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1994/06/03 第129回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第129回国会 厚生委員会 第6号
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1994/06/03 第129回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第129回国会 厚生委員会 第6号

#1
第129回国会 厚生委員会 第6号
平成六年六月三日(金曜日)
    午前九時五十二分開議
出席委員
  委員長 加藤 万吉君
   理事 衛藤 晟一君 理事 木村 義雄君
   理事 野呂 昭彦君 理事 持永 和見君
   理事 井上 喜一君 理事 山本 孝史君
   理事 網岡  雄君 理事 桝屋 敬悟君
      荒井 広幸君    伊吹 文明君
      狩野  勝君    栗原 博久君
      鈴木 俊一君    住  博司君
      田中 直紀君    田中眞紀子君
      竹内 黎一君    戸井田三郎君
      根本  匠君    藤本 孝雄君
      堀之内久男君    宮路 和明君
      山口 俊一君    岩浅 嘉仁君
      小沢 辰男君    岡島 正之君
      岡田 克也君    矢上 雅義君
      柳田  稔君    吉田 公一君
      金田 誠一君    土肥 隆一君
      森井 忠良君    青山 二三君
      久保 哲司君    福島  豊君
      三原 朝彦君    岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 大内 啓伍君
 出席政府委員
        厚生大臣官房総
        務審議官    佐々木典夫君
        厚生省健康政策
        局長      寺松  尚君
        厚生省保健医療
        局長      谷  修一君
        厚生省生活衛生
        局長      柳澤健一郎君
        厚生省社会・援
        護局長     土井  豊君
        厚生省老人保健
        福祉局長    横尾 和子君
        厚生省児童家庭
        局長      瀬田 公和君
        厚生省保険局長 多田  宏君
        厚生省年金局長 山口 剛彦君
        社会保険庁運営
        部長      佐藤 隆三君
 委員外の出席者
        環境庁企画調整
        局環境保健部保
        健業務課特殊疾
        病対策室長   清水  博君
        農林水産省農蚕
        園芸局植物防疫
        課農薬対策室長 柿本 靖信君
        労働省職業安定
        局民間需給調整
        事業室長    井原 勝介君
        厚生委員会調査
        室長      高峯 一世君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十一日
 辞任         補欠選任
  園田 博之君     三原 朝彦君
六月一日
 辞任         補欠選任
  柳田  稔君     中野 寛成君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 寛成君     柳田  稔君
同月三日
 辞任         補欠選任
  田中眞紀子君     田中 直紀君
同日
 辞任         補欠選任
  田中 直紀君     田中眞紀子君
    ―――――――――――――
六月一日
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三五号)
五月三十一日
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(林義
 郎君紹介)(第二〇八七号)
 同(森井忠良君紹介)(第二〇八八号)
 同(古賀敬章君紹介)(第二一八五号)
 重度戦傷病者と妻の援護に関する請願(新井将
 敬君紹介)(第二〇八九号)
 同(宇野宗佑君紹介)(第二〇九〇号)
 同(河本敏夫君紹介)(第二〇九一号)
 同(野田毅君紹介)(第二〇九二号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第二一八六号)
 骨髄移植医療体制の充実と拡充に関する請願
 (相沢英之君紹介)(第二〇九三号)
 同外三件(石田幸四郎君紹介)(第二〇九四号
 )
 同(今村修君紹介)(第二〇九五号)
 同外一件(上田晃弘君紹介)(第二〇九六号)
 同(五島正規君紹介)(第二〇九七号)
 同外七件(関谷勝嗣君紹介)(第二〇九八号)
 同(中谷元君紹介)(第二〇九九号)
 同(山元勉君紹介)(第二一〇〇号)
 同(今村修君紹介)(第二一四一号)
 同外七件(小森龍邦君紹介)(第二一四二号)
 同(五島正規君紹介)(第二一四三号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第二一四四号)
 同外五件(田中昭一君紹介)(第二一四五号)
 同(中島武敏君紹介)(第二一四六号)
 同外一件(畠山健治郎君紹介)(第二一四七号
 )
 同(三野優美君紹介)(第二一四八号)
 同外三件(村山富市君紹介)(第二一四九号)
 同(山元勉君紹介)(第二一五〇号)
 同(粟屋敏信君紹介)(第二一九四号)
 同(池端清一君紹介)(第二一九五号)
 同(石破茂君紹介)(第二一九六号)
 同(稲葉大和君紹介)(第二一九七号)
 同(今村修君紹介)(第二一九八号)
 同外四件(上田晃弘君紹介)(第二一九九号)
 同外五件(枝野幸男君紹介)(第二二〇〇号)
 同(金田英行君紹介)(第二二〇一号)
 同外六件(熊代昭彦君紹介)(第二二〇二号)
 同(五島正規君紹介)(第二二〇三号)
 同外四件(白沢三郎君紹介)(第二二〇四号)
 同(関山信之君紹介)(第二二〇五号)
 同外十件(富田茂之君紹介)(第二二〇六号)
 同外二十件(穂積良行君紹介)(第二二〇七号)
 同外二件(前田武志君紹介)(第二二〇八号)
 同外七件(松田岩夫君紹介)(第二二〇九号)
 同(三野優美君紹介)(第二二一〇号)
 同外九件(山岡賢次君紹介)(第二二一一号)
 同(山元勉君紹介)(第二二一二号)
 同(池端清一君紹介)(第二二四七号)
 同(稲葉大和君紹介)(第二二四八号)
 同(今村修君紹介)(第二二四九号)
 同(五島正規君紹介)(第二二五〇号)
 同(桜井新君紹介)(第二二五一号)
 同(土肥隆一君紹介)(第二二五二号)
 同(村山達雄君紹介)(第二二五三号)
 同(山元勉君紹介)(第二二五四号)
 同外八件(米沢隆君紹介)(第二二五五号)
 国民年金初め公的年金制度の改善に関する請願
 (中島武敏君紹介)(第二二二四号)
 同(池田隆一君紹介)(第二二一三号)
 豊かな老後のために公的年金制度改善に関する
 請願(東中光雄君紹介)(第二一三五号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二一三六号)
 同(北沢清功君紹介)(第二二四一号)
 年金水準の確保及び年金の併給調整の緩和に関
 する請願(小沢鋭亡君紹介)(第二一三七号)
 同(亀井善之君紹介)(第二一八三号)
 同(松田岩夫君紹介)(第二一八四号)
 国民本位の公的年金制度改革に関する請願(藤
 田スミ君紹介)(第二一三八号)
 同(正森成二君紹介)(第二一三九号)
 同(川島實君紹介)(第二二四六号)
 豊かな老後のための公的年金改善に関する請願
 (矢島恒夫君紹介)(第二一四〇号)
 医療保険制度の改善に関する請願(田中昭一君
 紹介)(第二一七四号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第二一七五号)
 同(日野市朗君紹介)(第二一七六号)
 同(土肥隆一君紹介)(第二二五六号)
 同(山元勉君紹介)(第二二五七号)
 公共の場などの禁煙・分煙の法制定に関する請
 願(岩佐恵美君紹介)(第二一七七号)
 同(寺前巖君紹介)(第二一七八号)
 国民本位の年金制度改革に関する請願(古堅実
 吉君紹介)(第二一七九号)
 豊かな老後のための公的年金制度改善に関する
 請願(志位和夫君紹介)(第二一八〇号)
 人権保障に基づく障害者施策の確立に関する請
 願(池端清一君紹介)(第二一八一号)
 同(池端清一君紹介)(第二二四四号)
 同(森井忠良君紹介)(第二二四五号)
 年金水準の確保に関する請願(吹田ナ君紹
 介)(第二一八二号)
 療術の制度化促進に関する請願(古賀誠君紹介
 )(第二一八七号)
 同(中西啓介君紹介)(第二一八八号)
 同外三件(船田元君紹介)(第二一八九号)
 同(増田敏男君紹介)(第二一九〇号)
 同(山崎拓君紹介)(第二一九一号)
 男性介護従事者の養成・確保と介護従事者の待
 遇改善に関する請願(小坂憲次君紹介)(第二
 一九二号)
 同(村井仁君紹介)(第二一九三号)
 臓器移植法の早期成立に関する請願(森井忠良
 君紹介)(第二二四〇号)
 病院給食の自己負担拡大・有料化等健康保険の
 改悪反対に関する請願(左近正男君紹介)(第
 二二四二号)
 同(森井忠良君紹介)(第二二四三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三五号)
 厚生関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。根本匠君。
#3
○根本委員 自由民主党の根本匠であります。私は、まず、ゴールドプランと特別養護老人ホームの問題につきましてお伺いしたいと思います。
 ゴールドプランにつきましては、既に御案内のように、平成二年度を初年度といたしまして十カ年戦略でやっておりまして、今折り返し地点にかかっております。特に、このゴールドプランは、施設整備水準の目標を明示した、それから具体的な事業費の規模を明らかにした、こういう点で私も、着実に実施する計画として大変高く評価しておりますが、現在のゴールドプランの進捗状況、そして現段階での進捗状況に対する評価、この点を大臣にお伺いしたいと思います。
#4
○大内国務大臣 お尋ねをいただきましたゴールドプランの中で、特に特別養護老人ホームの進捗状況でございますが、これまでのところ、私どもが計画してまいりました計画がほほ順調に推移していると認識しております。
 なお、お尋ねの特別養護老人ホームにつきましては、平成十一年度までに御案内のとおり二十四万床整備することにいたしておりますが、平成五年三月末におきましての実績では十九万六千二百七十九床となっておりまして、これは計画の一〇二%に相当するわけでございますが、順調に整備が進んでいるということを御報告申し上げます。
#5
○根本委員 ゴールドプランにつきましては、全国の整備水準の目標を示したものでありますが、地域に落としてみますと、地域のニーズはそれぞれ異なっておりまして、地域によっては需要と供給のアンバランス、あるいは地域に偏在する、そういった問題が生じている地域もあります。地域にブレークダウンした場合のこの状況をどう評価し、どう分析されているか、この点をお伺いしたいと思います。
#6
○大内国務大臣 確かに御指摘のような、地域によって需要と供給のバランスを欠く面が出ております。特別養護老人ホーム等の老人福祉施設につきましては、ゴールドプランに基づきましてその整備を行っているわけでございますが、その整備に際しましては、各都道府県、指定都市から毎年協議を受けまして、整備の必要性等適正配置の観点から審査を行った上で、補助金をつけているわけでございます。しかしながら、御指摘のように、一部の地域におきましては、土地の確保が非常に困難であるといったようなこと等から、結果的に整備の進捗状況に格差があることは私どもも承知をいたしております。
 今後は、各自治体が高齢者のニーズ調査を行い、必要なサービス量を明らかにした上で作成した老人保健福祉計画の実施を通じまして、適正配置が図られていくようになると考えておりますし、私どももそのような方向で努力をしたいと考えております。
#7
○根本委員 ただいまの大臣の御答弁にもありましたように、地域によっていろいろなアンバランスが生じていると思います。例えば、私の地元の郡山市、三十二万都市でありますが、実は特別養護老人ホームでできるところはほぼ整備をしてしまっている。具体的にはどういうことかといいますと、やはり医療との連携が大変重要なものですから、医療法人が特別養護老人ホームを設置する、こんな形で整備が進められているわけであります。
 現状では、三十三万都市で三百三十床の特別養護老人ホーム、これが用意されているわけでありますが、これからあと二百床の整備を進めなければいけない。ただ、現実には大きな医療法人ができるところは設置したということで、これからこのニーズにこたえていくためには、増築をしてもらう、あるいは新たに起こす、こういうことになるわけであります。ただし、増築をするにしても、医療法人の経営もそれぞれ厳しいところがありますので、やはりこれらの施設整備の促進をするためには、私は新たなる促進方策が必要なのではないだろうかと考えております。
 例えば、施設整備のやり方の工夫、地域によっては公共団体が協力、協調して、土地を公共団体が用意して、運営は福祉法人に任せる等のやり方もございますし、それから特に私は、補助基準額の問題、いわゆる実勢単価に見合った補助基準額の引き上げ、これが大きく促進する原動力になるのではないか、こう思っておりまして、これらの施設整備の促進方策につきましてお伺いしたいと思います。
#8
○横尾政府委員 まず、特別養護老人ホームの整備でございますが、これは基本的に各自治体がそれぞれ必要な量を整備をする責務を負っているわけでございまして、もしみずから進んで整備をするというような法人が見当たらない場合には、御提案がございましたような公設、民営も含めて整備をしていただくべきものと考えております。
 ただ、その際、御指摘のありました補助単価の問題、用地取得の問題というのが大変大きゅうございます。私どもとしましても、補助単価については随時実勢価格を勘案した上で改善を行ってまいりまして、本年度予算案におきましても約九%の改善を織り込んでいるところでございます。
 また、用地取得でございますが、用地取得費そのものに補助をするということはなかなか困難でございますけれども、別な手法、例えて申しますと、社会福祉・医療事業団の融資におきまして、用地取得に対する低利融資の制度を設けております。また、特に取得の困難な都市部を中心といたしまして、建物を高層化した場合の割り増しの補助金あるいは他の福祉施設等と合築をした場合の有利な条件での融資というような形で、用地問題への対応を進めているところでございます。
#9
○根本委員 特に補助基準額の単価の引き続きましての改善につきまして、ぜひ強力に推し進めいただきたいと思います。
 次に、これからの特別養護老人ホームの課題といたしましては、私は、今般公にされた福祉ビジョンの提言にありますように、高齢者の生活の継続性あるいは快適性を尊重していくための施設の療養環境の整備が必要だろう。例えば福島県では、知事がヨーロッパに調査に行ったときに、ゆとりある居住環境、療養環境、そういうものに着目いたしまして、県単独で快適スペースの確保という観点から上積みを行う、こんな措置も講じているわけでありますが、これからの多様なニーズにこたえるための基準スペースの考え方につきまして、お伺いしたいと思います。
#10
○横尾政府委員 これから大勢の方々が特別養護老人ホームで人生の最後を過ごされるようになっていくわけでございまして、御指摘のような快適な療養の環境ということは、これまで以上に大切な問題になっていくものと考えております。
 その問題に対応するためには、一つには、補助の基準面積という問題があろうかと存じます。現在、この基準面積につきましては、一人当たり三十・八三平米というところまで改善を進めているところでございます。今後は、二十一世紀の福祉ビジョンでの指摘も受けまして、さらに検討をさせていただきたいと存じます。
#11
○根本委員 福祉ビジョンに関連して、続きましてお伺いいたしますけれども、福祉ビジョンでは、施設サービスと在宅サービスを通じて目標水準の思い切った引き上げを行う必要がある、こういう提言をされております。一方で、先ほどの大臣の御答弁にもありましたように、自治体から老人保健福祉計画、これをとっておりまして、今ようやくそれが出そろった。こういうことになりますと、この思い切った水準の引き上げというものは、出そろった自治体の老人保健福祉計画を踏まえて検討されるのか、それとも、要はそれとは別に目標水準を掲げて、今の各自治体の老人保健福祉計画、これを見直しなさい、こうなるのか、あるいは目標年次が異なるのか、その辺の関連につきましてお伺いしたいと思います。
#12
○横尾政府委員 ゴールドプランの今後を考えますときには、各自治体がそれぞれのニーズ調査に基づいて計画を立てられました目標数値を踏まえまして、それを尊重して新しい水準ということを考えることはもちろんでございますが、さらに、従来のゴールドプランに含まれていなかった項目、例えば訪問看護ステーションなどもそうでございますが、そうした新たな視点も織り込んで検討すべきものと考えております。
#13
○根本委員 現在のゴールドプランをブレークダウンした老人保健福祉計画、これについては、自治体の方からはどうも財源の裏づけがない、こんな意見もございます。ゴールドプラン自体は、全体で総事業費六兆円、こう明示しているわけですけれども、受け取る側の自治体からいくと、これは必ずしも財源の裏づけがないのではないか、こんな声も聞くわけであります。この辺の財源の裏づけ措置、私はきちんとした措置を講ずるべきだと思いますけれども、それにつきましてのお考えをお伺いしたいと思います。
#14
○横尾政府委員 このゴールドプランを進めるに当たりましては、自治体の負担は、毎年度の地方財政計画において必要な事業費が計上されていると承知をしております。また、この六年度からは、それぞれの自治体の高齢化率に応じた交付税の配分というような新たな思い切った手当ても講ぜられたところでございますので、こうしたことによって、地方の負担というのも従来以上に軽減されてきたのではないかというふうに考えております。
#15
○根本委員 財源の裏づけがないという声には私はいろいろあると思うのです。
 一つは、交付税で見られていますよ、こういう話が確かにありまして、交付税措置が行われているわけでありますけれども、ただ、交付税措置というのは、特別交付税は別として基準財政需要額に算入してある、こういうことですから、要は、具体的に公共団体のどこにどう交付税が充てられたのか、この辺の結びつき、これが見えにくいという点もあると思うのですね。交付税、結果的には一般財源になるわけでありますが、要はその辺の交付税の見られ方の問題で、財源の裏づけがないのではないかという反応が一つ出てくるのだと思うのですよ。
 それからもう一つは、先ほども補助基準額の問題を取り上げましたけれども、やはりきちんと単価を見てやる、あるいは実勢に即した補助基準額の引き上げを行う、こういう見える具体的な措置をきちんと講じてやる、こういうことが私はこれから重要になってくるのだろうと思っております。この辺の改善につきましては、先ほども要望申し上げましたけれども、引き続き強力に進めていただきたいと思います。
 次に、弁護士の問題、要は介護の問題につきまして御質問したいと思います。
 先ほど申し上げました福祉ビジョンにおきましては、これからは介護を充実するのだ、特に高齢者介護、雇用、子育て対策の充実を図るという観点から、今までの年金、医療、福祉の比率五対四対一を五、三、二にするのだ、介護サービスの充実を重点に置きましょう、私は、方向性としてはこれは大変いい方向だと思っております。
 これから介護サービスの充実を図る必要がありますけれども、介護サービスの充実には、量的な拡大とともに質的な充実が必要であります。特に介護サービスの質の充実確保、これが重要だろう。こういった観点からは、介護についての技能、知識を有する有資格者の養成、これが必要だと思っております。具体的な資格制度である社会福祉士それから介護福祉士、この資格制度創設のねらい、目的、そして現状はどうなっているのか、この点についてお伺いいたしますし
#16
○大内国務大臣 御指摘の社会福祉士、介護福祉士制度の創設目的と現状についてでございますが、高齢化社会の進展に伴いまして、要介護老人に対する各種の福祉サービスを飛躍的に充実させていく必要があるわけでございますが、このためには、施設や設備の整備とあわせまして、質の高いマンパワーの確保が言うまでもなく不可欠でございます。
 社会福祉士は、要介護老人等の福祉に関する相談、指導等に当たる資格者でございまして、介護福祉士の場合は、要介護老人等の入浴、排せつ、食事などの介護を行う資格者でございます。いずれも、だれもが安心して福祉に関する相談、介護等を依頼することができる専門的能力を有する人材を養成確保するという目的をもちまして、昭和六十二年に社会福祉士及び介護福祉士法によりまして創設されたものでございます。
 養成施設の整備の進展等に伴いまして、これらの資格取得者は年々増加しておりまして、平成五年度末の登録者数というのは、社会福祉士で二千八百九人、介護福祉士の場合は三万八千百九十三人に上っておりますが、今後ともその養成には努めてまいりたいと思っております。
#17
○根本委員 今大臣の御答弁のように、資格制度が創設されたわけですが、やはり私は、資格制度を創設した場合には、これをどう活用していくのか、生きがいとやりがいとを持ってどう働いてもらうのか、そういう意味では、資格制度を創設したこととあわせて社会福祉士、介護福祉士の活用方策、これを行政として講ずることが大変重要だと考えております。この観点から、社会福祉士あるいは介護福祉士の活用方策としてどのような措置を講じておられるのか、この点をお伺いしたいと思います。
#18
○土井政府委員 社会福祉士、介護福祉士の活用方策についてのお尋ねでございますが、今大臣からお話を申し上げましたとおり、それぞれ専門的知識、技術を有する資格者でございますので、福祉の分野で最大限活用したいということで努力をいたしております。具体的には、各種の補助事業の実施に当たりまして、それぞれの活用分野というものについて、地方団体あるいはそれぞれの福祉施設の経営者にお願いをしているという形で実施をいたしております。
 例えば社会福祉士について申しますと、在宅介護支援センターへの配置、地域福祉活動、これはボランティア等の場合もありますが、そういった活動のコーディネーターとしての活用といったようなことをお願いをいたしております。介護福祉士について申しますと、社会福祉施設の主任寮母、それから、チーム運営方式におけるホームヘルプサービス事業の主任ヘルパーといったようなものへの活用をお願いをしているところでございます。
 今後とも、いろいろな形で活用方策については努力してまいりたいと考えているところでございます。
#19
○根本委員 介護福祉士の活用方策については、後ほどの質問でも申し上げたいと思いますが、要はやはり誘導措置、インセンティブの付与、これが大変重要でありますから、私は、社会福祉士、介護福祉士の活用、要は介護の質の充実という観点から、活用方策をこれからも工夫しながら、より充実した活用方策を考えていくべきだと思っております。これにつきましては、関連して、後ほどまた申し上げたいと思います。
 次に、社会福祉士、介護福祉士、この資格制度が六十二年度に創設されたわけでありますが、これからの介護の時代を考えますとやはり積極的な養成が必要だろう、特に専門学校の普及が必要だと思っております。例えば、私の福島県の地元の例でも、現在、二本松市と安達郡の七市町村が集まりまして介護福祉士の養成学校をつくろう、こういう動きが出ておりまして、これから来年度要望にかけて動きが出てくるかと思いますが、専門学校の普及について、その考え方、それからどのような支援措置を講じているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#20
○土井政府委員 介護福祉士の養成施設の増強の問題であろうかと思いますが、私どもも、先生のお話がありましたように、そういった必要性は、二十一世紀の高齢化の担い手のマンパワーの確保として、非常に重要な課題であると考えております。
 具体的には、平成四年度に、社会福祉士・介護福祉士養成施設整備費という補助制度を創設をいたしました。また、平成五年度には、そこで学ぶ生徒のために修学資金貸付制度というものを創設をして努力をしているところでございます。今後ともさらに、必要な措置については努力、検討してまいりたいと考えております。
#21
○根本委員 この専門学校の普及については、これからもぜひ努力をお願いしたいと思います。
 それから次に、介護福祉士などを抱える特別養護老人ホームの問題につきまして御質問したいと思います。
 例えば介護福祉士などを抱える特別養護老人ホーム、要は、質の高いサービスを心がけている特別養護老人ホーム、こういう非常に意識の高い、質の高いサービスを心がけている老人ホームですと、非常に人気が高いんですね。人気が高いところには非常に需要が集まりまして、例えば講師も派遣してもらいたいとか、実人員は変わらずにいろいろな業務量が非常にふえてくる、こういう実態が一方であります。ただ、これに対して、給付の面から見ますと措置費というのが一人当たり幾ら、こうなっているものですから、その努力あるいは実績が負担、給付になかなか反映されないという点がございます。ですから、私は、やはりそれぞれの特別養護老人ホームのサービスの質、内容、努力、実績、これが適正に措置費に反映されるようなことが必要ではないのか、この点について、まず一つお伺いしたいと思います。
 それから、先ほどの介護福祉士の活用方策の一つとしてでありますが、私が特別養護老人ホームを訪問しまして大変感心したのは、介護福祉士の皆さん、非常に専門的知識を有されておりますから、非常にサービスの質がいいということを一般的な感想として持ったわけですが、介護福祉機器の展示コーナーでいろいろ質問したら、要は、老人がたんが詰まったときにたんを吸引する機械、こういうものがあるわけです。これは買うとなると機械は非常に高い。
 ただ、機械は非常に高いのでありますが、ある介護福祉士さんは、あるマニュアル本を見て、掃除機に直接チューブとかをつないで簡便な装置をつくってやるとこれは大変安くて使用できる、いわゆるそういう丁寧な指導なりノーハウというものを持って指導している方もおられるということで、介護福祉機器というのは、単に機器をあてがえばいいというのではなくて、その方の状況あるいは家の広さの問題、いろいろありますから状況がさまざま異なるわけですが、やはりそれぞれに合った指導をするということも必要だろう。その意味では、介護福祉士の資格などを取って一生懸命やられている方は、やはりそれなりのきちんとした社会的評価も、あるいは経済的な面でも位置づけてやる必要があるのではないか、こんな考えも持っております。
 多少長くなりましたが、具体的に何が言いたいかといいますと、先ほどの質問に加えて、介護福祉士にインセンティブを付与するために措置費で介護福祉士の資格を持った人をカウントしてやる、こういうことが必要ではないかと思われますけれども、その点につきましてもあわせてお伺いしたいと思います。
