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1994/06/07 第129回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第129回国会 農林水産委員会 第8号
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1994/06/07 第129回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第129回国会 農林水産委員会 第8号

#1
第129回国会 農林水産委員会 第8号
平成六年六月七日(火曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 竹内  猛君
   理事 亀井 善之君 理事 久間 章生君
   理事 中川 昭一君 理事 小平 忠正君
   理事 仲村 正治君 理事 前島 秀行君
   理事 千葉 国男君
      赤城 徳彦君    狩野  勝君
      菊池福治郎君    岸本 光造君
      栗原 裕康君    塩谷  立君
      七条  明君    中谷  元君
      浜田 靖一君    保利 耕輔君
      松下 忠洋君   三ッ林弥太郎君
      宮里 松正君    山本 公一君
      大石 正光君    実川 幸夫君
      白沢 三郎君    田名部匡省君
      初村謙一郎君    広野ただし君
      増田 敏男君    池端 清一君
      石橋 大吉君    遠藤  登君
      沢藤礼次郎君    辻  一彦君
      上田  勇君    長内 順一君
      冬柴 鐵三君    錦織  淳君
      藤田 スミ君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  加藤 六月君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      高橋 政行君
        農林水産省構造
        改善局長    入澤  肇君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    日出 英輔君
        農林水産省食品
        流通局長    鈴木 久司君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長    黒木 敏郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月七日
 辞任         補欠選任
  松岡 利勝君     塩谷  立君
  御法川英文君     狩野  勝君
  辻  一彦君     沢藤礼次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  狩野  勝君     御法川英文君
  塩谷  立君     松岡 利勝君
  沢藤礼次郎君     辻  一彦君
    ―――――――――――――
六月七日
 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第四九号)
同日
 農林年金等公的年金制度改正に関する請願(藤
 田スミ君紹介)(第二四二二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農業改良助長法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三九号)
 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第四七号)(参議院送
 付)
     ――――◇―――――
#2
○竹内委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸本光造君。
#3
○岸本委員 おはようございます。
 農業改良助長法の法改正に伴う件にかかわりまして、現在普及所または普及活動が抱えております問題などにつきまして、若干の質問をいたしたいと思います。
 新政策という言葉がこのごろかなり浸透をして省いりました。パンフレットなどを見てみますと、いいことばかり書いてありまして、この新政策のパンフレットどおり進むと、農村は活力に満ちてバラ色だ、こういうことになるわけですが、なかなかそうはいかないだろう。日本は北海道から沖縄に至るまで長い列島でありますし、風土、気候、土質、地形、日照時間、降水量など全部違いますから、地域の特質を踏まえた政策の展開、推進というものが必要になるだろうと思うのです。
 そこで、この農業改良助長法がこのたび一部改正をされることになるわけですが、この法改正によって、普及事業では具体的にどのような変化を期待して、具体的にどんな方向へ引っ張っていこうとしているのか、その辺をまずお答えをいただきたいと思います。
#4
○加藤国務大臣 今回の改正におきましては、趣旨で申し上げたわけでございますが、農業技術、その他農業生産方式を中心とする普及指導から、経営管理の方法、農産物の加工技術、マーケティングなどに重点を置いた普及指導へと大きく変えておるところでございます。
 また、家庭内の衣食住に関する生活方式を中心とする普及指導から、農村の生活環境の整備、健康の維持増進、農村婦人の地位向上などに向けた農業者の自主的な取り組みを支援する普及指導、こういうように充実改善することとして、法律におきましても「農業経営又は農村生活の改善に関する科学的技術及び知識」と規定しておるところでございます。
#5
○岸本委員 今の大臣の答弁を要約すると、生産技術、こういうものを中心に今まで普及はやってきた。試験研究機関などで開発されたものを農家に普及していくというような活動もいろいろやってきたわけですが、普及は農の生産にかかわることを中心にやってこられた。ところが今は、ちょっと聞いてみますと、マーケティングとか管理とか生活改善の部分にも重点をこれから置いていこう、こういうお話でございました。そうすると、今まで、生産と管理と二つに簡単に、便利に分けて言いますと、生産の方が重点だったけれども、今度は農村管理もやる。だから、今度は農村管理の方に力を置き過ぎて、この農業のほんまの現場の生産の指導、育成というようなことが弱くなるのと違うか、余りに幅広うなるのと違うか、こう思うのですが、どうですか。
#6
○日出政府委員 今度の改良助長法の改正でございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、現在の改良助長法の基本目標が、能率的な農法の発達、それから農業生産の増大、農民生活の改善という三つの基本目標があったわけでございます。今度は、先ほど大臣がお話しになりましたように、能率的で環境と調和のとれた農法の発達、効率的かつ安定的な農業経営の育成、地域の特性に即した農業の振興、それから農村生活の改善というふうに実は四つの項目に広がっております。
 先生お尋ねのような農村生活の改善というところに力が入り過ぎて、生産の方は忘れてはいないか、あるいは軽視してはいないかということでございますが、先ほど申し上げましたように、効率的かつ安定的な農業経営の育成でありますとか、能率的で環境と調和のとれた農法の発達ということで、こちらにつきましても、従来の生産の増大
という面にとらわれずに、もう一歩進んだ基本目標を今回掲げているわけでございます。
#7
○岸本委員 そうしますと、ともかく今まで三つの柱があったけれども、今度は四つの柱にした、こういうことですが、そうすると、助長法によって人員の増加はできるわけですか。
#8
○日出政府委員 現在の体制は、先生御案内のとおり、七百名の専門技術員、それから一万人の改良普及員で体制がとられております。お話しのように、人員の増加というのは実は欲しいのでございますけれども、これは国と県が共同でやる事業でございますので、即人員の増ということになかなかなりにくいものでございます。
 まず、私どもがやりたいと思っておりますのは、この改良普及員の指導能力の向上を計画的にやってまいりたいということでございます。特に最近は、先生御案内のとおり、少し世代交代が進み始めまして、若手の改良普及員がふえてきております。この方たちに対する早期養成のための研修、これは規模でいいますと年間千四百名に上りますが、こういったこと。あるいは欧米の先進諸国への海外派遣、これが七十名ほど。それから、国内の試験研究機関への国内留学みたいなものも百五十名に上っているわけでございます。その他、例えば民間企業ですとかビジネススクールへの派遣、そういうことも実は既に手をつけ始めておりまして、こういう形で、少ない人員でより効果的な普及事業を行うための、要するに中身の充実のところを、とりあえず私どもとしてはより一層強めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#9
○岸本委員 そうすると、農家は多様なニーズを持っていろいろな要望を普及所へ出すわけです。それでは、今あなたが答弁したようなことがそういう中で組織的に保証できるのかどうか、それが一点。
 もう一つは、能力を開発していくというような意味の答弁があったわけですが、能力を開発するというのは、これはどういう意味でおっしゃっているのかな、普及員の能力を開発するということですか。もちろんそういうふうに私は理解したわけですが、そんなことは今の飽和状態のような中で可能であるのかどうか、ちょっとその二点。
#10
○日出政府委員 いずれにしましても、先生のお話のように、少ない人員といいますか、今の体制でより効果的な普及事業ということでございますので、改良普及員の指導能力の向上でございますが、絶対的に、今例えば経営管理ということ一つをとりましても、私どもとしますと、質量ともにその能力アップを図りませんとどうにもならないという現実は少なくとも認めざるを得ないわけでございます。そういう意味で、先ほど体系的に能力アップのための研修事業をやっていこうということを申し上げたわけでございますが、もう一つ、先生のお尋ねのように、現場の農業者の方々がかなり高い要望といいますかニーズを普及の方にぶつけてまいります。これにつきましては、私どもとしますと、生産者の方々の技術知識もどんどん上がってまいりますから、これに対応した改良普及員の能力アップということが当然出てくるわけでございます。そういう意味で、今回は実は専門技術員、専技の方が農業者に直接指導できるような道を開くとか、あるいは今まで手薄でありました農産物の加工技術でありますとか、経営管理とか、労務管理とか、こういったものについて、民間で知識を持っている方を、特に普及協力委員という形で委嘱をして改良普及員に協力してもらうといったようなことをあわせて、外部のそういった活用ということを含めて、こういった現場のニーズに対応していくということを考えているわけでございます。
#11
○岸本委員 私が聞いていることと答弁がなかなかかみ合わないのですが、農家の多様なニーズがあります。そして、今度普及の法律が変わります。そうしたときに、能力を普及員にさらにぎょうさん出せ、こういうことを期待をしているわけですが、組織的にそういうことをどうやってやっていくのか、何の保証があるのか、こういうことを私聞いているわけですが、だからもうここで答弁できなかったら、また後で一覧表でもつくって、こういうふうにするとかいって教えていただいたらいいと思います。
 そこで、現在の農業は、この間からもういつでもどこでも言われていることですが、非常に厳しい状態、厳しさはもう突き抜けてしまって、恐ろしいほど荒涼とした、そういう感じを持って今の農業を、私は農山村の環境をとらまえておるわけです。一番ひどいのは、やはり何と申しましても後継者がいないということです、後継者がいない。それともう一つは、逆な裏腹なことになるわけですが、高齢化が物すごく進んでおる。だから、年とったおばあちゃん、おじいちゃんが農業をやっていて、若い者がだれも農業をしていない、そういう現実があって、嫁不足とかいろいろな問題が出てくるわけです。ちょっと聞こうか。なぜこんなことになっていると思う。ちょっとそれを聞きます。
#12
○日出政府委員 先生お尋ねのように、農業の部門、特に土地利用型農業の部門におきまして、就業構造といいますか、労働力構造が非常に脆弱化しているということは、高齢化あるいは女性の力がふえてくるとか、例示としては枚挙にいとまがないほどございます。農業の中でも、例えば酪農でありますとか園芸でありますとか、比較的まだそういった形で中核的な農業をする方が残っている分野もございますけれども、今お話しのようなことは土地利用型農業で非常に残っておると思います。
 これにつきましてはいろいろな理由があると思いますが、基本的に言いますれば、やはり一定の土地の規模というものを必要とするにもかかわらずなかなか規模拡大ができにくい、あるいは生産の組織化というのがなかなか難しい、こういうところに基本的に原因があるのだろうというふうに思っております。
#13
○岸本委員 その認識は私は間違っているな、こう思います。だからよくならぬのやな、こう思うのです。というのは、それでは土地がまとまって大規模化できれば効率的でいい農業ができるかといったら、日本の地理的条件を勘案すれば、それは私はできないだろうと思うのですよ。日本はやはり急な傾斜地が多い。各府県とも多いですよ。だから、そんなところで規模を拡大せいといったってこれはなかなか難しい問題です。何で今高齢化、後継者不足になって、恐ろしいような勢いで農山村が疲れ切っておるかといったら、それはあなたが言うように土地の集約化ができていない、そんなことじゃないですよ。農業をしても金もうけができないからですよ、はっきり言って。農業をしても金もうけができない。みんな飯食えないから農家を離れていくんです。簡単ですよ。これ、農業をやって物すごくもうかったら、みんなUターンして農業をするようになりますよ。嫁さんもぎょうさん来ますよ。金もうけをできる農業を考えてやらなければだめですよ、簡単に言ったら。だから、土地の規模がどうだとかいろいろきれいなことをたくさん書いてくれているパンフレットをもらうのですけれども、これ一つも、今の農業を切り開いていく展望を与えるようなものは何もないと思う、私に言わせたら。物すごく農村は今疲れておる。疲れている原因はあなたらがつくっていると私はそう思う。だから、国民の皆さん何と言うかといったら、農林省の言うことを聞いていたらあかん、あれはノー政や、あれの反対のことをやったらうまいこといくで、農家の現場はそう言ってんのや。そういう苦しみの中で、普及員は朝五時ごろから集会をやったり現場へ出ていったりやっているんですよ。晩は十一時、十二時ですよ。私、普及員の生活をよく知っていますけれども、それはすごいですよ。農業魂という言葉があるけれども、そういうふうに疲れ切って、枯れかかっている農村の現場にあって一生懸命それをよみがえらせようと農業者魂を燃やしているのは、やはり普及員なんですよ。だから、普及員の実践については、能力をもう一回出し直して、分野を広げて、こう言うけれども、そんなこ
