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1994/06/06 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 逓信委員会 第3号
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1994/06/06 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 逓信委員会 第3号

#1
第129回国会 逓信委員会 第3号
平成六年六月六日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     三重野栄子君     川橋 幸子君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     中川 嘉美君     木庭健太郎君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     山口 哲夫君     大森  昭君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     星野 朋市君     田村 秀昭君
     木庭健太郎君     中川 嘉美君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     田村 秀昭君     星野 朋市君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         森  暢子君
    理 事
                岡野  裕君
                陣内 孝雄君
                山田 健一君
                粟森  喬君
    委 員
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                沢田 一精君
                林田悠紀夫君
                及川 一夫君
                大森  昭君
                川橋 幸子君
                河本 英典君
                星野 朋市君
                鶴岡  洋君
                中川 嘉美君
                青島 幸男君
                田  英夫君
                鈴木 栄治君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  日笠 勝之君
   政府委員
       郵政大臣官房長  木村  強君
       郵政省郵務局長  新井 忠之君
       郵政省貯金局長  山口 憲美君
       郵政省簡易保険
       局長       高木 繁俊君
       郵政省通信政策
       局長      五十嵐三津雄君
       郵政省電気通信
       局長       松野 春樹君
       郵政省放送行政
       局長       江川 晃正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星野 欣司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (郵政行政の基本施策に関する件)
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○簡易生命保険の積立金の運用に関する法律及び
 簡易保険福祉事業団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(森暢子君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月三十一日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。
 また、六月二日、山口哲夫君が委員を辞任され、その補欠として大森昭君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(森暢子君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、郵政行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○陣内孝雄君 大臣、御就任まことにおめでとうございます。
 私は、自由民主党の陣内でございます。大臣から表明された所信に関しましてお尋ねいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 大臣は、国の内外の政策課題の実現のために、郵政行政においては情報通信基盤の整備と全国二万四千の郵便局ネットワークの活用等によって積極的に貢献していくというように所信を述べられたわけでございます。そして、それに向けて当面の重要施策をいろいろと掲げておられます。私は所信を聞いて、大臣が迫りくる超高齢化社会を前にして、より豊かで安心のできる社会の構築を目指し、また世界の期待にこたえて国際社会の調和ある発展のために貢献しようとする姿勢に期待を寄せたいと思っておるのでございます。
 そうであるだけに、今年度の予算成立が大幅におくれ、したがってこれらの重要な施策がいまだに本格的な実施の運びに至らないというのはまことに遺憾なことだと思っています。しかも、所信の中で、大臣は長引く景気低迷に適切に対応することも重要な課題であると述べておられながら、その課題解決に欠かせない最も重要な今年度の予算が政治的事情から提案や審議入りがおくれにおくれてしまい、今もって衆議院で審議段階にあるという異例、異常な事態となっておるのでございます。暫定予算のつなぎでは我が国の経済運営の指針は見えてきません。
 私は、地元で零細な商工団体の代表をいたしておりますので、この一向に回復しない不景気に苦悩する関係者の実情をじかに見聞きしておるのでございますが、政治は一体だれのためにあるのかというような、こういう関係者たちのやるせない悲痛な叫びに私は一番胸を悩ませている昨今でございます。
 郵政大臣におかれては、国務大臣としてのお立場でもございますので、所信でおっしゃったとおり、政府として責任を持って長引く景気の低迷にどうか適切に対応していただくよう強く要望いたしまして質問に入りたいと思います。
 まず、特定郵便局に関してお伺いいたします。
 大臣は、郵政行政上の政策課題の実施に当たって全国二万四千の郵便局ネットワークの活用の重要さを指摘しておられます。私は、中でも全国二万四千郵便局の大半を占める一万八千の特定郵便局の役割が大事であろうかと思うのでございます。
 そもそも百二十年余り前になりますか、郵便事業が創業されたとき以来、三府五港、つまり東京、大阪、京都という三府と、それから神戸、横浜などの五港のある大都市を除きまして、特定郵便局、当時はたしか郵便取扱所と言っておったと思いますが、そういうものをもって、地域社会の信望を担い得る人材を局長として任用し、自営局舎によるいわゆる特定局としての営業が一村一局思想に基づいて展開されてきたのでございます。それがその後、そういった努力の成果として今日の全国ネットワークができ上がっておると私は理解しております。
 しかし、このような歴史的な発展経緯を持つ特定局も、昨今の余りにも経済的合理性を追い求める社会の中で、特定局長が本当の機能を発揮する場がだんだん狭まってきているんじゃないかという心配の声も聞くわけでございます。
 しかし、私の地元で知る限りでは、特定局長さんたちはいわゆるばさら精神のようなものを依然として旺盛に持ち続けておられまして、文化活動を初め、いろんな面で地域コミュニティーの中心となるべく頑張っていただいております。
 例えば、旧街道に局舎を建てる場合には、町並み、景観づくりの先鞭を切って風格のある蔵づくりをモチーフしたものを建てたり、あるいはギャラリーのある郵便局を建てたりしているのを見るにつけましても、これでは規定の局舎料では到底賄い切れないではないだろうかというような心配さえ私はするときもございます。
 一方、過疎化、高齢化の進む地域の特定局長も、経済基盤が弱いというハンディにもめげずに、強いボランティア精神を持って、あまねく公平なサービスに徹しようということで営業努力を続けておられる姿も見受けるわけでございます。しかし、何といっても、山村、過疎地域というところでは努力の割には数字の上の成績としては上がりにくい面もございます。報われないことが多かろうというふうに私は懸念を持つものでございます。
 特定局につきましては、このほかにもいろいろ課題があろうかと思いますが、特定局ならではのいろんな対応で払われておりますさまざまな努力と苦労をしっかり評価していただきまして、とりわけ昇格とか手当、給与など処遇の面で十分配慮あるいは反映していただきたい、かように思うわけでございます。
 そこで、大臣のこういったことに対する基本的なお考え方を初めにお伺いさせていただきたいと思います。
#5
○国務大臣(日笠勝之君) 特定郵便局長さんは、全国二万四千の郵便局の中にありまして一万八千五百局、約七六%のシェアを占める大変重要な基幹的な部分のお仕事をされると認識しております。全国津々浦々、全市町村三千三百にも配置がされております。それぞれの地域におきましても、地縁性血縁性等を生かしまして、地域に深く根差した事業活動のみならず、ボランティア活動等々にも御参画をいただいていると認識をしております。
 郵政省といたしましては、こうした特定郵便局長の職務の重要性にかんがみ、その任用については特定郵便局長としてふさわしい責任感と行動力を有している者であれば若くして登用しているところでございます。また、転勤がなく、定年についても六十五歳と定めており、人事面でも十分な配慮を行っていると思います。
 一方、給与面では、こうした特定郵便局長の努力に報いるために、特定郵便局長独自の俸給表を昭和六十三年から実施しております。処遇面の改善を図ってきているところでございますが、特に、先生おっしゃったような過疎地域、離島などの比較的規模の小さな局の局長についても昇格の機会をふやしたり、また管理職手当について事業への貢献度合いなどを総合的に勘案いたしまして、より上位の支給区分を適用できるよう措置するなど、その処遇に配意しているところでもございます。
 今後とも、特定郵便局長の人事、給与面の処遇などに配意いたしまして、さらに改善に努めていく所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#6
○陣内孝雄君 特定郵便局については、例えば自営局舎の相続に対する優遇措置、農業の場合は農業後継者が農地を譲り受ける場合には納税の猶予措置などがございます。郵便局舎についても公共性の高いものでございますのでそういったことは相当配慮されているかと思いますが、最近地価も高騰しております。いろいろ悩みも多いと思いますが、その点についても御配慮いただきたいと思うわけでございます。
#7
○国務大臣(日笠勝之君) 先生御存じのとおり、平成六年度の税制改正は既に通していただきました。感謝申し上げます。
 私たちも、与党の政策幹事会の中に税制の検討ワーキングチームを設けましたときにこの問題が持ち込まれました。そこで、何とかこれは事業継承という、地域の核でございますから、これは大事であろうということで、御存じのとおり二百平米までの郵便局の敷地につきましては課税価格の八〇%を減額できるというふうにいたしまして、既に衆参ともに御可決をいただいているところでございます。
 今後とも、特定郵便局舎が円滑に相続され、引き続きその場所におきまして郵政三事業等々が継続してできますように、税制上の措置についても的確に対応し、財政当局とも相談をして進めていきたいと思っております。
#8
○陣内孝雄君 よろしくお願いします。
 次に、電気通信行政についてでございますが、これについては二十一世紀に向けた新たな情報通信基盤の整備プログラムを策定するということでございます。既に先月は電気通信審議会から「二十一世紀の知的社会への改革に向けて」という答申がなされました。いずれにしましても、これが郵政省としてのこれからのプログラムの策定に当たっての土台となるであろうと思うのでございます。
 このたびの答申を読みますと、公共的アプリケーションの目標時期とネットワークインフラの整備目標を掲げて、そのプログラムが示されております。いずれにしても、二〇一〇年には光ファイバー網の全国整備を完了し、二〇〇〇年までには医療、教育、行政等の公共的アプリケーションの開発、導入を実用段階にまで進めることをめどにしておられるようでございます。
 また、光ファイバー網を二〇一〇年までに整備するコスト試算では、配線部分を地中化しない場合について、配線方式によって異なりますけれども三十三兆円とか五十三兆円の多額な費用を要するようでございます。配線を地中化するということになりますれば、これに別途に四十二兆円が加わるということで、総額は七十五兆円または九十五兆円となりそうですが、NTTなどの年間投資額は一兆八千億程度だろうと思うわけでございまして、そういうものから推しはかりますと、民間投資では二〇一〇年までの残された十六年間にネットワークの整備を進めていくというのは大変難しいことではなかろうかと心配するわけでございます。
 民間主体でネットワークの整備を進めるということは、基本的にはそうあらねばならないということでございますが、民間の力だけでは不十分であろうと思いますし、とりわけ二〇一〇年までに整備完了しなければ、いろいろな面で日本の将来の発展あるいは豊かな生活の実現がおぼつかないというようなことでございます。そういうことを考え合わせますと、国としても積極的な取り組みが必要になってくるのではないかと思うわけでございますが、郵政省においてはその点とういうふうにお考えになっておりますか。
#9
○政府委員(五十嵐三津雄君) 昨今の情報通信分野におきます技術革新、これを踏まえまして昨年の三月、先生お話のありましたとおり審議会に諮問いたしまして、この五月三十一日、二十一世紀に向けた新たな情報通信基盤の整備についてということで情報通信基盤整備プログラムを答申として私どもいただいたところでございます。
 その内容を少し御紹介申し上げながら、私どもの考え方を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 まず、情報通信基盤整備というような観点からはネットワークとアプリケーション、大ざっぱに分けまして二つのことについて提言をいただいております。
 まず、ネットワークについてでございますが、これは民間企業の効率性、これが最大限に発揮されることが望ましい、こういうふうに答申は言っております。加えまして、国としては民間企業による整備の円滑な進展が可能となる環境を政策的に整備するとともに、消費者利益を確保する立場から、地域格差、負担格差を最小限にとどめるような適切な施策を講ずるべきであるということも提言されております。
 加えまして、アプリケーションの開発、導入でありますが、公的なアプリケーションの開発、導入については政府が主導的な役割を果たすことにより情報化の先導及び初期需要の喚起を図っていくことが重要という提言でございます。
 なお、具体的には、ネットワーク整備の促進については、民間企業による整備が進捗していない加入者系光ファイバー網の整備を加速するため、民間事業者を対象とした無利子融資等の金利負担軽減のための新しい融資制度の創設が必要、こういう提言でございます。
 先生からもお話がございましたとおり、今NTTあるいは私どもの試算によりますと、いわゆるネットワーク部分だけでも最低十六兆円というふうに見込んでおります。もし、これNTTが引いてまいりますとすればほぼ年間一兆円という平均の計算になりますが、特に当初立ち上がりの部分につきましては先行設備投資といいますか先行整備期間でございますので、いわゆる先行投資と収入がなかなか見合いにくい時期でございます。特に最初の五年間はそういうふうに受けとめております。そういった意味からは、財政負担等についてなるだけ軽減をしていくという措置を政府としてとるべきではないかというふうに考えております。
 あわせて税制面でございますが、新世代通信網促進税制というようなことで、加入者網につきましてまだ光ファイバーが対象になっておりません。この辺につきましても税制支援の拡充策が必要かというふうに考えているところでございます。
 さらに、アプリケーションの部分でございますが、いわゆる社会資本整備の新たな展開というような観点から、予算のより柔軟かつ重点的な充当が必要、こういうふうに提言をいただいております。
 私どもとしましては、以上の答申の指摘を踏まえまして、関係する省庁とも密接な連絡を図りながら財政当局に働きかける等によりまして、この情報通信基盤の整備に向けまして政府としての役割を十分認識しながら積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#10
○陣内孝雄君 そのことに関連しまして、私はこういった情報基盤整備を進めていく上で、この中でも指摘されておりますけれども、ケーブル類の地中化は積極的に取り組むべきこれからの重要な政策課題だというふうに思うわけでございます。ケーブル類の地中化はネットワークパイプラインの安全性とか信頼性、防災対策を進める上で、また町並みの景観の改善等の観点からも不可欠なことでございます。
 また、電柱が除去されることによりまして交通事故が減り、被害が減少するということは確かなことでございまして、これについてはちょっとデータで申し上げますと、電柱との衝突事故による死傷者は全死亡事故の五%で、被害額は年間二千五百億円に上っておるというようなことも言われております。
 さらに、電柱を除去すれば、それにより当然歩道空間が確保できることになるわけでございますけれども、仮に四十万キロにわたって電線類の地中化が進んだ場合には約二十五兆円の歩道の確保が行われたというものに相当する、こういう膨大な効果の試算もあるというふうに聞いております。
 他方、共同溝などでケーブル類を地中化いたしますと、路上工事を削減できることによって交通渋滞などが緩和される。これも金に換算すると年間一兆二千億円ぐらいになる、こういうふうにも言われておるわけでございまして、こういったいろんな事情を勘案しますと、電線の地中化というのはこういう面からもやはり公共投資によって推進してしかるべきではないかと私は考えるわけでございます。
 事業の実施に当たりましては、事業費を確保するということがまず第一でございます。これは公共投資十カ年計画、四百三十兆を対米経済関係の改善等のためにも大きくふやさなきゃいかぬような事態にきていると私は思うわけでございますが、関係する機関あるいは省庁と協力いただきまして、とりわけこれは道路に埋設することになりますので、道路管理者等との綿密な連絡もとりながら積極的に、効率よくといいますかスムーズに施策の推進ができるように御努力いただきたいということをお願いさせていただきます。
 それから、時間の関係でちょっと先へ進ませていただきますが、放送行政のことについてお伺いしておきたいと思います。
 地方放送局というのは現在四波体制が進んでまいりまして、もともと弱い地域経済の上に成り立っておる経営でございますので、一段と経営環境が厳しくなってきているんではないかというふうに心配しております。中央放送局というのは中央経済とかあるいはブロック経済に支えられて、そこからスポンサーになってもらって経営を成り立たせているという面が非常に強いわけでございます。四波体制が完成しますと、その中央とかブロックのスポンサーが地方放送局に直接つかなくなるようになるんじゃないか。そのことは、地方放送局が独自番組を制作できるような経営状況が崩れていくんじゃないかというふうに私は心配をするわけでございます。
 情報格差をなくするということは、これはもう当然大事なことでございます。規制緩和ということも大事なことではございますが、単なる中央からの電波を中継するような地方放送局に成り下がってしまいますと、これはまた地方の文化の進展とか発展を支えておる地方放送局の役割というものが消えうせるということで、これもまた困ったことだなと私は心配するわけでございます。地方からの情報の発信とかいうようなことが大事だと言われながら、向かっている方向はそうじゃない方向に向かう危険性さえあるというふうに思うのでございます。
