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1993/01/27 第128回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第128回国会 公職選挙法の一部を改正する法律案外三件両院協議会 第2号
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1993/01/27 第128回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第128回国会 公職選挙法の一部を改正する法律案外三件両院協議会 第2号

#1
第128回国会 公職選挙法の一部を改正する法律案外三件両院協議会 第2号
平成六年一月二十七日(木曜日)
    午後一時九分開会
    ―――――――――――――
 出席協議委員
  衆議院
   議 長 市川 雄一君
   副議長 大出  俊君
     野坂 浩賢君     左近 正男君
     渡部 恒三君     石井  一君
     園田 博之君     荒井  聰君
     森本 晃司君     米沢  隆君
  参議院
   議 長 平井 卓志君
   副議長 橋本  敦君
     坂野 重信君     下稲葉耕吉君
     下条進一郎君     関根 則之君
     松浦  功君     村上 正邦君
     山本 富雄君     青島 幸男君
 協議委員外の出席者
  政府委員
        自治大臣官房審
        議官      谷合 靖夫君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
  衆議院事務局
        委 員 部 長 川上  均君
        特別委員会第二
        調査室長    田中 宗孝君
  衆議院法制局
        第 一 部 長 内田 正文君
  参議院事務局
        委 員 部 長 貝田 泰雄君
        地方行政委員会
        調査室長    佐藤  勝君
  参議院法制局
        第 四 部 長 天野英太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案
○衆議院議員選挙区画定審議会設置法案
○政治資金規正法の一部を改正する法律案
○政党助成法案
     ――――◇―――――
    〔市川雄一君議長席に着く〕
#2
○議長(市川雄一君) これより公職選挙法の一部を改正する法律案外三件両院協議会を開会いたします。
 国会法第九十条により、本日の議長は私が務めます。どうぞよろしくお願いいたします。(村上正邦君「議長、ちょっと発言を許してもらいたい」と呼ぶ)ちょっとお待ちください。
 両院協議会は、国会法第九十七条の規定によりまして、傍聴は許されないことになっておりますので、協議委員並びに協議会の事務をとります職員以外の方は御退席をお願いいたします。
 なお、先ほどの両議院の協議委員議長及び副議長打合会の協議に基づき、本日は自治省佐野選挙部長及び谷合審議官の出席を求めております。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の各案について、各議院の議決の趣旨について御説明を願いたいと存じます。
 先ほどの両議院の協議委員議長及び副議長打合会の協議に基づきまして、最初に衆議院の議決の趣旨並びに両院協議会を求めた理由について御説明をお願いいたします。渡部恒三君。(発言する者あり)
#3
○渡部恒三君 内閣提出の公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の衆議院における議決の趣旨並びに衆議院が両院協議会を求めた理由につきまして御説明申し上げます。(「議事進行について発言を求めているんだ」と呼ぶ者あり)
#4
○議長(市川雄一君) 渡部恒三さんの発言が続いておりますので、ちょっと静粛にお願いいたします。御発言はその後で。
#5
○渡部恒三君 まず、本院における議決の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 顧みますと、今回の政治改革をめぐる論議は、竹下内閣以来既に五年余りにも及んでおります。この間、政治改革の実現を求める国民の期待にもかかわらず、各党間の意見が一致せず、十分な成果を上げないまま今国会に至りました。内外に幾多の政治課題が山積している今日、これまでの政治改革をめぐる論議に一定の結論を得てこれを実行に移すこととし、もって国民の期待にこたえることが極めて重要であります。本院におきましては、このような認識のもとに議決するに至った次第であります。(発言する者あり)
#6
○議長(市川雄一君) ちゃんと両院議長が打ち合わせをして進めているのだから、座ってください。(発言する者あり)あなた方の代表が了解して進めているのだから、座ってください、座ってください。
#7
○渡部恒三君 なお、本院におきましては、これらの各法律案は、自民党所属議員から提出された政治改革関連五法案とあわせて審議いたしましたが、その間、与党側と自民党との間において修正のための協議が行われたところであります。(発言する者あり)
#8
○議長(市川雄一君) まだペーパーを読んでいるんだから、座ってください。
#9
○渡部恒三君 協議は全体としては調わなかったのでありますが、協議の場において合意され、あるいは与党側から提案された事項、すなわち、小選挙区選出議員の数と比例代表選出議員の数とを二百五十対二百五十から二百七十四対二百二十六に改めること、政治資金パーティーの対価の支払いの公開基準を一の政治資金パーティー当たり五万円超から二十万円超に改めること、政党交付金の総額を算定するに当たり人口に乗ずる額を三百三十五円から二百五十円に改めることなど七項目について修正し、内閣提出の各法律案を議決したものであることを御理解いただきたいと存じます。
 次に、本院が両院協議会を求めた理由につきまして御説明申し上げます。
 今般、参議院におきまして、本院が送付した右各法律案が否決されましたが、これらを廃案とすることは、政治改革の実現を求める国民の期待に反し、政治不信を一層拡大するおそれがあります。先ほども申し上げましたように、五年余りにも及ぶ政治改革をめぐる論議に一定の結論を得てこれを実行に移すこととし、もって国民の期待にこたえることが極めて重要でありますので、成案を得るべく両院協議会を求めた次第であります。
 以上、本院における議決の趣旨及び本院が両院協議会を求めた理由について御説明申し上げました。
#10
○議長(市川雄一君) じゃ、村上さん。
#11
○村上正邦君 私、初めからそんなとげとげしいやり方はどうかと思いますよ。渡部先生だって、私が発言を求めているんだから、その後にあなたが発言なさるのが――順番はそう決まっているけれども、私は、だから議事進行で議長と言っているわけだ。その説明の前に聞きたいことがあるから、あえて申し上げたわけだ。そういう意味で議長と声をかけていたんだから、余り一方的な御解釈の上で進められるということは、初めから私はいかがなものか。議長にそういう進め方をされることを危惧するから、お聞きしたいことがあるから、議長と申し上げているわけなんですね。私が先に声がけているんだから、エチケットとしたって、同等の立場なんだから、あなたは遠慮し、議長はやはり私に何のことで発言するのかと求められておやりになる。もう少しお互い気持ちよい中で審議を進めてもらいたい。まずこれを注文する。
 それで議長、私は、あなたがあえて議長にお座りになられたから、あなたにお聞きしたいことがあるんですよ、これを進める上においては。というのは、議長というのは中立て公正でこの会を取り仕切られるものだ、こう思います。そこで、今のようなやり方はもう公正じゃないんですよ。フェアじゃないんですよ。そこで、私があえて冒頭に議長と、市川雄一先生が議長にお座りになられるから、あなたが議長だからあえて私は聞くんですよ、あなたに。
 というのは、かねがね市川先生は……
#12
○議長(市川雄一君) それは両院協議会の議題じゃないんだよ。
#13
○村上正邦君 議題じゃないのです。議事進行上、議長に言っている。
#14
○議長(市川雄一君) 早くおっしゃってくださいよ。
#15
○村上正邦君 早くおっしゃってと言ったって、趣旨を申し上げるのに私はこういうテンポでしか物を言えないんだよ。
 あなた、常日ごろお聞きすると、参議院無用論をおっしゃっておられるわけですね。
#16
○議長(市川雄一君) いや、そんなことを言った覚えはありません。
#17
○村上正邦君 いや、まあまあ聞きなさいよ。私どもが聞くと、そういうふうにお聞きして、新聞等々にも出ております。
#18
○議長(市川雄一君) はいはい。
#19
○村上正邦君 そんな、人をおちょくったような、はいはいとか、あなた、それが参議院に対する態度かい。それがあなたの参議院に対する態度ということは、明らかにわかっているじゃないか。軽視しているじゃないの。何だ、今のあれは、はいはいだとか。もう少しまじめに聞いてほしいよ、あなた。
#20
○議長(市川雄一君) 聞いております。
#21
○村上正邦君 聞いていますか。
#22
○議長(市川雄一君) はい。
#23
○村上正邦君 あなたは、だからそこらあたり、今の参議院に対してどうお考えになっているのか。無用論なんて考えてないならない、まずそこからお聞きしたいと思います。
#24
○議長(市川雄一君) 考えておりません。
#25
○村上正邦君 そうですか。じゃ、そのつもりで私どももこの協議会に臨んでまいります。もしそういうお考えがあるとするならば、そんな無用論の我々と協議したってこれは意味ないことでしょうから。考えてないですね、そのことをまず聞きたい。
#26
○議長(市川雄一君) 考えておりません。
#27
○村上正邦君 それから、何かもうきのうあたりから、きょうは質疑を早々に打ち切ろうなんという報道が出ていますが、それは礼儀にかなわないということはおわかりですね。あなたたちが我々に呼びかけて我々は来ているのですね。まさか、あなたの方で一方的にきょうの質疑を打ち切ったり、そういうことはなさいませんね。
#28
○議長(市川雄一君) 両院協議会の規則に従って運営するつもりです。
#29
○村上正邦君 それはないということですね。
#30
○議長(市川雄一君) 規則に従って運営いたします。
#31
○村上正邦君 規則はどういう規則ですか。だからお聞きしているのです。あるかないか。
#32
○議長(市川雄一君) それは皆さんが一方的なやり方をなさらなければ、そういう事態は起きないと思います。
#33
○村上正邦君 一方的なやり方というのはどういうことですか。我々はあなたたちの呼びかけに応じて来ているのですよ。
#34
○議長(市川雄一君) ですから、あくまでも両院協議会の規則にのっとって議長を務めております。
#35
○村上正邦君 だから、やるかやらないかと聞いているのです。これに答えてください。やらないならやらないと。
#36
○議長(市川雄一君) 規則に従って運営するだけです。
#37
○村上正邦君 規則って何ですか。
#38
○議長(市川雄一君) 規則に書いてあることは全部やっていいわけです。
#39
○村上正邦君 だから、やるかやらないかと。ではその規則、一方的に打ち切る規則は何ですか。
#40
○石井一君 議長、議事進行について。
 一方的に打ち切るか打ち切らぬかということは規則にのっとってと言いますが、私は、議長は……
#41
○村上正邦君 あなたに聞いてないのです。議長に聞いているのだよ。
#42
○石井一君 ちょっと待ってくださいよ、私はあなたに関連して。
 だから、議長は公正にやっていただきたいと思います。ただ、そんなことを言うとこういうことになってくるのですから、これから申し上げようと思っているのですが、本日はとことんまで議論をしていただいて、徹底的に議論をしていただいて、お互いが良識を持って、納得のいくことをやりましょう。そして、議長には厳正中立にやっていただきたいと我々の方からもお願い申し上げます。
#43
○山本富雄君 今の村上さんの発言に関連して。
 あなたは、そう思っておりません、すなわち参議院を軽視しておりませんと。では、今まで軽視をした発言をしたことは一回もありませんか。
#44
○議長(市川雄一君) ありません。
#45
○山本富雄君 テレビでも新聞でもありませんか。
#46
○議長(市川雄一君) ありません。
#47
○山本富雄君 あったらどうします。
#48
○議長(市川雄一君) ありません。
#49
○山本富雄君 あったらどうします。
#50
○議長(市川雄一君) だから、ありません。
#51
○山本富雄君 あったらどうします。
#52
○議長(市川雄一君) だから、ありませんと言っている。
#53
○山本富雄君 いやいや、ありませんと言ったって、あるんだよ。あったらどうするかと聞いているのです。
#54
○議長(市川雄一君) だから、ありません。
#55
○山本富雄君 いや、あったらどうするのですか。
#56
○議長(市川雄一君) ありません。
#57
○山本富雄君 一つの例を申し上げましょうか。
 我々が参議院であの否決をしたときに、ものの十五分もたたなかったかな、僕が帰ってきてこのお隣の会長室でテレビを見ておったら、あなたは、もう自民党案を丸のみにする以外にないな、そういう記者会見をなさいましたね。覚えはありますか。
#58
○議長(市川雄一君) はい、あります。
#59
○山本富雄君 ああいう不見識なことは……
#60
○議長(市川雄一君) いや、丸のみにするくらいの気持ちで臨まなきゃ成案が得られないということを言いました。
#61
○山本富雄君 いやいや、それはそういうことだけれども、実際そういうことをおっしゃった。随分参議院をばかにした話じゃありませんか、あなた。新聞によればその前にさんざん参議院無用論を言っておいて、その言った方が否決になった十五分後に自民党の案を丸のみ、自民党案なんて僕らお目にかかったことありませんけれども、丸のみにする以外にないなどという、そんな不見識な、しかもそれは参議院軽視に通じるのですよ。そう思いませんか。
#62
○議長(市川雄一君) 憲法の規定に従って両院協議会を行うべしというのはあるわけですから……
#63
○山本富雄君 いや、両院協議会のことなんか言っているんじゃないよ。あなたは参議院を軽視したことはないかと。
#64
○議長(市川雄一君) ありません。
#65
○山本富雄君 それじゃ、あったらどうするのか。
#66
○議長(市川雄一君) だから、ありませんと。
#67
○山本富雄君 じゃ、あったらどうするのですか。
#68
○議長(市川雄一君) だから、ありませんと申し上げておる。
#69
○山本富雄君 いやいや、あったらどうするのです。
#70
○議長(市川雄一君) だから、ありません。ないことをあったらと聞かれてもお答えできません。
#71
○山本富雄君 いやいや、あったらどうするのです。
#72
○野坂浩賢君 議長、議事進行について。
 我々は、従来参議院の皆さんの動きというものは非常に注目をしておったのですが、きょうは、可決と否決となったわけですから、憲法に定めるところによって両院協議会をやって、できるだけ論議を尽くして成案をなし遂げたい、これが両院とも念願だと思うのですよ。
 だから、今石井さんも言ったように、議長にもいろいろな御批判もあるようですけれども、中立公平にやっていくというお話ですから、今までの論議ではなしにぜひ前向きに、この可決、否決の理由を言いながら、どうやってまとめるかということを、誠心誠意国民の負託にこたえるために努力しなきゃならぬのが我々の使命だろうと思うのです。
#73
○山本富雄君 議長、議事進行について。
 尊敬する野坂先生の言ですから、私もそのとおりだと思います。厳正公平に議長がやってくださるなら、それで結構です。
 ただ、私が前段で村上さんの話を受けてお話をした、参議院軽視をしたことは一回もないんだ、こういうことについては、私はあると思っているのですけれども、あった場合には必ず政治家としての市川さんの責任を追及しますよ。それだけ申し上げておきます。
#74
○議長(市川雄一君) どうぞ、結構です。
#75
○村上正邦君 議事進行。
 私はあなたが、無用論とは私は思っておりません、参議院には敬意を表し、尊重するという態度で我々に接するという理解をしてよろしゅうございますか。
#76
○議長(市川雄一君) 結構です。
#77
○村上正邦君 それから、質疑打ち切りは、こちらの、参議院側の議長と協議の上でやっていただけますね、進行については。
#78
○議長(市川雄一君) 両院協議会の規則に従って、厳正中立に行います。
#79
○村上正邦君 いや、そんなことを聞いていない。具体的に聞いているんだ、僕は。規則、規則って……
#80
○議長(市川雄一君) 厳正中立に行います。
#81
○石井一君 議事進行。
 議長も公正にやるけれども、我々の方も、きょうはとことんまで夜を徹してでも議論を詰めたいと思っておるのでそれについて応じてください、こういうことを申し上げておるわけであって、あとは、議長がここまで公言しておるわけですからこのことを了としませんと、ただ単に一方的にそう言われましても、ここのところは議長としてはなかなか物が言いにくいのではないか。
#82
○山本富雄君 石井さん、了としてさんざん参議院ではひどい目に遭ったんだよ。そのことだけあなたに言っておくよ。
#83
○石井一君 だから、それはこっちもこれから言い分を申し上げます。まあ、やりましょうや。やってみればわかる。
#84
○村上正邦君 だから、最初にやはり議長としてのそういう所信をお聞きしておかなければならないと思ったものですから、あえて最初に発言を求めたのです。
#85
○野坂浩賢君 そういうような御懸念は無用ですから、とにかくやりましょう。
#86
○村上正邦君 あなたは無用と言ったって、議長の人格はあるんだよ。
#87
○野坂浩賢君 だから、立派な人格じゃないですか、議長にふさわしい。
#88
○村上正邦君 いやいや、参議院無用論なんかを言う人を我々は立派な人格とは認めないよ。
#89
○森本晃司君 認めなさいよ。公平公正なのは当たり前じゃないですか。
#90
○山本富雄君 ルールに打ち切りなんということは一つも書いてないんだよ、大体。打ち切りはしません、徹頭徹尾話し合うと石井さんが言っているんだから、最後の最後まで徹頭徹尾話し合えばいいんだよ。そのことを議長に言明させなさいよ。そんな三百代一言みたいなことではだめだよ。
#91
○平井卓志君 議事進行に若干の整理をしなければなりませんし、それぞれの言い分ございますけれども、今話題になりました議事進行上の打ち切り等の問題については、これはどちらが議長席に座りましても両院の議長が話し合うという前提で御理解願えませんか。
#92
○村上正邦君 それだったらよろしいです。
#93
○議長(市川雄一君) ただ、一方的に参議院側が協議を打ち切ったり、それから、一方的に、衆議院も参議院も、もうこれじゃだめだとか、帰るとか、そういうことはぜひないようにお願いを申し上げたい。
#94
○山本富雄君 議長の態度によるのです。
#95
○村上正邦君 ファッショ的態度をとればやるよ、こっちだって。
#96
○森本晃司君 何でファッショなんだよ。
#97
○村上正邦君 今までやってきたことはファッショじゃないか。何を言っているんだよ。参議院は今までさんざんやられてきたんだよ。腹が煮えくり返っているから言っているんだよ。
 大体、参議院が予算委員会をやっておるときに本会議をやったり、参議院の特別委員会では委員長が休憩後は散会と言っているのにやれと言ったり、盛んにやってきたんじゃないか、君らは。(発言する者あり)
#98
○議長(市川雄一君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。
#99
○平井卓志君 村上さん、ちょっと待ってください。
 今、市川さんと相談しまして、いずれにしてもそういう事柄は、ここの議長として、私と二人、衆参の議長の話し合いによるということで了解してください。
#100
○村上正邦君 了解します。
#101
○渡部恒三君 私はこの会に来るときに、衆参の議長と話し合いの上で会議が持たれて、最初に私の方から衆議院が協議会を呼びかけた趣旨説明を申し上げるというのは、参議院側とも十分話し合いの上、こうしろというふうに聞いてやってきたのに、私が趣旨説明しているとき全然聞いてないなんて、そんな態度がありますか。両方の議長で打ち合わせたことで私は趣旨説明させられたんですよ。
#102
○村上正邦君 渡部先生、それだったら議長が、私が議長と言ったときに、それは後にしてくれたとか、どういう趣旨だとかお聞きになられて、それだったら説明した後に言えだとか、議事進行だったら先に言ってくれたとか、そういう場内を整理するのが議長でしょう。我々は礼儀はわきまえますよ。
#103
○渡部恒三君 参議院の議長と会って相談の上、こういうふうにしろということになっていると言われてもいるわけだ。
#104
○村上正邦君 だからその前に私は、議長にお座りになって、その議長にお尋ねしたいことがあるから、最初にこれは聞いておいた方がいいと思うから議長と申し上げたのですよ。
#105
○平井卓志君 渡部さん、もういいじゃないですか。そのことを言い募ったら議事になりませんから。
#106
○村上正邦君 いや、結構ですよ。無礼なことがあったら、どうぞおっしゃってください。私に誤りがあれば謝ります。
#107
○渡部恒三君 民主主義は人の話を聞くことだよ。
#108
○村上正邦君 民主主義というのは人の意見を聞くことですよ。それを、あなた、あれだけ言っていればあなたがやめればいいじゃないか、しゃべるのを。聞いてもらいたければ。あえてそれをあなたやったんじゃないか。
#109
○平井卓志君 もうわかりましたから、議事進行上の問題については、いろいろございましたけれども、今の合意で了解してください。
#110
○村上正邦君 それは結構です。
#111
○平井卓志君 進行ということで、ようございますね。そのことについて蒸し返したら本論に入れませんから。お願いします。
 議長、どうぞ。
#112
○議長(市川雄一君) 次に、参議院の議決の趣旨の御説明をお願いいたします。坂野重信さん。
#113
○坂野重信君 それじゃ申し上げます。
 公職選挙法の一部を改正する法律案外三件の参議院における議決の趣旨を御説明申し上げます。
 参議院の各党派でそれぞれの否決の趣旨があり、それらを総合して院の否決の意思となったものであります。
 順次申し上げます。
 参議院側が賛成少数で否決した理由の第一、これは大変大事なことですが、そもそも選挙制度は与野党合意で変更すべきものであります。
 にもかかわらず、参議院における審議においても、衆議院段階で明らかにならなかった数々の問題点が指摘されており、いまだ審議が十分に尽くされたとは言えない段階で、中央・地方の公聴会を先例のない動議で決定したり、特別委員長が与野党の合意がないまま、職権で委員会開会の強行を繰り返し、さらに、緊急動議により法案の強行採決を行うなど、強引な委員会運営を行ったのであります。これは従来の参議院の話し合いというよき慣例を打ち破ったものであり、この点については衆議院各位の反省を強くこの際求めたいと思います。
 以下、順次申し上げます。
 第二番目は、総定数を五百人としていることであります。
 政治改革は、国民にも少なからず犠牲を強いることになりますので、公選法の本則にある四百七十一に縮減しなければ国民の理解を得られません。
 第三は、小選挙区の定数を二百七十四としていることであります。
 衆議院の選挙は、はっきりした形で小選挙区に比重を置いた並立制とすべきであります。それが第八次選挙制度審議会の答申にも沿うものであり、したがって、二百七十四の小選挙区の定数は、中途半端な理念なき選挙制度と言わざるを得ません。
 第四は、比例代表の名簿の単位を全国としていることであります。
 本来、地域に密着して選ばれる衆議院に対して、参議院は、抑制、均衡、補完の機能を果たすというのが二院制のあり方からして当然の帰結であり、これと同様の全国単位の比例制度を衆議院に導入することは容認できません。全く二院制における参議院の立場を軽視したものと言わざるを得ません。
 第五は、戸別訪問を全面的に解禁していることであります。
 戸別訪問は、買収などの選挙犯罪の温床になるばかりでなく、これを受ける有権者は平穏な日常生活を脅かされる事態が予想され、また、参議院選挙にもこれが適用されると、地域の広い選挙区ではどのように戸別訪問を行うのか、極めて現実的ではなく、時期尚早と言わざるを得ません。
 第六は、個人に対する企業・団体献金を禁止したことであります。
 企業等の法人は納税の面でも国家の税収のかなりの部分を占め、その財源は国全体の公益の増進に役立っており、企業等が政治資金の拠出を通じて一定の政治参加を行うということは極めて当然のことであります。
 第七は、政治資金が、改正により不透明になることであります。
 企業から政党や政党支部に献金された資金は、そこから政治家に、あるいはその政治家からさらに別の政治家に、また、特定の政治団体に回ることについて、一切歯どめがないのであります。政党は、政治献金を受ける受け皿で、政党を通過すれば、その先は一切不透明となることは、政治資金の公開性の確保の観点から致命的な欠陥であります。
 第八は、地方の首長、議員に対する配慮が欠けていることであります。
 地方の議員や首長の大半が無所属であり、政党への公的助成による助成すら受けられず、助成を受けるためには、意に反してみずからの主義、信条を変更して、政党への所属を余儀なくされるということ。それができないなら個人献金だけで政治活動を行わざるを得なくなりますが、我が国には個人献金の習慣がなく、いわば地方政治家の政治活動が極めて困難になる点であります。
 第九は、女性の立候補がより困難になることであります。
 並立制は男性優位の制度で、かつ、重複立候補を認めることにより、女性が立候補しにくくなるのは問題であり、女性の地位を低下させるような制度は容認できません。
 第十は、比較第一党に三、四割の得票で六割以上の議席を与えることであります。
 小選挙区制の導入は、国民の多様な意思を国会の議席に公平に反映させるという、全国民の代表という憲法第十五条及び第四十三条等の憲法原則に反して、民意をゆがめ、虚構の多数をつくり上げるものであるからであります。
 第十一は、企業・団体献金は全面的に禁止すべきであるのに、政党へは温存されており、実効性がなく、また、政党助成法は、憲法第十九条の思想、良心の自由を侵害するものであることであります。
 企業・団体献金を禁止しない上に、国の財政から、税として徴収したものを政党に交付するのは、国民に対して、支持しない政党の活動にまで資金負担を強制することになり、容認できません。
 第十二は、少数政党排除、新人や無所属候補が著しく不利になることであります。
 異常に高い供託金制度や、比例代表選挙における名簿届け出政党の要件、あるいは政党交付金の対象となる政党の要件などが、少数政党の排除、既成政党に著しく有利になる問題、及び選挙運動の制限、法定ビラの頒布の制限など、無所属候補の差別、さらに三%の阻止条項など、憲法第十四条の平等の原則に反し、公平を欠く点が多いことなどであります。
 以上が本院における議決の趣旨であります。
#114
○議長(市川雄一君) これにて各議院の議決の趣旨についての説明は終わりました。
 補足説明並びに御意見のある方はお述べ願います。
 最初に、衆議院側から石井一さん。
#115
○石井一君 御指名がございましたので、私から数点意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
 まず第一点目は、法案の国会審議という問題でございまして、私自身衆議院の特別委員長としての任を仰せられました関係から、衆議院での審議状況もよく御存じであろうかと思いますが、基本的な問題としてまず御理解をいただきたいと思います。
 私たち、委員会の実質審議を始めましたのは十月十八日であります。そして、委員会での締めくくり総括、採決を行いましたのが十一月十六日でございますから、丸一カ月、三十日間をもって終了いたしました。参議院に送付をいたしましたのは十一月十八日でございまして、本会議の議了を経て、手続を経た後にお送りをいたしたわけでございます。
 衆議院の審議は、総括二日、一般質疑十三日、中央・地方公聴会四日、参考人の招致と、月曜日から金曜日まで、最低六時間、多いときには七時間、連続の審議を続けまして、総審議時間百二十八時間、安保、沖縄に次ぐ長時間の審議を経た後に参議院にお送りをいたしたわけでございます。
 衆議院の審議は、私は、整々粛々と秩序を保って行われたと確信をいたしております。ただ一度、委員長職権による委員会の開会を決定をいたしました。これは、私はその後理事会で謝罪をいたしましたが、しかしそれを決めたことは決めましたが、実際には開会はいたしませんでした。与野党の六者協議なりその他の協議を促進して、その次の日に委員会を開会いたしたわけでございまして、我々の言葉で言います荷崩れをしたような形で参議院に送ったというふうには何ら思っておりません。
 本会議の議決は二百七十票対二百二十六票でございまして、四十四票の差が衆議院でございます。先刻、参議院で否決されまして、十二票の差が大変大きいと。これは予想に反して大きかったわけでして、本来こちらは勝つつもりでおったことも確かでしょう。びっくりしたということもございますが、参議院の十二票に比べて衆議院の四十四票の差ということ、これはそのとき何の問題にもなりませんでしたけれども、まことに注目していただかなければならない衆議院の意思の決定であるということを申し上げさせていただきたいと思います。
 さて、参議院におきましては、皆様の方がよく御存じのことでございますが、十一月十八日に送付をいたしました後、本会議、委員会、公聴会等々、実質八十時間近い審議をされたというふうに伺っております。しかしながら、その開会をされましたのが、実質審議に入りましたのが十二月二十四日でございます。私の方から送りましてから三十六日間、ほかに理由があったといたしましても、放置されました事実、これはやはり大変大きな問題ではないかと思います。
 私が十一月十八日に送付するときは、十二月十五日の会期の終わりということを念頭に置いておりました。参議院には通常一カ月は差し上げなければ審議ができない、これだと少し欠けてくると。数日間欠けてくるけれども、しかし、まあ延長は二回できるのだから、十日程度の延長を一回してくれれば、衆議院でやった百三十時間の審議ができる時間を十分お与えして、私は与野党を説得して、参議院を尊重した中にこの法案をお送りしたわけでございますけれども、実際十二月二十四日に実質審議入りしたのには大変驚きました。
 補正予算の審議もあったでしょう、その他もあったと思いますけれども、本来、自民党政権時代にも、補正予算の審議は一日ないし二日で、経済の冷えておるこのときに処理をしてきたのが通例でありまして、三十六日間、一カ月以上あけて送っておるのにかかわらず、何の手も触れられなかったというふうなこと。本会議の趣旨説明はございましたが、私は、この点は何も一方的にやったということでなく、参議院の皆様に一つの問題点の提起をさせていただきたいと思うのであります。
 参議院におきましては、一月二十一日、衆議院が送付いたしましてから六十三日を経過した時点において意思決定をされたわけでございまして、憲法の規定から、六十日が経過すればみなし否決というふうなことも言われております。そういうふうなことは今問題にされておりませんけれども、要は、六十日を過ぎてまだ意思決定がされなかったという参議院のこの事実は、参議院の与党側に対します運営の御批判もございましょうけれども、これはやはり国民の目から見ても我々プロの目から見ても、自民党を中心にした参議院の野党の皆様の大変な引き延ばし、憲政史上にほとんど例のない日数を空費してこういう形での審議をされたというふうに批判をされてもやむを得ぬ一面があろうかというふうに思うわけでございます。