とをしたらあの人ら過労死してしまう。そういう現場をあなたは知っているかどうか、まず聞かせてください。
#14
○日出政府委員 私も、農蚕園芸局長を拝命するまでの間にも現場をいろいろ歩いておりますが、先般、この法律が国会にかかるということでございましたので、私も直接普及員の方の生の声を聞こうと思いまして、現場へ参りましていろいろな話を聞いてまいりました。特に今、年齢構成的にいいますと若い方が急激にふえてきておりますが、若い改良普及員がどういう形で現場に踏み込んでいくのか、あるいは自分の能力としてこれからどういうものを増していったらいいのか等々、先般話を伺ってきたところでございます。
#15
○岸本委員 それでは、この問題はこの辺にして、組織的にどうやってこれから機能を高めていくのかというようなことは、先ほどあなたがいろいろ言ってくれましたけれども多少私が言っていることに的を射ておりませんので、また一遍、表でもつくって、私は頭悪いですから、教えてくれたらと思います。
 それで、生産性の向上を目指してやっていこう、高齢化対策をやろう、後継者対策をやろうといろいろやっている中で、機械化という問題が今農村に出てきているわけです。機械化する余力もないわけですが、機械化しなければ、若い者がいないから、五十、六十の人らは肉体的な労働ではもうついていけない、だから機械に頼る。まあ、いろいろな機械があります。
 その機械化をしていくのですが、普及事業の中で機械の部分に触れたことが余りないのです。少ないです。だから、私、和歌山県議会議員をやって、農林水産委員会でやっていたのですが、和歌山県なんかでもあらゆる試験研究機関の中で機械についての指導をする人間がいないのですよ、これは置くべきだという提言も申し上げてきたのですが。この辺を、これから二十一世紀の農業を展望するときに、やはり機械のことが指導できるようなセクションがどこかにあっていいのではないか、こう思うのです。いかがですか。
#16
○日出政府委員 先生今お話しのように、機械化の推進がこれからの農業の基本課題ということ、これはおっしゃるとおりだと思っております。特に普及におきましても、こういった機械あるいは新しい技術の現場への導入というのが普及の大事な仕事になってくるわけでございます。
 そういうことで今、現場の普及職員の技術指導能力の中で機械の問題、新しい機械や技術につきまして普及活動がうまく推進できるようにということで、一つ二つ、例えば開発された機械の現場適用を受けました実証改良でございますとか、あるいは現場で農業者のニーズに即した機械が適切に開発されるように関係機関へニーズを伝達していくとか、こういったことについても実は鋭意推進しているわけでございますが、今お話しのように、一番我々が今月を入れておりますのは、県の農業大学校で、生涯教育の観点から農業機械研修というものを、いろいろな講座をつくりまして実は進めております。こういったところがかなり大きな機械につきましての取り組みだろうというふうに思っております。
 農業の形態はいろいろありますけれども、今まで使っていない分野に機械が入ってまいります。あるいは、女性なり高齢者も機械になじまなければいかぬ、こういうこともございます。ますます普及の中での機械の問題につきましては、大きなウエートが出てくると思っておりますので、そういった対応をやってまいりたいというふうに思っております。
#17
○岸本委員 機械化の方は、よろしくこれはお願いをしたいと思います。
 それから、後継者対策、これはもう現代の農業を話すときにいつでも後継者対策が出てくるのですが、先ほども論議しましたが、私は、やはりお金がもうけられる農業、産業、これで若者が寄ってくると思うのです。つまり、所得の保障です。所得を保障することと、もう一つは、農村の若者にとって深刻な問題は、嫁さんがいないということです。これは、所得が少ないから、そしてきつい、厳しい、汚い、こういう三Kと言われる部類に位置づけをされつつあって、大変皆さんが苦しんでおる。
 いっか、一月か二月前でしたけれども、テレビを見たのです。ちょっとどこの府県だったかはっきり覚えてないのですが、東北地方であったかなと思うのですが、ある集落、村単位だったと思いますけれども、東南アジアの各国から花嫁さんに来てもらって集団結婚をしている、その問題点なんかを特集しておって、たしかNHKのテレビだったんではないかなと思うのですが、それほど深刻に花嫁不足が今あるわけです。
 これは、この普及の法律改正とあわせて所得の保障と、花嫁の保障というのは、これは結婚問題ですから、保障せいというのはおかしいのですが、そういう環境をつくり出す何かを、ちょっとでも引き出していける何かがこの法の改正によってあるだろうか。普及員の人らは、お見合いさせたりそれはいろいろ苦労していますよ。現場はそんなことまでしていますからね。だから、その辺どうですか、何ぞいいものないですか。
#18
○加藤国務大臣 この問題につきましては、我が国の農村、農業をこれから考える意味においても大変重要なことであります。
 そういう中で、今おっしゃいましたように、実は私の選挙区にも十数名、東南アジアから農業後継者がお嫁さんをもらっております。私は実地にいろいろ調べております。さらに申し上げますと、私はその農村のお母さん方にお願いしておる。娘は農家へ嫁にやりたくない、しかし息子の嫁はいないという矛盾は繰り返さないでほしい、こういうことも一つお願いです。
 それからもう一つは、一昨年新政策を決定いたしましたが、その新政策の中身はいろいろありますけれども、奥さんや子供に月給が払えるような農業にどうしても持っていかなくてはならぬ、ここら辺が、先ほどおっしゃっておる所得保障といいますか所得、こういう問題に根差しておると思うわけでございます。
 農業後継者問題は、我々にとって非常に大切であるし、しかも先ほど局長が答弁しましたが、若干業種によって違いがある。そこら辺の問題も含め、私たちは今後真剣に取り組んでいく覚悟をいたしております。
#19
○日出政府委員 今大臣が総括的な御答弁を申し上げたわけでございますが、今度の助長法の改正に即して申し上げますれば、先ほど私申し上げましたように、農村生活の改善というものを今度新しく掲げたわけでございます。
 今まで農家、農民の生活も農家単位での物の見方でございましたが、今度は農村生活の改善という形を取り上げているわけですが、この中に特に入ってまいりますのが、例えば女性とか高齢者を含みます農業者の労働の改善といったものが大きな視点の一つとしてこの中に入ってくるものと私ども思っております。そういう意味で、生産あるいは経営で、きちっとした経営体ができることが当然今の嫁問題に対する基本的な対応ではございますけれども、一方で、この農村生活の改善の中で、女性や高齢者を含みます農業者の労働の改善といった問題も大いに寄与するところはあるだろうというふうに思っている次第でございます。
#20
○岸本委員 次に行きます。
 先ほどからもお話出ておりますが、農業大学校の充実についてでありますが、この農業大学校は、農業と地域社会にどこの府県でも大変根づいて、有効な、有意義なセンターとしての活動をしていることはだれもが認めるところでありますが、さらにこの法の改正に伴って、学校自体の充実、研修教育の充実といえばいいのか、その問題が一点。
 それから、ここで生涯学習、農業にかかわる、農にかかわる生涯学習をしていこうというようなことも問題意識の中にあるのだろうと思うのですが、そういうことになってまいりますと、今の農業大学校ではその受け入れ態勢が私は不備ではないかと思うのですよ。例えば、生涯教育をやると
いうことならミーティングルームをまずつくらなくちゃいかぬ。余分につくらなくちゃいけない。それから、例えば和歌山県みたいなところでは、リアス式海岸が県の端から端まで六百キロもありますから、そんなところを日帰りで来い、こんなわけにいきませんから、大臣、宿泊施設もこれはつくってやってもらわなければいけないのです。
 だから、そういうことになると、充実とか生涯教育とか研修センターとしての役割とかいろいろ言ってもらっても、すぐぱっと役に立つかどうか。その辺はどのようにお考えか、どういうふうにしてくれるのか。してくれるのかというのはおかしいけれども、どのようにするのか、それをちょっと一遍聞かせてください。
#21
○日出政府委員 道府県の農業大学校の定員が、今二千二百人ほど毎年入ってくるわけでございます。この方たちの七割が直接あるいは間接的に農業に従事するということで、後継者対策といいますか、そういったこととしては大変大きなウエートがあるわけでございますが、今先生お話しのように、これからの農業者の学ぶべきことがますます広がってくるわけでございます。そういう意味で、今私ども考えておりますのは、通常でございますと高校を卒業して二年間の修業ということでございますが、それにさらに研修部門の設置ということで、今、二年終わりました卒業生でありますとか大学、短大卒のUターン就農希望者等を入れた形で研修部門の設置を促進する、こういうことも各県でかなり熱意が出てきておりますので、私どもそういうことを支援していきたいと思っております。
 あるいは、この間私も現場を見てまいりましたが、研修教育のカリキュラムが大分変わってまいります。バイテクでございますとか、あるいはメカトロというとなんでございますが、そういったものの駆使も今まさしく要請されている面でございます。あるいはマーケティング論、こういったこともふえてきております。
 そういう意味で、そういった能力のより高度の発揮を図るためのいろいろな研修の充実、あるいは、先生もちょっとお述べになりましたけれども、この大学校で生涯教育をするということで既にいろいろな計画づくりができておりますが、確かに、そういうことになりますと、この農業大学校におきます施設の整備が基本的に大事になってくるということは当然でございます。
 これは県が直接自分でやってしまうものもあることはあるわけでございますが、かなり大きな施設、例えば研修施設でありますとか宿泊施設とかになりますと、国と一緒になって整備をしていくというようなことが通例でございます。そういうために必要な予算措置ということで、実は平成六年度予算案では前年の十億から十二億へと増額要求をするというようなことで、今先生お話しのように、各県からの要望がふえておりますので、こういったことに対して適切に対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#22
○岸本委員 地域あるいはその各道府県の農業者を鼓舞していく、そういうセンターの一つですから、しかも後継者を育成するというところですから、農業大学校、特段の配慮をもって充実をしていただきたいな、こう思うわけです。
 次に、普及協力委員という言葉が今度で出てきたのですね、この法の改正で。普及協力委員というのは指導農業士をもって充てる、こういうことになっているのですが、農業士もあって指導農業士もあって、それは全国的に大体どのくらいの数になっているのか。都道府県でばらつきがあったら、例えば和歌山県では三人しかいない、岡山県では百人おった、こんなことではだめだわな、協力員。ばらつきが出てくる。そういうことがちょっと一つ気になるのです。
 それから、農業士以外にもあるいは指導農業士以外にも、例えば農協の参事とか、それはもう農業の生き字引ですよ、地域社会では。そういう農業の一言で言えばスペシャリストというのですか、そういう人をどういうふうにするのか。農業会議の事務局長、そういう人もおる。農業については、指導農業士あるいは農業士よりも数段力量を備えた人がいろいろおる。そういう人らはこれは協力員にならぬのかどうか、その辺ちょっと聞かせてください。
#23
○日出政府委員 指導農業士は青年農業者の育成に大きな役割を果たしてきているわけでございますが、この制度の淵源をたどりますと、昭和二十三年の改良助長法の初めのときから、指導農業士という名前ではございませんけれども、こういう方々の御協力を得て改良普及事業が行われたという経緯が、委員御案内のとおり実はあるわけでございます。正式に指導農業士と言い出しましたのは、昭和五十一年に認定という制度が初めて出てきたわけでございますが、現在全国で指導農業上六千四百人ほどおるわけでございます。県によりまして数百人台のところもありますし、二けた台のところもありますが、概して最低でも五、六十人以上ございます。若干各県ごとのばらつきはございますけれども、かなりの方々が指導農業士として活躍をされておられるわけでございます。
 実はこの指導農業士の方々には、今度の改良助長法の改正後も普及協力委員という形でさらに地域内でいろいろな活動をしていただいて御協力いただきたいわけでございますが、そのほかに、先ほどちょっと申し上げましたけれども、今まで指導農業士の方ではカバーできなかった分野、農産物の加工でありますとかマーケティングでありますとか、あるいは経営管理でありますとか、こういった実際の経済活動の中での生きた情報をお持ちになっている方々、こういった民間の専門家の協力を得ることが必要だということで、今度の普及協力委員の中にもこういう方々をボランティアとして御活用させていただくということを実は考えているわけでございます。
 先生のお尋ねの、例えば農協の仕事の中で、今申し上げた経営管理でありますとかマーケティングでありますとか、そういう方たちも当然この普及協力委員という形で御活用させていただくようなといいますか、御活躍していただけるようなことが当然あろうかと思いますし、あるいは地場でいろいろな企業を行っている方々で農産物の加工流通に知識を持っておられる方々、こういう方々もまた入ってこられるのじゃないかというふうに思っております。
#24
○岸本委員 それでは、普及協力委員というのは、指導農業士に限定しないでさまざまな分野の農業スペシャリストに参加してもらう、これは人数制限があるのですか。
#25
○日出政府委員 特に人数につきましては制限しておりません。
 端的に申し上げますと、ボランティアとして活躍していただくわけで、私どもとすれば、例えば交通費でありますとか、若干の実費は支弁するといいますか、そういうことは考えておるわけでございますが、いずれにしても、ボランティアということでございますので、そういう中で御協力していただく方をお願いする、こういうことになろうかと思っております。
#26
○岸本委員 よくわかりました。
 それから、この法の目的のところに、養蚕農家が、これは今度合流してくることになるのですね。ちょっとそれ確認です。養蚕農家が今度はこの法律の改正によって普及の分野に合流するのですね、蚕が。
#27
○日出政府委員 先生今お話しのように、養蚕業につきましては、普及事業と別建てで蚕業改良普及事業というのがずっと沿革的にあったわけでございますが、今回、蚕業改良普及事業と協同農業普及事業を統合するということが今御指摘の部分でございます。
#28
○岸本委員 そうすると、これは養蚕農家が普及の分野に合流してくることになる。今までなかったわけですね。そうすると、養蚕農家に対する指導の後退を意味するのではないか。養蚕農家は養蚕農家で必死にやろうと思っているでしょうから、この法律案を見れば、マーケティングなんかいろいろ教えてくれるかわからぬけれども、繭や蚕のつくり方についての生産技術を教えてくれへ
