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1994/06/06 第129回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第129回国会 労働委員会 第3号
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1994/06/06 第129回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第129回国会 労働委員会 第3号

#1
第129回国会 労働委員会 第3号
平成六年六月六日(月曜日)
    午後一時四分開議
出席委員
  委員長 松岡満寿男君
   理事 赤城 徳彦君 理事 大野 功統君
   理事 住  博司君 理事 長勢 甚遠君
   理事 大石 正光君 理事 宮本 一三君
   理事 岩田 順介君 理事 東  祥三君
      加藤 卓二君    粕谷  茂君
      額賀福志郎君    藤尾 正行君
      古賀 正浩君    高木 義明君
      西岡 武夫君    吉田 公一君
      池田 隆一君    岡崎トミ子君
      田邊  誠君    永井 孝信君
      山元  勉君    坂口  力君
      福留 泰蔵君    山名 靖英君
      宇佐美 登君    寺前  巖君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 鳩山 邦夫君
 出席政府委員
        労働大臣官房長 征矢 紀臣君
        労働省婦人局長 松原 亘子君
        労働省職業安定
        局長      七瀬 時雄君
 委員外の出席者
        厚生省老人保健
        福祉局老人福祉
        計画課長    水田 邦雄君
        厚生省児童家庭
        局児童手当課長 角田 博道君
        労働省職業安定
        局雇用保険課長 戸苅 利和君
        労働委員会調査
        室長      松原 重順君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月六日
 辞任         補欠選任
  愛野興一郎君     吉田 公一君
  中野 寛成君     高木 義明君
  田邊  誠君     岡崎トミ子君
  坂口  力君     福留 泰蔵君
同日
 辞任         補欠選任
  高木 義明君     中野 寛成君
  吉田 公一君     愛野興一郎君
  岡崎トミ子君     田邊  誠君
  福留 泰蔵君     坂口  力君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一九号)
     ――――◇―――――
#2
○松岡委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡崎トミ子さん。
#3
○岡崎(ト)委員 今回の雇用保険法改正案は、日本社会党が与党として参加をいたしました細川連立内閣において検討をし、国会に提出されたものであり、今後の少子化・高齢化社会に対応するものとして大いに評価しているものでございます。
 今回の法案の最大のテーマは、やはり雇用継続給付制度の導入でありまして、まずこれから質問をさせていただきたいと思います。
 まず、雇用継続給付のうち高年齢雇用継続給付について質問したいと思います。
 最初に、今回創設する高年齢雇用継続給付制度の趣旨、目的はどのようなものでしょうか。確認的にお伺いします。
#4
○鳩山国務大臣 これは詳しくは政府委員からお答えをいたしますが、少子化の影響を受けて我が国の年齢別の人口構成が著しく変わってまいりまして、それとともに平均寿命の延び、お年寄りが大変お元気だ、こういうような状況で考えてみますと、例えば今から二十年ぐらい前の五十五歳という年齢が今では六十五歳に当たるのではないか、そのように言われております。
 したがって、今六十歳定年というようなことをいろいろと意を用いておりますが、いずれ六十五歳まで現役で働ける世の中、働けるというか、原則として六十五歳まで現役で働いていくような、そんな世の中というものが来ることを期待をし、目指していくということで、今回高齢者にとってもこのような雇用継続給付という制度を設けた次第でございます。
#5
○岡崎(ト)委員 次に、高年齢雇用継続給付については、なぜ二五%給付率にしたのか、その理由をお伺いいたします。また、将来この給付率を引き上げることもあり得るでしょうか。
#6
○七瀬政府委員 お答えいたします。
 高年齢雇用継続給付の給付率につきましては、六十歳から六十五歳までの高年齢者の雇用の継続を積極的に援助、促進するという目的を達成するために創設しようとするものでございまして、賃金と給付の合計額が六十歳で離職した場合の失業給付の額をある程度上回る水準とすることが必要であるということで二五%にしたわけでございます。
 こうした考え方から、高齢期の賃金実態や失業給付の実情などを踏まえて二五%の給付率ということで御提案申し上げているわけでございまして、これは妥当な水準であるというふうに考えておりまして、現段階では、これを引き上げるということは率直に申しまして考えておりません。
#7
○岡崎(ト)委員 今回の高年齢雇用継続給付は、事業主から支払われる賃金に二五%が上積みされる形となっております。したがいまして、制度を逆手にとれば、高齢者の賃金を引き下げておいて高年齢雇用継続給付をその穴埋めに使おうという事業主が出てくるのではないかという懸念もありますけれども、そのようなことがあってはならないと私は思うわけなのです。労働省はどうお考えでしょうか。
 また、事業主が安易にそうした賃金引き下げを絶対に行うことがないように、労働省としても何かの措置を講ずることをお考えでしょうか。お願いします。
#8
○七瀬政府委員 ただいま先生御指摘のように、高齢者の賃金を引き下げて高年齢雇用継続給付をその穴埋めにするというようなことはあってはならないというふうに考えております。
 ところで、この給付は、六十歳以降、実際に支払われる賃金の二五%を支給する仕組みといたしておりますので、事業主が賃金を低く設定いたしますと、これに比例いたしましてこの給付の額も低くなる。そういたしますと、労働者の収入全体に大きな影響が生じるわけでございますので、賃金を引き下げようといたしますと、かえって一生懸命働いている高齢者の強い反発を招くわけでございまして、その実現は容易でない。そういったことで、なかなか安易な賃金の引き下げを招くことにはならないだろうというふうに思っております。
 ただ、仮に、事業主がこの給付の支給を理由として賃金を引き下げるというようなこと、これはあってはならないと思います。そういった意味
で、必要に応じまして、公共職業安定所で十分指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#9
○岡崎(ト)委員 指導徹底をよろしくお願いしたいと思います。
 今回の高年齢雇用継続給付は、相当程度賃金が低下した場合に支給するということですが、高年齢雇用継続給付の創設が、逆に現在のような高齢者の低賃金を固定化して、そして高齢者の賃金の改善を阻害してしまうのではないか、こういう見方も出ているわけなのですが、この点についてはいかがでしょうか。
#10
○七瀬政府委員 高年齢雇用継続給付は、六十歳から六十五歳までの高齢者につきまして、賃金が六十歳時点の賃金に比べまして八五%未満に低下することを支給要件としておりますが、その支給額は支払われる賃金に比例して増減する仕組みといたしておりますので、事業主も容易に賃金を低下させることはできませんし、一方、労働者の方々はできるだけ高い賃金の雇用を選択するということになると思われますので、高年齢者の低賃金を固定化したり、改善を阻害するといったようなことにはならないと思いますが、その辺のことにつきましても十分指導をして、そういうことが起こらないようにしてまいりたいと思っています。
#11
○岡崎(ト)委員 この給付によりまして高齢者の働く意欲を喚起できたとして、実際に高齢者が働く場が確保されなければ、これはまたこの制度が何の意味もなくなってしまう。こういうことで、高齢者の雇用の機会の確保あるいは働きやすい職場環境の実現等が今後非常に重要になってくるというふうに考えられます。
 けさも新聞の方で、これは総務庁が労働省と厚生省に改善の勧告をしていますね。事業主に対する定年引き上げ計画の作成命令など、六十歳以上の定年実現に必要な公共職業安定所の指導が徹底しておらず、六十五歳までの継続雇用推進への取り組みもおくれていることが明らかになった、実施率は、都道府県によって六八・二%から八八・七%までばらつきがあったというようなことが出ているのですが、こういうことも含めて労働省の今後の対応についてお伺いしたいと思います。
#12
○鳩山国務大臣 本日の総務庁の行政監察のことでございますか、今のお話は。
 確かに、六十歳定年制、これをきちんとお願いに回っておるか、余りあなた任せが多過ぎるのではないかというような御指摘をいただいたようでございまして、この点は、総務庁の行政監察の結果でございますから、反省をして、きちんとやり直さなければならないと思っておりますが、先生御承知のとおり、この国会で高齢者の雇用安定法をお願いをしておるわけでございます。既に衆議院では御審議をいただいたわけでございまして、高齢者雇用安定法の趣旨には今まさに先生の御質問のような部分が色濃く出ておりまして、今回の雇用保険法の高年齢者の雇用継続給付と相まって、両方が共同作業をするような形で、六十五歳現役、そして雇用機会の確保という形で進んでまいりたいと思っております。
#13
○岡崎(ト)委員 それでは次に、雇用継続給付のもう一つの給付であります育児休業給付についてお尋ねいたします。
 社会党は、所得保障つきの育児休業制度の確立に向けて長年取り組んでまいりました。我が党の考え方は、一九九〇年四月に他の野党と共同で提出いたしました育児休業法案に的確に示されております。すなわち、社会保険方式によって、労働者、使用者、国・国庫の三者が費用を負担して、育児休業期間中について従前賃金の六〇%を支給するというものでございます。一九九一年には与野党合意を踏まえました政府提案によって現在の育児休業法が制定され、翌年から施行されているわけですが、育児休業中の所得保障措置については、残念ながら何も規定されておらず、実際にも一部の大企業で社会保険料相当額程度が支給されているにすぎないという状況にございます。
 こうした状況を考えますと、今回の育児休業給付の創設は、育児休業中に賃金が全く支払われていない労働者はもとより、一定の賃金が支払われている労働者にとりましても、育児休業をより取得しやすくするという意味で画期的な意味を持つものと評価しております。
 そこでお伺いいたしますが、今回の雇用保険法で支給されます育児休業給付の額は育児休業前の賃金の二五%とされておりますが、どういう理由で給付率を二五%とすることにしたのでしょうか、お願いいたします。
#14
○七瀬政府委員 この問題を検討してまいります過程で、中央職業安定審議会でもいろいろ議論いたしまして、保険給付という形でやるとしてどれくらいが適当かいろいろな議論がございましたけれども、いろいろなバランスを考えまして二五%ということにしたわけでございます。
 特に、保険でございますので、離職して、やめられて求職者給付を受給する方々とのバランスを十分考慮する必要がある、出産期の女性の方々が失業した場合の求職者給付の総額と育児休業給付の総額とがほぼ均衡する水準である二五%ということに審議会でコンセンサスが得られたということと、ヨーロッパで、例えばフランスとかドイツなんかの水準を見ても大体この程度になっている、そういう事情を総合的に考慮して決めたわけでございます。
#15
○岡崎(ト)委員 育児休業給付の給付率二五%は失業給付を受ける者との均衡を考えて定めたという御説明ですが、その支払いに当たっては、育児休業中に二〇%相当分を支給して、残り五%分は職場に復帰して六カ月後支払うということになっているわけです。
 そこで、休業中は大変苦しいわけですから、経済的な援助という観点から一気に二五%というふうに思われる方が非常に多いと思うのですが、一括二五%支払うということにならないでしょうか、伺っておきたいと思います。
#16
○七瀬政府委員 仕事と育児を両立させることは非常に大事だということで、事業主の方々にも、育児休業が請求されればそれは与えなければならない、そういう形の調整をとって育児休業法自体が数年前に制定されたわけでございますが、このためには、育児休業法あるいは今回の法律改正を含めて、職場に復帰する、円滑に戻ってくるということを非常に重視しなければならないという観点が一つございます。
 もちろん、一生懸命育児をやったけれどもいろいろな事情で職場に戻れなかったということも、それは結果的に起こり得るわけでございますが、ともかく職場復帰を果たしていただくということも非常に重要でございますので、そういったこととバランスをとって、育児休業を取得したときに二〇%、そして、現実に戻り、所期の目的を達成したときに残りの五%をまとめて支給する、こういう制度を設けたところでございます。
#17
○岡崎(ト)委員 私、最近こんな話を聞いたわけなんです。
 育児休業をとっていた女性労働者が、職場に復帰後子供を預けている保育所が遠くなって大変つらかった、幸い保育所近くの会社が雇ってくれるということになったので、賃金は多少少なくなるかもしれないけれども復職後数カ月でそっちの方に就職したい、こういうわけなんですね。でも、法案ではこういう場合には残り五%は支払われないということになってしまうのですが、職場復帰後六カ月間とした理由は何でしょうか。これを例えば四カ月とか三カ月とかに短縮できないものでしょうか。
 また、高年齢雇用継続給付の場合には会社を移ったとしても引き続き支払われることになっているわけですから、この育児休業給付の場合にも、失業状態を経るのでなければ、復帰後六カ月以内に別の会社に就職したとしても、通算して六カ月が経過した場合には残りの五%を支払うということも十分検討していいのではないか、こういり点については今後ぜひとも前向きに検討すべき課題ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#18
○七瀬政府委員 前段の、職場に戻ってから六カ月被保険者として雇用されることを支給要件としておりますのは、育児休業取得者がわずかな期間だけ形式的に戻るというようなことがあっては制度本来の趣旨にもとるということで、雇用継続給付でございますので、ある程度継続してそのまま職場復帰後も働くということをきちんとはっきりさせるために六カ月という期間を設けたわけでございます。
 それから、ほかの事業主にというお話でございますけれども、先ほども申し上げましたように、根っこの育児休業制度自体が、自分自身のところにまた戻ってきてくれる、そのためには休業の請求があったらそれは与えなければならぬ、こういう使用者側の意識なりそういったものが背景にあるわけでございますので、ただいま御提案している段階におきましては、六カ月、そして同じ事業主に、そういうことを要件としているわけであります。
 この要件につきましては、公労使三者構成の中央職業安定審議会において妥当なものであるとされたわけでございますし、御質問のように要件を緩和するということは現段階では困難でございますけれども、こういった制度というものは、新しい制度をお認めいただいた後、その運用状況とか育児休業の取得状況とかいろいろなことを見て、もし問題がない形でより前に進むのであれば、その時点で考えることは当然あり得ることだと思っております。
#19
○鳩山国務大臣 政府委員の答弁を私が補うのはおかしいのですが、実は今、先生の御質問の中の高齢者の場合はどこで働いてもいいのにという部分の答弁がなかったでしょう。ですから、私がお答え申し上げます。
 それは、若干制度の趣旨が違うのではないかなと思います。高年齢者の雇用継続給付の場合は、先ほど申し上げましたように、六十五歳まで現役というような世の中、それはまた二十一世紀の半ば過ぎれば七十歳まで現役という世の中になっていくかと思いますが、そういう意味で、高齢者と言われている方々に元気いっぱい生きがいを持って、働きがいを持って頑張っていただこうという趣旨ですね。
 それに対して、育児休業給付あるいは育児休業制度というものは、日本的な終身雇用制度ではないけれども、一つの会社に勤めている方が子供さんを産むあるいは育てるけれども、もちろん今は男女平等なのですが、子供を産んで育ててもまた戻ってこられるようにというところから制度が始まっております。もともと学校の先生方とか看護婦さんあるいは保母さんあたりから始まった制度でございます。そういうような観点から、この高年齢者の雇用継続給付と育児休業給付はそういう違いがあるのではないかなと私は思うのです。
 おっしゃることはもっともなのですけれども、その辺がもとの職場に戻ってくださいということがあるので、三カ月、四カ月というのは今は無理かもしれないという七瀬局長の答弁がありましたが、当面、戻って六カ月頑張ったらということになっているのだと思います。
#20
○岡崎(ト)委員 働く意欲があってのことですので、これがスタートいたしましてから二、三年過ぎてそういう事情が非常に多いというような場合には、前向きに検討していただけるということに私も受け取っておきたいなというふうに思います。
 次に、労働省の平成五年度女子雇用管理基本調査によりますと、子供が一歳以上になっても育児休業を取得できる制度がある事業所の割合が、育児休業制度の規定がある事業所全体の一割近くになっているということです。今回の育児休業給付は、満一歳未満の子供の育児のための育児休業に限って給付を行うこととしておりますが、その理由は何でしょうか。子供が一歳を超えても、育児休業期間中であれば支給するということは考えられないでしょうか。
#21
○七瀬政府委員 育児休業給付につきましては、育児休業が任意的、選択的な性格を有していることとか、公的制度としての援助でございますので、その休業をめぐりまして社会的コンセンサスが確立されている範囲内において措置することが適当であろうということで、育児休業法で義務化されております一年という範囲に限ったわけでございます。
 現段階におきまして、一歳を超えて育児休業を企業の制度のもとでおとりになるという方もいらっしゃるわけでございますが、ここまで一律に広げるということは非常に困難なことだろうと思っております。
#22
○岡崎(ト)委員 この育児休業給付ができた場合に、現在育児休業中に賃金を支給している企業については、育児休業中の賃金の支払いをやめたり減額したりする心配はないかということが一つです。仮にそのような企業があった場合には、どのように対処するおつもりでしょうか、お考えをお伺いしたいと思います。
#23
○七瀬政府委員 企業がこれまで育児休業期間中に賃金を払っているという事例はもちろんございますし、これについては就業規則とか労働協約をもとに行われているわけでございますが、まずこれを払わないような方向、減額するような方向で変えようといたしますと、これは就業規則の変更手続なり労使間の話し合いなりといういろいろな問題がございますので、そう一方的にできるような話ではないと思います。
 ただ、労働省といたしましては、今回の育児休業給付の趣旨、内容の周知徹底を図りながら、育児休業給付が新たに設けられた、そういったことで従来行われておりました休業期間中の賃金支払いの停止といったようなことが安易に行われるようなことがあれば、それはやはり問題があろうかと思いますので、賃金は労使間で決めるという大原則はございますけれども、この新しい制度を理由に引き下げていくというようなことについては十分目配りをしていきたいというふうに考えております。
