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1994/03/29 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 農林水産委員会 第3号
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1994/03/29 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第129回国会 農林水産委員会 第3号
平成六年三月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     三上 隆雄君     櫻井 規順君
     村沢  牧君     穐山  篤君
     林  紀子君     高崎 裕子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         浦田  勝君
    理 事
                青木 幹雄君
                大塚清次郎君
                谷本  巍君
                野別 隆俊君
    委 員
                井上 吉夫君
                北  修二君
                佐藤 静雄君
                高木 正明君
                吉川 芳男君
                穐山  篤君
                稲村 稔夫君
                櫻井 規順君
                中尾 則幸君
                井上 哲夫君
                星川 保松君
                風間  昶君
                刈田 貞子君
                高崎 裕子君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   畑 英次郎君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       水産庁長官    鎭西 迪雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋本 達徳君
   説明員
       農林水産大臣官
       房審議官     中須 勇雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整
 備計画の変更について承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
○農林水産政策に関する調査
 (畜産物等の価格安定等に関する件)
 (畜産物価格等に関する決議の件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(浦田勝君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、村沢牧君、三上隆雄君及び林紀子君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君、櫻井規順君及び高崎裕子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(浦田勝君) 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします川畑農林水産大臣。
#4
○国務大臣(畑英次郎君) 漁港整備計画の変更について承認を求めるの件につきまして、その提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 漁港につきましては、漁業生産の基盤であり、かつ水産物流通の拠点であるという重要性にかんがみ、漁港法に基づき、漁港整備計画を定め、国会の承認を受けて、計画的に漁港施設の整備を図っているところであります。
 現行の漁港整備計画は、昭和六十三年第百十二回国会において承認を受けたものでありますが、本年度をもって計画期間が終了するため、最近における水産業をめぐる情勢の変化に即応するよう、その全部を変更し、国会の承認を求めることとした次第であります。
 次に、本件の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 今回の漁港整備計画は、漁業と漁港施設の現状を基礎とし、我が国周辺水域の高度利用等による漁業生産の確保、流通機構の改善、水産加工業の振興、漁港の安全性及び快適性の確保並びに活力ある漁村の形成の観点に立って策定いたしました。
 計画内容といたしましては、沿岸漁業及び培養殖漁業の振興上重要な漁港並びに漁場の開発または漁船の避難上特に必要な漁港を重点的に整備するとともに、沖合漁業の根拠地として重要な漁港及び遠洋漁業の根拠地として重要な漁港についても、整備を図ることとしております。
 整備漁港の選定に当たりましては、指定漁港のうち漁業振興上及び地域振興上重要であり、かっ漁港施設の不足度が高く事業効果の大きいもので緊急に整備する必要があるものを採択いたしました。その結果、平成六年度以降六年間に、四百八十港の漁港について漁港修築事業を実施することといたしております。漁港修築事業の内容といたしましては、それぞれの漁港に適応した外郭施設、係留施設、水域施設、輸送施設、漁港施設用地等を整備することといたしております。
 なお、以上申し上げました漁港整備計画につきましては、漁港法に基づき、漁港審議会の意見を徴し、適当であるとの趣旨の答申をいただいております。
 以上が本件の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御承認くださいますようお願いを申し上げる次第でございます。
#5
○委員長(浦田勝君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○青木幹雄君 今提案されました漁港整備計画、これは漁民にとっても生産者にとっても非常に大切な問題でございますので、日切れが日切れにならぬように、私どもも賛成でございます。
 ただ、漁港の問題について私は、皆さんも恐らく同じ、大臣も同じだと思うんですが、一つだけ非常に理解のできない問題がございます。理解のできない問題というよりも、納得もいかないし、非常に腹も立つ問題でございますが、それは、現内閣において、平成六年度の予算編成に当たってA、B、Cという公共事業にランクをつけられた。御承知のようにAは生活環境の整備、Bは国土保全、Cは産業基盤の整備ということでございますが、その中で漁港がCにランクされている。非常にこのことは遺憾なことでございます。
 そして、六年度の予算においてもいわゆる九次の長期計画、三兆四千億円という予算要求に対して四千億円削られて三兆円という非常にこれは漁業にとっては遺憾なことでございますが、大臣、この問題についてどういうふうな見解をお持ちですか。
#7
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま青木先生御指摘のとおり、大蔵大臣の諮問機関であります財政制度審議会におきましてのいわゆるランクづけ、漁港に対しましてCランク、産業基盤の整備はCランクということでございまして、私の立場にございましてはまことにもって遺憾千万である、かように受けとめさせていただいておるわけでございます。
 そういう中にございまして、やはりこれから地方の時代等々の問題が大きくクローズアップされる今日の姿の中にございましては、漁港整備の問題あるいは漁村生活環境整備の問題等々は一つの最優先課題でなくてはならない、こういうようにも考えておるわけでございまして、さような意味合いで今後この問題を数字をもって解決を図るべき私の立場におきましては、引き続き全力を挙げて予算確保等々の問題に取り組んでまいりたい、かように考えている次第でございます。
#8
○青木幹雄君 大体A、B、Cというようなランクをつけること自体が私は非常にこれはおかしい状態だと思います。それは予算の中でことしはこういうところを重点的にやりますよ、ここは少し我慢してくださいと、そういう話が出るのはこれはよくわかるんですが、初めからあなたのところはAです、あなたのところはBです、あなたのところはCですと、そういうランクをつけるというふうなことは非常にこれはおかしいことだと私は考えております。
 これは、学校の子供の成績じゃありませんが、おまえCだと言われたら、本当にこれは勉強する意欲もなくなってしまう。ただ、子供の場合は努力すれば来年はBになりAになる可能性があるわけなんですが、今のCランクという漁港の位置づけの問題、これはことしだけの問題じゃないわけなんです。いわゆる当分の間おたくはCですよということなんです。ですから、漁民の側から見れば、これは生産意欲もわかない。それから、今非常に問題になっている後継者の問題。あなたCランクに行きなさいというふうな後継者の育成なんということは、これはあり得ないわけですから、その点はひとつ今後十分に気をつけていただきたいと思います。
 実際この問題、Cランクになったといいますけれども、実態が本当に把握されているかどうか、私は非常に大きな疑問を持っております。
 といいますのは、時間の関係できょうは一つ一つ数字を挙げてほかのところとの比較はいたしませんけれども、現在全国に約三千の漁港が点在しております。この港を中心に約五千以上の集落というものがある。これをほかの都市とか農村とかそういうものと比較してみた場合に、一番これは恵まれていない状態なんです。ですから、当然生活環境を整備するのなら、この港を中心としたいわゆる漁業集落、そういうものの生活環境の整備というものは当然Aランクになってしかるべきものなんです。それを頭からあなたのところはCランクですよ、これからもそういう格付の中でいろいろ予算も決めますよと、こういうこと自体が私はおかしいと思うんですが、大臣どうですか。
#9
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま青木先生御指摘のとおり、閣内にありまして私の立場におきましては、先ほど申し上げましたような意味合いでのいわゆる漁港整備の問題、漁村生活環境整備の問題、これに重点的に力を入れていかなければならない、かような主張を引き続きとらさせていただきたいというふうに考えております。
 ただいま御指摘を賜りましたような意味合いでの今後における問題を残した、いわゆるCランク問題でございますけれども、この問題を絶えず国民各界各層の御理解を得ながら、改善に向けての努力を引き続きやってまいりたい、かように考えております。
#10
○青木幹雄君 今このCランクというのを決めたのは財政審、その中の公共事業に関する小委員会、ここでそういう決定をしているわけです。
 ところが、これをいろんな経過を見てみますと、まず大蔵省から小委員会に説明を受けているわけです。それから、公共関係の三省庁、農水省もその中に含まれているわけですが、一回だけ事情聴取をしているわけです。それから、地方自治体の首長三人の方から一回だけ事情を聞いているわけです。いわゆる関係省庁から一回、地方の自治体の首長から一回、合わせて二回だけのヒアリングしか行われていないわけなんです。それから、第四回目には小委員会の審議を行って、大蔵省の説明を受けた一月半後にこの決定をしているわけです。
 国民生活に非常に重要なこういう問題を、わずか一月半の間に役所から一回話を聞く、地方から一回話を聞く、そして大蔵省のヒアリングを受ける、そしてCクラスという決定をしているわけです。これは実際、決定自体が私は基本的に間違いだと思う。大臣、どうですか。
#11
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘のございましたような関係者のいわゆる意向調査あるいはまた実態把握等々、私の立場におきましてはいささか残念な姿の中での取り運びであったなという感を免れないわけでございますが、先ほど来御指摘がございましたような、大きく問題意識としてとらえながらこれからの改善にベストを尽くしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#12
○青木幹雄君 しかも私が申し上げたいのは、この小委員会の委員のメンバー、わかったら長官でいいですから言ってください。
#13
○政府委員(鎭西迪雄君) 財政制度審議会の中に特別部会が設けられておりまして、石一橋大学教授が部会長になりまして、八名の方が委員になっていると承知しております。
#14
○青木幹雄君 名前を全部言ってください。
#15
○政府委員(鎭西迪雄君) 失礼をいたしました。ちょっと時間をとるといかぬと思ってあれしたんでございますが、三和銀行会長の川勝さん、国際日本文化研究センターの飯田経夫教授、それから一橋大学の石教授、新日鉄社長の今井さん、それから経済評論家の高原さん、東京証券取引所理事長の長岡さん、日本経済新聞社編集局総務の堀川さん、それから総合研究開発機構理事長星野進保さん。こういうメンバーだと承知しております。
#16
○青木幹雄君 今八人の委員の名前をそれぞれ挙げられ、その人の役職、そういうものを発表されたわけですが、この八人の中で漁村の実態というものを実際知っておられる人は一人もおられないわけです、銀行の方とか、証券の方とか、大学の教授とか。
 そうすると、本当の漁村がどういうものであるか、港がどういうものであるか、現在置かれている環境がどういうものであるか、そして漁業がどういう状態に現在あるのか、そういうようなことが全然わからない八人の委員の方、すなわち漁業の代表は一人も出ていない。そういう中で、おたくの漁港はCランクですよという決定がなされているわけです。こんな不公平なことはないと私は思うんですが、大臣、どうですか。
#17
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど来の先生の御指摘につきましては、私の立場におきましても大きな問題点としての受けとめ方をさせていただいていることは当然でございます。そういう中にございまして、私の立場からは、この問題のこれからのありようといいますものは絶えず改善の方向に向けての主張をさせていただきまして、それを今後の政策展開の中におきまして、あるいはまた予算配分の中におきましても主張してまいりたいというように考えております。
 例えば、今話題となっておりますいわゆる公共事業の四百三十兆円でございますか、その見直し等々につきましても第一次産業分野につきましての生産基盤の整備といいますものに重点を置くべきだという主張をただいまもさせていただいておるということでございまして、先生御指摘のような意味合いでの農林水産省の立場、これは従来以上に強く主張をしてまいりたい、かように考えております。
#18
○青木幹雄君 今いろいろ申し上げたように、それは漁業を実際に何にも知らない人が知らないところで話も聞かずに決定したCランクですから、これは当然私は見直してしかるべきだ、そういうふうに考えております。我々も一生懸命応援をいたします。これは理屈の通らない話なんです。何にも漁業の実態を知らない人から、あなたのところはCランクですからと言われて、はい、そうですかと言って通れない問題ですから、これは漁業全体の問題としてひとつ農水省全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 今の状態ですと、これはことしの予算だけじゃない、来年、再来年へ引き継いでいく問題ですから、そういう中でどういうふうな漁業振興を基本的に考えておられるのか、大臣、答弁をお願いします。
#19
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘を賜りましたような問題意識を十二分に私自身が踏まえて、省を挙げての取り組みをやっていかなければならない。そういう中にございまして、今回の第九次漁港整備問題等々の中にございましては、御指摘のような三兆円という規模に相なったわけでございますが、これを単純計算で申し上げれば事業比ベースにおきまして六%の伸びというものが可能な内容の数字にも相なっておりますので、その実現に向けましての今後の取り組み、これが一つの大きな推進の展開の大切な要素ではないかというふうにとらえまして、引き続き頑張ってまいりたいと考えておるわけでございます。
#20
○青木幹雄君 大臣、これは申し上げてもことしのことはもとへ返る問題じゃございませんので、基本的な問題ですので、来年からしっかりこの問題を見直していただくように全力を挙げてひとつ取り組んでいただくように要望いたしておきます。
 ついでの機会でございますので、日韓、日中の漁業問題について基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。
 日韓の漁業問題、非常にこれは大きな問題を抱えておりまして、御承知のように四十年に日韓の漁業協定が結ばれて、その後いわゆる自主規制、両国間で非常にかたい約束の中で自主規制を今まで四度繰り返し行っているわけでございます。それがまたことし一番大事な見直しの時期に来ているわけですが、今まで国と国とがそういう約束を結んだにかかわらず毎年大変な違反操業が行われ、日本の零細な漁民が非常に大きな損害をこうむっている、それに対する補償は何にもない。そういう状態が続いているわけですが、日韓の間における韓国の違反操業の実態は昨年はどうなっておりますか。
#21
○政府委員(鎭西迪雄君) 韓国漁船によります違反操業の件数でございますが、海域は山陰、北陸あるいは九州の北西、北海道といったような水域でございますけれども、ただいま委員御指摘のように、現行の自主規制措置というものは平成四年に発足をしておりますが、平成五年、昨年は違反操業が一千二百五十四件という状況でございます。
#22
○青木幹雄君 国と国とが結んだ約束が破られて、年間千件に上る違反が起きるなんということは実際あり得ないことなんです。しかし、それを言っておってもしょうがないですが。
 先般、細川総理が韓国へ行かれて、新しい韓国の大統領にこの問題を話をされた。それから、今度韓国から大統領が来られて、またそういう話をされた。そういう過程の中でこの問題は非常に前向きに対応していただいております。そのことは非常に私も感謝をいたしておりますが、去年千件あった違反、千件といいますと大体一月百件程度の違反が出ているわけですが、ことしの一月、二月、三月の違反状態はどういうふうな状態ですか。
#23
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいまの御指摘のように、昨年の慶州におきます日韓首脳会談を契機に、韓国側で金大統領の直接の指示によりまして、韓国内で不法操業防止対策というものを実施されておるところでございます。恐らくこの結果が反映されておるんだろうと思いますが、本年に入りましては一月三件、昨年は一月は五十四件でございました。それから二月が三件、同様に昨年は百十件でございましたが、違反操業件数は激減しているのが現状でございます。
#24
○青木幹雄君 韓国の大統領も新しい大統領にかわられたわけで、私どもが見た目でも今までとは違ったかなり思い切った対応をしておられる、そういうふうに理解をいたしております。つい先般日本に来られて正式な形で、違反操業等は国際法上の問題だ、きっちり対応しますと、こういうことを言っておられるので、私どもは、隣国の大統領の言われることですから信用して、このままの状態が続くことを非常に念願しているわけなんです。
 ただ一つだけ、疑って非常に申しわけないとは思いますけれども、今までも毎年千件に上る違反が出ております。しかし、大統領が日本へ来るとき、日本から要人が韓国へ行くとき、そして韓国でオリンピックなんかが行われるとき、そういうときに限って違反がとにかくもうゼロに近いものになっているわけですね。それが終わるとまたもとへ返っている。そういう繰り返しを今まで我々は経験してきたわけでございまして、その中の一つだとは申し上げませんけれども、大統領がこの間来て帰られた、これから後が今までの経験からしてやはり一番大きな問題だ、そういうふうに私ども考えております。
