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1994/03/29 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 建設委員会 第3号
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1994/03/29 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 建設委員会 第3号

#1
第129回国会 建設委員会 第3号
平成六年三月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     上山 和人君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     西野 康雄君     肥田美代子君
     広中和歌子君     片上 公人君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田 勲男君
    理 事
                鈴木 貞敏君
                永田 良雄君
                種田  誠君
                直嶋 正行君
    委 員
                上野 公成君
                遠藤  要君
                坂野 重信君
                松谷蒼一郎君
                吉川  博君
                青木 薪次君
                上山 和人君
                佐藤 三吾君
                肥田美代子君
                磯村  修君
                片上 公人君
                木庭健太郎君
                上田耕一郎君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  上原 康助君
   政府委員
       国土庁長官官房
       長        藤原 和人君
       国土庁地方振興
       局長       秋本 敏文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       農林水産省構造
       改善局建設部水
       利課長      近藤 勝英君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (派遣委員の報告)
○奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振
 興開発特別措置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前田勲男君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として上山和人君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(前田勲男君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題とし、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。種田誠君。
#4
○種田誠君 去る三月十四日から十六日までの三日間、関西国際空港開港に伴う建設諸事業等の実情調査を目的に、前田委員長、鈴木理事、永田理事、直嶋理事、坂野委員、佐藤委員、西野委員、磯村委員と私、種田の九名は、大阪府及び和歌山県の建設諸事業を調査してまいりました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 現在、近畿圏においては、関西国際空港、明石海峡大橋、関西学術研究都市など関西地区復権へ向けその核としての機能を担う大規模プロジェクトが着々と進展しておりますが、各府県においては、これらプロジェクトと連動した各種社会基盤整備によって、東京圏と並んで世界的中枢機能を担うべく積極的な事業展開を行っているところであります。
 中でも、国民各層の期待と注目を集めている関西国際空港は、近畿圏と世界各国及び日本全国を結びつける接点として、また我が国初の本格的な二十四時間運用可能な海上型空港として、本年九月四日の開港へ向け着々と工事が進められておりました。
 現在使用しております大阪国際空港は、利用時間及び離着陸回数が制限されており、航空輸送需要に適切な対応ができず、これが関西地区の国際化の阻害及び経済的地盤沈下の一つの要因となっているところであります。
 関西国際空港は、これを解消する手段として、大阪湾南東部泉州沖約五キロの海上を埋め立てることにより、騒音問題に対処するとともに、貨物専用便及び国際路線の中継地としての航空需要が見込まれる二十四時間空港として計画されたものであります。昭和六十二年一月に現場海域で護岸築造工事が着手され、第一期工事として面積約五百十ヘクタールの広さに三千五百メートル滑走路一本を備えた空港となっており、年間離着陸回数約十六万回として旅客数三千七十万人、貨物量百三十九万トンを想定しております。ちなみに全体構想は、面積約千二百ヘクタールの広さに三本の滑走路、年間離着陸回数約二十六万回となっております。
 関西国際空港開港に当たっては、空港への円滑な交通アクセスの確保が絶対条件でありますので、空港アクセス道の整備状況についてまず申し上げます。
 道路によるアクセスは、日本道路公団の関西国際空港線及び阪神高速道路公団の湾岸線の二つがあり、両路線が空港連絡橋と接続することで空港への足となっております。まず関西国際空港線は、阪和道泉佐野ジャンクションを起点として、りんくうジャンクションまでの間を全長六・六キロで結ぶ設計速度八十キロ、四車線の高速自動車国道であり、四月二日の開通を目指し最後の調整を行っておりました。この路線の特徴として、周辺住民へ威圧感を与えない丸みを帯びた橋脚、ドライバーに配慮した透明な遮音壁、デザイン性を持った料金ゲートなど、きめ細かい対策が講じられておるのが印象的でございました。
 一万の湾岸線は、垂水ジャンクション−りんくうジャンクションの間、約八十キロを結ぼうとするもので、四月二日には泉大津−りんくうジャンクション間の事業区間が開通し、神戸市内−関西空港間を一本の高規格道路で結ぶ大阪湾岸における大動脈としての重要な役割を担うものでございます。この二つの路線を整備することによりまして、大阪市を初めとする臨海部からは湾岸線を、内陸部からは国際空港線と利用形態を分けることが可能となりまして、予想される交通需要に適切に対応できるものとなっております。
 次に、南大阪湾岸整備事業について御報告を申し上げます。
 りんくうタウンは、大阪府が事業主体となり、関西国際空港の対岸、泉佐野市、田尻町、泉南市の地先約三百十八ヘクタールを埋め立てまして、交流とバイアメニティーをテーマに、業務施設、ホテル、空港貨物等取扱施設などの整備を行いまして、就業人口四万から五万人、居住人口約二千六百人のニュータウンを建設しようとするものでございます。
 昭和六十二年三月に工事が着工されまして、本年九月には埋立工事が完了する予定でありますが、いわゆるバブル経済の崩壊後、進出予定企業の撤退が相次ぎまして、修正計画としてのパシフィックシティー構想が現在発表されております。同構想では、北地区の商業業務ゾーンを先行的に整備するとしておりますが、関西国際空港の発展と一刻も早い景気の回復がこの事業の成否のかぎを握っているものと実感をした次第でございます。
 次に、和歌山県における建設諸事業について申し上げます。