 多メディア・多チャンネル時代を迎えまして、それを充実するために放送番組の素材となる映像等を収集、制作、管理する事業を支援していくということが今度の法律の中で一つの柱になりました。これは非常にいいことだと思いますけれども、こういうような中でか、あるいはその他の方法でもってやっぱり地方文化を育てている地方放送局の経営が成り立つような方策も取り組めないものかどうか、あるいは素材を集める中でやっぱり地方の素材を優先的に集めるとか要望を聞いて取り上げていくとかいうような中でこういう素材収集の強化、普及を図っていくという方法も一つあるんじゃないかなという気がしますので、その点についてのお考え方をお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(江川晃正君) 先生御案内のとおり、郵政省としましては情報の地域格差の是正という観点から、民間放送につきましては、四波化と申しておりますが、全国で四つの放送を見れるようにしようということで進めてまいりまして、現在三十三の都道府県、人口でいきますと九〇%弱の方々が四つの放送を見れるようになっているということは御案内のとおりでございます。
 現在のそういう地上民放局といいますのは、先生ただいまお話がございましたように、広告収入を財源としているところでございますから、放送の事業者が二つから三つ、三つから四つに地域でふえますとその分だけ競争が激化するということが当然出てまいりまして、これが先生がおっしゃいますような経営を苦しくするのではないかという一面につながっているのではないかと思われます。それは、従来から二局を三局に、三局を四局にするときにはいつも問われてまいりましたが、特に最近、いわゆるバブルの崩壊と申しましょうか、そういうこともありまして大変苦しいという声は承知しているところでございます。
 ただ、その半面ですが、それだけ競争が強くなる分だけ、それぞれの放送事業者というのはよい番組をつくらなければお客がといいますか広告がつかないということがありまして、その地域のニーズをくみ上げまして、切磋琢磨することによって独創性に富んだ地域の文化の発展に資する放送番組の提供が行われるようになるという動機にもなるわけでございまして、そういう点でも今各社が頑張っているというところが見られまして、大変放送事業者たちがそういうふうに頑張っていることについてありがたいうれしいことだなと思っているところでございます。その意味におきまして、四波化をすることが直ちにその地方の文化の発展等に悪影響を及ぼしているものだというふうには一概にはとれないのではないかなと思っております。
 そうはいいましても、郵政省放送行政局としましても環境の悪化に対しましていろいろな手は打たなきゃいけないということで、細かいことはここでは申し上げませんが、例えば財政投融資資金でやってみたり、税制問題に対応して応援してみたり、それから人材の研修事業を支援してみたり、ただいま先生おっしゃいました放送番組素材利用促進事業の推進に関する臨時措置法、番組をつくるに当たりましては素材を安く提供していいものをつくってもらおうではないかという番組制作環境整備というようなことをやろうと考えているところでございまして、そういう法律を今回お願いしているところでございますが、そのようなものなどによりましていろいろと応援をしているところでございます。
#12
○陣内孝雄君 最後に、簡易保険事業についてお尋ねしたいと思います。
 所信の中で、国民の自助努力を支援するため、商品や運用制度の改善、加入者福祉サービスの充実に努めると述べておられるのでございますが、私はこれについては簡易保険の加入限度額を引き上げるということをお願いしたいと思うのでございます。
 と申しますのは、簡易保険の加入限度額は昭和五十二年の九月に一千万円に引き上げられ、また六十一年に一定の条件のもとで実質的に千三百万円に引き上げられたのでございまして、既に七年以上も据え置かれたままになっておるということでございます。現在進行しつつある本格的な高齢化社会に備えようという国民の自助努力の意向もありますので、早急にこれにこたえていただきたいと思います。
 民間とか農協の生保を見ますと、通計制度を繰り返して運用できるようなこういう方法もあるわけでございますので、こういったことも簡保の中で、例えば法の改正あるいは省令、政令の改正等の運用の面でできるような面もあろうかと思いますけれども、ひとつ前向きに早急に実現してもらいたい、こうお願いいたしますので、それについてのお考えを伺わせていただいて終わりたいと思います。
#13
○政府委員(高木繁俊君) 保険の加入限度額につきましては、今先生御指摘のとおり、七年以上据え置きになっております。
 この七年以上の経過の中で社会経済環境も随分変わってまいりました。国民所得も国民総資産も大きく上がってまいりました。また、保険としての保障のために必要な額というものもやはり考え方として随分大きく期待されている、こういう状況変化がございます。またもう一方で、加入限度額の引き上げについての強い、また多くの御意見、御要望も私どもは聞いているところでございまして、もろもろ考え合わせますと、保険の加入限度額を見直すべき時期にあるというふうに私どもは認識いたしております。
 具体的な引き上げ方法につきましては、今先生おっしゃいました通計制度というものもございます。いろいろな方法があろうかと思いますので、御指摘の点も含めまして今後検討させていただきたい、このように思っております。
#14
○陣内孝雄君 終わります。
#15
○及川一夫君 日笠郵政大臣、御就任を歓迎いたします。
 大変な内閣の現状にあるし、とりわけ逓信委員会の任務もこれからの社会に向けて大変な役割と責任がある、こういうふうに自覚をいたしておるものです。とりわけ大臣は衆議院でも逓信委員会の関係も深いようにお聞きいたしておりますので、これからの逓信行政、郵政行政についてこれまでの経験を十分にひとつ発揮していただくように私からもお願い申し上げておきたいと思います。
 それで、二十五分という時間でございますから何もかもというわけにいかないわけですが、郵政大臣の所信表明を読ませていただきますと、やはりかなりの部分で電気通信行政関係に相当力を入れられているというふうに私は受けとめております。したがって、この辺を中心に御質問なり大臣の態度をひとつお聞きしたいというふうに思っているところであります。
 ここに述べられていることについては私もそれなりにわかるわけでございますけれども、大体七項目にわたって郵政省としての通信行政に対する対応、ことし一年あるいは五年かかるかもしれない、十年かかるかもしれない、そういったことを含めて出されておりますから原則的に理解ができ、賛成する立場に立つわけであります。
 ただ、ここに述べられていることを結論的にとらえたら、一体何に向かってこういう行政をやろうとしているのかという結論部分がどうしても見えてこない。私自身はある一定のことを想定はしているんだけれども、それに向かっているのかどうか、何に向かっていこうとしているのか、そのところをまずもってお聞きしておきたい、こう思います。
#16
○国務大臣(日笠勝之君) 先日の所信表明で述べましたように、郵政行政はいわゆる郵便、貯金、保険という三つの大きな国民サービス直結型と、それから放送とか通信というこれまた情報の面では欠かせない分野と、二刀流と申し上げましょうか、私は岡山県の出身でございますから、宮本武蔵は二刀流でございましたが、二刀流の観点で申し上げておるところでございますけれども、特に郵政三事業の方は安定的に低廉なサービスを続けていくということが重要であろうと。
 それから、もう一つの方の電気通信行政関係は、まさにこれから二十一世紀の高齢化社会、また国土の均衡ある発展などなどを展望いたしまして、御存じのとおり、五月三十一日に電気通信審議会から答申をいただきました。実はあれをこれからどのようにして政策的に拡大をしていくか。もちろん、財政の面、また税制の支援の面、官民の役割分担、また各省庁との連携といいましょうか、こういうものがたくさんございます。
 ですから、あの答申を踏まえまして、これから各省庁ともよく連携をとりながら、財政当局ともよく相談をしながら、これからの二十一世紀、二〇一〇年へ向けて政策展開をしていきたい。先生もよく御存じのように、いよいよ郵政省が政策官庁として実質的に羽ばたいていくときがこの契機ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
 そういう意味では、二万四千の郵便局を基軸とした着実なサービス、そして二十一世紀の高齢化社会等々に対応する電気通信、情報通信の基盤、こういうものを二刀流で今後政策展開をしていきたい、こういう趣旨のことを申し上げているつもりでございます。
#17
○及川一夫君 大臣の答弁になりますと、中身は違いますけれどもどなたも今言われた筋道で大体大臣はお答えになる。しかし、それならば、これまでの間にいわば一つのものにしていこう、内閣は一つである、したがって情報産業あるいは電気通信にかかわるネットワークの利用の問題については一つのものをつくっていこうという固まりの会議をお見受けしたことが実はないんです。
 そして、我々の目の前に出てくるのは、例えば通産省でいうと産業構造審議会情報産業部会報告というものが出てまいります。厚さも負けず劣らず。しかし、字の方は通産省の方が大きくてこっちの方が小さいから、電通審の答申の方が量が多いんだろうと実は思う。そして、答申の方では、「二十一世紀の知的社会への改革に向けて」ということを書かれておるし、当然我々も意識をしなければならない問題なんだが、大臣答弁のように本当に僕は一本のもので発足してもらいたい。
 そして、そこから国民に呼びかける、同時に産業界に呼びかける、そして我々の生活はこう変わるんだ、こう便利になっていくんだというようなこと、そして報告書であったり、こちらは答申で命題が打たれているが、一方ではマルチメディア時代などという言葉がありまして、二十一世紀の知的社会への改革と違うのかというふうに対置して見てみると、そう何も違ってはいない。幾つも言葉はあるんだけれども、中身は皆同じというのが私は現状だと思うんです。
 競い合うわけですから、そういう意味ではいろんなタイトルをつけ直して我も我もということは決して悪いことではないのかもしれませんけれども、しかし中身を読んでみると、先ほど五十嵐局長が答えておられましたけれども、端的な例がいわば官主導でいこうというのと民主導でいこうというのと、民に主導させて官が支える、協力していこうというのと、官主導でそれやれあれやれ、やったらこういう優遇措置があるよというあたりなんかはこの両方を見ると違うわけです。どちらがいいかというのはにわかに判定できませんよ。それは物によっては官主導でいかなければいかぬというものもあるかもしれません。特に公的部門なんかはそうでしょうね。
 ですから、そういう点などを含めて、大臣がおっしゃられたとおり、何とか内閣としての一本の部門をつくるというか、別に機関をふやせというわけではないですが、そういった総合的な会議があって、そしてそれぞれの省庁が役割、任務を明らかにして作業をして、そしてそこにまた戻して一本のものにしていくというような方向が私はとれないのかというふうに思うのであります。
 特に、アプリケーションの問題なんかについては郵政省だけではどうしてもやれないわけですから、どんなに頑張ってみても。それぞれ専門のセクションがあるわけです。しかし、郵政省も負けじとばかり触れようとして触れておりますが、この答申の中では要するに資料五という格好で、資料に付されてこういう箱書きに実はなっているわけです。通産省の方はかなり具体的ですよね。アプリケーションの個々の問題についてこうしよう、こうなる、そしてこのように発展をさせていきたい、そうすれば生活はこうなりますよというふうなことが出ているんじゃないかというふうに私は思いますので、ひとつそういう立場から、政府として一本の総合した一つの大きな会合というものを内外に宣言をして始めるということはできないものでしょうか。これはお願いいたします。
#18
○政府委員(五十嵐三津雄君) 今回いただきました電気通信審議会の答申でございますが、これにつきましてはいわゆる二十一世紀に向かった新たな情報通信基盤の整備、これにつきまして幅広に御論議をいただくということで、各省庁の所管にこだわらず御議論をいただいて総合的なビジョンをお示しいただいたものというふうに私ども受けとめているところでございます。
 具体的には、先生お持ちの答申の中にも七ページに記載されておりますが、情報通信基盤という概念を四層に分けて整理をいたして私どもに提言がされております。
 一つは、ネットワークインフラそのもの、これが第一層ですが、第二層にはいわゆる情報通信分配機能あるいは受発信機能ということで、端末を含めたいわゆるプラットホームと言われるような階層。そしてアプリケーション、利用のシステムのソフトと申しましょうか、このアプリケーションあるいは応用データベースというのが第三層。ここは具体的にコンテンツということで一番重要な部分と言われているところでございます。そしてまた、それは価値観や法秩序、そういったものにまで影響を与えて見直していかなければならないというふうに私どもに総合的なビジョンとして示されたものというふうに思っております。
 先生御指摘のありました九十五ページのアプリケーション普及のために改善が期待される制度、慣習ということにつきましては、こういった情報通信基盤が整備されていく段階、そしてリアルビジネスが出てくるというような段階でこういった制度についても見直していかなければならないということで、各省にわたるものについて答申が触れているということであります。もちろんこの答申に掲載されるに当たりましては、それなりに各省と連携をしてここに掲載されたというものでございます。
 先生御指摘のように、特にアプリケーションについて申しますと各省にわたるものがございます。例えば、医療関係で厚生省とかあるいは文部省とか、この辺のところが極めて重要でありますが、各省との連携ということで申しますと、基盤整備という観点からは特に建設省等との連携もございます。
 そういった意味で、今回示された情報通信プログラムという具体的な国としてのプログラムが総合的に出されたということで、関係する例えば電話会社あるいは放送会社、そしてコンピューター会社、メーカーと言われるような各産業がこの整備プログラムのもとにビジョンを持って進んでいただけるのではないか、そういう意味があるのじゃないかというふうに思っております。
 なお、先生御指摘のように、アプリケーションについては私ども一省に限るものではございません。先般、六月三日の閣議におきましてもこの答申につきまして大臣から御報告をさせていただき、各省に協力を要請したというところでございます。私どもといたしましては、現実に、例えば高齢化社会と情報通信のあり方というようなことで厚生省と一緒になってただいま調査研究会を持ち、具体的なアプリケーションの開発をやっている等々がございます。
 ただ、先生御指摘ありましたとおり、各省から、例えば厚生省におきましても情報化推進連絡本部を設置するとか、文部省においてもマルチメディアに対応した著作権の問題、そういった検討がなされるとか、あるいは建設省においても道路の地下埋設について検討がなされるとか、各省がいろいろな形でこのことについて積極的に取り組んでいただいているということ自身は情報通信基盤の促進という観点から非常に意味があるというふうに考えておりまして、今後ともより一層関係省庁との連携を図りながら推進をしてまいりたいというふうに考えております。
#19
○及川一夫君 ありとあらゆるものが在宅、いながらにしてさまざまなものが提供されるという社会になろう、またしていこう、こういうことですから、ぜひ大臣にはどこが主体になるか、どこが責任者になるのかというふうなことを含めた総合したそういう推進機関というものを、推進会議というものをつくっていく勢いをひとつ内閣としてとってもらいたいものだということを私は強く要請をいたしておきます。
 それで、次に移りたいと思うのですが、僕はどうしても今までの郵政がやってきた中で許せないというものが一つある。これも短時間でできないことですが、モトローラ問題です。郵政省として一体これは満足したやり方なのかどうか。これは神崎前大臣がおられるときの話ですから、御本人を前にしないで恐縮なんだけれども。
 どっちにしても、モトローラは日本にある移動体通信、IDOとかドコモとか、そういう通信というものを主体にしてやる会社ではない、メーカーじゃないかと。ずばり言って日本の日本電気とかナショナルとか、そういう会社と同じように位置づけられるものであるところにモトローラの機械が使えるような電波を与え、IDOという会社と別に合併も何もしているわけじゃないんですが、資本金も何も出しているわけじゃないんですけれども、どちらにしてもIDOという会社はお客であるはずであります。モトローラが業者である。こういう関係の中で一定の結論を出しましたよね。
 IDOの副社長に言わせれば、三百三十億とにかく負担増になってしまったと。百十億の資本金しかない会社にとっては、トータル六百億も支出をしていくということはもう大変な会社の浮沈にかかわる問題だと。そういうことがありながら、郵政省が間に入ったのかどうか知りませんけれども、モトローラとの関係でとにかく合意をさせた。
 そして、四半期ごとに、その目標を立てた数値ということになるんでしょうか、これを買いなさい、このぐらい中継所をつくりなさいということについて本当に実施をしていっているのかどうか、郵政省として把握をして、それを何かアメリカ政府に報告するような、そういうシステムでもって協定が結ばれたということについては、これは移動体通信に限らないんじゃないか。その他の産業にも、そういうシステムでもって日本産業に迫られてくるということを考えると、まさにアメリカの属国という関係に読みかえることだってできるじゃないかと。果たしてこれでいいのかということが、日笠郵政大臣、私は大きな問題だと思っているんですよ。まさか許すという言葉は出ないんだろうけれども、どちらにしてもそういう大きな問題があるということについて郵政大臣としてどうお考えか、それだけをお聞きしておきたいと思います。
#20
○国務大臣(日笠勝之君) 私が就任してすぐそのことを聞きまして、私の理解しているところでは民間同士の一種の契約であると。その民間同士の契約を政府としてできること、すなわち周波数の割り当てを一・五メガサイクル移すとか、そういうことについてはこれは郵政省に権限があるわけですが、そういうのはもし合意ができれば認めましょうとか、これは民間同士のいわゆるビジネスライクな合意を郵政省としてできる限りのことはやりましょう、こういうふうなことの合意がなされたと。三月十二日に合意がなされて、神崎前郵政大臣とモンデール大使との間にそういうお話があったと、こういうふうに聞いておるわけでございます。経過がもし御必要ならば事務方の方から御答弁させても結構でございます。
#21
○及川一夫君 いや、流れは全部知っているんです。それで、担当も来ていただきまして話をして意見は一致しているんです、部局とは。ただ、これがこれからも同じように存在する一つのシステムだということになったら大変ですよというふうに思うから、ひとつ郵政大臣に十分気を配ってもらいたいという意味なんです。
 つまり、日米摩擦の問題の中に通信機器という問題が一つありますよね。これは自由競争でやったらいいと思いますが、いずれにしても私は政府がIDOに対して融資を保証する、そういうふうに見えるようなところまで突っ込んだ上での、それこそ政府がIDOに対して説得したのかどうか知りませんけれども、とにかく合意することについて保証したという経過になっていますから、そういう点では、時間がありませんから後また改めてそういう場があればやることにいたしまして、十分ひとつ郵政大臣として注意を払っていただきたいということを申し上げておきます。
 それで、最後になりますが、実は理事会の方で、日笠郵政大臣にかかわった問題ではないんでしょうが、山陽新聞の広告の問題で大臣直接弁明がありました。了解しています。これはこれで全く問題なしとはしないんでしょうけれども、これはこれとして扱っていったらいいと思います。
 もう一つ、郵政省のかかわる問題で心配なことは、CATVをどんどん発展させていかなければならぬということがありますよね。大変なマルチメディアの時代になればなるほどCATVが発展すると。今あるCATVを利用したのか言われたのかどうか知りませんけれども、ある特定の代議士が筆頭株主で、そしてそのCATVを四十一時間も使って、いわば今の与党がどうのこうのという話とか今の政府はどうのこうのという話とか、三日間、合計四十一時間も放映された。CATVですから加入者という限定されたものではあるけれども、しかし五千名、一万名というような、一万加入というようなことになれば大変ですよね、それなりに。小選挙区になればなおのこと大変なことに私はなるんだろうと思う。