 また、参議院の採決につきましてとやかく私は申し上げるつもりはございませんが、自民党、共産党がこれを採決の否決に持っていかれたんでなく、残念ながら、与党である社会党の造反組の十七票によって、十二票の差ですから、決定されたということ、これまた我々も反省しなければいけない。連立与党のその政策の整合性というふうな問題もございますけれども、野党の自民党や共産党がこれを獲得されたのでなく、こちらのサイドのエラーによってこの結果が出たというこの事実も厳粛に受けとめていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 余り長い議論もいけませんと思いますので、私が今申し上げましたことは、国会は、衆議院も参議院も慎重に時間をかけてこれまでにもない審議をしたんではなかろうかと。衆議院においては自信を持って言えます。参議院にはいろいろ問題もありました。反省もありますけれども、時間だけではございませんが、そこで費やした十分な時間の問題というものをひとつ御理解いただきたいということであります。
 第二点は、憲法五十九条に関連しての法案の取り扱いという問題でございます。
 この関連四法案は、国会法八十三条の二の規定により参議院より返付されておりまして、今この法案をどうするかということは衆議院の手にあることは間違いございません。衆議院が可決し、参議院が否決したんだからこれは宙ぶらりんになっておるんだとか、あるいはこれはもう死んだと同然だとか言われますが、そうではなく、国会法によりましてこちらのサイドに今お預かりをしておるというのが現在の姿ではないかと思います。
 そして、五十九条の一項、二項、三項、四項とございます。御案内のとおりであります。多くの説明を要しませんが、一項は、両院で可決した場合に法律が成立するということ、四項はみなし否決でございますから、このような両院で違った決定をしております今回の場合は第二項あるいは第三項に該当する問題であるわけであります。
 第二項「衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。」本来、これを私たちは選択してもよかったわけです。また、そういうことも考えたこともございましたけれども、しかし第三項にそれを補完した規定がございます。「前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。」結局これは求めなくてもよかったわけだと思います。
 しかしながら、参議院が否決をされており、参議院軽視でなく参議院重視という観点から皆様の御意見も拝聴し、そしてこういう議員の身分を決める重要な案件でもあるので、納得のいく合意に達したい、こういう考え方からこの両院協議会をお願いをいたしておるわけでありまして、私たちはそういう意味で、徹底的にこの場で議論をし、国民の納得のいく結論をひとつ参議院の良識をもって出していただきたい。私たち衆議院のサイドは、いかなるとは言えぬかもわかりませんが、皆様方の御意見を徹底的にお聞きして、それを取り入れることによって、何とかこの際成立にこぎつけさせていただきたい、そういう願いのもとに、参議院重視のもとにこの両院協議会をお願いを申し上げておるということをひとつ御理解をいただきたいと思うのであります。
 私たちは、それぞれ政党につながれてはおりますが、もう今や政党のレベルの話ではないと思います。政党の代表がやったって話が決まらない。仄聞するところによりますと、参議院の皆さんは、自民党の執行部が何と言ったって、それをはねのけてまでいろいろの決定をされたということであります。この決定はもうだれに相談するとかどこへ持っていくとかということではなく、皆様の見識においてここで決めることであり、我々の代表権はそれぞれの院である。党でもなければ何物でもない。そういうことで、この両院協議会の趣旨に沿った合意をひとつ求めていただきたいということを切にお願いを申し上げる次第でございます。
 それから第三点は、一体この協議会においてどういう形で歩み寄るべきか、その妥協をどうするべきか。
 このことにつきましては、後刻具体的に園田委員の方から我々のまとまった考え方を申し述べる予定になっておりますので、私はそれに深く踏み込んでお話をするつもりはございませんけれども、ただ、やはり基本となるべき問題点というものだけはお互いに一つのベースとして持っておかなければいけない。私たちもそのことに注目をしながら案をつくっていかなければいけない。
 自民党は野党第一党、私は世界でも冠たる、最も実力のある野党だと思いますけれども、最も最近の党大会が六日前、一月二十一日に行われました。そして、党大会の総裁のごあいさつとそれから運動方針というものがその場で採択されました。自民党大会は、実は参議院の委員会では可決をされて本会議で否決をされた間に起こったという時間的な問題ではございますが、六日前に発表されました公党、堂々たる、三十八年間政権を持ってこられました自民党の基本的な考え方は、私はここにすべて盛られておるように思います。
 自民党の方は皆さん御存じでございますが、連立与党の人はここまで理解をされてない方もあろうかと思いますので、あえて申し上げさせていただきますが、河野総裁は「わが自由民主党は政治改革の断行を当面の最重要課題であると認識し、政治改革関連法案の今国会での成立を主張し続けて参りました。」少し略しますが、「今国会の会期末が近づいてきたこともあり、わが党は、連立与党側に対し、参議院において合意を達成するための提案を行いました。これは@衆議院における小選挙区の定数は二百八十以上とするA比例選挙区の選挙単位は参議院と同じであることは許されず、最低限でもブロック制とするB地方公聴会での意見などもふまえ、政治家個人の政治資金管理団体に対する企業・団体献金は一定の範囲内で認める」こういうことが三つの重要な問題点だということを、総裁は六日前に全党員に対し、全国民に対し公約をされておるわけであります。
 私たちは、本来社会党の造反がなければ政府原案が通っておりましたが、この段階に至りましたら、自民党の案を丸のみするなんていう下劣な言葉は使いません。しかしながら、自民党がここで約束されておることにできるだけ近づいた中に成案を求めるという柔軟な対応で進めていきたいというふうに思っております。
 今、坂野先生が反対の理由を何点か言われました中に、おやおやおやと思ったことがたくさんございます。私は二十数年自民党の党員でございました。今でも自民党に対するノスタルジーを持っていますし、自民党に対する誇りも持っております。事情がありこういう立場になっておること、ある意味において内心じくじたるものを感じておりますが、自民党がどういう経過で今日まで来たのか。例えば坂野先生の御指摘の第十「小選挙区制の導入は、国民の多様な意思を国会の議席に公平に反映させるという、全国民の代表という憲法第十五条及び第四十三条等の憲法原則に反して、民意をゆがめ、虚構の多数をつくり上げるものであるからであります。」これは共産党がこういうことを言われたのはずっと聞いておりましたが、自民党は竹下内閣以来……(「共産党も入っているんですよ」と呼ぶ者あり)これは自民党じゃない。ああ、そうですか、院を代表して。それじゃ、この点は、私は、自民党の御発言でございましたので、これがそうだというふうに……
#116
○坂野重信君 院の代表だから、初めに僕が読んだんですよ、それを。
#117
○石井一君 ああ、そうですか。はい、わかりました。それならよろしゅうございますが。
 私が申し上げたいことは、その次に、河野総裁のそのあいさつの中に「この提案はわが党が実に六年余りにわたって、政治改革本部などの公式の場で八百三十回、千三百時間」……(「自民党じゃないんだよ、我々は。院の代表なんだよ」と呼ぶ者あり)いや、しかし、これは重要なところですよ。「に及ぶ党内論議を行ってきたことを基礎として、ご一任をいただいた私の判断」として政治的決着をこの国会で図りたいと、こういうふうに言っておられるわけですね。それで、この三項目は運動方針では決まっているのですよ。
 だから、それじゃ自民党とは全然違うことを参議院でおやりになるという御主張になるのですが、私はそこまでのお気持ちは皆様にはないと思います。そこのところは後で御意見を聞かしていただきたいと思うのでありますが、私としては、三つの骨格部分を含めて、皆様方が過去六年間御苦労されてまいりましたこの問題につきまして、柔軟な対応で臨んでいただきたい、我々もそれにこたえたい、そういうことを申し上げておりますので、この点につきましても御理解をいただきたいと思います。
 もうぼつぼつやめろという紙が来ましたので、これからまだ佳境に入ろうというところなんですが……(「どうぞやってくださいよ」と呼ぶ者あり)そうですか。それではお許しをいただいて、できるだけ簡単にやります。
 第四点は、世論の動向ということでございます。
 国民の世論は我々お互いに重要だと思うのですが、世論にもいろいろあると思いますけれども、実は参議院で否決されました直後の翌日、一月二十二日の、これは日本テレビの電話による意見聴取。まず第一、大体十二万本ぐらい電話が返ってきておるデータですけれども、法案の参議院否決はよかったか。これに対しまして、三万二千五百二十九はよかった、二七%、しかし八万七千八百八十一、七三%はそれはおかしい、こういう結果が出ております。余り細かく言いませんが、今国会中に法案を成立させるべきだというのが、イエスが八二%、もうほっとけというのが一八%。これも、それは電話だから頼りにならないとかなんとか言いますが、重要な問題だと思います。そのほかに、一体政治家に改革ができるのか、これも八〇%はもうできない。その次に、首相の責任ということに対して、首相の責任はないと言ったのが七〇%なんですが、こういうふうなのが一つの傾向だと思います。
 そして、最近各新聞社の社説にいたしましても、結局は、皆さん読んでおられますから一々これは申し上げませんけれども、国民生活はもう破局へまっしぐらだ、国際的孤立と政党政治の麻痺だ、こういう論調が出ております。これが国民全体に読まれておる、国民の世論を背景にしておる国会の決定ということを思いますと、大変恐ろしい感じがいたします。
 昨日、民間臨調が、もし政治改革法案が成立しなかったら、日本の政治の破局のシナリオはこうなるだろうということを発表しておりますけれども、そう長くございませんから。「政治の閉塞状況を打開する担い手がなくなり、社会のストレスは極限に達する。政治家の汚職、自己改革能力の低さに伴い国民の倫理観、規律も低落し、税金不払い運動が起こる。政党政治を糾弾する声が高まり、暴発。政党政治は機能を停止する」、こういう危険を指摘しておる学界、労働界あるいは経済界の絶望的な声というふうなものもございます。
 さらに、国際的なインパクト、まあ外国のことはどうでもいいと言われる人もありますが、ここのところ、おとつい、きのう、きょうと出された外国の論調というものは物すごいものがあるということは御承知のとおりです。そこまで我が国の国際的な立場というのは高くなっておる。そして、それはことごとく改革を支持し、この際それを推進しろということを言っておる。
 例えば、ウォールストリート・ジャーナルは「日本が脱線する」という社説で、経済的に破綻を来すだろう、何も経済には直接関係のない政治改革だ、しかしながらもっと重要な問題だということを指摘しております。同じ日のワシントン・ポストは「トラブルの中の日本」という社説で、激しい嵐が迫っているのも知らないで、船のかじの奪い合いをしている、我が国会、衆議院と参議院の姿を世界はみんな見守っておるというふうに言っていますし、ひきょうな十七人の社会主義者の反乱によってこれがなされている、自民党でも共産党でもないと書いています。こういう状況であるということ。ニューヨーク・タイムズは「日本、旧秩序の逆襲」、五五年体制がもう一遍逆襲に出てきたとか、今こそ日本の改革政権を全力を挙げて世界が支援してやらなければいかぬというようなことも言っております。
 こんなことはかり言っておって恐縮ですけれども、私は、今の日本の国内の世論、国際的な世論に対して、参議院の皆様の、ここにおられる十人の皆様の良識を切にお訴えしたいと思います。
 最後に、私は参議院無用論とか軽視論を申すわけではございませんが、二院制の意義と日本国憲法の建前という問題を申し上げます。
 日本国憲法の建前は、明治憲法と違いましていろいろの経過がございましたが、議院内閣制度をとり、参議院には解散を置かず、憲法には五十九条、六十条、六十一条の両院に関する規定がございます。憲法では、参議院は良識の府として常に衆議院を見守り、行き過ぎを是正するという役割を求めておるように思いますし、政局の死命を制するような意思決定は慎むことが要請されておるという強力な学説もございます。
 だからといって、参議院を無視するというようなことを私は一言も言っておりません。参議院の重たい否決というものを十分に踏まえて、しかし、ここで歩み寄ろうじゃないか、参議院の良識を出していただくときだ。フランスの格言に、第二院が第一院と同じ結論を出すなら無意味だ、しかし違う結論を出すなら有害だ、こういう言葉もございます。もし今回これが葬り去られたとしたら、参議院軽視論など全然考えていない人でも、五十年、半世紀たったこの日本の二院制に対して、あるいは有害ではないか、あるいは無用ではないかという議論まで巻き起こしてくるという問題提起が出てくるだろうと思います。
 したがいまして、これで私の陳述を終わらせていただきたいと思いますけれども、以上、私が血の出るような努力をし、衆議院を通し、参議院のことを考え、そして今日まで自民党内にあって五年、六年、政治改革の中心として頑張ってきた、そういう立場で、党利も党略もございません、この際、国際的な、国内的な立場すべてから考えて、妥協点を見出し合意に達したいということを、私の立場から特に、特にお訴えをいたしまして、新生党・改革連合を代表しての陳述を終わらせていただきます。
 長時間ありがとうございました。
#118
○議長(市川雄一君) 次に、左近正男さん。
#119
○左近正男君 日本社会党に所属する左近正男でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 私どもの党、細川連立内閣の与党、しかも与党の第一党でございます。その私どもの党の党内の一部行動によって、この法案が参議院で否決をされたわけであります。この事態については、与党である私ども日本社会党は深く反省をし、非常に責任を感じておるところでございます。
 今、衆議院の政治改革特別委員会の委員長でもありました石井先生の方から、衆議院の審議経過については詳しくお話がございました。私もその特別委員会に属しておりまして、与党側の筆頭理事としてその任に当たってまいりました。私ども衆議院側は、いろいろ対立した事項もたくさんございましたけれども、理事会の中で、自民党の理事の方々、共産党の理事の方々と本当に真剣に論議をしてこの議事運営についてやってきたつもりでございますし、私はそのように自負をいたしております。したがいまして、一方的な形で衆議院の審議を絶対にしておらない。まあ最終的には採決になりましたけれども、自民党の皆さん方、共産党の皆さん方の御理解もいただいて、整々粛々とこの審議がされてきたのではないか、このように私は思います。
 委員会での採決のときには、私は本当に、ある面では感きわまったというような気持ちでございました。その辺の経過についても、参議院側の皆さん方によく御理解をいただいておきたいと思います。
 そこで、なぜこういう形で衆議院側の審議がされたのだろうか。これは自民党もあるいは共産党の皆さんも、私ども与党の各党も、今国民の皆さん方が何を求めておるか。やはり政治改革をしっかりとやり遂げなさい、腐敗防止も含めて、七十年間続いた中選挙区制のこのもろもろの制度的な欠陥というか、疲れておる問題、ここらについて是正をしなさいという、そういう声が私は世論の大きな部分を占めておると思います。そういうような背景があったから、与野党を問わず、政治改革の土俵に乗って真剣に論議をしてきたんだ、このように思います。
 私も、海部内閣のとき、宮澤内閣のとき、それと今回と、この特別委員会の理事を担当してまいりました。海部内閣のときには、今論議がされておるのとほぼ同じような制度の並立制、私どもの党はこれは反対をいたしました。廃案になりました。また、宮澤内閣のときには、自民党の皆さん方が小選挙区制の制度、あるいは私どもが併用制の制度を出しまして、いろいろと論議をいたしまして、民間臨調から提起をされた連用制というもの、こういうものもたたき台にしながら、かなりこれも長時間の論議をしてきたわけであります。
 私ども、世界にはいろいろな選挙制度があると思いますが、これはベストという制度はないと思います。よりよい制度、ベターの制度をどう構築をしていくか、こういうことだと私は思うのです。今までなぜこの制度問題についてお互いかなり深刻な対立を来しておったのかといえば、中選挙区制あるいは並立制、併用制、この制度の根本的な違いがありまして、なかなか合意を見ることができなかったわけであります。
 私どもの党にとっては、今度新しい内閣ができまして、政治改革内閣として細川内閣の提起した内容は、並立制でございました。この問題、私どもの党の歴史的な経過から見ますと、かなり深刻な問題でありましたけれども、いろいろ党内の論議を経て、並立制に乗っていこう、こういうことを決定をして今日まで来たわけであります。
 したがって、自民党の皆さん方と私ども与党全体が、並立制という土俵の中で改革をしていこうという一致点を見出すことができたわけであります。このことが衆議院の段階で、本当に長く自民党の皆さん方が政権をとっておったとき、もう五年間もこの選挙制度の大きな改革問題について取り組んできた歴史的経過、そういうものを踏まえて衆議院段階ではかなり突っ込んだ論議をしてきた、こういう点についても御理解がいただけるのじゃないかな、このように私は思います。長くは申しません。もう石井先生の方から詳しく報告、提起されたとおりでございます。
 そこで、これからの問題でありますが、私どもは何としてもこの国会中にやはり政治改革をやり遂げていくというのが、国民世論というか、大きな声だと私は思うのです。私どもの党もそういう立場で、今日いろいろ反省も深めながら、私自身もこの協議会に出席をさせていただいておるところでございます。したがって、これからどうするのか、具体的な修正問題について論議をして、本当にこの協議会の中で円満に成案が得られることを私は強く望んでおるところでございます。
 非常に短い時間でございますが、私の所信を申し上げさせていただいて、終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#120
○議長(市川雄一君) 次に、荒井聰さん。
#121
○荒井聰君 議長の御指名、ありがとうございます。
 私は、昨年の七月十八日、政治改革を公約として選挙に初当選した者でございます。皆様方のように政治経歴が長いあるいは大変な人生経験を積んでいるという方々とは異なりまして、むしろ市民感覚に近い感覚を一番持っている者として、また私の前歴では地方自治に携わっていましたものですから、その立場から意見を述べさせていただきます。
 ただいま石井先生からるる御説明がございましたけれども、これだけの歳月をかけて与野党が既に小選挙区並立制という基本的な点について合意しているはずの政治改革法案が実現できないということになりますれば、日本の政党政治、議会政治に対する国民の不信は決定的なものとなりましょう。先ほどの石井先生のNNNの電話調査によって、十二万人のうちの約八〇%の人が、今の政治家には政治改革はできない、そう言っております。
 我が国は、国内だけではなくて、国際社会の信頼をも失うことになるのではないでしょうか。これはニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどの社説の中にそのような内容が出ております。もはや政治改革の実現なしには景気対策も成功せず、政治改革なしにはこれ以上の行財政改革も経済社会の改革・開放も不可能な限界点に達している、私はそう思っております。
 今、世界は冷戦の終えんによって新たな時代に入り、世界の国々と人々は新たな海図なき航海に船出いたしております。日本ももちろんその例外ではありません。政治も経済も行政も新たな日本に生まれ変わらなければならないという国民の皆様方の期待を担って、私たちは一番基本的なフレームである政治改革に取り組んできたのではないでしょうか。
 申すまでもなく、この改革への努力は、単に選挙の仕組みや政治資金の問題だけではありません。ましてや、政党、派閥間の駆け引きや権力闘争などという次元の問題では決してありません。今問われているのは、日本の政治のあり方そのものであり、国際社会の中で我々が自己改革をなし得る国民として、成熟した民主主義国家をつくり出せるのかどうかということが今まさに問われているのだと私は思っております。
 国民も、また世界の人々も、我々がこの改革をなし遂げ、自由で公正で透明な責任ある民主政治を実現することができるかどうかに強く注目しているのだと思います。五年間もの間繰り返し論じてきたこの問題を、今わずかな見解の相違でその全体を葬り去ってしまうのならば、我々はこの改革をなし遂げる機会を恐らく二度と持つことはできないだろうと思っております。
 残された時間はわずか五十時間余りの中ではございますが、日本が民主的に成熟した国であり、賢明な判断力を持つ国民であることを世界に示さなければならないときは今まさにこのときだという気持ちでいっぱいでございます。
 私は、今このような時期に当たりまして、聖書の中に出てくるバビロンの塔の逸話を思い出します。バビロニアという都にバビロニアの王が、自分が山国から出てきたために、山のような高い大きな塔をつくろうとした。着々とでき上がったが、しかし最後の段階になって、下で働いている人の言葉と上で石を積み上げている人の言葉とが違ってきて、理解ができなくなって、その塔をつくることはできなかったというバビロニアの塔の逸話であります。
 私たちは今、日本の政治という大きな大きな高い塔をつくろうとしているのでしょう。そして国民は、七割の人が政治改革をなし遂げるべきだ、そう答えております。この人たちの声を私たちの声として、私たちがそれをなし遂げなければ、今まさに政治改革は、そして日本の政治は、バビロニアの塔に化してしまうのだと思います。ぜひ参議院の皆様のお力によってこの協議会で成案が得られるよう、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#122
○議長(市川雄一君) 次に、森本晃司さん。
#123
○森本晃司君 公明党の森本晃司でございます。
 先ほど来衆議院側からいろいろと御意見が述べられておりまして、重なる点も多々ございますが、できるだけその点は省かせていただいて申し上げたいわけでございますが、どうしても申し上げなければならない点、重なることを御容赦いただきたいと思います。
 私は、結論から申し上げますと、政治改革の廃案は許されないという思いで今いっぱいでございます。これは与野党、また政治家としての共同責任であると思っているところでございます。
 六年越しの政治改革であります。今国会の、しかも最大の課題でありましたこの政治改革法案、衆議院で十一月十八日に整々粛々と可決されたわけでございます。そして参議院に送られて、多くの国民の皆さんも今新しい日本の政治改革が始まると大きな期待を寄せておられました。御承知のように、参議院で八十二時間二十九分にわたる議論がされて、そして二十一日に否決されました。私にとってもまことに残念な思いでございますが、参議院で否決された点については我々も重く受けとめさせていただきたいと思っております。
 しかし、先ほどもお話がございましたように、その採決が終わった直後の十二万人の電話調査、否決はよくないというのが七三%であり、成立を望むという声が八二%ありました。私もそのテレビ調査を見ながら、今こそ国民の期待にもう一度本気になってこたえなければならないと痛感した次第でございます。ロッキード事件、リクルート、佐川等々と続いてきた政治腐敗に対する国民の憤りと不信はもう頂点に高まっている。それだけに、熱い期待が寄せられていた。その声にこたえることが政治であり、政党であり、政治家の仕事ではないかと思っております。
 審議不十分だという御意見も先ほどございましたが、衆議院で百三十時間、また参議院で八十数時間に及ぶ議論をしていただきました。また、強引ではなかったかというお話もあるようでございますけれども、決してそうではございません。私たち与党の方は、参議院の皆さんも一緒になっていただきまして推進本部をつくって、そこでいろいろと議論をしてきた。参議院の皆さん方の御意見も、その場で与党としての意見は十分議論させていただいたと私たちは思っております。ぜひ今国会でこの六年越しの法案を成立させたいと思っております。
 昨年の夏の衆議院選挙でございますが、すべての党が政治改革を公約とさせていただきました。この公約を実現するのが私たちの責務ではないかと重ねて申し上げます。また、国際社会において、昨日の夕刊にポスト紙の社説等々、日本の脱線というふうに書かれていたことが非常に私も残念で、胸の痛む思いでいっぱいであります。また、景気対策も講じていかなければならない。政治的空白は避けなければならない。また同時に、政治の混乱は避けなければならない。そのことを今痛感しております。
 そうした中で、こうして憲法第五十九条で定められた両院協議会が開かれていること、このときに、私は同時に皆さん方に申し上げたいわけでございますが、参議院の否決というのも極めて重いことと受けとめさせていただいておりますが、衆議院の四十四票の差の重さも同時に受けとめていただきたいと思うところでございます。
 参議院の先生方の、良識の府としてのその御協議をきょうは期待をしているところでございまして、国民の皆さんが昨日来注視しているところでございます。どうか徹底的に議論して、妥協案を見出してまいりたいと思っております。
 私は、衆議院の本会議で与党を代表して代表質問に立たせていただきました。そのとき申し上げました。自民党案の並立制も私たちの出している並立制もそんなに大きな差がない、妥協点は必ず見出せるものだ、そのように私は訴えをさせていただいたことを思い出しております。
 一九八九年、自民党の党大会、きょうは参議院の代表としてお見えいただいておりますが、自民党の出身の先生方が大半を占めておられます。思い返していただきたいわけでございますが、その八九年のときに自民党の政治改革大綱なるものが発表されました。中選挙区制から、小選挙区、比例代表を併用したものへ新たな一歩を進めていただいたと私は記憶をしているところでございます。民意を集約して政権を争うという小選挙区と、そして民意を反映するという意味での比例代表を加味したこの並立制、大きな違いはございませんので、どうぞきょう議論をさせていただきまして、政治家としての責任ある決断をお互いいたしまして、国民の期待にこたえてまいりたい、このように考えているところでございます。
 発言の機会を与えていただき、また、御清聴いただきましたことを心から感謝申し上げまして、私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。
#124
○議長(市川雄一君) 次に、米沢隆さん。
#125
○米沢隆君 少々重複するかもしれませんが、簡単に意見を述べてみたいと思います。
 この政治改革の問題は、足かけ六年にわたる協議が重ねられてきたわけでございます。その間、海部政権が倒れる、宮澤政権が倒れる、そして今、細川政権によって政治改革が実現できるかどうか、まさに国民の皆さん方はかたずをのんでこの協議会の成否を注視しておられると言っても過言ではございません。
 この政治改革の論が始まった経緯や背景をもう一度振り返ってみることも大事だと思います。まさに我が国の政治のあり方に深い反省をすべきだというところからこの論は始まりました。
 言うまでもなく、毎年毎年スキャンダルが発生し、政治腐敗の事件が次から次に起こり、その間国会は空転し、国民生活の議論そのものが残念ながら、ないがしろにされたまま政治が行われているという批判は日増しに大きくなって、今や国民の政治不信は、単に不信というよりもがけっ縁に立っておるという感じがしてならない。そういうところから、今度こそそのような腐敗の根を断って、新しい政治をお互い協力して生み出していこうではないかという決意からこの政治改革は始まったものと承知いたしております。それは、単に与党、野党を問わず、全政党がそのような共通の気持ちを持って、国民の政治不信を打破していく最後のチャンスだということから議論は延々と続いてきたと言っても過言ではございません。
 同時にこれは、衆参を問わず国民に対する我々政治家の全体の責任であるということも承知しなければならぬ、今この段階に来て責任を回避することは許されない、そういう気持ちで今までこの議論に参加をしてまいりました。しかし、残念ながら、今両院協議会を開いて最終段階での正念場の議論をしていこうという事態を迎えておるわけでございまして、何とかして皆さんと合意を得た上で、今度こそ政治改革、すべて一〇〇%、みんながオーケーするものにはなり得ないかもしれませんが、でき得るだけ合意を得られる努力をした上で、この両院協議会において結論を得られることを心から期待をしておるわけでございます。
 確かに参議院では否決をされました。大変重い事実でもございます。同時に、先ほどからありますように、衆議院の方ではこれを通過させたという事実もこれまた事実でございまして、いわば両院の結論は違ってはおりますけれども、この政治改革法案に対する考え方は一対一でまだ勝負なしという段階に来て、今衆議院に返付されていると私は思っております。
 したがって、この両院協議会の意義と、ここでどういう結論を出すかということはまさに大事なものでございまして、でき得ればそれぞれの所論を乗り越えて新しい合意できる結論が出てくるように、参議院の皆さん方にも心からお願いをしたいと存じます。
 後ほど与党の園田委員の方から我々の案を提示する予定ではございますが、我々は、その点について十分に御意見を賜った上で、必要ならば踏み込んでもよしという気持ちできょうは来ておりますことを明らかにしたいと思います。
 万一、この政治改革法案が不成立になったときの政局を考えたときに、先ほど石井先生の方からも冒頭申し上げましたとおり、私は、日本の政局は大混乱は必至だと思っております。国際的な信用の失墜、現在のこの厳しい経済環境への悪影響、国民の政治不信、我々は政権に恋々とするつもりはありませんが、少なくとも政治家として大局に立つならば、この政治改革法案は今会期中に結論を出すということがすべてに増して重要な視点である、そう私は思っております。
 もし、ここで中途半端に終わりますと、まさに政治改革論議を我々幾ら一生懸命やってきたといえども、国民の目から見れば、政治家の議論は自分たちがかわいい議論であって、党利党略はあっても国家や国民の生活はないものだということで、政党政治は死を見ることもあり得るかもしれないということを考えていかねばならぬと思うわけでございまして、あえて申し上げますならば、今国会で政治改革は不発に終わった、何も決着がつかなかったということで万歳を喝采する人はこの中にはだれもいない、そう私は思っております。
 制度でございますから、一〇〇%、一から百までみんながすべて合意できるというのは大変難しいかもしれませんけれども、いろいろな意見があることも事実でございますが、その意見が政治改革の前向きの議論として大半の合意が得られなければ、幾らそれを主張されても、結局は現状を追認するにすぎないという結果になることもあえて考えながら、ぜひこの協議会において成案を得られるように皆さんの御協力を賜りたいと心から念じておる一人でございます。
 以上です。
