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1994/06/21 第129回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第129回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
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1994/06/21 第129回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第129回国会 交通安全対策特別委員会 第3号

#1
第129回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
平成六年六月二十一日(火曜日)
    午後五時開議
出席委員
  委員長 山田 英介君
   理事 河村 建夫君 理事 久野統一郎君
   理事 萩山 教嚴君 理事 柳沢 伯夫君
   理事 江崎 鐵磨君 理事 須藤  浩君
   理事 遠藤  登君 理事 谷口 隆義君
      片岡 武司君    栗原 博久君
      栗原 裕康君    野田 聖子君
      松下 忠洋君    岩浅 嘉仁君
      大矢 卓史君    土田 龍司君
      渡辺浩一郎君    今村  修君
      佐藤 泰介君    富田 茂之君
      田中  甲君    藤田 スミ君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 二見 伸明君
        建 設 大 臣 森本 晃司君
 出席政府委員
        警察庁長官   城内 康光君
        警察庁交通局長 田中 節夫君
        総務政務次官  石井 紘基君
        総務庁長官官房
        交通安全対策室
        長       根本 芳雄君
        運輸省鉄道局長 秦野  裕君
        運輸省自動車交
        通局長     越智 正英君
        運輸省自動車交
        通局技術安全部
        長       樋口 忠夫君
        運輸省航空局長 土坂 泰敏君
        運輸省航空局技
        術部長     北田 彰良君
        建設省建設経済
        局長      小野 邦久君
        建設省都市局長 黒川  弘君
        建設省道路局長 藤川 寛之君
 委員外の出席者
        環境庁大気保全
        局企画課交通公
        害対策室長   平山 義康君
        運輸省航空事故
        調査委員会事務
        局長      木村 泰彦君
        特別委員会第一
        調査室長    柿内 節夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十一日
 辞任         補欠選任
  古賀 敬章君     岩浅 嘉仁君
同日
 辞任         補欠選任
  岩浅 嘉仁君     古賀 敬章君
六月十五日
 ハイヤー・タクシー輸送の活性化と道路交通の
 安全確保に関する請願(山花貞夫君紹介)(第
 二八七九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 交通安全対策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○山田委員長 これより会議を開きます。
 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗原裕康君。
#3
○栗原(裕)委員 自民党の栗原でございます。
 この前の特別委員会、たしか六月六日だと思いましたけれども、総務庁長官、そして運輸大臣、建設大臣、それぞれ所信の表明をいただいたわけでございます。その中で、どの大臣も大変強調していらっしゃることは、道路交通事故の死傷者が六年連続で一万人を突破している、第二次交通戦争なんだ、そのことについて大変憂慮を示され、そして、その対策について万全を期していきたい、こういう所信表明がございました。ですから、その件につきまして、私もこれから順次質問させていただきたいと思うわけでございます。
 伺っておりますと、近年の事故の顕著な傾向、幾つかあるわけでございますが、一つは、シートベルト未着用。今までは、歩行者が亡くなった方が結構多いわけですけれども、最近は、自動車を運転中に事故に遭われて命をなくされる、あるいは大けがをなさる、そのほとんどがシートベルト未着用だ、こういうことでございます。
 このシートベルト未着用については、総務庁を中心にいろいろなキャンペーンをなさっていらっしゃる。そのキャンペーンの効果というのが、どうもそれほど顕著に上がっていないのじゃないか、こう思われるわけでございますが、この件につきまして、どういうお考えでなさっていらっしゃるか、具体的にどういうことをやっているか、そのことをまず伺いたいと思います。
#4
○根本政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のシートベルトのキャンペーンというのは、効果をはかるのが大変難しいわけでございますけれども、今までずっといろいろなことをやってきております。特に、平成四年からは関係の行政機関、マスコミ、そして損保協会とか自工会、安全協会とか交通安全母の会、こういったボランティア組織も含めてシートベルト着用推進協議会、こういう組織を設置いたしまして、今一生懸命やっているところです。
 ただ、そういう団体にお願いするだけでなく、今度は、シートベルトをつけましょう、こういうキャンペーンだけではなかなか効果がないということで、損保協会さんあたりに大変知恵を出していただいて、実際に車に乗っていてシートベルトをしていないケース、しているケース、どういう効果があるかというのを短い時間にスポットで流していただく。そしてまた、警察や安全協会あるいは自動車運転試験場あたりでもやり始めたわけですけれども、シートベルトコンビンサーで七キロくらいで実際に衝撃を与えてみる。そうすると、これは大変だ、こういうことがわかるようないろいろな施策を取り入れて、今度は本気になってシートベルトをつける、そういう気持ちを起こすような施策を続けていきたい、さらに強化していきたい、こういうふうに考えております。
#5
○栗原(裕)委員 わかりました。要するに、体験型といいますか、実際にシミュレーションといいますか、シートベルトをつけないとこういうことになるんだよということを中心に、新しいキャンペーンといいますか施策を講じている、こういう答弁だと思うのです。全く同感でございますので、ぜひこれが効果が上がるように期待を申し上げたいと思います。
 次に、若者、若年層の事故がふえておる、こういうことをよく言われるわけでございますが、たまたま私ども静岡県の場合は、ダイレクトメールで、若者の事故の生々しい現場写真とかそういったものを若年の免許取得者に送りつけた、たしか二億円くらいの予算を県費で使ったと思うのですが、非常に効果があったというふうに聞いておるのですね。
 これは私ども静岡県、地方自治体の例でございますが、若者の事故についてはどういう対策を講じていらっしゃるか、そのことを伺いたいと思います。
#6
○田中(節)政府委員 お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、交通事故の状況を見てみますと、昨年は若干減ったとは申しながら、若者の事故は大変多うございます。各府県におきましては、それぞれ実態に合わせて創意工夫を凝らしまして若者対策をやっております。
 御指摘の静岡県では、お話しのように、事故現場の写真を送るというようなことをやっておりますし、またほかの県におきましても、若者の関心を集めるような参加型、実験型のいろいろな事故防止対策を講じているところでございます。
#7
○栗原(裕)委員 今もやはり参加型、実験型という御答弁でございますが、それは後ほどまとめて伺いたいと思うわけでございます。
 次に、やはり高齢者の方の事故が大変多い。これは今まででございますと、高齢者の方が歩いておって、例えば飛び出してしまったり、あるいは車が来る速度に気がつかずに横断歩道でひかれてしまったり、そういうことが多かったわけでございます。
 この件について実は、同じ私ども静岡県の話を何回も出して恐縮でございますけれども、老人クラブに加入しておる人たちは比較的事故に遭わない、たしか三倍くらいという数字を聞いたことがありますけれども、そういう例もあるのですね。その例をとって、どうしてそういうことになるのかということも私、いろいろ考えてみたのですけれども、老人クラブという組織を通じて歩行者に対する交通安全のキャンペーンが相当届いておる、こういうことだと思うのです。そういうことも含めて、歩行者としての高齢者の事故対策というのをどういうふうになさっているか。
 それからあわせて、今度は、高齢化社会になりますと、免許を持っていらっしゃる方が年をとってきます。そして、年をとるというのは悲しいことで、だんだん反射神経が鈍ってまいりますから、どうしても事故に遭いやすい、事故を起こしやすい、むしろ高齢者が加害者になる、こういうことも考えられるわけですね。この辺の対策もどう考えていらっしゃるか、あわせて二つお尋ねしたいと思います。
#8
○根本政府委員 私の方からは、最初の方の高齢者の交通安全対策についてお答え申し上げたいと思います。
 老人クラブに入っている方が入っていない人に比べてどれくらい事故に遭う率があるか、これは実は把握しておりません。ただ、私どもの経験則からいって、老人クラブに加入している方の方が事故に遭わない。これはなぜかといえば、老人クラブの場に対して警察とか安全協会とか交通安全母の会とか、こういう組織あるいは市町村が働きかけていろんなキャンペーンをやって、交通安全に対するいろんな意識が高まっている、こういうことだろうと思います。
 ところが、残念なことに、老人クラブに加入している方が全国で四〇%を切っている、そういうことで、高齢者対策が、お年寄りの方にどこかの場でまとまっていただけないということでなかなか難しいという側面がございます。そういうことで、第一にできるだけ老人クラブ、そしてまた老人の方が参加するいろいろな趣味の会とか、ゲートボールを含めて、そういう場に出向いていって、交通安全のキャンペーンをして意識づけをする。
 それからもう一つは、今まで気をつけてくださいと、今先生御指摘なさっていましたけれども、それだけではどうしても足りないので、実は、夜歩くときに黒い服を着ていたのでは、実際には百メートル先でも車から見えるはずなのに、黒いものではせいぜい三、四十メートルまでしか見えないのだとか、急に飛び出したときに車のブレーキは間に合わないのだ、現実にそれを見せてやってわかってもらう、こういう努力をしております。
 そういう意味で、平成五年度から総務庁でも、参加型・実践型の高齢者交通安全教育推進事業ということで各県で一カ所そういう事業をして、そしてよければどんどん各県でもその運動を広げていただきたい、こういうモデル事業を行っております。
#9
○田中(節)政府委員 高齢運転者の関係につきましては、私からお話を申し上げます。
 お話しのように、六十五歳以上のいわゆる高齢者の交通死亡事故が大変ふえてきております。また、高齢者で運転免許を持たれる方も非常にふえてきております。現在、私どもで把握している数字でございますが、六十五歳以上の高齢運転者というのは四百万人ございます。さらに高齢化社会が進みますと、この高齢運転者の数字がふえまして、また高齢運転者の方が事故にかかわるケースというのは非常にふえてくると思います。
