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1994/05/13 第129回国会 参議院 参議院会議録情報 第129回国会 本会議 第16号
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1994/05/13 第129回国会 参議院

参議院会議録情報 第129回国会 本会議 第16号

#1
第129回国会 本会議 第16号
平成六年五月十三日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十五号
  平成六年五月十三日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 久保亘君、深田肇君、前畑幸子君、三重野栄子君、本岡昭次君からいずれも海外旅行のため来る十五日から八日間の請暇の申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(原文兵衛君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る十日の国務大臣の演説に対し、これより質疑を許します。平井卓志君。
   〔平井卓志君登壇、拍手〕
#6
○平井卓志君 私は、自由民主党を代表して、さきの羽田内閣総理大臣の所信表明演説について、総理大臣及び外務大臣に質問を行います。
 本題に入る前に謹んで申し上げます。
 去る四月二十六日、名古屋空港における中華航空機墜落炎工事故で亡くなられた二百六十四名の犠牲者、御遺族に対して深甚なる哀悼の意を表しますとともに、負傷入院された方々に心からお見舞い申し上げます。このような悲惨な事故が二度と起きないように原因の徹底究明と再発防止対策に万全を期すよう関係者に切に要望いたします。
 それにつけても、当日、責任大臣がまだ決まっておらず無政府的な状況にあるため、この事故への当局の対応が遅く、翌日に任命式をまだ済ましていない羽田新総理が、細川前総理と一緒に報告を受けられました。このシーンをテレビで見て、だれが最高責任者かわからず、我が国の危機管理能力の危うさを象徴しているようで暗たんたる思いになったのは決して私のみでなく、多くの国民の皆さんが同様な気持ちを抱かれたのではないかと存じます。
 細川前総理がみずからの疑惑問題で辞意を表明してから二十日間たっても組閣ができなかった異常な事態は、連立与党の矛盾の拡大、新生党主導の強権的な政治戦略がもたらしたものであり、一刻も猶予できない内外多難なこの時局において、不況にあえぐ国民を顧みず、無責任な権力ゲームに明け暮れた結果にほかなりません。
 このような中で生まれた羽田内閣は、前代未聞の摩訶不思議な政権であります。すなわち、衆参両院において過半数により総理大臣に指名されていながら、その直後突如起こった新会派改新の結成に対し、最大与党の社会党が背信、裏切りを受けたと激怒し、政権を離脱いたしました。その結果、第一党の我が党と第二党等が野党になり、第三党以下の党派が少数与党を構成するに至ったわけであります。
 そもそも、細川総理が辞意を表明した時点で連立与党は責任をとり、野党第一党の自民党に政権を譲り渡すのが憲政の常道であります。それにもかかわらず連立与党内の政権たらい回しを強行し、政権基盤をやみくもに強化しようとしたことが裏目に出て、与党が衆議院では過半数を大きく割り込み、参議院においては四分の一の勢力に転落いたしました。これではどう考えても議院内閣制において変則的なまやかしの政権と言わざるを得ないのであります。
 羽田さんは、日本の政治を誤らないために、総理の指名を返上するのがただ一つとるべき正しい道であったはずであります。しかも、だまし討ち的な政略の失態で政権基盤が大きく崩壊し変質してしまったのでは、このまま政権の座に居座り続けることはとても容認されるものではありません。国民の政治不信がますます募っていくことが大変心配されるところであります。
 信なくば立たず、これは古今東西を問わず良識ある政治家の行動理念とも言うべき言葉であります。羽田さん、あなたは議院内閣制のもと、組閣スタートの時点で既に民意を代表し得ていないのであります。我々は、このように羽田政権の正当性に重大な疑念を持っており、羽田総理の見解を厳しくただしたいと思います。
 特に奇異に感ずるのは、連立与党の新しい盟主であり新生党の党首でもある羽田総理が、改新の結成、届け出のスケジュールを知らなかったと信じがたいことを発言しております。もしそれが本当なら大変なことであります。
 総理は、小沢氏がシナリオを書き、私はそれを演ずる役者だと言っておられるそうですが、あなたは日本の政治の方向を決めようとするときにそのシナリオのポイントさえ見せてもらっていなかったことになります。あげくの果てにそのシナリオライターが、どの女云々と、テレビをごらんの皆さんの前で言うもはばかられるような女性べっ視の暴言を吐くに及んでは、これはもう政治不信を通り越して、国際的な信用をも著しく損ねるものであります。
 公党間の信義の無視や無責任な行動は、政治理念、政策以前のゆゆしき問題であり、民主政治の根底にかかわる重大事であります。「無軌道な政治に対決せよ」、これは朝日新聞の社説のタイトルでございますが、他の有力紙も同様な論調を展開いたしております。総理自身、国政の最高指導者としてこれらの問題についてどのように反省しておられるのか、率直な答弁を求めます。
 連立各党は、昨年七月、恥も外聞もなく政治的野合を行い、政策のねじれ、矛盾の拡大を招き、日本の内外政に大きな混乱をもたらしました。その反省を全くすることなく、連立与党内の政権のたらい回しのために、無理やり九項目の確認事項なるものを妥協の産物としてまとめたのであります。
 焦眉の大問題、北朝鮮の核疑惑への対応、減税財源問題等について、新生党サイドと社会党との対立が先鋭化したにもかかわらず、非自民の連立政権の枠組み維持ということだけでまたぞろ野合を繰り返し、玉虫色の合意により政策の矛盾、ねじれを糊塗したのであり、まことに欺瞞性の強いものと言わざるを得ません。
 国家一たん緩急の事態を迎え、必ずや政治的野合が破綻し、国益を大きく損なうことは目に見えておったわけであります。
 社会党は単にこけにされて離脱しただけでなく、ようやくこのような連立政権の矛盾、政治手法の弊害を痛感されたのではないでしょうか。遅きに失した感は免れませんが、社会党の決断を日本政治のために多といたしたいと存じます。
 最大与党であった社会党が抜けた後の羽田連立政権は、まさに新生党、公明党が主要閣僚ポストをほとんど独占し、政権基盤の脆弱性から片肺短命内閣と呼ばれております。
 このような厳しい状況にあって、改めて確かめたいのですが、昨年七月の連立与党の合意事項、さきの九項目の確認事項はまだ本当に生きているのかどうか。与党の構成が大きく変化し、協議の主要な相手方社会党が連立からおりてしまい、これに拘束されないとしているからには、これらの合意、確認事項はもう意味をなさないのではないか。そのままでよいというのはどうしても理解できないところであります。
 少数与党政権になり、政策遂行能力から見て予算管理内閣とさえ言われている厳しい現状を踏まえ、新生党、公明党中心のカラーを鮮明にした新しい合意事項があった方が国民にとって判断しやすいと思われます。わけのわからない合意で国民を欺瞞しないためにも、総理のお考えをお聞かせ願いたいのであります。
 総理は、豊富な政治経歴の持ち主でありますが、乱世とも言うべき難局を乗り切るためには、今までのような単なる調整役では事済まないのであります。巷間言われているような権力の二重構造のもとでのかいらい総理大臣のままでは、確認事項にあるような国民の信頼回復とリーダーシップの確立は望むべくもありません。
 羽田総理は、今までの反省に立って、どのように政治理念と政治手法を改めて政治を進めようとされるのか。単に協調と言われても、今までが今までだけに抽象的でよくわかりません。国民の皆さんに具体的にわかりやすく御説明をいただきたいのであります。
 以下、連立与党の確認事項のうち基本政策に関することについて質問をいたします。
 まず、羽田総理の外交姿勢についてお伺いいたします。
 羽田総理が細川内閣の副総理兼外務大臣として、我が国外交のかじ取りに当たられた御努力は多とするものであります。しかしながら、自民党政府の外交方針を基本的に継承するということで発足した細川政権の九カ月は、歴代自民党政権が営々と築き上げてきた我が国外交の成果を台なしにしてしまったと言っても過言でありません。
 まず、自民党政府が我が国外交の基軸として友好信頼関係を構築してきた日米関係を破綻させたにもかかわらず、成熟した大人の関係などと評価して何ら反省がうかがえなかったのであります。ウルグアイ.ラウンド妥結のためとはいえ、米市場を開放したことは連立政権発足時の公約をほごにしたものであります。緊張が高まる朝鮮半島情勢への対応について、連立政権の政策協議が言葉の遊びとも受け取られかねないような小田原評定を繰り返したことは記憶に新しいものがあります。
 日米摩擦の激化、朝鮮半島情勢の緊迫化など、変転きわまりない国際情勢に対し、羽田総理はどのように我が国外交をリードしていく所存ですか。東西の冷戦が終結した後、新たな世界平和秩序を模索しつつある現在の国際社会において、我が国が世界の期待にこたえ、名誉ある地位を確保していくことができるのでしょうか。北東アジア情勢の予期せぬ変転に、連立政権が的確な危機管理の対応を図ることができるのか、国民の皆さんは今そこはかとない不安に陥っていると思います。
 現代は海図なき時代とも言われますが、総理は日本丸の進路をどのように進めようとしているのか、外交ビジョンを明確に示していただきたいと思います。
 内閣発足直後、羽田総理はイタリア、フランス、ドイツを歴訪され、新任の柿澤外相はエジプト、シリアなど中束四カ国を訪問されました。各国の首脳、要人と会談され、羽田新政権の外交方針を示す絶好の機会でありましたが、残念ながら永野前法務大臣の発言問題も重なり、少数与党政権の足元を見透かされるような形で実りある成果は伝えられてきておりません。柿澤外相の中東歴訪も、パレスチナ暫定自治協定の調印というまことにタイムリーな時期であったにもかかわらず、経済援助の要請は殺到したものの政治的な役割は見るべきものが乏しかったと報道されております。