#126
○議長(市川雄一君) 次に、園田博之さん。
#127
○山本富雄君 ちょっと議長、議事進行について。
 今それを何でお配りするか知りませんけれども、提案というのはこの後でしょう。皆さん方がずっと一通りおやりになったんだから、我が方がその後やってということはルールで決められているわけですよ。議長、どう思います。何をお配りになるんですか。これは提案でしょう。それは順序が違うでしょう。
#128
○議長(市川雄一君) それでは、園田さん、口頭であなたの補足説明と意見を言ってください。先ほど、補足説明並びに御意見を述べてくださいというふうに私は申し上げたつもりです。どうぞ。
#129
○園田博之君 それでは、発言をさせていただきます。
 今衆議院側から、六人の方々から御意見を陳述させていただきました。今度の政治改革関連四法案、当初内閣から衆議院に提出をされて、衆議院では一部修正をして可決をいたしました。そしてその後、御案内のとおり参議院で御検討いただいて、そして採決をしていただいた結果、残念ながら否決をされたところであります。確かに、両院でおっしゃるとおり、衆議院の可決も重大でありますが、参議院で否決されたという事実もまさに重大でありまして、そういった意味で衆議院側からお願いして、きょうこうやって両院協議会を開催をしていただいているところであります。
 今回できるだけ早くこの両院協議会で具体的な検討をいただくために、私から一つの御提案を差し上げて、そして衆参両院の御意見をいただきたい、こう思っておるところでありまして、今議長にお願いして、書類でその御説明をさせていただこうと思っております。
 なお、この提案につきましても何とぞ参議院側からもいろいろな御意見をいただいて、いずれにしろ、皆さん方おっしゃっているとおり、両院の意見を闘わし合って何か成案を得られるためにこの両院協議会を開催をしておるところでございまして、ぜひそういった意味で具体的な提案をさせていただくことを御理解をいただきたいと思っておるところであります。
#130
○村上正邦君 議事進行について。
 提案はだめですよ。提案というものは、議事に入ってから出てくるんですよ。
#131
○議長(市川雄一君) 意見、園田さんの意見。
#132
○村上正邦君 意見じゃなくて提案と言っているんだよ。意見じゃないんだよ。資料も配付させてと、こう言っているわけだから、それはだめだよ。そんな衆議院のやり方は通らないよ。
#133
○石井一君 提案と意見というのは微妙な差があると思うのですよ。(発言する者あり)ちょっと聞いてよ。何もわからぬことを言うのじゃないのだから。だから、ここはひとつ園田さんの意見陳述だけを参議院の終わりにしてもらう、そういうことを了承してもらって議事進行してください。
#134
○村上正邦君 いやいや、協議に入ってそれから、議長が協議を開始しますと、それからなんですよ。補足説明が先ですよ。
#135
○議長(市川雄一君) ちょっと待ってください。
 園田さん、さきがけを代表する御意見を言って終わってください。提案はやめてください。(発言する者あり)
 それじゃ、もう一回議事を整理します。
 衆議院の補足説明、参議院の補足説明が終わったところで協議に入ります。その上で、園田さんからペーパーを配っていただいて御提案をいただきたいと思いますので、園田さんは御意見にとどめていただきたいと思います。
#136
○園田博之君 それじゃ、以上で私の意見を終わります。後で必ず言う機会を与えてください。
#137
○議長(市川雄一君) これで衆議院側の議決の説明並びに両院協議会設置の呼びかけの趣旨説明は終わりました。
 次に、参議院側から御説明をお願い申し上げたいと思います。最初に、下条進一郎さん。
#138
○下条進一郎君 私は、本政治改革関連法案を参議院で否決いたしました、その参議院の代表の一人としてこれから意見を述べさせていただきたいと思います。
 最初に、我々参議院も、この政治改革の重要性、国民の動向等は十分に了承いたしておりますし、また、この問題に取り組む熱意はだれにも劣らない覚悟で臨んでおる次第でございます。
 私は、先ほどこの否決に至りました経緯について坂野先生からるる主要点の説明がありましたけれども、この問題が本両院協議会にかかりましたことに関連いたしまして、法律的あるいは手続的な問題等につきまして、所見を述べさせていただきたいと思います。
 政治改革関連法案は、実際このような政治改革を云々するような大問題として両院協議会の審議にそもそもなじむものであるかどうか、その点にやや疑問を持つのであります。なぜかと申しますと、そもそも二院制の問題が先ほど来出ておりまして、参議院を軽視するという話が出ておりまして、我々もしばしばそういうことを耳にし、そういう場面に逢着しているわけでありまして、この点を大変に懸念しておるわけであります。憲法において二院制を認められておりまして、幅広く国民の総意を結集して誤りなき国政を支えていくという点から、二院制のあり方につきましては、我々は慎重の上にも慎重に取り組み、その機能をまた同時に発揮させていくということが肝要である、このように考えておるわけであります。
 したがいまして、二院の場合におきましての衆議院と参議院、参議院と衆議院というものは、おのずから選ばれてまいります選挙制度自体が違うわけでありますから、当然国民から上がってまいります意見の集約といたしましても、事に当たっては違ってくるのは避けられない、こういうことがたびたびあるわけでございます。
 この両院協議会におきましては、過去何回か戦後の初めのころには行われたわけでありますけれども、その過去の経緯をさかのぼって調べてみますと、両院の意見が異なったということについては、基本的な大きな相違点の場合は非常に少なくて、非常にテクニカルな問題の疑義を持って何とかこれを両院の中で合意を取りつけようということで、この両院協議会が活用されてきたことがあるわけでございます。私はこれが非常に正しいと思うのであります。
 なぜかと申しますと、先ほど私が申しましたように、院の議決というものは非常に重いということを各先生方、先ほど衆議院の方からもお話がございましたけれども、そういう意味からいいますと、その重いものを、基本的に重いものを、なかなかうまく話がつかないというものをこの両院協議会で本来やるべきかどうかということは、私は制度のあり方から考えてやや疑問に思うし、そういうことから、かつてこの両院協議会において議論されたケースが部分的な法案修正という形で処理されたという経緯を見ますと、私はむべなるかなと思うわけでございます。
 この両院協議会は、皆様も御承知のように、最初のころのこの国会の改正あるいは憲法の改正という議論をされた時期、すなわち昭和二十一年ごろは、この両院協議会が法案のこういう扱いをするということは入っておりませんでした。そのときに、非常に大事なもの、衆議院の優位というものをしっかり認めるためには、予算とそれから条約とそれから内閣総理大臣の任命、こういうことで衆議院が優位性を持つということで、そのことは両院協議会で協議する、これが第一案だったわけです。
 ところが、やはり衆議院の優位性というものをどういう形で実現するかという問題と絡みまして、後になりまして、修正でこれが一般の法律問題にも広げられたということでありますから、これは今の三つの問題しか両院協議会で議論されない、取り上げられないということの性格をごらんになると、諸先生方もおわかりだと思うのですが、すなわち、予算、条約、内閣総理大臣の任命、こういうことであるならば、これはもう非常に重いのですよ。
 ですから、その重いものを両院協議会をやって何とかして出していこう、こういうことでありまして、それをさらに一段上の優位性の中に位置づけた結果、一般の法律もこの中で取り扱うことができるようになってきたわけでありまして、いわゆる両方の院の意見の相違を何としてもまとめたいという、両院が努力する一つの方便としてつくってきたということでありまして、これはやはりそういう歴史を我々は尊重していかなきゃならない、こう思うわけでございます。
 そして、この両院のあり方につきましていろいろと議論がございます。いわゆる通らなかった、参議院で衆議院の意に反した違う議決が行われる、それはすなわち否決ないし修正でございましょう。そういうことがあった場合には衆議院優位で三分の二の再議決ができるということになっておりますが、それでは何でもそれでやっていいのかということは、私が先ほど来るる説明しておりますように、それはそのまま何でもやっていいということを言っているわけではなくて、これはもう最後の最後の手段としてやむを得ない場合の今の三分の二のことであって、基本的には両院がやはり対等で十分に議論をして円満に法案を処理していくことが望ましい。そういう趣旨の制度からこの問題が出ているということを思いますと、私はやはり両院協議会というものは、相当重い法案をここで協議するということは非常に難しいことじゃないかと思います。
 そしてさらに、それじゃどういうことをこの両院協議会でやるのかといいますと、これは釈迦に説法でございますけれども、成案を得る、こういうことでありますから、それじゃ合成案を得るとは何だ、こういうことになるわけです。それは要するに、衆議院の方で自民党の案は否決されておる、参議院の方では政府・与党の案が否決されて現在は返付されておる、こういう形でありますが、これはそのまま通すというわけにはいかないので、そのためにこうやって衆議院の方の御要請に基づいて我々はこの議論をしているわけでありますけれども、成案を得るとは中身は何だといいますと、要綱を得ることではないのですね。
 これはやはり、成案を得るということは、その成案ができましたならばそれぞれ、衆議院の議決を経なきゃならない、参議院の議決を経なきゃならないということになりますと、成案というものは、いわゆる政府の案を修正されるのかどうかわかりませんけれども、あるいはまた別な案ができるのかわかりませんが、きちっと第何条何々はどうするんだ、こういうことができてないものはこの場合の成案にはならない。
 成案というものはそれぞれの院の本会議においてまた議決をしなければならないという規定になっておりますので、先生方が先ほど来大変御熱心に言っていらっしゃる、成案を得るようにいたしたいとおっしゃるならば、成案を得るようにそれぞれのきちっとした法案として出していただいて、それを我々がオーケーする、あるいはそこを一部直すということならば、私たちは本来のこの両院協議会の性格からいって筋だろうと思いますけれども、私はそもそも前に申し上げたように、院の重みということからいうと、さてそれがなじむのかどうかなということを盛んに疑問に思うわけでございます。
 加えて、先ほども私が申し上げたように両院協議会の過去の実績からいうならば、これはもう非常に軽微なと言っては甚だ語弊がございますが、法律はどれでも重いのですけれども、やはりその中におのずから法律の中の大きな問題、例えば今度の政治改革の問題は、諸先生が先ほど来ずっとおっしゃっているとおり、これは非常に重いのですよ。国際的にも非常に関心を持たれている、国民全体も関心を持っている、我々国会の責任ある者にとっても非常に大事なことである、こういう点からいきますと、それが衆議院で可決された、片や参議院で否決されたということを、ここで本当にそういうようなことを議論をして詰めていくというのは、本来この両院協議会の仕事としてできるかどうか。
 そして、今私が申し上げた過去の例からいえば、やはり法律の一部修正ということでやってきた例はあるけれども、ここで議調わない場合は、その次の三分の二のケースはない、こういうことでございます。全然ないのであります。
 それで、私は申し上げたいのですけれども、この法律、要するに憲法の解釈というもの、五十九条の一項からずっと最後までの解釈というものはそれじゃだれがするんだ、こういうことなんですよ。私も、きょうここへ参ります前に、かつての古い憲法の本やあるいは国会のいろんな資料を読んでみましたけれども、ただ簡単に書いてあることは、要するに国会というのは二院制だけれども、それぞれ独自性はあるけれども、最後は衆議院が優位性を持っているんだから、それで最後は三分の二だ、こう書いてありますが、これは大変無責任な答えだと思うのですよ。
 要するに憲法というものは、私がさっき申し上げているように、この新しい制度をつくるに当たっては非常に不備だったのですね。もう釈迦に説法でございますけれども、もともと一院制だったのですよ。一院制を二院制に直すために、修正をしたためにいろいろなところのそごが起こってきた、だんだんと直してきたものですから。
 これだけ賢明な衆参の先生のお集まりのときには、この五十九条の適用問題についても、いわゆる憲法学者がこう言ったからとかいうことでないし、それからまた今のように先例もないのですから、ここでだめなときにはその三分の二のところを適用した先例がないのでありますから、こういったものについては、やはり国会というのは慣行を重んじ、先例を尊重し、文殊の知恵を結集して、そしてよき先例をつくっていくことが大事である、私はこう思うわけでありまして、今この両院協議会においての議論に先立って懸念すべき点を申し上げ、先生方が何としても、要するにこの大事な法案の取り扱いについて慎重の上にも慎重に取り組んでいただきたいということを切にお願いして、私の陳述を終わりたいと思います。
#139
○議長(市川雄一君) 下条進一郎さんの発言が終わりました。
 次に、下稲葉耕吉さん。
#140
○下稲葉耕吉君 発言の機会を与えていただきまして、まず御礼申し上げます。
 先ほど来、石井先生、左近先生から、衆議院における委員会の審議状況並びに参議院のことにも触れて御発言がございました。あえて衆議院のことには触れませんけれども、参議院の問題についての御発言の中で、実は私ども、これは困ったものだな、御理解が不十分なんだな、残念だなというふうな感じがひしひしとしたわけでございます。
 私ども、後で関根委員からも発言してもらいますけれども、特別委員会の理事の立場でずっと審議に参加してまいったわけでございますが、参議院は御承知のとおりに三十五人委員会でございまして、委員長を除けば十七対十七で同数でございます。それほど与野党の勢力が伯仲している委員会であります。加えて、議員の身分に関する問題でもございますから、慎重の上にも慎重を期して、そして与野党の合意のもとに何とかうまく改正すべきであるというふうなことで終始努力したつもりでございます。
 ところが、衆議院の委員会の審議の状況をお伺いいたしまして、委員長が職権で一回だけやったけれども、それも結果的にやらぬで済んだというふうなお話でございましたが、参議院の場合はもう全く違うのです。参議院は、お話がございましたように、まあ参議院の良識とかなんとか言われますが、私どもは今度の委員会の中で痛切に感じますのは、参議院のよき伝統というふうなものがもう無残にも踏みにじられたということになったわけなんです。それにまず心から憤りを感ずる。
 それはどういうことかといいますと、参議院の人たちのほかのところで、どこかGHQか何かございまして、そこから指示が出されますと、委員の人たちはもうしゃにむにベルトコンベヤーに乗っかったみたいに走って、もう審議そのものじゃないのですよ。動議が何回出されたと思いますか。委員長が職権で何回委員会を開いたと思われますか。職権委員長だ、職権委員長だと、あだ名さえついちゃった。とどのつまり、委員長が不信任で、そしておやめにならざるを得なかった。そういうようなことにまでなっているのですよ。そういうふうな実態が参議院の特別委員会の実態なんです。
 先ほど来、二つの内閣がつぶれて六年目だとおっしゃいました。確かにそうでしょう。それだけ重要な政治改革法案です。ところが、参議院ではいつ審議が始まりましたか。今国会が初めてですよ。今国会が初めてなんです。しかも、衆議院では今国会も百二十何時間審議した、参議院は八十時間でいいじゃないか。八十時間いってないのですよ。
 おまけに、後で詳しく申し上げますが、おまえの方はなかなか審議に入らなかったじゃないか、こうおっしゃいます。それなら申し上げますが、私どもの責任で審議に入らないということは一回もありませんよ。むしろ、こういうふうな状態の中で、国民が困っているじゃないか、何とか補正予算を早く出してくださいと。政府は、約束しながらも出さなかったでしょう。年末年始の休みもあったでしょう。
 もっと言いますと、こんなことまで申し上げたくないのだけれども、いろいろ話が出ましたので申し上げますけれども、例えば委員長が御就任なさいましたのは九月二十一日なんです。公正かつ円満に運営される、こういうふうな御発言があった。ところが、その委員長が、私は衆議院のことは申し上げません、立法府の長である、責任者である委員長が行政府の官邸へ行かれるとか、あるいは、厳正公平にやります、公正円満に運営やりますという方が、特別委員長として与党の幹部会に出席されて決意表明される、そういうようなことでは公正円満な審議ができないんじゃないですかと私ども御注意申し上げた。そして、その返事がいただけるまで数日かかっているのですよ。そんなのは一日で片づく問題です。
 それで、委員会で、こういうふうな発言をされたのです。
  この際、一言ごあいさつさせていただきます。
  私の問題をめぐってさまざまな御指摘があり、今日まで委員会が開催できなかったことはまことに遺憾であります。
  改めて、云々と、委員長がそういうふうなことで御発言なさっている。そういうようなことで、まだいろいろとございますが、挙げろとおっしゃられれば幾らでも御指摘申し上げますけれども。
 あるいは、もう一つ申し上げましょうか。例えば、予算委員会と並行して何とかお経読みやろうというふうなことでやりました。その日にちも私ども相談して決めたのです。ところが、参議院の予算委員会はずっと続いている。夜に及んでいるのですね。お経読みができるかできないかわからない。そのとき、だれが参議院の予算委員会に話に行って、お経読みやるから何とか時間をくれないかと言ったか。連立与党の理事さんは全然動いていないのですよ。私が予算委員会へ行って、予算委員会の理事さんに相談して、それでお経読みやらしてくれませんかとお願いして、そして自民党の質問者を一人取りやめていただいて、早くやめていただいて、そしてそういうような中でお経読みをやったのですよ。その一事をもって見ても、それを私どもが審議引き延ばしをやっている、とんでもない話ですよ。
 そして、私どもは整々粛々として審議に参加しようと大変努力した。ところが、どこかでもう出口が決まっていて、それでやれと。中央・地方の公聴会も、衆議院ですら二日おやりになっているでしょう。参議院では初めてのこの審議なんですから、少なくとも二日ずつお願いしたい。それも否決されているのですよ。中央一日、地方一日。それも動議でですよ。公聴会を動議で決めるというのは、参議院始まって以来なんです。参議院の歴史を見ても、そういうふうな公聴会を動議で決めたというのはありませんですよ。そういうような暴挙をなさっている。まさにファッショですよ。
 しかも、地方の公聴会を決めた翌日は締めくくり総括、そこまで決めているのですよ。地方公聴会へ行って、公述人の皆さんが何と言われたか。全然意味ないじゃないですか、締め総が決まっているのに。そういうふうな運営というのはありますかね。それで、もう出口決まっているだとか、どうしたどうしたと。本当のところ、連立与党の委員の皆さんたちも、あるいは内心困っていただろうと思いますよ、そういうふうな運営をされて。それがこの理由の第一に書いてある中身なんです。
 それから、例えば衆議院の本会議の設定にいたしましても、参議院で補正の審議をやっている最中なんですよ。普通、会期延長の議題が出ますと審議はストップしますわね。ところが、この大事な補正予算だから何とか上げぬといかぬですよというふうなことで一生懸命やっているときに、衆議院は本会議のベルを押して四十五日の大幅な会期延長の話ですよ。皆さんたちが衆議院と参議院の立場を変えたら、どういうふうに思われますか。それでも私どもは協力しているのですよ、一生懸命やらなければいかぬということで。
 そして、審議の過程で、衆議院の皆様方の中で、それはいろいろ真剣に特別委員会なりなんなりで御審議いただいたのでしょう。ところが、参議院の立場、地方政治の立場から考えてみまして、全然審議されてないようなことが出てくるのです。例えば、政党助成の三%要件の問題でも、参議院なんというのは三年ごとに選挙やっているでしょう。ある政党の人が現職二人いまして、最初の三年は助成もらえるけれども、あとの三年は助成がもらえないとか、こんな欠陥法案なんですよ。
 そういうようなことが我々審議の過程の中でわかってくる。そういうようなものを真剣にやろう、真剣にやろう、もっと審議の時間が欲しい、審議の時間が欲しい。ところが、ベルトコンベヤーに乗っけられてしまって、いつまでに上げろ、いつまでに上げろ、もうだめです、もうだめです。ですから、職権、職権、職権ですよ。もともと参議院というのは話し合いによって円満に運営している。これが参議院のよき伝統だったのですよ。これが無残にも踏みにじられてしまった。
 本当に政治改革が大事だということは、私どもはだれにも負けません。これは今までも先頭に立ってやってきたし、今後もやるつもりですよ。しかし、こういうふうな、何といいますか、話し合いによって合意を見つけて何とかその中ですばらしい法案を我々の手でつくっていこうじゃないか、そういうような気持ちを全然そがれてしまっているのですよ。言えと言えば幾らでも申し上げますけれども、そういうような形で法案を上げられてしまった。こんなものはたまったものじゃございません。
 そして、参議院始まって以来というのはたくさんございますよ、そういうふうな暴挙が。そういうような中で法案は本会議で否決になったわけです。それは社会党の造反とか何だかんだおっしゃいましたけれども、私どもとしては、やはり皆様方は参議院は大事だ、大事だというふうなことをおっしゃるけれども、結果的に見て参議院をここまで押しつぶしてしまって、こういうふうな審議を強要させて、だれがやったかというのですよ。みんなそういうような形になっているのです。
 我々の自民党案は衆議院では否決されました。政府提案というのは参議院で否決されました。やはりこの事実から出発すべきだと思います。
 私の発言を終わります。
#141
○議長(市川雄一君) 次に、関根則之さん。
#142
○関根則之君 政治改革関連四法案につきまして、参議院で否決をいたしましたけれども、その大きな理由の一つは、ただいま下稲葉委員から発言がるるございましたように、この法案に対しましての政治改革に関する特別委員会におきましての審議が十分に尽くされなかったことにあると我々は考えております。
 参議院の委員会におきましては、連立与党の数の力によります一方的な態度、議会運営、不公正な委員長の強権的な委員会運営によって極めて不十分な審議時間しか与えられなかったわけでございます。今回の参議院における審議時間は全部で七十六時間四十六分でございまして、衆議院の審議時間の百二十一時間四十五分の六割にすぎません。衆議院においては過去二回、これも先ほどお話がありましたけれども、海部内閣のとき、宮澤内閣のときに既に議論をなさっていらっしゃるわけでございますが、参議院がこの法案につきまして、政治改革につきまして審議をいたしますのは今国会が初めてでございます。過去の分まで総計をいたしますと、衆議院の審議時間は実に二百四十一時間に及ぶと思いますけれども、そのわずか三割にしか当たらないということでございます。
 審議日数につきましては、衆議院は十九日でございますけれども、参議院はわずか十三日で強行採決に持ち込まれているわけでございます。
 公聴会につきましても、衆議院の方は中央公聴会が二日、地方公聴会が二日ということになっております。我々としては、動議まで提出をいたしまして、何とか衆議院並み、特に参議院におきましての議論の中で、地方の首長なり議員なりに対する政治資金を初めといたしまして、政治活動の基盤をどうするんだという問題が大変大きな問題になりました。また、小選挙区の数とも関連をいたしまして、地域に密着した代表の数が少なくなってしまうではないか。特に比例代表が全国単位で行われておりますので、自分の地域と関係のない人が出てくる。地域代表としての衆議院の性格が著しく損なわれる。地方の時代を標榜なさっておる細川内閣としても、そういう点に大いに問題があるじゃないか、そういうことが言われて問題になっていたわけでございますので、特に地方公聴会につきましては、じっくりと時間をとって、回数もふやして、場所もふやして実施してもらいたいということを要請をいたしましたけれども、これも与党サイドの一方的な動議によりまして、たった一日で済ましてしまうというような結果になったわけでございます。
 一般質疑の日数も、衆議院は九日とっておりますけれども、参議院ではたったの四日。テーマ別の一般質疑というものも参議院においては行われていないわけでございます。
 こういう意味から、大変審議を急ぎ過ぎる、一方的に審議をカットしてしまう、そういうことが行われたということを申し上げておきます。
 選挙制度は民主政治の土俵づくりでありますから、できる限り各党各会派の合意を得まして、よりよい法案に仕上げていかなければならないと私どもは考えております。特に、良識の府としての参議院におきまして十分な審議を尽くすためには、理事の間におきましてとことん話し合いを行い、その合意によって委員会の運営は行われるべきものと考えております。そのような話し合いに基づく審議こそ議会制民主主義の本来の要請に沿うものであります。この原則をなおざりにすることは、参議院のあり方そのものにも重大な汚点を残すことになると考えております。
 理事懇談会におきまして日程の協議が行われている最中に、数の力によって押し切っていく与党の強引な手法によりまして委員会の審議が進められ、そのため我が党がこれに反対せざるを得ない状況に結果的に追い込まれてしまいましたことは、我が国憲政史上画期的な立法である政治改革法案にとってまことに不幸なことであったと私どもは考えております。
 強権的な委員会運営の具体例を申し上げます。
 理事間の合意を得ないままの委員長職権による理事会、委員会の開会は、何回となく委員会の審議が始まった当初から繰り返されてまいりましたけれども、その最たるものは一月五日の委員会開会の強行であります。一月四日からずっと理事間の協議が続けられてきたわけでございますけれども、理事懇が紛糾をいたしまして、我が党が、打ち合わせのために一時間程度ひとつ休憩をとってくれ、こういう要請を申し上げましたけれども、実質上三十分足らずの時間の確保ができなくて、一方的に協議を打ち切りまして、我が党が欠席のまま総括質疑が開始されました。この強行が行われましたことは、これまでの参議院における民主的なよき慣例を全く無視するものであります。
 一月十日及び十二日の二回にわたりまして中央公聴会及び地方公聴会の日程が、これもまた動議により決定されました。本来、公聴会は、国会審議が大方尽くされまして、最終段階に至った時期を見計らって外部の関係者や地方の意見をお聞きして、審議の参考にするために設けられているものであるにもかかわらず、実質審議が始められたばかりの段階におきまして、与野党間において協議が調わぬまま、公聴会の設定を動議により強行することは余りにも非民主的な運営と言わざるを得ないのであります。
 しかも、一月十日の動議の採決につきましては、委員長による賛否の取り違いという重大な欠陥が指摘されていたのであります。
 二院クラブの下村委員は、質問を終えまして自席に戻るために歩いておりました途中におきまして、いきなり動議が提出をされまして、委員会室が大変喧騒の中に包まれておりました最中に採決が行われまして、必ずしも明確に聞き取ることができないような委員長の声であったわけでございますけれども、下村委員は、そういう状態でありますから、何が起こったかわからない、そういうふうに申しているわけでございます。きょうも御出席をいただいております青島委員が確認をしていただいたわけでございますけれども、下村委員はこの動議には賛成をしていないということをはっきりと言っておりまして、その旨を委員長に申し上げて状況を聞いてもらいたいということを言っているにもかかわらず、全く委員長がそれを取り上げない、そういう事実もあったわけでございます。委員長はこの事実の確認すら行おうとしなかった。その委員長の態度、大変私どもは委員長としておかしいんじゃないかということで抗議したわけでございます。
 各会派の関連四法案に対します態度が拮抗をいたしておりまして、採決の賛否が大変微妙に分かれるような状況であったわけでございますから、そういう状態であれば、採決に当たりましては当然慎重に判定を行うべき状況であったと思うわけでございますけれども、そういった状況についての配慮が全くなく、少数者の意見に何ら聞く耳を持たない与党側の委員長の姿勢はまことに強権的であると言わざるを得ないのであります。委員長に対する不信任動議が参議院史上初めて成立いたしましたけれども、このような事実をもとにしたものでありまして、十分な理由があってのことでございます。
 参議院らしい充実した審議を行いますためにはなお審議の継続が必要であると私どもは主張いたしましたけれども、その要請にもかかわらず、一月二十日突然質疑打ち切りの動議が提出されまして、討論、採決が強行されました。一月十八日にようやく地方公聴会が行われたばかりで、そこに出されました地方の方々の、公述人の声をどう法案審議に生かすかについて真剣な討議を要するにもかかわりませず、一方的に質疑を打ち切り、採決を強行いたしましたことは、まさに問答無用の暴挙でありまして、私どもはこれをファッショ的なやり方であるというふうに断ぜざるを得ないのであります。
 以上、申し上げましたように、目的のためには手段を選ばぬ非民主的かつ強権的な委員会運営がまかり通るという事態は、まことに参議院の審議の歴史の中で異例なことでございます。良識の府たる参議院の権威のためにも、このような委員会運営を容認することはできないのであります。
 三度にも及びます与党サイドの動議の提出や強行採決によって初めて可決されることのできた法案に対しまして、参議院の良識が本会議における否決という答えをもって応じたものであることを申し上げまして、私の補足的な発言を終わります。
#143
○議長(市川雄一君) 次に、橋本敦さん。
#144
○橋本敦君 私は、日本共産党の立場で、趣旨の補足的意見の表明をいたします。
 最初に、坂野協議委員からお話がありましたように、参議院での否決の趣旨は、参議院の各会派それぞれによってそれぞれの要件があるわけでございます。それが一体となって参議院での否決ということになっているわけであります。そういうわけで、私は日本共産党の立場から意見を述べる次第であります。
 まず第一は、参議院での否決の重みであります。
 言うまでもありませんが、憲法第五十九条第一項が「法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。」と明確に定めております。つまり、一院で否決された法律案は、予算、条約等と違いまして、廃案とするというのが、本来二院制を採用している憲法の基本的な原則であるということであります。この憲法上の原則に基づいて、参議院で否決された小選挙区並立制法案など本件四法律案は、その否決の趣旨が、まさに国民の審判が下され、国民によって拒否せられたものとして重く受けとめて、この憲法上の立場から廃案とするというのが、これが憲法原則であるというように考えるわけであります。したがって、このことを要求しております我が党が、両院協議会の設置にも反対をしてきたゆえんはそこにあるわけであります。
 次に、そもそもこの四法律案が参議院で否決されましたのは、私どもの立場でいえば、それはこの法律案が憲法と民主主義に反する重大な問題点を持っているとともに、金権腐敗政治の一掃を選挙制度の問題にすりかえてはならないという大きな、正しい国民世論に背くものであるからであると考えております。