 当然、これはこれから選挙法でも議論される問題になってくるんじゃないか。同時に、郵政省としてCATVというものを放送なのか放送でないのかというような問題を含めて大変な私は問題点が出てくるように思うので、これもひとつ十分郵政省としても検討されておく必要があるんじゃないかという問題提起をしておきたいのであります。この点いかがでしょうか。
#22
○政府委員(江川晃正君) 先生の問題提起を承りまして、いろいろと必要な検討を進めさせていただきたいと思います。
#23
○及川一夫君 終わります。
#24
○委員長(森暢子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午前十時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時開会
#25
○委員長(森暢子君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、郵政行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#26
○田英夫君 郵政大臣から先日所信表明を伺いました。これに関連をして、きょうは序論というつもりで、この問題引き続き今後も一般質問の中で続けたいと思いますが、わずか十分でありますから序論になるかと思います。
 私が申し上げたいのは、電波法第四条、「無線局を開設しようとする者は、郵政大臣の免許を受けなければならない。」、この条項であります。これを受けて、十三条に五年ごとに再免許を受けなければならない、そういう規定があるわけで、つまりこの無線局というのを私は放送局、つまりテレビ、ラジオの放送局と考えながら御質問をしたいと思います。
 御質問と申し上げましたけれども、私は、実は国会の委員会でのやりとりというのは、特に参議院の場合は立法府対行政府の間の意見の討議である、こう基本的に考えております。政府に対して私どもが質問をし、御意見を伺うということではない。私の考えを申し上げ、また行政府もこれに対して立法府の構成員の意見を聞く、お互いにその議論の中から建設的な結果を積み上げていこうということではないかと思いますので、そういう姿勢で議論を進めたいと思います。
 私が申し上げたいのは、この電波法第四条をいわゆる放送局という観点で見できますと、結論を申し上げれば、これは民主主義の原理に反する、こう言わざるを得ないのであります。特に、日本の場合、憲法第二十一条で結社の自由を含めて言論の自由ということが明快に規定をされているわけでありまして、その基本的な考え方から外れている、こう私は考えております。御承知かと思いますが、私は新聞記者をやり、テレビ、ラジオの仕事をしておりましたので、体験的にもこのことを痛感しております。
 郵政大臣というのは私はまさに権力そのものだと。政権というその権力の構成員であって、その権力者がテレビ、ラジオの放送局の免許権を握っているということになるとどういうことが起こってくるのか。つまり権力が放送局に介入をする、こういう結果を生むおそれがある。現に、昨年、テレビ朝日の椿発言問題、これは明らかに当時のテレビ局の思い上がった政治に対する一つの姿勢というものを椿さんはむしろ正直に述べたんだろうと私は思います。
 ところが、これに対して郵政省が一つの態度表明をするというようなことになる。特に、大臣が意見を述べられるということになってくると、これは容易ならざることになってくるおそれがある、こういうことを申し上げたいのであります。
 そこで、参考のためにお願いをしておきましたから、アメリカのFCCの組織、構成あるいは委員の選び方がどうなっているか、私は実は承知しておりますけれども、郵政省からお答えをいただきたいと思います。
#27
○政府委員(江川晃正君) FCCのお話に入ります前に、やや総論ぽくなるわけでございますが、郵政大臣の所掌となっているということにつきましての御説明をさせていただきたいと存じます。
 実は先生御専門でいちっしゃいますから簡潔に申し上げさせていただきますが、基本的に電波というものが有限希少であるということが一つ。そして、それは一人が使いますと他が使えなくなるという排他性を持っておるということがあります。そういうようなことから、IPUという国際機関がございますが、そのもとで世界的に一定の規律のもとで電波を使用させているというのが現実でございます。
 特に、放送となりますと、それがまたさらにお茶の間性と申しましょうか、飛び込んできて、いろんなものが見ているだけで入ってくるという意味で社会的影響力が高いということから、一定の規律というものを各国やっているわけでございます。
 それで、日本国の場合には、このような電波のあるいは放送局というものの性格にかんがみまして、また公平かつ能率的な電波の利用を図るというような視点から一定の規律を日本においてもしているわけでございまして、そのような規律というのは電気通信に関する事務をつかさどります郵政省が、電気通信行政、放送行政を一体として担当している行政機関としての郵政省にその職務権限が与えられているというのが現実の姿でございます。具体的には、それが先ほど先生御指摘なさいました電波法四条などに免許のことが書いてあったりなんかしているわけでございます。日本国はそのように郵政省に所掌権限を与えているわけでございます。
 あと御質問のFCCというアメリカの連邦通信委員会でございますが、それがどうなっているのかということにつきましての御質問につきましては簡潔にお答えさせていただきたいと思います。
 FCCといいますのはフェデラル・コミュニケーションズ・コミッション、連邦通信委員会と日本語では言っております。委員は五名でございまして、その五名の委員は上院の助言と同意を得て大統領が任命する。同一の政党に属する委員の限度は三名以内となっております。任期は五年でございます。それから、委員長はその五人の中から大統領が指名するというふうにしております。組織としてのFCCは、スタッフが約千八百人ぐらいおりまして、これはちょっと古い統計でございますが、九一年ぐらいの数字でございます。一九三四年に通信法により設立されておりまして、議会に対して直接責任を負う独立行政機関ということになってございます。
 それから、あと二つの性格がございまして、クエスアイ・ジュディシアルというのとクエスアイ・レジスレィティブと申しますけれども、準司法、準立法というような機能が、性格が与えられているというところでございます。
 FCCは大体以上でございます。
#28
○田英夫君 もうあと二分しかないという状況でありますが、したがって大臣に失礼ながら宿題をお出ししておいて、次の機会にはそのことについて伺うということにしたいと思うんです。
 一つは、今アメリカのFCCのことが話されました。五名の委員、これは現実には上院の民主党、今なら民主党が与党ですから、民主党から三名、野党の共和党から二名ということに大体従来のやり方からはなりますね。それで、委員長は民主党、大統領が指名するんですから、民主党の大統領が指名する、こういうやり方。完全に独立をしていて、公正取引委員会が日本ではありますが、公取の場合は、率直に申し上げて、大蔵省のOBが大体歴代委員長になるという意味で、かなり官僚の系統的支配を受けやすいんですけれども、もっともっと独立をしたものであります。
 これに対して、ぜひ大臣御勉強いただきたいのは、実は今の制度ができたのは昭和二十六年、佐藤郵政大臣のときだったと思います。占領政策の是正という名のもとに行われた一連の改変の中で行われた。むしろ改悪されたと私は思っておりますが、それ以前、終戦直後から二十六、七年まで実はアメリカと同じような考え方の電波審議委員会というのがあって、荒畑寒村さんという人が、いわば反権力の文化人というような人が委員になっていた時代があります。その時代の電波審議委員会の法律的規定、構成、どうなっていたかをお調べおきいただきたい、御勉強いただきたいということ。
 結果としてどういう問題が現実に過去に起きたかということは次回私から御紹介をして、この制度がいかに民主主義を破壊するおそれがあるかということを述べたいと思いますが、時間が来ましたのできょうはこれで終わります。
#29
○鈴木栄治君 大臣、私、鈴木栄治と申します。よろしくお願いいたします。
 新聞に「NTT値上げ凍結、やっぱり痛い」とか「五期連続減益に」と。今まで私の知る限りにおいてはNTTさんもいろいろ一生懸命やっていたんじゃないかと思うのでございますが、前政権において公共料金が一斉に値上げになり、いろいろ問題にもなっておりました。別に与野党が逆転したわけではございませんけれども、急に凍結という話になってきたわけでございますが、いかがでございましょう、閣僚の一人として、やっぱり凍結は当然でございますか。
#30
○国務大臣(日笠勝之君) 凍結が当然かどうかということでございますが、景気が非常に低迷をしておるという中、それから物価そのものが非常に安定をしておるということ、それからいわゆる減税が六月、七月でございますからまだ行われていない、公共料金が上がると可処分所得が減るとか、そういういろんな現在の経済情勢、国民生活等々を総理がいろいろ考えられて決断されたんだろう、こういう認識をしております。
#31
○鈴木栄治君 そうだと思いますが、確かに字を見ると、それはやっぱり国民のためにみんな歓迎すべきだと思うのでございますが、しかし経済企画庁の、私新聞を読んだ限りではございますが、半年間のしわ寄せが次には来るだろうと。それは要するに上乗せという意味だと思うのでございますが、そういうことも言っております。
 私、確かに一生懸命企業努力をした中においてこれが値上げにつながってしまう。しかし、それと同時に、やっぱり電話というのはこれはどうにもならない大切なものでございますから、ここまで来た段階においてちょっとだけ延ばすと。巷間言われているように、これは少数与党になったから国民の人気取りじゃないかとか言われておる部分、いや、私は信じておりませんよ。そんなようなことをよく言われておりますが、私は半年間のしわ寄せをまともにやるというんなら、この辺はもっと大臣としてNTTに企業努力というものを促すといいますか、勧告していく予定でございますか。
#32
○国務大臣(日笠勝之君) 公共料金の凍結は、オイルショックのあった昭和四十八年以降の四十九年にもございまして、過去、戦後四回ほどあったようでございます。
 NTTの電話料金につきましては、まだ結論は全然出ておりませんで、御承知のとおり電気通信審議会にNTTから申請のあったいろんな資料をお渡ししながら、今二回ばかり議論をしていただいております。この六月に北海道から熊本まで四カ所、公聴会を開いていただき、国民の声も参考にしながら、そして改定の時期とか改定の幅とか、こういうものの答申がいただけるものと思っておりまして、今現在、幾らの値上げ幅でいつから始めるかというのはまだ何もわかっていないわけでございます。いずれにいたしましても、答申をいただいた段階で慎重に検討させていただきたい、こういう状況でございます。
#33
○鈴木栄治君 何しろ時間がないものですから、済みません。また私もいろいろと勉強させていただきまして御質問させていただきます。
 大臣、大臣はもちろんお子様いらっしゃいますね。テレビを見ていて、子供と見ていてちょっと何かつらいなという感じがあるんじゃないか、ドラマだとかいろんなシーン、また言葉。テレビでそういうことに実際に遭われたことはありますか。
#34
○国務大臣(日笠勝之君) 多々というか、間々ございます。
#35
○鈴木栄治君 そうなんですね。私も映画、テレビ出身でございますが、私も二歳半の子供がいるのでございます。それがまた起きている時間帯、そういうときに例えば暴力並びに性の表現で非常に恥ずかしくなるような画面だとかそういうのが多いんです。
 それで、新聞の投書欄にも出ておりましたが、ある日本人の方が日本のテレビを子供と見られない、何でこうなんだろう、そういう投書もございました。もちろん、これには憲法の問題も出てくるのでございましょうが、テレビというのはスイッチ一つてどんな子も見られる。これをお考えになった上で、少なくとも例えば十時前まではある程度暴力だとか性の表現だとか、そういうものを指導するだとか、十時以降はとりあえず大人の時間という形にして、その辺どうでしょう、お考えになっていただいてもいいんではないかなと私は思うのでございますが。
#36
○政府委員(江川晃正君) 事務的に。
 おっしゃいますこともわかりますが、公式の場でそういうふうにしましょうとかそれがいいとかと答えるのもいかがかと思います。御意見として伺っておきたいと思います。
#37
○鈴木栄治君 大臣としてはそのお気持ちは、例えば個人的にはそうであってほしいなとか、いや、そうじゃないとか。じゃ、一般視聴者としてで結構でございますけれども。
#38
○国務大臣(日笠勝之君) やはり、先生がおっしゃっていることは、家庭教育とか地域だとか学校教育とか、こういう三者が一体となって個の確立といいましょうか、親がしっかりして、子供に親が思う家庭教育の一環として番組を見せるといいましょうか、一緒に見るとか、こういうまず家庭、地域、学校、この教育が三位一体となって子供の人格形成にそばからサポートしていく、こういうことがきちっとされることがまず最重要ではなかろうか、かように思います。
 それから、放送番組のことにつきましては質的な充実向上に努めるように絶えず放送会社には要請をしておるところでございます。
#39
○鈴木栄治君 もっといろいろお話ししたいのでございますが、私やっぱりテレビと映画とは違うと思うのでございます。映画というのはお金を出して行く。テレビの場合はその場に、お茶の間に入ってきちゃう。それは確かに法的なものだとか憲法の問題とかいろいろあると思うのでございますが、私は大人の良識としてその辺は考えていかないと、ましてうちの子供を見てテレビの影響のすごさ、言葉の影響のすごさに最近特に大変驚いているんでございます。
 ですから、大人の見る景色と子供の見る景色は違うということです。私たち大人がここはやっぱり考える時期に来ているんではないかなと私、強く思うのでございます。
#40
○政府委員(江川晃正君) 大臣のお答えの前に一言事務的に。
 おっしゃいますことは、言ってみれば放送法の三条の二にございます公序良俗に反してはいけないとか、いろいろ四項目ほどございます。ああいうものをきちっと守ってもらいたいということ、大臣も先ほど申しましたように、それは郵政省として随時要望しているところでございます。そういうものを絶えず要望しながら、かつ三条の二が死文化されないような放送体制であってもらうようにいろいろ努力してまいりたいと存じます。
#41
○鈴木栄治君 ありがとうございました。
#42
○委員長(森暢子君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#43
○委員長(森暢子君) 簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律及び簡易保険福祉事業団法の一部を改正する法律案及び郵便貯金法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。日笠郵政大臣。
#44
○国務大臣(日笠勝之君) 初めに、簡易生命保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、近年における保険需要の動向にかんがみ、簡易生命保険の加入者に対する保障内容の充実を図るため、所要の改正を行おうとするものであります。
 その内容は、被保険者の常時の介護を要する身体障害の状態が一定期間継続したことにより年金を割り増して支払う終身年金保険を設けること、この終身年金保険については、加入申し込み時に被保険者の健康状態について告知を受けるようにすること等であります。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日からといたしております。
 次に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律及び簡易保険福祉事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、簡易生命保険の加入者の利益の増進を図るため、簡易生命保険特別会計の積立金の運用の範囲を拡大するとともに、簡易保険福祉事業団において、同特別会計から運用寄託をされた資金の運用を行うことができるようにするため、所要の改正を行おうとするものであります。
 まず、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部改正の概要について申し上げます。
 第一に、簡易生命保険特別会計の積立金の運用の範囲に、国債及び外国政府の発行する債券に係る標準物並びに債券オプションを加えることとしております。
 第二に、簡易生命保険特別会計の積立金を外国債に運用する場合において、外国政府等の発行する外国債その他外国法人の発行する政令で定める外国債については、一の外国政府等または外国法人の一回に発行する外国債の十分の六を超える割合の引き受け等を行ってはならないとする規定を準用しないこととしております。
 第三に、郵政大臣は、簡易生命保険特別会計の積立金から、簡易保険福祉事業団に対して運用のための資金を低利かつ変動金利により運用寄託することができることとしております。
 次に、簡易保険福祉事業団法の一部改正の概要について申し上げます。
 第一に、簡易保険福祉事業団の業務について、簡易生命保険特別会計から借り入れた資金の運用を同特別会計から運用寄託をされた資金の運用に改めることとしております。
 第二に、簡易保険福祉事業団は、運用寄託金の受け入れ後十年以内に当該運用寄託金を簡易生命保険特別会計に返還しなければならないこととしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日からといたしております。
 次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、郵便貯金の預金者の利益の増進を図り、あわせて金融自由化に的確に対応するとともに郵便貯金事業の健全な経営の確保に資するため、すべての通常郵便貯金の利率について市場金利を勘案して郵政大臣が定めることとするとともに、長期間払い戻しの請求等がない郵便貯金についての取り扱いを合理化し、郵便貯金を担保とする貸し付けの更新の制度を設け、及び郵便貯金特別会計の金融自由化対策資金の運用の範囲を拡大しようとするものであります。
 次に、この法律案の概要について申し上げます。
 第一に、すべての通常郵便貯金の利率について政令で定めるところにより市場金利を勘案して郵政大臣が定めることとしております。
 第二に、十年間預入、払い戻し等のない通常郵便貯金については、預入または一部払い戻しの取り扱いをしないで全部払い戻しのみの取り扱いをすることとし、当該取り扱いをすることとされた貯金について、その後十年間全部払い戻しの請求がない場合において、預金者に対し貯金の処分をすべき旨を催告し、その催告を発した日から二月以内に貯金の処分の請求がないときは、その貯金に関する預金者の権利は消滅することとしております。
 第三に、預金者貸し付けについて、貸付期間が満了する場合において、政令で定める回数を限度として貸し付けの更新ができるようにするとともに、当該政令の制定または改正の立案をしようとするときは、審議会に諮問しなければならないこととしております。
 第四に、郵便貯金特別会計の金融自由化対策資金の運用の範囲に、国債及び外国政府の発行する債券に係る標準物並びに債券オプションを加えるとともに、同資金を外国債に運用する場合において、外国政府等の発行する外国債その他外国法人の発行する政令で定める外国債については、一の外国政府等または外国法人の一回に発行する外国債の十分の六を超える割合の引き受け等を行ってはならないとする規定を準用しないこととしております。
 なお、この法律の施行期日は、通常郵便貯金の利率の決定方法に関する規定については公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から、郵便貯金の権利の消滅に関する規定については平成七年四月一日から、預金者貸し付けの更新に関する規定については公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から、郵便貯金特別会計の金融自由化対策資金の運用の範囲に関する規定については公布の日からといたしております。
 以上がこれら三法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#45
