いますのでも、政治には金がかかる、選挙にも金がかかるんだと言われております。ならばこそ、政治と金のかかわりを明らかにする、そういった面での政治改革など制度面での改善等多面的な施策が必要であると思いますけれども、きょうは、発注者の立場にある宮元参考人、さらにはかって発注されました恒松参考人もお見えでございますので、端的にお尋ねをいたします。
 平成五年十二月二十四日付で、ただいま参考人から話があったとおり、建設省、自治省等々から入札・契約手続改善推進協議会の報告書が送られたかと思います。
 そういったものを踏まえて端的にお尋ねいたしますが、ただいま宮元参考人からは、そうした通達の中で制限付一般競争入札、これはまだ日南市ではやっておらないということでございますが、今後事業の規模によっては制限付一般競争入札を導入するお考えがあるかどうか。現在の指名競争入札で十分だと、その理論的背景もお話しいただきました。でも、規模の大きい問題についてはどうお考えになっていらっしゃるか、その件についてお尋ねをいたしたいと思います。
 また、恒松参考人には、制限付一般競争入札と指名競争入札、冒頭に一般競争入札と指名競争入札のメリット、デメリットについてお話があり、指名競争入札で足り得るんじゃなかろうかというお話もございました。けれども、ゼネコン疑惑のこうした中で、一般競争入札まではいかなくても制限付一般競争入札制度をどのようにお考えになるか、評価されるのか、この点についてお考えをお示しいただきたいと思います。
 また、この入札方式によって、談合問題が排除できるのかどうか、効果が生まれるのかどうか、こういった問題について、政治学者でございます恒松参考人からも貴重な御提言をいただければありがたいと思います。
 以上でございます。
#343
○参考人(恒松制治君) 私は余りよく詳しく存じませんので、適切な答えになるかどうかわかりませんけれども、今御指摘いただきました制限付一般競争入札というのは、私は本質的には指名競争入札と同じようなものだというふうに思っております。
 しかし、例えば一般競争入札という形でいろんな業者が、最初からその指名から排除されるのではなくて、一応自分はそれに参加したいんだということを言ってくるわけですね。それに対して、かくかくしかじかの条件が必要だからあなたのところはだめとかあなたのところは入るとか、こういうことでございますので、実態としては指名競争入札と考えていいのではないかと、私自身は大変勉強不足で十分な答えになってないかもしれませんけれども、そういうふうに理解をいたしております。そういう、いわば制限付一般競争入札も含めて先ほど指名競争入札の方がむしろ望ましいのではないかというふうに申し上げた次第でございます。
 そこで、こういうふうな制限付一般競争入札制度を取り入れることによって談合が排除されるかというと、今のこの入札の仕方というのは結局発注者側と受注者側との関係でございまして、談合というのはいわば指名を受けた業者の側がいろんな形で談合をするわけでございますので、私はこういう制度ができても日本的体質として談合というのはなくならないんじゃないかというふうに思っております。
 それは発注者側がモラルを大変尊重しきちんとやらなければならないのと同じように、これはやっぱり受注者側の方でそういうことに対して公正で、そして国民から信頼を受けるような、そういう姿になるということが大事で、そこでもやっぱりモラルの問題は適用されるべきだというふうに私自身は考えております。
 以上でございます。
#344
○参考人(宮元義雄君) 第一点の政治に金がかかるという観点からの問題についてでございますが、自治省とかあるいは建設省から出しておられる指針というのは、前にも申し上げましたが、従来のような一片の通知じゃなくして、相当具体的に検討されて、そして個別的に指針を出しておられますので、これは大変評価できるものと。そういう評価された指針に従って運用すれば、この契約、運用というのは相当適正化できるんじゃなかろうか、こういうように私は思っているところでございます。
 ただ、通知の個別的内容になりますと、ちょっと申し上げましたが、規模の大きいところ、あるいは規模が相当金額の上で大きいところを対象にするということがわらいのようになっておるわけで、小さい市町村にまで全部指針どおりにやることができるかどうかとなりますと、これは私はかえってマイナスになるんじゃなかろうか、こう思っておるところです。
 日南市では十五億以上の工事が今後三件ほど予定されております。清掃工場とかあるいは不燃物処理場とか相当多額の経費を要しますが、こういうものについて制限付一般競争入札という方式をとった方がいいかどうかということを目下勉強いたしております。各市でも逐次制限付一般競争入札を取り入れておられるところがありますので、全然無視するというわけにはまいりません。日南市としても、今後そのメリット、デメリットを含めて導入するかどうかを検討いたしたい、こう思っているところでございます。
 制限付一般競争入札の方式をとれば談合が排除できるかあるいは不正が排除できるかということになりますと、私はなかなか難しいんじゃないかと。
 なぜかというと、一般競争入札にしても制限付一般競争入札にしても指名競争入札にしても、発注者側に受注者の方で天の声を出してくれということを今でも盛んに言ってきます。ですから、仮に発注者が天の声を出した場合にはどの契約方式をとっても談合なり不正事件というのは後を絶たないことになりますので、やはり発注者と受注者との相互関係をいかにしてきちっと正常化し、そういうことが起きないようにしていくかという、たびたび申し上げますが、モラルの問題だと、こう思っている次第でございます。
#345
○岩崎純三君 ありがとうございました。
 次に、指名競争入札における透明性及び公平性の確保の問題についてお尋ねしたいと思っておったわけでございますが、この件については両参考人から冒頭に、指名競争入札で十分みずからを律しフェアな競争ができ、適正な価格でしかも良質な工事を行う、そういう基本的なスタンスを守っていけば十分ではないだろうかというお話があったわけでございます。それでも談合の起きる自治体、あるいは汚職の起きる自治体、全く両参考人のようにかかわりのなかった自治体もあるわけでございまして、基本的にはモラルの問題であり倫理観の問題であろうと思います。
 指名基準について、これも宮元参考人からは、もう既にその基準はつくっておる、それに基づいてやっておるというお話があったわけでございますけれども、それでは、その指名基準やあるいは運用基準の公表の問題、これをどう思いますか。公表することによって透明性あるいは公平性というものが確保されるのか、公表しなくとも十分対応できるのか、この辺についてお話を承りたいと思います。
 それから、冒頭のごあいさつの中で宮元参考人から、地元建設業者の育成、これについて要望もあるし、税金もいただいておるわけでございますから地元の市長としてはそれが当然のスタンスであろうと思いますのでも、その受注機会を確保する必要があるということでございますけれども、その場合に、何かこう、間違いないんだよ、透明度は高いんだよ、公平性が保たれているんだよというような対応の仕方が行われていらっしゃるのかどうか。
 この二点についてお伺いいたしたい。
#346
○参考人(宮元義雄君) 第一点の入札の取り扱いをどの程度公表すべきかという問題でございますが、できるだけ住民の皆さんに公表することは差し支えないと思っております。
 ただ、私は、一つだけ公表を避けた方がいいというのは予定価格でございます。予定価格は、公表するとかえって以後における運用に差し支えが次々と出てまいります。
 一つの例で申し上げますと、学校建築等は文部省が設計上の基準というのを示して補助をいたしておりますが、一つの学校施設で基準設定があって予定価格を建てますと、以後における予定価格はほとんどプロである建設業者の方ではわかってしまいます。これは非常に運用として困るという気がいたします。
 ほかにも予定価格は公表すべきじゃないという理由は幾つかありますが、一番大事なことは、予定価格と最低制限価格を設けている場合は、漏えいの問題と、基準設定によっての運用の過程においてすべてがその予定価格の直近下位に集中するというような問題も出てまいりますので、諸手続において公表することは差し支えないと思っております。
 ただ、日南はまだ一つも公表はいたしておりません。情報公開条例もつくっておりませんから、実は閲覧もいたしておりませんが、考え方としては私は差し支えないものだと、こう思っております。
 それから、地元業者優先の観点から公平性の問題がありますけれども、この公平性とかあるいは透明性というのは地元業者だけではなくして市外県外すべてそうでございまして、日南の場合には、市内業者のできる範囲のものはやはり市内を優先する、そして特殊工法とかあるいは金額が大きいとかこういうようなもので、市外あるいは県外ということでそれぞれ基準設定をして運用をいたしております。別段、透明性、公平性の観点からは地元業者さんを優先しても特別な問題は目下のところ起きておりません。
#347
○岩崎純三君 ありがとうございました。
