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1994/03/29 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 内閣委員会 第2号
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1994/03/29 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 内閣委員会 第2号

#1
第129回国会 内閣委員会 第2号
平成六年三月二十九日(火曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
委員の異動
 二月二十二日
    辞任        補欠選任
     三重野栄子君     青木 薪次君
 二月二十三日
    辞任        補欠選任
     青木 薪次君     三重野栄子君
 三月二十八日
    辞任        補欠選任
     三重野栄子君     渡辺 四郎君
    ―――――――――――――
出席者は左のとおり。
    委員長         岡部 三郎君
    理 事
                板垣  正君
                合馬  敬君
                峰崎 直樹君
                寺澤 芳男君
    委 員
                井上  孝君
                木宮 和彦君
                村上 正邦君
                守住 有信君
                上野 雄文君
                瀬谷 英行君
                吉田 達男君
                田村 秀昭君
                中村 鋭一君
                吉田 之久君
                大久保直彦君
                聴濤  弘君
   国務大臣
       国 務 大 臣  武村 正義君
       (内閣官房長官)
       国 務 大 臣  石田幸四郎君
       (総務庁長官)
   政府委員
       内閣官房内閣外
       政審議室長
       兼内閣総理大臣  谷野作太郎君
       官房外政審議室
       長
       内閣総理大臣官  石倉 寛治君
       房審議官
       総務長官官房   池ノ内祐司君
       総務庁恩給局長  稲葉 清毅君
       防衛庁長官官房  宝珠山 昇君
       長
   事務局側
       常任委員会専門  菅野  清君
       員
   説明員
       厚生省社会・援
       護局業務第二課  並木  進君
       長
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡部三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として渡辺四郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岡部三郎君) 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。石田総務庁長官。
#4
○国務大臣(石田幸四郎君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近の経済情勢等にかんがみ、恩給年額及び各種加算額を増額すること等により、恩給受給者に対する処遇の適正な改善を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
 これは、平成五年における公務員給与の改定、消費者物価の上昇その他の諸事情を総合勘案し、恩給年額を、平成六年四月分から一・八三%引き上げようとするものであります。
 第二点は、寡婦加算及び遺族加算の年額の増額であります。
 普通扶助料に係る寡婦加算については、公的年金における寡婦加算の年額との均衡を考慮して、その年額を、扶養遺族である子を二人以上有する妻にあっては平成六年四月分から二十五万一千三百円に、同年十月分から二十六万一千八百円に、扶養遺族である子を一人有する妻及び扶養遺族である子を有しない六十歳以上の妻にあっては平成六年四月分から十四万三千六百円に、同年十月分から十四万九千六百円に引き上げようとするものであります。
 また、公務関係扶助料に係る遺族加算については、戦没者遺族等に対する処遇の改善を図るため、その年額を、平成六年四月分から十二万三千九百円に、同年十月分から十二万九千九百円に、傷病者遺族特別年金に係る遺族加算については、その年額を、平成六年四月分から七万七千百五十円に、同年十月分から八万三千百五十円に、それぞれ引き上げようとするものであります。
 このほか、傷病恩給等に係る扶養加給の年額の増額等所要の改正を行うことといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(岡部三郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○板垣正君 官房長官に冒頭申し上げます。
