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1994/03/28 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 本会議 第9号
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1994/03/28 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 本会議 第9号

#1
第129回国会 本会議 第9号
平成六年三月二十八日(月曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
    ―――――――――――――
  平成六年三月二十八日
   午前十時 本会議
    ―――――――――――――
 第一 平成六年分所得税の特別減税の実施等の
  ための公債の発行の特例に関する法律案、酒
  税法の一部を改正する法律案、租税特別措置
  法の一部を改正する法律案及び平成六年分所
  得税の特別減税のための臨時措置法案(趣旨
  説明)
 第二 地方税法及び地方財政法の一部を改正す
  る法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第三十五番、比例代表選出議員、増岡康治君。
   〔増岡康治君起立、拍手〕
#4
○議長(原文兵衛君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、増岡康治君を大蔵委員に指名いたします。
     ―――――・―――――
#5
○議長(原文兵衛君) 日程第一 平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案、酒税法の一部を改三する法律案、租税特別措置法の一部を改三する法律案及び平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案(趣旨説明)
 四案について、提出者の趣旨説明を求めます。藤井大蔵大臣。
   〔国務大臣藤井裕久君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま議題となりました平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、以上四件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 所得税減税の実施等により平成六年度の一般会計予算において見込まれる租税収入の減少については、公債の発行により対処せざるを得ないところであります。このため、財政法第四条第一項ただし書きの規定により発行する公債のほか、公債の発行を行うことができることとする必要があり、本法律案を提出した次第であります。
 以下、その大要を申し上げます。
 平成六年度の一般会計予算において見込まれる、平成六年分所得税の特別減税の実施による所得税の収入の減少、法人特別税の課税対象期間の終了による法人特別税の収入の減少、相続税の負担軽減による相続税の収入の減少及び普通乗用自動車の譲渡等に係る消費税の税率の特例の適用期間の終了による消費税の収入の減少を補うため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができること等としております。
 次に、酒税法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、酒類に係る税負担水準の現状、最近の酒類消費の態様の変化等を踏まえ、酒類に対する税負担の適正化を図るとともに、ビールの製造免許に係る最低製造数量基準の引き下げその他制度の整備合理化を行うものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、酒類に対する税負担の適正化を図る観点から、酒税の税率を見直すこととしております。
 すなわち、酒税の税率を各酒類の基準アルコール分で一キロリットル当たり、ビール等については一万三千六百円、しょうちゅう甲類等については三万五千九百円それぞれ引き上げることを基本に、清酒等の酒類については、原料事情、消費動向等に配慮して、引き上げ幅につき所要の調整を行うこととし、これにより酒類間の税負担格差の縮小を図ることとしております。
 また、発泡性を有する酒類に係る加算税率については、これを廃止することとしております。
 第二に、ビールの製造免許に係る最低製造数量基準を二千キロリットルから六十キロリットルに引き下げ、ビールの小規模生産の道を開くこととするほか、酒類製造者が自己の製造場間で行う酒類の移入について、すべて戻し入れ控除の対象にする等制度の整備合理化を行うこととしております。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、最近における社会経済情勢等にかんがみ、土地・住宅税制について適切な対応を図るとともに、租税特別措置の整理合理化等を行うほか、課税の適正公平の確保その他所要の税制上の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、土地税制について、土地の有効利用の促進等を図る観点から、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例、事業用資産の買いかえの場合の課税の特例等の拡充等を行うとともに、住宅税制について、住宅取得資金の贈与を受けた場合に贈与税額を五分五乗方式により計算する特例の拡充等を行うこととしております。
 第二に、近年における地価の水準を踏まえ相続人の居住や事業の継続に配慮するため小規模宅地等についての相続税の課税価格の減額の特例の拡充等を行うほか、土地の登記に係る登録免許税の課税標準を減額する特例の新設等の措置を講ずることとしております。
 第三に、課税の適正公平の確保を推進する等の観点から、交際費課税の見直し及び使途秘匿金に対する追加課税制度の新設を行うこととしております。
 また、企業関係の租税特別措置等について特別償却制度等の整理合理化を行う一方、高齢者、障害者が円滑に利用できる特定建築物について割り増し償却を認める等社会経済情勢に即応して所要の措置を講ずることとしております。
 その他、清酒に係る酒税の税率の軽減措置、国際金融取引におけるいわゆるオフショア勘定において経理された預金等の利子の非課税措置等適用期限の到来する特別措置につきまして、実情に応じその適用期限を延長する等の措置を講ずることとしております。
 次に、平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案につきまして御説明申し上げます。
 政府としては、当面の経済の低迷を打開するため、一年間限りの措置として、平成六年分の所得税につきまして、三兆八千四百三十億円の特別減税を実施することといたしたところであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 この特別減税は、平成六年分の所得税額からその二〇%相当額を控除することにより実施することとしております。なお、二〇%相当額が二百万円を超える場合には、二百万円を限度としております。
 この特別減税の具体的な実施方法に関しましては、給与所得者については、本年一月から六月までの間に支払われた給与等に係る源泉徴収税額の二〇%相当額を、原則として同年六月に還付し、同年十二月の年末調整の際に、給与等の年税額の二〇%相当額から同年六月の還付金額を控除した残額を控除することにより実施することとしております。
 次に、公的年金等受給者については、原則として本年六月及び十二月に半年分の源泉徴収税額の二〇%相当額をそれぞれ還付することとしております。
 また、事業所得者等については、平成六年分の確定申告の際に、所得税額からその二〇%相当額を控除することにより実施することとしております。さらに、平成六年分の所得税に係る予定納税基準額は、特別減税を加味して計算することとしております。
