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1994/06/09 第129回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第129回国会 運輸委員会 第6号
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1994/06/09 第129回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第129回国会 運輸委員会 第6号

#1
第129回国会 運輸委員会 第6号
平成六年六月九日(木曜日)
    午後五時五十八分開議
出席委員
  委員長 井上 一成君
   理事 今津  寛  理事 武部  勤君
   理事 古屋 圭司君 理事 村田 吉隆君
   理事 小坂 憲次君 理事 茂木 敏充君
   理事 緒方 克陽君 理事 山口那津男君
      亀井 善之君    関谷 勝嗣君
      橘 康太郎君    細田 博之君
      堀内 光雄君    宮崎 茂一君
      森田  一君    若林 正俊君
      上田 清司君    古賀 敬章君
      須藤  浩君    二階 俊博君
      吉田  治君    赤松 広隆君
      左近 正男君    細川 律夫君
      西  博義君    福留 泰蔵君
      石田 勝之君    枝野 幸男君
      寺前  巖君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 二見 伸明君
 出席政府委員
        運輸大臣官房長 黒野 匡彦君
        運輸省運輸政策
        局長      豊田  実君
        運輸省自動車交
        通局長     越智 正英君
        運輸省自動車交
        通局技術安全部
        長       樋口 忠夫君
        運輸省海上交通
        局長      尾松 伸正君
        運輸省海上技術
        安全局長    小川 健兒君
        運輸省海上技術
        安全局船員部長 高橋 伸和君
 委員外の出席者
        警察庁交通局交
        通指導課長   関   一君
        大蔵省主税局税
        制第二課長   福田  進君
        運輸委員会調査
        室長      小立  諦君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月九日
 辞任         補欠選任
  横内 正明君     若林 正俊君
  江崎 鐵磨君     上田 清司君
  石田 勝之君     枝野 幸男君
  志位 和夫君     寺前  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  若林 正俊君     横内 正明君
  上田 清司君     江崎 鐵磨君
  枝野 幸男君     石田 勝之君
  寺前  巖君     志位 和夫君
同日
 理事渡辺浩一郎君同月三日委員辞任につき、そ
 の補欠として茂木敏充君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
六月八日
 船員法の一部を改正する法律案(内閣提出第三
 二号)(参議院送付)
 国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等に
 よる国際観光の振興に関する法律案(内閣提出
 第五二号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第五〇号)
 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第六九号)
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登
 録事務所の設置に関し承認を求めるの件(内閣
 提出、承認第三号)
 船員法の一部を改正する法律案(内閣提出第三
 二号)(参議院送付)
 国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等に
 よる国際観光の振興に関する法律案(内閣提出
 第五二号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 去る六月三日理事渡辺浩一郎君が委員を辞任され、現在理事が一名欠員になっております。これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に茂木敏充君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○井上委員長 次に、内閣提出、道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。亀井善之君。
#5
○亀井(善)委員 大臣には、参議院の予算の審議でお疲れのところを引き続いて大変御苦労さまでございます。もう時間も遅目のようでございますので、早速今回の道路運送車両法の一部改正案についてお伺いをいたしたいと存じます。
 第三次行革審及び運輸技術審議会において自動車の検査と点検整備制度の緩和が審議されて、今般車両法が改正されることになったわけであります。その趣旨は、自動車の安全面、公害防止面を後退させることなく、かつ国民負担の軽減の見地から、このように承知をしておるわけでありますが、我が国の自動車にかかわる検査及び点検制度が確立していることにより、交通事故中、自動車の整備不良を原因とする割合は諸外国に比較をして格段に低い、私はこれはいちいろのデータで承知をしておるわけでもございます。それはやはり予防的な整備が行われている、こういうことに起因をし、また、年間の整備費用は諸外国に比較をして低位にある、このようにデータ等で感ずるわけであります。
 そこで、車検ということになりますと、後できょうは大蔵省にも伺うわけでございますけれども、車検のときに自動車重量税であるとかあるいは自賠責の保険料であるとか、実際の整備費用だけでなしに、そういう負担を一緒にしなければならない。こういうことから、実際は国民の皆さん方からも、革が安全に走ることができる、こういう願いをだれも持っておるわけでございますが、どうも誤解を受けているような一面があるようにも感ずるわけでございます。
 そこで、今回の制度の改正の基本的な考え方、まずこのことについてお伺いをいたしたいと存じます。
#6
○二見国務大臣 委員御指摘のように、日本の、整備不良と申しますか、そうしたことによる事故というのは、確かに諸外国から比べるともう格段に低いことは事実でございますし、その面から、いわゆる車検制度というものの存在はそれなりに大きな理由があると思います。
 ただ、今回改正しました理由と申しますと、やはり私は、モータリゼーションが成熟化する中で、自動車の安全の確保と公害の防止を図りつつ、時代の要請に対応した自動車社会を形成していくためには、自動車の検査及び点検整備制度について、自動車の使用者による自主的な保守管理を促すとともに、最近における自動車技術の進歩及び使用形態の多様化に適切に対応した点検整備の簡素化を図る等の見直しを行う必要があると感じているわけでございます。
 このような状況にかんがみまして、平成四年六月の臨時行政改革推進審議会の答申、平成五年六月の運輸技術審議会答申等の趣旨を踏まえまして、自動車の安全の確保及び公害の防止を前提としつつ、あわせて国民負担の軽減にもつながるよう配慮し、今回自動車の検査及び点検整備制度の改正を行うというわけでございまして、どうか御趣旨を十分御理解賜りますことを心からお願いするわけでございます。
#7
○亀井(善)委員 今大臣からお話がございましたけれども、やはり国民の皆さん方、ユーザーの皆さん方にもこの趣旨というものがわかるような努力を役所としてもしていただきたい。
 そういう中で、一つは自己責任と申しますか、私は、そういうものが一番大切なことではなかろうか。規制緩和でいろいろ緩和はいたしますものの、どうも我が国のいろいろな歴史的なことを考えますと、そういう自己責任という面では、ほかの国に比較をいたしますと、おくれているというか、まだまだそういう努力をしなければならないようなところにたくさん気づくわけでございますので、その辺をひとつよろしくお願いを申し上げます。
 そこで、先ほど大臣からも、自動車の安全面あるいはまた公害防止面、特に排ガス問題等々は大きな問題であるわけでございますが、今、業界の皆さん方あるいは運輸省の皆さん方が御協力されて、街頭でいろいろ検査をされております。これは、神奈川県と申しますか、いろいろ業界の皆さん方がおやりになったことを承ったこともあるわけでございますが、一つ街頭検査の例で申し上げますと、約三千百台検査をしまして、そのうちの五百七十九台、いろいろ不良の車両があった。一八・三%不良の箇所が出てきた。その不良箇所といえば、灯火装置であるとか保安装置、こういうようにいろいろ指摘をされているようでございまして、安全確保、公害防止上の問題を見出すことができるわけでもございます。
 そこで、今申し上げたように、整備不良の車が相当見受けられる。今回の制度改正で自動車使用者の保守管理責任が明文化され、これの担保手段としての点検等の勧告制度が設けられても、ペナルティーがない勧告制度では私は意味がないのではなかろうか。やはり、定期点検整備の不履行による無整備車が横行し、事故の多発というものが懸念をされる。
 また、きょうはこのように梅雨に入り雨が降っておるわけでございまして、私も毎日車でこちらに来るわけでございますが、ふだん東名高速道路で一時間少しぐらいで来るところが、きょうは三時間かかった。その原因は、事故で渋滞をしておるのではなしに、車が故障して一台多摩川の橋の上にあった、こういうことで三時間もかかってしまう。やはり車を使用する人は点検をして、私も運転免許を持っておるわけでございますけれども、ボンネットをあけて点検をする、いろいろ書いてあるわけでございますけれども、いわゆる専門家でないもので、なかなかわからない。そういう整備のためのいろいろの努力をしなければならないわけでございますけれども、どうもなかなかそこまでやるマイカーの運転をする人はないというような実情であるわけでございまして、やはりそういう面で大変国民的な利益につながらない、今回のこういう中でも、ちょっとそういう懸念をするわけでございますけれども、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
#8
○樋口政府委員 お答え申し上げます。
 今回の制度改正は、自動車技術の進歩等を踏まえまして、安全面及び環境面での後退がないよう十分配慮して行うものでありまして、これによって事故が増大することはないものと考えております。
 また、本来自動車の保守管理は使用者の責任において行われるべきものであるため、点検整備が確実に行われないことによって事故が増大することのないよう、使用者に対し保守管理意識の高揚を図るとともに、定期点検整備の促進対策を図っていくこととしております。
 なお、整備不良車両につきましては、検査により排除するとともに、街頭検査等において整備を命ずることによりまして、保安基準適合性を確保して事故防止を図っていくこととしておる次第でございます。
#9
○亀井(善)委員 そこで、整備不良の車がもとで交通事故、こういうようなことに対して、私は、自己責任という観点からも、対策の一つとして、自動車損害保険の免責率の引き上げ等を検討すべきではなかろうか、こう思ったわけでございますけれども、このことについてひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#10
○越智政府委員 お答え申し上げます。
 整備不良が原因で起きました事故、その原因者に対して何らかのペナルティーをというお考えは大変心情的には理解できるわけでございますが、今御提案の自動車損害保険の免責率の引き上げにつきまして申し上げますと、自賠責保険と申しますのは、被害者救済の観点から、保険会社の免責事由が故意が明白な場合ということに限られているということで、被害者に確実に保険給付がなされることが一番重要な問題でございます。このため、整備不良という被害者の責めに帰さない事由で保険給付に差を設けることは私どもは困難だろうと思いまして、やはり自賠責というのはまず被害者の救済ということが最大の目的であるというふうに考えている次第でございます。
 また、それでは掛金というか保険料率に差を設けたらどうかということでございますけれども、保険を締結する段階において、整備をするかしないかということが必ずしも明らかでありませんものですから、やはりそれもかなり難しいのかなという感じで見ております。
 しかし、いわゆる任意保険というのがまた別にございますけれども、例えば任意保険につきましては、場合によっては、今度は保険契約におきまして、整備不良におきます事故、自損事故でございますけれども、その場合には保険金を減額するといったような保険契約の導入ということにつきまして、私ども関係者と勉強してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#11
○亀井(善)委員 そのことに関連をして、今回の改正で定期点検整備記録簿及び分解整備記録簿の様式を廃止し、また自由化する、こういうようなことになっております。車両の実態や故障による事故原因が正確に把握できなくなるのではなかろうか。
 我々も人間ドックに行きましても、いろいろと検査したとかチェックしたとか、そういうものがわかっておりますと安心して生活ができるわけでありまして、やはり車というものは、全く体と同じように安心して乗ることができる、こういうことが当然必要なことではなかろうか、そういうようなことで今回の廃止、自由化、そういう点からどのように御指導されるのか、私はこのことについて伺いたいと思います。
#12
○樋口政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり懸念されるかと思われますが、今回の制度改正におきましては、使用者の保守管理意識を高揚いたしまして、定期点検整備の励行を促進することとしておりますけれども、そのためには定期点検整備記録簿を使用者にさらにわかりやすく、それと身近なものにする必要がある、そういった観点から図解を入れるなどの創意工夫を図る必要があるのではないか。現在国が統一様式を定めているわけでございまして、そういった限りにおきましてはなかなか難しさがあるわけでございます。
 そこで、自由化をするに当たりましても、様式は自由化しますものの、記載すべき事項であります点検の結果あるいは整備の概要、こういったものにつきましては、従来どおり法令上明確に規定をしておくということで担保させたいというふうに考えております。
#13
○亀井(善)委員 これは安心というか、安全な車を使うということが一番大切なことでありますし、やはり心理的なものも大変影響するわけであります。ぜひそういう面で、特に最近の車の性能、コンピューターの導入であるとか、素人と申しますか、メカに弱い者にはそういう面で特にわかりにくいし、またブレーキ等々、これは大変重要な部門であるわけでございますが、キロ数であるとかあるいは年数であるとか、そういう中で摩耗するということもあるわけでございますので、そういうものが整備をされ、わかりやすいような形で常時あるということが必要なことではなかろうか、こう思いますので、ぜひその辺、様式を廃止し、自由化するということが今回改正の中で出てくるわけでございますが、やはりそのフォローと申しますか、ひとつお願いを申し上げる次第でございます。
 今回この検査、前後を問わないという中で、前検査は全車種に適用するということを考えているようでありますが、バス、大型ダンプあるいはトラック等、乗車定員や積載量の多い車や重量車もそういう形でよろしいものかどうか。そういう面から自家用乗用車、軽自動車に限ると申しますか、やはりそういうことが必要ではなかろうかな、私はこう思うわけでございますが、この辺のことについてお考えを伺いたいと思います。
#14
