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1994/02/18 第129回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第129回国会 予算委員会 第1号
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1994/02/18 第129回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第129回国会 予算委員会 第1号

#1
第129回国会 予算委員会 第1号
本国会召集日(平成六年一月三十一日)(月曜日
)(午前零時現在)における本委員は、次のとお
りである。
  委員長 山口 鶴男君
   理事 衛藤征士郎君 理事 越智 通雄君
   理事 野中 広務君 理事 深谷 隆司君
   理事 後藤  茂君 理事 中西 績介君
   理事 杉山 憲夫君 理事 井出 正一君
   理事 草川 昭三君
      伊藤 公介君    江藤 隆美君
      小澤  潔君    鹿野 道彦君
      後藤田正晴君    近藤 鉄雄君
      志賀  節君    島村 宜伸君
      関谷 勝嗣君    高鳥  修君
      東家 嘉幸君    中山 太郎君
      松永  光君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    柳沢 伯夫君
      若林 正俊君    綿貫 民輔君
      伊東 秀子君    坂上 富男君
      鉢呂 吉雄君    細川 律夫君
      三野 優美君    加藤 六月君
      工藤堅太郎君    笹山 登生君
      月原 茂皓君    山本 幸三君
    五十嵐ふみひこ君    石井 紘基君
      鮫島 宗明君    長浜 博行君
      石井 啓一君    河上 覃雄君
      谷口 隆義君    二見 伸明君
      高木 義明君    中野 寛成君
      不破 哲三君    松本 善明君
―――――――――――――――――――――
平成六年二月十八日(金曜日)
    午前九時四十六分開議
 出席委員
  委員長 山口 鶴男君
   理事 衛藤征士郎君 理事 越智 通雄君
   理事 野中 広務君 理事 深谷 隆司君
   理事 後藤  茂君 理事 中西 績介君
   理事 杉山 憲夫君 理事 渡海紀三朗君
   理事 草川 昭三君
      伊藤 公介君    今津  寛君
      江藤 隆美君    小此木八郎君
      小澤  潔君    狩野  勝君
      鹿野 道彦君    佐藤 剛男君
      志賀  節君    島村 宜伸君
      関谷 勝嗣君    高鳥  修君
      東家 嘉幸君    中山 太郎君
      萩山 教嚴君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    柳沢 伯夫君
      若林 正俊君    渡辺美智雄君
      綿貫 民輔君    伊東 秀子君
      遠藤  登君    坂上 富男君
      鉢呂 吉雄君    細川 律夫君
      三野 優美君    岩浅 嘉仁君
      上田 清司君    江崎 鐵磨君
      加藤 六月君    工藤堅太郎君
      古賀 正浩君    笹山 登生君
      白沢 三郎君    月原 茂皓君
      山本 幸三君  五十嵐ふみひこ君
      石井 紘基君    鴨下 一郎君
      鮫島 宗明君    長浜 博行君
      石井 啓一君    河上 覃雄君
      谷口 隆義君    二見 伸明君
      北橋 健治君    中野 寛成君
      穀田 恵二君    松本 善明君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  細川 護熙君
        法 務 大 臣 三ケ月 章君
        外 務 大 臣 羽田  孜君
        大 蔵 大 臣 藤井 裕久君
        文 部 大 臣 赤松 良子君
        厚 生 大 臣 大内 啓伍君
        農林水産大臣  畑 英次郎君
        通商産業大臣  熊谷  弘君
        運 輸 大 臣 伊藤  茂君
        郵 政 大 臣 神崎 武法君
        労 働 大 臣 坂口  力君
        建 設 大 臣 五十嵐広三君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     佐藤 観樹君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)武村 正義君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 石田幸四郎君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)
        (国土庁長官) 上原 康助君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 愛知 和男君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      久保田真苗君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      江田 五月君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 広中和歌子君
        国 務 大 臣 山花 貞夫君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一
        部長      津野  修君
        総務庁長官官房
        長       池ノ内祐司君
        総務庁長官官房
        審議官
        兼内閣審議官  陶山  晧君
        総務庁行政管理
        局長      八木 俊道君
        総務庁統計局長 小山 弘彦君
        防衛庁教育訓練
        局長      上野 治男君
        防衛庁経理局長 秋山 昌廣君
        防衛施設庁施設
        部長      江間 清二君
        経済企画庁調整
        局長      小林  惇君
        経済企画庁物価
        局長      谷  弘一君
        経済企画庁総合
        計画局長    吉川  淳君
        経済企画庁調査
        局長      土志田征一君
        環境庁長官官房
        長       大西 孝夫君
        環境庁企画調整
        局長      森  仁美君
        国土庁長官官房
        長       藤原 和人君
        法務省刑事局長 則定  衛君
        外務省総合外交
        政策局軍備管
        理・科学審議官 林   暘君
        外務省アジア局
        長       川島  裕君
        外務省北米局長 佐藤 行雄君
        外務省経済協力
        局長      平林  博君
        外務省条約局長 丹波  實君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    田波 耕治君
        大蔵省主計局長 篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省銀行局長 寺村 信行君
        大蔵省国際金融
        局長      加藤 隆俊君
        国税庁次長   三浦 正顯君
        文部大臣官房長 吉田  茂君
        文部省初等中等
        教育局長    野崎  弘君
        文化庁次長   林田 英樹君
        厚生大臣官房総
        務審議官    佐々木典夫君
        厚生省生活衛生
        局長      柳澤健一郎君
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省経済
        局長      眞鍋 武紀君
        食糧庁長官   上野 博史君
        通商産業省通商
        政策局長    坂本 吉弘君
        通商産業省産業
        政策局長    堤  富男君
        中小企業庁長官 長田 英樹君
        郵政大臣官房長 木村  強君
        郵政大臣官房財
        務部長     楠田 修司君
        郵政省貯金局長 山口 憲美君
        郵政省電気通信
        局長      松野 春樹君
        労働大臣官房長 征矢 紀臣君
        自治大臣官房総
        務審議官    松本 英昭君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本銀行総裁)三重野 康君
        予算委員会調査
        室長      堀口 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月三十一日
 辞任         補欠選任
  井出 正一君     渡海紀三朗君
二月九日
 辞任         補欠選任
  工藤堅太郎君     青木 宏之君
同日
 辞任         補欠選任
  青木 宏之君     工藤堅太郎君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     小此木八郎君
  小澤  潔君     萩山 教嚴君
  後藤田正晴君     狩野  勝君
  近藤 鉄雄君     今津  寛君
  関谷 勝嗣君     佐藤 剛男君
  松永  光君     渡辺美智雄君
  坂上 富男君     遠藤  登君
  加藤 六月君     岩浅 嘉仁君
  工藤堅太郎君     古賀 正浩君
  鮫島 宗明君     鴨下 一郎君
  高木 義明君     北橋 健治君
  不破 哲三君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  今津  寛君     近藤 鉄雄君
  小此木八郎君     江藤 隆美君
  狩野  勝君     後藤田正晴君
  佐藤 剛男君     関谷 勝嗣君
  萩山 教嚴君     小澤  潔君
  渡辺美智雄君     松永  光君
  遠藤  登君     坂上 富男君
  岩浅 嘉仁君     上田 清司君
  古賀 正浩君     工藤堅太郎君
  北橋 健治君     高木 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  上田 清司君     江崎 鐵磨君
同日
 辞任         補欠選任
  江崎 鐵磨君     白沢 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  白沢 三郎君     加藤 六月君
同日
 理事井出正一君一月三十一日委員辞任につき、
 その補欠として渡海紀三朗君が理事に当選し
 た。
    ―――――――――――――
二月十五日
 平成五年度一般会計補正予算(第3号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第3号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第3号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 参考人出頭要求に関する件
 平成五年度一般会計補正予算(第3号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第3号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第3号)
     ――――◇―――――
#2
○山口委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○山口委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に渡海紀三朗君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○山口委員長 平成五年度一般会計補正予算(第3号)、平成五年度特別会計補正予算(特第3号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第3号)、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、三案の趣旨について政府の説明を聴取いたします。藤井大蔵大臣。
 平成五年度一般会計補正予算(第3号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第3号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第3号)
    〔本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○藤井国務大臣 平成五年度補正予算(第3号)の大要につきましては、既に、本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、その内容を申し上げます。
 最初に、一般会計予算の補正について申し上げます。
 まず、歳出の補正について申し上げます。
 政府は、我が国経済を平成六年度中のできるだけ早い時期に本格的な回復に移行させ、七年度以降の定安成長を確実なものとするため、去る二月八日、十五兆円を上回る史上最大規模の総合経済対策を決定いたしました。
 今回の補正予算におきましては、この総合経済対策を実施するため、公共事業等の追加一兆九千二百一億円を計上いたしております。また、中小企業等特別対策費八百二十二億円、国際化対応緊急農業対策費一千四百三十八億円、産業投資特別会計へ繰り入れ等百九十一億円及び都市開発資金融通特別会計へ繰り入れ二百九十一億円を計上しております。
 このほか、明るい選挙推進委託費十八億円を計上しております。
 これらを合わせた歳出の追加総額は二兆一千九百六十億円となっております。
 他方、歳出の修正減少として、既定経費について、百八億円を節減することとしております。
 次に、歳入の補正について申し上げます。
 まず、歳入の追加につきましては、その他収入につきまして、四十六億円を計上するほか、総合経済対策を実施するためのやむを得ざる措置として、公共事業関係費の追加に対応するもの等について建設公債二兆一千八百二十億円を追加発行することといたしております。
 他方、歳入の修正減少として、その他収入につきまして、十三億円を減額しております。
 以上によりまして、平成五年度一般会計第三次補正後予算の総額は、歳入歳出とも第二次補正後予算に対し、二兆一千八百五十二億円増加し、七十七兆四千三百七十五億円となっております。
 特別会計予算につきましては、国立学校特別会計、道路整備特別会計等十五特別会計において、所要の補正を行うこととしております。
 政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫、公営企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫におきまして、所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、総合経済対策を実施するため、住宅・都市整備公団、公営企業金融公庫等に対し、所要の追加を行うことといたしております。
 以上、平成五年度補正予算(第3号)につきまして、その内容を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
#6
○山口委員長 これにて大蔵大臣の説明は終わりました。
 引き続き、補足説明を聴取いたします。篠沢主計局長。
#7
○篠沢政府委員 平成五年度補正予算(第3号)の内容につきましては、ただいま大蔵大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして、補足説明いたします。
 まず、一般会計予算の歳出の補正につきまして、御説明いたします。
 公共事業等の追加の内訳は、一般公共事業関係費一兆五千億円及び施設費等四千二百一億円であります。
 なお、一般会計及び特別会計におきまして、公共事業等に係る国庫債務負担行為総額四千三百三十二億円を追加することとしております。
 中小企業等特別対策費のうち主なものは、中小企業信用保険公庫出資金三百四十六億円、国民金融公庫出資金百三十億円及び中小企業金融公庫出資金百三十億円であります。
 国際化対応緊急農業対策費の内訳は、農業生産基盤等の整備一千二百四十五億円及び農林漁業金融公庫等出資金百九十三億円であります。
 産業投資特別会計へ繰り入れ等百九十一億円は、産業投資特別会計の行う産業投資支出の財源を同特別会計産業投資勘定へ繰り入れるために必要な経費百五十一億円、日本貿易振興会への出資に必要な経費三十四億円及び産業基盤整備基金への出資に必要な経費六億円であります。
 都市開発資金融通特別会計へ繰り入れ二百九十一億円は、民間都市開発推進機構に対する貸付資金の財源を都市開発資金融通特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。
 明るい選挙推進委託費十八億円は、第百二十八回国会における政治改革関連四法の成立等を踏まえ、その趣旨及び内容を広く一般国民に対し周知させるために必要な経費であります。
 次に、一般会計予算の歳入の補正につきまして、御説明いたします。
 その他収入につきましては、公共事業費負担金等の増加四十六億円及び罰金及び科料の減少十三億円を見込み、差し引き三十三億円を増額することといたしております。
 公債につきましては、二兆一千八百二十億円を追加発行することとしております。この結果、五年度の公債発行額は、十六兆一千七百四十億円となります。
 特別会計予算につきましては、国立学校特別会計、道路整備特別会計等十五特別会計において、所要の補正を行うこととしております。
 政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫、公営企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫におきまして、所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、総合経済対策を実施するため、既に住宅金融公庫に対し、弾力条項の発動による所要の追加措置を行いましたが、今回の補正予算においても、住宅・都市整備公団、公営企業金融公庫等十六機関に対し、総額八千四百四十九億円の追加を行うこととしております。
 以上、平成五年度補正予算(第3号)についての補足説明をいたしました。
#8
○山口委員長 これにて補足説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○山口委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 補正予算三案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#11
○山口委員長 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#12
○山口委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤茂君。
#13
○後藤委員 第百二十九通常国会の本格的な論議をきょうから始めるわけでありますが、時間が限られておりますので、予算案と経済政策、また景気対策について、私はそれに絞って質問をいたしたいと思っておりますが、その前にどうしてもゼネコン汚職の捜査の状況について一言触れておきたいと思います。
 腐敗防止も織り込んだ政治改革法案が成立をいたしまして、これからはこのゼネコン汚職の問題に対してどのように捜査が進んでいくのかということについて、国民の皆さん方も大変大きな関心を持っていると思うわけであります。
 とりわけ、民間のゼネコン各社の首脳、そして自治体の長等が起訴されておりますけれども、中央政界とのかかわりが一体どうなっていくのか、これに対しての関心が高いわけでございまして、特捜当局も非常に苦労しながら必死になってこの捜査をされている。また、マスコミの皆さん方も大変熱心な取材に入っておられるわけでありまして、新聞等にもその二面が報道されているところであります、
 法務大臣、刑事局長もきょうは御出席のようでございまして、捜査の中身についてどうこうということを私はお聞きをするつもりはございませんけれども、国民の大変関心の高いこのゼネコン汚職が、中央政界とのかかわりについてどのようになっているのか、そういったことにつきましても、ひとつ社会正義の実現を任務とする捜査当局がどのような決意を持ってこの問題に臨んでいるかということをお聞かせをいただきたいと思います。
#14
○三ケ月国務大臣 御指摘のございましたいわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件に関しましては、検察当局におきまして、今御指摘のございましたように、大手建設会社の役員や地方自治体の首長等を逮捕するなどいたしまして、法と証拠に基づいて適正な捜査活動をいたしておるところでございます。
 具体的な事件の今後の捜査の見通しにつきましてはお答えいたしかねるのでございますけれども、一般論として申し上げますならば、検察当局は今後とも刑事事件として処理すべきものがあるならば厳正に対処するものと法務大臣としては確信いたしておるところでございます。
#15
○則定政府委員 ただいま法務大臣からお答えいたしましたところに尽きるわけでございまして、法執行機関といたしましての検察といたしましては、捜査の過程で刑罰法令に触れるものと認めましたときには厳正に対処するものと考えておるわけでございます。
#16
○後藤委員 ぜひ厳正に対処をしていただきたいと思います。
 それでは、第三次補正予算の中身の問題につきまして入ってまいりたいと思います。
 今回決定いたしました十五兆円を超える史上最大規模の総合経済対策は、深刻な不況を克服する、こういう立場に立ちまして、国民も大変強くこの対策を望んでいるわけでございますが、第三次補正予算は、先ほども大蔵大臣から趣旨の説明がございましたけれども、国民の待ち望んでいた対策であろうと考えているわけでございます。
 この対策、そして第三次補正予算、十五カ月予算とか十三カ月予算、こういうように言われておりますけれども、この実施によりまして景気がどのようにこれから上向いていくのかということにつきまして、最初に総理の方から、この総合経済対策、そして第一次、第二次、第三次補正予算を策定をされまして、これからのこの実施状況によって経済がどうなっていくのか、また、景気がどのようになっていくのかということについて所見を伺っておきたいと思います。
#17
○細川内閣総理大臣 今回の対策におきましては、既に明らかにいたしておりますように、およそ六兆円余りの所得減税あるいは七兆円を超える公共投資の実施による内需の拡大策、あるいはまた土地の有効利用でありますとか中小企業、農業対策あるいは雇用対策などの重点的な施策を講じることにいたしておりますし、さらにはまた規制緩和でありますとか新しい事業分野への進出を可能にするような環境の整備でありますとか、今お話がございましたように十五兆円を超える総合経済対策を打ち出しているわけでございまして、第三次の補正あるいはまた当初の予算とあわせまして相当程度の経済効果をもたらすもの、我が国の経済を内需主導型の路線に進めていくための効果のある対策を打ち出すことができた、そのように考えております。
#18
○後藤委員 効果の出る対策ができたという総理の自信の答弁でございますが、昨年の前内閣の総合的な経済対策、それから昨年九月の緊急経済対策、そして今回の総合経済対策の決定、こういうことで当初予算の公共事業の契約の進捗率を聞いてみますと、九月末段階におきまして過去最高の七八%強だと聞いております。また、第一次補正では四割を超える契約率だと聞いているわけであります。これは契約率でございますから、実施の状況につきましてはまだ十分把握をされていないと思います。
 それにいたしましても、当初予算それから第一次補正、そして今第二次補正はまだこれからのことだと思います。そこへ第三次補正が出てまいります。今年度中にはこれが効果を上げる実施がなされていかなければならないのでありますけれども、いろんな経済諸指標を見てまいりましても、どうもまだその効果が薄いようでございます。
 特に、例えば中小企業の一兆三千六百億円、そのねらいとしては私どもも十分わかるわけでありますけれども、どうも周知が十分に整ってない面があるようであります。熊谷通産大臣もいらっしゃいますけれども、その点は頭を痛めておられると思うのですけれども、これは急いでいかなければなりません。また、公共事業にいたしましても同様でございます。
 大蔵大臣、こうした大変限られた時間の中で、しかし景気浮揚策をとっていかなければならない。日米包括協議の問題について後で触れてみたいと思うわけでありますけれども、内需拡大策等につきまして、今の契約進捗率、そしてこれからの実施状況を、短い時間の中でつくり上げていかなきゃならぬということは大変重い任務でございますが、今どのように見ておられ、またどういう対策をとろうとされておられますか、お伺いをしたいと思います。
#19
○藤井国務大臣 ただいま後藤委員の御指摘のとおりでありまして、総需要政策としての特に公共投資政策のお話だったと思いますが、本予算の進捗率、それから第一次補正予算の進捗率は、私は進捗率としては順調に進んでいると思います。
 第二次補正予算も既に成立をいたしておりまして、これが今まさに本格化しようとするところだ思います。そして、今回の第三次補正によりまして十五カ月間断なく、いわゆる公共投資政策による下支えを行っていく、こういう政策をとっているわけでありまして、そのことはまたさらに平成六年度の、間もなく国会に提出さしていただきます平成六年度予算に接続することによって公共投資政策としての下支え政策を誤りないようにしてまいりたいと思っております。
#20
○後藤委員 大変時間が短い中での努力でございますから、よほどきめ細かな対策が各省庁ともとられていかないと、予算はついた、しかしその消化ができないままに終わっていくということになる危険性もございますから、この点はぜひ注文をしておきたいと思います。ただ、予算をつけたから事はすべて終わったということではないと考えておりますので、ぜひその点をよろしくお願いを申し上げたいと思うわけであります。
 次に、経企庁長官にお尋ねをしたいわけでありますけれども、経済見通しの中で二・四%、GDPベースで二・四%の成長を見込んだ主要経済指標、これを見てまいりますと、幾つか気になりますといいますか、少し多目といいますか、高い指標を見ているのではないか。
 もちろん、当初予算、それに第一次、第二次、第三次補正、そしてさらにまた新しい年度、平成六年度の七十三兆円を超える予算がこれからつくられていくわけでありますから、そういうことを織り込んでまいりまして、また希望を込めた指数というものをお出しになっているんだ、こういうように思うわけであります。
 御承知のように、昨年の暮れに十六ですか十七ですか、民間の経済研究機関が新しい年度、一九九四年度の経済諸指標、経済見通しを出しております。これは、低いところでは野村総研のようにマイナス〇・四%というところもありますけれども、高いところでも一・二%、平均で〇・五%ぐらい。第三次補正まで組み、そして大幅の所得税減税を実施をしていく。所得税減税につきましては若干織り込み済みの指標ではあると思うのですけれども、それにいたしましても民間の調査というのは相当渋い。それは経済実態というものをある程度厳しく見ているからだというように私は考えるわけであります。
 これに対して官庁の諸指標であります経済企画庁の二・四%の指標、それからこの主要経済指標を見てまいりますと、例えば鉱工業生産指数が、平成四年度の実績でマイナス六・三%、さらに平成五年度の実績見込みがマイナス四・〇%、これが平成六年度ではプラス一・八%という数字になっているわけであります。もちろん二・四%の成長率を見込んでいかなければなかなか今の深刻な不況を打開をしていくことにはならないとは思いますけれども、どのような根拠といいますか考え方でこの指標ができているのか、また、これの実現のために経済企画庁としてはどうお考えになっているのか、お伺いいたしたいと思います。
 なお、日米構造協議とのかかわりの問題につきましては、国際収支の問題について後ほどまた質問をしてみたいと思いますけれども、その前段の経済諸指標に対する、経済見通しに対する経済企画庁のお考えをお聞きをいたしたいと思います。
#21
○久保田国務大臣 政府としましては二・四%、六年度の経済成長を閣議で了解いただいたところでございます。
 私どもは現五年度の実績見込みを〇・二と見積もっておりますけれども、現在、景気が総じて低迷の中におきましても、公共投資それから住宅建設、こういったものが累次の、細川内閣になりましてからも九月、二月と景気対策を打っておりまして、その結果非常に高水準に推移して経済活動の下支えをしておるところでございます。
 また二番目には、バブル崩壊後のストック調整等種々の調整が着実に進んできておるという事実がございまして、こうしたものが自律反転への契機を来年度はつくっていくということを期待しておるわけでございます。
 そのほか、金利も一段と下がり、また物価も安定しているところでございまして、このような場面に、今回は史上最大の景気対策、総合経済対策を政府が決定し、これを打ってまいります。
 その中身といたしましては、引き続き公共投資に大いに配慮してまいります。それから景気浮揚のための諸施策を打ってまいります。特に所得減税、住民税減税の大規模なものを打つ。こうしたことから、低迷しておりましたところの個人消費、民間設備投資、これを大いに浮揚させていくということを期待しておりますし、また、政府としましては、平成六年度中に景気が本格的に回復するための可能な限りの施策を展開することとしております。
 このことは六年度本予算の編成にも反映されておりまして、こうしたことをあわせて考えますと、六年度本格的な景気回復への軌道乗せ、そして七年度は安定成長にいく、このようなことを、私どもは政府としてあらゆる対策をとってまいるという決意でございます。
#22
○後藤委員 経済は生き物でございますし、特に大変巨大な貯蓄、そして過小な投資、そしてまた、企業それぞれの皆さん方が投資意欲というものを持ちながらもその分野がどうも不透明、定かではないわけでございますから、期待はもちろん大切でございますけれども、よほど真剣な対策を講じておかなければ、上向きにさせ、そして平成七年度には安定成長にということが非常に難しい事態も考えておかなきゃならぬと思いますので、ぜひひとつ今長官のお答えになりましたような姿勢で積極的な取り組みをしていただきたいと思います。
 それとあわせて、大幅の減税の問題でございますが、これは大蔵大臣、減税法案を、これは地方税との絡みもございますけれども、本予算の審議と並行してといいますか、早くこれは成立をさせていかなければ、ボーナス期には戻し減税をしていくんだということがおくれはしないかという実は私は心配をいたしております。
 だから、早急にこの法律案を提案をするということ。特にサラリーマン減税の場合に、一−六月の給与にかかわる源泉徴収税額の二〇%相当額を六月に還付をしていくわけでありますが、こうした源泉徴収義務者というのが三百万から四百万、四百万近くいるということも聞いております。そのうちの約八割は零細な規模の事業者と言われておりますから、早急にこの法律をつくり、そしてすぐにその事業ができるようにしていくことが必要だと思います。
 一言で結構でございますけれども、大蔵大臣の方から、これは早急に実現をしていくんだと、準備はどの程度進んでおるのか、そのことも含めてお伺いをしておきたいと思います。
#23
○藤井国務大臣 ただいまの御指摘のように、平成六年度予算提出とほぼ時を同じくして提出し、早急にまた御審議をいただきたいと考えております。
 特に今回の定率カットの減税、これはいろいろな意味があるわけでございますが、一つにはやはり納税者の方にわかりやすいということと、加えれば事務的にも簡便にできるということもあるというふうに申し上げていいと思います。
 そういう意味において、国税庁もただいま参っておりますけれども、今これから提出をする段階でございますけれども、万全を期するような準備はさせておるところでございます。
#24
○後藤委員 そこで、時間が大分経過をいたしまして、総理にお伺いをいたしたいわけでございます。
 日米包括経済協議でのクリントン首脳との会見、大変御苦労さんでございました。私も出発の当初から、あの数値目標の設定にこだわっておるアメリカ側の姿勢というものに対して大変疑問を持っておりました。いずれにいたしましても、自由経済の中で管理貿易になるようなことはどんなことがあっても避けていきたい、そのことについて合意ができなかった。
 本来、こういう会談はなるべくお互いが譲り合って合意をしていくべきだと思いますけれども、やはりけんかをしていくということもまた大切なことだと思います。それを総理は、大人の関係が新しくできたということを言っておられますけれども、今までも、例えばこれは八九年でしたか、いや、八九年じゃなしに、半導体ですね、半導体の場合の苦い経験が過去に一つございます。
 半導体の協定の場合に、アメリカ側は、二〇%の割り当て枠、こういうことを盛ったと考えておる。これに対して日本側は、この数字は単なる目標だ、こういうようにしておったわけですね。このように、パーセプションギャップというのですか、どうも日本とアメリカとのこうした文書、日本の場合は比較的この辺でいいじゃないかという文書でいっておりますけれども、文書一つ一つの解釈というものをよほど厳密にしておかなければならないということがあるわけであります。
 とりわけ数値目標ということになりますと、これはもう決定として歩いていくわけでございますから、今回の自動車・携帯電話に関する非公開文書の中においても私は同様であろうと思います。同等な市場アクセスというのは日本側がこの非公開文書の中に書いておいた、こういうようにも言われているわけでありますから、この同等な市場アクセス、このことの解釈をめぐりまして、今また問題が発生をしてきている。
 総理は、場合によるとこれはガットに提訴をしていくべき課題である、こういうように言っているわけでありますけれども、アメリカはこの秋には中間選挙も控えております。いろいろな事情も抱えておりますし、またアメリカの内部におきましても、今度の日米交渉に対しましては、すべてがすべてスーパー三〇一条を発動してでも報復措置をとるべきであるという方向はとっていないと思いますが、しかし大変難しい状況が起こってきております。
 ですから、経済関係の閣僚会議等も招集され、あるいはまた事務担当者も昨日は急遽会議を開きまして、そしてそれぞれの市場開放のための対策に鳩首協議をされていると考えるわけでありますが、事は、この数値目標のことに対しましてノーを言ったということだけでは済まない課題が日米間にはある。
 世界のGDPの四割をこの日米が占めている、そしてまたアメリカと日本との貿易のバランスというものは六百億ドルとか、こういうように言われているわけでありますから、よほどこのことに対しましては、市場開放に対しましてあるいは規制緩和の問題に対しまして、今までのような甘い考え方でこの問題に対応するということは私はできないと思います。
 総理が出発の日に平成六年度の経済見通しの閣議了解がなされておりました。その主要経済指標を見てまいりますと、国際収支の面におきまして、平成五年度実績見込みは十四兆四千億円、それが平成六年度の見通しでは十三兆八千億円。大体ドル換算にいたしましても約八十億ドル程度の改善にしかなっていないし、またこれは円ドルのレートの関係もございましょうけれども、貿易収支の面を見てまいりましても、輸出が三十九兆六千億円、輸入が二十四兆六千億円で、平成五年度の実績見込みの、輸出三十八兆二千億円、輸入二十二兆八千億円。
 数字だけでいきますよ、商品のいろいろな構成とかいうことは別にいたしましても、ちょうど総理がアメリカに出発されるその日に決定をされました閣議了解のこの指標を見ましても、アメリカ側には、どうもそれほど市場開放の努力がなされていないではないか、こういうように映ってはしないかと思うわけでございます。緊急にその対策を講ずるということはもちろん当然でありますけれども、相当思い切った市場開放なり、あるいは規制緩和なり、こういったものに対してやっていかなければならないと思います。
 時間がございませんけれども、通産大臣にも後で一言、これからの不透明な産業構造、今のままで、ただ景気を回復をしていくということだけでは済まない問題があると思いますので、これからの産業構造はどうなっていくのか、通産大臣はマクロ、ミニマグロ、ミクロということに対して、真剣に、早急に成案をつくらなければならぬということも言っておられるわけでありますけれども、総理と通産大臣から、このことにつきましてぜひ所見を伺っておきたいと思います。
#25
○細川内閣総理大臣 包括協議につきましては、今お話がございましたように、数値目標などをめぐって、残念ながら合意に至ることができませんでした。大変残念だと思っておりますが、しかしながら、日米間には確固とした友好関係の基盤がございますし、そうしたものがこのたびの包括協議が合意に達しなかったという一点のみをもって崩壊をするようなものであってはならない。そうした点については、日米間でしっかりと意見の一致を見ているところでございます。
 今お話がございましたように、日米双方においてこの問題についての努力が必要であるということは、これはもう論をまたないところでございますし、我が国としては、世界経済の運営に大きな役割を果たしているという認識の上に立って、ミクロの問題につきましても、マクロの問題につきましても、それなりの努力というものを真摯にしていかなければなるまいと思っております。
 今回の結果は結果といたしまして、保険や政府調達の国内手続の一層の透明化の問題でありますとか、あるいはまた自動車についての日米間の産業協力でありますとか、あるいはまた甘い考えで対応することは許されなくなったと今御指摘がございました規制緩和の問題でありますとか、あるいは輸入や投資の促進の問題でありますとか、あるいはまた公正取引委員会などによる競争的な政策の展開でありますとか、あるいはまた内需拡大のための経済対策でありますとか、そうしたものを、我が国として自主的になし得る措置というものは積極的にこれは進めていかなければなるまいというふうに考えているところでございます。
 政府部内におきましても、そうした観点から、既に昨日第一回目の会合を持ちましたが、いろいろな角度から検討を始めているところでございます。
#26
○熊谷国務大臣 先生御指摘のとおり、現下の産業構造を変えていかなければならないというのは大きな課題だと思っております。
 まず第一に、何といいましても、非常に長期にわたる不況が継続いたしておりまして、その背景に構造的な問題がございます。その結果、企業、産業のサイドにおきまして、非常な閉塞感というものがあるわけでございます。
 また、雇用面で見ましても、有効求人倍率あるいは完全失業者数などを見ますと、雇用調整が進んでおります。これに対応して労働省も強力な政策を打ち出しておりますが、よく労働大臣からハッパをかけられるのですけれども、しかしそれには限度がある、やはり新しい雇用機会をつくってもらわなければ問題は解決しないぞと、こう言われておるわけでございますけれども、こうした問題にも対応していかなきゃならない。
 また、先生が先ほど来御指摘になっておられますように、円高が進行しているというのは、やはり突出した日本の黒字が長期にわたって継続をいたしております。これを打開するには、やはりそうした産業構造を内需主導型経済構造に変えていかなきゃならない、こういったものに対応する新しい産業構造をつくり上げていかなければならないと思うのでございまして、そのために今回の総合経済対策の大きな柱といたしまして、新規産業の創造というものも初めて取り上げられたのでございます。
 これらの政策手段、融資制度でございますとか、あるいは研究開発でありますとか、これは我が省だけではなくて郵政省等とも共同でやっておるわけでありますが、情報化等についての思い切った予算措置でありますとか、こういったものが今回の政策の中に大きく柱として据えられたのでございます。
 大事なことは、これらの分野は民間企業が主役でございますので、この人たちがやはり認識をしていただいて、そういう方向へ動き出していただくことが大事でございますので、私どもは、政策手段を羅列的に並べるのではなくて、大きな展望を明らかにして、そしてそれに対応する政策体系というものをお示しをする、今月中にもこういった作業をまとめていきたいと考えておるところでございます。
#27
○山口委員長 これにて後藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、古賀正浩君。
#28
○古賀(正)委員 古賀正浩でございます。
 新生党・改革連合を代表して、総理及び関係大臣に御質問をさしていただきます。
