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1994/06/10 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 運輸委員会 第6号
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1994/06/10 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 運輸委員会 第6号

#1
第129回国会 運輸委員会 第6号
平成六年六月十日(金曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     西岡瑠璃子君
 六月八日
    辞任        補欠選任
     西岡瑠璃子君     堀  利和君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 教美君
    理 事
                松浦 孝治君
                堀  利和君
                泉  信也君
                矢原 秀男君
    委 員
                伊江 朝雄君
                鹿熊 安正君
                河本 三郎君
                二木 秀夫君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                渕上 貞雄君
                山田  勇君
                高崎 裕子君
                下村  泰君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  二見 伸明君
   政府委員
       運輸大臣官房長  黒野 匡彦君
       運輸省運輸政策
       局長       豊田  実君
       運輸省鉄道局長  秦野  裕君
       運輸省海上技術
       安全局長     小川 健兒君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島 啓雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(和田教美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に堀利和君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(和田教美君) 特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○山崎正昭君 自由民主党の山崎でございます。
 まずは運輸大臣、御就任おめでとうございます。
 その前に一つ、大臣にお伝えだけしておきたいと思いますが、実は大臣の最愛の奥様は福井県でございまして、私と同郷なんです。福井市の浅水というところでお生まれになりました。特にあそこに私の強力な組織がございまして、そこで先日、私の県議時代の友人から、非常に立派な大臣であるので、今度お会いしたらぜひ御就任のお祝いを申し上げておいてほしい、こういうことがございましたので、質問の前にお伝えだけさせていただきたい、このように思います。
 さて、質問させていただきますが、近年、国民の価値観それからニーズが大きく変化している状況の中で、いわゆる社会経済、生活環境が激変する時代にございまして、日常生活に最も密接な運輸行政、この推進という最重要閣僚に御就任をいただいたわけでございます。そういうことで私は、大臣から就任の感想と、それから決意、さらには考え方について一言だけお伺いをさせていただきたい、このように思います。
#6
○国務大臣(二見伸明君) 私、運輸大臣になりまして、いろいろ行政を見ながら実感として感じましたことは、まさにこれは国民生活と日本経済に最も密着といいますか、密接な関係のある行政だというふうに思っております。しかも、我々が要求しておりますのは、国民の暮らしの立場からいけばゆとりのある暮らしです。ゆとりのある暮らしはいろんな面があるけれども、運輸の立場からいえば、まず安全の確保、快適性の追求、そして地球に優しいといいますか、環境にもきちんと目配りをした行政だというふうに思っております。その点で、運輸行政というのは大変やりがいもありますし、使今も大きいと思います。
 もう一点私が感じましたことは、運輸省というのは許認可の官庁だと、こう言われてきました。私もそう思っていました。しかし、実際はそうじゃなくて、確かに許認可は多いけれども、むしろ国民の暮らしをよりよくするためには何をしたらいいかという、まさにこれは国民の暮らしや経済を考えた、まず政策官庁だなというふうに感じております。私は、政策官庁としての運輸省の立場は非常に大きいし、これからも大事だと思います。
 これをなし遂げるためには運輸省の官僚、お役人諸氏の能力を自由に遺憾なく発揮してもらいたいと思う。と同時に、自由に発揮できるためにも、与野党を問わず、委員の皆様方の御協力と遠慮のない御助言を賜りたいというふうに考えております。一生懸命頑張りますので、どうかよろしく御支援のほどをお願いいたします。
 最後ですけれども、先生も福井の大野だそうでございまして、女房とは同郷でございますけれども、ひとつよろしくお願いいたします。
#7
○山崎正昭君 今大変力強い御答弁、政策官庁である、こういうような御発言がございました。そういうことを踏まえまして、特定都市鉄道整備促進特別措置法、そしてその関連する事柄について若干お尋ねをさせていただきたい、このように思います。また、非常に長い法案でございますので、以後特特法ということで表現させていただきます。お許しをいただきたいと思います。
 先日、改正の背景等々につきましては御説明をいただきましたので、およその理解はさせていただきましたが、きょうはその改正内容について二、三点伺いたい、このように思います。
 まず第一点でありますけれども、整備事業計画の期間は現行では最大十年となっておるわけでありますが、今回の改正では十年を超える期間となっております。その理由はいかなるものか、また十年を超えると表現されているが、おおよそ何年か、さらには無限であるのか、はっきりいたしておりませんので、その辺についてお伺いをさせていただきたい、このように思います。
#8
○政府委員(秦野裕君) 御指摘のとおり、現行法では整備事業計画の期間内にその工事ができなかった場合につきましても、最大十年の経過後には直ちに準備金の取り崩しをしなければならないということになっておるわけでございます。
 ただ、まだ工事が継続中の事業者に対しまして直ちに取り崩しを求めるということは、引き続き工事の資金が一方で必要である、しかもまだ工事中でありますので減価償却費が生じていないということでありますから、結果としてその取り崩し分を借り入れで調達をしなければならないということになるわけでございまして、結果としては現在進めております特待の工事の進捗がさらにおくれるということにもなりかねないわけでございます。
 したがって、施設が完成しないうちに取り崩しを開始するということは、結局、複々線化等の施設を完成させるために利用者の方々から上乗せ運賃をいただいているという、そして早期にその工事を完成させるという趣旨に逆行するようなことにもなりかねないわけでございます。したがいまして、今回の法律改正では、天災その他やむを得ない事由がある場合に、運輸大臣の認定を受けまして整備事業計画の期間を十年を超えて延長できるというような仕組みにしたいというものでございます。
 それから、じゃどれくらい延ばせるのかというお話でございますが、これは当然個別の事例につきまして、おくれた事由を考えながら残工事の完成にどの程度の期間を要するかということを個別に厳格に審査して決めていきたいというふうに考えております。延長する場合にも、施設の完成のめどが立っていないものまで例えば無期限とか無制限に延長するということは当然考えておりません。また逆に、認定をしました後でも極力早く完成させるということがまさにこの制度の目的でございますので、少しでも早く完成をするように厳格に事業者を指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#9
○山崎正昭君 それでは、二点目でありますけれども、現行法では複々線建設、大規模改良工事のみが法律の適用対象となっているわけでありますが、新たに一定の新線建設工事を加えるということを言われておるわけでありますが、この一定の鉄道新線工事とはいかなるものであるか、また新線建設を特待法の適用対象とするその理由、それから範囲、そういうものをちょっと簡単に御説明いただきたい。
#10
○政府委員(秦野裕君) 御指摘のとおり、現在の法律では、いわゆる複々線建設あるいは大規模改良といったようなものを対象にしておるわけでございますが、この趣旨は、本来その運賃をあらかじめ前倒しでちょうだいをするということでございますので、現在の利用者の方々からちょうだいをして将来の工事に備えるということでありますから、現在支払っていただく利用者と将来その施設が完成した場合の受益者である利用者とがやはり相当因果関係といいますか、同一性が必要であろうという考え方が基本にあるわけでございます。そういう趣旨で複々線とかあるいは大規模改良を現在規定しておるわけでございます。
 ただ、それ以外の新線の建設、例えば現在あります線を都心の方に延長して乗り入れていく、あるいは現在あります線のいわばバイパス的な機能を持つような新しい線、そうしたいわゆる新線につきましても、現在の利用者の方等が結果的には例えば直接都心に乗り入れられるとか、あるいはバイパスができることによって混雑が大幅に緩和するとか、そういうメリットを受けることができるというふうに考えまして、そういう線に限りまして新しくこの制度の対象にしてはどうかということで御提案を申し上げたところでございます。
