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1994/03/28 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 地方行政委員会 第2号
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1994/03/28 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第129回国会 地方行政委員会 第2号
平成六年三月二十八日(月曜日)
   午後二時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     渡辺 四郎君     三重野栄子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                石渡 清元君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                太田 豊秋君
                狩野  安君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                関根 則之君
                松浦  功君
                大渕 絹子君
                大森  昭君
                三重野栄子君
                安永 英雄君
                長谷川 清君
                山崎 順子君
                続  訓弘君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤 観樹君
   政府委員
       警察庁警備局長  菅沼 清高君
       自治政務次官   冬柴 鐵三君
       自治大臣官房長  遠藤 安彦君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  滝   実君
       消防庁長官    紀内 隆宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       木村 幸俊君
       文部省高等教育
       局私学部私学助
       成課長      早田 憲治君
       運輸大臣官房審
       議官       松浦 道夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の
 特別措置に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○消防施設強化促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (平成六年度の地方財政計画に関する件)
○地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、渡辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩本久人君) 次に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び消防施設強化促進法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。佐藤自治大臣。
#4
○国務大臣(佐藤観樹君) ただいま議題となりました新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び消防施設強化促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 初めに、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律は、新東京国際空港の周辺地域における公共施設その他の施設の計画的な整備を促進するために必要な国の財政上の特別措置を講ずることを目的として昭和四十五年三月に制定されたものでありますが、本年三月三十一日限りでその効力を失うこととなっております。
 政府としては空港周辺地域整備計画に基づく整備事業の推進に努めてまいったところでありますが、諸般の事情により一部の事業が法律の有効期限内に完了できない見込みであります。また、最近における諸般の事情の変化に対応し、かつ関係地方公共団体の要望を考慮して、新たな事業を空港周辺地域整備計画に追加する必要があると考えられるのであります。
 このような状況にかんがみ、空港周辺地域における公共施設等の計画的な整備を促進するため、この法律の有効期限を延長し、引き続き国の財政上の特別措置を講じてまいる必要があると存ずるのであります。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 次に、法律案の内容について御説明いたします。
 まず第一に、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の有効期限を五年間延長し平成十一年三月三十一日までとすることとし、これに伴う所要の規定の整備を行うことといたしております。
 第二に、この法律の施行期日を公布の日といたしております。
 次に、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 市町村の消防施設の整備につきましては、昭和二十八年の消防施設強化促進法の制定により、国庫補助制度の確立を見て以来、逐次その充実強化が図られてきたところでありますが、昭和四十九年度から、人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、これらの市町村の消防施設の整備に係る国庫補助率を引き上げる特例措置を講じてきたところであります。平成元年度から平成五年度までの間においては、この特例措置による国庫補助率は、通常の人口急増市町村については二分の一以内とし、政令で定める人口急増市町村については十分の四以内としてきたところであります。
 しかしながら、平成六年度以降においてもなお相当数の人口急増市町村の存在が予想されますので、これらの市町村における市街地の拡大等に伴う消防施設整備の緊急性にかんがみ、国庫補助率の特例措置を延長する必要があります。
 以上がこの法律案を提出いたします理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 人口急増市町村における消防施設の整備を促進するため、通常の人口急増市町村における消防施設の整備に係る国庫補助率を二分の一以内に、人口急増市町村のうち政令で定める市町村に係る国庫補助率を十分の四以内に引き上げる措置を引き続き平成十年度まで講ずることといたしております。
 以上が新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び消防施設強化促進法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○関根則之君 最初に、消防の方からお尋ねをしたいと思います。
 ちょっと法案から離れますけれども、消防団員の団結権の問題につきましてILOの方で相当前から議論が行われているところでございますけれども、たしか昨年の総会のときの経緯に基づきまして最近マイヤーさんが日本へ来て消防職員の置かれている実情等について調査をなさったというふうに伺っておりますけれども、どういう目的でおいでになりどういう調査をなさったのか、その辺のところにつきましてちょっと概要をお教えいただきたいと思います。
#7
○政府委員(鈴木正明君) ILOの事務局次長のマイヤー氏が来日したときの状況でございますが、まず来日に至った経緯から申し上げますと、この消防職員の団結権問題につきましては、公務員問題連絡会議の了承を経まして平成二年十一月から自治省と自治労との間で協議を続けてきているわけでございます。この間、平成三年六月には自治大臣と連合会長、自治労委員長が会見いたしまして、今後二年間を目標に解決策を見出すよう自治省と自治労との間でよく協議していこうということで意見が一致いたしまして、その後、自治省と自治労とで実質的な協議を重ねてきたわけでございます。
 平成五年の六月までに協議を整えるに至らなかったということでございまして、お話に出ました同年六月のILO総会では、日本政府代表から、政府としては解決策を見出すことができるよう努力を今後も続けていく、二点目としまして、ILO関係者を日本に招聘し消防の実情の視察あるいは関係者からの意見の聴取、意見交換などを実施する用意がある、この旨を表明いたしまして、このような経過を踏まえまして本年一月マイヤー氏が来日したわけでございます。
 日本政府の招きに応じまして本年の一月九日から一月十九日にかけまして滞在し、総理大臣、総務庁長官、労働大臣及び自治大臣への表敬を行っております。また、連合会長及び自治労委員長等労働関係の方との会見も行っております。また、全国消防長会あるいは日本消防協会との意見交換も行っております。さらに、現地の消防施設あるいは実地における消防活動、あるいは噴火災害や台風災害などの災害現場等の視察、また現地消防組織関係者との意見交換を行っております。
 以上でございます。
#8
○関根則之君 現地で消防職員の集まりといいますか、マイヤーさんは直接消防職員からいろいろ勤務条件の状況だとか例えば給与水準とか、そういうものについてお聞きになりましたか。
#9
○政府委員(鈴木正明君) マイヤー氏は、各地の先ほど申し上げました消防活動あるいは消防長会との意見交換もしておりまして、そこにはその勤務条件のお話も出ております。
#10
○関根則之君 実はもう十年ほど前だったと思いますけれども、同じように、ちょっと経緯は違うかもしれませんけれども、ILOのセネガルから出ているシディベさんという労働局長さんがお見えになって、この問題に関連して団結権をにらんで日本の消防職員の処遇の問題で視察をしたことがあるんです。そういう経緯というのをマイヤーさんはわかった上で多分お見えになったんだと思うんですけれども、シディベさんが調査した結果と今回マイヤーさんが調査した結果では何か違いがございましたか。
#11
○政府委員(鈴木正明君) ILOの事務局の次長でありますマイヤーさんがお見えになりまして、主として日本の消防の実情を見る、あるいは意見交換をするということでございました。
 マイヤー氏自身は、今回の来日によりまして日本の消防の実情に接し、また関係者との意見交換ができたことは有益だったということでございます。また、本問題の早期解決を期待すると、いういうことでございますが、これを受けましてILOでどのような見解が出るのか、そういったことは現在のところ私ども承知しておりません。
#12
○関根則之君 現地を見て大変有益だったというお話ですから、有益なのは結構でございますけれども、この前シディベさんがおいでになったときも私どもが、私どもというのはそのときまだ私は役所におりました関係で直接対応したんですけれども、ともかく日本の消防職員の処遇でありますとか士気の問題を含めてよく見ていってください、特に給与水準とか生活水準とかそういうものについては、ILOに加盟している諸外国、数が多いわけですけれども、そういうところの職員と比較して日本がどの程度の地位にあるのか、その辺のところまでよく比較しながらごらんをいただきたい、そういうことをお願いをして、お帰りになるときに私の部屋へ寄っていただいたものですから、そのときに、日本の消防職員の待遇というのはおたくの国の消防職員に比べていかがでしたかというような質問をいたしましたら、それはもうはるかに日本の消防職員の処遇の方が水準の高い処遇を受けているものと思いますと、そういうような所感を漏らしておりました。
 そういうことを踏まえて、日本の消防職員が虐待されているとか不当に労働条件を厳しく設定されているとか、そういうことはおよそ考えられないというような印象をお持ちになったんではないかというふうに私自身は実は受けとめたわけです。
 非常に友好的にお帰りいただいたんですけれども、実際、ILOの場へお帰りになってそこで報告書のようなものにまとめていただいたんだと思うんですけれども、そこでの議論が始まりますと、何かいかにも日本の消防職員というものの労働条件が非常に劣悪であるとかあるいは団結権が制限をされているんだとか、そういうニュアンスのものに実はまとめられてくる。そういうものがまたILO、ジュネーブから日本へはね返ってくる。日本の報道機関もそういうものを受けとめて、何か日本の消防職員というのは大変な状態に置かれているんだというようなニュアンスの報道となってマスコミで取り上げられる。そういうことを実はもうひしひしと感じたわけでございます。
 したがって、今度も非常に有益であったというお考えで、これは大変だとかここのところに問題があるんだとか、格別そういう問題の指摘はございませんでしたか。
#13
○政府委員(鈴木正明君) 今回お招きした目的というか経過というか、またマイヤー氏自身の来日の目的というものが実情の視察あるいは意見交換ということに主眼があったものですから、特段の御指摘とかというものはございませんでした。
 主としてお話にありましたのは、ILOとしての公的な見解は我々は述べられる、交渉に来たわけではない、こういうことを言われていましたし、実情に触れたいろいろなお話は各方面からお伺いしたわけですけれども、特段それによって指摘とかというようなことは私ども聞いておりません。
#14
○関根則之君 特段の指摘だとか日本の消防職員が置かれている状況について、いわゆる労働問題として大問題があるというような指摘はなかったんじゃないかと思いますけれども、それは当然のことだと思うわけでございます。
 この間、アメリカへ総理はおいでになって、ノーと言ってきたということで意気揚々と引き揚げておいでになったわけですが、私は、外交交渉というのは、けんかするような状況の中でもそれを何とか話し合いをして折り合いをつけて、お互いに妥協できるところは妥協して譲り合って物事を平穏裏におさめてくる、それが外交交渉であり、外交交渉とまではいかなくてもいろいろな外国との折衝のねらいでなければならない。勇ましくけんかをして決然と席を立って帰ってきたというようなことは、これはまさに外交の失敗であるんじゃないかというような感じがします。
 だから、物事はできるだけ穏やかにやっていくということが必要ですけれども、かといって相手がどうしてもよく理解をしない、あるいは何か別の意図があって日本の実情を必ずしも十分に本部へお帰りになって伝えていないというようなことがあれば、そこは誤解を解くといいますか、実情をきちっと説明をする。そういう点で勇気を持ってやっていかなきゃならない場合も出てくると思います。
 今までの外交とは違うと言って、細川総理があれだけ力を込めておっしゃった。どういう意味合いでおっしゃったのか知りませんが、日本の今までの外交というのはややもすれば遠慮がちであったというようなこともよく言われるわけでございます。
 言いたいこともよう言わないということでは困るわけでございまして、かといって今まで消防庁の方で言いたいことを言わなかったことはないと思いますけれども、この辺のところは、これからいろいろと話が始まると思いますけれども、そういう過程の中で日本の主張すべきこと、実情を説明すべきこと、誤解があったらそれを解くこと、そういう問題についてはきちんと説明をし実情を理解をさせるようにひとつ努力を続けていただきたいと思いますが、いかがですか。
#15
○政府委員(鈴木正明君) この問題は大変難しい問題でございますが、マイヤー氏もいろいろ実情に触れた後でも、難しい問題ではあるけれども関係者の話し合いによって本問題の解決が見出されることを強く期待すると、これは幾たび、またいろいろな会見などでも述べられたところでございます。
 私どもも、関係団体との話し合いを誠意を持って続けまして、早い機会に解決が見出されるように努力をしてまいりたいと考えています。
#16
○関根則之君 消防庁長官にちょっとお尋ねをしたいんですけれども、今、消防職員につきましてはいわゆる団結権というものが認められていない。それは当然勤務の実態からそういう制度がとられていると思うんですけれども、団結権なり団体行動権なりを認めない、組合をつくることはできないということになっている消防職員の勤務の特殊性というのはどういう点が一般と違うというふうに認識をなさっていますか。
#17
○政府委員(紀内隆宏君) 現行法を支えている理屈というものは、消防の職務というのが火災であるとかその他の災害の場合にいわば電光石火の対応を必要とするわけでございまして、その際に規律ある行動、統制のとれた行動というものが必要であって、そのためには日常からそのような関係を保持していくことが必要であるということでこのような法制度がとられている、このように理解しております。
#18
○関根則之君 まさにそのとおりだと思うんですね。
 火事場へ飛び込んで、指揮官と一緒に部下職員が入っておる。ぎりぎりのところまで人命探索をやるんでしょうし消火作業もやるんでしょう。しかし、濃度の濃い煙の中に入っている、熱も上がってくる、そこのところにいつまでもいれば必ずフラッシュオーバーが出て、そのフラッシュオーバーが来る寸前に退避命令を出さなければいけないわけです。ぐずぐずしていたら指揮官を含めて部下の職員も一緒に命を失うこともあるかもしれない。そういうぎりぎりのところで団体行動をする。やっぱり上官の命令といいますか上司の命令に従う、最高最適の判断をする上司というものに自分の命を預けていく、そうでないと自分の命も守ることができない。もちろん、防火であるとか人命救助であるとか、そういう目的を達成することもできない。それがまさに消防職員の仕事であるし行動様式なんですから。
 それを、いや、そんなこと言ったって、指揮官、違いますよ、まだ大丈夫ですよなんと言って指揮官の命令を聞かないで消防職員がやっていれば、その消防職員を指揮官が抑えるために指揮官まで巻き添えになってけがをしたり命を失ったりするということがあるかもしれない。そういうぎりぎりのところでやっている職場の消防職員というものは通常の一般の労働者とは団結の論理が違ってくるんだ、行動の論理、指揮命令系統、それをきちっと守っていく、それがどうしても必要なんだということで、ふだんからそういうしつけと申しますか、上官の命令に従ってきちんと団体行動をとるという訓練をやっていく必要がある。組織原理が指揮命令系統で律せられなければならないんだ、そういうところに私は消防職員の特殊性というものがあると思う。
 それをもとにして今のような法制度ができているわけでございますから、どうかひとつその辺、ただ団結権を否定したいがために否定しているんじゃなくて、その職務から当然出てくる要請としてそういう法制度がとられているんだということをぜひひとつ十分御理解をいただいた上で、この消防職員の団結権問題についてはこれから引き続きILOの場でいろんな議論が行われると思いますけれども、大臣、いかがですか、今までの議論をお聞きいただいていまして、この問題についてどういう考え方といいますか感じをお持ちになるか、ちょっと所感をお伺いしたいと思います。
#19
○国務大臣(佐藤観樹君) この消防職員の団結権問題というのは、もう関根委員よく御承知のように、長い長い経過を持ってしる難しい課題だというふうに考えております。