 なお、衆議院において、附則第五条として、第一項「平成七年分以後の所得税については、速やかに、税制全般の在り方について検討を加えて税制改革を行い、抜本的な所得税の減税を行うものとする。」、第二項「国は、前項の税制改革を行うに際し、あわせて行政経費の一層の節減に努めなければならない。」という条項を加える修正が行われたところであります。
 以上、平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案につきまして、その趣旨を申し上げた次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(原文兵衛君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。須藤良太郎君。
   〔須藤良太郎君登壇、拍手〕
#8
○須藤良太郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました四法律案に対して質問を行うものであります。
 まず最初に、法案審議に当たっての基本問題として三点について総理にお伺いいたしたいと思います。
 その第一は、現下の経済情勢についてであります。
 我が国経済は、去る三月二十二日発表の経済企画庁の国民所得統計速報によりますと、昨年十月から十二月までの間の国内総生産は円高による輸出額の減少や設備投資の落ち込みが響き、七−九月期に比べて〇・六%、年率換算二・二%の減少となっておりまして、依然厳しい状況が続いております。この結果、実質国内総生産の成長率は〇・一%程度となり、第一次石油危機後の昭和四十九年のマイナス〇・六%以来、実に十九年ぶりの低い水準になると見込まれておるわけであります。
 これに対しまして、政府は消費など一部の指標に明るさが見られるとして、平成六年度は政府見通し実質二・四%成長は可能であるとの見方を崩しておりません。しかし、回復への期待は高まっているものの、このような認識の甘さに加え、米問題への対応や相次ぐ公共料金の値上げ等によりまして国民の不信と不安はその極に達しておると思うのであります。
 総理としては現下の経済状況をどのようにとらえておられるのか、まずお聞きしたいのであります。
 第二は、細川総理の一億円借り入れに関する疑惑の問題であります。
 総理は、去る三月四日の施政方針演説で、政治改革が一つの節目を迎えた今、経済改革と行政改革に本腰を入れ取り組む旨を述べられました。しかし、政治改革に直結する重大な総理の佐川からの一億円借り入れ問題につきましては、国民の疑惑がますます高まっている中で、全く解明されていないわけであります。このため、平成六年度予算の審議にはいまだ入れない事態となっておるわけであります。
 総理は、みずから進んで疑惑を解明するため、衆議院の予算委員長から国会法第百四条に基づき要求されております資料の提出及び元秘書の証人喚問等を含め、どのように対処されるのか。出すものは早く出してすっきりされる方が総理も国政に安んじて専心できるのではな、か。景気をこれ以上よくするも悪くするも総理の佐川問題への取り組みいかんにかかっていると言えるのであります。この点につきまして総理の明確な答弁をお聞きしたいのであります。
 第三は、特別減税とそれに伴う財源の問題についてであります。
 総理は、さきの施政方針演説で、「今、国民の皆様方が切実に願っておられるのは深刻な不況からの脱出であります。」、また、「過去最大の所得税・住民税減税の実施を決定したことは、現下の経済状況から見て不可欠の、そして適切な措置であったと考えて」いるが、公債残高が二百兆円を超える財政事情に無責任でいることは許されないとも述べております。さらに総理は、「所得・消費・資産等バランスのとれた税体系をつくるため、国民負担と税制のあり方、減税とその財源、税負担の適正公平の確保などといった幅広い詰問題について議論を深め、速やかに合意を得て、年内の国会において関係法律の成立が図られるよう努力を傾けてまいります。」と述べております。
 長々と総理の立派な言葉を引用いたしたわけでありますが、本当のところはどうも違うのではないか。総理は、一方で減税が必要だが、また財政事情にも無責任ではいけないと言いながら、その減税の財源措置については、年内合意という極めてあいまいな根拠を頼りに特例公債の発行に踏み切るなど、まことに無責任きわまりない減税を行おうとしているのではありませんか。
 総理、この年内合意が成立しなかった場合、総理はその政治責任についてきちんとけじめをつける覚悟はお持ちかどうか。また、総理が言うところの所得・消費・資産等のバランスのとれた税制、何回も聞くわけでありますけれども、どのような内容のものか、ひとつ具体的にお聞きしたいのであります。
 さて、今回の各法案における幾つかの諸問題につきまして順次お尋ねしていきたいと思います。
 まず、租税特別措置法改正案についてお伺いいたします。
 申し上げるまでもなく、租税特別措置は税の公平を犠牲にした上で必要不可欠な政策目標を実現するための措置であります。そして、今回の租税特別措置改正の主眼は、言うまでもなく現下の不況からの脱出でなければなりません。しかし、政府の改正案にはその理念が一つも見えないのであります。
 具体的には、土地税制の見直しであります。平成三年度には、政府税制調査会の「土地税制のあり方についての基本答申」に基づき、土地の資産としての有利性を縮減する観点から、土地の取得、譲渡、保有のすべてにわたり見直しが行われました。しかし、土地の有利性は急激な地価上昇時において発生増幅され、そのことがまた、仮需要いわゆる土地転がし等を発生させることにより一層の地価上昇を招くという一連の現象の中で起こるものであります。
 その防止策としては、土地の需給逼迫状態を改善するための構造的・中長期的施策と、機動性、弾力性を備えた金融対策の実施こそが重要であります。今の土地税制が地価の抑制に一定の役割を果たすことは否定いたしませんが、それほあくまで従たるものであり、現在のように地価が下落し、かつ景気が低迷している状況では、それに見合った税制を大胆に変更することが必要であります。
 その第一が土地譲渡益課税についてであります。
 政府案では、土地の長期譲渡益課税制度において軽減税率等の特例の適用範囲拡大のみにとどまり、基本的な枠組みにほ一切手がつけられておりません。しかし、これでは現在の極端な土地取引が停滞している現状の改正としては全く不十分なものであります。
 土地取引が停滞している大きな原因は、企業リストラの推進等、土地を譲渡する側には強い意欲がありながら譲渡益課税が強化されている現状では、それがなかなか実現されないところにあります。政府案はこのような現状を全く認識しないものであり、景気浮揚に資する土地の流動化につながるものとは言えません。少なくとも長期の土地譲渡益課税制度における税率を、個人の場合百分の二十に、法人の場合の追加課税の税率を百分の五にそれぞれ引き下げる用意はないのかを大蔵大臣にお尋ねしたいのであります。百分の二十と百分の五に下げていただきたいのであります。
 その第二として、地価税についてお伺いいたします。
 地価税は、御承知のとおり、従来の土地の保有課税である固定資産税の税負担水準が土地価格に比べて低かったことから政策的な税制として導入されたものであります。しかし、本年度において固定資産税の評価が全国平均で約三倍に引き上げられ、法人は地価税と固定資産税の二重課税になっておりまして、とりわけ地価の高いところに立地している百貨店等にとりましては経営の圧迫要因となっておるのであります。
 このような過重となっている地価税負担が土地の取得者、保有者の新たな事業展開の意欲を減殺している実情を踏まえ、この際、地価税の適用を二年間停止すべきであると考えますが、大蔵大臣の所見を伺いたいのであります。
 さて、連立与党の多くはかつて特別措置の整理合理化を声高にうたっておりましたが、今回の改正では従前と一体どのように異なっているのか。租税特別措置の改廃・新設状況を見ますと、廃止が七項目、創設が十二項目とかえって新設項目が多く、一体どのような基準で整理合理化をしたのか、大蔵大臣にお尋ねしたいのであります。
 次に、重要な特別減税法案及びその財源の裏打ちとなる減税特例公債法案についてであります。
 今回の所得税減税は三兆八千億円余となっておりますが、減税規模はともかく、所得税の一律二〇%というような余りにも荒っぽい減税方法も、またその財源措置も一時しのぎの便法的色彩が強く、極めて遺憾であります。これに伴う景気浮揚にはどの程度効果があると見ておられるのか、大蔵大臣に伺いたいのであります。