 総理、外相から、ナポリ・サミットに対する対応方針、中東和平への支援とあわせて歴訪の成果についてお聞かせ願います。
 次に、永野前法務大臣の発言についてお尋ねいたします。
 永野前法務大臣のさきの大戦や南京事件などに関する不用意な発言は、遺憾ながら国の内外からの批判を招き、中国、韓国はもとより近隣アジア諸国との友好信頼関係を傷つけ、国益を大きく損ないました。これは、永野前大臣が発言を撤回し、陳謝し、辞任しただけでは済まされない問題を含んでいると断ぜざるを得ません。
 アジア・太平洋地域の一員である我が国にとって、アジア・太平洋地域の諸国との友好信頼関係を確固たるものとしていくことは、外交関係のみならず我が国の重要な存立基盤であると申せます。我が自民党は、さきの大戦に対する反省から出発して、近隣諸国と未来志向に基づく友好信頼関係を構築する努力を続けてまいりました。
 今回の問題に対して羽田総理は、まず何よりも歴史の教訓を踏まえた我が国のアジア外交の基本姿勢が不変不動であることを明確にして、アジア諸国との友好信頼関係の回復に全力を尽くすべきものと考えますが、永野前大臣の発言に対する認識とともに総理の御決意のほどをお聞かせ願います。
 あわせて、羽田総理は任命権者としての責任かどのようにとられる所存かお示し願いたいと存じます。
 羽田総理は、所信表明において、さきの大戦は侵略の性格が濃いと述べられました。また総理は、来年一九九五年の第二次大戦終結五十周年を迎えるに当たって、国会でさきの大戦に対する反省とおわび、将来にわたる世界の平和に我が国が努力することを決議し、政府も同様の声明を行うべきだとの考えを持論にしておられます。
 確かに、さきの大戦に対する歴史的な総括を行うとともに、我が国が不戦の誓いを新たにし、アジア・太平洋地域、ひいては世界の平和と繁栄に貢献していくことを国の内外に国会決議あるいは政府声明として明確にすること、特に来るべき二十一世紀に向けて未来志向的な観点から友好信頼関係の構築に努めること、国際的な責務を果たすことを明らかにすることは十分理解できますし、大切なことであると思います。
 しかしながら、さきの大戦に至る経緯を振り返ると、侵略的な色彩が基調にあるとは言いながらも、複雑な国際関係の織りなした結果であり、それゆえ現在でもさまざまな見方が錯綜しているのであります。大事なことは、悲惨な惨害をもたらす戦争は罪悪であり、国際関係は相互信頼と対話の積み重ねにより発展されなければならないことを歴史の教訓として心に刻むべきこと、国難にはせ参じ、とうとい命をささげられた英霊、戦争の惨禍に倒れられた方々のとうとい犠牲のもとに今日の平和と繁栄が築き上げられたことを忘れてはならないこと、歴史に対する認識は厳格な史実の検証に基づくべきことであります。いずれにしても、我が国の将来に禍根を残すことのないよう十分な検討がなされなければなりません。羽田総理の御認識を承りたいと存じます。
 次に、日米関係についてお尋ねいたします。
 日米関係は、かつてマンスフィールド駐日大使が申されたように、世界で最も重要な二国間関係であります。今日、世界のGNPの約四割を占めるに至った日米両国が相互に理解を深め緊密な関係を保持しグローバルパートナーシップを発展させていくことは世界の平和と繁栄にとって不可欠であります。
 しかるに、去る四月二十九日、外務省から発表された米国における対日世論調査によりますと、一般国民の四三%が日本を信頼できないとし、貿易不均衡については六二%が日本側に問題があるとの結果が出ております。さらに、有識者の五二%が日本は国力に見合った国際的な役割を果たしていないとするなど、遺憾ながら日米関係は極めて険悪な情勢にあります。
 日米関係をこのような状況に陥らせたのは、包括経済協議を軸とする対米交渉を官僚のシナリオ任せにし政治的な決断を怠ってきた細川内閣の責任であり、副総理兼外務大臣であられた羽田総理の責任は大変大きなものがあると指摘せざるを得ません。
 自民党政権の時代にも、日米間には貿易問題を中心に経済摩擦が絶えませんでした。しかし、我が自民党の諸先輩は米側と腹を割って真剣な協議を重ねて、互譲の精神を発揮して確固たる日米の友好信頼のきずなを築いたのであります。
 ソ連の崩壊は文字どおり東西の冷戦構造が終わりを告げたものであり、対ソ戦略の上からも米国が日本を必要とした様相は変わってきております。しかし、時代の変化の中においても私たちは国民各位の理解のもと、これまで互譲の精神により築き上げられてきた良好な日米関係の発展強化を図っていく必要があると考えます。
 国際問題、日米関係に精通した羽田総理は日米の厳しい関係をどのように打開され、自由と民主主義、市場経済体制という共通の価値観を有し、太平洋を挟んだパートナーである日米両国が世界の平和と繁栄に向かって努力する行動目標、指針を示される御所存か、お考えを明らかにしていただきたいと存じます。
 さて、細川内閣の理念なき官僚依存による場当たり外交により、日米包括経済協議が決裂して肝に三カ月が経過いたしました。今日に至るも依然として相互不信、感情的なしこりを残したままになっております。
 もとより、こうした結果を招いた責任は挙げて細川内閣の拙劣な外交姿勢にあったわけでありますが、当時、日米首脳会談に先行して訪米され、今日の日米関係の破綻を招来した責任の一端を担っている羽田総理は、包括経済協議の再開を初め日米経済関係の再調整をどのように進めていくお考えでしょうか。
 米側からは包括経済協議の枠組みについてシグナルが発せられており、経常黒字削減の長期計画の策定、所得税減税の継続、公共投資基本計画の積み増し方針の明確化が協議再開の条件とも伝受られております。
 政府は去る三月末、対外経済改革要綱をまとめましたが、この中でも公共投資基本計画の積み増しは明記されておりません。また、連立政権の政策協議においてさえ難航をきわめた所得税減税の継続は消費税問題と絡み社会党が政権を離脱した今日、皆目めどが立っていません。規制緩和の堆進についても六月末が取りまとめのめどとされているにすぎません。このようなことでは日米経済関係は悪化の一途をたどるばかりであります。
 この際、官僚主導の枠を乗り越えて、少なくともナポリ・サミットの前までに包括経済協議が再開され、日米関係の修復が成るよう自動車及び自動車部品、政府調達、保険の優先三分野について政治的勇断が求められると思いますが、総理の御認識をお示し願いたいと思うのであります。
 特に、柿澤外相は自民党時代に政府調達の分野ではある程度の定量的基準を設定してもよいのではないかとの見解を表明しておられますが、みずから外交の第一線を預かる立場に立たれた現在、硬直した日米経済関係の打開に向けてどのように対応するお考えですか、明確な御答弁を求めます。
 国際社会は依然として多くの不安定、不確実偉を有しているだけに、我が国の平和と安全のためには今後とも日米安保体制の堅持、安保条約に基づく米国の抑止力が重要であります。連立与党の政策合意の確認事項において、日米安保条約について堅持から維持となりましたが、これは具体的にどのような意味があるのか。在日米軍の段階的な縮小とか、いわゆる駐留なき安保とかを考えているのか、明確な御説明を求めます。
 日米安保体制を有効に機能させるためには、在日米軍の駐留を円滑に実施するための諸施策が必要であります。最近の急激な円高に伴い、米側からは我が国に対する期待が寄せられているようですが、現行の在日米軍駐留経費特別協定の改定問題とあわせ、どのように対処していかれる御所存か、羽田総理の御認識をお尋ねいたします。
 政治の大きな使命の一つは国家と民族の平和と安全を守ることであります。確かに、東西冷戦の終結により世界的規模の戦争の危険はなくなりましたが、民族間の対立、紛争や核兵器等の大量破壊兵器の拡散の危険など、不安定要因が存在しています。
 我が国の周辺を見ても、朝鮮半島や南沙群島、さらには我が国の北方領土など未解決の問題が多く残っているほか、中国、東南アジア諸国を初めアジアの多くの諸国が軍事費を増額し、国防力の充実を図っております。
 羽田総理は、我が国を中心とするアジア・太平洋地域の軍事情勢をどのように理解しておられますか。さらに、このような予断を許さない情勢の中、我が国の平和と安全をどのように確保していかれる所存か、防衛の基本的認識をお尋ねいたします。
 細川前総理は、冷戦構造が終結し国際情勢はドラスチックな変化を遂げ防衛に対して求められる要請も変わったとして、防衛問題懇談会を設置し、我が国の防衛力整備の指針である防衛計画の大綱の基本的な考え方を見直すよう諮問されました。羽田総理は、防衛計画の大綱見直しについてどのように考えておられますか。八月には懇談会の報告が提出されるとも聞いておりますが、その結果を今後の防衛政策にいかように反映させていく御所存でありますか。
 防衛計画の大綱に盛り込まれた基盤的防衛力の考え方は、我が国の防衛力整備の大枠をみずからに課したものであり、軽々しく改変すべきものとは考えられません。防衛問題は国家の存立にか九わる超重要問題として御認識の上、慎重な対応か求めるものであります。
 外国における災害や騒乱に対処して、在外邦人の生命を保護することは国家の重要な責務であります。邦人救出体制の整備を期すべく、我が党は緊急時における在外邦人の救出のための輸送を自衛隊が行うことができる自衛隊法の一部改正案か国会に提出いたしております。我が党案が政府案と異なるところは、輸送手段を政府専用機に限完せず自衛隊の保有する航空機としているところであります。朝鮮半島における緊急事態を想定するまでもなく、平常時から整備されるべき体制と思いますが、羽田総理の法案成立に向けての御決意のほどを承りたいと存じます。
 冷戦後の今日、国際社会は国連を中心として新たな世界平和秩序の構築を模索しております。国連の平和活動はその根幹であります。連立政権の確認事項でも、憲法は国連による普遍的安全保障を理念としていることを認識し、国連平和活動に積極的に参加するとうたつております。
 我が国が国連加盟国として、世界有数の国力を有する国として国連の平和活動に積極的に参加することは、我が自民党の年来の主張であり至極当然のことでありますが、合意事項の「普遍的安全保障」と一般に用いられている集団安全保障は2う違うのでしょうか。羽田総理に国連の平和活動に対する我が国の取り組み姿勢を伺います。