○委員長(森暢子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより三案について質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#46
○加藤紀文君 まずは郵政大臣御就任おめでとうございます。
 法案の質問に入ります前に、大臣に郵便貯金の存在意義についてどのようなお考えをお持ちかお尋ねしたいと思います。
 昨年秋の第三次行革審で郵貯民営化論が審議され、結果的には見送りとなったわけでありますが、また金利の完全自由化時代を迎え、金融商品開発に対する規制緩和の問題が議論されている中、総残高では世界一の金融機関と称されている郵貯の果たすべき使命というのはますます重要になってくると思います。大蔵委員会の理事を務めてこられた大臣から、金融全体から見た郵貯の意義や役割についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#47
○国務大臣(日笠勝之君) 御指摘のとおり、昨年の十月の第三次行革審最終答申におきまして、二十一世紀を展望し、国民生活重視の観点から幅広い御議論が行われたわけでございます。その答申の中で、郵便貯金につきましては、民間金融市場との整合性を図りつつ適切な役割を果たすことが求められておるわけでございます。郵便貯金としましては、この趣旨を踏まえ適切な事業運営に努めてまいりたいと考えております。
 今後は、金融自由化が進展する中で、競争が行われ、自由化のメリットが実際に預金者に還元されていくことが重要と考えております。また他方では、自由化の進展に伴い、その光と陰の陰の部分として民間金融機関では営利原則が当然前面に出てまいりますが、小口個人とか不採算地域の利用者の利益が損なわれるおそれも想定をされるわけでございます。このような中で、独立採算の郵便貯金事業がこの陰の部分の是正という役割を果たしていくことは大変な経営努力が必要となるわけでございますが、これらを全員一致協力し克服して、個人や地域の利用者の利益に十分配慮してまいりたいと存じておる次第でございます。国営・非営利の貯蓄金融機関として、国民にあまねく公平に金融サービスが提供されていくという郵便貯金の基本的な使命が達成されていくことにさらに全力を挙げて頑張りたいと思う所存でございます。
#48
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 それでは次に、平成五年度の郵便貯金事業の財政状況、まだ結果が出ていないと思いますが、その見込みで結構でございますので、それをお聞かせいただきたいのと、平成四年度分の結果、あわせてお尋ねしたいと思います。
#49
○政府委員(山口憲美君) 平成五年度の郵便貯金事業の財政状況でございますが、今お話ございましたように、平成五年度につきましては現在決算を取りまとめ中ということでございまして、現在のところ数字で御説明申し上げる準備ができておりませんが、御存じのように郵便貯金特別会計の中には一般勘定と金融自由化対策特別勘定と二つ設けておりますけれども、いずれも黒字になることは確実というふうに見込んでおりまして、健全経営を維持できるというふうに考えております。
 なお、平成四年度でございますが、平成四年度につきましては一般勘定で単年度で九百五十三億円、そしてそれまでの黒字分を加えまして一兆五千二百八十五億円の黒字を積んでおります。それから、金融自由化対策特別勘定につきましては単年度で四百八億円の黒字でございまして、累積で二千二百五十五億円の黒字を積んでいるというふうなことでございまして、郵便貯金特別会計につきましては健全性を維持できているものというふうに考えておる次第でございます。
#50
○加藤紀文君 現在、黒字で推移されておるということは結構なことでございますが、過去何回か赤字を出したこともあります。そのときに郵貯の大半を占めている定額貯金が低利から高利のものへいわゆる預けかえが多量に行われたからだと、またそれによって調達コストと運用金利の逆ざやになったということが指摘されているわけでありますが、今後金利自由化がますます進んで、市場金利が高目に誘導され競争が激化すればまた預けかえが行われて赤字を出す可能性も出てくるわけでありますので、郵政省は健全な業務運営に御努力いただきたいと思います。
 昨年の郵便貯金法改正により実施されました定期預貯金の完全自由化、その後の推移はどのようになっているかをお尋ねしたいと思います。
#51
○政府委員(山口憲美君) 昨年、定額貯金の金利を自由化いたしました。御案内のように、平成四年末に市場金利の動向に配意し、それから民間預金金利とのバランスをとって決定するということで大蔵省との間で合意をいたしまして、六月から自由化をしたということでございますが、この自由化の直後はちょうどボーナスの時期に重なっていたというふうなことがございまして、市場金利が低下基調であったというふうなことでございましたけれども、預貯金金利は横ばいから若干上昇するというふうな形、推移をとりまして、定額貯金につきましても六月三十日には引き上げを行うというふうなことで上向きの方にいっておりました。
 その後、ボーナス期が終了した八月上旬からは徐々に預貯金金利というものは低下傾向に入りまして、年明けには過去最低の水準でございまして、定額貯金の預入期間三年以上の利率が二・〇〇%というところまで低下をいたしました。
 その後、二月に入りまして市場金利がやや反転をいたしまして、預金金利もそれにつれて上昇したというふうなことでございまして、現在では二・三五%の水準というふうなところになっているということでございます。自由化後、こんな経過をたどって現在に至っているということでございます。
#52
○加藤紀文君 今お話ありましたが、民間で十分な金利競争がまだ起きているとは思えない、横並びなどの評判が聞かれますが、郵政省は今後どのような対応をしていくか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
#53
○政府委員(山口憲美君) 民間の動向あるいは現在の金利水準ということにつきましてはいろいろお話をお聞きしておりますが、いずれにいたしましても今は過去に例のないような低金利の時代でございまして、預金者の方々に金利自由化のメリットというのを肌で感じていただくことができないというのが非常に私どもとしては残念に思っているところでございます。
 ただ、規制金利の時代と比べまして、いわゆる市場の金利との金利格差というものは自由化されてきた現在の方がずっと小さくなってきているというふうな意味では、なかなか目に見える形にはなっておりませんけれども、やはりメリットというものは出てきているのではないかなというふうに思っております。
 そこで、金利水準の横並びの問題ということでございますが、これは現象面で見てみますと、例えば都銀の状況等を見ましてもかなり狭い範囲におさまってしまっているというふうなことで、横並び的な状況になっているということだろうと思いますが、今後景気がよくなり資金需要が起こってくるというふうなことになりますと、勢い金融機関も資金が欲しいということになってまいります。そうしますと、やはり金利につきましてもばらつきが出てくるとともに、比較的高い金利というふうなものも出てくるのではないかというふうに考えておりまして、しばらく今後の状況を注視していくということで私ども対応していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#54
○加藤紀文君 それでは、本題の法案の質問に入りたいと思います。
 今回の郵便貯金法の改正は昭和六十年から取り組んできた金利自由化の最後の仕上げとなるものであり、郵政省、大蔵省の担当関係者の皆様方の大変な御労苦に対して敬意を表するものでありますが、郵政省、大蔵省の合意の経過を簡単に御説明していただきたいと思います。
#55
○政府委員(山口憲美君) 今回の流動性自由化に関して大蔵省とお話し合いをさせていただきましたその経緯というふうなことでございますが、まず話し合いの大前提といたしまして、郵便貯金法の十二条にございますように、一つは市場金利を勘案すること、それから預金者利益を増進すること、あわせて民間の預金金利にも配慮すること、この三点がこの十二条に盛られているわけでございますが、この三点を基本に据えて私どもは交渉に当たってきたということでございます。
 具体的には、いわゆるCD等の譲渡性預金等の市場金利を基準といたしまして通常貯金の金利を決定することを検討してきたわけでございますが、大蔵省でありますとかあるいは民間金融機関等は市場金利ではなく普通預金金利だけに追随せよというふうなことを主張したというのが客観的な状況でございます。
 しかしながら、普通預金金利につきましては市場金利を反映した適正な金利が設定されていないのではないか、こういうふうに疑わせるような要素がございましたし、普通預金金利を指標とするようにというふうな御意見に無批判に応ずるというわけにはなかなか我々としてはいかないんだということを主張してまいりました。
 仮に、民間の金利に配慮するというふうな観点から普通預金金利を指標とするといたしましても、自由で公正な競争が行われて公正な金利が形成される、そういうことが確保されていないとなかなか我々としてこれを指標にすることはできない。あるいは少なくとも規制金利時代よりも見劣りするような、そういうふうな形になるおそれのあるような形では到底我々としてはのめないというふうなことで対応してまいったわけでございますが、民間金融機関の金利を配慮する観点から、普通預金金利が市場実勢を適切に反映したものであるというふうなことが認められる場合には、これを金利設定の目安として勘案することといたしました。
 それからまた、一定の歯どめといたしまして、普通預金金利が市場金利から乖離しているというふうな場合には、CD金利との関係も目安に入れて金利を設定するというふうなことにいたしまして合意をしたというふうなことでございます。
 ちょっとくどくどとなりましたが、こんなふうな形で私ども金利の内容について合意に達したということでございます。
#56
○加藤紀文君 今お尋ねしようかと思ったけれども、局長がちょっと先に言われちゃったんですが、金利設定の目安についての原則ルールと例外ルールの二つを設けて、それぞれ上乗せを一%程度ということにしたんですが、その根拠というのはどの辺にあるのかお尋ねしたいと思います。
#57
○政府委員(山口憲美君) 一%という数字の根拠ということでございますけれども、一%という目安は基本的にはこれまでの民間の普通預金金利と通常貯金金利の金利差というふうなものの実績を踏まえてということで出しました。
 その考え方といたしましては、従来ついていた金利差があるわけですが、これはいわゆる商品性、例えば私どもの場合には与信がないというふうなことに伴います使い勝手の悪さというふうな点、それからまた利用の実態が個人に限られているというふうなことから非常に滞留期間が長いというふうなこと、そういったことから従来から金利差がついていたわけでございます。この金利差を持ってずっと長くやってまいりましても官民の間で大きな資金シフトが起こっていないという実績がこれまでございましたので、この金利差というものはそういった意味でお客さんにとっては合理的な、商品が若干アンバランスであるそれを補う金利差として妥当なものだというふうに認めていただいているものではないかというふうに考えまして、従来からの金利差を維持するという形にしたものでございます。
#58
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 定期性預貯金金利はおのおの決済機能が付与されている点や、また市場金利とは一定の相関関係を持っているので参考となる指標がありますけれども、流動性預貯金にはそれがない点、大変御苦労がおありになると思います。
 銀行業界が言うのには、郵貯金利が民間より一%程度高く設定されるルールに対して、郵貯がプライスリーダーにならないかという心配もしているようであります。いずれにしても、郵便貯金の経営状態の健全のために御努力をお願いいたしだいと思います。
 それと、この合意の中で、口座管理なんかの手数料の点についての話し合いはなかったのでありましょうか。
#59
○政府委員(山口憲美君) 今回の合意におきまして、手数料についてどうするというふうな形でのお話というのはしておりません。
#60
○加藤紀文君 それと、五月の連休中の新聞記事によりますと、郵貯は金利の比較広告をしませんという旨の記事が載っておりましたが、事実でしょうか。民間金融機関はことしの七月から金融商品等の比較広告を解禁するが、高い金利を設定している郵政省が民間に配慮して大蔵省と相談して比較広告を取りやめたという話も聞いておりますが、これまた本当かどうか。
#61
○政府委員(山口憲美君) 比較広告の関係につきまして、大蔵省との間でこうすべしというふうなお話し合いをしているということは全くございません。比較広告といいますか、そういう民間の営業のあり方、そういったものにつきまして私どもも今後状況をよく見定めながら、我々もどういうふうに対応していくか考えていきたいと考えております。
 民間では既に定額貯金と類似の商品を出しているようなところもございますが、私どもの定額貯金と比較してセールスをしておられるというふうな話もちょっと聞いたりしておるものですから、この比較広告の問題というものを民間の金融機関の皆様方がどういう扱いにされるのか、その辺のところもよく見定めて対応していきたいというふうに考えております。
#62
○加藤紀文君 今回の合意はあくまでも暫定ルールで、本年末にもう一度郵政、大蔵両省が再協議すると大蔵省も言明しておりますが、郵政省もこの十月からスタートするわけですけれども、わずか二カ月、三カ月後に再協議をするお考えがおありになるのか。
#63
○政府委員(山口憲美君) 再協議ということでございますけれども、いずれにいたしましても自由化は今回こういうことで一定の整理を図りましたが、非常に流動的な要素、予測のできない要素が非常に多うございます。
 例えば、民間の皆さん方がどういう金利を設定されることになるのか、あるいはそのとき金利状況がどんなふうになっているのか、あるいは流動性預金の場合には非常に自由にバラエティーに富んだ商品開発ができるというふうなことで、商品開発がどういうふうになるのか、そういったいろんなものを見定めなきゃいけませんので、見ていかなきゃいけませんので、硬直的な対応というのは私どもにとってもちょっと困るというところがございまして、とにかく双方聞く耳を持ちながらやっていきましょうよ、こういうお話になっております。
   〔委員長退席、理事山田健一君着席〕
 ですから、いろいろ見直しをするとか協議をするとかというふうな形にしております。さしむき十月実施ということで間もないわけでありますけれども、いずれにいたしましても例年その時期は予算の関係がある時期なものですから、そのときにもう一度この問題についてちょっと両方で状況の変化等をお話ししましょうねというふうなことになって、それはよろしゅうございますというふうな形で、一応年末には聞く耳を本当に開こう、こういうふうにはしているということでございます。
#64
○加藤紀文君 ありがとうございました。
 合意はその程度にしまして、今回の金利の自由化で郵便貯金の預金者にはどんなメリットが生まれるのか、また多様な預金者のニーズにどのように対応していくのかお聞かせいただきたいと思います。
#65
○政府委員(山口憲美君) 今回、合意をさせていただきましたし、それから法律をお認めいただきますと、仕組みとしては一応流動性預金について自由化ができるということになります。
 そういたしまして、先ほど来御説明しておりますこの合意では民間の普通預金との間に一定の金利差というふうなことを設けておりますので、私どもといたしましてはこういった自由化によって普通預金等が自由化のメリットを生むような形で動いてくれれば預金者にとって非常に利益の大きいものだというふうに考えております。
 私どもといたしましては、そういった形で普通預金が動いていただけるようにということで、万一市場実勢から見て低位に抑えられているというふうなことが認められるような場合には一%にさらにプラスアルファをつけていただくというふうな形に整理をしておりますので、そういった意味でも預金者に対する利益が確保される、それからまた普通預金の低位横並びというふうなものに対する牽制効果というふうなことも期待できるかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、制度や仕組みというものを設けましても、実態が伴うということが何よりも肝心なことでございまして、私どもといたしましてはいわゆる自由な競争に、公正な競争に基づいて金利設定がなされるように、あるいはまた今サービスというお話ございましたけれども、それぞれが創意工夫をした形での商品開発というふうなものがなされるようにということが一番大事なことだというふうに考えておりまして、そういった観点で、郵便貯金といたしましても実体のある自由化というふうなものを目指して頑張っていきたいというふうに考えている次第でございます。
#66
○加藤紀文君 次に、権利消滅金についてお尋ねいたしますが、今回の改正は、現行の十年間全く出し入れのなかったことによって権利を失った貯金に、実質二十年間にわたって払い戻しといいますか支払いに応じていたものが必ずしも制度的に明確になっていなかったので、きっちりと法制化しようということと理解してよろしいでしょうか。
#67
○政府委員(山口憲美君) 今、委員に御説明いただいたとおりというふうに考えております。
#68
○加藤紀文君 昨年の百二十六国会で、この権利消滅金いわゆる睡眠預貯金ですか、常松委員の御指摘によって私も初めて知ったようなすごい額だったわけでございますが、この権利消滅金についての経理処理や使い道について取り上げられて、その後どのように改善されたのでしょうか。また、権利消滅した貯金は郵便貯金特別会計の雑収入として組み込まれ、支払い利子等のいわゆる歳出全般の財源となっていて、幾らもとは一般預金者のお金だから還元せよと言ってもその特定財源化はできないということでありましたが、その辺も少しお尋ねいたしたいと思います。
#69
○政府委員(山口憲美君) 権利消滅金の関係につきましては、お話のございましたように大変いろいろ御指導いただいております。その御指導いただいている一環といたしまして、今回法律改正をお願いしているということでございますが、私どももその間できることはということでいろいろやらせていただいております。特に、一番大事な点は、とにかく権利消滅するような貯金がなるべく発生しないようにということでございまして、現在のところPR等に従来以上に非常に力を入れてやらせていただいているということでございます。
 今回の法律改正の趣旨は、先ほど委員からお話があったとおりでございますが、こういった形で処理をさせていただきますと、権利消滅金の従来の十年、それにプラスしてその後の実質的に応じておりました十年、この十年のところが貯金法上きちんと位置づけられるということになります。
 私たちはこれを睡眠貯金というふうに通称申し上げたいと思っておりますが、この睡眠貯金というものが法律上位置づけられますので、そういたしますと、いわゆる財務処理の面でも財務諸表の上に睡眠貯金幾らというふうに計上できるということでございますので、そういった意味では権利消滅一歩手前のところにある睡眠貯金が今幾らあるのかということが把握していただけるということで、ディスクローズというふうなことの御要望にも応じられると思いますし、それからまたいわゆる権利消滅防止対策にもなるのではないかというふうに考えているところでございます。
#70
○加藤紀文君 次にお尋ねするところまでもう説明があったんですけれども、権利消滅金の発生を未然に防止するための方策というのは今ちょっとお触れになりましたけれども、今後さらにどんな対策を考えられているのかお尋ねしたいと思います。
#71
○政府委員(山口憲美君) 防止対策というのはなかなか難しゅうございまして、現在のところ十年たったところで権利消滅する前に催告を発して個別のお客さんにアプローチをするというやり方をやっております。今郵便でやっておりますが、なかなかこれが到達しないで返ってくるというケースが非常に多いものですから、どうも個別にやるというのは難しいのかなというというふうなことで、広くPRをテレビ等を通じてやるという方向にも少し力を入れていく必要があるんじゃないかというふうに考えまして、同じコストを使うんならかなり広く一般に訴えるという方向も考えていきたいというふうに、いろいろ予算等の確保を図っているところでございます。
#72
○加藤紀文君 それでは次に、貸し付けの更新についてお尋ねいたします。