 小選挙区制度そのものが、多数の民意を切り捨てて大政党に有利に民意をゆがめるという重大な欠陥を持っていることは、審議の中でも政府もお認めになっていたことでありまして、それが並立制で比例代表を加えることによって緩和されるという議論がございました。私どもの立場では、並立制をとりましても主権者である国民の意思をゆがめる小選挙区制の欠陥はなくならないという状況で、これは憲法第十五条、第四十三条を初め、我が国憲法のよって立つ主権在民の原則、議会制民主主義の根本原則に真っ向から背理するものと考えているわけであります。
    〔議長退席、副議長着席〕
 また、本政府案は、これを前提にいたしまして、少数政党排除、民意切り捨てのための極めて不当な条項を盛り込んでいることも審議の中で厳しく指摘されてまいりました。これらが憲法第十四条の平等の原則に反することは言うまでもありません。
 さらには、金権政治根絶のために、私どもは、企業・団体献金の即時全面禁止こそが不可欠の根本的課題である、こう主張してまいりましたが、政府法案では、金権腐敗の最大の温床である企業・団体献金を政党には温存するということにした上、それが政治家や政治団体に不透明に筒抜けになるという欠陥があったことも審議の中で明らかになりました。
 それに加えて、政党助成ということで国民の血税を、憲法第十九条の保障しております国民一人一人の思想、良心の自由を侵しても政党につき込むという内容を持っているものでありますから、到底賛成することができない問題であるわけであります。
 こういうような法案の持つ、憲法にかかわる根本的重大な欠陥は修正によって是正され得るのか、また、こうした根本的立場を踏まえて行った参議院の否決の意思、これと法案との根本的矛盾は修正によって解決し得るのか、これが問題の一つとなるわけでありますが、私どもの立場でいえば、いかなる修正であろうとも、修正ということで政府案に近づく。あるいは、伝えられております自民党案丸のみなどとは言わないというお話でありますが、そういった方向に近づけば近づくほど修正はむしろ改悪への道となり、憲法と民主主義の理念に一層背理する結果にならざるを得ない。そういうことで、私どもとしては容認することはできないと考えております。
    〔副議長退席、議長着席〕
 次に、主権者たる国民の参政権と民主主義の根幹にかかわる重要法案だということで、どうとらえるかという問題であります。
 そもそも選挙制度に関する法律は、憲法と民主政治の基本原則、とりわけ主権者である国民の参政権に深くかかわるものでありますから、その改正は本来、圧倒的多数の主権者である国民は言うに及ばず、議会内の大方の会派の賛成のもとに、国民の前で慎重審議を重ねて合意に達すべき性質のものであります。
 一院で明確に否決されたにもかかわらず、あえてそれを復活させようということで、国民に公開されない委員会、つまり公開される委員会ではなくて、傍聴を許さない、いわば国民から見れば密室的妥協、協議の場で、しかも本道から外れて例外的に認められている両院協議という、こういう手続でこれを処理するということは、これらの法案が憲法と国民の参政権にかかわる重要な内容を持っているという性格やその重み、また主権者たる国民の権利の尊重ということから見て、本来ふさわしいかどうか、重大な疑問があるところであります。
 第三の問題として、憲法上、両院協議会を開くことができる、こうなっているから当然だという考え方は私どもはとらないということであります。
 言うまでもなく、予算、条約、首班指名の場合はこれは異なりますが、一般法案の場合にはまさに両院対等の立場で、憲法上の第一原則は、一院が、つまり参議院が否決をすれば廃案ということが原則だと思うわけでありますが、その一般法律案については両院協議会は義務的でも必要的でもないことは、各協議委員言うまでもなく御承知のとおりであります。そういう点からいいますと、両院協議会というのは例外的規定であると考えざるを得ません。
 憲法学界の見解を調べてみましても、憲法が、法律案は両院の可決が原則であるとした上で、なお五十九条三項で両院協議会を開くことを妨げない、こうしております趣旨は「ある議案に関し、両議院の意見がその大綱においては一致しながら、細目の点で対立する場合に、その間における妥協案を容易ならしめ」、これは宮沢氏の「日本国憲法」であります。あるいは両院の意思の食い違い調整の可能性がある、そういったことを探る、これは「注釈日本国憲法」ですが、こういうことが合理的と認められる例外的な場合と、こう解釈しているとおりであります。これは先ほど下条協議委員からも御指摘になった立場と同じであります。
 そういうものでありますから、本件の場合にどうかということを検討していきますと、参議院の意思は明確に政府案の全面的な否決でありまして、細目の点で一致しないといった、そういった程度の問題ではありません。法案の大綱、骨格、それを含めて根本的に一致しないという、そういう状況であって、それが否決の趣旨の太い立場と重みであります。
 そういうわけですから、こういった問題についてこの協議会でどう扱うかということは、下条議員も指摘されたとおり、まことに慎重を要する問題であったと言わざるを得ません。私ども日本共産党の立場からいえば、今明白なことは、衆議院で可決された政府四法案を参議院が否決したという、こういう事実があるだけでありますが、こういう事実の問題として、この否決と法案との間の根本的矛盾と背理の決定的な大きさを考えますと、技術的な妥協、協議を探るというこの手続で処理できるものではないというように考えざるを得ないところであります。
 さらにまた、国会の会期の一方的長期延長を含めて、動議による公聴会の強行、質疑終局など、私からは重ねて詳しくは申しませんが、下稲葉協議委員あるいは関根協議委員から御指摘のとおり、参議院の運営の民主的ルールや慣行を踏みにじって、慎重審議の要求を退け、あえて職権強行ということを強引に進めてきたというその事態はまことに重大であります。
 こうやって採決にまで持ち込んだ連立与党が、採決の結果、否決されるや一転して今度は協議会で妥協をというのは、これは政治的な道理と信義にかなうだろうか。この面から考えましても、こうした態度を貫いてきた与党側に両院協議会を求める資格があるのかどうかという点も、私どもは論議をせざるを得ないと考える次第であります。
 以上のようなことで、私ども日本共産党としては、憲法の原則に基づいて小選挙区並立制法案など政府四法案は廃案とするべきであって、そして、その上で原点に返って、国民が真に願う政治改革の道を私どもは進めていかなくちゃならぬ。私ども日本共産党の立場でいえば、現在の中選挙区制を維持して、定数是正を行って、公正な民意を反映させ、同時に、国民が切実に一番願っている腐敗政治根絶のための最大の課題として、企業・団体献金の全面的禁止を柱とするそういった趣旨を貫いて真の政治改革に進んでいかねばならない、こんなふうに考えているところであります。
 以上で意見表明を終わります。
#145
○議長(市川雄一君) 青島幸男さん。
#146
○青島幸男君 二院クラブの青島幸男でございます。
 私ども二院クラブは衆議院に議席がございませんので、あるいは二院クラブにつきましていろいろ御認識が浅いかというふうな不安もございますので、二院クラブについてまず御説明申し上げます。
 二院クラブは、参議院は無所属が本来のあるべき姿であって、政党的に結束された方々が衆議院と同じような議席数を持って、同じような扱いをなさるのでは参議院の意味がなくなるではないかという緑風会以来の伝統に基づきまして、市川房枝さんがつくられましたクラブでございます。
 私ども現在五人おりますが、そのメンバーは、おのおのがお互いの思想、信条についてはこれを最大限尊重し合う、お互いに党議については拘束をしないということで、院内で発言の場を得るためにたまたま会派として結束をしている、こういう状態でございます。その自由な立場におります五人が、そろってこのたびの法案につきまして反対をするという結末になりました経緯と心情につきまして、ここで御報告申し上げます。
 本来国民が願っております政治改革というのは、決して選挙制度の改変ではなかったはずだと私は認識しておりまして、わいろに似たさまざまの形の政治献金を、そのまま横行を許しておりましたことが、このたびのゼネコン汚職などにつながる腐敗に結びついたということから考え合わせますと、企業・団体の献金を厳しく規制するというふうな政治資金規正法の厳密な立法と施行が、国民のニーズにかなったことではないかというふうに考えております。
 それから、国民が思ってもいなかった小選挙区制を突如導入されたということにつきましても、私どもは憤りを持っておりますし、小選挙区制は金がかからなくなるとかあるいは広く民意を反映できるとかということは、全く論証できない筋合いのものでございまして、論拠が浅い、甘い、何もないと言っていいくらいだと思いますね。
 現実に、ただいまの国民の方々の政治意識を考えますと、新聞その他の報道を見ましても、ラジオ、テレビの報道を見ましても、大変に政治関係のものが多くなっております。それだけ皆さん方が政治に深い関心をお持ちになっておられますし、それから、五五年体制のころのように主人の言いなりになっている女性たちとかあるいは政治的に余り関心を持たない学生さんたちというようなものは、ずっと少なくなりました。職場においでの女性方、あるいは組合その他の団体におりましても、指導部に盲従しない方々、あるいは農業あるいは漁業、そういうことに従事しておられた方も、団体を通じて結束してというような格好ではなしに、それぞれがそれぞれの政治認識と意識を持って選挙に臨まれるというような状況になっております。
 そういう政治意識の多様化が、中選挙区制で行われたにもかかわらず、四名の議員から始まった日本新党があれだけ躍進を示して、しかも国民の支持を得て与党にまでなって、しかも代表者になられるというような現実の問題がここに起こったわけですから、小選挙区ならこういうことが起こるんだということではないんだということの証左だと私は思っておりますし、それだけ国民の政治意識は多様化しているのです。
 その多様化している意識を見事に反映させて議席を決めるのが本筋でありまして、むしろ、小選挙区制になるあるいは比例代表並立制にしますと、恣意的に集約して大政党に結束させてしまうという結果になりはしないかということを恐れておりますし、それから、三%条項あるいは五人以上の議員を有するとか、あるいは新党を結成する場合、比例区では三十人以上を擁立せよとかいうような高いハードルを設けまして、新しい力、新しい魅力のある、意欲と努力の結集が国民の期待に任されるであろうということをむげにも断ち切って、しかも国庫補助というようなことで大政党に圧倒的に有利ですから、恣意的に大政党を肥大化させ、恒常的に定着させてしまうというこのやり方につきましては、私どもは真っ向から反対せざるを得ません。
 こういう状況ですから、自民党が半分近くある、それに対抗する野党が三〇、一〇、六、四の割合で存在するというようなことは、中選挙区制ならばあり得ますけれども、小選挙区制になったら、自民党五〇に対してばらばらで対決したのでは勝ち目がありませんから、当然結束することになるでしょう。そうなりますと、多様化した国民の政治意識を全く無視して、内容の少ないメニューを提示することになりますね。それは比例区で吸い上げるからいいんだというお考えのようですが、比例区も同じようなメニューになるわけですから、三つ、四つの中から選択をしろといって国民に強いるわけです。
 それで、でき上がった政党は肥大化して、しかもそれは定着するわけですから、独善的な指導者が背後にあって、その意欲のもとに結集するということになりますと、民主主義は踏みにじられ、国民の願いはどこへやらということになるに違いないと私は確信しておりますし、私ども五人の見解もそれでまとまっておりまして、今度反対をしたわけでございます。そういう事態にならないことを私は願っております。
 ですから、この場でこの問題が論じられるということにいささかの疑念を禁じ得ませんけれども、ここで出されております法案につきまして、総数を幾つにすればいいとか、あるいは比例区と小選挙区の割合をこうしろああしろとか、あるいは三%条項を二%にしろというようなこそくなことで訂正あるいは修正をいただいても、基本的に私どもは賛成できないという立場におりますので、参議院が否決したということを民意とお考えいただいて、重く心におとめいただいて審議に当たっていただきたいと望むものでございます。
 また、もう一つ申し上げますと、さまざまな方々が今までも申されましたように、委員会の運営のあり方が全く理不尽でございました。私どもの下村が発言を終わって議席に立ち返るその瞬間に動議が出されまして、これは公聴会の日程の動議でございましたが、本人の意に反して賛成というふうに数えられてしまいました。彼の心情と名誉をいたく傷つけて何とも思わないというようなことでしたので、私どもは委員長の不信任に賛成をいたしまして、皆さんの怒りとともに、委員長の更迭、交代を願ったわけです。
 新しくおいでになった委員長にも私はこのことを申し上げました。証人も大勢おいでになりますし、テレビでもきちっと映像がとられて証拠も残っております、そのことから、せんだっての採決は一点の疑念もない、完全無欠、完璧な採決であったと御認識ですかと確かめましたところ、そのとおりだとおっしゃられましたので、そのような見解をお持ちの委員長のもとではこれ以上審議が続けられないということで強硬に私は突っぱねたこともございましたが、理事の皆さん方のお話し合いもありまして、不本意ながら質問は続けましたけれども、そのようなことです。
 それも、ついこの間まで小選挙区制に反対をなさっていた社会党の方が理事にお立ちになっている。一回、政府・与党というような形で権力の座に着くと、こうも横暴でこうも強引なやり方が許されるものか。このことを思い合わせますと、この小選挙区比例代表制に基づきまして強大な政党が一つ出現してしまいますと、どれだけ横暴、どれだけ国民の真意を踏みにじって、ねじ曲げた採決あるいは運営がなされるかと、肌にアワを生じるほどの驚きを感じました。
 ですから、この場ではっきり申し上げますけれども、この法案は、修正などは私どもは全くのめない、廃案にしていただきたいということと、この場でそのことを御論議になられるということにつきましては、慎重の上にも慎重に御配慮をいただきたいということを重ねて申し上げまして、私の陳述を終わります。
 ありがとうございました。
#147
○議長(市川雄一君) これより協議に入ります。園田博之さん。
#148
○園田博之君 それでは、先ほど御意見を申し上げましたが、具体的な御提案をさせていただきたいと思います。
 今、議長のお許しを得て、書類を配らせていただきます。
#149
○議長(市川雄一君) はい、配付してください。書類の配付を終えてから説明してください。
#150
○園田博之君 それでは、よろしゅうございますか。
#151
○議長(市川雄一君) はい、どうぞ。
#152
○園田博之君 この提案は、衆議院側全員の御同意を得まして提案をさせていただきます。詳細はお配りしました書類を見ていただきますが、私からはその骨子と考え方を若干述べさせていただきます。
 まず、公職選挙法の定数についてでございますが、小選挙区選出の定数を二百八十、比例代表選出の定数を二百二十、合計五百名。
 次に、比例代表選出の名簿単位を七ブロックに区分し、政党の得票数の集計は全国単位とする。
 次に、政治資金に関してでありますが、企業等の団体献金は、地方議会議員の資金管理団体に対してのみ猶予いたします。ただし、その期間は五年間といたします。
 以上が通常、骨格と言われる課題についてでございますが、そのほかにつきましても、戸別訪問につきましては、現行どおり禁止とする。
 さらに、政党要件につきまして、阻止条項については、三%を二%に緩和をする。
 また、そのほか、今いろいろな方々から腐敗防止ということについても御意見をいただいておりますが、この点についても、さらに強化し、修正する必要があれば、私どもとしても真剣に検討をさせていただきたいと思います。
 また、今提案させていただいた項目につきましても、ここで参議院側の御意見が具体的にいただければ、さらにこの案にこだわらずに御検討をさせていただきたいと思っております。
 以上でございますが、どうか皆さん方の真剣な御意見をいただきますように重ねてお願い申し上げたいと思います。
#153
○議長(市川雄一君) それでは、速記をとめていただけますか。
    〔速記中止〕
#154
○議長(市川雄一君) 速記を起こしてください。
 再開の時間をここで決めなければ、休憩はできないと思うのですが、よろしいですね。(発言する者あり)再開の時間をここで決めてくださいよ。
 じゃ、七時再開とします。正副議長で今話をいたしましたので、七時再開で、休憩に入ります。時間厳守でお願いいたします。
 午後七時再開で、休憩いたします。
    午後四時休憩
     ――――◇―――――
    午後七時六分開会
#155
○議長(市川雄一君) 休憩前に引き続き協議を再開いたします。
 協議を続行いたします。
 参議院側から御意見をお願いいたしたいと思います。
#156
○松浦功君 御提案をいただいた問題について、私ども頭が悪いのかもしれませんが、理解できない部分がありますので、ひとつ御回答いただけたらありがたいな、こんなふうに思っております。
 まず最初に、二百八十人、二百二十人というのはどういうことなんでございましょうか。このことについて園田先生からお伺いをしたいと思います。
#157
○園田博之君 これは結論を言うと、根拠はございません。
 私どもの原案がもともと二百五十対二百五十でございました。自民党の案は三百対百七十一でございました。そういった意味で、小選挙区と比例代表選挙のバランスを変えることでいわゆるもともとの対案でありました自民党の出された案に近づきたい、こう思って御提案したものであります。
#158
○松浦功君 それだけでございますね。そうすると、腰だめというふうに御理解をさせていただいていいわけですね。わかりました。
 それから、きのうかの新聞に、皆様方がおやりになったかどうか存じませんが、三百対二百ということで大分いろいろ書いてございました。そういう何かお話し合いの経緯がございましたのですか、お伺いいたします。
#159
○園田博之君 これは新聞、テレビ等で推測で報道しているものでございまして、全くそういう事実はございません。
#160
○松浦功君 そうですか。そういうことなしにいきなり二百八十、二百二十、こういうことでございますね。
 前の二百七十四という案がありましたけれども、あれについてもそれらしき解説は伺っておりますけれども、これも余り根拠があるとはなかなか言えないのじゃないでしょうか、前のことですが。
#161
○園田博之君 これは衆議院のときに提案されたものですけれども、基本的には、さっき私が申し上げたように、近づけることで同意を得たい、こういう意味でつくったものでありますが、ただ二百七十四には、あのときには総理のお考えもあって、根拠があったようでございます。
#162
○松浦功君 ありがとうございました。
 そうすると、二百八十の二百二十ということですと、現在の修正政府案から小選挙区が六つふえて、比例区が六つ減るという計算でございますね。それがどういう影響になって、六つはどこにふえてくるのでしょうか、何県にといいますか。
#163
○園田博之君 これは今の時点では計算しておりません。
#164
○松浦功君 そうですか。それはこれからの問題というふうに考えていいわけですね。
#165
○園田博之君 はい。
#166
○松浦功君 それと、また後で現場の委員、理事からみんなそれぞれ疑問が出されると思いますが、ブロック制の問題ですね。この七ブロックというのは何でしょうか。私どもには全然理解ができないのでございますけれども、何か根拠があるのでしょうか。
#167
○園田博之君 このブロックは、委員会でも議論されたことは余りないのじゃないかと思いますし、私どももそれほど煮詰めて議論したわけではございません。したがって、前に衆議院で審議されるときにもブロックの提案があったり、私どもも考えたりしたこともございました。基本的には、ブロックを決める場合に、おっしゃるようにブロックの根拠というのはなかなか定めにくいのです。したがって、ブロックという提案が衆議院を通過するときにもあったのだけれども、私たちは、そういう問題もあり、ブロック制というのは無理じゃなかろうか、こう思っておりました。
 しかし、今度参議院でまた御審議いただいて、参議院は参議院の中にいろいろな御意見があったようでございます。特にこの部分については、参議院の制度と衆議院の制度が全く一緒ではおかしいのではないかという御意見も大分あったようでございます。そういったことも頭に入れて、ではブロック制を取り入れるという提案をしてみようか、こう思いまして、ここでは全国を七つのブロックに割って、その書類に示してございますが、こういうふうにブロック化したらどうだろうかという提案だと考えていただきたいと思います。
#168
○松浦功君 そうすると、確たる根拠があってこういう区分けをしたのではないということですね。たまたま拝見すると、埼玉と山梨が離れたり、一緒にならなければならないところが離れたりしているものですから、ちょっとその点について疑問を感じたものですから。
 この辺については非常に弾力性を持ってまだお考えになっておられるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#169
○園田博之君 それはもちろん、これを前提にいろいろな御意見がいただけるのだったら、これは真剣に検討しなければならぬだろうなと思っております。
#170
○松浦功君 この七つのブロックにということになると、選挙管理機関が当然要ると思うのですが、その規定が何にも入ってないのですね、修正案に。それで選挙できるのでしょうか。
#171
○園田博之君 これは、さっき下条先生からもちょっとお話がありましたが、すべてこれを実施できるためのいわゆる本当の法案化その他をする時間というのは、ちょっと私はこの時間では無理だろうと思っております。おっしゃるように、選挙管理委員会の問題もあります。こういう問題も基本的に合意していただけるのだったら、そういうものも検討しなければならぬことは承知しております。
#172
○松浦功君 それからもう一つ、この問題についてお伺いしておきたいと思うのですが、全国集計でブロックと、こういうことになっているのですね。そうすると、全国集計ですと、非常に妙な結果が出てくるということがありますね。例えば、相当とっているのにある府県には行かなくなってしまう。それで東京あたりにばっと寄るというような結果が出てくる可能性があるのです、全国集計ですと。その問題を一体どういうふうにお考えになっておられるのかですね。
#173
○園田博之君 これは少し私見かもしれませんが、ブロック制にした場合に、ブロック集計にするのか全国集計にするのか、両方に長短所がやはりあるだろうと思いますね。私たちは、特に少数会派、少数政党の問題なんかも大分訴えられておりましたし、集計だけは全国でしないと、大きな政党の場合にはある程度のいろいろな対策ができるかもしれないけれども、小さな政党の場合には、ブロック集計した場合にチャンスが生かせないという問題がやはり出てくるのではなかろうか。こんな観点から全国集計の提案をいたしました。
#174
○松浦功君 はい、わかりました。
 いろいろ御提案をいただいてお配りいただきました紙によりますと、「衆議院議決のとおりとする。」というようなことがいろいろ書いてございます。これではとても法律の体をなしてないわけですね。その点はよくおわかりいただけますね。
#175
○園田博之君 はい、承知しております。
#176
○松浦功君 それから、ごく簡単に次の問題に移りますが、政治資金の問題でございますけれども、長にはこれは認めておらないのですね。議員だけにしておられる。どうしてそういうことになったのでしょうか。
#177
○園田博之君 これもそういう前提で、意見交換できるならばいろいろな意見交換をした方がいいと思うのですが、私どもは首長さんの問題もあるかなと思いました。しかし今、社会的に首長さんのいろいろな事件が起きております。そんなことで、首長さんにはこの際やはり我々と一緒に御勘弁いただくことの方が正しいのかな、こう思って提案をさせていただきました。
#178
○松浦功君 意見の違うところだと思いますけれどもね。二、三の知事さんだけが問題になっているので、ほかの首長がみんなそうだという言い方をするのは私どもなかなかできないのですがね。そうですか。わかりました。そういう御意見ですね。
 そうすると、長以外は地方の議員さんには全部風穴をあけるということでございますね。五年間だけに限って、五年後はやめるということを前提にしている、そういうふうに御理解してよろしいですね。
#179
○園田博之君 はい。
#180
○関根則之君 ちょっとしばらくおかりをしたいと思いますけれども、今松浦先生から質問をなさったことに関連をいたしましてお伺いをしたいと思います。
 そもそも二百八十というのは、これは考え方が大分二百五十から動いてきていますけれども、ただ単に森のそばに竹を植えたというような、まだああいう物の考え方でいるのですか。それとも、小選挙区をやはり軸にして、それに比例制度というものを付加的に加えるというような、そういう物の考え方の変化というのはあるのでしょうか、ないのでしょうか。
#181
○園田博之君 これはなかなか難しい質問だと思いますね。もともと自民党さんの提案は明らかに小選挙区が軸であって、それに比例をくっつけるという感じだろうと思うのですね。もともと前国会では完全小選挙区制を提案されました。そういう経緯もありましたね。それから、私たちの方は、当初の原案は、まさに小選挙区と比例代表と半々でやる、こういう考え方でスタートしていますから、結果としてそれに近づいているのだな、こうおっしゃられれば、そのとおりだと申し上げるしか仕方がないと思うのですね。
#182
○関根則之君 やはり制度というのは考え方というものをしっかり据えておきませんと、ただ妥協の産物で――最初はまさに並列的、二百五十、二百五十でいくのだ、こういう話でスタートしたけれども、だんだんこっちの小選挙区の方へ移っていって、これは六十人違うわけですよね、差にして。率にして約三割。それだけのものがこっちへ偏っているわけですからね。
 この制度は何なんですかということを、例えば高等学校の社会科、大学へ入ったばかりの法学部の学生が選挙法を勉強するときに、どう学校の先生が説明するのか。その辺のところ、いわゆる哲学といいますか、考え方の基本をどう説明することになるのですかね。これは妥協の産物です、こういうことですか。
#183
○園田博之君 それじゃ、逆にお伺いしますが、もともとある程度、小選挙区比例代表並立制とはいいながらも、我々連立与党と自民党の具体的な案の中にはやはり考え方の違いというのはあると思うのですね。しかし、それはどこかで修正、妥協をしながら一つの案をつくろうと思ったら、それは妥協しかないんじゃないでしょうか。私は、そのことで理念を失っているのかと言われれば、それはおっしゃって結構ですが。
#184
○関根則之君 私どもは一つの画期的な法律をつくろうとしているわけですよね。だから、妥協とはいえ、これはこれでこういう考え方でできているものなんだよと、そこのところはきちんと説明できるような法律でないと、これは世間に対して通用しないのではないかという感じがするのですけれどもね。それは、そのまま押し通すということですか。
#185
○園田博之君 この部分だけで申し上げれば、それほどこだわって、理念を捨てたと非難されるほどのこともないんじゃないでしょうか。
#186
○関根則之君 しかし例えば、日本の政治改革には外国でも大変関心を持っていますよと言って、ワシントン・ポストまで御引用なさって大々的に宣伝される。その今まさに日本がやっている政治改革の中心になっていくのが小選挙区比例代表並立制です、こう説明する。それは、単なる両方並列的に並べただけのものなんですか。それとも、どっちかが主体的なものであって、どっちかが補完的にカバーしているのです、そういう説明にするのですか。その辺のところが、いや最初は並列でスタートしたんだけれども、自民党の修正要求等が出てきて、なかなかそんなうまいぐあいにいかなくなって、何かわけわからないけれども、結果的にこういうふうになったんですということでは、これはちょっと済まないんではないか、そんな感じがするのですが、いかがでしょうかね。
#187
○園田博之君 そういう意見だというふうにお聞きします。これは私が委員会で大臣答弁しているわけじゃございませんから。
#188
○関根則之君 大臣答弁じゃなくて、私どもも一生懸命理解をしたい。それから、できるものならそこのところを頭の中で何とか整理をして、理屈をつけて、我が国の選挙制度、衆議院の選挙制度はこういうのですよ、そういう説明がしたいものですから言っているわけでございまして、やや私の言い方を違った意味におとりになったとすれば御勘弁をいただきたいと思いますけれども。
#189
○米沢隆君 今の園田さんの御回答にちょっと補足をいたしますと、我々は二百五十対二百五十から始まりましたので、自民党案は確かに小選挙区が柱、我々はそれをとんとんにしようというところから始まっているわけです。ただ、いろんな議論の過程で、現在までの中選挙区の定数よりも小選挙区に割り当てられた数が一挙に半数以上になるのはいかがなことかというような議論等もありましたが、できれば小選挙区の方をふやしてその問題を解決する方向に向けて妥協ができればいいなという議論があったことも事実でございます。
#190
○下稲葉耕吉君 ちょっと今の問題、よろしゅうございますか。
 今の問題に関連いたしまして、参議院の我々の立場から申し上げますと、今度の法律案は政府提案でございますね。国会は二院制でございます。それで、衆参それぞれ特徴を持った議院が両院相まって国権の最高機関としての機能を果たすというのは、これは大変大切なことだと思いますね。そういうふうなことのためには、じゃ衆議院と参議院はいかにあるべきかという基本的な考え方が私どもの中にあるわけでございます。
 そういうふうなことからいいますと、やはり衆議院は政権の選択ということに非常に大切な役割を果たされるわけでございますし、そうだとするならば、民意を直接反映するような選挙制度がベターであろう。参議院は、それに対しまして、これは抑制、均衡、補完という言葉がよく使われているわけです。そういうふうな機能を果たすためには、できるだけ広い立場から、そしてまた、いろいろ経験を積んだ人たちが議員になって、そして両院相まって国会としての機能を果たすべきであろう。
 そういうふうな考え方からいきますと、先ほど園田先生おっしゃったように、やはり衆議院というのは、民意を直接反映するためには小選挙区を基本にすべきである。あるいは小選挙区だけでもいいと思うのですが、まあ妥協の産物で並立制で何とか補完しようというふうなことだとするならば、それは大きな柱としてやはり小選挙区を中心にして、比例制の議員というものはできるだけ少なくする。しかもその議員も、現場に密着した形で、民意を反映されるような形で選ぶということが、非常におこがましいですけれども、衆議院の役割ではなかろうか。それに対して私ども参議院は、やはり抑制、均衡、補完という立場から機能するということだろう、こういうふうに思うのですね。
 今度の政府提案の法律案で、衆議院の選挙制度、これは前からいろいろ議論されたもので提案をされているのですが、これは政府の方にも何回も私ども申し上げたのだけれども、参議院の選挙制度について提案がなかったということも残念ですけれども、参議院の選挙制度がいかにあるべきかというイメージすら、イメージといいますか考えすら政府としてはお示しいただかなかったのです。これは非常に残念なことなんです。そして、政府の答弁としては、参議院では各党各会派で研究してください。これは、今度の法案が議員提案なら私は今申し上げましたような議論は政府にはしないのですけれども、内閣提案、政府提案の法律でそういうふうなことであった。