#11
○山崎正昭君 三つ目でありますが、特定都市鉄道整備積立金でありますが、この中で積立割合が現行では運賃収入の三ないし六%ということになっておるわけでありますが、今回は一〇%以下とする、こういうように伺っているわけでありますが、これについていかなる理由がございますのか。また、運賃収入の中での積立割合アップは全体の運賃改定の値上がり幅に直接間接的にかかわりを持つ、こういうように私は思うのでありますが、この点についてどうか。さらに、積立割合を規定する政令についても具体的にどのようなものを考えておられるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#12
○政府委員(秦野裕君) この法律ができましたのは昭和六十一年でございますが、その当時想定しておりましたことと若干最近情勢の変化がございます。
 一つは、用地費を初めといたします工事費がやはり当初想定しておりましたよりもかなり高騰をしてきたということ、あるいは最近におきまして御案内のとおり輸送需要がかなり落ち込んできた、横ばいないし場合によって三角が立つような状況になってきたという非常に厳しい状況になっておるわけでございます。
 したがいまして、こういう状況の中でさらに輸送力の増強工事を進めていくというために、先般租税特別措置法の改正によりまして、積立限度額を工事費の今まで四分の一でございましたものを二分の一まで拡充する措置をお認めいただいたわけでございます。今回の法律は、その限度額にあわせまして、できるだけこれが達成できるように、積立割合について運輸大臣が認定することによってその弾力化を図るという制度改正を行いたいというものでございます。
 具体的には政令におきまして決めるわけでございますが、私どもの考え方といたしましては、昨今の経済社会情勢を踏まえまして、積立割合は一〇%を上限としてその範囲内で運輸大臣が認定する制度にしてはどうか。それから二番目に、利用者の運賃負担の平準化を図るという観点から、整備事業計画の最終年度の前に積立限度額に達することが明らかなような積立割合というものは認めないというようなことを定めたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、いわゆる基本運賃との関係でございますが、この法律によりまして整備事業計画の認定を受けました事業者が積立金を積み立てます場合には、運輸大臣は積立金を運賃より確保できるよう当該鉄道事業者の運賃につき配慮するという規定がございますので、先生ただいま御指摘のとおり、複々線化の工事に必要な積立割合の相当分は運賃収入の中で確保していくということになるというふうに考えております。
#13
○山崎正昭君 私、先日御説明いただいて以後関係資料をずっと私なりに拝見させていただきましたが、この特待法はかなりテクニカルな法や制度でないかな、こう思うのであります。
 そこで、今もお答えがございましたように、運賃という形で国民負担に大きなかかわりを持つと考えます。したがいまして、いずれ運賃にはね返るわけでありますから、国民の合意と理解が私は不可欠だと、こういうように思っております。したがって、法の目的、内容等について鉄道事業者や国が今後国民へどのようにPRを積極的に行っていくのか、こういう見解をひとつお聞きをさせていただきたい、このように思います。
#14
○政府委員(秦野裕君) ただいま委員御指摘のとおり、この制度は利用者の方々から工事資金を運賃に上乗せするという形でいわば前倒しでちょうだいするシステムでございますから、ただいまお話しのとおり、利用者の方々の御理解と御協力がないとこれはうまく機能しないというふうに考えております。もちろん、私ども自身いろいろPRをいたしております。私どもの広報紙もございますし、パンフレット等を通じましてPRをしておりますが、やはり事業者の方でもぜひ積極的にPR活動をしてほしいということで指導をしておるところであります。特に中づりの広告、時々ごらんいただいたかと思いますが、ポスターですとか車内の中づり広告ですとかあるいは広報紙といったようなものを通じまして鉄道事業者の方で積極的にPRをしておるつもりでございますが、ただいまの先生の御指摘を外しまして、さらに一層それに努めるように努力してまいりたいというふうに考えております。
#15
○山崎正昭君 それから、鉄道事業者が現行法に基づきまして昭和六十二年から平成九年の十年間でそれぞれ事業推進を図っておるわけであります。特に関東五社、これは固有名詞は私は挙げませんけれども、その鉄道用地買収について何かと問題指摘があるようでございます。例えば過剰買収とか不用地の利用とか買収の進め方とか、それから補償問題等々、そういうような指摘がされている、こういうように思うのでありますけれども、工事費の認定はどのように行っておるのでしょうか。さらに、先ほど申し上げました問題指摘、その対応はどうしておるのか、この点についても簡単で結構ですから。
#16
○政府委員(秦野裕君) 工事費の額が幾らになるかということは、まさに鉄道の利用者の方々に対する運賃が幾らになるかというふうに関連をする問題でありますから、当然のことですが極めて厳格に査定なり運用をしなければならないというふうに思っております。
 ただいま先生のお尋ねのうち、要するに不用な土地を買っているんじゃないかというお尋ねでございますけれども、鉄道用地あるいは関連側道の用地とそれに付随する残地を含めて買収するというケースは確かにあるわけでございます。これは例外的と考えておりますけれどもあるわけでございまして、例えば残地が非常に小さな形、小さな土地しか残らなかったとか、あるいは非常に変な形の残地になってしまったというような場合には、地権者の方々との御協議の段階で残地を含めて一筆で買い取りをするということもあり得るわけでございます。
 ただ、そのような場合には、そうした残地は、例えば隣接した地権者の方々から鉄道用地を買う場合にそれとの交換に充てるとか、あるいは最終的にはその売却等の処分をするとか、いろんな方途を講じておりまして、決して不用な用地を買ってそれで何か利益を得ようというようなことではないわけでございます。ただ、少なくとも私どもとの関係で申しますと、そうした残地を仮に買ったような場合でありましても、ここで言う積み立ての中にはその残地は当然対象としては入ってこないということでございまして、その運用は十分厳正にやっていくというつもりでございます。
 それから、ただいまお話のございました買収の進め方あるいは補償問題につきましては、当然のことでございますけれども、地元の地権者の方々の十分御理解と御協力が得られるように十分心がけてやるように事業者の方を指導していく所存でございます。
#17
○山崎正昭君 その答弁で結構なんですが、いずれにしても、どのような事業につきましても用地買収等々、今指摘をさせていただいた事柄につきましては、過去の経緯からいろんな物議を醸し出す可能性、おそれは十分ある。鉄道ばかりじゃございません、各種事業もそうなんですが。そういうことからいたしまして、今申し上げてたように、厳正に指導、管理監督をやっていただきたい、このように要望をさせていただきたいと思います。
 最後に運輸行政、とりわけ鉄道行政の推進に当たりまして、最近、通勤混雑対策の観点から都市鉄道に注目が集まっておるわけであります。特待法の一部改正もそのような状況の中でありますけれども、今後はやはり地方鉄道も最重要だと、私はこのように思っております。
 都市鉄道と地方鉄道の格差が広がっております。これも事実であります。いろいろ密度の問題もございましてなかなか難しいことだとは思うんでありますけれども、地方にも交通網の整備を充実すべきだと、こういう御意見もございます。私もそのように考えております。
 したがって、今後、地方に対する特に鉄道行政をどのようにお進めいただくか、大臣の先日からの非常に感情あふるる御答弁がございますので、あえてひとつ積極的な御答弁をお願いしたい、このように思います。
#18
○国務大臣(二見伸明君) 原則的な御答弁になるかと思いますけれども、鉄道というものは、人にしろ物にしろ、決まった時間に大量に速くAからBに移動できるという、これは鉄道でなければほかではなし得ない大変な特性だと私は思います。
 そう考えますと、我が国では、一方では首都圏のような過密なところがある、また地方がある。私は、今回の法律では、首都圏の通勤通学混雑緩和のための手段として法改正をお願いしているんですけれども、これもやらなきゃならぬ。あの満員電車に揺られて、これでゆとりある生活だなんて言えたものじゃありません。これはやらなきゃなりません。と同時に、地方にとってみれば、地方鉄道について地域の足としての考えもあるわけですね。そうすると、この地域は、ここは鉄道がいい、いろいろあります。そうなりますと、路線別に輸送需要の動向を考えたり、投資の採算性も考えなきゃなりませんし、またその地域の御協力やいろんな御意向もあろうかと思います。そういうものを勘案しながら、私は結論として申し上げたいことは、都市鉄道も地方鉄道も両方とも大事だということ、この視点は絶対に忘れてはいけないというふうに思っております。
 私は首都圏に住んでいるものですから、首都圏の問題、都市鉄道のあり方については生活の中から自分でわかりますけれども、と同時に、地方の鉄道がその地域の足になっているということ、これは本当に忘れてはいけない大事な視点だというふうに思っております。
#19
○山崎正昭君 非常に積極的なお考えを伺いまして、私も意を強くするというか、非常にうれしく思っております。
 そこで、皆さんにお許しをいただきたいと思うんですが、法案とちょっと離れてまいりますけれども、質問をさせていただきたいと思います。時間がもうそんなにございませんので、答弁はできるだけ簡単にひとつお願いしたいと思います。