 過般の石川県知事選挙に際しまして、防衛庁長官が公務の名において現地に赴かれました。また、後は政務に切りかえたという極めて不明朗な、特に自衛隊を総括する立場にある防衛庁長官の行動としては極めて不適切であり、遺憾であります。官房長官からもこういうようなことについて十分な注意をお願いしたい。このことについての長官の御見解を承ります。
#7
○国務大臣(武村正義君) 防衛庁長官は、大変厳しい環境の中で任務に励んでいる隊員を激励するため、就任以来可能な限り一線部隊を視察していると聞いております。今回も、国会やあるいは防大の卒業式など他の行事との日程を調整の上、視察日程を組まれたようであります。
 防衛庁長官は、政務と公務のけじめについては十分認識の上、行動をとられていると聞いておりまして、特に問題はないと考えております。
#8
○板垣正君 ただいまの御認識に対しては極めて不満であります。ただ、この問題についてはまた改めて申し上げたい。
 そこで、まず恩給法の問題でございます。総務庁長官に申し上げたい。
 この恩給の改善、特に関係者の戦没者遺族等を中心とする高齢化、こういう態様の中で、前の委員会におきまして私からも総務庁長官に対して、恩給が国家補償の基本理念を踏まえて従来改善措置がとられてきた、これをぜひ踏襲され、関係者が納得できる姿において改善措置をとられるように切に要望申し上げた次第であります。
 それを受けとめていただきまして、ただいま御説明のありました平成六年度改善措置において従来の方途を重視され、実質的に公務員給与に準ずる、そういう方途で改善措置が図られたこと。特に、厚生年金の見直しに関連をして寡婦加算の改善に伴う遺族加算につきましても、十月からその改善措置をとるという面におきましても特に配慮をされた。この点については、関係遺族等も衷心から感謝いたしておるところであります。
 この措置につきまして、今後ともこの基本方針、国家補償の理念に立ち、かつ関係者の立場に十分配慮をされて今後の改善措置を進められるように期待をいたす次第でありますが、この点についての御見解を承ります。
#9
○国務大臣(石田幸四郎君) 板垣先生におきましては、この恩給問題について格段の御見識をちょうだいいたしておるわけで、心から敬意を表しておるところでございます。
 平成六年度の恩給改善に当たりましては、これまでと同様、今までの政府の基本的な姿勢と同じ姿勢に立っていろいろと進めてきたところでございますが、特に恩給が国家補償的性格を有するものであるというその特殊性に十分配慮いたしまして、恩給年額の実質的な価値、この維持を図らなければならない、こういう基本的方針で今日も対処しているところでございます。今後もこういった方針に基づきまして恩給受給者の処遇の改善に努力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
 長い間の経緯がございますので、やはり二百万弱の方々という大変大勢の方々の恩給受給者、そういう状況がございますので大きな課題である、このように心得ておる次第でございます。今後とも、ただいま御指摘がございました点を十分踏まえまして努力いたしたいと存じます。
#10
○板垣正君 今後も格段の御尽力をお願い申し上げておきます。
 次に、きょうは台湾の元日本軍人軍属の未払い給与、軍事郵便貯金等のいわゆる確定債務の支払い問題について官房長官にお伺いをいたしてまいります。
 まず、この問題についての政府の基本認識について何点か確認をさせていただきたい。
 その第一は、この台湾住民に対するいわゆる確定債務については、我が国の国内法の法条からも支払いルールを有しているものであって、政府としても債務の履行をしなければならない、こういう立場にある。この第一点について確認をいたします。
#11
○政府委員(谷野作太郎君) 私の方からお答えさせていただきます。
 板垣先生がただいままさに仰せのとおり、確定債務と申しますのは日本政府として台湾当局に負っておる債務ということでございますから、具体的に申し上げれば台湾出身の旧軍人あるいは軍属の方々への未払い給与、それから郵便貯金等、具体的に申し上げますれば軍事郵便貯金、それから台湾記号外地郵便貯金というのもございますし、簡易保険あるいは郵便年金というものもございます。それらを私どもは念頭に置いておるわけでございます。
#12
○板垣正君 第二点、支払いに当たって当時の貨幣価値のままではなく何らかの上乗せをして支払いに応ずる。この点について、政府の基本認識を確認いたします。
#13
○政府委員(谷野作太郎君) その点も板垣先生の御指摘のとおりでございまして、当時の金額で返済し得れば事は非常に簡単ではありますけれども、前内閣におきましても当時の宮澤総理からも予算委員会で明確にお答えになりましたように、今日既に五十年近くを経ておりますので、法定利息に加えて何らかの上乗せの措置を政府として講じなければこの問題は解決しないであろうという基本的な認識は、板垣先生と同一でございます。
#14
○板垣正君 第三点として、日台間の他の請求権問題とは切り離してこの確定債務問題は早期解決を図る。このことについて確認を求めます。
#15
○政府委員(谷野作太郎君) お答えいたします。
 特に、この確定債務と申しますのは、債権を負っている方々の老齢化も年を追って進んでおるわけでございまして、そういう意味におきましてはかの問題とは切り離してこの問題は、何分政府が支払うべきものとして債務を明確に負っておるわけでございますから、債権者の高齢化ということも念頭に置きながら何とか早い機会に早急に解決をすべきものと思っております。
#16
○板垣正君 第四点として、いわゆる国家賠償といいますか戦後補償の問題については、国家間の戦後処理問題補償問題は既にすべて決着済みである。ただ、今言った台湾の確定債務問題、それとまだ外交のない北朝鮮の問題、この二つが国家としてなお残された問題である。この点についての確認。