 現在、和歌山県におきましては、関西国際空港の開港に合わせて社会基盤の整備を積極的に行っております。和歌山マリーナシティーは、埠頭、国際交流文化施設、レクリエーション施設等を有機的に組み合わせることによって、訪れる人々に快適性、利便性、国際性を与える国際的レクリエーション複合体の形成を図ろうとするものでありまして、和歌山市毛見地先に約四十八ヘクタールの埋立地を整備しようとする計画でございます。
 それに先立ち本年七月からは、同地区におきまして二十一世紀のリゾート体験をテーマに世界リゾート博覧会が開催される予定でございます。この博覧会の特色として、会場内の景観に配慮するため協会によるパビリオン等のテント上屋の一括整備、ジャパンエキスポでは初の会場内における宿泊施設、オートキャンプ場の設置等を行い、自然との共生を基本にした会場空間の演出を体験できる博覧会にしていくということでございました。
 この会場への交通手段を確保するための課題として、和歌山県内における道路整備のおくれが指摘されているところでございますが、和歌山県下の道路事業について申し上げたいと思います。
 近畿自動車道紀勢線整備計画につきましては、大阪府松原市を起点として三重県多気郡勢和村を結ぶ全長三百四十三キロの路線で、現在、松原インターから海南インターまでの七十三キロが供用中でございます。また、海南市から吉備町までの十キロが一般有料道路海南湯浅道路として供用され、さらに吉備町から御坊市までの十九キロにつきまして一般有料道路湯浅御坊道路として平成七年度全線供用を目標に建設省及び日本道路公団によって事業が実施されておりました。一般国道四十二号線は、生活道路、産業道路、観光道路等として大きな役割を担っておりますが、近年の交通需要の増加によりその機能が著しく阻害されております。この問題を解消する意味で、湯浅御坊道路の早期完成、さらに御坊市以南の早期事業着手について地元和歌山県から特に強い御要望がございました。
 紀淡海峡道路計画は、大阪湾における環状交通体系の一環として和歌山県から兵庫県淡路島までの間を橋梁またはトンネルで結ぼうとするものであります。現在、基礎データの収集、技術的検討、地質ボーリング調査等を実施しておりますが、多極分散型国土形成に資する新国土軸構想の構成要素として事業の具体化についての要望がございました。
 以上のほか、紀ノ川流域の治水等に資する紀ノ川大堰建設現場、船上からの視察となった大阪湾ベイエリア開発、日本有数のウオーターフロント整備が進むテクノポート大阪、天保山ハーバービレッジ等を視察いたしましたが、その詳細は省かせていただきたいと思います。
 以上が調査の概要でありますが、調査に御協力いただきました方々に厚く御礼を申し上げまして、御報告にかえさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#5
○委員長(前田勲男君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(前田勲男君) 次に、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。上原国土庁長官。
#7
○国務大臣(上原康助君) ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 奄美群島につきましては、昭和二十八年の本土復帰以来、特別措置法のもとで各般の事業を実施し、基礎条件の改善とその振興開発を図ってまいったところであります。
 しかしながら、奄美群島をめぐる諸条件は依然として厳しく、なお本土との間に格差が存しており、近年では若年層を中心とする人口の流出や高齢化が進み、活力ある地域社会を維持していく上で多くの課題を抱えております。
 今後、これらの課題の解決を図り、産業の振興、観光の開発等の奄美群島の特性とその発展可能性を生かした振興開発を推進していくため、奄美群島振興開発特別措置法の有効期限を五カ年延長するとともに、新たな振興開発計画を策定し、これに基づく事業を推進するなど特別の措置を引き続き講ずる必要があります。
 また、小笠原諸島につきましては、昭和四十三年の本土復帰以来、特別措置法のもとで各般の事業を実施し、その成果を上げてまいったところでありますが、本土から極めて隔絶した外海離島であるという自然的条件等のため、人口の定着、産業の育成等が十分には達成されていない状況にあります。
 今後、引き続き小笠原諸島の基礎条件の改善を図るとともに、その特性と発展可能性を広く活用し、環境と調和した振興開発を推進していくため、小笠原諸島振興開発特別措置法の有効期限を五カ年延長するとともに、振興開発計画を改定し、これに基づく事業を実施するなど特別の措置を引き続き講ずる必要があります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、奄美群島振興開発特別措置法の一部改正につきましては、第一に、この法律の有効期限を平成十一年三月三十一日まで五カ年延長し、新たに平成六年度を初年度とする五カ年の奄美群島振興開発計画を策定することとし、その策定事項についても所要の規定の整備を行っております。
 第二に、最近における奄美群島の社会経済状況にかんがみ、地方債、医療の確保、交通の確保、情報の流通の円滑化及び通信体系の充実、高齢者の福祉の増進、教育の充実並びに地域文化の振興についての配慮規定等を設けることとしております。
 次に、小笠原諸島振興開発特別措置法の一部改正につきましては、第一に、この法律の有効期限を平成十一年三月三十一日まで五カ年延長するとともに、現行の小笠原諸島振興開発計画を平成元年度を初年度とする十カ年計画に改めることとしております。
 第二に、小笠原諸島の現状にかんがみ、地方賞、交通の確保並びに情報の流通の円滑化及び通信体系の充実についての配慮規定を設けることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び主な内容でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#8
○委員長(前田勲男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○永田良雄君 自由民主党の永田良雄でございます。
 ただいま提案がありました奄美群島それから小笠原諸島の振興開発特別措置法について、若干の質問をさせていただきたいと思うわけであります。
 御承知のように、昨年は奄美群島が本土返還されてから四十周年の大変めでたい年でありました。島民もその四十周年を大変喜んで記念したことと思うわけであります。
 ただいま上原長官の提案理由の説明にも、着々と振興はやられているけれどもまだなかなか困難な条件があって大変だという話がありました。
 昨年、上原長官は奄美へ御出張になった、そして親しく視察をされたという話を聞いておるわけであります。奄美、沖縄、ともに米軍施政下にありましたし、そして本土からかなり離れた島でございます。そういう同じ条件の中の出身の上原長官として、昨年奄美を御視察になってどのような感じを抱かれたか、率直な感想をひとつまず最初にお伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(上原康助君) 今お尋ねのとおり、私、昨年国土庁長官を拝命いたしましてから、十一月の末に奄美大島本島を視察する機会を与えてもらいました。
 もちろん、沖縄とは近接の地域にありますから、サトウキビの問題とか離島の問題で、そう頻繁ではありませんが、時々行く機会もあったわけです。こういう立場に立っての視察は初めてでございましたが、社会資本の整備あるいは農業基盤、また伝統産業、地場産業等の振興が相当これまでの奄美群島振興開発特別措置法に基づいて促進をされている、推進をされてきているという感じを持ちました。同時に、どちらかといいますと沖縄ももちろん格差がありますし、まだまだいろんな面で改善措置を図らねばならない課題を抱えておりますが、奄美群島はちょうど沖縄と鹿児島県、本土と言いますか、中間の地域に地勢的にありますので、そういう面では国政というか、政治の影響下からいろいろ難しい位置にあるな、環境にあるなどいう感じも持ちました。
