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1994/03/25 第129回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第129回国会 地方行政委員会 第2号
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1994/03/25 第129回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第129回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第129回国会 地方行政委員会 第2号
平成六年三月二十五日(金曜日)
    午前十一時三十四分開議
出席委員
  委員長 粟屋 敏信君
   理事 谷  洋一君 理事 平林 鴻三君
   理事 古屋 圭司君 理事 穂積 良行君
   理事 北沢 清功君 理事 井奥 貞雄君
   理事 今井  宏君 理事 山名 靖英君
      安倍 晋三君    金子原二郎君
      栗原 裕康君    小坂 憲次君
      佐藤 剛男君    中馬 弘毅君
      西田  司君    蓮実  進君
      平泉  渉君    池田 隆一君
      小林  守君    畠山健治郎君
      吉岡 賢治君    山岡 賢次君
      吉田 公一君    石田 勝之君
      山崎広太郎君    長内 順一君
      佐藤 茂樹君    神田  厚君
      穀田 恵二君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 佐藤 観樹君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        長       廣瀬  權君
        警察庁刑事局長 垣見  隆君
        防衛庁長官官房
        長       宝珠山 昇君
        自治大臣官房長 遠藤 安彦君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
        自治省税務局長 滝   実君
 委員外の出席者
        内閣参事官   小幡 政人君
        国税庁課税部所
        得税課長    古出 哲彦君
        地方行政委員会
        調査室長    前川 尚美君
    ─────────────
委員の異動
三月二十五日
 辞任         補欠選任
  石橋 一弥君     安倍 晋三君
  吹田  ナ君     山岡 賢次君
同日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     石橋 一弥君
  山岡 賢次君     吹田  ナ君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一二号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三一号)
 地方財政の拡充強化に関する件
     ────◇─────
#2
○粟屋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。穂積良行君。
#3
○穂積委員 きのう予告をいたしておりました愛知防衛庁長官の公選法違反の疑いの出張については、防衛庁関係者が来室されてからにするといたしまして、その前に、細川総理大臣の政治資金規正法並びに地方税法に違反する疑いのあることについて質問をいたします。
 既に数カ月にわたり、細川総理のいわゆる佐川グループから一億円を受領したのか借り入れたのかという一億円疑惑問題については、皆様御承知のとおりの論議が続いておりますが、御本人は、あれは借りたのだ、返したのだ、私が言っているから間違いないという態度で終始しております。しかし、私どもがあるいは共産党さんが予算委員会等で質問を重ねている中で、どうしても腑に落ちない。これは、端的に言えば、細川総理はこの問題については国会においてうそをついているのではないか。借りたのではなくて、もらったのじゃないか。しかし、借りたと言わないとどうもいろいろ差し支えがあるので、借りたと言ってしまった。一たん言ったら、これはどうにもそれを取り繕うために、いろいろとつくった資料を提出したり、最後は一千万円の返した受取書なるものを出していますが、どうもこれらを子細に調べれば、真実性が疑わしい。だから、政治改革が叫ばれている中で、一国の総理がこのような疑惑の中にあるままでいいのか、きちんとその辺を明らかにすべきだということで、我が党は証人喚問等を要求しているわけであります。
 まず、そういう中で私どもがどうも疑惑を持っている、総理が仮にあの時期に東京佐川急便から一億円をもらったということになるとすれば、これはどういう趣旨でその金を受領したのだ。仮に政治資金に使うために受領したのだということになれば、その当時、政治資金規正法に基づく届け出義務等に違反していたということになるのではないか。また、政治資金としてでなしに、例えば屋根や塀の修理とかあるいは東京でマンションを購入するために必要だったから、借りたんじゃなしにもらったんだということになれば、それは贈与、所得税法上は雑所得といいますか雑収入といいますか、そういう所得の一部として所得税、贈与税、それからこれに連動する住民税等の納付義務があったにもかかわらず、これをしていなかったという疑いが生ずるわけであります。
 まあ借りたのかもらったのかということについてはこれから明らかにされていくと思いますけれども、仮にもらったとなれば、これについては今申したような政治資金規正法あるいは地方税法との関係でどうなるか。きょうは国税庁の方からもおいでいただいておりますが、国税関係ではどうなるか、これについて政府側の答弁を求めます。
#4
○古出説明員 お答えいたします。
 今のお尋ねの趣旨について、個別にわたる事柄につきましては具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと存じます。
 ただ、一般論として申し上げた場合でございますけれども、返済義務のない資金提供というのにも種々のケースがありますので、その課税関係について一概には申し上げられないというわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、税務の立場からいたしますと、個々のケースにおきましてあくまでも個別の実態に即して判断することといたしております。
#5
○穂積委員 役人としての答弁はそういう抽象的な話になると思うんですが、もらった場合にはそうした金は雑所得になるんでしょう。それから、それを申告しない場合には脱税になるんでしょう。そこをはっきり答弁してください。
#6
○古出説明員 あくまでも個別の話というのではなくて一般論としてお答えさせていただきたいと存ずるわけでございますけれども、返済義務のない資金提供と申しましても、その提供の性質が対価性または継続性を有するかどうか、贈与に当たるかどうか、あるいは法人からの提供か、個人からの提供かといったことにより課税関係が異なりますので、なかなか一概には申し上げられないということでございます。
#7
○穂積委員 それでは自治省の方は、まず所得税法に連動する地方税の方についてはいかがですか。
#8
○滝政府委員 地方税の場合には、仮に国税において所得として認定するものがあれば、それに連動して地方税の方が対処するということになろうと思いますので、地方税の方が所得の把握ということを先行的にやるわけではございませんので、あくまでも所得税の方で、あるいは贈与税の方でどういう御判断をされるかということになろうかと思います。
#9
○穂積委員 脱税になるんじゃないかという話と、それから、これは個人の贈与を受けたということでなしに政治資金としてもらったんだということになると政治資金規正法関係の届け出義務違反等になるかどうかについて、自治省当局、いかがですか。
#10
○佐野(徹)政府委員 自治省といたしましては、事実関係を承知しておりませんので、お尋ねの件につきましては答弁は差し控えたいと考えておりますけれども、一般論として申し上げますと、政治資金規正法の規定では、年間百万円超の寄附を受けたものにつきましては政治資金の収支報告に届け出をする、こういう規定がございます。
 いずれにいたしましても、個別具体のことにつきましては判断を差し控えさせていただきたいと考えております。
#11
○穂積委員 私どもは、これはうわさで聞いておりますのは、細川さんが熊本県知事に出馬する前に候補として地元で認知されるためにいろいろな工作をなさった、そのために金も要った、使ったというようなことの中で、この一億円問題が出たのではないかというふうに言われております。いずれにしても、今まで御質問しましたように、脱税問題あるいは政治資金規正法違反問題ということになりかねない金の受領だったということを逃れるためには、借りたんだ、そして後で返したんだというようなことを言わざるを得なかったのかな、こういうことでみんなが疑いを持っているわけですね。
 これは我が党として他の国会の場でも引き続き事実関係を明らかにしていくこととして、私は、国税当局あるいは自治省当局においてもその推移を見ながら適切に対処していただきたいということを申し上げて、この点は一応これまでといたします。
 上が上なら、下の国務大臣もやっていることはどういう状況なんだということの一つが、藤井大蔵大臣の塩関係業界からの一千万円献金問題であります。これについては、これまで国会で大蔵大臣は、もらっていました、政治資金としてもらっていました、しかし妥当を欠くと後で判断したので一千万円を返済いたしました、こういう説明ですね。
 これについては、政治資金として受領をした、一定期間とめ置いた、預金でかあるいは現金でかは知りませんが、それについて返済したということになりますと、その時期にもよりますけれども、これは政治資金規正法上の届け出義務との関係ではどういうことになりますか。お答えいただきたいと思います。
#12
○佐野(徹)政府委員 一般論といたしまして、政治資金規正法では、政治団体の会計責任者は、その年におきますすべての収入及び支出につきましてそれぞれ会計帳簿に記載をいたしますとともに、法律で定める事項を記載をいたしました収支報告書を自治大臣なり都道府県選挙管理委員会に届け出をすることになっております。一たん受理いたしました政治資金を後で返還をいたしましたような場合につきましても、その事実の発生をいたしました年の収支報告書の収入及び支出項目欄にそれぞれ収入額なり支出額を記載することになるわけでございます。
#13
○穂積委員 普通の民間の常識からすれば、一千万円というのは大金であります。大金を一定期間どういう形でか持っていたら、これは金には利息がっく。利息を生じていた場合には、それについてはもし大蔵大臣が返さなかったということになりますと、それはどういうことになりますか。いかがでしょうか。
#14
○佐野(徹)政府委員 政治資金の寄附があった場合には、通常それは政治活動に使われるのではないかと考えております。利息が生じるかどうかというのは、これは具体的な事実関係がどうなるかということで、私ども詳細は承知をしていないところでございますけれども、寄附の関係につきましての考え方を申し述べますと、一たん受領いたしました寄附につきましては、その後は、その政治団体でどういうように使われるか、どういうように運用されるかという問題でございまして、利息を返還するかどうかということにつきましては、政治資金規正法上の問題というのは特にはない問題ではなかろうかというように考えております。
#15
○穂積委員 これは事務的な処理としては今後もどういうことになるかということでありますが、問題は、このようなことで塩関係業界を監督する大蔵大臣が適正なる行政をやっていけるのかどうかということの疑いに絡んで問題になっている、そこを十分国民の皆さんもおわかりいただけるかと思います。
