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1994/03/29 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 逓信委員会 第1号
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1994/03/29 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 逓信委員会 第1号

#1
第129回国会 逓信委員会 第1号
平成六年三月二十九日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         森  暢子君
    理 事         岡野  裕君
    理 事         陣内 孝雄君
    理 事         山田 健一君
    理 事         粟森  喬君
                岩崎 純三君
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                沢田 一精君
                林田悠紀夫君
                及川 一夫君
                大森  昭君
                川橋 幸子君
                三重野栄子君
                鶴岡  洋君
                中川 嘉美君
                河本 英典君
                鈴木 栄治君
                青島 幸男君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     星野 朋市君
 二月三日
    辞任         補欠選任
     三重野栄子君     田  英夫君
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     大森  昭君     山口 哲夫君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     山口 哲夫君     三重野栄子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         森  暢子君
    理 事
                岡野  裕君
                山田 健一君
                粟森  喬君
    委 員
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                沢田 一精君
                林田悠紀夫君
                及川 一夫君
                川橋 幸子君
                三重野栄子君
                山口 哲夫君
                河本 英典君
                星野 朋市君
                中川 嘉美君
                青島 幸男君
                田  英夫君
                鈴木 栄治君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  神崎 武法君
   政府委員
       郵政大臣官房長  木村  強君
       郵政省通信政策 五十嵐三津雄君
       局長
       郵政省放送行政  江川 晃正君
       局長
   事務局側
       常任委員会専門  星野 欣司君
       員
   参考人
       日本放送協会会  川口 幹夫君
       長
       日本放送協会専  森川 脩一君
       務理事・技師長
       日本放送協会専  中村 和夫君
       務理事
       日本放送協会理  安藤 龍男君
       事
       日本放送協会理  齊藤  曉君
       事
       日本放送協会理  中井 盛久君
       事
       日本放送協会理  菅野 洋史君
       事
       日本放送協会会
       長室〔経営計画〕 慶田 敏紀君
       局長
       日本放送協会財  千葉 厚三君
       務企画局長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(森暢子君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月三十一日、岩崎純三君が委員を辞任され、その補欠として星野朋市君が選任されました。
 また、二月三日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として田英夫君が選任されました。
 また、二月十五日、大森昭君が委員を辞任され、その補欠として山口哲夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(森暢子君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(森暢子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(森暢子君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本放送協会関係の付託案件の審査及び郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として今期国会中、必要に応じ随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(森暢子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(森暢子君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。神崎郵政大臣。
#8
○国務大臣(神崎武法君) ただいま議題とされました日本放送協会の平成六年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算につきまして、その概略を申し上げます。
 一般勘定事業収支におきましては、事業収入は五千六百六十六億六千万円、事業支出は五千五百二十一億九千万円となっており、事業収支差金百四十四億七千万円は、百三十八億一千万円を資本支出に充当し、六億六千万円を翌年度以降の財政安定のための繰越金とすることとしております。
 一般勘定資本収支におきましては、資本収入、資本支出とも七百九十三億七千万円となっており、建設費六百億円等を計上しております。
 次に、事業計画につきましては、その主なものは、視聴者の意向を積極的に受けとめ、公正な報道と豊かな放送番組の提供に努めること、国際放送については、番組の充実刷新を行うこと等となっており、事業の運営は、経営財源確保のため、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、あわせて経営全般にわたり一層効率的な業務運営を推進し、視聴者に信頼され、かつ創造性と活力にあふれた公共放送を実現していくとしております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。
 郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等につきまして、おおむね適当であると認めた上で、事業計画等の実施に当たっては、極力長期にわたり受信者の負担増を来さないため、経費の節減と受信料収入の確保に努めるとともに、配意すべき事項として、豊かな放送番組の提供と公正な報道を行い、放送番組の充実向上に努めること等を指摘した意見を付することといたした次第であります。
 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどお願いいたします。
#9
○委員長(森暢子君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。川日本放送協会会長。
#10
○参考人(川口幹夫君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成六年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。
 平成六年度の事業運営に当たりましては、公正な報道に徹するとともに、より豊かで質の高い放送番組を提供し、視聴者に信頼され、かつ創造性と活力にあふれた公共放送を実現してまいる所存であります。
 業務の推進に当たりましては、経営財源確保のため、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、あわせて経営全般にわたり効率的な業務運営を徹底してまいります。
 平成六年度の主な事業計画について御説明申し上げます。
 まず、建設計画につきましては、老朽の著しい放送設備の更新を取り進めるとともに、放送番組充実のための設備の整備を行うほか、衛星放送設備の整備や放送会館の整備等を実施することとしております。
 次に、事業運営計画について申し上げます。
 国内放送におきましては、視聴者の意向を積極的に受けとめ、番組の充実刷新を図るとともに、公共放送の使命に徹し、公正な報道と豊かな放送番組の提供に努めてまいります。
 国際放送におきましては、国際間の相互理解と国際交流に貢献するとともに、海外在留の日本人に多様な情報を的確に伝えるため、放送時間を拡充し、あわせて番組の充実刷新を行います。
 契約収納業務につきましては、受信料負担の公平を期するため、受信料制度の周知徹底を図るとともに、積極的、効果的な営業活動を行い、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めてまいります。
 調査研究につきましては、新しい技術の開発研究を初め、放送番組、放送技術の向上に寄与する調査研究を推進し、その成果を放送に生かすとともに、広く一般にも公開することとしております。
 以上の事業計画の実施に当たりましては、経営全般にわたり業務の見直しを一層徹底し、要員については、年度内二百五十人の純減を行い、総員一万三千二百六十三人とし、給与につきましては適正な水準を維持することとしております。
 これらの事業計画に対応する収支予算につきましては、一般勘定において、事業収支で収入総額五千六百六十六億六千万円を計上し、このうち受信料については五千四百五十五億円を予定しております。これは契約総数において四十万件、衛星契約において八十五万件の年度内増加を見込んだものであります。
 これに対し、支出は、国内放送費など総額五千五百二十一億九千万円を計上しております。
 事業収支差金百四十四億七千万円につきましては、このうち百三十八億一千万円を資本支出に充当し、六億六千万円を翌年度以降の財政安定のために繰り越すこととしております。
 次に、資本収支につきましては、支出において、建設費六百億円、出資六億五千万円、放送債券の償還等に百八十七億二千万円、総額七百九十三億七千万円を計上し、これらに必要な財源を減価償却資金などの自己資金のほか、放送債券及び借入金により賄うこととしております。
 なお、受託業務等勘定におきましては、収入六億円、支出五億二千万円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて資金の需要及び調達を見込んだものでございます。
 以上、日本放送協会の平成六年度収支予算、事業計画等につきましてそのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、協会の事業が受信料により運営されていることを深く認識し、より豊かで質の高い放送番組を提供するとともに、効率的な業務運営を行い、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございます。
 委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
#11
○委員長(森暢子君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#12
○岡野裕君 大臣、おはようございます。
 きょうはこれから平成六年度のNHK予算の審議に入るわけでありますが、まず冒頭、大臣からぜひひとつお伺いをいたしたい、こう思っていることがあります。
 それは、今日急速に進む技術革新を背景といたしまして、従来の通信でありますとか放送でありますとか、そのような枠組みを越えた、言いますならば通信と放送の融合といいますか統合といいますか、そういった新しい課題が生じている、こんなふうに認識をいたしております。この点につきましては、今後、マルチメディア産業等のニュービジネスの創造にもつながるのであろう、こう思うわけでありますが、このようなマルチメディア時代を踏んまえた通信政策について、郵政省としては、大臣とされては今後どのようにさお差していかれるのであるか、どのように対処をなさるおつもりであるのか、この一点をまず大臣、お伺いしたいのであります。
#13
○国務大臣(神崎武法君) 昨今の情報通信分野におきます技術革新は、御指摘のとおり大変著しいものがあるところでございまして、これらによりまして広帯域及び双方向の情報通信の実用化がなされつつあるところでございまして、岡野委員御指摘のとおり、マルチメディア産業等のニュービジネスの創造に大変役立つものだというふうに期待をいたしているところでございます。
 我が国が抱えております政策課題といたしましては、持続的な経済の発展あるいは高齢化社会への対応、均衡ある国土の発展、環境の保全等、さまざまな政策課題があるところでございますけれども、情報通信基盤の整備はこれらの政策課題を克服するための切り札になるものであると認識をいたしているところでございまして、郵政省といたしましても昨年の三月に電気通信審議会に二十一世紀に向けました情報通信基盤整備プログラムの策定につきまして審議をお願いいたしておりまして、本年五月に御答申をいただく予定になっております。
 また、平成六年度予算案におきましても、地域・生活情報通信基盤高度化事業という形で、公共投資によります情報通信基盤の整備につきましての予算措置を講じているところでございますし、さらにことしの夏には関西文化学術研究都市におきまして委員が御指摘になりましたような通信と放送の融合、これを目指した実験、マルチメディアパイロットモデル事業の実験を開始するところといたしているところでございます。
 アメリカにおきましても、NII、情報通信基盤の行動アジェンダに基づきまして既に二十二のパイロットプロジェクトのための二千六百万ドルの予算措置がなされておりまして、九五年度予算教書におきましても一億ドルの予算要求が行われているところでございます。
 我が国といたしましても、こういったアメリカの取り組みも念頭に置きつつ、今後ともマルチメディア時代に向けました通信政策の展開に積極的に取り組んでまいりたいと決意をいたしております。
#14
○岡野裕君 世界のカレントを踏んまえられた大臣の抱負といいますか、それがどんなふうに具体的に進められているか、あるいは進めるつもりであるか、非常に心強い御答弁をいただいたわけで、一安堵かなというところでございます。
 目を転じて、今も大臣、NII、NRENあるいはタイム・ワーナー等々のお話をなさいました。なるほど日本でも関西学園都市というようなお話を伺いましたが、どうも私の周りの同僚等の話を聞きますとアメリカの方が一歩進んでいるのではないか。日本の方が出おくれているのではないか。アメリカの方は統合サービスにつきましても、言いますならばCATVが非常に発展をしておりまして、同軸ケーブルが普及をいたしておる。しかしながら、日本はCATVは言うならば後進国だと思うわけであります。
 そんなような意味合いで、五十嵐さんいかがでありましょうか、具体的にこの二十一世紀を展望した基本的な光ファイバー等々を張りめぐらすインフラ整備、それを踏んまえたところの具体的なサービスといいますか、この辺は郵政省はどんなふうな進捗でありましょうか。
#15
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいま先生から御指摘がありましたように、通信・放送の融合サービスという観点からは、日米両方を考えてみましても現在の段階は実験に入るという段階であろうというふうに思っております。具体的なビジネスとしての展開はこれからというともに似たような状況にあるのではなかろうかというふうに思っております。
 例えば、世によく言われましたアメリカのタイム・ワーナーの実験というのも、実は私どもが知らされている限りではこの四月から始まるという予定でございましたが、ただいま情報を伺っておりますと、あるいは直接タイム・ワーナーの方に伺っておりますと、これは六カ月ほど延ばしてことしの十月ごろになるという話をいたしております。
 一方、そういった意味での実験という観点でまいりますと、先ほど大臣から申し上げましたとおり、私ども関西の文化学術研究都市におきまして予定どおりこの七月から実験に入りたいというふうに思っております。
 この実験の内容につきましては、三百世帯加入の皆様方を対象といたしまして、ファイバー・ツー・ザ・ホームということで光ファイバーを張りめぐらせた通信と放送の融合サービスの実験でございます。このことにつきましては、昨年の第一次補正予算で認められまして、準備を進めつつありました。その後、二次にわたります補正でさらにこのことにつきまして補強をしていただきました。したがいまして、予算的に見ましても当初二十億円程度、これに民間の参加ということで五十億円程度の規模でございましたが、その後、二次の補正で国の予算としてはほぼ六十九億円、民間からの三十億円を合わせまして百億円規模の実験になっております。そういう意味では、ATM交換機等を入れまして、一番最新の技術の実験ができるものというふうに期待をいたしております。
 目下のところは、例えばビデオ・オン・ディマンドでありますとかテレビショッピング、あるいはテレビ電話、さらにはホームリザベーション、予約という観点でございますが、そういったもろもろの実験をいたしたいというふうに思っておりまして、目下のところ七月の初句には実験を開始できるというふうに考えております。これにつきましてはほぼ百社の企業の参加が予定されているところでございます。私ども、目下この関西の実験は順調に推移しているというふうに考えております。