 まあその議論はおきまして、そういうふうなことからいいますと、私どもは、限りなく小選挙区を中心にした参議院の選挙制度というのがベターじゃないかというふうな基本姿勢でございまして、自民党もそういうふうなことであるわけでございますし、やはりそういうふうな国会に対する一つの基本的な考え方といいますか、哲学といいますか、理念といいますか、そういうふうなものをもとにして少なくともこういうふうな大事な選挙制度というものを考えて、そしてそういうふうなことが国民のお一人お一人に御理解いただけると。
 加えて言いますと、日本の選挙制度始まって以来、衆議院の選挙制度が二つに分かれるのは初めてなんですね、百何年の憲政史上。参議院は二つに分かれていますよね。しかし、中選挙区、大選挙区、いろいろございましたけれども、衆議院の選挙制度が二つに分かれるというのは初めてなんですよね。だから、そういう御検討ももちろんなさったんだろうと思いますけれども、こういうふうな制度を衆議院の方でお取り上げなさるというのなら、参議院との関係も考慮されまして、繰り返して申し上げますが、あくまでも小選挙区制度に重点を置いた選挙制度の方が、衆議院の特色としての政権の選択だとか民意の集約だとかというふうなことに非常にマッチした制度じゃないだろうかということを私どもは先ほど来申し上げて、関根委員が申し上げたのもそういうふうな背景だと思うのでございますが、そういうことでございます。
#191
○関根則之君 それではちょっと確認でございますけれども、二百八十人にした場合においても、今までと基本的な考え方は同じだということですから、二票制の考え方、二票制で記号式でございましたですかね、これは変わらないというふうに理解してよろしゅうございますか。
 それでは、次の問題に移らしていただきますが、ブロック制でございます。松浦委員に対するお答えの中で、これはわりかし弾力的に考えているんだということでございますので、私もそういう感覚で、それはそれでなんですから、頭に入れて質問をさせていただきたいと思います。
 百二十九国会において別に法律で定めるという問題については、これはやはりこのままではぐあいが悪いといいますか、成案にならないという感覚でお考えいただいているんじゃないかと思うのですが、これを書き込みますと、相当これは読みかえ規定から何から膨大な、膨大ってそんな大きなものじゃないかもしれませんけれども、相当法案化作業を必要とすることになるんじゃないかと思うのですが、それをやっていますと、ちょっとこれは二、三日の間、この会期中に間に合わないんじゃないかというような感じがするのですが、その辺のお見通しについてはいかがでございますか。
#192
○園田博之君 これはもう少し検討してみなければわかりませんが、私自身もそういった意味では完璧なものにするには間に合わないだろうと思っています。
#193
○関根則之君 完璧なものにするには間に合わないだろうということになりますと、この案は一応出しておくけれども、落ちつき案は別な形で考えていらっしゃるというふうに理解してよろしゅうございましょうか。
#194
○園田博之君 いやこれは、すべての修正が物理的に会期末までに間に合うとはちょっと考えられないのですね。それで、これは規則がどうであろうと、今国会で要綱として両院で合意することができれば、その法案の処理はまた別の方法もあるんじゃなかろうか、こう考えています。
#195
○関根則之君 わかりました。
 多分このままの文章では、これは法制局通らないような感じがするのですよね。細かいことを申し上げて申しわけないのですけれども、実際問題としてこれは成案にしなきゃいけないわけですから、そうなりますと、この文言は変わるけれども、かといって読みかえ規定まできれいな形で入っていくというのは無理だから、その辺のところでいいますと、少しくくったような形で、しかし、ぎりぎり法制局は何とか通してもらえるような形に変える、そんなふうな理解でよろしゅうございますか。
 そうしますと、それができるかどうか、そこのところはちょっとペンディングにさせていただきたいと私自身は思いますが、その中で当然、選挙長がどうなるのか、それから選挙分会をどうするのか。これはブロックごとに当選者を決めなきゃいけないものですから、当然選挙分会をそれぞれのブロックごとにつくらなきゃいけない。それから、立候補の名簿の受け付けをどこでやるのか。東京で一本でやるのか、あるいは地方でやるのかですね。地方でやるということになりますと、所管の選挙管理委員会、どうせ都道府県の選挙管理委員会に手伝ってもらわなきゃいけないと思うのですが、所管の選挙管理委員会をどうするかということは、これは多分法律事項みたいな形になってくると思いますので、その辺の書き込みをどうするのか。
 その辺のところは相当これは慎重にやって、慎重というか、ある程度イメージを浮かべませんと実際の成案にはならないのじゃないか。その点につきましてどんなお考えか、おわかりいただければちょっとお話しいただきたいと思います。
#196
○園田博之君 成案化、あるいはもし基本的なところで合意するとしたら、この協議会でどういう扱いにして、あるいはまた実際に衆参両方にかけるときにどういう扱いにするのか、それはちょっと別に御相談をしなければ、今私は、残ったあと二日間の間に間違いなく衆議院と参議院でこの部分を法案化して通すということはやや無理があるかなということを承知しております、このブロック制の部分はですね。
#197
○関根則之君 それでは、それは問題として御理解をいただいているということですから、仮に成案にするということになったら急いで、そこのところをどういう形で持っていくのか、それは協議の対象になるというふうに理解させていただきたいと思います。
 それから、それじゃブロックの問題でございますけれども、このブロックはいろいろ非常に難しい問題が出てきちゃうだろうと思うのです。
 例えば東京・西関東のブロックで山梨県が東京と一緒になっている。神奈川県は東京と一緒ですから、これは非常に関係深いのですけれども、例えば千葉県とか埼玉県というのは山梨県以上に東京都と関係が非常に深いわけですよ。この辺の問題はどういうふうに理解をしたらいいのかということと、それからもう一つは、それぞれのブロックごとにいろいろ問題があると思いますが、特に北信越・東海というのが面積的に非常に広い。新潟県と三重県との関係というのは、これははるか他人のようなことではないかと思います。通常言っている東海、北陸、信越というのが一緒になっているのじゃないかと思いますけれども、その辺の関係、どういうふうに理解をしたらいいのか。例えば新潟は、このごろはもう関越で東京へ直結をしておりますから、東京圏といいますか、例えば群馬県や埼玉県、東京都、こういうものとの関係の方が非常に強いのじゃないか。その辺の割り切り方をどういうふうにお考えいただいているのか、教えていただきたいと思います。
#198
○園田博之君 先ほど松浦先生からも御指摘あったところですが、基本的に、これはそのとき申し上げましたが、ブロックというのは行政区域じゃございませんので、完璧にくくる、区分けするということが本当に困難なんですね。したがって、同じブロック制でも一つ私が与党の案として考えていることは、かつて八次審で十一ブロックに分かれて提案されたことがございました。しかし、基本的にブロック制にした場合には小会派にとって大変厳しい条件になるということをさっき申し上げました。したがって、集計は全国でやるということにしたのですが、それに関連して、ブロックはやはり若干少な目にした方がよろしいんじゃなかろうか、こう思って七ブロックで御提案申し上げました。
 したがって、七ブロックにしたために、また県と県との関係が、なるほど関係はあるけれども、しかし違う面では経済的にも違う区域の県との方が関係が深いんじゃないか、こういう疑問が生まれてくるのは当然だろうと思いますが、一応私たちはこう考えたというふうに御理解いただきたいと思います。
#199
○関根則之君 当然、どこかで線を引けば、その線の上と下、あるいは右と左で大変おかしな現象が出てくるということは私どもも理解をできるわけでございますけれども、このブロック分けのやり方では少しバランスがおかしいのかな、関係性が少しひど過ぎるのかな、そんな感じがしてならないということをまず申し上げておきたいと思います。
 次に、これは共通の問題でございますけれども、これは一見いたしまして、わりかし人口バランスをおとりいただいたブロックじゃないかなという感じがするわけですが、そういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#200
○園田博之君 そのとおりです。
#201
○関根則之君 ただ、人口をこういうふうに非常に重点的にやるというのはもちろん一つの見識であろうと思いますけれども、人口をやりますと、どうしても東京へ人口集中している。東京、首都圏へ人口が集まっていて、三千万とか三千五百万とかこのごろ言われているわけですから、どうしても無理があるので、やり方としては、やはり人口に多少アンバランスが出てきても、そういう自然条件だとか歴史的、伝統的な条件みたいなもの、いわゆる地域共同体として、共同体までにはなりませんけれども、そういう地縁というものを大事にしたようなやり方の方が、私どもとしてはブロック制をとるのならばその方がいいのじゃないかなという感じもするのですけれども、園田先生、その辺のお考え方はいかがですか。
#202
○園田博之君 まあそういう御意見だというふうにお聞きするより仕方がないと思います。
#203
○関根則之君 決して私は園田先生と議論をしようというつもりではありません。ただ、ここで今夜一晩かかってでも、ともかくできれば我々としては一つのいい成案を得られないかということでやっているのですから、そういう議論を踏まえて、できることならまとめていくといいますか、そういう観点から申し上げているわけでございまして、さらっと、御意見として承っておきますというのでは、実は何かのれんに腕押しみたいな感じがしてちょっと寂しいのですが、いかがなんですか、もうおまえらには勝手に言わせておけということで関係ねえというような感じなんですか。それとも……
#204
○村上正邦君 やはりこっちの疑義に対して明確に答えてもらわなければ、お聞きしておきますじゃ、お聞きしておく場じゃないんだ、ここは。そうでしょう。一つのことをまとめるとあなたのところはおっしゃって我々を呼んでおるわけだから。だから、明確にこちらの疑義に対してはきちっと答えをして納得をさせてくれなければ前へ進みませんよ、この答えを出してくれなければ。
#205
○園田博之君 いや、そうではなくて、私は答えを出したつもりでおります。なるべくブロックの数は減らして、しかも人口バランスを考えた、これが私たちの考え方。しかし、関根先生は、人口だけじゃなくて地縁なんかも考えたらどうだ。意見がちょっと違うわけですね。
#206
○村上正邦君 だから、意見が違うんじゃ困るのだ。
#207
○石井一君 僕は遠慮をしておったのですが、自民党の答弁者としてこれはかなりやりましたが、簡潔に申し上げますと、今具体的に提案をされておる案が三つございまして、それぞれに長所と短所があります。それぞれの言い分がございます。十分自民党さんの意見も入れまして、そこのところの整合性を図りたい。しかし、現時点において一つの提案としてこれを政府が提出しておる、このように御理解いただきたいと思います。
#208
○議長(市川雄一君) 議長が発言する場合は副議長と議長席を交代して発言せよという両院協議会規程がございます。それに従って、ちょっと議長を交代させていただきまして、今の御質問に対して、私の方から園田さんとあわせて御答弁させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
#209
○村上正邦君 議長さんが出るまでもなく、答弁する方がいらっしゃるんでしょうから、議長は議長席にひとつお座りになられて……
#210
○平井卓志君 いや、ブロックのところは担当なさっておったからあえて答弁をなさりたい、こういうことだから。
#211
○議長(市川雄一君) 両院協議会規程第七条「協議会の議長が討論に加わろうとするときは、その院の副議長をして議長席に著かせなければならない。」
 済みません。
    〔議長退席、副議長着席〕
#212
○副議長(大出俊君) それでは、規定に従いまして交代をさせていただきますが、これは村上さんから御注文があったので答えることにしたのですから、御了解願います。
 市川さん。
#213
○市川雄一君 まず、ブロックと、先ほどから関根先生が考え方とおっしゃっておられたのですが、私たちは二百五十、二百五十を提案しました。それで、小選挙区二百五十は政権の担い手を選ぶという意味において民意を集約する、それから比例代表二百五十は価値観の多様化の民意を吸収する、民意を反映する、そういうことで御提案をしました。
 自民党の方は、三百、百七十一で、三百でなければ政権の担い手を選ぶ民意が集約できない、こういう御議論でございましたが、これは比較の問題であって、まあ自民党案の方が政権の担い手を選ぶ民意の集約がしやすいと。じゃ二百五十じゃ絶対できないかというと、そんなことはない。政権の担い手を選ぶという民意の集約は十分できるが、より集約がしづらい、この違いではないのか、このように考えております。両方の案がぶつかって、どうしてもそこで一定の妥協を図らなければならないということになって、やはりより民意の集約がしやすいとおっしゃる方へ私たちとしては数をふやした、こういう趣旨でございまして、決してそこの考え方が基本的に変わったということではない、このようにまずお答えを申し上げたいと思います。
 それから、ブロックにつきましては、第八次選挙制度審議会が十一ブロックを答申しております。このブロックの議論なんですが、結局、人間が手を加える区画というのは非常に難しい。都道府県単位あるいは全国一本、こういうことであれば、そこに手の加える余地というものがなかなか生まれてこない。したがって、その第八次選挙制度審議会が十一ブロックを答申されて海部内閣で検討された当時、自民党の中でもブロック割りをめぐっていろいろ御議論があったやに伺っております。その結果としてやはり全国一本でいこうという話になったというふうに伺っておるわけでして、私たちも全国一本。
 それで自民党案は、いや、比例も政権の担い手を選ぶという意味において、民意集約型の方がいいという意味において都道府県単位、私たちは、比例代表はどちらかというと価値観の多様化を吸収し得る民意反映型がいいという考え方で全国一本、こういうことで、ここは哲学、理念の違いと言ってしまえば妥協の余地がないわけです。
 しかし、衆議院の修正交渉の段階で自民党の皆様から出た意見が、党議決定ではないけれども参議院の方の自民党の御意見が、参議院制度と同じ比例代表が全国区ということでは困る、したがって、何とか都道府県かブロックに考えてくれないか、こういう御意見もございました。また、先日も修正の話を多少やりとりした中でも、やはり参議院自民党なり参議院の意見としては、参議院の選挙制度と同じ比例代表全国区というのは、これは参議院の意見としてだめだ、したがって、衆議院の比例単位はどうしても都道府県が難しいならブロックにした方がいい、こういう趣旨のお話も承りましたし、自民党の党大会における活動方針も、選挙制度の比例単位はブロックとする、それから小選挙区は二百八十以上とする、こういう運動方針をお決めになられたというふうに伺っておりますので、小選挙区は二百八十にしよう、総定数五百で押さえた場合は比例代表は二百二十、それでブロックにしよう。
 その場合、ブロックの割り方はどうするんだ。ここは意見が分かれる。したがって、第八次選挙制度審議会の答申の十一ブロックを採用するんですが、その場合、比例代表の単位が細かくなればなるほど小会派の切り捨てにつながってしまう。三%を二%になんという議論ではなくなってしまいまして、結局一〇%、一五%の得票があっても当選できるかどうかわからないという話になりかねないので、やはりここは集計は全国にして、なおかつ名簿が親しみやすく、より地域の人にわかるようにという意味において七ブロックにした方がいいのではないのか、こういう考え方で、実は自民党の皆様との接点をどう設けるかということで参議院の自民党の皆様の意見も十分吸収した上で御提案を申し上げた、このように理解をしております。
 以上です。
#214
○関根則之君 小政党、小会派のためにはブロックの数を少なくした方がいいんだ、こういう御説明が先ほども園田先生からもあったのですが、今も市川先生からございまして、私ちょっとそれはうまくいくのかなと。小政党に対する配慮だったら、全国ブロックで集計をすればそれでもうこれは一種の併用制みたいな形になるわけですから、そこのところで総体の人数が決まってきますので、それをどこのブロックに分けるのか、割り当てるのかというところが、ブロックの数が多いか少ないかによって多少変わってくるだけであって、小政党に対する配慮というのは余り変わってこないんじゃないかという感じがするのが一点。
 それから、名簿を親しみやすくする、名簿に載っている人を地域住民に親しみやすくするために、八次審では十一ブロックだったけれども今度は七ブロックに集約したんだ、こういうお話ですが、むしろそれは逆なのであって、名簿はできるだけ小さい単位でやった方がその地域の住民には親しみやすいといいますか、顔も知っているし、わりかしわかりやすい選挙になるということではないか、そんな感じがするんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#215
○市川雄一君 まず、自民党案の都道府県単位ということを考えますと、例えば比例代表で定数一のところが、自民党案で計算してもたしか二十一選挙区ですか、できると思うのです。そうすると、一つの県で定数一ということは、四〇%の得票率を仮にとったとしても落選という可能性があるわけでして、これは二%とか三%条項なんという話ではありませんでして、かなり小会派の締め出しということになりかねない。ですから、そういう意味で、政権の担い手を選ぶという民意集約型に自民党案というのは首尾一貫しているわけです。三百、百七十一というところもそうですし、一票制というところもそうですし、比例の単位も都道府県単位というふうになさっているところも、自民党の考え方はすべて政権の担い手を選ぶんだという、そこの一点に哲学があるというふうに私たちは理解をしておるわけでございます。
 そこと、私たちの、民意集約もやるけれども同時に多様な価値観の民意も反映させるという、比例代表の機能も生かそうという、この考え方とのぶつかり合いの中でどう妥協点を探るか。その場合、むしろ自民党の、参議院の皆さんがおっしゃったかどうかは別としまして、自民党の方の御提案として、ブロックにしてください、ブロックなら受け入れる余地がある、こういうお話から始まって、私たちはブロックを採用したわけでございます。
 その場合、では幾つのブロックにするか。海部内閣のときの例を持ち出すまでもなく、ブロック割りが百日かかってももめて議論がまとまらないおそれがありますよ、そういうことを申し上げましたら、社会党、公明党がまとめた併用案のときの十二ブロックでもいいし、第八次選挙制度審議会が出した十一ブロックでもいいし、その辺は与党の方においてブロックの案を考えてくれということで、実はいろいろ検討しまして、関根先生御指摘のとおり、人口というところに一つのウエートを置いて、七ブロックの考え方を盛った。
 その場合、分権ということが今言われておるわけでして、必ずしも将来七ブロックにするというそういう意味ではないのですが、そういう分権ということになれば、広域行政という方向に行かざるを得ないわけですから、そういう意味からも、十一ブロックというのはちょっと多過ぎるのじゃないのか。十二ブロックというのは併用制の考え方で生み出したものですから、この際、七ブロックというのがいいんではないのか。ただ、この区割りについては、いろいろ御異論が当然出るだろう。例えば静岡県をどこへつけるかとか、あるいは千葉とか埼玉は東京に近いじゃないかとか、当然この意見は出てくるわけでして、そこはお互いが接点を見つけようという議論であれば十分話はつくのじゃないのか。ですから、私たちは、これは絶対のものだということで皆様に御提案申し上げているわけではありませんでして、こことここをこう直してまとめようということであれば、私たちも十分皆さんの御意見は伺う、こういうふうに思っております。
 以上です。
#216
○関根則之君 ブロックのことについて大変御検討いただいた市川先生の御答弁でございますので、よくわかりましたが、ブロック制で得票の集計をブロックでやるかどうか。集計までやる場合には、やはりブロックの数を少なくして広くとった方が少数政党に有利であるということは当然なんですけれども、この集計を全国単位でやるというふうに決めた以上は、これはブロックの数をふやしたって減らしたって少数政党に対する影響というのは全然変わってこないのじゃないかという感じがいたします。親しみやすさについては、これはやはりブロックの数は細かく分けて数をふやした方が親しみやすさはふえる、これが基本原則、原理であろうと私は思っておりますので、私の意見として申し上げておきます。
 次の点に移らせていただきますけれども、これは、ブロック制で全国集計で得票を集めまして、それをそれぞれのブロックごとの得票数に応じて割り当てていくということになりますと、例えば東京にある政党の票が非常に集中しているという場合には、地方では票は多少は出ても、みんな東京で当選者が出てしまうというようなことで、投票する人の住んでいる場所と当選者が出る場所とに非常に乖離が生じる、そういう場合が極端に出てくるのじゃないかというような感じがするのですが、その辺については、何かそれを和らげる方法とか、そういうものは考えていらっしゃらないのかどうか、教えていただきたいと思います。
#217
○市川雄一君 割り方の問題はどういうふうに決めても、もう必ず異論が出てくるのじゃないかと思うのですね。ですから、全国集計でやるということに意味があるわけでして、全国集計なら、まず政党に議席の配分を先に決めてしまう。その決めた後、今度は政党の中のブロック別の得票数で政党の総得票数を割って、ドントでブロックにその政党の中の議席が配分される。
 そうなりますと、政党によって地域の強弱というものがございますから、先ほどの話に戻るのですが、十一ブロックというと、何か弱いところ強いところというのが濃淡が余りにもはっきりし過ぎちゃって、ある地域から代表が選べないという問題も起きてくるのじゃないのか。ですから、七ブロックぐらいなら強弱をカバーして、少なくともそこからある政党の代表の議席が選べるのではないのか。こんなことを基準にしながら人口というものを配慮して考えると、七ブロックがいいのではないのか。ただ、東京だけがガリバーですから、本当は東京だけで一ブロックにしたいくらいなんですが、そうするとブロックが成り立たなくなりますので、東京ブロックは二千四百万というかなり大ブロックになっておりますので、そこだけは気がかりなんですが、ある程度これはでこぼこはやむを得ないだろう、こんなふうに考えております。
#218
○関根則之君 次の問題で、ブロックをこういうふうに分けて、しかも全国単位で集計をするということになりますと、例えば九州の投票所には、投票所の前にいろんな看板が出たり、それから投票所内に氏名掲示という形で政党の名前が出て、それには立候補者はこういう名簿がありますよということを掲示すると思うのです。ところが、九州でその氏名掲示によって、例えば関根則之は九州から比例名簿に入っています、この人は非常にいい政治家だから、それじゃ投票しようといって投票なさった。その票が、たまたま九州は例えば全部でもわずか二万票しか出なかった。全国集まると、例えば七十万票ぐらいになって当選者は当然出るということで、九州では私が名簿に入れていただいて、私のためにといいますか、政党本位ということもあるのでしょうけれども、名前が入っておるということは、名前で投票してもいいわけですから、せっかくある特定の政治家を信頼してその政党に入れたその票が東京へ来ちゃうわけですよね。あるいは東京じゃなくて北海道へ行っちゃうかもしれない。
 選挙の一つの原理として、直接自分の意思ができるだけストレートに当選者に結びつくといいますか、国会議員に結びついていくんだ、そういうことが望ましいということが原則だろうと思うのですが、この全国で得票集計をし、当選者をブロックごとに決めていくということになりますと、そういう現象が起こりますが、そういう問題についてはどういうふうに理解をしたらよろしいでしょうか。
#219
○市川雄一君 全国集計で政党に議席をまず配分するわけですね。今度は、その先は政党の総得票数をブロック別の得票数でドントでいくわけですから、ブロックの得票の一番多いところへ議席が配分されるわけですよ。ですから、そういう意味ではブロック内で政党における一番勢力のあるところにまず議席が優先的に配分される。
 ですから、そういう意味では先生のおっしゃるように、仮に自由民主党はこの七ブロックの中で九州が一番強いとすれば、やはり九州に一番優先的に議席が配分されて、その政党の中でも強い地域のところへ議席が行くということで、先生のおっしゃられた今の御疑問のお答えになろうかというふうに私は思いますし、また、その議論は、結局どういじくっても、どうブロック割りをしても、最後まで御指摘のとおり問題は残るというふうに私は思いますね。どういうふうにいじくってもブロックの場合はその問題は起きてきちゃうというふうに思いますね。
#220
○関根則之君 ですから、そういう問題が起こるものですから、その問題は目をつぶっちゃえ、制度として一つの切り捨てなきゃならないものが、制度の一番大事なところを生かすためにはどうしたって切り捨てなきゃならないものが出てくる、それもまたわかりますけれども、そういう問題がありますから、やはり選挙制度を組むときには、その投票者の意図、投票者の選択というものができるだけストレートに、近いところでぱっと結果として出てくる、そういうことをできるだけ尊重するといいますか、そういう立場から選挙制度を組んだ方がいいんじゃないだろうか。
 自分で投票した、九州で投票した人が、例えば北海道で当選者が出てしまう、こういうようなやり方は、そういうことを制度的に内在しているような仕組み、システムというのは、選挙制度として少しやはり問題があるんじゃないかな、そんな感じがしてならないということを、これは私の意見として申し上げておきたいと思います。
#221
○市川雄一君 そうすると、大変失礼な言い方で恐縮なんですが、今の参議院比例全国区も同じことが言えるわけですね。名簿の順位によっては、あの人を当選させようと思って入れたんだけれども、結局そうでない人が当選してしまったという話になるわけですよ。ですから、この議論は結局、ブロックの組み方でより弊害を少なくするという努力はしなければならないと思いますが、完全に先生御指摘の点が消えるということにはならない。
 それではあえて申し上げますが、都道府県単位だったらどうかというと、先生おっしゃるように、ある県の人はこの人だということはストレートなんですが、しかし、定数一とか二とかというところは第二党あるいは第三党以下は全部民意の切り捨てという問題も実は起きてくるわけでして、やはり先生方の案でもどこか割り切っていらっしゃるわけですね、それはやむを得ないんだと。だから、制度をつくるときは、どこか、やはりここはやむを得ないんだという判断を下さなければ制度というのはつくれないんじゃないんでしょうか。そう思います。
#222
○関根則之君 よくその点はわかりますけれども、今参議院でやっておりますのは、これは全国単位で一本名簿なんですね。だからそれは最初から承知の助で、全国で一本の名簿でやっていくのですから、北海道の人も九州の人も全く同じ名簿の順によって一番から順番に当選してくるということで、最初から承知の助でそういう制度が仕組まれているのですけれども、これはブロック別に候補者名簿を別の名簿立てにするわけですね。七本の名簿ができるわけでしょう。
 九州は九州の名簿がありながら、そこで当選者がないというときにはその票が死んでしまうというなら、それはまた一つの割り切り方だと思うのですが、死ななくて東京へ行くのですね。あるいは北海道へ行くかもしれない。そういう仕組みでありますから……(市川雄一君「あるいは九州へ来るかもわからないのですよ。九州へ来る可能性もあるのです」と呼ぶ)
 例えばの話をしているのであって、例えばある政党、ミニ政党と考えてもらっていいのですが、東京は四万票出る、しかし各ブロックは五千票ずつしか出ないということになりますと、全体で七万票になりますから一人は当選できる。そのときに、九州、四国、近畿、北信越、東関東、北海道・東北、ここは五千票ずつ出ているんだけれども、全部その票は東京へ集まってしまうのですね。それぞれ東北は東北、九州は九州で、自分たちの名簿を見ながらこの人に当選してもらいたいなと思ってやるけれども、その人の当選というのは一切だめになってしまって、東京の名簿が生きてしまう、こういうことですから、やはり今の参議院の比例名簿とはちょっと仕組みが違うというふうに私は理解をしているわけでございます。
 余り細かい議論をしても、いろいろまだ問題を抱えていますので、次に移らしていただきたいと思います。
 政治資金の問題でございますけれども、政治資金規正法の改正が大分膨大な条文になっているのですが、まず最初に、これは地方議員に対して二十四万円の企業・団体献金を当分の間認める、そのことだけの改正規定であるのか、あるいはほかのことが含まれているのか、その辺はいかがでしょうか。先ほどいただいたものですから、休憩時間に一生懸命読んだのですけれども、必ずしも明確に理解できなかったものですから、何かほかの要因が入っているのかどうか、ちょっとお教えいただきたいと思います。
#223
○園田博之君 いや、入っておりません。
#224
○関根則之君 わかりました。
 十条はどういう意味でしょうか。十条が入っているのですよね。これはどういう意味なのか、ちょっと理解ができないのですけれども。
#225
○衆議院法制局参事(内田正文君) 政府原案では、資金管理団体には企業から金は行かないことになっているわけです。それを、今度は地方の議員に限りまして資金管理団体に企業から金が行くという整理をしたものでございますから、その資金管理団体からほかの団体に金が行くということを防止した規定でございます。
#226
○関根則之君 そういうことですか。大体わかりました。
 多分これは、地方の議員さんは企業から二十四万円毎年集めることができる、地方の議員さんの名前で国会議員の資金を集めちゃうということが起こってくるといけないから、それを防止しているというものなんですね。そういうふうに理解してよろしいですか。
 そうすると、これは地方の議員さんの資金管理団体だけをキャッチすればいいんじゃないですか。ところが、これは国会議員の資金管理団体まで対象として縛っていますね、「寄附をしてはならない。」という規定は。それまで入るのですか。
#227
○衆議院法制局参事(内田正文君) おっしゃられるとおりでございます。
#228
○関根則之君 ということで、これは余計な規定まで入っているんですよ。今、いわゆる地方の議員の選挙資金を企業から調達できるようにするための法改正ですよと言って、先ほどお尋ねしたらそのとおりだということなんだが、これは国会議員の資金管理団体まで規制をしているんだから、少し余計なことが入っているのじゃないですか。この提案の中で、まさかどさくさに紛れてとは言いませんけれども、急場に何か変な規定まで入れちゃっている。そんな感じがしてならないのですが、これは与党の先生方はどういうふうに御理解をいただいているのか、ちょっと教えてください。
#229