 この細川総理のもとでもう一人、これは最近の問題でありますが、愛知防衛庁長官が三月十二、十三の両日、石川県下に出張された。これが法に触れることになる出張ではないか、問題ではないかということをマスコミも取り上げている。三月二十四日、朝日あるいは産経も報道したわけであります。
 私どもも、三月十日、石川県知事の選挙告示がされまして、激しい選挙戦へ突入したその後、現職の防衛庁長官が現地入りして、自衛隊の現地組織の幹部を集めてどのようなことを言ったのか、当然この辺については時期が時期だけに、そういうことをやったことについて真相を明らかにし、是非を論じなければならないと思っております。
 実は、防衛庁の方からけさほど、きのうの私の要請に応じてくれまして、長官の出張の目的、日程、内容、旅費等についての資料をお届けいただきました。事務方が、きのう官房長がここで御説明されたように、時期が時期だけにということで慎重な判断を長官にお願いしたということは事実のようでありますが、そういう事務方苦心の報告であります。
 十二日は公務出張、十三日は政務出張だというようなことで資料をいただいたわけでありますが、一体全体、過去において国務大臣が、選挙に際し、みずからの所属する、あるいは友好党の候補に対して応援活動をするのは、これは特別公務員としては許されておりますし、当然のことであります。選挙中に国務大臣がその選挙に応援に行くというのは、これは別に法にもとるものではないが、それはあくまでも政務として出張するということで、その政務としての処理をすべきである。
 ところが今回、この十二、十三と、十二日は公務、十三日は政務というようなことではっきりと区分けして長官の行動が行われたかどうかは、甚だ疑問だと私は思います。そのようなことがあるから、従来は選挙告示が行われた後の選挙戦に公務出張というようなことは自粛する、それが「李下に冠を正さず」という、重い地位にある人間の心得だというふうに考えて、そういうことを慣習、慣例としてきたんではないですか。防衛庁官房長、いかがですか。
#16
○宝珠山政府委員 過去において選挙が行われている地域に出張したことがどうかという点については、ちょっと資料を持ち合わせておりませんので、後ほど調べさせていただければと思います。
 愛知防衛庁長官が小松及び輪島基地を十二日に視察いたしました目的などについては、昨日御説明申し上げたとおりでございます。
#17
○穂積委員 実はきのうあなたは、事務方から時が時だから慎重にと申し上げたというようなお話でしたね。三月七日、どうしても選挙応援に行きたいと長官が言うものだから困ってそういうことを申し上げたけれども、長官は事務方のいさめを押し切ったというふうにうわさとして聞いておりますが、そこの事実関係はどうですか。
#18
○宝珠山政府委員 七日の日に出張を輪島、小松ということで日程を組んでほしいという御指示をいただきました。その後、新聞を通じて、石川県知事選が行われているということも別途知りました。日程の調整の十日か十一日であったと思いますが、自衛隊員を選挙あるいは政治というものに巻き込むようなことはなさらないでいただきたいということを申し上げたことは確かでございます。しかし、それはそういう目的を持っているからということを申し上げたつもりではございませんで、周辺の状況から、隊員に迷惑がかかることがないようにという官房長としての気持ちを申し上げたところでございます。
#19
○穂積委員 官房長、非常につらい答弁の御様子なんで、ちょっと気の毒にも感じますが、これは現在週休二日制が官庁にも及び、土、日は普通は休み、だから土曜、日曜は防衛庁としても最近は公務を外して、そこで行かれるとなればそれは政務半分以上ということなんだから、政務として出張をお願いするというようなことが筋だったんではないかと思います。だから、土曜日は公務という、これも従来の扱いとは違うことを、長官はあなた方を押し切ったんじゃないでしょうか。そこはどうですか。
#20
○宝珠山政府委員 昨年の十二月二日に就任以来、大臣の信念といたしまして、シビリアンコントロールの原点は隊員の実情を直接政治家が把握をしておくことだということを強く申されておりまして、あわせて、じかに隊員を激励したいというお話を常々されております。予算の編成過程にございましたが、やはり一番苦労されているところを視察され、励まされるのが一番ありがたいというようなことを幕僚長などが、雑談ではありますが申し上げたのを記憶しております。その中の一つとして、雪深いあるいは僻地勤務ということで、なかなか過去におきましても大臣などが訪問されることの少ないレーダーサイトなどというのをごらんいただくとありがたいというような発言もございました。
 そのようなことが頭に大臣としては残られていたのかと思いますが、三月五日に佐渡、これは大変厳しい勤務を強いられているところでございますが御視察されて、その際に、周辺諸国の動向などを頭に置かれていたと先ほども内閣委員会でも御答弁になっておられましたが、ぜひ輪島を視察したいということを決心されて、七日の日、御指示があったものでございます。
 土曜日をあえてどうして使ったかということになりますと、これは先ほど申し上げましたような大臣の信念のもとに、近間のところであれば国会の開会中もちょっと出かけることができるわけでありますが、遠くなりますとウイークデーには国会開会中でありますとなかなか使えないということから、土曜日というものをどうだということを、ずっと以前でありますが、検討を命じられたことがございます。
 その際に私ども申し上げましたのは、そういう場合には隊員を全員集めるというようなことは御勘弁願いたい、しかし二十四時間体制で、勤務している隊員は常にいるわけでありますから、その隊員方を激励いただく、あるいはその実情というものを掌握、御視察いただくということでありますれば可能でございますということを申し上げました。そういうことで、土曜日というものも使う、ただし、その際には、それに伴いまして過大な負担が隊員にかからないように配慮するということを指示されまして実施しているところでございます。
 今日まで十八回出張をしております。そのうち七回が土日の出張になっております。明日は土曜日でありますが、横須賀地区に参りまして、潜水艦部隊を視察することを予定しております。それから明後日は防衛医科大学校という、土日の日程があるわけでございます。
 そういうことで、このような日程というものを頭に置きながら、四月以降になりますと、とても一日をかけてあるいは二日をかけての出張というのは難しいということから、三月十二日を選択になられたというふうに承知しているところでございます。
#21
○穂積委員 とにかく、東京から小松基地に行かれたら、基地司令以下十数名、各独立部隊長十二名も含めて、勢ぞろいしてお迎えをした。それからその後、次々と幹部と懇談をされて、幹部の懇談会では、それこそ全部独立部隊長集まれというようなことで話をしてきたということでしょう。夜は懇談会ですね。翌日は、これは政務の中で輪島方面、それぞれ各隊長や何やら集めて、お会いになっている。こうなると、まあ現地視察というのは確かに公務の面はあるとしても、政務的色彩が強いと言われてもやむを得ないですな、これは。
 そうなりますと、政務主体なのに公務出張ということで旅費を払った。これは、そういうことになると、その辺は問題があるのじゃないですか。これは大蔵省給与課長さんですか、どなたかおいでになっておると思いますが、国家公務員、特別公務員の公務と政務の仕分けについては原則はどういうことになっているか、簡単にお答えください。──給与課長、来いと言っておきましたけれども、それでは、後で私のところへ説明に来てもらいましょう。
 実は問題は、自治大臣、公職選挙法第百三十六条の二、「次の各号の一に該当する者は、その地位を利用して選挙運動をすることができない。」これは国、地方公共団体の公務員全部にかかっております。国務大臣愛知防衛庁長官もこの条項が適用される。これは、大臣という地位をかさに着て、自衛隊で、現地で国の防衛に一生懸命研さんを励み、常時怠らず努力している自衛隊の諸君に対して、その大臣の地位を利用して今回の選挙において選挙運動をしたというふうなことになるという気がしますが、これについては、そうなるとすれば公職選挙法違反ということになりかねないですけれども、この関係で自治省、いかがですか。
#22
○佐藤国務大臣 きのうの官房長のお話でも、自衛隊の基地内での選挙演説、応援演説というのはないというふうに私は聞いておりますので、まず、その部分のことについては、これは事実関係でございますので、ひとつお確かめをいただきたいと思います。
 それから、穂積委員の御質問には二つのポイントがありまして、一つは公選法で言うところの地位利用、もう一つは公務と政務というものの仕分けの仕方、この二つの問題点があると私は聞いたわけでございます。
 それで、この公選法百三十六条の二と二百三十九条の二の二号で言っております地位利用というものについて、確かに、国や地方公共団体の公務員については、公職選挙法土地位利用による選挙運動や選挙運動類似行為というのは禁止をされております。
 ただし、ここで言いますところの地位利用というものにつきましては、その地位があるために特に選挙運動等を効果的に行い得るような影響力または便益を利用する意味でありまして、職務上の地位と選挙運動等の行為が結びついている場合と解しているということでございますので、愛知防衛庁長官の行動が直ちに地位利用ということになるかどうかにつきましては、具体の例を見てみませんと、きのうの官房長のお話では、選挙事務所に五分か十分寄ったというふうに官房長は言っていたと思いますけれども、これが公選法で言うところの地位利用というものに当たるかどうかということにつきましては、具体の事実に即して見ませんと、今は判断できないと思うわけでございます。もっと詳しく具体的な実例集として自治省が指導しているものがありますけれども、時間がございませんので省かせていただきますが、直ちに地位利用という具体の実態に合っているのかどうかということについては、私は即断しかねると思います。
 それから、これは私が言うほどのことでもないのでございますけれども、閣僚の一員としまして、やはり政治家でございますから公務と政務というものが、日にちとして、この場合には十二日が公務、十三日が政務、穂積委員も言われましたけれども、政治家という立場で、それはいろいろな意味であり得るであろうと私は思うのであります。したがって、帰りの飛行機賃等は御自分で出されているということであり、車も防衛庁関係の車ではないというふうに聞いておりますので、公務と政務というものはそれなりに、日にちにおいて分けられているというふうに私は理解をしておるわけでございまして、具体的なことでさらに御疑問があれば、防衛庁の方に具体的な事実をさらにお確かめをいただいて判断されるのではないだろうかというふうに考えております。
#23
○穂積委員 自治大臣が今いみじくもおっしゃったように、事実関係がわからない限りはこれはいかんとも言えないということだと思いますが、では事実関係はどうだったということになれば、それは自衛隊の現地の皆さんは、大臣をかばって、公選法違反の地位利用的な選挙運動を受けましたと言うことはまず常識的にはなかろう、こういうことになりますな。
 そうしますと、地位利用、公選法違反被疑事件として事実があったかどうかということは、選挙違反を取り締まる警察関係のことになると思いますが、警察庁刑事局長さん、これについてはいかがでしょうか。ちょっと所見をお述べいただきたい。
#24
○垣見政府委員 お答えいたします。
 個別の案件につきましてお答えするのは差し控えたいと存じますが、一般論として申し上げれば、警察は、いかなる場合であっても、事実関係を踏まえまして、事案に即して適正に対処するという考え方でございまして、今後とも同様に対処してまいる所存でございます。
#25