 さらに、羽田内閣発足後、柿澤外相や神田防衛庁長官から、後でお尋ねする朝鮮半島情勢とも関連して、我が国の集団的自衛権の行使が認められるべきだとの主張がなされるに至っております。我が自民党政権は、我が国は集団的自衛権は保有するものの、憲法の制約のもと、その行使は認められないとの見解を保持してまいりました。集団的自衛権の保持と行使との関係、行使が認められるとしても後方支援活動に限られるべきとする限定的な解釈など、我が国の平和と安全、国際社会への寄与に関係する大切な問題でありますので、大いに議論されるべきと考えます。同時に、この問題について羽田総理及び外務大臣はどのように考えておられるのか、明確な御答弁を求めます。
 冷戦後の新たな世界平和秩序を構築する上で、国連の果たす役割は一段と大きなものとなっております。羽田総理、柿澤外相は、就任後、安保理常任理事国入りに積極的な姿勢を見せておられることは評価いたします。我が国は安保理で蓄積してきた貴重な経験を踏まえ、世界の平和と安全に貢献すべきものと思いますが、軍事的な責務の関係や拒否権の問題についてはどのように対応される所存なのか、常任理事国入りの決意とあわせて総理の御見解をお伺いいたします。
 外交問題の最後に、緊迫の度を加える朝鮮半島情勢についてお尋ねいたします。
 我が国とは一衣帯水の大切な隣国である朝鮮半島では、朝鮮民主主義人民共和国の核兵器開発の動きをめぐり緊張が高まっております。
 北朝鮮は深刻な経済困難に直面しているにもかかわらず、国内総生産の二〇%から二五%に及ぶと言われる膨大な軍事費を投入し、百万人近い陸軍を擁するなど、経済力の限界を超えた軍事力の強化に狂奔していると言わざるを得ません。
 国際原子力機関、IAEAの核査察を拒否していることからうかがわれる核兵器開発疑惑や長距離ミサイルの開発の動きは、我が国を含む北東アジアの平和と安全に重大な脅威であるばかりでなく、大量破壊兵器の拡散防止の観点からも国際社会全体にとって危険きわまりない問題であります。特に、核兵器の開発は唯一の被爆国である我が国として看過することはできません。また、地対地ミサイル・ノドン一号は射程約一千キロであり、我が国の半分はその射程内に入ると言われているととも不安感を駆り立てております。
 連立政権の確認事項では、朝鮮半島情勢について、国連の方針に従う。憲法のもとで緊急事態に備えるとともに、日米、日韓で協調して対応する。アジアの関係諸国と連携することがうたわれております。核査察に対する対応に見られるように、遺憾ながら北朝鮮の姿勢はかたくななものがあります。しかし、核兵器が絡む国際平和にとって緊要な問題であるだけに、北朝鮮が核兵器開発を放棄し、体制の変革に進むよう、国際機関はもとより、米国、韓国、近隣諸国と共同し、問題解決のため粘り強い努力を尽くされるよう望むものであります。
 同時に、国連で制裁決議が行われた場合、国連加盟国としての義務を果たすことができるよう法令の整備はもとより万遺漏なきを期すべきであります。
 国連による制裁決議がまとまらない場合、多国籍型の制裁の可能性も想定されていますが、これに対し我が国はどのように対応する所存でしょうか。また、経済封鎖の場合、海上自衛隊の出動についてはどのように考えているのでしょうか。北朝鮮に対する送金の停止についてはどのように措置されるのでしょうか。最悪の事態の場合における在日朝鮮人の活動に対する対応を含め、いわゆる有事立法の準備を初めとする危機管理体制は万全の備えができているのでしようか。
 熊谷官房長官は、実務的な準備はほぼ完了していると発言した旨伝えられておりますが、政府の対応方針と検討状況をお示し願いたいのであります。
 いずれにしても、歴史的転換期である現在、国際情勢に即応し得る万般の備えが肝要であります。羽田総理の明快な御答弁をお願いいたします。
 次に、政策協議の最大の基盤として最後まで調整の難航した税制問題についてお伺いいたします。
 三月二十八日、厚生大臣の私的諮問機関の高齢社会福祉ビジョン懇談会は、「二十一世紀福祉ビジョン」をまとめ、報告いたしました。今回のビジョンは、出生率の低下や高齢者の増加による人口の高齢化、社会保障制度の構築、介護の充実等を打ち出すとともに、そうした財源確保の問題、国民負担率のあり方などについて国民的論議の素材を示していることは評価できるものであります。
 我が国は、二十一世紀の初頭に向かってかってないスピードで高齢化社会へ向かっておりますが、国民の社会福祉や社会保障は憲法で定められた権利としてこれを放棄することはできません。
 幻となりましたが、去る二月三日未明の国民福祉税構想も、超高齢化社会に向け社会保障には膨大な金がかかる、そのため長期に安定した財源を求めるがための発想であったことは間違いありません。
 そこで、税制の問題に入る前に、政府として今後の高齢化社会に向けて将来のあるべき社会保障の全体像をどうとらえ、その裏づけとなる財政負担をどう考えているのか。私どもとしては、いかに高齢化社会においても経済の活力を失ってはなりません。少なくとも、これまで臨調や行革審が示している租税と社会保険料の合計の国民負担率は高齢化のピーク時においても五割を超えないよう年金、医療、福祉のバランスのとれた社会保障の給付のあり方を検討していくべきと考えます。政府の方針を承りたい。
 さきに我が党は、年度末における日切れ法案の処理に際し、平成六年度予算本体が本院に全然姿が見えないにもかかわらず、所得税、住民税の減税法案について国民生活優先の見地から成立させることに協力するとともに、減税の継続のために減税法案の附則に「平成七年分以後の所得税については、速やかに、税制全般の在り方について給討を加えて税制改革を行い、抜本的な所得税の減税を行うものとする。」と明記しただけに、与野党がこの実現に向けて取り組む責任があります。
 迫りくる高齢化社会の安定財源の確保のためには、これ以上所得税負担や保険料負担の増加に依存することは、現役世代、特にサラリーマン層への負担が過重になります。内需拡大の一環として来年度以降も減税を行うことは、国際国家日本として国際公約となっている今日、世代間の負担の公平が図られ、サラリーマン層の負担の緩和に役立ち、かつ国民的公平性が保たれるような財源構造の実現を求めるべきと思います。この際は安易に間接税にその財源を求めるのではなく、景気回復による税収増、思い切った行政改革の断行による経費の節減をも含めて検討すべきと存じます。総理、いかがでありましょうか。
 思えば、現行消費税は大平内閣の一般消費税及び中曽根内閣の売上税の挫折を経て、ようやく竹下内閣において成立を見たものであります。政権を離れた社会党が今後税制改革にどういうスタンスで臨むのかわかりませんが、総理としてこれにどう取り組む決意であるのか。六月中に結論が得られないとき、または本年中に関連法案の成立を見ることができなかったときの総理の責任をこの際伺っておきたいのであります。
 日本経済は、戦後かつて経験したことのない深刻なデフレ不況に陥り、その長く続くトンネルの中、消費動向等、一条の光が差してきたと言われておりますが、設備投資等はなお大きく減退しております。数十兆円とも言われる不良債権が最大のネックとなっているにもかかわらず、昨年春の例と同じように景気判断が甘くなるおそれがあります。景気が果たして大底固めしたと見るのかどうか、羽田総理の現状認識を伺いたい。
 政府の総合経済対策の目玉となる減税は、大幅増税が後ろに見え隠れする単年度減税で、需要喚起の効果は余り期待できません。特に、その場しのぎの単年度ばらまき減税では、国内ばかりでなくアメリカの不評を買い、包括経済協議の決裂の大きな要因となっております。我が党の昨年来の緊急不況対策の早期実施、年内予算編成についての強い要請をことごとく無視したことが、生き物である経済の傷を一層大きくし、このような深刻な事態をもたらしたものであります。
 景気が底固めできるかどうかの一番大事なこの時期になっても、来年度予算の審議はおくれにおくれております。我が党も早急な予算審議に協力するにやぶさかではありませんが、そのために幾つかの重要な問題をただしておきたいと存じます。
 本年度の経済成長については、既に国会論議において、また民間の試算、論調において、二・四%は努力目標にしても過大に過ぎると種々指摘されております。
 特に、年金掛金の値上げに加え、国、地方の公共料金値上げラッシュが引き続き、減税効果が大きく減殺されることは間違いありません。保険料、公共料金の値上げ総額は、予定も入れて一体どれくらいの額になると見込まれるのか。約二兆八千億円の巨額に上り、減税の半分近くが消えるとの試算が出ているが、どう見ておられますか。公共事業体等の合理化に努め、値上げを抑制し、景気回復のめどがっくまで値上げを先延ばしする等、強力な方針が必要と考えます。
 前政権も六項目の指針を出しましたが、これは総論的、抽象的な方針にとどまっており、最終的には各省庁が決定するというのでは、またぞろ官僚主導でなしまし的な値上げになるおそれが大であります。新内閣としてどのように値上げを抑制されていくのか、具体的に伺います。
 景気回復パターンが内需依存型に変化する中で、民間設備投資の立ちおくれをカバーすることが強く要請されていますが、生活関連を初め情報通信、研究開発等の新規分野への公共投資の早急な執行、追加を行うことにより、一層の内需喚起を図るとともに、公共投資基本計画四百三十兆について大幅な積み増し、前倒し実施を行い、内外の経済発展や対米関係の改善に寄与することが火急でありますが、総理、いかがでございましょうか。
 このような追加景気対策がなければ、民間調査機関が見るとおり、せいぜい〇・五%から一%前後の成長にとどまること必至であります。他方、三月末に発表された対外経済改革要網が不十分なため、日米経済協議再開の糸口がっかめず、円高は歯どめがきかなくなっております。輸出企業の採算レートは百十七円前後、百一円台まで進んだ最近の円高実勢のもとではまことに厳しい収益環境とならざるを得ません。
 長期金利が上昇の傾向にあり、景気の足を引っ張るおそれも出ております。企業の雇用調整が本格化しつつあり、完全失業率も女子では過去最悪となり、来春の採用もますます減少する心配が大であります。不良債権の重圧に苦しむ銀行は中小企業に貸し渋り、不況型の倒産も過去最高となり、あすへの不安、悲鳴があふれております。これはまさに経済無策によるしわ寄せの極限状況にはかなりません。