 そこで、私どもといたしましては、更新時の講習におきまして、高齢運転者の特別学級を編成いたしまして、高齢運転者の事故の実態あるいは身体的な特性、その変化、そして事故防止のための安全運転知識等を内容といたします教育を行っております。この中で、具体的にその個人個人の視力の綿密な検査あるいは反射の能力といいますかそういうものの診断、さらにはシミュレーターによりますところの危険予知、危険回避等の能力の診断等を行っておりまして、個々の高齢者の運転の特性を踏まえた指導を行っておるところでございます。更新時講習のほかに、適性診断車という車がございますが、これを巡回させて、いろいろな機会をとらえて同様の講習を行っておるところでございます。
 今後とも資機材の整備充実あるいは更新時講習等の内容の充実を図りまして、より効果的な高齢運転者対策のあり方について検討し、対策を進めていくつもりでございます。
#10
○栗原(裕)委員 老人クラブの数字を把握なさってないという答弁でございますけれども、これは各都道府県で大体やっているはずなんですね。ですから、老人クラブに加入するということが国策かどうか私はよくわかりません。いずれにしても、老人クラブに加入していた方が事故に遭う率が少ないのですから、そういったものを数字的に把握なさって、各都道府県で老人クラブ、多分、各自治体なんかも老人クラブに入ってくださいということを呼びかけていると思いますので、そういった意味で、その数字をもとにして老人クラブの宣伝をするということは私は大事だと思いますので、ぜひお考えをいただきたいと思います。これは要望だけで、結構です。
 それからもう一つ。高齢者の方の反射神経、それから視力のテストですね。高齢化社会になって、今六十五歳以上の免許を持っている方が四百万人といいますけれども、これからさらにふえるのです。それで、これは笑い話ですけれども、大変立派な実績を持っていらっしゃって、業績を上げられて勲章とか叙勲の対象になるという方が、自分で車を運転したためにちょっとした事故を起こしてパアというのが結構あるのですよ。結構というか、そういう叙勲の対象になる方はそんなに大勢いらっしゃいませんからあれですけれども、そういう意味でも、更新時に例えば視力とか反射神経とかいったものは、あなたの点数では例えば五十歳のときを百とすると何点ですよとか、それによって免許の更新を認めないとなると大変人権問題でございますが、そういったものを少なくとも出す、イエローカードみたいなものです。そういったことも工夫なさったらどうかと思いますが、いかがでございましょうか。
#11
○田中(節)政府委員 委員御指摘の更新時講習の具体的な内容でございますけれども、先ほどお話を申し上げましたとおり、反射神経あるいは動態視力と申しますか、物が動くのをどうやって見るかという視力でございますが、そういうものにつきましても現実に具体的にやっております。
 ただ、今委員御指摘のように、本当に若いときとどうだ、自分の力がどれくらいになっているかというような状態を教えて、それに合った運転をしていただくというような御意見でございました。大変御示唆に富んだ意見でございますので、参考にさせていただきたいと存じます。
#12
○栗原(裕)委員 もう一つ、夜間の死亡者が大変ふえているのです。ライフスタイルが夜型になりまして夜間車で出歩く方が多い、当然そうなると思うのです。もう一回静岡県の例を出させていただいて恐縮でございますが、居眠り運転をする。どうしても夜疲れている、過労で疲れている、居眠りをしてしまうというときに、白線に、センターライン等にでこぼこを打ちまして、これが非常に効果があるということを聞いているのです。そういうことも含めて、夜間の交通事故の防止対策というのはどういうことをなさっていらっしゃいますか。
#13
○田中(節)政府委員 お答えいたします。
 夜間の交通事故でございますが、御指摘のように国民生活がいわゆる二十四時間化ということになりまして、平成五年中、昨年中の全死亡事故の五六・六%が夜間事故でございます。そこで、夜間事故の防止ということは大変大きな課題でございますので、夜間体制の強化によります街頭活動の強化あるいは広報啓発活動、さらには交通安全教育の強化に努めております。
 今委員御指摘の交通安全施設の整備でございますけれども、交差点につきましては、特に自発光、ダイオードなどを使いまして交差点の中心を明示するようなびょうをつくるとか、あるいは高輝度といいまして非常に明るい道路標示を使う、さらには道路標示の幅を広くする、また車線分離につきましてはチャッターバーをつけまして、いろいろな工夫をしております。
 それで今お話しのように、音と振動によりまして運転者にどういう状態にあるかというような注意を促す、こういう標示も活用しておるところでございます。夜間事故防止対策につきましては、特に道路標示等につきましては、道路管理者等とも連携をしながら強力な対策を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#14
○栗原(裕)委員 以上、シートベルトあるいは若者の事故、高齢者、そして夜間の死亡、典型的な例をお伺いしたわけでございます。
 何回も私どもの県の話を出して大変恐縮でございましたけれども、恐らくこの対策については、もちろん国も一生懸命なさっておりますけれども、各地方自治体もそれぞれのアイデアを出し合って工夫していると思うのですね。こういった工夫を、お互いにいいものがあると思うのでそういうものを情報交換をして、この県では例えばこういうことをやった、確かにその県の特色がある、その県の地域性もあるかもしれませんけれども、全国的に見てもこれは大変いい、言ってみればアイデア賞だ、効果があるといったものもあると思うのです。そういったものをまず把握なさっているかどうか。どういういい例が今まであったかということを把握なさっているかどうか。あるとすれば、どういうものがあったかということをちょっとお話ししていただいて、あわせて、各地方自治体が出したいわゆるアイデア賞ものの非常に効果のあるアイデアを、全国のネットの中でどういうふうに情報交換していってお互いに生かしていくか、そういうシステムになっているかどうか、そのことをお尋ねしたいと思います。
#15
○根本政府委員 基本的には交通安全対策、各県あるいは市町村がそれぞれ地域の実態に合わせていろいろな施策をとっております。確かに、市町村段階までいきますと人数が少ないものですから、すべてにわたっていろいろな施策をとることができないということで、一つの県で、あるいは市町村で一つだけはいいものをやってください、そして私ども、実はそういう交通安全関係の課長会議を毎年やっておりますけれども、その中でいいものをぜひほかに紹介してくれということで、大体毎回十五件ぐらい紹介させて、ほかの県にこういういいことをやっている、まねをしてくれ、それから、ここはちょっとうまくいかなかったので今度工夫したい、こういういろいろなことをやっています。
 それは交通安全にかかわっている部分、あるいはさっき交通局長もお答えしましたけれども、いろいろな規制の表示とか信号機の置き方、それから地域によっても建設にもかかわるわけですけれども、曲がりくねった道路で、車が夜入ってきたらその反対側の方がついて、向こうから反対車線を入ってくるよ、こういうことがわかるような設備とかいろいろな工夫をしております。そういうものをさらに御指摘のように広範に情報交換し合って、いいものを取り入れてよりよいものにしていきたい、こういうふうに考えております。
#16
○栗原(裕)委員 交通安全課長会議というんですね、交通安全関係の。こういうものは私ども伺ってみないとわからないのです。ですから、そういったものを広く一般の国民の皆さんにもわかっていただくような広報活動というものもぜひもっとしていただきたいと思いますし、そのこともお願いを申し上げておきます。
 それから、今までの御答弁の中で、参加型、実践型といいますか、そういった交通安全教育をする、これは所信表明にもそういうことが書いてありますね。それから体験をする、そういった交通安全教育をやっていくということでございますが、これは運転者あるいは歩行者と自転車、走行車といったものと分かれると思うのですが、具体的に今現在進めていらっしゃることはどういうことをなさっているか、そのことを伺いたいと思います。
#17
○根本政府委員 総務庁において、今御指摘の参加型、実践型、これを主として進めておりますのは、高齢者を対象に特に歩行者、特に夜、実際歩いている方が多くて、三割ぐらいが夜の事故になっているようです。
 そういうことで、車の側からは、あの明かりで見えると老人の方は思っているわけですが、実際には余りよく見えていない。それを車に乗せて見てもらう、そうすると、私はこんなに見えないのだということをわかっていただく。先ほど申し上げましたように、こういうものを広く各県で最低一つはやっていただく、さらにそれを各県の責任においてふやしていただく、こういう事業をやっております。
 さらに、夜間の歩行者だけでなくて、歩くとき、先ほど申し上げましたけれども、飛び出したらこれはもうとまれないのだというようなこと、それから自転車とか自動車についてもさらに拡大しよう、こういうことで今努力しております。
 それからもう一つは、まだ、モデル事業になっておりますけれども、各県まで至っておりませんが、若者に対して、特にドライバーとして気をつけなければいけないということを、例えば急ブレーキというのはなかなか踏めませんし、踏んでも摩擦係数によってはすぐスピンしてしまって事故を起こす。それから、あるインストラクターが話した中で、百キロで走っていたときに急ブレーキを踏むまでにどれくらいかかるかといったら、ちょっと遅い人だと一秒かかる。そうすると、その一秒間にどれだけ走るかというと、二十七メートルも走ってしまう、そういうことが現実にはわかっていないわけです。現実にブレーキを踏んだり、それから雨の中でブレーキを踏んでみるとどれくらいかかるとかいうふうな実践型のものを取り入れて、部分的に拡大しよう、こういうことで今努力しています。
 ただ、この実践型、参加型というのは、手数のかかる割に対象の人員が大変少ないので、これをどういうふうに広げていくか、それから場所の問題が確かに難しい問題もあるようです。こういうことも、研究会を私どもの方でして、さらに拡大できる方法がないか今模索している、こういうことでございます。
#18
○栗原(裕)委員 今伺いますと、例えばお年寄りの方に車に乗っていただいたり、飛び出しした場合とか、あるいは若年層のドライバーに急ブレーキをかけるとか、そういうことなのですね。
 全国に交通公園と称するものは百八十六カ所あるというふうに伺っておりますし、それから山口県には交通安全学習館というのが最近オープンして、大変好評だということを伺っておるのです。百八十六カ所あるこの交通公園、これはどういうことをなさっているのか、それと、その山口県の交通安全学習館について、ちょっと説明していただければ参考までにありがたいのですが、いかが
でしょうか。
#19
○黒川政府委員 交通公園は、今先生御指摘のとおり、現在全国で百八十六カ所整備されておりますけれども、これは、交通公園によりまして、児童の方々に健全な遊戯とあわせまして、交通知識、交通道徳を体得させることを目的としたものでございます。交通公園には園路、広場のほか、交通標識とか交通信号、踏切の施設等を設けまして、児童の方がミニカーとか自転車等を使用しながら、交通安全に必要な知識を学ぶことができるような施設の整備を実施しているところでございます。
 御指摘のように、実践型、体験型の交通安全教育を行う観点から、子供の方からお年寄りまで幅広い年齢層の利用者が楽しく学び、また遊べるような交通公園の整備は極めて重要でございます。今後ともその整備を推進してまいりたいと思います。
#20
○田中(節)政府委員 山口県の交通安全学習館について、御説明いたします。