 一方ではILOという国際機関の中で御指摘をいただき、かつ鈴木公務員部長からもお話しございましたように、平成三年から御指摘をいただいて昨年の六月の総会までに一つの表明をするということで関係者で努力をしていただいたという舞台がいわばILOという国際的な舞台であること、あるいは先進国の中におきましても日本のような状況というのがレアケースの方に入るという問題、あるいは労働界側の要請という問題がある一方、委員から今御指摘のございましたように、消防という国民の生命、身体、財産を守るという非常に重要な役割があり、かつそれを支えてまいります規律という問題でこれが裏打ちをされているというそういう勤務の場所でございますから、何といっても円滑な消防任務の遂行ということができるように当然していかなきゃいかぬということでございます。
 私たちといたしましては、何といっても関係者の合意がないことにはこれはなかなかいかぬということでございまして、今日まで誠実に自治省と自治労との話し合いというものをずっと続けてきたわけでございますが、それだけではない、全国の消防長会あるいは全国の消防協会等々の御理解もありますし、百万近い消防団員の皆さん方のいろいろな気持ちもございますし、また、言うまでもなく与党、野党という国会のいろいろな意味の御理解というものがなきゃいかぬものですから、いろいろな角度からこの問題というのは皆さんが十分御理解いただけるような一つの方向性、結論といいましょうか、合一できる合致点というものを見出していかなきゃならぬというふうに考えて、今鋭意我々としても努力をしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、また六月にILOの総会があるわけでございますので、同じことだけを何度も繰り返しているというわけには日本の置かれている国際的な立場からいってもいかぬわけでございますので、これは関係者間のいろんな協議をなお一層精力的に進めて、日本の今置かれている国際的な状況やあるいは団結権を要望する方の方々あるいは職務の特殊性というものとをどうやって皆さんの御理解をいただけるようにしていくか、そのために早く一つの合致点が見出せるように懸命に今努力をしているというところでございます。
#20
○関根則之君 いろんな長い経緯もありますし、今お話しがございましたように国際的な関係というものはもちろん十分配慮しなければいけない、そういう問題ではあろうと思いますから、ひとつ慎重に扱っていただきたいと思います。
 ただ、お話の中に日本のような制度はレアケースなんだということのお話がございましたけれども、それは軍隊及び警察については別であると条約自身が言っているわけですよ。軍隊にするのか警察にするのか。ほかの国では消防はもう軍隊ですよ、軍でやっている消防というのはいっぱいあるわけですよ。警察部門に入れている国もあるんです。日本だってそうなんです。終戦までは警察の中に消防組織というのは入っていたんですから、そのまま置いておけばこんな問題は国際上起こらない問題なんですよね。そういう法の立て方との兼ね合いで変わってきちゃうんです。軍隊及び警察まで入れたそういう組織の中に編入している消防というものを考えたら、こんなものは国際的に幾らでも同じようなケースはあるんだということが一つ。
 それから、毎年同じことを言っているのはばかみたいでそんなわけにはいかないというようなお話がありましたけれども、そこのところはそう遠慮する必要は私はないんじゃないかという気がしているわけでございます。物事の本質からしてこのことはおかしいということであれば、それはもう同じことになろうが相手の理解を得るまで辛抱強く繰り返し説得をするということも必要ではなかろうかと思います。
 日本はILOの、分担金の納め頭の方でしょう。二番目か三番目になっていると思いますけれども、このごろはアメリカは入ったんですか、分担金は毎年毎年同じように納めているわけですから、同じ分担金を納めて何が悪いということだと思います。主張すべきことがあれば、これは去年言ったことだから恥ずかしいから少し変えていこうかという必要は全くないだろうと思います。
 まあ、大臣もそんなことをおっしゃったわけじゃないと思いますけれども、こちらはこういう考え方できちっと整理ができる、またその必要性もあるということを相手の方の誤解なりなんなりからなかなか合意点が見出せないということがある場合において、相手の意向を受け入れるために自分の節を曲げていくという必要はこれはもう全くないんじゃないかと思いますので、どうかひとつその辺につきましてはよろしくお願いを申し上げておきまして、次の問題に移ります。
 消防補助金全般の問題につきましてちょっとお尋ねをしたいんですけれども、最近、消防庁御当局の御努力によりまして、年々少しずつではありますけれども、消防補助金が増加の傾向をたどってきております。消防庁の御努力を多とするわけでございますけれども、全般的に見て、地方団体からの消防設備等につきましての要望を満たすだけの補助金の量というものは大体確保されているというふうに受けとめてよろしゅうございますか。
#21
○政府委員(紀内隆宏君) 御指摘ございましたように、消防関係の補助金につきましてはひところ漸減傾向をたどったわけでございますが、おかげさまでここのところは持ち直して上昇に転じております。
 今年度について申し上げますと、平成六年度の現在御提出申し上げております予算案では、去年に比べますと施設の方も設備の方も四%増、約百六十七億円という数字を計上させていただいておりまして、おおむね市町村の要望にこたえることが可能である、このように考えております。
#22
○関根則之君 消防補助金というのは零細補助金だからこんなものやめちゃったらいいじゃないかという話がよくあるんですけれども、消防補助金、この間ちょっと聞いてみたら、消防ポンプを平成六年度は九百二台補助対象として予定しておって、総額で三百十億ですか、その程度だという話ですから、そうすると消防自動車一台当たり大体三百五十万ぐらいの平均で補助金が行くわけですね。
 実際の消防の現場では、消防ポンプを買うというのは、町村にとって、その地区にとって大事業なんですよね。そこへ一台当たり三百五十万の国庫補助金が入るか入らないかで仕事ができるかできないかが分かれてしまう。そういうことですから、金額的には大したことないからといって、それは国の予算や県全体の予算あるいは公共事業のでっかい道路建設に比べればわずかな補助金かもしれませんけれども、それが果たしている実態的な役割といいますか効果といいますか、そういうものは私は大変インパクトの大きい補助金であるというふうに理解をいたしておりますので、ただ単に金額が少ないからということで一概に零細補助金ということでぱっと切ってしまうということは非常に乱暴じゃないか、一億の補助金があれば三百万で三十台買えるわけですからね。私がやっていたころは、大体一台当たり百万ぐらいの補助金で本当に喜んでいただきましたから、一億あれば百台の消防自動車が買えるか買えないか、そういうことだったわけですよね。
 そういう実態もありますので、ぜひひとつこの辺のところはそういう実情に即してどの程度の効果的な役割を、奨励補助金ではございますけれども、この補助金が果たしているのかということを理解していただいて、ひとつその拡充に御尽力をいただきたいと思います。
 ところで、最近、一般の消防自動車もそうですけれども、特に救急関係の高規格の救急車、救急救命士の制度が軌道に乗ってまいりまして、市町村でこれを早く設置してくれという要望も大変強いし、また地元市町村消防でも一生懸命取り組んでいる面があるわけでございますけれども、こういった面には力を入れていただいていると思いますけれども、現在出している平成六年度の予算でどういうふうになっているのか。
 また、やっぱり災害、この間の奥尻の地震を私も見せていただきましたけれども、普賢岳の災害もそうですけれども、常時張りついてあそこで災害対策をやり人命救助に当たっているのは地元の消防団なんですね。どこへ行っても消防団があって、そこでその地域の防災対策をやっている。大きな災害ということになると、いまだもって消防士だけではとてもどうにもならないのが日本の消防体制といいますか防災体制の実情であろうと思います。しかも、経費のこと等を考えてみましても、これから先も消防団の活性化といいますか消防団に果たしていただかなければならない役割というのは非常に大きいと思いますので、消防団の活性化のための拠点施設ですか、屯所の整備等を力を入れて大分やっていただいているようでございますけれども、この二点について、これから消防補助金を積算し運用をしていく上でどんなふうに受けとめていらっしゃるのか、計画といいますか、取り組む姿勢についてちょっとお話しをいただきたいと思います。
#23
○政府委員(紀内隆宏君) 初めに、消防補助金一般の性格についてのお話がございました。
 私ども全くそのとおりに考えております。たとえ額は零細といえども消防施設の整備を図る上では大変重要な補助金である、このように考えておりまして、今後一層の増強に力を尽くしたいと思っております。
 次に、救急救命士等についてのお話がございました。
 高規格救急自動車の整備でございますけれども、いわゆる救急の高度化の中で心していかなければいけない分野が三つございます。一つは人の問題、これは救急救命士を初めとする救急隊員の養成訓練の話でございます。二つ目にはその人たちが使いこなす物、高規格救急自動車を初めとして高度な資機材ということでございます。三つ目が医療機関との連携ということになろうかと思います。
 お尋ねの高規格救急自動車につきましては、これを他の資機材等とセットにいたしまして、平成六年度の予算案では五年度に比べまして二四・九%増、セットの数としまして平成五年度が八十セットに対して百セットということで増強を図っているところでございます。
 また、消防団の拠点施設についてのお話がございました。
 まさにおっしゃるように、消防団はいよいよの場合には地元消防とタイアップをして地域の第一線を守っていただくものでございまして、そのために消防団の拠点施設の整備に力を尽くしております。
 消防団の拠点施設の中身といいますのは、待機室だとか研修施設だとかそういうものでございますけれども、そういうものも平成六年度におきましては平成五年度に比べまして二二・一%の増、箇所数にいたしまして八十カ所を百カ所に二十カ所ふやす、こういうことにいたしております。
 救急医療の高度化とかあるいは消防団の活性化というのは今後において大変重要な課題でございますので、今後とも力を尽くしてまいりたいと考えております。
#24
○関根則之君 そういうことで、これからも消防防災体制の整備のための国庫補助金を中心とする財源対策、そういう政策につきましてぜひひとつ力を入れていっていただくようにお願いをしておきます。
 消防庁では、前から、広域的な大災害に対応するためにヘリコプターを整備することが防災上大変重要である、こういう御認識をお持ちいただいていると思います。平成六年度の予算案でも、何台ですか、四施設ですか、計上をしているんではないかと思いますが、これからもこういうヘリコプターの配置整備につきましても力を入れていっていただきたいと思います。
 ただ、ヘリコプターというのはこれは相当の支持人口がないと維持ができない。購入時に金がかかるだけではなくて維持管理費が大変なものになりますから、県でも小さな県ではとても持ち切れないという問題もあるんだと思います。ましていわんや、二十万や三十万の市では維持することは困難だと。しかし、ヘリコプターに出動してもらわなきゃならないような災害というのはそういう小さな市町村だって起こらないとは限らないわけでございますから、やはりカバーをしてもらわなければいけないということになると思います。
 各県で県が防災ヘリというような形で大分整備をするようになってきておりますから、そういう傾向はいいと思いますけれども、しかし、消防というのは原則は市町村消防ということで市町村が中心になって責任を持って処理をしていく、そういう事務になっているわけですよね。それを市町村が持てないからといって県が肩がわりをしていいのか、法制上そこに問題はないのかというようないろんな問題も実は出てきているんではないか。一部事務組合についていろいろと御努力をいただいて、できるだけ組合消防にしていく、しかしそうはいってもなかなか組合が組織できないというような実情にあるところもあるようでございますから、それから外れているところもあるんじゃないかと思います。
 そういう状況の中で、昨年でございましたか、地方制度調査会から広域連合の答申がなされまして、県を含めての市町村が連合して共同して事務処理をやっていく、そういう制度が答申をされ、それに基づいて大臣も大分張り切って地方分権の延長線上でお取り組みをいただいているというふうにお聞きいたしております。
 そういう中で、この広域連合というのはいわゆる広域防災体制を築いていく上に、特にヘリコプターなんかを共同で、人に預けちゃうんじゃなくて自分たちのものだよといういわゆる自治意識の本筋を残しながら、みんなで効率的に管理をしながら防災体制を築いていくということに非常に格好な使い勝手のいい制度になり得るんじゃないかと実は期待をいたしているんですけれども、大臣、どうですか、こういった問題について広域連合を活用していこう、こういう御意図はございますか。
#25
○国務大臣(佐藤観樹君) ヘリコプター体制というのは、関根委員今言われますように、高いものでもございますし有効に使わないことにはいかぬということで、そういったいろんな体制づくりは今一生懸命考えておるわけでございますが、広域連合制度との関係におきまして実はまだ細部につきまして今鋭意やっておりますけれども詰まっていない部分もございます。しかし、今御指摘のございましたようなことは、まさに広域連合制度の中で考えていかなきゃならぬテーマであるという認識は持って今進めておるところでございます。
#26
○関根則之君 そういう観点からもぜひひとつ御検討をいただければありがたいと思います。
 そこで、一つ提案のようなものがあるんですけれども、警察には機動隊というのがありますね。各警察署では対応できないような機動的な大きな警備事案とか、そういう必要性があるときにばっと出動できるような体制が整えられていると思います。
 消防防災の観点からも、ちょっとした火事なんかは消防署に任せておけばいいですし、単発の救急事件であればこれも救急隊に任せておけばいいと思うんですけれども、大きな災害ということになりますと、一つの市の消防あるいは県の防災体制だけではなかなかうまくいかないという場合が出てくるんじゃないか。もうしょっちゅう出てきているわけでございます。だからこそ東京消防庁が奥尻まで飛んでいって海底の捜索までやる。もうしょっちゅうそういうことが行われているわけでございますけれども、そういう観点から、広域救助隊みたいなものをこの広域連合をうまく使って組織しておいて、何か大きな災害がある、大きな火事がある、火災があるというような場合にそれが急遽出動できる、いつも出動態勢を整えておいて出動できるようなそういうシステムを構築できないか、そんなことも実は考えられるんじゃないかという気がしているわけでございます。
 今、国際消防救助隊がございまして、もう既にエルサルバドルを初めとしてバングラデシュへ東京消防庁のヘリコプターが行って飛んでいる姿を私見て、涙を流して、よかったな、本当によくやってくれているなという感じを抱きました。インドにも行ったんじゃないですか。
 そういうことをやっているということで大変よかったと思いますけれども、ややあれに似たようなシステムを県なら県で、県の中で県と市町村が共同して、ふだんは消防署勤務なりあるいは救急隊の隊員として働いているけれども、何かあるときにはすぐ登録しておいてばっと集まって警察の機動隊のような形で対応できる、そういうシステムを考えたらどうかと思うんですが、長官、どうですか。
#27
○政府委員(紀内隆宏君) おっしゃるように、国際的な問題の場合には現在仕組みが完備しておりまして、いわばボタンを押せば人が飛んで行くというような仕掛けになっているわけでございます。
 まず県内、一つの県に属する市町村の中におきましては、県内における応援の協定を整備するという形で仕組みが整っております。ただ、そこは具体的に常特例えばどこの職員を要員として登録しておくかというディテールの設計の問題があろうかと思います。その辺につきまして工夫を加えることによって実際上の効果を上げてくるんじゃないかというふうに思います。
 それから、県際関係につきましては、まさに御指摘のような観点から国内における救助隊みたいなものをつくってみてはどうかという、検討会のようなことをやってまいりました。それで、現場の消防機関の人たちも含めまして検討した結果、とりあえず全国一本の隊としての仕組みというのは国際関係を生じない以上その必要はない。ただし、実際に事案が生じたときにどこのだれが行くかをその場でまとめていったんじゃ間に合わないということで、一つはまず登録の仕組みをしっかりつくる、もう一つはそれに必要な資機材というものを飛び立てる場所ごとにリストアップして整備する、この辺を目途に整えていく、こういうことでございます。
#28
○関根則之君 消防防災体制を議論するときには、そんなものを常時整備しておいたら遊んでばかりいるじゃないか、何年に一遍役に立つかわからないようなものを常時整備していくということは大変効率が悪いというようなことをよく言われるんですね。しかし、一たん災害が起こりますと、非難されるのは消防であり、警察も言われることもあるでしょうし、防災機関というのはおまえら一体何をしていたんだと言われるんです。全然用意をしていないじゃないかと言われる。そういう責任もしかし一方にあると思うんですよ。これは国防なんかでもまさに同じようなことが言われるんだと思うんですね。だから、そこのところは、必要だからといってふだん何もする仕事のない人を大勢抱えていくというのはやっぱり私は問題だと思いますよ。要するに、その必要性と経済効率とのバランスの問題を常に考えながらやっていかなきゃいけないと思います。
 そういう意味で、国際消防救助隊のように登録制度をとっていて、ふだんま通常の消防職員として働いている、救急車に乗っている、それが何かありますと電話一本ではっと飛び出していく、そういう体制、非常にうまくできているんじゃないかと思いますが、そういうことを効率も考えながら、しかし人命に対する応急対策といいますか、災害というのはまさにいきなりやってくるわけですから、そのときにぱっと対応できるような体制もとっていきませんと防災責任者として責任が果たせないということにもなるんだろうと思います。どうかひとつ、今お話しのありましたようなそういう方法を含めて、こういった問題につきましても積極的に対応をしていただきますように、これは要望をしておきます。
 今回、法律の規定の五年間延長が提案をされているわけでございますが、残事業がどの程度あるのか、どの程度予定しているのか、大体五年程度これを延長すれば急増市町村の対応策としては済むという考え方ですか。それとも、今までと同じようにまた五年たってももう一回次々と延長をしていかなきゃならないだろうというふうにお考えになっていらっしゃるのか、その辺はいかがですか。
#29
○政府委員(紀内隆宏君) この点につきましては、現在あわせて御審議いただいている成田財特法のように特定の団体の特定の事業をつかまえるものではございませんので、人口急増市町村の定義に当たるもの、あるいは要件を満たすものといいましょうか、それがその都度変わります。したがって、それを全体のもくろみを立てるということはなかなか困難なわけでございます。
 私ども、今回五カ年間延長するということに伴いまして、五カ年延長の間に生じてくるであろうものはある程度見込みを立ててございまして、それで申し上げますならば、まず適用団体の数でございますけれども、現在までの五カ年間と大体似通ったような数字であろうかと思っておりまして、所要額は補助金ベースで見ますと約三十六億円ぐらいで、うち、かさ上げにかかわるものが十二億円ぐらいかなと、このように見ております。
 なお、いつまでやっていくかというお話でございますけれども、これは文字どおり五年間やってみまして、その間の人口急増の状況はどのように変わってくるか、あるいはやった特例措置の効果がどのようであったか、そのようなことを見定めて対処していきたい、このように考えております。
#30