 実は私も小さな市長を十五年、あの当時は四万五、六千、今は六万二千になりましたけれども、十五年ほど市長職を担当させていただきました。そこで、やはり宮元参考人と同じように地元業者の育成というものを考え、地元でできる仕事は可能な限り地元業者にという発想でやってまいりました。お二人の参考人と同じように、口幅ったいようでございますが、私も問題なくやらせていただいたのかなと思っております。
 ただいま制限付一般競争入札、それと指名競争入札について若干の質問を行ったわけでございますが、一般競争入札は善であり指名競争入札は悪である、こういった声のあることも私は承知をいたしております。しかし、その考え方が一概に適切なものではないということは、両参考人、そして私も同感でございます。
 国際的に見ましても、アメリカでは確かに七〇%が一般競争入札になっておりますけれども、イギリス、フランス、ドイツ、イタリー、韓国、これらは制限付一般競争入札がもう定着をいたして主流になっておるということでございます。決して私は一般競争入札を否定するものではございませんが、アメリカでは発注者と受注業者との間に紛争が起きておる。数多くの問題が発生をいたしておる。工期がおくれる、やり直しが多い、訴訟費用の増大等々あるわけでございまして、建設業本来の目的にそこを来しておる。こういう状況にあろうかと思います。
 公共事業は、お話にございましたとおり、国民や県民、市民の血税をちょうだいして公共的な事業の整備を行うわけでございますから、そこにはフェアな競争あるいは適正な価格、そして良質な工事というものが求められなければならないと考えております。
 加えて、現在我が国の建設業は、年間工事高が二兆円を超える業者と数千万円程度の業者と合わせて約五十万を超える、しかも六百万の就労者によって構成をされております。これらのすべてが同一の入札制度のもとで事業を続けるということが、国民の福祉の面あるいは業界発展さらには国益につながるものかどうか考えまするときに、制度の多様化の中で客観性、透明性、公平性、競争性、これらを確保することが必要であると思われます。経済がいわばすべてであってはいけない、平等が経済のすべてであってはいけないと私は考えるからでございます。
 入札制度には、今随分とお話をいたしましたように一般競争入札、制限付一般競争入札、指名競争入札等々ありますけれども、事業規模や技術の難易度、あるいは経営内容、工事実績等総合的に検討いたしまして客観性や透明性の担保可能な入札制度の選択が必要であると思います。
 両参考人から、端的に簡単に一言御所見を伺いたいと存じます。
#348
○参考人(恒松制治君) ただいま大変難しい問題でございますけれども、私はやっぱり指名する場合の透明性を確保するということが一番大事なことではないかと思います。先ほど宮元参考人からもおっしゃいましたけれども、予定価格はもちろん知らせるべきではないと私は思っておりますけれども、とにかく、どういう基準でどういうふうにしてどの業者が指名に入ってどの業者が落ちたというようなことは、やっぱりはっきり理由をつけて示すということは一番大事なことだと思っております。
 それからもう一つは、私はずっと長いことよくわからなかったんですけれども、予定価格とかあるいは最低基準価格とか、価格設定を一体どうやってどこで決めるんだろうということは大変疑問に思っておりました。土本部長に聞きますと、ちゃんと一覧表がありましてそれに基づいてやるんだと言われるんですけれども、恐らく地域地域によって随分いろんな事情が違ってくるだろうと思います。それをどのように、どれが適正な価格であるかということをどこでやったらいいんだろうと大変疑問に思っておりました。その場合には、例えば、若干言われておりますけれども、現在の地方団体における監査委員制度とかそういう監査制度をもっと厳密にして、この価格は高過ぎるとかこの価格は低過ぎるとが、こういう問題にまで突っ込んだ監査制度というのをやっぱりやっていかないと改まらないんじゃないのかなという、大変あいまいなお答えでございますけれども、そういう感じを持っております。
 以上でございます。
#349
○参考人(宮元義雄君) ただいまの透明性、客観性を制度の上で解決するということは、これは私はできないと思います。
 なぜかといいますと、現在の契約制度は私法的効果を発生するために、制度として一般競争入札のほか各種の制度ができております用地方団体の場合には三千三百余ありますから普遍的な規制しかできない。その中にどうすれば客観性、透明性が確保できるかということを制度的に織り込むということは、これは私は難しいと。ですから、専ら各種契約制度のそれぞれについていかにして運用の段階でその透明性あるいはその客観性を確保できるかということになりますと、繰り返すようですが、私は発注者と受注者との関係をいかにすべきかというところにポイントを置いて検討すべきだ、こう思っております。
#350
○岩崎純三君 後に質問も何問か用意しておったところでございますが、以上をもって、貴重な御意見を賜ったことに対し感謝申し上げまして私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#351
○委員長(井上吉夫君) 以上で岩崎純三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、角田義一君の質疑を行います。角田君。
#352
○角田義一君 社会党の角田義一でございます。
 きょうは、参考人のお二人の方におかれましては、大変お忙しい中、また日南市長さんには非常に御無理な日程を都合つけていただきまして、本当にありがとうございます。
 私どもの同僚の岩本久人君は恒松参考人の地元の島根、知事さんを支えて県会議員を三期やっておったようでありますけれども、知事さんの最初の選挙は自民党の公認とおやりになって大激戦の末勝利をされたということでございます。地元の島根の方からは、何で恒松さんが出てこられるんだ、あの方は全く汚職に関係ない、あのくらい清潔な知事さんは今までいなかった、こういうことのようでございますから、きょういろいろお尋ねするのが果たして、一番いいと言う人もおるし、余り裏のことは知事さん御案内じゃないというようなこともございますので、ちょっと質問がやりにくいわけです。
 また宮元参考人も、先ほど、私は初対面でございますけれども、大変見識の立派な市長さんだなという感銘を受けて御意見を拝聴してまいりました。
 そこで、若干まず基本的な問題についてお尋ねをしたいと思うのでございますけれども、先ほど両参考人からもお話がございましたが、最近確かに現職の知事さん、さらに市長さん、皆大手ゼネコン絡みで収賄で逮捕され起訴される。さらに最近は、つい四日ぐらい前でございますけれども、ある大きな県の現職の副知事さんがこれまた収賄で逮捕されるという不祥事が起きております。まことに残念なことには違いない。
 御両人の御意見を承れば、これは御当人のモラルの問題であるということに帰するんではないかというふうに思いますが、しかし、これだけ現職の知事さんなり市長さんなりあるいは副知事さんなりにこういうものが起きますと、何かやはり構造的なものとかあるいは制度的なもの、そういう欠陥もあるのではないか、その辺の分析をきちっとする必要もあるのではないか、単なるモラルだけの問題なのかなというような気も私は率直にいたすわけでございますが、その点、両参考人の御意見を賜りたいと存じます。
#353
○参考人(恒松制治君) 大変厳しい御質問でございますけれども、私は単なるモラルの問題ではないと思っております。もちろん首長さん方あるいは副知事のモラルの問題というのはもちろん最も大事なことでありますけれども、その背後には、ある程度日本の社会というかあるいは政治や行政の仕組みの中にそういう問題が起こる余地が隠されているような感じがしております。
 それは、もう端的に申しますならば、日本の政治や行政は余りにも中央集権的な体制が強過ぎると、こういうふうに思っております。そのために、先ほどもちょっと申したんですけれども、知事とかあるいは市町村長とかが、どっちかというと国の方へというか中央政府の方へ顔を向けて、住民の負託にこたえるという意識がだんだん麻痺してきているんではないだろうかと、こういうふうに思います。
 その点では、先ほど岩崎先生からも御指摘がありましたように、もっと地方分権、言いかえれば住民の身近なところへ政治や行政の中心を置くという姿にすればこういう問題はかなり改善されるのではないか、私はこんな感じを持っております。
#354
○参考人(宮元義雄君) 私は、お話しの構造的な欠陥というのがどこかにあるんじゃなかろうかという御質問に対しては、それは我が国の社会の構造的欠陥に通じておる、ですから、その社会的な構造的な犯罪、こういうものがはびこっておるというその一環であることであって、ただ単に地方自治体の汚職ということでなくして社会全体の構造的な問題としてこの問題を論ずるべきじゃなかろうか、こういうような気もいたします。