#24
○岡崎(ト)委員 今度のこの給付制度は大変評価できるものでありますが、実は一つ心配なことがあります。といいますのは、私学の教職員の多くが雇用保険に加入していないということでございます。このため、未加入の状況に置かれた方々が育児休業をとっても育児休業給付を受けられないのではないかという心配でございます。私学の関係労働組合が雇用保険への加入運動に取り組もうとしているというのが現状です。
 そこで、お伺いしたいと思います。私学教職員で未加入の状況に置かれている方々が育児休業をとった場合、育児休業給付を受けられるのかどうか。いずれにしても、雇用保険は全面適用の制度のはずですから、私学のようにその多くが雇用保険に加入していないというような不正常な状況は早急に改善されなければならないというふうに考えます。労働省の御見解と対処の方針をお聞かせいただきたいと思います。
#25
○七瀬政府委員 雇用保険におきましては、原則として事業主に雇用される労働者は特別の手続を要せず法律上当然に被保険者となるものでございますが、実際には被保険者となったことについての届け出が公共職業安定所に対してなされていなければ雇用保険制度による給付を受けることができないということになっております。ただ、事業主がこの届け出を行わない場合につきましても、被保険者御本人からの確認請求制度が設けられておりまして、支給要件を満たしていれば育児休業給付を受給できる、こういうことになっております。
 ただ、御指摘ございましたように、私立学校の教職員の方々は、当然被保険者となるものでございますけれども、現実には必ずしもそういう手続が進んでいない状況もございます。労働省といたしましては、今回雇用継続給付を創設することでもあり、適用の促進に十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
#26
○岡崎(ト)委員 私学教職員の方々が結婚して子供を産んで育児休業をとって、そしてきちんと受
けられることができますように、大体確約をしていただいたということだと思います。よろしくお願いいたします。
 もう一つ、公務員の育児休業期間中の所得保障の問題がありますが、この問題については、五月三十一日の本会議で同僚の池田議員の代表質問に対して総理は、給付水準と実施時期を含めて見合う措置が必要と認識、今後対応を検討すると答弁されておりますので、できるだけ早急に必要な立法措置を講じていただけますように公務員の皆さんとともに期待しているところでございます。質問時間が余りございませんので特に答弁は求めませんが、労働大臣としてもぜひここに御尽力いただけますように、ここで強く要望しておきたいと思います。
 さて次に、育児休業制度全般について幾つかお伺いしたいと思います。
 現在、育児休業法では育児休業を取得できる期間は子供が満一歳になるまでの期間とされておりますが、仕事と育児の両立のために労働省はこれで十分と考えておりますでしょうか。
#27
○松原(亘)政府委員 子供が一歳未満の乳児である時期というのは、時間的にも労力的にも親である労働者の仕事と子供の養育との両立が最も困難な時期であるわけでございます。そういうことから、乳児期の子供を養育する労働者の雇用の継続を図るという観点から育児休業法が制定され、その中において、一歳未満の子を養育する労働者について育児のために休業することを事業主に請求できるということにしたわけでございます。
 もちろん、親の養育というのは子供が一歳までで終わるというわけではございません。確かに一歳から特に小学校就学までといったような時期は、親自身がかなり時間も手間もとられる時期でございます。そういうこともございますが、乳児期ほどではないというのもまたそのとおりかと思います。そういうことで、育児休業法におきましては、子供が一歳から小学校就学までにあるそういう労働者については、育児休業ですとか勤務時間の短縮などの措置に準じた措置をとるようにということを事業主に対する努力義務ということで定めているわけでございまして、私どもは、育児休業法の趣旨の徹底のときには、あわせましてこの事業主の努力義務についても周知を図っているところでございます。
 いずれにいたしましても、親である労働者の仕事と育児の両立を図る観点から、さらに一層この問題について多面的な施策について私ども検討したいと思いますし、また育児休業法の趣旨の徹底にも努めてまいりたいというふうに思う所存でございます。
#28
○岡崎(ト)委員 育児をする労働者の方々には、それぞれ異なった事情があるものと考えられます。例えば、子供が病弱で、ある程度成長するまでの間は親がそばにいなければいけない、こういうような特別な事情がある場合などにこの考慮を必要とすると思います。育児休業期間を延ばすというような弾力的な制度にしていくことも、今後検討していただきたいというふうに思います。
 例えば、子育て支援の最先進国でありますスウェーデンの場合ですと、労働者は仕事を全く休む全日休業型のほかに、労働時間を通常の半分または四分の三に短縮する部分休業型、つまり時短型の育児休業も選択できますし、全日休業型については子供が一歳半になるまで、時短型につきましては子供が八歳になるまで、または小学校一学年終了時まで労働者はこれを利用できるというふうになっております。障害児を抱えた親に対する配慮があるということですね。さらに、子供が病気などの場合や、子供が授業参観のときに親を必要とするわけですけれども、こういうときには、別枠で毎年一定期間の有給休業が認められているということでございます。
 したがいまして、大臣、子育ての実情に即してこの育児休業制度を温かく育て上げていくような立場で、一層弾力的なものに拡充していくように今後検討すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#29
○鳩山国務大臣 方向としては先生のおっしゃることは間違いではないと思いますが、それでは現実的に今どこまでできるかということは、またある程度別の角度から考えなければいけないのではないかと思うわけでございます。要するに、一人の人間が生きていく間に、これは男女を問わず、職場での責任というものと家庭での責任というものをできる限り両立していくべきであるというのはILOでもさんざん議論をされてきているところでございまして、我が国でもそのような観点から、どのような制度を導入していったらいいのか、これはみんなで議論をしていかなければならない問題だと思っております。
 そんな中で、当面とりあえず大変重要と思われるのは、障害児をお持ちになるお母さんの場合に、先生の今のお話ですと、例えばお産みになったお子さんが不幸にして何らかの障害を持っておられて特別に手間がかかったら、そういう場合に育児休業が延長できないか、こういうようなことであるとするならば、これは育児休業で考えるべきことなのか、あるいは介護休業という、この制度の導入については労働省あるいは私も大変積極的、前向きに考えていきたいと思っております。もちろん、要介護、すなわち介護を要するというのがどういう方々と定義したらいいのか、その人的範囲等についての議論はまだまだしなければいけないと思いますが、介護休業制度と育児休業制度が連携をしていく中で、そうした問題が解決できれば正しい方向ではないかというふうに私は考えております。
 それ以上詳しいことは政府委員の方からお答えします。
#30
○岡崎(ト)委員 ところで、育児休業法は、その規定に違反しましても、違反行為を罰するための罰則規定がありません。事業主が育児休業を取得したいという労働者の申し出に反して育児休業を与えなくても、何ら事業主は不利益をこうむらないようになっております。また、育児休業を取得したことを理由とする解雇禁止規定もありますが、これについても罰則はないのですね。これで来年四月からは三十人未満の中小企業も含めて全面適用となるこの育児休業法の実効を確保することが大変難しいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。指導徹底をどうするのか、お聞かせいただきたいと思います。
#31
○松原(亘)政府委員 育児休業法におきましては、その第七条で「事業主は、労働者が休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者を解雇することができない。」という規定を設けております。したがいまして、この規定に違反する解雇が行われた場合には、このような解雇は民事上無効となるものでございます。
 婦人少年室におきましては、育児休業を請求する権利行使が妨げられることのないよう、育児休業法の趣旨、内容の周知徹底を図るための広報啓発活動を行うとともに、法に反するような事例に対しては相談指導を行っているところでございまして、現実に婦人少年室に、今先生がおっしゃったように、育児休業の申し出をしたけれども事業主がどうも認めてくれないというような相談がございました。そういうものに対して、婦人少年室が何度も事業主に事情を聞き、指導して、結局は育児休業がスムーズにとれるようになったといったようなケースもございまして、個別にも相談指導を行っているところでございます。
 特に、来年四月からは、事業所規模三十人以下のところについても全面適用になるわけでございまして、特にこういったところについて、その法の趣旨が周知されますように、巡回指導を行うなどして周知徹底に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#32
○岡崎(ト)委員 ここで一つ厚生省に伺っておきたいと思います。
 育児休業中の所得保障に関する西欧諸国の実情を見てみますと、スウェーデンでは従前賃金の九割、ただ、ごく最近の新聞によりますと、来年からは八割になる部分もできたそうなんですが、イタリアでは三割支給するという例もありますが、
この制度は国際的にも比較的新しいもので、欧米各国でも模索中の課題であるというふうに思います。
 こうした状況を踏まえるならば、日本でも今回、育児休業期間中の労働者の社会保険料、共済掛金の負担を免除するための一連の法改正が提案されるとともに、二五%の給付が確保されたことは、私たちは連立の成果の一つであろうというふうに思っているわけなんですけれども、ここで一つ指摘しておきたいことは、西欧諸国の場合には、子育てに関するそのほかの環境ですね、保育所、教育負担などの面、そして特に児童手当制度については我が国よりもずっと充実しているということなんです。
 そこで厚生省にお伺いしますが、我が国の児童手当は、支給条件、年数ともに十分とは到底言えません。今回改正されたとはいいましても、支給額もまだまだ低いと言わざるを得ない状況なんですが、厚生省は今子育て支援ということを柱にしております。それならばなお、今後児童手当の充実を図っていかなければいけないというふうに思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#33
○角田説明員 御指摘の点でございますが、子育て家庭への経済的支援という意味では非常に大切な論点だと私どもも考えております。ただ、この制度につきましては、税制の扶養控除あるいは企業の扶養手当などとの関連で、特に我が国におきましては、総合的な観点から十分に検討を尽くすべきだという議論がございます。
 その中で、先生のお話の中にもございましたように、平成三年には支給期間を重点化いたしましたけれども、第一子から手当を支給するように制度改革をいたしまして、また今回は、少子化社会への対応、特に保育サービス等を充実しなければならないということから、今国会におきまして児童手当法を改正いたしまして、児童育成事業を創設させていただきました。
 当面こういうことに一生懸命やっていきたいと考えておりますけれども、大切な論点でありますので、十分検討を尽くしてまいりたいと考えております。
#34
○岡崎(ト)委員 よろしくお願いいたします。
 それでは、次に看護・介護休業制度についてもお伺いしたいと思います。
 私ども社会党では、家族看護・介護休業法制化問題に関する基本的な考え方を取りまとめているわけなんですけれども、まず、現在の政府における看護・介護休業制度の制度化に関する検討はどこまで進んでおりますでしょうか。
 また、この制度は、育児休業給付制度の場合とは逆で、公務員については介護休業を認めるための政府法案が四月十九日に今国会に提出されておりますのに、民間労働者については法的措置がおくれているということです。公務員に係る法案は、施行日が公布後六カ月以内で政令で定める施行日とするものとされておりますけれども、民間労働者についても、これにおくれることがないように、ぜひ昨年来の経過を踏まえて早急にこの法制化を実現していただきたいというふうに思いますけれども、お聞かせください。
#35
○松原(亘)政府委員 介護休業制度の重要性につきましては、私どもも十分認識をいたしているところでございまして、平成四年にガイドラインを定め、その普及のための指導を鋭意やっているわけでございます。
 御指摘の法制化問題につきましては、検討に先立ちまして、要介護の状態をどうとらえるかということについてやはり十分検討する必要があるのではないか。つまり、労働者の権利として介護休業が請求できるということにする場合には、公務員の場合にはいわば使用者がそれを認めた場合にとれるということになっておりますけれども、民間の場合に、では使用者が認めた場合にとれることにするということにはなかなかいかないのではないか。そういたしますと、育児休業と同じような形で労働者の権利として法定していくということになるとすれば、要介護の状態がどういう状態なのか、どういう労働者が請求できるのかということについては、公務員以上に明確にしていかなければいけない。いわば公務員とはちょっと法制が違うのではないかというふうに思っております。
 いずれにしても、要介護状態をどうとらえるかにつきまして専門的、技術的な研究を深める必要があるということが審議会の中でも申し合わされまして、昨年秋に研究会が設置されたところでございます。そして、今鋭意検討を進めていただいておりまして、もうほとんど最終時点になってきております。私どもとしては、あと一カ月もすれば検討の成果が得られるというふうに期待をいたしておりまして、その成果が得られましたら、関係審議会におきまして法制化問題を視野に入れながら検討を進めたいというふうに思っているところでございます。
#36
○岡崎(ト)委員 看護・介護休業についても育児休業給付と同様の考え方によって、看護・介護休業をする労働者に対して雇用継続給付を設けるべきだと思いますが、この点についてはどうでしょうか。
 そうした場合に、二十歳から三十歳ないし四十歳までの方々には育児休業給付、四十歳から五十歳代までの方々には介護休業給付、そして六十歳代前半層の方々には高年齢雇用継続給付というように、各年代層が今回新しく導入をされます雇用継続給付制度の受益者になる。そうして初めてこの制度は働く者のライフステージに応じた給付をするという総合的な制度になっていくというふうに考えられますけれども、そういう観点から、看護・介護休業制度が設けられる場合には同時に看護・介護給付についても設けることをぜひとも検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#37
○七瀬政府委員 育児休業につきましては、取得に関する権利が法定されておりまして、また休業の意義や範囲なども明確にされているなど、公的制度とするに十分な条件が整っているということで、給付の対象として今回設けることといたしたわけでございます。
 御質問の看護・介護休業につきましては、ただいま婦人局長から御答弁申し上げましたような状況で、法制化問題を視野に入れながらいろいろと検討しておるわけでございますが、これに給付制度を設けるといたしましても、育児休業と異なりまして、給付の対象となる労働者の範囲や要介護状態の基準、給付内容など、検討する事項も多岐にわたっておりますので、現段階では雇用継続給付を設けることは難しい、こういうことでございますが、今後この法制化問題とあわせて、給付制度を設けるかどうかにつきましても、労使や関係機関における論議を十分見きわめつつ検討してまいりたいというふうに考えております。
#38
○岡崎(ト)委員 ここでまた厚生省に伺っておきたいと思います。御準備よろしくお願いします。
 高齢者介護、老人介護の問題は、個人の責任にゆだねるだけではなくて、今後は西欧諸国のように社会的な介護システムを整備するということによってその解決を図るべきというふうに思っております。まだ現行のゴールドプランではとても、明らかに不十分だというふうに私どもでも出しているわけなんですけれども、ぜひとも社会的介護の体制の拡充を、いつでもだれでも受けられるということで出していただきたいと思いますが、このお考えをお聞かせください。
#39
○水田説明員 お答え申し上げます。
 今先生お触れになりました社会党の御提案におきましても、住民に身近な保健医療・福祉サービスの提供につきましては、市町村が創意工夫し、責任を持って一元的・計画的サービスの確保に当たる必要があるという点の御指摘がございます。それからさらに、各地方公共団体が現在、地域の介護ニーズというものの実態調査から始まりまして必要なサービスの目標量を示すという老人保健福祉計画というものをつくられているわけでありまして、それを踏まえた新ゴールドプランを早急に作成する必要がある、こういった御指摘を社会党からもいただいているところでございまして、厚生省としても、そういった老人保健福祉計画を
通じて、市町村を中心にしたサービス提供体制、量、質の面で十分な提供体制が構築されるように、ゴールドプランの推進、それからさらにはこのゴールドプランの見直しというものをしてまいりたいというふうに考えております。
#40
○岡崎(ト)委員 まだまだでございますので、ぜひともこの問題については力を入れていただきたいというふうに思います。
 次に、雇用継続給付全体の問題について何点か確認をしておきたいと思います。
 一つは、雇用継続給付の財源の問題についてです。
 今回の改正案では、雇用継続給付の財源として現行の失業給付と同じ労使折半保険料と、原則八分の一、当分の間十分の一国庫負担によることとされております。雇用継続給付は今後の少子・高齢化社会に対応するための措置でありまして、国の基本的施策として国庫負担を行うことは当然のことであります。政府の提案を評価するものでございます。
 その負担率ですけれども、現行の失業給付の半分とされているのは、なぜそうなのか、その理由をお伺いしたいと思います。そして、労働省ではこの雇用継続給付の受給者は大体どのぐらいの人が受けられるというふうに見込んでいるでしょうか、その数とあわせてお願いします。
 そしてまた、大勢の方々に対してこの給付がきちんと円滑に支給されるために、事務の執行体制が十分でなければいけないと思いますが、その執行体制が十分でないために制度の普及や円滑な施行に支障があってはならないと思いますので、必要な職員の確保等の体制整備に努めるべきだというふうに考えておりますので、この辺も明快な御答弁をお願いしたいと思います。
#41
○鳩山国務大臣 国庫負担率、それは高ければそれだけよろしいかとは思うわけですが、一般の失業給付の半分の負担率にいたしておりますのは、いわゆる失業給付の場合は就職できない、職を得ることができない方を救うということ、それに対して雇用継続給付の場合は、いわゆる失業状態にはないわけですから、職を失っているという状態にはない、それが継続できるように後押しをするということでございますので、国が関与すべき責任というのは半分程度かなということで負担率を半分にいたしております。
