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1993/01/05 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第6号
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1993/01/05 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第6号

#1
第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第6号
平成六年一月五日(水曜日)
   午前十一時四十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十七日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     前畑 幸子君
 十二月二十八日
    辞任         補欠選任
     前畑 幸子君     志苫  裕君
 一月四日
    辞任         補欠選任
     聴濤  弘君     有働 正治君
 一月五日
    辞任         補欠選任
     角田 義一君     糸久八重子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         本岡 昭次君
    理 事
                一井 淳治君
                上野 雄文君
                白浜 一良君
                平野 貞夫君
                吉田 之久君
                吉川 春子君
    委 員
                会田 長栄君
                糸久八重子君
                岩本 久人君
                川橋 幸子君
                志苫  裕君
                角田 義一君
                峰崎 直樹君
                渡辺 四郎君
                猪熊 重二君
                続  訓弘君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                直嶋 正行君
                有働 正治君
                下村  泰君
   委員以外の議員
       発  議  者  橋本  敦君
   衆議院議員
       修正案提出者   堀込 征雄君
       修正案提出者   岡田 克也君
       修正案提出者   三原 朝彦君
       修正案提出者   太田 昭宏君
       修正案提出者   川端 達夫君
   国務大臣
       内閣総理大臣   細川 護煕君
       外 務 大 臣  羽田  孜君
       法 務 大 臣  三ケ月 章君
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
       文 部 大 臣  赤松 良子君
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
       農林水産大臣   畑 英次郎君
       通商産業大臣   熊谷  弘君
       運 輸 大 臣  伊藤  茂君
       郵 政 大 臣  神崎 武法君
       労 働 大 臣  坂口  力君
       建 設 大 臣  五十嵐広三君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤 観樹君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 武村 正義君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)
       (国土庁長官)  上原 康助君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  愛知 和男君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       久保田真苗君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       江田 五月君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  広中和歌子君
       国 務 大 臣
       (政治改革)   山花 貞夫君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第三
       部長       阪田 雅裕君
       北海道開発庁総
       務監理官     加藤  昭君
       防衛庁参事官   萩  次郎君
       防衛庁経理局長  秋山 昌廣君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       外務省欧亜局長  野村 一成君
       農林水産大臣官
       房長       上野 博史君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       自治大臣官房審
       議官       谷合 靖夫君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   法制局側
       法 制 局 長  中島 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○政党助成法案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(橋本敦君
 発議)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(橋本
 数君発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第一号)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(閣法第二号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第三号)及び政党助成法案(閣法第四号)(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに公職選挙法の一部を改正する法律案(参第三号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第四号)(いずれも橋本敦君発議)、以上六案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○川橋幸子君 質問に入ります前に、大変つたない感想でございますけれども、自分なりの感想を一言御紹介させていただきたいと思います。
 総括質疑の場でございます。社会党の場合は人材不足ではないのでございますけれども、こうしていわゆる私のような一年生議員が登場させてもらえるのは、自民党の委員の方々が御欠席という、こういう異常な状況なのかもわかりません。しかし、私は、こうした片肺飛行のような国会の状況は大変寂しいことではないかと思います。午後にはぜひ自民党の委員の先生方が委員会開催に応じてくださいますように、感想を申し上げさせていただきます。
 さて、それでは質問をさせていただきますが、いただきました時間四十六分間の中で、大きく分けまして三点のポイントで質問させていただきたいと思います。
 まず第一点は、女性の政治参加についてというポイントでございます。第二点目といたしましては、今回の政治改革法案の一番の塊とも言えるような政治とお金の関係、腐敗をなくしクリーンな政治をつくるというそういう法案の中身の問題でございます。それから最後は、何といいましても、今国会で政治改革四法案の成立に向けての努力というものが今非常に大きく求められている時期かと思いますので、最後はそのポイントにつきまして、今国会におきましてこの四法案が成立いたしますように願いを込めまして質問させていただきたいと思います。
 さて、それでは第一点目の女性の政治参加についてということでございますが、小選挙区制の導入を図ります今回の法案につきまして、女性の中からは女性の政治参加の機会が狭められるのではないかという大変大きな危惧が持たれております。女性議員のところには特にそうした反対の陳情にお見えになる方も多うございますし、さまざま手紙、はがき、そうしたお声もたくさんいただいているわけでございます。
 日本の国会議員の中、特に衆議院の中における女性議員の比率は閣僚の皆様御存じでいらっしゃいますでしょうか。どなたか自信のおありの方がいらっしゃいましたらお聞きしたいと思います。
#4
○国務大臣(山花貞夫君) たまたま調べておったものですから。
 無所属の方もいらっしゃるのを含めまして五百十一人中十四名、二・七%で、参議院より衆議院の方がかなり低いのではないかと、こう承知しております。
#5
○川橋幸子君 正解でございます。
 この数字は先ごろ公表されました総理府の婦人問題担当室が事務局になっております「女性の現状と施策」という本でございます。いわゆる通称女性白書と言われるものでございます。ここの発行元は婦人問題担当大臣であり、かつ官房長官を兼ねられていらっしゃる武村官房長官でいらっしゃいます。
 そこで、女性の政治への参加、今、日本はそういう意味では非常にパーセンテージが低いわけでございます。具体的に二・七%と山花大臣からお答えいただきました数字が国際的に見ましてどの程度の水準かを、ちょっとくどいようですが、御説明させていただきますと、百四十六カ国中の百二十八位でございます。下から数えた方が早い、そうしたランキングにあるわけでございます。
 こういう本も、婦人問題担当大臣でいらっしゃる武村長官は御存じじゃないかと思います。「月刊婦人展望」という月刊誌でございます。発行元は市川房枝記念会。クリーンな政治、お金のかからない政治を目指して生涯をそこにかげられました市川房枝さんを記念いたしまして、女性たちが今も脈々と発行しておる「月刊婦人展望」でございます。
 この中の分析にこの二・七%に関係する部分の記述がございます。これは、市川記念会独自の記述というよりも、列国議会同盟、IPUと申しますけれども、列国議会同盟が収集いたしました各国のデータをそろえて、その中で紹介されている言葉でございます。例えば、「女性議員に対する偏見がまだ根強いので、政党は小選挙区に女性候補を擁立したがらない」、あるいは「政治システムの中で女性の進出を阻んでいるのは選挙制度ではなく政党である」、こういうコメント、客観的な記述でございます。
 そう思いますと、私自身も、やはり今回の小選挙区導入に当たって女性たちの懸念というものはかなり当たる、該当性の高いような懸念ではないかと思うわけでございます。
 ついては、我が国におきましても各政党が女性に立候補の機会を確保できるように、そういう配慮をしていただけないものか、お並びの各党を代表する方々に順次お答えいただきたいと思いますが、まず初めに、政府の立場とさきがけの党首のお立場、両方を二重大格で武村官房長官からトップバッターでお答えいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(武村正義君) 中国には、天の半分は女性が支えているという言葉があるようでございます。我が日本の国会は、今、山花大臣からお答えがありましたように、二・数%、衆参入れて六・数%という大変低いシェアにとどまっております。
 選挙が大変過酷でありますし、政治の世界が国民の一般常識から見ますと何か特異な世界のように映っているのが原因の一つかもしれません。今日までの政治であれば、多くの女性の皆さんがその世界に入っていくことを忌避されるのがむしろある種常識的であり健全であったというふうにも言えるのかもしれませんが、そういう政治ではいけないということで、こうして政治改革法案の審議をいただいているところでございます。
 我が国の政治を大きく変えることによって、女性の皆さんが大きく国会に進出いただけるように目指していかなければいけないと思っております。女性の皆さんがどんどん数がふえてくれば、問われております国会運営ももう少し国民にわかりやすい常識的な姿に変わっていくのではないかというふうに思っております。
#7
○川橋幸子君 さきがけの方針を。
#8
○国務大臣(武村正義君) さきがけとしましても、まだ出発したばかりのほやほやの小さな政党でございますが、次の選挙ではぜひたくさんの女性候補を立てたいと思っておりますので、ぜひまた、立場は違いましても御紹介その他お願いをいたしたいと思うのであります。
#9
○国務大臣(羽田孜君) やっぱり世の中というのが質の高い生活、こういうものを求めるようになってきたということ、また多様な価値、これを求めるようになってきたという時代じゃなかろうかと思います。
 そういうときに、民間では管理ですとかあるいは開発、また広報、そしてトラック会社みたいな現場、それから建設現場、こういったところにもどんどん女性が進出していること、それから今度のボランティア活動でも、UNTACなんかでも、実は危険な場所に私たちは行きたいと言った女性の方がたくさんおられたそうで、明石さんがびっくりしたことがあります。
 私はそんなことを感じたものですから、数年前から、かつて自民党にいたころでございますけれども、衆議院には一人もおりませんでしたものですから私ども実は候補者を立てたのでありますけれども、残念ですけれども落選してしまったということでありました。そして、前回のときは数人に当たったんですけれども、何しろ十三日間しかなかったということのために一人しか立てられず、しかもその方は落選してしまったということであります。そして現在私どものところに何人かの方の申し出があるということでありまして、そういった皆さん方が本当に戦えるかどうかということを見ております。
 過去の選挙の場合によれば、先ほど政党とかあるいは制度というものじゃないというお話があったわけですけれども、ただ、私どもこうやって見ておりますと、今までの選挙というのはやっぱり衆議院の場合には個人だったですね。例えば自民党みたいな大きな政党になりますと、党に頼るというよりは個人のその地方における力というものが割合と大きく幅をきかせておったと思います。
 今度選挙制度が変わりますと、党としてやっぱり多様な時代に女性がどうしても必要だということが明確になってくる。そういう中で、これから私どもとしても積極的に有能な女性を探すことが必要であろう、よその国の場合には首相も議長も女性という国がたくさんあることを我々は知らなきゃいけないというふうに思っております。
#10
○国務大臣(山花貞夫君) 委員長の経験者としての立場で、承知しているところをお話しさせていただきます。
 社会党の場合には、もちろん政治だけではなくすべての社会の分野に女性の進出を、そして決定への参加ということについてはかなり努力を尽くしてきていると思っています。さっき衆議院は二・七%ということでしたが、参議院におきましても全体一五%、そのうち社会党の女性議員が十八名で二五%を占めているということが比率を上げているんじゃなかろうかと思いますし、党の決定機関につきましても、委員長経験者、副委員長経験者等々についてはこれまで一番最初に実現をしてきた、こういうように承知をしております。
 また、これからの選挙に臨んでは、選挙の形がどうあれ、そうした意味において従来の方針を継承し、従来からの党の方針であった女性と市民と労働者、勤労者をもって三本柱で党をつくる、そうした方向の中で、とりわけ女性候補の発掘につきましては財政的な特別措置についても従来から継続して行ってきているところでありまして、これから開かれる大会でもそのことは承継されるものと承知をしているところでございます。
#11
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。
 先ほど来もう既にお話が出ておるわけでございますけれども、女性の立場から国政に参加をするのは当然のことでございますし、最近の傾向を見ておりましても、もう地方議会を初めとして女性の進出は少しずつ拡大をされているというふうに承知をいたしておるところでございます。
 私ども、衆議院の方には二人というような状況でございまして、今回選挙制度がもし変わるといたしまして、女性の候補を擁立するというのはまだ必ずしもそう楽観を許さない。やはりこれも地域の代表というような性格がありますので、その地域の中で活躍している女性、そういった方々に出ていただくよう努力をしなきゃならないと思っております。
 ただ、公明党全体としましては、今約三千三百二十四名の議員がおるのでございますが、ここのところ徐々にふえておりまして、二百四十九名の女性の地方議員ということになっております。これは七%ぐらいでございます。最近の傾向を見ましても三人の地方議員候補の中で一人は女性というような傾向になっておりますので、そういう全体の傾向を育てながら国会にもどんどん出ていただくようにいたしてまいりたいと存じております。
#12
○国務大臣(大内啓伍君) お答えいたします。
 党の委員長といたしましては、いつも苦労するのが衆参の選挙での女性の候補者の擁立という問題でございます。その女性の御本人自身に相当の集票能力があるか、あるいはない場合には組織力によってカバーできるか、また御主人等の同意が得られるか、いろいろな問題がございまして、実は私どもの場合は、衆議院におきましては十九名中一名、つまり五%弱というところでございます。
 しかし、今、結婚されている女性の五割以上が社会的に進出しているということを一つ考えますと、また他方、国際的に見ましてイギリスの場合は九・二%、アメリカの場合は一〇・八%、ドイツの場合は二〇・五%がそれぞれ下院に女性の議員が進出しておられまして、フィンランドの場合は三九%ということを考えますと、先ほど御指摘いただきました二・七%というものは余りにも低いわけでございます。
 女性あっての男性、女性あっての社会ということを考えますときに、女性がもっと国会に進出されればこのような事態もあるいは解消されるのではないかと思っているのでございまして、そうした困難はございますけれども、何とかして女性が国会に数多く進出するように私どもとして努力したいと思っております。今度の小選挙区制の場合は新人とか女性にとっては実は非常に難しい選挙制度になるかもしれないだけに、私どもとしては、自覚をいたしまして意識的に女性候補の擁立のために努力をさせていただきたいと思っている次第でございます。