 いわゆるゆうゆうローンという名称で親しまれている預金者貸付制度、返済期限が従来二年間であったものを、更新の請求と貸付利子の弁済を条件にさらに二年間延長するといった法定弁済にかかわる預金者の救済措置に則したものと理解しております。積立・定額貯金を担保にした貸し付けなので貸し倒れは少ないのではないかと思うわけでございますが、現在の貸付金の状況について教えていただきたいと思います。
#73
○政府委員(山口憲美君) ゆうゆうローンの平成四年度の数字でございますけれども、四年度の貸付高というのは二千七十八万件で三兆二千七百八十一億円でございます。そして、平成四年度末の貸し付けの残高、現在高は五百四十八万件で一兆八百九十一億円ということでございまして、大体一兆円程度がお客さんに常時利用していただいているというふうな形でございます。
 そして、今貸し倒れということでお話がございましたけれども、今の貸し倒れというのは私どもの法律でいいますと法定弁済、いわゆる二年の満期が来て返していただけないということで担保になっている貯金を解約される法定弁済ということでございますが、これにつきましては具体的に数字を把握する仕組みになっていないものですから正確にはちょっと把握できておりませんが、大体二百万件程度が法定弁済の対象になっているのではないかというふうに考えております。
#74
○加藤紀文君 次に、金融自由化対策資金について。
 この金融自由化対策資金は郵政省の自主運用分であり、大蔵省資金運用部に預ける以上に有利に運用し、その利益を預金者に還元するという目的を持って設立されましたが、近年の実績はどのようになっておりますでしょうか。
#75
○政府委員(山口憲美君) 金融自由化対策資金につきましては、平成五年度末で資金として二十五兆一千五百億円を運用させていただいているということでございますが、昭和六十二年度からこの運用を開始しておりまして、平成四年度までの状況でこれを平均いたしますと、大体○・四五%程度の利差を得ているということでございまして、資金運用部に預託をしておくよりも〇・四五%程度有利に運用ができているということでございます。
   〔理事山田健一君退席、委員長着席〕
 主として運用しておりますのは、国債がほぼ半分ということでございますが、指定単のいわゆる株式等も含めまして債券を中心にいろいろ運用させていただいているというふうなことでございます。
#76
○加藤紀文君 全体の運用分、いわゆる財投分のどのくらいの割合を自主運用されておられますか。
#77
○政府委員(山口憲美君) 平成五年度で二十五兆ということでございまして、大蔵省との間では平成八年度には四十兆一千五百億円にしようというふうな一応の約束になっておりまして、その際には私どもとしましては郵貯資金全体の大体二割程度が自主運用の財源になっているのではないかというふうに考えておりまして、その二割のところに向かって年々資金をふやしていっていただいている、こういうふうなことでございます。
#78
○加藤紀文君 昨年改正されましたいわゆるコマーシャルペーパーの追加があったわけでございますが、債券先物取引、債券オプションを追加して資金運用を拡大したことは金利変動や為替リスク等のいわゆるリスクヘッジを考えてのことと思われますが、評価できると思うわけであります。外国債の取得制限の撤廃も盛り込まれたが、外国債の購入には為替差損を生ずる可能性もあり、慎重な運用をお願いしたいと思います。
 次に、国際ボランティア貯金についてお尋ねしたいと思います。
 大臣の所信表明の中で、国際ボランティア貯金が平成五年度には二十三億円の寄附金を配分し、加入者も本年四月には一千四百万人を超える等着実に伸展していると述べられておりますが、喜ばしいことと考えております。
 この寄附金の配分は一般援助と緊急援助に向けられると承っておりますが、配分基準と各団体の選定基準というのはどのようになっているか、教えていただきたいと思います。
#79
○政府委員(山口憲美君) この審査に当たりまして二つの点が問題になるわけでございます。
 一つは、団体の資格要件でございます。団体の資格要件につきましては、いわゆる海外援助を実施する営利を目的としない民間の団体であるというふうなこと、それから日本の団体であるということ、それから代表者がしっかり定められて責任の所在が明確であるということ、それから過去の実績あるいはスタッフの数等から見て事業遂行能力があるというふうなことを団体の資格要件として見ているということでございます。
 それから、申請の援助事業でございますが、これにつきましては現地の住民の福祉向上というふうなことに寄与するものかどうか。これは法律でそう明定されておりますが、そのほか現地の状況や住民のニーズを正確に反映しているか、あるいは実施方法と事業計画の内容が明確になっているか、現地での実施に問題が生ずるおそれがないかというふうな観点から審査をさせていただいているということでございます。
 ちょっと今くどくど申しましたが、要は現地のニーズを把握した草の根の事業であるかどうか、それから日本のスタッフが現地に実際に出向いて日本の顔が見える援助をしてくれているかどうかあるいは住民の将来の自立に役立つような事業であるかどうかというふうなことを頭に置いて仕事をさせていただいているというふうなことでございます。
 そして、現実には、例えば援助の対象者から見ますと、女性、子供、農民、それから都市の生活困窮者あるいは難民、被災者というふうな皆さん方が援助を受ける対象の方でございますし、援助の分野から見ますと食糧あるいは医療、衛生、教育関係、それから職業や農業等の訓練、指導、そういったものが多く援助の対象になっているということでございます。
#80
○加藤紀文君 いや、私もそれはようわかっておるんですけれども、援助を受ける団体は公募ということでございますね。ところが、この制度というのがなかなか一般の方にはまだ十分におわかりになっていただいていないような気がするわけで、もっと広く宣伝といいますか、知らしめる必要があるのではなかろうかと思うわけであります。
 また同時に、この寄附金がどのように活用されているか、また援助団体の結果報告やフォローアップも広く周知の必要があると思うわけでございますが、その点に関してはどのように考えておられますか。
#81
○政府委員(山口憲美君) 国際ボランティア貯金の預金者の信頼をいただくということが基本になるというふうなことなものですから、そういった寄附金がどのように活用されているかということを皆さん方に的確にお知らせするということが一番大事なことだというふうに考えて対応しております。それから、今委員御指摘のように、広くNGOの皆さん方にもこういった施策を周知していただくということも非常に大事な点だというふうに考えております。
 そんなことから、私どもはこれまでも大分一生懸命にやってきておりまして、例えばビデオの作成、ビデオをこれまで三千四百本もつくって利用していただいているとか、あるいはいわゆる周知用の冊子をつくりまして、オピニオンリーダーでありますとか国際ボランティア貯金の加入者等に配布をする、あるいは国際ボランティア貯金通信というふうなものを年四回、一回四百六十万部発行するというふうなこと、そのほかポスター、チラシ、それから新聞広告等もかなり大幅にさせていただいております。
 そういう中で、今委員からもお話ございましたように、実際に活動をしているNGOの皆さん方にも一役買っていただくというふうなことも考えておりまして、十月の国際ボランティア貯金の日というふうな日を設定いたしまして、このときに寄附金を受けて活動しているNGOの皆さん方に集まっていただいて、その活動の状況を報告会という形でお話をしていただくというふうなことをやっておりまして、既に全国の二百六会場で実施をしているというふうなことでございます。
 引き続き、この施策は非常に効果があるというふうに考えておりますので、さらに力を入れていきたいというふうに考えている次第でございます。
#82
○加藤紀文君 ありがとうございました。終わります。
#83
○岡利定君 自由民主党の岡でございます。
 大臣、御就任おめでとうございます。
 大臣は、御就任後、いろいろと勉強されておるというふうに承っておりますが、郵政行政あるいは郵政事業に対する基本的な御認識、御抱負について承りたいのでありますけれども、時間の都合がありますので、また別の機会に回させていただきます。
 いずれにしましても、国民生活、それから我が国の産業、経済にとって大変重要な行政分野であり事業でございます。大臣の的確なかじ取りを心からお願い申し上げる次第でございます。
 簡易保険関係について、きょうは御質問させていただきます。
 去る五月十六日でございますけれども、郵政省は簡易保険の新規契約状況と資金運用状況を発表されました。それによりますと、新規契約は件数、保険金額ともに対前年を下回ったと。それは昭和三十五年度以来三十三年ぶりだというように書いてございます。平成四年度が好調だったのに、こんな急激な不振というか落ち込みの原因を郵政省はどのように分析されておりますか。また、生保も必ずしもよくないというように聞いておるんですが、その辺はいかがか、おわかりでしたらお教えいただきたいと思います。
#84
○政府委員(高木繁俊君) 五年度の保険の新規契約状況、今委員おっしゃったとおりでございまして、件数、保険金額とも前年度を下回っているという状況でございます。
 委員もおっしゃいましたけれども、実は平成四年度が非常に伸びたということの裏返しか一部出ているとも考えられますけれども、基本的に私ども二つの要因を考えております。
 一つは、長期に継続しております景気の低迷によりまして個人の可処分所得が伸び悩んでいること、これが一点でございます。
 もう一点は、ことしの二月、三月に、高齢化社会の進展に対応するとともに、事業の健全な経営を維持しようということを目的にいたしまして、保障型商品の勧奨を強化する一方で、貯蓄型商品の積極的な勧奨を抑制するという施策をとりました。このことによりまして、簡保のいわゆる売れ筋商品でございます貯蓄型商品の販売は多少前年度を下回りました。このトータルが、件数、金額とも若干でございますけれども前年度を下回ったという結果になったものというふうに考えております。
 なお、民間生保の方でございますが、これは生命保険協会が発表いたしました本年二月末現在のデータでございます。民間生保三十社の新規契約状況を見ますと、いずれも個人保険の部分でございますが、個人保険の件数で対前年比三・九%増、それから保険金額で対前年比一・〇%の減、こういう状況になっております。あえて申し上げれば、平成四年度の民保の伸びの数字に比べまして伸び率としては低下をいたしておる、こういう状況でございまして、簡保と同じような経済状況のもとで、民間生保も大分御苦労しておられるなということが感じられる数字だというふうに認識しております。
#85
○岡利定君 そういう中ですが、ことしの四月一日から保険料が全体で平均一〇・三%ですか、引き上げられました。簡易保険の保険料引き上げは、これも新聞によりますと昭和二十三年以来四十六年ぶりだと伝えておりますけれども、その引き上げの理由をお伺いしたいということでございます。
 これに関連してですが、事業経費の節減等によってカバーすることができなかったのかとか、あるいは運用利回りが予定利率を下回るということが予見できたときに事前に適切な措置をとってあれば引き上げ率がもう少し低く抑えられたんじゃないかというような意見もありますけれども、これについて郵政省はどのようにお考えでしょうか。また、四月以降の新規契約の状況についてお話しいただきたいと思います。
#86
○政府委員(高木繁俊君) 簡易保険におきましては、従来からなるべく安い保険料によって保険・年金サービスを提供する、これを大きな役割にしてきたわけでございます。ただ、残念ながら、引き続く景気の低迷によりまして金利水準が非常に下がってまいりました。簡易保険の運用利回りも急速に低下し、そしてまた今後しばらくの間は運用環境の改善が望めないというふうに判断をされたところでございます。そういたしますと、五・七五%という従来の予定利率を上回るような運用利回りを確保することは非常に困難であるというふうに考えまして、健全な経営を長期的に維持するためには予定利率の引き下げを行わざるを得ないというふうに判断をしたところでございます。
 委員御照会ございました事業経費の節減でカバーできなかったのか、こういう意見も確かにあるようでございますけれども、簡易保険事業におきましては従来から効率化、合理化の努力を続けてまいりました。年々事業費率を引き下げる努力をしてまいりました。今回の保険料改正の際も予定事業費率の引き下げを行ったところでございますが、それによって予定利率の引き下げによる保険料引き上げ分をカバーするほどのものではなかったということで、トータルとして保険料は引き上げということになったところでございます。
 それから、予見できたときに適切な措置をという意見も御指摘にあったわけでございますけれども、これは御承知のとおり、昨年の四月にも民間生保各社は予定利率の引き下げを行いました。この予定利率の引き下げを判断したのは平成四年の秋から年末ごろのタイミングでございますが、この段階におきまして、簡保では平成四年度の運用利回りは予定利率を上回る見込みであったということと、それから平成五年度につきましては年度後半から景気が回復して金利も反転して上昇してくる、こういう予測が世の中一般の見通しとしてございました。そのために、簡保は昨年は保険料の引き上げを見送ったわけでございます。
 しかし、実際に平成五年度になってみますと、御承知のように冷夏とか長雨とかあるいは円高の急進などがございました。予想に反して景気の回復がおくれました。そしてまた、全般的に金利低下も起こりまして、それに伴って運用利回りも急激に下がってまいりました。このために、平成五年度の運用利回りが戦後初めて予定利率を下回りそうな見込みになりました。と同時にもう一つ、六年度以降も低金利状態がしばらく続くであろう、こういうふうな予測ができる状態になったわけでございますので、その段階で今回の措置をとろうというふうに決めたところでございます。
 最後に、四月に入ってからの新規契約の状況でございますが、これはその後も引き続いております経済状況あるいは今回の保険料の改定が非常に大きく影響しているんであろうと思いますが、四月一カ月間だけの数値でございますけれども、保険の場合の件数で対前年二〇%の減、保険金額で一八%の減、こういう状況になっております。一カ月だけでございますので、これからの見込みというのはちょっと立ちにくいわけでございますが、四月だけで申しますとそういう数字であります。なお、こういう状況をもう少し見た上で私ども対応する措置を考えていきたいというふうに思っております。
#87
○岡利定君 何しろ不景気な話ばかりになるんですが、新聞で見ますと、民間生保では平成五年度も運用収益振るわずということで、四年連続減配だというようなことが伝えられております。
 簡易保険の平成五年度の資金運用状況を、今わかる程度で結構ですけれども、どういうぐあいになっておりますでしょうか。
#88
○政府委員(高木繁俊君) 平成五年度末におきます資金総額は、これはまだ決算終わっておりませんので未確定値でございますが、七十四兆三千四百五十億円でございます。前年度末に比べまして一三・四%の伸びとなっております。
 この運用の内訳は、国債あるいは政府関係機関債、地方債というような有価証券、これ約五割でございまして、金額で約三十五兆円、それから国、政府関係機関、地方公共団体、契約者などへの貸し付けというものが約四割で二十七兆円、こういう数字になっております。
 五年度のこの運用でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、運用環境が非常に悪くなってきている中で、何とかして加入者利益の向上を図ろうということで、預金等よりも高金利でかつ流動性の高い国債であるとかあるいは金融債であるとか、そういうものの積極的な購入を行いました。そのほかに、この不安定な為替相場を考えまして、外国債の運用には慎重に対応をしたところでございまして、できる限りこの運用利回りを向上させるように努力をしたところでございます。
 この結果、五年度の運用利回りにつきましては、大変厳しい環境の中ではございましたけれども、これも未確定値でございますが、五、二%程度を確保できるものというふうに見込んでおります。御承知のように、平成四年度が五・八〇%でございますので、○・七ポイントほど下回るかなというふうに考えております。
#89
○岡利定君 新規契約とか運用とかをめぐって三十三年ぶりだとか四十六年ぶりだとかいうようなことで大変厳しい環境といいますか、状況の中で御苦労いただいておることがよくわかるわけでございます。健全な簡易保険事業の運営のために、何とかこの危機的な状況といいますか厳しい状況を乗り越えていただくために知恵を出し汗を流していただきたいと思う次第でございます。
 今回の法案関係について御質問いたします。
 今回の改正の介護割増年金付終身年金保険の必要性とその内容についてもお伺いしたいわけです。あわせまして、利用者からの要望というのはどういうぐあいになっているんだろうかということ、それから割り増し年金の限度額が年金の額を超えない範囲内において保険約款の定める額というようになっておりますけれども、どの程度の限度額を想定しておるのかということをお聞かせいただきたいと思います。
#90
○政府委員(高木繁俊君) 現在、日本では外国に例を見ないほどの急激な高齢化が進展しているというふうに言われております。そういうことになりますと、将来、寝たきりなど常時の介護を要する方がこれからふえていくんではないかというふうに予想されるところでございまして、老後特に心配されるこの要介護状態というものにも手厚い給付を行いたいというふうに考えているところでございます。
 私どもが定期的に実施しております個人年金に関する市場調査というのがございますが、これにおきまして、郵便局の年金保険についてどういう商品あるいはサービスの実施を希望するかというものを聞きましたところ、大変多くの方が要介護状態になった場合に割り増し年金を給付する商品が欲しい、こういうお答えをちょうだいしております。例えば、昨年十月に実施をいたしました五年度調査で見ますと、今の回答をされた方は四三%にも達している、こういう状況でございます。こういうことから、今回、法律改正をして、この介護割増年金付終身年金保険を設けさせていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
 この年金保険の内容でございますが、具体的には、まず年金支払い事由が発生した日から被保険者の死亡に至るまでの間年金の支払いをする、これは終身年金一般の話でございます。それに加えまして、年金支払い事由発生日以降において被保険者の寝たきりあるいは痴呆などの特定要介護状態というものが一定期間継続したときには、その状態が継続している限り割り増し年金の支払いをする、これがこの割増年金付終身年金保険でございます。
 なお、委員お尋ねのその額でございますが、これはおっしゃいましたとおり、基本年金額の範囲内で約款で定めるということにいたしております。現段階ではこの額は五十万円ということで考えております。なぜ五十万円かというのはなかなか申し上げるのが難しいのでありますが、この五十万円という年金額を割り増しをつけることによって保険料は当然高くなってまいります。基本年金額と同額の割り増し年金額をつけると仮定いたしますと、年齢によりますけれども、大体一ないし二割ぐらい保険料が高くなるということがございまして、そう大きなものをつけても実際の需要との関係でどうなのかというふうに考えまして、さしむきは五十万円ということで出発したらどうだろう、状況を見ながらまだ考えていきたい、このように考えているところでございます。
#91
○岡利定君 次に運用関係ですが、指定単の運用制度の改善についてお伺いいたします。
 これについてのまず改正の理由それから郵政省が当初要求しておったのは簡保特別会計本体による指定単運用であったと聞いておりますけれども、これを行わないで運用寄託というスキームを設けるようにした理由というのは何かということ、運用寄託と事業団への貸し付けとはどう違うのかというようなこともお聞かせいただきたいと思います。
 これによりまして、簡保事業団のいわゆる利払い問題というんですか、信託銀行からの実績配当による収入と固定金利による利払いとの間のミスマッチが生じておる状態、そういう問題があるということですが、これが解決されるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#92