○穂積委員 警察庁の責任者としては今のようなお答えになると思いますが、いずれにしても、白熱している選挙に対して、地位の重い人がこのようなことで疑惑を持たれ報道される。これでは政治改革を進める細川内閣、一体どうしているのだということになると思うのです。先ほど質問をいたしましたように、一億円疑惑のさなかにある細川総理があしたは現地入りするというふうにお聞きしておりますけれども、そういうようなことを地元の有権者はしかと判断していただきたいことを希望して、次の質問に移らせていただきます。
 さて、本題のきょうの法案関係の質問に移らせていただきます。
 防衛庁長官関係の質問のことでおいでいただいた方々、ありがとうございました。お引き取りいただいて結構でございます。
 きのう私どもの同僚議員からも既に質問が行われたわけでありますが、現在の景気状況を考えましたら、私どもは何としても早く有効な景気対策を進めてこの長期不況から脱却させなければならない、これは経済政策、国政の最大課題であるということは申すまでもありません。
 そういう中で、これまでの累次の予算の補正に引き続いて平成六年度の本予算の審議が早く行われなければならないということは、私もそう思うわけであります。しかし、その前段で、細川総理が先はどのような疑惑を解明しないままに審議に入るわけにもいかないという状況になっているということは、政権側はよほど責任を痛感すべきことだと思うわけであります。
 そこで、そういう中ではあっても、いわゆる日切れ法案ということで、私どもも国民の皆さんのことを考えれば、必要な措置はきちっと国会でとっていくということであろうということで今回こうして審議に応じているわけであります。
 ただ、日切れ法案であるかどうかということについて振り返ってみますと、交付税法案は二十三年ぶりに日切れ法案ということで、順調にいけば年度内に始末がつくという見通しでしょう。私ども自民党は、交付税法案というのは、地方団体にとっての予算を早く決めてもらって、そうして円滑な地方行政推進ということを考えるべきだ。となれば、従来は自民党はこれを日切れ法案として処理することを主張してきた経緯があります。これをかつては、従来の野党はそうじゃないというようなことで主張をし、もめたこともあるわけですけれども、今回この日切れ法案の処理ということについて、従来の経緯を踏まえて自治省はどのようにお考えになっているか、お答えいただきたいと思います。
#26
○湯浅政府委員 今回、地方交付税法の改正について御審議をいただきまして早急に審議を完了していただけるということは、私どもにとりまして大変大きな意義があると思っております。
 具体的に申し上げますと、まず第一点は、やはり年度が始まる前に国の地方財政対策というものがこれで確定をするということでございます。地方交付税法が確定するということは、地方交付税の総額が決まり、かつ毎年度毎年度の施策を織り込んだ単位費用が決まってくるということでございますので、地方団体に対する地方財政対策というものが年度が始まる時点ではっきりするということでございまして、これはまず地方に非常に安心感を与えるということがまず第一点であろうかと思います。
 それから第二点は、早くこの御審議をいただくということは地方団体ごどの交付税の金額がそれだけ早く決定することができるということでございまして、既に委員も御案内のとおり、三千三百の地方団体の中では交付税のウエートの大きい団体がたくさんございます。特に今年度の場合には、景気の低迷あるいは税収の低迷を受けまして一般財源の見込みというものが非常に不透明な状況にあるわけでございまして、そういうときに交付税法を早期に成立していただいて、それだけ算定事務が早められるわけでございますから、従来よりもかなり早く各地方団体ごとの交付税額が決定することができるということでございまして、各地方団体にとりましては年度内の一般財源の見込みというものが的確に捕捉することができる。これは年間の財政計画を立てることも可能なわけでございまして、そういう意味でそれぞれの自治体の財政が非常に円滑に運営することができる、これに大きく寄与することができるのではないかというふうに考えております。
 また三つ目には、この地方交付税法の中に決めていただく単位費用の積算の基礎というものが、これは国の各省の補助事業でございますとかあるいは単独事業の内容を積算の基礎として積み上げているわけでございますので、こういうものが早く決まることは各省庁の施策も円滑に実施することができるということもこの効果としてはあるわけでございまして、地方交付税法が早く成立するということは、以上申し上げましたようないろいろな点で地方団体にとりまして大きなメリットがあるというふうに考えるわけでございます。
#27
○佐藤国務大臣 今財政局長の方から、地方交付税法について日切れ法案扱いにして国会の中で御議論をいただく、その意義につきまして詳しく説明がありましたけれども、今申しましたようなことでございますので、与党はもちろんでございますけれども、自由民主党におかれてもこういったことで御協力をいただきますことを、三千三百の地方自治体を指導する立場にございます自治省、自治大臣としましても、厚く御礼を申し上げさせていただきたいと存じます。
#28
○穂積委員 どうも早々と御礼を申し述べていただいてしまって恐縮なんですが、それにしても、私どももこの国会において常に皆さんと一緒に地方自治の円滑な発展を念頭に議論しなければならないと思っております。佐藤大臣は、お人柄もあるのでしょうが、自治行政関係の国会論議についてはまことに恵まれたようなことになりかけている。お人柄に改めて敬服する次第でございます。
 ところで、それではまず地方税関係に入りますけれども、今回の個人住民税の二〇%減税ということを単年度で仕組んでいますね。この景気対策上の意義についてであります。これは所得税についても同様でありますが、とにかく稼ぎの中から持っていかれる所得税がことしはまけてもらえるそうだ、そしてまけてもらった分、使って景気をよくするために協力してもらいたい、わかりやすく言うとそんなことなんでしょうけれども、国税、所得税に関しては二百万円を上限としてそういう計画がされている。これは今後本予算の審議に際してしかと議論がされると思いますけれども、とりあえずこの地方税の方で六月、七月、個人の場合住民税がまけてもらった、それから事業所得者等は、第一期の六月分は年間の二割分まけてもらった。それを国民の皆さんがその意義を理解して、景気振興のためにうまくこれを使ってもらえるということにならないと意味がない。
 この辺については、皆さんは景気対策上この効果をどのように考えておられるのでしょうか。
#29
○佐藤国務大臣 今の景気の状況を見ますと、幾らか明るさが出てきた。軽自動車の購買あるいは耐久消費財が売れてくる、あるいは企業業績につきましても思った以上に悪くない、DIも幾らか上向いてきているというようなこともございます。住宅産業あるいは公共事業、これは順調に国民総生産の中で出てきておるわけでございますが、やはり約六割を占めます個人消費が元気を出していただきませんとなかなか景気はさらに明るさが増してこないということで、今穂積委員言われましたように六月に、最高の方は二百二十万、ひとつボーナス時期にどんと消費をしていただこう。
 やはり景気も気でございますので、明るさを増すという面におきましては、これは世界的に、レーガン減税などよりもさらにGDPに占めます比率も非常に高いという史上最大の減税でございますので、今までもこれだけの金額は日本においてもやったことがないということでございますから、その心理的な効果というのは非常に大きいのではないか。
 さらに、ちょうど三月期の決算等を見ますと、恐らく、恐らくではございません、五月に決算のいろいろな報告が出てくるわけでございますから、そういった幾らか明るい企業業績等のことが加わり、かつ財布も減税で少し膨らむということになりますと、さらに秋に向けて景気の回復に非常に明るい材料をプラスすることになるのじゃないか。
 全体的にはこういうふうに考えておるわけでございます。
#30
○穂積委員 まあ考えられる景気対策はとにかくやらなきゃならぬということで、その一環であることは理解します。
 それにしても、地方税でいえば二十万円を限度としての減税、そういうことをせっかくやっても、これは所得がある人がその恩恵を受けるのであって、余り所得のない人、所得の少ない人は、その減税よりは、片方で政府側がもくろんでいる厚生年金の掛金のアップとかそうしたことや何やで、全体を考えたらどうなるんだという議論があるわけであります。
 そういう多少疑問のあることでも、まあ効果をねらって、やれることはやってみようということでもくろまれているこの特別減税が、実はきのうから議論されておりますように、厳しい地方財政の中ではトータルで一兆六千億を超える減税となる。これは単年度でそうですね。それの地方財政に及ぼす影響、これは本当に真剣に考えておかなければならないと思います。とにかく特例地方債で住民税減税を行う。これで本当につじつまが合うのかね。それによって地方の借金依存体質というものがさらに高まる。
 そこで、これは地方交付税との関係にもなるのですが、地方債の残高がふえていく。百兆円という残高の見通しということになりますと、これは国民一人当たり八十数万円になるでしょう。国の国債残高は二百兆円。合わせて全体でいえば大変な国民の借金ですから、そういう中で地方財政上もその点を忘れることなく対処していかなければならないと思うのであります。
 問題は、こうした特別減税に伴って今回その分地方財政の硬直化を招くということは明らかでありまして、これについて今後どのような算段をしてこの償還をしていくのか、その辺について改めて自治行政としての基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
#31
○佐藤国務大臣 穂積委員言われますように、一兆六千億だけではなくて、交付税自体のもとになりますところの所得税等が減るわけでございますから、その分一兆二千四百億も補てんをしなければなりません。したがいまして、約二兆八千億ちょっとというものにつきましては、これまた地方財政が負担をしなければならぬということでございます。
 私は、一般的に地方債の活用ということは、景気対策という面で弾力的に運用することは、これも時と場合によっては必要だと思いますが、御承知のように平成六年度では約百兆を超える借入金残高を残す体質、御指摘のようにこのままにしておいては大変だと思っております。したがいまして、連立与党の方としましてもこういった財源の補てんをすることも考えていかなければなりませんし、また地方税制の持っております決定的な欠陥、つまり非常に直接税に依存している、約九割と考えていいということから考えますと、景気に非常に左右されやすい。しかし、地方の支出というものの大半は安定的な財源で常時やらなければいかぬ身の回りの仕事の方がはるかに大きいということから申しますと、このギャップを埋めていかなければならぬ。つまり、所得と消費と資産というもののまさにバランスのある税体系というものにしていかなければならぬという命題があるわけでございます。
 したがいまして、税制改革協議会、与党におきましても、その点を十二分に踏まえて、地方分権という中で地方の独立した財源という問題も含めまして、これから地方税制、地方財政のあり方そのものについて根本的な転換を図っていくことの必要な時期に来ているというように私も認識をし、また連立与党の方にも、そういう視点でひとつ税制改革協議会の方で地方財政につきましても十二分の協議をしていただきたいということは機会あるごとにお願いをし、また我々としても、国民の皆さん方にいろいろな角度からわかっていただくようにしていかなければならぬということで努力をしておるところでございます。
#32
○穂積委員 まずはことし、ともかく住民税の特別減税をやる、しかし今後これは政権側でも年末に向けて各党間で十分議論するということのようですが、私どもも重大関心を持っております。
 そういう意味で申し上げるのですが、結局、地方の税収については地方税全体を見直すべき時期にあるということは、私どももそうだと思います。そのときに、きのう実は私は、大臣の同僚議員に対する答弁をお聞きしていて大変感心をしたのです。それは例の、とにかく地方税収は総体として見て、直間比率を見た場合、間接税の比率が国税に対して極端に低い、これは明らかでありますね。一対九だ。その現状というものを、将来の地方行政の税源問題として抜本的に見直しをして議論させてもらいたいというようなことでありましたが、直間比率の見直しとなれば、実は、見直しというのは要するに間接税の比率を高めるということですよね。