 新線建設についてでございますが、実は我が福井県と滋賀県の両県に琵琶湖若狭湾リゾートラインという構想がございます。琵琶湖若狭湾リゾートラインというのは、福井県の上中から滋賀県の近江今津を結ぶ約二十キロの鉄道新線計画であります。そこで、九月にはいよいよ関空が開港になるわけでありますが、そういった中で関西圏の貴重なリゾートである若狭湾と琵琶湖が直結をする、こういうことで非常に大きな期待を持っておるわけであります。現在、関係市町村では建設促進期成同盟会が結成されまして盛んな運動が展開されておるわけであります。また福井県、滋賀県両県当局では、現在採算性それから需要予測、いろんな広範な調査を行っておるところであります。
 そういう結果を踏まえて、まだ構想段階の中でこういう質問をするのはなんだと思いますけれども、運輸省としてはこのリゾートライン構想というものをどう認識されておるのか、その位置づけはどうか、簡単で結構でございますからお願いいたします。
#20
○政府委員(秦野裕君) ただいま先生お話しの琵琶湖若狭湾リゾートライン構想と申しますか、これが地元の方々で議論され、あるいはまた一部調査に着手されているということは私ども承知をいたしております。
 改めて申し上げるまでもないことですが、やはりこの事業ができるかできないかということは、基本的にはそこを運営する鉄道事業者の方の御判断ということになるわけでありますが、需要の問題あるいは資金の問題、収支採算性の問題等々、これからいろいろ調査をされるというふうにも伺っておりますが、そうしたものを踏まえて十分検討されていくべきものというふうに考えておるところでございます。
#21
○山崎正昭君 そこで、指導的な意味を含めてちょっとお伺いするんですが、この新線建設の財源でございますが、地元の建設促進期成同盟会の平成三年度の時点での建設費の概算見積もりが約二百五十億、こういうように伺っておるわけでございます。
 そういった中で、地域都市を結ぶ鉄道でありますと同時に、広い意味で関空の利用の一つのアクセス、こういうことも言われているわけであります。したがいまして、そういう意味からいたしましても早期完成が求められていますし、大正十一年の鉄道敷設法、これからのずっと経緯もあるわけなんですね。そういったことで非常に地元もいろいろ積極的にやっておるわけでありますが、建設財源として鉄道整備基金を適用できるのか、また、そういったすべきであるというような御見解がありましたら、まだ二、三点ありますので、これもまた簡単にお願いしたいと思います。
#22
○政府委員(秦野裕君) 先ほどもお答え申しましたように、この事業の実現可能性と申しますか、収支採算とかいろんなことを検討しなきゃならないわけでございますので、現時点で整備基金がどうかというのはなかなか申し上げられる段階ではないわけであります。鉄道整備基金の無利子貸し付けの制度は、御案内のとおり、都市鉄道あるいは主要幹線鉄道の整備に対して無利子で貸し付けるというものでございますが、その要件としていろいろ書いてございまして、例えば主要幹線鉄道に当たるのかどうかというようなことも含めて検討していく必要があるんじゃないかというふうに考えておるところでございます。いずれにしても、まだちょっとお答えの時期が早いと思います。
#23
○山崎正昭君 これも将来にわたることですが、今後この新線建設が調査結果を踏まえて具体化をしていく場合、事業主体もいろいろ考えられるわけでありますけれども、いわゆる第三セクター方式、そういったことも取りざたされておるようでありますが、今の時点で運輸省の見解はどうかというのもいかがなものかと思いますけれども、何かございましたら一言だけ簡単にお願いいたします。
#24
○政府委員(秦野裕君) 確かに今の段階で事業主体を云々と言うのはちょっと時期尚早かと思いますが、第三セクターというのは非常に地元の御熱意のあらわれということで、新線建設を行っていくというケースはほかにもあるわけでございまして、新線建設の一手法として非常に参考になるものではないかというふうに考えております。
#25
○山崎正昭君 もう二分ほどしかございませんので、もう一点だけ最後に要望をさせていただきたいと思います。
 去る五月五日の子供の日でございますが、地域の青年を中心とする多数の地元住民の皆さん方が、この新線建設の実現を何としてでも果たしたい、これを訴えるイベントを開催いたしておりまして、期待される声は今私から判断いたしまして最高潮に達している。大正十一年からですからかなりの年月でもございますし、今具体化しようとしておるときでございますから最高潮に達しておる、こういうように思っておるわけでございます。
 そこで、ちょっとごらんいただきたいと思うんですが、実は先日、地元の小学校一年生から二年生の子供四十人から私にこのような絵を送っていただいた。(絵を示す)四十枚こうあるんですが、新幹線に似ておるやつもあればいろいろありますけれども、送っていただいたわけであります。そこで、小学校一、二年という小さい子供が小さな手で大きな夢をかけて一生懸命かいた、私はこのようにこの絵を見て判断をいたしたわけであります。
 この子供たちがいずれ大人になるまでは何としてでもこの新線建設を実現させたい。私は政治家として今後生きていくためにも、また今日まで二十数年やってまいりまして、やはりこの将来次代を背負っていく子供たちの願いを実現してやろうという姿勢、行動、そして何としてでも実現させてやりたいという願いを通すことが私どもに課せられた責務だ、こういう自分なりに判断をいたしておるところでございます。
 そういう面で、この地域は人口も非常に少のうございます。産業基盤も脆弱でございます。とてもこれは地元単独では事業化は不可能に近い、こういうように今思っておるわけであります。地元任せでは国の責任も云々と問われる、そういうことにも発展せざるを得ない、するだろうと私はこういうふうに私なりに判断をいたしておるわけであります。
 そこで、まず国が基本となる社会基盤の整備を、特に地方分権ということも言われておるわけですから、地方分権すなわち行革等も含みますけれども、鉄道、交通網の整備はそれに対するこれは最大プロジェクトだと、こういうふうに私は常日ごろ思っておるわけでございます。どうしてもこの実現を私の政治生活のある限り、またこういった機会を通じて申し上げてまいりたい、このような私も熱意を持っておるわけでございます。
 御答弁は、要望ということでございますが、運輸大臣、非常に先日からの答弁を聞いておりますと、本当にここにきちんとという大臣答弁もあるわけでございます。したがって、大臣としてではなく、また個人としてでも何か心にあるものがございましたらひとつ御答弁いただければありがたい、こういうふうに思います。なければ結構でございます。
#26
○国務大臣(二見伸明君) 私も政治家でございますから、その地域、自分のと言っては申しわけないけれども、その地域に夢を与え、希望を与えることを叫び続けていくのが私は政治家だと思います。いろんな困難があろう、簡単にいかないけれども、私も先生と同じ立場ならば同じ発言をしただろうというふうに思います。行政の立場からいくといろんな難しい問題はあるということもまたわかりながら、政治家であるという姿勢というのはこれからも貫いていくべきだろうというふうに思います。
 願わくば、関空が開港し、そして琵琶湖若狭湾リゾートラインが需要がかなり見込まれるようになることを、期待するとしか言いようがないんでしょうけれども、期待する以外にないのかなというふうに思っております。
 先生の期待するような、うん、あしたにでもやるぞというような夢を与えられないことは本当に申しわけなく思いますけれども、やっぱり需要の動向を見ないとそれは鉄道事業者もやれるものじゃありません。わかった上での御質問だと思いますけれども、そういうふうに考えております。
#27
○山崎正昭君 どうもありがとうございました。
 お互い政治家でございますし、やっぱり私も大臣の御発言のように、また大臣とお話をさせていただきまして、苦しくても最後まで初心を貫いていきたい、こう思いますのでよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#28
○渕上貞雄君 私は日本社会党・護憲民主連合の渕上でありますが、委員長並びに運輸委員会各委員の方々の御了解をいただきまして、法案に直接関係はありませんけれども一つだけ質問させていただきたいと思います。
 昨今のマスコミを大変にぎわしております日本船舶振興会の事件の内容の問題でございます。
 先ほど運輸大臣の方から、運輸省は政策官庁として国民生活ニーズにこたえて頑張っていきたい、こういう決意表明がございました。どうかその決意で一生懸命やっていただくことに期待を申し上げます。
 しかし一方で、運輸省の場合、余りありがたくない名前があるわけであります。空にはロッキード事件がありましたし、陸にはタクシー、記憶に新しい東京佐川事件、いろんな事件がございました後、そして海には今新たにこういう事件が起きてまいりました。したがって、この船舶振興会の不祥事件に対する、言うならば日本船舶振興会に対するどういう認識を運輸大臣が持たれて、今捜査の段階でありますけれども、この事件にかかわってどういう基本的な認識を持って、同時に、この事件に対してどういう決意で大臣は臨まれようとしておるのか、基本的な見解をまずはお伺いをしておきたいと思います。
 同時にあわせまして、この船舶振興会というのは、同じく公営競技関係の団体として政府がかかわっております問題でありますけれども、結局他の公営競技関係と違った組織だとか運営だとか活動だとかやられておりますけれども、この評価については賛否いろいろ私はあると思います。そのことについても運輸省はどう考えられておるのか、御答弁願いたいと思います。
#29
○国務大臣(二見伸明君) 今回のいわゆる吉松事件の詳細につきましては、今後の司直の捜査を注目していきたいというふうに考えております。このような事件が発生したことは大変遺憾としか言いようがないと思います。
