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1994/06/20 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 運輸委員会 第8号
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1994/06/20 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 運輸委員会 第8号

#1
第129回国会 運輸委員会 第8号
平成六年六月二十日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 教美君
    理 事
                松浦 孝治君
                堀  利和君
                泉  信也君
                矢原 秀男君
    委 員
                伊江 朝雄君
                鹿熊 安正君
                河本 三郎君
                二木 秀夫君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                渕上 貞雄君
                林  寛子君
                山田  勇君
                高崎 裕子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  二見 伸明君
   政府委員
       運輸省自動車交
       通局長      越智 正英君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       長        樋口 忠夫君
       運輸省航空局長  土坂 泰敏君
       運輸省航空局技
       術部長      北田 彰良君
       気象庁長官事務
       代理       亀甲 邦敏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島 啓雄君
   説明員
       警察庁交通局交
       通企画課長    倉澤 豊哲君
       警察庁交通局都
       市交通対策課長  田村  博君
       科学技術庁研究
       開発局企画課防
       災科学技術推進
       室長       山下 弘二君
       環境庁大気保全
       局企画課交通公
       害対策室長    平山 義康君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    福田  進君
       建設大臣官房技
       術調査室長    城処 求行君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○航空法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登
 録事務所の設置に関し承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(和田教美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○山崎正昭君 先日に引き続きまして、質問をさせていただきたいと思います。
 ただいま議題となりました航空法の一部改正につきまして二、三点お聞きを申し上げたいと思います。
 先日、趣旨説明をいただきましたが、幾つかの部門になっておるわけでございますので、順次その部門についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず第一に、騒音関係について伺いたいと思います。
 本年九月四日に開港予定となっております関西国際空港については、特に騒音問題を抜本的に改善するモデル空港として期待しているようでございますが、今後も空港整備と騒音対策とは密接な関係がございます。騒音対策については今後どう対応いただくのか。また、今回の規制は平成二年の国際民間航空機関、ICAOの決議によると思うのでありますが、その背景についてお伺いをさせていただきたいと思います。
#4
○政府委員(土坂泰敏君) 関西空港は、仰せになりましたように、海上につくりまして騒音の問題のない立派な空港でございます。ほかの空港はやはり内陸にございますので必ず騒音の問題というのが出るわけでございます。空港というものが地域に受け入れられていくためには、この騒音対策というのにどうしても取り組んでいかなければいけない、大事な問題であるというふうに思っております。
 騒音対策、大きく二つ柱がございまして、一つは発生源対策と言いまして、音の発生するところで音を小さくしてしまう対策、もう一つは、それだけではどうしても飛行機の騒音はゼロになりませんので、防音工事とかその周辺でその障害を軽減するための対策、二つでやっていくわけでございます。
 今回お願いをいたしております航空法の改正は、この発生源対策の一つといたしまして、騒音基準のより厳しくなった飛行機、それしか使ってはいけないということをICAOの決議を受けて実行していこうという内容でございます。
 こういうことが行われましたICAOの背景でございますが、騒音基準適合証明制度というのは昭和四十六年にICAOで決められました。そのときの基準がいわゆる旧基準と言われるものでございます。その後、昭和五十二年になりまして基準が強化をされまして新基準というのが決まったわけでございますが、そのときに、そのときまでに既に旧基準機で飛んでいる飛行機というのを全部新基準機でないとだめだという理由で使わせないというのはこれはやっぱり影響が大き過ぎるということで、今まで飛んでいた飛行機で旧基準機のものは、これは一定の要件を満たせば使っていいよということにしたわけでございます。
 ただ、騒音問題、仰せのように大変大事な問題でございまして、飛行機の便数もどんどんふえてまいりますので、旧基準機がそのまま使われているということでは騒音問題の改善が進まない。やはりこの際、旧基準機は一定の要件のもとに今後使ってはいけないことにしようということで今回のICAOの決議が行われた、こういう経緯でございます。
#5
○山崎正昭君 今の発生源についての騒音対策、そういうことで今回の法案が提案されたということでございますが、さらにこの騒音対策を推進していくため、今まで御説明がございましたように、平成七年四月一日以降旧基準適合機においては段階的に運航制限を行いまして、平成十四年四月一日以降運航を禁止する、こういうようになっておるわけでございます。
 そういう観点から、禁止の対象となる航空機は現在何機ありますのか。また、そのうち我が国のエアラインの保有機は何機あるのか。
 さらに、今回の措置が騒音対策上大変有効であるということは確かでございますが、現在各航空会社につきましては経営不振というようなことを言われておるわけでございまして、大変厳しい環境である、このように思っておるわけでございます。そういう中で、大変過重な負担となりはしないか、こういうことが懸念をされるわけであります。したがいまして、そういうことにつきましてお伺いをいたしたいと思います。
#6
○政府委員(土坂泰敏君) 我が国で現在運航している飛行機の中で旧基準機と言われるものは百八十機でございます。このうち、我が国の航空会社が持っておる飛行機は四十五機分でございます。これが旧基準機でございますから使ってはいけないわけでございますが、今先生が言われましたように、一遍にというわけにはいきませんので、段階的に使用を禁止しようと。
 具体的には、平成十四年の四月一日以降は全部困ります、しかし平成七年の四月一日から十四年の四月一日の間は一定の要件に合うものは経過措置として使って結構ですよ、こういうやり方をしております。
 それで、今申し上げましたその百八十機はこの経過措置によって救われるわけでございますが、経過措置が切れていけば七年と十四年の間でも使えなくなるわけでございます。ただし、航空会社の方はそのことを踏まえまして、機材の退役計画、就役計画というのをあらかじめつくっておられまして、これを前提にして機材の運用を考えておられます。
 したがいまして、規制が行われたから、そのために予定外のことが起こるというようなことはございません。そういう意味で、エアラインのことも考えて、大変厳しい経営状況でございますが、同時に騒音対策も達成すると、二つの目的を考えながら今のようなことをやりたいというふうに思っているところでございます。
#7
○山崎正昭君 今の説明でよくわかるのでありますけれども、重ねて申し上げますけれども、大変厳しい経営環境であるということが言われておるわけでございます。その次に、いろいろ運賃等の問題もございますし、大変過重になりはしないかな、たとえ段階的でも過重にならないかなと大変懸念をいたすわけでございます。そういう点について十分慎重にそういった方面で対応していただきたい、このように要望をさせていただきたいと思います。
 次に、航空従事者の資格制度について伺いたいと思います。
 パイロットに関する資格制度の改正、この背景についてまずお伺いいたしたいのと、規制を強化するのかまた緩和するのか、ちょっと私判断するにわからないわけであります。それがどちらかということもひとつお伺いをさせていただきたいと思います。
 さらに、中華航空の事故についてもまた後ほどちょっと触れさせていただきたいと思いますが、パイロットの操作等々についていろいろ言われておるわけでございます。そういった中で、今回のこの改正について安全上問題が起こりはしないか、こういう懸念もございます。それについてもお願いを申し上げたいと思いますし、また安全教育について各国やまた各エアライン、いろいろ指導方法、教育方法が違うと思うのでありますが、そういった方法とか内容についてもあわせて伺いたい、このように思います。
#8
○政府委員(土坂泰敏君) まず、背景でございますが、これもやはりICAOの決議を受けて行うものでございます。ICAOの決議が行われましたポイントが二つございまして、一つは操縦士の資格区分が今四つあるわけでございますが、このうち実態のなくなりました上級事業用操縦士の資格、これをやめるというのが一つであります。
 それからもう一つは、パイロットの資格区分ごとにどんな飛行機を操縦していいかという決まりがあるわけですが、その決まりを今までは飛行機の重さで分けていた。何トン以上の飛行機はどうというふうにやっておったわけですが、今御承知のようにハイテク化の時代になりまして、重いから飛行機の操作が難しいということではもうない。むしろ、飛行機を動かすのに何人の人間が要るかという方が飛行機の操縦の難しさの目安になるということでございますので、その操縦士の資格ごとに運航できる飛行機の限定をパイロットの人数で分けることにした、この二点でございます。
 それで、これは一体強化なのか緩和なのかということですが、今申し上げましたように、実態がなくなったものとかあるいはハイテク化というような技術の進歩というものを踏まえて、強化とか緩和というよりもむしろ合理化という感じがいたします。そういう新しい水準に合わせた、実態に合わせたということであろうというふうに思います。
 したがいまして、中華航空の問題をお聞きになって御懸念がありましたけれども、むしろ安全面ではかえってこの方が合理的な姿になったというふうに私どもとしては思っております。
 それからあと、各国の問題がいろいろあるという御指摘でございましたが、パイロットというのはどういう技能と知識を持たなければいけないかというのは、これはやっぱりICAOできちんと中身が決まっております。ただ、その実施方法は、各国に試験のやり方その他はゆだねられている。ただ、中身はきちんとICAOで統一をされたものがあるわけでございます。
 我が国はそのICAOの基準というのを受けまして大変きちんとやっておりまして、まず航空大学校のようなところで基本的な資格をちゃんと取る、エアラインに入ってからは副操縦士としての経験を積む、それからまた試験を受けて機長になる。機長になった後も定期的に、これは六カ月ごとに資格審査がございます。また身体検査もございます。ということで、非常に厳しい条件をクリアした姿でパイロットが運航に当たっておるという状況でございまして、今後も十分その点は踏まえてやってまいりたいと思います。
#9
○山崎正昭君 先ほど申し上げましたように、過日の中華航空機の事故に関連してでありますけれども、伺いますと、機長、副操縦士の検視の結果、血液中からアルコールが検出された、こういうような報道がございます。
 その報道の中で、飲酒の上であるかどうかはこれは別といたしましても、今回の航空法の改正案の中で、同法の七十条違反ですか、つまり飲酒や薬物使用後の航空業務に対する刑罰、そういう中で改正になっておるわけでございます。たしか懲役一年以下、三万円の罰金が三十万と、こういう金額になっております。
 その趣旨と基準を伺いたいと思いますし、これに関連して、道交法また鉄道営業法ですか、調べてみますとかなりの差異があります。そういったことを考えますときに、この航空法の一部改正の中でこの罰金刑が非常に重くなっておる、こういうように思っておりますが、この点について一遍ちょっと伺いたいと思います。
#10
○政府委員(土坂泰敏君) 航空法では、アルコール、薬物などの影響のもとにある場合には飛行機を運航してはいけないという決まりがございまして、それに違反をいたしますと、今仰せになりましたように懲役一年、罰金三万円という規定でございます。今回改正をお願いしております法律によりまして、これを三十万円に引き上げたいと思っております。
 これは、中華航空というようなことに限らずに、実は罰金刑全体について、航空法というのは昭和二十七年にできた法律でございます。既に三十年以上経過いたしまして、その間罰金のところがいじってないわけでございますが、三十年前と今とではもう経済社会情勢は全く変わっておるわけでございますので、その間の物価の推移というようなことも勘案いたしまして、やはり適正なものにする必要があるであろうということでございます。そういうことで、法務省とも協議をいたしまして、三万円を三十万円に引き上げたということでございます。
 なお、鉄道、自動車などにつきましても同じような規定がございますし、罰則もございます。自動車の場合は罰金十万円になっておるようでございますが、いずれにいたしましても、現時点ではやはりいろんな物価水準の動向を考えますと三十万円が妥当ではなかろうかというふうに考えてお願いをしたところでございます。
#11
○山崎正昭君 いずれにいたしましても、確かにどの分野もそうでありますけれども、法規制を行いながらこれと並行して、特に航空機大量輸送の中でありますだけに、やはりパイロットというかオペレーター個人のモラル、我々政治家も個人の倫理観を問われるわけであります。
 そういうことを含めまして、薬物は別でありますが、あすの運航を考えてみても、やはり酒は、それぞれその人その人によって強い弱いもありますし、そういうことで飲まれるときもこれはあろうと思います。そういったことを含めて、これから健康管理とか各事業所の操縦にかかる直前のいわゆるチェック、そういったものを徹底していただきたい、こう思います。
 そういった方法はそれぞれ各社で違うように伺っておるわけでございますが、これについてもちょっとあわせて伺いたいと思います。
#12
○政府委員(土坂泰敏君) 飛行機は運航するにつきましていろいろ注意しなければいけないことがあるわけでございますが、そういうのを運航規程というものとしてつくりまして運輸大臣の認可を受けるわけでございます。
 その中で、アルコールにつきましては、乗務の十二時間前になったらもう飲んではいけないという決まりが書いてございます。それから、飛行機に実際に乗務する前に運航管理者が乗務員を点検をするわけでございますが、その段階で、懸念といいますかちょっと気になることがあれば、仰せになりましたように検査のための器具がございますので、その器具を用いて大丈夫かどうかを確認をする。それで、これはいけないということになりました場合には、それは当然乗務はさせないで別の人にかわってもらって飛行機を飛ばすというようなことになっております。これは各社ともみんな同じ決めになっておるところでございます。
#13
○山崎正昭君 そういうことになりますと、仮に私が操縦をする直前になってチェックをされた場合に、まだ昨日のアルコールが少し入っていますよ、あなたは操縦員として不適格である。じゃすぐ、その代替要員というのは絶えず何人がしてあるのですか。それもちょっと一遍お伺いしたいと思います。
#14
○政府委員(北田彰良君) 乗員の健康状態というのは常に変わるものでございますから、常日ごろからスタンバイ乗員というのを置きまして万が一に備えております。
#15
○山崎正昭君 いずれにいたしましても、そういった管理を十分徹底していただくようにひとつお願いを申し上げておきたいと思います。
 続いて、許認可等の整理合理化関係でございますけれども、法案の中に定例整備についての改正があるわけであります。この改正によってどのような効果が生まれてくるのか。さらに、整備の海外委託が可能になるというのであれば、海外委託についての安全性の確保、そういった面で支障を来さないか。特に語学の問題があろうと思いますので、海外委託ということになりますと。こういった点も含めてひとつお伺いをさせていただきたいと思います。
#16
○政府委員(土坂泰敏君) 今、改造であるとか大修理は認定事業場がやる、定例整備は整備士がやるというように仕分けをしてやっておるわけでございますが、当然改造や大修理の方が定例整備より難しいわけでございますので、認定事業場がそれができるなら定例整備も当然できるということでございます。
 そういうことで、今回定例整備も認定事業場ができるように改正をしたいというのがポイントでございます。問題は、それによってどういう効果があるかということですが、結局、認定事業場で定例整備もできるようになりますと、整備士をその公使わなくていいわけでございますから、整備士というのを有効に使える、それから海外の認定事業場で日本の整備士がいないところにでも定例整備をお願いできるということで、特に海外への委託というのはコストの削減効果もあるということでございます。
 そこで、これをやらせるようにしたいということでございますが、問題は安全の面でございますけれども、当然安全の面に支障があってはいけないわけでございますので、まず海外の認定事業場といっても、ただ民間がそのまま委託するというわけじゃなくて、航空法上の認定事業場にならなきゃいけないわけですから、航空局の審査というのを認定事業場になる段階で受けなければならない。それから、この認定というのは一年間で期限が切れますので、一年ごとに更新をしなければいけない。更新の際にも十分検査をするということで、安全上問題がないようにしていきたい。国だけでなくて航空会社自体もやはり十分相手の会社に対して指導監督をするとか、あるいは領収のときにチェックをするとかいうことでやっているということでございます。
 あと、言葉の問題をお話しになりましたけれども、基本的に航空関係はICAOの基準でやりますので、ICAOの基準自体が英語でできておりまして、英語の世界でみんな物を考えるというふうになっておりますので、その点も御懸念がないようにやっていきたい、またいけるのではないかと思います。
#17
○山崎正昭君 この趣旨はよくわかるのでありますけれども、合理化等によってコストの問題が大きくあると思うんです。いずれにいたしましても、やっぱり安全でなければ航空機はその使命を果たせないわけであります。そういった整備についても万全を期していただくように、ひとつ運輸省としても指導監督をお願い申し上げておきたいと思います。
 続いて、運賃のことでありますけれども、これは割引運賃の大部分が届け出制ということになっております。その効果を伺いたいと思いますし、また先ほど申し上げましたように、厳しい国際競争の中にございます。そして、この国際競争力強化のための対応として今回のこの改正がどのような成果をおさめることになるのか、また運輸省としてどんな役割と努力をされておられるのか、これについてお伺いいたしたいと思います。
#18
○政府委員(土坂泰敏君) 割引運賃というのは二種類ございまして、公共政策的な割引運賃と営業政策的な割引運賃があるわけでございますが、営業政策的な割引運賃というのは結局、割引運賃を設定することでお客さんがふえていくし収入もふえるだろう、そういう見込みのもとでやるものでございます。したがいまして、こういうふうに価値観がいろいろ変わってニーズも多様化している時代には、やっぱり企業の自主的な判断でそういうものをやっていただいた方が結局利用者のためにもいろんなサービスができるし、自分としても増収ができるということで効果も期待できるであろうということで、認可制よりもより弾力的な届け出制に移行しようということでございます。
 それから、世界全体不況の中で競争が大変厳しくなっておりまして、航空会社も生き残っていくためにいろいろな体質の強化をしていかなきゃいかぬわけでございますけれども、そのためには、一つはリストラをやってコストダウンしていくということですが、それと同時にやはりこういう収入をふやす努力というのもしていかなきゃいけない。そういう意味で、両面から企業に努力をしてもちいたいと思いますし、行政もそれをまた規制緩和の雨その他で支援をしていかなければいけない。
 先ほどお尋ねのありました定例整備というのはコスト削減効果がある、運賃の割引制というのは増収の効果がある、そういう面でそれぞれ意義があるのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#19
○山崎正昭君 最後に、今回の航空法の一部改正の法案でありますけれども、総じて申し上げたいと存じますが、航空機の運航は安全性の確保が大前提でございます。そういう中で、騒音防止、パイロットの教育や整備、運賃等での制度の合理化を進めていく中で、経済性を重視する余りその安全性が軽視されないかという疑問が絶えず私つきまとっております。そういう中で、今航空局長の方からお話がございましたが、国において厳重な管理指導をお願いしたい、このように強く思うのでありますが、運輸大臣の御所見を伺いたいと思います。
#20
○国務大臣(二見伸明君) 私も先生と全く同じ意見でございまして、航空というのは何といってもやっぱり安全性が第一であります。私は、今度の改正の中で、一つは安全性、もう一つは環境対策、環境対策は騒音の低い飛行機を導入するということで発生源対策は一歩進んだと思いますが、安全性の確保というのは、常にこれは心していかなければならない一番大事な課題だというふうに思っています。先生の御意見も外しながら、安全性の確保には万全の体制で臨んでいきたい、十分に指導監督してまいりたいというふうに考えております。
#21
○山崎正昭君 法案の中身についてはこの辺にさせていただきます。
 皆さんにお許しをいただきまして、多少関連する部分、また違う部分もありますけれども、二、三お伺いをさせていただきたいと思います。
 特に、航空機の運航につきまして、気象は大変深いかかわりを持っておるわけでございます。それとはちょっと離れるのでありますけれども、気象事業に対して近年非常に国民より要望がございまして、きめの細かな情報を求める声が大変多くなっております。そういう中で、気象庁としても気象の精度の向上、データの提供に対応していただいておるわけでありますが、しかし、集中豪雨とか台風とか豪雪、暴風、高波、地震、津波等の広い自然災害の発生の予知が十分でない、また、その施設整備も万全でないのも現状であるわけであります。
 そんな中で、きょうは地震について特に気象庁、運輸省がこれ所管ですね、ですから、多少外れますけれども、地震についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、一つでありますけれども、先日、台湾付近での地震の際、震源地発表が百キロメートル以上誤差があったという報道がございました。これについて、なぜそういう誤差があったのか伺いたいと思いますし、当然誤差があるということになりますと津波の予報とか警報の対応も違ってまいると思うんですが、この点についてひとつ伺いたいと思います。
#22
○政府委員(亀甲邦敏君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の地震は、ことしの五月二十四日午後一時に台湾付近で発生いたしましたマグニチュード六・六の地震のことと思われますが、この地震につきましては、管轄いたします沖縄気象台で、地震発生後おおむね七分ぐらい後でございますが、津波注意報を発表しておりまして、震源から最も近い島、これは与那国島でございますが、そこでも十分間に合うタイミングで注意報を出すことができたということでございます。
 それで、御指摘の震源地のずれでございますが、ただいま申し上げましたように、私どもといたしましては、津波を起こす可能性がある地震が発生いたしましたときには、分秒を争いまして直ちに津波が起きるかどうかという判断をいたします。そのために暫定的にまず震源地を決定いたしまして、それで注意報等を出す、それとあわせて暫定的な震源地を発表するわけでございます。それで、その作業が終わりました後で、あと数日間かけまして、各地から集まりました地震資料を集めまして、言えば調査的に最終確定的な震源地を発表するわけでございます。
 今申し上げましたように、こういったデータ量の差とかその他ございますので、どうしても通常、暫定的な震源地とその後最終確定した震源地というのはずれが出るわけでございますが、先ほど申し上げましたように、津波注意報等の発表については問題なく処理されております。
#23
○山崎正昭君 ある程度の了解はいたしますけれども……。
 次に、近年我が国の周辺で大変地震が多発している、こういうようなことを言われておるわけでございますが、ここ二、三年のいわゆる我が国周辺の地震の現状、それから規模や予知状況、こういうものもお伺いしたいと思いますし、あわせて、過日北陸地方におきまして、地方紙でありますけれども、岐阜大学の川上先生のいわゆる学説と申しますか報告が掲載をされたわけであります。それについて気象庁の方ではどういうような感想を持っておられるか、また今日までの地震予知学の中での川上先生の学説等についてどう評価されておるか、こういうことについてお伺いをさせていただきたいと思います。
#24
○政府委員(亀甲邦敏君) まず、近年の地震の発生状況でございますけれども、ここ一、二年をとりますと、いわば体に感じます有感地震、これが年間大体千数百回日本各地で起きております。一日平均いたしますと、大体四、五回は毎日どこかで有感地震が起きておるという状況でございます。
 近年の大きな地震といたしましては、昨年の七月に北海道南西沖地震が、これはマグニチュード七・八でございますが、発生いたしまして、先生御承知のように二百名以上の方々が津波災害の犠牲になっております。また、昨年の一月に発生いたしました釧路沖地震、これはマグニチュード七・八でございますが、これは死者が二名となっておるわけでございます。