 では、間接税としてどういう工夫ができるか。当然のことながら消費税、消費譲与税の国のサイドの見直しと並行して、地方税源をどうするんだということになりますね。具体的に見直しといえば、消費に係る間接税の税率を大幅に上げる方向での検討ということも視野に入ってくる。これを大臣が大胆に触れられたということでは、社会党出身の大臣としては大変な見識だ、そういう意味で、さすが大物社会党出身大臣だ、私はこう思った次第であります。
 そういうこととして、この問題に関しては、地方自治体はもうかねてからの主張ですけれども、現在、自前の税収を確保していきたいという要望がありますよね。そういう中で、特別消費税は別ですけれども、今は国税当局が一括して間接税を押さえて、取った中から地方に回してもらうというシステムになっている。そういう中で、地方独自に国の消費税に見合う地方消費税として独立させて間接税比率というものを高めたい、確実な税源措置を講じたいという議論がありますが、これは国税との関係でいろいろ問題もあるし、どだい国民一般からどのような御意見をいただけるのか問題があるところでありますけれども、自治省としては、この問題については今後どのような見通しと戦略を持って対処されようとしているのか、お考えを伺いたいと思います。
#33
○佐藤国務大臣 穂積委員からお褒めをいただきましたけれども、ただ、その結論に至るまでにはやはり国民の理解を得るための前段の環境整備が必要なのでございまして、これから高齢化社会の中で福祉が一体どんな格好になっていくのか、どのくらいの負担をするのか、税はどのくらいの負担であって、個人はどのくらいこれから負担をしなければいかぬのか、あるいは今、国税の中でも言われております不公平税制というものをどのくらい洗い直すかという問題もございますし、消費税そのものの欠陥と言われております益税を初め、いろいろな問題もあるわけですね。外国の消費税と比べれば、あれは外国に行ったときには返ってくるわけですね。今の帳簿方式では返ってこないというようないろいろな問題があるわけでございますので、そのあたり、国民の皆さん方がいろいろ疑問やら不満に思っていることを一つ一つつぶしていって、そして、その上に立ってまず間接税をどう絞り出していくか、その前提が大事なことをひとつ御理解いただきたい。結論先にありきではないことだけ御理解いただきたいと思います。
 それで、国と地方をどうやっていくかという、日本の財政にとりまして非常に重要な時期に来ていると思っております。したがって、十二月末までには与党の方も税制改革の中身について詰めることになっておるわけでございますから、今御指摘のございました、つまるところ地方消費税のお話だと思いますけれども、これについても、今申しましたように環境整備をする中で、地方消費税というのは、消費譲与税を変えてみずから地方自治体が徴収をするということも踏まえまして、大蔵省もございましょうし、与党もございましょうし、野党の皆さんもございましょうし、そういった納得を得るように、そう時間があると私も思っておらないのでございまして、この一年はそういった意味で非常に重要な時期を迎えている、こういう認識でございます。
#34
○穂積委員 具体的な各税についてですけれども、まあ住民税は今のような話ですが、次は事業税について、例のマスコミ等の七事業についての特例措置を、今回時間をかけて少しずつカットしていって最後はなしにするというような方向、これを確定するというのは評価していいと私は思います。あの税制論議の時期になると打ちそろって事業税廃止は勘弁してくれと、さんざん私ども自民党サイドはマスコミからいろいろ冷やかされたり悪口を言われたりしている中でも、そのときはにこにことマスコミ関係の団体が陳情を繰り返してきたのですが、私どもは税制全体の筋からこれは本来おかしい。おかしいといいながらも、公器たるマスコミの立場も考えながら、最後は繰り延べみたいなことを繰り返してきたということですから、今回これは大変結構だと思うのです。
 これについてマスコミ側の反応はどうでしたか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
#35
○佐藤国務大臣 基本的には、穂積委員言われますように、自民党与党時代、政権を持っていらっしゃるときから当委員会でもいろいろ長い議論があったようでございます。しかし、私前段で申し上げましたように、今、地方分権の時代で、ますます地方自治体の需要が多くなってくるときに、国民の皆さんに新たな負担をお願いするような場合になったときには、いろいろと議論があるものについてはやはり整理をしなければこれは国民の御納得がいただけない。ただ、そうであっても、今景気が低迷をしているときでありますから、過度の負担を一挙にさせるということは、これは我々としても考えなければいかぬのじゃないかというところで、委員御承知のような内容にしたわけでございまして、内容及びその評価につきましては滝税務局長の方から答弁をさせたいと存じます。
#36
○滝政府委員 マスコミの反応と申しますか、こういった点については、マスコミについては七事業に分類されるわけでございますけれども、大方は今回の措置はやむを得ない、こういうような御判断をいただいているように私どもは認識をいたしております。その前提といたしましては、ただいま大臣から申し上げましたように、こういうような景気状況の中では相当配慮した措置をとらせていただいている、こういうことをマスコミの方では評価をしていただいているのじゃなかろうか、こういうふうに認識をいたしているところでございます。
#37
○穂積委員 次は不動産取得税であります。
 実はこの不動産取得税絡みでは、私どもは、今回の法人税改正は不十分だと思っています。なぜならば、そもそも現在のこの景気低迷の根幹は、過剰流動性資金の行き先が地価暴騰であり株価暴騰、いわゆるバブル経済、それが抑えられてバブルの崩壊、景気低迷というふうにこの反動が来たということは、特に委員長はこの地価絡みのことはよく御存じの方でありますけれども、この経過を踏まえて景気対策を考えた場合に、どうしても土地及びこれに伴う建設、建築関係の業界に景気回復の起爆剤の一つになってもらわなければならない、これは当然のことであります。そういう意味で、いろいろな対策を講ずるべきであるということなんです。
 そういう意味では、この不動産取得税においても、土地をより有効に、早く活用するという方向での政策を進めることが景気対策の一つとして重要であるということからすれば、私どもの後刻提案する不動産取得税の課税標準の特例措置をいろいろ工夫するとか、あるいは道府県民税あるいは市町村民税の課税について、長期譲渡所得でその基因となる土地等の譲渡が一定期間に行われたものについては税率等を配慮するというような措置が必要だと思っておりますが、この関係では自治当局はどのようにお考えでしょうか。
#38
○滝政府委員 不動産取得税につきましては、ただいま仰せのように、この課税標準を固定資産税の評価額によっているということでございますから、この固定資産税の方の評価がことしの一月一日で評価がえという事態を踏まえて一挙に上がる、こういうような事情にあるわけでございます。そこで、ただいま仰せのように、私どもも、土地の取引にできるだけ影響を与えないようにあるいは影響を少なくする、こういうような観点から、今回はいわば思い切った負担軽減措置を講じているわけでございます。と申しますのは、固定資産の土地の評価がえというのは昭和三十九年から現在まで九回行われてきているわけでございますけれども、いずれも不動産取得税については負担調整措置を従来講じてこなかったわけでございます。
 不動産取得税につきましては、固定資産税の評価額にそのままリンクするということで従来やってまいりました。その趣旨は、不動産取得税の流通税としての特殊性、こういうことに配慮をして負担調整措置を講じていないということが一つあるわけでございます。もう一つ実質的な理由といたしましては、不動産取得税につきましては、少なくとも住宅用地についてはできるだけ取引を阻害しない、あるいはマイホームの取得にはできるだけ配慮するということで、少なくとも不動産取得税が従来からそういうような配慮をしてきた、こういうことでございます。現に通常程度の、普通のいわばマイホームでございますと、不動産取得税はほとんどかからない。要するに二百平米の土地は、不動産取得税は基本的にはそれまではかからないということもございますし、それから二百平米を超える部分につきましても四分の一の課税標準だ、こういうようなことでございまして、少なくともマイホームということに関しては非常な配慮をしてきた税でございます。したがって、ただいま申しましたように、過去九回の評価がえに伴う問題については、従来から負担軽減措置を講じてこなかったわけでございます。
 それを今回は、ただいま仰せのような事情を私どもとしてもこの際思い切って考慮するということで、いわば不動産取得税始まって以来初めての負担調整措置を講じさせていただく、こういうことでございますので、少なくとも一般に出てきます個人間の住宅用地としての取引についてはほとんど影響がない、あるいはあったとしても極めて抑えた格好になるであろう、こういうような前提をとっておりますので、御理解を賜りたいと存ずる次第でございます。
#39
○穂積委員 この問題は、国税の方、譲渡所得税の面で景気対策上、我が党が一つの意見を持っておりますから、それとの関係で私ども主張を申し上げていきたいと思います。
 ところで、地方税全体を徴収する市町村の事務から考えますと、まさに日切れ法案として対処しなければ地方の事務上いろいろ支障を生ずるということは私どもも理解をしているわけであります。その点で、本来は、税制改正はほぼこういう方向だというのは、例年ならば十二月中に私ども与党だったころはクリアして、そして地方に示す、それで地方の事務の円滑な取り進めもやってこれたということですが、ことしは二月にずれ込んで、そして今ということです。
 この日程がおくれたことで、しかも、先ほど来の特別減税という新たな事務処理も準備しなければならぬということになったら、かなり市町村は徴税事務上混乱のおそれあり。この辺については、自治省はどのようなこの問題についての配慮をしておられるのでしょうか。
#40
○滝政府委員 ただいま仰せのように、日程的に大変厳しい中で税制改正を都道府県、市町村にお願いする、こういうことでございます。したがって、私どもも今回の地方税制の改正につきましては、その内容が決定いたしましたのが二月九日でございますけれども、直ちにその内容等につきまして、各都道府県の東京事務所を通じまして中身の事務連絡をさせていただく、こういうことをやらせていただきました。
 また、それに関連する準備のための事務処理手続も当然もう少し詳細な内容をお伝えする必要があるわけでございますけれども、これにつきましても、その後一週間以内でございますか、二月十五日には、そういった点も踏まえて、自治大臣からの親書を各市町村長さんに出すとともに、事務処理につきましての遺漏のないような詳細な情報を速やかに別途連絡させていただく、こういうことをさせていただきまして、従来にないスピードで各市町村に徹底するようにさせていただいているところでございます。
#41
○穂積委員 いずれにしても、地方税関係は、これから長期的な視点に立って直間比率の見直しや何やきちっとやって、その中で地方行政が円滑に進むように努力していただきたいと思います。
 地方交付税の問題に進みますが、とにかく、先ほども申しましたけれども、平成六年度末に百兆円を超えるような地方の借金ということになる。公債残高は、国の方も二百兆円、地方は百兆円ということで、大変な状況ですね。その場合に、問題の一つは、国債の方は償還期間が六十年、それに対比して、地方債に関しては十年ないし二十年というような短期になっているということでは、短期の償還期間ということは地方の財政運営に与える影響は非常に厳しいものがあると思うのであります。これについては自治省は、大蔵との関係もあるのでしょうけれども、今後どのように対処していくおつもりでしょうか。
