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1994/06/22 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 運輸委員会 第9号
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1994/06/22 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 運輸委員会 第9号

#1
第129回国会 運輸委員会 第9号
平成六年六月二十二日(水曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     高崎 裕子君     市川 正一君
     青島 幸男君     下村  泰君
 六月二十二日
    辞任         補欠選任
     市川 正一君     高崎 裕子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 教美君
    理 事
                松浦 孝治君
                堀  利和君
                泉  信也君
                矢原 秀男君
    委 員
                鹿熊 安正君
                河本 三郎君
                二木 秀夫君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                渕上 貞雄君
                林  寛子君
                山田  勇君
                高崎 裕子君
                下村  泰君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  二見 伸明君
   政府委員
       運輸大臣官房長  黒野 匡彦君
       運輸大臣官房総
       務審議官
       兼貨物流通本部
       長        和田 義文君
       運輸省運輸政策
       局長       豊田  実君
       運輸省鉄道局長  秦野  裕君
       運輸省自動車交
       通局長      越智 正英君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       長        樋口 忠夫君
       運輸省海上交通
       局長       尾松 伸正君
       運輸省海上技術
       安全局長     小川 健兒君
       運輸省航空局長  土坂 泰敏君
       運輸省航空局技
       術部長      北田 彰良君
       海上保安庁長官  井山 嗣夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島 啓雄君
   説明員
       警察庁交通局交
       通指導課長    関   一君
       環境庁大気保全
       局企画課長    松本 省藏君
       労働省労働基準
       局監督課長    松崎  朗君
       労働省婦人局婦
       人政策課長    岩田喜美枝君
       労働省職業安定
       局次長      中井 敏夫君
       建設省道路局地
       方道課長     山田 直重君
   参考人
       日本国有鉄道清
       算事業団理事長  西村 康雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成六年度政府関係機関予算(内閣提
 出、衆議院送付)について
 (運輸省所管)
○油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(和田教美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十一日、青島幸男君及び高崎裕子君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君及び市川正一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(和田教美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日、日本国有鉄道清算事業団理事長西村康雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(和田教美君) 去る六月十七日、予算委員会から、本日、六月二十二日の一日間、平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 運輸省関係予算の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○松浦孝治君 まず、本年度予算の編成経緯についてお伺いをいたしたいと思います。
 御承知のとおり、本年度予算は三月四日になりましてようやく国会に提出されたのでありますが、二見大臣は予算の越年編成について当時どのように認識をされておりましたか、お答えをいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(二見伸明君) 私は、予算というのはやはり越年するのは決して好ましいことだとは思っておりません。年内編成が長い間の慣行でもあり、それが常道だというふうに思っております。私たちが野党だったころも年内編成を要求してまいりました。
 昨年、これは我が党の党内でもいろんな議論をいたしました。そのときに、年内編成を優先すべきか、あるいは今ここで苦しいけれども我慢をして政治改革を優先すべきかという党内で議論がありまして、私は、苦しいけれどもここは政治改革を優先させようではないかという立場をとったというふうに記憶いたしております。そのために民間政治臨調やいろんな人といろんな議論をして、財界の人とも相談をしながら、苦しいけれども政治改革優先でいこうというふうに私自身は決意をしたというふうに今でも記憶しております。
#8
○松浦孝治君 今お答えをいただいたわけでございますが、我が国経済はバブル崩壊後かつてない長期低迷が続いておりまして、経済界はもちろんのこと、国民挙げて政府の強力な景気対策を求めていた時期でございます。自由民主党政権下におきましても、昨年の前半、三月末に新年度予算を成立させまして、また通常国会でも追加補正を行うという、景気動向を見ながら国民サイドに立った予算編成、景気対策を行ってきたわけでございます。
 しかるに細川内閣は、国民生活の血液であります、また景気のエネルギーとなります予算を重視しない反面、政権維持のために政治改革という美名のもとに国民の目を集中させまして、予算の編成を越年したと私たちは考えておるわけでございます。羽田内閣も同様に予算の成立に余り熱心でなく、今なお新年度予算が成立していない、そういう事態を起こしておるわけでございまして、全く国民生活を無視した無責任な政権である、私はこう言わざるを得ません。
 年度末を控えて大型第三次補正を組んでみたり、五十日間の暫定予算、そして暫定の補正四十日間というような、そういうかつてない事態を引き起こしておるわけでございますが、政治キャリアの豊富な二見大臣、こういうことがかつて国会であったでしょうか、御所見をお伺いいたしたいと思います。
#9
○国務大臣(二見伸明君) 私は昭和四十四年の暮れの選挙が初当選でございますが、私が議員バッジをつけている期間にこうした事態はなかったというふうに思います。
 今回は、三月四日に予算案を提出するということになりました。本当にその点については御迷惑をおかけしましたし、それ以後の予算の審議で野党の皆様方の大変御協力をいただいてきょうまで来たことに心から感謝しているわけでございます。例えば、平成二年は二月に衆議院の選挙がありましたから、これは国会提出がおくれるのは当たり前です。その前も、私の記憶では五十八年の暮れに選挙がありまして、そのために予算編成が延びて暫定を組まざるを得なかったという事例はわかりますけれども、今回のような事例は恐らく私の記憶の範囲内では初めてだというふうに思います。
 いずれにいたしましても、衆参両院でこの予算を通すためにきょうまで、与党は当然として、野党の皆さん方から渾身的な御協力を賜ったことに心から感謝をしたいというふうに考えております。
#10
○松浦孝治君 大臣にそのような律儀な形で申されますと厳しく批判をしにくいわけでございますが、いずれにいたしましても予算がおくれてしまったのは与党の責任であると私は思っておるわけでございます。
 ところで、暫定予算あるいは暫定の補正予算九十日間でございますが、この執行状況はどのようになっておりますか。
#11
○政府委員(黒野匡彦君) 暫定予算それから暫定補正予算を含めまして、事務経費さらには公共事業関係費あわせまして、公共事業関係費が二千六百億、それから事務経費が約九百億、運輸省関係では計上させていただいております。
 ただ、この執行状況につきましては、この暫定分あるいは暫定補正分だけを分離したフォローアップをしておりませんものですから、ちょっと今の御質問につきましては御容赦いただきたいと思います。
#12
○松浦孝治君 その中に新規政策は入っておりますか。
#13
○政府委員(黒野匡彦君) 暫定予算は、その性格上、本予算成立までの応急的な措置でありますので、原則として新規事業に係ります経費は計上いたしておりません。
#14
○松浦孝治君 今、予算執行の状況をお聞きしたわけでございますが、今いろいろ集計もやっておると、そういうお答えでございました。こういうふうに暫定あるいは暫定の補正、そしてその中に新規事業を入れられない、こういうのは今の日本の経済情勢から考えて非常にアブノーマルである。やはりきちっと四月一日から新年度予算が執行でき、そして計画的に国民生活を豊かにしていく、そういう執行体制ができることが政府としての責任である、私はこういうように思っておるわけでございまして、政府に対して反省を促しておきたいと思います。
 ところで、運輸省の平成六年度予算の特徴と目玉政策等についてお聞かせをいただきたいと思います。
#15
○政府委員(豊田実君) 平成六年度の予算編成に当たりましては、いわゆる活力ある高齢化社会の建設ということを目指しまして、国民生活の向上を重点にしました生活重視型予算ということで、関連する社会資本の充実や長寿社会づくり等を進めるということを基本的な考え方にしております。運輸省におきましても、この考え方に沿いまして、陸海空の所管全般にわたりまして、新しい情勢を踏まえて所要の予算の確保と制度の改善に努めております。
 本年度の予算案のうちで、いずれも重要なものでございますが主なものを挙げますと、今申しました生活者重視型予算という観点から、運輸社会資本整備のうちで特に地下鉄等の鉄道整備関係の予算を公共事業関係費として取り扱うことにしていることとか、あるいは高齢者、身障者対策ということで駅等のターミナルにおけるエレベーター、エスカレーターに対する助成制度を新たに設けたことが挙げられます。
 以上でございます。
#16
○松浦孝治君 今、運輸政策局長から運輸省の本年度予算の特徴なり目玉政策と申しますか、それをお聞かせいただいたわけでございます。その目玉政策としての都市鉄道の整備、今お話にございましたが、この事業に対する公的助成制度は逐年拡充をされてきておると私は思っておるわけでございます。今お答えがございましたように、特にことしは生活者重視という観点から大幅な拡充を行っておる、そういうように記憶をしておるわけでございます。その内容と背景、背景については今若干申されましたけれどももう少し詳しく、どうして今年度特に拡充に目を注がれたのか、あるいは内容等についてお聞かせをいただきたいと思います。
#17
○政府委員(秦野裕君) 先生御案内のとおり、最近におきまして、人間的であるいは豊かな生活を実感できるような生活を実現するために、特に大都市におきます通勤通学の混雑緩和あるいは優良な宅地の供給ということが不可欠な課題になっておるわけでございます。その実現のために鉄道事業者によりましていろいろな新線建設等の輸送力の増強対策が講じられておるわけであります。国としても、これを支援するために積極的にいろいろな助成制度等を通じましてこれを促進する措置を講じておるわけでございます。
 六年度の予算編成におきまして、大蔵大臣の諮問機関でございます財政制度審議会から、昨年の暮れでございますけれども、平成六年度の公共事業の配分のあり方に関しまして、「地下鉄等のインフラ整備についてはこれを「公共事業関係費」の対象とすることも検討すべきである。」という御提言がありました。また、生活環境整備の分野につきまして、「当面、集中的に投資するよう努めるべきものである。」という報告が出されたわけでございまして、都市鉄道の整備につきまして関係者に今まで以上の御理解が得られたのではないかというふうに考えております。先ほど運政局長の方から申し上げたような助成制度の拡充をしたわけでございまして、私どもとしても大変うれしく思っておるわけでございます。
 具体的な内容でございますが、六年度予算でまず地下鉄補助とそれからニュータウン鉄道の補助、これが新たに公共事業関係費として位置づけられました。これによりまして財源の安定化が図られるとともに、予算額につきましても前年度比八・四%増ということで、この厳しい財政事情の中で非常に大幅な伸びを獲得することができたわけでございます。
 それから、そのほかに、地下鉄補助の対象事業者につきまして、従来対象は地方の公営企業とそれから営団のみであったわけでございますが、それに準じます第三セクターの事業者につきましてもその助成の対象にするということにいたしておるわけでございます。
 それからさらに、国の財源もかなり限界がございますので、これを有効に生かしますために国庫の補助事業といわゆる地方の単独事業を効率的に組み合わせて整備を推進していくということで、地下鉄の緊急整備事業というものを新たに六年度から実施をいたしまして事業量の確保を図っていくということにしておる次第でございます。
#18
○松浦孝治君 今お答えをいただいたわけでございますが、確かに都市鉄道は混雑率が二五〇もあるわけでございまして、それを東京周辺は一八〇に持っていきたい、あるいは全国平均で大都市の中で一五〇に持っていきたい、こういうような計画を立てられて、それに基づいていろいろ都市鉄道を整備されておる、このように理解をいたしておるわけでございます。そういう観点から、ことし特にそういう方面に目をつけられて重視をされておる。
 これも今年度は公共事業の中に入りましたので、今、政府・与党の方におきましては景気対策と申しますか、今後の公共事業拡大ということで六百兆円ですか、こういうことも数字として出てきておるようでございます。ぜひそういう時点には大臣が中心になって積極的にそういう面への予算配分と申しますか、予算措置を心から期待をいたしておきたいと思います。
 また、もう一つの目玉政策は、先ほどもお答えがございましたように交通施設利用円滑化促進対策事業でありまして、駅舎等に身障者や高齢者向けのエレベーターやエスカレーターを設置させるもので、これに対して国及び財団の二本柱で支援をしていくことになっておるようでございます。その内容等について御説明をいただきたいと思います。
#19
○政府委員(豊田実君) 国の予算案の中に盛り込まれております助成につきましては、新しく財団を設けまして、そこを通じまして補助するという形をとることにしております。
 この財団につきましては、交通事業者を初め民間の出捐によって基金を設けまして、その基金からの利息収入につきましても助成に充てるということで、具体的な数字を申し上げますと、鉄道駅の障害者対応型のエレベーター、エスカレーターにつきましては、その事業費の一〇%を国費による補助、それからさらに一〇%を今申しました基金の利息収入を原資にして助成する、合計二〇%相当の助成という形を考えております。
 そのほか、その利息収入を原資にしましてリフトつきバスの導入であるとか、一般的なエレベーター、エスカレーター、さらにバス、空港それから旅客船ターミナルなどにおけるエレベーター、エスカレーターについても所要の助成を検討しております。
#20
○松浦孝治君 今お答えがございましたように、二十一世紀には非常なる高齢化社会を迎えるわけでございまして、そういう方々がスムーズに交通機関を利用できるように、また身障者の方々も社会生活の中で活発な活動ができるような、そういう中でやはり交通機関の役割というものが非常に大きいと思います。したがって、そういう乗りやすい状態にするためには、今計画されておりますようなエレベーターとかエスカレーターとか、そういうものをそれぞれのところに設置をしていくことが急務であろうと私も思っておるところでございます。
 ただいまも内容、制度について御説明をいただいたわけでございますが、この財団は基金を創設する、こういうように言われておりますけれども、その資金確保をどのような先にお願いをしていこう、あるいはお願いをするようになっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#21
○政府委員(豊田実君) この財団の基金の出捐につきましては、私ども、当事者である鉄道事業者とかバス事業者、交通事業者を中心にいたしまして、さらに一般的な経済界と申しますか、金融機関であるとか製造事業者というような個別の企業あるいは事業者団体というものに財団設立の趣旨を御説明して、御理解をいただくように今進めているところです。
 またさらに、地方公共団体であるとか、私どもの方の関係の団体ですが日本船舶振興会に対しても、この事業の公共的性格にかんがみまして、相当の御支援をいただくようにお話をしているところでございます。
#22
○松浦孝治君 今、資金の出捐依頼先のお話をいただいたわけでございますが、新聞報道によりますと、財団への資金拠出について経団連に仲介の労をお願いしたところ拒否された、そういう報道があるわけでございます。経団連に対し、今申されましたようなそういう経済界の関連の先にどうかあっせんをしてほしい、こういうお願いに上がって拒否された、そういうことになっておるのでしょうか。
#23
○政府委員(豊田実君) 個別の企業にお願いに参ります前に、私ども経団連の方にこの財団の設立の目的、趣旨について御説明申し上げました。経団連としては、かなりいろいろな財団設立について協力要請を受けるというようなことから、原則論でございますが、基本的な考え方としてやっぱり民間主導型のものはいいけれども、官主導と申しますか、役所が先頭に立ってこういう団体をつくるものについては、一般的には、原則としてはお断りしているというお話でございました。
 私ども、この財団の目的等をよく御説明して広く理解を求めていきたいと思っていますが、現段階では経団連を通じてのお話はまだ御理解をいただいていないという状況でございます。
#24
○松浦孝治君 今、財団の御説明に行くときに、財界の方からは、民間主導はいいけれども、官主導はというような、お断りの理由の中にそういう言葉が出てきたとのお話でございます。
 これも報道ですけれども、運輸省はその説明に行くときに、理事長と部長は運輸省OBを充てたい、そういうようなことも含めてお話しになったのでしょうか。
#25
○政府委員(豊田実君) 人事といいますか、事務局のおよその構成というか、要するに非常に小さい世帯で対応するという御説明をしましたが、具体的な人選といいますか、その時点では全く白紙でございます。
#26
○松浦孝治君 その面はこれでおいておきます。
 先ほどもお話がございましたが、総額百億のうち八十億を日本船舶振興会に依頼するとのことでありますが、御承知のように、職員の不祥事件の発覚を機に、振興会に対する風当たりも強く、不透明な経理処理と事業運営、運輸省等との癒着などに対し厳しい批判が集中しておりまして、財団への巨額な資金拠出は大変であろうと思うわけでございますが、運輸省といたしましてはどのような見通しを持っておられるのですか。また、予定どおり七月一日に財団を発足させることができるのでございましょうか。
#27
○政府委員(豊田実君) 日本船舶振興会の予算制度としまして、こういう年度途中でスタートする事業については当初予算では計上しないで、その後、個別に審査するという制度になっております。したがいまして、私どもの関係の財団につきましても、新たにスタートするということで目下内部で審査しているという段階でございます。
 したがいまして、七月早々という目標で事務的にはまいってきておるんですが、私どもなるべく早くということで、七月一日ということにはこだわっておりませんが、本来の事業がスムーズにいくようになるべく早く財団をつくりたいと思っております。
#28
○松浦孝治君 これも私、ここへこういうコピーを持ってきておるわけでございますが、「運輸省系、天下り先の財団新設 癒着余波で暗礁に 基金百億円の八割期待したが… 「安易な資金計画」と批判の声 船舶振興会、補助渋る」、内容を読みますと、今御答弁もございましたが、平成六年度、船舶振興会の年間事業予算には入っていない。そうなると、巨額の拠出金を予定しておるこの財団が暗礁に乗り上げてしまうんではないか、私は心配をするわけでございますが、これについては努力をしていただきたいと思います。
 また、先ほども申しましたように、経団連の中には、天下りの手伝いは御免だとか、あるいは在職中に財団をつくれば役人の勲章になるとかいう、偏見を持って見ておるそういう人たちも実はいるわけでございます。私は、今回の財団の設立趣旨なり事業内容は非常に大切である、こう考えております。今こういうようないろいろな批判あるいは財界の批評、意見もありますけれども、私は積極的にこの財団を設立して、そして本来の目的であるその事業がスムーズに進むように、そして先ほど言いましたように、二十一世紀の高齢化社会に向けても対応できる駅舎なり交通ネットワークにしていけるような、そういう形に持っていってもらいたい、こういう期待を持っておるわけでございますので、二見大臣、それに対する取り組み姿勢をお聞きいたしたいと思います。
#29
○国務大臣(二見伸明君) 松浦先生の力強い激励に大変感激をいたしております。
 私は、確かにこのアメニティ財団というのは本当に必要だと思います。この委員会でもたくさんの委員の方々から、高齢者のための交通機関あるいは身障者のための使いやすい交通機関というお話が出てまいりました。そういうものを我々はやりたい、しかし、表現がいいかどうかわからぬけれども、先立つものは金でございまして、そのためにも私はこのアメニティ財団というのは大きな役割を果たすものだというふうに思っております。
 経団連は原則お断りのようだけれども、原則は原則といたしまして、この財団の本当の趣旨というもの、これからの社会に非常に大きな役割を果たすということを御理解いただいて、経団連にも御協力いただきたいし、船舶振興会にもぜひとも御協力をいただきたい、そして何とか育てていきたいというふうに考えております。一生懸命頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
