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1994/06/02 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 厚生委員会 第4号
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1994/06/02 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 厚生委員会 第4号

#1
第129回国会 厚生委員会 第4号
平成六年六月二日(木曜日)
   午前九時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     小川 仁一君     久保田真苗君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     吉田 之久君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         会田 長栄君
    理 事
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                菅野  壽君
                高桑 栄松君
    委 員
                尾辻 秀久君
                清水嘉与子君
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                久保田真苗君
               日下部禧代子君
                菅野 久光君
                吉田 之久君
                横尾 和伸君
                西山登紀子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
   政府委員
       厚生政務次官   井奥 貞雄君
       厚生大臣官房長  岡光 序治君
       厚生大臣官房総
       務審議官     佐々木典夫君
       厚生大臣官房審
       議官     
       兼内閣審議官   近藤純五郎君
       厚生省保健医療
       局長       谷  修一君
       厚生省生活衛生
       局長       柳澤健一郎君
       厚生省社会・援
       護局長      土井  豊君
       厚生省老人保健
       福祉局長     横尾 和子君
       厚生省児童家庭
       局長       瀬田 公和君
       厚生省保険局長  多田  宏君
       厚生省年金局長  山口 剛彦君
       社会保険庁運営
       部長     
       兼内閣審議官   佐藤 隆三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        水野 国利君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査
 (厚生行政の基本施策に関する件)
 (平成六年度厚生省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(会田長栄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十九日、小川仁一君が委員を辞任され、その補欠として久保田真苗君が選任されました。
 また、去る五月十一日、勝木健司君が委員を辞任され、その補欠として吉田之久君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(会田長栄君) 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 まず、厚生行政の基本施策について、厚生大臣から所信を聴取いたします。大内厚生大臣。
#4
○国務大臣(大内啓伍君) このたび、再度厚生大臣を拝命いたしました大内啓伍でございます。再任に当たり、改めて、その責任の重大さを痛感しております。引き続き、委員の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 さて、第百二十九回国会における厚生委員会の御審議に先立ち、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 我が国は、急速な高齢化、少子化が進展する中、二十一世紀前半には、世界でもいまだ経験したことのない本格的な高齢・少子社会を迎えることが見込まれております。今、私たちは、この来るべき新世紀に向け、万全の備えをし、国民が心豊かに安心して暮らせる生活先進国の実現を確実なものとする必要があります。