#22
○土井政府委員 介護福祉士を措置費の算定の上でカウントできないかという御指摘かと存じます。
 現在のところは、先生のお話にもございましたように、入っている入所者一人当たりの単価というものを算定をいたしまして、それに全体の入所人員を掛けるという形で措置費を計算しておりますが、その背景には、寮母さんが何人、主任寮母さんが何人といったような職員の配置基準表というのがございます。そして、現在のところでは、そのうち主任寮母というところに介護福祉士の資格を持っている方をできるだけ充てるようにしていただきたいという形で位置づけをしておりまして、結果として見ると、寮母と主任寮母の格付の差というのが結果的には反映されている。
 しかし、それはあくまで主任寮母という形の位置づけでございまして、介護福祉士という形での位置づけではないという点で、まだまだ先生のお話と現実の積算の内容とにギャップがあろうかと思います。今後私ども検討すべき課題であろうということで、貴重な御意見として承っておきたいと存じます。
#23
○根本委員 これは、私もこれからの介護サービスの重要性を考えた場合には非常に必要な問題であるし重要な問題であると思いますので、ぜひこの点は検討をしていただきたい、こう思っております。
 それから、私は今の質問の前段で多少申し上げたのですが、要は、一人当たり幾らで、配置基準でお金をやる、こういうことで、それぞれで結構なんですけれども、いろいろな特別養護老人ホームで、一生懸命汗をかいてやっている老人ホーム、いろいろな工夫もしながら、しかも非常に人気があって、いろいろなところから引き合いもあって、職員の方が大変忙しい、そんな老人ホームがあるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、努力を適正に評価するような措置のシステムという点が必要なのではないかと思いますけれども、再度この点について、私の前段の質問についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#24
○横尾政府委員 特別養護老人ホームの役割として、私どもは、入所者の方々に適切なお世話をするということのほかに、もう一つ重要な役割として、地域の方々へのサービスを積極的にする、先ほどお話のありました介護用品等の相談に応ずるというようなこともその大事なことであろうと思っております。
 御指摘の、質の高いサービスを提供している老人ホームと、そうでない老人ホームについて差を設けるべきではないかという点につきましては、私どもは、今にわかにその質を評価して措置費の上で差を設けるということはなかなか難しいというふうに考えております。例えば、お話のございましたような地域の相談ということを積極的になさっている場合には新たな事業として在宅介護支援センターを設けていただきまして、そこの職員の中には、先ほど来御質疑のありました介護福祉士もスタッフとしてカウントしているわけでございまして、そうした新しい事業展開の中で評価を得ていただくということも一つの方法ではないかというふうに思っております。
#25
○根本委員 今の横尾局長の御答弁のように、私も、汗を流していいサービスを提供している老人ホームについて適正な評価を与えていただけるようなシステムにつきまして、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
 終わります。
#26
○加藤委員長 狩野勝君。
#27
○狩野委員 私は、自由民主党の狩野勝でございますが、医療、福祉を含めた厚生行政一般につきまして、関係大臣並びに関係部局長に質問をいたしたいと思います。
 大内厚生大臣におかれましては、羽田新内閣において再任ということでございますが、日ごろの福祉政策あるいは厚生行政に対する情熱と高い御見識のもと、一層の御活躍を御期待を申し上げたいと思います。
 さて、過般の大臣の所信表明にもありましたが、我が国は世界に例を見ない急速な高齢化、少子化を迎える中、国民が心豊かに安心して暮らせる生活先進国を目指すということ、まさにそのとおりだなと思います。二十一世紀に向けて国民一人一人が安心して真に幸福を実感できる福祉社会の実現を図っていくことであり、そういう意味では過般出たところの二十一世紀福祉ビジョンの推進を、これは大変ですけれども国民一体となっての推進努力が必要だなと思います。
 振り返ってみますと、我が国の医療や社会福祉制度も戦後四十九年、約半世紀を迎えるわけでございますが、それぞれの時代において制度の創設や改革、そしてその推進に当たり、今日の世界一と言われる長寿社会を迎えたわけでありまして、より国民生活の安定基準を形成してきたなと思います。そういう意味では、今日までの自由民主党の政策は、国民の勤勉性と相まって大方において誤りがなかったなと私は思いますけれども、まず大臣の御所見を伺います。
#28
○大内国務大臣 御案内のように、我が国の社会保障制度というのは、終戦直後の時期におきましては、大変生活に困っておられる生活保護制度等の救貧対策を中心にいたしまして各種の制度が創設されたわけでございます。そして、昭和三十年代には皆保険、皆年金制度の実現が図られ、続く四十年代にはその水準の向上が図られるなど、今御指摘のように、自民党の皆様を初め、そのときどきの多くの方々の御努力によりまして目覚ましい発展を遂げ、現在全体としては欧米諸国と比べても遜色のない社会保障制度を実現することができたと考えているわけでございます。
 しかし、社会保障については、先ほど御指摘がございましたように、超高齢化社会の急速な進展と少子社会の到来という事態を迎えまして社会保障全体の再構築を図っていかなければならない、こういう段階に直面しているわけでございまして、私といたしましては、これまでの先達の皆様の御苦労、御成果を踏まえまして、二十一世紀のそうした事態、新しい状況に対応いたしまして、国民の皆様に安心していただけるような望ましい福祉社会の実現に向けまして全力を尽くす決意でございます。
#29
○狩野委員 平成五年度の厚生白書によりますと、平成二年度において寝たきりの高齢者は全国で約七十万、平成十二年には約百万と推計されます。また、痴呆症老人は、平成二年度において全国で約百万、平成十二年には約百五十万と推計されます。総務庁の調査によりますと、国民の約八〇%が老後生活に不安を感じており、また、国民の約半数が、不安の内容として年をとってからの寝たきりや痴呆になることを挙げております。今や、介護状態になること、寝たきりになることが老後生活の最大の不安となっておるわけでございます。
 そのためには、まず要介護とならないための施策、すなわち、医療と介護をミックスした老人のための保健、医療、福祉を通じた総合的な施策が一番求められているのではないかと思います。この寝たきり老人をつくらないこと、要介護老人をつくらないことを基本理念とした、高齢者に対する保健、医療、福祉の連携のもと、疾病の予防、治療、機能回復訓練、在宅での介護・看護までの一貫サービスを提供するための拠点として、リハビリテーション病院、老人保健施設、在宅介護支援センター、保健センター、健康増進センター、看護婦宿舎等を複合させた、大変多くを網羅したところの保健医療総合センターの建設が、二十一世紀に向けた、また理想の施策として各自治体で検討、あるいはまたいろいろ企画されているようであります。
 そこで御質問いたしますが、どうもこれに対する国の助成策等は十分とは思えない。設置者たる市や町、県の負担が余りにも大きい現状を考えるとき、国としてももっと積極的な助成策を講ずる必要があると思いますが、お伺いをいたしたいと思います。
#30
○寺松政府委員 お答えいたします。
 今先生が御指摘になりましたように、まずそういう寝たきりの患者さんあるいは老人性痴呆の患者さんにならないようにするという予防の問題、それから、不幸にもなった場合には治療の問題、後のリハビリテーションの問題、いろいろ多端にわたって対応していかなければならぬことはおっしゃるとおりでございます。今先生御指摘でございますが、そういうようなことで保健、医療、福祉にわたる総合的なセンターをつくったらどうかという御質問でございます。
 現状におきましては、それぞれの個別の施設に対しまして、施設整備費の国庫補助等を通じまして整備を行っておるというのが実情でございます。そこで、この制度につきましては、もう先生も御承知でございますが、それぞれ国庫補助金の補助率の割合とかいろいろなものがございます。そのようなことは、それぞれの施設の緊急度とか重要度とか特殊性とか条件とか性格とかというのがいろいろございましょうが、そのような状態になっております。
 そこで、今先生の御指摘のようなことにつきましては、私ども十分実勢の価格の状況等々も頭に入れまして、いろいろ改善を図っておるところでございます。今後もこうした保健、医療、福祉にわたります助成措置の充実には努めてまいりたいと思っております。
#31
○狩野委員 今お話しのように、補助事業とか補助対象等がるる述べられたわけでございますけれども、要は私が一番申し上げたいのは、こういう画期的な、本当に全国でもなかなかこれは相当先進的な市でないとやらぬと思いますけれども、このようなまさにこれから二十一世紀の高齢化社会を迎える中で、本当に寝たきり老人をなくすのだという中での総合的な、多機能を有した総合的な施設には抜本的な補助を考えるべきだということを強く要望したいわけでございます。
 こういう事業の執行に当たっては莫大な費用を要し、地方財政にも大変な圧迫を与えるわけでございますが、例えばいろいろ考え方として、医療施設等の施設整備費の国庫補助も決まっているわけでございますけれども、そういう中にあっても、例えばリハビリテーション病院に関しても、さらにまた不足病床地区の病院施設事業等でも見られる点は見てあげるというような、そういう幅広い考えを持っての助成策をぜひ考えていただきたい。これが真の思いやりのある福祉政策だと思いますし、大臣のおっしゃいますような生活先進国のまさに第一歩だと思うわけでございます。
 ちょっと時間がないから具体的に余り申し上げませんが、これは全国的にもいろいろ計画しているところもあるでしょう。私の地元でも今大変画期的な企画をいたしておりますが、起債は認められますけれども、例えば一つの事業をやるに当たって二百億円余りの予算を必要といたしますが、国からの国庫補助は、今話したようにいろいろ該当するところに助成されますけれども、七千万円。二百億円余もかかるこれだけの総合事業に対して、七千万円くらいの国庫補助では寝たきり老人対策の解消はできないし、二十一世紀に向かっての高齢者ビジョン対策とは決して言えないと思うわけでございます。ぜひこういう施策の助成制度の改正を含めて対処していただきたい。
 そこで、具体的に申し上げますが、近年の土地や建築資材等の高騰等により実勢価格と国庫補助額との差が余りに大きくなっており、設置者負担は大変増大をしているわけでございます。ついては、国庫補助額の大幅な引き上げと補助対象額の拡大、補助対象額の拡大は何としても不可欠だと思いますので、重ねて所見をお伺いいたします。大英断での答弁をお願いします。
#32
○寺松政府委員 お答えいたします。
 医療施設、福祉施設等の国庫補助基準単価につきましては、従来から適宜改善を図っておるところでございます。今お願いをいたしております平成六年度予算案につきましては、最近におきます建築実勢価格の動向を踏まえながら、物価上昇分と合わせ九%の引き上げを行うことといたしております。
 また、これは補助率で補助するわけではなくて、定額補助のものもございます。その中には市町村保健センターというのがございますが、これも平成六年度予算案におきましては、補助額を八千万円から九千万円に引き上げるなど、必要な補助額の確保に努めておるところでございます。
 今後とも、実勢価格等に配慮いたしまして、国庫補助の確保充実につきましては努力を続けていくつもりでございます。よろしくお願いいたします。
#33
○狩野委員 お年寄りが入院しでほぼよくなる、完全によくならなくても、たしか普通の病院では二カ月ぐらいで退院を勧められるのではないかと思いますが、家に帰ってもまだ完全とは言えない。もちろん、リハビリ施設もないしリハビリもできない。家族もそうそう介護ができない。寝たり起きたりしている。そうこうしているうちに、ついには寝たきり老人になるというのが現況のようであります。そういうためにも、私は、病院と自宅との中間施設としての、多くの機能を持ち合わせたところのこれら保健医療総合センターの建設、この実現がますます全国的にも強くなってまいると思いますし、そういう意味であえてまた強く要望しておきたいと思うわけでございます。
 大臣、ひとつお聞きいただきたいのですけれども、こういう問題に真剣に取り組まないと、消費税の七%値上げの問題あるいはまた国民福祉税という言葉は今後なかなか出せない、私はこのようにも思うわけでございます。そこで、大臣にお伺いいたしますが、高齢化社会を迎えるに当たって、このような非常に理想的な保健医療総合センターを含めて、保健、医療、福祉の多機能な複合施設の一層の助成、充実が望まれると思いますけれども、大臣の御所見、御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#34
○大内国務大臣 さきの質問の中で保健医療総合センターというものを真剣に考えたらどうかという御提案につきましては、今政府委員から答弁をいたしましたが、私も真剣に検討させていただきたいと思っているわけでございます。
 今御指摘の保健、医療、福祉の多機能を持った複合施設の整備という問題でございますが、高齢者の持つ多様なニーズに総合的にこたえるという観点、限られた土地を有効に活用するという観点から施設の合築等を行うことは非常に有効なことであると考えているわけでございます。
 このため、平成六年度予算案におきましては、デイサービスセンターあるいは在宅介護支援センター、老人保健施設、ヘルパーステーション等を一体的に整備する在宅複合施設の創設を行うということとしているわけでございまして、今委員御指摘のような方向を前進させるために、本年度予算についても皆様にそういう問題を提起している次第でございまして、それらの問題は私どもも真剣にこれから取り組んでまいりたいと思っております。
#35
○狩野委員 大臣の一層の助力を期待いたしたいと思います。
 続きまして、障害者福祉について質問をいたします。昨年の十月、我が国においても福祉用具法、すなわち福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律が施行され、体が不自由な人への介助施策がさらに前進したことは大変私はよかったなと思うわけであります。
 私は近眼でございますが、めがねがなかったら字がなかなか読めない。同じように、手足や耳が不自由な人が人生を楽しむためにはこれを支えるさまざまな福祉用具が必要であって、これら施策について一層の努力を期待をいたしたいと思うわけでございます。
 たしか昨年の十月ごろだったでしょうか、晴海で開かれた国際保健福祉機器展には約八千点の補助器具が展示されたそうであります。例えば、手足が動かない人のための、息を吹きかけて運転できる車いす、不自由な体でも調理を楽しめる台所や器具、会話を助けてくれる道具、半身不随でもひとりでも入れるふろ、大男を簡単にベッドからいすに移すことができる介助用リフト等々が展示されたそうでございました。北欧等ではこれらが必要に応じて無料で、無償で貸し出し等もされているそうでございます。
 日本では、もちろんまだまだこれらのような新たな開発もなかなか無理がとも思いますけれども、福祉用具の研究開発及び普及の促進法ができた現在、我が国はどの程度これらの開発等に取り組んでいるか、開発をなされているか、また福祉用具対策等、普及にどのように取り組んでいるか、お伺いをいたしたいと思います。
#36
○横尾政府委員 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律は、昨年の十月一日から施行されているわけでございますが、施行後直ちに財団法人テクノエイド協会を、この法律の目的といたします研究開発と普及を行う拠点となる法人として指定をしたところでございます。
 以下、まず研究開発の状況について申し上げますと、このテクノエイド協会等を通じます民間助成あるいは国立身体障害者リハビリテーションにおける研究、またこの法律が通産省との共管の法律でございますので、通産省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOと呼ばれておるものでございますが、そこにおける研究開発が始まったわけでございまして、いずれの部門におきましても、六年度はさらなる研究開発費を予定しているところでございます。
 また普及の方でございますが、法律の制定を契機といたしまして大変広範な動きがございました。厚生省予算にかねてから計上されております、身体障害者等に補装具を給付する事業や高齢者に対する日常生活用具の給付事業の予算額を増額するほかに、医療保険の分野では、政府管掌の健康保険が加入者のために介護機器をレンタルすることを助成する、あるいは船員保険が加入者を対象にレンタル費用の助成をするというように一連の保険者サイドの動きも活発になってきたところでございます。
 私どもとしては、こうした動きを見ながらさらに必要な問題について検討をしてまいりたいと考えております。
#37
○狩野委員 ぜひひとつ一層の推進を図っていただきたいと思います。
 続きまして、福祉用具関係と申しますか、関連しまして第二点目でございますが、人口内耳についてであります。
 人口内耳といいますのは、耳の不自由な人、特に老人性難聴とか、補聴器をつければよいというのではなく、一九八〇年代の初めから世界的に普及している感覚器としての人口臓器であります。もちろん御存じと思いますが、難聴者が手術、臨床治療により聞こえるようになる高度先進医療であります。厚生省においても、一九九一年よりこの機器の輸入、これはたしか発明者というか、製作のところはオーストラリアかどこかだと思いますが、厚生省としてもその輸入と販売を許可し、本年四月より診療報酬改定で人口内耳が健康保険の適用となったこと、関係者は大変喜んでおるところでございます。昨年来大変皆さん方からの要望もいただいておりましたけれども、その英断に大変感謝いたしたいと思います。
 ちなみに医療機関での費用としては、人口内耳の埋め込みによる治療でありまして、会話等を含めての専任技術の要る二ないしは三カ月のリハビリテーションが必要であるため、機械代あるいはまた手術代として約三百五十万円。入院費等を入れますと、手術さらに会話の練習等を含めておよそ四百万円前後かかるそうでありますが、それが保険の対象になった。国民健康保険でも、たしか六万三千円ぐらいですか、そういうことで大変喜ばしいわけでございます。
 そこで、今世紀最高の発明品とも言われておりますところの内耳疾患者へのまさに朗報ですが、問題は、本年四月より保険適用となり、それ以前に手術をした人が故障や破損で使用不能となった場合の再取得や修理不能の場合での再取得等々で、しかし、それには保険が適用されないということを聞くわけでございます。またこの適用範囲においても、充電器や附属品も適用除外と聞きますけれども、せっかく長い時間をかけての尽力でございますし、皆さんの努力によって四月一日から健康保険が適用されたわけでございます。どうかひとつこの適用範囲をぜひ広げていただきたい、拡大していただきたい、このように要望いたしますし、ぜひ御答弁お願いいたします。
#38
○多田政府委員 この四月から保険適用いたしました人口内耳埋め込み術の件でございますが、再手術の場合に、再埋め込みの場合に保険適用になるかということでございます。これにつきましては、もともとそのインプラントが不良品だったとか患者が故意に壊したとかそういう場合は別といたしまして、通常に使っていただいて故障したというようなことで、医学的にもこれは再埋め込みが必要であるという場合には保険の適用をいたすことにいたしております。また、四月から保険適用になったわけでございますが、それ以前に埋め込んだインプラントが故障を起こしたというような場合でも、再埋め込みについては保険を適用するという考え方に立っております。
 なお、充電器その他の附属品の件でございますが、人口内耳の機能に必須の部品という範囲に限っては保険給付をさせていただきますけれども、ややオプション的な部分につきましては、例えば充電器ですと電池でやっているのが多いわけでございまして、充電器というのはややオプション的な性格の部分があるというようなこともございます。そういったことで、必須なものにつきまして保険給付の対象とさせていただく、こういうことにさせていただきたいと思っております。
#39
○狩野委員 保険が適用されるということでございましたが、事実使用されているグループなり団体がありますので、正確な伝達というものをぜひお願いをいたしたいと思います。
 人口内耳に関しての第二点目でございますが、手術病院以外は、これは大変高度な技術を要しますからリハビリ施設はないわけですが、この人口内耳埋め込みは専任の技術スタッフのいる医療機関でのリハビリテーションが極めて重要であると言われております。そのリハビリに欠かせない言語聴覚療法士が日本は極めて少なく、その増員と資質の向上のための国家資格化を強く要望されておりますので、ぜひこれは考えるべきだと私は思いますが、お伺いをいたしたいわけであります。
 外国では言語聴覚療法士はもうドクター並みでございまして、病院ではドクター並みな扱いを受け、大変重要な位置を占め、活躍をいたしておりますけれども、まだ日本では、こういう言葉がいいかどうかわかりませんが一事務員的な、待遇等を含めまして資格化が大変求められているわけでございます。ぜひ増員と資格化の検討に取り組んでいただきたい。
 これは余談でございますけれども、昨年十月ごろでしたか、この委員の中でごらんになった方があるでしょうか。ちょうど私は拝見いたしましたが、NHKのドキュメントで、耳の全く聞こえない、そしてどこへ治療に行っても難聴で治らない、そのお母さんが小学生二人の子供を本当に明るく育てていらっしゃる、立派に育てている、そういうテレビが報道されておりまして、涙して見たことを覚えております。実はその方が本年四月にこの手術を受けまして、私もそのテレビを見た瞬間、大変、四百万もお金がかかる、場合によっては、国会の皆さんに訴えて、そのビデオをもう一回テレビで見た中で、カンパでもして協力させていただこうかと実は思っておりましたところ、手術をいたしまして、耳が聞こえるようになったという明るいニュースを聞いたわけでもございます。大変喜んで、明るい家庭ですばらしい生活をなさっていらっしゃるというので本当にうれしく、拍手を送るわけでございます。
 聞こえない、絶望の毎日にある難聴者、失われた音を取り戻すということはまさに人間回復であります。ようやく日本にもそういう光明が見出されたわけでございますので、ひとつ特段の御配慮をいただきたい。もう一度重ねますけれども、この言語聴覚療法士の増員と資質の向上策についてお伺いいたします。
#40
○寺松政府委員 今先生御指摘いただきました言語聴覚療法士でございますけれども、関係団体の調査によりますと、医療に従事しておりますのは今千七百人ぐらいと聞いております。この言語聴覚療法士の資格制度の問題でございますが、これは前々から非常に強い要望がございます。
 そこで、私ども昭和六十二年三月でございますが、新たな医療関係職種の資格制度の在り方に関する検討会というものを設置いたしまして、いろいろな新しい職種について御検討をいただきました。そのときの段階では、これが福祉なのか医療なのかというようなことも含めまして、いろいろ関係団体の間で御意見がまとまりませんでした。そういうふうな状況であったわけでございます。そこで、そのときには関係団体の合意を得て資格化を進めるように、こういうような御指摘があったわけでございます。
 その後六十三年の十二月でございますけれども、今度は言語聴覚療法士の資格法制化を推進するというふうな趣旨で、日本医師会あるいは日本医学会などの関係団体によります医療言語聴覚士資格制度推進協議会、長い名前でございますがこれを発足させました。それと同時に、いろいろな実習、実際実務者の講習会をやるとか、あるいはこれにつきましての理解を得るべくパンフレットを作成するとか、養成校の認定制度をつくるとか、あるいは療法士の認定試験というようなこともおやりになって着々と条件づくりをしておられる、こういうふうに承知いたしております。
 この推進協議会がこの二月でございますか、基本的な考え方ということをおまとめいただきました。今その考え方を関係団体、いろいろな関係団体がございますが、そこで意見調整をやられてお
る、こう承知いたしております。
 厚生省といたしましては、こういう関係者の方々の合意を踏まえまして、言語聴覚療法士の資格法制化につきましては積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
#41
○狩野委員 難聴者にとっては大変な待望でございますので、一層の促進をお願いいたしたいと思います。
 次に、精神薄弱者対策について数点お尋ねをいたします。
 精神薄弱者通所更生施設の指導員の増員についてでございますが、現在は指導員一人で障害者七・五人に対応しなければならない。これでは十分な指導はなかなかできないし、援助はできないという声を聞きますが、増員について御検討いただけるかどうか、どうお考えか、お伺いいたします。
#42
○瀬田政府委員 精神薄弱者の適所施設の職員につきましては、先生ただいまおっしゃいましたように、精神薄弱者援護施設の設備及び運営に関する基準というものがございまして、先生おっしゃいましたように、入所者七・五人につきまして処遇に当たる職員が一人という形で配置する、そういう基準になっております。
 ただし、いろいろと職員の勤務体制の充実と負担の軽減に努める必要があるというところから、予算上の措置といたしまして実は授産施設につきましては指導員を一名配置をいたしております。それから業務省力化というふうに私たち言っておりますけれども、勤務条件の改善費という形で昭和五十六年以降逐次勤務条件の改善に努めているところでもございますし、また入所者の重度化に対応するために、実は適所施設にも平成三年以来、非常勤ではございますが介助員の経費も計上することにいたしておりまして、ただいま御審議をいただいております平成六年度の予算案におきましても、適所授産施設につきまして実は介助員をつけたいということでお願いをしているわけでございます。
 今後とも在宅の精神薄弱者の福祉の向上を図るために、適所施設におきます処遇の充実を図ってまいりたい、こういうように考えております。
#43
○狩野委員 精神薄弱者の皆さん方の地域福祉としてのグループホームの増設についてのお考えをお聞きしたいわけでございます。
 グループホームを設置することは、障害を持つ人が生まれ育った地で生活するという希望を実現する上で大変有効な方法だなと私はいつも思っております。しかし都市部では、建物をグループで確保しようといっても、なかなか困難であります。そこで、公営住宅を使用できるような積極的な推進策、あるいはまたその他何かいいお知恵がありましたら、ひとつぜひ配慮される中での取り組みを期待いたしたいと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
#44