○関根則之君 事柄の性質上、的確にこれからの事業費を把握するということは難しいだろうと思います。しかし、人口急増はもう古い話ですからいつまで人口急増やっているんだという感じがしなくもありませんけれども、これも先ほどの消防補助金の個別の零細性の問題で申し上げましたように、受け取る市町村にとってはこれはまたオール・オア・ナッシングの話ですから大分深刻な話になるんだろうと思います。その辺の推移を見ながらさらに五年経過後をどうするのだということは考えていきたいということでございますので、そういうことで、市町村の実情、消防施設の整備の必要性、そういったようなものをひとつよく見ていただきまして対応していただきますようにお願いを申し上げます。
 いずれにいたしましても、消防の施設整備の問題につきまして引き続き御尽力を賜りますようにお願いを申し上げて、成田財特の問題につきまして二、三質問を申し上げたいと思います。
 こちらの方は残事業等が比較的はっきりわかるんですけれども、今まで実施をした事業費でありますとか残事業費、それはどの程度のものというふうに見込んでおりますか。
#31
○政府委員(湯浅利夫君) いわゆる成田財特によりまして各種の事業が行われたわけでございますけれども、平成五年度末までの完了事業を含めました事業費の総額は約四千八百億円でございまして、そのうち、この法律に基づきましてかさ上げされた国庫補助金の額が約百六十八億円ということでございます。事業の進捗率は約九六%ぐらいにきているわけでございますけれども、しかし、平成六年の三月三十一日までに完了していない事業といたしまして、まだ県道とか河川とかというような八事業がございます。この八事業の残事業の総額が事業費で百五十八億円程度ございます。
 それから、今後の問題といたしまして、この空港周辺におきましては、都市化の進展でございますとかあるいは道路交通量の増大などによりまして当初よりもかなり状況が変わってきているということで、新しく追加する事業といたしまして、県道、町道など五事業について今回追加をお願いしたいと思っております。この事業で約二百九十六億円の事業費で追加をお願いする予定でございます。
 以上の残事業八事業、それから追加の五事業、これはそれぞれ平成十年度末には完成し得るんじゃないかということで、この五年間を延長していただくことによって今申し上げました事業を完成させていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#32
○関根則之君 今までこれは二十五年やってきたわけですが、二十五年かかってできない仕事があと五年できれいに上がっちゃうということ、大丈夫かなという感じはするんですが、信頼のおける湯浅局長さんが大丈夫だと言うんだから、それはもう信頼申し上げます。
 ただ、用地買収が今までなかなか大変だったのが、最近は大分関係者が集まってお話し合いをしていただいておるというような非常に友好的な進め方がなされているようでございまして、最初からそう持っていけばいいものを、大臣、成田はまさに地方を尊重しない国の一方的なやり方がこういう結果になっているんじゃないかと思うんですよ。ですから、かつての社会党の皆様が一坪地主で頑張って抵抗なさったというのも半分私は理解ができるわけでございますけれども、しかし、いずれにしろこういう一方的な、地方というものを東京で決めれば何とでもなるんじゃないかというような乱暴なやり方が何事も物事を滞らせてしまうんではないか、そういう気がしてならない一つの反省の上に立ってこれからはぜひ処理をしていただきたい。何か問題があるときには地方とよく相談をして物事を始めるようにぜひひとつ御尽力をいただきたいと思います。
 ところで、警察にちょっとお伺いしますけれども、成田空港の管理につきましては例の警備隊を特別に編成をしてお願いしていると思います。その経費につきましてはあの設置のときから全額を国の方で負担する、こういうことになっていると思うんですけれども、今でもそういう制度で全額を国庫負担、国の方が負担するというやり方で、要員そのものは千葉県警の職員ではないかと思いますけれども、経費については国が負担する、そういうことが貫徹されておりますかどうか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#33
○政府委員(菅沼清高君) 新東京国際空港、いわゆる成田空港でございますが、成田空港の設置につきましては、御承知のとおり、その設置や開港をめぐりまして反対する極左暴力集団等が盛んに破壊活動等を繰り返していたために、開港及び運用を確保する国家的な要請として昭和五十三年四月の閣議決定に基づきまして国が所要額を負担する形での特別な警備体制としての空港警備隊が設置されたものでございまして、現在千五百名の体制で空港警備を行っているところでございます。
#34
○関根則之君 言いにくいから言わなかったのかもしれませんけれども、警備につきましては警察にも大変御努力をいただきまして、本当に最近は余り大きな問題もなく成田の機能が果たされているということは大変いいことだと思いますし、警察の御苦労に対しても感謝を申し上げたいと思います。
 退職手当について、今これは県持ちになっているというような話があって、自治省の方から国に対する毎年の要望事項といいますか要請事項が財政上出ているわけですけれども、その項目にも入っているよりでございますけれども、この退職手当については、どうなんですか、一年か二年そのために使っている職員であれば勤務期間を全体で四十年として四十分の二だと、だから退職手当まで持たせるのはひどいじゃないかということになるかもしれませんが、五十三年からだったらもう十六年ですか、間もなく二十年になると思いますから、そういうことになると、やっぱりこういうものも当初の考え方からして国の方で持ってしかるべきではないかと思うんですけれども、警察はこれについてどう考えていますか。
#35
○政府委員(菅沼清高君) 空港警備隊の費用につきましては先ほども御説明いたしましたが、その設置の特例性にかんがみまして、警察官の俸給等警察官の設置に伴って直接必要となってくる経費につきましては国が所要額を負担するという形で、千葉県にできるだけ迷惑、負担をかけないような仕組みになっているわけでございます。
 御質問のございました退職手当でございますけれども、空港警備隊員といえども千葉県警察の警察官でございまして、約二年を経過いたしますと一般の警察活動に従事することになっているわけでございます。一方、退職手当につきましては、御承知のように、職員が退職をするときにその退職職員の通算勤務年数に応じて支給されることになっておりますので、そういう意味では千葉県警察官として勤務した勤務全体を一体として取り扱って考える方が適当である、こういう考え方に基づきまして、空港警備隊に対する補助事業の中で直接必要となる経費ではないという考え方から現在国の負担にはなっていないというふうに考えております。
#36
○関根則之君 なかなか国の財政も厳しい折ではありますけれども、こういうところを国と地方の間をきちんとやっていくということが必要なんだと思うんです。そういう意味で、これはひとつ検討をしていただきたいと思います。一定期間を空港用に使う、それは全体じゃないんだから構わないんだというような考え方かもしれませんけれども、何事も期間案分というようなこと、そういうやり方は当然財政上ではやるわけですから、これは警察というよりはむしろ大蔵対自治省の間の財政問題、国と地方との財政問題なのかもしれませんが、ひとつその辺のところもきちっとするようにお願いをしたいと思います。
 それから、時間がありませんから簡単に御答弁いただければありがたいんですが、関西空港については千葉の成田空港と同じような問題はないんですか。
 成田空港がオープンするときの状況、昭和四十六年のオープンがずっとおくれて五十三年でしたかになってしまったというような、ああいう騒然たる状況はないとは思いますが、しかし、この間ちょっと私現地へ行って関西空港を見せていただきましたけれども、大変警備もちゃんとしているし、それから島になっていますから、あの入るところで首根っこできちっとチェックすれば中へ入れないという問題があるかもしれませんが、逆にこれはアパートの密室と同じように一たん入っちゃったらこれを排除するのはなかなか大変だろうと思うんですね。機能麻痺が起こってしまう。そういう問題もあるので警備はなかなか大変だというような感じがするわけでございますけれども、関西空港についてはそういう特別な警備要員、警備部隊を配置したり、その経費について国の方で持ったりする、そういう考え方はございませんか。
#37
○政府委員(菅沼清高君) 委員御指摘のとおり、関西国際空港をめぐりましても極左暴力集団による反対活動が見られるわけでございますけれども、関西空港は設置が海上であったということ、それから成田に見られるような大規模な、住民を巻き込んだ反対活動といったものが今まで成田のような状態にはなっていないというようなこともございまして、警備体制につきましては成田空港における空港警備隊のような特別な組織を設置するまでの必要性はないというように判断をいたしております。
 しかし、今後空港反対活動に伴う不法行為の発生もございますので、地元の大阪府警察におきまして関西空港警察署を、これは仮称でございますけれども、ことしの四月一日に発足をする予定になっております。その空港警察署の設置や機動隊の増強を図りまして、地元の警察力を強化するという形で対処していけるというように考えておりまして、したがいまして、警備に必要な経費につきましても、成田のような空港警備隊とは異なりまして、警察法で定められた基準に従いまして一定の割合で国と府の方で負担をする、このようになっております。
#38
○関根則之君 大臣、お聞きのような形で、成田、それから関空も警備が大変だと思いますけれども、ひとつしっかり警備の方をやっていただいて、機能が十分発揮できるようにお願いしたいと思いますが、一言お願いします。
#39
○国務大臣(佐藤観樹君) 成田もそうでございますけれども、九月四日でございますかに開港いたします関西新国際空港につきましても、これはもう日本の航空事情からいいましても非常に重要な拠点だという認識をしておるわけでございます。
 したがいまして、私たちとしても、使われる方の安全性確保、関係者、住民の安全性確保という意味で、大阪府警を中心にしまして万が一のことがないように今後とも十二分に警戒体制をもって対応していきたい、こういうふうに考えております。
#40
○関根則之君 終わります。
#41
○有働正治君 私は、消防施設強化促進法からまずお尋ねします。
 一つは、消防職員の充足をめぐってであります。
 現有の消防車両に対する消防職員の充足率というのは年々低下しているようであります。人口急増自治体では特に低くなっているようであります。国が必要な予算を措置して消防職員の充足率を抜本的に高めて、出動時は基準どおり消防車一台に五名、救急車一台に三名の体制を堅持するとともに、公休日の増による週休二日制の実施や年次有給休暇が取得できるよう必要な人員を配置すべきだということが要望されています。いわゆる乗りかえなどが必要ないように積極的な対応を求めるわけでありますが、まず長官にお願いします。
#42
○政府委員(紀内隆宏君) 御指摘のように、消防職員の充足率につきましては、残念ながら調査のたびに若干数字が低下しているということでございます。
 これらの理由を考えてみまするに、毎年度消防職員自体の数は増加しているわけでございますけれども、一方、消防車両の方も非常に増加をしているということでございまして、いわば消防車両の増加のスピードがそれに対する職員の増強を上回っているということからこの問題が出てきているわけでございます。しかし、消防職員を充足していくということは大変重要なことでございますし、また現在労働時間短縮の問題がございますので、これに備えて平成五年度においても財源的に増員措置を講じているわけでございますけれども、平成六年度につきましても交付税措置を講ずるなどによりまして消防職員の充足に努めてまいりたい、このように思っております。
 それからまた、完全週休二日制につきましては平成四年の四月に通知を発しまして、基本的にはその団体の市町村部局の職員への導入に合わせて消防職員についても実施するように指導しているところでございます。この四月現在でほとんどの消防本部において実施されるであろう、このように見ております。
 先ほど申し上げましたように、五年度、六年度と交付税上は労働時間の短縮、労基法の改正施行に伴いまして所要の人員を増強してまいっております。これらの財源措置によりまして消防本部における完全週休二日制が定着するように指導してまいりたい、このように思っております。
#43
○有働正治君 消防職員の賃金、労働条件ですが、三交代制をとっています東京消防庁は例外的でありまして、消防職場では通常二十四時間拘束の十六時間勤務です。
 首都圏のある人口急増自治体の消防職場、私は現場へも行きました。祭日出勤による休日勤務手当が長い間支払われていませんでしたが、関係者の強い要望、自治体側の善処によりましてことし四月から全額支払われるようになったとここでは聞きました。また、消防職員は一般行政職員に比べ昇格がおくれているということも多々聞かれます。改善が求められています。全国の消防職場での賃金不払い時間の短縮と解消、休憩時間の明確化、そして休憩時間中における出動等に対する時間外手当の支給の保障。それから、仮眠所を私見ましたが、まだ個室化されていません。個室化の要望は今日的課題であります。
 そこでお尋ねします。
 一つは、実態は皆様方が言われるほどきれいごとでは済んでいないと率直に申し上げます。そうした点にかんがみまして、とりわけ人口急増地域におきまして今述べましたような実情をぜひ点検していただきたい、それに基づいて必要な改善を図るように対処願いたいということであります。
#44
○政府委員(紀内隆宏君) やや一般的なお答えになるかもしれませんけれども、まず職員の昇格につきましては、どこの消防本部も同様でございますけれども、規則等が定めるところによりまして適正に昇格が行われているというふうに私どもは理解しています。
 ちょっと角度を異にしますが、消防職員と一般行政職員の給与を比較してみますと、ちょうど二年ほど前でございますけれども、同じ年齢にした場合には平成四年四月現在で消防職員が二十九万八千二百九十四円、それに対して一般行政職員が二十九万三千八百八十五円ということで、消防職員の方が四千円強高うございます。これらのことから見ますと消防職員の昇格が一般行政職員に比べて遅いとは必ずしも言えないのではなかろうか、このように思います。
 それから、給与の不払い等の話がございましたけれども、これは職員の給与とか勤務時間は条例の定めるところでございまして、休日勤務手当でも時間外勤務手当でも、それは条例の定めるところによって支給されるべきものでありそのように行われているものと、このように考えております。今後とも適正な取り扱いについては十分ひとつ指導してまいりたい、このように考えております。
#45
○有働正治君 その点についてぜひ実情を改めて調査していただきたい、個室化の問題、それから職員の賃金、労働条件、いろいろ問題があるんです。
#46
○政府委員(紀内隆宏君) 特別に問題等があるような場合については調査をしてまいりたい、このように考えております。
#47
○有働正治君 相当具体的に地域から要望が出されていますので、ぜひそれはやるべきだということを主張しておきます。
 消防施設の超過負担問題。
 千葉県のある人口急増自治体が昨年購入いたしました消防ポンプ自動車の水一―Aタンク車の例で見ますと、国の基準額は一千四十三万四千円で実際の購入額は一千六百四十八万円、六百四万六千円の超過負担、自治体負担になっているわけであります。もう一つ申しますと、神奈川県の人口急増自治体で昨年購入の消防ポンプ車でも、国の基準額は七百九十七万四千円で実際の購入額は一千五百四十九万二千円、自治体の超過負担額は実に七百五十一万八千円。
 消防現場では、実勢価格に見合う基準額にぜひ改正願いたいと強い要望が出されています。そういう点で、国の基準額の大幅引き上げなど早急かつ抜本的な対応を求めるわけでありますが、いかがでしょうか。
#48
○政府委員(紀内隆宏君) 確かに、消防の施設の補助金につきましては、昭和五十八年以来、消費税の見直しの部分を除きますと行っておりません。したがって、補助基準額と実勢価格との間にある程度の乖離が生じております。
 平成六年度につきましては、この予算案の中の積算としての予算単価は、防火水槽と消防ポンプ自動車等でございますけれども、基本的な消防施設につきまして一定の見直しを行っているところでございまして、予算成立後はそれを勘案して補助基準額を新たに定め直していく、こういうことによってその乖離は小さくなっていくというふうに思っております。
 今後もその見直しには努めていきたいと考えております。
#49
○有働正治君 現状はやはり政府の今の対応では間尺に合わないということであります。
 次に、千葉県のある人口急増自治体の消防本部では、救急救命士養成の割り当てがありませんでした。配置のめどが立っていません。こうした自治体が数多く見られるわけであります。国の責任で全国の消防職場に救急救命士活動が実効の上がるよう、一つには高規格救急車の配備、二つには救急救命士の養成と配置を図るよう特段の手はずを求めるわけでありますが、いかがですか。
#50
○政府委員(紀内隆宏君) まず、高規格救急自動車につきましては既に地方交付税におきまして必要な措置を講じているわけでございますけれども、あわせて、その導入をプッシュするという意味から国庫補助を行うということをしております。平成六年度にはこれは対象団体を八十から百にふやすということにしているところでございます。
 また、救急救命士の養成につきましてはできるだけ早期に養成する必要があるわけでございますけれども、何分専用の施設あるいは六カ月に及ぶ専門的な訓練が必要ということでございまして、養成について一定の制約がある事情は御理解いただきたいと思います。しかしながら、平成六年度からは救急振興財団の東京研修所というものが年間四百名の養成が可能になりますし、また平成七年度からは九州におきましても研修所の開議を予定しているところでございまして、今後は大幅な養成規模の拡大が可能になると考えております。
#51
○有働正治君 大臣、この問題について、職員の充足率の改善、それから賃金、労働条件の改善、超過負担の解消等、今私申し上げました。すべての消防職員の方々が国民の生命と財産を守るという活動に誇りを持って、しかも具体的な措置ができるように対応していただきたいという、その決意を求めるわけであります。
#52
○国務大臣(佐藤観樹君) 御承知のように、消防の場合には二十四時間体制ということでございますから、交代制の勤務をやっているというそういう特殊な勤務体制もございますし、また火災出動時には大変な危険を伴う仕事であるということを十分配慮して、今日まで処遇の改善ということにはいろいろ努めてきたものと私たちは考えておるわけでございます。
 交付税措置等を通じまして、消防職員の給与、人員、執務環境、こういったものに努めてきたわけでありますが、御指摘のように、週休二日制というものをさらに増強していくための増員ということにつきましても、そういった人員増に対しまして財政措置をしますとともに、また、何といっても体を使う仕事でございますから、仮眠室にいたしましても休眠室にいたしましても、そういった処遇の改善というものについても一層図っていかなきゃならぬというふうに考えております。
#53
○有働正治君 限られた時間ですので、次に成田財特法について私は具体的な問題で端的にお尋ねしますので、端的にお答え願えれば助かります。
 まず、運輸省の方に空港周辺の騒音問題についてお尋ねします。
 民家防音工事につきまして、既存の民家防音家屋の増改築、建てかえに際しまして再度助成を早期に制度化してお願いしたいという要望が数多く聞かれます。実情を踏まえて積極的に対応していただきたいということが一つ。