 なお、構造的という一環の中に、ただいま恒松参考人からもお話がありましたが、地方分権の問題ということで話があったわけですけれども、知事さんと市長は若干違うかもしれませんが、市民に対するサービスの徹底という点については、現在も市長として一番大事な仕事の一つとして進めております。そのはね返りで相当に市民に対するサービスというのが全国的に私はよくなってきているんじゃないかという評価だけはいたしております。
#355
○角田義一君 お二人とも選挙を御経験でございますから率直に申し上げるんですけれども、首長選挙というのは、御承知のとおり、やや大統領選挙と似たところがございまして、その地域の最高権力者を決めるわけでありますから、当然激烈な選挙になるということがしばしばあろうかと思います。
 そういう場合に、巷間よく言われているところでありますけれども、土建業者であるとかあるいは建設業者であるとか、あるいはその団体というものが片一方の陣営について非常に熾烈な選挙、戦いをする。もし負けると例えば指名から外される、こういう事態になれば、これはもう業者の死命にもかかわる。したがって、社運をかけて一万の候補者を推す、こういうような事例も、私も選挙を経験しておりますし首長選挙の応援もいたしておりますので、実感としても持っておるわけであります。
 したがって、当選をいたしますと、当然その見返りとして首長さんに対して、指名業者の面倒を見てほしいとか、あるいは今ちょっと宮元参考人から予定価格等のお話もございましたが、そういうものを明らかにしてほしいとかというような、陰に陽にそういった圧力といいましょうか、そういうものも現実にあるのではないか。
 先ほど宮元参考人は、そういうものを絶つために大変御苦労されておるということをお聞きしましたけれども、したがいまして選挙そのもののやり方、その中での土建業者あるいは建設業者の選挙のかかわり、そして当選した後、首長としてそういう方とのおつき合いというものは非常に難しい問題であると思いますけれども、恒松参考人は余りそういう御苦労もなかったようなことを先ほど言っておられましたけれども、実際そういうきれいごとで果たして済んだのかどうか、その辺ちょっときつい質問になると思いますけれども、経験を踏まえて御両人から改めてお聞かせいただければと思います。
#356
○参考人(恒松制治君) 今、角田さんからのお話でございますが、実は私は選挙という点から見ると大変特殊な例だというふうに思っております。
 それはどういうことかと申しますと、最初に昭和五十年に私は当選をいたしましたけれども、その年の選挙に当たって、私個人が長く東京にいたものですから地元と余り関係がなかった、関係がなかったといったって、生まれてからずっと育ったわけですから関係はあったんですけれども、そういう政治的な意味での関係がなかったわけでございます。したがって、私個人にとってはだれがどのように応援し、だれがどのように一生懸命になってやってくれたかというのはよくわからなかったわけですね。それは大変私にとって幸せだと思いました。
 したがって、当選してから後、あれだけ選挙で一生懸命やったんだから何か見返りがあっていいじゃないかというような声は全然聞かなかったわけでありますし、聞いたとしても、私はいやそれは知らないよという話に恐らくなったと思うんですね。私は常に県民にとって極めて大事なことをということを言っておりましたものですから、その点では余り抵抗がなかったというふうに思っております。
 そして第二回、第三回の選挙は何か信任投票みたいな形の選挙でございましたものですから、これもそういうふうないわば業者の指名とかそういうことに全くかかわりのないような姿でございました。したがって、そういう意味では私は大変恵まれた選挙をやってきたと思いますし、恵まれた知事としての職についていたというふうに考えております。
 したがって、さっきちょっと宮元参考人の方から何か天の声を出せというようなことを言われたという話なんですけれども、私はもう天の声というようなこともまるで聞いたことないような姿でございました。それはよそではあったかもしれませんけれども、少なくとも私の方へ直接こうしてくれとかああしてくれとかそういうふうなことは全くなかったんですね。もしどこかでそれを受けとめていただいたとすれば、私は大変幸せな知事生活を送ったということになると思います。
#357
○参考人(宮元義雄君) ただいまの御質問ですけれども、ないと言えばうそでございます。それはもう必ずあります。やはり私も五十年ぶりに郷里に帰って地元の助役と戦ったわけですが、それだけに前任市長が助役を応援して二派に分かれてやったということで、建設業界その他二派に全部後々まで影響しておりますが、私は、申し上げておるように、建設業界あたりの扱い方というのについては、そういうようなことがないようにということで、公正にそれから透明にということを心がけながら指名をいたしております。
 最近の例ですけれども、昨年度との程度各業者に指名をしたかという一覧表をつくらせましたら、当時の敵さんの方がはるかに数が多かったというのが出まして、私の陣営の方からは猛烈に巻き返しといいますか、申し入れがありました。しかし、私はできればそれを平等程度にしたいということで今後とも運用していきたいと思います。これは全く事実でございます。
#358
○角田義一君 非常に生々しいお話を承って私よかったと思っておるのでございますけれども、そこで、やはり先ほどから出ております天の声でございますね、一連の知事さんあるいは市長さん、さらには副知事さんの汚職の実態を見ておりますと、天の声、最後は天の声と、したがって指名競争入札制度の最大の問題というのは天の声というものを届かせないようにする、また、天の声を発してもらっては困るのでございますけれども、発しても届かないようなシステムにしてしまうということが非常に大事だというふうに思っておるわけでございます。
 そういう意味で、私の親しいある市長さんに聞きますと、天の声が絶対に通じないようにもう市長は一切指名競争入札には関与しない、指名には関与しないし、全部助役以下に任せて首長は一切そこには口も差し挟まないというように制度的にしておる、というようなことを言っておる市長さんもおられますけれども、この辺はいかがでございますか。先ほど宮元参考人からもちょっとお話がありましたけれども、制度的にはどういうふうにお考えでございますか。
#359
○参考人(宮元義雄君) 制度的に天の声を仕組みの上で規制するということは私はできないだろうと思いますが、ただ、私も契約制度についてかかわり合いを持ってきた一人として、いろいろな事例というのを集めたことがございます。その中で、首長が直接関与しない方式として、例えば宝くじ方式、いわゆるがらがら回して当選した人だけを指名する。長は一切関与しない。それから多数、二十人、三十人の人を指名して、十人とか何人かのくじに当たった人だけやる。こういう、より天の声が通じないように、長自体を縛ることを運用の中でおやりになっている例がありました。
 ですから、私は、そういうふうに長自体を縛る方式というのを自主的に自律的に決めていけば天の声なるものは出る余地はない、こういうふうに思っております。
#360
○角田義一君 この競争入札制度あるいは制限付競争入札制度については、同僚の種田議員の方からちょっと後で関連質問をさせていただきますが、私は次に、いわば談合を排するといいましょうか、競争制の向上という問題についてちょっとお尋ねをしたいと思うんです。
 先ほど恒松参考人のお話ですと、談合というのはそれは恐らくなくならないのじゃないかというようなお話もございました。午前中あるいは先ほど土曜会の問題がございまして、大手ゼネコンというのは各県にいわば親睦団体と称する談合を取り仕切る団体をいろいろ形成しており、これはもう各県にあるようでございますけれども、そこに実は県やあるいは市町村をおやめになった、いわば相当地位の高い職員がそういったゼネコン関係のところに再就職をされる、こういうケースが実は大変多いようでございます。
 まあ、ちょっと時間の関係がございますから余り実態についてはお話し申し上げにくいんでございますけれども、例えばある大きな県では五年間で二十九人の幹部職員が大手ゼネコン関係に再就職をする、さらには一般職を含めてこの五年間で二百二十人の職員が大手ゼネコンに再就職をしていく、こういう状況の中で、いわば非常に自治体と関係の深い人たちがそういう大手ゼネコンに入って、そして事実上談合をおやりになっておる。こういう実態を見ますると、この辺の職員の再就職の問題というのもこれは野放しにはできないのではないかというような気もいたします。
 そんなような御指摘が島根の場合にあったかどうか。あるいは例えば宮崎県として、宮崎県という範囲でそういった一種の親睦団体、それが事実上談合をやっておるんじゃないか、こういうような問題についてはどのような御認識を持っておられましょうか。
#361
○参考人(恒松制治君) 先ほどもちょっと申しましたけれども、談合はあると思いますし、なかなかなくならないという点はそのとおりだと私は思っております。ただ、私が先ほど申しましたのは、それにどれだけ行政が介入できるかという問題でございます。