○瀬田政府委員 精神薄弱者のグループホーム事業につきましては、これは先生御承知のとおり、平成元年度から創設された事業でございまして、食事や金銭管理等の日常生活上の援助を行うことを通じまして、地域社会におきます精神薄弱者の自立を支える役割を果たすということで、非常に重要な意義を持つ、またニーズの高い事業であるというふうに私たち考えております。
 このため、実は毎年度、補助対象箇所数というものを大幅に増加させるように努めてまいっておりまして、御審議いただいております平成六年度の予算案におきましても、前年度に比べまして百二十カ所ほど増の六百四十カ所を補助対象としたいということで実はお願いをいたしておりまして、地域社会におきます精神薄弱者の自立した生活に資するように、今後とも補助対象の拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
 先生が御質問の中で御指摘をいただきました、公営住宅等を利用してはどうかというお話もございましたが、実は既に、モデル事業ではございますが、こういった事業も行っておりまして、今後拡大に努めたいというふうに考えております。
#45
○狩野委員 関連しまして、この精神薄弱者のレスパイトケアの拡充強化についてであります。
 日ごろ障害者の世話に明け暮れる親たち、手をつなぐ親の人たちの行動を見ましても、いつも大変だなと実は思っておりますけれども、そういう親御さんたちが精神的、肉体的にリフレッシュすることにより、あすへの希望が大変わいてくるところのこのレスパイトケアの充実策についてどうお考えになっているか、御所見を伺いたいと思います。
#46
○瀬田政府委員 先生に今御指摘をいただきましたレスパイトケアでございますけれども、これは障害児を持つ親または家族を一時的に一定の期間、当該障害児から離すことによりまして、日ごろの介護疲れと申しますか、そういったものから一時的に解放いたしまして、ほっと一息つけるような援助というふうなことでございす。
 こういったレスパイトケアにつきましては、介護者の息抜きを目的とする事業でございますけれども、こういった事業につきましては、実は、現在はいわゆるショートステイの事業またはホームヘルプサービスの事業というもので相当程度対応が可能というふうに考えておりまして、私たちといたしましては、ショートステイまたはホームヘルプサービスの事業の中でできるだけ対応したいというふうに実は考えているわけでございます。
 御審議いただいております平成六年度予算案につきましては、このショートステイ事業におきまして、対象児・者を重度から中程度の障害者にも拡大するということを実は考えておりまして、今後とも、こういった事業を通じまして介護者の負担の軽減を図ってまいりたいというふうに考えております。
#47
○狩野委員 精神薄弱者対策につきましては、厚生省も年々力を入れていただいておりますし、我々も、精神薄弱者議員連盟の一員として、手をつなぐ親の会のお母さんたちからいろいろまた要望も聞いておるわけでございます。
 そんな中で、一昨年の十二月かな、JRの割引問題も、長い懸案だったですけれども、これはJR各社の協力を得たり、我々も手分けをする中で、厚生省の本当に中心になっての尽力も含めて実現したわけでございますが、これは要望ですけれども、重度の障害を持つ人には、介護者とともに運賃の割引がなされた。大変結構な施策だと思いますけれども、軽度の障害の人には、御存じのように、百キロ以上で本人のみが割引をされるわけであります。障害者手帳の上では軽度と判定されてはいても、自分ひとりで旅行できるのはごくわずかでございますし、場合によっては、作業所へ通うというような場合は、逆に賃金の何倍もの金を使うということも実はあるわけでございますので、これはたしか他の障害者のグループ、身体障害者の団体等との横並びの点もあるでしょうけれども、ぜひ今後の課題としてひとつ念頭に入れていただき、取り組んでいただきたいと私は思います。これは要望でございます。
 なお、時間が参りましたけれども、一点、最後に要望いたしたいと思います。
 それは、中央社会保険医療協議会についてであります。中央社会保険医療協議会の二十名の委員構成についてでございますが、百七十万人の医療従事者を代表して、八名の医師、歯科医師及び薬剤師を代表する方々がおるわけであります。この八名の委員は、診療側として健康保険法上の責務を負う医療機関の責任者でございますが、医療従事者全体の半分に当たる八十五万人は看護婦であります。基準看護を含む看護問題、介護や診療報酬に至るまで、現場を代表する看護婦の代表がメンバーの中にいない現状においてどうして多岐にわたる看護問題が審議できるのかな、このように私も思うわけでございまして、本当の意味での審議がなされないのではないか。委員は非常勤である点も考え、定員を含めて、法改正についても種々問題があるかと思いますが、ひとつ大臣、この点はぜひ御検討をいただきたい。強くひとつ要望をいたしておきますので、ぜひこの点は御検討をいただきたい。
 以上で質問を終わります。
#48
○加藤委員長 栗原博久君。
#49
○栗原(博)委員 先般、去る二月九日に、私はこの委員会でCNPの問題について取り上げさせていただいたわけでありますが、その件について若干ひとつ御示唆いただきたいと思います。
 新潟大学の山本正治教授の信濃川、阿賀野川流域におきますCNPの問題、これにつきまして、大内厚生大臣を初め皆さんが早急なる御処置をとっていただきまして、従来一日摂取許容量でありました〇・〇〇二〇四ミリグラム・パー・キログラム一日ということについて見直しをするということの措置をいただきました。新潟県で大変大きな問題でございましたので、この問題については本当に深甚なる敬意を表する次第でございます。
 しかしながら、その過程におきまして、安全性評価委員会のメモを見ますと、何か極めて灰色的な決着に終わっているように、それが実は私は否めないのでございまして、この点について若干ひとつ質問させていただき、また所見を賜りたいと思っております。
 CNPと胆のうがんとの相関関係について、現時点まで疫学研究結果及び各種動物試験等の知見を総合的に検討したが、明確にすることができなかったということであります。あるいはまた過去の暴露状況の把握の困難さ及び胆のうがんの発生率の低さ等の問題を考慮すると、これ以上研究を実施するのも困難であるというようなことの中で、実質的には、CNPの使用禁止というものの措置がされておるわけです。あるいはまた、評価委員長の委員長談話では「CNPと胆のうがんに係る因果関係の有無が明らかとなるまでの間、一日摂取許容量は設定しない」、こう言っておりまして、また、国民が「過度に不安視することのないよう」に配慮する必要がある、このように談話を発表しておるわけでありますが、これについて、今後やはり国において、このような灰色決着でなくて徹底的な事実関係の解明をする意思があるかどうかをひとつお聞きしたいと思います。
#50
○柳澤政府委員 CNPと胆のうがんの関係についてさらに疫学調査を行うことは、残留農薬安全性評価委員会での結論にございますように、CNPの過去の暴露状況を把握することが困難であること、あるいは胆のうがんの発生率が低いこと等を考慮いたしますと、これにつきましては困難であろうというふうに考えているところでございます。
#51
○栗原(博)委員 そういう柳澤生活衛生局長のお考えも承知しております。
 各都道府県知事に三月八日付でクロルニトロフェン、CNPについて水道水の暫定水質管理指針として〇・〇〇〇一ミリグラム/リットルをめどに監視するようにという行政指導をされ、そしてまた、浄水場において活性炭処理ということも実は進めているわけであります。
 これについて新潟県では、今まで北陸地方建設局あるいはまた新潟市、県等が協力しまして、河川の約十七カ所における調査をしてまいって、昨日までの間において、例えば四月二十七日に新潟市においては平成大橋で〇・○○〇一、あるいはまた五月六日西信濃川大橋、中ノ口川の西蒲原郡黒埼町でありますが、ここでも同じ数値が測定されておりますし、五月六日では新潟市の西川、亀貝橋では〇・○○〇四という数値が実は出ております。あるいはまた、五月一日、新潟市の青山浄水場での水質検査では、この水質指針値の一・五倍の一五OPPtが検出され、活性炭を約十トンを投与しておって、それの効果が出たのでしょうか、五月五、七日の水質検査では二OPPtに落ちておるわけであります。特に活性炭は、新潟市の浄水場のほかに白根市、小須戸町、黒埼町、分水町、西川町等で、このような活性炭で実は対応しているわけであります。
 つきまして、新潟県のみならず、全国にやはりこのCNPというものの汚染の状況が広まっていると思うんでありますが、特に今除草剤が使われていないといっても、フミン質の中にやはりCNPが付着しているというのもあるわけなんで、これについて、国では水質監視の体制やあるいはその監視の頻度はどのようにされているかということをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#52
○柳澤政府委員 今先生仰せのとおり、CNPにつきましては、三月八日に残留農薬安全性評価委員会の評価結果を踏まえまして、水道水中のCNP濃度に係る暫定水質管理指針値といたしまして〇・〇〇〇一ミリグラム・パー・リッター以下を示して、そのための適切な水質管理を行うよう水道事業者に通知いたしまして、指導しているところでございます。
 その後、先生おっしゃったような報告等があったわけでございますけれども、厚生省といたしましては、今後とも水道水中のCNPの状況の把握に努めるとともに、水道事業者におきまして適切な水質監視が実施され、必要な措置が講じられるように指導してまいり、万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#53
○栗原(博)委員 水道事業者からお聞きしますと、活性炭がなかなか値段が高いようでございますので、こういう点の活性炭に対する助成策もひとつお考えおき願いたいと思います。
 それで、農林省に一つお聞きしますが、三月七日に農林省農蚕園芸局長名で水田の除草剤についての使用について、このような文書が出ております。「このたび、関係製造業者から、CNPを有効成分とする農薬(以下「CNP剤」という。)の製造及び販売を自粛する旨の報告があった。」これを受けて、実は原則としてCNPは使用しないということになっているわけですが、私は、やはりこれは安全性評価委員の判断もありますが、どうもMO粒剤の生産業者であります三井東圧の要請を受けて、自粛ということで、このような通達を出したように実は見受けられるんです。極めて農林省の過去のやはり農薬の毒性基準等の評価における怠慢を、実は、私はひしひしと感じます。
 極めて責任逃れの文書でなかろうかと私は思うんでありまして、この中で、やはりCNPの効果というものは極めて我々農家においても評価が高いことは認めております。でありますから、今でもやはりCNPをまだ持っている農家もあるわけでありますが、このCNPの回収策ですね、あるいはまた企業における回収措置、あるいはまた末端の農家でまだCNPを保有しているところもあると思うんでありますが、そういう点について、どのように農林省としてそれを把握されているかということをお聞かせ願いたいと思います。
#54
○柿本説明員 先生御質問の点にお答えいたします。
 CNPの剤の、含有する剤の本年の出荷状況とか、それから返品の状況、つまり農家との関係でCNPが市場にどのくらい出回っているかとか、その回収の状況について、要約するとそういう御質問がと思います。
 それで、CNPについては本年、繰り返しになりますが、三月に残留農薬安全性評価委員会の評価結果を受けて、先ほど先生がおっしゃいましたように製造メーカーが直ちに製造、販売の自粛をし、CNPについて市場に出ているものの返品に応じております。販売店それから農家の段階での前年からの在庫というのは必ずしも十分掌握してございませんが、私どもの調査によれば、昨年十月から本年三月までこのCNP剤で出荷されたものが七千二百トンあるということを承知しておりまして、また、この安全性評価委員会の評価結果を受けての措置で、返品を私どもはするようにと言っておりますが、三月から開始された返品の四月末時点での数量は三千二百トンになっております。これは、出荷量の約四五%でございます。
 なお、CNP剤については、現在返品途上にあり、また、そういうようなことであってメーカーまで戻っていないものは確かにございます。ただし、それは返品の流れの中で今後とも最終的な返品量が増加するというふうに考えておりまして、また、農林水産省としても、毎月製造メーカーからCNP剤の返品状況については報告を求めるということにしておりまして、今後とも返品状況の的確な把握に努めていきたいというふうに考えております。
#55
○栗原(博)委員 まだ四五%しかそれが集まっていないということでございますが、どうかひとつ農協とか農薬の販売業者の方に周知徹底していただきまして、これが使用されないように、あるいはまた代替農薬というものを積極的にお勧めするようにお願いしたいと思います。
 次に、厚生省の生活衛生局の乳肉衛生課長名で、各都道府県に対して魚介類のCNPの汚染の調査ということで、このCNPの汚染が新たな魚介類汚染を生じないとも限らないということで、たしか三月十四日付で翌月の十五日までにその調査の報告をするようにという文書を流しておるわけでありますが、このことについて、調査の回答結果はどのようになっているかということをお聞きしたいと思います。
#56
○柳澤政府委員 魚介類のCNP汚染の問題でございますけれども、CNPが使用されなければ新しい魚介類汚染は生じないものというふうに考えられるわけでございますけれども、念のため平成六年の三月に各都道府県に対しまして、関係する水域の魚介類のCNPの検査を指示したところでございます。
 現在までの検査状況では、岩手県、三重県等でこの検査をしたという報告を受けておりますけれども、魚介類からCNPが検出されたという報告は受けておらないところでございます。
#57
○栗原(博)委員 確かにCNPが時期的に、やはり春先の田植えのころに使用されるのでありますが、しかしながら、山本教授の指摘によりますと、このフミン質というのが有機質の中にくっつきましてCNPが残っている、それが徐々に排水路から出て河川に行く、そういう指摘もあるやに実は伺っておりますので、ただ、今もうCNPを使わなくなったということのみでこのような調査というものを怠らないように、ひとつ御要望をしておきたいと思います。
 それから、私は、代替農薬として同じジフェニルエーテル系のビフェノックスですか、大変発言しにくいものでございますが、これが同じようなベンゼン核であるということです。かつてアメリカでも指摘もあった、こういうことで、新潟県の市民運動の中でこれも禁止というようなことを要求している方々がおられるのでありますが、その中で厚生省はこのジフェニルエーテルのビフェノックスですか、これを再検討をしておられるかどうかということをちょっとお聞きしたいと思うのです。
#58
○柳澤政府委員 今の問題につきましては、現在までのところ十分に把握しておらないところでございますので、また今後の新しい課題といたしまして研究してまいりたいというふうに考えております。
#59
○栗原(博)委員 私は、今回のこのCNPの問題を絡めてみますると、農林省のサイド、あるいはまた環境庁、厚生省、お互いに縦割りの中でどうも対応がちょっと鈍かったような懸念をいたしております。行政の中におけるお互いの縄張りの中で国民の健康を害してはならぬというふうに思っておりますので、どうかひとつその点については十二分に留意をしていただきたいと思います。
 また、農薬の毒性試験を農薬の製造メーカーが行って、それを実は農林省が取り上げて厚生省の残留農薬安全性評価委員会でその安全性の可否が判断されるようでございますが、どうかひとつ今後ともこういう問題について、先ほども申しましたが、その体制を立て直して、国民に不安のないような対応を十二分にしていただきたいということを最後に一つ御要望申し上げます。
 次に、医療についてお聞きしたいと思います。
 平成六年度の診療報酬改定は、実は三十三年以来の体系を大幅に見直すというようなお話を承っておりますが、確かに今回の改定では厳しい経済事情の中にあっても実質二・七%の上げ幅であり、これは十六年ぶりだというふうに伺っております。
 ところで、私は最も大切なことは、診療の質をできるだけグレードを高くするようにしなければならないと思うわけであります。あるいはまた、国民からもよく言われております過剰投薬とか過剰の診療、あるいはときには必要以上の長期入院に対しての対応というものも私は実は必要だと思っております。また大事なことは、私ども日本の国の病院は、高度経済成長をして大変豊かな国であると言われますが、どうも狭くて汚いという指摘もありますし、それはまた、拡大再生産を図るだけの診療報酬が十分でないという診療側の指摘もあるようであります。
 民間病院は、我が国の一方のうちの七割は二百床未満の中小病院でありますから、なかなか大変だと思うのですが、そういう中で、今回厚生省の皆さんの御努力で、診療報酬改定の中で入院環境料というのを設定されて、そして病院の入院環境というものを改良するとか、あるいはまた特に行きつけのお医者さんから十二分に病状をサポートしてもらうということでもあると思うのですが、今回在宅時の医学管理料ですか、そういうものを認めたということで、私はそれについては画期的なことであると実は評価をしておるのであります。
 しかしながら、その中でも例えば難病の問題とか、あるいはまた精神医療、人工透析等、長期性の慢性の患者さんに対する診療の点数が何かちょっと下がっているようなという指摘を医療側からも受けるわけであります。そしてまた、差額ベッドの問題とかあるいはまた給食費の自己負担の問題、こういう問題が指摘されております。
 そこで、差額ベッドについてちょっとお聞きしたいのでありますが、確かに昨年の四月一日施行されました医療法によって、医師や看護婦の人数を大幅にふやすとか、あるいはまた病室の広さとか快適さですか、アメニティーをきちんとして、特定機能病院とか療養型の病院とか、あるいはまた一般病院ですとか老人病院と、四つに類型化されておるようであります。
 この中で、特に療養型の病院の中において、病状の比較的安定した長期入院者ですか、寝たきりの方々に対して手厚い世話がされるようにということで、病院の一室当たりの面積を広げるとか、あるいは食堂を改善するとかというような措置をされているようでありますが、それによって手厚い世話をするというかわりに、医師とか看護婦の数が一般病院より減らされながら、かつまた室料の差額ですか、差額ベッドが認められて患者の自己負担に実はなっていると思うのです。
 私も病院に行って見るのでありますが、実際四人部屋でカーテンで仕切りまして、果たして患者のプライバシーを確保することがあるだろうか。そういうところに差額のお金を取っていいのだろうかということを実は感じております。
 こういうことで、私ども日本の国もこうして生活大国と言われておる中において、このようなお粗末な中での差額ベッド、大変私自身としては理解しにくいのでありますが、この差額ベッドの枠の拡大についてなぜ出されたかということをお聞きしたいと思うのであります。
    〔委員長退席、網岡委員長代理着席〕
#60
○多田政府委員 近年の生活水準の向上ということを踏まえまして、慢性疾患の患者が非常に増大している中、その方々の療養生活というところで生活の質の維持というものをできるだけ図っていくべきだということは関係者の多く指摘されているところでございまして、今回の見直しにおきましてもそういう方向を目指すべきだということについては、私どもも、中医協の御議論などでも非常に強く指摘されているところでございます。
 今回の見直しのポイントを申し上げますと、医療サービスの基本的な部分につきましてははっきりと保険給付で対応すべきだ、しかし患者の選択によるような部分については特定療養費という制度をいろいろと活用しながらそれに対応していくことが適当であろうという物の考え方に立っているわけでございます。そういう趣旨からいたしまして、多様化する患者ニーズにこたえていくためにはこの特定療養費制度の積極的な活用ということが中医協の小委員会報告にも指摘をされたところでございます。
 具体的には、患者に負担を求めることができる一定の要件を満たす療養環境を提供する病床の割合を一定まで引き上げることができるという形でこの問題に対応していこうというのが今回の改定でございまして、具体的な要件といたしましては、一つは、一つの病室の病床数は四床以下である。二つ目に、病室の面積は一人当たり六・四平方メートル以上であること。三つ目に、病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えていること。四つ目に、個人用の私物の収納設備、個人用の照明並びに小机等及びいすを有すること。こういうことで、療養生活の中でも一応プライバシーを確保しながら生活の場としてぎりぎりのところが確保されているといったようなところについて特定療養費制度を適用するというふうな考え方に立っているわけでございます。
#61
○栗原(博)委員 御説明はわかりますが、やはりカーテンで仕切る程度でプライバシーが守れるということはないと思いますし、外観が大変立派な病院であっても中身がお粗末であるということは、やはりこれは外国の、特に先進国の方々が日本に参りまして病室を見ると、ウサギ小屋といいましょうか、そういう指摘をしているわけなんで、どうかこういう点についても、財政に限りもあると思うのですが、十二分にひとつ今後とも御努力をしていただきたいと思います。
 次に、入院患者の食事代を取るということで今回改正がされているようでありますが、その運営について実は問題があるのじゃなかろうかと私は思っておるのであります。患者の外食の持ち込み等も可能であって、そのトラブル等にも十二分に留意されるよう、今後とも病院の現場の皆さんに、この食事代を取るということと外食の問題を十二分にひとつ御指導していただきたいと思っております。病院によっては何かメニューが豊富でどんなことでもできるというように末端の病院は考えている点もありますので、まだこの問題が周知徹底されていないのじゃなかろうかと思うわけであります。
 そういうことで、食事代を取るというかわりに付き添いの看護婦は患者負担とせず、全部健康保険から賄うということだそうでありますが、日本医事新報の資料をちょっと私見ましたら、たしかその調査対象が三千六百六十五の病院とか診療所の中で、そのうち入院患者の二六・五%が付き添いをつけているそうであります。これを全部、今度自己負担でなくて健康保険の中で負担するということになりますと、果たしてこの付添看護婦が確保できるか、マンパワーを確保できるかということが大変私は疑問ですし、やはりどの病院へ参りましても大変これを憂慮しておるのでありますが、このことについて、このマンパワーの確保と診療報酬上の評価等についてひとつお聞きしたいと思うのであります。
#62
○多田政府委員 今回の付添看護の解消という方向で当面必要となる職員数の確保がどうなるかということでございますが、看護婦、准看護婦として必要になる数が我々の推計では大体三千名、そして看護補助者として新たに必要になるのが大体六万名というような数かと思っております。これの確保につきましては、この十月に診療報酬の改定を予定しております。その改定の中で、中医協の議論を踏まえつつ、看護・介護職員を手厚く配置できるような評価を行っていくということにいたしているところでございます。
 また、数が本当にそれだけ確保できるのかということにつきましては、看護婦等の人材確保の促進に関する法律に基づく基本的な指針を踏まえまして、各般の施策を進めていくという中で必要な職員の確保ができるような対応をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#63
○栗原(博)委員 今六万人とおっしゃいましたが、これは病院数が幾つで患者は何人ぐらいという計算ですか。
#64
○多田政府委員 対象施設は全部で六千五百、一施設大体十、十一人という見当でございます。
#65
○栗原(博)委員 じゃ一人の専門の方が何人の患者を見るのですか。そしてその方が一昼夜やるわけじゃありませんから、交代ということもあると思うので、実質人数はどうなっているのですか。
#66
○多田政府委員 私ども、今回の付添看護の解消に向けての基本的な考え方といたしましては、一般の病院につきましては看護婦、准看護婦それに介護者全体を含めまして患者数二人に一人という程度の水準の看護・介護力を用意するということを目標として掲げておりまして、そういう方向で調整しているところでございます。
#67
○栗原(博)委員 私そういうことは専門でございませんから、ただ直観的に、なかなか六万人等でできるかなという大変不安の念を持っております。ぜひひとつこの点について問題のないようにお願いしたいと思います。
 次に、大臣にちょっとお聞きしたいのですが、高齢者の医療につきまして、特に末期のがんの皆さんを含めてでございますが、やはり在宅の、いわゆる家族とともに治療、養生をすることが一番人間らしい医療じゃなかろうかと実は思っております。スウェーデンやデンマークなどの先進諸国に行きますと、老人ホームとか病院はもうこれ以上つくらない、そして自宅で在宅の医療福祉を推進する、そういうふうに方向がはっきりしております。
 我が国も厚生省の皆さんの御努力で、平成元年には高齢者保健福祉十カ年計画ですか、要するにゴールドプランの中で、ホームヘルパーを十万人に増員するとかショートステイ、デイサービスセンターをつくるとか在宅介護支援センターなど、いろいろの施策を打ち出されております。
 私はよく病院に行って見るのでありますが、老人がうつろな目をしまして、ベッドの中で横たわっている、病院の白い壁の中でぽつんと座っている、これが果たして医療かなというふうに疑問を持っておりますし、彼らも皆異口同音に、我が家の畳の上で亡くなりたいというように言っておるようであります。
 ちなみに最近の厚生省の発表の資料を見ますと、七十歳以上の高齢者で自宅で息を引き取った人はわずか二〇%、百人のうち八十人が病院で一生を終えておるわけでありますが、そういうことで、これを何とかできないものかというふうに私は考えておるのであります。そもそもこういう場合、我が国は老人の大多数の方が自分の嫁さんに自宅で看護してほしいというようなデータが出ているようであります。
 そこでまた、老人の問題について厚生省から資料をもらってちょっと調べましたら、例えば一つ老人病院をつくる場合、中身のものは別として施設だけてありますが、老人病院は一味当たり千百十万、老人保健施設においては八百八十万、特別養護老人ホームにおいては七百二万の金がかかっているということであります。これに土地代を含めれば、あるいはまたその運営の人件費等を含めればずっと数が増す。東京都内のように地価の高いところにおいては、特老、特別養護老人ホームでは一つのベッドが一億円に相当するというように言われているところもあるわけであります。
 こういうことで、施設の金を、先ほど申しましたように、お年寄りの方が、できれば自分の自宅で、あるいはまた自分の嫁さんから面倒を見てもらいたい、こういうことで、やはり自宅で介護する、自宅で面倒を見てくれる者に、家族に介護手当を出す。