 それから、現在、民家防音工事の助成は七十五W以上の第一種区域内と谷間地域の住宅が対象となっていますが、実態は非常に深刻で、改善を求めています。基準を七十Wとするなど実態と要望に合った措置をとるよう要望が出されています。これについて善処を求めます。より根本的に、七十Wの騒音分布図を運輸省がいまだ発表していないということも改善が求められて、これについての対応も求めるわけであります。
#54
○説明員(松浦道夫君) 最初の民家防音工事の再助成の問題につきましては、地元から強い要望があることを私ども伺っております。それからまた、御承知のとおり、現在、地域と空港の共生といいますか問題を解決するために円卓会議ということで話し合いをいたしておりますけれども、そこでも成田空港のような大規模な空港の特性というものにかんがみまして、今先生の御指摘のあったような点につきまして要望が強く出されております。
 したがいまして、空港公団におきまして実際に防音工事を過去やった家屋につきまして私ども具体的に実態調査を現在やっております。その調査結果が出ますので、その結果を踏まえまして、関係機関と相談しながら成田空港における今後の対応というようなことで一生懸命取り組んでまいりたいと思います。
 それから、二つ目の民家防音工事の区域、その対象の範囲につきまして広げるべきではないかというお尋ねでございますが、御承知のとおり、昭和四十九年から発足いたしまして、最初はWECPNLの八十五という区域からスタートさせまして、八十、それから現在七十五ということで、だんだんとその対象区域も広げてまいって一生懸命今までやってきて多数の世帯につきまして工事を実施してきたところでございますけれども、さらに広げるべきではないかというお話でございます。
 この点につきましては、環境基準との関係、環境庁で決められております航空機騒音に係る環境基準との関係におきましても、通常の家屋の構造でも十五ぐらい下がるというのが一般的に言われておりますので、そういう意味でも七十までのところにつきまして実施するということにつきましてはちょっと問題があるなという感じがしておりますのと、それからもう一つは、やっぱり騒音対策というのはまず何よりも音が出る方の発生源対策というものを一生懸命やらなきゃいかぬわけですが、そちらとの兼ね合いがあったり、あるいは国家財政が非常に厳しいとかという話がありますので、そういう意味ではちょっと御理解をいただきたいということで、区域を広げるという問題につきましては大変厳しい状況であるということを御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
#55
○有働正治君 ちょっと悪いんですけれども、まとめて聞かせていただきます。
 ある建築設計士の方の話によりますと、現在、防音工事で公団指定の仕様に基づかないと補助が出ません。ぶこつでいわばださい、学校の防音サッシと同じものが住宅で使われるということで、若い人の感覚、好みに全く合わないと改善が求められています。
 そこで、一つは、公団仕様の防音サッシ以外について補助対象としていただきたい。それから複雑な手続、私も調べてみまして本当に複雑です。この手続をせめて住宅公庫並みに簡素化していただきたいという要望が出されているんで、この改善を求めたい。
 自治省にまとめてお尋ねします。
 下総町の事例ですが、今回新たな追加事業として農業集落排水事業を追加されていますが、財政的裏づけがありません。これではせっかく指定されても対応できないということで非常に苦慮しています。したがって、何らかの手だてをとれないかと。
 こういうのは、芝山町では例えば中学校移転が進められていますが、これについて補償の色よい返事がもらえないので非常に苦慮しているという状況がございます。老人福祉センターの建設もあるようであります。こういう問題を含めましてしかるべき補助を考慮していただき、もし無理ならば新規制度でもつくっていただきたいという要望も出されています。全体として今回特例対象事業から随分除外されています。一々申しません。私は成田その他で具体的に聞きました。そういう点からいったならば、かさ上げが一定程度できるように改善を願いたいということでありますが、いかがですか。
#56
○説明員(松浦道夫君) まず最初の防音サッシの仕様につきましてもうちょっと幅を広げて対応すべきではないかという御指摘でございますが、現在そんな御指摘が地元にもあることを承知しておりまして、今そのために実態を調査しているところでございますので、その結果に基づきまして御指摘の方向で対応を考えたいと思います。
 それから、民家の防音工事を受けるのに手続が大変なんではないかということでございますが、もう簡素化するのは当然でございます。そういいながら、おのずから限度がございますんですが、できるだけそういうことでやってまいりたいと思います。
 それから、芝山中学なんかの移転の助成といいますか財政的な支援ということにつきましては、これはそのように考えております。航空機騒音防止法に基づきましてきちっとした的確な対応をしたいと思っております。
 それから、老人福祉センターというお話もございましたかと思うんですが、これにつきましては具体的な案件をちょっとまだ伺っておりませんので、今の要件に合うような、老人福祉法に基づく老人福祉センターということでしたら航空機騒音防止法に基づきまして対象になりますので、それはそれで具体的な問題として対応してまいりたいと思っております。
#57
○政府委員(湯浅利夫君) 農業集落排水事業につきましては、御指摘のように、市町村事業として実施しますけれども、国の補助率は事業費の二分の一ということでかさ上げの対象にはしていないわけでございます。この事業はもともと予算補助事業ということで他の各種のかさ上げ法におきましてもかさ上げの対象になっていないという関係もございまして、この法律でかさ上げの対象にするということはなかなか難しいということでございます。
 ただ、財源的には困らないようにということで千葉県からの単独の補助金もこれには拠出するというようなことも伺っておりますし、また、この補助裏につきましては地方債、地方交付税によります支援措置も講じてまいりますので、事業の実施につきましては心配がないんじゃないかというふうに私どもは考えております。
#58
○西川潔君 私は、まず消防施設強化促進法についてお伺いをいたします。
 この法律の適用年度を延長する法案につきましては、前回の改正時にたしか佐藤大臣の社会党は反対をされたように記憶をしております。五年を経過いたしまして、今回その法案を提出される所管大臣になられたわけですけれども、悪意も他意もございませんが、素直に今の感想をちょっとお伺いしてみたいと思います。
#59
○国務大臣(佐藤観樹君) 前回の改正、前回のこの期限が切れて新たに法律を延長したときが平成元年でございますけれども、御承知のように、このとき新たに市町村の財政力指数が一を超えるところにつきましては七分の三の補助率から十分の四に引き下げたわけでございます。社会党といたしましては、この部分に反対したというふうに聞いておるわけでございまして、今度の場合にはそのままの延長ということになっているわけでございますが、財政状況の厳しさにつきましてはおわかりのとおりでございますので、財政力指数が一を超える政令指定都市あるいは財政力がそれだけあるところについては御理解をいただいてそのまま延長させていただいたということでございます。
#60
○西川潔君 ありがとうございました。
 実は私も前回は反対でございました。ですから、きょうはしっかり皆さん方のお話をお伺いいたしまして、そしてきょうの賛否に自分は役立てたいというふうに思っております。
 そこで、まずお伺いしたいのは、前回の改正当時と現在とでは人口急増地域の消防施設の整備状況についてどういうような変化がございましたのか、そのあたりからお伺いしたいと思います。
#61
○政府委員(紀内隆宏君) 実は前回の場合と今回の場合とで人口急増市町村そのものが入れかえもございますので、前回人口急増の要件を満たし今回も満たしているというような単独の消防本部について比較する、こういうことで見てまいりますと、代表的なものを申し上げますが、消防ポンプ自動車は昭和六十二年度に三百二十九台、平成二年度では三百四十七台で、十八台、五・五%増加しているという状況でございます。
 ちょっと申しおくれましたけれども、私ども三年置きに調査しているものですから、この幅の中に入る三年というのは昭和六十二年と平成二年の比較になります。
 それから次に、はしごつきの消防ポンプ自動車について見ますと、昭和六十二年度におきましては二十七台、平成二年度では三十台ということで、三台、一一・一%増加しているという状況でございます。
#62
○西川潔君 前回の改正案には一部の適用団体に対して補助率を引き下げる内容が盛り込まれていたわけですけれども、その地域の整備促進に支障がなかったかどうかについてお伺いしたいのと、この補助率引き下げについて、実はこの部分は私ども前回反対した主な理由でございますので、この点をしっかりと御説明していただき、お伺いしたいと思います。
#63
○政府委員(紀内隆宏君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、前回の延長時に一部の市町村につきまして七分の三から十分の四に引き下げるということを含んでおりましたが、七分の三と十分の四の差というのは全体について見ますと三十五分の一の差でございまして三%弱の低下ということになるわけでございますが、これが平成元年度から五年度までで一体幾らになるのかといいますと総額で四千四百万円でございまして、仮に一年当たりで見ますと全国ベースで九百万円という引き下げの数字にとどまっているわけでございます。
 そういうこともございますし、また補助率が十分の四とされた一部の市町村というのは財政力指数が一以上と比較の問題ではございますけれども余裕のある団体であるということもございまして、計画された消防施設につきましては着実に整備がなされたと、このように聞いております。
#64
○西川潔君 平成二年度の消防施設の整備状況の調査を見てみますと、対象事業の一部については人口急増地域の充足率の方が全国平均よりも高い数字となっているわけですね。そういう部分もあります。この点はどのように理解すればよいのか、例えばこの消防水利についての方を御説明いただければと思うんです。
#65
○政府委員(紀内隆宏君) 確かに、消防水利の充足率につきましては人口急増市町村の方が全国よりは高い数字を示しておるわけでございます。
 ただ、この消防水利の中には防火水槽等もございますけれども、消火栓というもののウエートが非常に高うございまして、その場合、上水道施設が発達した人口急増市町村というのがおのずと高くなる、こういうことであろうかと思います。
 また、お尋ねの趣旨が仮に上回っているものについては特例措置を講じなくてもいいじゃないかというお話であるとすれば、実は今回の補助率のかさ上げの対象となっている消防水利は防火水槽の話でございまして、防火水槽というのは断水などがあった場合に絶対的な水源として必要だという性質のものでございますので、その点を御理解いただきたいと思います。
#66
○西川潔君 わかりました。
 もう時間が少ないものですから最後の質問になりますが、今回は人口急増地域に対する措置という内容の法案でございますけれども、他方、住宅火災での死者の約半数は六十五歳以上のお年寄りが占めているという、この点につきましても、今後の超高齢化社会を迎えるに当たりまして消防行政における高齢化対策は大変重要な問題であると思います。
 昨年、この問題につきましても本委員会で質問をさせていただきました。この点につきまして、きめ細かな施策に取り組んでいただきたいと思いますし、昨年この委員会で質問をさせていただきましたときに消防庁長官がおいでになれなかったものですから、長官に御答弁をいただいて、最後にしたいと思います。
#67
○政府委員(紀内隆宏君) 御指摘のように、高齢化社会を迎えまして住宅防火対策等が大変重要になってまいります。もう一つは、高齢者を収容する施設等における防火対策になろうかと思いますけれども、いずれの面につきましてもきめ細かい対策を今後とも実施してまいりたい、このように考えております。
#68
○西川潔君 よろしくお願いします。
#69
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#70
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#71
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#73
○委員長(岩本久人君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 平成六年度の地方財政計画について政府の説明を聴取いたします。佐藤自治大臣。
#74
○国務大臣(佐藤観樹君) 平成六年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 平成六年度の地方財政につきましては、現下の厳しい経済情勢と地方財政の状況にかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方税負担の公平適正化及び地方交付税の所要額の確保を図り、歳出面においては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、景気に可能な限り配慮しつつ、自主的、主体的な活力ある地域づくり、生活者、消費者の視点に立った社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくりなどを積極的に推進するため必要な事業費の確保に配意する等、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、地方財政の健全性の確保にも留意し、節度ある行財政運営を行うことを基本としております。
 以下、平成六年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 第一に、地方税については、個人住民税の特別減税を実施するとともに、最近における社会経済情勢の変化に対応して早急に実施すべき措置を講じることとしております。
 第二に、地方財政の運営に支障の生じることのないようにするため、所得税及び住民税の特別減税等に半う影響額については、地方交付税の増額及び減税補てん債の発行により補てんすることとしております。
 また、所得税及び住民税の特別減税等以外の地方財源不足見込み額についても、地方交付税の増額と建設地方債の増発により補てんすることとしております。
 第三に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、景気にも可能な限り配慮して、自主的、主体的な活力ある地域づくり、生活者、消費者の視点に立った社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくり、住民生活の安全の確保等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講じることとしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることといたしております。
 以上の方針のもとに平成六年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十兆九千二百八十一億円となり、前年度に比し四兆五千百二十九億円、五・九%の増加となっております。
 以上が平成六年度の地方財政計画の概要であります。
#75
○委員長(岩本久人君) 次に、補足説明を聴取いたします。湯浅財政局長。
#76
○政府委員(湯浅利夫君) 平成六年度の地方財政計画につきましては、ただいま自治大臣から御説明したとおりでございますが、なお若干の点につきまして補足して御説明いたします。
 地方財政計画の規模は、八十兆九千二百八十一億円で、前年度に比較いたしまして四兆五千百二十九億円、五・九%の増加となっております。
 なお、特定資金公共事業債の繰り上げ償還金を除いた場合の規模は七十九兆千四百四十三億円で、前年度に比較いたしまして三・六%の増加となっております。
 まず、歳入について御説明いたします。
 地方税の収入見込み額は、道府県税十三兆七千三百三十七億円、市町村税十八兆八千四百七十二億円、合わせて三十二兆五千八百九億円であります。前年度に対し、道府県税は一兆千三百九十八億円、七・七%減少し、市町村税は八千三百四十五億円、四・二%減少しております。
 なお、平成六年度の税制改正としては、個人住民税において一年度限りの措置として定率による特別減税を実施するほか、特定扶養親族に係る控除額の引き上げ、個人住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、法人住民税均等割の税率の見直し等を行うこととし、一兆五千九百三十四億円の減収を見込んでおります。
 また、地方譲与税の収入見込み額は、総額一兆九千二百六十二億円で、前年度に対し二百四十七億円、一・三%の減少となっております。
 次に、地方交付税につきましては、平成六年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ一定割合の額の合計額十三兆六千百八十三億円から平成四年度分の精算額一兆三百六十五億円を減額した額十二兆五千八百十八億円に地方交付税法附則第四条第三項に基づく加算額のうち千七百六十億円を加算した額に、交付税特別会計における資金運用部からの借入金二兆九千百七十九億円を加算した額から同特別会計借入金利子二千百三十七億円を控除し、同特別会計の剰余金活用額四百億円を加算した額十五兆五千二十億円を計上いたしました結果、前年度に対し六百六十八億円、〇・四%の増加となっております。
 国庫支出金は、総額十四兆千七百四十三億円で、前年度に対し一兆九千四百五十二億円、一五・九%の増加となっております。
 次に、地方債につきましては、住民税等の特別減税等に伴う減収額を含む地方財源の不足に対処するための地方債を含め、普通会計分の地方債発行予定額は十兆三千九百十五億円で、前年度に対し四兆千六百六十一億円、六六・九%の増加となっております。
 なお、地方債計画全体の規模は十四兆七千三百四十億円で、前年度に対し四兆三千七百五十五億円、四二・二%の増加となっております。
 また、使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案した額を計上いたしております。
 以上の結果、地方税、地方譲与税及び地方交付税を合わせた一般財源の合計額は五十兆九十一億円となり、歳入全体に占める割合は前年度に対し六・二ポイント減の六一・八%となっております。
 次に、歳出について御説明いたします。
 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は二十二兆三千三百二億円で、前年度に対し四千三百七億円、二・〇%の増加となっております。職員数につきましては、国家公務員の定員削減の方針に準じ、定員削減を行うとともに、福祉関係、保健等の関係職員について所要の増員を見込むことといたしております。
 次に、一般行政経費につきましては、総額十六兆千百十三億円、前年度に対し二千三十六億円、一・三%の増加となっております。
 このうち、国庫補助負担金等を伴うものは七兆四億円で、前年度に対し二千五億円、二・九%の増加となっております。
 国庫補助負担金を伴わないものは九兆千百九億円で、前年度に対し四千三十一億円、四・六%の増加となっております。
 この中では、社会福祉関係経費を充実するとともに、農山漁村対策及び地域情報発信等対策に要する経費を新たに計上いたしております。また、環境保全対策に要する経費、国際化推進対策に要する経費、森林・山村対策に要する経費、地域文化振興対策に要する経費、高等学校以下の私立学校に対する助成経費、ふるさとづくり事業に要する経費、災害等年度途中における追加財政需要に対する財源等を計上いたしております。