 財源問題についてはすべて今後の連立与党内の協議にゆだねられており、問題の先送りにほかならないのであります。
 最大の懸念は、減税財源についての連立与党協議機関による合意の保証が何ら担保されていないところにあります。
 代表者会議の合意文書は、財源に関する法案を年内の国会で成立させるとしておりますが、それはあくまで「連立与党の合意を得て」という前提条件づきなのであります。もし、連立与党第一党の強い社会党が連立政権離脱をかざして増税反対を唱えれば、再び先送りされることになりかねないのであります。
 総理は、そのような事態にはならないとおっしゃるのでありましょうが、過去の連立与党の行動から見ても、来年の統一地方選挙、また消費税廃止を大きなスローガンに当選した議員の改選期である夏の参議院選挙を控え、都合の悪いことは常に先送りするのが常套手段となっている昨今の経緯からいたしますと、この先送りの公算は極めて大きいと言わねばならないのであります。年内に抜本改革法案が成立しなければ、減税もことし限りで打ち切りとなり、総額十五兆円の総合経済対策の効果も台なしになるのであります。
 今回の減税も財源の大半は特例公債に依存することとしておりますが、連立与党政権はこうした事情を十分考えた上で責任ある結論を出すことをこの場で確約しない限り、政権を担う資格はないと言わざるを得ません。
 その責任とは、単に減税財源を見つけるといった安易な目先の視点ではなく、高齢化社会の到来に備えた税制のあり方、特に直接税と間接税の比率を含めた抜本的税制改革への中長期的視点を持つことが肝要と考えます。
 今必要なことは、単なる目先の税制の改正ではなく、二十一世紀を視野に入れた税制の改革であります。この点の認識につきまして、総理並びに大蔵大臣の答弁を求めるものであります。
 また、税制改革とあわせて必要なことは、行財政改革の推進であります。
 減税財源にせよ、福祉財源にせよ、今後増税措置がとられるとすれば、その前提として歳出の可能な限りの合理化、縮減が必要にして不可欠な条件となります。実のある歳出削減の努力があってこそ国民の増税に対する合意形成を可能とするものと考えますが、これは総理の答弁を求めたいと思います。
 さらに、減税特例公債法案により発行することとしている三兆一千三百三十八億円の特例公債の性格についてお伺いいたします。
 今回の特例公債は、大蔵大臣によれば、年内に実施が図られる税制改革の中でその償還財源の問題について適切に対処されるべきものと考えており、歯どめのない財政体質の悪化につながりかねない特例公債とは異なるものと考えているとして、いわゆる赤字公債ではないと位置づけておりますが、はっきりとしためどのない措置では、幾ら政府が連立与党の税制改革に関する話し合いを信じると言っても、それは一方的な片思いにすぎないのであります。
 政府としては、いわゆる湾岸平和財源法による臨時特別公債と同様の公債とみなそうとしておりますが、湾岸平和財源法は確たる財源措置が同時にとられており、漠然とした財源対策ではなかったのであります。今回のような解釈が許されることになれば、政府は赤字公債について特例法を提出することなく、政府の一方的な解釈により別枠特例公債を発行することができることとなるのであります。
 今回の特例公債は果たして来年度確実に償還されるのでありましょうか。特例公債の性格とあわせて、大蔵大臣の明確な答弁を求めるものであります。
 次に、酒税法改正案についてお伺いいたします。
 真夜中の国民福祉税構想発表のどさくさの中で、さしたる議論もせず酒税の増税がいとも簡単に決められております。これは取りやすいところから取るという安易な財源確保策であり、極めて問題のあるやり方であります。
 また政府は、税負担水準の低下が見られる酒類について負担の回復を図ること等を改正の理由としております。しかし、酒の消費の七三%、酒税の収入の七五%を占めるビールの各国の税負担率を比較いたしますと、我が国が値上げ前でも四四・一%であるのに対し、アメリカ等は一〇%台にとどまっており、我が国の税率が突出しておるのであります。
 このような中でさらに税率を上げることは、商品取引の国際化が進む現状で酒税が一種の関税障壁として非難の的となることは必至であります。さらに、酒税の税率の引き上げは、ビール等酒の価格の値上げを招き、所得の伸びが見込めない国民のささやかな憩いをも奪うことになります。また、税率の引き上げは結果的に国民の酒離れを招き、期待した税収が確保できないという事態も想定されますが、大蔵大臣の答弁を求めます。
 以上、今回の税制改正につきまして幾つかの諸問題を指摘してまいりましたが、その改正の意図は景気対策なのか、抜本改革に向けての第一歩なのか甚だ不明であり、いずれの場合も中途半端で効果の限界、やりくりの限界が目に見えているものばかりであります。
 今後の税制改革のキーワードは高齢化であります。
 政府税調が昨年十一月にまとめた中期答申も、公正で活力ある高齢化社会を目標として税制改正を行うべきであるとはっきりと打ち出しております。しかしながら、今回の税制改正はこれにこたえたと評価することは全くできません。政権の性格を反映して、何とかおさめる八方美人的発想に終始し、理念がまるで見えてこないのであります。
 総理は、一月の年頭の記者会見において、痛みを分かち合いながら、ともに理想と希望に満ちた時代を築きたいと言われました。しかし、この意欲のかけらすら見ることができないのであります。
 所得課税に限界があるとすれぼ、広く薄く課税する間接税のあり方にまで踏み込まなければ根本の解決にはつながりません。急増する年金、医療費、介護費などの負担を勤労世代にしわ寄せすることなく、痛みを分かち合うためには、密室ではなく、国会の場で論議を尽くすことが何より大切であります。
 民主主義のかなめである議会政治も、本来税の問題を議論する場として生まれ、課税同意権の確立を軸に発展を遂げてきたと言われます。すなわち、税と民主主義とは表裏一体の関係をなしているのであります。
 国会の税論議にぜひ心を砕いてやっていただくよう心から強く要請し、最後に総理の間接税に対する本当の考えを伺って、私の質問といたします。(拍手)
   〔国務大臣細川護熙君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(細川護熙君) 初めに、経済状況の認識いかんということでございましたが、公共投資や住宅投資は堅調でございますし個人消費の一部にも明る、動きが見られますものの、総じて低迷が続いていると認識をいたしております。
 政府としては、さきの総合経済対策あるいは第三次の補正予算、六年度の当初予算に盛り込まれました諸施策の速やかな実施を図りますとともに、その着実な推進を図ることによりまして我が国経済をできるだけ早く回復軌道に乗せてまいりたいと思っております。
 なお、公共料金につきましては、経営の徹底した合理化を前提として、物価や国民生活に及ぼす影響を十分考慮して取り扱うこととしており、その値上げに当たりましては真にやむを得ないものに限りますとともに、実施の時期あるいは改定の幅につきましてはできる限り調整をしてきているところでございます。
 私の一億円借入問題と資料の提出あるいは証人喚問の問題についてどう対処するのか、こういうお尋ねでございますが、私としては既に国会の場に資料も御提出し、本会議や委員会での御質問にも誠心誠意お答えをしてきたつもりでございます。国会法百四条に基づく資料提供につきましては、関係省庁におきまして決定された判断を尊重してまいりたいと思っております。
 また、元秘書に対する証人喚問につきましては、国会のお決めになることではございますが、私が事務所を通じまして深山元秘書からできる限りの事情を聴取して私自身がすべてお答えをしておりますので、その点につきましては御了解をいただきたいと存じます。次に、税制改正の年内合意と政治責任についてのお尋ねでございますが、政府は、「税制改革については、引き続き検討を進め、年内にその実現を図るものとする。」という閣議決定を既に行っているところでございます。また、与党の協議会におきましても今国会中に結論を得る方向で協議が進められているところで、政府としても年内に税制改革の実現が図られるように最善の努力をしてまいりたいと考えております。