 これは警察の施設でございますが、いわゆる運転免許試験場とは違いますけれども、そこに総合的ないろいろなものを学べる施設を一堂に集めたものでございまして、そこで体験型のいろいろな実験ができる。具体的には自転車あるいは高速教習、すべての年齢層、子供さんに至るまでいろいろな学習ができるということでございまして、目下、県民の皆様方からも大変好評を得ているところでございます。
#21
○栗原(裕)委員 私も山口県の交通安全学習館はぜひ見てみたいと思っているのです。
 今の交通公園に関連いたしまして、今の実態の交通公園、確かに道路標識を並べたり、安全教育を子供さんたちに教えるというのは結構です。結構ですけれども、先ほどスペースの問題等があるというお話もございましたが、こういったものをうまく利用して、参加型、実践型あるいは体験型の公園としてもっと充実していったらどうかと私は思っているのですね。
 つまり、これから交通事故を減らすためには体験型、参加型、実践型のものが必要なのです。そのためにはいろいろな施設が要る。特に今日本ではいろいろないわゆるテクノロジーが発達しておりまして、バーチャルリアリティーとか、バーチャルリアリティーは高いでしょうけれども、あるいは乗り物にしても、子供さんたちがやるゲームにしましても大変体験できるものがあるのです。そういう体験をできる、リアリティーが強ければ強いほど皆さんは喜ぶのですね。
 公園というのは、確かに今御説明になったように、子供からお年寄りまでということですから、今高齢者の事故がどんどんふえているのですから、そういったものを生かして、これは多少金がかかると思うのです。金がかかっても、今の子供さんたちはお金を払ってでも行くと思うのですね。だから、お年寄りがお孫さんを連れて行けるような施設、そしてそこで実際に交通事故のシミュレーションあるいは交通事故の体験、体験というと、現実に体験しては大変ですけれども、いわゆる仮想の体験、そういうものを工夫なさってはいかがかなと思うのです。そのためには、各省庁がいろいろ知恵を出し合ってやっていかれるということが大事だと思うのでございます。
 ここは、ひとつ大臣に御答弁いただきましょうか。いかがでございましょうか。
#22
○二見国務大臣 私も、この問題は、いろいろみずから体験し、実践する中で養われていくといいますかわかっていくものだというふうに思います。ペーパーじゃ、わかりませんね。私も自分で車を運転しますから、よくわかります。そういう施設ができることが大変望ましいことだというふうに思っております。
#23
○森本国務大臣 先生がいろいろと体験的なものを通じて交通安全を学ぼうというふうにおっしゃっていることは、私も非常に同感でございます。
 私の家の近くに交通公園がございまして、隣の町にあるわけでございますが、私の時々そこへ行くことがございます。子供たちが自然の中で学んでいるというのは非常にいいことだと思っております。実際、なかなか踏切を通ったりするわけにはいかないわけですけれども、自然に学ぶというのは大事なことだと思っております。
#24
○栗原(裕)委員 望ましいという御答弁でございますから、各省庁、積極的に連絡をとり合ってぜひやっていただきたい、こう思います。
 時間も残り少なくなりましたので、最後に、財団法人交通事故総合分析センター、一昨年スタートしていらっしゃるのですけれども、この分析センターは今までどういう実績を上げられたか、そして今後どういうことをしていくのかということについて、伺いたいと思います。
 というのは、いただきましたパンフレットパンフレットには一九七〇年を一〇〇としますと、例えばアメリカは死亡者の推移で一〇〇から八九・五、日本は六六・一なんかに減っているのですが、西ドイツでは四二・八に減っているんですね。これは西ドイツの例を倣ってこういうものをつくった、こういうふうに伺っているのですが、その辺もあわせて答弁をいただければと思います。
#25
○田中(節)政府委員 お答えいたします。
 委員御指摘の交通事故総合分析センターにつきましては、今お話しのように、西ドイツ等が交通事故を半減させたというようないろいろなレポートもございまして、当委員会におきましてもいろいろ御議論を賜りました。その結果、警察庁、運輸省及び建設省所管の財団法人として平成四年三月に設立されたものでございます。
 現在、主な事業としてはマクロ分析、全体としての分析、運輸省の登録データあるいは建設省の道路交通センサス、そして私どもの交通事故統計を総合いたしまして分析する。さらにミクロ調査と申しまして、一定地域の個別の交通事故につきましてそれを詳細に分析するというようなことをやっております。この結果の活用でございますけれども、一つ申し上げますと、本年三月に道路運送車両の保安基準が改正になりました。その改正の中で後部反射器の装置の義務づけ、その対象車種を拡大した、その際にも基礎資料として使われております。建設省の行う事故多発下におきます交通安全対策にも活用されておりまして、今後いろいろな意味で交通安全対策、調査研究に活用されていくと思います。
 私どもといたしましても、今後広くいろいろな、各界におきます交通安全対策の立案に、実施に活用していただきますよう指導してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#26
○栗原(裕)委員 終わります。
 私は静岡県出身の栗原でございますので、お茶どころですからさらっとしていますけれども、今度の栗原は米どころでございますので、少し粘っこい質問をしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
#27
○山田委員長 栗原博久君。
#28
○栗原(博)委員 私は過積載の件についてお尋ねしたいと思うのです。
 交通事故は、当然これは不慮の、だれも好んで事故をする人はないと思うので、やはり運転者の不注意というものが大きな原因でありますし、あるいはまた一方的な相手の瑕疵によって事故に遭うということでありますが、我が国は今一年間に一万人台の死亡が事故によって続いているということで、昭和四十五年、第一次交通戦争ですか、そのころの一万六千人のピークから徐々に下がってまいりましたが、また五十四年ごろちょっと上がりまして、また最近下がってまいった。
 こういうことについて、やはり国の関係省庁の皆さんが特段の御努力をされた結果だと思っております。道路の環境が整備をされたことでありましょうし、また自動車の構造そのものも安全の方に向いてきたと思います。あるいはまた、事故に遭いましても脳外科等の医療的な措置がよくなっているし、それに伴って救急救命の体制も整備されたということであると思うのですが、やはり警察の皆さんの、危険なドライバー排除の並み並みならぬ御努力もあろうと思います。当然、各警察あるいはまた交通安全協会等においては、ドライバーの模範的な意識向上ということ、シートベルト等の着用によってそういうふうになったと思うのでございますが、やはり人間は何としても、違反を起こさないようにしましても起こす。免許者は何か六千四百万人いるらしいのですが、おおむねのデータだと一年間に約一千百万件ある。一年間に大体六人に一人が警察のお世話になっているということであると思うのです。
 その中で、特に大型ダンプカーあるいはまた過積載の事故が目立つということで、その事故の原因というのは何があるかと、特に貨物の場合をお聞きしますと、わき見運転の事故が二万八千九百件あった。それは全事故の一三%だそうです。あるいはまた、安全不確認が約二万三千台である。そのほか、その後に動静不注意とかあるいはまた一時不停止というようなことで事故が起きている。貨物の場合は、過重のためが直接の原因ではないけれども、それの相乗的な効果でやはり事故が大きくなると思うのです。そういうことでことしの五月十日ですか、道路交通法あるいはまた施行令、規則等が改正されまして、大変運転をしている人にとっては厳しいといいましょうか、大変おっかなびっくりに運転しているということでございます。
 貨物等は我が国の経済を支えております、物流を支えております。しかしながら、そうであるから法を無視していいというような論拠はないわけであります。しかし、余りにも社会的な反響が大きい。きょうも我が党に対しまして各業界からの要望等があって、もう走れば走るほど赤字だというようなことであります。そういうことについて、これは社会的な問題をはらんでおりますが、今、この過積載の事故の現状はどのようなふうになっているか、把握されていましたらそれをお聞きしたいと思いますし、この法律が施行されましてからどのような効果が出ているかということを、お聞かせいただきたいと思うのでございます。
#29
○田中(節)政府委員 お答えします。
 過積載による事故の現状でございますけれども、御指摘のとおり、過積載をいたしますとブレーキの制動距離が著しく長くなる、あるいは重心が高くなりましてバランスを崩しやすくなるということで、交通事故に結びつくさまざまな要因を持っております。一たんこういうような車両が事故を起こしますと、大変大きな事故につながるということがございます。
 もう委員御承知と存じますけれども、数年間の過積載車両による重大事故といたしましては、平成三年六月に静岡で死者八名を出す事故がございましたし、また平成四年には成田線の踏切におきまして死者一名、重軽傷六十五名を出す事故もございました。昨年の五月には東京都で、首都高速道路でロールペーパー落下によります死者四名というような大変大きな事故を出したところでございます。
 このような重大事故が発生しているということにかんがみまして、昨年五月に全会一致で道交法の改正を見たところでございますけれども、その後の本年五月十日からの取り締まりの状況でございますけれども、これは私どもで五月十日から一カ月間まとめた数字でございますが、過積載で取り締まっている件数が五千十二件ございます。ちなみに、昨年一年間の一カ月平均が七千六百三十四件でございますので、取り締まりの件数は約六五%ぐらいに落ちております。違反の内容を見てみますと、十割以上、すなわち倍以上積んでおるものが、ことしの一カ月間を見ますと一四%、昨年の一年間の一カ月平均を見ますと二九・八%ということでございまして、件数あるいは悪質なもの、両方とも下がってきているということでございますので、道交法の改正の効果は相当に顕著なものがあるというふうに思っております。
 具体的に言いますと、栃木県等はいわゆる骨材輸送が非常に頻繁な県でございますが、実態を調査いたしましたところ、差し枠をつけている車あるいは深ダンプの改造車がほとんどないというようなことでございまして、改正の所期の目的が達成されつつある、もう少し様子を見てまいりたい、こういうような状況でございます。
#30
○栗原(博)委員 七千六百が約五千百に落ちたということは、やはり皆さん注意されているからそうなったと思うのですが、その注意の効果として、いかなる経済的なマイナスの効果が起きているかということも御認識していただきたい。十トン車が二十トン積んだという超過重じゃなくて、わずかの差で精神的な圧迫を受けまして、荷主の方、運送業の方あるいはまた運転手の方、大変困り抜いている。
 私は皆さんに、決して取り締まりを勘弁してくれというようなことを言っているわけじゃないのです。ただ問題は、こういう問題についてやはりもっと深い対応があってしかるべきじゃなかろうか。きょうも私は実は、今新潟から走ってまいりまして、ヒアリングですか、我が党の過積問題に対する業界のものには、実は出席できなかったのでございますが、全国木材組合連合会を初めとする九団体が切々と話をしておったそうであります。
 それで、今回の改正で、反則切符だけでなくて今度交通切符を切るということでありますし、あるいはまた車の使用者に対しては、交通法の五十八条の三の指示によって、これに対応しない場合は七十五条の二項の車両の使用の制限までやる。あるいはまた荷主に対しましては、同法五十八条の五の第一項の、あるいはまた第二項を行使して検挙の措置までするということになりますから、もう震え上がるのは当然であります。だから、今のように実は数字が低くなっていると思うのでございます。