○樋口政府委員 ただいまの前検査、いわゆる定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わないこととする対象車種につきましては、これによりまして自動車使用者の保守管理意識の向上や整備事業の健全な発展を促進するという趣旨を踏まえますと、原則的にはすべての車種に対して適用されるものであるというふうに考えております。
 しかしながら、自動車は使用に伴いまして劣化、摩耗していくものであるため、定期的な点検整備といいますのは必要不可欠なことであるということはそのとおりでございます。したがいまして、自家用乗用車や軽自動車は別といたしまして、いわゆるトラック、バス等の革につきましては、重量物を運搬する、あるいは不特定多数の乗客を輸送する車両である、そういった点から考えまして、運輸省といたしましては、整備管理者の研修等のあらゆる機会をとらえて点検整備の必要性を徹底してまいりたい、そういったことによりまして検査前に点検整備が励行される蓋然性は高くなっていくであろうというふうに期待しているわけでございます。
 その結果といたしまして、点検整備の実施時期は検査の前後を問わないことにつきましては、先生御指摘のように主として自家用乗用車と軽自動車になるものというふうに考えております。
#15
○亀井(善)委員 トラックであるとか大型の車につきましては、整備が不良、こういう中で事故が一たん起きますと大変大きな事故につながるわけでありますので、またその辺のご指導もぜひよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 そこで今回、この国会でPL法、製造物責任法が審議をされることになっておるわけでもございます。そこで、自動車の安全を確保する観点から、道路運送車両法によって検査・整備制度が設けられており、また今回リコール制度が法制化されることとなっているわけでありますが、道路運送車両法による制度と今国会で審議されている製造物責任法との関係について、ひとつ大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#16
○二見国務大臣 私は、両々相まって事故が防げる、あるいは被害者が救済されるということになるんだろうと思っております。と申しますのは、今回検査・整備制度、さらにリコール制度が法制化されることになりますね。一方、今国会で審議されるいわゆるPL法は、事後的に被害者を救済するわけですね。ですから、安全性の確保、事故防止という立場から考えますと、まず点検整備やリコール制度がある、それにたまたま例えば欠陥車がある、メーカーが全部引き取りますね。そうすると、落ちこぼれというか、うっかり見落としもありますね。それで事故を起こした、その場合はPL法なのかなというふうに思っておりまして、私はこれは両方相まって事故を起こさない、あるいは被害者を救済できる、さらに公害や安全性に両方とも配慮していくということになるのではなかろうかと考えております。
#17
○亀井(善)委員 大変微妙な難しいケースも出てこようかと思います。そういう面で、この法律に基づき、また特に運輸省におきましては、道路運送車両法、こういう中での今回の改正というものを契機にさらに意を尽くしていただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
 それでは、大蔵省に来ていただいておりますが、先ほども申し上げましたが、私たちは車検に革を出します。そうしますと、請求書をちょうだいするわけであります。その段階で自動車重量税があり、また地方税として、これは自動車税を納めておるかどうか、先月五月末までに自動車税は地方税として支払いをしたわけであります。そうして、支払ったという証明書をつけて、またあわせて自賠責保険、こういうものも一緒に請求書の中に入ってくるわけです。地方税の自動車税は違うわけでございます。これは納付をしたという証明書を添付をして車検に行くわけでございますけれども、重量税並びに自賠責、これは民間のことでありますけれども、やはり納めてあるかどうかということと同時に、その時点から保険が効力を発するということで車検の中に入ってきております。
 そこで、自動車税については保安基準とかかわりのない確認行為、こう考えることができると思うのです。自動車検査とは分離をして考えるべきではなかろうか。そういう面で、地方税の自動車税と同じような形で使用者が納付をして、そしてこういう自動車検査ということにならないものか。
 そしてもう一つ、自動車重量税の意義と申しますか、どういう考え方で自動車に重量税が課せられているか、このことについてまずお伺いしたいと思います。
#18
○福田説明員 お答えいたします。
 先生命御指摘のございました自動車重量税の納税義務者は自動車の使用者でございまして、今お話のございました自動車の整備事業者が自動車重量税を便宜代行納付しているという事態がありましても、それは納税義務者たる自動車の使用者とのいわば私的な取引として行われるものでございまして、おっしゃいましたように、納税義務者が直接陸運支局等に納付するということが認められているわけでございます。
 次に、自動車重量税の意義ということでございますが、これにつきましては、自動車が車検を受け、また届け出を行うことによって道路を走ることができる、そういう法的地位あるいは利益を受けることに着目して課税される一種の権利創設税であり、納税義務も車検証の交付等のときに成立する、こういうこととなっておりまして、車検制度と密接にリンクした税である、こういうふうに考えております。
#19
○亀井(善)委員 車検制度と一緒になっているというか、これは納付の場合、印紙を購入して収入印紙で納めるような形態になっておると思いますけれども、普通、税はそういう形で納めるのは少ないわけで、自動車税等々は、地方税等はお金を持っていって納付をするわけです。これは車検のときに印紙を購入して重量税を納付をしているのではなかろうかと思いますけれども、これで間違いございませんか。
#20
○福田説明員 原則として先生今おっしゃったとおりでございます。
#21
○亀井(善)委員 原則としてということになりますと、先ほどのお話のとおり、これは納付書を使用者に出して、そしてそれぞれ使用者が納付をするという制度にはならないわけでございますか。
#22
○福田説明員 先ほどもお話しいたしましたように、一種の権利創設税でございます自動車重量税につきましては、車検等の際に納付する、しかもそれは簡便な印紙で、印紙を張って納付していただく、そういう方式が非常に簡便な方式であり、簡素性の観点からもまた最も合理的な課税方式であると私どもは考えております。
#23
○亀井(善)委員 これは法律的に担保されて、法的にそのようになっておりますのかどうか。
#24
○福田説明員 これも原則的にそのとおりでございます。
#25
○亀井(善)委員 法的にそのようになっておるということは、これはどういう条文か、根拠の法律名等をちょっと教えていただきたいと思います。
#26
○福田説明員 お答えいたします。
 自動車重量税法の第八条でございますが、「自動車検査証の交付等を受ける者は、その自動車検査証の交付等を受ける時までに、当該検査自動車につき課されるべき自動車重量税の額に相当する金額の自動車重量税印紙を政令で定める書類にはり付けて、当該自動車検査証の交付等を行う運輸大臣若しくはその権限の委任を受けた地方運輸局長若しくは地方運輸局陸運支局長又は協会に提出することにより、自動車重量税を国に納付しなければならない。」
 以上でございます。
#27
○亀井(善)委員 そういう面で、重量税が入っているということで、車検に際してユーザーはどうも高いというか、そういう実際の車検の代金というものが非常にわかりにくいところもあるわけであります。
 そこで、次にちょっとお伺いしたいことは、自動車税は廃車したときにはその月数によって還付を受けるわけであります。先ほど自動車の権利税、こういうようなお話をされたわけでございますが、廃車をしたということは自動車の権利がなくなるわけでありますので、当然この重量税はその分自動車税と同じように還付をされてしかるべきだと思うのですが、このことについて伺いたいと思うのです。
#28
○福田説明員 先ほども御答弁申し上げましたように、自動車重量税は、自動車が車検を受け、また届け出を行うことによって道路を走ることが可能になるという法的な地位あるいは利益を受けることに着目して課税される一種の権利創設税でございまして、一たん車検が有効なものとなっていれば、現実に自動車がどの程度走行するか、あるいはどの程度走行し得るかといった問題とは直接関係ないことになっております。この点で、課税物品の消費あるいは保有に着目した税とは性格が異なっております。つまり、具体的に申し上げますと、保有課税である自動車税とは異なっているわけでございます。むしろ登録免許税に類似した性格を有しているわけでございまして、このような税の性格からいたしまして、車検の有効期間内に廃車された場合でも、既に有効な車検を受けて道路を走ることが可能になるという地位を与えられていた以上、税を還付するということは考えられないわけであることを御理解いただきたいと思います。
 なお、登録免許税におきましても、例えば家を登録いたしまして税金を納付した後に火災によって仮に消失したというような場合に、税を還付するということはできないわけでございます。これがいわば保有課税と権利創設課税の違いであろうかと考えております。
#29
○亀井(善)委員 ちょっと理解ができないようなところもありますが、時間の関係でこれで終わりますけれども、ぜひひとつ運輸省、今回のこの改正はいろいろ負担の軽減、こういう面で出てきたところもあります。先ほども申し上げたように、ぜひ安全に走るという観点からやはり自己責任、こういうものを規制緩和をするということはそれなりに私どもは大変利益を受けるわけでありますけれども、それには自己責任というものも必ずついておるわけでありますので、その辺の周知徹底と申しますか、行政の面でのさらなる御努力をお願い申し上げまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#30
○井上委員長 若林正俊君。
#31
○若林委員 亀井委員は大臣も委員長も御承知のとおり大変紳士でございまして、紳士的な意見開陳、御質問であったと思います。私は残念ながら野人でありますので、ややお聞き苦しい、耳ざわりなことがあるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。
 私は、この法案提案の背景、そしてまたこの経緯も承知いたしております。自動車時代に入り、大変便利になった反面、しかし、交通戦争と言われるような交通事故、事故死が急増をする。また、排ガスなどによって、空気、環境が汚染されるといったような問題もあわせ引き起こしているわけであります。先ほど冒頭大臣の御説明にもございました今回の法案の提出は、自動車の安全の確保と公害の防止を前提としつつと、こうおっしゃっておられます。果たしてその前提がしっかりと確保できるのかどうか、いささか危惧を持っている一人でございます。
 日本は、世界でも珍しいほど車両の点検整備体制が整っているということの結果でありましょう。交通事故のうち、車両整備不良によるものというのは大変低いですね。そこで、政府委員の方にお伺いしますけれども、日本と欧米の交通事故中に占める整備不良車両の事故の割合はどんなことになっていますか。比較してどうですか。
#32
○樋口政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の交通事故のうち、自動車の構造、機能に起因する事故の割合につきましては、調査方法等が異なるため諸外国と一概に比較することはできないわけなんですが、一般的には我が国におきましては事故率は〇・〇四%という状況になってございます。
 それに対しまして、欧米における整備不良による事故発生率につきましては、ドイツで三から三・五%、それからイギリスで六から八%、フランスで二〇%という状況になってございますが、なお米国におきましては、安全の検査を実施している州におきましては〇・五から一・五%、安全の検査を実施していない州におきましては〇・五から三・五%という状況になっておるということを把握してございます。
#33
○若林委員 今御答弁ありましたように、二けたも違うような状況でございます。そこで私は、今回の改正によって車両の点検整備体制が弱まって、この事故率が上昇するのではないかということを大変心配をしているわけでございます。
 そこで、法律の四十七条の使用者の点検及び整備の義務、また四十七条の二の日常点検整備の項についてお伺いしたいと思います。
 これについては、従来にない自動車使用者の点検整備等の管理責任を強化する、法形式的にはその点を明らかにしたということが説明されているわけであります。しかし、果たして今日のドライバーにそれだけの点検整備についての知識を持っている者がいるのかどうか大変に疑問でありますし、また、自動車の点検基準とか保安基準についてドライバーが十分承知しているのかどうか、甚だ疑問に思っております。私を含め、家族あるいは友人のドライバーの状況を見ますと、大変に心配をするものであります。
 そこで、これらの点検整備の義務づけというのは、法制的にいいますと、これは単なる訓示規定といいますか、こうしなければならないという、言いっ放してございます。しかし、自動車の点検整備に限らず、こういう訓示規定というのは守られていないというのが、残念ながら我が国の風土といいましょうか、実態であると私は思うのです。そういう意味で、今回のこの改正が、形の上では強化された形になっていますけれども、馬の耳に念仏といったようなことになりはしないか。そのような意味でまずはどういうふうにこの訓示規定が守られていくのか。先ほど技術安全部長、えらい自信を持って、胸を張ってこのことによって事故がふえることはないと断言をしておられますし、また、点検整備についてはこれをみんなが受けるように大いに積極的な指導をしていく、こういう説明でありました。具体的にはどういう措置によってこの点検整備が守られるようにしようとしているんですか。
#34
○樋口政府委員 まず使用者に保守管理責任を十分認識していただくということが重要であるかと思っておりますが、そのために点検整備が確実に実施されますように、まず保守管理の必要性、検査と点検整備の目的と役割につきまして、国を初め関係者が協力して周知徹底すること、また検査の際に定期点検整備記録簿の提出を求めまして、定期点検整備の確実な実施を指導すること、さらに点検整備に必要な技術情報を自動車メーカーが使用者に提供するようにするとともに、点検整備に関する手引を作成し公表することなどの施策を講じて、周知徹底を図っていくこととしております。また、単に定期点検整備の義務励行のための指導だけでは使用者の意識を高揚する上で十分な効果を期待できないため、法に基づく勧告制度を設けまして、点検整備の確実な実施を図っていくこととしているところでございます。
#35
○若林委員 きれいごとなんですよね。このために行政上で予算措置あるいはこの指導強化のためにどのような体制整備、定員上の措置を講じようとしているのですか、言ってください。
#36
○樋口政府委員 使用者が定期点検整備等の実施方法を容易に理解することができますよう、先ほども申し上げましたように、手引を作成し、官報に告示すること等によりまして、その周知徹底を図っていくこととしております。また、点検整備の促進に当たっては、従来から関係団体と連携いたしまして、全国にキャンペーンを展開しているところでありますが、平成六年度におきましては、新たに自動車の保守管理の徹底のための経費を計上いたしました。それと同時に、整備業界が行う自動車点検整備講習等に要する経費につきましても、所要の予算を確保するなど、促進対策の充実を図っていくこととしておるわけでございます。また、点検整備の促進対策の推進に当たっての所要の定員につきましても、その確保を図っているというところでございます。
#37
○若林委員 予算額と定員のことをちょっと具体的に言ってくださいよ。
#38
○樋口政府委員 平成六年度におきます予算、定員等の状況につきまして、具体的にお話し申し上げたいと思いますが、自動車の保守管理の徹底のための対策費ということで新規に二千九百万円、今国会に計上させていただいているところでございます。それから、関係団体が行う自動車点検整備講習等に要する経費の一部を補助ということで、今年度六千四百万円ほど計上させていただいております。また、組織、定員につきましては、本省に点検整備推進対策官という組織を創設させていただくとともに、地方に専門官を一名増員させていただくということになってございます。