#13
○国務大臣(江田五月君) 女性の社会参加の必要性というのは、これはもう皆さんお話もございましたし、川橋委員からもお話がございましたとおりで、私も全く同感でございます。
 これまでの追いつき追い越せ型の日本の社会をそろそろ大きく変えていかなきゃならぬ。今までは一歩家から外へ出るともう百人の敵がいるというので、そこは男でなきゃやっていけない。男は外でもうくたくたになって、家へ帰ったら家庭のことは女性任せ。そうじゃなくて、やはり社会も女性が参加をしていく、家庭も男性も参加をする、こういうことに変わっていかなきゃいけないわけで、そういう社会や経済のあり方を大きく変えようと思うと、政治の場にも女性が大きく参加をしてきていただかなきゃならぬことは当然だと思うんですね。
 今、提案をしております政治改革法案が通りましたら女性はかえって出にくくなるんじゃないかというそんな心配をお持ちの方もおられるようで、この間私も福島瑞穂さんとちょっとトークをやる機会がありまして随分やっつけられたんですが、しかし、私はこれは逆じゃないのかなという気がしております。
 今までの中選挙区制度で本当に女性が出やすかったかというと、実はそうじゃないですね。
 今までの中選挙区制度というのはどうかというと、例えば旧与党、自民党の場合ですと、地域にずっと根を張った利権構造が各種行政規制と結びついてでき上がっていて、具体的な形としてはこれが後援会組織になっている、それがいろんな企業その他のいわゆる生産者サイドの人間の活動と結びついている、そこの上の方へ上る人間が候補者になってくるという構造ですから、ですからこういうものをそのままにしておいて中選挙区制度の中で女性が出てくるというのは非常に難しい。消費者、生活者を軽視する、そういう選挙の仕組みになっている。
 旧野党の方で見ましても、支持の仕組みが組織という形で構造化して、その組織のいろんな役職を担った者でなければなかなか出られないということになって、これはやはり女性が非常になりにくいということになっております。
 そういう選挙の仕組みででき上がっている政党ですから、どうしても政党というのは通りやすい候補を擁立してくるということで女性がなかなか出にくい、金も非常にかかると。そこで、そういう選挙の仕組み自体を変えて、もっといろんな人がどんどん出られる、そういう仕組みにしていこうということであると私は思います。
 ただ、新しい選挙の仕組みにしたらすぐに女性が出やすくなるか、すぐに生活者が出やすくなるか、これはそう簡単にいかないんで、やはり私は、選挙の構造を変えることによって選挙文化も変えていく、あるいは政党も変えていく、こういうことが必要だろうと思います。
 私たち社会民主連合は小さな政党で、女性の登用を努力しましたが、実際難しいです。例えばおととしの参議院の選挙でも比例代表九人中三名を女性にしてみたんですが、一人も通らなかったということもございました。これから政党が大きく変わって再編成で新しい選挙の仕組みにふさわしい新しい政党ができていくと思いますが、その中では必ず女性を登用する、そういう仕組みを政党の中につくり上げていきたい。例えばアファーマティブアクションなんというのが私はこれから必要なことだと思っております。女性の味方に徹して頑張っていきたいと思います。
#14
○国務大臣(細川護煕君) 今度の選挙制度、御提案しておりますこの政治改革法案でございますが、この法案が成立をしたならば女性が出にくくなるのではないかということでございますが、政党本位、政策本位の選挙を実現していこうということでございますから、かえって今までよりも女性の進出ができるようになるのではないか、また、できるように各党それぞれに努力をしていくことができるのではないかというふうに私は思っております。また、できるようにしていかなければならないと思っております。
 今までは、今各大臣からお話がございましたように、個人本位の利益誘導型のどろどろした選挙が行われてまいりましたために、女性の方々が政治に対して忌避感、嫌悪感を持たれて、特に衆議院の選挙などには御免こうむりたいというお気持ちが強かったのではないかと思いますが、今度の選挙制度の改正によって、先ほども申し上げましたように、政策本位、政党本位ということになっていけばその点は随分変わってくるのではないかというのが私の感じでございます。
 私ども日本新党におきましては、さきの参議院の選挙のときからクオータ制というものを導入いたしまして、どちらかの性の一方が二〇%を切ってはならないということで、党の役員あるいは党の中の委員会等の構成はそのようになっております。また、二〇〇〇年を目標にそれを四〇%にしようということを目指しているわけでございまして、それなりに努力をいたしておりますが、参議院の選挙のときには候補者もその二〇%という目標に達することができたのですが、衆議院の選挙に際しましてはなかなか候補者として名のり出ていただける方が少なくて、先ほどもちょっと申し上げましたように、今のこの政治の世界に飛び込んでいくのはどうも気が進まないと、やっぱりそう思っていらっしゃる方が多いということを改めて感じた次第でございます。女性の政治への参加が今後進んでまいりますように、制度の面からもできる限りの政府としての努力をしてまいりたいと思っております。
#15
○川橋幸子君 それぞれ大変積極的な御答弁をちょうだいいたしまして、日本の男性を頼もしく思った次第でございます。しかし、やはり政治は結果の責任でございます。きょういただいたお言葉は私も十分記憶させていただきまして、新しい選挙制度の中での各党の御努力の結果をまた質問させていただける機会があったらと楽しみにさせていただきます。
 ということで、今の話の最後に、ちょっとこれは大変我田引水でございますけれども、社会党に所属しております私としては、ひとつどうしても御紹介させていただきたいことがあります。
 本日、実は村山社会党委員長に対しまして女性の議員たちが申入書を提出いたしました。今のような女性比率を高めてほしい、そのためには立候補に当たって女性の登用に配慮してほしい、こういう申入書でございます。前委員長時代にも同様の趣旨のことをさせていただきました。現委員長にも同じことを申し上げておりまして、努力すると現委員長からもお言葉をもらっておりますことを、内輪の話かもわかりませんけれども、多少の刺激剤としまして御紹介させていただきたいと思います。
 それでは、法案の一番の核心の部分であります腐敗防止、政治資金の規制の強化、この部分に入らせていただきたいと思います。
 政治とお金の関係を断ち切る、あるいはクリーンな政治を行うというのは、今、日本だけではなくて地球上各国の中で言われている話ではないかと思います。それを変革という言葉で代表させて言われることが多いわけでございます。変革三人トリオというのが、クリントンさん、金泳三、それから我が細川総理、この三人でいらっしゃるというようなことがきょうの新聞の論説にあったわけでございます。
 今までの御論議、衆議院でも非常に長い時間を費やしてやっていただいておりますけれども、意外に今回の法案の中で、そうした政治とお金の問題について着実に一歩でも二歩でも、あるいはできれば五十歩ぐらい前進したいという、そういう意欲のある政府案がPRされていないような気がいたします。
 そこで、特に女性は、こういう問題についてはある種の一つのしがらみにとらわれない人間のせいでしょうか、お金に対する潔癖感というものがあるわけでございます。今回の政治改革四法案の成立に向けてぜひ女性の支持を得られるように、この委員会の場をかりて何点か有効な改善策であることを印象づけるような説得力のある御答弁をちょうだいしたいと思いますが、担当大臣の方からお願いしたいと思います。
 まず、連座制の強化。いかがでしょうか、大変技術的な話でございますけれども、わかりやすくお願いしたいと思うのでございます。
#16
○国務大臣(山花貞夫君) 法案の詳しい中身についてはまだ自治大臣からつけ加えていただきたいと思いますけれども、今お話しのとおり、こういう立場での発言ですので制約もございますけれども、私は、今日の時代の精神は反腐敗、腐敗を憎む、ここにあると常々考えてまいりました。そうした観点からも政治改革の原点などを十分勉強させていただいたつもりでございます。全体の選挙制度、政治資金の制度、そして腐敗防止のシステムということが今回は四法案の中にさまざまな形で複合的に提起されている、ぜひこの点について御理解をいただきたいと思います。
 今御指摘の連座制の問題、わかりやすく申し上げた方がいいと思うんですけれども、前回の総選挙におきましてやっぱり買収事件がありました。お金を配って、今何人残っているでしょうか、すぐ選挙が始まる前に全国に逃亡し指名手配になった方が一けたではなくてかなりおりました。現行の選挙制度のもとにおきましては、法律のもとにおきましては、連座制の適用ということについては候補者ということになっておりますので、親族なり秘書が選挙が始まる前に買収のお金を配って全国に逃げ出してしまいますともう全く本人には及ばない、こういう仕組みになっているわけであります。
 今回、そうしたものにつきまして、親族、秘書の皆さんを含め立候補の予定者が選挙の前にお金を配った場合にも全部連座制にかかる。全部というのは正確ではないが、一定の要件のもとに連座制にかかるということなどを含めて、かなりその意味において要件、効果について強化しているところでございまして、腐敗防止につきましては実効性あるものと確信をしているところでございます。
#17
○国務大臣(佐藤観樹君) もう時間がないので、簡単に要点のみとさせていただきたいと思います。
 今、山花政治改革担当相からお話しございましたように、かなりこの連座制につきましては範囲を広げておりまして、買収供応等が選挙の前に行われた場合でも今度は連座制がかかり当選無効あるいは立候補制限を受けることになるということにもいたしましたし、それから従来の対象者に加えまして秘書もこの連座制の対象、買収供応の対象者になっておるわけでございます。
 ただし、その場合の秘書というのは、公式に名刺に秘書ということが刷り込んであろうとなかろうと実態的にその候補者の指揮命令に従って労務に服しているということでありまして、必ずしも当該公職の候補者等との間に雇用関係があるないは関係ないということで、また必ずしも賃金が支払われていなくてもいい、実態的に政治活動の補佐をし秘書ということでその候補者等も容認をしているあるいは承諾をしているという者が買収供応を行った場合には、選挙の前であれ後であれ、選挙中であれ、これは連座制の対象になるということにしております。
 また、従来、執行猶予の場合には連座制が働いていなかったわけでありますが、執行猶予の場合でも連座制が働くということになりまして、かなり範囲を広げまして、今度の場合には腐敗防止策というのは非常に厳しくしておるということがこの法案のいわば大きな、私たちはこれが成立すれば腐敗を防止していく大きな手だてになっていくというふうに考えております。
#18
○川橋幸子君 質問をつくるに当たりまして自治省の方から統計をちょうだいしてみました。今、連座制の強化というのが実際にどの程度有効なんだろうか、数字で何か理解できることがないだろうかという趣旨から統計をもらったわけでございます。
 選挙違反といいますか公職選挙法違反で実刑を受けていても、執行猶予になる率というのが非常に高いのに驚いたということでございます。何とこの数字が九九%、九分九厘執行猶予つきになると。そうすれば連座制は働かない。これが今回取り外されるということでございますので、本来は議員の倫理に訴えることなのかもわかりませんけれども、制度上もそれを規制できるというそういう仕掛けをつくったことは大変評価できるということではないかと思います。
 それから二点目は、公民権の停止。これも大きなポイントではないかと思うのですが、この部分につきましては、衆議院段階の議決の直前に自民党の案を取り入れられてむしろ強める改正をされたわけでございます。この内容について簡単に御説明いただけますでしょうか。
#19
○衆議院議員(堀込征雄君) お答えをさせていただきます。
 川橋委員御指摘のとおり、従来、収賄罪の公民権停止につきましては一般犯罪と同じく実刑期間ということでありましたが、年が明けましたから一昨年になりますが、十二月に、執行猶予期間中も公民権停止ということが緊急改革二十一項目の中で決定をされたわけであります。
 今回の改正につきましては、そうしますと実刑期間中よりも執行猶予の方がこの公民権停止期間が長いとか、そういう矛盾が一つございました。あるいはまたもう一方の意見としては、実刑という重い刑を終えて公民権停止をさらに付すことは制裁としては重過ぎるんではないか。いろいろな議論があったわけでありますが、しかし衆議院の議論の中で、あるいはさきの国会で、社公案もそうでございましたが、やっぱり実刑の場合と執行猶予つきの公民権停止期間のそういう整合性を持たせるという意味で一つは必要だろうということと、もう一つ、収賄罪は公務員としての地位、職権を利用したいわば公務の公正さに対する信頼を害する犯罪だ、こういう視点から厳しく実刑期間プラス五年という自民案でこの際いこうということで、実は与野党の理事間協議で決定をした。こういう経過でございますので、先ほどの連座強化とあわせまして大変厳しい法律になっておりますが、ぜひ御理解をいただきたい、このように思います。
#20
○川橋幸子君 与野党理事間で協議されて合意に達せられた、しかも、こうした公民権停止については大変国民の共感が得られる修正であって評価できることではないかと私も力説させていただきたいと思います。
 さて、一番の肝心の眼目は、個人への企業・団体献金の禁止、これが今回貫かれたところでございます。社会党内にありましては不十分だとする意見ももちろんあるわけでございますけれども、とにかく個人へのそうした企業・団体献金禁止の措置を導入されたということは、これもまた一つ大きな眼目であるわけでございます。
 今回、政治改革の契機がリクルート事件を初めといたしますさまざまなそうした献金問題にあったことを考えますと、国民の政治不信をぬぐうにはこの部分、この点だけは法案成立のためにもう妥協はしてほしくないと考える私の気持ちでもあります。
 この点につきまして一点だけ簡単にお尋ねさせていただきたいと思いますが、今までの例ですと、不正な献金、これはもう今までの法律でも一定の罰則があるわけでございますが、いつも秘書が秘書がとかいうように政治家本人の責任まで追及されなかったことがあったのではないかと思われますが、この点について今回の法案はどのような措置を盛っておられるのか、お願いしたいと思います。
#21
○国務大臣(佐藤観樹君) 今度の改正によりまして、政治家個人が個人的な寄附を受け取ろうなどという場合には資金管理団体というのを設けまして、それはあくまで政治家が代表者になる、こういうことになっておるわけでございます。
 したがって、もし不正なことがあった場合には、会計責任者がもしそれを犯した場合には、監督責任を政治家本人が問われまして、「会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったとき」は処罰されるとともに公民権が停止されるという、非常に厳しくなっております。「相当の注意」というのはこれ説明しますとまた非常に難しいことになるのでちょっと省かさせていただきますが、処罰されるというのは五十万円以下の罰金になりますし、公民権が停止されるということは現職の場合には議員資格を剥奪されるということになります。
 さらに、政治家自身が会計責任者といわば意思を通じまして不正な献金を受けたという場合には、前の場合は会計責任者が誤ってやった場合でございますけれども、政治家自身が違法行為者と意思を通じてやった場合にはこれは共同正犯ということで処罰されるわけでございまして、新たに公民権が停止されるということで、政治家個人のこういった行為に対しましても秘書が秘書がということで逃れられないというふうに厳しくしたところでございます。
#22
○川橋幸子君 こうした部分の改正をもうちょっと丁寧に行政の側でPRしていただきますと、女性の側の今回の政治改革法案に対する忌避感のようなものがなくなっていくのではないかと思います。今国会中に成立を期しているわけでございますから、あとは施行後の御努力ということになるかと思いますが、ぜひその辺の御配慮をお願いしたいというか、当然のこととしてやっていただきたいと思います。
 さて、残された時間ですが、やはり何といいましても、今回、法案の成立について残された日数は非常に短うございます。ですけれども、この法案、政治改革の実現につきましては、今この委員会の場にいらっしゃらない自民党の委員の方々、自民党自身もそれは実現すべきだと、そういうそもそも論については賛成なわけでございます。
 さて、年明けまして、年初でございます。伊勢神宮の後の記者会見も拝見はしておりますけれども、法案成立に向けての努力につきまして改めてこの委員会の場におきましてもう一度総理の御決意を承りたいと思います。
#23
○国務大臣(細川護煕君) 国民の皆様方の政治に対する信頼を取り戻すために長い間国会におきましてもこの政治改革の問題が論議されてきたわけでございますし、今度こそ決着をつけるというのがやはりこれは私どもの大きな責任ではないかというふうに思っております。与野党の真摯な御論議をいただいて、ぜひ少しでも早く実りのある成果を得させていただきたい、このように願っているところでございます。
#24
○川橋幸子君 淡々と今度こそ決着と真摯なお答えをちょうだいしたところでございますけれども、やはり問題解決に当たっての具体的な妥協の図り方というものが残された日数の中で非常に大きな課題になってくるのではないかと思います。
 そこで、衆議院採決段階におきまして河野総裁とトップ会談をやられた何点かの事項、あるいはその後も、特に年末年始のこのお休みの間で、お並びの閣僚の皆様方からさまざまな今国会法案成立に向けてのトピック的なお話がマスコミに登場してくるわけでございます。
 大体それらを集約いたしますと、私の理解しているところでございますけれども、戸別訪問について、それから区割り審議会の設置場所について、それから三点目ですが、少数意見あるいは少数政党への配慮として三%条項の緩和について、四点目といたしましては特に無所属の多い実情にございます地方の首長、議会選挙についての配慮、それから五点目として、比例の単位について自民党案の県単位それから政府案の全国単位、それぞれ主張のメリットがあるわけでございますけれども、とにかく妥協して成立させることが国民の期待に対するこの国会の務めであるといたしますと、これら五点ぐらいについて、それぞれ今の政府案のままでどうしても突っ張らなければならないものなのかどうか、検討の余地がないものかどうか、これは担当のお二人の大臣の方からそれぞれ、簡単で結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘の五点のうち一番目と二番目と四番目につきましては、総・総会談でのテーマだと承知をしております。