 私は、昨年八月に厚生大臣に就任して以来、この生活先進国の実現を急務と考え、国民生活に直結した厚生行政の推進に力を尽くしてまいりました。本年度の施策の推進に当たりましても、この基本理念に基づいて、その職員を果たしてまいる所存であります。
 以下、平成六年度における主要な施策について申し上げます。
 二十一世紀の本格的な高齢・少子社会を、高齢化が活力に結びつくような社会としていくためには、社会保障を含む社会経済全体のシステムをつくりかえていくことが必要であります。こうした考えに立って、昨年十月以来、高齢社会福祉ビジョン懇談会において高齢・少子社会に対応した社会保障の全体像、主要施策の基本的方向、財源負担のあり方等について検討していただき、本年三月、介護や子育て対策等の福祉重視型の社会保障制度の再構築などを提言した報告書がまとめられたところであります。今後は、この報告などを踏まえ、国民のコンセンサスを得ながら公正で効率的な社会保障制度の構築に努めてまいります。
 平成六年は年金の財政再計算の年に当たります。公的年金につきましては、今後とも国民の生活を支える柱として先行きに不安のない仕組みとするとともに、二十一世紀の本格的な高齢社会にふさわしい仕組みとしていくことが重要であります。このため、高齢者雇用との連携を図りつつ六十歳代前半の老齢厚生年金のあり方を見直すとともに、給付と負担のバランスの確保を図るなど制度全般にわたる見直しを行うべく、今国会に所要の法律案を提出しているところであります。
 また、医療保険制度及び老人保健福祉制度につきましては、患者のニーズの多様化に対応した良質で適切な医療の確保及び老人保健福祉施策の総合的な推進を図るため、付添看護・介護に関する給付の改革や在宅医療の推進、入院時の食事について給付の見直し等を図るとともに、老人保健拠出金による老人保健施設の整備等を実施し、また、利用者本位のサービス提供体制の整備を進めるため、所要の改正案を今国会に提出いたしております。ゴールドプランにつきましては、平成六年度予算案において初めて総額五千億円を超える予算を計上したところであり、さらに、今後各自治体で作成された老人保健福祉計画等を踏まえ、その充実強化を図るなど、市町村の取り組みに対し、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
 出生率が低下する中で、子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりに向けた本格的な取り組みが求められております。ちょうど今年は国際家族年であります。これを契機として、高齢・少子社会に向けて総合的な児童家庭対策を推進してまいります。平成六年度は、その第一段階として、エンゼルプラン・プレリュードと銘打ち、ニーズの多様化に対応した保育対策の充実や子育て支援のための基金の創設などを行ってまいりたいと存じます。
 人口構造や疾病構造の変化、国民のニーズの多様化など、地域保健を取り巻く状況は、現在の地域保健対策の枠組みが構築された終戦直後とは大きく変容しております。こうした状況を踏まえ、地域保健の新たな体系を構築するとともに、都道府県と市町村の役割を見直し、住民に身近で頻度の高い母子保健サービスなどについて市町村への権限移譲などを進めてまいりたいと存じます。このため、所要の法律案を今国会に提出しているところであります。
 さらに、国民の健康に大きな脅威となっているがん、エイズ、難病など疾病対策については、早急に充実を図る必要があります。がん対策につきましては、十年後のがん克服を目指したがん克服新十カ年輪略をスタートさせ、これに基づき、がんの本態解明や研究成果の臨床応用などに向けた重点的研究などを推進してまいります。また、エイズ対策につきましては、新たにエイズストップ七年作戦を展開し、平成六年度、百九億円の予算を確保し、拠点病院の整備など医療体制の充実、相談指導体制の充実、エイズ治療薬等の研究開発などに努めてまいります。このほか、世界のエイズ対策への貢献という観点から、本年八月に横浜で開催される予定の第十回国際エイズ会議を全面的に支援してまいりたいと存じます。難病対策につきましては、難病患者の在宅医療の充実などに取り組んでまいります。
 生活関連資本の整備につきましては、その一層の推進が求められております。厚生省におきましては、国民生活に密着した水道施設と廃棄物処理施設の整備に対して、平成六年度には、公共事業全体の伸びを大幅に上回る前年度比一一・八%増の予算を確保いたしました。また、緊急の課題となっている安全で良質な水道水の供給の確保のため、先般成立いたしました水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律に基づき、水道原水の水質の保全を図ってまいります。廃棄物対策につきましては、リサイクルを初めとする総合的なごみ減量化対策の推進など、できる限り廃棄物を出さないような経済社会の構築に努めてまいります。