 現在非常にいい空気の中で推移をいたしておりますので、これをどういうふうにしてフォローしていくか。このままの状態をどうして続けていくかということが、今までのことは抜きにして、これからの一番大きな問題だと考えておりますし、それから資源の問題、これは両国間が非常に協力してこれから資源保護をやっていかなきゃいかぬ大きな問題も抱えておりますので、その点今後どういうふうなお考えですか、長官。
#25
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員おっしゃられたように、今までもいろいろな節目に違反操業が各月ごとをとってみますと相当減ったという事態がございましたが、しばらくするとまたもとに戻った、こういうことで、我が国の漁業サイドは韓国側の対応について必ずしも全幅の信頼をしていないというのが実態ではなかろうかと思います。
 したがいまして、私どもは、今回違反件数が非常に激減している、この状態が今後とも長期に続くものであるということが極めて重要なんだろう、こう考えておりまして、先般の日韓の首脳会談におきましても、細川総理から再度、引き続き指導取り締まりの強化方を金大統領に要請をしていただきまして、金大統領からも、今後とも取り締まりを強化する旨の回答がございました。
 私どもは、今次の自主規制措置が本年末に期限を迎えるということでございますので、早速去る二月に実務者協議を開催しておりまして、来年以降の対応というものについて協議をしているところでございますが、先般の日韓首脳会談での二度の話し合いも踏まえまして、実務者協議の中で違反操業問題の実効ある措置、あるいはただいま御指摘のように、日韓両国の共通の関心水域におきます資源保護と持続的培養の対策というものを真剣に検討してまいりたい、かように考えているところでございます。
#26
○青木幹雄君 今せっかくそういういい状態が続いておりますので、考え方によれば、大統領が来たときとかいろんなときだけ非常に違反が今まで減ってきている。そういう現実がございますので、本当にやる気があれば、やれるから大統領が来たときなんか違反がほとんどゼロに近くなる、やる気がないから今まで野方図に違反がどんどん発生して毎月百件平均の違反が出ている。そういう状態ですので、ひとつこれを機会に十分韓国とも話し合いをして、この状態が続くように最大の努力をしていただきたいことを要望いたしておきます。
 それから、次に中国との問題でございますが、かつて発砲事件が起きたり、今でも日本の海域へ底びき、まき網、イカ釣り、いろんな船が入ってきております。韓国と比較して違反操業の件数等は非常に少ないわけなんですが、ただ海が荒れたときなんか日本へどんどん中国の船が避難港ということで避難してくる。そのときにいろんな被害がそれによって発生している、そういうふうな現実もあるわけです。また、今韓国との問題は非常に大きな問題なんですが、いずれ二、三年うちには中国との問題が韓国の今と同じようないろんな大きな問題が出てくると思います。
 それから、韓国と中国とは胃袋の大きさが違いますから、中国が本格的に漁業に乗り出すようになってくると韓国以上に非常に大きな問題が今後発生してくる可能性というものがあるわけです。それに対する対応というものはやはり今からきっちりやっておかないと、そのときになって今の韓国どのような状態が続くようなことがあってはなりません。
 そういう状態の中で長官、非常に御苦労さんだったと思いますが、先般中国へ日本の漁業関係の要人として初めて行かれて非常に歓迎も受けられた。そういう点では、日中の漁業関係はこれから明るい見通しだなというように考えておりますが、中国へ行かれた様子、また行っただけじゃなくて向こうからもいろんな人に来てもらってそういう交流、いろんなことをこれからやっていかなきゃいかぬと思います。長官、ひとつその点についての訪中の状態、今後の方針についてお話し願いたいと思います。
#27
○政府委員(鎭西迪雄君) その前に、中国漁船の我が国周辺水域におきます操業の状況をまず簡単に御説明いたしたいと思います。
 我が国の周辺水域での中国漁船の操業は冬場、十二月から二月ごろでございますが、対馬、沖の島周辺での底びき網漁船、あるいは春場でございますが、三月から五月ごろ、対馬、五島沖でのまき網漁船の操業が主体でございます。最近はイカ釣り漁船の操業の増加だとか、あるいは夏場におきましても底びき網漁船が操業するという状況も見られてきておりますけれども、操業隻数につきましては、私どもいろいろと視認をしている状況を申し上げますと、平成二年ごろをピークにして、最近ではどうも関係水域におきます資源状況の悪化という背景もあるのではないかと思っておりますが、減少傾向にございます。
 それから、ただいまおっしゃったように、我が国周辺水域で操業いたします中国漁船は、日中の漁業協定上、荒天等の緊急時に我が国が指定いたしました港に緊急避難できるということになりまして、これを利用いたしまして相当多数の中国漁船が一時に特定の港に集中する。このために地元とのトラブルという事態も生じてきているところでございますけれども、全般を申しますと最近の操業隻数の減少というものもございまして、避難隻数そのものも減少してまいっておる、こういう状況でございます。
 こういう中で中国漁船の操業問題でございますが、一つは日中漁業協定に基づきます日中漁業共同委員会というものがございまして、毎年これは交互にそれぞれの国で開催をしておりますけれども、我が国の底びき網漁業の禁止水域での操業自粛を要請するとか、あるいは今申しました荒天時の緊急入域の適正実施、一時期に特定港に集中しないようにとか、余り長く滞留しないようにといったようなことについて要請し、協議をしているところでございますが、共同委員会の所掌事務ということの性格もございまして、全般的に幅広いいろんな意見交換ができるという性格の委員会ではございません。
 したがいまして、私どもといたしましても、かねてから日中両国漁業の緊密な関係を考え、あるいは共通の海域を利用しているという漁業の実態、それから両国が大変な、中国は昨今、漁獲高では養殖が中心でございますが、世界第一位になっておりまして、第一位と第二位のそれぞれ大変な漁業大国でございまして、国際的にもいろいろと責任ある対応というものを両者が果たすべきではないか。こういうことを考えますと、共同委員会の場という限られた場以外に両国の水産行政担当者の緊密な意思疎通というのが必要ではないかというように考えていたところでございますが、たまたま中国側からハイレベル行政官の会合の開催というものを招請されまして、私が昨年の秋に水産庁長官としては初めて訪中をしたわけでございます。
 この訪中の機会に私といたしましては、東海、黄海の資源問題あるいは公海漁業がいろいろ規制されている中で国際漁業というものはどうあるべきか、国連の海洋法条約の考え方等々を踏まえて、資源の持続的開発という基本的な立場を踏まえて公海漁業に対して日中双方が責任を持って国際世論をリードすべきではないかというようなことについての意見の交換、それから、ただいま議題になっております我が国周辺水域での中国漁船の操業問題について率直に意見を交換いたしまして、個人的にも相当信頼関係を深めることができたんではないかな、こういうように考えております。
 私といたしましては、したがいまして、今後とも日中漁業が抱える諸問題について広範に協議をする必要があるということで向こう側とも話をいたしまして、今後定期的にハイレベルの行政官の会合というものを持っていこうということで合意を見たところでございます。これらの協議の場というものを最大限有効に活用いたしまして安定的な日中漁業関係の形成に努力をしていきたい、かように考えているところでございます。
#28
○青木幹雄君 中国は人と人との関係を非常に大切にする国ですので、長官、訪中され、歓迎を受けられた非常にいい機会ですので、そういう関係が切れないようにひとつ日本としてもこれからの交流を盛んにすると同時に、いろんな問題が共同の場で話し合える機会を設けられるような努力をお願いいたしておきます。
 これは近い将来、今日韓、日中いろんな機関で交渉をやったりいろんな漁業問題を取り扱っておりますが、大臣、いずれ韓国、中国、日本、この三者が一緒になって同じテーブルの上でいろんな共通した問題、特に資源についての問題、そういう話し合いをやっぱりやっていかなきゃいかぬ時代がもう目の前に来ていると思うんですが、そういう問題についてひとつ今後農水省としてはどういうふうなお考えをお持ちでありますか。
#29
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど来この漁業関係につきましての日韓、そしてまた日中、御指摘のような問題が従来から、ある意味ではそれなりの立場における接触等々あったわけでございますが、幸い、ただいま長官から御答弁申し上げましたように日中間におきましても行政のハイレベルの接触等々が展開できる。ある意味ではようやく機が熟しつつあるんではないかな、そういうような意味合いの中にございまして、この三国間におきましていわば世界的な漁業関係のあるべき姿をきちっと打ち立てていかなければならない。あるいは二百海里の問題等々も従来からの関係業界の方々の大変な期待でもあるわけでございまして、ただいま御指摘のございましたような意味合いにおきましては省を挙げてのその姿かたち、レールを引くべく努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 従来から青木先生等々御関係の諸先生方にも大変な御尽力をいただいておるわけでございますので、そういった関係者の方々の総意を挙げてこの問題に真剣に取り組んでまいりたい、かようにも考えているところでございます。
#30
○青木幹雄君 今大臣お答えいただきましたように、日中韓三者が一体になって漁業問題を話し合えるような努力をひとつ続けていただきたいと思います。
 そして、最後に、一番初めに戻りますが、漁港のCクラスの問題、これは絶対承服できませんので、全力を挙げてひとつ取り組んでいただきますようにお願いいたしまして、質問を終わります。
#31
○中尾則幸君 おはようございます。中尾でございます。
 私も今回の第九次の漁港整備長期計画につきましては、漁業関係者だけでなくて、地域づくりに大変重要な役割を担うという計画でありますので基本的に賛成の立場で、大臣、まず基本的な考え方について御質問させていただきたいと思います。
 今回の整備の目標でございますけれども、漁港整備を考えるに当たっては、どの漁港も同じような整備を行うのではなく、漁港の性格、特徴を踏まえためり張りある整備を行う必要がある、このように記されておりますけれども、その重点化、効率化等々の考え方が今回の長期計画にどのように生かされているのか、まず大臣に伺いたいと思います。
#32
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘がございましたとおり、漁港の整備水準といいますものは、係船岸の充足率が約五〇%というような段階に相なったわけでございまして、いわばレベルがまだまだ低いというような認識の中にございましても全般的には底上げがある程度進捗を見ておる。こういうような中にございまして、今回は沿岸漁業の拠点港の整備、そして避難拠点港の整備を御指摘がございましたとおり今後重点的に進めてまいりたい。そしてまた、何といっても多様な消費者ニーズに合致した水産物の安定供給を図るためにもいわゆるつくり育てる漁業の推進等に必要な施設の整備を推進していかなければならない、こういうふうにも考えますし、あわせて漁村の整備の問題、漁業者の就労環境、生活環境の改善等々、これらの問題につきまして果敢な取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
 最近の海洋性のレクリエーションニーズ、こういったような高まりに対しましても対応ができますような整備を急いでいかなくちゃならない、かような意味合いでの今回の漁港整備の問題には一層力を入れてまいりたいと考えているところでございます。
#33
○中尾則幸君 第八次計画策定時の漁港審議会の審議のポイントの一つを調べさせていただいたんですけれども、その中に沿整、沿構との整合性を持った漁港整備計画を作成することが必要というふうにうたってありますけれども、これら沿整、沿構計画と密接不可分の関係にある漁港整備計画との整合性についてどのようなお考えを持っているのか、伺いたいと思います。
#34
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま大臣からお話をいたしましたけれども、水産業を取り巻く内外の厳しい諸情勢を踏まえて、我が国水産業を健全に発展させていくという観点からいたしますと、水産施策の文字どおり柱とも言うべき漁港、沿整、沿構、こういった重要な政策につきまして相互に十分連絡がとられ、整合性が図られて各種事業が実施されていくということが極めて重要であるということは当然のことと認識をいたしております。
 そのために私ども、平成六年度から漁港整備、沿整、沿構と三長期計画が新たにスタートするということで、二サイクル前ぐらいから計画の始期と終期を合わせるといったようなこと、あるいは整備方向等についてそれぞれの計画の基本目標できちっと整合性を保ちつつ実施するというようなこと等々、十分これらそれぞれの長期計画の間の整合性あるいは総合的に事業が実施できるようにという配慮をいたしているところでございます。
#35
○中尾則幸君 漁港関連事業の重要な施策の一つとしまして、漁港それから漁村の就労環境、生活をしていく方々の環境整備等が挙げられていると思います。中でも漁港背後集落の排水処理施設の整備等が大変立ちおくれているというふうに私も理解しております。
 例をとりますと、下水道の普及率が全国の中都市が五〇・五%、漁港背後集落が六・一%、一〇%強というような整備状況になっております。調べてみますと、日本の漁港は海岸線十二キロ当たり一港と、大変たくさんあるというふうに聞いております。集落は、五キロに一集落があると。ですから、都市の排水処理施設と同じような考え方はできないと思いますけれども、第九次計画では、漁港漁村の環境整備、たしか三千五百億円だというふうに私記憶しておりますけれども、どう向上させていくのか、それについて具体的な目標等を示していただきたいと思います。
#36
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいまお話しのように、漁村は非常に背後に山が迫る狭隘な土地に位置しておりますし、密居的な集落を形成しているという実態でございまして、公共施設を整備するための用地が少なかったり、あるいは集落内に幅員の広い道路が少なかったり、あるいは下水道等の生活環境施設の整備が都市に比べて著しくおくれた状況にある、こういう実態でございまして、国民生活の質の向上が強く求められている今日、立ちおくれた漁村の生活環境整備というものを早急に促進するというのが重要な政策課題になっております。
 そのため、私どもは第九次計画に漁港漁村の環境整備というものを明記いたしまして、漁業集落排水でございますとか、漁村の環境整備でございますとか、あるいは離島、辺地等、いわゆるハンディキャップ地域というようなところの漁港漁村総合整備事業、これは漁港整備と漁村の環境整備を一体的に行う事業でございますが、こういうものも新しく予算として六年度以降考えていく、こういう配慮をしているところでございまして、あわせまして、今回の計画では六年間で三千五百億円という投資規模を予定しているところでございます。
#37
○中尾則幸君 先ほども青木先生が財政審のCランクの話を詳しくされましたので重複を避けたいと思いますけれども、私も大変疑問に思っていますのは、細川政権誕生時に、生活者優先の整備、私もこれ大変賛成でございますが、細川政権にいちゃもんをつけるわけじゃございませんけれども、生活者優先というその生活者は、どうも都市生活者中心、消費者中心であろうという考え方があるのではないか。それが財政審のCランクにまで、例えば農村の基盤整備事業あるいは漁港の位置づけになったのではないか。現場をよく知らないんじゃないかと私は思っております。
 ですから、今例えば集落排水の問題一つ取り上げても、やはりここで声を大にしていかなければ、農業者あるいは地域を守るためには、そこで暮らす人が生活者であるということをしっかりと認識していただきたい。大臣、ひとつ決意をお聞かせ願いたいんですが。
#38
○国務大臣(畑英次郎君) 今中尾先生御指摘のとおり、残念ながら、生活者といいますものの生活環境整備の問題のおくれの実態といいますものは、やはり過疎地域であり、とりわけ農山漁村である。私は、これは当たりさわりがあるかもしれませんけれども、そういう中にございましても、やはり漁村集落におきましては、そういった過疎地域の中におきましても厳しい生活環境の実態である。
 こういうことを考えます場合には、あのCランクの位置づけ等々の問題等は全く私の立場におきましては論外と言わざるを得ないわけでございまして、さような中にございまして、閣内におきましてもああいうような問題がありましたことを一つのきっかけとしまして、それぞれのお立場での重点的な予算の箇所づけの問題あるいはまた政策展開の問題、こういった問題を引き続き御理解を願いながら、農林水産省はもちろんでございますが、関係の各省庁のお力添えを賜る中における推進を図っていかなくちゃならない、かような気持ちを新たにいたしておる次第でございます。
#39
○中尾則幸君 大変力強いお答え、ありがとうございました。
 私も北海道出身なものですから、農業、林業、水産業、これはもうどれ一つとっても後退するということは地域の過疎化につながる。北海道は六九%の過疎率でございます。そういう点でも大臣、しっかりと頑張っていただきたいと思います。
 せっかくエールをした後で、お聞き苦しいというか、ちょっと厳しいお話をさせていただきたいと思いますが、漁港整備に対してさまざまな批判がなされていることも事実だと思うんです。整備方針が不明確であるとか、果たして必要性、緊急性があるのかどうか、国民とほど遠いところで計画がつくられている。これはやはりPRといいますか、私もにわか勉強でございますけれども、これほど地域と密着した大事な事業であるかと改めて認識させられたんですけれども、その点についても、今後ともやはり国民に開かれた漁港にするためにどうするか。何かCランクでどんどんどんどん追い込まれていくような形じゃなくて、積極的に漁港漁村整備の重要性を訴えていくべきだと私は思っています。
 その中で、残念ながらある一つの、ほんの二部の例でございますけれども、税金のむだ遣いが指摘されている例もございます。
 これは北海道のオホーツク、能取漁港の場合なんでございますけれども、新漁港建設、これは二見ケ団地区、これは第四次計画、昭和四十五年度から整備計画を開始しまして、約六十億円を投資したと伺っております。それで、昭和四十五年度から平成三年度まで約二十年間かけて港はつくりましたが、この計画の途中に御存じのように北洋海域からの撤退、減船それから内外の諸情勢の変化等ありまして、現在なかなか利用されていない状況にあります。もちろん計画でございますから、数多い中の一つということで、私は水を差すわけじゃございませんけれども、こういった情勢の中で、アフターケアをしていかなかったらいけないんじゃないだろうかと思っておりますので、簡単にアフターケアについて御説明願いたい、今後どのように使っていくのか。
#40
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいまお話しの能取漁港でございますが、同漁港の計画をいたしました昭和四十五年当時、同漁港が立地いたします網走市の中心港でございます網走港、これはいわゆる重要港湾でございますが、ここが非常に狭くて、漁船の大型化、それから外来船の増加、荒天時の避難に十分対応できなかった、こういう状況にございました。このため、近隣の能取湖内に新漁港を建設するとともに、背後に水産加工所及び関連施設を集約することといたしまして、四十五年度の第四次計画から整備を開始したということでございます。その後、第六次計画からは能取湖内におきますホタテ漁業を中心とした増養殖漁業に対応した施設整備にも着手いたしまして、平成五年度までに一応の整備を終了したところでございます。
 しかしながら、ただいま御指摘のように昭和五十二年以降、いわゆる世界が二百海里時代に急速に突入した、こういうことを背景にいたしまして、北洋海域からの我が国漁船の撤退によります影響というものをもろに受けまして、網走市の漁業生産は大幅に落ち込んでおりまして、大型船によります能取漁港の利用というものは余り行われていないというのが現状でございます。