 例えば、労働省においてはガイドラインで、休業期間を三カ月以上とするとか、あるいはまた介護対象となる家族の範囲は、労働者の配偶者、父母、子供、配偶者の父母というふうにしていただいておりますし、介護対象者には同居などの条件はつけないとか、介護を受ける者一人に対して一回の休業とするとか、あるいはまた休業中の賃金、休業後の配置などは労使で話し合うなど、自宅介護というものも考えておるようでありますし、今回の雇用保険の中でもやはりそれも考えているようです。あるいはまた国の公務員の基準の中にも、そういうものを積極的に進めているようでありますが、こういうことで、施設にかかる費用を家族の介護に、在宅の費用に向けるように、あるいはまた、この方は自宅で家族の介護があればいいとお医者さんが認定した者に対して、介護料を払って人間らしい医療というものをしたらいかがかというふうに実は私は思うし、また、高い施設をつくって一概にそこに患者を入れるよりも実はむしろその方が安くできるという試算もあるわけです。
 例えば特別養護老人ホームでは一人二十三万二千円かかっている、あるいはまた老人保健施設では二十七万四千円、病院では三十二万円かかっている。その施設の中では恐らく治療行為は余りされていないと思うのです。
 ですから、ぜひひとつ大臣の御所見を伺いたいのでありますが、こういうことで老人医療、あるいはまた末期がん等の患者に対する医療というものを、特に、大内大臣には先般も質問させていただきまして、大変崇高なお考えを持っているようでありますので、今後とも連立が続く限りにおいては大臣をお務めいただいて、この問題にぜひひとつお取り組み願いたいという要望でございますが、御所見を賜りたいと思います。
#68
○大内国務大臣 御指摘の点は非常に切実な問題でございまして、実は今度の医療保険制度の改正案におきましても、難病であるとか重度障害者であるとか、今御指摘の末期がんの患者等に対する在宅医療あるいは訪問看護というものを法律上明定をいたしまして、居宅における療養上の管理を保険給付として位置づける、こういう措置をとっているところでございます。そして御指摘のように、病院等医療機関における療養あるいは治療よりか、在宅での治療、医療といったようなものが恐らく低コストになるであろうという御指摘も、私どももそのように考えております。
 しかし、何よりもまず一番重要なことは、その患者の立場というものに立ちますと、医療機関でその終局を迎えるよりか、自分の家でその終局を全うするということがやはり一番人間的であろうし、また温かみのある状態だと私どもは考えておりますので、今度はそういう意味で諸先生方に医療保険制度の改正案を提案しているわけでございますので、ぜひとも御理解と御協力を賜りたいと思うのでございます。
 なお、御指摘の介護手当の問題につきましては、その介護手当の趣旨をどう定めるか、あるいは介護手当の支給が介護サービスの供給に果たして結びつくことになるかといったような点もございまして、これらの点につきましては慎重に検討をさせていただきたいと思いますが、できるだけこういう問題についても前向き、積極的に考える姿勢をとってまいりたいと思っております。
#69
○栗原(博)委員 大臣、この在宅看護と家族に対する介護手当等について、時間もかかると思いますが、ひとつよろしく御検討、また各担当の局の皆さんに御下命を賜りたいと思います。
 日本の医療費の問題でありますが、我が国は世界一に近い国民総生産を持っているわけでありますが、その中でイギリスに並んで日本の医療費というものが低いと言われております。乳児の死亡率とか、あるいはまた平均寿命が世界一になっておるわけでありまして、日本の医療というものは、医療の現場の先生方並びにやはり医療行政を担当しておられます厚生省の皆さんの御尽力も本当に大きいと思っております。今後社会保障の中で、どんどん年金の方での負担がふえておりますから、医療の方が下がっていくというような点もあると思いますが、しかしながら、どうしてもやはり上質の医療を確保していただきたい。
 それには、一部のマスコミ等で国民医療費が高過ぎる、そういうような指摘もありまして、例えば一九九三年度、昨年度では二十三兆円を超すというような批判もあるようであります。しかし、我が国の国民医療費の対GNPの平均を見ますと四・七%で、差額ベッド等を含めても五・三%、アメリカでは一二・一%、それに対して低いわけであります。医療費というものが、差額ベッドの問題とかあるいはまた給食費の問題とかいろいろマイナス面での負担があるわけでありますが、世界の流れの中においての我が国民の医療費のGNPに対する負担はまだ低いわけでありますから、こういう点をひとつお考えをいただきまして、医療の問題の再検討をお願いできないかなというふうに実は思っておるのでありますが、これは私の個人的な考えてあります。
 それから、これも私の個人的な考えでございますが、アメリカ等においては企業の負担が大変大きいようでありますので、国内においてもそういうことも何か検討できるものかなということも申し述べさせてください。そういうことで、本来のあるべき医療の姿が、ただ医療費の負担の軽減のみの中で先走ってはならないということを、私自身の考えとしてひとつ申し述べさせていただきたいと思います。
 それから、せっかくでありますので、私どもの地域からの要望だけちょっとお話しさせていただきたいのであります。
 自治体病院の事務長をしている、新潟県の水原郷病院の小池ノリ子事務長から実はきょうファクスが入ったのでありますが、国庫補助金とかあるいは地方交付税、病院整備地方債の充実を図っていただきたいとか、あるいはまた新潟県は僻地がたくさんあるわけでありまして、こういう僻地における社会的な要望の強い医療について十二分にひとつ措置をしていただきたいというような要望もございます。
 あるいはまた、新潟県の歯科医師会の池主常務理事からでございますが、八〇二〇運動の中で、やはりヘルス事業としての成人の歯科健診の導入が不可欠である、それには保健所等の行政における歯科専門職のマンパワーが不足しているので、ぜひそういうこともひとつ御検討を願いたいというようなことも申しております。
 あるいはまた、新津医療センター病院の間光雄理事長からは、全国では医者がオーバーしているということでありますが、しかし、新潟県においては医者が不足しておりまして、大変医者不足に悩んでおります、こういう点も一考していただきたいということです。また、今回の改定においては、新潟県では平均〇・八%、この病院では〇・二%むしろマイナスというような結果が出ております。これでは人件費等のアップ分を埋めることもできないというような指摘もあるわけであります。あるいはまた、医薬の分業の中で形式的に門前の薬局が横行しているわけであります、規制緩和の問題もあると思いますが。こういう実態を理解をしていただきまして、できれば患者の立場で病院並列出店というものもぜひひとつお認め願いたいというようなことも言われております。
 あるいはまた、亀田の歯医者さんで渡辺冨栄さんという方なんですが、この保険制度は、大変点数が簡素化しているけれども、複雑な点数のためにレセプト業務が煩雑で、医療事務専門職とか、コンピューター導入に対して大変医療費がかさんでいる、こういうことについてもやはり面倒見ていただきたいというような要望もございます。
 いろいろ要望ございます。ぜひひとつこの点についても御検討を賜りたいと思います。
 時間がございますので、次に年金についてお聞きします。
 やはり年金制度は、我が国は賦課方式でありますから、世代間で親を面倒見るという形であると思うのです。しかしながら、そういう中に、世代間において保険料の額が異なってまいって不公平であるというような指摘も実は若干見られるのでありますが、こういう議論に対して厚生省ではどのようなお考えがあるかひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
#70
○大内国務大臣 御指摘のように、人口が急速に高齢化する状況の中におきまして、かつ一定水準の年金給付を保障していこうとする場合には、現役世代の負担が次第に上昇することはやむを得ないことでございますし、また御理解を賜らなければならぬと思っているわけでございます。
 現在、年金を受給している世代が、その納めた保険料に対しまして給付の割合が高いのではないかといったような御指摘もあるのでございますが、それは一つには、制度創設時に年齢が高いために加入期間が短いうちに受給することとなった人々に対しまして、一定水準の年金額を保障するための給付改善措置を講じてきたということが一つの理由でございますし、またもう一つは、これらの世代は、年金制度のない自分たちの親の面倒を私的に見てまいった世代でございます。したがいまして、単に年金制度のみでその負担を論じることはできないと思うのでございます。したがいまして、単純に世代間の公平を比較するということは適切でないわけでございます。
 いずれにいたしましても、高齢化が進行いたしまして、将来の世代の負担の増加が避けられない、こういう状況下にありまして、将来の世代の負担が著しく過剰なものとならないようにするために最大限の努力をする必要がございまして、今回の年金法の改正につきましても、六十歳代前半の年金の見直し、あるいは年金額のスライド方式の変更、保険料の引き上げ幅の見直しといったような諸施策を講ずることによりまして、長期的に安定した、また信頼できる年金制度を確立したい、こういう御提案を申し上げている次第でございます。
#71
○栗原(博)委員 本当に年金問題は、天から金がおりてこない、だれかが負担せねばならぬわけでありますから、大臣の今の御説明、もっともだと私は思っております。
 その中で、やはり過去のいろいろな歴史の変遷が年金にあるわけでありますが、国民年金が標準が六万五千円である、あるいはまた厚生年金等につきましては、この十月に改正になれば二十一万四千三百円である。確かに掛けたお金は少ないかもわからぬ、しかし、先ほど大臣が仰せのとおり、世代間の扶助、そういう中での年金でありますから、同じ年金がこれだけの格差があるということもやはり是正をする必要があるかと私は思うのですが、これについてどのようにお考えであるかということをひとつお聞きしたいと思います。
#72
○山口(剛)政府委員 先生御指摘がございましたように、年金制度につきましては、大別をいたしましてサラリーマングループの年金と国民年金の自営業、農民の方々の年金では、保険料水準について違いがございます。これは歴史的な経緯なり年金の持つ役割ということに由来しているかと思いますけれども、年金は、改めて申し上げるまでもありませんけれども、老齢になって所得がなくなったという方々について、社会の連帯に基づいて保障していこうということでございますので、特にサラリーマンの場合には退職ということで収入の道がなくなるということで、所得保障の必要性も非常に高いということで、年金制度も、歴史的にはサラリーマンの年金制度が創設をされ発展をしてきたという経緯がございます。
 しかし、サラリーマン以外の自営業、農民の方々についても老後保障が必要だということで、御承知のように三十四年に国民年金制度が創設をされまして、国民皆年全体制になったわけですけれども、そのときに国民年金の対象であります自営業、農業の方あるいはその他の方々の生活の形態、あるいは収入の状況、非常に多種多様でございますので、サラリーマン被用者グループのように定型的に所得をとらえて対応するというのが現実的にもまことに困難だということで、定額拠出、定額給付ということで国民共通の基礎的な生活部分を何とか保障していこうということで国民年金制度ができているわけでございます。
 したがいまして、それの水準に比べますと、サラリーマングループはいわばその上に二階部分が乗っているという形になって、そこに差があるわけでございますけれども、これは今申し上げましたような経緯、あるいは年金の持つ役割ということから考えますと、現在の制度というのはおる程度基本的にはやむを得ないものではないかというふうに考えておりますし、また自営業の方々のより豊かな老後保障のために上積みができないかという要請はかねがねございまして、平成三年の制度改正で、これは任意加入でございますけれども、国民年金基金という制度ができまして、自営業の方々にその基礎年金に上乗せをした給付をすることができるようにということでこのような制度をつくっていただいておりますので、この制度の普及育成ということによりまして、自営業の方々の老後保障の充実に努めていきたいというふうに考えております。
#73
○栗原(博)委員 御説明ごもっともでございます。しかし私、やはり人間として生を受けまして、過去の積立金が少ない、しかしながら、年金は賦課方式でありますから、その中で、今御説明では、国民年金の役割と申しますか、要するに農業者とか自営業の方はいつまでも働けるという関係もあるかもわかりません。あるいはまた、定型的にとらえることがなかなか困難であるということも先ほど仰せになりました。それは、我が国が昭和十年代の人生五十年というのに比べて今はもう人生八十年でありますから、大体、ゲートボールへ行きまして片一方の人が三十万円もらっていて片一方は五、六万しかもらっていない、こういう今の世相がよろしいだろうかと、そういう単純な疑問を抱くわけです。
 私は、やはり制度間の差があるといいましても、自営業、あるいは特に農家の方々はガット・ウルグアイ・ラウンドで大変これから米もつくれなくなる、極めて将来の収入が不安定である。こういうときこそ私は、やはり国民年金等について、特に農家の奥さんたちは農業者年金に入っていない、国民年金の方が多いわけでありますから、今こそ農業問題は年金問題を解決することによって解決されると実は思っております。
 また、先ほど局長仰せのとおり、平成三年の改正で年金基金ができた。しかし、今それは何年後に実行されるかわからない。私が申し上げているのは、今の時点のこの格差というものを政治がやはり解決する必要があると思うのでありまして、今後ともこういうことについて真剣にひとつ国会で議論していただきたいと思います。
 それから、私は我が国のこの年金の問題は、やはりだれか掛けねばならぬ。今女性が一・五人しか子供を産まないというこの現実が将来の働く者とそして年金をもらう者との大きな差になっていくと思うのであります。
 そこで、大臣にひとつお願いでございますが、ぜひ女性が安心して子供さんを産めるというそういう社会施策をつくることが、ひいては、今の年金の制度をいろいろ改正するよりももっと緊急な課題でなかろうか。働く、将来日本の国を背負う者がいなくなってしまう。これを今後やはり子育ての面で、あるいはまた、教育には金がかかる、生まれてから大学出るまで一人約二千万から二千四百万の金がかかるということでございますから、やはり子供の教育のためにかかるから子供を産まないというような風潮もあるようであります。こういう点についてぜひひとつ高い次元で、女性が安心して子供を産めるという、保育の延長の問題も今回されているようでありますが、もっと充実して保育の延長をして、安心してやはり共稼ぎの方々が子供を産んでくれる、そういう社会をぜひつくるために御努力を賜りたいと思っております。
 最後ですが、実は私どもの新潟県、大変恐縮なんですが、水俣の問題についてちょっとだけ触れさせてください。
 細川総理が今回大変遺憾ながら退任されました。熊本県知事時代においてもこの水俣病の問題について大変積極的に果敢に対応していたというふうに伺っておるのでありますが、その退任のあいさつの中でもこの水俣の問題が未解決のことを大変憂うような表現をされていたように実は承っております。私は、今まさしく水俣の問題は、司法の判断から政治的な判断に目を向けなきゃならないと実は思っております。
 実際、現在水俣の患者と思われる方々が十日に一人ずつ亡くなっている。要するにもう水俣の患者の方々が平均年齢七十歳を越しているわけでありまして、この中においては、ぜひひとつ厚生大臣あるいはまた環境庁長官等におきまして、細川前総理もこの問題について真剣に取り組むと言われておりましたが、こういう連立与党のいろいろの中であるいはまた佐川急便事件等の中で引退を余儀なくされておるわけであります。どうかひとつ、前総理も約束されております水俣の問題について早急に対応していただきたいと思います。
 きょうも環境委員会で我が党の谷津さんがこの問題も何か触れているようでございますが、そしてまた、できますれば水俣病の問題の解決は、認定業務の促進と、水俣病の総合対策事業ですか、この二つにかかっているようであります。特にこの対策事業につきまして、やはり療養手当、若干であると思うのですが、物価スライドに基づく増額をひとつしていただくとか、あるいはまた、はり、きゅうの補助等を増額していただく、こういうことをひとつお願いしたいと思うのでありますが、きょうは環境庁の清水対策室長がお越しのようでありますので、御所見をひとつ承れれば大変ありがたいと思います。
#74
○清水説明員 御説明申し上げます。
 環境庁といたしましては、これまで公害健康被害の補償等に関する法律によりまして二千九百四十六名の患者の方々を認定いたしまして、医学を基礎といたしまして公正な救済を推進してきたところでございます。また、平成四年度からは、水俣病とは認定されないものの、健康に不安を持っておられる方々に対しまして、療養費の自己負担分及び療養手当などを支給するなどの水俣病総合対策事業を実施するなどいたしまして、行政といたしましてできる限りのことをしてきております。
 水俣病の問題につきましては、いろいろと経緯がございまして難しい問題でございますが、環境庁といたしましては、今後とも、環境行政の重要な課題の一つといたしましてできる限りの努力をしてまいりたいと考えております。
#75
○柳澤政府委員 水俣病の問題につきましては、ただいま環境庁の方からお答えのとおり、患者さんに対しての措置、あるいは、総合対策の一環として、患者として認定されなかった方に対する措置につきましては行われているわけでございますけれども、そのほか、現在民事裁判が起こされているわけでございます。
 その早期解決のためにその裁判を起こしている方々と和解に応ずべきではないかというお話がございますけれども、これは国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でございますので、和解に応ずることは難しいというふうに厚生省としては認識しているところでございます。
#76
○栗原(博)委員 わかりました。大内大臣、この水俣の問題は大変難しいことはわかります。しかし私も、自分のやはり身近の中の方が、水俣を出すことによって嫁に行けないと言って狂い死にしているのを目の当たりに見てまいりました。ですから、当初は大変認定しやすかった。しかし今はその認定のガードが大変厳しくなっているわけでありまして、私は阿賀野川流域に住む一人といたしまして、この痛ましい水俣病、本当にのろっている水俣病、ぜひひとつこの問題について、こうして日本の政治も変わりつつあるという中で大臣のやはり力量を問われているわけでありまして、どうかひとつ大臣在任中にこの問題を関係省庁と詰めまして、これに対応していただくように切にお願い申し上げます。
#77
○大内国務大臣 これは、細川政権以来非常に重視しまして、羽田政権に受け継ぎまして真剣に取り組んでいる課題でございますので、ただいまの御意見十分体しましてこの問題に対応してまいりたいと思っております。
#78
○栗原(博)委員 どうもありがとうございます。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#79
○網岡委員長代理 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十七分開議
#80
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山口俊一君。
#81
○山口(俊)委員 それでは、午前中に引き続きまして質問をさせていただきます。
 先般来、大臣もいろいろすったもんだといいますか、いろいろあって御苦労でございました。
 前に初めて質問させていただいたときに、大臣になられる前には余り福祉関係の御発言が少なかった等々申し上げたことがあるんですが、その後の御答弁あるいはいろいろな発言を聞いて、やはり厚生行政のトップとして大変よく頑張っていただいておると評価いたしておりますので、是が非ともまた全力でこちらの方面にお願いいたしたい、厚生行政の推進のために是が非ともさらに力を入れて頑張っていただきたい。御期待をさせていただきたいと思います。
 一般ということでありますが、いろいろと法案についても大臣の方から所信の中でお話がございました。詳しくは法案審議に譲るといたしましても、多少網羅的な御質問はさせていただきたいと思っております。
 まず、いわゆる高齢化社会というものについてということでお伺いをいたしたいわけでありますが、これも大臣の所信の中にございました。本年三月にいわゆる二十一世紀の福祉ビジョンが出てまいったというようなお話で、見ておりますと、福祉ビジョンというのをベースにして大臣も所信でお言葉を使っておられるようでありますし、ですから、この福祉ビジョンのポイントについて、あるいは今回出た二十一世紀の福祉ビジョンの位置づけというか、そういうものについてまずお伺いをいたしたいと思います。
#82
○大内国務大臣 昨年の八月に厚生大臣に就任して私がまず第一に大きな関心を持ちましたのは、日本の高齢者の中の約八〇%が老後に不安を抱いている。もちろん高齢者のみならず多くの国民が老後に対して不安を抱いている。それは、現在の社会保障制度というものが将来も確実に機能するであろうかということに対する不安として、私どもはしっかりと受けとめなければならぬ。
 かつて、昭和六十三年に定性的な福祉ビジョンのようなものがつくられた経緯がございまして、これは私自身が要求をし、自民党との折衝の中から生まれたものなのでございますが、これはいかんせん、定性的なものでございまして、定量的な面は全くネグレクトされている。しかし、今重要なのは、もちろん重要政策の方向とともに、つまり、定性的な方向とともに、定量的な面でもある程度の見通しというものを立てまして、国民の皆様に御選択をしていただく必要がある。そして、我々が今直面している日本社会の現状は、言うまでもなく、一つは超高齢化社会、二つは少子社会という避けがたい大きな流れの中で日本社会が動いていかなければならない。としますと、これまでのように年金、医療というものに最重点を置いた社会保障の仕組みていいだろうか。
 特に、介護を要する御老齢の方々というのは、今は二百万人でございますが、西暦二〇〇〇年の段階で二百八十万人に達する、これがまた四半世紀後の二〇二五年においては五百二十万人にも達する、こういう事態が見通されるわけでございますので、やはり欧米並みに年金、医療、福祉のバランスをもう少し考えて社会保障制度の構築をし、その中で、できるならば定量的な面も出していかなければならぬ、こういう考え方から、福祉ビジョンの作成という問題を提起いたしまして、御指摘のように三月二十八日にこれができ上がったわけでございます。
 そこでは、内容的には、御案内のとおり、これからの年金、医療、福祉を五、三、二ぐらいに編成替えをいたしまして、特に福祉重視型の社会保障制度というものを意欲的に進めていく必要がある。そして、その中で重要政策の方向というものを明らかにし、その上で定量的な面で現行制度と選択し得る幾つかのケースというものをお示しすることによりまして、国民の皆様のコンセンサスを得るような努力をするということが大事であるというふうに考えまして、それらの点を網羅いたしまして、福祉ビジョンとして一応御報告書をちょうだいした次第でございます。
#83
○山口(俊)委員 この福祉ビジョンにつきましても、珍しくといいますか、大変よくできた内容であろう。特に、定量的といいますか、財源についても詳しく触れておられる、選択肢も示しておられる。非常に評価をいたしておるわけでありますが、この中に、ゴールドプランの大幅な見直しという項目も実はございまして、そのことについて、大臣も最近あらゆるところでゴールドプランの見直しというふうな御発言をなさっておられます。
 そのことについてお伺いをいたしたいのですが、同時に、高齢化というのは、今お話にもございました少子化と相まってさらに拍車がかかっていく問題、それによって社会構造が変化をしていく問題というふうなことで、少子化の問題についても大臣は所信の中で触れておられました。特にエンゼルプランプレリュードというものがございます。プレリュードと言うからには、これはあくまで前奏曲ですから、本番が恐らくあるのであろうというふうな思いがいたすわけでありますが、この内容について若干お聞かせをいただきたいと思うわけでございます。同時に、ゴールドプランの大幅な見直しというふうな御発言についての大臣のお考え、真意というものもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
#84
○大内国務大臣 私は、これまでつくられたゴールドプランというのは、非常に先駆的な立派な提案であった、こういうふうに考えておりますが(御案内のとおり、ゴールドプランは今ちょうど折り返し点に差しかかっておりまして、地域のニーズを踏まえた老人保健福祉計画も各地方自治体におきまして出そろいつつあるわけでございます。そして、ゴールドプラン策定後に、今までになかった訪問看護の重要性というものを認識され、また高齢者の自立という面で福祉用具の普及拡充という問題が出てまいりまして、それにこたえていくためにもゴールドプランの抜本的な見直しが必要であるという事態が登場してまいりました。この見直しという問題は、私は実は就任直後から口にしているわけでございますが、それはそういう事態が予見されたわけでございます。
 また、二十一世紀の福祉ビジョンにおきましても、今後の高齢者の介護ニーズの増大、多様化といったようなものに対応していくためには、これまで策定しておりましたサービスの目標水準というものを、質、量という面で思い切って引き上げを行うとともに、保健、医療、福祉を通じました利用者本位のサービスの提供などの視点に立った総合プランとして新しいゴールドプランを策定いたしまして、その積極的な推進を図っていかなければならない、こういうふうに考えておりまして、このために、老人保健福祉計画の内容も踏まえながら、他面、財政の確保に配慮しつつ、この夏には来年度予算の概算要求も始まるわけでございますから、そこにも反映するような立場に立ちまして、新ゴールドプランというものを確定してまいりたいと思っている次第でございます。
 もう一点の、少子社会に対する対応といたしましてエンゼルプランプレリュードと名づけましたのは、児童家庭対策というのはもちろん厚生省の行政にかかわる分野が非常に多いのでございますが、実際には、女性の社会的進出の中で、安心して子供を産み育てる政策というのは、厚生省の行政の分野にとどまるものではなくて、雇用とか住宅とか教育とかあるいは文化といったようなところにまで実はまたがる大きな問題でございます。
 したがって、まず厚生省としてできる範囲のもの、それはまず出産、子育てに対する対応というものが、厚生行政の中で特に保育関係の多様なニーズにこたえるという形で、御存じのように相当多様な政策あるいは施策を今度は打ち出しているわけでございまして、そういう問題を進め、またさらに子育て支援のための基金、これは三百億でございますが、そういうものを創設いたしまして、厚生省としてあとう限りの子育て支援総合計画というものを一応打ち出しているのでございますが、さっき申し上げましたように、それだけではやはり本当の少子対策にならない。雇用、教育、住宅、あるいはその他の分野にまたがる広範な分野を網羅した子育て支援の総合的な計画を立てる必要がある、つまりプレリュードというものをとる必要があるという面から、エンゼルプランというものをできるだけ早く策定をいたしまして、今の少子社会に対する総合的な計画を打ち出したいと思って、今鋭意勉強しているさなかでございます。
#85
