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1994/06/23 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 外務委員会 第5号
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1994/06/23 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 外務委員会 第5号

#1
第129回国会 外務委員会 第5号
平成六年六月二十三日(木曜日)
   午後零時四十五分開会
   委員の異動
    ―――――――――――――
 六月二十三日
    辞任         補欠選任
     立木  洋君     橋本  敦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 章平君
    理事
                成瀬 守重君
                野沢 太三君
                松前 達郎君
                猪木 寛至君
    委 員
                大木  浩君
                笠原 潤一君
                宮澤  弘君
                矢野 哲朗君
                大脇 雅子君
                北村 哲男君
                清水 澄子君
                矢田部 理君
                武田邦太郎君
                永野 茂門君
                黒柳  明君
                常松 克安君
                橋本  敦君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       外 務 大 臣  柿澤 弘治君
   政府委員
       外務政務次官   平田 米男君
       外務大臣官房長  池田  維君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  林   暘君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省欧亜局長  野村 一成君
       外務省条約局長  丹波  實君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        辻  啓明君
   説明員
       防衛庁防衛局調
       査第一課長    安藤 隆春君
       外務大臣官房審
       議官       中本  孝君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部外務参事
       官        梅津  至君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部人権難民
       課長       國方 俊男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上章平君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、立木洋君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(井上章平君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。柿澤外務大臣。
#4
○国務大臣(柿澤弘治君) ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、御説明いたします。
 改正の第一は、在外公館の設置及び廃止についてであります。
 今回新たに設置しようとするのは、在マケドニア旧ユーゴスラビア共和国及び在エリトリアの各日本国大使館並びに在ドバイ日本国総領事館であります。在マケドニア旧ユーゴスラビア共和国大使館の設置は、三月一日付での同国との外交関係開設に伴うものであり、オーストリアに駐在する我が方大使をして兼轄させるいわゆる兼館であります。また、在エリトリア大使館の設置は、エチオピアの一部を構成していた同国の独立に伴うものであり、エチオピアに駐在する我が方大使をして兼轄させるいわゆる兼館であります。また、在ドバイ総領事館については、我が国と経済的なつながりが強い湾岸地域の貿易、交通の中心地であり、湾岸情勢に関する情報収集の重要な拠点ともなるべきドバイの重要性にかんがみ設置するものであります。
 在外公館の廃止については、パラグアイの在エンカルナシオン日本国領事館を廃止することとしております。
 改正の第二は、以上の新設の在外公館に勤務する職員の在勤基本手当の基準額を定めるものであります。
 改正の第三は、在キルギスタン日本国大使館の名称を在キルギス日本国大使館に変更する等、最近の国名及び地名の変更に応じ、関連規定の整備を行うものであります。
 なお、本法案は平成六年四月一日に施行されることを想定しておりましたが、これが実施されませんでしたので、所要の調整を行うため、衆議院においてその一部が修正されましたので、申し添えます。
 以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
#5
○委員長(井上章平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○大木浩君 衆議院で通過いたしました在外公館設置法案、ほやほやの法案がこちらへ参りましたので、この法案について質問したいと思いますが、その前に若干、先般来予算委員会でいろいろと議論になりました核の問題なんですけれども、実は私も、NPTとの関連で、日本の科学技術の水準からいえばもう核兵器を開発する潜在的な能力はかなりあるんじゃないかという趣旨の発言をいたしましたが、新聞の皆さんが、きょうは余り新聞はおりませんけれども、何か今にもすぐにもつくれそうな話になってしまって、それでまた総理の方でそれを受けてそのとおりとおっしゃったものですから、何か今にも日本が核を持つような話になっておりますので、これは政府といわず我々といわず、やっぱりそういう状況には少なくとも日本はないんだというふうに私は理解しておりますので、そこのところを、私の質問もそういう趣旨でなかったし、総理の言われたこと、私はその後どういうふうに御説明になったか知りませんけれども、ちょっとそこの、今の時点でこの間の総理の発言をどういうふうに受けとめておられるか、政務次官あるいはどなたかから御発言をいただきたいと思います。
#7
○政府委員(平田米男君) 大木先生おっしゃるとおりだと私は思っておりまして、我が国といたしましては非核三原則というのがございまして、核はつくらない、また持たない、持ち込ませない、こういう原則を今後も堅持する決意でおります。
 以上でございます。
#8
○大木浩君 つくらない、それから非核三原則、それは結構なんですけれども、なかなか国際的にはやっぱりいつか持つんじゃないかなというようなことを考えるのが常識と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、かなりの人がそういうことを思っているわけですよね。
 そこで私は、やっぱり政府としてはこういう形できちっと、非核三原則に基づいて具体的に核の開発はしないようになっているんだ、こういうことをもう少し折に触れてきちっと説明をしておいていただかないといけないのではないかという感じを持っております。
 実は、きのうたまたま北大西洋評議会、これはNATOの加盟国の国会議員の集まりでありますが、このグループが来ておられましていろいろ議論をしてみますと、これだけ日本も潜在的な能力があるんだし、それから何か細川内閣のときには自衛隊の見直しをするとか、まあ日米安保の見直しをすると言われたかどうかは知りませんけれども、そういう見直しをするという議論の中で自分が核開発するんじゃないかという議論が出てくるというのは、外から見るとそういう話になりますね。
 そこで、どういう形できちっと日本は歯どめをしておられるのか。NPTのメンバーにもなっておられるし、その他いろいろと核査察もIAEAその他の査察も受けておられると思いますが、そこのところをごく簡単に、要するにこういうふうに歯どめがきちっとできているよということを御説明いただきたいと思います。
#9
○政府委員(平田米男君) 我が国が核保有をする意思はないということは折に触れて我が国としては表明をしておるところでございまして、私自身も、先般行われました広島での国連軍縮会議であいさつをさせていただいたときも、非核三原則を堅持する、また軍事大国にならない、こういうようなことを明確に申し上げまして参加者から評価をいただいたわけでございます。そういうことで、あらゆる機会を通して我が国の意思というものを明確にするということを行っているということを御理解いただきたいというふうに思います。
 また、核兵器の開発能力につきましては、確かに我が国は原子力の平和利用という点につきましては大変高い技術レベルにある、そういう状況にあるわけでございますが、高度の原子力技術やあるいは科学技術を有するというだけではすぐに核兵器が製造できるというものではないということは、もう大木先生はよく御存じのことだというふうに思います。
 我が国といたしましては、現在核兵器製造のための知識や経験を何ら持ち合わせておりません。したがいまして、現在我が国は核兵器を製造する能力を有していない、このように考えております。
#10
○大木浩君 そういうことであればどうぞひとつ、我々外国の連中といろいろ話をしますと、現にきのうも今の北大西洋評議会の連中と話をしていますとそういう話が出てくるんです、永野先生もおられたけれども。ですから、これはひとつ、単に日本の意思ということでなくてこういう形で具体的にこういう措置をとっている、IAEAの査察を受けていますとか、プルトニウムの蓄積は透明にしているとかその他、もちろん日本ですから今核実験はしないんですけれども、そういうことを全部きちっとよく外に説明することによって、日本が考えていないことを考えているんじゃないかと言われることのないように、ひとつ引き続き御努力をいただきたいと思うわけでございます。
 次に、先般これもちょっと出てまいりました例の国際司法裁判所に対する日本の陳述書云々の話。これもいろんな経過がございましたし、これはやっぱりいろいろ議論があって、新聞でも初めは何か外務省が法匪だとかそういう形の議論が非常に中心だったんですけれども、その後実定法といいますか、法律の問題としてはいろいろまたそれだけの問題じゃないよというような社説などもいろんな新聞に出ております。これも私は予算委員会のときも申し上げたんですけれども、そういう点はやはりきちっとしていかなきゃいけないということで、核廃絶に向かう日本国民の意思というものと、それから現実にどういう法体系になっているかということはきちっと外務省としては引き続き国民にもよくわかるように努力をしていただきたいと思います。