○政府委員(高木繁俊君) 今回、法律改正をお願いいたしております指定単運用関係の部分は、いわゆる利払い問題を解決しようという中身のものでございます。すなわち、現行制度のもとでは信託銀行から簡保事業団に支払われます信託配当というものが実績に基づいております。これは年々変動するわけでございますが、一方、簡保事業団から簡保本体への利払いというのは固定金利になっております。したがって、最近では簡保事業団において信託配当よりも利払いの方が高いという形での、委員おっしゃったミスマッチが生じているわけでございまして、これがいわゆる利払い問題でございます。
 このため、指定単の資産に簡保本体でも運用できる確定利回りの債券等も組み込んでいかないとこの利払いが着実に行われないというような問題であるとか、あるいはこの利払いのために短期的に利益を出すというような運用をせざるを得ない、こういう点がございまして、この指定単の運用も長期的な観点からの運用が非常にしにくい、こういう状況にあるわけであります。
 そこで、今申し上げました利払い問題を解決するために、私どもは平成六年度予算の要求の際に簡保本体による指定単運用を要求したところでございます。
 ただ、残念ながら財政当局の間で意見調整ができませんでしたのは、やはり国が元本保証のないものに直接金を使うのはどうか、こういう財政当局の非常な心配に基づく意見であろうと思いますけれども、既存の制度を維持すべきだ、こういう主張と、私どもの本体運用を求める主張が最終的に折り合わなかったと。こういうことで、最終的に、現行制度の大枠の中で実質的にこの利払い問題を改善することができる仕組みをひとつ考えようということと、もう一つ簡保事業団における指定単運用が本来簡保本体のための運用なんだということをもっと明確にするという意味合いから運用寄託という制度を導入することにしたところでございます。
 この運用寄託制度の導入によりまして、利子を従来の財投基準金利による貸付利率よりも低い利率にすることができる。低いと申しますのは、現段階で考えておりますのは株式の運用利回りプラスアルファ程度の、簡単に言いますと大体一%程度になろうかなと思っておりますが、こういう低い利率にいたしまして、かつ毎年この利率は経済状況を見ながら見直しをしていく、こういうふうにできる方式を取り入れることによりまして、先ほどから申し上げておりますような利払い問題というものは解決をされる、より長期的な観点から、そしてまたより有利な指定単の運用が可能になるというふうに考えているところでございます。
#93
○岡利定君 ぜひ有利な運用のために御検討いただきたいと思います。
 先ほど、高木局長のお話の中で、ことしの二、三月において一部商品の営業勧奨の抑制というんですか、販売抑制というものがあったということでありますけれども、私もいろんなところに行っている中で、直接お客と接する郵便局の方々の中で戸惑いといいますか混乱があったような気もしますし、またいい商品があるにもかかわらず余り売らない方がいいというふうなことでお客の不満もあったとかいうようなこともところどころで聞きました。
 こういう措置をとらざるを得なかった理由はそれなりに理解はできるわけでございますけれども、このような措置が営業の取り組みという格好で商品の勧奨を控えるというような形で行われたところにこの問題が生じたのではないかなというように思います。もっとはっきりと、その商品を売らないなら売らない。だから、商品を廃止するとか、あるいはその商品自体は廃止できないにしても条件が整うまでの間は制度的に一定期間発売停止をするというようなことがやれなかったのだろうかというようなことを思った次第であります。
 今になってからでございますけれども、この辺についてどのように検討されておるかお聞かせいただきたいと思います。
#94
○政府委員(高木繁俊君) この二、三月にとりました一部商品の販売強化と一部商品の積極的な販売抑制という措置につきましては、委員御指摘のように、現場段階でいろいろ誤解もございましたでしょうし、またいろいろなおしかりもちょうだいをしたところでございまして、いろんな面で私どもは教訓を得たというふうに思っているわけでございます。
 この措置をとるに当たりましては私どもはいろいろ考えました。その中に、例えば特定の商品について一定の期間お客様から加入したいという意思表示があってもお断りをする。例えば、約款を改正して、それを官報に掲示することによって仕組みの上で非常に明確にしてお断りをするという方法も、これは混乱を避けるためには一つあるのではないかということも実は考えたところでございます。
 ただ、そこまでやるのはどうなのだろうと。少なくとも国営の簡保事業として、入りたいというお客様がいて、現在商品があって、なおかつだめですということが本当に言えるのだろうか。あるいは民間の生保にいたしましても、一時払い養老でかなり販売停止に近いようなやり方をしていたやに聞いておりますけれども、これもいわゆるセールスマンとお客様との間のやりとりの中で御勘弁いただきたいというようなやり方をやっていたというふうに聞いているものですから、簡保事業の役割でありますとかあるいは国民に与える影響ですとか、こういうものを考えて、やはりどうしても入りたいという意思をお持ちのお客様は、心よくと言ったらちょっと変な言葉かもしれませんけれども、御加入いただこうと。そういたしますと、そのためにはやはり積極的な販売を郵便局の方からやるということは控える、こういう施策程度がよろしいんじゃないかというふうに考えまして今回の措置をとったところでございます。
 したがって、こういう施策を進める場合には当然郵便局によりあるいは職員によってお客様との対応が違っては困るわけでございまして、私どもが一番気にいたしましたのもそこでございます。そのために職員指導を十分に行い、お客様に御迷惑をおかけすることのないようにということで配意をしたところてございますけれども、残念ながら一部においてこの徹底が図られていなかったということもございまして、お客様に御迷惑をおかけした事例も発生したところでございます。今後の職員指導に当たりまして、この教訓を生かしてまいりたいというふうに考えております。
#95
○岡利定君 こういう事態は今後とも起こり得るものでございます。そういう意味で、ケース・バイ・ケースでしょうけれども、お客の立場あるいは現場で実際に仕事をする職員の立場に立ったやり方を今回の経験を踏まえてまたいろいろと御検討いただきたいことを要望しておきます。
 最後でございますけれども、大臣にお伺いいたしたいと思っております。
 大臣は、先日の所信表明の中で、簡保事業について、高齢化が急速に進展する中での国民の自助努力を支援するための簡保の役割が大切だというようなことで今回の法律改正の措置等もやるんだというようにお述べでございます。簡保につきましては、加えて金融自由化という問題もあるんじゃないかなと。銀行、信託、証券の分野の業務の自由化が去年の四月から実施されておりますけれども、保険の分野でも本格的な自由化の進展というのが予想されますし、簡保としてもこれに的確に対応していくということが必要になってくると思う次第でございます。
 このように、簡保事業を取り巻く環境が大きく変化している中で、今後のあり方について郵政大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
#96
○国務大臣(日笠勝之君) 金融の自由化が急速に進んでおりまして、先生御指摘のように、銀行が証券子会社を持つことができますし、また信託銀行の代理店になることもできるとか、非常に垣根が低くなってそれぞれの法律のもとで生きております。というのは、ユニバーサルということで一つの銀行で信託も証券もできるというわけじゃありませんけれども、相互乗り入れが子会社方式でできるという、非常に急速に金融自由化が進んでまいりました。生損保も聞くところによりますと来年ぐらいに垣根を低くして、子会社方式になるのか相互乗り入れ、どういうふうになるかはまだ聞いておりませんけれども、金融自由化が本当にどんどん進んでいくという中で、この簡易保険も大変な状況の中に今置かれていることは事実だと思います。
 しかし、簡易保険事業は、先生もおっしゃったように、もう全国あまねく二万余の郵便局を中心に保険・年金サービスを提供しておる、国民生活、経済に密着した、また福祉の増進という立場からも大変大きな役割を果たしていると存ずる次第でございます。
 これから高齢化社会がますます進展をしていく、平成五年現在で六十五歳以上の人口比率が、総人口に占める割合でございますが一三・五%、これが二〇〇〇年には一七%、二〇二〇年には二五・五%、四人に一人が六十五歳という、そういうふうなことが見込まれておる世界に類を見ない高齢化社会がもう目前でございまして、そういう中にあって、御存じのように公的な社会保障だけではどうなのかという国民の素朴な疑問もあります。ゆえに、こういう簡易保険であるとか個人年金とか、そういうものに期待をする方も非常に多いわけでございまして、まさにそういう意味では自助努力を支援する、側面からサポートしていくのが郵政省の大きな立場ではないかと思います。
 そういうことで、今後この国民の自助努力を支援するための新商品、新サービス、こういうものに積極的に取り組んでまいりたいし、また簡易保険の資金そのものが御承知のとおり社会資本整備とか地域振興を通じて豊かさが甘受できるような長寿福祉社会の実現に寄与しているわけでございます。そういうことを総合的に勘案いたしまして、先生のおっしゃるような方向に向けて取り組んでいく所存でございます。
#97
○岡利定君 ありがとうございました。
#98
○川橋幸子君 社会党の川橋と申します。
 大臣、御就任おめでとうございます。
 私は、きょうは後で質問に立ちます山田健一委員と分担しまして、簡保の方を主に担当して御質問させていただこうと思っておりましたが、今ちょうど同委員の方から大変いい質問がどっと出まして、私の用意したつたない質問を今さらもう一回繰り返すのもどうかと思うような気もするところでございます。そういうわけで、少し時間的にははしょりまして短目でお尋ねさせていただきたいと思います。本当に同委員の質問は、郵政省の隅から隅までよく知っていらっしゃる岡先生でいらっしゃるから、また素人がわからないところがわかるから、大変クエスチョン・アンド・アンサーがうまく組み立てられたもので、私も聞きながら大変参考にさせていただいて感謝しております。
 それで、一番最後に簡易生命保険の役割というものを高齢化社会の中でと、あるいは金融自由化の中でとそういう状況下の中での簡易生命保険の役割ということを大臣に岡先生がお聞きになられて、実は私はこれをトップに、しょっぱなに持ってきてお伺いしようと思っておりました。もうダブりますので、今大変いいお答え、大臣も研さんが進んでおられまして、郵政省を理解され、簡易生命保険に一生懸命取り組まれていらっしゃる姿勢がよく見えまして、繰り返していただくこともないと思います。
 ただ、一点お伺いしたいと思いますのは、民保との協力とか関係とかすみ分け、昨年一年間は郵貯と銀行との間で非常に熾烈な激論がありました。今は落ちついているようでございます。簡保につきましては、民保と簡保はそれほどシェア争いするようなそういう競合関係にないということなのかとも思いますけれども、民保と簡保とのすみ分けについては大臣どのような御所見をお持ちか、お答えいただければありがたいと思います。
#99
○国務大臣(日笠勝之君) 民間保険というのは恐らく営利というものを当然考えなきゃならないだろうと思うんです。ですから、保険金額も制限はございませんし、簡易保険の方はまさに簡易、簡便な、審査もない、国民あまねく平等、公平に加入できるという、民間の保険と簡易保険との違いというものがまずあるんだろうと思うんです。と同時に、簡易保険の方は、御存じのとおり、先ほど申し上げたように二万余の郵便局で全国津々浦々、小口の、まさに一市民、一国民の将来の一つの自助努力のための保険だろう、こう思います。
 そういう意味では、官民の役割というのは、大正五年でございましたか、この簡易保険ができて以来今日まで多くの国民に支持されてきたということが一つの事実でございますので、これから民間生保とともに一面では競いながら、新商品とか新サービスというところで競いながら、また一面では相補っていく、そういう役割をお互いが認識して国民の期待にこたえていくべきではなかろうかと、こういうふうに思っておるわけでございます。
#100
○川橋幸子君 ありがとうございました。
 私も、民間と違うのは非営利の保険であるということで、国民の生活保障サービスの自助努力を助けるといっても、やっぱり政策的な意図でもって運営されるそういう保険なんだろうと思っているところでございます。
 そういうことから考えますと、先ほど保険のセールス勧奨をやや手控えたというようなお話がありましたけれども、岡先生はやむを得ない事情があったというふうにお認めのようですが、私はどうもそういうときに公的な部分の役割というものがもうちょっとシビアに考えられていいのではないかなと。
 もちろん、これは安企業体でございまして、市場経済の中に入っている。国がただ経営主体であるというだけの事業でございます。健全運営をしなければいけないということではございますけれども、国営で非営利で、そして国民の生活保障サービスの何か空白部分ができないようなそういう下支えシステムが簡保のような気がするのでございます。もちろん、民保と違って保険金額もそう高くはないし、非常にささやかな生活保障サービスでございます。
 そういうことから考えますと、いかがでございますでしょうか、高木局長に伺いたいと思いますが、簡保の運営方針としてそこは手控えるようにということがあるかもわかりませんけれども、それは少し出血サービスをしてでも下支えをするという役割というものはもうちょっとちゃんと考えていただいた方がよかったように思いますが、いかがでございますでしょうか。
#101
○政府委員(高木繁俊君) 先生のお話の点を私どもも随分苦慮いたしました。
 ただ、今回の二、三月の措置につきましては、先ほども目的でありますとかあるいはその考えの途中経過についてもお話をしたところでございますけれども、簡単に言いますと、今のままで何も変えないで自然体で経営を続けていった場合に一体簡保事業はいつまでもつんだろう、こういうことも検討いたしました。内々の資料でございますのでこれは表には余り言っておりませんけれども、率直に申しまして何も変えないでいった場合には平成八年度までいくと事実上もう赤字になってしまう、こういう試算が得られました。
 したがいまして、決して好むところではないんですけれども、ある程度手控えると申しましょうか、経営のためになるような営業もしなければならない時期じゃないかということで、確かに多少乱暴な、そしてまた公的な存在というものに余り配意しなかったというふうに見えるかもしれませんが、そういう措置をとったところでございます。
 これをとりましたことによって少なくともしばらくの間は健全な経営ができるという見込みでございまして、健全な経営ができるということは、これはやはり長期的に考えれば加入者の方々に少なくともつぶれるだとか、あるいはそれに近い状態に比べれば大きな便益を提供できるだろう、そういうふうに考えて半分みずからを慰めているところでございます。
#102
○川橋幸子君 私も自信のある意見が持てるというプロではありませんので、ただ感想という意味で申し上げただけでございますから、きっと大変身を切るような悩ましい問題に対処されたわけで、その経験は今後に生かしていただければと思います。
 さて、ちょっと話を変えまして、今、日米包括経済協議の再開がされております。新聞等を拝見いたしますと優先三分野においては自主的措置をとると、三月二十九日段階でございますか、一たん細川前総理がアメリカに行かれてノーと言って帰ってこられて、その後で自主的な措置をとりますと、優先的な三分野では特に自主的な措置をちゃんととりますよというようなことを言われた。その自主的な措置の中に政府調達と保険と自動車・同部品と、三つのカテゴリーがあって、真ん中に保険というのがあるわけでございます。
 こういうことを記事で見ておりまして、その意味するところがよくわからないうちに、古い新聞記事を見ておりましたら、簡保もやっぱりどうやらこの保険には関連があるらしいという記事が目についたわけでございます。どういう記事であったかといいますと、簡保については第三分野の保険、つまり生保と損保という第一、第二をミックスしたような第三分野の保険。傷害、疾病、介護、このような第三分野への保険の本格参入を当面やめてほしいとアメリカ側が郵政省に要請したというような、これ記事でございますからその真偽のほどは知りませんが、そのような記事を見たわけでございます。
 そのあたりを局長の方から少し経緯を御説明いただきまして、今回の日米包括協議の中ではどのような、保険全体の決着については外交上の問題がいろいろあるのかもわかりませんけれども、簡保については少なくともどのような対応をなさるのか、お教えいただきたいと思います。
#103
○政府委員(高木繁俊君) この保険の問題は、委員おっしゃるとおり日米包括経済協議の中の優先三分野の一つでございます。この中身の基本は民間の保険分野に関するものということになっておりまして、日本側は主に大蔵省がその対応の窓口になっております。
 米国側の主張でございますが、これはもう新聞にいろいろ書いてございますけれども、端的な例を申し上げますと、例えばブローカー制度を導入しろと。これは、御承知のように、現在日本の生損保それぞれ会社別で専属のいわゆる外務員、セールスマンを持っておりますが、そうではなしにいろんな会社の商品を見繕ってお客様に最適な商品を勧めるようなそういうブローカー制度、仲立ち人と言っておりますが、そういう仕組みを入れたらどうか、あるいは商品とか料率の認可に当たってもっと弾力化すべきではないか、こういうようなことで、一口で申しますと日本の保険市場の自由化措置を求めてきているという中身でございます。
 ただ、一方で、先生もおっしゃいましたけれども、いわゆる第三分野、これにつきましては従来から外資系の保険会社が得意としている分野でございまして、いわゆるがん保険というようなものを売って外資系の会社が非常にシェアを持っているところ、こういう部分につきましてはいわゆる自由化というものをもっとおくらせてくれ、こういう要求が、主張が一部にあるわけでございます。
 この第三分野の自由化につきましては、平成四年の六月に大蔵省の保険審議会が答申を出しました。これからの保険業界の自由化についての全体的な構想を出したわけでありますが、その中におきましてもやはりこの第三分野については自由化をすべきである、ただしその場合には外資系会社の存在に配慮してやるべきである、こういうような答申を出しているところでございます。この審議会答申を受けて現在法制作業中でございまして、来年の通常国会あたりに保険業法の改正案というものが出そうな、そういう状況に現在ございます。
 それで、こういう動きの中で、特に第三分野につきまして、民間の第三分野についての保険制度改革が進んだ場合に、簡保も同じようにこの第三分野への例えは商品の拡大というようなものが出てくるんではないかということを米国側が大変心配をしたと申しましょうか、懸念を表明したところでございます。これ率直に申しまして米国側に多少誤解があるんじゃないかというふうに思います。
 つまり、民間の生命保険事業を規律する法律と、私ども簡保を規律する法律というのは全く別の独立した法律体系でございますので、その辺についての理解が余りなかったためにそういう懸念が出てきたのではないかなというふうに思いまして、私どもは米国側に今申し上げたような点を説明いたしまして、一応理解を得られたというふうに考えております。ただ、簡保部分については理解を得られましたが、先生もおっしゃいましたように、総体がまだ継続交渉中でございますので、余り表には出ておりません。
 ただ、こういう動きを受けまして、三月二十九日の対外経済改革要綱の中におきましても簡易保険としての自主的措置ということで項目を盛り込みました。具体的には、第三分野の商品を簡保が新しく導入しようという場合には外国の保険会社と十分な意思疎通を図りますということを明確にしたと、こういうことでございます。
#104
○川橋幸子君 簡保については誤解があったらしいと、よく説明したらわかってくれたというお話でございます。そうすると、わざわざ自主的措置なんてものをここに掲げなくたって、あなたそれは誤解ですよ、わかりましたねと、じゃ、この件は一件落着、包括協議の対象事項ではありませんねと、そういうことにはならないで、やはり両方意思疎通をよくとるということが大事なことでございましょうか。
#105
○政府委員(高木繁俊君) 対外経済改革要綱をまとめるときの考え方の問題であろうと思いますが、やはり米国に対して意見が合致した部分についてはすべて盛り込んで一たん整理をしよう、こういう観点から考えますと、今申し上げたような点も、まあ先生からおっしゃるとささいなことかもしれませんけれども、入れておいた方が将来的に紛れがない、こういうことで取り込まれたものというふうに私は考えます。