 総理、体調はいかがですか。昨年八月九日に細川政権が発足をしてきょうは約半年と十日ということになります。この間、総理はよく頑張ってきていただきました。宿願の政治改革四法案、この高いハードルを先月乗り越えて、クリアし、息つく間もなく、現在、総合経済対策、日米首脳会談そして予算編成と大きな山に立ち向かっておられるところであります。
 私ども新生党は、政治改革を推進し、二十一世紀に通用する日本を手がたく準備していくという大目的のために、しっかりスクラムを組んで、総理のひたむきな情熱と努力にこたえてまいってきておるところであります。
 総理が先日いわゆる連立村であいさつをされましたように、リュックは重いが次々と立ちはだかる山を越えていかなければならぬ。今私どもは、高齢化する社会の負担と福祉の水準をどうするか、戦後五十年、大きく変貌した国際環境と我が国の地位を踏まえ、我が国の果たすべき国際的役割、生きていく道をどう考えるのか、ここ旬日の中でもその基本的政治課題が突きつけられているという中であります。
 国民の熱い目が注がれております。総理の大きな見識とリーダーシップが今こそまた発揮していかれるべきときであります。焼き鳥屋をのぞけないというぼやきもあるそうでありますけれども、それも天命とあきらめて、ひとつ大いに頑張っていただきたいと思う次第であります。
 また、私どもの連立政権というのは、五党でありますから、なかなか一筋縄でいかないところもいろいろある。政策決定過程における不一致がマスコミや野党にあげつりわれることも間々あるわけであります。しかし総理、こういうことは余り心配しないでいいと私は思っております。
 もし与党が一党だけならば、これは一つの家庭の中ということでありますから、余り家庭内のごたごたなどを外に漏らさないということも可能であります。五党連立ということになりますと、五つの家庭が集まって町内会でオープンな中で論議をしておるというような二回がございますから、余り知られたくないことでも世の中に明らかにしなきゃならぬというみたいなこともあります。
 しかし、若干のやせ我慢を含めて申し上げますならば、そのような政策決定過程が国民の前にも見えておるということは、思わぬ効用も一方であるのではないでしょうか。決定まで意見の対立がいろいろあるということは、むしろ健全な政治の条件といってもよいというふうに思う次第であります。
 この連立政権も、先般、補正予算そして平成六年度予算編成に携わったわけであります。当初、初めての連立政権でありますから、予算の経験もノウハウもないという中で、大変一応は心配もいたしました。しかしながら、連立与党各党の見事な息を合わせたスクラムの中で、予算編成過程には無数の判断事項あるいは調整事項もあるわけでありますけれども、このようなものを立派にこなし、予算案を仕上げることができたということでありますし、大変新鮮な感覚で、頑張り得たことを、改めて自信を深めたということでございました。
 そのような体制をしっかり固めながら、今後、連立与党、細川政権をしっかり支えてまいりたいと考えておるところであります。
 さて、去る十一日、日米首脳会談は残念ながら決裂ということになりました。筋の通らぬ卑屈な妥協はなすべきではない、それは当然であります。しかしながら、ノーと言える日本の成熟した、日米の成熟した大人の関係などと言い繕うことで済ませるようなことではないのではないかと、国民は強い懸念も持っておるところであります。
 現にアメリカは強い対日姿勢をとり、対日経済制裁の動きも強めておるというところであります。また、円もかなり不安定な円高の状況にあるわけでありまして、このようなことは、場合によってはせっかくの総合経済対策の効果を減殺するような危険も感じざるを得ないところであります。
 私は、きのう地元に帰ってまいりまして、ミカン農家の危機突破大会に出席してまいりましたが、その中で、もしノーということを胸を張って言えるならば、五年前の牛肉・オレンジ対策もノーと言ってほしかったみたいな農家の声もございました。そのようないぶかりの声もあるわけであります。
 今回の問題の背景の根本は、何よりも貿易収支のインバランス、そして日本のやる気についてのアメリカの根深い不信感があるというふうに思うわけであります。
 今後の対応ぶりについて、一昨日の本会議におきまして、総理大臣の抽象的なお答えはいただくことができましたけれども、例えば、黒字減らしのための強力なアクションプログラムを組み、総理が先頭に立って具体的な対策を考えていくみたいなことはできないものか。もっと、理屈は理屈として、クレバーな対応ということも考えなければならないのではないか。理屈では勝ったけれども結局国を誤ったということにならないような、そのような賢明さが要るのではないか。総理に、その所信をお伺いいたしたいと思います。
 それとあわせまして、けさの新聞などを見ますと、クリントン大統領が、我が国の経済官僚組織を名指しで批判をしておる。少々八つ当たりぎみでもあるわけでありますけれども、基本的に日本の官僚が優秀である、これはすばらしいことであるわけでありますが、問題は、またそのような優秀な組織を、能力をしっかりと使いこなす見識、パワーが非常に大事だというふうに思います。
 この報道に関する総理の感想も、あわせてお伺いしたいと思います。
#29
○細川内閣総理大臣 日米間に一九八〇年代の半ば以降恒常的な貿易収支の、経常収支のインバランスがあるということにつきましてアメリカ側に強いいら立ちがあるということはよくわかりますし、また、両国関係の円滑な発展ということを、円滑な将来ということを考えましたときにも、何とかしなければならない大きな課題だというふうに認識をいたしております。
 いずれにしても、管理貿易的な方向に流れていく、事態が進んでいくということは好ましいことではございませんし、アメリカ政府におきまして、あるいは議会におきまして、制裁の動きなども報じられておりますが、良識のある判断と行動をとっていただくことを強く願っているところでございます。
 先ほども後藤委員に今後の対策ということについてお答えを申し上げたことに尽きておりますが、マクロの問題としては、規制緩和の問題でありますとか、あるいはまたより一層の競争政策の推進でありますとか、あるいはまた内需拡大のための経済対策の推進でありますとか、そうしたことを着実に進めていくということに尽きると思います。
 我が国ができることは自主的にどんどん進めていかなければならないと思いますし、またミクロの問題につきましては、これも先ほど申し上げましたように、保険とかあるいは政府調達の問題とか、もうほぼ合意に近いところまでいっていたものもあるわけでございますが、こうしたものについてさらに一層国内手続の透明化なりなんなりといったことを進めていかなければならないと思っております。
 いずれにいたしましても、我が方として個別にとり得る措置につきましては、できる限りそのような対応をとってまいりたい。政府の中におきましても既にそのようなことで鋭意検討を始めているところでございます。
 それから、官僚批判の点についてのお尋ねでございましたが、政治家は国民から直接に選ばれて国民の声を反映をして対処していかなければならない、事に当たっていかなければならないわけでございますし、また、当然のことながら、そのことについての結果責任というものも負わなければならない立場でございます。政治がリーダーシップをとって事に当たっていかなければならないということも当然のことであると思っております。
 私は今度の一連の過程の中でも感じてまいりましたが、それぞれの各省個別の問題につきましても、担当の人たちは我が国の国益を守るという観点からよく頑張ってもらったというふうに評価をしておりますし、決して官僚主導であったというふうには私は思っておりません。政府一体として取り組んできた結果がこのようなことであった。
 管理貿易につながるような数値目標というようなものについて、これは我が方の規制緩和の原則に反することでございますから、そのような立場は受け入れることができない、これは政治家の立場であろうと官僚の立場であろうと、我が国の国益ということを考えましたときには同じことであろう、このように思っております。
#30
○古賀(正)委員 ありがとうございました。
 平成六年度予算、これは国会運営のいろいろな事情の中で、大変、一月以上おくれるというようなことになってまいりました。やっと現在、史上最大規模の経済対策を受けまして平成五年度三次補正予算と六年度予算が、いわば十五カ月予算というような形で、切れ目ない予算執行を用意するというような形で、今取り組みを始めたところであります。この執行の実を上げて、ひとつ総合経済対策の効果が十分上がるように、総理初め関係閣僚、督励方を心から期待を申し上げる次第であります。
 そういう中で、少し細かいことでありますけれども、予算が非常にずれ込んでいくということで、地方では大変いろいろな不安もありまして、地方の新聞では、ともかく県や市町村が予算が組めない、だからいろいろ地方行政にそごを来すみたいなことがかなりひところ騒がれて言われたことがございました。
 実際には、二月八日に地方財政方針が決定されて、地方自治体の当初予算編成等は不都合なく実行できるという形がとられたわけであります。ただ、そういうことについては今度はマスコミ等は余り報道しないのですね。ということで、自治大臣、そのとおり間違いないか、ひとつ国民の前に御答弁をお願いしたいと思います。
#31
○佐藤国務大臣 経企庁が組んでおります平成六年度のGDPが、四百八十八兆五千億と組んでおりますが、地方が持つ分というのは、支出におきまして大体一二%台ということでございますので、大変大きな影響を持つわけでございます。
 したがいまして、景気回復のためにも、地方公共団体が遺憾なく力を発揮してもらうようにということで、今先生二月八日と言われましたが、二月の五日の土曜日でございましたが、大蔵大臣と協議の上、地方財政対策を発表したところでございます。
 ここで三・六%の伸び、あるいは減税やあるいは財源不足ということで、合計約六兆円財源不足になってまいりますが、これはちゃんと交付税特会からの借り入れとか地方債とか、こういったことで手当てをしますということ、あるいは地方単独事業につきましても一二%伸ばしますという積極的な対応をしますということ等々を発表いたしました。
 今先生御指摘のように、地方におきましては、あの日の午後二時に東京事務所長会議を持って、直ちに私のところからそのことについてさらに細かく伝達をいたしましたので、ぎりぎり二月の第一週の知事査定に間に合うような格好で、今平成六年度の予算を組んでいただいている。精力的に組んでいただいておりますので、最小限にこの影響というのは食いとめられたというふうに考えておるところでございます。
#32
○古賀(正)委員 細川政権、昨年の十二月にガットのウルグアイ・ラウンドで米の部分開放を受け入れる決断をするという大変つらいことがあったわけでございます。その際、総理の談話にもございました、今後の農業農村対策に万全を期す、このようなことを約束されたわけであります。
 私ども新生党におきましても、あるいは連立五党におきましても、そのための本格的対策について目下鋭意検討を進めておるというところであります。本格的対策については、今後まだ時間もかかるということもございます。また現在、残念ながら私どもは農協と必ずしもスムーズに政策協調をやるような地合いができていないということもあるわけでございます。
 しかし、そういう関係は別といたしまして、もう本格的予算の前に既にやらなければならぬこと、やるべきことが決まっておるようなこともいろいろあるわけであります。そういう意味では、今回の補正予算でも思い切って計上すべき予算もいろいろあったと思う次第でありますが、どのような関係の予算が補正予算に織り込まれているのか、これを農林大臣にお伺いしたいと思います。
#33
○畑国務大臣 先生御指摘のとおり、当面いたします農政の大きな課題は、何といいましてもガット・ウルグアイ・ラウンド受け入れに伴います農村地帯あるいは農業関係者の方々のいわゆる将来に対する不安を解消する、そしてまた、その痛みを和らげる、こういうところにポイントを置いた取り組みの展開が極めて喫緊の課題、こういうような認識の中にございます。
 御案内のとおり、第三次補正におきましては、いわゆる国際化対応緊急農業対策という一つの項目を起こさせていただきまして、千四百三十八億でございましたか、そういうものを内容に取り組まさせていただいたわけでございますし、なおまた農山漁村の活性化あるいは社会資本の整備、生活環境整備、そういうものを力点といたしました三千五百億程度のものを計上させていただいたわけでございます。
 御指摘がございましたように、ただいま農政審議会等々におきましても、この新しい情勢を踏まえた新規の対応等々の問題がこれから本格的に論議をされるわけでございまして、その秋ごろの中間報告等々を踏まえましてさらなる力を入れていかなければならない、さような意味合いにおける第一段階の今回の補正予算である、かように御理解を願えればありがたいと感ずる次第でございます。
#34
○古賀(正)委員 現在大変深刻な不況が長期的に継続をしておるわけであります。過去三回にわたる対策にもかかわりませず、まだまだその回復の様相がなかなか見えてまいりません。今回の不況は、申すまでもなく、従来型の、従来の循環型の不況という側面だけではなくて、かなり深刻な資産デフレの様相もありますし、構造調整なくしてはその克服も難しいということもございます。
 新生党としては、昨年の十二月に緊急景気対策をまとめまして、これを提言したところでございましたが、今回の総合経済対策でかなり大幅にその内容が取り入れられていると高く評価をいたすところであります。
 もう時間が大変残り少なくなってまいりました。景気対策の内容につきましては同僚議員に引き続き質問をしてもらうことにいたしまして、私は以上をもちまして質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#35
○山口委員長 この際、山本幸三君から関連質疑の申し出があります。古賀君の質疑時間の範囲内でこれを許します。山本幸三君。
#36
○山本(幸)委員 新生党の山本幸三であります。
 私は、景気対策の中で特に金融政策の運営について御質問させていただきたいと思います。
 きょうは日銀総裁、御出席いただきまして、ありがとうございます。今回の不況は九一年春から始まったと言われているわけでありますけれども、それは非常に落ち込みの幅が大きくて、しかも長期にわたる。そしていろいろ景気対策が打たれたわけですが、なかなか効果が上がっておりません。
 私は、その大きな原因は、金融政策の運営に非常に問題があったのではないかというように考えております。すなわち、経済の血液であるマネーサプライが一九九一年以降極めて急低下している。このことは、銀行の借り入れに最も大きく依存している中小企業や零細企業が一番その被害をこうむっているということであります。
 この原因について日本銀行はこれまで、それは民間に資金需要がないからだという説明を繰り返してきたわけでありますけれども、実はこれは理論的に考えると大変おかしな説明であります。
 なぜなら、民間で資金需要があるかないかということは、そのときの条件がどういう条件であるかということなしには議論ができないわけでありまして、金利その他の借り入れ条件等がどういう条件であるからないんだ、金利が高くてもないのは当たり前ですし、低くてもないと言っているのかどうか、そういうことがはっきりしていない。そういう意味で、これは説明になっていないと私は考えております。
 企業が在庫投資やあるいは設備投資をやるときに考える条件というのは、名目金利だけではなくて、名目金利に物価の予想変化率を加味した予想実質金利で考えるわけでありますけれども、予想実質金利を、物価のところをデータの都合上卸売物価、国内卸売物価で調整した実質予想金利というもので見てみますと、実は九一年半ば以降この予想実質金利は、長期の金利は緩やかに上昇しておるし、短期はほぼ横ばいである。このことは何を示しているかというと、公定歩合は下げた下げたと言いながら、実質は金融はちっとも緩和していない、むしろ引き締めてきたということを示しているわけであります。
 これはまたマネーサプライの動向を見ればはっきりとするわけでありまして、公定歩合は下げていると言いながら、マネーサプライは、これをふやすどころか急速に落としてきた、しかも九二年にはマネーサプライの伸び率をマイナスにまでした。これは大変なことでありまして、この原因を理解するためにはどうしても、日銀の責任ということを理解するために、日銀が直接関係しているマネーサプライのもとになるハイパワードマネーという概念を考えなければなりません。
 ハイパワードマネーというのは、現金プラス民間銀行が日銀に預けている預け金、つまり、通常は準備といっていますが、現金プラス準備をいうわけですが、この管理をしっかりどういうふうにしているかということによるわけですね。実はこれまで日本銀行がやってきた政策というのは、ハイパワードマネーを急速に落として、そして、その結果マネーサプライを落としてきた。表向きは公定歩合を下げて金融緩和と言いながら、実際は全く緩和していない。これが今回の不況を実に厳しいものに、また大きなものにしてしまったというように私は考えているわけであります。
 ところで、日本銀行はこのハイパワードマネーの供給について、日本銀行としてはハイパワードマネーの供給のコントロールはできない、コントロールできるというのはコール・手形レートであるというように従来主張してきましたけれども、総裁、そういう理解でよろしいのでしょうか。これはもう端的にイエスかノーかで答えていただきたいと思います。
#37
○三重野参考人 エコノミストの委員にお答えするのは大変あれでございますが、ハイパワードマネーというものは、もうこれは釈迦に説法でございますが、個人、企業の持つ現金、したがってこれは預金から引き出されるものでありまして、日銀のコントロールできないものだというふうに思っております。
#38
○山本(幸)委員 実はこれが非常に大きな問題でありまして、世界の中央銀行でハイパワードマネーがコントロールできないなんて言っている銀行はない。正統的な金融理論からいって、中央銀行の役割というのは、このハイパワードマネーをコントロールする、それによってマネーサプライをコントロールしていくということが、どこの中央銀行でもやっている役割であるし、機能なのですね。
 例えば、経済学の基本的な教科書であるポール・サミュエルソンの「経済学」の金融政策に関する章というのは、こういう説明から始まっているのですね。「中央銀行の主要な機能は、ハイパワード・マネーの供給をコントロールし、それを通じて一国の経済の貨幣と信用の供給をコントロールすることである」。つまり、日本銀行は、欧米の中央銀行とは全く違った、あるいは、そういうみずから果たすべき機能についてその能力を持っていないと自分で言っているようなものでありまして、このことは私は、日本銀行はみずからの存在を否定している、そういうふうに思うわけであります。
 ところで、先ほど申し上げたように、ハイパワードマネーのコントロールはできないのだけれどもコール・手形レートのコントロールはできると言っているのですが、実はこれはおかしな話で、コール・手形レートのコントロールをするということは、そのコインの裏側はハイパワードマネーをコントロールするということなのですね。ここも矛盾が出てきている。
 日本銀行は、コール・手形レートが今二・二%前後ですけれども、これで下げていると言っているかもしれませんけれども、実は実質金利は先ほども申し上げたように八九年レベル、つまり好況時のレベルに比べると、まだ二倍近い。今日のこの大きな不況、そしてまた不良債権が生じている状況のもとでは、通常以上にこの金利を下げてやらなければ、中小企業や零細企業はたまったものじゃない。このことを日本銀行は怠っているとしか思えないわけであります。
 特に、今日のような状況で、不況であり、不完全雇用であり、そしてインフレの心配が全くない、しかも円が高い、そういう状況では、まさに金融政策を発動すべき、金融緩和をもっともっと一気に進めるべきです。そのやり方として、ハイパワードマネーをコントロールできないというんであれば、もうその議論については時間がありませんからしませんけれども、もうそれじゃ、できるというレートを下げるしかない。
 この実質金利を八九年レベルに下げるためには、私の計算によれば、公定歩合、そしてコール・手形市場の短期レートをゼロないし〇・五%にしなければ八九年の好況時のレベルまで下がらない。つまり、好況時のレベルの二倍ぐらいのやつをこの不況時にやっているということは、まさに金融を引き締めておるということしか言いようがないんですね。このことをぜひお願いしたい。
 しかも、最近の経済理論で言えば、この変動相場制のもとでは、財政政策よりも金融政策の方が有効であるんだと。つまり、財政政策で財政支出を拡大しても、それは金利を上昇させて、そして為替レートを上げる。それに対して金融政策は、金融を緩めることによって金利が下がる、そのことによって円安になる、そして、この金利が下がった効果と円安の効果と両方が相まって経済の回復に二重に寄与する、そういう理論が既に定着しているわけでありまして、ぜひ思い切ってこの際、金融を引き締めを解除して、大幅に緩和してもらいたいというふうに思います。
 それから、このように日本銀行が表向きは緩和していると言いながら実際は引き締めてきたということはなぜだろうということなんですが、まあ日本銀行の役割ないし理論についてわかってないということ以上に、私は推測するに、日本銀行総裁は恐らくバブルをぜひ退治したい、もう自分が退治するしかないと思い込んでしまわれたんじゃないかというように思うのですね。
 このバブルの退治というのは、これを金融政策でやるというのは、その理由はない。金融政策で
 一挙にバブルを退治しようとしてしまったために、地価よりも株価が暴落してしまった。そのことによって実体経済が痛めつけられてしまった。つまり、金融政策でこのバブル退治をやってしまおうと思い込んでしまうと、実体経済を殺してしまう。人を殺しておいて病気を治したというようなものでありまして、これについても大変大きな問題がある。
 このバブル退治をやり過ぎて、そして実体経済を痛めつけた日本銀行に大変大きな責任があるということについては、後ほど質問されるとお聞きしておりますけれども、自民党の渡辺元副総理・外相も厳しい批判をされておられる。大変どぎつい表現を使われておりましたけれども、この点については、日銀総裁及び総理、どのようにお考えか最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#39
○山口委員長 三重野日銀総裁、時間が来ましたので、端的にお答え願います。
#40
○三重野参考人 時間がございませんので、第一に、欧米の各中央銀行もハイパワードマネーをコントロールしてはおりません。それはマネーサプライについてはありますけれども。
 それから第二に、いわゆるバブル後の経済実勢の場合には、マネーサプライが普通の状態の理論と違った動きをしています。それはアメリカにおいても日本においても同じであります。
 第三に、私どもが金利を引き上げましたのは、バブルつぶしのためではなくて、当時非常に景気の拡大があり、しかも湾岸戦争が始まった後の物価の安定を、予防的に引き締めて、そして安定的な経済成長に戻る、そういう趣旨でいたしたものでありまして、バブルつぶしのためにやったわけではございません。
#41
○細川内閣総理大臣 政府からいろいろコメントするのはいかがかと思いますが、そのときどきの金融経済情勢に即して、日銀当局は適切な対策を講じてきているというふうに私は認識をいたしております。
#42
○山本(幸)委員 ありがとうございました。(拍手)
#43
○山口委員長 次に、鮫島宗明君。
#44
○鮫島委員 さきがけ日本新党の鮫島でございます。
 三十分の持ち時間のうち、私が二十分、同僚の長浜議員が十分を使って質問させていただきたいと思います。主に日米経済摩擦の問題、円高の問題、貿易黒字の削減の問題について御質問したいと思います。
 初めに、大変きつい日程の中、厳しい環境の中で日米首脳会談に臨まれた細川総理を初め羽田外務大臣並びに関係者御一同の御労苦をねぎらいたいと思います。大変御苦労さまでございました。
 帰国後、マスコミのほとんどは、経済協議の行き詰まりに関する記事が、報道が大部分でございますけれども、日米協議については二本の柱がセットされていたはずでございまして、一本目は申すまでもなく経済問題、二本目は人類の生存を脅かす地球規模の問題、これを日米共同でどう取り組むかというのがもう一本の柱であったはずでございます。
 前者の問題については十分報道し尽くされているところでございますけれども、後者の問題については国民の前にまだ十分明らかになっていないような気がいたしますので、総理の口から、この問題についてどのような成果が上がったのか、御報告いだだければ幸いだと思います。
#45
○細川内閣総理大臣 人口とか環境とかエイズとか、そうした日米間のグローバルな協力というのは、今度三つの経済協議のテーマがあったわけですが、その中の大きな柱の一つでございました。
 そうした点については日米間で合意が成立をしたわけで、今後七年間に百二十億ドルの拠出を両国で行ってこれらの問題に取り組んでいこうということで合意を見たところでございます。いずれも重要な人類の課題でございますし、こうした点についてこのような合意が得られたということは大きな成果であったというふうに認識をいたしております。
#46
○鮫島委員 一九九四年二月十一日の首脳会談は、その日が単独で存在していたわけではなくて、長い日米協議の節目の一日というふうにとらえるべきではないかというふうに思います。
 先ほど総理の御答弁にもありましたように、一九八九年九月、ブッシュ元大統領の提案による日米構造協議の開始を端緒として、その後長い間の摩擦解消のための協議が行われ、その後昨年の七月、一九九三年七月に宮澤前総理とクリントン大統領との間で新しい日米包括経済協議の開始が約束されたわけであります。
 その後、事務レベル折衝が濃密に行われ、さらに次官級の会議も行われ、また直前の段階で羽田外務大臣も訪米されて調整に努力する、そういうこじれにこじれた状況の中で開かれた日米首脳会談であるということを広く認識する必要があるのではないかと思います。
 したがって、こういう状況にかんがみれば、総理個人の努力ではいかんともしがたい面があって、やはりすべての省庁が知恵を出し合ってこの難局を克服する努力をする必要があるのではないかと思います。
 既に首相からは外務、大蔵、通産各省に対して具体策を考えるよう指示が出ていると報道されておりますけれども、この三省庁に限らず、すべての省庁が縦割り行政の弊害を脱して、相協力して知恵を出すべきではないか。また、官に限らず、産業界の側も、それからもちろん政治の側も当然のことでございますけれども、この難局を乗り切るためのあらゆる知恵をお互い出すべき時期に来ているのではないかという気がいたします。
 このことに関連して大蔵大臣にお伺いしたいのですけれども、財政当局は経済対策のために最大限の財政出動をしていることは高く評価されるところであります。二次補正、三次補正、さらに緊急総合経済対策、また二月十五日に閣議決定された平成六年度予算の中で最大限の財政出動をしているということは既に明らかになっておりまして、特に藤井大蔵大臣及び斎藤事務次官におかれましては、信念に反して赤字国債の発行も御決断されたということは評価されるべきだというふうに思います。
 このような一連の予算の中で、どのように内需拡大のための措置がとられているのか、貿易黒字を減らすための措置がとられているのか、あるいは円高是正のための措置がとられているのか、ひとつ国民の前にわかりやすく、簡潔に御説明いただけるとありがたいと思います。
#47
○藤井国務大臣 今お話しのように、やはり黒字減らしというのは、一つには規制の緩和等々もありますが、もう一つやはり大事なことは、私は、国内需要を喚起して景気を回復するということ、これはもう過去の歴史がみんなそうだと思います。
 日本の経済が立ち直れば当然のことながら黒字が減ってくる、これはもう過去の例がみんなそうであるわけでありまして、そういう意味で内需を中心とする国内経済の拡大、これが基本であり、そういう意味におきますと、今回の総合経済対策あるいは第三次補正というものは、もう明らかに内需の拡大のための諸施策を講じているわけであります。
 もちろん、平成六年度予算というものは、いつも申し上げておりますように、景気というものに一方十分配慮しながら、景気だけではない、やはり防衛のあり方とか、あるいは福祉のあり方、教育のあり方等々も、全般的なメニューを出すわけでありますけれども、これとても相当大幅に私は景気に配慮した予算編成をしたと思っております。
 また、総需要政策だけではないと思うのでございますね。日本のこの経済を回復するためには構造問題がいろいろある、これはもうこの院で前々から御議論のあったところであり、今回の総合経済対策の中には、いわゆる総需要政策のほかに、問題のある分野の解決ということで、土地の流動化とかあるいは証券・金融市場の活性化だとかいうようなことも取り上げております。さらに、熊谷通産大臣が言われたように、新しい企業分野への助成とか、そういうものすべてを通じまして、私は、内需の拡大、そしてそのことが黒字減らしに貢献するものであると考えております。
#48
○鮫島委員 ただいまの財政御当局の説明でございますけれども、財政と同時に、やはり車の両輪のもう片方である金融政策が非常に重要ではないか。
 私に限らず、議員の後ろにはそれぞれ選挙区の中小零細企業の経営者の方々あるいはそこで働く従業員の方々、パートタイマーの方々の生活がかかっているわけです。今般の急激な円高は大変産業界の体力の低下をもたらす。特に大企業のように体力が十分あるところはまだしも、その下請メーカー、部品のメーカー、さらに孫請のメーカー、零細のメーカーほどそのダメージは大きいわけでございまして、また、そのことが産業空洞化を引き起こすというようなことですと、これは一時的な影響にとどまらず、大変長期的にそのような産業領域の方々に対して苦汁をなめさすことになると思いますけれども、この円高に対して日銀がどのようなことを行っているのか。
 まあ一般的に言えば、新聞を見ていると、円がこう高くなっていく過程で日銀介入というのが見出しでよく出ますけれども、今回のこの円高の局面で日銀はいつ、どの程度の規模で介入を行ったのか、あるいは介入を行っているのか、どの程度のレベルまで円を持っていきたいというふうにお考えになっているのかを明らかにしていただきたいと思います。
#49
○三重野参考人 お答えします。
 新聞によりますと、日銀が介入という活字が躍っているわけでございますが、委員御存じのように、いわゆる介入は政府の外為会計の金を日本銀行がエージェントとして介入しておりますので、介入に関する方針は大蔵大臣の所管でございます。
#50
○鮫島委員 そうしますと、介入のタイミングあるいは介入の規模、どのぐらいの円を売るかという規模については、これは大蔵当局が決めることであって、日銀はそのオペレーションを行うだけだというふうに認識してよろしいんでしょうか。
#51
○三重野参考人 マーケットに直面いたしておりますのは日本銀行でございますから、マーケットの情勢等を一々大蔵省によく連絡いたしまして、大蔵省の指示によって介入をいたしております。
#52
○鮫島委員 そうしますと、その判断を行う責任者は大蔵省の財務官であるというふうな認識をさせていただいてよろしいのかと思います。
 しかし、実務者として日銀側が財務当局に進言をする立場にあるのではないか。つまり、今が介入の時期とかどの程度のレベルまで持っていくべきだというのは、当然日銀側としても実務者として財務当局に進言する立場にあるのではないかというふうに思いますけれども、日銀総裁としては、どの程度のレートが適正であるか、つまり、先ほど私が申し上げました、中小零細企業の経営が成り立つレベルというのが幾らぐらいであるというふうにお考えなんでしょうか。
#53
○三重野参考人 介入に対する連絡の仕方は今委員御指摘のとおりでございます。ただ、介入その他につきましては、私、あるいは大蔵大臣もそうだと思いますが、どういう態度をとるかということを申しますと、マーケットに不測の事態が生じますのでお答えしないことになっていることをぜひ御理解いただきたいと思います。
#54
○鮫島委員 今、金融政策は、財政政策と並んでもちろん経済政策のかなめであると同時に、このような現下の国際情勢のもとでは外交政策のかなめでもあるという認識が共有されていると思いますけれども、今総裁がおっしゃられたように、そのことは国民に対して明らかにできないと。どのようなレベルが好ましいかということについても日銀総裁としての御判断というのは明らかにできないんでしょうか、
#55
○三重野参考人 昨年、円レートは百二十五円から百円近くまで円高になりまして、ことしに入ってからやや円安に戻って百十二、三円、この日米首脳会談が始まる直前は百八円ぐらいでございました。それが、日米の包括経済協議の不調を受けて、マーケットがそれに反応いたしまして百一円まで下がりましたが、きょうは百四円近くまで戻っておる、こういう行動をとっております。
 私は、こういうふうなレートが動いている背景と申しますと、それは、昨年の円高になりましたのは日本のやはり大きな経常の黒字が背景だと思います。それが若干円安に戻りましたのは、これは日米の景気のすれ違い、日本がまだ景気が停滞しておりまして、アメリカが景気が確実によくなってくる、これを反映して若干戻してきたものでありまして、そういう意味で、ここに来てファンダメンタルズが大きく変化したわけではございません。したがって、この数日の為替というものは行き過ぎたものだというふうには判断いたしております。
 しかし、私自身が為替がどうあるということを言うべきではないことは御理解いただきたいと思いますけれども、一般論として申しますと、G7の合意事項といたしまして、為替はファンダメンタルズを反映して大きな変動のない安定的な動きをすべきだという合意がございます。したがいまして、その合意は今でも生きているわけでございますから、その合意のもとに、大蔵省の御方針に従って引き続き各国と緊密な連絡をとって安定に努めたい、かように考えております。
#56
○鮫島委員 先ほど私申し上げましたように、すべての議員の後ろには中小零細企業の経営者の方々、その従業員の方々がついているわけです。ですから、みんなにわかるように御説明いただけるとありがたいと思います。
 もちろん、今日のすべての問題の発端は、大幅な貿易黒字が存在している、しかもそれが日本に滞留している、そのお金が世界に還流していないというところに一番大きな問題があるのではないかと思います。
 この大幅な黒字があるために、それを還流させるためのプレッシャーとして円高が働き、円高が働くと企業の体力が低下する。それに連動して株も落ちる。株が落ち、企業の体力が低下すれば当然産業活動が低迷して税収も不足になる。すると適正な財政出動ができない。
 そういう悪循環が行われるわけでございまして、この悪循環を断ち切るためには、やはり日本に滞留している大量のドル、貿易収支で千四百億ドル昨年滞留していると報告されておりますけれども、これを世界に還流するような措置をやはり金融政策としてとるべきではないかという気がいたします。
 つまり、その額に匹敵する円を供給する必要があるのではないか。その千四百億ドルを還流させることに対して、金融政策としてどのようにお考えなのか、日銀総裁の御意見を伺いたいと思います。
#57
○三重野参考人 日本の大幅経常黒字を解消する一番の基本的なものは、やはり日本が内需中心のインフレなき持続的成長を遂げるということが肝心でございます。その結果として、日本の貯蓄・投資バランス、日本は貯蓄超過でございますが、この貯蓄超過がほぼ経常の黒に結果的には見合うわけでございますので、内需中心の経済の拡大を図れば、貯蓄・投資バランスが縮小して経常の黒が減ってくる、これが主な基本的な道だと思います。
 それだけではなくて、やはり日本のマーケットをいろいろな意味でオープンにするということが必要でございまして、そのために今の政府がおやりになっておりますいわゆる規制緩和ということは、これは単に外に対してオープンにするだけではなくて、国内の投資をよりよく拡大させるという意味もございますので、それが第二の道である、かように考えております。
#58
○鮫島委員 私は、最初に申し上げましたように、この難局を乗り切るためにはすべてのセクターが一致協力して努力をする必要があるだろうというふうに申し上げましたけれども、日銀としても従来の伝統的な金融政策の常識が働かなくなっている。
 つまり公定歩合は、日銀が始まって以来、百十年来の低金利を発動したのに、六カ月たっても効果が薄い。普通は低金利にすれば株式市場の方にお金が流れて株が上がるはずなのに、株も上がらない、それから円も下がらない。つまり、従来の常識では考えられないことがいろいろ起こっているわけです。こういう新たな情勢のもとでは、従来の伝統的な金融政策の概念にとらわれずに、大胆な政策を発動する必要があるのではないかというふうに思います。
 時間がないので最後に一つだけ質問いたしますけれども、もちろん新しい雇用の創出、あるいは二十一世紀に向けての新産業の展開という意味で、情報産業を中心とする知的産業の多様な展開が期待されているところでありますけれども、また、規格大量生産型の産業構造を変えて、少量でもきらりと光る多様な製品の開発というようなことも必要とされているのではないかと思います。
 このように経済構造を変え、産業構造を変え、二十一世紀に華々しい展開を遂げるためには、それに見合う人材がいなければならないはずでして、少なくとも教育というのはタイムラグが非常に大きい局面で、今の教育制度はある意味では規格大量生産型の社会にふさわしい人材を育成するようなシステムになっていると思いますけれども、二十一世紀をにらんだときに、そのときに必要な人材が十分に存在するかどうかは、今の教育をどうするかという問題にかかっているのではないかと思います。
 総理は、経済改革とともに、この教育改革による人材の供給という問題についてどのような認識をお持ちなのか、最後にお伺いしたいと思います。
#59
○細川内閣総理大臣 活力のある経済社会を築いていくために、おっしゃるような産業構造の転換を図っていかなければならないと思いますし、当然新しい産業の分野の開拓をしていかなければならないということも、私は全く同感でございます。
 そのための人材の育成ということにこれから大いに力を注いでいかなければならない。おっしゃるように、それは時間のかかることでございますし、そういうことを見込んで、今後、教育の面におきましても十分意を用いていかなければならないと思っております。
#60
○鮫島委員 どうもありがとうございました。(拍手)
#61
○山口委員長 この際、長浜博行君から関連質疑の申し出があります。鮫島君の質疑時間の範囲内でこれを許します。長浜博行君。
#62
○長浜委員 日本新党の長浜博行でございます。
 ほぼ一年半前、ですから十八カ月になると思いますが、九二年の八月二十八日に総合経済対策が十兆七千億の規模でしかれ、その後、翌年の九三年四月十三日でありますが、新総合経済政策として十三兆二千億。政権がかわりました後、九月十六日に緊急経済対策として六兆二千二百三十億円、こういった三十兆を超えるような公共投資といいますか経済刺激策が行われて、誤解を恐れずに言いますならば、前政権と新政権が協力をしながら、全政治家が一丸となって景気対策に取り組んでいるわけであります。
 そしてまた、日銀総裁がいらっしゃっておりますが、九一年初頭の六%台から比べれば四・二五%ぐらい下がった、百十一年の日銀の歴史の中においても例を見ないほどの低金利、公定歩合が下がっているという、こういう現状を見まして、先ほど同僚議員からも質問をしましたところでありますが、私は経済企画庁長官にお尋ねをしたいのでありますが、そろそろ少し明るい内容の御答弁を賜われれば、国民全体、なおそろそろ効果が出てやる気になってくる、こういったことになっ
てくると思いますので、御所見を賜われればと思います。よろしくお願いいたします。
#63
○久保田国務大臣 景気の現状は、もちろん低迷が依然として続いているということなんでございますけれども、その中でもストック調整が少し進行してきているとか、それから住宅が特別によくて公共投資も進んでおります。それから金利、物価の安定といったような回復への環境が整ってきている、長い不況の後に整ってきているという兆しが見えていると思います。
 それで、これを確実なものにして回復の軌道に乗せていきますために、今回総合経済対策、史上最大の規模で決めていただいておりますし、三次補正、特に公共投資、住宅等に配慮したものとなっております。
 したがいまして、私は、今回大規模な所得・住民減税を含んでいるということからしまして、こうしたことが今低迷している個人消費に好影響を与えまして、皆さんが有効にこれを使って生活を高めていただくこと、こういうことから景気がきっとよくなっていく、そういうことを大いに見込んでおります。
 また、政府全体としましても、六年度中に必ず景気回復の軌道をとっていきますためには、いろいろなできる限りの対策を打ち、本予算の中でも景気に浮揚効果のあるものを優先的に実施していく、こういうことになっておりますので、明るい兆しが必ず出てくると思っております。
#64
○長浜委員 どうもありがとうございます。
 時間の関係で、景気問題をさらにお聞きをしたいのですが、次に移らさせていただきます。
 この三次補正の中においても、例えば公共事業の約二兆円の規模の中において、下水道環境衛生等施設整備費というような形で二千億を超えるような形の予算の計上がされている。こういった形で、公共投資が景気波及効果を及ぼす影響はもちろんよく存じている次第であります。
 しかし、予算策定とかあるいは現実に執行されるような段階におきまして、このごろの環境問題等の状況を考えながら、環境庁の長官にお話を賜りたいわけでありますが、公共事業等において環境庁がどのようなリーダーシップを発揮していく意向がおありになるのか、御答弁を願えればというふうに思います。
#65
○広中国務大臣 公共事業の実施に当たりましては、環境を事後ではなくて事前に配慮をする、そういうことが非常に大切なことだと思っております。
 これまでも、公共事業の実施に当たりましてはそのような考え方でなされているというふうに認識しておりますけれども、今後とも環境への配慮が十分に公共事業に組み込まれますように、いわゆる環境を内部化するというんでしょうか、そういうことを実行されますように、この場をおかりいたしまして、ここに御出席の関係閣僚、大臣にお願いをしたいと思っているところでございます。
 どうも御質問ありがとうございました。
