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1994/03/29 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 大蔵委員会 第3号
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1994/03/29 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第129回国会 大蔵委員会 第3号
平成六年三月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上杉 光弘君
    理 事
                須藤良太郎君
                竹山  裕君
                前畑 幸子君
                山本 正和君
                白浜 一良君
    委 員
               大河原太一郎君
                片山虎之助君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                楢崎 泰昌君
                増岡 康治君
                梶原 敬義君
                志苫  裕君
                鈴木 和美君
                堂本 暁子君
                池田  治君
                寺崎 昭久君
                野末 陳平君
                牛嶋  正君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
       発  議  者  吉岡 吉典君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
   政府委員
       大蔵政務次官   北側 一雄君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     田波 耕治君
       大蔵省主計局次
       長        竹島 一彦君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省関税局長  高橋 厚男君
       大蔵省理財局長  石坂 匡身君
       国税庁次長    三浦 正顕君
       国税庁徴収部長  吉川  勲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        下村 純典君
   説明員
       自治省税務局市
       町村税課長    梶田信一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案(吉岡吉典君発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上杉光弘君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 相続税法の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに法人税法の一部を改正する法律案(吉岡吉典君発議)の七案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○楢崎泰昌君 きょうは政府提出六法案並びに吉岡先生のお出しになった法律案を審議するわけですけれども、日切れ法案ということで年度末に審議をなさっておられるんですけれども、どうもよく見たところ本当の日切れ法案というのは二法案ではないだろうか、あとの四つの法案、すなわち相続税法の一部改正、それから国債の特例に関する法律案、それから特別措置法の一部を改正する法律案はどうも日切れ法案とは従来言ってなかった法案のような気がするんですが、政府が特に今回日切れ法案と一緒に審議をしてもらいたいと言っておられるのはなぜなのか、ちょっと御説明を願いたいと思います。
#4
○国務大臣(藤井裕久君) これは院の御熱心な御協議の結果決まったことでもあり、行政府としてこれについていろいろ言及するのは差し控えさせていただきたいと思います。院がこのように御決定をいただいたことで、大変ありがたく思っていることだけ申し上げさせていただきたいと思います。
#5
○楢崎泰昌君 院が決定したというのはそのとおりだと思います。しかし、政府もこのようなことを熱心におっしゃっておられたことも間違いないと思います。
 特に、所得税の特例に関する法律案、これは予算案の骨格をなす法律だというぐあいに思っています。酒税法案も歳入予算と関係がある。しかし予算案そのものはいまだに衆議院にあって参議院では顔も見てない、においもかいでない。そういうときにこの審議をするというのは大変異例なことであるというぐあいに思いますが、いかがでございますか。
#6
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま本予算の問題も含めまして院において真剣な御論議をいただいておりますもので、それについての言及は改めて差し控えさせていただきますが、私ども三月四日の日に平成六年度予算及び関係法律を提出したということは、通常の状態からいえば正常な状態でないということは率直にお認めいたしたいと思います。
#7
○楢崎泰昌君 正常な状態でない状態で審議をしなければならないということで、私は予算案とともに審議をすべきであるというぐあいに思っていますが、両院の協議でそういうことになったということでありますので、質問を続けさせていただきたいと思います。
 最初にまず、国債政策についての御質問を申し上げたいと思います。実は予算案がまだ来てないので見てないんですが、まあ見てないと言うとちょっとあれですが、予算案では今年度国債発行を建設国債で十兆五千億円、特例公債で三兆一千億円、合計十三兆六千億円の発行をなさるということですね。
 一般会計まだ見てないんですけれども、書類が回ってきましたから見たということにして、一般会計の国債依存率は一八・七%になっているんですね。大変高い依存率になっている。それからまたさらに言えば、国債費が十四兆円ということで、これ新規国債の発行より高いんですね。私は、国債政策に従来依存し続けたことの結果として何か国の財政が危うくなっているような感じがいたしますが、いかがでございますか。
#8
○国務大臣(藤井裕久君) 楢時委員の御指摘のとおり、私どもも現在の財政の状況というものを極めて真剣に深刻に受けとめております。ただ、最近数年間の例は、もう御承知のとおり、この経済状況に対して、そのような措置をとっても景気対策をとるべきであるという私どもは一つの政策選択をしたということは事実でございます。
 いろいろこれも院において御議論がございました。今楢崎委員言われるように、安易な国債政策はとるべきでないという御議論、あるいは余りにそういうことにこだわるから景気対策が後手に回るのではないかという御議論、いろいろあったことを踏まえながら、私どもとしてはぎりぎりの限度での政策選択をしたということを御理解いただきたいと思います。
#9
○楢崎泰昌君 政策を選択したんだというお話はそのとおりでございましょう。しかし、国債を幾ら出しても構わぬというふうには実はならないわけです。いかがでございましょう、世界の比較から見て、現在、国債の現存額あるいは利払い額というものは一体どれぐらいになっているのか御説明願いたいと思います。
#10
○政府委員(竹島一彦君) お答え申し上げます。
 平成六年度末の我が国の国債残高でございますが、二百兆円を超える見込みでございます。それに係る利払い費が歳出予算総額の約二割を占めるということになっておりますが、諸外国を見ますと、まず公債の依存度というメルクマールで申し上げますと、G5の中でフランスが一九九四年度に一九・六%ということで一番悪い数字になっておりますが、日本は一八・七%。御指摘のとおりでございまして、二番目に悪い数字になってございます。
 それから、歳出総額に占める利払い費だけですと、日本は一九九四年度で一五・九%。ちなみにこれはG5の中で一番悪い数字でございまして、アメリカの一四%を上回った高い数字になってございます。
 それから、長期政府債務残高のGNPに対する比率、これで申し上げますと、アメリカが五九・五%。これは一九九三年度の数字でございますが、ということで一番高い数字でございまして、日本はそれに次いで、五三%ということで、GNPの過半を占める長期政府債務残高を有しておる。これは一九九四年度の数字でございます。
 以上でございます。
#11
○楢崎泰昌君 今伺ってみましても、世界の中で財政状況は最悪に近い状態になっているわけです。
 国債残高が平成六年度末に二百兆円を超えるということでありますけれども、実は国債のほかに多くの債務があるんじゃないでしょうか。例年政府が国会にお出しになっておられる資料を見ると、今後処理すべき債務というのを出しておられますね、これが三十九兆ということになっています。ところが、別途の資料としてはさらに六十兆円ぐらいの一般会計債務がある。それは国鉄の長期債務の返済金を含んでいないということでありますけれども、それを足すと、どうも二百兆円の債務ではなくて、実際上政府が背負っている債務というのは二百六十兆ないし二百八十兆に及ぶんじゃないでしょうか。国民の間には一大蔵省は二百兆、二百兆と言って、どうも二百数十兆あるんだという数字になっていませんね。
 今主計局次長が言われた数字は二百兆で計算してあるんですか、それとも二百六十兆ないし八十兆で計算してあるんですか、どちらですか。
#12
○政府委員(竹島一彦君) ただいま申し上げました長期の債務につきましては、これは二百兆を含みましたその他のものも含めての数字でございます。政府の長期債務の平成六年度末の見込みは二百六十一兆円でございまして、二百兆円との違いは、二百兆円というのは建設公債と過去に出しました特例公債の残りだけでございまして、それ以外に交付国債、出資国債、借入金等がございまして、約六十兆円になるわけでございますが、それを含めまして二百六十兆円ベースで対GNPの比率を申し上げたわけでございます。
#13
○楢崎泰昌君 私は日本の国の財政というのは世界にもまれに見る大きなあれになっていると思うんですね。ですから、財政のポジションというものをもう少しはっきりさせて、二百六十兆あるなら二百六十兆あるんだと。二百兆、二百兆なんて余りそっちの方ばかり言わないでほしいんですよ。どうですか、大臣。
#14
○国務大臣(藤井裕久君) 今の二百兆というのは要するに国債ベースの話でございまして、恐らく今六十兆足したのは一般会計が借り入れているもの等々を含めてのことだと思います。やや性質が違いますが、国会にはこの上積み部分もきちっと御報告させていただいているので、御理解をいただきたいと思います。
#15
○楢崎泰昌君 御報告だけじゃだめなんですよ。やっぱり国民に対してこれは訴えなきゃだめなんですね。国民の間では二百兆、二百兆というのばかりが流通していますよ。それは二百六十兆なら二百六十兆とはっきり国民にアピールしなきゃだめだと思います。国が個人の家計であるとすればもうめちゃくちゃな話なんですね。実質的な借り入れが六十数兆も別にあるということをはっきりさせることが必要であるというぐあいに思います。
 実は、これだけの借金をしていますと現象的にはいろんな問題が出てくるんですね。ただ単純に国民一人当たりに直しますと、二百六十兆というと二百四、五十万円の借金を背負っていることになるのでしょう。それをどうやって返すかという当ては、それはまた後で聞きますけれども、なかなか難しいんですね。
 現象面としては、一つ私が最近思っておりますのは、長期金利が短期金利に比べて異常に高騰しているということですね。その状況についてちょっと御説明願えますか。
#16
○政府委員(石坂匡身君) 長期金利、国債の金利が上昇しているということは委員御指摘のとおりでございます。
 ただ、国債の金利を含めましてさまざまな長期金利がございますけれども、これはそのときどきの景気動向に対しますところの市場の見方、あるいは金融政策、あるいは為替動向といった内外のいろんな情勢に左右されるという性格のものでございます。
 最近のこの御指摘の長期金利の上昇につきましては、さまざまな要因が言われておりまして、一部に景気回復の兆しか見られるという点、それから景気の先行指標とも言われますところの株価が堅調に推移しているという点、それからアメリカ等の海外の金利が上昇しているという点、それから債券市場そのものにおける需給面につきましては委員御指摘の昨年末の二次補正あるいは今般の三次補正で五兆八千億円ほどの国債が追加発行されたという点、あるいは景気対策に絡みまして地方債等の発行額の増大が予想されているという点、それからこれは時期的な要因でございますが、三月の決算期末を控えまして買い控えあるいは益出しのための債券売却が行われているという点、そういう点から需給面での悪化が懸念されている等さまざまなことが市場関係者から指摘をされているわけでございまして、さまざまな要因に左右されるというふうに考えております。