#17
○政府委員(谷野作太郎君) そのとおりでございます。
 台湾につきましては、板垣先生も御存じのとおりでございますけれども、この種のことも含めまして韓国との間で行いましたようないわば請求権の問題として決着しようとして努力いたした経緯がございますけれども、そうする間に承認関係が台湾の方から大陸の方に七二年に移りましたこともございまして、その後この問題は未処理のままに終わっておるわけでございます。
#18
○板垣正君 官房長官、今のような確認点に立つならば、細川内閣の姿勢としてはいわゆる日本の侵略戦争発言等もあり、こうした発言に伴うものは、いわゆる補償を求める、現にこうした動きがいろいろ取り上げられ、あるいは政府においても何らかの方途で解決を図るというふうな検討もされているやに伺っておりまするが、それらの問題とはおのずから別個といいますか、国としての支払い義務も有しておる、そして早期に決着しなければならない。ほかの問題に波及するとかいう問題ではなくして、極めて特異なと申しますか、早期決着を図らなければならない極めて重い問題であるというふうにこの確定債務の問題について御認識いただいているかどうか、官房長官にお願いいたします。
#19
○国務大臣(武村正義君) 御指摘をいただきましたように、日台間の請求権問題につきましては、サンフランシスコ平和条約第四条(a)、それから日華平和条約第三条において特別の取り決めを締結して、請求権問題として韓国と同じように処理をしていこうという考えで進めていたところでございますが、日中国交正常化の結果、こうした処理ができなくなったということであります。
 御指摘のように政府は、我が国の国内法上、これらの確定債務の支払い義務を有しているというふうに考えておりますし、何らかの形で債務の履行をしなければならない立場にあるというふうに考えております。
 日台間に外交関係がないことから来ておりますいろいろな障害もございますが、現在、関係各省庁連絡会議を設けましてどういう対策、対処が最も適切であり可能であるかについて検討を進めておりまして、できる限り早い時期に基本的な考え方を取りまとめて対応していかなければならないというふうに認識をしております。
#20
○板垣正君 昨年六月に当時の宮澤首相が予算委員会の答弁で、年内に何とか解決をしたい、またいわゆる上乗せで払うべきであろう、こういう見解を述べられ、また細川政権もこれを受け継がれて昨年、年内には具体的な決着を図ろう、方向を出そう、こういうところまで関係省庁、外政審議室等を中心に検討され、官房長官も積極的にそうした指示もされておられた、こうも聞いておりまするが、今なおこの問題について今御答弁のように検討段階にある。この一番の難点というものはなぜ進まないのか、その点はどういうふうにお考えですか。
#21
○政府委員(谷野作太郎君) 昨年の予算委員会で政府の方から御答弁申し上げました趣旨は、少なくともこの問題は早期に決着しなければならないという背景のもとに、せめて日本側内部におきまして日本側だけでも考え方の解決の筋道を立てようと、一つの考え方をまとめようということでございまして、それ自体、まことに申しわけないことでございますが、その後必ずしも関係省庁の間の考え方の集約を得ておりません。
 したがいまして、日本側の内部の考え方もまだまとまっていない段階でございますが、それは引き続き、官房長官も御答弁申し上げましたように、いましばらく時間をかしていただきまして早急にまとめる方向で努力いたしたいと思います。
 ただ、あえて申し上げますれば、それが第一段階でございまして、他方、これは板垣先生も台湾の方にお越しになりまして先方の当事者にもお話を伺われたことは報告を受けておりますけれども、先方の当事者方の御要求の水準というのは、いろいろな数字、四千倍という数字あるいは七千倍という数字も聞こえてまいりますが、しかりとすれば私どもが考え得るレベルと台湾側の当事者の方々の御要求のレベルと大変な開きがあるということで、そこの問題をめぐってやはり大変困難な問題だなと、これをどういうふうに解決の道筋をつけていくかということを今私どもは苦慮いたしております。
 いずれにいたしましても、超党派で台湾にお越しいただきまして先方の関係者の方々と長時間お話し合いをいただいたわけでございますから、諸先生のお話も十分伺いまして何とか解決の方向を見つけるべく努力したいと思います。よろしくお願いいたします。
#22
○板垣正君 この問題は、今お話のありましたとおりに当局としても精いっぱいの誠意は示したい、いわゆる沖縄方式等に基づいても検討された、しかしこれではせいぜい十倍か二十倍の上乗せしかできない、これでは到底現地の強い要望を満たすことはできない、こういうことも一番大きな問題であった。
 そこで実は、今お話にもありましたけれども、私ども衆参超党派で構成をしております台湾戦後処理議員懇の立場におきまして、つい先日台湾を訪問し、台湾側の立法院、台湾側のこの問題についての超党派議員の方々と相互協議をした経過があるわけであります。このことについて経過を若干御報告し、そして政府の積極的な対応をお願いしたいというのが最後の要望になるわけでございます。
 この台湾戦後処理議員懇、これは長い歴史があります。これがスタートをいたしましたのは昭和五十二年の六月であります。当時は台湾人元日本兵士の補償問題を考える議員懇談会、山中貞則先生が会長になり、超党派でスタートした。
