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1994/03/28 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 大蔵委員会 第2号
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1994/03/28 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 大蔵委員会 第2号

#1
第129回国会 大蔵委員会 第2号
平成六年三月二十八日(月曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     笠原 潤一君     楢崎 泰昌君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     梶原 敬義君     松本 英一君
 二月二十三日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     梶原 敬義君
 二月二十四日
    辞任         補欠選任
     寺崎 昭久君     勝木 健司君
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     寺崎 昭久君
 三月四日
    辞任          野村 五男君
 三月二十八日
    選任          増岡 康治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上杉 光弘君
    理 事
                須藤良太郎君
                竹山  裕君
                前畑 幸子君
                山本 正和君
                白浜 一良君
    委 員
               大河原太一郎君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                楢崎 泰昌君
                増岡 康治君
                梶原 敬義君
                志苫  裕君
                鈴木 和美君
                堂本 暁子君
                池田  治君
                寺崎 昭久君
                野末 陳平君
                牛嶋  正君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
       発  議  者  吉岡 吉典君
   衆議院議員
       修正案提出者   日野 市朗君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
   政府委員
       大蔵政務次官   北側 一雄君
       大蔵省主計局次
       長        竹島 一彦君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省関税局長  高橋 厚男君
       国税庁長官官房
       国税審議官    窪田 勝弘君
       国税庁課税部長  若林 勝三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        下村 純典君
   説明員
       法務省民事局第
       一課長      房村 精一君
       食糧庁管理部企
       画課長      小林 芳雄君
       建設省建設経済
       居宅地開発課宅
       地企画室長    松原 文雄君
       建設省住宅居住
       宅政策課長    山本繁太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○平成六年分所得税の特別減税の実施等のための
 公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案(吉岡吉典君
 発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上杉光弘君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、野村五男君が委員を辞任され、本日、その補欠として増岡康治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上杉光弘君) 相続税法の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに法人税法の一部を改正する法律案(吉岡吉典君発議)の七案を一括して議題といたします。
 まず、内閣提出、衆議院送付の六案について趣旨説明を聴取いたします。藤井大蔵大臣。
#4
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま議題となりました六法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、相続税法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 政府は、最近における相続税負担の状況に顧み、その負担の軽減を図るため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、相続税の税率について、その税率区分の幅を拡大するとともに、税率の刻みの数を減らすことにより累進構造の緩和を図ることとしております。
 また、相続税の遺産に係る基礎控除について、その定額の控除額を現行の四千八百万円から五千万円に、法定相続人一人当たりの控除額を現行の九百五十万円から一千万円に、それぞれ引き上げることとしております。
 その他、配偶者が相続すれば課税されない遺産額の最低保障額について、現行の八千万円から一億六千万円に引き上げる等の措置を講ずることとしております。
 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 政府は、最近における内外の経済情勢の変化に対応し、我が国の市場の一層の開放を図る等の見地から、関税率、減免税還付制度等について所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、関税率等の改正であります。
 粗糖、一部の自動車用部品等の関税率の撤廃または引き下げを行うとともに、平成五年度末に期限の到来する牛肉の関税緊急調整措置について、その適用期限の延長等を行うこととしております。また、平成六年三月末に適用期限の到来する暫定関税率の適用期限を延長する等所要の改正を行うこととしております。
 第二は、減免税還付制度の改正であります。
 加工再輸入減税制度について対象品目の拡大等を行うとともに、平成六年三月末に適用期限の到来する石油関係の免税還付制度について、その適用期限を延長する等所要の改正を行うこととしております。
 その他、規制緩和の一環として、昨年九月の緊急経済対策の決定に基づき、保税上屋及び保税倉庫を統合して保税蔵置場とするため所要の改正を行うこととしております。
 次に、平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 所得税減税の実施等により平成六年度の一般会計予算において見込まれる租税収入の減少については、公債の発行により対処せざるを得ないところであります。このため、財政法第四条第一項ただし書きの規定により発行する公債のほか、公債の発行を行うことができることとする必要があり、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 平成六年度の一般会計予算において見込まれる平成六年分所得税の特別減税の実施による所得税の収入の減少、法人特別税の課税対象期間の終了による法人特別税の収入の減少、相続税の負担軽減による相続税の収入の減少及び普通乗用自動車の譲渡等に係る消費税の税率の特例の適用期間の終了による消費税の収入の減少を補うため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行することができること等としております。
 次に、酒税法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 政府は、酒類に係る税負担水準の現状、最近の酒類消費の態様の変化等を踏まえ、酒類に対する税負担の適正化を図るとともに、ビールの製造免許に係る最低製造数量基準の引き下げその他制度の整備合理化を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、酒類に対する税負担の適正化を図る観点から、酒税の税率を見直すこととしております。
 すなわち、酒税の税率を各酒類の基準アルコール分で一キロリットル当たり、ビール等については一万三千六百円、しょうちゅう甲類等については三万五千九百円それぞれ引き上げることを基本に、清酒等の酒類については、原料事情、消費動向等に配慮して引き上げ幅につき所要の調整を行うこととし、これにより酒類間の税負担格差の縮小を図ることとしております。
 また、発泡性を有する酒類に係る加算税率については、これを廃止することとしております。
 なお、税率改正に際し、税率の引き上げが行われる酒類を酒類の製造場または保税地域以外の場所で一定数量以上所持する酒類販売業者に対しては、従来と同様に手持ち品課税を行うこととしております。
 第二に、ビールの製造免許に係る最低製造数量基準を二千キロリットルから六十キロリットルに引き下げ、ビールの小規模生産の道を開くこととしております。
 第三に、酒類製造者が自己の製造場間で行う酒類の移入について、すべて戻し入れ控除の対象にする等制度の整備合理化を行うこととしております。
 その他、本法律案においては、清酒製造業等の安定に関する特別措置法に定めるしょうちゅう乙類業対策基金に充てる資金の全部または一部を国が日本酒造組合中央会に対して無利子で貸し付けることができるよう所要の改正を行うこととしております。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 政府は、最近における社会経済情勢等にかんがみ、土地・住宅税制について適切な対応を図るとともに、租税特別措置の整理合理化等を行うほか、課税の適正・公平の確保その他所要の税制上の措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、土地税制について、土地の有効利用の促進等を図る観点から、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例、事業用資産の買いかえの場合の課税の特例等の拡充等を行うとともに、住宅税制について、住宅取得資金の贈与を受けた場合に贈与税額を五分五乗方式により計算する特例の拡充等を行うこととしております。
 第二に、近年における地価の水準を踏まえ、相続人の居住や事業の継続に配慮するため小規模宅地等についての相続税の課税価格の減額の特例の拡充等を行うほか、土地の登記に係る登録免許税の課税標準を減額する特例の新設等の措置を講ずることとしております。
 第三に、課税の適正・公平の確保を推進する等の観点から、交際費課税の見直し及び使途秘匿金に対する追加課税制度の新設を行うこととしております。
 また、企業関係の租税特別措置等について特別償却制度等の整理合理化を行う一方、高齢者、障害者が円滑に利用できる特定建築物について割り増し償却を認める等、社会経済情勢に即応して所要の措置を講ずることとしております。
 その他、清酒に係る酒税の税率の軽減措置、国際金融取引におけるいわゆるオフショア勘定において経理された預金等の利子の非課税措置等適用期限の到来する特別措置につきまして、実情に応じその適用期限を延長する等の措置を講ずることとしております。
 次に、平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案につきまして御説明申し上げます。
 政府としては、当面の経済の低迷を打開するため、一年間限りの措置として、平成六年分の所得税につきまして、三兆八千四百三十億円の特別減税を実施することとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 この特別減税は、平成六年分の所得税額からその二〇%相当額を控除することにより実施することとしております。なお、二〇%相当額が二百万円を超える場合には、二百万円を限度としております。
 この特別減税の具体的な実施方法に関しましては、給与所得者については、本年一月から六月までの間に支払われる給与等に係る源泉徴収税額の二〇%相当額を原則として同年六月に還付し、同年十二月の年末調整の際に、給与等の年税額の二〇%相当額から同年六月の還付金額を控除した残額を控除することにより実施することとしております。
 次に、公的年金等受給者については、原則として本年六月及び十二月に半年分の源泉徴収税額の二〇%相当額をそれぞれ還付することとしております。
 また、事業所得者等については、本平成六年分の確定申告の際に、所得税額からその二〇%相当額を控除することにより実施することとしております。なお、平成六年分の所得税に係る予定納税基準額は、特別減税を加味して計算することとしております。
 以上が六法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(上杉光弘君) この際、内閣提出、衆議院送付の平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員日野市朗君から説明を聴取いたします。日野市朗君。
#6
○衆議院議員(日野市朗君) ただいま議題となりました平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案に対する衆議院における修正部分につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 政府原案におきましては、当面の経済の低迷を打開するため、一年限りの特例措置として、平成六年分の所得税について定率による特別減税を行うこととしておりましたが、国民各層の期待等を考慮いたしまして、衆議院において、第一に、平成七年分以後の所得税については、速やかに、税制全般の在り方について検討を加えて税制改革を行い、抜本的な所得税の減税を行うものとすること、第二に、国は、この税制改革を行うに際し、あわせて行政経費の一層の節減に努めなければならないとすること、以上の規定を加えることにいたしました。
 以上が衆議院における修正の概要であります。
 よろしくお願いいたします。
#7
○委員長(上杉光弘君) 次に、吉岡吉典君発議の法人税法の一部を改正する法律案について発議者から趣旨説明を聴取いたします。吉岡吉典君。
#8
○吉岡吉典君 ただいま議題となりました法人税法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容について御説明申し上げます。
 本改正案は、金権腐敗政治一掃のために、大企業の巨額の使途不明金を厳しく規制することを目的とするものであります。
 金丸逮捕に端を発し、地方政界、中央政界を巻き込んだ昨年来の一連のゼネコン汚職事件で、鹿島や清水建設は三年間で五十億円あるいは六十億円の使途不明金をやみ政治献金の原資としていた事実が明らかとなりました。
 一方、大手建設業界の使途不明金は、国税庁の調査で判明しただけでも平成四年度で四百三十八億円、他の業界の分を含めると総額五百九十五億円に上っています。
 このように、大企業の巨額の使途不明金が汚職と腐敗の隠れた資金源になっていることをこれ以上放置することはできません。そのため、本法律案は、大企業のやみ献金の温床となっているこれらの使途不明金に対し、厳しい法の網をかぶせようとするものであります。
 我が党は、前国会においても、企業・団体献金の全面禁止法案とともに、使途不明金を制裁課税で規制する本法案と同内容の法案を提出しました。同法案は審議のないまま廃案となりました。そこで改めて本法案を再提出するものであります。使途不明金に対する国民の強い批判の前に、政府も今国会において使途秘匿金に対する課税を含む租税特別措置法一部改正案を提出しているところであります。
 本法案は、第一に、使途不明金に対する追徴課税の性格を制裁課税としていることが特徴であります。
 本法案は、第二に、大企業による不正なやみ献金の原資を断つという立法趣旨に沿った政策的見地から、資本金一億円以上または当該事業年度の売上高が五十億円以上の法人に対し、年間の使途不明金が一千万円を超える場合、その超える部分に対して税率一〇〇%の法人税を課すこととしております。
 この場合、使途不明金とは、交際費、機密費、接待費、その他いずれの名目をとるかを問わず、法人が交付したと認められる金銭その他の資産で、交付の相手方が明らかでないものであります。
 税務当局は、法人が交付したと認められる金銭等のうち、交付の相手方が明らかでないものについて、その相手方の氏名、金額等を文書で明らかにするよう求めることができるようにします。この開示要求を受けた法人は、相手方の氏名等を明らかにした文書を一月以内に提出することとしております。そして、これによっても相手方が明らかにならない場合、または提出期限内に文書が提出されない場合に使途不明金に対する法人税を課すものであります。
 第三に、使途不明金を根絶するために、使途不明金に関する課税を受けた法人について、その法人名、使途不明金の金額等を公示することとしております。
 以上が法人税法の一部を改正する法律案の提案理由及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、皆さんの御賛同を賜りますようお願いします。
#9
○委員長(上杉光弘君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより、質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○清水達雄君 自民党の清水達雄でございます。
 まず、所得税減税の関係からお伺いしたいと思いますけれども、政府は、予算案を編成する前の二月四、五日ごろだったと思いますけれども、国民福祉税構想というのを突如明け方に総理が説明するというような形で出されたわけでございます。
 こういうことをやるというのは、減税をやればやっぱりそのための財源対策が必要であるし、そうなると消費税の引き上げに当然つながっていくであろう、しかし、これはいわゆる直間比率の是正というふうな税制改革の一環としてやらなきゃならないし、それから、減税と消費税率の引き上げというようなものはある程度間隔を置かないと景気対策にならぬだろう、いろんなそういうふうなことが頭にあって出されてきたわけだと思うんですけれども、構想の出し方等につきまして大変国民はみんなびっくりして、我々自身も大変驚いたわけでございまして、やり方が極めて不可思議なやり方だという感じを非常に強く持ったわけでございます。
 この構想を出されたのは恐らく総理大臣と大蔵省ということだったんだろうと思うわけでございますが、まず第一点として、国民福祉税というふうな名前のつけ方は、やっぱり国民に受け入れられやすいように、つまり国民がなるほどなというふうに思うような名前をつけて何とか格好をつけようとしたんじゃないかというふうな感じもするわけなんですが、この国民福祉税構想の出された背景といいますか、趣旨と、どうしてこういう名前をつけたのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(藤井裕久君) この経緯は、御承知の点も多くおありだと思いますが、昨年の七月二十九日、連立与党覚書というのがございまして、連立与党成立の基礎だと思いますし、同時に、これは与党間だけの合意でなく国民の皆様に対する公約であると私は思っておりますが、その中に「所得、資産、消費のバランスの取れた総合的税制改革を行う。」、こういうことが書いてあったわけでございます。
 引き続きまして、正式に内閣が発足以来、総理はみずから税制調査会に行ってごあいさつになり、そこいらのことをお話しの上、今後のあるべき税制について御結論をいただきたい、こういうことを言われたわけでございます。
 その結果、税制調査会は十一月に、所得、資産、消費のバランスのとれた税制の一つの方向として、今後の高齢化社会において活力をなお維持していくあり方としては消費課税の充実、所得課税の軽減ということが大事であるという御提言をされました。これは基本的な税制の方向として私どもは評価し、尊重してまいるつもりでございます。
 そういう中で、この当時の景気の状況から、景気対策としての減税を考えるべきではないかというような御議論があわせて出てきたわけでございます。
 そういう中で、この一定の方向といたしまして、とりあえず本格的税制改革の第一歩として景気対策に配慮して大幅な所得減税を行う、そして、これを第一歩とした後に基本的な税制改革を行うという方向でずっと議論を続けてまいりました。