 このような状況のもと、景気を一刻も早く上向きに転じ、政府の経済見通し二・四%を達成するためには政府予算案では不十分であり、大規模な公共投資の追加、一層の土地流動化促進のための税制改革等を中心とする新たな景気対策の早急な追加決定、補正予算の検討が強く要望されます。
 今までどおりの官僚任せでは、すぐに財源問題の壁にぶつかり展望が開けません。新総理大臣の責任あるリーダーシップに基づく見解を伺いたいと存じます。
 最後に一言申し上げます。政治改革を旗印に非自民を結集、さっそうと登場した細川前連立政権は、パフォーマンスで清新な政治を演出してきましたが、八カ月目に至り皮肉にも首相みずからの政治スキャンダルにより自滅いたしました。
 すなわち、連立政権発足の最大の使命であった政治改革法案が成立した途端、連立与党は政権基盤維持の求心力に欠け、その後、国民福祉税構想は朝令暮改で撤回、日米首脳会談の決裂、さらには武村官房長官との確執による内閣改造劇の断念、大会派連合の挫折等はまさに総理としての指導力欠如が問われるとともに、政治に対する理念や手法の全く異なる政党同士の野合による連立政権のもろさが露出したものであり、唐突の感はありましたが、細川内閣の崩壊は至極当然の成り行きであります。
 特に、政権投げ出しの命取りとなったのが、かねての細川前総理の東京佐川急便からの一億円借り入れ疑惑と義父名義によるNTT株購入問題でみずからの潔白を証明することができず、予算案の国会審議が空転した責任に加えて、新たに佐川急便からの借金の利息は政治献金として処理したこと、個人資金の運用益を税務申告していないことが公表されました。これは国政の最高責任者が国会で虚偽の答弁をし、法律違反を犯していたということであります。
 政治改革の主要課題の一つは政治資金の透明化ではありませんか。政治資金を隠れみのにして私腹を肥やし、米の自由化問題に続いて再びうそつき発言を平気で言うことは、政治家として無神経というか最低の基準に反するものであり、宰相として政治的、道義的責任は免れず、細川首相の退陣は自明の理であります。
 昨年我が党は、佐川急便事件による政治スキャンダルが誘因となり、三十八年維持した政権の座を離れ、かわって政治不信の解消、新しい政治改革の旗印のもとで誕生したのが細川連立政権でありました。その細川内閣がさきに同根のスキャンダルで退陣を余儀なくされたということは、いかに我が国の政治腐敗の構造の根が深いかということが改めて浮き彫りされたのであります。
 この観点から、細川内閣の後継政権として羽田内閣のまずやるべきことは細川前総理の疑惑の徹底解明であると思います。
 この二月、連立与党の政務幹事会により、細川疑惑に関し真相隠しがありましたが、全く言語道断であります。疑惑の究明は政治改革の原点であります。本来ならば、新たな確認事項の冒頭に疑惑に対する反省とその真相解明を唱うべきであるのに、これが一切見られないことは極めて遺憾至極であります。政治腐敗の元凶であるこうした疑惑にふたをし、ほおかぶりをするこれまでの連立与党の政治姿勢に反省を促すとともに、我が党は政治への本格的な信頼の回復のため、党首としての細川前総理の疑惑の解明を引き続き徹底的にただす決意であります。羽田総理は前総理の疑惑解明のけじめをどうつけるのか、所見と対応を承りたい。
 次に、細川政権は昨年七月の政策合意において、長期化する不況の早期克服、公正な国民合意の税制改革、国際経済摩擦の解消等を掲げましたが、現実は公約とは全く反対に悪化、日米関係などは危機的な状況となっております。規制緩和を中心とする経済改革や税制見直しに先立っべき行政改革については、道半ばどころか、官僚の力が増大し、どうやってこの壁を打ち破るのか皆目めどが立っていないのがその実情であります。
 羽田総理は、前内閣の副総理兼外務大臣であったわけでありますから、これら経済、外交の失政、公約違反についてその責任は免れないところであります。羽田総理のさきの所信表明演説においては、前政権の反省はほとんど見られません。
 総理は、「普通の言葉で」と所信表明で何回も繰り返されていますが、それが本物となるためには、一般国民の目線で考え、語りかけることが必要であります。今までの反省が見られないのは、国民の目から見て全く理解できず、総理の普通の言葉は、いわばきれいごとを抽象的に言ってごまかしているとしか思えません。真剣な反省があってこそ今後どうするかについて真情が伝わるのであります。
 そこで、改めて伺いますが、今までをどのように反省し、何に政治責任をかけて取り組んでいかれるのか。我々は、新政権の施策については国民生活擁護の見地から是々非々主義をもって貫きますが、許すべからざる失政はこれを厳しく追及していく決意であります。
 予算の早期成立は当然のことですが、民意を代表し得ない少数与党政権として、その後重要施策で行き詰まった場合、単に立ち往生じたままで国益に重大な損失を招くことは絶対に許されず、総理の進退問題に発展することは必定でありますので、これに関し総理の明確な答弁を求めて、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(羽田孜君) まず、御指摘のございましたとおり、中華航空の事件につきましては、私どもは事故原因の究明というものを徹底すると同時に、再びこの惨事が繰り返されないよう安全対策、これに万全を期していきたいということを申し上げたいと存じます。
 確かに、当時は細川総理が総辞職を発表された後であったということであります。しかし、あのときの対応というのは、例えば事故が起こって直ちに深夜にわたりながら稟議を回し、そして担当の大臣を現地に派遣するなど、直ちに実は対応したということ、それからまた地域の皆様方、実によく連携がとれて対応してくださったということでございまして、この問題に対する対応というものは私はとり得るべきことが進められておったというふうに確信をいたしております。
 なお、組閣スタートの時点で既に民意を代表し得ずという御指摘がありました。新内閣が少数政権として発足せざるを得なかったことは、そのいきさつ等からいってまことに残念な経過でありました。しかしながら、国民の大きな期待と支持を受けまして前内閣が掲げた改革の旗というものは、私どもの内閣におきましても歴史的責務であるというふうに考え、これをしっかりと受け継いでいきたいというふうに考えます。
 このため、ただ私どもがひとりよがりでできるものではございません。協調の姿勢を重視しながら、国会におきましても、また国民の皆様ともお互いに普通の言葉で率直に議論し、理解を深め、改革の着実な実施に向けてできるだけ幅の広い合意と信頼を得るべく、開かれた中での政策決定をしてまいりたいと思っております。
 この普通の言葉は、私は決して今までもきれいごとで申し上げてきたわけではございません。私自身、二十五年間の政治活動をこれで貫いてきたということを自信を持って申し上げることができます。
 なお、改新の結成の日を知らなかったという無責任な発言という御指摘があったわけでございますけれども、連立与党内における会派をめぐる動向につきましては幾つかの御指摘がございましたが、私といたしましては、結果として一部の会派が閣外に去られたことにつきましてはまことに残念に思っております。しかも、いろんな野合とが御指摘もございましたけれども、入党によります連立政権のこの八カ月間というものは私は正しかったものであるという誇りを実はみずからが持っておるものであります。その意味でも大変残念に思っております。
 しかし、この問題がいろんな意味で政治に対する信頼というものを、これを指摘されたことも事実であるわけでございまして、私どもといたしましては、そういった問題に対しまして信頼を速やかに回復するために努めていくことが私の務めであろうというふうに考えております。
 また、昨年七月の合意事項、また、さきの確認事項は、政策のねじれを糊塗して欺瞞性の強いものであり、いまだ本当に生きているのかということが言われたわけでありますけれども、三十八年間にわたります自民党の単独政権にかわりまして誕生した前政権が、これを構成する会派の合意のもとで目指した改革は日本の新しい政治の歴史的な一つの大きな転換のとき、これが新しい政治の方向を示したものであるというふうに考えておりまして、この点につきましては今なお国民の皆様の大変高い支持を得ているというふうに確信をいたしております。
 いずれにしましても、先ほども申し上げましたように、この八カ月間の連立の経験というものは大変に貴重なものというふうに高く評価いたしておるところであります。
 また、先ごろの確認事項は、さらに着実に改革を進めていくために、結果的には閣外に去られることになりました会派の皆様も含めまして合意されたものというふうに理解をしております。今後とも、連立与党間の政策合意を含めた連立の枠組みを大切にしながら十分これを尊重していく考えでありまして、このため与党内はもとより閣外に去られた会派の皆様とも率直にお話を申し上げ、また少数政権で進むわけでございますから、自民党の皆さんとも率直にいろんな問題について御相談したいということを申し上げ、お願いを申し上げたいと思います。
 なお、権力の二重構造のもとで、かいらい総理のままでよいのかという実はお話がございました。私といたしましては、前内閣から改革の旗というものはしっかりと受け継ぎまして歴史的使命を果たしていくとの思いから、改めて内閣総理大臣という重責をかみしめながら先頭に立ってこの難局に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 その際、可能な限りの機会をとらまえまして、国民の皆様あるいは与野党の皆様方と率直に話し合いながら、議論を尽くして、開かれた中での政策決定を旨として、生きた政治というものを実行していく考えであることを申し上げたいと思います。
 なお、自民党の外交政策というものを継承すると言いながら、それをだめにしてしまったのではないのかというお話があったわけでありますけれども、私は、今日まで自民党が積み上げてきたとの外交努力というもの、これは正しかったというふうに私自身も実は確信をいたしております。そういう中で、私はそれをさらに発展させていこうという考え方を持ちました。