 それから、今回の雇用継続給付では大体百三十万人ぐらいがその対象者になるのではないか、そういう試算をいたしておりますが、そうなりますと、先生御指摘のとおり、その支払いが遅延するとか間違ったということではいけないわけで、百三十万人を相手にするということになりますと、これは相当な職員の確保という問題も出てまいります。世の中行政改革、行政改革と一つのブームではありますが、行政改革というのはむだな人員を廃して真に必要な人員を確保するということであると私は考えまして、この雇用継続給付をきちんと支払う事務執行体制のために、平成七年度の予算にはきちんと要求をいたしたいと思っております。
#42
○岡崎(ト)委員 次に、この法案で六十歳以上六十五歳未満の高齢者の給付率については、離職前の賃金に応じて六割から八割としている現在の取り扱いを改めまして、離職前賃金の五割から八割とすることになっております。これによって高齢者の失業給付の給付水準が下がることにならないかと心配する向きもあります。なぜこの措置をとるのか、その理由、考え方について確認的にお伺いしておきたいと思います。これは簡単にお願いしたいと思います。
#43
○戸苅説明員 今回の雇用保険法の改正にあわせまして、労働大臣告示を発することにしておりまして、これで六十歳以降最初に失業いたしました場合には六十歳到達時点の賃金で失業給付の額を計算しよう、失業した時点ではなくて六十歳到達時点で計算しようということにいたしております。これによりまして、六十歳時点に比べまして賃金が下がった水準で働き続けましても、その下がった水準で失業してしまったということになつても、相対的に高い水準の失業給付を確保できるように六十歳時点の賃金で計算するということになっておりますので、これである意味では安心して高齢者の方に働き続けていただけるのではないかというふうに考えております。
 こうしました場合には、実は一般的に高齢者の方は年齢に応じて賃金が下がってくるということでございまして、これを一律に六十歳時点の賃金をベースにいたしまして失業給付の日額を計算するということになりますと、六十歳から六十五歳でもかなり高い賃金の方も実際にはいらっしゃるわけでございます。こういった方を中心に失業給付の水準が相当割高になってしまうということもございまして、そのあたり考えますと、むしろ高齢者の再就職を阻害する面も生じてしまうのではないかというふうに考えまして、特に高齢者の方を中心に、一部六割から五割へと段階的に給付率を調整させていただこうというふうに考えておりるものでございます。
#44
○岡崎(ト)委員 次に、日雇い労働者の方々についてお伺いしたいのですが、この日雇い労働者に対する失業給付についても、今回受給要件の点と給付金額の点で改善がなされることとされております。不況で一番のしわ寄せが来ているわけですけれども、私どもの事務所にも多く電話がかかってきております。大変厳しい状況で働いているわけなんですけれども、今回の改正が一日も早く施行されることが望まれます。
 一方、日雇い労働者は事業所を転々とする方々ですので、労働者が制度改正の恩恵を受け損なうことがないように、十分にこの周知徹底を図っていただきたいと思いますので、一言お願いいたします。
#45
○七瀬政府委員 週四十時間制への移行などを考えまして、日雇い労働者の失業給付金の要件緩和をいたしたわけでございますが、この改正内容につきましては、この法案を成立させていただきましたら、機動的に直ちに周知徹底が図られるようにきちんとした対応をしたいと思っています。
#46
○岡崎(ト)委員 次に、ILO百五十六号条約の批准問題についてお伺いしたいと思います。
 この国会でも前向きの答弁を羽田総理からいただいたわけなんですが、速やかにこの国会に提出できないのはなぜなのか、具体的にどこが問題なのかを簡単に示していただきますのと、ことしは国際家族年でありますから、早急にこれを批准すべきだと考えておりますけれども、この今後の方針について大臣にお伺いしたいと思います。
 条約のことですので、もう一つ続けてお伺いして大変申しわけないのですけれども、パートの方々に対する労働条約も審議されることになっております。クリントン政権の発足によって、アメリカ政府はこの条約に対して積極的な対応に出ているというふうに聞いております。昨年、最終的には、日本では政府案を議員修正する形で、長年懸案であったパート労働法が制定されました。
 そこで、日本政府もこの際この条約について賛成の方向を明確に示すべきだというふうに考えているわけなんですけれども、労働大臣のお考え、これとあわせてお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、大石(正)委員長代理着席〕
#47
○鳩山国務大臣 ILO百五十六号条約については、先ほど介護休業制度等のことについてお話をしたときに、家族的責任という問題について触れさせていただいて、そのことからも大体御理解をいただけるだろうかと思います。もちろん、その条約の趣旨は国民のすべてが理解をしなければいけないのでありますが、条約にもきちっとした内容があり、義務や責任等が書かれているわけでございまして、これを批准して、我が国に対して効力を持つということになれば、やはり条約と我が国の中の制度や法律が矛盾することは避けなければならない。
 したがって、そのように考えるときに、我が国では、国内法を整備して、そして条約を受け入れるという形をとっておりますので、直ちに批准をするというようなことになりますと、国内法で整備されていないこととの矛盾が出てきてしまいますから、さらにこの検討を要して、国内的な法律や制度の整備がまだ必要ではないかと私は思っております。
 ですから、方向としては、例えば介護休業制度
ということに関しても、公務員はいいのですが、民間関係についても労働省は前向きですよと申し上げたのも、それは当然そういう一つの方向に向かって我々も歩き出しているということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 パートタイム労働については、ことしのILO総会においてもいろいろとまた議論されるであろうと思っておりますが、パートタイム労働者の定義等についても、私もまだ十分に把握していないところがありますが、多分諸外国のパートタイム労働に対する把握とか定義とか状況とか、それぞれ異なっているのではないか。
 したがって、何らかの国際文書がまとめられていくにしても、どういう内容になるか、まだよく承知をいたしておりません。できるだけ多くの国に受け入れられるような形になっていくであろうとは思いますが、まだその辺未確定でございまして、我が国もパート労働法は確かに成立をしておるわけでございますから、でき上がっていく文書との関係でこれから考えてまいりたいと思います。
#48
○岡崎(ト)委員 こういうことがどんどん進んでいきますと、これも進むのではないかというふうに思うのですが、パート労働法も成立、施行されて、そして雇用管理を本当にまじめに考えている事業主がどの程度いるのかというのは、私は甚だ疑問なんですけれども、労働省はこの法律の施行をもってよしとせずに、より強力にパート対策を進めていくべきというふうに考えております。
 その取り組みについて一言決意をお聞かせいただきたいということと、それから、今この雇用保険のことでいいますと、被保険者となっているパートタイム労働者は大体どのぐらいいるのか。適用があるとすれば、適用が余り進んでいないように思いますけれども、これについて一体どんな対策を講じようとなさっていらっしゃるのか。また、今回は所定労働時間の要件を緩和されたというふうに聞いておりますけれども、この辺の徹底が十分になされているのかどうなのか、お伺いしたいと思います。
#49
○松原(亘)政府委員 パートタイム労働対策について、昨年六月に短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律が成立をいたしまして、短時間労働援助センターに関する部分はことしの四月一日でございますが、それ以外の部分につきましては昨年十二月から施行をされているわけでございます。
 また、ことしの四月に指定された短時間労働援助センターにおけるさまざまな業務につきましては、本年度の予算の成立を待って実施をするということになっておりますけれども、具体的にはパートタイム労働法でいろいろ事業主に対する要請があるわけでございますが、中小企業につきましては独力でそれを実現することがなかなか難しいという場面もございますので、今年度の予算に、各種の助成金の支給をやるということで、それを盛り込ませていただいているわけでございます。
 そういうことから、パートタイム労働法で法の枠組みはできましたけれども、まさにその実効を上げるのはこれからであるということを私ども強く認識しておりまして、今年度の予算の成立を得ました後、短時間労働援助センターを通じての中小企業に対する援助をやり、そういうことで全体としてパートタイム労働法の精神が周知され、徹底されていくようにということで力を入れていきたいというふうに思っているところでございます。
#50
○岡崎(ト)委員 今回のこの法を、給付の対象を広げることによって雇用の拡大あるいは育児休業の推進を図る、あるいは働く意欲のある高齢者、女性のための援助策として歓迎したいと思いますけれども、働く女性の問題ではいろいろと今噴出してきておりまして、けさの朝日新聞によりましても、新規採用の場合、女子大生の場合全く採用しないという会社、企業名がこれだけ発表されております。主要三百社というふうなことで、減らすというふうに言っているところも五割を切ったということで、女性にとっては大変逆風だというふうに思いますけれども、こういうときにこそ男女雇用機会均等法が大きく力を発揮するのではないかと思いますが、残念ながら、この法律が施行されましてアンケートをとりましたある調査では、二割だけがこの法律ができてよかったというような状況なのですね。現行の中ではなかなか救いがたいところがたくさんありまして、問題がございますけれども、ぜひとも見直しも含めて積極的な方策をとっていただきたい、そのように考えておりますが、ぜひ大臣、この辺の強化を含めたことをあわせて、御答弁いただきたいというふうに思います。
#51
○鳩山国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。
 ただ、男女雇用機会均等法の見直しという点については、いわゆる労働基準法の女子保護規定との関係でまだ労使の話し合いがまとまっていかないような部分もございまして、また、婦人少年問題審議会でも御審議をいただいているわけでございますが、今後の方向というものは確かに考えていかなければならないと思っております。
 また、先生御指摘の女子学生の就職問題については、総理大臣を中心とした閣僚懇談会をつくって、二回閣僚会議をやったわけでございまして、来年の春の就職をめぐって女子学生の状況が大変心配であるという共通の認識を持って、内閣全体の課題として取り組んでいく予定でございます。
 ただ、我々もっと宣伝しなければいけないのでありましょうが、男女雇用機会均等法に基づく指針の改正を四月一日から行ったわけでございまして、そのことによって、女子学生が不利益をこうむらないように、より厳しい形に直したわけでございます。したがって、いわゆる一般職、事務職等男何人、女何人というような募集を禁じたわけでございまして、女子は何名までというような制限は加えられなくしたつもりではあるのですけれども、新聞報道等を見ると、女子は採らないとかなんだとかというような記事が相当程度散見いたすことができまして、残念に思っております。
 昨年も雇用機会均等法に反するような事例が幾つか見られたわけでございまして、ことしは全国すべての婦人少年室に特別の窓口を設けまして、そのような苦情を処理していこう、もちろんいろいろなそういう事例が出てきた場合には、労働省として、本省として懸命に取り組んでいくというふうに考えております。
#52
○岡崎(ト)委員 やはりいろいろな面でこの法律に罰則がないということで、例えば事業主の同意がなければ調停にかけることができないとかですから、そういう問題ではこの法律が歩き出しましてから本当に効果が生み出せなかったという部分が随分ございます。そして、現行の均等法は女性の職業生活と家庭生活の調和をうたっておりますけれども、男性も含めて労働の見直しをしていかなければいけないというふうに思いますし、私どもでは、いつまでも女性の進出がおくれている分野があるとすれば、アファーマティブアクションで優遇措置も検討していかなければいけないというふうに考えておりますので、今後の検討課題としてよろしくお願いしたいと思います。
 これで質問を終わらせていただきます。
#53
○鳩山国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。
 ですから、男女の完全な平等というか、権利が均等であるということがまだまだ定着し切れない部分がありますので、法律をどうっくつていくか、どう変えていくかということが問題になるわけで、まだそれだけおくれているということなのですね。
 妙な言い方ですが、本当は労働省に婦人局などというものはない方がいいのですね。婦人局などというものがなくたって全部うまくいく方がいい。しかし、今は婦人局にこういう強力なスタッフを配置しておかないと女性の権利が守られないという状況にありますから、婦人局の皆さんにも頑張っていただいているということですから、まだまだそういう点では日本人の意識改革、これは教育の問題も重要かなというふうに思っておりま
す。
#54
○岡崎(ト)委員 どうもありがとうございました。
#55
○大石(正)委員長代理 赤城徳彦君。
#56
○赤城委員 引き続いて、雇用保険法の改正について質問させていただきたいと思いますが、その前に、ちょっと総括的な話について二、三伺いたいと思います。
 それは、これからの雇用とか労働のあり方がどういうふうになっていくのかということで、先般も中期雇用ビジョンというのが出まして拝見いたしましたが、今どんどん社会が変化していく。当然、労働市場のあり方、雇用のあり方が変わっていく。その変化の中には二通りあると思いますけれども、一つは、労働需要が減少する、労働市場が緩和していく、人余りになるというふうな方向での変化、何よりもまず第一に今の不況ですね。それから国際化、海外移転、産業の空洞化とか規制緩和とか自由化、流通の合理化、そういったところで大量の失業者が出るのではないか。あるいは、女性の社会進出もある意味では労働市場の需給が緩和する要因でもある。
 一方で、需給がタイトになる方としましては、新しい産業がこれから、例えば情報産業で二百四十万人くらい雇用が出るのではないかとか、福祉の方では百万人くらい新しい雇用が生まれる。それから、労働者の供給という面では少子化、子供が少なくなって供給が少なくなる。そういう今の社会の変化で労働需要が少なくなる方あるいは多くなる方、双方の要因があるわけですけれども、全体として需給がうまくバランスする、スムーズに労働力が移動するというような要請をどう行政的に対応していくのかという、これが一番大きな問題になるかと思います。
 そこで、一つ大きなテーマで、規制緩和ということを今政府がやっておられますけれども、この規制緩和が労働の需給に大きく影響するわけです。両方の面でプラスマイナスあると思いますけれども、今政府が検討されている経済の構造改革のための規制緩和ということについて、これは政府全体でやっておられると思いますけれども、労働省として、また大臣として、どういうスタンスでこれに取り組まれているか、お尋ねしたいと思います。
#57
○鳩山国務大臣 今赤城先生御指摘のお話というものは、労働省がまさに命がけで二十一世紀を見据えて努力をしていかなければならない点、それは労働力の需給関係、失業なき労働移動がうまくいくように精いっぱい努力をしなければなりませんし、いわゆるミスマッチというような現象は人の幸せを奪う形になりますから、また、そんな中で需給関係が合わなくなって失業者が大量に出ても困るわけでございますし、人不足になっても困るということで、今先生がおっしゃったようなさまざまな要素を組み立てて、あるいは組み合わせて考えていくことが必要だと思うわけでございます。
 例えば、大企業が海外で現地生産を始める、いわゆる経済の空洞化ということをよく言うわけですが、これが雇用に与える影響もいろいろプラスマイナス両方計算しなくてはいかぬということが言われている。先生御指摘の規制緩和というものも、経済を活性化させるという意味では、長期的には規制緩和が新しい雇用機会をつくり出す方向に働くと私は思ってはいますけれども、またアメリカでもそういうような動きが盛んになされているようではありますが、しかし、規制緩和というのは一義的には弱者が敗退をしていくことによって雇用機会が失われるというような可能性もあるものでありますから、これはいろいろなケーススタディーをやって懸命に考えていかなければならないなというふうに思っております。
 どっちだといって決めつけることは非常に難しいと思います。中長期的には経済的な規制の緩和というものは雇用を生むとは思いますが、しかし雇用というのは、もちろん二十一世紀、二十二世紀はもっと大切ですが、では来年、再来年の雇用情勢について対応を欠くことがあれば、これはまた労働省の大きな責任になりますから、近視になってはいけないのですけれども、物すごい遠視であってもいけないというところに労働省のつらさを御理解いただければありがたいのです。
    〔大石(正)委員長代理退席、委員長着席〕
#58
○赤城委員 今大臣のお答えになったとおり、規制緩和に長期的には雇用創出効果があるけれども、短期的にはなかなか厳しい。今議論をされている方策は、そのミスマッチをどううまくバランスするかということなんですけれども、現時点で失業が出る、将来は雇用が二百万、三百万出ますよ、しかし、幾ら将来出るといっても、今の失業者をどこかへプールしておいて、いずれ十年後には雇用が出ますから待っていてくださいというわけにはいかないわけで、ということは、とにかく今不況でこれだけの失業者が出ているという事態に追い打ちをかけるような規制緩和をしたのでは、労働政策としておよそ成り立たないと思うわけです。
 だから、規制緩和にもいろんなものがあるわけで、政府として検討されるときに、労働省としては雇用を創出する、雇用を生み出すような規制緩和をまずやりましょう、内外価格差是正とか自由化とか厳しい方の規制緩和というのはまた後にしましょうというような、具体的には、例えばマルチメディアみたいな情報産業での新規参入、あるいは地ビールを解禁したら途端に新しい産業がそこへわっと飛びつくような、そういう意味での、やはり雇用を創出するような規制緩和と厳しい規制緩和とあると思いますので、そこら辺の使い分けをされるのが労働省としてのあり方ではないかと思いますけれども、いかがでしょう。
#59
○鳩山国務大臣 大賛成でございます。
 というのは、先般の労働委員会でもお話をいたしましたけれども、日本人は非常にブームに流されやすくて、例えば規制緩和といえば、もう規制緩和というのはすべていいことだというふうに考えてしまう。それは、経済的な規制あるいはもっと社会的な規制、安全というような面からの規制、いろんな規制があるわけで、無理につくり上げた規制もあるかもしれないけれども、それなりの存在理由のある規制もあるわけです。
 それらをすべて、規制というのはなければない方がいいんだ、一つでも規制が緩和されればいいんだという考え方でいけば、世の中決してうまくいくとは私思えないわけでございまして、実際規制緩和が、多くの雇用を生むということが明らかなものから緩和していくということは、政策の優先順位として当然あり得べきことと思っております。先生のおっしゃることは正しいと思います。
#60
○赤城委員 まさにプル型の労働移動をするためにということですね、いろんな方法があると思います。財政出動をする、あるいは今の所得税減税とか金利とか、一連の中で、そういう規制緩和の面からもプル型の、つまり雇用創出型の方法というのもぜひ考えていただきたいと思います。