#39
○若林委員 これは、支局みんな一名ずつですか。
#40
○樋口政府委員 地方につきましては、近畿運輸局一名でございます。
#41
○若林委員 それで十分であるかどうかについては論議をしている時間がございませんので、先を急ぎたいと思います。
 次に、四十八条の定期点検整備について伺いたいと思います。
 このたび自家用乗用車等について六カ月点検整備を廃止するというのは、今日の自動車の性能の向上などから理解できるわけでありますけれども、今までやっておりました、車検前に点検整備を指導するということを、いわば行政が介入しないという姿勢に改めると聞いているわけでございます。
 現在、実態を見ますと、六カ月点検あるいは十二カ月点検について、その実施率はこの配付されました資料、五十五ページですか、これを見ましても、定期点検整備実施率は、六カ月点検で五三・一%、十二カ月点検で五二・二%、半分の実施率であります。これは、事前の点検整備を行政指導しながらこういう実態になっているわけですが、今回、この事前の点検整備を行政指導としてしないという方針と伺っておりますが、それはなぜしないんですか。
#42
○樋口政府委員 本来、自動車の保守管理につきましては、使用者の責任において自主的になされるべきものであるというふうに考えております。しかしながら、検査前の定期点検整備の実施によりまして、使用者の保守管理意識の向上を阻害している面もあります。また一部には、車検のための整備ということで、車齢あるいは使用状況等に対応しないで一律に整備が行われるというような状況も見受けられておる、こういう状況にあります。
 このため、現状のままでは使用者の保守管理意識の向上が望めないということで、その結果、定期点検整備の実施率が向上しないこと、また、整備事業者の努力にもかかわらず、整備に対する使用者の理解、信頼が得られないこととなりまして、その結果、整備事業の健全な発展を妨げる、こういったことを考慮いたしまして、さらに諸外国におきましても、検査と整備が分離されている状況になっている、そういったいろいろな状況を踏まえまして、定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わないことといたしまして、使用者の自主的な管理にゆだねるという方向づけをしたいというふうにしたところでございます。
#43
○若林委員 結論を言いますと、私は納得できないんですよ。今挙げられた理由でいいますと、整備業者に対する、過剰な整備をしないようにとかその他いろいろの種々の行政指導をもって的確な、適正な整備をさせるということはできるんですね。また、整備箇所について、整備項目を今度減らしたでしょう、結構なんですよ。最低必要なことを点検整備の義務づけにしながら、行政指導までやめてしまうというのは、私はきれいごと過ぎると。相当この行政改革の論議の過程で運輸省が打たれたことは私はよく知っています。しかし、打たれたからといいまして、もっと意識を向上するためにもうそういうのはやめたんだ、行政指導はやめたんだ、そしてユーザーの善意にまつ、一生懸命干渉はするけれども善意にまっというのは、私は、行政が責任放棄をしているというふう、に考えているわけであります。
 とりわけ、法制度上、四十八条に定期点検の義務づけがあるにもかかわらず、今までの五十三条の二、点検等の指示、報告を廃止して、そして五十四条四項で勧告のみにしているわけですね。その結果、従来百十二条にありました罰則も削除する。こういうのを残しておいて、実際どこまでやるかについては行政側がユーザーの取り組み方、まあ、ユーザーの善意、悪意いろいろありますけれども、それらの指導をした上で、最終的には担保する規定がなければならない、私はそう思うのでございます。
 この問題はこういうふうに、どうしてこんなにしり抜けにしてしまうのか、私は理解ができない。さらに、いろいろ言われていますから、どうもユーザーに甘くしまして、法律が守られない状況をさらにエスカレートしてしまうのではないかということを大変心配をしております。
 現在の実施率を、先ほど言ったようにこれから大いに高めていく、しっかり行政指導と自信を持って言っておられますけれども、大臣、今の自動車の整備の実施率よりも高くできる、そして事故がこれ以上、欧米並みに高くならないということを保証できますか。大臣、どうです。
#44
○二見国務大臣 大変難しい御指摘でございますが、私は、今回の法改正は二つの面で言えると思います。
 一つは技術面といいますか、六カ月点検をなくして十二カ月と二十四カ月にして、しかも点検の項目も減らしましたですね。これは、技術面では心配ないという判断だと思います。もちろん、車にかかわる規制というのは、やはり安全性とそれから環境、排ガスですね、この問題が一番大きな問題だと思います。これを阻害するような、安全性を損なうような、あるいは環境にマイナスを与えるような形での規制緩和というのはこれはいけないわけですね。それで、技術的にはそれは問題ないんだろう。
 問題は、十二カ月点検、二十四カ月点検をきちんとユーザーがやるかどうかでしょう。私も同じドライバーで、年じゅう車に乗っていますから、先生の御心配も全くわからないわけじゃないけれども、先ほどから技術安全部長が何度も何度も御答弁申し上げておりますように、やはりこの問題はユーザーの自己責任の原則というものも確立しなきゃならぬと思います。その点で私は、今回の緩和によって事故率が一挙にはね上がるとかこういうことはないんだろう。行政の我々もいろんな努力をしますけれども、この緩和措置を通してオーナードライバーのマイカーの自己責任の確立、自分の車は自分できちんと保守管理するんだという意識を向上することが大変大事だし、そのことによって、むしろいい結果が出てくるのではないかなというふうに私は考えております。
#45
○若林委員 これは水かけ論みたいなものですよ。しかし、結果は出てくるんですからね。
 そこで、申し上げておきたいのですけれども、これで実施に入って点検整備率が上がらない、また事故率がどうも上昇の傾向が出てくるというふうになったときには、これ行政指導なんですから、そういう事実が出てきたときには事前点検整備を行政指導する、これは国の責任において、事故率が上がったりしちゃ困るわけですから、皆さん、上がらないと言っているんだけれども、上がるような状況が見えてきたときには見直すということを私ははっきり言ってもらいたいと思うんですが、どうですか。
#46
○越智政府委員 今先生の御指摘、私どもは今回の制度改正の結果……(若林委員「結論だけでいいですよ。説明はいい」と呼ぶ)では、説明は省略いたしますが、明確なお約束というのはいたしかねます。
#47
○若林委員 まことに無責任だ。事故率が上がってくる、あるいは定期の点検整備率が下がるというふうになっても事前の指導は戻さないというようなことを1もういいよ、答弁は。無責任きわまりないよ、そんなものは。事実、国民の命が失われるのですよ、あるいは環境が破壊されていく。そういうのが、結果が出てきても行政指導を変えないなんて、ばかなことがあるか、局長、いや大臣。
#48
○二見国務大臣 例えば私たちは、定期点検整備を励行するために、できれば関係省庁とも密接な連携を図りながら街頭検査を強化するなど、これは緩和したから事故がふえたと言われてはたまりませんから、いろいろなことをやります。私は、まず恐らくそういう事態はないと思います。しかし、一〇〇%ないかと言われればそれはわかりません。万々が一、このことによって事故率がどんどん上がってくる、こうなれば、それに対する手を打つのは当たり前のことです、それは当たり前のことです。恐らくそうなることはないだろうなというふうに思っておりますけれども。
#49
○若林委員 これは見解の相違ですから。しかし、結果が出てきますから、しかも法律改正なんかしないで、これは運用でできるわけですから、そのときには真剣に取り組み、点検整備の整備率が確保できるように、また事故が上がらないようにというのは、これは国の責任だと思います。
 そこで、現実の検査のことについて伺いたいのですけれども、実際、今の持ち込み検査の所要時間はそれぞれによって違うようですけれども、大体一台当たり五分から十五分といったような、それでもかなり効率的に検査が行われているのですね。私は、こういう短い時間で検査が能率的に行われているというのは、現実には、自動車整備業者、特に振興会が予約制度をとりまして、認定工場などから持ち込まれているものについては自分の責任において一応チェックしたものをラインに乗せているのですね、それが多いのですよ。そういうことによってその所要時間も短くて済んでいるもの、私はそのように理解をしています。
 しかし今回、点検整備をしていない車を直接検査に持ち込んでくる。これは検査の制度からいえばそうあってもおかしいわけじゃありませんけれども、しかしそれについては、点検整備をしている車とそうでない車とはチェックの仕方もかなり違ってくると私は思うのですよ。
 そこで、これは要望ですけれども、もう時間がありませんのでここで答弁は求めませんけれども、きちっと点検整備をしている車については、従前どおりやはり予約制度をちゃんとしてスムーズに車検が進むようにする、そうでない車については、ラインを別にして、それはそれなりの別のラインの検査をするというような形で、検査時点で差を設けるべきだというふうに私は思っています。現場における混乱といいますか、そういうことを避けていかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。これは意見を申し述べるだけにとどめたいと思います。
 次に、いわゆる出張車検についてですけれども、出張車検というのは、地域によっていろいろ差があるのですね。だから、全体で、持ち込みの車検の中の一割ぐらいのところもあれば三割ぐらいのところもある、いろいろ地域によって違うのですけれども。いろいろ業界から話を聞いてみますと、出張車検場を確保して、そして運輸省の検査官に来てもらってやるために、実際は借り上げ料などに比べましてかなり実質的に業者負担がかかっている、現実にそういう実態にあるというふうに私は承知をしているめですが、その点どうですか。
#50
○樋口政府委員 ただいま全国で出張検査場は百二十六カ所ございまして、年間の予算が借り上げ料としましては約二千七百万円ということでございますので、一回当たりの施設借り上げ料という点から見ますと、かなり割安だという感じはあるかもしれません。
#51
○若林委員 生易しいことじゃないのですよ。場所を借りまして、施設を整備しまして、機材なんかも協力しまして、運輸省から検査官に来てもらってやっているのですよ。だから、日当から、それを補助している補助機材の問題、補助員の人件費などを考えますと、とてもそんな運輸省が用意しているのではできないのです。ただ、業者は弱いですから、頼んでこちらでやってもらっているんだということですから、だから余り文句宣言わないで出張検査でやってもらっているというのが実態なんですよ。
 そこで、本来いえば、全額きちっと負担すべきだ、これは当たり前のことですけれども、そう申し上げたいところですけれども、予算上の措置がそこはすぐできていないと思います。そこで、今までのようなことを続けるのであれば、いわゆるユーザー車検、代行車検の、そういう負担をしていないような人たちは、この出張車検場での車検は受け付けない、本検査場へ持っていってやってくれ、こういうことぐらいはやるべきだと思いますけれども、どうですか。
#52
○樋口政府委員 出張検査場につきましては、地域の整備事業者が自主的に検査施設をつくりまして、国に出張検査を要請する、それで国がこたえて出張するわけでございます。そういった関係もございまして、出張検査場は基本的には自動化が図られていないというような問題もございまして、検査になれた特定な人が利用するという状況になってございます。
 このため、ユーザー車検の受検につきましては、受検のための案内標示でありますとか、安全かつ適切な受検に配慮された設備等を有する国の検査場において実施をしていきたい、こういう指導を行っていきたいというふうに考えております。
#53
○若林委員 ぜひ徹底をしてください。
 それでは、次に移ります。
 先ほども当局の方からお話ありました、街頭検査など徹底を図って、勧告制度の活用など自動車の安全性を高めるようにやっていく、こういうお話でありました。なるほど、この街頭検査は大変効果が上がっていると私は思います。これは、地域によって違いますけれども、交通安全週間などに警察の道路交通法の規制の中で警察がとめてくれて、そして運輸行政部門も入ってやっておられる、それに業者が協力している、こういう姿で行われていると思います。大変効果が上がっていると私は思います。いろいろ実績も持っていますけれども、時間がありませんので、お話はいたしません。
 そこで、これを警察と協力して、もっと今度運輸行政が責任を持って、きちっきちっともっと頻度を高くして、そういうシステムをつくって街頭検査をやる、街頭検査を実施して、そして不良な車両については的確な行政指導をしていくという体制をきちっとつくらなければいけない、私はそう思うのですけれども、その点についてどうですか。
#54
○二見国務大臣 大変大事な御指摘だというふうに思います。整備不良で事故を起こして、本人だけではなくて周りにも迷惑をかけるわけですから、街頭検査ですか、そこでもって整備不良の車をきちんとしたことをやるということは大事だと思います。それは運輸省だけではなくて、むしろ警察当局と密接に連携をとりながらそうしたものを検討してしかるべきだというふうに考えております。
#55
○若林委員 実際は警察がかなり主体的にやっているのですよ。それで業界も、運輸省を通じての協力要請で協力している。ところが、業界人の中には、こんなことを言われる人もいるのですよ。何か仕事をふやすためにおまえら出ているんじゃないか、チェックして、これは整備しなさい、それで整備、整備を確保するためにやっているんじゃないか、こういうふうに言われてせつないというのですね。本来からいえば、これは運輸省が主体になりまして、警察とよく協力し合って、そしてこういうシステムを年に四回なり五回なりきちっとある頻度で実行する、こういうふうにして、これは業界の協力を仰ぐのもいいですけれども、厳密に言えば、そこに補助員として出てくれる業界の人には、やはり手当を払わなければいけないと思うのですよ。私はそう思っています。
 もう時間がなくなりましたので、私はそう思っているということで、その辺も含めてぜひ検討していただきたいと思います。
 きょうは警察の方にも来ていただきまして、警察も運輸省と一緒になってやってもらえる、やります、こう言ってもらえるようにお話をしていたのですが、もう時間がありませんので、警察の方と運輸省、よく相談してやってもらいたいと思います。
 最後に、これは要望でございます。今度の改正車両法の九十四条の五でございますが、指定自動車整備事業者の自動車検査員が検査した車両については、保安基準に適合する旨の証明をしたときは新規検査または予備検査、いわゆる廃車後の登録抹消を受けた乗用車ですけれども、これについては、登録抹消証明書とともに有効な保安基準適合証を提出することによって、車は持っていかなくていい、現車の提示、保安基準に適合したものとみなされるというような規定、これは結構なことだと思いますね、そういうことを設けました。
 これによって、新規登録し自動車登録番号標の交付を受けた場合には、十一条による運輸大臣または委託を受けた者から封印の取りつけを今受けるようになっていますが、今回の改正によって検査時の現車提示が省略されたにもかかわらず、封印の取りつけを受けるために、今までの受託者といいますか、そこまで現車を持ち込まなきゃいけないというようなことになってしまうんですね。いろいろ御検討をしていただいているというふうに聞いていますが、これらの封印の取りつけにつきましても、二十八条の三に基づく省令ですね、十三条、この辺の再検討をしていただいて、自動車整備事業者にも、あるいは新たな受託の範囲を拡大をして、せっかくのこういう改正が、現車提示のためにまた今までどおりやらなきゃいけないというようなことがないようにぜひとも措置してもらいたい、このような希望でございます。