#66
○長浜委員 どうもありがとうございます。
 それから、農業問題でありますが、国際化対応緊急農業対策費という形でも計上されているわけでありますが、ここで、昨年の十二月に我が党の武田邦太郎参議院議員が、私も薫陶を受けている一人ではございますが、農林水産大臣への質問とともに、文部大臣への質問といたしまして、実は農業分野における教育の問題、農業試験場というような具体的な例を挙げましたけれども、こういったパイロットファームのようなものをつくって、国民の目の前あるいは現状の農業者に明るい農業の展望を築くようなものをつくっていったらどうかという質問で、御答弁の中に、できる限り御協力をいたしますというような御答弁をいただいた次第であります。
 農業は、外国農業との競争と同時に、実は産業分類、一次産業に属しておりますように、国内においては二次産業、三次産業との戦い、こういったものもあるわけでありますから、教育的な効果を含めて、農業問題について文部大臣の御所見を伺いたいと思います。
#67
○赤松国務大臣 ウルグアイ・ラウンドの妥結に伴いまして、日本の農業は大変大きな試練に直面しているというふうに存じております。
 そして先ほど、一時間足らず前にも、農水大臣から大変熱のこもった御答弁がございましたが、教育の分野において農業を活性化するという任務を私どもが担っているというふうに考えている次第でございまして、小学校、中学校、高校、いろいろな段階で農業の大切さ、あるいはその作業の、どういうことをしているのかというようなことも含めまして、若い人たちにそれを教えるということに心がけているところでございます。
 先生の具体的な御指摘もございましたので、農業後継者の育成に関して申し上げますと、農業を志す人たちが農業技術、経営能力などを身につけることができますように、農業高校その他で教育の振興に努めているところでございます。今後とも、そのような方向で努力をいたしたいと考えております。
#68
○長浜委員 これにて質問を終わります。(拍手)
#69
○山口委員長 これにて鮫島君、長浜君の質疑は終了いたしました。
 次に、草川昭三君。
#70
○草川委員 公明党の草川であります。
 まず、細川総理にお尋ねをいたします。
 細川総理は、日米会談でクリントン大統領にノーということを言われたわけでありますけれども、残念ながら、枠組み交渉というのが物別れになったわけであります。しかし、そのことは同時に、クリントン大統領もノーと言ったということになるわけであります。
 もしそうであるならば、アメリカ側、米側も日本の対応に不満があったということになるのは当然でありますが、今日、貿易戦争というような非常に厳しい言葉も出ておりますし、対日報復措置が打ち出されているわけでありますが、その背後にある米国の対日不信というものをどのように総理は受けとめられておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。
#71
○細川内閣総理大臣 一九八〇年代の半ば以降、日米間に五百億ドルを超える収支のインバランスがあるということについて、アメリカにおいて大変強いいら立ちがあるということはよく理解できることだと思いますし、この点について、何か不透明さ、あるいは不公正な点があるのではないか、こういう指摘がなされている点について、私どもも十分その点については認識をしていかなければならないのではないかと思っております。
 今までも随分こうした点につきまして強い関心を持ち、また、それなりの改善も進めてきているところでございますが、今後とも可能な限りの対応をしてまいらなければなるまい、このように思っております。
#72
○草川委員 約六百億ドル、五百九十三億ドルに上る貿易不均衡というものが対日不信の根源だとするならば、今日、対日スーパー三〇一条を復活させる行政命令などの対日制裁の手段をとってくるのではないかと思うのですが、その点についてどのような対応をとられるのか、お伺いをします。
#73
○細川内閣総理大臣 具体的にどのようなものになるか見きわめないと、何とも今の時点では申し上げられませんが、いずれにしても、アメリカの政府が良識のある判断と行動をとっていただくように強く願っているところでございます。
#74
○草川委員 その日米会談で、先般来策定をいたしました総合経済対策について、米側はかなり批判的だったのではないかと伝えられております。その点実際はどうかということでございますし、また、減税問題について、一年限りの時限措置であったことに米政府の失望あるいはまた反発というものがあったのではないか、こんなことも言われておるわけですが、事実関係はどうであったのか。あるいはまた、米側のこの反応をどのように評価をしておみえになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#75
○細川内閣総理大臣 減税を含む経済対策につきまして、黒字減らしにそれほど十分効果のあるものとは思えない、日本側の努力は多とするけれども、満足できるものではないということでございました。私の方からは、内需拡大のために相当な効果があるものである、こういう認識を述べたところでございます。
#76
○草川委員 それで、その減税の問題等についての、次の、先のことについての質問なり、あるいはまた総理の方から将来展望について何かお話しになったことはないのでしょうか。
#77
○細川内閣総理大臣 減税の問題につきましては、与党の協議機関を設けて、そこで年内に法律を成立をさせるべく御努力をいただくということで合意をいたしております、こういう趣旨のことを申し上げました。
#78
○草川委員 日銀総裁がお見えになっておられますので、総裁に三点ほどお伺いをしたいと思います。
 まず、円の相場が急騰をしているわけでありますけれども、来るべきG7があるわけでございますが、ここで為替相場の安定化について日銀総裁はどのような方向で臨まれるのか。
 また、ここまで円が急騰してきましたので、ちょうど昨年の夏にも私いろいろとお話を聞いたことがあるのでございますが、日銀総裁はニューヨーク連銀と協調介入についていろいろなアクションをとられたのではないかと思うのでございますが、先方に何らかの打診をすべき時期ではないか、あるいはまた、しておみえになるとするならばどのような状況か、お聞かせ願いたいと思います。
#79
○三重野参考人 G7につきましては、今月末開催の方向ということは承知いたしておりますが、まだ決まったわけではないと思います。したがいまして、当然G7がありますれば世界のいろいろな経済情勢についての意見交換が行われるかと思いますけれども、まだ具体的に決まっておりませんので、その点についての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 円高につきましてでございますが、介入、これは先ほど申しましたように、私どもは大蔵大臣の指示のもとにやっているわけではございますが、大蔵大臣といえども、介入の方針あるいはそういったものを申し上げることは敵に手の内を示すことになりますので、恐らく大臣も申し上げられないと思います。
 それは御勘弁願いたいと思いますが、しかし、先ほども申し上げましたけれども、為替が経済のファンダメンタルズを反映して安定的に動くことを、各国全部それを実現したいと申し合わせをしているわけでございますので、そういった合意に基づいて、大蔵省とも御相談して、各国とも緊密に連絡をとって、なるべく安定的な動きを実現させたい、かように考えております。
#80
○草川委員 この円高の一方、株価も低迷をしておるわけでございますが、不況下にある景気というのは一段と深刻さを増すと見なければなりません。このような景気の現状並びに先行きの見通しについて総裁はどのような御見解か、お伺いします。
#81
○三重野参考人 現在の我が国の実体経済というのは、引き続き今停滞をしております。もちろん、子細に眺めてみますと幾つかの明るい材料もございますが、それが果たして本格的な回復につながるかどうかは、もう少し様子を見なければわからないというのが実情だと思います。
 もう少し繰り返して申しますと、設備投資は引き続き減少傾向が続いております。個人消費につきましては、一部低価格品は売れ行きがいいとか、あるいは家電の白物が売れ行きがよくなったとか、そういうことはございますが、やはり大勢としてはまだ低迷をしている。ただ、住宅投資と公共投資が強いということだと思います。
 ここにまた円高、これはどうなるか、まだ数日間の動きでございますので様子を見なければわかりませんけれども、そういったものが加わるわけでございますが、先行きを見ますと、こういう円高に加えまして、まだ雇用がじりじりと悪くなっている、あるいはいわゆるバランスシート調整にまだ少し時間がかかるというマイナス要因がございますが、それに引きかえ、プラスの要因といたしましては、いわゆるストック調整はかなり進捗しております。それに、従来の財政金融政策からの政策に加えて、今回史上最大規模の景気対策が打ち出されたわけでありますから、それの効果も期待することができます。
 したがって、今はそういうプラスとマイナスの要因が相せめぎ合っているということだと思いますけれども、私どもはやはり、政策当局、民間の努力によって今度の景気対策を生かして、一日も早くインフレのない安定した成長へ回復軌道に乗せたい、かように考えております。
#82
○草川委員 景気をよくしたいという、そういうお立場に、もう一段の積極的な行動をお願いしたいわけでありますが、この円高は、せっかくの総合経済対策の景気押し上げ効果というのは相殺をされてしまうのではないか、こういう心配を持っておるわけでございまして、日銀としては、短期金利の低目誘導、こういうことをもう一段努力をされて金融緩和をすべきではないか、これは要望を含めての話でございますが、どうでしょう。
#83
○三重野参考人 金融政策については、委員もう御承知でございますので、今までとられた措置を繰り返すことはいたしませんが、公定歩合は一・七五という最低でございますし、市場金利の二・二%というのも、これは昭和初期の恐慌よりも低いところに来ておるわけでございます。
 ただ、これだけ金利を低くしましたけれども、これは目に見えていわゆる投資を引き出す力はまだ出ておりませんけれども、しかしながら、企業の収益あるいはリストラというものを支えるためには相当な効果が出てきていると思います。したがって、これからいわゆるデフレの各種の調整、ストック調整とかバランスシート調整でございますが、そういった調整にある程度のめどがつけば、今の金利水準は十分に景気の回復をサポートする水準だと思います。
 そのいい例が住宅投資でございます。住宅投資が一番先に、いわゆるストック調整が終わった後で金利の低下というものを背景に非常に堅調であることが一つの例だと思いますけれども、そういったことで、引き続き私どもは、今度の十五兆の景気対策とあわせまして丹念に景気の動向を見守ってまいりたい、今はかように考えております。
#84
○草川委員 私、昨年のこの予算委員会でも、タイミングをぜひ見失うなという、大変失礼でございますが、そういうことを申し上げました。このタイミングの時期というのが非常に重要でございまして、これは特に日銀総裁に多くの中小企業の方々の声を率直にこの場でお伝えを申し上げたい、こう思います。
 結構でございます。どうもありがとうございました。
 では、もう一度細川総理の方に戻りまして、日米包括協議を成功させるために日本側がとるべき措置というのがたくさんあります、先ほどもかなり触れておられましたが。今後いかなる対策を、これまたどのようなタイミングで打ち出されるか、この時期が非常に重要だと思うのですが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
#85
○細川内閣総理大臣 先ほどから何回かお答えをしておりますように、規制の緩和でありますとか、あるいはまた競争政策の促進でありますとか、あるいはまた内需拡大策でありますとか、できる限りのことをできるだけ早くそれはとるべきであろうということに尽きると思います。
 昨日、私も入っての第一回目の打ち合わせをいたしましたが、今後とも閣僚レベルでもあるいは事務レベルでも、さまざまな形でできるだけの対応を迅速にとってまいりたいと思っております。
#86
○草川委員 解決への道筋が見えてきませんと、これは円の相場の流れも変わりませんし、また、米政府のいら立ちも変わらぬと思うのであります。だから、どの程度でどのような道筋をつけるかという、今道筋がまだついていないわけであります。
 昨日の新聞だと、官房長官、何か特使を出すような報道も出ておりますけれども、その特使も、出すにしてもその前提が問題だと思うのですね。ただ行っていいというわけじゃありません。そこらあたりはどのような御展望で特使のような御発言が出てきたのか、お伺いをしたいと思います。
#87
○武村国務大臣 特使の話は、連立与党の中からそういう提唱をされた方がありまして、その提唱の発言をどう思うかという質問がありまして、常識的には一つの考えられる提案であると申し上げて、問題はしかし、海を渡るのはいいのですが、何を詰めて渡るか、中身が問われている、まずそれを先行させなければなりませんと記者会見でお答えをさせていただきました。
 いずれにしましても、先ほど来の議論にありますように、日本の景気をよくするということが対米約束であり、日米包括協議の最大の答えだと思うのでありますが、これももう議論がありましたように、金利を下げる、公共投資をどんどん進めていく、さらには減税をやる、これはケインズが教科書に書いてくれたいわゆる古典的な、ありとあらゆる内需振興の対策は、自民党政権の時代からも含めて取り組んでいるわけであります.、
 しかし、これだけでは十分でない。そこでまあ、規制緩和あるいは市場アクセス、輸入を促進したり投資を促進するようなさらに努力をしていくことや、独禁法の問題や、あるいはいわゆる政府調達のルールをどう改善していくかという、そういうテーマにまで今日を向けているわけでありますが、何かすばらしい案がたくさん残っているという状況じゃないものですから、ありとあらゆる努力をもう展開していまして、かなり根の深い、なお残っているテーマにも真剣にもう一段と目を向けていこうというのが日本政府の今の立場でございます。
#88
○草川委員 私は、今官房長官もおっしゃいましたが、細かい配慮というのは非常に必要だと思うんです。
 例えばこういう例が、余り日米間のウエートの問題では大したことはないんですが、一つこういう問題を聞いていただきたいんですが、今アメリカ向けの鉄鋼の輸出の船積みですね、これが非常にふえているんですよ。これは完成品ではないんですね。普通鋼の鋼塊、鉄の塊、これは材料になるんです、半製品なんですね。
 アメリカの自動車産業を初めとして鉄鋼需要が非常に多くなっておりますけれども、アメリカの鉄鋼産業というのは、もう高炉が非常に疲弊をしておるわけですから、どうしても鉄の材料というものを日本から輸入せざるを得ない、インゴット。こういうものが、例えば最近では三十万トン。昨年は一万トンぐらいだったのが三十万トンにずっとこうふえてきているわけです。
 もちろん、この鉄鋼のアメリカに対する輸出の割合というのは、日本全体ではわずか二%ぐらいですから、ウエートでは大したことはないんですが、日米間の経済成長のギャップが始まりますね、アメリカの方が経済成長、日本が下がる、そうすると逆に、日本の基礎的な資材をアメリカは購入しますから、日本に黒字がふえるという現象だってあるわけであります。こういうことも私は率直にアメリカ側に訴えていただきたいと思うのです。何もこちらだけが物を売っているわけじゃない。どうしても向こうが欲しいと言うから材料が行くわけであります。
 あるいは、一つこういう例もあるのですけれども、例えば消費者物価指数というのがあります。これは、日米間の実質金利の比較にもこの数字は使われるわけでありますけれども、この消費者物価指数のつかまえ方というのがかなりアメリカと日本で違うわけであります。用いられる統計数値というものの背景が一体どうか、これは最後に申し上げますが、日米間で十年間のギャップがあるんです。
 日米交渉に当たって、米国は自国の景気のさらなる拡大を日本の内需拡大に求めているわけでありますけれども、米国の景気というのは公表数字以上によくなっている可能性があるんです。
 これは、昨年十二月二十八日のワシントン・ポストによりますと、米国の消費者物価指数は過去一年間の間に二・七%上昇したけれども、実際はインフレ率を〇・六%ずつ過大評価しているとの記事が掲載されているわけです。米国の消費者物価指数を作成している労働統計局もその可能性を認めているわけであります。
 主たる原因というのは、どうしてこういうことになったのかという原因は、消費者物価指数をつくるための国民の消費構造に十年以上前のものを用いているわけであります。この点について総務庁の方から、間違いがあるかないか、局長にお伺いしたいと思うんです。答弁してください。
#89
○小山政府委員 お答えいたします。
 消費者物価指数の作成に当たりましては、古い消費構造をいつまでも使っていますと、その実態を正確に反映しなくなっていきます。このため我が国は五年ごとに消費構造の見直しを行っておりまして、現在の公表指数は平成二年、すなわち一九九〇年の見直しに基づいて作成されております。
 なお、アメリカの消費者物価指数は、一九八二年から八四年、この三年間の、平均の消費構造、これに基づいて作成していると理解しております。
#90
○草川委員 大体私の言っていることを認めていただいたわけでありますが、こういう数字が実質金利の差にもなってくるわけでありますし、成長率にも反映するわけでありますから、私は目の細かいこともぜひアメリカ側に言っていただきたいと思うんであります。
 十年以上前の消費構造、消費指数をもとにはじいたインフレ率を使って、米国の景気がもっと伸びないのは日本のせいだなんて言われておっては、これはだめなんですよ。そこらあたりは、ひとつ役所の方々もしっかりしていただきたいし、また、我が国の消費者物価指数についても、郊外店がどんどんふえてまいりまして、洋服等々についてもいろいろな指数に正しく反映するようにもしなければいかぬわけでございますから、どうか一層の努力をお願いをしたいと思うんです。
 そこで、総理に、先ほども少し日本の官僚批判というのがアメリカ側から出たということを言って質問がありましたけれども、私は、今こそ細川内閣というのは、この日米間のことを深め、あるいはまた世界のことを展望しながら、リーダーシップを非常に強く求められておるのではないかと思うんであります。総理の改めての見解を求めたいと思います。
#91
○細川内閣総理大臣 アメリカからの批判をまつまでもなく、政治が行政に対してリーダーシップを振るわなければならないということは当然のことだと思っております。
 先ほども御答弁を申し上げましたが、選挙によって直接選ばれる我々が大きな責任を持っているということは当然でございますし、物事を決めるに当たって責任を持つということは当然でございますし、また、その結果責任というものもまた大きくかぶさっているということもしっかり認識をしなければならないことであろう、そのように思っております。
 ただ、これも先ほど申し上げたことですが、管理貿易につながるような数値目標というようなことにつきましては、これは交渉担当者、それぞれの各省庁の人たちを初めとして、私も、あるいはまた政府の部内におきましても、これはちょっと困る、こういう認識では一致をしていたところでございまして、政府一体としてこの問題に対しては取り組んでまいりましたし、また、今後ともそのようなことについて政府一体で取り組んでまいりたい、このように思っております。
#92
○草川委員 この景気の問題の次の一問は、大蔵大臣にお伺いしたいんですが、この補正予算に盛り込まれた公共事業の執行に当たっては、言うまでもございませんけれども、年度内の執行ということになります。年度内に可能になるように政府としても努力をしておみえになりますけれども、正直なことを申し上げて、今地方自治体は大変苦労をしているわけであります。
 この苦労をしている認識というのをぜひしっかりとつかんでいただいて、万が一年度内の執行が無理と見込まれるようなケースについては、地方公共団体にも配慮をして、繰り越し手続が円滑に進められるように、遺漏のないような処置をしていただきたいと思うんです。
 三月末までに契約というのは、非常に皆さん苦労しております。特に今はゼネコンの汚職等がございますから、簡単に入札もできない、こういう状況で、慎重な状況でございますので、この繰り越し手続についての円滑化について、大蔵大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
#93
○藤井国務大臣 ただいまの草川委員の御指摘のとおり対処してまいりたいと思っております。
#94
○草川委員 じゃこの問題を終わりまして、次は郵政大臣と大蔵大臣にお伺いをいたします。
 福祉定期貯金というのがあるわけでございますが、いよいよ今月末までで期限が切れるわけであります。二十八日であります。郵政大臣は、過日、三月一日以降も引き続き福祉定期の実施を検討している旨述べておられたようでございますが、その後の検討状況を郵政大臣にお伺いをいたします。
#95
○神崎国務大臣 お尋ねの福祉定期は、身体障害者あるいは一家の主人を亡くされた遺族の方々等特別の考慮を必要とする預金者に対しまして、社会政策上の観点から金利引き下げの影響をできる限り緩和するために官民ともに実施をしてきたところでございます。
 草川委員御指摘のとおり、今月の二十八日で期限が切れるわけでございますけれども、確かに定期性の金利の自由化という状況の変化はございますけれども、市場金利の低下の続く中で、郵便局としてもこの種の施策を実施する意義が十分ある、このように判断をいたしまして、この福祉定期の継続を事務当局にも検討方指示をしてまいりましたが、本日成案を得ることができました。
 内容といたしましては、現行の利率四・一五%、取り扱いは三月一日から来年の二月二十八日までとする、こういう内容で成案を得たところでございます。これまでも規制金利のもとで官民共通して実施をしてまいりました。今回の郵便局の実施について大蔵当局とも意見交換をいたしておりますので、民間においても同様の取り扱いをされるものと期待をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、福祉定期が継続することになったことは預金者にとっても喜ばれることだと思いますし、特に定期預貯金の金利が一%台のときに四・一五%の金利を維持できることは大変評価されるもの、このように考えております。
#96
○草川委員 これは大蔵大臣にもお伺いしますが、大蔵大臣、大蔵省はかなり福祉定期には消極的だったというようにお伺いをするわけでございますが、伝えられるところによりますと、今御答弁がありましたように、本日ようやく閣議決定でひとつ決められたというように聞くわけですが、どのようなお考えか、改めてお伺いをしたいと思います。
#97
○藤井国務大臣 福祉定期預金は昭和五十年に始めた制度で、規制金利という前提のもとにおいて金利水準が下がっていくときに経済的に恵まれない方に適用する、こういう仕組みなんでございますね。
 今規制金利という状況が非常に変わりつつあることは事実でございます。しかしながら、今草川委員お話しのように、また神崎郵政大臣が話されたように、一年間これを延期するということで決定させていただきたいと思っております。
#98
○草川委員 まだあと二、三分残っておりますので、最後に北朝鮮の核査察問題について御質問をしたいと思います。
 既に新聞等で報道されておりますから、我々も承知をしておるわけでございますが、今回の査察が実行されても、事態は昨年三月のNPT脱退宣言前の状態に戻ったにすぎぬわけであります。核疑惑の核心となっていますのは、平壌北方の寧辺地区にあるわけでありまして、IAEAに未申告のこの二カ所の核廃棄物貯蔵施設、これが特別査察を受け入れを拒否したところからそもそも始まったわけでありまして、もとに戻ったわけであります。
 こういうことについて、一体政府はどのようにお考えなのか。あるいはまた、第三回の米朝協議がいずれ開催をされると思いますけれども、一体その見通しはどんな程度か。そして、本件は北東アジアの安全保障にかかわる非常に重大な問題でございますが、政府はどのような認識をされるのか。そしてまた、先般の日韓外相会談においてこの問題はどのようなやりとりをされているのか。
 そして、私個人の意見でございますが、この問題の解決のためには米国、韓国、中国等の関係国が協力をしていくことが不可欠であります。我々、というのは、ただ単に米朝会談を見ておるというだけでは相済まぬと思うので、この点についてぜひとも外務省あるいは総理の御見解を賜って質問を終わりたい、こう思います。
#99
○羽田国務大臣 御質問もございましたように、まさにIAEAの要求する査察、これを受け入れるということになったことは歓迎したいと思っております。
 しかし、御指摘がありましたように、今般の査察受け入れによりまして北朝鮮の核開発問題、これは解決したわけではないというのは御指摘のとおりであります。
 北朝鮮が査察の実施とともに韓国との真剣な対話というものを開始すること。それともう一つは、米朝協議の第三回目の再開と、今御指摘がありました特別査察、まだ申告をされてない二カ所の査察ですね、こういったものを受け入れてもらうこと。そして、南北が非核化共同宣言の実施などを通じまして、北朝鮮の核兵器開発問題が一刻も早く解決されることが望まれるというふうに思っております。その意味で、やはり北朝鮮が今後とも前向きな措置、これを私どもは望んでおります。
 そして、この間の日韓の外相の会議の中にありましても、やはりこういった現状というものは、当時はまだこれを受け入れるという話はなかった時点であります。しかし、二十一日までのわずかな短い期間にこれを受け入れることを我々は望みたいということ、そして、そういった結果いかんによって対応しなければならない、しかし、それにはやはり段階的、漸進的にやっていくことが必要であろうということ、これを私どもは合意いたしました。
 また、アメリカのクリストファー長官その他の皆さん方ともいろいろとお話ししたわけでありますけれども、やはりそういう中にあって、いろんな難しい段階があったとしても、常に対話の窓口というものは開いておく必要があろうということでございます。
 いずれにいたしましても、今度のこのIAEAとの話し合いの結果がきちんとまず実施されること、これを見守りながら、その後の経緯というものを私どもは見守っていきたいというふうに思っております。
#100
○草川委員 じゃ最後に総理、一言、今の。
#101
○細川内閣総理大臣 今の外務大臣の御答弁に尽きておりますが、まだ予断を許さない状況でございますし、関係国ともよく連携をとって我が国として適切な対応をとってまいりたいと思っております。
#102
○草川委員 以上で終わります。(拍手)
#103
○山口委員長 これにて草川君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
#104
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。北橋健治君。
#105
○北橋委員 民社党・新党クラブの北橋健治でございます。
 総理、昨年八月の政権発足以来、短い期間ではございますけれども、幾多の試練を乗り越えられまして、政府・与党が一丸となって懸案の処理に努めてこられました。ウルグアイ・ラウンドの決着は七年越しの問題でありました。あのときを振り返りまして、自由貿易体制の中で我が日本が日本の稲作農業を守るために苦渋に満ちたぎりぎりの御決断をされたものと思います。
 そして、息つく間もなく政治改革の最後の決着のときを迎えました。この間、総理のひたむきな御努力、そして関係閣僚の皆様方の御尽力に心から民社党は敬意を表する次第でございます。
 この間、国民は果たして日本の政治をどう見ていたでありましょうか。政治改革はぜひやってもらいたい、しかし同時に、政治改革ではおなかは膨れてこないという率直なお気持ちが強かったと思います。国会はごたごたせずに早く政治改革に決着をつけて景気回復をやってほしい、それが切実な要望ではなかったでしょうか。
 その意味で民社党は、これまで政権発足以来、政治改革は最優先の仕事だとは思いますけれども、国民の期待はいかにして不況を脱出するか、この一点にあるのではないかと思いました。その見地から、昨年暮れ、予算編成を年内にするかあるいは政治改革を優先して越年編成やむなしとするかの議論に当たりましては、とにかく景気回復が急務であるとの見地から、予算編成の年内を主張したのはその理由であります。
 総理、今懸案の大きな政治改革は、総理のひたむきな情熱によって見事乗り越えることができました。今こそ思い切った景気対策によって国民の期待にこたえるときだと思います。
 幸い、このたび発表されました史上最大規模の総合経済対策、第二次補正、第三次補正、そして本予算の大綱、それを見ると十分に景気回復は軌道に乗るものと私どもは信ずるものでありますが、総理はこのときに当たりまして、不況の克服に対していかなる決意を持って臨まれるか、冒頭にお伺いいたしたいと思います。
#106
○細川内閣総理大臣 現下の経済情勢が大変厳しいものであるということは繰り返し申し上げてきているとおりでございまして、その認識は今も変わっておりません。こうした事態に一刻も早く適切な対応をしていかなければならないという思いでございます。
 今お話がございましたように、大規模な経済対策を打ち出し、また第三次補正あるいはまたそれに続く当初予算によりまして、何とか本格的な回復軌道に景気を乗せていかなければならない、そういう思いでいっぱいでございます。
 十五日の閣議で六年度の当初予算につきましては概算の決定を行ったところでございまして、現在予算書の作成など国会提出の準備を推し進めているところでございますが、これを提出いたしました上は、円滑な御審議をお願いをして、できる限り速やかに成立をさせていただきたいというふうに思っております。
#107
○北橋委員 今後の景気回復を考えるときに、先般の日米包括経済協議の行方について国民は大変大きな不安を抱いていると思います。
 きょう午前中の質疑におきまして、政府としては、アメリカ側から厳しいボールを投げられた、そのボールを今度は日本政府から投げ返すわけでありますけれども、日本としても市場開放に最善を尽くす努力を示したい、そして市場アクセスの改善や規制緩和など黒字減らしが目に見える形でアクションプログラムを早急に策定をして、そして一定の冷却期間を置くということになっておりますけれども、私どもは、これがせっかくの景気対策を台なしにしかねない、そういった意味では、早急にそのプログラムを策定して、しかるべきときに政府特使を派遣してこの日米経済摩擦の打開に取り組んでいただきたいと念願するのでありますが、外務大臣の決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
#108
○羽田国務大臣 先ごろ総理に先立ちまして訪米いたしまして、米側のカンターさんその他の皆さんとお話をしたわけでありますけれども、個々の各セクター、こういった分野におきましては相当話がよく詰まっておったというふうな感じを私どもは受けました。しかし、残念ですけれども、将来それがどんなふうに伸びていくのか、その物差しですね、この一点でもうどうにも話が詰まらなかったということで、本当に申しわけなく思っております。
 ただ、私どもといたしましては、これはあくまでも物差しの話でありますから、まず私ども自身がやはり市場を開放しようという意思があるわけでありますから、その意味で、私どもはそういったものを着実に、しかも今御指摘にありましたように、ただいつまでもということではなくて、やはりできるだけ早くこれをまとめて、まあアクションプログラムという形にするのかどうか、こういったものをまとめながら、私たちがやはり主体性を持ってやっていくということが大事であろう。
 そして、そういったことをやはりよくアメリカ初めそれぞれの国に説明することが大事だろうというふうに思っておりまして、私どもはこういったことで経済戦争なんという、そんなものに絶対にしてはならないというつもりでおります。
#109
○北橋委員 ぜひとも日米関係の経済摩擦打開のために最善の努力を尽くしていただきたいと要請をいたします。
 さて、このたびの第三次補正の議論に入ります前に、それ自体は大変多くの中身を持った、私ども大いに評価をする内容だと思っておりますが、それと同時に、昨今急速に円が急騰いたしました。そういった意味では、追加の新たな景気対策というものが必要になっているんではないか。
 そういった意味で、きょうは日銀総裁にもお越しをいただいているわけでございますが、その対策というのは、大蔵、通産の方で協議をされておりますように、中小企業の資金繰りが悪化しておりますので、ぜひとも政府系金融機関からの借り入れについて、その返済を一時猶予するなどの思い切った対策も必要だと思いますが、それと同時に、第八次の公定歩合の引き下げに踏み切ってはどうか、そういう気持ちが私どもするわけでございますが、総裁の御所見を承りたいと思います。
#110
○三重野参考人 お答えします。
 委員御案内のとおり、私どもは累次にわたり公定歩合を下げまして、現在、一・七五%という非常に低い金利になっておりまして、市場金利もこれまでの史上最低の金利だと思います。この金利水準ではございますけれども、いまだ企業の投資を引き出す力はございません。これはしかし、企業の収益の改善、リストラの推進には相当効果が今現在あるというふうに考えております。
 したがいまして、現在のいわゆるストック調整あるいはバランスシート調整あるいは円高に対する調整というようなものがある程度めどがつけば、企業が積極的な投資を始めるには十分低い水準だというふうに考えております。これは先ほども申しましたけれども、最初にいわゆる調整が終わりました住宅投資につきましては、既にかなりの堅調さがうかがわれているわけでございます。
 それから、昨今の円高でございますけれども、これは確かに先週末百八円でございましたのが、ざらばでは一時百一円に参りまして、きのうのニューヨークでは百四円まで戻っております。東京市場でもきょう百四円近くまで戻っておりますが、この数日の動きがどうなるかもう少し見きわめて具体的なことを、影響をはからなければなりませんが、いずれにいたしましても、私どもは円高の影響も含めまして、今審議されております有史最大規模の景気対策というものの効果がどういうふうに出るのかいましばらく見守っていくのが適当、こういうふうに考えております。
#111
○北橋委員 公定歩合の議論は、総理の解散権と同じく責任を問われない世界でございますので、私どもとしては要望にとどめるわけでございますけれども、今度の予算でも住宅対策は景気回復の大きな目玉にいたしております。
 しかしながら、一般庶民の中には、もう一段の公定歩合の引き下げがあるのではないかということで、今すぐに借りようという動きがややとまっている動きもあるように聞いております。昨今の異常な円の急騰とあわせまして、私どもは、やはり公定歩合の引き下げは必要であると考えておりますので、ぜひともその件をよろしく御検討のほどお願い申し上げておきたいと思います。
 さて、このたびの第三次補正予算あるいは既に骨格が決定されております来年度政府予算につきまして、私ども率直に、景気回復を軌道に乗せるために、連立与党の私どもの思いを十分盛り込んだ内容だと一評価をいたしております。
 とにかく財政事情は非常に厳しい。百九十兆円を超える巨額の公債残高がある。しかも、戦後初めて二年間連続して税収が落ち込んだ。そういう中で、私どもが要求してまいりました大型減税を、とにかく先行実施を決めていただいた。さらに、産業界の景気回復のために大事な法人特別税、あるいは自動車消費税の上乗せ措置を期限の到来とともに廃止をしたわけでございます。
 しかも、公共投資を見ましても、経常部門を思い切って抑制すると同時に、景気回復につながる公共投資については十分な伸びを持たせた。九兆円を確保している。しかも、総理が公約にされてこられました生活者重視の政策から見ましても、住宅、下水道、環境衛生には十分な予算を確保いたしております。
 そしてまた、生活者という面から見ますと、今、働く婦人がふえているわけでございますけれども、その場合、一番気がかりは子供のことでございます。厚生大臣が陣頭指揮をとりました児童家庭対策、エンゼルプランプレリュード、これは何と五十六%増でございます。しかも、高齢者、障害者に優しい町づくりには税制、予算面で十分な手当てを講じております。
 また、今般の不況の中でリストラの企業を支援するということは重要でございますが、私ども民社党が一番強く主張してまいりましたのは、とにかくもうぎりぎりのところまで合理化努力をしております、とにかく資産を処分してでも合理化をする必要に迫られております。したがって、かつての事業用資産の買いかえ特例、これを思い切って復活すべきだ。
 そして、大蔵省とも議論は難航いたしましたけれども、最後は私ども連立与党の意が通じまして、一年限りではございますけれども八〇%の圧縮記帳を認めていただいた。そして、土地流動化についても土地基本法の枠内において思い切った施策が講ぜられたところであります。
 そういった意味におきましては、第二次補正、三次補正、そして本予算、その早期成立が確保されるならば、これによって相当程度景気回復軌道に乗せることができると思うわけであります。端的に、大蔵大臣、これによって景気は回復基調に向かう、そのように私ども確信してよいと思うのですが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#112
○藤井国務大臣 今北橋委員の言われたとおりでありまして、特につけ加えますと、減税はカット率で一五%以上超しているのですね。これは世界の歴史の中にもそんなにないと思うのです。レーガン減税と言われているもので九%なんですね。非常に大きな対策であるということはもう御指摘のとおりだと思います。私は必ず効果があると考えておりますが、今お話の出た為替レート問題というのがあると思います。
 為替レートが急激に動くということは、その国の経済にはもちろんのこと、世界の経済にマイナスである、これはG7の財政当局者の皆の共通の認識なんですね。日米を含め共通の認識であって、そういう方向で、急激な変動、そして基礎的な経済条件に反するようなレベル、そしてまた人為的な介入があってはいけない、こういう合意があるわけですね、世界の財政当局には。そういう中でこの為替レートの今の動きは、総裁もちょっと触れられましたように、やや思惑的な動きがある。こういうことに対しては適時適切に対応していかなければならないと考えております。
#113
○北橋委員 大臣、端的にもう一度お聞かせ願えればと思います。
 今、国民はお金はそれなりに持っているわけです。しかし、先行きが不透明だ、心配だ、そういうことで個人消費もとまっております。先般の衆議院本会議場におきまして大蔵大臣は、補正予算の提案理由説明を終わった後に、これで必ず景気は回復に向かうと確信すると顔面を紅潮させながら述べられました。その決意をもう一度、見通しをお伺いしたいのであります。
#114
○藤井国務大臣 端的に今の経済情勢の問題を御指摘したわけでありますが、私は、実感を多くの方が、ああ、ここで底を打って上り出したなという、これを一日も早く持っていただく、これが今の経済政策では大変大事なところだと思っております。
 私は、この対策が十分機能すれば当然そういう時期が早く参ると思いますし、政府で言っております平成六年度のなるだけ早い時期に回復の軌道に乗せる、こういう自信を持ってこの政策を実行しております。
#115
○北橋委員 経済企画庁長官から、できるだけ早い機会に景気底入れ宣言が出てくるように、私ども予算の早期成立に全力を尽くしてまいりたいと思っております、
 さて、時間が限られておりますけれども、もう一つ現下の重要な課題は、抜本的な税制改正の問題であります。
 これにつきましては、国民福祉税を白紙に戻しまして、オープンな形で国民的議論を深めるということで決着がつきました。そして今、鋭意検討が行われようとしております。民社党は、この新しい負担のあり方を議論するときに、どうしても越えねばならない政府の自助努力があると思います。
 その一つは、行政改革を徹底して行うことであります。二つは、果たして何のために増税をするのであろうか、その使途を明らかにする。それはつまり、将来の福祉ビジョンを明確にすることであります。そしてもう一つ、ヨーロッパでもそうでございますが、間接税は日本よりもずっと高い、一〇%を超えているところがあります。しかしながら、その間接税込みの消費者物価を見ますと、日本よりもずっと低いのであります。
 政府はこれまで、規制緩和あるいは内外価格差の縮小という言い方をされておりますが、国民がわかりやすい形で言うならば、物価を思い切って下げるということを、言うなれば総理のこれからの不退転の決意として関係閣僚が努力をされる姿勢、それが大事だと思うのであります。行政改革の断行、福祉社会ビジョンの策定状況、そして物価を思い切って引き下げるという決断を総理みずから大号令をかけていただきたい。その三つがなければ、私は、新しい税負担について国民の理解は難しいと思うのであります。
 それについて、総理並びに関係閣僚の御答弁をいただければ幸いであります。
#116
○細川内閣総理大臣 おっしゃるように、行政改革あるいはまた高齢化社会に向けての福祉ビジョンの策定、推進あるいはまた内外価格差の問題にもお触れになりましたが、いずれも極めて重要な課題だと認識をしております。
 内外価格差の問題につきましても、既に輸入の促進であるとか、あるいは競争条件の整備でありますとか、独禁法とか大店法とかも改正をしてまいりましたし、さまざまな施策を講じてまいりました。こうした点につきましても今後さらに意を用いて、生活者の立場に立った施策というものを推進をしていかなければなるまい、このように思っております。
#117
○石田国務大臣 お答えを申し上げます。
 ごく簡潔にお話を申し上げたいと思いますが、先般も細川総理からいろいろなお話をちょうだいいたしまして、いわゆる政治改革が終わればこの次は行政改革が政治課題の大きな問題として浮上してくる、それだけの覚悟でやってほしいという話がございました。