 予知の関係でございますが、現在の科学技術の水準のもとにおきましては、予知が可能と考えられておりますのはマグニチュード八を超えるクラスのいわゆる東海地震だけだということになっておりまして、その他の地震につきましては大変残念ながら現在の科学技術の水準では予知は極めて困難だという状況でございます。
 それで、先生御指摘の過日の岐阜大学の川上先生の報告、これは福井新聞に掲載されたわけでございますが、内容は私どもは承知しております。この学説につきましては、川上先生が地質学的な観点から、中部地方あるいは近畿地方におきます数千年以上の活動周期を持ちます構造線あるいはブロック構造境界に沿った断層の活動に注目した研究であるというふうに理解しております。
#25
○山崎正昭君 ちょっと掲載された記事をもとに伺いたいと思うのであります。
 この地方には過去に濃尾地震、福井地震と大きな地震が発生をいたしておるわけでございます。この地震を受けて、福井−根尾谷ブロック境界で発生したものである、こういうように言われておるわけでございます。
 そんな中で、最近の活断層研究の中で、中部、近畿は北米、フィリピン、日本海側からのプレートがせめぎ合っておる大変複雑なブロック構造である、したがってそのゆがみが開放されて断層運動が起こるんだ、こういうような発表をされておるわけであります。北陸は糸魚川−静岡の構造線に始まりまして、敦賀−伊勢湾構造線まで五本のブロック境界や構造線がある、こういうように言われておるわけであります。そんな中で、地震が割合短いサイクルで発生しても不思議ではない、やはり近い将来発生する可能性がある、こういうように言われておるわけでございます。
 そういった中で、これは川上先生の学説でありますけれども、先ほど簡単な評価でございましたが、これについてどういうふうに思われますか、ちょっとお伺いいたします。
#26
○政府委員(亀甲邦敏君) 先生御指摘の、近い将来発生すると言われております地震は、数千年以上の活動周期を持つ構造線に沿いまして、この地震活動に着目した上で、過去数百年間は地震活動期にあり、最大でマグニチュード七クラスの地震が発生する可能性のある地域が現在のところ地震を起こさないで残されている、いわゆる空白地域になっておるということを指摘した一つの学説であるというふうに承知しております。
 それで、当該地域は多数の活断層が分布しておりますので、地震が起こる可能性を否定することはできないわけでございますが、いわゆる地震の予知ということになりますと、いわばその場所と時期を特定しないと予知とは呼べないわけでございます。先ほど申し上げましたように、大変残念なことではございますが、現在の科学技術の水準ではそういう意味での予知というのはなかなか困難であるというふうに考えております回気象庁といたしましても、今後、この地域も含めまして全国各地の地震活動につきまして注意深く監視を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#27
○山崎正昭君 実は気象庁から出されておる「地震と津波」という本でありますけれども、これをずっと拝見させていただきますと、今のような学説があり、大変過去にこういった地震が発生した経緯があるという中で、福井県を含めて石川、富山、この辺を見てまいりますと、特定観測地域とか観測強化地域という指定がなされておるわけでございますが、ちょうど名古屋、京都、大阪、神戸地区が特定観測地域に指定されておるわけでありますが、ここだけ外れておるのでありますけれども、なぜこういった指定になっていないのか、この点についてちょっとお伺いをいたします。
#28
○説明員(城処求行君) お答え申し上げます。
 地震予知の実用化を促進するためにということで、地震の専門家にお集まりをいただきました地震予知連絡会が設けられておりまして、地震予知に関する情報交換でありますとか学術的な検討を行っております。予知連と呼んでおりますが、この予知連絡会の御議論の中で特定観測地域と観測強化地域というものが指定されているわけでございますけれども、ここでのこれまでの御判断では、福井県のところを取り上げて指定するということにはなっていないわけでございますが、私どもも含めて観測機関は福井県を含めまして全国にわたる各地の観測をやっております。
 御趣旨も観測の充実という点にあろうかと思いますけれども、特に私ども国土地理院でやっておりますのは、測量を通じて地殻変動をとらえるということをやっておりまして、最近では人工衛星を使った測量技術というものが開発されてまいりまして、これによりますと全国にわたる非常に広域的な観測でありますとか、とにかく常時行うというようなことが可能になってまいりましたので、この新技術を活用して観測システムを充実していきたい。特に連続観測システムを全国にわたって展開して、六年度中にも観測を始めたいというふうに考えております。
 御指摘のとおり、観測体制の充実には積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#29
○山崎正昭君 六年度からということですか。今ちょっと、もう一遍最後の方を。
#30
○説明員(城処求行君) 新しい地殻変動の連続観測システムというのは、五年度の補正予算でおかげさまで御配慮をいただきましたので、ただいま設置をしております。それで、順調にいけば今年度中にも、六年度中にも観測を始めたいというふうに考えております。
#31
○山崎正昭君 私は福井県出身で大変我田引水になりはしないかと思うのでありますけれども、実は北陸地方、特に福井県は国の重要施設が集中的に立地をしている地域なのであります。そういうことにかんがみまして、今後特にそういった学説等も踏まえる中で、やはり北陸地方に日本海側の核となるような地震の予知さらにデータ等の集積とか発信、こういうことについて施設を拡充整備するという意味で積極的に取り組む、こういうような考え方はないのか、ちょっと伺いたいと思います。
#32
○政府委員(亀甲邦敏君) 気象庁におきましては、測地学審議会によります地震予知計画の趣旨に沿いまして、全国的に整備した観測網によりまして、気象庁の受け持っております全国の大地震、中地震、小地震、マグニチュード三以上の地震でございますが、この地震の観測網を整備しておるわけでございます。地震の観測にはいわばネットワークが大変重要でございますので、昨年、平成五年度の第二次補正予算におきましてお認めいただきました地震津波早期検知網ということで、新たに全国百五十カ所に地震計を設置いたしまして地震検知能力の向上を図ったところでございます。
 御指摘の福井県でございますが、この福井県のみならず、周辺の石川県、岐阜県、滋賀県、京都府等でもって、私どもとしては先生御指摘の地域の地震観測については十分なネットワークが張られたものと考えております。
#33
○山崎正昭君 お願いしてございました科学技術庁にお伺いするんですが、我が国の全体の地震予知を推進する序として、この予知体制の強化についての取り組みというものをちょっと伺いたいと思います。
#34
○説明員(山下弘二君) お答え申し上げます。
 私ども政府全体としましては、先ほどから気象庁あるいは建設省から御説明ありますように、測地学審議会の建議に沿いまして内閣に設置されました地震予知推進本部という組織がございます。この組織のもと、政府関係機関あるいは国立大学の緊密な連携のもとに従来から観測、研究を行っているところでございます。
 こうした体制のもとで、平成五年度から平成六年度にかけましては、先ほど気象庁あるいは建設省から御説明ありましたように、気象庁によります地震津波早期検知網の整備あるいは国土地理院によるGPSという人工衛星を用いました地殻変動観測施設の整備というのを行いまして、五年度から六年度にかけて観測体制の大幅な充実を図ったところでございます。
 したがいまして、私ども地震予知推進本部の総括的な事務局をしております科技庁といたしましても、今後とも測地学審議会の建議の趣旨に沿いまして、もちろん諸般の社会的な情勢も踏まえて、関係省庁との連携のもとに地震予知連絡会の検討等を踏まえつつ充実を図ってまいりたいと考えておる所存でございます。
 以上でございます。
#35
○山崎正昭君 気象庁、科学技術庁、地理院、それぞれ自分の分野の御説明をいただいたわけであります。
 私が申し上げたいのは、福井県は国の重要施設が世界に見られない過密をもって立地しているのを皆さん御承知だろう、このように思うわけであります。したがいまして、この運輸委員会でこういう質問をするのはちょっと的外れになるやもしれませんけれども、やはり先日の福井新聞の川上先生の掲載記事を見、またこれからいろいろと国の対策としてお進めになるいろんな問題等を考えますときに、どうしてもやはりそういった地震、津波、特にそういった面で予知機関と申しますか、いわゆるデータの集積、発信が裏日本全体、福井県はちょうどへそのようなところで日本海側の真ん中にあるわけなんですね。したがいまして、そういうことを含めて国は十分なそういった対応をしてしかるべきと、私はこういうように強く思うのであります。
 したがいまして、大変大臣申しわけないのでございますけれども、運輸大臣に聞くのが妥当かわかりませんけれども、まあ内閣の一員でありますし、国務大臣でありますから、これは大臣その考え方で一言御所見を伺いたいと思います。
#36
○国務大臣(二見伸明君) 先生の御議論を伺っていながら私思ったことは、福井地震は終戦後直後ですね。恐らく先生が小学校へ入ったか入らないか、その地震だと思います。恐らくその原体験がおありになり、さらに核に関する重要な施設があるという、二つの問題からこの問題に取り組んでいらっしゃるんだろうというふうに思います。
 私は地震予知推進本部長じゃございませんけれども、科技庁長官に参議院の運輸委員会でこういう議論があったということを必ず伝えまして、予知体制により積極的に取り組むように要請をしたいというふうに考えております。
#37
○山崎正昭君 所管大臣ではないんですが、大変積極的な御答弁をいただきまして、感謝をいたすところでございます。
 今も大臣もおっしゃいましたように、それぞれ予知等については幅広く各省庁にまたがるわけでありますから、したがいまして大臣から私のこの趣旨についてそれぞれ今後申し伝えていただいて、やはりそういった県民、地域の皆さん方の不安を解消していただいて、国の政策がどんどん進められるように、ひとつお取り計らいをいただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 続いて、これまた、この法案とは関係ないわけでありますが、運転代行業について二、三伺いたいと思います。
 運輸省は、バス、タクシー等旅客自動車輸送事業についての適正な運営の確保、また利用者の利便の向上に諸施策を推進していただいておるわけでありますが、社会経済の変化、進展、高度化に伴いまして国民生活が豊かになっており、また国民生活にさまざまなニーズや価値観も生まれておるのも事実でございます。
 そういう中で、ニュービジネスというものも近年生まれてまいっております。最近では、新しい事業分野として運転代行業というサービス事業が生まれておるわけであります。今日、国民の新たなニーズにこたえるものとして定着をしておるように思っております。特に、私もお酒が好きでありますから、時折飲みますとやはり運転代行業者のお世話になっておるわけでありますが、今後事業が拡大することが非常に予想される。そういう中で、安全で良質なサービスの提供を図り、国民に期待されるニュービジネスとして健全に発展をしていくためには、多くの解決しなきゃならない問題があると思います。そういう中で運輸省と警察庁に二、三伺いたい、このように思います。
 まず、運輸省でありますけれども、平成四年九月に、道路運送法第九十四条の規定に基づき、事業概要の報告書の提出を求める制度を実施しております。今日まで二年間ほど経過をいたしましたが、その内容について伺いたいと思いますし、この全国の事業者数、車両数、従業員数、一社当たりの平均台数、これもあわせて御報告いただきたいと思います。
 加えて、運転代行事業者の顧客を含む対人賠償等についても、もしおわかりであれば伺いたい、このように思います。
#38
○政府委員(越智正英君) 運転代行業につきましては、ただいま先生から御指摘ございましたように、私ども平成四年の六月でございますけれども指導方針を定めまして、それに基づきまして、道路運送の総合的な発達を図る観点から、いわゆる運転代行業につきまして、白タク行為等の違法行為の排除、それから事業の適正化の推進等を指導してきたところであります。その指導の前提といたしまして、その実態を知るという意味で、道路運送法の第九十四条に基づきまして、運転代行業を経営しようとする者、それから現に経営している者に事業概要の報告書を求めたわけでございます。
 その結果といたしまして事業概要を今つかんでおるところでございますが、平成五年の十月末現在でございますが、事業者数は千八百十五事業者、車両数は一万八百四十一台、従業員数は三万一千二百五十五人、そのうちアルバイトが二万二千三百四十五人、一社当たりの平均車両数は約六台となっております。
 それから、今事故等におきます補償の、問題がちょっと御指摘がございましたけれども、運転代行業務の委託者に対して補償を行い得る保険または保険共済に加入しているのは千三百四十事業者、七四%となっております。
#39
○山崎正昭君 先ほど申し上げましたように、この九十四条の規定に基づきまして報告書の提出を求める制度になってからわずか二年間しかたっていないわけでありますけれども、かなりの事業者や車両、また従業員数、今の御報告でもあるわけであります。したがいまして、やはり非常に事業が拡大基調になっておると、こういうように思っておるわけでございます。冒頭申し上げましたように、今後いろんな問題の解決に善処しなくてはならないのではないか、こういうように思うものであります。
 ことしの二月でありますけれども、岩手県で運転代行中にお客さんが二名と運転手、三名が死亡する事故が発生をいたしておると、このように聞いておるわけでございます。その後も、死亡事故ではございませんが、かなり小さな事故件数も多くなっていると。当然事業者数がふえ、車両数がふえてそういうことになるんでありましょうが、こういった事故の現状を主なものにつきまして、これは警察庁だと思うんですが、ひとつ概要を御説明いただきたいと思います。
#40
○説明員(倉澤豊哲君) 平成五年中の運転代行中の交通死亡事故は十二件、十四名でございます。本年に入りまして既に九件、十二名の交通死亡事故が発生しておりますが、そのうちの主なといいますか、大きな事故について二件ほど御説明をさせていただきます。
 まず一件目は、先生から御指摘のございました岩手県の事故でございます。運転代行業務中の普通乗用車と大型保冷車が衝突し、三名の方が亡くなりました。この事故は、二月十一日の午前四時二十五分ごろ、運転代行業務中の普通乗用車が対向車線の大型保冷車と正面衝突、代行を依頼した夫婦と代行運転者の三名が死亡したものでございます。なお当時、路面はガラス状に凍結しておりました。
 もう一件は、群馬県で起こった事故でございます。一件で二名の方が亡くなり、重軽傷者三名という事故が発生しております。この事故は、三月二日午前零時五十分ごろ、顧客を送り帰社途中の代行会社の車と普通乗用車が、夜間点滅の信号交差点で出会い頭に衝突をしたという事故でございます。
#41
○山崎正昭君 時間もございませんのでまとめて聞きたいのでありますけれども、代行事業者は三年間に非常に拡大をされた。その一つ一つの事業者を見ても非常に零細な事業者が多いわけであります。そんなことで、万一事故が発生いたしますと、その事業者はもとよりでございますけれども、お客さんも大変補償等の問題で困っておる、こういうようなことも伺っておるわけでございます。こういった運転代行中に事故が発生をし、いわゆる自賠責保険に入っていながらその対象にならないというようなケースも間々あるようだと、こう聞いておるわけであります。
 そういった中で、自賠責保険だけではやはり十分な賠償ができない、こういうように思うのであります。今後、運転代行に利用できるいろんな保険があろうと思いますが、そういった面をお伺いしたいと思いますし、あわせて、運転代行は大体一回の代行料金が二千円から三千円ぐらいが平均だと、このように聞いておるわけであります。運転代行事業者が陸送保険を掛けている、こういうことを伺っておるわけでございますが、大変掛金が割高で、料金とあわせて保険料が高くて代行運転業として掛金等に耐えられない、そういうことになると非常に経営が苦しくなる、こういうことをちょくちょく聞くのであります。今後、運輸省としてこういう実態を踏まえてどういうふうに対応していかれるのか、将来にわたってでも結構でございますからひとつお伺いをさせていただきたい、このように思います。
#42
○政府委員(越智正英君) 運転代行業者がお客を乗せて事故を起こした場合の損害賠償等の問題でございますけれども、これにつきましては先生御指摘のように、実は自動車損害賠償保険制度は適用にならないということになっております。それにかわるものといたしまして、いわゆる俗に言う陸送保険が適用になっておるわけでございまして、実はこの陸送保険につきましては大変掛金が高いという実情がございます。また、共済制度というものの導入を指導しているところでございますが、そういったものを含めまして、お客を運送して事故に遭った場合、そういった損害賠償の円滑な補償ができますように、私どもといたしましては新しい形の保険、これは実は保険につきましては大蔵省の管轄でございますけれども、私どももそういった研究をした上で必要に応じて大蔵省等にも働きかけたい、かように考えている次第でございます。
#43
○山崎正昭君 時間が来まして大変申しわけないです。何点がまだ御質問させていただくことがあるのでございますけれども、警察庁には第三種免許、すなわち運転代行免許なるものをどう考えておるかということ。さらには、先ほど申し上げましたように、やはりこの代行運転がより安全に、そしてまた乗るお客さんがより安全を保ちながらかくも利用されて、運転代行事業がスムーズな発展を遂げていただけるように、こういうような育成等についても大臣にお伺いをしたかったのでありますけれども、まとめて要望といたしまして、非常にこれは定着をしてきた、拡大しつつある、こういう中でありますだけに、ぜひひとつ運転代行業についてもそれぞれの分野で万全を期していただき、指導監督をいただき、また新しい方向づけをお願いを申し上げたいと思います。
 また後日の機会に御質問をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#44
○堀利和君 航空法改正案の質疑に入る前に、本法案と深く関連します答申が先日出されましたので、航空審議会の答申についてまず運輸省としての御見解をお伺いしたいと思います。
 我が国の航空行政については、昭和四十五年、四十七年に航空企業の運営体制が決定されまして、以後、昭和六十年にまた廃止もされるわけですけれども、後六十一年、そして平成三年に運輸政策審議会からも答申が出ております。
 特に昭和六十一年の運政審答申では、航空事業について、各企業間の競争を通じて利用者のサービス向上、経営基盤の強化あるいは国際競争力の強化ということが指摘されているわけです。今回の答申でも当然、国際競争力の強化ということが重要な内容として指摘されているわけですが、これまでにも、今申し上げたような答申等でもさまざまに指摘されているわけですけれども、今回の答申で改めて今なぜそういった指摘がされているのかということをお伺いしたいと思うんです。
 当然、これまでにもさまざまな施策が講じられてきたと思うんですけれども、その辺の施策がどんなふうに講じられたかということもあわせてお伺いしたいと思います。
#45
○政府委員(土坂泰敏君) 歴史的な経緯を仰せになりましたが、そのとおりでございまして、四五・四七体制と言われておりました当時は航空会社の分野が厳しく決められておったわけですが、昭和六十年の運政審の答申で、国際線についても複数の会社がやる、あるいは幹線についてもいろんな会社がやる、日本航空も民営化しようということで、基本的には競争を促進してそれを通じて利用者のサービスを向上しようという方向で政策が進んできたわけでございます。
 現時点でまた航空審議会の諮問と答申が行われました背景は、現在世界的に航空業界が非常に厳しい不況の中にある、競争が大変激化をしてまいりました。日本の航空会社が競争力の面で必ずしも十分でない。特に円高が背景になりまして、外国のエアラインに対して競争力の点で見劣りがするというようになってきたという背景がございます。
 日本の航空会社というのは、やはり安定的な輸送あるいは雇用の確保、あるいは一定の技術水準の維持、いろんな見地からきちんと一つの使命を果たさなければいかぬ立場にございます。したがいまして、このまま競争が進み、不況の中で日本のエアラインの存立も危ないというようなことでは、これは企業としても困るし国民としても困るということでございまして、日本のエアラインがぜひ強くなってもらわなければならないということでございます。
 そのためには、やはり競争の中で仕事をしておりますので、利用者から選んでもらわなければならない。利用者から選んでもらうためにはいいサービスを提供しなきゃいかぬわけでございますし、そのためにはやはり体質の改善というのを進めてより強い企業になっていただく必要がある。そういう意味で、日本のエアラインの競争力の向上方策というものについて諮問をいたしまして答申をいただいて、これからエアラインともどもに競争力の向上に向かってさらに努力をしたいというふうに考えておるところでございます。
#46
○堀利和君 私も答申を読みまして、当然我が国航空企業も国際競争力をつけて、我々利用者に十分なサービスということも期待するわけです。
 このままいきますと競争力が弱まってしまう。我が国の利用者も必ずしも日本の、我が国の航空会社の飛行機を利用するというふうには限らないで、他の外国の航空企業の飛行機に乗るということになっていきますと、ますます我が国の航空企業が衰退していってしまう。その結果、すべて外国の航空企業に頼らざるを得ないということになっていくということも指摘されております。そうなりますと、当然外国の航空会社の事情に左右されて、我々国民としてもその辺がどうも不安感を感じてしまうということですから、当然我が国の航空企業の競争力を向上させなきゃいけないというふうに私は思うわけです。
 ただ、一方には、国際的な貿易を見ましても、やはりこういう自由競争の時代でもあります。そうなりますと、日本は資源がないということでありますから、外国から資源を輸入する、外国の資源に頼らざるを得ないわけです。そういうことから考えますと、例えばそういう貿易立国の国として航空について、同様に外国の航空企業に頼ってもいいじゃないかというような意見もあろうかと思うんです。
 そういうことからいいまして、いやそうではないんだ、我が国の航空企業を向上させてやはり国際競争に打ち勝つようにしていかなきゃならぬという、こういうことの説明をもう少しお伺いしたいと思うんです。答申でもわからないことはないんですけれども、なぜこの国際航空に関してこういった方針を出されているのか、もう少しうまく御説明願いたいと思います。
#47
○政府委員(土坂泰敏君) 激しい競争があるわけでございまして、競争の中で生き残らなければいけないわけでございますが、なぜそれでは日本のエアラインでないとだめなのか、外国のエアラインでもいいではないかという、そういう御意見もないわけではないわけですが、外国のエアラインに頼るということになりますと、やはり安定的な輸送力の確保という面で支障が出るということが第一でございます。
 それから、万一緊急事態が生じた場合の緊急時の輸送力の確保という点でも、外国のエアラインに依存しているのでは十分なことができません。それからまた、航空業界というのは大変すそ野の広い産業でございまして、そういう産業としての雇用の確保という意味で経済的に非常に大きな意義を日本のエアラインは持っております。さらに、日本のエアラインというのは、やはり航空の技術、これがそこに伝承されておるわけでございまして、航空技術を一定の水準に維持するということも大切なことであろうと思います。
 さらに、外国との関係で言いますと、国際航空というのは外国と交渉いたしまして権益を交換をする、それぞれの国がそれぞれのエアラインにこれを行使させるというやり方で国際航空のシステムができておるわけでございまして、どの国も自国の権益は自国のエアラインで行使をさせるというのが基本でございます。
 いろんな見地から考えますと、利用者のためにも国益のためにも、日本のエアラインがその本来の使命をきちんと果たしてもらうということはぜひ必要である、そのためにより一層強くなって競争の中で生き残ってもらいたいというふうに私どもは考えております。
#48
○堀利和君 ぜひ御努力をお願いしたいと思います。
 次に、答申で大変気になるところは国内線の問題なんです。そこで、ぜひこの点については大臣に御所見をお伺いしたいわけですけれども、国内線で事業運営の基盤の強化のために不採算路線については利用者の負担もお願いするんだ、強化するんだ、あるいは休廃止もやむを得ないという、そんなふうに指摘されているわけですけれども、利用者の利便ということを考えた場合、不採算路線だからといっても、これは地元の利用者の方にとっては大変重要な航空路線になるわけです。
 そういう点で、もちろん答申でもこの辺のところは十分留意するようにということになっておりますけれども、地元の地方公共団体の関係者の方々全員のやはり御理解といいますか、あるいは要望を十分受けとめて、そういった廃止になるようなことのないようにお願いしたいと思うんです。
 特に、国鉄でも言われましたけれども、赤字路線についてはバスに切りかえたり自家用車ということも言われてきたわけですけれども、飛行機の場合は、確かに離島を考えたときに船はあります。しかし、船と飛行機ではその目的また利便性というのはかなり違うわけですので、そんな観点からもぜひその点については善処願いたいと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(二見伸明君) 不採算路線といいますと、ぴんと真っ先に頭にくるのが離島の航路だというふうに私は思います。私も、不採算路線といいながらも、休廃止を避けるためにあらゆる努力をしていかなきゃならないというふうに考えております。
 私は、これは恐らく三本柱だろうと。一つは、国、地方公共団体で支援する、もう一つは航空会社そのものが合理化を進めながら企業努力という問題もある、もう一つはその路線を利用する利用者の協力も必要だ、この三つの面からお互いに協力し合いながら例えば離島の航路を確保していく、その努力がどうしても私は必要だと思いますし、これからもそのために努力をしなければならないと思います。
 ただ、そう言いながらも、本当にどうしても利用者の協力も得られない、地元の公共団体の御協力も思うように得られない場合には、それは残念だけれども休廃止という道へ進まざるを得ない場合もあるかもしれないけれども、そうならないためにも国、地方公共団体、事業者、利用者、これらがお互いに知恵を出し合いながら、協力し合いながら、そうした路線を廃止しないで済むように、休止しないで済むように努力を重ねていきたいというふうに考えております。
#50
○堀利和君 ぜひそこのところは大臣にお願いしたいと思います。