 大型船の利用を見込んで建設されました同漁港の二見ケ団地区につきましては、避難港としての重要性は変わらないわけでございますけれども、計画時点と漁業情勢が大幅に変わりまして、外来の大型漁船の利用を期待することが困難な状況に置かれておりますので、その利活用方法につきまして、現在、網走市、北海道、国、この三者で検討中でございます。
#41
○中尾則幸君 ぜひとも、せっかくつくった漁港がむだにならないように、この時代に合わせた対応をお願いしたいと思います。
 ちなみに、漁港整備における漁村の活性化例をちょっと調べさせていただきました。北海道の例なんですけれども、サロマ湖畔にあります、オホーツク沿岸でございますが、栄浦漁港、若干資料を拝見いたしますと、この漁港整備によりまして昭和四十年代中盤、これは漁港をつくっていない自然の海浜を利用していた時代には、ホタテ養殖の水揚げが年間約三百トン、水揚げ高が六千万円だったものが、第八次計画、これは平成三年度で大体終了したと聞いておりますが、修築事業済みのこの常呂町の栄浦漁港ができたために水揚げが約三千七百万トン、十倍以上に伸びております。そして、売り上げは何と十一億円にもなって若者が本当に定着していると、こういった実例もございますので、こういったところをどしどしPRといったらおかしいですけれども、積極的にPRしていただきたいと思っております。
 それから、続いての質問なんですけれども、漁港整備の目的の一つに安全対策が挙げられていると思います。毎年台風等の影響で二千隻以上の漁船が漁港内で被害を受けております。最近を例にとりますと、平成三年度、漁港内で沈没あるいは破損した船は全国で五千七百三十六隻、被害金額二十三億一千五百万円にも上っております。平成四年は若干被害が少なかったんですけれども、天災相手に被害が出るのはこれはもうしょうがない、完璧ということはあり得ないということを私も理解はしておるんですけれども、やはり漁港というのは安全対策、漁船を守るという重要な役割があるわけでございますから、この第九次計画においてはそういった点の配慮はどうなっているか、伺いたいと思います。
#42
○政府委員(鎭西迪雄君) 漁港整備、今まで進めてまいりました結果、先ほど来お話を申し上げておりますように、各漁港の基本的な施設の整備水準というものは全般的には底上げが相当なされてきておる、こういう状況になってまいっております。
 しかしながら、ただいまお話がございましたように、いまだ台風等の来襲時に遠方の漁港へ避難を余儀なくされている漁港が多数存在しているほか、年によりまして変動はございますけれども、漁港内の泊地で被災する漁船も相当数に上る等、漁港の安全面での対策はいまだ十分とは言えない状況にございます。
 このため、第九次の漁港整備長期計画におきましては、整備の重点目標の一つといたしまして安全性、快適性等、各漁港の質の向上を目指す整備にも重点を置くこととしておりまして、漁船の避難のために必要とされる漁港いわゆる第四種漁港でございますけれども、これについて重点的な整備を図る等、漁船の停泊に係ります安全性の向上を着実に推進するということにしているところでございます。
#43
○中尾則幸君 災害というのはなかなか予期せぬところでありまして、防波堤を高くすれば船が守られるというような話でないと思います。
 昨年七月ですけれども、もう御存じのように北海道南西沖地震によりまして被災した漁村の復興計画についてちょっと伺いたいと思います。
 奥尻町青苗漁港、私昨年視察してまいりましたけれども、大変な被害を受けて、壊滅的な被害を受けたところであります。第三種漁港であります。それから、同じく奥尻町稲穂漁港、これは第一種の漁港でありますけれども、この二港が今回の整備計画四百八十港の中に入っております。そのほか、やはり被災に遭った大成町太田地区が漁港漁村総合整備事業三千五百億円の枠内に入っておりまして、既にもう災害復旧事業と連動して進められているやに伺っております。その災害復旧事業と連動して、今後修復あるいは改修を早急に急ぐべきだと私は思っておりますけれども、今回の九次計画ではこの災害復旧事業とどう連動させていかれるのか、伺いたいと思います。
#44
○政府委員(鎭西迪雄君) 昨年七月十二日に発生いたしました北海道の南西沖地震では、地震とともに発生した大津波によりまして、奥尻島を初めとする北海道の南西部の日本海地域に大きな被害をもたらしたことは御承知のとおりでございます。被害は、死者行方不明者あるいは全壊半壊家屋等一般的に大変な被害状況でございましたが、水産関係の被害だけをとりましても三百二十八億円に及んでいるということで大変な額でございます。
 現在、防潮堤等の海岸保全施設を初めとして災害復旧のための事業が鋭意進められているところでございますが、さらに今回の津波では漁村集落が大きな被害を受けたということから、災害に対して安全な集落となるよう修築事業等によります防波堤、護岸等の漁港施設の整備及び漁業集落環境整備事業等によります集落の地盤のかさ上げあるいは生活環境施設の整備等の実施について検討を進めているところでございます。
#45
○中尾則幸君 個々の整備事業、今回の第九次の事業で避難路等の、奥尻の津波の場合は避難路が本当にないために皆さん津波に流されたということがありますけれども、そういったものも含まれているんでしょうか。
#46
○政府委員(鎭西迪雄君) 第九次の漁港整備長期計画によりまして、ただいま委員お話しの奥尻町関係では青苗地区、稲穂地区、それから関係する他の地域で大成町の太田地区というのが入っているのでございますが、いわゆる漁業集落道整備事業というものの中に避難路の整備というものも対象にしているところでございます。
#47
○中尾則幸君 奥尻島も漁業者ばかりじゃなくて島民挙げて町の復興に取り組んでおりますので、この九次計画の中でも二港が加わっておりますので、そういった点も踏まえて復旧に全力を挙げていただきたいと思います。
 以上で質問終わります。
#48
○井上哲夫君 新緑風会の井上でございます。久しぶりに質問をさせていただきます。
 大臣、まことに御苦労さまでございます。米問題その他まさに異常な事態の時期に大変精力的に御活躍をいただきましてありがとうございます。
 きょうは、私もCランクのこと、あるいはそのほかのことをお尋ねしたいと思っておりましたが、青木委員あるいは今、中尾委員も聞かれましたので、それに重複しないところでお尋ねをしたいと思います。
 水産物の安定供給のためには、先ほど大臣も、つくり育てる管理型の漁業をふやして、そして国民の健康を保持する上でも非常に貴重な水産物の安定供給を図るんだと。そういう点まことにそのとおりでありますが、実際に漁業の関係者が海へ出かけていって日本人にとって極めて貴重な回遊魚をとった場合、とり過ぎると、暴落してとり過ぎ貧乏という言葉が生まれるぐらいであります。こういうふうに水産物の安定供給といっても、確かに養殖その他では調整がきくわけですが、イワシやサンマやサバ、青物、光り物というんですか、そういう貴重な魚類については、現場の漁業者はとり過ぎると暴落して貧乏、全くとれないと、これまた船を出しても何の生活資金も得ることができない、この調整の問題が非常に悩む最大のところであります。これは、海へ出かけていって、天候が悪ければ出れない、そういうこともあるわけです。
 そこで、魚価の安定基金制度といいますか、水産物の調整保管事業、こういうシステムがあるわけですが、これが本当に現場の漁業者にとって神頼みじゃなくて救いの神になっているかどうかと言われますと、いささか私はそういうふうになってないと思うわけでございますが、この魚価の安定基金制度が現在どのように利用され、どういうふうな問題点を持っているのか、簡単にまず長官からお答え願いたいと思います。
#49
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員の御指摘のように、水産物につきましては漁海況あるいは季節によりまして漁獲の集中が起こりやすいという特徴を有しておりますことから、主要水産物の水揚げが集中した場合におきまして価格が低迷するという事態が起こり得るわけでございます。そういう際に、その水産物の一部を市場から隔離いたしまして価格の安定を図っていくということも非常に重要なことになってくるわけでございます。
 このため、ただいまおっしゃったようないわゆる多獲性魚種というものでございますが、こういうものを中心とする主要な水産物につきまして、漁業者団体等がこれを買い上げて調整保管することによって価格の安定を図る事業というものを実施いたします場合に、財団法人の魚価安定基金というものを通じまして、これに要します保管経費の助成だとか、あるいは買い上げ資金の貸し付け等を行います水産物調整保管事業というものを実施しているところでございます。
 したがいまして、この魚価安定基金制度といいますものは、水産物調整保管事業の円滑な実施を確保いたしまして水産物価格を安定させるということによりまして、水産業の健全な発展と漁業経営の安定、ひいては国民の食生活の安定に寄与しているというように認識をしているところでございます。
#50
○井上哲夫君 今御説明のあった魚価の安定基金制度、私は、これでは現場の漁業者にとっては非常に頼りにならぬといいますか、不十分だという受けとめ方があるのはやむを得ないと思います。
 と申しますのは、現実に米の問題もそうですし、あるいは午後審議される畜産の問題もそうですが、イワシやサンマやサバ等の回遊魚の場合に、確かに後になってこういう形で冷凍保存にする、そのために基金の投入をする、そしてまた市況を見て出す、これだけでは本当言うと余り効果的な対策にはならない。むしろ魚価をどういうふうな形で、漁業者と市場流通業者、さらに消費者、そして学識経験者を入れて、総量は年間を通してほぼわかるわけでありますから、魚価の安定のためには価格をどのように安定的に持っていくか、そういうことが、もちろん市場原理の中ではありますけれども、できないはずはないんではないか。
 単に、とり過ぎたときに値崩れをする、それを冷凍に回して冷凍保管の際にその諸費用の助成をするだけではなくて、管理価格ではもちろんないわけですが、価格を何らかの形で関係者間で定期的に協定あるいは協議をする場をつくって、そしてこれはその先ほどこへいくかというと農業共済事業のような、そこまでいくのかというとそこまでは私もとても申し上げることはできませんが、そういうふうな現在の価格安定基金制度では不十分で、それを乗り越えるようなそういう新しいシステムがつくれないか。そのための検討委員会といいますか、検討するようなそういうプロジェクトをつくって、そして現場で後継者がどんどん減っていくというそういう漁業者の一つの明るい展望を出すことはできないか。
 こういう問題についてどのようなお考えがあるか、これは長官の後、大臣にもぜひお答えを願いたいと思います。よろしくお願いします。
#51
○政府委員(鎭西迪雄君) 水産物の価格でございますが、委員ただいまもお話しのとおり、市場メカニズムによりまして自由に形成されるということが基本でございまして、私はこれが、我が国の水産物が非常に多様な国民のニーズに対応いたしましていろんな商品形態が発達し、加工利用形態も発達し、水産物市場が活性化してマーケット規模そのものが大きくなってきた、こういうゆえんであろうというように考えております。
 したがいまして、あくまでもそれが基本ではあるわけでございますけれども、そういった中で適正な価格形成というものが行われませんと、中長期に経営が大変になる、あるいは最終的には消費者が大変迷惑になる、こういうようなことになるわけでございますので、長期的な需給のバランスというものが必要である、こういうように考えております。
 このために、需要に応じた適正規模の供給が行われますように水産物需給について情報を的確に生産者等に提供するというようなこともやっておりますし、あるいは需要拡大のための積極的なPR活動というものにも努めているところでございます。
 それから、先ほど申しましたように、水産物は漁海況あるいは時期によって漁獲が集中しやすいという、農産物等々に比べまして一段とまた特徴を持っておりますので、主要水産物の水揚げが集中して価格が低迷する場合は、先ほど来御説明をいたしておりますような水産物調整保管事業というものをやっているところでございます。
 さらには、生産あるいは流通両面にわたるコストダウンの努力。今後大幅に魚価の上昇というものに依存できない、そういう状況というのが、開放経済体制の中ではやはりそういうことを考えておかなけりゃならない。言いますと、経営の足腰を強化する、流通、加工コストを低減させる、こういったコストダウンの努力。あるいは消費者ニーズが非常に多様でまた変化もしていきますので、そういうものに対応した付加価値の高い商品というものを生産者サイドでどれだけ努力、創意工夫をしてできるかということが非常に重要でございますので、そういうような施策とあわせまして、総合的にいろいろと我々としては対応をしておるところでございますし、引き続き充実強化をしていきたい、かように考えているところでございます。
#52
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま井上先生の御質問を伺いながら、一つの視点としましては漁業者のためにはそういうような姿であってほしいなと、これはいわゆる願望で、私の立場から申し上げるのはどうかと思いまするけれども、そういうことは念頭には置きながらも、ただいま長官も申し上げましたように、市場経済の原則にのっとった、実態としましては正直申し上げましてなかなかきちっとした対応策のルールといいますか、そういうものは決めにくいとは思いますけれども、現在ありますこういった対応だけでは物足らぬではないかというような意味合いの御指摘を謙虚に受けとめて、なおまた消費者のお立場等々にも十分配慮する中における取り組みの展開に努めていかなければならない、かように考えておるところでございます。
#53
○井上哲夫君 私は、質問は終わりますが、要望を一言だけ申し上げたいと思います。
 マグロのとろのような非常に高級品は、これはリスクがあってもいいし、またないときは国民も我慢できる。しかし、大衆魚の場合には、つくり育てるというわけにもいきません。これはやっぱり海へ出ていってとってきてもらうと。そういう意味では、そういうところをまさに安定供給で確保していくというためには、今のような長官の答弁では姿勢がまだまだ弱腰というか消極的過ぎる。もう一歩踏み込んで、どうしたら自由市場、市場経済の中でそういう大衆魚に限ってみても何らかのいい方法がないかについて検討するような場所をつくられてもいいんではないか。ぜひお願いを申し上げまして、質問を終わります。
#54
○風間昶君 風間でございます。三点ばかりお聞きしたいと思います。
 今回、この第九次で四百八十港のうち継続が三百五十九港で、四分の三が継続整備ということで、要するにこれほどかかるのかなという感じをいたしました。つまり、一次では全然終わる代物でないということを感じたわけですけれども、また漁港種類別に見ると、第二種の百八十一港、これが四割を占めているということからいくと、整備計画の位置づけというのは、あるいは整備のあり方がこういうことなのかなということを、これでいいのかなということも含めて、九次計画の修築事業四百八十港のうち八次計画から継続して整備する漁港が多いわけですけれども、なぜそんなに多いのかということと、それから第二種漁港が多いわけですけれども、その整備の方針はどんなところにあるのかなというところをまずお聞きしたいと思います。
#55
○政府委員(鎭西迪雄君) 漁港の整備につきましては、多くの経費と期間が必要になりますので、漁港整備計画におきましては、整備の重要性、緊急性及び地方財政負担能力というものを総合的に勘案の上、整備計画期間内に各漁港におきまして整備する必要がある施設を決定いたしまして、段階的な整備を実施しているところでございます。したがいまして、整備計画を変更するに際しましては、その都度各漁港におきまして必要とされる施設の重要性等の見直しを行いまして、優先度の高い漁港施設の整備から着手しているところでございますが、ただいま委員御指摘のとおり、規模の大きな重要な漁港につきましては、優先度も高く、かつ数次の整備計画にわたって整備が継続されているというのが実情でございます。
 それから、第二種漁港でございますけれども、これはいわゆる地元の利用を中心といたします第一種漁港と、全国的利用が行われます第三種漁港とのちょうどいわば中間的な位置づけのものでございまして、その地域の沿岸漁業の中心的な漁港というように認識をいたしております。
 九次計画におきましては、先ほど来大臣からも御説明しておりますように、来るべき沿岸の新時代というものに対応いたしますために、沿岸漁業の陸揚げ施設の充実等、第二種漁港を中心とする沿岸漁業の陸揚げ拠点港の総合的機能強化というものに重点を置いて整備をしていくということにしているところでございます。
#56
○風間昶君 わかりました。要するに、それほどかかるんだなということなんだけれども、もう九次になって来るべき沿岸漁業と言っている時代じゃなくて、もう来ているわけですから、沿岸漁業時代が。ですから、やったところはより早く完成して供用していくということが最大の目標で、時間をかけていくことが目標ではないわけですから、そこのところをきちっとしていかなければならないというふうに思うわけですけれども、そういう意味で監視していかなきゃならないと思います。
 それから次に、先ほども話に出ていましたけれども、今までもやられていたんでしょうけれども、漁港漁村の環境整備ということで新たに三千五百億円の投資枠をつけられました。もちろん、漁港漁村の質的向上ということが最大目標だと思いますけれども、漁港の環境整備と漁村の環境整備とあると思いますが、これをきちっと立て分けていかなきゃならないと思うんです、具体的には。中心をどちらに置いていくのかなということ、ニュアンスでもいいですけれども、それを含めて具体的な内容、先ほどちょっと話が出ておりましたけれども、そこをもう一回きちっと具体的にというのと、それからもう一つは農村の環境整備水準をやっぱり目標にしていってもいいのではないか。漁港は漁港、農村は農村というふうに立て分けていってもいけないのではないか。その辺のところどうでしょうか。
#57
○政府委員(鎭西迪雄君) 漁港なり漁村におきましては、生産と生活が一体的に営まれておりまして、従来から漁港事業におきましては生産基盤の整備とあわせまして、漁村の生活環境の整備をある程度推進してまいったところでございます。加えて、昨今国民生活の質の向上というのが強く求められているわけでございますので、特に立ちおくれております漁村の生活環境整備促進ということが緊急かつ重要な政策課題になっているところでございます。このため、ただいまお話しの漁港漁村の環境整備というものを第九次計画に明記いたしまして、三千五百億円の投資規模でもって計画的に取り組むということにしたところでございます。
 その内容でございますが、先ほど若干御説明をいたしましたが、漁業集落排水施設等を整備いたします漁業集落の環境整備事業といったようなものとか、あるいは漁港の中の植栽等を行います漁港環境整備事業、これは漁港そのものの環境整備でございますし、それから生産基盤の整備と生活環境の整備を一体的に推進いたします漁港漁村総合整備事業、これを新たに六年度から実施することにしておりますが、こういうものが入っているわけでございます。
 漁港漁村の環境整備につきましては、特に漁村の生活環境の整備というものが、先ほど来御議論がございますように都市に比べまして著しくおくれた状況にございます。大都市、中都市、農村、漁村、恐らくこういう整備水準のおくれの順番ではなかろうかと思いますが、そういうことでございますので、特に漁村地域の基本的な社会資本の整備というものに重点を置きまして今後整備を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#58
○風間昶君 もう一つ、農村の環境整備事業というのがありますけれども、これとは全く別個にやっていくんでしょうから、実際上は。この辺の水準を――これは通告してなかった。申しわけないですな。
#59
○政府委員(鎭西迪雄君) 農村整備と漁村の整備でございますけれども、これはやはり整合性を保ちながら農林水産省の中でやっていく必要があるわけでございますが、ただいまお話し申しましたように、漁業集落のいわゆる下水道にいたしましても、幅員の広い道路の整備率にいたしましても、農村に比べましてまだ相当おくれているわけでございますので、私どもは第九次の漁港漁村総合整備計画の中で早急に漁業集落の生活環境が向上するように努力をしていきたい、かように考えているところでございます。