 そういうことで、関係市町村また鹿児島県からも、この特別措置法の延長をぜひやっていただきたい、同時に内容面においてももっと改定をしてもらいたいという強い御要望をいただきましたので、奄美の皆さんのお気持ちを体して、その後この法律の延長並びに内容の改善に国土庁としてもできるだけの努力をいたしまして国会に法案延長のお願いをしておるというところでございます。
#11
○永田良雄君 今、長官からの率直な感想をお伺いしたわけであります。私も、実は十年ぐらい前に奄美に出張いたしました。たしかトンネルの開通式だったと思うわけでありますが、日の丸の旗を振って大変喜んでいただいたのを鮮烈に覚えておるわけであります。
 やはり、非常におくれておる地域でございますし、国からの手厚い援助が最も喜ばれるし期待されているところでありますので、何とぞ大臣もそういう気持ちで頑張っていただきたいと思うわけであります。
 ここでもう一つ大臣にお伺いしたいと思いますのは、沖縄と奄美の援助の措置について、奄美の地域の人からはおれたちの方がちょっと薄いんじゃないかという声をよく聞くわけであります。実際調べてみますと、いろんな事業の補助率等については若干の差があることは否めないところであろうと思うわけでありますが、これについて大臣はどのように考え、どういう理由でそうなったのかということについてお答えをいただきたいと思うわけであります。
#12
○国務大臣(上原康助君) 永田先生よく御事情もおわかりになっていらっしゃろうし、また私のような素人がお答えするのもいかがかと思うんですが、御指摘のとおり、所得水準あるいは各種公共施設の整備等に対する特別措置法の補助率が奄美振興法と沖縄振興法の間に差があるのは私も承知をいたしております。これは、いろいろ歴史的な両方の地域が置かれてきた経緯なり、また現状というもの、あるいは率直に申し上げて沖縄はいまだに広大な米軍基地が存在をしている、奄美は四十年前に復帰をして米軍基地そのものはなくなったというようないろんな複合的な要因が影響して差がついているのじゃないかという感を私は持っております。
 そこで、沖縄も復帰して二十年が経過をし、奄美は四十年が経過した。ですから、そういう格差是正論だけじゃなくして、南西諸島というか亜熱帯地域としての振興開発を国土形成、国土利用の中でどう二十一世紀に向けて政府全体として考えるかという視点なども取り入れないと、今御指摘のような特別措置法の延長線上だけでこれを解決しようというのはなかなか容易じゃないというのが、これは私が議員という立場での率直な気持ちでございます。
 しかし、現実問題として格差がありますので、このことについては今度の特別措置法の延長、内容の充実化の中でそれ相応の改正も善処もできると思いますから、一応そういうものを土台として奄美振興をさらに進めていき、先ほど申し上げたような新たな考え方も政府の施策全体として取り入れられていくならば、あわせて中期的問題として考えてみたらどうかというのが私の今の率直な考えでございます。
#13
○永田良雄君 今長官から大変率直な御答弁をいただきました。確かに、率直におっしゃいましたように米軍基地がある、あるいはまた返還されてからの期間等も違うだろうし、過去いろんないきさつがあって多少の変化があるのを私も十分承知しておるわけであります。ただ、その差があるのはやはりある程度埋めていくという前向きの格好で頑張っていただかないといかぬだろうと思うわけでありまして、大臣からも中長期的に一生懸命やっていくというお答えをいただいて私も安心しておるわけであります。
 ただ、私が先ほど言いましたのは単に補助率だけの話でありますが、公共基盤施設の投資の量等についても何か劣っているんじゃないかという感じがせぬでもないわけであります。例えば国県道、国や県道の整備率の問題とか、あるいは農業基盤の整備の問題等でも本土と比べてあるいは沖縄と比べて奄美の方が若干劣っている、こういう感じがするのでありますが、どういうことでこうなったのかという点について何かお考えがあったら大臣からお答えをいただきたいと思うわけであります。
#14
○国務大臣(上原康助君) その点は先ほど御答弁申し上げましたように、両地域の特別措置法が基本ですから、その中で補助率とかいろんな国道、県道、また農業関係あるいは漁業、その他の社会福祉施設等々の面が決められているわけですから、その基本をどうするかというのが根本的な面じゃないかという感がいたします。しかし、そうは言いましても、今回もそういう面でソフト面でもより配慮をしておりますが、先ほどもありましたように、奄美の方も道路にしましても空港にしてもその他の面も相当改善、改良はされてきております。不十分な面も多いわけですが、基本をどうするかというのはこれは国土庁オンリーでもできませんし、建設省なりあるいは農水省、運輸省等々の御理解もいただかなければなりませんから、この法案を延長させていただくならば、それを推進していく過程でさらに是正すべき点、検討すべき点をよく勉強をさせていただきたい、こう思っております。
#15
○永田良雄君 私も補助率のことを言うとるんじゃありませんで、いわゆる各省の投資する投資額がちょっと劣っているんじゃないかと、それが原因で整備率が少なくなっておる。確かに大臣がおっしゃるように、事業を実施するのは建設省であり、運輸省であり、農水省であるわけであります。国土庁は事業官庁ではありませんから、予算を持って投資されるわけではありません。それはよく承知しておるわけでありますが、ただ、奄美の気持ちになって各省庁に働きかけていただき、劣ることがないように、ただいま大臣のお話がございましたようにぜひやっていただきたいと思いますし、奄美の島民もそれを一番望んでおると思いますので、よろしく今後とも頑張っていただきたいと思うわけであります。
 それからもう一点は、この法律が延長になったらまた新しい計画をつくられるわけでありますが、計画はこれはもちろんいろいろ制約条件があるわけでありますが、大体抽象的な文章だけなんですね。だけと言うと怒られるかもしれませんが、文章が主体なわけです。もちろん先ほども言いましたように、それぞれの事業をやるのは各省庁でございますから、事業の数字を羅列してやれと言ってもできないことはもう百も承知なのでありますが、例えば今年度からやる五カ年計画の中では奄美として一番力を入れるのはこういう分野ですよ、そしてこういう分野においては五カ年の目標として、事業量の金目を出す必要はないとしても、おおよそそれの整備をここら辺までやりたい、こういうことをぜひやっていただきたいと思うんですが、そこら辺はどうですか、局長。
#16
○政府委員(秋本敏文君) 奄美群島の振興開発につきましては、今御指摘のございました振興開発計画を策定し、これを基本にしながら施策を進めていくということになるわけでございますが、その場合にどの程度までこの計画に具体的な事項を織り込めるかということでございますけれども、法律に基づく計画というものの性格から来る限界というものがどうしてもあるわけでございますが、しかし、そういう中におきましてもできるだけ具体化できるものはそのように進めていくという努力をしていきたいと思います。
 計画の中でと申しますか、これからの奄美の振興開発の中で何を具体的に重点的なものとしてやっていくのかといったようなこと、これも大事な点であろうと思います。
 ただ、何かだけをやればいいというわけにもまいりませんのでいろんなものを進めていくということになるわけですけれども、今回の法律改正におきましてはこの振興開発計画に関しても改正をさせていただくということにしております。例えば、これまでどちらかといいますとハード面の施設整備ということが中心でありましたけれども、それに対してソフト的な施策もこの計画の中に盛り込んでいくといったようなことにもいたしております。
 あるいはその項目の配列の仕方なんかにつきましても、産業の振興といったようなことを基本方針のその次に掲げるといったようなことにしておりますし、そういったようなことを踏まえながら、これからの計画策定の過程でひとつ努力してまいりたいと思います。