 この契機は、昭和四十九年にモロタイ島で発見された旧日本兵中村輝夫さん、この方が四十九年に確認をされ救出された。それに対して、当時日本政府が法に基づいて復員手当として差し上げられたのはわずか数万円にすぎないという形で、これは当然現地側からも、また日本国内、民間の中からもこの補償問題を考えるべきである、あるいはこれが関係者から訴訟に訴えられる、こういう流れの中でこの五十二年の超党派の議員懇ができて、議員の立場で政治の場でこの問題を解決しなければということからスタートしたわけであります。
 この議員懇がいわゆる特定弔慰金として台湾で戦没された約三万の方々に対する特定弔慰金を差し上げるところまで議員立法にこぎつけ、これが実現を見るに至りますには約十年の歳月を要したわけであります。昭和六十二年の九月に台湾の戦没者の方々に特定弔慰金を差し上げる法案が成立を見た。当時は台湾戦没者問題議員懇と改まっておりましたけれども、この間山中貞則、稲村佐近四郎、有馬元治、永末英一、こうした方々がこの議員懇の会長として、また議員懇の超党派の議員連盟として政治家の立場でまことに真剣に取り組んできた経緯があるわけでございます。ちなみに、この特定弔慰金につきましては、本年一月末現在に二万八千九百五十件、総額で五百七十九億円の弔慰を台湾の方々に、そうした遺族と重傷者等にお示しすることができたという経緯があるわけでございます。
 この問題については、もとより二百万円という金額をめぐっては現地側でも不満もあり、また最高裁の判決まで持ち込まれる、こういうような経緯はありましたけれども、やはり当時日本国としても精いっぱいの誠意を示したものと向こう側でも受けとめていただき、平成三年には永末英一会長初め私どもも現地に参り、現地当局、紅十字会との合意によってこの問題が円満に解決できたことを代表して謝意を表した。
 また、平成四年には、台湾側の紅十字会の徐会長が答礼の意味を込めて日本にお見えになりました。関係当局、また私ども議員連盟、議員懇談会に対して、この問題の解決について丁重な謝意を表される、こういう場面があったわけであります。
 そして、当時から残された未払い給与の問題、軍事郵便貯金等の問題も、これも早期に何とか解決しなければならないということではまいりましたが、先ほど来お話しのとおりにいろいろ困難があり進展を見ない。そういうことで、昨年の十二月二日に、今申し上げました超党派議員懇が改めて戦後処理議員懇と名称を変え、井上計議員を会長代行にお願いして、超党派議員懇としてこの問題に取り組むことになった経緯でございます。
 そして、台湾側においてもいろいろな関係団体があり、また直接我々に要望が来る。日本国政府にいろいろ要望も来る。これではなかなか進まない。台湾側においてもこの問題についての超党派の議員懇をひとつつくっていただいて、これは全権を委任されるわけではありませんけれども、政治の立場において両方が、言うなれば調整の窓口になってとことん話し合い、かつ合理的な合意点を早期に見出そうではないか。実はこうした趣旨で、台湾側におきましても現地側の立法院あるいは日本におる台湾の代表部あるいは現地の日本側の交流協会、関係方面のいろんな協力がございましたけれども、劉松藩委員長のもとで約十九名の超党派の台湾議員懇が向こう側もスタートした。そういうことで、今回三月二十二日から二十四日にかけまして現地に赴いた次第であります。
 いろいろな経緯がありますけれども、この二十三日の日に両方の議員懇が、数時間をかけましてこの問題について極めて熱心な、そしてまた真摯な討議を行った次第であります。討議と申しましても、台湾側の出席議員十二名の発言がございましたけれども、十二名の立法院議員からそれぞれ台湾側の立場、要望について極めて切実なる訴えが行われたわけでございます。
 私どもは、何をおいてもまずそうした方々のお話を十分承り、台湾側の御意向というようなものも十分承った上で今後の協議をスタートさせなければならない、こういうことで拝聴をいたした次第でありますが、関係者の気持ちとして、とにかく台湾人の気持ちを酌んでもらいたい。また、台湾人の尊厳、中華民国国民として、台湾人として、かつて日本国民であった、こういう我々の歴史というものを、これを直視し、そしてまた我々の立場というものを尊重してもらいたい。また、相互信頼のもとにこの問題は進まなければならない。両方の政治家同士がこうして話し合いの場を持ったことは極めて台湾側としても感謝をするという意向も述べられた次第であります。この確定債務の問題についてはもとより、いわゆる軍票の問題とかマルク債の問題あるいはいわゆる慰安婦の問題、その他もろもろの問題が噴出をするという経緯もあったわけであります。
 そして、終局的にこれらの、なお各党会派からこの団には参加をいただいた次第でありますのでお名前を申し上げておきますが、団長が民社党の井上計議員、無所属でありますが椎名素夫参議院議員、社会党を代表されて田口健二衆議院議員、懇談会の副会長であります。新党さきがけを代表されて井出正一衆議院議員、これも議員懇の副会長であります。自民党から守住有信議員。新生党江崎鐵磨議員。公明党赤羽一嘉議員。以上、我が方からは八名の衆参議員が超党派の立場で出席をいたしたわけであります。
 最終的に五項目について両方の合意を得た、これが今回私どもが訪れ、熱心な対話をいたしました一つの集約でありますので、御報告申し上げたいと思いますが、
 一 日本側懇談会と台湾側委員会は、和やかな雰囲気の下で、真剣に問題を討議し、双方の立場と問題を理解した。
 二 双方は、人道精神に基づいて、政治的手段により、この問題に取り組むというコンセンサスを得るに到った。
 三 双方は、この問題の協議を継続的に続けて解決の方途を見つけようという点で意見が一致した。
