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1994/05/27 第129回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第129回国会 決算委員会第一分科会 第2号
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1994/05/27 第129回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第129回国会 決算委員会第一分科会 第2号

#1
第129回国会 決算委員会第一分科会 第2号
平成六年五月二十七日(金曜日)
    午前十時三十分開議
 出席分科員
  主 査 森  英介君
      稲垣 実男君    住  博司君
     田野瀬良太郎君    新井 将敬君
      渡辺浩一郎君    若松 謙維君
      正森 成二君
   兼務 小森 龍邦君
 出席政府委員
        総務政務次官  石井 紘基君
        総務庁長官官房
        審議官
        兼内閣審議官  上村 知昭君
        総務庁長官官房
        審議官
        兼内閣審議官  陶山  晧君
        総務庁行政監察
        局長      田中 一昭君
        法務省人権擁護
        局長      筧  康生君
 分科員外の出席者
        総務庁長官官房
        会計課長    西村 正紀君
        大蔵省主計局司
        計課長     野田 政昭君
        大蔵省理財局国
        有財産第二課長 小林 敏章君
        国税庁調査査察
        部調査課長   高氏 秀機君
        農林水産省農蚕
        園芸局肥料機械
        課長      大森 昭彦君
        運輸省自動車交
        通局技術安全部
        技術企画課長  南戸 義博君
        運輸省海上技術
        安全局検査測度
        課長      篠原 孝雄君
        会計検査院長  矢崎 新二君
        会計検査院事務
        総局次長    白川  健君
        会計検査院事務
        総長官房会計課
        長       増田 裕夫君
        会計検査院事務
        総局第一局長  阿部 杉人君
        会計検査院事務
        総局第二局長  森下 伸昭君
        会計検査院事務
        総局第三局長  佐藤 恒正君
        会計検査院事務
        総局第四局長  平岡 哲也君
        会計検査院事務
        総局第五局長  中島 孝夫君
        最高裁判所事務
        総長      金谷 利広君
        最高裁判所事務
        総長      涌井 紀夫君
        最高裁判所事務
        総局経理局長  仁田 陸郎君
        決算委員会調査
        室長      山本  正君
    ―――――――――――――
分科員の異動
五月二十七日
 辞任         補欠選任
  宇野 宗佑君     住  博司君
  山崎広太郎君     渡辺浩一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  住  博司君    田野瀬良太郎君
  渡辺浩一郎君     山崎広太郎君
同日
 辞任         補欠選任
 田野瀬良太郎君     根本  匠君
同日
 辞任         補欠選任
  根本  匠君     宇野 宗佑君
同日
 第三分科員小森龍邦君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成二年度一般会計歳入歳出決算
 平成二年度特別会計歳入歳出決算
 平成二年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二年度政府関係機関決算書
 平成二年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 平成三年度一般会計歳入歳出決算
 平成三年度特別会計歳入歳出決算
 平成三年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成三年度政府関係機関決算書
 平成三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔裁判所、会計検査院及び総理府(総務庁)所管〕
     ――――◇―――――
#2
○森主査 これより決算委員会第一分科会を開会いたします。
 平成二年度決算外二件及び平成三年度決算外二件中、本日は、総理府(総務庁)、会計検査院及び裁判所所管について審査を行います。
 これより総務庁所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。石井総務政務次官。
#3
○石井(紘)政府委員 平成二年度及び平成三年度総務庁関係歳出決算の概要につきまして御説明を申し上げます。
 まず、平成二年度における総務庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 平成二年度の歳出予算現額は一兆八千五百七十六億八百七十万円余でありまして、支出済み歳出額は一兆七千八百六十五億六千百三十四万円余であります。
 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、七百十億四千七百三十六万円余の差額を生じます。
 この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は七百九億三千六百七十二万円余であります。これは、恩給費でありまして、文官等恩給及び旧軍人遺族等恩給の請求が遅延したこと並びに支給事務の処理に当たっての調査確認に不測の日数を要したことにより、年度内に支出を終わらなかったためであります。
 また、不用となった額は一億一千六十四万円余であります。これは、人件費を要することが少なかったこと等のためであります。
 次に、平成三年度における総務庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 平成三年度の歳出予算現額は一兆八千六十九億九千二百六万円余でありまして、支出済み歳出額は一兆七千四百二十三億一千六百九十三万円余であります。
 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、六百四十六億七千五百十三万円余の差額を生じます。
 この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は六百四十二億九千二百八万円余であります。これは、恩給費でありまして、文官等恩給及び旧軍人遺族等恩給の請求が遅延したこと並びに支給事務の処理に当たっての調査確認に不測の日数を要したことにより、年度内に支出を終わらなかったためであります。
 また、不用となった額は三億八千三百四万円余であります。これは、人件費を要することが少なかったこと等のためであります。
 以上をもちまして決算の概要説明を終わります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#4
○森主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
#5
○阿部会計検査院説明員 平成二年度総務庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
 また、平成三年度総務庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
#6
○森主査 以上をもちまして総務庁所管の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○森主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。住博司君。
#8
○住分科員 きょうは総務庁関係ということで、以前から疑問に感じていたことを幾つかお尋ねをしたいと思います。羽田総理大臣と違いまして率直にという言葉を大切にしていただいて、できる限り明確にお答えをいただきたいということを最初にお願いしておきます。
 去年十一月に行政手続法というのが成立したわけです。第一次臨調以来、三十年来の懸案が片づいた、これによって日本の行政手続が公正、透明だと言われるようになるとの評価をする声も耳にいたしました。ことしの十月からの施行でそのとおりになるか注目されるところでございますけれども、この行政手続法、全体として三つの柱があると聞かされております。一つは許可、認可、免許などの申請、その処理をわかりやすく速やかにしようとすること。それから二本目は、免許停止、取り消しなど、行政処分、いわゆる不利益処分を受けたときの国民や企業の権利をいかに保護するかということ。三本目は、行政指導をわかりやすくして、透明性を高めるための手続、ルールを定めたということ。こういう三つの柱だということを去年の法案成立に際して御説明を受けました。
 つまり、今までわかりにくかったことについて、要するに国民の側からなぜこうなっているんでしょうかねということが聞けるようになるんだ。その第一歩を記したということになるわけですけれども、一方で、これによって行き過ぎの行政指導がなくなるんだとか、許認可の簡素化につながっていくという期待も少なからずあるわけですけれども、それまでには幾つかの関門もあると思いますので、その点について若干伺いたいと思います。
 もう既にこの法案成立に向けての法案審議の際にこんな議論はされていると思いますけれども、改めてもう一度、私自身の理解を深めるためにもぜひ御質問させていただきたいと思っているのです。
 この行政手続法にはまず罰則がないですね。だとすれば、行政機関がこの法を守らなかった場合どうなるのだろうか、その責任者の制裁措置というのはどうなっているのか、あるのかどうなのか、それからどういう考え方でそういうものに対処していこうとしているのか、その点をちょっとお答えいただければありがたいと思います。
#9
○陶山政府委員 まず簡単に申し上げますと、行政事務に携わる者、つまり私どものような公務員は、国家公務員法等によりまして当然のことながら法令遵守義務が課されておりますので、不適法な行為があった場合には、法令遵守義務違反を理由として、公務員法令上の懲戒処分の対象となるということが一点でございます。
 なお、国民との関係で申し上げますと、行政手続法に違反したということがあった場合に、それが例えば国家賠償法上の損害賠償請求の理由になる場合もあり得るということではなかろうかと思います。
#10
○住分科員 そうすると、例えば法令遵守義務違反というのはそんなに簡単に証明できるとは私はちょっと思えないのです。そこのところは、要するに幾つかの事例の積み重ねでやっていくしかないというふうに考えるということなんでしょうか。
#11
○陶山政府委員 まず一般論として申し上げますと、この行政手続法、住先生御指摘のとおり三十年来の懸案ということもあり、いわば日本の行政史の上で、ある意味で全く新しいルールを法制化したという意味もございますので、私どもとしてはこの法律のいわば定着について各段の努力をする必要があるというふうに考えております。
 そういう意味でも、現在、施行準備について、全省庁の御協力を得ながら、また地方公共団体の御協力も得ながら、遺漏のないように諸般の準備作業に当たっているところでございますが、まさしく先生の御指摘のように運用の積み重ね、このことがこの行政手続法の趣旨、目的を実質的に生かしていく上で極めて重要ではなかろうか。そういう運用の積み重ねの定着によって公務員の意識、これはやはり相当変わっていくのであろう。また、国民のサイドの意識も、つまり行政庁に対する従来のいろいろな意識もあわせて変わっていくであろうし、またそうでなければならないというふうに考えております。
#12
○住分科員 あと具体的に細かく入っていきますけれども、つまり国のお役所に勤めておられる方に対する一般国民の考え方というか受けとめ方というのは、やはり何となく怖いところというのでしょうか、特にいろいろな仕事をする際に許認可をいただかなければいけない立場からすると、それはとてもお上に盾突くというのはなかなかできませんよ、不服を言うのは大変だぞ、こういう感覚があるということだけは前提として考えておかなければいけない、こういうふうに私は思うのです。
 その際に、今度は許認可の審査基準や標準処理期間の設定、公表というのができていますね。そのときに、定められた基準や期間がどうもこれ不合理だな、こういうふうに思ったときにどんな形で是正を求めていくところになるのでしょうか。
 私たちはよく行政不服審査みたいなのを聞いているんですけれども、結局それは裁判という形をとらざるを得ないということなんだろうかということがまず第一点。それから、裁判に行き着く前に何とかする機関はないんだろうか、人はいないんだろうかということをやはり聞いておかなければいかぬと思うのですね。その点わかりやすく御説明いただければありがたいと思います。