#17
○永田良雄君 私も先ほど申しましたようによくわかっておるわけでありますが、あらゆる面を書かなければいかぬということはわかるんですが、その中で、こういう点に力を入れてやっていきたいからという話を強調していただきたいということ。そして、できればそういう強調する部面については、五カ年でこういうふうにやりたいと。
 例えば、投資額幾らということを言ってくれということは一つも思わぬわけでありますが、例えて言いますならば、整備を半分ぐらいはやりたいとか、残っておる整備の三分の一ぐらいはやりたいとか、そういった表現で、重点項目についてできれば各省と鋭意努力していただいて、そういうことを書くことが各省との約束の上でいろんな投資なり施策を毎年毎年具体化していくときの一つの大きな助けになるわけですから、そういう方向にひとつぜひお願いをしたいと思うわけであります。
 私は、今ちょっと期待しておったのは、奄美についてはこれからやっぱり農業が大変じゃないかな、農業振興をやっていかなければいかぬのじゃないかなという感じを持っているわけでありますが、その点についてはいかがでしょうか。
#18
○政府委員(秋本敏文君) 奄美の今後の振興を考える上で、産業の振興、とりわけ奄美の場合はその亜熱帯性の気象条件を生かした農業の振興、これが大事な課題だろうと思います。
 先ほど基盤整備の関係で、かんがい排水等の基盤整備がおくれているじゃないかという御指摘もございましたが、確かにこれまでの実績で見ますと、かんがい排水の整備率などは鹿児島県全体の数値などに比べましても大変低い状態にあります。そういったものも進めていかなければならない。
 平成六年度の予算編成の過程でいわゆる公共事業の見直しの議論がございまして、農業基盤のことについてもその論議の対象になったわけでございまして、私ども平成六年度予算編成において農業基盤等の扱いがどうなるかということを大変心配をしたわけですけれども、各省御協力いただきまして、平成六年度の公共事業予算の中では農業基盤の整備については全体の伸びに比べて相当高いものを確保するということで、かんがい排水等の進捗を図ることができました。
 今後ともそういう考え方のもとで努力していきたいと思いますし、同時にまた、農業の振興ということにつきましては、その基盤整備だけではなくて、基盤整備された農地をどう生かすかというまさにソフト的なものも必要になってくると思いますので、それらもあわせて関係省庁と一緒に努力してまいりたいと思います。
#19
○永田良雄君 私も農業の振興が奄美では大変だということを思っておりますし、特に亜熱帯という特殊性を考えた農業を考える場合に、畑かんみたいなものは大変大事であろうと。現に、今も須野ダムをやっていただいてもう完成に近づいておるという話でありますし、これから新しい地下のダムをつくってかんがい排水の確保を図ろうというふうに考えていただいておるというふうに思っておるわけでありまして、農水省には大変御努力いただいたことを感謝するわけであります。
 今、局長から話がございましたように、細川内閣では公共投資を三つに分けて進めると。生活者重視の分野で進めるべきこと、それから淡々とやること、それから抑制するというところの三つに分けると言っておりまして、農業基盤なんというのはその抑制すべき中へ入っていると、こういうことになっておるわけであります。
 今、局長の話を聞くと、いやそういう厳しい条件の中でもたくさん予算をとったと、こう言って威張っておられるわけでありますが、本当にそうなるのかどうか。私は、やっぱり投資すべき農業基盤には大いにやらなきゃいかぬと思うわけでありますが、農水省の方、ことしは何とかやったとしても、来年以降の見通しはどうでございますか、大いに頑張っていただきたいと思うわけでありますが、農水省の方からお答えをいただきたいわけてあります。
#20
○説明員(近藤勝英君) 奄美諸島につきましては、従来からサトウキビを主体とした農業が営まれたわけでございますけれども、先生御指摘のように、近年では、亜熱帯気候を生かしまして、野菜、花卉あるいは果実を組み合わせた複合経営による収益性の高い農業が展開されつつあります。
 しかしながら、この地域は降雨の時期的変動が大きくて、またしばしば干害に見舞われております用地質的制約により水源が確保しにくいことなどもありますけれども、安定的な用水確保ということが非常に重要でありますので、従来からかんがい排水事業を鋭意推進してまいりました。
 平成六年度におきましては、奄美諸島における国営及び県営かんがい排水事業については前年の約二倍強を計上することとし、今国会において御審議いただくこととしております。
 特に、地域の基幹的かんがい施設の整備を図るため、喜界一期地区につきましては、先ほど先生が言いました地下ダムを水源とする国営かんがい排水事業を平成四年度から実施しております。そしてまた、平成六年度には国営徳之島用水地区の全体実施設計に着手することとしております。
 今後とも、安定的な用水確保を図るために、継続地区の早期完了、効果の早期発現に努めるなど、かんがい排水施設の整備を積極的に推進していきたいと考えております。
#21
○永田良雄君 今農水省からお答えいただいたわけでありますが、長官も、進めるところ、淡々とやるところ、抑制するところという画一的な振り分けではなくて、投資すべきところには、恵まれないところには大幅な投資をやるということをぜひやっていただきたいと思うわけであります。よろしくお願いを申し上げる次第であります。
 それからもう一点、奄美では観光客が、一時ピークは四十万人ぐらい年間入っておったというわけでありますが、最近五万人ぐらい減って三十五万人程度で推移しておるというふうに聞くわけであります。やっぱり、本土にない特殊な気象条件と地理的条件を持っておるわけでありますから、観光には大いに力を入れていただきたいと思うのでありますが、停滞している原因は一体何なのだというふうに考えておられるか、振興局長のお答えをいただきたいと思うわけであります。
#22
○政府委員(秋本敏文君) 奄美の振興開発を図る上において、今御指摘のございました観光の振興、これも大事な分野であろうと思います。
 そしてまた、御指摘もございましたように、昭和五十年代の初めには入り込み観光客が四十万人を超えるというところまでいったんですけれども、それから落ち込みまして、最近では大体三十五万人程度で推移をするという状態でございます。これにはいろんな理由があると思いますけれども、何しろたくさんのお客さんのいる東京等の大都市から遠いということ、これもやはり大きな問題だろうと思います。
 そういった条件を克服していくということについての努力がこれからもいろいろ必要だろうと思いますけれども、例えば東京との直行便というものにつきましては、一昨年の十二月に関係の方々の御支援をいただきまして初めて直行便が通うことになりました。そういったものの利用の拡大を図っていくということを通じて、これからさらにそういった交通の便をよくしていくということもあろうと思います。
 私どもの方も、そういったことも含めまして、平成六年度の予算におきまして、今後の観光リゾートの一層の推進を図っていくための総合的な対策、どういったことがこれから必要かということを島の皆さんと一緒になってひとつ考えていきたい、できることから着実に実施に移していく、そういうような姿勢で臨んでまいりたいと思っております。
#23
○永田良雄君 時間もなくなりましたので奄美の話はそのくらいにいたしまして、小笠原の振興開発問題について一点だけお伺いしたいと思うわけであります。
 御承知のように、小笠原は本土から一千キロ以上も離れております。そして、今行くとすれば船で行くわけでありまして、三十時間ぐらい行くのにかかる。それから、その日に帰ってこれない。打つたら何日間か向こうにおらなければいかぬ。交通条件が一番悪いと思うわけであります。
 平成元年ぐらいから小笠原に空港をつくったらどうかという話があるわけでありますが、私の聞いている限りでは、小笠原は非常にきれいな環境条件であるから、空港をつくるとあそこに生息している、何かわからぬのでありますが、カタツムリかカエルが絶滅するのではないか、それから何か植物がなくなってしまうのではないかという話で五年間も全然進展していないという状況だと聞くわけであります。