 公債費は特定資金公共事業債の繰り上げ償還金一兆七千八百三十八億円を含め総額八兆九千二百十五億円で、前年度に対し二兆三千六百六十八億円、三六・一%の増加となっております。
 維持補修費につきましては、前年度に対し二百七十九億円、三・二%の増、八千九百五十三億円を計上いたしております。
 投資的経費は総額二十九兆七百二十三億円で、前年度に対し二兆二千八百五億円、八・五%の増加となっております。
 このうち、直轄・補助事業につきましては十兆五千五十八億円で、前年度に対し二千九百十二億円、二・九%の増加となっております。
 地方単独事業につきましては、景気に可能な限り配慮しつつ、自主的、主体的な地域づくり、生活者、消費者の視点に立った社会資本の整備、森林・山村対策等の積極的な推進を図ることができるよう所要の事業費を確保することとし、前年度に対し一兆九千八百九十三億円、一二・〇%増の十八兆五千六百六十五億円を計上いたしております。
 公営企業繰出金につきましては、上下水道、交通、病院等の生活関連社会資本の整備の推進等に配意し総額二兆七千八百七十五億円を計上いたしております。
 最後に、地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費については、税収入の状況等を勘案して所要額を計上いたしております。
 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
#77
○委員長(岩本久人君) 以上で説明の聴取は終わりました。
#78
○委員長(岩本久人君) 次に、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。佐藤自治大臣。
#79
○国務大臣(佐藤観樹君) ただいま議題となりました地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 まず、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 当面の経済情勢に対応するため、個人住民税について平成六年度限りの措置として定率による特別減税を実施するとともに、最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、個人住民税所得割について非課税限度額の引き上げ及び特定扶養親族に係る控除額の引き上げを行うほか、法人住民税均等割の税率の見直し、土地の評価がえに伴う不動産取得税の課税標準の特例措置の創設、非課税等特別措置の整理合理化等の措置を講じることとし、あわせて、個人住民税に係る特別減税等による減収額を埋めるため、地方債の特例措置を講じる必要があります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 まず、個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、当面の経済情勢に対応するため、平成六年度限りの措置として一兆六千億円余の定率による特別減税を実施することといたしております。この特別減税においては、税負担の軽減効果が早期に実現することとなるよう、徴収方法についても特例措置を講じることといたしております。
 また、低所得者層の税負担に配慮するため、所得割の非課税限度額を引き上げるとともに、教育等の諸出費のかさむ中堅層の税負担に配慮するため特定扶養親族に係る控除額を三万円引き上げるほか、前年中において所得を有しなかった者に係る非課税措置を廃止する等の措置を講じることといたしております。
 次に、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、昭和五十九年度以来据え置かれてきた均等割の税率について、その後の物価水準等の推移、法人の事業活動と地域社会との受益関係等を勘案し、その見直しを行うことといたしております。
 また、移転価格税制の適用に伴う法人の道府県民税及び市町村民税の更正により生じる過納金等の額について、次回に納付すべき税額から当該過納金等の額を控除する制度を導入するとともに、控除し切れなかった金額は一定の方法により還付するものとする特例措置を創設することといたしております。
 その二は、事業税についての改正であります。
 事業税につきましては、マスコミ等七事業に係る非課税措置の廃止に伴う経過措置について、四年間に限り段階的な措置を講じつつ、廃止することといたしております。
 また、移転価格税制の適用に伴う法人事業税の更正により生じる過納金等の額について、法人の道府県民税及び市町村民税と同様の措置を講じることといたしております。
 その三は、不動産取得税についての改正であります。
 不動産取得税につきましては、平成六年度の土地の評価がえに伴い、宅地評価土地について、平成六年一月一日から平成八年十二月三十一日までの間に取得した場合に限り課税標準を価格の三分の二の額とし、特に平成六年一月一日から同年十二月三十一日までの間に取得した場合にあっては課税標準を価格の二分の一の額とする特例措置を創設する等の措置を講じることといたしております。
 その四は、自動車税及び自動車取得税についての改正であります。
 自動車税及び自動車取得税につきましては、メタノール自動車に係る税率の特例措置を二年間延長する等の措置を講じることといたしております。
 その五は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 固定資産税及び都市計画税につきましては、信用協同組合、労働金庫、信用金庫及びこれらの連合会が所有し、かつ使用する事務所及び倉庫に係る固定資産税及び都市計画税の非課税措置を廃止し、事業規模を勘案した経過措置を講じつつ、課税標準を価格の二分の一の額とする特例措置に移行することとするほか、公害防止設備に係る固定資産税の非課税措置等について整理合理化を行うことといたしております。
 また、三大都市圏の特定市に所在する一定の市街化区域農地で、都市計画の決定に基づき土地区画整理事業等によって計画的な市街化が図られるものについて、固定資産税及び都市計画税を三年間減額する措置を創設することといたしております。
 その他、特定フロン等に代替する物質を使用する一定の設備、第一種電気通信事業者が新設する電気通信の高度化に資する一定の電気通信回線設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置を創設する等の措置を講じることといたしております。
 その六は、特別土地保有税についての改正であります。
 特別土地保有税につきましては、三大都市圏の特定市の市街化区域における課税の特例措置の対象となる土地の取得期限を繰り上げ、平成五年十二月三十一日までとする等の措置を講じることといたしております。
 その七は、事業所税についての改正であります。
 事業所税につきましては、大阪湾臨海地域開発整備法に基づく開発地区において整備される一定の中核的施設に対し、新増設に係る事業所税の非課税措置及び資産割の課税標準の特例措置を創設する等の措置を講じることとしております。
 第二は、地方財政法の改正に関する事項であります。
 地方財政に関する事項につきましては、個人の道府県民税または市町村民税に係る特別減税等による減収額を埋めるため、地方債の特例措置を講じることといたしております。
 以上が地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 地方財政の状況等にかんがみ、平成六年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正に伴って必要となる経費及び地方団体の行政水準の向上のために必要となる経費の財源を措置するため、地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、平成六年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に二千百六十億円及び交付税特別会計借入金二兆九千百七十九億円を加算した額から、同特別会計借入金利子支払い額二千百三十七億円を控除した額とすることとしております。
 また、平成十二年度から平成二十一年度までの地方交付税の総額につきましては、七千八百八十億円を加算することとしております。
 次に、平成六年度分の普通交付税の算定につきましては、高齢者の保健及び福祉の増進に要する経費を充実することとし、新たに高齢者保健福祉費を設けることとしております。
 また、自主的、主体的な地域づくりの推進等地域振興に要する経費、生活保護基準の引き上げ等福祉施策に要する経費、教職員定数の改善、義務教育施設の整備、私学助成の充実、生涯学習の推進等教育施策に要する経費、道路、街路、公園、下水道、社会福祉施設、清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、自然環境の保全、廃棄物の減量化等快適な環境づくりに要する経費、農山漁村対策、森林・山村対策に要する経費、地域社会における国際化、情報化への対応及び文化の振興に要する経費、消防救急業務の充実等に要する経費並びに国民健康保険財政についてその安定化のための措置等に要する経費の財源等を措置し、あわせて、道府県民税及び市町村民税の所得割の減収補てんのため特別に発行を許可された地方債の元利償還金を新たに基準財政需要額に算入することとしております。
 さらに、平成六年度においては、基準財政収入額の算定方法について、道府県民税及び市町村民税の所得割の特別減税等による減収額を加算することとする特例を設けることとしております。
 以上が地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#80
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 なお、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する政府委員からの補足説明につきましては、理事会で協議いたしました結果、説明の聴取を行わず、本日の会議録に掲載することといたしました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○関根則之君 またまた地方財政が大変厳しい状況になってきているわけでございます。
 先ほど地方財政計画を御説明いただいたわけでございます。大蔵と折衝していただいて、地財対策の結果、財源不足をどう埋めるのか、そういうことが決まってきていると思いますけれども、ちょっと整理をしてみますので確認だけ最初にしていただきたいんですけれども、財源不足額は平成六年度五兆八千七百七十九億ということでよろしゅうございますか。
 六兆円近い財源不足が生じてしまったわけでございますけれども、したがってそれに対する対応策、どういう措置を講じるのかということを見てみますと、交付税特別会計における借り入れが二兆九千百七十九億、それから償還の繰り延べ、当然今まで借り入れた金額なり返さなきゃならないやつを返さないで済ませて次年度以降に送るということだと思いますが、償還繰り延べが千九百七十九億、それから地方債を活用いたしまして財源不足を埋め合わせているわけですけれども、減税に伴う補てん債であるとかあるいは建設事業に充当する地方債であるとか、それらを全部合わせて地方債による措置が二兆五千四百六十一億。
 要するに、今申し上げた三つの項目、繰り延べとはいいながらこれは一種の借金、交付税特会での借り入れというのもこれはもちろん借金、それから地方債というのは当然借金ですから、借金が五兆六千六百十九億。わずかに財源措置らしい措置をしたのは、加算額の千七百六十億と特別会計に剰余金があるというので四百億入っています。この特別会計の剰余金というのはよくわからないんですが後でお尋ねするといたしまして、この額を合わせて二千百六十億がまあまあ措置というか、何か努力、工夫を凝らしたかなという感じでわずかにあるだけ。ほとんど大部分、率にいたしまして九六・三%は借金、こういう財源不足対策になっているんじゃないかと思いますけれども、以上の点について間違いがあるのかないのか、そこだけちょっと確認をしていただきたいと思います。
#82
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘のとおり、減税による減収に対する補てん策、それからそれ以外の通常の収支不足に対する補てん策につきましては、総括していただきました数字に間違いはございません。
 ただ、ちょっと一言言わせてただきますと、私ども住民税、所得税等の減税に伴う補てん分につきましては借入金で当面賄いましたけれども、これはあくまでも当面の資金つなぎということで、将来におきまして総合的な税制改正によりましてきちっとこれは補てんをしてもらわなきゃならないものであるということをつけ加えさせていただきたいと思います。
#83
○関根則之君 数字的にはまさにそのとおりだということですから、基本認識は違っていないと思います。
 ただ、その受けとめ方として御説明があったわけですが、その前に、今までともかく地方財政は大変厳しい局面を何遍にもわたって体験をしております。財源不足が生じますと、そのたびにそれに対する財源措置をしているんですけれども、今回のように六兆円もの財源不足額が生じた、この財源不足額は史上最高であるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#84
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおり、減税を含めますと六兆円近い財源不足というのは過去において最大のものになっておるわけでございます。
#85
○関根則之君 湯浅局長は大変減税にこだわって、減税があるから財源不足がこんなになっちゃったんだというような感じの御答弁をいただいております。お気持ちとしてはよくわかるんですけれども、しかし、減税だってやっぱり一つの何と言いますか財政に対する負担要因というか、マイナス要因であることは間違いないんで、それをやらなきゃ別なんですが、やる以上は財源がそれだけ少なくなるわけですから、それに伴って支出が一定額であればそこに財源不足額が生じてくる。財源不足額の増大の要因であることは間違いないんで、財政的な受けとめ方としては当然、減税をやった場合に減税の穴埋めができていなければ、それの裏打ちというもの、それによって穴があいている部分というのは財源不足額としてカウントしていかなければいけないというふうに思います。
 そこで、まさに史上最大のこれは大財源不足が生じてしまった、大臣、こういう認識はお持ちですか。
#86
○国務大臣(佐藤観樹君) 大変重い大きな負担だというふうに感じておるわけでございますが、ただ、この際やはり景気回復をさせることが政治の最も重要な課題である。したがいまして、私たちといたしましては、恒久的な財源を地方財政の中で見つけることはもちろん今後議論がある中で当然でございますけれども、あわせまして、やはりこういった個人消費を喚起するということによって景気の回復を図り、またそれが地方財政にプラスに返ってくるようにということもございますので、そのことも期待をしつつ、総計が百兆を超える借入金残高になっているということを大きな重みでしっかりと受けとめつつ今後の地方財政の運営はやっていかなきゃならぬという認識をしております。
#87
○関根則之君 事態の認識はしっかりしているんだ、しかし景気刺激のために減税もやらなければならないし、いろいろやらなきやしようがないんだ、こういうお話ですけれども、大臣、後の話はいろんな見方がありますからいいんですよ。
 その前に、ともかく今の地方財政のこの状態というのは史上最悪の状態だ、これは素直に認識しないと、財源不足額は六兆近くある、だけどもそんなものは減税であいている穴だから大したことないんだよ、そんなふうな感覚でもし自治省がお話をし、それをそういう気持ちで地方団体が受け取って財政運営をやったとするとこれは大変な問題になってくる。
 また、来年、再来年とこれからにつないでいく問題ですから、ことし一年の財政運営を三千三百の地方団体がどうやっていくか、そのときに地方団体の議員さんたちにもしっかりと踏まえていただかないと大変なことになるんですから、どうかひとつ、今この地方財政が置かれている状態というのは大変な状態なんです、財源不足額は史上最高なんだということだけはしっかりと認識をしていただいて、地方団体にもそういう状況を説明し、また、どういうふうにするかま別としても大蔵に対しても認識をしてもらい、国全体の財政運営の中で地方財政がこういう状況にあるという認識を得るためのPR、これをしっかりとやってもらいたいと思うんですが、どうですか。
#88
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員今御指摘のように、私たちも大変重大な財政状況にあるという認識を持ち、ただ湯浅局長からも申し上げましたように、減税分につきましてはこれもまた今の税制のあり方でそのまま延長するということでなくて根本的な財源対策というものを与党なりに考えてもらわなきゃいかぬということも頭に置きつつ、かっ地方自治体から見れば自治省が何らかの対策を立ててくれるという安易に流れてしまっては地方自治というものの本質からかけ離れてしまうことになると思っておりますので、関根委員御指摘のように、私たちも非常に厳しい状況、このことはしっかりと関係者に十分わかっていただき、やはり次を目指していかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
#89
○関根則之君 しかも、これだけの最高の財源不足が出て、それに対する国の財政の対応策、国の財政自身が非常に苦しいものだから弾力的な対応策が立てられなかった、多分そういうことなんでしょう。結果として九六・三%、ほとんど大部分、一〇〇%近いものを借入金に頼った。こんな財源対策というのは、今までありましたか。
#90
○政府委員(湯浅利夫君) これまでの財源不足に対しましては、借入金を仮にやるといたしましても国からのいろいろな将来の補てんというようなものもあったわけでございますけれども、御案内のとおり、昭和五十九年度に借入金のやり方を抜本的に変えたということもございまして、その後におきまして財源不足のあった場合におきましてはかなり借入金で補てんするという場面はございましたけれども、しかし、このように大きな借入金を財源補てんのためにするということは御指摘のようにないわけでございます。
 国も地方も非常に厳しい財政状況の中で景気対策をやっていかなきゃならぬというようないろいろな諸事情があるとはいえ、こういう情勢になったということはやはり私どもも重大に受けとめて、今後の財政運営の健全化というものに対してきちんと考え方を整理して将来に禍根を残さないようなそういう努力をしてまいらなければならないと思っているわけでございます。
#91
○関根則之君 財政局長も大臣も、この事態というものを本当に深刻に真っ正面から受けとめて今後の財政対策をどうしていくか、また地方団体の財政運営を間違いないようにきちんとやっていかなきゃならないということについての認識は持っていますということですから、ぜひひとつそう
 いうお気持ちで対応していただきたいと思います。
 それにいたしましても、皆さんが努力をなさらなかったとは言いませんよ、言いませんけれども、こういうもうほとんど一〇〇%近いものを借入金に基づいてただ埋めてしまったというやり方は非常に私は残念でならない。国の方が確かに財政は苦しいかもしれないけれども、やはり新しい内閣ができて、地方優先、地方分権、地方自治体の財政運営や行政運営、そういうものを大事にしていくんだ、そう言っている内閣の予算編成として、その一環としての一番大切な地方財政対策としてこういう形のものが出てきたということに対しては本当に残念で残念で仕方がない。もうこれからは地方分権だとか地方重視だとか地方自治が大切だとか、そんなことは余り言ってもらいたくない、そんな気持ちがするぐらいなんですよ。