 そのときに、全国に二千五百人ぐらいいらっしゃると思うのですけれども、行政相談委員というのがいますけれども、この位置づけというのはどういうところに考えておられるのか、そこも含めてお答えいただければありがたいと思います。
#13
○陶山政府委員 まず私から御説明申し上げますが、ただいまの先生の御質問の趣旨は、審査基準とか標準処理期間の設定、公表について、いわばそれが不合理な場合にどういう格好で是正されるのかという御趣旨が一つだろうと思います。これにつきましては、先ほども申し上げましたように、手続法は行政機関に対して一定の手続の遵守を義務づけておりますので、各行政機関は誠実にこれに従う義務を負っているということがまず前提でございます。したがって、いわばこれに反する行動をとるということは元来想定し得ないわけでございますけれども、いずれにしろポイントは、法の趣旨に沿った的確な実施が確保されるということが必要でございます。
 そこで、現在施行準備に努力しておるということを先ほど申し上げましたが、問題は施行後のこの法の運用が本来の法律の趣旨、目的に沿った形できちんと運用されるかどうか、それを担保するためにどうするかということでございます。私どもとしては、この法をいわば所管する立場として、各省庁や地方公共団体その他関係機関の運用状況について充実した調査を実施する、そのことによって成果の一層の定着を図っていくということを、先般の平成六年二月の行革大綱の中にもわざわざ掲記をしたところでございます。
 なお、最初の御質問の際若干言い落としましたので、ここであわせて申し上げさせていただきますと、罰則はございませんけれども、例えば弁明
とか聴聞を行わなければならないのに行わないで不利益処分をしたというようなケースの場合、あるいは理由を示さなければならないのにそれを示さないで不利益処分をしたというような場合については、先生も先ほどちょっとお触れになりましたが、行政事件訴訟法に基づく処分の取り消しの訴えという際に、そうした処分が瑕疵ある処分ということで取り消されることはあり得るということだけつけ加えさせていただき、なお行政相談委員の件については行政監察局長から御説明いたします。
#14
○田中(一)政府委員 ただいま住委員の方から、行政相談委員と手続法との関係について御質問ございました。
 行政相談委員、全国に今五千人ばかりおります。それでまさにおっしゃるように、この法律が成立しまして以来、私どもは全国の組織を使いまして、相談委員さんに対し行政手続法の趣旨と行政相談とのかかわりについて十分研修を実施中でございます。
 それはどういうことかといいますと、当然推察されることでありますが、法律が施行されますと、遵守状況あるいはまた、今お話にちょっと出ましたけれども、標準処理期間が適当かどうかというような問題についていろいろ苦情あるいは意見が出てくることが予想されます。それに対して相談委員としては直ちに、自分で簡単な問題はいろいろ町村あるいは国の出先機関に伝えることで済む場合もありますけれども、私どもの出先機関を通じて本庁の方に要すれば御報告があり、また内容次第によっては所管の行政管理局にお伝えし、また必要があれば行政監察等を通じましてその問題を洗い出し、あるいは遵守を勧めていく、こういうことになろうかと思っております。
#15
○住分科員 既に国際語になっていると言われるのが行政指導ということなんですね。これほど多用されましてこれほどわかりにくいものはないと言われまして、日本の行政が不透明だとか不公正だ、こう言われる原因になっている。海外から批判されるとき真っ先にやり玉に上がるのが行政指導だと言われるほどでございますけれども、この行政手続法によって指導の目的だとか内容だとか責任者の明確化というのが決められる、書いてあるということなんですけれども、この中にちょっと気になるのは、行政上特別の支障がない限り書面の交付をしなければならない、こう書いてあるわけで、そうすると、「行政上特別の支障」というのは一体何なのかということはやはり聞いておかなければいかぬと思うのですね。これは一体何なのでしょうか。
#16
○陶山政府委員 ただいま先生の御指摘の行政指導につきましては、この法案要綱を審議いたしました行革審の専門部会の場でも当然、専門家の方々による議論でございますけれどもいろいろな御議論がありました。それは、まず前提は、行政指導といっても、言葉では一つで済みますけれども、まことにもって種々さまざまな分野、広範多岐な分野で、さまざまなレベルの職員によってさまざまな場面で行われるという性格がございます。それを全く一律に法的な規制と申しますかルールを義務づけるということがどこまで可能か、それが議論のいわばポイントであったわけでございます。
 そういう観点の慎重な議論を経た結論がこういう法案になっておるわけでございますが、いわば手続法は、当然でございますが行政分野全体を規律する一般法、そういう性格のものでございますので、ただいま申し上げましたような理由から、すべて一律に、例えば書面の交付については書面の交付を義務づけるということが適当でない場合もあり得るということから、御指摘のような一定の留保条件がついたという結論になったわけでございます。
 ここで該当するものとしてはどんなものかということについて端的にわかりやすい例で申し上げますれば、例えま対外交渉に関して外交上の配慮が必要とされるような場合。そういう場合のように、いわば合理的な理由がある場合に限られるというふうに私どもは考えており、また法案審議の際にも国会で御説明を申し上げているところでございます。
#17
○住分科員 そうすると、今のことですとよほどのことがない限りは特別な支障とは言えないわけで、量が多いからとか面倒だからという個々の職員の裁量でこれはだめですよというわけにはいきませんよということと理解してよろしいのだと思うのですね。同時にはっきりさせておかなければいかぬのは、これは何なのかな、これはどういう立場での指導なのかというふうに疑問に思ったときには、書面による交付を場合によっては求めておいた方がいいのではないかということなのかなというふうに、少し曲解しているかもしれませんが理解をさせていただきたい、こういうふうに思っています。
 ほかにもちょっとお伺いをしたいことがたくさんあるのですけれども、時間がありませんのでまた機会を改めて聞かせていただきたいと思いますが、最後に、行政手続法の関係については、例えば、行革審では計画策定の手続だとか行政立法手続についても議論されたように聞いておりますし、その理由文書も読んだことがございますけれども、この点将来どういうふうに取り扱おうとしておられるのか、その方向性だけでも、短くていいですからちょっとお示しをいただければありがたいと思います。
#18
○陶山政府委員 御指摘のとおりでございますが、この計画策定手続とかあるいは立法手続についても、行革審での議論の前の段階で私ども総務庁の、学者の方々にお集まりいただいた勉強会を何度か組織をして検討をいたしました。その過程ではいろいろな議論があり、それが報告書という形で公表もさせていただいております。
 これについていろいろな議論はあるところでございますけれども、行革審の答申では、ただいま御指摘のような分野の手続化、ルール化、ルールの法制化についてはなお多くの検討すべき問題があって、将来の課題として調査研究が進められることが期待されるという結論になっておりまして、いわば国民の権利義務にかかわる行政処分と行政指導のルール化、これが当面その法律として制定をされたわけでございます。
 私どもとしては、答申が申しておりますように、引き続き今後勉強を続けていきたいということを申し上げさせていただきますが、例えば諸外国の立法例等をいろいろ見ましても、必ずしもまだ一般的になっていないというような分野もございますので、引き続き勉強は続けさせていただきたいというふうに考えております。
#19
○住分科員 行政手続法、十月からの施行を前にこれからよく理解をしていただくということが大事だと思うので、せっかくの長い間の懸案を片づけて、しかも一般的なこういうルールをつくられたわけですから、こういうものがありますよ、そして国民の権利を保護するためには運用をしっかりさせることが必要なのだということをぜひPRも含めてお伝えをいただきたいと思います。
 まさにこれがスタートをして、幾つかの当面する課題にぶち当たったときに初めていろいろな課題、これからどうするかということが出てくるのではないか、こんなふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
 この際ですから、私きょうは船の検査、漁船の検査というものについてお話を伺いたいと思っているのです。
 そのに、車検、車両の検査についてはよく話題になる。車検は道路運送車両法で義務づけられているわけですけれども、二十四カ月点検というのは行政指導、そういうことになる。これ以外に六カ月点検、十二カ月点検というのがある。車検と定期点検というのは人命にかかわることでもありますから、悪いところがあればその部品の交換をやるとか、それはもうよく見てもらわなければいけない。
 これは当然のことだと思うのですが、相当の費用がかかるということで、車検はもっと簡素化すべきではないのか、必要じゃないものは削除すべ
きじゃないのかという声があって、車検については今まで逐次改善をされてきたやに思っておるのですけれども、今までの経過をちょっと聞かせておいていただきたいと思います。
#20
○南戸説明員 お答えさせていただきます。
 自動車の検査制度については道路運送車両法において規定されているところでありますが、この法律が制定された昭和二十六年以降、自動車の使用実態や自動車技術の進歩等を踏まえて適宜見直しが行われてきております。特に昭和三十年には、検査について民間能力の活用の見地から指定自動車整備事業者制度、いわゆる民間車検制度を導入するとともに、昭和四十七年には、交通事故の急増、自動車公害の悪化等に対処するため、いわゆる軽自動車に対して検査の義務づけを開始しております。
 また、この間自動車検査証の有効期間についても適宜見直しを行ってきており、最近では昭和五十七年に、自家用乗用自動車について新車初回の検査証の有効期間を二年から三年に延長したところでございます。
 さらにこのたび、一昨年六月の臨時行政改革推進審議会答申を踏まえ、運輸技術審議会において専門的技術的見地から審議が行われた結果、時代の要請に対応した今後の自動車の検査及び点検整備のあり方について昨年六月に答申が出されたところであります。
 このため、これらの答申の趣旨を踏まえ、自動車の安全の確保及び公害の防止を前提としつつ、あわせて国民負担の軽減にもつながるよう配慮し、自動車の検査及び点検整備制度の見直しを行うため、今通常国会において道路運送車両法の一部を改正する法律案を提出させていただいております。
 なお、昨年九月の緊急経済対策及び本年二月の「今後における行政改革の推進方策について」におきましても自動車検査等の緩和が盛り込まれているところであります。
 以上であります。
#21
○住分科員 来年からですか、定期点検、六カ月点検をあれするというようなことも含めてやっておられると思うのですね。今聞いていますと、例えば車の技術の発展であるとか、あるいは費用負担の問題であるとかそういったことを考えて、実を言うと改善の方向に車両の方は向かっておられるようだ。
 そうすると、一方漁船の方もこれは安全のためにどうしてもやらなきゃいけないというのは当然理解しなければいけない。だけれども、漁船検査というのは、どうもよく聞いてみると、昭和八年につくられた法律がそう大きく変わってない、こういうふうに聞いておるんですけれども、その点今までどんな改善をやってきて、どんな効率化を図ってきたのか、その点をまず最初に聞かしていただきたい。漁船の定期検査についてですね。
#22
○篠原説明員 船舶検査におきましても、検査の合理化という考え方に立ちましてさまざまな施策を講じているわけでございます。例えば認定事業場の制度でありますとか、型式承認制度の拡大をいたしまして、またそれを行っているところでございます。そのほかに、日本海事協会、これは船級協会でございますが、あるいは日本小型船舶検査機構といった民間機関の積極的活用を行っております。さらには、技術の進歩に応じまして各技術基準の見直し等も行っております。このように合理化に努めているところでございます。
 さらに個々の船舶、今までは制度のお話でございましたが、個々の船舶につきましても、船主の利便を図るという観点から分割検査あるいは継続検査というようなことで対処しているところでございます。
#23
○住分科員 幾つかの改善点はあると思いますけれども、検査の内容についてはどうなんだろうかということなんですね。例えばエンジンの開放検査なんというのがやられる。そうするとこれは、例えば漁船の装備であるとか耐女性であるとか、エンジンの性能というのを考えてみますと大分技術は進歩してきているはずだと思います。そういうことを考えますと、この部分での簡素化や効率化というのが考えられないのかということが一つあると思うんですね。その点について検討されているのかどうなのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#24
○篠原説明員 ただいま先生御指摘のエンジンの開放検査でございますけれども、これは全体のエンジンに関する検査の定期的検査の負担の緩和措置といたしまして、先ほど申し上げました分割検査なり継続検査というのが行われているわけでございますが、稼働時間の短いエンジンの検査あるいは新造、新しくつくりましたエンジンを備えつけた直後の検査といったものについては、特例措置が既に設けられております。