 もちろん、環境の保全ということも大事ではありますが、やはりあそこに住んでいる人のことを考えるのが一番基本だと思っておるわけであります。島民でもない一部の学者の意見によって、そういう切実な問題が何年間もなおざりになっているというのは極めておかしなことだと私は思うわけでありますが、小笠原の空港設置に関して大臣の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(上原康助君) まさに今御指摘のように、父島か母島か場所の選定もあるでしょうが、小笠原に空港が絶対に必要だというのは私もつくづく感じました。
 昨年、十一月に復帰二十五周年の記念式典に行って、なぜ今まで二十五年もたって空港も立地できなかったのか、むしろ私個人も大変疑問に思っておる一人なんです。それは、地形の問題などいろいろ環境保全との調整の問題等があったこともよく承知はしておるわけですが、やっぱり小笠原の振興あるいは住民の皆さんのお気持ちというのは、復帰当初から、空港立地というのはぜひ早目にやってもらいたいという強い願望があり、向こうに住んでいらっしゃる方々のコンセンサスだと思うんです。
 そういう意味で、帰ってまいりましてからその経過について振興局あるいは国土庁全体でもよく、私もさらに事情を聞いて、運輸省にもかけ合い、また東京都にも、これは第一義的には東京都が計画をお立てにならなきゃいけない課題でありますので、なぜ今までできなかったのかと。しかも、東京都は最近は財政事情も大変難しい面もあるようですが、できなかった課題ではなかったような感じがして、その促進方は、いろいろ都合がありますから今ここではっきり申し上げるわけにはまいりませんが、鋭意努力をしておりますので、何としてもめどづけを早期にやって小笠原住民の御期待に沿いたい。これはまた建設委員の先生方、国政全般としてこの課題というものは推進していっていいのではないかと私は思いますので、一層のまた御協力も賜りたいと存じます。
#25
○永田良雄君 大臣の力強い答弁をいただいて、ありがとうございました。小笠原住民のために大いに頑張っていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#26
○上山和人君 私は、日本社会党・護憲民主連合の上山和人でございます。
 ただいま議題となっております奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、積極的に賛成しながら、与えられた十五分という短い時間でございますけれども、その時間の範囲内でほんの少しばかり質問をさせていただきたいと思います。
 鹿児島県知事は、平成六年度の国の予算編成の中で、鹿児島県にとりましては奄美群島の問題が最も重要だといつも言っておりました。奄美の振興なくして鹿児島県の活性化が望めないという状態だからなんですけれども、この三月末をもちまして、奄振法とこれから略称させていただきたいと思うんですけれども、奄振法の期限が切れることになっている状態では、この奄振法が延長されるのかされないのかはまさに鹿児島県にとりましては死活問題と言っていいほどの大きな問題になっているのでございます。
 それだけに、今回この奄振法の延長が認められることになっておりますこと、とりわけ二十年ぶりなのでありますけれども、法律内容が相当大幅に改正されようとしていることにつきまして、鹿児島県関係者、さらには奄美の関係者の喜びはひとしおのものでございます。特に、この法律内容の改正の中で、保健衛生の向上とか福祉の増進とか医療の確保などについてのソフト規定が充実したこと、さらにはまた地方債あるいは無医地区における医療確保についての助成の問題、さらには高齢者福祉の増進や教育の充実などの配慮規定が創設されたわけでありますけれども、このことはこれらの問題が長い間の関係者の切実な願いでありましただけに関係者の間で大変高い評価を集めているところでございます。
 私は、鹿児島選挙区選出の議員といたしましても、この間の長官初め担当局長、審議官、そして課長と、一体になられての献身的な御努力のたまものだと思いまして、心から敬意を表する次第でございます。どうぞ今後とも、新政権の恵まれない地域に光を当てようとする生活者重視の政策の具体的な展開について、引き続き積極的な御努力を続けていただきたいものだと心から御期待申し上げております。
 そういう観点で奄振法について二点だけ御質問をさせていただきます。
 一つの質問は、今回法律改正の趣旨に沿いまして奄美群島振興開発基金に係る課税の特例措置の延長がなされました。同時に、あわせて奄美群島における集会施設、スポーツ施設に供する敷地に係る特別土地保有税の非課税措置が創設されることになっております。この点については関係者の皆さんを大変元気づけているのでありますけれども、しかし残念ながら一方で、特に現地の皆さんの間で大変大きな要望のございました宿泊施設の特別償却と、同じく宿泊施設の非課税措置が見送られることになっているのでございます。御存じのように、奄美群島に対象になります宿泊施設が七十四施設もあることからその影響が非常に大きいものですから、今後のことにつきまして少しばかり現地の方では心配しているわけでありまして、そういう状態でございますので、今回見送られましたが、どうぞ近い将来何とかしてこの宿泊施設の特別償却、非課税措置が実現できるように御努力いただきたいと思うのでございますけれども、これ振興局長の方でこの点についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思うのでございます。
#27
○政府委員(秋本敏文君) 平成六年度の税制改正におきまして、今も御指摘のございました宿泊施設に係る税制の改正、これらも私どもとしてもいろいろ検討してまいりました。奄美におきましては観光振興というのがこれからの重要な課題であるわけでございまして、そういったことも考えながら宿泊施設に係る特別償却の創設、そしてまた宿泊施設を含む特別土地保有税の非課税措置の創設を検討してまいったわけでございますけれども、現下の厳しい財政事情、あるいはそれを反映しまして租税特別措置につきましてはこれをできる限り抑制をするというそういう全体の状況の中で、結論としては宿泊施設関係についての特別措置については見送らざるを得なかったわけでございます。
 ただそういう中で、今も御指摘がございましたけれども、集会施設とかスポーツ施設に係る特別土地保有税の非課税につきましては実現を見るということができたわけでございまして、私どもとしてはこういった税制も観光振興ということに役立てていただければ大変うれしいと思っております。
 ただ同時に、観光振興ということにつきましては、いささか蛇足でございますけれども、この税制ということもございますが、同時にその他のいろんな施策もひとつ組み合わせながら努力をしていきたいと思っておりまして、平成六年度の予算におきましても観光拠点としての奄美海洋展示館の整備、あるいは観光リゾート振興総合対策調査といったようなことをやると、そういう予算案をつくらせていただいているところでございます。奄美の皆さん、鹿児島県庁の皆さん方ともよく相談をしまして、そういう方向で一つ今後とも努力してまいりたいと思っております。
#28
○上山和人君 今の局長の御見解を承りまして心強く思っておりますので、どうか引き続き御努力をいただきますようにお願い申し上げます。十五分という時間は大変短うございましてどんどん過ぎておりますが、次にもう一つだけ御質問がございます。