○山口(俊)委員 いろいろお話をいただきましたが、確かにそうした総合的な施策が是が非とも必要であろうと思うわけであります。実はこれまでもいろいろな施策が講じられてきておるわけでありまして、どうしても靴の上から足をかくというふうな感じが否めないのではないか、どうしても形を整えるというところでとどまっておるのではないかというふうな気がいたすわけであります。
 つい先般も、同僚の独身の女性議員さんが「未婚化の社会学」という本を読んでおられました。私も横から見ましたが、結婚しない方が得ですよという本なのですね。あるいは、最近新聞をにぎわしておりますセックスレス夫婦だとか、いろいろな現象が出てきておるわけであります。多少病理的な面もあるのではないかというふうな気もいたしますし、同時に、確かに今の日本の社会のシステムあるいは税制といったものを考えた場合に、未婚の方が有利だという部分も実はあるのですね。そこら辺まで踏み込んでみないと効果的な施策というのはできないのではないか、そんな気持ちもいたすわけでありますので、確かに行政がどこまで踏み込むかというふうな問題もありますけれども、ぜひとも施策を打ち出すバックグラウンドとして御研究、御検討いただきたいと要望いたしておく次第でございます。
 それと、今お話しのゴールドプランの見直しでありますけれども、大臣のお話にもございましたように、私もこれは画期的なプランである、今なぜ見直しなのかというふうな疑問が当初素直にあったわけでありますが、いろいろ調べたりお話を聞くうちに、確かに折り返し地点に来ておる。しかも、法律で義務づけた、都道府県といいますか自治体からのいろいろなプランも出てきておるというふうなことで、見直しということなのかなという感じがいたすわけでありますが、では、折り返し点が近づいたということであれば、ゴールドプランの達成状況はどうなっておるのか。そしてまた、これはもうはっきり見直すとおっしゃっておられるわけでありますので、見直しに向けての進捗状況というか、どのような作業をなさっておられるのか。さらには、見直しの基本的なスタンスというか考え方というのはどうなのか。この三点についてお伺いをいたします。
#86
○横尾政府委員 まず、各地方自治体の老人保健福祉計画の策定状況でございますが、ごく一部まだ計画がまとまっていない自治体がありますが、そこも間もなくまとまるのではないかと期待をしているところでございます。逐次でき上がった計画について各担当者とすり合わせをいたしまして、全体の集計、分析の作業を行っているところでございます。
 また、この各自治体の計画策定とは別に、全体としてゴールドプランの進捗状況を申し上げますと、先ほど来おおむね順調にと申し上げてまいりましたが、例えばホームヘルパーでございますと、四年度の予算に対します実績が一二二%というふうに、かなり上回った整備状況にございます。反対に、デイサービスでありますとか老人保健施設は予算で予定しておりましたものの約八割にとどまっておりますし、在宅介護支援センターは約七割、ケアハウスは約四割ということで、おくれが目立つところもあるというのも事実でございます。
 こうしたおくれがあるところについては、さまざまな施策を新たに用意いたしまして進展をさせたいと思っておりますが、今後の見直しにつきましては、福祉ビジョンの検討会からも御指摘をいただきましたように、基本的に利用者本位という観点に立ちまして、可能な限り自分の家で自立した生活が送れるようにというスタンスで物を考え、また施設については、その快適性等を勘案した療養環境の整備も行うといったことを織り込んで検討すべきではないかと今考えている次第でございます。
#87
○山口(俊)委員 お話はわかるのですが、同時に財源的な問題も考えておかれる必要があるのではないか、そう思っております。
 例えば、徳島県も老人保健福祉計画というのを先般出しておりましたけれども、たしか数百億だったか、ちょっと正確な数字は忘れましたが、予算規模と比べるとべらぼうなお金がかかるというふうな計画が出ておりまして、地方財政も非常に厳しい状況の中でありますので、そこら辺配慮をしながら御検討、見直しを進めていただきたい。これはお願いにとどめておきます。
 それと、介護問題についてもお伺いいたしたいのですが、今ホームヘルパーについては平成四年度一二二%、これは思ったよりも大変すばらしい数字が出ておるわけでありますが、どうしても介護・看護、そうしたマンパワーについては、三Kと言われる中で非常に確保が難しいのではないか。しかしながら、介護に対する需要はどんどん大きくなっていく一方でありますので、まさに国民的課題になっておる。この介護問題について、厚生省のお取り組み、お考え方というのを改めてお伺いいたしたいと思うわけであります。
 今、年金の改正等にも絡んで、年金とリンクをさせたらどうかとか、あるいは民間の保険で対応したらどうかとか、あるいは基金をつくったらどうかとか、あるいは介護保険というのはどうだとか、いろいろな議論があるのですが、そこら辺も踏まえてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#88
○佐々木政府委員 これまでゴールドプランの話等既にお話がございますが、ただいま介護のシステム、これからの介護問題についての全体的な取り組みがどうかというお尋ねでございます。
 先ほど大臣からも御答弁申し上げさせていただきましたように、やはり介護の問題が大きな問題でありますことは厚生省挙げて認識をいたしてございまして、そういう意味では、まさに家族の規模がさらに小さくなっていくこと等に伴いましてその需要が顕在化してくるわけでございますので、この問題は最大の取り組みが要るということでございます。
 それで、二十一世紀福祉ビジョンの中でも、この介護対策の充実につきましては、まさに今回の大きなポイントということで指摘をいただいているところでございます。その新しいシステムづくりの取り組みが指摘されているところでございますが、厚生省といたしましては、そのような状況にかんがみまして、まずは、ただいまもございましたように、ゴールドプランをさらに発展拡充させて介護の基盤整備を強力に進めるということで、介護基盤の整備を進めながら、高齢者が安心して生活できるような新しい介護システムの構築に向けて本格的な取り組みをしていこうということでございます。
 そういうことで、去る四月十三日でございますが、高齢者介護対策本部を設置いたしました。これは事務次官を本部長といたしまして対策本部をつくったわけでございますが、先ほど先生もお話しございましたように、この高齢者の介護問題につきましては、まさに年金、医療、福祉、そういう意味では社会保障制度全般にわたる問題でございますので、対策本部を設けて、文字どおり多角的に幅広い見地から検討をしていこう、こんなことでございます。
 厚生省といたしましては、先般の福祉ビジョンでも指摘されておりますけれども、国民だれもが身近に必要な介護サービスがスムーズに手に入れられるようなシステムをつくりたい、こんな観点から、五つほどの基本的視点、これを踏まえて本格的な調査検討に入っているところでございます。
 基本的な視点といたしましては、まず第一には、医療・福祉などを通じまして、高齢者の介護に必要なサービスを総合的に提供できるシステムであるべきである。二つ目には、高齢者本人の意思に基づき、専門家の助言を得ながら、本人の自立のために最適なサービスが選べるような利用型のシステムにすべきでないか。三つ目には、多様なサービ提供機関の健全な競争により、質の高いサービスが提供されるようなシステムであるべきでないか。四つ目には、増大する高齢者の介護の費用を国民全体が公平に賄うことができる、そんな負担のシステムであるべきでないか。そして五つ目、最後には、施設対策、在宅対策を通じまして費用負担の公平化が図られるようなシステムであるべきだ。このような五つの視点を念頭に置きまして、対策本部によりまして今いろいろな角度から検討に着手したところでございます。
#89
○山口(俊)委員 全くごもっともなお話なのですが、同時に、その確保についての具体的なお話も若干聞きたかったのですが、時間の関係もありますので、またの機会に譲らせていただきたいと思います。
 引き続きまして、健康保険制度等の改正について、これも法案として彼ほど審議をなさるのでしょうが、若干前もってお伺いをいたしておきたい点があるわけであります。というのは、いわゆる入院中の食事に係る給付の見直しというものが今非常に話題になっておる、あるいはマスコミをにぎわしておるというふうなことがあるわけでありますので、この件についてお伺いいたしたい。
 食事に係る給付の見直しかあるわけですが、その趣旨について、同時に、この自己負担額が八百円というふうな数字がひとり歩きしておりますが、この八百円という数字の根拠、その二点についてあわせてお伺いをいたしたいと思います。
#90
○多田政府委員 今回御提案申し上げております健康保険法等の改正の中に、入院中の食事に係る給付の見直しというものが盛り込まれておりますが、これの趣旨というお尋ねでございます。
 入院時の食事に係る給付の見直しにつきましては、患者ニーズの多様化に対応したサービスの質の向上、あるいは、入院と在宅との負担の公平といったような観点から、新たに入院時食事療養費の支給制度を設けることといたしまして、その額は平均的な家計における食費を勘案した定額の支払いということで、お願いをしたいというふうに考えているところでございます。
 これは、医療保険審議会におきまして、今後の医療保険制度のあり方ということを、特に給付の面でどういうふうに進めていくべきかということを、一年にわたって御検討をいただいた結果御提案をいただいた線に沿って改革を進めるものでございまして、この入院時の食事についての保険給付の見直しのほかに、付添看護に伴う患者負担の解消、在宅医療の推進といったものが一体的に進められるべきであるということを強く指摘されていることを受けたものでございます。
#91
○山口(俊)委員 いろいろお話を聞きますと、在宅の方は食費が要るではないか、これは不公平ではないか、あるいは、老人病院に入っておられる方の自己負担というのは大体二万一千円程度、ところが老健に入っておられる方々は六万円程度かかる、あるいは特養は平均三万六千円、こうしたアンバランスというのが社会的入院を助長したりいろいろな問題を生んでおるというふうなお話でございます。
 確かにそのとおりであろうというふうに思うわけでありますが、こういうふうにいわゆる自己負担というのを設定をしますと、入っておる患者さんは自分で出すわけですから、当然よりよい食事とかそういうものを期待をするし、求めてくるであろう、逆に病院側としましては、病院側の金額というのは一緒ですから、対応に苦慮なさるであろう、そんなふうな思いがいたします。実は、これも若干調べてみますと、既に各病院でいろいろな格差が出てきておるのではないか。ある調査によりますと、ある病院では一日四百五十円の材料費、ところがある病院は一日九百四十円の材料費を使っておる、これは差益というものが明らかにあるのですね。そこら辺の問題、現状と、それからそうしたことにどういうふうに対応なさっていかれるのか、それについてお伺いいたしたいと思います。
#92
○多田政府委員 給食の材料費につきまして施設ごとにいろいろばらつきがあるのではないかというお話でございますが、これは現実にそのとおりであろうと思います。ただ、今回の患者に御負担をいただく給食関係の費用といいますのは、在宅のときにその程度の費用を当然かけておられるであろうと思われる程度の額を入院した場合にも御負担をいただくということでございまして、材料費が幾らかかっているから幾らという設定でございませんので、その点は御理解をお願いを申し上げたいと思うわけでございます。
#93
○山口(俊)委員 そういうことなのですけれども、ただ、病院としてはそれを差益として考えておるところもあるのではないかということもあるわけでありますので、十分な御指導を是が非ともお願いをいたしたいと思う次第でございます。
 考えてみますと、今回の制度導入で、希望すれば、お金を払えば例えばフランス料理でも食べられるというふうなこと、いわゆる選択ということがあるわけですね。ですから、ある意味で、よりよき医療サービスを提供するところが生き残っていくのだろうな、そんなふうな感じもするわけであります。患者さんにとっても、うまくやれば相当よくなっていくのではないかというふうなこともあるのですけれども、ただ、やはりいろいろな御意見の中に、食事も医療の一環であるというふうな考え方もあります。
 また、お年寄りの方は、今まで一律七百円だったのが食費でプラス八百円、千五百円にもなって倍の負担になってくる、また、低所得者の方も大変な負担になってくるのではないか。やはりこうした制度改革に伴って、いろいろな弱者といいますか、そうした方々の救済、つまり負担軽減措置というのも考えていく必要があるのではないかというふうに思いますので、そこら辺をお答えを願います。
#94
○多田政府委員 今回の私どもの案でございますが、低所得者につきましては、一般が八百円のところを六百六十円ということで、若干の配慮をしておるつもりでございます。それから、住民税の非課税の老齢福祉年金受給者の方々につきましては、これを三百円にするということで、低所得者に対する配慮をしながら、こういう御負担をお願いするということにしているところでございます。
#95
○山口(俊)委員 さきにお答えがあったわけでありますが、今回の食事代の一部患者負担で浮いてくるお金の中で、いわゆる付添看護をなくすための財源に約二千五百億というふうなお話を聞いております。
 これは付添婦のかわりに看護婦あるいは看護補助者を病院に雇わせるというふうなことであります。確かに方向としてはこのとおりなのでしょうが、ただでさえ看護婦さんとか介護補助員というのは不足をしておるような気がいたすわけでありまして、既に病院によっては人の奪い合い、先に雇っておけというふうなお話も聞くわけであります。しかも、人件費が上がってくる中で、いろいろな名目でのいわゆる保険外負担というのが出てくるのではないか。既に、東京といいますか都市部を中心にそのようなこともあるようでありますので、人手不足あるいは人件費の問題から、これは廃止目標が七年度末ですか、それが果たしてちゃんと予定どおりクリアできるのかというふうな心配もございます。ですから、そこら辺について。
 また、こうした制度の急激な改革で、どうしても弱者にしわ寄せがいってしまう。先ほども御答弁をいただきました。そのような措置で結構なのですけれども、実は、付添看護を廃止したがためにその病院から出ていかざるを得なくなったお年寄りもあるというふうな報道も既にございました。それはなぜかといいますと、結局、そうしたお年寄りを例えば収容する他の施設がなかなかまだできておらない、あるいは家庭でそのような環境が整っておらない等々で、総合的な施策の中で初めてうまく機能する問題であって、やはり過渡期というものにはどうしても出てくる。そこら辺に対する考え方といいますか決意も、あわせてお伺いをいたしておきたいと思います。
    〔委員長退席、網岡委員長代理着席〕
#96
○多田政府委員 付添看護を解消しようとすれば介護職員の奪い合いといったようなことが起きるのではないか、それによって人件費も上がっていく、それを補うために保険外負担を上げるといったような一連の流れができはしないかというような御指摘でございましたが、看護・介護職員を雇用しやすい条件というのは診療報酬面でできるだけの配慮をしていくということにいたしたいと思いますし、また、保険外負担の問題につきましては、保険外負担の運用というのは先生御承知のとおりでございますけれども、具体的にサービス、物を明示をいたしまして、こういうものについて幾らということを明らかにしながら徴収するという仕組みになっておりますので、簡単にそれでは保険外負担でプラスアルファしようというようなことは容易にできることになっておりませんので、そういう点は、今後ともしっかりと目を届かせていきたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、弱い立場の方々が仮にも入院から追い出されていくというようなことがあってはならないというふうに考えておりますので、関係部局とも、あるいは、場合によっては他省庁とも十分に協力をしながら、円滑な解消に向けての努力をしていきたいというふうに考えております。
#97
○山口(俊)委員 しっかりやっていただきたいと思います。
 ほかに年金の質問も予定いたしておったのですが、実は私、どうしても臓器移植について一言申し上げたい、質問をいたしたいというふうなことがございます。どうも七日に本会議で年金法というのも出てくるようでありますので、年金の方はまたの機会に譲らせていただきまして、脳死及び臓器移植に関して御所見をお伺いをいたしたいと思います。
 先に申し上げておきたいのですけれども、もう既にこの法案が提案をされておる、もちろん議員提案でありますが。しかも、そうした提案を受けて、厚生省としても、例えばネットワークの問題だとか、あるいはその他のいろいろな準備等を進めておられるわけですね。にもかかわらず大臣の所信の中に一言もなかった。大変残念な思いがいたすわけでありますので、あえて申し上げておきたいと思います。
 御案内のとおり、我が国でも、移植を受けなければ助からないというふうな多くの患者の方々が、移植ができるように、そうした環境になる日がいつかとそれこそ待ちわびながら、大変な不安の中で暮らしておられるわけであります。これまで我が国においては、脳死は人の死か、脳死体からの心臓や肝臓等の臓器移植は許されるのか、長年にわたって議論がずっと続いてきております。平成四年の一月には、脳死臨調によって、脳死体からの臓器移植を認めることを内容とする答申が出てまいりました。しかし、事態はその後全く動いておらない。
 実は私、去る三月、加藤委員長命おいでになりませんが、委員長のお供をして、脳死等医療問題に関する調査議員団の一員で欧米に行かせていただきました。この問題で視察を行ってきたわけでありますが、ちょうどそうした後、この四月に、臓器の移植に関する法律案というのが衆議院に提出された。今国会はこのような状態でありますので、今後どこまで十分な議論が行われるかわかりませんけれども、そうしたことがあるだけに、今この問題について取り上げてみたいと考えております。
 まずお伺いをいたしたいのが、諸外国における脳死及び臓器移植の現状についてですね。諸外国においては脳死というものはどのように取り扱われておるのか、あるいは、諸外国における脳死体からの臓器移植の実績といいますか数といいますか、それはどうなのか、また、移植医療というものに対してどのような評価がなされておるのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
#98
○谷(修)政府委員 諸外国におきます脳死の考え方でございますが、脳死について、法律上明確に死と規定している国といたしましては、アメリカの多くの州、あるいはスウェーデン等の例がございます。また一方、法律上は脳死は死であるということは規定はしておりませんが、医学的に脳死は死であるということが認定をされ、社会的にも受け入れられている国といたしましては、イギリスあるいはドイツなどがございます。いずれにいたしましても、そういうようなことで、多くの国々で脳死をもって人の死とするということは既に定着をしているというふうに承知をしております。
 一方、こういったような脳死になられた方からの臓器移植でございますが、ここ数年の例で申しますと、アメリカあるいはヨーロッパを含めた諸外国で、心臓移植につきましては年間三千件以上、また、肝臓移植につきましては毎年年間五千件以上の実施がされております。この移植の成績でございますけれども、心臓移植につきましては、五年間の生存率、いわゆる五年生存率で大体七〇%、肝臓移植の場合につきましては、四年生存率でございますが、六十数%といったような成績が出されておりまして、移植医療というものはこれらの国々では、今申しましたような実施数あるいは成績などの点から見ましても、日常的な医療として定着をしているというふうに考えられております。
    〔網岡委員長代理退席、委員長着席〕
#99
○山口(俊)委員 時間があと五分でありますが、視察に行ってまた大変感じたのが、日本で受けられない、どうしようもないというので、イギリスとかドイツとかアメリカ等々、諸外国に行って移植を受けられる方々がおるというふうな実態があるわけですね。そうしたことを踏まえて、我が国の移植を受ければ助かるというふうな患者数はどうなっておるのか、そしてまた、海外での邦人の移植の状況というのはどうか。また、これも向こうで聞いた話ですが、外国から来られたら困る、特に日本はちょっとおかしいのじゃないかというような話まであるやに聞いておりまして、そこら辺の門戸が狭まりつつあるというふうなことも聞くのです。その点もあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
#100
○谷(修)政府委員 関係の学会等におきまして、そういったような移植を必要とする患者の数ということについて幾つかの推計がされておりますが、推計によりまして若干の幅がございますけれども、心臓移植を必要とする患者さん、大体これが毎年最大で六百人ぐらい、一方、肝臓移植を必要とする患者については毎年約三千人ぐらいであろうというふうに推定をされています。一方、腎臓移植につきましては、御承知のように人工透析を受けておられる方が多いわけでございますが、人工透析を受けておられる方で移植を希望しておられる方というのは、平成四年度で約一万九千人というようなことでございます。
 一方、今お話ございましたように、海外に行って移植を受けるという方の数でございますが、これは患者さんの団体等の調べでございますけれども、既に、心臓移植では約十五人、また、肝臓移植では、特に胆道閉鎖症のお子さんについて七十五人が、海外に行って移植を受けたというふうに承知をしております。
 また一方、今お話ございましたように、国によっては、これは各国共通でございますが臓器の提供者に比べまして移植の希望者が多いというのが実態でございますので、そういうことが背景にございまして、移植を受けるために渡航してきた外国人については、だんだん、事実上その機会の提供が厳しく制限をされている、あるいはそういう方向で検討しているという国が出ていることは御指摘のとおりでございまして、具体的な例といたしましてはイギリス、また、現在アメリカにおきましてはそういったような考え方で法案が提案をされているといったように承知しております。
#101
○山口(俊)委員 先般の脳死臨調において、脳死をもって人の死とすることはおおむね社会的に受容をされ、合意をされておるのではないかというような話がありましたが、ただ、現実的に脳死を人の死とすることにちゅうちょする方々もかなりおいでになるわけであります。そうした方々に対する配慮という点が大事かと思うわけです。
 あるいは、今回の法案でも恐らく議論の中心になってくるでありましょう、いわゆる提供する権利、提供しない権利ということもあると思うのです。あるいは、受ける側にしても、受ける権利といいますか、あるいは受けたくない人、これもあるだろうと思うのです。こうしたものをどうするのか。そしてまた、これがうまく機能するためには、いわゆる臓器移植のネットワーク、そしてそれに欠かせないコーディネーターということもあると思います。そこら辺に、法案がどうなるかまだわかりませんが、それがある程度見通しが立った段階できちっと厚生省として対応していただきたい、これをお願いをしておきたいと思います。
 いろいろ質問しようと思いましたけれども、時間の関係で、本格的にはこの臓器移植の法案についてのときにやらせていただきたいと思います。
 最後に一問だけお願いをしておきたいのが、やはり非常に誤解の多い問題であると思います。いろいろな経緯がある中でやはり大変誤解が多い。そこら辺の誤解を解く努力もしていく必要がありますし、また、私も今回出されております法案が決してパーフェクトであるとは思っておりません。ただ、ここでやはり議論をして、国民の皆さん方の注意も喚起をさせていただいて、みんなでよりよきものをつくっていく、その責務が今、国会にあるのではないかと私は考えておるわけであります。
 そうしたいろいろな状況を踏まえて、厚生大臣として今後の脳死、臓器移植問題にどのように取り組んでいかれるのか、最後にお伺いをさせていただきたいと思います。
#102
○大内国務大臣 今さまざまな御指摘がございまして、その一つ一つ大変ごもっともなことだと思いながら拝聴しておったわけでございますが、厚生省といたしましては、御案内のように、この問題につきましては平成四年の一月に脳死臨調からの答申をちょうだいいたしまして、その後も関係各方面と検討を重ねてまいっているわけでございます。
 特に、臓器移植立法の問題につきましては、これまでの立法府における御努力の結果、四月十二日に臓器移植に関する法律案が国会に提出されたところでございますが、今お話しのように、この問題はすべからく国民の皆さんのコンセンサスを得るべき重要な問題でございまして、多くの論議を経てこの法律が制定され、望ましい形で移植医療が実施されていくように私どもとしては期待しているわけでございます。
 厚生省といたしましても、脳死臨調の答申を尊重いたしまして、今後の国会審議の状況を踏まえつつ、特に臓器移植ネットワークの整備というものを進めるなど、適正な移植医療の実施に向けまして努力を進めてまいりたい。
 また、この臓器移植については、非常に倫理の伴う問題でございますし、それぞれの立場によっ
でいろいろな評価、積極的な評価もございますし、ネガティブな評価もございますが、いずれにしても、これが医学的にも非常に重要な課題になってきておりますので、私どもとしては積極的にこれに対応するという面で取り組んでまいりたいと思っております。
#103
○山口(俊)委員 時間の関係で大分はしょりましたけれども、またの機会に譲らせていただきます。御答弁ありがとうございました。
 以上で終わらせていただきます。
#104
○加藤委員長 土肥隆一君。
#105
○土肥委員 私は、ゴールドプランが後半部に入った今日時点で、この際、私のいろいろな思いを、このゴールドプランを見ながら、皆さんに、そしてまた厚生省関係の皆さんに申し上げたいと思うのであります。
 一九九〇年に福祉関係八法が改正されまして、ゴールドプランはその前年から「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、こういう名前で発表されまして今日に至っているわけでございます。特に、在宅福祉というところに視点を置いたということは極めて重要なことでありますし、また、施設福祉におきましても、着々と準備が進められている、目標に向かって歩みが進められているということは大変うれしく思います。また、社会の中にもこのごろはゴールドプランという言葉が定着してまいりまして、国民の皆さんもこれに関心を持っていただけるような状況になったのだろうというふうに思います。
 ちなみに、一九八〇年から八九年までの十カ年で社会福祉関係の総事業費が約一兆七千億円だったと聞いております。それが、一九九〇年から九九年までの十カ年で六兆円余りを使おうというのですから、それは相当な気合いの入れようだ、このように思っておりまして、私も福祉に大変関心を持っている者としてはうれしく思います。しかし、今時点でやはりもう一度見直しておく必要があるのではないか、あと残された五年でこの目標が達成されるのかどうかということも含めて、ちょうどいい見直しの時期ではないかというふうに思っております。