 その点について、今、県の土木関係の幹部職員がそういうところへ再就職をしているという御指摘がございました。そのとおりであります。甚だけしからぬと私は大変怒っているわけであります。怒っているんですけれども、それは島根県もほかの県もそうなんですが、土本部長とか次長とかそういう人は大体建設省の大事になっております。したがって、それを卒業したからどこへ行くかというようなそういう問題は県としては全く一切がかわりのないところで決まっているわけでございます。
 そのこと自体が私はやはり物事を不透明にしている一つの大きな原因だと思っておりますので、何とかしてそういうのを断ち切ろうと実は努力をしたわけでございますけれども、なかなか努力が実現はいたしませんでしたけれども、私はそれは大変いけないことだと思いますし、政官業癒着というような批判もそこの辺から出てくるわけで、それは今の談合の問題もやっぱりそこら辺から根を絶たないと解消しない問題だと私は思っております。
#362
○参考人(宮元義雄君) 県単位の談合組織があったかどうかという点については、もう二十数年前になりますが、宮崎県の企業局長をいたしておりまして大きなダムをつくったことがありますのである程度わかりますが、当時、談合組織があったという記憶はありません。ですから、最近も宮崎県あたりではないんじゃなかろうか、この程度しか承知しておりません。
 それから、天下りの話ですが、県段階では当然あると思います。ですから、どの程度再就職を許してやるかどうかという点についてはなかなか難しいことだと思います。
 市の段階も、定年に達した人の再就職問題ということでいろいろ私どもも頭を悩ますわけですが、最近の例で一つ申し上げますと、どうも天下りという点は我々としては好まない、だからあっせんはしない、こういうことで各業界にお断りをいたしました。ところが、直接本人と話をされて、いつの間にか名刺を見たら就職をしておられる。最近はまた全く別なそういう方式、方法がとられているようであります。
#363
○角田義一君 国家公務員の高級官僚の天下りというのは、今日なお大きな問題になっております。御両人とも既に御案内と思いますけれども、一応国家公務員法があったりあるいは人事院規則があったり、そして人事院の同意なりがなければ就職できないとか、いろいろ一応形の上では国の場合にはございます。それが十分か十分でないかという議論はあると思いますけれどもね。
 しかし、地方自治体におかれましても再就職、これは憲法上の職業の選択の自由との関係でいろいろ難しい問題があると思うのでございますけれども、やはりその辺の一つのけじめなり節度なりというものは必要ではないのか。それは条例でおやりになるのがいいか、あるいは運用でおやりになるのがいいか、あるいは県にあります人事委員会とか市にあります公平委員会等で扱うのがいいのかどうか、こういう問題はやっぱり自治体としても、今日これだけこういう癒着の問題が問われますと、考えなきゃならぬ問題ではないのかなというふうに思うのでございますけれども、御両人の御見解を賜りたいと思います。
#364
○参考人(恒松制治君) 全くそのとおりでございます。何とかそこら辺をきちんとけじめをつけませんと、やっぱり県民からの行政に対する信頼感が薄れてくるんじゃないかというふうに思っております。
 今、定年になりますのが県段階ですと大体六十でございますけれども、六十というとまだ大変元気でございます。私はむしろ、いや、これはまたこういうことを言ったらいけないかもしれませんけれども、もう少し定年を延ばしてその能力をもっと行政上に発揮できるようにした方がいいのじゃないか、私は個人的にはそう思っております。ただ、自分がやってこなかったものですから、余り大きなことは言えないという気持ちはございますけれども、そのような感じでおります。
#365
○参考人(宮元義雄君) 私も同感でございますが、市になりますとそんなにたくさん職場がありませんですから、そういうようなところに再就職をしたいという人をあっせんしたい気はあります。しかし、最近の状況からして、市があっせんをするということは一切しないということにいたしました。先ほど申し上げましたように、裏工作で全部その人たちが就職をするという事態を最近発見いたしました。
#366
○角田義一君 ひとつ御研究をいただきたいと思います。
 ちょっと問題が変わって恐縮でございますけれども、先ほど恒松参考人からございました予定価格はどうやって決まるのかというような問題と絡むわけでございますけれども、大手ゼネコンがいわば裏金をつくる、その裏金というのは結局最終的には国民の税金の負担になるわけでございましょう。さらにはまた、丸投げと称して元請側も下請に一割か二割ぽんと切って何もしないでもうけて渡すというようなことを考えますると、どうも日本のいわば公共事業の価格というのは非常に高いのではないか、もう少し合理化をされれば値段が安くなるのではないのか、そういう裏金をつくったり丸投げのようなことをやっぱり許さないということも大事じゃないかというふうに私は思うのでございます。
 その辺は、特に宮元参考人におかれましては現場を今預かっておられるお立場で、その予定価格等についてのお考えなり、あるいはそれがもう少し合理化できて低くなるのではないかというような問題についてはいかがお考えでございましょうか。
#367
○参考人(宮元義雄君) 予定価格については、各種施設によって基準単価なるものができ上がっておりまして、それを積算して積み上げたものがトータル的な予定価格という形になるわけでありますが、基準単価が高いか安いかという点については時々議論の対象になります。
 なぜかといいますと、都市部を中心にした基準単価が田舎の都市にまで同じように来ることがありますから、そういう場合には、高いじゃないか、もう少し田舎の単価にしたらどうか。それから、私のところは全国一の飫肥杉によって生産県一位でありますが、飫肥杉をできるだけ使おうということにしますと、単価が輸入材に比して高くなります。そうすると、輸入材と比較した基準単価というのを策定してみますと、やはり輸入材についてもまだ高い、こういうような結論が出ることもあります。
 ですから、基準単価については、これは十分に検討する必要があることだけは痛感いたしております。
#368
○角田義一君 時間の関係がありますので、あと二つだけお尋ねしたいと思うんです。
 地方公共団体の職員の汚職事件の件数の推移を最近見てみますと、私は非常にびっくりしたというのは、思ったより実は数が少ないのでございますね。(「刑事事件がね」と呼ぶ者あり)そうです、もちろん刑事事件が少ないですわ。平成元年で、都道府県、市町村それから公社等を合わせても九十四件ぐらいしかありません。ずっと減っておりまして、平成四年度はもう八十三件ということで、これはいかに日本の公務員が圧倒的絶対多数の人たちは本当にまじめにやっておられるということだと思うんです。そこへ首長のああいうのがぼんと出ますと、これは本当にまことに残念な話でありまして、首長がああいうことをやると、それは綱紀粛正を言ってもなかなか、それは何だという話に一般の職員は思うと思うのでございます。
 手元に沖縄県でつくった「一杯のコーヒーから。」という、ちょっと劇画が入った汚職防止のパンフレット等もありますし、それから福岡の町村会でつくった「汚職の防止」という立派なパンフレット、いいパンフレットを工夫してつくっておられますが、一つには、特に現場をあずかっておられます各市長さんとすれば、こういった職員の汚職防止についてはどういうふうにやっておられるかということと、それからもう一つは、監査制度なりいろいろ制度がありますけれども、やはり住民参加なり住民監視の制度というものをある程度つくっていきませんと汚職の根絶ということにはならないのじゃないか、土木なり建設に対するオンブズマン制度というようなものも今日もう考える時期に来ておるのではないかというふうに思いますが、この二つの問題について、御両者から最後に御意見を承れればと思います。
#369
○参考人(恒松制治君) もう角田先生おっしゃるとおりだと思います。だから、もうこれはわずかではございましても、数はわずかですし減っているとはいいましても、それが国民の不信感を招くという点では私は、数が多い少ないの問題ではなくて、やっぱり大変そういう不信感を招く原因になっている、これはもう何としてでも防がなければいけない問題だと思っております。それに関して、今、オンブズマン制度みたいなものを導入すべきではないかというふうにおっしゃいましたけれども、全くそうだと思います。
 確かに、県でも監査委員会の制度がございましてかなり厳正にやっているつもりではありますけれども、やっぱりもっと民間の人を中に入れてやった方がいいので、今、私が在任中の監査委員会の委員の中には、民間が一人と県議会から二人と、それから県庁を退職した人、言いかえれば学識経験者が一人か二人ぐらいでございまして、そういう意味では余り民間の力が発揮できていないんじゃないかということが、随分注意はしてまいりましたけれども、そこら辺はもう少し市民の立場からそうした監査をするということを制度化することは大変重要なことだというふうに思っております。
#370