 そういう中で、東京におきましても、アフリカにおける復興会議あるいはカンボジアの復興会議、またアンコール・ワット、こういったものを復旧していこう、こういうものの会議を開くと同時に、またこの間、各国から訪れる要人の皆様方とも率直にお話し合いをしながら、私どもはさらに発展させてきたというふうに確信をいたしておるところでございます。
 冷戦後の不透明あるいは不安定な国際情勢、例えば民族紛争ですとか宗教などの対立の中におきまして、国際社会はより平和で繁栄した世界を目指し、その英知と努力を結集しようとしておるというふうに思っております。
 その中におきまして、我が国といたしましても、この五十年間のいわゆる平和の中で蓄えてまいりました技術ですとかあるいはノウハウ、こういったものをフルに活用いたしまして、政府開発援助の推進や地球環境問題、あるいは人口の問題ですとかエイズの問題ですとか、こういった大きなグローバルな課題に対して私どもは努力していきますとともに、関係諸外国との協調のもとで世界の平和と繁栄に積極的に役割を果たしていく、これが私ども日本のこれから生きる道であり、また国際社会の信頼をかち取っていくことができるであろうというふうに確信をいたしております。
 なお、ナポリ・サミットに対する対応いかんというお話でありますけれども、ナポリ・サミットの議題につきましては、現在議長国たるイタリアを中心に協議を進めておるところでございますけれども、一つの大きなテーマというのは成長と雇用、これは先ごろアメリカにおきまして、デトロイトで開かれた雇用と失業の問題等、こういったものを踏まえながら、この問題がやっぱり大きな、一致したその決意を表明する場所になるであろうというふうに考えております。
 そのほか、やはり途上国への支援に対しまして多少先進国の中にも疲れが見えてきておるという現実が実はあります。しかし、これは単に途上国というだけではなくて、新しくいわゆる市場経済に移ったところですとか、またあるいは紛争が終わって新しく発展を目指す国というのが各地域の中に見られてきております。そのほかに、先ほど申し上げた人口ですとかエイズですとか環境問題というような新たな問題が起こってきております。
 こういった問題に対しては今こそ手を差し伸べなければいけないときであろうというふうに考えておるところでございまして、こういった問題についてもぜひともテーマにしてほしいということを先日もお話を申し上げてまいったところでございます。また、そのほかには貿易問題等もあろうというふうに思いますし、ユーゴの問題ですとか、こういった問題も論議されようと思っております。
 いずれにいたしましても、日本としては、G7間の政策協調の一層の強化のために、他の諸国と密接に協力をいたしましてサミットの成功というものを図らなければいけない、サミットというものが新しい最近の動きの中でまた大きな重要性というものが高くなってきたのではなかろうかというふうに理解をいたしております。
 中東和平の支援でございますけれども、ガザ・ジェリコの撤退合意に見られますように、現在、中東和平プロセスというものは大きな節目を迎えつつあります。このような状況のもとで我が国が和平プロセスに参加することは、我が国にとっても極めて重要な中東地域の安定に寄与するものでございまして、我が国の国際貢献の重要な一つの柱になってきているのではなかろうかというふうに思っております。
 このような考え方から、我が国は中東和平支援といたしまして、多国間の協議への積極的な参加をすること、またパレスチナヘの支援、イスラエル周辺のアラブ諸国への支援、また和平交渉関係者との政治対話の深化、こういったものを中心にしながら貢献を行っていくことが今望まれていることであろうというふうに思っております。
 また、訪欧の成果についてでありますけれども、もちろん今度のナポリ・サミットでどういう問題が議論されるのかということについての話をいたしましたり、あるいは先ほど申し上げたように、これから各地域との連絡のときに世界の各地域との深いつながりを持っておりますし、また歴史的な経験というものを持っておるのが私はヨーロッパであろうというふうに思っております。その意味で、我が国がそういった貢献をしていくときに、ヨーロッパとの関系は一層強固なパートナーシップというものを築き上げることが必要であろうというふうに思っております。
 ヨーロッパも、我が国を含みますこのアジア地域に対する関心というものは大変実は強いものを持っております。各首脳との間で主要国際問題につきまして極めて親しく、しかも率直な意見の交換ができたこと、この結果、私は所期の目的を十分果たすことができたというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては日米あるいはこのアジアというものを基盤にしながらヨーロッパとも存分に協力していく必要があろうというふうに考えております。
 また、先日の法務大臣の発言につきまして、アジア諸国との外交に臨む決意はどうかということでありますけれども、御指摘のございましたとおり、過去の歴史というものを直視しましてアジア諸国の声に謙虚に耳を傾けていくということ、そして、これからの我々の進むべき道というのは未来に向けた関係というものを構築していく必要があろうというふうに思っております。
 これは数日前に、実はこの問題が起こります前に予定しておりましたけれども、組閣がおくれたというようなことで延び延びになりました。一昨日、アジア各地域、これは全地域でありますけれども、東南アジアあるいは北東アジアということじゃなくて全地域の大使の皆様方にお集まりをいただきまして、我々がどのような姿勢でこれからアジアに臨んでいくのかということを私の方からも率直に語りかけると同時に、各国の皆様からも日本の国はこんな意味で一つの役割を果たしてほしいということを本当に胸襟を開いてお話をいただいたということは意義のあることであったというふうに思っておりますし、そのつもりでこれからも対応していくことをこの機会に申し上げたいと思っております。
 なお、任命権者としての責任というお話がありましたけれども、私は、かねてから我が国の侵略行為ですとかあるいは植民地支配等が多くの国の人々に耐えがたい苦しみと悲しみというものをもたらしたとの認識、これを新たにしながら、これを後世に伝えるとともに、深い反省の上に立ちながら平和の創造に力を尽くしていくとの歴史認識を明らかにしてまいりました。この間の発言につきましては、このような歴史的認識に照らしまして、残念ですけれども問題があろうというふうに思いまして、私は直ちに御注意を申し上げたところでございます。
 大事につきましては、適材適所を旨といたしまして、人格、見識ともにすぐれた方々にその最も適した職務を遂行していただくとの方針のもとに、今後とも任命権者としての責任を全うしていく所存でございます。今度のようなことが起きましたことは大変遺憾であるということを申し上げざるを得ないわけであります。
 また、将来に禍根を残さぬように十分検討すべしということで大戦の問題について御指摘があったわけでありますけれども、私は、我が国の侵略行為ですとかあるいは植民地支配等が多くの国々の人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたという認識、これを新たにいたしております。これを後世に伝えるとともに、深い反省の上に立って未来に向けた関係を構築していくことが重要であろうというふうに思います。
 歴史に対する認識というのは史実の検証に基づくべしという御指摘は、私は基本的にそのとおりであるというふうに考えておりますけれども、他方、歴史認識というものは個々人のいわゆる歴史観、世界観、これによっても異なる面も多くあろうと思っております。こういったことを私自身も十分留意しながら対応してまいりたいというふうに考えております。
 なお、日米関係の打開等につきましてのお話でございますけれども、日米両国の円滑な協力関係というのは、これは単に日米というだけではなくて世界全体の平和と繁栄にとりましても不可欠であります。政治・安全保障、経済、地球規模の諸課題への取り組みなどの広範な分野におきまして協力を進めていくことは日米両国に課せられた共通の責務であるというふうに私は確信をいたします。
 現在、日米関係は確かに経済面で不均衡の改善という喫緊の課題を抱えておりますけれども、安全保障面では日米安全保障条約に基づく強固な同盟関係というものを堅持しておりますし、また、北朝鮮の核兵器開発問題等のアジア・太平洋地域の諸問題、ひいては環境、人口、エイズといった地球的な規模の問題に至るまで、これは実は幅広い分野におきまして二月十一日のクリントン大統領との首脳会談でも合意をされておるところでございます。
 私どもは、そういった中で経済問題につきましても緊密な協力関係というものを発展させていかなければならないというふうに考えまして、そういう認識に立って日米間の意思の疎通というものをこれまで以上に率直で忌憚のないものにしていくことが非常に重要であろうというふうに考えておるところであります。
 また、経済関係の再調整をどうするのかというお話でしこりを残しているということの御指摘があったわけでございますけれども、私はしこりを残しているということではないというふうに思っております。十日の段階で話し合ったときにも、私は、こういった問題は必ずしこりを残すものである、あるいはこれが経済戦争あるいはまた言葉の戦争に発展する可能性があるんだと、だからここでお互いに話し合おうということであったわけでありますけれども、いや、こういった問題はいろんな国との関係でもあるんだと、余り気にしないでともかく少し冷却期間を置きながら話し合おうという実はお話し合いがありました。
 そして、特にマラケシュにおきまして話し合ったときにも、お互いがやっぱりどこに問題があるかということをお互いに理解することができたねということの話し合いがあったところでございまして、私どもは、今問題になっております日米包括協議の中の特に三分野と言われる個別分野の交渉につきましても、日米経済関係の安定のために何としてもサミット前に再開させたい、そして日米双方とも交渉のドアはオープンにしてあるということでございますから、いろんな機会をとらまえながら交渉再開の糸口というものを模索していきたいというふうに考えておるところであります。