#17
○楢崎泰昌君 今御説明いただいたのは、確かにいろんな要因があるでしょう。いろんな要因があるでしょうけれども、今言われた中で一番大事なことは、これが景気にどういうような影響を及ぼすかということを政府としては考えなきゃならぬということだと思いますね。
 今、原因の中で若干おっしゃったけれども、言ってみれば、景気の回復が見られるとかなんとかと言われましたけれども、設備投資なんて全然動いてないんですよ。けさ発表になりましたけれども、通産省が発表になった去年の工場立地の模様等々を見ても設備投資がこれから出てくるという状態にはない。いろんな調査を見ても設備投資は出てこない。
 ところが、長期金利だけが上がっている。なぜ上がっているのかと。実は、上がっちゃったために国債の金利を上げざるを得なくなってきているわけですね。今ちょっと御説明では欠けましたけれども、国債の指標銘柄では今四・一%ですね。それからCDの三カ月物では現在二・二九%ですよ。大変な乖離が行われている。要するに市場原理が内外に働いてないんですね。後でまたクラウディングアウトかどうかという話を伺いたいと思っていますけれども、そのような状態に少しずつなりつつあるんじゃないか。日銀は短期を緩めに運用して何とか金利を下げていこうとしているけれども、長期金利だけが自動的に動いていっちゃっている。
 それにはおっしゃったような原因はあるかもしれませんけれども、長期金利が上がると困ることが幾つもあるわけですよ。一番困るのは住宅ローンですよ。住宅金融公庫の金利を〇・六%程度上げようとしているじゃないですか。それは長期金利が動いているからですよ。
 そういう長期金利が動いている理由を金融機関に聞いてみますと、やっぱり荷もたれ感だというんですね。要するに、公債がいっぱい出て、どうもしょい切れないねということで金利が上がっているという説が専らだというぐあいに私は思います。そして、言ってみればその荷もたれ感のために、どうも将来とも金利が上がっていくんじゃないかというような感じで今国債のディーラーたちが働いていると、こういうような状態ではないかというぐあいに思うんですね。
 そういう段階になって政府は一体何をやろうと考えているのか。これについては、いや、これ自然現象だからしょうがないんだ、経済現象だからしょうがないんだとあきらめているのか。あきらめたことの結果として住宅ローンが上がっていく、住宅金融公庫の金利が上がっていく、それは一体どういうことなんですか。
#18
○国務大臣(藤井裕久君) 金利が特に長期金利を中心に今上昇傾向にあるということ、そしてその理由は理財局長がお答えしたとおりだと思います。私はやっぱり景気回復のめどが出てくるとどうしても短期より先に長期が上がると、これはもう各段階における共通の現象だと思います。
 それから、常に私は国会で申し上げておりましたように、国債政策というものは財政の健全化だけからやっているのではないんだということは常に申し上げてまいりました。つまり、今の楢崎委員の御指摘のように、民間資金というものを吸収することによって金利を上げ、この運営いかんによってはクラウディングアウトというか、インフレというか、そういうものを生ずるということは私は国会で常にずっと言い続けてまいったつもりであります。
 そこで、現在の局面では、一般的には、民間資金が滞留している段階である程度の国債政策というのは是認されるという前提のもとに本年度の予算を組ませていただいております。
 そこで、私は、そういう状況の中で今後の景気対策は、総合的な財政政策、あるいはそういう総需要政策のみならずの政策減税であるとか、あるいは金融のいわゆる不良債権の処理だとかニュービジネスヘの転換への助成だとか、そういうもの全体を通じまして景気回復というものを本格的軌道に乗せるということが大事だと考えております。
 現在の金利水準は、最低金利からいくと確かに上がっておりますが、まだ全体的には低水準にあるということもひとつ、御承知と思いますが御理解をいただきたいと思います。
#19
○楢崎泰昌君 全体としては低金利だというのは、まあバブルの時代に比べればそうかもしれません。しかし今必要なのは、やっぱり金利を下げて景気回復に資するということで、いや景気の回復の前には長期金利が上がっていくのはしょうがないんだよということでは政府の責任は僕は果たせないというぐあいに思うんですね。
 さっきも申し上げたように、今設備投資が動いていないにもかかわらず長期金利だけが動いちゃう。株が動くのはしょうがないと思いますよ。しかし、金利がこういうように上がっていくというのは極めて異常な事態だというぐあいに思うんです。その原因は、重ねて申し上げますけれども、国債を多額に発行し過ぎているということ、民間資金を吸い上げているということ、まあクラウディングアウトですね。ということに原因が私はあるように思うんです。
 そこで、政府の立場としては、さっきちょっと大臣言われましたけれども、民間資金が滞留しているんだから、それを吸い上げるというのは基本的には許されるんだという意味で国債発行を考えておられるというぐあいにおっしゃったんですね。ところが民間資金は少しずつ、枯渇したとは到底思えませんけれども、何らかの思惑があるんでしょう、しかし金利が上がっていっている。こういう状態の中で政府は一体何ができるんだと。
 政府の平成六年度の国債発行のスケジュールを見てみますと、民間資金からの調達というのが非常に上がっていますね。政府部門からの調達は前年度とほぼ変わらない。しかし民間調達部門からの調達が非常に上がっている。これは、言ってみれば長期金利を上げよう上げようとしているような政策のように思われますが、いかがですか。
#20
○国務大臣(藤井裕久君) 金利が上昇機運にあることは、今御指摘の国債政策にも関連しているということは、理財局長がワン・オブ・セムとして答えたとおりだと思います。世界的な長期金利の上昇傾向というものも非常に影響があると思います。特にアメリカ金利の上昇というものがこれに大きな影響を与えていることは事実だと思います。
 それからもう一つお答えしたいことは、私は、景気対策の国債政策というのは、経済のある局面しかやってはいけないということはもう御指摘のとおりだと思いますし、これはもう前国会からずっと言ってまいったことでございます。そして今度は、現実に資金需給の中でどのように国債を消化していくかという問題は、今理財局長から答えさせたいと思います。
#21
○政府委員(石坂匡身君) 六年度の発行計画についての御指摘がございました。これを立てますにつきましては、市場関係者と十分に打ち合わせをしながら発行計画を考えておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、十年債というのがシ団引き受けということで国債の中心でございますけれども、こればかりに頼るということは大変問題がございます。そういう観点から、公募入札のいろいろな種類の国債、これを考えておりまして、二十年債、六年債、四年債、二年債、短期国債、いろんな種類の国債をいろいろな時期に応じまして、ニーズに応じまして発行していく、さまざまな角度から工夫をさせていただきたいと考えております。
#22
○楢崎泰昌君 長期金利が上がり始めたのは、実は一月が底で、二月になってから上がり始めたんですね。今理財局長が御答弁なさった平成六年度の発行計画というのは、実は二月に、これほど長期金利が上がっていないときにつくられた計画なんですね。
 ちなみに申し上げますれば、平成六年の全体の国債発行の計画は三十六兆三千億円なんですね。そのうち民間で消化する部分が二十八兆、公的部門で消化するのが七兆七千億というぐあいになっております。それを前年度に比べてみますと、実は民間が七兆五千億増加発行になっているんですね。そして公的部門は九千四百億円減らしているんです。
 クラウディングアウトの心配があるというぐあいに大蔵大臣言われましたけれども、実は公的部門を減らして民間から吸い上げようという政策を二月にこしらえておられるんです。確かにシ団と御相談になったでしょう。しかしそれは二月のところで、三月の状況、その後の状況を見てみると非常に心配をするんですね。
 私はその中でさらに精査をいたしました。精査をいたしましたところ、日本銀行は全額借りかえをするけれども、運用部はがくんと三兆円減らしているんですね。そのようなことで公的部門を減らしている。そのようなことで政府の責任が達せられるんですか。
#23
○政府委員(石坂匡身君) この六年度の発行計画のお尋ねでございますが、今先生御指摘になりましたとおり、確かに五年度の当初に比べますと六年度の当初計画は民間消化が七兆五千億ふえているのはそのとおりでございます。ただ、その後一次補正、二次補正、三次補正と三次にわたる補正をお願い申し上げました。その結果、五年度の三次補正後と比べますと、この六年度の計画は一兆強ふえているというふうな姿になっておるということも御報告をさせていただきたいと思います。
 それから、今御指摘になりました運用部の国債は、確かに五年度に比べまして六年度は細っておることは御指摘のとおりでございます。ただ、これは御案内のように、累次にわたります景気対策ということによりましてかなりの資金を運用部が追加をしておるということ、あるいは国債の引き受けも行っております。それから、六年度もこの景気対策という中で財投にかなりのウエートを置いた予算編成が行われております。
 これから御審議をお願いするところでございますけれども、一般財投の伸び率七・七%ということでかなり積極型の財投を組んでおるというふうなことでございまして、そうした中で国債の額が今御指摘のように若干減っておるということでございます。ただ、この減らすにつきましては、確かに時点という点では予算編成期にこれを御相談せざるを得ないので、そういうことになりますけれども、十分市中関係者と相談をしたということは事実でございます。
#24
○楢崎泰昌君 今御説明がありましたように、資金運用部の資金が枯渇しかかっているんですよ。枯渇したからしょうがないんだというんじゃないんです。政府の責任はそれじゃ問えないわけですよ。要するに、平成六年に発行する国債は民間にずっと資金調達を依頼するという結果に現象上はなっちゃうんですね。だからそこのところが、果たしてそれでいいのかねと。しかも、長期金利がどんどん上がっていっているのは、アメリカの金利が上がっているからしょうがないんだというだけではだめなんですよね。政府として一体何ができるんだということをやっぱりお考えになる必要が私はあると思います。
 ということは、同時に、現在発行すべき国債の総額というものが、借りかえも含めてやっぱり日本経済あるいは政府部門にとって非常に高くなっちゃったということじゃないでしょうか。国債の発行は、大蔵大臣が言われたように、政策の選択であるということはおありになるとは思いますけれども、やはり国債の発行についてもっとリジッドに、そして国民の中に、現在二百六十数兆の借金があるんだ、一人当たり二百四十万円、五十万円の借金があって、日本の国の政府、大蔵省、財政というものは今や、危機に瀕していると言うとちょっと大げさかもしれませんけれども、危機に瀕しているに近い状態に現在なって、何とも財政の運用は窮屈てしょうがない、こういうことになっていることを訴えるべきじゃないですか。
 そこで、もう一問お伺いしますけれども、実はいつお決めになるかよく知りませんけれども、与党では、またアメリカに対する回答として、減税の話と公共事業の二本を柱として何かしら閣議決定しようとされていますよね。新聞によれば、武村官房長官が藤井大臣のところに来て、何とか公共事業のお金の金額を入れてくれと言って、け飛ばしたというか、け飛ばしたとは書いてありませんけれども、金額を入れるのは勘弁してくれと、こういうお話でございました。
 実は、四百三十兆というのは大変な数字なんですね。四百三十兆といいますと、私の方で一方的に申し上げますけれども、約三割が国債依存だというように思います。間違っていたら御訂正ください。
 そうしますと、大体百二十兆あるいは百三十兆という国債を担保にして四百三十兆という公共事業投資計画をつくっておられるわけですね。そういたしますと、年に直すと十三兆にどうしても建設国債だけでなっちゃう。平均すればそうなる。そのような状態にあってさらに公共事業をふやすんだと。それは公共事業をふやして建設国債をやって国民は喜ばないわけがないと思いますよ。しかし、今の財政で公共事業をさらにどんどんふやしていくというような状態にあるんでしょうか。大蔵大臣の御感想を聞きたい。
#25
○国務大臣(藤井裕久君) 基本的に私の考えていることを楢崎委員がかわって言っていただいたようなことで、大変乱はうれしく伺っておりました。
 と申しますのは、前国会から私は国債政策というのは経済のある局面しか適用してはいけないということを非常に強く言ってきたつもりでございます。これは財政が後世代に負担を残すということに加えて、今楢崎委員の御指摘のことでございます。民間に資金が比較的滞留しているときに初めて経済効果があるのであって、民間資金が非常にタイトになっているときに国債政策は使ってはいけないと。これは私は前国会で非常に強く言ってきたことでございまして、そのお考えをおっしゃっていただいたように思います。大変感謝をいたしております。