○参考人(宮元義雄君) 日南市では、特に汚職防止についてのパンフレットその他については作成をいたしておりませんが、職員に対しては、全職員に二十人ずつ、市長と語るといいますか、直接研修の場を持って繰り返しずっと続けております。その場で強調をいたしております。
 市民との関係においては、市長と市民との間で語る会を持っております。その席でたびたびそういう話が市民の皆さんから出ておりますので、それを受けてやはりいろいろと市民の皆さんにも強調をいたしております。
#371
○委員長(井上吉夫君) 関連質疑を許します。種田誠君。
#372
○種田誠君 きょうは、恒松、宮元、両参考人、本当にありがとうございます。
 ただいまも角田委員の質疑を伺っておりまして、大分私も参考になるような御意見をいただいて、感謝を申し上げます。
 そう言う私は、実は昨年からことしにかけてまさに公共事業にまつわる大変な事件が発生してしまった茨城県選出の議員でございますので、この私がまさに清廉潔白しかも理想どおりの行政をなさっておるお二方に質問をするというのは、何かじくじたるものを自分では持っておるんですが、お許しを願いたいと思います。
 先ほど来、待っている間に島根選出の岩本参議院議員とも話しておったんですが、恒松参考人もまさにきょうおっしゃっているとおりだけれども、知事になったときには大変苦労もあったんじゃないかということもお話にありました。知事になった当初、今までの入札や公共事業に関する地元業者の方や県会議員さんや国会議員の方々の考え方が急に変わるわけじゃないと思うので、率直のところ当初知事になったころ、島根県にもやはり私の茨城県と同じように各級議員が指名の件や入札の件でいろいろ御注文や陳情があったと思うんですが、そういうことは島根の場合は全くなかったんでしょうか。これをちょっと承っておきたいと思います。
 それから、宮元参考人の方においては、先ほど激しい選挙をやった結果いろいろ問題もございましたということがありましたけれども、現に国会議員や地方議員の方から、何とか指名に入れてやってくれないかとか、入札の関係で頼むよとか、そういう依頼というのはありませんでしょうか。その点、ちょっと率直なところを今後の参考のために伺いたいと思います。
#373
○参考人(恒松制治君) 先ほど申しましたけれども、私自身が政治や行政には全く素人といいますか、今までかかわっていなかったものですから、それはなかったですね。こうしてくれとか指名に入れてやってくれとか、それは国会議員からも県会議員からもなかった。(発言する者あり)いや、本当なんですよ。それは本当でございまして、それは大変皆さんが大切にしてくださったのかもしれませんけれども、そういうことを今思い出そうとしても思い出せないぐらいでございます。なかったということでございます。それは十二年間通じてそうでございました。
 しかし、これは褒められていいことかどうかよくわからないんですけれども、あれに言ってもだめだと、もう最初からそういうふうに思われていたことは事実だと思いますね。ですから、やっぱりそういうのを知事に選ぶということは非常にいいことだと思います。茨城県でもそうなさった方がいいんじゃないかと思います。
#374
○参考人(宮元義雄君) 市会議員、県会議員あるいは国会議員の皆さんから指名に入れてくれとかその他についてのお話はあるかということですが、それはありますのですけれども、あること自体を私は否定もしません。また場合によっては、ああいう人はああいう方から信頼されているのかなということもわかるわけですから、だから、あってしかるべきだということも言えると思いますが、ただ、あってもそれを受け入れてどうするこうするということの判断というものを誤らぬようにすればよろしいのではないかと、こう思っております。
#375
○種田誠君 まさに今、宮元参考人の方で最後に言われました、権力を持って仕事をする人の考え方、倫理観、これが決定的だろうと私も思うんです。制度や政策というのは人間がつくるものでありますけれども、制度や政策だけが動いているわけじゃなくて、それを動かしているのはまさに人間でありますから、いかなる立派な制度であってもそれに携わる者の倫理観が欠けていたり希薄であったりすればすべて目的を達することはできない。おっしゃるとおりだと思うんです。そういう意味では、まさに首長になる者、範として倫理観の高い方になっていただかなければならないだろうと思うんです。
 そうは申しながらも、やはり制度にもいろいろ問題があるだろうと思うんです。日本の指名入札制度、本来会計法上は一般競争入札が原則にはなっておりますけれども、ここ九十年近く指名入札が運用の一般形態になってきたわけですね。指名入札を行ってきた中で、指名業者を設定する、選任するというのは首長さんにとってかなり負担になることでしょうか、それともそう負担ではなくて容易に対処できたことだったでしょうか。
#376
○参考人(恒松制治君) 私は余り負担になりませんでした。
 それは、土本部長が指名業者のリストを持ってまいりますときに、例えばいろんな項目について全部点数をつけまして、これは何点、これは何点、だからこれ以下はだめなんですと、こういうふうに大変詳細な資料をつけてまいっております。それが正しいかどうかというのは私には判定する力はないものですから、それはもう土本部長を信頼する以外にないんです。
 だから、私は土本部長を全面的に信頼して指名するかどうかを決めたものですから、したがって土本部長の方とすれば、これほど信頼されているのなら余り勝手なことはできないと、今度は逆に責任感がやっぱり強くなっただろうと私は思います。そのために、私が首をかしげるようなそういう指名ということは全く行われなかった、こういうふうに思っております。
#377
○参考人(宮元義雄君) 別段負担になるようなことはありません。
 なぜかといいますと、冒頭の説明で申し上げましたが、日南市の場合には契約管理は契約管理課というところで集中管理をしておりまして、契約管理課長が登録名簿の中から、その仕事とランク、A、B、C、Dというようなそれぞれのランクの中からできるだけ公平性を尊重しながら持ってまいりますので、それを指名審査委員会で決定したものを最終的に市長が決裁するということで運用しておりますから、別段特に負担になるようなことはありません。
#378
○種田誠君 そうしますと、島根県、日南市においては、かつてもそしてまた今日も、決して指名入札制度そのものが悪いというのではなくて、やはりそれを運用する人の問題だと、こういうところに大きな課題があるという御意見だろうと思うんですね。きょうのこのような御意見をこれからも国会審議に参考にさせていただきたいと思います。
 きょうは、本当にお忙しいところありがとうございました。
#379
○委員長(井上吉夫君) 以上で角田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、笹野貞子君の質疑を行います。笹野君。
#380
○笹野貞子君 新緑風会の笹野と申します。
 きょうは、大変お忙しい中わざわざ国会においでいただきまして、ありがとうございました。
 私はお二人を存じ上げておりませんでしたので、きょう質問させていただくのに失礼があってはいけないと思いまして、お二人の書物を読ませていただきました。大変生々しい描写があったり、あるいは恒松先生の高邁な御趣旨がうかがわれました。心より尊敬申し上げるところです。
 そこで、宮元参考人が大変おもしろい本をお書きになっていらっしゃいます。「地方財務不正事件の構図」という御本なんですけれども、不正事件のいろいろなことが実に細かく書かれておりまして、私は興味と同時に驚きを持ってこの本を読ませていただきました。
 この中にこういうのがありました。時間がありませんのでちょっとはしょってまいりますが、汚職が起きてその追及する場面がありますけれども、自分一人だけが悪くないんだ、みんながやっているのに自分だけが追及されるというのはこれは不公平だというようなくだりがありまして、ここにどういう方法で金品が贈られたのかというふうに問いただすと、一番多かったのは菓子折りと果物かごの底に一回数万円ずつ入っている。だんだんその金額が大きくなっていってしまう、それをもらうにつれてだんだん不感症になっていき、みんなもやっているんだからもらったっていいよという、こういうふうになってだんだん不正にはまっていくんだという大変生々しい描写があります。
 これを読んで私は、これをお書きになったのは昭和五十三年でまだ宮元参考人が市長さんになられていないときの御本で、非常に具体的に、こんなに厚い本でいろいろなことが書かれておりますけれども、そこで、先ほどいろんな質問者の質問に、誘惑はあるけれどもそんなのはやったことがないとおっしゃっておりますけれども、この本を読む限りにおいては、恒松参考人もエコノミストのところで知事というのは大変に大きな権限があって誘惑もあるというふうに書かれております。
 そこで質問なんですけれども、特に宮元参考人はこの本を書かれてから市長さんになられたんですけれども、こういうお菓子折りの下に一万円札の束が入っていたり果物かごの中にあったりという事実は一遍もなかったんでしょうか。そして、もしあったとするとどういう方法でお断りになったのか。もしも、大変失礼ですけれども、そういうことがなかったとすると、そのなかったというのはどういう理由でなかったのか、ちょっと参考のために聞かせていただきたいと思います。