 今回の事件につきましては、運輸省としても、現在船舶振興会から組織体制、運営体制等々事情聴取を進めているところでございまして、鋭意事実関係の把握に努めているわけでございますけれども、振興会が高度の公益性を有するものであることを考えますと、今回の事件というのは社会的な信頼を失うおそれのある重大な事態であるというふうに認識をいたしております。
 運輸省としましては、事実関係が明らかになり次第、モーターボート競走法に基づく船舶振興会の業務に関する監督命令を初めとする必要な措置は検討しなければならないというふうに現在考えております。
#30
○政府委員(小川健兒君) ほかの公営競技との比較の問題でございますが、まず日本船舶振興会は設立の経緯から公益法人ということになっております。これは民法に基づく一般の公益法人と同様の監督を受けるだけではなくて、モーターボート競走法に基づきまして、運輸大臣が役員の選任、事業計画、収支予算等について他の特殊法人である振興団体と同様の監督を行ってきておりまして、現在でもいわば特殊法人たる公益法人となっているわけでございます。
 ただ、役員につきましては認可制になっておりまして、役員の認可制のもとでも認可に当たってチェックできると考えて特に問題はないと考えておりますが、他の公営競技とのバランス等から御指摘のような御意見もあることは十分認識しております。
 運輸省といたしましては、今回の事件の詳細及び背景となった船舶振興会の組織、体制、管理運営のあり方に関する問題の把握に努めて、内部での役員選任手続の見直しも含めてこれから検討していきたいと思っております。
#31
○渕上貞雄君 先ほど大臣の方からこの問題について、事実関係を明らかにした上で、問題点について検討して発表していくということでございましたが、運輸委員会でどうかその関係について御報告を願いたいと思います。
 それから、今答弁がありましたけれども、このモーターボート競走法の中には、役員の解任権はありますけれども、選任権はないんじゃないですか。ですから、そういうところの法の不備が今回の事件に一つはなってきたと思われます。
 逆に、今回の事件というのが社会的に報道されていることは、やっぱり運輸省と振興会との癒着の関係というのがかなり大きく報道され、そこに力点が置かれて問題になっているというときに、ここの運輸省としての監督関係というものが、他の法人と違って公益法人と。しかし、総務庁行政管理局のこの中には特殊法人の扱いとして扱われている。そこらあたりがやっぱり法の矛盾として出てくる。監督官庁として多少ここの中に入りづらいものになっていると思うので、そこらも含めてやはり検討していくべきではないかというふうに思うのですが、そこらの考え方についていかがでございましょうか。
#32
○政府委員(小川健兒君) 役員の認可制で今やっているわけですが、他の公営競技は任命制になっております。その他については他の公営競技とほとんど同じ監督をしているわけですが、この点につきましては御指摘のような違いがあります。
 今回の事件を契機に、船舶振興会の組織、体制、管理運営のあり方に関する問題の把握に努めまして、役員選任手続の見直し、これらも含めましてこれから検討していきたいというふうに思っております。
#33
○渕上貞雄君 それでは、具体的にやはりそこまで突っ込んでこれから先、法改正まで含めて私はやっていかなくてはならないと思いますから、どうかそのときに、他の公営競技関係との整合性みたいなものも考えてやはり法改正をしていただきたい。
 同時に、そのときにあわせて、人事問題を含めて、財務問題というのが今回の場合は大変問題になっているわけでございまして、この振興会の補助金だとか運営資金だとか自治体との関係だとかを考えますと、やはり資金の透明性というのは考えなきゃならないと思っているんですよ。逆に言うならば、この振興会というのはミニ国家的な存在ですね、補助金だとかそういうものを出していくシステムを考えていきますと。ですから、そこの評価というのは、この公益法人、しかし政府としては恐らく特殊法人の中に入れて物を考えていると思うのでありますけれども、そこらあたりが運輸省として今後改正をしていく重要なポイントになると思うんですが、そこらあたりまで検討していただけるかどうか。
#34
○政府委員(小川健兒君) 透明性の問題ですが、船舶振興会の経理につきましては、その透明性を確保するために経理関係の内部規程が現在整備されており、この規程はモーターボート競走法に基づきまして運輸大臣の認可を受けているわけです。また、船舶振興会には、このモーターボート競走法に基づきまして監事を置かなければならないと、監事の設置義務まで規定されておりまして、監事が内部監査を行って、同会の経理をチェックして経理の透明性を確保する体制になっております。
 運輸省といたしましては、船舶振興会から今回の事件に関しまして事情聴取をしているわけですが、今回の事件は、船舶振興会の契約手続とか、特に入札手続をめぐって発生したものではないかという認識を持っております。今後、さらに詳細な事実関係の把握に努めまして、同会の経理の一層の透明性を確保するために適切な措置をとりたいというふうに考えております。
#35
○渕上貞雄君 どうか適切な措置をとっていただきたいし、その結果について運輸委員会に報告願いたいと思います。また、これらの問題については、今報告がありましたように捜査上の過程の問題でもございますので、事件の概要が明らかになりましたらまた運輸委員会で質疑をさせていただきたいと思っています。どうもありがとうございました。
 次に、法案関係でありますが、先ほど同僚議員の方からも御質疑がありましたけれども、今回の法改正は私は賛成していきたい。したがって、この法を有効的に、実効的にあらしめるためには一体どうするかという問題が出てくるときに、ちょっと名前が長いんで特待法と言わせていただきますが、十年たってもなお工事が完成をしない、したがって十年を延長したいという考え方についてはわかりますが、その場合、やはり工事が延長する原因について、土地の取得の問題だとか、沿線の環境問題だとか、都市計画の問題だとか、私はいろいろあると思うんです。
 そのときに、利用者の方からは先に運賃で先取りしておいて、一定期間、十年なら十年という目安を立てていくわけですけれども、そこに途中でやはり障害が起きてそれが長くなっていく。一生懸命払ったけれども、企業を定年になってやめて余り利用しない、金だけ納めているというようなことにもなりかねない利用者がある。そうすると、そういうことをなくすとすれば、運賃を先取りしていくわけですから、この工事はいついつまでに完成するというシステムをやっぱりつくることが大事だと思うんです。そのときにいろいろ住民との関係で問題になりますので、やはり都市計画の段階からそういう障害をなくしていくような方策というものをやはりつくっていかなくてはならないのではないか。恐らく運輸省、建設省、自治体、そして住民との間で、この線についてはいつ、いかなるときまでに完成しますと。しかし、問題になっているのはこことここだから、この点についてはどうするということをやっぱり明らかにして完成時期を明示することが、お客さんから、利用者から前倒しして先取りすることに対する期待にこたえていくことに運輸省としてはなるんじゃないかと思うんですが、そういうシステムを私はつくるべきだと思うんですが、いかがですか。
#36
○政府委員(秦野裕君) お話しのとおりでございます。当然のことでございますけれども、現在の法律では十年以内というのが大原則でありますから、その十年以内に完成することを目指して、事業者はもとよりでございますが、地方公共団体あるいは私どもも含めまして地元との間の合意形成が得られるように努力をしなければならないというふうに考えております。また、現に各事業者あるいは自治体の方々も大変努力をいただいておるというふうに思っております。
 ただ、やはり現実問題としまして、なかなか用地買収の段階で、あるいは都市計画の諸手続等の段階でいろいろ地元との間で調整が難航するというケースがあることは大変残念なことだというふうに思っております。
 ただいまの先生の御趣旨を十分踏まえまして、地元住民の合意形成が前広に事前に十分図られるようにいろいろ方策を考えていきたい、あるいは自治体にもお願いしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#37
○渕上貞雄君 先ほどこの特待法で整備をしていく場合の整備の仕方、あり方、国民、利用者に対する宣伝の問題等についても御答弁がありましたけれども、やっぱりその完成時期を明示して説得をしていくことの方がより工事進行というのが早いのではないかと私は思います。
 例えば小田急線の問題につきましても、実は踏切の問題かと思っていたら、住民の側としては日照権の問題を出してくる、片一方は騒音の問題を出してくるというような、幾つか違った角度でいろいろ問題が出てきて、一つ一つ解決をしていく、それに時間がかかる。
 しかし、混雑率は二〇〇%以上で大変利用者には迷惑をかけている。いつつくってくれるんだということになると、それは今国が標榜していますように、ゆとりと豊かさを実感できるような社会をつくっていこう。そのゆとりと豊かさを一番感じないのが通勤地獄でございまして、そこのところに国民に対してアピールしていけば、こういう先取りするけれども、いついかなるときにできるということを明示して仕事していくというような決意はやっぱり運輸省として示していくべきであろうというふうに私は思うんですが、大臣どう思いますか。
#38
○国務大臣(二見伸明君) 私も先生と同じ考えです。やはり、国民にPRをしながら、理解していただきながらやる必要は絶対あるというふうに思っております。
#39
○渕上貞雄君 大臣、やっぱり実行してもらわなきゃならないと思うんです。実行する法律だから。やっぱり運輸省、十年でやるという強い決意を……。ただ問題は、運輸省がやりますと言っても建設省が建設するので、そこが問題なんですと言ってどうか逃げないように。