 それから、労働のビジョンを考えるときに、この雇用ビジョンにも欠けていると思うのですけれども、労働者自身から見てこれからどういうふうな労働のあり方になるのか、マクロとして労働のバランスがどうかということもさることながら、今の高齢化とか少子化とか、そういうことがどういう雇用形態を生み出し、それが労働者のライフスタイルにとってどんなふうな変化が起こるのかということをちょっと考えてみたいと思うのです。
 これはもう不可避の変化として、これからの労働供給が少なくなる、若い人が少ない、しかしお年寄りは多い、そうすると、今まで会社組織がピラミッド型になっていて、そのピラミッドがそのまま上に上がっていって、新規採用される方は少ない、ですからキノコ型みたいな形、それがいずれだんだんストレートな長方形みたいな形に変わっていくんだと思います。そうしますと、上が頭でっかちですから、今までみたいに、就職しました、何年か勤めたら係長、課長、こういうふうに上がらないという意味で、年功型のポスト処遇ができなくなるという問題があるわけですね。
 中期雇用ビジョンにも、年功的処遇や組織全体の業務遂行体制を見直し、例えば組織の分権化、能力主義的処遇を進める、さらっとこう書いてあるのですけれども、これの意味することは非常に重いと思うのです。
 就職はしたけれども、何年も勤めたけれども、ポストは上がらない、給料も上がらない、現にもうそういう厳しい現実にさらされつつあると思うのです。では、年をとって勤め上げてもなかなかポストが上がらない、給料が上がらないということは、逆に今までが、働き盛りのときに給料が少なかったんじゃないか。これはまた別の問題として、勤め上げて初めて退職金としてぽんと払われる、それが中途退職や移動を妨げる原因でもあった。
 こういうことで、そこで今、日本型雇用慣行を見直すべきだ、年功賃金と退職金制度、そういうところが問題視されるのですけれども、では、それを見直したときに、働き盛りのときに給与が高い、処遇がいいというような形態になるのが本来なんだと思うのです。あるいは、退職金じゃなくて、ちゃんと給与の中で面倒を見られる、それによって移動も容易になる、途中から入社した人が不利にならない、そういうふうな、労働者側から見てどういう姿になるのかということですね。それは厳しい面もあるけれども、しかし、本当に働き盛りのときに恵まれた雇用形態にならなきゃいけないというふうな一つの姿というのは生まれると思うのですけれども、そこら辺はどうお考えでしょうか。
#61
○七瀬政府委員 ただいま先生から御指摘のあった点、大変難しいし、同時に重要な問題だと思います。
 ただ、一つは、従来のような年功型ではなかなかこれからやっていけないんじゃないか。そうすると、そこら辺のところはいろいろ労使間の問題意識を含めて見直しをしながら、しかし、それでも長期継続雇用というものは可能ではないだろうかというような問題意識が一つございます。
 それからもう一つは、年功序列と一口で申しますけれども、やはり長年経験を積んでいくことによって能力がついてくるという面があるので、そういう意味では、単なる俗に言う年功ではなく一て、やはり企業の中で訓練を受け、みずから自己啓発をすることによって能力が上がっていく、それによって処遇も上がり、場合によっては地位も上がっていくということで、従来言われているような、ピラミッドで、年をとるとどんどん上がっていくというようなことではないような処遇システムというのをお考えいただきたいというような問題意識もございますが、いずれにせよ、その辺のところは労使の中でどういう選択をするかという問題意識があろうかと思います。
 それからもう一つは、働き盛りというお話がございましたけれども、これまでずっと年功的な人事管理の中でやってきた人が、ある一定の年齢になってきたところで、それじゃなかなかうまくいかない、だから退職金とかそういうシステムを変えよう、こういうことになりますと、特定の世代にしわ寄せがいくというような問題もございますので、そういった場合については、労使あるいは社会でよくコンセンサスを得ながら、いわば過渡的な取り扱いとか、そんなことが必要になってくる場合もあるんじゃないかと思ったりいたしまして、長期ビジョン研究会で先生方がいろいろな角度から議論をされておられる、いわばそれを集約した形でお取りまとめいただいたのが、本日御発表申し上げるような中身になっているということでございます。
#62
○赤城委員 私は、長期雇用というのが、これはいい慣行、日本型のいいところだと思うのですけれども、幾つか日本型のものをこれから変えなきゃいけないんだ、こう一言で議論されるのですが、その中には、本当に変えるべきところと、今のがいい部分とあると思いますし、それから変わらざるを得ない部分というのがある。
 今お話しした高齢化するということ、これから新規参入してくる人たちが少なくなる、この部分だけはもう否めようもない事実ですから、それに応じた変化というのはやはり考えなきゃいけないんだと思うのです。それが、年齢階層別に見たそれぞれの世代がどういうふうな処遇を受けるかということに関連しますし、だから機械的にポストが上がっていく、賃金が上がっていくということにはならないんだ、これもまた事実だと思うのです。逆に言えば、では能力があれば若くても処遇はいい、給料はいいという形でなければいけないと思います。
 もう一つの変化の要因というのは、これから情報化するという、この情報化やコンピューター化するというのはやはり二十代、三十代、四十代前半ぐらいまでが一番適応できる世代で、そういう意味でもどちらかというと若い世代がその能力に応じて働ける、それなりの処遇を受けるというふうにだんだん変化するのだと思うのです。
 ところが、じゃ、そういう世代が能力を身につけました、またこれからいろいろな労働移動をしなければならなくなる、職場もかわります。会社から見たらこれは大変なことで、せっかく育てた若い世代、給料は高いけれども、能力もあるけれども、ぽんと職場をかわられちゃう。そこで、雇用ビジョンの中、また労働省の政策でもありますが、職業能力開発をしよう、特に企業での能力開発をしよう、こういうことなんですけれども、せっかく教育投資をした者が、回収できないまま、能力は高まったけれどもどんどん移動してしまうのじゃないかというような問題も出てくるだろう。
 あれやこれや考えますと、今までマクロで見て需給バランスがどうだということ以上に、個々の労働者がライフスパンを通じてどういう生涯設計、生活設計ができるのかとか、そういうことも考えていかなくちゃいけないんじゃないかと思うのです。
 その中で大きな変化の一つが、今申し上げた情報化なんですけれども、マルチメディア時代が来るとアメリカでもゴア副大統領が言っている。日本でも二〇一〇年までに各家庭に光ファイバーを通して、それによって経済社会が大きく変わる、これが予想されているのです。
 例えば雇用、これについても在宅勤務とかテレビ会議、東京と大阪の支店、本店の間を移動しなくても、そこで仕事が済むとか、あるいは販売も、販売員が各家庭を回って物を売っていたのがテレビ画面でショッピングが済むとか、ホームバンキングができるとか、いろいろバラ色の話がされるのですけれども、光ファイバーができたらこういうふうになりますじゃなくて、むしろ労働政策として将来はこういう雇用のあり方に持っていこう。会社に行かないでも、在宅で働けるということがどのくらい今までの労働政策を転換するかと考えたときに、これは大変な大転換だと思いますので、それをむしろ先取りするような形で、これからの雇用はこうなります。
 したがって、例えば在宅勤務をします、家庭に端末があって、それで会社とのやりとりがそこで済む、仕事が済む。そうなりますと、一つの会社だけを相手にしなくても、ほかの会社とも重複して全部情報処理できるようなことになりますから、多重就労というようなこともできるわけです。幾つかの会社を全部一手に引き受けてその人が働いている。あるいは、仕事があればそこの端末にぱっと画面が出てそこで仕事をするのだけれども、いつ仕事があって、ないのかということが非常にわかりにくくなる。幾つかの会社から突然仕事を頼まれたり、頼まれなかったり。そうすると、その人は今失業しているのか、それとも仕事待ちしているのか非常にわかりにくいとか、安全管理というのが、会社に行かないわけですから、家庭にいてどうやって安全衛生を管理するのかとか。
 そういうふうに考えますと、一つは、これからのマルチメディア時代でどういう雇用形態を目指すのかということと、それに対応して、全く今の労働法制が変わらざるを得ない。労働基本権という、そういう声も、端末切ったらこれがストライ
キなのかというような、およそ今までと違ってしまうということも含めて、そういう意味での労働行政のあり方が検討されるべきじゃないかと思いますけれども、何かお考えがあれば伺いたいと思います。
#63
○鳩山国務大臣 実は、先生からそういう質問の御通告をいただきまして、多少みんなで議論したのです。
 ただ、これから光ファイバーだ、マルチメディアだという時代になると、世の中本当にどう変わるかわからない。だから、委員会だって何もこうやって全部がここに集まる必要がなくなるのかな。私が労働省にいて、皆様の、赤城先生の質問を受けて、何か答えたくない問題があったらスイッチを切っちゃうのも、それは審議拒否かなどという議論も実はざっきしたのですね。
 これは、先ほどから先生がるるお話しになった中で、産業構造の変化とか時代の変化とか、いろいろな変化があるだろう。そして、日本型の雇用慣行、終身雇用とか長期安定雇用というものを先生は否定されているわけではない。私も、それは非常に大切なものとしてとっておきたいという気持ちがある。ただ、そういう日本型の雇用慣行を、変えなくてはいけない部分もあるが、どうしても変わらざるを得ない部分があるでしょうと先生は御指摘になった。その中に、例えば科学技術の発達、情報化社会の一層の進展というものも数え上げることができるとすれば、これは、本当に難しい問題だけれども、一生懸命考えなければいけないなと思うわけでございます。
 ただ反面、私は、多少ひねくれているわけではありませんが、情報化時代、メディア時代になればなるほど、例えばテレビで、テレビ電話というのか、もちろん今だってファクスもあるし、ありとあらゆる通信がある、お互いに遠距離にいてもどんな話でもできる、一どきに複数の人に話をすることもできる。そうなってくればくるほど、居酒屋でひざつき合わせて一杯飲むということの生む親近感というのか、その効果というのは逆にふえる、そういう反比例関係というものもあるだろうと思うわけですね。科学技術がうんと発達すること、物すごく生活が便利になるということと、その反面、最も原始的な部分がまた生き返ってくるという部分があるから、この辺の予測というのは非常に難しいのです。
 ただ、先生のお話をずっと承っておりますと、さすがに労働行政に関して物すごく頭が鋭く回転していかれる、そんな様子が見受けられまして、もう私などよりはるかに労働大臣の適任者だと思いますから、そのような政治行動をとられれば、チャンスもすぐめぐってくると思いますので、ぜひとも頑張ってください。
#64
○赤城委員 法案の審議の前にちょっと大上段の話をさせていただいたのですけれども、それは、こう言ってはなんですが、労働行政、失業なきことがよきことだというふうに、需給バランスとかそういうところに重点が置かれてきたのじゃないか、むしろこれからは、雇用、働き方というのはこうなんだ、人生はこういうふうなんだ、そういう意味でのビジョンをぜひ出していただきたいし、例えば在宅勤務がいいか悪いか、今大臣のお話がありましたけれども、もしこういうふうな勤務形態になるのだとすれば、それに応じた施策的なバックアップというのはあっていいと思うのです。それは、労働行政としてやることでもあると思うのですね。
 また、雇用創出効果がある。いろいろな産業分野がある。それの雇用を創出するのは、各産業を所管する分野でやることもさることながら、労働省の仕事でもある。つまり、新しいものを生み出す、あるいは新しい労働のあり方を提示する、それに向かって進んでいくというような、単に需給がバランスすればいいのじゃない、そういうふうなものをぜひ目指していっていただきたいというか、そういうふうに私も目指していきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それから、先ほど来何度も出ていましたけれども、女子の就職の問題で、その対策についても大臣からお答えいただいたのですが、数字的な面で、新卒者の男子で九八%、女子で九三%ですか、就職しています、こういうふうに言われる数字と、しかし、総務庁では十五万人就職浪人がいます、いろいろなアンケート調査で聞いてみますと、採用しないところがかなりの数に上っているとか、その違いがなぜ出るのかなというのは疑問が残るわけです。
 実際に就職したいという人の声を聞いてみますと、もう採用がないからあきらめて家事手伝いをしているとか、卒業しないで、短大だったら四年制、四年制だったら大学院へ行ってしばらく様子を見るんだというふうな、もうあきらめてしまっている部分というのはかなりあると思いますし、大手を希望したんだけれどもしょうがなくて地元へとか中小へとか、そういうふうにランクを落とした。当人にとつでの主観的な希望がかなえられなかったという部分が今の不満にかなりの部分あると思うのですけれども、それが数字としては出てないんじゃないかと思うのですが、そこら辺の認識はどうでしょう。
#65
○鳩山国務大臣 全く先生と同じ認識をいたしておりまして、例えば女子学生が百人いたとして、確かに九十二、三人の方はどこかに行かれたわけですね。就職された、雇用契約を結んだのであろうと思うわけですけれども、問題はその中身じゃないでしょうか。恐らく女子学生が行きたがるようないろいろな企業の採用総数というものの女子に対する採用数の減というのは、それは七%や八%ではないだろうと思うわけですね。
 ということは、当然希望をうんと下げたとか、さっきミスマッチという話をいたしましたが、希望の職種ではないけれどもしようがないというような形で勤めていかれたことを考えると、結局仕事が、自分のやりたい仕事が手に入って、そこから働きがい、生きがい、安らぎ、ゆとり、安全、そして幸せというふうな、人生はそうやって幸せを求めていくとするならば、やりたくない仕事を嫌々やらざるを得ないとか、不満足だけれども、おもしろくないけれどもやらざるを得ないというのは、やはり幸せへ向かっていく第一ハードルが非常に高いという感じがしますね。
 ですから、数字は九二%、三%であっても、内容において大変な問題があるので、来年の春の新卒の女子に関しては、より一層きめ細かく対策を行おうということを計画いたしたわけでございます。
#66
○赤城委員 いろいろ対策をとられていることについては繰り返しませんけれども、一点、もうことしはだめだとあきらめて就職浪人している方、あるいは大学でさらに勉強して様子を見ようという方にとっては、次のチャンスが本当に来るのかどうか。次の、来春の採用ももうほとんど手控えているというふうな調査結果が出ていますし、その時点になると次の新卒者が出てくるわけで、だから、普通は受験の浪人であれば、勉強して成績がよければ次もまた同じチャンスが来るんですけれども、就職の場合にはその一回見送ったというハンディが後々も残るというか、もうそれで就職の機会を逸してしまう。たまたま不況期に当たったために就職の機会を逸してしまうというハンディを負わなければならないというのは、どう見ても理不尽に感じるのですけれども、そこら辺を何とかできないものかと思いますが、どうでしょうか。
#67
○七瀬政府委員 ことしの三月卒業生、大変厳しかった、それから現在私どもがいろいろな形で把握している数字も、来年はことしよりももっと厳しいんじゃないか、こういう状況にあろうかと思います。
 そういたしますと、御指摘のとおり、残念ながら就職できなかった方が次の年、次の年というふうにたまっていくと言うとあれですけれども、就職しないまま残ってしまうという問題がございますので、これはやはりいろいろな事情で就職できなかった方々を新卒者並みに、新卒者と同じような形で企業として処遇をしていただく。処遇というのは、採用に当たって、これは実力主義であ
り、企業の選考の基準もあろうかとは思いますけれども、そういう経済の状況の波の中で就職できなくて残ってしまった人を何とかそういう形に企業として考えていただく、またそういう方々に対する私どもの相談体制なりいろいろなことにつきましても新卒者と同じような形で考えていく、そういったことがまず基本的に必要なことではないだろうか、こういうふうに考えております。
#68
○赤城委員 それでは、法案の方に入らせていただきます。
 この雇用保険制度、今回の改正に係る部分ですけれども、従来雇用保険というのは、どちらかというと失業している人に対する給付が中心であった。今回は、雇用が継続している人、高齢者とかあるいは育児で休業している人、そういう人に対しての給付ということで、ちょっと性格が違うかな。また、今までの制度でいいますと、特に雇用調整、失業対策としては三事業で……(発言する者あり)
#69
○松岡委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#70
○松岡委員長 速記を起こしてください。
 この際、委員に一言申し上げます。
 法案審査中は、特に与党委員は出席を確保されるようお願いいたします。
 赤城徳彦君。
#71
○赤城委員 与党委員がそろわなくてしばらく中断しましたけれども、そういうこともあってちょっと質問をはしょらせていただきます。
 この雇用保険法の改正、これはきのうきよう起こった議論ではないと思います。どういう経緯でこの議論が起こり、ここに至ったかというのをちょっと簡単に説明してください。
#72
○戸苅説明員 今回の雇用保険法の改正につきましては、平成四年一月二十九日の中央職業安定審議会におきまして、雇用をめぐる社会経済の変化に対応した雇用制度のあり方に関する基本問題その他の諸問題について、その審議会の雇用保険部会で検討を行うということとされたわけでございます。
 それを受けまして、雇用保険部会におきまして、平成四年の二月二十六日から二十三回にわたる調査検討を行いまして、昨年の十二月一日に雇用保険部会の報告書を取りまとめいただいたわけであります。内容につきましては、今回の法案に反映されているとおりでございまして、雇用継続給付の創設でありますとか、その他失業給付の見直し等々、これが内容になっております。
 労働省といたしましては、この報告書を踏まえまして法律案要綱を作成し、昨年の十二月十五一日、中央職業安定審議会に御諮問申し上げまして、ことしの一月七日に、妥当と認める旨の公労使全会一致の答申を得たところでございます。さらに、ことしの二月十八日に、社会保障制度審議会にも御諮問申し上げまして、同じく二月二十三日におおむね了解する旨の、これも全会一致の答申を得ております。
 これらの答申を受けまして、雇用保険法等の一部を改正する法律案を作成いたしまして、三月十一日に今国会に提出申し上げたということでございます。
#73
○赤城委員 中央職業安定審議会雇用保険部会、二年にわたる審議を経ている。つまりこれは、自民党政権のもとで検討が始まって、この法案というのはまさに自民党の法案である。そういう意味では、与党の方が余り熱心になられないのもこれはやむを得ないことだとは思いますけれども、雇用継続給付についての住民税、所得税の非課税、これも我が党が要求して実現したわけでありますし、そういう意味では自民党が筋道をつけてきた。今からこの賛否どうだと申し上げることもありませんけれども、基本的には、これは私どもは推進してまいりたいと思っているわけであります。