#42
○湯浅政府委員 御指摘のように、今年度かなり財政運営が厳しいために、地方債の増発あるいは特別会計の借入金の増額ということで対応していくという関係で、地方財政の借入金が百兆円を超えるということになるわけでございます。国が二百兆、地方が百兆だから、地方の方はまだ余裕があるのじゃないかという意見を言う人も一方にいるのでございますけれども、今御指摘のように、地方債の方は国と違い償還期限が非常に短いということもございまして、単純に国と地方の借入金の残高だけで比較するわけにはいかないわけでございまして、地方がこれだけの借入金をするということは、これからの財政の健全性というものを考えた場合には大変大きな問題であろうかと思います。
 そういう意味で、これからの財政運営には十分注意を払っていく必要があると思っているわけでございますが、近年におきましても、一般財源が比較的良好なときには、交付税の特別会計の借入金を繰り上げ償還をいたしましたり、あるいは特例的に発行いたしました財源対策債などにつきましては繰り上げ償還の措置を地方財政対策でとってきたというような経過がございまして、かなりそういう形では、ここ数年のところでは中期的な健全化の措置を講じてきたところでございます。
 そういうこともございまして、当面の状況では何とか切り抜けることができるんじゃないかと思っているわけでございますが、しかし、将来にわたってこれが続いていくということになりますと、これは大変な問題になります。したがいまして、景気が安定的な成長になってきた場合には、景気対策のためにいろいろ使われました事業も整理していく必要がございます。
 それから、こういう特例的に行われた借入金につきましては、これを健全化するためのいろいろな措置、具体的には繰り上げ償還でございますとか、そういうものも視野の中に入れていかなければならないと思います。特に、減税に伴って発行いたします特例地方債あるいは交付税の特別会計の借入金につきましては、これは税制改正の中で、特例的に発行した地方債なり特別会計借入金はその中でやはりきちんと補てんをしてもらわなければならないということも考えながら将来の健全化措置を検討してまいりたいと思っているわけでございます。
 明年度以降の地方財政計画の策定に当たりましては、当然のことでございますけれども、公債費を適切に見込むことによりまして全体としての公債費を確保する。また、個々の地方団体の公債費の適正な運用につきましても十分意を用いながらやっていきたいというふうに考えているところでございます。
    〔委員長退席、井奥委員長代理着席〕
#43
○穂積委員 自治省として国レベルで金のやりくりをどうするかということについては、私も、毎年皆さんが大蔵省と随分うまい話をいろいろつけるものだなということで感心してきました。しかし、その中で、やはり主体は地方自治体の立場を考えながら今後も努力いただきたいということなんです。
 私も一つの例を申しますと、私の選挙区で、ある村で村長選挙、一騎打ちが演じられました。現職村長とその村の課長が対抗馬で出て一騎打ちをやったんですが、その対抗馬の方は、今の村長はこれまで随分借金を重ねていろいろな派手な仕事をやってきた、これで村民一人頭借金幾らになる、これをおれたちが将来しょって大丈夫かということを一つの宣伝の材料にして選挙が行われたんです。現職の方が勝ちましたけれども。
 実は、それぞれの市町村の地方債残高というものがこうした状況の中でそれぞれやはりふえているわけですな。その始末は自治省がバックについてちゃんといずれやっていくんだからというようなことなどは、その数字を見た国民はなかなかわかりにくいということがあるわけです。地方の実態はそういう状況です。その辺を踏まえて、今後自治省もよく地方公共団体を面倒見ていっていただきたいと思っております。
 ところで、今回この地方財政計画に盛り込まれ、また財源措置を講じられる中で、やはり時代の変化に応じて必要な政策のポイントということを自治省サイドが明らかにされている点は幾つか評価できると思うのですが、特に、間違いなく高齢化社会に進んでいる中で、今後それぞれの地方公共団体は、高齢者の保健あるいは福祉対策の充実ということを大きな地方行政の課題として取り組んでいってもらわなければならぬと思うわけです。
 そこで、今回高齢者人口で地方交付税の算定を行うというようなことにしたというふうに伺っておりますが、その辺ちょっと御説明をいただきたいと思います。
#44
○湯浅政府委員 ただいま委員も御指摘のとおり、これからの地方団体の中で大きなウエートを占める行政は、やはり高齢者の保健福祉対策ではなかろうかと思います。現段階でも、いわゆるゴールドプランの実施を初めといたしまして、地域の実情に応じてさまざまな高齢者福祉に対応できるような財源措置をしていこうということで、社会福祉関係あるいは衛生費の関係の中で高齢者福祉関係の経費を地方財政対策で計上しますとともに、交付税の基準財政需要額に算入してきたわけでございます。この金額が毎年毎年大きくなってくる。
 技術的になりますが、交付税の基準財政需要額の中の社会福祉費とか保健衛生費というようなものは人口を測定単位にいたして計算をするわけでございますが、高齢者の福祉対策というのは、人口ではなしに高齢者の人口というものを基準にして今までもいろいろな補正をしております。その補正の内容が非常に複雑になってきているというようなこともございまして、むしろ経費を分けて測定単位を高齢者の人口にして計算をしていった方がこの財政需要額を的確に算入することができるのではないか。こういうことで今回の交付税法の改正におきまして、従来社会福祉費それから保健衛生費というものの中に計上しておりました老人関係の経費を一括して取り出しまして、これを高齢者の保健福祉対策費という形で経費を独立をさせまして、そして測定単位も高齢者人口を使うということによりまして的確な基準財政需要額をそれぞれの自治体ごとに算定していこう、こういうことで今回の改正をお願いしているものでございます。
#45
○穂積委員 次は、実は私が自治政務次官に在職中、自治省の皆さんがいろいろ工夫をしていただいた中に、森林・山村対策、自治省の方で積極的に林野行政に協力しよう、一緒にやっていこうということで打ち出された施策があるわけですが、これはその当時大変地方から喜ばれて、いいことをしたと自治省は評価されております。その森林・山村対策について、それでは各地方公共団体はどのような取り組みになっているか、その状況をちょっと御説明いただきたいと思います。
#46
○湯浅政府委員 平成五年度の地方財政対策におきまして、ただいま御指摘のように森林・山村対策という形で政策をつくりまして各種の施策を行ったわけでございます。この中で、まだ年度の途中でございますから最終的な計数はわかりませんけれども、十二月の時点でとりあえず調査をしてみましたところが、平成五年度の実績見込みで幾つかの結果が出ております。
 まず第一は、森林の公有化を図るということを政策として打ち出しましたところ、都道府県、市町村合わせまして五千八百ヘクタールの公有林を取得する、これは金額にいたしまして百八十億円の計画と聞いておりますが、五千八百ヘクタールの公有林化を図るということ、これが施策の一つとして出てまいっております。
 それから第二番目として、ふるさと林道の整備を促進していこうということに対しましては、全体で五百五十億円をやっていこうという、全体の合計額で五百五十億円を事業として事業化してきております。
 それから三つ目は、いわゆる担い手対策基金として都道府県に基金を積んでもらおうという点でございますが、この担い手対策基金が総額で六百六十五億円、都道府県から拠出されたものが六百六億円ということで、当初私どもが予定した以上に拠出している、こういうような結果が出ているわけでございまして、平成五年度に行いました森林・山村対策については各自治体が積極的に対応していただいているということがこの計数でおわかりいただけるのじゃないかと思っております。
#47
○穂積委員 まことにこれは、むしろ自治行政の中で私どもはある程度、これからもお世話にならなきゃならぬという立場の者として、よろしくお一願いします。
 それから、農山漁村対策の問題ですが、特に日本の農業は、もう御承知のとおり、今危機的状況にあると言っても過言ではない状況にあります。去年の暮れの例のウルグアイ・ラウンドの農業合意受け入れという細川政権の決定によって農家、農民は大変な動揺を来しておりますし、今後の日本の農業はどうなるんだ、どうしてくれるんだということが現実であります。私どもはこれに対して別途の場で私どもの主張するところを国政に反映するように努力していかなければと思っておりますが、とにもかくにも農業基盤整備一つとっても自由貿易体制の中で日本の農業を守っていくということになれば、容易ならざる投資、それから事業施行ということが必要なわけであります。
 そういう点で、これは地方分権なり地方の時代と言いながらも、健全な農山漁村が、それぞれの地域でこれに従事する人たちが希望を持ってこれを守っていくというようなことでなければこの日本の社会体制そのものがおかしくなりかねない、こういう問題でありますから、詳しくは時間がありませんから申しませんけれども、この辺についてはぜひとも自治行政上今後も最大限の取り組みをしていただきたいと思うわけであります。
 これについて自治省としての考え方をお聞きし、最後に、これはもう大臣、こうしたいろいろな時代の変化に応じた地方それぞれに特色を生かした自治行政推進に対する自治行政の最高責任者としての意欲ある考え方をお示しいただければ、私の質問をそれにて終わらせていただきます。
    〔井奥委員長代理退席、委員長着席〕
#48
○湯浅政府委員 大臣の御答弁の前に、私から平成六年度におきます農山村対策につきまして若干申し上げたいと思います。
 ただいま委員も仰せのとおり、これからの農山漁村対策というものは非常に重要な問題がございまして、前年度は特に森林・山村対策ということでやりましたけれども、もっと広い意味での農山村対策ということをこれから施策として打ち出していきたいということで、今回の地財対策におきましても、後継者の育成確保のためのいろいろな施策、後継者の研修でございますとか、あるいは地域活動、住宅取得、新規就農の奨励というようなものをセットにいたしまして、交付税の中で基準財政需要額に算入してまいりたい。
 それから二番目は、地域の活性化を図るために、その地域の流通加工施設ですとか、簡易な宿泊施設とか、特産品の展示販売施設の整備、あるいはCAテレビの整備とか、若者の定住を促進するための賃貸住宅の建設というようなものを柱といたします施策を地方債なり交付税でやってまいりたい。
 それから三つ目としては、生活環境の整備を図るために、二十戸以上の集落排水については国の集落排水事業がございますけれども、二十戸未満の小規模な集落におきます排水処理施設を整備するために地方単独事業でこれを対処していく、あるいはふるさと事業とか、農道、林道の整備というものを積極的に活用していく。
 こういうようなことで、農山村対策について明年度の地方財政計画には三千九百億円の施策として打ち出しております。これも地方団体に積極的に活用していただくようにこれからPRをしていきたいというふうに考えております。
#49
○佐藤国務大臣 穂積委員からも言われましたけれども、森林・山村対策、これは今年度の地方財政計画をつくるに当たりましても非常に陳情も多く、また今財政局長から御答弁いたしましたように大変実績も積んでおりますし、そういう意味では非常にいい事業を始めたということで、穂積委員も言われましたように、穂積委員が政務次官のときから始まったこの事業というのは、地域に活力を与えるという面では大変重要ではないかと思っております。