 そこで、私は幾つか問題点を取り上げまして質問にかえたいと思うのでありますけれども、やはり老健施設というものをこのゴールドプランに入れたということ。あるいは、在宅三本柱と言われている三つの在宅福祉に相当の力を入れているということ。しかしながら、都市部においては施設整備が非常に困難な状態になっているというようなこと。市町村の役割などが、まだ福祉計画が十分にはまとまっていないようでありますけれども、市町村の役割が増大するに従ってのその認識といいましょうか、そういうものがまだ不十分ではないかというようなこと。あるいは、人材確保の面についてはまだ決定的な人材確保ができていないというふうにも思っているわけでございます。
 そこで、厚生省にお尋ねいたしますが、市町村老人福祉計画策定の提出が終わりまして、いよいよ地方の福祉需要の動向も徐々に明らかになってくるのではないかと思いますが、今時点でどういうふうな集約とどういう評価をしていらっしゃるでしょうか。
#106
○横尾政府委員 地方の老人保健福祉計画でございますが、まだごく一部ではございますが未提出の県がございます。そういう意味で、まだ全体像を御報告をするような状況にないわけでございますが、そういったところを除きまして、逐次関係県とひざを突き合わせまして内容について精査を行っております担当者の感触というぐらいでお許しをいただきたいと思います。
 かなり各地方自治体とも意欲的に取り組んでいただきまして、意欲的と申し上げますのは、それらの計画がそれぞれの自治体の実態調査に基づいているわけでございますから、まさにニーズがかなり大きいということになるのだろうと思っておりますが、当初私どもが想像していた以上に目標水準を上回るのではないかという感じを持っております。
#107
○土肥委員 まだ十分な集約が行われていないようでありますので、この需要の動向とそれからゴールドプランとの関係が徐々に明らかになってくるのではないか、そのときにはまたいろいろとお聞きしたいというふうに思います。
 このゴールドプラン完成時、一九九九年でありますけれども、あと五年。特にケアハウスあるいは老人保健施設、在宅介護支援センターなどがおくれているわけですが、一番進んでいるのは特養であります。特養は二十四万床が目標でございますが、もう既に八割方達成しつつある、これは大変結構なことだと思います。しかし、この特養のことについても、この時点でただ数がそろったからおめでたいというふうにはなかなか言えないというのが私の率直な意見であります。
 今の措置基準あるいは施設整備の基準に従って二十四万床という壮大な特別養護老人ホームをつくっていくわけであります。私は、第二次ゴールドプランというものが考えられるべきだというふうに思いますけれども、また二十四万床つくるような状況になるのかどうか。そのときに、今のような整備基準や措置費の体系の中でやるのかということになりますと、恐らく後代の人たちから、何で先輩国民はこんなものを、こんなものと言うと語弊がありますけれども、こんな鉄筋コンクリートの建物で、大体四人部屋、二人部屋、個室は一割程度というものを五十万床もつくったのかというふうな批判を受けないとも限らないわけで、こんなにどんどんつくっていっていいのかとも思います。
 もちろん、老人人口の大体五%くらいの人たちが住宅を含む介護を受けなければならないということになりますと、倍くらい必要なんじゃないかと思いますけれども、実際私も特養にかかわりを持っておりますが、その中身についていろいろ言いたいことを挙げれば十や二十はすぐ挙がるわけでございます。今この場で一つ一つ詰めるわけにまいりませんけれども、一つは、措置という考え方、一種の規制でございますね、この措置というものにおけるさまざまな矛盾がございます。例えば職員の配置基準が決められているのでありますが、これを自由にできないわけであります。
 このごろは重度の入居者が多くなりまして、重度者に対するさまざまな、重点的な手がかかりまして、したがって、生活の場というよりも、もう介護の場あるいは看護の場に変わってしまう、そういう特養の一種の類型化みたいなものがどこの特養でも行われているのではないか。あるいは、入所後のお一人お一人の入居者の介護・看護の評価を十分できなくて、要するにマンネリといいましょうか、通常のルーチンワークで済ましてしまう。あるいは、措置費の制約が非常に強うございます。したがって、アメニティーあるいは多様な生活をお年寄りに提供しようとしてもそれはできない。いろいろもうたくさんあるわけでございます。そういうことをやはり十分に踏まえて、後半戦、ゴールドプランの完成に向かって歩んでいかなければならないというふうに思っております。
 細かいことは省きまして、一つだけ。厚生省は、最近でございますけれども、介護計画検討会の中間報告をまとめられたようであります。その中にケアカイドラインというようなものも書かれておりまして、初めて特養の中におけるケアに関するガイドライン、介護計画を立てるというようなことに着手されたということは大変好ましいことだというふうに私は思っております。先ほどの措置施設としてのなかなか難しい制限の中でこのケアに対するガイドラインをおつくりになった。その中身について簡単にお知らせください。
#108
○横尾政府委員 お尋ねのケアカイドラインについて御説明申し上げる前に、特別養護老人ホーム及びその関係者がそのサービスの質についてもう一段前に取り組んできた問題について御説明を申し上げたいと存じます。
 それはサービス評価という問題でございまして、特別養護老人ホーム及び老人保健施設の関係者が、サービス評価基準というものを数年かけて検討してこられまして、昨年の夏にその基準を設けられたわけでございます。それも百項目余りにわたりまして、例えば食事の問題、介護の問題、入浴の問題の一々について、どういうサービスを行うべきか、それが行われているかどうか、それをA、B、C、Dのランクに分けてチェックをするということに取り組んでいただいたわけでございます。
 私どもは、そういう機運がこの特別養護老人ホーム関係者にあったということを大変評価をいたしますが、このサービス評価基準と今お話しいただきましたケアカイドラインの大きな相違点は、サービス評価基準は施設が行うサービスの種類と量を問題にしているのでございますが、ケアカイドラインは、個々の入所者がどういうサービスを必要としているかという個別性をベースにしたものでございます。それに基づいて行うべきケアの内容を把握するという手法でございます。これによりまして入所者の状況把握ができる、あるいは、施設の中でチームでサービスを提供するときにチームのメンバーが同じ問題意識を持ち得るということで、恐らくこのケアカイドラインは特別養護老人ホームのサービスの将来に大きな影響を与えるものと大変積極的に評価をしておるところでございます。
#109
○土肥委員 主に特養の施設長がそのサービス評価基準でチェックしているというのは存じております。この集計もまだ出ていないかと思いますけれども、施設自体がそういうサービス基準にまずメスを入れてみようということもいいことでありますし、それとともに、入居者であるお一人お一人のお年寄りのケアについてのガイドラインも決めていこうという、大変に付加価値の高い作業だと思いますし、これは必須のことではないかと思うのであります。それにしても、今の措置体系あるいは今の配置基準の中で果たしてそういうきめ細かな作業が職員間でできるかどうかということになりますと、私はいろいろと疑問があります。そういう付加価値の高いサービスを行うならば、それに見合った措置点数というものを、あるいは措置費の加算をするような方法も考えなければならぬのじゃないかというふうに思います。
 そこで、もう一つ厚生省にお聞きいたしますが、老人福祉施設機能化モデル事業というものをやっていらっしゃいます。私は、これは将来の特養のあり方を占う非常に大事な試みではないかと思いますが、特に契約入所というものをどういうふうに実施し、どういう評価をしていらっしゃるか、お聞きします。
#110
○横尾政府委員 お尋ねの契約型の特別養護老人ホームのモデル事業でございますが、平成四年度からモデル事業として、五年度において九施設において事業が行われております。特別養護老人ホームが、すべてその経費を個人負担にする介護の老人ホームを併設して行うということでございます。
 その評価については、これから検討をするということで、現時点ではまだ十分なお答えができないので大変恐縮でございますが、これまで個別に施設の方々から伺ったお話ですと、入所者の方からは、待たずに迅速に利用できるということ、従来の特別養護老人ホームとは異なって完全な個室を持てるというような点が評価されて、このモデル施設事業を行っているところでは入所待ちという状況であるそうです。また職員の方でございますが、入所者に対して、契約入所者であるという心理的作用が職員に多少働くのかもしれないけれども、従来の特養の部分も含めて処遇内容が非常に向上した、言ってみればサービス精神が涵養されたというようなことなのかもしれませんが、そういう評価も得ております。
 ただ経費的には、月額二十五万円のものから三十万円のものまでございまして、負担の面は非常に大きゅうございます。そういう負担の面を今後どうするかも含めまして検討させていただきたいと存じます。
#111
○土肥委員 おおむね好評のようでございますが、ほぼ、特養があってそれに併設のような形で自由契約者の契約入所が行われていると理解します。
 契約入所された方に対する職員配置が十分なのか、月額二十五万か三十万くらいで、二十四時間でお世話ができるのかというようなことなどなど、経営分析はしなければならないと思いますが、措置施設というものの持つ意味と、それから、特養が収入の低い方あるいは生活上困窮な方というところに流れがちな中で、特養が利用施設としてだれでも利用できるようなものに将来はなるだろう、またしていかなければならないだろう、そういうことを考えますと、一つこういう試みも必要かなと思います。ただ費用負担の問題については、後で介護保険などによる補てんということも申し上げたいと思いますが、モデル事業はこれからも引き続きいろいろな経験を積んでいただきたい、このように申し上げておきます。
 さて、措置費施設というのは、マンパワーあるいは職員の働きぐあい、配置などでいつも問題になるわけであります。今福祉施設で問題になっておりますのは、例の総労働時間一千八百時間を目標とする、これは宮澤政権時代の「生活大国五か年計画」というものだったかと思いますが、週四十時間に入らなければならないということで、福祉施設もそういう労働基準法的な制約を当然受けるわけでありますけれども、今日の時点で社会福祉施設における時短の進捗状況についてお知らせください。
#112
○土井政府委員 社会福祉施設における時短の進捗状況でございますが、御案内のとおり、私ども、業務省力化等勤務条件改善費という形で、措置費の中身として、週何時間の労働時間という形で設定いたしておりますけれども、平成四年十月から週四十二時間という形で実施しております。
 さらに、昨年労基法が御案内のとおり改正されておりまして、社会福祉施設が適用になる労働時間が職員の方の規模によって異なっているということで、新年度予算におきましてはそれに対応した予算計上をいたしているところでございますが、一つは職員規模三百一人以上の施設、これはこの四月から週四十時間労働ということでセットをいたしております。それから、三百人以下の施設についてでございますけれども、平成九年の四月から週四十時間という目標でございますので、とりあえず新年度予算におきましては四十一・五時間という予算を計上しておりまして、三十分の短縮を図っております。そういうような形で、実施をした福祉施設については、その分の業務省力化等の勤務条件改善費のお金が行くというような形で予算を計上しているところでございます。
#113
○土肥委員 これはきっちりと手当てをしていただきませんと、それからまた、施設従事者あるいは施設経営者もしっかりと認識をしないと、ついつい長時間に及んでしまうということがございます。ただ私は、施設を見ておりますと、機械的になってしまいまして、タイムレコーダーをわざと勤労時間に合わせる、その後にまた仕事をしなければならないというようなこともございまして、やはり週四十一・五時間では仕事が終わらないのじゃないかということが考えられるわけであります。それはいろいろ問題がありますので、どうぞ時短に向かって的確な財政的な裏づけ、それから指導をしていただきたい、このように思います。
 それから、施設で省力化対策として、周辺業務であるとか外部委託であるというようなことがいつも言われます。あるいは、福祉のマンパワーとして六十歳以上の高齢者を活用しようとかいうようなことも言われるわけですが、これはなかなか言うべくして易しくないのでありまして、省力化対策というと、いつも福祉の現場では福祉の手抜きというふうにすぐ批判をされまして、なかなか施設自体が省力化に進めないということでございますが、今時点で、厚生省としては省力化に関してどういう認識を持っていらっしゃるでしょうか。
#114
○土井政府委員 ただいまお話がありましたとおり、省力化対策ということで外部委託、機械化といったようなことを私どもも推進してまいってきております。
 例示的に申し上げますと、例えば、社会福祉施設の寮母等の行っている仕事のうち洗濯、清掃等の業務とか、あるいは入っている方々が通院するとき、買い物に行くときの付き添い、そういった周辺業務、あるいは補助業務というような区分けをしておりますけれども、そういったものについては外部委託あるいは非常勤職員による対応ということが可能であろうということを考えております。
 一方、機械化の問題でございますけれども、特殊浴槽とか電動ギャッジベッドなどの介護用の機器、あるいは大型の全自動洗濯機、大型乾燥機、自動食器洗浄機等の、洗濯でありますとか厨房の機器、それ以外にも事務用の機器等もございますが、こういったものの導入を図りまして、それによって省力化された時間を、本来人間でなければできないようなきめ細かな入所者の処遇に対する仕事に振り向けてまいる、そんな考え方で省力化の問題に取り組んでいるところでございまして、こういったことはこれからも力を入れてまいりたいと考えているところでございます。
 高齢者の状況でございますけれども、ちょっと古うございますが平成三年度の数字で申し上げさせていただきたいと思いますが、社会福祉施設で働いている職員の数が五十一万九千人という報告をいただいております。そのうち六十歳以上の方は四・三%という状況になっております。
#115
○土肥委員 六十歳以上の方は四・三%ということでございますが、福祉職、特に特養の場合は、先ほどから申し上げておりますように、重度介護に手が回ってしまいまして、あとの部分では、まあ比較的お元気な方はほったらかしということになりかねないわけでございまして、そういうところにもう定年退職なさった方に大勢来ていただいて、話し相手であるとか一緒に遊んでいただくとかというボランティア的な仕事も含めてこれから大いに特養を支えていただかなければならない、そのように思います。
 また機械化、省力化のことについても、よほど思い切ったことをしない限り、今おっしゃっていただいたようなものはほぼどこでもやっているわけでありまして、給食の問題も含めて、あるいは思い切って外注に求めることができるような業務というものも考えていかなければならないと思いますが、なお一層の省力化対策をやっていただかないと今の措置基準ではなかなか難しいのではないか、このように思います。
 以上、特養のさまざまな問題点についてお聞きいたしました。
 今度はゴールドプランを見ますと、ケアハウスが極端におくれている。このケアハウスは、質の高い住環境でできるだけ自立して生活できる施設、こういうふうに定義されておりまして、大変すぐれた福祉施設と考えるのであります。ところがその整備は極端におくれているわけでありまして、平成五年度ベースでも、目標十万ベッドに対して一万六千七百ベッドということでありますから、平成十一年で間に合うのかな、こういうふうに思うわけであります。
 日本住宅というのは、御承知のように狭くて、廊下ももちろん狭いし階段が急でありまして、およそ介護とか看護に向かない住宅構造でございます。住宅の問題はまた別のところで取り上げなければならないと思いますが、在宅福祉といいましても、その住宅で在宅福祉が阻まれてしまうということもあるわけでございます。そういう意味で、質の高い住環境が用意されればそちらへ移って、できるだけ自立した生活をしていただくということは極めて重要なことなのでありますが、これが進まないという理由をどういうふうに厚生省は評価しているのでしょうか。
#116
○横尾政府委員 他のサービスも含めまして、ゴールドプランの中で整備がおくれている理由というのは、一つは、ニーズがなかなか顕在化しないためにそれぞれの地域での要請といった形にならないというのがございます。また二番目は、運営主体が、運営費でありますとか施設整備費について運営者としての魅力を感じないということもあろうと思います。また、いろいろ内容について、いいと思うけれども事業を許可する厚生省側の条件が現実的でないためにそれぞれの地域で実行が難しい、そんな理由がそれぞれにあるのではないかと思っております。
 このケアハウスは、多くの方々がいかなるものか知らないということの理由が当初大変大きかったと思っておりますが、ようやく、既にでき上がったところをごらんいただいた方々が、なるほどいいものだと思っていただけるように徐々になってきているかと思っております。しかしながら、先ほど申し上げました第二、第三の事情がありましてなかなか進まなかったということでございまして、その条件であるとか補助基準ということについて、現場の方々の声を聞いて一歩一歩対応していきたいと考えております。
#117
○土肥委員 設置者が魅力を感じない施設はだれもつくらないわけでありまして、魅力というのは、利用者側からの魅力もさることながら、設置者側の魅力もなければいけない。ありていに言えば、利益が上がらない、もうからない。もうかるというのはおかしいですけれども、運営自体もおぼつかないというふうなことじゃないかと思います。例えば、三十人が今度は十五人にまで拡大されたのでしょうか、そういう小規模の施設であれば少ない費用でできるわけでありまして、民間の人たちがアパート経営をなさるぐらいの利益はやはり出してあげなければいけないのじゃないかということでございます。
 今、このケアハウスを整備するときの補助金の現状はどうなっているのでしょうか。
#118
○横尾政府委員 補助の内容がどの程度かということにつきましては、補助対象面積の問題と補助単価の問題であろうかと思っております。
 補助対象面積につきましては、これは平成三年度に面積の拡大をいたしまして、一人当たり三十九・六平米にいたしました。この面積をもって原則個室のバリアフリー住宅を建てていただくということになっております。それから、補助単価については一般社会福祉施設の単価を適用しておりますが、平成六年度におきましても九・〇%のアップを行うということでございます。また、運営費でございますが、ケアハウスにつきましては、ケアが必要といいながら職員配置が十分でないという御指摘がかねてからございました。六年度の予算案において常勤寮母一名の加配を行うことを踏み切ったところでございます。
#119
○土肥委員 ぜひともこれは達成していただきたいと思います。
 特に私の感想としては、いろいろな市町村に参りますと、市町村自体が嫌だと言うのですね。こんなものはつくれないよなんて言う人もいるくらいでございまして、今度福祉計画が出た中で、ケアハウスをどれぐらい取り組んでいるかということをぜひとも後で教えていただきたいのであります。末端の行政組織である市町村がこの意味をもう少ししっかりと認識していただくようなそういう働きかけをしない限り、市町村が民間事業者、我々を刺激してケアハウスをやりませんかというふうな話にはなかなかならぬのではないかと思っております。
 それからもう一つ、在宅介護支援センターであります。これも、在宅福祉のいわば今後大変期待できる構想ではないかというふうに私は思うのでありますけれども、しかし、見ておりますと、どうもこれももう一つ進まない。特にこの在宅介護支援センターは、相談業務とはいえ二十四時間の応対をするということで、福祉の最後の課題でありました夜間のケア、つまりナイトケアの道を開いたという意味では画期的な構想だと私は思うのであります。したがって、これもぜひとも拡大していただかなければならない。全国一万カ所の達成はぜひともお願いしたいわけでございますが、在宅介護支援センター、今何カ所できておって、その運営の内容、特にスタッフはどういうふうになっているのか。そして、二十四時間でスタッフ二名というのは、二名だと思いますが、それでは到底二十四時間できないわけでありまして、いろいろなところの二十四時間施設に併設されていると思いますが、どういう状況になっているのか。それから、人件費など、一人当たりの単価は今年度で幾らついているのか。
 あるいは、お聞きしますと、厚生省で在宅複合型施設という構想がありまして、在宅介護支援センターを中心とするトータルな地域あるいは在宅福祉プランが出ておるというふうに聞いておりますが、まとめてお答えいただきたいと思います。
#120
○横尾政府委員 まず現状から申し上げます。
 平成四年度末で、七百九十一カ所の在宅介護支援センターができております。運営は、御指摘になりましたように、保健婦、または看護婦、介護福祉士、ケースワーカー等々のうち二名を配置することとしておりまして、運営費が約一千万でございますが、二名分の人件費がそれぞれ年額約四百五十万程度ということで組んでおります。
 先ほど申し上げました七百九十一カ所の併設の状況でございますが、一番多いのが特別養護老人ホームでございまして六百四カ所、次が老人保健施設九十七カ所、病院六十三カ所、その他二十七カ所となっております。これは当初、制度発足当時は特別養護老人ホームや老人保健施設など入所型の施設への併設を前提としておりましたが、その後運営方針を変えまして、デイサービスセンター、ヘルパーステーション、訪問看護ステーションという在宅サービス型の施設への併設も、規制緩和といいますか、お勧めをするようになったところでございます。
 それで、従来型の入所型施設併設でございますと、やはりそれぞれ、大きな施設の所在地は町の中心部ではなく郊外部分ということがございまして、本来在宅介護支援センターに求める、すぐ駆けつけていただけるところに相談機能があるということにやや問題を残すケースが多くなってまいりました。そういうことにどう対応するかということの一つの解決策として、本年度の予算で在宅複合施設というようなものを提案させていただいているわけでございまして、在宅介護支援センターがショートステイを持つ、あるいは老人保健施設を持つ、ヘルパーステーションを持つ、訪問看護ステーションを持つというように、ミニマムのその地域のサービスに必要なものを用意した在宅介護支援センター、相談の後すぐ駆けつけることができる、あるいは受け入れることができるような機能を持ったものを今後は整備をしていきたいと考えております。
#121
○土肥委員 これも今の御説明で私も大変結構なことだと思います。もはや発想の転換で、在宅介護支援センターが中心になっていろいろな施設をっなげていくという構想でございまして、すぐに役立つ在宅介護支援センターというふうになれば、これは大変すぐれた試みだと思います。しかし、複合型施設をつくるというのは、これはまたなかなか大変な構想でございまして、今後どうやってこの数をふやしていくのかということはまたじっくり考えなければならないことだろうと思います。とにかく、私は、在宅福祉に関してはこの在宅介護支援センターが、町中における、市民の頼りがいのある、そして安心をすることのできる施設として今後も発展していただきたい。
 ただ、まだ依然としてスタッフ二名、一千万。二十四時間施設でスタッフ二名で賄えるはずがないわけでありまして、恐らく老健施設であるとか特養であるとかの職員のいわばサービスを利用しているというふうに思うわけであります。私は、将来的には、この在宅介護支援センターにホームヘルパーを置いておきまして、在宅複合型施設のヘルパーステーションというものはそういうものかと思いますが、ここからホームヘルパーがそれぞれの家庭に出ていくような形態がもっと活発に行われるように、また、この中にボランティアの組織などもつくりまして、従来の在宅介護支援センターの業務プラスいわば地域住民の助け合い運動などもこの中で組織されていったらいいなというふうに思っておることをつけ加えておきます。
 ついでに、ちょっとお尋ねしますが、訪問看護ステーションは今どうなっておるのでしょうか。平成四年四月にスタートして二年がたつわけでありますが、今のステーションの数、訪問看護婦の数がわかれば教えてください。それから、ステーションの経営、これはどうなっておるのか、今の療養費の単価など、お願いします。
#122
○横尾政府委員 制度発足後二年を経過いたしまして、平成六年の三月末現在で三百八十九カ所となりました。ようやく全県で設置ができたという状況でございます。
 経営状況については、昨年来いろいろ指摘がございましたが、平成六年の療養費の改定で、例えて申しますと、従来看護婦さんが訪問をしましたときの一回の療養費を四千七百円にしておりましたのを五千円にするというようなこと、あるいは訪問回数が、ターミナルの方を除いては原則週二回であったものを三回まで認めるというようなことをいたしましたし、また、一回一回の療養費の算定ではなくて、一カ月ごとの訪問看護管理療養費という部分につきましても大幅に改善をしたところでございます。
 また特に、訪問看護発足時に比べまして、在宅でターミナルを迎える方が徐々にふえる傾向にございます。そうした声も受けまして、ターミナルケアの療養費というようなものも新設をいたしました。この四月の改定で、ある程度運営が円滑に行えるようになったのではないかと考えております。
 訪問看護婦さんのトータル数は、恐縮ですが、ちょっと今資料がございませんでした。
#123
○土肥委員 私は、この訪問看護ステーションの構想が出ましたときには、これで初めて看護婦さんの看護料みたいなものが明らかになったというふうに思いました。一回五千円ということでございますが、恐らくこれでは、この中からステーションの事務費とか管理費を取りますから、幾らぐらいになるのでしょうか、よくわかりませんが、看護婦さんの取り分というのはもっと少なくなるわけであります。管理療養費とかターミナル療養費が出るということで、少しよくなるのかなというふうに思います。これはもう申し上げるまでもなく看護婦さんが直で在宅に入ります。家にいらっしゃるお年寄りないしは療養者の方に接するわけでありますから、これもすぐれた在宅ケアの一種だというように思うのです。
 そういう意味で、私は、働いた看護婦さんたちがその仕事に見合った収入が得られるように、そういう細かな実態調査もしていただきまして、自分の生活、看護婦さんの個人的な生活の中で、この訪問看護料の収入がどれだけ妥当なものとして考えられているか、そういう点も細かな調査をしていただきたいなと申し上げておきたいと思います。
 いろいろとお聞きいたしましたが、シルバーサービスの現状についてお聞きしたいと思います。
 今時点、私の感想では、景気が悪くなりまして、有料老人ホームの建設も余り進んでいないと感じますが、どうでしょうか。また一方、公団あたりもこういうことを始めたようでございます。今有料老人ホームの倒産など、事件は起きていないのでしょうか、お聞きいたします。
#124
○横尾政府委員 有料老人ホームでございますが、平成五年の七月のデータで二百六十一施設でございます。近年、生命保険会社、損害保険会社、建設会社等の参入が続いておりましたが、やはりここへ来て増加がとまっているというような状況でございます。