#60
○風間昶君 ちょっと細かな話で、下水道、今現在五%でしたか、長官御在任中に何%ぐらいまで持っていきたいなというのがありますか。
#61
○政府委員(鎭西迪雄君) 必ずしも何%、何%というのを確定した数値目標で私ども考えているわけではございませんけれども、基本施設については一応六割ぐらい、現状の五割を六割ぐらいというのがはっきりとこれは考え方としてあるのでございますが、下水道につきましても、現行の整備水準の大体倍ぐらいになるようにこの六年間で努力していきたい、そのためには七年度以降、整備計画によりますきちっとした予算の確保がぜひ必要でございますので、各方面からの御支援をいただきたい、かように考えているところでございます。
#62
○風間昶君 ありがとうございました。
 最後に、遊漁船やプレジャーボートが相当な数があって、海洋性レクリエーションの進展とともにこれからさまざまな摩擦が生じてくることになるだろうというふうに予測されるわけですけれども、漁港における漁業と海洋性レクリエーションとの摩擦の現状と、それからそのためにフィッシャリーナ事業というのが推進していかなきゃならないわけで、そういう意味で円満なレクリエーションを展開していかなければならないと思いますけれども、どのような調和をされていかれようとしているのか、この二つを最後に質問させていただきます。
#63
○政府委員(鎭西迪雄君) まず、漁港におきます漁業と海洋レクリエーションとの間の摩擦の現状でございますけれども、国民の余暇時間の増大に伴いまして海洋レクリエーションの需要が高まりまして、漁港を利用する遊漁船、プレジャーボート等が増加しておりますのは委員御指摘のとおりでございます。
 このことによりまして、無秩序な船舶の係留あるいは車の駐車、ごみの投棄など漁港利用上のトラブルが発生いたしまして、漁業生産活動に支障を与える事例というものが増加しつつございます。また、漁場におきましても遊漁活動が昨今大変広域化してまいりまして、漁業実態あるいは漁場慣行を十分承知しない遊漁者等が増加していることから、漁場をめぐりますトラブルというものも増加しております。
 こういう状況でございますので、私ども漁港整備事業の中にフィッシャリーナ整備事業というものを用意いたしまして、漁港におきます漁船と遊漁船等との利用の調整を図りますために遊漁船等を漁船と分離して収容するための施設の整備というものを図ろうとしているところでございます。
 今後ともフィッシャリーナの整備によりまして増大する海洋性レクリエーションのニーズにこたえつつ、海洋性レクリエーション等と調和のとれました円滑な漁業活動の確保を図るとともに、これらを通じまして漁家所得の向上あるいは雇用機会の拡大、さらには都市住民との交流によります漁村地域の活性化というものを図っていきたいと考えているところでございます。
#64
○風間昶君 時間なくなりましたので。
 ぜひ使いやすい漁港という観点に立って、生活者の視点を計画段階から入れて取り組んでいただきたいと思います。以上です。
#65
○高崎裕子君 南朝鮮の漁船による違反、無謀操業による漁具被害、資源・漁場の荒廃、大臣、私の地元は北海道なんですけれども、これはとても深刻です。とりわけ留萌地方は三十年間苦しめられた、何とかしてほしいという切実な声も寄せられ、日高地方の方も同じ状態です。抜本的に解決を図るためには二百海里制度を全面適用すべきだと思います。
 日韓首脳会談が行われましたけれども、この二百海里問題、取り締まりの強化、そして今後の日韓関係等についてどのような話し合いが行われたんでしょうか。
#66
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど来、本件につきましては他の委員の方からも御質問をいただいたところでございますが、私どもにおきましても日韓あるいはまた先ほどの日中関係等々この二百海里の方向に向けましてのただいま取り組みが展開をされ、なおまた日韓の間におきましては昨年と今般の大統領の来訪に当たりましての首脳会談、こういうものが一つの大きな牽引力となっての問題展開への実務者への話し合いというものがただいま展開されつつあるわけでございますが、事柄御案内のとおり、従来のいきさつの中にございまして、いろいろそのときの条件に合わせた我が方の主張をも取り入れていただいたというようないきさつ等々もございまして、やはり誠意を持ってこれからも問題解決に当たっていかなくてはならない、かように考えておるところでございます。
#67
○高崎裕子君 あと二点についてお尋ねいたしますけれども、昨年十一月に根室市の漁船が歯舞諸島の周辺でロシア側に拿捕された際に、船長は銃撃を受け負傷し、容体の悪化が伝えられております。根室市長、それから北海道知事からも要請が来ているかと思いますが、早期釈放、そして人道的見地からの対応が求められているところで、水産庁の対応についてお聞きしたい。
 それからもう一つは、これは昨年二月にも質問いたしましたけれども、日本海でいわゆるいそ焼け現象というのが問題になっておりますが、これによりウニ、アワビに大変な被害が生じております。発生機構の解明研究は平成四年度から六年度ということであと一年になっておりますけれども、この解明の見通しはどうなっておりますでしょうか。
 そして、二年度から五年度までは研究、増殖造成事業などを行うことになっているわけですけれども、来年度以降についてはどうなっておりますでしょうか。
#68
○政府委員(鎭西迪雄君) まず、北方周辺水域におきます拿捕事件の件でございますけれども、近年、北方周辺水域におきますロシア側による拿捕事件が頻発をしておりますが、そもそも北方四島水域というものは我が国の固有の領土でございます北方領土に接続する我が国の領海内の水域でございまして、ロシア側による日本漁船の拿捕は非常に遺憾で認められないということで、拿捕された漁業者の即時釈放をロシア側に求めてきているところでございます。
 特に、ただいまお話しの昨年の十一月二十六日に発生しました拿捕事件におきましては、拿捕に際しロシア側は銃撃を行いまして、船長が負傷するという事態となりまして、政府としてもロシア側の銃の使用に対して強く抗議をいたしますとともに、抑留されました三名の船長及び乗組員の即時釈放を求めてロシア側に働きかけてきたところでございます。
 当該漁船の乗組員につきましては、昨年の十二月二十四日に負傷した船長を除きます二名が釈放されたところでございますが、負傷した船長につきましては、引き続き即時釈放につきましてロシア側に働きかけを行っているところでございます。
 また、船長の傷の状態がかなり悪化しているとも伝えられておりますので、人道的見地から現地におきまして日本人医師による診療が受けられるようロシア側に対して働きかけが行われているところでございます。
 なお、ロシア側によります拿捕の発生というのは大変遺憾なことでございますけれども、人命にもかかわることでございますので、水産庁といたしましては、かかる事件の再発防止のため、道庁とも十分連携を図りながら漁業関係者に対します操業秩序の維持につきましての指導の徹底というものを図っているところでございます。
 それから、いそ焼け対策でございますけれども、近年沿岸の岩礁地帯でコンブ等の有用海藻のほとんどが消滅いたしまして、石灰藻で覆われるといういわゆるいそ焼け現象が北海道から東北地方の日本海を中心とする地域で発生していることが報告されております。御指摘のとおりでございます。この結果、コンブ等の海藻やこれらをえさといたしますウニ等の漁獲が減少いたしまして、地域の沿岸漁民に大きな影響を与えているところでございます。
 いそ焼けの発生及びその持続原因につきましては、これまで各種の試験研究機関におきまして調査研究が行われておりまして、一つはウニ、アワビ等によります有用海藻類の食害ではないかというような問題。それから二点目が、石灰藻の繁茂によります有用海藻類の生育が阻害された結果生ずるのではないかというような問題。あるいは貧栄養化や水温、塩分等の海況の変化等の要因等が考えられているわけでございますけれども、いまだ十分に解明されていないのが現状でございます。
 水産庁といたしましては、これまで得られました知見を踏まえまして、沿岸漁場整備開発事業、沿整と言っているものでございますが、これの国の直轄調査事業の一環といたしまして、平成二年度から五年度の間、北海道の寿都湾というのをモデル海域といたしまして、いそ焼け地域におきます漁場造成手法の開発に取り組んでいるところでございます。これは、ウニが有用海藻類の食害の原因生物であることに着目をいたしまして、いそ焼け発生場所からウニを除去いたしまして海藻群落の形成を図ろうとするものでございます。
 平成六年度以降は、今までのこういった成果を踏まえまして、このモデル海域におきまして形成された海藻群落でのウニ等の育成手法の開発、あるいは岩盤で遠浅である、この地域はそういう特有の海底地形を持っておりますので、こういうものに適しましたウニ、アワビ等の漁場造成技術の開発に引き続き取り組むことといたしております。
 また、こういうことに加えまして、水産庁の北海道区水産研究所等におきまして、いそ焼けの発生メカニズム、この解明等のための研究を平成四年度から行っているところでございまして、いそ焼けに関します基礎的な知見を得るため平成六年度におきましても研究を継続する、こういうことにしているところでございます。
#69
○高崎裕子君 終わります。
#70
○喜屋武眞榮君 大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 漁港整備につきましては、第八次計画に比較しまして、九次計画については計画した港数が減少しておる。このことははっきりいたしておりますね。その理由は一体どういう理由であるか。漁港整備が遅滞なく進捗する万全の計画と整備がなされるよう切望するものでありますが、それに対する政府の見解、取り組みをお聞きしたい。
#71
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいまお話しのように、地元の関係地域では大変要望が多いわけでございますけれども、非常にそこは難しいところなんでございますが、私ども九次計画におきましては、先ほど来いろいろ御議論が行われておりますように、漁港整備の今までの実施によりまして、漁港の基本的施設の水準というものは大体五割ぐらいになってきたというように、底上げが相当なされてきている、こういう状況を考慮いたしまして、限られた予算の中で整備の効率化というものを図る必要がやはりあるのではないか。こういうことから、漁港間の役割分担を踏まえました整備の重点化というものを図っていくことがこれからは必要なんであろう、こういうように考えているところでございます。
 そのために、先ほど来いろいろ御説明をいたしておりますように、沿岸漁業の陸揚げ拠点港あるいは避難拠点港の整備というものに重点を置きつつ、投資効果の早期発現に努めていくことによりまして、地元に喜ばれ、かつ国民一般にとって機能が十分に発揮できるように、そういう対応を考えているところでございます。
#72
○喜屋武眞榮君 沖縄の場合は、地理的条件から非常に重要な位置を占めておるわけですが、それだけに国の方針としても、特に沖縄における漁港の整備については日本の漁港の整備という観点から大きな役割を果たしておるわけでありますので、そういう配慮を十分発揮してもらわなければいけないと思うんですが、いかがですか。
#73
○国務大臣(畑英次郎君) 沖縄の今日の各般にわたります行政上の問題点、これを踏まえた中におきます行政展開が各省庁におきまして強く要請をされておる今日の姿というように受けとめさせていただいているわけでございまして、今回の整備方針の中にございましても、沖縄におきましては八十五港の漁港が指定されておりまして、なおまた今回の整備漁港四百八十港でございますが、そのうち本地域におきましては十三港を整備するというような立場に相なっておるわけでございます。
 この辺は従来から沖縄開発庁とも十分連携をとりながらの作業を進め、決定を見させていただいておるわけでございますが、何といっても沖縄の地理的条件等々を考えました場合には、重要な交通拠点である、あるいはまた漁村地域のコミュニティーの場として欠くことのできない生活基盤である、そしてまた残念ながら、沖縄のお立場にございましては従来から台風の常襲地域である、こういうことを十分念頭に置きました漁港の整備が喫緊の課題と、かような意味合いにおきまして、今後ともその辺の重要性、問題の存するところを十分わきまえての取り組みを進めてまいりたい、かように考えております。
#74
○喜屋武眞榮君 要望を兼ねて一言申し上げておきます。
 今大臣、台風という言葉をおっしゃいましたがまさにそのとおりでありまして、夏になりますと台風による被害というものが毎年のようにあるわけであります。大きい。それで、日本の南の端の港、漁港ということになりますが、これは東南アジアにおける台風期の避難場所として、毎年のように台風による避難の隠れ場所として沖縄に集結するわけでありますので、どうかそういった配慮もお考えくださって、この避難港としての対策を十分に将来に向けて満を持して計画を立ててくださいますように要望を申し上げまして、それに対する大臣の所信を聞きまして終わりにいたします。
#75
○国務大臣(畑英次郎君) 昨年のように台風が六回も本土に上陸をしたそういうときにございましても、大方沖縄地域に対しましてはそれ相応の大変な御心配等々の実態でもあるわけでございますので、ただいま御指摘がございましたとおり、避難拠点港の整備といいますものも念頭に置きながら、先生御指摘の御期待に沿うべく力を注いでまいりたい、かように考えております。
#76
○喜屋武眞榮君 よろしくお願いします。
#77
○委員長(浦田勝君) 他に御発言もないようですから、本件に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(浦田勝君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 青木君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。青木君。
#79
○青木幹雄君 私は、ただいま承認されました漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  漁港は、水産物の生産・流通・加工の基地であるばかりでなく、漁村住民の生活の基盤として、さらには、都市住民に憩いを提供する等の場として、重要な役割を果たしている。
  よって政府は、漁港の整備に当たっては、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 漁港の果たす役割の重要性と漁港整備の現状に十分配意し、第九次漁港整備計画の完全実施のために必要な予算の確保等に最大限の努力を尽くすこと。
   また、漁港の役割とその整備の必要性について、広く国民の正しい理解が得られるよう努めること。
 二 国民の海への関心の高まりに対処し、生業である水産業との調和を十分勘案しつつ、都市住民とのふれあいに配慮した漁港の整備を進めるとともに、漁港利用料等の徴収のあり方を含め、漁港の適正な管理体制が整備されるよう指導すること。
 三 漁村地域における生活関連公共施設等の整備の立ち遅れが、若年齢層の流出、後継者の減少、地域活力の低下等の重大な要因となっている現状にかんがみ、漁港漁村の環境整備のための事業を積極的に推進すること。
 四 漁港整備事業の実施に当たっては、我が国周辺水域の高度利用と漁村地域の活性化等を促進する観点から、本整備計画と同じく平成六年度からの発足が予定される第四次沿岸漁場整備開発計画、沿岸漁業活性化構造改善事業及び新マリノベーション構想と密接な関連をもって効率的に推進すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#80
○委員長(浦田勝君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#81
○委員長(浦田勝君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、畑農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。畑農林水産大臣。
#82
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後極力努力をいたしてまいります。
#83
○委員長(浦田勝君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#85
○委員長(浦田勝君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 農林水産政策に関する調査のうち、畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#86
○佐藤静雄君 私ども自由民主党は、昨年の十二月の農業合意、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意についてはこれは承認をいたしておりません。これから批准あるいは食管法の改正等がございますが、その折々にまた意見を申し上げ、我々の態度を表明したいと思っております。
 農業の情勢が非常なテンポの速さで変わっておるわけでございますから、ガット・ウルグアイ・ラウンドにかかわらず緊急に対策を講じなきゃならないものは緊急にこれから対策を講じていく必要があるという観点から御質問をしたいと思うわけでございます。
 昭和六十三年に牛肉の自由化が日米、日豪間で合意され、平成三年から実施されたわけでございます。その間、我が国の畜産農家は血のにじむような思いで、関係機関と一体となりまして輸入牛肉に対抗すべく低コスト及び高品質化に向けて努力をしてまいったのであります。
 しかしながら、牛肉の関税の段階的引き下げ、これは平成三年が七〇%、四年が六〇%、五年が五〇%、それに加えて円高の進行、現在の関税率は五〇%でございますが、円高を含めて考えていきますと、平成三年の比較でいきますと恐らくもう既に三〇%を切っておるんじゃないかというくらい急激に円高が進んでおるわけでございます。そのために輸入牛肉が安価に、かつ大量輸入されました。枝肉及び子牛価格が大幅に低落するとともに酪農の副産物、これは後ほど各委員からお話があると思いますが、初生子牛あるいは老廃牛、そういうものの値段がもう値がつかないというところまで参っておるわけでございますし、豚肉あるいは鶏肉などにも大きな影響を及ぼしております。我が国の畜産、酪農に深刻な打撃を与えておるわけでございます。
 このような状況の中で、先ほど申し上げましたように、政府は我々の反対にもかかわらず、昨年の十二月に農業合意をしたわけでございます。これによって、またさらに牛肉の関税率が引き下げられるということになるわけでございます。現行の五〇%が二〇〇〇年には三八・五%。これは先ほど申し上げましたように、為替相場でいきますと、恐らくその時点でもう関税がゼロに等しいということになろうかと思います。
 現在でも非常に厳しい状況に置かれている我が国の畜産、酪農に大きな影響をこの合意は与えたわけでございますが、さらに大切なことは畜産、酪農だけに限らず、地域に大きな影響を与えております。畜産、酪農を中心として栄えてきた地域が今地域ごと衰亡の危機に立たされておるわけでございます。
 そこで、そのような認識に立ちまして質問の第一は、やはりそういうような状況が変わっておるわけでございますから、新たな自給目標と将来の展望をはっきりと農民に示してあげるべきではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
 このような情勢のもとで、将来我が国の畜産、酪農の生産基盤をどうするか、生産基盤の強化をどうするか、あるいは経営安定を図る面からガット合意の終了する二〇〇〇年以降における影響を含めて正確に評価をし、その評価をもととして我が国における畜産、酪農をどういうふうに位置づけるか。このままでいけば、大変極端な表現でございますが、我が国の畜産、酪農が安楽死してしまうんじゃないかというようなおそれさえあるわけでございますから、どのような位置づけをするか。それから、生産目標をどこに置くのか、どのようにするのか。食料自給の問題が、今回の米騒動でもおわかりのように、非常に大きな問題になっておるわけでございますから、自給率をどの程度考えていくのか。