 同時に、運輸省と建設省の中でのコンセンサスをきちっと得た上で、運輸大臣、大変なことだと思いますけれども、そこは建設省にきちっと話をつけて私はやっていただきたいというふうに思うんですが、ひとつよろしくお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、先に積み立てておいて工事完成をさせていく、そのときに問題になりますのは、積み立てていた準備金の取り崩しの問題です。私はやはり、設備投資をするその金について積み立てていく、できた暁にはそれを取り崩していく。そこには実は経営に対する収入ががばっと出てきて、税金でだっと取られるというような形になっていくわけですから、そこのところはやはり鉄道という性格から考えて、会計の処理の方法として、積み立てる、そして十年間で償還をしていくというのをもう少し長くしていくべきであろう。長くしていくことの方が、より利用者に対しては運賃としてはね返らないような結果に私はなっていくのではないか。
 そうすると、その償還期間というのが現行十年になっていますけれども、その償却期間というものが今四十年ですから、できたらその償却期間に合わせてやっぱり返済もやっていくべきだというふうに私は思うんですが、その程度までしなければならない、してほしいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#40
○国務大臣(二見伸明君) 実は、平成六年度の税制改正で準備金の取り崩し期間を二十年間に延長すべきだと我々は主張したんですけれども、これは認められませんでした。これは引き続き制度の拡充について検討し、財政当局とも話し合いをしていきたいというふうに考えております。
#41
○渕上貞雄君 これはまた、認められないとすれば、私たちも一生懸命応援しますから、予算のときにひとつ、大臣、頑張っていただきたいと思うんでありますが、これは認められない理由というのは大体どういうところにあるんですか。
#42
○政府委員(秦野裕君) やはり、他の準備金制度がいろいろこれに限らずあるわけでございますが、現在のその十年というのでも、実はこの特待制度というのはほかに比べてもかなり取り崩し期間が長いものでございまして、これをさらに私どもが要望しておりました二十年ということになりますと、非常にここだけが突出したという形になるということで、今一種のバランス論のような話があるわけでございます。
 ですから、私どもとしましては、やはり、ただいま先生お話しのとおり、この準備金取り崩し期間をなるべく延ばすことが企業者と申しますか、ひいては利用者の方々の利便になるわけでございますので、先ほど大臣からお答え申しましたとおり、今後、引き続き粘り強くやってまいりたいというふうに考えております。
#43
○渕上貞雄君 その問題につきましては、運輸省としては、予算とのかかわり、大蔵とのかかわり、他とのバランスなどと言われておりますけれども、引き続き要求をしていくべきだと考えます。一つはその考え方を聞きたい。
 それから、私は償還期間を四十年にしたらどうだと言うんですけれども、大体要求していく年数は運輸省としてどれぐらいを考えられておりますか。
#44
○政府委員(秦野裕君) 恐らく、長ければ長いほどということで、委員のおっしゃいますような四十年というのも一つの考え方だと思いますが、六年度の税制改正でお願いしておりましたのは、とりあえず十年を倍の二十年ということで要求をしておりまして、それがまず第一ステップかなというふうに考えております。
#45
○渕上貞雄君 一遍に四十年というのは問題でしょうが、その二十年とした場合に、他とのバランス上といいましょうか、この二十年というのもやはり突出したことになるんでしょうか。四十年というのは突出するけれども、二十年というのは突出したことになるんでしょうか、いかがですか。
#46
○政府委員(秦野裕君) 先ほどもちょっと申しましたけれども、ほかの準備金制度でも同じような制度がございますが、通常は七年というのが普通でございます。私どもは十年になっておりますが、これをさらに二十年とかになりますと、七年の三倍近くなるということは現実問題としてはあるわけでございます。
#47
○渕上貞雄君 七年を基準とするかどうかは別にいたしまして、これは大臣、やっぱり少し長い期間をやるべきだと思いますが、大臣もやると言ったけれども、今鉄道局長が言われましたように、ことしの場合二十年要求したと言われますが、二十年について努力していただけますか、どうですか。
#48
○国務大臣(二見伸明君) 平成七年度予算でも同じように要求をしていきたいというふうに考えております。
#49
○渕上貞雄君 じゃ、ひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 先ほども質問ございましたけれども、やっぱり均衡ある国土の発展ということから考えますと、大都市の交通緩和、地方においては最低限の足としての地方鉄道というものをこれから先きちっと守っていかなくてはならないと思う。それはいろんな補助金制度もございますし、近代化補助制度、欠損補助という地方鉄道を守るためのそういう制度もございますけれども、新たに地方の都市を活性化させていく、地方鉄道をきちっと守っていくということになるとすれば、地方鉄道に対してもやはり積極的なそういう支援策というものを私は考えていくべきではないか。
 特に、地方の場合、一番問題になるのは安全性が問題になるわけでありますけれども、そこの設備投資もでき得ないような状況になっていることなどを考えますと、地方鉄道に対して積極的な支援を行うべきだと考えますけれども、いかがでございましょうか。
#50
○政府委員(秦野裕君) 御指摘の地方中小鉄道の任務と申しますか、非常に苦しい経営状況の中で大変御努力されているということは私どもも承知しておりまして、何とかいろいろな助成措置等の支援策を引き続き講じていきたいというふうに考えております。
 御案内のとおり、今、欠損補助と近代化補助という二つの柱でやっておるわけであります。私どもとしましては、基本的には中小私鉄の方々もいろいろ地元とも御相談をしていただいた上で自律的な経営の方に向かっていただくということで、欠損補助というのは将来的にはだんだん縮小していくというふうに考えるべきものだというふうに思っております。
 ただいま先生からお話しありましたとおり、安全対策にかかわりますような近代化補助につきましては今後ともぜひ重点的にやっていきたいというふうに考えております。平成四年度からは補助率を安全対策につきまして五分の一から三分の一へ引き上げるとか、あるいは予算の額全体も平成六年度予算では対前年比五割増しという増額を実現したというようなことで量的な充実を図っておるわけでございます。今後とも近代化補助の充実を中心としまして、地方公共団体とも力を合わせて支援する体制の強化に努めていきたいというふうに考えております。
#51
○渕上貞雄君 一番最初に質問いたしましたけれども、やはり運輸省として今回の不祥事件に対することを積極的に解明をしていって、信頼される交通運輸行政をどうかやっていただくことを期待いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#52
○泉信也君 五分間でございますので、簡潔にお尋ねをいたします。
 まず二点。第一条で事業者及び利用者にかかわる負担の軽減という文言がございますが、この具体的な手法と申しましょうか考え方についてまずお尋ねし、もう一点は、第三条の積立割合につきまして、現行では六条の政令規定になっておるものを事業計画の中に規定するという、いわば法に規定することに変更になった背景、考え方をお尋ねをいたします。
#53
○政府委員(秦野裕君) まず、第一点の方の負担を軽減するということは、今度の改正法案の中に入れさせていただいておりますが、この制度は、もう改めて申し上げるまでもなく、利用者からあらかじめ運賃を上乗せの形でちょうだいをして工事費に充てるということでありますが、結局、事業者から見ますと、無利子のお金を工事資金として調達できるということであります。したがって、工事費全体を押し下げるという効果があるわけでございまして、この制度を導入しない場合に比べまして非常に工事費が安く済む、言葉をかえれば、それだけ利用者の方々の御負担が少なくなるというメリットと、それから、現在の法律にも書いてございますように、工事ができました途端に運賃がはね上がるということがなく、いわば運賃の平準化が図れる、この二つの目的があるわけでございます。
 今回の改正によりまして積立割合を引き上げるということで、利用者に当面は御負担を多くお願いすることになるわけでありますが、それが結果としては先ほど申し上げたような理由によりまして利用者の方々に、相対的には安い工事費で工事ができるという意味で、負担の軽減の程度がさらに増すということも考慮いたしまして、今回この改正法案の目的の中に追加させていただいたということでございます。
 それから二点目の、積立割合が三%とか六%といったような固定率から大臣の認定になったのはなぜか、こういうお尋ねでございます。
 積み立ての限度額が四分の一から二分の一ということで二倍になるわけでありますから、積立率も基本的には平均二倍に上がっていくということでございますけれども、単純に固定して上げてまいりますと、結局、この積み立てに伴います運賃は通常の運賃改定と大体日を同じくして改定するというのが通例でございますので、そうしますと、その合算した金額が非常に高額になってしまう場合、あるいはほかの競合する路線の事業者との関係で非常におかしな形になってしまう、いろんなケースが考えられると思われます。
 したがいまして、もちろん全体としては制度の枠内でございますけれども、そのあたりをある程度事業者のいろんな工夫によって弾力的な運用が可能になるようにということで、一〇%以内ということを政令で定めたいというふうに思っておるところでございます。
#54
○泉信也君 ハードな施設を整備していかなきゃならぬことは当然でありますが、これからフレックスタイムでありますとか情報化の整備による在宅勤務、こうしたことも出てまいろうかと思いますが、ソフトの面ではどういうことをお考えでございましょうか。