#381
○参考人(宮元義雄君) その本の事例というのは、実は私が宮崎県の総務部長に赴きましたときに、汚職事件で辞令を渡した、依願退職じゃなくして懲戒免職の辞令を渡したときのやりとりでございます。ですから、当然逮捕されて裁判にまで上がった職員から直接聞いた話です。最初は奥さんに渡して奥さんが棚に上げていて、いつの間にかその上がっていたのを使ったというところからだんだん大きくなっていって逮捕されるまでに進んだという事例であったわけです。
 私の場合には当時は立場が違っておりましたが、今は市長ですからそういうことがあるのかなと思いますけれども、そういう例は実はありません。ただ、おかしな例があったのをきっかけというのもおかしいですけれども、品物等は一切受け取らない、すべて送り返しているということで、私は市長になってまだ一年十カ月でございます、新米です、ですからその間まだ割合短うございますのでそういう例がないのかもしれませんが、あったにしてもすべて送り返しているからわかりません。
#382
○笹野貞子君 それではやっぱりお菓子やら果物かごは送ってくるということですね、今の事実といたしまして。
 恒松参考人は現職のときはどうだったでしょう、お菓子の箱とか果物かご。
#383
○参考人(恒松制治君) 私は個人的に知っているという大変身近な人からの贈り物しかありませんし、宮元参考人が今おっしゃったように、そういうのは秘書課の方で返すことにしておりましたから、私の家の方へ来るということはほとんどございませんでした。ですから、ないんです。ありませんでしたと申し上げる以外にないと思います。
#384
○笹野貞子君 今お二人のお話を聞いていると、やっぱりそういう事実があるということは、非常に危険な立場にいらっしゃるということが十分理解できたと思います。
 そこで、恒松参考人にお聞きしたいんですけれども、「世界」の九四年の二月号にこのように書かれてありました。「自民党の政権を支えてきた一つの大きな力は行政における中央集権体制、いわば官僚機構であった」。しかし、残念ながら地方自治の中で、先生が要するに中央集権はよくない、地方の自治というのはこれからしっかりやっていかなければいけないということをいろんな御本で書かれていることに対して私も賛成なんですが、ここで官僚機構が優秀だったから自民党がもったというこのところですが、そうすると、地方自治体もやっぱりその機構は優秀な官僚が支えていて、その中央集権のミニチュア版で、そして結局そういうことが天の声というような構図をつくっていくというふうに私は思われてならないんです。
 先生が地方自治と言われているその考え方、要するにミニ官僚化ということに対して先生はどのようにお考えでしょうか。
#385
○参考人(恒松制治君) それは私にとって一番大事なことなんですけれども、同じようにやっぱり官僚機構というのは日本の社会にとって大変大事な存在だと私自身は思っております。
 ただ、住民と官僚機構との間の距離が大きいか小さいかという問題でございまして、私が地方自治というものを進めますのは、そういう同じ官僚機構であっても東京の官僚機構と地方の官僚機構では住民との距離が圧倒的に違う。言いかえれば、それが大切なんでございまして、官僚機構そのものが悪いんじゃなくて、住民と離れた形の官僚機構というのはやっぱり一番困ることなんです。だから地方自治は大切なんで、ただ地方へ権限を渡すという分権という問題よりは、むしろ地方が中心になって日本の国をつくっているんだというふうな感覚にならないと、同じ官僚機構でもあり方が違ってくるのではないか、こういうふうに思って書いたものでございます。
#386
○笹野貞子君 そこのところは大変重大で、先生が地方自治ということに大変御熱心であったとしても、ミニ官僚機構という要するに天の声が現実問題としてちゃんとある、住民はそれがわからない、そしてその天の声が発せられてもそれがわからない機構になっているというところが私はこれは悪い官僚機構をそのまま地方に移していることになるというふうに思いますので、その点は先生の御指摘のように住民との距離がよく透明で近い、そういう地方自治でありたいというふうに私も心からそう思っております。
 そこで、その問題につきまして宮元参考人はこの御本の中でこういうことを言っていらっしゃいますね。問題は契約制度の運用いかんであって、事故につながる指名制度などの悪用を首長がみずからやったりあるいはやらせたりするのが根源であって、このやり方に組織的チェックを加えるような仕組みができ上がっておればそうやすやすと汚職ができるものではないと、このように御本の中に書いているんですね。
 そうするならば、組織的チェックというここのところ、宮元参考人は組織的チェックというのは何を具体的に指していらっしゃるのか。議会なのか、それとも先ほど角田委員から御指摘がありましたようにオンブズマン制度を指していらっしやるのか。先生の御本の中には議会は余り機能していない、議会というのはみんな無視したり軽視したりしているんだというくだりがあります。それが事実なのかどうか。そして、先生の組織的チェックというのは何をイメージしているのかちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#387
○参考人(宮元義雄君) 組織的なチェックというのは、やはりお話のありましたように監査委員とか議会とか住民とか、あるいは内部的には指名審査委員会等の組織をきちっとつくる、こういうことを言っているわけでありまして、地方議会が機能していないとか、あるいは監査委員が機能していない、あるいは住民の監視が行き届いていない、オンブズマン制度じゃなくて監査委員制度そのものもまだ十分に機能していない、こういう点が汚職事件があったところほど指摘されるということからそういう表現になったんだ、こう思います。
#388
○笹野貞子君 先生はオンブズマンというのをどのように具体的に取り入れたらよろしいというふうに思っていらっしゃいますか。
#389
○参考人(宮元義雄君) オンブズマン制度は、今の監査委員制度が制度としてきちっとできている以上、直接住民の人が苦情処理を申し出るというのを受けとめるというところでオンブズマン制度というのが成り立つと思っているんです。
 たしか川崎市あたりで自主的にオンブズマン制度をおつくりになっているんですが、制度的にいえば監査委員制度で十分じゃないか。もし苦情処理ということを中心にして住民の窓口をつくるというのであれば、これはまた別な制度、いわゆるオンブズマンということになるかと思いますが、それまで必要なのかどうかというのは私は疑問に思っています。なぜかというと、その窓口は本来ならば市自体で行政相談その他を含めた窓口をつくって処理すべきで、もし必要があればそれを監査委員の方に持っていって監査委員から再び監査をしてもらう、こういうことが必要ではなかろうか。
 スウェーデンあたりで定着をしている今のオンブズマン制度というのがどのようにして我が国に導入できるのかということを検討したことがありますが、川崎市でやっている自主的なオンブズマン制度とは若干その趣旨を異にしているようであります。
#390
○笹野貞子君 恒松参考人はオンブズマンについてどのようにお考えになっているのか、お聞かせください。
#391
○参考人(恒松制治君) 今、宮元参考人とはちょっと違うかもしれませんけれども、現在の監査委員の制度というのは何か結果をいろいろ調べてそれをどういうふうにするか、いいかどうかということの制度でございます。オンブズマンというのはむしろ、そういう政策がなぜ必要なのか、あるいはそういうものが地域にとってどういう効果を持つのか、あるいはそれはどういうふうにしてやられるのかという、大変幅広い監査といいますか監督の仕方をするものですから、オンブズマン制度というのはうまく活用すれば大変地方にとってもあるいは政治や行政にとっていいことだと私自身は思っております。
#392
○笹野貞子君 最後に一言お聞きしたいんですけれども、私たち国会議員は資産の公開ということをやっております。知事とか首長の資産公開についてどのようにお考えになっているのか、お聞かせください。
#393
○参考人(恒松制治君) これは島根県の知事をやっておりますときにいろいろ議会から質問されて大変はっきりと申し上げたことは、私は資産公開には反対でございますと。資産を公開しなければ信用のできないような首長を選ぶべきではないと思っておりまして、そう言ったら、大変おくれた知事だという批判を受けまして、もし条例で資産公開が決まったらどうするかということを尋ねられました。私は、それが条例で決まったら条例はきちんと守らなければなりませんから、したがって私は知事の方をやめます、こういうふうに答えたことがあります。今でもそのように思っております。
#394