 皆さん方、大臣以下御努力はいただいたと思いますけれども、ひとつぜひその辺は素直にこの事態というものを、この財源不足対策というものの持っている意味、今までのやり方、今までやってきたことに対する比較といいますか、その上で大変問題があるという認識をぜひ持っていただいて、これから先の地方財政をどうしていくのか、こういうことについてひとつお力をいただければありがたい、こういうふうに思います。
 それで、細かいことですが、特別会計の剰余金四百億、これは何ですか。
#92
○政府委員(湯浅利夫君) 交付税譲与税特別会計におきましては、特に譲与税の関係でございますが、毎月国税が入ってくる都度その一定割合が当然特別会計の中に入ってくるわけでございますが、それと交付時期との間に若干タイムラグがございます。それで利子が発生するわけでございまして、その利子が滞留していった結果かなりの金額になってきた。これをやはりこの際はきちっと使おうということで四百億円を使わせていただくということにしたわけでございます。
#93
○関根則之君 時間をかけてたまってきたものであろうというふうに思います。したがって、交付税特会の中から使える財源を洗いざらい持ち出して使った、その一項目となっておるという意味では一つの工夫かもしれませんけれども、これはただある金を使っただけの話で、それほど褒められるといいますか、大変な大努力の結果ということでもないようでございます。
 しかし、それはそれで一つの財源として使われたということですけれども、そうしてそういう金のほかは全部交付税特会での借り入れであり、減税補てん債として借金をこれから起こしていくんだということだと思いますけれども、これらの交付税特会での借り入れとか、あるいは国が政策的な減税をやる、それに伴って地方もやらざるを得なくて減税をした場合には、従来は必ず地方債でそれを補てんしておりましてもあるいは特別会計で借り入れをしておりましても、その元金なりあるいは利子、大体利子というのはずっと、最近はちょっと違うんですけれども、前は全額国で持っておったという時代があったと思いますけれども、元金についても何ほどか国の財政の方で持ちましょう、こういう約束ができているのが普通なんですが、平成六年の財源対策としてのこの特会の借り入れ及び減税補てん債については、そういう覚書か何かできちんとした国庫の方で負担をするという約束はできているんですか。
#94
○政府委員(湯浅利夫君) 交付税の特別会計の借入金につきましては、委員も御案内のとおり、昭和五十九年度まではほぼ折半で国と地方が持とうというようなお約束があったわけでございますけれども、昭和五十九年度にこの借金の残高を半分に分けて、国が半分は責任を持つ、残りの半分は地方で持ちなさいということで、それ以降については、基本的には原則として借入金をしないで特例措置によって足らないところは措置をしていこう、こういうお約束になったわけでございます。その関係がございまして、それ以後の借入金につきましてはその返済の財源はすべて自分たちの交付税から賄っていかなきゃいけない、こういうことになったわけでございますが、利子につきましてはこれは国の負担でやってもらうということにいたしております。
 ただ、何度も申し上げて恐縮でございますが、所得税の減税に伴って借りなければならなかった分につきましては、この利息も含めまして将来総合的な税制改革の中でこれは補てんしてもらいたいと思いますので国からの利子の負担というものをお願いしておりませんけれども、通常収支の不足分についての交付税の借入金については利子の国庫負担をお願いしているということになっているところでございます。
#95
○関根則之君 五十九年以降は、もう交付税特会での借り入れというのはやめようということできれいに国の持ち分と地方の持ち分というものを分けて整理をしたんですよ。それはわかるんですけれども、さっきから私が申し上げているように、今回の財源不足額というのはもう本当に大変な事態なんですよね。そういう中で、地方に一方的におまえの方で借りておけよというようなやり方でしょう、これは。
 減税補てん債だって特会の借り入れだってそうですよ。特会の利子だけは国の方で持ちましようということだけれども、そういうやり方で済ませているというのはいかにも芸がないといいますか、地方団体こ対して地方の財政運営に支障のないようにいたしますと決まり文句みたいに言っておりますけれども、これで本当に地方団体の財政運営に支障を生じさせないような財源措置ができたと言えるんですか。私はその点を非常に心配をし、この財源対策というものは十分なといいますか、まあまあそんなところかなという対策にはほど遠い対策ではないのかという感じがしてならないわけでございます。
 しかし、いやそんなことはないよ、減税補てん債については後でちゃんと税制改正をやってきちんとした裏打ちをするんだからそれでいいじゃないか、そういう感じの答弁が大臣からもありましたけれども、大臣、それは少し私は言い過ぎだと思いますよ。さっきの本会議でも大蔵大臣がそういう趣旨の答弁をしていましたよ。今はそれはないんだ。確かに赤字債、特例債でいくけれども、後々きちんと財政措置を講じるんだからそんなものは穴のあいているやり方じゃないんだ、それはちゃんと裏打ちがあるんだ、こういうことをおっしゃるんだけれども、これはいかにも国民に対して私は事実を隠ぺいする物の言い方ではなかろうかという気がしてならないんです。
 だってそうでしょう、対策があるのかどうか、財源措置があるのかどうかというのは、その時点で、こういう財源措置をしてやります、これだけ減税しますけれども、この税をこういうふうに増強することによって増収がありますからこれで埋まっているんですということが言えて初めて財源措置ができるということでしょう。
 これから財源措置を考えます。とりあえず穴はあいています。それを特例債でやっていますけれども、とりあえずの措置なんであって、それは近く相談をして、年内に話を決めて税制を決めてやるから大丈夫なんですと、こんな説明が、一般の民間のいろいろ取引だとか例えばこれから事業を進めていくときに財源措置をどうするんだとか、そういうときにそんなことが言えますか。それはやっぱりおかしいんじゃないかと思いますよ。将来そういうものを決めますからとりあえずはいいんだ、そんなおかしなことが通るんですか。いかがですか。
#96
○国務大臣(佐藤観樹君) 将来決めますからそれでいいんだという、そのいいんだという意味は必ずしもよくわからないのでありますが、いずれにいたしましても私たちといたしましては、今の国の情勢も御承知のように、国債整理基金の定率繰り入れもやれない、それから国が減税をする場合でもこれまた全部赤字国債によらざるを得ないというふうな財政状況。地方と我々との間におきましても、御承知のように、特会からの借り入れの償還の延期とか、あるいは今御質問のございました交付税特会の剰余金の四百億も過去の積み上げを利用しなきゃいかぬというような状況になっているという状況でございます。
 しかし、異例の今の経済情勢でございますから、今御指摘をいただきましたように大変な情勢ではございますけれども、私たちとしては個人消費の拡大のためにどうしてもやはり五兆四千億円の減税をやらなきゃいかぬ。これをやるためには、当面目に見えた金額があるわけではございませんけれども、これは年内に与党の責任におきまして必ず税制改革協議会におきましてつくっていただくんですということを前提にしてやっておるわけでございまして、私たちといたしましては、確かに委員御指摘のように現金がそこにあるわけではございませんけれども、しかし、それは責任を持って与党におかれまして税制改革協議会の中で財源を捻出をしていただくということが裏打ちとなって政権を維持し、かつの施策は実行される、こういうことでございますので、御理解をいただけると存じます。
#97
○関根則之君 大臣、私もわからないと言っているわけじゃないんですよ。わかってはいるつもりですよ。しかし、三千三百の地方団体でそれぞれ財政課、財政部というのがあって財政運営をやっているわけですよ。それらの人たちがどういう状況になっているのかということはしっかりと理解をして、そういう上に立って財政運営をやってもらわなきゃいけない。国民の皆様にもこれからの税制論議に対して、本格的な税制改正はどうしなきゃいけないんだ、勝手なことばかりは言えないんだということを理解してもらうためには、やっぱり事実関係というものはしっかりきちっと説明しなきゃいけないと思うんですよ。
 それで、言っているのは、私は平たい言葉で言ったからいいんだという言葉を使ったんですけれども、確かに大蔵大臣もいいんだとは言っていないんですよ。いいんだとは言っていないけれども、財政法四条の特例公債でございます、特例公債でございますけれども、ちゃんと年内には税制改正をやってきちんとした裏打ちをするんですというようなことを言って、要するに全体の答弁として、それで財政措置としてはちゃんとでき上がっているじゃないですか、ただの赤字債じゃないんです、そういう趣旨に受け取れるような物の言い方をしているんですよ。
 私は、政治というのは言葉がよければいいというものじゃないと思うんですよ。時には言葉に詰まっても、下手な言葉を使ってもやっぱり真実をきちっと示さなきゃならない、そういうものが私は特に財政の場合には必要じゃないかという気がしてならないからくどいように申し上げているんです。
 国民の皆さん、赤字債です、借金ですよ、大変なんです、そういうことを言ったらいいじゃないですか。そこで説明は終わりなんですよ。赤字債なんです、赤字なんです、赤字の特例債なんです、そういうことを言って、ただこれをいつまでも赤字のままほっておくと、穴をあけたままになっていると大変なんです、だから税制改正をどうしてもことしじゅうにやらなければいけないんです、それを私どもとしてはやりますと。そこでいいんじゃないですか。
 やるんだから、今度の赤字債に頼ったことが何かいかにも正当化されるような物の言い方をするというのは、かえって国民に対して誤解を与える言い方じゃないか、そんな感じがしてならないんですが、いかがですか。
#98
○国務大臣(佐藤観樹君) 関根委員の言われていることと私の思っていることとは違いは全くないのではないかと思っております。
 確かに委員言われますように、まだ税制改革自体が日の目を見ているわけじゃない、完結したわけじゃない、一つの結論が出たわけではないということは事実でございますが、鋭意与党としては大変な努力をしていただいて、この合意書にもございますように、何度も会議を開いていろんな角度からやっていただいているわけでございます。
 これは福祉社会のビジョンとか高齢化社会における国民の負担とか不公平税制の是正とか、こういったことを全部いろんな角度から協議をして新しい財源を考えるということで、それは「年内の国会において関係の法律を成立させるものとする。」ということでございますから、委員御指摘のように、確かに現実にもう既に税法が見えて幾らのお金が入ってくるということではございませんけれども、いやしくも政権の与党がこれだけのことをおまとめになったわけでございますから、我々としましては当然のことながら信頼を申し上げ、それを一つの手がかりといたしまして今度の減税も実施をさせていただく法案を今提出させていただいているということでございますから、お考えは我々と全く一緒ではないかというふうに思っております。
#99
○関根則之君 大臣、先ほどの本会議で地方消費税の問題が出まして、大変意欲的な御答弁をいただいたと思います。私も消費税を将来検討する場合には、当然地方の独立税源を強化していくという観点からこの消費税のあり方、いわば地方が独立の消費税といいますか、地方の消費税というものを検討していく価値は極めて高いものがある。これは本当に真剣にやっていかなければならないし、これから地方の税源を拡充強化するといったって、もう細かい税、木引をいつまでもやっているわけにいかないんですから、またゴルフ税を特別に徴収するわけにもいかないし例の地方特別消費税でありますところの料飲税を徴収するわけにもいかないでしょう。
 これから地方の税源をだんだん強化します。言葉としては非常にいいんだけれども、それじゃ本当にその税源があるのかといったら、これは所得課税は別ですよ、法人の所得税あるいは法人税、事業税、そういった法人所得に対する課税、この面はまた別ですけれども、それ以外で地方にいただける税源というのは本当に数えるほどしかないんですよ。どうしたってこれからは間接税が中心になってくる、消費に着目した税というものをやっぱり真剣に検討をしていかなけりゃいけないだろう、そう思っています。
 だって、直間比率の是正だとかなんとか、これも格好のいい言葉を言いますけれども、直間比率の是正なんて簡単にできる話じゃないんですよ、一%動かすといったって大変な金額が必要なんですから。そうでしょう。国税が六十兆円超えているし、まあことしはちょっと下がったから五十五兆円ですけれども、地方税だって三十二兆円あるわけでしょう。それの一ポイントを動かすということになると、三十二兆円の一%というのは幾らですか、三千二百億でしょう。それだけの税源。しかし一ポイント動かしたんじゃ直間比率が動いたなんということは言えませんよ。直間比率が動くということになれば一〇%ぐらいは変えなきゃいけないでしょう。七〇%を六〇%にして果たして直間比率が変わったと言えるのかどうかわかりませんけれども、それにしたって、そうなると五%、もう大変な金額を、兆単位の税をかませないと直間比率を大幅に動かすなんてことはできないわけです。
 だから、これから私は消費に対する課税というものを、消費税とは申し上げませんが、そういうものを本当に真剣に考えていかなければいけないと思います。そういう意味で、大臣が先ほど本会議における答弁を積極的になされたことについては私は基本的には賛成です。しかし、それをいつどういう形でやるかということについていろいろ問題が出てくると思います。
 大臣が先ほどの御答弁で言われました地方消費税を検討対象に加えていくというのは、考え方としてはどうなんですか、今の消費税三%の中でそのうちの一定部分を地方消費税として考えているんですか、それとも三%の全体をふやして、ふえた分のどの程度かわかりませんが、要するに上乗せ分で地方消費税というものを考えているんですか、どっちですか。
#100
○国務大臣(佐藤観樹君) 地方消費税の問題につきましては、御承知のように、税制調査会も昨年十一月に国と地方の消費税のあり方について並行して審議をするようにということを言われておりますし、また、今各地方公共団体の方からも恒久的な安定的な財源のために地方消費税の創設をという要望も多く来ているわけでございます。
 委員言われますように、地方消費税へいくまでにいろいろな環境整備と申しましょうか、いろんな議論をある程度踏まえなきゃならぬと思っているんです。結論初めにありきではないと思っております。したがって、一体これから高齢化社会に向かって我々はどれだけ負担が必要なのだろうか、金額が必要なんだろうか。それは税でやるのかあるいは料金でやるのか、そういう議論も福祉ビジョンについてもいろいろあると思います。それから、不公平税制と言われている国の税制につきましても、例えば総合課税化なんかも含めてどうあるべきだろうかというふうなこともいろいろあろうかと思います。それから、消費税につきましても、益税の問題を初め国民の中にいろいろ不満があるわけでございます。
 やはりこういったものを徹底的に議論をする中で、地方消費税という一つの独立した財源というものがぜひ地方の側から見た場合に必要である。そのときに、私はそういったいわば消費税の欠陥是正という文字まで連立与党の方の代表者会議の合意書にはなっておるわけでございますから、したがって私たちといたしましては、単なる消費譲与税というものをふやせばいいという、量の問題、金額の合計ももちろん必要なのでありますが、やっぱり性格について、地方公共団体が徴収をするというこれこそ私は地方自治、地方分権の原点になってくると思いますので、したがって、そういった意味での地方消費税というものがこれから議論の中で最終的にはどうやっても必要である。
 その際に、直間比率の見直しというときには、当然のことながら委員御指摘こなりましたように、本来むしろ国よりも地方公共団体の財政の方が安定的、恒久的な財源がその支出の面からしてもパーセンテージが高くならなきゃならぬということから申しまして、私は間接税が一割しかないということについては今の地方税制の中の性格的な根本的な欠陥だというふうに思っているわけでございます。
 そういったことから申しますと、最終的に三%がどうなるかということにつきましては今申しましたようにその他の税制がどうなってくるかということに関連をしてきますので私ひとりで結論を出すわけにはまいりませんけれども、いずれにしましても、いろいろな角度から議論をする中で、地方分権の時代、またこれから安定的な財源が必要であるということから申すならば、直間比率の見直しというときには、これは今申しましたように、国が間接税三割、直接税七割、地方の方が間接税一割、直接税九割というこの逆転している状況についてはぜひとも変えていかなきゃいかぬし、徴収もみずから自治体自身が担うという、これこそ地方分権にとりましての、量も、あるいは質という言い方はおかしいのでありますけれども、この徴収のあり方も地方公共団体としては考えていかなきゃならぬ、こういう考えに基づいて発言をさせていただいたわけでございます。
#101
○関根則之君 ホットな問題ですからなかなか大臣としてもお話しは難しいんだと思いますが、私の方だってそれこそうかつにお話しできないことでございますけれども、地方税源を充実する、それ以外に本当に地方の自治というものを名実ともに充実していく道はないというふうに私は確信をいたしております。金だけ行けばいいじゃないか、補助金だって譲与税だっていいじゃないかというような物の考え方はしないんだという大臣のお言葉でございますから、それを私は信じて、自治省におかれまして、自治大臣としてぜひひとつそういう地方の独立税源の拡充強化、ともかくそういう方向で御努力をいただきたいと思います。
 地方団体というのは課税権ないんですから、何言ってんだというような顔をしていますけれども、地方団体というのは課税権ないんです。国の法律に基づいて地方団体が課税するだけなんです。独立の課税権なんか地方団体に全くないんです。よく地方主権とかという言葉がこのごろはやっていますけれども、格好よくていいですけれども、こんなものは全く日本の憲法は許していないんですからね。地方はあくまでも分権なんであって、主権を地方団体が持ったら大変なことになる。それと同じ思想、発想の上に立って、地方を尊重はするけれども、地方が独立に課税権をどんどん勝手にできるというような税制度になっていない。それはもう厳然たる事実であるし、このことの基本はやっぱり守っていかなきゃいけないだろうと私は思っています、余計なことかもしれませんが。
 さっきから言っておりますように、地方団体の財源措置については、本当の意味の根っこからの課税権を持っていない地方団体に対しては、どういう税を取るか、どういう自己財源を調達するかという権限は国の方が握っているんです。それが基本的にいいか悪いか、憲法問題までいっていいか悪いかというのは別にありますよ。しかし、今の日本の体制というのはそうじゃない。国の方が法律で課税の基本を定めるということになっているんですから、そういう制度を持っている以上、どうしたって地方は国の方針に従って少なくも税制に関してまいろいろ動かざるを得ないんです。どういう税をつくるか、どういう率で税金を徴収するか、消費税をどうするか、所得税をどうするか、資産課税をどうするのか、そういうバランスの問題だって全部国の方で決まっちゃうわけです。だからこそ地方団体に、地方財政に穴があいたときにはそういうものが埋まっていくように、しかも与えられた仕事がきちんとできるように国の方できちんと面倒を見なさいよ、その上に自分のところの公共事務がきちんと処理できるように、それだけの財源を与えていかなきゃいけないんです。