 その辺について、特に今の段階で何か御発言があればお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(平田米男君) もう先生既に御承知のことでございますが、政府といたしましては、陳述書の内容は要するに核兵器使用の法的側面について述べておりまして、それと同時に、我が国が唯一の被爆国である、そういう視点から核兵器の究極的な廃絶に向けて努力をする、こういう決意を明確に表明する、そういうところに力点を置いた、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
 今までの解釈を変えたというわけではございませんで、先生既に御承知の国際法の状況にかんがみて対応をしていきたい、このように考えておりますが、しかし現状は現状といたしまして、やはり唯一の被爆国といたしまして、核の軍縮あるいは核廃絶といった国際社会が目指すべき方向性を強く訴えていきたい、このように考えておるところであります。
#12
○大木浩君 まだこれ新聞情報ですから、正式にどの程度に各国の意見というものが出てきておるのか知りませんけれども、これはいろいろと実定法上も違法だという意見もあるし、いやそうじゃないという意見もあるし、それからもう一つはこれは裁判所の管轄権なのかあるいはWHOの管轄権の話だかよくわかりませんけれども、管轄権の問題を議論しておるような国もあるやに聞いております。
 その辺のところ、現状でどういう意見が集まりつつあるのか、これは非公式にしかお話しになれないんでしょうけれども、どういう状況か、お話しになれるのでしたらひとつ中間的にお聞きしたいと思います。
#13
○政府委員(平田米男君) 我が国がICJに照会をいたしました状況におきましては、現在二十七カ国が陳述書を提出したと承知をいたしております。
 その国名はまだ公表されていない状況にございますので控えさせていただきたいと思いますが、我が国が現時点で承知をしている限りでは、多数の国が核兵器使用は違反であるという内容の陳述書を提出したという事実はないと承知をいたしております。
#14
○大木浩君 先ほど私が御質問申し上げたのは、一つは内容の話です。それから一つは管轄権、日本からの陳述書にも管轄権云々という言葉が出ていましたね。ですから、その点も含めてちょっと報告してください。
#15
○説明員(梅津至君) お答え申し上げます。
 そもそも本件につきましてICJが管轄権を有するかという問題につきましては、我が国はこれを慎重に検討すべきであるという趣旨で陳述書の中に盛り込んだ次第でございます。
 各国がどういう答え方をしたかということにつきましては、ちょっとここで私どもそれぞれについて申し上げる立場にはございません。
#16
○大木浩君 その慎重にというのはどうもよくわかったようなわからないようなあれなんですけれども、さっきもちょっと聞きましたけれども、管轄権というのは今のICJが管轄権について問題があるということですか、それともWHOがああいう形の質問というか意見を求めることについてやっぱり管轄権にかかわる問題があるということですか。
#17
○説明員(梅津至君) 先生御指摘のように、この管轄権の問題には二つの側面がございまして、まずWHOがこの種の問題についてICJに対して勧告的意見を求めることができるかどうか、それが適当であるかどうかという問題と、それから先ほど私がお答え申し上げましたICJ自体の管轄権、この両側面がございます。
 まず前者につきましては、国連憲章の九十六条第二項によりまして、WHOを含みます専門機関は、その所掌の範囲にかかわることに関してICJの勧告的意見を求めることができるという規定ぶりになっております。したがいまして、WHOが果たして核兵器の使用が人体の健康その他に悪影響を与えることが国際法に違反するのではないかということについて勧告的意見を求め得るかどうかについては随分議論があったところでございますけれども、これは昨年五月のWHO総会におきまして、多数決によりましてそれはICJに対して勧告的意見を求めようということで決定がなされたわけでございます。
 その後ICJは、WHOの要請に基づきまして、本件を審査するに当たって各国からもし陳述書を提出するのであればICJはこれを受理する用意があるという通達がございました。それに従いまして我が国も含めて各国が陳述書を出したわけでございますけれども、ICJがこれに関して管轄権を有するか否かも含めまして、これからICJが審査に入るという状況であると承知をしております。
#18
○大木浩君 WHOからICJに求めていますのは勧告的意見ですよね。英語で何と言いましたですか、勧告的意見ですね、いずれにしても。
#19
○説明員(梅津至君) そうでございます。
#20
○大木浩君 その勧告的意見というのは、ICJというのはその名のとおり国際司法裁判所ですから本来法律的意見を出すんでしょうけれども、その勧告的意見というのは純粋法律的意見とは違うような意見が出るという含みがあるんですか。ではちょっと補足して質問しますけれども、そういう勧告的意見を出したというようなケースがあるのかどうか。
#21
○説明員(梅津至君) これまでICJは二十一回にわたりまして勧告的意見を出したことがあると承知をしております。
#22
○大木浩君 今までの勧告的意見というのがどういうものであったかわかりませんけれども、何か一般論として非常に純粋法律とはやや趣の異なる意見も出たようなケースがあったのかどうか、もし説明できるならしてください。一般論で結構ですけれども。
#23
○説明員(梅津至君) ICJがこれまで行いました勧告的意見、それぞれどういうものについて、またその中に法律的な解釈を含んでいるかあるいは勧告的意見が、その辺の詳細ちょっとこの時点でつまびらかにいたしませんので、また調べて御報告申し上げます。
#24
○大木浩君 まだ十分調査しておられないようでございますから、また別途次の機会に伺いたいと思いますが、どうぞひとつ引き続きよく調べておいていただきたいと思います。
 核の話は、この間もちょっと申し上げたけれども、少なくとも管轄権の問題は別にしてもWHOとしては健康とか環境とか、そういうことを中心にして聞いていると思うんですね。日本は唯一の被爆国であるということ、これはもちろん大量破壊兵器であると同時に、それがやっぱり被爆者に対しては非常に、普通の兵器以上に長い影響を与えるわけですし、子孫にまで与える可能性さえあるわけですから、そういったことの検討というものは、今ICJがどうかは別といたしまして、そういった面からの議論というのも私はあっていいと思うんです。
 もちろん、とにかく絶対に核廃絶だと言ってもなかなか具体的な措置につながりませんから、やっぱり私はWHOならWHOの立場からの、もっとWHO自身も勉強したらいいと思いますし、それから日本もそれは唯一の被爆国としてわかっておるいろいろな知識は皆さんに説明したらいいと思いますので、これは私の意見として述べておきます。
 ちょっと視点を変えまして、実はきょう新聞を読んでいましたら、天皇陛下が今アメリカヘ行っておられて、アリゾナ見学はやめてアーリントン墓地だと、それはいろいろ事情があったようですからそれはそれで理解いたしますけれども、アーリントン墓地へ行くのに、これは新聞記事ですから、何か防衛駐在官は入れてくれなかったとか一番後ろへ座らされたとか、いろいろあるわけで、私はそのことについては今細かに聞こうとは思いません。ただ私は、その防衛駐在官を含めてやっぱり在外公館の人がそれぞれにきちっと士気旺盛で仕事ができるような体制というものはつくるべきだと思っております。
 ちょっと全般に聞きますけれども、今、防衛駐在官というのは在外にどれだけおられますか。
#25
○政府委員(池田維君) お答え申し上げます。
 現在防衛駐在官は四十人でございます。
#26
○大木浩君 それはどういう国に大体、細かい話は別として、全世界的に散らばっておられるわけですか。
#27
○政府委員(池田維君) 在外公館の名前で申しますと、一名のところがインド、インドネシア、シンガポール、タイ、中国、パキスタン、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、パナマ、オランダ、スウェーデン、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ユーゴスラビア、ルーマニア、イギリス、豪州、イスラエル、イラク、イラン、トルコ、エジプト、イタリア、軍縮代表部等。それから二名のところが韓国、三名のところがロシア、六名、米国となっております。
#28
○大木浩君 防衛駐在官に期待される仕事といいますか、任務というのはどういうものでしょうか。
#29
○説明員(安藤隆春君) 防衛駐在官は在外公館に勤務し、大使の指揮監督のもとに駐在国における軍事情報の収集、調査を主たる任務としております。
#30
○大木浩君 常識的に、要するに情報収集ですよね。それは大いに、今のように国際情勢まだまだ不安定でございますし、日本のように専守防衛と言っている国は情報というものをきちっと持っておるということは非常に大事だと思うので、防衛駐在官にはその任務を本当にしっかりとさせていただかなきゃならぬ。
 各国ともいわゆるその防衛駐在官といいますか、昔式に言えば駐在武官ですか、いずれにしてもミリタリーアタッシェというものは、一つの何というんですか、慣習的に確立された機能もありますし、いろいろとそれなりの取り扱いも受けていると思うんです、各国で。ですから、やっぱり日本の防衛駐在官も駐在官として行った以上は、やっぱりきちっと本当にできるだけの仕事をしていただくためには、それなりの士気が上がるような取り扱いをしないと、これは相手国、受け入れ国からもそんなものかというような判断をされるようでは困ると思うんですね。
 ですから、その辺ひとつ何かつけ加えていただくことがあればお聞きしたいし、私の要望としてもそういうものはきちっとよく考えると、要するにミリタリーアタッシェというのはミリタリーアタッシェというもので非常に尊敬された存在として外交団の中で仕事をしているわけですから、その辺について何かコメントいただければいただきたいと思います。
#31
○政府委員(池田維君) 防衛駐在官の方々には、私ども、在外公館におかれまして十分に高い士気のもとで大使館の一員としてお仕事をしていただくということで、その環境整備のためには努めてまいったつもりでございます。そして、現在のところも全体としまして高い士気を持ちながら仕事をしていただいているというように理解いたしております。
 先ほど大木先生から御指摘もございましたアーリントン墓地での防衛駐在官の配置等のプロトコル上の問題につきましては、これは一部報道等はございましたけれども、実際には先例に基づいて先例どおりの処置をとったということでございます。
#32
○大木浩君 先ほどちょっと聞き漏らしたんですが、世界じゅうに四十何名の防衛駐在官という話がありましたね。あれは、国によっては防衛庁のいわゆる内局から出ておられる方も含めての数ですか。