 戸別訪問の問題、区画委員会の設置の問題、そして地方議員の皆さんに対する配慮の問題につきましては、政府の提案はベストと思って出しておりますけれども、国会での議論を十分尊重していくという姿勢については衆参いずれの場合にも私たちの態度は変わっておりません。
 三番目のテーマとそれからもう一つのテーマにつきましては、これは総・総会談以外のテーマでございますけれども、この点につきまして、三%については衆議院では総・総会談には盛り込まれておりませんでしたけれども、参議院においてはとりわけ御指摘をいただいているところでございます。これまた国会の御議論というものを十分拝聴していきたい、こう思っております。
 ブロックにするか等々の問題につきましては、それぞれ一長一短ある中で、県単位にいたしますと比例選挙の意味がなくなるではないか、ブロックの場合につきましては、これは執行の体制あるいは区割りが難しい等々の問題があることから、民意を反映するためにはやっぱり全国一本がよろしいのではなかろうか、我々としてはそうした気持ちで政府案を出させていただいているわけでございます。
 いずれにしても、法案の成立、これが何よりも大事でございます。与野党の御議論というものを十分体して、これから法案成立のために全力を尽くしたいと、こう思っております。
#26
○川橋幸子君 それぞれの論点につきましてはきっと後ほどの質問者の方々からさらに深められた御質問があろうかと思いますので、私の場合はさらりということで終わらせていただきたいと思いますけれども、とりあえずここで申しました以上の五点のほかに、根幹部分と言われますような定数の問題、それから企業・団体献金に今まで大きく依存してきた政党におかれての問題というのがあるかと思います。
 定数配分の問題に特に触れませんでしたのは、これは参議院が補完、抑制、均衡というそういう性格の院であるということからあえて触れなかったわけでございます。また、後者の献金の問題につきましては、先ほども申し上げましたように今回の政治改革の塊とも言われるべき部分かと思いますので、もう私個人としてはそう大幅な妥協はしてほしくない、こういう気持ちだけ述べさせていただきたいと思います。
 そして最後に、二分間時間がございますので、くどいようでございますけれども重ねて細川総理にお伺いしたいと思います。
 どうぞ御自身の言葉で、御自身の声で、自民党の審議参加を要請なさるメッセージとか、あるいは政治改革四法案一括で成立させたいとするその願いを国民に向けてのメッセージとして、時間を使ってお答えいただければありがたいと思います。
#27
○国務大臣(細川護煕君) 政治改革という大きなテーマでございますから、ぜひこの問題について、先ほども申し上げましたように与野党が実りのある論議をしていただくということが何よりも大事なことだと思いますし、そうした意味で、きょう自民党の方々が御出席をいただけないということは大変残念なことだと思っております。しかし、今後の御審議におきましてぜひ与野党間で充実した論議がなされることを心から願っているところでございます。
 そして、先ほども申し上げましたように、この法案が成立をすることが、四法案が車の前輪だとか後輪だとかというようなものではないかということを前にも申し上げたことがございますが、政治腐敗防止の問題も、またそのことと選挙制度の問題も大いにかかわりのある問題でございますし、そうした意味でぜひ四法案一括で成立をさせていただきたい、そのように強く願っております。
#28
○川橋幸子君 終わります。(拍手)
#29
○委員長(本岡昭次君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十一分開会
#30
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、六案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#31
○峰崎直樹君 私も、午前の川橋議員と同じく一昨年の参議院選挙で当選してきたばかりでございまして、このように全閣僚を前にした質疑というのは初めてでございます。それだけに、話す内容がある意味ではちんぷんかんぷんになったりあるいは横へ行ったり、なかなか焦点が定まらない場合があるかもしれませんが、その点はひとつ御容赦願いたいというふうに思います。
 まず最初に、細川総理に新年に当たりまして一言お伺いしてみたいと思うわけであります。
 それは、残念ながらきょうも自民党席、今空席でございますけれども、景気問題というのは、私は、この年末年始、わずかな期間でございましたが、もう昨年の年末まで大変忙しい日程で、この政治改革委員会もありましたし、もう三日の夜にはこっちへ来なきゃいけない、こういうことで大変時間がなかったわけでありますが、多くの支持者の人たちが何とか景気をよくしてもらえないかと、こういう声が大変ちまたにあふれたわけであります。
 その意味で、私ども、今、政治改革特別委員会で議論をしていますが、私は何よりもこの政治改革法案を早急に仕上げて、そして経済政策に、不況対策に全力を挙げるという考え方を持っているわけでありますが、改めて総理の御意見を伺いたいわけであります。
 その際、ポイントを絞らせていただきまして、所得税減税という問題について今いろいろと議論されているわけでありますが、私は所得税減税が不可欠だと思いますし、何よりもこの所得税減税に付加して、消費面で、今一番私たちの身の回りを見回してみましても、住宅という問題が非常にある意味では、二世帯住宅、三世代住宅、あるいは障害者の人たちの住宅だとか、そういった面で、住宅に対する税制や金融の措置あるいは規制緩和、こういったものと合わさって、私は景気刺激政策として所得税減税とあわせて進めるべきだと思うのでありますが、その点について細川総理の御所見を伺いたいと思います。
#32
○国務大臣(細川護煕君) 現下の経済の状況につきましては大変懸念をしているところでございます。憂慮しているところでございます。先行きの不透明感というものが一刻も早く払拭されて経済社会の活力が出てまいりますように、政府としても何回かの経済対策などを講じまして全力を尽くして取り組んできたところでございますが、今後十五カ月間の切れ目のない景気に配慮した予算を組むことによって、少しでも景気に曙光が見えてくるようにさらに全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 税制の問題につきましては、所得税減税あるいは住宅等に関する税制、のあり方につきましても、今政府・与党の経済問題協議会で御論議をいただいているところでございますから、その協議の場におきましてできるだけ早急に詰めていただきたいということでお願いをいたしているところでございます。
 税制以外の問題につきましては、特に規制の問題などにつきまして、従来のようにただ規制の項目を減らしていくということではなくて、できる限りターゲットを絞って、一万一千件の規制を十年間で半減しますとかいったような切り方ではなくて、第一弾として住宅に係る規制をやっていくとか、第二弾としては、では流通をやるのかとかあるいは通信とかそういったようなものをやるのかとか、とにかくできる限り即効的に景気に結びつくような規制のあり方について切り込んでいきたいということで、昨年末に明らかにいたしました幾つかの経済対策の中でも、特にその中では住宅などについても触れたわけでございますが、それが具体的に進んでまいりますようにできるだけ早く行革推進本部などにおきまして詰めてまいりたいというふうに思っております。
#33
○峰崎直樹君 きょうは経済の問題を中心的に話をする場ではありませんから余り多くの時間を割けないんですが、その際、今申し上げました与党の経済対策会議、こういった場でも恐らく議論されるんだろうと思うんですが、私は、今日のような不況下においては消費税の引き上げという問題、消費税というのは個人的にはこれからの高齢化社会の中で制度自体も直していかなきゃいけない、そして高齢化社会を目指した税制としてぜひともこれは検討していかなきゃいけない問題だというふうには自覚をしていますが、しかし、今こういう状況の中でその税率をアップするとかそういうことについては非常にまずいんではないか、これは意見でございますから、一言申し上げておきたいと思います。
 私ども社会党の中にも税調をつくりまして、私も個人的にはその中である程度仕事をさせていただきましたけれども、当面はやはりつなぎの短期の国債を発行してこの財源を賄うべきではないか。大蔵大臣もいらっしゃいますけれども、財政論争をするつもりはないのでありますが、大蔵省出身のある学者の方は、赤字国債を発行する、あるいは建設国債もそうなんですが、これは夫婦間の金の貸し借りみたいなものだ、こういうような指摘をされる学者も複数人いらっしゃるわけでありまして、財政の健全化ということを至上目的にする余り、やはり景気というものは生き物、これを殺してはならないんじゃないか、このことだけ意見を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 さて、今回提出されております政治改革法案でございます。
 何度も答弁をされたと思いますが、細川総理大臣に改めてこの政治改革法案というもののねらいというものをいま一度明らかにしていただきたいというふうに思います。
#34
○国務大臣(細川護煕君) 四法案を一括して出させていただいているわけでございますが、政治に対する国民の信頼を回復するために、政治と金にまつわる問題を改善していくための罰則の強化、あるいは透明性などを確保するための法案、あるいはまた個人本位の利益誘導型の政治に陥ってしまうというそういう点を是正をしていくための選挙制度のシステムの問題、できる限り総合的に改善をしていかなければならないという観点から今度の法案を提出させていただいているわけでございまして、この法案によって大きく私は今の政治の現状というものを変えていくことができるというふうに確信をいたしております。
 政治に対する国民の信頼が取り戻されない限りあらゆる対策を機動的に適切に講じていくということはできないわけでありまして、そうした意味でも、先ほどもお話しがございました当面の経済情勢などに対する対策というものももちろん一生懸命やってまいらなければならないし、また現実にそのつもりで対策を講じているわけでございますが、何よりも基本はこの政治の基本的な枠組みというものを国民から信頼されるものに変えていくということが大前提であるというふうに考えているところでございます。
#35
○峰崎直樹君 衆議院段階で、総理はたしか、私の目指すところは穏健な多党制である、こういう形でこれからの政界の再編の動きを答弁なさっておりますが、先日、ある新聞とだけしか申し上げておきませんが、どうも総理は穏健な多党制というものから一歩離れられて二大政党制に近い考え方をとられるようになったのではないかというような報道がございました。この点について、報道機関の一方的な報道かもしれませんが、もし考え方が大きく変わられたのであれば、その点を明らかにしていただきたいと思います。
#36
○国務大臣(細川護煕君) 全く変わっておりません。穏健な多党制という考え方、そういう方向になっていくであろうという見通しを以前に申し上げたわけでございますが、その考え方は今も全く変わっていないということでございます。
#37
○峰崎直樹君 私も穏健な多党制が今望ましいのではないかと考えている一人でございますので、これからもぜひその方向で頑張っていきたいなと思っております。
 さて、視点を国際的な視野にまで少し広げさせていただきたいというふうに思います。
 まず第一に、昨年十二月だったと思いますが、ロシアにおいて連邦議会選挙、議会議員の選挙が行われた。私びっくりいたしましたのは、自由民主党という、日本にも同じ名前の政党がございますけれども、その政党が比例代表でたしか二五%近い得票をとって第一位であったという。しかし、その党首が何を話をしているかというと、かつての帝政ロシアの時代の領土の復活、あるいは原爆を使うとか、さまざまな発言を聞いておりますと大変不気味な存在として浮かび上がったように思うわけであります。
 この国際的な大変大きな脅威と思われるロシアの動きに対して、総理、どのように考えておられるか、もし御意見があればお聞かせ願いたいと思います。
#38
○国務大臣(細川護煕君) 冷戦構造が崩壊をして民主主義の新しい形、姿というものがもう少し成熟をした形で求められているということなのかと思いますが、世界の中でも幾つかの国で、今お話しがございましたようなネオファシストと言われるような政党が出てきつつあるということは大変憂慮すべきことだと私自身受けとめております。
 今お話しのロシアにおきましても大変過激な発言をなすっておられる人がおられるわけですが、それは恐らくロシア国民の総意を示したものではなかろう。確かに二五%の得票は得ているということでございましょうが、本当にそれがこれから伸びていくものであるかどうかということについては、そのような傾向が伸びていくかどうかということについては、私は、そういう形にはなっていかないのではないか、そういう願いを強く持っているところでございます。
#39
○峰崎直樹君 総理、ロシアのことだけではなくて、世界的にも、今御指摘ありましたように、例えばイタリアではたしかムッソリーニのお孫さんが出たとか、あるいはドイツではスキンヘッドの集団が出ているだとか、私たちからすると、戦前のファシズムとまでは言いませんが、大変憂慮すべき事態が単にロシアだけではなくて国際的にも起きているような気がするんです。
 実は私は、昨年の五月に参議院の法務委員会で当時の後藤田法務大臣にお伺いをいたしました。後藤田法務大臣は今回の政治改革が実現をしなければ地獄を見る、こういう発言をされておりましたので、その真意をお聞きいたしました。今そのときの議事録を持っているわけじゃありませんが、明らかに議会制民主主義と言われているものが先ほど総理がおっしゃいましたように信頼感を失ってきている、そのことから、こういう政治改革というものが実現をしなければ、政治腐敗、汚職の、金権腐敗体質の、自民党だけではなくて日本の政治全体が大変な危機的な状況に陥るということを心配された発言だったと思うのであります。
 その意味で、私は、今回の政治改革法案、内容的な問題については後で述べますが、細かい点はたくさんいろいろある、もっと変えてもらいたいような点もたくさんあるかもしれない、しかしこの細川内閣でもってこの政治改革法案をどうしてもやはり実現をしなければ、後藤田前法務大臣の言葉ではありませんが、地獄を見ることが日本においてないだろうか、そういう危険というものを私は非常に感じている一人である、このことを私、答弁は要りませんが、申し上げておきたいというふうに思います。
 さて、そういう中で、今、政治改革四法案が出されているわけでありますが、本当に求められているものは何なんだろうか。先ほど総理は政治腐敗の問題を指摘されました。私も、昨今のゼネコン疑惑も含めて本当にこの政治腐敗を一掃しなきゃいけない、今度の法案でもできる限りそのことの実現を図っていかなきゃいけない、この気持ちは人一倍強いのでありますが、私、少しよく考えてみるとこういう問題が起きてくる背景というものは一体何なんだろうかな、こういうことについて少し御意見をお伺いしてみたいわけであります。
 腐敗が起きてくる原因は何だ、いや、中選挙区制にあるというふうによく、これは、今、羽田外務大臣うなずいていらっしゃるんですが、私も確かにその中選挙区制と言われているものにも原因があるというふうには思うのであります。
 しかし、それだけなんだろうかということを考えてみたときに、我々、政党あるいは政治家というのは競争しております、政党間競争をやっております、あるいは政治家の間の競争をやっておりますが、その競争というのは、かつては政策によって争われる、またこれからも争われるべきだと思います。
 しかし、どうもこの政党間の政策の距離というものが非常に縮まってきているんじゃないのか。社会党も連立与党に入ったことに伴ってさまざまな毀誉褒貶をよく受けるわけでありますが、しかし、いろいろ勉強させてもらう。そして、政権与党へ入ってみると、ああ、なるほど、こんなことが大切なんだなということを勉強する。そして、いろんな政策についても、やはり与党になってみると実現のできないことはなかなかそれは言うものではないということも勉強するわけであります。しかし理想は持っていかなきゃいけないいそういう意味でのいわゆる政党間の距離というものが私は徐々に縮まってきている、そういうふうに思います。
 その意味で、私自身この政治腐敗が起きてきている原因という問題についてはいろいろ多面的に考えてみる必要があるんじゃないのかなというふうに考えているんですが、この点ちょっと、事前通告していませんが、羽田外相、よく中選挙区制の矛盾ということをおっしゃられるんですが、少し意見をお聞かせ願いたいと思います。
#40
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。
 まず、今お話しがあった中で私がうなずいておりましたのは、やっぱり中選挙区制というのは一番もとにあるんじゃないのかということが御指摘あったときに実はうなずいたわけなんです。
 というのは、これははかの政党の場合にあるいはそういったことが合致しないのかもしれないんです。
 というのは、私は自民党におった人間でありまして、自民党にありますと衆議院の選挙、これはやっぱり複数が立候補しないと政権がとれない、安定した政権がつくれないということでありますから、複数が公認になります。三人区で例えば二人公認になる。これは当たり前なんでしょうけれども、そのほかにも無所属で何人か立候補される。三人区の選挙区でありながら保守系あるいは自民党系という人が四人も五人も実は立候補するということになりますが、もうともかく党の中ですからそんなに政策の争いはない。
 ということになると、サービス。サービスをよくするためにはできるだけ事務所を幾つもつくらなければいけない。そして、片一方が二つ事務所をつくるとこちらは三つ、こちらが三つつくるとこっちは四つというので、多いところなんか十カ所も事務所を持っている。しかも、秘書さんと言われる人の数が四十人もいるなんということがありまして、さてその人が一期生、二期生の人の場合にどうやってこの資金を集めるのかなと実は思わされたことがあります。
 私自身は一つだけでまだやっておるんですけれども、だんだん若い人になればなるほどそうなってくる。ですから、一つの政党の中で複数を当選させる、しかも無所属で当選した人が自民党にまた入ってきてしまうということになるわけですね。ですから、そういうところにやっぱり無理なお金がかかる。
 よくお金のことを、個人ですとかあるいは倫理観ということを言われるんですけれども、どうも政治の中にはいろんな言葉がありまして、水清ければ点すまずなんて言葉ですとか、あるいは、猿は木から落ちても猿であるけれども議員は選挙で落ちたらただの人ですとか、あるいは、清濁相あわせのむとか、ともかくいろんな言葉を先輩たちがつくりまして、倫理観というものを乗り越えるようなことをさせてしまっておるというのがあると思います。