 そのようなことを含めてやはり新しい計画なり、構想なり、将来方向を農民に示し、それを担保する財政政策をきちんと講ずる必要があると思いますが、いかがでございましょうか。
#87
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま佐藤先生御指摘のとおり、畜産関係分野におきましては従来から諸般の厳しい実態の中にございまして、御指摘賜りましたようなガット・ウルグアイ・ラウンドの分野等々御関係の皆様方が、特に最近におきましては、今先生御指摘のような意味合いにおける将来展望をというような意味合いの問題意識あるいはまた御不安といいますものを強くお持ちになっていらっしゃる今日の姿ではないかなというように私自身も受けとめさせていただいておるわけでございます。
 御案内のとおり、平成二年一月に策定されました農産物の需要と生産の長期見通し、これは平成十二年度を目標年度として所要の国内生産量を見込んだような内容に相なっておるわけでございます。なおまた、昨年の九月に、御案内のとおり、農政審議会におきましても、十年程度後を目標としました効率的な、そしてまた安定的な経営体の姿、いわば経営展望と申しましょうか、そういうものの基本方針が取りまとめられまして公表をされておりますことは御案内のとおりであるわけでございます。
 そういうような施策の中に立っての今日の姿であるわけでございますが、何といいましてもガット・ウルグアイ・ラウンドの受け入れというような意味合いの中にございましては、ただいま佐藤先生御指摘のような意味合いにおきまして、やはりある意味におきましては、もう一度掘り下げた論議の中から中長期展望といいますものの確立を図っていかなければならない。
 さような意味合いにおきまして、農政審議会において新たな国境措置のもとでの中長期的な視点に立ちました農業政策の展開等々、この中におきます畜産あるいは酪農問題等々ただいま御審議を煩わしつつあるわけでございますが、そういった論議を踏まえながら、ただいま御指摘のような先生の御意思に沿った計画、立案を進めていかなくちゃならない。今日、さような取り組みを始めさせていただいておる、かように御了解を願いたいと考えておるわけでございます。
#88
○佐藤静雄君 大臣も私の認識とそう違いはないと思いますが、新たな国境措置ができたわけでございますから、それに対応する新たなやはり方針なり方向を打ち出していかなきゃいかぬというふうに思うわけでございます。
 世界の食料事情を展望すれば、今後ますます食料需給がタイトになります。したがって、国内の自給率を上げるということが何よりも大切な政策になるはずでございます。今回の米騒動で国民がいかに国内産の米に期待を寄せているか、それは農水省のお役人さんもしかと認識をされたことと私は思うのであります。畜産、酪農の面におきましても、米と同じようにある程度自給率を向上させておかなければいけないわけでございます。したがって、新たな国境措置、ウルグアイ・ラウンドに合意した立場からいうと非常に難しゅうございましょうけれども、新たな国境措置を講ずる必要があるというふうに私は思うのでございます。
 さらに、それとともに、ガット合意終了後、もしウルグアイ・ラウンドがこのまま批准され関係法律が整備されたということになれば、二〇〇〇年にウルグアイ・ラウンドが終わるわけでございますから、今度は二十一世紀を見込んで、食料輸入国も納得のできる新たな貿易ルールを構築しなければならないというふうに私は考えておりますが、大臣の御所見を賜りたいと思います。
#89
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、六カ年間という期間の中における一応の合意を受け入れるというような政府の立場に今日相なっておるわけであります。
 御指摘のございましたとおり、やはりこれからの、いわば爆発的なと申し上げた方がいいと思いますけれども、人口増加の現状に照らしまして、毎年地球上には約一億人近い方々の人口増、ミニ日本が毎年一つ出現をするというような情勢の中にございましては、これから先の人口問題即食料問題ではなかろうかというようにも考えるわけでございまして、私どもはいわゆる六年完了前の一年前からの再協議問題等々を踏まえる中にございましても、世界の関係の国々の方々に対しまして、これからの人口問題、食料問題等々のさらなる深い御理解を賜ります中におきまして、ある意味におきましては食料の自給体制といいますものをどういった意味合いでの位置づけをやっていくか。主食問題もございましょうし、あるいはまた我が国の置かれております食料自給率が四六といったような姿を踏まえまして、各国への理解を、そしてまたそれぞれの地球的規模における基本的な物事のとらえ方、こういうものの確立を図るべく努力をしていかなければならない。
 ただいま佐藤委員御指摘のとおり、やはり人口増という中にございましては、少なくとも自給体制といいますものを維持していく、あるいはまた難しい要素はございますけれども、御理解を得るべく引き続き努力を重ねていく、こういうことが今日私どもに与えられた課題ではないか、かように考えている次第でございます。
#90
○佐藤静雄君 ところで、牛肉の供給は国内産が五〇%をもう割りました。四八、九%だと思いますが、果たして牛肉の自給が国内産で五〇%を割るというようなことが好ましいことかどうかということをやはり私どもは考えなきゃいかぬというふうに思うわけでございます。
 そこで、我が自由民主党では勉強会を開催いたしまして、この国会にぜひ外国産牛肉輸入調整法案、これを提出したいというふうに考えておるわけでございます。現在の輸入牛肉の無秩序な攻勢によりまして、牛肉ばかりではなくてすべての畜種にわたって自給バランスが崩れてくる。現在の畜産危機の主要因となっているということは御承知のとおりだと思います。
 一方、牛肉自由化におきまして、日米合意によるセーフガードは、これは発動が事実上不可能だ、そういう条件下にありまして、実質何らの措置もしていないということでございますが、現行制度では日本の畜産、これを守るためには畜安法しかないわけでございます。畜安法による価格安定制度を中心とする施策を農林水産省はこれまでとってきたわけでございますが、輸入自由化というような段階で国産のみの調整保管だけによって国内の価格安定と生産者の経営安定を図ることは、実際もう不可能になっておるわけです。したがって、この畜産危機と制度がもう崩れたという認識に立ちまして、この現状を打開すべく私どもは牛肉輸入調整法案なるものを一生懸命考え出したわけでございますが、政府はこの法案をどのように評価し、どのような態度をおとりになられるのか、御説明をいただきたいと思います。
#91
○説明員(中須勇雄君) 御指摘のございました自由民主党提出の外国産牛肉輸入調整法案につきましては、一つは国際的な協定であるガットとの整合性というものをどう考えるか、あるいはもう一つ現実的な問題として、アメリカを初めとする輸出国側との外交関係への影響、こういったことを含めていろいろの問題が存在しているというふうに考えております。
 また、今回のウルグアイ・ラウンドにおける合意の中で、牛肉については、先ほど先生御指摘のとおり、五〇から三八・五への関税の引き下げということを合意した代償といたしまして、これもまた御指摘ございましたように、現在一定のセーフガード措置がアメリカとの間に認められているわけでございますが、これが実はほとんどというか全く機能していない、こういう状況にあります。このセーフガードをもう少し有効に働かせる、そういう意味での新しい特別のセーフガードを設けることを関係国と合意したところでございます。したがいまして、我が国としては、基本的にこれら国際的に合意を見た措置についてこれを活用していくということがまず必要なんではないか、こういうふうに考える次第でございます。
 したがいまして、現在提出されております法案につきましても、率直に申しまして政府としては実行にかなり限界があるというのも事実でございます。今後、この問題については慎重に検討する必要がある、こういうふうに考えております。
#92
○佐藤静雄君 アメリカではまだ輸入調整法を持っておりますね。まだ廃止になっておりません。これに対して、日本国政府はどういう態度をおとりになるんですか。
#93
○説明員(中須勇雄君) 御指摘のとおり、米国は食肉輸入調整法という法律によりまして、事実上輸出各国に自主規制を、アメリカに対する牛肉の輸出について自主規制をさせて、数量規制をやっている、こういう実態にございます。
 これは今回のウルグアイ・ラウンドの合意の中で、この食肉輸入調整法についてアメリカは廃止をする、この法律に基づく措置は関税化をするということがアメリカの国別表に記載されているわけでございます。したがいまして、当然このウルグアイ・ラウンドの合意が発効された段階では、アメリカは当然に食肉輸入調整法については廃止の措置をとる、こういうふうに私どもは考えております。
#94
○佐藤静雄君 次に、乳価と限度数量についてお伺いをいたしたいと思います。
 酪農生産基盤の弱体化と将来に大きな不安を抱く生産者を考えた場合、どのような乳価を諮問するか、これが今最大の焦点になっておるわけでございます。最近の酪農情勢を考えた場合に、ここ数年保証価格は、平成二年七十七円七十五銭が、平成四年七十六円七十五銭と一・二九%の引き下げとなるなど、引き下げもしくは据え置きの傾向にございまして、この間、消費者物価指数は上がっておるわけでございます。さらに、平成三年にとられた牛肉輸入自由化の措置によりまして、個体販売価格は大幅な低落を示している。例えばぬれ子で話をいたしますると、平成二年に一頭九万六千円したものが、平成五年十二月には政府の統計でも一頭四万五千円。現実にはもっとこれは低下しているというふうに思うわけでございますが、五三%もの下落を示しておるわけでございます。
 このような悪条件下に加えて、平成五年度は冷夏でございました。飲用牛乳の需要が減少しまして、生産計画は当初計画一〇〇・九%から九八・五%、二・四%も縮減せざるを得なかった。農家は苦しい中でも自主減産に踏み切ったのであります。このように、重なる悪条件下にあって酪農家は低コスト生産に向けて懸命な努力をしておるわけでございます。
 数値で申し上げますと、搾乳牛一頭当たり家族労働時間は、平成四年は百二十七・五時間かかったわけでございますが、平成五年は百二十・七時間、五%も努力をしております。これは一頭当たり換算乳量でございますけれども、平成四年には七千四百キログラム、これを平成五年に七千六百四十六キログラム、三・三%も努力をしたわけでございます。
 さらに、これは後ほど申し上げる、酪農家が廃業していくのに伴っての影響もございましょうが、乳用の頭数規模は平成四年の三十七・八頭から平成五年には四十・六頭、七%も拡大を図っておるわけでございます。生産性を向上させるために、生き残るために酪農家は死に物狂いの努力をしておるわけでございます。
 その結果、酪農家の過重労働が問題となっておるわけでございまして、平成四年の酪農専従者一人当たりの労働時間、これは北海道では三千時間というような恐ろしい数字を示しておるわけでございます。新政策における農業従事者の労働時間を大体二千時間というふうに想定をいたしておるわけでございます。さらに、製造業の五人以上の所定労働時間、これも二千時間というふうに考えておるわけでございますが、これと比較したときに本当に過酷な条件下にあるということを御認識いただきたいと思うわけでございます。また、急激な規模拡大によりまして酪農家は多くの固定化負債を抱え込んでおる、余儀なくされておるということでございます。
 さらに、重大なことは、従来、内外価格差の縮小の努力は全部生産者側に押しつけられてきたのであります。すなわち、昭和六十年に九十円七銭であった保証価格は、平成五年には七十六円七十五銭、実に一四・八%も縮減されております。基準取引価格は、昭和六十年七十円十七銭が平成五年に六十五円二十六銭、これは七%の縮減でございます。したがって、この数値からいきますと生産者の手取り所得は激減しておるわけでございます。すなわち、農家が真摯に努力をして生産性を向上させた結果は農家の所得向上分にははね返っておらない、ここに問題があるというふうに私は思うわけでございます。
 その結果、残念なことに、平成三年に五万九千八百戸ありました酪農戸数は、乳価の低迷、それから今言ったような厳しい条件、それから牛肉自由化、そういうような影響によりまして収益の悪化が激しくなりまして、酪農家に先行き不安が強まりまして、平成五年には五万九百戸、実に一四・九%も農家戸数が減少しておるのであります。
 政府は、これらの実態をどのように考え、今後どのような酪農振興策を図っていくのか、お示しをいただきたいと思います。
#95
○説明員(中須勇雄君) 現在の我が国の酪農をめぐる状況という面で概観をいたしますと、先生がただいま御指摘になりましたとおり、乳用牛の飼養戸数というものはここ二、三年で申しますと年率七%程度で小規模層を中心に減少が進み、我が国全体での飼養頭数はおおむね横ばいでございますので、一戸当たり規模拡大が進む、それからさらに一頭当たりの乳量の増加であるとか、あるいは一頭当たりの労働時間の減少、そういうことを含めまして、生産者の大変な御努力ということも相まって生産性の向上が図られているという側面があるわけでございます。
 しかし、収益性の分野につきましては、御承知のとおり、平成二年まではおおむね順調に推移してきたわけでございますが、特に二年後半から牛肉の自由化の影響によって初生牛価格等が低下をするということで、三年にはかなり低下をいたしました。ただ、その後、四年、五年と三年を底にして徐々に回復の傾向にある、こういう状況であります。
 こうした中において、総体として見ればかなり規模の大きい酪農家が育ってきているという側面はありながらも、先生がただいま御指摘になりましたように、一戸当たりの労働時間、これは専従者で割るか従事者で割るかということで時間は変わってまいりますが、二千五百時間を北海道で超えるような、かなり労働時間が過重である、そういう問題。そういう中でどうやってゆとりある酪農経営を育てていくか。また、負債の問題。全般として我が国の酪農家平均では一千百万程度の負債を抱えている、北海道で言えば二千五百万程度の負債だと、こういうようなデータになっておりますが、個別に農家を当たった場合、負債の重圧に大変悩んでおられる農家、こういうのもあるわけでございます。
 こういった中で、私どもとしては、基本的に生産性の向上を図ると。冒頭大臣からお話がございましたように、新しい経営展望というものもいろいろ示しているわけでございます。そういうものにのっとって経営マインドを持った一定規模のしっかりした酪農家を育てていく、こういうことを基本的な方針にしてまいりたいと思っているわけでございます。同時に、やっぱり個々に出てきている負債問題だとか労働時間問題については、それはそれなりのまた別途の対策というか、そういうものを組み合わせていって我が国酪農の一層の振興を図っていく必要がある、こんなふうに思っております。
#96
○佐藤静雄君 次に、保証価格の決定についてお尋ねをいたしたいと思います。
 生産性向上に努力をしている酪農家、これが生産費を引き下げるわけでございますが、その引き下げが乳価引き下げに連動してしまうということになりますと、先ほど申し上げましたように、農家の手取り価格の増大にならないわけでございます。このような政策は、生産者の努力がもう限界に来ている。したがって、新しい考え方を入れていかなきゃいかぬというふうに私は思うわけでございます。生産者は二年連続減産という厳しい計画生産に取り組んでおりますが、乳製品の国内生乳供給を維持確保していくことが将来の我が国の酪農生産基盤の強化のために必要だというふうに私は考えております。
 したがって、加工原料乳保証価格は、乳製品の関税化などによりまして将来に大きな不安を抱く生産者に配慮をして、現行価格以上に決めていただきたい。また、酪農経営生産性向上等緊急特別対策事業で昨年キロ当たり二円確保したわけでございますが、自由化以降急速に所得が低下している酪農家に対する措置でありましたので実質的な所得になっておるわけでございますから、このキロ当たり二円の確保、できれば現行以上の確保が必要と思われますが、あわせて農水省の考え方をお聞かせ願います。
#97
○説明員(中須勇雄君) 御指摘のとおり、加工原料乳の保証価格につきましては、いよいよあした畜産振興審議会の酪農部会が準備されているという中で、政府部内におきましても大詰めの調整を進めているところでございます。
 そういう意味で、現段階では価格水準そのものについては私も云々し得ないわけでございますが、ただ、基本的には加工原料乳の保証価格については、過去長年にわたって畜産振興審議会、さまざまな場での議論を積み重ねて、生産費調査を基礎として、それに一定の評価がえであるとか物価指数を最新のものに改めるとか、そういう修正を行った上で算定をしていく、こういうルールが確立されているわけでございまして、それに基づきながら適切な試算を行って審議会の御意見を聞き、決定していく、こういうことで努力をしてまいりたい、こういうことであります。
 それから、二点目にございました酪農経営生産性向上等緊急特別対策事業については、御趣旨については御要請として受けとめるわけでございますが、昨年この事業を行ったときの経緯といたしましては、昨年の事情に対応した一年限りの措置ということで実施した経緯がございまして、そういうことを踏まえながら、これから乳価の問題を含めて検討していく、こういうことに相なるかと思います。
#98
○佐藤静雄君 二円の問題は強く要請をしておきます。ぜひ確保していただきたいというふうに思います。
 次に、限度数量についてお尋ねをしたいと思います。
 平成五年は、先ほど申し上げましたように、景気低迷と冷夏という天災によりまして八月の飲用需要は、十一年ぶりだそうでございますが、五%以上の城となった。かてて加えて、バターの過剰在庫は五万トンを超えて、七カ月を超えているという御説明をいただきました。適正在庫が二カ月ということでございますから、もうはるかに超えたということでございます。
 これに対して、生産者もただ漫然としておるわけじゃございませんで、自主的に基金を八十億円造成してこの解決に当たろうというふうに対策を講じておるわけでございます。また、生産者は、みずから二年続けての減産という厳しい計画生産に取り組んでおるわけでございます。
 したがって政府は、消費拡大、需要拡大、あるいは事業団による海外援助あるいは輸出、そういうことを真剣にこの際考えていただきたいと思いまするし、これらの施策の推進と過剰在庫とを連動させて考えていく必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。
 しかしながら、このような厳しい酪農情勢を考慮した場合、加工限度数量の確保は酪農民の本当のお願いでございますので、生乳の国内供給を原則として現行数量を維持確保していただきたい、こういうふうに私は思うのでございますが、いかがでございましょうか。
#99
○説明員(中須勇雄君) 確かに御指摘のとおり、外部的要因も加わって牛乳、生乳あるいは乳製品の需給が大変緩和している。中でもバターの在庫というものが、ただいま先生御指摘のとおり、かつて例のない大幅な在庫の積み上げということが現に生じております。こういう中で、加工原料乳の限度数量というものもあわせて明日審議会に試算値を出して諮問申し上げる、こういうことになるわけでございますが、価格と同様、現段階でこういうことであるという答えはまだ持っていないわけでございます。
 ただ、需給自体が緩和をしている、特にバターの在庫が大量に生じているという中では、来年一年の需給計画を立てて、それで必要な乳製品の生産に必要な生乳の量という形で限度数量を設定するわけでございますので、大変状況は厳しいというのが率直な感じでございます。
 まだ残された時間、わずかではございますが、議論を重ねて適正な数量設定に至るように努力をしていきたいと思っております。
#100
○佐藤静雄君 次に、指定食肉についてお伺いをいたしたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、無秩序な輸入牛肉攻勢によりまして、全畜種にわたって需給及び価格が不安定になっております。すなわち、関税の引き下げを検討した場合、平成三年の七〇%から平成五年の五〇%という数字は先ほど申し上げたとおりでございますが、これでもう既に二九%引き下げられた。さらに、先ほど申し上げましたが、急激な円高で実質関税率は五〇%といいながら、それよりもずっと下がっておるわけでございます。平成三年を基準とすれば実質三〇%を割る。したがって、競争力が非常に厳しくなってきておるということでございます。