#30
○松浦孝治君 大臣も十分認識をしていただいておるようでございますので、御努力をいただきたいと思います。
 それでは次に、国鉄改革についてお伺いをいたします。
 分割・民営化を基本とする国鉄改革が行われてから既に七年が経過をいたしております。この間の成果についてはさまざまな評価がなされておるのでございますが、二見大臣は分割・民営化による国鉄改革をどのように評価なさっておりますか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(二見伸明君) 結論的に申し上げますと、大変評価をいたしております。
 特に、国鉄民営化が議論になったときに当時私は野党でございましたけれども、党内でいろんな意見がありました。反対という意見もありましたし、分割じゃなくて国鉄そのもの全体をワンパッケージにして民営にしたらどうだという議論もありました。あるいは本州を、今三分割ですけれども、二分割にしたらどうだという意見も党内にありましたけれども、最終的に当時の政府案に公明党は賛成をしたわけでありまして、そのことを私は大変よかったというふうに今でも思っております。
 乗客の伸び率も違いますし、まず職員といいますか、今では社員になりますか、意識も違うしサービスも違うし、あらゆる面で大きく違ってきていると思いまして、国鉄改革は成功したというふうに私は考えております。
#32
○松浦孝治君 国鉄改革の評価につきましては、運輸省で平成四年十月に「国鉄改革後五年間の成果と課題」として取りまとめ、公表をされております。
 この成果と課題については二年前でございますが、現在もそう変わっていないと思うわけでございますが、その主な成果と課題についてお答えをいただきたいと思います。
#33
○政府委員(秦野裕君) まず成果でございますが、これは先ほど大臣から申し上げたことに尽きるわけでありますけれども、特にあの分割によりまして、JR各社が地域に密着した例えばダイヤを編成するあるいはサービスの向上を図るというようなことが一番大きなポイントではないかと思っております。その結果としまして、鉄道の輸送量あるいは収支、いずれの面につきましても国鉄時代と比較しまして順調な推移をしてきているんではないかというふうに考えております。
 ただ一方、課題の方といたしましては、何と申しましても国鉄の長期債務の処理の問題あるいはJRの完全民営化の実現という問題等が残っておるわけでございまして、今後これらの課題の解決に向けて全力を挙げて取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
#34
○松浦孝治君 本日は、日本国有鉄道清算事業団の理事長の西村さんに参考人として御出席をいただいております。私これから運輸省あるいは清算事業団の理事長さんの方に御質問をさせていただきますので、お答えをいただきたいと思う次第でございます。
 清算事業団における旧国鉄の債務は、国におきましてもまた国民にとりましても大きな課題でございます。まず、清算事業団の七年間の収支状況及び長期債務の推移の御説明を事業団の方でお願いいたしたいと思います。
#35
○参考人(西村康雄君) 国鉄清算事業団の収支の状況につきまして七年間を簡単に申し上げますと、昭和六十二年度は収益〇・六兆円、費用は二・九兆円、六十三年度は収益〇・七兆円、費用は二・五兆円、平成元年度になりまして収益は一・一兆円、費用は一・九兆円、二年度は収益二兆円、費用一・七兆円、三年度は収益一・一兆円、費用一・七兆円、四年度は収益一・二兆円、費用一・七兆円でございます。平成五年度は、現在決算を整理中でございます。
 それから、長期債務等の額につきまして申し上げますと、昭和六十二年、発足時には二十五・五兆円でありました。平成二年度首までに二十七・一兆円まで累憎いたしました。平成二年度には営団地下鉄出資持ち分の処分を行いましたことによりまして、三年度首には二十六・二兆円に減少いたしました。その後再び累増し、五年度首には二十六・六兆円となっております。五年度に入りましてからはJR東日本の株式の売却を行うことができまして、六年度首は概算で二十六兆円と債務が減少している状況でございます。
#36
○松浦孝治君 今、事業団の理事長さんから御説明をいただきましたが、民営化いたしまして、六十二年度から平成四年度まで収益と費用とが逆転といいますか、収益が多くて差し引き黒字になったのは平成二年度だけ、しかもそれは三千億円、あとはすべて最大で二兆三千億円あるいは一兆八千億円、こういうような収支バランスがマイナスの状態が続いておるわけでございます。
 そして、今もお話がございましたが、当初は二十五兆五千億円、それが五年度首で二十六兆六千億円、ことしは恐らく二十六兆円になるであろう、そういうようなお話でございます。その内容を見ますと、やっぱり長期債務による支払い利息が非常に多くなっておる。そういう状態でございまして、これを見ましたらなかなか大変だなと、そのように理解をしておるところでございます。
 何と申しましても、長期債務の返済財源は保有土地の売却金であります。土地の売却につきましては、悪条件の中でも清算事業団は一生懸命いろいろ考えてなさってこられ、六十二年度から売却をやっておられるわけでございますが、土地の売却実績と申しますか実態はどうなっておられますか。また、保有土地の資産価格、これも当初はわかりませんが、下落をしておるんじゃないかと私は思うわけでございますけれども、保有土地の現在残っておる未処分地の資産価格はどれぐらいになっておるのか。それは改革時といいますか、スタートした時点での評価と比べてどうなっておりますか、お聞かせをいただけたらと思います。
#37
○参考人(西村康雄君) まず土地売却の状況でございますが、昭和六十二年度から平成五年度までの土地の売却実績につきましては現在概算で出しておりますが、売却面積は四千四百六十五ヘクタール、売却金額の合計は三兆七千六百二十八億円ということでございます。
 それから土地の価格でございますが、現在、平成六年度首におきまして清算事業団の土地の面積は四千八百ヘクタールございます。その資産額を推計いたして現在作業中でございますので、これは平成六年の地価の公示等をベースにしているわけでございますが、もう少し時間をいただきたいと思っております。
 なお、平成五年度首の清算事業団の保有土地では、平成五年度地価公示をベースにして推計いたしたところでは約八兆四千億円でございます。
 それから国鉄改革時、この事業団の土地資産額は七・七兆円と一応評価しておりましたところ、平成五年度首は約八・四兆円で、面積は減りましたが、逆に資産額の評価は〇・七兆円の増加ということになっております。
#38
○松浦孝治君 今お聞きをいたしましたが、土地の売却、六十二年から平成五年まで三・八兆円ぐらいですか、三兆八千億程度で、私ずっと年度の事業計画目標の累計といいますか、それを出させていただいたんですが、それは五・八兆円でございました。したがって、二兆円ほど少ないんですが、まあ努力をされておりますけれども、やはり計画どおりはなかなか売却できない、そういう事態ではなかろうかと思います。
 これはどういうことかと申しますと、バブル時に政府の地価抑制によってブレーキがかけられ、それがもう過ぎて売却価格が低くなるとなかなか売れなくなる、こういうような皮肉な傾向が見られると私は思うわけでございます。
 そこで、今年度予算説明の中で政府は用地の処分等について述べておられますが、どのような具体的な対策を考えておられるのか。また、事業団におかれましてもどのような土地売却促進策を講じようとされておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#39
○政府委員(秦野裕君) これまでの用地の処分につきましての経緯は、ただいま先生からもお話のあったとおりでございまして、最近非常に不動産市況等の状況が厳しいわけでございますので、私ども大変苦慮しておるわけでございます。
 ただ、私どもとしましては、運輸省全省挙げた体制と申しますかをつくっていくということで、昨年の十月に、アクションプログラムと名づけておるわけでございますが、そこでいろいろな手法を網羅いたしまして、そうした各項目について全省挙げて支援体制をつくっていこうということで今鋭意努力をしておるわけでございます。
 その内容につきましては、後ほど事業団の方からまた詳細御説明いたしますけれども、例えば、地方公共団体によります先行取得をする場合があるわけでありますが、それに対する利子負担軽減のために財政措置を講ずるだとか、その他政府といたしましてもできる限りの支援措置を講じてこの促進を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#40
○参考人(西村康雄君) ただいま鉄道局長からお話し申し上げましたように、私どもは、運輸省がアクションプログラムをつくられて、省を挙げてバックアップ体制をつくっていただいている、その中でいろいろな努力をしております。
 特に、現在の土地をめぐります市場は非常に冷え込んでおります。一般公開競争入札の面におきましても需要が極端に不足しておりますが、その中で私どもはどうやって処分を進めていくかという点については、できるだけ各現場が可能な限りの工夫をし、そしてその線に向かって努力するということを基本としております。
 具体的には、まず、土地を私どもが処分してまいりますときに、どういう土地がどんなふうに使えるか、それはいつごろ入札をするかということの情報を広く一般に流す。そのために一年間、年間を通じました全部の処分予定件名を地図に入れ、しかもどういうふうに使えるか、そういうような参考資料もつけました上でパンフレットにして流す。毎月、これからの予定について早目に情報を流しておくということによりまして、買う方も具体的な計画を練る、資金手当でもする。そういうような非常に買う気を起こさせるような努力をまずするということでございます。今日の実勢価格がどんどん下がっていく中で、私どもも、高い価格で売ってというよりはむしろ実際に国民が買えるような実勢価格で処分していくということも念頭に置きながら、適正な売り方をするということにも努めております。
 しかし、そのような努力をいたしましてもなかなか応札する者もない、あるいは入札をしても私どもの方の価格が高いということで落札する率はなかなか上がっていかないということでございましたが、それも、落札しなかった物件につきましては、全国の不動産業者が組織しております不動産指定流通機構、そういうところに情報を流しまして、九万軒の宅地建物取引業者の窓口へ個々の物件の情報が流れるという仕組みを採用いたしました。そこでまた買っていただくということで、かなり現在手ごたえがございまして、そういう形での需要の発掘、販売実績を上げるという面の努力はしております。また、この路線は今後ともさらに強化していくというつもりでございます。
 ただ、これまで土地の処分計画は、非常に大口のものは何と申しましても地方公共団体あるいは住都公団等の団体でございます。特に地方公共団体は、最近の財政収入が非常に不足しているということで、買う予定をしているものも計画を先へ延ばすということもございます。そういったこと、あるいは非常に旧国鉄の土地がいいところにはあるにもかかわらず、活用するというような計画がまだ十分立っていないというところもございますし、そういうところにつきまして、私どもは、従来以上に地方公共団体との接触を密にしまして、具体的な買う気を起こさせるような計画を提案していくというようなこともいたしております。
 また、住宅関係のいろいろな需要が高いことにかんがみまして、私どもも宅地造成なりマンションをつくってお分けするということは、今まで以上に努力しております。特に最近では、民間の不動産業者とタイアップしまして、このディベロッパーの知恵とその資全力を活用する、そして販売力を活用するということで、計画を拡充して、国民に大いに事業団のあり方を理解していただくというような努力もしているところでございます。
 なお、こういうふうな努力をいたしましても、大都市の中央部にある非常にまとまった大きな団地、これは小分けして使うということはなかなか難しい、また不適切な土地でございますが、そういう土地につきましては、現在の市況の回復を待ちながら、今私どもがどういうふうなやり方をすればアピールするか、実際の各都市の活性化に役に立っていくかということを研究して、準備を進めているというところでございます。
 事業団は総力を挙げていろいろな形で販売の努力をするということで、現在の不況の中でもできる限りのことをするという所存でございます。
#41
○松浦孝治君 よくわかりました。
 いろいろと考えながら努力をしていただいておるようでございまして、なお一層御努力をいただきたいと思います。
 景気後退により株価が低迷をしておりまして、JR株の売却が見送られておりましたけれども、昨年の十月二十六日、ようやくJR東日本株式が上場され、六十万円の初値がつきまして、まことにこれは喜ばしいことだと私は思っておるわけでございますが、今回の売却価格は改革時に想定した価格と比べまして高かったのか安かったのか、あるいはまた、売却の内容とか売却の収支状況はどうであったのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#42
○政府委員(秦野裕君) まず、JR東日本の株式の売却内容でございますが、昨年売却いたしましたけれども、その内容といたしましては、まず第一に、入札で全体の三割に当たります六十万株を処分いたしました。その後、売り出しによりまして百四十万株の募集を行ったわけでございますが、失権株などが出ましたので、結果としまして百三十二万七千三百七株の売却がございました。さらに、上場初日におきますいわゆる値づけ株といたしまして、その先ほどの売却残を含めました五十七万二千六百九十三株を放出いたしました。その結果、二百五十万株の売却を行ったわけでございます。
 予算上は、本州三社の理論的な株価であります発行価格に二百万株を乗じました千五百四億という額が計上されておるわけでありますけれども、先ほど申しました二百五十万株の売却を行いましたので、売却収入といたしましては一兆七百五十九億円の収入が確保されておるわけでございます。
#43
○松浦孝治君 そうすると、大分長期債務の返済に役立ったと、こういうことでございますね。
 最近、その東日本の上場がうまくいったからかどうか、また株価も大分戻ってきておりますので、JR西日本株を来年の二月に上場するという、こういうような報道がなされておるところでございますが、どのように考えておるのか、あるいはまたJR東海株はどうされるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#44
○政府委員(秦野裕君) 残りました西日本あるいは東海の株の取り扱いでございますが、六月初めに清算事業団の方の資産処分審議会の方から御答申をいただいておりまして、それを踏まえまして、東日本に続きます新規売却の対象会社を西日本ということで決定をしたわけでございます。
 ただ、今後、その入札なりあるいは売り出し、上場、そういったのをどういう手順でどういう内容でやっていくかということにつきましては、例えばJT株との関係もございますし、証券市場の動向を見きわめる必要もございますので、そういう点を含めて関係者と御相談しながら進めてまいりたいというふうに考えております。それに引き続きますものとしてJR東海というものが多分来るであろうというふうに思っております。
 いずれにしましても、私どもとしましては、できる限り早期に売却、上場を進めていきたいというふうに考えております。
#45
○松浦孝治君 先ほど事業団に長期債務の残高をお聞きをいたしましたのですが、今年度の四月については今まだはっきりとお答えがございませんでしたけれども、恐らく二十六兆円ぐらいになるであろうと推測されております。六十二年の改革時より実は減っておらないわけで、二十六兆円とすると五千億、またふえておる、こういう実態でございます。そして、今までもいろいろお聞きをいたしましたが、土地や株式の場合もいろいろ努力をし、売却等も行っておりますけれども、金利負担が非常にかさんでまいりまして、今申しましたように長期債務が減らない、こういう状況が続いておって、もう本当に事業団は大変な御苦労をされておると思うわけでございます。
 そうなりますと、改革時に計画をいたしました、すべての土地、株式を売却後の長期債務残高、計画としては十三兆八千億、こういう計画になっておるわけでございますが、これを上回るのは間違いない、そのような考え方をするわけでございます。また、平成元年の十二月閣議で、この土地や株式の売却めどを平成九年度と決めておられるわけでございます。
 そういうことになりますと、株式は別といたしまして、土地は平成九年度末までに今評価されておりました八・四兆円、これの完売をする見通しは持っておられますか。
#46
○政府委員(秦野裕君) 先ほど来事業団からも御説明しておりますように、大変厳しい状況でございますけれども、運輸省も事業団も全力を挙げて現在取り組んでおるところでございまして、何とか平成九年度にめどをつけるように最大限努力をしていく所存でございます。
#47
○松浦孝治君 私がいろいろお伺いをし、またお答えもいただき、推測をいたしますと、平成九年度末になっても恐らく現在の長期債務残高より減っても二、三兆円。一兆円以上の金利が毎年要るわけでございますので、そういうような考えに立つわけでございます。そうなりますと、この債務処理がもういや応なしに三、四年の間に国民負担としてはね返ってき、その処理をどうするかということが国政上の大きな問題になってまいります。
 現在、高齢化社会に対する福祉政策ということで、それに伴う税制問題が論議の中心になっておるわけです、財源をどうしていくかということで。それは二十一世紀の問題でございますが、この二十数兆円という国民負担にかかってくるこの問題もやはり何とか考えていかなければならない、そういう時期が来るわけでございまして、もう今の段階でそういう点は本格的に検討に入らなければいけないのではないか、私はそう思うわけでございます。
 その点について二見大臣はどのような認識を持っておられるか、そしてどのような方針で臨もうとされておるのか、最後にお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#48
○国務大臣(二見伸明君) 清算事業団の長期債務の償還は、国鉄改革のまさに総仕上げでございまして、大変重要な問題だというふうに認識をいたしております。先ほど局長からも答弁ありましたように、そのために今全力を挙げているところでございます。
 おっしゃるように、平成元年十二月に、土地の処分に関しましては、たしか平成九年までに実質的な処分を終わるとなっていますね。そのときに、十三・八兆円なのか、あるいは先生のおっしゃるように二十兆に近い額になるのか、それは当然国民の負担となって返ってくるわけですから、どうするかということは本当に検討しなければならない大問題です。
 ただ、今我々は全力を挙げて、土地を処分しようあるいは株も高く売ろうということで頑張っているわけでございまして、それが見きわめがっくまではちょっと時間がかかるのかな、何かもうちょっと見きわめをつける必要があるんじゃないかなというふうに思っています。
 当然それは、国民負担の問題は避けて通れないし、やらなきゃならない問題ですから腹づもりはしておりますけれども、大体どのぐらいになるのかというのはもうちょっと時間がかかるのではないかというふうに実は現在思っておるわけでございます。
 全然それは検討しないという意味ではない。いろんなケースを考えながら腹づもりはしていかなければならないけれども、土地の処分等々、まず当面全力を挙げていきたいというふうに考えているところです。
#49
○松浦孝治君 言いたいけれども、もう時間がないから結構です。また次の機会にします。
#50
○櫻井規順君 最初に、今の松浦委員の質問に関連するようでございますが、予算の審議、議決が大変おくれたことはまことに反省物だというふうに思うわけであります。
 翻ってみますと、史上空前の不況に遭遇いたしまして、不況対策のために大幅な所得税減税を行うと。その所得税減税の財源をどうするかという一つの問題をめぐりましてもなかなか調整が困難であったというふうな状況や、あるいは史上最大の野党に遭遇したというふうなこともあったかというふうに思うわけでありますが、逆にこのことが日本の不況に拍車をかけたということも結果をいたしまして、予算の審議議了については、とにかく今議会を反省しまして、急がなければならない問題である。
 政治改革法案との関係もあり大変な状況を迎えているわけでありますが、政治改革特別委員会において政治改革関連のこの政治腐敗の調査や審議というものは進めて、予算委員会で封ずる考えを持ってはおりませんが、基本的には政治改革特別委員会を常設をして、予算委員会は予算委員会としての機能を果たしていく議会運営に心がけていくべきではないか、そんな教訓点が今議会にあったのではないかということを冒頭指摘をしておきたいというふうに思うわけであります。
 今、この委員会席に着きまして、「平成六年度の経済見通しと経済運営の基本的態度 平成六年三月四日」となっております。平成六年度の予算編成は、たしか二月の上旬に出された経済見通しに立ってなされているわけであります。
 これは最後にもう一遍質問を大臣にいたしますが、昨日の深夜、けさの新聞でついに円・ドル関係が百円を割るというふうな事態を迎えまして、非常に重大な局面を迎えているというふうに思うわけであります。この点につきましてはもう一度最後に大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 きょう私は、予算関連でも大分次元が異なっているわけでありますが、運転代行業の問題と福祉タクシーの問題に絞りまして質問をさせていただきたいと思います。
 数日前、同僚の山崎委員からこの問題が取り上げられ、かつ平成三年の通常国会におきまして、衆議院の予算委員会におきまして、同僚の沢藤議員や山中邦紀議員からもこの問題が取り上げられているわけであります。この沢藤質問と大臣の答弁というのが非常に重要な意味を持っているというふうに思うわけであります。そしてまた、山崎委員からも大綱的な御指摘があって、それを受け継いで質問をさせていただきたいというふうに思います。
 最初に予算関連でありますが、平成四年、五年どこの代行業の実態調査を中心とした予算が組まれているわけでありますが、平成六年は何らかの形で組まれているのでしょうか、どうでしょうか。
#51
○政府委員(越智正英君) 平成六年度の予算の中でございますが、私ども今まで平成五年度におきましては指導講習会の開催等に関する経費というものを計上してきたわけでございます。それに加えまして、いわゆる代行事業者の事業所で私どもが指導をする経費というものを計上してございます。
#52
○櫻井規順君 平成四年に運転代行業務に関する調査を行い、平成五年もまたこれに関連をした必要な経費を組んでいるわけであります。平成三年の通常国会における沢藤質問に答えて当時の局長、大臣は、とにかく実態を明らかにしなければいけないということで、この予算が組まれ、調査がなされてきたというふうに思うわけでありますが、平成四年、五年の調査の結果というのはどんな調査項目でどんな調査をなさったのか、御報告いただけますか。
#53