 四 双方が協議するのは、確定債務についての五項目(未払い給与、軍事郵便貯金、台湾記号外地郵便貯金、簡易保険、郵便年金)のみとする。
 五 上記以外の問題については、日本側は日本に持ちかえって日本政府に伝達する
以上の五項目でございますが、特に二項目におきまして、「人道精神に基づいて、」、これは行政的立場だけではなかなか難しい、政治的な決着を図る、政治的に決断をして解決をする、こういう点についてコンセンサスを得たということであります。
 さらに、問題は確定債務に限定をする。つまり、軍事郵便貯金と郵政省関係の四項目。きょうは厚生省、郵政省からも見えておられますね。よく聞いておいてください。この郵政関係、それから未払い給与、厚生省関係、この計五項目に絞って、この問題について政治的に決着を図る、こういう点について合意を得たということでございます。
 なお、その懇談の前に台湾側の要請もあり、関係団体の方々の陳情を直接私どもも伺う機会がありましたけれども、我々の到着前後には数千名のデモが組織され、交流協会やあるいは台湾側の立法院に連日デモが押しかける。この問題について極めて強い関心、そしてまた多岐にわたる要望、こういうものがみなぎっているわけであります。そういう中でそれをバックにし、言いたいだけは言った。
 しかし、最終的には、では、この五項目に絞って日本側の誠意を示してもらいたい、こういう方向に集約されたという点において、私どもの議員懇の第一回の会合としてそれなりの成果であったと自負をいたしたわけであります。
 しかし、台湾側の確定債務についての要請となりますと、約七千倍の補償をすべきである。例えば給与を比べてみても、当時の最低の給料と今日の自衛隊の最低の給料、約七千数百倍の開きがある、こういうふうなことを根拠にされ、ぜひそれだけの補償をすべきであるというふうな要求を次々と提起された、こういう次第であります。
 今回我々は、なおそこまでの具体的な数字について討議をする段階まではあえて入らない立場を貫いたわけでございまして、確定債務については五項目に限定をし、今後さらに協議をしていく、こういうことで集約をいたしたわけでございます。
 なおその点、井上団長からも、そうした要望についてはまるで太平洋を隔てるようなそういう要望では到底これは我が方としても論議を進めることは極めて困難である。いろいろな原則論は原則論として現実的立場に立って実現可能なそういう立場で今後この問題については両方の合意点を見出していきたい。こういうことで我が方の井上団長も集約をされ、またさっき申し上げました上記以外の問題については、昨日その状況について官房長官の方に既に井上団長から御報告申し上げたわけでございます。お伝えした次第であります。
 長くなりましたけれども、そういう経過を踏まえてまず第一点、官房長官、議員懇のこの経過についての率直な御所見を第一点において承りたい。
 第二点において、今後政府としてどういう基本姿勢でこの問題に対処していかれるか。台湾側の関係者、立法院からも、日本の国会議員が超党派でこの問題に取り組んでいただくことは極めて力強いことであるけれども、何といっても日本国政府がこの問題について積極的に取り組んでいただかなければならない、この声も非常に強かったわけであります。
 その点について、御決意も込めて承りたい。
#23
○国務大臣(武村正義君) 今板垣先生から御報告がございましたように、過般超党派で先生方が台湾に足を運んでいただいて、大変真剣に台湾の立法院のメンバーと意見交換をしていただきまして、数時間に及ぶ熱心な議論を踏まえて、今報告がありましたような五項目の合意事項までまとめてお帰りをいただいたというふうに御報告を受けました。
 まずは、先生方のこの真摯な御努力に対して、心から政府としましても敬意を表する次第でございます。政府と政府の公式の関係のない国でございますだけに、そういう意味では本当に実質先生方が外交的な仕事をお果たしいただいてきたというふうにも認識をするぐらいでございまして、強く感謝も申し上げるものでもございます。
 議員同士ではありますが、一つの話し合いの、枠をお決めをいただいたし、またさまざまな要求のある中で、五項目に対象を絞ろうということに台湾側の立法院メンバーも合意をしていただいたようでございます。これだけでも一つの大きな成果だと思っております。ぜひ、この延長線上でさらにこうした議員ベースの話し合いを引き続きお続けいただくことを期待いたしたいと存じます。
 同時に、私どもは今おっしゃいましたように、政府みずからの仕事としてこの問題について一層真剣に取り組んでいきたいと思っております。各省庁の連絡会議を設けておりますが、既に宮澤前総理の発言からすれば一年ずれておるわけでございます。台湾側の関係者の高齢化の問題も考えますと、ずるずるこれ以上先延ばしをしていい問題とは思いません。こういう時期に集中的に政府としましても努力を重ねまして、ぜひ早急に成果が上がりますように最善を尽くしたいというふうに思っております。よろしくお願いを申し上げます。
#24
○板垣正君 御決意のほどを承りましたが、いずれにいたしましても、特定弔慰金の場合も二百万円という額に最終的に政府も踏み切る、これは当時の状況からいえばけた違いの決断であったわけであります。したがいまして、従来の沖縄方式等々真剣な論議、検討も行われてきておりまするけれども、やはり政府としては相当思い切った決断をしていただかなければならない。