 今後は、さらにエンジンの製造実績でありますとか使用の実績、それから検査実績等、総合的に考慮させていただきまして、中間検査時におきますエンジンの開放検査、これは今のところ義務化されておるものでございますけれども、これを省略するような方向で取り入れるべく検討しているところでございます。
#25
○住分科員 これ、自助努力の問題もあって、船なんというのは、特に漁船なんというのは、戸板の下は地獄だ、こう言われるぐらい、それこそまさに命をかけてやっておられるわけで、検査がおざなりになったりすればまさに命にかかわる話ですから、やっぱりそこの点を考えれば、中間検査でエンジンの開放検査をしなければならないかどうかというのは、今お話しになられたように、ちょっと検討していただいて改善方していただければありがたいな、こう思っているところなんです。
 それから、今までも、例えば小型船ですね、要するに二十トン未満の漁船あるいは操業海域と言うのでしょうか、十二海里以内では検査はしなくてもいい船があるわけですね、遊漁船は別としても。そういうことを考えますと、操業実態というものも漁船の場合考えなきゃいけないんじゃないかと私は思うんです。
 実をいいますと、私の地元では漁業をやっているところがありますけれども、トン数の二十トンや従業海面の十二海里というのを一つの線引きにするのが実態とどうも合ってないんじゃないかと、こういうふうに私疑問に思うことがある。
 例えば、イカ釣りをやっているんです、うちの地元では。イカ釣りをやっている船で、四十三隻操業しているんですけれども、このうち二十トン未満の船は二十六隻、残りの十七隻は二十トン以上ということになっております。十二海里を越えたところでイカ釣りをするわけで、検査の対象になる船もそれから対象にならない船も同じところで操業して、同じようにイカを釣って、同じように港に持ち帰ってきて売っているわけですね。ところが、かつて大きな船ですと、要するに沖泊まりというのをやって何日間も停泊していて、例えばイカ釣りをしてためておいてから漁港に持ってきて売るということができたんですけれども、最近それができなくなりまして、未明に出かけていって朝帰ってくる。大きな船であろうと小さい船であろうと、同じことをやっているということになる。そうしますと、この定期検査の費用の部分だけが利益を食ってしまうということになりかねない。
 こういう面を考えると、操業の実態を考えて、この部分何とかできないんだろうかという声が上がってくるのは私は当然だと思うんですけれども、その点について、実態どういうふうにお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#26
○篠原説明員 先生御指摘の点でございますけれども、総トン数二十トン以上の比較的大型の漁船につきましては、いかにその沿岸のそば近くで操業するものでありましても、その船舶の構造上から見まして、小型漁船に比べて複雑でなおさまざまな、多様な形態となっているものでございます。したがいまして、先生御指摘の総トン数二十トン未満の漁船のうち、沿岸十二海里以内のもの、これにつきましては、現在安全法の非適用と
なっているものでございますけれども、大型の漁船について検査を外すということは適当ではないというふうに考えております。
 また、この二十トン未満、十二海里以内の操業漁船につきましては、平成二年に総務庁から、海難が多いということを理由といたしまして安全性の向上を図る必要もあるという指摘も受けておりまして、この点につきましては現在、関係省庁と協議しつつ検討を行っているところでございます。
#27
○住分科員 この点については、もう少し具体的に事例を集めて、また御議論をさせていただく機会があると思います。ただ、漁民にとっては、それは確かに安全を考えれば運輸省のおっしゃっている意味もわからないではないんだけれども、しかし、生活もしておるわけですね、さっき言いましたように。しかし、そのときに生活権をかけて、命をかけてやっているわけですから、そこを守るということは、もう本人たちが一番よくわかっているということも同時に認識の中に入れておいていただければありがたいと思います。
 最後に、時間がなくなりましたので、例えば無線の検査というのがありますね。これは運輸省と郵政省との重複検査ということになっているわけで、大変これは面倒だというお話があるわけですね。この調整を一体どうされているのか、解消する動きはあるのかということを一点お聞かせいただきたいし、それと絡んで、幾つかの省庁にまたがる許認可や規制を緩和する際に、一体総務庁というのはどんな役割をお果たしになっているのかということも、この際お聞きしておきたいと思います。これで質問を終わらせていただきますけれども、この二つ、お答えいただきたいと思います。
#28
○篠原説明員 船舶に搭載いたします救命用の無線設備等につきましては、運輸省が船舶安全法に基づいた船舶の航行の安全という観点から、郵政省は電波法に基づき電波監理の観点から、それぞれ異なる法目的ということで検査を実施しているところでございます。
 しかしながら、先生御指摘の点もございますように、二つの検査、運輸省と郵政省の検査には共通の項目も存在するわけでございまして、ことしの一月一日より検査結果の記録の様式の統一化を行っております。また、利用者の負担軽減を目指しまして、それぞれの省でやっております検査データの相互活用につきましての方策という点につきまして、運輸省と郵政省で検討しているところでございます。
#29
○陶山政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、規制緩和を進めていく上で幾つかの省庁にまたがる許認可とか検査の調整に取り組む必要があるということは、まことにそのとおりであると考えます。
 去る二月に、いわゆる中期行革大綱というものを政府は策定いたしましたが、この中にも個別の省際行政問題につきまして、これは行政監察局で調査をされた結果を盛り込んだものでございますが、約六十事項にわたる具体的な改善措置のほかに、この行革大綱の中に入れております規制緩和の個別事項についての中でも、別途省際問題について配慮をしたところでございます。
 この種の問題につきましては、いわば継続的な努力が必要であろうというふうに考えておりまして、今後とも各省庁に対しまして、重複とか競合関係にある規制の見直しについて、私どもの立場で積極的にその改善措置に御協力をいただくよう努めていきたいと考えております。
 なお、行政監察局のお立場でもただいまの御指摘についていろいろと努力をされておりますので、監察局長から一言御説明申し上げます。
#30
○田中(一)政府委員 今陶山審議官が申しましたように、管理局の立場から各省庁に対し、行革推進ということで当然努力しておられるわけでありますが、行政監察局としましても、実は事業者の負担の軽減あるいは各省庁の事務の合理化という観点から、行革を側面から推進する監察を行っております。これは自主的にやる場合と行革審等から依頼されてやる場合と両方ございますが、ただいま御指摘の船舶検査と無線局の検査、二重検査の問題についても、実は縦割り行政の弊害是正等に関する調査ということで、行革審から依頼を受けて調査をしまして、答申に約六十事項の一つとしてそれも載せてありまして、閣議決定され、現在両省庁で御努力いただいておる、こういう経過になっております。
 これからも行政監察の立場から、御指摘の問題について推進していく。御指摘のような、各種いろいろあると思いますが、進めていく所存であります。
#31
○住分科員 終わります。ありがとうございました。
#32
○森主査 これにて住博司君の質疑は終了いたしました。
 小森龍邦君。
#33
○小森分科員 まず最初に、総務庁の方にお尋ねをしたいと思います。なるべく、政策にかかわる問題につきましては、政務次官の方でお答えをいただきたいし、やや事務的といいますか、そういった問題につきましては、審議官の方からひとつお答えいただきたいと思います。
 そこで、まずお尋ねをしたいと思いますことは、ずばり申し上げるようでありますが、かねてから同和対策に対して運動側が強く政府に要請いたしております部落解放基本法、これに対する総務庁の、つまり政府とすれば窓口省庁でありますが、担当省庁であります総務庁のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#34
○石井(紘)政府委員 部落解放基本法の制定についての御質問でございますが、現在、地対財特法に基づいて、残された物的事業の法的期限内でこの物的事業を完了する、そして啓発等の非物的事業の推進等にまた全力を挙げて取り組んでいるところでございまして、この上さらに部落解放基本法というものを、そういう名称のものを制定するかどうかということについてでございますけれども、物的な側面はともかくといたしまして、さまざまな心理的な差別、人権問題、民族的な問題あるいは外国人に対する差別等の問題、こうした問題については真剣に努力を注がなければならない課題であろうというふうに考えておりまして、しかしながら、この部落解放基本法という、いわゆるそういうものを制定してそれらの解決を図っていくかということについては、現在、物的な側面の問題はこういうことで期限内に完了しようということでございますので、総務庁としては考えておらないということでございます。
#35
○小森分科員 実は、昨年連立政権ができまして、これは部落解放運動のみならず、例えば私の地元の被爆者の問題、つまり、被爆者に対する援護法ですね、これなどにつきましても、内閣がかわったんだから今度はできるという期待を相当強く持ったわけですね。私は、既に御承知いただいておると思いますけれども、はっきり申し上げまして、細川政権のときから何らの期待を持っていませんでした。それは、いろいろな大衆的な場でも話してきたわけでありますが、しかし、当時期待を持ったということも事実でありますし、今なお期待を持っておるわけであります。
 それは、なぜ期待を持つかというと、今日、閣僚に入っておられる方々の中に、相当期待を持たせるようなことを言ったわけですね。したがって、簡単に言うと、うれしがらせて泣かせて消えたみたいな感じになるわけですね。だから、そういうことも踏まえて、余り何かぐだぐだ言わずに、政務次官、それは今のところだめなんです、だめなのならだめなんですと、こう言ってもらえば、また運動側も物の考えようがあるんですね。
 この間私は、解放新聞の主張を読んでおりましたら、細川政権が倒れて、次の、まだ羽田政権になる前でありますけれども、とにかく次の第二次連立政権、自民党と比べたら、それでもなお問題にならぬほど可能性が大きい、こう書いてあるんですね。それは、そういう期待を持つ方が間違っておるのか、期待を持たせておる方が少しルーズ
なのか、ずるいのかという問題になりますから、はっきり基本法はだめだと言われるならば、では、日本の部落問題をどうするのか、日本の部落問題をいかにして解決するのか、やはりその処方せんも連立政権は明らかにしないと、大衆団体を惑わすだけでしょう。そういう観点からもう一度お答えをいただきたいと思います。
#36
○石井(紘)政府委員 もちろん、先ほど申し上げました心理的な差別の問題を中心として、この改善を真剣に考えていかなきゃならないわけでありまして、地対財特法の期限失効後の地域改善対策のあり方につきましては、地域改善対策協議会の総括部会におきまして審議をしていただいているところでございまして、総務庁といたしましても、そういう中でぜひ改善策を、今後の失効後の問題についてのあり方をさらに一層検討していただくように督促してまいりたいということでございます。
#37
○小森分科員 論理が少し、まあ、哲学的用語で言えばカテゴリーといいますか、その論理的範囲というものが、あなた、政務次官に限らず、大体この問題を論議するときには違うカテゴリーで物を話して、質問をしておる大事な問題についてはそれをずらすんですよ。なぜかというと、今、日本の部落問題どうするか、こういうことですよ。今地域改善対策協議会にかけておる議論というのは、四千六百三、つまりこれまでの法律によって地域が指定をされて何らかの投資を行っておる、その投資効果がどうなっておるか、ここを実態調査してどうやるかという問題なんですね。日本の部落問題をどうするかということじゃないんですね。
 御承知のように、我が国には昔から約六千部落が存在をしておる、こうずっと言われてきた。そして明治以後の、大正年間、昭和に入ってからも大体それに近い数字だという認識なんですね。そうすると、四千六百三部落が指定地区になっているということになると、その後、都市化現象などで部落がほかの部落と統合したりなどしたところもありましょうから、おおよそ一千部落、未指定地域、我々は運動的にはこれは未組織とか事業未実施地区とかと言っているのですけれども、政府側からいえば未指定地区だ、それがあるのですね。それを論外に置いて、今政務次官がお答えになったことというのは、地対協でいろいろ議論してもらっておりますからというのは、そういう議論になる。日本の部落問題、どうしますか。
#38
○上村政府委員 お答え申し上げます。
 同和問題につきましては、憲法に保障されました基本的人権にかかわる大変重要な問題であるという認識のもとに、政府といたしましては、昭和四十四年以来、三たびにわたる特別措置法によりまして、二十四年余にわたりまして関係諸施策の総合的な推進に努めてきたところでございます。
 その結果、これは平成三年十二月でございますが、地域改善対策協議会からも意見具申をちょうだいいたしておりますが、その中でも、同対審、昭和四十年の同和対策審議会の答申で指摘されました同和地区の生活環境等の劣悪な実態は大きく改善を見まして、同和地区と一般地区との格差は全般的には相当程度是正され、また、心理的差別についてもその解消が進み、その成果は全体的には着実に進展を見ているという御評価をいただいているところでございます。