 それから、農山漁村地域の問題につきましても、基本的には農水省がやっていただく問題ではありますが、地域という面からとらえますと、それだけで対処できる問題ではない。特に中山間地という、過疎化をどうやって防いでかつ地域に根づいていただこうかという観点からいいますと、これも非常に重要な課題だというふうに思っておりますし、今財政局長から御説明しましたように、さらにきめ細かく農業集落の排水施設につきましても、さらに農山村、中山間地ということになると、小さなところもやはりやっていかなければいかぬということで考慮する。なお、いろいろ中山間地対策という面で、ガット・ウルグアイ・ラウンドに対応できるようなものを、私たちとしても地域を発展させるという観点から今後とも引き続いて拡大をさせていかなければならぬと思っております。
 最後に、委員も言われましたように、地方単独事業が今度の地方財政計画の中でも補助事業の倍の十八兆円ということになっております。これが地域づくり、特色のあるものあるいは住民参加の行政という観点、町づくりという観点からいいますと大変活性化に役立っているというふうに思っておりまして、まさにこれは、あのふるさと創成事業から始まりましたこの地方単独事業というものは、非常に地域に活力を与える、またみんなで考えてやる、みずから考えてやる事業だというところで、これは非常に大きな、これからなお一層発展をさせていかなければいかぬ部門ではないかというふうに私は考えておりますので、昨年よりもさらに地方単独事業については充実強化をしたところでございますけれども、今後ともそういった意味での地域の活性化、そして本当にふるさとに愛着が持てるという地域をつくってもらうために、この事業を一層進めていきたいと考えておるところでございます。
#50
○穂積委員 終わります。
#51
○粟屋委員長 穀田恵二君。
#52
○穀田委員 私、最初に固定資産税にかかわる問題について若干質問したいと思います。
 地価公示価格の七割へと評価額が大幅引き上げされて、負担調整措置はとられるとしても、これを機会に地代、家賃の便乗値上げのおそれがあるいうことはよく御承知のとおりだと思うのです。私も、不当な便乗値上げを許さない立場に立って断固として指導が必要だと思うのです。従来、こういう問題に関して、そういうのはいけないということで次官通達なども出したと思うのですが、そういう対処を要望したいのですが、いかがでしょうか。
#53
○佐藤国務大臣 委員御指摘のように、便乗値上げというのはあってはいかぬわけでございますので、従来、委員言われましたように通達を発してきたわけでございますけれども、今度の場合には全国統一した固定資産税の見直しということでございますので、従来よりは若干率も上がるであろうということも頭に入れて、今回の場合には関係省庁とも連絡を図りながら、従来とは異なりまして事前に、そういうことがあってはいかぬということで、事前の格好で通達を出したところでございます。
#54
○穀田委員 事前にとおっしゃいますけれども、実は驚くべきことが起こっているということ、これは御承知おきいただきたいと思うんです。
 例えば契約なんか見ますと、こういうふうな例があるんですね。固定資産税評価額の五%を年間賃貸料金と定めるというようなことが賃貸借の契約書に書かれていたりする。さらに、これは同じく大阪の吹田の例なんですけれども、建設関係、つまりあっせんする方の側が、例えば平成五年三月二十二日から、固定資産税額の大幅の引き上げが来年度に予定されているから上げるんだ、こういうことを言っているわけですね。だから、どういう形で通達が出されて、その効用はいかんということが問われる問題だと思うんです。
 だから、今通達を出されたというのは、多分省としての課長なり補佐なりの通達だと思うんですけれども、次官通達として施行に当たってきちんと出していただくことと、事前の指導をもう少しきめ細かくやっていただきたいという点についてはいかがでしょうか。
#55
○滝政府委員 ただいま具体的な例としてお話がございました。
 私どもも、ただいま大臣から申し上げたとおり、こういうようなことでもって一般的に誤解のないように、あるいはそういう家主側のいわば、いつの間にか高い家賃を決めてしまうよという結果にならないように、その辺のところは私どもも建設省の住宅局ともよく相談をしながらこれまで事前に打ち合わせをしてきたわけでございますけれども、さらにその辺のところは今後の次官通達において、具体的に表現するのはなかなか難しい点もあろうかと思うのでございますけれども、少なくとも事前の住宅局との連絡の中で、そういった点も私どもとしては踏まえた格好で指導が行き届きますように進めてまいりたいというふうに思っております。
#56
○穀田委員 この問題は、私は大事だと思うのは、問題が起こってそれで相談に来る例というのはまだいいと思うんですよね。つまり、実際はそういうことを知らずに、やむを得ないものだと思ってずるずるいってしまっているという経過も多いわけなんですね。だから、相談に来ない人に対する一般的な周知、それから二つ目に、相談に来た場合に、市民相談の窓口であれ税相談の窓口であれ、そういう不当な便乗値上げというのはいけないことなんだということを知らしめて、安心をさせる。同時に、もう一つの問題は、三つ目の問題は、業界がえてして、従来こういう問題が起こったときにチャンスとばかりにやるという傾向はあるわけなんですね。そういう問題をつかんでいないということはないと思うんです、いつもそういうことが起こっているわけですから。
 だから、三位一体となった、つまり周知徹底で広く知らせて、そういうことはいけないということをわからせる、相談に来た場合の体制をとる、それから、実際上げる方に対して、そういう問題についての規制といいますか、正しい措置をとらせるような指導を行う、こういう点が必要だと思うんです。新しい次官通達を出していただくとしても、今起こっていることだから、四月一日ということでなくて現実の指導を、皆さんも御承知のとおり、家賃だとかそういうのを決めるのは四月からというのが多いわけですから、四月からというのは、四月に相談するわけじゃなくて前段で相談するわけですから、その辺もお含みいただいて指導していただきたいと思うんですが、いかがですか。
#57
○滝政府委員 ただいまおっしゃったようなことは、私どもも十分踏まえて対処してまいりたいと存じます。
#58
○穀田委員 前段の通達は通達として出されたとしても、指導の経路はあったとしても、不当な便乗値上げは許さぬという次官通達で指導を新たに、どういう中身かいろいろ問題あるとしても、きちんと出していただくということはいいんですね。
#59
○滝政府委員 次官通達の中身については、これから内容について詰めを行うところでございますから、どういう格好にするかというのは今ここで私ども判断できませんけれども、少なくとも、そういうようなことを防ぐために従来からこういう指導を申し上げ、かつ、通達も出しているわけでございますから、そういう点が徹底できるような格好をとらせていただこうと思っております。
#60
○穀田委員 じゃ次に、例の東京フロンティアの問題に対して質問をします。
 東京の世界都市博覧会に対して法人住民税や事業税、さらには不動産取得税や固定資産税などの非課税措置が行われています。これは新聞などにも書かれているんですが、国際条約や法律に基づく博覧会においては法律で特例措置を設けたことがあります。しかし、自治体が開催するこのような博覧会などへの優遇税制はかつてあったでしょうか。
#61
○滝政府委員 ただいま御質問の中にも若干ございましたけれども、従来からこういった博覧会については、いわゆる万博スタイルのものにつきましても地方税におきましては個別的に特例措置を規定してきている、こういうのが例でございますので、従来そういう意味では少なくとも万博という形をとるものについては個別にやってきた、こういうことでございます。ただ、仰せのように、そういうようなものに該当しないものについてどうかと言われれば、そういうものは、今回こういう格好で法律上特例措置を設けさせていただくのは初めて、こういうことになります。
#62
○穀田委員 昨年の新聞にも書かれているんですけれども、地方自治体が国際博覧会条約に基づかず独自に開催する博覧会を政府が閣議了解で支援をするのは前例がないということを言っているんですね。これはこのとおりでして、私は、じゃ、この東京フロンティアというのは一体何だったかということを見ますと、重大な問題をはらんでいるんじゃないか。御承知のとおり、これは臨海副都心開発の成果を見るということが目的とされていて、都市のあり方とか「躍動とうるおい」とかということをテーマにやると書いているわけですけれども、だから、東京フロンティア自身が臨海副都心の成果、この問題と一体なんですね。これはとかくうわさが絶えないわけですね、臨海副都心開発というのは。
 例えば九一年の十一月八日の朝日ではこう書いています。「当時は副総理だった金丸さんも臨海部を視察、鈴木知事も案内役に立った。国土庁も都に来て、「早く都の構想をまとめてくれ。金丸さんに報告しないといけない」とせっつくようになった。」さらに、「金丸さんの秘書官から築地の料理屋に呼ばれた都の幹部もいて、「民間に先を越されている。ぼやぼやするな」とけしかけられた。」「テレポート構想から六年ちょっとなのに、オフィスが加わり、住宅も柱に、と変ぼうした。自治体の計画に国がこれほど言ってくるのは、異例中の異例だ。臨海副都心は都内に残された貴重な土地。理想的な都市とは何か、都はじっくり構えて当たるべきだ。」ということで、横田前副知事が当時朝日新聞に書いているわけなんですね。
 問題は、この計画の見直し自身が今迫られているような状況にあります。そういう意味で、非課税措置などの特例、これは本来、先ほど局長からお話があったように、自治体の首長の判断で個別的にできるわけですよね。だから、なぜそれを法律で決めなくちゃならないのか。このことを明らかにしていただきたいんですが。
#63
○滝政府委員 この問題につきましては、ただいまも仰せのとおり、政府といたしましては、閣議了解ということで昨年の十一月に、関係行政機関が必要な協力を行う、こういうようなことで、万博には該当しませんけれども、それに準ずる博覧会ということで関係行政機関が協力して行う、こういうようなことになってきているわけでございます。
 もちろんその場合、その間にいろいろな経緯がございますし、また新聞紙上でもいろいろなものが取り上げられてまいりましたけれども、少なくとも私どもとしては、昨年十一月の閣議了解に基づいて、この博覧会については万博に準ずるものと、こういうことでできるだけの協力を行うんだという立場から、今回こういうような格好で特例措置を設けさせていただくということにいたしたものでございます。
#64
○穀田委員 どうも歯切れが悪いですね。つまり万博には該当しない、で、準ずるというと、それでは地方自治体という立場からいってもちょっとおかしいと思うのですね。つまり、国の判断を自治体に押しつけることになってしまって、国際的な行事だとかあるいは法律に基づくものをやる場合について、自治体が何々できるというそういう規定だったらわかるのですよね。しかし、それを、東京だけを特別扱いするということに対して、先ほど言ったように新聞紙上でも、局長もおっしゃるように批判はあるわけなんですね。
 それでは、他の自治体がこういった類することをやろうとしたら、法律で特例を認めたりするのですか。
#65
○滝政府委員 最初に申し上げましたように、従来から、仮に万博形式の博覧会におきましても、個別的にそれについて特例措置を講じるかどうかは、やはりその都度その都度法律でもって定めてきていると、こういうものでございます。
 したがって、ただいまお話がございましたように、この種のものがこれから出てくればそれをそうするのかという御意見でございますけれども、やはりそれはその都度その都度、従来と同じように、これについてどうするかということは、今後もそういうものが出てくれば具体的な問題として判断をさせていただく、こういうふうなのが従来からの考え方であろうというふうに私どもは考えております。
#66
○穀田委員 従来からの、従来からのと言いますけれども、もともとそういう博覧会条約なんかのは別でして、こういうものについてどうするかということについては初めてのケースで、しかも、これは初めてだと先ほどおっしゃったわけですから、どうも納得いかないわけですけれども、次に進みます。