 輸入牛肉の量は、平成五年で前年対比二四%もふえている。四十三万七千トンに上っておりまして、先ほど申し上げましたように自給率は過去最低の四九%まで低下しておるわけでございます。
 これに加えて、ガット合意によって牛肉、豚肉はさらに関税を引き下げなければならないという状況に追い込まれております。牛肉は現行の五〇%を平成十二年には三八・五%、実に一二%も下げなきゃいかぬ。豚肉は、御承知のように、基準輸入価格が四百八十三円であるところを平成十二年には四百十円まで、一五%下げなきゃいかぬ。定率税は五%から四・二五%、これも一五%引き下げなければならないということになりますと、畜産農家は今でさえ厳しいのに、また関税を下げられたらどうなるんだろうということで、経営の将来展望に大きな不安を持っておるわけでございます。
 したがって、豚肉安定価格については、再生産の確保と経営の安定を図る観点から、現行価格以上にしていただきたい。牛肉の安定価格については、市場の実態を踏まえまして、和牛と乳用を分離する。再生産の確保と経営の安定を図る観点から、それぞれ適正な価格を私は主張したいと思うわけでございます。また、平成七年度以降につきましては、関税暫定措置法を改定して、豚肉安定価格と基準輸入価格との関係を分離する、そういう方策も必要ではないかというふうに考えておりますが、見解をお聞きします。
#101
○説明員(中須勇雄君) まず、豚肉の安定価格につきましては、本日十時半から行われております審議会に既に試算値の諮問が行われているわけでございますが、具体的に申しますと、安定上位価格五百四十円、安定基準価格四百円という安定価格を試算値として提示しているところでございます。
 これは、豚肉については、生産費調査等によりますと、特にえさ代の低下等がございまして、従来の算式上ある程度安定価格の低下ということが避けられないわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、豚肉については、昨年来価格がなかなか上昇しない、こういう問題を含めて種々農家の方でも厳しい状況が見られます。そのために、現在中心価格を求めて、それを上下に一七%変動幅として設定しているわけでございますが、それが最近やや変動が小さくなってきているということで、その変動幅を縮小いたしまして安定基準価格の四百円は維持をする、こういうような試算値を提示したところでございます。
 一方、牛肉につきましては、これについては先生御指摘のとおり、従来から和牛と乳用種についてこれを分離すべきではないか、こういう御議論があるのは事実でございます。これはただ、先生も御承知のとおり、牛肉は昭和六十三年度までは、それぞれ実は和牛とその他牛肉ということで乳用種が分離をされておりました。それを、いわゆる枝肉の格付というものを統一的に改正した際に、ある意味では大変意欲的かつ革新的な試みであったわけでありますが、一つは余りに霜降り偏重というか、そういうことを是正するというふうなことも含めまして、いわゆるB2、B3ということで我が国の去勢牛肉の約半分を対象にして、和牛乳雄に限らず統一的に価格制度の対象として見ていこうではないか、こういうことで分離していたものを一つのものにした、こういう経緯がございます。
 一つはそういう経緯の問題があるのと同時に、これをもし現時点で和牛と乳雄にB2、B3を分離するということになりますと、乳用種の場合にはこのB2、B3の比率というのが大体七割を占めますから、乳用種の肉の大部分というものが価格安定制度の対象になるわけでございますが、和牛の場合にはB2、B3というふうに出てくるのは大変わずかでございます。全体の和牛の去勢牛肉のうちの一〇%ちょっと、こういう水準でございまして、そこを対象に価格安定制度を運用するというのもなかなか合理的な理由が見出しがたい、こういう問題もございますし、それと、今一本であるのを分離するということは、相対的に高い和牛と相対的に低い乳雄ということに分離する関係上、今の安定価格というのを乳雄についてはかなり大幅に下げなきゃならない、そういうような問題がございます。
 そのために、枝肉の価格安定制度のあり方も含めまして、少し中長期的にそこは検討をさせていただきたいというふうに考えておりまして、当面、明年度の牛肉の安定価格については現状の形のもとで、具体的な水準で申しますと、上位価格が千百四十円、安定基準価格が八百七十五円というような試算値で本日審議会での御審議をお願いしている、こんな状況にございます。
 それから最後に、豚肉のいわゆる基準輸入価格の問題でございます。
 現在、豚肉の基準輸入価格については関税暫定措置法においていわゆる安定価格帯の中に輸入豚肉の価格をおさめていく、こういう観点から、安定上位価格と安定基準価格の中心値をとる、こういうふうに定められているわけでございます。これをウルグアイ・ラウンドの合意が実施される平成七年度以降どう取り扱うかということにつきましては、現在なお確たることを申し上げる段階にはございません。なお検討を続けていきたいというふうに思っております。
#102
○佐藤静雄君 次に、肉用子牛の保証基準価格についてお尋ねをしたいと思います。
 子牛の不足払い制度は、黒毛和種を除きまして褐毛その他の専用種、乳用種ともに本来は輸入牛肉と対抗できる価格に設定されたというふうに考えておりますが、その合理化目標価格を長期にわたって下回っておるわけでございます。乳用種におきましては平成三年からもう既に十一期連続で発動されている。その他の肉用種につきましては平成二年から、これは自由化前からでございましょうが、十三期連続発動。それから、褐毛につきましては平成五年第一・四半期に黒毛と分離後三期連続発動というふうになっておるわけでございまして、補給金総額は急増しております。その額は、農林水産省から教えていただいた額でございますが、三年度には九十五億円、四年度には二百九十一億円、そして五年度には五百億円を超える見込みであるというふうなことになっておるようでございます。
 しかしながら、肉用子牛の保証基準価格は再生産と所得の確保を図る観点から、やはり現行価格以上にしてもらわなきゃ困るという農家の声が強うございます。黒毛和種につきましては、法制上の問題もあると聞いておりますが、雌雄を分離してほしいという声もございます。この点について、値段の点と分離の問題について農林水産省の見解を聞きたいというのが第一点でございます。
 第二点は、今申し上げましたように大変な発動でございまして、県基金の財源は枯渇しております。全国協会からの借り入れが急増しておりまして、平成四年度は七十七億円、平成五年度は百七十億円を超えるという見込みになっておるということを聞いております。したがって、県基金の償還財源対策を引き続いて拡充強化して支援をしていただきたいということと、県基金の財政基盤の強化対策を抜本的に講ずる必要があるのではないかというふうに考えておりますが、この点について御見解を賜りたいと思います。
#103
○説明員(中須勇雄君) 肉用子牛の保証基準価格につきましても、同様に本日の畜産振興審議会に試算値をお示しして、ただいま御審議を願っているところでございます。基本的にどういう内容であるかというふうに申し上げますと、黒毛和種と褐毛和種、いわゆる赤毛につきましては、それぞれ保証基準価格、合理化目標価格とも本年度と同水準、こういう考え方でございます。
 ただ、従来から黒毛和種については三十万四千円というのが保証基準価格であるわけでございますが、これについて大幅な引き上げができないかと、こういうような議論がかねてからございました。これについては、やはり制度としての保証基準価格については算定上困難であるけれども、現在行われております子牛の維持拡大奨励事業を少し充実強化いたしまして、より生産者の増産意欲というか、そういうものを喚起する仕組みに直すという方向で基本的に財政当局とも合意が得られまして、さらに引き続き細部を詰めているところでございますが、そういうものもあわせて実現をしていきたいというふうに思っているわけでございます。
 実は、雄雌の分離の話というのも、なかなか三十万四千円という水準自体が低い、こういう議論がある中で、特に最近においては雌の価格が低下をしている、こういうことから分離ができないかという御議論があったわけでございますが、先生御指摘のとおり、これは法律改正事項でございます。それと同時に、仮に法律をしゃ直せばいいのかということに関しましても、子牛が生まれて生産されてくるというのにかかる費用は実は変わらないわけでございまして、費用が変わらないということは、再生産を確保する水準が同じだということにいわばなるわけでございまして、そういう意味で、なかなか理屈の上でも雄と雌を分離するというのは難しい側面もございます。そういったことも含めまして、先ほど申しましたように、維持拡大の奨励金の事業を拡充いたしまして、現在のような価格水準でも奨励金が交付されることによって、雌をたまたま生産された方にもそれなりの増産意欲を持っていただける、そういうような改善を期待しているわけでございます。
 それからなお、その他の肉専用種と乳用種、この二種類につきましては、繁殖雌牛の価格自体が相当安くなってきている。乳用種で言うと、素牛自体が安くなってきている、こういうことがございまして、どうしても算定上ある程度の保証基準価格の引き下げということが出てまいるわけでございます。
 ところが、これらの二つの種類につきましては、褐毛もそうでございますが、先生御指摘のとおり……
#104
○委員長(浦田勝君) 審議官、もう時間をオーバーしておるから。
#105
○説明員(中須勇雄君) 失礼いたしました。
 もう少し簡略に申し上げますが、合理化目標価格を下回っておりますので、合理化目標価格自体をかなり大幅に下げまして、生産者にとっても手取りが大きく減ることのないように措置をする、こんな考え方で諮問したところでございます。
#106
○佐藤静雄君 基金に対する援助は。簡単にでいいです。
#107
○説明員(中須勇雄君) 明年度についても、現在の基金の償還円滑化対策を継続してまいりたい、こういうふうに考えております。
#108
○谷本巍君 畜産振興審議会の酪農部会をあすにいたしまして、どういう諮問をつくられようとしているかについて若干伺いたいと存じます。
 初めに伺いたいと思いますのは、酪農の現状について大臣がどのようにとらえておられるかについて伺いたいと存じます。
 酪農で言いますというと、日本の加工用原料乳地帯は既にヨーロッパに追いつきました。先般発表された生産費を見てみますというと、それぞれの項目が、でこぼこはありますが、マイナスという状況になってきておりまして、全体で見てみますと若干ではあるが生産費も下がってきているというような状況であります。
 確かに、こうした数字で見てみますと、日本の酪農は前途遼遠といいましょうか、バラ色のような感じがいたさないでもありません。ところが、実態はどうかということで見ますというと、私は多くの問題点があるように思います。
 最近の規模拡大を見てみますというと、円高であるので輸入濃厚飼料依存型で多頭化をやってきた。そのために牛の病気がふえた、長持ちしなくなった、さらにはまた、ふん尿の処理費等々がかかるようになってきたという状況が一般的に見られます。かくして、一頭当たりの投下労働時間は減っても費用は逆に上がっていくという状況が見られるようになってきました。ヨーロッパの酪農の場合は時間をかけて蓄積を積み上げつつ規模拡大をやってきたのに対して、日本の場合には借金で急ピッチに規模拡大をやってきた。したがって、過大な負債も抱え込んでいるというような状況があるわけであります。
 こうした状況などを見てみますと、生産費にあらわれた数字だけで見て乳価を決定してよいのかどうかということについて私は強い疑問を感じます。初めに大臣、そうした点も含めてどのようにお考えになっているかについて伺いたいと存じます。
#109
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま酪農の問題につきましては、谷本先生御自身の御指摘がございましたとおり、数字で見た場合に改善がされておるではないかという短絡的な受けとめをなし得る姿がありますこともこれまた事実。しかしながら、今御指摘がございましたように、諸外国と比較しました場合におきましては、いわば経営規模の拡大ということと飼育頭数の拡大ということに力が入りまして、借入金の増大というような問題を抱えておる実態に今あると。そしてまた、ガット・ウルグアイ・ラウンドの問題等々、そういうことを考えますとやはり生産者側の、酪農関係の方々の将来に対する御不安等々、そういうものもこれまた私どもの立場におきましては念頭に置いておかなければならない。いわゆる改善された要素、しかしながらまたより難しくなっておる要素、こういうものが複合して存在をしておる。
 まことに厳しい実態の中における今回のあすに控えた問題で、私もより慎重を期しながら、こういった御指摘を賜りましたもろもろの要素を念頭に置いての諮問を進めていかなければならない、かように心得ております。
#110
○谷本巍君 今まで経営的に大変だという時期に酪農家が対応してまいりましたのは、一つは乳量の増大で乗り切るという手がありました。今度はバターの過剰等々の問題があって、その手法がきかなくなってしまったという問題が出ております。それからもう一つは、先ほども申し上げましたように規模拡大で乗り切っていくという方法があったのでありますが、どうも規模拡大も今までどおりのパターンでやっていってよいのかどうかという問題等々が今出てきている。ここでもう一工夫しなきゃならぬというような状況が今生まれているわけであります。
 それだけに、ここのところをどう乗り切るかということが私は大事になってきていると思うのです。したがって、そうした点も含めて、今大臣が言われた考え方でひとつやっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
 続いて、価格算定の問題について若干伺っておきたいと思います。
 確かに、生産費で見ますというと対前年比マイナス一・一%ということになっております。これが価格算定の評価がえの作業をやっていくとどんなことになってくるのか。もうちょっと大きなマイナスの数字が出てきそうな気がしないでもありません。
 そこで、初めに伺いたいと思いますのは、投下労働費のとり方問題について若干伺っておきたいと思うのです。
 新農政は、他産業並みの生涯所得の確保を政策目標にしております。これまで価格算定における労働費のとり方問題については零細な農家の場合に他産業並みということにいくんですかどうなんですかという議論があった。酪農の場合、とりわけ加工原料乳の場合には既に西欧並みの規模拡大が達成されておるわけでありますから、したがって他産業並みの賃金とり方についてどうこうという議論というのは、私は通用しないと思うのです。
 そういう立場で、まず伺いたい第一点は、時間外労働評価についての問題であります。
 酪農の農家の一年当たりの労働時間は昨年は二千八百時間と言われてまいりましたが、ことしはこれ北海道の場合ですが、三千時間、三千百時間という声も出るようになってまいりました。対象製造業で見ますというと、恐らく年間労働時間が二千時間前後になるんじゃないでしょうか。そうしますと、約八百時間以上の差が出てくる。この差というのは一体どういう中身を持ったものなのかということで見てみますというと、やっぱり時間外労働という労働が非常に多いんですね。ところが、価格算定における労働費の評価がえについては、その種の配慮というのがなされていない、込み込みで計算されているにすぎない。果たしてそれでよいのかどうか疑問を持つのでありますが、いかがでしょうか。
#111
○説明員(中須勇雄君) 先生御承知のとおり、保証価格の算定に当たっては、酪農の労働のうち飼養管理労働につきましては、その周年拘束性という性格にかんがみまして、主要加工原料乳地域の五人以上の製造業労賃で評価がえをする、こういうことでやってまいりました。その五人以上製造業労賃というものをとる際には、いわゆるその製造業の総現金給与支給額すべてを、時間外手当、賞与ともすべてを総労働時間で割るという形で出てきた単価を用いるということでございますので、基本的には製造業におけるそういった時間外割り増し賃金と申しましょうか、そういうものも単価の中には反映をしている、こういうふうに考えている次第でございます。
#112
○谷本巍君 中須さん、酪農の場合も二千時間や二千二百時間、三百時間ぐらいだったらそれでいいんですよ。二千八百時間から三千時間と言われるような異常な状況になってきてしまっているんです、残念ながら。だとすれば、それは製造業の残業なども含めてやっているんだから、それでもってそのままもろに評価がえしていいんだというようなやり方はもう通用しないんじゃないんですか、どうなんですか。
#113
○説明員(中須勇雄君) 実際上、その酪農の労働時間というのが農家経済調査のベースで言いますと、例えば北海道で言うと、従事者全体で割りますと約二千五百時間、こういうふうになっているのは事実でございます。同時に、例えば保証価格を算定しております生産費調査、この生産費調査で一体どの程度労働時間がかかっているかということを計算いたしますと二千時間弱ということで、必ずしも農家経済調査の数字とはまた違ったデータになっているわけでございます。
 一方、毎月勤労統計におきます北海道の製造業五人以上の総労働時間というのは、一応二千五十七時間というふうに聞いております。したがいまして、その辺、実際上その酪農家で行われた労働というのをどこまでを所定内というか、時間内といい、どこをまた時間外というか、これはなかなか難しい問題でございまして、当面の対応措置として、現在のような全体で総トータルのものを総労働時間で割るというやり方でやるしか具体的な方法としてはなかなか対応しがたいのではないか、そういうふうに思っております。
#114
○谷本巍君 それしか方法がない、方法があれば私が指摘した問題点、これは検討するというぐあいに理解しておいていいですか。
#115
○説明員(中須勇雄君) その場合にも、ちょっと冒頭申しましたようにいわゆる生産費調査ベースでもって一人当たりの総労働時間がどういうふうに出てきているかという問題がございます。ただいま私が手元に持っているデータですと一人当たり年間千九百時間、これは概算でございますが、そういうデータも出ておりますので、そういう問題も含めて検討していかなければならないというふうに思います。
#116
○谷本巍君 その点はまだ、時間がありませんから先へ進んでおきますが、これはまた後の議論として残しておきますよ。
 もう一つの問題は休日労働の問題なんですよ。御存じのように労働基準法が改正されて、ことしの四月一日からですか、割り増し賃金が従来二五%であったのが今度は三〇%ということになります。製造業の場合でしたら休日出勤が少ないですね。酪農家の方は盆も暮れもないんですよ。乳は正月だからとまるとか、日曜日だから乳が出るのがストップするというような状況はないわけですからね。そうしますと、この休日労働の割り増しをどう見るかということがもう一つの問題だろうと思うわけです。この点はいかがですか。
#117
○説明員(中須勇雄君) 御指摘のとおり、労働基準法の改正によりまして休日出勤と申しましょうか、その場合の割り増し賃金率というのは三五%以上五〇%以下、こういうふうになるわけでございます。同時に、通常の労働時間外の場合には二五%以上五〇%以下、こういうことでございます。
 厳密な厳しいことを申しますと、その五〇%というのは、従来は青天井であった、それが上限が設けられたということがございます。したがいまして、現実の勤務時間外なり休日労働の賃金がどう動いていくかということについては、いま一つ不明な点があるわけでございます。
 そういうふうな問題が一つと、それからもう一つは休日労働というものを農業という部門でどうとらえるかと。これは、もちろん酪農の場合には周年拘束、一日も休めないという意味において当然休日もつぶれるという特殊性があると。そこが製造業五人以上の上は青天井の製造業労賃等に評価がえをするという根拠にしているわけでございますが、休日働くというのは酪農に限らず農業一般にあるわけでございまして、それとの取り扱いを一体どう考えるのか、そういうことも十分議論していかなければならない問題ではないかなというふうに思っております。
#118