 それで、きょうは総務庁、運輸大臣、森本建設大臣もお越しのようでございますし、あるいはまた警察庁の城内長官もおられるようですが、我が国の経済を支える、特にはっきり申しますと、青ナンバーの人はもう力の弱い人も多いのです、中小の方々が。大手の佐川急便とか、ああいう大きなのは何とかほかのいろいろな対応ができるかもわからぬ。しかしながら、弱小の、佐川急便に乗っ取られる寸前のような、そういうのがまだ全国に、あちこちに実は生き延びているわけであります。あるいはまた、白ナンバーというと大変恐縮でありますが、ダンプですね、こういう方が、建設省の藤川道路局長おられますが、やはり発注単価に比べて余りにも低い額で受注している。
 要するに、我が国の一番底辺を支えているダンプの方々、こういう方がおられるのですが、こういう方に対して、規制はよろしい、しかし、どのように皆さんがまずお考えであるかということをひとつお聞きしたいのでございますが、運輸大臣、どのようにお考えでございますか。
#31
○二見国務大臣 五月十日に改正道路法ですか、それで過積載に対する取り締まりも厳しくなりました。当然それに対していろいろな反響が出ていることは私も承知をしておりますし、代議士をやりますと、必ずこの問題は相談を持ち込まれる話ですね。私は、過積載というのはやはりやってはいけない、交通事故を防ぐとか、安全性の立場から考えて過積載だけは厳しく見ていかなければならないというふうに考えております。
 ただ、過積載を厳しくしたからそれでこの問題は解決するかというと、そんなものではありません。おっしゃるように、荷主とトラック業者との力関係もありますね。さらに、運転者の力関係がありますね。そのバックにある問題も本来なら解決しなければ、本当の意味での解決にはならないだろう。過積載をただ取り締まるだけですべてが円満に終わるというような単純なものではない、背景にある経済状態やら力関係も十分見きわめなければならない大事な問題があるというふうには思っております。
 ただし、過積載は運輸省としては厳重に守ってもらいたい、そういう立場でございます。
#32
○栗原(博)委員 森本大臣、建設省といたしましていかがでございますか。
#33
○森本国務大臣 過積載の取り締まりにつきましては、これは一つは交通安全対策上極めて重要なことでありますと同時に、道路構造の保全という面から考えてみても、極めて重要なことであると我々は思っておるところでございます。
 今度の改正道交法に基づきまして、建設省として、一つは、業界団体を通じてそういった建設業の皆さんに御理解をいただき、また御協力をいただくように指導しているところでございますし、また、そういった違反が多く見つかり、背後関係が経営者にあるということであれば、建築業法に基づく指導等々をするようにしております。
 ただ、先ほど先生がおっしゃいましたように、それでは業界をいじめるだけではないかという点でございますが、公共工事に関しては、建設省としてはまずその出入り口に、当然チェックをするようにしております、過積であるかどうかということ。それからもう一つは、骨材の価格が変動いたします。そうすると、すぐに公共工事の発注価格という問題に、積算に影響してくるわけでございまして、すぐ変動できるように対応しておりまして、その公共工事に対して、骨材が安くなったからたくさん積むということを避けていきたい、このように私たちは考え、それを地方建設局にも指導し、また地方公共団体にも御協力を賜るようにしておるところでございます。
#34
○栗原(博)委員 警察庁長官おられますが、取り締まりの立場、別に取り締まるのが皆さんのお仕事じゃないと思うので、やはり健全な業界というものもお考えと思うのですが、どのようにお考えでございますか。
#35
○石井(紘)政府委員 栗原委員の御心配のとおりでございまして、やはり過積載を取り締まるということは、これは極めて重要な課題でございますと同時に、その背後にあるさまざまな経済的その他の諸問題につきましても、大いに配慮をしていかなければならないということであろうというふうに思います。
#36
○栗原(博)委員 警察庁長官、おられるのですね。長官からひとつ、私今勘違いして、総務庁でしたが、警察庁長官にお聞きしたのです。
#37
○城内政府委員 お答えいたします。
 私どもは、交通の安全と円滑を守る、そのために仕事をするのが使命でございます。先ほど田中交通局長から御説明いたしましたように、過積載車両というものが重大な交通事故に結びつくいろいろな要因を持っているということでございます。私どもは、やはり公平に悪質、危険なものに対して重点的に取り締まろう、このことを徹底してまいりたいと思います。
#38
○栗原(博)委員 長官にひとつ要望でございますが、悪質な、二倍の過重のものとか、あるいはまた車両構造物を大変大きく変更しているとか、そういうものについては当然でございますが、法の遵守の範囲内でぜひ健全な運輸行政ができるように、高い次元で御指導いただきたいと思います。
 それから、今二見運輸大臣が、バックにあるものという、漠然としたものでございますが、これはだれでも言えることでありまして、やはりあなたたちは運輸行政を預かっている最高責任者ですから、例えば皆さんは一昨年ですか、貨物自動車運送事業法というものを改正されて、「輸送の安全」ということで第十七条に、今回のこの取り締まりの前で、事業主とか荷主とかそういう者は安全な対応をしようということで、わざわざ皆さん法律を改正していらっしゃるのだから、これを運輸行政の中でぴちっとやっていけば、警察庁まで厳しい対応をしなくてもできたのではなかろうかと私は思うのですよ。法律を改正するだけでその後の面倒を見ないような法律だったら、私はつくる必要ないと思うのでありまして、そういうことをぜひ運輸担当のあなた様に御要望したいと思います。
 ただいま森本大臣からも、道路の構造の保全上、確かに、二十トンの車を二十五トンにしていただきたいということで、今回も、確かに軽油引取税のときにこれを認めたようなこともございましたが、しかし、橋梁等の構造がまだ整っていないということで、なかなか難しいことは承知しております。
 それで、この前皆さんは、この法律が出る前に、平成六年四月八日に総務庁長官官房交通安全対策室長以下、警察庁の局長、運輸省の各局長、全員がこの中の対応についてお書きになって、特に運輸省側は、一点でございますが、公共事業等につきまして、「建設発生土の処理及び骨材の購入等に当たって、下請事業者及び骨材納入業者の利益を不当に害することのないようにすること。」こう明記されておるのですが、これはどのような対応をされておるのですか。
#39
○越智政府委員 お答え申し上げます。
 過積載の防止に関連いたしまして、私ども、もちろん荷主それからいわゆる……
#40
○栗原(博)委員 私は今、建設大臣にお聞きしたのであって……
#41
○越智政府委員 運輸大臣ですか。運輸省と言われたから。
#42
○栗原(博)委員 私は建設省にと言ったでしょう。私は森本建設大臣にお聞きしたのです。
#43
○藤川政府委員 確かに、今回の道交法の施行に伴いまして取り締まりが厳しくなったところでございます。私どもといたしましても、公共工事の発注に当たりましては、取引の実例価格というのを、積算にやはり的確に反映していこうというようなことで努力しているところでございます。
 この資材等の取引の実例価格につきましては、中立的な物価調査機関に調査していただいておりまして、毎月一回というようなことで取引の実例を調査して把握しているところでございます。今回、こういう道交法の施行に伴って価格の大きな変動が予想されますので、私どもとしても、さらに頻度を高めまして機動的な調査を実施しておりまして、その調査結果をこの積算に的確に反映するということに努めているところでございます。
 例えば東京ですと、現在は月二回この調査をやっておりまして、具体的には最盛期の価格等がかなり上昇しているようでございますが、それをやはり発注の積算価格に反映させていただいております。
#44
○栗原(博)委員 私、余り頭がよくないので今の答弁ではわからないのですが、要するに、このように過重積載、今までダンプカーが実は十トンのところを十二、三トン積んでいたと思うのですよ。これが減ってまいりますと、やはり車が一日に走る回数が多くなってくる。大変油代も高くなっておりますし、ぜひひとつ、この一番末端のダンプ業者等について適切な利益配分がなされるように、問題は、文句を言っているのは金についてですから、その配分をなされるように指導をしていただきたいと思うのであります。
 せっかくでありますので、きょう私は朝四時に新潟の自宅を出まして、二時間かかって、朝日村という山形県と新潟県の県境なのですが、その高根の部落に参りました。そこに参りましたら、木材のチップでございまして、今チップ材が安くなりまして、国内チップは採算に合わないのです。しかし、合わないけれども、万が一ということで、製紙業者は二割ぐらいは国内産のチップを使っているのですね。使っていますが、距離が遠いと要するに採算が合わぬと。今、チップは新潟の港にもう製紙になって来るチップの値段と、例えば高根というところがあるのですが、そこの部落で現場から丸太を切った値段が同じなのですね。ところが、丸太を切ったのをカットして、地元でチップにして新潟に持っていくと、もうべらぼうに値段が高くなるということで、一万円ぐらいの差があるということなのです。
 ですから、彼らが、今厳しくなりましたものですから、やはり遠いところのチップは新潟まで持ってくるともう合わない。距離が七十キロぐらいまでのところだったら何とか採算が合う。それも夜運ばなければならない、夜の十一時ごろ。私は、朝四時に出て六時ごろ着く。普通二時間で行けるのですよ、朝走らせますからね。だから、建設業者の方々が夜中に高根から新潟に毎日通っておる。その人たちは、積載が厳しいというか、まあ飯を食うためだからいたし方ない。夜中十一時ごろ行って、二時か三時に製紙工場の前で待って、朝げ八時ごろまで待っている。それで帰ってくるのですね。大変厳しい労働条件に置かれておる。それでもまだ新潟は近いからいいけれども、小国町とかあるいは山形の鶴岡へ行くともう採算がいませんから、みんなチップ工場も閉鎖しているわけですよ。
 こういうとき、今こういう過積載の中でほんのわずかでもオーバーしますと、荷主、そしてまた事業主、運転手というものが、高根の遠山孝一さんという方なのですが、三十人使っている、飯が食べられないといって、今ほかに転業するということで困惑して、私はきょう朝呼ばれて行ったわけであります。こういう状況があることをひとつ御理解いただきたいと思うのであります。
 それで、質問しても皆さん別に明確な回答は恐らく来ないと思いますので、現状だけひとつお話しさせていただきます。
 五月十日より道路交通法が改正され、過積載が強化されました。当社としても安全運行を考えますと当然の事と思います。むしろ荷主への罰則をより強化し、たとえ荷主が、関知せず不法な過積載が行われたときは、その荷主の代表責任者をより強く罰しなければなりません。こういうことを運送業者から、実は私がきょう質問すると言いましたら、選挙区からファクスが百十枚来ました。その中から私、今ちょっと参考になるものを申し上げるのです。
 例えばダンプのことにつきましては、
 車長が短いので、実質的には、大型車で、九千二百五十キロ程度の積載重量しか取れません。したがって、取締りに検挙される車両の大半が、ダンプです。先般近辺で警察の取り締まりの時、多くのダンプが仕事をできず、山の採土場で待機しておりました。
こういうことで、収入が落ちまして、一日何回も走らなければならないということで、奥さんも心配しているような業者もおるわけであります。