 また、具体的なお話についてお話がございましたが、対外経済対策は本日の閣議において決定をいたしました。先ほど九時からでございます。その中で、減税問題につきましては、私が常に申しておりますように、またG7でも申したとおりなのでありますが、本格的な税制改革をやる、しかし、現在の経済局面において平成六年度は先行的に減税をする、しかしこれは年内に本格的減税をやる先行的なものである、こういうふうに申しております。
 それと同じようなトーンで本日も、これはもともとは規制緩和とかそういうのが中心でございますから、マクロ政策というのはもう本当の一部でございますが、減税についてはそのようにしてあります。
 また、公共投資につきましては、公共投資の見直し、見直しというのはただふやすだけではありません。現時点におけるその配分がえ及び増額も含めて後世代に負担を残さないような形において考える、このような文章になっていることも御報告させていただきたいと思います。
#26
○楢崎泰昌君 ぜひその公債政策については慎重におやりいただくということが一つ。
 それから、国の財政がここまで窮迫しているんだということを大蔵省はもっと真剣になって国民にアピールしなきゃだめですよ。新聞を読んでいると、どうも大蔵省というのはけちんぼだなというような印象しか受け取られない。それはそうじゃないので、国の財政がいかに苦しいところにあり、その中でどれだけ努力しているかということをやっぱり大きくPRをする必要があると思うんですね。
 藤井大蔵大臣はもっとテレビに出られて、そして財政の苦しいことをアピールなさればいいじゃないですか。苦しいということをアピールするということは、藤井大臣はけちんぼてしょうがない大蔵大臣だということになるかもしれません。しかし、それは覚悟の上でやらなきゃだめです。
 昔でございますけれども、渡辺美智雄先生が大蔵大臣をなさったときに、渡辺先生は積極的にテレビに出られて、財政を茶の間に持ち込んだということを言われたんですね。そのころ評価としてそういうぐあいに言われた。藤井大蔵大臣は、藤井大蔵大臣だけじゃなくてもいいんですけれども、政府はでもいいんです。大蔵省はでもいいんです。財政が苦しいなら苦しいということをはっきり言われる必要があると思いますよ。
 ところで、さっきの公共事業ですけれども、金額は明示なさらなかったんですね、閣議では。
#27
○国務大臣(藤井裕久君) PRの問題は大変大事だと思います。今おっしゃった渡辺大蔵大臣のとき私は大蔵政務次官をさせていただいておりまして、渡辺大蔵大臣の命によってほとんど東京におりませんでした。全国キャンペーンだけをやりました。当時の昭和五十四年度の国債依存度は三九・六%でありまして、今とはけた違いに高かった。そういう中で私は全国を歩き回りました。東京というか、こちらにはほとんどいないでやりました。非常に重要であるということはよく理解しているつもりでございますし、しかるべき時期にきちっとやらせていただくということをこれはお約束すべきことだと思っております。
 次に、公共事業でありますが、御指摘のとおりであります。
#28
○楢崎泰昌君 政務次官の御感想はいかがですか。
#29
○政府委員(北側一雄君) 大臣と同様でございます。
#30
○楢崎泰昌君 ぜひ身を挺してPRを、PRというんですか、国民に対して理解を求めるという行動をとっていただきたいというぐあいに思います。
 ところで、先ほど垂れ流しというお言葉が出ました。垂れ流しかどうかというのは、何をもって垂れ流しと言うのかよくわからぬのですが、所得税減税のところで御提案になっております。本減税については全体としては六兆円ですね。その六兆円については垂れ流しはしないんだというぐあいに今でもお考えになっておられるかどうか。そしてさらに、それをどのようにして垂れ流しにしないと考えておられるのかどうかをお伺いします。
#31
○国務大臣(藤井裕久君) 垂れ流しにつきましては、女性閣僚の方から御注意をいただきまして、その言葉を使うのは避けなさいということになっておりますので、以後、歯どめなき特例公債の発行という言葉を使わさせていただいておりますので、これはお許しをいただきたいと思います。
 そこで、私どもは終始、もし減税をやるならば一体的処理をしなければいけないということを主張し続けてまいりましたし、財政当局では今もその考えは全く変わっておりません。
 しかし、御承知のような経緯を踏まえまして、二月八日、連立与党代表者会議によって、先行的に六兆円の減税をするが、年内に本格的税制改革を行う。その際には、この先行減税の財源問題も含め、しかも連立与党成立のときの公約であります資産、所得、消費のバランスのとれた税制改革をやる。新税の創設も含める。こういうことでございまして、私はこの御決定というものに対して本当に敬意を表しておりますし、信頼をいたしております。
 同時に、二月十八日の政府の決定いたしました税制改革要綱には、年内に税制改革を実現するということを明記していることも御承知のとおりであります。
#32
○楢崎泰昌君 そこで、さっきの二月十八日の閣議決定でございますね、あれはきちんともちろんやっていただかなきゃならぬ。この前、予算委員会でそれは総理の公約ですかと言ったところが、なかなか御返事なかったけれども、政府の公約でありますというぐあいにお答えになった。ぜひそれはやってもらわなきゃいけないんですけれども、実のことを言うと、あのときとちょっと事情が変わってきているんですね。
 今御提案になっている特別減税のための臨時措置法案には修正がくっついておりまして、「平成七年分以後の所得税については、速やかに、税制全般の在り方について検討を加えて税制改革を行い、抜本的な所得税の減税を行うものとする。」ということでございますね。
 これはもちろん法律に書かれ、政府としても御納得をいただき、そのとおりにやるということでしょうけれども、その二月十八日の閣議決定のものとの関係はどういうぐあいに考えておられますか。
#33
○国務大臣(藤井裕久君) 衆議院におきます減税四法案の審議におきまして今御指摘のような検討事項が付加されたということにつきましては、政府としては非常に重くこれを受けとめております。私どもは、現在、連立与党内に置かれております協議会の方向もこういうことを十分踏まえながら御協議をいただけるものと考えておりますし、政府としてもこの税制改革の要綱の中で決めたことと軌を一にするものであると考えております。
#34
○楢崎泰昌君 軌を一にするというお話ですが、そこのところが十分中身がよくわかっていない。ということは、どうもあの閣議決定では、平成六年度の臨時、臨時といいますか、暫定減税について言及されているように思いますが、これからおやりになる与党の協議会、あるいはあそこで閣議決定されている年内に法律案をこしらえてということと、平成七年度以降の税制改革、これはどういうぐあいになるんだかよくわかりません。減税を含むのかどうかもちょっと書いてありませんけれども、それとの関係はどうなるんですかと、こういうぐあいにお伺いしているんです。
 要するに、あの閣議決定はいまだに生きていて、平成七年の税制改革、その中に恐らく減税が入ってくるというぐあいに思いますけれども、それも含めておやりになるんですね。平成六年の秋ごろにはまだ景気が回復していないと思います。いかがですか。
#35
○国務大臣(藤井裕久君) 私は衆議院においていただきました修正というものを重く受けとめておりますし、もう一度繰り返しますが、連立与党の代表者が二月八日に合意されたこと、そしてまた、この二月十八日の閣議決定の方向というものは私は軌を一にするものと考えておりますし、それは、今の景気問題をおっしゃいましたが、一体的処理ということで御理解をいただきたいと思います。
#36
○楢崎泰昌君 ということは、今年じゅうに平成七年分の税制改革、そして特に平成六年度で六兆円減税した財源についての措置、それも含めて全部やっちゃうと、こういうことですね。
#37
○国務大臣(藤井裕久君) これらは連立与党の協議会がお決めになることでありますから余り深く今私は入れませんけれども、今申し上げましたように、年内の税制改革というものは、本格的な税制のあり方を一体的に考える、このように私どもは認識をいたしております。
#38
○楢崎泰昌君 大蔵大臣が認識されていても、先ほど言われたように、政府が与党の中の協議会の話はおれ知らぬよと言われればそれっきりなんですよね。
 問題は来年度の予算、まだ私ども顔を見ていないわけですけれども、その顔を見ていない予算案の中で特例公債の発行が決められているわけですね。それもしかも期限がなくて、どうもいっ返すのかさっぱりわからぬと。しかし、それは随分前からの御答弁で、いや与党で一生懸命やっているからそれを見てからだよと、こういうお話でありましたけれども、どうも私、附則について政府がそれをそうだと言ったならば、それについてのきちんとした態度を表明なさるべきではないかというぐあいに思うんですが、いかがですか。
#39
○国務大臣(藤井裕久君) 重ねてお答えさせていただきますが、連立与党の協議会において二月八日の方針に基づいて今御協議になっておるところであり、我々連立与党の内閣の一員としてこの協議というものの進展を慎重に見守らせていただきたいと思います。
#40
○楢崎泰昌君 大蔵大臣は与党を全部代表しているわけじゃないですから、仰せのような答弁かもしれないけれども、ぜひ政府部内においてこの点はどうするんだということをはっきりさせてくださいよ、一体年内に全部やるのかやらないのか。あの文章だけ見たのでは、閣議決定そのものは平成六年分について言っているんだから、財源措置も含めて。ですから、今後一体どういうぐあいにするんだ、あのとおりやるのかどうかということは政府の部内の中でやっぱり議論を詰めておいていただかなければならぬと、かように思っております。
 それから、先ほど国債政策でちょっと言い残しましたけれども、国債の償還年限が六十年、年一・六%ずつ国債整理基金の中に入れていくということになっていますね。今特例債の話もしましたけれども、実は二百一兆の中に六十兆あたりは特例公債が入っているんですね。それも含めて六十年償還だと。
 先ほど何とおっしゃったんですか、禁句でない方の、歯どめなんかのようなもの、そのようなものが実は今の国債にはかかっていないわけですよ。私は湾岸戦争のときの特例債の発行は極めて見事だったと思っています。出処進退が明らかであった。今度は出処進退が明らかなのかどうか、これから政府のお考えがある程度時間がたては具現するんだと思いますけれども。
 そのもう一つ前に、六十年償還だと言っているわけですね。四十一年から建設公債を発行し始めました。それで昭和四十二年の法律で六十年償還であるということを決められたんですが、この六十年でさえちょっと私は長過ぎるんじゃないかというような気もいたしておりますが、その辺について、きょうは特に深くやるつもりはありませんけれども、一応大蔵省のお考えを聞かせてください。
#41
○国務大臣(藤井裕久君) 建設公債の六十年償還というのは、基本的には、やはり見合いの資産があり、その見合いの資産の活用できる期間ということから来ていると思います。あれはたしか五十年度の補正で特例公債を出したわけですが、そのときは十年償還ということでやったわけです。私も担当しておりました。それがちょうど十年が来た昭和六十年にこの原則を外したというのが経緯だと思います。その経緯等々につきまして、補足することを主計局から答えさせていただきたいと思います。
#42
○政府委員(竹島一彦君) 六十年償還ルールにつきましては、楢崎委員おっしゃったとおり、昭和四十二年の国債整理基金特別会計の一部を改正する法律によりまして六十年の償還ルールというのがスタートしております。その考え方は、建設公債の発行によってつくられます見合い資産の平均的効用発揮期間というものを計算をいたしまして、約六十年である。公共事業等で施設ができますが、そういったものの耐用年数のいわば加重平均でございます。ちなみに、土地なんかは百年ということで置かせていただきますけれども、そういったことで計算をいたしましたところ六十年ということが出てまいりましたので、それをベースに六十年間で償還をするということになって現在に至っております。
 その後、この耐用年数といいますか、平均的効用発揮期間が変わってないかどうかというチェックもさせていただいておりますけれども、大きな差が出ていないということで、現在もなお六十年償還ルールということを維持させていただいていると。
 なお、特例公債の償還期間につきましては、今大蔵大臣から御答弁申し上げましたような経緯でございまして、初めは十年間ということでございましたけれども、財政状況がそれを許さないということからやむを得ず建設公債と同じ六十年償還ということで現在対応させていただいておりますが、これはでき得れば、財政事情が許す限り早期償還に努めるべきものと、剰余金等が発生した場合にはそういったことに資する方向でその財源を使っていくべきであるということでございますけれども、現実問題といたしましてはそういった余裕は全くないという厳しい財政状況に置かれている次第でございます。
#43
○楢崎泰昌君 今答弁されたところが一番心配なんですよね。要するに、十年たってみたら、十年間で返すと言ったんだけれども、実は返す余裕がないから、しょうがないから六十年にしてくれと、そのようなことをまさか今度の特例債についてはなさらないでしょうね。実は財政が苦しいから返すのをできないんだというようなことでは歯どめなき云々というところに合わないんですね。御覚悟のほどをお願いします。
#44