 交付税の特別会計の借り入れの問題について、前回も私、補正予算のときにもやりましたけれども、今回、佐藤自治大臣の名前でやっています財政当局との覚書なども出ておりますので、最後に大臣に質問をさせていただきたいと思っています。
 従来、交付税特別会計の借り入れについては、やらないということを何度も言ってきて、昨年も私、この前の補正予算のときにも、異例中の異例だということを大臣は繰り返しお話しになりました。しかも、昭和五十九年一月十九日付の両大臣の覚書の基本的考え方の中でも、これはしないということを再三にわたって強調したことは御承知のとおりです。それをなぜこの年度当初からやるのかということについて、まずお聞きしたいと思います。
#67
○湯浅政府委員 今回の地方財政対策におきまして、地方交付税の総額を確保するために、年度当初から交付税の特別会計の借入金を行うということをお願いしているわけでございます。
 その点については、ただいま御指摘のように、昭和五十九年度におきまして交付税特会の新規借入金の措置は原則として廃止をして、特例措置によってこれをやっていこうと、こういうことが決められたわけでございますけれども、平成六年度の場合を考えてみますと、景気の低迷等によりまして所得税あるいはその他の税が極めて落ち込んでいる、さらにそれに特別減税を行うというようなこと、それからことしは平成四年度分の国税の減収に伴います精算減の分も一兆円ぐらいあるということを踏まえまして、相当大きな金額が前年に比べまして落ち込んでくるんじゃないだろうかというようなこともございました。
 こういうことで、財政当局といろいろと御相談をしたわけでございますけれども、国の方もこれは極めて厳しい状況で、とても一般会計からの繰り出しを十分するというような事情にはない。そうかといって、では、この国税五税の落ち込み分をそのまま計算してすべて地方債で賄う、これも、理論的にはそういうことになるわけでございますけれども、地方財政が置かれている現状、特に財政力の弱い団体がたくさんあるということを考えますと、交付税の総額というものもそれなりに確保するという必要もある。こういうことから、やむを得ず今回は交付税の特別会計の借入金を行うということにしたわけでございます。
 所得税の減税に伴います補てん分につきましては、これは将来税制改正によって補てんをしていただかなければならない問題でございますから、これは性格が違うわけでございますけれども、その特別減税以外の分につきましての財政収支の不足分、これについて交付税の特別会計の借り入れをしたということについては、今申し上げましたような各種の事情を受けまして、やむを得ない措置として行ったということを御理解いただきたいわけでございます。
#68
○穀田委員 そこで私、大臣にもう一度御答弁いただきたいのですが、総額を確保する問題について私は言っているわけじゃないわけですよ。総額を確保するのは当たり前の話であって、それをどこから確保するかという問題を問題にしているのであって、しかも、二月五日付の自治大臣の文書によりますと、財政当局と折衝して、地方交付税については、先ほどお話があったように一兆円を超える精算減が生ずるなど極めて厳しい状況だけれども、十五兆五千億程度確保した、こう書いているのですね。今の話はその話ですよね。
 問題は、財政当局と折衝した場合に、私、この前も補正予算のときもお話ししましたけれども、結局のところ、そういうふうな借り入れの元金というのは国が本来負担すべきだということを中心に置いて折衝していただいたのかということを聞きたいわけです。だって、自治大臣は折衝したと書いているわけですから、その御当人の方から、どういうふうな話なのかちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。
#69
○佐藤国務大臣 景気回復には地方交付税十五兆五千億ということで、若干、前年度よりも幾らか多い、この金額を確保することが一番大事でございます。何分にも未曾有の景気が悪い中、財政局長からも説明いたしましたように、国においても国債の返済の定率繰り入れも停止をするという財政事情でございますから、その意味で、やり得る手段というのは今財政局長から御説明をしたとおりでございます。ただし、金利につきましては、これは国が持ってくださいよということでございます。
 いずれにしろ、昭和五十九年のあの協定に至るまでにはいろいろな経過もございましたけれども、昭和五十九年に想定をした以上の財政状況の厳しさということから、このやり方しかないという判断に立って実行したわけでございます。
#70
○穀田委員 そこで、今五十九年の話が出ましたから私は言いたいわけですけれども、では、五十九年の場合、例えば当時特例措置を導入した際に、社会党は当時明確に反対をしています。そういう立場から反対討論も行っています。そしてそのときに、大臣のそういうおっしゃる点はいろいろあるのでしょうけれども、内実は自民党政府の時代よりも後退しているというふうに言って差し支えないんじゃないかと私は思うのです。つまり、当時は、国、地方折半でなくて、全額国が持つべきだと言っていたのです。それを折半にするという話でいろいろあったわけですけれども、そういうことからしても私は重大な後退だと思うのです。その辺をしっかり私としては発言しておきたいと思うのです。
 だから、改めて言うのは、地方財政の健全化のためには「昭和五十九年度以降交付税特別会計における新たな借入金措置は原則として行わない」とした政府の方針ですね、これを改めて踏みにじるというのはけしからぬと私は思っています。しかも、補正予算のときにも言いましたけれども、補正予算のときにも特別だ、例外だ、こう言ったのだけれども、そのときとしても、原則としてはということを改めて当時言っていたわけですから、私はそういう点についてはけしからぬということを改めて表明して、時間ですので終わります。
#71
○粟屋委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ─────────────
#72
○粟屋委員長 この際、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 本案に対し、穂積良行君外三名から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。平林鴻三君。
    ─────────────
 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#73
○平林委員 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨について御説明いたします。
 まず、我が国の経済が最長・最悪と言われる不況から依然として脱却できない最大の理由は、土地取引が凍結状態にあることと、企業の設備投資が極端に低迷していることにあることは全く異論のないところであります。そこで、土地取引の活性化と、企業の設備投資の拡大誘導について税制面からの積極的な対応がなされなければなりませんが、今次税制改正においてはその措置は極めて不十分であります。
 土地税制についてでありますが、現行の土地の譲渡益に対する課税は、平成三年度に地価高騰に対処するためにとられた極めて高い税率がそのまま残されております。土地取引の実態について見ますと、平成三年の土地の譲渡所得は十八兆円であったものが、翌四年には七〇%も急減して五兆四千億円となっております。これは土地の譲渡所得に対する重課によるものであります。
 また、固定資産税の評価額引き上げに伴い、この評価額を課税標準とする登録免許税、不動産取得税の税額が急激に上昇することに対し、今回の政府の改正案ではそれぞれ負担の調整措置をとることとしておりますが、土地取引の活性化が重要な課題とされている今、思い切った対策が必要であります。
 以上申し上げました理由に基づき、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する修正案の概要について御説明いたします。
 第一は、不動産取得税の特例についてでありますが、宅地評価土地の取得に対して課する不動産取得税の課税標準を、その取得が平成六年一月一日から平成八年十二月三十一日までの間に行われた場合に限り、価格の二分の一の額とする特例措置を講ずることといたしております。
 第二は、長期譲渡所得に係る道府県民税及び市町村民税の課税の特例についてでありますが、長期譲渡所得でその基因となる土地等の譲渡が平成六年一月一日から平成七年十二月三十一日までの間に行われたものについては、道府県民税の所得割に係る税率を現行の百分の三から百分の二に、また、市町村民税の所得割に係る税率を現行の百分の六から百分の四に、それぞれ引き下げる特例措置を講ずることといたしております。
 以上が本修正案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#74
○粟屋委員長 これにて修正案についての趣旨の説明は終わりました。
    ─────────────
#75
○粟屋委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。北沢清功君。
#76
○北沢委員 私は、連立与党を代表して、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に賛成、修正案に反対の意を表するものであります。
 明年度の地方税制改正については、当面の景気の低迷を打開するため、個人住民税について特別減税を実施するとともに、最近における社会経済情勢に対応し、住民負担の軽減合理化等を図っていく必要があると考えます。
 政府提出の本法律案を見ますと、まず、個人住民税について、年内に税制改革の実現を図るとの方針のもと、平成六年度限りの措置として、定率による特別減税を実施することといたしております。
 この減税は単年度限りの減税規模としては過去に例のない大規模なものであり、できるだけ早いタイミングで、かつ、まとまった形で実施できるよう工夫されており、景気対策としての効果をできるだけ上げるよう配慮されているところであります。
 また、教育費等諸出費のかさむ中堅所得層の税負担を軽減するため、特定扶養親族に係る控除額の引き上げを行うほか、土地取引の現状にも十分に配慮し、土地の評価がえに伴う負担増を軽減するため、不動産取得税の課税標準の特例を創設するなど所要の改正を行うこととしております。
 また、個人住民税の特別減税等による減収額を埋めるための措置として、地方債の特例措置を講じ、平成六年度の地方団体の財政運営に支障の生じることのないよう措置されております。
 これらの改正は、最近における社会経済情勢、住民負担の現状、地方財政の状況等から見て、いずれも適切妥当なものと考えるものであり、原案を可決成立すべきものと考える次第であります。
 以上をもって私の原案賛成、修正案反対の討論といたします。(拍手)
#77
○粟屋委員長 平林鴻三君。
#78
○平林委員 私は、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、政府提出の地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に反対、修正案に賛成の討論を行います。
 最近の我が国の経済情勢は、個人消費や民間設備投資の低迷に加え、円高等の影響もあって、極めて厳しい局面に置かれております。政府は、これまで数次にわたり経済対策を講じてきたところでありますが、依然、景気回復への足取りは重く、その速やかな回復を図ることが喫緊の課題となっております。
 こうした状況の中で、内需拡大による景気回復の促進を図るため、減税に期待する声が内外ともに強まっていることは周知のところであります。政府が、今回、平成六年度限りの措置として五兆四千七百億円の所得税、住民税の特別減税の実施を提案しておりますのも、国民のこのような声にこたえようとする努力のあらわれと思われますが、単年度限りの措置であることや恒久的な減税財源の手当てがなされていない点など問題が多いことは申し上げるまでもありません。