 与党内のことは言っても大変恐縮でございますので余り申しませんが、各段階での与党内の御議論を踏まえ、かつ最後には代表者の方の意見あるいは政府の閣僚の意見などもお聞きになって、総理が今言われた二月二日の夜と申しましょうか、二月三日の朝と申しましょうか、一つのこれは結論ではなく草案をお出しになったわけでございます。あれに税制改革の草案と書いてございます。
 ただ、正確のために申し上げますならば、連立与党の各段階の議論の中に一部異論があったことは事実でございます。そういう中で総理が草案として一つの御結論を出されたのがあの国民福祉税草案でありました。その名前等々、これは総理がいろいろ各段階での与党の皆様の意見などを伺いながらお出しになったものと承知をいたしております。
#12
○清水達雄君 基本的な考え方というのは今お話しいただいたことだと思うんですけれども、実態的には消費税率を七%に引き上げるという極めて大きな問題でございます。こういうふうな大きな課題について、ああいうふうな短時間でごたごたやるというふうなことはおよそ考えられない話でございます。
 どうしてああいうふうなことになったのかなというのは、私今もってちっともよくわからないんございますけれども、どうしてああいうことになったかということを想像して言いますと、一つは、連立与党間で非常に意見の差がある、消費税の引き上げ反対という党もある、そういうのをまとめるには何か短期間に、もうこれでだめなら予算編成もできないとか、あるいは今の政権が維持できないよというようなところに追い込んでいく、そういうねらいがあったのかなというのが一つあります。
 それから、あんな形で出したところでとても国民的合意が得られるなんてことにはならない、これは初めからわかっている、わかっているけれども、ひとつアドバルーンを上げて、課題として大きく登場させて、その後につないでいって本当の決着を得るということかなというふうな感じもするんですけれども、そういうことも含めて、どうしてあんなやり方をしたのかということについてもう一度お答えをお願いしたいと思います。
#13
○国務大臣(藤井裕久君) 今申し上げましたように、連立内閣成立以来いろんな分野での意見をまとめられて、もちろんいろんな御意見があったのは事実でありますが、総理は草案としてこれを発表された。その中には、これはまず草案でございますから、これが決定案というお気持ちではなく、こういう方向が皆さんの議論の一つの集約であろうという形で御提示になったと私は承知をいたしております。
#14
○清水達雄君 しかし、草案というふうなことでは、目の前に予算編成が迫っているわけですから、決着をつけなければ予算編成にかかれないわけです。ですから、どうもその草案というあたりのところが私まだよくわからないんですけれども。
#15
○国務大臣(藤井裕久君) 二月三日の文書をごらんいただきますと、税制改革草案と書いてありますのは、これは事実でございまして、そういうお気持ちが入っていると私は考えております。
#16
○清水達雄君 それで、結果として平成六年分の単年減税をやろうということになったわけでございます。そのために三兆一千億円余の特例公債も発行してつなぎの財源手当てをするということになっておるわけですが、これはいずれは償還をしていかなきゃならぬわけですから、この償還をどうするのかということになるわけでございます。
 我々の解釈としては、今後、今年以内に国会で成立させるということを言っておられます税制改革の中で、例えば消費税率の引き上げに伴う将来の財源から償還をするということになるんでございましょうか。実は、景気がよくなってくると自然増収もあるわけなんですけれども、そういうこととの兼ね合いはどうなるのでございましょう。
#17
○国務大臣(藤井裕久君) 御承知のように、二月八日の日に連立与党代表者会議で、まず先行して平成六年度の六兆円の減税をする、同時に基本的な税制改革のあり方を年内にやる、そのために協議機関をつくる、こういうことが御決定になり、現実には二月十七日にこれが発足をいたしております。週二回のペースで非常に精力的にこの連立与党の御議論が進んでおります。特に、この協議会は今国会中、つまり六月末までに結論を出すということも言っておられます。
 私どもはその協議会の御論議を今見守らせていただいているわけでございますが、そういう中で、年内に税制改革を実現するということを踏まえれば、当然この平成六年度減税の財源の措置というものもそこで御決定がいただけるものと考えております。
#18
○清水達雄君 私が伺ったのは、平成六年分の特例公債の償還の財源ですね、これは将来の消費税率の引き上げに伴う税収で充てるのかということが一点。
 初めからそう計算していなくても、景気がよくなれば自然増収も入ってくるので、減税分が幾らだから、それをうまく補てんできるように消費税率を上げる必要があるかどうかという議論もあるわけでございまして、その辺についてどうお考えかということでございます。
#19
○国務大臣(藤井裕久君) まず、政府・与党の御決定は、今回の減税財源も含めということがございますから、この御議論の中には、この平成六年減税財源――私は、趣旨からいうと、減税財源を探すための税制改革という言葉は大変嫌でありますし、私自身はそういうことを全く考えておりません。本格的な税制改革の先行として、景気対策としてことしやったという位置づけをしておりますが、仮にその言葉を使わしていただくならば、連立与党におかれては、本年の減税財源も含めて基本的な税制改革を行う、このように言っておられます。これが一点。
 もう一つは、今の御指摘の自然増収の問題でございますが、自然増収を前もって景気回復等見ながら事前にこのぐらいあるということを具体的に決めにくいということもございますので、これを減税財源とするということは現在頭の中にはありません。
#20
○清水達雄君 そういうことになりますと、結局平成六年分の減税分の財源の確保できるような消費税率の引き上げ幅というふうなことを頭に置いてやることになると思うんですけれども、景気がよくなってきて自然増収がふえてくるというふうなことになったらどうしますか。余裕の財源が出るというふうなことにもなるわけでございますので、そういう場合にはどんな調整をされようとお考えになりますか。
#21
○国務大臣(藤井裕久君) 現在の経済対策が成功して一定の安定成長の軌道に乗るということは本当に我々が最も今景気対策の重点に置いている点でございます。これが具体的にどういう形になり、今御指摘のどういう数字の自然増収が出るかということは、これからの問題でございますので、今軽々にこういうことでございますということを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
#22
○清水達雄君 それで、税制改革を年内に法律まで成立させるということにつきまして与党の方で協議会をつくって検討されておるというお話でございましたが、ある程度線が出れば、これは恐らく政府税調にも諮問をするというか、当然議論をしてもらわなきゃならないし、それから、これは極めて国民的な課題でありますから、野党の自民党あたりにもどういう相談なり協議をされるのか。やっぱりそういういろんな手順というものがないと、なかなか大幅な消費税引き上げになるようなそういう税制改革というのは非常に難しいんじゃないかと思うんですけれども。
 それから国会も、来年度予算編成というのを通常な形で考えると、恐らく十一月中ぐらいにはこの新しい税制改革法案が通っていなきゃいけないんじゃないかというふうにも思うんですけれども、その辺の具体の手順というか、どんなふうにやっていくのかというのをもうちょっと具体的にお話しいただけませんでしょうか。
#23
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの御指摘は大変重要なことだと思います。当然政府税調という手続もあると思います。また与党の皆様、野党の皆様を含め、国会の皆様の御了解をいただかなければこういうことはできるわけではありませんし、何よりも国民の多くの方の基本的な合意がなければできないものでございますから、そういう段取りということも極めて重要だと思っております。
 衆議院でもお話ししたんですが、私は十三年前に渡辺大蔵大臣のもとで大蔵政務次官をやらせていただいておりましたが、ほとんど東京にいないで全国キャンペーンだけやっておりました。そういう大キャンペーン――キャンペーンということは事実の説明だと思います。これからの福祉社会の中においてどういうあり方でなければならないかということの事実の説明というのが中心だと思いますが、そういう意味のキャンペーンは大変大事だとも思っております。
 さらにまた、今衆議院の日野代表が話されました衆議院の修正の検討事項というのがついて、このことも政府としては非常に重く受けとめており、今後はそういう方向に従って全力をもって当たっていかなければならないと考えております。清水委員の御指摘の点は大変大事なことだと心得ております。
#24
○清水達雄君 そこで、先の議論をし過ぎるということになるのかもしれませんが、消費税率の引き上げ幅が大きい、例えば七%というふうなことになりますと、この消費税率の引き上げの内容についてかなりいろんな議論があり得るのではないか。例えば、益税の解消というようなことはずっと言われているわけでございますけれども、そのほかに食料品だとか住宅とか、こういうふうなものについて特別税率を設定すべきではないかというふうな議論もあると思うんです。
 住宅なんかについて言いますと、これは金額が非常に大きいもので、今まで住宅対策のためにいろんな減税措置をやっておりますけれども、それがみんな吹っ飛んでしまうぐらいの消費税の引き上げになっちゃうというふうなこともあるわけで、いろいろ問題が多いと思うんですけれども、その辺について大蔵省としての基本的な考え方と、あるいはどの程度力を入れてそういう問題を議論したり検討したりしようとする心構えがあるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの御指摘の点は十分問題意識は持っておりますし、税制調査会でもそれに言及をいたしております。
 ただ、現在の制度というものは、例えて言えば、中小零細業者の皆様に対する扱いというものの中には公平性ということと簡易性ということの接点があったんだと思います。平成元年につくったときはやはり公平性ということと、そしてやはり中小企業の方々に対する簡易性ということの接点があったように思います。また、軽減税率問題も御指摘がございましたが、この公平、中立ということと、それからおっしゃるような政策的配慮の必要性、このやっぱり接点があるように思います。
 私どもといたしましては、現在、政府・与党の中で御議論がこういう点も含めて進んでいくものと考えておりますので、軽々に結論がましいことは申し上げられませんが、平成元年にできたときにはその比較考量の上にできているものであるというふうに考えております。今後、これは連立与党だけではありません、国会の皆様方を初め国民の皆様方の御意見を十分伺うべきことだと考えております。
#26
○清水達雄君 これは私はうわさ話で聞いているだけなんですが、これは恐らく主税局の方なんかが言っているんじゃないかと思うんですけれども、消費税率が一〇%以上になれば軽減税率的なことも考えなきゃいかぬけれども、そこにいくまでは余り考える必要ないんだというふうなうわさ話みたいなものを聞いたことがあるんですけれども、そういうふうなお考えがあるんでしょうか。
#27
○政府委員(小川是君) ただいまの消費税に軽減税率を考えてはどうかという御指摘の問題につきましては、消費税が設けられてからいろいろな議論がございます。とりわけ、昨年の九月から十一月まで政府の税制調査会で御議論をいただきましたときには、この点についてかなり突っ込んだ審議が行われました。
 そのさまざまな論点がございますけれども、公平、中立、簡素といった消費税の導入の趣旨、あるいは軽減税率を設けることによって納税義務者に大変な事務負担をかけるという問題、あるいは消費者にとってもかなり小売段階において手間がかかる、そういった社会的経済的コストなどを考慮いたしますと、その設定は、経済的合理性に反していて、適当でないと考えられるというのが実は昨年十一月の税制調査会の答申でございます。
 今後ともこの問題は、諸外国には諸外国なりの歴史がございますが、この複数税率の設定は、今申し上げたような大きなコストを伴って、できるだけむしろこれを集約していくというような方向でECの諸国の中でも動いている面があるということを付言させていただきたいと存じます。
#28
○清水達雄君 今のお話の中で、部分的に軽減税率みたいなものを設けると納税者の方の事務手続が非常に煩瑣だという話があって、食料品とかなんとかというようなことになりますと、種類も豊富だし加工の度合いだとかいろんなことがあるからある程度わかるんだけれども、住宅なんということになると、これはそんな手間がかからないような気もするんですけれども、手間がかかるというのはどういうところに手間がかかるのかということと、それから、外国でいわゆるそういう軽減税率がどのように設定されているのかということを御説明いただきたいと思います。
#29
○政府委員(小川是君) 軽減税率の問題につきましては、何よりも消費税というのが全体として消費に広く課税を行う。何が高級な消費である、あるいは何が必需的である、なかなかこれを区分するのは困難である。あるいは、所得水準が高まるに従いまして消費が多様化しているといったようなことから、消費に一律に広く税負担を求めるというのが公平でありまた申立てあるということでございます。
 その際に、住宅というのは今お話がございましたように最も大きな規模の支出行為でございます。したがいまして、こうしたものの税率を軽減するというようなことにいたしますと非常に大きく税収ベースでも損なわれてまいります。ということは、逆に申しますと、他の消費行為に対してそれだけより大きな負担を求めなければならないということになるわけでございます。したがいまして、納税コスト、手間ということの問題以前に、公平、中立、簡素といった観点から極力一律の課税を行うことが適切である、こういうふうにされているわけでございます。
 それから諸外国における税率でございますが、例えばイギリスの場合には、標準税率が一七・五%に対しまして、軽減税率はない、そのかわりに食料品等がゼロ税率ということになっております。このゼロ税率につきましては、ECの指令においてこれを排除すべしという否定的な考え方がとられているわけでございます。ドイツは標準税率一五%でございます。フランスは一八・六%でございますが、それぞれ食料品とか水といったようなものについて、ドイツでは七%、フランスでは五・五%といったような軽減税率が設けられているところでございます。
 先ほど申し上げましたように、ECでは市場統合の一環として、付加価値税を調和するために、標準税率を一五%以上、軽減税率を五%以上として、割り増し税率を廃止しなければならないという指令が出されているところでございます。
#30
○清水達雄君 住宅にこだわると何か自分の専門分野のことばかり言っているようで申しわけないんですけれども、これまでやってきた住宅のための減税措置というのがほとんど吹っ飛ぶというふうなことに対しては、消費税としては一律で取るけれども、それを埋め合わせるようなまた住宅減税をやるというふうなことになるんでしょうか。
#31
○政府委員(小川是君) ただいまの点につきましては、消費税を一律で課税するということは、あらゆる種類の支出に対して相対的には同じ割合で税負担を求めるものでございます。特定の支出行為あるいは購入に対して別途税制上、あるいはその他予算、金融上の措置が講じられているといたしますと、その相対的な有利性は引き続き残るわけでございますから、むしろ消費税、間接税のあり方としては、消費に対して一律に課税を行う、そこに例外を設けないということが最も重要ではないか。その中においても同じように政策的配慮は生きているというふうに考えるわけでございます。
#32
○清水達雄君 そこで、税の基本構造といいますか、そういう問題なんですけれども、我が国の税制は直接税の比率が非常に高い。OECD二十四カ国の中で一番目、それから間接税は一番低くて二十四番目、それから資産課税は七番目というふうなことが税調答申の中にも書かれたりしでおりますけれども、過去、外国で間接税率が高い国というのは昔から高かったのか、ある時期は直接税が高くてだんだん間接税の方に移行していったのかというふうな過去の推移ですね、これは主要国でいいと思うんですけれども、そういうことを御説明いただきたい。
 それから我が国の場合にも、ずっと振り返ってみると、直接税はそんなに高くなくて間接税が非常に高い時代があったというふうなこともあるんですが、何か日本の国民性というふうなことに立脚して直接税が高いということになっているのかなっていないのか。何かそういう点についての分析を主税局の方からお伺いしたいと思います。
#33
○国務大臣(藤井裕久君) 詳しい数字的なことは主税局長がお答えいたしますが、今、清水委員がおっしゃったように、私は戦前は日本は完全に間接税の国だったと思います。間接税が六五%、戦前、昭和九―十一年あたりですね。
 なぜこういう直接税中心になったかといえば、歴史的にたどればシャウプ税制だと思います。シャウプ税制の採用によって直接税国に転化した。これはもう歴史的事実として言えると思います。ただ、そのときでも直接税比率は昭和二十五年で五五%ぐらいだと思うんですね。
 今のように七〇%だというようなことになってきたのは、高度成長時代に超過累進制度の中で相当減税が繰り返されてきたけれども、特に昭和五十年度以降の低成長の中でそういうこともかなわなくなってきた。半面、これは戦前からでありますが、日本は個別消費税しかなかったわけでありますから、一般的な消費税がないということになると必然的に今のような姿になってくるんじゃないかと思います。
 主税局長から詳しくお答えさせますが、私は、ヨーロッパ大陸はむしろおっしゃるように間接税中心国としてずっと来ているように思います。ただイギリスなんかは、昔は直接税中心国だったのが、付加価値税導入によってそのウエートが変わってきているんじゃないか。国による歴史とか、私はやっぱり国民性も本当はあると思います。
 そんな集積であろうと思いますが、少し数字のことを主税局長からお答えさせていただきます。
#34
○政府委員(小川是君) 日本の直間比率はただいま大臣から御説明を申し上げたとおりでございます。戦後ではないと言われるようになりました昭和三十年当時で直接税のウエートが約五割でございました。今申し上げたように、高度成長によって直接税のウエートが上がりまして、昭和四十年にはそれが六割ぐらいになり、昭和五十年には七割ぐらいになった。今日も大体それぐらいの水準にあるわけでございます。
 ヨーロッパも、大臣申し上げたとおりでございますが、一番間接税のウエートの高いのはフランスでございまして、この三十年ぐらいを大観して申し上げますと、六割が間接税、四分六の国でございます。ドイツがそこへいきますと大ざっぱに半々ぐらいでございます。イギリスは直接税が五五で間接税が四五といったようなところでございます。アメリカは御案内のとおり直接税中心で、九割程度でございます。アメリカの場合には間接税である小売売上税が州の税になっておりまして、連邦は専ら所得税を中心とした税制になっているわけでございます。
 こうした体系になっているゆえんは、先ほど大臣から御説明をした経済の発展段階と、それから各国の歴史的な事情というものが折り重なってのことであろうかと存じます。
#35
○清水達雄君 私も言いたかったのは、やっぱり経済の発展段階に応じて税構造が変わるんじゃないかという感じを持っていたから伺っているわけなんです。
 税制の議論をするときに、総論としてというか、常に我々がよく聞かされるのは、所得、消費、資産のバランスを確保するという議論を聞かされるわけでございます。このバランスというのが非常にわかりにくいんですね。一体どういうことをもってバランスがとれていると言うのかとれてないと言うのかよくわからない。これは年じゅう言っておられますから恐らく大蔵省の方にはその考え方があるんじゃないかと思うんですが、それを一つ伺いたいということ。
 それからもう一つは、ストック経済化が進展をしてまいりますと、ストックの移しかえですね、例えば実物資産の相互間の移しかえだとか、あるいは実物資産と金融資産の移しかえだとかということがスムーズにいきませんとフローが非常に大きな影響を受けると思うんです。
 例えば、住宅を買うのに、どこか遠くの方にあって余り使えない土地があるからそれを売ろうと。ゴルフの会員権を売ってそれで住宅を建てる。特にこれは、買いかえ層なんかについてはかなりそういう財産の整理もやりながら買うというようなことをやる。そういうところがとまっちゃうと、買いかえによるいい住宅へ移り住むというようなことがとまっちゃうというようなことがある。これは企業についても同じだと思いますね。これはいわゆる円高不況のときも、土地を売ってその得た資金で設備投資をやるというようなところから、円高不況の構造改善対策というようなものが随分言われてきたわけです。
 そういうことがありますから、結局、経済の循環をあるいは成長をうまくやろうと思うと、ストックに対する課税、これは保有に対する課税と移転に対する課税がありますけれども、移転に対する課税というのは余りやっちゃうとフローがうまく動かなくなる、まさに不況になるというふうに思うのでございますが、その辺についてのお考えを伺いたいと思います。
#36