 一つには規制緩和の推進、二つには地方分権の推進、三つ目には行政情報公開にかかわる問題、さらにまた四つ目には内閣の総合調整機能の充実あるいは公務員の人事管理あるいは行政組織・定員の合理化等の問題、これらの方針を掲げておるわけでございますが、今までの行革大綱というのはどちらかといえば次の年度を展望したものが多かったのでございますけれども、今回の行革大綱は、まさに中期的な今後の行政改革の方向を示したもの、こういう角度で位置づけておりますので、これに向かって全力を傾注をしてまいりたい、このように思うわけでございます。
 同時にまた、行政改革推進本部、総理を本部長とした一つの体制、それから第三者的な機関としての行政改革委員会、この二つの大きな柱で行政改革を推進してまいりたいと決意をいたしております。
#118
○大内国務大臣 国民に税負担の増を求める前提といたしまして、今委員御指摘のように、行政改革の断行あるいは高齢化福祉ビジョンの策定等々幾つかの点を挙げられましたが、全く賛成でございます。もしそれにつけ加えるといたしますと、一層の不公平税制の是正という問題があるのではないかと思っております。
 したがいまして、特に、国民に対してこれから高齢化社会を迎えるに当たりまして税負担増を求める前提といたしましては、一番大事なのは将来の社会保障の全体像というものを、定性的な面だけではなくて定量的な面でも国民の前に示すということが私は政府の責任ではないかと思っております。
 したがいまして、この三月中ぐらいにその構想の大要をまとめまして、皆様にも、また国民の皆様にもお示しをいたしまして、その上に立って国民の皆さんに保険料や税負担の問題をお考えいただく、それが逆転してはならない、こう考えておる次第でございます。
#119
○北橋委員 時間が参りましたので、最後に総理、ぜひとも行政改革の断行と、そして物価の大幅引き下げについて、これが私は新しい税負担をお願いするときの最小限の最も重要な前提だと思いますので、全省庁挙げてこれに取り組まれるように心からお願い申し上げまして、民社党の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#120
○山口委員長 これにて北橋君の質疑は終了いたしました。
 次に、渡辺美智雄君。
#121
○渡辺(美)委員 皆様の御好意によりまして、車いすに座ったまま質問をさせていただきます。大変御迷惑をおかけいたしますが、しばらくの間御辛抱を願いたいと存じます。
 さて、日米協議のことからお話をいたしたいと思いますが、本当に総理大臣も大変御苦労さんです。なかなか大変なことだったろうと。私もしばらくぶりでこっちから質問するんで、ちょうど思い出すと大平内閣のときに農林大臣を終わった後で頼まれまして、それで質問を二時間したことがございます。それ以来約十五年ぶりぐらいですから、大変感無量なものがございます。
 いずれにいたしましても、大臣席に着きますと、そう思ったとおりのことも言えないし、時々うそを言ったとは言わないが、腹にもないことを言わなければならない場合もあるし、したがって、皆さんの言うことはみんな額面どおりには受け取りまぜんが、国民の方は本気にしますからね。だからそこのところの通訳を私がやってやらなきゃならぬ、そう思っておるわけであります。
 この日米包括協議のことについては、結果論といたしますと、必ずしも評判はよくない。御承知のとおり、決裂した、物別れだ、失敗だ、そういう弾がたくさん降ってきて、唐傘屋の小僧じゃないが骨折り損のくたびれもうけで、本当に私はお気の毒だ、そう思っているのですよ。同情する面もたくさんございます。
 しかし、これは去年の七月以来、日米共同宣言以降のことであって、そのときからいろんな話をしてきたんだが、その内容の理解の違い、これにかなり原因があるんじゃないか、私はそう思っております。
 今の内閣は非自民内閣だそうでございますが、基本的政策は自民党の内閣を継承をする、まして外交においてはこれは特にそうだというようなことを各大臣おっしゃっておるから間違いないと思いますが、もしそうじゃないというのだったら、発言の機会を与えますからどうぞ答弁してください。――ないですか。ないようですから、では私は続けて話をさせてもらいます。
 総理大臣は、今度渡米をいたしましたのは三度目ですな。前にシアトル、APECで会って、ニューヨークで会って、クリントンさんとは三回目の会談になるんだ。初めてのことじゃないですから、よくお互いにはらごころを知った仲であったろう、それが何でこんな問題が起きちゃったのかなという感じが私はするのであります。
 アメリカというところはともかく契約社会ですから、なかなか東洋人の言葉が通じないことが多いのですよ。ヨーロッパもそうですがね。中国と日本なんというのは、要するに惻隠の情とか腹と腹とか言わずもがなとか、直訳してもそれはわかるのですよ。しかし欧米人は言わなければわからない。腹と腹なんというわけにはいかないです.ね。そういうところで時々外交でも失敗することが私はあるんじゃないかと。私も柄にもなく外務大臣なんかさせられまして、いかにして失敗しないかということを心がけてきて、大過なく、大した功績もなかったかもしらぬが、大過なく済ましてもらいました。
 今度のクリントン政権というのは、御承知のとおり選挙のときからレーガンやブッシュのやってきた対日政策がなまぬるい、おれがなったらこてんとやってやる、三〇一条も発動するようにして日本という国は少しぶっちめてやらなければだめだというようなことを、特に周辺が声高らかに言っておったことはこれは周知の事実で、何もここで隠す必要は全くない、ありのままのことを私は言っているだけですから。大臣になるとそこまでちゃんと言い切れないこともあるがね。
 そして今度の日米会談の相手というのはだれがやっておったかというと、日本も官僚が下ごしらえをやったというが、それはアメリカだって同じことで、下ごしらえは官僚が主としてやってきた。その上にカンターとか、その下にカッターとかいう人がおってやったのだが、彼らは弁護士ですわな、訴訟専門。アメリカは訴訟社会だから何でも弁護士で訴訟、負けか勝つか、勝つだけが目的、こういうことになりますと、せっかくなったばかりですから気合いが入る。これは当然なんですね。そこで結局強いことをかなり言ってきて、目に見えるようなことを出せというところが最初からの問題だったのですよ。
 日本の方も、しかしながら、今まで随分譲ってはきたが、ここで数値目標を譲ってしまうというわけにはいかない。どれどれの分野で毎年何%、一〇%、二〇%ずつアメリカの品物を買うよというようなことを約束したって、別に総理大臣が買うわけじゃないから、それはなかなか約束できない、これも理屈は全くそのとおりですよ。ししかし、それじゃだめだというようなことで結局決裂をしてしまったのですね。
 そこで総理大臣は、終わってからだったか前のときだったか、終わってからだな、今まではややもすると玉虫色の解決をしてきたと。玉虫色と言われればそう言われても仕方のない面がなきにしもあらずだ、確かに。しかしながら、今度は玉虫色じゃない、イエスはイエス、ノーはノーだと。これも一つの見識だと思う。そのこと自体は私はけちをつけるつもりは全くない。玉虫色というのは、玉虫色の妥結はしなかったと言うのですが、何のことを指して言ったのですか、今度の場合。この玉虫色の批判は当たらない。総理大臣の記者会見での話。
#122
○細川内閣総理大臣 玉虫色と申しましたのは、全体としてそういう決着の仕方というものはお互いによくないという思いを込めて申し上げました。お互いにそれぞれの努力というものを評価をし合いながら、立場の異なるところはそれなりに評価をし合う関係というものが日米関係においても、これは何も日米に限りませんが、特に日米関係というものは御承知のとおり経済面においてぎくしゃくしてまいりましたから、この点については、お互いに立場の異なるところは率直に言い合った方がよかろう、そしてそこのところは、その玉虫色の表現で、お互いがそれぞれの国に帰って何かもっともらしい説明をして落ちつかせるということではなくて、違いは違いとして、浮き彫りにさせるべきところは浮き彫りにするということの方がお互いのためにいいのではないか、こういう趣旨で申し上げた次第でございます。
#123
○渡辺(美)委員 そこで問題は、客観基準という合意が去年の七月にできておるのですが、この客観基準ということについて、それから七カ月か、七から六カ月以上たつのですが、交渉はずっと下ではやってきておるわけです。客観基準ということについて意見の相違があったのですか、なかったのですか。
#124
○羽田国務大臣 客観的な基準には定性的なものあるいは定量的なもの、そしてそのいずれかを使うか、あるいはその双方を使うかということが実はあったわけでありますけれども、その中でやっぱり問題になりましたのは定量的なものということで、例えば何年を基準にしまして、そこからずっと何年までの間どのぐらい伸びてきておる、それを将来どんなふうに伸ばすか。これを例えば四年間なら四年間とって、その間に何十%ずつ伸ばしていくという定量的なものというのが結局一つの数値目標になってしまうということであったわけであります。
 かつての半導体のときのように二〇%、これが公約したものであるということのために、これが達せられない場合には制裁措置をとるなんということがいろいろと議論されたことがございまして、そういう数字を入れて目標をつくってしまうと、これはまた何というのですか、制裁というようなことになってしまって、これは今規制緩和あるいは行政が介入するということを避けようというときに、これを取り入れるということはどうしてもならない。
 しかし、先方はこれは決してそういったことはしないのだという実は話もありました。ですから、確かにカンターさんたちはしないだろう、しかしそれがひとり歩きするときに大変怖いということで、それでずっと議論があったというのが実際のところでございました。
#125
○渡辺(美)委員 そうしますと、その客観基準をめぐった、こちらとしてはそれはそういうような数値目標などではない、これは過去の実績をデータとしたものである、こういうふうに解釈をしておったと、それは間違いないですな。向こうはそうとってない節があったことはわかっておるわけですね。
 そこで、仮に総理大臣が行って話をして、客観基準というものについては、数値的にそれははっきりと目に見えるようなことではありませんから、そういうものはお断りいたしますと言えばどういう結果になるかということについては全く予知していなかったか、それとも、もうこんなふうになることは最初からわかっていますよということだったのか、その点はどうなんですか。
#126
○羽田国務大臣 今それぞれの内容はあれでございますけれども、例えば政府調達なら政府調達というもの、こういったものについてどのような形で手続というものを明確化し、あるいはそれぞれがまた競争力のある者が参入できる、そういった環境をつくりましょう、この面では相当のところまで進んでおったというふうに私どもは報告を受けながら話し合ったわけです。
 しかし、先ほどお話し申し上げましたように、それが本当にそのとおり進んでいくかということについての物差し、これがいわゆる数値目標ということになるので、これをいつまでも議論されるということになると、残念だけれどもこれはまとまらないじゃないかということで、いろいろなほかの方法というものが考えられないだろうか。
 例えば、政府の調達としてはこれだけの件数がありました、あるいはそういった中で外国からどのぐらいの応札があった、落札はどのくらいでした、そして金額は一体どのくらいでしたというようなこと、そしてなぜはいれなかったのか、なぜはいれたのか、こういったことを六カ月ごとにこうやってやるのだから、これはそういった数値目標のようなものを入れなくても必ず私ははかることができるのじゃないのかという実はお話をしました。しかし、なかなかそういう数値というものが入ってこないと理解ができないという中でありました。
 そして、このまんま行ったらしかし完全に決裂してしまう、我が方も規制緩和しようとしているのだし、皆さんの方も最近は日本が欲しがるもの、そういった例えば右ハンドルの車なんかもつくるようになった、もうはいれる環境ができてきたのじゃないですか、この数値目標といいますか、そういったものによってこれが崩れてしまった、定量的なもの、そのことだけで崩れてしまうということは、これは日米にとっても大変なことになりますよ、そういう話を実はしたわけです。(渡辺(美)委員「ちょっと、聞いたことだけ言ってもらいたいんだよ」と呼ぶ)ですから、今申し上げたように、そういう背景のもとに、私どもといたしましては、この数値目標というものだけでだめになってしまったら、日米関係は一体どうなるのだろうか、いわゆる安保だとか政治というものはよくいっていても、やはり経済というものは両国をおかしくしてしまうのですよということをずっと主張しておりまして、私どもも総理が来たときに何とか両国がうまくまとまるようにということを望み、そしてもしまとまらなかったときには、後でどうしても言葉の弾丸が飛び交うということはよくないという実は思いが強くあったということであります。そのために粘りました。
#127
○渡辺(美)委員 今度余り長く答弁して聞きもしないことばかりしゃべられると、今度は答弁は拒否しますからね。総理大臣だけにしますから。絞ってしまいますから、一人に。
 私は、こういう問題があった事前に、客観的基準という言葉によって食い違いがある、そして向こうはその数字を出さなければ断じて引かないと思ったのか、日米は他にも問題があるから、それはそれとして、話し合いで一応棚上げするものは棚上げして、まとまるところはまとめて、それで済むと思ったのか、今のように全部御破算というように思ったのかということを聞いているのですよ。総理。
#128
○細川内閣総理大臣 率直に申し上げまして、米側の態度も最後まで必ずしも一貫したものであったというふうには受けとめておりません。客観的基準という言葉につきましても、さまざまな表現を使っておりました。インディケーターであるとか、あるいはその他さまざまな表現が出てまいりましたが、交渉のテーマによりましては、必ずしもそれにこだわらないといったような表現もございまして、ほぼ合意に近づいていたものもあったわけでございますが、最終的にあちら側の政府の対応もまとまって、数値目標というものが明確にならなければだめだ、こういうことで一致して当たってきた、こういうことでございます。
#129
○渡辺(美)委員 交渉をしてみなければわからないという点ももちろんあるんでしょうが、そこは閣僚外のところでかなりやり合っても、あるいは外務大臣同士がやり合っても、問題はトップで、じゃこうしよう、こことここについては、例えば政府調達なら政府調達については、それは政府だけが買うんでほかのものは関係ない、NTTは別よ、政府の病院は病院だけだよとか、学校は学校だけだよ、純然たる政府以外のものまでは私は約束はできぬよ、ただ政府だけについてはこうだということはある程度言えるけれども、その他は言えない。
 だから、そういうふうなことで部分的な妥結をする。これは二人だけで、最後の土壇場で、下でごちゃごちゃいつまでやったって解決つかないからトップ会談をやるわけだから。だから、そこではそういう話は出たのですか。それとも、やはり外務官僚がぞろぞろくっついていって、横から口出ししてそういう話ができなかったんですか。どちらですか、総理大臣。
#130
○細川内閣総理大臣 これは外務大臣からお答えをした方が適当かと思いますが、最後の場面で、今全くお話が出ましたようなことを話し合ったわけでございます。カンターさんと羽田副総理との間で、合意できるものだけで合意をしようではないか、こういうことで話をいたしましたが、結局そこに達することができなかったと、こういうことでございます。
#131
○渡辺(美)委員 一応は、しかし話はしてみたんですな、向こうで、部分的に妥結をしないかということは。そうですが。ところが向こうが意外とかたかったということですね。
 そこで、そうなれば、結局やはりある程度妥結できるんじゃないかという見通しが半分半分あったとすれば、直ちにモトローラの電話機とかなんかで報復だという話はすぐには出てこないと思うかも、あるいはそれはわかりません。特に、どうですかこの辺。スーパー三〇一も三〇一条も中身は似たようなもので、手続が簡素化される、スーパー三〇一となれば。それだけのことで、結局、貿易不公正国家としてそれらの国の輸出産品について何らかの制裁措置を講ずるということですから。
 だから、これはどうですか。盛んに電話機で制裁措置をやるよ、こう言っておって、きのうあたりの郵政大臣談話とか、郵政省なんかの談話を見ると、受けて立ちます、なかなか元気がよくて結構なんだよね、これは。したがって、これらについては、我々はガットなどの国際ルールにのっとって本件解決に尽力する、直ちにガット提訴ということは言っていないが、そういう意味なんだろう、これは。だから、そういうふうにストレートにやっちゃうということも、事務的にはそれはいいのかもしらない。
 しかし、今までも日本は経験がないわけではない。かつて半導体の問題が出たが、実は私なんだ、あれは。私が通産大臣のときに半導体、一三%しか日本にシェアがなかったんだが、それを二〇%にしてくれしてくれといってヤイターさん方がうるさく言った。それはできない、しかしながら、あんた方が努力をすれば、聞いてみるとまだ売れる余地があるから、頑張れば二〇%ぐらいになる可能性はここ五、六年ぐらいの間にあるよと言ったんだよ。
 ところが、今度は松永さんがサイドレターを書いたとかいって、別にそれは私が言ったことと大差のないことを書いたんだろうが。それから、局長か何かが、それは、大臣が言ったことは間違いないんだ、私のこの目を見てみろとか言ったとか、そんなふうなことで約束は確約だみたいにとられちゃって、それで騒ぎになって、その次の年かな、八七年の四月に二十インチ以上のテレビ、電動工具、パソコン、これに一〇〇%の重関税を約三億ドル分かけるよとなったわけだな。まあしかし、日本の経済にはそんな大きな影響は何もなかったんですが、なったことは事実ですわ。今度もこの電話機について何億ドルの、今度は重関税をどの産品にかけるのか私はそれはわかりませんよ、向こうが決めるんだから。わかりませんが、これについては、過去に受けて立ったから、はいどうぞと、はいどうぞとも言わなかったが、結局じたばたしなかった。
 そういうことで受けて立ったことはあるが、今度は、やはり日本という国はぶったたかなきゃ言うことを聞かない国だと、それはカッターさんという人が、宇宙衛星でこの間私と熊谷君と二人で出て向こうとやったときだよ、言っておったよ。日本という国は、なかなかやらないやらないと言ってもぎりぎり締め上げていけば、最後は嫌よ嫌よがそのうち好きのうちになっちゃったり、そういう国なんだと。そういう言葉は使わなかったが、意味はそういう意味だったろう。だからそう思い込んでいるところがあるんだね。
 彼はまして弁護士だし、しかもアメリカの弁護というのは陪審制度だから、まず陪審員にあいつはクロだぞと知らせるためにがんがんとやって演説をぶたなきゃな、陪審員は素人が多いんだから。素人をともかく自分の方に引きつけておいて、それで有罪と言ったらそれから判決が始まっていく、訴訟を起こしていくというようなことで、今度のやり口を見ていると、弁護士さん連中というのはまず新聞で騒いでわあわあ言って世論喚起をうんとやらしておいて、それからやおら訴訟に入っていくというような手口のようにどうも思えてならないんだがね。どうですか、これ。委員長、今度は羽田君だ。ちょっとやってくれ。
#132
○羽田国務大臣 今渡辺元大臣からのお話があったように、アメリカ側の方はやはり日本は幾ら言っても、実際に全体三十三の協定を結んだけれども、一つもまだ大した成果は上がってないじゃないか。しかし、一つずつの協定では上がっているんですけれども、全体の黒字が消えないというところにいら立ちをやはり持っておったということで、今お話があったことを、そうだったですと言うわけにはいかないのですけれども、しかし、やはりそういう思い込みの中で攻めてこられた。要するに、日本が今市場開放しようという姿勢、この数年間とっている姿勢というのはまだ理解されてなかったなということを改めて思った次第です。
#133
○渡辺(美)委員 そこで総理大臣、これは向こうがやると言うんだから、三〇一でやると宣言しているんだから、まだそういうことをどんどんどんと宣伝して、日本のことをその前に謝らせちゃうかどうかという作戦でやっているかそれはわからぬけれども、この前はやられたんだよ、確かに。三品目やられた。今度は本当にやるのか、それともやらないうちに日本がしっぽ振ってくるか、それを見るか、どっちをとるかということでしょう、はっきり言えば。そこで、これはどっちをとるのですか。
#134
○細川内閣総理大臣 半導体の問題と包括協議の話とちょっとまた別でございますが、基本的には、第一に、米国政府の良識のある判断と行動を強く願うというのが第一点。
 第二点は、予断は避けて具体的にどのような制裁措置かをやはり見きわめなければならないと思いますし、我が方としては冷静な対応を心がけるべきであろうというふうに思っております。
 それから第三に、一般論として、仮にそのような制裁措置というものに米国政府が踏み切るということであれば、我が方としては国際ルールに従って解決を求める、こういうことであろうというふうに思っております。
#135
○渡辺(美)委員 見きわめるけれども、後は要するに向こうがどういう制裁措置に出てくるか見た上でやるということですね。そうですが、よろしゅうございますか。
#136
○細川内閣総理大臣 先ほど申し上げたのは移動体でございますが、日米包括協議とは違うということですね。
#137
○渡辺(美)委員 そうそう。それはさておき、電話機の問題が先に出てきたわけだから。
#138
○細川内閣総理大臣 それはさておきまして、こちらとしても自主的に可能な限りの努力というものをしてまいりたい。すぐきょう、あす、あさってにそういう措置が出てくるというわけではございませんから、こちらはこちらなりにできる限りの努力をしてまいりたいと思っております。
#139
○渡辺(美)委員 可能な限りの努力というと、これは民間会社の話だわね、政府の話じゃないな。IDOとかいう、日本移動通信とかいう名前だって言ったね、それとモトローラとの話。電話機を何か四十万台買えとか、二、三年のうちに電波のキー局を二百カ所か早くつくれという話で、片っ方の日本の方の会社は、そんなに急々に言われたってすぐできないよと言っておる。
 そうすると、片っ方では、NTTは同じエリアで何十万台を売っているのに、モトローラの方は一万台しかまだ売れていない、こんなに差があり過ぎるじゃないか、それはわざといろいろいたずらしておくらせているんじゃないかという疑いを持って騒がれていることは事実だ、これは。
 そこで、何らかの努力を、ただ手をこまねいて見ているんじゃないんだと総理大臣はおっしゃった。私はその考えたるやよし。ただ、実行するかしないかは別だぞ、これは。それは実行しなきゃ困るんだからね、考えだけじゃ。あした取り消しなんというんじゃ困りますよ。だから、それじゃ何かやらせると言ったって、結局政府が談合の仲裁でもやるという話ですな、簡単に言えば。そうでしょう。違いますか。わかりやすく言わなきゃわからないから、みんな聞いているんだから。そんな法律用語なんか使ったって、何をしゃべっているのかさっぱりわからない。
#140
○細川内閣総理大臣 これは、政府の手の及ぶ範囲というものはおのずから限定をされていると思います。その政府の手の及ぶ範囲の中でできる限りのことをする、これは当然のことであろうと、そのように思っております。
#141
○渡辺(美)委員 これはきれいごとを言ったってしようがないんだね。行政指導の親方だから、日本政府は。それはやるな、やるなと言われているんだけれども、やってやらなきゃまた解決がつかないというのが現実の世界じゃないか、実際問題として。だから、それは年限を少し早めさせるように努力してもらうとか、そのためには政府は便法を講じて資金のあっせんをしてやるとか。移動通信の裏にはトヨタ自動車がくっついているんだから、トヨタ自動車の丸抱えみたいなものでしょう、あれは。資本がそうだからな。向こうだってちゃんと調べてあるわ、そんなことは。だから、自動車や部品で言うことを聞かないんだから、今度はこっちの方をこつんとやるぞときたんだろうからね。それなら、部品や自動車の方ではうまく逃げ通したんなら、別な方では早く決着をつけてやるとか、これは何かやらないと、ただ裁判をやって勝った、負けたばかり言ったって始まらない話なんだ、こんなことは、政治の世界だから。だから、私はまずこのモトローラの問題から一つ一つ決着をつけたらいいと。
 新聞でしかわからないんだが、モトローラの副社長さんかなんかが日本に来ておって、我々はあんなところへ持ち出して争いたくないんだ、商売のことなんだからこっちでやりたいんだと。日本向けにお世辞で言っているかもそれはわからぬがね。陰に回ってはこんなことをやってあふっているかもそれはわからぬけれども、一応表向きそう言っているわけだから、そこのところはあなた方がちゃんと話をつけてやる方向で努力をする。
 それは首脳会談の構造協議の問題とは別な問題ではあるけれども、全く何の関係もないという話でもないしな。もともと貿易でけんかしている話なんだから、これは。そうでしょう。だから、それはそういう方向でその努力をする、こう理解してよろしゅうございますか、そんなことまでできないということですか。だれがいいのかな、これはやはり総理大臣だろうな。
#142
○細川内閣総理大臣 私から最初にお答えをいたしますが、私がお答えすることは、先ほど申し上げたとおり、政府の手の届く範囲というのはどういうことかということは、もう改めて申し上げなくても、名通訳の渡辺先生はよく御承知のとおりでございますから、その手の届く範囲の中でできる限りのことをやっていくということに尽きると、こう申し上げます。
 あとは、担当大臣からお答えをいたします。
#143
○渡辺(美)委員 まあ手を挙げて答弁したいって言うんだからさしたって構わないが、あなたにはゆっくり後で聞くことがあるんだよ、僕は。後で出番があるから、そんなに慌てなくたって大丈夫だよ。
#144
○神崎国務大臣 二月十五日の決定については、私どもの立場は、違反の事実はない、八九年の合意は誠実に履行している、この点をアメリカ側に正当に理解をしていただくように努力をいたしたいと考えております。
 ただいま渡辺委員から御指摘の点でございますが、もともと私どもはこの問題はすぐれて民間事業者間の判断の問題である、こういう主張をしてきたところでございまして、アメリカ政府も民間事業者間での話し合いについての意向を有しているようでございますので、またIDOとしても自己の許す範囲内での最大の計画というものもアメリカ側に示しておりまして、それをベースにいたしましてアメリカ政府並びにモトローラ社が現実的な対応をされる、それをぜひ期待をいたしておりますし、そういうことであれば私どもも大いに勧奨をいたしたいと思います。
#145
○渡辺(美)委員 そうすると、これは建前は建前だけれども、陰に回ってはうまく話し合いがつくようにお手伝いはする、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#146
○神崎国務大臣 政府としてできることは限られておりますけれども、できる限りの範囲でいろいろ対応をさせていただきたいと思っております。
#147
○渡辺(美)委員 あなたは検事上がりだそうだから法律どおりしかあるいはやらないのかもわかりませんが、しかし、今弁護士だから多少は幅ができたんじゃないか、昔と違って。やはり大臣ともなれば、何だかんだ言われようと、それは業界のためにもやってやらなければならない。
 かといったら、アメリカ政府なんというのは、業界のためにいろいろ出かけてきたり、大統領が三大自動車会社を一緒にくっつけて日本に交渉にやってきたり、みんなやっているわけだから、向こうは業界のためにやっているんだからね。日本なら、あれまでやったら癒着なんて言われるかしらぬけれども、お金をもらわなければ構わないんだ、あんなことは。だから、私は、アメリカがやっているぐらいのことをやってやったらいいじゃないか、それでなければかわいそうじゃないか、日本の業者の方がな。ただ威張るときばかり一番威張られちゃって、困っているときは面倒見てもらわないんじゃ役所は何のためにあるんだかわからないと思っていると思うよ、それは。僕が言うわけじゃないがね。だから、それはできるだけやってやってください。答弁は要らぬわ。
 次に、総理大臣は、アメリカとの関係は大人の関係だ、こう言っておられました、これから成熟した大人の関係。例え言葉というのはいろいろ議論を生んじゃうんだよな。じゃ、今までは何だったのだと。今までアメリカが大人でこっちが子供か、向こうが子供でこっちが大人だったのかと。どっちなのかね。ちょっと参考まで。
#148
○細川内閣総理大臣 どちらが子供でどちらが大人とかそういう議論ではなくて、先ほども申し上げましたように、双方でいい姿になっていくように最善の努力をしなければなりませんが、にもかかわらず合意ができないということもたくさんあろう、お互いに納得のできないことについては率直にそこは認め合っていくというのが大人の関係ではないかと、そういうことを申し上げたわけでございます。
#149
○渡辺(美)委員 ところが、例え言葉というのは本当にいろいろ誤解を生むんですよね。私も失敗したことがあるんだ、何回か。いや、本当。だから言っているんだから。これを聞いたアメリカ人に僕は聞いたんです、じかに。二人ばかり聞いたら、怒った人それから冗談でしようと言う人と、それは両方いたよ。アメリカが大人で日本が子供、そんなことないでしょう、今まで子供ぶって大きくなったんじゃないかとか、あるいはそれは逆に言えば、アメリカが子供で日本が大人、ふざけちゃいけないよとか怒った人もあるわ、ばかにするなとか言ってね。だから、これはなかなか問題がある、実際のところ。
 要は、大人だって言う以上は、大人であれば、これは権利があれば義務もあるわけだから。成人式と同じで、きのうまで子供のうちは少年法の適用とかいって罰も大目に見てもらったけれども、今度は成人式になって投票権ができたら途端に、同じことをやっても直ちに逮捕、刑務所行きとか、そうなっちゃうんだよ。
 だから、本当に日本は今度は大人になったんだから、大人の関係だと言うからには向こうが怒るわけで、おれは大人だと思っているんだから、向こうはな。こっちが、おれも大人になったんだよ
と言うんだったら、おまえさん今まで子供だったのが大人になったんだから、じゃ権利の主張もいいが義務も果たしてくれよ、わかったかいと、こういうことになるんだろうな。だから、これはいい言葉であったかどうかは問題があるわ、実際は。
 いずれにしたって、きょうの新聞、けさのニュースでアメリカの貿易が千五百億ドルも赤字になった。その中で日本のやつが五百九十三億ドルの赤字だ。対日赤字がね。ともかくでっかい数字だ。日本とアメリカの取引の半分近く赤字が出ちゃうということになれば、それは理屈はいろんな理屈があっても何でも、かっかするのは私は当然じゃないかと思うな、立場をかえれば。
 それは外交でも何でも、思いやりというか、立場をかえて物を見てやらぬと本当の理解というのはできないんですな。立場をかえることなんですよ、大人になるということは。立場をかえて相手を見るということが私は一番大事じゃないのかと。
 そうなってくると、現実の問題としては、それは日本が言うことを聞かなければ口のサービスでも何でも、どんどん円が上がったって構わないということで少しやったものだから、その日先介入、それでもう百八円ぐらいのやつが百一円とか二円とかまで行っちゃって、幸いきょうあたりは三、四円ぐらいのところで行ったり来たりしているようだから、まあ私は愁眉を開いているんだが。
 いずれにしても、今後この日米関係の問題をこじらせると、今までのように、今度はヨーロッパの方もたきつけよう。ガットで日本に対して好意的な発言をしてもらっている、大変ありがたい、アメリカのやっていることはどうもガットの精神に反するんじゃないかということも、ガットの中から、事務局あたりから漏れてくれば、日本人は、それ見たことか、わしらの言っていることが全部ヨーロッパでもわかってもらった、この際はもっと元気を出してというようなことになっちゃうと、これもやはり血は水よりも濃しというところがあって、理屈どおりにはいかないんです。
 おまえさんらどうだと。じゃ、ともかく一年間で五百億ドルも六百億ドルも一国だけで赤字をつくられちゃったらどう思う、ヨーロッパ全体でそれぐらいの赤字だって騒いでいるじゃないかということになって、仲間づくりをやるんですよ、陪審と同じなんだから、これは。
 そうなってくると、結局それが東南アジアにも響いてこないとは限らない、こういうことになる。ということになれば、日本の孤立化政策というものが着々と進むことになる。そういうことになっちゃいかぬ。いかぬから、それに対して、ともかくきょうは、だれかが特使を出さないかと、前の人がだれかしら言っておったね。政府はそれに対してどういう答えをしたか、そこまで聞かなかったんだが、私は特使を出したらいいんじゃないか、やはり手の汚れていない人がいいんじゃないかと思うんだね。
 手の汚れていない、今まで交渉にかかわっていないような人で、いい人いるよ。しかも七月のサミットをある程度まとめた人だ。私じゃないからね。私は病気で寝て、いないんだから。政治家じゃない。政治家じゃないんだが、いいのがいるんだ。名前をここで言うのは差し控えますが、そういう人を速やかに出して、これで私は何とかこれを修復する方向に持っていくということが非常に大事じゃないかと思いますが、改めて総理大臣の御意向を伺いましょう。
#150
○細川内閣総理大臣 いずれにしても、こちらでどういう中身をつくるのかということが第一でございますし、その中身をつくった上で、それまでもちろんあらゆるレベルの接触をして打開の糸口を見つけてまいりたいと思っておりますが、とにかく我が方として、政府一体となってできる限りの対策というものを取りまとめていきたい。今お話ございましたように、八〇年代の半ば以降、これだけの収支のインバランスがあるということは、非常にこれは深刻な問題として受けとめなければならないというふうに思っております。
 そうした点につきまして、自民党政権のころから大変御苦労をなすってこられたし、そのこともよく認識をしておりますが、これ以上これが深刻な関係になっていきませんように最善の努力を尽くしていかなければなるまい、このように思っております。
#151
○渡辺(美)委員 これは本当に、結論からいえば、日米間の赤字がどんどん減る方向に行かなきゃどんなことをやってもだめ、どんな正論を言ってもだめ。言っちゃ世の中真っ暗やみかという話になりますが、それは正義だけで商売をやっておるわけじゃないからな。商売の話だから、いずれにしたって。だから、やはり向こうも得する、こっちも得する方向をつくっていかなければ。この問題は理屈じゃないのですよ。
 したがって、大幅な黒字削減の具体策というものを、これは別にことし、来年でなくて、五年間たったらでいいですよ。五年たったら、十年と言っちゃまた本気にしないからね。まあ細川さんが十年やっているとだれも思っていないから、もちろん。アメリカだって思っていないさ。だから、十年だと本気にしないけれども、五年ぐらいだと本気にするかしらぬから、あなた支持率高いしさ。だから、それはそういうことで約束すれば、外交の継続性で、他の政権がとったからといって、それはやりますよ。だから、そういうことで、やはり黒字減らしということが最大の対策だ、私はそう思うのです。
 このように、黒字とそれからまた円高が続いていけば、これはもう本当に、きょうは日銀総裁も来ているが、海外送金だってまたふえますよ。近ごろ中小企業が出ているといったな。香港だとかマカオだとか広東だとか上海だとか、中小企業まで。出ちゃ悪いというわけじゃもちろんありませんよ。ありませんが、人手不足であるとか、金が高いとか、労働災害がやかましいとか、何だかんだいろいろ言って、向こうの方がやりいいということでみんながぞろぞろ、大企業が、電機とか自動車が出かけたほかに中小企業まで出ていくということになれば、これは産業の空洞化、資本の逃避、失業の増大、不景気加速、こうなってくるのですよ。ろくなことはありはしない。
 ともかく、一円円高になれば六千億円も違うというのだろう。だから、五円も円高になっちゃったら三兆円も違うという話になってくるわけだから、日本の富。日本は今、世界に対する資産が大体六千億ドルとかいったね。アメリカは逆に世界に対する純負債が一兆ドル弱あるというのだから、それは日本とまるきり立場は違うし、簡単に言えば、世界の最大の金持ち国家が世界の最大の負債国家に転落しちゃったわけだから、これは。そうでしょう。だから、それはいらいらもするさ。
 だから、そういうことも考えて、今後の日米関係というものが、まあ安保条約というものが非常に今までは重みを持ってきたのだよ、実際のところが。ところが、ソ連の崩壊という問題になって、安保条約の重みというのはもちろんありますよ。ありますから、我々の方としては安保条約は継続したい。社会党はどうだか知らないけれども、閣僚に聞かなきゃならないからね、今から。我々は継続したいと思っている。
 しかしながら、米ソの関係が緩やかになっちゃって、雪解けで、それで緊張がなくなって、大陸間弾道弾も中距離ミサイルもだんだんなくなっちゃう、極東におけるところの原子力潜水艦の数もどんどん減らす、太平洋についても脅威でない、こういうことになってくると、それはアメリカにとって、じゃ安保条約というものは何なんだ、これだけの莫大な費用をかけて日本を守る必要はないんじゃないかと。現にアメリカの議員の中ではそういうことをまことしやかに言い出している人もいるそうだね、外務大臣。イエス、イエスだね、わかりました。いや本当にそういうことですよ。ですから、日本という国はこれからはよっぽどしっかりしていかないと、アメリカとの関係は必ずしもうまくいくとは限らない、私はそう思っているんですよ。
 御承知のとおり、北朝鮮問題というのが一つありまして、北朝鮮が核を持っているか持っていないか、これはわからない、私も。わからないが、要するに核爆弾はいずれにせよ、プルトニウムを生産している疑いはある。向こうは平和利用だと言っているが、果たしてそれもわからない。そこで、国際原子力機構に加入はいたしましたが、今まで何のかんの言って一般的な査察、これは平和にしか利用していませんよということを証明してもらうための査察は逃げ回ってやらせなかった。だから一層疑惑を持たれた。
 あの寧辺というのか何というのか、ハングル語では知りませんが、私はあの寧辺付近の写真を見たことがある、外務大臣当時。ある人から見せてもらった、ある機関の人から。でかいやつだけれども、説明した。これがあれですよ、ここが研究所でここが倉庫です。ここが何だか、わしらわからないが、これが運び出している車だとか、そう言われてみればなるほどなと思っておったが、半信半疑だった。
 ところが、月日がたってそれから半年、一年、だんだんだんだん過ぎてみると、その機関が私に示してくれたそのことは全くそのとおりだった。ところが、その機関の同じ人が、どうも一、二発つくった形跡があるということを言っているんですな。だれか議員もそういうことを言って、さんざん反撃を受けた人があるそうですが、それはその人が言ったわけじゃない、それを聞いたから言ったんだろう、恐らく。だから、これは全く私は安心できない。
 したがって、北朝鮮と日本との国交正常化、これは私も早くやりたいと思っているんですよ、外務大臣時代からそう思っているんだから。今の政府も同じだろう。しかしながら、一方において核開発をやり、しかもプルトニウムを蓄え、それを隠すというようなことになってくると、なかなかこれは難しい問題だ。
 ところが、日本から北朝鮮に行って金日成さんとかなんか偉い人に会うと、何を言っているんだ、こっちは何キロの話だろう、日本は何トンの話じゃないか、フランスからこの間も持って帰ってきたし、これからもどんどんどんどんできるんじゃないか、そういうようなものがありながら、よくも人のことを言えたものだという反論があるそうですよ。それはそういう言い分もあるんだろう、言い分としては。
 しかし、我々の方は、御承知のとおり、紛れもなく国際の核査察を受ける。どこでも見ていらっしゃい、どこでも疑いのあるところは一切合財、もう主権国家でなきがごときまでに全部あけっ広げて見せますから、安心しているわけですよ。なるほどたくさんのプルトニウムは持っているが、それによって核武装するような傾向や疑いは全くないとなっているわけです。
 だから、私は、これについては、北朝鮮に対しましても、やはり平和利用だと言うのであれば、本当に平和利用だけのためにやっているかどうかということについて、当然に特別査察も含めて受けてもらうように、まあこれからアメリカや国連が動くと思うんですね。そのときには日本政府はどうしますか。
#152
○羽田国務大臣 まず、今お話があった七カ所をちゃんと順当に受けてもらうということが大事であって、今御指摘のあったとおり、私どもといたしましても、特別査察というのはやはり大事なものでございますから、まず七カ所終わったらそれを受けていただくように、いろいろな立場から呼びかけていきたいというふうに存じます。
#153
○渡辺(美)委員 それについて北朝鮮側が承服しないという場合には経済制裁もあるべしということを聞いてきた。そして、細川総理は、その際は何と言ったんですか。何か言ってきたですな。ちょっと教えてください。
#154
○細川内閣総理大臣 対話による解決を目指していくことが重要である、こういうことを申してまいりました。まあ仮定の話ですから、制裁があった場合のことについて言及をすることは差し控えさせていただいた方がいいかと思いますが、いずれにいたしましても、安保理で決定をされれば、我が国としては責任のある対応をとっていかなければならないことは当然であると思っております。
 国連憲章上も、この憲章に従ってその決定を「受諾し且つ履行することに同意する。」というふうになっておりますから、加盟国として今申し上げたような対応をとっていくということになるのであろう、このように考えております。
#155
○渡辺(美)委員 それは大変結構な発言でありました。高く評価します。しかし、取り消しのないようにお願いしますよ、これは。
 そこで、法律の範囲内においてというふうな言葉をお使いになりましたね、法律の範囲内で。これは憲法の範囲内ですか、法律の範囲内ですか。どちらですか。
#156
○細川内閣総理大臣 憲法という趣旨で申し上げました。
#157