○政府委員(越智正英君) 今まで平成三年度に調査をいたしました。四年度にまた調査いたしたわけでございます。
 三年度におきましては、事業者に対するアンケート調査及びヒアリング調査ということでございまして、事業者の任意団体がございますので、そこを通じまして調査を実施したわけでございます。調査の中身は、運転代行業務の事業内容、それから事業規模等の実態について調査いたしまして、運転代行業にどういう問題点があるかということの整理を行ったわけでございます。例えば白タク行為の問題でありますとか運転者の安全性の問題、特にアルバイト運転手の問題でありますとか、事故補償の問題あるいは利用者保護の問題、そういった問題点があるだろうというようなことの結論でございました。
 平成四年度につきましては、今度は利用者に対するアンケート調査ということを実施いたしまして、そこでまたいわゆる利用実態の調査ということで、あわせてまた運転代行業務の問題点と課題を踏まえたそういった運転代行事業に関する施策の検討を行ってきたわけでございます。
#54
○櫻井規順君 その調査の結果、実態が明らかになってきているというふうに思うわけでありますが、先般の質疑の中でも代行業の事業者数等の報告を受けたところであります。
 時間がないのではしょって質問するわけでありますが、平成五年十月三十一日現在の運輸省調査、事業者数千八百十五、車両数一万何がし、運転者数三万一千何がし、アルバイト二万二千というふうな数が出されております。これは傾向的に伸びてきているのかどうなのか、簡潔な答弁で結構です、その点を最初に教えてください。
#55
○政府委員(越智正英君) 運転代行業は昭和五十年ごろから発生したと言われておりますが、傾向としてずっと伸びてきております。
#56
○櫻井規順君 出発から今日に比べれば伸びているわけですが、ここ数年の間、例えば平成三年の時点と今日を比べますとそう変わっていないんです。
 平成三年質疑の中では、平成二年九月調査は、局長答弁が二千事業者、今は千八百十五。それから車両数は当時一万とおっしゃった、しかし今は一万八百四十一。それから運転者数が、これが不思議なんですが、当時一万七千人とおっしゃった、しかし今は三万一千。車両、事業者数はふえていないのに運転者数が倍近くふえているのはどういうことであろうかというふうに思うわけですが、その辺何か解明できますか。
#57
○政府委員(越智正英君) 運転者数、従業員数でございますが、私の推測では、やはりアルバイトの方々が大変多うございますので、それを入れたり入れなかったり、あるいはアルバイトの方々の数の把握が十分じゃなかった等の影響じゃないかと考えております。
#58
○櫻井規順君 もう一つ警察庁の調査というのがあるわけですね。運輸省は千八百十五と言うのだけれども、同じ平成五年が警察庁の調査では二千三百二十五、五百近く警察庁の方が多いわけであります。従業員数は運輸省が三万一千二百五十五、警察庁は三万三千九百、これはかなり近い数字になっております。問題は、事業者数がかくも違うのはどういうわけでしょうか。
#59
○政府委員(越智正英君) 運転代行業につきましては、先生御承知のとおり、いわゆる規制がないわけでございまして、行政側で正確に把握するという体制になっておりません。
 それにつきまして私どもは、先ほど申し上げましたように任意の団体が幾つかございますが、それを通じて調査をいたしました。警察庁の方につきましては詳しくは存じておりませんけれども、そういった団体を通じたほかに、いわゆる電話帳等でかなり細かい調査をされたというふうに伺っておりますので、そういった調査方法の差がここに出たのではないかと考えている次第でございます。
#60
○櫻井規順君 これはやはり実態を正確に把握するのは基本的に私は運輸省に求めたいというふうに思うわけであります。
 そういう観点でいきますと、道路交通法になりますと警察になりますが、法的な整備がなされていないので何とも言いようがないわけでありますが、やはり事業として陸運に届け出る行政指導は徹底して行って、正確を期する調査あるいは行政指導での正確な把握というものを運輸省に求めたいというふうに思うわけでございますが、いかがでしょうか。
#61
○政府委員(越智正英君) 現在、先ほどからお答え申し上げておりますとおり、まだ規制はないわけでございますが、私ども、やはり運転代行業につきましてのいろんな問題が存在していることを承知しておりますので、できるだけその実態の把握を正確につかむよう努力してまいりたいと思っております。
#62
○櫻井規順君 あと、調査の中で非常に問題になってきた適正料金、要するにメーターがタクシーのように整備されていないわけですが、料金の面での適正さ、あるいは共済あるいは保険への加入状況なんというものはわかりますでしょうか。
#63
○政府委員(越智正英君) 確かに、料金につきましてはもちろん自由料金ということでございますけれども、私どもの感じで大体平均一回が三千円程度というふうに聞いてございます。
 それから、保険関係でございますが、事業者団体を通じて調べたところによりますと、大体交通共済でいろんなものをカバーされているものが七四%程度というふうに承知をいたしております。
#64
○櫻井規順君 どうでしょうか、二年間実態調査なりアンケート調査をやってまいりまして、運転代行業というのは道路運送法の目的の条項を適用する、機械的適用は無理ですが、そこから離れても、公共目的にかなった事業として認められるというところまで来ているというふうに判断されますか、いかがでしょうか。
#65
○政府委員(越智正英君) 運転代行業は、まさに主として飲酒等のために自己の車両を運転することができなくなった者にかわってその運転を代行するわけでございますが、そういった関係上、通常夜間の非常に短い時間、数時間という間での需要、それにこたえる仕事だというふうに思っております。そういたしますと、例えばタクシーのように四六時中とは申しませんが、いわゆる生業として事業を営むという形が果たしてできるのかどうか、その辺はまだ検討の途中でございまして、私どもはまだ結論を出していない段階でございます。とにかく、いわゆる運転代行業を使われる方々の安全の問題、特に事故補償でございますが、そういった観点からいろんな問題点が出ておりますので、そういった点から、保険の加入の指導、それからできましたら交通共済をつくるなり、そういった面の指導を今後とも続けていきたい、そういう状況でございます。
#66
○櫻井規順君 もう一つ、私どもこの代行業で今日まで注目していた問題は、運輸省もそうですけれども、白タク行為をやらせないということでかなり監視も行政指導も求めてきたところであります。この白タク行為の違法行為の排除ということは、それこそ昭和五十年から始まったというわけでありますが、これはほぼ今日できているというふうに見てよろしいでしょうか、いかがでしょうか。
#67
○政府委員(越智正英君) いわゆる白タク行為、まさにそこがタクシー事業者との間のいろいろ紛争を起こす種でございますけれども、いわゆるAB間輸送と俗に言っておりますが、例えばお客さんが飲んでいる場所から自分の車の駐車場まで、その間の輸送というものは運転代行業ではできないわけでございますけれども、それがかなり実態としてついついタクシーと同じようにお客さんを運んでいってしまうといったようなケースが多いように調査結果等でも出ているというふうに承知しております。
#68
○櫻井規順君 平成三年九月から平成六年一月まで、これも運輸省で調査をなさっているわけですね。いわば白タク行為の違法行為を中心とした調査ではないかと思いますが、これは数字が出ているんですか。
#69
○政府委員(越智正英君) 具体的に白タク行為の割合等についての調査結果は持ち合わせてございません。
#70
○櫻井規順君 ぜひその辺は、とにかく平成三年九月から平成六年一月まで調査をなさった、その結果には大変関心があるわけでありますが、この白タク行為、いわゆるAB間輸送というものは、やはりこれはかなりタクシーとのすみ分け、仕分けの問題で徹底を願いたいというふうに思うわけであります。
 そこで問題は、タクシーとのすみ分けの問題でありますが、これはどうなんでしょうか、そのAB間輸送を含めまして、タクシー業界、運転代行業界あるいは警察、こういうところでのすみ分けの合意というものは今日運輸省はできていますでしょうか、いかがでしょうか。
#71
○政府委員(越智正英君) 運転代行サービスというのはニュービジネスとしてそういった利用者の需要にこたえているわけでございますけれども、一方、夜間のそういったお酒を飲んで車を運転できない方々に対するいわゆる輸送という問題は今タクシーがサービスしているという、そういう中で、先生御指摘のように、代行業とタクシーの間ですみ分けができないか、こういう御質問だと思います。
 やはり私どもは、タクシーはタクシーとしていわゆる安全な利用者サービスということで、いろんな規制をして社会のニーズにこたえているわけでございますけれども、運転代行業につきましてはまだそこまでのいろんな形での安全に対する指導等々が不十分だという中で、まだすみ分けるというような形まで私は運転代行業が成熟してないというふうに見ております。そこはまだ私どもは、先ほど来申し上げておりますように、運転代行業というのが現にあるという現実を踏まえた上で、やはりそれを利用されるお客さまの安全、特に事故補償の問題等について指導を強化してまいりたい、そういうふうに考えている次第でございます。
 特に、運転代行業につきまして実はまだ任意団体しかないという状況でございますけれども、いわゆるすみ分ける以前に、そういった団体がやはり公益的な目的を持ってしっかりしたものがつくられるという状況に持っていくのがまず第一段階ではないか、かように考えている次第でございます。
#72
○櫻井規順君 全国の運転代行業界は何かまだ複数団体になっているようでありますが、過半数をマークしようとする団体もあるわけでして、これはやはり早く社団法人なら社団法人として位置づけて、責任を持った対応をするように行政指導を強めていただきたいと思いますが、その社団法人化のネックになっている問題はどういうふうにごらんになっていますでしょうか。
#73
○政府委員(越智正英君) 社団法人化という問題につきましては、先ほど申し上げましたけれども、その法人化する際の法人の目的、まさにその公益目的をどうするかということ、それから組織の問題、組織の問題と申しますのは、やはり運転代行業というのは先ほどから言っておりますようにかなりアルバイト的な要素が強いという中で、当然その事業基盤が弱いわけでございます。そういった方々をいわゆる糾合する力というのが一体どこから生まれるかということが当然問題になるわけでございますけれども、そういった実態の問題が一つ。
 それからもう一つは、この運転代行業につきましては大変事故が多いという点からも、警察庁の方もまたいろんな観点から見ているわけでございまして、私どもは警察庁と運転代行業についてどういった方向に持っていこうか、どういう指導をするのかということを話し合いを続けておりますけれども、これは運輸省だけでやった方がいいのか、あるいは警察庁も入れた方がいいのか、あるいは警察庁だけでやれるのか、そういった点が実はまだはっきりしておりません。正直申し上げてはっきりしておりませんので、その辺につきましては早急に警察庁とも相談を続けながら、運転代行業というものが法人をつくるとした場合に、やはり私どもとしてもはっきりした法律上の判断ができるように何とか問題点を詰めていきたいというふうに考えている次第でございます。
#74
○櫻井規順君 その辺はぜひ警察庁との協議はやっていただいて、運輸省が責任を持ってこの問題に対応するという体制を堅持していただきたいということを要望しておきます。
 それで、時間がないものですからはしょっちゃうわけでありますが、大変事故が多くなっている。最近の傾向としては、代行依頼者の事故が非常に多くなってきております。どうしても、やはり今のようなアルバイトが多いという状況の中での安全管理というものは非常に深刻な重大な問題になっているというふうに思います。
 そういう意味で、道交法も適用されない、道路運送法も適用されない、勢いこれは運輸省の行政指導にゆだねざるを得ないわけでありますが、運転代行業務をつかさどる管理責任者の配置、その管理責任者のアルバイトを含む代行業務に当たる者に対する安全教育、この徹底を期していただきたいというふうに思うわけでありますが、その辺はどんなふうに重点的に進めようとしているのか、簡潔に御答弁ください。
#75
○政府委員(越智正英君) いわゆる運行管理者制度というものは、バスなりタクシーなりそういった事業者には設けて安全を期しているわけでございます。それと同等というわけにはまいりませんけれども、やはり運行管理者というものを代行業の中に置いて安全の確保に努めてほしいということでございますが、資格等につきましては何ら規制がないという現状でございます。
#76
○櫻井規順君 安全運転の責任者を事業所に配置させ、安全の周知とそれから共済への加入、そういう条件を具備した代行業者に対してマル適マークというものを交付してくれという要望も強いし、これも考える時期に来ているのではないかと思うんですけれども、このマル適マークの交付ということをお進めいただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
#77
○政府委員(越智正英君) マル適マークの問題でございますけれども、これは私ども、今進めております事業の報告制度を充実させる、それから先ほど申し上げましたようないわゆる事業者の組織化、それから今の安全運行についての徹底、そういったものの進みぐあいというものを見ながら進めないといけないと思っております。いわゆる事業者団体等がはっきりしない段階でだれがマル通マークを出すかといった問題、当然そこはやはり普通でありますと公益法人的なものがあって、そこが認定をするといったことが好ましいと思っておりますので、やはりそこはもう少し私ども検討の結果を待ちたいというふうに考えている次第でございます。
#78
○櫻井規順君 とにかく社団法人化を行政指導としては急いでいただきたい。それから、警察との協力関係の中で運輸省が責任を持って対応するようにひとつ要望しておきます。
 次に、リフトタクシーの問題を急いで質問させていただきます。これも堀委員が決算委員会で取り上げまして、運輸大臣、厚生大臣が非常に前向きの答弁をいただいているところであります。
 リフトタクシーは、その後、厚生省の方の障害者社会参加事業で取り組んでおります「障害者の明るいくらし」促進事業の中でも多様な形で設けているわけでありますが、運輸省で把握できる限りにおきましてこのリフトタクシーというのは、ここ数年、ここ三年間ぐらいの間でよろしいですけれども、伸びてきていますでしょうか。
#79
○政府委員(越智正英君) リフトタクシーはここのところ、徐々でございますが伸びてきておりまして、寝台タクシー、寝台つき車両を入れまして今大体千台弱という段階でございます。
#80
○櫻井規順君 確かにこれは平成四年から比べますと倍近く伸びているように認められます。
 問題は、御案内のように、私はタクシーでいうと静岡の運賃ブロックに住んでいるわけでありますが、全国に先駆けまして、初乗り運賃が三十分あるいは十キロで三千八百円という、利用者から見れば高値の値段を設定したわけであります。これはどうしても自治体あるいは厚生省、公の補助がなければこのリフトタクシーというのはもたないわけであります。
 問題は、先般、運輸大臣は、雇用促進法の身障者の雇用率一・五%なんで、タクシーの一%くらいは身障者向けのタクシーを配置するような方向に持っていきたいという御答弁をされて、タクシー会社に義務化の線を出すことも考えられるのではないかという答弁をされているわけであります。
 三年前の五百八十台に比べまして今回一千台を超したということは、伸びてはおりますけれども、運輸大臣の答弁に比べますと微々たるものでありまして、これはぜひ厚生省あるいは自治省とプロジェクトを組むくらいの構えで、リフトタクシーの増車のために具体的な手だてを講じていただきたいというふうに思うわけでありますが、取り組みの展望あるいは対策はいかがでしょうか。
#81
○政府委員(越智正英君) リフトつきタクシーは、いわゆる普通の乗用車の形をしたタクシー車両では無理でございまして、いわゆるジャンボ型タクシー、これに取りつけるわけでございますが、ジャンボ型は既に二百四十万ぐらいということで普通のタクシーの五割以上高い。それで、リフトをつけますとさらにそれがジャンボタクシーの値段の倍以上になってしまうという点がございまして、そういう点からは事業者の導入を妨げているという点がございます。
 それから稼働の問題、いろんな問題がございますが、私どもとしては、やはり福祉の問題でございますので、そこはもう地域の福祉行政と連携をとりまして、福祉タクシーといういわゆるジャンボ型でございますけれども、リフトつきタクシーがふえるような努力を、まさに先生がおっしゃいましたように、厚生省などとも密接な連絡をとりながら何とか努力してまいりたいというふうに思っております。
#82
○櫻井規順君 社会福祉協議会なり地方自治体が持ってやるということも一つの方法であるわけであります。しかし、運輸省として、タクシー業界がいわば社会参加として採算に合う形で、厚生省、自治省との協力も得ながら進めるように推進を願いたいというふうに思うわけであります。
 最後に、大臣に二つ質問させていただきましょう。
 一つは、今の運転代行業の法律的な整備あるいは運転代行業の今後のあり方について、検討委員会のようなものをおつくりになって検討する段階にあるというふうに思うわけでありますが、今後の取り組みについてひとつお伺いします。
 もう一つは、冒頭の質問でありますが、円・ドル関係、百円を割り込んできていると。これは我が国経済、国民生活に与える影響は甚大であります。とりわけ運輸業界、海運あるいは造船業界等に及ぼす影響と対策についてどんなふうにお考えになるか、全般的な見解でよろしいわけで御見解を聞かせてください。
#83
○国務大臣(二見伸明君) 最初に運転代行業の件でございますけれども、この委員会でもまたほかの委員会でもこの運転代行業、いろいろ議論がありました。私は、まだ運転代行業そのものは成熟してはいないんではないかなというふうに思っておりますが、でもまた運転代行業は当然これから減るというよりもやはりふえる傾向にあるだろうというふうに思います。
 その場合に、事故を起こした場合の損害補償の問題等々、克服しなきゃならない課題が幾つもございますが、そうしたことをじっくり勉強しなければならないと思っておりますし、どこの委員会だったでしょうか、中長期的にちょっと勉強させてくれというふうに私も話をしたことがございます。この問題は、直ちに今新法というのはいかがかと思いますけれども、運転代行業の実態を見ながらいろいろ勉強をしていきたいというふうに考えております。
 それから、円高の問題ですけれども、けさニューヨーク市場で九十九円になったということで、私も新聞を見て大変びっくりいたしました。やっと景気に明るさが見え出してきたときに九十九円何がしというのは、正直言って景気に水を差すなというのが実感でございます。
 特に運輸業界におきましては、外航海運と造船業に大きな影響が出てくるのではないかというふうに思います。そのためにも、例えば外航海運につきましてはコストのドル化を推進しなければなりませんし、外国人船員混乗の促進もしなきゃならないし、また円建てで契約をするということもこれから積極的にやらなければならないだろうというふうに思っております。
 また、いわゆる国際航空、この面にも影響が出てまいります。先日、航空審から答申が出ましたので、この答申に沿いながら、エアラインそのものが経営の合理化を本気になって進めていかなければならないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、この九十九円というのが瞬間的なものであればともかく、これはちょっと続きますと景気の足を引っ張るなというふうに思います。これは運輸省の管轄ではありませんけれども、こういうことを言うと大蔵省は怒るかもしれぬけれども、これは何らかの、介入という言葉は使っちゃいけないんだそうでありますけれども、金融措置も含め、あるいは買い支えも含めた強力な体制をしなければならない段階だろうというふうに考えております。
#84
○櫻井規順君 終わります。
#85
○喜岡淳君 運輸大臣を初め、きょうは警察庁、建設省それぞれお願いをいたしておりますが、よろしくお願いいたします。
 一番最初に運輸大臣にお尋ねをいたしますが、運輸大臣は御就任以来、安全こそが運輸の基本であるということを強調されておりまして、非常に大きな期待感を持っておるところでございます。交通安全、交通事故の絶滅に向けてひとつ決意のほどをお聞かせいただければ幸いかと思います。
#86
○国務大臣(二見伸明君) 交通安全の確保というのは運輸行政の基本であるということは、一貫して申し上げてきたとおりでございます。安全対策の確実な実施に最善の努力を尽くすとともに、あらゆる機会をとらえ交通にかかわるすべての人々の安全に対する自覚と責任を促しつつ、交通安全の確保に万全を期し、国民の皆様の信頼にこたえていく決意でございます。
#87
○喜岡淳君 ありがとうございます。強力によろしくお願いをいたします。
 それでは、具体的なことで少しお尋ねをしたいと思いますが、連休明けの去る五月八日、香川県の小豆島に小豆島スカイラインという県道がございます。ここを高校の野球部がマイクロバスで走っておりまして、このマイクロバスが非常に気の毒なことにブレーキがきかない、失速した状態で転落をいたしまして、高校一年の野球部員二人が亡くなっております。高校に入って野球を一生懸命やろうという、その春の五月ですよ。非常に期待を膨らませて遠征に行っておったと思いますけれども、朝元気で家を出たものの、もう午後は残念ながら帰ってこない人になりました。それから、十六名が重軽傷を負う、そして運転しておった野球部の先生はけがをいたしましたけれども助かるということで、これはまた本当に非常に気の毒な結果になっておるわけです。
 この事故の件について建設省の方は御承知のことかと思いますが、いかがでしょうか。
#88
○説明員(山田直重君) ただいまの先生のお話にございました件でございますが、五月八日、小豆島内の主要地方道、土庄神懸線、これは通称小豆島スカイラインと言っておりますが、ここで香川県立琴平高校野球部のマイクロバスが転落いたしまして、死者二名、負傷者十六名を出したという事故が起きたということを香川県より報告を受けております。
#89
○喜岡淳君 さて、この事故は確かに県道でありますから県の問題かもわかりませんが、私はただ単に県だけの問題ではないというふうに思います。
 このスカイラインは平均勾配が一三%、しかもその道が三・五キロにわたり一本道で真っすぐに続いていくわけです。勾配は途中で一八%というところもございます。下り勾配一八%というのは、大型の観光バスに乗っておりますと、一番先頭のところと一番後ろの席の高さはもう一・八メートルの違いがあるわけです、一八%ですから、大型バスでいくと十メーターちょっとですからね。私の身長以上なんです、傾きが。そういう非常に急峻な下り勾配の、しかもそれがヘアピンのない真っすぐにおりていくという下り急勾配の道であります。
 そこで、建設省にお尋ねをいたしますが、この事故の起こった現場、小豆島スカイラインはいわゆる道路法で建設大臣の指定する主要な県道の一つになっておりますが、こういった急峻な坂道というものは全国にほかにもあるんでしょうか。