○国務大臣(藤井裕久君) 私の立場でラフに言って、主税局長がちゃんと穴を埋めてくれると思いますが、私は、所得、消費、資産というのは税が着目する三大要素だと思います。言葉は悪いんですが、人頭税という言葉がある国ではやりましたけれども、あれはむしろ普通例外でございまして、所得、資産、消費だと思います。
 その中で、おのおのの税におのおのプラス面とマイナス面があるんだと思います。所得税中心国である日本は、今までずっと所得税で戦後やってきて、そのメリットというものも非常にあると思います。この超過累進というものが日本の所得階層というものを平等化する一つの要因であったことはもう間違いないわけだし、そのことが日本の経済の発展に貢献したことも間違いないと思いますが、これが度が過ぎてくると、今議論になっているような勤労意欲の問題等も出てまいりますし、私は昔、執行を三年やったんですが、余りに所得税にこだわりますと、どうしてもプライバシーとのぶつかり合いが出ます。このことをどう考えるかというのが私は一つあると思います。
 それから、消費ということでございますと、よく議論に出ますように、非常に薄くて広いという意味がある反面、やや逆進性を持っているということは、それだけとらえればこれは否定できない事実だと思います。おのおのプラス・マイナスがあるものをミックスするというのが私はバランスのとれた税制だと思います。
 その中で、何%と何%と何%がいいかというのは私は言えないと思いますし、先ほど清水委員も御指摘のように、経済の発展段階だとか、国民性だとか、その国の歴史だとかいろいろなもので関連をいたしておりますので、数字をもって申し上げられないのでございますが、やはりそこはバランスが要るんじゃないか、こういう趣旨で私は理解しております。
 第二の問題でございますが、おっしゃる意味はよくわかります。ただ、土地の持っている特異性ということ、平成元年の土地基本法でああいう位置づけをされて、そして平成三年の改革をされたということであり、これはやはり土地の持っている特殊性から、清水委員は大専門家でいらっしゃるからそれ以上詳しく言いませんが、その中からできたあの税の仕組みだと思います。
 ただその中で、居住用財産で言えば、居住用財産の買いかえというような措置で流動化が図れるようにしてありますし、事業用資産の買いかえも、今御提案申し上げている中で、リストラ等に貢献するものについてはそういう流動化が図れるようにしているということも御理解をいただきたいと思います。
#37
○政府委員(小川是君) 資産の課税の問題についてだけ申し上げさせていただきます。
 御指摘は、資産が各種の形態を変える場合の移転コストの問題と、それから恐らくはそこで生ずるキャピタルゲインの問題、キャピタルゲインの課税のあり方によっては移転がしやすかったりしにくかったりするという問題を御指摘であろうかというふうに存じます。
 資産の移転につきましては、これはそれぞれの特性に応じて、有価証券の場合には取引税、あるいは土地その他については、移転の際に登記が行われるというところに着目して登録免許税が課税されたり、あるいは契約に対応して印紙税が課税されたりという形で、これはそれこそ大きく影響しないように、できるだけ軽微な負担という形で取引課税が行われております。
 それから、もう一つの移転でおっしゃられたキャピタルゲインの問題は、やはりこれは所得課税の問題として他の勤労性所得と同様に、これは所得として処分が可能になるわけでございますから、所得課税としてできるだけ適切な課税を行う。その場合に、現在の土地について申し上げますと、やはり今大臣申し上げた土地基本法というものの精神が背景になって現在の税制がっくり上げられてきていると存じますし、また有価証券については、捕捉等を考えながら現在の申告課税と分離課税制度ができ上がっている。このように、それぞれに応じて、執行上の公平も勘案しながら組み上げられていると、このように考えている次第でございます。
#38
○清水達雄君 キャピタルゲインのお話があったわけですけれども、基本的に言いますと、昔から物を持って、もう生まれたときから金持ちだったという人は別ですけれども、そうでない人は一生懸命働いて蓄積をして資産をつくる。資産価格が値上がりをするからそれを売るときには利益が出る、したがってそこからは税金を取るんだというお話なんです。
 これは全然やっちゃいかぬということまで言っているわけじゃないんですけれども、そういうことでやりますと、資産からある資産への移転とか、実物資産と金融資産との間の移転とかということをやると損するなど、こういうことになっちゃうんですよ。このままで持っていれば税金を取られない、それは固定資産税とかなんとかは取られますけれども、このままにしておけば取られないのに、移転をしよう、差しかえをしようとするとキャピタルゲインを取られちゃうということになるわけですよね。
 このことは、理屈を並べ立てるといろんなことが言えるんじゃないかと思うんですけれども、現実的にはなかなかそこに抵抗があって、それが経済の姿に非常に大きく影響をしてくるということを私はかなり心配をしている、そういう点から言っているわけでございます。
 それから、土地基本法の話がありますが、私は、これは後からまた土地税制に触れますからそこでも言いますけれども、土地基本法をつくったときは市場構造をきちっとしようということなんですよ、土地の市場構造を。つまり土地というのは供給財じゃないんですよ。あれを供給しようと思っている人は一人もいないんです。困ったときに売るというのが土地なんですよ。供給がない財なんですよ、極端な言い方をすると。ところが需要の方はあるわけですよ、これは都市的土地利用というのがだんだんふえていっていますから。その供給がない構造を変えるというのが土地基本法の目的なんです。
 ところが、平成三年度の税制改正で譲渡所得課税の強化というようなことをやるとますます供給を阻害するようになっちゃう。だから私は、土地基本法の政府の受け取り方は間違っていると思うんです。ということを予算委員会でも言い続けてきているわけでございます。ですから、もうちょっとそういうところをじっくりとやっぱり考えてもらわにゃいかぬ。これは後でまた触れますけれども、そういう感じが非常にしているわけでございます。
 そこで、もう一つは来年度の所得税減税に関連する話なんですけれども、つまり一言で言うと日本のマクロ政策と外圧という問題でございます。
 平成六年分だけの所得税減税を決めて、G7があったときにアメリカのベンツェン財務長官から藤井大蔵大臣に対して、一年だけじゃどうしようもないという極めて強い不満が示された。それで大蔵大臣は、来年も引き続きやることになるでしょうと言ったのか、やりますと言ったのかよくわかりませんが、そういうふうなことをおっしゃっているわけでございます。
 藤井大蔵大臣がお答えになったのは、七年もやるということが政府の方針として決まった段階でそう言われたんでしょうか、必然的にそうなるでしょうというふうにおっしゃったのか、そこをちょっと確認したいと思います。
#39
○国務大臣(藤井裕久君) G7においては、内容は余り言ってはいけないのであれでございますが、私がどう言ったかということは、これは言うことは何ら差し支えありませんから申します。
 二月の二十五日でございますから、二月の八日に決定になりました十五兆二千五百億円の総合経済対策の内容と、また、その中において六兆円の減税をやった、その五兆五千億が所得関係の減税であるということを申し、かつ、これはかつてのレーガン減税を大幅に上回る所得減税であり、その効果は極めて大きいものと考える、こういうことを申しました。それに対していろいろな報道がありますが、私はこういうふうに言っているのであります。
 同時に今、これは国内問題ではありますが、連立与党において合意の上で平成六年中に本格的な基本的な税制改正を行う。そしてその方向は、所得課税の軽減と消費課税の充実という方向で税制調査会の答申も出ている、こういうことを申したわけでありまして、今お話しのように平成七年度とうするとか、ましてや数字がどうだとかということは一切言っていないということだけ申し上げたいと思います。
#40
○清水達雄君 新聞にもアメリカが今回のような減税では非常に不満だというふうなことがよく出ていたわけでございますが、日本のマクロ政策について外国がいろいろ、もっと減税をやるべしたとか、減税の額が小さ過ぎるとか、あるいはもうちょっと長期にやるべきだとか、あるいは減税をやって今度は消費税の増税をやる期間をもっと長くすべきだとか、そういうふうなこと宣言うということは、これは内政干渉だと思うんですね。だけれども、今の国際経済関係においてはそういうことが平気で言えるような状況になってきている。
 これは一つは、市場開放問題とか、あるいは市場における規制の問題だとかいうふうなことに十分きちっとすぐさま対応できないから、マクロ政策で内需を拡大して経常収支のインバランスの差を少し縮めようとか、あるいは輸入をふやそうとかというふうなマクロ政策も入れ込んで対外経済対策をやるというところから、マクロ政策分野もそういう国際経済の問題として出てきているというふうに思うんですけれども、日本も非常に大きな黒字を持っていますから、おまえ内政干渉のようなことを言うなということがなかなか言いにくいんじゃないかとも思うんです。
 それで、やっぱり我が国としては、市場開放問題できちっとした対応ができなければ、マクロ政策をやるのなら、もっと積極的に自分はこうやるんだというふうにやるべきではないか、外国にいろいろ言われる前に、というふうに思うわけでございます。
 今、社会資本投資計画で四百三十兆円の増額問題というのが出ておりますけれども、これについても、全部建設国債で将来の負担になるようでは困るとか、財源をどうするとかというふうないろいろ議論もあるようでございますけれども、やっぱりそういうところは早くきちっと考え方をまとめて積極的にやるということが必要ではないかと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#41
○国務大臣(藤井裕久君) いろいろお話ございましたが、我が国の経済政策については、日米関係で言うならば、マクロ政策というのはおのおのの国が自発的にやることである、そしてお互いにその結果をフォローし合う、基本的にこういう合意になっているわけでありまして、今いろいろ言われたような点については、基本的にそれですべて動いているということをひとつ御理解いただきたいと思います。
 さらに、我が国一国のみが非常に長い間にわたって経常収支の黒字を続けるということは望ましいことではないというのは、もう私もそう思っております。日本政府はみんなそう思っているわけでありまして、そういう中で、積極的に自発的な措置としてマクロ政策、そしてまた市場開放、規制緩和、さらにもう一つ言えば、国際的に協調した産業構造の変革というようなものを今進めているところでございまして、これは我が国としても、そういうことをすることは我が国の国民のためであると同時に、世界経済に調和し、世界経済のためにもこのことが必要であるという観点で我々が進めているということを御理解いただきたいと思います。
#42
○清水達雄君 藤井大蔵大臣の言っておられるような枠組みがきちっと守られていればいいんですけれども、どうも新聞に出てくる発言が、何か内政干渉まがいの発言が非常によく出るということで、そんなことで日本の税制だとか公共投資だとかいろんなことが左右されるということは非常に困ったものだという感じを持っているものですからお伺いをしたわけでございます。
 それで、土地税制にも絡みましてこれから申し上げたいと思うんですけれども、まず、日本の景気対策の柱はこれまでは公共投資と住宅建設、両方とも堅調に推移をしているというふうなことが言われて、きょうの参議院の本会議でもそんな答弁があった。今度は消費の拡大のために所得減税もやるというふうなことを言っているわけでございますけれども、所得減税の問題につきましては私自身はかなり疑問を持っているわけでございまして、非常に減税の時期が遅いということもあるし、もうそろそろ国民もくたびれてきて、だんだんまた消費も拡大傾向に入ってくるんじゃないかというふうな感じも一つはします。
 それからもう一つは、減税の乗数効果というのは小さいわけでございます、これは貯蓄に回ったりしますから。そういうときに六兆円もの多額な財源を使うのはややもったいないなという感じがするんですね。これは恐らく、消費税をこの際引き上げよう、その契機にもしようというふうな感じがあったんで、私はいつもしぶとい大蔵省がこういうことに乗ったような感じもしているんでございますけれども、そんな感じでいるわけです。
 こういうふうな所得減税をやるくらいならば、もっと政策減税をちゃんとやって、例えば土地の長期譲渡所得課税の今回の税制改正につきましても、優良住宅地についてやっておったような軽減税率を住宅に限らない優良建築物にも適用する、範囲を拡大するというふうなこととか、あるいは事業用資産の買いかえについて、八〇%繰り延べするというようなことはやられましたけれども、もっとやっぱり基本にある、物を売ったときに三九%も税金を取られるよというふうな、しかも土地というふうな日本人にとっては非常に貴重と思われるものについて、そういうことを引き下げれば土地の流動化というのはもっと進むし、要するに金回りもよくなるし、もっと世の中明るく活力が満ちてくるんじゃないかという感じがするわけだし、後からも言いますけれども、宅地供給促進のためにも実はそれが必要なんでございます。
 そういうふうなことでありますとか、土地の譲渡所得課税につきまして、いわば分離課税的な措置を法人に対してもとって、長期ならば一〇%の追加課税を分離的にやる。それから短期なら二〇%の追加課税をやる。超短期のことは言いません、これは土地転がし対策みたいなものですから。
 これはそうとして、こういうふうなことでは、非常に今企業は経営が苦しくて倒産するかどうかわからぬよというようなときに、自分が前から持っておった土地を売って、その譲渡益でもって赤字を埋めて何とか生き延びようかという者も救ってやれないという、こういう税制を続けるというのは今の景気情勢、企業の状況から考えると非常にひどいなと私は思うわけでございます。
 そういったふうな政策減税をもっとやれば、これは税金の額にしたらそう大した話じゃないんですよね、特に譲渡益課税なんかについては税率緩和すればもっと取引がふえて税収が上がるぐらいの話ですから。なぜ全体の政策選択をそういうふうに考えないのかなという点は非常に不思議に思っているのでございますけれども、その辺についての考え方を承りたいと思います。
#43
○国務大臣(藤井裕久君) まず、一般的な所得税減税の効果についての御意見がございましたが、私は、何よりも政府があらゆる努力をしているという姿勢を示すことが大事であるということを前国会でも申し上げました。公共投資政策、お話ございました政策減税、公定歩合政策、そしてやはり所得減税というあらゆる政策をとることによって全体の、マインドという言葉をよく使いますが、そういうものを明るくしていくということは私は見えない効果として非常に大きいものがあると思います。減税の所得効果ということを論理的に言うと清水委員の御指摘のような面もあるのかもしれませんが、そういうことが一つ。
 それから、時期の問題についても御指摘がありましたが、今ちょうど少し消費が、ストック調整がある転機を迎えている。こういう時期にまとめた減税をやるということは、自動車の消費税を引き下げるということなどとあわせて大きな意味があるんじゃないか。特に、消費の芽が出たところを膨らませて、そして本格的回復の軌道に乗せていくという大きな意味があるのではないかと考えておりまして、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 また、政策減税のお話がございました。私は政策減税を否定しているわけではございませんが、これもいつも国会で申し上げますように、政策減税というのは税の不公平ということをのみ込んでやるわけでございます。おのずから限界があるということも御理解をいただきたいと思いますし、また土地の問題については、清水委員とどうもそこがいつも意見が違っちゃうところでありまして、ほかのことは大体合っているんですが、そこだけがどうも違っちゃうのでありますが、やはり土地というものの持っている特殊性というもので土地基本法ができたということも間違いないし、前政権においてはこれは恒常的な一つの仕組みであると御判断になったということも間違いないし、私どもはその前政権の御判断というのを正しいというふうに考えましてこれをやっているわけでございまして、土地の基本的な仕組みを変えてしまうような政策措置というものについてはおのずから限界がある。今回私ども提案させていただいておりますのは、そういうぎりぎりの選択をさせていただいたというように御理解を賜りたいと思います。
#44
○清水達雄君 平成三年度の土地税制改革というのは、自民党政権時代でございますが、私がちょうど役人をやめた直後ぐらいにああいう減税政策がとられましたけれども、私が国土庁にいたらあれは絶対にやらせなかったというふうに思っているわけでございます。
 というのは、土地につきましては、地主に対して土地利用転換を半ば強制させる措置をとらなければだめだ、つまり土地は供給財ではないというところを変えなきゃだめなんです。それをやったのが、三大都市圏の市街化区域農地について生産緑地と宅地化農地に区分けをしてやったと。これを三大都市圏の市街化区域農地だけじゃなくて既成市街地の中もあるいは地方の主要都市もやらなければだめだ。土地を供給させるそういう市場構造をつくらなきゃだめなんですよ。だから、土地はやっぱり国民の基本的な財産であるという、公共の福祉優先というのはそこを言っているわけですから、それをやることが土地基本法の最大の趣旨でございます。
 あのときに実は、本当は、開発利益の社会還元でありますとか税制の問題というのは取ってつけたんですよ。こういうことも言っておかなきゃしょうがないからつけておくかという問題なんです。そこだけが抜き取りをされちゃっているというところに問題がある。
 では、そういうことをやっておったら地価対策はどうするのかという話になります。やっぱり地価が上がったときにそれを抑制しなきゃならない、どういう対策で抑制するのか。
 今回の地価上昇過程におきましては、まず最初に監視区域制度というのをやりました。ちょうど同時に、金融機関に対する指導を銀行局にもう随分と長くお願いをしながらやってきました。しかし、現実には融資の総量規制というのは平成二年に始まっています。東京都の地価上昇は、昭和六十二年に六八%上がっちゃったんです。これは私が国土庁にいるときだったんです。いるときに六八%地価が上がっちゃった。そのときは監視区域も引いとった、それから銀行局長から金融機関に対して通達なんかも出してもらっていた、それでも上がっちゃった。
 結局、地価の抑制はどうしたらいいかというと、極めて簡単な話で、供給を上回っている需要はカットする以外にないんですよ。つまり金融を引き締める以外に手段はないんです、地価対策というは。これが私の今回の地価の乱高下を通じて得た教訓なんですよ。監視区域もだめ、税制もだめなんです。金融だけなんです、需要をカットする以外にないんです。
 それからもう一つは、資産価格を余り上げないようにするということですね。これも恐らくやっぱり金融の問題だろうと思うんです。そういうところをしっかりやっていかないと、もう監視区域なんてあんな面倒くさいおかしなことをやったって、これは私がいるときにつくったんですけれども、余り効果がないと思います。
 だから、やっぱりそういう原点に立ち戻って考えないで、平成三年度にやった税制改正は正しいものだというふうに思ってやっておったんじゃ日本の国はよくならないと思います。間違いは間違い。官房長官じゃありませんけれども、過ちを正すのはやっぱり正した方がいいと思うんですね。そういうふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(藤井裕久君) 土地対策はおっしゃるようにあらゆるものの総合だと私は思うんですね。金融が非常に大きな意味を占めていることも事実だし、今もトリガー方式というようなことでこれはまた武器になることがあると思いますし、監視区域についても、今緩めておりますけれども、またいずれそういうことが仮にありせば出動できるようなことだろうと思います。
 そういうのと並んで、今、専門家の清水委員がおっしゃったんであれなんですが、あの土地基本法をつくったときの公還元というのは、つけ足しともちょっと私どもは思えないのでございまして、それら全体ひっくるめて、この日本において時たまある段階で土地が異常な動きをすることに対する対応、そしてその土地が異常な動きをすることで一般国民が非常に犠牲になっているというこの事実、あの経験によっていろんな武器をつくったわけで、私は大きな武器の一つとして税制があるように今でも思っておりますもので、どうかその点、基本的なものはそのまま残し、今の土地の流動化に資するという観点での特別措置、政策減税を今こちらに提案させていただいているんだということを御理解賜りたいと思います。
#46
○清水達雄君 それで、今まで常に住宅建設は順調だというふうに言われてきているわけでございますけれども、その住宅建設の中身を見ますと、まず第一が建てかえですね、住宅が古くなったから、今ちょうど金利も低いから建てかえようという持ち家の建てかえ。これは新しい土地を必要としない。それから初期取得者用のマンションでございます。最近においてはもう二十代ぐらいの人が四千万とかなんとかというふうなマンションを、家賃を払うよりは得だから、金利が非常に安いですから、というふうなことで買っている。それからあとは、市街化区域農地なんかについて、今度は税金も高くなるから貸し家をつくろうというふうなことで貸し家建設。この三本立てなんですよね。いわゆるいい住宅に買いかえて住みかえていこうという買いかえ需要というのはほとんど進んでおりません。