 私なりに意見を申し上げたいと思うんですけれども、やはり不採算路線だという、一つの路線を見ただけでは確かに赤字かもしれませんけれども、大手航空会社からすれば国内線全体を見たときに言うなれば黒字であればいいわけでして、黒字の路線と赤字の路線というのは当然出てくるかもしれませんけれども、ただ赤字のところ一つだけを見てこれは採算に合わないという、そういう考え方というのは私は望ましいものではないんじゃないかなと思うんです。やはり全体を見ていわば黒字になればいいんじゃないか。その点、赤字のところは必要な路線として十分確保していただきたい、こう思うわけです。
 次に、法案について御質問いたしますけれども、航空騒音については環境基準というものが定められているわけです。昭和四十八年に基準が定められて、環境庁に来ていただいていると思うんですけれども、この直近年度の環境基準はどのような状況か、まずお伺いしたいと思います。
#51
○説明員(平山義康君) お答え申し上げます。
 平成四年度に全国の五十二の飛行場を対象といたしまして、航空機騒音に係る環境基準の達成状況を調査いたしておりますけれども、その結果によりますと、全測定点五百八十七点のうち約六五%の地点におきまして環境基準が達成されているという状況でございます。
#52
○堀利和君 六五%という達成値が果たして高いのか低いのか、そこはいろいろな立場によって違うと思いますけれども、そこでもう一度環境庁と運輸省の方にもお伺いしたいんですけれども、この達成状況を見てそれぞれどういうふうにお考えなのかお伺いしたいと思うんです。
 環境基本法の十六条の四でも、航空機騒音に関しての環境基準は政府として確保されるように努めなければならないというふうに定めております。その点についてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#53
○説明員(平山義康君) お答え申し上げます。
 航空機騒音につきましては、環境庁としては環境基準の達成状況というのはまだはかばかしくないというふうに受け取っておりまして、公共用飛行場につきましては運輸省、それから自衛隊等の飛行場につきましては防衛庁に対しまして、それぞれ、住宅防音工事の早期完了とか発生源対策の推進、それから緑地帯等の整備による飛行場と居住地の分離の推進等について申し入れているところでございます。環境庁といたしましては、今後とも環境基準の達成状況の把握に努めますとともに、発生源対策、土地利用対策、飛行場構造対策等が総合的に実施されていきますように関係機関と一層緊密な連携を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#54
○政府委員(土坂泰敏君) 環境基準は四十八年に制定されたわけですが、地域の類型ごとにこういう基準値を一定の期間内に達成しなさい、こういう決め方でございます。それで、それが達成できない場合には、防音工事などをやりまして屋内で環境基準が達成されたのと同じような状況にしなさい、こういう決め方でございます。
 屋外につきましては、測定点でいいますと先ほどのようなお答えになるわけでございますが、騒音のコンターと言っております、騒音の及ぶ範囲でいいますと、これはいろんな発生源対策などもやってまいりました結果、当時と比べまして騒音の及ぶ範囲というのは非常に小さくなってきております。ただ、発生源対策というのは幾らやっても騒音はやはり飛行機はゼロになりません。そういう意味で騒音区域というのは残る、そういう意味で環境基準が未達成のところがあるわけでございます。
 ただ、今申し上げましたように、屋外でそういうふうに未達成であっても防音工事をやって屋内では環境基準が達成されたと同じにしなさいというもう一つの方の要件は、これは防音工事というのがほぼ終了いたしておりますので、屋内の面ではほぼ環境基準は達成できた、屋外で未達成のところがある、こういうことでございます。
 そこで、これからの施策としましては、屋外対策というのを引き続きやっていかなければいけない。具体的には、まず発生源対策というのが一番有効でございますので、今回航空法の改正でお願いしておりますけれども、もう旧基準機は使ってはいけないというような改正もする、あるいはそのほかの、周辺対策と言っておりますが、移転補償であるとかあるいは緑地帯をつくるであるとか、あるいは防音工事でまた更新の分をやるとか、いろんな対策を総合的に講じまして、未達成の部分について引き続き努力をしていきたいというふうに考えております。
#55
○堀利和君 まさに今回の法改正も騒音対策の一つということで、旧騒音基準適合機の制限ということが指摘されているわけですけれども、航空機騒音対策の体系には、今申し上げましたような発生源、飛行機そのものからの騒音といいますか音ですけれども、発生源対策そして空港構造の改良、あわせて空港周辺の対策というふうに言われるわけですけれども、この法改正に伴って旧騒音基準適合機が制限されていったときに環境基準はどの程度達成されるのか、なかなか難しいと思いますけれども、その辺の見通しをお伺いしたいと思います。
#56
○政府委員(土坂泰敏君) 今言われましたように、三つ柱がありまして、発生源対策、構造改善、それから周辺対策とあるわけですが、何といっても一番先にやらなければいかぬのが発生源対策でございまして、飛行機の音を小さくするというのが何といっても必要でございます。
 それで、今回法律改正をお願いして旧基準機は使っちゃいけない、こういうふうにするわけでございますが、一遍にというわけにいきませんので、段階的に使ってはいけない、こういうふうにしたいと思っております。
 全部旧基準機が新基準機に入れかわったという想定をいたしまして、かつ増便がないという前提でそれじゃ現在の空港の周辺の騒音区域というのがどれくらい小さくなるだろうかという試算をいたしてみますと、新東京国際空港では二八%、名古屋空港で一五%、福岡空港で二三%、仙台空港で五〇%というような結果が出ております。騒音区域の減少という面で非常に大きな効果はある。しかし、これだけで全部解決するわけではない。そのほかの発生源対策あるいは構造改善あるいは周辺対策、こういったものも引き続き総合的にやっていかなければいけない、こういう状況であるというふうに思います。
#57
○堀利和君 ぜひその辺のところは全力を尽くして対策に当たっていただきたいと思います。やはり空港周辺に住んでいらっしゃる方々というのは音に日々悩まされているわけですから、我々が利用する際にはその辺も余り意識しないで利用させていただいているわけですけれども、片方で私たちが安心してかつ利便の観点から利用させてもらっているわけですので、ぜひそういったいわゆる犠牲を少なくするようにお願いしたいと思います。
 次に、現行法においても当然技能証明の航空従事者というのがいらっしゃるわけですけれども、率直に言ってなかなか航空従事者というものがどのようなもの、どういうような方々がいるのか、私もよくわかりませんので、まずその辺ちょっと御説明していただければと思います。
#58
○政府委員(北田彰良君) 航空従事者の技能証明といたしましては、まず航空機乗組員といたしまして航空機を操縦する操縦士、それから発動機及び機体の取り扱いを行います航空機関士、それから航空機の位置とか針路の測定を行います航空士、それから無線設備の操作を行う航空通信士というのがございます。また、地上におきまして整備とか改造した航空機の安全性を確認する整備士という資格がございます。
#59
○堀利和君 そこで、特に私たちが飛行機に乗るというときに一番頼むよと信頼を置きたいのがパイロットの腕です。もちろん整備ということも重要なんですけれども、やはりパイロットの腕というのは大変気になるわけです。
 そこで、当然パイロットとしての技能証明、資格を取っているわけですけれども、その際の資格を取るに当たってやはり十分な技能の養成というのが必要だろうと思うんです。その点がどんなふうに十分されているのかお伺いしたいと思います。車ですと、大分車にも乗らなくていわゆるぺーパードライバーというようなことまで言われるように、免許は持っているけれども何年も乗ったことがないということがあるわけです。まあ飛行機の場合は恐らくそんなことはないわけで、ぺーパーパイロットなんというのはないと思うんですけれども、なかなかその辺も心配になります。そんなふうな養成課程がどんなふうになっているのか、お伺いしたいと思います。
#60
○政府委員(北田彰良君) 操縦士になるためには、まず航空大学校等におきまして小型機を使用した基本的な操縦技能の訓練を受けます。そこでまず職業パイロットとして必要な最低限の資格といいますか、事業用操縦士、それから計器飛行証明の資格を取ることになります。その後、定期航空会社に入りましていわゆる実用機としての訓練を受けるわけでございます。そこで副操縦士となるための訓練とか、それからさらに副操縦士としての経験を積んだ後に機長となるための訓練、あるいはその間におきまして乗務する機種を変えるということで機種移行のための訓練等が行われます。
 これらの課程におきまして、当然、航空法上必要な飛行機の型式限定の技能証明であるとか、定期運送用操縦士の資格というのを習得することになります。これらの訓練は、それぞれ乗務することとなります型式につきまして、その性能とか各システムの機能、操作手順についての座学とかシミュレーター、実機を使用した操縦訓練ということから構成されております。これらの訓練におきましては、通常操作はもちろんのこと、エンジンとかシステムの故障等の異常とか緊急時の操作も十分習熟することになっております。
 それからなお、ぺーパーパイロットになっているんじゃないかということでございますけれども、航空運送事業の場合には定期的に審査を行うことになっておりまして、機長については六カ月ごとに審査を受けております。
#61
○堀利和君 そこら辺が十分されているということで安心して乗れるわけですけれども、技能証明の際の実地試験について、今お話にもありましたようにシミュレーターを使って行うという記事が新聞にも先日載っておりましたけれども、私のような素人から見ますと、実際の実機を使ってやらないでシミュレーターでやって大丈夫なのかなという大変不安を感じるわけですけれども、その辺の信頼度はどんなふうなものか。
 仮に、シミュレーターで十分実機にまさるほどのいわばテストができるということであれば、実機でやると大分経費なり時間が費やされるということで、なかなか航空会社としても苦しいようでございますから、その辺の信頼度が高ければむしろシミュレーターで積極的にそれを導入してやったらどうかなとも思いますけれども、その辺の信頼度といいますか、私どもの利用する側から見ての安心度というのはどんなふうなものでしょうか。
#62
○政府委員(北田彰良君) 現在のシミュレーターというものは非常に進歩してきておりまして、各システムの機能はもとより、操縦感覚につきましても実機とほぼ同じ性能を有しております。訓練のほとんどをシミュレーターで行うことが可能になってきております。
 試験にシミュレーターを使用した場合のメリットといいますのは、実機を使用すると危険を伴うような操作も実際にはシミュレーターではできるとか、あるいは天候等の影響を受けずにできるとか、あるいは任意の運航環境、故障等の条件を設定できるとかというような非常にすぐれた点がございます。ただ、デメリットといいますか問題点といたしましては、着陸時の最終段階の接地時の操縦感覚というのが今のところまだ完全には模擬し得ないことが考えられるわけでございます。
 現在、航空局といたしましても、この技能証明に係る実地試験につきましては順次シミュレーター化を進めてきておりまして、現在試験の科目の四分の三ほどはもうシミュレーターでやっておりますけれども、最近のシミュレーターの性能向上を踏まえまして、さらに可能なものについてはシミュレーター化を進めていきたい、このように考えております。
#63
○堀利和君 その辺のところはぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、規制緩和の観点ですけれども、軽微な定例整備を今後修理・改造認定事業場でも行うようになるということでございますけれども、この辺についても私のような素人から見ますとどうなんだろうかなというふうに思います。
 そういう点で、これは航空会社からの要望だというふうに聞いておりますが、コスト削減のためのこういった緩和ですけれども、どのくらいのいわゆる経済的な削減効果があるのか、お伺いしたいと思います。
 そうなりますと、航空整備士ではなくて認定事業場になります。先ほど山崎委員からも御指摘ありましたけれども、外国の認定事業場の方にお願いするということになった場合に大丈夫なのかどうか、この辺についても少しお伺いしておきたいと思います。
#64
○政府委員(土坂泰敏君) 従来は、定例整備は整備士がやる、大修理とか改造になると認定事業場がやるというふうに整理ができておったわけですが、大修理とか改造は定例整備より難しい作業でございますので、そこは当然組織的に認定事業場でもできるということでございます。そこで、定例整備についても認定事業場でやれる道を開こうというのが今回お願いしている理由でございます。
 これの効果というのは、一つは、そうなりますと整備士というのを効率的に使えるということ、あるいは整備士が配置されていない外国の認定事業場でも定例整備を行うことができるということ、こういう効果がある。エアラインもそういうことを考えて希望しておるわけでございます。
 どの程度のコスト削減になるかというのは、これは結局航空会社がこの制度を使って何をやるかということによって変わってまいりますので、一概に申し上げることは非常に難しいわけでございますが、例えば定例整備を海外に委託した場合には、これはやはり内外価格差というか、コストの外貨化ができますので、その面でコストの削減という見地からすれば効果はあるというふうに思います。ただ、そのために安全上問題があってはいけないというのは全く御指摘のとおりでございまして、そういうことがないようにしていかなければいけない。
 民間同士の契約で海外の認定事業場に頼むというだけではなくて、海外の認定事業場というのは航空法で認定をもらうわけでございますので、航空局として認定に際して十分な審査をする。あるいは一年ごとの更新に際しても十分なチェックをする。さらにエアラインに対しましても、認定事業場との間で十分指導監督もし、領収に当たってのチェックもしてもらうという、この辺をきちんと指導いたしまして、万が一にも安全上問題がないように十分注意しながらこの制度を活用していきたいというふうに思います。
#65
○堀利和君 私のような素人ですと、それはもう運輸省を信頼するしかない。といいますか、信頼しておりますが、なかなか技術面のところになりますと、規制緩和等をして本当に大丈夫なのかどうなのかというのは不安になるといいますか心配にもなるんです。
 ここはぜひ大臣に御所見を伺いたいんですけれども、やはり技術面から見て大丈夫だとなれば当然規制緩和して構わないと思いますし、そうすべきだと思うんですけれども、技術面から見てそこはどうも不安が残るという場合には、航空会社から強く規制緩和の要求があっても運輸省として断固そこは拒否するといいますか、断るべきだろうと私は思うんです。
 そういう点で、なかなか難しい技術面のことでもありますから運輸省を信頼するわけですけれども、その辺のやはり強い姿勢を持って規制緩和には当たっていただきたいと思うんです。その辺の大臣の御所見を、御決意をお伺いしたいと思います。
#66
○国務大臣(二見伸明君) 私も堀先生とほとんど同じ考えでございます。
 運輸省というのは、こういう安全面に対する規制を緩和するときには非常に慎重だというふうに思います。私は規制緩和というのは、経済的な問題は原則自由、例外規制だけれども、安全面とか環境とかいわば社会的規制については絶えず慎重であっていいんではないか。さはいいながら、技術というのは年々、日進月歩していくものですから、その段階その段階での見直しというものを絶えずやりながら、そして大丈夫だと確信をしたものについては勇気を持って緩和していく、まだ不安だなという場合には慎重に構えるということはあってしかるべき態度だろうというふうに考えております。
#67
○堀利和君 時間が大分迫ってまいりましたので、まだまだお聞きしたいこともありますが、簡潔にちょっと御質問したいと思います。
 割引運賃のことなんですけれども、身体障害者割引などは公共政策的割引ということであります。今回、営業政策的割引ということが導入されるわけですけれども、この営業政策的割引の中に公共政策的割引としての身障者割引が入らない、除外されているということがどういう理由なのかお伺いしたい。
 また、本年三月の大手航空会社の決算を見ますと、やっぱり赤字のところもあるわけです。収支決算を見ても大変厳しいという、そういう中でむしろ運賃値上げの要望があるわけですけれども、そういう状況の中で果たして営業政策的な割引というのがうまく導入されていくのかどうか、この辺についてお伺いしたいと思います。
#68
○政府委員(土坂泰敏君) 身障者割引は、仰せになりましたように、公共政策的な意味で割引をするわけでございまして、割り引いた分はそのままエアラインの減収になります。
 これに対しまして営業政策的割引というのは、割引をすることによってお客さんの数がふえる、したがって結果的に増収になるだろう、そういう見込みのもとにやる割引でございます。そういう割引でございますから、今日の価値観が多様化して、ニーズもいろんなニーズがあるときに、エアラインの自主的判断を尊重してやっていただくのがよかろうということで認可制から届け出制に変えるということでございます。
 これの効果は、したがいまして、いろんなニーズに対応できる、したがって利用者にも喜んでいただけるだろうし、エアラインとしてもそれによって増収を確保できるであろう、そういうことでこれを推進しようとしておるものでございます。そういう意味で公共割引と営業割引というものは性格が違うものとして考えております。
 それからもう一つは、エアラインの経営が非常に厳しいのはもう御指摘のとおりでございまして、実質的にはエアライン、三社とも大幅な赤字でございます。ただ、今申し上げましたように、そういうことでございますから、割引じゃない基本運賃の方は下げるというようなことはなかなか難しい状況でございまして、上げたいという御希望もあるような状況でございます。基本運賃でない割引運賃の方は、今申し上げましたように、結局それによって増収を見込めるという、そういう経営判断のもとにやるわけでございますので、利用者のためにもそれから企業のためにもやはりこういうものは大いに活用していただくことが大事ではなかろうか。
 そういう意味で、今日の時点、経営は大変厳しいけれども、厳しいがゆえにこういう割引運賃を使ったいい商品というのを開発して、企業自身もこれによって立ち直っていっていただきたいと、こういうふうに考えておるところでございまして、そういう見地から十分指導もしてまいりたいと思います。
#69
○堀利和君 一つだけ御指摘させていただきたいんですけれども、今局長の御説明のように、営業政策的割引というのは増収、収益を上げるためのものであって、片や公共政策的な割引というのは、収入減も含めて公共的福祉的な観点から行うと、そのとおりだと思うんです。むしろ、目的が違うからこそ収益を上げ、増収するための割引についても、当然、公共的福祉的な割引対象になっている身体障害者も私は同様にそこの中でも割引をすべきだろうと思うんです。よく年金で言われますように、所得保障を目的にした公的年金の場合には併給というのはできないわけですけれども、その目的は所得保障という目的が一つ同じなわけですね。
 そういう観点からいいまして、収益は収益で上げる割引であっても、もともと福祉的な公共的な観点からの割引を導入しているわけですから、当然障害者の場合も対象外にする理由はないんじゃないかと私は思いますが、その点御指摘しておきたいと思います。
 最後に、先ほども御見解を伺いましたけれども、技術上の問題、経済上の問題から規制緩和ということも言えないわけではないわけですけれども、何しろ空を飛んでいる飛行機ですから、これ一たん事故が起きたら命にかかわります。そういう点で安全第一です。安全、安心こそがやはり最高のサービスであろうと私は思うんです。そういう観点からの御所見を最後に大臣に伺って、時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。
#70
○国務大臣(二見伸明君) この割引運賃を導入したことは、それによってエアラインとしては増収を見込めるという前提で導入するわけですから、それが意に反して増収にもならず、その結果として安全性に対するチェックが甘くなるというようなことは断じてあってはならないことだというふうに考えております。我々といたしましても、各エアラインの安全性の確保については絶えず十分、万全の体制で臨んでいくようにこれからも指導はしてまいるつもりでございます。
#71
○高崎裕子君 近代社会においては、私たちはいや応なしに航空機を使わざるを得ません。私も北海道と東京を一週間に一往復、忙しいときは二往復、三往復飛行機を利用しております。しかし、航空機事故というのは一たん起これは一瞬のうちに多くの人の命が奪われるということで、絶対に安全の確保、これは譲ることのできない大切な問題だというふうに思います。
 中でも、整備というのはこの安全確保の生命線だということが言えると思うんですが、最初に基本認識をお尋ねいたします。
 整備は自社整備、これが基本ではないのでしょうか。あの忌まわしい九年前の日航機事故も、ボーイング社が修理をしたものです。日航の整備は運輸省の答弁でも世界でもトップレベルと、こう言われております。事故後も自社整備を強調しておりましたけれども、自社整備というのが原則ではないのでしょうか。
#72
○政府委員(北田彰良君) 航空機の整備というものにつきましては、今までもすべて自社で行うべきであるという考えはとっておりません。特に、外国製の航空機でございますから、それぞれの専門家の修理事業者に出すのは当然のことでございます。
 それで、十分に能力のある委託先であれば、整備作業を委託することは従来から認めてきているところでございます。これからもその委託先の実績等を十分審査を行いまして、十分監督していきたい、こういうふうに思っております。
#73
○高崎裕子君 確認したいんですけれども、すべてについて自社整備という考えはとっていない、しかし、基本は自社整備だけれども、十分に能力があれば例外的に認めるということだというふうに今受けとめているんですけれども、それでよろしいんですね。
#74
○政府委員(北田彰良君) 特に、整備の中にもいろいろございますけれども、いわゆる運航整備とか重整備というのがございますけれども、特に重整備につきましては、それぞれの航空会社がそれなりの能力を持たないところがございますので、それらは従来から外部に出されております。運航整備につきましても、やはり国内の航空会社におきましても他の航空会社に委託したりそういうことがございまして、必ずしもすべて自社でやらなければいけないというようには考えておりません。
#75
○高崎裕子君 必ずしもすべてと言いながら、やっぱり自社整備でやっているということが前提であるということを今おっしゃっているわけです。
 それで、今度の法改正は、定例整備の海外委託を促進するということを目指すもので、今までは定例整備は除外していた。それがなぜ今度は定例整備まで海外に委託しなければならないのかということについて私は納得ができないわけなんですけれども、国民にとって衝撃的で余りにも悲惨であったあの日航機の航空機事故、この教訓は一体何だったのかということを私はここで改めて指摘したいと思うんです。
 事故調が発表した事故原因とか調査についていろいろ私は意見を持ち合わせているけれども、ボーイング社に修理を外注委託した、この修理ミスがあった。そして日航と運輸省のチェックの甘さがこのとき指摘されたわけです。それだけに、整備の外注委託化ということが大きな問題となって教訓にしていくということが確認されたわけです。ですから、日航機の事故の後、運輸委員会でもいろいろ議論がありましたけれども、運輸省としても日航全体について整備の仕組み、自社で点検体制をしていくということについて強化指導していくんだということを繰り返し述べてもいるわけなんです。しかし、実態を見ていくと、その教訓に全く反するものとなっているわけなんです。これ日航の場合を見ましたら、事故当時の八五年の外注委託率というのは九・四%でした。それが九二年度には三四・五%と、これ実に三・七倍と急激に外注委託率が高まっているわけです。
 事故直後、日航では当時の十時整備本部長は、自社主義を貫く、全日空のように一〇から一五%の委託化はしない、ここまで明確に述べていたんです。にもかかわらず今度は定例整備も海外委託ということでは、全く歯どめなく海外委託が進んでいくのではないかということを私はここで本当に警告を発しなければならないというふうに思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
#76
○政府委員(北田彰良君) 日航の一二三便におきましては、過去の事故の復旧修理というのを確かにボーイング社に委託したわけでございますけれども、そのとき、当時日航としましては、ボーイング社の技術力であるとか品質管理能力というのを信頼して、信用して日航としては十分なチェックというのを行わなかったわけでございます。それが不適切な修理を発見できなかった点につながる可能性もあるわけでございまして、運輸省といたしましてはこの事故を教訓といたしまして、それ以降は外部に委託する場合におきましても、十分に委託先の能力であるとかあるいは作業の途中を十分監視するように、また最終的にも領収検査をきちっとやるようにと指導してきたわけでございます。
 それから、今度の法改正によって今後海外に定例整備等が委託されることになると思いますけれども、十分この教訓を生かしまして監督していくように日本航空、他の航空会社を指導していきたい、そのように思っております。
#77
○高崎裕子君 ボーイング社に委託していた、これは信頼していたからだと、だからチェックができなかったということなんですが、これが自社でやっていればやっぱりこういう事故につながらなかったということが教訓だったわけです。
 それで、今回、大修理だけではなく定例整備まで広げるんだということには、言ってみれば大修理の方が技術的にも難しい、大は小を兼ねるんだというお話を航空局長も繰り返し御説明されているんですけれども、そうであればこれまでだって理論的にはできたわけですよ。これまでなぜ定例整備は自社でやってきたのかというのは、これは定例整備というのは日常的に行う重要なものだから、だからやっぱりこれは自社でやっていくんだということがあったわけなんです。
 大臣、この日航機の教訓、これを一体どういうふうに考えておられるんでしょうか。
#78
○政府委員(北田彰良君) 先ほどの繰り返しとなりますけれども、私どもといたしましては、整備というものはすべて自社でやらなければいけないというようには考えておりません。現に、国内の航空会社はそれぞれの整備を、国内の修理会社でございますけれども、出している事例が幾らもございます、たくさんございます。
 それで、今回、海外にということでございますけれども、これはやはり航空会社がこの厳しい経営環境のもとで、どうやって安全を確保しつつ整備コストを削減していくかというようなことで真剣な検討が行われて、海外に委託するということが計画されているわけでございます。そういうことで、そういう計画はやむを得ないと考えております。しかしながら、安全にいささかも支障があってはならないと考えておりますので、そういう点について十分指導していきたいと、そのように思っております。