#106
○川橋幸子君 ここに書かれたのがけしからぬという意味ではないのですけれども、全体としてこの新聞記事に書かれた記者の人たちの判断が私にも伝わってくる。別にそれに影響されてそうなったというわけじゃないんですが、私もやはりアメリカ側の言い分というのはかなり御都合主義のところもあるんじゃないかなと内心思うわけですね。例えば、生保本体についてブローカー制度を入れろとか、それから認可を弾力的に、規制緩和をしろと言いながら、第三の分野については規制を解かないで今のままでしばらくやっていてくれと、こういう相矛盾する話なわけでございますね。
 それで、これから先申し上げることは大変杞憂ということなんだろうと思います。まれに悩むことでそんな心配要らないよとおっしゃることなのかもわかりませんが、申し上げさせていただきたいことがございます。
 例がちょっと悪いかもわかりませんけれども、細川前総理がノーと言って格好よくお帰りになった後でモトローラの事件があった。何となく私ども外から見ますとツケを回されたような感じがいたしまして、郵政省はあるいは被害者でいらっしゃったのではないか、こんな感じに思うわけでございますのできないことはできないといってノーと言ったことがよかったのか悪かったのか、そういう評価も、両方の評価があるだろうと思います。
 それから、日米関係というのは非常に重要な関係でございますので、意思疎通は十分やらなければいけないということもこれまた当然のことでございまして、さまざまな日米間の経済協議が円満に決着することがよいのではないかと思います。被害者でいらっしゃったかもしれないと申し上げながらも、もう少し別な対処の方法というのがおありだったのかなかったのかわからないままにこういうことを申し上げて申しわけございませんが、私はやっぱりできないところもあるのではないか。ただ感想だけ申し上げさせていただいて終わりたいと思います。
 もし、私の言うようなことが大変むちゃなことであれば、またどうぞおっしゃっていただいて結構でございます。
#107
○政府委員(高木繁俊君) モトローラについて私は申し上げる立場にはないわけでございますが、今回の保険の関係について申し上げるならば、法律改正をやって新商品を導入する場合には事前に予算折衝の過程で私ども大蔵省といろいろ折衝をするわけでございますが、その中で民間の保険会社の意見も入ってまいります。したがって、折衝過程の中で民間の保険会社の意見も聞くチャンスがございますし、できる限りにおいてそれを尊重している、こういう形になっております。そしてまた、実際はかに直接民間の生命保険会社等と意見交換をするという場もございまして、現実にやっております。
 したがって、今回の措置は、先ほど申しましたように、そういう場をこれからも外国系の保険会社に確保するという中身でございますので、いわば実効上、従来からやってきたことを文章の上で明確にした、こういう中身でございまして、できることをできると言った、こういう中身でございますので、この点については御理解賜りたいと思います。
#108
○川橋幸子君 どうも知識が十分でなく、理解が十分でもない人間が意見を言うと、また意見を言えるような立場にないのかもわかりませんが、でもここは幸いにそちらに知識、学識のある方々が答弁くださる、こちらは質問すればよいという形になってございますので、あえて言わせていただいたつもりでございます。
 それでは、本論のまた簡保の方の改正に入りまして、加入者福祉事業についてお尋ねさせていただきたいと思います。
 昨年、かんぽ健康増進支援事業というものが法改正で新たに設けられまして、きっとそれは法改正のときに予定されたような事業が着々と実施されているのではないかと思いますが、そうしたソフトの支援事業のほかに、一つ加入者福祉事業の中では目玉とも言われておりますのがカーサ・デ・かんぽという介護サービスつきの施設でございます。
 資料もちょうだいいたしましたんですが、ちょっと資料が見当たらなくなって数字を申し上げられなくて恐縮でございますが、大変カーサ・デ・かんぽの場合の利用状況はよろしい、しかも待機していらっしゃる方がウエーティシグリストにたくさん載っていらっしゃるというようなことがわかるわけでございます。
 そういうことから考えますと、今回、介護割り増し年金つきの新商品を設けられたことは大変いいことだとは思いますけれども、金銭的な面のバックアップよりもむしろ現物給付型の保険サービスというものが簡保に対する一般国民の期待としては大きいのではないかと思いますが、このあたりいかがでございましょうか。局長にお答えいただいて、その後、もし大臣何か所信がおありでしたら続けてお答えいただければと思います。
#109
○政府委員(高木繁俊君) 高齢化社会が進みますと当然寝たきり等の状態になる人もふえてくるだろうというふうに考えられるわけでございます。こういう場合の給付につきましては、御指摘のとおり金銭の給付だけでなしにいわゆる現物サービスと申しますか、介護サービスを提供するということもまた考えられるところでございます。
 しかし、こういう現物給付サービスを提供するということになりますと、その前提として介護施設でありますとか介護人を確保しなければならない、あるいは介護に関するノウハウもやはり必要であるというようなことで、介護サービスを広範にかつ長期的に提供する社会的な体制が必要であろうというふうに思うわけでございます。
 郵便局の場合は全国津々浦々にございますので、ある地域ではこのサービスが提供でき、またあるサービスが提供できないということになるのはちょっとぐあいが悪いと思いますので、基本的にはできるだけ幅広いサービス提供体制が必要だろうと。そういたしますと、現在の段階で簡保として直ちにそういう商品の開発をするという段階にはまだないなというふうに思っているところでございます。
 先ほど名前が出ましたカーサ・デ・かんぽ浦安でございますが、これにつきましては簡保事業のパイロットプランとして設立したところでございまして、この加入者ホームで寝たきり老人とかあるいは自力で入浴困難な方に対して巡回入浴サービスというようなこともやっております。ただ、浦安本体ではまだ介護を要するようなケースが発生していないということもございまして、こういう実際のパイロットプランの中での実情を見ながら、介護サービスのあり方であるとか、あるいはこれが事業経営にどういう影響を与えるのかということを考えながら開発の可能性について研究してまいりたいというふうに思っております。
#110
○国務大臣(日笠勝之君) 現在、厚生省の方でゴールドプランを実施中でございまして、ホームヘルパー十万人とか、これを前倒しでいこうというようなことで今充実をしようとしております。
 その中で、簡保独自でこういうパイロットモデル事業のようなものを全国展開していくかどうかということにつきましては、今後もう少し新ゴールドプランのできぐあい、進捗ぐあい、こういうものも勘案しながら、どういう形でサポートできるのか、こういうふうなことは今後研究課題とさせていただければと思っております。
#111
○川橋幸子君 将来に向けての課題ということでお取り組みいただければ大変ありがたいと思います。
 最後に、簡保を外れまして郵貯なのでございますが、やはり福祉に関係のある質問でございますので、一問質問させていただきたいと思います。
 福祉定期預金というものでございます。
 ことしの二月、一年間延期が決まっておるわけでございますね。ことしの二月だけかと思ったら、この資料を拝見しますと、今までいつも期限切れが参りますとすったもんだの大変な労力を重ねられて小刻みに小刻みに、なくすわけにいかなくてここまでやってきているわけでございます。それから、高齢化社会の中で、福祉の費用ということから税の改正の問題も出てきておりますし、年金改正の問題も出てきております。
 そういうときに弱い方々にどのようなサポートの手を差し伸べるか、そちらの方をまた考えなければいけないということだと言われているわけでございますが、この福祉定期預金というのもそのように考えられる商品のように思います。毎回毎回、その都度大騒ぎするのではなくて、制度的に確立することに御努力いただけないものかどうか、最後にお尋ねして、もしよろしければ大臣からお答えをいただいて終わりにします。
#112
○国務大臣(日笠勝之君) 私も野党時代に先生と同じようにこの福祉預貯金は期限を延長するようにということを主張してきた一人でございます。おっしゃるように、結局毎年のように期限切れが来ると延長していく、また期限が来ると延長していく。まさにこれは国権の最高機関である立法府で先生のような方々、いろんな各方面からの御意見、御質疑があった結果が結論としてそういうふうになっているんじゃなかろうか、このように思います。
 御存じのように、現在、福祉定期預貯金の対象者、いわゆる老齢福祉年金とか障害基礎年金とか遺族基礎年金などの受給者は約五百四十万人いらっしゃいます。今、郵便貯金と民間の金融機関、これは本年四月末現在でございますが、一人で重複する場合もあるでしょうけれども、延べで八十二万人ぐらいの方しかまだ加入といいましょうか、預け入れをされていないわけなんです。まだ十数%の方しか加入されていない。預け入れております金額も、郵便貯金ですと一件当たり百八万円、民間の方でも百三十一万円。三百万円という上限があるにもかかわらず、まだ高いっぱいまでいっていない方がほとんどである。
 こういうことを考えますと、とりあえず今は四・一五%の利率でございますが、当面はいかにPRをするか、五百四十万の方がいらっしゃって、まだ十数%の方しか入っておられない。そういうことで、当面はしっかりいろんな政府広報また郵政省独自のPRを通じまして、利用状況が活発化するように最善の努力をしていきたい、このように考えております。
#113
○山田健一君 山田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 日笠大臣におかれましては、大変大きな時代の今まさに転換期の中でこの郵政事業なり電気通信、放送、大変大きな、重大な使命と役割を担っておる立場ということで大臣に就任をいただきました。こういう時代でありますだけに、ぜひひとつ頑張っていただきたい、このように思っております。
 私は郵貯の関係について質問したいと思いますが、先ほど加藤委員の方からかなり総まくり的に質問がなされましたので、多少角度を変えて私の方から質問させていただきたいと思います。
 その前に、今回の郵貯法の改正の中にもありますが、郵貯特別会計の金融自由化対策資金の運用範囲の拡大ということが今回盛り込まれておりますが、この自由化対策資金の運用の範囲の拡大、それから運用対象を多様化していくということも今日まで一つの大きな課題として実はあったわけであります。特に、ことしは大臣も連立与党の予算のチームで大変御苦労いただいて、本当に汗を流していただいておったわけであります。郵貯の地域への還元、地方公共団体、第三セクターへの融資ということで今回郵政省としても新規に要求していただきましたし、実はこの重要性、意義というものについては改めて申し上げませんけれども、私たちもプロジェクトチームをつくって何とかこれは実現をしたい、こういうことで取り組んでまいりました。
 この委員会におきましても、これはもう衆参の逓信委員会で昭和六十二年以来累次にわたって附帯決議がつけられてきておりまして、何とか実現をしたい。特に、こういった地方公共団体や第三セクターということで、かなり公共性の高い事業へ融資をしていくというところに活路を切り開いていきたいということを我々も念願をしておったわけですが、残念ながら今回認められなかったわけであります。
 いろいろ折衝の過程で問題等あったんだろうと思いますが、今回の要求に対して認められなかった理由は一体どこにあったのか、そしてまたどこがネックになっておるのかということがわかれば、これは大臣あれでしたら、まず局長の方からでもお答えをいただきたいと思います。
#114
○政府委員(山口憲美君) 交渉の関係でございますので、まず私の方から御説明させていただきます。
 郵便貯金資金の地域へのいわゆる直接還元という問題でございますが、これは繰り返しになって恐縮でございますけれども、いわゆる郵便貯金の資金というものが全国津々浦々から集められた資金だということから、やはり地域の資金ニーズにこたえて直接地域に還元するということが非常に資金の活用方法として好ましいものであるということ。それからまた、借り手側の地方公共団体等にとっても新たな長期安定的な資金調達ルートが開けるということで非常に歓迎されるべき性質のものであるということ。それからまた、郵便貯金という立場からも、いわゆる金融自由化対策資金の運用として運用対象が多様化するということで非常にメリットが大きいというふうな観点がございますし、またさらには昭和六十二年以来衆参両院から政府に対してその実現を求める国会決議がなされているという背景もございまして、平成六年度につきまして何とかこれを実現したいものだということで大変力を入れて対応してきたところでございますが、今先生御説明のとおり、実現するところにまだ至っていないということでございます。
 郵政省といたしましては、この政策の必要性を強く主張いたしまして、かなりハードな折衝を続けたのでございますが、大蔵省の主張はいわゆる国の政策融資の二元化につながるということでございます。郵便貯金資金というのは、資金運用部を通じ、そして財投という形で地方には還元されているじゃないか、それに加えて金融自由化対策資金が地方に融資をするというのは国の政策金融の二元化になるということで非常に大きな制度問題であるというふうなとらえ方。それからもう一つは、既に財投を通じた地域還元で十分に郵便貯金資金というのは地方に還元されているんだというふうなことで、地域の資金ニーズに対して郵便貯金としては十分こたえているじゃないかというふうなこと。この制度論、実態論の二つからなかなか議論がかみ合いませんで、残念ながら未調整に終わったということでございます。
 これまでも山田委員を初め多くの先生方からお力添えをいただいてやってきている問題でございますが、残念ながら今回もまたうまくまいりませんでしたけれども、引き続き私どもとしてはこの実現に努力していきたいというふうに考えておりますので、お力添えを賜り、また御指導いただきますようによろしくお願いする次第でございます。
#115
○国務大臣(日笠勝之君) この件につきましては、今先生御指摘いただきましたように、連立与党として予算編成の段階で大変多くの逓信委員の方々を中心とする皆様から御要請をいただきまして鋭意取り組んだわけでございます。
 そこで、郵政省の局長、当時まだ私郵政省側にいませんでしたから、局長の方に、実際地方自治体等々から要請が来ていますか、地方自治法九十九条二項によりまして議会で決議をして関係の省庁へこれは提出することができます、ですから本丸を落とそうと思えば外堀から行かなければいけないんじゃないでしょうか、三千三百ある市町村がそれぞれの議会でその必要性を感じて、そして地方自治法九十九条二項にのっとっていわゆる決議書、要請書を送るというところ、そのあたりからこの辺の重要性というものがだんだんと国会内外を通じて認知されていくんではないでしょうか、このように申し上げたところでございます。
 私も一個人として地元の市町村等々に呼びかけて、先ほど申し上げたような手法で世論を喚起しながら鋭意この問題については取り組んでまいる所存でございます。
#116
○山田健一君 ありがとうございました。
 それで、今どこにネックがあるのかということでお尋ねをして、大蔵省の言い分、これは今おっしゃいましたね。一つは、政策融資二元化になるということと、もう既に財投を通じて十分公共団体に渡っておる。これに対して郵政省としてどういうふうにきちっと話をされているのか。
 それと、今大臣からも御指摘がありましたが、これは私の資料ですが、これは平成五年の九月ごろですか、例の自治体の決議ですね。全国で三百八十二団体という数を私は今資料としては持っておるのでありますが、言われましたように、三千三百の自治体がある中で、どういう自治体のそういった決議を生かしていくのか。まだまだこれは全体状況からいえば一部だというふうになるんでしょうけれども、その辺の郵政省側の一つの対応の仕方、そして今大蔵から言われているいわゆる二つの主な理由、これに対して郵政省としてどう対処されているのか、そのことと今の地方自治体の決議に対してのこれからの対応ということについて、あわせてお尋ねをしたいと思います。
#117
○政府委員(山口憲美君) まず、決議の方からお話しさせていただきますが、決議につきまして今先生数字を三百八十二団体というふうに申されましたけれども、私どもも三百八十二団体にいただいております。私どもは地方の皆さん方がそういった資金ニーズを持っておられるということは確実だというふうに思っておりまして、したがいまして今そういうものが形になってあらわれてきていないということじゃないかというふうに思っておりますので、今三百八十二団体いただいておりますけれども、さらにそういった声が目に見えるような形に持っていけるように努力をしていきたいというふうに考えております。
 それから、制度論の方のお話でございますが、これにつきましては、私どもが要求しているのは政策金融をやりたいというふうに申しているわけではございませんでして、自由化対策資金の運用対象の一つに加えてほしいということを申し上げているわけでありまして、いわば民間ベースといいますか、民間と同じような立場でもし資金のニーズがあるのならおこたえをしていきたいと。ただし、その場合にもなるべく有利な、市町村の皆さんに借りていただきやすいような形で融資をしていくということにはなりますが、そういったいわゆる政府ベースの融資ということではなくて民間ベースの融資という形でいくということでありまして、制度論として矛盾するものではないというふうに私どもは御説明をしているということでございます。
 いずれにいたしましても、すれ違いの議論にばかりなりましてなかなか進展しにくいところでございますが、自治体の要望というふうなものを、今大臣からも御示唆いただきましたけれども、もっと大切にしていろいろ形のあるものにしていくことが必要かなというふうに考えている次第でございます。
#118
○山田健一君 これは我々にとっても課題だというふうに受けとめておりますので、引き続きひとつ我々も努力をしたいと思いますし、ぜひ頑張っていただきたい。
 とりわけこういう状況の中で、地方自治体あるいは第三セクターというふうに言っておりますが、自治体にあってもそういった資金ニーズというのはやっぱりちゃんとしたところからぜひ欲しい、民間の場合もいろいろありますから、特に法律的にも郵貯の中に地方債の一項目入っているわけですから、いろんな事情があるんだろうけれども、そこら辺はきちっと地方自治体の声にこたえていくということにぜひ我々も努力をしていきたいと思いますので、よろしくひとつお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、郵貯に関連をいたしまして、今回の金利の自由化でございます。
 四月八日の郵政、大蔵の合意に至った経過、経緯について先ほど御説明があったわけでありますが、今回の中身的には今日まで大変難航したいろんな議論の中で結果として痛み分け的な部分もあるんではないか。民間に連動していくという部分ではかなり入れながらも、結果的には一%金利的に上乗せを獲得したという格好になるんだろうと思うんです。民間の金融機関の方は大変不満が残った内容だということで、見直し協議の中でもう早くもこのルールの見直しを求めていくというようなことまでいろいろ今伝えられているわけでありまして、郵政省側として今回のこの合意の中身についてどう受けとめておられるのか、その評価について、これは大臣の方からでもお願いいたします。
#119
○国務大臣(日笠勝之君) 金利の自由化は昭和五十四年度の譲渡性預金、CD創設からスタートしておりまして、本年で十六年目でございます。この流動性預貯金の金利自由化に関する合意がなされたことは、その間非常に長い間の歴史がございまして、まさにラストステージであるわけでございます。
 郵便貯金法第十二条には、市場金利を勘案するということとか預金者利益の確保であるとか、またあわせて民間の預金金利にも配慮するという三点が調和した内容となっておるわけでございます。金利自由化の完了に当たりますラストステージでありますこの流動性預貯金の自由化を機に、私どもとすれば、郵便貯金を含めた金融機関がそれぞれの立場で相補い、相競い合っていく中で多様化する国民のニーズに対応していくことが肝要であろうと思っております。