 バランスのとれた税制とはどういうものか、こういう趣旨のお尋ねでございましたが、我が国の税体系を国際的に比較いたしますと、OECD加盟二十四カ国中、所得課税の割合は第一位、消費課税の割合は最下位となっております。社会の高齢化が急速に進む中で、このような所得課税に偏った税体系を維持したままでは負担がますます中堅サラリーマン層を中心とする勤労世代に偏ってしまって、勤労意欲や経済社会の活力が弱まってしまうことになりかねないというふうに思っております。
 そういう問題意識のもとで、税制調査会の答申におきましては、所得課税のウエートを下げて消費課税の充実を図ることによって世代を通じた税負担の平準化を図り、社会の構成員が広く負担を分かち合うことができるように所得・消費・資産の間でバランスのとれた税体系を構築することが適当である、そういう税制の総合的な見直しの方向が示されたところでございます。そのような観点から引き続き検討を進めまして、年内の実現に向けて政府として努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、高齢化社会と抜本的税制改革についてのお尋ねでございましたが、高齢化が進む中で活力のある社会を実現するためには社会保障の充実、社会資本の整備などを進めていかなければなりませんし、それに伴って多額のコストが必要であることは申すまでもないことでございます。今後とも規制緩和を含めた行政改革、歳出の見直しを進めていくことは言うまでもございませんが、国民一人一人の負担がある程度増加していくことはどうしても避けられないものと考えております。
 このような中で今後の租税負担のあり方を考えますと、先ほども申し上げましたように、所得課税のウエートを下げ、消費課税の充実を図ることによって世代を通じた税負担の平準化を図り、社会の構成員が広く負担を分かち合うことができるようにバランスのとれた税体系を構築していかなければならないということはまさに御指摘のとおりでありまして、このような税制改革の年内実現を図ることについて、先ほども申し上げましたように、政府としても精いっぱい努力をしてまいりたいと考えております。
 歳出削減の努力についてのお尋ねでございますが、政府はこれまでも既存の制度や施策の見直しなどによる歳出削減努力を積み重ねてきたところでございますが、今後とも行財政改革を推進し、財政の効率化に向けて極力努力をしてまいることは当然のことでございます。
 次に、高齢化と間接税についての認識というお尋ねでございましたが、税制調査会の中期答申におきましても、個人所得課税について中堅所得者層における税負担の累増感を緩和するため、全体としての税率構造の累進性の緩和などを図るとともに、従来、所得課税に偏重していた税体系のウエートを消費課税にシフトさせる方向で行われることが望ましいという考え方が示されているところでございます。
 繰り返し申し上げておりますように、現在、右党の協議会におきまして今国会中に結論を得る右向で協議が進められているところで、政府とし丁も年内にその実現を図るように努力をしてまいります。
 残余の問題につきましては、関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣藤井裕久君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(藤井裕久君) お答えいたします。
 まず、土地の流動化のための土地税制についてのお尋ねでございますが、御承知のように、現行の土地税制は平成三年度の改正で所得・消費・資産の間で均衡のとれた税体系を確保しよう、それから土地基本法の基本理念に沿って税もその役割を果たしていこうという観点から、長期的、安定的な制度として設けられたものであると考えております。
 その中で、平成六年度の改正では、現在の土地をめぐる諸情勢だとか経済情勢等を十分に考慮した上で、現行の土地税制の基本的な枠組みの範囲内で国土政策との調和に配慮しつつ土地の有効利用を促進するという観点から適宜適切に対応していこうという考え方のもとで有効適切な措置を最大限講じたと考えております。土地に係る長期譲渡益課税の税率を一般的に引き下げることは適当でないと考えております。
 それから、次に地価税でございますが、ただいまのと同じような基本的な考え方のもとで平成三年度の土地税制改革において創設されたものであり、今後ともその着実な実施に努めることが重要であると考えており、地価税の適用を二年間停止するということは考えておりません。
  お尋ねの固定資産税との関係につきましては、地価税法附則におきまして、「少なくとも五年ごとに、固定資産税の土地の評価の適正化等を勘定しつつ土地の保有に対する税負担全体の状況等を踏まえて検討する」、こういう規定があるのはもう御承知のとおりであります。このように、当今の間は固定資産税において本来の負担水準に達1ないような極めてなだらかな負担調整措置が行われていることとなっておる現時点では、土地基本法を踏まえた長期的・体質改善的措置として創設された地価税の着実な実施をしていくことが重要であると考えております。
 次に、租税特別措置法についてでございますが、これは全く御指摘のとおりだと思います。特定の政策目的を実現するための有効な政策手段の一つとして位置づけられたものであって、税負担の公平等の税制の基本理念の例外として講ぜられている、その政策目的、効果は絶えず吟味していく必要がある、これはもう御指摘のとおりと考えております。
 平成六年度改正におきましてもこのような考え方に基づいて、生活者重視、新社会資本整備、住宅投資促進等、最近の新たな政策要請にこたえる一方、既に目的を達成したと認められるものや政策効果の乏しいものについて徹底した整理合理化を図ったところでございます。
 次に、所得税の今回の特別減税についてでございますが、年内に税制改革の実現を図るという方針のもとで、当面の経済の低迷を打開するため約五兆五千億の大規模な所得税、個人住民税の減税を実施したわけであります。
 もう御承知と存じますが、具体的な方法として、景気刺激の即効性にも配慮して減税をできるだけ早いタイミングでまとめてやろうということが一つ。それから、所得税制の仕組み自体に直接影響を及ぼすような改正は回避しつつ納税者の現実の税負担に応じたものになるようにするということ、納税者にとってもわかりやすく実務的にも簡便であるというような観点から、平成六年分の所得税額の二〇%相当額、最高は二百万円で頭打ちさせていただいておりますが、こういう定率減税を行わせていただいたわけでございます。
 この効果についてでございますが、私は、中低所得者を含めて広く納税者世帯全部にその効果が及ぶこと、あるいは納税者にとってもわかりやすく減税の実感を持っていただきやすいのじゃないかということ、それから減税額のうち相当部分が六、七月に減税されるなどできるだけ早いタイミングでまとまった形で実施ができるようになっていることを考えまして、可処分所得の増加を通じて個人消費に対してプラスに働き、さらに民間部門のマインドの好転にも大きく寄与すると期待しておりますし、今回の対策に盛り込まれた自動車に係る消費税率の特例の廃止等、他の諸施策と相まって我が国経済を本格的に回復軌道に乗せて安定成長を確実にする一助になると考えております。
 いずれにいたしましても、政府としては、与党の協議も踏まえながら引き続き検討を進めて、国民の皆様の御意見に十分耳を傾けながら、年内に本格的な税制改正の実現を図るよう最大限の努力を払ってまいる所存でございます。
 また次に、御指摘のように、税制改革というのは目先の視点ではなく二十一世紀の到来を視野に入れつつ高齢化社会に適切に対応するため抜本的な改革が必要であるということは、もうおっしゃるとおりだと考えております。こうした観点で、所得・消費・資産等のバランスのとれた税体系を構築するための税制改革の年内実現を図ることについては、政府として二月十八日の閣議決定を行っておりますし、今後、与党の協議なども踏まえながら引き続き検討を進めて、その実現に全力を出してまいりたいと思っております。
 次に、今回の国債の話でございますが、今回減税見合いとして発行される国債は法形式的には財政法第四条の特例であるという意味において特例公債でございます。しかしながら、この公債の償還財源の問題を含め、年内に税制改革の実現が図られることにより、中長期的に特例公債依存体質をもたらすような歯どめのない赤字国債とは異なるものとなり得るというふうに認識をいたしております。