 だから、今のような状況ですと、日本の住宅の平均水準はだんだん低くなっています。持ち家は別として、マンション等につきましては。今はその値段がもう大体四、五千万で決まっちゃっていますから、それに合わせるようにしてマンションの戸当たり面積なんか落としていっているんです。あるいは設備を落とすというようなことをやっているわけでございまして、日本の住宅建設史上そういい状況じゃないんです。
 これだけ金利が低いのに、百四十何万戸とか、百五十万戸にはまだいかないと思いますけれども、百五十万戸いくかどうかというぐらいのところにまでしかいっていないような状況でございまして、つまり本格的な意味での住宅建設が進んでいないというふうに私は思っているわけでございますけれども、こういう点について建設省の住宅局はどう考えているか。
 こういう今私が申し上げたような住宅建設ですと、もうそう長くは続かないと思います。そうすると、将来について住宅建設はどうなっていくのか、その動向をどう見通しているか、そういうふうな点を伺いたいと思います。
#47
○説明員(山本繁太郎君) 御説明させていただきます。
 まず、最近の住宅建設の動きについてでございますが、平成三年度に住宅着工戸数が大きく落ち込みました後に、四年度、五年度と毎年連続して増加しております。
 その中身を見ますと、四年度には、清水委員御指摘のような事情もありまして貸し家の建設が非常に伸びております。今年度に入りましてから個人の持ち家建設、それから昨年秋以降分譲住宅の建設が非常に大きな勢いで伸びてきております。
 その場合、住宅の戸当たり面積の規模でございますけれども、実は貸し家は着実に伸びております。公的融資のウエートが非常に高まってきておりまして、床面積は伸びております。これに対しまして、御指摘のように持ち家建設につきましては伸び悩んでおります。それから分譲住宅につきましては、若干ですけれども、年率で二%ぐらい床面積の規模が下がっている現状でございます。
 とりあえずこれからの見通しというお尋ねでございますけれども、五年度につきましては一月までの数字しかまだ出ておりませんけれども、おおよそ今お話ありましたように百五十万戸前後の着工が達成できるのかというふうに見ておりますけれども、六年度につきましては幾つかの懸念材料もございます。
 一番大きなポイントは、建築の市場で民間の事務所の需要が非常に伸び悩んでいるために、供給サイドの事情で分譲マンションに非常に力が加わっている。そのこともあって分譲マンションの供給が非常に伸びているという部分がございます。それから金利の動向についてもいろいろ思い悩んでいるところでございます。
 そういうふうな懸念材料はございますけれども、中期的に見ますと、地価が非常に高くなった時点で持ち家の取得が抑制されたという事情もあって、これから中期的に、持ち家を取得したい、住宅を取得したいという需要は非常に根強いものがあるというふうに私ども思っております。
 それから、ごく最近ですけれども、中古の住宅流通市場に明るい兆しか見えております。特にマンションですけれども、マンションの価格は下がっております。成約件数で見ますと、昨年暮れ以降非常に伸びてきております。
 そういうふうなことを総合的に判断いたしますと、国民の住宅の取得についてのいろいろな施策、今回提起されております税制措置も含めましてこれら施策が適切に運用されれば、住宅の買いかえも含めまして、六年度、引き続き堅調に推移するということを住宅政策としては期待しているわけでございます。
#48
○清水達雄君 中古マンションの流動というか、中古マンションがかなり売れてきているという話も聞くんですが、ということになるとこれは買いかえ需要だと思うんですね。
 中古マンションを売った人がどんな住宅に移り住んでいるのかというふうな、何かそういう調査とかいうのはないでしょうか。
#49
○説明員(山本繁太郎君) 御説明させていただきます。
 ただいま申し上げました資料は、指定流通機構に登録されております中古住宅の取引を私どもで把握したものでございますけれども、本来、住宅投資が本格的に回復するということになりますと、例えば中古住宅、マンションを売った方がそれを出発点にしまして戸建ての住宅を取得されるというふうになれば、これが一番力強い住宅投資行動というふうに私ども見るわけでございますけれども、私どもが知り得る限りではまだそこまでの大きな動きは出ていないと。ダイレクトな資料がなくて恐縮なんですけれども、中古住宅は動き始めているけれども、それが戸建てにダイレクトに結びついているというふうな情報は確保していないということです。
#50
○清水達雄君 それで、少し大型のマンションであるとかあるいは戸建て住宅、こういうものの動向はどうでしょうか。
#51
○説明員(山本繁太郎君) 戸建て住宅も分譲住宅につきましては伸びております。しかし一番伸びているのは分譲のマンションです。しかも一時間から一時間半圏内の三千五百万から四千万円といったようなところが戸数的には一番伸びているところでございます。
#52
○清水達雄君 次に宅地の問題について建設省から伺いたいんですが、まず、住宅地の需給状況ですね。
 今土地については売り手はいるけれども買い手がないというふうなことがよく言われているんですけれども、一方、初期取得者用のマンション用地などについてはある程度各社が競争しながら買っているんじゃないかというふうにも思うんですが、それ以外に、いい住宅を建てるようなそういう土地がどのくらい供給されているのか、あるいはストックとしてあるのか、そういうところまで含めて、その需給状況をまず第一点御説明をいただきたいと思います。
#53
○説明員(松原文雄君) 需給状況についてでございますが、平成三年度から平成十二年度までの十年間に建設省におきましては全国の宅地需給量を十一万三千ヘクタールということで見込んでおるところでございます。
 現在、大体毎年これは余り大きな変動がないわけでございますけれども、全国の宅地供給量が年間通しまして約一万ヘクタール強というところでございまして、先ほど申し上げました十年間の宅地需給量十一万三千ヘクタールとの比較で申し上げますと、若干ちょっとこれを下回っておるのかなというペースで推移をしておるところでございます。
 大都市圏におきましては、十一万三千ヘクタールのうち四万六千三百ヘクタールをこの十年間の供給目標量ということで計画しておるところでございますけれども、平成三年度の宅地供給実績は三千八百ヘクタールとやや低い水準にとどまっておりまして、今後積極的に計画的な宅地供給を進めていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
 現在土地がどういう状況で動いておるかということでございますけれども、委員御指摘のとおり、交通条件のある程度恵まれた、しかも、かなりそこそこの低価格で供給できるマンション用地、一次取得者向けのマンション用地につきましては御指摘のとおりかなり活発に取引が行われているという話を、具体的な数字は持っておりませんけれども、私どもも業界等からのヒアリングで聞いておるところでございます。
 加えまして、最近やや景気の今後の状況について明るい見通し等も報道されておりますことから、やや高目のマンションないしは戸建て住宅につきましても、まだ活発に売れるというところまではまいりませんけれども、動き始まったというようなことになってきております。
 いずれにいたしましても、今後よりよい宅地供給を進めていくためということで、私どもといたしましては、従来からございます関連公共の促進事業でございますとか、あるいは区画整理事業を初めといたします面整備事業、そういったものを通じまして積極的に、なるべくリーズナブルな価格での良質な住宅宅地供給というものを進めていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#54
○清水達雄君 三大都市圏の宅地供給計画とか住宅建設計画なんかをつくる法律がありましたよね。あれ何て言ったっけ。
#55
○説明員(松原文雄君) 大都市法でございます。
#56
○清水達雄君 その大都市法で宅地供給計画がつくられているんですけれども、その中で、確実にちゃんとつくるよというのは、重点供給地域というのがあって、そこではある程度土地に対応したような関係で計画がつくられているというふうに聞いているわけですけれども、それ以外の重点供給地域に入ってないようなものについては、言うならばら建ち的な、いろんな小さい土地とかなんとかというようなものを当てにして計画がつくられているというふうに思っているわけです。
 その重点供給地域に入っている量が宅地供給量の半分ぐらいしか入っていない。あとの半分ぐらいは、どうも当てがなくて、小さな土地を集めるとか、あるいは再開発だとかいろんなことがあるんでしょうけれども、そういうふうな状況になっているというふうに聞いているんですけれども、それはそういうことでしょうか。
#57
○説明員(松原文雄君) 重点供給地域でございますけれども、三大都市圏の宅地供給計画、これは各都道府県の知事さんがお決めになりました計画でございますが、そこの中におきまして、平成十二年までに特に重点的に住宅宅地供給を行っていこうといたしますエリア、これは一定の基準がございます。大体おおむね五ヘクタール以上のエリア。ただ東京都につきましては、過密状態といいますか、かなり密度の高い状態でございますので一ヘクタール以上の地域を選定するということにいたしておりますけれども、そういったエリアにつきまして、事業化の熟度を勘案いたしまして、現在三大都市圏におきまして二千強の地区が重点供給地域として設定されておるところでございます。
 この重点供給地域からどの程度の宅地供給量が出るかということでございますが、平成三年度から平成十二年度までの十年間に二万四千七百ヘクタールを予定しておるところでございます。これは宅地供給目標量四万六千三百ヘクタールの五割強に当たるところでございます。
#58
○清水達雄君 結局、宅地供給計画というのをつくっても、机の上の紙に数字を書いておくんじゃどうしようもないわけで、やっぱりどこの土地を開発するんだということがないと何も進まないわけですね。だから私はもっと重点供給地域という土地に対応したそういう土地をふやしていかなきゃ本当のいい宅地の供給はできないと思うんですね。
 大体、五〇%なんというんじゃ、本当は五〇%の計画でしかないと思うんですよ。だからこれをもっとふやしていかなきゃならぬと思うんだけれども、その点についてはどういうふうに建設省はされようとしているんでしょうか。
#59
○説明員(松原文雄君) 五〇%が少ないという御指摘をちょうだいいたしましたが、当然のことながら、この重点供給地域二千余り以外のところでも、例えば五ヘクタール未満の住宅地転用でございますとか、そういったものが行われるわけでございますので、これら重点供給地域以外のところでどの程度宅地供給が進むかということが一つのポイントになろうかと思います。
 私どもが計画あるいは供給基本方針を策定いたしますときに試算いたしましたところによりますと、これらの重点供給地域以外のところから四割強くらいは供給が見込めるのではないかというふうに考えておりまして、残りにつきまして重点供給地域からの供給目標量ということで見積もっておるところでございます。
 なお、この重点供給地域につきましては、当然のことながら、十年間の長期の計画でございますので、中間段階で例えば開発熟度が上がってくるとかいうようなものもございますので、弾力的に追加指定を行うように公共団体を指導していく予定でございます。
#60
○清水達雄君 それから、最後が一番大事な話なんですけれども、三大都市圏の宅地化農地の宅地化をどうやって進めていくか。これは現状におきましては宅地化農地と生産緑地がもう混然となっておりまして、とてもすぐ家が建てられるなんというところはないわけですよ。これは区画整理でもしてうまく市街地のような格好にしていきませんと家は建てられない。これをやるのは大仕事でございまして、どうも建設省なり地方公共団体の対応というのは非常に私は今遅いと思います。
 これをもっと一生懸命やることが最大の土地対策であります。そのために金が要るんだったら、竹島次長もおられますけれども、やっぱり主計局によくお願いをして公共施設の関連事業費とか予算をいただくなり、あるいは理財局にお願いして住宅金融公庫の宅地融資をふやすとか、いろんな対策をとっていかなきゃならぬと思うんです。
 その辺について、どういう計画でいつごろになったら、言うなれば市街化区域農地の半分ぐらいが宅地化できるのはいつごろできるのかというふうなことを伺いたいと思います。
#61
○説明員(松原文雄君) 三大都市圏の宅地化農地につきましては、平成四年の末までに市街化区域内農地五万ヘタタールのうち約七割が宅地化農地として選択されたところでございます。
 宅地化農地からの住宅建設を目的といたしました農地転用の届け出面積でございますけれども、三大都市圏の特定市分につきまして私どもの方で調べたところによりますと、平成三年が千三百ヘクタールでございましたが、平成四年に千八百ヘクタールということで増加の傾向にございます。固定資産税の宅地並み課税を初めといたしまして、さまざまな施策の効果が顕著にあらわれつつあるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 ただ、委員御指摘の生産緑地と宅地化農地とがかなり入り組んだ状態になっておりまして、今後の住宅宅地供給の上で放置しておきますと大きな問題になりかねないというようなところもございまして、私どもといたしまして、例えば土地区画整理事業とかあるいは住宅地高度利用地区計画等の既存制度、それから新しく新年度の政府予算案にもそれに関連いたしました幾つかの基盤整備、面整備のための施策の充実のための制度をお願いしておるところでございますが、今後強力にこういった宅地化農地を活用いたしました優良な住宅宅地建設ということについて取り組んでいきたいというふうに考えております。
#62
○清水達雄君 土地問題で税金の話をやっているときに土地基本法なんか出ると、とにかく供給促進が第一だということを私はいつも言っているわけなんで、やっぱり国土庁とか建設省がもうちょっと一生懸命に土地利用転換なり宅地造成事業ということを進めていくということが最大の課題であるわけです。一生懸命頑張ってほしいというふうに思うわけでございます。
 それから、今度は今回の租税特別措置法に基づきます改正案に関連してお話をお聞きしたいと思うんですけれども、まず第一点は現在の優良住宅地の軽減税率の制度の問題でございます。
 これを受けるためには、三大都市圏では五百平方メートル以上、それ以外のところでは千平方メートル以上の開発許可を受けるか、あるいはマンションを十五戸建てる、戸建て住宅を二十五戸以上建てるというそういう一団地の建設、こういうことが必要であるわけですね。
 ところが、実際に私いろいろ不動産業者とかなんとかに聞いてみますと非常に問題があるんですね。というのは、開発許可を受けようとすると、まず公共団体、これは知事の認定が要るわけですけれども、認定というか知事の許可をもらうわけですけれども、非常に時間もかかるし、いろんな要求ということがなされる。最も一番ひどいのは開発指導要綱の問題。つまり開発指導要綱が乗っかかってきて、そういう負担が非常にふえるという問題があります。それから、開発許可の中身につきましても、県によって道路の幅員に歩道をつけろと言ってみたり要らないと言ってみたりとか、いろんな問題があるわけでございまして、本当に開発許可が受けられるかどうか自信がない、土地取得段階では。
 それで、最初に土地を買うときに軽減税率の一五%プラス五%の二〇%の税金で済むようにしますからと言ったら、もしそれができなかったときは三九%までの差額を業者が負担しなきゃならないという問題が現実にあるわけです。だから、中小業者などは非常に使いにくくてもうみんな敬遠するというのか、地主が三九%に乗ってくるようならもうそれに乗せちゃおうかみたいな感じもあるということがあるわけでございます。
 それからもう一つは、既成市街地の中の小規模土地ですね。これは農地もあるし、あいている土地も宅地もあるんですけれども、これが御承知のように近年非常に駐車場になっちゃった。近年というのは平成三年度の土地税制改革以来ですよ。平成三年の十二月の暮れに駆け込み的に土地取引があって、平成四年になってからぱたっととまっちゃったわけですよ。それでみんな駐車場にする。それを売ったら三九%税金取られるからですね。そんなものはとてもだめだという話になっちゃう。だから、これが既成市街地の中の特に東京都なんかの区部とかいうふうなところになりますと、こういう小規模土地がたくさんあるんですよ。これをうまく使ってタウンハウスみたいなものをつくっていかないとしょうがないんですね、先ほど重点供給地域の面積が五〇%なんて言っているぐらいの話なものですから。これが要するに軽減税率の適用にならない。
 そういうことがありまして、私は軽減税率の二〇%というのは非常にこれはいいことをやってくれたというふうに感謝をするんですが、もう一方で、一般税率の三九%が高過ぎて非常にここに大きな問題があるというふうに思うわけでございまして、先ほども資産課税の問題で言いましたけれども、私はやっぱり一般税率は、本則にありますように二分の一総合課税ぐらいにする。今回は私ども租税特別措置法に対する修正案を出そうとしているんですけれども、これは二〇%にしたいと思っていますが、これは景気対策とかいろんな面を含めてそうだけれども、少なくとも一般税率を本則並みにしなきゃいかぬ。
 この本則が実態的に何%の税率になるかというのは私よくわからないんですけれども、何か自民党の税制調査会長によると一五%ぐらいだと、こう言うんですね。これ本当かどうかよく知りません、二分の一総合課税でやった場合の税率がですね。というふうな話もあったんですが、その辺も含めて、ここはやっぱり三九%というのは余りにも高過ぎる。こんなことでは土地を売るなという政策を出しているようなものなんですよ。というふうに思いますが、その点についていかがでございましょうか。
#63
○政府委員(小川是君) 土地税制のとりわけ譲渡課税制度と土地利用とのかかわりの問題で幾つも御指摘がございました。
 第一点といたしましては、現在の軽減税率の適用対象となる土地の譲渡につきまして、買い手の側の方がそれを有効な宅地供給の促進に資するために使うものであるという点について証明制度を持っているわけでございまして、ここは何らかの意味でこの土地利用との結びつきを形の上ではっきりさせていただきませんと、税制上仕組みようがないというところがございます。したがいまして、この許可制度につきましては、土地政策上そうした許可要件を設けて、やはり有効な土地利用と結びつけているという政策上の意義づけに依存せざるを得ないというふうに思うわけでございます。
 それから、さまざまな土地税制につきまして先回の改革のときに最大の問題でございましたのは、土地税制が安定的でなければならないと。とりわけ、譲渡所得に対する課税が猫の目のように昭和四十年代から五十年代にかけてくるくると緩和されたと。とりわけ、土地の取引が一時期ブームでふえて、その後落ちつきますと必ず出てまいりますのが供給促進のための売り手に対する優遇税制を設けろということでございまして、このことが我が国における土地保有者に対する神話というものを動きがたいものにしてしまったというのが、土地神話を改めるために土地税制についてはぜひとも安定した税制を要するという議論でございました。
 それから、その次に具体的な問題といたしましては、したがいまして供給ももとより問題でございますが、供給の面につきましては、もう一つは、資産としての有利性ということで、資産保有としてのコストを適正に負担していただくということが土地の保有のあり方として、また税の負担の公平なあり方として適切であるということが保有課税の充実でございました。
 最後に、譲渡課税につきましては、清水委員も御存じのように、それまでは譲渡所得税については二〇%と二五%の二段階でございましたが、これを他の勤労所得等よりは、土地の公共性、公益性から、そのキャピタルゲインについてはそうした勤労性所得よりはより高い負担を求めていくべきではないかということで、一般的には三〇%の比例税率にし、他方において、土地政策上有効な活用に資するというものは逆に一五%に税率を引き下げるということで現在の制度ができ上がっているわけでございます。
 したがいまして、こうした考え方あるいはこうした税制というものが中長期的に安定的に定着していくということが最も税サイドからは期待されるところでございまして、おっしゃるように、土地政策全般の中でこうした位置づけが行われてきているというところでございます。
#64
○清水達雄君 確かに土地譲渡所得課税が年じゅう変わるということはよくないと思いますよ。おっしゃるとおりだと思うんです。それで、私は今の軽減税率制度は非常に結構だけれども、その三九%はいかにも高過ぎて、これじゃ土地は売りませんよ、三九%税金取られたら。これはもう皆さんわかると思います。自分が持っておられて三九%税金取られて土地売るなんという人はいないと思いますよ。
 それで、いわゆる本則の二分の一総合課税制度というのがあるわけですよね。これでいきますと最高税率で二五%しかかからぬわけですよね、今所得税率が最高五〇%ですから。それよりも五%も高いわけですよね。