#90
○説明員(山田直重君) 日本におきます道路整備水準はまだ必ずしも十分と言えないということで、問題になっております主要地方道につきましても全国的に見てまだ改良卒が六七%、これは平成四年度末でございますが、こういう状態にとどまっております。したがいまして、残りの三三%はいまだ未改良ということでございます。ただ、未改良の部分が全部そういう急勾配ということではございませんが、かなりの部分にそういった問題も、構造令に合わない急勾配の箇所もあるということでございます。
#91
○喜岡淳君 構造令は今昭和四十五年につくられた構造令が適用されると思いますが、今はその四十五年の構造令でいきますと、この道路は三種ですから最大勾配は一一%までしか許されない道路だろうと思います。昭和三十三年の構造令も同様でありましょうし、昭和十年の構造細則によりましても勾配は一〇%までのはずであります。
 この県道が認定されたのは昭和二十四年なんですね。戦後の混乱期にかつての軍用道路、一般の車が走らないという前提の軍用道路を県道にしていったわけでありますが、こういった道路は私は全国に幾つかやはりまだまだ存在しておると思います。ぜひその状況について調べていただきまして、再発防止措置をとることができれば犠牲者をあらかじめ予防することができるというふうに思いますので、御要望しておきたいと思います。
 それから、警察庁の方にお尋ねをいたします。
 警察庁の方もこの事件について御承知でしょうか。
#92
○説明員(関一君) 警察庁といたしましても、五月八日に委員御指摘のような事故が起きて、死者が二名、重軽傷者十六名の事故を出したということを承知いたしております。
#93
○喜岡淳君 事故の原因については何か調査されておりますか。
#94
○説明員(関一君) 事故の原因につきましては、運転者のブレーキを使用したべーパーロック現象あるいはフェード現象による事故ではないかということで現在捜査中でございます。事故の原因について現在、そういう現象が起きたかどうか確かめるために鑑定をしておりまして、今捜査中でございます。
#95
○喜岡淳君 交通事故ですからさまざまな要因がまじり合っておるというふうに思いますけれども、今お話にありましたように、この事故はやはりブレーキの問題が大きな理由ではないかというふうに思います。
 この現場では、昭和五十年から平成五年までの十九年間、人身事故が二十九件、物件事故五十三件、発生をしておるわけであります。
 私はこの事故の原因に、急峻な下りの急勾配が真っすぐ続いている、そういうものが事故の原因にやはり存在しておるというふうに思うわけであります。
 そこで、こういう下りの急勾配の道路につきましては、当然標識を上げてみたり、路面に速度を落とせという表示が書かれております。私も現地を二回、実際車でおりていきましたが、私の車を追い越していった車もあるんです、この下り勾配を。確かに、下り一八%勾配、ローギアと書いてありますが、こういうドライバーへの注意喚起だけで交通事故がなくなるのならば非常にいいわけなんですが、こういったドライバーに注意喚起するだけでは私はやはり事故防止の積極的な対策ではないと思います。そういう意味では、私は待避所をつくるなど抜本的な工事が必要かと思いますけれども、警察の方としては抜本対策の必要性についてどういうふうにお考えでしょうか。
#96
○説明員(関一君) 今回の事故につきましては、事故の再発防止を図るために五月十一日に香川県、香川県警本部、それから地元の町等によりまして緊急の現場の点検がなされたところでございます。
 この現場点検を踏まえまして、該当の箇所に大型の標識でありますとか、ガードレールでありますとか、視線誘導標等の安全施設の整備が追加的に図られるということになったということを聞いております。また、緊急待避所あるいは待避所等の施設を設置するという検討がなされているということも聞いているところでございます。
 私どもといたしましては、これらの施設ができますれば急勾配の道路におきまして効果的な安全対策であるというふうに考えます。今後とも引き続き道路管理者等と連携いたしまして総合的な事故防止対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#97
○喜岡淳君 抜本的な待避所を設置するなどの対策をとらない限り、やはり事故の再発防止はできないということだろうと思います。
 そこで、建設省の方にお尋ねをするんですが、やはり何といっても先立つものはお金であります。確かに県道でありますから、県が第一義的に工事をすることではございますけれども、やはり建設省も最大限の手助けをしていただきたいと思います。県の方からそういった話が来た場合、建設省としては補助を含めたお助けをどういうふうにしていただけるのか聞かせていただきたいと思います。
#98
○説明員(山田直重君) まず一般論といたしまして、都道府県道の整備につきましては、ただいま先生御指摘のように、都道府県が自主的、主体的に整備を進める。その際、国の補助事業あるいは都道府県の起債事業あるいは単独事業といった手法をとるわけでございます。
 それで今回、この主要地方道土庄神懸線につきましても、先ほど警察の方から答弁がありましたように香川県が調査をいたしておりまして、その結果に基づいて適切な整備手法をとることと思われます。建設省といたしましても、県の方から補助事業の要請があれば、先ほどお話に出ました緊急避難所等も当然補助事業の対象になっておりますので、適切に検討することとしたいというふうに考えております。
#99
○喜岡淳君 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 最後になりましたが、交通事故というのは、交通事故を起こした人も交通事故で被害を受けた人も、こういった急峻な急勾配の道路であれば、双方がやっぱり犠牲者ではないかというふうに思います。幸い公共事業四百三十兆円というこれからの大きな計画があるわけですから、ぜひこういった国道や地方道におきましても、これからの自動車社会あるいは高齢化社会、そういった時代にどのようなドライバーも安全に走れるような道路をつくっていく、そういうことも必要だろうというふうに思います。
 私の手元に私鉄総連の労働組合からきのうファクスでいただいた一覧表がございます。これは全国の国道、地方道、危険箇所一覧という地方別の私鉄総連が調べた調査であります。私鉄総連の組合員さんはバスであるいはタクシーで毎日走っていますから、どこが危険かというのは既に十分御承知のとおりであります。
 そういう意味で、ぜひだれでもが安心して安全に走れる道をつくっていく、こういうことも非常に重要かと思いますが、運輸大臣、最後に安全な交通確立のために御意見をいただいて終わりたいと思います。
#100
○国務大臣(二見伸明君) ドライバーの教育というか啓蒙だけでは当然無理でございまして、道路そのものが、例えば今の例でいきますと三・五キロですか、十八度、大変な坂道だと思います。ドライバーが思わずブレーキをかけるような道路に何か工夫があってしかるべきだろうというふうに思っております。これは運輸省の立場じゃありませんけれども、例えば雨の降った夜なんかは車線が見えませんですね。見えるようなものをやればいいわけです、それは簡単に入るらしいのだけれども。いろんな工夫を道路にもしなければやはり交通事故を防ぐことはなかなか難しいのではないかなというふうに考えております。
 これは運輸省の立場ではないけれども、きょうそういう議論があったことを建設大臣の方に話をしておきます。
#101
○喜岡淳君 どうもありがとうございました。
#102
○泉信也君 本会議の関係がございまして、十二時までに質疑を終えさせていただきたいと思っております。
 きょうは、運輸省の国際協力の問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 予算費目を見ますと、国際協力に必要な経費として六億弱の予算が計上されております。恐らくこれでは世界の国々との国際協力が十分にできないのではないかと私は思っておりますが、まず途上国におきます国際協力の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 過去五年間の国際協力の実施国は約百カ国ということになっておりますが、この中で、資金協力の問題もございましょう、資金協力の件につきましてはいずれお尋ねをするといたしまして、技術協力の分野、開発調査あるいは研修生の受け入れ等、こうした技術協力の分野の状況についてまずお尋ねをいたします。
#103
○政府委員(和田義文君) 開発途上国の経済成長なり生活向上のためには運輸システムの整備と観光の振興が不可欠でございまして、開発途上国におきましては資金や人材の不足などからこれに十分対応できる状況にはございませんで、我が国に対して運輸分野における国際協力の要請が多くなされております。
 運輸省といたしましては、平成三年五月の運輸政策審議会答申を踏まえまして、長い間の蓄積によるすぐれたノウハウとか技術力を活用しまして、インフラストラクチャーの整備といったハードの面のみならず、その管理、運営、支援サービスなどのソフト面も含めて運輸関係の国際協力に取り組んでいくことといたしております。
 また、従来の途上国への協力に加えまして、世界経済のボーダーレス化の進展、東西対立構造の終えんなど国際情勢が大きく変化する中で、近年では東欧、旧ソ連邦、中央アジア諸国のODA供与対象地域化、ベトナム、カンボジアなどインドシナ諸国へのODAの再開、従来のODAの枠を越えた旧ソ連邦に対する技術的支援の開始、地球環境問題の高まりなどに対応した環境保全分野の協力の増大、アジア・太平洋地域における地域協力活動の活発化など、援助を取り巻く環境が変化してきておりまして、これらの変化に的確に対応して協力をしていくことといたしております。
#104
○泉信也君 日本の戦後の歴史を見ましても、輸送の基盤をきっちりと整備をしていくということが大変重要であったというように思っております。そうした意味におきまして途上国の手助けを積極的にやっていただきたい、こんな思いを持っております。
 途上国という中で議論をさせていただくのはいかがかと思いますが、先週中国において開催されたと伝えられております高速鉄道セミナー、これは新聞、テレビ等で拝見をしたわけでございますが、このことにつきましてどんなものであったのか、その概要をお教えください。
#105
○政府委員(秦野裕君) ただいまお話がございました中国の高速鉄道セミナーでございますけれども、これは御案内のとおり、中国が北京と上海の間に高速鉄道のプロジェクトを推進するという計画がございまして、これに当たりまして今後留意すべきことを整理するということと、それから我が国の新幹線技術に理解を深めていただくということを目的としまして、六月十四日から十六日までの三日間、北京で開催されたものでございます。
 そのセミナーには日本側から、私どもの事務次官を初めといたしまして運輸省、外務省の関係者あるいはJRの技術陣の最高幹部等が参加をいたしました。また中国側からも、鉄道部の副部長を初めといたしまして政府関係機関の幹部職員二百人の方がお集まりになりまして、大変大盛況でございました。また、質疑時間も予定時間を大幅に上回って、非常に関心の高さをうかがわせたということでございます。
 今回のセミナーは、講師陣が我が国の鉄道技術のトップクラスであったということ、あるいはそのセミナーの内容が実務的に見まして充実したものであったということで、非常に関心あるいは評価が高かったんじゃないかというふうに考えられますけれども、我が国の高速鉄道技術に対する理解を深めるために所期の目的は十分に達成したんじゃないかというふうに考えております。
#106
○泉信也君 大変結構なことだと思いますが、今局長の御答弁の中にございました北京−上海間の鉄道計画、これの内容等についてはおわかりでございましょうか。
#107
○政府委員(秦野裕君) 若干御説明が前後いたしまして、申しわけございません。
 中国側の計画でございますと、北京−上海間約千三百キロ余ございますけれども、現在その輸送能力が輸送需要に追いつかない、現在の鉄道では大体十七時間ぐらいかかるようでございますが、経済のボトルネックになっているということで、高速の旅客鉄道の新線をその路線に建設をしたいと。それによって在来線から旅客をその新線の方に移転させる、あいた在来線で貨物輸送を主体にする計画であるというふうに承知しておるわけでございます。
 北京と上海の間は、これはもう世界的に見ましても非常に経済成長率の高い地域でございまして、また我が国の太平洋側と同じようにいわば大都市が連檐するという、鉄道にとっては非常によい条件に恵まれておるということから、本計画は非常に有望であるというふうに私どもとしては考えておるわけでございますが、現在、中国側の方で財政面あるいは技術面についての詰めが行われている段階であるというふうに承知しております。
#108
○泉信也君 千三百キロといいますとまさに東京から博多くらいでございましょうか、新幹線あるいは高速鉄道の大変役割を果たせる区間ではないかというふうに私も思うわけであります。
 そこで、こうした計画を実現するために、日本では既に三十年間無事故というような大変すばらしい技術、ソフトを持ち合わせておるわけですが、運輸省としてはこの計画に対してどんな対応をこれからしていこうというお考えであるかをお聞かせください。
#109
○政府委員(秦野裕君) 日本と中国の間で鉄道分野の協力というのは非常に歴史が長いわけでございまして、日中の国交が正常化いたしました直後から交流が開始されておるわけでございます。
 国際協力事業団を通じました技術協力に限りましても、現在までに約三百名を超える専門家が中国の方に派遣されておりますし、また逆に二百名近くの専門家が我が国に研修に来ているという状況でございます。
 それから、円借款について見ましても、日中の円借款全体の約三分の一は鉄道関係ということで、非常に従来から緊密な協力関係が続いておるわけでございます。
 ただいま先生お話しのとおり、三十年間無事故という実績を持ちます我が国の新幹線技術がもし中国の高速鉄道の建設に役立つということであれば、日中両国の友好関係の促進という意味から見ても大変望ましいというふうに考えておりまして、今後の高速鉄道の建設のために運輸省としてもできる限りの御協力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#110
○泉信也君 韓国の新幹線計画がフランスの協力のもとに進められるようになったというふうに伺っておりますが、往々にして先進諸国は官民挙げてそうしたプロジェクトに取り組んでおられる。しかし、日本ではややもしますと官側は腰が引けておるというような状態が散見されるわけであります。
 私どもは、単に自国の製品を買っていただくとかそういう狭い了見ではなくて、いいものをお使いをいただくという姿勢で取り組んでいく。その視点から見ますと、運輸省があるいは国挙げてこのプロジェクトに積極的に取り組むということは、何ら非難をされる筋合いのものではないと私は思っております。
 そうした意味で、この中国の高速鉄道計画の実現、あるいはその他途上国のもろもろのプロジェクトにどうぞ積極的に取り組んでいただきたい、こんな思いを持っておりますが、大臣、御所見をお伺いをさせていただきます。
#111
○国務大臣(二見伸明君) 先週の北京でのセミナー、中国側もハイレベルの人たちが大変深い関心を持っているということで大成功だったというふうに思います。
 先生がおっしゃるように、北京−上海間を大体七時間ぐらいで走る新幹線で、この技術といいますかノウハウはまさに日本のものだろうというふうに思っております。円借款はアンタイドでございますので建前上アンタイドですけれども、日本の技術、ノウハウが一〇〇%生かされる、中国側に喜んでいただける分野だというふうに感じておりまして、我々としても総力を挙げて頑張ってまいりたいというふうに考えております。
#112
○泉信也君 ありがとうございました。
#113
○委員長(和田教美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三分開会
#114
○委員長(和田教美君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として高崎裕子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#115
○委員長(和田教美君) 平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての委嘱審査を議題といたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#116
○高崎裕子君 きょうはウエットリースの問題についてお尋ねいたします。
 JALの便で札幌からハワイ・ホノルルに行くために飛行機に乗ってびっくりした。飛行機はJALではなくてJAZだ。スチュワーデスもJALのユニホームではない、しかも外国人だ。パイロットもJALではない。これはだまされた。こういう苦情が最近非常に多く聞かれます。
 このように、JALが免許を受けた路線に、航空機、機材も乗員もすべてパッケージで全く別の会社からリースを受け、すなわちJALと名がついているだけで中身は全く違う、こういう形態をウェットリースというふうに言うわけですが、そのウェットリースが認められるのはあくまでも一時的な需要に対する臨時的または自社の機材及び乗員が整備されるまでの暫定的ということなわけですね。
#117
○政府委員(土坂泰敏君) 現時点ではそういう運用をしておりますが、これについて緩和の方向で検討したいと思っております。
#118
○高崎裕子君 このウェットリース方式で現在国際線が大路線週二十四便、それから国内路線が三路線で一日四便これが飛んでいるわけです。今マスコミでも大宣伝されているわけですけれども、ホノルル便の中で福岡−ホノルル、これは週四便すべてがJAZです。それかられ幌−ホノルル便、これも週四便なんですが、これもすべてJAZのウェットリースになっているわけです。
 このことはもう大変私は奇怪なことだというふうに言わなければならないんです。なぜならというと、この路線というのはJALが路線免許を持っているわけです。JALが航空法の百条に基づいて、新たにこの路線について開設をするという免許を受ける際に、機材はありません、乗員もいません、しかし免許はいただきたいという、こういう形で免許を受けたということになるわけなんです。この航空法の免許の基準というのは大変厳しいはずなんです。需給調整はもちろんのこと、最も大事な安全性の問題で安全運航が可能なのか、そして経営基盤がしっかりしているのか、そのための担保として設備、機材、乗員、施設、これがよほど安定していなければならないということになるわけなんです。
 このように、全く新しい路線にすべてウエットリースが許されるということになれば、日航のような力が認められていれば機材や乗員が全くいなくてもどこの路線でも免許が取れるということになってしまうわけなんです。これが私は大問題だということを一点指摘しておきたいことと、さらに私が大問題だと思うのは、これは実態を見ると法律で禁止されているもう事実上の名義貸しになっているということなんです。つまり、すべて路線免許を持っていないJAZが運航している、ただJALの名前をかりているだけにすぎないんだというのが実態になっているわけです。
 JAZというのはこの路線では免許基準から認められていないということでは、大変私は安全上問題であるし、危険だというふうに思いますし、こうなると航空法の脱法行為だというふうに言わなければならないというふうに思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
#119
○政府委員(土坂泰敏君) 飛行機の運航の仕方は、みずから機材と人員を持って運航する場合もありますし、人から機材と人員を借りて自分の管理のもとにおいて運航する場合もある。その場合は、自分で機材と人員を持った場合と同じように安全の問題も含めてきちんと管理ができるということが必要でございまして、そこがきちんと担保される限りはいわゆるウエットリースというのは否定されるものではございません。世界的にもウェットリースはどこでも行われておりますし、航空に限らず海運の分野でもウエットリースは行われておりまして、特段珍しいことではございません。ただ、先ほど申し上げましたように、自分で管理をすると同じようにきちんと安全についての責任を持っていなければいけない。そこにまたおのずと歯どめもあるというふうに考えております。
 それから、名義貸しの問題が出ましたが、名義貸しというのは自分の名義で他人に事業を行わせることを言うわけでございますが、今のJALの例は、JALが自分の名義であくまでも運航しておりまして、機材と人員を子会社から借りておるということでございますので、名義貸しには当たらないというふうに考えます。
#120
○高崎裕子君 私は、名義貸しの問題については実態を踏まえて今指摘したわけです。
 それで、これは航空局の方に通達についていただいたんです。そうすると、私、一番大事な部分がぽろっと抜けた通達をいただいて、大変ごまかそうとされたのかなというふうにも思いたくもなるような印象を受けたんですけれども、ウェットリースについてはパッケージでリースする制度だと、そして実質的な名義貸しとならないよう留意するとともに、安定的な事業運営、それから安全の確保について十分配慮しということで、ここに大事な注意書きが書いてあって、そして次の要件を満たすことというふうになっている通達の上の注意書きがない通達を私はいただいたんです。
 それで、私どもは正式な通達を手に入れまして、見まして本当にびっくりしたんですけれども、運輸省としても名義貸しというものにならないように留意せよというふうに言いながら、今言ったように、JALの名前を書いて実態はもう免許も何もないJAZがやっているということで問題だということを私は指摘しているわけなんです。
 それから、そもそもウエットリースが要件を満たした上で認められるという中で、それは一時的なものである、あるいは暫定的なものであるという、あくまでも例外的なものなんだということが書かれているんですけれども、これは九二年の二月に認可をされていてもう二年以上も過ぎているわけなんです。これでどうして暫定的と言えるのかという問題があるんですけれども、この点いかがですか。
#121
○政府委員(土坂泰敏君) JALが子会社の機材と人員を借りて運航いたしておりますが、JALが自分できちんと管理をいたしまして、具体的に言えば機材の管理権あるいは乗員の指揮命令権、こういうのを全部JALが保有した上で営業行為も全部JALのもとにおいてやっておりますので名義貸しには当たらない、そういうふうに思っております。また、そういうことがないように注意をしなければいけないということは御指摘のとおりでございますし、通達でもそういうふうになっておるわけでございます。
 それから、臨時的、一時的ということにつきましては、これは一時的な需要の増減に対応するということで認めておるわけでございまして、一時的な需要の増減というのは、需要のふえるときもあるし需要の減るときもあるという波がどうしても輸送機関はございますので、そういう臨時的な需要の増に対応するために認めてきているということでございます。そういう臨時的な需要があればそういう姿でこれは認めるということで現在まで続いているものでございます。