○市川雄一君 与党案は、政治家個人と言うと誤解を受けるのですが、政治家の団体に対する企業・団体献金の禁止をうたっていました。政党に一本化と。政党から政治家の管理団体へ資金が行くことは認めておるわけでして、したがって、団体間の資金の交流の禁止というのは与党案ではやってないのです。というのは、政治家の団体は金を集められませんから、そこから政党へ金が行くということはちょっと考えられないわけです。
 ところが、皆さんの御要望もあり、公聴会の御意見もあり、結果として地方議員は一団体に限って年間二十四万の企業献金の受け入れを認める。これが仮に悪用されますと、この団体から今度は国会議員の団体へお金が行くのじゃないのか、与党の案は団体間を禁止していないから。そうすると、しり抜けじゃないか、こういう御批判も生まれてこようかということを配慮しまして、地方議員の団体で受けたものは国会議員の団体へお金を渡すことはできませんよという意味で、団体間の資金の交流を禁止した次第でございます。
#230
○関根則之君 市川先生のおっしゃることはよくわかるのですよ。ただ、企業献金を集めることができる、それを地方の議員に認めようということなんですよね。(市川雄一君「五年間ですね」と呼ぶ)もちろん五年間暫定的にね。国会議員は企業の金を集めてはいけない、企業献金を受けてはいけないということなんですよね。それで地方の議員は五年間は結構ですよ、二十四万円に限って。だから、それは集める。自分の政治活動のためにそれを集めてお使いになることは結構なんだけれども、実はお世話になっている国会議員の政治資金を自分の名前において集めているのだということになっちゃうと、これはいけない。
 だから、そこのところをとめておかなければいけないというのでこの規定ができたというのであれば、「資金管理団体はこというふうにすぱっと書かないで、「地方議員の資金管理団体はこと、こういうふうに書いて限定をしていかないと、地方の議員に対して企業からの政治献金を認めるそのとばっちりを受けて、国会議員の資金管理団体まで余計な規制を今回のこの規定によって受けてしまう、そういう仕組みになっちゃうんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうかね。
#231
○市川雄一君 ちょっと法制局、内田さん答えてください。
#232
○衆議院法制局参事(内田正文君) 先生おっしゃられるようなことが言えるということは確かでございます。
 これは、こういうことを申したらどうかということなんでございますけれども、本来、資金管理団体というのは政治家の財布であるということでございますので、そこからほかの団体にというようなことは本来やはりあるべきではないのではないかという趣旨も含めておりまして、政府原案でそこを認めているということについて多少疑問があったということでございます。
#233
○関根則之君 この点は、資金管理団体間のお金のやりとりが認められているというのは、本来、今度政治資金を厳しくやっていこうという政府案の中で、私ども前から大変疑問に思っていた点なんですよ。今回地方の議員さんの企業献金を認める、それを契機にして、今まで政府案では触れていない、問題はありながら、しかしこれはいいんだと言って認めていたやつまで一緒にふたをしちゃう、こういうことなんで、地方議員の政治資金、企業献金集めに便乗して今までの政府案の一つの問題点といいますか、しかし、これは何も問題点だからやめちゃえとかなんとかストレートに言っているんじゃないので、要するに意識的にそういう問題をそういう制度として認めてきた、それを地方の議員さんの企業からの資金集めに便乗してやるというのは、ちょっと我々としてはおかしいという感じがするのですよ。
 だから、これは私さっきずっと読んでいておかしいなと思っていて、わからなくて、今聞いたらそのとおりだというものですから、私もこのごろ余り法律を読んでいないものだからよくわからないのですけれども、ほかにもいろいろありはせぬかという猜疑心も実は出てきているのですけれども、ほかにはこれに似たような規定はありませんか。ちょっと法制局の方からでも結構ですから。
 ということは、今度のここへ出てきている条文は非常に数が多いのですよ。多いから、先ほど園田先生から御説明いただいた地方の議員だけに、首長はだめですよ、議員だけに二十四万円の企業からの献金を認める、それに関連した改正だけですよと御説明があった。しかし、ちょっとここのところははみ出した部分があるものですから、ほかにもはみ出したようなところはありませんか、こういう意味でございます。
#234
○衆議院法制局参事(内田正文君) その点申し上げますと、十九条一項の最初の修正でございますが、これは地方議員の資金管理団体をつくるということで、従来政府案では三条第一項第一号の政治団体を資金管理団体に指定するということになっておりましたのですが、地方議員を入れるということになりますと、地方議員にはこの三条一項一号に該当するような団体というのはほとんど皆無じゃないかということでございまして、そこを地方議員を入れるということによって多少広げたという改正をしております。その場合に、地方議員との横並びということで、国会議員にも影響してきているという点はございます。
 その余は、はみ出しているということはないと思います。
#235
○関根則之君 その点は事実関係としてはわかりましたというか承っておきますけれども、そこに少し問題があるという点だけは指摘しておきまして、議論の集約段階におきましてまたどうするのか、できましたらちょっと意見の調整をさせていただければありがたい、そんなふうに思っております。
#236
○市川雄一君 関根先生、大変恐縮なんですが、自民党の方が修正交渉のときに、地方公聴会をやったら、地方議員は無所属が多い、そこへ企業・団体の献金が廃止されるのはだめだ、国会議員はいろいろな不始末があったからやむを得ないけれども地方議員まで犠牲者にしないでくれ、地方議員を配慮してくれ、こういう意見が森幹事長あるいは三塚本部長あるいは津島さんからありまして、なおまた、河野総裁が衆議院通過の段階のトップ会談の追加事項として、地方議員のことも十分考えてくれ、こういうだめ押しもございまして、私たちは議論の結果、地方議員について自民党さんの御意見を入れてこういう改正を行ったわけでして、どうぞその点はおかしいおかしいとおっしゃらないで、自民党の皆様の御意見を入れてなったことでございます。
 それからもう一つ申し上げますと、与党案では政治家の管理団体では企業・団体献金は一切受けられないわけですから、企業・団体献金が入ってこないわけですね。ゼロなんです。ですから、団体間の資金の移動の禁止をする必要はない、こういう考え方であったわけで、それが今度は地方議員に許すということになりますと、また地方議員を使って抜け穴ができるのじゃないかという御批判も生まれるだろうということでこの規定が入ったということでございまして、この点は、問題だ、問題だとおっしゃるのではなくて、皆様の御意見を入れて何とか接点をつくろうという結果として起きたことでございますので、もう少し温かく、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。
#237
○関根則之君 私は、決してあら探しをしているわけじゃないのですよ。まさに先生方からこういう御提案があったものですから、仮にも我々がその案を受けてこれからともかく絞っていくわけですから、そのときに誤解をしていたとか気がつかなかったとか、あるいは全然別なことが入っていたとか、もしそういうことをわからないで法律になってしまうと、これは我々としての責任を果たすゆえんではないな、そんな気持ちでお聞きしているので、決して何か揚げ足取りだとかあら探しをするとかそういうことではございませんので、ぜひ市川先生、御理解をいただけるとありがたいと思います。
#238
○市川雄一君 よくわかりました。
#239
○松浦功君 お配りをいただきました公選法の一部改正で成案という一枚紙をいただいておるのですが、それの中に、先ほども御指摘申し上げましたように「当該選挙に関し必要な事項は、第百二十九回国会において別に法律で定める」、これはもう成案には全然なってないですね、さっきお認めになられたように。
 仮に、こういうことで時間的にブロックという考え方が間に合わないとすると、当該選挙に関し必要な事項は当然別の法律で定めるという合意がなきゃいかぬわけでしょう。そうすると、実際にはこの法律は成立をしても動きませんわね。動かないのです。その次の法案が通らなかったらどうするのですか。
#240
○市川雄一君 おっしゃるとおり両院協議会におきましては成案ということで、その成案は法律の形をとっていなければならないわけです。その場合に、このブロックの場合は法律をつくるに当たってかなり時間がかかる。まずブロックの区割りをどうするか。それから、全国集計なら別なんですが、ブロック集計ということになると選管という問題も起きてくるわけでして、相当時間がかかる。ですから、もしここで合意されれば附則にその旨うたうなりして、次の通常国会でその部分を修正する。ですから、成案としては、物理的に間に合う部分をきちっとした法律で修正してやっていただき、物理的に間に合わない部分は合意として必ずここは修正するということで、この協議会における合意をつくっていただくしかないのではないのかというふうに考えております。
#241
○松浦功君 その法律が通らなかったら全然意味なくなっちゃうのですね、ほかの法律。
#242
○市川雄一君 例えば政府案の区画は今二百七十四ですが、これも選挙区画定審議会が設置されて、それから区画が半年かかってできて、それを今度は法律で国会へ出すわけでして、その法律が通らなければ同じ話でございます。
#243
○松浦功君 そうすると、附則に何か書くのですね。
#244
○市川雄一君 附則に書くか、その辺のことは、合意さえすれば処理の仕方は法制局なりなんなりと相談して、別途政党間の合意できちっとしておけば十分処理はできるのではないか、このように考えております。
#245
○松浦功君 その点だけは十分確認しておきます。
#246
○山本富雄君 大事なところだから市川先生にお伺いいたしますけれども、先ほどお配りいただいた「公職選挙法の一部を改正する法律案両院協議会成案」というのは、これは成案じゃありませんね。
#247
○市川雄一君 厳格な意味でね。
#248
○山本富雄君 いや、厳格とまでは、そんなことは聞いてないのであって、成案じゃないですな、これは。
#249
○市川雄一君 まあ、成案にしたい案と。
#250
○山本富雄君 あなた、そういう言い方、余分なことを言ってはいけませんよ。成案ではありませんなと私は聞いているのですから。これは成案ではありませんでしょう。
#251
○市川雄一君 いや、成案というのは、合意されれば成案になる。別に法律で定めるということを合意していただけば成案になるわけですよ。その法律は今は間に合わないけれども、成案になるのですよ。
#252
○山本富雄君 いや、「成案」と書いてあるから、これは成案じゃないでしょうと聞いているのです。
#253
○市川雄一君 だから、皆さんがこれで成案でいいとおっしゃれば成案なんです。
#254
○山本富雄君 だから、成案ではないですな、ありません、こうでなければいけませんよ。
#255
○市川雄一君 ですから、皆さんがこれで合意していただけば、これはこのまま成案になります。
#256
○山本富雄君 まだ合意してないんだから。
#257
○市川雄一君 合意してないという意味においては成案ではありませんが、合意していただければこれはこのまま成案になる、こういう理解です。
#258
○山本富雄君 後段は要りません。前段だけで結構です。質問しているだけなんだから。
#259
○市川雄一君 そういう意味ですね、おっしゃっている意味は。合意したものが成案だと。
#260
○副議長(大出俊君) 御質問ございますか。なければ議長を交代しましょう。
    〔副議長退席、議長着席〕
#261
○坂野重信君 大分質問出ましたけれども、我々もこれからいろいろ考えたいわけですよ。
 そこで、自民党案なるものについて、いわゆる自民党案というものは参議院では全然議論したことがないわけですよ。政府案については政府案が回ってきてから随分、七十何時間か、少ない時間だけれども一応議論しましたけれども、自民党案については全く議論したことがないので、参考までにひとつ、重立った点でもいいわけですから、自民党案がなぜだめなのか、そしてこの点は政府案で押し通した、その辺の項目について、今まで既に出た問題もありますけれども、それをひとつお願いしたいと思います。
 例えば三百の場合でも、なぜ三百はだめかということ。それから県単位の問題についても改めて、なぜ県単位ではだめであるか。それから四百七十一についても、本則からいうと四百七十一ですよね、それを一応五百というようなことに何となくなっている。その辺の経緯なりお考え方はどういうことになったのか。
 それから、もう一遍繰り返しになるのですけれども、企業・団体がだめだということで今ここでちょっと対案的なものが出てきましたけれども、そもそも今の政府案が出たときの経緯といいますか、その辺の考え方をひとつもう一遍改めてお願いしたい。
 政党助成法にしても、自民党案を一部のんで一人頭二百五十円ですか、そういうことになったわけですけれども、そういう問題についてちょっと振り返ってどなたかひとつ御説明いただきたいと思います。
#262
○石井一君 これは、こうでなければいけないとか、二百五十が二百八十になり三百になってどう違うかということは、もう非常に白黒つけがたい問題でございますから、自民党でも三つの案を出しましたときにそれぞれに数が違っておりましたように、それじゃその根拠は何かといいますと、それについては必ずしも明らかではない。
 それはいろいろ議論ができると思いますが、要は、その辺の問題につきましてこちらの理由を示すというよりも、たまたまいろいろな経過を経てそういうふうなことになったわけですから、それぞれそれを追えば理由はあると思いますが、追うよりも、自民党としてこの辺のものを希望するというふうな形で問題点を出していただきましたら、それに対してまたさらに踏み込んだ譲歩をするとかなんとかというふうな形でお答えできるのじゃないかなと思います。いかがですか。
#263
○坂野重信君 今私が例として申し上げた問題については。
#264
○石井一君 政府案の数がなぜできたかということについての……
#265
○坂野重信君 その辺の私が言ったものについて、少なくとも私は例示したわけですからね。というのは、自民党案なんて我々は検討していないわけですよ、はっきり言って。与野党の間でももちろん議論、やりとりもしていないしね。
#266
○石井一君 まあしかし、自民党案というのは自民党の党内にある選挙制度調査会の議を経て御決定をされておるということですから。
#267
○山本富雄君 参議院ではやってないということ、改めてやりたいということです。
#268
○石井一君 だけれども、参議院の方も入っておられる場合もしばしばございましたし、党議の決定をしてそういうふうに出してきておるわけですから、一応案が出てきた場合には、それは自民党としての案として取り扱うということだと思うのですよ。
#269
○議長(市川雄一君) 坂野先生のお尋ねに対して、与党の方でもう少し明確に答弁をしていただきたいと思います。なぜ自民党案ではだめなのかということについて。
#270
○坂野重信君 なぜ自民党案がだめなのかということについて項目ごとに説明してくれと言っているわけです。もうわかっているはずだとおっしゃってもだめですよ。
#271
○米沢隆君 自民党案のどこが悪いかというお話でございますが、我々政府としてつくった案の方がベターではないかという形で我々は出し、皆さん方は自民党案がベターということで出した、結論からいえばそういうことだと思うのですね。
 したがって、例えば自民党さんの場合には、小選挙区の場合は総定数を四百七十一にして、小選挙区中心の、三百を小選挙区にし、残りの百七十一を比例代表に回した。我々は二百五十、二百五十という平均したものがいいのではないかということで、我々は二百五十から始まったという説明しかしょうがないと僕は思うのですね。
 それは、だから、三百という小選挙区中心の衆議院選挙というのが自民党としてはベターであると思われ、我々は二百五十、二百五十という分け方が一番いいのではないか。特に定数につきましては、皆さんは四百七十一という公職選挙法の原則に返っておられますが、我々としては、五百でなければいけないとかいう言い方は明確にしにくいところはありますが、少なくとも五百ぐらいの定数でお許しをいただけるのではないかということで、五百の定数を二百五十、二百五十に割ったということでございます。
 特にまた、都道府県単位の比例代表というのは、これは限りなく小選挙区選挙と同じような傾向になるわけでございまして、そういう意味では、小会派にとっては余りにもきつい話だという意味で、二百五十、二百五十の哲学の裏にありますように、やはり小会派も大事にしていこうという物の考え方からして、都道府県は余りにも小さな単位に過ぎるのではないか、そう判断して我々は、原案はまさに全国一本集計で全国の比例代表割りという、皆さんのお考え方からすると極端な提案になりましたけれども、そのような物の考え方でこのような政府案をつくったという経緯があるというふうに御理解いただいたらいかがなんでしょうか。
#272
○森本晃司君 本則四百七十一ということについて、我々が五百にした理由でございますけれども、確かに本則では四百七十一という数字があらわれておりますけれども、しかし第八次審の場合には「五百人程度」というふうにも書かれておりましたし、自民党さんの第百二十六回の国会で提出されたその数字が五百という数字であったものでございますから、私たちも五百が適当かと思って出させていただいた次第でございます。
#273
○園田博之君 それから、企業・団体献金の廃止のことですね。これも正直言って、政府案をつくるまでいろいろな意見はありました。現実に私たちの政治活動、議員によって違いますが、企業・団体献金を得ることによって政治活動を運営している議員も数多くございますし、これはいろいろな意見がございましたが、しかし、最近特にこの政治改革が、私は必ずしも腐敗防止だけのためとは思いませんが、腐敗防止というのが大変大きな目標、目的の一つであることは事実であります。そのためには、そのもととなる企業・団体献金をここで思い切って断ち切ってしまおう、こういうふうに決意をして、御提案をしたわけであります。
 また同時に、今度の選挙制度改正によって、政党でもやっておりましたが、今までのどちらかというと個人後援会を中心にやっていた選挙も抜本的に改まって、政党中心の選挙活動ができるようになるのではないか、こういう前提で、片っ方では公費助成をし、片っ方では政党には今までどおり、とりあえず五年間の猶予つきでございますが、企業・団体献金も認める、こんなことでやっていける、こういうふうに私たちは理解しているわけであります。
#274
○坂野重信君 例えば企業・団体献金なんかも、参議院の特別委員会でかなり議論されたのですね。それで質問が出て、表向きの政治資金の受け入れとかなんかの問題について、一体法務省あるいは自治省の国家公安委員会の方の関係で、正式に手続したものに関して何か疑惑でも起きたことがあるかという質問に対して、法務大臣も、そして自治大臣も、そういう問題はありません、むしろ裏献金とかなんかが問題であって、表のものについてそれに関する疑惑というものはありません、こう言っているわけですよ。
 我々の言っているのは、表向きのものをガラス張りにして、最小限度の資金を企業・団体から受け入れても何ら差し支えないじゃないか。むしろ、表でふさいでしまうと、裏の方でもっと悪いことをするやつが出てくるのではないか。そういう議論がやはり出てきたわけですよね。ただ何となく、ゼネコンとかなんかの企業・団体が悪いことしたから、表向きも一切合財とめてしまおうというのは、これは短絡的な話なんですよ。
 そういう議論が随分出て、そういう立場からいって、我々は、疑惑が出てきたから、そういう表向きの規制というものでいきなり締めつける、そういうことによって本当に政界の浄化ができるかどうかということについては大変疑問を持っているわけですよ。むしろ政治資金規正法は、今問題が出てきたことについても、かえって締めたために問題が悪質化するとか、裏で問題が出てくるとかということを考える場合には、かえってすっきりした方がいいんじゃないか。最小限度の企業献金というものを受け入れて、それをできるだけガラス張りにしたらいいんじゃないかというのが我々の主張であり、随分議論されたのですね。ここでこういう問題について今さら議論する必要もありませんけれども。
#275
○下条進一郎君 今のことに関連して、少しお尋ね申し上げたいし、また、お話を申し上げたいと思います。
 今の企業献金の問題、地方の議員に穴をあけたということは先ほどの御説明のとおりでありますけれども、地方の首長さんが悪いことをしているのがいるからということだと、悪くない首長さんがたくさんいた場合に、その人たちにどうするのかという議論の答えが出てこないのですね。そこが非常に大事なところだと思うのですよ。地方の議員で全然悪いことをしている人はいないかといったら、中にはいるのですね。そういうことを言って斉一性のない制度をつくるということは、私は相当問題があると思うのです。
 やはり政治家がきれいな資金をもととして十分な政治活動をするということが必要なんですね。そういう点からいうと、地方のことをともかくも考えて、一歩前進されることになったわけですけれども、首長さんの問題が残されていることについては、私は理解できない。それは非常に大きな問題になると思いますよ。
 それからまた、先ほど坂野先生がおっしゃったように、今、国会議員の方は完全に企業献金を縛るということでありますが、私は逆に伺いたいのは、それでは政治家の方々が、個人献金は一体どのくらい取っていただけるのか、あるいは取れるのかということを前提として考えていらっしゃるのか。私は非常に少ないと思いますよ、そういう制度がまだ日本にできてないのだから。それでぽんと蛇口を締めてしまって、どうやって動くのか。
 しかも、それは別の政党助成というものと関連してくるということになりますけれども、政党助成についてはまだ後刻議論しなければならないと思いますけれども、そのような片落ちの形でこの制度を新たに実施されるということについては、私は非常に問題が多いということを申し上げて、それに対しての御回答をいただきたいと思います。
 それから、先ほど来沢さんや森本さんのお話で出ました定数の問題ですけれども、これは定数の問題を割合に大ざっぱに、五百でというようなお話が出ておりますけれども、民間の一般の方の国会に対する批判の中には、今の政治資金の問題ももちろんありますけれども、それからまた選挙制度の問題もありますけれども、定数の問題というものも結構非常に問題にされておるわけですよ。ですから、我々自民党だけでありますけれども、参議院の改革をどうしたらいいかということをこれと並行して検討しておりまして、その場合も、これはやはり定数の問題を考えなければいかぬなという声がかなりあったわけですよ。
 ですから、衆議院の場合についても、我々自民党の方でお出ししておりますのは、本則に戻る。せめて本則まで戻って、きちっと国民に対して、国会議員が、自分だけは定数削減をしないで、一般の問題についてはシビアな議論をしておるというようなことでは通らないのじゃないかということで、この四百七十一というのを出しておるわけでありますから、それに対してのお答えをいただきたい。
 この二点でございます。
#276
○野坂浩賢君 私の方が二百八十、二百二十問題を出しましたので、下条先生に申し上げますけれども、従来おたくの方は完全小選挙区というのを出されましたね。今度の場合は小選挙区並立制という土俵をつくって、我々と自民党とは合意しておるわけですね。我々も、なかなか容易じゃないけれどものんだ、そして連立に参加した、こういう実情があるわけです。今、土俵は同じなんですね。それが、四百七十一で三百対百七十一か、あるいは二百五十、二百五十かということで、我々、二百五十、二百五十で出発しました。
 しかし、何としてもこの政治改革関連法案を上げなければならぬという使命に燃えて、自民党と話し合いの結果、できるだけ近寄った方がいいだろうと。しかも総総会談の上で河野さんと総理とがお話しになって、二百五十と二百五十だけれども、これは三百にせいというふうに河野さんおっしゃった。しかし、総理が、それではぐあいが悪いんじゃないか、二百五十を踏み出すからと言って二百七十四で出されましたね。四十七をやって、全国一律に一やって二百七十四という数字をお出しになって、河野総裁はおのみにならなかった。ならなくて、話し合いはできなかったのですけれども、一方的に出したものだから、総理から口に出したものだから、与党の修正として二百五十の原則に返らないで二百七十四でいこう、こういうことで政府案ができ上がったのですね、一方的に。
 そこで、これからもあなたのところは三百でなければいかぬという話があったのですけれども、与党としてはこの内閣を守るためにも、また、金属疲労を起こしておると言って、何遍も海部総理大臣と宮澤さんは金属疲労、金属疲労と言われたのですよ。そして、そのためには自民党におりてもらい、我々も近寄って、二百八十ということならば、前の法務大臣、副総理の後藤田さんが、二百八十ということは意義があるんじゃないかと言われましたね、先生も知っておられるとおりに。鳥取県は二百八十になっても二人ですけれども、ほかの島根県とか福井県とか、五名が二名になるのですね。それが三名になる。一遍に半分以上減るというのは余りにひどいじゃないかということで、それでは二百八十というのは妥当な線だ、こういうのが自民党案として裏で出てきた。
 それならば、五百というのは、四百七十一の本則がありますが、これも調べてみると別段理由がない、五百がいいところじゃないかということは、この間の国会でも随分議論されたのです。だから、それでいこうと。それだったら我々は二百三十と言わぬで二百二十で、やはり地方議会もどんどん減らしてくるんだから、今の五百十案という案なんぞやめて五百の線で妥協したらどうかという妥協案ですよ。それが一つ。
 それから政治改革の問題。先生おっしゃったけれども、やはり今度の政治改革というものは、政治献金の問題が、企業献金というのが一番問題になったのです。今も国民の皆さんは、我々をどう見ておるかといえば、ゼネコン汚職で政治家は金をもうけてろくなことをしてないんじゃないかというのが声なのですよ。これにこたえなければならぬ。
 だから、ねらいは国会議員なんだけれども、今や茨城県でも宮城県でも、あるいは仙台の市長でも、いいところばかりあるんじゃないんだ、そういうものもあるということは一事が万事で、国民はそういううろん臭い目で見ておるというこの現実を政治家としては正しく受けとめて、やはり首長は、例えば土建屋さんでも指名権は首長にある。要請があっても議員はなかなかそういうことはできない。首長がやるんだ。だから、首長はやめようじゃないか。
 だから、そういう県で例えば土建屋さんを見れば、使途不明金というものが何千億流れておるじゃないか。この使途不明金については、今も我々はただ単に三七・五%の法人税を取るということ、あるいは地方税を取って五〇%にするということ、これだけではだめだから一〇〇%取って、そして使途不明金というものはなくして経理帳簿というものを明確にしていかなければ、政治家の透明度だけを言ったって、そういうところにやるということは極めて危険だ。
 しかし、地方議員もやはりかすみを食って選挙はできぬのだから、二十四万程度は、いわゆる地方政治家にだけは面倒見てさしあげていいんじゃないか。だから、おっしゃるように、裏の裏を見て、地方議員を通じて吸い上げるという国会議員はぼんぼん落とせばいいんだ。だから、そのパイプは法律で切ってきちんとしてしまえば、やはり政治というものは正常化し、前進をする。それが政治改革の本質ではないかということを我々は与党の皆さんにお願いして、だから、二百八十にして、国会議員も首長もそういう点について疑われると思われるようなものについてはやめて、本当の政治改革をやろう、これが我々の主張だったということを御理解いただきたいということが一点。
 それから、下条先生に伺いますけれども、先生は、一番初めにおいでになったときに、こういうことは本来この両院協議会にはなじまないとおっしゃった。なじまないということは、これは裏を返せば両院協議会を本当は否定するということなんです。本当になじまないかどうか。自民党の皆様、今関根さんを初め、しつこく小さなことをお聞きになったわけですけれども、大枠それが決まるということになれば、それは作業はできますよ。そこにおるんだから、後ろに。それで合意をすれば、大体その点については議長ものみ込んだのですから。それがなじまないということであれば我々は問題にならぬと思いますけれども、村上さんお笑いですけれども、私はそれは響いたのですわ。国会図書館で勉強した、あなたはそういうことをやられるのはなじまないとおっしゃった。あなたはそのようにお考えですか。なじむと思って質問しておられるのでしょう、これは妥当だということで、両院協議会は。
#277
○下条進一郎君 私は、今お話に出ましたなじむなじまない問題は確かに最初の会で申し上げました。それは、法律問題として考えた場合に、そもそもこれはどういう形で、歴史で、今日のこの両院協議会があるのかということを私は御説明申し上げたのです。したがって、その私の考えからいえば、本来これほど大きな問題は院の議決によって決まるのが筋なんであって、さらにそれをまたこの両院協議会ですり合わせをするような性格のものであるかどうか、それは今までの例からいうと非常になじまないということを申し上げたのです。
 しかし現実問題は、衆議院で議決されて、また参議院でも議決されて今日この両院協議会があるわけですから、現実問題としては御協議することは私やぶさかでないわけでありますけれども、法律の一つの立て方からいうならば、昭和二十一年のときからの話も申し上げた。そういうことがありますから、本来はなじまないということを申し上げたのであって、その意味で私は……
#278
○野坂浩賢君 それでは、両院協議で、先生おっしゃったように成案はここでつくるということですね。
#279
○下条進一郎君 ですから、今ここで皆が一生懸命やっておりますことは、成案をつくる、これは成案というのは、私が申し上げたように法律として仕上がったものでなければならないので、それは、しっかりとした条文をきちっと出しておられるものもあるけれども、先ほど来議論が出ておるように、ブロックのことについては全く乱暴ですよ、これは。ですから……
#280
○野坂浩賢君 ブロックの問題については市川議長が十分に御説明になって、若干の修正をすれば成案ができるという大きな柱は通ったのですから、例えば具体的にそういうことについては法制局から提案をすればいいじゃないですか。それで大体終わったんじゃないですか。
#281
○村上正邦君 せっかく野坂先生が私の名前を出されましたので、ここで発言をしますが、基本的に原側論に返りまして私お尋ねするのですけれども、そもそも各党代表いらっしゃいますが、参議院というものをどう見ておられるのか。(「大事にしていますよ」と呼ぶ者あり)いや、まあ聞きなさい。ということをお聞きしたい。大事にしているということじゃなくして、大事にしてないのですよ。
 今この協議会がなじまないというのは、法律論で申し上げているのです。私は今度は政治論で申し上げるならば、参議院が違った議決をしたのですね、今度は。それも本当に五十年連れ添って初めて女房が御主人に逆らったんですよ、これは。こんなことをやっていたらお家は大事になりますよ、お父さん、ここはひとつ考えてよと言って初めて抵抗したわけですね。ということは、それを衆議院は、何が何でも参議院の否決したことについて、衆議院の可決したこれを押しつけていこう、押しつけて押しつけて押しつけていこうというその押しつけがありありと見えるから、私は政治論で申し上げているのですよ。