 そこで、みんなが最高税率を取られるわけじゃないんで、二分の一総合課税というのはみんなが最高税率までいくわけじゃないんで、土地の譲渡について二分の一総合課税をやったら、大体平均的に見てどのくらいの税率のところにいくだろうかという推測というか予測、推定というのはできませんでしょうか。
#65
○政府委員(小川是君) ただいまの点につきましては、これまた平成三年の改革のときに議論が大きくなされたところでございます。
 そのときの税制調査会の答申では、本則では譲渡というものについては二分の一総合課税ということになっております。それを踏まえて確かに分離課税の改正前の税率水準は定めたのではないかと考えられる。しかし、「土地譲渡益の特性や資産格差への適切な対処、土地の資産としての有利性の縮減の要請等に鑑みると、むしろ勤労所得等に対する税負担との均衡を図る観点から、相当程度引さ上げていくことが適当であると考える。」という答申が出ております。したがいまして、この資産性所得の中でも土地に対する課税のあり方は、こういった考え方で分離、比例で、かつその税率は、税負担はかなりの程度他の所得とは違って引き上げていくべきではないかと、こうした答申に基づいて現在の三〇%の所得税の税率が定められたものでございます。
#66
○清水達雄君 今のお話は、皆さんよくわかったかどうかと思いますが、要するに二つのことを言っておられると思うんですね。一つは、平成三年度以前の税率、つまり二〇%というのが、いわゆる二分の一総合課税を想定した場合の税率を二〇%と考えていたんじゃないかということを一つお答えになった。それからもう一つは、土地は何か特別な財だから、あるいは普通の所得とは別にもっと高い税金をかけるべきであるということをおっしゃったわけでございます。
 私は、その二番目のもっと高い税金をかけるべきであるという点については、先ほど来、資産の移転に対する税制というのはよっぽど考えないと経済全体をまずくさせるよという話もしているわけで、ここは考え方が非常に違うところで、これはもっとうんと基本的に議論をしなきゃならぬところだと思います。
 そうなりますと、二分の一総合課税を想定した二〇%税率、それをやっぱり超えてはいかぬのじゃないか、中立的な意味での資産課税の原則というものを踏まえたぐらいにしておかないといけないんじゃないかというふうに思っているわけですが、言っていることは私が言ったようなことでよろしいですか。
#67
○政府委員(小川是君) ただいま言われました点は、平成三年度の改正前は、土地の譲渡所得のうち四千万円までの部分は二〇%、四千万円を超える部分は二五%という比例税率でございました。
 そこで、この二五%という比例税率は、長期の総合課税のときの最高税率が五〇%であるということから見て、その半分の二五%というふうにも考えられるのではないか、こういう御意見あるいはそうではないかというふうに考えられる方があるわけでございます。
 そうした議論を踏まえた上で、実は土地の譲渡所得に対する課税はそういう考え方でいいんだろうかということがるる議論をされまして、その結果、勤労所得に対する負担よりはやや離れて、つまり税率構造とはやや離れて高い税負担を求めることが適当ではなかろうか、そのかわり土地の有効利用に資する方については極力引き下げていくということがよろしいんではないかということから、二〇と二五というのを、一般は三〇、そのかわり軽減対象は一五%に引き下げる、こういう改正が行われてきたということでございます。
#68
○清水達雄君 どうもここで話していてもそう簡単に意見は一致しそうもありませんから先に進みますが、今度は今回の改正案で軽減税率の適用対象を拡充しているわけですけれども、つまり、五百平米以上の優良建築物については都市計画の建ぺい率よりも一〇%建ぺい率を低くしてその分空地をたくさん出しなさいという要件がある。それからもう一つは、千平方メートル以上の宅地造成については公共施設用地面積の割合が三〇%以上でなければだめだと、こういうふうに私は聞いているんですけれども、この辺の適用要件はどういうふうになるんでございましょうか。
#69
○政府委員(小川是君) 五百平米以上の優良建築物について、今回の軽減税率の適用対象にいたしますときには、確かに建ぺい率について今御指摘のような一定の要件がかかっております。また、千平米以上の宅地造成につきましても、公共用施設用地の比率が三〇%以上であるといったような要件が加わっているわけでございます。
 これらの要件は、都市計画法上の地域であっても、都市計画地域の中であっても、一般の譲渡に比べてさらに土地の有効利用、適正利用に資する優良なものをどういう基準で選び出すか、そして軽減税率の適用対象にするかということを、所管省庁ともいろいろ議論をいたしまして、要件として定めることにいたしているものでございます。
#70
○清水達雄君 そのほかに要件はありますか。何か聞くところによると、建築確認の申請書を出さなきゃいかぬとかどうとかというような話もあるのかないのか、何かそんな話も聞くんですけれども、そのほかにまだあるんでしょうか。
#71
○政府委員(小川是君) 先ほど申し上げましたように、優良な宅地、あるいは今回の場合ですと住宅用地だけではなくてその他の業務用の建築物のために用地が使われる場合も含むわけでございますけれども、そうした用途に使われるということについて、税務当局に対して申告の際にこれを明らかにするような証明書をつけていただくという形式要件はもとより必要だというふうに考えております。
#72
○清水達雄君 それは建築確認申請書じゃなくていいんですね。
#73
○政府委員(小川是君) 建築確認の申請書の写し等に基づく建設大臣の証明書というものを添付していただくことを予定いたしております。
#74
○清水達雄君 今まで私も長年税制改正みたいなことに役人としてもつき合ってきたんですけれども、法律をつくった後、政令だとか通達だとか、非常に要件をいろいろ厳しくしちゃって、実際には非常に動きにくい、適用しにくいようなことにしちゃうということが非常に多いんですよね。そういうことだと、できたできたと言いながら、実際には世の中はそれで動かないということになっちゃう。今非常に規制緩和とかなんとも言われておって、やっぱりわかりやすく、余りいろんな要件はつけずにやらないと、もうこんなことにばかり物すごい時間がかかっちゃうんです、要件が整えられるとかられないとか。
 ということで、私はもうできるだけそういう要件は少なくしてほしいということがありまずし、それから今の話でも、都市計画で建ぺい率を決めていながら、それで一〇%建ぺい率を低くしないとこの軽減税率は適用しないよ、都市計画じゃだめだとこう言っているわけです。それから、千平方メートル以上の宅地造成について、公共施設用地率が三〇%というように頭から決めちゃっているわけですね。これは周囲のインフラの状況とかいろんなことも関連したりしまして、面積が小さいのになると三〇%の公共施設用地なんて必要ないんですよ。
 だから、どうも何かこういうやり方というのは非常に合点がいかないんですよね。何とかその辺はもっと使いやすい、わかりやすいことにして効果が上がるようにしていただきたいということを強く要請したいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#75
○政府委員(小川是君) 先ほど来申し上げましたように、土地の譲渡所得につきまして、一般の税率は三〇%、地方税合わせて三九%に対しまして、土地の有効利用に資する供給の場合には合わせて二〇%という大幅な軽減をいたしているわけでございます。したがいまして、そうした政策的要請にこたえる土地の供給であるということは何としても確保される、それが形式的に何らかの形で証明される必要があるわけでございますので、そうした土地の利用のための売却であるということをどこかで証明していただくということは税務当局にとって必要な事柄でございます。
 したがいまして、今回も関係省庁とそこのところは、できるだけ円滑にこうした手続がいくように、それと最小限の要請とをどこで調和させるかということをお話をいたしまして、ただいま申し上げましたような、建築確認申請書の写し等に係る建設大臣の証明書といったような手続を設けることを予定しているところでございます。
 ぜひこの点は、課税の公平とそうした円滑さとのどこか調和点を求める必要がある点を御理解いただきたいと存じます。
#76
○清水達雄君 税率の低い優良なものをつくるというと、何か建前がどうしても必要だというふうなところで、知恵がないと、空地を一〇%余計どれとか、三〇%以上の公共施設用地をとれとかということをやってしまうんですよね。私は、これはもっと知恵を働かせることができるんじゃないか、頭から押しつけるようなことじゃなくてと、つくづくそう思っているわけでございます。
 それからもう一つ、不良債権担保土地の処理、処分というのが非常に大事なんですけれども、これには虫食いのものが非常に多いんですね。これから民間都市開発推進機構や何かが土地を買うとかなんとか言っているけれども、もういろいろ言ってきているらしいけれども、ほとんどみんな虫食いのものを持ってくるというような話も聞いているんです。これを使えるようにするためにはその穴のあいたところをまた土地を取得しなきゃならぬわけですよ。
 これが軽減税率で取得できるかどうかというのは非常に問題があるんですよね。ある一人の人から買えても別の人からはどうしても買えないかもしれない。そうするとこの要件に当てはまらないかもしれないというふうな問題があるわけでございまして、これがもうちょっと、三九%なんという、途端に二〇%から倍にもなるようなすごい差があるから非常に問題があるので、やっぱりもうちょっと接近をしていれば何とかうまくいくかもしれないと、こうなるわけですよ。
 ここは私は、今後、不良債権土地の債権の償却じゃなくて、土地を動かして使うということに関して非常に大きな問題だというふうに思っているんですけれども、どうお考えでしょうか。
#77
○政府委員(小川是君) 個別の不良債権担保土地の問題としてはいろいろなケースがあり得るかと存じますが、今回二〇%の軽減税率の対象となる土地につきまして、その購入された土地が全体として五百平米以上であればいい、そこに優良な建築物を建てる計画があればいい、その場合には、売る方はたとえ三十平米、五十平米という小規模であっても軽減税率の適用対象にいたしますということにしておりますのは、まさにおっしゃられたような虫食いのような場合にも対象化なり得るということを想定してのところでございます。
 したがいまして、ある程度の跡地といいますか、まとまった土地の有効利用というものが確実に担保されるということが土地の譲渡課税の税制としては重要であろうかというふうに思うわけでございます。
 恐らく、今言っておられる土地、不良債権担保土地はいろいろなケースがあろうかと存じます。その業務系の土地を中心に、土地の流動化とあわせて、住宅投資のみならず店舗、工場等の建設投資にも資するケースが十分入り得ると、このように期待をいたしているわけでございます。
#78
○清水達雄君 今の話で、穴のあいている、つまり取得できていない土地というのはぽつぽつぽつとあるというわけですね。例えば三つあったとしますと、三つを全部取得すれば一つの宅地になって五百平米以上になる。ところが、穴のあいているところというのは取得がしにくいから穴があいてしまっているわけです。その三つのうち、例えば一つとか二つは話がつくけれども、あと一つはどうしても話がつかないということになったときに困ってしまうなというわけですよ。それが頭にあるから買う方は初めから二〇%でいいですよということがなかなか言いにくいと、こういうことなってしまう。これはさっき優良住宅地のときにも私はそういう話をしましたけれども。
 だから、計画として例えば五百平米以上になれば、本当に五百平米に最終的にはまとまらなくてもしょうがないとかいうことにでもしてやらないとうまく動かないんですよ。結局、そういうときどうしているかというと、倍とか三倍の値段を払って買うとかいうようなことを今までやってきているわけですよ。こんなものは国土利用計画法違反だし、裏金で処理するとか、そういういろんなことをやってきているわけですよ。だから、何かしゃくし定規で割り切ったような話ばかりしていても、なかなか世の中はそれでは処理できないということなんですね。
 その辺はどうですか、最終的にはまとまらなくてもやむを得ないということになりますか。
#79
○政府委員(小川是君) その点は、繰り返し今回の土地税制の改正について大臣が申し上げているとおりでございまして、基本的な土地税制の枠組みの範囲内において、土地の有効利用に資するためにどこまで税の改正が行い得るかというところをとことん議論いたしまして、今言っておられるような、何が何でも土地が動くように、売却しやすいようにという形で、その後の利用まで確認ができないものについて軽減税率を適用しろという点にはやはり基本政策との関連で無理があるのではないか、かように考える次第でございます。
#80
○清水達雄君 なかなかどうも世の中は動きやすいようにはしてもらえないということだと思います。
 それで、土地の取引件数の問題でございますが、法務省の統計によりますと、平成四年の売買による土地取引件数というのは百八十二万件あるんですね。ところが、税務統計上の譲渡は九十四万件というので約半分なんですよ。もちろん、土地の取引があっても譲渡益が出なければ課税がされませんから、それは税務上の数字が少ないに決まっているんだけれども、半分も差があるということについては、どうしてこういうふうになるのかなというのが私疑問であります。
 そこで、法務省の方から、どうやってこの取引件数をつかまえているのか。
 それから国税庁の方で、統計上の譲渡というのは、これは申告するのはそれぞれ譲渡した人が何筆譲渡しても一回で申告をしていますから、件数じゃなくて申請者数なのかという感じもするんだけれども、何かその辺についてお答えをいただきたいと思います。
#81
○説明員(房村精一君) 法務省の関係についてお答えいたします。
 ただいま委員御指摘のとおり、平成四年の土地に関する所有権移転登記の件数は百八十二万件でございますが、これは平成四年中に土地につきまして売買を原因とする所有権移転の登記の申請がなされた件数すべてを計上してございます。
 この場合、当事者は個人あるいは法人、そういったものを一切含めてすべての申請件数を計上してあるということでございます
#82
○政府委員(小川是君) そうした法務省の登記件数と私どもの方で調査をいたしています個人の譲渡所得の課税件数との違いといいますのは、やはり国や公益法人その他の法人の取引分はもとより私どもの調査で上がってまいりません。そういったものがこうした差になっているのかというふうに推察をいたします。
#83
○清水達雄君 それから、今度の税制改正案の中で、長期保有土地から減価償却資産への買いかえにつきまして、従来はいわゆる一〇〇%繰り延べといいますか、買いかえ特例を認めていたんだけれども、今度八〇%の課税の繰り延べを認めるということで、あらかたの復活ができたというふうに思います。
 しかし、先ほども申し上げましたように、企業の経営が非常に苦しくなっているときに、土地を売った金では赤字が補てんできないということについては、これは、今こういう景気状況だからやっぱりどうしても土地を売って何とか経営を再建させたい、あるいは経営を維持したいということができるように損益通算を認めるということにする必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#84
○政府委員(小川是君) 土地の譲渡益に係る法人税の追加課税は、土地投機の抑制あるいは土地資産の有利性の縮減を目的として設けられているものでございまして、土地の譲渡益に着目して課税する制度でございます。したがいまして、これに本来事業、土地譲渡以外の事業の所得状況を加味するということは、そもそもこうした追加課税制度を設けている趣旨と合わないわけでございますので適当ではないと。おっしゃるような意味での損益通算というわけにはまいらないと存じます。
 これまた平成三年度の改正のときにさまざま議論がございまして、むしろこのときには、土地の譲渡益だけは全く分離をして、法人税と追加課税を合わせて課税してはどうかという議論すらあったわけでございます。そうでないと、やはり赤字になったときに土地を売ればそれで何とかしのげるということが土地の資産としての有利性をもたらしているものであり、また法人の土地保有志向を高めることになっているのではないかといったような議論がございました。しかし、こうした形で完全に分離して根っこから課税するという点については、将来の検討課題だとされた経緯もございます。
 したがいまして、繰り返しになりますが、追加課税の分について、他の所得が欠損であるからこれを行わないということは、そもそもこの課税制度が否定されるということになるのでとり得ないというふうに考えるわけでございます。
#85
○清水達雄君 法人でも個人でも、困っちゃってどうにもならぬというときに、自分の資産を売ってそれで穴埋めをするというぐらいのことは認めてやらないと、法人も人間も生きていけない。私はぜひとも御検討をお願いしたいと思うわけでございます。
 自民党のこれから出そうとする修正案では、要するに赤字をゼロにするところまではやって、それを超える部分については課税を残せという案を、もうけの部分はだめよ、赤字をゼロにするまでのものはやっぱり補てんを認めてやれという案を出しておりますので、御検討をお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、地価税の問題があるわけでございます。
 もう余り時間もなくなってきましたけれども、大蔵大臣は、固定資産税の評価がまだ不十分だというふうなことで、そういう段階では地価税はまだ廃止できないんだとする根拠には余りなってないんじゃないかというふうなお話もされているわけですけれども、固定資産税につきましては当然限界がありますから、評価額で三倍に上がったものを、十二年間の負担調整をやりながら、十二年後にはちゃんとした額になるということで今決着をしておって、これを何とか直していこうということをおやりになるんなら、そういう方向で議論をされたらいいと思うんだけれども、そういう状況だからまた地価税という二重課税を残すという議論は、そういう話は私は非常に困るなというふうに思っているわけでございます。
 固定資産税の問題につきましては、地方税全体の中で、もうちょっと住民税を減税して固定資産税をもうちょっと上げるべきだという議論もあるいはあるのかもしれません。そういう議論をきちっとやるというのならいいんだけれども、もう一応決着がついちゃっている問題なんですよ、固定資産税については。これからどうしようという議論がない段階で、まだ地価税を残しておくと。この地価税というのはコストアップ要因にしかならないんです。土地対策上は全く効果がないんです。こういうものを残しておくというのは、土地の保有の有利性とかなんとかいって頭の中で文学的なことを考えているだけの話であって、何の効果もない。
 では、霞が関ビルの所有者がどれだけあの土地を持っていることに有利性がありますか。建物をぶち壊して売るわけでもないし何でもないんだ、自然に地価は上がるんですから。三井不動産があの霞が関ビルを持っていたって、三井不動産がどうとかしたから霞が関ビルの地価が上がっているわけじゃないんですよ。
 だから、そういう文学的な議論は私はもう全くおかしいと思うんです。そういう意味で、やっぱり地価税につきましては、本格議論はちょっと後回しにして、少なくとも二年間は適用停止にすべきだというふうに思って、自民党の修正案にもそういう形で載せているわけでございますけれども、お考えを承りたいと思います。
#86
○政府委員(小川是君) 確かに、地価税の創設のときの議論といいますのは、保有課税として固定資産税があるのに対して、やはり固定資産税が時価に対する負担のあり方としては全く差が大きく開いている。そこで、土地保有に対する負担の公平の確保等、今おっしゃった資産としての有利性というものを縮減するという観点から設けられたものでございます。
 固定資産税の関係を申し上げますと、確かに評価は公示価格の七割に統一されることになったわけでございますけれども、大変長い負担調整措置が予定されているわけでございます。したがって、当分の間、公示価格の七割に達するということは予定されていないわけでございまして、今後とも固定資産税に対する負担率が全般的に低いという問題が残るわけでございます。とりわけ、地価税が相対的に高い都市部の負担が固定資産税の場合には低いという地域間の負担の不均衡も解消されないわけでございます。
 したがいまして、地価税というのは今後とも存続させていただいて、ただしかし、そういった保有課税のあり方という観点から五年見直しの規定があるわけでございますかも、そのときにはこの地価税のあり方について勉強をしていく必要があるのではないかと、このように考えているわけでございます。
#87
○清水達雄君 時間もなくなりましたので終わりますけれども、自民党の租税特別措置法案に対する修正案も踏まえながらいろいろ議論をしてまいったわけでございますが、どうか与党の皆様方あるいは政府におかれましても、よろしく御理解を賜りますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#88
○委員長(上杉光弘君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#89
○委員長(上杉光弘君) 速記を起こしてください。