 それは基本的なその仕組みがいいか悪いかということは憲法論として別にありますよ。しかし、今はそうなんだから、そういう税制度を持っている以上はそこのところに配慮していただいて、財源不足が生じたときにはそれをきちんとカバーをしていく、将来心配のないような財政措置をとっていただく、そのことにぜひひとつ全力を尽くしていただきたいと思います。
 ところで、ここ二、三年の財源不足の状況を見ますと、どういう状況になっているかといいますと、ことしだけが穴があいているんじゃないんです。もう毎年財源不足額がずっと来て、平成四年度二兆二千億財源不足が出ています。平成五年度、補正後の数字ですけれども三兆四千億。平成六年が五兆八千七百七十九億、約六兆円の財源不足でしょう。地方交付税法第六条の三第二項という法律、大臣よく御存じの法律がありますよね。私はさんざんこの条文で責め立てられて、交付税率を動かさなければいけないではないかというお話を伺ってきたこともございますので、何もそれを裏返して申し上げるつもりではございませんけれども、この状況は地方交付税法第六条の三第二項に言う事態に該当しているんじゃないかと思いますけれども、どういう認識を大臣はお持ちですか。
#102
○政府委員(湯浅利夫君) 前段で私から技術的なところをちょっと申し上げたいと思います。
 今御指摘のように、交付税法六条の三第二項におきまして、いわゆる財源不足額というものが普通交付税の総額と著しく異なった場合には交付税率を含む制度改正を行うものとするということになっているわけでございますが、この「引き続き」とか「著しく」という点については、今までの解釈によりまして、「引き続き」というのはこの過不足が二年連続して三年度以降もこれに続くというふうにみなされる場合、また「著しく」というのはこの過不足が特例分を含まない普通交付税の総額のおおむね一割程度以上、こういうことでこれまでも国会で御答弁をさせていただいているわけでございます。
 そういう条文に当てはめた場合に今までの平成四年度あるいは平成五年度についてどうかという点につきましては、これはいろいろの見方はあろうかと思いますけれども、当面これを四年度、五年度について、特に四年度については二兆二千億ということですからこれはちょっと該当にならないんじゃないかと思いますけれども、五年度も減収補てん債が最終的に幾ら出るかまだ最終的にわかりません。そういう状態でございますので、今の段階で平成五年度が当たっているかどうかという点についてはもう少し保留をさせていただきたいと思います。
 ただ六年度につきましては、今仰せのように、六兆円という大きな財源不足がございますから、これは著しく過不足が生じているというところに該当してくるんではないかと思っております。したがいまして、これは二年以上引き続いて三年度まで続く見込みがあるかどうかという、この点についての状況がこれからどうなるかということを見なきゃいかぬと思いますけれども、少なくとも平成六年度におきましては著しく過不足が起こっているという状態が発生したというふうに私ども考えているところでございます。
#103
○関根則之君 余り細かいぎりぎりした議論をしたくはありませんけれども、今までの伝統的な解釈によれば、それから大臣が答弁をしているように、二年間財源不足が生じて三年目もどうも大変な財源不足が出そうだということが見込まれる場合「引き続き」に該当するんだと。それから「著しく」とは大体一割だと。この一割の根拠というのは必ずしも明確じゃないんですけれども、大体交付税総額というふうに理解をされてきているんですよ。
 だから、昭和五十一年とか五十二年、あのころ大変な財源不足額が連年発生をいたしまして、国会で議論になって、やっぱりそれが続けば三年目は制度改正をしなければいけませんよと、その制度改正をやりましたと、こういう答弁が議事録に残っているでしょう。そういう伝統的な解釈を尊重なさるのかなさらないのか、多分なさるんだと思いますけれども、その点についてまずお答えをいただいた後で、そういうことであれば、今の事態というのは年度途中で二兆二千億だから要らないなんというのはとんでもない話でして、これはそんなことじゃないんです。年度途中であろうが何であろうが、財源不足が生ずれば当然その時点でその年度に発生をしたということになるだろうと思いますから、私はこれは、二年連続して財源不足が一割以上生じておって三年度目の平成六年度に六兆近く出てしまったんだから、まさにこの六条の三第二項の事態に該当する。昔の社会党ならそういうことを言ったに決まっていますよ、やられたんですから。これは議事録を調べてみてくださいよ。
 問題は、別にだからすぐそこからどうということじゃない。そういう事態を踏まえて、最初に申し上げましたように、この問題については大蔵省と折衝したんですか。制度改正なり税率を動かすなり、そういうことを折衝なさったのかなさらないのか、その辺のところをお伺いいたします。
#104
○政府委員(湯浅利夫君) 先ほど申し上げましたとおり、この「引き続き」という点について、過不足が二年連続して三年度以降もこれに続く状態かどうか、この点の解釈につきまして、これは大蔵省と私どもは毎年地財対策をやる場合には必ずこの議論はするわけでございまして、ことしの場合にもこれは当然やったわけでございます。
 四年度の財政不足については、補正後の問題を含めまして二兆二千億という数字であって、この分が一割に相当するかどうかという点についての議論がまだあるわけでございまして、三年間続いているという状況になっているのかどうか、この点については議論の余地がまだあるんじゃないかという感じがするわけでございます。
#105
○関根則之君 いろいろそこをきょう最終的に詰めていく時間もありませんからこの程度にしておきますけれども、それほどまでに私は重大な事態になってきているんだというふうに理解をいたしておりますので、そういうことを含めてぜひひとつ深刻に受けとめていただきまして、地方財政をしっかりと守っていただくための御努力をお願いしておきます。この問題につきましては、私ばかりじゃなくて諸先輩もいらっしゃいますので、引き続き議論の対象になっていくものと思っておりますので、真剣にひとつ受けとめておいていただきたいと思います。
 それでは、具体的な交付税の問題について少し質問を進めていきたいと思います。
 今度の法案は日切れ扱いになっていますね。今まで交付税法が日切れ扱いになったということは最近では例がないんじゃないかと思うんですけれども、実は日切れ扱いにしてくれということをお願いして歩いたこともあるわけでございますので、図らずもこれが日切れ扱いになったということは私は地方団体のためには非常によかったんじゃないかと思うんですよ。年度を通じての計画的な財政運営がそれでできるということになるし、特に景気浮揚が必要だという今のような状態の中では早目早目に公共事業もどんどん出せるようになるでしょうから、そういう意味で大変結構なことだというふうに思います。しかし、幸いにして日切れ扱いになってめでたく三十一日に成立するとすれば、それはやっぱりそれを具体的に地方財政の運営の上に生かしていかなければいけないと思うんです。
 例えば今までは交付税の算定は大体八月ぐらいになっていたわけですよね。だから、それを少し早めて七月ぐらいにはどんどん算定して額を確定して、これだけことしはあなたのところへ行くんだからそれを頭に置いてできる仕事はどんどんやりなさいということが言えますね。そういうようなことに役立てていくべきではないかと思いますけれども、交付税の算定は少し早まりますか。
#106
○政府委員(湯浅利夫君) 先生から今お話しのとおり、この交付税法をできるだけ早く成立させていただきたいということはかねてからの私どもの要望でございましたけれども、今回年度内の成立というものを実現させていただきますと、大変私どもにとりましては画期的なことでございましてありがたいことでございます。
 今御指摘のように、地方財政を運営していく上で国の地方財政対策というものが年度の初めの段階できちんとしているということは、これはやはり地方に対して一番安心感を与えるということでございます。財政運営をする以上、不安感を持っていればなかなか財政運営がしにくい、この点、国の財政措置はこういうことでやるんだということが年度初めにわかるということ、これは大変重要なことだと思っております。
 それから、今御指摘のように、早く成立すればそれだけ算定事務を早くすることが可能になるわけでございまして、特にことしは一般財源の状況が極めて厳しいということを考えますと、できるだけ算定事務を早くするということが大切なことになろうと思います。
 そういう意味で、今御指摘のように、成立いたしましたら交付税の算定事務をできるだけ早く始めるということにいたしまして、法律では八月末までに算定しなきゃならないということでございまして、これまではその八月末ぎりぎりで算定事務が終了しておりましたけれども、何とか七月中には決定できるぐらいの意気込みでこれから算定に入りたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#107
○国務大臣(佐藤観樹君) 財政局長から今この交付税法を三月三十一日までにお通しをいただくことが地方財政及び関係者にとりましていかに意義のあることかということについて答弁をさせていただいたわけでございますけれども、ここに至るまでには与党はもちろんでございますが、自由民主党さんにおかれましても大変な御理解をいただいてこういった審議になっておりますことを、この場をおかりしまして自治体責任者といたしまして厚く御礼をさせていただきたいと存じます。
 関根委員からもお話しございましたように、私もかつて衆議院の災害の委員長をやったことがございましたが、そのときに大変雪が多うございまして新潟等も随分行ったのでありますが、そのとき、新幹線だけは定時にちゃんと出発をするということが民心の安定にとりましていかに大きな効果を持ったかということをしみじみと私感じたわけでございます。そういった例がいいかどうかちょっとわかりませんが、今いろいろな意味で景気につきまして幾らか明るさが見えつつあるというものの、不安定な状況の中でこういったことを一つ一つ確定していくということは心理的にも非常に大きな影響を、もちろん実質的な影響もございますけれども、重要なことではないかと思って、この場をおかりしまして厚く御礼を申し上げさせていただきたいと存じます。今後ともよろしくお願いいたします。
#108
○関根則之君 佐藤自治大臣は連立与党の重要な一角を担っている大変頼もしい政治家でございまして、なかなか戦略的な思考にもすぐれていらっしゃる。そのせいか、先にお礼を言われてしまいまして、まことにもって何かへんてこりんな感じでございますが、私も人がいいものですからついついそういうふうに言われますと乗せられてしまいますけれども、いずれにしろ地方財政を本当に充実させて地方団体が仕事のやりやすいように、しかもそのことが国民生活に返ってくるんだという、そういう方面で努力をしなければいけない、そういう考え方については私も佐藤大臣と同じ路線にあるものというふうに考えております。
 せっかくこういうことで早目早目に法律が上がるということであれば、本当にそれを先ほど湯浅局長がおっしゃったように生かしていただいて、一日も早く交付税の算定を終えるように職員も毎日タンメン食いながら仕事をなさるんでしょうから、大変なことでしょうけれども、ひとつ頑張ってやっていただきますようにお願いを申し上げます。
 それから、先ほど見解の相違ということで引き続き検討します、主張しますということを申し上げましたけれども、少なくも来年度、来年度というのはもう一年先、平成七年度に同じような財源不足が生じた場合には、これはもう名実ともに深刻な六条の三第二項の問題が起こりますので、そのことだけはひとつしっかりと認識をしておいていただきますようにお願いを申し上げておきます。
 ところで、ちょっと地方債の問題についてお尋ねをいたしますけれども、単独事業をどんどん地方が引き受けてやっていきますと。大変勇ましいんだけれども、これも裏を見ますとほとんど全部借金なんですね。そういう形で、しかもそれに減収補てん債が入ってきたりいたしますとこれは大変地方債の額が膨れてくるわけでございます。地方債というのは借金ですからできるだけ残額は少なくしておきたいわけでございますけれども、どうなんですか、百兆を超えるといいますけれども、実質的な借入金まで全部含めて大体どのくらいになるんですか、数字がわかったら教えてください。百何兆円になるんですか。
#109
○政府委員(湯浅利夫君) 平成六年度末で今回の地財対策を前提にいたしまして計算をいたしますと、普通会計の地方債の残高、それから公営企業で普通会計で負担をすべき元利償還金、それと交付税の特別会計の借入金の残高、この三つを合わせまして約百二兆円という数字になりますので、地方財政は平成六年度末では百兆を超える借入金残高になります、こういう説明をさせていただいたわけでございます。
#110
○関根則之君 貧すりゃ何とかといいますけれども、余り直接的に申し上げると失礼ですからやめておきますが、逆にいろんな知恵も出していただいているんじゃないかと思うんです。しかし、知恵を出すのもいいんだけれども、地方債計画の中にともかく何が何やらわからないようないろんな項目の枠ができているんです。臨時単独事業分としての一般事業債が出ていますね。この臨時単独事業分六千六百億、去年までは全然なかったやつがいきなりここへ出てきているんですけれども、これは何ですか。それが一つ。
 時間がありませんからまとめてお聞きいたしますが、臨時公共事業債というのが何か枠ができたというんですが、この項目を見る範囲内ではどこにもそういうのが出てきていないんですが、これは何を意味するのか、その金額は幾らなのか、その辺のところをちょっとお教えください。
#111
○政府委員(湯浅利夫君) 明年度の地方財政対策を決めるに当たりまして、先ほど来御指摘のとおり、大変な財源不足が起こってきたわけでございますけれども、それの補てん措置という形の地方債、それから、こういう景気の状況でございますので幾らかでも単独事業を地方に協力してもらいたい、こういう意味での地方債、いろんな内容の地方債を地方債計画で盛り込んでおります。
 その中で、まず臨時単独事業分といいますのは、本来この地方単独事業の事業費に充てます地方債というものには一定のルールがあるわけでございますけれども、明年度はこういう厳しい情勢の中にもかかわらず地方財政計画で単独事業を一二%伸ばすということで、大変地方団体には御無理なお願いをすることになるわけでございますので、通常分以上にこの単独事業を伸ばす団体に対しましては資金手当てといたしまして六千六百億円を単独事業の地方債として措置をしたい。そして、最終的には該当する事業の個々の事業費の充当率を九五%まで引き上げることができるようにしたいということで六千六百億円の枠を設定したものでございます。
 したがいまして、これも仰せのとおり財政の健全性という面から申しますと甚だ問題があるものでございますが、何せこれを機会に景気対策で何とか景気を浮揚したいというための協力要請の分だというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
 それから、臨時公共事業債につきましては、これは内訳が二つございまして、一つは地方の財源不足分九千億円、これは約三兆円の通常収支の不足がございましたが、そのうちの約二兆円は交付税で賄って九千億を地方債で賄うということにしたものでございますが、この地方財源の不足分の九千億と、それから平成五年度に公共事業の国庫補助負担率の恒久化をいたしましたが、これの影響額、これが六千百億円ございますが、これを二つ合わせまして臨時公共事業債というものにしたものでございます。
 そして、これを一般公共事業債などの充当率を臨時的に引き上げるための起債の枠にした。また、対象事業として従来起債の対象になっておりませんでした農業施設等の分につきましても臨時拡大をしてこの地方債を充当します。その分を交付税の投資分の基準財政需要額から追い出すという措置も一時はやらなきゃならないということになっておりまして、この臨時公共事業債については、地方財源の不足分九千億と昨年度やりました公共事業の補助率の恒久化に伴う影響額の措置六千百億を加えまして一兆五千百億円の臨時公共事業債というものを設けたわけでございまして、これは本来でございますと交付税等で措置が行われるべきものでございますので、この元利償還金の一定割合につきましては将来交付税の基準財政需要額に算入してまいりたいというふうに考えているものでございます。
#112
○関根則之君 財政が苦しいからそういうふうな形で地方債をどんどん活用していかなきゃいけない。しかも、景気対策のために国の方がなかなかしょい切れないので地方の単独事業で持ってくれと。それは当然国民経済というものを支えている重要な二本の柱ですから、国の財政、地方の財政、やっぱりお互いに協力していかなきゃならないということは基本的にはわかるんですよ。
 ただ、さっきから申し上げておりますように、国の方ではほとんど地方の財源不足額は全部借金にしておきなさいよということぐらいしかできない。ということは、逆に言えば何もできない、何もしてやっていない。そういう状況の中で、もう単独事業をここ数年ずっと物すごい勢いで伸ばしてきているでしょう。もう目いっぱいですよね。そうすると、地方団体によっては非常にうまく運営をして、この際ふだんではやれないような仕事を、しかも将来のためになるような仕事をうまく見つけてきていわゆる価値のある仕事といいますか、いい仕事をやったなと思うような仕事をやるところもあるでしょうけれども、無理に押しつけますと、やらなくてもいいんじゃないかと思うような仕事、将来自分のところの財政負担になるだけ、余り利用価値もないようなものができてしまうということがよくあるでしょう。そういうことだから単独事業といったってそうやたらめったら伸ばせるものじゃありませんから、その辺のところはひとつ十分配慮しながら、これからの単独事業の引き受け、景気対策の中の地方の分担分、協力はしなきゃいけないと思いますけれども、考えながらやっていただきたいと思います。
 それから、国債を来年度予算で大量発行しなきゃいけないというニュースが流れると、途端に国債相場に影響して国債価格、既発債の値段が落ちますよね。それから新発債についての金利は当然上がってまいりますね。既に予算編成の段階でそういう現象が起こりました。それと同じように、これから大量の地方債が出ていく。その中で、政府資金で受ける分もあるようですけれども、縁故債が相当出てくると思うんです。そうなったときに金融市場に大きな影響を与えていく。金利が上がればこれは景気に対してマイナス効果になるわけですから、そういうものについての配慮を十分していかなきゃいけないと思いますが、これだけの縁故債を出して大丈夫ですか。
#113
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおり、地方債の発行額が非常に大きくなってまいりまして、縁故債の依存度もかなり高くなってまいっております。
 平成五年度におきましても、三次にわたります経済対策をやった関係もございまして縁故地方債
 の発行額はかなり大きくなってくると思いますし、平成六年度も今の状態でいきますと平成五年度の最終規模をやや上回るぐらいの縁故債の規模になろうかと思いますが、いずれにしても、過去から比べますと相当の規模になると思います。
 ただ、現在の金融情勢でまいりますと、縁故地方債の残高の銀行預金残高に占める割合は過去の五十年代に比べますとかなり下がっているということもございまして、地方債の全体の保有高としては各金融機関の保有高はいっときに比べますと下がっていることは事実でございます。
 しかし、今仰せのように、国債が大量に発行になる、それにあわせて地方債も発行になるということになりますと金利面ではいろいろな問題が出る可能性もございます。そういうことでこれからの場合には、地方の場合はどちらかというと縁故債も年度末に集中して発行するということが多かったわけでございますけれども、やはり年度を平準化して発行していくというようなことは地方団体にいろいろとこれから相談をしていかなきゃならぬという感じがいたしております。