#55
○政府委員(豊田実君) 今お話しのとおりでございまして、いろいろ制度面の工夫ということを通じてピークを和らげたいということで、具体的にはフレックスタイム制とか時差通勤をさらに普及していこうということで、これは実は役所だけの話ではなくて広く経済界とか労働界の御理解を得る必要があるということで、関係者によりまして快適通勤推進協議会というのを設けでいろいろな協議を続けております。全体会議だけではなくて、例えば丸の内、大手町の地域部会をつくりまして個々の企業に御理解をいただくということで、徐々にフレックスタイム制などが普及しております。また、近く新宿地域の部会を開催して同じように力を入れていきたいと思っております。
#56
○泉信也君 この問題は、都市の住民の方々の問題だけではなくて、地方で子供や孫の通勤状態を心配しておられる親御さんにとっても大変な問題でございます。ぜひ通勤対策、通学対策を積極的にお進めになるようにお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。
#57
○高崎裕子君 本法律は、大手私鉄の特定工事費の一部を先取り運賃として利用者からいただいて、これを積立金として工事費に充当する法律なわけですけれども、今度の改正は、その積立金の限度額を工事費の四分の一から二分の一にまで拡大する、それとあわせてこの先取り運賃をさらに拡大して運賃収入の一〇%まではよろしいよと、そういう内容なわけです。
 まず、端的にお聞きしたいわけですが、現在この特定工事の対象となっている東武、西武、京王、小田急、東急、この五社の工事総額は八千六百八十一億円で、現在までの積立累計、総額、これは六十二年度から平成五年度を含めて合計一千百五十八億円ということでよろしいですね。
#58
○政府委員(秦野裕君) ただいまお尋ねの認定の工事費は八千六百八十億でございます。
 ただ、積立金の累計額は、私どもの計算ですと千五十七億でございます。
#59
○高崎裕子君 この先取り運賃はどの程度の規模になるのかということについては、条件が二つあるということで、その条件の一つとしては特定工事費の総額の二分の一つまり今言われた数字で言いますと八千六百八十一億円の二分の一、四千三百四十一億円が積立限度額ということで、既存の分だけでこれだけになるわけです。今度の新規工事で東武と東急だけでも、東武で千二百億、それから東急で二千百億というふうに伺っておりますけれども、限度額はさらに増加してくるわけです。はっきり増加しできます。
 それからもう一つの条件というのが、運賃収入の一〇%以下であるということで、この五社の運賃収入を平成四年度分で見ますと、合計が四千四百四十二億円という数字になっております。
 つまり、これまで積み立ててきた限度額と平成四年度の五社合わせた金額がほぼ同一額という金額になってきて、新規分も含めると十分この範囲内に入ってくるわけです。この四千四百四十二億円の一〇%は四百四十四億円ということになるわけですから、これがこれからの年間の先取り運賃分の上限となるというふうに見ていいわけですね。
#60
○政府委員(秦野裕君) ちょっと必ずしも直接的なお答えになるかどうかでございますが、まず当然のことですが、三%のものがいきなり一〇%ということは普通は考えにくいわけでございまして、その率が直ちに今おっしゃったような一割の範囲内ということになるかどうかは必ずしも認定できませんけれども、基本的には言われたような、要するに運賃収入にそれぞれの会社の積立率を掛けたものが合算額になるわけでありますので、仮に四千四百四十二億という今お話しの四年度の収入であるとすれば、その一割以下になるということは確かでございます。
#61
○高崎裕子君 ですから、この一〇%ということで言いますとこういう数字になるということでは、大変大きな数字が上限になるということがはっきりするわけです。
 今言われましたように五社で年間で四百四十四億円という先取り運賃の値上げとなっていくわけですけれども、今お話しいただきましたように、現在の積立金は合計で、昭和六十二年度からですから六年間でお示しの千五十七億円、すなわちこれだけもう先取り運賃として既に取られて積み立てられているというわけなんです。本来、この改正前、限度額は四分の一ということですから、四分の一は二千百七十億円ということになるんですね。ですから、二千百七十億円から千五十七億円を引きますと、あと千百十三億円の先取り運賃が可能になってくるという計算になるわけです。
 今後十年ということになるわけですから、六年分は既に積み立てている。あと四年間で、計算いたしますと、四百四十四億円掛ける四年分ということで合計一千七百七十六億円、これが先取り運賃の分ということになるわけで、改正前のこれが二倍という数字になっているわけです。
 ちょっと数字が続きますのでよく聞いていただきたいんですけれども。
 それで次に、この積立限度額は幾らまで可能となるのかということなんですけれども、現行の積立限度額というのはその工事分の四分の一までですから二千百七十億円、先ほど指摘した数字なんです。この現在の積立金というのが千五十七億円ということですから、今度の改正で二分の一まで上がるわけですから、あと合計で三千二百八十四億円までは積み立てられるということになってくるわけです。これは単純に数字で計算しますと、既存の積立金の三・一倍という大変な数字が積み立てられるということになるわけです。その上に新規工事がさらに追加されていくということになるわけなんです。
 それで、もう一度ここでちょっと確認したいんですけれども、新規分の工事額なんですけれども、それぞれどれくらいになるのでしょうか。
#62
○政府委員(秦野裕君) 新規分というお尋ねの趣旨が、現在はまだ整備計画として認定されていないけれども、仮にこの法律が通ったとした場合に想定される工事という意味でございますと、先ほど先生のお話のとおり、東武あるいは東急がいろいろ計画をいたしております。したがって、まだ現在では計画の段階でございますので、正確に幾らということは申し上げられませんけれども、おおむね先ほど先生がお述べになったような数字が一つの目安というふうに考えております。
#63
○高崎裕子君 小田急など、東武、東急以外はどうでございましょうか。
#64
○政府委員(秦野裕君) 東武と東急は現在首都圏におきましては具体的な計画中で、小田急その他についてはまだ具体的なものはございません。
#65
○高崎裕子君 東武が千二百億、それから東急が二千百億と、およそ合計で三千三百億ということになるわけですけれども、そうすると、これ新規分を含めますと、これから三千三百億ですから、その半分までは積み立てられるということになりますので、その半分が千六百五十億ということで、既存の四千三百四十一億円、これを足しますと合計で五千九百九十一億、つまり新規分を含めると約六千億円分がこれから積み立てが可能となる。この改正によって、東急、東武とかそういうものは除きますからもっとふえるということはありますけれども、わかっている限りで約六千億円が積み立てが可能となるということになってくるわけです。
 今回、この改正に伴って、租税特別措置法ももう既に改正になっております。要するに、積み立て分についての四分の一が非課税だったのが今度は二分の一の限度額まで非課税となるということで、非課税分が拡大されるという格好になるんですね。
 それで、どのくらい非課税になるのか。つまり、どれだけ恩恵を受けるのかということを単純にわかりやすく理解するためにお聞きするんですけれども、合計で積立金が一千億というふうに計算しますと、これまでは四分の一つまり二百五十億が非課税だった。つまり残りの七百五十億が課税されるわけですね。そうすると、法人税とか法人住民税とか事業税、これ合わせでいわゆる実効税率としては約五〇%ということでこれはよろしいわけですね。
#66
○政府委員(秦野裕君) 突然のお尋ねなので、それに正確にお答えするのはちょっとお時間をいただきたいと思います。
 実効税率がおおむね五〇%というのはそのとおりでございます。
#67
○高崎裕子君 ですから、従来の限度額の四分の一で言いますと七百五十億の五割、つまり三百七十五億が税金がかっていたわけですけれども、今度二分の一になりますと、五百億について五〇%の税金ということになるわけですから、これは二百五十億ということで、単純に見ますと百二十五億も税金の関係で言うと浮いてくるという格好になるわけです。そういう意味では、四分の一が二分の一にふえるということで、今実効税率で単純に見ますと百二十五億浮いてくるという、大変な優遇措置になるということを私はここで言いたいわけなんです。まさに至れり尽くせりという状態である。
 そしてもう一方で、私は、ここは大臣にもぜひこの点は考えていただきたいと思いますし、既に八年前の八六年の法案審議のときにも私どもは議論をさせていただいたんですけれども、みずからが蓄えた利益を大手私鉄の皆さんはなかなか吐き出そうとされないという問題があるわけなんです。
 大手私鉄の収入に占める鉄道部門というのは数字としては約三割にすぎないわけですけれども、あとは、鉄道沿線に張りめぐらされた土地とか住宅の不動産部門、それからデパートがあります、観光施設があります。さまざまな関連産業で大きな利益を上げているわけです。
 ですから、単純に鉄道部門だけではなくてトータルで見ると大きな利益を上げているということで、私はこの開発利益を還元すべきだと。利用者に運賃の先取りという形でいわば犠牲を押しつけるという形ではなくて、開発利益を還元すべきだということで二十数年前から議論になって、そして八年前にこの法律の審議のときに、当時服部局長でしたけれども、我が党の内藤功議員に答弁をしているんです。
 六十一年四月二十二日の答弁ですが、開発利益があるのは当然である、こういうふうに述べているんです。そして、この問題への取り組みの必要なことは本当に痛感している。つまり、開発利益を把握して、そしていかなる手法で具体的に吸収して鉄道事業の方へ還元していくのかということについて、その取り組みが本当に必要でそのことを痛感しているんだというふうに答弁されているわけです。