 ただその際、政府といたしましては、我が国自身のためにこういった問題を行うのだという姿勢で、規制緩和を中心とする市場開放あるいは内需主導型の経済運営の確立など主体性を持って大胆に改革を進めていく考えでございます。
 先般の対外経済改革要綱というものは、このような観点から、内外価格差の是正ですとかあるいは消費者の皆さんの選択が多様化する、こういったことによって国民生活そのものが向上していくのだということ、それともう一つは日本の社会というものを活力と創造性に満ちたものにしていく、これが不可欠なことであろうというふうに考えておりまして、そういう中にあって政府調達の手続などを含めまして最大限の努力をしたものでございます。
 また、規制緩和等六月末までに検討の成果を取りまとめることになっておるわけでございますけれども、これも内容がしっかりとしたものでなければならないわけでございまして、議員の皆様方の御協力もいただきながらそういったものをつくり上げていかなければいけないというふうに考えておるところであります。
 また、ナポリ・サミット前に政治的勇断が求められるというお話でございまして、この点につきましては今もお話し申し上げたところであります。
 いずれにしましても、政府調達そして保険あるいは自動車及びその部品と言われるこの三分野の交渉の措置の実質面におきましては、二月の日米首脳会談までに相当程度の進展を実は見ておるところでございます。これに基づきまして、三月末に閣議決定した対外経済改革要綱、今申し上げたことでありますけれども、その時点で我が国の政府としてとり得る最大限の措置をもう既に発表いたしたところであります。
 他方、最終的に米国との間で合意に至らなかったことは、個別分野の措置の進展を図るための客観的基準に関して米御提案の一部が実質的にはどうも数値目標と同じになるんではなかろうかということ、そして規制緩和といった我が国政権の基本的な理念、これといわゆる政府が介入しなければならないような事態になってしまうということは我々の考え方と相入れないものであるということで、残念ですけれども不調に終わっておりますけれども、こういった問題につきましても私ども率直に話し合う中でお互いに理解される、そういう中で私はアメリカとの妥協というものができ上がっていくということをこれから努力していきたいというふうに考えております。
 なお、日米安保についての御指摘でありますけれども、冷戦の終結後も国際社会というものが依然不安定要因を内包している中で、我が国が引き続き安全を確保していくためには日米安保条約に基づく米国の抑止力、この核の抑止力というものはどうしても必要であります。また、日米安保体制は国際社会における広範な日米協力関係の政治的基盤となっておりまして、さらにアジア・太平洋地域における安定要因としての米国の存在を確保して、この地域の平和と繁栄を促進するために不可欠なものであるというふうに考えます。
 政府といたしましては、新政権のもとにおきましてもこのような意義と重要性を有する日米安保条約に対する政府の考え方、従来の方針にはいささかも変わらないことを申し上げたいと存じます。
 在日米軍の段階的縮小と駐留なき安保ということでありましたけれども、冷戦が終了した今日におきましても在日米軍の駐留を含む日米安保体制に基づく米国の抑止力、これは今申し上げたとおりでありまして、これは極めて重要であります。政府としては、我が国に駐留する米軍による施設あるいは区域の安定使用というものを確保して、その円滑な活動を確保することは安保条約の目的を達成する上で不可欠というふうに考えておりまして、このような考え方もいささかも変わらないことを申し上げます。
 在日米軍駐留への対処でありますけれども、我が国としては日米安保体制の効果的運用というものを確保していくことは極めて重要であるとの観点から、これまで自主的にできる限りの努力を払ってきておるところであることは御案内のとおりであります。特に在日米軍駐留経費負担につきましては、米軍の我が国におきますプレゼンスを支える大きな柱であると考えます。
 御指摘の平成七年度末の特別協定の有効期間の終了後における駐留経費のあり方につきましても、今後とも日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を図っていくことが必要との観点から、自主的な判断に基づきまして適切に対応していきたいと考えておりますけれども、具体的な内容につきましては当然米側との協議を待って判断をしていきたいというふうに考えます。
 アジア・太平洋地域の軍事情勢、これについての御質問でありますけれども、今日の世界におきましては、冷戦の終結によりまして世界的規模の戦争の可能性というものは減少したというふうに認識します。他方、地域紛争の危険性というものは増大するなど流動的な要素も多く、先行きに対する不安感、不透明感が存在をいたしております。
 アジアでは、緊張緩和に向けた動きが見られる一方で、依然として朝鮮半島に南北の軍事的対峙の構造が残るなど複雑、不安定な状況が継続しておりますし、また、北朝鮮の核及びミサイル開発問題というのはやはりこの地域の重大な懸念材料となっておることも事実だろうと思います。
 このような中にありまして、我が国といたしましては、引き続き適切な規模の防衛力を保有することとともに、日米安保体制というものを堅持することによりまして我が国に対する侵略を未然に防止することを防衛の基本としていく、これが適切な考え方であろうというふうに私も認識しておるところであります。
 防衛計画大綱の見直しについてでありますけれども、今後の我が国の防衛力のあり方につきましては、中期防にありますとおり、国際情勢の変化ですとか、あるいは将来における人的資源の制約の増大等に的確に対応するため検討を行うこととされております。
 この検討につきましては、御指摘のとおり、前内閣において防衛問題懇談会を発足させるとともに、関係省庁におきましても所要の検討に着手しているというふうに承知しておりますが、今後の我が国の防衛のあるべき方向を見定めることは重要な課題であり、引き続き精力的に検討を行っていきたいと考えます。
 防衛問題懇談会からいただく御意見につきましては、政府部内で存分に検討し、新たな防衛政策に反映させてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 また、自衛隊法の一部改正法案の成立でありますけれども、前国会で提出いたしました自衛隊法の一部改正案が想定いたしますように、緊急事態はいつ発生するかわからないものであります。在留邦人の生命等への危険が差し迫っている、こういったときに適切に輸送するために自衛隊の航空機も使用し得るようにしておくことは喫緊の課題であろうというふうに考えます。現在、衆議院の安全保障委員会におきまして御審議が進められておりまして、私といたしましても可及的速やかにこの法案を成立させていただきたいというふうに考えておりますので、また参議院の方の御協力もいただきたいと存じます。
 「普遍的安全保障」と集団安全保障の違いについて説明するようにということでありますけれども、集団安全保障は、平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力してこのような行為を行った者に対して適切な措置をとるということで平和を回復しようとするものでございまして、国連憲章上はそのための具体的措置が第七章に規定されておるところであります。
 このような第七章に規定された措置を含む国連憲章が規定する国連による平和と安全の維持のための枠組みの総体は、いわば国際社会全体によって受け入れられておるということでございまして、そのような意味で普遍的な性格を有するものであるということで、国連による普遍的安全保障とはこのような普遍性を有する国連の枠組みを意味するものであるというふうに私は理解をいたしております。
 国連の平和活動に対する取り組みの姿勢ということでありますけれども、冷戦終えん後の新たな国際秩序の構築に当たりまして、国連が中心的な役割を果たすことに対する期待は新しいニーズとともに国際的にも高まっておるというふうに理解をいたします。
 国連の目的といたしております国際の平和と安全の維持というものは、我が国憲法に掲げる平和主義、国際協調主義と理念の軸を一つにするところでございまして、我が国はこうした崇高な理念を掲げる憲法のもとに、やはり我が国としてなし得る最大限の国際貢献の実績を積み重ね、平和な世界を築くために汗をさらに流す必要があろうというふうに考えます。
 国連を中心とした国際社会の平和と安全を求める努力に対しまして、単に資金面だけではなくて人的な面でも貢献を行うことが我が国の国際的な地位と責任にふさわしい協力のあり方であるとの認識のもと、我が国はカンボジア、モザンビークの国連平和維持活動について自衛隊の施設部隊等要員を派遣し、またアンゴラ、エルサルバドル、こういった国におきまして国連の選挙監視活動に対しまして要員を派遣するといった協力を行い、国際的にこれは高い評価を得ているというふうに信じます。
 我が国といたしましては、国際社会における地位とその責任を自覚しながら、真の平和構築のために一層積極的な努力をしていきたいというふうに考えておりますので、さらなる御理解を賜りたいと思います。
 また、集団的自衛権の行使を認めるのはどうかということでありますけれども、国際法上、国家は集団的自衛権、すなわち自国と密接な関係にあります外国に対する武力攻撃というものを自国が直接攻撃されてないにもかかわらず実力をもって阻止する権利を有しているものとされております。
 我が国が国際法上このような集団的自衛権を有していることは、これは主権国家である以上当然であるわけでございます。ただ、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使というものは、我が国を防衛するため必要最小限の範囲にとどめるべきものであるというふうに解しておりまして、集団的な自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって、私は憲法上許されていないというふうに考えておるところでございます。