○渡辺(美)委員 憲法の範囲内でと、よくわかりました。これから経済封鎖等の場合の協力といっても、法律の範囲内じゃなかなかできないのがあるんですよ、実際のところは。憲法の範囲ならできます。当然それには自衛隊法の改正が必要でございますし、何か物品管理令かなんか国有財産との関係で、日本の自衛隊のガソリンをアメリカの飛行機なりアメリカの軍艦なりに海上で給油するというような場合は法律の改正が必要らしい。だから、そういうことも当然に憲法の範囲だと言えば、これは危機管理の話ですからどうこう申し上げませんが、それは、その必要があればそういう場合は法律改正もやぶさかでない、このように解釈してよろしゅうございますか。
#158
○細川内閣総理大臣 仮定のことに言及するのは差し控えさせていただきたいと先ほど申し上げましたが、憲章上の定めるところにより、憲法の範囲内で責任のある対応をとるということを繰り返し申し上げさせていただきたいと思います。
#159
○渡辺(美)委員 これは、危機管理の問題というのは常に仮定の問題なんですよ。もう仮定がなければ自衛隊は要らないわけですから。仮定がなければ警察も要らないわけですから。みんな、消防署も仮定があって、火災が起きるという危険があるから消防署も必要なわけだし、そういうようないろいろな侵略や極東の平和が乱される、安全の確保というような仮定があって、そういう中でいろいろなことが議論をされる。
 ですから、仮定の問題だがという前提を置くことは結構なことですよ。そういう問題が起きない限りはやらない、それは当たり前のことですね。だから、そういうときに、まあ普通社会党は大反対されるんだろうけれども、幸いに閣内に入ってもらったおかげで、今度はそういう法律についても賛成をしていただけると私は確信をしておるんですが。
 ところで山花さん、どうですか。やはり閣内におる間は、総理がそういうことをおっしゃれば快く賛成していただけますか。
#160
○山花国務大臣 今の総理のお話を伺っておりましても、個別具体的なテーマとしてのお話ではなく、今日段階における総合的な判断での御発言と受けとめているところでございます。
 そういう意味におきましては、法令の範囲内、憲法の範囲内ということについては、そういう範囲内であることならば、具体的なテーマについて我々は検討することになるのではなかろうかと思っておりますが、今の状況で余りそういう問題について刺激的な発言をする場面ではないということもまたあるのではなかろうか、こう思っております。
#161
○渡辺(美)委員 よくわかったような、わからないような、検討さしてもらうとか、いろいろですが、しかしながら、これから二大政党をこしらえて、それで一つの政党になって政権を維持していこうというお覚悟で、あなたは政治改革大臣を一生懸命やっているんじゃないですか。違いますか。
#162
○山花国務大臣 今の御質問の一番最初の部分がちょっと私理解しかねたところでございますけれども、政治改革を担当したことは、昨年の総選挙の審判を受けて、国民が期待する政治改革をしなければいかぬ、こういうつもりでなったわけでございまして、これから先の問題は、国民の政治的な選択にかかる、こういうように考えているところでございます。
#163
○渡辺(美)委員 私が聞いたのは、要するに、総理大臣は憲法の範囲内でするだけのことをする、それで、国連の決定やその他必要があれば、それは法令の改正も取り組む。そういうようなときに、あなたは閣内におって、ともかく賛成してくれるんでしようと言ったところが、何かわかったようなわからないことをおっしゃるから、それじゃあなたは、今は閣僚だけれども、将来はしかし総理なんかと一緒になって二大政党をつくって一緒になっていく方向なんですか、それともこの今の八党というのはばらばらになっちゃう方向なんですかと、そこのところをちょっと今ついでに聞かしてもらったんですよ。
#164
○山花国務大臣 前段の部分の憲法に従ってということにつきましては、一般論としては、今お話しのとおりの立場だと思っております。
 後段の部分、二大政党云々ということにつきまして、私は国民の審判、国民の選択だと、こう申し上げたのは、私たちはこれからどう政党が再編されるか、どういう固まりになるかということについては、最終的には国民の選択である、こういうふうに申し上げたわけでありまして、今日、私たちとしては、こういう状況の中で、単に二大政党ということだけではない、穏健な多党制という言葉が使われておりましたけれども、そういう方向に行くのではなかろうかと、現在ではこう考えておるところでございます。
#165
○渡辺(美)委員 私は、あなたの個人的な見解でいいから、それを聞きたいと思ったのですよ。前の部分については、あなたは憲法の範囲内でやると、それなら法律の改正にもそれは従うということですな。したがって、これは本当に大変ありがたい話であって、やはり社会党をおりの中に入れておいた、おりの中と言っては失礼だった、閣内に入れておいた方がそれはよかったと思うのですよ。それは安い話ですよ、国民経済、コストから見たら。
 本当に私はそういう意味で、この際、総理、危機管理というものをきちっと決めていくのには、今の内閣が一番だ。だから私は、そういう意味で、大いにあなたはハッスルしてやってもらいたいと思うのですよ。だから、そういう点で仮にあなたが決意してやるのだったら、それは私は幾らでもバックアップをしてあげますよ。いや、本当。
 その次、今度は、時間がなくなってきたからちょっと本論に戻るが、景気の問題等でひとつ御質問を申し上げたい。
 今度の景気についてどういうふうに見ているか。我々は非常に大変なことだと。この円高が来なくとも、ちょいと今までの日銀の短観やその他、それから財界からのアンケートとかいろいろな指標、これを一々言っても時間がないから申しませんが、恐らくことしもまたマイナス成長じゃないか。たったあれぐらいのことじゃだめじゃないかと思っていたやさきなんだ。
 ところが、政府側は四百七十兆ぐらいで、平成五年も六年もほぼ同じだろうと。しかし、それじゃプラス・マイナス・ゼロだなと。それじゃ困るということで、今度十五兆円の、いまだかつてないようなと政府側は言うんだがね、まあ六兆円近い減税と、それから十兆円になんなんとするいろんな景気対策、公共事業あるいは融資等も含めてやるんだと。それによって名目成長は三・八、実質成長二・四、これができる、で、心配ないんだ、こういう説明でした。
 ところが、これが実際はアメリカでも余り評価をされなかった。それは事情がいろいろある。ところが、このように円高が出てきちゃって、これがひょっとしたら定着しちゃう危険性がある。もとのラインには、百八円とか十円とかにはともかく戻りそうもなかなかないんじゃないか。
 そうなってくると、今のこの第三次補正と、例えば四%、これだけ公共事業を伸ばそうという。平年度予算は緊縮予算ですよ、あれは。新聞はみんなそう書いてある。平成六年度緊縮型、景気にも配慮というのが多かった。中には国債増発、景気対策とかね、そういうようなことで、平年度予算は積極予算だ、景気のためにうんとやったとはだれも書いてないな。配慮、多少目を配ったねとしか書いてないんだ。
 で、それは十五カ月予算だから、この一月−三月のやつへどかっと積んだんだと。どうせこれは使い切れないと。使い切れないわな、これは二月で、三月であと一カ月だ。だから使えない、使えないから結局みんな不用額。そうするわけにいかない。だから、明許繰り越しか何かで繰り越しておこうと。そして、来年の三、四月に使わせようと。まあこれも一つの手だ。
 だから、そういうことも含めて、ともかく三・八%名目成長、二・四の実質成長をGDPでつくるんだと、こういうお考えでございますが、これはどうですか、日銀総裁、このような状況でいって、この予算でぴたっとうまく名目三・八、実質二・四以上できますか。あなたは今まで随分いろいろ言ったけれども大体当たらなかったな。僕と随分やった。何回も僕とやって、大丈夫です、大丈夫です、マネーサプライはマイナスでも大丈夫なんだ、ゼロでもいいんだと。需要がないものはどうしようもないというようなことで私ともやり合ったよ。だけれども、結果は私の方が当たった。残念ながら、あなたの方が全部外れた。企画庁と日銀、皆外れ。
 しかし、このごろなかなかうまいことを言うようになったと思って僕は聞いているんだよ。例えばどんなことを言ったかというと、ともかく株の暴落は政治ががたがたし過ぎて安定しないからだとか、あれは当たったよ。あれはあなたのおっしゃるとおり、よくぞ言ってくれた。ということも言っておった。
 そういうことで、私は、今度当たり出したわけだから、今度の景気対策についてこれが実際当たるかどうか・・・・・・(発言する者あり)当たらないとまで今から、言わないうちから言っちゃだめだよ。
 だから、景気の見通し、政府の見通し、あなたも一枚かんでやったんだから、これで、このままの状況で、この予算だけ通ればぴたっといくかどうかを当ててください。
#166
○三重野参考人 手厳しいお言葉をいただきましたが、昨年の景気の見通しにつきまして、私は確かに下期にはよくなるということを期待しておりましたが、確かに去年の春には一時明るくなりましたが、その後は渡辺委員もよく御存じのように、急速な円高、天候不良、それから政治情勢の流動化、あるいはゼネコンの、いろいろな、これでもかこれでもかという悪材料がございまして、停滞がそのまま続いているわけでございます。
 それで、現在の景気はやはりまだ景気停滞が続いていると言うべきだというふうに考えております。いいのは住宅投資と公共投資ぐらいでございまして、設備投資も個人消費も、どちらかというと減少ぎみ。しかし、子細に見ますと、幾らか明るい点がないわけではございません。
 もちろん、この明るい点、例えば家庭電器の白物がよくなるとか、あるいは安い製品が売れるとか、そういったことも出ておりますし、いわゆる企業マインドもここに来て若干前向き、明るさと申しますか、そういった言葉も出てまいりましたが、しかし、こういう明るさがそのまま確実に景気回復につながるかどうかについては、まだ確信が持てないというのが正直なところだというふうに思います。
 これから先行きにつきましては、今委員が御指摘のような円高がどうなりますか、確かに先週末百八円でございましたのがざらばでは百一円まで円高になりまして、きょうは百四円ぐらいまで戻っておりますが、これはどういうふうになるのか、もう少し様子を見なければわかりません。しかし、それに加えてマイナスの要因としましては、雇用が悪くなっているとか、あるいはいわゆるバランスシート問題がペイするにはまだ時間がかかるとか、そういうものがございます。
 一方、プラスの要因としては、ストック調整がかなり進捗しております。それに、これまでの財政金融政策、特に今度の新しい景気対策の効果もこれから出るというようなことを考えますと、現在はやはりプラス、マイナスの要因がせめぎ合っているという感じだというふうに思いますが、しかし、これから後は、これは見込みというよりも期待でございますが、我々の努力あるいは民間の努力が相まちまして、インフレなき持続する成長へうまく軌道を乗せたい、かように考えております。
#167
○渡辺(美)委員 政府からも聞きたいんだが、企画庁長官ということになるんだろうけれどもね、無理だよな、聞いたって。それはともかく、総理。
#168
○細川内閣総理大臣 今、日銀総裁から言われたことに尽きていると思います。いろいろな為替の動向などもございますが、為替の動向だけで、今為替の動向もかなり思惑的なものが入っているということもございましょうし、また、こうした問題だけで成長率の目標をはじき出しているわけでもございませんし、申し上げるまでもなく各種の経済指標をあわせて目標を立てているわけでございますから、今回の幾たびかの経済対策をあわせまして二・四%という目標に到達をすることができるであろう、このように現時点では考えているということでございます。
#169
○渡辺(美)委員 僕は政府側とか日銀側にそれ以上の答弁を求めることはしませんよ。それは言う方が無理ですからね。それは景気、せっかく予算を出しておいて、それで、残念ながら思いがけないことができちゃったんで予定の成果は上がりませんなんて言ったら、すぐ予算を引っ込めて出し直せなんて言われることは大変だと思っているからな。だから、それは言うはずもないし、それからまた、そんな弱気になっちゃ、国民がみんな弱気になっちゃうからな。だから強気なことをおっしゃる。それは立場上私はやむを得ないと思うのです、これは。
 しかしながら、問題は、本当に願望どおりなってくれりゃいいんだよ。ならなかったときは、当てが外れたら大変なことが起きてきちゃう、正直なところ言ってね。私などは、ややもすると、どちらかというと心配症で、少し心配のし過ぎじゃないかと言われていますよ。あるいはそうかもわからない。
 しかし、心配し過ぎで仮に予算を余計っけさした、そいつが使わずに済んじゃったといったって損するわけじゃないんだよね、それはともかく、火事が出る、出ると思って消防ポンプを買ったら使わずに済んじゃったからといって首になった村長もいないからな。
 だから、やはり準備だけはちゃんとしても使わないことがあるべしと、いざとなったらこれだけどんと使えるよと国民に安心させる、これも大事なんだよ。いざとなったらどんとやるぞと、これも大事なんだよ。国民の方は、幾ら政府が言ったって、やはり準備がなければ、この情報化社会の中だからみんな知っているんだよな、結構。結構みんなわかっているわけだ。
 だから私は、そういう意味で、もう少し力強い政策を打ち出してもらいたいからあえて言うんですよ。何も今度の予算でなくたっていいですよ。予算を今さら、ともかくつくっちゃったものを直してなんか言ったって容易なことじゃないからね。私も、大蔵大臣をやっているからよく知っているよ。だから、役人いじめみたいなこともやりたかないし。
 しかしながら追加、必要に応じては大型追加を出す、そういうことも言っておいた方がいいんですよ。それは必要がなきゃ出さなきゃいいんだから。だから、三次予算は必要ない必要ないなんと言って三次予算なんか出すから何だと、こうなるのですよ。
 だから、それはこのような思いがけない事態になったのだから、それは必要があれば、ともかく、今度は、新しい予算の審議にもまだ応じる前だから予算の修正もあってもいいし、それから、そうでなかったら早く通してもらえば、去年のように一国会中に大型追加の第一次補正とやったわけだからな、去年は。そうでしょう、宮澤内閣。前例のあることだから。だから、今の内閣ができないわけがない。だから、それはそこらの点についてみんな心配しているのですよ。これはもう円高でこのままで行っちゃったら本当に大変じゃないかと。
 総理大臣、あなたの一声でここで大ぼらでも吹けば景気がよくなるかもしらぬ、これ以上悪くならないかもしらぬ。そういうものなんだよ、為政者っていうのは。どうですか、一声出してみたら。
#170
○細川内閣総理大臣 なかなか一声というわけにもまいりませんが、この大型の景気対策、そしてまたそれを受けての第三次補正、そしてまた十五兆を超えるこの補正に続く当初予算。景気に配慮して、しかもかなり投資的な経費とか、あるいは重点的なものにも目配りをした予算を組もうということでやっておりますから、そのようなことによりまして必ず効果は上がっていくであろう、このように思っております。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
#171
○渡辺(美)委員 それはいいんだよ。それはそれで私もいいと思うんですが、しかし、韓国の経済制裁に対する仮定の問題も答えているくらいだから。実際は、円高問題で、今度のこじれというのはこれは響くのですよ。だから、そういう問題はともかく早く直します、しかし、もし万一直らないような場合には心配かけません、ちゃんと第一次補正を新年度でもやりますと言ってはいかがですかと。
 仮定の問題は仮定の問題だけれども、韓国と戦争が始まる話なんかとは全く違うんだからね、これは。(発言する者あり)北朝鮮の。失礼しました。北朝鮮の経済封鎖の話とは違うんだから、それこそ仮定の問題で言えるけれども、こっちは、仮定は仮定でも可能性のある仮定ですからね。そこのときに、やはり安心させないとだめですよ。そこで安心させておけばあなたのこっちの方もみんな安心するんだよ。そこに安心がないと、せっかくいい予算を組んだんだから期待します期待しますと言ったって、期待されないよ。どうですか。
#172
○細川内閣総理大臣 当面そのようなことは御安心をいただきたい、このように思っているということでございます。
#173
○渡辺(美)委員 まあいいでしょう。それは役所から怒られるからまた、それ以上言うとね。やめておこう。
 それでは、私は申し上げるのですが、今度のは、円高の問題というのはもちろんありますが、やはり何と言ったってバブルの崩壊なんですよ。要するに循環的な生産過剰による不況。それはもちろんあるでしょう。バブルのときに生産手段を拡大し過ぎてっくり過ぎたから、だからそいつの余波を受けておる、長い。しかし、それだけでなくて、やはりバブルの崩壊によって四万円近くなった株が一万五、六千円まで暴落する。きょうあたりは一万九千円か八千円かそんなところだろう。いずれにしたって半値以下ですわ。
 それから土地の方も、これは下がってうれしいうれしいと言う人ももちろんあります。ありますけれども、しかし、土地が暴落してもっとこれは下がるんじゃないかとみんな思っておりますから土地が動かない。しかも税金が売ったら高く取られちゃうからよけい動かない、こういうようなことになっている。
 東京都内では、要するにピーク時よりも東京都区部では約六割ぐらい下がったと言ったな、きょうあたりで。二カ月も前のやつはもっと下がらなかったがね。それから、その他の首都圏では大体四割ぐらい下がっているから、半値以下になっているということですわ。大体この辺半値、そうすると、担保にとったものは当然担保割れをみんなしてきているから、銀行の不良貸付資産がその分だけふえてくると、こうなるね。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
 一方、これからどうなるかというと、これは私がこの間聞いた話だけれども、アメリカではビルなんかの空室率が約八%になると約三〇%ぐらい賃料が下がるそうだ。四〇%になると四〇%から五〇%ぐらい要するに賃貸料が下がっちゃうという。日本には余りそういう経験がないからよくわかってないんだ。幾ら下がるかという統計はない。
 ところが、聞いてみたら、東京の中では完全に一〇%既にもう空室ができちゃったと。ところが、周辺まで行ったらこれはもう二〇%も空室がある。銭がないから、今都心から安い方へ引っ越してもらうともう料金は半値と。こういうことがいつまで続くんだ。下がるのは結構なことだ。
 ところが、今、ビルが九百万平米ぐらい建築中なんだそうですな。三年前に約束しちゃって、金もらったりなんかしていると破るわけにいかない。雨ざらしにもできない。だから無理して追い貸しして、建築が進んでおる。ますます空室率は高まってくる。不動産不況というのはどんどんこれから広がっていく、もうこういう状況にあるわけですね。
 輸出は輸出で、今度は円高ですからそんなに伸びないでしょう、駆け込みのJカーブ現象なんて多少あるのかしらぬが。しかし、かなりこれは出血輸出に近くなってくる。つまり、ドルではふえたが円では減っちゃっている。つまり、損をしながら輸出せざるを得ないというような企業がふえてくる。
 失業者は今二・九から三ぐらいのところでしょう。ところが、潜在失業者が七十万とも百万とも言われているわけですから、これを二%とすると、五%以上のアメリカ流に言えば失業者がもう実際に存在をする。
 こういうような中にあって、一方、銀行等は非常な不良資産を持っている。大蔵省は大体十三兆七千とかとこう言ってはおりますが、しかしながら実際は、聞いてみると、その中には金利を棚上げしちゃった部分は入っていないとか、それから中小企業のは入っていないとか、別なのを隠しているのも随分あるとかいうと、最低四十兆、下手をすると五十兆ぐらいあるんじゃないか。だから、私は五十兆までは見ないんだけれども、四十兆ぐらいあるんじゃないかという気がしてならない。
 これをこのまま放置をしておいて、ただ単に償却をしていく。引当金から償却するのはオーケーよと、それから有税償却もいいよと、こういうようなことを言っているけれども、有税償却すればその分税金は余計に払わなければならぬわけだから、片っ方じゃ損を出して片っ方じゃ税金を払うわけだから、銀行はますます苦しくなる。よっぽどいい銀行でなきゃ、言われたってできない。
 そういうような状態の中で、私は景気というのは甘く見てないんだ、実際は。だから、杞憂と言われるかどうか。杞憂でもないんじゃないかという気がするんだがね。だから、どうしてもこれからの景気対策というものは政府の考えられることを、やっぱりそれは民間はがっちりやってもらわなければ困りますと、それはそのとおりだ。そのとおりですけれども、やっぱり政府というものは何らか考えていかなければならぬ。
 政府ができることといったら、公共事業をふやしますとか、やれ日銀と一緒になって金利を下げるとか、融資を滑らかにするために財投をいっぱい出してやるとか、それは金利の低目誘導を日銀にやってもらうとか、そんなふうなことでしょう、主たるものは。税金をまけるとかね。まけると言っちゃなんだが、減税のことですが、わかりやすく言っただけで。まあそんなことしかできないんだな。
 だから、それももうやるだけやっちゃったと。日銀にしても、もう一・七五までで、史上最低の金利になっちゃったからこれ以上下げようがないと言っておりますが、まあ危険な橋もちょっと渡ってもらわなきゃならぬよ、場合によっては。もう少し下げてもらわなきゃならぬ場合が来るかもわからぬな。
 アメリカだって、一九二九年から四二年のときは一%の金利というのがずっと続いたんだから。実質ゼロぐらいのが何年も続いたんだ、実際は。だから、日本もそういう事態になりかねないような形跡になってきちゃった。だから、これは本当にしっかりしたことをここで考えて、国民を救うことを我々は考えていかなきゃならぬ、そう思う。
 そのためには、明るい先の見通しというんだから、私は、一つは、公共投資といるんなら、あの日米間合意の四百三十兆というのはこの前出して、これを言ったらまた大蔵省が目をびっくり返して騒ぐかして怒られるかもしらぬが、大蔵省の御機嫌ばかりもとってられないからな、手伝うということもあるんだから。
 私は、そういう意味で、これはもう五百兆だな、六百兆ぐらいに二〇〇〇年までにしたらいいんじゃないかと。やってできない話じゃないし、五、六%、五%ちょっとぐらい伸ばしていけばそれはできる話なんだな、公共投資。四百三十兆じゃ今のペースでできちゃうんだよ、もう完全に。おつりがくるぐらいのところなんだ。
 だから、これはもう少し大きくして、しかもそれはトンカチばかりでなくて、今言ったような社会資本整備という考え方からそれはもっと広めて、そして光ファイバーも電気通信もその他も、そういうものもどんどん取り入れていくというような中で、これは一つの大きな夢。
 そのために借金がある程度できますよ。その借金は、政府がするばかりが能じゃなくて、地方とか団体とか政府機関等にも借金させたらいいんじゃないか。一つの金を借りて政府が保証債を発行するというのも一つ手なんですよ。プロジェクトごとに決めるからね。単なる建設国債と違って、そのプロジェクトで成功する場合は早く払っちゃうかもしらぬし、金利は多少高目につけたって構わないし、だから政府が借金をする場合と違う。ただ、政府が保証してやらなきゃなかなか借りられない場合もありますよ。だから、そういう点は少し割り切って私はやったらいいんじゃないかという気がする。
 それから、これからやはり年金のお金というのはどんどんふえていきまして、そして郵貯なんかも十年間に倍以上、九十三兆もふえたし、簡保も四十六兆もふえて、これも三倍ぐらいになった。厚生年金も五十兆から百三十兆だから、これは八十兆もふえて、これらはいずれも今後老齢化が進むに従ってどんどんふえていくんだね。これはふえていくんだ。アメリカなんかが日本の財政がいいじゃないかいいじゃないかと言う理由はそこにあるんだね。
 結局、彼らは、要は、日本は年金の金でどんどん入ってくる、企業年金もあれば政府の年金もある、そういうものを全部何百兆と積み立てておいて、それを全然カウントしていないじゃないか、そして赤字だ赤字だと大騒ぎしている、そういう点が気に食わぬ、彼らはそう言っているんだ。我々は違うと。我々は、積立金制度という世界に例のないところの年金制度をやっているからなんだ、こう言っているんだが、しかし、これも大体寿命が来ちゃった。もう国民年金なんかはいい例じゃないですか、これもう取る金と払う金で大体ツーペイだから、積み立てる金なんかそんなにありゃしない。そうでしょう。これは厚生大臣に聞かなきゃならぬのだが、本当にそうなんですよ。
 だから、将来はどうしたって私は賦課方式ということに好むと好まざるとにかかわらずなっていくんじゃないか。それをならせないようにするためには、かなりのこれは間接税負担をしてもらって、それで現在の積立金制度の年金制度を守っていく以外にはない。どっちにしたって、それは賦課方式にすればかかっただけ取られるだけだから、年金会計ががばっと上がっちゃうだけの話だから、出す方にすれば同じだ、どっちだって。消費税で出そうが年金会計で出そうが同じだ。しかしながら、消費税で出す場合は、いっぱい使う人はいっぱい出すんだから。大金持ちは、年金掛金だから、そんな人の五十倍も三十倍も出す人はだれもいない。だから、そこのところが違うだけだ。だから、そういうところの考え方もこれから改めていかなきゃならぬなと、そういう気がしてならないわけであります。
 そこで、私は金融問題については一つ注文があるが、後回しにしましょうか。税の問題から先に入るかな。
 そういう前提のもとで少しどぎついことを、皆さんからすればどぎついし、一般国民からすれば全くそうだと、まさにミッチーは大したものだと言われるかもわからないよ、それは。
 私は、今度の税制改正というものを見まして、ともかくくだらぬことをやったものだなと本当に思っているんだよ。私は前から言っているんだ。だけれども、だめなんだね、役人がついておって、それはもう主税局は取る気にばかりなるから。人を膨らまして取るということを考えないんだ。あるものは何でも取ってしまう。そういうような考えではやはり残らないよ。だから、主税局長だとか国税庁長官になった人で大富豪になった人は全然聞いたことがないんだ。いたら、ちょっと私が謝るから、教えてちょうだい。だれかいたかい。主税局長、先輩で大金持ちになった人。聞いてないよ、本当に。それは取る気にばかりになっているからだめだ。
 今度特別減税をやった。これは財源がないからできなかったんだ、財源の見通しがないからできなかった。これは全くそのとおりだ。これは同情する。それは後で私が話をするが、それは同情をするけれども、この中で、一年こっきりにしちゃった。これは財源について目安がない。したがって、これはやはり一年以上のことは責任ある者としては賛成できない、これも一つの理屈だよ。それはお役人の理屈としては当然だ。
 だけれども、それでよかったかどうか、これは別だが、しかし、それを担保するのが本当は政治家なんだよ。ところが、この政治家が本当に頼りにならないのが多いからね。まあそこに並んでいる人は別だけれども。しかし、これだってわからないよ、やめたら何言うかわからぬから。だから、そこに非常に問題がある。そこで一年こっきりにしちゃった、これだけでもう景気のマインドをだっと冷やしちゃった、せっかくやりながら。
 第二番目。これは金持ちはぶっちめろという発想ですよ。要するに、所得の高い人は恵まれ過ぎだ、それがいけない。この発想を持っている限りは景気はよくなりません。景気対策はできません。ない人に使えと言ったって、使いたくたって使えないんだ。ある人に使わせることをどうして考えるか、これが景気対策ですからね。持っている人から貯金をおろさせて金を使わせるんですよ。そういうことを臨時的にやらなければならない。
 公正だ、不公平だ、そんなことだけを最優先して、みんな平等社会にして、それでやろうというんだったら、それは共産主義になっちゃって、金持ちと地主は絞首刑と。それでみんな裸にしちゃって、みんな人民は分けて、一時はそいつを分配して食ったけれども、そんなにいつまでも食っていられないから裸になってしまって、このざまじゃないですか、現実は。今、日本は社会主義で栄えているんじゃなくて、自由主義で栄えているんだから。
 だから、そういう意味において、何で二百万円でぶった切ってしまったのか。たった二割の話でしょう、これ。二割減税の話でしょう。たった二割しか減税しないのにかかわらず二百万円で切っちゃった。けちなことですよ、これ。だからもう何もする気がなくなっちゃったと言っている人をいっぱい僕は知っている。これが一つ。だから、この次の税制改革ではぜひ改めてもらいたい。
 それから、税率を全然いじっていない。これは間に合わないからいじらなかった、仕方がないでしょう。金持ち優遇と言うけれども、六三%を取られている金持ちというのは世界のどこにあるのか、これこそは大蔵大臣、明確なる答弁をお願いします。
#174
○藤井国務大臣 今十五年前の話をされましたが、私は十三年前に渡辺大蔵大臣のもとで大蔵政務次官をさせていただきました。今また感無量な思いで伺っておりますが、かつてのイギリスなどにはあったと思いますが、今は高額所得者は日本が一番高くなっているというのが現状だと思います。
#175
○渡辺(美)委員 何万円から、課税所得何万円から世界一。
#176
○藤井国務大臣 課税所得でいいますと、ちょっとはっきり覚えておりませんが、二、三千万だろうと思います。
#177
○渡辺(美)委員 大体、アバウトで、それでいいんですよ。大体二、三千万です。今度減税やれば三千万だし、今のままだって二千万。
 で、六五%取っている国ってないですよ、そういう国は。どんな多くたって、アメリカだって、地方税は取りまぜんが、五五が最高。あ、相続税か。二八だったです。二八も下げたわけですから。レーガンは六〇%を景気対策のためにどんと二〇下げたんだから。いやあ、僕が大蔵大臣のときに、まさか、やったなと思ったよ、本当に。やっぱりやるときはあそこらやらなきゃだめなんだな。
 そして、もう第一別荘、第二別荘つくってもちゃんとそれは減税対象、もうお金はちゃんと、その金利は所得から引いてあげます、どんどん家はつくりなさい、別荘を建てなさい、女中さんも使いなさい、馬も買いなさい、そうやったわけだから、自動車を買わしてね。
 だから、そういうふうに割り切るかどうか。割り切らないで中途半端なことで景気対策減税をやるのじゃだめだ。ただ、税のバランスがないとか、直間比率を見直すんだとか、下の人が気の毒だとかいうので減税をおやりになるのか、景気対策に減税を使うのかで全く性格が違ってきます。どちらですか。今度の減税は景気対策に使うのですか。
#178
○藤井国務大臣 この新しい税制のあり方は、本来今回やろうとしていたわけでありますが、話がつかなくて年内にやる、こういうことになったわけで、その先行として、景気対策としてやるというのが今回の減税の位置づけでございます。
#179
○渡辺(美)委員 ところが、このあれが余り効かないのですよ。下の方はいいけれども、余裕のある人というのは、家を建てようと思っている人もいるのですよ。せっかく今度は減税にもなるし、登録税や何かもまけるとかなんとかいうもんだから。
 そこへもってきて、政府の資金とかなんかも、財産はあるけれどもお金がないという人もいるわけです。所得はあるけれどもみんな資産につき込んじゃっている。だから、所得があるということは、必ずしも現金で持っているとは限りませんからね。それは、売掛金で持っておったり、未収入金で持っておったり、それから株で持っておったり、財産で持っておったり、いろいろあるわけだから。だから、現金であるとは限らない、資産家というのは。今のように金利が低ければ、預金ではかり持っている人はいないから、別な面で持っている人もあるでしょう。
 だから、そういうような人に金を使わせるためには、やはりそれに見合った減税をしてやったり、買いかえ制度を一億から二億にしたのは結構だ、これは。しないよりははるかにいい。だから、こんなの五億までしたって構わぬのですよ。そんなことは自分が売った金で自分が建てるだけなんだから、政府がどうこう言う話じゃないんだからね。
 そういうところを、まあ新聞に悪口書かれるとか、こちょこちょこちょこちょやって、格好つけちゃって、筋道を一本外しちゃっているというところがだめだ。私はそう思う。
 相続税も、これも相続税七〇%の税率を十億から二十億に上げた、これは評価する。しかしながら、税率は相変わらず七〇%だということになると、二十億円以上の財産の人は、日本には財産はなるべく置かないということになるんですよ。何も日本に置かなくたって、アメリカに置いたってスイスに置いたっていいわけなんだから。日本には不動産と借金だけ置けばいいんだから。そうでしょう。現金や何かの持ち出し、持ち入れ自由であって、それを抑えることはいかなる人といえどもできない。しかも、向こうに子供でも住んでおれば、贈与しても国によっては贈与税にならないし、その金でカナダ国債買えばいいとか、方法は何ぼでもあるわけだから。
 だから、私は、こういうような税率というものは、国際化した以上は、まして為替管理がもう完全自由化になっちゃって大蔵省の手が及ばない。こういうようなことになれば、税率は国際化する以外にない。そうでなければ日本から富が、どんどんどんどん外国に資本が逃げていっちゃう。金持ちをいじめろなんと言ったって、いじめられる前にみんな逃げちゃうんです。
 隣で蔵が建ったらこっちが腹が立つなんて怒ってみたって始まらない。本当ですよ。だから、そういう考え方がないと資本主義社会におけるこの景気の復活ということは非常に難しい。こういうことを知ってもらいたい。まとめて後で総理大臣に僕は聞きますからね。
 それから、私はいかがなものかと思ったのは、買いかえ制度なんかでも、まあこれは一部認めるということにしたのは結構ですが、もっと大幅に私は認めなきゃいかぬ。
 それから、長期譲渡、これもへ理屈言って三九%で頑張っちゃっている。こんなのは三年間くらいは、親子伝来持っている土地を売ったからといって四割も召し上げなくたっていいんですよ。それで何かうちをつくったり何かしようというんだから、こんなものはやはり二六%にそれは戻す。この次の改正ではこれをやらなきゃだめ、みんなそう言っているんだから。僕らは街頭経済学で、ケインズでもシュンペーターでもないからね、難しいことは知らない。知らないけれども、商人経済学、行商経済学者だからそういうことはよくわかっているんだよ、はたの声、庶民の声というのは。だから、そういうことをひとつぜひこの次の改正にはやってもらわなきゃだめだ、私はそう思うのであります。
 それから、地価税なんかも、これを特定な部分をつくって細々細々、こういうところは抜いてあげます、ああいうところは抜いてあげました、公園のところはどうですとかお休み場所はどうですとか、いっぱいずらずらずらずら。私は何か文句言おうと思ったから全部無理して読んだけれども、だれも読む人はない、あれ。政府の書いて発表したやつ、新聞に。読む人がなければ効果がないということだから。そうでしょう。それよりもこれは、地価税二年間は取り上げない。何ということはない、その次取り上げればいいんだ、三年たったら。二年間停止、一番わかりやすいんだ、これが。
 それから、交際費課税の強化、何をこれ考えているんだ、僕から言わせればですよ。今、使ってくれる人は神様だ。消費拡大に減税しようというのに、ともかく物を買ってお歳暮を配った会社は税金取るんだというんだ、今度は。ちょっとあべこべじゃないのか、やっていることが。大丈夫なのか、こっち、大蔵省。秀才と何とかは紙一重というからね、これは。気をつけた方がいいよ、本当に。本当に僕は、こんなことをやって少しばかり取ったってしようないんですよ、こんなときには。
 少しでも取ろうというその働きバチの精神は、それは税金をもらっている都合があるから、取ってあれしなきゃ申しわけないという、小川君が、部下の人が一生懸命こつこつこつこつ稼ぐ気になって、かなり税務署なんかも無理しているようだな、今。かなり怨嗟の声があちこちから出ている、無理をしている。だから、そういうことをやらせたってろくなことありはしない。
 こういう不景気のときは不景気のときのように対応してやらなきゃ、世の中明るくしなきゃだめなんだから、不景気というのは。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そうでしょう。そうだって、今、声もあったよ。(「与党ですよ」と呼ぶ者あり)ああ、そうか、与党まで言ってくれているわ。本当に、それが本当の真の声だ。だから、こんなのはやめたらいい。
 いろいろございますが、私から言わせれば、交際費課税というものは、これはやめた方がいい、私はそう思うんですよ。どうですか、大蔵大臣。課税強化はやめる。
#180
○藤井国務大臣 御承知のように、大きなところの交際費は全部課税になっておるわけでございますね。今度の場合は中小企業であることは事実だと思います。ただ、これからの税制のあり方を見ていくときに、不公平税制というものを直していけという非常に大きな意見があって、その一環だというふうに御理解をいただけないでしょうか。
#181
○渡辺(美)委員 これは、不公正税制、交際費が不公正税制だ、そうおっしゃるんですが、御承知のとおり、交際費というのは、それは、みんなあるから使っちゃうというわけじゃなくて、このような不景気なときには、どこの会社だって交際費をどんどん使えなんていう会社は余りないですよ。実際は必要最小限度しか使わせていません。
 ゴルフ場へ行ってみた。ところが、ある会社が、自動車五台くらいでみんなお客さん呼んでおったのが、今度、自動車二台にして、お客さん呼ぶのに、ぐるぐる回って三人ずつ乗せてきてくれとか、やっていますよ。だから、交際費だって節約している、どこだって。だれだって使いたくて交際費使わせているんじゃないんだからね。勘違いしちやいけませんよ。
 それで、交際費というのは、要するに使った先でみんな消費税取られているんだから。品物買って配れば、そこで消費税払っているんでしょう、あれはみんな。そのほかに、今度はもとから全体についてまた半分も取っちゃうというのでしょう。それはむちゃくちゃだ、言ってる話がむちゃくちゃ。私から言わせれば、ともかく、景気のいいときで交際費を使い過ぎというときは、それはブレーキをかけて社会政策上やるのもいいかもしらぬけれども、こういうようなときで、もし、交際費や広告費というのは、何も使いたくて使っているわけじゃないが、使わざるを得ないから使っているのだから、この際はむしろ、課税をしないから、ともかくもう税金分だけまけてやるから交際費をうんと使ってくれ、伸び伸びと、そして消費を拡大してくれというのが、これは政治家の発想だよ。役所の発想と政治家の発想は別。
 大蔵大臣は、まだお役所の発想が抜けない。だから、あなたも名大蔵大臣になるのには、役所の発想ではなくて大蔵大臣の発想でがちっとそれをやったらいいよ。おたくのだんな、だんなじゃない、新生党の代表幹事、小沢代表幹事あたりに聞いて、ともかくそういう発想でどんとやったらいいんだよ、だれが何と言おうと。それで、言うことを聞かないのは通産大臣のようにすぐ首。通産省は明るくならない。明るくなったかどうか知らないよ、逆に暗くなったなんと言う人もあるからそれはわからないが、それはそれぐらいのことをぽんとやるぐらいのことを、あなた、やらなきゃだめだよ。
 だから、やはりそこのところはやらないと、いつまでたっても役所の発想から全然出てこない、ということをあえて申し上げておきます。
 直さないと言うのだからしようがないな、これは。政権がかわらなきゃだめだ。
#182
○藤井国務大臣 必ずしも御意向に沿うかどうかわかりませんが、それこそ渡辺大蔵大臣のもとにお仕えしていた、一九八一年のレーガン減税ですね、あれは確かに所得税の総額の九%をカットしたのですね。今度のは一五%をカットしておりまして、基本的には大変な減税だと思うのでございます。
 中身については、いろいろ御意見は今承らせていただきました。
#183
○渡辺(美)委員 いずれにしても、景気対策というのをやるのなら思い切ったことをやらなければだめですよ。結果を見てごらんなさい。私が、ことしの秋になって、私は声を大にして、日本じゅうの人が聞いているんだから、僕の言ったことが間違っていれば私は大喜びなんだよ。
 なぜかといえば、それは景気がよくなって、それはそれでともかくみんな左うちわになるんだから、私は謝ってでも何でも、頭そったっていいですよ。こうしたら私も大喜び。しかしながら、私の言ったことが当たってあなた方の言ったことが外れたら、怨嗟の声だよ、それは。そこらの景気認識が全く違う。そこのところだけをはっきり私は申し上げたい。
 それから、やはり税の問題で、この間細川さんが国民福祉税をやるということを言った、国民福祉税。国民福祉税をやると言って、私はびっくりした、本当の話が。新聞を見たら特号活字だから。
 国民福祉税、聞いたこともないし、何か福祉に回すという話は、目的税にしたらというような議論はあったよ。福祉税なんて税目が「国民」なんてくっついて出てきたものだから、たまげたのは私もたまげたんだ。たまげたが、しかし、よく考えてみたら、大幅な減税をどんとやるんだ、やるについては、いつ返すかわからない、しかし、やるについてはお金がない。だから、一時臨時借金するんだ、つなぎの借金なんだ。いつまでもつないじゃいられないからね。だから何年後にはそれは返してもらわなければならぬし、そうするんだよというようなことが書いてあった。
 そして、その金額が大きいから、それは福祉の方にも財源はもちろん回すんだ。それなら、それは私はまるっきり反対じゃない。もともと私の言っている持論だから。それを言ってあなた方をほめたばかりに、党内からは怒られるわ派閥の中ではハチの巣つついたようになるわ、私はひどい目に遭ったよ。ひどい目に遭っても、今でもしかし、確信犯だから直らないんだ、これは、だれに言われたって。それしかない。
 ところで問題は、大蔵大臣、つなぎ資金、つなぎ国債というのは年限は何年ですか。
#184
○藤井国務大臣 先ほど申し上げましたように、ことしの年内に、連立与党の合意、政府まで含めての合意では一つの結論を出していただけるということでありますから、私どもは年内と考えております。
 今の御質問の趣旨はどういう年限の国債を発行するのかというお話だと思いますが、とりあえずは短期国債で当たろうと思っております。
#185
○渡辺(美)委員 何年ですか、つなぎ国債、赤字。
#186
○藤井国務大臣 短期国債という意味は一年内ということでございます。そしてその後で、そのとき与党・政府の皆様がどうお決めになるかによってこれは対応していくことだと思っております。
#187
○渡辺(美)委員 一年以内だったら赤字国債なんか出さないで大蔵省証券でやりくったらいいじゃないですか。できるじゃないですか。できないかい。
#188