#122
○高崎裕子君 暫定的というのはあくまで、本当に数カ月とか一年という短い期間を言うんで、二年たっても、これはそれこそ継続的にずっとやって、これからもやろうというところで、私はここははっきりこの通達違反であるというふうに指摘しなければならないと思うんです。
 名古屋とグアムの週四便、ここもウェットリースで行われているんですけれども、これはどこのリースになっておりますか。
#123
○政府委員(土坂泰敏君) これはJAAがJALから借りているという姿になっております。
#124
○高崎裕子君 これ時刻表を見ますと、名古屋−グアム間についてはこう記載されています。「機内でのお客様へのサービスは日本アジア航空客室乗務員が実施いたしますが、JL(日本航空)の機材及び乗務員で運航いたします。」、こう書いてあるんです。
 ウエットリースというのは乗員と機材をパッケージでリースするということになっているにもかかわらず、ここははっきり分かれているという点ではこれは明白な事業計画違反というふうになるわけですけれども、この点いかがですか。
#125
○政府委員(土坂泰敏君) 今のお話は実態がどうであるかということを、私、突然のお尋ねで把握しておりません。調べた上でないと御返事はできないと思います。
#126
○高崎裕子君 それでは、これは調べた上で御報告いただけますね。
#127
○政府委員(土坂泰敏君) 後刻、先生に御報告を申し上げます。
#128
○高崎裕子君 さて、日航の例を私ずっと挙げてきましたが、このように日航は他から機材を借りて運航している。一方では自社の機材というのを遊ばせているという実態があるんです。ボーイング747−400機、これは旅客機で三機、それから貨物は中古ですけれども一機、合計四機、金額にすると八百億円というものになるんですけれども、これをアメリカのカンザス州の空軍基地に、砂漠のところです、遊休をさせているんです。この遊休をさせておいて、福岡−ホノルル間、それから札幌−ホノルル間、いずれも九二年の二月ウェットリースを開始している。それから東京−サンフランシスコ間、これは九三年の四月にやっぱりウエットリースを開始している。
 一方では、機材や乗員が足りないから一時的、暫定的ということでウエットリースが認められていながら、実際には機材を遊ばせて、これ駐機料だとか借り入れた資金の金利を入れると年間で六十億もむだ遣いになっていくわけで、なぜこういう時期にウエットリースを運輸省としては認可したんでしょうか。
#129
○政府委員(土坂泰敏君) その御質問も私今初めてお伺いいたしましたので、実態を把握した上でないとお答えができかねます。
#130
○高崎裕子君 それでは、この点については大変重要な問題ですので、ここは局長、調査をして御報告をしてください。
#131
○政府委員(土坂泰敏君) 調査をして御報告申し上げます。
#132
○高崎裕子君 そこで労働省にお尋ねいたします。
 今いろいろウエットリースの内容について聞いていただいたと思うんですが、航空労働者というのは労働者派遣法については対象業務ではない、つまり適用除外ということになっているわけです。ですから航空会社としては、これはウエットリースではなく請負という形態であるというふうに説明をしているわけなんです。請負の場合は、リースする会社、ここで言うとJALですけれども、リースされる労働者との間に指揮命令権が及ばない。これ及んじゃうと労働者派遣法違反になってしまうわけですから、指揮命令権は及ばない。
 例えば日航とJAZのウエットリースの場合なんですけれども、日航の指揮命令に基づいてJAZの乗務員が業務をなす。そしてまた、先ほどのアジア航空との間のウエットリースで言うと、これはウエットリースと称するということになります。JALのパイロット、そして客室乗務員はアジア航空という関係で、これ大変複雑な関係になってくるんですけれども、アジア航空の指揮のもとにJALのパイロットが従う、そしてそのパイロットの指揮に客室乗務員が従う、こういう関係になっていくわけです。
 それから日航の場合、ほかに大阪とバンコク、シンガポール、この便で客室乗務員だけはJAZで、しかも全員がタイ人なんです。チーフとアシスタントパーサーはJALの職員、それからパイロットもJALの職員。それで、JAZの職員は当然パイロットとかチーフパーサーなどから指揮を受けていると、こういう関係になっているわけですけれども、マニュアルで行動をとれるときは問題は余りないと思うんですが、緊急時というのはマニュアルに従ってやるということはできないわけです。当然対応できない。
 そういうことが実際の乗務の中では数多く出ているということはもうはっきりしているわけで、実際には請負といいながらも実態的には指揮命令が及んでいるという問題が浮かび上がってくるわけで、これは実態からいうと労働者派遣法に違反するということになるので、ここは労働省としてぜひ調査をしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#133
○説明員(中井敏夫君) 近年、企業におきましては、業務の一部を外部に委託するということが多く行われております。私どもとしては、中には、請負といいながら違法な労働者派遣ということがあるのではないかと、そういう問題がございます。
 そういうために請負と労働者派遣事業の区分につきまして基準をつくっておりまして、労働省告示という形で世間の方にもお知らせしておりますけれども、具体的に言いますと、例えば受注者がみずから雇用する労働者を直接利用するとか、あるいは請け負った業務を自己の業務として処理をするというようないろんな基準がございまして、そういう基準に沿って請負であるのかあるいは派遣であるのかというのが判断されるわけでございます。
 今先生の御指摘の点につきまして、私ども具体的に承知をしておりませんのですが、先ほど言いましたような基準に従って、それが適正な請負なのかあるいはそうではないのかということが判断されるものと思っております。
#134
○高崎裕子君 ですから、私が今具体的に事例を示してどうなのかということをお伺いしたわけですから、労働省としては今の立場でこの事実について調査をしていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#135
○説明員(中井敏夫君) 関係の方々にお話を伺います。承知いたしました。
#136
○高崎裕子君 それでは、ぜひ早急によろしくお願いをいたします。
 次に、きょうもスチュワーデスさんなど航空関係の方がお見えになっておりますけれども、特にスチュワーデスさん、客室乗務員の方は緊急異常時、どのような任務があるでしょうか。
#137
○政府委員(北田彰良君) 我が国の定期航空会社は、航空法に基づきまして運航規程というものを定め、運輸大臣の認可を受けることになっております。
 御質問の客室乗務員の任務につきましては、その運航規程の附属書におきまして、急減圧等の機材故障とか、あるいは客室に火災が発生した場合とか、あるいは緊急着陸等の緊急事態が発生した場合には、客室乗務員は機長の指示に基づきまして、旅客の救助であるとか、消火活動、緊急脱出等、搭乗者の安全確保に係る措置を講じなければならないということを決めております。
#138
○高崎裕子君 緊急異常時には、本当に冷静沈着に敏速にお客さんに対して誘導したり適切な措置をとらなければならないという、本当に緊張を強いられますし、大変重要な保安任務というものを持っている職種、仕事だということがよくわかりました。
 そこで、私は本当に問題を感じるわけですけれども、今ずっとお話をしてきました言ってみれば奇怪なウエットリース、これのねらいは一体何なのかというと、私、前回の航空法の議論のときも外注の問題だとかいろいろな問題で指摘もしましたが、結局はコストの削減に尽きるということなわけなんです。
 ウェットリースの場合ですけれども、客室乗務員というのは大半が外国人になっているんです。特に人件費の安い東南アジアの方が圧倒的に多いということで、日本のスチュワーデスの採用は二年連続一切しない、一方で外国人は採用するということで、今女子大生の間で猛烈に反発が起こっていて、本当に就職差別だということが社会的な問題にもなっているわけです。
 そこでお尋ねしますが、外国人の採用条件というのはどういうふうになっているんでしょうか。
#139
○政府委員(土坂泰敏君) 外国人の採用条件というのは企業が個別に決めておりますので、私ども現時点で承知をしておりません。
#140
○高崎裕子君 これは運輸省としてはよく調べていただきたいのですけれども、私実際に聞いてみて驚いたんです。日本語も話せない、それから英語も話せない、これでもよろしいんだということなんです。日本の客室乗務員の場合は採用条件というのは逆に大変厳しい。つまり英会話の試験もあるし英語のぺーパーテストもあるということです。
 要するに、日本語もわからない、英語も話せない、こういう外国人が先ほど言われた緊急時の大変な仕事の中で、いざというときに、お客さんはパニックになるわけです、こういうお客さんに対して敏速適切に措置して乗客の生命を安全に助けることが本当にできるのかということを私は本当に疑問に思うんですけれども、この点はいかがですか。
#141
○政府委員(北田彰良君) 外国人の客室乗務員につきましても、先ほど御説明いたしました運航規程の中で、日本人の客室乗務員と同様の訓練をすることが義務づけられておりまして、外国人乗員につきましては特に日本語の教育も特別に行っているわけでございまして、そういう意味で大丈夫だと考えております。
#142
○高崎裕子君 日本語というのは、例えばお元気ですかとかこんにちはとか、そういう程度の会話というのはこれは簡単に覚えられますが、本当にパニックになっているお客さんとの関係で、緊急に判断して制止をしたり誘導するというのはそういう片言の日本語ではとても対応できないというのは、これはもうはっきりしているわけです。
 私はこれ思い出すのは、花巻空港での事故、あのときの客室乗務員の対応というのはこれは運輸省としてはどういうふうに評価されているんでしょうか。
#143
○政府委員(北田彰良君) 花巻事故における客室乗務員の対応につきましては、私どもの得ている情報では規程に沿った行動をしたということに理解しております。
#144
○高崎裕子君 規程に沿った行動で適切であったと、そういうことですね。
#145
○政府委員(北田彰良君) 客室乗務員の行動に問題はなかったと考えております。
#146
○高崎裕子君 私も同様に伺っておりますし、本当にあのとき死者が出なかったということで、事故は事故として大変でしたけれども、そういう犠牲者が出なかったということで本当に適切な対応をしていただいたなというふうに思っているんですけれども、あのとき問題がやっぱりあったわけです。
 スチュワーデスさんが本当にその判断でお客さんは座っていなさいと対応されたときに、もうパニックになっているお客さんがドアをあけたということで、一部のマスコミでは乗客の判断がよかったというようなことが書かれてあるんですけれども、これは逆で、あのときたまたま風の向きがよかったから大事故にならなかったけれども、これが逆だったらドアをあけたために大惨事になっていたというふうに言われて、適切であったというふうに今運輸省言われたとおりなんです。こういう一分一秒を争う生死にかかわる一瞬に、花巻空港事故のようにお客さんの中にはいろんな人がいるわけです。
 私はこれは大臣にぜひお答えいただきたいのですけれども、私もそのときになったら何をするかわからないなと自分でも思いますけれども、いろんな判断をそれぞれがパニック状態でする、それだけに瞬時に客室乗務員には適切な判断が求められる。そういうときに、日本語も話せない、片言の日本語しか話せない、そういう乗務員がこういう場面で保安任務は私は到底やっぱりこなせないというふうに思うんです。乗客の立場からいうと不安でたまらないと思うんですが、大臣、この点いかがでしょうか。
#147
○政府委員(北田彰良君) 緊急脱出時に使用するような用語というのもかなり限定された言葉でございまして、そういうものをしっかりと教育しているということでございますので問題ないと思いますが、そういう何か実態的に非常に問題があれば改善していかなければいけないと思っております。
#148
○国務大臣(二見伸明君) 緊急のときの御心配だと思いますけれども、私その前に、ウェットリースそのものを、ウエットリースは頭からだめだという決め方ではちょっとまずいんではないかなというふうに思います。やはり、安全性その他がきちんと確保されたという前提でのウエットリースだろうと思います。
 客室乗務員のお話がありましたけれども、緊急のときに適切に対応できるような訓練なり教育は常時やるべきであると思いますし、そうしなければならないと思います。先生が御心配のようなことがあってはなりませんので、きょうはこういう議論があったぞと、だから緊急時のことも想定してきちんと客室乗務員に対する指導訓練をやるようにというふうに改めて航空会社に申し伝えたいというふうに思います。
#149
○高崎裕子君 これは安全性の問題にかかわる重大な問題で、私は航空法の審議のときにも、これまでのその整備を外注に出す問題、それから乗務時間が十二時間に延長になった問題、ねらいは一体何なのかというと、結局もうコスト削減に尽きるわけです。安全性をないがしろにしてのコスト削減というのは、これはもう本末転倒で、日航機の事故の教訓が何だったのかということを言いたいので、私は最後に一言。
 本当にこの点は、運輸省としても考えていただきたいのは、日航はコスト削減コスト削減、赤字だということを言いつつ、今お話ししたように遊休機で年間六十億もむだ遣いをしている。それから必要のないウェットリースで九三年度の決算で二百五十九億。それから関連事業への投資額というのは百十六億、もう赤字になっているホテル経営につき込むという、こういうむだ遣いが行われている。
 それからもう一つ問題は、八六年から九六年の十年の間に長期為替先物予約というのをやっているんです。九三年度末で一千四百億円のマイナスになっている。十年契約ですから、残りの三年分推定も入れると六百億になり、合計二千億という大きなマイナスになっている。これ、事故があった八五年の直後の八六年の監査報告で、こういう十年もの長期の先物というのはもう極めて危険でやめるべきだ、本体の経営に影響を与えるから是正すべきだと監査報告で強く指摘されながら、こういうものがそれを無視して進められて九六年までの間に二千億というマイナスをつくっているというようなことで、やっぱりこういうところにこそメスを入れて、必要な安全については譲らないというそういう指導が私はどうしても必要だと。
 そこをしなければ大事故につながるということについて警告を発しながら、運輸省として厳しく指導していただきたいということを最後に述べて、質問を終わります。
#150
○下村泰君 きょうは、まず自動改札口からお尋ねをしたいと思うんですけれども、最近改札がどんどん自動化されて健常者の方々にはまことに便利になったようなんですけれども、相変わらず障害者にとっては大変ネックになっておるわけです。
 実はこういうことがありました。
 JR東日本の私鉄連絡口で初めて自動改札になった国分寺駅があるんです。東京都国分寺市です。「自動化に伴い目の不自由な人たちが締め出されている。」という書き出しなんです。
 誘導点字ブロックが撤去され、いったん駅から外へ出なければならない。同社によると、連絡口は双方からの出入りが頻繁なため、「目の不自由な人は他の利用者と衝突する危険がある」と締め出し理由を説明している。視覚障害者は「これでは福祉の後退」と反発している。連絡口の自動化は今後も進むでしょうけれども、こういうケースが予想されます。人件費削減の切り札の最新鋭機とは思うんですけれども、これが思わぬ難関になるわけなんです。
 さあ、これからこんなことはどんどんふえると思いますが、今後どういうやり方をなさいますか、この視覚障害者とかこういう方々に対して。
#151
○政府委員(秦野裕君) ただいまの御指摘の国分寺駅のケースでございますけれども、西武線と中央線が両方乗り入れておる駅でございまして、例えば西武線から中央線に行きます場合には、一たん西武線の改札口を出ましてそれから中央線の方へ入るというやり方もあるわけですが、その真ん中に通路を設けまして、別の改札口を設けましてそこで直接西武線から中央線の方に入れるという形にいたしまして、そこに自動改札口を導入したわけでございます。
 先生ただいま御指摘のとおり、当初、誘導ブロックは、西武線から一たん表へ出て中央線へ入らないと行けないような形の誘導ブロックになっておったわけでございますが、そういう御指摘もございまして、先ほど申しました真ん中の近道と申しますか、通路を通って直接行けるように誘導ブロックを新たに設けております。そこのところは今お話しのとおり、無人になっておるわけでございますが、そこにインターホンを設けておりまして、すぐ近くに駅員がおりますので、そのインターホンを押していただくとその駅員がすぐ駆けつけるという形になっております。ただ、当然、しばらくふなれの場面も予想されますので、現在のところはそこに案内の者を配置いたしまして遺漏なきを期しているということでございます。
 それから、一般的に自動改札は、先生も今お話しのとおり、業務の合理化という意味で各社大いに進めておりますし、私どももそれは進めるべきだと思っておりますが、それに伴ってそういう移動制約のある方々に対して御不便をおかけすることはこれはもちろん困るわけでございます。ただいま申し上げたようなことを一つの例といたしまして、改善を進めていくということは我々も常々指導しておりますし、また今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
#152
○下村泰君 局長のお話聞いていると、それがそのとおり実施されれば障害を持っている方たちにとっては何ら支障がないように聞こえるんです。
 ところが、実際にこの場に当たっている「障碍を持つ教師と共に・連絡協議会」というのがあって、この事務局が埼玉県の岩槻市にあるんです、目の不自由な大葉利夫さんという人が代表なんですけれども。この方々のおっしゃるのには、インターホンがあるにしても、それは単なる便宜上のことであって、インターホンを押したからとかあるいは連絡をとったからってすぐ来てくれるわけではないと。こういうのがこちらの言い分なんです、現在実際に使われている側の。ですから、この方たちの言うのは、従来どおり職員を一人立てておいてくれれば随分助かるのに、こういうふうな言い方なんです。
 そうしますと、局長のおっしゃったようにすべてがうまくいけばいいんです。どこかで血道が通ってないんです、結局は。人間の血道がどこかで遮断されてしまっている、こういうところは僕は障害者に対する何か施策のなさではないか、こういうふうに感じるんです。ですから、ここのところをもう少し何か考えてほしいなと思うんです。
 それで、この自動改札は、車いすを使っている障害のある方、視覚障害、それから妊婦の方もいらっしゃいますよ、もういろいろ、御老人もおるしお子さんもおるし、こういう方々がなかなか使いにくい。それで、ある会の方々が調べたんです、例えば新宿駅を中心にして。改札口の幅が九十センチあればほとんど車いすが通れるんです、電動車いすも通れる。ところがその規格に合ったところが一つもないんですよ。わずかにぎすぎすというところはある。新宿の駅のあれだけの大きなホームでそういう規格に合ったところがないんです。こういうことがそのまま現在残っていて、今局長が御説明になったようなことで、障害者に対して運輸省が今声を大にして言っているところの優しい交通機関と果たして言えるんだろうか。
 もし何でしたら、一度小田急に行ってごらんなさい。僕はこの間小田急でびっくりしたんです。有人の改札口のところがあります。それで、中に一々通勤定期を入れるのを面倒くさがって有人のところ、窓口どんどん通る人がいますね。あそこはそういうことがあるから、幅が広いといいかげんなことをされるというんでわざと狭くしてあります。箱がなんか置いている。何だかやり方がこそくですわな。箱根の関所みたいなものだ。そこを通るのに、車いすではもちろん通れません。そうすると、小田急なんかは車いすが行くとちゃんと出てきてすぐ外してくれますよ、そして車いすを通す。ホームに入ると必ず二人つくんです。電話でもって通知を出しておくとすぐ来てくれる。ところが、JRの方というのはさっぱりそういうことはないですね。お客さんに迷惑をかけることはいろんなことをやるんだけれども、こういうことに関することは一つもやってくれないんです。
 こういうふうなのを大臣お聞きになっていて、ちょっと手を加えれば幾らでも直せる、やれる、そういうことがあるのになぜやらないのか、なぜ言葉の上だけで、運輸委員会でどうするとか、現場が見えているのか。これについてはどういうふうにお考えになりますか。
#153
○国務大臣(二見伸明君) 今の件に限らず、先生からいろいろの問題がこの委員会で提起されたわけでございまして、私しみじみ思うのは、法律をつくりあるいは政令を出し通達を出す、我々はそれで事足れりというのではないけれども、現場はここで考えているようなことにはなかなか動いていない。現場の、現場といいますか、現実にその我々の意図することといろいろなところで食い違いがあるということをしみじみ感じておるわけでございます。やっぱり血の通ったといいますか、有人のところは確かに九十センチ必要なんです、あれは。それでちゃんとやれるように、これむしろ現場の対応だと思いますけれども、会社の経営姿勢かもしれません、私は血の通ったものをぜひともやってもらいたいというふうに思っております。
 小田急ができてJRができないということはない。JRにも血の通った対応をしてもらいたいということは言いたいと思いますし、必ず言ってJRに注意させます。これは法律の問題じゃないものだから、人間の感性の問題かもしれないわけです。ですから大変言いにくいんですけれども、これは協力をお願いをしていく、絶えずお願いをしなければならない、あるいは絶えず指導しなければならない問題だというふうに思っております。
#154
○下村泰君 実際私が目撃したことで、JRの駅の駅員さんで物すごい汗水流して一生懸命障害者に対して御助力している方もおるんです。いるんですよ、そういう人も。全然いないわけじゃない。ところが、ここでいつも私いろいろお尋ねして、そしていろいろお答えをいただくんですけれども、皆さんのお答えになってくださる内容と、今も大臣がおっしゃったように、現場がそう動いていないということなんです。
 ですから、いわゆるお仕着せで現場が動いているだけなんですよ、本当に現場の人たちが、お客様が乗車賃を払ってその乗車賃で我々は生活しているんだ、お宝をいただいて動いているんだ、こういう観念がないんです。いまだに一番最初の鉄道が敷かれた明治時代と同じ感覚なんですよ。乗せてやろう、乗せてやるから乗れ、ここに乗っていれば安心だ、向こうへ着くから、いまだにこんな感じだ。乗ってくださいましてありがとうございます、こういう感じじゃないんです。ですから、もう少し精神的に現場で働く方々が温かいお気持ちをちょっと持っていただければなということをいつも思うんです。
 そこで伺いますけれども、JR総研や郵政省でも何か研究しているそうですけれども、無線式のICカード、この定期券についてひとつ御説明願いたいと思いますが、本格的に実用に向けて今後何かおやりになるというようなお話を聞きましたけれども。