 ただ、問題になっている人一人一人を見ましても、ただ蓄財ということよりは、むしろそういった自分たちでつくり上げちゃった選挙の中で金をどうしても必要とする。それを準備するために、何というんですかね、お金がかかる。ですから、何といっても腐敗防止法ですとかそういったものも私は大事だと思いますが、しかし、それをやりましても、やっぱりこの根っこにある選挙制度を変えないと、中選挙区というこの制度を変えないと、私は本当の、何というんですか、お金のかからない政治というのは実現できないかな。
 英国の場合も腐敗防止法をやりながらすぐ追いかけて選挙制度をやった、そして今日そういったことが指摘されないようになったということを、私は何回も英国、あるいはそのほかの国、ニュージーランドなんかに行きましても英国の制度を勉強した連中からそのことを聞かされたものでありまして、やっぱり根っこを断ち切ることが大事だろうというふうに思っております。
#41
○峰崎直樹君 選挙制度の問題にもう突然入っちゃったわけですけれども、今、羽田外務大臣のお話を聞いていてなるほどとうなずくことも私もあるんです。
 ただ、中選挙区制を今回の小選挙区比例代表並立制に変えればそのような弊害が直ちになくなるというふうには恐らく外務大臣もおっしゃっていないと思います。私は、その意味で、今回のこの政治改革法案は冒頭申し上げましたように何としても実現しなければならない、しかし、どうも政治改革と言われているものについてのポイントはなるほどこれもそうかもしれないけれども、もっとやはり大きな問題が潜んでいるんじゃないかなという感じが最近はしているわけです。
 と申しますのは、実は私の一年半前に戦った参議院選挙も投票率が非常に低うございました。
 私は、ここに資料を持っているんでありますが、ロンドン。エコノミストが、これはもちろん和訳してあるものでございますが、ちょうど去年の今ごろ、十二月の終わりから一月の最初だったと思います。何も日本がただ単に投票率が低いわけではない。日本だけが腐敗しているわけではない。日本だけが与党がだらしないわけではない。あるいは野党もだらしないわけではない。これを見ますと、「政治に冷たい先進国有権者」と、こう書いてある。軒並み投票率が下がっている。
 実は、昨年の七月に行われた総選挙を暗示するかのように、政治に対して有権者というのはどういうふうに見ているかというと、「政党がしだいに衰退し、単一問題に取り組む団体が台頭してきた。かつてないほど出しゃばりな報道機関」、ちょっと後ろにもおられますけれども、あのテレビ朝日報道などなどもありましたけれども、それと「教育水準の高い有権者」、この人たちが政治家や政党の言っていることに今までのように盲従しなくなった、冷静に見ている、あるいはゲームとして楽しむようになったと。まあゲームとして楽しむとは言っていませんが、私はそういうふうに見ている有権者がいるんじゃないかと思うんです。
 そういうことをこのロンドン・エコノミストを読みながら、ううんこれは、と思って、今度は昨年の衆議院選挙を見たら、実はこれまた投票率が非常に低い。あれだけ自由民主党が分裂をして政権から落ちるかもしれない、政権交代があるかもしれないということで、まさかその投票率がこんなに下がると思わなかったんですね。
 これは、今、一例でございますが、それだけではなくて、どうもその政治腐敗を一掃するために選挙制度を変えなければいけない、腐敗を一掃しなければいけないというこれも一つの大きな課題だし、今回はやらなきゃいけない。しかし、もう一つ大きい問題は、このような状態に陥っている先進国の民主主義というものが一体どういう状態に陥っているんだろうかなということを私は考えてみるときに来ているんじゃないかなと。
 とすると、ここから先は私の一方的な判断なのかもしれませんが、これまでの日本の政治や経済のシステムというのは、なるほどうまくいっていた。人によっては経済のシステムは一九四〇年体制だ、こういうふうに言う。四〇年代に日銀法ができる、借地・借家法ができる、あるいは今問題になっています食管法もできてくる、それがうまくいったけれども、先進国に追いついてみたらこれを変えなけりゃいけない、こういうふうに言う人もいる。あるいは一九六〇年体制というふうに言う政治学者もいる。いろんな、諸説さまざまなんですが、今までの政治や経済のシステムはなるほど先進国に追いつけ追い越せてうまくいっていたけれども、どうもこれからの日本の政治を考えたときには、それでは決定的に足りなくなっていますよ。そして、何が一番足りなくなってきているかというと、国際社会に対して日本がどのように貢献したらいいのかということについてのメッセージを日本がつくり得ていないんじゃないか、このことを実は私自身いろんなものを読むにつけ痛感をしたわけであります。
 自由民主党の方がおられればここを本当にきちっと朗読をしてあげれば一番いいし、またこれは私どもの社会党にとっても勉強しなきゃいけない点なんですが、日本経済新聞の十二月二十日付の「日本のリストラ」、この中で立教大学の北岡伸一さんという方が外交問題を論じておられます。私もかねてからいろんな本を読んで共鳴している点がたくさんある方でございます。
 この方が何と言っているかというと、外交はこれから大変重要になってくる。「日本の国会審議ほど世界の常識から外れたものも少ない。」、「国会では、政府の提案に欠点がないかどうかが審議されるだけである。」、「このような審議形態は、五五年体制で成立したものである。社会党は現実的な実行可能性のある対案なしに政府を批判し、」、必ずしもそうでなかったんではないかというちょっと内心いろいろありますが、そういう指摘を受けている。そして、「政府の方は、ひたすら穏便に切り抜けようとした。そのような「専守防衛」の国会審議に熟達した人物が、国際舞台の競争で勝てるはずがない。」。外務大臣はもうこんな熟達どころかもっと本当に大活躍をしていただいているんだろうと思うんですが。「この仕組みが、自民党が野党となった今も続いている。中西防衛庁長官の憲法見直し発言を自民党が批判した時、自民党は改憲を党是としているのではないかという反論が提起されるべきだった。コメの部分開放に自民党から内閣不信任という声があるが、自民党に現政府案以外の方法があるのだろうか。さらに、現在の政治改革法案は、もともと海部・宮沢両内閣で自民党が準備した案と大差はない。つまり、自民党は自ら行う可能性の高い案を批判したり、自ら実行する意思のない案によって政府を批判したりしている。これではかっての社会党と同じである。」、ここがちょっと私どもつらいところなんですが、ここから先が重要なんで、「日本の国会での発言は、今ではメディアを通じて世界の多くの人々に聞かれている。」、このことを忘れてはいけない。と同時に、「議会の審議は、自ら実行する意思のある政策によって相手を批判することでなければならない。」。
 私はこの北岡さんのあれを読みながら、今私たちが一番改革をしなけりゃいけない問題というのはここから始まるんじゃないのかな。つまり、国会で国会議員とそして政府側の大臣の皆さん方との間の論戦というものを本当にやり遂げていかないと国際舞台で通用する外交を実現できなくなるんではないのかこういうことを教えてくれているような気がするんです。
 ということは、日本の政治というのは、従来、国際社会に対してどう対応したらいいかということの入力に非常に弱かったんじゃないのか、私はこういう感想を持つんですが、この点、総理がよろしいでしょうか、それとも外務大臣がよろしいのか、あるいは政治改革担当大臣か、どなたか一人で結構でございますので、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#42
○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘いただきましたことは、本当に全く私もそのとおりだと思うんです。
 これはちょっと制度に入ることをお許しいただきたいんです。さっき金と腐敗のことで申し上げたんですけれども、私自身も二十何年間この国会にありまして思うことは、それぞれの立場の人たちが本当にこれをやるんだぞということで本格的に議論しているだろうかということ。例えばPKOの議論をいたしましても、かつて消費税の議論をいたしましたときにも、あるいはガットの問題にいたしましても、真っ正面からこうなったときにこうなるんだという議論が本当に国会の場でなされているんだろうか。これが実は、残念ですけれどもなされておらない。そして、うっかり例えば大臣なんかがそのように答弁いたしますと、そのつもりで答弁いたしますと、すぐとめられてしまいました。私自身、お米の問題について、かつてあれは大蔵大臣でしたか農林大臣のときに答えましたときに、百十何カ国もて議論している、日本の一品目だけが何にも傷つかないで許されるんだろうかということを言いましたら、その答弁について、少し変えてもらわなかったらだめだと言われてしまう。これでは本当にどうにもならぬ。
 それと、先ほどもちょっとお話ししたんですけれども、例えば参考人あるいは公述人を呼んで公聴会なんかをやります。しかし、日本の場合にはこれは全部手続なんですね。結果はいつも決まっちゃっているわけです。イエスかノーか、必ず大体もう結果が決まっちゃっている。参考人の方は一応お呼びするけれども、参考人の方をお呼びすることによって法案の内容が変わるとかなんとかはないですね。よその国の場合ですと、参考人をお呼びする、そしてその意見を聞きながら法律の内容を変えて、そして与野党で話し合って合意をつくり出していく。これが本来の国会だと思うんですね。そういうものがない。
 私はこのことを、もう一度申し上げたいのは、お金と腐敗の問題、政治家の問題だけではなくて、複数選ばれる選挙制度というのは、どうもきついことをだれも言わないのにおれだけ言ったら損だということでやめてしまう、これが選挙のときだけではなくて議会の中でもそうであったということを今改めて実は思い起こします。
 そんな意味で、私どもやっぱり本当に議論ができる国会、そしてその国会の審議の中から物が生まれていく、そういうものにしなければ日本の民主主義というのは本物じゃない、私はそんなふうに思っております。
#43
○峰崎直樹君 総論的な話よりも、今度は少し各論に入らせていただきたいと思います。
 選挙制度の中身の問題に入らせていただきたいんですが、もう時間がありませんので、どうしても言いたい順番から発言をしたいというか、政府側の答弁をいただきたいところから進めたいと思うんです。
 実は、私が出た選挙のときにアイヌ民族の代表者を社会党の比例代表区で第十一番という、残念ながら第十番までしか我が党は力なくて当選できなかったんですが、この少数民族代表といいますか先住民族の代表というものを国政の場に反映するということが何とかできないものだろうか制度的にできないものだろうか。この点、実は私も今から三年前、明けましたので四年前にニュージーランドに出向いたことがございます。そこではマオリ族という先住民の方に議席が与えられておりました。こういうようなことは衆議院では恐らくなかなか大変なのかもしれませんが、参議院の選挙制度といったような中で職能代表というようなことが一つ議論された経過もあるやに聞いておりますので、この点については、可能性といいますか、議論をするということについて一体どうなんだろうか。この点、山花大臣あるいは佐藤大臣かぜひひとつお聞きしたいと思います。
#44
○国務大臣(山花貞夫君) 二院制度を持つ我が国における参議院のあり方にかかわる問題提起だと伺っておった次第です。
 御指摘のとおり、私も委員長当時でしたけれども、そうしたお声というものを尊重して比例代表の名簿に掲載をした、残念ながら今お話しの結果ということになっておりますけれども、そうした声が大変強かったということを受けとめたものであったことを思い起こしております。
 ただ、憲法とのかかわりにおきましては、憲法十四条、四十二条、とりわけ四十四条とのかかわりにおきまして、大変そこでの議論が難しいのではなかろうか、こういうように考えているところでございます。しかし、そうした御主張、御意見というものが盛り上がる中で、各政党のそれぞれの主体的な自主的な判断というものが御主張を生かすようなこともあるのではなかろうか、こういうように考えているところでございます。
#45
○峰崎直樹君 この問題は大変難しい問題だというふうには存じておりますが、何とか国際社会の中で、日本という国が人権問題、あるいはこういう少数な先住民族の方々の権利の保障という点で一歩前の姿勢が出せるように我々自身もまた知恵を出してみたいなと、こう思っているところでございます。
 さて、実は、私また新聞の報道を引いて恐縮なんですが、一月四日付の毎日新聞の冒頭に、「並立制比例代表選挙で修正案 当選者、県単位で政党の得票集計「全国」のまま」、そしていわゆる阻止条項を得票率の三%から二%に緩和すると。
 私も阻止条項の問題について、三%というのはきついかなという感じは持っていましたけれども、この新聞報道、「政府・与党検討」となっていますけれども、この点について検討されているのかどうなのか。そして、検討されているいないにかかわらず、この新聞内容の評価についてはどのように考えておられるのかお聞きしたいと思います。
#46
○国務大臣(佐藤観樹君) 私も一月四日の朝、毎日新聞を見てびっくりしたぐらいですから、政府の中では検討はされておりません。
 ただ、今日までの衆議院、参議院におきます議論を通じていろいろとそういう御意見があった、あるいは昨年のたしか民社党案はそういう考えに非常に近い、あるいはドイツでやっております併用制なんかも考え方としては非常に共通したものがあるわけでございます。したがって、政府として検討していないので評価として物を申し上げるのはまことに答えにくいわけでございますが、その毎日新聞に報道されているのは細部はちょっとわかりませんので必ずしも正確じゃないかもしれませんが、ただ、そのやり方をしますと、小さな県は恐らくほとんど当選者を出し得ないであろうということが推測されると私は個人的に考えております。
#47
○峰崎直樹君 根幹の修正問題という大変大きい問題でございますので、ひとつその修正ということに当たって、私は、最終的にこれを成立させるためのいろんな論議があって、最後の決着の場合に妥協をしないということを言っているわけじゃありませんが、ひとつこの点はぜひ慎重に扱っていただきたいなと思います。
 さて、もう本当に時間がありませんので事前通告していた内容を少し割愛させていただかなきゃいけないと思うんですが、先ほどの羽田外務大臣からありました、中選挙区制から選挙制度を変えて小選挙区比例代表並立制に持っていったときに、どうしても私どもが心配をするというかあるいはこの点を変えなきゃいけないんじゃないのかというふうに思っている点がございます。
 先ほど私、与野党といいますか、各政党間の政策上の距離が非常に短くなっていると申しました。これでいいわけではないと思っているんです。いいわけはないというのは、政策が縮まったことを言っているんじゃなくて、政党は国民に対して、ある意味で私たちはこのような社会をつくるべきじゃないのかというビジョン、これはやはりしっかりと示していく必要があるんじゃないのか、こう思っているわけです。
 そういうものをつくっていくときに、実は与党と野党、特に自由民主党が三十八年間の政権にあったときの与党と野党との間では、余りにも情報のギャップがあり過ぎたのではないのか。つまり、与党であるがゆえに膨大な官僚機構、優秀な官僚機構の方々の情報が使える。それに対して、野党側はシャドーキャビネットをつくったけれどもできない。私は、こういうことについてイコールフッティングでなきゃいけないんじゃないか。
 そしてその際に、今、行政府と立法府との、政治と行政との関係の中でいろんなアイデアが出されているんですけれども、今たしか連立与党の中では、副大臣を置く、あるいは政務参事官を置くというふうな構想も議論されているやに聞きますが、このことの是非ももちろんあるのでありますが、イギリスにおいてじゃ一体シャドーキャビネットに対する情報提供はどうなっているんだろう、あるいは、私も十分存じているわけではありませんが、ドイツでは、各野党、与党を問わず政策審議会に官僚の方々が出向されたりして、そして法案作成を手伝っているというようなことも聞いているわけですが、その意味で私はこの機会に、これはこれからの大きな課題だと思うのであります。
 そういう政策形成能力というものを個々の国会議員やあるいは政党というものがしっかり持つ必要があるんじゃないか。このことについて、担当大臣、もし御意見がありましたらお聞きしたいと思います。
#48
○国務大臣(佐藤観樹君) 私も、衆議院におりますときに全く同じ認識を持ったわけでございます。
 そこで私は、衆議院でも例えば法制局の強化をしなければ、やっぱり行政府の方がたくさんいるわけですから、法制局の強化もしなければならぬということも国会改革の中で申し上げたことがございますし、何といっても政党自身が政策形成能力を持つためには、シャドーキャビネットも大事でございますし、またシンクタンクというものを充実をしていくということは非常に重要なことではないか。そのために今度政党助成法等があるわけでございますので、それはどのように使うかは政党の御自由でございますけれども、やはり政党本位ということになっていけばシンクタンクというものを充実していくということも非常に重要になってくるんじゃないだろうか。私は認識全く一致をしております。
#49
○峰崎直樹君 最後にといいますか、もう残された時間がありませんので、政治家とお金の関係について少し触れてみたいと思うわけであります。
 最初に、企業の団体献金というものをある意味ではこれからは個人には許さない、政党に許す。その際の根拠として、政党の資金団体、そこに入ってしまうと議員個人と出す側の企業との間の癒着関係が絶たれる、こういう話だったんです。
 ところが、十二月三十一日、これ同じく毎日新聞ですが、「ひも付き献金三割前後 国民政治協会約束通り特定自民議員へ 規正法の枠クリア」、こう書いてあります。これが正しいかどうかわかりませんが、現在提案されている法案の中で非常に大きな改革の一つだと言われているこの国民政治協会を通すようなそういういわゆる政治資金のあり方というもの、これが報道されているとおりであるとすれば、一体私たちは今論議を進めていることについてどう理解をしたらいいんだろうか。その点について政党支部をたくさんつくるというような抜け道の話がありましたけれども、これも一つの抜け道としてどのようにふさいだらいいのかということについて、やはり企業献金を禁止する以外にないんじゃないのかというふうに思うんですが、この点どうでしょうか。
#50
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘の新聞報道にある政治資金団体は、政党のために資金上の援助をすることを目的とする団体として一政党について一つ指定することができる、こういう立法の経過がございます。そして、それは一体のものと考えられているところです。
 今御指摘のような抜け道ではないか等々の問題をも含めまして、それは企業団体献金をすべて即時全面禁止というところまで踏み込んだ場合には御懸念の問題については解決するわけでありますけれども、今回は半歩踏み出すと申しますか、とにかく腐敗の温床となっておった企業団体献金が個人の政治家に行くのをやめる、即時全面やめる、その意味でも半歩といっても大きな前進である、こういうように考えて提案しているところでございます。