 しかしながら、今後におきます施策の重点課題ということで、また幾つが御指摘をいただいております。特に、就労対策とか産業の振興、教育、啓発等の非物的な事業、こういうものに重点を置いた施策の積極的な推進が重要な課題であるというふうに御指摘もいただいておりますし、政府といたしましても、これを、大綱をもって今後の重要課題というふうに決めているところでございまして、その方向で、関係省庁、県、市町村、連携をとりつつ一体となって推進をいたしているところでございます。
 私どもといたしましても、特にこの意見具申を受けまして、今後とも、今申し上げましたように、同和問題の解決のためにさらに一層の努力を続けてまいりたい、このように考えております。
#39
○小森分科員 人の言うことは論理的に厳密に聞いてくださいね。日本の部落問題はどうするのですか。今あなたが答えておるのは、やはり四千六百三じゃないですか。
 きのう私は、文部省を相手に同和教育の問題について話しましたが、結局、もう二十年か二十五年前に、ここ一、二年でがたがたっと逆戻りしている、物の考え方が。これははっきり言いまして、連立政権の悪さですよ。何か国民も高い支持を与えてやるものですからいい気になって、そして余り物を考えなくなった。もっと言うならば、小選挙区比例代表並立制などというような、政治改革とはおよそ縁遠い、政治の腐敗を解決するということとは縁遠い、そういう雰囲気がずっとびまんしておるから、かねてから私が主張しておりますように、そういう制度というものは少数者、マイノリティーの権利を抑えつけるものである、マイノリティーの利益なんか全く考えないような政治制度になる、その政治制度が実現する前から、既に政府は実現をしてみせておる。
 これが、きのうの私の同和教育をめぐる文部省との議論なのであります。全然わかっていないのです。部落差別をどういうふうに子供に教えて、差別される者にどういう勇気を与え、うっかりすると差別をするような立場に生まれた子供たちにいかに近代的合理的精神を持たせるか、どういう教育をするのですかと言ってもよう答えない、そうなっているのですよ。
 それで、申し上げますけれども、今あなたが言ったのは、やはり地域改善対策協議会で議論しておることをベースに置いて言いよるわけでしょう。きのう文部省が私に示したデータによりますと、大学の進学率なんかは相当程度差別の実態が解決されたとあなたは言うけれども、今なお金国の水準に比べると六割にいっておるかいっておらぬかですよ。それは四千六百三部落ですよ、幾らか投資できた部落ですよ。あとの一千部落まで加えてみなさい、どうなりますか。そういうことを考えたら、あなた、相当程度前へ進んだと言うけれども、言われぬのじゃないですか。
 私は、これは正真正銘被差別部落の出身ですから、私は六割じゃ納得しませんよ。進学率は、やはり日本の国全体が四〇%になったら部落も四〇%にならないと物が片づいたとは言えませんよ。四〇%に対して三五%でも私は不満ですよ。あなた方は、何ですか、相当程度片づいたと言ってかなり満足的なことを言っておるが、五割か六割になったらいいじゃないか、君らは昔から大学へ行ってなかったんだから、半分でも行くようになったらいいじゃないか、そういう差別的な気持ちがあって言いよるんじゃないですか。どうですか。
#40
○上村政府委員 先ほども御答弁申し上げましたが、その平成三年十二月の地域改善対策協議会の意見具申の中におきましても、教育についてでございますが、特に、「教育については、心理的差別の解消を図るため、基本的人権尊重の精神を確立すること、学力、就学状況等の教育上の格差を解消すること、教育・文化の水準の向上に努めることを課題として各般の施策を実施している。しかしながら、依然として差別事象が発生しており、また、進学率格差の存在や中退者の発生等がみられるので、学校教育、社会教育のより効果的な推進が必要である。同和教育については、特に大学において人権教育の普及・充実を図ることが望まれる。」こういう御指摘もいただきまして、先ほど私、御答弁申し上げましたように、今後の重要課題の一つということで取り組んでまいる、こういうことでございます。
#41
○小森分科員 我が国憲法は、その第十四条に「すべて国民は、法の下に平等」、こうなっている。これは近代市民社会の合理的な感覚をうたっておるわけですけれども、「すべて国民は、」なんです。徳川封建幕府以来差別され続けた六千部落
のうち、四千六百三部落は平等であれと言っておるのじゃないんですね。すべて国民は、法のもとに平等である。しかもそこに、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」こうなっていますね。「すべて国民は、」ですよ。
 あなた方のこの間の議論というのはどうなっておるかというと、いや、地域改善対策特別措置法、今は地対財特法というのか、地対財特法のもとで我々は行政をやっておるのですから、その枠で物を考えておるのです。それはその枠で物を考えるのも大事でしょう。しかし、それはつまり、指定されておる地域についてその枠で考えなさい、指定されてないものが厳然としてあるということは、日本の部落問題をどうするかという課題に政府はこたえなければならぬじゃないですか。その点、どうするのですか。もうこのままずっと残すのですか。
#42
○上村政府委員 先生ただいまお話しの問題というのは、いわゆる未指定地区ということであろうかと思いますが、これにつきましては、昭和六十二年制定の地対財特法、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律ということでございますが、この地対財特法では、その特別対策から一般対策への円滑な移行、それを図るための最終的な特別法ということで、その前の法律でございます地対法の期間中に残された事業を円滑かつ迅速に実施するための財政上の特別措置を定めた法律であるわけでございます。
 したがいまして、その地対法、その前の法律の地対法の失効までの間に対象地域として事業が実施された地域、ここを対象として、その地対財特法による地域改善対策特別事業を実施できる地域ということでこの法律は成立をいたしまして、これは衆参両院とも全会一致により成立をさせていただいたものでございまして、その後五年間の延長が行われましたが、平成四年三月のこの法律の一部改正法におきましても、この点は全く改正前と同様でございまして、新たな対象地域の追加は行わない、こういうことになっているわけでございます。
 また、その対象地域の確認の問題でございますが、これは昭和四十四年の同和対策事業特別措置法の施行以来、昭和四十四年七月十日でございますか、それから先ほどの地対法の失効までの昭和六十二年まで十八年間にわたりまして、これは大変相当な期間であると思うのでございますが、事業実施の希望のある地域につきましては、その地域住民の皆さんの合意と選択及びこれを受けた地方公共団体の判断のもとに、すべて確認がされているものというふうに判断して差し支えないのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
 十八年間にわたりまして、窓口といいますか、開かれていたわけでございまして、この間に地域住民の皆様方の合意と選択があれば、公共団体がこれを国の方へ申し出をするという形でその指定をいたしてまいってきたわけでございまして、私どもの承知しておりまするところでは、最終的な昭和六十一年度時点では、もう既に一件の申し出もなかったというふうに承知をいたしております。
#43
○小森分科員 あなたはやはり、この四千六百三部落のことですが、部落問題がわかってないからそういうことが言えるんで、部落差別というのは世間から圧迫されておるんですよ。その圧迫は単なる直接的差別だけではないんですよ。差別に対して権利を主張するということも圧迫されておるんですよ。そこがわからなかったら、なぜ四千六百三部落しか手を挙げなかったか、あとの一千部落ほどはなぜよう手を挙げなかったか、そこまで考えなかったら、本当の我が国の部落問題が解決する政策とは言えないでしょう。それは政府はわからないんですね。我々のような差別されておる者はわかる。私のように何百という部落の掘り起こしをして、そして今まで無権利な立場にじっと我慢をしておった者が立ち上がらなきゃならぬといって立ち上がってきた、そういうオルグをした経験のある者は、そこの問題というのはよくわかるんだ。
 だから、「寝た子をおこすな」というのは、同対審答申では、「寝た子をおこすな」という考え方にくみすることはできないとなっておるが、寝た子を起こすなという考え方があるからといってこれを一概にけなすことはできない、それだけ差別の圧迫が厳しいということをも意味しておるわけだ。あなた方は、寝た子を起こすなという考え方があることの上に、つまりあぐらをかくわけでしょう。言ってこい言うのに言ってこんのじゃから。そんな、ほっとったら言ってきやへんですよ。逆に、我々運動がやったように、政府とか地方自治体がこういう形で大学の進学率も高等学校の進学率も上げようじゃないか、こういう形で仕事も安定した方向に持っていこうじゃないか。だれが自分の差別を解決するのに、具体的な処方せんが示されて嫌だと言う者がおりますか。そこのところが根本的に違うんですよ。
 それで、連立政権になってから、運動側も連立政権を支持するとか連帯するとかいうようなことを言い出して、矛先がちょっと鈍っているんですよ。矛先が鈍るから余計いい気になっておるんです、政府は。せっかくここまで、山の登山に例えれば七合目か八合目まで登ったんじゃないですか。Uターンすることはないじゃないですか。どうして頂上まで上がることをしないんですか。そこが問題なんです。解決しませんよ、日本の問題は、これで。
 それで、きょう私は、総務長官がここに出てくれば総務長官に言おうと思ったんじゃが、政務次官、あなたの考えも聞いてみましょうか。
 総務庁長官の公明党石田委員長は、九一年の五月十日に、解放同盟の中央委員会に出席をされてあいさつされた。あいさつというよりも、むしろ人権問題に対する講演であった。どう言っておられるかいったら、「権力というのは、スキあらば大衆をぎまんし、たゆまざる技巧をめざし、大衆を犠牲にする特質をもっている。この権力の特質は、一貫して変わっていない。」権力の場についたら、みずからこれを自戒する言葉としなければいかぬ。「これと対峙するためには、権力への大衆の英知の挑戦が必要だ。自由は与えられるものではなく、それを求めぬいていく運動にこそ、自由の本来の意義が存在する。」連立政権に対して余り要求しなくなったということは、自由の本来の意義である、与えられるものでなく求めていくものであるというところがちょっと緩んだんや、全体がおかしな雰囲気になっておるからね。労働組合もそうなんや。盛んに連立政権に援護射撃を送っておる労働組合もそれなんや。自由の本来の意義ということを主張しておる。
 具体的なことになりますよ、今度は。「「同和」問題は、日本の人権問題の象徴的存在だが、国の対応は残念でしかたない。政府・与党の発言をみても、」これは当時自民党時代のことだからな、攻撃がたやすい。「政府・与党の発言をみても、積極的なものはみられない。」その政府・与党の「積極的なものはみられない。」というこの評価になるその内容を、今あなた方はそのとおり言うたんだ。反省せないけませんよ。人類普遍の原理の問題だから。言葉として口の先でこの場は通り過ぎられるかもわからぬよ。問題は解決しませんよ。わかりますか。
 自民党時代には、私の計算では大体百四十回ほど部落問題の議論が、本会議でも予算委員会でも各種委員会でもあるいは予算委員会の分科会でも衆参両院を通じて行われておるから、かなり燃え上がったけれども、どうですか、連立与党になってからほとんど声がないじゃないですか。私の発言の場所以外はない。そういう政治的な緩みをよいことにして、問題を解決しないでほおかぶりでいこうということは許されませんよ。
 それで、どう言うとるかいったら、「六五年の「答申」、六九年の「特別措置法」以来、環境整備の面では大きな効果はあったが、根本的解決のためには、「基本法」が必要だ。」あなたは、基本法が必要ない。今の総務長官が言っておるのですよ。
「「人種差別撤廃条約」の早期批准を、おこなうべきだ。」これは、きのう私は外務省とここでやりましたよ。やらぬ言うんです。自民党時代にやらぬ言っていたが、連立政権になってもやらぬ言うのです。だから、ちょっと余りこれは欺瞞的過ぎるんですよ。「「人種差別撤廃条約」の早期批准を、おこなうべきだ。これが、平和、人権、民主主義の憲法をよみがえらせる。また、国内法の整備が、「基本法」制定をうながす大きな力になる。」人種差別撤廃条約の批准と部落解放基本法の制定との関係は、条約と国内法整備との関係だ、後に総務庁長官になられた人の見解ですよ、これが。これはやがて機会があろうと思いますから、本人自体にも話そうと思いますけれども。
 「現行「地対財特法」が来年三月」、つまり延長前のことですから、「来年三月に切れるが、その後について、政府は一般施策への移行の考え方だ。これは本質を論議しない安易な考え方だ。いまは、移行の考え方をとるべきでない。」こう言っておるのです。
 だから、やはり政治家は、政権を担当するようになったら言行一致しなきゃいかぬわな。政務次官、そういう総務長官のもとで、あなたはこの総務庁の政務次官たる立場にっかれたわけだ。ちょっとあなたの、私が今指摘したことを聞かれての感じを話してみてもらえませんか。素直に私は運動側とか国民に伝えますから。
#44
○石井(紘)政府委員 今小森先生が御指摘になりましたその新聞、私はそれに触れておらないわけでございますが、現総務長官のお話も、そういう点では御指摘のことにつきまして伺ったことがございませんので、私は直接的にはこの点についてのコメントはできませんけれども、私自身の姿勢について御発言がございましたので。