 そこで、これは相当な給付の対象者があります。約百三十万で六千億円の給付になる。しかし、これはうまく制度を仕組んでありますから、今の政府・与党がとかく、消費税率を上げる、あるいは撤回してみたり、あるいは公共料金を上げる、撤回、いろいろある中で、この制度はこれだけの給付額に及びながら保険料を上げなくても済むという、非常にうまくできた制度でございますけれども、なぜそういうふうにうまくできるのか、説明してください。
#74
○七瀬政府委員 今回の柱は高齢と育児でございますが、金額的には高年齢雇用継続給付の金額がかなり大きくなります。ただ、六十歳を過ぎた方がそのままの形で継続雇用に乗っていく、その反面、六十歳で失業をして失業給付をもらっていた額、これがかなり多額になるわけでございますので、そこのところでかなり高年齢給付に回せるということと、それから全体として、時代が変わってきた、あるいは少し合理性が失われてきたような制度につきまして、いろいろな形で手直しをしておりますので、いわば失業給付を払うものから積極的に雇用を推進するということに少し方向を変えたことによって財源が間に合っている、こういう状況でございます。
#75
○赤城委員 最後に雇用保険制度、これからいろいろな役割が期待されてくると思います。産業構造がこれから大きく転換する中での雇用調整とか失業給付とかにプラス今回の高齢者の雇用の継続とか、あるいは女性の社会進出をバックアップしていくとか、いろいろな役割が期待されると思います。今後の雇用保険制度、社会の構造変化に応じて、機動的にこの制度で対応していくという役割が期待されると思いますけれども、大臣の今後に向けてのお考えを伺いたいと思います。
#76
○鳩山国務大臣 先生御指摘のとおりだろうと思いまして、雇用保険制度によって機動的にいろいろな仕組みをつくり上げて今日まで来たわけでございましょう。
 今回の高年齢雇用継続給付にしても育児休業給付にしても、時代の要請に見合って、女性には一生仕事をしていただけるようにしましょう、子供も産んでいただくようにいたしましょうということであり、また高齢者の方は六十五歳まで現役で働けるような世の中をつくっていきましょうと、こういうことでございます。
 基本的には、これからの産業構造の変化だけでなくて、先ほど赤城先生からいろいろ御指摘があったように、人口の構成も変化していく、科学技術も変化していくという中で、これから雇用保険制度に期待されるいわば機動的な出動というのはますますふえていくのではないかな、そんなふうに考えておりますし、何よりも、結局人間、物より心だということ、先ほど先生からも御指摘があったわけで、本当に生きがいを感じて、働きがいがあって、幸せになっていけるという人生というのはどういうものかという、これからの人生観の問題、あるいは哲学の問題にもいずれなっていくわけでありましょう。そうした二十一世紀へ向けての、あるいは二十一世紀になってからの雇用という問題に対して非常に大きな役割を期待されている雇用保険制度だと私は考えております。
#77
○赤城委員 終わります。ありがとうございました。
#78
○松岡委員長 住博司君。
#79
○住委員 赤城さんが随分時間を残して私にバトンタッチをしていただきました。審議促進に随分協力をしようという意欲のようですので“私も幾つか質問をさせていただきます。ただ、重複する部分があるのですけれども、確認の意味合いであるとか、それからみずからの認識を深めるといったこともありますので、どうぞその点を勘案をしながらお答えをいただきたいと思います。羽田総理と違って、率直という言葉を大切にしていただいて、あれやこれやわけのわからぬことを言わずに、明快にかつわかりやすく御答弁いただきたいと要望しておきたいと思います。
 今ほど、最後に鳩山労働大臣がおっしゃったように、今回の雇用保険法の改正というのは、言ってみれば非常に大きな意味を持っていると私は思っております。定年を迎えられた高齢者の方々や育児休業中の労働者、働く人を、失業に準ずる状態に位置づける。給付の対象を広げることに
よって雇用の拡大や育児休業の推進を図るということですから、働く意欲を持っている高齢者の方々や働く女性のために新たな援助策をつくった、こういうふうに私は理解しておりますし、評価をしているところでございます。
 ただ、現状を考えてみますと、私もよく選挙区を回るのですが、そのときに、六十歳の定年後も働くと賃金は安くなるんだ、低くなるんだ、定年後働かずに受ける失業給付の額の方が、同じ会社での継続雇用や再就職で得る賃金よりも多いんだ。皆さん方、よく逆転現象とおっしゃるわけですけれども、それがやはり実際にある。働きたい、働き続けたいという意欲はあるんだけれども、どうもそれを満たしてくれてないねと、そういう言い方をされる方が多いのですね。
 私たちの国は、言われ続けていることですけれども、活力を維持するためには、働きたい、働く意欲を持っている方々にはどんどん働く場を提供していかなければいけない。そしてまた、そういう貴重な技術や経験を持った人たちには、その能力を遺憾なく発揮してもらわなければならない。そのことは、とりもなおさず今問題になっております年金や医療の問題の財政を支えるためにも大切なんだ、私はこういう基本的な考え方を持っております。
 そこで、幾つかの質問に移っていくのですけれども、先ほども岡崎さんの質問の中にございました。今度の高年齢雇用継続給付というのは、六十歳から六十五歳の定年後の賃金の二五%というのを要するに雇用保険の給付で上乗せするということになる。賃金と給付の合計が最高で定年時の八五%まで支給するということですけれども、二五%の給付率というのは一体どこから算出をされたのか、改めて伺っておきたいと思いますし、これが雇用継続の援助や促進に足ると考えた根拠というのはどこにあるのか、お答えをいただきたいと思います。
#80
○七瀬政府委員 二五%といたしましたのは、先生もただいまおっしゃいましたように、失業給付をもらっている方が高くなるのではないか、そういったことを考えまして、実際、六十歳以降の働き方として間々ある形というのは、例えば働き方も半分くらいになるとか、あるいは責任も少し今までと違ってくるとか、そんなことでかなり大幅にダウンをすることがある。その場に二五%をいわば下がった賃金に上乗せをすれば、私どもが申し上げている逆転現象は少なくとも起こらないような形で大体整理できるのではないかということと、もう一つは、保険でございますので、六十歳以降に失業給付をもらった人と働き続けた人とのバランス、そういったことを考えて二五%にしたということでございます。
#81
○住委員 今の時点ではある程度合理的に算出したのだ、こういう自信を持っておられる、こういうふうに考えてよろしいわけですね。じゃ、こういう計算をして、大体、支給対象となる人の数とかあるいはどのくらいの支給額を想定されているのか、このことをちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
#82
○戸苅説明員 高年齢雇用継続給付の受給者数でございますが、平年度ベースで、しかも給付が最大限の効果を発揮したと仮定して算出いたしますと、年間百十六万人程度ではないかというふうに見込んでおります。
 それから、所要額でございますが、百十六万人に対応いたします所要額といたしましては五千四百億円程度というふうに見込んでおります。
#83
○住委員 六十五歳までの雇用の継続というのはこの給付だけで達成できるなどということは毫も思っておられないと思いますけれども、例えば、先日審議されました高年齢者雇用安定法、この改正とこの雇用保険法における継続給付の創設、これは政策的にどんな連携があるのでしょうか。そのことをお尋ねしたいと思います。
#84
○七瀬政府委員 高年齢雇用安定法の考え方といたしまして、ともかく、多少計画的、段階的かもしれないけれども六十五歳まで継続雇用をできるシステムをつくろう、そのシステムも、ただ事業主が必要だという場合ということではなくて、希望する者がおおむね全員六十二、六十三、六十五と、こういうシステムをつくっていこうというところに最大の眼目がございます。
 そのシステムが機動的にできるためには、職場の施設改善に対する助成でありますとか、あるいは、高齢者の働き方に対するいろいろなアドバイスとか、そういったこともあろうかと思いますが、同時に、働く方に対して六十五歳まで働くインセンティブをつけるということが、そういうシステムをつくっていくということに大いにバックアップとなる、いわば両者相まって六十五歳までの現役というシステムをつくっていこう、こういうことでございます。
#85
○住委員 今の御説明のほかにも、高齢者対策というのはさまざまやっていかなきゃいけない、こう思うのですね。
 余り六十歳以上の方を退役世代みたいなことを言うのが正しいかどうかわからない。私らよく話をするのですが、西南戦争の西郷翁なんと言って、翁という名前がついているけれども、亡くなった年は四十九歳だった。今からすると若い世代に入るのに昔だったらそうだったのだ、当然時代によって変わっていくのだろうな、こう思うのです。しかし、労働省としては、まさに高齢者に対する対策、雇用の対策というものはいろいろな分野で幅広くやっていかなければいけないと思うのです。大臣のそのことについてのビジョンというのでしょうか、高齢者の雇用対策についての一定の御見解をお示しをいただければありがたいと思います。
#86
○鳩山国務大臣 先ほど赤城先生にも御答弁申し上げましたように、また今七瀬局長からも御答弁申し上げましたように、結局、当然長寿社会ということ、あるいは、平均寿命の伸びということもあって、またいろいろな栄養のバランス等の問題もあるわけでありましょう。
 今西郷隆盛の話をされましたけれども、時代とともに年齢というものが持つ意味が変わってきて、例えば、十年あるいは十五年、二十年ぐらい前の五十五歳というものと今の六十五歳というのが相当いろいろな意味で見合った形になってきているとするならば、従来、五十五まで働くのかなというようなことが言われておった。今は六十五くらいまでは元気いっぱい働いて、生きがいを持って生きていくのがいいのではないかという世の中になりつつあるわけでございましょうから、六十五歳まで現役でばりばり働けるような世の中をつくろうということで、今回の高齢者の雇用安定法あるいは雇用保険法の高年齢雇用継続給付についての部分というのがあって、それが両々相まって一つの方向を出していくということでありましょう。
 ただしかし、人間六十歳くらいになれば、例えば、もっと好きなことをやってみようとか、短い時間の労働で楽しく生きていきたいとか、いろいろ多様な要求もあるいは希望も持っていかれることでありましょうから、そういう高齢者の方の多様な要望にこたえながらも、原則としては六十五歳まで現役、こういう世の中をつくっていくために我々はいろいろな政策面の配慮を加えていこうといたしております。
#87
○住委員 大臣の考え方とすれば、選択肢を幾つかつくる、そしてどこを選ぶかは御本人に決めていただく、しかし、十分働ける人たちにはその環境も整えていきたい、こういう御決意だと思うので、ぜひその方向で労働政策を組み立てていっていただきたい、こう思います。
 少し細かい点に移るのですけれども、ちょっと気になる部分なので伺っておきたいと思います。
 今回の高年齢雇用継続給付は最大五年間支給されるわけですね。再就職できずに失業給付を受ける人とのバランスはどうなるのだろうか。余りそういうことは想定しなくてもいいのかもしれませんが、そのことをちょっとお伺いしたいということ。
 それから、一たん失業給付を受けた人を対象に考えてみますと、支給の残り日数二百日以上の場
合は二年間だ、残日数百日以上の人には一年間だ、これらとの均衡はどうなっているのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
#88
○七瀬政府委員 モデル的に考えてみますと、六十歳定年で失業をしてしまった、その方に払われる失業給付と、五年間一生懸命二五%のインセンティブをもらいながら働いておられる方と大体バランスはとれているのではなかろうかというふうに思っております。
 それから、途中で失業して失業給付をもらう、その方はもらう方に回ったからということかもしれませんけれども、一般的に三百日あるとしたときに、そのもらった日数が少ない場合には、雇用継続給付の内容なりもらえる期間は若干変わるにしても、そういう継続給付の対象にしていきたいということで、二百日以上残っている方あるいは百日以上残っている方、その段階に応じて雇用継続給付の対象にするということにしたわけでございます。
 ただ、さらにそれよりも少ない、失業給付もかなりもらったという方について、重ねてまた、残日数にかかわらず雇用継続給付の対象にするということは、かえって継続雇用に対する意欲を阻害するとか、制度全体として問題が出てくるので、そこまではやるべきではない、こういう考え方でございます。
#89
○住委員 要するに、それはこれから運用してみて、例えば二回、三回出たり入ったりみたいな人も含めて、運用の中で一体実態がどうなっているのかということを考えてから見なければいけない分野だと思うのですね。今から、これはだめですというような話ではないと私は思うのです。これをスタートさせれば、そこはしっかりと見ていただきたいと思うのです。
 その後、例えば再就職先などというのは、新たに定年を迎えた方にどうぞ来てくださいという企業は今そうそうあるわけじゃありませんけれども、しかし、見てみると、やはり中小零細企業の方々が多いように感じますね。そうしますと、その方々がきちんとこの雇用継続給付を受けられるのかどうなのかということが実を言うと問題になってくると思います。その給付を受けてもらう、実を言うとこういう制度をつくったんだからちゃんとその仕組みの中に入ってくださいね、こういうことについてはどんな対策をとろうとしておられるのかお尋ねをしたいと思います。
#90
○七瀬政府委員 中小企業につきましては、確かに雇用保険が適用されているわけでございますけれども、手続が十分でないというようなことがございますので、加入促進というか、きちんと手続をするように指導をしていきたいと思っております。それで、この雇用継続給付につきましては、その支給を受けようとする被保険者、つまり御本人が賃金の支払い状況などの事業主の証明書を添付して公共職業安定所に行った場合に、審査の上支給決定して口座に振り込まれる、こういうことでございますが、手続をわかりやすくしなければいけないということで普及に努めてまいりたいと思います。
 それからもう一つは、労働組合あるいは労働者の過半数を代表する方々との同意、企業とそういう方々が同意を約束をしたという前提の上でございますが、事業主が御本人にかわって支給申請の手続をする、そういうことも認める方向で対応していくのがより現実的なことではないかと思っておりまして、そんな方向で考えているところでございます。
#91
○住委員 事業主の方の、言ってみればやってくれるということも今考えていただいたのですね。それもいい方向だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 次の問題なんですけれども、今国会には年金法の改正案というのが提出されているわけですね。この法案では、年金の支給開始年齢が順次引き上げられて、二〇一三年に六十五歳支給になるんだ、こういうことになって、六十歳代前半層にはいわゆる別個の給付が支給される、こういう案を今考えているわけですね。しかし一方で、この間は減額されていくわけですから、その分の減額部分をこの高年齢雇用継続給付で補う、かわりの部分だみたいな意見もあるのですけれども、労働省はこの辺についてどういう見解を持っておられるのか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#92
○七瀬政府委員 今回の高年齢雇用継続給付は、先ほども申し上げましたように、雇用保険がいわば失業したときに三百日もらえる、そういうこと一もあって、就業意欲が減退してい一そういう問題がある。その問題を、むしろ働ける方には、意欲のある方には働いていただく方がいい、そういうことで、いわば雇用の継続を援助、促進することを目的とすることで設けようとしている制度でございますので、雇用保険制度にいわば内在する問題点を解消するという趣旨かと思います。同時に、先ほど御質問にございましたように、六十五歳までの雇用をつくっていくことが大事ではないか、そういうことで、六十五歳現役という制度を確立していくのに重要な施策であるというふうに思っているところでございます。
 もちろん、高年齢雇用継続給付と老齢年金との関係については、雇用と年金との関係ということがいろいろな形で議論はされておりますが、やはり基本的には、それぞれの目的、機能に応じて、それぞれの役割を果たしていくべき制度である、こういうふうに考えております。いわば、在職老齢年金制度とか新給付と直接は関係がない、雇用保険制度の枠の中での改善である、こういう理解でございます。
#93
○住委員 そういうことは、これからの運用次第で内容も変わっていくわけですね、そういうことになると。年金法の改正の問題とは一応別に考えておきたいというふうな立場でおられる、こういうことですね。
 大臣にお聞きしたいのですけれども、今年金法の改正が俎上に上るときに、やはり年金というのは改革にはいろいろな原則があると思うのです。私は、負担する人にとって公平で、そして公正であるということがまず第一だと思いますし、要するに、言ってみれば、年金を頼りにする人が不安であってはいけない、こういうことだと思うのですね。今起きている議論というのは、実を言うと、支給開始年齢が徐々に上がっていきますよ、その分ちょっと減額支給されますよというようなことがあって、実を言うと年金改正についてはいろいろな御議論があるんだと思うのです。今政府の方で考えている年金法の改正について、大臣はどんな御見解を持っておられるのか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#94
○鳩山国務大臣 私は、特に年金について詳しいわけではありませんが、むしろ非常に知識不足は否めないところでございます。
 ただ、住先生は昭和二十九年生まれであられる。私は昭和二十三年生まれの現在四十五歳でございますが、私が六十五歳に到達するのが二〇一三年という、ちょうど年金の満額支給が六十五歳に延びていく、そのときに私は六十五歳になるわけですから、戦後の団塊の世代、いわゆるベビーブームで大量に生まれた私たちが六十歳へなっていく、六十五歳へなっていくときの年金の負担ということも当然考えてこの制度ができているんだなということ、今言われているような制度がつくられてきたんだなということをつくづく思うわけでございます。
 反面、今から二十年後に六十五歳になるということであるならば、そのころには恐らく六十五歳までは現役でばりばり働くのが原則だという世の中が完全にでき上がっているであろう、そう思いますと、私は、その辺のバランスというのは案外よくとれているのではないだろうか。それは雇用保険制度が今と同じような仕組みのものであって、いわゆる二〇一三年の時点で高年齢雇用継続給付金という名前であるのかどうか、私その辺については全く自信はありません。
 ただ、労働省で行っている雇用政策というものが、六十五歳まで現役でばりばり働くのが原則ですよと、もちろんそうでなくて、多様な選択をされる方には幾らでも道は用意しますがという形が
確立していくのが、今から何年後かわからないけれども、少なくとも二〇一三年ごろには確立していくであろう。そのときに、六十五歳まで我々年金を追いかけるような形なんですね。ちょうど年金を追いかけていくと、二〇一三年で六十五歳になつてつかまえるというのが我々の昭和二十三年生まれの宿命なんですが、その辺のタイミングとかバランスというのは私はうまくとれているように思います。
#95