#33
○説明員(安藤隆春君) すべて制服の数字でございます。
 事務官が在外公館に出向する人数につきましては、現在三名派遣されております。
#34
○大木浩君 今、プロトコル上の話でアーリントンの話云々というのを一応伺いましたけれども、これも何か新聞記事ですか、そういう議論があったかどうか知りませんけれども、要するに天皇陛下は三軍の指揮官じゃないんだから防衛駐在官がそばにおるのはおかしいとか、それはちょっと議論が少し飛躍し過ぎなんで、要するに防衛駐在官であれほかの大使館の職員であれ、儀礼的なものに参画するというのはおのずから慣例もあるし常識もあるし、相手国の特に常識もあるわけですから、その辺はひとつ常識的にやっていただきたいと思うわけでございます。
 防衛駐在官の話ばっかりしておってもあれですが、今回、在外公館設置法でいろいろと公館のスクラップ・アンド・ビルドもあるようでございますけれども、こういうスクラップ・アンド・ビルドをすると、必ずスクラップの方からはそれで大丈夫かという議論が出てくるんですが、今度スクラップを、完全に廃止されるのはエンカルナシオンだけですか。
#35
○政府委員(池田維君) 今回領事館として廃止されますのはエンカルナシオンでございますが、他方そのエンカルナシオンにつきましては駐在官事務所という新しい形をとります。そういう意味で、全くなくなってしまうということではございませんで、実態上においては変わりのない措置をとりたいと思っているわけでございます。
 これは、当地の政府との関係、あるいは日系人社会との関係等におきましても、行政サービスの面では全く変わりのないようにしたいと思っておりますし、それから人員数におきましても、今まで二名の実員でやってきておりましたのをそのまま二名ということでやることになっておりまして、実態上は変更はございません。
#36
○大木浩君 あそこは在留邦人も非常に多いわけですし、いろいろと仕事はやっぱりあると思いますので、名前というか格といいますか、ちょっとスクラップ・アンド・ビルドせざるを得ないんで、そういうことになったことは理解しますけれども、どうぞひとつ実際の仕事の方はきちっと必要な行政サービスを含めてやっていただくということを希望として申し上げておきます。
 それから、今度在マケドニア旧ユーゴスラビア共和国の大使館が設置されるということなんで、ついでにといっては失礼ですけれども、お伺いしたいんですけれども、昔ユーゴスラビアは六共和国でしたよね、たしか。それで、その六共和国について、せっかく欧亜局長来ておられるんで、それぞれについて今どういうことになっているのか、ちょっと六つの御説明をいただきたいと思います。
#37
○政府委員(野村一成君) 旧ユーゴの各国、五カ国と申しますか、いわゆる新ユーゴ、これはセルビアの地域でございます。それからボスニア・ヘルツェゴビナと言われておるもの、それからマケドニア旧ユーゴスラビア共和国、それからスロベニア、クロアチアということかと思います。
 そのうち、我が国はスロベニア、クロアチア、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、この三カ国を国家承認いたしまして外交関係も開設いたしております。今般、このうちマケドニア旧ユーゴスラビア共和国につきまして、そこに兼轄ではございますけれども大使館を開設をお願いしている次第でございます。新ユーゴ、ボスニア・ヘルツェゴビナについては未承認でございます。
 以上が実態でございます。
#38
○大木浩君 ちょっと今おさらいさせていただきますけれども、クロアチア、スロベニア、それからマケドニアですか、これについては別個の、別個のというか、六つ共和国が分かれてしまって、それぞれについて大使館が設置されておる、こういうことですね。
 それから、モンテネグロはどうなっているんですか。
#39
○政府委員(野村一成君) モンテネグロにつきましては、いわゆる新ユーゴの中でとらえられておるというふうに理解しております。
#40
○大木浩君 そうすると、今一番がたがたしていますボスニア・ヘルツェゴビナについてはきちっとした法律関係というか外交関係はまだできてないというふうに理解していいですか。
#41
○政府委員(野村一成君) 国家として承認しておりませんので、御指摘のとおりでございます。
#42
○大木浩君 ありがとうございました。
 この旧ユーゴ六カ国、実は私も昔勤務しておりまして非常に愛着はあるんですけれども、非常に残念な状況になっていまして、それぞれの地域において状況が違うようでございますけれども、どうぞひとつ緻密な外交を展開していただきまして、ぜひとも早く平和があの地域に回復するように御努力を願いたいと思います。
 今、ヨーロッパにしろあるいはアジアにしろ、まだいろいろと地域紛争が続いておるわけなんで、私は外務省の在外公館の、情報の話は先ほどもお聞きしましたけれども、やっぱり情報通信というような意味での機能というのをもうちょっと強化しないとまだまだ足りないんじゃないか。事あるごとに外務省はどういう情報を持っているんだということをいつも聞かれている皆さん方はお困りの、お困りということはないけれどももっと強化したいという気持ちを持っておられると思うんですが、外務省のまず情報通信網、これは毎年私どもいつも予算のたびにそういう話が出てきて一生懸命やれと言っているし、予算がふえるように努力しているんですが、それはどのように努力をしておられるか、ちょっと概略をお知らせください。
#43
○政府委員(池田維君) ただいま大木先生から御指摘がございましたとおり、外務省といたしましては従来から本省、在外公館の間、それも平時のみならず緊急の有事の際にも対応できるように情報と通信機能の強化を行いたいということで努力してきたわけでございます。
 特に、昨年八月には外務省の局を、それまでの情報調査局という局を改組いたしまして、情報分析機能に特化する、それも特に情報の面に重点を置くということで現在国際情報局というものをつくりまして、それが新しく活動を始めている状況でございます。したがいまして、本省それから在外公館を含めまして、情報収集、分析能力の向上のために努力しているということでございます。
 それから、特に通信網の点でございますけれども、これは平時におきましてはできるだけいわゆる高度データ通信システムというものを拡大していきたいということで、専用回線であるとかあるいはテレックス等の通信手段を確保するように努力いたしております。それから、緊急時におきましては有事無線であるとかあるいはインマルサット等を使った形での情報収集に努めたいというように考えております。
 ただ、流動化して極めて外交についての有効な活動の必要性が高まっておりますときですから、私どもの活動が必ずしも十分であるということは考えておりません。ますます今後とも情報収集活動それから通信機能の強化等に努めていきたいというように考えております。
#44
○大木浩君 情報の収集というのは、いろんな必要な設備とか機械とかそういうものも整備しなきゃいかぬけれども、情報の専門家の養成というのはやっぱり必要じゃないかと思うんですね。私も昔外務省におりましたから、そのころのことを考えても、経済の専門家とか各国別の専門家というのはあるんですけれども、なかなか情報の専門家というのは本当に数少ないんじゃないかという気持ちを持っております。
 そういう人的な面においても、例えばみずからそういう人を訓練するなり教育するなりということ、それからもう一つは、外務省だけでやっていてもなかなかだめでしょうから、やっぱりよその省とかあるいは民間ともある程度知恵を交換し合ってそういう人を育てるというようなことを考える必要があると思うんですが、何かその辺について外務省の御見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
#45
○政府委員(池田維君) 私どもといたしましても、特にほかの省庁の方々あるいは民間の方々等の人材を集めまして外務省の機能強化のために努めたいと思っておりますし、特に情報収集の面でも遺漏なきを期したいと思っているわけでございますが、実際には他省庁あるいは民間との人事交流というのは相当進んでおりまして、現在外務省全員で四千六百余名でございますが、そのうち約八百名が他の省庁と民間から来ておられるという状況でございます。
#46
○大木浩君 よその省からも大いに来てもらっているというのはそれ自体別に悪いことじゃないんですが、私はやっぱりいろんな具体的な配置ということを考えますと、よその省から来られる方は一等書記官とか参事官とかそういうクラスの人が非常に多いと思いますが、昔はそれに対して伝馬船方式とかということでもっと若い人ももらってくるとかいろいろあったと思いますが、要するに、総じて言えば各公館の人間の配置というのが、参事官とか一等書記官という中堅クラスは全部よその人で外務省は電信と会計だけやっている、そういうような公館もあるんではないかと、まあだんだん改善はしておられると思いますが。
 だから、結局は外務省全体の定員、あるいは私は日本政府全体として外のことをやる人間というのは一体どれだけいるんだということを、何も外務省だけふやすということじゃなくて、最近はどこの役所だって国際局とか国際課というのがあるでしょう。現実には国際交渉だって、例えば米の交渉といえば農水省の審議官が出っ放しで第一線でやっているわけですから。それから、もちろんそういう人ばかりじゃなくて、現実にもういろんなところでやっているわけですから。
 これは政務次官にお願いしたいんですが、これは前から私申し上げているんですが、一遍各省で対外関係をやっている人間というのは一体どれぐらいおるんだ、それを全部ひっくるめて一体それでいいのか悪いのか、それを今度はどういうふうに配置するのか、それは在外公館を含めてですよ、そういうことを僕は考えてみるべきだと思うんですね。今の総定員法の枠内で幾らやってみてもなかなかふえないと思うんです。
 外務省、さっき四千何人とおっしゃいましたけれども、これはいつから何年かかって三千から四千になったか、その辺のふえ方をちょっと教えてください。
#47
○政府委員(平田米男君) 先生、外務省の定員が少ないんではないかという御指摘をいただきまして、まさに我が意を得たりという思いがいたしておるわけでございますが、ちなみに昭和六十二年に四千六十人でございました。それが徐々にふやしていただきまして、そのふえ方は大体八十名から九十名ぐらいずつ毎年ふやしていただきまして、特に平成四年からは百名を超える増をしていただきまして、本年度の予算、平成六年度の予算が成立をいたしますと四千七百六十二名ということになります。
 ただ、もう先生既に御承知かと思いますが、他の先進諸国に比べますとまだまだ非常に少ない状況にございまして、これは平成五年度末で比べまして他の国は大体、平成五年の十月の結果でございますが、米国が一万六千二百でございます。また英国が八千二百八十八、フランスが八千百十二、ドイツが七千三百十三、イタリアが五千八十六ということになっております。それに対して我が国は平成五年度末では四千六百三十六ということでございまして、どの国まで引き上げるのが適当なのかというのはまた今後御議論していただく必要があるかと思いますが、しかしこういう数字を見ましても、大変外交案件もふえておりますし、それから在外公館の数もさらにふやさざるを得ないという状況にもあるわけでございますので、やはり相当急速に定員をふやしていただく必要があるのではないか、このように思います。