 あるいはまた、たくさん来ておるものですから、例えば、余り強化され過ぎて、荷主と切符との、切符というのは交通切符だと思うのですが、切符との板挟みで倒産しそうです、こういうことで切実にいろいろ書いておる方もおられます。
 これはコンクリの製造の会社でございますが、従来三十トントレーラーで十五・八六トンの製品を二本積んで運行しておりました。このとき過積載率はわずか五%でした。これが、やはり対象となるということで、これを二度に分けて走らせますと、従来より人件費が五五%から六五%に上昇してしまう。それによって売上高の運賃比率が一五から二〇%まで上昇して経営を圧迫している。そして、昼夜の運転労働で勤務条件が厳しくなりまして、交通事故が逆に多発する。要するに、運行回数をふやすために多発するというような訴えもあるわけであります。
 大変たくさんございますので申し述べることはできませんが、ただ私がお願いしたいことは、運送業というのは常にやはり底辺の方が多いと思うのですよ。やはり値段が安くなれば一番そこにしわ寄せが来る。確かに大きな事故があったということでありまして、取り締まりをするのは当然です。国民の生命財産を守るのは当然でありますが、しかしながら、それ以前の問題として、各省庁で、例えば先ほど総務庁の方のお話もありました、あるいは運輸大臣の方からも漠然とした御回答がありましたけれども、やはり国民の一部の不利益を伴う以上は、それに対して対応をちゃんとしていただきたかった。
 しかし、まだ遅くありません。我が国は産業が空洞化しております。空洞化しておりますゆえに、今後、なおさらこういう重量物を運ぶような一番底辺の方々を持ち上げるというのが、私は連立政権の一番の課題だと思うのでありまして、我々自由民主党も大いにその点は応援するはずでありますから、どうかひとつ御対応いただきますようにお願いします。
 最後に、ひとつ運輸大臣から御所見をいただきまして終わりこします。
#45
○二見国務大臣 確かに過積載で運転手だけが罰則を受ける、あるいはトラック業者もやられるだけでは解決しないわけでございまして、今度の改正では荷主にも罰則を新設したところでありますが、それだけですべて円満解決するかというと、そういうものではない。私は、運送業者というのはやはり経済の一番底辺でもって頑張っていられるだろう、場合によると全部そこにしわ寄せがいく、景気が悪くなればみんなそこへしわ寄せがいく、そういう立場で頑張っていらっしゃる実情、よくわかります。二十トンじゃだめなので三十トン積んで生活するんだという実情、私もよく知っております。よく知っておりますけれども、我々、やはり過積載だけはきちんと防止しなければならないという立場でございますし、と同時に、そういうところにしわ寄せがいかないような対策は、各省と知恵を出し合って立てなければならない大事な問題だというふうに思っております。
#46
○栗原(博)委員 ありがとうございました。ぜひひとつ御期待申します。
#47
○山田委員長 遠藤登君。
#48
○遠藤(登)委員 二、三について質問をさせていただきます。
 まず、過日発生しました中華航空機の事故、それによって大変な犠牲となられた方々に対して、やはりお悔やみを申し上げながらお見舞いを申し上げなければなるまいと思っております。
 運輸省当局もすぐ対応されて、事故調査委員会等を設置されて、いろいろな分野から科学的にその原因究明が今日なお行われているという状況にあると思うのでありますが、その進捗状況はどういう状況なのか。
#49
○木村説明員 航空事故調査委員会におきましては、事故発生後、鋭意調査を実施してまいりましたが、五月十日に経過報告を行いまして、進入時に操縦及び自動操縦装置の動きが適正に行われなくなり墜落するに至ったというのが、一つの考え方として存在すると発表したところであります。
 現在は、人為的な面、機材的な面、いずれともまだ特定できる状況ではございません。今後さらに機体、エンジン、搭載機器、操縦室用音声記録装置、飛行記録装置の記録、関係者の口述等の詳細調査、解析を行っていくこととしております。
 事故原因の究明は、あらゆる可能性を順番につぶしていくということになっておりますので、結論に至りますまでは、過去の例から見ましても、相当の日時を要するというふうに考えているところでございます。
#50
○遠藤(登)委員 これは非常に広範にわたるという調査内容だと思いますが、しかも正確を期するためには相当な時間を要するというふうにも思うのでありますが、いわばそれは補償とのかかわりなどもあるのかどうか、早く精力的にこの正確な原因究明に対処されるべきではないかというふうに思います。
 それで、大体目安といっても調査の目安などは立てられないとは思うのでありますが、あるいは具体的な分野でまだ究明のポイントがこの辺にあるなんということが、明確に調査の目的が立てられていないのか。あるいは、同じ自動装置の機種を運航している会社もおるわけでありますが、国際的な対応にしても、国内的な対応にしても、その事故対策についてどのような手だてをされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#51
○土坂政府委員 事故原因がまだ特定されておりませんが、先ほど事故調から御報告がありましたように、五月十日に経過報告が出た、その中で、操作上の一つの可能性、シナリオというものが示されたわけでございます。これが、今仰せになりましたように、その事故機の自動操縦装置というものの特性と深くかかわったシナリオであったということでございまして、これを受けまして、航空局では、事故機と同型機を使っておる日本エアシステムという会社がございますが、その会社に対しまして、この際、自動操縦装置の操作手順について改めて社内に徹底を図るようにというような内容の指導をいたしております。
 また、事故を起こしました中華航空に対しましては、これはやはり台湾当局に一定のルートがございますので、このルートを通じまして、日本政府として日本エアシステムに対してこういう指導をいたしておりますということを御連絡すると同時に、台湾当局におかれまして、中華航空に対し適切な安全対策の御指導をお願いしたいということを申し上げた、こういう経緯でございます。
#52
○遠藤(登)委員 それから、補償の問題ですね。それは中華航空の会社の方の主な問題だとは思いますが、話によりますと、一千六百万何がしという話もお聞きするのであります。これは、航空国際化の時代の中で、それぞれ各種保険制度もあるわけでありますが、一定の基準、大体それは競争なり各会社間によって、また国際的にも違う、あるいは価値観も何か相違があるというものもあるのだと思いますが、方向としては、国際的な協約の中で、もしもそういう事故の場合には一定の補償の基準というものを明確にしていくという努力も必要なのではないか、こういうふうに思います。補償の関係、ちょっと時間がないのでありますが、その点は中華航空の関係だと思いますが、まあそれぞれ各種保険も個人的には加入しているという部分もあると思いますが、運輸省としても十分な対応をお願いしたいというふうに思います。
 次に、十五分ということでありますから、十五分になってしまいますが、地方の中小の鉄道関係であります。
 国鉄が民営化になって約八年を経過した。民営の事業体であるJRそのものとのかかわりの中で、いわば第三セクター的なもので全国的には約三十五、三十六路線が運行されている。五年間の国の補助経過も終わって、中には相当自助努力もされたりして、それぞれの総合的な立場で健全な経営をやっているという路線も数ある状況をお聞きしておりますが、大半は財政的に、経営的には大変な問題がある。それは、合理化とか、やはり経営のリストラ関係は当然求められるわけでありますから、それがその信楽の、それは評価はいろいろあると思いますが、大きな事故あるいはもう中小の事故につながる部分がある、安全の面で大変な問題がある、あるいは地方の足を確保するためにも大変な問題がある。自助努力ではどうにもならないという部分もあるのでありますが、これに対して支援をする、特に安全対策の分野についてはもっと強力な支援措置を講ずる必要があるのではないか、こういうふうに思いますが、どんな対応方針に立っていらっしゃるか。
#53
○秦野政府委員 ただいまお話ございましたように、第三セクターの鉄道は、総じて申しまして非常に厳しい経営状況にあるわけでございます。全体で三十六社ございますけれども、そのうち大体二十九社が欠損を生じているというようなことで、非常に厳しいわけでございます。
 これは、発足の経緯、先生の方からもお話ございましたように、特定地方交通線と言われているものでございまして、本来であれば、鉄道よりもバスの方が輸送機関としては望ましいという性格の路線であったわけでございますけれども、地元の方々の大変な御熱意で鉄道の存続を選択するということでございましたので、国としても五年間の助成措置というものを設けまして、その間に体力をつけていただくということで発足したわけでございます。
 ただ、そう申しましても、大変厳しい状況でございますので、私どもとしましては、欠損補助というような形は五年間ということで打ち切らざるを得ないわけでありますが、ただいま先生お話しのような安全を中心とした施設整備に対しては、国としても積極的に助成をしていくという基本的な考え方に立っております。
 平成四年度から、この第三セクターの鉄道につきましても、新たに近代化補助の対象にいたしまして、特に経営が困難な鉄道事業者が行います安全対策に係ります近代化設備の整備事業につきましては、従来の補助率五分の一を三分の一という形で格上げをいたしました。また、額的にも、平成六年度では前年度五割増し、十八億二千万余の増額を確保するというようなことで、こうした近代化補助の充実を図ることによりまして、中小鉄道としての自立への努力を、公共団体とともども支援してまいりたいというふうに考えております。
#54
○遠藤(登)委員 今の問題、地方線、いわば特定路線とも関連をするという部分がありますが、地方の在来線のいわば高速ネットワーク、特に幹線についての、これは整備幹線の建設促進もさることながら、あわせて、交通的には非常に高速交通化の時代に立ちおくれている地域が相当全国的にもあるわけであります。その在来線、少なくても幹線の高速交通ネットワークを早急につくる必要があるというふうに思うのであります。
 それは、全国的にも相当な要求があるのだと思うのでありますが、それぞれJR事業主体とも重要なかかわりを持つ、あるいは採算性の問題、それぞれの地域の開発の問題、その地域の負担の問題も関連すると思いますが、これをやはりその事業者あるいは運輸省はもちろんでありますが、地元と十分話し合いをして、なるべく早期に、せめて幹線だけでも高速交通のネットワークを確立するというきちっとした計画を立てる必要があるのではないかというふうに思うのであります。これに対する対応などについてお聞かせをいただきたい。
 例えば、時間がありませんから、おかげさまで福島から山形までミニ新幹線百キロ、これは大変御配慮をいただいて、私などもお世話になって、今まで五、六時間もかかるところを早ければ二時間半で東京に来れる、あるいは三時間で来れる。これはほとんど満員列車であります。非常に感謝を申し上げますが、さらにこれを秋田まで何とか、奥羽線の新幹線をあきらめたということになるのか、これは何とかミニ新幹線で結構だから、早く北伸を願いたいという地元の強い要求もあるわけであります。これは、ほとんど県を、秋田県も縦断する幹線であります。そのようなことについても、知事初め地元はもう県民挙げて頑張っているのでありますが、そういう地域は全国に幾つかあるのではないかと思います。こういうものに対する対応などもひとつ決意を込めてお聞かせいただきたいというふうに思うのであります。
#55
○秦野政府委員 ただいま先生お話しのとおり、在来線の高速化、これはもちろん整備新幹線の整備も必要ではございますけれども、特に在来線のネットワークを生かした質の高度化ということは非常に私ども重要だと考えておりまして、平成四年の私どもの運輸政策審議会の答申におきましても、やはり同様の趣旨が述べられておるわけでございます。したがって、今お話しのミニ新幹線あるいは在来線の高速化、いろいろなやり方があると思いますけれども、路線の特性に応じた対応をやっていくべきであろうというふうに考えております。