#79
○高崎裕子君 結局、いろいろ言われましたけれども、安全性ではなくコストにやっぱり譲っていくという考えだということに尽きると思うんです。今、安全についてはチェックチェックと言われましたけれども、海外委託について実際はもう安全上大きな問題がたくさん生じているということを私はここで強調したいんです。
 シンガポールの委託整備でも、九三年十月二日、成田からシンガポールに行った。ナンバースリーエンジンがスタート後数秒で停止した。再度始動を試みたけれども、再び停止して、地上に引き返し点検したけれども原因が特定できず、機材を変更して飛び立ったと。で、修理の問題が出たということが指摘されております。
 それからまた、ボーイング社で整備作業時に、エンジンパイロン内にパネルを置き忘れた。それで飛行中にいわゆる漏電をして、オートパイロットが外れ、客室与圧自動制御不能という状態が発生した問題があります。
 それからロッキード社です。ここの重整備後に千本ものリベットにふぐあいが発見された。そして、そのうち五百十本を打ち直した。ブレーキケーブルにクランプがついたままデリバリーされて、ブレーキ系統に重大な支障を来すおそれがあるところをJALの整備士が未然に発見したと。これ、もし発見されなかったらどんな事故になっていたかということを考えるときに、私は安全上大きな問題がこれでさらに危惧されるということに、本当に再度警告を発しておきたいと思うんです。
 大臣、外注委託というのが歯どめなくこういう形で広がっていくというのは、日航と全日空の整備の中期計画、これを見るとなぜかということがはっきりするんです。整備の基本的取り組み姿勢というのがすべて低コスト生産体制、徹底した費用の効率化、これを目指すということになって、まさに利潤優先、これが第一になっているというのが特徴なんです。
 日航は、サバイバル施策ということでコスト競争力の強化を徹底してコスト削減ということで図るわけです。特に驚くことは、九三年度からの四年間、九七年度まで運航諸元、これは三一%増となるのに、整備はそれに伴わないでわずか一四%増ということに抑えるという考え方なんです。そのために、整備時間の間隔を長くする問題、あるいは海外委託を伸ばすなどの委託の拡大、これで四年間で四七%の伸び率を乗り切ろうという、こういう施策をとろうとしているわけなんです。
 全日空も全く同じスタンスで、整備だけで四年間で百億円のコスト削減を計画しています。そのため、委託化を急激に拡大する方向になっており、来年度には外注委託が実に六〇%、つまり逆に言うと自社整備は四〇%にまで落ち込むということになっているわけです。
 国内で賄い切れないからというふうに説明されるんですけれども、自社整備のための整備要員は削減するし、施設には全く手をつけずに、これから運航で伸びる分は外注委託だと。この先、そうなると自社整備というのはどんどん下がっていくわけです、比率としては。結局はこれは日本の整備部門の空洞化、技術が低下していくというのもはっきりしていると思うんです。
 大臣、本当にこういう事態というのは憂うべき事態であり、私は具体的にお示しもしました。歯どめなく外注委託化するというこういう問題は、日本の航空産業の将来にとってもゆゆしいだけではなく、私たち利用客の安全に直接つながっていく。そこが厳しく問われている問題だということで、私はこの点見直しをし改善をすべきだと思いますが、この点はちょっと時間がありませんので大臣にぜひお答えいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(二見伸明君) 細かい点につきましては政府委員の方から答弁をさせますけれども、私は航空会社は利潤最優先で安全性を軽視するということは全くないと思います。と申しますのは、あの航空会社の飛行機はいつ落ちるかわからないよという不安感を与えたならば乗りません。利潤優先どころか大変なことになります。むしろ私は、航空会社が一番頭を痛めるのは、うちの飛行機は絶対安全だよということをいかに確保するか、それに恐らく全力を尽くすんだろうというふうに思います。各航空会社とも安全性を第一に考えて整備もしていくんだというふうに思いますし、運輸省としても安全性を確保することを最優先にして考えているわけですから、先生のおっしゃるような御心配は私はないのではないかというふうに思いますが、細かい点は政府委員から説明してもらいます。
#81
○高崎裕子君 日航は自社の分は外注委託にして、そして受託整備というのをどんどんふやす。この受託整備、つまりもうけのためにやるわけです。これは八五年の事故当時、その時期に物すごく似ているということで現場で心配の声が上がっております。
 それで、整備間隔の延長の問題でも、八五年の事故以降いわゆるA整備、これが二百五十時間で整備が九四年の二月には四百時間に間を広げていく、実に六〇%も延長。それからB整備でも、八五年千時間が二月は千六百時間と六〇%延長になって五月から廃止という点で、コスト削減の名で安全まで切り捨てられているということはもう大変重大な問題だということで、私はこの点については安全性という点で運輸省としては改善、見直しをすべきだということを強く求めまして、時間がありませんので次の乗務時間の問題に移りたいと思います。
 乗客の生命の安全を直接担っている操縦士の乗務時間が九二年の十二月から大きく変化をいたしました。運輸省は、二名編成機、事故があった中華航空も同じなんですが、機長と副操縦士の連続乗務時間制限をこれまで八時間だったのを、それを超える場合は交代の操縦士が必要というふうになっていたんですが、驚くべきことにその時間の半分に当たる四時間も大幅に一挙に延長して十二時間にしたんです。つまり一挙に一・五倍です。これは国際線の長大路線の運航のケースなんですが、全く休憩のないまま連続十二時間の操縦というのは私は大変恐ろしいことだと思います。
 まずお聞きいたしますけれども、機長と副操縦士の二名編成機の場合、この二人はそれぞれ役割分担を持って運航業務を行っているということで間違いありませんね。
#82
○政府委員(北田彰良君) 間違いございません。
#83
○高崎裕子君 つまり、トイレ以外は常に座席にいるということが求められるということですね。
#84
○政府委員(北田彰良君) はい、そうでございます。
#85
○高崎裕子君 あの狭いコックピットで十二時間座ったまま物すごい複雑な計器を監視する、運航を推進する。しかも、大事な乗客の命を預かっているわけですから極度の緊張が強いられるということはもうはっきりしているんですけれども、休憩というのはどうなっているんでしょうか。
#86
○政府委員(北田彰良君) 航空機を長時間運航する場合には、その乗組員の編成の基準を設けておりまして、先ほど御質問の中でもありましたけれども、従来二人乗務機については八時間という基準を設けていたわけでございますが、十二時間に延長したわけでございます。十二時間を超えますと追加の交代要員を乗せるという基準をまた設けておりまして、そういうことで、その場合においては運航の途中において乗員が交代して休憩をとる、そういうことになっております。
#87
○高崎裕子君 十二時間勤務ですよ。二人編成のときに、十二時間までの場合。
#88
○政府委員(北田彰良君) 十二時間以内であればシングル編成ということで、機長と副操縦士ということで……
#89
○高崎裕子君 ですから、休憩はどうなっているかと伺っているんです。
#90
○政府委員(北田彰良君) 飛行中の休憩というのはとらないでやります。
#91
○高崎裕子君 座席で目をつぶるということもできないわけですか。
#92
○政府委員(北田彰良君) 常に操縦に従事しているわけでございますから、操縦席にいるわけでございますから、そういうことはございません。
#93
○高崎裕子君 ございませんというのは、できないということですか。
#94
○政府委員(北田彰良君) できないわけでございます。
#95
○高崎裕子君 じゃ、もう全くトイレ以外は立たないで、目をつぶることもできずに十二時間緊張状態にさらされているということですね。
#96
○政府委員(北田彰良君) はい、そういうことでございます。
#97
○高崎裕子君 労働基準法というのは労働時間の最低の基準を示しています。航空労働者が八時間労働それから休憩について適用除外になっているのは私も承知しておりますけれども、コックピットの中で十二時間も座ったまま連続して休憩もなしに操縦させるというのは人間の限界を超えるものなんです。乗務員の方は大変不安に思っていらっしゃると思うんです。きょうは現場の労働者の方、スチュワーデスの方、運輸省の組合の方、皆さん本当に心配されて傍聴に来られておりますけれども、それは乗務員の皆さんにとっての不安だけではなく乗客にとっても本当に不安で、そこまでしてコストを切り下げる必要があるのかということです。なぜ八時間を十二時間にするということで、交代要員を乗せていかないのかということを私は本当に聞きたいのですけれども、そこは一体どうなんでしょうか。
#98
○政府委員(北田彰良君) 今、十二時間に変更したことの問題点を言われておりますけれども、従来の747ジャンボ機、それは従来からも十二時間が一つの基準になっていたわけでございます。それで、新しく747−400というハイテクの機体が開発されたわけでございまして、それが長距離国際線に就航するようになった。そういうことで、従来は二人乗務機の機体というのがそういう長距離国際線に就航するというのは予想されてなかったわけでございます。そういうことでございまして、新しいそういう機材は技術革新の結果、パイロットのワークロードというのも非常に軽減されておりますし、従来のスリーマン機と同じような扱いをしてもよいのではないか、そういう結論になったわけでございます。その過程におきましては、いろいろ医学上の検討とか、ワークロードの検討を行いまして、そういう結論を出されたわけでございます。
#99
○高崎裕子君 機能が、性能がよくなった。だからということですけれども、従来がいいからいいということではないし、それから機能がよくなったから、じゃ緊張状態が軽減されるかというとそういう問題じゃないんです。
 十二時間の問題については、ここは私は大臣にぜひお尋ねいたしますけれども、NATOでこの問題、厳しい批判が出されています。NATOの中にある航空医学研究所が長距離運航についての調査研究を発表しています。事故の主因七五%がヒューマンエラー、過去三十年間変化がないと指摘している。そうであるなら、なぜ乗員が失敗するのか。その理由については各種の調査研究により、これは乗員の疲労、それに伴う能力の低下である、こうNATOでは指摘、結論づけています。特に長距離路線では、短距離路線と同等の疲労に加えて、時差による体内時計の周期変調、睡眠障害といったさらなる負担がかかって、これが乗員の能力に影響を与えている。ですから、長距離というのは短距離のフライトより常に事故の発生率が高いということが示されています。長距離の事故率は短距離の二・八倍ということが明らかにされて、だからこの時間は変更の必要性があるというふうにNATOでは厳しく指摘もしているんです。
 そこで私はお聞きしたいのですけれども、労働条件が最もおくれている日本の船舶とかトラックの労働者を見ますと、船舶も八時間労働なんです。だけれども、航海当直は四時間ずつの三交代制ということになっているんです。ですから、連続四時間だということになって、四時間働くと休憩。そしてトラック運転手も運転時間の限度は労働省の基準があります。一日の運転時間は九時間以内と延びているんですが、連続運転時間は逆に四時間以内だと。そうしたら、四時間経過したら三十分休みなさいよということになって、運転時間の中断をこれは言っているわけです。
 これを考えると、十二時間というのはトラックの運転手の実に三倍ということになるわけで、この十二時間というのはやっぱり健康上の問題、安全上の問題、いずれにしてもここはどうしても見直しをして検討すべき問題だと私は思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(二見伸明君) 航空機の事故というのはそのエアラインにとってはまさに死活の問題でございまして、私は自分の会社の死活の問題を放棄して安全性を無視してやることはないだろうというふうに考えております。私は先生が御心配になるようなことは恐らくないのではないかというふうに感じておりますが、大変技術的に細かい問題がありますので、政府委員に補足答弁してもらいます。
#101
○政府委員(北田彰良君) この十二時間というものは、先ほども御説明いたしましたけれども、在来機においても、三人乗務といいましても機長と副操縦士、機関士でございますけれども、そういう一つのセットクルーで十二時間を運航している実績が十分あったわけでございます。それで、今回それが二人乗りの新しい飛行機が開発されたということで、従来の基準と同じ基準を適用できないかどうかということにつきまして、十分な検討を加えた上で大丈夫だと判断したものでございまして、この基準の変更は何ら問題ないと考えております。
#102
○高崎裕子君 十二時間の飛行をした後、最後に着陸が待っているんです。これは魔の十一分の中の八分。この最後の最後に神経を集中させるという意味では、十二時間というのは本当にもう深刻な問題なわけで、現に現場の労働者からは、「多くの機長が、サンフランシスコ線シングル運航について。「まともにやれるはず無い」と言っている。「長くトイレに行っていると思えばよい。」という言葉さえ聞いた。安全性が著しく切り下がっている。」、「サンフランシスコ線シングル編成、もう二度と飛びたくない。ずっと起きていることなど出来ない。どんなフライトをしたかは、とても言えない。安全性が切り下がっていた。我々は、お客様を運んでいるのであって、冒険者ではない!こんな勤務は認められない。」。もうこれは人間の限界に挑戦するような実験だと私は思うんです。
 時間によって十二時間を超えるということはあると思うんです。でも、それは八時間を超えてやる場合は交代要員を必ずつけて、そして本当に安全性を確保していくということが、私は本当に求められていると思うわけです。
 大臣、政府専用機ですね、総理は五月二日から七日までヨーロッパに行かれましたけれども、パイロットは何人乗っているか御存じですか。パイロットは四人乗っているんですよ。ハイテク化したし、二人編成でいいんだという飛行機になっているのに、民間の人には二人だといいながら、政府の専用機はパイロット四人で交代するというふうにしている問題は、私は大変おかしな問題だというふうに思うんです。
 最後に、日本航空機操縦士協会に検討依頼、諮問があったと。これは航空会社六社の要望があって、これを受けて行われたというふうに聞いているんですけれども、この答申を出す前日に機長組合が協会から説明を受けているんです。そこで大変な事実が明らかになりました。
 第一に、答申の表書きはJAPAと記載をするが、内容は前JAPA会長の長野委員長名となる。その内容は理事会にも知らされていない。第二に、航空局は、長野個人名ではだめで、JAPAからの答申の形でなければ受け取れないと言っているわけです。
 ですから、この事実をよく調べていただいて、そして機長や副操縦士、組合など、現場の方の声をよく聞いていただきたいというふうに私は思います。
#103
○政府委員(土坂泰敏君) 先ほどから申し上げておりますように、従来から三人乗りの飛行機で十二時間まで運用しておりましたものを、最新の技術でワークロードの軽減された飛行機に対しまして、これは二名でやれるわけでございますが、医学的な検討を十分やった上で二名に踏み切ったということでございまして、これによって安全が損なわれていることは万が一にもないと確信をしております。
 それからJAPAの件につきましては、最終報告書をJAPAの名前で出すことにつきまして理事会で了承を得たということでございますので、この点についても何ら問題はないというふうに確信をいたしております。
#104
○委員長(和田教美君) 高崎君、もう時間が過ぎました。
#105
○高崎裕子君 もう時間ですので質問を終わりますが、この点については、私はそういうふうには聞いておりませんので、これはもうぜひ調査をしていただきたいし、安全性についてはきちっとやっていただきたいということを重ねて要望いたしまして、質問を終わります。
#106
○委員長(和田教美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#107
○高崎裕子君 私は、日本共産党を代表し、航空法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、航空機の安全を保障する上で整備は決定的役割を果たしています。その整備の中核をなす定例整備を海外の整備会社等に外注委託し促進することを目指すもので、安全性を低下させるもので絶対容認できません。
 この改正の背景には、航空企業のコスト競争力の強化と銘打ち、整備部門まで徹底したコスト削減を追求し、人件費の安い中国やシンガポールなどの工場に外注委託するものです。このことは、航空機の最も重要な安全綱である整備を軽視し、利潤を第一優先させるものです。既に海外整備委託による安全上重大問題が生じています。最近でも、ロッキードで整備した日航機を日本航空の整備士がふぐあいを発見し、リベットを五百本も打ち直したなど、こうした事例が多く発生しており、チェック体制も厳しく問われています。
 反対理由の第二は、海外整備の拡大は航空法の趣旨の自社整備の原則を脅かすものであります。自社整備の縮小は、日本の整備技術・能力の低下につながり、日本の航空整備事業の空洞化を招くもので、ひいては安全運航上支障が出てくることは明白であります。五百二十人の死者を出した日航機事故、今でもあの悲惨な情景は私の脳裏から離れません。この事故の教訓は、自社整備を貫くということであったはずです。しかし、今や自社整備は四〇%から六〇%にすぎません。この改正によりさらに縮小していくことは、日本の航空整備事業の自殺行為と言わなければなりません。
 反対理由の第三は、不定期航空運送事業を休止する場合に、運輸大臣の許可から届け出に緩和することは、不採算部門の切り捨てにつながり、利用者のサービス低下となり、賛成できません。特に、不定期航空路線といっても、離島航路のようにほとんど定期便と変わらない生活路線もあり、これらが不採算を理由に一方的に休止できることになり問題です。
 以上が反対理由であります。料金割引の規制緩和についても多くの問題点を抱えていることを指摘しておきます。その他の改正については賛成できますが、本改正案の最大のポイントは整備の規制緩和を図ることであり、安全の根幹にかかわる問題として賛成することはできません。
 以上の理由により反対討論といたします。
#108
○委員長(和田教美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 航空法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(和田教美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十一分開会
#111
○委員長(和田教美君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#112
○溝手顕正君 自民党の溝手でございます。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案につきまして、若干の御質問をお願いいたします。
 平成四年六月の行革審第三次答申におきまして、自動車検査等の緩和について指摘がなされております。今回の改正はそれにのっとったものと伺っておりますが、この関係につきましていろいろお伺いをいたしたいと思います。
 まず第一点は、今回、自動車の検査並びに点検整備につきましてかなりの規制緩和がなされたというふれ込みでございます。確かに、規制緩和によりまして国民の負担が減るという点もございましょうが、航空法でも問題になりましたように、自動車の安全性あるいは公害防止の水準低下ということもあり得るということが考えられます。この点につきまして基本的な考え方を大臣の方からお伺いをいたしたいと思います。特に、六カ月点検の廃止問題もございます。この点について言及していただくようお願いします。
#113
○国務大臣(二見伸明君) 実は臨時行政改革推進審議会の答申の中に、例えば「定期点検整備については、安全性及び公害規制と密接に関連する事項のみを対象とするように点検項目数を大幅に削減する。その際併せて、自家用乗用車の六カ月点検は廃止する。」という答申があるわけでございまして、今回の改正はこれを受けているわけです。
 したがいまして、我々はあくまでも安全とか公害防止とかということを大前提とした上で、そしてなおかつ自動車の技術が進歩あるいは自動車の使用形態の多様化、そういったことを考えながら今回の緩和と申しますか改正に踏み切ったということでございます。あくまでも安全の確保といわゆる公害の防止、これを大前提とした上での今回の改正だということを御理解いただきたい。
 六カ月点検廃止も、そういう技術進歩の範囲内で大丈夫だという結論が出たものですから、今回は六カ月点検は廃止をするというふうにしたわけでございまして、あくまでも安全の確保と公害の防止が大前提だということを御理解いただきたいというふうに思います。
#114
○溝手顕正君 そういう前提でお話が出ておるわけですが、従来の六カ月点検を含めまして、自動車のオーナーの自己管理ということが極めて強調されていると思いますが、強制力もかなり弱まっておりますし、本当に確実にフォローアップができるんだろうか、単純に考えますと極めて疑問でございます。性善説に立つだけでよろしいんだろうか。
#115
○国務大臣(二見伸明君) 細かいことは政府委員に補足答弁してもらいますけれども、私もオーナードライバーでございまして、その点では自己責任の原則といいますか、自分の車は自分で保守管理をしよう、すべきだという考え方が全くないわけじゃなくて、むしろそれに期待をしていることはあると思います。だからといって野放しにしておいてもいいというわけじゃありませんで、運輸省としてもいろいろ指導もしなきゃならぬというふうには考えておりますが、細かい点については局長の方から答弁してもらいます。
#116
○政府委員(樋口忠夫君) 若干実務的なお話でございますので、詳しく御説明申し上げたいと思います。
 自動車の保守管理責任が使用者にあるとの認識を個々の使用者に徹底しまして実行していただくということが必要であるわけですが、このために、まず使用者の保守管理責任を今回の法改正によりまして明確化いたしたいと思っております。
 それと同時に、国を初め関係者が協力して定期点検整備の励行対策を推進する。さらに、検査の際に定期点検整備記録簿の提示を求めまして、定期点検整備の確実な実施を指導する、こういった対策を講じることとしております。またさらに、定期点検整備を実施せずにふぐあいが生じている場合には、点検の勧告を行うこととしております。
 こういった対策を通じまして、使用者が自己責任に基づき点検整備が確実に行われるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
#117
○溝手顕正君 今、勧告のお話が出ておりました。勧告ですが、従来の法律に比べますと、これは罰則規定があったわけですが、そういう意味では規制緩和といえば規制緩和になるんですが、本当に担保できるんだろうかと思っていますが。
#118
○政府委員(樋口忠夫君) 今回の点検等の勧告につきましては、御指摘のとおりに罰則規定はございません。こういった規制緩和の流れの中ではやはりやむを得ないことだというふうに我々も認識しておるわけでございまして、そういった関係から、自動車使用者にいかに定期点検の必要性を訴えていくか、ここにかかっているわけでございまして、国のみならず関係団体等ともいろいろと協力をし合いながら定期点検の必要性を訴え、実効が上がるように努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
#119
○溝手顕正君 行革審の答申を見てみますと、いわゆる定期点検整備の問題で走行距離も加味をするようにという、もっと緩やかな指摘もありましたんですが、今回の法律の中ではどういう考え方でこれを評価されているのでしょうか。
#120
○政府委員(樋口忠夫君) 実は、この辺の関係につきましては、法改正に基づきまして運輸省令で規定するということにしてございますが、今御指摘のように走行距離の少ない自家用自動車等につきましては、期間だけで点検時期を設定すると使用者にとって過大な負担を強いるということにもなりかねないということもございますので、走行距離による影響が大きい定期点検項目、こういった項目につきましては見直すということで今回対応を図ろうということでございます。
#121
○溝手顕正君 これは全運輸省労働組合の方からの陳情も来ておりまして、ちょっと見させてもいただいたんですが、いわゆる走行距離の場合にごまかしか可能であるというような指摘も出ておったようでございます。
 いずれにしても、さはさりとて新品同様で置いていた車にすぐ車検を求めるというのも酷な話でもあるし、なかなか難しい問題があろうかと思います。省令に任すということですが、このあたり十分条件を吟味する必要があるんではないかと思うんですが、どういう方向でお考えになっているのか、概略お願いします。
#122
○政府委員(樋口忠夫君) ただいま御指摘がありましたように、確かに一部の事業者におきましては積算走行距離計を改ざんするというような例がないわけではございません。したがいまして、別途、最近の新しい車につきましては、走行距離を前に戻すというような巻き戻しかできない方向で現在車を生産させるという方向になってきてございます。そういった点と同時に、特に車を整備する者、それから中古自動車を販売する者、そういった人たちの協力を得つつ適正な形で走行距離がチェックできるようにしていきたいというふうに考えております。
#123
○溝手顕正君 自主検査の問題を少しおきまして、次の問題に移らせていただきます。
 いわゆる法人等でかなりの数の車、これは営業車ではないんですが、自家用車をお持ちのところに「整備管理者の選任」ということが定められておりますけれども、この問題について若干伺いたいわけですが、私の実際社会の経験におきまして余り整備管理者の機能が果たされていないんじゃないかというような印象を持っております。
 したがいまして、まずお伺いしたいのは、整備管理者の制度自体の組み立てについて教えていただきたいんです。
#124
○政府委員(樋口忠夫君) 整備管理者制度につきましては、今先生御指摘いただきましたとおりでございまして、法人等におきましては大量の車両を抱えておるということから、実質的にはその使用者は通常は所有者が兼任しているということで、社長さんがなっている場合が多いかと思います。そうしますと、その営業所単位あるいは事業所単位でチェックするというのはなかなか難しゅうございますので、整備管理者という者を置きまして、それによって自動車の保守管理を自主的に行っていただくという制度でございます。