 また、先生が他省の外交関係を担うような部局があるのではないか、それとの連携、調整をうまくやるべきではないかという御指摘はそのとおりだろうというふうに思います。既にもうそういう努力は当然やっておるわけでございますが、今後も御指摘をいただきましたので努めていきたい、努力をしていきたい、このように思っております。
#48
○大木浩君 今申し上げましたし、政務次官もそういう趣旨の御発言もあったんですが、要するに私は外務省だけふやせと言ったって、これはとてもなかなか、今だって総定員法の枠内で外務省が毎年八十名だとか百名近いというのは、よその省に比べたらこれはもう大盤振る舞いですね。とんでもない数だと。これはもうよその省の官房長なんて一人二人ふやすためにどれぐらい苦慮しておるかということを御存じかどうか知りませんけれども、そういう中で八十名もらっている。しかしそれでも足りないというのがこれは現実だと思うんです。
 ですから、全体として総定員法の見直しというのをどういう形で、まあ我々も前から議論しておりました。なかなか取り上げるに至りませんけれども、やっぱり今のように国際関係の仕事がふえてきたということになれば、そこのところをきちっと見詰めていかなきゃいけないと思うんです。これから羽田内閣がいつまで続くか知りませんけれども、我々も含めましてこれは与野党共通の問題だと思いますので、どうぞ政務次官もせっかく外務省へおいでになりましたので今後とも、仮に政務次官をいつかおやめになった後も、ひとつぜひともそういう点から御研究を願いたいと思うわけでございます。
 時間がほとんどありません、あと二、三分ですけれども、今の人間の話というのは数とともに質ということが必要だと思うんですね。今ちょうど欧亜局長座っておられて、あなたはロシア語の専門家ですよね。だから、旧ソ連がああいうことになりますと途端にロシア語の専門家が要ると。もっともロシア語ばかりじゃなくて、もっと難しい言葉の国もあるんですが、外務省の話学教育、そういう特殊語という言葉はありますか、とにかく英語とかフランス語とか一般的も言葉じゃなくて、外務省として語学教育についてどういう努力をしているかということを御説明いただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#49
○政府委員(池田維君) 外務省におきましては、特に語学の訓練あるいは研修ということの重要性をつとに認識いたしておりまして、制度として研修制度というものが始まったのはもう相当古いわけでございますけれども、今でも例えば上級職二十数名から三十名の者が、入省後一年後でございますけれども、在外に二年ないし三年間研修の期間を与えられるということになっております。これは、上級職につきましては七つの言葉でございます。
 それから、その他極めて多くの言葉、一般に特殊語と呼ばれておりますけれども、三十数カ国でございますけれども、これはそのときどきの必要性にもよりますし、定員の制約にもよるものですから毎年というわけではございません、年によって違いますけれども、例えばある年にはベトナム語の専門家を養成する、それから次の年はカンボジア語の専門家を養成するというような形でやっておりまして、この人たちも、これは今U種あるいは専門職と呼んでおりますけれども、大体外務省に入りまして一、二年後には同じように原則として二年間ずつそれぞれの地域で研修するということをやっておりまして、そういう意味での研修制度にはこれまでも力を入れてまいりましたし、今後とも同じように努力していきたいというように考えているわけでございます。
#50
○清水澄子君 旧ユーゴスラビアは、ボスニア・ヘルツェゴビナを初め今情勢が大変、いろいろ国際紛争、少数民族問題を抱えていろんな紛争が起きている地域であるわけですけれども、特にマケドニアの旧ユーゴスラビアもそうなんですね。そういう地域にマケドニア大使館を新設する理由というものをどのようにお考えでしょうか。
#51
○政府委員(野村一成君) 先生、今、旧ユーゴスラビアの事情、状況についてお尋ねございましたが、どうもややもすれば、私ども旧ユーゴの問題といいますと、ボスニア・ヘルツェゴビナの状態というのがマスコミあたりで非常に報じられております、実態として非常に深刻な問題でございますが、他方、やはりバルカン半島の南の方の今回設置をお願いしておりますマケドニア旧ユーゴスラビア共和国、あの地域、それから新ユーゴの中のいわゆるコソボと言われている地域でございますが、アルバニア人の少数民族問題というのがございまして、やはりそれが新たな紛争にならないようにするということがあわせて非常に重要なことであろうと認識しております。この場合に、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国は旧ユーゴの中でも一番貧しいところでございまして、この国がやはり政治的経済的に安定して発展していくということが重要であるというふうに、これは欧米各国あるいは我が国でも認識しているところでございます。
 したがいまして、そういう見地からもこの国との間に、兼轄ではございますけれども大使館をきちんと設置いたしまして関係の強化を図っていくということが全体として非常に時宜にかなった措置である、そういうふうに考えている次第でございます。
#52
○清水澄子君 マケドニア大使館は兼館というわけですけれども、この地域全体の大使館の設置状況、そしてお聞きになったと思うんですが各大使館の管轄関係、それをお聞かせください。
#53
○政府委員(野村一成君) 先ほども大木先生から御指摘がございましたが、旧ユーゴ地域をカバーするべく我が方の公館として現在設置されているのは二つございまして、一つは在オーストリア、ウィーンにございます大使館、もう一つは在ベオグラード大使館でございます。在オーストリア大使館の方はクロアチアそれからスロベニアを現在管轄いたしておりまして、今般、この法律改正が認められますとマケドニア旧ユーゴスラビア共和国につきましてもこの在オーストリア大使館で管轄していただこうと思っておる次第です。在ベオグラード大使館につきましては、今申しました三カ国を除く旧ユーゴ全体を管轄している、そういう考え方をとっております。
#54
○清水澄子君 一方、このエンカルナシオン領事館、これが廃止されるわけですけれども、その廃止された後の、ここには邦人移住者とか日系人がおりますね、そういう人々に対する領事業務はどのようになるわけですか。
#55
○政府委員(池田維君) エンカルナシオンにつきましては、領事館という形は終わりますけれども、かわりに駐在官事務所という形でこれまで領事館がやってきておりました業務内容あるいは行政サービス、特に日系人に対します領事面でのいろんな仕事につきましては実態として全く変わらないように措置をとりたいということを考えております。
#56
○清水澄子君 やっぱり万全を期すよう要望しておきたいと思います。
 次に、やはり先ほどから御質問ありましたけれども、日本は諸外国、海外から、核武装の能力、意思があるのではないかという非常に疑念が持たれていると思うんです。
 そこでお尋ねしたいんですけれども、茨城県の東海村での動力炉・核燃料開発事業団で、プルトニウム燃料工場で約七十キロのプルトニウムが残留していたという問題が発覚をしたんですけれども、その発覚というのが、アメリカ核管理研究所のレーベンソール所長がそのことを米国務長官あての書簡の中で明らかにしている。なぜそれがアメリカの方で発覚ができたのか、そういうプルトニウムが七十キロも残留していたという情報はどういう経路を経てアメリカのレーベンソール所長のもとに行ったのかということをお聞きしたいんです。同時に、そしてそれがどういう意味を持って米国務長官に報告されたのか。それをちょっとお聞かせください。
#57
○政府委員(平田米男君) お答えいたしますが、まず動力炉・核燃料開発事業団が東海村に所有しておるプルトニウム燃料第三開発室におきまして約七十キログラムのプルトニウムが滞留をしているということは事実でございます。
 この情報がレーベンソール所長にどのような経緯で伝わったのかという点につきましては、レーベンソール所長自身が情報の収集、入手経路を明らかにしておいでになりませんので私どもといたしましては承知していない状況にございます。まだわからない状況にございます。
 それで、この問題につきましては、プルトニウムが不明になったということではございませんで、施設の工程内に滞留をしていたということでございます。したがいまして、完全なIAEAの保障措置のもとにあるということでございまして、この趣旨はIAEAも明らかにしているところでございます。また、このプルトニウムの回収等によりまして低減をしていく、そういう計画につきましては、六月六日に我が国とIAEAとの意見が一致をいたしております。
 そういうことで、我が国といたしましては、いろんな機会をとらえまして米国だけではなくて関係各国にこのような状況を説明し、またプレス等を通じて伝えておるところでございまして、今後もそのような努力をしていきたいと考えております。
#58
○清水澄子君 余り不要なことは、聞いていることだけ答えてください。
 だけど、どこから入手したかわからないという物すごい不思議なことがありますね。日本の科学技術庁は、自分たちはすべて情報は管理されていると言うし、そして日本はIAEAの査察を厳重に受けているんだと言いながら、日本ではそのことがはっきりわからなかった。ところが、アメリカではその情報が入って、しかもすべての工場閉鎖までも求めるそういう書簡がクリストファー国務長官に送られているというこの事実を外務省はどう受けとめているのかなということが私は聞きたかったんです。
 ということは、やはりアメリカ側は日本に対して一連のやっぱり核武装の能力とか意思を持とうとしているんじゃないかという疑念を持っているのではないだろうか。そういうところを私は非常に、それがなければこういう問題は起きないんじゃないかと思っているんです。
 そのところで、では政府はアメリカ政府にどのように説明されているんですか、この疑問、疑惑を持たれていることについて。端的に答えてください。
#59
○政府委員(平田米男君) 先ほども御説明をいたしましたが、この事実経過について詳しく説明をいたしておるところでございまして、米国もまたIAEAも我が国の説明を了解しているわけでございます。
#60
○清水澄子君 では、もう完全に了解されているわけですね。
#61
○政府委員(平田米男君) はい。
#62
○清水澄子君 そういう状況のもとで、先ほどもお話がありましたけれども、いわゆる国際司法裁判所に対してもっと日本は独自の陳述書が出せたはずですけれども、核兵器の使用は国際法上必ずしも違反でないという問題を出された上に、羽田首相は日本は核武装をする能力があるという、ここまで発言をされますと、それはますます、私たちもちょっと非常に疑問が起きます。