 三番目に、そこで政党について性善説に立つのか性悪説に立つのか、この議論も絡んでくると思いますけれども一政党は本来信用するということからスタートしなければ立法は現実にはできません。ということでは、すべてオープンにするということの中でこうした問題について国民の批判の対象にさらすということが今回の法律の提案の内容となっているところでございます。
#51
○峰崎直樹君 しかし、本当に性善説に立ちたいとは思うんですが、こういう事態は、これが事実かどうかまだ報道ですからわかりませんけれども、本当に残念だなというふうに思います。私たちとしては、やっぱり企業献金というのは廃止すべきではないか。
 その第二番目に、私が企業献金を廃止すべきだという根拠に、昨年商法を改正いたしました。株主の利益擁護という観点で代表訴訟制度というものが非常にやりやすくなりました。そして、何よりも今、株式市場というのは国際化をしてきております。だとすると、日本の株主総会、これとは比べ物にならないぐらい諸外国の株主というのは自分たちの利益がどうなるのかということについては非常に注目をしていると思うんです。そうすると、外国人株主もふえてきた中で、例えばドイツの場合は監査役会でこの問題については承認を得なきゃいけない、あるいはイギリスでも株主に一定程度説明しなきゃいけない、こういうような状況の中で、今後の企業献金を取り巻いている環境というのはかっての八幡製鉄の最高裁判決が出されたときの状況とは大きく変わってきているんじゃないのか。
 この点についてもし担当大臣何か意見があればお聞きしたいと思います、そういうことについての評価を。
#52
○国務大臣(佐藤観樹君) 八幡判決の当時に比べましてまことに金の動きが大きくなっている。そういう意味では、今、政治改革のこの法案を通していただいて、企業・団体献金というものを原則禁止する、政党のみに限るということに大きく踏み出さなきゃいかぬと思っているわけであります。
 ただ、峰崎委員御指摘のように、ひとつ商法の中で企業献金というものをあらかじめ国民の目にわかるようにしたらどうかという御提案だとするならば、御承知のように、現行商法では株主総会の決議事項を法律に定めた事項に限って書くということになっておりますので、なかなかそれは難しい。もっとも、あらかじめその会社が定款で書いておいて、そして企業献金をこうしますということを決めておけば、それは法定事項以外の事項をも総会の権限に属させることは可能でありますので、できないことではありませんけれども、果たして会社そのものがそこまで本当に踏み切るかどうかにかかっているというふうに考えております。
#53
○峰崎直樹君 もう時間がありませんので、最後に選挙運動のあり方の問題についてちょっと。
 これは後でまた同僚議員からいろいろの角度から質問があるかと思いますが、今回どうも政党選挙というものに非常に力が入れられている。例えば、テレビで私どもが個人で候補者として政見放送ができた。ところが、これができない。今回はそれがなくなっている。あるいは政党は政治活動でなく選挙活動ができるというようなことも出されております。あるいは政党助成もされております。
 昨今の日本あるいは先進国を取り巻いている状況というのは、この政党と言われているものに対する縛りというものはだんだん弱まってきているんじゃないか。もちろん政党政治がないわけじゃありませんけれども、全くなくなると言っているんじゃないんですが、そういう点で、この選挙運動のあり方について非常な疑問を持っているということを申し上げて、これは答弁は要りませんので、ひとつそういうことについてこれから引き続き議論をしていきたいと思って、終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#54
○猪熊重二君 私は、今回の政治改革四法案のうち、公職選挙法の改正案について三点ほどお伺いしたいと思います。
 まず第一の問題点は、小選挙区と比例代表のそれぞれの定数の問題について初めに伺いたいと思います。
 御承知のとおり、今回の公職選挙法改正案は、衆議院議員選挙に関して小選挙区と比例代表の併用ということになっておるわけです。政府の方でたびたび御説明ありますように、小選挙区の方は民意の集約、比例代表選挙の方は民意の反映ということで、これを組み合わせて何とかうまい選挙制度をつくりたいということで、私もその考え方は非常に現状において妥当なものだというふうに考えます。ただ、この小選挙区と比例代表というものを二つ並べた場合にも、その選挙人の数のとり方いかんによってはこの制度というものが余りうまく作用しないんじゃなかろうかというところが問題であります。
 まず自治大臣に、政府の原案においてこの比例選挙区部分と小選挙区部分をそれぞれ二百五十人というふうに決めたことの根拠というか意義というかそれについてお伺いしたいと思います。
#55
○国務大臣(佐藤観樹君) 経過的には細川内閣が成立するときのいわば提案ということになるわけでありますが、私たちがこれを自信を持って提案しておりますのは、先生今お話しのように、民意の反映というものと政権の選択というものを同時にする衆議院という選挙の性格からいって、これを同数にすることが両方の意義というものを相互補完的にすることになるということで二百五十、二百五十ということに提案をさせていただいた次第でございます。
#56
○猪熊重二君 私も本当にそのとおりだと思う。
 というのは、いろんな考え方があって、全部を小選挙区がいいという考え方が一方に現にあるわけです。宮澤内閣のときは全部を小選挙区にしよう、こうしたんですから。それから、片方の考え方として全部を比例代表にしよう、こういう考え方があるわけです。どっちがいいかというのは、じゃんけんで決めるわけにはいかない、それぞれこっちがいい、こっちがいいと言っているわけですから。そうしたら、それぞれの意見を何とかうまいぐあいに折り合って二百五十と二百五十によって両方の意見をうまいぐあいにバランスとったということで、私は二百五十、二百五十というのは非常に妥当な数字だと思っているわけですが、そして今自治大臣からもそのようなお答えがあったわけです。
 ところで、この各二百五十人という数は、衆議院において比例選挙の方が二百二十六人、小選挙区の方が二百七十四人に修正されたわけです。この修正について、政府としての見解はいかがなんでしょうか。
#57
○国務大臣(山花貞夫君) かねてから、衆議院の委員会に臨みましても、政府としてはベストと思って提案しておりますけれども、国会の御議論は尊重させていただきます、こういう姿勢で臨んでまいりました。今回、今御指摘の点が修正されたわけですが、私、今回の配分によりましてもそれぞれの制度の特徴というものは生かされているのではなかろうか、こういうように考えているところでございます。
#58
○猪熊重二君 政府としてはそう言ってもらわないとちょっと困るんだからそれはそれでいいんですが、いずれにせよ、これ以上またこの数値を変更することの妥当性ということについて私は伺っておきたいんです。
 というのは、御承知のとおり、第八次選挙制度審議会は比例代表を四〇%、小選挙区を六〇%と答申したわけです。しかし、これでは先ほど申し上げたように民意の反映という点において非常に比率が少な過ぎる、そう私は考えます。
 ところで、この両方の定数に関して、衆議院では否決されたわけですけれども、自由民主党の案では比例代表選挙の方が百七十一人、小選挙区選挙の方が三百人、この比率は八次審の四〇%、六〇%に対して比例代表の方がさらに四〇%より下がって三六・三%、小選挙区の方が八次審の六〇%をさらに超えて六三・七%、こうなっている。
 これは否決されたんで結構な話なんですが、いずれにせよ、こういうふうな八次審の比率でも比例代表が軽視されているという状況で、これを今後さらに修正するというふうなことはあるべきではないと私は考えますが、この二百五十、二百五十が二百二十六、二百七十四とさらに比例代表部分を少なくしていくような修正というものについてもしいろいろ国会審議等であるとした場合に、政府としてどのようなお考えをお持ちでしょうか。総理なり自治大臣の御意見を伺いたいと思います。
#59
○国務大臣(佐藤観樹君) 先生御指摘のように、比例代表の方の数をどんどん減らしてまいりますと、比例代表の一議席当たりの有権者数あるいは投票者数というものが非常に大きくなってきて、逆に言えば比例代表の役目がだんだん薄くなってくるということになるわけでございます。
 しかし、衆議院で御承知のように修正がなされたわけでございますし、そこには地方への配慮ということがなされたんだと私たちは理解をしておるわけでございますが、その面で衆議院で修正されたということにはそれなりの地方への配慮ということがかなりなされたのではないかというふうに私たちとしては受け取っておりますが、もとより参議院におきまして審議をされておることでございますので、その審議の結果ということにつきましては私たちとして十分考慮していかなきゃならぬというのが政府の立場でございます。
#60
○猪熊重二君 政府としてお答えするのは非常に答えにくいことは私もわかっているんです。というのは、それを修正するかせぬかは国会の問題だということで、国会の方でおやりになることだから私の方でいろいろああこう言うわけにはいかぬというお立場が基本的にあることはわかるんですが、しかし、せっかく政府も二百五十、二百五十の案を出したんですから、何とか二百五十、二百五十にした制度の趣旨というものが貫けるように頑張りたいというぐらいのことを言ってもらわぬと、じゃ国会が決めればどうでもいいのかということじゃ、政府提案してちょっと格好もつかぬ。
 私は、ともかく現在のような多様な国民の意識のもとにおいては比例代表という形が一番選挙制度としていいんじゃないかというふうに自分で思うものだから、これ以上比例代表が小さくされたら困ると思うものだから今申し上げているわけなんです。
 次に、二番目の問題としては比例選挙の選挙単位の問題についてお伺いしたいんです。
 政府案は比例代表の選挙単位を全国としておるわけです。私は比例代表の選挙単位を全国とするということは、先ほど申し上げましたように、現在の国民の多様な価値観を全国的な規模で議席数に反映させるという観点からも、また国会議員が全国民を代表する議員であるという点から考えてみても、やはり全国単位というのが一番妥当であるし、そうでなきゃならぬと思っておるんです。ところが、選挙単位についてもああだこうだといういろんな意見がありまして、政府の立場からすると国会の審議だからしょうがないのかどうか知らぬけれども、いろんな意見が出ております。
 まず、比例選挙の単位を全国を通じて一つとするということにした政府案の制度の趣旨、根拠、これについて最初にお伺いしておきたいと思います。
#61
○国務大臣(佐藤観樹君) 言うまでもなく、国民の民意をできる限り正確に反映をしようという趣旨で比例代表を設けているわけでございますから、有権者、国民の皆さん方の意思ができる限り反映をするようにするためには母数を大きくした方が正確に反映する。逆に言えば、県別にした場合には、例えば自民党案の場合にも二名区が二十一できまして、結局それは阻止条項が三四%にも上るというようなことになって、国民の民意を正確に反映するにはほど遠いのではないだろうかということになるわけでございますので、私たちとしましては全国単位が一番妥当であるというふうに考えたわけでございます。
#62
○猪熊重二君 この比例選挙の単位に関して第八次選挙制度審議会は、比例代表選挙の単位を全国を単位とした場合には候補者数が余りにも膨大になるから妥当でない、こういう答申をしているんです。しかし、この答申はまことに的外れで意味のない答申だと私は思うんです。
 なぜかと言えば、比例選挙の場合には、選挙人が選ぶのは候補者じゃなくて政党なんです。だから、候補者が多いとか少ないとかこんなことは比例選挙で問題にならないはずなんです。ところが八次審の答申は、全国を単位とした場合には候補者数が余りにも膨大になるから妥当でない、こんな結論を出している。
 こんな結論は的外れで間違っていると私は思うんですが、まずこの全国単位を否定した八次審の論拠について、自治大臣、どうですか。
#63
○国務大臣(佐藤観樹君) 八次審では御承知のようにブロックにという結論になっておるので、そこが候補者数が多くなるということが強調されたんだと思いますけれども、これは重複立候補も政府が出させていただきました案には認められておりますし、あるいはその順番を決めるにつきましては惜敗率という考え方を入れておりますので、八次審の先生が今読み上げられた問題については十二分に私たちとしてはクリアしている、こういうふうに考えております。
#64
○猪熊重二君 いや、クリアしているんじゃなくて、意見を求めたんだけれども、それは言いにくいわ。私の立場だったら自由に言えるけれども、政府の審議会の答申に対していいの悪いのというのを政府の立場じゃ言いにくい。
 ところで、ただ八次審もいいことは言っているんです。どういうことを言っているかというと、比例代表の選挙単位につき都道府県を単位とした場合には比例代表の趣旨が生かされないから適当でないと述べている。これはいい意見なんです。こっちの方はいいんだけれども、全国の方を否定している方はちょっと論拠が間違っているんじゃなかろうかということを申し上げたいわけなんです。
 それで、先ほど佐藤自治大臣からもお話がありましたが、自民党案について少しいろいろ調べさせていただいたんです。
 自民党案は、比例代表の選挙単位を都道府県として、さらにこの都道府県に比例選挙選出議員の定数百七十一人から一人ずつを優先配分しますから、四十七人はまず配分されちゃっているんです。そうすると、自民党案の比例代表の人口比例配分による議席は百二十四人にすぎないんです。要するに比例選挙の総数は、百七十一人という自体がえらい小さいのに、さらにこの比例配分議席はまた四十七を差し引いて百二十四にまで減ってしまっている。
 その結果として、自民党案によれば、比例代表として先ほど佐藤大臣もおっしゃったように二人を選出する都道府県の数が二十一にも上るんです。この二十一の二人を当選にするという、しかもこれが比例代表なんだそうですが、これを比例代表とした場合に、現在の日本の政治状況のもとにおいては第一党と第二党が二人比例代表で当選する。しかし、第三党以下は議席に投票者の意思が全然反映されない。しかも、現在の日本の政治状況のもとにおいては、第一党、第二党といったとしても、二つで合わせて九五%とるなんというような政治状況には到底ない。
 結局、第一党、第二党がとったとしてもせいぜい五〇%か六〇%です。五〇%か六〇%の第一党、第二党が二人分を一つずつ分け合って、その都道府県が二十一ある。それで第三党以下の民意は、場合によって五割、四割という民意は全然無視されていく。こういうふうな自民党の比例代表定数百七十一、今のような配分によるこの比例代表選挙というのを比例代表と言えるんだろうかどうだろうか。
 山花大臣、いかがですか。
#65
○国務大臣(山花貞夫君) 私は、委員会の審議を通じて、自民党の議員の方の質問を伺っての理解でありますけれども、あくまでも民意集約の小選挙区制がベストであるということを前提として、比例代表は単にそれを補完する役割、こういう位置づけでありますので、政府案とは全く立場が違っておりました。それが自民党の主張ではなかろうかと思っております。したがって、比例の本来のというよりは小選挙区を補完する役割、こうした位置づけからそうした結論になっておるのではなかろうかと受けとめているところでございます。
#66
○猪熊重二君 山花先生、いいことをおっしゃる。本当にそのとおりなんです。
 自民党案によれば、比例代表だというにもかかわらず一票に格差があるんです。一票に格差がある比例代表というのは、それは世界にはいろいろあるのかどうか私は知りませんけれども、要するに自民党案によれば各都道府県の議員一人当たりの人口にえらい格差があるんです。最小の鳥取県の議員の場合には一人当たりの人口が三十万七千八百六十一人、これに対して最大の埼玉県の場合は議員一人当たりの人口が九十一万五千四十四人。この比率は一対二・九七になっている。比例代表で一対二・九七、要するに概算して言えば三倍の格差があるんです。
 もちろん全国単位の比例代表においてはそんな格差という問題は生じっこない、もともと生じない。そうすると、このような一票の格差が三倍近くになる、そしてしかも二人だけの選国選挙区が四十七のうちの二十一だから、半分じゃないけれども四割ぐらいある。こういうふうなものは、比例代表という名前をつけるのは勝手だけれども、しかしこれは、要するに小選挙区に準じた準小選挙区みたいなものとかあるいはせいぜい言っても政党名による中選挙区制選挙みたいなものであって、非常に比例代表選挙としては不適切である、こう思うんですが、さらにもう一度、山花大臣、いかがですか。
#67
○国務大臣(山花貞夫君) 基本的には御指摘のとおりだと、こう考えております。
#68
○猪熊重二君 どうも答弁しにくい質問ばかりして申しわけないんですが、この選挙単位について、先ほど自治大臣かどなたか、要するに八次審が全国を十一ブロックに分けている、こうおっしゃいまして、確かに八次審は、今日では行政をはじめ経済その他の面において都道府県を超えた広域的な結びつきが見られ今後さらに国民の生活圏の拡大が予想されるから全国を十一ブロックに分けるのが妥当だと、こう言っているんですが、これも妥当性というのは全然ないんじゃなかろうか。
   〔委員長退席、理事上野雄文君着席〕
 十一ブロックというけれども、我が党でもいろいろ衆議院、参議院の選挙についてブロックをどうしようかというときに、八つぐらいがいいんじゃないか、十一ぐらいがいいんじゃないか、いや十二ぐらいがいいだろう、いろんな意見があるんです。いろんな意見があるということは、ブロックというものにこの八次審が言っているようなそれだけの広域的な結びつきなんかはないんです。ないから、十二がいいとか十一がいい、まあちょっと数が多過ぎるから八がいいかと、こんなことだろうと私は思うんです。
 要するに、今の日本において十一ブロックというふうな都道府県を超えた広域的な結びつきなんというふうなものは全然実体がない。だから、今回ブロック制なんということをやるとすれば、十一ブロック選挙管理委員会なんて新しいものをつくって、そのブロックにあるものは何なんだといったら、ブロック選挙管理委員会という組織があるだけだというふうなことだろうと思うんです。
 このブロック制についての自治大臣及び総理の意見をお伺いしたい。
#69
○国務大臣(佐藤観樹君) 御質問の中にもございましたように、ブロックといっても経済的あるいは行政的にこれを仕切ることは非常に困難でございますし、また、新たに選挙管理委員会をブロックごとにつくらなければならぬという問題が生じてまいります。東京都は一つというふうに恐らくなるでありましょうが、山梨の位置づけをどうするかとか、具体的にやってまいりますとなかなか難しい面がございまして、第八次審の場合にも、御承知のように神奈川と千葉県を結ぶ、東京湾の下を掘って今つなげてはおりますけれども、そういう無理をちょっとしなきゃいかぬということになるので、私たちといたしましては全国単位でということにしたわけでございます。