 質疑を続けます。
#90
○佐藤泰三君 ただいまの清水委員の質問にある程度重複するかもしれませんけれども、御寛容願います。
 一つの新税をつくるということは大変なことであると思います。去る二月三日の細川総理の国民福祉税という非常にユニークな発言、高齢化社会に向かっての税対策とまた直間比率だろうと思うのでございますが、それもコンセンサス不十分のためですか、一日半で何かなくなって、残念なような悲しいような気持ちもするのでございますけれども、しかしこれは国民も驚きますし、日本の政府の信用問題になると思いますので、ひとつ今後ともこういうことは十分御留意ありたいと思うわけでございます。
 現に、五年前の消費税ですか、三%の。あのときは国内挙げての大暴風雨が来たようなブームでございました。それだけに、一つの税をつくるということは大変なるあれが必要じゃないかなと思うんです。今でも我々の仲間で消費税といいますと、とかくごたごたけんかになります、内税だ外税だと。それだけやはり何といいますか、極端に言いますと国の宣伝が足らないということじゃないかと思うのでございます。
 特に、大蔵省関係の広報でもうちょっと率直に世界の消費税の税率とかいうことを教えないと、五年たってもまだまだかなり消費税というのは誤解されております。特に相当の高額所得者が誤解しているんです、おかしいなと思うんですけれども。その点、国民というのは、新聞、タイトルしか見ませんから、もうちょっと具体的に素人向けにわかるように、大蔵省の方はこの辺から具体的にひとつしていただきたいと思います。
 また、さきの総理の発言以来、平成六年度一律二〇プロ定率減税という法律もつくられて、それがまた戻し税方式ですか、やられると思うんですが、いかがでございましょうか。
#91
○国務大臣(藤井裕久君) 前半の御指摘の多くの国民の方に理解を求めるということは大変大事なことであり、御指摘のようなことに全力を出させていただきたいと思います。
 次に、後段の話でございますが、よく戻し税という言葉が使われるのでありますが、戻し税というのは、現実、過去にやった例は、前年分の既にいただいてしまった所得税を明くる年にほぼ定額でお返しするというような仕組みでございまして、本当から言うと、税ではなく歳出で本来やるべきものに近いような実態を持っているように思います。今回のやり方というのは、既にいただいた分もありますが、まさに本年の税について、しかも定額ではなく率でもって、また将来いただくべきものについても率でもってその分をカットする、減税するという、まさにこれは税の仕組みの中の問題であると思います。
 そういう意味におきましては、いわゆる戻し税とは違うということも御理解をいただきたいと思いますが、この仕組みというのは、一つは平成六年中に本格的な税制改革をやるという前提に立つならば、余り税の仕組みをいじることはよくないということで、今のままの仕組みの中でいただく税の二〇%をカットする、こういう意味がありますし、また、まとまってお返しするという、お返しするというか減税するということは、こういうちょうど消費が盛り上がってきかかった時点においてはそれなりの意味があるというような判断もあったということでこのような仕組みにさせていただきました。
#92
○佐藤泰三君 何か今度の特別減税は戻し説とちょっと区別つかなかったんでございますが、まだちょっと理解できませんけれども、まあよろしいと思います。
 ところで、今度も早速国債発行になるわけでございます。建設国債あるいは赤字国債、非常に個人や会社ですとなかなか大変でございますが、国の場合はいとも簡単に国債発行ができるというふうに我々理解するのでございます。四条でいろいろ国会の承認もございますけれども、建設国債、赤字国債のそれぞれ発行の際の基準があると思うんですけれども、何か具体的にひとつお示し願いたいんですが。
#93
○政府委員(竹島一彦君) 我が国の財政法にかかわる話でございますけれども、財政法の第四条第一項の本文でございますが、国の歳出は公債以外の歳入をもってその財源としなければならないということがうたわれておりまして、そのいわば例外として四条一項のただし書きにおきましていわゆる建設公債の発行が認められている、こういう位置づけになるわけでございます。
 建設公債はどういったものについて発行が認められているかと申しますと、これは公共事業、出資金、それから貸付金の財源に充てるための経費に見合っておるということでございまして、一言で申し上げますと、その投資の結果できる資産の効用というものが将来世代にまで及ぶといったところに特徴があるわけでございますが、そういったものについて例外として国債の発行が認められているというのが我が国の財政法の基本でございます。
 そういう意味から、建設公債に該当しないような経費について公債に依存するというものはすべてこの原則に対して例外になりますので、特例公債いわゆる赤字公債ということになるわけでございまして、これにつきましては後世代に資産が残らない、残るのは利払い等の負担だけであるということでございまして、特例公債に依存しないようにということを特例公債依存体質の脱却後大事な基本的なスタンスとして維持させていただいていると、こういうことでございます。
#94
○佐藤泰三君 平成六年度末には二百兆を超える国債残高となるだろうと思うんですが、そのうちの三割ぐらいはいわゆる赤字国債だろうと思うんです。これが赤字の利子、元金で絶えず積み重なっていくために、非常にいわゆるイタチごっこになる危険性があると思うのでございますが、今度の平成六年度の特別減税を中心としまして、この償還ですか、これは見通しはいつごろでございましょうか。
#95
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま御指摘のように、特例公債というものが非常にあってはならないことであるということは、今、竹島次長が申し上げたとおりであります。そういう意味で、今回の減税に伴う裏づけの国債は端的に言って特例公債でございます。これは率直にお認めしなければならないと思います。
 ただ、これまた御承知のように、本年中に連立与党のいわゆる協議会においては結論を出す、そのときには今の措置も含めて結論を出すというようなことを言っておられます。私どもはそのことは非常に大きな意味があると思っておりますし、信頼をいたし、この結論を待っているところでございますが、そういう中でこの特例公債の返済の措置のめどがっくものと考えております。
#96
○佐藤泰三君 この返還関係の公債依存度ですか、現在は一八%ぐらいと思うんですが、平成二年ごろはほとんどこれがゼロにかかっていたと思うんです。ここ三年、四年、五年と急激に依存度がふえましたけれども、バブルの崩壊があると思うんですが、そのほかに何か要因が考えられましょうか。
#97
○国務大臣(藤井裕久君) 昭和五十年補正から特例公債を発行しておるわけでありますが、最高は少なくとも当初予算ベースでは昭和五十四年は三九・六%だったと思います。つまり四割を公債に依存していたと思います。ただ、今御指摘のように、平成元年をもってこの特例公債依存の体質を一応整理するとともに、公債依存度も下げました。
 最近の上昇はいろんな要因があると思いますが、一つはやはり景気対策として建設国債を発行して公共投資政策を大幅にやったということが大きいと思います。また、景気が悪くなったことのために一般の税収が伸びなかったこと等々がこの原因であると考えております。
#98
○佐藤泰三君 国も個人も考えは同じでございます。国におきましてもやはり法人税が減少すればそれに見合うような対応を考えなければ、ただ議会承認でもって公債を発行すればよろしいというのでは将来も非常に危ぶまれますので、その点は厳に戒めなくちゃいけないんじゃないかと思うのでございます。
 民間ですと、当然会社の社長を筆頭に幹部が大幅減俸するとか、人減らしするとかして努力するのでございますが、国家でもそういうことまで考えなくちゃいけないだろうと思うのでございます。まして、これから景気低迷で今までのような好景気は想像されませんので、その点もひとつ、釈迦に説法かもしれませんけれども、十分に御留意賜りたいと思うわけでございます。
 次に、この税制改正で相続税が改正されましたけれども、それでもまだまだ七〇%という我が国の最高税率は世界で一番高いと言われておりますが、諸外国の相続税の最高はどうなっているか、何カ国かひとつ、イギリス、アメリカぐらいでよろしゅうございますが。
#99
○政府委員(小川是君) 相続税の最高税率は、我が国は七〇%でございますが、アメリカの場合には五五%、イギリスは四〇%、ドイツは三五%、フランスは四〇%、このようになっております。
#100
○佐藤泰三君 資本主義の我が国の相続税としては余りにも高過ぎるのではないかなと思うわけでございます。個人企業では相続税を払うために事業の資産を処分しなければならなくなり、事業の継続は大変困難になっているという現状が最近特に各業界で散見され、また近ごろ問題になっております。
 現に、私が関係します病院・診療所等の相続税のために、かなり都会地ほど無医村化しております。この点もひとつお考え願いまして、社会保険を扱う医療関係の相続の場合には、せめて農家並みの何か猶予措置がないか。農家は二十年営農すれば免除云々とありますが、医業の場合も二十年間社会保険診療をやった場合には当然そのくらいあってしかるべきかなというふうに思うのでございますが、いかがでございましょうか。
#101
○国務大臣(藤井裕久君) 前半のお話の最高税率の件でございますが、これは昭和五十年の改正で七五%にいたしました。そのときはアメリカやイギリスがみんな七〇%を超しておりまして、そんなのに倣った経緯もあると思いますが、今その七五を七〇にした。やはり他国の例からいいましても所得税の最高税率よりちょっと高いところというようなことになっておりますので、現在こういう状況になっております。御趣旨はよく理解をしているつもりでございます。
 また、医業のお話がございました。農業は、御承知のように農業基本法、昭和三十六年でございますか、あの農業基本法で極めて土地と経営というものが一体となっており、むしろ均分相続よりも一子相続にして、そしてまとめていくのが筋だというような趣旨の農業基本法の精神になっておりますもので、このような税制があることは事実であります。しかし、これについても市街化区域の農地については非常に変えてしまったというのも御承知と思います。
 そこで、佐藤委員御指摘の医業についてでありますが、これはやっぱりいろんな事業にもいろいろな悩みがございまして、医業だけどうこうというものについてはやや横並びのことからいって問題があると考えておりますので、農業はまた今言ったような農業基本法からきた別の考えがあるということで御理解をいただきたいと思います。
#102
○佐藤泰三君 ただいま大臣のあれでございますが、医業もいわゆる社会保険、これは医療国営でございます。すべてが統制されます。少なくとも社会保険に関しましては私は農業と同じような扱いを受けていいんじゃないかというふうに思うわけでございますが、今の医業はほとんど一億二千万皆保険で、保険中心でございますから、その点はやはりお考え願わないと、ただ医業も普通の営業と思われてはちょっと不本意でございますので、いま一度伺います。
#103
○政府委員(小川是君) 医療につきましては、税制上一つ考えられております制度は特定医療法人の制度でございます。これは今お話がございましたように、医療を行っている機関、組織が社会的に見て自分の個人の財産の手から離れて資産を全部提供して特定医療法人という形になりますと、この場合には個人に財産が残らないわけでございますから相続税の問題はございませんで、それでいながらその特定医療法人による医療活動は継続されていくということになるわけでございます。
 しかし、繰り返しになりますが、これにつきましては税法上かなり厳しい要件が付されておりまして、それぞれ持っておられる財産を特定医療法人に全部移して継続をさせるということでございます。したがって相続税の問題が生じない。しかしそうでない場合には、これは他の事業と同様にその財産の承継について課税が行われる。ただ、今回、特定の小規模の事業用地についての評価の軽減割合を八割に高めるということをこの税法の中で御提案をしているわけでございます。
#104
○佐藤泰三君 また、その特定法人に個人が寄附する場合に、そこでまた税の問題が発生する、それが大きなネックになってなかなか移行できないというのが現状でございます。それはどうでございましょうか。
#105
○政府委員(小川是君) その点につきましては、どうしても所得税あるいは相続税の問題がございまして、一つの社会的存在になることによって相続税の問題はございませんけれども、それになる段階において所得税の問題が生じてくるというのは御指摘のとおりでございます。
#106
○佐藤泰三君 しからば、そこでやはり今度は納付の延納となるわけでございますが、現在、物納が非常にふえてきている。土地の値段の下落もあるのでございますが、その延納、物納がふえたということは、延納の利子が二十年間は四・二%というわけでございますが、今、預金利子でも二%ぐらいですから、この利子が恐らく延納の場合は無税とはいかぬでしょうけれども、ある程度延納についてもっともっと安くならないものかどうか、ちょっとお伺いします。
#107
○政府委員(小川是君) 延納につきましては、相続財産のうち不動産のウエートが高いような場合につきましては、最長二十年、最低四・二%の利子率で延納制度が設けられております。
 この利子率の水準につきましては、市中の諸金利と比較しても決して高いことはないのではないか、もとよりそのときどきにおける金融情勢との関係もございますが、長い目で見ますとかなり配慮された利子率の水準にあるのではないかというふうに考えております。これはやはり延納を選ばれた方と即金で納められた方との負担の公平あるいは制度の安定性といったような観点から、長期的に安定的な水準で定めておく必要がある、このように考えているわけでございます。
#108
○佐藤泰三君 二十年間延納で利子率四・二と、この税率はずっと二十年間固定税率でございますか。
#109
○政府委員(小川是君) 利子税率につきましては、一般的な延納の利子率が現在七・三%でございますが、これが昭和四十年代後半以降、相続税につきましては引き下げられまして、現在の四・二%になっていると、他の延納利子率とは違って低い水準に定められるようになったという経過がございます。
#110
○佐藤泰三君 税制の抜本改革で税調の答申は、国税、地方税合わせて最高税率五〇%程度に下げることと言われておりましたけれども、相続税の場合もこれに準じて最高税率五〇%ぐらいにひとつ考えられないかどうか、大臣にお伺いいたします。
#111
○政府委員(小川是君) 相続税の最高税率につきましては、先ほど大臣からお答えを申し上げたとおりでございます。
 もとより、所得税の最高税率というものが一つの考える上での要素になっているのは事実でございます。他方において、我が国の資産の保有の状況から見まして、社会的に見てそういっだ所得課税の最高税率が引き下げられる場合に果たしてこちらも下げるべきであるかどうかという点については、必ずしも一概にそうしなければならない、あるいはそうするのが妥当であろうと現状で申し上げる段階にはない、このように考えております。
#112
○佐藤泰三君 次に、酒税改正の基本的な考え方をお伺いしたいんですが、日本では冠婚葬祭すべてお酒はつきものですし、酒は百薬の長と言われて非常にいろいろな形で国民の生活直結の嗜好品と申しますか、場合によっては健康的に使えますけれども、これが今度は急に税率引き上げになった。今までも酒はかなり税率が高いと我々は覚えておりましたし、現に二兆以上の税を納めている。今回これが引き上げになった理由はどんなことでございましょうか。
#113
○国務大臣(藤井裕久君) こういう財政物資は、どちらかというと小売価格に対してどのくらいの税負担になっているかという一つの水準のようなものを考えておりますが、現在はビールなどを中心にして数年前値上げがあったりいたしまして、負担水準というものが下がってきておるのが一つであります。
 また、同じ蒸留酒ではありますが、税率を非常に高く負担している蒸留酒と安く負担している蒸留酒がございますので、そのバランスを回復するというようなことも兼ねまして、今回必要最小限の増収をお願いした次第でございますので、御理解をいただきたいと思います。
#114
○佐藤泰三君 酒税の上げ幅によって今回の増税はどのくらい見込まれておるのでしょうか。
#115
○国務大臣(藤井裕久君) 千二百六十億でございます。
#116
○佐藤泰三君 千二百六十億円といいますと非常に微々たる数字じゃないかなと思うのでございますが、それはそれとしまして、たばこの方の増税はいかがでございましょうか。
#117
○政府委員(小川是君) 酒税もたばこ説もいずれも課税方式が数量に応じた従量税になっておりますから、やはり価格の上昇とともに負担水準が下がる。したがって、昨年の税制調査会の答申におきましても、「随時負担の見直しを行い、適正な負担水準の確保に努めるべきである。」という基本方針が示されているところでございます。
 酒税につきましては、ただいま大臣から御答弁いたしましたような考え方で今回見直しを行ったところでございます。
 一方、たばこにつきましては、総体といたしましては若干税負担水準の低下傾向が見られるわけでございますが、マイルドセブンなどの主力製品自体は値上げが行われていないという状況にございます。
 いずれにいたしましても、この両者はともに特殊な嗜好品としての性格を有し、これまでも財政物資として他に比べて高い負担をお願いしてきているわけでございますが、現在の社会経済情勢のもとでは、ただいま申し上げたようなたばこの負担状況ということもございますし、両者を同時に行うことは適当ではないのではないか、酒税がやはり負担の回復をより求められる状況ではないか、かように考えた次第でございます。
#118
○佐藤泰三君 酒、たばこの趣旨もわかりましたけれども、何か一つ大蔵省でお忘れになっているのがあるんじゃないでしょうか。
 今、日本列島でみんな不景気だと嘆いていますけれども、我が世の春と好景気で、夜中でも電気こうこうとして、連日連夜チンチンジャラジャラというパチンコ業界、どんな農村へ行っても、何だあの光はと思うと大体パチンコ業界。御殿のような建物でございます。これがかってある時代までは一台幾らという形で県の税収がございましたが、消費税以来こちらに統括されて一律三%、この水揚げ十七兆とも三十兆とも言われていますけれども、これについてのお考えはどうでございましょうか。
#119
○国務大臣(藤井裕久君) 広く言えばギャンブル税の話というのが一つあるんだと思います、パチンコはギャンブルかどうかは別といたしまして。これについては一部に御議論があることは承知いたしておりますが、やはり社会政策的な観点だとかいろんな観点を見ながら勉強していくべき課題であるとは考えております。パチンコは、どちらかというとそういうギャンブル税になじむかどうかももう一つ問題だろうと思います。現在、大蔵省としては、パチンコについては検討しておりません。
#120
○佐藤泰三君 そうすると、これは自治省の所管でございますか。
#121
○政府委員(小川是君) パチンコの遊戯、遊びに入る立場につきましては、これは現在パチンコの玉を借りる料金の中に消費税が課税されているわけでございますから、一応消費という行為としては負担をしているわけでございます。
 むしろ、パチンコの業者に対する課税といたしますと、これは法人税の問題であり、あるいは所得税の問題ということになるわけでございまして、特に何省の所管ということではございませんで、むしろパチンコ業界というものは風営法の適用の対象になっている、こういうことでございます。
#122
○佐藤泰三君 パチンコは大衆娯楽とは思えないですけれども、実はきのう私ちょっと近所を二軒ほどのぞいてみたんです。超満員でこんなに玉が出ている。七割は女性です、子供連れで。それで、帰りは皆で何か札を持っていって、わきでお金とかえてにこにこ帰っていくという形で、驚きました。ほとんど女性が七割だと思います、朝から。
 膨大なあれでございまして、これは決して私は娯楽とはちょっと思えないし、本当の手近なギャンブル。競輪、競馬はそこへ行かなくちゃいけないし、入場料を払いますから、なかなか奥さんはできにくい。手近にちょっとネギをさげてやれるという形がありますので、これはもうちょっとお考え願わないと、かなり扱う企業が大きいわけでございますし、やはりいろいろな形で問題があるんじゃなかろうかなと。
 あの設備はすばらしいものでございまして、日本であのくらい立派な設備を持っている企業はちょっとないんじゃないかなと思うんですよ。ちょっと調べましたら、全国で一万八千三十六店あるそうでございます。国が不景気のときですから、お好きで行っている方ですから、多少はこれは、パチンコの玉一個四円か五円ですか、十円に上げてもらえば四千億ふえるんだと思うんでございます。嫌な方は行かなきゃいいんですから、そんなふうにするお考えはどうかと思いますが。
#123
○国務大臣(藤井裕久君) 御指摘の点、伺っておりますが、今申し上げましたように、ギャンブルを抑制するといった社会政策的な観点とか、新たな財源というような観点等から話題になっていることは、もう佐藤委員のみならずいろいろな方が話題にしておられることはよく承知をいたしております。ただ、やはりギャンブルというと公営競技としての性格や何かどの関連もありますので、勉強をしていくべきものだとは考えております。
#124