 そのほかに、補正予算でマルチメディアモデル都市整備事業というようなことで、医療や教育を含む地方行政サービスの総合的な情報の実験ということも今のところ岡崎市において実験を開始することができるのではなかろうかというふうに考えております。
 さらにまた、いわゆる広帯域のISDN、この実験も生駒市を中心に実験ができるというふうに考えておりまして、いずれにいたしましても日米ともに目下のところは実験段階ということで、来年以降が実用段階かというふうに考えておりますが、通信・放送統合サービスの検討を制度面あるいは技術面、利用面という側面から検討を進め、加速させてまいりたいというふうに考えております。
#16
○岡野裕君 大臣とそれから通信政策局長のお話を伺いますと、日本も着々と進めているというようなことで、まずまずおくれはとらないのだなというような感触を受けました。同僚議員にもその辺をよく説明して脚後援を申し上げられるような体制を築いてまいりたい、こう思っております。
 お話を聞いておりますと、やはりマルチメディアの到来に向けての取り組みというのは今まさに始まらんとしているというか、始まったばかりだというように思うのであります。五十嵐さんからお話が出ましたビデオ・オン・ディマンドあるいはテレビショッピング、遠隔教育、遠隔医療等々というようなことが百花繚乱で花が咲くという時代が到来するのは夢ではないと思えば思うほど、川口会長、ちょっとNHKさんについては私は大丈夫かな、こう思っておることがあります。
 といいますのは、今お話をした例えばビデオ・オン・ディマンドでも、これは我々視聴者の方がテレビ画面で「七人の侍」を見たいとか「おしん」をもう一遍見たいであるとか「ET」を鑑賞したいといいます場合には、私細かくわかりませんが、テレビの前で、ディスプレーの前でキーか何かを押すのでありましょう。そして「おしん」をと、こういうことになると思う。それに応じて「おしん」の画面が展開をするということだと思うのであります。
 「おしん」の画面を我々が見るのは、NHKさんの方のお仕事で放送だと思うのでありますが、この「おしん」を見たいという私どもの意思はやっぱりこれは通信だと思うのですね。通信でNHKさんの方に我々の意思を伝達をすると。そうすると、NHKさんも今やっておられる放送事業のほかに通信にも入っていかないとビデオ・オン・ディマンドというのはちょっと不可能だなと。しかし、民放さんが電気通信事業者の免許等々を得るということはそう難しいことじゃないかもしれませんが、NHKさんの今の姿でいくと通信までやるというのはいささか難しい問題があるのではないか。
 そうすると、日本の放送界の言うならば中核である、そして創業以来七十周年を迎えるというような国民も大きな期待を寄せている。しかし、世界あるいは日本のそのような趨勢にどうやって対応していけるかな、大丈夫かなというのが素朴な疑問で、おなかの底から込み上げてくるんですが、会長、その辺のお取り組みはどんなことでありましょうか。
#17
○参考人(川口幹夫君) 技術の進歩というのは本当に目覚ましいものがありまして、今から七十年前にNHKが放送を始めたころは今日の時代などはとても予測はできなかったと思います。私がNHKに入りました昭和二十五年からしても、テレビはまだ始まっていませんでしたが、こういう時代になるだろうということはほとんど予測はしませんでした。
 今おっしゃるような時代がまさに間もなく来ようとしている、そういう認識を私は強くしておりまして、しかも私どもの放送という産業はこの技術の開発、進歩というものに乗って幅を広げてきた、内容を豊かにしてきたという面がございます。したがって、こういう技術の開発、新しいシステムの進化というものに対しては放送事業者も同じようなスピードでもってこれに乗っていかなければいけないだろう。決してそのことと放送のスピードがかけ離れていてはいけないというふうに思っております。
 したがいまして、私は就任してから二年八カ月になりますけれども、就任早々に、この問題については早くNHKの方でも対応姿勢を定めるべきだ、そしてこれに対する技術的な検討、開発、それから政策としてのあり方等々も進めていこうというふうに考えまして、既に技術研究所ではその方面の研究を相当深く進めております。
 そして、ディジタル化時代あるいはマルチメディア化時代というものに対して、そのときに放送がどう対応するのか、中でもNHKがどういう対応をすればいいのかということはいろんな面で検討も始めております。それは、まず技術の問題がありますけれども、次には例えば放送内容の問題、今おっしゃったマルチメディアにおけるオン・ディマンドとか、受け手の側の御要求に対してこたえる設備に対してもNHKないしNHKの関連団体がどのような形でこれに対応したらいいのかという問題がございます。そういうことについても研究はもう始めております。
 それから、恐らくこの時代になりますと、現在の受信料を基本にしていっている私どもの受信料体制というものにも相当大きな影響は出てくるだろうと。ただ、私は基本的にその時代でも受信料体制というものが基本にあってしかるべきだとは思いますけれども、いろんな応用体制を考えておかないといけませんので、そういうことも既に検討を進めている段階でございます。
 いずれにしても、二十一世紀に入ってこういう技術の開発によって文明というものが大きく進歩する、そのときに私どもが担っておる放送文化というものもまた同時に文明と足を合わせて、歩調を合わせて華々しく展開さるべきだというぐあいに思っておりまして、いろんな面で細かい検討をこれから積極的に進めていきたいと思っております。
#18
○岡野裕君 技術面についてはもう研究をどんどん進めているというお話で、さもありなんと思います。やっぱり日本の放送界をしょって立って、今日、民放も含めた大きな業界の発展はNHKを中核とし、その技術を公開していくといいますか供与するということででき上がっている。その一つがハイビジョンならハイビジョンだと、こう思うのでありますが、江川さん、マルチメディアに対応したNHKのこれからの努力というのは今川口さんお話してありますが、行政官庁としての郵政省の方ではどんな感じでございましょうか。
#19
○政府委員(江川晃正君) マルチメディア時代におけるNHKのあり方といいますのは、NHK自身のこれからどうあるべきかという基本的な議論とかかわってくる部分がございますが、そういう物すごい基本的な部分をちょっとこっちへ置きますと、マルチメディアの中でもNHKの存在というのは非常に重要な役割を果たしてくるのではないかと考えております。
 言ってみますれば、今もソフトの話がございましたけれども、視聴率にとらわれない豊かでよい放送番組を提供するということがNHKに求められているところでございますが、そういうことを通した我が国の文化水準の向上に寄与していこうとか、それから先生今おっしゃいましたように技術の高度化に研究開発を通して寄与していこう、あるいは映像情報を含めた海外への情報発進ということもまた非常に重要な問題として出てくると考えております。
 そういうようなことなどを含めまして、公共放送としてのNHKに期待される基本的な役割というものはやはり相当に高いものがあるなと考えているところでございます。
#20
○岡野裕君 今、江川さんから国際場裏にも情報の提供をという意欲的な取り組みについてのお話があったわけでありますが、海外への情報提供ということでありますならばラジオ・ジャパン、これを中心とするNHKの多年にわたる努力というものが非常に好評といいますか、高く評価されております。
 私、湾岸のときに外務委員長をやらされました。中山太郎外務大臣は湾岸に行かれました。もの当時、クウエートでありますとかあるいはイラクでありますとか、在留邦人の情報を入手する手段はもうラジオ・ジャパンしかないということで、中山太郎大臣から非常にお褒めをいただきましたのをきのうのように記憶をいたしております。
 それから、先般、政調会長の橋本先生にお目にかかりましたら、今度のNHK予算、日切れだかどうだかというようなことで采配を振るわれた政調会長が、いや、NHKの国際放送はおれも現実に耳にした、ネパールの標高ウン千メートルという山に登り、ヒュッテの中で大相撲の若・貴が出てくるというのが耳に入った、これは大きな成果があるものだなと、こういうような所感を述べておいででありました。
 海外放送、ラジオ・ジャパン、これのこれからの取り組み、予算の中ではどんなふうになっているのか、ひとつぜひお聞かせいただきたい。川口さん、いかがですか。
#21
○参考人(中村和夫君) 今御指摘ございましたように、正しい情報を正確に、しかも日本の実情をきちんと伝えるという役目を国際放送は持っておりますが、それと同時に、年間およそ千二百万人、在留邦人が七十万人近くいるという現状から、その人たちの暮らしと安全に役立つ情報もきちんと提供するという役割を持っております。
 来年度は放送時間を一日当たり五時間ふやしまして六十五時間にいたします。平成元年に四十三時間でございましたから、この五年間に一日当たりの放送時間を相当ふやしてきております。現在、世界的には放送時間では第九位になっております。
#22
○岡野裕君 ラジオ・ジャパンの強化という面では一日六十五時間、フランス並みになった、非常に結構なことだ、こう思っているわけであります。
 最近、いわゆる国境を越えるテレビ、これをどうするかということで、江川さんの方でいろいろ規制緩和についてもお考えだ、こういうことを聞いております。この国境を越えるテレビというのは音声ではなくて画像だと思うわけでありますが、そうすると、ラジオ・ジャパンは立派だけれども、世の趨勢はもうやはり映像を発信し、映像も受けたいということの方が大きいし、その方がより日本の全体の認識をいただくためにも、友好関係を確立するためにも一番必要だ、こう思います。
 そういうところからすると、NHKさんは映像の海外向けの発信について、例えばアメリカあたりのジャパン・ネットワークグループ、JNG、アメリカである会社とタイアップをし、あるいはイギリスの方はジャパン・サテライトテレビでありましたか、というようなことでやっておられるが、そういったアメリカにおける会社もなかなか経営は難しい、大きな赤字だというふうに言われているように思うのです。そうすると、映像を海外に発信する面についてNHKが独自の展開をしていかないとやっぱりこれは出おくれになるのではないか、この面についてはいかがでありましょうか。
#23
○参考人(中村和夫君) 今御指摘ございましたテレビ・ジャパンという海外邦人に日本の実情をお知らせするという現地法人委託の放送をやっておりますが、そのほかにも十九時のニュース、「トゥデーズ・ジャパン」、「アジア・ナウ」等々六つの番組をグアム、サイパン、ハワイを含むアメリカと欧州、それからアジア・太平洋諸国に配信をしております。アジアの放送機関向けには、衛星の専用回線の空き時間を利用して、これもまた「トゥデーズ・ジャパン」とか十九時のニュース等々五番組を配信しております。この五番組を現在視聴している世帯数は大体八千万世帯というふうに考えております。
 この配信の仕方は、受け入れ側の文化、国民感情、いろいろございますから、そういうものを十分考慮した上で、当該の国の放送局とかCATV局がぜひほしいという情報を我々が配信していると。現在、三月の、今月の数字で申しますと、十四カ国と地域の二十五放送機関がこの配信を受けております。我々としてはこの配信の業務をこれからまた一層拡大していきたいというふうに考えております。
#24
○岡野裕君 台湾でありますとか香港でありますとか、日本のパッケージされた、ビデオ化された、これは非常に愛好をされているようでありますが、直接生の、その中身をリアルタイムで目に入れるということの効果は非常に大きいと思うのです。
 今まで国際放送について私ども与党時代一生懸命頑張ってまいりましたし、ことしもいろいろ大蔵省にもお願いをしておったが結局十八億だと。NHK全体では百億というような予算をつぎ込んでおられるということであります。というようなことになりますと、これはやはり国としてNHKのみに頼るわけにはいかぬのではないか、こう思うのであります。私は外務省の広報予算あたりも使ってもいいのじゃないかぐらいに思っているわけでありますが、やはり郵政省としてはそう簡単に外務省にというわけにもまいらぬ、こう思うのであります。
 江川さん、NHKはああ言っておられますが、役所として、政府として、画像といいますか映像といいますか、これの海外発信についてはいかがでありましょう。
#25
○政府委員(江川晃正君) 映像の国際発信と申しますか、また受信も含めてでございますが、国際交流というのは岡野先生御指摘のように大変重要な問題になっておりますし、またこれからますますその重要さは増してくると考えております。
 それで、NHKが先ほど来御説明しておりますような仕組みで外国でもやっておりますが、そこに入ってくるのも出すのも、それからNHKばかりでなく民間放送も参加できるようにというそういう形で国際映像交流システムを日本国としてきちっとつくり上げる必要があるのではないか、そういうふうに考えております。
 その意味では、我々ただいまそういうことができるようにする法律、放送法でございますが、一部改正をちょっと考えておりまして、まだでき上がっているわけじゃございませんが、法制局へ持っていったり、審査を受けようとしているところでございまして、整いましたならば今国会中に提出させていただきまして、制度を整備していきたいと考えているところでございます。
#26
○岡野裕君 国際放送につきましては、ぜひ政府としても今の江川さんの力強いお答えのように、今後、大臣ひとつぜひ頑張っていただきたい、こう思っております。
 最後に、NHKさんの経営計画についてのお尋ねでありますが、平成二年に五カ年計画というものを我々も目にいたしました。あのころ、やはり全体としては五千億ぐらいの赤字になるのではないか、じゃ、それではということで二八%の受信料値上げをなさった。以来、経緯をしてまいったわけでありますが、最近の数字を眼にいたしますと、五百二十二億でありますか、繰り越し黒字がおありのようだ。ああ、貯金ということはいいことだと郵便局出身でありますからつい思うのでありますが、それにしても一割の誤差が出るというのは相当あいまいではないかな、あれは値上げの幅が大き過ぎたのではないかというような声も聞かないわけではありません。
 なぜあんなことになったのか、どなたでありましょうか、御答弁をいただきたい。中井さんですか、どうぞお願いします。
#27
○参考人(中井盛久君) 中井でございます。お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、平成二年から新年度平成六年度、五年間を通じてNHKとしては今後財政がどういうふうになるか、そしてどういう計画で事業を運営していくかということで、御指摘のように平成二年から六年、合わせて二八%ぐらいの受信料改定をさせていただきまして、計画では五年間で二兆六千九百二十七億円という収入を得るという形で計画を立てさせていただきました。
 現在、平成六年の見込みを含めてでございますが、今のところ二兆六千八百八十八億円の見込みでありまして、計画に比べますとマイナス三十九億円ということでございますけれども、一応そういう収入を確保することに相なっております。その中では、景気が途中で御承知のように非常に鈍化いたしましたものですから、衛星契約の増加の進捗が非常に思わしくないという実情がございまして、収入の欠如というのが五百億ぐらいございました。
 しかし、その間に名古屋とか広島の会館の建設、そしてその当時は非常に高度経済成長の恩恵も受けまして、土地の賃借料収入が三百億円ぐらい見込みよりも上回って得られたということ。さらには、財務収入あるいは副次収入の増収ということを熱心にやりました。それから、財務負担が途中で金利が低くなってそれで助かったというようなことがございまして、収入で三十九億円ぐらいの減でとどまった。
 じゃ、五百二十二億、どうしてそんなに残ったんだということになりますけれども、それはやっぱり入るをはかって出るを制した、一言で言うならばそういうことであろうと思います。
 その制した方でございますけれども、一つには、当時、世界に大きく伸びようという島会長の発想で、映像の世界規模のニューズネットワークをつくろうということで、グローバルネットワークということで大きな計画も打ち出しまして、三大陸から二十四時間、三分割して放送をやろうというようなことでございましたけれども、これもなかなか計画はよかったんですが、実質の詰めのところでかなりのお金のやりくり、そして外国の協力の仕方、そういうふうなことで非常に見通しが立たない点が出てきまして、その辺の見直しを行ったために六十五億円が浮いてきた。あるいは海外と番組交換、共同制作を図りまして、例えば「大モンゴル」というような番組とか、あるいは今やっております「アジアハイウエー」というようなのは韓国のKBSと共同で番組をつくることによってその節減を図ってきた。
 それから、建設投資などでは減価償却費が非常に助かりました。それは、例えば大阪の会館などの建設というか、老朽化も来ているわけですけれども、多少の我慢もいたしたことも事実でございますが、そういうようなことを含めましてさらに業務の総点検活動ということをやっております。それは、この間も衆議院でも申し上げたんですけれども、スリーS運動と申しまして、セーブマネーということと、それからスリムな体質でいこう、あるいはストロングな体制でやっていこうというようなことで、部内のむだを省くという運動を展開しまして、五年間でございますけれども、これでも七十八億円の冗費を何とか節減できた。
 それやこれやございまして、先ほど言いましたような総合的な努力の結果、平成六年度の末でございますけれども、一応五百二十二億という見込みで確保できているということでございまして、先生おっしゃるような面も、これは他人さんが批判されることでございますから何とも申し上げられませんが、経営全般としては一応の努力をした結果、これだけの安定化資金が得られた。公共放送ですから、割に不況に強いといいましょうか、そういう面もあったかと思います。
#28
○岡野裕君 他人様の一人でありますが、五百二十二億年度末で黒が出た、ああ、じゃ来年度は値上げの予算案なんか出てこないな、やあ、ほっとしたという気持ちであります。
 最後に一つでありますが、この前、去年の予算のときでありますが、附帯決議の中で放送の不偏不党と表現の自由を確保するというようなことがあります。私の周りでは、さっきお話が出ました「アジアハイウエー」は非常に勉強になったなという声もありますが、一方、「ドキュメント太平洋戦争」、あれは見る人によってはいろいろな眼で見られて、あれは事実を幾分か曲げているのじゃないかという声がないわけではありません。
 今後、ひとつ一層この去年の附帯決議をもう一度熟読玩味をされていただきまして、川口会長としては放送の公正というものにぜひ心がけていただきたい。それにまた私は万全の信頼を寄せるものであるということをお話しして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#29