 ただいまのお話の山形のいわゆるミニ新幹線でございますが、おかげさまで大変評判がよろしくて、私ども大変うれしく思っておるわけであります。この延長につきまして、大変地元からいろいろ強い御要望があることを私ども承知しておりますけれども、やはり路線の整備をするに当たりましては、当然のことでございますが、JR自身に赤字を押しつけると申しますか、その経営の採算性というものを十分考えていかなければならないと思っております。そういう意味で、地元も大変御熱心にいろいろ研究されておられますけれども、ぜひそのあたりも含めて御検討いただいた上で、JRの方とも十分御相談をしていただければというふうに思っておりますし、私どもはそういう気持ちで支援をしていきたいというふうに考えております。
#56
○遠藤(登)委員 特に在来線の問題を含めて、やはり早急に高速交通のネットワークを、少なくとも幹線だけでも進めるように強く要請をして終わりたいと思います。
#57
○山田委員長 今村修君。
    〔委員長退席、江崎委員長代理着席〕
#58
○今村委員 社会党の今村であります。
 私は、鉄道の安全対策について、まず最初にお伺いをしたいと思います。
 その一つは、青函トンネルが完成して、昭和六十三年三月に本州と北海道を結ぶ新しい大動脈が開業したわけであります。この大動脈をつないでいる津軽線という線路について、お伺いをしたいと思っています。
 これは、青森から発車をして海底トンネルに向かって津軽半島の中小国という駅の間までが津軽線という取り扱いになっているわけであります。この区間は大変な軟弱地盤地帯、こう言われているわけであります。しかし、当時工事をした際に、この地盤を固める工事を十分にやっていない、砂利の敷き直しとまくら木やレールの交換だけを中心的にやった、こう言われています。単線の一地方のローカル線を改良し、青函トンネルを通る列車が走ったわけであります。
 言葉をかえて言えば、毛細血管であった地方の一ローカル線に大動脈をつないだ、こんな形になったのであります。開業前、昼の問わずか十六本、夜の間四本しか通っていない、それが開業後、昼の間八十一本、夜間三十四本、合わせて百十五本、今は百二十本を超えていると思いますけれども、六倍もの列車が走る。当時この地方路線は一両か二両だけのディーゼルカーが走っていた。これを何十両もの貨物列車が走る、こういう状況になったわけであります。当然、路線の地盤の沈下という問題が出ました。
 同時に、騒音や振動の公害が発生いたしました。この路線、住宅の軒下を走っているわけであります。こんな線路を大動脈にしたこと自体に間違いがあったのではないか、こんな気がするわけであります。本州と北海道を結ぶ線路は幹線鉄道と位置づけ、大動脈としての整備を当然図るべきだ、こう思うわけでありますが、これについての御見解をお伺いします。
#59
○秦野政府委員 ただいま先生お話しのとおり、津軽線は昭和五十七年に津軽海峡線の工事実施計画が変更されまして、それに合わせまして、青森と中小国の間につきまして、いわゆる増大する輸送需要に対応するために、施設の整備を行ってまいっておるわけでございます。
 具体的には、例えば橋梁の負担荷重を増加するとか、レールを六十キロないし五十キロ化するとか、まくら木のPC化、いわゆるコンクリートまくら木を敷設するとか、あるいは道床の厚みをふやすとか、いろいろな工事をやってまいってきておるわけでございます。
 私どもとしましては、現在の輸送状況に照らしますと、構造的には一応十分な施設になっているのじゃないかというふうに認識はしておりますけれども、ただいまお話しのような騒音あるいは振動等の問題もございますので、そうした状況も踏まえて適切に対応するように、今後ともJRの方を指導してまいりたいというふうに考えております。
#60
○今村委員 この問題について、環境庁の方にもちょっとお伺いをしておきたいと思います。
 鉄道騒音については、新幹線で住宅地の環境基準が七十ホン以下、新幹線でこういう取り扱いになっている、定められているわけであります。ところが、この津軽線、JRが調査をした内容で九十ホンを超えるという状況になっているわけです。JRがこの対策のために防音壁を用いたり、いろいろな対策を講じていただいておりますけれども、しかし、住民が期待するような内容にはなっていないわけであります。
 環境庁で在来線の列車、電車の騒音について、規制の目標となる指針を策定するため専門家による委員会をつくった、こういう話を聞いているわけであります。この騒音指針はできたのでしょうか。その中に当然、既設、今走っている線路も含まれる、こう思うのですが、これに対するお答えをいただきたいと思います。
#61
○平山説明員 在来鉄道の騒音問題につきましては、新線の建設や大規模な改良が行われる場合には、環境に著しい変化が生じまして環境問題が起こりやすいわけです。環境庁としては、そのような騒音問題を未然こ防止するという観点から、これらの場合、つまり、新線建設や大規模の改良が行われる場合につきまして、環境保全のための指針を設定する必要があるというふうに考えているところでございます。このため、平成四年度から検討会を設けまして検討を進めているところでございまして、今年度中には検討結果が取りまとめられる予定となっております。
 それからもう一つ、先生のお尋ねは、この指針が既設線についても適用されるのかということでございますけれども、既設の在来線によります騒音問題につきましては、列車の種類とか編成、それから運行本数、運行時間といったものが非常に多岐にわたっておりますし、また、地域によって音の受けとめ方が異なるということもございます。このように、地域ごとに鉄道と沿線の状況が違っておりますために、既設線について、全国一律の指針や基準を設定するということは困難であるというふうに考えておりまして、既設線の騒音問題につきましては、個別の問題事例ごとに対応することというふうにしているところでございます。
 現在、検討しております指針は、このような背景もございまして、新線建設と大規模改良を対象としているものでございまして、既設の在来線に適用するということは考えていないというところでございます。
 しかしながら、既設線の騒音問題の解決は、地域の住民の生活環境を保全する上で非常に重要な課題でございますので、環境庁としては、適切な対策が講じられるように運輸省等関係機関と十分連携をとって対処していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#62
○今村委員 今の回答、ちょっと納得できないのですが、進めさせていただきたいと思います。
 この津軽線、整備する際に、騒音や振動問題が将来、問題になるのではないか、こんな心配をして、特に軟弱地盤だということがあったものですから、青森市から当時の国鉄に対して要望書が出されたわけです。その要望書に対して、当時、国鉄盛岡工事事務所はこんな回答をしています。「レールと枕木の間に緩衝用ゴム板を敷くなど軌道の改良を致しますので、騒音、振動等については、現在と大差ないものと考えられます。また、電波障害については、影響ないものと思われます。」と、回答したんです。
 この回答が全くうそであったというのが走り出してからわかったわけです。線路は、走って沈下をする。その沈下するのを防ぐのに躍起になっています。雨の数字からいくと三十ミリというのが、多いのか少ないのかちょっとわかりませんけれども、三十ミリの雨が降るとストップになるのです。こんな幹線があるんでしょうか。そういう点で、これは、かかわってきた県や市含めて対策協議会をつくってこの対策に乗り出してきたのです。
 JRもお金をいろいろかけて、防音壁をつくったりいろいろやってくれました。確かに努力はしてくれたのです。しかし、もともと土台がだめなものですから、幾らやっても解決しない。こんな状況になって、とうとうたまりかねた県そのものは、国に対して、抜本的な対策としては、新しく線路を別な場所につくる以外に解決策はない、こう言って、重点施策の事項として新線建設を国に要望しているわけであります。これは毎年の青森県の重点事項の中に入って、運輸省の方に要望が出されています。この要望にどのように国の方はお答えしているのか、明らかにしていただきたいと思います。
#63
○秦野政府委員 新線の建設ということになりますと、もちろん騒音、振動対策の面から有効だということはあると思いますけれども、それと同時に、輸送の需要であるとか、コストであるとかあるいは採算性であるとか、やはりそういうものを総合的に勘案した上で決定されるべきものじゃないかというふうに考えておりまして、騒音、振動対策の面からのみ新線をつくるということになりますと、かなり難しい点があるのじゃないかというような感じがいたしております。
 津軽線につきましては、先ほどもちょっと先生もお触れになりましたけれども、会社の方で、ロングレール化のほかにいわゆる防音壁あるいは防振壁といったようなものをつくっておりまして、青森県の方の測定でも五ホンから七ホン程度、その対策によりまして騒音が軽減したというようなデータもあるわけでございます。それなりの効果は上げてきているのじゃないかというふうに考えておりますけれども、今後とも引き続きそうした各種の改良措置を講じまして、極力地元の方々に御迷惑のかからないように対処するよう指導していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#64
○今村委員 地元の方に御迷惑がかからぬという話のようですけれども、これは当初、心配した青森市が文書で当時、その問題についてどうなるのですか、心配ないのですか、こう問うたわけですね。それに対して当時の国鉄は、一切御心配ありません、こうお答えをしているんですよ。しかし、走り出した途端に九十ホン近い騒音が出る。仮に五ホン下がったって、新幹線の住宅地における、いわば制限の七十ホンを大幅に超えるという内容ですよ。こんな状況が毎日現に続いているわけです。
 いつまで続くのか、めどだけでもはっきりさせてくれ、これが地元の人たちの声なんです。ましてや、地盤が、うちの目の前の線路が、路盤が不完全なために下がるのが上でわかるというのです。雨が降るとまた大変。こんな線路を一日に、単線ですから百二十本もの列車が通る。おちおち安心していられない、こんな話すら出るのです。
 当時、地方自治体にそんなことありませんよと回答した責任だけは、これはやはりとっていただく。解決をするとすれば、別なところに線路をつくる。これは余りに狭いところを通したために、ここでは複線化できないのです。うちの軒下を走っているものですから、極端な言い方をすると。そういう箇所が幾つもあるものですから複線化ができぬ。ですから単線なんです。
 こんな状況をいつまで続けさせるのですか。今すぐできないとしたら、めどだけははっきりさせます、そのことが必要でないですか。改めてお伺いしたいと思います。
#65
○秦野政府委員 ただいまお話しの、当時の国鉄と地元の方々のやりとりを私、詳細に存じませんので、今それに対して直接お答えはできないわけでございますが、少なくとも、今お話しのような、地盤がどんどん沈むとか、あるいは雨が降ったらちょっとおかしくなるとかというようなことがあれば、これはもちろん大問題でございますので、よく事実関係を調査いたしまして、対応に遺漏のないように指導していきたいというふうに考えております。
#66
○今村委員 事実関係を調査して、いろいろ対応していただくのはいいのですよ。
 ただ問題は、安全性が大丈夫なのか、不安がないのか。それから、出る振動、騒音、これは電波障害も出ています、こういう問題をいつになったら解決をしてくれるのか、永久に我慢しろということなのか、この問題なんです。