○佐藤泰三君 公営といいますと、オートレースあるいはボートレース、競輪は公営ですけれども、パチンコはあくまで個人の自由ですし、外人もやれるんですから、その点はちょっと公営という言葉は当てはまらないんじゃないでしょうか。
#125
○政府委員(小川是君) 各種の公営競技の場合ですと、これまでも一般的にいわゆるギャンブルとしての遊びであるというふうに受けとめられていると思います。したがって公営競技と呼ばれているんだと思いますが、パチンコの場合には、先ほど申し上げました風俗営業法の取り締まりの対象にはなっておりますけれども、パチンコをするという遊びが一体遊戯としてどういう性格を持つのか。つまり、ほかのさまざまな遊びがあるわけでございますから、そういった遊戯との関係でどういう性格として位置づけたらいいのか。それから消費税は課税をされている、あるいは所得課税が行われているときに、いかなる考え方で特別のものとして位置づけられるのか。
 人々のいわば遊興の対象でございますから、これを特別の課税対象としてとらえるということについては、税だけではなくて、社会現象としてもいろいろ勉強をしていく必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。
#126
○佐藤泰三君 一つの税法を変えるということは大変なことでございますし、また平成六年度の増税分のあれも本年度じゅうには、先ほどの清水委員の質問じゃございませんけれども、十一月ごろまでには新しい税法もつくらなくちゃいけないだろうと思うんです。それにつきましても一般国民はなかなか理解しにくうございますから、どうも私見るのに、大蔵省という聖域はなかなか難しくて一般とかけ離れているために、一般大衆に対するPRが少し不足しているんじゃないかと思いますので、もうちょっとPRの次元を下げていただいて、だれにも理解できるように、まず消費税のところから改めてPRしていただきたい。
 実は最近も、ちょっと関心を持って消費税をやりますと、すぐ大きな議論になってしまうんです、内税、外税と。よく知らないんだなということになりますし、ただ消費税は悪いんだというPRだけいってしまっているんで、今ごろになって逆にそんなことが出ております。しかも、相当の企業をやっている方が言うんですから、PRが行き渡っていないなと思うのが一点。
 それから、いま一つは二〇%減税。これはもう、うちのお父ちゃんは八万円しか減税されない、社長は二〇〇万減税だ、こんな不公平ありますかと、納めた税ということは考えないで。それはかなり一般で誤解されています。その意味がわからない。二〇〇万頭打ちですか、逆にそれが誤解を招いているということが、意外と強いんで驚きました。
 そのくらい一般市民には、五年たってまだ消費税を理解できないということもありますし、今度の一律二〇%の頭切りも誤解を招いていますので、どうぞその点もひとつさらに砕けたPRをしていただいて、新しい税改正がスムーズにいきますようにひとつぜひ要望するわけでございます。
#127
○国務大臣(藤井裕久君) 冒頭にも佐藤委員からお話がありましたように、世の中の方に本当の姿をよく理解していただくということ、これは非常に大事なことだと思っております。そのために今後とも一層努力をさせていただきます。
 二〇%カットの問題も今のようなお受けとめ方はあるんだと思いますが、お払いになった税金を同じ率で返すということも本当の意味で公平だとも思うんでございますよ。そのあたりをもう少しきちっと世の中の方にわかっていただくように努力することは十分心がけてまいりたいと思います。
#128
○吉岡吉典君 法案に入る前に、予算の提出問題でお伺いします。
 三月四日ということになったわけですが、これはどういう考え方に立っておられるのか、財政法二十七条というのは余り問題にしなくてもいいというお考えなのかどうなのか、最初にお伺いします。
#129
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘のように、財政法第二十七条におきましては、「内閣は、毎会計年度の予算を、前年度の一月中に、国会に提出するのを常例とする。」ということにされておりまして、これはたしか平成三年の法律改正によりまして、従来の十二月が一月というふうに改正をされたということでございます。
 しかしながら、この規定は一月中の提出を義務づけているものではないわけでございますけれども、実際問題として、平成六年度の予算編成につきましては、去る十二月十七日の総理談話にございますとおり、現下の経済情勢に対応するための第三次補正予算の編成、それから政治改革法案の審議といったようなことがございまして、諸般の情勢を総合勘案の結果、やむなく越年編成というふうになった次第でございまして、それに伴いまして予算の国会への御提出もおくれたということでございます。
 これからにつきましては、財政法二十七条の趣旨を十分に体しまして、毎年度の事情等を踏まえて適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#130
○吉岡吉典君 今の答弁を聞いていますと、義務でない、補正を出している、だから問題ないような響きがするわけです。
 そうすると、今後とも細川内閣が続く限りは、いろいろな状況に応じては三月提出もあるということだとすれば、財政法というものの精神を全く無視したことだと私は思います。
 これは、あなた方の大先輩、大蔵省の元主計局第二課長兼第三課長の平井さんの書かれた「財政法逐条解説」という本によっても、かつては十二月中ですけれども、これを常例とするということについては、常会の始期に出すという原則であり、それは予算案が他の議案に比べて最も重要にして国民生活と密接な関連を有しているからできるだけ長く慎重審議を進めようとするものであって、だから、常会が始まると同時に出すんだというのが趣旨だというようになっているわけです。
 ですから私は、この趣旨からいって、義務でないからという言葉が出て、遅くなったのはまずかったという言葉さえないのはいかがかと思いますが。
#131
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘のとおり、従来十二月というのが、国会法の改正ということで、それに平仄を合わせる形で財政法の改正も行われまして、一月の提出が常例となるということになっております。
 具体的には、予算編成が年内に行われますと、一月中に国会に御提出申し上げるということが可能なわけでございます。そういうケースが自然といいますか、本来の段取りであろうかと私どもも認識いたして努力してまいっているわけでございますが、ただ、その年度その年度のやはりいろいろな事情というものがございますので、これから先につきまして努力はしてまいりますけれども、必ず一月中の御提出が確保されるというケースがベストの選択かどうかということにつきましては、やはり予断を持って申し上げることはできません。
 いずれにしましても、遅くなりましたことにつきましては、先ほど申し上げましたような経緯でございますけれども、そのことにつきましての御指摘は十分に承らせていただきたいと存じます。
#132
○吉岡吉典君 これで時間をとろうという気はありませんけれども、国会法を改正されるときに議運で確認されて政府側も了承しているのは、一月中というのは、一月末ということではなくできるだけ早く提出する、そういうふうに政府側も了承しているわけです。そして、国会法改正のときの提案理由では、国会の審議期間をできるだけ多くし、審議の充実を図るために改正するんだというのが提案理由で述べられているわけです。こういう趣旨はきちっと守ってもらわなくちゃならないということを申し上げておきたいと思います。
 ついでですから、暫定予算は五十日ということだそうですけれども、五十日以内に本予算が成立するという前提で出されているんですか。
#133
○国務大臣(藤井裕久君) 暫定期間の問題につきましては、御承知のようにまだ衆議院での本予算審議が始まっていない状況の中でございまして、過去の暫定予算を提出した場合の最も長い期間の例に準じまして五十日ということにさせていただく次第でございまして、本予算の院での御審議とは何ら関係ないものであるというふうに私どもは考えております。
#134
○吉岡吉典君 そうしますと、これまでの予算委員会の審議からいえば、私は予算成立は不可能だと思います、五十日以内に。そうすると、また補正を出すということを前提としたものととっていいわけですか。
#135
○国務大臣(藤井裕久君) これも院の問題でございますが、一日も早く御審議をいただき、成立をさせていただきたいという気持ちを政府としては持っていることを申し上げたいと思います。
#136
○吉岡吉典君 これはその程度にしておきまして、次に、税制改革の基本理念にかかわって幾つかお伺いします。
 きょう本会議で総理にもお伺いした点ですけれども、細川内閣が今度の国会に提出した税制改革というのは緊急避難的なもので、本格的な税制改革、抜本改革は年内にやるということだという説明だったと思います。その際私は、負担能力いかんにかかわらず国民にひとしく負担してもらおうというのが細川内閣の考え方ですか、どうですかということをお伺いしたわけです。それにすぱっと答えた答弁はありませんでしたけれども、もうちょっとはっきりさせる上でお伺いしておきます。
 自民党内閣時代、私は予算委員会でもこの大蔵委員会でも、戦後の民主主義的税制の基本というのは所得税中心、それから累進税制、生活費非課税、こういうふうに私どもは教わってきたけれども、こういう原則はどうですかということについて、これは自民党内閣時代、前羽田大蔵大臣も含めてその原則は生きているという答弁をされてきました。これは所得、資産、消費のバランスが強調された後のことであります。
 細川内閣では、今言いました戦後民主主義税制ということで、自民党内閣時代には確認されてきた所得税中心、累進税制、生活費非課税というのは転換なさるのか。やはりこれは生きているという見地なのか。最近、税制の学説をめぐっては、税制の理想は間接税中心というような議論もありますので、これははっきりわかるようにお答え願います。
#137
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもといたしましても、基幹税としての所得税というものは大変大事なものであると考えております。したがいまして、所得税が中心であり、所得税の当然の仕組みとして超過累進制度があるということはもう御指摘のとおりであります。何ら変わっておりません。
 ただ、余りそれが極端になってくるということについては、所得税の持っている限界というものも同時に考えなければならない。そういう観点から、所得それから消費のバランスをとりたい、こういうことでございまして、基幹税という意味においては御指摘のとおりに私どもは考えております。
#138
○吉岡吉典君 先ほどの論議の中で、ある国で問題になった人頭税云々ということで批判的な見地から大臣の発言があったと思います。人頭税というものに当然私も反対であり、イギリスのサッチャーはこれで大問題を引き起こしたわけですけれども、私は連立与党の税制改正大綱というのを読んでみまして、これはどういうことが言いたいのかと思う箇所が今の論議に関連してあります。
 それは、地方税のあり方ということに関連しまして、地方税については、所得の再配分機能をあわせ持つ国税と異なる、税収や収益の多少を問わずに適切な負担を求めるのが本来適当ではないかと考える、こう書かれております。したがって、これを読んだときに、私は、これはサッチャーの人頭税と同じようなことを言わんとしているのだろうかどうだろうかという疑問を持ちました。
 それで、先ほど大蔵大臣は、人頭税は批判的に述べられましたけれども、事、地方税に関しては均等割ということなのかどうなのかということです。これは、この方向でやろうということで連立与党が提起しておられる文書ですので、これはどういうことが言いたいのか、わかるように御説明願います。
#139
○国務大臣(藤井裕久君) 今御指摘のように、これ連立与党でまとめられた文書でございまして、私どもこれに対して責任を持ってお答えすることはできませんが、いわゆる均等割を大幅に伸ばしてそれを中核にしてやろうというようなお考えではないと考えております。
#140
○吉岡吉典君 直接答える責任がないと言われても困るわけですけれども。
 そうしますと、地方税に対しては所得の再配分機能はないという説には賛成か反対か。私は、税制について今まで大蔵省が出されたいろいろな本を読んでみましたけれども、国税と地方税を分けて、地方税は所得配分機能がないというように言った文献は見当たりません。あるいは見逃しているかもしれませんけれども。ですから、これはちょっと私読んだときに新学説かなと思いましたけれども、これは大臣どうお考えになりますか。
#141
○国務大臣(藤井裕久君) 私は、所得税の所得再配分機能が非常に大きく左右しているのは国税であると考えております。
#142
○吉岡吉典君 私が聞いているのは、比重の問題じゃなくて、地方税にはそれがないのかどうなのかというのが聞きたい方なんです。
#143
○国務大臣(藤井裕久君) ないということではなく、国税がその所得再配分の中核であるということを申し上げたつもりであります。
#144
○吉岡吉典君 そうすると、連立与党のこの大綱とはかなり違った御答弁だと思います。大臣の考えはわかりました。私は、人頭税なんかやられたんじゃ大変ですから、これははっきりしておかなくちゃいかぬと思ってお伺いしたわけです。
 そこで、具体的な中身に入りますけれども、不公平税制を是正しなくちゃいかぬということについては、きょう総理も、これまでもまた今後も努力課題だというようにおっしゃっておったと思います。私は、引当金、準備金、減価償却等をめぐって具体的に何を、今直接考えておられるテーマがあるかどうかということを本会議でもお伺いしたかったわけです。一般的な考え方はわかりましたけれども、その一般的な考え方に沿って、引当金なりあるいは準備金、あるいはきょう本会議でもお伺いした減価償却の問題で、この点は正さなきゃいかぬということをお考えになっている問題があれば具体的にお伺いします。
#145
○政府委員(小川是君) 税制の公平確保というのは常に不断の努力をなすべきことだと存じます。きょうの本会議でも総理から答弁がありましたように、租税特別措置、政策的な税制というものについては、これはやはり政策目的とそれから課税の公平、バランスということから年々見直しを行っており、今回の租税特別措置法の改正もそうした一環として御提案をしているわけでございます。
 他方、御指摘のありました引当金とかあるいは耐用年数といったような問題、償却といったような問題は、これは不公平という問題ではないというふうに考えております。合理的な法人の所得の計算のために必要な制度でございますから、そうした引当率であるとか耐用年数が実情に合っているかどうかということを年々見直しを行っているということでございまして、その成果として今年度の税制改正の御審議をお願いしている次第でございます。
#146
○吉岡吉典君 それは総理が答弁したことですよ。そんなことをここで二度聞かなきゃならないほど僕も耳が遠くありませんし、記憶が薄れているわけでもありませんから、質問にきちっと答えてください。
 では、具体的にお伺いします。
 六十三年の中間答申が賞与引当金の段階的廃止を答申している。これにはこたえますか、こたえませんか。
#147
○政府委員(小川是君) 賞与引当金につきましては、企業会計上それなりに定着した引当金でございます。これをただ廃止することは、業種、業態によって一時的にしろ大きな負担をもたらすといった問題点もあるということに留意をする必要があると存じます。したがいまして、今後とも先ほどの一般原則で考えていく必要はあろうかと存じますが、賞与引当金について今直ちにこれを見直すといったようなことを考えているわけではございません。
#148
○吉岡吉典君 これは事前に調査方もお願いしていた問題でありますが、減価償却について、例えば光ファイバー、ディジタル交換機などの耐用年数は諸外国の半分ぐらいとなっている。そういう過大な償却が行われているということが資料でも明らかにされております。この事実をお認めになるか。また、経済が安定成長に入った今日、高度成長時代に決められたこういう耐用年数のあり方についての見直しが必要だとお考えにならないかどうか。
#149
○政府委員(小川是君) 減価償却資産の耐用年数は、資産の物理的寿命に経済的陳腐化を加味して客観的に定めてきているものでございます。お尋ねのディジタル交換機であるとか光ファイバーといった資産につきましても、そういった観点で適切な耐用年数が定められているというふうに考えております。
#150
○吉岡吉典君 まずその前に、事実関係をお認めになるかどうか、外国に比べての。私、これ事前に資料も渡して調査方依頼しておきましたから。
#151
○政府委員(小川是君) いただきました資料と私どもの調査とはずれがあるように思います。例えば、ディジタル電話交換機というのは、私どもで調べておりますのでは、アメリカは耐用年数が五年ということになっております。いただきました資料ではこれが十七・五年というふうになっております。そのほか、イギリスにつきましては同じように十年というのでいただきました。私どもの調べるところでは八年の耐用年数に相当するのかなというふうに思われます。ちなみに、我が国ではこれが五年というふうに定められているわけでございます。そのほか光ファイバーあるいは回線機器につきましては、ちょうだいいたしましたのよりも私どもの持っている各国の資料ではやや短い、私どもの資料の方が短いような感じがいたします。
 ただし、我が国で定められております耐用年数は、諸外国に比べましてこうした光ファイバーや回線機器につきましてはより短いものになっているというのは事実でございます。
#152
○吉岡吉典君 外国より短いという意味ですか。
#153
○政府委員(小川是君) そのとおりでございます。
#154
○吉岡吉典君 日経コミュニケーションによる資料では、日本の耐用年数より外国がおよそ二倍になっているという数字があります。私どものっくった資料ではありません。しかし、今反対だということです。しかし、そうおっしゃっても、例えば、イギリスの八年に対して日本が五年だという点では、ディジタル交換機について言えば、イギリスに比べれば日本が短いということは今の御答弁の中からでも言えると思います。今あなた方の調べた点と私どもが提出した資料の違い、私は、これはさらに論議を今後やっていくことにしたいと思います。
 税の公平確保を図ると言われますけれども、具体的にこれをやるということは念頭にないのかどうなのか。本会議でもここの場でもお示しにならない。そして、税制調査会が提起した賞与引当金についてもそのままでいくということですので、やはり細川内閣の公平確保というのは、具体的になってくると大変問題があるものだというふうに考えざるを得ません。
 次の問題です。税制改革の一環として検討が続けられてきた納税者番号制度の問題です。
 これは長い間いろいろ議論があった問題ですが、今どういう状況になっ一でいるのかということを最初にお伺いします。
#155
○政府委員(小川是君) 納税者番号制度につきましては、税制調査会において我が国の現状に即した具体的な検討が進められてきております。
 一つは、個人、法人に対する番号の付与の方式、あるいはどういう際に番号を利用されてよいと考えるか、それからこうした番号制度を導入したときのコスト、この制度の効果、また経済取引などへどういう影響があるか、プライバシーの保護といったようなさまざまの論点について具体的な検討が行われてさております。
 昨年の税制調査会の答申におきましては、そうしたこれまでの検討を踏まえまして、「利子、株式等譲渡益に対する総合課税への移行問題や納税者番号制度の問題等については、検討を一層深める。」というふうに述べているところでございます。さらに具体的には、「納税者番号制度については、これまでも種々の角度から具体的な検討を重ねてきており、今後とも残された問題について引き続き検討を深めるとともに、この制度に対する国民の理解を深める努力を続けていく必要がある。」、このようにされているところでございます。したがって、今後とも税制調査会での検討をフォローしてまいりたいというふうに考えております。
#156
○吉岡吉典君 今いろいろな検討内容の答弁がありましたけれども、その中でどういうわけでか抜かされている問題があります。
 それは、この納税者番号が導入された場合に、これを各省庁がどういうように共通番号として利用するかという検討が行われているはずであります。十三省庁から成る税務等行政分野における共通番号制度に関する関係省庁連絡検討会議という長い名前の会議が検討を重ねているということが、この小委員会の報告の中でも明らかにされていると思います。これはどういうことをやろうとしているんですか。納税者番号を各省庁が全部どういうふうな形で使うという検討なのか、これは担当省庁はどこか、責任ある答弁を求めます。
#157
○政府委員(小川是君) ただいま御指摘のありました関係省庁連絡検討会議は、税制調査会の平成元年度の答申におきまして、「番号制度の導入についてはこ「政府部内において税務のみならず幅広い視点から検討が進められることを要望する」というふうに答申されたことを受けまして、平成元年に設けられた連絡検討会議でございます。