○谷本巍君 とにかくこれは大臣にも聞いていただきたいんですよ。この評価がえをやるのは民間の事業者じゃなくて国がやるんです。大臣がなさるんです、責任はね。ところが、政府が労働基準法違反と見られるような評価がえというのはどうもいかがなものかと私は思うのです。
 特に今言った休日労働なんかは耕種農業の場合、休日に休もうとすれば休めるんですよ、やろうとすれば。酪農というのは耕種農業と違った特殊性がそこはあるわけですよ。ですから、その辺のところは無視してよいんだという理屈で通るのか通らないのかと。これは訴訟をやったら一体どういうふうな裁判所は結論を出すだろうなというふうに私自身は思います。国がやることなのですから、それだけにやっぱり基準法はきちんと守る、一定手続きちっと守っておりますというようなことが国民の皆さんにも酪農家の皆さんにもわかるようなやり方をしていくべきだろうと思います。大臣、いかがでしょうか。
#119
○国務大臣(畑英次郎君) 国の立場にございましては、他の法規あるいはまた、ただいま御指摘がございましたが、労働基準法の問題等々、当然のことながらその法の存在といいますものを念頭に置いて対処していかなければならない。
 そういう中にございましての酪農関係あるいは大家畜の関係等々農業分野におきましては、それなりのまた特殊性というものをどういうように評価していくか。この問題につきましては、私も思うわけでございますが、畜産振興審議会等々におきまして長い間の論議の積み重ね、こういうことにもきちっとした私どもが物事を判断する基本を置いていかなければならない。さような意味合いでのもろもろの判断を慎重に念頭に置いて事を進めていかなくてはならない、かように考えております。
#120
○谷本巍君 そこで、さらにまた大臣に伺っていきたいのでありますが、三月二十五日の衆議院の農林水産委員会で大臣は、「農家の先行き不安は認識しているが、価格の算定方式は無視できない。諮問に当たっては、筋を通していかねばならない」とお答えになっております。
 そこで、初めに伺いたいのは、大臣が言うところの筋を通すというのはどういう意味なのかということであります。
 私も諮問案作成に当たっては算式は無視できないと思います。無視はできないと思いますが、それなら諮問案は一切機械的にはじいていいということになってくるかというと、私はそうではないと思います。だとするなら国会論議は要りません。だとするなら審議会も要らないでしょう。ですから、大臣が言われた筋を通すという意味はどういう意味なのかということをここで改めて伺っておきたいのです。
#121
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、毎年この不足払いの問題あるいは食肉の価格の問題等々、そしてまた米価の問題のときもそうであるわけでございますけれども、ただいま御指摘ございましたような行政サイドの立場におきましての算定方式等々、そういうものを曲げて云々というような取り組みを行政サイドの方においてはすべきではない。あくまでもやはり筋を通す、今度は逆に申し上げれば、他の違った分野の方々に対しましても、あるいは畜産振興審議会の専門委員の方々に対しましてもきちんと説明ができる、そういうような内容を含んだものでなくてはならないという意味合いにおきましての筋を通す。
 そしてまた一面、私どもの立場にございましては、ただいま御指摘がございましたようなウルグアイ・ラウンドの問題、あるいはまた置かれております問題の厳しさ、あるいは将来展望に対する不安等々、こういうものを政治的な感覚、立場におきましての配慮といいますものもあわせ考えていかなければならない、その辺の接点がなかなか難しい、かように考えております。
#122
○谷本巍君 大臣、算定上の筋を通すというのはどういう意味なのかということを私が尋ねているのとはちょっと大臣が正確におとりいただいていないのじゃないかと思うんですけれどもね。
 例えば、私が経験したのは米価算定小委員会、米価審議会のね。新しい算式づくりの作業などもやった経験で言いますというと、やっぱり一番大事なのは、新しい算式をつくる場合でも価格水準の継続性ということが問題になり、同時に価格の安定性ということ、これが大きな問題になります。そのため、まず生産の実態を見ながらどういうふうな算定要素のとり方をしていくか、ここが議論の対象になってくるわけですね。
 古いことで言いますというと、例えば米価算定で単収を入れかえてしまったということをやったことだってありますからね。通常、米価算定で言いますというと、自己資本利子とか、それから自作地の地代のとり方であるとか、時と場合によっては生産性向上、メリット還元ですね、あそこらの部分のところを、何といいましょうか調整弁としながら、価格水準を決めるというやり方を往々にしてやってきているわけであります。
 これは保証乳価の場合も同じようにあるわけです。これまでの例で見ますというと、副産物の子牛の価格の評価がえ、それから自己資本利子のとり方、それから近年では驚くなかれ、乳量のとり方だって変えるというようなことをやってきているわけですね。これは何といっても生産費の動向と、もう一つ大事なのは農家の動向、生産状況、そこらをにらみ合わせながら、総合的な判断をしながら算定要素のとり方と水準を決めているというやり方でやってきているんですね。
 筋を通すというのはどういう意味なのかというと、これまでの価格算定で言うなら私はそういう意味だろうと思うのです。いかがでしょうか。
#123
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘の点は、過去の実態に照らしましても、経験に照らしましても、いわゆる算定要素の中の問題点の視点あるいはとり方、いろいろな問題が、いわゆるある意味では弾力性といいますかそういうものは算定要素の中には私もあり得る、かように認識をいたしております。それ以外にもまた政治的な要素もこれありと、かような意味合いで御理解願えればありがたいと思います。
#124
○谷本巍君 それからもう一つ、筋を通すということとの絡みで大臣の御所見を伺っておきたいと思いますのは、ことしの場合の価格水準のスタート台が幾らなのかということなんです。御存じのように、昨年の場合は諮問が七十五円七十五銭でしたか。そして答申が終わった後、七十六円七十五銭で決定されたという経過だったように私は記憶しているんです。としますというと、最終決定された七十六円七十五銭というのがことしの価格算定のスタート台になってくるのではないかと思うのだが、いかがでしょうか。
#125
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、その年度年度のいわゆる算定要素等々を踏まえたその積み重ねの中から数字が出てくるというような理解をいたしております。
#126
○谷本巍君 大臣、もうちょっと説明していただけませんか。
#127
○説明員(中須勇雄君) ちょっと補足して申し上げますと、乳価の算定というのは、前年の価格に一定の係数を掛けるとか、そういうやり方で算定するのではなくて、毎年出される生産費調査というものを一定のルールに従って評価がえをしたり物価修正をしたりして、積み上げるというか、そういう形で算定をするということでございまして、そういう意味では、発射台というかスタート台というかそういう概念自体は、前年が幾らだからどうすると、そういうようなものはない。この年のゼロからデータに従って積み上げていく、こういう御趣旨だろうというふうに思います。
#128
○谷本巍君 そうしますと、昨年の畜産振興審議会酪農部会に示したいわゆる諮問案というのは、これは問題にはしないということでいいんですね。
#129
○説明員(中須勇雄君) 昨年の数字はあくまでも昨年の数字でございまして、ことしの数字ではないわけでございます。
 ただ、その中に流れているルールの共通性のような話は、ルールを変えなければ存在していると。ただ、データ自体はもちろん新しい生産費調査になっている、こういうことでございます。
#130
○谷本巍君 そこで、価格問題を締めくくるに当たって、くどいようですが、大臣に若干要望を申し上げておきたいと思います。
 これも三月二十五日、先ほど言いました衆議院の農林水産委員会で大臣が「農家の先行き不安は認識している」と、こう大臣がおっしゃっているんですね。
 私、きのう酪農民大会へ出ました。北海道の婦人の酪農家が発言をいたしまして、借金をしながら規模拡大を精いっぱいやってきた、ここで乳価が下げられるようならもう私は酪農をやる気がいたしませんと涙ながらに訴えておりました。このごろは地域の集会に行きましてもその種の話が多くなってまいりました。私はそういう話を聞くたびに、政治家たるもの何か酪農家から三くだり半を突きつけられているような思いがいたします。
 さらにまた、最近は畜産農家の自殺がふえております。付回りをしてみますというと、あそこの農家の方が病気ということで死んだということになっているけれども、実はあれ自殺だったんですというような話を聞かされることがしばしばだということですね。新聞にも時たま出ることがあります。新聞が書くのは大抵借金を苦にした自殺と、こう書くんですね。そうじゃありませんよ。希望を失ったから自殺をするんです。希望がある限り、借金があっても困難に挑戦できるというのが、私は人間だろうと思うんです。どう希望を持ってもらうかということが大事になってきておるのじゃないでしょうか。農家がもうだめだと思ったときに日本の酪農は滅びていきます。
 新ラウンド後、そういう傾向というのが強くなり始めようとしている。その歯どめをどうかけるかということが大事になってきた。細川総理も米市場開放に踏み切るときにテレビで言いましたよね、農家の皆さんが安んじて生産に励めるよう万全の対策を講ずると。酪農家の皆さんは、今度決まる保証乳価、これは米作農家も同じような目で見ていますよ。細川総理が言われた言葉を占うものは今度の乳価水準で決まる、見るという声が意外と大きいということであります。
 行政の側からしますというと、総理が言われたことについては農政審議会でいろいろ議論をしてことしの夏出すんだ、だから、今度の乳価決定とそれとは別なんだということを農水省の役人の皆さんが言われる例があるが、これは傲慢と言うべきです。酪農があっての畜産局なんですよ。農業があっての農林水産省なんですよ。
 そうであってみるならば、大臣も先ほど言われたが、今回の乳価決定というのは非常に政治的にも重要な意味を持っているし、そしてウルグアイ・ラウンドの後を受けて酪農家がこれからどうやっていくか、本気になって出すのかやめるのか、そのことを決める物差しに私はなっていくだろうと思います。もう一度大臣の決意のほどを承っておきたいと存じます。
#131
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま谷本先生から総合的な視野に立ちましてのもろもろの問題点の御指摘を賜ったわけでございます。
 事柄の重要性といいますか、そしてまた今置かれております時期的な、従来とは違った意味合いのこれまた大きな重み、そういうものを念頭に置き、そしてまた行政の筋は筋、そしてまたただいま御指摘がございましたようなもろもろの要素をも念頭に置きながら、あすに向けての作業を詰めてまいりたい、かように考えております。
#132
○谷本巍君 次に、生乳需給調整事業について伺いたいと存じます。
 先ほど佐藤先生の質問の中でも出てまいりましたが、バターが非常に過剰な状況であるというような話でありますが、酪農家の方は今メーカーにバターを買わされて、親戚から知人にまでバターを売っているわけです、私も買っておりますけれどもね。さらにまた、北海道で言いますというと、労働組合の連合がバターの購入運動をやっております。数量的にはまだ多くの実績は上がってはいないようでありますが、これがどれほど酪農家に対する励ましになっておるか、はかり知れないようなものが私はあるように思います。
 やっぱり政治の世界でもこたえていかなきゃならぬと思います。過剰、過剰といいますけれども、これは去年の夏が冷夏だったということが大きな原因だとされておりますけれども、輸入のあり方についてだっていろいろな議論があります。以前のように、やっぱり輸入が生んだ過剰なのではないかという指摘だって一部あるわけであります。そういう状況の中で、ことしで期限切れになる生乳需給調整事業、私はぜひ継続してほしいと思うのです。
 それから対策の中身についても、過剰乳製品の調整保管に対して金利、倉敷料の助成をやるとか、あるいは全乳哺育促進事業をやるとか、それからまた若齢搾乳牛を整理するための緊急需給調整事業等々があるわけでありますが、さらにまた農業団体が勇退奨励もやってくれぬかといったような問題提起も出ているところであります。こうした問題について、ぜひひとつ積極的に対応していただきたいと思うが、いかがでしょうか。
#133
○国務大臣(畑英次郎君) ただいまの二つの事業につきましての今日までのいわば存在価値といいますか、そういうものは私なりに承知をいたしておるところでございます。時たまたま期限切れというような段階でのただいま置かれております立場では、明言をするのは差し控えさせていただきたいというふうに考えますが、ただいまの御意見等々を貴重な御意見として受けとめさせていただきたい、かように考えております。
#134
○谷本巍君 まだ一分ほど時間があるようですから、最後にチーズの問題について若干お願いをしておきたいと存じます。
 チーズは需要が伸びております。そしてまた、チーズ基金の役割も高かったのではないかというふうに私どもは見ております。その役割を行政がどう受けとめられておるか、そしてまたぜひ継続すべきだと思うが、いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(畑英次郎君) これまた先ほどの御答弁と同じ気持ちを持って、同じ認識でもって、事柄の今日までの歩みを私なりに認識させていただいておりますので、今日ただいまこの方向づけを申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、十分この効果といいますか、存在価値といいますか、これを認めさせていただいておるということだけ申し上げさせていただきます。
#136
○谷本巍君 終わります。
#137
○星川保松君 畜産の関係者は、今大変に苦しい状況に立ち至っておるわけでありますが、畜産のこの困難な状況を何とかしてみんなの力で乗り越えていかなければならないということなわけでございます。
 それで、畜産の生産者の団体が出しております平成六年度の畜産・酪農政策及び価格に関する重点要望事項というのがございまして、先ほどから佐藤先生もいろいろこれに基づいた御質問をなさっておるわけでありますけれども、その中に基本政策の確立ということを掲げておるわけでございます。その第一に新たな自給目標の設定、この問題は先ほど触れられておりますが、その後に牛肉の総量規制を図るための外国産牛肉輸入の調整法というものをつくってはどうかという具体的な提案がなされておるわけでございます。
 今畜産が非常に困難な状況に立ち至っておりますのは、一にかかっていわゆる畜産品の輸入ということに原因を発しておるわけでありますから、当然の願いではないか、こう思いますけれども、こういう法律等について農水省はどのようにお考えでしょうか。
#138
○説明員(中須勇雄君) 先ほど佐藤先生からの御質問にもお答えしたわけでございますが、現在、自由民主党から提出されております外国産牛肉輸入調整法ということにつきましては、やはり国際的な取り決めてございますガット協定との整合性の問題、あるいは輸出国との外交関係への波及の問題等の問題があるというふうに認識をしております。他方、確かに輸入数量の急増ということが種々の問題を生じていることも事実でございまして、私どもといたしましては、今回のウルグアイ・ラウンド合意において牛肉について特別のセーフガード、働きやすいセーフガードというものを設けることとしたところでございます。基本的に、まずこれらの国際的に合意された措置を活用していく、そういう必要があるのではないかというふうに考えている次第でございます。
#139
○星川保松君 それから、外国からの食肉等の輸入によって国産の畜産物が大変値下がりをしておるわけでございます。さらに、今後関税も引き下げられていくという方向の中で、今いわゆる内外価格差の動向というのはどのように動いておりますか。その大略で結構ですから、お願いいたします。
#140
○説明員(中須勇雄君) 畜産物、各種のもので状況は変わっているわけでございますが、例えば、乳製品ということでバターで申し上げますと、現在日本国内での卸売価格が大体千円を切る程度の水準、それに対して外国から持ってまいります場合にはCIF価格で大体二百円から二百五十円ぐらいということで、乳製品の中では一番これが内外価格差が大きい、こういうような状況だろうと思います。
 それから一方、牛肉については、かねてから大変内外価格差が大きいという御指摘があったわけでございますが、これについては自由化のもとで、まあ一面残念な結果でもあるわけでございますが、国内価格がかなり低下してきたということで、もちろん、なお五〇%の関税がございますのでかなりの差はございますが、内外価格差は縮小の方向にある程度は進んだ、こういうふうに言えるかと思います。
#141
○星川保松君 依然として大きな内外価格差があるということの中に、やはり日本の畜産の特性というものを考えていかなければならないと私は思っておるわけでございます。
 日本の畜産の場合は、生産費の中で占める飼料の割合が非常に高いわけですね。例えば、肥育牛の場合を見てみますと、これは九三年の資料によって私は拾ってみたんですが、飼料が二四・九%、それに対して労働費はわずか九・五%しかないんです。素牛の分が六〇%。この素牛もいわゆる子牛の方で今度出てくるわけですから、その子牛の方では飼料が四三・四%です。それから豚肉の場合は、飼料の方が三五・七%、労働費が一〇・七%、素豚が四六・三%。これが子豚の方では、飼料が四七・五%というふうに非常に生産費に占める飼料の割合が高いわけです。
 この飼料は、どこの畜産農家を見ましても農家の前に大きな飼料のタンクがございまして、農協あたりから飼料を積んだ車が来てそれにどんと入れていく。ですから、日本の畜産農家は、その持ち込まれた飼料を、いわゆる給餌係と申しますか、ずっと家畜に食わせるという仕事と畜舎の掃除、それからもう一つは乳牛の場合は搾乳と、こうあるわけですけれども、結局それだけが畜産の生産農家の仕事になっておる。いわゆる粗飼料としては多少自給しますけれども、あとはほとんど購入した濃厚飼料を使っておるということになっておって、そのコストを下げるにも極めて難しい経営をしているわけなんです。
 しかもその飼料というのは、ほとんど濃厚飼料は外国から入ってきておるという状況なわけです。ですから、その飼料の価格は外国に握られておるというような中で極めて範囲の狭い畜産経営になっておる。ですから、これを何とか濃厚飼料もやはり自給をしていくという努力をして広げていかないことには、いわゆる内外価格差を到底克服できない、これが日本の畜産の特徴ではないか、こう思うんですが、この点はどうお考えですか。
#142
○説明員(中須勇雄君) 御指摘のとおり、我が国畜産全体で見ますと、国内産の飼料で賄われている割合というのは約二三%、逆に言えば七三%というものが外国から輸入された飼料によって生産されている、こういうデータがございます。ただこの場合、えさといっても、先生今御指摘のとおり、粗飼料と濃厚飼料でいささかかなり様相が違うわけでございます。
 牛等の大家畜は、基本的に草という資源をたんぱく質に変えていく、こういう能力があるわけでございまして、そういう意味では、やはり我が国の中山間地を含めて草資源というものを有効に活用して、飼料というものの自給度を向上していくということが施策の大きな分野としてあるというふうに私どもも認識をしております。
 しかし、豚とか鳥とかの場合には、基本的に穀物というものがえさでございまして、この穀物に関しましては、我が国の自然条件なり土地条件のもとでは、外国から輸入するものと国産との間では非常に大きな価格差がございます。残念ながら、現状では外国からのものの安定的な供給、価格の安定なり量の安定供給ということが施策での課題でございまして、これを国内生産に置きかえていくというのは、率直に言って現段階では至難のわざというか、大変大きな価格差があるというのが現状でございます。
#143