 このことに限らず、私は、こうして安全が守られている現在の制度を、ユーザーの要望あるいはその他もろもろの規制緩和などの要請の中で今次改正のようなことも行われるわけですが、くどいようですけれども、建前論できれいごとでやってこれがうまくいかないということを大変恐れているものであります。うまくいかないというような兆候が出てきたときは、さっき大臣が言われたようにこんなに急に上がったなんていう、上がらなくても兆候が出てきたときには積極的な行政指導をすると同時に、どうもそれだけではうまくいかないなという判断があったときには、誤りを改むるにはばかるなかれということで、やはり安全と環境保全には十二分に責任を持ってやってもらいたい、これは要望でございます。
 終わりたいと思いますが、何か一言大臣ありますか。よろしいですか。じゃ、お願いします。
#56
○井上委員長 緒方克陽君。
#57
○緒方委員 それでは、道路運送車両法の一部を改正する法律案について質問をいたします。たった二十分しかありませんので、具体的にもう既に質問項目はお知らせをしておりますので、端的にお答えをしていただきたいと思います。
 まず第一は、自動車の使用者に対して自主的な保守管理を義務づけた理由は一体何なのかということ。そして、使用者による保守管理責任が確実に果たされるためには、自動車の点検整備の必要性について使用者に対して十分な周知を図らなければ、これはいろいろ問題が起きるということははっきりしているわけでありまして、どういうような具体的な対策を立てられようとしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#58
○樋口政府委員 お答え申し上げます。
 使用者による自主的な保守管理が励行されますよう、法律に使用者の点検及び整備の義務を明記することといたしました。この保守管理責任を十分使用者に認識していただき、点検整備が確実に実施されますよう、まず保守管理の必要性、検査と点検整備の目的と役割について、国初め関係団体等協力しまして周知徹底に努めるということが一つございます。また、検査の際に定期点検整備記録簿の提示を求めまして、定期点検整備の確実な実施を指導することとします。それからさらに、点検整備に必要な技術情報を自動車メーカーが使用者に提供するようにするとともに、点検整備に関します手引を作成し公表する、こういった施策を講じ、周知徹底を図っていきたいというように考えております。
#59
○緒方委員 今、手引を作成し公表するということですが、公表ということは、何百万部刷られるのか、何千万部刷られるのか知りませんけれども、公表みたいなことではこれは徹底できないのではないか。車は六千四百万台というふうに言われているのですが、どういう数をされるのですか。
#60
○樋口政府委員 基本的には官報で告示いたしますと同時に、パンフ等を作成いたしまして検査場、あるいはリーフレットを作成しまして該当検査等の際にユーザーに配付するというような対応を図っていきたいというふうに考えております。
#61
○緒方委員 今のようなことでは周知徹底は私は恐らくできないというふうに思いまして、もっと具体的な手だてをすべきだということを申し上げておきたいと思います。
 それから次に、自家用乗用車に対する義務づけで、運行前の点検から日常点検というふうにしたわけでありますけれども、その理由と、バスなりあるいはトラックなどについてはこの日常点検の義務づけをしないということになったわけでありますが、その理由はなぜであるかということについてお答えをいただきたいと思います。
#62
○樋口政府委員 自動車を常に保安基準に適合した状態に維持するためには、定期点検整備とは別に、例えばランプの球切れのように突発的なふぐあいに対応できるようにするために、運行前点検というのが義務づけられているわけでございます。
 今般、自家用乗用自動車等につきましては、その技術の進歩あるいは使用形態の多様化に対応いたしまして、点検は必ずしも一日一回運行前に実施する必要がなくなったという状況になりましたので、運行前点検の規定を緩和いたしまして、使用者の自己責任に基づき、使用者みずからが自動車の走行距離でありますとか運行時の状態等から判断して適切な時期に点検し、必要に応じ整備を行えばよいという日常点検整備に変更をしたいというふうに考えておるわけでございます。
 しかしながら、事業用トラック、パス等につきましては、整備を必要とする率が相変わらず高いこと、ふぐあいが発生した場合の影響が大きいこと、こういった点を考慮いたしまして、従来どおり一日一回の運行前の点検の義務づけを継続することとしたいというふうに考えたところでございます。
#63
○緒方委員 次に、整備費用の負担の軽減の問題についてお尋ねをいたします。
 六カ月点検の廃止、そして十二カ月、二十四カ月点検項目の半減ということに今回なるわけでありますが、今回の制度改正によりまして、車を所有している人の整備費用の負担というのはどの程度軽減されるのか、具体的に明らかにしていただきたいと思います。
#64
○越智政府委員 お答えいたします。
 今回の制度改正によりまして使用者の負担がどれくらい軽減されるかということでございますが、点検整備料金というのは自由料金でございまして、業者が自由に決められるというものでございます。
 一応全国の平均ということで試算をいたしますと、今回の見直しによりまして、例えば自家用乗用車で、普通の家庭で使われているような小型の乗用車でございますけれども、現在、二十四カ月点検整備につきましては、二十四カ月で六万七千円ぐらいかかっているということでございまして、これは点検項目等の削減によりまして大体五万九千円程度になるだろう。それから、十二カ月点検整備につきましては、二万二千円ぐらいかかっておりますが、これは一万八千円程度に下がる。それから、六カ月点検整備につきましては、大体一万五千円ぐらいかかっておりますが、これは不要になるといったようなことでございます。
 いずれにいたしましても、こういった制度改正によりまして、整備事業者としては、その点検整備について使用者の理解を得ながらやらないといかないということになりまして、やはり競争原理が働いていくというような中で、やはりそこで整備料金、整備内容の適正化、透明化が図れるのではないか、私どもはかように考えております。
#65
○緒方委員 今局長は、競争ですか、そういうものの中で適正な料金になっていくのではないかというふうに言われましたが、具体的にはそれは下がっていくということに見ているということですか。どういうことでしょうか。
#66
○越智政府委員 先ほども部長から答弁いたしましたけれども、ややもいたしますと一律な整備、要するに車の使用状況とか車の使用年数とかと無関係な整備が行われているという傾向が見られるといった中で、使用者というものが自覚を持っていく段階におきまして、一律な整備というものができなくなるというのか、やはり必要なものは必要なものとしてやる、不必要なものはやらないというふうになりますと、そこで必然的に整備料金が下がっていくのではないか、私どもはかように考えておる次第でございます。
#67
○緒方委員 それでは、次に法律改正に伴う混乱をどう防止するのかということについてお尋ねをいたします。
 今回の改正法案では、前点検後整備は陸運支局あるいは事務所の検査ラインに現車を持ち込んだ場合にしか適用されないということになっているわけでありますが、車検需要の過半を扱う民間指定整備工場などでは、従来どおり予備検査の後に保安基準適合検査を受けるという方法しか実際には選択できないということになると思います。そういうことになりますと、このままでは、民間指定整備工場で前検査後整備を期待して見えるユーザーとの間で、話が違うじゃないかということでトラブルの発生が懸念されるというふうに私は思うわけでありますが、こういうことがもしも起きれば大変問題であります。
 具体的にこのようなことについて混乱防止の予防措置を講ずるということが必要だと思いますけれども、これは大変重要な問題だというふうに思います。大臣、どういうふうにお考えでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#68
○二見国務大臣 今回の制度改正におきましては、民間能力を活用する指定自動車整備事業制度を一層充実することとしております。
 これによりまして、自動車使用者は指定自動車整備事業者から新たなサービスを受けることが可能となりますが、一方、指定自動車整備事業者においては、いわゆる前検査はできないこととなっており、これらを含めて、指定自動車整備事業者の行えるサービスの範囲をめぐって、自動車使用者との間にトラブルが発生することのないよう、適切な対応をしなければならないというふうに考えております。
#69
○緒方委員 適切な対応をしなければならないということはお答えいただいたわけですが、具体的にはよくわかりませんから、そこを具体的にどう対応されるか、ぜひ具体的に明らかにしていただきたいと思います。
#70
○樋口政府委員 ただいま御指摘いただいたわけでございますが、整備事業者が使用者から前検査を依頼された場合にあっても、まず使用者の理解を得つつ、点検整備が確実に行われますように的確に対応する必要があるわけでございます。
 特に、指定自動車整備事業者であっても、使用者から前検査をとりあえずやってほしいという要望があった場合につきましては、とりあえずはやむを得ないということで指定整備工場側がそれを代行ということで、いきなり国の検査場にその車を持ち込みまして検査を受ける、こういうことは十分可能なわけでございます。そこで定期点検整備の必要性というものをその際に使用者によく御指導いただきまして、場合によったら若干のサービスということで重要な部分について点検をやりまして、その結果、どうもこのブレーキにつきましては半年しかもちそうもないなというようなコメントをつけてやることによって、いずれまたその使用者がその指定整備工場に来て定期点検を受けるということができるわけでございまして、一律にユーザー車検だからといって整備事業者が断るということはしない方が、かえってうまくいくのではないかなというふうに考えております。
#71
○緒方委員 今の具体的な話は、いわゆる指定整備業者がユーザーに対して、そういう話を個々の例に対してやっていくということですか。
#72
○樋口政府委員 自動車使用者から指定整備工場に対しまして、とりあえず前検査だけをやってくれという場合につきましては、指定工場でその車を預かり、国の検査場に持ち込んでいただいて検査を受ける、これは可能である、こういうことでございます。
#73
○緒方委員 今の答弁だけで、具体的なトラブルが発生しないということはどうもないような気がいたしておりまして、いろいろなことが起きるんじゃないかというふうに思いますが、その辺、たくさんの事例も考えながら十分検討してもらうようにお願いしたいと思います。
 最後になりますが、規制緩和は今非常に重要な課題となっております。国民の多数が革を保有しているわけでありまして、その中でも、車検の規制緩和については非常に国民の期待も高いわけでありますが、そのためには交通の安全ということ、それから、さっきも出ましたけれども、環境の保全、確保という国家的な使今もあります。そして同時に、国民負担の軽減ということもしていかなければいけませんし、さらに六千四百万台にも達する車両を円滑に扱っていくという立場から、この三つの観点というのは並立的に維持しながら、そして規制緩和は図っていく必要があるだろうというふうに思うわけであります。
 特に、技術の進歩によって、品質あるいは性能の向上ということで今回もやられるわけでありますけれども、今後も、法改正後も、例えば事故とか故障の発生率などもいろいろ統計的に出てくるわけでありまして、そういう率なども勘案しながら、やはり定期的に見直しを行って、点検項目のさらなる削減であるとか検査周期の延長などについて、国民負担の軽減という観点からさらに進めていく、積極的に取り組むということも必要ではないかというふうに思いますが、この点についてお答えをいただきたいと存じます。
#74
○二見国務大臣 緒方先生御指摘の点については、私も同じ考えでございます。今後の自動車技術の進歩あるいは使用形態の変化、こうしたことを考えながら絶えず見直すものだというふうに考えております。
#75
○緒方委員 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
#76
○井上委員長 寺前巖君。
#77
○寺前委員 五月二十四日にNHKの「クローズアップ時代――「事故車から出られない」急増する缶詰め事故の恐怖」という番組を見ておりました。そうすると、ロックをしていると、衝突したときに出られないでその被害は大きいのだということを盛んにやっていました。私は見てびっくりした。ドイツやイギリスではセンサーがついておってロックを外すようになっている。今せっかく車両法を検討するのだったら、こういう車両のつくり方そのものを考えなけりゃ大変だなと私は思いましたので、この問題について日本ではどういう検討をしておられるのか、どうしようとしておられるのか、まずお聞きしたいと思います。
#78
○樋口政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のドイツの例でございますが、ドイツでは車が衝突した場合には自動的にドアロックが解除されるようになっているということでございます。確かにそのようなシステムを採用している例はありますが、世界的に見ましてごく一部の高級車に限られているという状況になってございまして、法令により義務づけされている国は現在ございません。
 それで、ドアロックのあり方につきましては、実はさまざまな御意見がございます。例えば、運転中に子供等の同乗者が不用意にドアをあけてしまって転落する可能性がありますので、そのためのロックが必要であるというようなお話、あるいは防犯上の観点から、運転中にはドアロックをすべきである、そういった意見もあるわけですが、ただいま御指摘のように、事故後の乗員の脱出の容易性や救出の迅速化を図る観点からドアロックはすべきでない、こういった御意見もございます。
 いずれにいたしましても、そういったドアロックのあり方につきましては、今後の検討課題であるというふうに我々認識しておるところでございますが、実は平成四年三月の運輸技術審議会の答申におきまして、「自動車の安全確保のための今後の技術的方策について」という答申の中にまとめられておるのでございますが、今後の研究課題、そういった位置づけになってございます。
#79
○寺前委員 私がびっくりするのですから、全国の人が見ておられると思いますので、十分に検討して適切なる措置をやっていただきたいと思います。
 次に、今度の法改正で、保安基準に適合するようユーザーに義務づけるというものがあります。運輸省自動車局監修の「道路運送車両法の解説」というのを見ておりましたら、保安基準自身が極めて多項目にわたり、かつ、細目的な技術基準であるというので、ユーザーに義務づけられてもなかなかわかりにくいという問題があるようですね。だから、こういうのを義務づけるという以上は、それじゃこれからユーザーに対してどういう対応をしていこうとしておられるのか、その中身をお聞きしたいと思います。
#80
○樋口政府委員 ただいま御指摘のお話はこういうことであろうかと思いますが、確かに保安基準そのものにつきましては極めて専門的な形でまとめられてございます。それに対しまして定期点検整備制度といいますのは、保安基準の適合性を具体的にチェックするということで、技術上の基準を別途自動車点検整備基準というので規定をしているところでございます。
 そこで、その点検整備につきましては、使用者の理解を図るために、運行前点検と定期点検整備の点検の実施方法でありますとか、点検の結果、必要となる整備の実施方法でありますとか、点検及び整備に関して必要な事項等につきまして、使用者に対しでわかりやすく説明した手引というものを運輸省が作成し、広く公表しておるということでございまして、今後とも適宜見直しによりまして、よりわかりやすいものとしていくこととしております。
#81