○藤井国務大臣 まだはっきり決めておりませんが、六カ月ぐらいの公債でとりあえずは足りる、発行する場合ですね、そういうことを考えております。
#189
○渡辺(美)委員 じゃ、赤字国債は出さないと。
#190
○藤井国務大臣 それはその後の話でございまして、私どもは連立与党の合意というものを信頼いたしております。
#191
○渡辺(美)委員 今、大蔵大臣のかたい決意はあなたも同じですか。
#192
○細川内閣総理大臣 同じでございます。
#193
○渡辺(美)委員 同じですね、それは。
 じゃ、聞いてみょうがな。だれかしっかりした人から聞くか。石田さん。石田国務大臣。
#194
○石田国務大臣 与党内の協議を重ねましてこの財源については確定をしなきゃならぬ、こう決意をしております。
#195
○渡辺(美)委員 それじゃ、大内さんの考えは大体わかっているからいいんだけれども、まあ念のために。いいですか。
#196
○大内国務大臣 今皆さん申し上げたとおり、与党内で年内に詰めますので、この結論を見きわめたいと思っております。
#197
○渡辺(美)委員 では、やはり元委員長にいくか。元委員長だな、やはり、格式からいって。山花大臣。
#198
○山花国務大臣 これまでの経過もございます。そして、昨日与党に税制の改革のための協議会もスタートし、もう連日動き始めておりますので、その中でまとめられると思いますので、これまでの合意というものを尊重していきたい、こう思っております。
#199
○渡辺(美)委員 どうもあなたの話は条件がいっぱいついてくるな。腰が据わってないな、まだ。
 じゃ、あと五十嵐さんに聞くかな。五十嵐さんは市長もやっているから、よく財政のこと、詳しいからね。
#200
○五十嵐国務大臣 これは、今それぞれお答えがありましたように、与党の方で十分に年内協議をして決める、こういうことになっておりますので、そういう方向でやられることになろうと思います。
#201
○渡辺(美)委員 で、あなたはどうなんですか。賛成するのですね。
#202
○五十嵐国務大臣 もちろんそのとおりでございます。
#203
○渡辺(美)委員 賛成。
 それでは、総理大臣いないな、大事な話を今・・・・・・。トイレ行ったか。
 では、総理大臣と官房長官の仲間割れの話でもちょっとやるかな。
 総理大臣と官房長官、何で仲悪くなっちゃったのかね、あれ。ちょっと教えてちょうだい。官房長官、何で仲悪くなったの。
#204
○武村国務大臣 全く仲がいいと思っております。仲は悪くありません。
#205
○渡辺(美)委員 仲は悪くない。仲が悪くないのに、何であなた首だみたいな新聞がちらちらちらちら出て、ほかの人のところへ総理大臣が電話をかけて、おまえさんなってくれないか、そうすればあれ、すぐ首にするんだからって電話がかかったって新聞に載っているけれども、うそかね、あれは。どうですか。――いないな。これはだめだ。便所長いな。時間がもったいないですよ、それは。時間がな。総理が来るまで待ってるよ。もったいないのはもったいないんだよな。
 それでは、政治改革――来た。
 総理大臣、今質問したんですが、何で総理大臣とあの大臣と仲が悪くなっちゃったんですか、官房長官と。いろいろ言う人あるんですよ、仲が悪くなった原因について。何ですかね、あなたは取りかえるとか言っているけれども、取りかえないなら取りかえない、取りかえるなら……。そんなことで、それと官房長官を取りかえるとか取りかえないとか、官房長官がまだ生首ぶら下がっているうちにほかの方へおまえさんなってくれないかとかつて電話したとか新聞に載っているけれども、あんなのはみっともないよ。どうなんですか、どっちにするんですか。
#206
○細川内閣総理大臣 決して仲が悪いことはございません。大変緊密によく連携をとってやらせていただいております。いろいろ新聞等にも報じられておりますが、大分事実と違うことが多いということだけ申し上げておきたいと思います。
#207
○武村国務大臣 この半年間、なれない官房長官の職責でありますが、総理のそばでございますから、とにかく朝から晩まで何回か顔を合わせながらあらゆる問題を相談をしながらお仕えをしてまいりました。今渡辺委員の御指摘で、私がかわるから、だれかに電話をしてかわりの人に何か要請したという、その話は全く事実無根、そういう報道は一切ありません、私がしたという報道は。
#208
○渡辺(美)委員 私は報道だから全部うのみにはしていないが、総理大臣が電話したとかって書いてあったな、あの報道は。新聞はでたらめなのかしらね。それからまた、いや、しかしながら福祉税に官房長官が反対しているからじゃないかとか、それから、いや、そうじゃない、官房機密費で奪い合いでけんかになっているんじゃないか。
 官房機密費というのは、あれは幾らもらったんですか、今度は。幾ら引き継いだんですか。官房長官、引き継ぎ、官房機密費の額。使ってないと言ったかな。
#209
○武村国務大臣 御承知でお尋ねいただいていると思いますが、政権としては、これは政府全体の考え方として一切金額、使途は申し上げておりません。お許しをいただきたいと思います。
#210
○渡辺(美)委員 額をお許しなんというのはおかしな話で、あなたはともかく前に、政権とったら官房機密費は公開すると言ったじゃないですか。あれはどこに、約束はどうしちゃった。官房機密費は公開すると言ったじゃない、さきがけで。官房機密費は皆明らかにして、間違っても派閥対策費に使うことはしないと。
#211
○武村国務大臣 新党さきがけでそんなことは一切決めたり申し上げたりしておりません。
#212
○渡辺(美)委員 まあいずれにしても官房交際費というやつはくせ者でね。これは公私混同が激しいんだ、実際は。それは立派な人はきちっとやるけれども、立派でないときはおかしくしちゃう。今はどうなっているか、これだけは計算のしようがなかなかないので、状況証拠しかわからない。だけれども、しっかりそれはやってもらいたい、私はそう思うのです。
 私は政治改革の問題について、総理が来たからついでに、政治改革の一環だから持ち出したのですが、お話をいたしますが、政党補助金というやつについてあなた方は合意をなさったが、政党に対する国家助成というのは、日本のように三百億もくれるなんという国は世界のどこに行ったってないですよ。まして政党という法人格がない、だれが責任者だかわからないような、法的権限も義務もない、ましてうちを買っても登記もできなきゃ契約書も書けない、そんな政党に国家が三百億の大金をこの不景気のとき赤字国債を発行してどかっとくれるのはいかがなものかという民衆の声が非常に強いね、最近。非常に強くなってきた。私らもついうっかりしておった、早い話が。
 しかも、仮にドイツや何かで多少の金をくれるというのは日本の何分の一で、それも政党という、政党法があって権利義務がしっかりしておって、それでやっているんだ。日本の場合は、社会党もそれから公明党も自民党も似たり寄ったりだが、みんな財団なんかつくって、自分の党本部の登記もできなくて。政党で登記できないんでしょう、あれは。社会党は委員長じゃないからわからないだろう。石田さんはわかっている。
 昔はあれは、何か個人名義になっておったな、竹入さんのころは。近ごろは財団名義か何かに変わったね、おたくの公明党本部、登記が。
#213
○石田国務大臣 今渡辺先生の御指摘のとおりでございまして、土地とかそういうその他の財産につきましてはいわゆるみなし法人的に扱いを受けておったわけでございますけれども、現在公明党では、私が責任者でございますので、私の個人的な名義になっているのが中心になっております。
#214
○渡辺(美)委員 あなたの個人名義になっている。
#215
○石田国務大臣 はい、そのようになっております。
#216
○渡辺(美)委員 これは本当に迷惑していると思いますよ。かつて昔、自民党本部も、大野伴睦さんの個人名義にして登記して、それで遺産相続のときに何かごたごた多少あったという話を聞いたことがある。実際登記ができない、政党に人格がないから。
 私のところは、もう四十年近く前に栃木県連、私が会長、昔は船田中さんが会長だったのだが、株式会社自民会館にして、それで株券を集めて、党員とか何かから、それで登記して現在に至っているのですよ。ところが、困ったことが起きちゃってね。大株主の専務取締役の船田元君が、今度は新生党へ行っちゃったものだから、株を持って行かれちゃったわけですよ。しかし、これはなかなか取締役会としては認めるわけにいかない。ところが彼は取締役でもあるわけだ、まだやめてないから。私は社長だからね。
 ところがこれは、結局自民党に貸しておくわけですから、結局安い金で貸しているわけですよ。当然株式会社は赤字になるわけですよ。そうすると、今度は商法違反だなんて言われると困るわけですよ。なぜ困るか。赤字会社が寄附しているとか、あるいはまた、寄附をもらっちゃいけないことになっているんでしょう、赤字会社は。自民党本部だって似たようなことで、それは貸しておくと。
 だから、じゃ石田さんが幾らの金で公明党に貸しておくかという話になってくるんですよ。それは公明党に安い金で貸したら、あなた大変だよ、これは。低額譲渡だからな、あなたのところへこれはもう税金かかるよ。それはしかし、そいつは大目に見てもらっているだけでしょう、恐らく。それは実際あなたはもうけているんじゃないから、大目に見ているんですよ、国税が大目に。みんなそういうのは大目に見てもらっているんだよ。そういうことはやはりなくさなきやね。
 政党自身が本部の建物の登記もできない、人格がありませんから、権利義務はありません。そんな政党が何百億の金もらって、ともかく今度は、しかも一般から、企業からももらえるんだろう、今までどおり政党というのは。個人はもらえなくなったけれども。個人は年間五十万以上はもらえなくするとか書いてあったな。だけれども、政党は今までどおりなんだから。それでそのほかにたくさん金をもらって、国家の丸抱えみたいな政党が出てきちゃう。そんなばかなことがあるかと私は党内でも文句を言っているんだ、一番。
 だから頭打ちは、少なくとも経常経費というか、あるいは自分で集めた金の四割ぐらいの補助。経常経費の中には国家からもらった金で払ったものはだめよ、認めない、そう言っているんだ、僕は。自分の集めた、正式に集めた金の四割までしかだめだと。
 多少は我慢してやってもいいけれども、それは三分の二だとか丸々よこせだとか、よくもまあ恥ずかしくなくそんなことが言えるものだと。私は本当にあきれ返って、一体政党というのは何を
 やっているんだ、政党というのは。政党不信だよ、はっきり言えば。そういうような政党が金をもらうなんてとんでもない話なんだ。そんなものは、もらうにも程度がある。少なくとも当然に頭打ちで制限をすべきで、八割も九割も国家の補助金をもらうというようなことは、これは一方は補助金カット、歳出カット、高率補助率適用廃止、政党だけは七、八割の高率補助だと。大臣、だめですよ、こんなことは。自治大臣、だめです。答弁。
#217
○佐藤国務大臣 大変お言葉を返すようでございますが、このあり方自体は、海部内閣のときから出ました政府案、それから自民党さんの案、社公の案、この案でも既に長年の間議論されたとおりでございます。確かに渡辺議員言われますように、そういう考えで国に過度に依存することがあってはならないという考え方は当然あると思います。
 ただ、現状の場合には、現実の問題として、収入額と言われますけれども、これを確定をすることは、例えば自治省が各政党のその収入が本当にあるかどうかを確認をしなきゃならぬという、こういうことになってまいります。それがない限り、本当にそれの四〇%とか、三分の二とか、そういったことの確定ができないわけでございまして、自治省が、役所が、行政府が政党のそういった収支に介入すべきではないという原則に立っておるわけでございます。
 で、もう一つは、今中選挙区制から今の新しい選挙制度に変わるところでございまして、私たちとしましては、客観的な基準であるところの議員数なり得票数なり、これに基づくことが一番適切であるということで法案の御理解をいただいてきたところでございます。
#218
○渡辺(美)委員 私はそんなことを聞いているんじゃないんだよ。議員数で配分することを悪いと
言っているんじゃないんだよ。額が多過ぎると言っているんですよ。三百億、したがって、そいつを頭打ちをつくって、経常経費なり収入、今までの固定の収入は自分が百億あったといるんなら四十億まで、あるいは五十億まで、その収入は報告が出ているんだから、そんなものはわかるんですよ。
 五万円以上の金がどこからもらったかということはちゃんと報告で出すことになっているんだから、自治省が何も行って裏打ち調査しなくたって、政党から出した報告を適正と認めればいいんじゃないですか。政党が報告を出すんだから、その政党の報告をうのみにしてやったらいいんだ、そのときは。いっかはぼろが出るんだから、インチキ報告を出せば。それはちゃんとそういうことでできるはずだ。
 だから、少なくとも自治省がそういうことをいろいろ考えて、できませんとか、政党の報告がわからないとか。政党は報告を出すんだから、わからないことはないでしょう。みんなわかるじゃないですか。だから、こういうことは私は、後から気がついたら、過ちを改むるにはばかることなかれ。だれかに教わったんだ、僕は。だから、過ちを改めることはちゃんと私は改めるようにしたいと思います。
 それから、私は総理大臣に聞きたいんだがね。九州の方はどういうわけか、選挙報告というのはいいかげんだなと思って僕はこれを読んだんですよ、選挙の決算報告。
 例えばある代議士は、名前を言ってもいいかな、山口県の桝屋さんという人だ。報告を見たら、人件費ゼロだというんだよ。だから第一回と第二回報告とあるんだろうと言ったら、出てないらしいな。人件費ゼロで選挙ができるのかねという感じを受けたんだ、これは。何か間違いじゃないのかという話を、僕はちょっと報告を見てそう思った。
 細川さんとかなんかは、細川さんのは三百万ぐらい出ている。これはそれくらい出ているだろう。しかし、あなたの場合は家屋費が、選挙事務所を十五万円で借りているという。おかしいな。社会党の田中さんという人は四百六十万も金を払っているってね。公明党の倉田さんというのは二百六十四万円も払って、家屋費。やっぱり九州の方だよ、これは同じ熊本県だからね。「熊本県公報」というのが出ているんだ、こういうのに。
 ところが細川さんだけは、家屋費が十六万だ、それから通信費が六万だ、交通費が三万円だ、文具費が六千五百円だ、食糧費が八千二百五十円だ。これで選挙できるのかい、これ。これじゃやっぱり政治改革本部長の資格あるわ、もしできれば。
 神崎さんのもついでに言っておくかな、これ。神崎さん、大臣だからね。あなたのは人件費が低いわ。五十六万円しかかかってない。公明党の人のは、大体、人件費は非常に少ない。どこでも数十万だ。だれがあと出しているのかなという話だな。五人分から十、そこらあるでしょう。一人十万円ぐらい払っていますからね、あれ。実際は三十人かそこら人を雇っているから、普通は。
 だから、大体、熊本県あたり、二千六百万円ぐらいが選挙費用ですからね。だけれども、細川さんのは支出の七百六十万、七百九十万、八百万ぐらいしかないようだな、これ、支出ね。だから非常に余っちゃった。神崎さんは、これもかなり、二千万ぐらいもうかっちゃったね、これ。二千万もうけ。金、どこへ行っちゃったかね、これ。
 まあ、後にしよう。きょうは、こんな細かしいことをおれがやると格式が下がるからやめた。もっとやりたいことはいっぱいあるんですが、材料は何ぼでもあるんだけれども、きょうはこの程度にしておきたい、そう思います。大変時間を超過いたしまして、本当に御無礼をいたしました。
 以上でございます。(拍手)
#219
○山口委員長 ただいまの点は、理事会で検討させていただきます。
 この際、深谷隆司君から関連質疑の申し出があります。渡辺君の質疑時間の範囲内でこれを許します。深谷隆司君。
#220
○深谷委員 まず、質問を申し上げる前に、私は委員長に申し上げたいことがございます。
 細川内閣が誕生いたしましてから今日まで、まことに厳しい景気の状態の中にありますので、当委員会といたしましては、財政問題を検討する最も権威ある委員会でありますから、細川総理がどのような対応をするかについて詳細聞きたいということで、しばしば委員会の開会を要求してまいったのでございます。ところが一向に、言を左右にして、重要な折に開かれないというケースが圧倒的に多かった。
 特に昨年の十二月に、本来平成六年の予算編成を行うべきときに越年をするということになつた。これは、緊急なテーマとして当委員会を開催することはむしろ委員会の責任であった。そこで私たちは、衆議院規則六十七条に基づいて、あなたに委員会の早急な開会を要求したのであります。ところが残念ながら、今日に至るまでついに二カ月、当委員会は開催されることがなかったのであります。衆議院の規則に基づいて、三分の一の名簿を添えて公式にあなたに提出をいたしたのであります。それが今日まで委員会が開かれなかった。これはまことに、委員長、怠慢であります。
 どういう事情があったのか、この際お伺いをすると同時に、これからどうなさるおつもりか、ひとつ委員長、責任持ってまずお答えをいただきたい。
#221
○山口委員長 衆議院規則に基づきまして、三分の一の署名を添えて委員会の開会要求はなされました。これは極めて意味が重たいものであると私は認識をいたしております。御期待に沿うべく努力はいたしましたが、私自身の力不足もあり、御期待に沿えなかったことは遺憾に存じます。
#222
○深谷委員 御期待に沿うように全力を挙げた、期待に沿えなかったことは遺憾である、申しわけないという意味だろうと思うんですが、あなたは常々議会の子と周りからも言われて、御自身も自負しておられたと思う。どうぞこの委員会の権威において、これからは委員の要望に対して速やかにこの委員会を開き、国民の前で粛々と予算並びに財政あるいは景気対策等について議論ができるような配慮をしていただきたいということを強く申し入れておきたいと思います。
 そこで、細川総理に伺いたいと思うんですが、今の委員長の、委員会を開くべく全力を挙げたという言葉の背景を私どもはしばしば実は聞いておるのであります。それは、予算委員会を開きたくなかった、あるいはできるだけ開くことを回避しようとした細川総理自身あるいは細川総理が構成している内閣の意向であったというふうにも伝わってきておるんですが、一体どういうことでありましょうか。
#223
○細川内閣総理大臣 平成六年度の予算につきましては、昨年の十二月十七日に私も談話を出しておりますが、厳しい経済情勢に対応するための第三次補正予算の編成でありますとか、あるいはまた政治改革法案の審議等々もございました。そうした諸般の情勢を総合的に勘案をいたしまして越年編成ということになって、今日に至っているところでございます。
 予算の委員会の審議につきまして、私どもはそれを政府として困るというようなことを申し上げたことはございませんが、ただ、今申し上げたような状況の中で事務的な作業の詰めが進んでこなかったということにつきましては、ぜひ御理解をいただきたい、こう思っております。
#224
○深谷委員 実は、この委員会、今回の委員会のことのみならず、昨年、あなたの政権が誕生した後もこの問題についてはかなり議論いたしまして、当時、官房長官がわざわざ予算委員会の理事会においでになりまして、例えば、総理が去年アメリカに初めて行く前には開くというようなことまでおっしゃった。それも実際は延び延びになって、開かれておらなかったわけなんですね。
 ですから、私どもとしましては、細川さんが余り芳しくないときには委員会を開きたくない、そういう意向があったんだろう、そのように受けとめていますが、これからはそういうことを思われないように積極的に、あなたのパフォーマンスでこたえると票はふえるんですから、大いに委員会をやっていただきたいということを強く要望しておきたいんです。
 十二月の予算編成、大変大事なことなんですね。選挙でもない限りは、歴代内閣は必ずと言っていいぐらい十二月に予算編成を終わっていた。まして、今日のような大不況のさなかです。十二月に予算編成を行って、平成六年度の景気の動向を含めて、こういう形になりますという道筋を国民の前に明確に示すということは、あなたの重大な責任であった。それをやろうとしなかった。もしかしたら、あなたは今不況にあえいでいる国民の声というものに対する理解度が低いからではないかと、そんなふうに思うんですが、いかがですか。
#225
○細川内閣総理大臣 これはもう、さきにお答えしたことに尽きておるかと思いますが、今日の不況に対する深刻な懸念という点につきましては、私も非常に強くこのことを懸念をし、またその対策にあらゆる手だてを講じていかなければならないということで、昨年来取り組んできたつもりでございます。
 ただ、申しわけございませんが、もろもろの、先ほど申し上げましたような政治改革法案の取り扱い、あるいは三次補正の問題等々ございまして、今日このような形で三次補正の御審議をお願いしている、この点につきましてはぜひ御理解をいただきたい、こう思っております。
#226
○深谷委員 ちょうど折から、今月の十六日から全国一斉に所得税の確定申告が始まっているんですよ。全国の五百二十税務署でこの受け付けを開始しているんですが、マスコミの報じたある記事を見ますと、不況風をまともに受けた中小企業の皆さんから、申告どころではない、政治は我々を見捨てているのか、こういった声まで流れているのでございます。私は、一体細川総理はこの不況の認識がないのではないか。繰り返して申し上げますが、どの程度認識を持っておられるのか、もう一回はっきりおっしゃっていただきたいと思います。
#227
○細川内閣総理大臣 これも当委員会で、先ほどから日銀総裁を初めとして、私自身も、今日の景気の状況に対する認識を申し上げました。住宅関連その他幾つか明るい指標が出てきているものもある、そういう明るい兆しが出てきているものがより確かな燭光となっていくように、今後景気対策を着実に進めていかなければならない、こういうことを申し上げてきたところでございます。
 依然として先行きの不透明感があることは事実でございますが、このたびの大型の経済対策、そしてまた景気に配慮した当初予算、こうしたものによりまして必ず内需主導型の成長軌道に乗せていくことができるであろうと、今確かにおっしゃるように厳しい状況でございますが、私はそのように信じているところでございます。
#228
○深谷委員 ざっくばらんに申し上げますと、あなたの任命した閣僚の中からも、政治改革法案をどうしても通さなければならないと。政治改革法案を通すためには、うっかり平成六年度の、新年度の予算の編成に取りかかると、例えば消費税といったような問題でどうしても受け入れられない政党がある。はっきり言えば社会党等でございますね。そういうことで、予算編成をやろうとするとそういう税制の問題で亀裂が起こる可能性があって、連立政権でその混乱が起こったら政治改革法案が通らなくなるから、やむを得ない、予算編成は越年しようということなのだと解説まで加えている、そういう人がいるんですね。
 また、そのことは、私一人ではなくて、いろんな方々からも言われていた事柄でございます。そしてだんだんに、政治改革法案が通れば政治がすべてよくなるとか、政治改革法案を通さなければ予算も景気対策も取りかかれないから早く政治改革法案を通せ、政治改革法案を通せというとうとうたる流れができてしまったわけなんですね。そこに問題があるわけなんです。
 政治というのは、常にあらゆる問題を同時進行的に解決していかなきゃならないんですよ。政治改革法案というのも大事です。それも進めていかなきゃならぬでしょう。しかし、外交も防衛も景気回復もあらゆる事柄も、同時に解決をしていくという、そういう命題を政治はいつも持っているわけでございます。政治改革が終わったら次に取りかかろうというのではないんですね。ですから、そういう意味では、何が何でも政治改革、政治改革ということで大事な景気回復その他がおくれてしまったということは、これは何と弁解しても細川政権の重大なマイナス、失点であったと、こう言わざるを得ないと私は思うのでございます。
 大蔵大臣の側からごらんになって、このことをどう思われますか。
#229
○藤井国務大臣 ただいま総理もお答えになりましたように、十二月の十七日でございますが、総理が談話を出されました。景気回復を本格的な軌道に乗せるにはどうしても第三次補正が必要だと、そして、十五カ月予算をもってこれに対応し、平成六年度のなるだけ早い時期に景気回復を図っていこうと、こういう御意向がございまして、それに従って私ども第三次補正予算の編成に取りかかったわけであります。
 そういう中で・・・・・・
#230
○深谷委員 それ以上答弁要りません。
 今の大蔵大臣の発言には問題があります。第三次補正予算は考えておりませんとこの委員会で答えているんですよ。違いますか。
#231
○藤井国務大臣 ただいま申し上げたのは、内閣総理大臣の談話が正式に出た日は、「本年度新たに第三次補正予算を組み、」ということをはっきり申しております。
#232
○深谷委員 我が党の同僚の野中議員が十二月の八日の当委員会の質問で、不況がこう続いて出口が見えない、だから第三次補正予算もつくらなきゃならなくなるのではないかという心配を含めて当委員会で質問をした。第三次補正予算は念頭にないと明確に答えておった。大蔵大臣、事実に反することをおっしゃってはなりません。
#233
○藤井国務大臣 ただいま申し上げましたのは、十二月十七日の話でございます。
#234
○深谷委員 総理大臣、細川総理大臣、今私、十二月八日に当委員会で野中委員が質問したときに、第三次補正予算は念頭にありませんと言ったということを、大蔵大臣の発言と全く違うから指摘した。そしたら、わずかそれから十日ぐらいの後に第三次補正予算をやると言ったんだからそれでいいんだと平然と答えておられる。どうお思いですか。
#235
○細川内閣総理大臣 八日から十七日ということでございますから十日余りの日は経過をしておるわけでございまして、当委員会でその時点ではそれは念頭になかったということで、そういうふうに申し上げたということであろうと思います。
#236
○深谷委員 でも、おかしいと思うでしょう。胸張ってそんな言えないでしょう、あなた。まあ、くるくる御意見が変わる方だから、十日もあれば二、三回考えが変わってもおかしくないと言えばそれまでだけれども、それは無責任ですよ、やっぱり。
 それから、私は今日までずっと振り返ってみまして、政治改革法案に関して細川政権は本当にまれに見るぐらいに意欲的であった。驚くぐらいに、異常なぐらいにと言っていいかもしれない。政治改革、政治改革ということに熱心であった。私は、政治改革一本やりで連立を組んだ政権だから当然だとは思うのでございますが、当時から主張していたように、いまだに今日の政治改革法というのは欠陥商品だと思い続けています。
 参議院の改革を考えないで衆議院に比例制を導入する。衆参二院制度は一体何のためにあるかといったそういう問題も残っている。腐敗防止を求める国民の声は選挙制度の改正ということにすりかえられて、選挙区割りをどうするとか、直接選挙は何人にするか、比例は何人にするか、そんな議員の都合にかかわる話ばかりに終始したではありませんか。そして、今渡辺美智雄委員も言われましたように、国民が求めていない政党への公費助成というのがついに実現をして、こんな不況なときに三百億円になんなんとするお金を政党に配っていこうとする。これが欠陥商品でなくして一体何だろうかと私は思うのでございます。
 しかも、この間の風潮というかマスコミの流れというか、そういうものを見てまいりますと、私どものように政治改革法案の中身にいささかでも疑念を持ったり批判を持つと、慎重派とか守旧派とかレッテルを張って政治改革つぶしと断ざれるような風潮がまかり通ってきた。私は、まことにおかしなことだと思っているのでございます。
 戦前、我が国には大政翼賛会というのがありました。一九四〇年のことで、時の内閣総理大臣は近衛文麿氏。細川総理、あなたのおじいさんに当たります。当時は近衛さんの人気というのは、言論界でも国民の間でも非常に高いものがあったと言われています。しかし、この大政翼賛会は、結果的には一国一党の独裁政治に走っていった。そして、東条内閣の成立とともにやがて太平洋戦争に突入していくような道筋を歩み、ついには日本の歴史にかってない敗戦という不幸な現実を迎えてしまったのでございます。
 今日の時代、強権、圧力といったようなものは細川総理からはもちろん見えませんけれども、全体の政治改革、政治改革のとうとうたる流れを見、これに反する者が排除されるという空気は、私はまさに大政翼賛会の時代の姿とそっくりではないかと、その危険性を感じないわけにはいかないのでございます。
 情報社会ですから、あのときのようなことはないと言えるかもしれません。しかし、この政治改革、政治改革と言えば何でも済むといったような大きな流れ、私は、いっか来た道に返っていくのではないかという、そういう心配をぬぐい去ることができないということをこの機会にはっきり申し上げておきたいと思うんです。
 一体どうしてあんな熱に浮かされたような流れになったんでしょう。細川総理のパフォーマンスかカリスマ性かよくわかりませんけれども、もしかしたら私たちの知らないところで世論の誘導がなされていたのではないかとすら想像せざるを得ないような気持ちを私は抱いている。そんなことはないだろうと思いながら、どこかで、私たちの知らないところで政治を動かし世論を誘導するような動きがあったのではないだろうかと、そんな想像が心の中にずっと膨らんできていた。
 最近になってマスコミの論調も変わってまいりまして、政治改革もう一回、これで正しいだろうかとか公費助成が適切だろうかという声が出てくるようになりましたが、あの法案成立までの流れをこう振り返ると、やっぱり大きな我々の知らない力がその方向へ、その方向へと導いていったような、そんな疑いを持たざるを得なかったのでございます。
 ところが、最近になってはしなくも、確かにそうであったと思われるような具体的な証言があらわれてまいったんです。それは何かといったら、山花国務大臣、あなたが全逓の中央委員会で御発言なさった言葉でございます。
 あなたは、全逓中央委員会で、検事の皆さんと会って、年内に公約どおり政治改革を仕上げてほしい、そうすれば永田町に向かってゼネコンの捜査、行き着くところまで行けるのですと言われましたと明確にお話をなさったそうだが、その事実はどうでありますか。
#237
○山花国務大臣 七日の日だったと思いますけれども、今御指摘の労働組合の会議に出席をいたしました。政治改革ができ上がったということの報告という趣旨で私が発言をいたしました。
 ただ、その発言の中に、今委員御指摘のように、報道された私の言葉が正確でなかったこともありましたので、翌日早速に会見をして訂正をさしていただいたところでございます。
 今お話しの、特定の検事に会ったり、あるいは検察の皆さんと接触したという事実はございません。そのことについて翌日直ちに訂正をさしていただきましたが、しかし、そうした言葉の正確を欠いた点については、私としても大変恐縮して、今のような手続を早速にとらしていただいた次第でございます。
#238
○深谷委員 あなたがそうおっしゃるなら、あなたの発言メモというのがあるんですよ。これははっきり言って、私の友人のマスコミ関係の方複数からいただいたもので、合わせて見ると、中身はほとんど同じでございますから、あなたが全逓中央委員会で発言したメモであることは間違いがない。こう書いてあります。こう言っているということですね。
  政治改革を担当するに当たって二つのことを考えている。一つは、日本の腐敗した政治をどう断ち切るかという大きな世論に水を投げかけてはならないということだ。昨年来のゼネコンに対する検察の攻め方は、従来の政権ではなかったことではないかと多くの国民がお考えになっているのではないかと思う。
  検察の皆さんとお会いして、私の直接の経験だが、担当の皆さんに「何とか昨年いっぱいに公約どおり政治改革については仕上げてもらいたい。一月一日を明けてからは永田町に、(検事の言葉をかりれば一行き着くところまでやらしてもらいたい」こういうお話を伺っている。
 残念ながら昨年中そのことは実現できなかった。
  ことしに入ってきのうあたりからマスコミを見ると、「一体どうなるのか」という社説が出始めたが、一気に永田町に迫るはずであった検察方針というのが、そうではないのかなという心配も出てきた。政治改革成立のおくれが影響しているのではないかと心配している。世論の大きな盛り上がりで、昨年の暮れ、大きなお金を自民党の派閥に持っていくゼネコンはなかったのではないか。こうおっしゃつています。
 そのことが一社ではなくて各社のニュースになって報道されている。これは事実でないとおっしゃるんですか。
#239
○山花国務大臣 御指摘の報道があったことは、私も承知をしております。それを見て、この問題については早速釈明と訂正をしなければいけない、こう思いまして記者会見を行ったところでございまして、今御指摘の部分で、検察官、検察の皆さんはという、こういう話し方をしたところが私の正確でなかったところでございますけれども、昨年来の全体の流れを見る中で、そうした検察の動向というものをそんたくしてと申しましょうか、推測して私がこう思っている、こう言えばよかったところについて用語が適切でなかったということでございました。
 早速に釈明と訂正をさせていただいた次第でございまして、大体こういう問題について発言をしたこと自体についても、私は反省をしているところでございます、
#240
○深谷委員 検察と接触はなかったというあなたの記者への談話を私は聞いていますよ。そして、その中で、「検事、検察当局と接触した事実はなく、検察がこういう印象を持っているのではないかと想像した。」と。
 どこの世の中に、会ってもいない検察の意向を推測して、あなたのように、やがて永田町でゼネコンで政治家が逮捕されるだろうなどということを公の席で言う大臣がおりますか。
#241
○山花国務大臣 永田町で政治家が逮捕されるだろうというようなことは、私は言っていなかったはずでございます。
 全体として、ゼネコンに対する検察の取り組みといいますか、これが昨年六月以来年末ずうっと、その意味におきましてはかなり大きな展開を見せておった、そうした流れについて私が話したところでございまして、今御指摘のような部分については、私はそういう趣旨では言っていなかったと、こういうように考えているところでございます。
#242
○深谷委員 では、真っ先にあなたにもう一回確認しましょう。
 今まで出ていたメモはでたらめであった。新聞に載った記事は全くうそであった。断言していいですか。断言していいですか。
#243
○山花国務大臣 私は、そう申しておりません。ですから、断言していいかと、こういうように御質問いただければ、そういう立場にはございません。そして、それだからこそ私は釈明と訂正を早速に記者会見をもって行ったところでございます。
#244
○深谷委員 言ってしまった後で事の重大さにお気づきになって、どうやって糊塗しようかと頑張った。その結果が、自分の推測で検察はこう考えているのではないかと思って、そのとおりをみんなに話した。それだけで政治改革担当大臣の資格は失格ですよ。総理大臣、そう思いませんか。
#245
○細川内閣総理大臣 今、大臣から、釈明、説明の、あるいはまた訂正の会見をして、その事実について説明をしたということでございますから、そのように受けとめさせていただきます。
#246
○深谷委員 総理大臣に伺いますが、その前に、ただいま大臣が言われたように、検察がこう考えているのではないかと推測して発言したという事実は認めておられるわけだから、そういう発言をすることが適切だとあなたはお思いなのですか。
#247
○細川内閣総理大臣 これは、今山花大臣からも直接お答えになりましたように、必ずしも適切でなかった、こういう趣旨の御発言がございました。私もそのように思います。
#248
○深谷委員 私は、この質問をするに当たりまして、昨年の新聞の論調、記事、テレビのニュース、ずうっともう一回詳細に調べてみたのですね。
 そうしましたら、前国会というのは御承知のように一月の二十九日で終わるのですよ。それまでの間に、特にことしに入ってから毎日のように、あたかもゼネコンで政治家が逮捕されるかのような記事が出続けた。そしていよいよ二十九日、政治改革法案が出るか出ないか、通るか通らぬか、その瀬戸際になる数日前に具体的な逮捕者予想名が大きく出された。そしてそれに基づいて、その数日前に衆議院の第一議員会館と第二議員会館の面会者の名簿が検察当局によって調べられたということが明白になった。
 私は、こういうことを考えると、想像したくないのですけれども、一つの政治の流れをつくるために、司法、立法、行政という三権分立という憲法がありながら、それを逸脱して特別な権力が活動していたと想像されなくもない。
 法務大臣にお伺いしたいと思うのでありますが、例えばマスコミにそのようなリークをしたり、山花大臣に、法務大臣でもない山花大臣にそういうお話をして世間を誘導するようなことが一体あり得るのかないのか、法務大臣としてぜひ正確にお答えをいただきたいと思います。
#249
○三ケ月国務大臣 検察当局におきましては、捜査上の秘密保持の厳守ということが極めて重要なことであるということを念頭に置きまして、従来から捜査に係る情報の秘匿ということにつきまして極力意を用いてきたと私は承知いたしております。したがいまして、検察がそのようなリークをしたという事実はないものと私は確信をいたしておるところであります。
#250
○深谷委員 同時に、もし政治改革法案が通らなかったら、細川内閣は解散・選挙も辞さないという記事もこのころから載り始めた。政治改革法案が不成立、ゼネコン逮捕、解散・選挙となれば、見方によっては最悪のシナリオで、できることならそれを避けたいと思う人も出てくるでありましょう。こうした背景が、参議院で一たん否決されて本当ならば廃案になるべき法律が、もう一回生き返らせるというようなとんでもないマジックになって、とうとう法案としては形の上で成立をするということになってしまったのではないかということです。
 そのことを考えますと、こういう背景を考えますと、やはり二つのことしか想像できない。
 一つは、ただいま法務大臣がお答えいただいたけれども、なお検察当局の意図が何らかの形でマスコミに意図的に流されて、世間の声を誘導するような働きのきっかけをつくったのではないか。腐敗をなくす、検察当局の熱意は敬意を表します。しかし、検察当局が政治を粛正するなどと考えたら、戦前の官憲ファッショになることは言うまでもないことでございます。
 そして、もしそういうことがないとするならば、今度は、検察の名をかたって担当大臣もしくは関係者がこういう世論をつくり上げた、この二つしかない。
 しかも、先ほど申したように、新聞、テレビの報道を見ますと、二十九日、三十日、この三十日が一日の空白でXデーと言われた、これを境にしてゼネコン逮捕のニュースはぴたっと影を潜めてしまった。本当なんですよ、法務大臣。どう思います。
#251
○三ケ月国務大臣 そういうふうな事態というものは、ただいま御指摘を伺いまして初めて私、なるほどあの時期から少し減ったのかなというぐらいに感じたことでございまして、私といたしましては、先ほど申しましたように、そんなことは絶対にあり得ないことであると私は考えております。ですから……
#252
○深谷委員 法務大臣、私は法務大臣のただいまの明確な答弁を信じたいと思う。信じなければやっていけませんからね、実際の話が。信じますから、どうか仮にもそういうことのないように、これからも徹底的な御指導をお願いいたしたいし、私がこう言ったからといって、不正を憎むという検察の体質を変える必要は全くないことでありますから、それは大いにおやりになることで当然でございますから、そこのところをお間違えのないような御指導を強く要望したいと思います。
#253
○三ケ月国務大臣 御指摘の点は十分腹におさめまして、今後私、法務大臣としての職責に邁進してまいりたい、十分責任を持って処理してまいりたい、こう申し上げたいと存じます。
#254
○深谷委員 法務大臣のただいまのお話を多といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 だからといって、今度は山花大臣の話をそのままおくわけにはいかない。そうなってくると、あなたの発言がうそであったということになってくる。こういうことをあなたが公然とお話しなさるのですから、政治改革法案が通る前にいろんなリークを行って世論をつくったと想像して、私は決して勝手な行き過ぎた想像ではないと思う。
 しかしまあ、これ以上あなたを幾ら責めても、あなたはいつかのように――いつかのようにというのは、自衛隊問題で初めて私が質問したときに、社会党の委員長としては、あるいは社会党の議員としては、自衛隊は違憲でPKO反対だが、大臣になったら賛成する、やめたらまた反対するといった、政治家の良心を捨てるようなことをなぜ言うのかと怒ったときがありましたが、あのときの議論と同じで、これはむしろ人格の問題かもしれませんから、これ以上私は申し上げることを避けたいと思う。
 もう一つ、この同じ全逓の中央委員会で、山花大臣は重大な御発言をなさっている。これもメモですから、そんなこと言った覚えないと、こうおっしゃると、私はもっと具体的なものを、あるいは証人を呼ばなければならぬかもしれません。
 こうおっしゃっている。「政治改革の法律ができたからといって腐敗がなくなるものではないと思っている。」と、あなたはこうおっしゃっているのです。「政治改革の法律ができたからといって腐敗がなくなるものではないと思っている。しかし、大きな腐敗を憎む世論を背景としたさまざまな動きの中で、一歩一歩前進をかち取っていかなければならないと考えている。」こういうことをおっしゃいましたか。
#255
○山花国務大臣 今御指摘の、今度の政治改革の法案、いろんな、腐敗防止部分を含めて、できただけでは私はなくならないと思うということについては確かに申し上げました。私の当時の、今でも変わりありませんけれども、全体としての政治改革の今度五合目まで来たかな、こういう言い方をしたわけですけれども、広い意味での政治改革、これから政治改革四法についても魂を入れると申しましょうか、腐敗防止についても、これを政治家の倫理と同時に守っていかなきゃいかぬ、こういう気持ちがあったものですから、法律があるだけではだめなんで、これを守らなきゃいかぬ、こういう気持ちで申し上げた次第でございます。
#256
○深谷委員 政治改革の法律ができたからといって腐敗がなくなるものではないということを、いろいろな説明があったが、言われたことは事実ですな。だとするならば、政治改革担当大臣までがこの法案は欠陥商品であるということをみずから認めたということですよ。重大なことですよ、それは。