○国務大臣(藤井裕久君) 繰り返しになりますが、連立与党協議会が新税の創設も含めて、この減税財源のことも含めて一つの結論を出すと合意文書で書いておられる重みというものを私たちは重く受けとめております。
#45
○楢崎泰昌君 いずれにしても、国債問題をずっと質問させていただきましたけれども、国債問題がいかに財政の基本であるか、その国債の重圧というんでしょうか、それが大変なものであるかということを大蔵省としてはよくかみしめていただいて、それらの問題について十分対処をしていただきたいと思っております。
 六十年の問題については、最近国債の範囲を広げまして箱物なんかも随分入れ始めました。そのことの結果として、これでいいのかなというような感想を持っておりますが、これは後刻また別の機会をつかまえて議論をさせていただきたいと思っています。
 ちょっと質問の局面を変えまして、税収見積もりについてお伺いをいたしたいと思っています。
 これも前の委員会でもちょっと御質問をして心配だなということを申しましたけれども、平成五年の税収見積もり、第二次補正後は五十五兆六千八百億円ということになっております。租税及び印紙収入等の収納状況の一月末の表を見てみますと、前年度の決算額が三十五兆五千六百億円になっています。さらに見ると、本年度の一月末までの進捗状況は三十五兆六千億円、ほぼ同じになっているんです。ところが、税収見積もりは去年の決算額に対して一兆二千億ぐらい多いんですよ。このでんでいくと一兆二千億ぐらい欠減になるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#46
○政府委員(小川是君) 一月末判明しております税収の状況は全体として委員が御指摘のとおりでございます。ただ、税目別に見ますと、申告所得税あるいは法人税が補正後予算の伸び率を下回っておりますが、他方において源泉所得税、相続税、消費税、有価証券取引税などが補正予算を上回っているわけでございます。したがいまして、ばらつきが税目ごとにございますが、一般会計全体として見れば御指摘の点を心配するような状況ではないと考えております。
 ただ、いずれにいたしましても進捗状況が現在のところまだ年度間税収の三分の二にも至っておりません。したがって、とりわけ五年分所得税の確定申告の結果であるとか、あるいはウエートの大きい三月期の決算法人に係る法人税の申告状況、この動向にかかっているところございますので、なお今後の動向を十分注意してまいりたいと考えております。
#47
○楢崎泰昌君 まさに今主税局長が言われたところが問題点なんです。要するにそのウエートの多きい申告所得税とそれから法人税が実は前年度の進捗率よりも低いんです。その低いところで、さらに三月末に回復するだろうか。個人の申告所得税は終わったと思いますが、その傾向はいかがですか。
#48
○政府委員(小川是君) 申告所得税につきましては、これまでの課税実績は平成四年分の確定申告に基づく予定納税分などでございます。したがって年度全体の動向を見る上では十分参考にならない面がございます。三月十五日に終了しました五年分の確定申告にかかっているというのはそのとおりでございますが、これにつきましては国税庁において集計作業が行われるところでございます。したがいまして、現時点では何ともその動向をまだ把握し得ない状況でございます。
#49
○楢崎泰昌君 要するに、三月十五日に申告があったけれどもその状況はわからないということですね。実は私は電算機その他で主要税務署については申告が既にわかっているというぐあいに思いますけれども、今は公表できないということならそれでもいいでしょう。しかし、いろいろ新聞その他で見ていると法人税の税収も心配だということを、数字は出ていないのですから議論できませんので、心配しているということをまず申し上げておきたいというぐあいに思います。
 そこで、平成六年の税収は大丈夫かなと。これも予算書がまだ出てきてないものだからここで議論するのはおかしいなとは思うんですけれども、平成六年についても実は減税後の予算案を減税前に直して四・〇%の増収に見込んでおられるんですね。これも数字がよくわからない、景気がどうなるかわからないという意味で若干水かけ論ではありますけれども、どうも民間予測その他を見ますと、来年度の景気の上昇があるのは早くても秋以降、遅ければ来年の当初にかけてということになっているように思います。
 経済企画庁の見通しは名目で四・〇%である、それに対して税収の伸びは四・〇%になっている、租税弾性値は一・〇であるから非常にまじめに見込んだんだと、こういうお話ではございますけれども、実はその一番根幹にある経済見通しの方が怪しくてしょうがない。経済企画庁長官がここには出ておられませんのであれですけれども、非常に私は危惧を持っているところでございます。
 特に、民間の景気予測と政府の予測の違うところは設備投資なんです。消費のところはそんなにひどく違いません。設備投資が違うんです。さっき申し上げたように長期金利が上がっている、設備投資がほとんど上がらないのに。長期金利が上がっているというところが疑問ですけれども、大臣でなくて結構ですから、事務方で結構ですから、これ一生懸命つくったんだということを、大丈夫だということをおっしゃってください。
#50
○政府委員(小川是君) 六年度の税収につきましては、減税前で五十七兆九千億、五年度の二次補正後税収に対しまして四・一%の伸びで見込んでおりますが、これはこれまでの課税実績や、あるいは今お話しのございました政府の経済見通しに係る諸指標などを基礎に、個別の税目ごとに積み上げて見積もりを行ったものでございます。
 政府の経済見通しが名目で四%、そしてGNPで実質二・六%ということになっております。こうした経済の姿と、それから個別の情勢を適切に現状において最善の見積もりをしたと、このように考えている次第でございます。
#51
○楢崎泰昌君 税収見積もりは見積もりですから大きく崩れると困りますけれども、まあ見積もりということで今のところ承っておくと、来年の今ごろになってからまた議論をもう一遍したいと、こういう程度にとどめておきたいと思います。
 そこで、現在がかっております所得税法の臨時措置法ですか、それに移らさせていただきたいんですが、恐らく時間がなかったんでしょう、全体として五兆数千億の所得税及び住民税の減税をなさったんですけれども、非常に単純に二割減税しましょうと、こういう話になっておりますよね。それは恐らく、先ほど一体としてといって税調の言葉をお使いになりましたけれども、税調の基本的な答申とは、あり方についての答申とは相当違うことですよね。そのように税調のあり方についての答申を大きく外れている理由は何でございますか。
#52
○国務大臣(藤井裕久君) 本格的な税制改正をやるということに基づいて税調の答申はできております。しかしながら、先ほど来お話があったように、本格的な税制改革は年内でやる、とりあえず景気対策としての先行減税をするべしという御決定に基づきまして、私どもとしては、それならば本格的な税制改正に絡むような所得税の仕組みの基本をいじるのは妥当でないという考えのもとに、現在の所得税の税制の中で減税をするにはどうすればいいかということから考えた結果であるということを御理解いただきたいと思います。
#53
○楢崎泰昌君 暫定的な措置、臨時的な措置ということで恐らく二割ということを決められたんだと思います。数字もうまいぐあいに合うなということだと思いますが、実はこの法案を見てみると、二割やるけれども実は二百万円が頭打ちなんだよというぐあいにございますね。
 あり方答申というのは、実のことを言うと、所得税が住民税も含めて六五%になるということも頭に置かれて、所得税等の直接税系統の税率を緩和し、かつ消費、資産ということをやろうということで、高額所得者についても減税をしていかなきゃいかぬ――高額というのは中間層と言った方がいいかもしれませんね。ところが、そういうぐあいに実はなっていないんじゃないか、二百万円頭打ちということをされて。どうもあり方答申の考え方が十分入っていない。いや、本格的な税制というのは次にやるんだからこれはいいんだよということかもしれませんけれども、六五%の税制が適用になる人のところは十数%しか減税の適用がないわけですね。この考え方を御説明ください。
#54
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま申し上げましたように、本格的減税の前段階としてのいわゆる景気対策の減税であるという位置づけでございますから、今楢崎委員言われましたように、本格的減税のときどうあるべきかということは、また御議論のあるような点が非常に重要な点になると思います。
 しかしながら今回の措置は、二割カットで二百万ということは税額で一千万を意味しているわけでございます。この一千万円、じゃ夫婦子供二人世帯の給与収入で換算し直すとどのくらいかというと、三千三百万円でございます。まあ、そこいらに頭を打つのが今のいわゆる単年度減税としては妥当な姿ではないかというふうに判断をしたということを御理解いただきたいと思います。
#55
○楢崎泰昌君 承っていますと大変不思議なんですよね。まあそこら辺でいいんじゃないかと。税制というのはそんなものですか。これは甚だしく便宜的だと思いますよ。
 地方税の方もきょう来ていると思いますけれども、地方税の方はもっとひどくて二十万で頭打ちですよね。なぜ二十万で頭打ちにしたかちょっと教えてください。
#56
○説明員(梶田信一郎君) 個人住民税におきましても、ただいま所得税につきまして御説明がございましたように、同じような趣旨から最高限度額を設けることといたしております。
 これを二十万円というふうにいたしておりますが、こうしておりますのは、今回の所得税の特別減税の方法、これは先ほど御説明ございましたように二〇%の定率ということになっておりますが、住民税もこの二〇%の定率減税というふうにしますことを前提といたしまして、所得税とそれから個人住民税の税収割合、これが大体七対三になっておりますが、これをもとにいたしまして個人住民税の減税規模を決めたと、こういうことによりまして最高限度額は住民税の場合は二十万ということになっております。
 ここで住民税の最高限度額が二十万とされておりまして、所得税の最高限度額が二百万ということで、低い水準になっておりますが、これは御承知のとおり、個人住民税の場合は税率構造――最高税率の場合は所得税が五〇%、住民税の場合は一五%ということで最高税率は相当低くなってございます。そういうことから、もともと個人住民税の税負担というのはいわば薄く広いというようなことになっておりますことから、今回のように現在の税額をもとといたしまして定率によって減税を行う場合には、先ほど申し上げました税収規模との関連もございまして、住民税の最高限度額というものは所得税よりも低い水準にならざるを得ないということでございまして、御理解をいただきたいと思います。
#57
○楢崎泰昌君 所得税と住民税とのバランスは、お答えになったように七対三ということからいうと、実は国税が二百万なら住民税は百万ぐらいまでいかないと平仄がとれないということになるんじゃないでしょうか。
 減税額が最初に決まって、勘定してみたら、どうも二十万円ぐらいで頭打ちにしないと減税額のトータルがいっぱいになり過ぎちゃってとてもかなわぬというようなことでぼんと決められたんじゃないですか。ちょっと私は恣意的に思いますが、いかがですか。理論的な根拠があれば教えてください。
#58
○説明員(梶田信一郎君) ただいま申し上げましたように、もともと住民税の場合は、いわゆる高額の所得者につきましては最高税率は所得税よりも低いということでございますので、定率ということになりますと、おのずとその最高限度額というものは所得税に比べますと低くなってくるということでございます。
 ちなみに、住民税の納税者のうちの大体九七%ぐらいは実は二十万円の限度額に達しないというような水準でございまして、ほとんどの方はこの二十万円の限度額におさまるというようなことも勘案したものでございます。御理解をいただきたいと思います。
#59
○楢崎泰昌君 ほとんどの人がおさまるからいいんだという、そういう行政は困るんですね。国民に公平だとかなんとかと言っているわけですから、やっぱりそこのところはきちんと整理をしていただく必要があるんじゃないかと思うんです。
 私は表を先般もらいましたけれども一千二百万円くらいの給与所得の方は住民税も二十万の限度を超えないものですから二〇%の減税になるんですけれども、それが少し超えるごとに先に住民税の方が効いてきて減税額が少しずつ減っていく。
 何ですか、政府は減税額は高額所得者には均てんしなくてもいいと思っているんですか。いかがでしょうか。
#60
○政府委員(小川是君) 今、所得税と住民税と両方最高限度額がございますので、所得税の方からまず申し上げますと、先ほど大臣から御答弁いたしましたように、最高限度額二百万円ということは納税額で申しますと一千万円ということになるわけでございます。
 もとより減税でございますし、定率の減税でございますから、減税規模が、当然のことながら財源のこともございます、景気のこともございます、大まかに頭にあって所得税、住民税全体として五兆五千億という減税をすることになったわけでございます。
 その中での減税の仕方として、簡便で、納税者の納めておられる税額に対応してということで二割という減税率を定め、そうしてその上で最高限度額を二百万円といたしましたのは、その規模との関連ともう一つは、所得税につきまして納税額一千万というのは、現在納税額の多額の方について公示制度をとっております。多額納税者ということで一千万円以上の方については公示が行われているといったようなことをあわせ考え、そこでこの二百万円という限度を決めさせていただいたわけでございます。