○参考人(宮元義雄君) 日南市は過去に議長選挙をめぐっての大きな汚職事件がありました。それを機会に資産公開に関する条例が制定をされたという経緯を持っております。目下一年に一回資産公開をやっておりますが、私も初めて資産公開をやりました。しかし、極めて形式的だという印象を持っております。
#395
○笹野貞子君 ありがとうございました。
#396
○委員長(井上吉夫君) 以上で笹野君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木君。
#397
○荒木清寛君 公明党・国民会議の荒木清寛でございます。
 きょうは長時間大変にありがとうございます。
 お二人の参考人の先生に何点がお尋ねをさせていただきたいと思います。
 地方公共団体の公共工事といいますのは我が国の公共工事の大半を占めている、したがって入札にかかわるいろんな不祥事というのは国よりも地方自治体の方が多いという現状があるわけでございます。
 先ほど恒松参考人から、私は十二年間もう一切そういうことはなかったと。また、日経新聞のインタビューにょりますと、私は三期十二年、ゼネコンなどからの誘惑などは一度もなかった、そのようにおっしゃっておりまして、大変感動したわけでございます。
   〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕
 これは参考人が全くすきを見せなかったということなのかもしれませんけれども、全く誘惑がなかったというその理由は何なのかということをお尋ねしたいのと、参考人は先ほど来首長のモラルということをおっしゃっていますけれども、そういう不祥事を起こす方も恐らく当初は高い志を持ってその職についたんだと思いますけれども、いつの間にかモラルが低下してしまった、その辺、なぜそうなってしまうのか、率直な御感想といいますか御意見をお伺いできたらと思います。
#398
○参考人(恒松制治君) それは、一言で言えば私の経歴に根差すものだと思います。知事になるまでずっと大学の教壇で教鞭をとっておりましたから、あんなのに頼んだってだめだと、恐らく最初からそういうふうに思われたと思いますし、それは私にとっては大変幸せなことでございました。それを貫き通せた、こういうふうに思っております。
#399
○荒木清寛君 次に、宮元参考人にお尋ねをいたします。
 当初のお話で、公共工事の集中管理とおっしゃいましたでしょうか、それが大変特色のある制度であるというお話がございました。国の方でも同じような議論がありまして、高齢化社会に向けまして効率的な投資をしていく、あるいは公共工事の重複によるむだをなくしていく、そういう意味で公共工事の一括発注といいますか、窓口を一本にしたらどうか、そういう議論もあるわけでございますけれども、この集中管理という制度を日南市で導入されたねらいといいますか、その辺をお尋ねしたいと思います。
#400
○参考人(宮元義雄君) 私も以前のことがわからない点もございますのではっきりお答えはできませんが、多分やはり汚職事件が過去にあったのがきっかけであったんじゃなかろうか、つまり所管課、土木なら土木の所管あるいは建築の所管、ここと業者との癒着、これを解除する方法として検討されたのが集中管理方式だった、こういうふうに思っております。
   〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕
#401
○荒木清寛君 次に談合のことについて若干お尋ねしたいと思うんですが、恒松参考人の方からは、談合というのは業者の問題であるから余り行政の方で介入すべきじゃない、そういった御意見がございました。宮元参考人からは先ほど、天の声を出してくれ、そういう話もあったことがありますよとお話をしていただきましたけれども、そういったたぐいの談合があるんじゃないか、そういう情報を耳にした場合どのように対処をしてこられたのか、宮元参考人にお尋ねをしたいと思います。
#402
○参考人(宮元義雄君) 最近までに一件ほどありました。
 談合があるよということの垂れ込みがありまして、新聞社からと別なところからの情報が入りましたので、そういう事実があるかどうかを調べるということで具体的な検討をいたしました結果、どうも情報どおりありそうだ、こういうことで、とりそうだという業者がとらないように指導いたしました結果、無事に終わりました。
#403
○荒木清寛君 ますます感動したわけでございますけれども、先ほど角田委員の方から公共工事の価格ということについて御質問がありましたので、若干重複しますが、お二人の先生にお尋ねをしたいと思います。
 日本の公共工事の価格は率直に言って高いんではないか、そういう指摘がよくありまして、建設省なんかの調査でも、アメリカに比べても三割ぐらいは高いんじゃないか、そういうことでございます。最近、各地域で一般競争入札を導入するという動きが出てきまして、そういう導入したところではもう確実に落札価格といいますかそれが下がっている、そういう報告もあるわけでございます。
 そういう意味で、公共工事のコストを下げるという意味では一般競争入札というのは非常にメリットを持った制度ではないかというふうに思うわけでございますけれども、現場での御経験を通しまして、お二人の先生からコメントをいただければと思います。
#404
○参考人(恒松制治君) 今御指摘の公共工事の価格が高過ぎるのではないかということが最近は特に言われております。数値まで出て、三〇%ぐらいは高いんじゃないかというようなことが言われております。それがどこから出てきた問題がはよくわかりませんけれども、しかしこれもこの春ぐらいだったと思いますが、大手建設業者の使途不明金が八百億とか九百億とかというような数字になるということを聞きましたときに、これはやっぱり価格の形成がおかしいというふうには思いました。それが一般競争入札をやることによって価格が下がるであろうということは私もそれはそのとおりだと思いますけれども、例えばそれによって逆に非常に不良な工事になったり、あるいは価格引き下げのために無理をした工事が行われるんではないか、そういうようなこともやっぱり一方では考慮しなければならないことだと思っております。
 したがって、そういう予定価格の価格形成について、言いかえれば、発注者側がこれだけの価格ですよというそれをもっと透明にし、もっと国民にわかりよくなるような仕組み、これをやっぱりこれから考えていくべき課題ではないか、こういうふうに思っております。
#405
○参考人(宮元義雄君) ただいま恒松参考人からお話がありましたとおりでございますが、一般競争入札のデメリットとして挙げられている中に、過当競争、ダンピングの発生を招くおそれがある、契約の履行の確保ができない場合の例がだんだん出てくると、それは今の価格を非常に下げた状態ということでは履行が困難であっても、過当競争だから何とかして落札をしたい、こういうことも一つのデメリットとして挙がっておりますので、その辺を含めてやはり今後検討すべきだと、こう思っております。
#406
○荒木清寛君 最後に、お仕事を退かれました恒松参考人にお尋ねをしたいと思います。
 首長のいわゆる腐敗防止との関係で多選禁止ということが言われる場合がございますけれども、それにつきまして御意見をお伺いしたいと思います。
#407
○参考人(恒松制治君) 私は汚職とは直接関係がないと思っておりますが、私はもともと多選反対論者でございます。多選というのをどこまで多選というかということはこれもまた非常に難しい問題でございますし、何か法律で多選を禁止するような措置を講じたらどうだというような意見、これにも私は反対でございます。やはり自由にしておいて、なおかつそれぞれ首長さん自身の問題として多選であるべきかどうかということはやっぱり判断されるべき問題だと思っております。
 したがって、私自身は個人的には多選は反対でございます。しかし、それは多選をしていたら汚職の土壌が広がるからというそういう問題ではなくて、地域社会にとって一つのフレッシュさがなくなるとか、あるいはなれが生じてくるとか、そういうふうな反省はやっぱりしておくべきではないかというふうに私自身は思っております。
#408
○委員長(井上吉夫君) 以上で荒木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、橋本敦君の質疑を行います。橋本君。
#409
○橋本敦君 日本共産党の橋本でございます。
 私からも両参考人に御意見を伺わせていただきたいと思います。
 金丸事件に端を発しまして、地方政界、中央政界を巻き込んだいわゆるゼネコン汚職は、国民の血税を使っての犯罪という点から見ましても、また清潔な政治を望む国民の今の政治的な願いから見ましても、徹底的な解明が必要であることは言うまでもありません。問題は、その背景なりそういった汚職が生み出される構造的なものをどうとらえるかということがまず第一だと思います。
 その点私は、まず第一に、高級官僚の天下りと普通よく言われておりますが、それに象徴される大手業界と政官との癒着の構造がある、これが一つであります。