○星川保松君 最後に、時間がなくなりましたので一つだけお伺いいたしますが、北海道の酪農の組織の皆さんが出しております「牛舎からのメッセージ」というこのパンフレットの中に、酪農家として、いわゆる労働生産性向上のために一生懸命大変な努力をしてきた。それで、努力をした結果、生産コストが下がって乳価が下がるということを言っていらっしゃるわけです。これはやはり努力した結果が少しは手元に残るということでなければ、これはもう夢も希望もなくなるのではないかと思うんです。ですから、やはりこういうことにならないように配慮してあげなくちゃいけないと思うんですが、この点についてひとつ大臣からお願いいたします。
#144
○国務大臣(畑英次郎君) ただいまの御指摘の点につきましては、農産物分野におきましては従来から一つの大きな問題点だと。せっかく額に汗して努力をしながら、その果実といいますものが我が身につかないというような意味合いのもので、これは米価につきましてもこれまた従来から論議のあったところでございます。さような意味合いにおきましては、やはり生産性向上に努力したそれなりのものが手元に残るということは絶えず念頭に置いておかなくてはならぬ、かように私も考えておるわけでございます。
#145
○風間昶君 公明党の風間です。
 時間が余りありませんので、二点御質問したいと思います。
 牛乳の消費拡大の問題ですけれども、御存じのように、牛乳は最も完全な食品と言われておりますし、カルシウムも当然含まれている。なおかつ吸収率も、小魚や野菜よりもカルシウムの約半分近くは吸収される。魚と同様に牛乳というのは滋養があり、大事な問題です。この視点が私は、価格を含めてこれからの日本の酪農というのが、ただ単に経済メリットだけで言うのではなくて、人という観点からいくと、これからの高齢社会にとってみても大変位置づけとしては大きな問題になってくるんじゃないかというふうに思うわけです。
 私自身も大体毎日三百ちょっとぐらい飲んでいるわけですけれども、消費拡大という観点からさまざまな事業があると思います。現在行われている学乳供給事業だけではなくて、最も骨の成長に影響を与えるであろうと言われている十八歳くらいまでの間、もうちょっと上へ上がっても二十五歳くらいまでがやっぱり一番の決め手になるわけです。そうなりますと、幼稚園、保育所、それから高校、そしてちょうど学校を卒業して成人を迎える働く女性、この方々に対する単純な宣伝事業という意味合いではなくて、高齢社会を踏まえて言うならば、そこのところにもう少しターゲットを与えていくような、インセンティブを与えていくような牛乳の消費拡大をきちっとすべきではないかなというふうに僕は思うわけです。
 大体五十歳代になってきますと、女性はだんだん骨がもろくなってくるわけですけれども、そのぐらいになって牛乳をばんばん飲んでも余り医学的にはメリットが著明ではないわけです。むしろそういう意味で言いますと、厚生省が婦人の健康づくり事業ということで、その一環として十八歳から三十九歳までの女性の骨の中のカルシウムをはかる事業、当初の九十四カ所から五百カ所に、しかも補助をつけるということですから、そういった場にも牛乳を飲んでいただくような工夫がやっぱり必要ではないか、知恵を使うことが必要ではないかというふうに思うんです。あるいは閣議あたりで牛乳をみんなで飲むと。テレビでただただ笑っているだけの絵撮りではなくて飲んでいるところとか、そういうことが必要ではないかと、僕は単純に考えても思うわけでありますけれども、消費拡大の現状をきちっと押さえた上で今後どうしていくのか、もしありましたら教えてください。あると思いますけれども。
#146
○説明員(中須勇雄君) ただいま御指摘いただきましたとおり、牛乳の消費拡大につきましては、もちろん産業という面で見まして酪農、乳業の安定的な発展にとって重要だということだけではなくて、お話のとおり、牛乳は栄養バランスがよく日本人の食生活において不足するカルシウムの重要な供給源、こういうことでございますので、力を入れて消費拡大を進めていかなければならない、こういうふうに思います。
 もちろん、現在でも牛乳・乳製品の各種の消費動向調査であるとか情報の収集体制の整備、あるいはマスメディア等を通じた牛乳・乳製品に関する知識の普及事業、あるいはチーズ等なんかがよく中心に行うわけでございますが、牛乳・乳製品フェアの開催等のイベント事業、あるいは先生からもお話ございました学校給食における牛乳供給の促進とか幼稚園等での集団飲料の促進、こういうことをやっております。ただいま御指摘ございましたように、より知恵を絞って、ある程度ターゲットを戦略的に考えながら、工夫しながら、さらに積極的に消費拡大を進めるように引き続き努力をしていきたいというふうに思います。
 なお、全然余談でございますが、今ちょうど乳価のシーズンでございまして、連立与党各党の議論の場がたくさんございます。そういう場ではほとんど連日のように牛乳が出されて、皆さんで飲みながら議論をしている、こういうこともやっていただいているわけでございます。
#147
○風間昶君 特定の人だけに飲ませるのではなくて、もっと拡大普及を図るということが大事じゃないかというふうに思うわけです、本当に。
 いずれにしてもそのことが、搾らなきゃならないという構図で、余ったから消費を拡大するというような観点ではなくて、もっとやっぱり根本的に生命を担っていくための一つの大きな食品であるという位置づけ、これを国民の皆さん方の中に浸透させていくために、そのことによってまた生産者の方は張りが出てくる、そういうことになってくるのではないかというふうに思うわけであります。ぜひ、その辺をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、先ほど同僚議員の話の中からも負債の問題が随分出ておりました。現実に北海道の場合は、それぞれ調査によって若干の差はありますけれども、大体三千万から四千万ぐらいの借金の方が多くて、少ないけれども億を超える借金を抱えている方が現実にいるという認識、億を稼いでいるのではなくて、億の借金でございます。
 今後そういう酪農家を出さないようにしていくための施策、単純にいろいろな手当で賄うというようなこと自体に私は問題があるというふうに思います。いずれにしても、現実的には借金で苦しんで、それを帳消しにできないなと思いながらも探らざるを得ないというこの悪循環、やっぱりここはひとつ本気になってメスを入れて、言葉上で生産者に意欲を持て持てというふうに言ってもだめだと思うんです。
 それで、やむなく離農せざるを得ないような高齢者で後継者のいらっしゃらない方々に対して、ひとつ生乳計画生産の割り当て枠、これをほかの酪農家に一律配分していくという今までのやり方について、ちょっと伺いたいと思うんです。
 先日の新聞に、熊本県の県酪連で、あくまでもことしの一月から三月までの単年度措置でありますけれども、廃業せざるを得ない酪農家の五年度分の割り当て枠をキロ当たり二十五円で買い取って、それを退職金という形でその方に支払い、そして、その買い上げたキロ二十五円の分を意欲のある、規模拡大していこうと増産を希望する酪農家に売り渡すという生乳生産対策を実施しているという記事が出ております。これは画期的なことだなと僕は思っているんです。
 いろいろな問題点があるかと思いますけれども、要するに、今つくりたくてもつくれないという状況にある酪農家もいらっしゃるわけで、キロ二十五円出資してでも増産したいという意欲的な酪農家もいるわけですから、そういう意味では従来の一律配分というのではなくて、やる気のある人への配分という評価もあると思います。これは退職を奨励するという意味ではなくて、高齢で、しかも後継者がいらっしゃらない、やむを得ず廃業しなきゃならないというケースに対して、後継者育成の面から注目していいんではないかというふうに私は思うわけです。
 本来、こういうことが起こっていること自体が政府の責任だと言えば私は責任だと思うわけでありますけれども、これまでの政権の持っていた農政の一つのひずみともとれないことはないわけであります。僕はそう思っています。
 そういう熊本の生乳生産対策の事例、承知していらっしゃると思いますけれども、ここの取り組みを参考にして、国としても権利の移転売買を考えていくことは必要でないか。ハードルはたくさんあると思います。問題点としてどういうことがあるのか、今考えていらっしゃるんだったら挙げていただきたいと思いますし、そのハードルを越えていけるものならぜひ取り入れていきたい。そのために情熱を燃やしていきたいというふうに思っておるわけです。このことだけ質問して、私の質問終わります。
#148
○説明員(中須勇雄君) 熊本県酪連でそのような新しい注目すべき試みが実験的に始まったというのは御指摘のとおりでございます。ただ、こうしたクオータ制なりクオータの売買という方式自体は、ECを初め先進国の酪農ではある程度国際的にかなりの国でも採用されている、こういう基礎もあるわけでございます。
 基本的にそういう意味におきまして、一つの検討すべき重要な方式だという認識は私ども持っているわけでありますが、あえて問題点ということで申しますと、我が国では酪農をやるのはだれでも自由でございますので、だれがやってはいかぬとか、そういうことはございません。そういう中で枠というのが権利化する、権利として売り買いの対象になるということのためには相当やはり高い内部規制というのが、規制力が働いてないといかぬという問題もございますし、県間移動ということを認めるのか認めないのかという問題もあります。
 それから、増産していい時期というのが来たときには一挙に権利が消滅するというか、だれでもふやせるという状況で、権利の扱いがどうなるのか。そういういろいろ問題があるのは事実でございますが、そういうヨーロッパの例なんかも含めまして、とにかくこれはコンセンサスが得られるということが重要であります。そういう意味で中央酪農会議でも議論をしたいというふうに聞いておりますので、私どもも一緒に入りながら、どういう実現可能性があるのか検討していきたいというふうに思っております。
#149
○高崎裕子君 肉用子牛の補給金の財源が北海道だけで六十五億円を超える赤字となっております。これまで一頭当たりの掛金が千五百円だったのが、赤字となっているためにこの四月から九千円と六倍にも引き上げられようとしております。農家の負担増にならないように財政的な支援策を講ずるべきであるというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。
#150
○説明員(中須勇雄君) 御指摘のとおり、乳用種につきましては合理化目標価格をかなり大幅に実勢価格が下回っておりまして、本来、合理化目標価格よりさらに下に下がった分についてはその補てん財源というのは生産者を含めた積立金によって処理をする、こういうことでございますが、当然積立金が足りないということで借入金が増加している。ただこの場合、全国協会に融資財源がございますので、無利子の貸し付けという形で現在は処理されておって、それをどう円滑に償還していくかということが大きな課題なわけでございます。
 そのために、昨年その償還財源について四十億円余の国庫からの助成を行いました。それがさらに今年度、もう間もなく終わる今年度はさらに借入金が拡大しております。このまま放置できないということで、基本的には前年度行ったものをさらに継続して、相当大きな額になるわけでございますが、国庫からの助成をしていきたい、こういうふうに考えております。
#151
○高崎裕子君 これは本当に北海道にとっては切実な問題ですので、ぜひ財政的な支援を強く要望しまして、次に移ります。
 大臣は、昨年十二月に脱脂粉乳やバターの関税化、それから牛肉・豚肉を初めすべての畜産品の関税大幅引き上げを盛り込んだガットの農業合意を受け入れたことに対して、我が国畜産業への影響を最小限に食いとめることができたと、こう述べられたわけですけれども、今酪農は危機的な状況になっております。とりわけ私の地元の北海道は大変深刻で、牛肉自由化以降、北海道では千二百六十三戸が酪農をやめる。そして、乳価の引き下げと個体価格が暴落して孔子牛が八万五千円と牛肉自由化以来最安値になっている。ぬれ子では二万、三万はいい方で五千円という運賃代にもならないというようなこういう暴落の中で、酪農家の所得率というのは自由化以前は三四・一%だったのが平成四年度で二二・五%に激減している。こういう状況の上で生産調整が強いられ、北海道では、八千トンの超過分に対してキロ二十円のペナルティーで買い上げ、残りの超過分については農家が全粉乳加工で引き取るためにキロ三十円の加工賃、運賃分も負担することになっています。このような中で、北見とか十勝では生乳を廃棄するという事態さえ生まれております。
 そこで、このような危機的な現状をどう認識されているのかというのが第一点と、こういう危機的な現状を打開する道はガットの農業合意受け入れを撤回して乳価の大幅引き上げしかないということを私は本当に強く要望したいんですけれども、そういう意味で乳価の引き下げは絶対認められない。
 この間、北農中央会の三澤会長を初め、ホクレンあるいは北農五連、歌登や宗谷、道東方面、全道各地の議会や農業関係者の方が陳情に来られて懇談もいたしました。きょうは、北海道の農民連の方が傍聴に来て、この乳価、本当にもういても立ってもいられない思いで遠い北海道から来て、何としても皆さん引き上げをしてほしいという強い要望を持っております。
 この引き上げについての決意を含めて、もうぜひお願いをしたいということで、お答えいただきたいと思います。
#152
○国務大臣(畑英次郎君) 乳価の問題、それの前提としての酪農関係のお立場、これにつきましては、先ほど来諸先生から極めて問題点を掘り下げた御質問等々、問題点の御指摘等々も伺っておるわけでございまして、そういう中にございましてのいわゆる加工原料乳の不足払い制度等々、こういうものをただいま一つの大きなよりどころとしましての問題が如実にきょうあすという段階で迫っておるわけでございまして、先ほど来諸先生の御指摘を念頭に置きながら、そしてまた行政の筋を通しながらも、置かれております諸般の情勢を念頭に置いて物事の推進に当たってまいりたい、かように考えております。
#153
○高崎裕子君 もう時間ですのでこれでやめますけれども、北海道の離農の原因、酪農をやめた原因が、高齢化、それから後継者問題が四二%、そして経営不振、将来の不安が三二%というこういう深刻な数字も念頭に置かれて、本当に何としても引き上げのために全力を尽くしていただきたいということを重ねて要望いたしまして、質問を終わります。
#154
○喜屋武眞榮君 私も短い持ち時間ですので、簡単に二、三質問をいたしまして、明確にひとつ答弁していただきたいと思います。
 飼料の需給動向を見ますと、平成五年度の粗飼料の供給量が平成四年度の供給量に比して著しく減少しておることに気がつきます。その原因は一体何であるか、その点について課題は一体何であるのか。
 第二点は、草地開発可能地面積を見ると、沖縄においてもまだ五百九ヘクタールあるとされております。草地開発事業の推進についてはどのように考えておるか。これが第二問であります。
 次の第三問は、沖縄県における畜産振興策について大臣の御所見を承りたい。
 以上三問お尋ねします。
#155
○説明員(中須勇雄君) 前段の二問についてお答え申し上げます。
 最初に、五年度の粗飼料生産が前年度より減少した、こういうことでございますが、これは基本的に全国的な低温、長雨、日照不足、さらに西日本における豪雨や台風の来襲によって飼料作物に被害が発生し、単収が低下したということが基本的な原因でございます。米の減収と同様のことが飼料作物についでもあった、こういうことであります。
 それから、沖縄県における草地開発事業の推進の問題でございますが、沖縄県では高い牧草生産力を背景にした草地畜産というものの発展の余地がございます。これまでも草地開発事業充実に努めてまいりましたが、公社営の畜産基地建設事業等を中心として、今後とも積極的に取り組んでまいりたい、こう考えております。
#156
○国務大臣(畑英次郎君) 沖縄県におきます畜産の位置づけ等々につきましては、先生御案内のとおり、沖縄県の農業粗生産額の三分の一を畜産分野が占めておるというような意味合い、これは、気象条件等々他とは違った意味合いでの位置づけ、現況の中にございましての大切な産業の位置づけ、こういうように考えまして、私どももさらに畜産の振興合理化を図るための生産性の向上、価格の安定、消費の拡大等の各般の諸施策に力を入れてまいりまして、関係の皆様方の御期待にこたえてまいりたい、かように考えております。
#157
○委員長(浦田勝君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。
 佐藤君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤君。
#158
○佐藤静雄君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議及び二院クラブの各派共同提案による畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    畜産物価格等に関する決議(案)
  我が国農業の基幹的部門である畜産業は、牛肉の輸入自由化等の影響が顕在化する中にあって、昨年十二月、乳製品の関税化を初め、牛肉・豚肉の関税率引下げ等を含むガツト・ウルグァイ・ラウンド農業交渉について政府が合意したこと等により、農家は一段と先行きにつき不安を感じている。
  このため政府に対しては、いわゆる「新政策」に基づく諸施策を強力に展開すること等による畜産経営基盤の強化が望まれているところであるが、平成六年度畜産物価格の決定に当たっては、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
 一 加工原料乳保証価格については、副産物価格の低迷、農家の営農意欲等を総合的に勘案し、また、長期にわたり生乳の生産調整を実施している実情を踏まえて、生乳の再生産を確保することを旨として決定すること。
   また、加工原料乳限度数量については、特定乳製品の需給動向と酪農経営の安定に配慮しつつ、国産生乳供給の十分な確保を旨とした生乳需給計画の下、適正に決定すること。
 二 豚肉・牛肉の安定価格については、再生産の確保を図り、経営の安定が図られるよう適正に決定すること。
 三 肉用子牛の保証基準価格については、繁殖農家の再生産の確保を旨として適正に決定し、合理化目標価格については、我が国の肉用子牛生産の実態等を十分考慮して適正に決定すること。
 四 畜産物の安定的供給と畜産経営の健全な発展を図る見地から、畜産物生産の新たな中長期目標の設定を検討するとともに、生産基盤の整備、担い手確保対策、環境保全対策の充実強化など総合的対策を講ずること。
 五 畜産経営の安定を図るため、生乳の需給調整機能の強化対策並びに国産ナチュラルチーズ生産振興対策、酪農ヘルパー制度等の充実などを講ずるとともに、子牛生産の拡大奨励対策、肉用牛肥育農家に対する経営安定対策、都道府県肉用子牛価格安定基金協会の財政基盤の強化対策、肉豚生産の生産性向上を図る特別対策等を引き続き実施すること。
 六 国産畜産物の消費拡大を図るため、新商品の開発、販売促進対策等を強化するとともに、原産国表示を含め表示の適正化を促進すること。特に、バターの過剰在庫の解消に努めること。
 七 牛肉輸入の急増が我が国食肉需給に悪影響を与えていることにかんがみ、その影響を緩和し、国産食肉の安定生産を確保するための適切な措置を講ずること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#159
○委員長(浦田勝君) ただいまの佐藤君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(浦田勝君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、畑農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。畑農林水産大臣。
#161
○国務大臣(畑英次郎君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従い、最近の畜産をめぐる情勢を踏まえつつ、十分検討してまいる所存でございます。
#162
○委員長(浦田勝君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#163
○委員長(浦田勝君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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