 ですから、いつになったらこういう形で解決してやりますよ、その間我慢してください、これはめどだけでも出していただくということはできないのですか。この点、お答えをお願いします。
#67
○秦野政府委員 私どもがJRの方から聞いておりますものでは、現在行っております対策を平成七年度までに、つまり明年度でございますが、完成させるということで聞いております。
 ただ、それで先生が今御指摘のことが全部解消するかどうか、これはちょっと私ども今直ちにお答えできませんので、その点は先ほど申しましたとおりよく実態を聞きまして、はっきりめどが立つように処理をしたいというふうに考えます。
#68
○今村委員 大臣にお伺いしますけれども、状況はお話ししたように、毛細血管に動脈をつないだみたいな感じで、いわばあの当時、ちょうど国鉄からJRに変わった時期なんです。ですから、工事にも、いろいろ内部告発などもあって、問題があるという指摘が出た時期なんです。そんな形にした結果、今こんな問題が出ているわけですよ。
 確かに、いろいろ努力しているし、改良はしていただいていますよ。しかし、基本的な解決になっていないのです。やるとすれば、これは新しく別な新線をつくるという以外に本当に解決策はないだろう。今、北海道と本州の荷物の輸送というのはどんどんふえているのです。ですから、深夜を含めて長い貨物列車がどんどん走るという状況になっているわけです。その状況をいつまでも我慢しろというのは、これはちょっと無理だと思いますよ。どこかでめどをつけるという考え方にならないですか。この点だけ、お伺いしておきます。
#69
○二見国務大臣 貨車ですから、恐らく何十両という編成だと思います。それが夜遅くゴトゴト走られますと、確かに沿線の人にとってみれば、安眠妨害にもなりますし、大変迷惑であろうということは想像するにかたくはございません。そのためにも、先ほど鉄道局長が答弁しましたように、いろいろと対策はしてきたわけですね。それで、それなりに効果はあり、軽減はされてきているのだろうというふうに思います。
 ただ、先生のおっしゃるように、それだけで抜本的な対策じゃないと言われれば、それはそのとおりだと思います。ただ、JR各社にいたしましても、第二の国鉄にしてはまずいという、第二の国鉄にはならないという大原則がありますので、貨物だけのための新線ということになりますと、JR各社としてもびっくりするといいますか、ちょっとちゅうちょするようなところがあるのだろうというふうに思います。
 鉄道局長は先ほどいろいろ実態を調べると申しておりましたので、実態を調べた上、そういう実情をJR各社の方に私の方から伝え、そして、沿線の人たちの生活が大きく不安に陥らないように万全の対策を講ずるように、JR各社には伝えたいというふうに思います。
    〔江崎委員長代理退席、委員長着席〕
#70
○今村委員 ぜひとも実情把握をして、抜本的対策を講ずる、そのことでお願いをしたいと思います。
 特に、新線が今すぐだめだというのであれば、スピードをダウンして何とかやってくれぬか、静かにしてくれないか、これが出されているわけですね、もう一つは。しかし、北海道から本州につなぐ大動脈ですから、なかなかこれは難しい、こんな話も出たりしているわけです。スピードを落として、夜間、特に時間帯によって最も迷惑をかける時間帯というのがあるのですよ、ここをその対策を講ずる、減速という形の話にはならぬものか、この点をひとつお答えいただきたいと思います。
#71
○秦野政府委員 ただいまお話しのとおり、北海道と本州をつなぎます動脈としまして貨物列車、旅客列車、さまざまなものが走っておるわけでございますので、ここで一部減速ということになりますと、多分かなり全体のダイヤ編成というものに影響を及ぼしてくるのであろうと思うのです。特に、中小国と青森の間は単線でもございますので、その行き違いその他の問題もございます。
 そうしますと、全体として高速交通機関としての機能にかなり支障が出るのじゃないかという感じがいたしておりますので、先生の御提言は承って、また勉強させていただきたいと思っております。
#72
○今村委員 ぜひとも対策を講じていただきたいと、強くこの点要請しておきたいと思います。将来的にぜひとも検討して、抜本的対策ができるようにお願いをしたいと思います。
 二つ目は、国道二百七十九号線、青森の野辺地というところから下北半島を縦断してむつに行く道路についてちょっとお伺いしたいと思います。
 この道路は、構造上、全国でも余りない構造になっていると思います。というのは、道路が波のようになっているのですね。これを車が走る、こういうスタイルなんですよ。ですから、走っていくと、頂上の方に来ると、突如対向車が飛び出してくる、こんなスタイルの、まあ波乗り道路とでも申しますか、そんな構造になっているのですよ。この構造を何とか変えてくれということでい
ろいろ講じてきましたけれども、抜本的に変えなければどうにもならぬ、こんな内容の道路になっているわけであります。
 地元を含めて県なども、地域高規格道路として何とか取り上げてくれ、そして改良してくれ、こんな話も出ているわけですけれども、この改良を何とかできないものか、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#73
○藤川政府委員 国道二百七十九号の野辺地−むつ間でございますけれども、今お話がございましたように、道路が海岸沿いの丘陵地を通過するというようなことで、アップダウンがかなり激しい区間があるというふうにお聞きしているところでございます。
 ただ、特に渋滞の問題とかあるいは安全性の向上を図るというような観点で、現在、緊急性の高い区間から事業を進めているところでございまして、野辺地バイパス、有戸バイパス、それから金谷沢拡幅というような事業を実施しているところでございまして、私どもとしては、これらの事業をできるだけ促進して、少しでも走りやすい道路にしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、地域高規格道路でございますが、高規格幹線道路網と一体となって機能する道路として、私ども自動車専用道路に近い規格の道路として計画しようということで検討しているところでございます。お話がございましたように、青森県から下北半島縦貫道路というようなことで、この野辺地−むつ間を地域高規格道路に指定してほしいという要望が出てきているところでございます。私どもといたしましては、現在、計画の熟度あるいは事業の緊急性等につきまして基礎的な調査を実施しているところでございまして、各地域の要望を踏まえまして、できるだけ早くこの指定を具体的にしたいというふうに考えて、現在検討を進めているところでございます。
#74
○今村委員 最後に、スタッドレスタイヤの使用と安全対策についてお伺いをしたいと思います。
 スパイクタイヤが禁止をされてスタッドレスタイヤの使用、こうなったわけです。青森県内の状況を見ると、これは県警本部のまとめですけれども、例えば去年の十二月からことしの三月までに起きた交通事故一万二千件のうちの半分がスリップ事故、こういう状況になっているわけです。特に、凍結面でのスリップがこのスタッドレスタイヤによって莫大に増加した、こんな内容になっています。スリップ防止のために対策がそれぞれ講じられていますけれども、現実的に大変な状況になっています。
 道路の構造かタイヤそのものを改造して、スリップするというものを変えることはできないものですか。特に凍結面におけるスリップというのはもう大変な勢いで増加する、こんな状況がここ何年か続いているわけです。ぜひともこの点についての改善策があったら、御回答いただきたいと思います。
#75
○藤川政府委員 今お話がございましたように、スパイクタイヤが禁止されまして、スタッドレスタイヤが使用されるようになったというようなことで、路面の凍結が問題になりまして、スリップ事故が非常にふえているというお話はお聞きしているところでございます。
 私ども道路管理者といたしましても、この路面の凍結対策をやはり適切にやっていかなきゃいけないというようなことで、除雪対策等の充実を図っておりますし、凍結防止剤のできるだけ早い時期での散布というようなものにも心がけているところでございます。また、急な坂道等ではどうしてもやはりチェーンをつけていただかなきやいけないというようなケースが出てまいりますので、チェーンの脱着場の整備等もやっていますし、そういう坂道では消雪施設等につきましても、できるだけ整備するように努めてまいりたいというふうに考えております。また、スリップ防止のための砂の散布なども必要でございますので、そういうものの設置等も進めているところでございます。
 抜本的な対策ということになりますと、なかなか難しい面もございますが、私どもとしても、凍結防止という面で今後ともできる限りの努力をさせていただきたいというふうに考えております。
#76
○今村委員 どうもありがとうございました。
 以上で終わります。
#77
○山田委員長 藤田スミ君。
#78
○藤田委員 私は、質問の初めに当たって、中華航空機炎工事故の犠牲者と御遺族の皆さんに心から哀悼の意を表したいと思います。
 この事故は、空港での防災対策、救急体制の重要性を改めて浮き彫りにいたしました。九月四日の関西国際空港開港前に、いよいよこの防災体制をとっていかなければならないわけでありますが、名古屋空港での事故の教訓を生かして、防災体制、消防、救急体制などに取り組んでいくべきだというふうに思うわけであります。
 特に関西空港が陸地と五キロも離れたところで、アクセスは橋一本という状況のもとにありますから、大型機の航空機事故が発生した場合のけが人の搬送、受け入れ先などの問題があるわけです。関西空港の地元では、残念ながら高度医療の可能な医療機関が皆無に等しいわけでありまして、地元の救急車の台数ももちろん足りません。必要な救急車台数、それから医療機関等の確保ができているのか、関係機関との間の協定があるのか、また防災計画はもうでき上がっているのかということについて、まずお伺いをしたいわけです。
 時間がありませんから、簡潔にお願いします。
#79
○土坂政府委員 簡潔にお答えを申し上げます。
 九月四日の開港を控えましていろいろな準備をいたしておりますが、今御指摘のありました防災体制についても、非常に大事な問題としてICAOの基準に従った体制の整備を整えておるところでございます。
 ただ、関空会社だけで完結する問題でございません。今仰せになりましたように、医師会であるとか関係の自治体、消防であるとか、そういったところとの連携が不可欠でございますので、いわゆる緊急計画というのを関空でつくりまして、関係各者と調整をしておるところでございます。
 関空の開港の際に、この間の事故の反省を踏まえて万全を期していただきたいということも、私どもから念のためにもう一回関空に申し上げておりますし、六月三十日にはこれを踏まえた訓練も行われるということで着々と準備が整いつつある、こういう状況でございます。
#80
○藤田委員 まだ防災計画はできていない、それは少なくとも、この防災訓練の六月三十日までにはでき上がるというふうに理解いたしますけれども、いずれにしても、ICAOの協定のことをおっしゃいましたが、それを遵守して強力な防災体制をしいていかなければならないわけです。そのためにはヘリコプターも不可欠ですし、搬送する先の受け入れ側のヘリポートの整備、あるいは臨時に使うとしたらそういうものの安全マニュアルというように、ずっといろいろな問題があるわけです。
 私は今回、この防災訓練の参加団体を見て、第一種空港であり、日本で初めて海の中にできる空港であり、そういうあれにしては運輸省の取り組みはいささか不十分だな、大阪航空局関西空港事務所というものが主催団体にも参加機関にも入っておりますけれども、そんなものかなというふうに正直思いました。そういう点で、万全の対策をとると言うなら、それにふさわしい万全の運輸省の態度も見せていただきたいわけです。