#70
○猪熊重二君 全国単位の政府案に対して、この委員会でもそうですが、あるいは衆議院の政治改革特別委員会等においても、一部の方から、全国単位では我が県の代表、我が地域の選出議員という実感がわかない、むしろ都道府県単位が妥当だ、こういう意見が非常に多いわけなんです。
 私は、我が県の代表だとか我が地域の代表だとかというのは小選挙区であって、比例代表の方にそんなことを持ってくるのはお門違いだということを申し上げたいんです。要するに、比例選挙は多様な民意を議席に比例的に反映させよう、現代政党政治の実態に即した政党による選挙を実現しよう、こういうことであって、その地域の代表だということ、裏返しをいえば地域の利権代表みたいな形のものを断ち切ろうというところにこそ比例代表の原点がある。それにもかかわらず、我が県の代表だから行ってあいさつして花輪をもらおうとかなんということばっかり考えているようなことは話が逆だということ、このことを特に申し上げたい。
 そして、総理に、比例代表の全国単位を今後どういうふうに、国会が変えたんだからしょうがないというふうに逃げられちゃだめなんで、そうじゃなくて、総理としてこの比例選挙の全国単位についての決意をお伺いしたい。
#71
○国務大臣(細川護煕君) 考え方は全くおっしゃることに私も同感でございますし、政府としてはさっき他の問題で山花大臣からもお答えになっておられましたが、これがベストだという基本的な考え方のもとに出させていただいているわけでございまして、ぜひそういうことで御理解をいただければと、こう思っております。
#72
○猪熊重二君 今までいろいろ申し上げたのは、ともかくこれ以上ああじゃこうじゃいじくり回されたらたまらぬということからの、質問だか意見表明だかわかりませんが、そういうことなんでございます。
   〔理事上野雄文君退席、委員長着席〕
 三番目の問題は、一票の格差の問題についてお伺いしたいと思います。
 選挙制度において一票の価値が等しくなければならぬということは、これはもう選挙における大原則だと思います。一票等価の原則は憲法上の要請なんです。
 最高裁判所は昭和五十一年四月十四日、衆議院選挙に関して次のように判示しています。
  憲法十四条一項に定める法の下の平等は、選挙権に関しては、国民はすべて政治的価値において平等であるべきであるとする徹底した平等化を志向するものであり、憲法十五条一項等の各規定の文言上は単に選挙人資格における差別の禁止が定められているにすぎないけれども、単にそれだけにとどまらず、選挙権の内容、すなわち各選挙人の投票の価値の平等もまた、憲法の要求するところであると解するのが、相当であるこれが昭和五十一年四月十四日の衆議院選挙に関する一票等価に関する最高裁の判決。
 そして昭和五十八年四月二十七日には、参議院選挙に関しても一票等価の原則が憲法十四条の要請だということを次のように判示しております。
  選挙権の平等の原則は、選挙権の内容の平等、すなわち議員の選出における各選挙人の投票の有する価値の平等をも要求するものと解するのが相当である
 何でこんなことを申し上げたかというと、今回の改正案で一票等価の原則というものについてどれだけ政府案が本気になって考えているんだろうかということについてやや疑念があるから申し上げるんです。
 どういうことかといいますと、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案の第三条に選挙区改定案作成の基準として次のような条項になっています。「各選挙区の人口のうち、その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が二以上とならないようにすることを基本としこというふうに書かれていますね。
 これは山花大臣か佐藤大臣かわかりませんが、二以上にならないようにするということを文言どおり読めば、二までは結構だよということに普通は考えられるんですが、そんな二まではいいんだよというふうなことじゃなくて、二まではいいんじゃないんだろうと私は思うんです。一対一が原則でなきゃならぬという観点からすれば、この二以上にならないようにすることを基本とするということになると、二まではいいというふうに、結構結構というふうに見えるんですが、この点どうなんですか。
#73
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘の三条におきましては、お話しのとおり、人口格差が二倍以上にならないことを基本とし、「行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して」と二つの基準を置いているわけであります。
 本来、平等ということを数と価値において唯一絶対基準とするならば、ようかんを切るように切っていくということも一つの案だとは思うわけですけれども、それならば当然一対一ということになりますが、唯一絶対ということだけではなく、この基準のもう一つのポイントとした行政区画とか地勢とか交通等の事情を総合的に考慮するということも今区画をつくるに当たっては必要ではなかろうかと考えているところでございます。しかし、この一対二ということについては大方の意見としては一定の評価があるんじゃなかろうかとも思っているところでございまして、できる限りそれを基本として尊重して委員会でやっていただきたい、こういう趣旨でございます。
#74
○猪熊重二君 ほかの要件があるということとこの一対二以上にならないようになんということとはこれは別の問題であって、こっちがあってこっちというのは、ほかの要件があったからといってこっちの方がどうだこうだというのは私はちょっと別の話じゃなかろうかと思うんです。
 いずれにせよ、「基本とし」というのは、じゃ基本にしなかったらどうなるか。要するに、「基本とし」ということは法文上の規範的な意味内容としてはどういうことを意味しているんですか。
#75
○国務大臣(山花貞夫君) 規範的な意味内容ということですと、違法、合法という判断基準ということと思いますが、必ずしも直ちに違法ということにはならない、こういう考え方でございます。町村などを余り細かくようかんを切るように切るわけにいかぬだろうという、こうした要請についてもやっぱり必要なのではなかろうかと思っております。
#76
○猪熊重二君 私がなぜこんなことを申し上げるかというと、こういうふうな決め方をしておくとまた今度はなかなか改定ができないでどんどん格差が開いていってしまうじゃないか。だから、むしろやるんだったら一対一を基本とし二を超えちゃならぬと、ここまで書いておけばよかったんじゃないかな、こう思うんです。
 以上で終わります。(拍手)
#77
○平野貞夫君 明けまして御苦労さまでございます。日本新党、新生党、民主改革連合を代表いたしまして質問いたします。私は、国会の質問が三度目でございまして、全閣僚出席という、こういう神々しい場では正直に言いまして上がっております。御無礼がございましたらお許しいただきたいと思います。
 極めて不況が深刻化しております。戦後最大の不況と言われております。私は、わずかな年末年始の休暇でございましたが、その根本原因は何かということについて真剣に考えてみました。その結果、余りよくない頭で考えました結論は、長年にわたった米ソ冷戦下の、いわゆる五五年体制でできた国会の政策決定能力不全症という日本政治特有の病気が根本原因の一つだということに気がつきました。これを治療しようとするのが政治改革だと思います。景気対策も雇用対策も行政改革も、政治改革による政治不信を回復することによってのみ実現が可能だと思います。この国会でどんなことがあっても政治改革を断行しなければならないと思います。
 細川総理は、昨日は伊勢神宮にお参りしてすがすがしい気持ちになっていると思いますが、ひとつ新年に当たって一言で結構でございますから決意をお聞かせいただきたいと思います。
#78
○国務大臣(細川護煕君) 今お話しがございましたように、政治改革ということがなかなか進んでこなかったために今日我が国が抱えているさまざまな問題に適切な対応ができなかったということはまことにおっしゃるとおりだと思っておりますし、再々委員会等でも申し上げておりますように、一番根本的な、基本的な枠組みというのがやはり政治の枠組みでございましょうから、それがしっかりしないことには経済への対応も外交問題への対応もなかなか的確な動きがとれない、これはもうおっしゃるとおりだと思います。
 そういう意味で、ぜひひとつこの国会で成立を見るように政府としても全力を尽くして法案の審議に当たってまいりたいと、このように思っているところでございます。
#79
○平野貞夫君 大変かたい決意を高く評価します。
 さて、四法案の総論各論にわたりまして質疑をいたしたいのでございますが、時間の関係で私は政治改革関連法案をめぐる参議院のあり方、特に憲法五十九条との関係に絞ってお尋ねしたいと思います。
 御承知のように、修正政府案は十一月十八日に参議院は衆議院から荷崩れなく平穏に受け取ったのでございますが、当委員会で本格的審議が始まったのが何と三十六日目の十二月二十四日という異常な事態でございました。(「だれがしたんだ」と呼ぶ者あり)本当は御出席いただいた前でやりたかったのですけれども、残念でございますが。
 参議院はこれでよいのかという国民の警告に近い声、マスコミの各論調とともに論議されるようになりましたのが憲法五十九条四項をめぐる問題でございます。もしもこれが適用されることになれば、参議院にとって極めて不幸なことでございます。国民に対して恥ずかしいことでございます。何とか参議院としては避けたいものなんです。
 しかし、事は国政運営の根本を定めた憲法の規定、制度でございます。感情的な誤解やそういったものでなくて、冷静、客観的、そういう立場でこの制度の存在理由、仕組みを理解しておくことが参議院としても必要だと思います。せっかく閣僚の皆様おそろいの中ですが、そういう観点から私は内閣法制局と参議院法制局に若干の質問をいたしたいと思います。
 まず、憲法五十九条四項を読み上げます。「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。」と、こういうものでございます。皆さんもう御承知のことだと思います。
 そこで、最初の質問ですが、内閣法制局にお尋ねしますが、憲法五十九条四項の制定理由はどういうものであったかお教えいただきたいと思います。
#80
○政府委員(大出峻郎君) 憲法第五十九条第四項でございますが、これは法律案について、参議院が衆議院の送付案に対して可決も否決もせずに会期満了に至り、その結果、本条二項の衆議院の優越が機能し得ないというような事態になるのを防止しようとする規定であるというふうに一般に解されていると思います。
 すなわち、法律案について、参議院が衆議院の送付案を受け取った後六十日以内に何らの議決もしないときには衆議院は参議院が否決したものとみなす旨の議決を行いまして、本条第二項のいわゆる再議決の方法をとり得ることとしたもの、こういうふうに解されているところであります。
#81
○平野貞夫君 わかりました。
 少し私、説明員的に、補足と言ったら失礼になりますが、勉強したことを披露させていただきますと、要するに、憲法は国家意思の決定機関として衆参両院議院を設けた、それが国会である。その基本的仕組みは、明治憲法下の帝国議会における貴族院と衆議院の関係、これを反省して、破竹的で不平等な二院制、すなわち衆議院に所管とか機能、それから議決の価値においても優越性を認めた、こういうことからくる必然的な規定だ、こういうふうに私は思っております。
 次にお尋ねしますが、これは参議院の法制局にお願いしたいんですが、憲法五十九条四項を仮に現在参議院の当委員会で審議中の四法案に適用した場合、六十日目というのは何日になるでしょうか。
#82
○法制局長(中島一郎君) 今後国会の休会の議決がない限り、一月十六日が六十日目に当たる、このように承知いたしております。
#83
○平野貞夫君 明快な回答ありがとうございました。
 憲法の提案というのはたしか政府提出でございましたので内閣法制局にお尋ねしますが、この参議院否決とみなす認定期間六十日とした理由、これについて御説明いただければありがたいんですが。
#84
○政府委員(大出峻郎君) 先ほどの憲法第五十九条第四項におけるところの六十日の規定につきましては、第九十回の帝国議会における当時の金森国務大臣は、衆参両院の意見の衝突を調節する規定は相当重大な問題であって最も周到なる注意を要することである、こういう認識のもとに、参議院が法律案を熟慮する期間をできるだけ長く認める必要がある、こういう観点から二カ月程度の期間を規定したという趣旨の答弁をされておるところであります。
#85
○平野貞夫君 大変模範的な答弁をいただきましたんですが、憲法制定議会の会議録を読んでみますと、当時自由党の北令吉議員が衆議院の本会議で、六十日は長過ぎる、二十日、二週間、三週間、これぐらいにしたらどうかという意見があったんです。これに対して金森さんは、民主政治は得心の政治である、相手方に無理押しに押しつけることはよくないということで反対しております。
 そこで、小島徹三さん、委員長と同じ兵庫県の代議士さんですが、この方が委員会で、会期が限られているのに六十日とは長い、いかにも長い、どんな根拠で六十日かということを聞いているわけなんです。それに対して金森徳次郎大臣は、長官の今答えられたことも入りますが、「先ヅ二箇月、」「其ノ位認メテ置ケバ決シテ無理ナルコトトハ言ハレナイノデハナイカト思フ」と、こういう答弁をしております。また、参議院が六十日という制限を活用して法案を握りつぶす、これは私が言っているんじゃないんですよ、金森さんが言っているんですよ、握りつぶすというようなときがあれば、会期延長をして不当なる参議院の握りつぶしを防止し得るという方向で研究しているという答弁を金森さんがしております。
 そこでできたのが国会法の十三条です。国会法の十三条というのは会期の決定や会期延長の決定に際して衆議院の優越を規定した規定でございます。
 そこで参議院法制局にお尋ねしますが、本当は衆議院に尋ねたいところなんですけれども、いろんな事情でだめだということで。国会法十三条は昭和三十年に改正されております。改正前と改正後の内容と改正理由について御説明いただきたいと思います。
#86
○法制局長(中島一郎君) 昭和三十年の国会法第十三条の改正でございますが、改正前は会期及び会期の延長につきまして「両議院一致の議決に至らないときは、衆議院の議決したところによる」とございました。それを改正後は「両議院の議決が一致しないとき、」、それに加えまして「又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる。」と改めたものでございます。
 その理由でございますが、当時「両議院一致の議決に至らないとき」という文言につきまして、参議院が議決しないときを含むかどうかについて議論がございましたので、そこをはっきりさせるためにこれを明文にして書いたというふうに説明されております。
#87
○平野貞夫君 ありがとうございます。
 実はこれにつきまして、大臣の方々は懐かしい本だと思いますが、佐藤功さんのポケットという憲法の注書き、この中の憲法五十九条四項の説明の中に、この国会法改正の理由を佐藤功さんなりに解釈しております。御承知のように、金森大臣を助けて憲法制定の実務をとった人で、国会関係については権威者でございます。朗読すると長くなりますのでやめますが、要するに佐藤功博士の意見は、「参議院が議決しないとき」ということを入れることによってそれまでの解釈の不明瞭な部分を明確にする、そして五十九条四項を含む、そのほかにもございますが、条約、予算の自然承認、そういう衆議院の優越さをさらに強めるための改正であった、こういうことをこの本に書いております。御興味のある方はお読みいただきたいと思います。
 そこで、要するにこの時点ではこの五十九条四項というものは現在のように特別視されていないわけですね。国会の一つの制度として正当に受けとめられているということが言えると思います。
 そこで、みなし否決を衆議院が議決した際、法案を成立させるためにはどんな方法がありますか。参議院法制局にお願いします。
#88
○法制局長(中島一郎君) 一つの方法としては、憲法第五十九条第二項の規定によりまして衆議院で再議決を行うという方法がございます。もう一つの方法といたしまして、憲法第五十九条第三項の規定によりまして両院協議会の開催を求め成案を得ていくという方法がございます。
 以上でございます。
#89
○平野貞夫君 それでは、もう一つ続けてお尋ねしますが、衆議院がこのみなし否決を議決し五十九条三項で両院協議会を開くようになった場合に、これは貴族院の修正で追加されたと言われていますが、一つは、成案ができなかった場合、衆議院は五十九条二項により衆議院送付案を再議決できるかどうか、二つ目は、成案を得て衆議院が可決し参議院が否決した場合、その成案について衆議院は再議決できますかどうか。要するに、衆議院が両院協議会を請求した際、再議決権は放棄したことになるかそうはならないのか、ここのところの御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#90
○法制局長(中島一郎君) これまでのところでは、両院協議会で成案が得られないときに衆議院が衆議院送付案を再議決したという例はございませんけれども、学説等を見ますと、再議決できるという考え方と再議決できないという考え方があるように承知いたしております。
#91
○平野貞夫君 憲法の解釈にこれは非常に重要な条項で、かくもやはりまだ学説が分かれておる、固定されてないという非常に大きな問題があるわけですが、無理に追っかけませんが、私の勉強したところでは再議決可能という意見が強いと思います。
 現実の問題としては、衆議院自身が再議決権をどう考えどう行使するかの問題だと思います。もし再議決を行えばそれが憲法先例になる、これは私個人の意見でございますけれども、そういうふうに思っております。
 続きまして、みなし否決を衆議院が議決した後、再議決をした事例と両院協議会を開いた事例、これを説明していただきたいと思います。参議院法制局にお願いします。
#92
○法制局長(中島一郎君) 衆議院がみなし否決を議決いたしました例としましては三例ございます。第十二回国会に三例あるわけでありますが、いずれも昭和二十七年の七月三十日に議決されております。
 この三つのケースのうち衆議院で再議決した事例が一例ございます。これは国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案、閣法第一六三号でございます。
 他の二つの例は両院協議会を開いた事例でございます。そのうち一つは保安庁職員給与法案(閣法第二二八号)でございますが、これは成案を得て成立しております。他の一例は国家公務員法の一部を改正する法律案(閣法第一九九号)でございますが、これは両院協議会において協議未了となっております。