 それからもう一つ、最近、縁故地方債の流通をよくするためにいわゆるBIS規制によります地方債のリスクウェート、これまで一〇%のリスクウェートがかけられておりましたけれども、これが今度ゼロに改正されました。これは地方債の流通性を向上させるためには一つの手段かと思っているわけでございますが、いずれにしても、量的な消化について問題はないとしても、その条件といいますか、これはよほど気をつけていかなければならないという点については御指摘のとおりだと思いますので、これからよく地方団体とも相談しながらこの縁故債の発行について検討してまいりたいと思っております。
#114
○関根則之君 ぜひひとつその辺は配慮しながら運用をしていただきたいと思いますし、地方単独事業につきましても、こんなものは絞れば幾らでも絞れるというような感覚ではなしに、細かい配慮をしながらひとつ国の方とのおつき合いをしていっていただきたい。私は協力することが反対だと言っているんじゃありませんから、協力はするけれどもおのずからそこには節度もあるし、実情というものをしっかり見ながらやっていただきたい、特にお願いをしておきます。
 それから、今度の交付税の基準財政収入額の算定につきまして大変ユニークなやり方をなさっていらっしゃるわけです。基準財政収入額というのは何ですか、入ってくる税金でしょう。税金でも何でもない借金を基準財政収入額に入れたというのは、これはどういうことですか。
 およそ交付税というのは、一般財源がその団体に対してどれだけ入ってきて、どれだけ財政需要があってどれだけの金が必要だと、一般財源ベースで比較して足りない分を一般財源の一つの形として交付税で補てんをするということでしょう。交付税の原理からまるで縁もゆかりもない借金というものが基準財政収入額で入ってくるなんてまことにもっておかしいんじゃないですか。この辺はどう理解したらいいんですか。
#115
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおり、特例という形で設けさせていただいてはおりますけれども、本来入るべき収入でないものを基準財政収入額に加算するということは、これはやはり異例中の異例だというふうに私どもも考えております。
 ただ、この減収分というものを今後の税制改革を通じて地方税源の充実によって補てんしてもらわなきゃいかぬ、これはどうしてもそうしてもらわなきゃいかぬという私どもの気持ちがございまして、それまでの資金つなぎだということを考えますと、この地方債は地方財政法五条の特例債として一般財源扱いで発行させてもらわなきゃいけないということを考えまして、これは実質的に地方税収と同じ扱いにさせていただいて基準財政収入額の中に算定をさせていただくという方が全体の交付税の配分の上におきましても減税の影響というものに中立的に対応できるんじゃないか、こういうことで今回は異例中の異例ということでやらせていただきました。この点についてもひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
#116
○関根則之君 大臣、今お聞きいただいているように、事務当局としては大変苦しい答弁をせざるを得ないんですよ。こんな借入金が基準財政収入額に入ってくるなんてそんなばかなことは、長い伝統のある地方交付税制度、世界に冠たる地方交付税制度といって我々は誇りにしてきたんです。今の職員だってみんなそうだと思うんですよ。この制度というのは、税源が偏在する、そういう国情の中で地方の独立性を守っていくためには本当に大切な交付税なんですよ。だからこそみんなでしっかり守っていかなきゃならない。その一番原理のところへこんな借金が基準財政収入額で入ってきたというのはとんでもない話なんだ。
 ただ、今いみじくも湯浅局長さんが御答弁になったように、もう悲願みたいなものがあって、これはもう穴をあけっ放しにしておきます、だからこれは政治家の皆さん埋めてくださいよ、連立与党の皆さん、きちっと根本的な税源対策を講じて埋めてくださいよと、そういう話だったと思います。まあ支障があったらいけないから私がそういうふうに理解したというふうにしておいてください。そういうことだと思うんですよね。
 ぜひひとつその辺のことを十分理解をしていただいて、穴のあいた基準財政収入額でない、借金を基準財政収入額に入れないで済むようなそういう財政制度をぜひひとつおつくりをいただきたいと思います。
 きょうは大蔵省にも来ていただいていると思います。大蔵省も十分聞いていただいていると思いますので、今までは大蔵大臣を呼んで御質問申し上げる時間があったのですが、残念ながら日切れ扱いだからそれができないので、きょうは主計官、ひとつ大蔵大臣になったつもりで、あなただってもう年次はそんなに離れていないんですから、藤井さんは私なんかと一緒に仕事していた仲間ですからね、二、三年で大臣になるかもしれませんから、ひとつそういう気持ちになってお答えをいただきたいのです。
 いずれにしろ、ことしは三千九百五億円返していただけるという話だったんでしょう。それを千七百六十億円しか返さないんでしょう。これはくすねちゃったということじゃないですか、少なくとも今年度においてはね。これはやっぱりおかしいですよ。法定でそうなっているんですから、法律で決まっているんですから、それを変えちゃうなんてこれはやっぱり問題があると思います。
 それからもう一つは、例の覚書で加算があるでしょう。ことしの分は五千七百三十五億円ですよ。両方合わせると七千八百八十億円。約束違反ですよ。それだけのお金を猫ばばしたとは言いませんけれども、要するにポケット入れちゃったわけですよ。国の財政も苦しいということはわかりますよ。しかし、これはやっぱり問題なんで、大いにひとつ反省をしていただきたいと思いますが、これからは絶対にこんなことはいたしませんということを言っていただきたいと思いますけれども、いかがでありますか、主計官から御答弁をいただきます。
#117
○説明員(木村幸俊君) お答えいたします。
 来年度の地方財政の異例の厳しさということにつきましては十分認識しているところでございまして、法定加算額三千九百五億円の相当額加算につきまして,財政当局といたしましても当然のことながらこれを重く受け止めて真剣に検討したところでございます。また、大蔵、自治両大臣の覚書についても基本的に同様でございます。
 ただ、しかしながら、先ほど来自治大臣それから財政局長からも答弁がありましたように、現下の国の財政事情はまことに深刻なものがございまして、最終的にはその法定加算額三千九百五億円のうち千七百六十億円についてのみ加算するということでお願いしたわけでございます。
 現下の異例に厳しい国の財政事情の中で国としてぎりぎり最大限の努力を払ったものでございまして、その点ぜひ御理解を賜りたいというふうに考えております。
#118
○関根則之君 国の方も苦しいんだからしようがないんだというような感じですけれども、私だってわからないわけではない。国の財政も大変厳しいわけです。
 しかし、だからといって約束したものまで値切ってしまう、これは財政のルールからして問題ですよ。これはやっぱり問題なんですよ。法律で決めて、しかもあの法律を書くときにはそれこそ主客が逆転をしていたと思いますけれども、いろんなお話があって、きちんと約束を守りますと、そういう誓約をした上でこの条文ができていたはずなんですから。それを守らないというのは大変な問題なんで、国は楽だから幾らでも出す金があるだろうなんて、そんなことを私は言っているわけじゃないんです。約束したことはきちっと約束を果たしておいた上で、さてどうするかということを考える、そういう順序じゃないかと思うんで、そういうめり張りといいますか筋を通すといいますか、そこのところ。日本を支えているのは大蔵省ですから、頼みの綱は大蔵省なんだ。大蔵省が本当にしっかりし、しっかりしているというのは何もむちゃくやなことをやってよろしいというんじゃないんですよ。やっぱり筋を通してきちんとやっていただくということなんです。
 それからまた自治省の方も、大蔵省がそんな約束を守らないときには少し尻まくるぐらいの勢いでやってくださいよ。そこのところをひとつお願いしておきますよ。唯々諾々と受けたわけじゃないと思いますけれども、そこのところはやっぱりもう少しきちっとした処理方法を考えるように、苦言を呈して申しわけありませんけれども、もっともっと頑張っていただくようにお願いを申し上げておきます。
 ところで、文部省おいでになっていると思うんですが、おいでいただきましてありがとうございます。
 私学助成、これは国庫補助金の一般財源化の一環としてなされたのかそうでないのかよくわからないんですけれども、その辺のところはちょっと湯浅局長からお答えをいただきたいんですが、ことしは一般財源化は何かやったんですか。その辺のところと、文部省の方はことし例の四分の一カットしたでしょう。あれはもとへ戻すつもりなんですか、それともこのままずっとこの方式でやるつもりなんですか。
 今の私学助成制度が基本的にでき上がったときに、今からもう二十年以上前だと思いますが、あのときに、要するに国庫補助金を充実していって地方財源ばかりで私学助成をやっていくというやり方はもうやめていきます、だんだん国庫補助金のウエートを高めていきますよと、そういう約束をしてあるんですけれども、あの約束はどうしちゃったのか、その辺のところを御答弁をいただきたいと思います。
#119
○政府委員(湯浅利夫君) まず、国庫補助負担金の一般財源化の問題でございますけれども、今年度におきましても、厚生省関係の保健所運営費交付金でございますとか市町村保健活動費の交付金、それから国保の事務費負担金、こういうようなものを中心にいたしまして一般財源化をすることにいたしております。合計金額は一般財源化で三百三十億を予定いたしております。
 ただ、今御指摘のこの私学助成につきましては、これは私どもは一般財源化というふうには理解していないわけでございます。国の補助制度と地方の財政措置で実施するというものが一応並立しているというふうに理解をしているわけです。ですから、国庫補助制度の分が落ちたから当然地方の分でそれを肩がわりするという性格のものではないというふうこ理解しておりますが、しかし私学全体の運営というものを考えたときに、さてそれをどうするかということはまた別の問題でございますので、ことしの場合には国の助成によって助成分が落ちたことは地方財政措置で補い、かつそれをさらに上回る措置をすることにいたしておりますけれども、これは一般財源化とはやや性格の違うものじゃないかと思っております。
#120
○説明員(早田憲治君) お答えいたします。
 ただいまの財政局長のお答えでほとんど尽きているかと思うわけでございますけれども、文部省の立場で若干御説明をさせていただきたいと思います。
 ただいまの私立高等学校等経常費助成費補助金につきましては、まことに厳しい現在の財政事情のもとにおきまして、文部省といたしましては平成六年度はやむを得ない措置ということで一般補助を前年度よりも削減したものでございます。私どもそういう状況を踏まえまして、自治省に対しまして、この補助金が県から学校法人に行きます場合には一般財源であります交付税等の財源と補助金とが一緒になって補助される制度でございますので、地方交付税措置の充実につきまして心からお願いを申し上げまして、それをお聞き届けいただきまして、その結果、補助金と地方交付税措置をあわせた財源措置の拡充が図られたというところでございます。
 文部省といたしましては、今後とも国の財政事情でございますとか私立高等学校等の果たしております役割の重要性等を総合的に勘案いたしまして、私立学校振興助成法の趣旨に沿いまして、国と地方公共団体とがお互いに協力して私立高等学校等に対する助成を推進してまいりたいというふうに考えておりますので、御理解を賜れば幸いでございます。
#121
○関根則之君 文部省としては、切りっ放しにしているんじゃないんだと、国の財政状況にもよるんでしょうけれども、これからも私学助成というものについては国の立場として積極的に取り組んでいく、そういうことだと思いますが、ぜひひとつこれからもお願いします。
 公立学校も重要な役割を果たしていますけれども、やっぱり私学というものがこれからの日本の教育の中で本当に私は重要だと思うんです。遠慮なく物を言い、国際人を育てる、そういう観点からすると、どうしても公教育というのは限界があるんです。そういう中で、本当に個性豊かな人間を育てていかないと国際的に通用しません。今はもう九科目全部わかっていないと優等生になれないんでしょう。あれはだめですよ。九科目できる人というのは大体だめですね。数学はできないけれども語学にかけては物すごくいいとか、そういう人を育てなければだめだと思うんです。
 それはまあいいですけれども、そういう個性を伸ばす教育をやろうとするとどうしても私学に頼る分野というのは多くなる。幼稚園教育も必要ですけれども、そういったものについて国は国として十分ひとつこれからも力を入れていただきたいし、また地方団体は、それと並立だというんですから、それとは関係なしにこっちはこっちで必要に応じて財源措置をしていくということでしょう。そういう考え方でいいと思うんですけれども、それで大いにひとつ頑張って私学の助成といいますか、私学を育てる働きをしていただきたいと思います。
 公営企業の質問を少ししたいと思うんです。
 今度新しく大変いい仕事をしていただきました。例の地下鉄の整備につきましての財源措置、システムをつくっていただきました。第三セクターの地下鉄、地下鉄七号線なんかの問題、これから出てくる十二号線なんかもそういう対象になってくるのかもしれませんが、いろいろと東京都の外へ出ていく線につきまして補助の対象にしていくというような制度もできたようでございます。大変ありがたいことだと思うんです。
 私は毎日満員電車に揺られて通っているんですけれども、もう屈辱的ですよ。惨めな思いをさせてはいけない、これが豊かな世の中での政治の一つの眼目ではなかろうか、そんな気がしてなりません。夏なんかの暑いときにはすごいですからね、三〇〇%ぐらいあるんですよ、私の通っている電車は。そういう混雑の解消をする意味からも、こういった問題についてさらに力を入れていただきますようにお願いいたします。
 大臣、ちょっとお願いといいますか、考慮していただきたいことがありますので申し上げておきたいと思うんですが、例の中核市の話なんです。
 中核市に関する答申を受けて、ことしはおやりになるということで近く法律案も出てくるということなんですが、答申にもそう書いてあるんですが、要件として人口三十万以上、面積が百平方キロ以上、それから三十万から五十万の間については昼夜間の人口比が一・○を超えていなければいけない、昼間人口が夜間人口よりも多くなければいけないんだ、ベッドタウンはだめですと、こういう条件が加わっているんです。
 これは面積要件が百平方キロもどうして必要なんだという問題が一つ、それから昼夜間人口比が一以上でなければならない、そんな条件がどうして必要なのか私にはわからない。いろいろ説明をいただきましたけれども、全くわからない。
 例えば今政令指定都市というのがあるでしょう。千葉市は昼夜間人口比が九三・八%なんです。これは当然でしょう。東京へどんどん通勤客が出てくるわけですから、コミューターが出てくるんですから昼間人口が夜間人口よりも少なくなるのは当然のことですよ。しかし、千葉県全域から千葉市へもどんどん入っているんです。入っている以上に出ているから、この数字は確かに一を割りますよ。神奈川県の横浜がそうじゃないですか、八八・七%。当然のことです。東京というマンモス都市があるんですから、ここにこんなに事業場が集積しているんですから、横浜市が中枢機能を持っていたって昼夜間人口比をとれば一を割ってくるというのは当然です。川崎が九〇・〇。これだって当たり前でしょう。
 しかし、昼間人口の方が夜間人口よりも少なくなったって、横浜とか川崎とか千葉、千葉も最近はどんどんよくなっています。これはもう大都市としての資格に全然影響ないでしょう。立派な都市です。日本の一流の都市です。トップの都市としての要件を十分私は満たしていると思うんです。どうして今度つくろうとする中核市だけにこんな要件をつけるんですか、そこのところがわからない。
 それから面積要件。面積要件も、例えば一平方キロとか二平方キロしかないような都市で人口がたまたま三十万以上あるというようなところだったら、そんなものは都市の形態をなさないから、そんな都市はだめというのはわかりますよ。しかし、人口三十万以上の都市を拾ってみますと、指定都市以外で全部で五十二市町村あるんですか、そのうち面積要件亘平方キロ以下の都市が十九あるわけです。名前を申し上げましょうか。これは一番小さいのが豊中と吹田で三十七平方キロなんです。三十七平方キロというと六キロ、六キロですよ。六キロ、六キロあったら、広域行政、面積を必要とする行政は幾らでもやる仕事があります。保健所だって二つは必要です。広域行政、区画整理もできるし都市計画決定もどんどんできる。いろんな都市計画、おもしろい新しい都市計画ができるんです。
 そういう機能を与えていこう、地方分権というのは、だれにでもみんな権限を与えたいけれども、小さな町や村では仕事ができないから一定規模以上の行政能力のあるところには行政能力に見合って権限を与えていこうということなんでしょう。行政能力があったら、六十とか七十とかそのくらいの面積があったら与えたっていいじゃないですか。それが地方分権の方向だと思いますよ。何かいろんな要件をつけて、面倒くさい条件をつけてできるだけ権限を渡さないようなそういう方式での中核市はぜひつくらないでほしい。
 いずれにしろ、この問題は法案が出た段階で議論をいたしますけれども、法案が出てきてからではなかなか引っ込みがつかないでしょうから今のうちに申し上げておきますけれども、百平方キロなんてこんなばかでかい面積要件を設定するということはやめていただきたい。
 それから、立派な政令指定都市、三百二十万、東京を除いて日本一の大都市の横浜市だって一を割っているんですから、そういう条件で除外するようなことは絶対しないようにしていただきたい。
 要望を申し上げて、何か感想がありましたら御答弁をいただきたい。
#122
○国務大臣(佐藤観樹君) 関根委員の御指摘でございますけれども、これは二十三次地方制度調査会の中でいろんな角度から議論をされてまいった中核市でございますので、委員が今言われました問題について、その議論がどういうふうになったか御承知おきを願いたいものですから、ちょっと吉田行政局長の方に答弁させていただきたいと存じます。
#123
○政府委員(吉田弘正君) 中核市の要件の話でございますが、これは大臣からお答え申しましたとおり、二十三次の地方制度調査会で種々検討して出されたものでございます。
 一定の規模能力がある都市について、そしてまた行政需要の一定のまとまりのあることが必要であろう、そこに政令指定都市に準じた機能を移譲していくというような見地から、人口については三十万人以上、面積については百平方キロ以上が適当であると。ただ、五十万人以上は問題ないんですが、五十万人未満についてはいわゆる中核性の要件が必要だろうというような答申をいただいているところでございまして、私どももこの行政需要のまとまりなり行財政能力というのは人口なり面積とも極めて密接な関係があるというふうに考えておりますので、そういうことで今検討をさせていただいているところでございますので、御理解をいただければと存じます。
#124
○関根則之君 終わります。
#125
○委員長(岩本久人君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、あす二十九日午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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