 したがいまして、この整備管理者制度につきましてはいろいろな規定があるわけでございますが、具体的に申し上げますと、自動車の使用者は、車種あるいは台数等に応じて、その使用の本拠ごとに整備管理者を選任しなければならない。例えば乗車定員十一人以上の自動車につきましては一両以上、あるいは乗車定員十人以下で営業用の章あるいは車両総重量が八トン以上、こういった車は五両以上というような形で規定をしておるところでございます。
 さらに、資格要件等につきましては、自動車の整備または改造に関して五年以上の実務の経験を有する者であるとか、自動車整備士の技能検定に合格した者、大学で機械に関する学科を修得し一年以上の整備または改造の実務経験を有する者というような形で資格要件を決めてございまして、今申し上げましたいずれかの要件に該当しなければ整備管理者としては選任できないという形になってございます。
 なお、平成五年三月末の数字で申し上げますと、全国で整備管理者数は二十八万六千人ほどございます。
#125
○溝手顕正君 この話もまさに自主管理の問題で、私としてはユーザーの自主管理体制と同じことが法人の場合にこういった形で求められているんだろうというように理解しておりますが、そういうことでよろしいでしょうか。
#126
○政府委員(樋口忠夫君) ただいまも申し上げましたように、自動車の保守管理は、その状態を知り得る立場にある使用者が使用状況に応じまして自主的に行うことが最も望ましいということでありますので、このため、今回使用者の保守管理責任を法律上明記したところでございます。
 一方、御指摘の整備管理者制度につきましては、このような使用者による自主的な保守管理の確実かつ適切な実施を確保するために設けられた制度でございまして、今回の使用者の保守管理責任の明隆化に伴いまして、より一層整備管理者制度の運用が重要な課題であるというふうに認識をしてございます。したがいまして、この制度をより一層活用すべく努力していきたい、このように考えております。
#127
○溝手顕正君 普通車等を対象にして考えますと、五台からということですから、四台だったら要らないということですね。ですから、四台であったら社長さんが気をつければよろしいということです。個人で持っていたら、一人が一台というのが普通だろうと思いますので、かなり差が出てくるような気がするんですが、本当にその五台という考え方、これは従来からあった制度ですからそのまま残っているんですが、新しくそういう自主管理制度を導入した場合に、この切り方で本当にいいんでしょうか。
#128
○政府委員(樋口忠夫君) 特に、今先生御指摘の関係につきましては、自家用トラックが中心になるかと思います。営業用車につきましては、監査等を通じまして運輸省としまして適切に指導できるだろうという前提がございますので。
 そうしますと、自家用トラックにつきましては、全国的には自家用自動車協会というのがございます。実はこれ全国網羅的にある組織ではございませんが、そういった団体を通じまして五両以下の自家用章を持っている法人等につきましても、鋭意自動車の保守管理につきまして徹底していくよう指導していきたいというふうに考えております。
#129
○溝手顕正君 今の問題ですが、何かすっきりしていないと思うんです。一台と五台の間のすき間をどう考えるか。私は勝手に想像しているんですが、今もそういう自主団体を通じて指導していこうということなんですが、事実上私は特に問題が多いのは、営業車じゃないにしても、そういう例えば事実上自分のところの商品の搬送に使っているような会社というのは、自家用車に比べて、運転手はしょっちゅうかわりますよね。営業車と本当に実態が違うんだろうかどうだろうか、営業車以上に稼働している車は多いと思うんです。
 そのあたりで、本当にそういったいわゆる整備管理者を置かないでいいんだろうか、極めて疑問に思っておりますが、この点もう一度、いいんだとお思いになっているのかどうか、それとも検討する余地があるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#130
○政府委員(樋口忠夫君) 確かに、基準によりますとある一定のところで切らざるを得ませんので、どうしてもそれから漏れる部分がございます。それをどうするかという御指摘かと思いますけれども、確かに非常に問題は難しさがあるんでございますけれども、例えば街頭検査、このときには自家用トラックを中心に大体チェックをするというようなこともしてございます。さらには、検査の際に定期点検の必要性等を訴えていくというようなことで、何らかの形で運輸省側と自家用トラックとの接点がございますので、そういった機会をとらえながら今まで以上に指導を強化していきたいというふうに考えております。
#131
○溝手顕正君 じゃ、やらないということですね、今の答えは。確かに、制度をつくるときには必ずその盲点というのが出てくるんだろうと思いますが、私としては、オーナードライバーというのは、自分が運転しておるし、今の大臣の答弁もそういうことだと。自分が運転しているから気をつけているんだというような問題があるので、ぜひともこの空白部分について、自主管理ということを打ち出したからには踏み込んで検討する必要があるんじゃないか。この辺は要望をいたしておきたいと思います。
 また、資格要件の問題ですが、これもまたそういった議論が出てくるわけでして、自家用車は一人が一台、二台、三台持っていてもいいわけですね。ツアー用のものと買い物用といろいろ持っておりますが、そういう方とこの今の整備管理者との問題も接点が微妙になってくるんじゃないか。資格要件がかなり厳しい、ある意味では厳しい状況になっております。このあたりも制度の接点の問題が出てくるんではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#132
○政府委員(樋口忠夫君) 確かに整備管理者の資格要件というのはいろいろ問題がございます。一方におきましては、もっと緩和をしてもらえないだろうかというような要望もあるわけでございます。
 先ほどちょっと申し忘れたのでございますけれども、自家用トラック、本当にその企業として数台しか持っていないというのとは別に、例えば各事業所が幾つも点在しておる、その中に五両以上持っているところがありまして、整備管理者が選任されているというようなところもあるわけでございます。そういったところには、連絡体制を密にしまして、少数しか置いていない事業所なんかにつきましても監督をしてもらうというようなことも考えておるところでございます。
#133
○溝手顕正君 今の問題も実は微妙な問題だろうと思うんですが、先ほどおっしゃったように、一般の、例えば特に女性、女性と言うと怒られるかもしらぬ、メカに弱い人というのは、自主管理というのはまさに民間の整備工場を頼りにしていると申し上げてよろしいんではないかと思うんです。それが自主管理だと私は思います。
 その場合に、今の整備管理者との関係、これは整備工場の人間に近い人間を資格要件にしているということだろうと思います。ですから、どうもどこで線を引いたらいいか、ギャップが論理的に埋まっていないんじゃないかという気がいたすんですが、いかがでしょうか。
#134
○政府委員(樋口忠夫君) 今、女性は比較的メカに弱いというお話もございましたんですが、実はこちらの方面につきましては自動車整備業界ともいろいろ現在検討しておるところでございます。マイカー点検教室というようなものも計画してございまして、十数名程度ぐらいずつ何回かに分けまして、実際に車の点検の仕方、メカニズムについていろいろと講習会をやっていくというようなことも考えでございます。
 なお、それから整備管理者につきましても国といたしまして研修を実施しておるところでございますが、数の少ないところの事業者に対しましても、できる限り積極的に研修に参加するようにということも呼びかけているところでございます。
#135
○溝手顕正君 そのあたりはちょっと、とりあえずそこでおいておきます。制度のすき間についてはいろいろ問題があるんだということは指摘をしておきたいと思います。
 次に、ナンバープレートの問題をちょっと御質問させていただきたいんですが、今回ナンバープレートの前側を義務化するということを決められたわけですが、このポイント、理由について御説明をお願いします。
#136
○政府委員(越智正英君) ナンバープレートは、今のような大変な車社会の中で、同じような形の車が大量に走り回っているという、そういう中でそれを識別するためのものでございます。これはまさにそれの識別が容易であるということが健全な車社会の秩序を図る上で最も重要なものと私ども考えております。
 しかしながら、最近、これは一部の若者に多いんですけれども、いわゆる暴走族に近いような形での走行をする。その中で、取り締まりを逃れるために前面のナンバープレートを外して走行するといったようなよからぬ風潮があるわけでございます。そういったときにやはり取り締まり上支障があるということで、現在の法律の規定のしぶりからいきますと、前面につきましてのナンバープレートの表示をしないということに対して適切な法律の適用ができないような書きぶりになってございます。そういった意味で、前面に取りつけられたナンバープレートにつきましても、これを見やすいように表示しなければならないということを法律に明記したいということでございまして、それが今回の改正の中で盛り込まれたわけでございます。
#137
○溝手顕正君 今の話を聞きますと、主として暴走族対策、いわゆる防犯上の見地からナンバープレートが必要だというように例えるんですが、それでよろしいですか。
#138
○政府委員(越智正英君) ナンバープレートというのはまさに車の登録というもののあかしてございまして、先ほど申し上げましたように、車社会を維持するために、特定の車をだれが所有しているか、だれが使用しているかといったようなものを特定するためにまさにその車のナンバーが必要であり、道路等を走行している場合にそれを見やすいように表示しなきゃいけない、そういう表示をすることが守られるという中で、初めて健全な車社会が実現できるというふうに私どもは考えている次第でございます。
#139
○溝手顕正君 世の中すべて平和な状態であれば、性善説に立ちますとナンバープレートは要らないということになるんだろうと思います。きっちり各人が義務を守っていれば要らない。ですから、これはいわゆる表示のためのものではない、いわゆる対抗要件といいますか、住所とか氏名、年齢のようなものではないというような感じがするんです。私としては防犯上の意味、あるいは例えば不法に営業しているとか、乗り逃げをしたとか、ひき逃げを識別しやすいとか、スピード違反を追っかけやすいとか、極めて防犯的観点からのナンバープレートとしての意味が強いんではないかというような気がいたします。
 例えば、売買するときはナンバープレートは余り必要ないわけでして、ちゃんと証書が要るし、フェリーに乗るときもそうですし、抵当権をつけるときもそうです。だから、どうも防犯上の観点からこういう問題が出ているのかなという気がしていたし方ないんですが、この前につけるというのはやっぱりそういうように理解してよろしいんでしょうか。
#140
○政府委員(越智正英君) ナンバープレートは、要するに所有権の公証という形で登録番号を付与するわけでございますが、その番号を表示しなければ走行してはいけないというのが現在の規定でございます。
 主として防犯上の必要性からかというお尋ねでございますけれども、防犯という言葉は広く解しますと、例えば道路交通などにおきましていろいろな規制がございます。例えばトラックはある車線は通ってはいけない、あるいはここは営業車の中のバスだけが通っていいんだとか、いろんな形の規制もございます。そういったように円滑な道路交通を実現していくためにも、やはりナンバープレートの表示というものは私どもは必要だろうと思っております。それを防犯という観点からとらえるとらえ方もあろうかと思いますが、私どもは番号というのはもっと幅広く、やはりこの車社会を形成していく中でそれを表示しておくというのが健全な形ではないかというふうに考えているわけでございます。
#141
○溝手顕正君 お言葉ですが、私はそこまで理解をしていない。我々人間はだれもナンバープレートはついていないわけです。しかし、住所もあるし戸籍もあるし職場もあるということで、車だけどうして表示をしなくちゃいかぬのかという疑問は持っておるわけです。実態としてその所有権なり対抗力があればいいじゃないかという観点からのものは考えられていない。
 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、実はナンバープレートというのは色が極めてよろしくないと私は思っております。特に、軽の黄色は極めてよろしくない。運輸大臣はおしゃれをされていますが、カラーコーディネートが全くできないようなナンバープレートになっています。軽と例えば普通車と、白と黄色に分ける、本当にそれだけの意味があるのか。グリーンに変える意味があるのか。濃いグリーンに変える意味があるのかという点に関して実は疑問を持っているわけでございます。そこまで、色までまだ別に分けているわけです。これにはどんな意味があるんでしょうか。
#142
○政府委員(樋口忠夫君) 今御指摘いただきましたように、自家用自動車と運送用自動車の場合にはナンバープレートの色は区別してございまして、具体的に申し上げますと、自家用車はいわゆる白ナンバーという言い方をしておりますが、白ナンバーでございます。営業車につきましては、青ナンバーというふうに言われておるわけでございます。
 この色を区別しておる理由の一つには、自家用自動車が営業類似行為を行った場合、いわゆる白トラとか白タクとかと一般に言われておりますが、そういった違法行為を容易に確認できるようにすることによって輸送秩序の維持を図っていこうとするという点もあります。
 さらに、ただいま局長の方から御答弁させていただきましたが、例えば路線バスなどいわゆるバス優先レーンの通行が認められている運送事業用自動車と自家用車とのそういった区別をはっきりさせるというような点もございます。また、御指摘いただきました軽自動車、確かに自家用は黄色でございます。
 こういった色を変えてくれという要望は実はないわけではございませんが、色を変える話は別といたしまして、軽自動車と登録車を区別しておりますのには、一つには高速道路を走行する場合には軽自動車は時速八十キロまでにスピードが規制されております。そういった形ではっきりと区別できる。さらには、高速料金も軽自動車と登録車では違いますので、それの収受が明確にはっきりとできるという、そういったことも考慮いたしまして色の区別をしておるということでございます。
#143
○溝手顕正君 今の御説明を聞いておりますと、やっぱり何か禁止をしたり金を取ったりという目的で色がついたり、そういった規制があるというようにして受け取るのが普通の聞き方だろうと思うんです。本来、これもルールを守っていればそんなことはないわけです。
 ですから、私が一つナンバーの問題で疑問に思っておりましたことは、ちょっといきな車をつくるとき、もう少しフレキシビリティーがあっていいんじゃないか。ユーザーが望めば、最低の基準を満たせば、ユーザーの方に費用は持ってもらってもいいんですが、ナンバープレートの改革というんですか、新しいスタイル、一定の条件はあるかと思いますが、色ぐらいは変えてもいいんじゃないかと思っているんですが、この点はいかがなものですか。
 大臣、ちょっとどうでしょうか、おしゃれなあなたとして。
#144
○国務大臣(二見伸明君) 私も車を運転しておりまして今まで、営業が青で私の乗っている車は白で軽と三種類、余りそう難しく哲学的に考えたことがなかったものですから、当たり前だと思っていたものですから、先生の御議論を聞きながらいささかびっくりしております。今そういうふうに言われればそうかなと思いながらも、別に営業がグリーンで自家用が白で軽が黄色というので特別抵抗は私は全く感じないものですから。一面、フレキシブルを取り入れると何かおもしろいものができるのかなという気もしないわけではないけれども、今の三種類の色分けをあえて壊すことはないんじゃないかなという感想を持っております。
#145
○溝手顕正君 外国ではどうなっているでしょうか。
#146
○政府委員(樋口忠夫君) ナンバープレートの色の規制につきまして、諸外国の状況につきまして世界的に網羅的に調べたということではございませんが、我々承知している限りにおきましては、ユーザーが自由に選択できるという状況ではないというふうに認識してございます。
#147
○溝手顕正君 その答弁はよろしくないんですが、ある程度はできるんでしょうか。
#148
○政府委員(越智正英君) 先ほど先生の御指摘で、防犯上の目的かということに対しましていろいろ御答弁申し上げていたんですけれども、現在の車社会の中でやはり交通ルールを守るということが最大の使命であるということでございます。そういった意味からも、やはり識別しやすい形、色、それは常に求められているということでございます。
 実は今のナンバープレートでございますと、車検事務所の位置する漢字と二けたの数字、あいうえおの中の一つ、それから四つの数字という形でございますけれども、これが間もなく、数年のうちにある車検事務所では番号がもうなくなってしまうというぐらい車がふえているわけでございますが、その際にまた番号をどうするかといった議論を今進めております。
 その中でもやはり一番議論の焦点というのは、どういうふうな表示の仕方、色なりあるいは文字の大きさなり、それは識別しやすいかどうかということで我々は考えざるを得ないという現状でございます。そこで、例えば色につきましてもユーザーに任せるというそういった方向については、それを一々今度は識別しやすいかどうかという観点から警察庁の方とも相談しながら見ていくというのは、やはりこれは現実的に難しいというふうに考えている次第でございます。
#149
○溝手顕正君 これは世の中とうこうなるような問題ではないので余り多くは申しませんが、営業車がわかればいいんだというのがどうも基本のような気がするんですよ。ですから、残りはみんな自家用章だということにすればもっと世の中理解が進むんじゃないか。とかく制度ができるとなかなか変えようとしないという傾向なんですが、ですから営業車さえ識別できればという方向でぜひ検討していただきたいということは、私の個人的な念願も含めて申し上げておきたいと思います。
 次に移りたいと思うんですが、実は自主検査の問題、検査の問題にもう一回戻りたいと思いますが、いわゆる国の車検場に車を持っていく場合、整備前に持っていく、整備後に持っていくという問題がございます。この問題で、若干疑問を感じているところがございます。
 いろいろありますが、やはり整備後に持っていくというのはいわゆる検査要員の確保という観点では効率的な要素があると思いますが、整備前に持ち込まれるとこれは大変なことになるだろうという印象を持っております。特に、面倒くさいですから、ユーザーがやはり先に持っていって悪いところだけ直そうという発想になることは否定できないんじゃないか。そのあたりで実際に国の車検場で十分対応できるんだろうかどうだろうか。
 今おっしゃっておる、と思います、努力をします、そういう話がすぐ伝わるんですが、現実にそんなことになったら、もしおくれたり所定の期間内に対応できなかったりしたら大変なことになる。悪意にやる人も随分いると思いますし、このあたりどういうお考えか。
#150
○政府委員(樋口忠夫君) ただいまの御質問は、定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わないとした場合には、いわゆるユーザー車検等によりまして国の検査業務量がパンクしてしまうんじゃないかということであろうかと思います。これに対しましては、従来から取り組んでおります指定整備率の維持向上のための施策を一層促進する、それから今回の法改正によりまして中古新規検査と、それから国で不合格になった再検査、この再検査につきましては、指定自動車整備事業者の活用を一層図るという対応を図ることによりまして、国への現車提示を省略できるようにするというふうに考えております。
 こういった対策によりまして、ユーザー車検の増加に対応できるだろうというふうに考えているところでございます。
#151
○溝手顕正君 今のユーザー車検の件ですが、これ事前に持っていく場合、検査そのものに幾らぐらいお金がかかるんでしょうか。
#152
○政府委員(樋口忠夫君) 確かな統計はとってございませんが、一応各検査場からいろいろと情報を集めて見ている限りにおきましては、ユーザー車検に二通りございまして、自動車使用者が直接国の検査場へ持ち込んだ場合は一万五千円程度と聞いております。それからさらに、そのユーザー車検を代行する事業者というのが最近出てきておりますが、その人たちに頼むと三万円程度すると。平均いたしまして二万円程度であるというふうに承知しております。
#153
○溝手顕正君 また、料金との兼ね合いで、実は検査場というのは大変大きな問題を含んでいると思います。今あなたがおっしゃったのも極めて善意な相互理解の上に成り立っているんですが、どんどん持ってこられて、若干悪意で一万五千円程度ならやろうかとやられたら、国の車検場は一遍でパンクしますよ。こういう一つの私は大きな心配を持っているんです、悪意という人がおるわけですから。一日百台持っていったって百五十万ですから。この百五十万のために大変な事態が起こる可能性がある。このあたりお考えになったことがあるのかどうか。それはもう考えないでやめておこうということなのか、お聞かせください。
#154
○政府委員(樋口忠夫君) そういった事態になりますと、国の検査場がパンクするということで困るということだけではございませんで、いわゆる代行業者に頼むということによりまして、マイカーにおきましては以降二年間の有効期間が与えられますから、そうするとその間安心して乗れるというような誤解を招くおそれがございます。したがいまして、検査は検査として整備をせずに受検されるのは今回結構ではございます。ただし、定期点検の必要性というのは依然としてあるということで、十二カ月と二十四カ月点検については現行どおり、項目の削減はいたしますものの制度としては残すということでございまして、それを確実に実施していただくよういろいろと対応を図っていきたいというふうに考えております。
#155
○溝手顕正君 今の答弁でも少し足らないところがあるんです。スクラップ場から一台ずつ持ってきたらどうするんですか、中古車の新規登録ですね。それで、過去のことは問わないわけですから、その辺から拾ってきた車を何とかならないかというようなことをされたときにどう対応されるんですか。
#156
○政府委員(樋口忠夫君) 業務量増という立場から考えますと、中古新規検査につきましてはすべて国が今現在行っておりますので、その分が入ってくるという点におきましては従前どおりという、数値の中の動きでございますので問題ないかと思っております。ただ、その場合、中古車として確実に整備が行われていないということが一番問題になるかと思います。
 そこで、先ほどもお話し申し上げましたように、検査を受検していただくに当たりましては定期点検整備記録簿の提示を求めます。したがいまして、それによりましてやってないということになりましたら、これはやっていませんよということで、必ずやってくださいという指導をしていくということを考えております。
#157
○溝手顕正君 そのときに拒否ができるわけです。指導とおっしゃいましたが、拒否ができるんでしょうか。
#158
○政府委員(樋口忠夫君) おっしゃるとおり、拒否することは可能でございます。
#159
○溝手顕正君 そのあたりの問題がございますので、大変余計な心配をしているのかもしれませんけれども、私は事前の検査持ち込みというのは極めて問題のある制度ではないかなという印象を持っております。
 ですから、その問題がひいてはいろんな格好で検査制度自体に影響を与えないだろうか、検査要員の問題に影響を与えないだろうか。本当に規制緩和をして国民のために行政改革の一環としてやろうとしていることが、かえって検査要員を増大させるということになったら何のためにやったかわけがわからぬということになろうかと思うんです。その辺、今後いろいろ問題あろうかと思いますが、十分警戒をしてやられるべきではないかという申し入れをさせていただきたいと思います。
 最後に、リコールの問題をお願いしたいと思っております。
 今回、リコールが法制化されておりますが、この考え方、事実上今までユーザーがやっていますね。現在提案された法体系を見てみますと、このフローが出ていますが、拒否した場合というのはどういうことを想定されているんだろうか。それからPL法との関係でどういうお考えをお持ちになっているのか、この二点、ねらいがどうなんだろうか、そのあたり大臣並びに局長、部長の見解がありましたら聞かせてください。
#160
○政府委員(越智正英君) リコール制度というものは、今の車を製造している中で私どもが自動車の型式指定というのをやっておりますが、型式指定車につきましてそのふぐあいについての実施省令という形で運輸省令でやっているということでございます。
 やはりこれからいわゆる車についての安全の確保と公害の防止ということをより確実に図るためには、今回使用者につきまして保守管理責任といったようなことを法律に明記したということでございますので、その対比といたしまして、車をつくるメーカーの責任というものは一体法律上どうなっていくんだろうかということがどうしても問題が出るだろうと思いまして、今まで省令レベルで運用されていたものをやはりこれは法律上はっきりと車の製造者の責任としてリコール制度、要するに欠陥がある場合には回収する義務があるということを明記する、これが今回の私どもの車両法改正の一つの考え方の柱になっております。そういう意味で、リコール法制化というものに今回踏み切ったというふうに考えています。
#161
○溝手顕正君 事実上、ですから形を整えたということではないかと思うんですが。
#162
○政府委員(越智正英君) 先ほど申し上げました今までの省令でやっているという中で、これは型式をとった自動車だけに適用があるものでございました。それも省令でございますので、その後の手続について必ずしも法律上明確じゃなかったという中で、今回はメーカーが回収をしない場合にはそれを公表しようということで、事実上の制裁措置に近い規定を設けたということでございまして、そういった意味ではリコール制度というものの運用が一層厳密に、厳正に行われるというふうに私ども期待しているところでございます。
#163
○国務大臣(二見伸明君) 委員先ほどPL法との関係で言われましたけれども、私もいわゆる定期点検をする、それからリコール制度を新設するということは、これは事故を未然に防ぐという意味で大変大事な制度だというふうに思います。
 それでもなおかつ、回収する予定だったのが回収し損なってということもありますね。その場合はPL法でもって被害者を救済するという二つの、片一方事故の未然防止、なおかつ万万が一リコール制度から漏れて、回収するはずが回収し損なって事故を起こしたという場合にはPL法で被害者を救済するという、私は二つの側面からこれは考えていいんではないかというふうに思います。
#164
○溝手顕正君 いろいろと申し上げましたが、時間が参りますのでそろそろ終わりにさせていただきたいと思いますが、二、三点の要点の中で私が一番、強調しておきたいのは、先ほどの整備管理者の問題、はざまの問題についてぜひとも今後研究をしていただきたい。協会を利用してやりましょうということではやっぱり答弁のための答弁の域を出ないだろうと思いますしっかりした網をつくっていただきたいという気がいたします。