 私自身は、もちろん先生御指摘のように、歴史的な差別、社会的な差別、あるいは人権の問題、こういったことは、今日我が国が国際社会の中で大きな立場を占めるという、そういう中にありまして、ますます重要な解決しなければならない課題になっているという認識でございますので、今後あらゆる場面におきまして、私としても可能な限りの努力を注いでいくという決意でございますので、御理解をお願いしたいと思います。
#45
○小森分科員 まあ私のように少年時代からこの部落解放の運動と取り組んできた者からすれば、幾百幾千の政治家あるいは地方行政を担当される地方自治体の責任者のような人と、時には声を荒げて議論しておるのです。それは、今政務次官が言われるようなぬるいことはもう何百回も何千回も聞いておるのですよ。だから、ここであなたに改めてそれと同じことを答えてくれとは言いませんけれども、本当に差別を撤廃しようと思って努力してきた者、あるいはその差別のためにゆえなき圧迫をこの身にしみて感じておる者には、そんな言葉はそらぞらしくてとても聞くにたえないんですよ。それは、あなたがこれから政治家としていろいろ活動される場合の一つの視点だと思って、私の今の言葉を聞いておいてください。聞くにたえないのですよ、それは。
 そこで、先ほど来、差別は大方うまくいっているんだというような意味のことがございましたが、ここでこの経過を私がずっと言うほどの時間もないのですけれども、ちょっと事実が違うから申し上げておきますが、これで最後だといって地対財特法ができるときに了承したというふうなとらまえ方は余りにも得手勝手過ぎますよ。そんなことあなた、そこの議論を吹っかけたら、じゃやめたと言われるかもわからぬから泣き泣きついていったんですからね。そうですよ。痛けりゃ放せみたいな格好にしておいて、そしてそのときに、いや、これが最後じゃいけないんですと言うたら、ほなやめようかと言われたらどうするのですか。仕方がないでしょう、黙っておく以外。しかし、この間の延長のときは、これはその議論はないですよ。議事録精査しなさい。その議論はないですよ。そういうことがありますから、都合のいいことばかり言わぬようにしてください。我々はやはり問題は根本的に解決するところまでいきたい、こう思っているのですから。
 そこで、具体的な事例を挙げますけれども、山口県の須佐町というところがあるのですよ、島根県境。私行ったのです。その家も訪ねていったし、夜ある場所を設定して、二世帯しかないのですけれども、そこの人に来てもらって懇談したのです。その人が言われるのです。相当年配の女性ですけれども、まあおばあさんと言ってよいぐらいでしょう。小森さん、聞いてください。私はこの生涯、三回我が家から葬式を出しました。しかし、隣近所は葬式を出す手伝いを何もしてくれません。この部落は二世帯です。その現地の言葉では、それを死講立ち会いというのだそうです。死んだときの講、その立ち会い。死講立ち会いというのです。死講立ち会いに入れてくれない。入れてくれないということは、仲間に入れてもらえぬから、ほかの者も手伝いに来ないのです。我が家の死人の棺おけを私は自分で背負うて火葬場へ持っていくのです、この人生にそういう経験が三回あった、最近もそうですと。あなた、そんなことをほっておいて何で部落問題の解決がありますか。棺おけを背負ってずっと行っていたら知り合いの人に会った。おばあさん、どこ行きよるんですか。いや棺おけを背負って火葬場へ行きよるんです。恐らく火葬場といっても野焼きだと思いますよ。それはだれの棺おけですか、いやうちの年寄りの。親が子供を背負っているのは見たことあるけれども、子供が親を背負っているのは見たことがないとあざけり笑われたというんですよ。
 あなた方の胸痛みませんか、それは。そういうことがあっても、いやこれはもうぼちぼち一般行政への円滑な移行で、一千部落は知りません、手を挙げろといっても挙げなんだ。どうやってそこらが手を挙げるのですか。立ち上がれと私は言うた。運動家の私が立ち上がれと言うた。立ち上がれと言うたら、どういうことですか、町役場へ行って町長が相手にしてくれますか、悲しい思いをするだけじゃないですか、率直にそう言いましたよ。
 もっと同和行政の担当者というものはその生なところを調査したり研究して分析して、どうしなければならぬかということを考えなさいよ。後世に残すんですか、これを。ええかげんにせないけませんよ。これを要求したり追及したりする者の声が小さいからといって、しかも、連立政権以後になって少し運動がぐらぐらっとなっているからといって、それであぐらをかいてたってだめですよ。日本の歴史から抹殺はできないのですから。
 それから、同じ山口県の今度は田万川町というところへ行ったのです。あまり離れていない。国道九号線が通っておる。山陰本線が通っておる。国道九号線と山陰本線をまたがってこちらに部落がある。今は一世帯しかない。かつては十世帯近くあった。急傾斜地帯を背景にしているから、雨が降るたびにどんどんどんどん家が壊れてしまう。皆そこから出なきゃならない。しかし、田地田畑があるでしょう。農機具を入れるのに踏切がありませんよ。農機具を入れるときに、小学校や中学校の簀板というのがあるでしょう。あの簀板みたいなものを鉄道の上に敷いて、列車が来たらいかぬから番人を立てて、そしてそこを農機具を通すのです。同対審答申が言っておる原始社会の粗野と文明社会の悲惨さを兼ね備えた、いや、文明社会の粗野か、何かとにかく文明社会と原始社会の悪いところを重ねて持っておるのじゃないか。
 私は去年行ったんだが、去年のことで去年と言われたから、おととしになるわけ、今から言うたら。ここのところで二人年寄りが列車にひき殺されたんですよ。踏切がない。シグナルもない。これは鉄道というかJRともかけ合おうと思っておるけれども、そんなことほっとかれるんですか。運動は、それは弱いです。運動が弱いということは何もせぬでもいいということか。行政は運動が弱かろうが強かろうが、「すべて国民は」でしょう、憲法は。説教がましいことになるけれども、少しはそれは真剣に考えなきゃだめですよ。ええのだけは言って、うれしがらせて泣かせて消えたじゃだめでしょうが。
 そこで、あなた方は心理的差別は相当解決ついた、こう言うのだが、細川総理大臣が総理大臣になる前に差別事件を起こしたという新聞記事というか活字が何種類もあるということは御承知でしょうか。これは審議官、どうですか。
#46
○上村政府委員 一部機関紙におきまして、そのような報道がなされているということは承知をいたしております。
#47
○小森分科員 そういう事実は、要するに事実というのは、報道された事実のことを私は事実と言うが、運動は、本当はこれは確認せないかぬのだが、総理大臣だからといって確認をしていないんだろうと思うのですね。相手がちょっと大物とか有名人とかだったらやらなくて、そしてある程度いけると思うところはやるというのは、これは私はいかぬと思うので、それは運動的にはやるべきだと思っていますけれども、今私は現役を外れているから、そういう声は高くするように努力していますけれども……。
 そのことについて法務省にお尋ねをしますが、全日本同和会熊本県連合会会長西本一武という人が、熊本地方法務局長に対して、この事件の公平なる事実確認の調査の要請しますといって文書が出ていますか。
#48
○筧政府委員 委員が指摘された報道、これが一部の機関紙等に掲載されておるということを承知しておりまして、私どもそれを情報として承知しておるという段階にあります。
 しかしながら、具体的な人権侵犯事件の申告にかかわる問題というのは、これは私ども、個々的な事件についての守秘義務の関係上、お答えを差し控えさせていただきたいと思っております。
#49
○小森分科員 繰り返してあれですけれども、そういう公平なる事実確認の調査を要請するという文書は出ていますか。
#50
○筧政府委員 まことに申しわけないことでございますけれども、調査を要求するということが、これは一種の、私どもの受けとめ方といたしましては、事件に対する情報提供ないしは申告の行為として受けとめるわけでございますけれども、そういう行為がなされるということ自体がこれは人権擁護機関に対する信頼に基づくものでございまして、その信頼というのは、私どもがその個々的な事件に対しては一切の秘密を守るということに対して形成されているものというように把握しておるわけでございまして、私どもの一般的な行政のやり方といたしましても、そのことについての事実を申し上げるということを差し控えさせていただきたいと存じております。
 ただ、これもまた極めて一般論で申し上げさせていただきますけれども、人権侵犯事件の疑いのある事実を認知いたしましたときには、私どもといたしましては、それに基づく調査をし、侵犯事実のあるかないかということを確かめて、その結果に基づいて適切な処理をするということにいたしておるわけでございます。
#51
○小森分科員 この論理は、この論理はというのは、今お話しになった、お答えになったこの論理は、行政というものは国民に対して責任を持っておるという一つの大事な側面というものが全部消えておる。守秘義務という言葉だけが前へ出る。相手は総理大臣ですよ。総理大臣たるべき者にそういう問題について守秘義務があるとかなんとかといって、国民は納得しませんよ。本当に力のない個々人のプライバシーを守るというのなら、それは皆納得するでしょう。強大な権限を持っておる総理大臣ですよ。総理大臣なるがゆえに物を明らかにするということも大事なのですよ。そういう意味で、それは国民は信用しないですよ。
 つまり、そういうものが出たか出ないか。私はここに出たという文書を持っておるのです。私はそういう文書を出したということの事実を確認しているのだ。だけれども、行政がどう言うかと思って、今私は尋ねたのです。そうしたら、そういうことが出ておるとか出ておらぬとかということも守秘義務でありますと言うたら、何が出ようが、自分らがしようがすまいが、もうそこから先は情報が途絶えるんだから、国民の一つの厳粛な信託を受けた行政の行為としては、国民に何もわからないのですから、もうやらなくてもいいことになるでしょう。それは近代合理思想に反するのです、そういうことは。それはちょっと指摘にとどめておきますよ、きょうは。
 それから、簡単に答えてくださいね。連合会長山岸という人が差別事件を起こしておるのを知っていますか。それを答えてください、知らなかったら、知らないと。
#52
○筧政府委員 これも一部の運動団体の機関紙でそのような指摘があるという程度の認知をしておる程度でございます。
#53
○小森分科員 これも余りすっきりした反省をしていないのです。この場における私の発言は情報として聞いてくださいね。反省をしていないのです。力のある者が皆反省せぬのですよ。けしからぬのです、それは。
 だから、私は二年か三年か前に、梶山さんが法務大臣になったときに法務委員会でやったのですよ。梶山さんは反省をしたのですよ。わかりました、小森さんのような言い方で説明してもろうたら、私のように技術畑を走った者もそういう論理的なことをわかった。口の先だけで言いよるのかと思うた。口の先でもいいわな、反省すれば、全くはねつけるよりは。そうしたら、当時の法務省の官房長だったか、小森さん、あれは本気で反省していますよ。その証拠はと言うたら、何か千葉県の方に視察に行ったときに、ほかのことで行ったのに、おい、ちょいと時間をつくって部落の実態を見さしてくれと大臣が言うたよと言うから、それはある程度本物だな。事件が起きたら、何もそれでぐちゃぐちゃにたたいて踏みつけるというのではなくて、問題はいかに正しい感覚に立ってもらうかということが大事なのです。そういうことで、山岸さんのことも、国会のこれは正式の発言の場ですから、私は情報を提供しておると思ってください。
 広島で、女子高校生の自殺事件が、部落問題にかかわってあったことは御承知ですね。
#54
○筧政府委員 承知しております。
#55
○小森分科員 それでは、そういうふうなことがあっちこっちで起きておるときに、心理的差別は大分片づいた、そんなものじゃないのです。分析しておきます、私が。
 なるほどまじめな国民の各層は、かなり問題の解決の方向にいきよります。しかし、有力者のところでは、自分らが権力的立場ですから、根性は大分ねじれよるよ。物が解決に迫っていくときに、権力的に抵抗しますよ。しかしそれを緩めたら、まただあっと最初のところまで逆戻りするのですよ。胸突き八丁まで来ておるのですわ。今の実態論、実態のこととか法律のことに関して私が言うたのに、山の七合目か八合目まで行っておるのに、もうついでに登れというのは、私はそこを言っておるのですよ。しかし、厳しい抵抗が有力者の間で起きてくるのです。それに対する対策を考えてもらわなければいかぬ。これはまた機会を改めてお尋ねをすることとしたいと思います。
 いずれにしても、間違わないでくださいよ、この国会は日本の国会なのだから、日本の国民の問題の解決なのですから、一部を除外視するというあらかじめ差別的発想はだめですよ。そこのところががあんと頭へ入らなんだらだめですよ。追及する者がおらぬからといって、いい気になっておったらだめですよ。やがてまだそういうことが大議論になるような状況というものは、運動にも波があるし、政治にも波があるのだから、必ずそういう時期は来ますよ。だれだって、あなた、人間が、自分が差別されたままでじっと我慢しておくということはあり得ないのですから、人間というものはたゆみなく自己実現を求めていく動物なのですから、人権を求めていくのですから、そういうことを申し上げておきたいと思います。
 さて、一応総務庁なり法務省なりにはこの程度の質問にさせていただきまして、時間が余りありませんから、あと少しばかりお聞かせをいただきたいと思いますのは、国税庁の方にお尋ねをいた