んのと違うか、これは困ったなという不安を持っておるかもわからぬですよ、現場では。だから、その辺はそういう寂しい気持ちを養蚕農家にさせないでどういうふうに充実していくのか、教えてください。
#29
○日出政府委員 普及事業の中で、蚕業改良と通常の農業普及事業が実は分かれてずっと来たわけでございますが、農業の中にも耕種農業あり園芸あり、あるいは畜産あり、いろいろな種類の部門があるわけでございますが、それごとに普及事業があるわけではなくて、農業改良普及員あるいは普及所の中で一体的に指導してきたわけでございます。たまたま沿革的に蚕業改良普及事業が独立の形でやってきたわけでございますが、先生御案内のとおり、現在むしろ養蚕農家が急速に減っていく中で、こういったものに歯どめをかけるためにはどうしたらいいのかということで原点に戻って考えてまいりますと、養蚕業につきまして、養蚕業の技術指導が特別だという意識だけでやっていいものかどうか、養蚕業がむしろ複合経営という一つの部門の中で成り立っているわけでございますから、もう少し養蚕農家自身を総合的に見て、総合的に指導していくということが実はあるんではないか。あるいは、今までの蚕業普及の面が技術指導に傾斜しておったと思っておりますが、さらに技術指導だけではなくて、今回の法律の改正でも出てまいりましたけれども、実は経営管理面の指導、こういったものも当然出てくるんではあるまいか。こういったようなことを考えますと、養蚕農家がもう二万七千戸を下回るような状況では、養蚕というものを複合経営の一つとしまして、普及全体でこれを指導していくということがむしろ望ましいのではないかということを考えまして、こういった協同農業普及事業に統合するということを考えたわけでございます。
#30
○岸本委員 局長は、農蚕園芸局長ですよね、今答弁してくれている方はね。そうですね。どうもさっきから経営管理とかマーケティングとか、おれは商業簿記でも勉強しに来たのかなと思うほど、私は農業の問題をやっているんだよ、私らどうしても生産農家の立場で出発するわけですからね。マーケティングとか経営管理とか言われても、所得がないところがどうやってマーケティングやるんですか、経営管理やるんですか。まず所得をふやすための生産の方法を考えてやらないと、僕はそう思うのです。その辺も発想がどこかちょっとおかしいのではないかなと、今答弁を聞きながらそう思ったのですけれども、まあそれは感想です。
 そこで、次に進みます。
 この改正によって新規就農を促進する活動を今度は展開することになる、こういうことになりますね。これは情報の提供や相談活動などをするわけですが、全く農業をしてなかった人を、それじゃ農家にしてやろうよというような新規就農の活動もこういう分野に入るのかどうか、ちょっとそれを教えてください。
#31
○日出政府委員 今回の普及センターの役割の中に新規就農を促進するということを書きました図これの趣旨は、先生今御案内のとおり、農家子弟の方が就農するということを促進するだけではなくて、サラリーマンの家庭の子弟の方にも、就農するという意欲がある方には大いに就農していただこうということで、私どもとしては今までもいろいろな事業をやってきたわけでございます。こういったことのために、例えば現在やっております改良資金なんかで新規就農の方にお金を無利子で貸しておりますが、こういったものも実は全国で、平成五年度で大体千五百件ぐらいに上るということでございます。今申し上げましたように、本当の新規就農の方をも大いに入っていただく、そういったことも普及事業の大きな役割であろうというふうに心得ております。
#32
○岸本委員 今の答弁だと非農家に対してもこれから新規就農促進のための活動を展開する、こう理解していいわけですね。そうですね。
#33
○日出政府委員 サラリーマンの家庭の子弟についても大いに新規就農していただくということについての促進を申し上げたわけでございます。
#34
○岸本委員 わかりました。つまり、非農家ということですな。
 そうすると、都道府県農業会議が新規就農ガイド事業というのを昭和六十二年からやっているのですが、これと同じことをやることになるのではないですか。屋上屋を重ねることになるのと違うかな。あるいは競合して、そんなところで余分なことせぬでも、これは農業会議所の方へ任せておいたらその分野の仕事はしてくれているのだから、定着もしつつあるのだから、それはもうそれで任せておいて、もっとマーケティングじゃない生産技術の向上に力を入れるとか、そんな方法、何ぞ考えられへんですかね。こんなことでわざわざ就農のためにまた活動する、新規就農を促進するためにその分野も置いてやったろうかというようなことをせぬでも、何ぞ方法ないですかね。こういう、競合しないかどうか、相互に力を出し合ってさらに大きな成果を上げられるようになるかどうか、やるとしたらそういうふうにやってもらわなければいかぬと思うのですが、その辺はどうですか。
#35
○日出政府委員 今先生のお尋ねが、新規就農の中にサラリーマンの家庭の子弟が新規就農しますときの分も入るかどうかというお尋ねでございましたので、入る、含まれるというふうに申し上げたわけでございますが、今お尋ねの農業委員会系統組織がやっております新規就農ガイド事業どこの農業改良普及組織が行います新規就農の関係でございますが、一応大まかに申し上げますれば、この農業委員会系統組織が行っております新規就農ガイド事業は、主として農外からの新規就農希望者を対象にして、例えば農地情報、どういうところで農地が取得できるかとか借りられるかとか、こういうことなんかが中心の情報の提供でございます。それに対しまして、農業改良普及組織は、主としてでございますが、農家子弟の新規就農希望者を対象にして、例えば経営技術でございますとか、あるいは資金のようなものについての情報提供なんでございますが、ただ、お尋ねのように、この二つのものは実は両方ともに協力し合いながらやっているというのが実態でございまして、農業委員会系統組織がリジッドにここまで、あるいは改良普及組織がここまでというふうに、そういう場所を決めるのではなくて、それぞれが相談し合って、例えば農地情報はどうだ、あるいは資金の関係はどうだ、技術はどういうふうにする、あるいは研修はどういうふうにしていくかといったようなことを実は両者が一体的に、それぞれの持ち味は出しながらも一体的に協力し合ってやっているのが実態でございますし、またそうしなければ新規就農者に対する支援というのが効果的にいかないのだろうということで、私どもと構造改善局とそういう形で話し合いをしながら今進めているところでございます。
#36
○岸本委員 この新規就農の活動につきましては、普及の分野とそれから農業委員会の分野がそれぞれ役割を一遍決めたらどうですか、話し合いして。重複してトラブルを起こしてもつまらぬことですし、効果が半減する場合もありますから。だから、お互いによく話し合って、相談して、この分野はおまえのところでやれ、これはこっちで引き受けた、そうやって両方が相まって情報を交換し、相互に相談し合い、協力し合ってやれば倍の力が出るかもわからぬ。それは農村、農家にとっては大変ありがたいことですから、そういうふうに法改正に関して特段の配慮をしておいていただきたいと思いますが、どうですか。
#37
○日出政府委員 先生御指摘のようなことは、現場でより効果的に新規就農者に対する支援をいたしますときに大変大事な点だろうと思っております。この点についてはよく徹底をしたいというふうに思っております。
#38
○岸本委員 それはお願いしておきます。
 あと一分時間がありますので、一言お伺いをいたします。農蚕園芸局長でありますので、これは都合がいいのです。
 昭和六十三年からオレンジあるいはオレンジの
果汁の自由化が始まったのですが、現時点でこの影響をどういうふうにとらまえておるか、ちょっとお聞かせください。もう答弁だけで結構です。きょうは引き続いて、その続きは分科会で昼からやりますから。
#39
○日出政府委員 六十三年から平成二年までにかけて実はオレンジ果汁の輸入自由化に伴います園地再編対策を行ったわけでございますが、この結果、大体二万ヘクタールを転換し、平成二年産、三年産の価格はおおむねうまくいったというふうに考えているわけでございますが、平成四年産、五年産がいろいろな事情で実は価格が低迷しているわけでございます。これは、どちらかといいますと、オレンジの生果の影響というよりはミカンそのもののいろいろな問題だったとは思いますが、この場合に、実は無視できないのが果汁問題だろうというふうに思っております。こういったことを基本的に考えながら、果汁は果汁だけの問題じゃなくて、生果への影響も大いにございますので、一体的に今後検討を急ぎたいというふうに思っている次第でございます。
#40
○岸本委員 ありがとうございました。また午後引き続いてやらせていただきます。
 終わります。
#41
○竹内委員長 七条明君。
#42
○七条委員 今の岸本さんの質問と多少重複する点があるかもしれませんけれども、御容赦を賜りまして、よろしくお願いを申し上げます。
 きょうは助長法の話が基本でございますから、それに沿ってお話をしたいのですけれども、大臣、今月は健康がすこぶる調子のいいという月ですね。そういう意味で六月という名前を大臣はおつけになられたのじゃないかと私は思っておる一人でございますから、元気よく御答弁を賜ると同時に、簡潔によろしくお願いを申し上げておきたいと思うわけでございます。
 実は今度の農業改良助長法の一部を改正する法律案でありますけれども、改正法案を読ませていただきますと、昭和二十三年にでき上がりましたこの法案、途中で一部改正を五度ほどやっておられますけれども、今度の改正ぐらい一条の目的から大きく変えられた、今までの戦後の農政から違う意味で大きく変わられた、ことしこれほどの改正はないんでないかと思っておる一人でありますし、その意味で、農業の振興に関して、今までの普及活動ではない意味ではこの目標は非常にいい意味で変わってきたんでないかと私は思っております。現行の法案では「農業生産の増大」という表現が一条の目標の中に入っておりましたけれども、これがなくなっております。これは、強いて言うならば、今までやってこられた食糧の増産だとか生産拡大あるいは転作の推進など、技術指導が中心であったんでないだろうか、そういう普及事業から今度は経営指導にまで重点を置いた普及事業へと切りかえていくべく、今までの政策で反省するべきは反省する。つまり物の豊かさや効率性の追求一辺倒から、反省の立場に立って経営効率化志向型や国際化対応型への方向転換であり、過去の農政の反省の立場という表現を特に使っておきたいのですけれども、そういう意味でやられたんではないかと思うのですけれども、大臣、どうですか。
 もう少しお聞かせいただきますが、特に今までの普及事業の使命、この助長法の使命の一番大きなものは人づくりを基本とするというふうに私は理解しておりますけれども、さらなる新しい使命として、過去の反省に立った立場で考えるべきだと思う一人でございますから、大臣に御答弁いただきたいと思います。
#43
○加藤国務大臣 食糧増産あるいは国内自給という問題は、我々の常に目指しておるところでございます。総合的食糧の自給率の向上あるいは維持拡大ということは、日本国民全部の念願でもあります。したがいまして、そこら辺の大きな目標というものは決して変わってもおらず、また曲げてもいないわけでございますが、今回、この法律の改正をお願いした理由はいろいろあるわけでございますが、法律をつくってちょうど四十年以上たった今日、この目的がどうかというと、さらに大きく目標を変えなくてはならぬ。そこで、現在の目的規定の「能率的な農法の発達」というのを「能率的で環境と調和のとれた農法の発達」、あるいは「農業生産の増大」を「効率的かつ安定的な農業経営の育成及び地域の特性に即した農業の振興」、こういうように変えさせていただこうとしておるわけでございます。したがいまして、こういった目標を明示して、今後普及事業の転換を図っていこうという気持ちから目的規定を改正させていただき、御審議をお願いしておるところでございます。
#44
○七条委員 大臣、随分懇切丁寧に、次の私の質問がしやすいように答弁をしていただいたような気がして感謝にたえないところでありますけれども、この改正をするに当たりましては、実はおととし、平成四年の十二月に農林水産省内に新普及事業研究会というのを設けられたんですね。それでるる検討をされて、平成五年の十二月に、普及事業の活動や組織や制度など全般にわたる見直しが必要だ、これを新農政に即した普及事業に方向転換をしよう、いわゆる今までの過去の反省に立ってやろうという意味のはっきりしたものが実はここのこの研究会の中に書いてある。これを基本にやった、こういうふうに説明がされておるわけですから、私は、過去の反省の上に立ってという表現をさっきさしていただきましたけれども、大臣、これは間違いだったんですか、違うんですか、どうでしょうか。
#45
○日出政府委員 先生お話しのように、平成五年十二月の新政策に即した普及事業転換というぺーバーをまとめましたときに、新政策を発表していろいろな施策の転換を図っていく中で、普及事業につきましてもその新政策の考え方を受けて、普及事業の転換の方向を明らかにする、こういう言葉も実は使ったわけでございます。
 反省云々というお話がございましたが、基本的にはやはり新政策で言っておりますような経営体の議論、あるいは環境保全型農業の議論、農村生活の問題の議論、こういったことがこの今の改良助長法の改正に大いに影響されているということは先生御指摘のとおりでございます。
#46
○七条委員 これは、はっきり言いまして、先ほども言いましたように、いわゆる農業生産の増大という言葉が消えておることから考えてみても、あるいはただ生産性を上げるだけではいけない、つくっても豊作貧乏だということもありますよ。一反当たりの反当収入を上げるだけではいけないから、やはり経営ということまで技術指導をしていきましょうという観点であるとしか私は思えません。そういう意味で、過去の反省に立ったという感覚であろうと思いますから、これ以上申し上げてもしょうがないわけで、次に進ましていただきます。
 新政策では、効率的で安定的な農業経営の育成を目標とする一方で、今後の日本の食糧あるいは農業政策のあり方についても、国民的なコンセンサスを得る必要があるということを随所に実は力説されておられるのですね。これは今後の話として、世界の食糧需給がますます厳しくなってくるぞ、あるいは国土とか環境問題、地球的な環境問題からする農業の役割ということもあるんでしょうし、日本が国際化の中で不利にならないためにも、こういう意味でのいわゆる農業をこれから保護していかなきゃならないという意味があって、こういうふうに随所に国民的なコンセンサスということを表現されておられるんでしょうが、そのためには日本の農業が、私は消費者ニーズにこたえられるものでなければならないと思っております。この消費者ニーズについて、どうですか。
#47
○鈴木(久)政府委員 消費者のニーズにこたえまして、安全で高品質の食料品を消費者に提供していくということは極めて重要であるというように認識しております。
 この場合、食品の安全性につきましては、基本的には厚生省の方で対応しているわけでございますけれども、農林水産省におきましても、消費者ニーズにこたえて安全な食糧を国民に供給する立