○加藤紀文君 自民党の加藤紀文でございます。
 まず最初に、大臣にお伺いしたいと思いますが、平成六年度NHK収支予算、事業計画及び資金計画に対する大臣意見は、「おおむね適当」なものであると評価されておりますが、その理由は何かお聞かせいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(神崎武法君) 御指摘のとおり、「おおむね適当」と評価をいたしておりますが、NHKはこれまで事業運営に当たりまして効率化による経費の節減や受信料収入の確保等に努めまして、平成六年度におきましても、平成二年から六年度経営計画と比較いたしまして収支は大幅に改善して、単年度七億円の黒字を計上しているところでございます。平成二年度からの累積黒字と合わせて五百二十二億円を七年度以降に繰り越せる予定となっております。
 一方、営業経費率及び衛星受信契約数につきましては、平成二年から六年度経営計画の目標は平成六年度中に達成が困難な状況でございまして、今後一層の努力が必要だと考えております。
 以上の点を踏まえまして、「おおむね適当」と評価をさせていただいたところでございます。
#31
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 次に、会長にお尋ねしたいと思いますが、今の岡野先輩の質問とちょっと重複する面もあるわけでございますけれども、平成六年度は五カ年経営計画の最終年度に当たるわけでございます。当初計画では百八十七億円の赤字が予想されていたにもかかわらず、六年度予算において七億円の黒字を見込んでおられる。経営努力のたまものであると敬意を表するものでありますが、当初計画を上回るような収支改善がなされた原因をどう分析されておられるか、会長からちょっとお答えいただきたいと思います。
#32
○参考人(川口幹夫君) 協会の収支予算がおかげさまで五百二十二億の繰り越しをもって五カ年の計画が終了するということになりますのは、一つは私どもの努力ということが言えますけれども、もう一つは非常に幸運があったということでございます。
 その幸運というのは、先ほど中井が申し上げましたけれども、広島と名古屋の会館をつくるに当たって、ほとんど予測していなかったお金が大量にそのことによって入ってきたという事実がございます。これは全く幸運でございます。当時のバブルの状況の中だったからこそできたと。もし今だったら全くそれは入ってこないだろうというふうなことがございまして、このことによる増収があったということです。
 それから、私どもは努力をしなければNHKの経営そのものは将来ともじり貧になっていくだろうという感じを持っておりまして、そのためにいろんな経営努力をしてまいりました。
 一つは、島会長時代につくりましたGNN構想というものに対して、私は就任早々にこれはとてもこの計画では成り立っていかないというふうに考えまして、そして細かい検討をした結果、全面的に中止ということをいたしました。それは、一つはいろんな条件が整わないと世界を結ぶ三つの大きな基点から情報を出していくというグローバルなネットワークはなかなかできない。それから、もしできたとしても、それは収支が絶対に償わないという、いわゆる赤字経営であることは明らかでありましたので、これは早い時期に決断をしましてやめさせたわけです。そして、新たにいわゆる映像の海外発信問題というところに切りかえて、これを今長期のスバンでじっくりと検討していこうとしておるわけでございます。そういうことによる節約というのも大きかったと思います。
 それから、NHK自体は年間五千五百億の規模の経営体ですが、相当予算を重点配分しないといけない。そして、いわゆる冗費というものをできるだけ切り詰めて、スリムな体制にしないといけない組織であるというふうに私は認識しているわけです。それは、経営を支える基盤が三千万を超える視聴者の受信料によって成り立っているということからすれば、NHK自体がいわゆる放漫な経営というのは絶対許されないことである。スリムな体制、体質で経営をやっていくということが何よりも大切なことだと思っております。
 そういう意味で、いろんな節減計画を立てましたところ、これはやはり非常に効果がありまして、相当な金額が抑制できたというふうなことでございまして、結局、当初の見込みよりも出ることを制するということが大分効果があったんじゃないか。それと、思わぬ幸運に恵まれて三百億を超える大きな収入があった。このことが大きな原因ではなかろうかと思っております。
 したがいまして、今後においても、この資金の繰り越しをどのように効率的に使っていくのか、そしてできるだけ視聴者の方々に御迷惑にならないように、受信料の値上げというものは徹底的に抑制をしていくというふうな姿勢でいって、そしてこの五百二十二億をうまく生かしたい、このように考えております。
#33
○加藤紀文君 次にお尋ねしようと思ったんですけれども、六年度で一応五カ年経営計画が終わるわけでございますが、その後の中期的な経営計画の見通しというのはどのようになっておるか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#34
○参考人(川口幹夫君) 以上申し上げましたようなことなものですから、昨年の一月六日だったと思いますが、会長記者会見というのがありまして、そこで既にもう七年度の受信料値上げをしないということを言明しております。それは、少しでも早くそういったことについてはNHKの立場をはっきりとさせるべきだ、職員一同の心構えもそのことについてははっきりさせるべきだと思ったからでございます。
 ただ、ことしもまた聞かれましたけれども、八年度についてはまだはっきりした言明は避けております。と申しますのは、昨年の後半から今年にかけての経済状況、いわゆる不況の状況というのはただごとではないというふうに私どもは思うわけです。それは当然受信料をお払いいただく各御家庭にも影響があるわけでございます。それの動きをずっと見ておりますと、去年の後半からことし、現在三月に至るまで大分契約収納に対して大きな影響が出ております。当時は百五十万ぐらいの衛星の増加を目標としておりましたけれども、これはもう半分ぐらい下げざるを得ないという状況になっておりまして、その成果も三月いっぱいの年度が終わってみなければ容易にわからないというふうな状況がございます。
 これは平成六年に入ってもそのまま続くのか、あるいは景気の好転にょってがらりと事態が変わってくるのか、いろんな問題がありますので、その結果をことしいっぱいぐらいに見定めて、来年の頭には八年度以降の経営計画についてもある程度はっきりしたことを申し上げられればと思っております。基本としては、あくまでも受信者の負担にならない、負担をふやさないということを前提にして考えております。
#35
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 次に、衆議院の逓信委員会でも同じような質問があったかと思われますが、先月、江川放送行政局長の発言でハイビジョンのあり方が問題になり大騒ぎになったわけであります。局長の真意はどうだったのか、改めてこの場でお聞かせ願えればありがたいと思います。
#36
○政府委員(江川晃正君) 大騒ぎになったというお話で申しわけないと思っております。
 先般の私の発言は、今後二十一世紀を展望した長期的視点から見ますと、放送を含む電気通信の世界はマルチメディア化されていくだろうということは皆さんが全部言っていらっしゃることでございます。そして、マルチメディア化していくという姿の技術的な議論でいきますと、横断的な技術といいましょうか、あるいは基盤的な技術といいましょうか、だれもがそれによって立っているだろうと思われる技術の一つがディジタル化だということも、これまだほとんど常識ではないかなと思われます。
 そういう中で、放送というのも広い意味での電気通信でございますし、マルチメディアというのは言ってみれば電気通信と放送の融合みたいなことも当然出てくるわけでございます。そういう意味では、ハイビジョンがすべてというわけではございませんが、ハイビジョンは一つの電送する部分、衛星に向かって情報を送って返してくるこの部分がミューズという方式のアナログでやっているわけでございますが、その部分も皆含めまして、要するに放送全体のディジタル化というものを我々頭から忘れることはできないものではないか。いわば放送全体のディジタル化という問題について、技術開発と将来展望をよく見て、ディジタル技術において世界におくれをとらないという注意が必要ではないかというのが私の基本的な問題意識でございます。
 その言葉が、たまたまことしの年末に、BS3というのを使って今やっておりますハイビジョンの試験放送でございますが、それをやめるかのごとく理解されたというか書かれた。一言もそうは申し上げていなかっだんですが、そう書かれたというところが若干、若干といいますか、混乱、先生の言葉をかりれば大騒ぎのきっかけ、原因ではなかったかな。私の真意がその意味では伝わってはいなかったなということで、きょうここで真意を述べさせていただきましたことを大変感謝を申し上げる次第でございます。
#37
○加藤紀文君 一点確認しておきたい点がありまして、先月の局長の記者会見に対応した日本電子機械工業会の記者会見が行われたわけでありますが、そのときに配付した資料に、次期放送衛星BS4の寿命である二〇〇七年以降のBS5か6でもNHK方式が続くという資料がありまして、この資料がNHKの対外的な説明資料で明記されている。これに対して、郵政省サイドは今の段階では行政としてはBS5以降について何も言っていないという報道もあり、事実はどうであったのかということを確認させていただきたいと思います。
#38
○政府委員(江川晃正君) 電子機械工業会が記者会見で配りました資料というのは私も拝見いたしました。先生おっしゃいますように、BS4の後、仮に5と呼ぶならば5あるいは6も含めて、図柄によりますとミューズハイビジョンが拡大発展していくように描かれていたということは私も承知いたしております。
 それについて郵政省は何もコメントを出しませんでしたが、きちんと衆議院の場あるいはよその場でチャンスがあったときに申し上げたのは、BS4でハイビジョンの本放送をやろうということは、電波監理審議会で昨年五月にそういう答申をいただいております。そして、その線に沿って今郵政省が動いているということはそのとおりです。しかし、BS4は一九九七年から二〇〇七年まで寿命が十年という計画でございますから、二〇〇七年以降については電波監理審議会も何も言っておりません。
 それで、私の方、郵政省も同様でございまして、電波監理審議会にまだ諮問もしておりませんし、またお尋ねもしていないということですので、今、電波監理審議会がBS4について書いたところまでを我々の仕事として行政の中に入れておりまして、BS4以降、いわば5あるいは6などについてどうすべきかについてはまだ決めていないというのが現状であると申し上げてよろしいかと思います。
#39
○加藤紀文君 いずれにせよ、ハイビジョンはNHKが開発した世界で唯一実用化された高品位テレビでありまして、現在、試験放送が行われ、一九九七年からは新しい放送衛星で本放送を開始するわけであります。受信者にとっては高品位テレビはアナログ式であろうがディジタル方式であろうが、安くてきれいで、ディマンドを満たしてくれるようなものであれば構わないわけでございまして、そのためにはやはりソフトという問題が大きな問題になるかと思うわけでございます。
 NHKにちょっとお尋ねしたいんですが、ハイビジョンの本格的普及に当たっては、今申し上げましたようにソフトの充実というものが大変必要だと思うわけであります。現行のハイビジョン方式を前提とした場合に、放送ソフトの供給見通しについてどのようにお考えでありましょうか。
#40
○参考人(中村和夫君) 御指摘のように、普及のためにはソフトが非常に重要だということはおっしゃるとおりだと思います。新年度から一日十時間の放送になりますし、一時間ふえるわけでございますが、十時間のうち大体半分の五時間程度はNHKが番組を提供するという形になっております。新しい編成では、NHKでは番組の定時化ということをひとつ進めたい、週十三時間程度の定時番組を編成してみたいというふうに考えております。
 それから、もう既にやっておりますが、「小さな旅」とか、いろいろな番組をハイビジョンの機材を使って撮影、編集いたしまして、それを現在の方式五二五に変換して現在のテレビに使用するという一体化制作ということもしております。お相撲だとか高校野球ですとかをそういうハイビジョンの機器を使って、あるいはハイビジョンの機器と現在の五二五の機器を一部まぜまして、地上波で使うと同時にハイビジョンでも利用するという一体化の制作をさらに進めてまいりたい。現在ではBS2の「アイドル・オン・ステージ」だとか「ときめき夢サウンド」というようなものも一体化でつくっております。
 それから、やはり情報系の番組が入ってこないとテレビの機能というのは十分に出てこないということで、これまでも「アメリカ大洪水」とか「奥尻の大津波」とか「東北大冷害」というのをハイビジョンでつくって放送しておりますけれども、四月以降も「ベトナムは今」という番組とか英仏海峡トンネルの開通とか、そういうものもハイビジョンで撮影したいというふうに思っております。
 それからもう一つ、教育・教養番組系でも一体化を進めて番組を提供したいというふうに考えております。
#41
○加藤紀文君 一九九七年にはいわゆる本放送が始まるわけでございますが、そうなると一年三百六十五日、朝六時から夜中の二十四時まで一日十八時間の容量のソフトの供給というのは可能なんでしょうか。これから先の見通しをお伺いしたいと思います。
#42
○参考人(中村和夫君) 今申しましたように、一体化の制作がどのくらいできるのか、それから撮影機器がどのくらいハンディーなものになるのか、それで情報系がどれだけ撮影しやすくなるのか、そういういろんな諸条件がございますが、現在スポーツだけやっている中継物をもっと別のジャンルでも一体型でハイビジョンで中継をして、例えばNHKが持っている映像四波のそれぞれに一体制作を進めていくという形をとればソフトの供給力は相当出てくると思います。
#43
○加藤紀文君 いわゆるハイビジョン放送用のソフトというのはNHKはどういったものが一番いいと考えておられるのかというのもお聞かせいただきたいと思います。
#44
○参考人(中村和夫君) ハイビジョンの場合にはVTR等々がディジタルになっておりまして、編集が何回も劣化しないでできるということもございますし、それから高精細度でございますから、あれだけの大きな画面の中に幾つかのワイプを使うとか合成を使って情報量をふやせるというようなそういうメリットもありますが、基本的には情報系を、ハイビジョンらしいものをというその可能性もございます。そこを追求していかなければいけないとは思います。
 ハイビジョンらしさということよりも、今我々が撮っている映像をハイビジョンで放送する、普通の映像をハイビジョンでという考えも並行してやっていかないと、白黒テレビからカラーに変わったときにカラーテレビに向いたものをというのを盛んに撮ったんですが、そういうやり方というのは通用しなくて、普通のものをカラーで撮るというようなことが結局今の普及につながっておりますので、普通のものをハイビジョンで撮って、さらにソフトとしてのいろいろな加工とか合成とかCGをどううまく使うとか、そういうソフトの新しいクリエーティブな可能性というものを並行して追求していきながら、やはり普通のものをハイビジョンで撮っでいきたいというふうに考えております。
#45
○加藤紀文君 そうしますと、ハイビジョン対応のソフトのコストというのは現行の地上放送NTSC方式のソフトと比べてどのくらいの差があり、またコストアップするのであろうか。
 例えば、模型も高品位になるためにちゃちなものはつくれないとか、鮮明さを出すために高出力の照明が必要だとか、女優さんの顔のしわやしみがすべて鮮明になってしまうとか、巷間おもしろく言われているようなわけでございますが、どの程度コストアップというのが考えられておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#46
○参考人(中村和夫君) とにかく技術の進歩が目まぐるしくて、一体型でやっていった場合にはスタジオ物なんかは年々コストが非常に下がってきております。例えば、歌謡番組等々をやった場合には三割か四割程度コストが上がるのかなというような感じですが、それもだんだん下がりつつあるというふうにお考えいただいていいと思います。機材との関係もございますから、ドキュメンタリーやなんかをつくろうとすると相当コストはかかると思います。
#47
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 もう余り時間がないので、次にNHKのいわゆる関連団体についてちょっとお尋ねしたいと思います。
 NHKは番組制作業務の一部も関連団体に委託しておりますが、公共放送であるNHKとして、報道体制の弱体化や番組の質の低下につながるような業務委託については慎重に行うべきものであると思いますけれども、関連団体の業務委託に関する基本的な方針をお伺いしたいと思います。
#48
○参考人(齊藤曉君) 御承知のとおり、情報化社会が成熟し、メディア環境が大変変化しておりまして、視聴者のニーズが一層多様化、高度化しております。そういう中で、豊かで良質な番組への期待はますます高まっております。こうした要請にこたえていくために、関連団体を活用することによりまして多様な発想や制作手法に基づく豊かで良質な番組の確保に努めている次第でございます。つまり、開かれたNHKとして、関連団体を通して外部の多彩な発想あるいは多様な制作手段を活用することによりまして番組の活性化、多様化の確保に努めているわけでございます。
 その一方で、NHKは視聴者の負担を極力抑えながらコンパクトな体制で業務を実施していく必要がございます。このためにも関連団体への業務委託を進めているところでございます。
 なお、業務の委託に当たりましては、NHKの自主性の堅持、サービスの質の確保等を前提に、放送法の規定に基づきましてNHKみずから制定しました業務委託基準、これに沿いまして実施いたしております。業務委託基準のポイントをちょっと申し上げますと、放送番組の編集に関する自主性を堅持するとともに協会の公共放送としての目的達成に支障を来さないもの、あるいはみずからが実施するよりも経済性等において有利であり、あるいは委託することによってすぐれた成果を得られることが十分期待されるものでなければならないというような基準を設けております。
 なお、基幹業務でございます放送番組の制作委託に関してでございますが、番組の編成機能あるいは企画決定機能などNHKが編集権を確保し、公共放送にふさわしい番組の質の確保と向上に資することを前提といたしまして、NHKの放送に対する社会的な信頼を損なうことのないよう十分配慮して慎重に取り進めております。