 実は三月十四日付の日経新聞朝刊が、省庁、特殊法人の統廃合の動きを報道いたしておりまして、それとの関連で与党内で国土庁と北海道開発庁、沖縄開発庁三庁統合の構想が浮上していると実は報道しております。これについては今触れませんけれども、それとの関連で実はこの際北海道東北開発公庫、それと沖縄振興開発金融公庫さらに奄美群島振興開発基金のあり方について再検討する動きが出ていると報道が行われておりまして、現地の間では少なからず不安が広がっているのであります。ほかの新聞は取り上げておりませんでしたから日経新聞だけの報道でございまして、一つの新聞記事で動揺はいたしておりませんけれども、しかし前後の文脈から見まして決して軽視することのできない要因を含んでいるように思いますので、この三月十四日付の日経新聞のこの基金のあり方を再検討する動きが出ているという記事について、根拠のある記事なのかどうか、どのようにこの記事を受けとめていらっしゃるか、時間が過ぎておりますけれどもこれは局長の方から最初に見解を承りたいと思います。
#29
○政府委員(秋本敏文君) 今お尋ねのございましたその新聞報道について、その中で奄美群島振興開発基金の統合といったこと、これにつきましては私どもとしては具体的な指示をいただいているわけではございません。
 奄美群島におけるこの基金の役割、これはもう先生の方がよほど御存じでございますけれども、零細な事業者が多いという奄美の地域経済の中で、信用保証、長期低利等あるいは出資も含めた総合的な金融機関としての役割があり、そしてまた奄美の群島の中に実際に店舗を設けておる政府系金融機関というのはこの振興基金しかないわけでございまして、そういう中できめ細かい融資等の活動をしている、そういったことをいろいろ考えますと、今後の奄美群島の産業振興を図っていく上で私どもとしては不可欠のものであるというふうに考えております。
#30
○上山和人君 今局長の方からこの基金の果たしている役割について御説明をいただきましたので私の方から申し上げる必要がなくなったのでありますけれども、実は昭和三十年に信用保証協会としてスタートいたしましてからこの四十年の間に保証業務と融資業務と出資業務、三業務をとり行うようになっておりまして、ほんの一例ですけれども、平成四年度で見てみますと保証業務につきましては平成四年度の保証承諾額が九十三億円にも上っておるんです。そして、平成四年度末の保証残高が実に二百三十八億四千七百万円にも上っているわけなんです。融資業務を見てみましても平成四年度の貸付額が三十六億円、そして貸付残高は百三十六億二千百万円にも上っているわけでございまして、今局長から御説明いただきましたように、たったこの一つの例を見るだけで、どんなに大きな役割をこの基金が奄美群島発展のために果たしているかということはもう委員の皆さんにも御理解いただけると思うんです。
 今局長から、基金は奄振法に基づくこの事業の推進にとって不可欠のものであるという認識をしているという見解の表明がございまして、これ以上心強いことはございませんが、どうぞ上原長官、そういう新聞記事がありましたけれども、局長の見解のように、私どもは奄美の振興開発にとりましてこれからこの基金がなければとても奄振法に基づく事業展開はできないと思っておりますので、どうかひとつどういう事態になりましても維持存続できるように御努力いただきたいと思うのでございます。
 最後に、長官の方からこのことについての御見解と御決意を承ることができればありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
#31
○国務大臣(上原康助君) 御指摘のように、奄美振興のための基金制度というのは私はやっぱり継続かつこれからも充実をしていかなければいけない大事な制度だと心得ております。
 確かに、基本的には私ももちろん閣僚の一員ですからいろいろ行政改革を推進していかなければいけない立場ですが、今大事なことは地方分権とかいろいろ議論されている中で、先ほども永田先生の御指摘もありましたように、政治の日の当たらない地方なり離島なりをどうもっと活性化させていくかというのが政治に問われている大事な課題だと思うんです。
 そういう面で、省庁の統廃合問題にしても特別な歴史的経緯と事情があってそれぞれの役所があり、公庫があり、基金制度があるわけですから、そこはやっぱりよく取捨選択をして地域住民や地方の方々の期待に沿うような政治というもの、行政というものを、あるいは経済振興というものを考えないといけないというのが私の基本的なスタンスであります。この奄振法の基金制度については、今局長も内容的に申し上げましたが、私どもとしてはほかの公庫や制度と統合して推進できるものではない、奄美の中小零細企業の方々の気持ちを考えると、これは特別な基金制度としてこれからも存続をさせ、充実化していくべき制度だと思っておりますので、そういう立場でぜひ国土庁としては努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
#32
○上山和人君 ありがとうございました。
 時間がちょうど来ておりますが、今の長官と局長の御見解を恐らく現地もマスコミの報道等で伝え聞くことになると思いますけれども、どれほど大きな励みになるか。大変心強い御見解、御決意のほどでございます。
 どうぞこれからも、そういう恵まれない地域に今長官がおっしゃいましたように政治の光をどう当てていくかという観点で、引き続き離島なり奄美群島、そして小笠原諸島の振興開発のために一層の御努力を続けてくださいますように重ねてお願いを申し上げ、この法律案に積極的に賛意を表明しながら質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#33
○委員長(前田勲男君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、広中和歌子君及び西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として片上公人君及び肥田美代子君が選任されました。
#34
○上田耕一郎君 私は、小笠原諸島振興開発特別措置法について質問したいと思います。
 提案理由の説明でも、人口の定着、産業の育成等が十分に達成されていないということが書かれています。東京都のこの小笠原の振興開発はなかなか難しい状況にあるということで、梶木又三会長のもとに小笠原諸島二十一世紀ビジョン懇談会、その報告が平成三年二月に出ています。現状から見て新しい展開が必要だということで、亜熱帯、海洋性の非常に豊かな自然環境に着目して長期ビジョンを立てることが重要だと。柱は二つで、一つは学術研究です。もう一つはエコ・ツーリズム・アンド・コンベンションと。片仮名が多いようですけれども、そういう方向を出しています。
 国土庁として、こういう東京都の懇談会の方向についてどういう評価をされておられるのか。私も制限時間十五分なので、簡潔にひとつお答えいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(上原康助君) もう上田先生とっくに内容も御承知おきのことでお尋ねだと思うんですが、今ありました平成三年二月に出された小笠原諸島二十一世紀ビジョン懇談会の報告書というのは、各種基盤整備の推進等を積極的に進めなさいという提言でありますので、国土庁も、この基本政策に沿っていろいろこれからの振興策を進めてまいりたい。そういう意味では、非常に尊重すべき有意義な内容がある報告書だと評価をしております。
#36
○上田耕一郎君 こういう方向を進める上でも非常に大事なのは、やはり基幹産業としての農業、水産業をどう発展させていくかということだと私は思うわけです。
 この報告を見ますと、しかし農業人口は四年間で父島で八十一人、横ばい。母島では四分の一減って全体で一割以上減少。漁業も一時二百七十九人ぐらいいたのが平成四年の末には二百三十五人に減っているという状況です。それから、五年前にこの特別措置法の延長に際して東京都がつくった「小笠原諸島振興の課題と展望」を見ますと、こう書いてあるんです。「基幹産業ともいうべき農業・漁業の第一次産業の占める割合は小さく、全就業者数の約一二%にすぎない。これは、全国離島の平均三五%、奄美群島の平均二二%に比べて低いウエイト」と。奄美の半分という状況なんです。