 この会議では、それではどういうことを議論をしたかと申しますと、各行政分野で共通に利用し得る番号制度について関係省庁が共同して総合的な検討を行うとされております。もし仮に共通番号制度を導入することとした場合、どういう形で番号を国民に付与するのか、それから各種の行政分野でどういう利用可能性があるかといったようなことについて検討をしてきているところでございます。今後とも、こうした場も通じまして検討を重ねてまいりたいと思っているわけでございます。
#158
○吉岡吉典君 そうなりますと、問題になっている納税者番号制度というのは、単に納税者番号ではなくて、各省庁がこれを共通して利用する番号だということが結論は別として今検討され、研究中だということですね。
 これは、日本弁護士連合会も納税者番号導入に関する意見書の中での冒頭部分で、これは、行政による個人情報の集中管理の危険を生じさせる等、プライバシー保護に反し、行政による情報管理社会を実現させる危険のある制度であるといって強く反対の意見を表明している。そういう検討が十三省庁から成る会議で現に行われている。単に納税者番号をどうするかということにとどまらない事態が現在進んでいるんだというように私はとらざるを得ません。
 私は、こういう問題は日弁連からの意見書等も念頭に置いて慎重に検討してもらいたいと思いますが、結論的に言って、納税者番号は導入するかしないか、まだ結論は出ていないと思いますが、それはそう考えでいいですか。
#159
○政府委員(小川是君) まず、先ほどの関係省庁連絡検討会議では、ただいまの御指摘の問題からいえば、そうした番号ができたときに他の行政でも利用し得るのかどうかという可能性の問題でございまして、そういったものを採用するということを決め、その前提で議論をしているというものではございません。
 なお、税務上、納税者番号制度を導入するかどうかという問題につきましては、先ほど申し上げたさまざまな問題があるわけでございますから、こうしたものをさらに一つずつ具体的に検討をして前に進んでまいりたい、このように考えております。
#160
○吉岡吉典君 結論が出ているかいないかということが私の質問ですよ。そこに答えないでほかのところばかり長々と答えている。
#161
○政府委員(小川是君) ただいまの点は、繰り返しになりますけれども、税制調査会において引き続き検討を深めるとともに、国民の理解を深める努力を続けていく必要があると、こういう現状でございます。
#162
○吉岡吉典君 なぜまだ結論が出ているとはっきり言えないのかわかりませんが、そういう答弁です。
 いずれにせよ、納税者番号を導入するということはまだ結論は出ていない。その段階で、国税庁で国税管理システム、KSKと言われているものの具体化作業が現に進んでいる。これはどういう目的で、どういう計画で、予算総額はどうなっているのか、これについて報告してください。
#163
○政府委員(窪田勝弘君) 国税庁としては、近年納税者数が大変増大している、あるいは取引内容が複雑、広域化している、そしてまた、納税者側の事務処理のコンピューター化が進展しているなどの税務環境を取り巻く諸情勢は大きく変化しているということに対応いたしまして、国税総合管理システム、いわゆるKSKシステムというのを適正、公平な課税の実現に資するために、現行のコンピューターシステムは地域によりあるいは税目によってシステムが複数になっております。これを統合拡充するとともに、コンピューター化がおくれている資産税徴収事務なども取り込んだ、全国かつ企業務について一元的なオンラインシステムを導入することとして現在開発を進めているところでございます。
 スケジュールは、各年度の予算成立後に決定することになりますが、現段階では、平成七年一月ごろに東京国税局の京橋税務署、川崎北税務署において導入し、同年十一月ごろ、仙台国税局の福島税務署、白河税務署において導入し、平成八年十二月ごろ以降、原則として国税局単位で順次段階的に導入することとしたいと思っておるところでございます。
 予算の額でございますが、平成元年度から平成五年度まで合わせまして二百七十九億円となっております。なお、平成六年度予算案におきましては百六十七億円を計上させていただいているところでございます。
#164
○吉岡吉典君 これは、納税者番号制が導入されるとそこに引き継がれることになるわけでしょう。まさかこれ全部を廃棄しちゃって新しくつくるということではないと思いますが。
#165
○政府委員(窪田勝弘君) このKSKシステムは、先ほど申し上げましたような目的で適正、公平な課税の実現に資するために導入されたものでございまして、納税者番号制度の導入を前提としたものではございません。
 一方、納税者番号制度については現在検討中の段階で、具体的な内容は不明でございますので確たることは申し上げられませんが、将来納税者番号制度が導入されることがあれば、その段階で対応策を検討していくこととしたいと思っております。
#166
○吉岡吉典君 せっかく四百億以上、五百億近くも金を導入して機械化して、納税者番号制度が導入されたらそれはそのまま廃棄するということはない。当然それは納税者番号制度の土台になるものだと思います。
 私は、機械化が悪いというふうにはもちろん言いませんけれども、その納税者番号制度、それを国民共通番号制度として利用することの研究、検討が行われている最中、しかもそれをどうするかということの答えはまだ出てもいない段階、しかも一方では日弁連等からも反対の意見が出ているときに、そこへいや応なしにつながるそういう作業を国民に知らせずに進められているということは、やはり納税者番号につながる作業がこっそりと進んでいるという批判を受けても仕方のない状況だというふうに思います。
 この問題は長い経過があって、国民の間にもいろいろ議論があった問題です。したがって、大いに慎重にやっていただきたいということを要望し、時間が来ましたけれども、関係省庁に来ていただいているところがあると思いますので一つだけ、追加させていただきますけれども、それは関税の関連です。
 関税定率法の一部改正で、皮革、革製品の関税割り当ての大幅拡大がウルグアイ・ラウンドで合意され、税率引き上げと相まって、国内皮革、革靴の産業に重大な悪影響を与えることから、業者の強い反対の声が上がっております。
 毎年、業者のこの問題についての要請、この大蔵委員会でも反映して大蔵省にも御検討を願っているわけですけれども、聞き入れていただいたことはございません。ことしはウルグアイ・ラウンドの合意があったために一層深刻な不安が広がっております。そういう点で、この問題についての業者の要望を皆さんが検討していただき、まだウルグアイ・ラウンドの合意は調印もしていない段階ですから、ここにこういう業者の要望が入る方向での措置をとっていただくことも求めたいと思います。
#167
○委員長(上杉光弘君) 時間が来ておりますから手短に。
#168
○政府委員(高橋厚男君) 皮革、革靴につきましては、米国あるいはEC等諸外国の関心が大変強い中でウルグアイ・ラウンドの交渉を実施いたしました。そういう中で、我が国といたしましては、ウルグアイ・ラウンドの交渉を成功に導くということの立場から合意をせざるを得ないという状況の中で、国内の困難な状況というものを踏まえまして、政府といたしましてぎりぎりの判断をいたしまして引き下げのオファーを行った次第でございます。
#169
○島袋宗康君 酒税法の一部改正についてちょっとお伺いいたします。
 今回の酒税改正により、しょうちゅう類ではどの程度の増収が見積もられておりますか。また、その額は酒税増収見積もり分の何%程度に当たるのか、それをお聞かせ願いたいと思います。
#170
○政府委員(小川是君) 今回の酒税法の改正による増収額は初年度で千二百六十億でございますが、平年度で申し上げますと、千三百四十億円と見込んでおります。このうち、しょうちゅう甲、乙類の増収関係は約二百四十億円、千三百四十億円のうちの二百四十億円と見込んでおります。割合にいたしますと一七・九%に相当いたします。
#171
○島袋宗康君 私の手元の資料によりますと、沖縄の泡盛の九五%が県内で消費されております。典型的な地域的酒類と言えると思います。とすれば、今回の酒税改正によるさきの増収見積もり分はほとんど沖縄で負担するというふうな意味合いになるわけでございます。これは零細製造業者に能力以上の負担を強いるものであるというふうに地元では相当反発がございます。
 大蔵省は酒を特殊な嗜好品として位置づけておられるようでありますけれども、今や酒税こそ大衆課税の最たるものではないかというふうに思っておりますけれども、今の沖縄の県民所得は全国の最下位に低迷しておる状況でございます。このような大衆課税には業界から強い反対論が出ております。
 ここで特に問題なのは、県内消費の特例と違い、県外移出分について沖縄の特例が適用されないということでございます。この値上げでようやく育ちつつあります沖縄の地場産業が大きな打撃を受けかねないというふうな指摘がございまして、特にここで質問をするわけでありますけれども、泡盛は一〇〇%米を原料としており、麦や芋を原料とする他のしょうちゅうに比べ原料コストが非常に高くついておるようであります。また、全こうじ仕込みなど製造過程でも手間がかかっているようであります。競争力の低下が非常に憂慮されるということに尽きると思います。
 その辺で大蔵省の見解を伺いたいというふうに思います。
#172
○政府委員(小川是君) 先ほど御答弁申し上げた関係を一つ補足させていただきますと、しょうちゅうの全体としての平年度の増収額が二百四十億円と申し上げましたが、泡盛を含むしょうちゅう乙類の増収額は全体として約九十億円でございます。
 それから次に、しょうちゅう乙類に対する今回の課税の考え方をまず申し上げますと、酒税全般につきましては、繰り返しになりますが、嗜好品に対する税負担率が低下しているのをある程度回復させていただきたい、その際には、いわゆる高税負担酒と低税負担酒の消費の状況等を見比べながら、酒類消費の態様の変化に即応した形で課税をさせていただきたいというところでございます。
 その場合に、しょうちゅうにつきましては基本的な上げ幅をリッター当たり三十七円と置いたわけでございますけれども、泡盛などのしょうちゅう乙類につきましては、今御指摘のありました原料事情等に配慮いたしまして若干引き上げ幅を圧縮いたしているわけでございます。その上でさらに、今お話がございましたように、沖縄県内において消費されるしょうちゅうにつきましては、他の酒類も含めてでございますけれども、復帰に伴う特別措置によって三五%の圧縮が図られているわけでございます。
 それに加えまして、中小事業者につきましては、千三百キロリットル以下の製造者につきましては、二百キロリットルまで三割縮減という税負担といたしております。
 したがいまして、沖縄の県内で消費されます泡盛につきましては、本則税率で課税された場合に比較いたしまして、本則税額の四五・五%まで軽減されているという関係になるわけでございます。
 ただし、御指摘がございましたように、沖縄産のものであっても他県において消費される場合には先ほどの復帰特例の適用はない、こういう関係になっているわけでございます。
#173
○島袋宗康君 今回の改正では、しょうちゅう乙類の中でもとりわけアルコール分三十度の税負担が非常に大きく目立っているわけでございます。泡盛の主力商品はアルコール分三十度であり、全体の七〇・三%に当たります。ほとんどのしょうちゅう類はアルコール二十五度を主力商品としており、沖縄のアルコール三十度に増税の負担が大きくなっている。要するに、三十度の度数に対して非常に増税の負担が大きいというふうなことが指摘されているわけであります。そこで、しょうちゅうとの間で競争力低下が非常に懸念されているというふうに言われるわけであります。
 資料から見ましても、三十度の引き上げ幅が非常に大きい。二十五度と同率の一四四・二%とせずに、一キロリットル当たり二十五度と同額の三万一千三百円に圧縮できないかどうか。または、しょうちゅう乙類の基準アルコールの区分を、現在の二十六度以上三十一度未満とあるのを二十六度以上三十度未満とすることはできないかどうか。その辺をお伺いしたいと思います。
#174
○政府委員(小川是君) 先ほど申し上げましたしょうちゅう甲類の場合に、リッター当たり三十七円と申し上げましたのは二十五度のところでございまして、その水準でしょうちゅう乙類の場合には、アルコール分二十五度で三十二円三十銭に税率を圧縮したというのが先ほどの点でございます。
 ただいまお尋ねの点につきましては、基準アルコール分についての税率を置くと同時に、それに対するアルコール分の増減に応じて、増加する場合にはより高い税負担を求める加算税率の制度をとっているわけでございます。
 その点につきましては、二十度から三十度までの加算税率につきましては、今回の基準の二十五度における税率水準を、ちょっと戻って恐縮ですが、キロリットル当たりにいたしますと、現行七万八百円というのをキロリットル当たり三万一千三百円引き上げているわけでございまして、この引き上げ率に応じて、つまり約四割ちょっとでございますが、四四%ぐらいの引き上げ率になるわけでございますから、二十度から三十度までの加減算税率につきましては同じ引き上げ率で調整をいたしたわけでございます。
 しかし、三十度を超えるものにつきましては、この泡盛の場合にはそういった製品があるわけでございますし、他の蒸留酒、スピリッツ類とのバランスといったようなことも考えまして、こちらは四四%という定率ではなしに、基準のアルコール分である二十五度のところの引き上げ額、増税額と同じ額だけ引き上げるという形にいたした次第でございます。
 これによりまして、三十度を超えるところにつきましては乙類の税率の引き上げ幅がかなり圧縮した形になっているわけでございまして、具体的に申し上げますと、例えば三十五度のところでありますと、増税率が三十度までの四四・二%に対して一七・六%という形になっているわけでございます。こうした形で、しょうちゅう乙類の高アルコール商品に対する税率の引き上げ幅についてかなり圧縮した配慮をいたしたつもりでございます。
#175
○島袋宗康君 私の質問は、二十六度以上三十一度未満とあるのを二十六度以上三十度未満に直せないかどうか、それを具体的にお聞きしているんです。
#176
○政府委員(小川是君) 失礼いたしました。
 こうした加算税率を適用するときの適用帯について調整が加えられないかというお尋ねでございますが、この点につきましては、しょうちゅうにつきまして加減算税率を設けて過去からこういった区分で長らく税負担を調整してきている、考えてきているというところから、ここをちょっとした手直しを加えることによって税率構造を直すというのには困難がございます。
 全体として滑らかな税負担の姿、それと、時間的に見て何年もこうした姿で税率構造ができていて、それに対してまたお酒をつくられるメーカーの方々は対応しておられるという点を考慮いたしますと、御提案ではございますけれども、ここに手を加えるのは極めて困難であるというふうに考えるわけでございます。
#177
○島袋宗康君 今、難しい問題というふうなことでありますけれども、沖縄の実情をよく理解していただいて、何とかこの辺のことを、ちょっと手直しするだけで非常に助かるわけでありますから、何らかの形で御努力をお願いしたいというふうに要望しておきたいと思います。
 次に、泡盛は伝統的にタイの米を輸入して製造をされてきているわけです。食管制度の特例として認められて輸入されてきているわけであります。そこで輸入をされた米については約四万円であります。しかもこれは砕米で輸入されているわけですね。その四万円で輸入されたものを業者に十三万一千四百円で、大体その程度で泡盛業者に売られている。それが年間一万二千トン程度であります。その差益は年間約十億円。それを復帰後二十年で概算いたしますと約百七十五億円になると推定されております。
 その差額を泡盛産業の振興策に何らかの方法で還元できないものかどうかというふうなことと、それからタイ産原料米の引き下げができないかどうか。主食用米に適用されている運賃の値引きの制度の趣旨を拡張解釈して、特に離島の零細泡盛業者のコスト削減が図れないものかどうかというふうなことで食糧庁の御見解をお伺いしたいと思います。
#178
○説明員(小林芳雄君) 今お話にありましたように、泡盛の原料につきましては、泡盛が沖縄の伝統的な地場産業の重要な地位を占めていらっしゃる、それからまた泡盛独特の風味とか製造技術のそういった問題なんかを勘案いたしまして、タイ米を輸入し、お使いいただいているところでございます。
 まず、価格の関係でございますが、私どもの売り渡し価格につきましては、泡盛以外のしょうちゅう、これにつきましては原料米として他用途利用米などを供給しておりますが、それとの価格のバランス、これに留意いたしまして、品質格差あるいは加工適性などを勘案して価格設定をしてきております。
 ちなみに、平成元年には、そういったようなことも勘案いたしまして引き下げといったようなことも進めておりますが、ことしの状況を申し上げますと、ちょうど五年産米の不作がございまして、そういった中でしょうちゅう原料であります他用途利用米につきましては価格の引き上げを余儀なくされたといったような事情もあるわけでございます。そういった中でのお話でございますけれども、全体の価格のバランスというふうなことを考えておる中での事情でございまして、そういった意味で泡盛用の価格引き下げということがなかなか困難であるという、そういう事情を御理解いただきたいと思います。
 それからまた、泡盛産業の振興のための助成というお話もございました。
 私どもの食管特会でございますけれども、米の管理ということで米の売買操作等を通じてやっておりますが、そういう中での産業振興といった形の助成につきましては、制度上なかなかなじみにくい。そういった中で、他のいろいろな諸施策等でもいろいろやってまいっているところでございまして、そういう中で食管独自の対応というのはほかのいろいろな加工業界を含めまして一つの難しさがあるということでございます。
 それからさらに、値引きの関係でございます。
 離島の皆様につきましては、確かに引き取りということでいきますと私どもの売却地からの距離等がございますけれども、この点につきましても、他のいろいろな加工原料といいますか、そういったものとの関係等ございまして、全体の中での価格あるいは供給のバランスということで現在まで整理を進めてきておるところでございます。そういったことを踏まえながら進めていく事柄だというふうに私ども考えておりまして、そういった基本的な事情については御理解をいただきたいと思っているところでございます。
#179
○島袋宗康君 今回の米の緊急輸入について、またタイからも相当の米が入るわけであります。ところが、人間が食べる非常にいい米と砕米とが同じ値段で業者に渡るというふうなことについて、やっぱり私も相当疑問を持っておりますので、それは後でぜひ検討していただきたいというふうに思っております。それを強く要望しておきたいと思います。
 復帰によって酒税法が適用されて、泡盛がしょうちゅう乙類に分類、課税されてきたことに起因すると思いますけれども、酒税法によると甲類と乙類の分類は蒸留方式によっているようでありますけれども、泡盛はそもそも伝統的な製造法、原料米やこうじ菌が違うほか、アルコール分が高いことに特徴があります。単純にしょうちゅう乙類に分類されるべきではないと私は考えております。
 EC諸国からのさまざまな圧力があるとは承知しておりますけれども、国内の、特に沖縄の事情を十分御理解いただいて、沖縄の側からすれば酒類間の格差是正は緩やかにかつ慎重に配慮していただきたいというふうに希望するわけでございます。
 大蔵省は、今後酒にかかる税金をどのように考えておられるか、また徴収していくおつもりなのかお伺いしておきたいと思います。
#180
○政府委員(小川是君) お酒に対する一般的な税負担につきましては、特別な嗜好品に対する課税ということから、今後とも、他の消費とは異なり、ある程度の税負担をお願いしていかなければならないというふうに思っております。
 それでは、酒のいろいろな種類の中でどういう税負担を求めていくかということにつきましては、御案内のとおり、いろいろな酒の種類について消費の態様あるいは製造の態様に応じて担税力に応じた負担を求めることといたしまして、極めてきめ細かな、分類差等課税と呼んでおりますけれども、お酒を分類してそれに差をつけた課税をいたしております。
 また、同一の酒類でも、先ほど申し上げましたように、アルコール度数に応じた加減算税率を設けるということにいたしております。したがって、やはりアルコール分に応じた課税ということも全体の考え方の中に入っているわけでございます。
 もとより、酒が特殊な嗜好品であるというのは、アルコールによって酔う、致酔性の飲料だということからいたしますと、それでは一律にアルコールの度数に応じて今後持っていくのかということだといたしますと、必ずしもそうではない。今御指摘もございましたように、同じ蒸留酒といってもかなり違った製造方法、あるいは、以前は違うものだと思っておりましたのが製造技術の発達によって他の酒類と非常に競合してつくられる、あるいは飲まれるというような状況の変化もあるわけでございます。
 こうした情勢の変化を踏まえながら、今後とも冒頭申し上げましたような基本的な考え方に沿って酒税の負担をお願いしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
#181
○島袋宗康君 終わります。
#182
○委員長(上杉光弘君) 七案に対する本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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