場から、農産物の生産段階におきましては、農薬取締法などに基づく農薬等の使用規制、流通段階におきましては、農林水産消費技術センターによる食品の品質に関する調査分析、さらに輸入品につきましては、ことしからその表示につきまして適正化を図るための調査を開始しておるところでございます。
 また、品質面につきましては、JAS法に基づきJAS規格の整備、普及定着に努めてきているところでございまして、特に昨年六月には、健康、安全志向といった消費者ニーズに対応しまして、JAS法を改正し、特別な生産方式による食品に統一的な基準を設けるなどを内容としました特定JAS規格の導入を行ったところでございます。今後とも安全で品質のよい食品の提供を推進してまいりたいというように考えております。
#48
○七条委員 なぜこれは消費者ニーズという表現をお聞きしたかといえば、今度のこの改良助長法、今までのいわゆる技術指導だけではなくして農業経営の面まで指導をしていくという意味では、この消費者ニーズというのはもう欠かすことができないことになってくるわけで、非常に重要だからお聞きをしたわけです。
 ただ、今鈴木食品流通局長さんお答えをいただきましたけれども、消費者ニーズというのはどんなものだろうか。健康とか安全とかあるいは安いとか、非常に新鮮でおいしいとかいうことが出てまいりますけれども、そういうことに注意をした今度の助長法改正案だろうかといろいろ調べてみたんですね。そうすると、この法案の中には、今後ソフト面で人をつくっていくという観点に立ったら、経営データを把握するとかあるいは蓄積したり、相談には乗りますよというようなことはしっかり書いてあるわけですね。ところが、基本的に流通システムをつくってCI戦略をやっていくとか、農業の基本になって考えてみたら、農業の基本中の基本の土ということですね。いわゆる土をつくって考えて、付加価値の高いものをつくっていきましょうというような表現はほとんど出てこないですね。ですから、これは消費者ニーズというのは本当に考えているんだろうか。いわゆる食品流通局と農産園芸局とが多少温度差があるんではないだろうかというふうに思わざるを得ないところがあるんですけれども、どんなものですか。
#49
○日出政府委員 先生のお尋ねでございます。私どもとすれば、この普及事業は、耕種農業、例えば土地利用型農業だけじゃなくて、酪農でありますとか農業のあらゆる部門を含めた普及事業を書いているわけでございます。そういう意味で、土づくりというのは、どちらかといいますと、耕種農業あるいは土地利用型農業に使われる言葉だろうと思いますが、私どもとすれば、畜産その他も含めて、ここにございますように、「環境と調和のとれた農法の発達」ということで、今先生のお話のような土づくりを含めて幅広く表現をしている、こういうふうに御理解を賜りたいと思います。
#50
○七条委員 これは、私はそういうふうに御答弁いただければ了とするわけでありますけれども、今後、ガット・ウルグアイ・ラウンドが農業合意に向けて進んでいくことだろうと思いますが、日本の農産物は外国産に比べて安全であるということが最もこれから重要なものになりますよ。そして、良質で安全な農産物というのを基本にして考えてみると、これはやはり土づくりからもう一度やり直さなければならないなということになってきますね。
 ですから、私は、実はかねてから土づくりという表現を何度も言ってきた一人でありますけれども、先日の五月二十六日、決算委員会、農林省の関係の第三分科会で質問させていただきましたけれども、今の農産物、特に食料品は見ばえばかりが市場で歓迎をされる、そのために農薬だとか化学肥料に依存することが大きくて、特に私はあえて名前は言いませんけれども、赤い果物、ストロ何とかリーというやつですね。日本語で言えばイチ何とかというやつ。あの赤いものですけれども、あれをつくっておられる農家なんというのは、実は子供さんやお孫さんには食べさせない、ちょっとこれは農薬がかかり過ぎているから食べさせないぞ、こういうような表現で返ってくるんです。大臣、そういうこと聞いたことありませんか。これは一般論としてそういうことがあるんですね。そのイチ何とかというものを実は食べないということだったら大変なことで、それだけ出荷をするということになれば大変なことになります。これはいわゆるこの助長法の中で出てくる農業改良普及所の指導員だとか専門技術員なんかが、これはいけないよ、ちょっとやり過ぎだということで技術指導をしておかなければならなかったことではないかと私は思っているんですよ。ところが、そういうことは関係なく、ただただ消費者ニーズだけを考えていく、これは偏重した間違いがここに起こってきていることだけはもう指摘されてもしょうがないことですから、安全なものを、健康なものをという考え方をしていくと、ただただ技術指導だけてはいけない、過去の反省に立ってと、さっきもわざわざ申し上げたのはここだと思うのですね。
 ですから、その意味での農薬や化学肥料が少ない方がいい、あるいは有機栽培のようなものも必要かもしれませんが、その観点に立っての土づくりの表現で、特にさっき大臣も言っておられましたけれども、「環境と調和のとれた農法」という言葉が第一条第一項に出てくるのですけれども、この「環境と調和のとれた農法」という意味で注目をして、この「農法」とはどんな農法なのか、これをお聞かせいただけますか。環境保全型農業と同意語だと私は思っていますから、質問させていただきます。
#51
○日出政府委員 この目的規定の第一番目に、今先生お話しのように、「能率的で環境と調和のとれた農法」というのを、実は基本目的の一つだ、第一番目に掲げられるべき目的だというふうに整理したわけでございますが、これにつきましては、これからいろいろな技術開発が実は行われてくると思います。例えば化学肥料を節減するという課題を一つ取り上げましたときにも、例えば水田でございますれば、水田側条施肥技術を用いるといったようなこと。あるいは、例えば農薬の節減ということになりますれば、フェロモンを活用した防除、こういったようなこと。実は、そういう意味で言いますれば、大変いろいろな手法の技術が考えられるわけでございます。こういったものが今、個別に、あるいはやや体系的に各地で実践化しておりますので、普及の事業を通じて広げていきたいというふうに考えている次第でございます。
#52
○七条委員 これは当然やっていただかなければならない、消費者ニーズに対応してやっていっていただかなければならないことでございますから、ぜひ私はお願いをしておきたいのです。
 では、もう一つ、それと追随して、「環境と調和のとれた農法」に有機農法は含まれているのかどうか。また、農林水産省は有機農法を農政上どういうふうに位置づけているのか、これも答弁いただけますか。
#53
○日出政府委員 昨年の特定JASの関係でもこの問題が国会で議論されたわけでございますが、私ども、この四月に省内に環境保全型農業推進本部というのをつくりまして、各地で今事例的に広がっております環境保全型農業の実践を大いに支援していこうというふうに考えているわけですが、その中で実は私どもも頭の整理を若干したわけでございます。
 確かに環境保全型農業という言葉がかなり幅広く、いろいろな形で使われておりますが、その中の一つに、例えば今先生お話しのような有機農業の問題、あるいは化学肥料でありますとか農薬等の使用を減らして、環境の負荷の軽減を図るというような問題、あるいは畜産との関係で、家畜ふん尿の適切な処理、リサイクル、こういったような問題、さまざまな問題を含めて、実は、環境保全型農業という形で各地で進めておりますものを大いに広げていこうということでございます。
 その中で有機農業の問題でございますが、私どもとすれば、先生お話しのように、土づくりの問題でありますとか、あるいは病害虫防除に係ります個別の技術情報の問題とか、流通の問題とか、いろいろ実はこれから行政としても支援をしていかなければならない分野があるわけでございますが、いずれにしても、平成六年度からさらに、この有機農業を進めるに当たりましての新しい補助事業でありますとか、あるいは改良資金の中での貸付枠の拡大等をやりまして、支援をしていきたいと思っている次第でございます。
 ただ、ちょっと、私どもとして有機農業の支援をいたしますときに、各地で、いろいろな言い方でこの有機農業に当たるものを実践されておる方がおられます。どちらかといいますと、行政の支援を余り必要としないといいますか、という形でなさっている方も非常に多いように思っております。ただ、資金問題その他でもし必要であれば、私どもとすればそういうメニューを用意しておくということは大切だということで、先ほどのような措置をこれからやりたいというふうに考えている次第でございます。
#54
○七条委員 大臣は、前に農林大臣をされたときに、たしかMOAの関係の自然農法をわざわざ調査、視察されたことがありますよね。これは有機農法よりもさらに自然という表現で、堆肥を使っていくというようなことをやられましたけれども、自然農法とはまた別に有機農法、これは低農薬あるいは低化学肥料というさっきの表現と相あわせて、これもやはり率先していく必要があるのですね。大臣、わざわざ見てこられたのですよね、自然農法の方は。この有機農法に対してはどういう感覚を持っておられますか。
#55
○加藤国務大臣 私は、今から七、八年前に農林水産大臣を仰せつかったのでありますが、そのとき、有機農法、自然農法、いろいろ検討しました。それは、我が国の農業というものについての考え方もあったわけでありますが、土づくりということ、そこから、我々は土から農作物はつくる、もちろん水耕栽培というのもありますが、そこら辺でいろいろ考えて、私のときに初めて全国的な調査費をつけて、ひとつ有機農法、自然農法の概念というものを固めたらどうだろうか、こういうこともありました。
 今おっしゃいましたような経緯と経過にかんがみまして、食・農を考え地球環境を守るMOA国会議員連盟、百九十名ほどの議員連盟をつくりまして、全国的にこの問題を一生懸命私は会長代理としてやりました。それからもう一つ、有機農業研究議員連盟というのを別個に、農林省の先輩の、私の同志でありました中西一郎さんに頼んでつくってもらいました。そういう専門家、いろいろな者を全部集まってもらって議論し、勉強して、それは要するに、安全な食糧、健康に有意義な食糧というのと、また、農業に関係する人が、危険な、危ない化学肥料その他を使わないようにしたいという希望等々、いろいろなものを含めてやったわけであります。そして、今おっしゃったような現地も視察に行きましたし、また、国連でその会議も開いてもらい、我が国の国会議員に出席してもらうということ等もやってきております。そして、その効果が、今御質問のありましたようないろいろな面において今幅広く国民各界各層に、つくる方も消費者の方も広がっておる。それらを踏まえて、あれは昨年施行したのですか、これらの農産物に対する表示をやるというのもそういう機運に一致してやったと私は認識しております。
#56
○七条委員 今大臣、いろいろと前向きな答弁をいただきました。大臣の言葉の中から、土づくりは積極的にやらなければならないと思って前の大臣をされたときに、八年前ですか、やってきたよと。できたらこのままその土づくりというのをやっていただきたいのですけれども、助長法の中に消えつつあるものが実はありますから、後で提言いたしますけれども、後でやりますが、さっき日出局長さんが言われた、いわゆる環境保全型農業推進本部、前はこれ、たしか有機農法対策室という形であったり、いろいろ名前が違っていましたね。その有機農法ということから環境保全型農業というふうに幅広くなってきたわけですから、その基本中の基本であった有機農法を忘れては困るのですね。
 さっき言いましたように、去年、平成五年の十二月に農林省の中にできた新普及事業研究会というこの報告書の中に、では有機農法を位置づけしたこと、あるいは土づくりに関したことがどこか入っているかと思って、調べてみたら、たった二行だけ、「有機農法については環境保全に資する農業の一形態としてとらえて、技術的、経営的な支援を行う必要がある」、これだけ書いてあるのです。たった一行でしか書かれてないのですね。ですから、これは大臣、土づくりという表現からするならば、この助長法、もう少し土づくりの観点をよく御指導いただいて、あるいは普及させていただきたいと私は思っておる一人であります。
 さらに申し上げていきますけれども、先ほどから消費者ニーズを考えるという表現もされておられましたし、それから、農薬や化学肥料の低い安全なものをつくる、ただただ私は有機農法をやれというのじゃないですよ、やはり消費者ニーズに合って化学肥料や農薬の少ないものをやっていけ、そのために土づくりをやれ、ましてやガット・ウルグアイ・ラウンドの国際競争力に勝てる高付加価値型農業を基本にしたいと大臣の所信表明にも言っておられるのですから、それは土づくりから始まるぞ、こう言いたいのですね。
 最近の日本農業が、実は地力の低下が著しいと私は思っています。これは大臣もうんとうなずいておられましたからわかっておられるのでしょうけれども、水田を減反してしまうことで、水を張っておる時間のいわゆる土壌の殺菌がされなくなった、そのために地力が低下した、これは前の委員会のときに私申し上げました。あるいは、土地改良事業や圃場整備事業で一時的に地力が低下をしてしまっておる現象も起こっております。ですから、先ほど来、過去の反省に立ってという表現をしましたけれども、農業の基本に立ち返ってもう一度新農政を考えていただきたい。その基本が土づくりであることだけは間違いがありませんから、もう一度考えていただきたいと思うのですね。
 実は大臣、この農業改良助長法案の参考資料の四ページに、実は昭和四十年代には書いてあったのですけれども、「土壌診断等科学的データに基づく指導」が普及活動の重点指導事項になっていたわけであります。これは昭和四十年代であります。ところが、五十年代になってしまうと、「土壌診断等科学的データに基づく指導しというのはもう重点の中に入らなくなって、それ以後は土壌診断とか土壌とか土づくりとかいう表現がいわゆるこの改良助長法の中から出てこなくなって消えてしまっているんですね。ましてや有機農法も、さっき言いましたように研究会では二行にわたってしか書いてない。もう一度考えなければならないという、大臣が言われた土づくりという表現は今まであったのに消えてしまっているということが現象にあるわけでありますから、よくこの改良助長法を基本的にもう一度洗い直していただきたい、見直していくべきものは見直していただきたいと思っておる一人であります。
 実は私は、先般五月二十六日の決算委員会、大臣お越しになられておりませんけれども、第三分科会で政務次官から御答弁をいただきました。土づくりについての御答弁でありましたけれども、そのときには、先月五月十八日に農林水産省内に設置された環境保全型農業推進本部の中で、新農政について、土づくりに対して再検討を前向きにやっていくぞ、こう言っておられたのですね。これはもう非常にありがたい答弁であります。それから、土地改良に伴う圃場整備事業などで地力が低下している問題については、いわゆる五十九年につくられた地力増進法について、土壌改良事業と圃場整備事業との組み合わせをしたらどうだという提言もさせていただきました。これは当時、日出農蚕園芸局長は前向きな答弁であったのです
けれども、これについて、大臣、さらに決意を述べていただければ幸いなんですけれども、どうでしょうか。