 また、ニュース等におきましては、映像の編集や衛星回線のコーディネートなど業務の一部の作業を委託しておりますが、ニュースの編集責任体制はNHKが堅持しております。したがいまして、業務委託によって報道体制が弱体化するというようなことはないと存じております。
 以上でございます。
#49
○加藤紀文君 具体的に関連団体というのはどのようなものがあり、何社ぐらいあるのか。また、その関連団体の経営状況というのはどうなっているか、お尋ねしたいと思います。
#50
○参考人(齊藤曉君) NHKの関連団体は現在二十八団体、これは福利厚生団体の健康保険組合あるいは共済会の二団体を除いております。普通いうところの関連団体といたしましては二十八団体でございます。
 このうち放送番組の企画、制作、販売分野といたしましては、例えばドラマ番組等、番組の企画制作あるいはハイビジョンヘの取り組みを行っておりますNHKエンタープライズ、それからニュース及び番組の映像編集、スポーツ番組の制作等を行っておりますNHK情報ネットワーク、あるいは放送番組の制作にかかわる技術業務を行っておりますNHKテクニカルサービス等がございます。こうした番組関連の団体が十五団体ございます。
 また、NHKの放送以外の業務、こうした業務の支援を行います分野といたしましては、放送設備の建設、保全等を行いますNHKアイテック、受信料の徴収にかかわる営業情報処理業務等を行いますNHK営業サービス等、六つの団体がございます。
 このほかに公益サービス分野、いわゆる特殊法人等でございますが、NHK交響楽団あるいはNHK学園、厚生文化事業団等、七つの団体がございます。
 それから、経営状況についてお尋ねでございますが、平成五年度も依然景気の低迷が続いております。最終的な団体の決算につきましては現在作業中でございますので、まだはっきりいたしておりませんが、民間企業同様、景気の強い影響は受けております。
 数字で申し上げますが、これは四年度の決算でございます。先ほど申し上げました公益サービス分野の関連団体を含めまして全二十八団体、これの売り上げは平成四年度におきまして二千四十億になっております。株式会社二十一社の売上高としては約一千七百三十億円余りでございます。
 平成五年度の決算につきましては、四年度に比べますと横ばいまたは若干下回るという予想を立てております。
 なお、関連団体のうち数社につきましては若干の赤字決算が見込まれております。
 以上でございます。
#51
○加藤紀文君 NHKはそれらの関連団体からどれくらいの副次収入を得ているかもお答えいただきたいと思います。
#52
○参考人(齊藤曉君) NHKといたしましては、視聴者の負担増を極力抑えるためのさまざまな経営努力を行う必要があるということでございまして、この一環として関連団体における関連事業の効果的な推進を通して、NHKが多年にわたって蓄積してまいりました番組や技術に関するノウハウを社会還元いたしますほか、協会の保有する施設等の有効活用を図る、そういったことで副次収入の確保を図っているわけでございます。
 今申し上げました業務全体、副次収入全体といたしましては、これは四年度の数字でございますが、七十五億円でございます。このうちいわゆる関連団体そのものからの副次収入といたしましては五十七億円、全体の七六%でございます。これは、前年度つまり平成三年度と比較いたしますと五億円の減収になっております。
 なお、五年度につきましてでございますが、副次収入全体あるいはその中の関連団体からの副次収入ともに四年度を下回る見込みでございます。
#53
○加藤紀文君 郵政省にお尋ねしますが、NHKの関連団体の運営に関しては、NHKの業務の効率化に資する面がある一方で、民放連等から子会社を通じたNHKの商業化の推進であるとの批判があるわけでありますが、郵政省としてNHKの関連団体のあり方についてどうお考えか、お答えいただきたいと思います。
#54
○政府委員(江川晃正君) 先生御指摘になりました問題性というのは民放の側から確かに指摘されているところでございます。そういう問題意識は私たちも持ちまして、先ほど来答弁がございますが、もともとこのNHKの関連団体と申しますのはNHKの業務を支援してNHKの効率化を図る、それに資することを目的として設立されるわけでございますから、その目的の範囲内でいろいろやっていただくというのが事の基本でございます。
 民放連などが問題にするのは、余り個別のことを申し上げるのはいかがかとは思いますが、NHKという名前は大変なブランドでございますので、この関連団体がNHKの名を使って何か商売をする、例えばこれをやればNHKの名前を使っていろいろなことができますよとかあるいはNHKにいろいろ働きかけられるとか、要するにブランドとしての信用性を使った商売の仕方というのはいかがかなというのがやっぱり問われているところの一つだと考えています。
 そういう意味におきまして、いろいろなNHKブランドの使い方というのはございますから一概に全部がだめだ、こういうわけではありませんが、民放としては使えないブランドでございますから、そういったようなことも含めまして、競争の公正さが損なわれるようなことがあってはいけないんじゃないかというのは一つの注意しなきゃいけない部分だろうと思います。
 そういったようなことも言われますので、そういったことにつきまして郵政省としましては、日ごろの接触の中でNHKとして関係団体に対してそのようなことがないようにきちっと配意して指導をやってくれということを不断に求めているところでございます。そういう意味で、今後ともNHKがそのような関連団体の事業活動に十分の配意をして、NHKの商業化と批判されるようなことがないようにしてくれという期待をここでは表明しておきたいと思います。
#55
○加藤紀文君 終わります。
#56
○岡利定君 初めに、郵政大臣にお伺いいたします。
 先ほどからNHKの事業運営といいますか、いわゆる五カ年計画に沿っての事業運営の状況についての説明があったわけでございますが、郵政大臣のお立場でこの五カ年計画の進捗状況というのをどのように評価されておるんだろうか、それからこの計画終了後どのようなことをNHKにお望みなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(神崎武法君) NHKは平成二年から六年度経営計画に基づいて事業を実施してきたところでございますけれども、財政につきましては放送会館の土地賃借権料収入、こういった予定外の収入もありましたし、業務の効率化によりまして経費節減に努めたことなどもございまして、経営計画に比べて大幅に収支を改善いたしまして、七年度以降に五百二十二億円を繰り越すことができる予定でございます。
 要員の効率化につきましては、この五年間で約千六百人を削減する予定でございます。地上放送につきましては、大型の企画番組、災害報道、地域からの全国発信等を充実いたしてまいりました。ただし、衛星契約数につきましては目標の九百万件に対して六百六十五万件にとどまる見通しでございまして、また営業経費率につきましても目標の一二%程度に対して一三・四%までしか圧縮できない状況でございます。
 郵政省といたしましては、以上のような実施状況を踏まえまして、衛星契約数の増加など今後一層の努力を要する点はあるけれども、経営計画全体としてはおおむね目標を上回る成果を上げつつある、このように評価をいたしているところでございます。
 後段のお尋ねの点でございますが、計画終了後のNHKの事業運営のあり方につきましては検討を行うよう大臣意見においても指摘しているところでございまして、このことも踏まえまして、計画終了後におきましても、NHKが国民の受信料を財源とする公共放送としての果たすべき役割を十分御認識いただきまして、経営の効率化、安定化を図るとともに、放送番組の高度化、多様化、技術革新、国際化等の諸課題に適時適切に対処いたしまして、国民の信頼にこたえていくことを期待しているところ。でございます。
#58
○岡利定君 ありがとうございました。
 計画につきましては当初の目標をおおむね達成して、それよりも上回るような成果を出しておるということで、NHKの努力についても評価いただいたわけでありますけれども、先ほどから、こういう状況であれば平成七年度あるいは八年度においても、まあ八年度ははっきりしないでしょうけれども、受信料の値上げをしないでいくんじゃないかというようなお話も承りました。公共料金が軒並み上がっているとか上げられるということの中で大変優等生であって、会長も胸張っておられるんじゃないかなと思う次第であります。
 先ほど、会長は御就任になって二年八カ月たったというお話でございましたが、その間というのはまさにNHKにとってもバブル崩壊時における経営というようなこともあり、いろいろと御苦労もあったんじゃないかなと思う次第でございます。そういう意味で、今度はこの五カ年計画の進捗、特に会長の立場で、自分で御努力された点、それからそれを受けてこれからNHKとして配意あるいは留意すべき点ほどういうことだろうとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#59
○参考人(川口幹夫君) 平成二年、この五カ年計画を立てたときは私はNHKの関連の方の団体におりまして、この計画の詳細については全く知らなかったわけです。思わぬことで私が会長になりまして、そしていろんな内容を点検し、将来の方向づけをどうするかということを考えたときに、前会長とは幾つかの違った路線をとりたい、とらなければいけないんだということを思いました。
 その一つは、やはり受信料体制というものをどう考えるかということでございまして、前会長は受信料体制が間もなく崩壊するというふうに考えたんですね。ですから、いつまでも受信料の値上げに頼っていくことはできない、だからNHKができる限りの力を振り絞って収益を上げる、そうするには関連団体をつくるということで増収を図りながら、そして受信料というものに頼らない体制をつくっていこうということであったと思います。
 それは考え方としてはあるわけですけれども、言うはやすくして行うほかたしというものの典型でございまして、例えば副次収入というものが現在は七十億台を低迷しているんですが、これを前会長のときは三百億まで上げたいというもくろみであったわけです。三百億ということは、それをNHKに副次収入として納めるにはその十倍ないしは十五倍の収入を関連団体は得なければいけないわけでございます。民業を圧迫するという言葉がありましたけれども、いわゆる商業化を相当強烈に進めないとできない数字でございまして、それは当然民放連そのほかから非常に痛烈な反発を招くというふうなことになっていたわけです。
 ですから、私はそのことが非常に無理な計画であるというふうに判断をしまして、そしてむしろNHKがみずからの考え方をきちんと立てて、そしていい番組を放送することによって受信者の信頼を獲得して、受信者が信頼にこたえて受信料を払ってくださるというそういうNHKと受信者のあり方というものに返す方がいい、そういうふうに思いました。
 そのことを前提にしていろんな計画を進めてきたわけでございますが、三つほど挙げますと、例えば民放との関連で言いますと、民放とNHKとはこの四十年間はそれこそ併存という形でもってお互いに競い合いながら、お互いに協力していくというふうな形で世界にも例のないいい形をつくってきたと思うんです。この形を損なうことはないんじゃないか、できるだけ民放との協調の中できちんと両者が相成立するようにしていくのがいいんじゃなかろうかと思っております。
 それから、NHK自体がいたずらなる巨大化、例えばメディアをどんどんふやしていくとか、あるいは企業の幅を広げていくとかいうふうなことによって生ずるマイナスの面をやっぱり考えなければいけないと思います。そういう意味では、いたずらなる巨大化だとかあるいは商業化と言われていますけれども、そういう形のやり方を進めないということを前提にしてやろうと思っております。
 それでは何がやれるのかといいますと、そういう形でのやり方ではなくて、今あるメディアを非常に大事にして最大に有効に活用する。そしてその結果、受信者の方々にNHK番組は非常に信頼できるというふうな感じを植えつける方が先だというふうな考え方をとるべきだと思っております。
   〔委員長退席、理事山田健一君着席〕
 それから、もう一つの問題は技術の問題でありまして、テクノロジーの進展というのはこれは放送としてはやっぱり無視できない、あるいはそれに乗って展開してきたというところがあるというふうに思っておりますので、いち早くディジタルの開発等も今進めているということは申し上げましたけれども、さらに今後の展開に対しても技術開発を含めたNHK自体の積極的なかかわり方というものをやっていきたいと思っております。
 そして、いろんな面で二十一世紀にもNHKが放送界の輝ける存在となり得るように今からいろんな点で準備をしていこう、こう思っております。
#60
○岡利定君 ありがとうございました。
 先ほどの放送行政局長のお話でも、マルチメディア時代になったときのNHKの果たす役割というのは大変大きいというような話もあったわけですが、今お話があったような点に御留意をいただいて、NHKのあり方というものをきちんと進めていただきたいなとお願いする次第であります。
 そこで、今ちょっと会長のお話しありましたが、いたずらなる巨大化ということとの関係の話じゃないと思うんですけれども、むしろNHKの巨大化あるいはメディアのあり方、どこまでどうあるべきかという議論とのかかわりになると思うんですが、去年の二月ですか、「二十一世紀への展望とNHKの課題」、これが出ておりまして、その中でいろいろと議論がありますけれども、私ちょっと一つだけ私自身の考え方はどうだろうかなと思う点がありますので、お尋ねさせていただきたいと思います。
 それは、「放送メディアの見直し」というところでありますけれども、「音声放送メディアについては、今後の音声メディアの進展、技術開発の動向など音声放送をとりまく社会環境の変化、視聴者動向等を十分に見極め、現行三波を再編成し、一波削減する方向で検討する。再編成の方法・時期等については、次期経営計画策定時に明らかにする。」、こういうことでラジオの一波削減というのが具体的なテーマとして挙げられているような気がするわけです。そこで、いろいろと新聞等で見ておりますと、その一波削減の対象というのはどうもNHKラジオの第二放送のようだというのを新聞などが取り上げております。
 その議論の中で、この新聞ですと、例えば、川口会長がラジオの学校教育放送について、教育テレビが存在するし、どう調査してもだれも聞かなくなっている、これでは番組をつくっている人もかわいそうだというようなことをお話しになったりしておるということが記事に出ております、事実かどうかは別としまして。
 そういうようなことを受けて、三月八日の朝日新聞では、「NHK「第二」削減には疑問」というような主婦の声が出ておったりするわけですが、これについてのラジオ放送の役割というのをこの際、現時点においてもう一回考えてみるということも大事じゃないんだろうかなというような気がいたしております。
 特に、私は最近高齢者の方とよくお会いする機会があるわけでございますけれども、高齢者の方のお話ですと、テレビもいいけれどもあれは目が疲れる、やっぱりラジオのいい番組があったらいいなという声を案外聞くものですから、果たして本当にそういう高齢化社会におけるラジオのあり方というような形の方へ今御検討いただいているんだろうか、あるいはもっとそういう利用の仕方というのを考えたらどうなんだろうかということを私自身そういう高齢者の方々とのお話の中で感じたものです。
 学校放送をだれも聞かないというのであれば、一般的な情報メディアとしての第一放送のあり方というのがありますでしょうし、ラジオの第二というのは非常に手軽に、普通の家庭にあるラジオでちょっと聞けるわけですから、そういうふうなもので高齢者の方々が希望する情報を使いやすくあるいは内容も充実してやっていただくというのはどうなんだろうかなと思った次第です。
   〔理事山田健一君退席、委員長着席〕
 そこで、思ったんですが、番組の編成のところなんかで学校教育だとか幼児教育だとか定時制の教育だとかというような点について力を入れる、高齢者番組にも力を入れると書いておるんですけれども、どうもNHKで実際につくっておられる方々というのは少年あるいは青年あるいは壮年の番組についてはそれぞれ自分で経験したことがあるからこういう番組があったらいいんだというのはわかると思うんですが、高齢者対策番組というのはどうあるべきかというのは、まさに会長も含めてまだ経験もしていない方々がこれいいんじゃないかというようなことでつくっていられる面があるのかなと。
 もしそうであるとしたら、やっぱり本当の、本当のというとおかしいんですけれども、高齢者の方々に一回きちんと聞いていただいて、そしてラジオのあり方というのはどうだろうかというようなことも御検討いただけたらなということを感じたものですから、この辺についてNHKのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#61
○参考人(川口幹夫君) 昨年、NHK構想というものをお出しするときに、いろんな観点から構想を立てたわけですけれども、メディアのあり方についてはテレビが地上二波、それから衛星二波という形で今やっておりますけれども、衛星二波の成熟度がまことにまだ幼いものであります。そして、特に衛星第二は難視聴解消という大目的がもう一つありまして、結局そこに何らかの手をつけることは不可能である、もうちょっとテレビ波がいろんな形で成熟した段階で考えてもいい、むしろこの段階でメディアを何とかするとするならばラジオじゃなかろうかというのが出てまいりまして、そして私としては、第二放送を削減するというんじゃなくて、NHKラジオという波とNHK・FMという波をどうやって持つのかという観点で再生利用したらどうだろうかというふうなことまでいろいろ考えまして、そしてああいうNHK構想の中での記述になったわけです。
 その後、二回ほど大きな新聞報道がありまして、これに対しては相当強烈に、しかもたくさんの方が御意見を寄せてくださいました。第二放送が今やっている中で一つは語学講座、語学の講座は人によってはテレビよりもやはりラジオの方がいいという方がいらっしゃるわけですから、その方々から強烈な反発がありました。
 それからもう一つは、例えば気象情報とかそれから株式の情報だとか、現在の第二の波の中では定期的に、しかも細かく詳しくやっているところが利用価値が非常に高いという問題があります。それから、学校放送は余り聞かれておりません。これはもう事実ですが、そのほかの番組を教養として聞いていらっしゃる年配者が多いということもよくわかりました。ですから、今そういう御要望をどういうふうに我々が考えるのか、もちろんごくごく少数ですが当然一波はやめてしかるべきだという御意見もあります。いろんな御意見がありました。