 まず、この法案をこっちへ送って、何と言ったか。憲法に言う、参議院が六十日以内に議決しなければみなしでいくぞ、もうこれは恫喝だ。しかし、私どもは何も審議をしないと言っているのじゃない。そういう状況の中で今日を迎えて否決した。否決されそうだというこの票読みを与党の方がやられて、否決されそうだとなったら両院協議会があるぞ、そう言う。両院協議会、これで成案が得られなかったら三分の二があるぞと言う。何が何でも参議院を力ずくで押さえ込もうという、そうした姿が見えるわけですね。ですから、そのことについて各党の皆さん方の御意見を聞きたい。
 それからもう一つ、この中身、私はこれは自由民主党という立場でお尋ねするんじゃない。参議院議員としてぜひここらあたりを聞かせてもらいたいと思うのですが、そもそもこの選挙制度の改革は、金のかからない選挙制度をつくろう、それは政党本位の選挙をやろう、こういうことで小選挙区制ということが浮上してきたわけですね。
 しかし、その議論をやっていく中に、今衆議院は五百十一ですね。どうも小選挙区でやると、これは相当の落ちこぼれが出てくる、選挙に出られない人たちが出てくる、これは大変だ、そういう状況の中で、この法案はまとまらない。じゃどうするかという衆議院サイドのこれは悪知恵だよ。比例があるじゃないか、その落ちこぼれの数だけ比例で救出すればいいじゃないか、そこなんですね。その比例も全国区単位でとなってくると、参議院が今あるわけですね。この制度をうんすん言わずに、そういう金のかからないという美名に隠れて、参議院の宝物をそのまま持っていこう、こう言うのだよ。参議院が今実施しているそれをそのまま持っていこう、こう言う。
 じゃお尋ねしますけれども、これも、だから参議院は要らないんだ、一院制でいいんだ、それはそれでいいですよ、国民がそれでいいとおっしゃるならば。(「考えてないよ」と呼ぶ者あり)いや、考えてないじゃなくて、そのあたりをお聞きしたい、後ほど。だから、そういう参議院のことを全然、もう衆議院の従属した機関のごとく、自分たちの衆議院のそういう一つのエゴで参議院の制度まで取り上げておやりになっているというそこらあたりに、私ども参議院議員としては非常に強い疑問を持つわけですよ。
 ですから、この二点について、何が何でも参議院を、両院協議会で調わなきゃ三分の二があるぞ、これでいくぞというそのお考えと、この比例を導入した政治的、これは法律的とは言わない、政治的たくらみというものが軌を一にしているんじゃないの。そこらあたりを各党順序よく、ひとつ社会党さんから、参議院をどうお思いになっておられるのか、こういう基本的なことをまず聞かせてください。
#282
○野坂浩賢君 先生、そういったくらみとか偏見は、全く予断と偏見は許さぬという言葉がありますけれども、十分気をつけてもらわなければいけませんね。
#283
○村上正邦君 参議院として言っているんだよ。
#284
○野坂浩賢君 私が発言中ですから黙っておってください。
 言うなれば、小選挙区比例代表並立制というのは、あなたも我々も同じ土俵なんですよ。これはもう決まったんです。これはおかしい、押しつけじゃないかと言うのですけれども、これは合意の上で決まったんです。
#285
○村上正邦君 いやいや、そんなことは言ってないんだよ。決まるとか決まらぬとか言ってないんだよ。なぜ比例を導入したのかと聞いているんだよ。比例という実際参議院でやっているその制度をどうして衆議院で導入するのかと、こう言っておる。そうすると参議院の意義がなくなってしまうわけですよ、同じ選挙をやるのですから。
#286
○野坂浩賢君 いや、私たちでなしに、全党を挙げて比例制で……
#287
○村上正邦君 いや、先生、私は参議院議員としてお尋ねしているのですよ。党サイドで聞いているんじゃないのです。
#288
○野坂浩賢君 だから、衆議院ではそういう格好で、全員一致で決まったんですよ。
#289
○村上正邦君 決まった、じゃなぜ決まったのかと聞いているんだ。決まった、決まったということで言われてしまったらそれはおしまいだ。
#290
○野坂浩賢君 それは、今までの中選挙区というのは金属疲労を起こして政権交代も十分できない、したがって、この点については小選挙区でやった方がいいではないかということを自民党の海部さんでも宮澤さんでもずっとおっしゃって、我々はそれによって、なかなか容易じゃなかったけれども社会党ものみ込んだというのが一つ。
 二番目は、押しつけたりという話がありましたけれども……
#291
○村上正邦君 いやいや、だから、なぜ比例を導入したかと言うのだよ。
#292
○野坂浩賢君 人が言うときに黙って聞いてもらいたい。
 言うなれば、婿さんが嫁さんをもらうときには、ちゃんといろいろなものを持っていって、下さいと言って平身低頭しておるじゃないですか。
#293
○村上正邦君 してないじゃないか。比例を導入するについて参議院にどういう礼儀を示しましたか。
#294
○野坂浩賢君 お呼びしてきておるのですよ。だから、あなた方の考え方というのは、長い間議論して、もう九時ですが、疲れましたわ。
 それで、本当にこれでやろうじゃないかということは、並立制でやることは、もう決まっておるのですよ。参議院は、だからそれを、送ってきたものを審議しておるじゃないですか。だから、それについては並立制でやっていくということになっておる。だから、これがあるぞ、三分の二もあるぞとおどかしばかりしておるじゃないかと言うけれども、これは憲法に書いてあるということを言っておるだけですよ。別にやると言ったわけじゃないんじゃないですか。
#295
○議長(市川雄一君) 社会党の御意見は終わりました。
 じゃ、次に新生党から。
#296
○村上正邦君 議長、答えになっていない。
#297
○議長(市川雄一君) いや、各党の意見をと言うから、各党の意見をまず伺います。
#298
○渡部恒三君 今度はちょっと静かに聞いてください。
#299
○議長(市川雄一君) 渡部先生、ちょっと済みません。
 村上さんが提起した問題は、参議院で否決されたというその否決の事実をどう考えておるのか。それを皆さんは無視――無視とはおっしゃってないのですが、両院協議会があるよ、三分の二の議決があるよと言うのは、参議院の否決を余り重く見てないんじゃないのか、参議院議員としてその点を伺いたい、これが。第一点。
 第二点は、参議院が比例代表をやっておるのに、何で衆議院は、衆議院に比例代表制を導入するのか。それは参議院をやはり無視しているんじゃないのか。
 この二点について与党の各党の御意見をぜひおっしゃっていただきたいと思います。
#300
○渡部恒三君 これは実態論と政治論と法律論とあると思うのですよ。私は、かつて自由民主党の皆さんとともにこの前までおったころ随分やって、大体野党と与党の話し合いで、重要法案を審議する場合は、参議院は、いや一カ月の審議期間は必要だ、一カ月あっても日曜日があったり土曜日があったり休日があって、実質二十日間ぐらいしか審議できないから、重要法案の場合やはり参議院を重んずるために一カ月は必要だとお互い随分言ってきたつもりですよね。
 ところが、今回の場合は二カ月をはるかにオーバーすることになっちゃったわけでしょう。今、村上さん、六十日のみなし規定が恫喝だとおっしゃるけれども、私は二十五年皆さんと一緒に国会運営をやっておって、あの話が出るまであんなこと私は知らなかった、不勉強で申しわけないけれども。二十五年、あのことを知らないで私が国会運営なり国会対策委員長が務まったということは、つまり二十五年は、そんな参議院に法律が送られて二カ月も審議されないなんという非常識なことは、前の随分ひどい野党でもなかったということなんですよ。それは、たまたまそういう実態として今までなかったようなことが起こったから、その中でやはり法律を知っている者や憲法を知っている者がいるから、そういうものをだれか思い出す者がおったというだけで、別にそれを二カ月で打ち切ったわけでも何でもないのですから、別に参議院をおどかしたわけでもないし、それから参議院を粗末にしたわけでもないでしょう。
 それから、今までの皆さんの話で、衆議院の方が参議院をいかにも何か押しつぶしてどうこうというみたいなニュアンスがあったけれども、これは、衆議院の議場に皆さんも来れないように、私らも参議院の議場に入れないで、これは本当に我々、参議院の方に入っていけたらあれだけれども、参議院の与党と野党の皆さん方で委員会の審議日程なりなんなり決めて審議して、だけれども衆議院議員のだれかが参議院の委員会の中に入っていって審議に入ったなんということはないでしょう。参議院と衆議院はきちっと憲法で独立して、それぞれの国会議員がやってきておるんで、全然それは衆議院がどうしたこうしたということはないんで、厳然たる衆議院と参議院の中で審議されて、それで衆議院では四十四票の差で可決されたけれども、参議院では否決されたという結果が起こったわけでしょう。
 それをどう解決するか、こういうことになって、たまたま、こういう協議会をつくる場合、あるいは本会議で三分の二の議決というようなことを、我々二十五年そんなこと知らないで済んでいたことを、読んで思い出さざるを得なくなったんで、こういう三分の二の議決の問題があったから、二カ月の問題があったから、協議会があるから、参議院が粗末にされるとか参議院が軽視されるなんということでは全くない。憲法のもとに厳然たる衆参で今日の審議がされているということをまず理解してほしい。
 それからもう一つは、私は今皆さんの話を聞いていて驚いたのは、小選挙区比例代表並立制、これは共産党と青島さんは別ですけれども、皆さん自由民主党の堂々たる、そうそうたる幹部の皆さん方でしょう、衆議院であろうと参議院であろうと。自由民主党が国民に向かって公約しているんですよ、小選挙区比例代表制をやりますということは。国民から信頼されている天下の自由民主党が、そんな参議院が公約したとか衆議院が公約したことということではなくて、衆議院も参議院もおって自由民主党という政党が国民の前に公約したことなんですよ。その小選挙区比例代表並立制の中で皆さん方の意見と我々の意見の隔たりがあったわけでしょう。それで結局、政府案が衆議院では通ったということでしょう。
 今度園田さんが出している案は、すべての案においてできるだけ自民党の案に近づけるような最大の努力をしてやっているわけでしょう。皆さんの考え方に近づけているんでしょう、配分の問題にしてもブロック制の問題にしても政治資金の問題にしても。皆さんが一〇〇%満足するというところまではいかないけれども、皆さんの案に近づけていっているわけでしょう。ならば、それはやはり評価して、しかし、まだだめだ、だからひとつ三百と二百にしろとか、政治資金も、じゃ国会議員まで認めちゃえとか、具体的にここで提案されるならば、これは話はまとめていこうということになるけれども、今聞いていると、せっかく連立与党側が、いろいろな考えの人がおる中で、皆さんの考え方、皆さんの党の考え方に最大限近づける努力をした案を出しているわけでしょう。
 それを若干でも評価してくださるかと思ったら、皆さん全然もう、今の坂野先生の話、大先生で申しわけないけれども、これは政治資金の一般論としては、あなたの意見、私なんかもああいう意見をかつては言ったことありますよ。しかし、今や自由民主党も、あらゆる政党が、国民に向かって、政治資金の透明度を高めるとか政治資金の規制を強化するということは、参議院も衆議院もありませんよ、自由民主党があるいは社会党が、政党が国民に公約しているわけでしょう。皆さんの政党が国民に向かって公約している内容に、我々が今できるだけ近づける努力をして提案しているのですよ。
 だから、これはさすがによくここまでおれの方の意見認めてくれたなといって評価するとか、あるいはこの点は足りないから君ら頑張ってもう少しおれのところへ近づけるというなら話はわかるけれども、それは今の話を聞いていると、まるで時間延ばして、まとめようという気持ちは全然考えられないよ。いかに寛大な私でも、聞いていてまとめようというあれがないんだもの。
#301
○村上正邦君 あなた、一方的に自分の考え方を、わしらがまとめる気持ちがないなんて一方的に言うこと自体が間違っているよ。
#302
○渡部恒三君 だから、まとめるんでしょう。
#303
○村上正邦君 だから、まとめるために来ているじゃないですか。審議に乗っているじゃないか。
#304
○渡部恒三君 きょうじゅうに。もう時間が決まっているのだから。
#305
○村上正邦君 渡部先生、私の聞いているのは、比例を導入した哲学はどこにあるのか。今、おまえらも一緒に出したのだから、そんなこと今さら何で聞いているんだ、こういうことですが、しかし、そもそも論をおっしゃられたから、そもそも論を私は聞いているわけですよ。
 それから、あなた正しいことをしゃべってくださいね。六十日を超えるものはこれが初めてだと言うけれども、百二十件あるのですよ。最近で一番長いものは、国民年金法は百二十六日かかっているんだ。そういうときに、みなしがあるなんということは一向に言わなかったんですよ。あなた、もうちょっと正しいことを言ってくださいよ。この前テレビを見ていても……(渡部恒三君「不勉強で」と呼ぶ)不勉強はいけませんよ。参議院も委員会で整々と上げたと言うけれども、あれは委員長職権なんですよ。動議を出して質疑打ち切りなんですよ。
#306
○渡部恒三君 委員長職権だって合法でしょう。
#307
○村上正邦君 何が合法ですか。
#308
○渡部恒三君 だから、最初から法律論と実態論と政治論がいろいろあると言っておる。
#309
○村上正邦君 いや、だからもう少し正しいことを言ってやってくれないと。あなたの演説は非常にいいんだよ、総論は。非常に人情味もあって、説得力もそこらあたりの議員からするとあるように思うけれども、一つ一つ聞いていると正確さがないんですよ。
#310
○渡部恒三君 もういいかげんにまとめたらどう、もう時間もないんだから。まとめてくれよ。
#311
○村上正邦君 あしたもあるでしょう。十二時まであるでしょう。わしらはしっかりやるんだ。あなたたちが呼びかけて私は出ているんだよ。それを忘れちゃいけませんよ。
#312
○渡部恒三君 だって、さっきまでの園田さんへの質問にしたって、皆さんの考え方に近づける最大の努力をしている提案に対するあなた方の質問、何ですか。
#313
○村上正邦君 あなたたちは提案に対してどういう所感があるか、どこに問題があるか述べると言うから、質問しろと言うから質問したんじゃないの。質問したら、それはけしからぬだとか、それはないよ、そんなことは。
#314
○議長(市川雄一君) 次に、園田さん。済みません、ちょっと簡潔に、演説じゃなくて発言をお願いいたします。
#315
○園田博之君 簡潔にやります。
 衆議院側が可決で参議院が否決、私は、最初に申し上げましたが、この否決の重みが重いからこそ、許された両院協議会という協議会で何とか成案を得たいと思って、これは私だけの意思じゃございませんが、新たな修正案を出しました。
 実は、もう一つは、参議院の審議の最後のところで残念だったのは、私たちは、衆議院を通ったから、それてそのまま通っていいなんて思っていませんでした。これは私だけじゃありません。したがって、参議院で採決するに当たっては、参議院の皆さん方の御意見を聞いて、修正のための用意を連立与党全部でしておりました。にもかかわらず、どんな行き違いがあったかわかりませんが、これはしかし、一方的に与党がまずいとおっしゃったんじゃ、これはまずいと思うのです。
#316
○山本富雄君 それは非常に大事なことだ。園田先生、それはあなたの認識は全然違う。最後の段階へ来て、僕らは党内で、河野総裁、森幹事長以下に斎藤会長と私が会いまして、現在法律はもう参議院の出口に来ていますと。そして、非常に強行、強行で、職権、職権で実にファッショ的なやり方をされたけれども、我々は耐えに耐えて今日まで来た。地方公聴会が例えば一日だとか、終わったらすぐに総括だとか、こういうことは本当はまことにぐあいが悪いんですよ。それを言えば切りがないから、演説しちゃいかぬと言うからよすけれども。そこで、私らは党内で、この法律は参議院の我々に修正を含めて任せていただけますねと言ったら、お任せします、河野さんも森さんもはっきりそう言ったんです。うそだと思うなら、あなた、親しいんだから聞いてごらんなさい。
 そこで、私どもは八会派の参議院の皆さんにお願いいたしまして、そして浜本さんに、浜本さん、それじゃ全員というわけにもいかぬから四対四でやりましょうやというので、八会派の代表、浜本さん以下四人、僕らが四人出て、とにかく三回にわたって八時間、私、出た張本人、セットしたんだから。そして、修正事項十項目というのを党内から再度了解を取りつけて、これは正式なものですかと浜本さんが冒頭聞くから、正式なものです、そして総裁からもちゃんと、これとこれとこれ、これは重点事項ですよと三項目を得て、そして修正協議に入った。正確に言うと八時間四十分やったんですよ。そして、あなた修正をお待ちになっていると言っていたけれども、それを三回やって、来た返事は、小錦じゃないけれども我々の一勝九敗なんですよ。戸別訪問のところだけはそれは結構ですよ、あとは全部だめです。それはどこで相談したんだろう。
#317
○議長(市川雄一君) なるべく手短にお願いいたします。
#318
○山本富雄君 これは大事なところだから聞いておいてください。
 俗称GHQという言葉があって、いろいろとそこから全部指示が出ているというふうなことがひたひたと伝わってくるわけです。僕は浜本さんに言ったんだ。それじゃ参議院の自主性はどこへ行ったんだ、こういうふうにはっきり言ったんだよ。そう言ったけれども、何も答えない。これはもう決まったことだから勘弁してくれ、修正に応じられませんよと言ってけっ飛ばされて、泣いたのは僕らの方なんだよ。
#319
○議長(市川雄一君) ちょっと待ってください。議事の進行がございますので、村上先生の発言に対する与党側の答弁はもうこれでちょっと一回終わりまして、自民党側から発言を求められておりますので……。
#320
○村上正邦君 さきがけ日本新党。
#321
○荒井聰君 統一会派ですから結構です。
#322
○議長(市川雄一君) 村上先生、平井議長からちょっと自民党側にも発言させてくれということですから。
#323
○村上正邦君 ちょっと待って。それで一応終わったんですね。
#324
○議長(市川雄一君) では園田先生、ちょっと意見を言って、発言を終わらせてください。
#325
○村上正邦君 民社党さんが残っている。だから、ちゃんと聞かしてくださいよ。
#326
○園田博之君 では、私だけ言わせてください。
#327
○議長(市川雄一君) 御質問以外の論点は触れないでください。先ほどから何回も御注意申し上げておりますが、それが議事を混乱させておるわけですから、簡潔に。
#328
○園田博之君 私どもは、いずれにしろ両院協議会で、参議院でそういう結論も出ましたので、また新たに御理解を得て、そしてさらに、今まではこだわっていたところも我々も少し脱却して、それで修正交渉をしたい、そしてまとめたい。これだけの大法案ですから、もう二度とチャンスはない。あるかもしれませんが、このチャンスをつかむのは大変なことなんですね。そういった意味で今臨んでおるわけでありまして、村上先生の御質問の参議院軽視などという頭はちっともありません。
 それから、比例代表選挙につきましても、残念ながら私たち、衆議院とか参議院じゃなくて、政党本位で考えたものですから、ああいう案が出て合意をしたわけですね。自民党もそうです、小選挙区並立制なんですから。我々も小選挙区並立制です。ただし、結果として、参議院に来て参議院の皆さん方が、同じ選挙制度では参議院の存在が問われる、こう言われたことは私の胸に強く響きました。したがって、今回の修正で幾らかでも変えることによってそれにこたえられるのじゃないか、こう私は思って修正を出しました。
 以上です。
#329
○議長(市川雄一君) では、次に公明党の森本さん。論点二つですから、簡潔に。
#330
○森本晃司君 それでは、簡潔に申し上げさせていただきます。
 参議院を力ずくでどうこうしようという考え方はありませんし、参議院については私も大変尊重しておるところでございます。公明党の歴史は、国会議員の歴史は参議院からスタートした、その歴史を持っておるだけに私は大変大事なものだと思っております。
 なお、参議院で否決されたことをどう思うかという点でございますが、一方、私たちも四十四票の差で通過させていただいた重みもあるがゆえに、憲法にのっとって私たちは本日の両院協議会に臨んでいる次第でございまして、それを行うことで参議院の皆さんを抑えようという考え方は毛頭もございませんし、これからも参議院を尊重してまいりたいと考えております。
 それから、小選挙区に比例制をなぜ導入したのか。これは、うちの市川書記長も申し上げましたように、小選挙区制については、これは政権を担うものを選ぶ、一方、それだけでは大変だから、民意の反映を行うために比例区を導入しようという形になってまいりました。これは、先生御所属の自民党の今日までの歴史の流れもそのようになっておりますので、私たちもそのように尊重しております。そういう哲学で比例区を導入させていただきました。
 以上でございます。
#331
○議長(市川雄一君) 米沢先生、簡潔に二点お願いします。
#332
○米沢隆君 十一月十八日、衆議院を通過した段階でほっとした経験を持っています。できれば一日でも早く参議院では本格的な審議が始まって、特に衆議院でいろいろ修正した経緯もありましたから、その後、参議院の皆さんに、ぜひやってもらいたいという点等も早く修正の課題に上げて頑張っていただくようにただひたすら祈っておりました。
 ただ、みなしあたりで恫喝があったなんておっしゃいますが、我々ここでいろいろ議論する際には、ああいうものを発動するならばまさに議会制民主主義は死んでしまう、慎重に慎重に考えていこうじゃないか、まさに私はそれは合意だったと思います。ただしかし、新聞がいろいろ書くのは勝手でございまして、いろいろと話はあったかもしれませんが、我々ここで議論しながら、どう進めていくかという議論のときには、まさに慎重を期して頑張ろうということでございます。
 ただ我々、会期というものがありますし、政府の立場もありますから、ぜひ回してほしい、回ってほしい、しかし回らない、一体どうするか、そんな議論で皆さんにおしかりをいただくようなことがあったかもしれませんが、それは自民党政権でも同じようなことを考えて、できるだけ早くその法律が通る上うに努力したというように、皆さんの立場でもなったのではないか、私はそう思っております。
 そしてまた、これも結局参議院は否決されました。大変重い事実でございますが、何せ政治改革、できるだけこの会期中にやりたいという願いがありますから、憲政の常道に従ってお願いしているわけでございまして、これは衆議院の恫喝でも何でもないということを明確に申し上げておきたいと思います。
 中選挙区の問題を変えるとなれば、小選挙区をベースにするか大選挙区をベースにするかしかありません。その場合、衆議院の議論をする際に、大選挙区があるはずがありませんので、まず小選挙区だろう。しかしながら小選挙区になると、やはり小さな政党にとっては厳しいものもあり、民意の反映という意味からは、小選挙区だけで死に票が出る方法の方が本当にいいのかという議論の中で、比例代表を取り入れたらどうかという結論に達したということでございます。
 以上です。
#333
○議長(市川雄一君) 今平井議長からも御注文がついてますので、話し合いで今やっていますから。
 それでは、橋本さん。
#334
○橋本敦君 各協議委員の皆さんの質問なり御意見なり議論は私も熱心に、また真剣に聞かしていただいてまいりまして、そろそろ結論的に私の方の立場で意見を申し上げる、そういう時期に来ているかということで、発言をお許しをいただきました。
 与党の皆さん、衆議院側の三点の御提案がございまして、私どもも検討をいたしました。しかし、残念ながら、これについては私どもは賛成することができないという見解でございます。
 まず第一点の二百八十の問題ですが、小選挙区制そのものが、最初の意見で申し上げましたように、少数意見を切り捨て、民意をゆがめるという重大な欠陥を持っているということについては、これは山花政治改革担当相自身からも、小選挙区制度の欠陥、すなわち民意の反映ということからするといろいろ問題が多いということから、できる限り比例部分を多くすべきであるという御意見がありました。ところが、今度は逆に小選挙区部分が多くなるわけであります。そういった意味で、文字どおり民主主義の根幹にかかわるこの問題で小選挙区制部分がふえるということは、自民党の協議委員の皆さんとは意見が違いますけれども、私の方の見解としては、一層改悪の方向に進むということで、ブロック制も含めて賛成できないということであります。
 それから、政治資金の問題でありますけれども、私どもはすべて即時全面禁止を主張してまいりました。そしてまた、今回のこの問題でも、与党の立場で総理自身も、企業・団体献金の禁止は大きく一歩を踏み出すということで、政党、政治資金団体以外はこれを禁止をするんだということを明確に申してこられました。そしてまた、それだけではなくて、市川議長自身も、私もNHKテレビのインタビューで拝見して記憶に残っているのですが、政治家個人への企業・団体献金の禁止というのは連立政権のいわば生命線、魂ですと、ここまでおっしゃっていた記憶があるのですが、それを地方議会議員に許容し、企業献金の枠をふやしていくということは、これはやはり逆行ではないか。この点も自民党の協議委員の皆さんと見解を異にする立場ではありますけれども、企業献金の全面禁止を私どもが強く主張している立場からいえば到底賛成できない、そういうものでございます。
 したがって、せっかくの御提案、いろいろ真剣に議論を聞かせていただきましたが、そのような結論であることを残念ながら申し上げる次第であります。
 以上です。
#335
○議長(市川雄一君) 次に、青島幸男さん。
#336
○青島幸男君 青島でございます。
 先ほど私どもの考えは明確に申し上げたはずでございますが、せっかく休憩をいただきまして仲間と相談する余裕をいただきましたので、それから、せっかくのお申し出の案でございますので、これを持ち帰りまして、事務局も通じまして、各議員がかなり遠くにもおりましたけれども、連絡をとりまして確認をいたしまして、いろいろ協議をいたしましたが、私が先ほどここで申し上げましたように、小選挙区比例代表並立制は、私どもの考え方としては、民主主義を破壊してしまうものにつながりかねないからとてものめるものではない、廃案にしてもらいたいということを互いに確認し合いました。先ほど私がここで申し上げました意見と同意見でございますので、その点を確認をいたしまして、もう一度この場で御披露いたしまして、廃案にしてもらいたいということだけを申し上げまして、陳述にかえます。
#337
○議長(市川雄一君) 平井議長から発言を求められております。平井さん。
#338
○平井卓志君 先ほど来、大変御熱心な御論議をお聞きいたしました。きょうは御案内のように、連立与党側からこれでどうかという御提案がございまして、私ども持ち帰り、そして再開後、各委員から非常に御熱心な御討議をいただきました。
 結論から申し上げますと、いかに問題点が多いかということは、これはもう御否定なさらないと思います。結論を言えとおっしゃるならば、きょうの御提案を私どもは受け入れるわけにはまいりません。
 そして、いま一つ申し上げれば、先ほど坂野先生、また下条先生からも御質問がございましたが、つづめて言えば、衆議院で否決になった私ども自民党の案は、もう御答弁は要りませんが、なぜ否決になったのか。一口に言えば、自民党側の提案であるからのめなかったのか、全項目検討に値しないからのめなかったのか、いや部分的にのんでもいいが行きがかり上のめなかったのか、あえて本席でお聞きいたしませんけれども、全般にわたって明確な御答弁がなかったことは若干残念だな、かように思っております。
 それで、前段で申し上げたように、きょうの御提案をいただくわけにはまいらない。そして、ただいまちょうど市川議長とお話をいたしましたが、私どももいろいろの点が若干整理ができましたので、参議院側として、特に自民党として、そう時間はかかりませんが、休憩後に私どもの提案をいたしたい、かように思っております。議長、よろしくお取り計らいを願います。
#339
○村上正邦君 ちょっと議長、発言をさせてください。
 今我が方の議長のお話ですが、こっちが提案というお話がありましたが、これをお出しになられていろいろと意見交換をさせていただいて、結論としては、これはなかなか我々の考え方と開きが大きい、こう申し上げたのですが、では、これはどうかというもう一枚の紙があるのかないのか、まずそれをお聞きしたい。私どもは呼びかけに応じて来たわけだから、それをまず聞きたい。この一枚の紙が我々の参議院に提示する紙だよということなのか、いや、もう一案ぐらい考えている案があるよということなのか。まさか皆さん方も、プロ中のプロで、これがすんなりここで合意を見るということはお思いになっていないでしょうから、時々そういうこともありましたので、もう一枚おありなのか、もう二枚おありなのか、その点をはっきりしていただいて、休憩後の我々の対応をさせていただきたい。
#340
○石井一君 ただいまのことに関連しまして。
 もう一枚も二枚もございません。これが我々の提案するものでございます。そして、今参議院の平井議長が御提案になりましたように、自民党は責任野党として御見識のある案を早急に見せていただきたいと思います。
#341
○村上正邦君 自民党じゃないんだよ。自民党のものはないんだよ。(発言する者あり)
#342
○議長(市川雄一君) 論争をちょっと差し控えていただきたい。
#343
○石井一君 参議院案をお出しいただきたいということで御決裁いただきたいと思います。
#344
○議長(市川雄一君) 平井議長の方からのただいまの御提案は、参議院側としては自民党も共産党も二院クラブの青島さんも、要するに衆議院側が提案した提案は受け入れられないということでございました。よって、参議院側として提案をしたいのでしばらく休憩してほしい、こういうことでございましたので……
#345
○村上正邦君 その前段があるんですよ。もうおたくからの提案はないということですね。
#346
○議長(市川雄一君) それはお答えしています。衆議院側はこの提案が最後の提案、もう一枚はないという意味ですね。
#347
○石井一君 はい、よろしゅうございます。
#348
○下稲葉耕吉君 園田先生から提案がありましたときに、そのほか真剣に検討するとか、この案にこだわらず検討するという発言と、今の発言は矛盾するのですが、どういうことになりますか。(発言する者あり)
#349
○議長(市川雄一君) ちょっと待ってください。
 ですから、皆さんの方から今度は御提案されるわけでしょう。
 それでは、皆さんの方から、参議院側から提案される。したがって、十時十分まで暫時休憩いたします。
    午後九時三十分休憩
     ――――◇―――――
    午後十時二十二分開会
#350
○議長(市川雄一君) 休憩前に引き続き協議会を再開いたします。
 協議を続行いたします。
 参議院側から発言を求められておりますので、お願いいたします。山本さん。
#351
○山本富雄君 大変お待たせいたしまして、恐縮でございます。また、熱心にいろいろ御論議を願いまして、ありがとうございました。
 今から申し上げますことは、参議院側の副議長でございます共産党の橋本先生、それから二院クラブの青島先生の一応御了解を得まして、先ほど共産党と二院クラブの立場、態度ははっきりお二方から御表明がございましたので、これはもう私どももそのとおりと。参議院側は一党じゃございませんから、それぞれの党の立場がある、しかし十人は参議院を代表して今までこれに加わってきた、こういう立場でございますから、お二方の了解を得たというのはそういう意味でございます。両方の意思ははっきりしておる。
 今から私が申し上げますのは、自民党、参議院八人おりますが、八人が全部任されておりますので、十分協議をいたしまして、さらに総裁以下党幹部にも先ほど来お話をして、党幹部の御了解を得た上で申し上げたい、こういうふうに思っております。