#93
○平野貞夫君 ありがとうございます。
 御説明の事例は、衆議院先例集、参議院先例録にそれぞれ収録されている事例でございます。憲法に規定されていることを適切に実行するための憲法先例としてきちんと位置づけられているものでございます。
 昭和二十七年、十三回国会の例を調べますと、当時、緑風会という良識を代表すると言われた会派がありました。ここがイニシアチブをとってそのような運びになったと聞いております。それから、事例が少ないことを理由に何か非常に異端なものという見方がございますが、これは昭和三十年以降、御承知のように五五年体制のもとで両院では自民党が過半数をとっておりましたのでその必要がなかったということが言えると思います。
 そこで、憲法九十九条に遵守義務の規定がございます。その意味は、憲法を遵守し、これに違反せず、さらにその目的の実現に努力すること、また憲法違反の行為を予防し、さらにそれに対しそのような事態を許さないことというふうに思いますが、内閣法制局長官、いかがでしょうか。
#94
○政府委員(大出峻郎君) 憲法第九十九条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」、こういうことを定めておりますが、これは日本国憲法が最高法規であることにかんがみまして、公務員は憲法の規定を遵守するとともにその完全な実施に努力しなければならない、こういう趣旨を定めたものと理解をいたしております。
#95
○平野貞夫君 一般論としての御見解だと思いますが、決して私はこれを望みませんが、万が一憲法五十九条四項が適用され、憲法附属法規と言われる国会法、それから両院協議会規程などによりまして手続が進むことになった場合、ただいまの一般論は当然に憲法遵守を義務づけられております国会議員にも適用され、誠実に実行されなければならない、こう思います。このことは法制局に確認するまでもないことだと思います。
 以上で法制局への質問を終わりますが、昨年暮れの日経新聞、十二月三十一日でございましたが、憲法五十九条四項の適用は参議院の審議権を侵害する、こういう記事がありました。また、元旦の毎日新聞には著名な政治学者が「憲法五九条四項の「両院協議会」は参議院の存在を否定し、二院制を空洞化する。さらに、議会政治の根幹にもかかわる」と語っていました。
 憲法の神様と言われた金森博士、憲法学の権威の宮沢博士、さらに佐藤博士の考え方をまとめますと、六十日もたって結論を出せないこと自身に破竹約二院制を採用した憲法論上の異常性があるわけでして、それであるからこそ五十九条四項が存在する、こういうことになると思います。これが本来の日本国憲法の考え方だと思います。
 細川総理、どのような御感想をお持ちかお聞かせ願いたいと思います。
#96
○国務大臣(細川護煕君) 当然のことながら本委員会におきましても実りのある御論議がなされることを期待しておりますが、しかし、今るるお話しがございました憲法の規定は重く当然のことながら受けとめております。
#97
○平野貞夫君 政治改革担当の法律家でもあられます山花大臣に、ちょっと突然で恐縮ですが、御感想を。
#98
○国務大臣(山花貞夫君) 基本的には総理のお答えのとおりだと思っています。
 時間の制約の中で余りつけ加えることはいかがかと思いますけれども、そうした憲法上の規定はございますけれども、二院制についてそれほど細かい規定を設けているわけではございません。したがって、参議院のあり方をこれから議論していくという段階では、その二院制の趣旨というものをどういうように生かすのかということがこれからの議論のテーマになると思っています。
 そこでの考え方としては、学者も八次審も、制度の問題だけではなく運用の問題ということで参議院の特徴というものを生かさなければならない、こういう主張がございますけれども、私も実はそうではなかろうかと思っております。そうした制度を前提として良識のある議論を期待するというのが私の個人的な考え方でございます。
#99
○平野貞夫君 今、山花大臣から運用でもってどうするか、こういう御発言がございましたが、私が申し上げたいことは、四十年近い五五年体制の中でならされた政治慣行、伝統、権威、そういったものが時としては憲法本来の機能や権限を曲げてというと大変オーバーになりますが、あるいは人間の骨がちょっとずれて年とったら関節がずれるように、こういう状態が結構いろいろあるんじゃないかと思います。先ほど紹介しました五十九条四項に対する新聞記事がその例だと思います。
 運用という意味では、運営という意味では非常にこの問題とかかわってくるわけですが、参議院の権威とか慣例ということで、これは参議院だけではございません、衆議院も入れた国会ですね、憲法の原理や仕組みを、もし万が一それが軽視されたりあるいは理解されないということになれば、私はそういう考えは護憲とは言えないと思います。山花大臣は護憲だと思っていますけれども、そのことを言っているわけではございませんが、私は、本当の護憲というのは、五五年体制の中でぎくしゃくになった憲法を、これは九条も入れて、その憲法の本来の精神、原理を再確認したりあるいはリフレッシュさせる必要があるんじゃないかと思います。それが私は政治改革の理念の一つではないかと思います。
 憲法が参議院に期待していることは何かということを申し上げれば、元参議院事務総長の河野義克さんが昨年十一月に読売新聞に指摘されておりました。参議院は政局の死命を制するような決定を原則として避けるべきである、それが参議院の自己抑制である、これがなければ参議院としての意味はないということを元参議院の事務総長、名総長と言われた河野さんがされておりまが、これは我々参議院議員は肝に銘ずべきことだと思います。
 今断じてやってはならないことは、国民の大多数が待望している政治改革関連四法案を継続も含め廃案にすることです。これは絶対やってはいけないと思います。もし万が一そのようなことになれば、国民の間に参議院無用論がほうふつとして起こると思います。
 昭和の初期、あの大不況の中で衆議院は選挙制度の改革、このとき多少比例制を入れようとしたんですね。選挙制度の改革。それから政治腐敗、罰則の強化、それから公営選挙、それから抜本的な議会改革、これをやって時代の変化に対応しようとするんです。ところが、必死にやりましたんですが、貴族院の、これは枢密院もそうでしたが、抵抗で実現しませんでした。そして起こったのが天皇機関説です、貴族院の。そして我が国はあの不幸な道をたどったんです。歴史の教訓を我々国会議員はもう一度思い起こすべきではないかと思います。
 以上で質問を終わります。(拍手)
#100
○吉田之久君 総理初め答弁者の皆さん、どうも御苦労さまでございます。若干の時間でございますし、私がきょうお伺いしたいことは我々政治家にとりまして極めて常識に属する問題だと思いますので、どの大臣やどなたに答弁を求めるかわかりませんので、どうかお許しの上、一緒に考えていただきたいと思うものでございます。
 今度の公職選挙法の改正、小選挙区比例代表並立制は、まさに画期的な一つの変更だと思います。全く違う二つの選挙方法、地域で限定して一人を選ぶという選び方と、それから全国、政党に投票させて比例代表で選ぶ、この全く違った二つの方法の選挙ではございますが、共通項としてはいずれも政党が前面に立って争う、政策を国民に訴えて審判を仰ぐという点でかなりすぐれた試みだと思うわけでございます。
 そこで私は、日本の政治は、この法案成立以降大いに考えなければならないのは、政党とは何ぞやという問題を改めて問いただすべき時期に来ているのではないかというふうに思うわけでございます。
 私も四十年前に社会党に入党し、その後民社党に入り、一時期連合参議院の会に入らせていただきましたが、今までの私どもの認識では、政党というものは余り事細かに規制すべきではない、あくまでもそれぞれの主義主張を中心に同志相集まって指導者のもとに党員がお互いに研さんし活動する、そういうものであるべきだと思っておりました。
 しかし、今度この法案が成立いたしますと公費助成というものが行われるわけでございます。一定の資格要件を備えた政党には総額三百九億円の金が各政党に配分されるということになるわけでございます。
 余計な心配であると言われるかもしれませんけれども、大変知恵のある人たちがたくさんおるこの国でございますから、それならば無所属党という党を名のろうという人が出てきて、全国に、国会議員もあるいは地方議員も首長なんかもほとんどそうでありますが、無所属で出ている人がたくさんいます。全部無所属を結集しよう、無所属という党をつくろう、党の綱領はあくまでも世界の平和と日本国民の幸福のために頑張るんだ、一切の党議拘束はしないというようなことで呼びかけて、大勢の人たちがそれに参加して、それで選挙で票を争う。
 我が国ではいわゆる無党派層というのが非常に多いですね。どの世論調査のたびにも一番多いのが無党派層ではないか。要するに、現在あるどの党にも十分満足しないという人たちがかなりいます。三割も四割もいるときがあります。たまたまこの人たちが、ならば無所属党に投票しよう、比例代表は「無」と着こうというようなことで反応を起こしたら、そういう政治集団がこれは総得票数の一割、二割を超えることもあるいはあるかもしれないと思うんです、だから、三十人も五十人も衆議院や参議院に登場してくる。この人たちはしかしあくまでも個人、自由でありまして、与党の人もあれば野党好きの人もある。法案によっては賛否それぞれ異なるというようなことにもしもなったら、せっかく政党を中心として政権交代や政権の構築を確かなものにしようとする今度のこの法案の趣旨が全く事志と違う結果になりはしないだろうか。
 杞憂であれば結構でございますけれども、私は何かその辺が心配なのでございまして、その点初めに佐藤自治大臣にお伺いいたします。
#101
○国務大臣(山花貞夫君) 今、先生の御指摘は無所属として初めから選挙を行うのか、無所属として一つの政党を結成して選挙に臨むのか、あるいは選挙終了後無所属の皆さんが集まって政党を結成するのか、いろいろなケースを含めての御質問ではなかろうかと伺っておりました。
 憲法上の結社の自由に根拠を持つ政党の活動、そして政治活動の自由という観点からいたしますと、政党そのものの結成活動については何よりも自由であるべきであるということが大前提だと考えております。
 しかし、御指摘の新しい制度のもとにおいて政党本位、政策本位の選挙を中心とした選挙制度の抜本的改革を行うということの中で、今回はそれぞれの法律の中に政党要件というものを掲げているところでございまして、従来は本格的な一つの選挙について政党で行うということがなかった、参議院の比例はいわばその意味ではそうだったわけですけれども、そういう体制の中での新しい提案でございます。
 結論として、無所属の皆さんが無所属で立つ場合、無所属として選挙に臨む場合とあるいは政党を結成する場合と分けて考えた場合、政党を結成するということになれば、今回の法律の政党要件に合致すれば政党としての資格を持つということになると思います。
 以上が大体、先生の御質問を正確に受けとめておったかどうかわかりませんけれども、一応整理してお答えさせていただきました。
#102
○吉田之久君 私が特に懸念いたしますのは、無所属の人が無所属で出るならば今までどおりでありまして、それはそれでよろしいんでございますが、今度のこの法律ができましたら、よし無所属党をつくろうといって全国に呼びかけて、それに呼応する人たちが出てきてちゃんと政党の要件を備える諸手続を踏んだら、そんな無所属という党は存在しないんだと決める機関も規定も法律もないわけでございますね。羽田副総理、この辺御心配になりませんか。
#103
○国務大臣(羽田孜君) 確かに御指摘のとおり、今やっぱりどうも政治に対する信頼というのが失われているということからいきますと、吉田委員の方から今御指摘のありました無所属党というのは、しかも党議拘束なしでこれからいろいろな仕事をやっていくんだよということになったら、私は案外投票率が上がり、あるいはそういった人たちがふえる可能性はあると思う。
 ただしかし、もう一つ前提を置かなきゃいけませんのは、どうもこの議論をしているときに私感じますのは、要するに選挙制度あるいは今度政治改革四法案が通っても、今のままの政党であることが何か前提みたいで議論されている面があるんじゃないのかなと思う節があるんですね。あるいはこれは党が集約されていく可能性もある。
 それと同時に、新しい制度をとったときには、今まで私がおった自由民主党も大衆政党、国民政党と言っておりましたけれども、どちらかというとやっぱり議員政党だったと思うんです。それが今度新しく変えた場合には間違いなく大衆政党になっていかなければいけない。そして、直ちにはできないでしょうけれども、近い将来にあっては候補者なんかも地方組織が当然選んでくるようになると思う。そして地方組織の党員というのは、例えば銀行に勤めている人あるいは報道関係に勤めている人、そういった人も入るような政党にしていかなきゃならぬと思うんです。そこに私は、新しい一つのドラマといいますか新しい政治が起こってくるのじゃないのかなと。そのときに私は無所属党が勝利することはできるという確信を持っております。
#104
○吉田之久君 お互い新しい日本の政治のドラマをつくりたいと思っているわけでございますが、だからそのシナリオの一つとしては政界再編と申しますか各政党の合従連衡、いろいろな組み合わせが生まれてくると思うのでございます。
 その動きは動きとして、それでもまだ満足しない人たちが、やっぱり無党派層というのはかなり社会が進歩すればするほど出てくるかもしれません。たまたまそれらを受け皿にするような無所属党と名のる奇妙な政党ができたり無所属連合とか諸派連合というようなものができて、勝ては公費助成があるんだよ、みんな分けようやというようなことでやり出したら、これは大変なことになると思うんですね。
 政党は財団法人でも社団法人でも株式会社でもない。労働組合は労働組合法がありますが、政党には政党法がない。いわば政党は同窓会と一緒だというんです。全くそんな気がするんです。しかし、その政党が国家の運命を握り国家を動かしていくわけなんですから余り規制すべきではないと思いますけれども、そんな政党は認めないんだという何かの根拠というかそういうものがそろそろ用意されないと、せっかくの皆様方、我々の思いが事志と違う結果になったら大変でございますのでそんな心配をするのでございますが、石田大臣、党の指導者としていかがでございますか。
#105
○国務大臣(石田幸四郎君) 御心配はよくわかるのでございますが、実際の選挙ということになりますとやはり政党本位の選挙になるわけでございますので、仮に無所属党というようなそういうような一つの政治団体ができたときに、そこで掲げる政策、そういったものが鮮明でないと他の政党との比較、討論、検討はできないわけでございますので、私はそういった状況の中での選挙をちらっと想定してみますと、やはり何らかの際立った明確な政策を持たない政党というのはなかなか国民の支持は得られにくいのではなかろうかなと、こんな感じがお話を聞いていていたしたところでございます。
#106
○吉田之久君 私も大臣と同じような考えなのでございますが、時代が動くときにはいろんな反作用といいますか奇妙な動きも派生しないとは限りませんので、私は今直ちにどうしろとは申しませんが、こういう大きな転換をしようとするときには改めて政党とは何であるかということをそろそろ、これは役所が考えるわけにいきませんので、国会や内閣が考えるべき問題ではないかということを指導者の皆さん方に申し上げたいと思います。
 次に戸別訪問の解禁でございますけれども、私はこの戸別訪問の解禁という発想はまことに貧しい発想だと思うんです。音ありました。それで、それがまた行き過ぎていろいろ問題があるから、やめました。
 今度は政党の周知徹底のためにやってもいいというお考えのようでございますが、物を贈ったり金を贈ったりすることができないから、電話ならいいだろうということで電話は自由になっているのですが、この電話も初めは効果がありましたが、このごろはもうマンネリで有権者もうんざりでございます。核家族、共働き、プライバシーの保護、あるいは家庭の静ひつ性などが要求される時代に、夕食の準備どきにじゃんじゃん電話がかかってくる。もう主婦たちはふんまんやる力なく、ああわかりましたと全部切ればいいんでしょうというような傾向さえ出ております。
 あるいは中には、吉田さんの事務所からは電話は一回だった、だれそれさんの事務所は三回かかった、やっぱりあちらの方が熱心かしらとか、これもあるんです。戸別訪問になったら、何十万軒という家に全部が戸別訪問するとしたら大変でございまして、受ける方も迷惑でございましょうし、やる方も大変でございます。経費も大変かさむと思うのでございます。
 私は、このモダンな細川政権が今この大きな法律を変えるときに、戸別訪問を解禁しようというようなそんな古めかしい発想ではなしに、もっとマスメディアを利用して、テレビを公的に買い取って選挙管理委員会がちゃんと中立性を保持しながら司会をしてどんどん候補者に討論をさせるとか、あるいはアメリカ大統領が野外で大いに討論をやっていますが、もっとミニ版のような形でどんどんそういう本当の生き生きしたドラマチックな民主主義の選挙を展開していくという時代の発想をそろそろ始めるべき時期ではないかというふうに思えてならないのでございますが、大内大臣、いかがでございますか。
#107
○国務大臣(大内啓伍君) お答えいたします。
 私も長い間教宣局長というのをやらさせていただいた経験がございますが、これからの選挙で一番大事なのは、政党や政治家が何を考えているかを国民にストレートに知らせる場合の一番いい方法はやっぱりマスメディアなんですね。このマスメディアの力に、例えば日刊紙を発行していたって、これはかなうものじゃない。ですから、私はこのマスメディアを公正に利用する、これをもう真剣に各党で話し合って、その結論を早急に出すべきだと思います。
 御提言は大変貴重な御提言だと思っております。
#108
○吉田之久君 最後に、私も何回となく選挙を戦ってまいった一人でございますが、選挙が終わるごとにいつも頭をかすめる疑問があるんです。
 それは、総理御承知の法定選挙費用というものでございます。選挙区によって定員によって人口によってそれぞれではありますが、衆議院の場合に約二千万とか参議院の場合に三千万とか、その範囲内で支出をしてよろしい、それ以上はしてはなりません、収入もちなみに全部計上しなさいということなんですね。選挙が終わりましたら、有権者が冷やかし半分で、吉田さん、あなたは選挙でもうけましたね、陣中見舞いの方が多くて支出の方は法定選挙費用内でよかったですねと。ともかく、ここにいらっしゃる皆さん方は、全部法定選挙費用内でちゃんとクリアしているんですね。