 あなたは今まで議論の中で、この政治改革法案を通せば腐敗もなくなる、政治はよくなる、担当大臣だから当然のことだが、そうおっしゃってきたでしょうが。ところが、よそへ行ったら、まあ自分の支持団体か何だかわからないけれども、安心して、こういう法律つくっても腐敗はなくなるとは思わないと平然と言うのですから、これは大問題だと私は思うのですが、もう一回あなたのお考えを聞かせてください。
#257
○山花国務大臣 私は、そうした趣旨のことについては、政治改革の議論の中でも答弁等で私の気持ちとして申し上げてきたのではなかったかと思っています。
 まずは何よりも政治家の倫理の問題がある、それがなければどんな法律をつくってもだめではないか、こういう言い方をしたこともございますし、この法律ができたって、やはり守っていく、執行を確保しなければだめなんだ、こういう意味で言ってきたこともあると思いますけれども、そういう気持ちですから、今委員おっしゃったようなことで申し上げたのではないということについてはどうぞ御理解いただきたいと思う次第でございます。
#258
○深谷委員 今までの予算委員会でそこまであいまいなことをおっしゃったら、議論が違った流れになっていましたよ。私は、そういう意味ではあなたの発言というものを、幾ら細かく説明しても理解できませんよ。
 それじゃ、もう一つ別な聞き方をしましょうか。
 あなたは、この法律をつくった、この法律をもとにして腐敗を断絶させていく、それに対して自信をお持ちですか。
#259
○山花国務大臣 連座制の強化、政治資金規正法の改正等々を含めて、全体として私は、腐敗をなくすために一歩前進する、こうした内容を持っているものと確信をして、この法案についてこれまで説明をしてまいりました。
#260
○深谷委員 腐敗を根絶させるということに全力を挙げる御決意ですか。
#261
○山花国務大臣 その決意でございます。
#262
○深谷委員 細川総理大臣はどうお考えですか。
#263
○細川内閣総理大臣 先ほど山花大臣が言われたことと、私もかなり共通の認識を持っております。制度だけですべてがうまくいく、腐敗がなくなるというものではない、これはもう申し上げるまでもないことでありまして、やはりそれは、その制度の中にいかに、先ほど魂を入れるかという話がございましたが、やはり政治家みずからがどのようにそれを、その中に魂を入れていくかということは、これは我々みずからの責任であろう、このように思っております。
#264
○深谷委員 おっしゃるとおり、法律をつくっても魂を入れなければ意味のないことであります。その魂とは、腐敗をなくす、そういうことが起こらないようにする、起こったときは責任をとる、そういう不退転の決意であろうと思うのですが、いかがですか。
#265
○細川内閣総理大臣 そのように努めていくというのは、これは私たちの務めである、それはもうおっしゃるとおりだと思います。
#266
○深谷委員 そこで、そのお言葉を伺った上でお伺いしたいことが一つあるのですが、二月十五日の朝刊に一斉に、塩卸売業界の政治団体から藤井大蔵大臣に一千万円の献金がなされたという記事が報道されたのでございます。さらに、塩裕会というこの政治団体は、藤井大臣あてに集めた別の一千万円もプールしていたとあります。
 言うまでもなく、大蔵大臣は塩卸業界を指導監督する立場であります。その上、塩の専売事業については、平成三年、大蔵大臣の諮問機関であるたばこ事業等審議会の塩専門部会で専売制度廃止の方向を中間報告で打ち出しているのでございます。見方によっては、これは大変な大きな問題だと思う。
 この新聞の報道の真偽について藤井大蔵大臣に伺いたい。
#267
○藤井国務大臣 御質問でございますので、実情を全部お話しいたします。
 昨年の夏、大臣就任後の八月十一日に政治団体塩裕会から政治献金を受けております。受け入れ団体は私の指定団体でございます。もちろん会計処理は適切に行っております。
 趣旨は、私が長らく務めていた塩関係団体、これはもう昭和五十一、二年からでありますが、の役職を大臣就任後辞任したことから、その退職慰労的といった趣旨だったと承知をいたしております。
 もちろん、私はこの献金を受けたことと今の私の立場と混同したことは全くございませんが、このようなことで皆様の誤解を受けることがあってはならず、また、私自身の身を一層引き締める見地から、この献金分についてきちっとお返しすることが適切と考え、お返しさせていただきました。
#268
○深谷委員 ただいま藤井大蔵大臣はその献金の事実をお認めになって、自分の持っている団体で適切に処理した、こうおっしゃいましたね。その団体とはどういう団体か、明らかにしてください。
#269
○藤井国務大臣 私の指定団体でございます。
#270
○深谷委員 そして、一方において、慰労金のような性格のものと受けとめていると、こうあなたおっしゃいましたね。
#271
○藤井国務大臣 政治献金であることは事実でありますが、その趣旨がそのようなものであると受けとめているということでございます。
#272
○深谷委員 大蔵大臣だから専門家だと思って伺うんですけれども、慰労金というのは個人のいただいたお金でございますから、所得税として本来申告するものではないんですか。それを、慰労金という性格のお金を一千万いただいて、指定団体に、二つに入れたというのは、大蔵大臣、専門家としてはおかしなことではありませんか。
#273
○藤井国務大臣 今申し上げておりますのは、そういう趣旨があったと承知をしているということでございます。
#274
○深谷委員 慰労金という趣旨があったら慰労金として受けとめて、税制上も適切な対応をするのが少なくとも大蔵大臣の役目だと思うが、どうだ。
#275
○藤井国務大臣 支出団体も政治団体でございますし、政治団体間の受け払いということは、私はおかしいことではないと思っております。
#276
○深谷委員 一千万受領した、恐らく領収証を出されたでしょう。それから指定団体に振り込んだ、その帳簿もおありでしょう。それから、大臣就任になって一カ月たってから、ある新聞社がそのことを記事にしようとして訪ねていったら、慌てて翌日返した。返したからには領収証もあるでしょう。
 これらの一連の書類について、委員長にお願いしますが、当委員会に御提出を願うように要請したいと思いますが、いかがでしょう。
#277
○山口委員長 理事会において相談をいたします。
#278
○深谷委員 十五日の新聞に、これとはまた別に、藤井大蔵大臣はほかにも献金をいただいていて政治団体に届けていないということが明らかになったと出ておりますが、これは事実でしょうか。
#279
○藤井国務大臣 私はその記事を読みました。これは平成二年の話でございます。今から四年前でございます。現在調査をいたしておりますが、調査の結果は御報告できると思います。
#280
○深谷委員 この記事には、塩裕会、今の塩の卸売業界の団体ですが、平成二年分五百三十万、しかしこれは藤井大蔵大臣の指定政治団体に提出をしていると塩裕会の政治資金収支報告書には載っている。しかし、受けたはずの政治団体にはそれが載っていない。これは明らかなことなんですよ。そんな調査なんていう大げさなものじゃないんですね。こういうこともあるわけだ。
 だから、失礼ですが、大蔵大臣、税を担当するあなた、今大勢の人たちが不況にあえいでいる、そういう中で今度は国民福祉税も取ろうとお考えになったあなたにしては、余りにも不適切な行動であると私は思うんですよ。しかし、はっきり申し上げて、こんなことで時間をとりたくない、もっと大事な問題がたくさんありますから。
 そこで、今委員長が言われたように、書類等についての提出は理事会において協議するということでありますから、私は、委員長が責任を持って書類もおとりいただいて、事の事実というものを明確にすることが国民の信頼をかち得る道であり、政治改革、政治改革と言って一つの流れをとうとうとつくった今日の皆さんのいわば主張に合致することでありますから、今後そのようにさせていただくということを申し上げて、次の話題に入りたいと思います。
 景気回復にどう対策を立てるかということについて、さきに渡辺美智雄委員が詳細にわたって質問や提案をいたしました。全体に、その話を聞きながら、私は、細川総理には景気対策についての確たる方針、自信に満ちた姿というものがやっぱり欠けているのではないだろうかというような印象を強くいたしたのでございます。
 第一、私に言わせれば、細川内閣の政治改革法案をめぐる混乱のこともあって、景気対策はおくれ過ぎていると言わざるを得ないと思えてなりません。一刻もちゅうちょなく、なし得ることのすべてを実行に移すということが景気を回復させるための実効ある道であることは申すまでもありません。しかし、細川内閣は、これがおくれにおくれているということは事実であります。ですから、そのことが景気回復の機会を逸し、あるいは国の予算がおくれたということで、地方団体の予算が組めないという問題まで引き起こしているというのが実際でございます。
 この第三次の補正予算案の提出も年度内ぎりぎりですから、恐らくこのほとんどの予算は、どうでしょうか、繰り越されていくのではないでしょうか。そして、その実行はかなりおくれて、目ぼしい効果が生まれないということになるのではないかと私は思うのでございます。
 総合経済政策の柱は、何といっても所得減税であります。しかし、私は、どうこれを見ましても、どれだけの効果があるのか、甚だしく疑問を抱かざるを得ないのであります。所得税、住民税をおのおの一律二〇%、これが減税の中身でございますが、例えば、夫婦子供二人で給与収入三百万円の人でわずかに千二百五十円、四百万の収入の人で一万八千七百五十円と、極めて少額になってまいります。先ほど渡辺委員も申されましたけれども、仕組みの性格上、高額所得者に圧倒的な減税額になってまいります。
 やっぱり私に言わせると、三百万、四百万、五百万、中堅層でございますから、いろいろな見方もあります、若干意見が違いますけれども、私は渡辺委員とは。つまり、こういう中堅層こそが物を買ってくださるという、私、そうではないかと思うんですね。しかも大多数を占めていますから。ところが、ここに減税が不十分でございますから、一体どれだけの効果になるかということが非常に心配になっていると、こう申し上げているわけです。
 そこで、大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、六兆円に及ぶ今度の減税で、まあこの中には自動車の税等もありますから実際にはもっと少ないんですが、需要効果がどのくらいになるんだろうかと御想定ですか。それから、これによって消費はどのくらい上がってくるのか、どのくらい見込んでいるのか、あなたの御見解を伺いたいと思います。
#281
○藤井国務大臣 これはむしろ経済企画庁にお答えいただくのがいいのかもしれませんが、世界経済モデルでは〇・六%上げる、こういう数字が出ております。しかし、それは理論計算でございますから、実際この一律二〇%のカットで、非常にまとまった形で、わかる形でぽっと出るわけでございますね。
 そういう意味で、私は、最近、先ほどからお話しのように耐久消費財などが一つの底を打ってきているというようなこともあわせ考えますと、そういう意味での減税効果も十分出るのではないかと思います。数字の問題以上に、実感としてそういうことがあるのではないかと考えております。
#282
○深谷委員 あるエコノミストはこうおっしゃつているんですよ。所得減税をやった場合に、消費に行くのか貯蓄に行くのかと考えるのは余りに単純過ぎる、現実は貯蓄か借金返済で終わるであろう、既に雇用調整が始まっていて、残業手当が減っている現状の中で、賢明な消費者はまず、早く借金を返そうとするであろう、だから、ますます消費は萎縮すると、こう言っているんですが、これはどう思いますか。
#283
○藤井国務大臣 ある学者の説だと思います。私は、所得効果からいうと不況期の所得効果は低いというのは事実だと思います。しかし、もう既に何度も申し上げておりますように、あらゆる政策を政府がやっているというこの姿勢はまず非常に大事なことだと思います。
 マインドという問題がよく言われておりますが、政府はあらゆる政策をやっている。公共投資政策はやっております、政策減税もやっております、公定歩合政策は日銀でございますが、これもやっている。そして一般的な所得税減税をやる。この姿勢をまず見ていただくということも非常に重要なことだというふうに考えていることを御理解いただきたいと思います。
#284
○深谷委員 後でそのことにも触れますが、一つの議論であることは間違いありません。
 今は債務デフレーションの時代だ、こう言われていますね。個人も企業も多額の借金を抱えて、そのために景気が加速度的に落ち込んでいった。企業はもちろんですけれども、個人も、マクロ的に見ても借金づけの傾向にある。
 大蔵大臣に伺いたいんですけれども、今、国民一世帯当たり抱えた債務というのはどのくらいになります。
#285
○藤井国務大臣 いろんな指標があると思いますが、まあ大体千万程度あると思います。
#286
○深谷委員 一千万程度とおっしゃったですか。(藤井国務大臣「はい」と呼ぶ)まあいろんな見方がありますが、総務庁が発表したのはもっと少ないんですよ。少ないんですけれども、一世帯に負債額というのは四百万から五百万ぐらいはある。正確には、一九九一年の末で一世帯当たりの負債額は三百七十五万円と総務庁ははじき出していますよ。どっちにいたしましても、こうした背景のもとで行われる減税が直ちに消費に回るというのは早計だ、こういう見方をせざるを得ないと私は思うんですね。
 経済企画庁長官にお尋ねしますけれども、ただいま私が申したように、今債務デフレーションで一世帯当たりの借金というのが四、五百万あるわけですね。そこへ、ただいま申したように働き盛りのところは微々たる減税で、これが消費に変わるということはなかなか容易ではないというエコノミストもいる。私もそうだと思っているんですけれども。
 そういうことに思いをいたした場合に、先ほどあなたがおっしゃった景気回復の見通しについてはやや楽観的に過ぎるような思いがするんですけれども、これだけの債務を抱えている各世帯が、今度の所得減税でどれだけの消費効果が上がるとお考えでしょうか。
#287
○久保田国務大臣 さっき大蔵大臣が言われましたように、私どもは計算の上では〇・六%アップというふうな計算をしておりますけれども、しかし、今こうして消費が冷え込んでいる、そのマインドの改善ということもございますし、またよく言われます中堅所得者、特にいろいろな教育盛りあるいはローンの支払い盛りというようなところに対しては久しぶりの結構な減税で、これが消費を刺激するという効果はかなりあるものと私は思っております。
#288
○深谷委員 前に申し上げたように、六兆円の減税の効果というのは私はなかなか出にくいと思うのですね。そうすると、大蔵大臣、専らこの所得減税の求める目標というのは消費マインドを高めることではないですか。消費マインドを高める、それが消費につながっていく心理状態をつくり出す。どうでしょう。
#289
○藤井国務大臣 深谷委員さっきからお話しのように、いろいろな意味で消費者あるいは企業家の方のマインドを変えていくという、これは非常に大事なことだと思いますし、減税政策というものがそういうものに貢献することも間違いありませんし、またストック調整ということをさっき言われていたと思います。このストック調整は企業にもあるし家計にもあると思います。そういうものを一つ一つ解きほぐしていくということも、今度の不況というものが単なるサイクルでないという観点から見るならば、大変大事なことだと思っております。
 したがって、今度の総合経済対策では、今の減税のほかに、例えば金融の不良資産の問題、さらに先ほど渡辺委員が話されました金利減免債権でございますね、これは不良債権になってないわけですが、金利減免債権の処理というような問題についても正面から光を当てておりまして、これらすべてを講ずることによってマインドを変えていく効果が十分あると考えております。
#290
○深谷委員 今度の所得減税というのは、消費マインドを高めるための非常にいいきっかけになるのですよ。それはいろいろありますからね。それらを総合的に消費マインドを高めるというおっしゃり方は間違いではないのですけれども、とりわけ所得減税というのは消費マインドを高めるということが専ら大きな目的ですよ。
 そうなってまいりますと、一年間と限定したところに問題が起こってきてしまうのです。やはり消費マインドを高めて意欲的にそれが景気効果につながっていくということになれば、どんな理由があるにせよ、これが単年度の、一年間だけの所得減税ということではなくて、できれば恒久的なものにしていくということが確かなものにしていく道だと私は思うのです。
 そういう意味では、細川総理、あなたが政治決断を持って、一年限りと言わずに、所得減税はつなげていくんだという、そういう御判断を持つことが非常に大事だと思うのですね。いかがですか。
#291
○細川内閣総理大臣 年内に税制の抜本改革をするということを与党の代表者会議で、今後協議会をつくって検討していくということで合意を得ているところでございますから、今回の減税というものはその第一歩になるというふうに思っているところでございます。
#292
○深谷委員 もう一回伺いますけれども、協議会で今年中に結論を出す、それから決めるとおっしゃったのですが、所得減税というのは一年に限定するということよりも恒久的に考えた方が消費マインドを高めるということは間違いがないんで、基本的にはそういう考え方をお持ちなんですかと聞いているわけです。
#293
○細川内閣総理大臣 基本的に、抜本的な税制改正をするべきだということで私なりに草案を出させていただいたわけですが、その後いろいろ与党内でも御論議がございまして、その手続等の面につきましてもいろいろ御論議があったものですから、その後今日のような経過をたどっているということでございます。
#294
○深谷委員 あなたの言葉はファジーだから正確によく伝わらないので困っていますけれども、まあしかし、いろんな角度から恒久的な税制対策を考えて、それが今日の不況を克服する道になるであろう、まあ大ざっぱに言えばそういうことであろうと思いますから先へ進みますけれども、こういう減税を行うに当たって、これに見合う税収を考えようという大蔵省の強い要望があった、それはそうだと思います。
 そこであなたは二月三日の未明に、橋本龍太郎さんが言いましたが、みんなが寝静まったころ、なぜか国民福祉税構想というのを打ち立てられたのでございます。しかし、よく見ると、国民福祉税というのは、何のことはない、消費税の名前を変えただけで、しかも巷間言われていたとおり三%を七%にするという、もう既定の事実をそのまま表現したというものでございました。これにはさすがの連立与党の党の中からも議論が出まして、多くの人から反対が出て、翌四日には連立与党代表者会議を開いて、一日にして白紙に戻ってしまったのでございます。
 総理大臣が記者会見を行って、国家の方針として税制改革で国民福祉税をやるのだと華々しく声明を出してから、一夜にして白紙撤回になる、これを朝令暮改と言わずして一体何と言うのか私はわかりません。総理の決断の重みや責任について一体どう考えておられるのか、率直なあなたのお気持ちを聞かせてください。
#295
○細川内閣総理大臣 先般、本会議においても御答弁申し上げたとおりでございますが、一連の政策決定過程につきまして、率直にその至らなかった点はおわびを申し上げたところでございます。
#296
○深谷委員 自分が政治家としてあるいは総理大臣として決断をして、国民に向かって、いや世界に向かって、日米会談がありましたから、国民福祉税なるものを発表なさった、それがたった一日でつぶれたということは、単に陳謝で済むというものでもないのです、本来ならば。これは、細川総理でなかったら、多分辞任騒ぎか内閣がつぶれるぐらいの大きなことですよ。だけど、なぜかマスコミも世論もあなたに非常に同情的だからこれ以上いかないような感じがありますけれども、重大なことだということの認識をぜひお持ちいただきたいと思うのです。
 それで、この一連の動きを見ますと、社会党は消費税にはもう絶対反対であった。だから、この消費税を含む景気対策や新年度予算が出た場合には、やはり猛反対して亀裂が起こる。つまり、私が冒頭申し上げた、政治改革法案を通すためにこれらの問題が人質になったということを逆に明らかにしたのがこのてんまつであったような思いがいたしてならないのでございます。はしなくもその実態が表に出たということだと私は思います。
 細川総理、今陳謝なさいましたけれども、記者会見で、連立政権で試行錯誤はつきものだとも言ったように聞いていますが、試行錯誤はつきものだから仕方がないというのは無責任な発言だと私は思います。国の最高責任者としては一つ一つの言動に重い責任を持つべきでございますから、私はこういうことを繰り返さないように強く求めます。
 先ほどもちょっと触れたのでございますけれども、今までにもそういう発言、とても多かった。前に私はバッジ組合の話を本会議で申し上げたことがありましたね。料理屋さんの話、あれもやや似ているんですよね。そこには八百屋さんも入れば、魚屋さんも入れば、酒屋さんも入れば、つまり、中小零細企業の人がそこで生きていますからね。だから、普通の感覚で言う言葉と総理の言葉は重みが違うのですから、やはり言葉に気をつけていただきたいし、なおさら、国民の生活に影響のあるこのような税制の問題では、こういう形でくるくる変わって、反省する、済みません、陳謝しますということだけで終わらすようなことはどうぞやめていただきたいと強く重ねて私申し上げておきます。
 それから、国民福祉税という案でございますけれども、これは今まで政府と与党の経済問題協議会だとか政府の税制調査会では全く議論されていなかったと私は思っているのでございますが、これはどうでございましょうか。
#297
○藤井国務大臣 税制調査会初め政府・与党の連絡会議、あるいはまた政府内につくられました経済問題協議会等々では、やはり消費課税の充実、所得課税の軽減という問題が取り上げられ、かつ、そういう中で、これらは実質的にいろいろな福祉施策に使っていくのがいいのではないかというようないろいろな御議論があったことを私は承知をいたしております。そういう中で総理が御決断になり、御決定になったものであると考えております。
#298
○深谷委員 藤井大臣、政府・与党の経済問題協議会や政府税制調査会では、国民福祉税という、そんな議論が出ていましたか。
#299
○藤井国務大臣 名前のことではなく、今申し上げましたような、実質的にそういう目的を持ち、かつ消費課税を充実していく、そして所得課税を軽減していくという物の考え方ははっきり出ていたように思います。
#300
○深谷委員 それは藤井大臣、詭弁ですよ。やはり国民福祉税なるものの名前と本体というのは、ここで初めて出てきているのですよ。つまり、そういう国民福祉税というテーマで議論を尽くされながら生み出されたものではないのですよ、これは。それはいろいろな議論の中に、目的税を考えようとか、お年寄りの将来を考えたら福祉税ということも構想の中にはあるだろう、さまざまな意見はありましたよ。私の言っているのは、国民福祉税という名称や、この内容を一つの目標にして議論を重ねてきたということは一度もないでしようと申し上げている。
#301
○藤井国務大臣 名前はまずそのとおりでございます。それから中身については、今るる申し上げているように、物の考え方の基本というのは明らかにあの中に出ていると思います。
#302
○深谷委員 そういう詭弁をべらべらしゃべるのはおよしなさいよ、あなた。もう大蔵省の役人を終わって、今政治家で大臣なんだから。
 私が何回も言っているように、国民福祉税という一つの、名前も中身も含めた構想について、当然議題になって議論をして積み重ねて出てくるのが法律案というものでしょう、税制改正案というものでしょう、そういうのはなかったでしようと言っているんだ。なかったことは確かじゃありませんか。何を言っているんだ。はっきり言いなさいよ。
#303
○藤井国務大臣 おっしゃるように、今おっしゃる趣旨であれば、そういう名前で一つの、何というのか、具体的な構想で議論はしていないけれども、実質的な意味においてはずうっと議論を重ねられてきたということを私は申し上げているわけです。
#304
○深谷委員 いつまでたっても同じ議論になりますが、あなたは私の言っていることはちゃんとわかっているはずだから、それだけに始末が悪い。幾ら言葉でごまかしたってだめなんだ。
 それから、国民福祉税ということになりますと、これは福祉ビジョンというのがないといかぬのですよ、これからの福祉行政をどう行うかというビジョンがないと。この福祉ビジョンというのは、大内厚生大臣、ことしの三月に出る予定ではありませんか。
#305
○大内国務大臣 そのような予定で現在作業を進めております。
#306
○深谷委員 福祉ビジョンが三月に出る予定になって今つくられていない。そうすると、福祉ビジョンなき国民福祉税ということになるわけですが、厚生大臣、それでいいでしょうか。
#307
○大内国務大臣 私は、政府・与党の首脳会議あるいは閣議等でも申し上げてきたことでございますが、国民に対して新たな税というものを求める場合には、まず政府自身が身を切り詰める思いで行財政の改革、あるいは不公平税制の是正、あるいは日本の場合は基礎物価が高いわけでございますから、内外価格差の是正を初めとする物価政策、そういうものをやりながら、かつ国民に対して将来の社会保障の全体像というものを示す、そしてその上で御理解をいただけるものではないかと、こういう議論をしてきたところでございます。
#308
○深谷委員 あなたの発言を評価します。
 私は、そういう言葉を総理大臣あるいは大蔵大臣から聞きたかった。一回出して反対があって引っ込めた、そのことについて自己弁護ばかりしないで、そのもとになる政策、政治家としての信念、それを聞きたかった。
 恐らく厚生大臣はこういう形で、国民福祉税というものには問題があると言われて、さまざまな御意見をあの当時もお出しになったというふうに私は聞いております。
 そうすると、厚生大臣、あなたの担当の福祉にかかわる税の改正について、総理大臣や大蔵大臣から直接この問題で聞かれたのはいつごろになるのですか。
#309
○大内国務大臣 さきに御指摘いただきましたその三日未明、初めて拝見いたしました。
#310
○深谷委員 総理大臣、これは大問題ですよ。厚生大臣が知らない福祉税というものが突然、みんなが寝静まったところに出される。そして、それを知ったのはそのときだと、厚生大臣が。
 閣僚の中で、内閣としてそういう相談というのはなされておらないのですか。あなたが一人でお決めになっているのですか。それとももっと違う人がどこかの密室でお決めになっているのですか。はっきりおっしゃっていただきたい。
#311
○細川内閣総理大臣 先ほどの大蔵大臣の答弁ともちょっと重複をするかもしれませんが、九月の初めから税制調査会等でもこうした議論がいろいろとなされてきておりました。
 税調の答申では、「消費税を何らかの形で福祉目的的な税とすることを望む意見があった。」と、こういうふうに書いてございます。そういうことがあって、次いで、目的税について、資源の適正配分をゆがめ、財政硬直化を招くなどの問題点を指摘をして、最終的には、「いずれにせよ、この問題は、以上の意見等を踏まえ、十分検討していく必要がある。」と、こういったようなことも出されているわけでございますし、その後、先ほどもございましたように、党のいろいろなレベルにおきましても、意見としていろいろ議論がなされてきたわけでございます。
 そして最終的に、党の代表者会議あるいは経済協議会、そうしたところにおきましてこのような方針が固まっていったということでございまして、今の福祉のこととの関連につきまして、確かに福祉ビジョンの発表というものは三月に考えているわけでございますが、作業がかかるわけでございます。
 したがって、私もこの発表に当たりまして、腰だめという大変適切でない表現を使って、後でこれまた適切でないということをおわびを申し上げたわけでございますが、それは、三月に福祉ビジョンを出すということになっておりますものですから、ゴールドプランの見直し作業の土台になります各市町村あるいは都道府県の老人保健福祉計画、こういったものが三月末にならないと出そろわないといったようなことも見込まれておりましたものですから、そのおよその見当で税率の根拠についてお伝えをしようという趣旨でそのように申し上げたということでございます。
#312
○深谷委員 あなたの説明は説明として、今新たに明確になったのは、国民福祉税という福祉に専らかかわりのある税制をつくり発表するに際して、その担当大臣である厚生大臣に事前に何らの相談もなく、突如として出したというこの問題については、これはゆゆしき問題だという判断をせざるを得ない。
 ちょうどお待ちしていた官房長官もお帰りになった。今国民福祉税の問題について伺っているところ。
 国民の皆さんが寝静まっているときに、あるとき突然細川総理大臣は国民福祉税という税制構想を打ち出された。みんなが反対して、一日で白紙に戻った。あなたは、官房長官は大層このことについて不満足げで、自分が聞かされたのは直前であった、こうおっしゃったとマスコミの報ずるところでございますが、それは事実であったでしょうか。
#313
○武村国務大臣 ぺ−パーにされたきちっとした国民福祉税草案という要綱でしたかを見たのは、確かに当日の夕方でありました。総理も余り時間は違わないと思うのでありますが。
 私は、個人的に不満でどうこう申し上げたつもりではありません。むしろ総理の判断に官房長官としては従っていこうと、このことは公の会合でも申し上げていたのです。
 ただ、社会党の委員長、書記長がかなり鮮明に、賛成できないということをおっしゃいましたので、このことは大変重大な事態だと、これをこのまま決めてしまうとまさに、これはまあこちら側の話でございますが、連立政権そのものの存亡にかかわるということを直観的に大変大きな問題として認識をして、少し発言をしたということであります。
 以上です。
#314
○深谷委員 武村官房長官のお話からも、いわば女房役のお立場であるにもかかわりませず、大内担当大臣と同じように、相談はほとんどお受けになっておらない。全く総理大臣単独でお考えになり、発表したとしか思えないという今のお二人の発言でございます。
 総理も同じぐらいの時間だったというのはそういう意味なんですか。ちょっと重大問題。総理も同じぐらいに知ったというのは、そうすると、総理の意向で出したのではないということですか。それならもっと大変な事実なんですよ。
#315
○細川内閣総理大臣 いや、それはちょっと違いまして、私もそれほど時間は違わぬと思いますが、しかし党の機関で、党の経済協議会で、あるいはその前から政策幹事会あるいは代表者会議で随分御論議をいただいてきた話でございますから、そしてその取りまとめはそこに一任をしていたわけでございますから、私どもは随分せっぱ詰まってからその具体的な内容について取りまとめられたところを拝聴をした、こういうことでございます。
#316
○深谷委員 意外な展開になって私も驚いておりますが、総理大臣がお考えになって国民福祉税を夜中に発表したものだと思っていた。そのことについて官房長官も厚生大臣も御存じないということだから、これは独裁に近い判断だなと思っていたら、総理も間際に聞いたという話。そうすると、だれがつくった案なのか。
 ここにマスコミの報ずるところに従いますと、マスコミですから事実かどうかわかりませんけれども、そんなことを言うと不適切ですから今の言葉は訂正しますが、一月三十一日に「大蔵省の斎藤次郎事務次官は新生党の小沢一郎代表幹事と渡部恒三代表幹事代行と会った。」ここいらから話が出てきて、「翌二月一日午後九時、斎藤は首相と四十分間話し込んだ。」こんな経過で生まれてきたという報道もあるんですね。
 これは総理、本当に笑い事じゃありませんよ。特別な人と大蔵省の考えと、それでまとまった国民福祉税が細川総理の口をかりて出てきた。だから細川内閣の女房役であるナンバーツーの武村官房長官も御存じない、担当の大内厚生大臣も御存じないということになったら、一体この政治はだれのものなのか、政策を進める政権は一体だれのものなのか。
 これは重大な発言でございますから、総理と官房長官、腹を据えてもう一言ずつお答えください。
#317
○細川内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、これは私どもお互いに、みんなここに並んでいる私どもは、閣僚の一人一人は党の方にこの決定をお任せをしたわけでございます。党の方で論議を詰めてくれ、まあそれは自民党でも税制調査会で最終的にお取りまとめになってそれが総務会に上がり云々という形になるわけでございましょうから、同じように私どもも党の方にこの決定をお任せをした、こういうことでございます。
 ですから、そのお任せをしたことにつきまして、その経過は先ほどから申し上げますように、九月以来税調の議論を踏まえてあるいはまた党内の議論を踏まえて、そのような福祉ということに充当していこうといったような観点に立ちながら議論が積み重ねられてきた。
 そういう経過の中で最終的に、三次補正の編成もやらなきゃならない、当初予算も組まなきゃならない、あるいは地方財政計画もあるしアメリカ行きの話もある、そういうぎりぎりのタイムリミットのところで、党の方で最終的にたたき台をつくっていただいたということでございまして、特定の人が最終的にその案を固められたということではございません。代表者会議の席でもってその話が最終的に決められたということでございます。
#318
○武村国務大臣 総理のお答えのとおりでございます。
#319
○深谷委員 急に話が違ってきちゃいけませんよ、武村さん。みんな支持しているんだから。
 社会党の人に聞きます。
 今、各政党間で話し合って出されてきたものを集約して、決定して発表したということでございます。そうすると、社会党は国民福祉税も議論をして、賛成という立場で出してきたんですか。
#320
○佐藤国務大臣 既に経過につきましては皆さん御承知のとおりでございますから、過去にさかのぼって余り言うのも何かと思いますが、御質問でございますから。
 私も自治大臣という立場で、この経済問題協議会、羽田座長でございますが、の中の一員でございました。この構想というのを聞いたのは、二月二日の午後の七時ちょっと過ぎでございます。これは電話でございました。あのペーパーを草案として見せられたのは夜の十一時のときでございました。
 そのときにはうちの村山委員長、久保書記長もいらっしゃったわけでございまして、その前に執行委員会を、ちょっと正確に覚えていませんが、七時か八時かにやって、これは受け入れられないということを持って、久保書記長もたしか総理のところにも事前に、六時ぐらいだったと思いますが、行かれておるわけでございます。
 したがいまして、十一時のときには、委員長も書記長も反対をしているものについて、私は閣僚の一員であるから総理の言われることに従うのは当然かもしれないけれども、これは、私も社会党出身の閣僚でございますので、しかもその場で初めて見た話でございますので、全然その前の状況というのを私もわかりませんので、保留をさせていただく、こういうふうに私は申し上げました。
#321
○深谷委員 細川総理、社会党の大臣はそうおっしゃっているんですが、あなたの話と違うのはどういうわけでしょうか。
#322
○細川内閣総理大臣 各党とも代表者会議でこれを詰めていただくということについてはみんな承知をしていることでございますし、その代表者会議で詰めていただいた最終的なたたき台というものを、最後の最後の判断として、私がそれを私の草案として出させていただいた、こういうことでございます。
#323
○深谷委員 もう一回聞きますけれども、そうしますと、国民福祉税なる構想が出たのは、つくられた、ペーパーにして各党に相談を持ちかけたのはいつのことですか。
#324
○細川内閣総理大臣 ですから、それは、具体的なたたき台というものが詰まっていったのが代表者会議でいつごろの時点かということは私はわかりませんが、かなり押し詰まってからだと思います。
#325
○深谷委員 押し詰まるも何も、今佐藤さんも言われた、大内さんも言われた、武村さんもうっかり言われた、それぞれみんな直前になって聞いた話なんです。事前に打ち合わせながら、議論の過程の中から煮詰まってきて総理から出されたものではない。これだけは明らかな事実でありますから、そういううそ偽りで政治を進めることはおやめください、そのことをはっきりあなたに申し上げておきます。
#326
○細川内閣総理大臣 ちょっとそれは違うのでありまして、それぞれやはり党の中の機関でやってくるわけでございますから、その中で詰めていって最終的にそのような姿になったということでございますから、それを私は決して――確かにそれぞれの党内にどういう御説明をされるかということは、これは各党の事情もございましょう。また、それが収れんする時間が足りなかったということはおっしゃるとおりだと思います。大変慌ただしい中で、その決定の経過につきましては確かに問題があったというふうに思っておりますが、しかし手続的には、我々は党の代表者の人たちに任せているわけでございますから、そこでたたき台をつくっていただいて、具体的に私がそれを私の草案として最終的に出させていただいた、こういうことでございますから、おかしいことはないと思っております。
#327
○深谷委員 それでは、もう一回改めて大内大臣に伺いますが、党のそれぞれの機関で詰めていただくように依頼されたというのはいつごろのことでしょうか。あなたの発言では、依頼されたことはなくて突然聞かされたというふうに受けとめたのですが。
#328
○大内国務大臣 ありのままを申し上げたいと思うのでございますが、私は先ほど三日未明と申し上げましたが、会議が開かれましたのは二日の夜の十一時過ぎであったと思います。したがって、その段階で協議が行われまして、終わったのが未明なものですから未明というふうに申し上げたのでございますが、その中身を拝見したのはそれが私は初めてであります。
 それよりさき、党内の方から、これは政策幹事に対しまして私が連絡をいたしましたところ、その種の案が出てきているが、それについては党としては承服できないので、これについては、例えば実施時期とかパーセントといったような問題についてそのやり直しを求めておるのであると。したがって、そういうものがそのまま出てくるとは到底予想していなかったところでございました。したがって、そういう意味で、先ほど申し上げたような経過であったと申し上げたのでございます。
#329
○深谷委員 社会党の先ほどの答弁をもう一回聞かせてください。
#330
○佐藤国務大臣 私が先ほど言ったことは何も日程的に間違いございませんけれども、法律が通りました一月二十九日に、羽田座長のもとで経済問題協議会をやっております。それから、三十一日の月曜日の五時から経済問題協議会をやっておりますが、この三十一日の五時のときには、政府は一体として取り組まなければいかぬ、それにつきましてはひとつ与党の方においても研究をしてもらいたい、こういう投げかけだったというふうに記憶をしております。一深谷委員「国民福祉税について」と呼ぶ)まだそこまで内容は出ておりません。
 それを私が知ったのは、党内的に必ずしも社会党というのも連絡ミスがないとも限りませんから、それは。しかし、私が少なくともその大体の内容を聞いたのは、その二日の七時ちょっと過ぎというのが電話で聞き、十一時に初めてペーパーを見たということでございまして、それは恐らく、社会党的に推察するところ、久保書記長が代表として出られているわけでございますので、そのあたりで、とてもこれでは社会党的にのめる話ではないということで、執行委員会にかかっているような状況ではなかったと思っております。
#331
○深谷委員 何回聞いても答えは同じでございます。つまり、総理大臣が言われるように、国民福祉税なるものが一つの構想として出されて、各党で検討されて、了解を求めて集まってきて、それを政策で発表するという手順は全く踏んでない。踏んでないですよ。今はっきりそうおっしゃったじゃないですか。しかもみんな、民社党にしたって社会党にしたって、事前に承服しているわけではないと言っているんですよ。承服していないものを総理大臣が集約して出せるのですか。それは全く話が違う。
 だから、二つの違いがある。一つは、十分に各党と相談をしていないという事実、二つは、各党の中、とりわけ社会党や民社党では賛成していないのに、これがあたかも合意で出されたような言い方をなさっている。この間違いは、何回言って、何回弁解されても、今御両所がお答えのとおりで、これはこれ以上議論しても、御本人がそうでないとおっしゃるのですから、テレビをごらんになっている国民の皆様が、今各党を代表する大臣の答えでどちらが正しいことをおっしゃっているかを正確に判断していただく以外はないと思いますし、そのことの追及は、今後も同僚が必ず続けるであろうと思います。
 私どもに言わせると、国民福祉税というのは、要するに名をかりた消費税であります。それは間違いがありません。三%を七%に変える。もっと簡単に言えば、初めに消費税ありきなんです。初めに消費税があるんです。そして、その消費税を通すために、福祉と名をつければ大義名分が立つと安易に考えた、そこに問題があった。ですから、そのことを考えた場合に、こういう安易な政治の出し方をなさる細川内閣というのは、極めて脆弱だというか、国民のことを真剣に考えている内閣とは思えないと言わざるを得ない。
 先ほど大内大臣のお話の中に、国民に税をお願いする場合には、例えば経費の節減だとか合理化だとか、みずから痛みを感ずるような改良を行って国民に税の負担を仰ぐというのが筋だという旨の御発言がございました。私も全くそのとおりだと思う。
 今不況にあえいでいる中小企業も含めた企業は、必死の思いでリストラを行っている最中なんです。人手減らしをしたり、不必要なお金を使わないような企業の合理化を図ったり、何とかして周りを整理し、つまり行政改革を行いながら、この苦しい時代を生き残ろうとしておられる。その人たちから消費税という増税を仰ぐという場合には、まず消費税アップありきではなしに、政府として、行政として、どうやって行政改革を行い経費の削減をするか、それを国民に訴えることから始めていかなければならないと思うのですが、そういう感じが見られないのですが、大蔵大臣、いかがですか。
#332
○藤井国務大臣 もう繰り返しになりますけれども、この夏以来、やはり細川内閣は、そういう問題にただの一度も逃げたことがなく、これからの福祉社会をやっていくにはやはり消費課税の充実と所得課税の軽減である、こういうことを言い続けてまいりましたが、当然その前提として、今お話しのように、行政改革あるいは不公平税制の是正等の条件というのは本当に大事なことだと考えております。