 医薬品、医療用具等の分野におきましては、医療用具の有効性や安全性の確保、承認審査の改善等を進めるための法律案を今国会に提出いたしました。さらに、医薬品等の適正使用の推進、麻薬・覚せい剤の乱用防止対策などを引き続き図ってまいります。予防接種制度につきましては、対象疾病の見直し、実施方法の改善等を内容とする予防接種法の改正案を今国会に提出しているところであります。また、食品の安全性を確保するため、輸入食品監視体制の強化等の食品の安全性確保対策を進めるほか、緊急輸入米についても、国民の信頼にこたえ、その安全性確保のための万全の措置を講じてまいります。
 このほか、医療施設の経営健全化対策や国立病院・療養所の再編成、原爆被爆者対策などを推進するとともに、障害者にやさしいまちづくりなどの障害者対策、中国残留邦人等の援護対策、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の建設などに努めてまいります。
 私は、引き続き、国民の皆様に親切な行政を基本姿勢に厚生行政の課題一つ一つに全力を挙げて取り組んでまいる決意であります。委員の皆様におかれましては、現在提出している六法案の速やかな御審議とその早期成立を初め、厚生行政の推進に御理解と御協力をお願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。
#5
○委員長(会田長栄君) 次に、平成六年度厚生省関係予算について説明を聴取いたします。佐々木厚生大臣官房総務審議官。
#6
○政府委員(佐々木典夫君) 平成六年度の厚生省予算案の概要を御説明させていただきます。
 お手元に平成六年度厚生省予算案の概要及びその概要説明を用意いたしてございます。
 まず、厚生省所管一般会計予算の規模でございますが、総額十三兆六千百九億円、対前年度三・三%の伸びとなっております。
 以下、厚生省予算案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、年金制度の改正であります。その内容は、まず、六十歳代前半の老齢厚生年金について、六十五歳以降の年金とは別個の報酬比例部分相当の給付に段階的に切りかえるとともに、在職老齢年金の改善、雇用保険との調整を行うこととしております。また、年金額について本年四月から、前年の消費者物価上昇率を基準として一・三%引き上げ、さらに十月から、平成元年度以降の国民の生活水準の動向等を勘案して老齢基礎年金を六万五千円に引き上げるとともに、厚生年金の再評価の方式を現役世代の税、社会保険料を除いた手取り賃金の上昇率に応じたものに改め改定を行うこととしております。このほか、遺族年金、障害年金の改善、育児休業期間中の本人負担分の厚生年金保険料の免除、年金福祉事業団における教育資金貸付制度の創設、保険料の適切な見直し等を行い、国民の老後保障等の充実強化及び年金制度の長期的安定を図ることといたしております。
 なお、厳しい財政事情の中で、やむを得ざる措置として、国民年金国庫負担金の平準化措置の加算額の繰り延べ措置及び政府管掌健康保険の運営に支障を来さない範囲内での所要の国庫補助の減額措置を講じさせていただいております。
 第二は、医療保険制度及び老人保健制度の改正でございます。医療保険制度につきましては、国民の多様なニーズに応じながら、良質かつ適切な医療を効率的かつ安定的に提供していくために、病院における看護・介護スタッフの充実と付添差額の解消を図る、付添看護・介護に係る給付の改革、訪問看護事業の拡充等在宅医療の推進、入院時の食事に係る給付の見直し、出産育児一時金の創設等を行うことといたしております。
 また、老人保健制度につきましては、付添看護・介護に係る給付の改革、入院時の食事に係る給付の見直しに加えて、老人保健の拠出金による老人保健施設等の整備を行うこととしております。
 また、診療報酬につきましては、本年四月から三・三%の改定を実施し、さらに十月から制度改正を前提に一・五%、合わせて四・八%の改定を行うこととしております。
 第三は、児童家庭対策の推進でございます。その一は、児童環境づくり対策として、三百億円の基金の創設、国際家族年の記念事業の実施など、その二は、保育対策として、乳児保育等特別保育対策の推進、時間延長型保育サービスの充実、職場内保育施設への運営費助成の創設、そのほか健全育成対策、母子保健対策の充実を図っております。児童扶養手当につきましては、公的年金額の改善に準じて手当額の改善を行うとともに、平成七年四月より、子の年齢を十八歳の年度末まで延長することとしております。
 第四は、高齢者保健福祉対策の充実でございます。高齢者保健福祉推進十カ年戦略(ゴールドプラン)の第五年次分を着実に実施していくこととしております。また、介護対策の強化を図るため、ショートステイの利用期間の弾力化、早朝または夕方利用が可能となるようなデイサービス事業の拡充、福祉用具の研究開発・普及の推進、さらに施設対策として、在宅サービス施設の複合的整備、ケアハウスの介護力の強化を行うこととしております。