 私は、さらに今先生おっしゃったように、現在の高齢化社会の中でラシオの聞かれ方というものはやっぱり非常にさま変わりしていると思うんですね。それが証拠に、「ラジオ深夜便」というのを放送しましたら、これは当初NHKのもくろみでは若者相手ということで始めたんです。ところが、「深夜便」の聴取者はほとんど高齢者であります。ですから、NHKが持っているノウハウとか、あるいはラジオに対する愛着をうまく出せばまだまだラジオの聴取者の方は非常にありがたがっている、大事にしてくださっているということもよくわかります。
 そこで、私は、今こういうふうにいろんな問題になっておりますラジオの波の削減についても、音声の波の削減についてももう一遍きちんと整理をし、それから場合によっては聴取者会議みたいなものも開いていろんな御意見を吸収した上で具体策を考えたい、こう思っておるところでございます。
#62
○岡利定君 いずれにしましても、NHKの巨大化だとかメディアの問題というのはラジオが余り問題になっていると私思わないんです。むしろラジオの場合には経費的にもテレビと比べて随分少ない額でやれるし、そしてまさにNHKらしく使ってみんなにやっていただける部門じゃないのかなというように、くどいようですけれども、私はラジオをもっと大事にしてほしいというような気がしております。
 高齢化に対応して国際化の問題というのもありますけれども、これも例えば語学だとか株だとか気象情報だとかとあわせて高齢者放送、さらに言うとすれば学校放送は聞いてくれないならやめればいいと思うんです。例えば、国際放送で、日本にも外国人がいっぱい来ているわけですから、その国際放送の外国語ニュースをある一定の編集をして第二放送で流してやるというふうなことなんかも経費の面では大したことないと思うんですが、そういうふうなことで実現できるメディアとしてあるんじゃないんだろうかというようなことを考えておりますので、その辺もいろいろと御検討いただきたいと思います。
 ラジオの関係で聞いておりましたら、この間から、放送記念日の関係もあったんでしょうけれども、永六輔さんがラジオの問題についてNHKのラジオでお話しになっているのを聞かせていただきました。その中で、やっぱり永六輔さんもテレビよりもラジオの役割というものをもう少し考えなきゃいかぬというお話とともに、BSだとかあるいはテレビの番組の広告といっては失礼でしょうけれども、NHKもテレビで周知をいっぱいやっているけれども、ラジオについてほとんどやっておらぬじゃないか。ぜひラジオでこういうことを、あしたあるんだとかというふうなこともやってもらったらもっとラジオというものに関心を持つし、また利用しやすくなるんじゃないかというような御意見がありましたが、ラジオ番組についての周知についてNHKはどういうふうにお考えでしょうか。
#63
○参考人(中村和夫君) 新年度絡みですが、昨日も総合テレビで「ニュース7」が終わった後「テレマップ」というのがございますが、それでラジオの話学講座のPRをやりました。やっぱりラジオの持つ特性、災害時にライフブインとして非常に大事な役割を持つとか、先ほど会長からお話ありましたように「ラジオ深夜便」を始めてから四年になるんですが、この間に五万通の手紙をいただきまして、御高齢者の方がほとんどでございますけれども、そういう人たちがどういう番組を求めているかというのも我々のところには伝わってきております。
 そればかりでなくて、やっぱりラジオというのはパーソナルで、テレビよりは個人聴取の傾向の強いものでございますから、どうしても聞いていただきたいような災害時のときのラジオの使い方とか安心ラジオという側面から、そういう面でのPRというのは積極的に総合テレビを使ってやっております。ただ、衛星の方がまだ普及段階ということで非常に目立ちますものですから、やってないんじゃないかというふうに思われるかもしれませんが、大体PR、スポット等での二〇%ぐらいが衛星放送で、ほかの部分の八〇%はいろいろなメディアの番組についてスポットとかPRをしております。音声についてもこれからもテレビの方でPRしたいと思います。
#64
○岡利定君 ぜひラジオの見直しといいましょうか、新しい時代におけるラジオの役割、使い方というものを御検討いただきたいと思います。
 国際放送の関係でちょっとお伺いしたいんですが、以前は米ソ対決というようなことの中で、お互いに相手の国の短波放送といいましょうか国際放送を自分の国に入れないというようなことなんかもあって、特にソ連ではもう強力なジャミングを出すというような王となんかがあったために、お互いに大電力競争というんでしょうか、あるいは海外に中継基地を設けてできるだけ聞けるようにするというふうなことでの大変な努力があったわけでございます。
 最近になってソ連が崩壊し、冷戦も一応終結するということの中で、国際情勢が国際放送のそういう大電力化だとか海外中継基地の必要性だとかということとの絡みの中で何か変化が出ているんだろうかというようなことをひとつお伺いしたい。そういう中で、NHKとしては短波の国際放送の放送施設について将来どのようなことを考えてやっていったらいいというふうにお思いなのかお教えいただきたいと思います。
#65
○参考人(中村和夫君) 御指摘のように、各国とも大きな出力で相手を圧倒しようというような動きはなくなってきておるというふうに考えております。アメリカ、フランス、イギリス等々でまだ五百キロワットの送信機を建設中というところも一部ございますが、NHKの場合には三百キロワットの送信機を七台、百キロワットが四台、十一台を八俣に保有しておりまして、そこから放送しておるということで、おおむね世界じゅうで聞けるという状況になってきております。
 世界的な傾向でいいますと、いろいろな放送機関、自国の情報発進をしなければいけないというふうに思っている各国は、中波とかFMとかケーブルラジオとか衛星を使った直接の音声放送、それと短波とは違って映像による情報発進を模索しているといいますか、そっちの方向にいろいろな形での自国の情報の発信を試みているというのが現状でございます。
#66
○岡利定君 いずれにしましても、よく聞こえなきゃいかぬものですから、そういう状況の中で最大の御努力をいただきたいなと思う次第でございます。
 時間の関係がありますので、一つ政見放送の関係でちょっとお伺いいたしたいと思います。
 このたびの政治改革四法案の中で公職選挙法の改正がありまして、選挙制度の変更等のかかわりの中で政見放送のあり方も随分変わってくる状況になってまいりました。その中で、いろいろとそういうことがあって、その辺の取り扱いについては自治省が主として担当でありますので、自治省と放送事業者との間で決めるべきことも多いかと思います。
 特に、この場でお伺いしたいのは、今までですと政見放送についてはNHKなりあるいは他の民放なりの放送事業者が録音録画をして、そしてそれをそのまま流すというようなことでやっておったわけですけれども、今度は政党による番組素材の持ち込みというのが可能になるといいますか、許されるというふうになった点は大変大きいわけであります。
 それとのかかわりの中で、民放連の方の機関紙の「民間放送」でも政見放送持ち込み導入について放送事業者として大変苦労があるんだと、あるいはトラブルが出たときどうしようというようなことで、そういうことを「民間放送」という機関紙の中でもいろいろと分析をしておりますけれども、特に政見放送について大変御努力いただいておりますNHKの立場から、また政見放送の削除事件というふうなことも経験されておるNHKでありますので、この点について危惧する点あるいはこの辺がどうだろうかというような点でお感じのことがあったらお教えいただきたいなと思っております。
#67
○参考人(中村和夫君) 今度の衆議院の政見放送は、各都道府県単位の小選挙区と十一ブロック単位の比例代表の二つということ、それから個人政見から政党政見になるということ、それから選挙運動期間が二日間短くなって十二日になるというような中で、政見放送を一体どうやったらいいんだということで自治省と今いろんな形で協議を行っております。
 御指摘のように、候補者届け出政党が政見をみずから録音録画したテープをNHKに持ち込むことができるということでございますが、その中身について放送事業者が何ができるかということについてもいろいろ法律関係の方々、今までの裁判の判決の判例等々現場で検討いたしまして、今のところNHKとしては政見の内容については修正、削除は一切行わないで、そのまま放送せざるを得ないというふうに考えております。
 ただ、十一ブロックに分かれて、それで今の放送のブロックと違う区分けができますので、例えば北関東、南関東及び東京の三ブロックの比例代表の政見放送を今までどおりで行うということになりますと、十時間、場合によると十数時間政見放送で放送が埋め尽くされるというようなことも考えられないわけではないということで、そうなりますと放送時間とか放送回数とかをどういうふうにしたらいいのかという現場では問題意識は持っております。
#68
○岡利定君 大変御苦労が多いことと思います。
 持ち込みの素材というのは、大体今おっしゃいましたように運動期間が短くなる、そうしてみますと、十二日間でつくって、持ってきて、すぐ放送しろというようなことになったときに、内容の問題もおります。公選法上の品位のある番組であるかどうかということなんでしょう、あるいは放送法上のいろんな番組基準の問題もあるのかもわかりませんが、それ以外にも技術的に雑音が入っておるとか絵が汚いとかいうふうなことになって、これを映したのではNHKの信用にかかわるというようなことなんかもあったようなときに、つくり直せ、時間がないというふうなことなんかのトラブルというのもあるんじゃないかというようなことも私自身は心配するわけです。
 私は、選挙と放送の関係、特にテレビの関係につきましては、財団法人の明るい選挙推進協会というのが選挙の情報提供あるいは投票を決める際に一番役に立つ情報を提供するメディアは何かといったときにテレビだというふうに答えておることがございますので、そういう意味でテレビの果たす役割というのは大変大きな影響力といいますか役割があるんじゃないか。
 選挙期間の短縮の議論のときも、大体テレビがあるからもう少し短くていいんだと。もちろん選挙経費を少なくするということもありますけれども、運動期間を短くするとかあるいは立会演説会をなくするのもテレビがあるからいいんだというようなことが最大の理由になって今日の運動期間あるいは運動方法になっておりますので、そういう意味でテレビが果たしておる役割というのが本当に大事だということを思うわけでございます。
 そういう意味で、これは放送事業者、特にNHKと自治省との間でいろいろと議論され、また整理していかなければいかぬ問題であるわけでございますけれども、放送を主管する立場にある郵政省のお立場でも、放送側がやりやすいというとおかしいのですけれども、テレビを有効に選挙の役に立てる、しかもテレビをうまく使えるようにということでバックアップをぜひお願いしたいということを要望させていただきたいと思います。
 いろいろとほかにもお聞きしたいことがございますけれども、時間も参りましたので、以上で終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#69
○委員長(森暢子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時五十二分開会
#70
○委員長(森暢子君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山口哲夫君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#71
○委員長(森暢子君) 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#72
○及川一夫君 大臣並びに川口会長にお断り申し上げておきますが、極めて時間が制約されておりますし、ちょっと関連質問も一人ございますので、私の方からは二つの要望と一つの質問ということでやらせていただきたいというふうに思います。
 二つの要望点のその一つは、受信料と消費税の関係でございます。
 消費税はいずれにしても国の制度の問題ですから、NHK自体はとやかく申すことではない問題であります。しかし、受信料が消費税の対象になったときには、私の方から受信料とは何かという問題についてかなり話をさせていただいたのであります。
 会議録を見ましても、大蔵省が言う物の考え、郵政省が言う物の考え、NHKの立場ということから見た本来の主張、さらには二つのこの答申と長期ビジョンに関する審議会の答えというのがございまして、それらの答え全体を見まして、大蔵省を除きまして要するに受信料の性格というのは負担金である、郵政省は特殊な負担金、こういう言い方をしておるわけでありまして、そういう立場に立つからNHKも消費税の対象にはしていただきたくないという前提で、政府に意見を求められた際にそういう立場をとられたことも実は明らかになっているわけであります。
 私も長い間逓信委員会におって、私が逓信委員会に所属する以前から、先輩各位の議論によりまして、NHKの受信料というのはNHKという放送事業というものを維持するために視聴者が負担をするものであるという結論になっているものですから、負担金ということになると消費ではない、消費ではなくてむしろ税金により近いものと。確かに税金を納めないと罰則がありますけれども、受信料を納めなくても罰則は今の放送法ではございません。
 したがって、税金とも違うことは違うんですが、いずれにしてもテレビを持っているという限りにおいてNHKの放送を見ようが見まいが受信料というものは払ってもらわなければいけない、こういう法律の建前になっているし、法律上は負担金という言葉はないんだけれども、では性格は何かという問い詰めの中で全体として負担金ということを性格づけているわけです。しかし、大蔵省はこの問題について、いわゆる労働の対価とかサービスの対価とか、そういう意味の中からこの対価に類するというのか消費に値するとか、そういう意味合いで消費税の対象になるという決定を下したのでありますということで、これは対立したまま大蔵省の考え方で今の制度は成り立っているわけです。
 税制度につきましては、いずれにしても見直しの時期に来ているし、我々与党だとされる私自身もこの税制改革の問題にかかわってさまざまな議論をいたしているところであります。ぜひ郵政省としても、もしこの受信料というものについての性格をあいまいにしておくことは、これからハイビジョンの問題も出てまいりますと、これだって有料化しなきゃいかぬのだろうと私は思うんです。そうすると、それぞれのチャンネルすべて有料化されていないけれども、少なくとも三つの有料化ということになっているものとの関係で言いますと、法律上ないんなら法律上明確にする、法律上そういう負担金とか特殊な負担金とか、そういう表現が性格づけがないとするなら、一体消費税というものとの対置でどう考えるのかということを税制の中で明らかにするというようなことを私はすべきではないだろうかと思いますので、ぜひ郵政大臣にはそういう角度を含めて御検討いただきたいということが一つの要望であります。
 それから二つ目には、これも長い間やっていることなのでありますけれども、経営委員会の構成の問題です。もう長い間マスコミ関係の方が複数でおられるということについて果たしてどうなのかと。それ自体は別におったからどうのこうのということは言いませんが、毎年毎年そういった方々だけが続いて、本来入るべき職域の代表というものが入ってないじゃないかということで、一つの例として労働界代表という問題を指摘してきたわけであります。これまでは郵政省としても前向きに検討しましょうということを言ってまいりましたが、いまだに実現をしていない。こういう事情にございますので、ぜひこのことの御検討をひとつお願いしたい。
 この二つの意見を郵政大臣に求めたいというふうに思っているところであります。
 そして三つ目には、これは会長に対して御質問申し上げるわけでありますけれども、実は、六年度が要するに五年計画の最終年度である、重要な年であるということを強調されているわけです。これはこれで結構だと思う。ただ、しからば七年度以降は一体どういうことになるのか。今のNHKの予算の仕組みでは、やはり五年展望というものがあって、それこそ五年間にどのくらいの収入があって、それに基づいてどういったことを考えながら予算の執行をしていくかということが計画されるわけです。
 そもそも長期計画という言葉が、実は郵政大臣の提案説明の中にも、さらに川口会長の提案説明の中にも、出されている文書類にも一言もこの長期計画云々の話は出ておりません。ただ、午前中の答弁の中でちらっと長期計画的な、何か検討しなければいけないようなお話があったことはちょっと耳にいたしておりますけれども、いずれにしても来年はこの長期計画というものを出してNHK全体の事業の運営、枠組みというものを考えていく、あるいは展望を語るということになるのかならないのか、そのことについて一つ質問をしておきたいと思います。
 それから、ハイビジョンの問題について、午前中、加藤先生やら岡先生、岡野先生からも御質問ございましたが、それはそれなりに私は受けとめておきたいと思います。ただ、郵政省に申し上げておきたいのは、これからの電気通信とかあるいは放送とかCATVとか、いわば情報化社会と言われる全体を包んだ場合には、ハイビジョンだけがアナログ、ディジタルという論議では私はないと思います、マルチメディア時代というものになってきているということですから。
 その際に、このディジタルなのかアナログなのかという問題、しかもこれはヨーロッパにもアメリカにも日本にも、しかし世界的にいうとヨーロッパとアメリカはディジタルの方向を志向している、こういう状況にあるわけです。そういう状況の中で、我が国の電気通信や放送あるいはCATVというものをどういうふうに技術的に位置づけていくのかという問題が最大の課題ではないのかということを率直に私は思っているわけです。
 だから、私は、局長がハイビジョン問題だけのような意味での技術論争に発展したことが大変大きな問題になったのであろうというふうに思うし、民間じゃもう一兆円も投資をしているという事態ですからね。NHKだって六百七十四億ですか、そのくらいの投資をしているのではないかと。そうすると、これは試験から実用化に向けて商品化していくという、それがもう展望として明らかになっているという事態の中では、やはり事業経営者からいえば回収の時期というそういう発想に立ちますからね。だから、それが何か方向転換をしたように受け取れば、あれだけの大騒ぎに私はなるんだろうというふうに思います。
 新聞記事を見ただけでも、このくらいの厚さで、これはもうお金にしたらどのぐらいのお金になるのかなと、広告宣伝という意味合いでいったら。それほどこれは江川さん、参議院でいうなら全国区に立ってもよろしいんではないですか。あなたの名前がいっぱいこれは書いてある。あえて立候補してくれとは言いませんけれども、まあ要すれば笑い話だけれども本当に大変なんですよ、これは。そういったことをぜひ考えて、発言される際にはやはり全体のことをとらえて僕は発言されるべきだと思う。これは意見として申し上げておきます。