 新たに改正をされると、今言ったように単純計算でも莫大な恩恵を受けていくという中で、やっぱり開発利益について還元するということで考えていかなければならないわけですから、さきの六十一年の議論を踏まえてその点については具体的にどういうふうになっていくのか、どういうふうになってきたのかということも含めて還元の問題についてお答えいただきたいと思います。
#68
○政府委員(秦野裕君) まず初めに、誤解がありますといけませんのでちょっと御説明しておきます。
 先ほど先生の方から例示で、例えば一千億であれば現在は四分の一だから二百五十億、したがって実効税率五〇%として非常に莫大な利益が鉄道事業者に行くのではないかというふうな御趣旨だったように私は伺ったわけであります。
 改めて申し上げるまでもなく、現在の制度でしたら、例えば一千億の工事で四分の一の二百五十億を利用者の方々から上乗せ運賃でちょうだいできるということになっておりまして、残りの七百五十億は鉄道事業者みずからが借金をして自分で調達をして充てるべきお金でございます。
 今回は倍の五〇%、二分の一までちょうだいできますので、残りの五〇%についてはこれまた事業者が自前で調達をしていく、利子を払って調達をしていくというお金でございまして、決してその分について全部非課税になるというような性格のものではございません。
 それから、開発利益につきましてはいろいろ勉強はしておりますしておりますけれども、現実問題としてどの程度の開発利益というものがどういう人にどの範囲でもってあるかということは非常に難しい問題でございますので、基本的には、地方公共団体の方で地域の発展という観点からいろいろな助成あるいはその他の支援措置をするということで一つの開発利益の還元になっているのかなという感じがいたしておるということだけ申し上げておきます。
#69
○高崎裕子君 もう時間でございますので、ちょっと大臣最後に。
 先取り運賃はどの区間、だれを対象に受けるのかということで、京王線というのは一社全体が均等に負担していますけれども、あとの四社というのは、特定工事区間は半分程度加算して、あとは他の路線にもということで、受益者をどうとらえるかという問題があるんです。特定区間以外の人もいろいろな形で設備投資をするわけですから、何らかの形で受益を受けるということでは負担という考え方はわかるんですが、例えば学生みたいに、卒業で十年を待たないでそこのところからいなくなってしまうという人が出てくるわけです。そうなると、こういう人からまで受益者ということで負担させるというのはどうか。やっぱり運賃の考え方で、特定の旅客に不当な差別扱いをしないという点から趣旨に反するのではないかということもありますので、こういうことについてはどうでしょうか、大臣。
 もう時間が来ていますから一言で結構です。
#70
○政府委員(秦野裕君) 当然のことですが、その当該区間を専ら利用される方とそれからその他の方々との間にはなるべくバランスをとった運賃制度にしたいというふうに思っております。
 それから、御指摘の通学定期運賃にはこの割り増し制度は対象にいたしておりません。
#71
○高崎裕子君 終わります。
#72
○下村泰君 この法案に対しましては、多少のあれはありますけれども、別に反対というわけではございませんので、私はあくまでも障害者のことに関してのみお尋ねいたします。
 昨年の十月十七日の日経新聞に出た報道だったんですけれども、「運輸省は高齢者や体の不自由な人が利用しやすい駅を整備するため、JRや地下鉄事業者が新たに建設する駅などにエレベーターや障害者用トイレなどの設置を義務づける法律を制定する方針」という書き出しで、これは大変結構なことだなと思ったんです。高齢者、障害者のための公共交通施設整備促進法と、これは仮になっておりますけれども、こういう法律をつくるというお話が出ておりました。
 そのときに、十月二十六日、この報道が出て九日目ですが、当委員会でお尋ねしました。そうしましたところが、こんなお答えが返ってきたんです。
 今お話しの法律的な措置自体についてはまだ検討中でございますが、いずれにしろ、いろいろな手段を十分検討した上で、この高齢者、障害者のための公共施設の整備が推進されるように努力してまいりたいと考えております。
これは政府委員の方です。
それで、伊藤前大臣は、
 法律の準備も堂々とやっておりますからと胸を張って言えないのは残念なんですが、ただしかし、何かそういうことが大事だという気持ちで鋭意勉強、取り組みをやっているという気持ちは御理解をいただきたい。
こういうお答えだったんです。
 あれからもう七カ月たっているんですが、その後どんなふうになりましたか。
#73
○政府委員(豊田実君) お答え申し上げます。
 昨年の段階でも御説明申し上げましたが、このエレベーター、エスカレーターの整備促進についてはいろいろな手段がございまして、それらの手段をいろいろ工夫しながら取り組んでいきたいということでございます。
 具体的には、昨年、私どもはエレベーター整備指針というものを新たに策定しまして、これに基づきまして鉄道事業者の指導を今続けておるところです。
 それからもう一つ、昨年度の予算編成の過程で、今お願いしております予算措置の中へ盛り込んでおりますが、国費による補助制度を創設すると。これは法令的な措置ではなくて予算措置ということでございますが、こういう手段をもう一つ今お願いしているところです。
 それからさらに、一般的な交通整備のガイドラインというものをこの三月に全面的に見直しておりまして、これに基づきましてやはり関係者に努力していただくという態勢になっております。
 今、法令的ないろいろな措置についてどうかという御指摘でございますが、私ども今述べましたようないろんな手段を当面いろいろ工夫して整備を促進してまいりますが、並行して法令的な問題についても引き続き検討させていただきたいというふうに思っております。
#74
○下村泰君 やっと福祉ということで、殊に障害者、高齢者あるいはいろいろとお体の不自由な方たち等に対する考え方がだんだん変わってきたのでこういうことも出てくるんですけれども、それ以前というのはすべてが健常者だけを対象にできたものですから、これはやっぱり施設整備を進める上では法的な義務づけがどうしても必要になってくるのかな、こう考えざるを得ないんです。こういうふうにやれと言わない限りはなかなかうまいこといかない。向こう任せじゃ、いつどうなるかわからないわけです。
 そんな意味で、何らかの法制定に向けての努力というものは我々もしなくてはならないなというふうには感じております。その点では運輸省にも頑張ってもらいたいと思います。
 一九九一年三月にエスカレーターの整備指針が示されました。そして、昨年八月にエレベーターの整備指針がつくられたわけなんですけれども、現場あるいは事業者の方ではある戸惑いがあるというんです。一体どっちを整備しようかということです。どっちを整備しようかということになると、当然事業者の方から見れば安上がりの方がいいわけなんです。安上がりの方がいいとなると、スペースの面を考えたってエスカレーターが優先される、これがどうも現状なんです。エスカレーターの方ですと、健常者でも何でもどんどこ勝手に運ばれるわけです。エレベーターだと一カ所に限られますね。そうすると、どうしてもこれはエスカレーターの方にいくんですね。
 だから、エレベーターの整備指針というのがどういうふうに生かされるのか、どういうふうに生かすのか、具体的にはどのようにやればいいのかということは、省の方としてはどういうふうにお考えですか。
#75
○政府委員(秦野裕君) 移動制約者の方々に対します駅の施設整備という点から見ますと、私どもはエレベーターが基本であるというふうに考えておりまして、今お尋ねの整備指針の中にもそういうことがはっきり書いてあるわけでございます。したがって、基本的には新設の場合あるいは大規模な改良の場合につきましてはエレベーターをつけなさいということを言っております。
 ただ、問題は既存の駅でございまして、これはもう委員よく御承知ですのでくどくど申しませんけれども、既存の駅につきまして、なかなかスペース等の関係によりましてうまく進んでいないというのが実態ではございますけれども、できるだけ前向きに整備が進むように一生懸命令指導しているところでございます。
#76
○下村泰君 そういう省の方の気持ちをよく受けとってくれればいいんですが、なかなかそれがうまいこといかないで、恐らく省の方に対してもいろんも言いわけをしているんだろうと思います。言いわけは言いわけてしょうがないとは思いますけれどもね。
 スナップピンとかチェアメードとかいろいろ呼ばれているんですけれども、車いすをキャタピラみたいのに乗せて運ぶんですけれども、これは階段を上下できるものがあるんですけれども、営団地下鉄などではこれを次々に導入しようとして、これを基本的な方向としているようなところがあるんです。
 これがだめだとは言いませんが、これ、実は乗ってみるとどうも気持ち悪いんです。上るときはいいんですよ。大臣もおわかりでしょうけれども、御自分で車を運転する人は大体わかる。三十五度ぐらいでこんなになりますよね。これ、上っていくときはその割にはないんですよ。登山電車でも何でもそうだけれども、上っているときは。ところが、これが逆にがくっと今度は下るとなると、何か乗っている人は車いすごとばっと放り出されるような感じになるんです。物すごい恐怖心を抱くわけですね。しかも、構造上の改善をまことに必要として、いろいろと指摘はされているんです。
 最初のころは数人で持ち上げたり、いろいろ駅員の方もやってくれたんですけれども、これがだんだんなれてくると一人でやる。ところが、当事者の人の恐怖心というのは、さらにこの恐怖心が募るわけです。二人か三人いてくれればなおいいんですけれども、一人なんていうのは余計怖くなる。