#155
○政府委員(秦野裕君) ただいまのお話のICカードでございますが、いわゆる現在やっておりますがチャンと入れてガチャンと出てくるあのやり方は、一々そのためにポケットから定期入れを出して定期入れの中から定期を出して入れなきゃならぬということで、荷物を持った場合その他非常に今御不便をかけているということで、今考えておりますのは非接触と申しますか、要するに無線でそのカードを読み取ってそれによって通過ができる、つまりかざすだけでできるという仕掛けでございまして、極端なことを言えばポケットに入れたままでもできるというようなことも可能性としてはあるわけであります。そういう意味で非常に改札口での取り扱いが簡単になるというメリットを持っておるわけでございます。
 そこで、今お話しのとおり、鉄道総合技術研究所におきまして、その基本性能とかあるいは信頼性とかということについての基礎的な調査を進めてきておりまして、今年の二月にJR東の八駅で試験的に実験をいたしまして、いよいよ実用化に向けた検討が開始されたという段階でございます。
 現在のところは、周辺機器をまだもう少し開発しなければならない。あるいはICカードの本体、かなり今のままですとコストが高くなるものですから、そのコストをどうやって低くするかといったような実用化に向けてまだ解決しなければならない課題がございますので、それについてさらなる改良を進めていくという段取りになっておるところでございます。
#156
○下村泰君 何かもうアメリカの方では、高速道路やなんかで自動車が通過するたびに、人がいなくても、どんどこキャッチしていって銀行から引きおろすようなふうになっているんだそうです。そうなると、ますますハンディを持った方々には住みにくい世の中になるわけです。ですから、そういうところもひとつよく頭の中に入れて、これを実施される場合にはそういう方々が外されないようによろしくひとつお願いをしておきたいと思います。
 それから、今度は自動車の改造の許可についてちょっと伺いますけれども、規制は以前からどんどんなくさなければいかぬ、日本は規制が多過ぎると言われておりますが、何か運輸省というのはミスター規制と言われるんだそうで、そのくらい多いんだそうですな。私は余りよく知りませんけれども。余り悪いことは言いたくないと思うんだけれども、世間で言われている以上しょうがないでしょう。
 こういうものを一々取り上げたらもう切りがないんですけれども、障害を持った方が自分で運転できるように改造する場合の手続なんですが、これは現在どういうふうになっていますか。
#157
○政府委員(樋口忠夫君) お答え申し上げます。
 一般には、自動車は安全の確保と公害の防止を図る観点から、その技術上の基準であります保安基準に適合していなければ走らせてはいけないという規定になっておるわけでございまして、ただいま御指摘いただきました身体障害者用に限らず、自動車を改造した場合にも当然この保安基準に適合させる必要があるわけでございます。このため、一般に改造を行って新たに検査を受けようとする場合に、事前に書面でチェックをした方がお互いのためによろしいであろうと。
 なぜかと申しますと、改造を行ってしまっていきなり検査場に持ち込まれまして、チェックをした結果不適合になってしまいますと、もう一度手直しをしなければいけない、余計な負担がかかるというようなことから、書面で改造する部分について必要最小限の書類を提出していただきます。それをチェックをいたしまして、それでよいということになって、その書面どおりに改造してきたかどうかを今度は車を持ち込んでいただいて検査をする、こういう建前になっているわけでございます。
 この場合に、同一型式、同じ車で同一の身体障害者用の改造を行ったというような場合には、改造自動車審査結果通知書というのが最初に出したときに役所の方から出ますので、その写しを持っていっていただければ、あとは現場の検査場でチェックが簡便にできるという方式になってございます。
 ただいま御指摘いただきましたように、いろいろな手続の簡素化については、我々も大いに意を尽くして努力していきたいと思っておるところでございますが、ただいまの御指摘も踏まえまして、一層の努力をしていきたいというふうに考えております。
#158
○下村泰君 今のお話を聞いていると、そう難しくないように聞こえるんです。ところが、実際にはこれは大変なんです。
 こんなことを聞いているんです。その申請書が多過ぎて五十ページにも及ぶというのがあるそうですが、本当ですか。
#159
○政府委員(樋口忠夫君) ただいま五十ページというお話があったんですが、それほど膨大なものにはならないと思っております。実は身体障害者用の改造と申しますのは、一般にブレーキ装置あるいは操縦装置ということでハンドル系ですね、これを手の不自由な方、足の不自由な方に応じまして大改造を行わなければいけないという問題がございますので、比較的書面上の枚数というのは多くなるかもしれませんが、それほど過重な負担をかけるということにはなっていないはずでございますが。
#160
○下村泰君 しかし、実際にはあるらしいですぞ。五十枚、冗談じゃありませんよ。いろはにほへと書いたって疲れるんだからね。五十枚もあって細々書かされたら、それは書くだけでしんどいわ。
 そこへもってきてこの作成コスト、申請書の作成コストが五万円もかかるというのもある。何でそんなにかかるんですか。
#161
○政府委員(樋口忠夫君) まず、技術的に改造を行ったときに強度計算書というのを提出していただきまして、安全上間違いなく折れることがないかとか、いろんな角度から強度計算上のチェックをいたします。それはかなり専門分野にわたる話でございますので、技術屋さんにお願いをしてチェックをするというようなこともございます。
 ただいま申し上げましたように、一度同じ型式で同じ装置を以後使うという場合につきましては、同じものがそのまま使えるということでございまして、一回目は確かに膨大な資料、お金というのがかかるわけでございますけれども、同じ車種、同じ装置を装着する場合におきましては、以後はかなり楽になるというふうに考えておりますが。
#162
○下村泰君 身体障害の方々がそんなに車種は変えませんよ。フォードに乗った、ジャガーに乗った、クライスラーに乗った、そんなふうに変えるわけはないんです。ほとんど国産の車に乗っているわけですよ。
 それで、小金井にフジオートという会社があるんです。藤森さんという方が社長なんですけれども、この方は障害者の方たちのために自動車を改造するのを専門におやりになっていらっしゃる方です。足の悪い方、手の不自由な方、そういう方たちには、この人の手の力はどのぐらいあるか、足の力はどのくらいあるか、その力に応じてきちんと改造してくださる。
 この方も事実おっしゃっているんです。運輸省の何というか、手間の多さ、申請書の多さ。こんなことによって、せっかくユーザーの方々がこういうふうにしてください、ああいうふうにしてくださいと言っても、御本人が乗るまでには何カ月もかかるというふうに運輸省にお尋ねすると、いや、そんなことはございませんよ、手続は一週間そこそこで、一カ月もあればすぐできると、こうおっしゃる。現実と全然違うんです。だから、いつも私が言うように、皆さんがお答えになるのと現場とは全然違って、いつもここの指摘なんですが、これもう少し何とかならないんですか。それから、こういった申請書がもっと簡素化されないか、それからもう少しスピードアップできないか、こういうことを本当にお願いしたい。
#163
○政府委員(樋口忠夫君) おっしゃるとおりでございまして、ただいま先生の御指摘の件につきましては、たしか昨年の十月に新聞でも報道されたことがございます。その時点で、小金井は当方の地方組織で関東運輸局というところで管轄してございますので、関東運輸局管内、当時四カ月前までさかのぼりまして一応のチェックをさせてございます。
 その時点で見ますと、おおむね二週間以内に処理をされてございます。一つ二つが十五、六日ぐらいのがございますが、早いものでは一日、二日でというものも実はございます。何かトラブルがあったりなんかして、たまたまただいまの事業者の場合は一カ月とかいうような形でかかったのかもしれませんが、そういう状況でございます。ただし、先生の御指摘も踏まえまして、できる限り早く処理をするようにということは再度徹底したいと思っております。
#164
○下村泰君 実は私は航空隊におったものですから、隼戦闘隊というところにおったんですよ。その当時の年なんという飛行機はエンジンが二十六気筒で、ほとんど自動車と同じですから、飛行機のエンジンは。今のジェット機はわかりませんよ、あんな愛想のない飛行機はわかりません。ですから、エンジンの音を聞いているだけで調子がいいか悪いかわかります。日本は残念なことに空冷式のエンジンで、アメリカのは水冷ですけれども、ですから日本の飛行機の場合にはいわゆるオートバイと同じ、アメリカのは自動車と同じ、ですから爆音が違う、そんなことはどうでもようございますけれども、ですから、自分で自分の運転する自動車はほとんどわかるんですよ。
 ところが、今驚くことに、ボンネットという前のふたがありますが、ふたをあけると地べたが見えないんです、今の自動車は。これはおわかりでしょう。余りにも多過ぎる。電子系続から何からコンピューターでもってがちゃがちゃ余計なものがついて、自動車なんというのは自転革に屋根がついたと思えばいいんですから。要するに雨に降られなきゃいいんですよ、真っすぐ走れば。それが余計なものががちゃがちゃついて、とにかくボンネットをあけたら地べたが見えない。昔はよく見えたんですよ、ボンネットあけると。それで、ボンネットをあけて一番大きく見えたのがエアクリーナーといってエアを清浄してエンジンヘ送る、これが一番大きかった。それ以上大きいものはない。それに匹敵するものはエンジンしかない。ところが、今何も見えない。こんな車の時代になって、しかもその改造技術なんというのはどんどん進んでいるんですから、そんなややこしいものをくっつけるから余計なこと、だからミスター何とかなんて言われるようになるんですよ。よろしくひとつお願いします。
 それから今度は窒素酸化物です。これを減らすためのNOx法が昨年十二月実施されました。もちろんこれを減らすということは大変なことで、私も環境問題もあれですから、この法には賛成しましたが、賛成したのはよかったんですけれども困った問題が起きました。
 兵庫県川西市の野村博治さんという方がいらっしゃるんですけれども、規制対象になる4ナンバーの古い三菱パジェロに乗っている。脳内出血の後遺症で右半身の自由がきかず、週四日大阪市までリハビリと治療に通うのに四十万円で買ったんだそうです、これを。それで四輪駆動は丈夫だし、荷物室が広くて改造せずに車いすがそのまま入るわけですね。そうすると、ことし五月が車検で、その期限が切れる来年五月廃車になる羽目になる。年金収入で買いかえもおぼつかない。スパイクタイヤが障害者には特例措置で使えるのと同じように、配慮してもらえませんかねと。
 私も実は悩んでおるんです。この法律には賛成はしたんです。だけれども、こういうこともある。かといってこれを野放しにするわけにもいかないかといってこの方の心情も察せられる。さあどうすればいいか。どうですか、これ環境庁は法律を検討の際にこういうケースは考えていなかったんですか。環境庁、答えてください。
#165
○説明員(松本省藏君) お話しの自動車排出窒素酸化物の規制の問題でございますが、御承知のとおり今大都市では大変窒素酸化物汚染の改善が進まないということで、お話のありましたように、自動車NOx法というのが平成四年に制定されまして昨年の十二月から完全施行ということになりました。そして特定地域内、これは首都圏域と近畿圏域の六県にまたがる百九十六の市区町村がございますが、この中で使用される貨物革あるいはバスなどにつきまして特別の排出基準を定めまして、これが守れないと一定の適用猶予期間の後は使用できないようになる、かなり厳しい規制措置を講じることによって窒素酸化物汚染の改善を図ろうというふうにしたわけでございます。
 その際、今お話のありましたように、障害者の方々が使用している自動車に特定自動車排出基準というものを適用するかどうかという議論もあったわけでございますけれども、このような場合でも特定自動車排出基準に適合する軍に買いかえることが可能であるということで考えたわけでございまして、規定上特例措置というものは設けなかったわけでございます。
 ただ、障害者の方々あるいはそれ以外の方々でも経済的に非常に困難な状況にある、そういうことで基準適合車への買いかえなどが困難となる場合もあろうかと思います。そういう場合には、これは例えば厚生省所管の制度でございますが、生活福祉資金のうちの身体障害者自動車購入資金の貸付制度などなどの制度もございますし、そのような制度を御活用していただくなどいたしまして、障害者の方々にも大気汚染の改善に御理解と御協力をお願いするということになっているわけでございます。
#166
○下村泰君 もう時間ですから終わりにしますけれども、運輸省は事前にこの話を検討したときどういう救済方法があるとお考えになったのか。大臣にもお願いしたいんですが、もちろんこっちの法律も大切ですよ、ですから私は賛成はしましたが、こういう方々、今こちらのお話を聞いていればこういう方法もあると言うけれども、ほとんどこれです、お金が要るわけですよ。お金がないんです、こういう人は。
 それから、そのほかにもいわゆる小規模作業所とかいろいろ障害者の方々が集まっているようなところもあるわけで、そこで使っている車もそういうふうに触れてくるわけなんです。みんなそう簡単にはいかない人たちばかり。何か考えられませんでしょうか。これだけ伺って終わりにしたいと思います。
#167
○政府委員(樋口忠夫君) 先生のただいまの御指摘といいますか、お気持ちは我々もよくわかるわけでございますが、一方におきまして大気汚染といいますのは大都市を中心としまして非常に大きな問題になってきてございます。
 そういった中で、環境庁初め関係の役所でいろいろと検討を進めた結果、当方は、検査の際に適合しているかしていないか、それを確認をした上で走ってはいけない、走っでよいという判定をするという前提で検討を行った経緯があるわけでございます。もちろん、身体障害者の方々あるいは運送事業者でも零細の事業者の方、いろいろあるわけでございまして、そういった対応はいろいろ検討した結果、今のような制度ができたというふうに承知してございます。
#168
○国務大臣(二見伸明君) 何か知恵はないかと言われましても大変困るのでありますけれども、厚生省にこういう方法があるよというのもやっぱり金の問題でございまして、実際には身障者で金がないという人が、お金があればそれは買いかえればいいわけであります。買いかえるだけの所得のないという人、特に体が不自由な方で買いかえる資金がないという人についてはやっぱりこれは何か考えなければ、その人にとっては自分の足が使えなくなるわけですから大変な問題になりますので、ちょっとこれ考えさせてください。
 厚生省にそういう制度があるならば、こういう問題があると、お互いにこれは人ごとではなくて考えようじゃないかというふうに厚生大臣にも私の方から申し伝えておきたいと思います。
#169
○下村泰君 ありがとうございました。
#170
○委員長(和田教美君) 以上をもちまして、平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#172
○委員長(和田教美君) 次に、油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#173
○溝手顕正君 自民党の溝手でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、本油賠法のベースになっております条約の問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 これは既に現行あるわけでございますが、この条約の加盟状況がどんなものなんだろうか。特に、アメリカがこれに加入しているんだろうかどうだろうか、この点お願いします。
#174
○政府委員(尾松伸正君) 条約の加盟国の状況でございますが、現行の責任条約の締約国は、我が国、イギリス、フランスを初めといたしまして八十二カ国、現行の国際基金条約の締約国は、我が国を含めまして五十七カ国でございます。なお、この現行の責任条約、基金条約にはアメリカは加入をいたしておりません。
 それから、新しい一九九二年の改正条約につきましては、現時点におきましてはメキシコが締結したと聞いておりますが、イギリス、フランス、ドイツ等の主要国は今締結準備を急いでいる、我が国も審議をお願いしておる、こういう状況でございます。
#175
○溝手顕正君 条約ですから批准をされて国内法ができないと何にもならないわけですが、アメリカが不参加であったということが今までのこの条約の実施といいますか、これに何か不都合がございましたでしょうか。それとも、アメリカは要らないというように思っておられるのか、その辺を聞かせていただきたいと思います。
#176
○政府委員(尾松伸正君) 御指摘のとおり、アメリカはこの両条約に加盟しておりませんが、今日まで約十五年の間、現行の条約は油濁損害賠償のために有効に機能してきたと考えております。しかし、アメリカにも入っていただきたいとは思っております。
#177
○溝手顕正君 国際条約と言いながら、肝心の実質的にタンカーを最も多く支配をしていると思われるアメリカが入っていないという条約を放置することは問題があろうと思います。ぜひとも強く働きかけていただきたい。
 また、例のウルグアイ・ラウンドの交渉ですが、日本は大変な思いをして米の自由化をやったわけです。それがために大変な問題が起こったわけでございますが、ウルグアイ・ラウンドの交渉の中でも、米の話はあんなことを言って総理も説明しておりましたが、実際にはいわゆる米国の商船隊の補助の問題に関してアメリカはこれを頑として受けようとしない姿勢をずっと貫いております。そして、ウルグアイ・ラウンドの継続交渉のアイテムになっているというように伺っておりますが、こういった問題に対して日本国としてはどう対応するんだろうか、これについて見解をお伺いしたい。
#178
○政府委員(尾松伸正君) ガット・ウルグアイ・ラウンドにおきます海運サービス分野の交渉につきましては、御指摘のとおり、十分な自由化の合意が見られませんでした。このために交渉を継続しようということになりまして、本年五月から平成八年六月を期限として継続交渉をしてまとめようということで、現在継続交渉を開始したところでございます。
 我が国といたしましては、もうこれは従来から外航海運の自由化というものを主張してきておりまして、今後とも海運自由化に前向きに取り組んでいる国々とも連携を図りながら、この海運継続交渉には自由化推進ということで積極的に主張し取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
#179
○溝手顕正君 御承知のように、皆さん御記憶にあるかと思いますが、メジャーのエクソンが所有しておりますタンカー、エクソン・バルディーズというVLCCがアラスカ沖で座礁して大量の油を出しております。これは事実上アメリカの管理をしているタンカーですね。北洋漁業にも大変な影響が出るんじゃないかと心配をされております。
 この問題を含めまして、どうも米の方では大変な思いを日本がしたけれども、海運に関してはアメリカのエゴがまかり通っているという印象を受けてしょうがない。このまま放置しておけば、この前の総理がいろいろ答弁されたことが極めて一方的な答弁としか思えないという印象を国民に与える嫌いがあろうかと思います。
 そして、これは運輸大臣にぜひよく御存じいただきたいんですが、VLCCが座礁した原因は酔っぱらい運航だと言われている。これはかなり確度の高い、精度の高いものであります。こういう問題もございますので、追加をするようですが、先般申し上げました酔っぱらいの問題についてはぜひとも具体的な検討、成果が出るようにお願いをいたしておきます。
 また、この問題、三菱重工、造船業界の日本のトップメーカーですが、これが開発いたしましたいわゆるミッドデッキタンカーという画期的な油濁防止のための構造の設計を発明したわけですね。これが全くアメリカに受け入れられない、こういう報道がされております。これは事実なんでしょうか。なぜ受け入れられないんだろうか。日本としてはどういう対応をしようとしているのか、この辺について。
#180
○政府委員(小川健兒君) ミッドデッキ構造のタンカーにつきましては、タンカーの二重船体構造を定めました一九九三年の海洋汚染防止条約の改正の際に、我が国の提案として同等物として国際的には認められたところでございます。
 しかしながら、一方アメリカにおきましては、一九九〇年の八月に合衆国油濁法を成立させまして、条約の改正前にタンカーの二重構造を義務づけてございます。そういったことで、条約上は認められているわけですが、アメリカとしてはミッドデッキ構造を認めないということになっております。
 その理由でございますが、技術的な理由としては、ミッドデッキ構造のタンカーは大規模な座礁のときには油の流出防止効果が大きいわけですけれども、軽微な座礁の場合、二重船体構造では油が出ないのに対しまして、幾分かミッドデッキの場合は油の流出が生じるという点からアメリカは認めていないということでございます。
#181
○溝手顕正君 きょうは時間の制約がありますので余り細かくは申し上げませんが、大臣も運輸委員各位におかれましても、目新しい、余りよく御存じない話題だろうと思います。
 ウルグアイ・ラウンドにかかわりまして日本は大変な譲歩をしたわけですが、余りこういう表に出ない分野で大変なアメリカのエゴがまかり通っているという事実はぜひ皆さん御存じいただきたい、これは私の念願でございます。どうか実情を理解していただきまして、今後の外交交渉、大変なことと思いますが、我が方の主張が通りますようにぜひとも努力をしていただきたいと、このように考えております。
 それでは、次の問題に移りますが、これは造船業の問題を主に質問をさせていただきたいと思いますが、これもまた時間の都合できょうはさわりの部分で、余りえげつない質問はいたしませんので、よろしくお願いいたします。
 今、ミッドデッキタンカーの開発というのも日本の造船がやっぱり低コストの油濁防止という大変画期的な努力をした成果だと思っているんですが、このように大変努力をしております。技術では世界ナンバーワンと言われておりますが、なおかつ大変な不況にこれから直面しようといたしております。そういった中で、一番大きなインパクトを与えているのは円高だろうと思います。この円高の問題、運輸委員会で大きく議論をするテーマではないので、言及するにおいておきます。
 もう一つの問題は、お隣の韓国の設備増強の問題があろうかと思います。
 伝えられるところによりますと、大変な増強が計画され、現に実施されております。これに対してどういう外交的な努力をしていくか、国際協調はどうなんだろうか。それに対して日本の設備の考え方、現在の造船法のもとにある日本の潜在能力の規制の考え方を変える考えがあるのかないのか、さらに検討すべきかどうか、このあたりについて質問をいたしたいと思います。
#182
○政府委員(小川健兒君) まず、韓国の設備拡張の問題でございますが、韓国造船業界において現在、数基の大型新造ドックの建設を計画していることは承知しております。