○寺前委員 ドイツのチュフというのですが、この間「たった千三百円で車検をとる本」というのを読んでおりましたら、そこにドイツ技術検査協会、半官半民の組織でしょうか、そのチュフのことが書いてあった。「チュフで行われる百五十カ所の厳密検査の結果が、実に有効に役立てられている。つまり検査の結果、現在の車は何年たつとどのくらい傷みが生じ、不具合がどの箇所に出やすいのかといったデータをすべてとっている。またこのデータはドイツ国内を走っている車すべてが対象になるので、メーカー別、さらに車種別、経年別でのデータがとれる。しかもこの調査データはメーカーだけでなく、一般ユーザーにも公開されるのだ」ということが書かれていました。
 私、ユーザーが今度自動車を保安基準に適合するように維持することを義務づけられるということになってくると、やはりいろいろな知識を提供するというのは大事な問題だ。そういう意味では、こういうような安全性や公害防止に関するところの情報を積極的に公開するということをお考えになる必要があるのじゃないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
#82
○樋口政府委員 御指摘のように、使用者に対しまして自動車の安全性に関する情報を提供するということは大変必要なことだろうというふうに我々も認識しておるところでございますが、そういった情報を提供するということは、使用者による自動車の選択を通じて安全性の増進に寄与するという点から考えましても、大変結構な話だろうというふうに考えております。このため、運輸省におきましては、提供する情報の内容や方法等につきまして現在検討を行っているところでございます。
 また、公害防止に関しましては、低公害車の普及促進でありますとか、燃費値の公表等も現在行っておるところでございますが、今後、より一層環境に優しい自動車の使用を促すよう、使用者に対する知識の普及啓発活動についても心していきたいというふうに考えております。
#83
○寺前委員 運輸省がまとめられた自家用自動車の点検整備実施状況等の実態調査結果というのを見せてもらって、私、ちょっとびっくりしました。ここ数年、定期点検整備の実施率は下がり続けているという。平成三年度では全車種平均で六カ月点検が五一・三%、十二カ月の点検が五〇・九%で、過去五年間で最低になってきていると書いてある。また、自動車の構造や装置に対するユーザーの理解度というのを見ると、ほとんどの装置について構造部品と機能がわかると回答している人はわずか一八・八%なのです。こうなってくると、ユーザーの保守管理責任という問題を自発性とか自主性に任しておって、果たしてこれはやっていけるのだろうかということが、私、気になりました。実態がこういう状況にあるので。
 そこで、こういう実態に対して改めてどういうふうにしてこの義務化を、自覚を高めるように特別なことをお考えになっているのだろうか、改めて聞きたいと思います。
#84
○樋口政府委員 先ほど来お話し申し上げているところでございますが、やはり自動車使用者に保守管理責任があるのだということを徹底していく必要があるわけでございまして、そういったPRをいろいろな角度から今後検討していきたいと思っております。特に自動車整備業界にもお願いをいたしまして、自動車使用者と一番の接点になるところでございますので、車の定期的な点検整備の必要性をよく御理解をいただくという方向で、我々国といたしましても、リーフレット、パンフレットあるいはポスター等いろいろな形で協力しつつ対応していきたいというふうに考えております。
#85
○寺前委員 ところで、私は、九十六国会で車両法の改正を受けて、八三年六月から全国の主要書店で「あなたのための自動車点検・整備の手引き」という本があるというので、それを見に行きましたよ。そうしたら、本屋さんは絶版になっていますよと、こう言われたんだ。あれあれ、事態がこういうことになっているのに、絶版になっているということで済ましておいていいんやろうかなと。先ほども、わかりやすいものをつくりたいというふうにおっしゃっていました。ぜひ、今回のこの機会に、改めてみんながわかりやすい手引を普及してもらうようなこともひとつお考えをいただきたいということを申し上げたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
#86
○樋口政府委員 確かにそのとおりでございまして、努力していきたいというふうに考えております。
#87
○寺前委員 それから、今度の法改正によって前検査方式が導入されてくることになります。そうすると、国の検査場に飛び込んでくる車の量はふえてくるだろう、これは当然考えられることだと思うのです。そうすると、前検査にどれだけの人が来るか知りませんが、私は当初の間はわんさと来るだろうと思いますけれども、さあ、検査場の前にあらかじめ予約をとってやるとすることになるならば、予約の時間が長引いてくるという問題も生まれるだろうし、あるいは検査場周辺の人に迷惑をかけるということも起こるだろうし、それから第一に、この分野で働いている人の負担増という問題は、これは避けて通ることはできない大きな問題だろうと思うのです。
 そこで、この検査場で、国の場合に対応する対策はどういうふうに打とうとしておられるのか、お聞きしたいと思います。
#88
○樋口政府委員 御指摘の、定期点検整備の実施時期は検査の前後を問わないということとした場合には、いわゆるユーザー車検等によりまして国の検査業務が増加するということは、そのとおりかと思っております。
 これに対しまして、従来から取り組んでおります指定整備率の維持向上のための施策を一層推進していくということはもちろんでございますが、今回の車両法の改正によりまして、新たな施策としまして中古革の新規検査、それから検査場で不合格になった車の再検査、こういった点につきましても指定自動車整備事業者にゆだねる、今回そういった対応を図ることによりまして、ユーザー車検の増加に対応するというふうに考えております。
 なお、ユーザー車検の増加につきましては、実は各検査場ごとに当然のことながら差異があるかと思います。そういった点から、現在個別にその対応策について検討しているところでございます。
#89
○寺前委員 一九六二年の国会審議を読ませていただきますと、運輸省は、民間車検場を活用するのはあくまでも検査制度の補完的なものだということを当助言っておられますね。この立場は今も変わらないのでしょうか。変わらないとするならば、今試験場ごとに検討させているということは、同時にそのことは、国の責任を果たし得る体制を何としてもっくり上げるためにどうするかということも十分に御検討いただく必要があると思いますが、改めて聞きたいと思います。
#90
○樋口政府委員 現在の状況を申し上げますと、国に検査として車両が持ち込まれるものが全体の三分の一でございます。それに対しまして、指定整備工場扱いというのが全体の三分の二という状況になってございまして、国の補完をするために指定整備工場を創設したということでスタートしたわけでございますが、結果として逆転はしておりますが、これも国の補完という点につきましては現在も立場上変わっておりません。
 と申しますのは、指定整備工場におきましては、整備をその指定整備工場で行ったその責任において、できばえ検査ということで検査を整備と一体的に行っていただくという考え方でございまして、これは今回新たに中古車の新規検査だとか再検査についても指定整備工場扱いにしますけれども、基本的な考え方というのは変わっておりません。
 もう一つの点でございますが、国の検査場におきましての対応ということで、実はユーザー車検というのは一般的には大都市に多うございます。地方におきましては少ない。そういったことで、個別の検査場単位でどのような形で処理を行っていったらスムーズに検査業務ができるのか、こういった点を各検査場単位で今検討をさせている、こういうことでございます。
#91
○寺前委員 どうもありがとうございました。
#92
○井上委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#93
○井上委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、道路運送車両法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#94
○井上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#95
○井上委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、村田吉隆君外五名から、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。村田吉隆君。
#96
○村田(吉)委員 ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読します。
    道路運送車両法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法による自動車使用者の保守管理責任の明確化、検査に関する民間能力の活用等に伴い、自動車の安全性を確保するとともに自動車整備事業の健全な運営を図るため、次の事項について積極的に措置すべきである。
 一 自動車使用者の保守管理責任の法制化に伴い、自動車使用者に対する指導の徹底を図るとともに、点検・整備の義務が履行されるよう適切な措置を講ずること。
 二 点検等の実施に関して、交通事故防止、路上故障による交通渋滞の防止、地球環境の保全等のため、街頭検査等の積極的な実施体制を整えるとともに、整備不良車の排除に努めること。
 三 いわゆるユーザー車検の増加に伴い、円滑な受検が確保されるよう車検体制の整備拡充を図ること。
 四 自動車の検査に関する民間能力の活用にあたっては、整備事業近代化のための自動車整備近代化資金制度に対する支援の充実に努めること。
 五 農耕用トラクタ等特殊自動車の自動車検査証の有効期間については、使用実態調査を進め、その検討結果に基づき延長等の措置を講ずること。
 六 本法改正に伴う、政省令の策定にあたっては関係団体の意見等を十分に聴取し、法の円滑なる施行に努めること。
 七 自動車の検査及び点検整備等について、自動車技術の進歩等に対応して、今後とも適宜見直しを図ること。
以上であります。
 本附帯決議は、ただいまの法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめ、本法の実施に当たり、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにし、自動車の検査及び点検整備制度の一層の改善を図ろうとするものであります。
 以上をもって本動議の説明を終わります。
#97
○井上委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 村田吉隆君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#98
○井上委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。二見運輸大臣。
#99
○二見国務大臣 ただいま道路運送車両法の一部を改正する法律案につきまして、御熱心な御審議の結果、御可決いただきましたことに心から御礼を申し上げます。まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分の努力をしてまいる所存でございます。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#100
○井上委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#102
○井上委員長 次に、内閣提出、油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細田博之君。
#103
○細田委員 油濁損害賠償保障法改正の法律案についてお尋ねすることがいろいろございますので、三十分ほどお時間をいただきました。いろいろ御質問させていただきたいと思います。
 日本は今二億七千万キロリットルほどの石油輸入をしておると言われておるわけでございますけれども、二度にわたるオイルショックがあり、そしてその後、原子力発電あるいはLNGへの依存あるいは石油製品の輸入ということでエネルギー源を多様化いたしまして、何とか切り抜けてきたわけでありますね。
 私もエネルギー行政というものを担当してきたことがあるわけでございますけれども、何といっても、それを運ぶ動脈はまさにタンカーである。そして大事なことは、産油国、特に日本が輸入を依存しておりますサウジあるいはアラブ首長国連邦とかクウェート、イラン、イラク、インドネシア、中国、最近は多様化はしておりますけれども、そういう国々に非常に不安定があり、御存じのようなイラン・イラク、クウェートをめぐる紛争もあった。しかもその間に油田事故、そしてタンカー事故というものがあり、我が国としては、この動脈を守るためにさまざまなことをしなければならない宿命にあるわけでございます。
 その中で、特にこの法律で代表されるような、いざというときに備えるということは、石油ショックに備えるということも大事でございますが、事故に備えるということも必要でございますから、我が国が率先して世界においてリーダーシップをとっていろいろやっていかなければならない、こういうふうに認識しておるわけでございます。
 最近もイギリスのシェトランド諸島沖でもタンカー事故が起きており、過去に大きなタンカー事故は幾つもあるわけでございます。この安全対策の充実というのは大変重要な課題であると思いますけれども、我が国のタンカーの安全対策につきまして、大臣の所見をまずお伺いいたしたいと思います。
#104
○二見国務大臣 細田先生の御指摘、本当に大事な、重要な課題、問題だというふうに考えております。もし今このような事故というものが一たび発生しますと、人今、貨物への被害はもとより、大変大規模な海洋汚染を引き起こすことにもなるわけでございます。
 このため、運輸省としては、タンカーの二重構造化の促進、国際海事機関におけるタンカーの安全確保のための国際基準の検討への積極的な参画等の対策を講ずるとともに、海運業界、石油業界等の関係者が協力して、ASEAN海域における石油の安定輸送を確保するための体制を通産省とともに整備する等の所要の施策を現在推進しているところでございます。
 いずれにいたしましても、安全の確保は運輸行政の最大の柱であり、今後ともタンカーの安全対策には万全を期してまいるつもりでございます。
#105
○細田委員 今大臣がおっしゃいましたように、安全対策は本当に重要でございますが、特に今おっしゃいました、二重底のタンカー建設というのは大切なんですね。二重底タンカーというのは、現状で日本はどのくらい使っておりますか。統計がありますか。
#106
○尾松政府委員 昨年の夏から適用になりましてまだ日が浅うございますから、たしか一隻でき上がった程度だったと記憶をいたしております。定かでございません。申しわけございません。
#107
○細田委員 そういうことで、これからのことでございますから、いろいろ税制その他、金融とか、今工夫もされているようでございます。そういった面で、運輸省のさらなるこの二重底タンカーの建設促進、これはやはり基本的に大事でございまして、万一座礁した、衝突したという場合でも石油が漏れない、環境汚染を起こさないという意味では、それがまず第一に必要であると思うわけでございます。しかしながら、現状ではそういう事故がやむを得ず引き起こされるということがあるわけで、この法律が必要になるんだと思いますが、この法律の要点、あるいはこの法律改正によりまして賠償保障制度の充実の面でどのようなメリットがあるのかという点について、御説明をいただきます。
#108
○尾松政府委員 今回の法律改正は、条約改正に伴うものでございます。油濁損害賠償保障制度というのは条約に基づいておりますが、その条約が採択されてから二十年くらいたちました。その間に物価上昇等もございまして、タンカー事故の被害額は増加する傾向にございます。こういう中で、現行の船舶所有者の責任限度額と国際基金から出されます補償金の補償限度額を引き上げて、油濁事故による損害賠償の充実を図ることが急務となっております。これが国際的な合意となりまして、新しく一九九二年責任条約、それから一九九二年国際基金条約が採択されたわけでございます。これを国内に実施せんがために、今回の油濁損害賠償保障法の一部改正を行おうとするものでございます。