 というのは、先ほどから日本は非核三原則を持ってますとか、日本は原子力基本法で原子力利用は平和目的に限定しているんですと私たちに幾らおっしゃっても、外務省自身が国際的にそういう疑念を持たれるような陳述書を出されたり総理がそういう発言をされるということになると、原子力基本法の理念に立ては総理はそんな発言はできないんじゃないでしょうか、普通ならば、それが本当に日本の確固たる方針であれば。
 ですから、そういう点でこの問題について内外に納得できるような訴えをしていくべきだと思います。物すごい疑惑を持たれていると思いますけれども、そういう意味でどのような処置をされていらっしゃいますか。
#63
○政府委員(平田米男君) 我が国が非核三原則を堅持している、またNPTあるいは原子力基本法等によりまして平和目的に原子力利用は限定をしているということはもう明らかでございまして、しかもIAEAのフルスコープ措置によりまして厳格な査察を受けているわけでございます。したがいまして、こういう事実から我が国が疑惑を持たれるようなことがないと私どもは信じております。と同時に、あらゆる機会を通して我が国の非核三原則等々の考え方をいろいろな関係方面に伝える努力をいたしております。
 例えば、本年二月十一日に細川前総理が米国のジョージタウン大学で演説をされたときも、我が国が核武装をすることはあり得ないということを明確に述べ、アメリカ国民に明らかにしているところでございますし、また外交青書や防衛白書の英語版等々、政府の刊行物を通じて我が国の非核政策を国際社会に理解を深めるように刊行しているところでございます。
 また、私自身も、先ほども国連軍縮会議、広島で行われたときのあいさつで述べましたと御報告をいたしましたが、それ以外にも毎日のように海外のお客様がおいでになるわけでございますが、お会いするごとにそのような考え方をお伝えをしているところでございまして、あらゆる機会を通してそのような意思を表明しているということを御理解いただきたいと思います。
#64
○清水澄子君 理解するじゃなくて、現実にそういう疑惑が起きているということに対して、むしろもっと積極的に私たち日本の政府がそういう疑惑を取り除く必要があると思って申し上げているわけです。
 ですから、もう一度確認しますけれども、では非核三原則は単なる政策ではなくて、憲法に匹敵する普遍の原理と見てよろしいですか。これは国是というふうな確信をお持ちになっていますか。
#65
○政府委員(平田米男君) 我が国は唯一の被爆国として非核三原則を堅持していく、このように考えております。
#66
○清水澄子君 それでは最後に、沖縄への核兵器持ち込み密約という問題が報道をされているわけですね。佐藤・ニクソン日米両首脳が、有事のときには沖縄に核を持ち込むということで密約が交わされていた、こういう報道がなされておりますね。そのことについてですけれども、これは当時も、一九七八年の三月の予算委員会でもこの問題が取り上げられておりましたけれども、政府はこれはその都度それはそういうことはないと否定をしておられました。しかし今回、北朝鮮の核疑惑をめぐる問題が起きているときに、この情報といいますか、その当時のキッシンジャー大使と直接交渉された佐藤首相の特使である若衆敬氏がこの問題を明らかにされているわけですね。
 ですから、それは何らかの、今有事体制のときとの、何かそこに一つの連携があるんじゃないかと思いますが、そのことは今さておきまして、ずっと沖縄の基地の現状は復帰後も変わっていないわけですね。そういう中で、政府は国民に対してだけでなくて、日本の周辺諸国に対して納得いく形で沖縄への核兵器持ち込み密約を否定するという、そういう材料を示していただきたいと思うんです。
 ですから、沖縄返還交渉の全文書を公開するとか、それから沖縄の米軍基地に核兵器を扱う施設はないんだと立証する、そういう説明を公開をしていただけるかどうか、一言でお答えください。
#67
○政府委員(平田米男君) この点につきましては、従来から密約はないということは政府が明確に申し上げているとおりでございまして、密約の当事者とされております佐藤元総理自身を含む歴代の総理大臣、また外務大臣が密約の存在は明確に否定をしておるわけでございまして、ぜひ御理解をいただきたい、このように思います。
#68
○清水澄子君 終わります。
#69
○大脇雅子君 今回の在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に関しましては、私は、現在の国際情勢の中における日本の仕事をするために非常に重要なことだと認識しております。
 一点お尋ねいたしたいのは、在マケドニアの日本大使館が新設されるについて、これが在オーストリア大使館が兼務するということでございますが、例えばECとかEUに関するいわば用務というのはどこが所管をするんでしょうか。先回、私がCSCEの調査に参り良したときに、余りにも在オーストリア大使館の人たちの仕事がハードだということを見聞きしたものですから、ちょっと一点お尋ねをいたしたいと思います。
#70
○政府委員(野村一成君) 今、EUにつきましては、これは私どもブラッセルに代表部がございますので、そちらの方で所要の任務をやっております。
 今、オーストリア大使館の確かに厳しい事情、特に今回マケドニア旧ユーゴスラビア共和国が加わりますと旧ユーゴ地域だけでも三カ国を兼轄するということでございます。これはまことに御指摘のとおりでございまして、それに伴う所要の人員の増加等考えていかなければならないというふうに思っておる次第でございます。
#71
○大脇雅子君 ぜひそんなお手配をお願いいたしたいと思います。
 つきましては、私は、今回六月の七日から十一日までインドネシアのジャカルタで行われました女性と開発に関する事務レベル高官会議と、六月の十三、十四に行われました開発と女性に関する閣僚会議をNGOとして傍聴をしてまいりました。そこにおきます日本の代表団は國方人権難民課長を初めといたしまして構成されていたわけで、とりわけ國方人権難民課長、それを支えたスタッフ、それからESCAPのスタッフの昼夜に徹した仕事ぶりを拝見いたしまして、非常に感銘を受けたものであります。非常に御苦労さまでございました。その中で私が痛感いたしました点を二、三御質問いたしたいと思っております。
 七日から十一日にかけて、事務レベルの高官会議におきまして、ESCAPの事務局が用意いたしましたジャカルタ宣言とそれからプラン・オブ・アクション、いわゆる行動計画というものが策定されました。これは来年の北京会議に向けまして、アジア・太平洋地域の女性のいわゆる行動計画を策定する仕事であったわけです。その中で、日本の代表団の方たちがその原案に対して幾つかの修正を申し入れられたわけであります。
 今私が御質問したいのは、原案に対して日本側が提案した修正、そしてなぜそういう修正をするに至ったか、その理由その経過と結果について御説明をいただきたいと思います。
#72
○説明員(國方俊男君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘がございましたように、六月の七日から十四日まで、ジャカルタにおきまして国連アジア・太平洋経済社会委員会ESCAPの主催によります開発と女性に関する第二回アジア・太平洋閣僚会議並びに高級事務レベル会合が開催されまして、女性の地位向上に関しましてアジア・太平洋行動計画というものが採択されたわけでございます。
 この行動計画におきましては、一九八五年の国連婦人の十年、ナイロビ世界会議におきまして採択されました婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略のアジア・太平洋地域におきます達成を促進することを目的といたしまして、アジア・太平洋地域の女性の地位向上のために各国政府がとるべき行動の指針をまとめたものでございます。
 先生御指摘のように、この行動計画の内容の一部には、武力紛争及び戦時下における組織的な婦女暴行を非難し、このような犯罪の加害者に対する処罰要求を支持するよう各国政府に求めるという内容が盛り込まれておりますが、この行動計画の審議が行われた際に、このような処罰要求が過去の特定のケースに適用されることを目的として挿入されたものであれば我が方としては受け入れることは難しい、こういう発言をした経緯があるのは事実でございます。
 しかしながら、私どもといたしましては、当該箇所が過去の特定の問題に言及することを念頭に置いたものではないということにつきまして、広く参加国の理解が得られたと認識しております。したがいまして、この箇所を含めまして行動計画全体を支持している次第でございます。
 なお、先生の方から原案にこういった文言があったというふうな御指摘があったかと思いますが、これは原案に対しまして各国がもろもろのコメントをいたしまして、そのコメントを踏まえた改定版が出され、その中に私が御説明申し上げた箇所があったという、そういった経緯でございます。
#73
○大脇雅子君 日本が過去のものを、特定的な責任を負うことになることとすれば非常に問題だということでいろいろと議論があったわけですが、この場合に八カ国か何かが反対しましたよね、日本のそういう申し入れに対して。その国はどことどことどこの国だったでしょうか、御記憶でしょうか。
#74
○説明員(國方俊男君) 突然のお尋ねでございますので、私の記憶をたどりながら申し上げますが、私どもが発言をいたしましたのは、その箇所を過去の特定の問題のみに結びつけることは、現在アジア・太平洋地域の女性が置かれている状況を改善してその地位向上を図っていくための方策を検討するというこの国際会議の趣旨にそぐわないものである、こういう認識から先ほど申し上げたような説明を行ったものでございまして、武力紛争及び戦時下におきます組織的な婦女暴行を非難するという当該箇所の趣旨そのものについて反対したものではない。したがって、基本的にはこの箇所を含めて行動計画全体を支持しておるということでございます。
 なお、反対いたしました国、まず北朝鮮が反対したということは記憶しております。ほかの国につきましては、過去の問題に触れることなく、例えばボスニアでございますとかあるいはルワンダでございますとか、そういった現在の状況に言及しながら、フィリピン、韓国、そういった国が当該箇所の維持を主張したと記憶しております。そのほかの国につきましては、申しわけございません、ちょっと記憶が定かでございません。
#75
○大脇雅子君 過去に特定をしないといっても未来のみに言及したわけではなくて、過去及び現在、未来、すべてを含んで、戦時下におけるシステマチックなレイプ、組織的なそういうレイプに対して、いわば処罰も含めた処置を政府がとるということに全体の参加国がコンセンサスを得たのではないかと思いますが、それは間違いないでしょうね。
#76
○説明員(國方俊男君) 先ほどちょっと御説明申し上げましたように、現在アジア・太平洋地域の女性が置かれております状況を改善するためにESCAPの各国として何ができるかということを検討する会議でございまして、特定の過去の問題に結びつけるということは適当ではないのではないかという発言をいたしまして、その点につきまして私ども関係各国の理解を得られたという認識でございます。