 本件につきましては、国際的な造船需給バランスを崩し過当競争による船価の低下をもたらすおそれがあるということで、OECDの造船部会の場におきまして、我が国を初め米国、それから西欧諸国など主要造船国から非常に強い懸念が示されております。
 我が国といたしましても、韓国との政府間協議あるいは民間協議等いろいろな機会を通じまして、本設備拡張が適切でないということを訴えているところでございます。
 一方、資機材の標準化とか生産システムの高度化などによって我が国造船業自身の国際競争力を高めるという努力をしているところでございます。
 それから、もう一点の我が国の設備政策はどうかという御質問でございますが、造船の需給見通し、これは海運造船合理化審議会の答申に基づきます需給見通しでございますが、西暦二〇〇〇年までは代替需要を中心として徐々に需要は上がっていく、中長期的に見てでございますが、というふうに見ております。そのピーク時の二〇〇〇年前後でも現在の世界の建造能力で十分対応できるというふうに認識しておりますので、我が国としましては、造船法に基づいて現在の設備の総量はふやさない方向でやっていきたいというふうに考えております。
#183
○溝手顕正君 そのあたり、我が国はふえなくても韓国が幾らでもふえるわけですから、需給ギャップは幾らでも出てまいる。そうしますと、これは私自身も経験したことですが、中手以下の造船所というのは設備能力を抑えられたままその中で闘わなくてはいけないという、非常に大きなハンディを初めから持って闘わなくちゃいかぬという傾向があります。
 特に、これからVLCCが需要の大宗になろう、かなり大きな部分になろうかと言われているときに、やはり中型以下の造船所の足を縛ってしまうというのは極めて問題があると私自身考えております。かなり力をつけております。実際、十八万トン、十九万トンぐらいまではもうつくっておるわけですから、それを二十五万トンをつくらしても技術的には何ら問題はないだろうと、私はそう信じております。
 この問題、まだ相当議論を詰める必要があると思いますが、現在の設備政策をこのまま続けるということに対しては私は強く異論を持っておりますので、事あるごとにこの問題についてあらゆる角度からお願いなり要請をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたしたい。これ以上はきょうは申しません。
 次は、建造許可の問題に入りたいと思います。
 最近の業界紙等にも出ておりましたが、建造許可のおくれの問題、通常の国際契約、まあ国内契約もそれに準じておりますので、契約調印後六十日というのが最も多いだろうと思いますが、契約して六十日以内に許可をとると、こういう努力をしております。それに対して、ぎりぎりのところまでなかなか許可がおりないという実態がございます。この点についてどういうお考えでしょうか。
#184
○政府委員(小川健兒君) 臨時船舶建造調整法に基づく建造許可の申請から許可までの期限でございますが、ほとんどの船は契約上発行期限までには許可がおりているというふうに私は聞いております。
 ただ、問題になるごく一部の船でございますが、それについてはいろいろ慎重な審査が必要なので、ぎりぎりになることもたまにはあるというふうに聞いております。
#185
○溝手顕正君 最近の契約がどうなっているかということにもよるんですが、大体、船というのはいいときには契約金が二五%入ってまいります。百億の船ですと二十五億の契約金が入ってくるわけですが、これを一日延ばすと、四十万、五十万ということになります。一カ月延びますと、一千五百万ぐらい金利を損するということになるわけで、造船業者としては極めて深刻な問題でございます。
 なぜおくれるのかというところを見てみますと、どうもこれは海上技術安全局内部の問題ではないようであると。臨調法に基づく海上交通局のサイドの問題であろうというように推定がされるわけでございます。
 そして、この臨調法というのはもともと、造船所を保護するためにできたものでもございませんし、建造許可を技術的にチェックするということが本意である法律だとも思っておりません。これは日本海運を守るためにできた法律であると。基本は、海運会社を監督するためあるいは指導するための法律であろう。それがなぜ結果として造船所をそういういじめるような格好になっているのか。この臨調法は要らないんじゃないかと思ったりしているんですが、その点の見解はいかがでしょうか。
#186
○政府委員(尾松伸正君) 省内の手続のことでございますが、造船担当の部局から海上交通局の方に照会をいただきまして、海上交通局におきまして海運の観点からのチェックをいたさせていただいております。
 そういう意味で御説明をさせていただきますけれども、臨調法に基づく建造許可に当たりましては、運輸大臣告示も出ておりまして、それに基づきまして、この許可に係る船舶の建造が我が国の国際海運の健全な発展に支障を及ぼすおそれがあるか否か、これを船舶の質の確保あるいは需給調整、それから航路適合性などなどの観点から判断をいたしております。
 今日におきましては、経営状況も非常に厳しい状況に置かれております近海海運におきまして、その大宗貨物である南洋材輸入が減少いたしまして船腹過剰ぎみでございます。そういう意味で、特に近海海運に使用される船舶について需給調整という観点が必要だというふうに考えてこの法律を運用させていただいております。
 しかし、先生御指摘のとおり、事務処理に時間をかけて御迷惑をかけるというようなことがあってはならないというふうに思います。迅速な事務処理に努めているつもりではございますけれども、しかしなお一層処理の仕方を点検いたしまして、迅速な事務処理ができるようにしたい。例えば、標準事務処理期間をきちっと設定して処理をするとかということで事務処理の迅速化を図ってまいりたい、かように考えております。
#187
○溝手顕正君 前向きな答弁で大変喜んでおりますが、この問題でもう一つ改善点がありますのは、すぐれて海上交通局サイドのチェックであるのに、造船所から出す技術的な資料が大変多い。海上交通局は何をチェックしているのかというと、船の質をチェックしているわけですから、構造なんか基本的に必要ないわけです。そして、造船法によって造船そのものは別のチェックができているのにこんな資料、さっきの下村先生のおっしゃったとおりです。あれどころではないです。五百ページ、こんなに出さなくちゃいけない。
 これはぜひとも行政合理化のために改革すべきだろうと思いますし、造船法上でしっかりチェックできるわけですから、海上交通局の必要な書類だけにできるだけとどめるべきではないか。運輸大臣、この点ひとつよろしく御指導を願いたいんです。
#188
○政府委員(小川健兒君) 建造許可申請時に必要な添付図面につきましては、技術的な観点からの審査に必要な一件書類について提出いただいているところでございますけれども、審査実績のある船舶と同型のものにつきましては、設計図面とか製造仕様書の提出を省略するなど既に可能なところから逐次簡素化を図ってきております。しかしながら、申請者の負担を軽減するという観点から、今後とも審査に支障のない範囲で一層の簡素化、合理化に努めていきたいというふうに思っております。
#189
○溝手顕正君 私も自分で経験しておるんですが、早く許可をおろしていただきたいと。月末の手形が落ちるとか落ちないとか大変な思いをしながら、海運支局から大きな書類を持って中央に駆け込んだり、業者みずからがやった経験があります。そういった意味で、役所には何ら痛痒がないことかもしれませんが、業者というのは極めて大きな関心を持っておりますので、そのあたりぜひとも御配慮願いたい。
 さらにつけ加えますと、韓国で幾らでも船ができる時代になった、外国船籍が幾らでも自由にやれるようになった、こういう時代に臨調法自体も根本的に見直す時期に来たのではないか。
 先ほどおっしやいましたが、便宜的に近海船に関してこの法律を適用しているんだというように私は理解したんですが、実際はそもそもの臨調法の制定の意味とはかなりかけ離れた運用になってまいったというように私は理解しております。反論はきょうは言いませんが、そういった意味で、今後にわたりましてぜひともこの臨調法の考え方も真っ当にとらえて議論すべきであるというように考えております。
 この点について、海上交通局長に将来検討の余地があるのかないのかひとつお考えをお聞きします。
#190
○政府委員(尾松伸正君) 繰り返しになりますが、現時点におきましては、海運政策の観点からも本法はぜひ必要であるというふうに考えております。しかし、先生御指摘のとおり、本法の附則二項での規定がございます。したがいまして、この法律の附則二項の規定の趣旨に照らしてやはりいつも勉強しておかなければいけない課題である、こういうふうに思っております。
#191
○溝手顕正君 附則の二項はちょうど昭和四十九年当時にできたものだと記憶しておりますが、あのときと今とは、二十年たっておりますし、世の中はさま変わりをいたしております。必ずこの問題について業界からも議論が出てまいるであろうし、また先ほど言いました造船法の問題も出てまいると思います。
 私は、自分自身の生い立ちがそういうことですので、海運、造船の問題について、業界の発展のために政治生命ある限りこの問題を取り上げて今後もやってまいりたいと思います。決して意地悪するつもりはございません。発展のために頑張ってまいろうと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 最後に、船舶振興会の問題でございます。
 これはくどくどとは申しません。私が一番感じておりますことは、確かに新聞等の報道で報じられておりますように、いろいろ問題点があるようでございます。特にその中で二つだけ指摘をしておきたい。
 一つは、賭博の主催者と補助金の配分権限を持つ人間が同一人物であるということは極めて問題である。従来そういう運営をやってきた。モーターボート競技の主催者と、そこから出てきた上納金を補助金で配る方とが同一人物であると。今回もそういう動きがあるようでございます。これは極めて大きな問題であるということを一つ申し上げたい。
 もう一つは、補助金が事実上ゴールドプラン推進上も地方の自治体にとっても施設にとっても極めて重要な資金なんです。これは実態として地方ではあたかも政府の補助金のごとくありがたがっており、これを渇望いたしております。その審査の決定の経過と基準というのが極めて不明朗である。一説によると、電話をかけた回数、電話をしてきたかどうかというようなことが判断になるとされております。これは報道ですが、そういったことでは困るということです。事実であれば大変なことです。補助金の決定システムの明朗化、透明化はぜひとも実現すべきである。
 この二点について、これから十分に念頭に入れて検討していただくように大臣にお願いをしておきますし、大臣ひとつ決意をよろしくお願いいたします。
#192
○国務大臣(二見伸明君) 私は、船舶振興会が具体的に行っている活動というのは大変意義のある活動をしているというふうに思っております。一方、先生おっしゃいますように、いろいろなことが指摘されていることも事実であります。
 運輸省といたしましては、船舶振興会の組織体制あるいは運営のあり方について今事情聴取をしているところでございます。それの結果を待ちまして改善すべきところは改善しなきゃならぬと思いますし、特に補助金の透明性の問題はきちんと確保しなければならないというふうに考えております。
 先生の御懸念の点も念頭に入れながら、振興会に対する厳しい監督はしてまいりたいというふうに思っております。
#193
○溝手顕正君 大変前向きな答弁をありがとうございました。
 最後になりますが一つだけ、運輸行政全般に関して私の方でお願い、要望がございます。
 それは、皆さん方許認可を持っている関係上、極めて業者、業界とのつき合いが強い業種が多いわけです。それがゆえに、業界との対応に追われて、実際にやっておる極めて重要な仕事を世間に対してPRをする、宣伝をする、理解をいただくということに対して極めておろそかであるというような印象を持っております。それが港湾事業のCランクという結果になったんだろうと私は思っております。運輸行政の重要性を認識すればするほど、対外的に運輸行政の持っておる重要性というのをもっともっとPRしていくと。
 世間の同情がない省はつぶれてしまいます。ぜひとも世間から期待をされる、信頼をされる省庁になっていただくべく、ひとつPR、広報活動もよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#194
○喜岡淳君 社会党の喜岡です。よろしくお願いいたします。
 運輸大臣にお尋ねしたいと思いますが、大臣は環境問題について非常に積極的だというふうに受けとめております。先般もトランスポートという雑誌の中で、大臣が環境問題については運輸の分野で一生懸命頑張っていきたいということを述べておられました。私ども社会党といたしましても、この地球環境の問題等々につきましては、これは非常に日本として国際貢献策の中心に据えるべき重要な分野だと考えております。そういう意味では、この油濁法の改正案が一日も早く成立をいたしまして、我が国が非軍事における国際分野での国際貢献を積極的に果たすべきだと思っておりますので、ぜひこの法案を早く成立をさせて実効を果たすように頑張っていただきたいというふうに思っております。
 国際貢献の問題につきまして、環境対策がますます重要になってきておるわけでございますが、大臣はその問題についてどのような積極的な取り組みを考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#195
○国務大臣(二見伸明君) 我が国の国際貢献のあり方についてはさまざまな角度から論じられると思いますけれども、その中で地球環境を保全するということは最も大きな柱だというふうに考えております。運輸省の分野でいきますと、ただいま御審議いただいております油賠法というのはまさに大きな柱だと思います。
 先ほど局長からも答弁がありましたけれども、まずメキシコがどうやら締結したそうでありますが、日本が締結をするということはかなり弾みがつくのではないか。イギリスもフランスもドイツも検討しているようですけれども、日本が締結するということが大きな弾みになるだろうと思います。
 と同時に、今まで入っていなかったアメリカにも、あるいはその他の国々にも日本は積極的に働きかけていく必要があるというふうに考えておりますし、それもある面での大きな国際貢献だというふうに考えております。
#196
○喜岡淳君 そこで、具体的なことをお尋ねいたしますが、この法律が成立を見たならば直ちに関係の議定書が締結されていくということになると思います。
 それで、非常に重要な関係議定書の一つが責任条約を改正する九十二年の議定書、それからもう一つが国際基金条約を改正する九十二年の議定書、この二つが締結をされて効果を発揮しなければ、私どもが考えております油の大規模な地球汚染から環境を守っていく、そのお金が出ていかないわけであります。
 そこで、この改正法案を一生懸命上げたものの、議定書がもしうまく効果を発揮しなければ、もうこれはいわゆる空手形になっていくわけですから、空手形になったのでは困ってしまいますので、そのあたりのところ、間違いなく議定書が早期に締結をされていく、そこのあたりのはっきりした見通しを教えていただきたいと思います。
#197
○政府委員(尾松伸正君) この新しい千九百九十二年の二つの議定書でございますが、今現在、この締約国は大臣からもお話ございましたメキシコ一カ国という状況でございます。
 しかし、我が国がこうして審議をお願いしておりますし、またイギリス、フランス、ドイツ等の主要国も締結準備を急いでいるというふうに聞いております。したがいまして、こういう主要国が締結準備を急いでいるということで他の国にも機運が生じますし、そういうことも考えますならば、これは見通しでありますが、早ければ一九九四年中に議定書の発効要件が満たされ、それから一年後である一九九五年中に発効する可能性ができてきたのではないか、こういうふうに思っております。
 しかし、なお大事なことは、他の諸国に対しましても早期にこの新しい条約を締結するようにいろいろな場を通じて働きかけることが大切ではないか、こういうふうに考えております。
#198
○喜岡淳君 早ければ九五年にも機能するような見通しが述べられました。我々としても一日も早く効果を発揮するように、しっかり運輸大臣には我が国の積極的な国際貢献策としてやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 関係議定書が効力を発生したとして、それからのことを少しお尋ねしたいと思います。
 発効いたしますと、船舶所有者の責任限度額は九十三億円、国際基金からの補償限度額が予定では三百十億円まで支払われるということであります。こうなってきますと、タンカー事故の油濁補償は十分実際にやり切れるのかどうか、これで万全の金額が措置できるというふうにお考えでしょうか、どうでしょうか。
#199
○政府委員(尾松伸正君) この条約は、現行条約ができましてからもう二十年もたつ、その中で諸物価の高騰もございましたし、またタンカーの大きな事故も発生するという事例が見られた。そういう事実に基づきまして、国際会議の場で大幅な責任限度額と基金からの補償限度額を引き上げようということで国際的に合意されたわけでございまして、現行の限度額から新しい限度額に引き上げますれば大変な効果がある、こういうふうに考えます。
 現実に事故が起きたときにどのような損害額が発生するかは、これはケース・バイ・ケースであらかじめ申し上げるわけにはまいりませんが、今申しましたように、この二十年の経緯を踏まえて大幅に引き上げたものでございますから、大変効果がある、こういうふうに思っております。
 そしてまた、先生の御質問に関連しまして、大きなタンカー事故が起こらないようにする努力というものもまた国際的に進んでおります。例えばダブルハルタンカーというものを推進する、こういうことでタンカーの事故を防止するという努力も続けられておりますので、そういうことも我が国としても精いっぱい努力してまいりたい、こういうふうに思っております。
#200
○喜岡淳君 この動きの直接きっかけになったのは、言うまでもなく一九七八年のアモコ・カジス号の事故だったというふうに思います。このアモコ・カジス号の事故による汚染の被害総額は幾らほどだったんでしょうか。
#201
○政府委員(尾松伸正君) 今詳細な資料を持ち合わせておりませんが、相当莫大な損害額が発生したのではないかと言われております。しかし、まだ係争中でございまして損害額が確定しておりませんので、確かなことは今申し上げられない状況のようでもございます。確かな詳しい資料を今持ち合わせておりません。
#202
○喜岡淳君 これは二千百四十五億円の被害総額が発生をした大事故でございまして、タンカーの事故による油汚染事故としては極めて大きな事故であったわけです。したがって、こんな莫大な被害が出たのでは対応できないということでこの動きが加速をされてきたわけです。
 しかし、それでも、この議定書が発効したって限度額が三百十億円なんです。もちろん、このような大事故は歴史に何回起きるかわかりませんが、いわばこのような保険的なものはいざというときのためにつくるのが目的だろうと思うんです。ですから、せっかく環境汚染から地球を守ろうという非常によいアイデアでありますが、これがいざというときの大事故に対応できるように、やはり我が国としても発言すべきところは残っておるのではないだろうかというふうに思います。立法の趣旨を生かすためには、果たして三百十億円でいいんだろうかというような気が私はいたしております。別に我々は、反対法案じゃなくて賛成法案で非常に心配しておるんです、もっとやっていただきたいから。
 こういう事故が起きないように予防ということが大事ですので、船のタンカーの底を、おなかを二重底にして油の流出がないようにと、それもわかりますけれども、世界じゅうのタンカーが二重底になってしまうまでにはまだ何十年もかかるわけです。その間に大きな事故がないことを祈るわけですけれども、ひとつ立法の趣旨を生かすように我が国としてもこのお金の問題についてはまだまだ発言する余地があってもいいんではないかというふうに思います。
 さて、地球環境問題に関連してお尋ねをいたしますが、タンカー事故の対策につきましては、この油濁損害の条約以外にも大規模油排出事故に関する国際協力、いわゆるOPRC条約というものが採択をされております。私はこの条約に我が国も率先して参加すべきではないかと思うんですが、どうして我が国がこれに入らないんでしょうか。
#203
○政府委員(豊田実君) この条約も、お話しのように、海洋環境保護の観点から重要な条約でございます。私ども運輸省としましても、外務省等と調整しましてその早期取り組みを今努力しておる段階でございます。
#204
○喜岡淳君 それはもちろん、入るということで議論されておるんでしょうか。
#205
○政府委員(豊田実君) そのとおりでございます。
#206
○喜岡淳君 いつごろぐらいまでに入ろうということで議論をされておるんですか。
#207
○政府委員(豊田実君) まだ完全な詰めは終わっておらないんですが、私ども運輸省の立場としては、一年ぐらいのうちには関係の体制を整えることを目的に今やっております。
#208
○喜岡淳君 日本は大量の油を輸入いたしておりますし、日本の油というのはもう全部輸入に頼っておるわけですから、日本が大量消費国である以上は、やはり油の被害についても抑えていくということで、ぜひこのOPRC条約についても早期に入っていただきたいというふうに思います。
 ところで、OSPAR計画に対して船舶振興会の方から資金協力がありますか。
#209
○政府委員(小川健兒君) OSPAR計画につきましては、船舶振興会の主要な事業目的でございます海難防止という観点から、この事業を船舶振興会の助成対象とすることが適当であるという判断で、船舶振興会が平成四年度に四億円、それから平成五年度に四億三千万円、計八億三千万円を助成してASEAN六カ国の流出油防除資機材の整備に活用したということでございます。
#210
○喜岡淳君 OSPAR計画には八億三千万円船舶振興会から資金協力が行われておるということですね。
 ところで、その船舶振興会の問題なんですが、連日、テレビや新聞で報道が行われております。私はこういう報道が行われるたびにいつも思いますが、何人かの人が新聞に出れば運輸省は全部そうなのかと、やっぱり世間はそういうイメージを持ってしまいます。我々の世界でもそうですが、金丸さんが七十数億円もの遺産相続をした。政治家というのはみんなあんなにもうかっているのか、あんた下手くそやねと近所の人は言いますけれども、一人そういう人が出ればやっぱりみんなそういうふうに見られてしまいます。
 そういう意味で、私は運輸省の人全員がゴルフ接待を受けたとかそんなことはないと思うんですが、しかし新聞報道を見ておりますと、非常に重要な当時の役職者が名前を連ねておる。あの新聞報道にあったような、いわゆるゴルフ接待とか商品券をもらったとか、そういうのは実際にやっぱりあったんですか。
#211
○政府委員(黒野匡彦君) 先生おっしゃいましたように、全員というわけじゃございませんが、なかったというわけではございません。
#212