 この保障制度、この法律改正でどういったメリットがあるかということでございますけれども、今申しましたように、事故が起きたときの船舶所有者の責任限度額と国際基金からの補償限度額が大幅に引き上げられますから、当然、事故が起きたときの被害の救済は充実されるわけでございます。
 同時に、今回の改正では、空船航行中のタンカー等による油濁損害、また、領海内だけでしたか、そこから、二百海里水域内において発生した油濁損害についても対象とするというふうに、適用範囲を拡大いたしております。これによりましても油濁損害の賠償保障制度の充実が図られる、こういうことでございます。
#109
○細田委員 この条約でございますけれども、事務方にも伺ったのですが、アメリカは入っていないのですね。アメリカというのは、従来国内で、テキサスですとかカリフォルニアに大きな油田がある。アラスカでも見つかった。そして、多くのパイプラインを引いて、環境破壊もあるようでございますが、国内に一生懸命供給しておる。そして、アメリカは基本的に原油の輸出を認めていないのですよ。今まではベネズエラとかあるいはアフリカの一部から輸入をして賄っておったのですが、だんだん国内あるいはそういったところの輸入じゃ足りなくなっているのです。
 これから二十一世紀になりますと、アメリカは膨大な原油輸入国になってくる。それもやはりアラビア湾といいますかペルシャ湾といいますか、あの地域からも相当な輸入をしなければ原油の輸入を貯えないというようなことも言われているわけですね。
 そういった中におきまして、この条約にアメリカが加入していないというのはいかにも不都合であるわけでございまして、これは外交的努力としても本当は入れなきゃいけない。そして、伺いますと、何か外務委員会の方でこの関係の議定書その他も審議されるようでございますけれども、第一には、今言ったアメリカ加入努力というのを政府も大いにやってほしい。これは外務省も関係することでございます。
 そのことと、それからちょっと今の外務委員会などでの審議ぶりについて教えていただきたいのでございます。
#110
○尾松政府委員 おっしゃるとおり、現行の条約にはアメリカが加入いたしておりません。その理由につきましては、アメリカの国内事情でありますから、私どもつぶさには承知をいたしておりませんが、アメリカ独自の損害賠償制度というものが必要だというふうに考えて実施しているとのことでございます。
 私どもとしましては、国際的に各国寄り集まって検討した、得られた条約でございますから、なるべく多くの国がそれに入るべきであろうというふうに考えてはおります。折に触れてそういうことを主張してまいりたいとは考えております。
 それから、関連の条約は外務委員会の方で御議論をいただいておりますが、これから御議論をいただくのではないかというふうに思っております。
#111
○細田委員 この法改正は、実際の海洋汚染防止といった意味で、特にお金の面での負担などがあると思うのでございますが、どういう意義があるのかという点についてやや詳しく教えてほしいのでございますが、実際に事故が起こりますね。そうすると、何か火が出れば火を消すもの、あるいは海上が汚れるものがあると、それを何か掃除をするようなものとかオイルフェンスを張るものとか、いろいろなものがあるわけです。それに要する経費というものを地元で大分負担しなければいけないでしょうし、あるいは、陸上の方に流れ着きまして、いろいろな生産設備やら環境破壊が行われてくる。そのときにいろいろな賠償が起こったりすると思うのでございますが、どういったものを実態としてとらえているのか、またそれが今回の法改正によってどういうふうに充実されるのかということも含めて、ちょっと具体的に教えていただきたいのでございます。
#112
○尾松政府委員 タンカーが事故を起こしまして油が流れ出ますと、先生御指摘のとおり、いろいろな方法でもってその被害を防止するための措置がとられます。この防止措置のためにかかる費用、これは当然この制度の対象になります。それからまた、この防止措置を講じたがために二次的に発生する損害とでもいいますか、そういったものも当然含めてこのタンカー事故の損害に含められますから、それもあわせて本制度の対象となるわけでございます。
 今回船主の責任限度額と国際基金からの補償限度額の引き上げが行われるわけですが、この引き上げが行われるということによりまして、今申しましたような防止措置というものも思い切ってやりやすくなる。それが保障されるわけですから積極的にやりやすくなる、そういう効果もありますので、海洋汚染防止という意味でも効果がある、こういうふうに考えます。
#113
○細田委員 賠償義務が課せられる船舶所有者とありますけれども、これはいろいろ事務方にも聞いてみたんですよ。質問を発すると、よくわからないんですな。
 つまり、日本に運ぶ油というのは、世界で運ばれる油の二五%になると言われているんですね。これは貿易される油でしょう。北海油田からそれぞれの、ヨーロッパに運ばれるのも含まれており、そして、アメリカなどの国内輸送なんていうものは含まれないわけでしょうが、いずれにしても日本は二五%。そしてその二五%をどういうタンカーで運んでいるかということが、わかるようでこれはわからないんですね、余り。つまり日本に運ぶわけでございますから、日本の例えば石油精製、電力、そういったところが依頼したり石油化学会社が依頼はするのでございましょうが、その船舶ということになると、いろんな船員の関係もございまして、便宜置籍船もありますし、特別な、わからないような会社を設立して、そのまま国籍不明のような会社が運航するというようなことがありまして、どうもよくわからない。
 実際ある程度、船舶所有者が日本の企業であることがはっきりしているようなものがわかれば、どのぐらいでありますとお答えいただきたいのですが、わからなければ一体どうやってそれをつかまえてやることになっているのか。
 条約ですから、たくさんの国が入っておればどこかで引っかかる。つまり船が事故を起こしたときに所有者を探す、そして所有者も怪しげな者ではなくて、だれか、どこかの国の出資者がおる、そうするとそこへまた追及していってある程度払わせる、そしてそれでお金が足りないようならまたこの基金の方で払わせるというようなことになっていると思いますが、どうも実態把握が余り十分じゃないんじゃないかというふうに思うのですが、どこまで把握しておられるか、ちょっと説明を願います。
#114
○尾松政府委員 この制度の対象としております船舶所有者というのは、法令上の登録を受けた船舶所有者でございます。先生御指摘の、便宜置籍船などの御指摘ではないかと思いますが、これはこれでリベリアとかパナマに登録をされている船でございますから、国籍という意味ではリベリアの船、パナマの船ということに相なります。
 そして、この制度では、条約に加盟して、条約が発効いたしますと、今の現行条約は発効いたしておりますが、この条約によりますと、船が負っております責任限度額をカバーできるだけの保険に入ることが義務づけられております。その保険に入っている旨の証明書を国が発行することになっておりまして、この証明書を持っていなければ条約に加入している国の港に入れない、こういうふうにしてございます。万々が一その補償能力のない船とかはっきりしない船が事故を起こしたときには、これは条約に基づいてつくっております国際基金から補償をして、被害に手抜かりはないような制度にしてございます。
#115
○細田委員 そうすると、質問に半分答えておられないんですが、本当に日本に責任がかぶってくるような対象の船は、日本の輸入、二億七千万キロリットルの輸送のうちどのぐらい、何%ぐらいになるかという感じもわかりませんか。
#116
○尾松政府委員 二億七千万キロリットル輸入しているうちのどの程度が日本籍船で、どの程度が外国籍船で運んでいるかという御質問だと思いますが、今しかとそれをつかんでおりません。
#117
○細田委員 これは別に非難はしてないんですよ。つまり、そのくらい運輸省の意識が多国籍化しているんです。いや、我が国の負担はこれだけあるから我が国はこれだけ基金を積まなければならぬとか、金を出さなければならぬという発想がないんですね。とにかく何か起こって、起こってから求償があればだれかが払うことになっているんだから、そこで足りなきゃまた基金を積んでまた払うことになるんだからそれで結構じゃないか。非常にドライな行政が行われていまして、ある意味じゃ規制緩和の一種かもしれないと思っておりますが、しかし、ちょっと心配ではあるのです。
 なぜかというと、日本の二億七千万キロリットルというのは、重量にしても二・五億トンぐらいありますからね。十万トンずつ運んでも二千五百杯、二十万トンずつ運んでも千二百杯というふうに大変な量の輸送が行われているわけですし、その中でマラッカ海峡その他を通ってくる、あるいはペルシャ湾を通ってくる船がたくさんあるわけでございますから、犯人としては、犯人というのは変ですが、日本に運ぶ船が世界じゅうで動いている船の二五%もあるのでございますから、やはり我が国が責任を持って、国際的にも主導権を持ってやっていかなければならない大きな問題だなと思うわけでございます。大臣、どうですか、ぞうお思いになりませんか。
#118
○二見国務大臣 そうですね、先生の考えと私も恐らく同じだと思います。日本が主導的な役割を果たす必要は十分あるというふうに考えております。したがいまして、今度の一九九二年条約、これは、日本が締結するということが、入るということが最大のかぎだろうというふうに考えておりまして、そのためにもこの法律は大事な法律だなというふうに思っております。
#119
○細田委員 そこで、船舶所有者の責任限度額というものを引き上げているわけでございますが、その背景となる実態と申しますか、理由この点についてお話しいただくとともに、国際基金というものがあるわけでございますが、どういう組織、メカニズムであるのかをお答えいただきたいと思います。
#120
○尾松政府委員 船主の賠償責任の限度額は今約三十億円強でありますが、これは九十三億円程度に引き上げられる。それから、国際基金の補償の限度額は、九十三億円から約二百九億円。条約が理想的な状態になりますと、三百十億円ぐらいまでまた引き上げられることになっております。これは先ほども申しましたが、現行の条約は採択されてから二十年ぐらいたって、その間に物価上昇等もあって、事故の損害額というものもふえてきた、こういうものを背景にして、国際的にいろいろ議論の結果出てきた結論でございます。
 そして、一方、国際基金というのは一体どういう組織がということでございますが、これは一九七八年に設立されまして、本部はロンドンに置かれております。そして、ここの財政といいますか、これは締約国における油受取人、これは石油会社等でございますが、これの拠出金をもとに、損害額が責任条約に基づく船舶所有者の責任限度額を上回る場合等における被害者に対する補償等の業務を行っているわけでございます。この国際基金への加盟国は、我が国を含め、今五十七カ国でございます。組織そのものは、総会とか理事会とか事務局とかいったものから成っております。
#121
○細田委員 その船舶所有者の責任限度額は、引き上げられて九十三億円ですか、そういうことになった。しからば、いろいろなところで起きている大事故で、一体幾らの対策が講じられて、幾らの賠償が要求されて、そのうちどのぐらい払ったことがあるのだと聞いてみたら、どうも余りわからぬようですな。何でこれはわからないのでしょうな。
#122
○尾松政府委員 そういったことは、すべてこの国際基金のところで集約されております。基金に行かない事故ももちろんあるわけでございまして、これは、船主の責任限度額の中でおさまった場合は基金の方に行きません。私どもがよく調査すればわかるところではございますけれども、その調査の甘さからでございます。
 なお、世界で大きな事故、小さな事故、幾つか事故が起こりますから、それに対応しまして、年間トータルいたしまして国際基金で幾らの資金が必要になる、それを各国が割り当てられて、各国の油受取人が拠出するわけでございます。トータルで出てくるということもございますけれども、さらにまたそのあたりの調査はしっかりやりたいと思います。
#123
○細田委員 どうも伺ったところでは、まず事故があった、そうして所有者が払うべきお金がどのぐらいあるということになった、しかしこれを上回った、上回ると金が要る、しかしそれを払わせるのも大変だ、一時に払えない、だからその足りない部分は各国に割り当てるのだ、それは日本がその二五%を輸入しているのだから二五%、もうどこで事故が起こってもおまえら日本が払え、こうなっているように聞いております。そして、国際基金というのは、何かお金がどこかに積んであるのじゃなくて、そういう事故が起こると、計算して、幾ら足りません、だから二五%払い込んでくださいというように何か頼むように聞きまして、それで、ちょうど基金の限度額が三百億とか三百九億とかいっていますから、政党助成法の助成金と同額でございますから大した額じゃないと思いますけれども、そういう額らしいのですな。そういうふうに理解していいのですか。
#124
○尾松政府委員 現行の国際基金では九十三億程度でございます。それで、新しい条約が発効いたしまして、これは為替レートによりまして金額は動きますが、約二百九億円程度に国際基金からの補償限度額が高まるわけでございます。まずはそういう段階になります。そして、三百億を超えるのは、加入国とか油の受取量の合計が相当量に達しませんと、ちょっとならない、そういう仕組みでございます。
#125
○細田委員 この適用海域の広さというものを見ますと、今回二百海里水域まで適用を拡大したというふうに聞いておりますが、その理由はどういうところにありますか。
#126
○尾松政府委員 簡単に申しますと、海洋環境保全の観点から、主としてこの適用範囲を広げているわけであります。実際に事故が起きましたときに、先ほどの油の被害を防止するための防除措置というものが行われるわけでありますが、こういった措置は、必ずしも領海内に限らず領海外においても行われることがあるわけでございまして、こういった場合の費用も含めてこの制度の対象にすべきである、こういう考えで適用範囲の水域を広げることに条約上なった、こういうふうに理解いたしております。
#127
○細田委員 広がったのは大変結構でございまして、特にタンカーの容量が大きくなりましたから、いわゆる従来の狭い領海の、例えば十二海里の外で起こっても大きな損害を与えるということは十分考えられるわけですから、大変結構なことだと思うわけです。しかし、二百海里より外で起こると、何があっても、海洋汚染があっても、それを何か一生懸命処理しても、こういう制度には乗らないようでございます。しかし、この際、二百海里水域まで拡大したということは、大変に結構なことだと思うのでございます。
 こういったことについて各国は今までどういうふうに、一九九二年条約の締結ということについては、批准というか、あるいは加盟というのですか、入っておるのか、その実情を教えてください。
#128
○尾松政府委員 この新しい一九九二年の両条約につきましては、締約国となる準備を行っている国はあると聞いておりますけれども、現時点では正式に締約国になっているという国はまだございません。
#129
○細田委員 時間が短いですから以上にいたしますけれども、最大の原油輸入国であり、世界の二五%を占める我が国が、今後いわば世界の人に迷惑をかけないように油を運ぶという責務は当然あるわけです。二重底にすることがもう最大の責務だと思いますけれども、万一不幸にして事故が起こった場合に全言われたようなことがある。そうして、アメリカはまだ加盟していないとか、あるいは新しい条約にはちゃんと加盟というか、批准というか、入っている国がどうもまだないようでございますけれども、日本がこういった点についてリーダーシップをとって、大いに環境の改善、そうしてこういったものの円滑な貿易というものに貢献するということがこれからの資源の輸入安定のために極めて大事だと思いますので、最後に大臣のこの点についての所見をお願いして、質問を終わります。
#130
○二見国務大臣 先生の御指摘のように、我が国の責務といいますか、役割というのは大変大事だというふうに思っております。
 先ほども申し上げましたけれども、一九九二年条約は日本が締結するということがまさに最大のかぎでございまして、そのためにも今回こういう法律をお願いをし、一日も早い締結を我々はしたいと思っておりますが、条約の方の審議は外務委員会でございますので、外務省の管轄でございますのでちょっとこちらでどうこう言えませんけれども、一日も早い締結が必要だというふうに考えております。