#77
○大脇雅子君 関係各国の認識を得られたというのはどういうことですか。私も傍聴していたわけですけれども、過去もすべてを含めてそういった措置を各国がとるんだということがいわゆる全体のコンセンサスであって、審議の過程ではノーチエンジで日本も発言なくパスしたわけですから、何の制約もその文言にはついてないんじゃないんですか。
#78
○説明員(國方俊男君) 私どもといたしましては、過去の特定の問題にのみ結びつけるのは適当ではないという私の発言に対しまして特に異論はなかったということをもちまして、各国からのそういった私どもの立場に対します理解が得られたというふうに考えておる次第でございます。
#79
○大脇雅子君 そうすると、あの文言自体にもう何の留保も日本政府としてはしなかったということでよろしゅうございますね。
#80
○説明員(國方俊男君) 私ども、一切の留保はせずに、最終的な案文に、コンセンサスに参加しております。
#81
○大脇雅子君 そのほかに何点か修正をされたと思うんですが、プロポーザルをされたと思うんですが、時間がありませんので、一応項目と、どういうプロポーザルであって、その結果がどうなったかということをちょっと述べていただけますか。
 例えばマイクラントワーカー、移民労働者についてとか、メディアについてとか、あるいはODAの分配についてとか、さまざまな形で発言をなさったと思うんですけれども、その点について御説明してください。
#82
○説明員(國方俊男君) 最終的に採択されました行動計画の中身は大変多岐にわたっております。項目だけを申し上げましても、貧困の緩和、経済活動への女性の参画促進、環境分野における女性の役割、政策決定プロセスヘの女性の参加、女性の人権の侵害、教育及び非識字、メディアにおける女性像、女性の地位向上推進のためのメカニズム、私ども幾つか発言をいたしましたけれども、個々の点につきましては必ずしも私直接所掌ではございませんので、かつ非常に幅広い分野をカバーしておることでございますので、ちょっとこの機会にお答えするよりも、むしろ後刻御説明をいたしたいと思います。
#83
○大脇雅子君 それでは私も出ておりましたので、その点についてまたお話し合いをさせてたいだきたいと思います。
 今回の代表団の組み方でございますけれども、北京会議に向けて国内ではどこが一つの統括官庁かということをも含めますと、総理府の婦人問題担当室というのが国内的に北京会議に向けてのあらゆる作業をしていると思うわけですけれども、今回そこの室長などが当然に代表団としてそれなりのポジションを占めて北京会議に行かれるのかというふうに私どもは思ったわけですが、外務省が全部統括して、そして発言など聞いておりますと、何か省庁間の利益みたいなものがそのまま国際会議で出ているような印象を受けたものですから、そういう国際会議における代表団の組み方に何かルールみたいなものはあるんでしょうか。
#84
○説明員(國方俊男君) 私ども外務省といたしましては、この会議が女性の地位向上に関する会議であることを踏まえまして、国内の婦人問題を担当しておられます関係省庁からしかるべきレベルで女性の出席を得る形で代表団を構成することを検討しておったわけでございますが、諸般の事情によりまして国内関係者の出席が思うように得られない結果となってしまったわけでございます。このことは、私どもといたしましても大変残念に思っております。
 今回の経験、それからただいま先生からの御指摘を踏まえまして、明年の世界婦人会議の際の代表団の構成につきましては、国内関係省庁からしかるべきレベルで女性の参加を得られるよう、今後関係省庁と鋭意協議をしてまいりたい、かように考えております。
#85
○大脇雅子君 いつも国際会議に参りますと痛感するわけですけれども、他の国では政府とNGOの代表、そして議員たちが本当に相互交流をしながらその国のために、その国の理想を語り上げるような形で国際会議に参加しているわけですけれども、日本の場合はそういう現地におけるNGOに参加した活動家との交流とか、あるいは議員はこれは私一人であったわけですけれども、そういういわば一つの制度的など言うと大げさですが、そういった一つのルールというものが全くないということをこれまでの国際会議でも痛感したものですから、それは日本がせっかくお金を本当にたくさん出しておきながら、日本の顔が国際会議で見えないというような結果になっているということを十分お伝えしたいと私は思っておりまして、外務省においてもこれからの国際会議すべてにおいて、そうしたNGOとそれから議員の特別なプラットホームみたいなものをきっちりとルールの中に確立をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#86
○橋本敦君 去る二十日の当委員会で我が党の立木議員が、被爆国としての我が国としては国連での核兵器の使用禁止決議には賛成する方向で努力すべきではないかという質問をいたしまして、柿澤外務大臣は立木議員の言う方向で努力したいと、こういう御答弁をなさっておるんですが、そういう方向でぜひ努力していただくように、政務次官としても御尽力をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#87
○政府委員(平田米男君) 先生おっしゃる方向で私も努力をしていきたいと思っております。
#88
○橋本敦君 我々日本の被爆体験というのは、実際核兵器を廃絶していく大事な世界的課題から見て、この状態を世界に訴えていくということが非常に大事な課題になっていると思うわけです。その点で広島の原爆ドームあるいは長崎の原爆遺跡、これを世界遺産条約での世界の遺産としてリストに登録をするということが非常に大事ではないかというように考えておりますが、この問題については政府も御承知のとおりに、日本を含む参加国のすべてが全会一致で採択をいたしました第一回の軍縮特別総会で採択された最終文書で、軍縮のための世界の世論の動員、そのために特別の処置を講ずるべきである、こういったことが確認をされておりまして、その中には視聴覚資料を含むそういった資料の配布や整備も言及をされておるわけでありますが、この考えから見ても、原爆ドームを世界遺産のリストに登録するということはこれは貴重な世界的な運動の一つではないかと思うんです。
 この点について、六月七日、新聞でも報道されましたが、羽田首相は七日午前の閣僚懇談会で、世界遺産リストに広島市の原爆ドームを登録するためにユネスコヘの推薦を検討するよう熊谷官房長官に指示された、こうあります。これは石田総務庁長官がそのときの閣僚懇談会で、日本は唯一の被爆国としての立場で世界にアピールしなければならないということで御意見を述べて、その方向への努力をおっしゃっている状況でございますが、これを具体的にぜひ進めてほしい、
   〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕
外務省としても全力を挙げてほしい、こう思うんですが、政務次官いかがでしょうか。
#89
○政府委員(平田米男君) 広島の原爆ドームを世界遺産の一覧表に記載をしてほしいというお話でございます。
 私は、日本は唯一の被爆国でございまして、その被爆の象徴である原爆ドームが世界遺産となるということは、ひとり日本のみならず世界人類のために大変有意義なことではないかというふうに考えております。そういう意味で総理を初め積極的な意見表明をしておいでになるわけでございまして、私どもも努力をしていく決意でございます。
 ただ、種々の課題があるということを承知いたしておりますので、関係省庁と前向きによく検討をしていきたい、このように考えております。
#90
○橋本敦君 今お答えいただきましたように前向きの方向で検討していただくとして、いろいろ検討事項があるというお話でございました。ですから政府部内でもその点詰めていただきたいんですが、文教委員会でもこの問題は議論がございました。文教委員長も、ぜひこの点の促進をするために、委員会としても広島の原爆ドームの視察と関係者との懇談のために広島へ赴こう、そういったことも検討しようとおっしゃっていただいているぐらいであります。
   〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
 問題は、文化庁の方がこの広島原爆ドームを文化財に指定をしていないということがユネスコヘの推薦を出していく一つのネックになっているという話があるんですね。なぜこれが文化財に指定できないかというと、これはまだ戦後わずか、文化庁はわずかと言うんですが、五十年ばかりなものですから、そういう意味で直近のものは歴史的評価が決まっていないということがあって、文化財指定は大体七、八十年から百年以上と、こういったことで検討してきているということを言っているんですね、これは文教委員会で。文教委員会で多くの各党の皆さんの意見もそれはおかしいじゃないかと、六、七十年先でないと歴史的評価は決まらない、こう言っているけれども、原爆のまさに被害を受けた原爆ドームそのものの存在そのこと自体が歴史的意味を持っているじゃないかと、六、七十年も先にならないと歴史的評価は決まらないなんて言っているうちにそれが十分保存されずについえてしまう、世界の人々の目から見えなくなる、こうなったらかえって重大な責任ではないかという議論もされたんですね。そういった経過もありますので、政府部内でぜひ前向きにこれから検討を進めていただきたいんです。
 今おっしゃった政府部内での前向きの検討という手続の中には、今私が指摘をした文化財に指定することも含めて、あるいはその指定をしなくても推薦をするという手続にのせられるかどうか、こういったことも含めて前向きにぜひ検討してほしいと思うんですが、重ねて御意見を伺いたいと思います。
#91
○政府委員(平田米男君) 私の考えは先ほど申し上げたとおりでございます。ただ、先生御指摘のとおり種々の課題がございますので、これをいかに克服していくかということを努力をしていきたいと思っております。
#92
○橋本敦君 今、次官がおっしゃった種々の課題というのは、私が指摘した文化庁の言っている問題も一つはあると思いますが、それ以外にも難しい問題はそんなにあるんでしょうか。
#93
○説明員(中本孝君) 確かに先生おっしゃられるように、これ大変な、文化財という意味では戦後五十年たってこれから考えていかなきゃいけないということでございまして、ただ御承知のように、まずとりあえずは国内手続といいますか、先生おっしゃったような専門家といいますか、文化財保護審議会というところを経て、その審査結果を待って外務省としてもまた動くわけでございますけれども、やはりその保護審議会で一体今までの文化財保護法のもとにおける対象物であるかどうかということをまず審議するということでございます。
 それには一体どんなものが、先生おっしゃったように五十年よりもっと前じゃなきゃいかぬとか五十年未満でもいいのかとかという点を含めて、いろいろやはり対象物はかなり限定せざるを得ない状況にあるものですから、そこら辺の対象をどの程度まで広げるかということで、一度少なくとも国内の文化財保護審議会の討論をちょっと待つというところが現状だと思います。