 四月八日の大蔵省との合意につきまして、一部の民間の金融機関からいろいろ声が聞こえてまいりますけれども、とりあえずこの法律を通していただきまして、そして金利を定め、十二月にもう一度協議をする、こういう方向で第一歩を記させていただきたい、かように思っておるわけでございます。
#120
○山田健一君 先ほども御指摘があったんですが、十二月の協議というものが今大臣からもくしくも答弁がありました。これは十月一日からスタートするということで、今回のこの合意の中には見直し協議、十二月の末にもう一回協議をする、こういうことになっておるようでありまして、年末には再度また協議をすると。
 それは、確かに十月からスタートをしまして、先ほどもおっしゃっていましたけれども、実際に自由化になってみないとどういう金利の設定に民間が踏み込んでくるのかわからない、どういう商品が予定をされておるかわからない。確かにそれはそうだろうと思います。しかし、十月からスタートして、年末に予算の時期もあるからということでさっきもおっしゃっていましたが、この十月スタートで、年末にさらにもう一回見直し協議ということになってくると思うのであります。
 そこで、ちょっとはっきりさせておいてもらいたいのは、この今回の合意の中身、ルールまで含めて見直し協議に入っていくのかどうなのか。ただ、どうも先ほど貯金局長の話を聞いていますと、いや、まあちょっとお話をしましょう、十月からスタートしていろいろあるでしょうし、ちょうど予算の時期にもなるから窓口はあけていろいろ御相談しましょうというぐらいの話になるのか。この年末の協議、これについていわゆるルールまで踏み込んでいった協議となっていくのかどうなのか、そこのところをちょっとはっきりさせておいてください。
#121
○政府委員(山口憲美君) 十二月の見直しというのが大分大きな話題になっておりまして、私たちもむしろびっくりしているというふうなことでございます。
 一つは、十月実施ということで十二月というのは非常に近いということなんですが、実はこれは合意をしたのが大分前なものですから、十二月ごろには金利の状況がどんなふうに変わってきているか、そのほか民間でもいよいよ自由化ということになれば新商品を何かつくろうというふうな動きが出てくるとか、いろいろ準備をされますから、かなり我々が予想できないような動きというのがあるんじゃないかなというふうなことも考えまして、もし状況に大きく変化があって何か話でもしなきゃいけないというふうなことであれば、これはお互いに聞く耳持つことにしましょうと。
 これは別に私どもの方が常に被害者ということじゃございませんで、被害者という言葉はちょっと適当じゃありませんけれども、双方、状況の前提が変わっできますとやはり制度そのものがうまく機能しないというふうなことにもなりますので、一応お互いに聞く耳は持とうというふうなお話でございまして、今何かこれまでやってきた協議のようなものをまた御破算にしてやり直すようなそんなふうな感じだとすると、ちょっと私どもが考えているのとは違うということでございます。
 ただ、環境の変化、状況の変化を踏まえて常に見直しをしていきましょうと。さしむきのところ十二月が予算の時期でもあるので、そのときにちょっと状況というのをひとつ点検してみましょうかと、こういうふうなことでございます。
#122
○山田健一君 その点は、じゃそういう形で理解をさせていただきます。
 それからもう一つ、やっぱり民間のサイドからいろいろ指摘をされておりますいわゆる金利差による将来資金シフトが起こるんではないかと。これはずっと前から言われてきておることなんでありまして、先ほども一%の差を設けた根拠は何かということについて、従来もそうであったが、約一%ぐらい金利差があったと、これを維持していこうということになったんだという御説明をいただいたわけであります。普通預金と通常貯金ですからかなり違うのかもしれませんが、この資金シフトの問題については、これから自由化がこの十月一日から完全にある意味ではスタートしていく、そこら辺を踏まえて中長期的に見た場合に郵政省としてどのような見通しを持っておられますか。
#123
○政府委員(山口憲美君) これは、先ほど御説明いたしましたように、事金利に関しましては従来からの実績、実績と申しますのは資金シフトといいますか、資金の集まりぐあいというふうな実績でございますが、大きく資金が動いているというふうなことはございませんでしたので、やはり民間の普通預金と通常貯金のバランスというものは金利の面でいえば一%程度というのは妥当な線かなというふうに考えておりまして、そういった意味では今回の合意で資金がどちらかに振れるというふうな形を前提にしているものではないというふうに考えております。
 ただ、これから普通預金、流動性預金というのは単に金利だけではございませんで、やはりサービス面というものが非常に影響してくるというふうなことでございまして、そういった意味ではこれからは金利というよりもサービス合戦というふうなサービスのやり方、その中身、そういったものがかなり大きく影響してくるんじゃないかというふうに考えておりまして、私どももそういった意味では負けないように、ひとつお客様に使い勝手のいい流動性預金というものにしていかなきゃいけないというふうに考えておるところでございます。
#124
○山田健一君 確かにおっしゃるとおりで、私も、金利の問題というよりも、確かにそれは大事なポイントではあるわけですが、これからのサービス、それから商品性の問題、これがやっぱりこれから大変な、特に民間は民間でいろいろ独自に開発をしていくということになろうと思います。
 それに対して、じゃ一体どう対応していくのかということで、今おっしゃいましたように、これから自由化後のとりわけ郵貯としての今後の商品性の問題とかサービスのあり方、特に郵貯の性格からいって小口の方々を含めて利用者の立場に立ったこれからの商品の開発のあり方、こういうものもこれから真剣にやっぱり取り組んでいかなければいけないだろう、こう思っておるんですが、この点についてどういうふうにお考えでしょうか。
#125
○政府委員(山口憲美君) 郵政省といたしましては、今後、自由化が完了いたしますので、預金者に金利自由化のメリットを実感してもらうというふうなことを基本といたしまして、やはり商品、サービスの改善を図っていく、こういうことであろうというふうに考えております。
 今、具体的に少し申し上げさせていただきますと、一つは中長期の預金、今三年までですが、これを超えた中長期の預金というふうなもの、あるいは金利のつけ方に変動金利というふうなものを導入するというふうなこと、それからこれはセカンドライフ貯金というふうなことで予算の中でもお願いしているんですが、いわゆる日々の生活設計に合わせて受け取り方法で選択をできるような特徴のある貯金というふうな、こういったものが今さしむき私どもとして手がけてみたいなというふうに思っている具体的な商品でございます。
 いずれにいたしましても、私どものサービスというのは法制上の制約というふうなものがございまして、一々いろんな方にお諮りをしなきゃならないというふうな制約はございますけれども、商品開発あるいはそういったものが預金者のニーズにこたえるものになるように努力していきたいと考えております。
 なお、現在、学者の皆さん方にお集まりをいただきまして、商品設計でありますとかサービスのあり方につきまして、自由化のもとでどうしたらいいのかというふうなこともいろいろ御審議をいただいて、前向きに対応しているつもりでいるところでございます。
#126
○山田健一君 今そういう形で取り組みをいただいておるという報告をいただきましたが、例の貯蓄貯金、おととしですか、通常貯金の市場金利連動型商品、三十万円型と十万円型ですか、二種類あるわけですが、これどうも聞いてみますと、これは統計がないということで推計で約四百五十億円、残高が、トータルで。極めて利用度が低い状況にあるわけで、どうなんですか、これは官民共通でつくったわけですが、これからやっぱり改善をしていく必要があるのかなという気がするんですが、これはどうでしょうか。
#127
○政府委員(山口憲美君) 御指摘の通常貯蓄貯金につきましては、確かに御利用は低い、今お話しのように残高四百五十億円でございまして、通常貯金全体が十二兆五千億円ですから〇・四%程度ということでございまして、流動性預金の一つの柱というにしてはちょっと弱過ぎるということでございます。
 そこで、私どもは昨年の十月に最低残高制限額の引き下げをさせていただきましたし、それからいわゆる通常貯金との間でスイングサービスができるようにというふうな形でのサービス改善をいたしまして、その後の推移を今見守っているというふうなところでございます。
 いずれにいたしましても、貯蓄貯金の金利につきましてはこの十月から自由化するということでございますので、まずは民間の皆さん方も含めてですが、自由化後の金利の設定状況がどういうふうになるのかというふうなこと、それからまたそういった金利を受けての利用動向がどういうふうになるのか、あるいはまた民間の金融機関の商品設計というふうなものがどう変わっていこうとしているのかというふうなことも踏まえながら、ひとつ私どもももう少し利用していただきやすい商品性の改善についていろいろ検討していきたいというふうに思っているところでございます。
#128
○山田健一君 それと同時に、自由化ということになりますと、今度は逆に言うと預金者なり貯金者が一つの商品を選ぶ、選択をするということになれば、今度は逆に預金者なり貯金者みずからがその商品選択に責任を負わなきゃならぬ、逆に言えばこういう時代だと思うんです。それだけに、ある意味では預貯金者に対する、特に貯金者ですね、郵貯の関係でいえば。自由化、さらにはその後に向けていろんな商品、サービス含めての情報提供ということが非常に私は重要になってくるんだろうと。
 特に、小口の貯金者に対して的確なやっぱり情報を提供しながらアドバイスをしていく。その意味では、ファイナンシャルアドバイザー制度ですか、FA制度というのが設けられているようでありますが、そのことが本当に重要になってくるのかな、その活用をしっかりしていただきたい、こういうふうに思っているわけです。ただ単に商品とかサービスをアドバイスするというんじゃなしに、やっぱり地域密着型の、それぞれのライフスタイルにぴしっと合ったような形のアドバイスができるような、やっぱりそういう制度というものにしていって、その本来の役割、使命を果たしていくということが必要なんじゃないかと思うんですが、そのことについてどうでしょうか。
#129
○政府委員(山口憲美君) この点は委員の全くおっしゃったとおりだというふうに思います。といいますのは、実はフィナンシャルアドバイザーの通信講座というのを私ども今始めているわけでございますが、始める前に、こういうものをやっても本当にみんな受講してくれるのかなという若干不安を持っていたわけでございますが、実際に開いてみましたら、もう郵便局の職員の皆さんがわっと応募されまして、大変びっくりいたしました。
 それは何かといいますと、やはり窓口あるいは外務員の皆さん方がお客様と接しておりますと、従来のような形だけではなかなか仕事にならないということでございまして、やはりライフステージに応じた資産形成だとか運用についていろいろ商品が多くなっている、そういう中でどう選択したらいいかということを非常に今利用者の方が悩んでおられる。そういったものに対して一言も言えないということでは仕事にならないというのが現場の実態だということでございまして、それを反映したのが応募の状況だったということでございます。
 そういった意味で、私どももこういったコンサルティング機能というものが非常に大事だと。金利の動向でありますとか金融商品、あるいは年金の関係、税金の関係、こういった知識の付与ということが非常に大事だというふうに考えておりまして、この通信講座のほかに各種の教育の機会をつくりまして、職員に対してそういった能力の付与をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#130
○山田健一君 最後でありますが、日笠郵政大臣に基本的な決意なりお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
 先ほどからありましたように、いよいよ十月でもって一連の自由化が完了するという、まさにそういう新しい一つの時代を迎えようとしておる。そういう状況の中で、今もお話がありましたように、さまざまな商品性、サービスの問題等々含めて、あるいはまた金利がどういう形でこれから動いていくのかということもやっぱり大きな関心になってまいります。もちろん郵貯の経営といいますか、そこのところも大事な問題あると思うんですが、郵貯のそういった今後の時代に向けてのあり方についての基本的なこれからの取り組み方でも結構ですから、決意をぜひお示しをいただき、そのことによって私の質問を終わりたいと思います。
#131
○国務大臣(日笠勝之君) 今後、金融の自由化というものが進展をしていくことは御承知のとおりでございまして、その片方、いわゆる民間金融機関では補えない、例えば小口の取引であるとか、また不採算地域の利用者の利益等々は、これは損なわれるということも想定されるわけでございます。
 このような中で、独立採算、国営・非営利ということでの郵便貯金事業というものは、今後金利自由化の中で経営努力を大変必要とされることは御案内のとおりでございます。しかし、これらを克服していかなければ個人や地域の利用者の利益に十分配慮したことにはなりません。
 今後とも、郵政省といたしましてはあまねく公平ということをモットーにいたしまして、先ほど申し上げました郵便貯金法のあの三点の調和ある観点から、郵便貯金の基本的な使命が達成されるように鋭意努力をしてまいる所存でございます。
#132
○山田健一君 終わります。
#133
○委員長(森暢子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(森暢子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより三案について順次採決に入ります。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#135
○委員長(森暢子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律及び簡易保険福祉事業団法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#136
○委員長(森暢子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 岡野裕君から発言を求められておりますので、これを許します。岡野君。
#137
○岡野裕君 私は、ただいま可決されました簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険の積立金の運用に関する法律及び簡易保険福祉事業団法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議の各派及び各派に属しない議員鈴木栄治君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を読み上げます。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険の積立金の運用に関する法律及び簡易保険福祉事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、長寿福祉社会の実現と金融自由化への適切な対応を図るため、次の各項の実施について、積極的に努めるべきである。
 一、簡易生命保険は、簡易に利用できる国営の生命保険として、国民の自助努力による経済生活の安定向上に役立てるため、今後とも、国民のニーズに即した商品の開発充実、加入限度額の引上げなど制度の改善を図るとともに、加入者福祉サービスの一層の充実に努めること。
 一、簡易生命保険の積立金は、加入者に対する将来の保険金・年金の支払のための原資であることを十分に認識し、その確実かつ有利な運用に努めるとともに、リスク・ヘッジ手法の一層の充実、より効果的な分散投資を可能とするための運用対象の多様化等資金運用制度の改善を図ること。
 一、国民の自助努力を一層支援するため、生命保険・個人年金に係る税制上の支援措置の充実を図ること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
#138
○委員長(森暢子君) ただいま岡野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#139
○委員長(森暢子君) 全会一致と認めます。よって、岡野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、日笠郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。日笠郵政大臣。
#140
○国務大臣(日笠勝之君) ただいま簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律及び簡易保険福祉事業団法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
#141
○委員長(森暢子君) 次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#142
○委員長(森暢子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 山田健一君から発言を求められておりますので、これを許します。山田君。
#143
○山田健一君 私は、ただいま可決されました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議の各派及び各派に属しない議員鈴木栄治君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、この法律の施行に当たり、金融自由化の進展等。郵便貯金事業を取り巻く環境変化に対応するため、次の各項の実現に積極的に努めるべきである。
 一、預貯金金利の自由化が完了することにかんがみ、国営・非営利の郵便貯金の金利決定に当たっては、引き続き金利自由化のメリットを広く国民が享受できるよう特に配意するとともに、小口預金者にも適切な金融情報が提供されるように努めること。
 一、金融・経済環境の変化に的確に対応し、郵便貯金資金の一層有利で安全確実な運用を図るため、金融自由化対策資金の運用対象の多様化を行い、全国各地から集められた郵便貯余資金を直接地域に還元できるようにするなど、資金運用制度の一層の改善・充実に努めること。
 一、多様化する国民利用者のニーズに対応するとともに、国民の自助努力を支援するため、老後生活の充実に資する商品・サービスの開発や預金者貸付制度の改善など、引き続き利用者の利便向上に努めること。
 一、権利消滅金については、もともと預金者の大切な貯金であることにかんがみ、消滅を防止する方策をより一層推進するとともに、その使途に関しては、資金の性格に十分配意し、国民利用者の理解が得られる施策の検討を進めること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#144
○委員長(森暢子君) ただいま山田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(森暢子君) 全会一致と認めます。よって、山田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、日笠郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。日笠郵政大臣。
#146
○国務大臣(日笠勝之君) ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵貯行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 委員各位に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
#147
○委員長(森暢子君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(森暢子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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