 それから今の、老婆心ながら申し上げました事前整備の問題、これはぜひとも大きな問題にならないように皆さんで準備万端していただきたい。これによりまして定員が何百人もふえたということになったら死んでも死に切れないだろうと思いますので、ひとつ制度成立のためにもよろしく御検討を賜りたい。
#165
○政府委員(樋口忠夫君) ただいまの先生からの御指摘の趣旨を踏まえて努力させていただきたいと思います。
 それから先ほど、確認のためにもう一度ちょっと御説明申し上げたいと思いますが、中古新規検査の関係で、拒否することが可能であると私申し上げましたが、あれはユーザーの方でおれはやらないぞと言われたときには、それはそのとおりで結構だという意味でございます。ちょっと主語が抜けてお話をしたかと思いますので、改めましてその点申し上げます。
#166
○溝手顕正君 済みません、再度、確認。
 私が申し上げたのは、いいかげんな中古車を車検場へ持ち込んだときに、国は検査の拒否ができるんですかということを質問したわけですから、それについてもう一度お願いします。
#167
○政府委員(樋口忠夫君) そういう意味では、先ほどの答弁失礼いたしまして、あれは使用者がという意味だから拒否可能なんですが、国としましては受検は拒否はできません。
#168
○溝手顕正君 そういうことであるんで心配をいたしておりますので、ぜひともそのあたり、今後の大きな課題になろうかと思いますので、十分準備をしていただきたいと要望をいたしておきます。
 以上で終わります。
#169
○渕上貞雄君 私は、日本社会党・護憲民主連合の渕上でございます。
 今回の法改正は、九二年六月の臨時行政改革推進審議会、通称第三次行革審の「国際化対応・国民生活重視の行政改革に関する第三次答申」において、国民負担軽減の見地から改善を図るべきとの指摘が行われた結果、九三年六月には運輸技術審議会から「今後の自動車の検査及び点検整備のあり方について」答申がなされました。それを受けての法改正でありますが、車検制度は約十年前の八三年七月に改正が行われました。このときも第二次臨調の指摘で改正を行っているわけでありますけれども、内容につきましてはもう既に御案内のとおり、新車に限って初回の車検を三年、六カ月点検を廃止するというものでありました。
 今回の場合の答申も同じでございまして、車検制度の改正は前回とそう変わりはありません。特に従来と変わったところは、今議論になっておりました従来の前整備後点検方式から今回は前点検後整備に変わった点にあると思うのです。もう一つは、車検時にかかる諸費用は運輸省の試算によりましても二万円程度負担の軽減になると言っていますので、恐らくや今回のこの法案の改正の目的もそこら辺にあったのではないかというふうに実は思います。もう一つは、やはりメーカーの製造責任といいましょうか、リコール制度が新たに入ってくる、こういう三つの特徴的な問題が私はあったと思うんです。
 それらのことがやはり自動車整備業界では一体これはどうなることかという心配がどうもあったようでございますが、企業数は約六万九千企業、整備士が約三十八万人、売り上げが約六兆円。この業界は大多数が中小の企業でございまして、本当に家内工業的に整備工場を経営している。道を曲がれば整備工場があるぐらいにあるわけでございますけれども、しかし、その車検制度を変えることによって、その整備業界全体の抱える収入の約四割から五割が車検並びに車検時の整備にかかわる売上高の内容になっているというようなことがございまして、業界にとっては大変なことではないか。逆に、売り上げが減ることによってそこに働いている労働者にも大きな影響を与える、こういう結果が出てきていると思うんであります。
 国民の負担というものに関して、やはり先ほど申し上げましたけれども軽減を行う、こういう法改正をするとすれば、これまでの車検制度が果たしてきた意義というものを運輸大臣はどのように考えられておるのか。また、その効果についてどのように認識されておって、今回このような法改正になったのかを御説明願いたいと思います。御所見をお伺いしたいと思います。
#170
○国務大臣(二見伸明君) 車検制度につきましては、いろんな角度からいろんな議論が今までございました。私は、車検制度、それからいわゆる定期点検整備、これが我が国の自動車社会の中に占めてきた位置というのは大変大きかったと思います。ヨーロッパと比べると、日本の自動車の機械の欠陥、それによる事故というのは非常に少ないわけですから、それは車検制度と点検整備が両々相まって日本の車の欠陥による事故がほとんど、諸外国と比べればもう格段に低かったんだというふうに思います。
 ただ、今回の改正におきましては、そうしたことを踏まえながら、ただ自動車にかかわる技術も年々進歩していくものですから、その安全性を十分見きわめた上で一これなら大丈夫だろうということで今回六カ月点検をやめたわけでございます。これは、一方では安全性を重視しながら、もう一方ではユーザーの負担を軽減するという二つの目的を持った今回の改正だというふうに我々は考えておりまして、そのことについてもぜひとも御理解をいただきたいというふうに思います。
#171
○渕上貞雄君 技術の進歩によってかなり欠陥がなくなってきた。言うならば技術の発展に伴って自動車の性能はよくなり、点検をする箇所も減らす、片一方でユーザーの費用的な軽減もしていく、こういうのが目的と言われましたが、やはりそのことは私は大事なことであろう、こういうふうに思います。自動車を運転する者にとって安全が最優先することは運輸大臣もしばしば述べられておられることでございますから、そのとおりであろうと思います。
 車両整備の不良を原因とする事故というものが大変少ない、○・〇四%とも言われる報告がございますけれども、やはりこの数字の低さというのは、もちろんこれらの車検の点検制度にあるであろうし、同時に、車検をされる国の行政に携わる方々の技術の向上もあったでしょうし、その技術向上を上回る整備工場で働いている人たちの努力があったというふうに私は実は認識をしておるところです。
 しかし今回の改正では、今何は大臣言われたにしても、安全項目、言うならば点検項目を減らすということ、緩和していくというんでしょうか、そういうことにすれば、結果的には整備不良章というのは出てくるのではないかということが実は想像されるわけでございます。
 その場合に、提案理由にもありましたように、自動車の場合、今社会的に問題になっていますのは、交通事故、交通渋滞、そして排ガス、大気汚染、こういうものが大きく公害の問題としてクローズアップされる。そのときに、ただ単に整備不良ということではなしに、そういう自動車の持っている社会的なマイナスの面ということも含めてユーザーは考えなければならないし、結果としてそれは交通事故につながっていくようなことになるのではないかと私は思うんです。
 その点、運輸省と警察関係の方はどのように今回の法改正の目的とするところと結果とを考えておられるのか、お答え願います。
#172
○政府委員(樋口忠夫君) 先ほど来お話し申し上げておりますように、今般の検査それと点検整備制度の見直しにつきましては、運輸技術審議会におきまして、安全の確保と公害の防止を前提としまして、技術的かつ専門的な観点から慎重に検討を行っていただいた答申に基づいて行うものでございまして、安全面と環境面での後退は基本的にはないものであるというふうに考えております。
#173
○説明員(田村博君) ただいまのお尋ねでございますけれども、警察庁としましても、今回の改正の内容につきましては、運輸技術審議会の答申を受けまして、自動車の使用者による自主的な点検管理を進めるということで、車両の技術的安全の観点から支障のない範囲の改正を図るものというふうに承知をいたしております。したがいまして、交通事故防止などの交通安全の観点から見ましても、現在の制度に比べて特段新たに危険が生ずることはないというふうに考えております。
 なお、今回の道路運送車両法が改正されました場合につきましては、交通取り締まり等の現場においては、これを念頭に置きまして、整備不良車両の指導、取り締まり等に十分意を用いてまいりたいというふうに考えております。
#174
○渕上貞雄君 結果的には、車の保守管理についてやはりユーザーに責任を持ってもらうわけでありますから、今の車の性能や状況からしてユーザーの方々の前点検後整備、こういう制度に基本的に変えていく。そして、今の人たちの考え方は、車が動けば乗ると私は思うんです。少々故障していても私は乗るんじゃないかというふうに思います。そういう場合に、例えば車に多少の欠陥があったにしても利用していく場合に、これから先私どもが考えていかなくてはならないことは、安全といった場合に、単に自分だけ安全でいいのか、交通事故がなければいいのかということではなしに、やはり社会全体の生活に与えるような影響も含めて物事は考えていかなくてはならないのではないか。その場合に、排ガスという問題は実は今社会的に大変大きな問題になっているわけですから、ユーザーの側に責任を転嫁するということになれば、そういうものが大変私は多くなるのではないかというふうに思います。
 したがって、そこらあたりの整備不良車がふえていく場合、こういう法改正をしてできるだけなくしていこうということにはなるでしょうけれども、ふえていく場合の責任のあり方についてどのように考えておられるのか。
 特に、整備の責任を自動車の使用者のみにゆだねていくといった場合に、先ほどもお話ありましたように、警察の方からもお話ありましたが、今社会的な問題になっているのは夜の暴走族のあのキーンとするむちゃくちゃな騒音ですね。これはやはり私はしっかり取り締まっていかなくてはならないと思うし、最大の社会的な問題になっているわけです。大都市を問わず、地方を問わず、至るところであの暴走族の爆音をとどろかして深夜走るということはやめてもらわなきゃいけない。
 こういうようなときに、一生懸命整備はしなさいと言ったものの、後整備でそう関係なくしかし車検のときはそれで整備きちっとしなさいと言われても、非常にその点はルーズになっていくんじゃないかと私は思うんです。今まではちゃんと整備をして率検をして、この車は大丈夫です、したがって自動車改造なんかしたらだめですからといってきちっと取り締まりができたと思うんですが、そこらあたりの責任というものはどういうふうにしてとろうとされておるのか、明確にしていただきたいと思います。
#175
○政府委員(樋口忠夫君) ただいまの御指摘でございますが、まず、不正改造を行ってその車を使って走っているという暴走族対応でございますが、基本的には検査の際にこれは間違いなくチェックできるわけでございます。また、街頭検査等によりましても、暴走族を中心とした取り締まりにつきましては警察当局とも連携をとりましてやっておる現状でございます。そういった点から、検査の前に点検整備が行われているかいないかは別として、不正改造は確実にチェックはできるであろうと思っております。
 それに対しまして、今先生御心配いただいておりますのは、検査を受けて合格してしまうと、後定期点検がおろそかになってしまうであろうという御質問がと思います。確かにおっしゃるとおりでございまして、これは先ほど来申し上げておりますように、国と関係団体とで協力し合って自動車使用者に定期点検の必要性を訴えていくということ、それから、さらに具体的には検査場におきまして定期点検整備記録簿の提示を求めまして、ユーザー車検で入ってくる自動車使用者に対しましてはその時点で、今お客さん、問題はなく合格はできましたけれども、いつどうなるかわかりませんから、十二カ月あるいは二十四カ月点検を引き続き受けていただくようにという指導をしていこうというふうに考えておるところでございます。
#176
○渕上貞雄君 先ほど警察庁の方は、この法案によってきちっとやっていけば問題ないというふうにお答えになられましたね。後整備みたいなことになってきたときに、暴走を繰り返して捕まえたとしても、まだこれから先整備しようと思っていたと、こういうふうに言われたときにはどんなふうな取り締まりをやるんですか。
#177
○説明員(田村博君) 先生御指摘の暴走族の取り締まり等でございますけれども、これについては今も道交法に基づきまして、共同危険行為あるいは整備不良車両、急発進、空吹かし等の関係で検挙に努めております。
 特に暴走族ということではなくて、昨年、五年中の整備不良車両の取り締まりで申しますと、約十四万一千件余りを検挙いたしております。警察としましては、整備不良車両の取り締まり、特に暴走族対策につきまして今後とも力を入れてやってまいりたいというふうに考えております。
#178
○渕上貞雄君 その点は大変でしょうが、しっかりひとつ市民の生活を守るために今後とも頑張っていただきたいと思います。
 今回の改正案で、特に「自動車の使用者は、自動章の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。」としておりますけれども、先ほどもちょっと議論がありましたように、現在のユーザーの方はそんなにボンネットをあけて点検をして、油が入っている、これでよし、水が入っている、これでよしなんて私はやってないと思うんです。パンクをしても修理ができないような状況になっている人たちについて、その責任を持たせよう、同時にその人たちに保安基準に適合するように点検しなさいと言っても、私は大変無理ではないかというふうに思うのでありますが、この規定というものは単なる訓示規定と考えておっていいのでしょうか、どうでしょうか。
#179
○政府委員(越智正英君) 自動車というものは、使用に伴いまして必ず摩耗し、また劣化をするということでございます。したがって、それを使っている方が一番よくその状態を知っておられるという中で、やはり使用者が使用状況に応じて保守管理は自主的に行うということが最も望ましいというふうに私ども考えておるわけでございます。また今御指摘のように、だからといって何もできない人に義務を課してもできないじゃないかという御指摘ございますけれども、私どもは、何もしない、そういった状態というものはやはりこの世の中でよくないんじゃないか。
 そういった意味で、使用者の保守管理責任ということを法律上に明記した上で、それを前提とした上で、関係団体等と協力しながら定期点検整備の必要性というものを自動車の使用者に徹底してわかっていただきたい、かように考えているわけでございます。また、この規定は単なる訓示規定ではございませんで、この四十七条に書いてございますけれども、この章全体を受けて、やはり使用者の義務といったものを代表する形でこの章の冒頭に規定したというふうに考えている次第でございます。
 なお、さらに申し上げますと、単に定期点検整備義務励行のためだけじゃなくて、やはり使用者の意識を高揚する上で十分な効果が期待できないというそういうことの対抗策といたしまして、このたび、整備をしないで検査に持ってきた、そういった車に対しましては点検の勧告制度を法律上にまた設けて、そういった意味での点検整備の確実な実施を図るというふうな方向で私ども努力していきたいと思っております。
#180
○渕上貞雄君 その点は、やはり法改正をしたわけでありますから、そういうことにならぬようにひとつ努力をしていただきたいと思います。
 この法改正そのものの目的という中に、すべて今までの保守整備というものを業者に任せておいたけれども、必ずしもそうではありませんよ、これから先の自動車社会においては自動車を持つ者の責任として安全基準の最低のものは自分で確保しなさいというのがこの法の目的だと思うんです、改正しようとしている考え方だと私は思うんです。
 そうすると、そういう思想がだんだん高くなってきて、先ほど同僚の溝手議員も質問されておりましたように、ユーザーが直接検査場に持っていくというようなことになる可能性がだんだん大きくなるし、技術力も進歩してくるし、だんだんよくなってくるとすれば、やっぱり自分でやっていこうかという人たちが大変多くなると思うんです。そのときに、先ほど質問ありましたように、じゃ整備、点検する人たちの人数はこれで大丈夫なのか、場所はどうなのかということなども出ておりましたけれども、これから先そういう保守意識が高まるにつれてユーザー個人で持っていく量というものが大変私は多くなっていくのではないか。
 そうすると、そういう人たちを受け入れる環境というものをやはり整備していかなくてはならないと思っています。もちろん、六カ月点検が廃止されたわけですから、それにかかわっていた人たちが人員として余ることにはなると思います。これは直接聞いたことではないからわかりませんけれども、恐らくや、点検を省いたわけですからそこでの仕事の量は減る、全体の仕事の量は減るということになれば、人員を減らさない限り仕事総体としては私は減ると思うんです。
 したがって、そういうところでカバーができれば、こういうユーザー車検をしやすくしていくような環境というものをつくれば、自分が実際やってみて整備にどれぐらい金がかかるかということにかかわれば、点検についてお金がかかるかかからないかというのがこの法改正の一つの目的でもありますから、そういうユーザーが車検を行いやすいような環境というものを私は整備していかなくてはならないと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
#181
○政府委員(樋口忠夫君) ただいまの御指摘は、検査場でどういう形でユーザー車検を扱っていくかという御質問がと思います。基本的には、コース数の大きな検査場等におきましては、ユーザー車検ということで自動車使用者が直接自分の車を持ち込むような場合につきましては、検査にふなれでございましてなかなか順調に検査の流れの中に乗っていけないというような問題もございますので、ユーザー車検専用のコースを設けるとか、あるいは時間を決めてその時間帯に流すとか、いろんなやり方があるかと思います。
 そういったことで、各検査場単位でどういう形でそういったユーザー車検をスムーズに流すか検討を現在進めさせているところでございますし、今後ともそのユーザー車検の動向を見きわめながら適切に対応していきたいと思っております。
#182
○渕上貞雄君 できるだけそういう要望にどうかひとつこたえていただくように努力をしていただきたいと思います。
 次に、自動車重量税について御質問申し上げますが、大蔵省の方お見えでございますか。
 国民の負担の軽減、こういう観点から、車検の費用が高いと一般の人が思っている事由の中に、やはり自動車重量税が検査時に二年ないし三年分を一括して支払わなくてはならない、そういうのが大変負担になっているのではないか。自動車税と同じように自動車重量税を単年度払いにするということはできないんですか。
 二年前、三年前、車検のときに先払いしなければならない、これをやはり私は単年度にすべきだと思うんです。そうすれば、一時に払わなくていいので国民の負担感というのも軽減できるのではないかと思いますが、単年度にできない理由というのがわかれば大蔵省の方から御説明願いたいと思います。
#183
○説明員(福田進君) お答え申し上げます。
 自動車重量税というものは、自動車が車検を受けまたは届け出を行うことによりまして、道路を走行することが可能になるという法的な地位あるいは利益を受けることに着目して課税される一種の権利創設税でございまして、一たん車検が有効なものとなっていれば、現実に自動車がどの程度走行するのか、あるいはし得るかといった問題とは直接関係ございません。この点で、今御指摘の自動車税あるいは軽自動車税等といった課税物品の消費あるいは保有に着目した税とは性格が異なっておりまして、むしろ登録免許税に類似した性格を有しております。
 例えば、登録免許税というのは一種の権利創設税でございまして、これにつきまして今御質問は、自動車重量税について単年度の支払いにできないかという御質問でございます。車検時課税をなぜやっているかといいますと、一つは、自動車が車検を受けることによって、今申し上げましたように、走行可能になるという法的な地位あるいは利益に着目して課税するというこの税の課税の趣旨、それからむしろ車検時の一括納付の方が納税者にとって簡便であり、かつ私ども税をいただく者にとっても簡素化に資するという観点から最も合理的であると考えられることによるものでございます。これを変更することは、先生のせっかくの御指摘ではございますが、困難であるということをぜひとも御理解願いたいと存じ上げます。
#184
○渕上貞雄君 私は税金を払わないと言っているわけじゃないわけです。税金は払うから、一遍に取らぬで単年度ごとにやったらどうだという質問をしておるわけです。それは三年分先取りした方が簡便で取りやすいから便利はいいでしょう。だけれども、取られる側になって物を考えると、必ずしもそういうことにはならないんですよ。
 それはもちろん、今言われたように登録免許税、それから権利創設税ですか、というようなことを言われましたけれども、ではそういうような性格を持っている税はこの自動車重量税のほかに何かございますか。
#185
○説明員(福田進君) 今申し上げましたように、例えば権利創設税として登録免許税というものがございます。
#186
○渕上貞雄君 登録免許税、具体的にちょっと、類似したものがあれば……。
#187
○説明員(福田進君) 家屋を取得いたします。そうするとそのときに登録をいたします。三十年、五十年家屋を取得するから、一回に払うのが大変だから毎年毎年分割してということはやっておりません。そういう意味で、例えばでございますが家の取得、不動産の取得、そういったものと同種、権利創設税ということで御説明させていただいた次第でございます。
#188
○渕上貞雄君 そういう権利創設税だとすれば、家屋のときは一遍に取る、毎年毎年払わない。あれはずっと建っていれば百年でも払わなくていいんですね。
#189
○説明員(福田進君) そういうことです。
#190
○渕上貞雄君 ほかの自動車税の場合は毎年取っている。この法律ができたときは取っていなかったわけですよね、この自動車重量税。四十七年にたしか取り始めたと思うんです。そうすると、目的が違うわけでしょう。
 納めないと言っているわけじゃないんだから、単年度になぜできないのか。他の自動車税は単年度でちゃんとやっているじゃないですか。そういうふうに言っているんですよ。ですから、私は決して納めないと言っているわけじゃないんで、単年度にしてほしい、こういうふうに言っているわけです。
#191
○説明員(福田進君) 繰り返しになりますが、自動車重量税につきましては創設以来、今御説明いたしました権利創設税という考え方で御説明してきておりまして、そのような考え方で徴税もしております。
#192
○渕上貞雄君 今、不動産取得税だとか家屋取得税だとかというふうに言われて、それは一回買ったときに一回かけるだけであって、後はずっとかけないでしょう、かけますか。
#193
○説明員(福田進君) 繰り返しになりますが、この自動車重量税、一年なら一年、二年なら二年、三年なら三年間車を走行してよろしい、車検の期間に応じてその間の有効期間内において道路を走行することが可能になる。実際に走っていようが走っていまいが、極端なことを申し上げますと、そういった法的な地位あるいは利益を受けることに着目して課税されているものでございます。したがいまして、今申し上げましたように権利創設税だから一回限りと言えないものでございます。
#194
○渕上貞雄君 それならば、権利創設税、権利がなくなったときには払い戻しをしなければなりませんね、しますか。
#195
○説明員(福田進君) 権利創設税でございますので、今申し上げましたように三年間なら三年間、ある特定の期間走行できるという権利が成立した段階でいただくわけでございます。その後で例えば事故があってという御指摘でございましたけれども、一たん権利が成立している、創設されているわけでございますので、その時点に着目して、還付ということはいたしておりません。
#196
○渕上貞雄君 今非常に人気の悪い税、消費税がありますね。消費税の中でも特に益税は国民は怒っていますね。この税だけは先取りして、権利を喪失しても払い戻ししない。ほかの保険料、自動車税は返っできますね。なぜこれだけ返ってこないんですか、はっきりしてください。
#197
○説明員(福田進君) 繰り返して恐縮でございますが、一定の期間権利が創設されるということで、同じような例を出して恐縮です、さっきも申し上げましたが、例えば登録免許税におきまして、家を取得した、取得した段階で家を登録して税を納付する。納付した後に火災によって焼失したような場合にも税を還付するということはございません。
 それから、先生お話しございましたように、自動車税は保有課税でございますので、廃車した場合には月割り課税によりまして廃車した日の翌月以降の課税額が還付されております。ただ、同じ保有課税でございます軽自動車税につきましては、従来、廃車した場合には自動車税と同様に月割り課税が行われておりましたが、五十六年の改正において、課税事務の簡素合理化等を図る趣旨から月割り課税制度が廃止されて、廃車しても還付されないこととなっております。
 それから、自動車損害賠償保険のお話がございましたが、これは危険期間に対応する保険でございますので、廃車した場合には以後保険会社の負担は消滅するわけでございますので、危険が減少した額の保険料が還付されるというふうに理解しております。
 なお、今、自動車重量税について廃車還付制度をつくってはどうか、こういう御指摘でございましたが、一つには、今申し上げましたように権利創設税という理論上の問題のあるほか、一つお考えいただきたいのは、廃車還付のためには確認の事務それから還付事務等新たに膨大な事務量を要すると考えられますので、陸運支局それから税務署の職員の大幅な増員が必要になる。今の行政簡素化等に逆行する結果を招くことになりますので、いかがなものかということを御理解いただければと思います。
#198
○渕上貞雄君 何ぼ理解してくれと言われても、こればっかりは理解できないわけです。
 それで、やはり税を猫ばばしたら国民は非常に不信になりますよ。それは例えば税務署の職員が大変ふえる、こういうふうに言われる。しかし、この税そのものの目的が、道路を使用するというそこから損壊税なども含めて取った税だというふうに最初の創設のときに言われているわけだから、もう少しやはり大蔵省は一回考えてもらいたいと私は思います。これ以上やっても、権利創設税だから戻さない、こういう話になるでしょう。
 そこで、運輸大臣、これは税制上の問題で考えなければならない問題だと思うんです。それは幾ら権利があって三年間走られるといったって、若者の暴走族がぼんとやって車はもう使えなくなって廃車しなければならない、一年もたたないうちに。そうすると、あと二年間の分はちゃんと残っているわけです、権利はあるわけです。しかし、今度新しい車を買ったら、またそれには重量税というのがかかる。だから、まだ二年間使っていませんという証明書か何か出せば二年間使えますよ、だからおたくは一回払ってくださいと。私は一年のうち六カ月使ったからあと六カ月分戻せとまでは言わない。とにかく大蔵省は検討すると言っていただきたい。
 そのためには運輸大臣、この運技審から答申がありましたように、やっぱり車検のときに国民の負担感を少なくするというならそれぐらいなことは考えた方がいいと思うんですが、どうも調べますと、今の税調の中では余り議論もされてないようであります。ですから、ことしはすぐには間に合わないかもしれないけれども、新しくなった決意を込めて、やっぱり運輸省としても大蔵省に対して働きかけていくようなぐらいの決意で運輸大臣あっていいんじゃないでしょうか、いかがでしょう。