 今回減税見合いとして発行される国債の償還財源の問題につきましては、年内に税制改革の実現が図られる中で適切に対処さるべきものと考えているところでありまして、その最終的な償還期限については税制改革の結果を受けて検討することになると考えております。
 次に、酒税でございますが、財政物資である酒類に係る税負担水準については、国により、また酒の種類により異なるわけでございますし、財政事情あるいは税体系、国民の嗜好等が異なる各国間において単純にその税率水準を比較することは適当ではないと考えております。
 いずれにいたしましても、我が国の酒税は同一の酒類には内外を問わず同一の税率が適用になっておりますので、ビールの税率が高いということが関税障壁にはならないと考えております。
 また、今回の酒税改正は、税制調査会の答申も踏まえまして、ビールや清酒等の価格の上昇に伴い低下した税負担の回復を図るとともに、酒類間の税負担の公平化の観点から税率の調整を行うことによって適正な税負担水準の確保を図ろうとするものであります。税率の引き上げ幅については、現下の厳しい社会経済情勢や消費者の方の税負担にも配慮いたしまして、必要最小限の範囲にとどめたということを御理解いただきたいと思います。
 それから、御指摘のように、酒税の税率引き上げは酒類の価格の上昇を通じ消費に対し何がしかの影響を与えることは否定し得ないと考えております。しかしながら、酒類は致酔性を有する特殊な嗜好品という性格を持っておりますし、また、その消費は単に価格のみならず時々の天候などさまざまな要因によって影響も受けるものであり、今回の改正が今申し上げましたように、従来の改正よりかなり小規模なものとなっているわけでありますので、酒類消費への影響はさほど大きくないのではないかと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(原文兵衛君) 吉岡吉典君。
   〔吉岡吉典君登壇、拍手〕
#12
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました平成六年分所得税の特別減税のための臨時措置法案など四法案に対し、総理並びに関係閣僚に質問いたします。
 本論に入る前に、総理の佐川急便との関係をめぐる疑惑と、細川内閣が財政法を無視して予算案提出を大幅におくらせたことから、いまだに予算委員会の審議に入れないでいる事態についての総理の責任をただしておかなければなりません。
 こうして、暫定予算及び全く審議が行われていない予算の関連法案に加えて、年度とかかわりのない法案まで日切れ法案と称して、審議らしい審議もないまま年度内成立を図ろうとすることに我が党は反対であることを表明しておきます。
 一体、総理は、巨額の政治献金で政界を汚した佐川急便との一億円借り入れを初め、長く深い関係を何ら問題ないと考えているのですか。先ほどの質問に総理は、資料提出にも証人喚問にもありきたりの答弁で拒否されました。これでは国民は決して納得いたしません。国会が要求する資料提出と元秘書の証人喚問要求に応じて、事態打開に努力する意思は全くないのか、改めてただします。
 さて、九一年初めから始まった不況は、その長さから見ても、その深刻さから見ても、戦後最大の不況であります。この長引く不況を打開するために、内需の大半を占める国民の消費を大きく拡大することが強く求められています。
 国民の強い要求によって、所得税、住民税合わせて五兆五千億円の特別減税が増税と一応切り離された形で行われることになりました。我が党は、この減税自体には賛成であります。
 ところが、総理のねらいは、たとえその時期はおくれてもあくまで財源として消費税の増税を図ることでありました。その構想がはしなくも総理の口からこぼれたのがあの国民福祉税構想だったのです。総理、あなたは国民の批判の前に一たんはこの構想を先送りしました。私は、総理が減税は消費税の増税と切り離さないというこの考え方を根本的に改め、消費税の増税ははっきり断念することを求めるとともに、幾つかの質問を行います。
 第一に、今回の減税法案は上に厚く一般庶民には薄い一律二割減税方式というものであります。この減税を我が党の提案している人的控除引き上げなど課税最低限の大幅引き上げを中心とした国民減税につなげ、恒久化するならば、庶民の懐も豊かになり、消費不況打開に大きく役立つことは明らかであります。総理の所見を伺います。
 第二に、政府はこの減税の財源として三兆一千三百三十八億円の特例公債を発行しようとしております。赤字国債に依存しない財政もつかの間で、再び赤字国債を発行することは第二次財政再建計画を放棄することでありますか。これにより国債残高は二百兆円を上回ることになる責任は重大であります。この責任をどう考えているのか、答弁を求めます。
 また、今回の赤字国債は一年以内に償還するとされていますが、その財源はどうするつもりですか。償還のための増税は行わないと断言できるのか、明らかにされたい。
 第三は、今回の税制改正は細川内閣初めての改正なので、ここで細川内閣の税制改革に関する基本的な姿勢についてお尋ねしておきたいと思います。
 総理が尊重するという昨年十一月の政府税調中期答申は、公正で活力ある高齢化社会の実現のため費用負担を社会の構成員が広く分かち合うという考えをとっております。要するに、負担能力にかかわりなく広く国民に負担を求めようということであります。この考え方は、消費税導入のとき自民党政府が掲げた租税は国民が社会共通の費用を広く分かち合うためのものという考えと同一であります。連立与党の税制改正大綱もこの考え方を全面的に高く評価しておりますが、細川内閣の税制改革の理念はこれまでの自民党内閣の理念と全く同一なのか、それともどこか違いがあるのか、明らかにしていただきたい。
 第四に、細川内閣の不公平税制、とりわけ大企業優遇税制の見直しに対する姿勢についてであります。
 総理は、衆議院本会議で我が党の矢島議員の不公平税制の是正についての質問に答え、従来からできるだけの努力を続けており、今後とも絶えず吟味すると言いましたが、今後どういうテーマについて公平確保を図ることを考えているのですか、具体的にお答え願います。
 我が国税制には、引当金や準備金などに世界にも例を見ない大企業優遇制度が多数設けられています。減価償却も手厚く認められています。これは不況のもとで企業にとっては製品コスト引き上げの要因にすらなっているのであります。この結果、我が国大企業は不況にもかかわらず膨大な内部留保、減価償却資金をため込むに至っております。
 引当金については、不公平税制を是正せよという国民世論を無視できず、自民党内閣時代の税制改正においても、積立率が実情を上回っているとの判断から見直しが提起されました。中でも賞与引当金については、政府税調の六十三年中間答申で段階的に廃止する方針すら示しました。総理は、この世界に類例のない我が国の引当金や準備金、減価償却のあり方についての検討すら行わないのですか。
 あえてこうたださざるを得ないのは、租税特別措置法改正案では、製品輸入促進税制、海外投資損失準備金など、数多くの大企業優遇の特別措置について適用期限の延長を行うばかりか、新たな制度の新設さえ行い、大企業の負担を軽減しようとしているからであります。こうした大企業優遇の特別措置について、抜本的なメスを入れるべきではないのですか。
 第五に、酒税の引き上げについてお尋ねいたします。
 総理、ことしに入って郵便料金、電話料金、公団家賃、医療費など、公共料金などの値上げがメジロ押しに計画されております。それに加えて、酒税の引き上げでビール、しょうちゅう、清酒の値上げが行われようとしています。とりわけ、しょうちゅうの税率の大幅引き上げは中小の製造業者に打撃を与えるとともに、庶民の楽しみを奪うものではありませんか。まさに財政不足のツケを安易に庶民に転嫁する典型であり、これでは、総理の言う生活者重視とは、取り立てば生活者重視であると言わざるを得ません。
 最後に、以上のような不公平税制の是正とともに、ゼネコン優先の公共事業の見直し、軍事費の削減等によって消費税の増税なしの大幅減税を実現することは可能であります。今国民が待ち望んでいる増税なしの大幅減税を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣細川護熙君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(細川護熙君) 初めに、佐川急便との関係、資料提出、証人喚問についてのお尋ねでございましたが、一億円を借入したのは事実でございますが、再々申し上げておりますように、それは完済しており、けじめをつけるべきことはきちんとけじめをつけて対応してまいってきているつもりでございます。