 なお、御指摘の他国に対するいわゆる後方支援活動につきましては、いかなる活動がこれは想定されるのか明らかではないわけでありますけれども、いずれにいたしましても、これは憲法の枠内で国際社会において貢献していくべきものであろうというふうに認識をいたしておるところでございます。
 また、安保理常任理事国入りと軍事的な責務や拒否権の問題についての御指摘がありましたけれども、安保理改組が必要であるとの認識は既にこれはもう国際世論になっておろうと思っております。この中で、日本が過去に安保理事会への参加などを通じまして蓄積してきた経験を踏まえ、より大きな役割を果たすべきであるということはもう御指摘のとおりであります。
 軍事的な責務につきましては、現行の国連憲章のもとで我が国は安保理常任理事国となったといたしましても、追加的に我が国の憲法上問題となるような具体的な法的義務、これを負うことは通常想定されておりません。この点はブトロス・ガリ国連事務総長が昨年十二月に来日された際繰り返し指摘されたところであります。
 拒否権につきましては、肯定的な面と否定的な面の両面がございますけれども、これを一概に否定的にとらえることは必ずしも適切ではないというふうに考えます。ただ、最近はこの拒否権の行使が激減しているということ、これは歓迎すべきところでありまして、日本としてはこのような望ましい傾向を助長し促していくことが重要であろうというふうに考えております。
 また、北朝鮮に関連いたしましてのお話でありますけれども、北朝鮮に対する経済制裁につきましてはいまだ国連の安保理事会においては議論をされておらないことでございまして、現段階におきまして法改正の問題も含めまして具体的にこれを申し上げることは控えるべきであろうと思います。
 なお、一般論といたしましては、仮に安保理で何らかの措置が決定される場合には我が国としてもやはり憲法の中で許される範囲の中でこれに対しての責任を負うべきであろうというふうに考えます。
 また、多国籍型の制裁についての対応、これにつきましても先ほど申し上げたとおりでありまして、いずれにしましても国連は制裁措置というものはまだ安保理においては議論がされておりません。それよりはむしろ、北朝鮮に対しまして議長声明という形でこういったIAEA、そういった問題について査察をきちんと受けるようにということを実は慫慂しておるところでございまして、さきに申し上げましたのと全く同じように今これは論議されてない問題でございますので、これについてのお答えを申し上げることにつきましては控えさせていただきたいと思っております。
 また、海上自衛隊につきましても、これも一般論で申し上げること以外申し上げることは差し控えさせていただくことをお許しいただきたいと思います。
 また、送金の停止等につきまして、これも現段階において具体的に申し上げることは差し控えたいというふうに存じます。(「答弁拒否だ」と呼ぶ者あり)いや、答弁拒否でも何でもございません。この問題はまさに国連がそういった問題について議論してない、しかも静かに今北朝鮮に窓口をあけてほしいということを言っているときであり冒して、国際社会のこうしう粘り強、努力というものを日本の国は大切にしていくべきであろうということを改めて申し上げたいと思います。
 また、有事立法の準備などについてのお話でございますけれども、この核兵器開発問題に関しましては現在まさに今申し上げたように対話による解決に向けて努力が行われておるということでありまして、御指摘のような新たな立法措置等の問題につきましては仮定のまさに話でありまして、具体的なコメントは差し控えたいと思います。そして一般論としては、我が国にとって重大な緊急事態というものが発生した場合には政府が一体となってこれに対処する方針としておるところであります。
 なお、御質問の北朝鮮問題につきましては、従来から政府におきまして関係省庁間で情報交換を行っているはか、各省庁におきましてもそれぞれの立場からそれぞれの所掌事務の範囲内におきまして必要な検討を行っておると、うことでございますけれども、仮に重大な緊急事態に発展するような事態となりましたならば、政府といたしましてもこれに対処するために万全の体制をとる考えであることだけは申し上げておきたいと存じます。
 また、高齢社会の社会保障についてのお話でありましたけれども、二十一世紀の本格的な高齢社会において国民一人一人が安心でき、真に幸福を実感できる福祉社会の実現を図っていくためには、もう御指摘がありましたとおり、年金ですとか医療、福祉のバランスのとれた社会保障制度に再構築していくということ、その財政負担への対応を行うことが大きな課題であろうというふうに存じております。
 国民負担の程度につきましては、基本的には国民的な選択にゆだねられるべき事柄でございますけれども、経済社会の活力というものを維持していくためには過重なものになってはならぬというふうに考えております。こうした見地に立って、私といたしましては、本格的な高齢化社会の到来に対応した公平、公正、効率的な社会保障制度を構築することにより国民負担率の上昇を極力抑制するようにしてまいりたいというふうに考えます。
 いずれにいたしましても、社会福祉のビジョン、高齢化社会の国民負担や税制のあり方などにつきましては、連立与党の税制改革協議会におきましても現在検討をされておりまして、また国会の中でもこれから御議論いただくべき問題であろうと思っております。いずれにしても、今国会中に結論を出される予定というふうに伺っておるところであります。これらの検討結果を踏まえまして、政府といたしましても望ましい福祉社会の車現に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えます。
 また、高齢化社会の安定財源の問題、そして暑気回復による税収増ですとか行政改革の断行によって経費を節減するようにというお話でありさして、この点につきましては活力ある豊かな高齢化社会の実現というものを目指しながら福祉政策などの積極的な展開あるいは減税措置に対する財源確保の観点も含め、個人所得課税の軽減と消費課税の充実を柱に、均衡のとれた税体系をつくるために、六月中に成案を得て、必ずや年内に税制改革を実現するよう最大限の努力を傾注してまいりたいというふうに考えております。
 なお、今後とも行財政改革を強力に推進すること、財政の効率化に向けた努力を続けることは言うまでもございませんけれども、臨調・行革審答申を受けまして連年にわたって改革努力を行ってきたところでございまして、行財政改革による歳出削減につきまして量的に多大なものを期待することができないことは、これはもう皆様と一緒に私どもは苦労した結果であろうと思っております。
 また、景気回復による税収増がどれほど生ずるかを前もって把握することも困難でありまして、これに依存することは私は適当ではないのじゃないかというふうに考えます。
 また、税制改革にどう取り組むかということでありますけれども、今申し上げましたように、税制改革を年内に実現することは、前内閣を継承した新しい内閣が緊急に取り組まなければならない重要な課題でありまして、私どもはそれにつきまして大きな責任を有しておるというふうに自覚をいたしております。
 いずれにいたしましても、税制改革につきましては、お話がありましたとおり、これは国会で全会派一致で議決が行われていることを踏まえれば、速やかな実現は今や国民的な課題であろうというふうに考えておりまして、政府といたしましては、このような税制改革の具体化に向けて連立与党において速やかに協議を進めていただくようお願いしたところでございまして、自民党の皆様にも御検討を進めていただき、各党各会派の御理解と御協力をいただきながら、六月中には成案を得てぜひともその実現を図ってまいりたいというふうに考えておるところであります。
 また、景気の現状につきましては、現状を見ますと、公共投資はもう堅調に進んでおります。住宅投資は高い水準で推移をいたしておりまして、個人消費にはやや持ち直しの動きが見られるものの、設備投資は減少が続いておりますし、企業収益ですとかあるいは雇用情勢、これも依然厳しい状況にあるということを残念ながら申し上げざるを得ません。このように我が国経済は一部に明るい動きが見られるものの、総じて低迷が続いておるということであろうというふうに認識をいたします。
 政府は、こうした明るい動きを経済全体に広げて、我が国経済を六年度中のできるだけ早い時期に本格的な回復軌道に乗せまして、七年度以降の安定成長を確実なものとするために、二月に決定した総合経済対策の着実な実施を図ってきておるところでありますけれども、さらに六年度予算についても、五年度三次補正予算とあわせて可能な限り景気に配慮するよう努めたところであるわけでございまして、これの一日も早い成立をまたお願い申し上げたいと存じます。
 また、公共料金の値上げにつきましては、経営の徹底した合理化を前提といたしまして、物価そして国民生活に及ぼす影響というものを十分に考慮して厳正に取り扱うことといたしておりまして、その値上げに当たりましては真にやむを得ないものに限るとして、その実施時期及び改定幅につきましては極力調整しておるところであります。
 主要な公共料金の引き上げによる平成六年度での負担増額を試算いたしますと、郵便料金で約二千六百億円、公衆電話料金で約六百八十億円、医療費の四月改定分で約二百億円、首都高速道路料金で約二百六十億円、国立学校授業料で約二十五億円程度であるということであります。
 政府といたしましては、昨年九月の円高差益の還元におきます電気・ガス等の各公共料金の引き下げ、市外通話料金の引き下げといった公共料金の引き下げも行っていることを御理解いただきたいと思います。
 なお、年金保険料は公共料金には含まれませんけれども、その引き上げ等による平成六年度の負担増は約一兆五千六百億円であります。年金給付の改善や制度の成熟化による給付増約一兆五千六百億円に見合うものでございまして、減税の効果を減殺するものではないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、二月に五兆四千八百億円の所得税減税を含みます総規模十五兆円を上回る幅広、施策から成る総合経済対策を決定したところでございまして、その着実な実施を図ることなどによりまして、本年度政府経済見通しに示されたように、物価の安定を図りながら我が国経済をできるだけ早い時期に本格的な軌道回復に乗せてまいりたいというふうに考えます。