 住民税は、その後でいわば所得税とのバランスで減税規模が決まり、その中で限度額をつくっていかれた、こういう関係でございますので、やはりこの減税規模というものは、こうした具体的な減税の仕組みを考える上で一つの大きな要素であったということは事実でございます。
#61
○楢崎泰昌君 税制を決めるのに、規模が最初に決まっちゃったから、それに合わせたんだと言うんではちょっと情けないんじゃないでしょうか。減税の規模を決めたんなら、決めた与党が悪いんですよ、どなたが決めたんだかよくわからないけれども、減税規模幾らというぐあいに最初に決めちゃって、この中で大蔵省つくれ、自治省つくれと言われたら、それは大蔵省も自治省も困っちゃいますよね。
 しかし、それではやっぱりぐあいが悪いんじゃないでしょうか。税制というのは公平を基本とします。さらに言えば税制上のバランスを必要とします。税調で六五%はくあいが悪いんだ、それは勤労意欲も阻害するとかなんとかいろんなことを言っているわけですね。これは臨時だからちょっとの間勘弁してくれよというのでは非常に納得がいかないような気がいたします。気がいたしますが、ここで一生懸命申し上げてもなかなか難しいでしょう。しかしそのことは十分肝に銘じておいてもらいたい、かように思っております。
 それから、今度は相続税について若干お伺いをいたしたいというぐあいに思っております。
 相続税法の改正については、税率の適用区分の拡大、それから課税最低限の引き上げ、配偶者の負担軽減措置、四番目に小規模宅地等の特例拡大、五番目に延納から物納への特例創設というのが大きな改正点のように拝見をいたしております。
 これによる減税額は、しつこく申し上げて申しわけありませんが、まだ予算書を見ていないものですからわからないんですが、減税額は幾らでございますか。
#62
○政府委員(小川是君) 相続税の改正に伴う減収額は平年度で三千二百二十億円、初年度で千七百二十億円と見積もって計上をいたしております。
#63
○楢崎泰昌君 今言われた当年度で千七百二十億円というのは恐らく税収ベースでお答えになったんじゃないかと思いますが、平年度で三千二百二十億円というのは何ペースですか。課税ベースですか、それとも予算ベースですか。
#64
○政府委員(小川是君) 三千二百二十億円も税収ペースでございます。
#65
○楢崎泰昌君 相続税については、十年前に比べると税収としては大変大きな金額がなされております。特に、相続税の対象となる相続財産のうち七割は不動産が占めるというような状況でございますから、いわゆるバブルの時代を挟みまして大変に評価額が重なってまいったわけでございます。
 課税状況を見てみますと、平成元年には約二兆四千億、平成二年には約三兆円、そして平成三年には約四兆円の、課税ベースですよ、収入ベースじゃなくて、がなされているわけでございます。
 私は、大変相続税について重税感が強いなということをちまたに回っていろんな人からお伺いをいたしました。相続税の改正をぜひやってもらいたいということでかねがねこの委員会でも申し上げてまいりましたけれども、それがある程度実現をしたのは大変結構なことだと思いますけれども、どうも減税額が少ないんですね。そんなものだろうかと。言ってみれば、これは予算ベースでございますから、課税ベースではありませんから、恐らく三兆円ぐらいをベースにするんだと思いますけれども、約一〇%ぐらいの減税なんですね。
 今、相続税について、これは実は相続税というのは団体にならないんですよ。相続者団体というのはないものですからぶつぶつ言う人はいないんですね。それなものだから分割して統治せよ、こういうことなんでしょうか。何か意のままにおやりになっておられるような気がするんですね。私は相続税非常に高いと思いますよ。国際比較をしてももちろん高いですし、後でまた物納の話も出てまいりますけれども、大分政府が意のままにやっておられるような気がしますけれども、どうも減税額少ないんじゃないですか。いかがでしょう。どういう感想を持っておられますか。
#66
○国務大臣(藤井裕久君) 私は、この委員会でいつも申し上げておりますように、相続税というのは税収目的よりもいわゆる富の再配分をやることによって社会の活力を回復するという、これが最大の意味だと思っております。したがいまして一番大事なことは、相続案件が発生したうち、どのくらいの方に相続税を払っていただくかというところがポイントだと思います。
 私が楢崎先輩の後を受けて大蔵省に入ったころは、百件相続案件がありますと〇・九ぐらいだったと思うんですよ。一番高くなったときが全国平均で七・九ぐらいになって、今六・幾らになっていると思うんです。ところが、これは地域別に見ますともう既に百人で一件ぐらいになっているところが随分あります。半面、逆に言えば平均がそうですからもっともっと高いところがあります。ということは、もうはっきり言えば大都会の問題であり、大都会の土地問題である、こういう認識を持ってこの減税案はつくらせていただいたわけであります。
 すなわち、非常に大きなポイントを事業用あるいは宅地用の小規模相続財産の減税ということに非常に力を入れたつもりでございますし、そういう中で配偶者の方が引き続いてその家に残っていらっしゃりたいというようなケースが多いわけでありますが、そういう方々の減税ということに力を入れたということを御理解いただきたいと思います。
#67
○楢崎泰昌君 力を入れたにしては、相変わらず七〇%という最高税率もありますし、相続税についても国民の不満はなかなか直らないというぐあいに思っております。しかし、この問題はやっぱりもう少し時間をかけて、またせっかく改正案を出していただいたわけですから、改正案の実施を見てやらなければならないと思います。
 私は、この改正案の中で大変評価できると思っておりますのは小規模宅地のところですね。それを六〇から八〇になさったということ、すなわち小規模の相続をなさる方については何かしら、おやじさんが死んでしまったら自分の家におられないというような状態であることを消すために相当の御苦心をなさったというぐあいに一応は評価をしているわけでございます。しかし、全体としてはさてどう考えるか。これも土地の値段が今下がりつつありますから、そのことの影響はどういうぐあいにこの相続税で出てくるか、それは今後見守るべき問題であろうというぐあいに考えているわけでございます。
 そこで今度は、当委員会においても前畑委員初め、私なんかもいろいろお願いをいたしまして、議論をさせていただきました延納から物納への問題でございます。
 今回それを実現をしていただいたわけでございますけれどもこれの一番最初は平成二年から平成三年の二年間というような原案であったように思いますけれども、いろいろ御議論を願い、三年間にしていただいた、平成元年から三年までの三年間にしていただいたということも措置としては適当であったというぐあいに思っております。
 ところで、この特例対象者はどれぐらいおられますか。
#68
○政府委員(吉川勲君) 特例物納の申請がどの程度出てくるかにつきましては、見込むことが難しゅうございますけれども、特例物納の対象となっております昭和六十四年一月一日から平成三年の十二月三十一日までに相続税に係る延納利用を申請されていました件数は、現在約七万三千件となっております。
#69
○楢崎泰昌君 金額はどれくらいですか。
#70
○政府委員(吉川勲君) 二兆八千億くらいになっております。
#71
○楢崎泰昌君 いずれにしても、七万三千人ですか、二兆数千億というのが全部が全部もちろんその数字にかかわるわけじゃありません。そのうち選択によって物納をお願いするというのが出てくるんだと思いますが、法律を見てみますと、六カ月間の間に申し出なければならぬ、期限が六カ月だということになっていますけれども、六カ月はちょっと短いんじゃないですか。
#72
○政府委員(小川是君) 今回の延納から物納への切りかえの申請の制度は、もとより極めて特異な土地の値上がりとその後の下落、取引量の減衰という状況を踏まえての特例措置でございます。
 本来は相続税は基本的には金銭であり、例外的に延納、さらに例外的な物納でございます。そういう意味からいたしますと、やはり租税債権確保という観点から確定をできるだけきちっと早くするということが大事でございますし、また、既にいろいろ苦労をいただいて相続税を納付していただいた方々とのバランスということもあるわけでございます。
 もともとこの特例の適用の対象となる方々は相続税が課税されることになりました当時も申告の期間は六カ月であったわけでございます。そういったことからいたしますと、今回のこの特例の適用につきまして、申請期間を四月一日から九月三十日までの六カ月間とすることについてはそれなりに御理解をいただけるのではないか。
 また、当然のことながらこの間、今の対象者に対して、法律が成立いたしましたらできるだけこの状況が届くように、情報が届くようなPRをやっていかなければならないということは当然のことだと思っております。
#73
○楢崎泰昌君 今お話がありましたけれども、六カ月の期間の間に全部処理するというのはなかなか大変だと思います。いずれにしても、国税庁は相手が七万三千人とわかっておるわけですから、全部個別によく御案内をし、趣旨を徹底し、そして、言ってみればこれは徳政みたいなものですから、恩赦令みたいなものですから、これをやっぱり納税者の方に全部満喫していただけるように十分な広報措置をとっていただかなきゃならぬというぐあいに思っております。まだ国税庁は法律が成立していないから準備はしていないでしょうけれども、ぜひ早急にやっていただきたい、かように思っております。
 それからもう一つ申し上げておきますが、これは許可はおりなくても申請さえすればいいわけですね、六カ月間に。その点だけちょっと。
#74
○政府委員(小川是君) そのとおりでございます。
 六カ月間とされておりますのは申請期間でございまして、それを受け付けた後、執行当局でその申請の処理に当たるということでございます。
#75
○楢崎泰昌君 実は、この物納というのは非常に評判が悪いわけですよ。税務署に物納したいと言っていくと、ああでもないこうでもないと言ってどうも物納をなかなか受け付けてくれないと。最近は少しよくなったのかもしれません。しかし物納をなかなか受け付けてくれないということでございます。
 物納を受け付けるにはそれなりの制限はあるんだと思いますけれども、今回このような改正をしたことについて、この物納の基準をどうなさるおつもりですか。
#76
○政府委員(吉川勲君) 今回の物納の特例におきまして、物納の対象とされる財産は土地のみになっておることは御承知のとおりでございます。
 ただ、その管理、処分等に対する許可要件につきましては、法文上、現行の物納制度と同様の定めになっておりますので、税務上の取り扱いにつきましても従来の物納と同様の取り扱いになろうかと思います。
#77
○楢崎泰昌君 これは、平成元年から平成三年までの間に土地を評価して相続税を課税した、にもかかわらず土地の値段が下がっちゃってどうしようもないという人たちのために税の原則を曲げて徳政的にやっている特例措置なんですね。今お伺いすると、いや普通の物納と同じだよということではどうもちょっとぐあいが悪いと思うんですね。
 土地を評価しました、そして土地が下がってしまいました、それで払えないんです、物納で御許可願いたいと。これはせっぱ詰まったものなんですね。お金で払えるものなら払っていますよ。だから、そういうような、今さら売ろうと思ってもその価格ではもちろん売れないから物納をお願いしますと言っているわけですから、評価するときだけ評価しておいて、物納のときは取らないと。特例措置はできたけれども収納基準というのは歳として守るんだというのでは、ちょっとひどいと言うと言い方きついかもしれませんけれども、納税者がかわいそうなんじゃないですか。
 ぜひこれは徳政的なものだという感じを持って収納を、物納の許可をやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#78
○政府委員(吉川勲君) 御承知のとおり国税は金銭納付が原則でございまして、相続税につきましては、財産課税という性格上、延納によっても金銭で納付することができないような場合、例外的に納税者の申請に基づきまして、管理または処分するのに不適当な財産を除きまして物納を認めていることについては御理解をいただきたいと思います。
 ただ、国税当局といたしましては、許可要件につきましても、平成四年六月の相続税の基本通達の改正におきまして、取引相場のない株式や相続人が居住の用に供している土地につきましても一定の要件のもとで許可できることを明らかにいたしましたほか、相続税法四十二条二項に規定する管理または処分するのに不適当な財産の範囲を明確化するなどの措置を講じてきたところでございます。
 その後におきましても、登記数量と実測数量との地積差が少ない場合の地積更正登記の省略、あるいは駐車場等賃貸借契約が締結されている財産についての許可要件の緩和、あるいは公共の用に供されている土地についての許可要件の緩和、申請土地内に樹木が存する場合の伐採の不要などの許可要件の緩和等の措置を講じてきたところでございます。
#79