 資料提出要求につきましては、できる限りのものを出させていただいているところで、これ以上提出することは考えておりません。
 また、元秘書に対する証人喚問につきましては、これも先ほどお答えをしたとおりでございますが、国会のお決めになることではございますが、私が事務所を通じて元秘書から事情を聴取して、私自身がすべてお答えをすると申し上げているわけでございまして、それで御了解をいただきたいと存じます。
 課税最低限の大幅引き上げによる減税についてのお尋ねでございますが、今回の特別減税は、年内に税制改革の実現を図るという方針のもとで、当面の経済の低迷を打開するため緊急避難的な措置としていわば税制改革への橋渡しとして実施をするものでございます。
 所得税制のあるべき姿は、先般の税制調査会の中期答申を踏まえ、税制の総合的見直しの一環としてバランスのとれた税体系全体の中で考えるべきであって、政府としては年内に税制改革の実現を図るように努力をしてまいりたいと思っております。
 なお、先般の中期答申でも指摘をされておりますように、我が国の課税最低限は主要諸外国に比べまして既に高い水準となっておりますし、また、個人所得課税は広く国民に税負担を求めるべきものであるといったことなどを考えますと、その引き上げは所得税制のあり方の問題としていかがなものであろうかと考えているところでございます。
 次に、財政再建計画と国債残高二百兆円についてのお尋ねでございましたが、我が国の財政は平成六年度末の公債残高が二百兆円を超えるものと見込まれ、国債費が歳出予算の約二割を占めるなど、構造的にますます厳しさを増しております。こうした公債残高の累増を放置するならば、国債費の増大を通じまして国民負担率の上昇を招き、急速に高齢化の進展する経済社会の活力を失わせかねないと考えております。
 そういう認識に立ちまして、財政審の会長の談話におきまして、公債依存度の引き下げ等によって公債残高が累増しないような体質をつくり上げるとの努力目標に改めて取り組むべきであるという指摘がなされたところでございます。
 なお、今回減税見合いとして発行される公債につきましては、その償還財源の問題につきまして年内に税制改革の実現が図られる中で適切に対処すべきものと考えておりまして、中長期的に特例公債依存体質をもたらすような歯どめのない赤字公債とは異なるものになり得ると考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げるという努力目標に取り組むことは重要な課題でございますし、今後とも、歳出面におきましてはもちろん、税外収入など歳入面におきましてもあらゆる努力をして財政改革を推進していかなければならないと考えております。
 赤字国債償還についてのお尋ねでございますが、六年度に実施する減税措置は、現在の経済状況を打開するため、年内に税制改革を実現するとの政府・与党の方針のもと、いわば先行的に実施するものでございます。これらの減税財源は公債の発行によらざるを得ませんが、とのことが財政のさらなる悪化を招き、後々の世代に過度の負担を残すことは避けなければなりませんし、年内に税制改革の実現を図る中で、その償還財源の問題につきましても適切に対応すべきものと考えております。
 税制に関する基本理念ということでございましたが、先般の抜本的税制改革は昭和六十三年六月の税制改革についての答申の趣旨にのっとって行われたもので、公平、中立、簡素の理念に基づいて、社会共通の便益を賄うための基礎的な負担はできるだけ国民が広く分担し合うことが望ましいという考え方のもとに、バランスのとれた税体系を構築するという観点から行われたものでございます。そのような考え方は、現在においても基本的に支持し得るものであると考えております。
 その後の経済社会の推移を見ますと、高齢化の進展がさらに加速されるなどの新たな状況が進んでおりますし、そのような観点から世代を通じた税負担の平準化を図り、社会の構成員が広く負担を分かち合うことの重要性は一層強くなっているというのが基本的な認識でございます。
 大企業優遇税制の問題、あるいは引当金、準備金等々の問題についてのお尋ねがございましたが、まず税負担の公平確保は税制に対する納税者の信頼を得るために最も重要な理念の一つでございますし、このような考え方に基づいて企業関係の税制につきましても租税特別措置の整理合理化など従来から努力を続けてきているところで、今後とも税制のあり方の問題として絶えず吟味をしていかなければなるまいと思っております。
 また、税法上の引当金制度は、費用収益の対応という考え方に基づいて法人税の課税所得を合理的に計算するために設けられているもので、制度自体を政策税制と考えることは適当ではないと思いますし、個々にその利用実態などを踏まえて点検を行い、実情に即した見直しを行っていくべきものと思っております。
 また、減価償却資産の法定耐用年数は、資産の物理的な寿命に経済的な陳腐化を加味して客観的に定められているもので、資産の使用実態などに応じまして個別に見直しを行っていくべきものであろうと考えます。
 それから次に、準備金、特別償却などの企業関係租税特別措置は、租税特別措置法において政策的に認めているものでございまして、個々の措置につきましては、その政策目的や効果を絶えず吟味してその見直しを行っていくべきものであろうと思います。
 なお、製品輸入促進税制は、大幅な経常収支里字を縮小する施策の一環として、特に製品輸入の拡大を図るという観点から平成二年度以降講じている制度でございまして、現在の経済状況などを踏まえた適切な措置であると考えております。
 最後に、しょうちゅうの税率引き上げの問題についてのお尋ねでございましたが、今回の酒税改正は、税制調査会の答申を踏まえまして、価格の上昇に伴って低下した税負担の回復を図りますとともに、酒類間の税負担の公平化の観点から税率の調整を行うことによって各酒類について適正か税負担水準の確保を図ろうとするものでございます。蒸留酒であるしょうちゅうの税負担は、他の酒類に比べかなり低くとどめられてきているところで、近年の酒類消費の態様の変化などにかんがみまして相応の税負担を求めるものであることを御理解願いたいと存じます。
 なお、中小零細業者に対しましては、税率引き上げによる影響を緩和するという観点から、酒税の軽減措置の適用期限を三年間延長するなど、中小零細業者対策としてできる限りの措置を講じてきているところでございます。(拍手)
#14
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(原文兵衛君) 日程第二 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。佐藤自治大臣
   〔国務大臣佐藤観樹君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(佐藤観樹君) 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成六年度の地方税制改正に当たりましては、当面の経済情勢に対応するため、個人住民税の特別減税を実施するとともに、最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図ることといたしております。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 まず、当面の経済情勢に対応するための措置といたしまして、個人住民税について定率による特別減税を平成六年度限りの措置として実施することといたしております。
 次に、住民負担の軽減及び合理化等を図るための措置といたしまして、個人住民税所得割について非課税限度額の引き上げ及び特定扶養親族に係る控除額の引き上げを行うほか、法人住民税均等割の税率の見直し、土地の評価がえに伴う不動産取得税の課税標準の特例措置の創設、非課税等特別措置の整理合理化等の措置を講ずることといたしております。