 しかも一番悪いのは、困ったことには、あなたは車いすなんだからこれに乗らなければだめだというような、半ば強制的に乗せられるということなんです。そうしますと、本当に車いすに乗っている人はたまったものじゃない。その逆に、あるJRの駅では、駅員の方が面倒くさがって乗客の助けをかりて持ち上げているという横着なところもある。これは周りの乗客の方が手助けしてくれればようございますよ。知らぬ顔されたらどうにもなりゃしない。どうもこういうあたりの方向性が見えない。
 それから、施設づくりを基本ベースとして、それを補完するものとして車いす対応型のエスカレーターについても、それを導入したんだから、車いすで乗れるステップが回ってくるまでこれはじっと待たされるというふうに、いろいろなあれがあるわけです。後ろを押さえてくれれば普通のエスカレーターでも大丈夫という人もいるんですよ。中には、本当に車いすをやっていてうまい人がいるんですよ。はいと僕なんか手を出そうとすると、平気ですとそのまますうっと行く人もいるんです。そういう方も中にはいるわけですけれども、無論できない人の方が多いわけなんです。要するに、本人の意向を確認してやるのが一番大切だと思うんです。
 整備するということが悪いとは言いません。ただ、一番私は明確に方向を出していただきたいのは、こういうものを整備する場合、開発あるいは製造する場合に当事者から意見を聞いてほしいんですよ。ほとんど当事者から意見を聞いていない。つまり、お情けで物をやってやるという感覚、つまり健常者が不自由な人の身をおもんぱかる、あるいは机上で考えるだけでやることが多いんです。もちろん、やらないよりは結構でしょう。けれども、一番大事なのは、利用するのはその方たちなんですから、その方たちの御意見を聞いて一応やっていただく、整備していただくについてもこれが一。番大事なことだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(二見伸明君) お答えになるかどうかわかりませんけれども、いわゆる福祉機器をいろんなところで開発しています。私も見にいったことがありますけれども、車いすもあるし、義足もあるし、いろんなものがある。私、それを見にいきまして、やはりこれは体の元気な我々が使うわけじゃありませんので、実際に使う人のニーズといいますか、それに合わないとこれはうまくないんじゃないかなということを現場で話をして意見交換したことがございます。開発している方々も、いわゆる移動制約者ですか、そういう人の意見を聞かないと本当にフィットしたものかどうかはわからないというふうに言っておりました。
 ですから、そういうものを開発する場合には利用する人の意見を最大限に聞かなければならないだろうということは当然だというふうに私は思っております。
#78
○下村泰君 次に、大阪の天王寺駅の駅ビルの建設工事が現在行われております。それはもう運輸省がよく御存じでしょうけれども、その中であわせて環状線と大和路線、関西本線ですね、これにエスカレーターがつくんですが、エレベーターは全くつくる予定がないというわけです。そうしますと、先ほどの局長のお答えとまるでこれは相反しているわけですよ。車いす用エスカレーターをつけるからエレベーターは要らないと向こうは言うんです。
 ここで問題なのは、車いす対応エスカレーターはあくまでも補助的であるという認識がないということです。こういうふうな感覚でやられるのが一番困るんです。
 しかも、例えばそのエスカレーターが車いすを持ち上げていくときの補助機がついたとしますね。そうしますと、その補助機、例えばスナップピンがあるとします。そのピンが来るまでは待たなきゃならぬわけです。そうすると、ほかのお客さんはどうするかということです。かえって大変御迷惑をかけるんです。エレベーターがあれば、別にそんなピンが回ってくるのを待たなくて済むんですから、ほかのお客さんに迷惑をかけることはないわけです。
 しかも、この駅は関西新空港につながるターミナルになるわけです。大勢の健常者を対象にすれば当然エスカレーターの方がいいのかもしれませんけれども、これから障害者、高齢者を含めて多くの車いすの外国人の方も利用されるわけですよ。しかも、あれは二十四時間空港でしょう。そういうふうになれば、この間の国際観光会議の話じゃありませんけれども、当然京都がクローズアップしできますよ。そうなれば、京都がパリに負けるななんてやるわけでしょう。この間、話したばっかりです。
 そうしますと、京都の古都を観光しに来るお客さんの中にも障害を持った方もたくさんいらっしゃるでしょう。そういう方々が新国際空港を利用して京都の観光あるいは国際会議に出席なさったにしても、この方たちが、何だ、これは、何だ、日本という国はと、こんなことで国際会議ができるのかというようなことになりかねない。これはみっともなくてしょうがない。こういうことにもなりかねませんので、運輸省はどういうふうに対策を立てられますか。
#79
○政府委員(秦野裕君) 天王寺駅の問題でございますが、確かに阪和線は御案内のとおり水平で行かれるわけですけれども、環状線と関西線との通路の間にはかなりの段差があるということでございまして、今回は階段の一部にエスカレーターをつけるという措置を講じたわけでございます。
 本来的にはもちろん、委員御指摘のとおり、エレベーターが望ましいわけでございますが、今通路が御案内のとおり非常に狭くなっておりますものですから、仮にエレベーターをつけるとする場合には、別にもう一つ新しい天井と申しますか、新しい通路をつくりましてそこからホームにおりていただくという設備にしなければならないということで、これは工事額もさることながら、工事が物すごい工事に、天井をつくる工事になるものですから、現実問題として当面非常に難しいというふうにJRの方は申しておるわけでございます。
 ですから、もちろん私どもとしては、これは今のエスカレーターで事足れりというふうに思っておるわけではございませんので、もし大改良のような折があれば当然そういうことを含めて検討していくべきものだというふうに考えております。また、利用者の方々に対するサービスについても、先ほど来の御指摘を十分踏まえて、御不便なり御不快がないように対応いたしていきたいというふうに考えております。
#80
○下村泰君 時間ですからこれでおしまいにしますけれども、大臣、今局長のお話をお聞きになったでしょう。さっきの局長の言と今のことと全然違うんです。それは確かに今度の天王寺駅の、いろいろありましょう、それは。しかし、最初から設計の中にきちんとこういうものを入れていれば、こんなふうにならないはずですよ。狭くとも何にせよつくろうと思えばできないことはないんです。
 本当は時間があれば、この次に、できなかったはずの新宿の駅にできた話があるんです、この後に。やろうと思えばできるんですよ。やる気があるかないかの問題です。ですから、今もお話ししたように、外国の方々がごらんになって、京都まで来てもしそういう不便を感じた場合にどうやるんですか、そのときになって。私が一番心配するのはそこなんです。そのことについて一言お答えください。
#81
○国務大臣(二見伸明君) 私も先生の意見と全く同感であります。
#82
○下村泰君 ありがとうございました。
#83
○委員長(和田教美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#84
○高崎裕子君 私は、日本共産党を代表して、特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。
 理由の第一は、もともと民鉄事業は公共性にかんがみ、他の事業と比べて有利な無利子貸し付け等の特別融資制度や会計処理が認められています。このような優遇措置をそのままにして、法施行当時運賃値上げ率が段階的に最高限度六%で、準備金の積立率が工事費の四分の一であったものを、本法案ではそれぞれ一〇%、二分の一に拡大しています。これは利用者負担分を法的歯どめなしに拡大して、なし崩し的に先取り運賃の大幅値上げの突破口となり、認めることはできません。
 第二に、民鉄は鉄道事業の規模以上の関連事業を抱え、なおかつ不動産、住宅開発、百貨店、レジャー産業等の関係子会社を有して今まで高い成長をしてきました。民鉄グループの成長を支えてきた大きな要因として、関連事業や関係子会社の売り上げや資産価値の拡大に鉄道事業の展開があったことは歴史的に明らかです。この不況の中でも開発利益等の拡大によって、民鉄だけでも内部留保は毎年ふえています。先取り運賃を実施している五社の内部留保は、八六年度末二千八百十五億四千六百万円、九二年度末には四千三百十八億五千八百万円と、この間一・五三倍にふえ続けています。九二年度運政審答申では、大都市鉄道整備に開発利益の還元を明記しているのに、混雑緩和のための輸送力増強工事費の負担については、民鉄の開発利益の還元や民鉄グループの莫大な資産や内部留保に相応した負担は一切行わないで、専ら利用者に負わせることは反対です。
 第三に、先取り運賃の問題点として、先取り運賃の負担者と実際の通勤混雑緩和の受益者が必ずしも一致しないことが指摘されています。首都圏五社が八七年十二月から行っている事業の進捗状況は、一応事業限度期限が九七年度となっていますが、用地買収のおくれ、都市計画決定がまだ行われていないなど、京王を除けば期限内の早期完成が難しくなっています。十年間の事業期間を前提にした輸送力増強の早期実現のための先取り運賃値上げ制度そのものが問われているのが現状です。今回の法案は、条件つきとはいえ、こういう現状を容認するもので、先取り運賃の問題点を一層顕著にするものです。
 以上の理由で、我が党の反対討論といたします。
#85
○委員長(和田教美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(和田教美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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