#57
○入澤政府委員 大臣が決意を表明する前に私から事実をちょっと申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、地力の低下が食品の成分内容にも非常に影響を与えている、それから畑、草地、水田も含めまして、これはやはり耐用年数がある、それから昨年の冷害のときも再認識したのですけれども、作況指数がゼロまたは二のところでも、土づくりをやっているところは一反歩当たり六俵も七俵もとっている。そういう意味からしまして、土づくりが農政の基本に据えられなければいけないということはこれは極めて当然のことだと思います。新政策を検討しているときも、農政の根底には土づくり運動というのを据えようじゃないかということを考えておりまして、今の私のポストに来ましてから土地改良事業の中に、大胆に、広範に土づくりということをメニューとして入れていこうというふうに考えておりまして、農地開発事業におきましては、例えば下層土が作土となる造成農地について有機質の資材を投入するとか、あるいは緊急畑地帯総合整備事業というのがございますが、これには堆肥盤の整備とか家畜ふん尿を用いた多目的かんがい施設を整備するとか、あるいは非公共事業の農業構造改善事業あるいは山村等振興対策事業におきましても堆肥製造施設の整備等を実施しております。
 平成六年度予算におきましても、改めて、不良土層を有する畑作地帯におきまして土層改良を実施する高生産性土層改良事業、こういうものを創設していただくというふうなことで、土地改良事業におきましても、本格的に土づくり対策に邁進するということでやっているところでございます。
#58
○七条委員 大臣、御答弁いただいていませんけれども、さっき構造改善局長さん、積極的に土づくりをやろうと言っていただきました、それから、日出農蚕園芸局長さんも言っていただきましたけれども、大臣、実は土づくりに関連した予算、今度の予算を調べてみましたら、いわゆるさっきの土壌保全対策費補助金だとか、いろいろ地力増進法という法律に伴ってやっていました。ところが、この予算、実は新規に十億ついておるのは、これは冷害が起こったために対策のためにやっていくということで新規に起こっていましたけれども、従来から継承してきた事業はほとんどが減っているのですね。最近この予算全部減っているのです。申し上げるまでもなくわかっておられると思いますから、減っているということだけは申し上げておきますから、一生懸命土づくりをやろうという大臣の御答弁とは別に、新規のものを除いてやりますと、従来からやってきたものは全部予算を減らしておるということだけは認識していただいて、その辺を大臣が認識して、決意を述べていただければ幸いですけれども、どうですか。
#59
○入澤政府委員 先ほどお話にございましたけれども、例えば土壌診断事業などはこれは定期的にやらなければいけないのですけれども、非公共の予算は確かに減っているかもしれませんが、その減った分は大幅に公共事業の方で伸ばしておりまして、そういうところを御理解願いたいと思います。
#60
○加藤国務大臣 先般、昨年の冷害の問題についてもいろいろ検討し、どういう農法、どういう土が冷害に強かったかという問題等は幅広く真剣に考えておるわけでございまして、何と申し上げましても土づくりは農業の基本でございます。それから、農業改良普及法、普及員の場合でも、やはり土壌診断というのがメーンの仕事になっておりまして、今も資料その他を見ますと、ほとんどの地区において土壌診断というのは熱心に精力的に行われておる。今後とも土づくりというものは農業の基本であるということで進んでまいりたいと覚悟しておる次第でございます。
#61
○七条委員 農業改良助長法の中の四十年代に出ておりました問題、最重点指導要項が消えておるということだけは間違いがないと思います。よろしくお願いします。
 大臣、実はこの間大臣が五月二十五日にこの委員会で所信表明、ここに持っておりますけれども、読まれました。この中に実は農業の振興について新政策との兼ね合わせで七項目にわたって書いておられるのです。
 第一項目が、食糧安定の担い生育成の観点。ここには、農地を利用集積させなければならないということが書いてありますけれども、高度利用やこれは大規模化の話であって、農地の体質強化にはなっていないような話だったのです。
 二つ目が、中山間地域の活性化の観点で、国土の保全や自然環境の維持、高付加価値だとか収益性を高めるとかいうことがありますけれども、定住条件の整備という表現で書かれておって、土づくりという表現がなかった。ここにもなかったのです。
 三つ目には、立ちおくれている農村の環境改善の整備の観点で、集落排水とか農道整備だとかいうこと、あと「美しいむらづくり」という観点で構造改善事業をやるけれども、さっき言ったように地力の低下していることもあるということであります。
 それから、大臣が所信で言われた四つ目は、冷害の経験にかんがみて、そのことはいけないから生産体制の構築をやり直すと書いてあるのですけれども、具体的には転作は、これまた水田の地力の低下につながりますから、よく考えていただかなければならない。
 五つ目に書いてあるのは、国際協力の中での環境問題。これは、環境保全型農業というのは一項だけ、本当に一項だけ書いてありますけれども、具体性がなく、特に書いてあったのは食品産業の廃棄物の減量化だとか再資源化ということばかりで、環境問題はこれで終わっておった。
 六項目目の農業技術の開発の観点では、農業生産の効率性と労働時間の短縮、あるいは生産性の飛躍的向上とか高付加価値化とか書いてある。冷害対策も書いてありましたけれども、ここにも研究開発の中に土づくりという表現がされていない。
 そして七項目目は、さっきも言いましたように環境問題や消費者ニーズに対して書いてあり、あるいは国際化に強い体質強化ということを書いて、ガットの問題についての書き方をしてありますから、品質表示の適正化という表現をやっていきたいということで、ここにもやはり地力増進という表現や土づくりという表現がほとんど見られなかったのです。
 ですから、これは、大臣の所信表明の中にこういうふうに書いていただかなかったら、私は不安を覚えてしょうがないですよ。いかに大臣が一生懸命土づくりをやると言われても、どうも不安で、本当にやっていただけるのかなという気持ちになってくるわけですから、この辺は、間違いなく土づくりをやりますよ、一生懸命頑張ってやってみたいですよという気持ち、もう一遍聞かせていただけたら幸いです。どうですか。
#62
○加藤国務大臣 たびたび申し上げておりますが、はっきり申し上げまして、学卒の農業関係者あるいはUターンあるいは新規に農業に参画していただく人、こういう方々が安心して農業できるのは土づくりからでありまして、たびたび申し上げますが、いろいろな健康を害するような肥料や農薬を使わない農業、そして土づくり、これがすべての基礎になっておるという前提で私は所信表明を申し上げておるわけでございますから、そこはよろしく御理解、御推進、御協力のほどお願い申し上げます。
#63
○七条委員 そこまで言っていただければ、安心してまいりたいと思います。私、実は土づくりということに対しては情熱を燃やしておりますから、徳島では土づくりの七条明と言われております。そのぐらいでございますから、時々土づくりの話、大臣にこうして答弁していただいたり、質問させていただく御容赦を今後もお願いしておきたいと思います。
 では、ちょっと観点を変えまして、今度の改良助長法の中で、さっき岸本先生が言っておられましたけれども、農業後継者育成という表現をこれから私はもっと拡大して解釈していくべきだと思っているところです。助長法の中ではやる気のある農業者と書いてありますけれども、脱サラリーマンなどやる気のある方、新規就農者育成対策という表現で後継者対策をもっと幅広く、やる気のある人は脱サラをしてきてやってもいいですよというふうな対策事業に私は変えていくべきではないかと思っておる一人でありますが、その観点に立って、実は、先ほど岸本先生が言われたように、いわゆる新規就農ガイド事業が、いわゆる全国農業会議所、ガイドセンターでやっておられる事業と並行してくるのですね。これは、実はさっき日出局長さんから答弁がありましたけれども、本来は構造改善局長さんに御答弁いただくべきものでないかと私は思っておるのですけれども、どうなんでしょうか。
#64
○日出政府委員 これは、人づくりを構造改善局と私どもの農蚕園芸局と両方で一体的に進めておるということでございますので、どちらの局で答弁をしましても似たような話になるわけでございますが、いずれにしても私どものやっておりますのは、どちらかといいますと、改良普及組織としては主として農家子弟の新規就農希望者を対象にするし、あるいは構造改善局がこの農業委員会系統組織によって行っております新規就農ガイド事業におきましては、主として農外からの新規就農希望者を対象とするわけであります。これは、それぞれ持っております農地情報でありますとか、経営情報でありますとか、研修のやり方とか、それぞれの局の長所をお互いに持ち出しまして支援をしていくのが最も効果的であろうというふうに考えているわけでございます。そういう意味で、この新規就農対策につきましては、農業委員会系統組織なり、私ども改良普及組織なり、あるいは市町村でありますとか、そういったところが一体となって実施していかなければ、なかなか効果的にはいかない事業だろうというふうに考えている次第でございます。
#65
○入澤政府委員 この新規就農ガイド事業というのは、私が農政課長のときに、新規学率就農者が非常に少なくなってきた、それから高齢者がふえて農業労働に非常に不安を感じる、そういうふうな状況を分析していまして、非農家のサラリーマン子弟からも農業に関心のある人はどんどん農業に入ってもらおうじゃないか、要するに、職業として農業を選択することを助長するために何か相談的な窓口をつくることがまず必要じゃないかと思いまして、全国農業会議所を中心に農業委員会系統につくったわけでございます。
 ここでは、まず新規就農したいときに何が問題になるかということを分析しました。農地の取得、それから農協の組合員になることになかなかいろいろ制約がある、それから農業を始めるのに初度詭弁的な資金が必要なんだけれども、なかなかそれが調達できない。それからさらに、営農技術はどうするかとか、いろいろな問題が出てくるということで、まず農地の取得、それから農協の組合員になる資格要件の問題であるとか、あるいは初度詭弁的な資金のあっせんの問題であるとか、そういうことを新規就農ガイドセンターにおいていろいろと指導できるような、援助できるような仕組みとして考えたものであります。
 このセンターを通じまして具体的に農業に従事したときに、その後の営農指導等は農業改良普及システム、その中でいろいろとやってもらうというふうに仕分けをして考えたつもりでございます。
#66
○七条委員 これは、これから非常に興味を持って私も推移を見守っていこうと思うわけでありますけれども、全国農業会議所、特に農業委員会系統組織が新規就農ガイド事業としてやっておられる。これは実は、最初昭和六十二年にできたころは、全国で九百九十四件しかなかった相談事業が、平成五年では三千二百四十四件まで大幅にふえてきています。これは、かなり相談のノウハウを蓄積されたということでございますから、この事業どこれから助長法の中で新規改良普及センターがやる事業とが、役割の分担や明確化を必ず図ってこれをやっていただきたいな、連携をして両事業がうまくいくようにやっていただきたいということをお願いをしておきたい、要請しておきたいと思います。
 それでは、その次、もう時間が五分ということですから、一点だけに絞らせていただきます。
 実は、最後に提言をさせていただきたいのですけれども、農地の流動化の促進について提言をさせていただきます。
 実は経営規模を拡大したり、新規に就農しようとする人は、良好な状態で農地を求めておられます。農地を交換する場合も同様であります。そうした要請にこたえるのが農地保有合理化事業であるのですけれども、休耕田などには荒廃した、地方が低下をしているのが多い。特に、規模拡大に意欲的な農業者などからは敬遠されておられることがありますから、農地の流動化を阻害する一因ともなっておるのですね。ですから、そういう意味で、農地保有合理化事業の一環として、このような農地について、必要に応じて土壌調査をするなり、あるいは先ほど言いました土づくりを行う事業を組み合わせて、新たに利用する者が直ちに農地に役立てられるようなことができていかないか。流動化を促進するためにも効率的だと思っていますから、どうでしょうか。
#67
○入澤政府委員 全く先生御指摘のとおりでございまして、実は私、農政課長の昭和六十年ごろ、調査に行って今先生御指摘のような局面にぶつかりまして、大規模に圃場整備をやったど真ん中で耕作放棄地あるいは遊休地がございまして、荒らしづくり地になっている、これを受け手に引き受けてもらいたいのだけれども、そういうふうに土壌条件の悪いようなところは引き受けないというふうなところが各地にありまして、それを解消するためにどうしたらいいかということで、農用地利用増進対策事業と申しておりますけれども、不作付地とか荒らしづくり地の解消、防止のために、障害物を除去したり、深耕したり、客土をしたり、有機物を投入したりするための資金を無利子で貸し付ける制度を設けております。これは、農地保有合理化法人である農業公社がやることになっておりますけれども、そのような施策を既に設けてあります。
 ただ、これがなかなかPRも行き届いていなくて、実効が十分でないので、その反省の上に立ってもっと強力に展開しようと思って今検討しているわけでございます。
#68
○七条委員 この点も今前向きに御答弁いただきましたから、私は、土づくりという観点ではここもやはり押さえておきたいと思っております。
 最後に、質問したかったのですけれども、文書答弁だけでお願いしておきますが、この新しい普及事業、今度の助長法の中で女性の役割をどういうふうに考えるかという御質問を前からしておりますから、これも文書答弁でお願いすると同時に、今後の普及事業の対策として、意欲のある農業者を重点とするということが書いてあります。しかしながら、高齢者の生きがい、農業を行う高齢者などの方々にはその意味では減退してしまうということがありますから、老人関係、あるいはそういう関係の方々のために、「農民生活」をわざわざ「農村生活」と改正をされておられる目的がありますから、その意味での老人対策ということも、これは文書答弁いただけますか。
 もう時間が来たようですから、それでは、文書答弁をいただくということで納得いただいておりますから、私の質問を終わらせていただきます。
#69
○竹内委員長 前島秀行君。
#70
○前島委員 三十分の時間でありますので、たくさん聞けないと思いますが、二、三主な点を聞きたいと思います。
 最初に、今度の助長法の改正に伴って、いわゆる今後の養蚕業はどういうふうになるのか、どういうふうにしようとしているのか、その辺のとこ
ろをまず聞きたいのであります。