○楢崎泰昌君 一生懸命やっていただいていることは、私も通達の改正等があったということは承知をいたしているところでございますけれども、それは最初の収納のところなんですね。原則論を言われても困るんで、実はこれ特例措置なんですから、延納から物納への切りかえの際には極めて寛大に、そして、この特例措置をせっかくこしらえたんですから、それが有効に働くようにお願いをいたしたい、御検討を願いたいというぐあいに思います。
 そこで、今度は収納された後の話でございますが、収納された後、実は収納しっ放しで、国有財産ほとんど売りませんと。これ今伺っただけでも二兆数千億の延納があるわけで、それが全部物納になるわけじゃないでしょうけれども、結局、今徴収部長が言われたように現金のかわりにもらったものなんだから、それは速やかに現金にしてもらわないと困るんですよね。
 国税庁が収納許可をしたものは財務局に移管されるんだと思いますけれども、財務局ではこの収納財産をどのように扱っておられるかお聞かせください。
#80
○政府委員(石坂匡身君) 物納されました財産につきましては、これは他の国有財産と同様に貴重な国民の共有の財産でございますから適切に処分、管理をしていかなければならない、これが大原則でございます。
 やや個別論で申し上げますと、まず借地人等がいる不動産がございます。これは借地人等へ売却することが一番適切でございますから、そうした方向に努めておるところでございます。それから一般の未利用地の国有地、これは公用、公共用に優先して使うという原則を国有財産行政上確立しております。
 したがいまして、こういうものに使うものはそういうふうな用途に充てますけれども、しかしそうした利用が見込まれないもの、これは民間等への一般競争入札によって売却をすることといたしております。これは、最近、監視区域制度が弾力化してまいりましたし、また、売りにつきましては地価監視との関係で当然地方公共団体と協議もしなければいけませんが、こうしたこともかなり弾力的に行えるような状況になってまいりました。そうしたことで順次一般競争入札を行ってきておりまして、平成五年度に入りましてからはこれもかなり進捗をしておるところでございます。
 それから、今るる御指摘ございましたような物納がさらに多くなってくるという関係がございます。物納された土地は、これは多くは小規模な土地であろうと思います。そうした更地等につきましては個人の住宅等のニーズが強いというふうなことも考えられます。これは円滑な売却を促進していかなければならぬわけでございますけれども、そのためには個人の参加しやすい売却方式の導入といったことも検討してまいらなければいかぬかなというふうなことで、例えば公募抽せんのようなやり方等も検討してまいりたいと考えております。
#81
○楢崎泰昌君 それを伺ったのは、先ほどの国税庁のお話とも関連するんですけれども、実は物納申請をしても許可されるのは物すごく時間がかかるんですね。
 そればかりじゃなくて、物納申請はあるけれども許可された件数というのはごくわずかなんです。計表をいただいておりますけれども、国税庁から財務局に移管されたもの、要するに財務局の方では引き受け件数ですね、それは昭和六十三年には三十七件、そしてちょっと飛びますけれども平成三年には四十九件、そして四年度には三百四十三件、今年度に入ってはどれぐらいかねといって、まだ統計が出ていないようですけれども、腰だめ的にいろんな状況を聞きますと大体二千件ぐらいかなというような感じがしているんですね。
 ところが、国税庁に物納申請をしているのは、まあ取り下げるものも相当あると思いますけれども、一万件を超えているというような状況で、国税庁から財務局に移管されるスピードがちょっと遅いなという感じが私はしています。
 そしてさらに言えば、今理財局長のせっかくの答弁でございますけれども、おっしゃいましたように一般競争入札ではなかなか進まないんです。今お話がちょっとございましたけれども、新しい方策を考えておられるということでございますから、七万数千件全部来るとはとても思えませんけれども、平成四年度で一万二千件申請があるわけですから、まあ大分土地の値段が下がってきましたからまたわかりませんけれども、相当の数があるんですよ。これは大蔵省行政の中の処理としてはスムーズにいけるようにぜひ御工夫を願わないと、せっかくの特例措置をやっていただき、そして物納制度を速やかに運営をするんだとおっしゃっていただいても、それが一向にお金にならぬというのでは何にもならない。
 ぜひその点をお考え願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#82
○政府委員(石坂匡身君) 今、件数を挙げてのお尋ねでございました。
 若干その件数につきまして補足して御説明をさせていただきたいのでございますが、国税庁の方に出ております数字は相続人の頭数の数字で件数が上がってまいります。私どもの国有財産当局の方では国有財産そのものについての件数でございますので、そのとっている統計に差が若干あるということは御承知おきいただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、平成五年にはかなりピッチを上げてこちらに引き受けさせていただいているということは事実でございます。
 それから、平成六年におきましてもそうした努力を続けさせていただきたいと思いますし、幸い財政当局の御理解もいただきまして予算もかなりつけていただきました。また人間の数もかなりふやしていただいております。ただ、それだけではなかなかいきませんので、今申し上げましたようないろいろなやり方の工夫でございますとか、それからマンパワーを集中的に投入する。それから、平成四年に通達をクリアなものに変えておりますけれども、そうしたものをもとにいたしまして、国税当局とも十分相談をしながら、案件につきまして御指摘の点も踏まえまして早急に片づけるように努力をしてまいりたいと考えております。
#83
○楢崎泰昌君 財政当局としては、急にこういうことが起こってしまったのでなかなか準備が整わなかったのかもしれませんけれども、せっかくの物納財産、これは税金として収納したものなんですから、ぜひこれを財政の役に、さっき申し上げたように今財政が大変苦しいときですから、きちんと収納していただくようにお願いをいたしたいと思っております。
 ちょっとまた質問を変えまして、酒税法案のことについてお伺いをいたしたいと思います。
 酒税法の一部を改正する法律案を拝見しておりますと、実はウイスキーは税率をいじらず、しょうちゅうは非常に上がっている。そして、ビールがやっぱり多くて、日本酒が半分ぐらいというような増税法案になっているようでございます。特に、仄聞するところによれば、どうもこの酒税改正法案の一番大きな眼目は蒸留酒間の課税の問題というぐあいに伺っておりますけれども、その間の事情について御説明をいただきたいと思います。
#84
○国務大臣(藤井裕久君) 御承知のように、こういういわゆる財政物資につきましては、総体の価格の中で税負担がどのくらいかというので見てきているわけでありますが、酒類が最近、特に平成二年にピールの値上げなどがありまして価格が上がって、その分の税額負担というものが下がってきているというようなことが一つあると思います。
 また、今御指摘のように、同じ蒸留酒の中で高い税を負担している蒸留酒と低い税を負担している蒸留酒があるということ、そして、そういう点につきまして、おっしゃるように外国の一部からそれについての意見があったということなど志あると思います。
#85
○楢崎泰昌君 今、酒税全体を増税せにゃいかぬという状況にあるのかどうか、どうも非常に疑問に感じているんですよね。
 と申しますのは、政府は所得税の減税までやって消費をふやそうと、こういう話でしょう。片方で酒税への増税をするというのは、どう考えても総需要の抑制の方に回っているんです。どんな議論をしたってそれに決まっているわけです。現に、昭和五十九年に酒税の大改正をやったときにはビールの課税移出額は三年間当初の数量を超え得なかったんです。要するに税金が上がったのでお酒の消費がとまったんですよ。
 そう言って申しわけありませんけれども、私も大変お酒をちょうだいしている方でして、愛飲家の一人として極めて奇異に感じるんです。何で需要を拡大したいときに酒税だけをねらって、それはいろいろ理屈はあるでしょうけれども、このときになぜ総需要を抑制する方向にこの税法の改正が提案されたか。それについてお伺いしたいんです。
#86
○国務大臣(藤井裕久君) また繰り返しになりますが、今申し上げたような課税負担の割合というものが下がってきているということ、そして同じ蒸留酒の間で非常に税負担の差が大き過ぎて、そのことが消費のあり方にもいろいろと特別の態様を生じているということなどでございますが、今楢時委員の御指摘の五十九年のときは、私は実はこの委員会で大蔵委員長をさせていただいておりましたのでよく承知をいたしております。三千二百億円の増収を予定したところ三千七百億円ぐらい減収になったということで、当時の皆様からとらぬタヌキのという話はこういうことを言うんだという大変なおしかりをいただいておりまして、よくこのことは承知をいたしております。
 そういう過去の反省などに立ちまして、大蔵省といたしましては、昭和五十九年のときは三千二百億でございましたが、今回初年度では千二百億というような小幅なことをすることによって対応させていただいたわけでございまして、きのうも本会議で申しましたように、消費に全く影響がないのかということについては、それはないとは申せないと思います。思いますが、今のような事情とそれから今のような措置によってやらせていただいておりますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
#87
○楢崎泰昌君 それは小幅だからいいというわけじゃないんですね。問題は考え方の問題ですよ。そして、いや影響ないんだというぐあいにおっしゃったけれども、影響はあるんですね。それをあえてこの不況下において消費を抑える方向にこの税金を出した、税法を提案したということはなぜかということをお伺いをしているんですよ。
 要するに、課税の負担の公平やら何やらとおっしゃいましたけれども、そういうことで税を上げるという提案をなさっていただいていいんでしょうか。先ほども、ともかくもうこの法案は経済対策云々ということで、日切れじゃないけれどやってくれと、こういうお話がございましたけれども、それと比べると随分態度が違うなという感じがしますが、いかがでしょう。
#88
○政府委員(小川是君) 酒税の改正、今回お願いをいたしておりますのは、先ほど大臣から申し上げましたとおり、昨年十一月の税制調査会の中期答申におきまして、酒といった嗜好品に対する課税につきましては、今後とも「随時負担の見直しを行い、適正な税負担水準の確保に努めるべきである。」という答申をいただいているところでございます。
 そこで、今回この酒について検討を行いました結果、一つは、先ほど来大臣申し上げましたとおり、この総体としての酒にかかる税負担水準が価格の引き上げを通じて若干下がっている。それを全体としてではなく一部回復をさせていただきたい。第二点といたしましては、消費の状況が、いわゆる低税負担酒、しょうちゅうなどの伸びと、高税負担酒、ウイスキーなどと比較しますと大分変わってきているということから、酒の種類間の税率、税負担の調整を行いたいというのが第二点でございます。第三点が、EC等の諸外国からかねてより蒸留酒間の税率格差について是正を急ぐべしという要請が強まってきている。これをほっておくわけにもいかないというところでございまして、そこでこの厳しい財政事情のもとで若干の税負担の調整をお願いをしたという次第でございます。
 もとよりこの千二百億が小さいということではございませんが、消費支出に占める影響から申し上げますと、〇・〇三%程度というのが家計消費に及ぼす影響であるというふうに見込んでおります。
#89
○楢崎泰昌君 まあ〇・〇三%だからいいじゃないのとかそんな議論をなさっておられるように思いますけれども、ああどうかなと思いながら御回答を聞いていたんですが、中期答申にも書いてあるよと、こういうお話でございました。しかし中期答申というのは、実は所得税のことを書いてあるんだけれども、それはやらないんだとこういう話でしょう。それはちょっと置いておいて、しかしお酒のところだけは全部もらっちゃったと、こういう話なんで、バランスがとれないように私は思いますね。都合のいいところだけやっているんですね。そこのところはどうも私はおかしいと思う。
 それで、酒税間のバランスがうまくとれてないよというのはそのとおりかもしれません。私はよくわかりませんけれども、そのとおりかもしれませんけれども、それをあえて今回景気政策と反対の方向に要するに行っているんです。その方向の方に向かうということはなかなか難しいなというぐあいに思っているんです。
 特に気がかりなのは、先ほどちょっと言われた諸外国からも言われていると。確かにサッチャーさんのときに片づいたつもりだったんだけれども、実は片づいてないというお話もありますけれども、その点についてちょっとお話しください。
#90
○政府委員(小川是君) 酒税の酒類別の税負担のあり方、とりわけ同じ蒸留酒について我が国では酒類別に大きな税負担格差があるといったようなこと、あるいは紋別制度というようなものをとっていたこと、それから価格によって非常に税負担が違うといったようなこと、こういった事柄は昭和六十年代の前半にガットにおいて問題になりまして、ガットのパネルにおいてその是正方の勧告が出たわけでございます。