 この事柄は先ほど来確認されたとおりの問題でありますから、ほかのこととはまさに切り離された、この問題について台湾側の認識、我々日本を本当に信頼し今日まで来ておる、その気持ちを、ぜひ恨みの気持ちを子々孫々に残さないでほしいと、こういう切なる訴えであります。問題はもちろん日本国家としての正義、道義、これを示し得るかどうか、誠意を示し得るかどうか、誠意と受けとめられるかどうか。これは、ある意味ではお金にかえられない子々孫々に至る問題、民族のまさに名誉のかかった問題。こういうことでは、従来の検討も検討経過としながら、思い切った発想の転換を図り、この問題に対する決断を示すという心組みをぜひお願いしたい。私ども超党派の議員懇といたしましても、言うなればスタートについた、こういうことでございますから、幸い超党派、各党会派はもちろん、もとより一致をして大変な熱意でこの問題の解決を図ろうと、こういうことであります。
 来年が終戦五十年、こういうことでありますから、今長官からもなるべく早くという御答弁でございます。私どもは、ぜひ来年の予算では、つまりこの問題についてはこの年内に具体的な方向づけはきちっとし、必要なら我々議員立法も諮って解決すべきだ。来年度予算において、終戦五十年の来年は、この問題が台湾の方々に現実にお返しができる、このくらいのことで進まなければならない、またこの期を逸してはならない、こう考えますが、重ねて長官の御見解を承ります。
#25
○国務大臣(武村正義君) 御趣旨のとおりでございます。
 全く同じ気持ちで、既に昨年の政府の目標からすれば一年延びたという認識を持っておりますので、そうした目標で全力を尽くしていきたいと思っております。
#26
○板垣正君 最後に、日本と台湾の関係の問題について、長官の御見解を承りたいと思うのでございます。
 実は、私どもの派遣団が台湾の李総統に対する表敬を行ったわけであります。李登輝総統御自身、兄弟がフィリピンであの戦争で戦死をしておられる、そういうお立場もあり、また京都大学の御出身でありますから、日本語も流暢にお話しになる。そういうことで、私どもも受け入れられ、表敬に当たりましては、極めて率直な、また極めて真摯な話があったわけであります。
 この確定債務の問題についても、この経緯等についても十分御承知でもあり、また今回議員懇が超党派で台湾側をこうした目的で訪問したということについても大変感謝をしておる、そしてぜひこの問題を解決してもらいたい、こうしたことを述べられ、さらに皆さん方がお聞きのとおりに、台湾側の立法院の方々からいろいろ率直な見解が数時間にわたって述べられた。これは、今までのこの問題の解決に対する熱意、そのあらわれである。と同時に、一番その根っこにあるのは、台湾に対する日本国政府の態度というか、扱いといいますか、端的に言うなら、日本国政府は台湾という存在を無視しているのではないのか。
 既に、台湾の立場は御承知のとおり、経済的にもあるいは政治制度においても、まさに自由主義経済体制のもとで隆々たる繁栄を遂げつつある。国交のある国は二十九カ国にすぎませんけれども、実質的には百カ国を超える国々と貿易等の関係を結び、またいろいろな折衝の場を持ち、恐らくG7のほかの国々においてはもう大臣クラスの方々が当然のように台湾を訪問される、あるいは李登輝総統が各地を訪問される場合、まさに一国の総統としての敬意を持って遇される。
 こうした経緯を考えますと、台湾側の方々にとってはむしろ極めて日本に対する親近感が強いわけであります。そしてまた、日本に対する期待も大きい。にもかかわらず、日本政府は余りに冷たいのではないのか。現在の大陸を支配しております中国に対する気兼ねと申しますか、これは日中友好条約は踏まえながらも、経済的な立場は極めて濃密なものがあり、またアジアの安定、平和のためにも、この日台関係というものは極めて重視すべきものである。
 そこで官房長官、これは政府の御見解としてなかなか難しい微妙な点はあろうかと思いますけれども、もう少し日本も自主的な立場において、台湾の方々との、台湾というこの従来の歴史的経緯もあり、また現在も切り離しがたい経済、文化等々にわたる関係、これを踏まえるならば、もう少し台湾の立場を尊重する、こうした基本姿勢というものについて検討し、踏み切っていただいていいのではないのか。この点につきましての政府の見解を承りたい。
#27
○国務大臣(武村正義君) 我が国としましても、近年特に台湾の著しい経済発展に注目をいたしているところでございますし、また中国と台湾の交流がだんだん活発化してきていることも歓迎をしているところでございます。また、九一年の十一月には、APECの閣僚会議へ台湾が中国や香港とともに参加をしたということに象徴されますように、台湾はアジア・太平洋地域全体の繁栄にとって重要な要素になってきていると認識をしております。今後の台湾との関係につきましては、こういう認識に基づきまして、可能な範囲で努力をしていかなければいけないというふうに思いますし、また現実にもさまざまな形での交流が進展をしてきているというふうに考えております。
 ただ、日台関係は、お話にもございましたように、一九七二年の日中共同声明に基づいて、非政府間の関係として維持され、発展してきたものでございますし、この基本的な枠組みを遵守することが安定的な日台関係を今後とも維持する上では不可欠であると考えざるを得ません。この点は台湾側も理解をしていただいているところでございます。
 また、日台間のさまざまなレベルでの人の交流につきましては、このような基本的枠組みに背馳しない形で、必要に応じケース・バイ・ケースで判断をされるべきものだというふうに考えております。
#28
○板垣正君 ただいまの御見解は承りましたけれども、具体的な姿として台湾側との交流に積極的にぜひ今後取り組んでいただきたい。