 第五は、障害者等の福祉対策でございます。障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業を創設するとともに、障害者社会参加促進事業の充実等を図ることとしております。また、社会福祉施設職員の福利厚生の充実のため、福利厚生センターを創設するほか、ボランティア活動の振興、生活保護基準の引き上げ、各種手当額の改善、さらに社会福祉施設の整備及び運営の改善を図ることといたしております。
 第六は、水道、廃棄物処理対策でございます。生活先進国にふさわしい水道を整備するため、簡易水道の普及とともに、高度浄水施設など安全で良質な水道水の安定供給のための施設整備を進めることとしております。また、廃棄物処理施設の整備を進めるなど、ごみゼロ社会を目指した廃棄物対策の推進を図ることとしております。
 さらに、生活排水対策として、水道水源地域を重点に合併処理浄化槽の設置整備を推進することとしております。
 第七は、疾病対策の充実であります。まず、がん対策については、新たにがん克服新十カ年戦略をスタートさせます。がんの本態解明の研究に加えて、がんの克服を主眼とした臨床応用や予防への反映を目指した重点的な研究を推進することとし、三十三億円の予算を確保しております。
 エイズ対策につきましては、本年度においては、エイズ治療のための個室病室の整備など医療体制の充実、治療薬の研究開発など総合的な対策を推進していくこととしております。
 難病対策につきましては、在宅人工呼吸器使用患者のための緊急一時入院事業の創設、予防接種対策については、給付水準の改善等を行うこととしております。
 第八は、保健医療対策の充実でございます。地域保健対策の充実につきましては、市町村の保健活動の拠点である市町村保健センターの整備の促進、職員研修の充実、小規模町村への支援を行うこととしております。
 また、医療施設の近代化のため、医療施設近代化施設整備事業を百億円計上しております。
 このほか、看護職員の確保のため、ナースセンターのコンピューターネットワーク化により再就業の促進を図るとともに、子供を持つ看護職員の離職の防止のため院内保育施設の運営費助成の充実を図ることとしております。
 さらに、骨粗鬆症健診事業の創設、色覚問題に関する検討会の設置を行うこととしております。
 第九は、食品等の安全対策及び環境衛生関係営業対策の推進についてであります。輸入食品監視体制の充実強化、環境衛生関係営業に対する相談指導体制の充実を図ることとしております。
 第十は、医薬品等の有効性、安全性の確保であります。希少疾病用医薬品の開発研究の推進、医薬品の安全対策の強化を行うこととしております。
 第十一は、援護・原爆被爆者対策の充実でございます。戦没者遺族等の援護対策につきましては、援護年金の改善とともに、ソ連抑留中死亡者等の遺骨収集等の慰霊事業の実施、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の建設、中国残留孤児及び残留婦人等の援護対策の充実を行うこととしております。
 原爆被爆者対策につきましては、手当額の改善、被爆者相談員の増員等を行うこととしております。
 第十二は、厚生科学技術の振興についてでありますが、研究費の充実を図ることとしております。
 また、第十三の国際協力の推進につきましては、民間団体(NGO)の行う国際緊急保健医療活動を支援するため、研修や情報の提供を新たに行うこととしております。
 以上、主な内容について御説明申し上げましたが、お手元の資料のうち、厚生省関係の特別会計の予算案、公庫、事業団の事業計画等につきましては、説明を省略させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(会田長栄君) 以上をもちまして所信及び予算の説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
#8
○委員長(会田長栄君) この際、井奥厚生政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。井奥厚生政務次官。
#9
○政府委員(井奥貞雄君) 先般、厚生政務次官を拝命いたしました井奥貞雄でございます。
 二十一世紀の本格的な高齢・少子社会の到来を前に、国民が心豊かに安心して暮らせる社会の実現が大きな課題となっております。このような状況のもと、厚生行政は、年金制度や医療保険制度の改革、さらには介護対策や少子対策の充実など、多くの重要課題を抱えております。
 私は、委員の皆様の御協力をいただき、大臣を補佐し、国民の皆様の御期待にこたえられるよう専心努力してまいる所存であります。
 何とぞよろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
#10
○委員長(会田長栄君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前九時四十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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