○住委員 突然質問したもので大変申しわけないと思っているのですが、もう一つだけ聞きたいのですが、先ほどパートタイムの話も出てきました。パートタイム労働者を厚生年金の枠に入れたらどうだという話があるのですね。これについては大臣、個人的な見解でいいですから、ちょっとお聞かせいただきたい。
#96
○鳩山国務大臣 これは住先生申しわけありません、私は今答える能力をちょっと持ち合わせておりませんので、答えは保留させていただきたいと思いますが、先ほど赤城先生ともいろいろなやりとりがありましたが、時代の変化とともに労働の形態、いわば就労の形態というのも当然多様化していくだろうということは予想される、あるいは多様化というか、別な新しい形がどんどんできてくるのかもしれないと思うことがあるわけです。パートタイム労働というのも、そういういわば時代の申し子的な雇用形態ですね。これが、雇用形態というにしては雇用契約等がしっかりしてないのではないか、いわば労働としての管理というような意味でもしっかりしていないのではないかということで、その辺を少しでも一般の雇用と、普通の雇用に近づけるという意味でパートタイム労働法ができ上がったというふうに、経緯を私は認識をいたしておるわけでございます。
 ですが、一千万にも及ぼうかというパートタイマーという方々がおられるのでしょうが、それはその就業形態等いろいろさまざまだろうと思いますので、その辺をどういうふうにどこまで整理して、また年金に結びつけていくことができるのかというのは専門家に任せるしかないなと思っております。ただ、整理の仕方が意外と大変ではないかなというような漠然たる予感はあります。
#97
○住委員 年金審議会でも、これは財政の健全化に対しての第四の手段だとか第五の手段で挙げたたぐいのものでございますので、ぜひその点については大臣も、労働を守る、働く人を守るという立場とか、そういう観点からもぜひお考えをあわせていただいて、御議論をいただければ、こう思っております。
 次に、育児休業給付についてお尋ねをいたします。
 細かな点に移る前に、今の出生率の低下や少子化の現象をどのように受けとめておられるのか、それから今後どのように対応していけばいいのかということを大臣にお伺いしておきたいと思います。
#98
○鳩山国務大臣 この間予算委員会で、共産党のどなただったか、御質問をされたときに棒グラフのようなものを使って説明された方がおられるのです。あれは生産年齢人口という定義ではなくて、いわゆる就業しておられる方と仕事についておられない方の比率か何かの予測を将来的に示したものであったかと思うのですが、多分その先生がつくられた前提は合計特殊出生率が一・五〇ではなかった、もうちょっとまともだった、もう少し数字が高かった時代のものが材料になっていたかのように私は見たわけでございます。
 そういうふうに出生率が一・五〇というのは恐ろしい数字でございまして、まさに日本という国の人口の構成が、先ほどもありましたが、ピラミッドが頭でっかちになってしまうということでございまして、これはなぜこういうことになっているのか。それは住宅事情、教育事情、いろいろあろうと思います。そして、女性の労働事情ということの持つ意味が大きいということで、今回は育児休業給付ということを提案いたしておるわけでございます。
 子供を何人つくろうかというのはそれぞれの夫婦が個人的にみずから話し合って、あるいは価値観に基づいて決めることでございましょうから、戦争中のように産めよふやせよと今は声を大にして叫べるような時代でないことはよくわかっておりますが、ただできる限り、少なくとも二人あるいは三人のお子さんを素直に産んで育てることができるような状況を少しでも整備するというのが政治や行政の役割であると思うと、私は、例えば教育費等の問題は、かつて文部省に何百日か私もおりましたが、大きな問題になっているなと思いますし、あとは住宅の問題ではないか、そんなふうにとらえております。
#99
○住委員 これからのまさに政治のリーダーになられる、もう今既にリーダーですけれども、これからもずっとこういう仕事に携わっていただく鳩山大臣ですから、どうぞそういう考え方でいろいろな方々と意見を調整していただいて、我々の国が今後とも活力が生まれるように、少子化、少子化といって何か暗い、暗い、こういうイメージではなくて、しっかりとした社会を築くための努力をしていただきたいと思うわけであります。
 もちろん今や女性が働くのは当然だ、こういう時代になってきた、私もそう思います。そして、女性がなければもう成り立たない職場というのも幾つもあるわけですね。仕事と育児の両立を図るためには働く女性が育児休業をとりやすくする、また円滑に職場復帰できるようにさまざまな援助策を講ずるというような不断の努力が必要だ。先ほども御答弁がございましたが、当然だと思います。
 しかし、働く女性にとっては、もちろん育児休業の確立も大事なんですけれども、先ほどちょっと出ておりました介護の問題についてもこれは避けて通れないのではないか。介護、育児と職業生活、これをバランスよく並び立たせるということが今これからどうしても必要なんだと思うのです。
 これまでもそれを目標にさまざまな施策を着々と進めてきた、こういうふうに考えておりますけれども、今回の育児休業給付の問題は、先ほど言いました働く女性の三つのバランスみたいなものがありますが、それとどういう絡みでこういう設定にしていったのか、どういう目的でつくられていったのか、そこのところをもう一度伺っておきたいと思います。
#100
○七瀬政府委員 育児休業制度あるいは育児休業給付制度のお尋ねかと思いますけれども、やはり自分で子供を養育していこう、そういう気持ちの方のことを考えた場合に、そういった場合に仕事をやめざるを得ない、やめないと家で養育できない。これに対して、育児休業制度があれば、その期間、一年か半年かわかりませんけれども、その期間は家庭で養育をするけれども、やがて職場に戻ってこれる。そういったことになりますと、本人も職業生活と家庭生活とが両立できるし、また社会全体にとっての継続雇用の促進という意味からいっても、そこでやめないわけですので、社会全体にもいわば大変プラスになる、こういうことで育児休業制度を設けたわけです。
 ただ、これについて、経済的な問題をどうするかということについていわばいろいろな議論があって、それが積み残しになっておった、それが今回のような形でいろいろな場面で議論をした結果こんな形になったんだ、つまり二五%の給付を支給するということになった、こういう認識に立っております。
#101
○住委員 私たちは、この育児休業の法制化をするときに、ノーワーク・ノーペイの原則というのを盛んにやった覚えがあるわけですね。
 それで、育児休業期間について例えば賃金などの支払いを企業に対して義務づけるのは、私はやはり問題だと思っています。だけれども、今回の育児休業給付というのは、このノーワーク・ノーペイの原則に照らしてどういう位置づけになるんだろうかということを伺っておかないと考えようがないのかな、こう思います。その点はどうお考えになっておつくりになったのでしょうか。
#102
○七瀬政府委員 育児休業法を制定するときに本当にいろいろな議論があったと思います。ただその中で、やはり非常に大事なことで仕事はその間休む、そういう方に対して、使用者に対して何らかの形で賃金の支払いを義務づけること、これは無理があるのじゃないか、あるいは少なくともコンセンサスがその時点で得られることではない、こういう議論があり、ただそこで、とった人の経済的な問題について何か助けるようなことができないのか、その辺は時間をかけて少し議論してみたらどうだということで、今回のようないわば労使がみずから拠出をする、そして国もそれに対して負担をするという形で二五%の給付をすることになったわけでございますから、いわば仕事をしないで休んでいる人に対して事業主が賃金という形で支給を義務づけられる、そんな形ではない、いわば三者三様でお金を出し合うという形で解決された、法案が通れば解決される、こういうことになったのだろうと理解いたしております。
#103
○住委員 要するに、ノーワーク・ノーペイの原則というのはこれからも生き続けるというふうに考えてよろしいのですか。どうでしょう。
#104
○七瀬政府委員 これからどういう御議論になっていくかわかりませんけれども、私自身としてはこの問題について事業主に義務づける形というのはなかなか難しいのではないかという認識に立っております。
#105
○住委員 あれだけの議論をしたことですから、それは積み重ねがあって、しかも一方で何か手だてを考えなきゃいけないというので給与のところかなという感じはしないではないのですが、やはり例えば法律で事業主の方にもいろいろな制限を加えていくときには、それだけの原則というのはきちんと守っていただきませんといかぬということだけは、私は思っているということをここで申し上げておきたいと思います。
 それから、例えば育児休業を取得した、これから今度は職場復帰をするんだということになる、これは企業にとっても多分雇用管理が大変だと思うのですね、相当な期間いないわけですから。そういう職場復帰に対する援助というのはどういうふうに今やっておられるのか。
#106
○松原(亘)政府委員 お答えいたします。
 育児休業法の施行と同時に、私どもは、育児休業者職場復帰プログラム実施奨励金という助成金制度を創設いたしました。
 これは、一年、人によってはそれより短い方もありますけれども、しばらく職場を離れていると、復帰するときにさまざまその適応について問題が生ずるということもあろうかと思いまして、そういう職場復帰がスムーズにいくようにということで、事業主が、例えば休んでいる間に企業で起こったさまざまなことなどについての情報提供を労働者にし、休んでいる間でも労働者と使用者の関係を保っておくといいますか、そういうことで情報提供をするような場合、また職場復帰に際して、例えばOJTで少し職場適応の訓練をするとか、それから、そうでなくても、例えば労働者の方に自己啓発の資料などを送って、みずからブラッシュアップしていただくような制度をぜひ入れていただきたいということで設けた制度でございます。
 この制度を利用することによって、しばらく職場を離れていた労働者の方がスムーズに復帰でき、雇用の継続というだけでなく、もとの職場で能力を有効に発揮できるようにということでやっているわけでございまして、これの奨励を私どもはやっているわけでございます。
#107
○住委員 要するに、どれだけのお金をこれに投入しているかということだと思うのです。それから、どれだけの方々がそれを利用しているのでしょうかということも同時にお聞きしたがったのです。
#108
○松原(亘)政府委員 ちょっと恐縮でございますが、突然のお尋ねでしたので、数字はちょっと今探しておりますので、後ほどお許しいただければお答えいたしたいと思います。
#109
○住委員 それでは、もう一つの問題について伺っておきます。
 今度国会に提案されます年金法の改正案だとか健保法の改正案を見ますと、どうも育児休業期間中の年金保険料や健康保険料の本人負担分について免除するとしているのですけれども、育児休業に関する援助がこれは重複してしまうのじゃないかな、私はこう感じるのです。かえって負担と給付のバランスが崩れはしないか、こういうふうに思うのです。育児休業給付と社会保険料の免除との関係をどうとらえておられるか、それを伺っておきたいと思います。
#110
○七瀬政府委員 今回御提案申し上げております育児休業給付は、いわば育児休業を取得しやすくする、そして継続雇用を促進、こういう観点でございますが、社会保険料の免除という施策は、社会保険全体の体系の中で、いわば子供を生むために、子育てのために休んでいる、こういう方に対して、社会保険制度の観点から、こういう方には保険料を免除することでバランスがとれる、そういう形で考えておられるのだろうと思いますので、私どもがいわば保険給付という形で継続雇用を伸ばすためにやっているということとは、制度、目的の趣旨が大分違うのではないか、こういう理解に立っております。
#111
○住委員 ですから、実はそういう労働省の立場はよくわかるのです。だけれども、要するに本当は受ける方はそれは変わりませんからね。役所が違っているから変わっているわけじゃないのですから。ですから、そういうことを考えたときに、そういう指摘を受けないように、よく考えて物を進めなければいかぬのじゃないのですかということを指摘したかっただけなんです。
 これからの高齢者の問題であるとか女性の問題というのは、さまざまな役所のいろいろな施策の中で絡んでくる話ですから、そのことを考えたときに、あれはあっちでやっているのだから私知りませんというような態度では、これはバランスのとれた、要するに国民の言ってみればいろいろな負担の中で成り立つ仕組みをこれからも維持することは、なかなか難しくなってくるということだけ申し上げておきたいと思います。
 それから、今職場復帰のことについて松原さんにお伺いしましたけれども、今度逆に、育児休業を取得した後に、職場復帰せずにそのまま職を離れてしまうというケースも幾つかあるというふうに私は聞いておるのです。これは、こういう育児休業給付をこれから支給したとしても、このように離職が多ければ、給付の目的から全然逸脱してしまうような感じがいたしますけれども、これについて何らかの対策をお考えになっているのかということもお答えをいただければありがたいと思うのです。
#112
○戸苅説明員 今先生御指摘のように、育児休業給付を受ける労働者が職場復帰をしないでそのまま離職してしまうということは、育児休業給付制度の趣旨に全く反したいわば制度の乱用でございまして、これを極力防止したいというふうに考えまして、育児休業給付の制度本体の中にも、育児休業が終わってから六カ月間被保険者として雇用された場合に賃金の五%を支給する、いわば二五%支給するうちの五%は、職場復帰が担保されたところで支給しようというふうな制度にいたしてございます。
 労働省といたしましては、これとあわせまして、やはりそういった制度の趣旨に反した乱用が、あるいは安易な離職が行われるということは非常に問題でございますので、育児休業給付あるいは育児休業制度の趣旨、内容、そういったものを周知徹底いたしまして、安易な制度の乱用が行われないように努めてまいりたいというふうに考えております。
#113
○住委員 せっかくこういう立派な制度をつくって、運用してみたらどうもうまくいかないな、むしろ、今乱用と言われましたけれども、趣旨とは違った使い方をされてしまうということでは、皆さん方のせっかくの熱意がなくなってしまうことになると思います。ぜひその点はよくその利用者
の方々にその趣旨そして意味合いをきちんと伝えながら、この制度を乗せていっていただきたい、こう思う次第です。
 もう一回、さっき介護休業の制度についてちょっとだけ触れましたけれども、この際この問題についても伺っておきたいと思います。
 もちろんこれから高齢化社会がどんどん進展していく、寝たきりの人の増加ということが見込まれる、介護の問題というのはこれからさらに大きな問題になっていくだろう、こういうふうに思います。働く女性が介護休業を安心して取得できるかどうかは極めて大きな課題になってくるというのは、以前から指摘されているところですけれども、この点、労働省としてどう取り組んでおられるのか、それから介護休業制度の利用者の援助についてどのように考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#114
○松原(亘)政府委員 介護休業制度は、介護を要する家族を抱えた労働者にとっては、仕事の継続と介護との両立を図るという意味で、非常に重要な制度だというふうに私ども認識をいたしておりまして、平成四年度に介護休業制度等に関するガイドラインというのを定めました。このガイドラインの線に沿った介護休業制度がなるべく多くの企業に導入されるようにということで、さまざまな啓発活動、集団指導等々を展開いたしてきているわけでございます。
 これまでのところ、最新の時点では一六・三%の普及率になっております。大企業ではそれでも過半数を超える事業所で導入されておりますが、中小企業ではまだ導入が非常におくれているというような状況もございますので、今後は中小企業になるべくこの介護休業制度、それ以外にも介護と仕事を両立できるような仕組みが導入されるようにということで、支援事業なども展開してまいりたいというふうに思っているところでございます。
 先生御指摘の介護休業をとる労働者への具体的ないわば金銭的な意味での援助というのは、まだこれまでやっておらないところでございまして、今後介護休業の法制化問題というのも遠からず検討課題になっているわけでございますが、その検討の中で今後検討もいたしたいというふうに思っているところでございます。
#115
○住委員 そうすると、これは雇用保険の中でやるという考え方は出てくる可能性はあるのですか。
#116
○七瀬政府委員 介護休業制度の法制化、それはそういった議論を私どもの方、つまり婦人局の方でいたしておりますが、これが支給要件とかいろいろなことを議論していって、育児休業のような形でコンセンサスを得られるとか、きちんとした形になった場合に、さてどうするかということになったときに、この雇用保険制度というのも考えられる一つの選択肢ではなかろうかと思っております。
#117
○住委員 だけれども、雇用保険のもともとの考え方というのは、要するに失業者の生活を安定させて、そしてまた就職活動をさせやすくするという考え方に成り立っているわけですね。新しい給付がぼんぼんふえていくと、その本来の目的そのものに影響を与えるのかなというおそれなしとも言えない、こう思うのです。それとは、今は大丈夫ですよと、先ほど赤城さんへの御質問に対する答えでありました。今失業給付というのは一体どうなっているのかということも伺っておかなければいけないのです。
 かつて経験したことのない長い長い不況が続いているわけですね。多分失業給付も増加していると思いますけれども、直近の受給者の数とその収支状況というのはどうなっているのか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#118
○戸苅説明員 最近におきます雇用保険の失業給付の受給者実人員、受給者の人数でございますが、平成五年度につきましては六十九万九千人でございます。平成四年度に比較いたしまして二二・五%の増ということで、大幅な増加が続いておるところでございます。
 それから、保険の財政収支でございますが、平成五年度につきましては、今申し上げましたような雇用失業情勢を反映いたしまして、失業給付の増加がかなり見られてございます。支出につきましては、実績見込みでございますが、一兆五千億円程度になるのではないかというふうに見込んでおります。一方で、収入につきましては、一兆二千億円程度ということでございまして、国庫負担が五分の一ございます。大体国庫負担が二千八百億円でございまして、両方合わせますと一兆四千八百億円ということで、ほぼ収支が均衡するというのが平成五年度の収支の見通しでございます。
#119
○住委員 そうすると、必要な財源は確保できているというふうに考えてよろしいのですね。
#120
○戸苅説明員 雇用保険につきましては、景気の動向等によりまして、単年度収支ですと黒字が出たり赤字が出たりいたしますが、平均的には収支均衡の水準というふうに思っております。平成五年度については、今申し上げましたように、ほぼ均衡しているということでございます。
#121
○住委員 それでは、今度、所定給付日数の変更をしているわけですけれども、これはどういう考え方に基づいて行われたのか、伺っておきたいと思います。
#122
○七瀬政府委員 所定給付日数につきましては、近年における六十歳定年制の定着及びこれによる高齢者の雇用情勢の変化などに対応した見直しを行っておりまして、六十歳以上六十五歳未満の年齢層につきましては、失業率、有効求人倍率などの状況から見ても再就職が特に困難であること、また、一般に高年齢者については、体力、能力等の低下、就労希望の多様化などにより再就職に必要な期間が長期化しているというようなことを考えまして、所定給付日数を一部引き上げたわけでございます。