します。
 今税制改革ということで、直間比率をどうするとかこうするとかという問題がかなり議論をされておるわけですね。つまり、税収不足になっていることはもう明確であります。
 時間の関係がありますから、詳細は説明を省きますが、宇都宮市の医療法人の晃陽会にかかわることで、既に何回か私も国税の担当者と接触をしておりますが、要は、この医療法人をめぐって書類の改ざんがあったり、それは裁判ざたになったり、さまざまなことが現在進行中なのでありますが、いろいろ調べた結果、これはかっちり税金を取ってもらえば約三十億円徴収できるではないかと申し出ている人がいるわけですな。これは一種の情報提供ですね。地方税を含めたら、地方税が七、八億円になるということを、宇都宮市も県の方もそういうふうな計算をされておるようでありますが、いよいよこの五月三十一日が時効になるんですね。あともう二、三日なんですね。
 私が残念でならないのは、資料を提供するいって申し出る者がおるのに、現地の税務署、宇都宮税務署ではそれをちょっと、門前払いみたいな、いや、うちがそれは税金のことは考えぬといけぬが、まあええわというような感じで、余り本気で取り合わない。やっとこの間行って、書類を国税の職員にお渡しをした、こういうことなんですね。
 それで結局私が言いたいことは、何を言いたいかといったら、この税金が課税対象になるかならぬかは、ここで議論してもそれは時間がとても足りないんですから、そこは避けますけれども、きょうは。要は情報の提供など、もう少し丁重に、そうですが、じゃ、よく精査しましょう、だんだん期限が切れますから早く持ってきてくださいというくらいのことはあってもいいんじゃないですか。その点をちょっと、姿勢ですな、それを聞かせてください。
#56
○高氏説明員 お答え申し上げます。
 個別のお話が出ましたけれども、個別にわたる事柄につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、私ども国税当局におきましては、常に納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じまして有効な資料情報の収集に努め、申告書等をチェックする等、総合的に検討いたしまして、必要に応じて税務調査を行うなどによりまして、適正な課税に努めておるところでございます。
 今後ともあらゆる機会を通じまして有効な資料情報の収集に積極的に取り組みまして、収集した資料情報につきましては適時適切に活用するなどによりまして、適正公平な課税の実現に向けて努力を重ねてまいる所存でございます。
#57
○小森分科員 税務署の事情によれば、電話一本とかはがき一本の投書でヒントを得て、そして脱税を、つまり課税対象にしていくようなことがしばしばあるのです。私は聞いていますよ、そういうことは。それは、ここのところははがき一本で来たとは税務署は言われないけれども、情報提供があったときにはそういうことはあるとしばしば聞くのです。
 しかし今回は、この人、つまり情報を提供しようとする人は、それを単行本にまで書いて、論理的にずっとこうやって、物すごい資料を持っておられる。それは、直接自分が、簡単に言うたら自分の財産をなげうって医療法人を設立した、その医療法人が人の手に渡った以後のことだから、非常によくわかる。それを少しつつ、はねるようなことをされるから。
 だから、私はもっと前向きで、資料を提供しようという人には、資料をもらって、逆に自分でわからないところは、税法は詳しいと思うけれども、事実関係でわからぬところはこれはどうなりますかなと、自分が税法に照らして物を判断する上でさらに事実を聞きただすぐらいのまじめさはあってもいいと思いますよ。
 同じ県内のことではないかと思うけれども、あるとき新聞を見ましたら、有力な政治家が、ある宗教団体の税金をわしがまけてやるようにしてやったんだ、こう言うとるわな。新聞記事があるんだ。そんなことを考えたら、だれか政治家が介入してこれをもみ消しておるのじゃないか。私は疑いを持ちますので、もう少し歯切れよく言ってくださいよ、資料など情報があったらそれは前向きに精査しますと。答弁願います。
#58
○高氏説明員 先ほども申し上げましたように、私ども、あらゆる機会を通じまして有効な資料情報の収集に努めております。それで、問題があれば調査する等、適切に対応しております。今後とも同じような姿勢でさらに努力を重ねていきたいと思っております。
#59
○小森分科員 今後ともというのがひっかかるけれども、これでやめます、気持ちはわかるから。
 では終わります。
#60
○森主査 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして総務庁所管の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#61
○森主査 これより会計検査院所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。矢崎会計検査院長。
#62
○矢崎会計検査院長 平成二年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二千七百二十九万余円に対しまして、収納済み歳入額は二千七百二十七万余円であり、差し引き一万余円の減少となっております。
 収納済み歳入額の主なものは、公務員宿舎貸付料等の国有財産貸付収入二千六百二十一万余円であります。
 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額百十九億六千五百九十万余円でありますが、これに予算補正追加額二億二千四百八十六万余円、予算補正修正減少額三千九十四万余円、差し引き一億九千三百九十二万余円を加えた予算現額百二十一億五千九百八十二万余円に対しまして、支出済み歳出額は百二十億六百三十七万余円でありますので、その差額一億五千三百四十四万余円を不用額といたしました。
 支出済み歳出額の主なものは、人件費百四億四千一万余円、検査旅費七億四百七十万余円となっております。
 以上、簡単でございますが、平成二年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
 次に、平成三年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二千七百三十五万円に対しまして、収納済み歳入額は二千六百五十一万余円であり、差し引き八十三万余円の減少となっております。
 収納済み歳入額の主なものは、公務員宿舎貸付料等の国有財産貸付収入二千五百三十八万余円であります。
 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額百二十六億八千八百十万余円でありますが、これに予算補正追加額一億四千四百二十八万余円、予算補正修正減少額四千八百四十八万余円、差し引き九千五百七十九万余円を加えた予算現額百二十七億八千三百九十万余円に対しまして、支出済み歳出額は百二十七億五千三百七十一万余円でありますので、その差額三千十八万余円を不用額といたしました。
 支出済み歳出額の主なものは、人件費百十一億一千七百三十五万余円、検査旅費七億百九十九万余円となっております。
 以上、簡単でございますが、平成三年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
#63
○森主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
#64
○阿部会計検査院説明員 平成二年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
 また、平成三年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
#65
○森主査 以上をもちまして会計検査院所管の説明は終わりました。
#66
○森主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。若松謙維君。
#67
○若松分科員 昨年初当選をさせていただきました公明党の若松謙維でございます。
 いろいろな質問の仕方がございますけれども、特に追及型そして対話型、私は地元から非常に議員らしくないということで当選させていただいておりますので、対話型でやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず第一点ですけれども、これは質問通告しておりません。これは院長にちょっとお答えいただきたいのですけれども、会計検査院が自分の、会計検査院の決算を検査する、これは非常に独立性が問題ありまして、その点についてどのようにその独立性を維持されているのか、御返事をお願いいたします。
#68
○矢崎会計検査院長 会計検査院の予算といえども、やはり国民の税金をもって賄われている予算であることにはほかの一般の官庁と全く変わりはないわけでございます。したがいまして、その予算が適正に執行され、そして効果的、効率的に使われているかということは極めて大事な問題でございます。国民も関心を深く持っているところだと思います。
 そういう意味で、会計検査院が国のあらゆる支出について検査をする権限と責任を負っているということでありますから、検査院自身の予算の執行につきましても厳正、適正に検査を実施しているところでございまして、そのための担当の部局もございます。そこで毎年きちんと検査をさせて
 いるわけでございます。
#69
○若松分科員 その件についてはまた別の機会にさらに御質問させていただきます。
 まず検査の効率性ということについてでございますが、いわゆる会計検査院の検査、これは非常に広い視野というか、また多角的な観点からも行われているわけでございますけれども、会計検査院の検査の観点、これは四つの観点があるという非常にわかりやすいパンフレットがございますので、その説明をお伺いしますと、まず一点目が、検査が予算執行の状況を正確に表示しているかどうかという正確性の観点。二点目が、会計経理が予算や法令等に従って適正に処理されているかどうかという合規性の観点。三つ目が、個々の事業が経済的、効率的に行なわれているかどうかという経済性及び効率性の観点。そして四つ目が、事業全体が短期の目的を達成し効果を上げているかどうかという有効性の観点。この四つの観点があるということで会計検査院の検査が行われていると理解しております。
 しかし、会計検査院の検査結果、これを見させていただきますと、その指摘のほとんどが正確性、または合規性の指摘という、どちらかというと数字合わせのチェック的な、また法律性のチェック、そういったところに集中していると思うんですけれども、今国民が最も関心を示しているというのは、納税者から預かった税金、これがいかに効率的にむだなく使われているかというまさに経済性、効率性の観点からの指摘を国民が期待しているのではないか。それに対して、やはりその指摘の結果として、少ないという印象を持つたわけですけれども、これは残念なことだなと率直にそう思いました。
 これにつきまして、会計検査院の検査の制度上に欠陥があるのか、または会計検査院の側で今後検討する問題があるか、そういった点について御意見を伺います。
#70
○矢崎会計検査院長 会計検査院の検査が先生御指摘のように正確性、合規性、経済性、効率性、さらには有効性といった観点から多角的に実施をされておるということでございます。そうして、まさに先生も御指摘なさいましたように経済性、効率性を追求すること、そしてまた事業が全体として目的を達成し効果を上げているかということを検討する有効性の検査、言ってみれば業績評価型の検査と私ども呼んでおりますが、この重要性は先生の御意見と全く同じ認識を持っておるわけでございます。
 合規性等の観点に比べましてこういう観点からの検査が少ないのではないかというふうな御指摘でございますけれども、この点について検査の実績でちょっと御説明を申し上げてみたいと思います。
 ここ二年度の決算検査報告におきます経済性、効率性及び有効性の観点からの指摘につきましては、件数で見ますと確かに一〇%程度ということでございますけれども、金額の面で見ますと三十数%になっておりまして、検査院としても特に力を入れているつもりでございます。それからまた、経済性、効率性、有効性の観点からの指摘事項の中には、傾向的に発生している個々の不適切な事態、同じような事態がたくさん発生しているようなものを多数まとめまして一件としてカウントしているというものがあるわけで、そういう関係もあって件数が少なく表現されておりますが、不当事項なんかの場合ですと、個別不当ですから調査しました箇所数一つで一件というふうなカウントになるわけですね。そこら辺の事情があることを少し御理解いただければありがたいと思います。
 例えば、平成三年度決算検査報告に掲記いたしました新農業構造改善事業などによる施設の設置及び運営に関する処置要求の事項がございます。これは百十八市町村などにおきます百二十九の農業施設が多額の欠損を生じて運営を休止したり、あるいは収支が大幅な赤字となって運営の継続が困難になっているといったような不適切な事態を集めましてこれを一件として処置要求をいたしておるというような事情がございます。それからまた、行政や制度に関する事項につきまして、問題によりましては院法の三十六条で意見表示等をいたしますけれども、これはいわゆるむだ遣いとは性格が異なるようなこともございまして、指摘金額のカウントに含めていないものもございます。例えば有効性の検査の事例としては、平成二年度決算検査報告に掲記いたしました十九都道府県の市街化区域内に所在いたします千百二十三カ所の国有農地あるいは開拓財産の貸付地などが家庭菜園程度にしか利用されていなかったり、あるいは全く利用されていなかったりしているという事態につきまして意見表示をしておりますが、これも決算検査報告上のカウントとしてはまとめて一件ということで処理させていただいているわけでございます。