#94
○橋本敦君 わかりました。
 それで、その審議会の討論を待つのも結構ですが、政府の姿勢が問題なんです。その審議会にどういう姿勢で出すかということがこれは非常に大事なんですよ。いろいろな歴史資料がありますけれども、まさに広島原爆ドーム、これは唯一それ自体存在をしておる、他に比べようのない特殊の存在でもあるわけです。言ってみれば希有の存在でもある。そういった特殊性を考慮して、今までの文化財指定の一般概念にのみ当たるか当たらないかだけ検討するんじゃこれは事足りないと思うんです。
 それで、来年は言うまでもありませんけれども終戦五十年を迎える歴史的なときを我々は迎えようとしているわけで、世界に向かって平和をアピールする、核廃絶をアピールするというそういう立場に立って、来年の終戦五十年、この時期を契機にしてぜひこのことをプロモートして進めていかねばならない。またそういうような問題だからこそ総理も検討をするようにということで熊谷官房長官に指示をされたと思うんです。だから、官房長官がその指示をお受けになって、今あなたがおっしゃったようなことも含めて政府としてぜひこれを実現する方向で、審議会にかけるのも結構ですが、政府全体としてぜひ取り組んでいくように、外務省も力を入れてそういった方向で今後の手続を努力して進めていってもらいたいということを強く希望いたしますが、いかがですか。
#95
○説明員(中本孝君) この点につきましては、先ほど政務次官も御答弁いただきましたように積極的に取り組んでいきたいというつもりで我々も今進めておりまして、文化庁とも毎日連絡とりながら、今後国内での問題、それから我々としましては今度は対外的なプロセスの問題がございますので、その辺どういうところに問題があるかを今詰めているところでございます。
#96
○橋本敦君 今言った方向で外務省も先頭に立って政府部内の調整その他前向きの方向で努力していただくということでございますから、そのことを期待してきょうはこれで終わります。
 ありがとうございました。
#97
○椎名素夫君 きょうの在外公館の法案ですが、三つ新しいのをつくってそれでパラグアイのエンカルナシオン領事館を廃止する、こういう話ですね。廃止してしまって困らないのかということについては、人員を同じものを残してサービス、機能、全く同じであります、こういうことでそれ自身結構なんですが、全く同じならなぜ廃止ということにしなきゃいかぬのですかね。
#98
○政府委員(池田維君) お答えを申し上げます。
 在外公館全般の外交機能の強化ということで私ども拡充充実ということを図ってまいっているわけでございますが、同時に厳格にスクラップ・アンド・ビルドの原則を適用するわけではございませんけれども、やはり全体としての見直しというものも常時やってきております。
 このエンカルナシオンにつきましては、実は七〇年代にできまして、それ以降若干行政面で仕事量自体が低減傾向にある。例えばビザの発給量であるとかあるいはパスポートの発行量、そういうものも少し落ちておりますし、それから実際には実員二名でやっておりますけれども、領事館の規模からいいますと一番小さい規模であって、エンカルナシオンにはアルゼンチンとブラジルの総領事館があるだけということで、在外の活動としてもやや小さいものであるということもございました。
 そういうことで、全体の見直しということの一環として、決してスクラップ・アンド・ビルドの原則を機械的に適用した結果ではございませんけれども、ここについては今回駐在官事務所にしようということにしたわけでございます。
#99
○椎名素夫君 つまり看板をかけかえるということなんですね。今スクラップ・アンド・ビルドを機械的に適用したわけではないとおっしゃるけれども、結局それがあるからこそ看板もかけかえなきゃいかぬということなんでしょう。
#100
○政府委員(池田維君) 在外公館の設置あるいは廃止ということを考えますと、例えば旧ソ連邦の後で幾つかの国に分かれましたときに、三つの新しい公館を設置いたしましたときには特に廃止ということは行っておりません。それから廃止というのは、長いこれまでの在外公館のあり方から見ましても、カナダのウィニペグの総領事館の廃止とそれからナホトカ総領事館の廃止、これはウラジオストクに実態的に事実上仕事が吸収されるという意味で、二つだけ実は最近の例としてあるぐらいでございまして、それに比べますとやはり増館ということが一般的でございます。
 したがいまして、そういった意味で原則を必ずしも機械的に適用してないわけでございますが、事実上、今、椎名先生が御指摘になられましたように、領事館というものから看板をかえて駐在官事務所にするということにしたわけでございます。
#101
○椎名素夫君 このごろ世界は大変動いて、国の数がふえたりそれぞれの地域の様子が変わったりしておりますね。今度はこの三つですが、まだまだ恐らく在外公館を増設しなきゃいかぬという必要があると思われる場所というのは幾つかあると思うんですが、いわばウェーティングサークルにいる、欲しいなと思う在外公館の数というのはどのぐらいでしょうか。
#102
○政府委員(池田維君) 外務省で毎年、それぞれの担当の地域局にどこに増館を希望するかということでリストを提出させて、中では検討はいたしておりますけれども、一つの局で一カ所か二カ所ぐらいございますので、全体として通常毎年十ぐらいの公館についての増設の希望は出ております。その中で優先順位をつけまして、本当に必要なものを一つ二つに絞って政府全体でそれを要求するという形にいたしております。
#103
○椎名素夫君 各局からことしぜひというのを出せということで十出てくるんですか。各局で考えるときに優先度をつけて出てきたのが十で、その中から優先度をつけてまた政府に出すということですか。そうすると、もっと実際は多いわけですね。
#104
○政府委員(池田維君) そのとおりでございます。まず、各局の中で優先度をどう決めるかということに絞りまして、それからまた、今度集まりましたものの中でどういうように絞るかということを省全体として優先順位をつける。そして、その結果を一つとか二つに絞るというのが通常でございます。
 もちろん外務省としましては、できるだけ多く、必要性に基づきまして増設をお願いしたいと思いますけれども、やはりおのずから一定の人員、あるいは予算上の制約もありますので、常に一方的に増設だけというわけにはまいりませんので、そこのところは見直しも十分にやりながら、しかしどうしても必要なものについては認めてもらうという形でやってきております。
#105
○椎名素夫君 本当は欲しいというのを全部持ち出すと、外務省何言っているんだという話になってしまうから余り言えないんでしょうけれども、どうでしょう、政務次官は、本当はという数を御存じですか。
#106
○政府委員(平田米男君) 先生御指摘のとおり、新しい国もどんどんふえておりますし、また兼館にしているところもございます。それは極端に言えば、すべて実館にするというようなことも一つの考え方なのかもしれませんが、しかし建物だけ建てても、あるいは法律上つくっても、やっぱり外交というのは人が行うものでございまして、それに対応して人材を養成していかなければならないということが一つの問題ではないかなというふうに思っております。
 おかげさまで皆様の御協力をいただきまして、百名を超える増員をここ最近していただいておるわけでございますが、その人員増加、人材の育成を見ながら在外公館の充実を図っていきたい、このように考えております。
#107
○椎名素夫君 まさにおっしゃったとおうで、人間がいなくて看板をかけた建物だけあってもしょうがないんです。
 そこで、人員の話ですけれども、大分前から少なくとも五千人体制というようなことで一生懸命努力をしておられますが、いまだに四千六百幾らにしか達しない。確かにほかの省庁に比べれば優遇されている。あるいは総務庁あたりはもう大盤振る舞いだというようなことを言っているようですけれども、しかし、このペースでやっていて一体いいのでしょうか。そのあたり、実感として政務次官、どういうふうにお考えになりますか。
#108
○政府委員(平田米男君) 先ほども数字を挙げて申し上げましたが、米国が一万六千人、それからイギリスが八千二百八十八名、それからフランスが八千百十二名、ドイツが七千三百十三名、イタリアが五千八十六名、これは平成五年十月の時点での数でございますが、諸外国に比べますと我が国の状況は、平成六年度の予算が成立をいたしまして四千七百六十二名ということになります。
 今般は、百五十名の増員ということでお願いをしているところでございますが、今まで九十名前後の増員が平成三年まで続いておったわけでございますが、平成三年の十二月に、外交強化懇談会におきまして、速やかに千人程度を目標に増員すべしという提言をいただきまして、それ以後、百名を超える増員を毎年行っていただいておりまして徐々にふえているところであるかというふうに思いますが、やはり先生御指摘いただいているように、さらにもう少し急激な増員が必要なのではないかと思います。
 ただ、また人数だけでも恐らくいろんな問題点が出てくるんだろうと思います。質的向上ということも御指摘もいただいておりますので、質量ともに充実をした体制をいち早く築いていきたい、このように思っています。
#109
○椎名素夫君 外国との比較は伺いましたけれども、日本の外務省の人員というのは、たしか私の知識では占領時代にどかんと一回下がっているんじゃないでしょうか。時系列に見ていって今、戦前のいつごろと同じぐらいなんですか、この四千六百人か七百人というのは。
#110
○政府委員(池田維君) 細かい数字が手元にございませんので、正確にお答えすることができないわけでございますが、後ほど調べまして御報告いたしますが、一般的な印象として申しますと、ただいま先生御指摘になられたとおりでございまして、戦後の、それも占領期に外交の必要性というものが一時非常に少なくなったという時期がございまして、そこが一つの出発点になって少しずつ上がってきたというところではないかと思います。したがいまして、出発点そのものがかなり低かったということもございますし、ある段階で各省庁間の横並びという議論が出ましたときには、もともとの出発点が低いわけですから、そういう意味でやや低いものに抑えられてきたという現状はあったかと思います。
 ただ、幸いなことは、ただいま政務次官からも御指摘がございましたが、平成三年度に外交強化懇談会ができまして、いずれにしても速やかに一千人程度の増員をすべきだということがございましたし、同じ年に第三次の行革審の第一次答申というものも同じようなラインで貫かれておりまして、そういう意味で、国内の官庁と比較すると必ずしも横並び的に扱うということではなくて、やはり外交の必要性と効率性に応じて考えるべきだという意見が強まってまいりまして、この数年間は少しずつ着実に伸ばしていただいているということでございまして、この趨勢が続いていけば私どもとしては間もなくイタリア並みになると思いますし、さらにほかの主要国に比べましても余り遜色のないところへくるのではないかというように期待はいたしております。ただ、全体として、今申し上げたように、まだまだ十分でないという状況でございます。