 今度の法の改正は、いわゆる新農政に基づいて法改正がなされてきたということはわかるのでありますので、結局今後の養蚕業、おおむね十年ぐらいの先を見たときにどうなのだろうか。稲作等々も、大体十年ぐらいの先のことをモデルケース等々の形で組み立てているわけでありまして、そういう面で、十年先ぐらいの養蚕業というのをどういうふうに描いているのか。例えば、今一万一千トンの生産、十年後もこのぐらいは確保しようとするのか、その辺の目標はどう描いているのか。あるいは、養蚕農家が年々減ってきていることも事実であります。その構造というのは、もう複合経営で一切やらしてしまうのか、あるいは専業農家というものも中核的なものでつくろうとしていくのか、その構造的な方向。あるいは、養蚕の産地というのは非常に特定化している、群馬、福島を中心にして統計に出てくるのは十県前後だ。その十県でもって七、八〇%の生産量をしているけれども、こういう養蚕産地の産地化といいましょうか、集約化といいましょうか、そういうものはどうするのか。それに伴って、今度の法改正に伴う改良普及所あるいは員の配置というのは、一体今後どういうふうに描いているのか、その辺のところを端的に考え方を示してください。
#71
○日出政府委員 先生お尋ねの点、幾つかございますが、一つは、今後の養蚕業がどういう形になるのだろうかというお話でございます。私どもの方も、養蚕の行方につきましては、一生懸命施策の充実をしている割には、農家戸数でありますとか桑園面積でありますとか、こういったことの減少になかなか歯どめがかかっていないということにつきましては、率直に申し上げざるを得ないわけでございます。六十年当時、養蚕農家が約十万戸ございましたが、今先生御案内のとおり二万七千戸ということで、さらにこれがもう少し下がってまいります。あるいは、桑園面積が約十万ヘクタールでございましたが、今四万二千ヘクタールといったようなことで、この減少のスピードも相当速いスピードになっているわけでございます。
 私ども、こういった状況の中で、養蚕業につきまして、今まで養蚕の技術指導といいますか、そういったことをベースにして蚕業改良指導といいますか、そういったことをやってきたわけでございますが、どういった形の養蚕農家を目指していくのかということにつきましては、内部でいろいろな議論を実はいたしたわけでございます。そういった中で出てまいりましたのが、おおむね十年後の姿かたちといたしまして、決して一律的なものではなくて、例えば年間の収繭量が十トン程度とるような大規模単一経営、十トンといいますから超大規模単一経営でございましょうか、そのほかに、例えば年間収繭量が五トン程度の複合経営、あるいは一トンないし三トン程度の中小規模の複合経営、こういった幾つかのタイプがありませんと、この養蚕経営あるい養蚕地が守れないのではないかというようなことを考えて、こういった幾つかのタイプがそれぞれの中で効率性の高い経営を実現するように、あるいはこういった農家が核となりまして効率的な養蚕地域ができますように、主産地に対する施策の重点化ということが必要なんじゃないだろうかと思っておるわけでございます。
 一方、もう一つ先生お尋ねの、この中で蚕業改良普及事業がどういう役割を果たすのかということでございますが、今各県に、例えば蚕業技術指導所あるいは蚕業改良指導員あるいは嘱託蚕業普及員といった形で一つの指導をしているわけでございますが、複合経営的なものを進めていくのに今の体制で十分かどうか、あるいは蚕業の技術指導に余りにも偏り過ぎまして、養蚕農家全体の経営の確立というものにあるいはもう少し手をつけるべきところがありはしなかったか、こういったところから、今回実は農業普及事業と蚕業改良指導の事業の統合ということを考えた次第でございます。
#72
○前島委員 局長、具体的に十年後どうなるかというのは、今の答弁だと何もわからないんですよ、僕が頭が悪いのかどうなのかわかりませんけれども。例えば、一万一千トンという現在の生産高を維持するのですか、それとも自然の流れでもって、自然の流れでいきますと、ここのところ年間で大体四、五千トンずつ減っていますから、十年もしないうちにゼロになってしまいますよ。そういう例えば生産目標、これは新農政に基づいていろいろのジャンル別に組み立てられてきて、法改正になっていると私は思っていますから、当然稲作についても、十年後はこういうケースで、こういう目標をという形で昨年構造改善局長を初め、さまざまな法案が出てきたわけですね。そして今度、それに基づく金融二法が出てきたわけですね。そういう一環として養蚕業は新農政に基づいてどうとらえているのですか、どう位置づけているのですか。十年後は生産はこのくらいを目標にします、農家はこういうふうにします、主産地はこういう形で構図を描く、こういうものが議論されて今度の法改正になってきていると私は思う。なってなかったとしたら無責任ですよ。行き当たりばったりでいけ、こういうことになる。したがって、生産目標というのはどのくらいに置いているのか、農家はどういう構図を描いているのか、主産地はこういうふうにしていく、蚕業普及員の配置はこう考えているというのがあって私は出てきたと思うのです。わかるようにして説明してください。
#73
○日出政府委員 先生お尋ねの、新政策を出しましたときに、稲作を中心としました経営構造あるいは経営体がどういう形で今後推移していくのか、あるいはその目標は何だろうかということは当時我々公表をしました。その後、主な農業部門ごとに経営展望をつくって実は世の中に問うたわけでございますが、この養蚕業につきましてはそういうことはいたしませんでした。今私どもは、具体的に農業各部門につきまして、それぞれ総生産量を幾らに置くかということは当然見通しとして公表したわけではございませんけれども、この養蚕につきまして、例えば現在平成五年の収繭量一万一千トンについて、これをどの程度までのところで歯どめをかけるのかということについては、今確たる数字を持っておりません。持っておりませんが、私どもとすれば、先ほど申し上げました単一大規模経営だけじゃなくて、複合経営も育ててこの減少に歯どめをかけたいということは各県ともに切なるものもございますので、今主要県とそういった話し合いをしているわけでございます。
#74
○前島委員 今回の制度改正、法改正でいわゆる嘱託蚕業普及員制度を廃止をしていく、こういう方向ですね。そして、地域の推進員という形にしていく。これは、おおむね十年になる。私の聞くところによると、この嘱託蚕業普及員の果たした役割、これはもう一方の要するに農業改良普及員の果たした役割以上に歴史的な役割を果たしてきたというふうに再三にわたって聞いています。もっと農業改良普及員とは違う、蚕業界におけるこの嘱託蚕業普及員の位置づけというものがあった。こういう嘱託蚕業普及員なくして今日まで養蚕業というものは確保できなかった、維持できなかった、こう言われている。それほど大きな役割を担ってきたというふうに私は伺っているわけであります。それは、そういう部分は制度を廃止し、普及員にして、推進員も十年後にはなくなりますよ。本当の、地域で、現場で今日まで養蚕業を支えて来た嘱託蚕業普及員というのは廃止をする、十年後にはなくなる、片一方でそういうものを明確にしておいて、では生産は成り行き任せです、これはちょっと無責任じゃないんでしょうか。
#75
○日出政府委員 先ほど申し上げましたように、養蚕業につきましては、規模といいますか、総量、総体的な規模が急速に減少してきているわけでございますが、その養蚕業を確かに支えてきましたのが、この蚕業改良普及の系統の組織、先ほど申し上げましたように、蚕業技術指導所が八十六カ所、あるいは蚕業改良指導員が四百四十二名、嘱託蚕業普及員が七百二十五名、こういった
ことで現在支えているわけでございますが、今、繭の生産量や養蚕農家の急激な減少の中で、この蚕業改良普及組織の見直しというのは、地域でも出ているわけでございます。
 このときに、ただ物事を小さくするという、普及組織を小さくするということではうまくありませんので、私どもとすれば、農協の総合的な複合的な経営指導の中でこの蚕業の改良指導につきましても取り込んでいくというようなことで、嘱託蚕業普及員につきましては、十年という期間ではございますけれども、養蚕産地育成推進員という形で十年間はやっていきますが、この中で、農協なりなんなりの力もかりた一般的な営農指導の体制の中で、何とか複合経営その他を確立させるようなやり方ができないだろうかというようなことを考えているわけでございます。
 この議論につきましては、私どもとしますと、今までの蚕業改良普及事業がうまく効率的にいっているのかどうかという一つの大きな反省ということも当然あるわけでございますが、私どもとすれば、主産地を残していくということからしますれば、特に小さい規模の養蚕農家については複合でございますし、あるいは、かなり意欲を持って単一経営でやるとすれば、かなり収繭量の多い単一経営を進めていくという形で、それぞれ多様なタイプで養蚕経営体を育て、養蚕地域を何とか歯どめをかけていきたいというのが私どもの考え方でございます。
#76
○前島委員 そうすると、生産量はともかくとして、養蚕の主産地、これは今後もずっと育成していく、育てていく、こういうふうな認識をしていいのか。それともう一つ、私は聞いておきたいのですけれども、嘱託蚕業普及員の果たした役割については、これは認めますね。この歴史的な役割というものは、今日の養蚕を支えてきた重要な役割であった。この辺のところを明確に、局長ちょっと言ってください。
#77
○日出政府委員 先生御指摘のように、蚕業改良指導員と嘱託蚕業普及員のこの組み合わせによります蚕業改良指導の体制は、大変大きなものがあったと思っております。特に先生御指摘のように、嘱託蚕業普及員が農家段階に入って指導するという点、あるいは稚蚕共同飼育所の指導監督をするといった点、こういった点では大変大きなものがあったというふうに私ども思っておる次第でございます。
 いずれにしても、かつての時代と違いまして、北関東の数県、あるいは、全国的にいいますれば、養蚕の主産県がかなり限られてまいりました。その中で、中山間部での特異な経営でございますこの養蚕経営を何とか残していきたいということで、施策の組みかえ、組み立て直しといいますか、そういうことをこれからも考えていかなければいかぬというふうには思っておる次第でございます。
#78
○前島委員 大臣、いわゆる養蚕というのは、私たちが子供のころはお蚕様と言われていたくらい、農家にとっては戦前から重要な役割を果たしてきた、日本の伝統産業の源でもあったことは事実だろうと思うのですね。その養蚕、厳しい内外状況の中で、価格が低迷をしている、そして、こうして農家が減ってきている、それに追い打ちをかけるように、今回の、大きな役割を果たしてきた嘱託蚕業普及員の廃止というのは、養蚕農家関係者にしてみれば決定的な打撃になっているのですよ、決定的な打撃になっているのです。そのことがまた、伝統産業であり、また養蚕業だけじゃない、あとの絹業までつながる流れを持ったこの源がつぶれてしまうということは、それだけで済まないという重要な問題を抱えているというふうに思います。
 そういう面で、大臣、見通し、なかなか明確なことは言い切れないかもしらぬけれども、私は、大臣の口から、この伝統的な養蚕業、絶対灯は消さない、守り抜く、こういう決意だけは今度の法改正に伴って大臣から表明してもらいませんと、一挙にこの伝統産業というのはがたがたっと崩れてしまう。現に、生産高見たって、昭和五十年で九万一千トンが、十年たったら四万七千トンの半分になった。それから五年たった平成二年になったら、これまた二万五千トンと半分になった。そして、ここのところは毎年五千トンずつ減ってきているのですよ。この流れをとめない限りは、この養蚕業、全部とまっていっちゃいますね。これに今度の法改正は追い打ちをかけておることだけは間違いない。
 そこで、大臣、どうするのか。守り抜くのかどうか、この決意を聞かしてもらいたいと私は思っています。
#79
○加藤国務大臣 今、前島委員がおっしゃいましたが、お蚕様、戦前の我が国の農業の中核をなし、また、戦前は生糸というのが我が国輸出産業の花形というか、生命線でもあった。横浜に行っても、あるいは有楽町に行っても、往時をしのべば感慨無量のものがある、こう私は思っております。
 そうして、実は昨晩、中国の林業部部長といろいろ話をした。この養蚕、蚕の問題についてもいろいろ話をしたわけであります。私も前回大臣をやらしていただいたときに、養蚕問題で生き残る道は何かなと当時の関係者の皆さんと随分話をしました。その中に、私の頭の中に残っておったのは、天蚕、この問題でありました。そこで、その問題について昨日中国の方の関係者の皆さんにも尋ねましたら、中国にも同じようにナラの木のナラ蚕、ナラの蚕という問題で一生懸命研究しておる、こういうお話がございましたが、何としても、養蚕業という歴史的にも、また民族的にも我が国情から見ても大切な伝統産業、この灯を消してはいけない。
 消してはいけないんなら、しからばどうやればいいか、いろいろ議論し、考えておるわけでございますが、養蚕農家に対する複全部門も含めた総合的、安定的な普及指導を実施しなくちゃいけない。だから、複合的に、総合的にやっていくことが、逆に養蚕農家というものが今後立派に生き延びていくんではないか。そして、中核的な養蚕農家で繭生産の基盤というものを確保する方法を、今回この法改正を契機にさらにしっかりしていかなくちゃならぬ。そしてまた、それをするようにこの法律はいたしておるということを御理解いただきたい、こう思うわけです。
#80
○前島委員 それはやはり嘱託蚕業普及員の廃止というのは、これは決定的ですよ。これが大きく農家の生産意欲を減退させる要因であることは間違いないと思います。今度の法改正が日本の伝統的な養蚕業の衰退につながらないように、発展につながるように、そこは大臣以下ぜひ今後ともしっかりやっていただきたいということをお願いをしておきます。
 それから、今度の法改正で、いわゆる一条の目的のところの改正の中で、先ほども議論が出ましたけれども、環境と調和のとれた農法という、いわゆる環境保全型農業を普及の対象にするんだということと、それから、効率的かつ安定的な農業経営、いわゆる経営相談というものを重要な任務としてつけ加えているのでありますが、こういう法律の中にこういう条項を入れて目的としたということについては、私は評価します。しかし、実際問題として可能なんだろうか、そういう条件が整っているんだろうかということについて非常に心配をするわけなんでして、環境保全型の農業については、昨年のJAS法の改正等々の中でも、日本の農業において、農政の中にいわゆる有機農法等々がどれだけ位置づけられているか。先ほどの議論については、私は何ら位置づけられていないと思います。まだぴしっとなっていないと思います。関係者によると、まず土地改良から始めなくてはならない、土質の。大体三年聞ぐらいは収入ゼロと思わなければ、本格的な有機農法、いわゆる環境保全型農業というのはできない。そういう現状から見れば、ぴしっと日本の農政の中に位置づけない限りはできない。まだそこは位置づけられていないし、同時にまた、環境保全型農法とは何なのかという、農法的にも何ら整理されてないというふうに私は現時点で言わざるを得ない。
そういう状況の中で、目的の中に入れたことはいいのだけれども、現実的にその辺はどう指導していくのだろうか。そこを普及員、専技の皆さんにも今求められるのだろうかというところが非常に心配だということが一つ。