 また、倒産の問題でございますが、平成二年に一例、有料老人ホームの経営が悪化いたしまして、入居者が大変動揺をしたという事態が発生いたしましたが、本件が一応の決着を見ておりまして、その後、少なくとも表面的には倒産というよ
うなことは聞いておりません。
#125
○土肥委員 有料老人ホームというのは、こう言ったらちょっと言い過ぎかもしれませんが、日本の福祉の不十分さが生んだ結果だ、あだ花と言いましょうか。何しろ五千万やら一億やらというのを出して、いわば老後をお金で買うというのが有料老人ホームの基本的な発想だろうと思うのです。私は、国民の皆さんがこういう方法をお選びになるというのに別に異議を挟むものではございませんけれども、シルバーサービスを考えてみたときに、後で申し上げますが、もう少し、介護保険などを入れて、こういう極端な老後を選ばなくても済むような社会にならないものかと思うのであります。
 シルバーサービスの中には、在宅介護サービスとか入浴サービスとかがあるわけです。それからもう一つは、福祉機器とか介護用品のレンタルサービス業というのがございます。これなどを見ておりますと、余り発展していない。特に、民間の在宅の介護とか看護サービス、これなどは民間業者の皆さん、どうも非常に苦労していらっしゃるようであります。入浴サービスにいたしましても、公的な金が入りましてやっと息を継いでいるというようなことでございまして、サービスを買うというところまでまだいっていない状況でございます。
 私は、基本的な介護・看護サービスは当然公的に実施すべきでありますけれども、それ以上の、各個人が望ましいと考えるようなサービスは購入する、買うということが今後の重大な課題になろうと思うのであります。民間業者の皆さんが頑張っておられるだけに、なぜこれが発展しないのかなと思うし、あるいはまた今後の高齢化社会というのは、民間業者の援助あるいは民間業者から買うという方法によらないでは四人に一人の高齢化社会を乗り切ることはできない、そういうふうに私は確信しております。そういう意味で、介護保険のことについてお聞きしたいのであります。つまり、保険を掛けることによってサービスを買うという、しかし、それは単に市場原理だけでなくて、国が一定の介護保険を設定して、そこでサービスという給付あるいは現金という給付を行うことによって、いわば自由な、選択可能なサービス購入ができると考えるわけです。
 そこで、介護保険についてお尋ねいたします。介護・看護のサービス、そういうニーズが増大化する中で、私が先ほど申しましたように、そのサービスを保険という形で、これは民間保険が既にございますけれども、政府として今、年金、医療、これはもう、年金は公的な年金、医療も公的な保険ができておりますから、それにプラス介護保険、三つの保険でこれからの高齢化社会を乗り越えていくことが望ましいのではないかと思います。政府あるいは厚生省当局は、この介護保険について、今どういう認識と検討をしていらっしゃるか、お述べください。
#126
○佐々木政府委員 介護保険についての認識、どんな検討をしておるかというお尋ねでございます。
 厚生省といたしましては、先般も御答弁させていただきましたが、実は介護対策本部を設けまして介護問題に取り組んでいるわけでございます。
 今、高齢者介護対策本部におきましては、いろいろな検討をいたしてございます。
 介護対策本部におきましては、先ほど山口先生にもお答え申したところなんでございますけれども、先般の福祉ビジョンの中でも指摘されました五つほどの視点がございますが、その中で、なかんずく検討の視点といたしまして、「高齢者本人の意思に基づき、専門家の助言を得ながら、本人の自立のために最適なサービスが選べるような利用型のシステム」それから「多様なサービス提供機関の健全な競争により、質の高いサービスが提供されるようなシステム」というような指摘があるわけでございます。このような視点も含めて、いろいろな角度からの検討に着手しているところでございます。
 それで、実は、我が国の社会保険にいろいろな面で影響を与えてきておりますドイツでも、つい最近介護保険を導入をしたというふうな情報も入っておりまして、私どもとしましては、社会保険のある意味でいろいろな面で、構造の面でもいろいろな対策でも、これまでも随分参考にしたことがございますので、ドイツの介護保険方式などにも大いなる関心を持って今検討をいたしているところでございます。
 高齢者介護対策本部におきましては、まさに財源問題等あるいは基本的にはどういう仕組みで持っていくか等はこれからの検討でございまして、必ずしも保険方式を前提とした検討という段階ではまだないわけでございますが、ドイツの例等もこれから大いに精力的な突っ込んだ検討をいたしまして、だれもが身近なところで必要なサービスをスムーズに受けられるようなシステムのあり方について本格的な取り組みにまさに今入っている、こんなところでございます。
#127
○土肥委員 私は、積極的に取り組んでいただきたい、検討していただきたい、このように思います。
 福祉施設などを見ておりますと、いわゆるスティグマという発想ですね。福祉の受益者、それは何か非常に社会的な陰の印象、マイナスの印象というのがあるわけでありますが、すべての医療も福祉も、介護・看護という切り口でいけば、医療保険、生活は年金、しかし同時に介護というものは介護保険ということになれば、スティグマと言われるようなものが一挙になくなると思うのであります。あるいは、制度間におけるグレーゾーンというのがあるわけで、医療と福祉の間も非常にあいまいになってまいりました。あいまいになったということは、人間は病気をしながら生きている、また介護も看護も必要だ、普通の生活に戻ったらまた病気になる、こういうことでございますから、そういう面を介護という流れで見れば、介護保険適用はできるということでございます。
 それから、先ほど申し上げました民間事業者、特に介護や看護、あるいは入浴サービスなどでも、何かこう民間事業者に対するうさん良さというようなものを感じるようでございまして、やっていらっしゃる方は非常にまじめにやっていらっしゃるのですが、既にもうある場所ではナイトケア、夜の介護・看護のパトロールが始まって、これはもう厚生省のモデル事業としてやっておられるようでありますが、あれなどを見ておりましても、やはりこれは民間事業者でないとできない仕事だなというふうに思うわけであります。
 そういう意味では、あの部分でも相当なお金がかかると思いますね。例えば夜中の二時から十五分間だけ、十五分か二十分の間おむつだけをかえに来てくれる、こういうサービスというのはもう画期的なサービスでありまして、これこそ究極のサービスだというふうに思うのでありますが、これもやはり介護という視点で見れば当然のことであるし、これに対する費用というのは、まともに計算すれば一日何万円というお金になると思いますが、それを介護保険で見れば、もうあらゆるサービスを我々は購入することができるというふうに考えるわけであります。医療も福祉も、介護・看護という切り口でいえば、介護保険を何とぞ積極的に検討していただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 これは大臣にお聞きしたいと思いますが、少しゴールドプランから離れますことをお許しいただきたいと思いますが、障害者基本法が制定されまして、これは議員立法ということで、私は画期的な基本法であるというふうに思います。ところが、本法の特徴は、国及び都道府県に義務を課しておりますけれども、市町村については、当該市町村における基本計画が努力義務というふうになっているわけです。最も基礎的な生活であります市町村、障害者が暮らしている市町村、しかもその市町村の中に、障害者がなるべく地域とともに暮らしていける施策を提供すべきだというふうに思います。
 これは六月一日で施行されることになったばかりでございますけれども、この点はよく市町村に対してもこの障害者基本法の意義をはっきりとお伝えいただかないと、なかなかそういうふうに基本計画まで立てて、そして努力義務とはなっておりますけれども、ぜひとも実施してもらえるような基本計画とともに、どういうふうに市町村を指導なさるのか、大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
#128
○大内国務大臣 今御指摘のような障害者施策に関する基本的な計画を、地域における障害者の施策を計画的、また総合的に推進するということは、これは大変重要なことであると考えておりまして、厚生省におきましても、都道府県及び市町村に対しまして、障害者の計画の策定に関する取り組みを進めるよう、今鋭意指導しているわけでございます。
 御指摘のように、これは努力義務ではございますけれども、ぜひとも各自治体において立てていただかなければならない必須の計画でございますだけに、単なる努力の跡を残せばいいというものではなくて、やはり確かな計画を策定していただくように、厚生省といたしましては今努力をしているところでございます。
 今後、市町村に対しましては、国及び都道府県の計画というものをまず基本としてお示しをし、そして地域の障害者等の状況を、これはそれぞれ違いますので、その状況を踏まえまして計画の策定に努めるよう、重ねて指導してまいりたいと考えているわけでございます。
 また、市町村が計画を策定する際には、これは市町村だけではなかなかできない分野もございますので、厚生省といたしましては、技術的な面でお手伝いする技術的支援態勢も強化してまいりた。いと考えておる次第でございます。
#129
○土肥委員 細かいことをいろいろお聞きしましたが、これから先も高齢化社会に向けての行政当局の御努力を期待して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#130
○加藤委員長 三原朝彦君。
#131
○三原委員 きょうは私は、この質問は本当なら来週から行われる健康保険法の内容ですから、来週の方が適当なのかもしれませんけれども、私、小さな党ですからいつ質問の時間が来るかわかりませんから、きょう三十分いただいたので、総括的なことですからお許しいただきたいと思っているわけであります。
 今までちょっと、ここのところ数年、バターよりむしろ大砲のことばかり勉強していましたものですから、こっちの方は外れておりましたので突拍子もないようなことになるかもしれませんけれども、そこのところは無知蒙昧の一年生に教育をするというような感じで、優しく御指導、御鞭撻をお願いしたいと思うわけであります。
 今度出される法律の健康保険法の中で、入院患者の食費の問題とか付添看護の問題とか、いろいろ議論になる面がありますが、私がきょう聞くのは、先ほど申し上げた付添看護に関することなのです。今この付添看護に従事しておられる方は統計的に大体どのくらい人数としていらっしゃるのでしょうね。それをまずお聞きしたいと思うのです。それと、個人のそれに対するコストと官がそれに払っているコストはどのぐらいずつあるのか、そのことをちょっとお聞きしたいと思います。
#132
○多田政府委員 現在付添看護に携わっておられます、現実に従事しておられる方の数というのは、付添婦数約四万人というふうに承知をいたしております。一般病院等のその他看護病院二万七千人、老人病院のその他看護病院一万人、有床診療所三千人といったような数だと推計されております。
#133
○三原委員 では、それにかかっているコストですね。個人が払うようなコストと官がそれに対して給付しているコスト、官と民のコストをちょっと教えてください。
#134
○多田政府委員 実際に患者さんが家政婦さん等とお話をして額を決めるわけでございますので、現実に総体で幾らになっているかというのは、実は私ども必ずしも正確に承知しておりません。
 しかし、一般的には大体、私どもの方の制度で後でペイバックをさせていただく、看護療養費、これの倍ぐらいの御負担をいただいているというところもかなりあるというふうに承知しておりまして、それでいきますと月に十万円前後の自己負担が生じているというようなケースも珍しくないというふうに思っているわけでございます。
 看護療養費、保険から出します現金給付の方の総額は、ここのところ大体年間一千億という数字になっておりますので、この分は付添看護が解消されることによって保険給付からは外れるということになるわけでございます。
#135
○三原委員 ということになりますと、民の方でもそれに同額ぐらいのことは積み重なるとやっているということになるのですかね。もちろん今おっしゃったように、相対でやっているから幾ら払っているか、それは明確にはわからないでしょうがね。
 そうなりますと、例えば個人が払っていることがもう終わるようになる。それで付き添いをつけるということになると、それは公がこれからは面倒を見ますということになるのですが、この保険医療機関が提供する付添看護サービスにかかるものだったら、今までかかっているのが一千億なら、これから先ほどのくらいを、今言った人数、四万人の人にかけるとすると、これからの予算としてはどれぐらいかかるようになりますか。
#136
○多田政府委員 今回の付添看護の解消に伴いまして、病院側の介護体制を強化するために必要な看護補助者を約六万人と見込んでおりまして、これによる必要経費は最終的には二千五百億円程度というふうに見込んでいるところでございます。
#137
○三原委員 では、単純に言いますと、例えば官と民が大体一千億と一千億強くらい払っているとしたら、今度は二千五百億払う。ふえた分だけサービスは必ず向上するというように確信しでこのことを今度は医療機関に任せて、お金はこっちが払うから心配しなさんな、そのかわりサービスは今以上のものをちゃんと、医師と看護婦と介護の人が協力体制をとってやるという確信を持ってもちろんこれはやっておられるでしょうね。どうですか。
#138
○多田政府委員 個々の患者さんから見ますと、例えば自分で雇用される場合には、自分で好きな期間だけ雇用をするというような自由度は確かにあるわけでございますので、そういう部分の、何といいますか、サービスの厚みみたいなものについては、病院側の提供ということになれば、今までどおりというか、今までより高いというわけにいくかどうかというところはございます。
 しかし、長年問題になっておりました付添看護に伴う病院のチームとしてのサービス、そういう協力関係、そういったものがしっかりと根づいていないという側面、あるいは後でペイバックされますけれども、差額が非常にあるということで保険外負担として大変だということで、早くこれを解消しろという国会決議もたびたびいただいておりました。そういう問題を今回この機会にぜひ解消をしたいということでこの問題を取り上げているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
#139
○三原委員 私は、最後に言われた保険外負担の解消ということ、これはもう本当にありがたいことだ、国民がお互いに相互扶助してやるということ、一二〇%賛成なんでありますが、最初に私がお尋ねした、つまり今付き添いしておるところなんてマン・ツー・マンの問題ですからね。やはり好き嫌いみたいなものがあって、例えばこの人にはお世話してもらいたい、この人は嫌だというようなことが、やはり人間ですから、特に患者になりますとわがままが出るところですから。細かいことを言うようですが、入院すると、私はおかげさまで健康ですから入院したことないものでわからないのですが、入院しておるような人だと、そういうささいなところで何か心の琴線に触れるような場面が実は大いに作用する。医師と患者の問題もそうだろうし、看護婦と患者の問題もそうだろうし、まして一番時間的により長くつき合うであろうと思われる付き添いの人と患者との問題なんかを考えたら、そのサービスを受ける患者側にある程度の選択の余地みたいなものを残すとか、そういったぐいのことも考えなければいけないかと思います。
 また、医療機関の従業員として今度は患者さんに当たる場面と、そうでなくて、今のような現状の場面で、個人と個人の契約みたいなもので当たる場面とで質的な差異が起こりませんかね。そこのところは何か問題が起こるだろうかというようなことを、疑問点を持ってこういうシステムをつくられたのでしょうか。どうでしょう。
#140
○多田政府委員 この辺につきましては、いろいろな御意見があると思います。ただ、諸外国にもこの種の付添看護という制度でやっているところはほとんど見当たらないということもございますし、また、今までは、医療チームとして全体が支え合ってやっていくということとは別の人が病院に入り込んでやっているというような形でございますから、一体的なケアという面からいくと、逆にいろいろな問題もないわけではないというような側面もございます。功罪いろいろな問題がございますけれども、私どもといたしましては、やはり病院の中でのサービスというのは病院がきちっと責任を持ってやれる体制をつくる、これが大事なことであろうというふうに思っているわけでございます。
 そういう見地から、心理的な安心感みたいなものからいって、例えば親族がそばに座っているというようなこと、これは介護の手としてそういうことをやっていただくというのは、これは今回の改定を全く事実上骨抜きにしてしまうおそれがありますので、そういうことは適当ではないと考えておりますけれども、見舞いという要するに心情的な問題としてそばにおられるというような部分につきましては、十分これは運用上配慮されるべきことだというふうに考えております。
#141
○三原委員 では、医療機関の付き添いの人が、患者さんが入院して付き添いが必要だとか付き添いさんの介護が何時間ぐらい必要だとか、そういったぐいのことは、チームがやるなら医師が決めるのですか。それとも、もちろん例えばアルツハイマーの患者さんだったりとか、脳梗塞か何かでもうよく自分のことがわからないような人だったら自分で言えないでしょうが、そうでない、自動車事故か何かで足を折ったりとかなんとかで、意識的には全く正常な人が患者になった場合だったら、付き添いが必要だとか何時間ぐらいどういうことをしてもらいたいとかいうようなことを、だれが決めるのでしょうか。
#142
○多田政府委員 この点につきましては、病棟ごとに婦長さんが医師と十分相談をしながら、看護・ケア計画というものをつくって、それでローテーションとしてやっているという状況でございますので、今後看護補助者がそこへ入っていく場合にも同じ形になると思います。
#143
○三原委員 そこですよね。では、患者さんの意思はそんたくされないのですかね。例えば病院あたりだと、自分が何もできなかったら、今個人の相対で付き添いさんをつけてもらったりするようなことを個人の負担において実際やっていますよね。ところが、医療機関がそういう人を持つと、患者の意思というのはそのときには入れられないのですか。そこのところはどうでしょう。
#144
○多田政府委員 病院で介護・看護の計画を病棟ごとにつくるときにも、今の患者さんの状態というのを十分しんしゃくしながらそういう介護・看護の体系をつくって、ローテーションをいたしておるわけでございますので、その必要性については十分に配慮をしながら実際の介護が行われていくものと考えております。
#145
○三原委員 明確な答えはいただけてないような気も私はしますが、そこはひとつやはり今の、もちろん私はコストの面で今度の新しい施策がより前向きなものであるということは評価をするのです。しかしながら、今申し上げたような相対的で付き添いさんをお願いする場合と、今の場合だと何かこう、あてがいぶちと言うと語弊がありますけれども、もちろん科学的にお医者さんや看護婦さんが考えてやられることだと思いますけれども、私はそこにプラスアルファのものが、つまりそのサービスを受ける患者の、わがままはいけませんよ、いけませんが、患者の意思が加味されるような制度みたいなものがあることが、さらにまた一歩前進した新しい医療の制度になるんじゃないか。
 現状のもののいいところもとる。現状のもので差額を家庭が出さなくてはいけない、厳しい苦しいのを解決することは絶対いいことですから、私は賛成ですが、それで現状ではいいところもまた加味してみよう、そういう姿勢があってくれればなおいい、私はそんな気持ちがするわけでありますので、大いにそれは御理解いただければと思う次第であります。
 付き添いをしていただく人というのは、結構、私がいろいろな病院を回っても若い人はいないのです。人生経験をかなり積まれた、それこそ酸いも甘いもかみ分けたような、本当に心の安定した方がそういうことをやっていただいておりますけれども、やはり病院に行きますと、階級社会ではありませんけれども、医師がいて看護婦がいてそれで付き添いだ。そういう縦型社会になると、やはり人間というのは、会社にいても、新入社員ていても、いずれ上に上がれるぞということがあればみんな努力するでしょうし、皆さん労働いているお役所でも、大学を出て厚生省に入っても、いずれおれは局長だ、次官だという気持ちがあればこそ上がっていく、上昇志向があると思うのですよ。
 ところが、今のような一つの病院という中のシステム、医院という中のシステムだと、そういう一種の、余り一刀両断でこういうことを言うとまずいかもしれませんが、階層社会みたいな感じになると、やはり俗に言う、本当に人のなかなかやれない厳しい仕事を、大変な仕事を付き添いの方にしていただいておるのですが、しかしながら、そういう人たちの意識の中に例えばそういう形があったとするならば、これはやはりその人のやる気というのを阻喪させるようなこともあるんじゃないかと私は危惧するのですが、そういう人たちに職業のプライドとか、労働の報酬だけで見合ったものですというわけにいかないと思うので、プライドみたいなものを持たせたりするような、奮起するような施策みたいなことは何か考えておられますか。どうでしょう。
#146
○多田政府委員 病院の中での地位といいますか位置づけ、これにつきまして制度的に何か物を考えるということはなかなか困難であろうと思います。ただ、全般的に申し上げられますことは、かつては非常に、まさに階級社会というのではありませんが、封建的な雰囲気といったようなものが強かったような医療機関も確かに多かったわけでございますけれども、近年は、そういうことでは全員の意欲が燃えてこないということから、随分その辺は風通しもよくなり、むしろ協力的な姿勢で全スタッフが運営に参画していくというような流れになってきていると考えておりますので、今後この付き添いの方々が多くなっていくという状態になる場合には、そういう協力関係もまた新しい次元で展開されていくのではないかというふうに期待もできるものではないかと思っております。
#147
○横尾政府委員 ただいまの病院内での看護職員と介護を担当する人との関係でございますが、老人の診療報酬あるいは老人の療養費では、介護力強化病院あるいは老人保健施設というところで既に、看護婦さんが六対一で配属されているところに同じ割合の介護職員あるいはそれ以上の介護職員が配置をされている実例があるわけでございます。そこでの経験から申しますと、付き添いあるいは従来の看護助手というような立場ではなく、介護職員として位置づけられることによって、非
常に積極的な、意欲的なスタッフが働いておられるという印象を持っておりますので、念のために申し上げたいと存じます。
#148
○三原委員 今言われたようなことをちょっと後で質問しようと思っていたのですけれども、何かこのごろ話を聞いてみると、そういう付き添いといいますか介護といいますか、そういったぐいの人たちは、むしろ自分の立場がより明確であり、より認められるような感じの方がいいからというので、例えば病院やなんかより特養とかそういうところで働く方が生きがいを感ずる、そんな感じで人口の流れもあるようなことをちらと聞いたものですから、その次に質問しようと思ったのですが、横尾局長さんが言っていただいたので……。
 どこに行っても必要な人は必要で、やはり最もきついような、人のなかなか好んでできないようなことをやっている人たちに対する給料というか、報酬でやるというだけでなくて何かないと、これは何も厚生省の方に言っているだけでなく、我々自身にも、みずからにも問いかけているのですが、そういうものがないとやはりなかなかできないですよね。私自身が、今よくあるように、ベッドの横に寝て、それで父親、母親がおかしくなったときに四六時中やれと言われても、それよりも選挙区を回っている方が楽でいいやというようなことになるでしょう。だから、そういう面がやはり何か、多田局長さんに先ほど質問したことも繰り返しますけれども、そこのところを我々みんなで考えて、今から先、言われるところの六万人ですか、全国でそういうことに従事される、御苦労いただく方を我々は確保しなければいけないのですから、お互いに努力して、勉強して、試行錯誤の中で考えていかなければいけないと私は思う次第であります。
 今度は労働省の方、あれしてください。私はこの前も一度、数カ月前ちょっと陳情もさせていただいていたのですが、ここのところ地元に帰ってもこちらにいても結構陳情を受けるのが例の付添看護の紹介所というので、やはり中小企業ですね、ありますが、あの人たちはそこから八割ぐらい病院に派遣されるという統計らしいのですが、そこを経営している人たちは、経営に対する大いなる危倶の念があるでしょう。平成七年までに医療機関が付添看護というものを内に持てば、なるでしょうし、それと、ある程度高齢でも今は付き添いさんの紹介所から病院に行っている人あたりが、高齢のゆえをもって医療機関から仕事をもらえないというようなことになったりするような、個々の人でもそういうことを心配して私のところに訴えられる方もおられますけれども、そういう点に対して何か答えといいますか、考え方、明確なものを、指針をお持ちですか。
#149
○井原説明員 今回の医療保険制度の改正が実施されまして付添看護業務が廃止されるということになりますと、委員御指摘のように、家政婦の多くの方々の職域について大きな影響が生ずるものというふうに考えております。それに伴いまして、家政婦を紹介しております家政婦紹介事業、その事業経営につきましても大変大きな影響が生ずるだろうというふうに考えております。
 このため、こういった家政婦あるいは家政婦紹介事業への影響というものを極力少なくするとともに、長年付き添いとして病院の介護業務の中で重要な役割を果たしてきていただいている家政婦の方々が引き続き病院や在宅において有効に活用されますよう、現在厚生省ともお話し合いをさせていただいているところでございます。
 さらに労働省としましても、平成六年度予算におきまして、長年付き添いとして病院の介護業務の中で役割を果たしてこられた家政婦の方々が、今後増加すると見込まれます在宅の介護の分野におきまして有効に活用されるよう、講習等を通じた資質の向上、それから企業の労働者が安心して職業生活が送れますように、企業と紹介所との提携を促進する介護クーポン制度の普及促進など、各種の施策を積極的に実施することによりまして、これらの人たちの職業の安定に努めてまいりたいというふうに考えております。
#150
○三原委員 そろそろ時間になりましたけれども、最後に大臣にお願いしたいのですが、今労働省の井原室長さんがおっしゃったような、今まで付き添いをしてこられた方の新たな就職に対する安定の問題とか、また先ほど私が質問させていただいた付き添いさんとして働く方のプライドの問題とか、やはりまだまだこれから考えていただきたい面があると思うのですけれども、そういう面も大いに考慮していただいて、新しい、これから二千五百億円を使って医療機関の中で付き添いさんとして働いていただく六万人の方により前向きな童識を持ってやっていただく、安定した職場でやっていただくということに対して御尽力いただきますように、心からお願い申し上げる次第であります。
#151