 そして最後に、NHKの会長に申し上げたいことは、いずれにしてもハイビジョン、衛星第一、第二、それに総合テレビ、教育テレビと五チャンネルあるわけです。これを持っNHK、それであと民放がずっと並んでいると。一体この体制で日本のいわば放送体制といったことが通るのか通らないのか。同時に、料金問題もそれぞれ別々でいいのかどうかという問題、NHKのあり方あるいは位置づけという問題を含めて、相当これは大きな課題になってくるんじゃないかということを考えますと、容易な話ではないぞという気持ちの方が私は強いのであります。
 したがって、このハイビジョン問題などに対しても一体いかなるお考えをお持ちか、そういったものを含めてのNHKのあり方について、簡単でよろしいですから意見を聞かせていただきたいと思います。
 以上であります。
#73
○参考人(川口幹夫君) 極めて大きな問題でありますので、簡単にといっても難しいんですが、まず、中長期の経営について申し上げます。
 六年度でこの五カ年計画は終わります。その後は続けてまた何カ年計画かを立てなきゃいけないんですが、先ほども申し上げましたように、七年度はもう値上げをしないでいいと。あるいは八年度も何とか値上げしないでいいようにしたいと今思っておりますが、そういうことを言いますと、じゃ次の計画は何年度から始まるのかということになります。したがいまして、現在のところでは、私どもは新たな五カ年計画のようなものを立てる前に中長期的な経営方針というものを今立てようとしております。
 それは中長期ですから、まず中期でいうと平成七年とか八年とかいうところをどうするか。その先に、例えば長期スパンの計画を立てる。さらにその次に、いわゆる二十一世紀を目指したNHKのあり方というものをこしらえていきたいというふうに思っておりまして、これはなるべく早く、できれば今年じゅうにはっきりした結論を出したいと思っております。その中で、例えば値上げは何年までは大丈夫だとか、それから次の五カ年計画はいつからを起点にしてやるとかというふうなことをきっちりと申し上げたいと思っております。
 そして、その方針の中で、間近に迫った二十一世紀を見据えながらですが、NHKの経営のあり方はどうあらねばいけないのかと。それから、波の保有のあり方、先生おっしゃいました例えばテレビでありますけれども、今の四波のほかにハイビジョンをどのような形で入れるのかというふうなこととか、先ほどから話題になっておりました音声メディアのあり方等についてもきちんとした結論を出したいと思います。
 さらに、新しい時代というのは新しい番組内容を要求すると思います。したがって、どのような番組をつくるべきなのか、それからその制作のやり方はどうすればいいのかということ、それから国内だけに目を向けないで広く海外への情報発信のあり方をきちんと考えていくということ、それからさらには経営の基盤であります受信料制度がこの後どういうふうに推移していくのか、そういうことについてもきちんとした考え方を立てていきたいと思います。
 そして、マルチメディア時代といいますけれども、新しい技術の時代に対してNHKが持つべき姿勢、それから考え方、そして方法といったものについても、その中長期の経営方針の中できちんと触れておこうというふうに思っております。
 そして、新しい時代が来る中で、私どもは放送というものが持っている非常に大きな位置づけというものをもう一遍きちんと確認をしようと思っております。
 と申しますのは、マルチメディア時代というのは大変便利な時代であり、そして、いながらにしていろんなことが得られる。つまり受け手の側にとってはもう非常に便利で、非常に有効な手段だと思うんですが、それだけでいいのかというふうなことで、私はやっぱり放送というものはある種送り手側のまた論理もなければいけないと。ということは、どのような情報をどのような形でお伝えするのかということとか、あるいは教育とか教養とかというふうなものに関してどういう姿勢を持つべきなのかというふうなこと等については、単に受け手の側の論理ではなくて、送り手の側の論理もまたきちんとなければいけないというふうに思っております。
 あわせてそういうことをきちんと考えまして、将来の考え方をなるべく近いうちに明らかにしたい、そう思っております。
#74
○三重野栄子君 関連いたしまして、NHK並びに郵政省の方に二、三、お伺いいたします。
 まず、放送事業計画の問題でございます。
 去る三月二十日に「テレビ・その課題と可能性」ということで川口会長と民放連の磯崎会長との会談がございまして、こういう企画は初めてだったということを伺っているんですけれども、そのときに磯崎会長は、NHKはもっとコマーシャルを上手にしたらどうかという提案があったように私は見ていたんです。そういう視点から、平成六年度の事業計画の中で地域からの全国発信番組の拡充というものがございますが、そういう点をNHKらしく、それからまた七十周年の事業に関してはNHKらしくというとどういう点を御計画でございましょうか。その点をお伺いしたいのが一点でございます。
 それから、NHKは既に昭和五十七年から放送法が改正されて常に視聴覚障害者向けの放送の充実に努力してこられましたけれども、昨年、障害者基本法に改められまして、これから一層字幕放送、手話番組、それに解説放送など障害者向け番組の充実、すべてのドラマの番組が字幕放送になるとか、ぜひそういう点での御努力をいただきたいということと、それから文字放送専用受信機の価格を下げるにはどうすればいいかというふうな御計画もございましたらお伺いしたいのでございます。
 また、昨年も大変災害が多うございまして、九州では今も雲仙・普賢岳が噴火している状況でございますけれども、そういう災害の場合の災害放送の視点あるいは取材する側の安全対策、それからまた最近は外国人の方も多うございますから、そういう方に対する情報はどうするかということでお伺いしたかったところでございます。
 さらに、郵政大臣にも……
#75
○委員長(森暢子君) 短くまとめてください。
#76
○三重野栄子君 はい。障害者基本法がございますので、その点をお伺いしたいと思っておりました。
 以上でございます。
#77
○参考人(川口幹夫君) この前の民放連の会長との話し合い、対談ではございませんで司会者が入りましたけれども、実はこれ初めてのことでございまして、やっぱり民放、NHKが足並みをそろえて歩くべきだという主張を私は前からしてまいりましたが、今度は磯崎会長が快く出演老お引き受けいただきましたので実現ができました。今後ともお互いに競争しながら共存をするという姿勢を貫きたいと思っております。
 その中で磯崎さんがおっしゃったこと、今先生のおっしゃった問題はこういうふうにおっしゃったんです。NHKに対して何か注文したいことがあるかという司会者の質問に対して、NHKは宣伝が下手だと。例えば、受信料の問題にしてももうちょっとうまく宣伝すればいいじゃないか、わかりやすくすればいいじゃないかと。それは民放の方がはるかにノウハウを持っているから聞きにいらっしゃいというふうなことであったかと思います。私どももそこのところについては多分に自覚はしておりますけれども、もしそういうことでもって参考になるようなヒントを得ればぜひ指導をいただいてもいいんじゃないかというふうに思っております。
 それから、私の方から民放に対して望むことというのは、各局ができるだけ個性のある、自分のところの局、番組はこうだというものをそれぞれ持ってほしいというふうな、金太郎あめみたいにどこを切っても同じというふうにはならないでほしいというふうなことを申し上げた次第でございます。
 そういうふうな中でNHKは新しい年度の番組をスタートさせるわけですが、いろんな工夫をしておりまして、幾つかの番組の計画もございます。それから、身体障害者に対する問題もいろいろ考えでございます。その具体的なことは中村総局長から御説明をさせます。
#78
○参考人(中村和夫君) 簡単にお答えいたします。
 御承知のように、字幕放送、解説放送等々をNHKはやってございますが、来年度は土曜ドラマと特集ドラマを含めましてNHKのドラマ全番組を字幕化いたします。これによりまして六年度の字幕つき番組は十番組、一週間に十二時間九分、今年度に比べまして四十一分ふえます。
 それから、手話を導入している番組といたしましては、これまでの三番組に加えまして、六年度はお昼のニュースをつくります。
 それから解説放送、六年度は週一時間ふやして六番組、八時間五十分になります。
 以上です。
#79
○国務大臣(神崎武法君) 郵政省といたしましては、郵政事業、電気通信行政を円滑に推進する立場から、障害者が障害を持たない者と同様に生活し活動できるように障害者の利用、利便に十分配慮した施策を今日まで推進してきたところでございます。
 特に、放送の分野で申しますと、字幕放送、解説放送等の番組制作への助成、あるいはNHKの受信料の免除等を行ってまいりまして、この字幕放送等の番組制作への助成につきましては、昨年、第百二十六国会において成立をいたしましたいわゆる障害者利用円滑化法に基づく施策でございます。
 今後とも障害者対策に必要な施策を積極的に推進してまいる所存でございます。
#80
○三重野栄子君 どうもありがとうございました。
#81
○粟森喬君 まず、NHKにお尋ねを申し上げたいと思います。
 今、障害者の皆さんに対する放送について説明がございました。しかし、聞いていて私が多少申し上げたいのは、字幕放送の例で大変恐縮でございますが、去年の伸び率から見ると、ことしの伸び率が短いです。去年十二月に心身障害者基本法が改正されまして「すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする。」ということから見ると、この伸び率の低さというのは何ゆえなのか。
 去年のたしか五月、放送の利便のための法律も成立をされました。私は、過去NHKがこの種の分野でかなり努力をしてきたことを評価いたします。法律ができても伸び率がほとんど変わらないというのはどういうことなのか。法が決められて、NHKの公共性というものを考えたら、やはりここにはあるべき長期計画を含めてきちんとした姿勢を示す年度ではないか。そういう意味で、コストの面や技術の面でいろんな問題があることも私は承知をしておりますが、平成六年度のいわゆるこの種の放送の充実というのはどこに折り目と節目をつけたのか、そこをまずお尋ねをしたいと思います。
#82
○参考人(中村和夫君) 確かに、今年度は昨年度に比べまして一時間一分ふやしたわけで、四十一分増加というのは伸び率が低いじゃない初と今御指摘ございましたけれども、そのとおりなんですが、手話ニュースについても解説放送についても、あわせてどこをどういう形でバランスをとって充実させていかなければならないかということを総合的にいろいろ考えておりまして、手話ニュースを今まで夕方にしか置いてなかったところをお昼のニュースもやっぱり必要じゃないかということで、これは相当無理して一週間、一時半から五分間設定したというようなこともございまして、トータルで解説放送、手話、それから字幕放送というものをバランスをとって、一歩でも二歩でも進めていきたいというふうに考えております。
 ちなみに、字幕放送だけに関して言いますと三億ぐらいの予算をつけてやっております。
#83
○粟森喬君 今回はこの程度にしておきますが、無理をしてとか、これほど金かけておるというだけじゃなく、法律がこういう格好で決められたことをもう少しNHKとしてはきちんと聞く耳を持つべきではないか、こういうことで私申し上げたんです。きょうはこれ以上申し上げません。
 郵政大臣にあわせてお尋ねをしたいんですが、民間放送のいわゆる障害者向けのさまざまな施策が数字の上で見る限りでは横ばいといいますか、余り進展をしていないような状況になっていますので、今後の対策として大臣としてはどうお考えになるのか、答弁願いたいと思います。
#84
○政府委員(江川晃正君) ちょっと事務的でございますで、私の方から説明させていただきます。
 民間放送における字幕番組の放送につきましては先生御指摘のとおりでございまして、平成元年度から四年度までの、全国はちょっととれてございませんが、関東地区で見てみますと、先生おっしゃいましたように、週平均が四時間何分というふうに横ばいになっております。
 放送分野では、先生御指摘のように、昨年五月に成立いたしました身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律というのが九月に施行されましたが、その法律に基づきまして聴覚障害者向けの字幕番組等の制作に係る経費への助成が行われるようになりました。
 平成五年分といたしましては、二十九本の字幕番組、延べ十九時間になるわけでございますが、に対して助成を行っておりまして、障害者向けの放送の充実に少しかもしれませんが成果を上げてきていると考えております。こうした結果等もありまして、五年度におきまして、先ほど四時間十何分と言ったのが六時間十二分ぐらいに五割増しと申しましょうか、ふえております。
 今後とも、放送における字幕番組の充実のために積極的に取り組んでまいりたいと考えておる所存でございます。
#85
○粟森喬君 事情はわかりましたが、もうちょっと長期計画を立てて、具体的に年度目標を策定するなどの努力をしてもらいたいと思います。
 海外放送と短波放送についてちょっとお尋ねをしたかったのですが、時間の関係と、別の質問もございますので、次に移らせていただきます。
 ハイビジョン放送のことについて、先ほどから何人かの方も質問をされています。今ハイビジョンのテレビを実際に購入されているのは二万人でございます。一般の普通のテレビが二千万台を超えるという中で、この二万台が何となく、ディジタル問題などを含めてますます機械を買う人がふえていくのかどうか。これはやっぱりNHKが掲げている一つの放送政策としてのかなり重要なところだろうと思うんです。
 そこで、もうちょっとちゃんとやらなきゃならぬのは、ハイビジョンの機械が将来ディジタルへ転用されて見ることができないような多少誤解を与えているんではないか。ミューズ方式であってもアダプターをつければディジタルに転用が可能だというふうに私は聞いておるんですが、この辺のところについてどういうふうに理解をし、そしてそういうことについて積極的に、ディジタル放送が実際に商業化といいますか試験放送を始めるのは少なくとも十年や二十年という先の話でございますから、当面のことについてやっぱりきちんとしたそういう解説というか説明と、それからハイビジョン番組の強化というのを、結果的にできるだけそういう番組に力を入れているというNHKの姿勢を示すべきだと思うんですが、この辺のところはいかがでしょうか。
#86
○参考人(森川脩一君) お答え申し上げます。
 ハイビジョンの受信機の構成というのを一言で申し上げますと、一つの全体のキャビネットがございまして、ブラウン管がございまして、そのブラウン管を光らす電子の回路がございます。そのほかにいわゆるハイビジョン信号を受けて、スタジオ信号に戻してブラウン管を光らせるためのデコーダーという部分がございます。そういうもので構成されているわけですけれども、受像機のコストの大部分を占めるのは、今申し上げたようにキャビネットとブラウン管と、そのブラウン管を光らせるための電子回路でございます。したがって、いわゆるハイビジョンの映像をスタジオ信号としてブラウン管へ出す部分についてはそう大きな比率を全体的には占めているわけではございません。
 もう一つ、ハイビジョンの受像機には最初から端子、信号の入り口というのを別に設けでございます。その別の端子というのは、ハイビジョン用のVTR、ビデオテープレコーダーが接続できるように、それから同時にハイビジョン用のレーザーディスクが接続できるように、あるいは今先生御指摘の将来のいろんなメディアが出てきた場合にそのメディアが接続できるようにという端子は最初の段階からつけてございます。したがって、先々新しいメディアが出てまいりました場合においても、そのシステムをアダプターを介してそこへ接続すれば、その内容がブラウン管で同じようにごらんになることができるようになっています。
 それからもう一つの御質問は、そういうことを十分PRすべきではないかというお話でございますが、先だってNHKがハイビジョンに関する番組を放送いたしました。これの名前は「ハイビジョンはいま」という番組でございましたが、その中でもディジタル、アナログの話あるいは今申し上げたようなことを取り上げて、詳しく紹介させていただきました。
 今後も広報関係の番組の中で、今申し上げたようなことを随時取り上げて御説明してまいるという努力を続けてまいりたいと思っています。
#87
○粟森喬君 いわゆるPRを継続的にやっていかなければ、特に積極的にやるべきだという立場はとっても、二万台という受像機だけでやっているというのは問題がありますから、できるだけ安くなるためには大量につくられることと、そういう宣伝で将来の先行きに不安がないという安心感を国民の皆さんに持ってもらわないとこれはだれも買わなくなりますから、ぜひともそういう意味では積極的にやってほしいと思います。
 そこで、郵政大臣にもひとつ検討を願いたいのは、将来、ディジタルに仮に転用されたとしても、これはアダプターを買えばいいんですね。そのアダプターというのがどの程度のものかというのが、これはまだディジタル放送が始まっていませんから、メーカーなどは既に試作もやっているんでしょうけれども、少なくともハイビジョンをやっているNHK、あるいはそれを今まで推進してきた郵政省の立場から見て、このアダプターができるだけ安く、できれば私は無償でもいいぐらいに思って、そういう前向きの検討をしていかないと新しいメディアとして広がっていくのにもう一つの先行きの障害になると思うので、郵政大臣としてもその辺のところについて検討いただけるかどうか、お尋ねしたいと思います。
#88
○国務大臣(神崎武法君) 将来、ディジタル方式が採用された場合でございましても、先ほど御答弁にございましたように、現行のハイビジョン受像機にあります入力端子にデコーダーあるいはコンバーターと呼ばれているものを取りつけさえすれば受信は十分可能でございます。
 問題は、取りつけ費用の負担の問題でございますけれども、これまで一新しい放送方式によりまして放送が行われる場合の受信機の費用につきましては、視聴チャンネル数が増大いたしますので、受信者に御負担をいただいてきているところでございます。したがいまして、ミューズ方式に加えましてディジタル方式による放送が行われる場合にも、同じ考え方によりましてコンバーターの取りつけ費用は受益者による個人負担となる、これが基本的な考え方ではないか、このように思うわけでございます。
 仮にミューズ方式からディジタル方式に切りかえる場合に、既存の放送が受信できなくなるため受信者保護対策が必要になるわけでございますが、その場合は、一つは、安価なコンバーターを提供するための国による技術開発等の支援措置をとる。また一つは、受信機器の耐用年数を考慮した移行期間を設けて並行放送を行う。一つは、放送事業者、メーカーによる切りかえの対策を行う、こういうことを実施することが考えられるだろう、このように考えております。