 それからもう一つは、経営ということを言っているのでありますけれども、いろいろ普及員の皆さんから聞くと、正直な話、そんな簡単じゃないよ、こう言うのですね。そこで、まず一つは、環境保全型云々を言っているけれども、それは可能なのかどうなのかということ。それから、経営指導と言うけれども、具体的に何をしようとしているのか、どんな中身を普及員の皆さんに求めているのか、ちょっとそこを聞かしてください。
#81
○日出政府委員 先生のお尋ねのまず前段でございますが、法律の目的規定に「能率的で環境と調和のとれた農法」を挙げている、これが果たして可能だろうかという話でございます。
 先生のお話は、まことにある意味ではごもっともでございます。大変難しい課題を改良普及の組織に与えたといいますか、与えられているといいますか、私どもはそういうような認識のもとにこれを目的規定に挙げたわけでございますが、ただ、今環境保全型農業の推進ということ一つとりましても、総体的なコンセンサスはできております。しかし、現場に参りますれば、例えば水田農業一つとりましても、昨年の不作の次の年に、環境保全型農業ということで、農業や肥料を少しでも落とすような農法をとるべきだなどというのはなかなかしみてまいりません。しかし、確かにコンセンサスは少しずつ出てまいりました。
 あるいは具体的に先ほど有機農業の話が出てまいりましたが、具体的ないろいろな形のものは各地で実は行われてきていることも事実でございます。今体系的にまだ整理されていないということはそのとおりでございますが、これに関する技術が日進月歩でございます。今私どもが当面考えておりますのが、例えば化学肥料を減らすという前提での水田側条施肥技術でありますとか、あるいはこれも同じように化学肥料の減につながりますが、地方増強作物の導入でありますとか、あるいは水田の不耕起栽培でありますとか、あるいは性フェロモンによります防除でありますとか、いろいろな技術が少しずつ現場段階で使われ出しているということがございます。私どもは、これを体系的に整理するだけではなくて、現場で行われておりますこういう新しい農法をどういう形でやったら効果的に支援できるのかといった課題を、大変重い課題だと思いながら、普及組織として、こういったことが一般化されつつある中で、やらざるを得ない責務ではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
 それからもう一つ、後段でお尋ねになりました効率的、安定的な農業経営の育成ということで、これは具体的に経営指導ということをやっていくのだけれども、これもうまくできるのかということでございますが、確かに、今一万人の中で経営について何らかの形で物を言えますのは、四、五百人の方だろうと思います。ただ、先ほどちょっと私申し上げましたように、民間の企業に出向するとか、あるいはビジネススクールに行くとか、今そういった意味で経営管理能力の急速な向上のための研修等も急いでおります。そういった中で、私どもは重点的に、例えば財務管理に必要な財務諸表のつくり方とか、あるいは労務管理だとか、あるいは当然のことながら簿記記帳でありますとか、こういった幾つかの点について重点的に普及指導をしていくところからまず始めたいというふうに考えているわけでございます。
#82
○前島委員 帳簿をどうする、パソコンを使えなんというものをこの経営相談に期待しているものじゃないのだろうと私は思う、これは農家の皆さんだって、最近の若い人たちはみんなそうしているようになっているのですから。ここで言う経営相談というのはいわゆる経営コンサルタント的なもの、僕はそこだろうと思うのですよ。例えば、今で言えば、有機農法に切りかえるかどうかとか、そういう経営コンサルタント的なものでなければ意味がないのであって、ある意味だったら、これは事によったらリスクをひっかぶるようなことを農家の皆さんと相談する、指導するという形になるだろうと思う。そうすると、今の農家の皆さんはそう簡単に、自分の資産だ、帳簿だ云々をさらけ出すような状況にないと私は思う。相当の高度の知識と、農民の、農家の皆さんとの信頼関係というものがないと私は成り立たないと思う。言うだけで終わってしまう。単な喝情報だとか状況だとか帳簿をつけなさいだとか、ここでパソコンで計算しなさいという程度で終わってしまう危険性があるのではないだろうか。言う以上は、ぴしっと本当に農家の経営相談にあずかるようなものでないと意味がないのじゃないか。そこを心配しますので、ちゃんとやってほしいということが一つ。
 それから、今度の普及事業の基本的な流れの中で、十二月に出たいわゆる新普及事業研究会の報告をじっと見てみますと、新農政の考え方がもろに出てきている。てきめんに出てきているのですね。例えば、この普及事業の目標の明確化だとか、重点化だとか、効率化だとか、経費の重点配分、こういう新農政の思想が一番もろに出てきているわけですね。これが具体的にこの普及事業としてどうなってくるのだろうかということなのであります。
 この研究会の報告並びに今度の法改正等々を見ますと、私があえて整理をすると、どうも今度の法改正によって、普及事業とか普及対象者を非常に特定しているのじゃないだろうかというふうに思えてならないわけなのであります。いわゆる一連の新農政の中の認定農家を対象にした普及事業に絞ってしまうのだ、特定化してしまうのだ、こういうふうに思えてならないのです。今までの専任の技術員も直接農家を指導されるようになったというふうな形ですね。それを私がなぜあえて言うかというと、普及協力委員制度という新たな制度をつくっているということなのですね。これはボランティアでしょう。私はこの普及協力委員制度がボランティアで、みんなでやっている仲間意識といいますか、共同意識といいましょうか、協同組合意識という考え方が前提であるならば私は協力委員制度というのは有効に働くのだろうと思うけれども、片っ方で、新農政というのは市場原理の導入云々という形の中でもってという考え方があるのですよ。これは基本的には矛盾する考え方なのですよ。それをあえて矛盾しないと言うならば、任務を分担させるのだ。いわゆる普及事業の対象者は認定農家、専業農家に偏る。もう絞るのだ。そして、普及協力委員というのはその他の人たちのところをカバーしてもらうのだというふうにあえて理解、読めなくはないというふうに私には思えてならないのです。これがまたこの十二月に出た新普及事業研究会の報告書の基調であり、根底である。それがこういう形に制度的に出てきたというふうに思えてならないわけなのであります。果たして、それていいだろうか。この普及制度というのが非常に特定化してしまって、偏ってしまっているというふうに思えてならないわけなのですけれども、その辺のところを私は非常に心配するわけなのです。そういうことはないのかどうなのか。
#83
○日出政府委員 この場で新政策の中身について詳しく申し上げることは避けますが、先生お話しのように、新政策は経営体を育てるというだけでなくて、環境保全型農業でありますとか、いろいろな問題意識を盛り込んでいるわけでございます。私どもが新政策の考え方でこの普及の事業の整理をすると言いました一番最初にそれがあらわれますのが、先生お話しの目的規定でございます。ただ、目的規定は、先ほどから何度も申し上げておりますように、効率的で安定的な農業経営の育成ということで、安定的といいますのは、効率一辺倒ではなくて、まさしく安定的な経営体をつくっていくということでございますし、さらに能率的で環境と調和のとれた農法の発達、あるいは地域の特性に即した農業の振興ということで、実は効率一辺倒の農業経営体をつくるという前提
で私どもは今後の普及事業の基本目標を整理したという気はしてないわけでございます。
 そういう意味で、この対象となります農業者の方も、既に相当の経営規模に達している農業者の方だけではなくて、例えば経営に意欲を燃やしているような小規模の方もおられましょうし、あるいは小規模でございますけれども有機農業とか環境保全型農業を一生懸命やりたいという方もおられましょうし、あるいは中山間で非常に特色のある農業経営をしたいという方も入ってまいりますでしょうし、私どもは、そういう意味でいいますれば、かなり幅広く現下の農政に対する課題をこの普及事業が担って、これから進めていくということを明らかにした、こういうふうに理解しているわけでございます。
#84
○前島委員 時間が来ましたからもう質問はやめますけれども、ともかくこの市場原理の導入と環境保全型農業云々と相矛盾することは間違いないので、この普及事業も偏らないように、開かれた普及事業であるように、それから地域の農家の皆さんの役割を担うように、そういう方向で運営されるように、ぜひその点は注文としてお願いをして終わりたいと思います。
#85
○竹内委員長 藤田スミ君。
#86
○藤田委員 農業改良普及員は、我が国の農業の発展にとってこれまで本当に大きな役割を果たしてきました。それは、農業技術の発展の上でも、農家経営や農村生活の改善の上でも、また農村における女性の地位向上の上でもです。そして、今日もなおその役割の重要性については改めて言うまでもありません。
 ところが、法律の目的規定の改正、一言で言えば新政策の方向に対応した普及事業の明記です。これは、対象農家を重点化するものにはなりませんか。新普及事業研究会の報告を見ますと、
 今後の普及活動の対象については、自らの経営の改善に意欲的な経営体及び経営体を指向する農業者、あるいは地域全体で農業経営を改善しようとする組織経営体の構成員等農業経営の発展に意欲を有する者を重点対象とする必要があり、農業所得にあまり依存しない農家は普及事業の対象としてとらえないこととする。
こういうふうに書いてあります。これは、現場の農家の皆さん、普及員の皆さんも大変心配している言葉です。
 普及重点化を進める余り、その他の農家を対象としないなどというようなことはあってはならないわけでありますが、今後とも、特定の農家に限るということではなく、日本の農業全体の振興等のために活動を行う、こういう立場に立てますか。
#87
○日出政府委員 先ほども申し上げたわけでありますが、本法案で今後の協同農業普及事業につきまして、四つの基本目標を掲げているわけでございます。効率的でかつ安定的な農業経営の育成、それから能率的で環境と調和のとれた農法の発達、それから地域の特性に即した農業の振興、それから農村生活の改善でございます。この四つの目標をこれからこの協同農業普及事業の基本的な目標といたしまして、事業を進めていくわけでございます。
 先生御案内のとおり、そういうことでお考えいただきますれば、効率的かつ安定的なということで、効率一辺倒でない農業経営の育成ということは当然のことといたしまして、環境保全型農業を実践するあるいは実践しようとしている農家、あるいは中山間で特色のある農業経営をしようとしている農家等々がかなり幅広く入ってくるわけでございます。そういう意味で、何か新政策の議論が誤って伝えられていると思いますが、単一経営、大規模型の単一経営を進めるためだけに今後の普及事業が重点化されるということでは全くないというふうに理解をしております。
#88
○藤田委員 要するに、農家一般から特定農家に限定するというものにはなっていない、幅広く、現在農業経営を行っているところは対象とするというふうに解釈していいのですね。一言で結構です。
#89
○日出政府委員 そう思っております。
#90
○藤田委員 さらにまた、その重点化が生活関係の普及事業の軽視につながるのではないかという懸念も関係者からも出ています。これも研究会の報告を見ますと、「生活関係の普及活動において重点的に取り組んできた個別農家の内部で完結するような衣食住の改善の問題については、個々の農業者に委ねるべきである」、こういうふうに書いています。私は、もうこれを読んだときに、本当に随分認識が浅いというか、いいかげんだなというふうに思いました。
 現在、生活関係普及指導員は、単に衣食住の改善にとどまっておりません。その地域のグループ活動を基本にして、その地域にある新たな特産品の開発に取り組んだり、あるいはまた、ハウスなんかの農業との関係、それからまた、このごろはミカンジュースが余っているといって、いっときはジュースが農家にたくさん持ち込まれまして、水がわりにそんなものを飲んで糖尿病が出てきているとか、そういう健康管理に取り組んだり、あるいは農家婦人の農家経営へのかかわりというようなものを指導したりして、女性の自立や社会的地位向上のための意識改革の上でも大きな役割を果たしてきたのです。さらに、消費者と生産者をつなぐ橋の役割もこの普及活動、生活関係の普及活動を通じて果たしてこられました。
 こうした今日の状況に応じた生活関係の普及員の役割を十分認識するべきであるし、私は、これが軽視されることのないよう今後の事業展開を求めるべきであります。皆さんの御認識はいかがですか。
#91
○日出政府委員 私どもは、この生活関係の普及事業のあり方につき雲して、農家ベースから農村ベースに広げて物を見たいと申し上げましたのは、実は昭和二十三年の農業改良助長法の制定以来、この生活関係の普及事業につきましては、農家の被服、栄養、住宅などについての劣悪な状態を改善するために、家庭内の衣食住に関する生活技術をその中心的な内容としてきたことから、当初の目的はおおむね達成したであろうということで、さらに農村の問題に広げていこう、こういったわけでございます。
 先生今お話しのような女性の問題、あるいは高齢者を含みます農業者の労働の改善の問題でありますとか、あるいは生活設計の問題でありますとか、これは個々の農家で完結しない問題でございます。今後の生活関係の普及事業の中心課題としまして、快適な農村環境をどういうふうに形成していくのか、あるいは農業労働の改善をどのように進めていくのか、あるいは新しい農家経営の確立ということで、家族員の役割分担をどういうふうにしていくのか、こういった問題は、私どもとすれば、個別の農家を越えた大きな農村生活全体として考えていく問題だと思っているわけでございます。
#92
○藤田委員 だから、個々の農業者で完結できる、内部で完結できるような衣食住の改善の問題については、もうとうの昔にそういう役割はほとんど果たしながら、しかしそれからなおずっと事業を発展させているのです。だから、いみじくも新普及事業研究会報告なんて銘打っているものの中にこういうことを書いていること自身が私は大変奇異だと思う。
 したがって、もう一度、今後とも生活改良普及事業には力を入れていく、こういうふうなお立場だというふうに認識していいですね。そうとかそうでないで結構です。
#93
○日出政府委員 農業につきましては、生産と生活が共通の場で営まれております。そういう意味で、生産面での改善と生活面での改善が密接に関連するわけでございます。両者を切り離すわけにはまいりません。そういう意味で、今後の改良普及事業の中身として、今先生お話しのように、生活関係の事業につきましても大いに重視してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#94
○藤田委員 今回の改正で普及協力委員の制度が導入されました。農業または農業に関連する事業