○大内国務大臣 先ほど来お伺いしておりまして、非常に機微に触れたといいますか、普通の言葉で語られてはおりますが、今度の制度改革に伴いまして最も重要なポイントをおつきになっていたのではないかなと思って拝聴いたしました。と申しますのは、やはり介護を病院の責任においてしっかりやることによりまして今までの保険外負担等を解消するということが機械的に行われますと、患者自身にとって心理的にも大きな逆のマイナスを引き起こす場合もございます。病は気からと書きますように、その介護のいかんによりましても。あるいは介護者のいかんによりましても、患者は随分大きな影響を与えられるものでございまして、これからやはり運営面で患者の意思をどう反映するかといったような問題は、これは本当に大事な問題として検討しなければならないなということを痛感させられました。
 また同時に、今の縦系列というお話もございましたが、介護に当たる方々がプライド、誇りというものを持って自分の職員を遂行する、つまり介護職員としての誇りをどう与えるか、自分たちでなければこれはできないんだという誇りをどうお与えすることができるかといったような問題も大変重要でございまして、その辺に十分留意をいたしまして新制度の運用を図ってまいりたいと考えております。
#152
○三原委員 どうもありがとうございました。
#153
○加藤委員長 岩佐恵美さん。
#154
○岩佐委員 きょうはまず最初に、製造年月日表示について伺いたいと思います。
 去年の秋の本会議でも質問いたしましたけれども、なぜ製造年月日表示をやめて品質保持期限表示にしなければならないのか。アメリカとか加工食品メーカーの強い希望があったからということが言われておりますけれども、この点についてもう一度確認をしておきたいと思います。
#155
○柳澤政府委員 食品衛生法では、現在、食品の日付表示といたしまして、加工食品の多くに製造または加工年月日の表示を義務づけているわけでございます。これは、消費者がその表示をもとに食品の品質保持を判断し、食品衛生上の事故防止に資するためでもありますし、それからまた食品衛生上の事故が生じた際に食品を回収し原因を究明する手がかりとする、そういうためであります。
 近年、製造・加工あるいは流通技術の進歩によりまして、長期保存可能な食品が出現いたしました。製造年月日表示から食品の品質劣化の判断が困難になる、こういう状況になっております。それから製造形態の多様化によりまして、表示すべき製造時の特定が困難になるとか、あるいは事故が起きたときの対応はロット記号等で行えるようになってきておる、こういったようなことを背景に、製造年月日から期限表示へ、このように検討しているところでございます。
#156
○岩佐委員 大体、製造年月日表示を消費者が希望するようになったのは、新鮮なものを食べたいという希望がありますし、それから同時に加工食品が食品全体の六割を占める、そういう中で食品添加物が一九六〇年代以降非常にふえてきて、添加物により安全性が脅かされるのではないか。とりわけAF2、合成殺菌料の問題、これは遺伝子を傷つけるというようなことで大変大きな問題になりました。それでやはり、いつまで置いても腐らない魚肉ソーセージだとか、あるいはいつまで置いてもカビの生えないパンだとか、こういうのじゃなくて、いつできたのかということを知りたい、こういう消費者の願いにこたえて、製造年月日表示、それと同時にいつまでおいしく食べられるかという賞味期限表示、こういう流れができて今に至っていると思うのです。
 加工食品というのは、生鮮食品、例えば魚とか肉とか野菜とかというのは、これは長い間の経験で新しいものか古いものかという見分けがつくのですけれども、加工食品の場合にはなかなか、パンでも添加物がしっかりあれば見分けがつかないということになってしまうわけです。ですからやはり、こういう食品がいつつくられたかということを知る、そういう消費者の要求が強いし、またこれは消費者の権利であるということが言われてきているのは当然だと思います。
 今言われた、事故が起こるとかそういう問題について言えば、例えば品質保持期限表示ということになりますと、いつまでもちますよということになるわけで、今度は腐ったらもうメーカーの責任になりますから、どうしても防腐剤とか防ばい割とかいうものを使わざるを得ないということになって、むしろ添加物の使用を促進してしまうのではないか、こんな不安もあるわけです。
 昨年秋の段階では、品質保持期限と製造年月日、この併記の可能性が残されていたということですけれども、今はもう製造年月日表示は全部やめてしまうというような方向に変わってしまっていると聞いているのです。やはり消費者の意見に十分耳を傾けて、厚生行政を表示の問題でもやっていただきたい、そのことをぜひ大臣にお願いしておきたいと思います。大臣のお考えを伺いたいと思います。
#157
○大内国務大臣 お話の御意向もよくわかるような気がいたしますが、御案内のとおり、近年食品の非常な多様化あるいは製造・加工技術がどんどん変わってまいりましたのと国際的な動向を踏まえまして、製造年月日にかえまして食品の品質がいつまで保持されるかを表示する期限表示に変更することにつきまして、食品衛生調査会に諮問いたしまして、部会報告を得たという段階でございます。まだ本答申はちょうだいしていないわけでございまして、今御指摘のような意見もございますので、鋭意この調査会において御検討いただいておるわけでございます。
 私どもといたしましては、その最終答申を得まして最終的には決定をするわけでございますが、今の段階では今申し上げたような方向で何とか変更したいというふうに考えておるわけでございますが、最終的にはその答申を待ちたいと考えておる次第でございます。
#158
○岩佐委員 外国と違う気候条件です。高温多湿の日本の状況をよく考えていただき、また消費者の意見も切り捨てることなく十分聞いていただく、そのことを重ねてお願いしておきたいと思います。
 次に、栄養成分表示なんですが、私、一九八三年五月十九日の衆議院物価問題特別委員会で栄養成分表示問題を取り上げまして、それで厚生省の方から法制化をするという答弁を得ているわけです。厚生省の答弁では、国民の健康増進あるいは成人病予防という観点から、食生活と栄養あるいは栄養と病気の観点から栄養成分表示が非常に重要であるという位置づけのもとにそういう答弁がありました。
 今もアメリカ、ヨーロッパでは栄養成分表示は既に義務づけられているわけですから、あれから十年以上たって何で法制化が行われていないのかという点で多くの消費者が疑問に思っているわけです。これはぜひ、農水省や厚生省の縄張り争いなどというのも一時期非常に大きな社会問題になりましたけれども、そういうことではなく、国民の健康を守るという観点から、この問題はどうなっているのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
#159
○大内国務大臣 今世界各地におきましてそういう表示が行われていることを承知しております。もちろんアメリカにありましては州によってもいろいろな差があるようでございますが、食品の栄養成分表示につきましては、糖分、塩分あるいはエネルギーなどの過剰摂取によります肥満や高血圧症などの成人病の予防に資するという意味で、非常に意味のあることであろうと考えているわけでございます。
 したがいまして、現在厚生省の指導のもとに、財団法人日本健康・栄養食品協会というところが栄養成分表示の普及を図っているところでございますが、さらにその実績等も踏まえまして、御指摘のような法的規制の必要性を含めて、そのあり方について今鋭意検討を進めているところでございますので、御意見につきましては十分留意してまいりたいと思っております。
#160
○岩佐委員 ソフトドリンクを飲み過ぎて急な高血糖症状になって意識障害、糖尿病のような症状を起こして昏睡状態に陥る、そういうことをPETボトル症候群と呼んでいるそうですけれども、二十四時間以内に処置しないと死んでしまう、そういう危険な症状だと言われます。
 一九八〇年代に入ってから、清涼飲料水のとり過ぎで十代、二十代に糖尿病が見られるようになり、肥満、カルシウム不足、失明、尿毒症などの深刻な病気の誘因になっていると専門の医師は指摘をしております。缶ジュース一本で、すごく多い場合には十三個分の角砂糖が入っている、こういうものもあります。きちんと表示していれば、一日に缶ジュースを何本も飲んだり、親が子供にそういうものを与えたりということはないと思うのですね。ですから、糖分はもちろんですが、塩分や脂肪分などの健康にかかわる成分の、今大臣も言われましたけれども、その表示の法制化が重要だと思います。
 きのうちょっと原局の方が来られて、いやもうすごく缶なんかみんなやっているんですと言うので、私はそんなはずはないということで、きょうはそうではない証拠として、委員長の許可を得させていただきましていろいろと持ち込みましたけれども、これら一本もそういう表示はありません。こういうものを子供にたくさん飲ませるから、だから糖分表示してほしいというのが栄養成分表示を願う消費者の出発点なんです。ですから、ぜひこれはやっていただきたい。
 それから、こういうお菓子ですね。何か、やめられないやめられないというコマーシャルもあるぐらいで、本当にこういうのを食べるとやめられないのですね。そうすると、知らないうちに塩分を多くとり過ぎてしまいます。塩分は一日五グラムぐらいがいいとか、いろいろ言われているわけですけれども、ここに持ってきているのは、一々名前は言いませんけれども、ちらっと見ればおわかりいただけるように大変大きなメーカーの商品です。そして、大きなメーカーの商品については全く表示が行われていないのです。厚生省が努力して成分表示をやっておられる食品は、かなり小さなメーカーのところが多いのです。
 そういう点で私は、今までの長い経緯があるのですけれども、大内厚生大臣に本当に指導力を発揮していただいて、それでこの問題を早期に決着をつけていただきたい、本当に消費者の要求にこたえていただきたい、そのことを重ねてお願いしたいと思います。
#161
○大内国務大臣 よく承りました。
#162
○岩佐委員 次に、たばこの問題について伺いたいと思います。
 皆さん、この厚生委員会はたばこを吸われる方が多いので、私はたばこを吸うか吸わないかというのは本人の意思だと思っておりますけれども、ただ、いろいろ周りの環境もありますので、特にきょうは子供と健康についてという視点からたばこ問題について伺いたいと思います。
 五月三十一日は世界禁煙デーでした。これに連動して日本でも一週間たばこの禁煙週間ということで位置づけられていて、きょうもその週間の一日でございます。
 ことし一月に発表された人口動態統計月報によりますと、昨年一月から八月の実績で、肺がんが胃がんを抜いて男性死亡者数のトップになる見込みだと言われています。喫煙が大きな原因の一つとして考えられていると思いますけれども、その点について確認をさせていただきたいと思います。
#163
○谷(修)政府委員 今お触れになりました肺がんでございますが、平成四年の人口動態では、日本の場合、がんの部位別の死亡率は、高い順には男性の場合には胃がん、肺がんでございますが、女性の場合には胃がん、大腸がんとなっております。しかし最近の統計では、胃がんについてはやや減りぎみ、肺がんについては増加の傾向ということになっておりまして、今お話しございましたように、平成五年上半期の人口動態統計の概数でございますが、月報でございますけれども、男性の肺がんによる死亡が初めて胃がんを上回ったというように報告をされております。
 肺がんの原因あるいは危険因子というのは幾つか挙げられておりますが、その中では、喫煙が肺がんとの因果関係において多くの研究によって明らかにされてきております。
#164
○岩佐委員 疫学調査によりますと、男性の肺がんになる原因の七割が喫煙とされているということです。大阪がん予防検診センターの大島明調査部長は、肺がんが胃がんに取ってかわるのは時間の問題だった、肺がんの予防には禁煙が重要だ、日本のたばこ対策は十分とは言えない、広告の制限、自動販売機の規制など、青少年がたばこを吸わない環境づくりが必要だと指摘をされています。
 八九年のワールドスモーキング&ヘルスの調査によりますと、驚くべきことに日本の少年の喫煙率は五八%、少女で一一%、ほぼ大人と同じ結果が出されています。これは非常に深刻な事態です。特に子供への影響を考えるとき、メディアの果たす役割は大きいのです。ところが、あらゆるメディアでたばこ販売を促進している国として、ギリシャ、スペインと並んで日本が紹介をされています。
 厚生省に伺いたいのですが、本年の世界禁煙デーに当たって、WHOの中心スローガンが何であったか、改めて紹介していただきたいと思います。
#165
○谷(修)政府委員 毎年五月三十一日が、今おっしゃいましたWHOが定めた世界禁煙デーでございまして、ことしのスローガンは「メディアとタバコ一健康のメッセージをひろめよう」というようなことで、特に今お触れになりましたようなたばこ対策を進める上でのメディアという手段といいますか、メディアの役割の重要性ということを中心にテーマとして取り上げたというように理解をしております。
#166
○岩佐委員 五月三十日に発表されましたWHOの報告では、たばこが原因のがんや心臓病で死亡する人は、現状のまま有効な対策をとらなければ、三十年後には年間一千万人の死亡者数になると警告をしています。
 日本の業界のたばこCMの自主規制はCMをなくす上でほとんど効果を発揮していない、そう思います。九一年四月からたばこのCMは夜十時五十四分以降になったわけですが、十時五十四分を過ぎるとたばこのCMばかりだ、こういう視聴者からの苦情が寄せられています。事実、ビデオリサーチの調査では、関東地域五社のCM放映時間が、八九年に大蔵省の指針が出されてから、一社当たりの時間で見ますと大幅に増加しているのです。通達が出ました八九年十月では一社当たり四百四十五分でしたけれども、翌年には七百四十八分、九一年には九百五十五分、九二年には八百三十四分、そして九三年は八百三十八分という状況になっています。
 これは、テレビCMを中止しているたばこメーカーがあるということでこういう一社当たりの数がふえているわけです。現在は、たばこ株式会社とアメリカたばこメーカーの四社だけがCMを流している。しかも、テレビCMに四十三億二千万円も使っています。こういう国際的な流れに逆行するようなことは直ちに改められなければならないと思います。ぜひマスコミ各社に対してたばこCMの放映を自粛するよう厚生大臣から勧告をしていただきたいと思いますし、また、大蔵大臣とか日本たばこ株式会社に対しても働きかけていただきたい、こういうふうに思います。
 改めて、今先進諸国で電波によるたばこのCMを認めている国があるのでしょうか。禁止している国は何カ国か、厚生省御存じでしょうか。
#167
○谷(修)政府委員 たばこと健康の問題につきましては、昨年の五月に公衆衛生審議会の中の専門委員会で喫煙と健康問題に関する報告書というのをまとめております。いわゆるたばこ白書と言われているものでございますが、その報告書をまとめる過程で幾つかの国についてコマーシャルの状況について調べておりますが、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア等、電波媒体による広告は禁止をされていると承知しております。
#168
○岩佐委員 今電波による放送というのは、世界で百五カ国放映を禁止しているということでございます。
 それで、先般WHOの資料にノルウェーのことが紹介をされています。これは大変興味のある資料でございますけれども、ノルウェーは一九七五年にこの放映を禁止したわけです。それから九〇年までに、十六歳から二十四歳の若い人たちの喫煙が非常に減ったと。かつては四五%近くまでいたその喫煙者が三〇%を割るという、ちょっと遠いのですが、ここが七五年で、そしてここが九〇年ですけれども、このピンクの線でずっと、こういうふうに明らかに下がっているのですね。同時に興味があるのは、三十五歳から四十五歳というのは余り減ってないのです。そういう若年層の方がかなり宣伝による影響を受けやすいということが言えるのではないでしょうか。
 それで、先ほど申し上げたのですけれども、大臣の方から、こういう先進国の中でも非常におくれている国ですので、このたばこのCMについて、放送媒体を通じてのCMは本当に自粛をすべきだということでメーカーや日本たばこあるいは大蔵大臣などに働きかけていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#169
○大内国務大臣 行政当局としてそういう規制を強化できるかどうかという問題はございますが、しかし、たばこの被害といいますか、健康上の被害といいますか、これは相当明白なものがございます。
 私もテレビでよくたばこのコマーシャルフィルムを見ますが、あれを見ますと非常にきれいなコマーシャルでございまして、つい吸いたくなるようなそういう誘惑に駆られるわけでございます。もちろん私は吸わないのでございますが、先般もがんセンターに参りまして、肺を切って見ますと、そこに、たばこを吸っている方の場合はゴマ粒がだあっと、タールが肺に刺さっておりまして、あれを見ると大体吸いたくなくなるのではないかなと思いましたが、しかし、コマーシャルフィルムというのは全くもう吸いたい誘惑に駆られるようなきれいなコマーシャルフィルムが圧倒的に多いわけでございます。
 したがって、もちろん日本たばこ株式会社等々を初め、そういう機関におきましての自粛というものが一番重要でございますが、厚生省といたしましては、国民の健康を守るという見地から、そういう面でできるだけ自粛していただくよう働きかけたい、こういうふうに考えております。
#170
○岩佐委員 実は私、一九八八年四月二十一日の物価問題特別委員会でこのたばこ問題を取り上げまして、それで二十二時五十四分までたばこCMを流さないというような方向が、運動体の皆さんの要求がありまして、そういう質問などもきっかけになって、とられたのですけれども、大蔵省主導でやられるわけですね。今も大臣言われましたけれども、本来国民の健康を守るべき中心の省ですから、やはり厚生省がイニシアチブをとって、それでぜひ頑張っていただきたいというふうに思うのです。
 たばこ対策の計画策定検討会とかというのが設立されているということだそうですけれども、そういう中等でも、ぜひその問題を取り上げていっていただきたいというふうに思うのですが、この進みぐあいは一体どういうふうになっているのでしょうか。
#171
○谷(修)政府委員 昨年、先ほどちょっと申しました、いわゆるたばこ白書の作成を受けまして、たばこについての行動計画というものをつくるということで現在準備をいたしております。これは、先生御承知だと思いますが、WHOの総会において決議をされて、各国にそういったような行動計画をつくるようにという要請が出されておるわけでございます。平成六年度の、現在御審議をいただいております予算案の中に、この行動計画をつくるための検討経費が盛り込まれているところでございます。そういったようなことで、私どもとしては、予算案が認められれば、それに沿ってこの行動計画をつくるための準備を進めていきたいというふうに考えております。
#172
○岩佐委員 先ほどからCMの問題を申し上げておりますけれども、そういう行動計画の中に自動販売機の撤廃だとか、そういうことなども、自動販売機というのが非常に手軽に青少年が買える場になっているわけでございますので、ぜひそういうところもきちっと見ていっていただきたいというふうに思います。
 時間もなくなってきたのですが、最後に、国際的な問題でも発言を強めていただきたいということで申し上げたいのですが、大和久泰太郎APACT会長は、アジアでは現存の二千五百万人の子供たちが、将来たばこ関連疾患によって死ぬ危険にさらされていると、第三回APACT会議で衝撃的な指摘をしています。地球的規模の子供の健康を考えるには、まずアジアを初め世界各国で、少なくとも日本たばこの販売を禁止することが必要です。マッカイ博士は、良識あるアジアの人たちにとって、日本は若い人たちにたばごを売り込み、吸う機会を与えることで近隣諸国に死を売っているというイメージを与えていると言っているわけです。こんなことをして国際的な信頼とか名誉ある地位を得られるわけがないというふうに思います。
 WHOの中嶋事務局長は、世界各国に対して、たばこのない社会をつくろうとのメッセージを送っています。二十年も以前からWHOが、たばこ対策会議の設置やたばこ対策行動計画を策定するよう各国に呼びかけています。また、第三回APACTの総会決議は、商業的利益のためのたばこ製品の販売を削減させるよう各国に呼びかけて、子供たちをたばこから守る社会的対策の推進に向けた広範な全国的運動を形成するよう要請しています。
 事務局長は日本政府が派遣しています。世界各国の旗振り役を今務めているわけですけれども、政府が、日本が何もしないということであれば、批判を受けることになると思います。日本政府として、この問題について、国際的にも大きないろいろな影響を与えておりますので、視野を広げていただいて、厚生省としても行動をとっていただきたい、そのことを大臣にお願いしたいと思います。
#173
○大内国務大臣 中嶋WHO事務局長がそういう提唱をしているということも承知をしております。
 確かにこれは、世界的な規模でそういう運動がわき起こるということは大事なことだと思うのでございますが、人の健康に悪いものというのは、たばこだけに限らずたくさんあるわけでございまして、今日の自由社会の中で、一つの権力といったようなものがそういうものを封殺していくというやり方が必ずしも適さない場合もございまして、これはすぐれて最終的には個人の自覚というものにかかわる問題でございますので、そういう運動が世界的に広まっていくということについては我々としても非常に大きな関心がございますし、また、そういう方向が推進されるよう我々なりに努力をしてみたいと思っております。
#174
○岩佐委員 これで終わりたいと思います。
 私も権力でどうこうしろということを言っているのではなくて、やはり自覚を高めながら、しかも国際社会日本と言っているわけですから、日本が国際的な社会の中で立ちおくれのないように、決して人に迷惑をかけるような国であってはならないと思います。そういう点で行動をしていただきたい、そのことを再度お願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
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#175
○加藤委員長 次に、内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。大内厚生大臣。
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 健康保険法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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#176
○大内国務大臣 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 人口の高齢化の進展や疾病構造の変化、医療サービスに対する国民のニーズの多様化、高度化など、我が国の保健、医療、福祉を取り巻く状況が大きく変化いたしております。こうした中、公的医療保険制度について、疾病、負傷に伴い発生する経済的な不安の解消という基本的な役割を維持しつつ、国民のニーズに対応した医療サービスの多様化や質の向上を図るとともに、老人保健福祉サービスについてその充実に努めることが重要な課題になっております。
 今回の改正は、こうした課題にこたえ、医療保険制度を通じ、良質かつ適切な医療を、効率的かつ安定的に提供していくとともに、老人保健福祉施策の総合的推進を図るため、保険給付の範囲、内容等の見直しを行い、必要な措置を講じようとするものであります。
 以下、この法案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、健康保険法等の改正であります。
 まず、付添看護に伴う患者負担の解消であります。保険医療機関における看護サービスを充実し、保険外負担の中核をなす付添看護を解消するため、入院時の看護サービスは、保険医療機関がみずから提供するものとして法文上明確に位置づけることとしております。ただし、現行の付添看護の費用に対する給付は、原則として、平成七年度末までの間に限り行うことができるものとしております。
 次に、在宅医療の推進であります。在宅医療に対するニーズの高まりを踏まえ、居宅における療養上の管理及び看護を保険医療機関の行う療養の給付止して法文上明確に位置づけるとともに、難病や末期がんの患者等が、居宅において訪問看護事業者による訪問看護サービスを受けられるよう新たな制度を導入することとしております。
 さらに、入院時の食事に関する給付の見直しであります。
 入院時の食事の質の向上を図るとともに入院と在宅との負担の公平を図るため、入院時の食事については、これまでの給付の方式を改め、新たに入院時食事療養費を支給する制度を創設することとしております。これに伴い、低所得者への適切な配慮を行いつつ、入院患者には平均的な家計における食費の状況を勘案した相応の費用として定額の費用の支払いをお願いすることとしております。
 また、子供が健やかに生まれ育つ環境づくりを図る観点から、現行の分娩費と育児手当金を包括化し、出産育児一時金として大幅な給付改善を図るとともに、育児休業期間中の保険料の負担軽減を図るため、被保険者負担分を免除することとしております。
 このほか、保健福祉事業め推進を図るための規定の整備等を図るほか、船員保険法についても所要の改正を行うこととしております。
 第二に、国民健康保険法の改正であります。
 健康保険法に準じた改正を行うほか、規制緩和の観点から療養取扱機関等の仕組みを廃止するとともに、市町村間の医療費負担の公平を図るため、特別養護老人ホーム等への入所のため他の市町村に転入した者について、転入前の市町村の国民健康保険の被保険者とすることとしております。
 第三に、老人保健法及び老人福祉法の改正であります。
 健康保険法に準じた改正を行うほか、平成十一年度末までの間、保険者からの拠出金を財源として、老人保健施設整備に対する助成等の事業を行うこととしております。
 また、老人保健福祉サービスについて、市町村による総合的な情報提供、サービスの質の評価等利用者本位のサービス提供体制の整備を図るとともに、高齢者保健福祉のあり方を総合的に審議するため、老人保健福祉審議会の創設を行うこととしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部の事項を除き、平成六年十月一日からとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#177
○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
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#178
○加藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、参考人の出頭を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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