 また、医療機関も、日赤は入っているけれども国立病院は入っていません。だから、そういうところも目配りをして対応していただきたい。大臣から一言お願いいたします。
#81
○二見国務大臣 運輸省としましては、先般の名古屋空港の航空機事故というものを大変重く考えております。あの教訓にかんがみまして、先生のおっしゃるように、消防の体制や緊急医療体制には万全を期さなければならないと思っておりまして、関係機関にも、会社にもその旨指導している
ところでございますし、九月四日からいよいよ開港でございますので、不測の事態にならないように、万全の体制はつくりたいと思っております。
#82
○藤田委員 また防災計画ができましたら、私の方にぜひ提出をしていただきたい、そのこともお願いしておきたいと思います。うなずかれましたので、次の質問に行きます。
 鉄道立体交差化の問題であります。
 これも関空関連地域整備の一つでありまして、もちろん交通安全上の重要な問題であります。空港開港に伴って、列車を増発することはもう言うまでもありません。今でも南海本線、JR阪和線の踏切問題というのは大変深刻でありまして、ラッシュ時になりますと、もう一時間の半分は鉄道で遮断されて、東西の交通がうまくいかないというようなことで、これはもう交通安全上にもかかわるいろいろな問題になっているわけです。
 ところが、さらに開港で列車の増発は一時間に十本以上に上りまして、踏切の遮断時間が長くなるわけでありますから、町の機能が麻痺し、地域住民の日常生活への支障は増すばかりであります。立体交差化の完成が急務であるにもかかわらず、現実に連続立体交差化しているのは、南海線を見ましても、堺や岸和田周辺などわずかな区間でありまして、全体としては非常におくれております。
 とりわけ、肝心かなめのこの泉佐野駅周辺でありますが、当初の計画では、ほんの一部を残して空港開港前に終了するはずでありましたが、従来の南海本線泉佐野駅周辺の立体化はまだ形にはなっておりません。泉佐野市の議会では、早期に完成できない理由として、用地の買収の問題、それから国や府の補助金枠の問題というふうに指摘をしておりますが、私もそのとおりだというふうに思うのです。だから、今後その完成のため、国の特別の配慮をいただきたい、このことが一点であります。
 同時に、泉佐野駅周辺だけではなしに、全体、南海やJR阪和線の連続立体交差化は、空港関連の地域整備の一つでもありますので、空港アクセスとも密接な関係のある問題として、予算の重点配分や優先採択によって事業の促進を図っていただきたいとお願いしたいわけですが、いかがでしょうか。
#83
○黒川政府委員 連続立体交差事業は、今先生御指摘のとおり、鉄道の一定区間を高架化するということで、踏切におきます交通渋滞の抜本的な解消等、健全な市街地の形成を図るものでございます。
 先生御指摘の泉佐野市におきます南海本線の連続立体交差事業は、関西国際空港関連事業としまして六十二年に事業着手をしたものでございます。本年度中に南側区間一・二キロメートルの高架化切りかえを具体的に実施する予定で事業が進められております。今後とも、事業の一層の促進について積極的に支援してまいりたいと思います。
#84
○藤田委員 もう一度、泉佐野駅周辺の問題に限ってお伺いいたしますが、市議会ではこういうふうに言っているのです。平成十二年完成のめどについても国の特別な配慮を期待できるものと考える、こう言っているのです。平成十二年、今言ったこの泉佐野駅周辺のそこのところについては、そういうふうに聞かせていただいていいですか。
#85
○黒川政府委員 ただいま申し上げました一・二キロメートル区間は、御承知のとおり、空港連絡道路との立体交差を図る、そういう区間で、一期工事として先行的に行ったものでございますけれども、全体の計画は二・八キロメートルございます。これにつきましては、先ほどの一期の区間を含めまして、平成五年度におきましても、当初予算に計上した金額に加えまして、数次の補正によりまして、当初予算に比べて一・七倍の予算を平成五年度は計上いたしました。今後とも、そういったことを含めまして、できるだけ早く完成するように努力してまいりたいと思います。
#86
○藤田委員 そのできるだけ早くというのを、そういうふうに議会は言っているけれども、そういうふうに理解しておいていいのかということなのです。そんなにはっきり言えませんか。
#87
○黒川政府委員 平成十二年度という御質問でございますけれども、その事業区間につきましてはできるだけ早くやるというような形の中で、事業の中身の改定を含めまして、現在検討中でございまして、その中でできるだけ早くやるような形で期間をセットしたいと考えております。
#88
○藤田委員 できるだけ早くを何回かおっしゃいましたので、そのできるだけ早くを信頼しておきたいと思います。それは平成十二年という議会側の呼吸と合ったものというふうに理解をして、私もまた期待をしておきたいと思います。
 運輸大臣に聞いていただきたいのです。
 この関空は、直接行政区域になる二市一町では、今大変な財政負担を背負いながら、これまでも空港の開港に協力をしてまいりました。しかし、それは本来国が責任を負うべき第一種空港に民活方式を導入して、国の責任をどんどん棚上げにする中で、実は押しつけられてきたものであります。このことは、私たち日本共産党は、機会があるたびに国の財政責任の明確化を求めてきました。
 しかし、その後、大阪府によって、部分的な補助措置はとられているものの、結果的には自治体の負担は増すばかりでありまして、その一方では、固定資産税や開発負担金などによる収入は減らされるばかりであります。
 例えば、泉南市を見ますと、泉佐野消防署関西国際空港分署という消防署を空港島の中につくるわけですが、その建設費でさえも、十億かかるのを二市一町で負担するということで、泉南市の場合は四億近く負担しています。それに今後、その空港島の消防署のために、泉南市は年間一億ずつ負担を強いられるわけです。空港関連の道路建設にも五十二億という巨費を今日まで投じておりまして、年間の市財政の規模が百六十億ですから、それが大変な負担になることは御理解いただけると思うのです。しかも、収入の方は、固定資産税が最初言われていたものよりもぐんと減っておりますし、開港延期で減収をしております。したがって、平成十三年までで十六億円の減収見込みが出ています。
 こういうようなことの中で、例えば下水道の整備にしましても、あれは大阪湾の浄化のためにということで、開港時には下水道の整備は七〇%と言っていたのですが、泉南市ではわずか〇・六%の達成率という状態です。こうした実態を運輸大臣は認識していらっしゃるのかなということを私はお伺いしたいのです。
 地域と共存共栄する空港つくりということを理念に掲げて、地元の協力だけをずっと強いられてきながら、こういう状態のままで、もし建設費三兆円以上と言われる全体構想が決定されていけば、地元の自治体の負担は大変なものであります。このことは空港の安全の問題にもかかわるわけでありますが、大臣はこの間、この全体構想の着手に前向きに取り組みたいとおっしゃいましたが、そういう実態を御承知の上で前向きに取り組みたいとおっしゃったのかどうか、お伺いをしたいわけです。
#89
○二見国務大臣 先生、いろいろな角度からおっしゃられましたので、どのことにどういうふうに御答弁したらいいのか、ちょっと戸惑っているのですが、この関空の全体構想について、関空が国際ハブ空港として機能していくためには、全体構想は私は必要だというふうに考えております。
 ただ、ただいま三兆円という話がありましたけれども、これはやはり全体構想を推進するためには事業費を削減できないか、事業主体をどうするか、あるいは地元の協力をどうするか、いろいろな課題がございますので、それはこれから鋭意取り組んでいかなければならない問題だというふうに思っております。
#90
○藤田委員 私は、せっかくの機会でございますので、ここに泉南市議会の決議を持っております。それを私は全部一遍読んで、大臣にも聞いていただきたい。表題は、
    地元無視の全体構想計画実行に反対する
   決議
 関西新空港の開港を前にマスメデアを総動員しこのイベントが毎週の如く計画され取組まれている。
 しかし、地元関係住民はこのイベントを極めて冷やかに直視している。何故ならば、ここに至る今日までの経過は、まさに政府が地元に表明してきた「地域と共存共栄」は大きく後退し、地元府県への建設費にかかる負担をはじめ地域整備についても府県どころか、市町にまで負担を押しつけている。さらに埋め立て免許申請時に約束した空港本島における雇用の創出や権益についても、空港会社の利益優先の立場から、地元合意が不十分なまま、それを反故にしてきている。
 そして、今また「公害のない空港」との標榜をまったく無視して「全体構想」の計画化の中で「陸上ルート」横風滑走路の「陸上側一キロメートル接近案」すら検討されている。
 さらに「全体構想」の計画・実行に向けての財源問題では、第一期計画以上に地元負担を前提に進めようとしている。
 一九九四年度の「全体構想」推進のためのボーリング調査費の地元負担の割合が正にこのことを証明している。このような中で大阪府は、政府運輸省のこの態度を先取りして、今後の増大するであろう負担費を確保するため、市町の固有財源である空港本島の固定資産税さえ、充当しようとしていることが、最近明らかになってきている。
 以上のように、政府運輸省の関西新空港「全体構想」の計画実行に向けての姿勢は、地元の合意形成を計らず推進し、環境破壊と財源負担をもたらすことを事実でもって明らかにしている。
 ここに、泉南市議会は、泉南地域住民との共存共栄のための具体的な条件提示のない限り、関西国際空港全体構想計画の中止を決議する。
 平成六年三月二十九日
                泉南市議会
 この決議は周辺市町の住民の、あるいは議会の共通した声であります。だから、私は、全体構想に向けて一路推進で一層住民負担と犠牲を強制するようなことをやめて、国が設置と管理に責任を負うという国際空港の原点に立ち返って、国の責任を明確にして、事業主体や関連地域整備など抜本的な見直しをこの際行うべきだというふうに考えるわけであります。
 最後に、大臣の御答弁を求めます。
#91
○二見国務大臣 ただいまの市議会の決議文というのを私、初めて伺いましたので、それをいただいて読ませていただきます。
 ただ、先生に御理解いただきたいのは、国際ハブ空港というのはその地域に新しいいろいろなものを、文化から、経済の発展から、すべてのものを生み出していく大事な拠点だと私は思います。と同時に、関空が国際ハブ空港として完成することによって当然地域開発も進みますし、大きなメリットがあらわれてくるのではないか。しかも、関空をつくるときには国だけではなくて、地元の御協力もお願いをするということであります。
 全体構想は国と地方がそれぞれ力を合わせながらやっていくものだと思いますので、先生がお読みになられました決議文を私、読ませていただきますけれども、むしろ国際ハブ空港というものを前向きにとらえていただいて、御支援をぜひともお願いしたいと思います。
#92
○藤田委員 時間が参りましたから、もうやめねばなりません。
 ただ、大臣は、私が申し上げたことをまだ十分理解していただいていないのはまことに残念であります。私は、後ほどこの泉南市の決議というものも持って参じますので、ぜひそれを読んでいただき、大臣に謙虚にそれを受けとめていただいて、今後のこの全体構想はもっと本当に国が責任を持つということをはっきり示していただきたいということを重ねて申し上げまして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
#93
○山田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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