について識見を有する者のうちから普及協力委員を委嘱するということでありますが、具体的にどのようなものについて、だれを委嘱するのか明確でありません。この点を具体的に示していただきたい。さらに、委嘱する分野のうち、特に生産地中心の技術から流通、加工などに関連する分野では、特にその専門家となると企業の関係者も含まれてくることはもう必至であります。普及事業への企業の参入に道を開くことになりはしませんか。普及協力委員に企業人がかかわるということになりましたら、いわばお上のお墨つきで特定の企業に有利な働きを進めるということになるわけであります。そういう結果になるだろうということは十分懸念されます。普及事業そのものは公の事業でありまして、いやしくも特定の企業にビジネスチャンスを与え、利害につながるようなことがあってはならないというふうに考えますが、いかがですか。
#95
○日出政府委員 普及協力委員でございますが、一つは、農業生産の面で指導農業士の方々、これが想定されるわけでございます。もう一つは、先生ちょっとお触れになりましたが、農産物の加工品、こういうものの製造でありますとか流通でありますとか、こういったものにつきましての生きた情報なりノウハウをある程度お持ちになり、助言を行うことができるような農業関連の異業種の方々、こういう方々も当然ボランティアとして入っていただきたいというふうに考えておるわけでございますが、いやしくもこういった協力活動が個別の企業活動の利益につながるような方につきましては、もちろん普及協力委員として委嘱しない考えではございます。ただ、私どもとすれば、こういった農産物の生産面は加工、流通、消費を通じて初めて価値が認められるものであります。そういう意味で、改良普及員に対する助言を与える立場として、こういった普及協力委員制度というものは大変今後大事になってくるであろうというふうに考えたわけでございます。
#96
○藤田委員 企業関係の皆さんは、わざわざこういうことをしなくたって十分流通や加工にかかわっておられますよ。十分今でも指導したり、助言したりして、一定の、そのものが仕事、販路を広げる仕事として活躍しておられるわけですよ。だから、私はそういう点では、こういうふうに普及協力委員という位置づけをもって、わざわざそれで企業が結局利害を持ってかかわってくるということは、もってのほかだというふうに言わざるを得ないわけであります。
 もう一つの問題は、今回の蚕業に関する指導事業と協同農業普及事業の統合に、蚕業農家や蚕業指導所の職員の皆さんは指導の停滞や混乱が起こりはしないかと大きな不安を持っています。
 私は、先日埼玉県の北部蚕業指導所に行ってまいりましたけれども、例えば職員の皆さんは、蚕業と農業の普及事業の活動の違いから、統合された場合に現在の指導体制が維持できるのかどうかということを問題にされているわけです。関係農家は、蚕業指導所がなくなると、それでなくても厳しい今日の状況の中で切り捨てられるような思いがする、そういうふうに非常に大きな打撃を与えられています。もちろん、今のように細かい指導が受けられるようになるのかどうかということも心配をしているわけです。この点については、日本農業会議所も「蚕業指導の体制がいささかも後退・弱体化することのないよう万全の措置を講じること。」ということを求めておられますけれども、万全の措置をとる意思があるのか、とるならどのような措置を講じるのかを明らかにしていただきたい。
#97
○日出政府委員 まずその前に、先ほど少し言葉が足りなかったかと思いますが、普及協力委員につきまして、当然のことながら農業関連異業種の民間の専門家が入ってくるということで、企業というお言葉が出ましたが、私どもが想定しておりますこの普及協力委員は、その活動自体が地域に根差した取り組みだということでございますので、地域内の企業経営主なり組合なりでの技術担当者、こういう方々が入ってくるわけでありまして、私ども、一般的にはこういった企業活動の利益につながるような方が入ってくるとは考えてないわけでございますが、この点につきましては、先生のお話もございますのでよくよく留意したいと思っている次第でございます。
 それから、ただいまお尋ねの蚕糸の関係で、蚕糸の技術改良普及事業と協同農業普及事業の統合によりまして養蚕業につきましての普及指導が後退しないように万全の措置をとる気はあるか、こういうお尋ねでございます。
 先ほど何人かの先生方にも申し上げましたように、養蚕業の減退といいますか、これに歯どめをかけるということが今私どもの喫緊の課題だというふうに考えている次第でございます。そういう意味で、今回は統合ということを考えますが、具体的には、今あります蚕業技術指導所、これは地域農業改良普及センターと統合いたしまして、蚕業改良指導員はこの地域農業改良普及センター所属の改良普及員といたしまして養蚕農家に対する普及指導を行うことになります。あるいは嘱託蚕業普及員につきましては、生産性の高い産地育成を推進するために、一定期間養蚕団体に置かれます養蚕産地育成推進員として、これまでやってまいりました稚蚕共同飼育所に対する指導等、あるいは養蚕農家に対する指導等を引き続き行ってもらうということで、一般の指導体制の円滑な移行につきましてはよくよく留意してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#98
○藤田委員 最後の問題になります。
 農業改良普及事業と蚕業の指導事業が統合される、組織としておっしゃるように統合していくわけですが、その際、蚕業指導所は普及所の一つの課になるのですか、課も置かないということになるのですか、あるいは事務所はどうするのか、その辺についてお聞かせください。
 大事なことは、この統合が職員の削減につながらないか、この点ではつながらないと約束していただけますか。農業改良センターに名称を変えることで、これを機会に統廃合、人減らし、そういうことにつながらないと約束してくださいますか。
#99
○日出政府委員 今回の統合によりまして、職員の削減がないように極力意を用いてまいりたいと思っておる次第でございます。
#100
○藤田委員 極力では困るわけです。これは、充実させるという先ほどのお言葉なら、決してそういう統廃合、人減らし、そういうものにつなげていかない、そういうものじゃないということを、大臣、最後にはっきりおっしゃってください。
 これで終わります。
#101
○日出政府委員 ちょっと言葉足らずでございましたが、統合によりまして蚕業の問題以外のそもそもの農業改良普及の問題につきましては、先ほど申し上げました新規就農でございますとか、幾つか新しい事業がふえてまいります。むしろ行政需要としてはふえてくるという理解のもとで、現在の人員をどういうふうに能力アップをしながら動いていただくか、そういう問題意識でおるわけでございます。
#102
○藤田委員 とにかく、複合経営と一口に言っても、今まで余り関係のなかった花をつくり出したり、花をつくっているところで野菜も一緒にしたり、いろいろそれによって土が変わってきたり、それから生育の仕方も非常に難しくなったり、本当に、することは大変なんです。だから私は、農業改良普及事業というのはますますこれから求められているというふうに思っておりますので、そういう人減らしには絶対にならないということを約束をしていただいたというふうに解釈をして終わります。
#103
○加藤国務大臣 お考え、よく承っておきます。
#104
○藤田委員 終わります。
#105
○竹内委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#106
○竹内委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。藤田スミ君。
#107
○藤田委員 私は、日本共産党を代表して、農業改良助長法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 我が国の農業及び蚕業の振興にとって、農業改良普及所及び蚕業指導所が果たしてきた役割は大きなものがあり、今後ともその役割は大きく、農業者の期待も大きいものがあることは言うまでもありません。
 今回の農業改良助長法の一部改正には、協同農業普及事業、蚕業普及事業の発展を阻害しかねない内容が含まれております。
 問題点の第一は、法の目的を、新政策に即して改定している点であります。これは、対象農家の重点化、相談、情報提供活動中心の普及活動への改悪であります。さらにまた、「農業生産の増大」の文言の削除は、普及事業の本来の目的とすべき自給率向上を放棄するものにつながるものであります。
 第二は、養蚕業に関する普及事業の協同農業普及事業への統合と地域農業改良普及センターへの改組であります。これは、これまで推し進められてきた臨調行革路線による普及所の統廃合の延長線上にあるもので、かつ、蚕業の振興、農家サービスの低下につながり、何より養蚕農家に打撃を与え、これが養蚕業の衰退に拍車をかけかねません。
 第三は、普及協力委員制度の新設であります。民間の専門家を普及協力委員に委嘱することで、普及事業への企業参入に道を開くおそれがあるものです。
 以上のような問題点を持つ本法案には、反対であります。
 今後とも、改良普及事業が農業及び蚕業の振興発展に資するよう運営されることを求めて、反対討論といたします。
#108
○竹内委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#109
○竹内委員長 これより採決に入ります。
 農業改良助長法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#110
○竹内委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
#111
○竹内委員長 この際、本案に対し、中川昭一君他四名から、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。仲村正治君。
#112
○仲村委員 私は、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風を代表して、農業改良助長法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農業改良助長法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  農業改良助長制度が農業技術の革新と普及とを通じ、我が国農業の発展と農村の近代化に果たしてきた役割は高く評価されている。
  近年の農業・農村は、農業労働力の農外への、流出、高齢化の進行等による地域社会の活力の低下と農業経営の多様化がみられる中で、環境問題への対応、構造政策の一層の推進など喫緊の課題を抱えており、協同農業普及事業の果たす役割はますます重要なものとなっている。
  よって政府は、本法の施行に当たっては、これらの情勢に対応し、地域社会の活性化等の諸問題にも適切に対処できるよう、左記事項に万遺憾なきを期すべきである。
    記
 一 蚕業改良普及事業を協同農業普及事業に統合するに当たっては、養蚕農家に対する指導体制が後退することのないよう、人員の適正な配置、予算の確保等に十分配慮すること。
   また、我が国の伝統産業である蚕糸・絹業を支える養蚕業の今後の展開方向を明確化すること。
 二 二十一世紀に向けて普及事業が新たな使命を十分に果たすため、普及事業に対する農業者の多様な要請に的確に応えられるよう、その制度としての安定性を確保しながら、普及協力委員制度の活用も含め事業推進体制の一層の整備、地域の特性に応じた普及指導活動の実施等その事業運営の充実に努めること。
 三 普及職員が新たに担うこととなる役割の重要性にかんがみ、新しい技術、経営等の普及指導に係る研修の強化に努めること。
   また、個々の普及職員の専門技術が活用できるよう適正な配置に配慮すること。
 四 地域農業改良普及センターが地域農業の普及指導の拠点としての機能を十分果たせるよう、その連絡調整機能や情報提供機能等の整備充実に努めるとともに、関係機関等との連携を一層強化すること。
   また、普及情報データベースの整備に努め、技術等の普及の迅速化を図ること。
 五 農業者研修教育施設が次代の農業を担うへき人材を養成する中核的施設としての役割を果たすことができるよう、その研修教育内容の充実強化に努めること。
 六 新規就農を促進するに当たっては、現在実施されている各般の新規就農促進事業との役割分担に配意し、情報の提供、相談などに関し、相互に密接な連携を保ちつつ、普及事業の特質を活かした活動を実施すること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
#113
○竹内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 中川昭一君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#114
○竹内委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。加藤農林水産大臣。
#115
○加藤国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後極力努力をいたしてまいります。
    ―――――――――――――
#116
○竹内委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#118
○竹内委員長 次に、内閣提出、参議院送付、特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。加藤農林水産大臣。
    ―――――――――――――
 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改
  正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#119
○加藤国務大臣 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び改正内容を御説明申し上げます。
 本法は、農産加工品等の輸入に係る事情の著しい変化に対処して、農産加工業者の経営の改善を
促進するため、平成元年に五年間の臨時措置として制定されたものであります。
 その後の輸入自由化等の結果、製品の輸入が増加し、国内生産が減少する等特定農産加工業者の経営に影響が生じております。このような状況の中、特定農産加工業者は本法の活用により、新商品もしくは新技術の研究開発もしくは利用、事業の合理化等を行い、経営改善に一定の成果を上げてきたところであります。
 しかしながら、近年の景気低迷による食料消費の不振、価格競争の激化等から、自由化等の影響は、今後さらに強まるものと見込まれます。
 このため、特定農産加工業の経営改善を引き続き支援する必要があり、本法の有効期間を五年間延長するとともに、所要の規定の整備を行うこととした次第であります。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#120
○竹内委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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