 こういった事情についても御理解を賜りますれば大変ありがたいわけでございますが、しかし、いずれにしても委員御指摘のとおり、経済性、効率性、有効性の検査が重要であるということは私どもも重々認識をいたしておるところでございまして、今後とも効率的な検査とか検査手法の開発などで創意工夫をして、一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#71
○若松分科員 ぜひその有効性、効率性、いわゆる三Eですね、これの奨励をお願いしたいと思います。そして、三十分しか質問ございませんので、もう答弁、本当に今回触れていただくという程度で結構です。そして、一応あと四つありますから、さっとさせていただきます。
 これもひとつ重要なんですけれども、いわゆる環境保護というのでしょうか、これが地球的な課題となっておりますけれども、いわゆる会計検査、数字という、その裏腹に環境保護または環境影響評価、こういった視点もこの会計検査に広く含められるべきだと思うんですけれども、その点についてお考えをお願いします。
#72
○矢崎会計検査院長 会計検査が基本的に合規性、経済性、効率性、有効性といった観点から実施されていることは御説明したとおりでありますが、委員御指摘のようないろいろな最近における社会情勢の変化に伴う問題、こういった各種事業につきましても非常に高い関心を持って私どもは積極的に検査をいたしておりまして、最近の環境保護に関します社会の関心の高まりを反映いたしまして、環境対策の諸事業がいろいろ行われております。こういったものにつきましても十分関心を持ちまして検査を実施いたしているところでございます。
#73
○若松分科員 ぜひ環境チェック面、今後もよろしくお願いいたします。
 次に、検査の質またはそのための会計検査基準とでもいうんでしょうか、その点について御質問させていただきます。
 いわゆる会計検査院の検査の質を一定水準以上に保つ、これが当然会計検査院の検査が国民の期待にこたえるという一点ではないかと思いますけれども、そこで、会計検査院が検査の質を一定に保っための努力、手法、簡単で結構ですからちょっと御説明いただきたいと思います。
#74
○矢崎会計検査院長 会計検査院といたしましては、検査機能の質的水準の維持強化を図ることが大変重要だと思っております。
 いろいろやっておりますが、まず第一は、組織体制を適時適切に見直すということをやっておりまして、いろいろな検査対象がどんどん変わってまいるわけで、社会情勢の動向にも的確に対応しなければいけないということから、組織の見直しをやっております。最近の例では、昭和六十二年度にODA検査を主管する外務検査課をつくったり、あるいは平成三年に年金関係の検査を行います年金担当の上席調査官を新設したというような例もございます。
 それから、職員の検査能力の向上、これも大変重要でございますので、研修に非常に力を入れておりまして、高度な研修である専門研修ですとか、一般的な知識等を備えさせるための特別研修とか、あるいはその職場での職場研修であるとかいうことを非常に大事に考えて力を入れております。平成四年十月には、安中に新研修所をつくりまして、これを活用して研修コースの拡充等も進めております。
 それから、調査官試験というものを私ども内部でやっておりまして、この調査官昇任試験に合格した者を調査官に昇任させるというようなことで一定水準以上の検査能力の確保を考えています。
 それからまた、効率的な検査を実施するために部内で検査計画を立てまして、いろいろな過去の実績等の分析も踏まえまして効率的な検査ができるように考えております。
 それからまた、コンピューターの活用ということによって検査効率の向上というようなことも配慮しているわけでございます。今後とも一層努力したいと思っております。
#75
○若松分科員 先ほど検査の質の一定向上、これにつきまして研修制度を御説明いただきましたけれども、一つの会計検査院のノウハウ、これは基準化する、いわゆるマニュアル化するというのでしょうか、私の商売というか、私は公認会計士でして、非常に似た仕事をずっとさせていただいております。この公認会計士の世界ですと、一般的に認められた監査の基準、こういったものが基準化しているわけでして、こういったものがまず会計検査院の検査の手続上あるのかどうか、または、ないとすれば会計検査基準等の設定についてどういうふうにお考えなのか、それについてお答えいただきます。
#76
○矢崎会計検査院長 会計検査の対象は、御承知のとおり、国家財政の規模も非常に増大しているために複雑多岐にわたっております。そしてまた、社会経済情勢も時々刻々変化していくといったようなこともございまして、検査上の重点事項ですとか検査の方法も寺とともに変化をせざるを得ない面がございます。
 こうしたことから、検査院といたしまして、共通的な成文の検査基準というものは作成はしておりませんけれども、検査の実施に当たりましては合規性、経済性、効率性、有効性といった観点から、多角的な検査を行うように調査官等に徹底をいたしておりまして、検査の実効性や効率性を確保しているつもりでございます。
 それから一方、医療等の社会保障の関係ですとかあるいは工事検査といった個々の検査分野について見ますと、具体的な検査の着眼点が長年の経験で蓄積されておるわけでございまして、こういったものを内部資料として検査マニュアルをそれぞれつくっております。それらを職場研修の場等で新しい調査官等を含めて十分徹底をするということで、組織的統一的な検査に努力をしているわけでございます。こういった面の努力を今後とも強めていきたい、こう考えております。
#77
○若松分科員 先ほど各検査ごとのマニュアルとおっしゃいましたけれども、なぜ私たち公認会計士の世界で監査基準がつくられたかというと、いわゆる会計士はどういった検査をやっているのか、私たちの仕事の透明性というところが求められて必然的に出たものでして、いわゆる会計検査院が国民の側に立ってしっかりチェックしているというその透明性を明確に国民に伝えるための基準、最低このくらいはやっていますと、そういった面の基準化というのは必要じゃないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#78
○矢崎会計検査院長 今申し上げましたことに尽きると思うのでありますが、先生のおっしゃいますような企業に対する監査基準というものと、国家財政あるいはいろいろな特殊法人等を含めた複雑多岐にわたる、そしていろいろな特色を持った共通性も必ずしもないというふうな我々の検査対象の特色を考えますと、一律的な検査基準というものが果たして有効に機能し得るのかどうかという点については、これはいろいろ問題もあろうかと思います。そういう意味で、私どもは先ほど申し上げましたような個々の分野についての検査マニュアルというようなものを活用しながら検査内容の充実、向上を図っていくというのが現時点での本筋ではないかなというふうに思っております。
#79
○若松分科員 確かに国家財政、多岐にわたるということですけれども、当然企業の活動も多岐にわたるわけでございまして、その多様性という面では私は違いはないと思います。そういった上に立って、やはり最低限の共通的な項目としての基準化、これはやはりあっておかしくない、まさに国民が求めているものではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
#80
○矢崎会計検査院長 そういう意味でいいますと、最低限の基準と申しますと、まず会計法令によりまして経理の基準等が細かく決められているわけでございまして、そこに一つの会計処理の一般的な基準というものが定められているように思いますので、こういうものが一つの基盤として機能していくことがまず第一に大事だと思います。私どももそういう点はいろいろな機会に各省庁あるいは各団体に徹底をしておりますし、検査院でもそういった関係者の研修等も行ったりしているところでございます。
#81
○若松分科員 またこの点についてはさらに機会を設けて質問させていただきます。
 そして次に、いわゆる情報開示の指摘ですけれども、ちょっとこれは時間の関係で省かせていただきます。
 今度は、先ほど会計検査の四つの目的ということがありましたけれども、こういった観点で検査が行われているかどうかということについて質問させていただきます。
 いわゆる国有地の未利用地、これはまさに税金で国が土地を買って、それが何も使われていない。実際に私の地元、埼玉五区の選挙区ですけれども、非常に多くの国有地、特に末利用地がありまして、まず一つは米軍基地のキャンプ朝霞跡地、これが四十六・九ヘクタールの未利用地、そして東北新幹線、これは民営化になりましたけれ
ども、当然会計検査院の対象だと思います。そこで、大宮から以南にかけて都市施設用地という、いわゆる十六メートルのグリーンベルト地帯、これもまさにペンペン草が生えているというか、そのためにあるような、これが十年以上続いておりまして、これが二十七・五ヘクタール、かなり広大な未利用地があるのです。
 そして統計で言いますと、我が国全体で八百九十一・四ヘクタール、首都圏では百八十四・七ヘクタール、こういった未利用地があります。特に、私の住まいを構えている大宮市、この市街地にも約十八・五ヘクタールの農業機械化研究所があるのですけれども、これは使われておりますけれども、地元の方から、非常に緑が多いのだけれども本当に使われているのか、何も音が聞こえない、しんとしていると。高度利用化というところでの指摘も住民からございます。
 そういった面で、いわゆる未利用地の利用化、または利用されている施設の高度利用化、こういった点について検査を行われているかどうか、御返答いただきます。
#82
○矢崎会計検査院長 国有地の未利用の問題ということは、これはやはり会計検査院としても常々関心を持っている問題でございます。土地一般につきまして、それが有効に利活用されているかという観点から、国有地を初めとして各団体の保有する土地についても検査を実施をしております。
 特に、未利用のまま長年月が経過しているといったような事態につきましては、事業計画が妥当かとか、あるいは土地利用計画が適切に作成されているかとか、いろいろな観点からの検討を加えることにしておりまして、その結果、これまでに相当数を検査報告で取り上げているところでございます。具体的な点、必要でございますれば、局長の方から補足答弁させたいと思います。
#83
○若松分科員 せっかくお越しいただいていますし、まず大蔵省の方から先ほどの未利用地、そして農林水産省の方からこの機械化研究所、これについて状況等も踏まえて御説明いただきたいと思います。
#84
○小林説明員 先生御指摘の、国有地の長期間未利用としてあるものについてどう考えるかということでございますが、国有地といいますのは国民共有の貴重な財産でございます。そこでまず、これが将来公用とか公共用への利用に充てることが適当というふうに認められるもの、こういった未利用の国有地は適切な利用計画、これが具体化するまでは処分を留保して、その間適切な管理を図ることとしております。
 したがいまして、このような国有地につきましては、後日、国等が当該財産を必要としても、当該財産が国等の用に供することができなくなるおそれのあるような利用方法をとることは適当でございませんものですから、一時貸し付けでございますとか、将来の利用に支障を及ぼさないような方法で有効活用に努めているところでございます。
#85
○若松分科員 その件について質問させていただきます。
 例えば、地方自治体で地元にそういった国有地がある、だけれども一括購入のための資金がない。そういったときの措置というものはどういったものがあるか、御説明いただけますでしょうか。
#86
○小林説明員 地方公共団体が国有地を購入しようとする場合、一時に払う財源がちょっとないという場合でございますが、まず二つほど手段があろうかと思います。
 一つは、国有地を売却いたしました場合に、その買い主の方が売却代金を一時に支払うことが困難であると認められる場合、これは国有財産特別措置法に規定がございまして、延納という手段をとることができます。地方公共団体の場合は延納期間十年ということで、こういう手段が一つあります。
 それからもう一つま、原則として有償の新規貸し付けというのはやっておらぬところでございますけれども、特例といたしまして、やむを得ない事情がある場合には、三年のうちに買っていただくということを前提といたしまして貸し付けを行うということができることになっておりまして、このような方法によることも可能であると考えております。
#87
○大森説明員 先生、先ほど生研機構について御質問がございましたので、お答えさせていただきます。
 生研機構の機械化研究部門でございますが、これは大宮市の中にございまして、敷地が約十八ヘクタールほどでございます。この機関は、我が国唯一の公的な農業機械の研究の拠点として機能してございまして、国際的な技術水準を備えておる機関でもございまして、OECDのテストコードの実施機関にも指定されているという状況にございます。これからの農業の中で機械化の推進というのは非常に重要な課題でございまして、この研究機関に対する期待も非常に高まっておるところでございます。