 また、被保険者期間が五年以上十年未満の者についても二百四十日を三百日といたしまして、また被保険者であった期間が一年以上五年未満の方々については二百十日を二百四十日ということにいたしました。ただ、五十五歳以上六十歳未満の者については、四十五歳から五十五歳までの年齢区分に合わせていたしたというような関係がございまして、所定給付日数が若干減ったという年齢区分層も出てきているところでございます。
#123
○住委員 基本手当日額の上限額、これは年齢階層別に組みかえたと言ってはなんですけれども、変えましたね。これを見ますと、四十五歳から六十歳未満については上限額が引き上げられるということになっている、三十歳未満の若年層では逆に引き下げられているということになります。これはどういう考えのもとに行われたのでしょうか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#124
○戸苅説明員 今回の失業給付の改正につきましては、雇用情勢の実情ですとかそういったものを踏まえまして、なるべく失業中の生活の安定についてもきめ細かな対応をしようというふうに考えて改正を行っているものでございます。
 したがいまして、今先生御質問の基本手当日額の上限額の問題でございますが、これにつきましても、これまでは年齢のいかんにかかわらず一律に上限を決めておりまして、現行では九千四十円ということになってございます。これを労働者の年齢ごとの賃金の実情、特に再就職賃金の実情を踏まえましてきめ細かく年齢別に決めてみようというふうに考えてみたものでございまして、生計費等は、子供の教育費も含めまして生計費等が非常にかさんでおります四十五歳から五十九歳、このあたりについては特に手厚くいたしまして、現行の九千四十円から一割引き上げて九千九百四十円にする。それから、あわせて三十歳未満につきましては、再就職賃金等の実情から見ますと、平均の額よりも、一割減よりもはるかに低いわけですが、一応社会保障制度であるという考え方から一割引き下げるにとどめまして、九千四十円でなくてそれよりも一割低い八千百四十円というふうにいたしたわけでございまして、私どもとしては、これによって失業者の方の生活の安定によりきめ細かに対応ができるのではないかというふう
に考えております。
#125
○住委員 考え方は、特に四十五歳から六十歳というのは社会的に地位もあるでしょうし、いろいろなことがあるから失業給付の問題を考えるというのはよくわかる。一方で、失業が起こらない、そういう社会をつくることの方が大事なのだろうと思いますけれども、そのことはまた別の政策の中で出てくるのではないか、こう思っております。
 実を言うと私、これから商工委員会と消費者問題委員会の合同審査に行かなければいけないので、もう最後の質問にします。
 今回の改正法の施行期日を見ますと、平成七年の四月一日ということになっているのですけれども、これまでいろいろな議論をしてきて、雇用継続の必要性あるいは高齢者にかかわる失業給付の充実を考えますと、新しい給付の創設を含めた法律の施行についてももっと早くした方がいいのじゃないかという声があるのですが、これについてはどういうふうに考えておられるのでしょうか。
#126
○七瀬政府委員 せっかくの制度でございますので、できるだけ早くという気持ちがございますが、一つには高年齢雇用継続給付につきましては、やはり継続雇用を推進していくという形、そしてこの給付と相まって企業につくっていただくというようなことがございますので、やはり新しい年、年度の初めからというようなことが一つございます。
 それから、育児休業給付については、やはり義務的に、請求をしたら休業を与えるという制度が定着してないとそれに対して給付をするということが無理でございますが、中小企業に対する猶予期間が来年の三月三十一日で切れるというようなことがございます。しかし、それと同時に、やはりこれだけの新しい制度をつくり、百三十万と予定されるような人に適用していくわけでございますので、コンピューターシステムとかいろいろな形で間違いのないようにきちんとした支給体制の整備を準備しておくというためには、どうしても急いでもこれくらいの期間、来年ということで、来年の四月一日から施行するというやむを得ざる措置を選択せざるを得なかったということでござ
 います。
#127
○住委員 万全の体制で、せっかくスタートさせる新しい制度ですから、私が指摘したことも含めながら考えていただいてうまく運用していただきたい、こう思います。
 何せ、これはスタートしてうまく運用に乗るかどうかが問題になってくると思います。それについての特別な配慮ということをぜひ御要望をさせていただいて、途中で大臣には失礼な質問もいたしまして申しわけございませんでした。きょうは本当に御丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございました。これで終わります。
#128
○松岡委員長 寺前巖君。
#129
○寺前委員 けさテレビを見ていたら、労働大臣が何か審議会かなんかにお出になっておったようですね。そして、女子学生の就職の問題についてひとつ協力をしてくれということも申しておられた、そういうのが流れていました。横でぱっと見ただけですから、詳細は私知りません。しかし、社会で大きな問題になっていることはもう当然ですし、積極的にこのことを御心配になっているということは、私は非常に大事なことというふうに感じました。
 せっかくそこまで提起されているのですから、それでは、直接政府機関が面倒を見ているところのお役所については、女子学生の就職採用について特段の配慮は一体何を考えておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
#130
○鳩山国務大臣 先生、要するに公務員のことをおっしゃっているわけですね、国家公務員のことを。
 これは、御承知のように、景気が残念ながら今のような状況にありますと非常に公務員の志望者もふえるわけでございまして、先般二回ほど総理を中心として閣僚懇談会を開きまして、それは、それぞれの大臣がみずからの担当のところで懸命に努力してみようということでございますが、当然、今後また総務庁長官といろいろお話もさせていただいて、公務員の世界でもできるだけ同趣旨の方向に物事を進めた方がいいことはよくわかっておりますので、検討させてください。
#131
○寺前委員 特別に考えるとすればどういうことになるのだろうかなと私も気になっておったものですから、ちょっと聞いただけですから、ひとつ十分御検討いただいたらありがたいと思います。
 そこで、この法案の雇用保険ですけれども、雇用の上で問題になる一つは、やはりパートの労働者の問題だろうと思う。雇用保険加入問題について、パートの労働者についてお聞きしたいと思うのですが、総務庁の労働力調査によると、一九九三年の週間就業時間三十五時間未満の短時間雇用者総数は九百二十九万人と報告が出ている。適用対象のすべてが雇用保険に加入しているとは考えられませんが、一体何人が適用の対象になっているのだろうか、どういうふうにお考えになっているのだろうか。そして、何人が実際上加入しているのか、御説明をいただきたいと思います。
#132
○戸苅説明員 いわゆるパートタイマーの雇用保険の適用問題でございますけれども、雇用保険におきましては、いわゆるパートタイム労働者と言われる方々のうち、これは今回四月から改正いたしたわけでありますが、週の所定労働時間が二十時間以上三十時間未満であること、それから一年以上引き続き雇用されることが見込まれること、それからパート就労によって得られる賃金の額が年収九十万円以上であることというふうな要件になってございます。
 これは、これに該当する者がどのくらいいるかということについては、もろもろの統計を組み合わせまして推計をいたすしか方法はないのでありますが、これで計算いたしますと、大体百万人くらいではないかというふうに見込んでございます。そのうち、現在のところで雇用保険の短時間労働者の適用になっております方々は、平成五年度末で四十六万人というふうになってございます。
#133
○寺前委員 百万人からの人がおって、それでいて入っている人が四十六万人といえば、半分以下ということになります。パートの皆さんというのは、犠牲を受ける場合には一番に受ける段階の人であるだけに、雇用保険の加入問題というのは非常に重要な位置を占めているのですが、これはどういうふうに見たらいいのでしょうか。大臣、何かお考えありますか。
#134
○鳩山国務大臣 先ほど住先生からの御質問の中で、パート労働者と年金のお話であったかなと記憶をいたしまして、私なりにお答えをいたしたわけでございますが、当然、時代の変化とともにいわゆるパートタイム労働者、短時間労働者というのが非常にふえてきている、あるいはこれからもふえていくかもしれないという状況にはあるわけです。
 それではそういう方々をどういうふうに扱っていくかということになりますと、就業形態、雇用の形態が多様化すればするほどそのまとめ方がなかなか難しくなってきて、先ほど先生の御質問にあったように、いわゆるパートタイム労働者で雇用保険の被保険者になっておられる方がわずか四十六万人という数字になっているのも、その辺のまとめ方の難しさ、パートタイム労働法ができながらも、まだそこのところのまとめ方がなかなか難しいということをあらわしているかと考えます。
#135
○寺前委員 けさ総務庁の高年齢者対策に関する行政監察報告とその勧告というのをもらいました。この間も私、六十歳の定年に向かって、それまでにやめていく人が多いという問題を当委員会で提起させてもらいました。大企業ほどひどいことになっているじゃないか。このペーパーの中にも書いてあります。五十人以上百人未満の企業で三六・〇%、三百人以上五百人未満のところで一九・二%、千人以上になると九・〇%というふうに、「六十歳定年の実施率とは異なり、従業員規
模が大きい企業ほど継続雇用は進んでいない。」と、わざわざ勧告の中に書いてあります。
 しかも、こういう結論を出すに当たって、四十五の職業安定所を調査した。調査してみてわかったことだということから勧告が出るわけですが、この「継続雇用の推進を目的とした個別企業に対する訪問指導を行っているところは五安定所」だと書いてある。わずかなところしか行ってない。もっと直接こういう問題について、いわば短時間雇用者総数は九百二十九万人と総務庁のあれに書いてあるのですから、皆さんの方は百万人くらいは保険の対象になるだろうと見ているのですから、しかもまだわずかしか入ってないとなったら、積極的に躍り出ていって、そして積極的に組織するという問題をやらなかったならば大変なことになるな。
 労働省として、そういう積極策を検討しなければいけないのではないだろうか。高齢者の雇用の継続の話としてこう出ているけれども、パートの労働者の問題を分析する場合でも、どう権利を保障してやりましょうかということを積極的に労働省自身がメスを入れる必要があるだろう、私はこの勧告を見ながらそういうことを感じたのですが、大臣はいかがお考えでしょう。
#136
○鳩山国務大臣 今回の総務庁の行政監察の結果は、私もつい少し前に読ませていただいたばかりでございます。
 確かに、例えば六十歳定年制ということ、あるいは、できればそれ以上ということで各企業にお願いをすべき責任というものを労働省は負っているわけでございまして、その点が十分であったという御指摘については、これは素直に受け取らなければならないと思いますし、また逆に、労働大臣にさまざまな勧告権とかやや強い権利を与えた高齢者雇用安定法を先般衆議院労働委員会では御可決をいただいたわけですから、さらに一層、私どもは定年の延長のためにできることがふえたわけなので、その分責任を持って努力をしてまいりたいと思うわけです。
 今寺前先生がおっしゃいましたのは、そのこととパートタイムのことを結びつけての御議論だろうと思うわけで、四十六万というのはいかにも少ないではないかとおっしゃるのは、私も気持ちとしてはよくわかります。実態等については事務方にもよく聞いてみなければなりませんが、できるだけ多くの方が例えばきちんと雇用保険の被保険者になっていただけるように、条件さえ満たしておられるならばできる限り多くの方がなっていただけるよう努力をするのは当然の責任だとは思います。
#137
○寺前委員 そこで、次にお聞きしたいのですが、三カ月待期問題です。職安の行政上の問題として、いろいろこういう問題をやっていく上においては大変なお仕事のようです、聞いていますと。
 そこで、聞きますけれども、平成四年度の雇用保険の受給資格決定件数と正当な理由がないとして給付制限をされた件数はどれだけなのでしょうか。――十分に伝わっていないのかもしれませんから、私の調べたところでは、百六十六万からの人が受給資格決定件数の中に出てくると思う。正当な理由がないとして給付制限を受けた人が九十二万八千という数字を私は見ました。間違いございませんね。
#138
○戸苅説明員 そのとおりでございます。
#139
○寺前委員 そうすると、実に半分以上の人が給付制限を受けていることになります。この不況のときに正当な理由がないとして給付制限を受けている人がこれだけおるということは、私は、中身についてやはり検討する必要があるだろう。
 それで、あちらこちらで、例えば兵庫県の方では労働組合が四月に三日間かけて不況リストラ電話相談というのを行っておられましたし、京都でもそういうことがやられていました。私の事務所にも相談が幾つか来ているんです。
 そこで問題になるのは、自分の都合で退職をせざるを得ないというふうに言わされているんですけれども、実は違いますのやと言って相談に来る人の数が結構多いんです。これは、弁護士事務所へ行きまして弁護士さんにも聞いてみたら、そうですねという話が多いんです。私の事務所へ来た話は、大抵、もう一度労働省の関係のところへ持ち込んで、職安の方でもう一度再検討してくださいよと言って調べ直してみたら、正させていただきますという返事が来ます。
 私は、この問題というのは非常に大きな位置を占めております。希望退職を強要されたり、仕方なく退職していく、こういう人が半分も、全部だとは言いませんけれどもかなりあるという実情を考えたときに、何らかの対応をやってみる必要があるんじゃないだろうか。泣き寝入りのままで進んでいるということになったら大変だと思うんです。労働省として何か考えていますか。
#140
○戸苅説明員 離職票には、先生お話しのように離職の理由を書く欄がございまして、これにつきましては離職者本人の署名と捺印を要するということになってございます。書面の上では、その御本人の署名、捺印を踏まえまして、その離職票に基づいて離職理由の判定を行っているというのが現状でございます。
 ただ、お話しのように、実際には事業主の解雇である、それにもかかわらず自己都合でやめたというふうな記載がなされることも全くないわけではございませんので、公共職業安定所の窓口におきまして離職者の方から個別に事情をきちんと聞いて、その上で給付制限の可決を決定しておるところでございます。
 今お話しのような件でそういった実態があるというお話でございますが、我々としては、今後さらに、そういった窓口での事情の聴取というか、これを正確に行うように指導していきたいというふうに考えております。
#141
○寺前委員 今の体制のままで、お見えになったら相談に乗りましょうというのを打ち破るということを考える時代が来ているんだろうと私は思う。
 例えば、兵庫県がおやりになった四月二十五、二十六、二十七の不況リストラ一一〇番運動というのを見ますと、何と八六・九%の人までが新聞やテレビを見て相談会があることを知った、こう言うのです。それで乗り込んできて、そしてそこで実情を訴えて、それだったら私、もう一回言いに行きます、ちょっと声をかけてくれませんかということになってきている。
 こういうことを考えたら、さっきの話じゃありませんけれども、総務庁も、高齢者の雇用で積極的に歩けるように職安がやりなさいよという問題提起があったと同じように、もっと広範な人たちに対する、労働省はこういう役割を今担ってやりますので率直に御相談くださいという宣伝をもっと率直にできないものなんだろうか、私はそういうことを感じますけれども、大臣、いががでしょう。
#142
○鳩山国務大臣 実は、女子学生の就職問題につきまして、男女雇用機会均等法の厳正な運用がなされていなくて、その事例としては幾つか違反するようなものもあるということで問題が提起されておって、今回、相談窓口をつくるだけでなくてポスターを張るというようなことをやってみているわけで、そういう意味では、これから私たちはもっとPRについては一工夫二工夫あってしかるべしかなと思います。
#143
○寺前委員 ぜひお役所というのがいい役割をするのだなということがわかるところまで、積極的にいい政策については打ち出してほしいということを期待をしたいと思います。
 そこで、その次に、私は六十歳以降の就労環境問題についてお聞きをしたいと思うのです。
 一九九三年の賃金構造基本統計調査を見ますと、五十五歳から五十九歳までの方の賃金というのは平均すると三百十二万円、それから六十歳から六十四歳までの人を見ると二百五十万円、要するに六十を過ぎてくると非常に下がってくるということが出てくるわけです。六十歳を契機として賃金が下がってきている。これはどういうことなんだろうか。
 六十五歳までの雇用を継続的に見ていこうという前提で今度のこの給付の問題を考えている、こう言うのだけれども、考えてみたら、雇用というのはそれぞれの企業が雇用するわけでしょう。その二五%分については国の方からお金を持って出してやりましょうということをやったら、今でも六十歳を過ぎると賃金ががくんと落ちているのに、これを固定化させることにならないのか。あとはもっと皆さんの社会的な問題提起によって二五%を三〇%にするような法律に変えましょうなどといって、結局高齢者の雇用の賃金というのを低く抑える役割を担うことになるのではないだろうか。この点について、どういうお考えでしょうか。
#144
○戸苅説明員 高齢者の方の場合、特に六十歳定年を過ぎた方につきましては、一般的に労働能力が低下するとか、あるいは通常の労働時間勤務することが困難になるとか、もろもろの理由で賃金が下がっているというのが一般的なことではないかというふうに考えてございます。
 今回新設いたします高年齢雇用継続給付につきましては、今申し上げました高年齢者の労働市場あいは賃金の実情、そういったものを踏まえまして、雇用の継続が困難となりますような賃金の低下があった場合に、雇用の円滑な継続を援助促進するために、下がった賃金の一定割合を支給しよう、それによって、働く意欲にこたえ、働く能力にこたえて、雇用の安定を図っていこうという、私どもとしては非常に積極的な意義を持った制度ではないかというふうに考えてございます。賃金につきましては、今申し上げました労働市場の実情ですとか、あるいは労働者の方の能力とか技能とか、そういったものを背景にいたしまして、労使で自主的に決定されるというものだろうというふうに思っております。
 ただ、今回の給付につきましては、給付の仕組み自体が賃金の一定割合を支給するということになってございますので、賃金が下がれば賃金と高年齢雇用継続給付の合計額は下がる、一方、賃金が上がれば高年齢雇用継続給付も上がるというふうなことになっておりまして、一般的に高年齢雇用継続給付ができたからといって賃金を引き下げるということはそう容易にはできないのではいか。それから、高年齢者の方についても、全体の所得が高くなるようにというふうな動機が働きまして、できるだけ多く働きたいというふうなお話も出てくるのではないかということで、私どもとしては、こういった給付を設けない場合に比べますと、設けることにより賃金はかえって上がることになるのではないだろうかというふうに考えております。