 なお、総論的、抽象的な公共料金値上げ抑制ではなくて、新内閣として具体的にどう抑制していくのかということでありますけれども、公共料金の取り扱いにつきましては、御意見が寄せられているところにかんがみまして、従来の方針、考え方を整理、体系化しながら、先般、細川内閣において、政府として初めて統一的な「公共料金の取り扱いに関する基本方針」、これを打ち出すことによりまして公共料金の厳正な取り扱いの趣旨を一層徹底したところであります。
 現内閣におきましても、公共料金はこの基本方針に基づきまして、物価及び国民生活に影響をどのように及ぼすかを十分考慮して厳正に取り扱うこととして、安易な引き上げは厳に慎み、今後の経営の徹底した合理化を前提とした上で、先ほど申し上げましたように真にやむを得ないもの、これに限るということにしたいと思っております。時期、幅等につきましては、先ほど申し上げたとおりであります。
 また、公共投資基本計画の見直しについてでありますけれども、我が国経済は一部に明るい兆しが見えておりますものの、先ほど申し上げたとおりに低迷が続いております。政府といたしましては、総合経済対策、これを着実に実施すること等、内需を中心とした持続的な成長を確保するために努めていきたいというふうに思っております。
 この見直しについてでありますけれども、去る三月二十九日に決定しました対外経済改革要綱におきまして、後世代に負担を残さないような財源の確保を前提とした公共投資基本計画の配分の再検討と積み増しを含めた見直しに着手して、六月をめどにこれを取りまとめるように努力するというふうにしたところでございます。
 私どもこれを受けまして、経済企画庁を中心にその準備を開始したところでございまして、具体的な見直しの内容につきましては今後検討を進めてまいる考え方であります。
 また、新たな景気対策の追加というお話でありましたけれども、景気の認識はもう申し上げません。いわゆる本格的な景気回復を実現するとともに、今後の新たな発展の基礎を築くためには、時代の要請に合わなくなった制度ですとかあるいは慣行の改革を含めた各種の施策を強力にこれは遂行していくことが不可欠であるというふうに考えます。
 政府としましては、経済や為替の動向に細心の注意を払いながら、引き続き内需を中心とした持続的成長の確保に努めるとともに、規制緩和を初めとして前政権が開始した国内経済改革の方針を継承し、そして発展させ、強力にこれを実施しなければならないというふうに考えております。
 そのことのためには、これは国会の方の御協力もいただかなければならないということでありまして、この機会に私からも改めてお願いを申し上げたいと思います。
 細川党首の疑惑解明の問題についてでありましたけれども、前総理御自身のプライベートな問題でございますけれども、前総理は真相について語っていきたいということで相当に私は御苦労なさったというふうに考えております。そうした中で、このたびのような身の処し方というものは一つの潔いものでありまして、これを重く受けとめていきたいというふうに思っております。
 また、普通の言葉についての御指摘でありますけれども、これは先ほども申し上げましたが、連立政権が全力を挙げて取り組んできた政治改革あるいは経済改革、行政改革、また新しい時代への期待というものを背景にしまして、多くの国民の皆様の共感をいただきました。政治改革関連法案の成立を初め、諸改革の方向性を明らかにするなど、その成果というものは私は評価され得るものであるというふうに確信をいたしております。
 当面する難局にありまして、これらの改革は今や与野党を問わず国家国民を挙げて取り組むべき歴史的な課題でありまして、新内閣においても協調の姿勢で、国会においてもまた国民の皆様とも実りのある政策議論をいたしまして、できるだけ幅広い合意を得ていかなければならないというふうに考えております。このため、私といたしましても誠心誠意を尽くしましてこの重責を果たしていきたいというふうに考えております。
 もう、それこそこの問題につきましては、やっぱりこれら今申し上げました問題というのは本当に難しい問題でありまして、まさに我々少数政権ではこれはなかなかなし得るものではありません。そのためには、私どもも誠心誠意皆様方にもお訴えを申し上げてまいりたいというふうに考えておりますので、皆様方の御協力もぜひとも賜りますように心からお願いを申し上げたいと思います。
 先ほど御指摘のありました点、一つ一つの問題については今後私どもが政策を進めていくに当りまして大切にしてまいりたいというふうに考えております。
 ありがとうございます。(拍手)
   〔国務大臣柿澤弘治君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(柿澤弘治君) 日ごろ温かい御指導をいただいてまいりました平井卓志先生から、日本の外交についてさまざまな御意見、御指摘をいただきまして心から感謝を申し上げております。
 外交の基本方針を示せというお話がございましたが、戦後、ともすれば受け身の外交であった我が国の外交を日本の地位と責任にふさわしいより積極的な能動的な外交にしていくことが今日の課題であると考えております。その点で羽田外交の継承をいたしまして、さらに発展させるべく努力をしてまいりたいと思っております。
 また、中東訪問について御指摘がございました。
 私は、五月二日から八日にわたりまして中東四カ国を訪問してまいりましたが、私がエジプトに到着をした翌日がワシントンにおけるイスラエル・パレスチナ合意の実施のためのガザ・エリコ暫定自治実施の署名式に当たりまして、まさに記念すべき時期に中東を訪問できたことは日本外交の一つの足跡であったと思っております。
 PLOのアラファト議長ともお会いをいたしましたが、アラファト議長に対しましてはパレスチナ人が暫定自治に対する能力を示すことがこれからのパレスチナの自治を確立する上で大事なごとだということを助言してまいりました。PLOのアラファト議長も、今後とも日本のアドバイスをぜひとも期待したしという言葉がございました。その意味でも、日本はそうした責任を果たして養いりたいと考えております。
 その後、イスラエルを通じまして暫定自治が確立した直後のジェリコの病院に医療機器を提供するための式に出席をいたしました。これは、まさに暫定自治署名後に訪問をした初めての海外の外務大臣であったということで、パレスチナ人からも大きな歓迎を受けたわけでございます。
 このジェリコ訪問につきましては、国際的なテレビネットワークが大変な関心を示しましてCNNが世界に放映しました。中東外交における日本のプレゼンスを示す大きな機会になったと思っております。
 そのほか、エジプトのムバラク大統領、そしてイスラエルのラビン首相、ジョルダンのフセイン国王、またシリアのアサド大統領とも長い時間にわたって会談をいたしまして、それぞれの国々から日本への大きな期待が示されました。これは経済的な援助だけではありません。我が国がより積極的に中東の和平の政治対話に加わってもらうよう要望を受けたところでございます。
 また、カイロではクリストファー米国務長官とも会談をいたしましたが、クリストファー国務長官は中東和平のためにシャトル外交を続けております。そのクリストファー国務長官からも日本の役割に対する期待が表明されました。私は、帰国後クリストファー国務長官に電話をいたしまして、中東訪問の我々の会話を報告し、また来週中東を訪問されるクリストファー長官の訪問の役に立つようにということで私どもの考え方を申し上げた次第でございます。この辺でも日米の協力関係が高まっていくことを私どもは期待いたしております。
 ナポリ・サミットのあり方につきましては、羽田総理から既に御答弁がありましたので重ねて申し上げませんが、一つだけつけ加えますと、今後ロシアをサミットにおいてどう取り扱っていくかというのが大きな課題であろうかと思います。G7プラス1、G8といういろいろな考え方がありますが、いずれにいたしましても、ロシアが国際社会の一員として建設的な役割が果たせるよう我々としてもロシアの立場に理解を示しながら協力をしていくことが大事だと考えておりますので、そうした方針でナポリ・サミットにも臨みたいと考えております。
 また、私が自民党時代に衆議院の本会議で質問をいたしました際に、政府調達については何らかの定量的な基準が必要ではないかということに付言をいたしましたことにお触れになりました。私は、日米の間で数値目標を設定することには反対であるということは明確に申し上げた上で、しかしながら政府調達等については何らかの定量的な基準をつくることが必要ではないか、そうした形で妥協を図っていくことも必要ではないか、ただノーと言うだけでは交渉にはならないということを申し上げたわけでございまして、この考え方は今も変わっておりません。
 そうした方向に基づきまして、昨日もモンデール米大使と会談をいたしましたが、今後とも国会のお許しがいただけるならば早期に訪米をいたしましてこの問題について積極的に話し合いをしていきたいと考えておりますので、皆様方の御理解、外交への御理解をお願い申し上げたいと思っております。
 集団的自衛権につきましては、これも総理大臣がお話をされましたので付言するだけにいたしますが、我が国が国際法上集団的自衛権を有していることは主権国家である以上当然でありますが、憲法九条のもとにおいてはその行使が許されていないというのが従来からの政府の見解でございます。先日、羽田総理とも御相談の上、現内閣においてもこの考え方を継承することで合意をいたしております。
 御指摘の後方支援につきましては、現在いかなる活動を想定されているか明らかではありませんので、現段階において明快に御答弁をすることはできませんが、いずれにいたしましても、我が国として憲法の範囲内で国際社会に対して貢献してまいりたいと考えております。(拍手)
#9
○議長(原文兵衛君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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