 また、きょう中心の問題になりました確定債務の問題、これもまさに国家の名誉にかかわる問題、私どももさらに台湾側との協議、調整、その努力はもちろん最善を尽くさなければならない、こういう立場でございますが、さらなる政府当局の一層の御努力を重ねてお願い申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。
 終わります。
#29
○聴濤弘君 恩給法の審査に当たって、私は恩給を受けられない方々、恩給欠格者にも注意を向けなければならない、そういうふうに考えております。これらの方々も恩給受給者と同様、老齢化が進み、そして措置がおくれればおくれるほど、国としてこれらの方々に申しわけないことになったということにならざるを得なくなってくる、そういう状況にあると思います。そういう立場から、私は第一に平和祈念事業について質問をいたします。
 質問のポイントは、この事業の多くの部分を占めている恩給欠格者などに対するいわゆる慰藉事業それから贈呈事業、これをもっと速められないのかという問題であります。
 私が調べた限り、ことしの二月現在、これらの恩給欠格者への贈呈事業の申請件数三十二万件、三十二万人の方がおられる。このうち書状、銀杯、慰労品のいわゆる三点セット、これを既に受け取られた方あるいは受け取ることになっておられる方は九万人です。ですから二十三万人の方々がまだそれを受けられないという状況であります。そして、ことしのこの事業に対する予算はどのくらいかといいますと、十八億円です。仮にこういうペースでだんだん進んでまいりますと、この三十二万件、これを処理するのにあと五年、六年という時間がかかる。しかもこの対象者たちの平均年齢は七十三歳から七十四歳、こういう状況になっております。ですから、このテンポを速めなければならぬ。
 来年は、先ほどもありましたけれども、終戦五十周年というときであります。この事業を速めるために国の補助金、これをふやすことができないのか。それから、平和祈念特別基金に国が毎年拠出している額が五十億円ですが、その一部を直接その事業に出すということができないのか。五十億円を積んで利子が生まれてからそれから事業へというんじゃなくて、五十億円の一部を直接それに回すというような措置をとってテンポを速めることができないのかということであります。この点について御質問いたします。
#30
○政府委員(石倉寛治君) 補助金の増額あるいは基金の取りましについての御指摘が中心でございましたんですが、御承知のように、この事業の発足は基金の運用益で行うという原則で始まってございますので、そういった点で、この事業の推進につきましてどうしても限界があるということでございます。また、基金の取りましまでいたしますと将来の問題点の処理ができなくなるという問題もございますので、できる限りこの枠の中で処理をさせていただければと、こう考えているところでございます。
#31
○聴濤弘君 そうやれば本当にテンポが遅く、現在の申請だけでもまだ五、六年かかるという状況ですから、私はこのテンポを速める措置を何とかとるべきじゃないかということを言っているわけですが、その点、今説明がございましたが、そういう観点から何らかの措置をとっていくという積極策があっていいのではないかということを私は申し上げておきたいと思います。要請しておきたいと思います。
 私はきょうの質問は十分なので、次の問題に移らせていただきます。
 これは山西省残留部隊問題です。
 実を言いますと、昨年のちょうどきょう、三月二十九日、私はこの問題を取り上げました。この委員会で質問をいたしました。かなり大きな反響がございました。何通もの手紙それから電話をその後私は受けました。それによってこういう問題が本当にまだ未解決なんだなということをつくづくと感じた次第であります。
 問題は、戦争が終結したにもかかわらず、二千六百名の将兵が軍の命令で八路軍と戦うために中国の山西省に四年間残留した、こういう問題であります。しかし、政府は、これは軍の命令によって残留したのではないというこの立場、これをとって、この立場からこれらの残留兵士に対して何らの措置も講じてこなかった、これが山西省残留問題であります。
 問題の基本はそこでありますけれども、私がきょう質問したいのは、これもちょうど一年前に質問をして、全く明確な答えというのが何ら得られなかったので、改めてきょう質問するわけですが、残留将兵のうち五百五十名の方が現地で亡くなられました。その中の二百六十名に対しては一九七三年に弔慰金や公務扶助料を受け取ることができるような措置がとられました。ところが、亡くなられた方のうちの二百九十名にはそういう措置はとられなかった。ここから非常に大きな疑問が出てくるんです。
 弔慰金などを受け取ることができるようになった二百六十名の方々は軍の命令によったものだから受けられるようになったのか、そして受けることができない人は自分の意思で残ったからだということなのか、一体どこに基準があるのか、明確に、本当に明確に答弁をしていただきたいと思います。
#32
○説明員(並木進君) 先生のお尋ねの件でございますが、山西軍に参加しまして現地で亡くなられた五百五十名のうち、二百六十名のみに対しまして公務扶助料を受け取ることができる処理を行った理由ということでございます。この件につきまして御説明申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃいましたように、山西軍関係の死亡者は約五百五十名ほどでございまして、このうち、軍人等の身分を有していた者は三百四十名、それから一般邦人は約二百十名であると聞いておりますが、これらの数字は部隊関係者の証言をもとにした概数でございまして、個々の死亡者を積み上げた数字ではございません。