#145
○寺前委員 この間の委員会でも申し上げておりましたけれども、五十七歳になったらあるいは五十五歳になったら出向していただきますよということをやったり、あるいは賃金については八十何%でございますよ、これは一人一人の能力を判定しているのじゃないのです。要するに、みんなもう一律的にその年齢になったらそういう扱いを受けますものだという取り扱いじゃありませんか。
 それで、その人たちを、それじゃといって、六十歳を過ぎた場合に、従来だったら在職年金制度とか、要するに年金があったものです。ところが、その在職年金制度についてはやめてしまって、新しい年金制度になるから、そうすると収入については六十歳以上働いている人は足らぬようになるから、その分は面倒見てあげましょう、雇用保険を使わせていただきましょうということによって、低賃金の姿を固定化させていくというのか。あるいは、事業の雇用責任を半分ほかしてしまうというようなことになっていくとか、そういう役割を担うことになるのではないだろうかな、私はそう思うのです。
 そごで聞きますけれども、労働省の資料を読んでいたら、今後のこの法案について年金法の改正とは無関係という文章が出てくる。さっきも聞いておったらそんなお話があった。これは年金法と無関係なんでしょうか、大臣。
#146
○七瀬政府委員 今回の高齢雇用継続給付は、六十歳代の継続雇用の促進を図るために設けられたものである、六十五歳まで現役で働けるという社会を目指した制度でございまして、そういった意味で、年金法の改正と直接関係するものではない、こういう考え方に立っておりまして、そういう物の言い方はしたことがあるかとは思います。
#147
○寺前委員 そうですが。私、そうは受け取れぬのだ。
 この前も、前の総理大臣ですが、細川さんが三月四日の施政方針の演説の中でずっといろいろ言われました。「国民の老後生活を支える柱である公的年金制度については、こうした高齢者雇用の促進と連携のとれた仕組みとするとともに、その長期的安定を図ることにより、本格的な高齢化社会にふさわしいものへと改革してまいります。」公的年金制度との関連で御説明になっている、所信表明で。
 それから、年金審議会へ行ってみなさい。年金審議会では「二十一世紀の高齢社会にふさわしい、安定した生活が続けられる年金制度とするよう、雇用と年金の連結を前提として、それぞれの役割分担にも留意しつつ、見直していく必要がある。具体的には、六十歳までは雇用を中心に、六十歳台前半の期間については雇用の促進を図りつつ、同時に多様な選択に応じた生活設計を行えるよう環境整備を図り、六十五歳以降は年金を中心に生活設計が行われる期間としていく必要がある。」年金審議会ではそう言う。
 さらに具体的事項へ行ってごらんなさい。具体的事項へ行くと、年金法の改正案では、失業給付の受給者への厚生年金支給の停止、雇用保険法の改正で新たに導入される高年齢雇用継続給付の受給者への在職老齢年金の一部支給停止が行われることになっている。年金審議会では具体的にこれはやめるのはこうあるからだ、こうあるからこうやるんだ、全く関係したあれが出ているじゃありませんか。
 しかも、中央職業安定審議会といえば、これはおたくの方の所管でしょう。高梨さんというお方は会長さんじゃないでしょうか。「六十五歳までの雇用延長という国全体の政策課題に向かって、労働省と厚生省が両省の妨げにならないように法案をつくりあげていくことが最大のポイントであり、両省の相互協力が必要になっている。」とまでおっしゃっているのでしょう。
 何であえて労働委員会に来たら、関係ありません、無関係などということを、さっきも自民党の先生の質問に対してお答えになっていた。私に対しても同じことをおっしゃった。何でそこまで、それこそ法案ですから、閣議で決定して出してきているのです。閣議の中で労働大臣だけは意思は違うんだというんですか、それとも所管の担当官の説明が間違っているんだとおっしゃるのですか。これははっきりしていただきたいと思うのです。
#148
○鳩山国務大臣 局長が申し上げましたのは、今回の雇用保険法改正による高年齢雇用継続給付という制度そのものと年金の制度そのものが直接の何のリンクをしているものでもない、それは財政的に根っこが一緒だとかということでもない、そういう意味で独立した存在であるということを七瀬局長は答えたのであろうと私は思っております。
 寺前先生お聞き及びだったかどうかと思いますが、先ほどの自由民主党の質問に答える中で、私は、この年金の問題をみずからの、昭和二十三年、現在四十五歳の私が六十五歳になるときが二〇一三年で、ちょうど年金が六十五歳になってしまうのですよ、しかし、そのころまでには、六十五歳までは大体基本的に現役で働ける世の中というものができているわけで、六十五歳まではみんな元気に生きがいを持って、働きがいを持ってばりばり働くんだ、もちろん働くのが嫌な方は六十ぐらいからまた多様な選択も用意はされるでしょうけれども、基本的に六十五歳現役という世の中が二〇一三年にでき上がっているとするならば、それはタイミングは合っていることですねとお答
えをしたわけで、私はそういう関連性について触れておりますし、先ほど先生が読まれた高梨先生のお話とも矛盾していないと思います。
#149
○寺前委員 私ここに文書を持っている。「雇用保険法改正案の早期審議の必要性について」、これは労働省からもらったんです。「今回の改正案は、雇用対策の観点から独自に」、それはそうだ、独自に立案するのは当たり前だよ、「年金制度改正案と直接関係するものではない。」何であえてこんなことを書かなければならないのか。総理大臣の所信表明から年金審議会から、それからおたくの方の所管の審議会の会長さんからも、みんなはっきりと一つのものとして提起をしておられるし、今度の所信表明で厚生大臣はこう言っていますよ。「高齢者雇用との連携を図りつつ六十歳代前半の老齢厚生年金のあり方を見直す」、関係を明確におっしゃっている。何であいまいにしなければならないのか。
 こういうようなことはこそくだ。審議というのは率直にみんなにかけるのは当たり前のことであって、何でそんなこそくなことをしなければならぬのだろうか。何か心配があるからあえてつけたのだろうと思うのです。そうでなかったらこんなばかなことをわざわざ書かないですよっ一枚のペーパーのところの、全体で何行あるでしょうか、十八行ほどの中で二行がわざわざそのことを書かなければならぬというのは異常やと私は思う。
 大臣も直接お書きになったんじゃないから、そんなこと書いておるのかいなとお思いになるかしらぬけれども、労働省、もう少し率直にやるようにしなかったらいかぬのじゃないだろうかと私は感じますが、大臣、どうお思いになりますか。
#150
○鳩山国務大臣 今回の高年齢雇用継続給付は、もちろん六十を過ぎた方々に生きがいを持って働いていただこうという趣旨のものでございますし、それは先般御可決をいただいた高齢者雇用安定法において、定年を六十歳以下のものは設けてはならない、できれば六十一歳に、二歳へ、三歳へ、六十五歳定年制へと持っていっていただけるように奨励をしようという趣旨も含まれておりますから、全体としてそういう流れであることは間違いがありません。
 ただ、雇用政策としての相当の緊急性もあったことは確かなわけで、六十歳を過ぎて賃金あるいは給料が減ってしまった、そして、それならば結局は失業をして失業給付をもらった方が得だ、それなら働く必要はない、働かない方が得なんだということであるならば、それは一つの世の中の社会的矛盾ということになりますから、雇用政策からいってもそれはおかしなことになりますので、二五%の高年齢雇用継続給付を設けてその矛盾を解消したというような緊急性はあったであろう、こう思うわけでございまして、雇用政策としてそのような対策をとっておりますが、全体の流れとしては先ほどから私申し上げておりますように、二十一世紀の例えば二〇二二年とか二〇二〇年とか二五年とか、そうした時代を目指しての一つの大きな流れに乗っかったものであることを私は否定いたしません。
#151
○寺前委員 それで、六十歳になったら賃金が下がる、よろしい、働かぬとそして雇用保険をいただこう、もろうて、一方、年金で老後の生活を六十歳からやろう、こういうプランを立てようという人は、そのプランをやろうと思ったら、片っ方でこういう制度があるから働かぬかったら年金減るんだよという扱いを受けることになる。そうしたら、これはやはりいい制度とは違うなということが一つは出てくる。
 それからもう一つ出てくるのは、自分の雇用主から賃金もらうべきはずなのに、何で別なところからその賃金が出てくるんだ。雇用主が自分の払わなければならないものを払わないというのは無責任な話じゃないか。これは雇用主の責任を免罪する制度にもなってくる。これもおかしな制度だ。
 だから、高梨さんがこう言っていますよ。雇用保険法の制度以来の大改正だ、雇用保険法の考え方を百八十度転換させたもの、それはそうだろうと思うわ。我々の歴史的な常識からまさに離れるところの、こういう事業主が払うべき賃金を払わない制度というのは理解に苦しむものになる。先ほど育児休業とかあるいは日雇い保険の問題とかそういう問題もあるということをおっしゃっていましたから、私はすべて悪いと言うわけでは決してありません。非常にいい改善もなされていますけれども、この中央審議会の高梨会長さん自身のおっしゃっているように、百八十度転換する考え方の上の問題といい、年金との関連性の問題を見たときは、私はこれが純然たる雇用のあり方の問題としてこのまま受け入れるというわけにはいかぬなということをつくづく感じたということを申し上げて、時間が来たようですのでやめさせていただきます。
 ありがとうございました。
#152
○松岡委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#153
○松岡委員長 この際、本案に対し、大石正光君から修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。大石正光君。
    ―――――――――――――
 雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する
  修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#154
○大石(正)委員 ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、本法律の施行期日のうち平成六年四月一日とされている施行期日を繰り下げ、再就職手当の支給要件の改善等に係る施行期日については公布の日に、日雇労働求職者給付金の受給要件の改善に係る施行期日については公布の日の属する月の翌月の初日にそれぞれ改めるとともに、これに伴い、経過措置に関する規定について所要の修正を行うことであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#155
○松岡委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#156
○松岡委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。長勢甚遠君。
#157
○長勢委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案及びただいま提出されました修正案につきまして、修正案及び修正部分を除く原案に賛成の意を表するものであります。
 雇用保険制度は、雇用調整が吹き荒れる昭和五十年に創設されて以来今日まで、諸外国が高失業で苦しんでいる中にあって、我が国が二度にわたる石油危機やマイクロエレクトロニクス化等の技術革新に雇用の面で的確に対応し、先進諸国の中でも最も低い失業率を維持する上で大きな役割を果たしてきたものであります。
 このたびの政府案は、今後の経済社会の変化に対応し、雇用保険制度が雇用に関する総合的な機能を一層発揮すべく、労使の負担をふやさないことを前提に制度の整備充実を図り、高齢者や女性など個々の働く方々が職業生活の全期間を通じてその意欲と能力を十分に発揮できるよう、また、労働者の失業中の生活の安定、再就職の促進等に一層の実効を期すことができるようにしようとするものであり、時宜を得た適切なものと考えます。
 政府案の検討経過を見ても、我が党政権下以来二年間の検討を経て、関係審議会における労使、公益全会一致の答申を得た上で取りまとめられたものであり、また、その内容は、我が党の政策の長年の地道な積み重ねの上に立って初めて実現し得たものであり、妥当なものと考えます。
 また、修正につきましても、再就職手当の改善などの関係部分については、最近における厳しい
雇用情勢等に対応して、できる限り早期に施行する必要があるという観点から、妥当なものと考えます。
 以上の理由により、私は、修正案及び修正部分を除く原案に賛成するものであります。
 最後に、我が党としても、各界各層との議論を深め、直面する経済社会の構造変化に対応し、雇用の安定を目指したきめ細かい雇用対策を積極的に推進していくことを表明して、賛成の討論を終わります。(拍手)
#158
○松岡委員長 岩田順介君。
#159
○岩田委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案及びただいま提出されました修正案につきまして、いずれにも賛成の討論を行います。
 周知のように、急激な高齢化が進展し、人生八十年時代と言われる中で、現在の定年年齢の主流である六十際を超え、六十五際まで働くことが普通の時代を迎えようとしています。また、雇用者数に占める女子雇用者の割合が四割に近づくといった近年における女性の目覚ましい職場進出の状況の中で、女性が、そして男性も、安心して子を産み育てつつ職業生活を継続することができるようにすることがますます重要な課題となってきております。
 今回の政府案は、このような状況に対応して、新たに雇用継続給付を創設するなど意欲的なものであり、目的規定の改正を伴う抜本的改正というべきものであります。
 育児休業問題は、一九八二年の五月に育児休業法案を初めて参議院に提出して以来、所得保障つきの育児休業制度の確立を目指して我が党が長年取り組んできた政治課題であります。一九九一年には、当時の参議院における与野党逆転状況を背景とする与野党間の協議と合意を踏まえて政府が提出した育児休業法案が成立し、翌一九九二年四月から施行されることになりましたが、育児休業期間中の所得保障については、なお今後の課題として残され、その実現が待たれていたのであります。
 その育児休業法は、来年四月、三十人未満の中小企業に対する猶予期間が終了し、すべての男女労働者が育児休業の権利を与えられることになりますが、育児休業給付制度がそれに合わせた形で施行されることは、まことに時宜を得た適切なものだと考えます。
 高齢者の雇用の安定確保という問題もまた、我々が一九七九年の春に、いわゆる定年制限法案、つまり定年制及び中高年齢者の雇入れの拒否の制限等に関する法律案を国会に提出するなど、長年にわたって力を注いできた課題であります。先般当委員会において審議、可決した高齢者雇用安定法改正案は、六十歳未満定年制を禁止し、六十五歳までの継続雇用を事業主の努力義務とすることを柱としておりましたが、雇用保険法改正による高年齢雇用継続給付制度の導入は、現在の高年齢者の就業実態、賃金実態に適切に対応したもので、高齢者雇用安定法の改正とともに、六十歳以上の高齢者の雇用の促進に資するものだと考えます。
 今回新設されるこの二種類の雇用継続給付は、従来の失業給付と同様に非課税として取り扱うこととされていることも、我々が細川内閣の与党の一員として強く主張し政府に求めてきたものであり、政策目的の効果的な達成及び労働者福祉の観点から適切なものと評価しているところであります。
 その他の改正内容について申し上げますと、まず、一般被保険者に対する給付については、従来に比してさらにきめ細かな対応が行われることとなること、高年齢継続被保険者に対する給付額の引き上げ、再就職手当の支給額等の改正内容についても、失業中の労働者の生活の安定、再就職の促進を図るという雇用保険法の従来からの目的をさらに進めるものとして評価することができます。
 さらに、日雇労働被保険者に対する給付の改正については、現在の厳しい雇用失業情勢の中で、受給要件の緩和、日雇労働求職者給付金の日額の引き上げ等、日雇い労働者の生活の安定に配慮したものであり、適切な措置であると私は考えます。
 なお、大石正光君提出の修正案については、最近における厳しい雇用情勢に即応してできる限り早期に施行することとしたものであり、妥当なものと考えます。
 以上、修正案及び修正部分を除く原案に賛成する理由を述べました。
 最後に、政府は、今回の改正により所定給付日数が減少するなど不利益をこうむることになる一部の方々に対する救済措置に万全を期するべきであること、また、新設される雇用継続給付に係る事務の円滑な執行に必要な職員の確保に十分留意すべきであること、さらに、公務員についても民間労働者と同様に、この法律による育児休業給付に対応した給付制度を設けるために必要な立法措置を早急に講じるべきであることを申し添えて、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#160
○松岡委員長 寺前巖君。
#161
○寺前委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました雇用保険法の一部を改正する法律案並びに修正案に対し反対の討論を行います。
 二つの理由があります。
 第一は、本法案が、高齢労働者の低賃金を前提として、定年時の失業給付が継続して雇用されて受け取る賃金額より多いという逆転現象を失業給付の切り下げで解決しようというものであり、また、相当低い賃金で雇用された高齢労働者に高年齢雇用継続給付の名で賃金を補てんするというもので、結局、高齢労働者の低賃金を容認し固定化するものであるからであります。
 第二に、失業に伴う労働者への公的生活保障制度である雇用保険制度を変質させるものであるからであります。すなわち、高年齢雇用継続給付の創設は、高齢者を低賃金で雇用した企業責任は不問に付したままで、労働者も拠出する保険金で賃金補てんを行おうとするものであるからであります。
 本法案に含まれる育児休業給付が、育児休業中の所得保障がほとんどないという現状のもとでは労働者の切実な要求にこたえる側面を持っていること、また、日雇被保険者にとっては改善措置がとられていることを評価するにやぶさかではありません。
 しかし、本法案が全体としてさきに述べたような重大な改悪がされている以上、そして、この改悪が本質的には厚生年金六十五歳支給の改悪とセットにされて、六十五歳までやむを得ず働かねばならない体制をつくろうというものであることは明白であります。
 以上が本法案に反対する理由であります。
#162
○松岡委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#163
○松岡委員長 雇用保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、大石正光君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#164
○松岡委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#165
○松岡委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#167
○松岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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