 二つ目には、そういった腐敗の中核をなすのが何といっても莫大な大手企業からの政治献金、これであります。そして、この問題は、既に清水建設の献金リストが大きく新聞にも出まして、ランクに分かれて、盆暮れ何百万というそういう金が政治家に渡される。この中には羽田首相の名前も出ておることから、現に国会で論議にもなっているところであります。
 それから第三番目には、具体的には公共事業の執行体制の不透明化が常態化しておる、この問題であります。これをつくっている中核が、土曜会問題にも見られるような大手ゼネコンを中核とする談合組織、これが継続的につくられているということと、先ほど宮元参考人からもお話がございましたが、天の声を出せと業者が言ってくるという事実は否定できない。その天の声を業者が求め、政治家が政治献金をもらって天の声を出すという、まさに腐敗の中核的構造がここにあるわけですね。そして指名競争入札制度、これがその基礎にあるということです。
 それからもう一つ考えなくちゃいかぬのは、第四番目に、いわゆるオール与党体制と言われる中で議会のチェック機能が低下しているという問題が一つはあるのではないか。
 この問題では、恒松参考人が昨年の十月八日、中日新聞にお書きになった記事を私は目に触れまして同感の意を表したのですが、恒松参考人は、知事選挙は各党相乗りと中央からの天下りが多くなっている、したがって執行者と議会との間に緊張感がなくなってくる、だから、身近な選挙でも投票卒が低く住民が白ける、こういう状況があるのだが、やっぱり見解の相違はあるが各党派間の論議というものは非常に大事ではないかということをおっしゃっていますが、こういった背景としてのいわゆるオール与党体制と議会のチェック機能低下という問題がある。
 こういった背景を構造的に私は見ていく必要があると思うのですが、まずこうした点について両参考人の御意見を簡単に伺いたいと思います。
#410
○参考人(恒松制治君) 今、橋本委員の御指摘、私は全くそのとおりだというふうに思っております。
 高級官僚の天下りの問題にいたしましても、あるいは政治献金の問題にいたしましても、あるいは公共事業の執行体制、いわば談合体質にいたしましても、やっぱり長い間ずっといわゆる近代国家、古いことからいえば、近代国家になってから諸外国に追いつけ追い越せということを至上命題としてやってきた日本の一つの仕組みといいますか、工夫を凝らした組織だというふうに私は思っております。
 そういう点では、ある意味では大変効果を上げた面があると思いますけれども、今やこういう時代になって、そうではなくて、もう少し国民全体が、それぞれ政治や行政にかかわりを持つといいますか、それに参加していくというそういう仕組みをここでやっぱりつくらなくちゃいけない。そのためには、先ほども申し上げましたけれども、地方分権という視点を忘れてはいけないことなんであって、やっぱりいろんな権限なりいろんな問題を住民のそばに置く、住民自身がそれを選択できる、そういう姿に持っていかないととても解決できないのではないかというふうに思っております。
#411
○参考人(宮元義雄君) 一つだけお答えいたしますが、公共事業の執行体制でございますけれども、この公共事業の執行体制というのは、現在の仕組みの上では契約制度に関する限り割合と普遍的に三千三百余に適用されるようにきちっとでき上がっておりますから、たびたび申し上げておりますが、いかにして適正に執行をするかというところがポイントであろうかと、こう思っております。
 それからもう一つは、地方議会の機能が発揮されてないんじゃないかというお話がありましたが、実は日南市では、過去に議会自体で汚職事件があった関係で、最近では非常に厳しく監視をされておる状態でございまして、十分に機能が果たされておる、こう思っております。
#412
○橋本敦君 時間ですから最後に短くやりますが、そういったこれからの防止策として、ここでは条件付一般競争入札の問題、それから監視機能の強化、市民オンブズマン制度の導入、さらには官僚の天下りの制限ということが言われました。私は、その根源にある企業・団体献金の禁止という問題、これを私は地方政治においても、国政はもちろんですが、腐敗の根源を断ち切る問題としてもっともっと積極的にやるべきではないか、そしてまた使途不明金についての課税強化も厳しくして業界の清潔度も図るべきではないかということを強く思っておりますが、もう時間が来ましたのでこの点で終わりますが、御意見があれば一言承って終わります。
#413
○参考人(恒松制治君) 大変難しい話でございまして、政治に金はかかるんだから企業献金もやむを得ないじゃないかというようなことはよく言われるんですけれども、政治に金がかかると皆さんは人ごとみたいにおっしゃるんだけれども、かけていらっしゃるという面もたくさんあるだろうと思いまして、そこら辺はやっぱり政治家の皆さん方がもう少しきちんと襟を正される――いや、こんなことを言っちゃもう大変申しわけないんですけれども、必要があるんじゃないかなという感じはいたします。
#414
○委員長(井上吉夫君) 以上で橋本君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島君。
#415
○青島幸男君 二院クラブの青島幸男でございます。
 先ほどから両参考人の御意見、忌憚なく率直にお話しいただいている御様子を拝見しまして、心から敬意を表する次第でございます。
 皆さん方のように高潔な方々が首長だったり市長さんだったりされると問題はないわけですけれども、初めはそういう志でおやりになったんでしょうけれども、往々にしてだんだんといろんな誘惑に負けて深みにはまってしまうというような方のケースをよく見受けますが、やっぱり一番の問題は選挙だと思いますね。選挙のときに、特に建設業界の方などは大きな組織力と資力を持っておりまして、それが一企業ということではなくて横断的に結束をしまして企業の連合という形で選挙に関与してくるというようなことになります。しかも、それが後援会などという規模をつくりまして、しかも全国に縦断横断的にこれを持っているというようなことになりますと、非常に難しい問題になります。
 それが、市長さんだとか区長さんだとかあるいは知事さん、いや、県会議員だとか国会議員だとか、これが縦につながりまして、今度はそれが族議員になって、しかも派閥の領袖につながって、しかも大きな権力を持ったその派閥の領袖が公取の行動にまでちょっかいをかけるといいますか、そういうようなことにもなりますと、これはますますもってゆゆしき問題なわけですね。その辺に落とし穴があるというふうに考えます。
 結局は選挙をきれいにやるということが民主主義を発展させる極めて基本的かつ明快なことだと思いますので、一人一人がそのことを認識しながら選挙に臨むということが先ほどから恒松参考人がおっしゃられるように高潔な民主主義を築くことだと。そのことをとかく言って選挙に行かないのは天につばすべきものだというような感じがいたしますが、私のこの見解に基づいて御両者の御意見を承ります。
#416
○参考人(恒松制治君) 全くそのとおりだと思います。
 ただ、今私ども立派な首長だとお褒めいただきましてありがとうございましたが、こんなのはいっぱいいるわけですよ。いや、こんなのというと大変失礼ですけれども、いっぱいいるわけでして、今幾つかのいろんな汚職事件が出ていろいろ世間を騒がし、ああ地方団体の首長というのはみんなそんな悪いことをしているんじゃないかというふうに思われるのは、大変残念なことだと思います。
 残念なことだとは思いますが、しかし青島委員が今おっしゃいましたようなそういう土壌というか構造というか、そういうものがあることを私は否定できない事実だと思いますので、やっぱりこれは、日本の国民全体が自分たちが選挙に対してどういう行動をとるかということについてもうちょっとしっかりした考え方を持たなければいけないし、そのためには、先ほどから言っておりますように、いろんな政治や行政の仕組みというものをできるだけ住民に近いところへ置くということが何よりもこれから大切なことではないか、私はこういうふうに思っております。
#417
○参考人(宮元義雄君) やはり国税、県税、それから市税、これをいかにして国民に、あるいは住民に、市民へ還元していくかというその選択をしながら事業をやっていくわけです。ですから、基本的にはそれぞれの国民、市民の皆さんに還元するところの流れの中をいかにして正常にあるいは適正に行っていくかという基本を今後とも私は守っていきたい、こう思っております。
#418
○青島幸男君 終わります。
#419
○委員長(井上吉夫君) 以上で青島君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 以上で恒松及び宮元両参考人に対する質疑は終了いたしました。
 両参考人には、長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。
 それでは、御退席くださって結構でございます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十六分散会

ソース: 国立国会図書館
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