○喜岡淳君 なかったというわけではないというよりも、あったということだろうと思うんです、日本語としては、あったということだろうと思います。
 これも新聞報道がありますので、確認をしておきたいんです。うそならうそ、本当なら本当、本当でなかったとは言えないとかいうんじゃなくて、うそだったか本当だったのかというのをはっきりお聞きしたいんです。
 「なぜ接待を受けたのか」、当時のある方は「みんなが行くというので……。」、「他の局長も出るので」というのはある局長、ある部長さんは「ピンチヒッターかと思った。」、ある課長さんは「上からの指示で行った」と言っておりますが、こういう新聞報道は事実でしょうか。
#213
○政府委員(黒野匡彦君) 今御指摘の件は、おととしのゴルフコンペの件だと思いますが、報道にございますように、そのようなコンペがあったことは、はっきり申し上げまして事実でございます。
 ただ、そこに出ましたそれぞれの個人がどういう理由で出たかということは、必ずしも報道に書いてあるとおりかどうか。現在調べておりますが、少なくともその中で、上からの指示だというのは、これはないと思いますし、それぞれ個人の方々が個人の判断として出られたということではないかと、今の段階においては推測いたしております。
#214
○喜岡淳君 やはりそういうことを聞いておりますと、船舶振興会と監督すべき運輸省の間に明確な緊張感はなかったと思わざるを得ません。
 報道のとおりかどうかについては今調査中だということでございますが、調査結果はいつごろ国会に報告されますか。
#215
○政府委員(黒野匡彦君) 六月の初めから調査に着手いたしまして、現在担当のところで鋭意まとめております。いましばらくお時間をちょうだいいたしたいと思いますし、調査結果がまとまりましたら、これは広報関係、マスコミ関係にも正直にお話し申し上げるつもりでございますし、それから、国会で御質問いただければ、これは当然でございますが、率直にお答えいたしたい、かように思っております。
#216
○喜岡淳君 やはりこういうものは国会の方へ、調査結果ということで私は出していただきたい。皆さん方のお気持ちはわかりますよ。お気持ちはわかりますが、やはり運輸省の方から出していただきたい。
 大臣、一カ月ぐらいで調査のそれなりの状況はわかると思いますので、七月ぐらいには何らか出るんでしょうか。
#217
○国務大臣(二見伸明君) 六月の初めから調べておりますので、七月の上旬ぐらいには大要はわかるのではないかなと思っております。
#218
○喜岡淳君 出してくれるんですか。
#219
○国務大臣(二見伸明君) 当然、これはいろんな形で公表しなければならないというふうに思っております。
#220
○喜岡淳君 わかりました。
 それで、先ほどの御質問にもあったんですが、この団体の性格ですね、この船舶振興会が特殊法人なのかいわゆる財団法人なのか、聞けば聞くほどはっきりしなくなってしまうんです。
 これは総務庁の行政管理局が監修した「特殊法人総覧」、これを見ますと、日本船舶振興会というのが二百八十九ページに入っておるわけなんです。しかし、根拠法がないわけです、モーターボート競走法しかないわけです。ですから、やっぱり特殊法人じゃないと思います、これ、それなりの法律がはっきりしておりません。これはやはりこの団体は財団法人だろうというふうに私は思うんですが、この団体の性格をちょっと教えてください。
#221
○政府委員(小川健兒君) 船舶振興会は民法三十四条に基づいて設立された財団法人でございますが、一方、モーターボート競走法に基づきまして、運輸大臣が役員の選任、事業計画、収支予算等について、他の特殊法人である振興団体と同様な監督を行っておりまして、いわば特殊法人たる公益法人というような性格のものでございます。
#222
○喜岡淳君 やっぱりこれは、特殊法人たる公益法人とかというんじゃなくて、この団体は何ですかと聞いたわけですから、どっちかと言っていただかなければわからないわけです。
 私は、この船舶振興会を見ておりますと、これは財団法人ですね。六百六十億円もの交付金、補助金は四百四十億円、二百七十三団体に補助を出しておる。
 補助金を出すというけれども、このお金はそもそも、先ほども御指摘のあったように地方自治体が上げてきたお金の一部なんです。地方自治体のお金なんです。地方自治体のお金を民間団体が補助金と言ってみんなに配って歩くというのは、だれが考えたってこれはおかしいんです。
 ですから、私は、もうこの際、ぜひ運輸大臣を先頭にして船舶振興会法的なものをつくって、はっきりとした特殊法人にしていただく。お金についても、事業の内容においても、そして大事においても、さらに会計検査院もしっかり検査ができるような対象団体としてすっきりしていただく方がいいんじゃないかと思いますが、その点のお答えだけ聞いて、質問を終わりたいと思います。
#223
○国務大臣(二見伸明君) 日本船舶振興会は、その設立の経緯からいきまして、財団法人的な性格を持っていることは否めない。もともと財団法人としてスタートしたんです。ところが大変公益性の高い事業をやるものですから、モーターボート競走法を根拠法として特殊法人というふうにしたわけですから、特殊法人たる財団法人という、そういう性格だと私も思います。問題はそれを、自転車振興会もこれは特殊法人だし、それと同じように運輸相が任免権を持つ特殊法人にすべきだという意見があることは私も承知をいたしております。
 ただ、今までの経緯がありますので、いきなりそれへ行っていいかどうか、これはやっぱりちょっと検討しなきゃならぬだろうと思います。むしろ私は、今の段階では、先ほども申し上げましたけれども、組織体制や運営のあり方等々をチェックしていきたい、また役員の選出のやり方、これも見直す必要もあるんじゃないかというふうに考えております。まず、法改正の前に、船舶振興会をもっと国民に誤解されないものに見直しをしていくのが順序じゃないかなというふうに思っております。
 それでどうしてもだめだということになれば、最終的には法改正ですけれども、まだ法改正の段階ではないんではないかというふうに考えております。
#224
○喜岡淳君 ありがとうございました。
#225
○泉信也君 今回の油濁の法律というのは、大変大切なものだという思いを持っております。したがいまして、一日も早く成立を図りたい、このような考え方でございますが、先ほどもお尋ねがございました責任限度額あるいは補償限度額の引き上げがなされておるわけです。それでもって十分かというお尋ねがございました。私はそのことは重ねてお尋ねするつもりはございません。
 この九二年の責任条約及び基金条約において、賠償、補償の対象となる油濁の損害としてはどんなものが考えられておったのか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#226
○政府委員(尾松伸正君) 新しい一九九二年の責任条約それから九二年国際基金条約におきまして、賠償あるいは補償の対象となる油濁損害というのはどういうものかということでございますが、改正法におきましては、船舶から流出し、または排出された油による汚染により生ずる損害及びこのような損害の原因となる事実が生じた後にその損害を防止し、または軽減するためにとられる相当の措置に要する費用及びその措置により生ずる損害というふうに表現をされております。
 この事例というものを考えてみますと、例えばタンカーの衝突事故によりタンカーから流れた油によりまして、養殖魚が被害を受けたり汚染を受けたりした場合、あるいはノリ網が汚染するとかいうようないわゆる漁業被害、それから付近の船舶が油によって被害を受けるような場合、あるいは海水浴場とかあるいは漁港が閉鎖せざるを得ないというような場合もあるかもしれない、それに伴う被害。そういういわゆる油の汚染による直接的な損害、これが第一に考えられるわけであります。
 加えまして、油の広がりを防ぐためのオイルフェンスの展張とか中和剤の散布とかに要する費用、あるいは海岸に流れ着きました油の除去に要する費用、あるいは回収された油の処理に要する費用、こういった防止措置に要した費用が次に考えられます。
 そしてまたさらに、例えばこの中和剤の使用によって二次的な被害が生ずる場合もあると思いますが、そういう二次的な被害も先ほど申しました改正法の条文には含まれる、こういうふうに考えます。
 そしてまた、地理的範囲としては、現行法は領海の中の損害ということになっておりますが、改正法では二百海里水域内における先ほど申しましたような被害が賠償あるいは補償の対象となるということになります。そういったことが考えられる、こういうふうに思っております。
#227
○泉信也君 おおよその想定される被害についての補償というか賠償ができるようになっておるということは大変いいことだと思っております。
 そこで、国際基金に対します我が国の拠出割合、これはどんな状況になるのか。油の受取量からいきますと約三分の一から四分の一、二五%ぐらいを日本が扱っておるようですが、いかがでしょうか。
#228
○政府委員(尾松伸正君) 新条約で新しい基金がつくられた場合にどうなるかは今ちょっと申し上げられませんが、現行の基金条約におきまして我が国の拠出金の全体に占める割合は、最近の年度の実績では約二七%というふうになっております。
#229
○泉信也君 終わります。
#230
○高崎裕子君 タンカー等による油濁汚染を防止するということは大変重要な課題だと思います。万が一、事故が起きたときの損害補償の範囲を拡大する、あるいは責任の限度額を引き上げるという点でも、今回の法改正というのは賛成できるということなんです。
 具体的問題でお尋ねいたしますけれども、最近、北海道の周辺海域でロシア船が座礁などを起こしてそのまま放置されているという事故が次々と起こっております。これは航行とか油汚染上、放置できない重大な問題となっているわけですが、特に留萌港に海上保安庁が曳航してきたロシア船、留萌市ではどう対応していいのか大変困っておられます。同じような問題が根室市とか稚内市でも起こっているということで、これはロシアと連絡をとり、速やかに対応していただかないと困るんですけれども、特に処分をする場合の問題として、各自治体だけにこれを負わせるということではなくて、海上保安庁、国が十分検討をして対応していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#231
○政府委員(井山嗣夫君) 先生今御指摘のとおり、北海道周辺でロシアの漁船あるいは貨物船が座礁する、あるいは漂流しているものを航行障害になりますので陸の方へ持ってきた。それがそのまま、相手のロシア人といいましょうか、ロシアの会社が非常に財政難とかあるいは四の五の言ってなかなか協力しないという例が実はあるということで、非常に悩ましく思っております。
 それで留萌の場合でございますが、これは私どもが航路障害になるということで留萌の港に入れまして、留萌市に一応水難救護法に基づきまして引き渡したわけでございます。留萌市の方それから私どもの方も、札幌のロシア総領事館を通じまして、所有者の意向、それからいつ撤去するかということをかなり厳しくやっておりますが、残念ながら、ロシア総領事館あるいは私どものルートでは、ウラジオストクに救助する場合の調整本部、RCCと言っておりますが、これを通じてやっておりますが、はかばかしい答えがいまだに来ておりません。それでまた、留萌市からも何回も催促をしておりますし、この点については私どもも第一管区本部の方からまた総領事館にかなり強い調子で指導を求めたいと思います。
 それから、根室の方でございますが、もう一昨年の十二月の末でございますが、これは船長がたまたま座礁した漁船に乗っておりまして、実は今金がない、ただ自分はカニとかウニの交易で何とか利益を上げて必ず撤去するからということで、これは確約書をとっております。ただ、もう一年以上もたっておりますので、これも総領事館を通しまして相当厳しく言っております。
 それから、もう一つの稚内の方でございますが、これは昨年の十二月でございますけれども、やはり乗り上げてしまいました。これにつきましては、船主もわかっておりますので、船主の方から手配のタグが来まして油を抜く、それから離礁作業もやったのでございますが、実はうまくいきません。ことしの五月ぐらいまでに必ずやりますからという話なんですが、ちょっと音さたがないので今もう一度確認をして早くやってくれるように言っております。
 いずれにしましても、地元の自治体だけにすべてお任せするということではなくて、私どもも側面から、かなり技術的にも含めまして協力をし、あるいは在外公館、あるいは総領事館ルートでせっついていこうと思っております。
#232
○高崎裕子君 一年も放置されたとか、大変御苦労もあると思いますけれども、ぜひよろしくお願いをいたします。
 それから次に、労働省にお尋ねいたしますけれども、きょうは先ほど来スチュワーデスの皆さんたくさん来られて傍聴されているんですが、これは運輸大臣にもここの問題ちょっと聞いておいていただきたいんです。
 日本航空の場合なんですが、昇給昇格で男女が差別的に扱われているという問題があるんです。女性の客室乗務員は、スチュワーデスを三年間経験をしなければアシスタントパーサーには昇格できない。ところが男性は、地上職員が乗務したら、三年間勤務をしなくてもアシスタントパーサーになれるという、女性と違う、三年間必要ないという昇格差別があるわけなんです。これによって男性は、入社して六年で早くもパーサーに昇格する。それで入社十年でチーフパーサーになる。そして十四年ではもうシニアチーフパーサーに昇格するということで、五十二歳でS−90号俸になるということで、とんとん拍子に昇格していくわけです。
 ところが女性の場合、Aさんですけれども、客室乗務員の専門職、この男性と同期の入社なんです。ところが、男性が入社六年でパーサーになるのに、三十六歳になってやっとパーサーになると。男性におくれること七年になるんです。それが賃金に当然はね返ってきまして、三十六歳のときで比較しますと、男性はもう既にチーフパーサーになっているので月額にして基本給が三十万円になっているんです。ところが女性は、まだその時点でパーサーですから月額二十万ということで、月額の基本給で十万の開きが起こっている。
 この基本賃金の差というのは、当然ボーナスとか退職金にも大きな差になってくるわけで、年金も含めて見ますと、生涯賃金にはね返って大きな差別が生み出されていると。この昇格の差別がその賃金の差別となり、また昇格の差別を生むということになっているんです。
 ですから、少なくともプロパーの客室乗務員の昇給昇格というのは、同じ職場で働く男性職員と同等とすべきというふうに思いますし、そうでなければ労基法の四条、それから雇用機会均等法の八条違反という問題にもなってきます。
 これは会社が三、四年前に是正しますということをもう既に約束しているんです。ところが、これが実行されないという経緯もあるわけで、これを踏まえて直ちに調査をし、指導、勧告など適切な措置を速やかにとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#233
○説明員(松崎朗君) まず一般論でございますけれども、労働基準法四条でございますが、これは先生御承知のように、「使用者は、労働者が女子であることを理由として、賃金について、男子と差別的取扱をしてはならない。」というふうな規定がございます。
 ここでポイントになりますのは、「女子であることを理由として」という点でございますけれども、これは従来から、労働者が女子であることのみを理由としてという場合と、それから社会通念なり事業場におきまして女子労働者が一般的なり平均的に、例えば能率が悪いとか、勤続年数が短いとか、それからさらには主たる生計維持者ではないといったようなことを理由として賃金について差別してはいかぬと言っておるわけでございます。
 したがいまして、職務の内容でございますとか、責任、それから能率、技能、年齢、勤続年数、そういったことによりまして賃金の差が個人別に出てくるというのは、この基準法四条の違反にはならないということで運用しております。
#234
○説明員(岩田喜美枝君) 男女雇用機会均等法との関係でございますが、この法律では女子であるということだけを理由といたしまして昇進昇格に差を設けるということがあればこの法律に触れるわけでございまして、そういう事態があれば個別のケースを私どもの地方機関であります婦人少年室というところで指導をいたしているところでございます。
 ただ、JALのことについては、私が漏れ聞いておりますところによりますと、同一職種、同一採用区分の男女の差というふうには聞いておりませんで、男子の場合には採用が総合職で、ある時期地上勤務、それからまた別の時期に客室乗務員になるという形で昇進をするということが前提で採用された区分でありまして、女子の客室乗務員の場合にはそれとは違う一般職の採用区分であるというふうに聞いたことがございます。
 もし事実と違っておりましたらまた訂正したいというふうに思いますが、そういうふうに聞いたことがございますので、これをもって直ちに女子であるということを理由とした差別的取り扱いというふうには考えがたいというふうに思います。
 いずれにしろ、女性であるということで昇進昇格が不利益に取り扱われているというふうに思われるということでございましたら、ぜひ私どもの地方機関であります婦人少年室の方に御相談いただきましたら、そこで調査をいたしまして、均等法に照らして指導の必要があるときには指導をしていくということになろうかと思います。
#235
○高崎裕子君 私は今、具体的な事実を示しまして、これが違反するということで、会社もそれを受けて是正をするというところまで来て、それが実行されていないという問題ですので、この事実をぜひ調査をして指導していただきたいと思いますので、そこはいかがですか。
#236
○説明員(岩田喜美枝君) また同様のお答えで恐縮でございますが、婦人少年室の方に御相談いただきましたら、婦人少年室の方で調査をしたいというふうに思います。
#237
○高崎裕子君 大臣、これは私今事実を示しましたので、監督官庁ですからぜひこの点はよろしくお願いいたします。
#238
○国務大臣(二見伸明君) 労働行政にくちばしを挟んではどうかなと思いますけれども、今労働省から、そういう事実があるならば相談に来てもらいたい、それで調べますということですので、今の問題についてはぜひそちらの窓口の方に行ってもらいたいと思います。
 ただ私は、女性だからというだけの理由でもって差別をすることはこれは決していいことではないと思っておりますし、男女雇用機会均等法の精神からいってもそれはよくないというふうに思っておりますが、個別の問題は労働省からお答えになったとおりにやっていただきたいと思います。
 その内容に、女性であるからというだけの理由でもって差別することは絶対ないようにエアラインの方には私の方からも厳重に伝えます。
#239
○高崎裕子君 ぜひ強力によろしくお願いいたします。
 次に、過積載の件でお尋ねいたしますが、六日の委員会で、高速道路料金の問題で大変深刻だと取り上げましたが、過積載の取り締まり強化に伴う対策についてお尋ねいたします。
 これも北海道トラック協会とか運送会社の皆さんから強い要望です。過積載というのは安全問題も含めて防止していくということは当然なんですが、大変実態としては厳しい状況がある。四トン車の場合、架装減トン問題、それから板張りや荷物を分ける角材を積む、それからユニックを積んだら正味三トンを切る。今までと同様の過穫量を求められているわけで、定量積載で今までは一台でいいのが二台になったり、二台が三台というような大変な深刻な問題があり、それをどう解決を図っていくのかということがあるので、その点をお伺いしたい。
 特に北海道では農林業、漁業に関する輸送がありまして、収穫期を迎える秋には大変な状況でパニックになるということも言われております。木材は水を吸うと重量がふえる。港も生鮮品で送ると氷詰めになってこれも重くなるわけです。具体的な対策が必要だ。好きこのんで過積載をやっている業者はいないので、その原因となっている荷主に対する規制と定量積載で生活できる運賃の収受が保障されることが必要ということなわけです。トラック業界としての努力も必要ですけれども、荷主との関係では受動的な立場、弱い立場にあるということで、対等公正な取引に向けて、運輸省として荷主団体それから関係官庁にこの事実を踏まえて具体的対策を求めていただきたいと思います。
 それから、旭川市でチップと原木輸送をしていた業者が道交法の改正に伴って運賃引き上げを荷主に交渉していたんですけれども、これが不調に終わって運送部門を廃止したんです。同時に運転手を突然解雇するという事態が生まれて、こういう一方的な解雇はあってはならないのですが、撤回させて組合や本人とよく話し合いの指導をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#240
○政府委員(越智正英君) 過積載の問題はこれは古くて新しい問題でございまして、特にことしの五月から道路交通法の改正部分が施行されて大変罰則が重くなったという中で、事業者の方が、トラック事業者でございますけれども、どうしても荷主に対して弱い立場にあるという中で、やはり今までもややもすれば適正な運賃を収受できていないという、そういう状況があったわけでございます。過積載は当然のことながらこれは法律で禁止されているわけでございまして、それを遵守するという中でさらに実質的な運賃が低下をする、そういう状況があって、中には事業の継続に大変困難な状況をもたらしているというようなことも聞いているわけでございます。
 私ども過積載の防止と申しますのは、やはりトラック事業者の基本的な遵守義務であるというふうに考えておりまして、輸送の安全を確保する上でこれは大変重要なことでございまして、貨物自動車運送事業法でも明確に「輸送の安全」という条文の中でうたっております。
 したがいまして、私どもとしては、そういう違反事業者に対しましては警察庁等からの通報がありましたら厳重に処分しなきゃいけないのですが、一方、過積載の防止のためにはトラック事業者だけでは当然よくないわけでございまして、荷主あるいは骨材等を発注する公共事業の発注主、そういう方たちの方にも理解を求めまして総合的な対策をしなきゃいけないというふうに考えている次第でございます。道路交通法の施行の前に、四月八日でしたか、関係九省庁でそういった総合的対策を講じて実施しようということになっておりますので、私どももその線に沿って施策を講じていきたいと思っております。
 それから、今お尋ねの個別案件でございますが、私どもの運輸局には、具体的に値上げ交渉がうまくいかなくて廃業するということについて廃業届は出ておりません。しかしながら、過積載というものの取り締まりの影響がトラック事業者にどういう影響を与えているかという点については、事情を調査いたしたいと思っております。
#241
○高崎裕子君 終わります。
#242
○委員長(和田教美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#243
○委員長(和田教美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#244
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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