 こうした問題はいずれも昭和六十三年度の前回の税制の抜本改革の中であらかたこなしたわけでございます。紋別制度廃止、あるいは従価税も廃止というようなことでございます。蒸留酒の税負担格差の問題につきましては、しょうちゅうとウイスキーが当時アルコール一度当たりで十五倍ぐらい違っておりました。これを相当大幅に改善をいたしたわけでございますが、その後も英国、ECその他の国々から、我が国は個々のかつてパネルで勧告を受けたところに従って改善が十分でないということを強く言われました。とりわけ昨年来このガットの場を通じ、あるいは外交チャネルを通じまして我が国に対して要請が強く参るようになりました。
 そういった意味では、現在五倍強になっておりますこのアルコール一度当たりの税率格差が、今回の改正によりまして三倍台まで落ちるという改正を御提案をしているというのが経緯でございます。
#91
○楢崎泰昌君 税法を拝見していて、ウイスキーについては税率をいじらず、しょうちゅうについて相当大幅な増税をなさっておる。それは今局長が御説明いただいたような事情を頭の中に十分描いてやられたものというぐあいに理解をいたしますけれども、そこのところはそういうぐあいに理解をするけれども、ほかの酒を一斉に上げちゃうというのはいかがかなと。私は、先ほど申し上げたように愛飲家の一員としてそのことを大衆課税になるんではないかと、しかも景気対策としては総需要抑制の方向に向かうものとして問題がある、かように考えているところでございます。
 大蔵大臣の総括的な御感想を聞かせていただきたいと思います。
#92
○国務大臣(藤井裕久君) もう理由はるる申しません。今の国際問題のあったことも事実であります。そういう中で、ピールなどは本来の負担の回復からいきますと半分程度に抑えてございますし、清酒などはもっと抑えているわけでございます。さらに、これを担っている中小零細の業界でございますね、焼酎とか清酒とか、そういう中小企業対策については引き続いて租税の特別措置をやらせていただきますし、また、清酒業界に対するいわゆる対策費なども出させていただくことによって、そういう担っていらっしゃる方々に対する対応は中小企業を中心に十分やらせていただきたいと考えておりますので、どうか御理解をいただきたいと思います。
#93
○楢崎泰昌君 なかなか理解ができないところでございます。しかし、この問題は一応この程度にして、後でまた採決のときに意思表示をさせていただきたいと思います。
 次は、関税定率法等の一部を改正する法律案が議題に上っておりますが、中身を拝見いたしますと、ウルグアイ・ラウンドでいろんなことが別途決まっておりますので、ことしは定率法としては日切れとかお休みというような感じの法律案であるように思いますけれども、ウルグアイ・ラウンドに関連して一点だけお伺いをしたいことがあります。
 これも愛飲家の一人として御質問をさせていただきたいんですが、どうもウルグアイ・ラウンドではウイスキーとビールの関税をゼロにすると。それぞれ八年あるいは十年かかってゼロにするわけですが、それで国際化がそこで決まっていく、こういうぐあいになっているようでございますけれども、その措置は一体どういうぐあいになさるんですか。
#94
○政府委員(高橋厚男君) ウルグアイ・ラウンドの交渉の過程で、今御指摘ございましたように、ウイスキー、ビールについでこれが一定の期間を経てゼロになるということ、御指摘のとおりでございます。
 ウルグアイ・ラウンドの交渉の過程におきましては、主要国間で特定の分野につきましてその関税を相互に撤廃する、そういうことを通じまして国際貿易を促進するという観点で幾つかのものが検討されました。医薬品でございますとか建設機械等の鉱工業品に加えまして、ビール、ウイスキーにつきましても関税の相互撤廃の議論が行われたわけでございます。
 このような交渉の中で、我が国を含みます各国ともそれぞれ困難な事情を抱えている面もあったわけでございますが、そういう中で、ウルグアイ・ラウンドの成功裏の終結に貢献をするという観点から、大局的な立場に立ちましてピール、ウイスキーを含みます特定の分野につきましての相互撤廃というものに合意をしたわけでございます。
 今御指摘ございましたように、このウルグアイ・ラウンドにおきます農産品の関税引き下げは通常六年間で段階的に実施されるということになっているわけでございますけれども、ビール、ウィスキーにつきましては、我が国からの強い働きかけもございまして、ビールについては八年、ウイスキーにつきましては十年かけて段階的に引き下げていくということが認められたわけでございます。厳しい交渉の中で、国内業界の激変緩和に可能な限り配慮を払ってこのようにさせていただいたわけでございます。
#95
○楢崎泰昌君 私は、ウイスキーあるいはピールが国際化していって商品が多様化し、それぞれ競争が行われるということは大変結構なことだというぐあいに思うんですけれども、同時にちょっと気にかかるところがございまして、現在ウイスキーあるいはビールについての原料については関税割り当てになっているんじゃないでしょうか。いかがですか。
#96
○政府委員(高橋厚男君) ビール、ウイスキーの原料でございます麦芽につきまして、御指摘のように関税割り当て制度になっております。
#97
○楢崎泰昌君 今、ビールあるいはウイスキーの主原料である麦芽について関税割り当てがあると。なぜ関税割り当てがあるんですか。
#98
○政府委員(高橋厚男君) 昭和四十九年度の麦芽の輸入の自由化をいたしました際に、国産大麦の安定的な引き取りを図るということが必要でございまして、その国産大麦の安定的な引き取りを図りながら、一方、ビール、ウイスキー等に使用いたします麦芽の安定的な供給、そういうものも確保しなければいけないということで関税割り当て制度を導入したわけでございます。
#99
○楢崎泰昌君 安定的と言うと非常にきれいに聞こえるんですけれども、ビール、ウィスキーの主原材料である麦芽について、割り当てをすることによって実は国内産の麦芽を保護するという目的でその割り当て制度ができているんだというぐあいに思います。現在それは何も法律で規定されているわけじゃありませんが、行政指導として、ビールで言えば約二割の麦芽は国内産をお買いになっておられるわけです。
 これは、関税と国内の産業の保護という意味からいえばバランスが恐らくとれていたんだと思います。しかし、すぐにゼロになるわけじゃありませんけれども、ゼロになる場面を考えて、外国産のビールあるいはウイスキーが関税ゼロでどんどん入ってくる、ところが国内産のピール、ウイスキーについては実は関税割り当てがあって、そして国内の麦芽糖を購入しなければ関税割り当てがもらえない、恐らく一種の規制になってくるんだろうと思いますが、そういうぐあいに理解をしてもいいでしょうか。
#100
○政府委員(高橋厚男君) 関税割り当て制度によりましてビール、ウイスキー業界では年間需要の九割近い麦芽を無税で輸入できるようになっております。また一方、国産の大麦の保護、麦芽の安定供給ということを図る観点もございまして本制度が導入されたわけでございまして、そういう必要性というのは現在も存続をしているものというふうに理解をいたしております。
 厳密な意味で今先生おっしゃったような抱き合わせということは行われているわけではございませんが、この関税割り当て制度を前提といたしまして、国産大麦につきましては、麦芽原料の安定確保を目的として大麦の生産者とビール、ウイスキーメーカーとの間で契約栽培が行われているわけでございます。
 そこで、国産大麦がこの栽培契約に基づいて安定的に引き取られておりますのは麦芽の関税割り当て制度があるからでございまして、これを廃止いたしますと、実需者への麦芽の安定供給あるいは国産大麦生産農家の保護に支障を来すということで農政上問題が大きいというふうに農水省からも聞いているわけでございます。
#101
○楢崎泰昌君 私もその事情はよくわかります。麦芽の問題を直ちに関税割り当てなしにしてしまうというようなことは非常に困難であるということはよくわかっていますし、そのために八年、十年の暫定的な移行期間を設けているわけですから、ことしの関税定率法には提案されていませんけれども、ウルグアイ・ラウンドが発効したらと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、恐らくそういう時期にはその提案がなされると思いますが、少なくともその提案がなされるまでの間にぜひ国内産のものと輸入麦芽との間の調整をどういうぐあいにするんだという議論を政府の中できちんとされて、それについての対応をしていただきたい、かように思っておるところでございます。いかがでしょうか。
#102
○政府委員(高橋厚男君) 今回このウルグアイ・ラウンドの実質合意をいたします過程でオファーをいたしたわけでございます。そのオファーを出しますに際しましては、今先生がおっしゃったような麦芽の関税割り当て制度等についても農水省ともいういろ相談をしたわけでございますが、麦芽の関税割り当ての必要性については先ほど申し上げましたとおりでございます。
 そういうことを前提といたしまして、なおビール業界、ウイスキー業界への影響というものも十分勘案をいたしまして、ビールについては八年、ウイスキーについては十年ということで激変緩和を図りながら、国際的な約束であります国際貿易の伸長ということが図れるように合意をいたした次第でございます。
#103
○楢崎泰昌君 質問を終わります。
#104
○委員長(上杉光弘君) 他に御発言もなければ、内閣提出、衆議院送付の六案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(上杉光弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 租税特別措置法の一部を改正する法律案の修正について清水達雄君から発言を求められております。この際、これを許します。清水君。
#106
○清水達雄君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案について御説明いたします。
 我が国の経済が、期間、深度において最長、最悪と言われる不況から依然として脱却できない最大の理由は、土地取引が凍結状態にあることと、企業の設備投資が極端に低迷していることにあることは全く異論のないところであります。そこで、土地取引の活性化と企業の設備投資の拡大誘導について税制面からの積極的な対応がなされなければなりませんが、今次税制改正においてはその措置は極めて不十分であります。
 まず第一に、土地税制についてであります。
 現行の土地の譲渡益に対する課税は、平成三年度に地価高騰に対処するためにとられた極めて高い税率がそのまま残されております。土地取引の実態について見ますと、平成三年の土地の課税譲渡所得は十八兆円であったものが、翌四年には七〇%も急減して五兆四千億円にとどまっております。これは土地の譲渡所得に対する重課によるものにほかなりません。
 また、固定資産税の評価額引き上げに伴い、この評価額を課税標準とする登録免許税の税額が急激に上昇することに対し、今回の政府の改正案ではその負担調整措置をとることとしておりますが、土地取引の活性化が重要な課題とされている今、思い切った対策が必要であります。
 地価税につきましても、平成六年度における固定資産税評価の均衡化、適正化を契機として、今後固定資産税の負担の適正化が図られる見通しとなった現在、地価税そのものの必要性を含めて抜本的見直しか行われるべきでありますが、当面、現在の地価税負担が土地を有する企業にとって過重な負担となっていること、また、過重な地価税負担が土地の取得者側の意欲を減殺していることを重視すべきであります。そのためには、時限措置として地価税を課税しないことにより、企業の正常な経営能力を回復させるとともに、土地の流動化を促進すべきであります。
 第二に、企業の設備投資の活性化についてであります。
 そのためには、悪化している企業の経営状況を改善するために所有している土地等を譲渡し、企業全体としての収支バランスを図ることが不可欠の要件であります。したがって、法人の土地譲渡益に対する追加課税については、一律に分離して追加課税を行う現行税制を改め、土地の譲渡益をもって他の事業に係る赤字分を補てんする場合には、その限りにおいて追加課税の対象から除外すべきであります。これにより、土地の譲渡益を活用した企業のリストラの効果的な進展が期待できるものであります。
 以上申し上げました理由に基づき、本法律案に対する修正案の概要について御説明いたします。
 第一は、長期譲渡所得の課税の特例についてでありますが、平成六年分及び平成七年分の所得税に係る税率を現行の百分の三十から百分の二十に引き下げることとしております。
 第二は、法人の一般の土地譲渡益追加課税制度についてでありますが、平成六年一月一日から平成七年十二月三十一日までの間にした土地の譲渡等に係る特別税率を現行の百分の十から百分の五に引き下げることとしております。一第三は、法人の土地譲渡益追加課税制度についてでありますが、この法律の施行の日から同日以後二年を経過する日までの間に終了する各事業年度に係る土地の譲渡等の利益金額が所得金額を超える場合には、その超える金額に相当する金額を土地の譲渡等に係る譲渡利益金額から控除する措置を講ずることとしております。