 しかし、現下の内外の情勢を考えれば、臨時異例の措置としてやむを得ない点もあり、政府原案にある減税案に対しては、必ずしも反対するものではないものであります。
 しかしながら、景気回復への大きな手がかりの一つが土地取引の活性化にあることは多くの識者が指摘するところであり、地価が鎮静化した今日、景気対策等の徹底を図るためには、修正案に盛り込まれているように、土地譲渡益課税の大幅な軽減や不動産取得税等の現行負担水準の据え置きなど土地税制の減税をさらに強化することが必要であります。
 政府原案は、一応、土地の評価がえに伴う不動産取得税の課税標準の特例措置等土地に対する税負担の軽減措置を設けてはおりますが、このような観点からの配慮に消極的であり、景気対策として徹底を欠くうらみがあると言わざるを得ません。
 これに対して、修正案は、このような政府原案の不徹底さを改め、土地税制に大胆な政策減税を導入し、所得減税と相まって国民の期待にこたえ、景気の速やかな回復を図ろうとするものであり、その考え方には多くの方の御賛同が必ずや得られるものと確信をしているのであります。
 私は、この修正案が低迷を続ける我が国の経済の回復にとって不可欠なものであることを改めて明確に申し上げ、政府原案に反対し、修正案に賛成する討論といたします。(拍手)
#79
○粟屋委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#80
○粟屋委員長 これより採決に入ります。
 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、穂積良行君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#81
○粟屋委員長 起立少数。よって、穂積良行君外三名提出の修正案は否決されました。
 次に、原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#82
○粟屋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
#83
○粟屋委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、井奥貞雄君外五名から、六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。山名靖英君。
#84
○山名委員 私は、この際、自由民主党・自由国民会議、日本社会党・護憲民主連合、新生党・改革連合、さきがけ日本新党、公明党及び民社党・新党クラブの六会派を代表いたしまして、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方団体の行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左の点についてその実現に努めるべきである。
 一 平成六年度の特別減税等に伴い発行する特例地方債の償還財源については、税制改革の実現を図る中で地方税源の充実によって適切に確保すること。
 二 税制改革に当たっては、地方財政の健全化を図るとともに、地方団体が高齢化の進展等に伴い増大する行政需要に的確に対応し得るよう、地方税源の充実を基本として、地方分権の推進に即応した安定的な地方税体系を確立すること。
   なお、恒久的な個人住民税減税とその財源問題についても、地方税の直間比率の是正等の観点を踏まえた税制の改革の中で結論を得ること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をよろしくお願いいたします。
#85
○粟屋委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#86
○粟屋委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、佐藤自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤自治大臣。
#87
○佐藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
    ─────────────
#88
○粟屋委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○粟屋委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
#90
○粟屋委員長 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。
#91
○穀田委員 私は、日本共産党を代表し、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 第一は、政策減税による減収分、通常の財源不足分について、いずれも地方の負担としており、国の責任を全面的に放棄していることです。政策減税について言えば、七七年、七八年のそれぞれ三千億円の戻し減税、あるいは八一年のラーメン減税、これらはいずれも特会借り入れで補てんしていますが、その償還は全額国がするようになっており、国の責任による財源補てんの処理がなされています。ところが、改正案は、大量の建設地方債を発行した上で、減税分と財源不足を補う交付税特別会計借入金の償還はすべて地方負担とされ、十八年ぶりという赤字地方債の発行ということまで行っています。このようなことは、かつての自民党政権のもとでもなかったことであり、到底賛成できません。
 第二は、地方財政の健全化のためには「昭和五十九年度以降交付税特別会計における新たな借り入れ措置は原則として行わない」とした政府方針を踏みにじり、二兆九千百七十九億円もの特会借り入れを行っていることです。既に年度途中での借り入れば緊急避難措置などといって行われていますが、年度当初からというのは初めてのことです。それだけではありません。地方財政計画では、赤字地方債や公共事業債を初めとして前年度の一・七倍もの大量の地方債を発行し、地方債への依存度を八・一%から一三・一%へと急激に上昇させています。長期の不況のもとで地方自治体が苦悩している、まさにこのときに、「地方財政の健全化」とは全く逆の方向、すなわち地方への借金押しつけ、地方財政悪化の方向を国みずからが地方へ押しつけるなど、断じて認めるわけにはいきません。
 第三は、地方へ実際に配分される地方交付税の総額は、前年度に比べわずか〇・四%の増額にすぎません。保健所運営費を初め三百三十億円の国庫補助金等を新たに一般財源化、高校以下の私学助成の二五%カットなど多数の国庫補助金の削減が行われましたが、わずか六百六十八億円の交付税総額の増額で財源措置したなどという説明は全く納得できません。自治体にとってみれば、他の財政需要を圧縮するか、一般財源化した補助金そのものの財源措置を縮減するしか選択肢がないという状況にならざるを得ません。
 また、政府は、地方に対して財政負担を押しつける一方、法律等に基づき国が地方交付税総額へ繰り入れるとされている加算額については、わずか千七百六十億円のみを加算しただけで、残りの七千八百八十億円を先送りしています。国が繰り入れるべき額の多くを先送りする恣意的操作によって留保されている交付税の額は、実に四兆円をはるかに超えているのです。
 最後に、地方団体の財政的裏づけをなす地方税や地方交付税という重要法案が十分な審議時間もなく処理されるということは全く遺憾であります。地方税法案については、主たる改正の側面が一兆六千億円の住民税減税にあり、賛成するものです。ただ、改正内容は百項目以上に及び、その中には私が質問の中でも指摘したように、東京フロンティアなど大企業優遇税制の温存などの問題点もあります。交付税法案については、例年日切れ法案として扱われておらず、法律にもそれは明白です。こうした重要法案を日切れ法案として短時間で処理するのは、国会の審議権を侵すものであり、憲政史上に重大な汚点を残すものであることを指摘して、討論を終わります。
#92
○粟屋委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#93
○粟屋委員長 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#94
○粟屋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○粟屋委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
#96
○粟屋委員長 次に、地方財政に関する件について調査を進めます。
 この際、井奥貞雄君外五名から、六派共同提案に係る地方財政の拡充強化に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。今井宏君。
#97
○今井委員 この際、地方財政の拡充強化に関する件につきまして、決議をいたしたいと存じます。
 本件につきましては、理事会等におきまして、自由民主党・自由国民会議、日本社会党・護憲民主連合、新生党・改革連合、さきがけ日本新党、公明党及び民社党・新党クラブの六会派で協議が調い、お手元に配付してあります案文がまとまりました。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    地方財政の拡充強化に関する件(案)
  今日の厳しい経済情勢のもとにおいて、地方行財政の長期的な安定と発展を図り、地方行財政の課題に的確に対応し、諸施策を着実に推進するため、政府は、左の諸点について措置すべきである。
 一 百兆円を超える多額の借入金が将来の地方財政を圧迫するおそれがあることにかんがみ、地方一般財源の充実強化により、その健全化を図ること。とくに、平成六年度における交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金及び増発された地方債の償還を含めて、税制の抜本的見直しに当たっては、地方分権の時代にふさわしい地方税財源を確保すること。
 二 高齢化社会に対応し、地域福祉を推進するため、地方団体が単独で行う社会福祉経費の充実を図ること。
 三 地域の実情に応じた生活環境及び住民生活に密着した社会資本の整備を推進し、自主的・主体的な地域づくりを更に進めるため、地方単独事業の一層の充実を図ること。
 四 地方団体が積極的かつ主体的に取り組むことが求められている環境問題、農山漁村対策、森林・山村対策、国際交流、地域文化、消防等の諸施策については、財政措置の充実を図ること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
#98
○粟屋委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 これより本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#99
○粟屋委員長 起立総員。よって、地方財政の拡充強化に関する件を委員会の決議とするに決しました。
 この際、佐藤自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤自治大臣。
#100
○佐藤国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
#101
○粟屋委員長 お諮りいたします。
 ただいまの本動議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○粟屋委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十六分散会
     ────◇─────
ソース: 国立国会図書館
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