 昨年、機械化促進法を改正いたしまして、開発がなかなか難しい機械について当機構を中心に、機械化研を中心に官民一体の総力を挙げた開発体制を新たに構築いたしまして、当研究所はその中心としてただいま活動をしております。その中で、新しい接ぎ木ロボットですとか果樹の無人防除機といいましたような最新鋭の機械も、近々農家の手元に届くまで研究のポテンシャルが上がっておるところでございます。
 先ほど、かなりしんとしているというお話がございましたが、これは十八ヘクタールの中に二十六ほどの施設設備を用意してございますが、周辺との環境、特に騒音等には留意いたしまして、緩衝緑地等をかなり広くとらせていただいております。そういう中で、大宮市の避難の指定地にもなってございますし、また緑地等の指定もございまして、大きな木はできるだけ保存するというふうなことにも留意しながら、計画的な施設整備に努めておりまして、効率的に有効に土地を使わせていただいているというふうな状況にございます。
#88
○若松分科員 先ほどの農業機械化研究所ですけれども、お聞きしましたところ、何か海外の研修生も受け入れていらっしゃる。まさに本当に日本の外交のカードであるODA、そういった面でこの高度利用化をさらに高めるために、いわゆるそういった観点からの今後のさらなる活用ということが考えられると思うのですが、その点についていかがでしょうか。
#89
○大森説明員 海外との関係では、海外の機械化技術者の研修の受け入れをいたしております。それからさらには、最近、機械化に関しますプロジェクトが多数海外からの要請がございまして、そういうプロジェクトに対するいわゆる研究者の派遣という意味での機能もこの機構が果たしておるわけでございますが、そういう中で研究者の往来が非常に最近活発になっておりまして、私どもといたしましても、ODAその他の経費を活用しながら、一層この生研機構・機械化研が国際的な拠点になるような形で、あるいは大宮のこの地がそういう多くの方々の交流の場になるような形に、これからさらに努めてまいりたいというふうに思っております。
#90
○若松分科員 ぜひ、その点よろしくお願いいたします。
 最後に、もう時間が過ぎましたので、結論的な質問というか確認事項とさせていただきますけれども、いわゆる議会と会計検査院との関係についてなんですけれども、これはぜひ院長の方からお話しいただきたいと思います。
 まさに会計検査院、議会とそして内閣から独立しているという、今後もこの関係は重要だと思います。しかし、さらに今後検査院の検査の効率を高めるために、会計検査院と議会との関係、この密接化が大事だと思います。そういった面で、今回まさに分科会方式、いわゆる稲垣方式とぜひ歴史的に呼びたいと思っておりますけれども、このやり方について率直な御意見を、反映されるか、よろしくお願いいたします。
#91
○矢崎会計検査院長 議会内の運営の問題につきまして私どもがコメント申し上げるのは大変僭越でございますので、その点は差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、決算委員会における御審議が活発に行われていくということは、大変私どもはありがたいことだというふうに思っております。
 と申しますのは、会計検査院自体が、国民にかわって税金の行方を監視するという大きな役割を担って仕事をさせていただいているというふうに思っておりますので、私どもが提出いたしました決算検査報告というものが決算委員会等におきまして御議論をいただくことができ、そしてそのことによって国会における財政監督機能が一層充実されていくということは、国民のために大変重要なことではないか、こういう認識を持っておりますので、今後とも一層の御審議の充実が図られますことを私どもとしてもお願いをいたしたい、こう思っている次第でございます。
#92
○若松分科員 ありがとうございます。
 私もこの稲垣方式は大賛成でございます。与党、野党かわろうとこの方法だけは不変であるということを最後に申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#93
○森主査 これにて若松謙維君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして会計検査院所管の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#94
○森主査 これより裁判所所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。金谷最高裁判所事務総長。
#95
○金谷最高裁判所長官代理者 最高裁判所の事務総長の金谷でござます。
 まず、平成二年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算の概要について御説明申し上げます。
 裁判所所管の歳出につきましては、当初予算額は二千五百七十四億三百七十二万円余でございますが、これに大蔵省所管からの移しかえ額三億五千九百四十九万円、平成元年度からの繰越額二億四千四百五十六万円余、予算補正追加額百九億五千四百四十九万円余、予算補正修正減少額三億二千八百三十五万円余、差し引きで百十二億三千十九万円余が増加されましたので、歳出予算現額は二千六百八十六億三千三百九十二万円余となっております。
 これに対しまして、支出済み歳出額は二千六百七十億一千四百十八万円余であり、歳出予算現額との差額は十六億一千九百七十三万円余でございます。
 この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は七億四千七百九十二万円余、不用額は八億七千百八十一万円余であります。
 不用額となった経費は、人件費五億九千六百十二万円余とその他の経費二億七千五百六十九万円余でございます。
 裁判所主管の歳入につきましては、歳入予算額は三十三億四千二百四十五万円余であります。
 これに対しまして、収納済み歳入額は四十八億四千四百十八万円余であり、歳入予算額に対し十五億百七十三万円余の増加となっております。
 この増加は、相続財産で相続人不存在のため国庫帰属となった収入金の増加等によるものでございます。
 以上、平成二年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算について御説明申し上げました。
 次に、平成三年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 裁判所所管の歳出につきましては、当初予算額は二千六百七十五億一千二百六万円でございますが、これに大蔵省所管からの移しかえ額二億七千八百三万円余、平成二年度からの繰越額七億四千七百九十二万円余、予算補正追加額五十四億七千二百三十四万円余、予算補正修正減少額五億三千三百三十万円余、予備費使用額三千七百五十六万円余、差し引きで六十億二百五十六万円余が増加されましたので、歳出予算現額は二千七百三十五億一千四百六十二万円余となっております。
 これに対しまして、支出済み歳出額は二千七百二十七億九千百五十七万円余でございまして、歳出予算現額との差額は七億二千三百四万円余でございます。
 この差額のうち、翌年度に繰り越した額は二億六千五百三十九万円余、不用額は四億五千七百六十五万円余でございます。
 不用額となった経費は、人件費三億八千五百四十四万円余とその他の経費七千二百二十万円余でございます。
 裁判所主管の歳入につきましては、歳入予算額は五十七億一千六百六十七万円余であります。
 これに対しまして、収納済み歳入額は七十二億三千五百二十七万円余であり、歳入予算額に対し十五億一千八百六十万円余の増加となっております。
 この増加は、前年同様相続財産で相続人不存在のため国庫帰属となった収入金の増加等によるものでございます。
 以上が平成三年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算についての御説明でございます。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#96
○森主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
#97
○阿部会計検査院説明員 平成二年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項七件であります。
 これは、東京、水戸、宇都宮、広島各地方裁判所及び宇都宮、福岡両家庭裁判所におきまして、出張日数をつけ増ししたり、精算の事務手続を適切に行っていなかったりしていて旅費の支払いが適正を欠いていたものであります。
 次に、平成三年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項一件であります。
 これは、職員の不正行為による損害が生じたもので、東京高等裁判所におきまして、控訴事件の受け付け等の事務に従事していた職員が、控訴状等に張りつけてあった未消印の収入印紙を領得したものであります。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#98
○森主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。金谷最高裁判所事務総長。
#99
○金谷最高裁判所長官代理者 まず、平成二年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでございまして、まことに遺憾にたえないところでございます。
 今回不当事項として指摘を受けましたのは、東京地方裁判所ほか六裁判所の旅費の経理について適正を欠くと認められたものでございます。
 指摘を受けたものにつきましては、既に返還の措置が講じられ、旅費の精算事務処理の改善、内部監査の充実等を図ったところでございますが、今後とも旅費の経理の適正な処理を期する所存でございます。
 次に、平成三年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましても、会計検査院の御指摘のとおりでございまして、これまたまことに遺憾にたえないところであります。
 今回不当事項として指摘を受けましたのは、東京高等裁判所の職員が、控訴状等に張りつけてあった未消印の収入印紙を領得したもの一件でございます。
 この件につきましては、目下その返還がなされるよう鋭意努力しているところでありますが、既に、収入印紙の保管及び消印事務の相互チェック体制の徹底を図る等収入印紙の取り扱いに関する事務処理体制を改善いたしました。また、収入印
紙を原則として即日消印する取り扱いに改めて、事故防止策をさらに徹底したところでございます。
 以上でございます。
#100
○森主査 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○森主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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   平成二年度決算裁判所についての検査の概
   要に関する主管局長の説明
               会計検査院
 平成二年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項七件であります。
 これは、旅費の経理が適正を欠くと認められるもので、東京、水戸、宇都宮、広島、福岡各地方裁判所及び宇都宮、福岡両家庭裁判所において、平成二年度の、管内支部との事務打合せ等を用務とする近距離の出張について、日帰りの出張を一泊二日に付増ししたり、精算の事務手続を適切に行わなかったりしていたものが一千五百八十五件、同様に一泊二日の出張を二泊三日にしていたものが三十五件、計一千六百二十件あり、この支払が適正を欠いていた旅費の合計額は一千九百七十三万一千二百五十円となっております。
 なお、これにつきましては、三年十一月末までに全額国庫に返納されております。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
    ―――――――――――――
   平成三年度決算裁判所についての検査の概
   要に関する主管局長の説明
               会計検査院
 平成三年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項一件であります。
 これは、職員の不正行為による損害が生じたものであります。
 東京高等裁判所において、裁判所事務官が、同裁判所民事部に係属する控訴事件の申立手数料として控訴状等にはり付けてあった未消印の収入印紙をはぎ取り、領得したものであります。
 なお、本件損害額は、平成四年十月末現在で補てんが全くされていないものであります。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
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#102
○森主査 以上をもちまして裁判所所管の説明は終わりました。
 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、裁判所所管については終了いたしました。
 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後零時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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