 また、個人住民税の特別減税等による減収額を埋めるための措置といたしまして、地方債の特例措置を講ずることといたしております。
 以上が地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(原文兵衛君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。石渡清元君。
   〔石渡清元君登壇、拍手〕
#18
○石渡清元君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 現在、戦後最大かつ最長のデフレ不況にある中、個人消費などで多少明るさが見えてきたと言われますが、肝心な設備投資、雇用面ではなお厳しい状況が続き、経済無策、景気対策のおくれにより、景気浮揚にはいまだほど遠い状況にあります。
 このため、我が党は、来年度予算の十二月編成、そして早期審議を要望したにもかかわらず、細川総理はみずからの一億円問題に誠意ある対応を見せず、国民の疑惑はますます深まり、来年度予算の審議に入れない状態が続いています。
 ましてや、参議院においては、来年度予算本体そのものが送付されておりません。日切れ法案等十八件の裏づけとなる予算はなくしかも、これほどの重要法案を一日、二日の審議で議了せざるを得ないということは、まさに立法府としての形骸化であり、本院のかなえの軽重を問われかねない重要な問題であります。
 しかし、本日の議題である日切れ関連法案については、事、国民生活に重大な影響のあるものについて責任野党として審議に応ずることとしましたが、この際、政府の反省を促すものであります。
 それでは、まず最初に地方分権と地方財政の確立についてお伺いをいたします。
 地方自治体はそれぞれの地域で主体的に創意工夫を図りつつ、魅力ある地域づくりを推進し、それらが全国的に見て均衡ある国土の発展につながるようにすべきことは論をまたないところであります。そのためには住民に身近な問題は地方自治体が担っていくことが大切であり、これを実現させるためには権限移譲もさることながら、財政的な裏づけが図られることが何よりも不可欠であります。総理は、具体的にどのように地方分権に伴う財源手当てを考えておられるか、お伺いをいたします。
 また、総理は年内に基本理念や手順を盛り込んだ地方分権推進大綱を作成する考えのようでありますが、パイロット自治体制度のような中途半端な 自治体にとって余り歓迎されないような内容にならないようにするだけの決意がこの大綱の作成に当たっておありかどうか、お尋ねをいたします。
 次に、地方分権のための財源確保の観点から,また各方面から要望の強い地方消費税構想について質問いたします。
 昨年十一月の税制調査会による「今後の税制のあり方についての答申」でもこの問題が議論され、今後検討すべき課題とされているのであります。現在の地方税体系を見た場合に、直間比率において間接税等の比重が減少し、国税以上に直接税に偏った税収構造となっており、特に道府県税において法人所得課税の割合が四〇%を超え、景気に敏感に反応する税制となっていることは是正の必要があります。
 また、地方自治体では現在、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランの着実な実施と生活関連社会基盤の計画的な整備が求められており、今後、高齢化関連経費を中心とした社会福祉関係経費の増加が見込まれるところであります。そのためには、地方自治体にとっては安定的な財源の確保が求められているのであります。
 さらには、最近、東京、大阪など十三都道府県では地方消費税創設に向けての要綱案をまとめたという報道がなされました。この要綱案によれば、現在東京に三五%の消費税が集中しているのが分割基準の適切な導入により税源の偏在も是正されると考えているようであります。
 このようなさまざまな点から考えても、地方消費税構想は十分検討に値するものではないかと思うのでありますが、総理並びに自治大臣のこの構想に対する見解をお尋ね、たします。
 また、年内にもまとめられるという税制改正に向けてこれを含めて検討されるのか否か、あわせてお答えください。
 次に、地方財政計画についてお伺いをいたします。
 今回の地方財政計画の規模は約八十一兆円で前年度に比較して五・九%の増でありますが、実質的には七十九兆円で前年度比三・六%の増という低い伸びにとどまっております。所得税、住民税の特別減税等に伴う地方財政への影響額のうち、一兆二千四百三十二億円は交付税特別会計による資金運用部からの借金による交付税の増額で賄い、さらに一兆六千四百六十一億円は赤字地方債の発行によって補てんすることといたしております。また、特別減税以外の地方財源不足見込み額についても、同じ特別会計による資金運用部からの一兆六千七百四十七億円の借り入れを中心としたやりくりにより、さらには財源対策債の発行によって補てんすることとなっているのであります。
 いずれも、借金に次ぐ借金によってつじつま合わせをしたにすぎないものであり、これは地方財政が数年前の大蔵省による地方財政余剰論からさま変わりとなっており、国における借金体質が地方にも浸透してきていることを如実に物語っております。その結果、地方の地方債依存度は実質一三・一%という前年度の八・一%から大きく上昇し、平成六年度末の地方の借入金残高はついに大台の百兆円を突破することとなるのであります。
 このように財政の硬直化をさらに進めることは、行政の硬直化につながる地方財政計画ではないかと思うのでありますが、この点についての総理の認識はいかがでありましょうか、お伺いをいたします。
 また、地方財政を預かる自治大臣として、事態をどのように深刻に受けとめ、かつ、将来において地方に過大な負担を強いることのないようお約束をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 今回、国の景気対策に呼応して、地方においても生活者・消費者の視点に立った社会資本整備を積極的に推進し、また景気に配慮し、地域経済の維持拡大に資するため、地方債を増発して地方単一独事業を大幅に増額するようにいたしております。その増額の規模は前年度に比して十二%の伸びということであり、これは四年連続一〇%台の高い伸びになっております。
 長引く景気低迷のため無理からぬ面もありますが、しかし、まず地方として果たしてどれだけの有効な生活者・消費者に密着した事業実施が実現できるのか。執行体制の面、また事業内容の面で一抹の懸念を感ずるものでありますが、間違いなく消化できるかどうか。しかも、地方単独事業の財源の多くがこれまでに例を見ない地方債の増発に依存することとなり、その結果、個々の地方自治体の中には公債費負担比率が上昇し、財政運営上一五%が警戒ライン、二〇%が危険ラインと言われておりますが、このラインに近づく自治体もかなり出てくるものと考えられます。
 このような自治体に対しては十分な対策をとっていただきたいと思いますが、その意思を自治大臣に確認しておきます。
 また、今回の政府による景気対策のように、地方の道路、港湾などの整備といういわば従来型の公共事業では現在の大都市圏を中心として悪化してきた不況には効果が期待できないという声も聞かれるのでありますが、この点について自治大臣はいかがお考えになりますか。
 次に、地方税についてお伺いをいたします。
 御承知のように、昨年の法改正により平成六年度から固定資産税の評価がえが行われることになっており、宅地に係る評価は全国平均で約三倍にも上昇すると考えられます。今日の経済不況の回復には土地の円滑な流通が極めて重要な要素ではないかと思います。その観点からいたしますと、固定資産課税台帳を課税標準とする不動産取得税について、従来の水準に据え置く必要がありますし、また都道府県の税収に対する影響をも考慮して課税標準を二分の一に圧縮する必要があると考えますが、自治大臣の見解をお伺いいたします。
 また、土地の流動化を促進するためには、平成三年度税制改正で強化された土地譲渡益課税について税率の引き下げが急務であると考えます。譲渡所得の課税状況を見ると、平成四年度の課税譲渡所得は五・四兆円であり、平成三年度の十八兆円と比較して大幅な減少を示していることは、この税制改正が大きく影響していることは疑いの余地のないところであります。幸い地価も下落傾向にありますので、長期譲渡所得に係る土地等の譲渡が平成六年一月一日から平成七年十二月三十一日までの間に行われたものについては、道府県民税の所得割に係る税率を百分の二に、市町村民税の所得割に係る税率を百分の四とする特例措置を講ずる必要があると思いますが、自治大臣のこれに対する見解をお伺いいたします。