#111
○椎名素夫君 永久に伸ばし続ければいいというようなことを言っているわけじゃないんですが、とにかく例えば野球をやるには九人いないと野球にならぬというような感じからいいますと、何かセンターがいないとかというような感じがどうもあちこち見ているとつきまとっているような気がするんですね。私は、民間企業を経営してきた経験があるんですが、ある程度以上人間が足りないとがくっと能率は下がるんですよね。大変に外務省は謙虚であって、このぐらいふやしていただければありがたいありがたいと皆さんおっしゃるけれども、外務省は私的団体で勝手にお仕事をやってというんではなしに我々にとって大事な仕事をやっていただいているので、もう少し欲を出していただいていいんじ辛ないかという気がするんです。
 例えば、あの占領時代から見ても戦後を見ても、国の数はふえるし人の往来はふえるし、事務量というのは物すごい勢いで増加しているというふうに思いますし、その上に情報の収集であるとか分析であるとか、その他これから、特に最近ですが、あちこちで騒動が起こったときに緊急時にどうするかという対応の問題とか、仕事は恐らく国内官庁の同じ時期の事務量の増加に比して非常に大きいんじゃないかという気がするんですね。
 私も自民党におりましたときに随分そのあたり、総定員法、何か例外的な扱いでとにかく必要なところまでまず持ち上げてそしてあとはしっかりやってもらうというようなことを考えながら諸先生方と一緒にやってきたんですが、やっぱりなかなか壁が厚いということもありますし、人員だけの問題じゃないものですから、金の問題がかかわってくるものですから、余り人員だけ一生懸命やってもほかの予算に差し支えるというようなところで、途中でまあこのぐらいでことしは結構ですというようなことがやっぱり起こるんですよ。
 ですから、これは官僚の諸君を余り責めても気の毒なところがあるんですが、こういうことにこそ大臣、政務次官、下の方々の謙虚さに甘えずにこれだけが仕事だと、外交の方はしっかりした人たちにやってもらって中で頑張るというぐらいの覚悟でぜひやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#112
○政府委員(平田米男君) 先生御指摘の点は、私もこういう外務政務次官を拝命する以前からいろいろ認識をいたしておりまして、日本の財政の硬直化に端を発していろいろなところにひずみが出ているというふうに思っております。その一つが先生御指摘のことなのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、それは政治家がきちっと正していかなければならない、政治家である大臣、政務次官頑張れという御指摘、私も全くそのとおりだと思いますので、誠心誠意努力をしていきたい、このように思っております。
#113
○椎名素夫君 それで、そういう表でお働きになるような人員、人材がふえるということはもちろん大事ですが、下支えも随分何か人手が足りなくて苦労しておられるようなところがあるんですね。例えば、電信なんという問題にしても、ひどいときには表の仕事をなさるべき方がしょうがないからやってしまうとか、あるいは電信官は病気もできない、そうしないともう通信途絶になってしまうとかということがありますし、いまだに大使に任命されると御自身でコックさんを探して連れていかなきゃいかぬというようなことまで外交官一人一人にやらせている。
 ある時期までは、追いつき追い越せ時代ぐらいですと、外国にコックさんで行くというのも喜んで来る人も結構いたけれども、これだけ日本が豊かになっちゃうと、よそにそんな苦労をして出ていくよりも何かここらでやっている方がうんと稼げるというようなそういう変化もあらわれてきて、何かもう少し本来の仕事に全力を傾注できるようなさまざまなことがあるんじゃないかと思うんですね。
 それから、在外公館の建物の老朽化なども、あちこち行ってみると、昔そこらでは皆がうらやむような屋敷を買って在外公館にして、表は立派に見えるけれども、ずっと二十年、三十年、営繕の費用が足りないものだから水道管が腐ってしまったとかというような話というのがあって、それを一体どうするかというんで大使や総領事が駆け回ってというようなことまで随分しょい込んでいるような気がするんです。
 そういう、広い意味でのロジスティックみたいなことについても相当頑張っていただかなきゃいかぬと思っておりますが、そのあたりは一体どうなっているんでしょうか。
#114
○政府委員(池田維君) ただいま多方面にわたって大変御理解の深い知識と御経験に基づいた御指摘がありましたけれども、まず会計を初めとしますいろんな外交活動全般を支える裏方の要員ということで、会計であるとか電信であるとか文書であるとかといったような人々、こういう要員の充実化といいますか、質量ともにこれを強化しなきゃいけないということは私ども常々感じておりまして、そういった意味でも定員の増というものを要求しているわけでございます。
 それから、料理人につきまして御指摘がございましたけれども、これも確かに大使が料理人を探して連れていくということはこれは大変な負担でございまして、何とかできるだけ負担を少なくしなければいけないということで努力はいたしております。しかし、まだ根本的な解決には達しておりません。これは財政当局との間でもいろんな問題点がございますので、いずれにしましても何とかこの問題をもう少し基本的な形で解決したいというように考えております。
 それから、在外公館の内容でございますけれども、大使館あるいは領事館の事務所、それから公邸等につきまして、最近幾つか新しい事務所を開設いたしましたり、あるいは公邸を買いかえたりとかということで改善をいたしましたけれども、幾つかの国においては老朽化が進んでおりまして早急にかえないといけないということで、近年この面については以前よりも外務省全体としての注意力は高まってきていると思いますけれども、いずれにしましても予算とかその他のいろんな裏づけになる措置が必要となってきておりますので、全般的な機能強化というものを図っていく必要があるわけでございまして、そういう意味で、今後とも私どもも決して単に謙虚になるだけではなくて、本当に必要性に応じて頑張ってまいりたいというように考えております。
#115
○椎名素夫君 ぜひそれをお願いしたいんです。
 やっぱり外交というのはつき合いですから、あんまりみすばらしいとうまくいかないんですね、つき合いというのは。建物にしてもいい建物を公邸で持っていたりすると、呼ばれても、あの建物なら一回入ってみたいというようなところへ住んでいると人が集まるんですな、これ。そういうことで来る、用事だけでない周辺の人間が集まるか集まらないかというのはこれは大いに違ってくるので、それこそイエメンじゃありませんけれども、いろいろ物騒になってきたときによその国の軍用機に邦人を乗せてもらって救出してもらうというようなこともふだんのつき合いから出てくることであって、本来そういうことは国できちっとやらなきゃいかぬのでしょうが、しかしさまざまなことが考えられる。
 そういうことからいって、ついでに伺いますが、今借り上げをしたりあるいは自分で持っている公館と両方あるんですが、その比率というのはどのぐらいになっているのでしょうか。
#116
○政府委員(池田維君) 平成六年二月現在で在外公館数百八十一のうち、国有された事務所は全体の二九%、五十三件でございます。それから公邸につきましては全体の六〇%、百八件でございます。
#117
○椎名素夫君 これはこれから先ほどういうような重点で考えておりますか。
#118
○政府委員(池田維君) 公邸につきましては、できるだけ国有化の率を上げてまいりたいというように考えております。また、事務所につきましては、場所によってもいろんな事情はございますけれども、もちろん一部借り上げというものが適当であるということもありますけれども、やはりこれも国有化の率をもう少し上げるべきであるというように考えております。
#119
○椎名素夫君 大体もう質問は尽きたようなものですが、最後に一つだけ申し上げたいんですけれども、この人員の問題、着実にふえてきているし、このペースでいけばいいんだというような感じがしているところもあるし、それはそれで結構だと思いますけれども、見ておりますと、時差の関係もあるしいろいろあって、まあ大変によく働いておられると思うんですね。それこそ夜も寝ずに働いているというような感じがあるので、ともすれば、足りない足りないと言っているけれどもどうにかなっちゃっているじゃないかというようなことを言う人もたくさんいるように思うんですね。今の人員でどこが足りないんだ、何とかなっているじゃないかと。これは、しかしやはり人間らしい生活をした上での話なので、率直に言ってちょっとみんな働き過ぎるんじゃないかと思うんですね。
 だから、何とかつじつまを合わせてしまう。それはそれでもう死んでもやるんだというような御覚悟は大変結構なことだとは思いますが、それではなかなか続かないし、それからきちっとしたつき合いをするのには、やはりその国の人たちはみんなそれぞれの国でぎりぎり働いている人ばかりではありませんから、のんびりした人もいるので、そういう人たちともつき合えないと、本当のところ物事がよく見えないということもある。ですから、やっぱりこれで何とかみんな頑張って、夜の寝る時間を一時間減らせば何とかなるじゃないかというような無理をなさらずに、少しは暇があるようなことをやった上で一体どうなるかということをぜひ考えていただきたいと思うわけです。
 今、ちょうど大臣が来られましたから、一言だけ大臣に申し上げておきますが、外務省の人員の問題を取り上げておりましたけれども、どう考えても少な過ぎるだろうと私は思っております。
 確かに最近はだんだんふえてきているけれども、とにかく占領時代にがくんと減ったところがベースになってやっているので、とにかくある程度速いペースでやらなきゃいかぬ。しかし、これはいわば官僚の皆さんが、各省間の協議ではなかなか突破できないところがある。こういうことにこそ、今、政務次官にもお願い申し上げましたけれども、特に大臣にお願いしたいんですが、枠というものを何とか突破する努力をぜひお願いしたい、それだけ申し上げまして、私の質問を終わります。
#120
○国務大臣(柿澤弘治君) 椎名先生初め、委員会の皆様には日ごろから大変御指導をいただいておりまして、心から感謝を申し上げます。
 また、今の定員の増強その他外交機能の強化につきまして我々も全力を挙げて努力をいたしますので、よろしくお願いをいたします。
#121
○委員長(井上章平君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#122
○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(井上章平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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