#131
○細田委員 最後に、野党でございますので注文をつけておきますけれども、やはりいろいろな実態だとか、実際にどうなっておるのかという点についてさらに御勉強をされるようにもお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#132
○井上委員長 細川律夫君。
#133
○細川(律)委員 私の方からは、今審議をされております法律案の質問の前に少し質問をさせていただきたいと思います。
 きょうの夕方のNHKの七時のニュースで、この運輸委員会とも関連のあるようなニュースが報道されたようでございます。その報道によりますと、贈収賄事件で逮捕されました日本船舶振興会の吉松前事務局長が、振興会が補助金を出資をしております造船関連あるいは福祉関連の団体に政治家のパーティー券を買い取りを指示をしていた、こういうことが明らかになったということで、報道をされたようでございます。
 御承知のように、日本船舶振興会は全国の競艇利権の収益の約二兆円のうちの三・三%、約六百四十億円、これを二百七十団体に補助金を出しておるわけなんです。政治家がいろいろな団体、特定の団体から依頼を受けたと思うのですけれども、頼まれて補助金を出すようにいろいろあっせんをする、そして補助金が出たその団体に政治家のパーティー券を買ってもらっていた、吉松前事務局長と政治家とそういう関係があったというようなことが報道されておりまして、このことは事実ならば大変ゆゆしき問題だろうというふうに私は思います。
 そこで、こういう点についてひとつ大臣、この政財官癒着を断たなければいかぬ、こういうような今の内閣の大きな使今もあろうかと思うのですけれども、こういうことがあったという報道について、どういう御認識で、どういう感想をお持ちなのか、まず御質問いたします。
#134
○二見国務大臣 政財官の黒い癒着は、これは断じて断ち切らなければならない大事な問題でございます。ただ、先生が今指摘されたことは、七時ということでございますと、ちょうどここで委員会をやっている真っ最中でございまして、今初めて伺ったわけでありますので、私ども全く実態をつかんでおりません。ですから、ちょっとこれは調べてみないとわかりませんので、このことをどう思うかと言われても、初耳ですからね。ですから、これはちょっと実態を調べさせてください。そうしないともっときちんとしたお答えはできないというふうに思います。
#135
○細川(律)委員 この間も当委員会で日本船舶振興会と運輸省の皆さんとの間のゴルフの問題なんかが指摘をされたわけなんですけれども、その点について、この間の委員会の運輸省の方からの回答では鋭意調査をする、また大体一カ月ぐらいかかるというようなことをおっしゃっておられまして、今調査をされているものだろうというふうに思います。
 そこで、私の方は、この調査をする場合に、つけ加えてこういう点もぜひ調査をしてもらいたいと思うのです。その吉松前事務局長というのはいろいろなお金を自由に扱っていろいろやっていたそうなんですけれども、交際費といいますか、日本船舶振興会の中で一体その交際費というものがあったのかどうか、あれはどのくらいの金額があって、どういうふうにそれが使われていたのかというようなことも一緒に調べていただきたいというふうに思います。
 それから、これも関連してお調べを願いたいというふうに思いますけれども、この間のお話ではゴルフに行かれたところの場所が富士桜カントリー倶楽部、こういう名前のクラブなんですが、実はどうしてここを利用したかということをいろいろ調べてみますと、この富士桜カントリー倶楽部というのは東京モーターボート競走会の方が会員になっておるそうなんですよ。東京モーターボート競走会の方ではこのほかにも四つぐらい持って、全部で五つぐらいゴルフ場の会員権を持っているそうなんです。東京モーターボート競走会がそんなに果たして必要なのかどうか。これは公益法人なわけですよ。公益法人がそんなにゴルフ場の会員権を持つ必要があるのかどうなのか。福利厚生のため、こういうことがあるかもわかりませんけれども、それにしてもちょっと多過ぎる。
 そういうようなことで、ぜひそういう点からも、日本船舶振興会ももちろん調べていただきたいと思いますし、それが使用していたゴルフ場との関係もちょっとぜひお調べをいただきたいと思っておりますけれども、その点、約束していただけますか。
#136
○黒野政府委員 現在いろいろな面から調べておりまして、御指摘の点も含めまして調査を進めてみたい、かように思っております。
#137
○細川(律)委員 日本船舶振興会の監督官庁として運輸省はあられるわけでありますから、ひとつ厳正に調査をして御報告をいただきたいというふうに思います。
 それでは、本案の方についての御質問に入りたいと思います。
 現行の、一九六九年の責任条約それから一九七一年の国際基金条約、これらに基づいて成立をしております国際基金なんですけれども、先ほど細田委員の方からその実態について説明をされておりましたけれども、この団体について日本としてどの程度貢献をしているのか、あるいは日本はこの国際基金の中でどういう地位を占めながら活動をしているのか、その組織の関連で説明をしていただきたいと思います。
#138
○尾松政府委員 先ほども申し上げたとおりでありますが、この国際基金条約には五十七カ国が現在入っております。そうしまして、我が国がどういう貢献をいたしておるかということでありますが、この基金に対するまず財政的な拠出金の割合でございますけれども、これは年間の油受取量に応じて拠出をするということになっておりまして、最近の我が国の石油企業等の拠出金の全体に占める割合は、約二七%となっております。
 それから、じゃ絶対額でどの程度国際基金に対して我が国の関係企業が拠出しているかでございますが、これは年によって非常に変動がございます。最近の数字で申しますと、平成二年は約十五万ポンド、平成三年は約七百八十万ポンド、平成四年は約三百万ポンドでございます。為替レートが変動いたしておりますので、ポンドで今ちょっと申し上げましたけれども、そういう実情でございます。
 そしてまた、二七%の拠出割合ということで、そういう意味では大変な財政的な貢献をしているわけですが、それ以外にも我が国は、この国際基金の総会では制度発足以来第一副議長を務めてまいっております。また、たびたび理事国にも選出されて貢献をいたしております。また、事務局のスタッフにおきましても次長というのを日本から出向をいたしております。このように、いろいろな形で基金の財政面、運営面に貢献をしているというふうに考えております。
#139
○細川(律)委員 財政面で大変貢献をしている。年によって、事故が発生したとかしないとかによって絶対的な金額というのは違うと思います。それはそれで承知いたしますけれども、その基金の組織の中で、今説明を受けますと、第一副議長ですよね。事務局長ではなくて事務局次長というポストにつかれているようなんですけれども、日本はこれほどの財政的な拠出をし、トップなわけでしょう。一番多いわけですよね。それだったら、第一副議長じゃなくて議長とか、あるいは事務局長になるとか、そういうところのポストにつきながら、世界の中でのタンカーの事故なんかの損害賠償について、もっともっとそういう面でも日本は貢献をしていくという意味でも、きちんとした、一番のポストについてもっと積極的に世界をリードしていくということが必要なんじゃないでしょうか。
#140
○尾松政府委員 おっしゃるのも一つの考えでございますし、心情的にはそういう気持ちを持っておりますが、やはり他の主要な国と協力しながらこの運営に貢献をしていきたいということで頑張っているところでございます。
#141
○細川(律)委員 だから私は、日本が一番お金も出しているのですから、できたら東京に事務局をつくるくらいにして、それで世界をリードするくらいにした方がいいんじゃないか。これは今イギリスにあるようなんですけれども、ぜひそういう意気込みで積極的に取り組んでいただけたらというふうに思います。
 そこで、この法案そのものは、現在のタンカー事故による油濁汚染の損害賠償をさらに拡充をしていこう、こういうことでの法案の提案でありますけれども、じゃ、実際適用されるタンカー事故などは今どのくらい起こって、世界的なのはどれくらい起こって、あるいは日本の船籍のものがどれくらい起こって、それに対してどの程度の損害賠償が払われているか。あるいはまだ解決がついていないのか。そういう点を報告をしていただきたいと思うのです。
#142
○尾松政府委員 最近の世界で起きました主なタンカー事故といたしましては、一九九二年、スペイン北西海岸で座礁したエージアン・シー号事故、あるいは一九九三年には、イギリスのシェトランド諸島沖で座礁したブレア号事故、あるいは一九九三年、昨年ですが、スマトラ島北方沖で衝突したマークス・ナビゲーター号事故等の事故がございます。また、日本近海におきましても、比較的小規模ではございますが、事故は起きております。最近では一九九三年、泰光丸事故というのが福島県いわき市沖で発生をいたしております。
 このように最近大事故が起きておりますが、これらはいずれもまだ補償という意味では未解決でございます。ちなみに、日本の、一番最近起きました泰光丸事故で申し上げますと、約五百総トンのタンカーでございますが、被害額が十数億、二十億近くに達するのではないかと言われております。
#143
○細川(律)委員 これは泰光丸にしても、まだ損害額については予想だろうというふうに思いますけれども、先ほど御説明をいただきました世界的ないろいろなタンカーの事故については、いまだ損害は確定されてない、係争中だということでございますよね。これは時間的にもいろいろもう既に経過もしておりますけれども、なかなか解決がっかないといいますか、係争中だというのは、どうしてこう長くかかるのでしょうか。
#144
○尾松政府委員 やはり損害の範囲が非常に広範囲でございますし、防除措置を講じた関係者も数が多うございます。したがいまして、補償を受けるべき、受ける権利のある関係者の数が非常に多いということ、そしてその損害額を一々確定していくには時間がかかること、こういうことが原因がと思います。
#145
○細川(律)委員 そもそも油濁損害賠償保障法というのは、タンカー事故によって被害を受けた人、あるいは漁業権とかそういうものに対する賠償をいかにきちんとしていくかということで条約も結ばれ、この法律もできているわけなんですから、余り係争で時間がたちますと、その趣旨も没却されるんじゃないかというふうにも思いますので、そういう点については、せっかく基金もできていることで、こういう法律も整備ができているのですから、早くその解決をするように、そういう意味では、先ほど私が申し上げましたように、国際基金の方で日本がそういう点はイニシアチブをとって積極的に、こういう問題も長引かないように、早く解決をするように、そういう指導もぜひやっていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#146
○尾松政府委員 やはり損害の補償を受ける関係者が多いということでどうしても時間がかかるわけでございます。制度上は賠償を支払う側は、船舶所有者一人が責任を、一人といいますか、船舶所有者が二元的に責任を負うということで、責任者は非常に明確にする制度にいたしておりますが、今申しましたような理由で時間がかかっております。
 なお、国際基金に持ち込まれた案件につきましても、次長ではありますけれども、スタッフも出しておりますので、いろいろな形で早期に解決できるように努力はしたいと思いますけれども、やはり補償を受ける側の関係者が非常に多いということで、どうしても手続に時間がかかるわけでございます。
#147
○細川(律)委員 終わります。
#148
○井上委員長 寺前巖君。
#149
○寺前委員 今回の改正案は、タンカーの大型化とそれに伴う油濁損害の大規模化に即応したものであり、基本的に私は賛成をします。しかし、気になる点がありますので、お答えをいただきたいと思います。
 船舶所有者の責任限度額の問題です。
 現行法の六条では、責任限度額について船舶のトン数を乗じて得た金額となっています。ところが今回の第二条関係の改正では、五千トン以下の船舶にあっては一単位の三百万倍の金額となります。この計算でいくと、例えば百トンのタンカーは従来二百六万円余の限度額が、改正では四億七千万円という勘定になるのではないでしょうか。
 運輸省からもらいました日本籍タンカーのトン数別隻数は見ると、この法律の対象隻数は、千百四十七隻のうち五百トン未満が六百三十七隻と五割強になっています。そうすると、小さい船の主は大変な負担になるんじゃないだろうか。私の理解が間違っておったら正していただきたいと思いますが、気になりましたので、質問したいと思います。
#150
○尾松政府委員 先生御指摘のとおり、今回の条約改正によりまして、五千トン以下の船舶につきましては一律に三百万SDRの責任限度額に改正されることになっております。しかし、これは事故が発生しましたときの最高の賠償の限度額でございますから、常にこれだけの出費が要るというわけでは決してございませんことは、もう御承知のとおりでございます。
 それにしましても、こういう改正が今回の条約で行われましたのは、比較的小型の船舶でありましても、一たん事故が起きまして重油等が流れ出ますと相当の損害が生じるということが国際的にも指摘されまして、そこで、損害賠償の充実を図るために、責任限度額はこの程度にはする必要があるのではないか。日本円にいたしますと最高四・七億円程度になるということでございます。
 ただ、これは責任の限度額でございまして、現実には小型船の船舶所有者も、油濁損害が生じた場合の損害額をカバーできる程度の保険に加入しておる、通常そういう保険に加入しておりますから、現実に事故が起きましたときは最高四・七億円の範囲で保険金が支払われるということにはなるわけでございます。
 いずれにいたしましても、小さな船でも損害の額は相当大きくなる。先ほども申しましたが、日本の最近の事例では、泰光丸の事故ですと、これは五百総トンの船ですが、十数億、二十億にも損害額がなるのではないかと推定されているような実態でございますので、この改正は必要か、こういうふうに思っております。
#151
○寺前委員 小さい船主については十分に御配慮いただくことを要望しておきたいと思います。
 先ほど船舶振興会の問題について質問がありました。どんな法律をつくっても運輸省がいろいろな団体との間に癒着をしておったならば、その法律はあってなきがごときことになってしまうということになりますので、役所の規範というのは非常に重要な位置を占めると思います。
 前回、私、運輸委員会におきまして、運輸省の幹部と日本船舶振興会の関係の問題について、ゴルフ接待についてお聞きをいたしました。そこで私は、この前に問題を提起しておきましたので、改めて事実関係についてお聞きしたいと思います。
 笹川陽平氏のゴルフ接待は、理事長就任の翌年から毎年行われていたんじゃないだろうかという疑惑を私は持つのですけれども、それはどういうことになっているでしょうか。
#152
○黒野政府委員 私ども今、船舶振興会と私どもの幹部とのつき合いがどんな実態であったかということを過去三年にさかのぼりまして調べている段階でございます。
 その中で、一昨年のゴルフコンペにつきましては、既に一部で報道されているとおりの事実があったことを改めて確認いたしております。それ以前のゴルフコンペの有無につきましては、現在引き続き調べておりますので、もうしばらくお時間をちょうだいいたしたいと思います。
#153
○寺前委員 九二年八月のゴルフ接待の際に、招待者に商品券が配られた。私、その問題をこの前提起しておきました。これはいかがなものでしょうか。
#154
○黒野政府委員 商品券の点につきましては、特に重点を置いて調べました。その結果、当時の参加者の一人であります当時の事務次官より次のような報告を受けております。ゴルフから帰宅後、コンペの景品の中に五万円の商品券が入れであったことに気がついた。どう取り扱うか迷ったが、儀礼の範囲内であろうと考えそのままにしておいた。今となって考えれば軽率であったと深く反省している。世間に誤解を与えるようなことになってまことに申しわけないと思う。こういう報告を当時の次官から受けております。
 それ以外の者からも聞きましたが、すべて商品券を受け取った事実はないという報告を受けております。