#89
○粟森喬君 最後に、もう一つ質問をしたいと思いますが、光ファイバーによる新しい通信と放送が一体となった体制ができた段階における問題でございます。
 先ほどからのお話を聞いていて、それに対応しなければならないという答弁が出ておるわけでございますが、ひとつ端的にお尋ねしたいのは、まず通信と言われる分野に参加をするということになるのかならないのか。いわゆる映像メディアといいますか、端末のところに参加するということは当然のこととして私としては理解をしていますが、通信の分野には参画するのかどうか、これはまだ決まっていないというならそれで結構なんです。
 それともう一つは、放送サービスの参画のあり方の中で、先ほどから何回も出ているように、料金が今のような受信料体系ではちょっと無理ではないか。特定の放送サービスを受けるわけですから、それには何らかの格好でその分だけの料金というのを付加しなければならない、こういう時代が来ることについて当然NHKとしては想定をして端末のところに参画するというふうに考えているのかどうか、この二つについてお尋ねをして私の質問を終わります。
#90
○参考人(中井盛久君) 通信と放送の融合のところは午前中の郵政省からの御回答でもいろいろ出ておりましたけれども、NHKとしましてはやはり放送は無線で不特定多数の方に直接受信という形で進んでまいりましたし、それから通信の方は一つの機密性のあるような形で一点と一点を結ぶという形で発展してきたわけです。ところが、技術がこれだけ発展してきたために、ある一点で融合というか境が混合体になってきたことも事実でございます。それに対応すべくNHK自身も今いろんな意味で経営的な研究会もつくったり、それから技術的には技術研究所というところで研究をいたしております。まだ結論には至っておりません。
 それからもう一つ、料金体系のところでございますけれども、放送サービスが今後ディジタル技術をベースにしましてますます発展して、放送衛星、通信衛星、CATV、それから多チャンネル化、専門化チャンネルが進む、さらにCATVや通信網、それからコンピューターが結びついて双方向性のマルチメディアに進んでいくということはもう皆さんの御議論の中にあるように予想されているところでございます。
 じゃ、そこからどういうふうに発展していくかということはまだちょっと不透明なところがございまして、先ほど言いましたように研究を続けているところでございますが、そのサービスにNHKがどう公共放送として取り組んでいくかというところが非常に難しいところで、技術的な可能性だけではなくて視聴者の立場からのサービスのあり方がどうなっていくのか。それから、有線系と無線系のサービスの結びつきが、今言いましたように融合がどのあたりでどうなって、完全な融合になるのか部分的に残るのかというようなことがまだちょっと不明確でございます。それから、やった場合は実施財源をどういうふうに先ほどのお話にありますようにやっていくか。それから、日本の将来の放送制度や体制に非常に深くかかわると思っておりますので早急に検討が必要と思っておりますが、その具体化一つ一つについては今さらに細かく研究会でやっております。
 将来の一つの考え方としては、公共放送の基本サービスとして受信料でやっていくというような基本的なサービスがあるのではないか。それに付随して、利用者が別途その便利を買ってやっていく方法を付加するという方法もあるのではないか。それから、NHKの場合ですと関連団体が非常にありますので、例えば文字放送なんかがその中にどういうふうに参入していけるのかなというようなことが考えられまして、そういうことを含めてなお検討させていただきたいなと思っております。
#91
○政府委員(江川晃正君) NHKが通信に参加するかどうかという御質問でございますが、NHKの意思とは別に、日本国の通信と放送のあり方という視点で郵政省として一言答えさせていただきたいと思います。
 NHKは今通信はできないようになっております。それから、通信の世界のNTTは放送できないようになっております。この体制は今改めて変える必要はないのではないかと考えております。
#92
○中川嘉美君 十五分という限られた時間でありますので、早速質問に入りたいと思います。
 NHKは、平成六年度の事業計画の重点課題、この中で教育テレビの充実ということを挙げております。その中でも私はきょうは幼児番組に関連して若干お尋ねをしたいと思います。
 NHKが平成五年六月に行った幼児視聴率調査、これによりますと、幼児は一日に全体で二時間十九分テレビを見ている。この数字はずっと三年間全く変わらない、こういうことになっておりまして、そのうちNHKの方の番組を見ている時間ですが、これが、一九九一年が三十二分、九二年が三十五分、九三年が四十二分、だんだんふえているわけですね。ということは、この調査結果は、NHKが幼児向け番組を増加させるとこれに比例をしてこのように視聴率がふえるということを端的にあらわしているのではないだろうか、こんなふうに思うわけでございます。
 私は、幼児のこういった生活環境におけるテレビの存在というものは非常に重要な問題であるというふうに日ごろ常に考えておりますと同時に、育児に不安を抱いている若いお母さんにとっては番組がよきお手本となっているのではないだろうか、こんなふうにも思っております。先ほどの調査は四歳から六歳までが対象ですけれども、やはりテレビですから幼児番組そのものは一、二歳児、本当に小さい子供さんも見ておられる。こういった点も踏まえまして、NHKとして果たしてどのようなコンセプトで番組を制作しておられるのか、この点を伺っておきたいと思います。
#93
○参考人(中村和夫君) 今るる御指摘ありましたような考えで幼児向けの番組は非常に大事なものだというふうに認識しております。
 来年度も教育テレビで三つの番組を新設いたします。「プチ・プチ・アニメ」という番組、「マホマホだいぼうけん」、これは幼稚園、保育所向けの番組ですが、それから「わいわいトンブリ」、これも幼稚園、保育所向けの番組を新設いたします。
 それから、衛星第二テレビでも幼児番組をつくろうということで、「あさごはんだいすき」という新しい番組を月曜日から金曜日午前九時から三十分間、これは今お話がございましたゼロ歳児から三歳児とその母親を対象とした幼児番組という形になると思います。海外の秀作アニメと視聴者参加というものを中心にやります。これは全国二百市町村に派遣、公開をする番組になります。それから、「うたのなる木」、これも月曜日から金曜日、四歳から十歳児を対象としたバラエティー番組というものを新設いたします。
 先ほど視聴率の調査の結果をお話しになりましたけれども、平成二年度から教育テレビで「母と子のテレビタイム」というものを始めまして定着を図ってまいりましたけれども、そこの時間帯が大変また見られているというふうに思っております。
#94
○中川嘉美君 こういうことをもう少し詳しく伺いたかったんですが、次に移ってまいります。
 最近、衛星放送で受信契約数を伸ばす使命を帯びていわゆう海外の秀作アニメなどが放送されているわけです。外国から購入したアニメもそれはそれで結構なわけですけれども、またNHKのリバイバル作品、こういったものもいいんじゃないだろうかと。四月から始まる、今御答弁いただいた「あさごはんだいすき」ですか、こういったものも大いに期待もしますけれども、「ひょっこりひょうたん島」というのがありましたね。あれは幼児から大人までが非常に楽しめる、そういう魅力ある番組であったわけですが、こういったものを制作すれば衛星受信契約の増加にさらに拍車がかかるんではないだろうかというふうにも思うわけです。この点はいかがでしょうか。
#95
○参考人(中村和夫君) 「ひょっこりひょうたん島」はもう相当ノスタルジーな番組で好評なんですが、今御指摘いただきましたように、例えば「おかあさんといっしょ」という番組に出たい子供さん方が相当多いものですから、先ほどの衛星でそういう番組も新設したい、そういうのが衛星の普及に少しでもプラスになるんじゃないかというふうには考えております。
#96
○中川嘉美君 会長もいらっしゃいますのでちょっと伺いますが、三つ子の魂百までというふうに言っておりますが、質の高い幼児番組を提供することによってNHKの真骨頂となすのみならず、ひいては公共放送を支えるよき理解者を育てるということになると思うんですが、会長の幼児番組に対するお考え、この辺もちょっと伺っておきたいと思います。
#97
○参考人(川口幹夫君) 今、民放の番組が軒並みに情報番組化してまいりまして、これまで子供が見ていた時間がどんどん減っていく傾向がございます。これは、民放の場合は広告放送に頼らざるを得ませんから、恐らく視聴率を大事にするという形だろうと思うんです。それでは私はやっぱり今の日本の子供たちがかわいそうだと。
 したがって、NHKは教育テレビもしくは衛星の第二放送を通じてもっといろんな試みをやるべきだと思っております。私どもがつくる番組をできるだけ小さなお子さんに見ていただいて、そしてその印象の中にいつまでも忘れない存在であるようにしたい。そして、それが言ってみれば視聴者とNHKを結ぶ一番下の方にある幼いときからの結びつきということになるようにしたいと思っております。
#98
○中川嘉美君 それでは、そのような線に沿ってひとつ御尽力をいただければと思います。
 次に、オリンピックにつきまして一、二点ちょっと伺いたいんですが、リレハンメル冬季オリンピックが過日開催されました。NHKでは衛星放送による完全生中継、これを初め総合テレビとかあるいはラジオ第一、ハイビジョン放送などトータルで四百六十時間余りの放送が行われたと。まず、御尽力いただいた職員であるとかあるいは関係者の皆様の御苦労を高く評価したいと思うわけでございます。
 私は、今回の放送で特に評価したいのは、ノルディック複合団体の金メダルの瞬間がありました。こういったときの瞬間など臨機応変な番組編成でリアルタイムで伝えられたということ、こういったところではないだろうか。このときの瞬間最大視聴率、最大風速ならぬ視聴率、これが四四・八%であったそうです。また、全体としても海外で行われた冬季オリンピックとしては大変な高視聴率であったというふうに思っておるわけです。会長は今回の放送に対してどのような分析をしておられるのか、この点も一点伺っておきたいと思います。
#99
○参考人(川口幹夫君) おっしゃるとおり、ことしのリレハンメルのオリンピック放送はこれまでにないたくさんの方々が、しかも非常に高い評価で見ていただけたと思います。
 それは、一つは、冬のオリンピックの種目に対する認識がこれまで以上に国民の中に非常に強く浸透していたことだと思います。それは、今のリレハンメルの前にありましたアルベールビルのときに複合団体が優勝しまして、その結果非常に多くの方が冬季の種目についても認識を新たにされたことにあると思います。したがって、私どもは、これから冬季オリンピックについては夏とは違うんだというふうな意識じゃなくて、夏も非常にたくさんの方が見ていただいているけれども、冬もまた非常に多くの方が興味と関心を寄せていらっしゃるというふうな観点に立って編成をすべきだと思います。
 それから、私がこの際ちょっと一つ申し上げておきたいのは、今回のリレハンメルで非常に高い評価をしたいのは地元のノルウェー放送協会、それからカナダの放送協会、そういうところが協力をしましていわゆる国際映像というものを非常に綿密な設計を立てて、しかも的確な演出をして届けてくれました。例えば、複合の場合なんかも、カメラの位置とか、それからそういうタイミングだとかというようなところが見事でありました。それが非常によかったと思います。
 したがって、これからの放送はできたらそういう国を越えた協力体制とかをつくらなきゃいけないと思いますので、長野の場合もそれにまさるとも劣らない国際映像をつくる体制をつくって全世界のテレビの前でごらんになる方々の期待にこたえたい、こう思います。
#100
○中川嘉美君 いよいよ四年後は長野オリンピックになるわけですが、報道によりますと、NHKと民放連、これが長野オリンピックについて放送権利を一括して交渉するジャパン・ブール方式で合意をしたというふうに報じられているわけであります。私はNHKと民放が協力することは望ましいことであるというふうに思いますけれども、合意の経緯とか、あるいはまたNHKと民放がどのような供給体制になるのか、この辺を御説明いただきたい。また、先の話ですけれども、番組編成上の新しい構想といったものをお持ちならばお聞かせをいただきたいと思います。
#101
○参考人(中村和夫君) 放送権の共同購入という前に、民放とNHKが一緒になって国際映像、今会長お話しになりましたけれども、国際映像をつくって世界じゅうに配給しなければいけないという役割がございます。それをNHK七民放で一緒に映像をつくりましょうという話がまずございました。国際映像を一緒につくって、あと権料がばらばらというのもおかしな話なので、権料も一緒にとろうという話に自然にそういう方向にいったということでございます。
#102
○中川嘉美君 時間の関係で、最後に国際交流問題で一点だけ大臣にお伺いしたいと思います。
 郵政大臣の意見書では、NHKが映像による放送番組の国際交流を進めることと述べておられるわけです。先ほど来、いろいろ御議論が出ているわけですが、海外広報の観点からすれば、当然この課題は国としてもこれは取り組むべき課題ではないかというふうに思っております。
 そこで、郵政省としてどのような施策を考えておられるのか、この点を最後に伺って質問を終わりたいと思います。
#103
○国務大臣(神崎武法君) 国際化が進展して各国の関係が大変緊密になってまいっておりまして、その意味でも映像情報を活用して国際交流を促進するということが各国との相互理解を深める上に極めて重要であるということは中川委員御指摘のとおりでございます。
 映像による放送番組の国際交流につきましては、郵政省と外務省の共管法人でございます財団法人放送番組国際交流センターが開発途上国向けの教育番組及び対日理解に資する放送番組を英語に吹きかえることによりまして、我が国の放送番組の諸外国への提供を促進しているところでございます。郵政省はこのような活動に対して毎年約一億円の補助を行っております。
 また、現状におきましては、我が国からの放送による映像情報の海外発信は実施されておりませんけれども、諸外国の状況からいたしますと、今後は我が国からも放送による映像情報の海外発信が積極的に実施されていくことが望ましいというふうに考えておりまして、現在、郵政省では放送による映像情報の海外発信の実現を図るためにこの国会に放送法の改正案の提出を予定しているところでございます。
#104
○中川嘉美君 終わります。
#105
○青島幸男君 私はハイビジョン放送につきまして大変悲観的に考えておりまして、それでなくても今地上七波、衛星から三波、十波があって、それぞれ好みに応じて見るにしても、人間二十四時間しかないし、そんなに見ている時間はないんじゃないか。それに技術革新の成果としてハイビジョンというものが非常に有効な手だてであることは確かだけれども、白黒テレビがカラーに変わったほど劇的な変化はないわけですからそんなに進展はしませんよということを申し上げたんですが、会長を初めNHKの方々は大変熱心にハイビジョンを進められておられるようです。それにしてもまだ一般の方々の受像機、一般の家庭に二千万台とも三千万台とも言われている中でいまだに二万台しか普及していない事実から見ても、私が申し上げたことは全く大げさな話じゃなかったと思うんです。しかし、世界の趨勢としてやっぱりどのみちどんどん進んでいくんだろうと思います。
 そのときに、つらつら考えていきますと、例えば電話線の場合は金属の銅、その銅のラインを被覆したものを各家庭に配付して、それで局が中心になって音声を伝えるという格好で発展していきました。一番最初は何か横浜と新橋が最初だったようですが、そのころは民間の事業だったように聞いております。そのうち国策も交えて政府の関与というものがあって電電公社ということになりまして、公社が歴史的な経緯で各家庭に張りめぐらして日本全国を網羅してネットワークをつくったわけですけれども、それが今NTTになっておるわけです。電電一社で系統的に組織的にきちっとやってこられたから、今日インフラストラクチャーとして確立して社会財産になっていると思うんです。これが我々の電話の使用を可能にしておるわけですけれども、今や電話はだんだんコードレスになっていくし、外国との通話も道路で立って話ができるという状況になりまして、だんだん電波がかかわってまいりました。
 それから、放送の方は有線がだんだん発達してまいりまして、よく繁華街なんかに音声のみによる有線放送というのがありました。それは銅線のラインを使っておりましたが、今やこれ同軸になっております。同軸ケーブルを使ってCATVをつくっております。CATVが電波障害を排除するというのみばかりでなく、固有の独特の放送を受信するために発達してきた。そうすると、これは民間の事業ですから勝手にいろんなところで、自分のところで張りめぐらしていくわけですね。これが電電のように一社が系統的に組織的にきちっとやるならともかく、各戸に有線を張りめぐらして、それぞれが独自の営業形態を持って実績を積み重ねて、それがやがては今度光ケーブルにとってかわって全国ネット一本化されるというような状況になると思うんですね。その間に、今のうちにきちっと権益なんかを分けたりしておかないと、訴訟問題なんかが起こったりしたら整理のつかない状態になりやしないかというように私は大変心配に思っておりますが、ちょっとその辺のところの将来的な見通しはどうなりますか。
#106
○政府委員(江川晃正君) CATVに限定して申し上げさせていただきたいと思いますが、CATVは、先生も御案内のように、まさに映像を送る話とそれから電話のような通信、これ両方を一つのものがやるようになるだろうと。これを我々の言葉で今フルサービスというふうに言っておりますが、このフルサービスをやるようになるだろうというふうに考えられます。
 そうはいいましても、ただCATVは難視聴、田舎の方のといいましょうか、地方の方のそれを含めて今八百万ありまして、都市のような大きなところでは百万ぐらいです。それで、そういうフルサービスをやるのは多分都市の方の大きなところからだろうと思います。それはマクロで見ると百万とか八百万ということでございます。
 先生御指摘のように、じゃ、例えば東京でどこにそういうCATVが張りめぐらされているかといいますと、現実的にはそれで商売がいけると考える民間の事業者とか、その人たちの意思によって入ってきたりなんかしているわけです。そのときに我々は、郵政省は、じゃ、入ってくるときに、言葉は不適切かもしれませんが、いわばつまみ食い的にと申しましょうか、ここは入るがここは入らない、こういうふうになってくることに対して我々はどう対応すべきかということと等しい問いではないかと思います。