 このうち、二百十名いたと言われます一般邦人は、軍人等の身分を有していなかった者でありまして、もともと一般邦人でございますので、この現地除隊の取り消しの対象とはなり得なかった者でございます。また、軍人等の身分を有していたと思われます方につきましては、厚生省が保管いたします軍人それから未帰還者に関するすべての資料についての調査並びに遺族の申請等によりまして、当方で氏名等を把握できた者についてすべて現地除隊の取り消しを行ったところでありまして、この結果、これまで約二百六十名の方が公務扶助料等を支給されているところでございます。
#33
○聴濤弘君 ということは、民間と軍人との違いということでこの基準を立てられたということなんですか。
#34
○説明員(並木進君) 援護法それから恩給法等でございますけれども、これらの法律で処遇する方につきましては、いわゆる国との雇用関係という方について処遇しておるわけでございまして、お気の毒ながら民間の方につきましては何の処遇も受けられないというのが現状でございます。
#35
○聴濤弘君 最後、時間が来ましたので。
 これは民間と軍人との間の差だという問題じゃないと思うんですね。残った将兵で亡くなられた方が五百五十名、そのうちの二百六十名が受けたけれどもあとは何も受けてないという問題であり、全体として二千六百名というのは将兵の問題であって、これを民間人がどのぐらいいたかというような議論でもって糊塗することのできない問題。
 これは私は、数多くの請願それから陳情書、たくさんの方にお会いいたしました。そして、この問題については、戦後間もないころに一回国会で調査があったけれどもそれ以後調査がされていないということで、ぜひ再調査をお願いしたいというのがこの方々の強い要望です。
 官房長官に伺いますが、これはまだ未解決な問題だと私は思います。再調査をぜひ政府としてやるべきだと私は思いますが、この点を最後に伺って私の質問を終わります。
#36
○国務大臣(武村正義君) 今担当者が答弁を申し上げましたように、政府としましては今日まで調査をできる限り行って今申し上げているような処置をとっているところでございまして、これ以上重ねて調査をする考えはありません。
 ぜひ聴濤委員さんに御理解いただきたいのは、今の法律を適用いたしますとどうしてもやっぱり軍人軍属に限らざるを得ない。もちろん、これは法律を改正すればまた別の政治的判断が出てくるわけでございますが、現行法律ではそういうことであるということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
#37
○委員長(岡部三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 恩給法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#39
○委員長(岡部三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 合馬君から発言を求められておりますので、これを許します。合馬敬君。
#40
○合馬敬君 私は、ただいま可決されました恩給法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会、公明党・国民会議、日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読します。
    恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について速やかに善処すべきである。
   恩給年額の改定については、国家補償としての恩給の性格、恩給受給者の高齢化等に配意し、今後とも現職公務員の給与水準との均衡を維持するよう努めること。
   恩給の改定実施時期については、現職公務員の給与との遅れをなくすよう特段の配慮をすること。
   恩給の最低保障額については、引き続きその引上げ等を図るとともに扶助料については、さらに給付水準の実質的向上を図ること。
   恩給受給者に対する老齢福祉年金の支給制限を撤廃すること。
   外国特殊法人及び外国特殊機関の未指定分の件について、速やかに再検討を加え適切な措置を講ずること。
   戦地勤務に服した旧日赤救護看護婦及び旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労給付金の増額について適切な措置をとること。
   恩給欠格者等の処遇について検討の上、適切な措置を講ずるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#41
○委員長(岡部三郎君) ただいま合馬君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#42
○委員長(岡部三郎君) 全会一致と認めます。よって、合馬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石田総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石田総務庁長官。
#43
○国務大臣(石田幸四郎君) ただいまの附帯決議につきましては、今後慎重に検討してまいりたいと存じます。
#44
○委員長(岡部三郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○委員長(岡部三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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