 最後に、地方税、地方交付税、地方債などによる今回の地方財政計画は大幅な借金によるつじつま合わせによって成り立っており、将来に禍根を残すおそれが極めて高いということを指摘し、いやしくも地方自治体に対してそのしわ寄せをすることのないよう厳しく要求いたしまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣細川護熙君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(細川護熙君) 初めに、地方分権に伴う財源についてのお尋ねでございましたが、地方団体が地方分権の担い手として自主的、主体的に行政を推進し得るためには、自主財源である地方税を初めとして地方交付税などの一般財源の充実強化が必要であることは申すまでもないことで、こうした観点から地方税の充実と地方交付税所要額の確保など引き続き地方一般財源の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
 地方分権大綱についてのお尋ねでございましたが、去る二月十五日に、今後における行政改革の推進方策を閣議決定いたしました。その中で、国・地方の関係等の改革に関する大綱方針を策定することを決定いたしました。今後、この推進方策に沿って、法律の制定も視野に置きながら基本理念や取り組むべき課題と手順を明らかにした大綱方針を年内をめどに策定したいと考えているところでございます。
 パイロット自治体制度についてもお話がございましたが、現在第一次の指定につきましてその効果的な実施に努めているところで、着実な成果を上げるべく努めてまいりたいと思っております。
 地方消費税構想についてのお尋ねでございましたが、地方分権が時代の大きな要請となっている今日、地方税の充実確保はもとより重要なテーマでございます。地方税は、現在、国税以上に直接税に偏った構造となっておりますが、今後の財政需要の増大などを考えますと、安定的な税体系を確立する必要があるわけで、地方税源の問題につきましては御指摘のようなことも含めて今後よく検討してまいりたいと存じます。
 地財計画についてのお尋ねでございますが、平成六年度の地財計画は多額の借入金に依存しております。これは景気対策としての特別減税の実施、地方単独事業費の積極的な実施、地域住民の福祉の充実などの要請にこたえるのに必要な財源を確保するためのやむを得ない措置でございまして、将来にわたる地方財政の健全性の確保に留意をする必要があることにつきましては申すまでもないところでございます。
 残余の問題につきましては、関係大臣からお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣佐藤観樹君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(佐藤観樹君) 最初に、地方消費税の創設についての御質問がございました。
 地方分権の推進は、ただいま総理から言われましたように、衆参両院におきます地方分権の決議もなされておりますし、今や時代の大きな要請となっていると認識をしております。
 その際に、言うまでもございませんが、地方分権の観点から国と地方の役割分担とあわせまして、当然のことながら税財源配分のあり方というものを見直していく必要がございます。現行地方税制は、消費税の導入に伴いまして間接税がわずかに一割ということで国税以上に直接税に偏重し過ぎておりまして、安定的な地方税体系を確立することが特に重要であると考えております。
 こうした観点に基づきまして、地方公共団体の方からは、現行の消費譲与税を地方消費税にしてほしいという強い要望がなされておりますし、昨年十一月の税制調査会の方でも、地方消費税を含めた地方税源の問題は、今後、消費税のあり方の見直しと並行し検討を加えることが必要であると指摘をされておるところでございます。
 今後、連立与党の合意に沿った税制改革の検討を進める中で、福祉ビジョン等に示された今後の需要に対応し、不公平税制の見直しの是正や現行の消費税のあり方の見直しを行った上で、地方分権の推進の観点から地方消費税など地方独立税について検討を進め、地方税源の充実、確保に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、地方財政の現状についての御質問でございます。
 平成六年度の地方財政は、住民税減税も含めまして大幅な財源不足を補てんする必要もございましたし、また景気対策の観点から地方単独事業費を十二%もふやしたことなどによりまして借入金に大きく依存することになりまして、御承知のように、借入金残高が百兆円を超えるという多額の借入金を抱える格好になっております。したがいまして、将来にわたりまして地方財政の健全性の確保には十分留意しなければならぬことは当然と考えております。
 今後、各年度の地方財政計画の策定等を通じまして、公債費を適切に見込み、そのための財源を確保するとともに、個々の地方公共団体の円滑な財政運営に支障が生じないように配慮してまいりたいと思います。
 特に、公債費負担の重い市町村の対策といたしまして、当該の市町村が自主的に公債費負担適正化計画を策定し、これに基づきまして公債費の軽減に取り組む場合におきましては自治省が財政上の支援措置を講ずるといった制度もあり、今後ともこの制度の活用等によりまして地方団体の公債費負担の軽減を図りっっ、その間においても真に必要な事業は実施していくことができるよう適切に対処してまいりたいと存じます。
 あわせまして、高齢化社会における地域福祉の充実やそのための施設づくりなど、安定的、恒久的な財源が必要でございますので、さきに答弁いたしましたように財源対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、不況対策に関する御質問がございました。
 平成五年度中、三回にわたります経済対策において公共投資の拡大のほかに、特別減税、中小企業対策、規制緩和を初めとする広範な分野にわたりまして景気対策を講じてきたところでございますけれども、公共投資に当たりましては、消費者・生活者の視点に立ちまして生活環境整備型の社会資本の整備等に思い切った重点投資を行うことをやってまいりました。
 地方の単独事業にありましても、各種施設の大規模改造や高齢者・障害者にやさしい町づくり、電線類地中化等新しいタイプの事業を積極的に推進することができるよう地方債等を活用して必要な地方財政措置を講ずることをしてまいりました。
 このような財政措置を通じまして、都市部を含めましても各地方団体において地域の実情に即した適切な対応が図られるものと期待をしておるところでございます。
 最後に、土地税制に関する御質問でございます。
 不動産取得税の改正問題につきましては、評価がえに伴う負担増を軽減するため、土地の取得について過去の評価がえにおける上昇率を勘案いたしまして、課税標準を平成六年中の取得に係るものについては価格の二分の一に、平成七年及び八年中の取得に係るものについては価格の三分の二に圧縮するという負担軽減措置を講ずることといたしておりまして、土地取引の現状に十分配慮しているものと考えております。
 さらに、地方税のうち個人住民税の長期土地譲渡益に対する税率を引き下げよということについてでございますけれども、原則九%の現行税率が土地に対する適正公平な税負担を求める上で適切な水準であり、これを維持することが適当であると考えております。
 しかしその一方で、現在の土地をめぐる諸状況、経済情勢等にかんがみ、土地の有効利用の促進に資することとなるものなどについては、業務用を含む優良建築物を建設する事業等のための土地の譲渡などに今回の改正で五%の軽減税率の適用対象を拡大することといたしておりますので、土地の流動化、景気対策に十分資すると考えておるところでございます。
 以上でございます。(拍手)
#21
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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