#333
○深谷委員 かつて自由民主党が消費税をやりましたときに、十年の年月をかけたのですよ。そして、行政改革等でも、例えば国鉄とか電電公社、専売公社の民営化とか、「増税なき財政再建」、赤字国債依存度の軽減、民間活力の活用など、さまざまなことをやったのですよ。それでも、国民の大変な大きな批判と憤りを浴びて、つらいつらい思いをしたものでございます。参議院もそのときは惨敗したわけですよ。そういう努力をしないで、消費税率を一%変えれば二兆四千億もただ収入が入ってくる、打ち出の小づちのようなやり方で安易にやろうとする、そこに問題があるのです。
 一兆円を行政改革でつくり出すということは大変なことですよ。総理、熊本県の年間の予算は七千五百億円です。熊本の年間の予算を凍結したって一年間一兆円は入ってこないのですよ。茨城県、広島県、いずれも九千億円台の予算です。その県民を抱えた大きな県ですら、一年間の予算を凍結しても一兆円にならないのですよ。
 ところが、消費税率だけは一%上げれば二兆四千億入ってくる。四%思い切って上げて九兆五千億も入ってくる。こんな甘い甘い打ち出の小づちで財政を健全にしようということは、国民から血税を奪い取ることであって、簡単にこれを容認することはできないし、そういう安易な考え方を持
つ政治姿勢というのは誤っているということをこの際私は強く総理初め関係閣僚に申し上げたいと思う。
 まして、あなた自身もおっしゃったからこれ以上言いませんが、七%は腰だめの数字だとおっしゃった。驚いたことに、腰だめとは一体何を言うのか、私には理解できないのでございます。まず、政治や行政がどういう行政改革ができるか、肉を削って骨を削って、とことん行革や経費の節減を行って、それから、国民の皆様、景気も回復して負担の能力もでき始めた、いかがでしょうか、消費税について御相談を仰ぎたいというのが政治の筋でなきゃならぬと私は思っているのであります。どうぞ、そのことを肝に銘じてこれからも行動していただくように要望いたします。
 時間がなくなりましたから、最後に日米首脳会談について伺いたいと思います。
 六カ月かけて事務レベルで交渉を続けてきました日米包括経済協議は、焦点の数値目標について、外務大臣の交渉も細川・クリントン会談もついに折り合いがつかずに、決裂という最悪の事態になった。私はこのニュースを聞いたときに、まことに残念な決裂だな、これから日米関係はどうなるんだろうか、心配で心配でたまらない思いがした。暗たんたる思いでこのニュースを聞いたのでございます。
 ところが、記者会見にあらわれた細川総理は、意外にさばさばとなさっておって、できないことについてはそれを率直に認め合うことが成熟した日米関係であると言われたのでございます。物の見方や表現の仕方は人さまざまでございます。いろいろな形があってもおかしくはないと思うが、首脳会談は決裂したのですよ。失敗したのですよ。ノーとはっきり言ってきたからと誇らしげに語るような状態ではなかった。私は、何だかあの場面を見て、日米交渉は成功したのじゃないかと我が目を疑ったですよ。
 それから、さまざまな報道の中で、ある新聞はこのときの記者会見の模様をこう書いていました。
 十一日午後二時三十分、ホワイトハウス二階のイーストルームで始まった日米首脳による共同記者会見には百人を超す報道陣が詰めかけていた。そして、そこには今回交渉を担当した外務、大蔵、通産各省の交渉責任者が陣取り、その顔は自信と誇りに満ちていた。通商問題で初めてアメリカに勝った喜びをじっくりとかみしめていた。これは大新聞の状況の記事なんですよ。本当に、さっき申したように、もしかしてこの日米交渉は成功したのかと私は思った。
 細川総理や関係者は、何かとんでもない誤解をなさっているのではないかと私は思えてなりません。これは外交の勝利でも何でもありません。遺憾でありますが、どちらが正しいかは別として、交渉は決裂し、交渉は失敗に終わったという厳然たる事実は否定のしようがないと思うが、外務大臣、いかがでしょう。
#334
○羽田国務大臣 これは、まさに今御指摘のありましたとおり、これで私どもはノーと言った、そして勝った、そんな認識は一つも持っておりません。
 私はカンターさんとも、ともかくここまでそれぞれの分野で何カ月も話しながらいいところまで来ているじゃないか、ただそれを、今度結果をはかる物差しだけで本当に決裂していいんだろうか、そしてこれが決裂したということになると、必ず言葉の戦争というのは始まるだろう、ここにまさに経済戦争というのは起こってしまう、そんなことは何としても避けるべきだということを必死でそれこそ訴えたわけであります。
 それで、カンターさんも実はそういう気持ちというものはわかってくれた。結局お互いは、要するに私どもは開こう、向こうは売り込もう、そしてこれはまさに一致したんですね。ただ、残念ですけれども、その結果についてのほかりだけが違ってしまったということで、本当に私は無念でならぬよということを、お互いに実はその話をしました。
 ですから、私の方は、これは帰りましてからも各担当の皆さん方に対して、これでノーと言って事終われりじゃないよ、こんなもので済むものじゃない、我々が何としてもやらなければいけないことは、やはり大きな経常収支が、バランスが崩れてしまっているということだ、そのことのためには我々の市場も開かなければいけない、そしてこの数年来、我々は開こうとしてきたんだということであるので、我々は、これがだめになったとしても、我々として主体性を持ってこの問題に対して取り組み、そして我々としてはやはりこれをやっていかなければいけないんだ、その覚悟をみんなそれぞれ持ってほしいということを一人一人に申し上げたぐらいでございまして、私ども、こんなもので勝ち誇ったとか、これでうまくやったとか、そんなつもりは一つもないということだけは、ぜひとも御理解をいただきたいと思うのです。
#335
○深谷委員 外務大臣のそのお気持ちがすべてのお気持ちであることを期待します。
 ノーと言ってきたということで、これが確かにマスコミの中心的な話題になったですよ。これは細川総理の意に反することだったかもしれないが、少なくともそれが話題になって、やっと欧州並みになったと、日本は。これは大変な間違いで、一九三三年に満州国の承認の問題をめぐって国際連盟から、時の外務大臣松岡さんが、ノーと言って顔を紅潮させて帰ってきた。国民も当時のマスコミも、万雷の拍手喝采で迎えたんですよ。その結果が、やがて戦争へ、敗戦へとつながっていったんですね。
 外交というのは、ただいまおっしゃったように、利害と利害のぶつかり合いです。みんな自分の国の利益を守るために戦うのですから、外交の勝利者というのはないのです、大体が。だから、時には玉虫色の答えで終了する場面もあっておかしくないんですよ、総理。玉虫色の解決をして両国が何とか今日のようにやってこられたということも、ある意味の外交の知恵の一つと考えるべきなんですよ。そのことがあたかも間違いであるような言い方をなさることは、私は正しくないと思うのでございます。
 日本は世界の中でしか生きられません。世界もまた日本を求めているのです。特に、日米関係というのは重要な外交の柱です。残念ながら今回は決裂をしてしまったが、決裂で事終わったとしてはならないことは言うまでもないことです。これからなんですね。
 総理は帰りの飛行機の中で、随行した担当者を集めて、何とか次の手だてを考える知恵を出せ、これからはさまざまな、今度は日本側が提案しなければならないから知恵を出せと、こういう御相談をなさったそうですが、そうですが。
#336
○細川内閣総理大臣 その前に、先ほどの羽田大臣のお答えをもう一遍繰り返して言わせていただきますが、決してこれで勝ったとか誇らしげであった、こういうことは全くないということでございます。また、大変厳しい決断であったということも、これはぜひ御理解をいただきたいと思います。
 ただ、これで決裂をした、この会談合体が決裂をしたというふうには私は受けとめておりません。先ほどどなたかの質問にもお答えをいたしましたが、三つの柱があって、その中の一つの柱は確かに決裂をいたしました。しかし、グローバルな問題での協力については、これは合意ができたわけでございますから、そうした全体を眺めていく必要があろう、このように思っております。
 それからまた、玉虫色の表現にするということが大人の知恵である、これもおっしゃるとおりだと思います。そうした蓄積というものも、私はそれなりの評価をしているところでございます。
 今後の点につきましては、帰りの飛行機の中ではしておりませんが、これは秘書官の人たちに申しただけでございますが、実際は、昨日初めて、交渉に当たりました各省庁の当事者の人たちを集めまして、その人たちと知恵を出し合ってやっていこう、こういう話をしたところでございます。
#337
○深谷委員 以上で私の質問はとりあえず終わりますけれども、時間が来ましたから。
 最後に私、重ねて申し上げたいと思います。これから日米関係、大変だ、担当者を集めて相談をしている、本当は行く前にそれをしっかりやるべきだった。そしてさまざまな代替案を持って交渉に臨むべきであった。しかし、それは残念ながら十分ではなかった。今、後からそれを一生懸命おやりになろうとしている。
 もう振り返って過去のことを言うまいと思う。どうかひとつ大人になって、アメリカと協力し合えるようなそういうすぐれた外交関係をしっかり打ち立てるように心からお願いしますとともに、我々は野党といえども日本のために、日本国民のために協力すべきものは心から喜んで協力するということを申し上げて、終えたいと思います。(拍手)
#338
○山口委員長 これにて渡辺君、深谷君の質疑は終了いたしました。
 次に、松本善明君。
#339
○松本(善)委員 まず総理に伺いますが、前の国会で小選挙区並立制が参議院で否決をされたにかかわらず、総理のかかわる密室協議、談合で成立するという異常な事態になりました。こういうやり方が行われますと、参議院の審議のみならず国会そのものが要らなくなる、初めから二人でやればいいということになりかねません。
 これは暴挙であり、我が国の国会史上の非常に重大な汚点であると私は思います。だからこそ、与党や自民党を問わず、これについて先ほども異論が述べられました。異論がたくさん出ていますし、実際の行動でもあの採決に欠席をしたり、それから反対、こういう人がたくさん出ました。
 国内のマスコミも、密室協議、談合という大見出しで報道した新聞もあった。海外でも、例えばニューヨーク・タイムズは、民主主義とはほど遠い取引、こういうふうに書きました。ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙は、政治改革をめぐる長年の論争が理屈に合わないやり方で収拾された、このやり方が国会を愚弄するものとして非難され、その中に信じがたい密室政治を再発見することができると報道をいたしました。
 本会議で私たちの党の佐々木議員がこの問題を糾弾いたしました。あなたは聞かれもしないのに弁明に立たれて、これが民主主義のルールなんだということを答弁をされた。私も本当に驚きました。これが民主主義のルールだということになると、これはもう本当に日本の恥だと思います。
 私は、そういうことについて細川総理に厳しく抗議をして質問をしたいと思うのですが、質問は、あなたが関与した合意書に内閣総理大臣という肩書で署名をしておられる。これは三権分立の精神に反するものである、行政府が国会に指図をするということになる。そのことを含めて、これはもう内外から民主主義の根本に反するものという厳しい批判を受けている。私が聞きたいのは、あなたは、これは民主主義のルールだ、今後ともこういうことをするのか、それともこういうことはやはりいろいろ問題があるからこれからはしないと言うのか、どっちなのか、はっきりと伺いたいと思います。
#340
○細川内閣総理大臣 密室談合政治という御批判がございましたが、政党間の論議が収れんをしないときに、トップ同士の話し合いで解決をするということは、これは間々あることではないか、それも一つのやり方ではないか、このように思っております。議会主義の中の一つのあり方であろう、このように考えております。
 今、合意文書への署名の肩書の問題についてのお尋ねがございましたが、どのように書くかということについて、そのときに河野自民党総裁ともお話をいたしましたが、結局肩書として総理大臣を使用しただけでありまして、総理大臣の権限として行ったものではもちろんございません。このような肩書の使用は、あいさつ状や記帳などについても行っておりますが、今回は実質的に最も連立与党全体を代表する地位にある者という意味も込めていたかと思っております。
#341
○松本(善)委員 何の反省もない答弁で、私は、やはり細川総理は民主主義とほど遠い考えをお持ちだということで今後対処をしていきたいというふうに思います。
 藤井大蔵大臣の塩の卸業界からの献金問題、先ほど御質問がありまして、いろいろ答えられた。この委員会としてもさらに調査が進むということになると思いますので、質問はきょうはやりませんけれども、細川総理に一言これについての考え方を聞いておきたいと思うのであります。
 この塩の卸売業界というのは、大蔵省の強い監督下にあります。これは、一たん返したからといって済まないと私は思うのです。といいますのは、塩の専売制度は数年中に廃止ということが言われておりまして、卸売業界は非常に大蔵省に接近をしている。その大蔵大臣がこの業界からどういう名目であろうと献金を受けること、これは総理が言われている政界と業界の癒着の典型じゃないか。こういうことを断ち切るということが政治改革だとあなたは言ってきたじゃないか。あなたの足元は一体どうなっているのだ。これは政治改革の対象にならないのかどうか、その見解だけ一言聞いておきたいと思います。
#342
○細川内閣総理大臣 先ほど大蔵大臣からも、一層厳しくみずからを律していかれるという答弁がございましたので、私としても、大臣は今後そのように処していかれるものというふうに信じております。
#343
○松本(善)委員 その程度の認識ということになりますと、あなたの言う政治改革というのは、言っていることとやっていることは全く違うということを言わざるを得ません。
 あなたが民主主義とほど遠いという感覚でおやりになった問題が、先ほども問題になっております国民福祉税構想でありますが、この問題についてお聞きをしたいと思います。
 国民の寝込みを襲うような記者会見、国民が非常に怒りました。これはやり方にも怒りましたけれども、この増税構想そのものに怒った。あなたは、内閣の政策決定のプロセスのあり方について国民にわびられた、会見をされました。しかし、なぜ国民福祉税構想そのものについて国民におわびにならないのか、その考え方をお聞きしたいと思います。
#344
○細川内閣総理大臣 先ほどから本委員会でもお答えを申し上げておりますように、また先般の本会議でもお答えを申し上げましたように、政府の税制調査会あるいは与党の中の協議会等におきましても、これからのあるべき税制のあり方、消費課税、所得課税あるいは資産課税、そうしたもののあるべき姿というものについて、高齢化社会というものを考えてどのような受益と負担というものの姿が適当であるか、こういったことについてさまざまな御論議がなされてきたわけでありまして、そうした御論議というものを踏まえて、政府としても近く福祉ビジョンというものを策定をいたしますが、そのようなものを進めていく上でも、適切な受益と負担のあり方というものについて考えていく必要があるだろう、こういう考え方のもとに出させていただいたものでございます。
#345
○松本(善)委員 そうすると、結局この構想そのものについては国民にわびないんだ、わびる必要ないんだ、こういうお話でございます。
 これはもう言うまでもありませんが、所得税、住民税の六兆円減税を三年間先行させて、その財源として、消費税を国民福祉税に看板をかえて、税率を七%にする、そして年九兆五千億、一世帯平均二十六万円も増税しよう、だから圧倒的多数の人々が反対をして、一日で撤回をせざるを得なかったものです。
 しかし、あなたは本会議でも、与党の協議も草案の意のあるところを踏まえて協議をしてもらうというふうに答弁をされましたし、これは、今回の六兆円の減税の財源措置としてこれから増税するということを考えているということではないんですか。御答弁をいただきたいと思います。
#346
○細川内閣総理大臣 これからの高齢化社会を活力のあるものとしていくために、当然のことなが
ら、不要な経費の削減あるいは不公平税制の是正、こうしたものをやっていかなければならないことは、先ほどからの御議論にもございますように、政府として当然のことだと思っております。
 そういうつもりで行政改革にも経済改革にも積極的に取り組んでいこうということで、私みずから本部長になって行革本部を推進したりしておりますのもその一環でございますが、そうした努力だけではなかなかこれからの高齢化社会を支えていくことはできないだろう、活力のある状況を維持していくことはできないであろうということで、税制のあり方についての基本にさかのぼって御検討をいただく必要があろう、このように思っているところでございます。
#347
○松本(善)委員 増税するという考えだろうという質問に対して、それを否定されないで今のような説明をされたということは、増税の考えは撤回してないということだと思いますけれども、政府の税制調査会の答申によりますと、再々大蔵大臣も引用して答弁をされましたが、個人所得課税の累進緩和を通じた負担軽減と消費課税の充実などにより所得、消費、資産等のバランスのとれた税体系を構築し、そしてこの基本的な考え方を、改正事項の全体を一体的に成案化して実施するようにと、まあ簡単な言葉で言えば増減税一体ですよ、大蔵大臣しょっちゅう言ってこられた。総理大臣も言ってこられた。この考え方は変わってない。だから、六兆円の減税はするけれども、増税をするということは変わってない。端的に、わかるようにその点について総理大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#348
○藤井国務大臣 今総理もお答えになりましたように、公正で活力ある社会をつくっていくためには、勤労世帯だけに御負担が多くかかるということにはもはや限界があるし、活力のある社会は築けないと私は思っております。そのことは、これからの若い人が実社会に出るために安心感を与えることにもなります。
 またもう一つ、本当にどういう人が負担してこの福祉社会が実現できるのかということを、皆さん、夢のような話ではなく、本当にどういう負担に基づいてこういう福祉ができるのかということをきちっとわかっていただけるような仕組みをつくる必要があると思いますので、私はやはり、今税調の例を松本委員は引かれましたが、消費課税の充実、所得課税の軽減というのは将来の福祉社会を安定させるために必要であると考えております。
#349
○松本(善)委員 やはり増税という方向を言われた。
 せっかく出てこられましたから大蔵大臣に聞きますけれども、あなたは、この減税財源について先ほどもお答えになりました。しかし、参議院本会議で答えられた方が極めてはっきりしていますので申し上げると、減税財源の特例公債は、減税財源の確保を含め税制改革の年内実現が図られることにより、中長期的に特例公債依存体質をもたらすような歯どめのない赤字国債とは異なるものとなり得ると認識している。まあ前は赤字国債の垂れ流しのようなことはしない、こういうふうに答弁をされていましたけれども。こういうことになりますと、これは間違いなく増税と。
 与党の協議、先ほど社会党の閣僚だとか公明党の閣僚にいろいろ質問もありましたけれども、はっきりした答弁ではありませんでしたけれども、しかし、与党の協議について、先ほどはあなたは信頼していると、与党の合意、ということも言われました。それは、与党の合意は、協議機関について、減税とその財源について、新税創設も含めて協議をする、年内の国会において関係法律を成立させるとあります。
 このことは、あなたは増税がされると、六兆円の減税の財源として増税がされるということを確信しているということでしょう。違いますか。そうでなければ垂れ流しということになって、あなたは再々大蔵大臣の職を賭してそれは阻止をすると言ってきたんです。あの合意ができた後もそういうふうに言われました。そういうことになると思います。増税するということですね。
#350
○藤井国務大臣 今お話がありましたように、この与党の協議会では、あるべきバランスのとれた税制をつくるということも言っておられます。そして、垂れ流しにならないような仕組みも必要だということを言っておられる。行政改革はぜひ必要だということも言っておられ、不公平税制もやらなきゃならないと言っておられるわけでありまして、私は、そういう連立与党の皆様の結論を信頼しているということを申し上げたわけであります。
#351
○松本(善)委員 だけど大蔵大臣、信頼していると言ったって、増税にならない、財源が出てこなければ困るんでしょう、あなた責任とらなくちゃいかぬでしょう。職を賭してそういうことはさせないと言っていたんだから。そうじゃないですか。あなたの信頼しているということは、あなたのおっしゃるように、この連立与党の合意は書いてありますよ。私も知っています。知っていますが、あなたの理解は、この合意は必ず増税になる、財源はちゃんと出てくる、赤字国債は垂れ流してはない、歯どめがないということにはならない、こう確信しているということでしょう。違いますか。
#352
○藤井国務大臣 もう一度繰り返しになりますが、今書いてある文章のとおりでございまして、いろいろな分野で、不公平税制、行政改革等を含め、しかも新税もあり得るという前提は書いてあります。しかし、それら全部を含めて連立与党の皆様が御議論をいただいて、しかも財政体質というか、日本の経済の将来のためにいわゆる歯どめなき国債発行はいけないという前提で連立与党の方がやっていただけるものと私は確信し、信頼しております。
#353
○松本(善)委員 総理に聞きたいと思うのですが、いいですか総理。今のお話は聞いておられたと思いますが、歯どめのない国債にはならないと思うというふうに言っておられるので、半ば増税は認められたと思いますけれども、あなたにもちゃんと聞いておきたいんですけれども、あなたの内閣では、消費税の税率アップに類するような間接税の増税はしないということをここではっきり言うことはできますか。総理のお考えを聞いておきたいと思います。
#354
○細川内閣総理大臣 これは、繰り返し申し上げておりますように、税調の答申などを踏まえまして、与党の中でも長い時間をかけて論議をし、そしてそのお手元にありますような合意というものができているわけでございますから、その合意の線に沿って今後御協議をいただき、結論を出していただけるもの、このように思っております。
#355
○松本(善)委員 総理も、増税はしないということを約束するというようなことはお答えにならないということであります。
 私は社会党の大臣にお聞きしたいんですが、伊藤運輸大臣、政審会長もやられたので伊藤さんに代表してお聞きをしようと思います。
 この協議機関は、今の論議でおわかりのように、私は明白な増税の道筋をつける機関だというふうに思います。社会党は消費税率の引き上げに反対する、税率ば上げるべきでないということを総選挙では公約をされました。あなたの公報にもちゃんと書いてあります。消費税率の引き上げという増税の道筋をつけるこの協議機関に参加をするということは選挙公約に反することじゃないかと思いますが、あなたはどういうふうに思いますか。
#356
○伊藤国務大臣 先ほど来総理を初め答弁ございましたが、私も、松本さんが御指摘のように長年税制を担当してまいりましたので、非常に関心を持ち、また考えさせられております。
 私は、八日の日に連立与党で決められました合意の内容、大変ふさわしいものだと思います。先ほど来御議論ございましたが、今後減税財源及び福祉型の新税制を考える際に、幾つか必要な前提条件が相伴ってやらなければならないことがある。
 深谷さんの御質問もございましたが、福祉社会のビジョン、高齢化社会の国民負担、税制のあり方、経済情勢、財政事情がどうなるのか、税収の動向もあると思います。行政改革、不公平税制の是正、そして所得、資産、消費の三つの分野のバランス、現行消費税の欠陥是正ということを全部言葉で表現をいたしております。
 私は、これらのことをきちんと検討して、あるいは手を加えて、その上に立って、高齢化社会の急速に進行する中でどのような国民負担率で、あるいはどのような国民の御負担で幸せな人生と幸せな社会をつくるのかということだと思います。
 世論調査を見ましても、唐突に増税、反対というのが圧倒的多数でございました。同時に、これからの社会のために必要な負担はやむを得ないというのも大体六割以上になっているというわけでございまして、消費税その他を含めまして、多くの国民の皆さんがこれからの社会と公平な負担のあり方というものをやはり良識を持って真剣に考えておられる。国民合意でそれを解決をしていきたいというふうに思っております。
#357
○松本(善)委員 結局何も答えてないのですよね。公約を守り抜くのかと、消費税の税率アップは反対だといって選挙へ出てきたわけですよ。守り抜くのかと聞いているのですよ。
 あなた方の連立与党の代表者会議での合意では「減税とその財源について、新税創設も含めて協議し、連立与党の合意を得て、」と書いてあるのですよ。社会党が増税は反対だ、税率アップは反対だと言ったらこの合意はできないと思います。その公約を守り抜くのかどうかというその一点だけお答えいただきたい。
#358
○伊藤国務大臣 先般の選挙における党の公約、私の述べました内容と、もちろん党の方でも忠実に言ってまいりましたが、現行消費税のシステムのもとで税率を上げるということは容認できません。同時に、当面欠陥是正あるいは飲食料非課税などに取り組みたい。そして将来、広い視野から消費税制の存廃を含め検討、努力をしたいという内容でございました。
 私は、そういう内容からいいますと、今連立与党が御検討なさる合意の内容、まだそういうことをまじめに議論して出される方向というものは、選挙で税を国民合意で、タックスデモクラシーを基本にしてということを申しました内容と矛盾はしないと思っております。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
#359
○松本(善)委員 要するに、名前がそのままなら反対だ、名前や仕組みが変われば別だということを言っただけですよ。あなた方、私はここで経済企画庁長官それから総務庁長官、官房長官にも聞こうと思いましたが、時間の関係でやめます。ただ、公明党も社会党もさきがけも、全部消費税の税率アップは反対ということを公約したのですよ。もし消費税の税率アップに類するようなこの増税に賛成をすれば、国民に対して重大な公約違反です。
 それで、私は総理大臣にまとめてお聞きしようと思います。総理大臣、いいですか。
 今さきがけ、社会党、それから公明党はそれぞれ消費税の税率アップに反対あるいは税率を上げるべきでない、表現の仕方は若干違いますが、公約をして出てこられました。今度の総選挙では、総理も含めてすべての党は、消費税の税率をアップをするといって選挙をやった党は一つもありません。このような重大な問題について、総選挙で国民の意思を問うことなしにこのような増税をするということは許されると思いますか。総理大臣の見解を聞きたいと思います。
#360
○細川内閣総理大臣 このたびの、選挙のときの公約はともかくといたしまして……(松本(善)委員「ともかくと思ってないですよ」と呼ぶ)このたびの、もちろん選挙で選ばれてきたわけでございますが、このたびの八党合意で今お手元にお持ちのような合意ができているわけでございますから、そういう方向で今後各党の代表者間でその方向で詰めていくということでございますから、そのようにお受けとめをいただければ結構だと思います。
#361
○松本(善)委員 公約についてお聞きしたのに八党合意のことを答えられた。公約についてはそれを守り抜くということ、そういうことは国民主権という立場から見てどういう問題かということをお聞きしたのにもかかわらず、そのことについてお答えにならない。私は、まさに先ほど申しましたように、あなたの考えは民主主義と本当にほど遠いと思います。選挙で国民に公約をしたことを守り抜くということが民主主義の根本じゃありませんか。
 私はそのことを指摘をして次の問題に行こうと思いますが、あなたもそれから大蔵大臣も、この増税は高齢化社会のためだ、こういうふうに言ってこられたんですね、消費税の充実ということを。あなたは、これについては年頭の記者会見で、二十一世紀ビジョン、現在は一人の高齢者を五人の働き手が支えていますが、二十一世紀のピーク時には約二人で支えることになります、ごく単純に考えますと、このために負担は倍以上になります、これが消費税の税率アップの論拠にもなっているわけです。私、時間の節約のためにこれの論拠をレクのときに聞きましたら、厚生省の方から連絡がありました。これはそれで申しますので、そのとおりでいいかどうか、お聞きしたいと思います。
 これは、六十五歳以上の人口を二十歳から六十四歳までの人口で割る。そして、総理の使われた資料では、一九九〇年、平成二年、これが五人で一人、それから二〇二五年、平成三十七年が二人に一人、こういう根拠でこういうことを言われたんだということであります。それに間違いがないかどうか、お聞きしたいと思います。
#362
○細川内閣総理大臣 そういうことだと思います。
 共産党さんがおっしゃっておられることは、分母は生産年齢人口、二十歳から六十四歳までをとっておられる。いずれもそういうことであろうと思いますけれども……(松本(善)委員「違いますね」と呼ぶ)私どもの方は、私が申し上げたのは、老齢人口、分子は老齢人口六十五歳以上をとっている、共産党さんがおっしゃっているのは、分子の方はゼロ歳から十九歳までと六十五歳以上という従属人口をとっておられる、その違いではないかというふうに理解しております。
#363
○松本(善)委員 よく説明をしようと思います。
 これは本当に間違った議論でありまして、本会議でも、衆参本会議で我が党の議員も誤りを正しました。完全に間違った議論であります。消費税導入のときからこの議論をしてきたんですが、議事録をお読みになれば、不破委員長がやったのでおわかりと思うのですが、私どもが言っているだけじゃ、総理大臣ちょっとおわかりにならないかもしれないので、あなたも親しい加藤寛政府税制調査会会長、この人が週刊新潮、これは原本持っています、後で見ていただければわかりますが、九二年の九月の三日号です。
 消費税を導入したとき、高齢化社会のためと言われ、我々税調もそう説明したが、本当は、ああ言えば一般の人にわかりやすいからやったんだ、こういうふうに言っておられる。これは週刊誌です。
 しかも、さらに続いて、こういう本があります。「新しい日本のために」、堺屋太一さんと加藤寛さんがそれぞれ分担して書いておられます。ここではどう言っているか。この計算方式大いに疑問に思うと。
 これはどこに問題があるかというと、二十歳から六十四歳までの人口で六十五歳以上のお年寄りの数を割って計算するということなんですね。先ほど答えられたとおりです。だけれども、六十五歳以上の人は、これは働かずにみんなに支えられているという前提、これは第一に大間違い。ここにおられる閣僚の中にも、六十五歳以上の方五人おられる。四人に一人は六十五歳以上で働いているんですよ。この六十五歳になったらみんな働かなくなる、これは大前提として一つの大きな間違いなんです。そのことを言っていますよ、加藤さんは。「厚生省は「六十五歳を過ぎたらみんな働かなくなります」という統計を持ってくる。この統計を前提にして、大蔵省は「お金が足りなくなる、増税する」と言っているわけです。
 これでは国民が信用しなくなるのは無理はないわけです、ちゃんとここに書いてあるのです。後でよく読んでください。
 これは、社会で働かないで支えているのはお年寄りだけではありません。子供もあります。それから、支えられているのは総人口です。本人も、本人の働きで支えられている。だから、総人口を就業人口で、先ほどあなたが言われたのは間違っているんですよ。私たちの計算は、就業人口、それで総人口を支える。これでいきますと、これは今も将来もほとんど変わりません。一人で二人という計算になります。それは、就業人口はふえているわけです。女性の社会進出も著しいです。閣僚の中にも三人も女性がいらっしゃるでしょう。そういうことで、就業人口はふえていまして、政府統計を使いましてもこれは変わりません。数だけ申し上げておきますと、現在、一九九〇年では一・九八、二〇一〇年が一・九四、二〇二〇年が一・八九、大体働く人は一人で二人を支える、こういう関係、そういう体制であります。
 そういうことでありますが、総理大臣、聞いていて、あなたの言っているのは間違っているとは思いませんか。
#364
○大内国務大臣 数字のことでございますから私の方からお答えをいたしますが、今松本委員から御指摘のように、分母を総人口として生産年齢人口に対比していくというやり方でいいますと、今御指摘のような数字になるわけでございます。しかし、その総人口の中にはゼロ歳、つまり生まれたばかりの赤ん坊から十九歳までの人及び六十五歳以上の人が五八%も含まれているわけでございまして、それらの人々の多くが、保険料を払っていない方々も多いわけでございます。したがって、そういうものを分母にいたしまして、働き手何人で何人のお年寄りを支えるかという資料とすることはちょっと困難がある。
 したがって、私ども厚生省が出しておりますように、生産年齢人口、つまり、二十歳から六十四.歳までの働き手とそれから老齢者の人口というものを対比したときに、今御指摘のように、一九九〇年の段階では五人に一人、そして二〇〇〇年の段階では四人に一人、そして二〇二五年、つまり平成三十七年の段階では二人に一人というふうになるわけでございまして、どれだけの働き手が御老人を支えることになるか、現在の年金問題を考えましても、そういう発想の方が正しいのではないか。単にわかりいいというだけではなくて、今それ以上のいい方法がなかなかないということでそういう試算を出しているわけでございまして、それが絶対的であると申し上げているわけではございません。そういう一つの統計の見方がある、これが一つの基準としての考え方になり得る、そういう意味でお出ししているわけでございます。
#365
○松本(善)委員 総理大臣はお答えにならないで、厚生大臣が出てこられましたけれども、私の計算が政府が出していることの弱点、それについては、それは絶対とは言わないということでその弱点を認められたのですが、これは私どもの計算方法が正しいとたくさんの学者が言っています。そして、あなた方に一番近い加藤寛さんがそう言っているということを紹介をして、次へ行きたいと思います。
 実際に、総理大臣、消費税導入のときも同じ議論がされたんですよ。だけれども消費税が導入された後、福祉、進んだんでしょうか。消費税が導入された一九八九年から五年間で、租税収入は一九・五%伸びましたけれども、社会保障関係費の伸びは一一・七%です。軍事費は二三・九%、経済協力費二七・一%、公共事業費二五・八%です。高齢化社会のためだと言って消費税の導入をして、しかしその後行われたのは、老人医療費の大幅引き上げというような福祉の切り捨てなんです。都内だけでも、総理大臣、特別養護老人ホームの待機者一万人なんですよ。何が福祉ですか。これは福祉にお金が使われなかったのは明白ですよ。こういう現実をどう見るのか。
 しかも、細川内閣は今までの政策を継承すると言っている。年金の支給は六十五歳に繰り延べするというんでしょう。保険料を二倍にするというんでしょう。入院したときの病院給食費は患者に負担させる。福祉切り捨てそのものじゃないですか。あなた、この現実をどう思います。総理大臣としてこの現実をどう考えるか、お聞きしたいと思います。
#366
○細川内閣総理大臣 私は、その御指摘は必ずしも当たっているとは思っておりません。十分であるというふうに現状を認識しているわけではもちろんございませんが、しかし、さまざまな社会保障に対する手当てというものは、このところそれなりに充実をしてきているというふうに思っております。
 今後とも、前から申し上げておりますように、福祉ビジョンなども明らかにする予定にしておりますし、今までもゴールドプランなどを進めてきているわけでございますが、そうしたものをさらに充実をしていくべく最善を尽くしてまいりたい、このように思っております。
#367
○松本(善)委員 まああなたの答弁はテレビで聞いている人には全然説得力がないですよ、現実は全然違うのですから。
 それで、これは一応打ち切りにして、減税のことをお聞きしましょう。
 今度の減税は一年限りの臨時措置で、減税を続けたければ増税するぞ、こういうものですよね、そういう方式。それから、一律二割のために上に厚く下に薄いという、そういう性質を持っています。
 私ども、減税は、非常に深刻ですから、国民の購買力を引き上げる、家計消費がGNPの六割を占めていますから、これを刺激をする、これがもう決定的に大事だ。そういう点では、減税は消費税の税率アップなどの増税をしない、庶民に広く厚く行き渡らせる、そして恒常的な減税でなけりゃならぬ、赤字国債増発を伴わない、こういう三つの原則でやるべきだ。
 消費者物価は一九七〇年から今日まで三倍以上になっているのに、基礎控除額は二倍前後にしかなっておりません。これを物価上昇率並みに三倍程度に、五十五万円に引き上げますと、所得減税は約五兆円です。それによって、四人世帯で平均年十五万円以上の減税になります。そして、すべての納税者に広く及びます。そのほか、消費税の食料品非課税、さらに住宅、教育などの政策減税を合わせまして六兆円の減税というのを私たち提起をしています。
 こういう、庶民が潤って、中小商店街ではそういう人たちでないと買い物に来ないのですよ。そういう人たちのための不況対策でなければ役に立たないのですよ。私はそういうことこそ行うべきだと思いますけれども、総理の基本的な考え方としてどう思うか、細かい議論はやる時間がありませんけれども、そういう考え方についてどう思うか、お聞きしたいと思います。
#368
○藤井国務大臣 まず今回の減税の位置づけでございますが、これは本格的な税制改革の前の段階で、とりあえず現在のこの著しい経済の不況の状況に対応するための減税でございます。したがいまして、本格的な税制改革のあり方は、先ほどからお話のあるように、秋以降の話であります。
 したがって、今回の減税というのは、税の仕組みそのもの、所得税の仕組みそのものを動かすということを避けて、今の仕組みのままで、しかも多くの納税者の方にわかりやすいようにということでやり出したのがこの一律二〇%カット方式であります。したがって、また、今後のあるべき税制の姿には、今松本委員の言われたような問題も十分検討されることになると思います。
#369
○松本(善)委員 まあ暫定的なもので、そういう、みずから大蔵大臣言われたので、本当の意味での景気対策にならないということをみずから言われたように私は感じました。
 問題は、赤字国債も出さない、それから消費税の税率アップもしない、財源がどこにあるかということを本気で私は検討すべきだと思うのです。
 TBSのテレビで、かつて「これがヤミ献金のカラクリだ ゼネコンOBの証言」というタイトルの番組に登場いたしました前田邦夫元飛島建設常務取締役は、三〇%から二〇%は高くなっていると推定できる、清岡久一元戸田建設常務は、一、二割は確実に下がるでしょうね、場合によっては、半値になる場合もあるでしょう、この公共事業に係る経費、一割以上引き下げるだけで四兆円も削減できます。
 これはテレビでの証言だけですけれども、建設省の人が、公共工事積算手法評価委員会、これはまあ去年の暮れで遅きに失したということは言えるんですけれども、これではOECDとかESCAPの資料から、アメリカと日本を比べて三割から二倍程度日本が高い傾向だと。アメリカ内務省開拓局の調査結果は、工事費総額で日本の価格は米国と比べて約三割高い。この調査によると、「我が国の建設費が高いと言われている原因の究明や、価格差を縮減する方策等の検討を進めていく必要がある」建設省の評価委員会がそう言っているんですよ。何の努力もしない、そんなばかなことがありますか。ここをメスを入れるべきですよ。
 それから、もう時間がありませんから私全部お聞きしますけれども、国債の低利借りかえも必要です。今これは一%下げるだけで二兆円近い節減です。今もう平均六%、一番高いので年利八%でしょう。財政投融資は年利三・六五%ですから、何としたって高いですよ。一九一〇年の桂内閣のときに、一九三六年の広田内閣のときにも実行しました。八六年には宮澤前総理が自民党総務会長として中曽根総理に全額借換債でということを提言しているんですよ。そして、一九八七年には世界銀行が低利借りかえを実際にやっていますよ。こういうことを検討してやるべきじゃないですか。
 そのほか、軍事費の削減、それから不公平税制の是正、そういうことで赤字国債もなし、それから消費税の税率アップもなし、これに知恵を集めてそういう減税をやるべきではないか、これについて総理大臣の見解を聞きたいと思います。
#370
○細川内閣総理大臣 冒頭の質問でもお答えをいたしましたように、不公平税制あるいは不要な歳出の削減、こうしたものについては不断の努力を傾けていかなければならないし、まして今後税制の改正ということを進めていくということになりましたときには、特にその点に意を用いていかなければならない、それは私もよく認識をしているつもりでございます。
#371
○松本(善)委員 終わります。(拍手)
#372
○中西(績)委員長代理 これにて松本君の質疑は終了いたしました。
 この際、石田総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。石田総務庁長官。
#373
○石田国務大臣 先ほどの渡辺委員の御質問に対する答弁の中で公明党の財産関係について、私の個人的な名義になっているという趣旨の発言をいたしましたが、これは過去の形態のことでございまして、現在は財団法人、私が代表理事をいたしております公明文化協会の名義になっております。
 私の受けとめ方に誤りがありましたもので、謹んで訂正をいたします。御理解をお願いを申し上げたいと存じます。
#374
○中西(績)委員長代理 次回は、来る二十一日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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