 なぜ小笠原でこういう状況かというと、特別の問題がありまして、これは一つは不在地主、東京都の昭和五十九年の調査によりますと約千人、七百五十ヘクタールです。今農地約七十ヘクタールですから、その十倍を不在地主が持っている。それから、小作者の耕作権を保護するために返還になったときに暫定措置法ができて、特別賃借権というのができたんです。その特別賃借権者、これは十年前の私の質問に対して国土庁の答えは百五十四人。現に帰島されている方、農業をやっている方は七人。だから、不在の小作の方、不在特別賃借権者というのがいるわけです。それで、特別賃借権で保護されている面積が七百ヘクタールというから、つまり不在地主のうちのほとんどがまた不在特別賃借権者が持っているという状況になっていまして、私はこれが一番のネックになっていると思うんです。
 この東京都懇談会の報告でも、「不在地主や特別賃借権者の存在が用地確保など今後展開される施策推進のネックとなることも懸念される。」ということで、これが実際には大変なネックになっている。
 例えば父島の扇浦、これは二十五ヘクタール開発の予定なんだけれども、村で買収したのはわずか三ヘクタール、六十世帯が不在地主だというんです。今農地造成が七十ヘクタール進んでいるんだけれども、東京都によれば三割はもう遊休化しているという状況です。不在地主の持っている土地は原野になってジャングルみたいになっている。
 私は、十年前に船で三十時間乗って父島に行ったんですけれども、船の中で知り合った農民がいまして、これは伊豆七島から母島に行ってとにかく農業をやりたいという若い方で、今度この法案の延長があるので電話をかけて聞いてみました。
 彼は島に行って十四年たった。三年前にようやく土地を借りられた。今ウコンなんかをつくってなかなかうまくいっているというんです。彼が言うには、こういう一番の問題は土地問題だと。新島民で農業をやりたいと意欲を持っている人は数人いるが、みんな土地問題で悩んでいる。ところが、都や村に相談に行っても旧島民のためにやっているということで、なかなか新島民にはつれないと言うんです。そういうジャングル化してもう原野化している不在地主の土地を一体どうするかということがやっぱり一番の問題だと私は思うんです。ところが、残念ながら、国土庁が主体になってつくられた振興開発計画を全部読んでみましても、私も見損なったかもしれぬけれども、この問題に一字も触れていない、振興開発でどうするかということが。だから、これはなかなか難しい問題ではあるんだが、思い切ってやらなければならない。
 ジャングル化した民有地の固定資産税評価額は一律平米一円だ、十ヘクタール以上持っていないと非課税だ、相続も非課税、だから税務署も何も言ってこない。だから、持っている不在地主なんかも税務署も何も言ってこない。ジャングル化しているけれども、ほとんどそのまま放置されている。この不在地主問題をやっているのは東京都の職員が二人いるんですよ。しかし、交渉しようとしても、全国に散らばっているし複雑ですし、なかなか進まないというのが実情なんです。
 この懇談会が言っている学術研究とかエコ・ツーリズム・アンド・コンベンションというような新しい発展状況、それから先ほどの提案理由説明にもその特性と発展可能性を活用すると書いてある。活用するためにも、基幹産業が全国離島平均の三分の一、奄美の二分の一という実情、不在地主と不在特別賃借権者の問題とか、思い切って解決しないと絵にかいたもちになっちゃうのじゃないかと私は危惧するんです。もちろん、これは戦争中強制疎開されて米軍の占領になっていたところでしょう。歴史がありますし、戦争被害者ですよ、不在地主もそれから特別賃借権者も。だから、なかなか手をつけられないこともあるだろうけれども、例えば希望者に補償するとか、何らかのこの問題の解決策を検討していただいて打ち出してほしいと、ぜひ考えていただきたいと思うんですが、局長にお願いしたいと思います。
#37
○政府委員(秋本敏文君) 小笠原の振興開発を進めていく上で土地の問題が大変大事な問題であるということ、私どももいろいろ伺っております。
 今さら改めて申し上げるまでもございませんけれども、今の御指摘の中でもございましたように、小笠原の場合、戦後相当の期間アメリカの施政権のもとにあり、復帰をしてもなかなかそうすぐには帰れないという状態が現実問題として続いた。強制疎開以来で考えますと約五十年たっているというそういう期間の経過もございまして、そしてまたそういったような状態であったからこそ、今の御指摘の中にもございましたような、小作権者の保護ということで特別賃借権という小笠原独特の制度をつくってやってきたという経過もあります。
 そういうようなことがいろいろ重なってまいりまして、地主さんとしても内地の生活が長くなって帰島していない地権者の方が多いとか、こういう方々は、相当の期間経過しておりますので死亡して相続人が生ずるというようなケースもあるわけですけれども、内地のあちこちで生活をしておられるとか、それからまた返還後に内地の企業の方で土地を買収された方もいらっしゃるといったようなこととか、そういういろんな要素が入りまして不在地主の方が多いということでございます。
 これをどうするかということでございますけれども、今の御指摘の中にもございましたように、地権者の権利をどうするか、どう考えていくかといったようなこともあるものですから、制度的にどう考えていくことができるか非常に難しい問題がございます。
 現実の対応としては、東京都あるいは小笠原村で地権者の方々を確認し、その必要が生じた場合に売却等の交渉をするといったようなことで対応されているわけですけれども、私どももそういったような東京都なり小笠原村の対応の中でお手伝いできるものがございましたらできるだけの対応をしていく、そういうようなことで対処してまいりたいというふうに考えております。
#38
○上田耕一郎君 難しい問題なんですぐに即答は難しいと思うんですけれども、東京都の考えていることをどう援助するかというだけでなく、やっぱり法律の大きな枠でしょう。東京都は枠でしか考えないんですよ。だからこれは国土庁の問題であり政治の問題であるんです。この際、戦後半世紀たった時期に小笠原の発展を本当に考えるなら、こういう枠そのものを検討するという少し突っ込んだイニシアチブを国土庁が発揮してくださるようひとつお願いしておきたいと思います。
 次に、前回の質問で、当時の小笠原の漁業協同組合の組合長の菊池さんから強く要望されて、小笠原諸島沿岸漁業振興特別資金、旧島民には出ているけれども新島民には出ていない、なかなか出ないということで、新島民にも旧島民並みの支援措置を要求したんですけれども、これの改善状況はいかがでしょうか。
#39
○政府委員(秋本敏文君) 小笠原につきましては、国も協力しまして小笠原諸島生活再建資金というのを設けまして、漁業資金あるいは商工業資金、住宅資金等について措置をするということにしておるわけでございます。
 今、御指摘のございましたように、前回先生からも御指摘がございまして、旧島民向けで新島民向けのものになっていないじゃないかということもございました。昭和五十四年に、新島民で三年以上住所を有する方々を対象にするということをまずやりました。それから後に、平成二年度から、一年以上住所を有する新島民の方々も対象にするというようないわば改善をしてきているわけでございます。
#40
○上田耕一郎君 今のは生活再建資金ですけれども、漁業振興特別資金についてはどうですか。
 それからもう一つ、農業も聞きたいんです。農業で定住する目的で三年間農業を手伝って頑張ってきたんだけれども、農地を手に入れられないで帰ったという例なんかもあるんですね。つまり、船をつくるときに旧島民にはかなりの融資があるのに新島民にはなかなか出ないという問題があったわけです。だから、漁業、水産業、農業について、意欲がある新島民には旧島民並みの措置をぜひとつていただきたいと思うんです。
#41
○政府委員(秋本敏文君) 今、具体的にお尋ねのありましたものについては制度を改めるということはいたしておりませんが、ただ、これも先生御承知のとおりでございますけれども、一般的に沿岸漁業振興とかあるいは農業改良資金だとかそういったような資金制度があるわけでございますので、すべての方がそれを利用するということはできないかもしれませんけれども、そういったことの対象になり得るという方も新島民の方でいらっしゃるんじゃないかというふうに思います。