 第四は、地価税の特例についてでありますが、個人または法人が平成六年または平成七年の各年一月一日に有する土地等については、地価税を課さないこととしております。
 第五は、登録免許税の特例についてでありますが、平成六年四月一日から平成九年三月三十一日までの間の措置として、課税標準が不動産の価額である土地に係る登録免許税について、課税標準を固定資産課税台帳の登録価格の百分の三十五とする措置を講ずることとしております。
 以上が本修正案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#107
○委員長(上杉光弘君) ただいまの清水君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。藤井大蔵大臣。
#108
○国務大臣(藤井裕久君) この修正案につきましては、土地基本法の基本理念や税体系における資産課税のあり方を踏まえた現行の土地税制の基本的考え方、現下の財政事情等に照らし、政府としては反対でございます。
#109
○委員長(上杉光弘君) これより六案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#110
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案など四法案に対し、反対の討論を行います。
 関税定率法一部改正案は、皮革・革製品の関税割り当て制度の一次税率枠の大幅拡大を図っています。今回の拡大により、来年度は自由化直後の基準数量の実に三・四倍もの輸入が認められることになります。
 しかも、政府は、さきのウルグアイ・ラウンドにおいて、一次税率を二割カット、二次税率を五割カットするという追加引き下げ措置をとりましたが、これは国内の零細な皮革・革靴産業とそこで働く者の生活を崩壊の危機に導くものであります。
 本法案は、このほか、加工再輸入制度の拡大などの措置がとられていますが、これらは繊維産業など国内産業に少なからず影響を与えることが懸念されます。
 本法案のうち、粗糖関税の引き下げなど、問題のない措置も含まれておりますが、以上の理由から我が党は反対の態度をとるものであります。
 次に、平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案は、来年度所得税の特別減税等によって見込まれる税収の不足を補うため、総額三兆千三百三十八億円の赤字国債を発行しようとするものであります。この赤字国債発行は、単に所得税減税のためだけではなく、法人特別税の廃止など企業減税の財源の分まで含まれております。
 本法案により、五年ぶりに赤字国債の発行が行われることになりますが、これにより発行残高が二百兆円を上回り、財政再建はいよいよ困難となるのであります。
 減税の財源は、大企業優遇の不公平税制の是正や軍事費等歳出構造の根本的な見直しによってなされるべきであり、安易に赤字国債の増発に頼る本法案には賛成できません。
 次に、酒税法の一部を改正する法律案は、来年度予算の財源対策の一環として、しょうちゅう、ワイン、ビール、清酒などの酒税を引き上げるものであります。
 特にねらわれたのが大衆の酒であるしょうちゅうであり、その税率は四四%以上引き上げられることになりますしょうちゅうの税率の大幅引き上げは庶民の楽しみを奪うとともに、中小のしょうちゅう製造業の経営を一層困難にするものであります。また、財源対策のために真っ先に酒税を引き上げることは、財源不足のツケを安易に庶民に転嫁する典型であります。
 本法案でしょうちゅう乙類製造業者に対し無利子貸付制度を設けていることは賛成しますが、以上の理由から、全体として反対の態度をとるものであります。
 最後に、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、法人特別税を撤廃し大企業の税負担を軽減するとともに、海外投資損失準備金、製品輸入促進税制など大企業優遇の特別措置について対象の拡大等を図っています。さらに、国際共同試験研究促進税制など新しい措置の創設さえ行っております。
 また、土地譲渡益重課制度の適用除外の拡大、事業用資産の買いかえ特例の拡大など一連の土地税制の緩和を図っていますが、これは景気対策を口実とした大企業、金融機関の救済策の一環であり、土地税制の基本を損ないかねません。
 本法案には、小規模宅地の相続税軽減策など賛成できる措置も含まれていますが、全体として以上に述べた問題があることから、反対の態度をとるものであります。
 なお、自民党提出の租税特別措置法一部改正案に対する修正案は、バブル期に土地投機に走った大企業を救済するものであり、賛成できません。
 以上、政府提出四法案及び自民党提出修正案に対する討論とします。
#111
○委員長(上杉光弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次六案の採決に入ります。
 まず、相続税法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(上杉光弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(上杉光弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 竹山裕君から発言を求められておりますので、これを許します。竹山君。
#114
○竹山裕君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    関税定率法等の一部を改正する法律案に
    対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について十分配慮すべきである。
 一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢に対処するとともに、国民経済的な視点から、国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分配慮しつつ、調和ある対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。
 一 著しい国際化の進展等による貿易量及び出入国者数の伸長等に伴い税関業務が増大、複雑化するなかで、その適正かつ迅速な処理に加え、麻薬・覚せい剤、銃砲、知的財産権侵害物品、ワシントン条約物品等の水際における取締りの強化が国際的・社会的要請として一層強まっていることにかんがみ、税関業務の一層効率的、重点的な運用に努めるとともに、税関業務の特殊性を考慮して、今後とも、中長期的展望に基づく税関職員の定員の確保はもとより、もの処遇改善、職場環境の充実等に特段の努力を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#115
○委員長(上杉光弘君) ただいま竹山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(上杉光弘君) 全会一致と認めます。よって、竹山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、藤井大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。藤井大蔵大臣。
#117
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#118
○委員長(上杉光弘君) 次に、平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(上杉光弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、酒税法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(上杉光弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 須藤良太郎君から発言を求められておりますので、これを許します。須藤君。
#121
○須藤良太郎君 私は、ただいま可決されました酒税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    酒税法の一部を改正する法律案に対する
    附帯決議(案)
  政府は、次の事項について十分配慮すべきである。
 一 酒類の販売業免許については、今後とも、消費者の利便及び流通実態の推移を勘案しつつ、財政物資及びアルコール飲料としての商品特性を踏まえた適切な運用を図るよう努めること。
 一 今回の酒税の改定が小売価格の不当な値上げにつながらないよう十分に指導すること。
 一 清酒及びしょうちゅうが我が国固有の伝統ある酒であることにかんがみ、その製造業者に対し、引き続き、振興対策を講じるとともに、酒類は財政物資であることから、酒類用原料米の安定供給の確保に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#122
○委員長(上杉光弘君) ただいま須藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(上杉光弘君) 全会一致と認めます。よって、須藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、藤井大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。藤井大蔵大臣。
#124
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#125
○委員長(上杉光弘君) 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、清水君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(上杉光弘君) 少数と認めます。よって、清水君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#127
○委員長(上杉光弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 須藤良太郎君から発言を求められておりますので、これを許します。須藤君。
#128
○須藤良太郎君 私は、ただいま可決されました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    租税特別措置法の一部を改正する法律案
    に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について十分配慮すべきである。
 一 国民の理解と信頼に基づく税制の確立のだめ、引き続き、公平・公正の見地から税制令般にわたる不断の見直しを進めること。
 一 複雑・困難であり、高度の専門知識を要する職務に従事する国税職員について、変動する納税環境、業務の一層の複雑化・国際化、更には制度改正等に伴う事務量の増大に対応しつつ、税務執行面における負担の公平確保の見地から、職員の年齢構成の特殊性等従来の経緯等に配慮し、今後とも処遇の改善、職場環境の充実及び定員の一層の確保につき特段の努力を行うこと。
   なお、物納が増加している現状にかんがみ、要員の確保等物納申請処理の体制整備に引き続き努めるとともに、国有財産である物納不動産の適正な管理・処分の観点から、財務局におけるその業務処理体制等の一層の見直しを行い、また、業務量に見合った要員の確保に努めること。
 一 納税者意識の向上のための啓発活動の充実及び納税者の応接のための庁舎環境の改善など、納税者サービスの一層の向上を図るよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#129
○委員長(上杉光弘君) ただいま須藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(上杉光弘君) 全会一致と認めます。よって、須藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、藤井大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。藤井大蔵大臣。
#131
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#132
○委員長(上杉光弘君) 次に、平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(上杉光弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、六案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(上杉光弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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