 いろいろ項目を挙げて申し上げたいことはございますけれども、もうこの段階でございますし、園田さんから提案のありましたものは、三つの柱を中心に整理をされてお話がございました。私ども、これは残念ながら認めるわけにいかないというふうに先ほど平井先生から申し上げたわけでございますが、我が方は四項目、今から申し上げたいと思います。
 その第一は、総定数とその区分。総定数は本則四百七十一、そして小選挙区三百、比例代表百七十一でお願いをいたしたい。
 二といたしまして、比例代表の名簿単位。これは、都道府県単位にお願いをいたしたい。
 三といたしまして、企業・団体等の寄附でございますが、これは資金調達団体、一人につき二団体に対するものについては年間二十四万円まで可、二十四掛ける二ということになります。政党及びそれ以外の者に対するものについて、五年経過後見直しをする。見直しの条項をつけております。
 四、政党助成の上限枠。各政党の前年度実績の三分の一以内とすべきである。
 以上、四点でございます。どうか御検討を賜りたい。
#352
○石井一君 私は、参議院の自民党のサイドが、共産党、二院クラブも含めて協議をされて、真摯な立場で我々が積み重ねた議論の上に一つの提案をされたことを非常に評価させていただきたいという気持ちでございます。
 非常に重要な問題の提起でございますから、十時四十五分をめどに、恐縮でございますが、これまで何回もこっちがお待ちいたしましたので、今回は一回だけお待ちいただきますように御提案申し上げます。
#353
○議長(市川雄一君) それでは、十時四十五分まで暫時休憩をいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、十時四十五分まで休憩をいたします。
    午後十時二十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後十時四十九分開会
#354
○議長(市川雄一君) 休憩前に引き続き協議会を再開いたします。
 協議を続行いたします。
 衆議院側から発言を求められておりますので、お願いいたします。
 各会派、五会派、一名ずつ、参議院自民党から提案された案につきまして、極力簡潔に御発言をお願い申し上げたいと思います。
 では、野坂さん。
#355
○野坂浩賢君 社会党の野坂です。
 簡潔に御答弁、考え方、意見を申し上げます。
 まず、総論として、私たちは両院協議会において、できるだけ自民党ののめる案、こういうことを考えて、衆議院におきましても二百五十を二百七十四にまで一方的に引き上げた事実もありますし、今回も、何としても政治改革を、そういう執念と熱意を持って、皆さん方が考えておられたと考えております二百八十と二百二十、こういうふうに提案をいたしましたが、先生方の総数四百七十一、中身は三百と百七十一というのは、大政党には有利でありましょうが、民意の反映にはならぬ、こういうふうに思っております。
 二番目の府県単位の問題につきましては、三〇%という足切りまであるというこの状態から見て、大政党には有利でしょうけれども、橋本さんや青島さんを含めて少数政党は進出できないという現状になるだろう、そういう想定しか考えつくことができません。
 三番目に提案されました寄附行為の問題については、一人二団体、二十四万、合計四十八万ということになりますが、この問題については、随分前から我々はこの企業献金の禁止を強く主張してまいりました。言うなれば、ここにこそ政治改革の原点がある、このように認識をいたしておりまして、そのために国会議員はだめ、首長もだめという提案をして、皆さん方のせめて地方議員はと考えておりましたけれども、このようなやり方は我々は納得できません。しかも、五年後の廃止ではなしに見直しということはまさに論外であるというふうに考えております。極めて遺憾の意を表明しておきます。
 四番目の前年実績の上限枠の問題についても、政党助成は実績の三分の一。我々は皆さん方の意見に沿って一人二百五十円、三百九億、こういうことでの配分ということが一応の法律の妥当性を持つものというふうに考えまして、あえてこの問題については明確に皆さん方の案を当時のんだわけでありますから、改めて出てきた前年実績の三分の一には反対をいたします。
 総じてこの問題については、どの項を見ましても我が党はのむというわけにはまいりません。このことについては全面拒否という御回答しか申し上げるわけにはいかぬ、こういうふうに思いますので、御了承を賜りたいと思います。
 以上です。
#356
○議長(市川雄一君) 社会党代表の御意見は終わりました。
 次に、新生党代表で石井さん。
#357
○石井一君 新生党を代表いたしまして、まず第一項目の総定数と区分の問題でございます。
 総定数の四百七十一は、行革の時代に国民の歓迎するところであるとは思うのでございますが、これは委員会において繰り返しの議論が行われたところであります。四百六十六の本則、大正十四年、人口五千六百万の時代にできたものであり、その後沖縄返還の昭和四十六年に四百七十一と決まったものでございます。本則ができましたときから七十年の年月が過ぎておりますが、人口が倍以上になっておる。また、フランス、イギリス等の人口と下院の議員の数を考えましたときには、はるかに行革を達成しておる我が国の国政には分相応のものであるという議論でこの結論が出ておりますので、五百程度が我々は適当な数字だというふうに認識いたしております。
 三百と百七十一の区分に関しましては、小選挙区部分は、民意を集約し、政権交代から安定した政権の選択というのを国民に求めるわけですが、当然大政党には非常に有利になります。片や比例部分のものは、民意を鏡のごとく反映するという局面でありまして、現時点におきましては、我が国には多数の政党が存在しておるという場合に、衆議院の議論で行われた、白昼虐殺するようなことだけはやめてもらいたいという少数党の激しい訴えというふうなものもございますので、これから先、順次政権を安定さすということはいいと思いますが、現時点においては、これは余りにも偏り過ぎた問題が起こるというふうに考えます。以上の観点から反対でございます。
 第二の比例代表の都道府県単位ということであります。
 都道府県単位は、非常にその地域を代表するメリットもあるのですが、最大の問題点は、一人均等に分けまして、あとは人口で割りましたときに、二十一の選挙区がいわゆる府県への割り当てが二名ということになりますし、あと十三の選挙区で三名。二名や三名というのは比例にならない。これはもう大政党がとってしまうということになりますと、現実の問題として、比例を府県に当てはめるということは非常に不可能な問題が存在しておる。これも議論の中で十分に徹してきたところでございますので、今これを変えるということは難しいというふうに考えます。
 第三、第四の問題につきましては、社会党が仰せられておるほど強い主張ではございませんけれども、やはり国民の要望、今日に至りましたいろいろのスキャンダル等の関係から、この際けじめをつけるべきであるというふうに考えますし、政党助成に関しましては、既に自民党も含めて一人二百五十円という合意ができておりますので、その線で進むのが妥当ではないか。
 以上のような四点の理由によりまして、本当にここでまとめたいという気持ちを持ち続けておりましたが、残念ながら党を代表しての反対の意見を述べさせていただきます。
#358
○議長(市川雄一君) 石井さんの発言は終わりました。
 じゃ、さきがけ日本新党を代表して、園田さん。
#359
○園田博之君 代表して申し上げます。
 重複は避けたいと思いますが、特に一番と二番、総定数とその配分と、それから比例代表選挙の単位の問題、これは先ほど関根先生からもいろいろな御指摘をいただきました。私は、成立させるためにある程度の妥協はと、こういうふうに申し上げたわけですが、ここまでになりますとまさに理念の違いでございまして、特に比例代表部分が極端に少なく、またその単位についても都道府県ということになりますと、意味合いがかなり小選挙区制度に近づいてくる。そういった意味では、並立制の根本的な部分が侵されていると私は考えておりますので、我が会派としては残念ながら賛成できません。
 三番、四番につきましても、今社会党の野坂先生や石井先生のおっしゃったような理由で、真剣に検討さしていただきましたし、また、先ほどは私の提案に対していろいろな御意見をいただきましたが、残念ながら全体、すべてにわたって賛同できないというふうに申し上げます。
#360
○議長(市川雄一君) 次は、公明党の森本さん。
#361
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 結論から申し上げます。せっかくの御提案でございますが、残念ながらのむことができません。
 一番、二番については、先ほど来話がありましたように、民意の反映が欠けるという理由でのむことができません。
 三番、今日の腐敗状況を考えてみましたときに、国会議員への献金を禁止すべきではないかという私だちの考え方と遠いものでございます。また、廃止ではなく見直しという点については、納得できないものがございます。
 四番については、先ほど野坂さんがおっしゃったとおりでございます。
 以上、残念ながらのむことができません。
#362
○議長(市川雄一君) では、民社党、米沢さん。
#363
○米沢隆君 せっかくの御提案でございますが、我々は、この協議会でできるだけ歩み寄って成案を得たいという気持ちでおりましたが、この案を見ますと、総体的には衆議院に出された自民党案そのものでございまして、そういう意味では全然歩み寄りがないということを残念に思います。
 一番目の総定数、区画の部分でございますが、先ほどから議論がありますように、これでいきますと、民意の集約の部分はかなり大きな意味を持ちますが、いわゆる民意の反映という意味では、残念ながらこういうものでは目的を達成し得ないという意味で、我々と哲学がちょっと違う、こう思います。
 それから、比例代表の都道府県単位でございますが、これもまさに小政党足切りの論理につながるわけでございまして、都道府県単位そのものがまさに小選挙区そのものと軌を一にする議論でございまして、これも哲学の相違と申し上げねばなりません。御案内のとおり、自民党案でいけば二十一選挙区において定数一というものが出てくるわけでございまして、そういうものはちょっと我々の理念とは違うと申し上げざるを得ません。
 企業・団体寄附でございますが、これは何とかして無所属の皆さんや地方議員の皆さん方のことも考えて、地方議員だけならという妥協を図ろうとしたのでございますが、一挙にここまで来ますと、我々、助成法をつくるかわりに、導入するかわりに、このあたりはきっぱりけじめをつけようという発想に立った提案でございましたので、残念ながら受けるわけにはいきません。
 政党以外については五年後見直しということでございますが、せめて五年後に禁止するということが妥当ではないかと今でも考えております。
 また、前年度実績の三分の一にすべきであるということでございますが、資金の調達関係ががらりと変わる中で基準に基づいて出そうという話でございますから、これは前年度実績、一年度は少々でこぼこはあるかもしれませんが、その後は全くそのとおりになっていくわけでございまして、これもあえてこういうものをおっしゃった意味がちょっとわかりかねます。
 以上です。
#364
○議長(市川雄一君) 参議院自民党から御提案のあった問題について、衆議院側五会派の発言が終わりました。
 参議院の方でもし御意見があれば。
#365
○山本富雄君 私どもの提案に対しまして、それぞれ各党から大変熱心な、しかも大変見識のある、党の立場を披瀝しながらの反対意見を承りました。
 ただ、ぜひともお願いでございますけれども、とにかく休憩時間が十五分、実際上は二十分でございましたけれども、その間にこれだけのことをきちんとおまとめになる、神わざに近いそれぞれの政党の頭脳だと私は思いますけれども、それはそれとして、私ども、一日いろいろ皆様方の提案に、お呼び出しを受けまして一生懸命やったわけでございますから、せめて、もうこれでおしまいだ、十五分ないし二十分でおしまいよ、しかもお聞きすると、さっきは一勝九敗だという話をしたんですけれども、これは十回戦って十敗だ、全部だめだ、全部ノーだ、これは評価するに足りねえ、こういう言い方で、まことに遺憾千万、残念千万だと思いますので、議長においては、特に公平公正な市川議長でございますから、お取り計らいを願いまして、私ども、今夜十二時までやっていただいて結構ですし、日がわりでももちろんできますので、お疲れでしたら明日もう一遍時間をセットしていただきまして、今度はひとつ平井議長のもとでぜひ御協力を願いたい。御再考を賜るようにお願いをいたします。
#366
○議長(市川雄一君) 参議院の山本さんの御意見に対して、衆議院側から御発言があればどうぞ。
#367
○大出俊君 山本さんから今お話がございまして、十五分という非常に短い時間で神わざということなんですけれども、実はお持ちになっている同じ印刷物を私持っておりまして、よく頭の中に入っているわけでございまして、皆さんの基本的な案でいらっしゃいますし、したがいまして、皆さん頭に入っていることでございますから真剣に議論したのです。決して時間が短いから神わざというのじゃなくて、この案は衆議院段階であったわけでございますから、みんな頭に入っておりますので、決して短い時間で神わざのような結論を出したんじゃないのでありまして、ぜひそこはお酌みをいただきたい。
 そこで、せっかくお呼びかけをして、私どもの方から、与党五党からお呼びかけをして皆さんにお出かけをいただいたということでございまして、何とかまとめたいという気持ちで五党一致した案を提案をさせていただいて、非常に長い時間かけて、熱心な御質問等もいただきまして、また一生懸命お答えもいたしまして、結果的に皆様方の方は各党それぞれ認めがたい、拒否をする、こういう御回答でございました。
 そこで、皆様の方で案を提案なさる、最後の案だというお話でございました。その最後の案を拝見させていただいて、今申し上げたようなことで各党それぞれの態度を承ったわけでありますけれども、先ほどお述べしたように、お受けすることができないという結論に各党それぞれがなったということでございますので、こちらからお願いをして開催をしていただいた両院協議会でございますので、皆様方に大変御熱心にお取り組みいただいたということでお礼を申し上げながら、しかしお互いに一生懸命やったんだけれども成案が得られないということでございますから、そこのところはお互いに理解し合って、努力をしたんだけれども成案が得られなかったということをお互いに確認をして、延々とやってきたことでございますし、この辺で私は、成案が得られなかったということで両院協議会は終局にするということにさせていただきたい。
 お願いでございますから、気持ちよくそこのところはお互いが理解し合って、この辺でひとつ、努力の結果、本当に残念でございますけれども、どうにもこれはこれ以上進まないと思いますので、最後の案ともおっしゃっていますし、したがって、このところでひとつ終局にしていただく、お礼を申し上げて私から提案をさせていただく次第でございます。よろしくお願いいたします。(「賛成、賛成」と呼ぶ者あり)
#368
○村上正邦君 大出先生、丁重な幕引きと受け取れるごあいさつと受け取ったのですが、それはちょっと。大体この両院協議会は、冒頭に私どもは、こういう趣旨のものは何もないじゃないかと。それと同時に、参議院のこの否決を何と心得ているんだということで、嫌々ここに臨んだんですよ。そして、あなたたちの案を出されて検討さしていただいて、しかしそれだけじゃ皆様方に対する礼儀には反するだろう。じゃ、こちらの案も出しましょうと言ってその気になって出したら、それはもうだめだからこれで幕引きというのは、それはちょっといただけないんじゃないの。その気にさしたんだよ、あなたたちは。
 まとめる、まとめると言っているから、もう少し何かこれは議長のところで知恵を出していただいて、我が方の議長と両議長で何か幕引きの知恵をひとつ出してもらいたいな、こう思いますよ。皆様方、賛成、賛成と、そんな冷たい仕打ちはないでしょう。
#369
○渡部恒三君 今、村上先生からお話がありましたけれども、話し合いというのはお互いに歩み寄るということです。私どもが皆さんに提案したものは、政府原案よりはるかに皆さんの考え方に近づけた案を出して、いろいろ御質問いただいた。それに対して今皆さんからいただいた案は、これは衆議院で否決された自民党案そのものと言ってもいいぐらいに、若干違っているところがあるけれども、まさに基本的な問題において全部そのまま。我々は皆さんのところに思い切って歩み寄った。皆さんの方は一歩も歩み寄ってくれないのですから、残念ながら、これは話し合いをするそちらさんの熱意、まとめようというお気持ちは全く感じられないので、これ以上話し合いを続けても全くむだなことである。議長、これは残念ながら、これ以上は時間を空費するにすぎません。
#370
○山本富雄君 せっかく、しかも段々のお話ですから、ああなるほどなと、特に渡部先輩の話などもよく承りましたけれども、私どもは先ほど提案したばかりなんですよ。歩み寄らないからもうだめなんだ、それから、全然変わってないと言うけれども、変わっているところ、ちゃんとあるでしょう。おわかりでしょう。参議院独自のものも出しているのですよ。(渡部恒三君「ほとんど変わっていない」と呼ぶ)いやいや、やはりそれは先輩、正確に考えないといけませんよ、そこは。
 それで、そこはいいのですけれども、市川議長に最後に私ぜひお願いしておきたいのは、先ほど村上さんが触れたように、とにかく衆議院側の皆様の御要望によって私どもここへ参上したわけですよ。そして一生懸命聞いたわけですよ。そして何か余分なことを言っているようなことをさっきおっしゃった方もいますけれども、随分熱心に自治省の専門家だった方々が政治キャリアも含めていろいろるる話をした。私は、専門家というのはなかなか大したものだなと、自画自賛ですが、そう思ったくらいですからね。そうやっていろいろ質問をし、皆さん方からもいろいろお話があった。最後に渡部先生からも、ちゃんと数なら数を出してはっきり言ってこい、こういうお話があり、園田さんからは、私ちょっと胸がいっぱいになりましたけれども、園田さんからも万感を込めてお話があったということなので、これは最後に我々も誠意を見せて、もう一遍それじゃテーブルに着いてやろうということで持ってきたわけだから。
 しかも、園田さんの言葉じりを僕はとらえるつもりは全然ない。ないけれども、さっき下稲葉さんが最後のくだりで、園田さんが言ったことと、石井さんが、もう何もねえよ、ペーパーは二枚も三枚も入ってねえんだ、なあ皆さんとこうやったのは、これはまあ行って帰るほど違う。人間も違うから考えも違うんでしょう。気持ちも違うんでしょう。
 しかしそれにしても、私は園田さんの気持ちをそんたくして一生懸命我が方で相談をして、幹部にも会って、出しますと言って持ってきたんだから、これはやはり議長、ひとつ我々の誠意も考えてもらって、それからあなた方の方から呼び出したんだということにも思いをいたしていただいて、これはまげて、まげてお願いをしますけれども、きょうは遅いのならあしたで結構ですから、あしたもう一遍やっていただきたい。あえてどうしても議長がだめだというのなら、それは市川議長のそういう御裁断で、我々が切なる望みをお願いしたにもかかわらず、その願いはけられた、こういうふうに私は考えざるを得ない。
 以上でございます。
#371
○議長(市川雄一君) 園田さん、簡潔にお願いします。
#372
○園田博之君 私の発言をわざわざ述べていただいてありがとうございました。
 私の提案に対して三先生方から細かい部分でいろいろな御指摘をいただきました。それだけに私は、御提案をいただくというときに私の修正案を土台にして御提案をいただくのかなとちょっと緊張をいたしました。しかし、残念ながら結果としては全く、先ほど申し上げましたように理念そのものから大きく違った提案しかいただけなかったわけでありまして、残念ながら、私自身も、これ以上お話し合いを続けてもここで歩み寄っていくということはちょっとできないのかな、こういうふうに判断しておりますので、これで、本当に申しわけございませんが、打ち切らせていただきたいと思います。
#373
○森本晃司君 いろいろと御議論いただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 私たちも成案を見るべく今国会で二度も修正を行いながら歩み寄りを目指させていただきました。先ほど、我が方から一歩でも自民党案に近いものにしようと歩み寄りの提案をさせていただきましたし、と同時に、皆さんの方から先ほど、一項目、二項目、三項目に関してはなぜ自民党案がだめなのかという御質問がございましたので、園田さんやあるいは市川書記長からその問題について明確に答えを出させていただいたはずでございます。
 しかし、それから出てきたものが一歩もそこから歩み寄りが見られないということについては、私たちも大変遺憾に思っておりますし、極めて残念でございますが、これ以上の議論は私は進まないと思うところでございますので、議長に取り計らいをよろしくお願い申し上げます。
#374
○米沢隆君 今参議院の方から誠意を示せというお話がありました。それで、まげて議論を続行しろというお話もありましたけれども、我々がまさにいろいろ議論をした上で与党案として出した修正案等について、御質問はいただきましたが、御評価は一体どういったものだったのか、余り定かに見えてきません。その答えがこういうことであるならば、まさに歩み寄る余地がないというふうに受け取らざるを得ないというのが、残念ながら今の心境でございます。したがって、議長において裁断願いたいと思います。
#375
○大出俊君 山本さんから今お話ございましたけれども、私も最初から今まで、衆議院の時代からずっと携わっておりますから、随分私ども、御存じだと思いますけれども、私の立場からすると非常に苦しいところを案をまとめまして、何遍かうちの中でも非常に激しい反論をされながら五党案で御提案申し上げたということなんですね。
 山本さんからお出しいただいた案を見まして、その前に平井さんと話したのですよ、私はそっちへ行って。それで平井さんがこれが最後の案とおっしゃるものだから、そのつもりでお聞きしたんですよ。これは、せっかく御質問いただいたんだけれども、そこらの歩み寄りというのはないと見ていい案でございますし、そうするともうこれは、妙な別れ方はしたくないと思っているのですよ。せっかく努力をした結果だから、そういう意味でお互いに、そこはお互いの心情を酌み合って、残念ながらということに、本当に残念ですけれどもこの辺でひとつ協議会を閉じるということにお願いができないかと、重ねてこれはお願いを申し上げたいと思うのでありますが、よろしくお願いをいたします。
#376
○山本富雄君 もう本当にくどくて恐縮でございますけれども、最後の大事なところですから心を込めてお願いしたいと思いますけれども、今、大先輩の大出先生からお話があって本当に恐縮しているんですけれども、これはまだ時間があるんですよ。きょう会期末で十二時でおしまいというのならこれはあきらめますが、そうでないんだからひとつ、本当に妙な別れ方をしたくないんだという大出先生のじゅんじゅんたるお話なら、あしたもう一遍やってくださいよ。そしてその上でどうしても皆さん方が、これはだめだ、評価することはできないというのならあきらめようもありますけれども、きょう出して、そしてよく知っていたんだ、こう言うのだけれども、これはやはり議長、うまく裁いてくださいよ。これは、今のままでならいい格好の別れにならない、両方でお願いしているんだから。
 我々は呼び出されてきたんです。しかし、一生懸命やりました。最後に至って、皆さん方は評価なさらないとおっしゃいますけれども、我々なりにやってきて、お願いして、そしてよく知っていらっしゃるんでしょうけれども、時間からいけば十五分か二十分じゃ、いかにも自民党がこけにされた。自民党にいらっしゃった先輩がお二人もいらっしゃるけれども、随分自民党をこけにしているんじゃないかなという気持ちがどうしたって残るんですよ。だから、最後はやはりいい別れ方をしたいという大出先輩のお話なら、今夜はこれで両方が頼みっ放しで気持ち悪くして別れるよりは、明日またもう一回やって、再度だめならそこでもって別れというふうにしてもらうなら私はやむを得ない、こういうふうに思いますけれども、今夜このままじゃだめだ。
#377
○森本晃司君 私はくどいようでございますが、きょうの協議は残念ながら打ち切らざるを得ないと思います。それはきょうの二回目のこの協議のときに、皆さんが私たちの案に対して、法律案で持ってこい、そうでないと法制局や印刷は間に合わないぞ、そういうことをおっしゃっていただいた。私たちはその法律案を、それに近いものを先ほど出さしていただきましたが、残念ながら、自民党さんの方から御提案いただきましたものについては、法律案の形もとっていない。先ほどおっしゃっていた、時間がない、法制局、印刷局との関係はどうするんだという議論から考えますと、きょうがもう私はタイムリミットではないかという感がいたします。議長、よろしくお願い申し上げます。
#378
○村上正邦君 こういう協議会は、これは両院そうでしょう、初めてのケースなんです。それこそ渡部先生、これを初めてのことだというのですよ。あの六十日なんというのは百二十回あるんだから。これが初めてなんですよ。これからこの議会政治が続く限りこれが前例になるわけですよ。前例からこういう形をつくっていくということは、私は決してよくない。前例にするならば前例にする範となるべき幕切れをつくってもらいたい。そうでしょう。
 大体おまえたちはやる気があるのか、こうおっしゃった言葉に対してお返ししますが、では、あなたたちは本当にこの両院協議会、我々を呼んでいて、一つの方向を出そうとする気持ちがあったのですか。我々はやろうと言っているのに、呼びかけたあなたたちが、もうだめだだめだなんて、こんな不見識な、こんな無礼なことはないでしょう。私はもうあんまり大きい声を出したくないけれども、もう少し誠意ある態度をひとつ示してくださいよ。
#379
○石井一君 何とか円満な決着はないかと今も頭を抱えておるのですが、先ほど我々が提案をいたしましたことに関しましては、参議院の自民党の方から正式にお断りがありました。そうして、共産党の橋本副議長の方からも、青島先生の方からも明快に、この協議会自体を認められないというような発言をも加えてこれに否定的な御見解がございました。だから、我々は、最後に何かにぶら下がるものがないかということで、自民党にお願いをして、誠意を持って自民党案を出していただいたわけですが、しかし、この案が我々に近いものならそこに飛び乗ろう、こう思っておったわけですが、これは自民党の原案に近いものである。そして、十五分とか二十分とか言いますが、私は、百三十時間この議論を私の委員会でしてきたわけでございまして、わずかなところの違いがありますけれども、これは議論のし尽くされたところだ。
 そうなりますと、今後議論を尽くせといっても、お互いに何を議論をするかというものはすべて出尽くした。こちらの五党は全員、そちらに対しては反対であった。すべての、ここにおります二十名の議員がそれぞれことごとくこの機会に自分たちの見解を述べて、これから先何か共通の舞台があるかといったら、ここにはどこにも存在しない。こういう状態になっている今日、これは本当に残念ですけれども、お互いに理念が違った、考え方が違った、憂国の情は持っておってもどうにもならなかったという結論以外に、ほかの方法というものは見当たらない。どうかひとつ議長におかれましては、もうこれ以上時間を空費することなく、御決定をいただきたいと思います。
#380
○山本富雄君 私は、終わることに賛成しません。
#381
○石井一君 何をするの、これ以上。すべて意見出たじゃないの。あなたは我々に反対、こっちはそちらに反対。これ以上何をするの。それでは我々の案に賛成でもするのですか。
#382
○村上正邦君 いいですか。これを提示したら四十五分まで待てとあなたは言った。わずか十五分なんだよ。
#383
○石井一君 その前にやっているじゃないか。百三十時間やっているじゃないか。
#384
○村上正邦君 これは、我々は初めての提案じゃないの。
#385
○石井一君 全部一緒じゃないの。
#386
○村上正邦君 一緒だと言ったって、しかしあなたたちはそのときもう、瞬間にこれはノーという答えを出す。わずか十五分しか余裕を持っていかないんだよ。それはもう少し、十一時までも時間をとってくださいと私らは言っているわけだよ。
#387
○石井一君 だから、私はその場で結論を出そうと思ったのですよ。余りにも失礼だと思ったから、一度帰って考えた。だれに聞いたってこれではどうしても党へ持って帰れない。連立のつらさがある。社会党なんかはもう特に大変なつらさがある。だれ一人、これはどうにもならない。これはどうしようも仕方がないじゃないですか。
#388
○村上正邦君 そんなことはない。あなたたちは、気持ちがあれば、じゃ私どもの出した案に対して、これをこうしてくれ、これについてはああしてくれ、これはこうならないのかと。
#389
○大出俊君 案は出しているよ。
#390
○村上正邦君 いや、出しはしないじゃないの。あなたたちは総論を言っているだけだよ、総論だけを。あなたたちはやったか知らないが、わしらは初めてなんだよ、これ。あなたたちの意見を聞くのも、参議院側は初めてなんだよ。
#391
○左近正男君 党内で論議しているでしょうが。
#392
○村上正邦君 いや、党内なんて、党とは関係ないじゃないか。参議院として……
#393
○森本晃司君 我々は討論してきたからよくわかっているということなんですよ。
#394
○村上正邦君 いや、あなたたちはわかっておるか知らないが、わしらはわからないんだ、あなたたちの考え方は。
#395
○森本晃司君 私たちはわかっているから答えを出したんですよ。
#396
○平井卓志君 議長職権で、市川さんのおなかの中までわかりませんが、一方的に打ち切る、その責任はこちらが持つとおっしゃられれば、前段のお約束はあるけれども、そこまでおっしゃられたら私も物の言いようがないのですね。
 ただ、この初めての両院協議という場を考えた場合、参議院側は、もう極めて困難きわまるけれども、いま少しお話し合いを願えぬかということを全委員が申し上げておる、こういうふうにおとりいただいて結構なんですが、皆さんそれでどうでしょう。市川議長が今あえて打ち切りたいと……
#397
○坂野重信君 もうちょっとやって。
#398
○平井卓志君 我々八人の意見はそうですが、市川議長がこの際自分の責任でこれを打ち切りたい、こういうふうに申されるわけです。したがって、そのことに対して御意見ございますか。
#399
○山本富雄君 私は反対。
#400
○村上正邦君 打ち切りは最初にやらないと言った。合意の上でやると言った。
#401
○平井卓志君 いや、そのことは私は申し上げておる。最後はお互いの合意でやるということになっているのです。
#402
○山本富雄君 だから、市川議長が自分の責任でおやりになるというなら、私は反対だけれども、宣言されたらいいじゃないですか。
#403
○議長(市川雄一君) それでは、議長の責任において申し上げたいと思います。
 このままでは、この両院協議会における成案は得られないものと思います。したがって、その旨、両院議長に御報告をいたしたいと思います。
 両院協議会を開きましたが、成案を得るに至らなかった、こういう御報告をすることにいたしまして、本日は、散会いたします。
    午後十一時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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