#42
○上田耕一郎君 小笠原は、東京や日本全国の位置から見ても、水産業にとってもまた熱帯性農業という非常に重要なところなので、意欲のある新島民が行くわけですよ。その人たちが農業、水産業に従事できるようにぜひ旧島民並みの措置をとっていただくよう重ねて要望しておきたいと思います。
 もう時間が参っておりますので、最後に硫黄島問題。硫黄島帰島促進の問題は、私もこの委員会で促進協議会の方々からの要望をお伝えしながら何回も取り上げてきたんですが、定住は懇談会の結論で困難だということになり、私も不満なんです。
 その問題は別としまして、要望が国土庁長官あてに出ておりますのは、硫黄島帰島促進協議会の麻生会長の名前で、墓参者用の宿泊施設をぜひつくってほしいということですね。今の墓参は、参加人員や現地での行動などに制限が加えられ、特に在島時間がわずか二時間程度に限定される。二時間しかいられないというんですね。まことに事務的、形式的だと。それから、北方領土への墓参と比較してももっと自由な行動でゆとりある時間で墓参ができてしかるべきで、墓参者用の宿泊施設をぜひつくっていただきたい。具体的な提案の骨子も、どういう設備でどういうものかが出ております。
 秋、この間、参議院の国際問題調査会で硫黄島に参りまして、二度目なんですけれども、あそこへ行きますと米軍用のすばらしい宿泊施設が二棟建っておりますよ。中も見せていただいた。思いやり予算で米軍用にはあれだけのものをつくるぐらいなんだから、硫黄島にもと住んでいた方々があそこに墓参に行くときにわずか二時間ということでなくて、やはりぜひ泊まれる施設をという要望、これは実施主体は東京都になると思いますけれども、ぜひ国土庁としても考えていただきたい。この墓参宿泊施設の問題は、ひとつ長官いかがですか、ちょっとお願いいたします。
#43
○政府委員(秋本敏文君) 硫黄島旧島民の方々の墓参の際の宿泊施設の問題、私どもも伺っております。そういったお話を伺いました際に、これは一体どうできるだろうかということで関係の方々のお考えなども聞いてみたんですけれども、御存じのように硫黄島の場合は、いまだ火山活動が活発であるとかあるいは不発弾といったものがまだあるとか、そういったような状況で利用者の方々の安全確保というのはどうだろうかとか、あるいは施設の維持管理ということ、これも現実にはどういうふうにやっていけるだろうかとか、施設用地の確保はどういうふうにできるだろうかとか、そういういろいろな問題があるというようなことを私どもとしても伺っております。
 そういったようなことでございますけれども、たまたまことしは昭和十九年の旧島民の方々の疎開から五十周年という年になるわけでございまして、そういった機会に東京都では防衛庁の方の御協力もいただきながら船舶による墓参ということを今検討しておられるそうでございまして、船舶で墓参をするということになりますと、これはやや形が違いますけれども、洋上で宿泊するというそんな形にはなりますが、ある程度そういう御要請にこたえるという部分もあるいは出てくるのかもしれません。はっきり決まったというふうにはいまだ聞いておりませんけれども、そういったような検討がなされているということを私どもも伺っております。
#44
○上田耕一郎君 もう時間が参りましたけれども、今火山活動のことをおっしゃったけれども、自衛隊はあそこにずっといるんですからね。米軍用のあれもありまして、水もなかなかもういっぱいためていますよ。そういう点でぜひこの問題は前向きに検討していただきたい。十月二十八日には上原康助国土庁長官あてに関係者八千名の署名を添えて提出しているということですから、ぜひひとつ前向きに検討していただきたいと思います。
 最後に長官、いかがですか。
#45
○国務大臣(上原康助君) 実情は今局長の御答弁のとおりでございますが、やはり旧硫黄島在住老の方々のそういう願望もあるようですから、安全性あるいは硫黄島の現状等をよく検討すべきところはやってみて、どういうことができるか少し国土庁としても勉強させてください。
#46
○上田耕一郎君 終わります。
#47
○委員長(前田勲男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、直ちに採決に入ります。
 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#48
○委員長(前田勲男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、鈴木君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木貞敏君。
#49
○鈴木貞敏君 私は、ただいま可決されました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原
    諸島振興開発特別措置法の一部を改正す
    る法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項につ
 いて、適切な措置を講じ、その運用に遺憾なき
 を期すべきである。
 一、奄美群島振興開発計画の策定及び小笠原諸
  島振興開発計画の改定に当たり、地元市町村
  の意向を十分に尊重するとともに、振興開発
  事業については、沖縄との均衡をも考慮しつ
  つ、補助率、補助採択基準等について十分な
  配慮をすること。
   また、改正法の趣旨を踏まえ、ソフト施策
  の充実に努めること。
 二、奄美群島の特性を生かした産業の振興を図
  るため、大島紬等地場産業の育成に努めると
  ともに、奄美群島振興開発基金の充実強化に
  努めること。
   また、農林水産業、観光・リゾート産業等
  の開発・推進及び流通の改善に資するよう農
  業基盤、交通基盤等の整備を強力に推進する
  こと。
 三、小笠原諸島における産業の振興を図るた
  め、交通施設、農漁業施設、観光施設等の整
  備に特段の配慮をすること。
   なお、空港整備構想の推進を図るため諸課
  題の解決に努めるとともに、自然環境の保全
  にも十分留意すること。
 四、硫黄島旧島民定住促進事業については、旧
  島民の心情に十分配慮するとともに、「集団
  移転事業に類する措置」について推進するこ
  と。
   右、決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#50
○委員長(前田勲男君) ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#51
○委員長(前田勲男君) 全会一致と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、上原国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。上原国土庁長官。
#52
○国務大臣(上原康助君) 本委員会におかれましては、本法案につきまして御熱心な御審議をいただき、ただいま全会一致で議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましてもその趣旨を十分に体して努力する所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対して深く感謝の意を表し、ごあいさつにさせていただきたいと存じます。
 ありがとうございました。
#53
○委員長(前田勲男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十九分散会
     ―――――・―――――

ソース: 国立国会図書館
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