#199
○国務大臣(二見伸明君) 何度も申し上げますけれども、私もユーザーでございますし、先生の気持ちもよくわかりますし、そういう要望がユーザーからあることも私も承知をいたしております。
 ただ、今議論を聞いておりますと、大蔵省の言い分もそれなりに理屈は立っていますね、それは。大蔵省の立場からするとなるほどそういう理論もあるのかなと聞いているわけでございますが、私もさは言いながら、ユーザーの心情というものも自分がユーザーだけによくわかりますし、といって大蔵省マターの重量税の問題を運輸省としてこうすべきだということはちょっと言いにくい話で、正直言って大変答弁しにくいところでございますけれども、運輸委員会でこういう議論があったよと、これは自動車重量税の性格にかかわる問題だから運輸省としては答弁できないけれども、こういう議論があったぞということは大蔵省側に伝えたいというふうに思います。
#200
○渕上貞雄君 ひとつ与党の方々にもお願いを申し上げておきますから、どうか考えていただきたいと思います。
 大蔵省の方、本当にどうか、これは評判悪いですよ。これをなくしたら大蔵省の株は上がりますから、ひとつ御検討を願って、きょうは大変お忙しい中お出ましいただきましてありがとうございました。
 引き続きまして、これまた社会問題になっていますけれども、路上放棄自動車の処理の問題でございます。
 生まれるときは一生懸命、税金も先取りするし、車のナンバーもいろんなことをやってきちっと生まれるけれども、もうこれを使ってしまって要らない、こういうふうになったら、これはそれを認めたところが少しは責任を持っていいのではないか、こういうふうに質問をとりに来られた方と相当議論をいたしました。これは私のところじゃありませんと。もう車検証もなくなり廃棄処分にするだけで、これはごみです。ごみだから運輸省は関係ありませんと。やっぱり生まれ育ってなくなっていくときはきちっと始末をするというのがあってしかるべきことだろうと私は思います。
 放置自動車の発生の原因は、処分が面倒くさい、廃車の手続がなかなかわかりにくいというのをどうも例に挙げておるようでございますから、ここはやはり私は運輸省も少しはかむべきだと思うんです。今社会問題になっているような放置自動車の問題についてもやっぱり整理をしていくべきだろう。
 一つは所有権の問題がございますし、二つ目には放置自動車の処理の費用の問題がございます。例えば、ごみであれば市町村がそれは税金で処理するかもしれない。もし製造者責任ということになれば、メーカーが処理をすることになるかもしれない。税金の場合は私ども納税者の方が迷惑になるし、メーカーであれば使用者の方に肩がわりをさせることになると思うんです。やはり最終段階での公平な費用の負担というものを放置自動車の場合考えていかなくてはならないと思うのでございますけれども、その点いかがでございましょうか。とりわけ、この問題についてはぜひ検討していただきたいというのが私の希望でございます。
 放置自動車にかかわる問題について、私もよっと千葉県松戸市に調査に行ってきました。放置自動車に対する住民からの処理要望件数は七年間で千百三十五台。そのうち六百台について、市と警察の努力によって所有者を突きとめて処理をしています。あと四百二十三台は市の方でごみとして処理する。残り百十台は今もって処理ができない。こういう状況にあり、同時に、その放置車両に対する放火が三件も実は発生をしていて非常に住民の側は不安になっている。これは社会問題になっているわけです。
 したがって、これらの実態についてどの程度警察の方も運輸省の方も把握されておるのか、御説明を願いたいと思います。
#201
○政府委員(樋口忠夫君) ただいまの路上放棄車の処理の問題でございますが、平成三年の七月に関係業界、自動車工業会、自動車販売店連合会、全国軽自動車販売協会、輸入組合、こういう四団体が中心になりまして路上放棄車処理協力会というものを設けでございます。
 それによりまして、路上放棄車であるということで住民から市町村に処理をしてもらいたい旨の要請がありますと、市町村はとりあえず自動車解体事業者等にお願いいたしましてそれを処理をしていただく。一方におきまして、路上放棄車処理協力会の方にその旨連絡をいたしまして、その処理に見合った金額を御寄附するという形で処理をしてきてございます。そのほか、廃棄を希望される自動車使用者に対しましては、こういった関係団体が中心になりまして、所有者から連絡をいただきますとそれを処理に行く。ただし、その場合は使用者から必要額はいただく、こういうシステムになってございます。
 平成五年の状況で申し上げますと、路上放棄車の取り扱い件数が全国で二万三千台、上記処理費用としましては二億一千万円ほどでございます。そのほか、廃棄希望ということで十万五千台ほど処理をされておる、こういう状況を確認してございます。
#202
○説明員(田村博君) 路上に放置されております自動車の処理につきましては、昨年、平成五年に警察庁と建設省、厚生省の三省庁の間で協議をいたしまして処理マニュアルといったものをつくってございます。
 ポイントだけ申し上げますと、長期間放置されている車両が発見された場合につきまして、まず警察と道路管理者が協議をいたしまして、廃棄車両に該当するかどうかということを認定をいたします。その結果、まだ車両で動けるというものにつきましては警察の方において処理をする。それから、廃棄された車両であると認められるものにつきましては、盗難車両でありますとか特別警察で処理を要するものを除きまして、道路管理者の方で処理していただくということで一応の対応方針を定めてございます。
#203
○渕上貞雄君 建設省、厚生省、警察庁の三省庁によって放置自動車処理の手続概要というマニュアルをつくって今処理をしている。ここもやはり運輸省が少しかんだらどうでしょうか。きちっと運輸省もその中に入っていって、道路運送車両法の第十五条、第十六条の抹消登録のときに何とか検討していただいて、そういう車両放置がされないような状況というものをつくっていく責務が運輸省にはあると私は思うんです。そういう意味では、運輸省としてこの問題を検討していただきたいと思うんです。
 これは、ただ単に処理するということ等を含めて、未然にそういうものを防いでいく政策というものも運輸省は考えていかなくてはならないと思うんです。したがって、直ちに道路運送車両法の十五条、十六条の抹消登録の中でできるかどうか私はわかりません。ですから、運輸省の中でこういう問題についても、大蔵省は三年も五年も先取りできるわけだからこれだって、家の話もされた、家が焼ける話もされた。それまであるようなことを考えるんだったら、少し知恵を絞っていただいて、こういう登録抹消時に廃車になるように、捨ておきにならないような処置というものをどうか検討を願いたいと思うんですが、どうでございましょうか。
#204
○政府委員(樋口忠夫君) ただいま道路運送車両法十五条、十六条によります抹消登録のお話がございましたが、ちょっとかいつまんで御説明申し上げますと、自動車が滅失あるいは解体されてもう使われなくなってしまった、そういった場合には必ず十五条抹消登録ということで手続をしていただかなければいけないことになっております。
 それに対しまして、十六条抹消といいますのは、一時的に自動車の使用を停止するということで、わかりやすく申し上げますと、長期の海外出張をされるというようなことでとりあえずナンバーを外して抹消する、あるいは中古車として市場へ出すというような場合に適用されるものでございまして、いずれまた使われる車、これが十六条抹消手続をとっていただくことになってございます。
 前へ戻りますが、十五条抹消の場合には、解体事業者などの発行する解体証明書等の解体された事実を証する書面を、十五条抹消手続をしていただくときには提示をしていただいておるところでございます。しかし、十六条抹消につきましては、使用可能な自動車の一時的な中止ということから、申請書にその旨理由を記載していただくという程度でございます。
 先生御指摘の点は、こういった点について十五条抹消並みに何らかの証明の添付を義務づけるというようなことを考えたらどうかという御趣旨がと思うのでございますが、その場合にユーザーの負担、どういったところでどういった証明をしてもらうかというような問題、それとその効果、こういった点につきまして今後研究していきたいというふうに考えております。
#205
○渕上貞雄君 どうかひとつ研究して、研究したけれども何もしなかったではなくて、行動する運輸省としてきちっとこの問題をやっていただきたいと私は思います。
 最後に、安全問題について質問する予定にしておりましたが、時間が来ましたので、理事の方々には資料を配って、国際的な自動車の安全基準などについて運輸省は考えたらどうだと。先ほど事故もなくなったと言うけれども、昔の事故は車と人の事故だった。日本もだんだん欧米型に事故が近づいてきて車対車の事故がふえてきているときに、車の構造上の安全問題については、アメリカの仕様と日本の仕様が違って、日本はかなり横側は弱くなっているようなことなどありますから、それらの質問をしようと思いましたが、終わります。
 運輸大臣、一言。この放置自動車の件につきましては、どうか省としてしっかり検討していただいて、一定の政策を出していただくようにお願いをしておきたいと思います。
#206
○国務大臣(二見伸明君) 実は、私の住んでいる家の、私が歩いていける範囲内に雑木林がありまして、そこには捨てられた自動車が四台ぐらいあるんです。そうすると、それを見つけた住民が市役所に電話をして何度も何度もお願いをして、それでやっと持っていってもらう。なくなったころ、また捨てられているという現実があります。これは何とかせにゃならぬなと私も常日ごろ考えてはいたことですけれども、運輸省がどういう形で絡めるのかわかりません。それは通産省とか厚生省とか、そこら辺が恐らく主要官庁になるんだろうと思いますけれども、やっぱり何かしなきゃ困りますので、いろいろと研究をしてみたいというふうに考えております。
#207
○渕上貞雄君 質問を終わります。
#208
○山田勇君 同僚委員と若干重複する、若干というよりほとんど重複する点があるかもしれませんが、これがこの法律のポイントでございますので、あえて重複することをお許しいただきたいと思います。
 先ほども前検査後整備の話がございましたが、私は特に民間指定整備工場でユーザーが従来と異なり、整備の前に保安基準適合検査を受ける場合が多くなり、トラブルの発生も懸念されますが、どのような予防措置を講ずるつもりなのか、これが第一点。
 第二点は、今月九日、衆議院運輸委員会で、二見運輸大臣は懸念を多少認め、さらに樋口技術安全部長は、民間指定整備工場はユーザー車検を代行することもあり得る、一律に店頭で前検査を希望するユーザーを否認しない方がいいというふうに答弁されておりましたが、どうしてもその懸念は残ります。
 ユーザー検査車両が陸運支局や陸運事務所に数多く持ち込まれることが予想され、この点についての答弁はありましたが、さらに詳細な対応策は予定されているのか、また混乱は起こらないという自信をお持ちなのか、もう一度お答えをいただきたいと思います。
#209
○政府委員(樋口忠夫君) いわゆる自動車は使用に伴いまして必ず劣化、摩耗するものでありますので、定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わないこととした場合におきましても、使用者により適切な点検整備が実施される必要がございます。このような観点から、国として使用者に保守管理責任を十分認識していただき、点検整備が確実に実施されるよう対策を講じ、周知徹底を図っていくこととしているわけでございます。
 ところで、ただいま御質問の指定整備事業者が使用者から前検査を依頼された場合でありましても、使用者の理解を得つつ、まず点検整備が確実に行われるようにということで、整備を行ってから検査を受けるという仕方をしたらいかがでしょうかという、そういった対応をとることがまず必要であろうというふうに考えます。
 しかしながら、そういった指定整備事業者の努力にもかかわらず使用者から前検査の強い要請があった場合、この場合にはあらかじめ点検整備を行わず、国の検査場へ自動車を持ち込み受検するということは可能である、こういうふうに御答弁申し上げたわけでございます。そのとおりでございまして、やはり定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わないこととしますけれども、定期点検の必要性は依然としてございます。
 したがいまして、まず指定整備工場でユーザー車検をやってくれと言われた方には、くどいようでございますが、やはりそこで定期点検の必要性を説明し、御理解をいただけたらそこで民間車検をやってもらうということになるわけです。とりあえずとにかくユーザー車検をお願いするよと言われたら、断るというよりも、そこで国の検査場へそのままストレートに持ち込んでやる、いわゆる代行してやるというような考え方も一つの選択としてあるであろうという答弁をしたわけでございます。
#210
○山田勇君 部長、これは新しい法律なので周知徹底する必要性があると思うので、各整備工場に何か漫画かイラストで簡単にそういう図式できちっとあらわした方が、受けに行く者も、ああこれでおれはいこうかとか、いやおれはこれでいこうとかいうふうに、法律を周知徹底する意味でも何かそういうのをひとつお考えになって、早々にそういうポスターみたいなものを張っていただければユーザーにとってはわかりやすいんですが、その点ひとつ要望しておきます。
 それから、受け入れ側の検査体制については混乱のないよう十分配慮をしていただくとしまして、そこで今後のユーザー車検の増加を想定した場合、利用者の利便性を考える上で、陸運支局あるいは事務所も土日の週末に営業させることを考慮してはどうかと思います。大部分のサラリーマンなどは土日以外は仕事をしております。平日に会社を休んで車検を受けに行くということは困難なことでございます。運転免許証の更新の手続などは土日も受け付けるようになっております。車検についてもぜひその点は検討していただきたいのですが、もし営業日をふやすことが難しいというならば、陸運支局や事務所の月間の検査処理台数分布によりますと、月初めから月の半ばまでは比較的処理台数が少ないと聞き及んでおります。第一週と第二週の営業日を土日に振りかえてはどうかなと考えるんですが、その点いかがでしょうか。
#211
○政府委員(越智正英君) ただいま、ユーザー車検の増加に備える意味で、陸運支局等で車検をやる日にちとして土曜、日曜日を開いたらどうかというお尋ねでございますけれども、私どもの陸運支局等車検をやっておりますところにおける週休二日制、これにつきましては、労働時間の短縮それから週休二日制の推進が国際的な見地からあるいはまた時代の要請ということになっていることにかんがみまして、いわゆる行政機関の休日に関する法律というのがございますけれども、これに基づいて今実施しておるわけでございます。
 御指摘のように、陸運支局におきまして土日に開庁してはどうかということでございますけれども、私どもやはり週休二日制導入の趣旨、それから平日の検査業務量の処理に追われている検査現場の人員の現状等から考えますと、御指摘であるのでございますけれども、実質的に大変難しいというふうに考えてございます。
 それから、もう一点の、少ない日を振りかえたらどうかということでございますけれども、私どもの調査では、例えば第一月曜あるいは第二月曜が少ないかというと、やはりそこは年に通して見ますと、必ずしもそういった傾向ばかりじゃないものでございますので、残念ながらそれも大変難しいんではないかというふうに考えている次第でございます。
#212
○山田勇君 次に、国税庁にお尋ねをいたします。
 同じことなんです。現行の車両法及び自動車重量税法では車検の申請時に自動車重量税の納付が義務づけられておりますが、この制度が車検費は高いといった国民の誤解を招く一因になっていると思うんです。この重量税についてその経緯や性格について聞き及んでいますが、どうも徴税する側の諭理に立っており、納税者の論理に欠けているように思います。
 納税者の立場に立って車検時納付の義務づけを廃止し、自動車税との同時徴収を行うか、あるいは自動車税との一本化を実現してはどうかという考えですが、いかがですか。
#213
○説明員(福田進君) 先ほど述べて今またで大変恐縮でございますが、自動車重量税の性格、くどいようでございますが、車検を受けてまた届け出を行うことによって道路走行が可能になるという法的地位あるいは利益を受けることに着目して課税される一種の権利創設税だということをさっき申し上げました。
 納税義務も車検証の交付等のときに成立することとなっておりまして、車検制度といわば密接にリンクした税でございます。したがいまして、自動車重量税は車検時に納付していただくことが必要であるということでございます。また、その車検等の際に納付する方式は、これは納税者にとっても逆に非常に簡便な方式で、かつ最も合理的な課税方式であると私どもは考えております。
 さらに、自動車税の関係について申し上げますと、自動車税、これは地方税でございますけれども、自動車の保有の事実に着目して課税されるものでございまして、自動車重量税とは全くその性格が異なっているものでございます。
 こうしたことから、山田先生せっかくの御指摘でございますが、車検時納付の義務づけを廃止いたしまして自動車税と同じ徴収方法もしくは一体化すべきということについてなかなか難しいということを御理解願いたいと存じます。
#214
○山田勇君 これ何か大蔵省が知恵を出して、こういう方法どうだというような案はございませんか。
#215
○説明員(福田進君) なかなか知恵がないものですから、今どうしたらいいとお答えできません。
#216
○山田勇君 またいずれこれは、先ほど同僚委員が申しましたとおり、そういうふうなユーザーの利便性というものの見地から、一度また大臣、大蔵大臣と話し合ってみてください。そこに何かまた活路があるかもわかりません。そういうことでこれは要望しておきます。
 さて、この規制緩和は細川政権に引き続き羽田政権としても最重要課題でありますが、特にこの車検制度は数ある規制の中でも国民の日常生活に極めてかかわりの深いものであります。国民の期待も大きいものがあるわけですが、もちろん運輸関係は安全、環境という二大命題を大前提としなければならず、何が何でも規制緩和をすればよいというものでもありません。しかし、このことを十分考慮した上でなお国民の負担軽減や一層の規制緩和を検討することが重要であります。
 具体的には、今回打ち出されたユーザー自己責任制度が適切に機能するよう取り組むことを、また将来は整備と車検制度を原則分離することを検討していただきたいと思いますが、車検制度の将来ビジョンについてはどうお考えになっておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
#217
○政府委員(樋口忠夫君) 今回の車両法改正で考えておりますのは、自動車の保守管理の責任は基本的には使用者にあるという前提で今回取りまとめを行ったわけでございますが、その際、定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わないこととするということで、委員御指摘のとおり検査と整備を分離したところでございます。今後は、点検整備につきまして自動車使用者の自己責任に一層ゆだねていくという方向で考えることが望ましいだろうというふうに現時点で考えております。
 また、自動車の検査につきましては、将来におきましても当然必要なものであると考えておりますが、その内容は、今後の自動車技術の進歩でありますとか使用実態の変化等に対応して適宜見直しをしていくべきものだというふうに考えております。
#218
○山田勇君 法文にも書かれているとおり、ユーザーの保守管理の意識の高揚、僕はこれ物すごく必要だと思うんです。そういう意味では、車検だとかあらゆる手続ありましょうが、いわゆるユーザーに対する過保護的なところもあるんです。正直言って、点検を受けなければ、その危険な車で走れば事故を起こす、それは君の言うなら責任やということ、これアメリカ的な発想なんです回小沢代表の書かれた本の中に、危険ながけのところには一切さくがないと、そんなものはそこへ行けば危険だということはもう国民全体によく浸透しているんです。日本は必ず、危険です、ここから以上は立ち入ったらだめやと。これはやっぱりそういう意味でちょっと過保護的なところもあるんです。判断材料がだんだんユーザーになくなっていくということです。
 だからそういう意味では、僕はこの法律、整備の問題やいろいろありますが、いわゆるユーザーの保守管理の意識の高揚、僕はこれは非常に重要視しております。自分がきちっと検査を受けたら安全な走行ができる車を使用できるんだということを認識してもらうという意味で、僕は大変結構だと思うんです。
 最後の質問になりますが、ユーザー車検代行業についてでありますが、検査にさえ受かればその後点検整備はしなくてもよい、安全面では全く問題がないといった誤った言葉を用いて営業している業者も多くあると聞いておりますが、認証を受けない業者が自動車の整備を行うといった違法行為のないよう、運輸省として全力を尽くしていただきたい。最後に大臣の決意を伺って、私の質問を終わります。
#219
○国務大臣(二見伸明君) 車検代行業者が、例えば私が車検代行業を開業いたしまして、先生のところへ行って私がやってあげますよ、そして後は知らぬ顔、こういうことが当たり前になりますと今回の法改正の趣旨とは違ってくることになります。
 このために私たち運輸省としては、例えば交通安全週間のときに街頭でもって取り締まるとかいろんなことをやりながら、ちゃんと定期点検整備はしてくださいということはやってまいります。また、おっしゃるように、認証を受けずに自動車の整備をやるとするならば、これは法律に違反するわけですからそれはきちんと取り締まっていかなければならないというふうに考えております。車検代行業者に頼めば後は二十四カ月点検も何もやらなくていいんだという誤った考えをユーザーが持ってもらっては困るというふうに思っております。
#220
○山田勇君 ありがとうございました。終わります。
#221
○泉信也君 今回の法改正が、いわゆる自己責任の原則にのっとってユーザーが自主管理責任を待つ、こうした方向であることは大変評価をできることだと思っております。しかし、先ほど来同僚議員が重ね重ねお尋ねをいたしておりますのは、そうした法改正の目的と現実との間にギャップがあるのではないか、したがってそのプロセスにあってはもろもろの手だてあるいは誘導策が必要ではないか、こうした思いでお尋ねがあったと受けとめさせていただきました。
 例えば、現在行われております車検制度の中で、若干の調査のベースは違うのかもしれませんが〇・〇五%といった二けたも違うような非常に低い数字、あるいはまた環境に与えます影響も一酸化炭素あるいは炭化水素の発生量が整備前後では六割以下に落ちるといった、こうした現行制度は大変意味のある制度であると私は思っておるわけです。
 しかし、今回の法改正によりまして、例えば五十四条の勧告という事柄は現在の法律に比べますとやや後退をしておるのではないか。こうしたことで本来の法目的であります安全面あるいは環境面の水準が低下することになるのではないかと大変憂慮するものでありますが、いかがでしょうか。
#222
○政府委員(樋口忠夫君) ただいまの御指摘は、いわゆる整備前検査が行われた場合には検査の後に点検整備が確実に行われないのではないか、そういったことで安全性の確保であるとか公害防止が本当に図れるのかという御趣旨がと思いますが、そういったことがないようにまず使用者の保守管理責任を今回法律で明確化いたしたい。さらに、国を初め関係者が協力して推進対策を推進していく。それから、先ほどもお話し申し上げましたが、検査の際に定期点検整備記録簿の提示を求めまして、そこで定期点検の必要性をよく訴えていく、そういった対応を図ることを考えております。こういった対策を通じまして、検査後の点検整備が確実に行われ、安全面、環境面で後退することがないよう努力していきたいというふうに考えております。
 先ほどのもう一つの、点検等の勧告が罰則がない、現行の規定よりも後退しているではないかという御指摘でございました。確かに現行の規定は点検の指示ということで、万が一色ない車がありますと点検を指示することができる、指示をした上でそれを報告していただく、その報告の義務違反につきましては十万円の過料をいただきますという規定になってございますが、実は前回の車両法改正でその条文を御審議いただいた段階で、ユーザーに過重な負担をかけるのではないかということで附帯決議がつきまして実質的に凍結していた経緯があります。したがいまして、その時点で現在まで進んできておりまして、その条文を適用した例がございません。逆に、今回は、点検等の指示を行うことによりましてかえって対応がしやすくなるであろうというふうに考えております。
#223
○泉信也君 もう一つ、今回の法改正でユーザーの負担の軽減ということが一つの目的になっておりますが、このことも大変重要なことだと思っております。しかし、ユーザーの負担の軽減によって、あるいは悪質な者が自動車を整備しないで走らせることによって交通渋滞あるいは事故を引き起こすという外部不経済が大きくなる、結果として国民経済的に見れば大変大きなコストを支払うことになるということであれば、本来の法目的とは違う方向に走ると危惧するわけであります。いわゆる悪質なユーザー車検、言いますならば悪質な車検代行業がばっこするようなことになっては本来の目的を果たせない。
 そこで、先ほど当局からお答えがございましたけれども、受検のレーンを指定するとか、あるいは日時を指定するとか、そうしたこともお考えだと伺いましたけれども、良心的ないわゆる車の保守管理に努める人に影響を与えないようなことでなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
#224
○政府委員(樋口忠夫君) おっしゃるとおりだと思っておりまして、車検代行業者のためのユーザー車検コースを設定するということではまずかろうと思っております。やはり善良な自動車使用者が自分なりに点検をしていくなり、そういう持ち込んだ車についてはそれなりの便宜を計らいますけれども、車検代行業といいますのは基本的には定期点検の必要性を自動車ユーザーに訴えてくれる可能性はかなり少ない。そういった前提で考えておりますので、車検代行業の関係につきましては、先ほど大臣からも御答弁がありましたように、やはり法に照らして厳正に対処していきたいというふうに考えております。
#225
○泉信也君 自動車整備に対しましては、いわゆる誤解や偏見に基づきます中傷が一時期盛んに世の中に喧伝されたことがございました。しかし、安全や環境保全のために働いておる若い人たちに自分の職場に誇りと意欲を持たせていく、そうした観点からの施策も大変重要だというふうに私は思っております。今回の法改正がよもや働く人たちの意欲をそぐようなことはないとは思いますが、例えば警察、道路管理者、あるいは関係者の努力によりまして街頭の検査を徹底させる、法の抜け道をくぐらせないような対策をとっていかなければならない、こんな思いを持っております。