 その際に、私たち今考えますのは、さあ、立ち上がろうというこのときですから、ある意味では立ち上がりができる環境を整備するのが大事だと。その一つは、いろいろな規制を緩和するとか、あるいは振興の施策を打つということがございます。もう一つ同時に大事なことは、さあ、立ち上がろうというときに、今のところは変に統一していかない方がかえっていいんではないか、そういうふうに考えるところがありまして、長期的ではございませんが、やや短期的に立ち上がり時期までのことを考えますとむしろレッセフェールの方がいいのではないかなと、一瞬そう思ってCATVの事業に対して対応したいと考えているところでございます。
#107
○青島幸男君 ネットワークになって初めて重要な意味を持ってくるわけで、CATVが個々に存在している、それ自体は余り重要なことでもなく、社会的には影響も小さいわけですね。ところが、CATVの細かなそれぞれつまみ食いみたいなところを一挙にネットワークでつないでいくと意味をなすわけですよね。そうなったときに、だから個々の権利者との間の摩擦やなんかが起きたら困るではないかと。そういうことも問題としてつながってくるようになってから考えればいいというのではもう手おくれだと私は考えているわけですよ。
 それで、それもCATVが今やっている同軸ケーブルみたいなものが一つの権益として存在してしまうと、今度光ケーブルに変わるときにもまたそれが生きてくるわけですよ。光ケーブルで各家庭を全部ネットして、そうなりますと教育も医療も金融もそれから予約も、だからテレビを見ながら商品のサンプルを見てそのまま注文をする、銀行決裁も全部済んでその品物が送られてくるというような事態が先々あり得るわけですね。そうなって初めて光ケーブルの意味というのは大きく進展していくんだろうと思います。
 そうなりますと、NHKさんも先ケーブルに乗せ札ばきれいな音、しかもディジタルで行われるようにすればきれいな音、きれいな絵が常時家庭で見られるわけですね。これは民放も一緒にやるでしょうから、そうしますとある家では奥さんはテレビを見ながら買い物をする、銀行との通話もする。御主人は自宅にいて会社のコンピュータとつなげて自宅で仕事ができる。息子さんはゲームマシンで双方でやりとりをしているというふうな状況が一本のケーブルで可能になるわけですね。
 そうなると、NHKの今まで築いてきた放送体系というものの相対的な意味が非常に小さくなってしまうんではないか。そうなると今の受信料体系がこのままの格好で維持できるか、そこら辺に大変私は疑問に思っているんですけれども、その辺、こんな先の話でまことに申しわけないんですけれども、そのころになって受信料体系であかなえないという状態になるとほかのCATVと変わらなくなっちゃうわけです、別料金を取ってやると。それはNHKの本来の使命、姿勢とどうつながっていくのかということも大変疑問に思いますが、その辺いかがでしょう。
#108
○参考人(川口幹夫君) 青島先生がおっしゃったような危惧といいますか、どうなるだろうという不安を私も持ちます。それは当然でありまして、マルチメディア時代にすべての家が光ファイバーで結ばれて、今の双方向サービスを初めとするいろんなサービスが全部入ってくるという状況になってくれば、NHKのサービスはまさにその中のワン・オブ・セムだと。そして、そのことが受信料というもので成り立っているNHKの財政に非常に大きな影響を及ぼしてくるということは当然あるわけです。それをどのような形で解決するのかというふうなことも考えなきゃいけません。
 ただ、私は先ほどからちょっと言っていますけれども、将来、そういう時代になっても単なる便利さとか楽しさとかいうだけのためのマルチメディアじゃなくて、何らかの意味でそれが心の糧になるとかあるいは何かを教えられるとか、それから何かを知るとか、そういった意味での大きな情報媒体という面もやっぱりあるじゃないか。そこをNHKとしては最大限に生かして、その中でも堂々とみずからの存在を認めてもらうというふうにしなければいけないと思っております。
 ただ、本当に難しゅうございます。恐らく相当に難しい問題が山のように来ると思いますので、これはもう私以後のNHKの者が全力を挙げてこれにぶつからなければいけないんじゃないか。ただ、放送というものは七十年の歴史を経てきまして、非常に大きな信頼感とそれから視聴者に与えたある種の安心感みたいなものがあります。それを我々のてこにして、そして新しい時代にもNHKないしは放送というものの存在がその力を発揮するように頑張りたいというふうに思っております。
#109
○青島幸男君 確かに、そういう御決意で事に臨まなければならないと思いますし、そういうお考え方は私も賛成です。
 光ケーブルによろうと地上波によろうと衛星から来ようと、受像機に向かう受信者の方々は余りそんなことは意識していないわけです。だから、NHKさんがそういう教育あるいは情報というようなものに基本を置いて、一般の方々に重要かつためになるというような放送を続けていかれるように上質なものにしていきたいというお考えを私は多としますので、その御決意で今後とも御活躍をお願いしたいと思います。
 しかし、そういうふうに便利になってきますと、果たしてそれが人の幸せに貢献することになるんだろうかというような極めて学生っぽい考えになってしまうんです。弥生時代とか縦穴住居のころから、飢えをいやし、渇きを満足させ、人との交流あるいは家族との信頼、安心というような保障の上に生活をしている。そういう人間としての幸せとかというものは、物が便利に、すぐに話が通じたり物が届いたりすることとは余り深い関係がないような気がするんです。ですから、そういうことをどんどん推し進めていくということについて非常に絶望的な気持ちになるんです。
 しかし、こういうふうになった以上は行くところまで行かなきゃしょうがないんだなという認識でもありますので、その一端を私も担って、また無責任な発言をしているようでございますけれども、テレビに顔を出していろいろなことをしてきたということも内心じくじたるものがあるんですが、NHKさんはこの予算につきましても大変御努力のかいがうかがわれますので、今後とも会長以下の御努力に期待をしたいということで質問を終わります。
 ありがとうございました。
#110
○鈴木栄治君 鈴木栄治です。よろしくお願いいたします。
 神崎大臣、NHKの大河ドラマをごらんになったことがあると思うのでございますが、それとまた民放のゴールデン番組の時代劇もごらんになったことがあると思うのでございますけれども、見比べての御感想はどうですか。例えば、さすがNHKだなとか、さすが民放だなとか。大変言いづらいことはわかっておりますが、何か感想はございますか。
#111
○国務大臣(神崎武法君) NHKは公共放送として、民放は民放として、それぞれ特徴、個性を生かした充実した番組、報道をされている、このように承知しております。
#112
○鈴木栄治君 大変言いづらいかとは思うのでございますが、私なんか両方見ておりまして、正直な話、物すごく違う、あれはNHKだから大迫力があってすばらしいとか、民放だからこうだということは余り感じないのでございます。
 ちょっとNHKさんにお伺いしたいのでございますが、大河ドラマでございますけれども、大体一時間の制作費はお幾らぐらいでございましょうか。
#113
○参考人(中村和夫君) 具体的に申しますと、「炎立つ」は四十五分の番組で一本およそ五千四百五十六万円、トータルコストでそういう値段になります。番組直接費としては二千九百万ちょっとぐらいになります。
#114
○鈴木栄治君 民放がゴールデン番組で時代劇をどのぐらいでおつくりになっているかご存じでございますか。
#115
○参考人(中村和夫君) 定かにはわかっておりません。
#116
○鈴木栄治君 それは非常に私はまずいと思います。じゃ、私が言います。大体民放が一本二千五百万から三千万でできているわけでございます。直接費ですが、NHKの場合ですと約二千九百万でございます。民放ですと二千万でございます。
 例えば、これはNHKの大河ドラマなんだからすばらしい船をつくるんだ、ばっと金をかける。お城をつくるから、もう看板番組だから金をかける。これはいいんですよ。これは直接費ですから、それはそれで私はいいと思うんです。ところが、間接費の場合でございます。間接費というのは、例えば社内の機材、テレビのカメラだとか人間の使用料、要するにスタッフ、あと社内のありもの、例えばいろんな小道具だとか衣装、かつらなど含まれるわけでございます。これがNHKの場合ですと約二千五百万でございます。民放が一千万でございます。
 例えば、直接費の場合でしたら二千九百万と二千万はまあまあしょうがない。でも間接費の場合は二・五倍も差があるんです。この辺はどのようにお考えでございますか。
#117
○参考人(中村和夫君) スタジオの使用時間とか償却等々もそっちの方に入っていますが、制作にどのくらい時間がかかるとか、そういうところも多分に影響していると私どもは思いまして、効率的な制作運用というものを行うべく、この何年かは台本開発の段階から制作の効率化ということを念頭に置いてやるようにしておりますが、そういう部分でもう少し努力が必要なのかもしれません。
#118
○鈴木栄治君 スタジオの使用料だとかなんとかと言いますけれども、それは民放だって同じドラマをつくるのでございますから、民放だからっていつも外で撮っているわけじゃございませんから、それは同じだと思うのでございます。しかし、私も事実NHKの撮影現場へよく行かせていただきましたが、人が多いんです。私、二倍とは言いません、少なからずも一・五倍はいますよ。特に人件費というのは私は大変高いと思うのでございます。
 今、各撮影所は、特にこういう時代でございます、本当に切り詰めて切り詰めて撮影をやっているときでございます。ましてや、NHKさんは例えば民放さんが幾らでつくっているのかわからないと、わからないと言うんじゃなくて、そういうのを御研究してください。どうぞおっしゃってください。
#119
○参考人(中村和夫君) 私どももドラマを全部自前でつくっているということではございませんで、外のプロダクションにも一本当たり幾らということでお願いしてつくっていただいています。そういうことからすると、そういうプロダクションのドラマのつくり方、我々のドラマのつくり方、そういうものを照らし合わせでどういう形で、質も含めてどういうつくり方をしていったらいいかということは常に深く検討はしております。
#120
○鈴木栄治君 ですからこそ、例えば民放のそういう撮影所の人たちがどのぐらいのコストでつくっているか、そういうのを御研究なさっても私は別におかしいことじゃないと思いますがね。
 私は、正直な話、民放の時代劇と大河ドラマを見て、そんなにべらぼうに変わるとは思っていません。ですから、やっぱり経費節減は大事なことだと思うのでございますが、しかしNHKの使命といたしましてやっぱり多くの国民が望んでいること、それはニュースだとかドキュメンタリーだとか、これは例えば百万円でつくれといっても百万円でぴしっとできないことぐらい私も自分でいろいろつくっていますからわかるんです。これは、やっぱり多くの人たちが望んでいるものに対しては二百万かかろうと三百万かかろうと、いや、別に天井知らずということじゃございませんが、やっぱりかけるところはどんどんかけていかなきゃいけないと私は強く思うのでございます。
 しかし、ドラマに関して間接費が二・五倍もかかるということは、どう見ても二倍ぐらいまで抑えてもよろしいじゃないんですかね。何とかなるんじゃないんですか。今もうどんな撮影所でも一人が二役、三役やって頑張っているんですよ。私は、そのぐらいいろいろと御研究なさって御努力しても妥当ではないかなと思うのでございますが、会長、いかがでございましょうか。
#121
○参考人(川口幹夫君) 今の鈴木先生のお話の中で、私は二つちょっと見方が違うのかなというところがありますので、それをまずお話し申し上げます。
 それは、今お挙げになりました制作経費の問題ですが、NHKの大河ドラマというのを一つの例として取り上げられた。大河ドラマは、これはもう時代劇の中でも特に経費がかかります。例えば馬とかよろいだとか、そういうもののお金だけでも大変なものでございます。そういうものをつくるのにある程度ほかのドラマとの差はどうしても出てこざるを得ないというところがあります。
 それで、先ほどの民放の番組は大河ドラマ級の時代劇ではないと思います。一時間物のドラマの平均的な単価ではなかろうかと思うんですが、現代劇の場合はがらりと違いますから、そういう条件の比較というのがちょっと違ってやしないかなという感じがいたしました。間違ったらごめんなさい。それが一つ。
 それから、間接費的なものが安いということについては、民放の場合には、プロダクションに頼む場合にある上限を切ってそれ以下で制作をしてくれと。そうすると、プロダクションはやっぱり仕事があった方がいいですから、何とかそれを受けて、それこそ自腹を切ってでも頑張らなきゃいけないという状況がどうやらあるように思います。そういうところでNHKとの差が出てきたというふうにも思うんです。
 ですから、そこが実は両方が持っている問題点で、民放さんの場合はそういう下請会社に対するある種の頭を抑えた形がドラマ制作にとっては非常に大きな問題点になっていると同時に、今度はNHKにとってはいわゆる親方日の丸的なところがあって、きちんとみずからをスリムにする形の努力がどうしてもおろそかになってしまう。そこのところはお互いに十分反省しなければいけないことだというふうに思います。
#122
○鈴木栄治君 本当に会長おっしゃっていることはまことにそのとおりだと思います。私は、大河ドラマ、その中において直接費が非常にかかるのはこれはしょうがない。でも、間接費は要するに人的なものが非常に多いから、その辺もう少しやっぱり民放をも勉強していただいて、その中において少しでも削るところは削っていただいて、またどうしてもNHKの使命としてお金をかけなければならないところがあります。先ほど言ったようにドキュメンタリーだとかニュースだとか、そういうところにはやっぱりNHKの使命として私は頑張っていただきたい、そういうふうに思います。
 私は、最近、特に川口会長が会長におなりになってから、いろんな人から非常に会長のクリーンでまじめだということは聞いております。それと同時に、例えば俳優さんのギャラにしても、この間私述べさせていただきましたが、少しずつよくなっているということも聞いております。ですから、これは民放もNHKもお互いにやっぱり取り入れるところは取り入れて、汗を流すところは汗を流す、それが今のこういう不況の時代といいますか、また受信者に御理解を得られるものじゃないかと生意気なようですが私思うので、ひとつ頑張っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#123
○委員長(森暢子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(森暢子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(森暢子君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 岡野裕君から発言を求められておりますので、これを許します。岡野君。
#126
○岡野裕君 私は、ただいま承認すべきものと決定いたしました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議の各派及び各派に属しない議員鈴木栄治君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
 政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 放送の社会的影響の重大性及び公共放送に対する国民の期待を深く認識し、放送の不偏不党と表現の自由の確保に一層努めること。
 一 協会は、マルチメディア社会の到来を見据え、放送をめぐる環境の変化に的確に対応し、視聴者の要望を反映しつつ、新しい時代の公共放送にふさわしい事業体制の実現に努めること。
 一 衛星放送については、難視聴解消に必要な放送の確保及びその特質を生かした放送番組の充実向上を図るとともに、ハイビジョンの推進方策について、その周知に努めること。
 一 本格的な国際化時代に対応して、映像メディアによる国際交流を推進するとともに、
  国際放送の充実を図ること。
 一 協会は、地域社会の発展に貢献する情報番組を提供するなど、地域文化の向上に資する放送の一層の拡充を図ること。
 一 障害者や高齢者の情報入手の利便がさらに向上するよう、字幕放送の拡充など放送を通じて福祉の増進に努めること。
 一 協会は、放送開始七十周年を迎えるに当たり、これまで培ってきた公共放送の意義と役割について、国民の一層の理解と協力を得るよう努めること。
  右、決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#127
○委員長(森暢子君) ただいま岡野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(森暢子君) 全会一致と認めます。よって、岡野裕君提出の本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、神崎郵政大臣及び川日本放送協会会長から発言を求められておりますので、これを許します。神崎郵政大臣。
#129
○国務大臣(神崎武法君) ただいま日本放送協会平成六年度収支予算等につきましては、慎重なる御審議の上御承認いただき、厚く御礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の放送行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
#130
○委員長(森暢子君) 川日本放送協会会長。
#131
○参考人(川口幹夫君) 日本放送協会平成六年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜りましてまことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程で種々御開陳いただきました御意見並びに郵政大臣の意見書の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。
 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、この意を体しまして執行の万全を期したいと考えている次第でございます。
 本日はまことにありがとうございました。
#132
○委員長(森暢子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(森暢子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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