#155
○寺前委員 さらにお聞きしたいのですが、吉松、かつての総務部長でしょうか、運輸省の担当官を相手にゴルフ接待をしていたという情報もありますけれども、それはいかがなものでしょうか。
#156
○黒野政府委員 それにつきましては、先ほど申し上げたとおり、現在調査中でございますので、同じくいましばらくお時間を拝借したいと思います。
#157
○寺前委員 私は、この前大臣が商品券なんというのは考えられもしないことだとおっしゃって、まさにそうだろうと思います。こんなものがまかり通るというようなことは考えられなかったと思うのです。
 そこでお聞きをしたいのですが、人事院の職員局監修の「服務関係質疑応答集」という本がございます。私それを読ませてもらったら、こういうことが書いてある。「職務上関係のある業者から接待を受ける行為について」との問いなのです。その答えはこう書いてある。「職務上関係のある業者から接待を受け、あるいは金品を受ける行為は、その金額の多寡にかかわらず、また、刑事事件になるかどうかは別として実質的収賄行為であり、信用失墜行為に当たる」、こういうふうに書いてあるのです。
 私は、この前のときには、船舶振興会だけじゃなくして、京都市の地下鉄の問題をめぐる問題も同時に提起しておきました。この職員の「服務関係質疑応答集」から考えたら、やはり大臣がおっしゃるように常識では考えられないことが行われた。これは私は厳しくきちんと指導する必要のある性格のものだと思いますけれども、これを儀礼の範疇として取り扱っておっていいのだろうか、改めて疑問を感じましたので、大臣お答えをいただけるのでしたらお願いをしたいと思います。
#158
○二見国務大臣 私も、官庁が関係するいろいろ団体がありますね、それとの関係は非常にいつもきちんとしていなければならないというふうに思います。
 寺前さんおっしゃるように、やはり綱紀粛正といいますか、絶えずみずから襟を正しているということが大変大事だというふうに私も思っておりますし、これからも世間から誤解を受けるようなことは絶対しないように、見るといいますか、厳しく指導もしてまいりたいというふうに考えております。
#159
○寺前委員 ところで、この船舶振興会なのですけれども、総務庁の行政監察局が作成された許認可等現況表というのを見ますと、海上技術安全局所管のモーターボート競走法関係などを抽出した資料をずっと整理してみますと、モーターボート競走法に基づく許認可数は、全国モーターボート競走会連合会というのがありますが、この分野で十四件、これ以外に、モーターボート競走法関係の、船舶振興会に対する許認可数が七件出てきます。さらに、船舶振興会、全国モーターボート競走会連合会など公益法人に対する許認可件数というのが三件出てきます。随分許認可の分野の多い団体だということになると思うのです。
 そこで、私は今回改めて、船舶振興会が出している補助金と、運輸省の天下りの幹部の皆さん方が行っておられる状況との関連を調べてみました。資料も運輸省の皆さんの方から出していただきました。天下りされているところのリストを見ますと、五十八団体に天下りになっています。その数は百十九名で、それ以外に船舶振興会へ一名、合計百二十名の方がお行きになっています。部局別の天下りと補助金を受けている団体を所管別に整理してみました。そうすると、船舶振興会などへの許認可を与えている海上技術安全局所管の団体が五十八団体のうち十六団体、二七・五%を占めています。それから、民法上の公益法人を所管している運輸政策局の所管の団体が九団体あります。両方合わせますと四三・一%をこの団体が占めることになります。
 それで、今度はそれを補助金の額から調べてみました。九四年度の船舶振興会の補助金を見ますと、海上技術安全局所管の団体十六団体の総額が三十五億一千六百七十万円です。五十八団体への補助金総額の四八・一%を占めています。また、運輸政策局所管の団体、九団体の総額は十六億二千四百八十万円です。五十八団体への補助金総額の二二・二%。両方合わせてみますると、五十八団体へ天下りで運輸省のお方が行っておられますが、そのうち七〇%がこういう海上技術安全局と運輸政策局所管の団体になってくる。いわば、運輸省の幹部の皆さん方が天下りされるところにお金を大量に届けているという関係になるわけです。
 うがった見方やと言われたらそれまででございますけれども、私はやはり気になる問題ではあろうというふうに思うわけです。現職の中央官庁におられるときにはゴルフの接待その他のことが行われている、退職後行かれる先では今後はまた船舶振興会から大量の金を持ってくる、こういう関係になると、指導監督というのを果たして行うことができるのだろうか。
 例えば、運輸経済研究センター、ここは平成六年度の全体予算を見ますと、十三億九千七百七十二万九千円です。そのうち船舶振興会から持っていくお金は六億五千二百十万円、半分近くは船舶振興会が支えてやっているのだ。そこにだれが行っているかといえば、会長さんはかっての事務次官である、理事長は海保の経補部長である、常務は新潟運輸局の次長である、理事には事務次官が行っている。そうそうたる幹部が入り込んで、そして補助金でもって運営の中心をなしていくことをやっている。あるいはまた、シップ・アンド・オーシャン財団というのがありますけれども、そこには船舶局長が理事長でお行きになっている。そこの予算を見ると、四十六億六千五百九十万円、そのうち二十億二千三百三十万円がこの船舶振興会から行っている、半分近くがそういうことになっている。
 幹部の皆さんが退職した後にこういう船舶振興会との関係の持ち方が行われているという関係になってくると、現職の時代もそうだし、将来もそうだ、深くかかわり合いができ上がっていくのじゃないか。こういうものはこのまま放置しておっていいのだろうか、どういうふうに考えたらいいのだろうかということを私はぜひ研究してほしいと思うのですが、いかがなものでございましょうか。
#160
○黒野政府委員 先生御自身も合うがった見方ではないかとおっしゃいましたが、私ども所管しております公益法人、たくさんございます。それぞれの公益法人が公益目的に従った仕事をやっております。
 本来、その公益法人は民間からの資金で活動するのが筋でございますが、必ずしも民間から十分なお金が集まらない。また、特に公共的な仕事につきましては国の補助金が必要かもしれませんが、これも十分ではないということになりますと、どうしても立派な仕事をするためには資金が要るわけでございまして、船舶振興会が法律に基づきまして公益目的のために出している資金を補助金なり助成金として受けているということは制度の中で十分認められているところだと思っております。
 また、運輸関係の公益法人に私どものOBがいわゆる天下りをしているという点につきましては、いろいろな見方があることは承知しておりますが、当人たちの現職時代の経験なりあるいは本人の識見なりを踏まえまして、それぞれ理由があって再就職いたしておるわけでございまして、一概に批判には当たらないのではないか、かように思っております。
#161
○寺前委員 時間が来たのですが、大臣、今の点についてどういうふうにお感じになっておられるのか、最後に御発言いただ。きたいと思います。
#162
○二見国務大臣 大変一般論的な言い方になりますけれども、公益法人がその事業を一生懸命やりたい、そのときにお役人さんが役人時代に培った知識、経験、能力、それを活用したいということは当然あるわけでございます。ですから、そのために退職をして公益法人に行っていろいろな仕事をする、私、そのこと自体は決して悪いことだとは、それでもって公益法人の仕事が伸びて、それがいろいろな面にプラスの、いい結果を生んでくるのであれば、私、それはそれでよろしいと思います。ただ、いかなるときでも社会から批判されることがないように、自分自身を厳しくしていくのが当然だというふうには考えております。
#163
○寺前委員 時間が来ましたので、やめさせていただきます。ありがとうございました。ぜひ検討してほしいと思います。
#164
○井上委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#165
○井上委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#166
○井上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
     ――――◇―――――
#167
○井上委員長 次に、内閣提出、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 本件に対しましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件について採決いたします。
 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#168
○井上委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両案件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#169
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#170
○井上委員長 次に、参議院から送付されました、内閣提出、船員法の一部を改正する法律案及び内閣提出、国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。二見運輸大臣。
    ―――――――――――――
 船員法の一部を改正する法律案
 国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等に
  よる国際観光の振興に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#171
○二見国務大臣 ただいま議題となりました船員法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 船員の労働時間の短縮につきましては、昭和六十三年の船員法改正以来、船員の労働条件の改善を図り、魅力ある職場づくりを進めるため、段階的に進められてきたところであり、現在は、一週間当たりの労働時間は基準労働期間について平均四十四時間以内とされております。
 さらに、週平均四十時間労働制の導入につきましては、豊かでゆとりのある生活を実現する上で労働時間の短縮が重要な課題であり、また、若年船員を中心とした労働力を確保する必要があることから、その早期の実現が求められるに至っております。
 このような状況を踏まえ、平成四年四月以来、船員中央労働委員会におきまして検討をいただいてまいりましたが、昨年十二月、同委員会より答申をいただきましたので、この答申に沿いまして、この法律案を提案するものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、海員の一週間当たりの労働時間は、平成七年四月一日から、基準労働期間について平均四十時間以内とすることとしております。ただし、沿海区域または平水区域を航行区域とする総トン数七百トン未満の船舶で国内各港間のみを航海するものに乗り組む海員の一週間当たりの労働時間につきましては、平成九年三月三十一日までの間は、基準労働期間について平均四十四時間以下の範囲内において政令で定めることとしております。
 第二に、船舶所有者は、船員が同一の事業に属する船舶において初めて六カ月間連続して勤務に従事したときは、所要の日数の有給休暇をその船員に与えなければならないこととしております。
 第三に、運輸大臣は、船員中央労働委員会の決議により、漁船に乗り組む船員の有給休暇に関し必要な命令を発することができることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、周知に必要な期間等を考慮して、平成七年四月一日としております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
 続きまして、国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 外国人観光旅客の増加を通じ、国際相互理解の増進を図ることは、我が国の国際観光行政にとっての重要な課題であります。しかしながら、訪日外国人旅客数は、円高等の影響を受けて平成五年には、三百四十万人と平成四年の三百六十万人から減少し、日本人海外渡航者数の千百九十万人と比較しても著しく少ない数字にとどまっております。国際会議等の誘致促進は、このような状況の中で外国人観光旅客の来訪を促進するための有力な手段でありますが、日本における国際会議等の開催件数は、全世界のわずか三%と、我が国の国力に比して余りにも低い水準にとどまっております。
 一方、我が国におきましては、最近数年間、国際会議場の整備が進んでおり、これを使用して国際会議等の誘致を促進する環境が整いつつあります。しかしながら、関係市町村は国際会議等の誘致や開催の経験に乏しいこと等から、これらの国・際会議場施設が有効に活用されないことが懸念されております。
 このような状況を踏まえ、国際会議等の誘致を促進し、及びその開催の円滑化を図り、並びに外国人観光旅客の観光の魅力を増進するための支援措置を講ずることにより、国際観光の振興を図り、もって国際相互理解の増進に寄与するため、このたび本法律案を提案することとした次第であります。
 次に本法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一は、基本方針の作成についてであります。運輸大臣は、国際観光の振興を図るため、国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等の措置を講ずることによる国際観光の振興に関する基本方針を定めなければならないこととしております。
 第二は、国際会議観光都市の認定についてであります。市町村は、申請により、その区域において国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等の措置を講ずることが国際観光の振興に特に資すると認められる旨の運輸大臣の認定を受けることができることとしております。
 第三は、国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等の措置についてであります。国際観光振興会は、国際会議等の誘致を促進するため、国際会議観光都市に対する国際会議等の誘致に関する情報提供及び海外における国際会議観光都市の宣伝を行わなければならないこととするほか、市町村が行う国際会議等の誘致に関する活動を支援するため、必要に応じて海外における関係機関との連絡調整等の措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。
 また、国際観光振興会は、国際会議観光都市において開催される一定の国際会議等の開催の円滑化を図るため、寄附金を募集し、さらに、当該国際会議等の主催者に対する交付金の交付その他国際会議等の開催の円滑化を図るための措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。
 さらに、国際観光振興会は、国際会議等に参加する外国人観光旅客の観光の魅力を増進するため、情報提供、助言等の措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。
 第四に、国際観光振興会の業務として、国際会議等の誘致の促進、開催の円滑化等に関する援助等の業務を追加することとしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#172
○井上委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本日は、大変遅くまで御苦労さまでございました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後九時散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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