 自動車整備業界、まさに汗や油にまみれて働く整備士の技術的な良心によって今日の交通安全、環境が守られておることを考えますときに、今回の法改正が当業界に与える影響、そしてその対策についてはいかがお考えでしょうか。
#226
○政府委員(越智正英君) 今回の法律改正の眼目であります使用者の保守管理責任ということを前面に出してあるわけでございますけれども、これはまさに使用者がそういう意識を持つということ、それはまさに資格のある整備事業者に的確な点検整備をしていただくということと相まって初めて意味がなされるというふうに私ども考えておりまして、そういった意味では今後とも整備業界の果たすべき役割というのは大変高いだろう、かように考えております。
 整備業界というのは御承知のとおり大変零細なものが多い、また若年労働者が不足しているといったような構造的な問題がございます。そういった問題に対しまして、私どもはやはりいろんな手だてを講じまして、その近代化なりあるいはそういった意味での整備事業者のいわゆる指定整備率の維持向上を図るという観点からいろいろな観点からのお手伝いもしていきたい、予算上の措置も講じていきたい、かように考えている次第でございます。
 それから、今回の法律改正で整備業界が受けるいわゆる金銭的な問題、これはまさに国民負担の軽減と裏腹になるわけでございますけれども、そこはやはり相当な額に上る。私どもの試算でいきましても、整備業界に与える今回の簡素化そのものによりますものはやっぱり五千億を超えるんじゃないかというふうに考えておりますので、そういったことを踏まえながら万全の施策を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
#227
○高崎裕子君 自動車の保有台数は今や六千六百万台に及んでいる。自動車の安全確保それから公害防止対策を図るということは、国民の命と安全を保障するという上で大変重要な課題だというふうに思います。私自身も運転免許を持ち車を運転するという立場からもこの問題には大変関心を持っているところですが、そのためには検査とそれから点検整備、これが着実かつ適切に行われるということが求められてくるというふうに思います。
 今度の法改正に当たり、私は北海道の整備工場の皆さんあるいは東京とそれかられ幌の陸運局、検査や点検整備を実際に行っている関係者の方々に直接お会いしてさまざまなお話もお聞きし、勉強もさせていただきました。特に整備工場の皆さんは、分解をして新車の状態に戻して、本当にこの車検が取れた二年間はきちっと安全に、そして公害を防止しながら走れるようにということで、プロの自覚を持って、零細なあるいは中小の経営の中で御苦労もされ頑張っておられるという姿も目の当たりにするだけに、やっぱりこういう人々の意見を本当によく聞いて反映させていただきたいというふうに感じたところです。
 まず、前検査後整備についてお伺いいたします。今までは整備を行ったことを確認してから検査をやっていたということですから、今言ったように担保的な機能も実際にはあったわけですが、今度の前検査後整備という方式によって、これはこれまでと違って整備をしないでいきなり検査に持ってくるというケースがふえることになるわけです。つまり、定期点検整備が法的に義務づけられていながら整備に出さないということで、定期整備が実態的には形骸化されていくというおそれがあるのではないかということが懸念されるわけで、その点とうなんだろうか。それから、その対策についてはどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
#228
○政府委員(樋口忠夫君) 検査の後に点検整備を行ってもよいとした場合、なかなか定期点検整備をやってもらえないのではないかという御指摘でございますが、まず使用者の保守管理責任を法律で明確化いたしたい、さらに国を初め関係者が協力して促進対策を強力に推進していく、それからさらに検査の際に定期点検整備記録簿の提示を求め、定期点検整備の確実な実施を指導していくというような話に加えまして、定期点検整備を実施せずに劣化または摩耗が原因で検査に不合格となった場合には、定期点検整備の実施を勧告するというような対策を講じることとしております。
 これらによりまして検査後の点検整備が確実に行われるよう努力していきたい、このように考えます。
#229
○高崎裕子君 もう少しお伺いしたいんですけれども、例えば手引書を作成してこれを公表するということもあるかと思いますが、その点はいかがかということと、それから今言われた記録簿の提出や法に基づく勧告制度、そういうふうなことを全部合めて、そのために必要な予算措置、それから人的な対策ということも措置されなければならないと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#230
○政府委員(樋口忠夫君) ただいまの手引書の作成につきましては、衆議院でもいろいろ御指摘をいただいたところでございまして、これは真剣になって取り組んでいきたいというふうに考えております。
 それから、いろいろな関係の促進対策につきましては、当然のことながら現在、国及び関係団体等におきまして一緒になりましていろんな対応策を検討し、一部既に実施をしておるところでございます。予算的な面におきましても、ちょっと数字的に申し上げますと、自動車の保守管理の徹底のための対策費といたしまして新規で今回二千九百万円を計上させていただいております。それから、業界等におきます自動車点検整備講習等に要する経費の一部を補助する、こういった費用としまして六千四百万円を計上するということなど、啓発活動も含めましていろいろと対応を考えているところでございます。
 それから、組織、定員についてでございますが、本年度におきまして、点検整備推進対策官ということで本省に定期点検整備を推進する対策要員として一名いただいてございます。それから、こういった行政改革の中で極めて増員というのは難しいわけでございますが、地方運輸局に点検整備推進対策のための専門職として一名つけていただいております。
#231
○高崎裕子君 例えば、ブレーキパッドが二ミリでもこれは検査でいいますと合格は合格ということで、ここで皆さんから大変心配だということで出された問題なんですけれども、仮に検査は通ったと。しかしその後、二カ月後とかあるいは半年後に、ブレーキの摩耗というのは、特にオートマチック車というのはエンジンブレーキではないのでもうすぐブレーキです。そうなると摩耗が一層激しいということなので、高速道路なんかでブレーキの故障で事故があっては本当に大変だという問題なんかも指摘を受けております。
 前検査方式で安全の確保それから公害防止対策上問題が生じることになるのではないかということがあるんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#232
○政府委員(樋口忠夫君) 現行の方式でいきますと、検査の前に二十四カ月点検整備を受けてから受検していただくということでございますので、基本的には検査後もある一定期間につきましては安全性あるいは公害防止上の保証ができているという状況でございますが、今回、定期点検整備の実施時期を検査の前後を問わない、ユーザーの責任、選択に任せますということにいたすわけでございますが、これは確かにその一面をとってみますと、安全あるいは公害の面で後退するのではないかという御指摘かと思います。
 ただし、長い目で見ていったときに、自動車の使用者が定期点検の必要性を認識していただくことによって安全の確保と公害の防止に努めていただくという方向で行くということの方が長期的に見たときにかえってよい結果を持ってあろう。そのための過渡的対策といたしまして、今回いろいろな対応策を検討しつつ自動車使用者に定期点検の必要性を訴えていきたい、このように考えておるところでございます。
#233
○高崎裕子君 従来は、整備をして車検を受けるということで大半は保安基準に適合していた。もちろん、車の使用度合いとか条件によって保安基準に問題が生じることがあるということは当然なんですけれども、いずれにしても前検査によって新たな問題がやっぱり生じるわけです。これはさっきも言いましたが、整備工場の皆さんは前整備のときに新車の状態に近い状態に戻すということで分解してそしてきちっとやるということで、ユーザーとしてはそれをやって車検を受けるから二年間、制度としては安全性の保証というものにはなっていないけれども、実際にはそれが担保もされてきたということがあるわけです。
 今度は車検が通ったからといって保安基準が満たされたわけではないということで、このことについてはよほどの対策を立てないと車検制度の形骸化にもつながりかねないし、先ほどユーザーへの周知を図るというふうに言われたんですけれども、ユーザーへの周知徹底、啓蒙ということについては具体的にはどういうふうなことを考えておられるのか、教えてください。
   〔委員長退席、理事矢原秀男君着席〕
#234
○政府委員(樋口忠夫君) まず、ユーザー車検で国の検査場に直接自動車使用者が自分の車を持ち込んだ場合につきましては、定期点検整備記録簿の提示を求めまして、過去の経歴からもチェックすることが可能でございます。したがいまして、それによってやってなかったとすれば、その必要性をよく御指導していきたいというふうに考えております。そのほか、いろいろな街頭検査等を通じましてPRといいますか、定期点検の必要性を訴えていきたいというふうに考えております。特に最近、マイカーの中でもセカンドカーということで一世帯で二台持つようになってございまして、奥さんもかなり自分の専用車としてお使いになってございますので、できるだけそういった人たちを中心として集めまして自動車の点検整備講習会、こういったようなものも各地におきまして開催する。そういうことによってそういった人たちに参加してもらって、その人たちが核になっていただいて、その地方地方でこういった形でチェックしていかないと危ないよという徹底をしていきたいというふうに考えております。
#235
○高崎裕子君 次に、ユーザー車検に伴って国の検査に持ち込まれる台数というのはこれはかなりふえるというふうに思われますが、現在ユーザー車検は何パーセントで、これがどのぐらいふえるというふうに見込まれていますか。
#236
○政府委員(樋口忠夫君) 現在、継続検査として国に持ち込まれます車の関係の割合でいきますと、ユーザー車検は一%でございます。ただし、指定整備といいまして民間車検工場の関係の分を足しますと、三%かと承知しております。
 今後どの程度ユーザー車検がふえるかということでございますが、先般、運輸技術審議会で今回の答申をいただくに当たりまして一年にわたって御審議をいただいたわけですが、そのときに基礎的調査ということでユーザーの意識調査を行ってございます。そういった調査結果等を参考にして、我々が定期点検の必要性を自動車使用者に訴えていくという前提で考えたときに、約一〇%ぐらいまでなるのではないかというふうに予想してございます。
   〔理事矢原秀男君退席、委員長着席〕
#237
○高崎裕子君 八%から一〇%というふうにも言われておりますが、五十万台ふえるということに数としてはなろうかと思うんです。
 そこで問題なんですけれども、前検査により国の検査業務が大幅にふえる。現在でも検査台数というのは増加しつつあるという傾向の中で、検査職員の増員がないまま超過勤務などで業務に追われているというのが実情なわけです。しかも、今後は整備を全く行っていないもの、それから整備が不十分なものなども流れ込むことになり、これは国としては拒否できない。そうなれば、これは量的にも質的にも国の検査体制の充実強化というものが求められていくわけですが、この点については具体的にどう対応されるのでしょうか。
#238
○政府委員(樋口忠夫君) 先生御指摘のように、定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わないとした場合には、いわゆるユーザー車検が国に押し寄せてくるということになるわけでございまして、これにどういった形で対応していくかという御質問かと思います。
 これに対しましては、従来から取り組んでおります指定整備の活用を一層促進していくということと、今回新たに中古新規検査、それから再検査を指定自動車整備事業者にゆだねる、こういったことによりまして、国への現車提示を省略させることによりまして国の検査業務量を何とか減らしていきたいというふうに考えてございます。こういった対応を図ることによりまして、ユーザー車検の増加とほぼ見合ったものが民間で行っていただけるというふうに考えております。
 ただ、これはマクロ的な数字でございます。したがいまして、各地方の検査場によりましてユーザー車検の増減というのは当然ございます。やはり都市部においてはかなり多うございますし、地方においては比較的少ない。そういった状況も踏まえまして、現在個々の検査場単位ごとにその対応を検討させているというところでございます。
#239
○高崎裕子君 今、検査場単位でということでしたが、例えばユーザー車検専用コースを設置するとかあるいは音声誘導装置も導入しながら、時間がかからないようにいろいろと検討されているということもあるんでしょうか。
#240
○政府委員(樋口忠夫君) 御指摘のように、いろんな対応策の中にその御指摘いただきました二点も入ってございます。
#241
○高崎裕子君 コースをふやしたり誘導装置も大事なんですけれども、人が圧倒的に少ないということがやっぱり一番問題だということでは、どうやってこれに対応するのかということがあると思うので、この点については働いている労働者の皆さんの御要望をよく聞いて進めていっていただきたいと思いますが、その点はよろしいでしょうか。
#242
○政府委員(樋口忠夫君) 確かに、こういった行政改革の中で増員を要求していくというのは非常に難しゅうございます。事実、ここ数年業務量がどんどんウナギ登りに上がっているわけでございますが、逆に検査のための要員といいますのは定員削減等もございまして減っている状況もございます。
 したがいまして、できるだけの合理化を図っていこうということで、検査場のさらなる自動化等についても現在鋭意努力しているところでございますし、それからできるだけ外注できるものは外注しながら検査の実績を上げていこうということで検討しているところでございます。
#243
○高崎裕子君 人の問題は大変重大だと思いますので、この点はぜひ御要望したいと思います。
 先ほど指摘ありましたように、前検査により業務量が大幅に落ちると予想される特に認証工場の圧倒的多数は中小零細業者。制度改正に伴って、これらの整備会社の経営というのは二割か三割はもう倒産するんではないかという話を聞かされて、皆さん大変深刻なんですが、この経営に深刻な影響を与えるということはこれは絶対あってはならないことだと思うんですけれども、この点ほどういうふうに考えておられますか。
#244
○政府委員(樋口忠夫君) 運輸省といたしましては、自動車の安全の確保と公害の防止を図る上でやはり整備事業者は大変重要な役割を果たしているという認識をしてございます。
 そうは言いながら、整備事業者のほとんどが中小零細企業である。こういった点を考慮いたしまして、使用者に対し適切な整備の提供を確保することが必要であるとの見地から、整備事業者に対しまして国として所要の対策を講じておるところでございます。
 具体的には、中小企業近代化促進法に基づきます近代化計画を策定いたしますと同時に、この計画による構造改善事業を推進いたしまして、整備事業者の経営基盤の強化あるいは経済環境の変化への適応力の向上を図っているところでございます。
 現在進めております構造改善事業につきましては、昨年度から開始をいたしたところでございますが、先生御指摘のように、中小零細企業に対しまして消費者の視点に立った事業あるいは勤労者のゆとりと豊かさを実現する事業、この二大目標を柱といたしまして事業を推進しておるところでございます。
 また、指定自動車整備事業者となる計画を有する認証事業者に対しましては、自動車整備近代化資金の融資対象者として、自動車整備の近代化に係る設備資金あるいは運転資金につきまして金融機関から借り入れる場合の債務保証、それと利子補給、こういったものを行っていきたいというふうに考えております。
#245
○高崎裕子君 次に、自動車整備近代化資金の点ですが、三月末で二十九億円の残高、今年度の予算と今後の補助計画なんですけれども、今年度は国の補助が十億円、業界の出捐が十億円で合計四十九億円になる、六年度からは三カ年で国が三十億、業界が三十億で合計八十九億円ということで間違いありませんね。
#246
○政府委員(樋口忠夫君) 一応、計画ではトータル八十九億円の規模の近代化資金を造成しようと考えております。
#247
○高崎裕子君 それで、機械の設備とか施設の整備、あるいは融資対象範囲の拡充、融資条件の拡充ということについては具体的にどう考えておられますか。
#248
○政府委員(樋口忠夫君) 自動車整備近代化資金につきましては、前回の検査と整備の制度改正に伴いまして、昭和五十八年度に創設して以来、自動車整備事業の近代化を図り、指定整備率の維持拡大に寄与してきたわけでございます。
 今回の制度改正に伴う自動車整備事業への影響を踏まえまして、先生御指摘いただきましたように、平成六年度予算におきまして近代化資金の造成に係る経費を計上いたしたところでございまして、引き続き指定整備率の維持向上を図っていきたいというように考えております。
 また、これにあわせて、融資対象についてでございますが、これにつきましても見直しを現在行ってございまして、自動車技術の進歩に対応した整備技術の向上など、指定整備の近代化の必要性が高まっている設備、機器につきまして、その融資対象範囲を拡充するという方向で今検討中でございます。
#249
○高崎裕子君 次に、再検査なんですが、今度は指定工場に行わせるということになるわけですが、これまでの国の検査で一体どこにふぐあいがあるのかなというふうに私は思うんですけれども、どこの部分を整理するのか。それから、ユーザーからまた過剰な整備ではないかというようなトラブルが起こらないかということでは、大変指定工場の皆さんは心配もされているわけです。ですから、整備業界とここは十分調整して検討していただかないと風るんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#250
○政府委員(樋口忠夫君) 確かに今回の制度改正は大変大幅なものでございまして、整備業界に与えるインパクトというのは非常に大きいものと考えております。
 したがいまして、先生御指摘のように、制度の実施に当たりましては、整備事業者等関係業界と連携を密にいたしまして円滑な運用に努めてまいりたいと思っております。
#251
○高崎裕子君 その点は皆さん本当に切実に希望されておりますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 それから次に、整備業者の皆さんから異口同音に共通して出される問題に自動車重量税の分離の問題があるわけです。まず、この点で確認したいんですが、整備業者が重量税を収受するということは、これは代行する制度になってはいないわけですね。
#252
○政府委員(越智正英君) 自動車重量税の納付は、自動車重量税法に基づきまして、車検を受ける際に自動車の使用者、所有者でございますけれども、それが印紙で納付するというふうに定まっております。
#253
○高崎裕子君 ですから、国の代行という形にはなっていないということなんです。しかし実態はどうかというと、これがまた違うわけです。実態は整備会社の皆さんが一時立てかえをする。つまり権利創設ということがあるわけですから、車検証が交付されるそのときに印紙を張っていなければならない。そしてお客さんには、全部の仕事をやった上で車検と整備の部分とそれから自動車重量税と自賠責の分と全部を一遍にいただく。だから要するに、車検は高い高い、こういうふうに言われて評判悪いけれども、そのうちの整備の部分というのは、車の種類によって違いますけれども三万から五万、あとは税金と保険料だということがなかなか理解されていない。
 業者の中では一月に二百万から三百万も立てかえをしている会社がたくさんありました。これは、みずからは厳しい経営状況の中で、お客さんとの関係もあってほかの業者もみんなせざるを得ないという状況があって、自分のところだけ立てかえないよというわけにはなかなかいかないということで、銀行からお金を借りて利子を自分は払いながらこの立てかえをしているというようなこともあって、本当にここは不合理な問題があると思うんです。長い場合はボーナスまで待ってくれというような話で、そうしているということなわけですから、この実態を踏まえて業界とここはよく相談し、ぜひ調整をしていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#254
○政府委員(越智正英君) 自動車重量税だけじゃなくて、いろんな経費を整備事業者が一時立てかえ払いをしている、その負担が大きいという御指摘でございます。確かに自動車の整備、それからそれを車検に持っていく、そういったものは、現在、当たり前ですが自動車整備事業者とユーザーの間の私的取引という形で構成されているわけでございまして、先生御指摘もございましたけれども、その中で整備事業者が一種のサービス、いわゆる競争の中でいろんなことをやっていらっしゃるということでございます。
 私どもは、そういったサービスが行き過ぎて整備事業者に過重な負担になっているという点がございますようであれば、それはやはり行き過ぎだということで、車の使用者に対しまして、税金等は車検のときに整備事業者の立てかえじゃなくて、みずから支払っていただきたいといったようなことの理解を求めるよう私どもやりたいと思っております。また、整備事業者にもそういったことをやるような形での相談をいろいろしていきたいと思っております。
#255
○高崎裕子君 もう時間ですが、せっかく大臣いらっしゃるのに一言も言っていただかないのはあれなんで、安全性の問題、それから環境の問題という点ではいろいろと心配な問題もあり、また逆に技術の進歩もあるというようなことで、この法が改正された後も具体的にはいろいろな問題を踏まえて、実施状況も見ながら見直しということも積極的に考えていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#256
○国務大臣(二見伸明君) いろいろ御審議ありましたけれども、ただいまの前検査の問題も終わった後知らぬ顔というわけにいきませんですね。それは何度も答弁しておりますけれども、十二カ月点検、二十四カ月点検をきちんと点検整備を受けるようにいろんな角度でPRもし、あるいは街頭での検査もやる。いろんなことをやりながらやっていかなきゃならないというふうに思っております。この改正をしたから安全性が損なわれる、この改正をしたから例えば排気ガスが今までよりも余分に出るというようなことだけは絶対あってはいけないというふうに考えております。我々はそういうことにならないという前提のもとに今回の改正をするわけでございますので、どうかその点も御理解をいただきたいというふうに思います。
#257
○高崎裕子君 終わります。
#258
○委員長(和田教美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#259
○委員長(和田教美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 松浦君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松浦君。
#260
○松浦孝治君 私は、ただいま可決されました道路運送車両法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、日本共産党及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法による自動車使用者の保守管理責任の明確化、検査に関する民間能力の活用等に伴い、自動車の安全性を確保し、自動車整備事業の健全な運営を図るとともに、国民負担の軽減、環境保全を図るため、次の事項について積極的に措置すべきである。
 一、自動車使用者の保守管理責任の法制化に伴い、自動車使用者に対する指導の徹底を図るとともに、点検・整備の義務が履行されるよう適切な措置を講ずること。
 二、点検等の実施に関して、交通事故防止、路上故障による交通渋滞の防止、地球環境の保全等のため、街頭検査等の積極的な実施体制を整えるとともに、整備不良車の排除に努めること。
 三、いわゆるユーザー車検の増加に伴い、円滑な受検が確保されるよう車検体制の整備拡充を図ること。
 四、自動車の検査に関する民間能力の活用に当たっては、整備事業近代化のための自動車整備近代化資金制度に対する支援の充実に努めること。
 五、農耕用トラクタ等特殊自動車の自動車検査証の有効期間については、使用実態調査を進め、その検討結果に基づき延長等の措置を講ずること。
 六、本法改正に伴う、政省令の策定に当たっては、関係団体の意見等を十分に聴取し、法の円滑なる施行に努めること。
 七、自動車の検査及び点検整備等について、自動車技術の進歩等に対応して、また、国民負担軽減の観点等からも今後とも適宜見直しを図ること。
 八、継続検査時における自動車の排出ガス検査方法等について検討するよう努めること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#261
○委員長(和田教美君) ただいま松浦君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#262
○委員長(和田教美君) 全会一致と認めます。よって、松浦君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、二見運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二見運輸大臣。
#263
○国務大臣(二見伸明君) ただいま道路運送車両法の一部を改正する法律案につきまして、御熱心な御審議の結果、御可決をいただき、まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分の努力をしてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
#264
○委員長(和田教美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#265
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#266
○委員長(和田教美君) 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。――別に御発言もないようですから、討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#267
○委員長(和田教美君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#268
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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