 しかし、我々選挙をやっている者は、どこに電話代やらそんなのが幾ら要ったのか、だれから陣中見舞いを幾らずつもらったのかそんなものにかまけている暇はありませんわね。通れば喜んで決意表明に回り、国会へ走ってくるわけでしょう。そして、選挙が済んで当選証書をもらって、選挙が済んだ後しばらくして、事務方が一生懸命工夫をしていると私は思うんですね。ともかく、衆議院も参議院も当選した人は全部法定選挙費用内でぴしゃっと選挙をしてきたことになっているわけなんです。だれも信じておりません。
 私は、政治家の出発がこれではおかしいと思うんです。政治家の出発のときから、本当に有形無実というんですか、形は整っているけれども実際はできているのかな、それはよかったな、御苦労というだけのそんなことから、いわば虚偽虚構から出発している政治家が、どんなに法律を変えても、本当に天地神明に誓って恥じない政治家として全うできるのかどうか、私は大変今もっておかしいと思うんです。
 政治資金規正法、百五十万を超えた不当な献金については二十万の罰金、当時はその程度で、二百万ぐらいくれる人もおったらそうしよう。それが一億になり三億になっても二十万。それで事を処しようとして国民は金丸さんに憤激したわけですね。だから、政治家をめぐるあるいは政党をめぐるいろんな法規、規定というものは絶えず見直して、完全に守れる、そういう規定であり、また完全に守らなければならない、これを守らないような者は失格にするぞというぐらいのところから出発しないと、日本の政治の本当の改革はできないと思うのでございますが、総理、いかがでございますか。
#109
○国務大臣(細川護煕君) 全くおっしゃるとおりだと思います。多くの方々がそのことを実感として感じておられるのではないか、私もそう思いますし、今後お互いにこれは大いに勉強していくべき課題であるというふうに認識をいたしております。
#110
○吉田之久君 一分だけ残っておりますのでこの際お互いに確認したいと思うのでございますが、我々にまつわるいろんな法規、規制、それをもう絶えざる見直しをする、他の法律は十年に一回でもよろしいが、我々のはもう選挙ごとに見直しをしてでも、これで完璧にやっています、やれます、だから信じてくださいという形に持ち込むべきだということを申し添えまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
#111
○有働正治君 私は、まず中選挙区制度の疲労論についてお尋ねします。
 総理は、今回の提出法案の合理化の論拠として、現行中選挙区制が制度疲労の弊害があるということを挙げられています。よく同士打ちだとか利益誘導型選挙等々が言われるわけでありますけれども、総理自身としては制度疲労とは一体何なのかいつから出てきたと考えておられるのかまずお答えいただければと思います。
#112
○国務大臣(細川護煕君) いつからというのはちょっとなかなか難しいお話ですが、現行中選挙区制度のもとで利益誘導型あるいは個人後援会本位の選挙というものがだんだん顕著になってきて、近年特にさまざまな問題が起こるようになってきた。いつごろからというのはちょっとなかなかわかりませんが、この選挙制度というものがやはり今日の政治の大きな一つの基本的な問題であるというふうに私は認識をいたしております。
#113
○有働正治君 いつからというのは難しいと。論拠が非常に薄弱であると私は言わざるを得ません。
 利益誘導と言われますけれども、これは文字どおり選挙制度とは次元が異なる問題だと私は考えるわけであります。企業献金、これが温存されてきっちりした腐敗防止がとられなかった。また、世界各国の状況を見ましても、政治腐敗というのは選挙制度とは関係がないということが言えると思います。
 利益誘導、腐敗とのかかわりで申しますれば、小選挙区制こそ私は金権選挙を激化させると言わざるを得ません。というのは、戦前小選挙区制を二回導入したときにこの弊害が指摘されて現行制度になった歴史的経過があるわけであります。日本におけるこの歴史的教訓につきまして、総理自身どうお考えでいらっしゃいますか。
#114
○国務大臣(細川護煕君) 今お話しがございました過去の小選挙区導入時の状況というものについては、私もよく検証しておりません。しかし、今問題になっているこの中選挙区のもとにおける問題点については先ほども申し上げたとおりでございます。
#115
○有働正治君 過去の問題について検証していないと。連立与党自身がこれだけの改革をやろうというのに、歴史的な教訓も総理自身が検証していないというのは驚くべきことであります。歴史的経緯、教訓等々を踏まえて日本の国土に合致した当時の制度として今日に至っているわけであって、それさえも検証していないというのは私は選挙制度を語る上で問題ではないかと言わざるを得ないわけであります。驚くべきことであります。
 国際的にも例えば隣の南朝鮮等でこの選挙制度のかかわりで金権の横行というのが指摘されているわけであります。結局、中選挙区制疲労論というのを強調されるというのは金権一掃の願いを選挙制度にすりかえて小選挙区制を導入する口実以外の何物でもないという指摘に対する総理の答弁も、私に言わせれば論拠が薄弱であります。小選挙区になれば政治腐敗がなくなるどころか、戦前の日本の歴史的経験のみならず、今述べました南朝鮮などを見ましても全く関係ないわけであります。
 各種マスコミの世論調査を見ましても、国民の皆様方が政治改革で一番求めておられますのは腐敗防止であります。金権一掃であります。このことが最も緊急、中心課題だと共通して指摘されているわけであります。そのためにも、私は今日のゼネコン疑惑の解明、また総理自身の佐川からの一億円の借入問題についての疑惑の解明、これも当然のことながら重要と考えるわけでありますが、この点は総理はどうお考えでいらっしゃいますか。
#116
○国務大臣(細川護煕君) 初めに、戦前の制度について今いろいろ御意見がございましたが、やはりそのときは政治の状況も社会状況も今とは全く違っているわけでありまして、先ほど私はよく検証していないということを申し上げたわけですが、それはやはりそのときどきの政治社会状況というものを勘案して判断をしなければならないことではないかということを申し上げたかったわけでございます。
 それから、国民の多くが今日の政治に対して大きな不信感を持っておられる、それは政治と金にまつわる問題であろう、それは確かにおっしゃるとおりだと思います。しかし、その問題がどういうところから由来をしてきているか、派生をしてきているかということになりますと、それは、繰り返し本委員会でも申し上げておりますように、やはり選挙制度の仕組みの問題もございましょうし、それからまた政治腐敗といった観点からどのような改善措置が講じられるかといった観点からの判断もございましょう。
 もとより、制度というものに万全のものはあるわけはございませんが、できる限りそれを少なくしていく、改善をしていくためのシステム的な改革というものがぜひとも必要である、そのように思っているところでございます。
 ゼネコン問題等々に対する疑惑の解明は、これは当然しっかりなされなければならないというふうに思っております。
#117
○有働正治君 歴史的状況等々があったから云々ということを言われましたけれども、戦前の小選挙区の中で、現行制度に至る経緯の中で大きな教訓の一つが金権政治であることは、これは明白な事実であるわけです。そのことを述べておきます。
 限られた時間でありますので、私は政治改革を口にされる以上疑惑解明が必要だという立場から総理自身の佐川からの一億円の借り入れ問題に限って質問いたします。
 総理が言われるところの昭和五十七年九月の佐川グループからの一億円の借り入れ問題ですが、総理は十二月十五日、衆参の予算委の理事会に資料及び説明書を提出されました。総理はこれについて、いわれなき疑念は完全に氷解されると大言壮語されましたが、昨年十二月二十七日の我が党の聴濤議員の予算委員会での質問の中で、借り入れの最大の理由でありましたマンション購入のための七千七百万円、これが二カ月も前に実際購入されていたこと、しかもおばあさんがお持ちになっていた相続した荻窪の土地を売った剰余金などを資産として運用したので借りる必要はなかったのではないか、したがってこの金が浮いているけれどもどこへ行ったのかということを質問し、まともな答えは得られなかった、そういういきさつがあります。
 それで、総理はいま一つ借り入れの理由として、熊本の細川家の御自宅の土塀、山門の修理時期について、これは私の質問を通じまして、実際の工事期間との間に借り入れたと言われる五十七年九月と比べ土塀で一年近く、山門で二年近くのずれがあることを提出資料を通じてお認めになりました。
 一億円として、当時八%と言われていた金利、年間八百万円の利子負担であります。仮に修現代が総理の言う二千三百万円としましても、金利八%なら年間百八十万円にもなる、二年間で三百数十万円の利息となるわけであります。なぜ高い利息まで払って一年近くも前あるいは二年近くも前にわざわざ借りる必要があったのか。極めて不自然でありますが、いかがですか。
#118
○国務大臣(細川護煕君) 多少繰り返しになるところがあるかもしれませんが、もう一遍念のために申し上げておきたいと思います。
 まず借入理由についてでございますが、それは今お話しがありましたように、一つは、熊本に歴史的な価値のある山門、土塀などがありまして、文化財指定地域なので原形復旧のために相当なコストがかかるということ、それからもう一つは、知事選出馬のために参議院議員をやめるので、いずれにしても参議院に戻るつもりはございませんでしたから、そうした意味で東京に住居がないと不便であるということで、そういうことから資金が必要だったということでございます。
 それで、まずマンションの方から申しますが、借入金の用途につきまして東京に住居がないと不便なのでその資金に充てるためということを今申し上げましたが、調べてもらいました結果、刀のつばの担保の提供が昭和五十七年の九月、金銭消費貸借契約が同年の十月であったのに対して、マンションの購入は同年の七月であって、その点で誤解を招いたかと思います。
 私は、昭和五十七年の五月ごろに知事選挙に出馬を決意いたしまして。議員宿舎を出ることにいたしました。そしてその際に、東京に今申し上げましたように住居を物色して購入することにしたわけでございますが、しかし、実際に東京佐川から融資が実現をする前に知人を通じて住宅の譲渡の話がございましたために、佐川からの借入金を当てにして先にマンションを買うこととしたわけでございます。その間、事務所の職員におきまして手持ち資金のやりくりをしてございますが、その詳細は資料がなく判明をいたしません。マンション購入代金の支払いはよく記憶しておりませんが、手付と残額を支払って、ローンは組んでいないということでございます。
 それから山門の方でございますが、山門と土塀につきましては、国会に提出した資料には土塀、山門などの修理の時期は昭和五十七年の秋から五十九年春までの間というふうに明記をされておりますが、熊本市教育委員会に提出されました資料によりますと、土塀の修理は修理届が昭和五十八年五月十三日、着工が七月二十日、竣工が九月五日、山門の修理は申請が昭和五十九年六月十四日、着工が七月四日、竣工が九月十日というふうになっております。記憶をたどっての話でございますので若干時間的なずれがあるかもしれませんが、昭和五十七年一月には破損した山門屋根の撤去をしておりまして、そのころから業者と相談、打ち合わせをするなど事実上の修理のための準備が進んでいたように思いますので、それほど時間的にずれた話ではないのではないかというふうに思っております。
 山門、土塀等の改修には、国会提出の資料にもございますように、一億円のうちの約二千三百万円を使っております。
#119
○有働正治君 限られた時間でありますので、私の質問に対して答えていただくよう要望しておきます。
 先ほど、私、聴濤議員の質問を予算委員会と言いましたが、本委員会でありますので、その点は訂正しておきます。
 マンションも事前に購入する、あるいは山門、土塀も一年も二年も、普通お金を支払う場合には修理し始めるときあるいは途中に支払うというのに、わざわざ高い利子を払うというのは極めて不自然であります。私は大きな疑惑を持つことを指摘しておきます。
 先に進めます。
 先ほど五十七年五月ごろということを総理は言われました。五月ごろ佐川清氏に金を欲しいと要請したと述べましたが、これは間違いありませんか。五月というのはどうして覚えておられるんでしょうか。
#120
○国務大臣(細川護煕君) 借入の経緯につきましても今まで再々申し上げてきているところでございますが、当時私は荻窪の土地の売却資金などを運用しておりまして、それなりの資産はございましたものの、できれば借用したいと思っていたところでございます。
 本院の予算委員会で過日服部委員から、私が昭和五十七年に私の政治団体に六千万円を貸し付けて、四百万円を寄附していた事実について御指摘を受けたわけでございますが、確かに私自身の資産に関しましては、知事選に備える必要もございましたから借用の必要があったと思っております。さらに、翌年の三月に申告すべき譲渡所得税並びに住民税の負担などの心配もあったかと思います。しかし、特に有利な貸し付けをしてくれるような銀行もございませんでしたので、昭和五十七年の五月ごろ、父所有の京都赤倉別邸などを賃貸して、面識のございました佐川清氏に京都でお目にかかって相談をいたしましたところ、刀のつばを担保とし、あわせて湯河原の別荘を賃貸することによって融資を受けることについて了承を得た、こういうことでございます。
#121
○有働正治君 たしか、知事選出馬のことも決意したとおっしゃられましたので、そういうことも五月ごろということと関係があったということでありましょうか。借入の理由、時期について。
#122
○国務大臣(細川護煕君) 知事選とは関係ございません。
#123
○有働正治君 佐川氏との間で借りる交渉を経て、実際に金が総理に渡るのが十月六日に三千万、十一月十日に三千万、十二月十五日に四千万というふうに資料では明記されています。
 総理自身は、このお金が届いてきたことを、その都度かまとめてかはともかくとして、報告は当然受けておられると思うんですけれども、いかがですか。
#124
○国務大臣(細川護煕君) はっきり記憶しておりませんが、多分それは受けていたと思います。
#125
○有働正治君 金が渡った時期は、総理にとってどういう時期だったと記憶がありますか。
#126
○国務大臣(細川護煕君) どういう時期だったかということはよく記憶しておりません。政治的にどういう時期であったかというお尋ねでしょうか。繰り返し申し上げておりますように、私は個人的に借りたわけでございますから、山門等の修理で金が要る、こういうことでお願いをしたということでございます。
#127
○有働正治君 政治的にはどういう時期だったというふうに考えておられるんですか。
#128
○国務大臣(細川護煕君) 五十八年の二月が知事選挙でございますから、その一年前ということでございます。
#129
○有働正治君 県知事選で大変忙しい時期であったと私も記憶します。その県知事選との関係でまずお聞きします。
 立候補に際し、あなたが当時所属していました田中派、田中元首相から県知事立候補の激励を受けたことがあると思いますが、いかがですか。
#130
○国務大臣(細川護煕君) 全くございません。
#131
○有働正治君 昭和五十七年二月十六日、総理は田中邸を訪問しておられます。そして四月二十八日、田中事務所で田中元総理と会ったと記録がありますが、どうですか。
#132
○国務大臣(細川護煕君) その当時はもちろんちょこちょこ出入りをしていたと思いますが、はっきり記憶しておりません。
#133
○有働正治君 全くないから記憶にないに変化いたしました。明確に訪問して激励を受けておられるのです。正直に思い出していただきたい。
 いま一つ。五十七年の夏、国会にかかわりのある場所で、例えば副議長公邸で当時の竹下官房長官、田中派の当時の熊本出身の福島代議士・現熊本県知事らと総理が話し合いをされ、竹下氏らから知事選への激励を受けて、いわばお墨つきをもらった記憶はありませんか。
#134
○国務大臣(細川護煕君) 全くございません。
#135
○有働正治君 もともと県知事選をめぐる自民党熊本県連の経過を見ますと、選挙の前の年、五十七年二月の県連常任総務会、これはほとんど自民党県議で構成されています。ここで沢田現参議院議員、沢田一精四選出馬が了承されています。挙げて沢田一精四選ということで自民党県議は了承しているわけであります。沢田氏自身も、自分は出るつもりはなかった、しかし県連から挙げて出てくれとの要望があったので出馬する意向を固めその準備に当たってきた旨述べておられます。
 ところが、今私が指摘した田中派の支持のもとで、私に言わせれば明確に支持のもとで、あなたも決意し、県連挙げて沢田氏、また熊本県選出の国会議員の多くの方も沢田氏で固まっていたのをひっくり返す必要がいわばあったわけであります。このため熾烈な県議工作が必要だったわけで、秋以降それが本格化しているはずであります。
 私自身の調べによりますと、秋、例えば九月一日に沢田治男自民党熊本県連会長が、今回は沢田一精氏でいく、細川氏は次回でと意思表明をされ、それに対しあなたが暴挙だと抗議の会見を行い、その後県連幹部が県議一人一人から意見を聞くなど、県議工作が最も活発に行われた時期であります。九月二十八日に県連常任総務である県議全員の意向を聞くとされた時期、十月六日の三千万円は時期的にはこれと符合する時期であります。
 第二回目の十一月十日の三千万円は、十一月四日に県連幹部が県選出国会議員団に協力を申し入れ、二十日をめどに結論をと県連幹部と国会議員との協議の山場の渦中の時期と重なっています。県連幹部の会合が相次ぐ一方で、十一月一日、県議で構成する常任総務会が開かれ、二十日をめどに結論を出す方向が打ち出された時期と、時期的には真っただ中という関係にあります。
 第三回目の十二月十五日は文字どおり最終局面の時期で、十二月二日に県連常任総務会であなたの公認正式決定が一週間先延ばしにされます。最後の決戦になります。十二月六日、沢田派県議などが二十二人の会合を持ち、十二月七日、あなたの一万人集会、九日の県連常任総務会で細川氏公認を正式に決定します。このときが山場だったと関係者も指摘しています。最終公認決定を受けて翌年早々の県知事選に向かう時期であります。これが第三回目の四千万円の時期と時期的には符合する関係になってありますが、こういう知事選の局面局面に十月、十一月、十二月は当たるというふうに考えますが、その点はいかがですか。
#136
○国務大臣(細川護煕君) 随分御丁寧によくこじつけをなさるものだと思って感心して拝聴をいたしました。全くとんでもないこじつけであるとしか申し上げようがございません。
 田中派を初めとしてどなたからもそのときは、知事選に出ることについて、私の事務所の中でさえも強い反対ばかりでございました。私はそれを押し切って私は知事選の出馬を決意したわけでありまして、その動機は、これは相手がどなたであろうと、一般論としてこれは申し上げているわけでございますが、現に大先輩もまだ参議院にいらっしゃるわけでございますから、一般論として私は、地方の首長の四選ということは好ましくない、そういう意味で私はどうしてもやると、そういう腹で選挙に出たわけでございまして、今おっしゃったような話は全くどうも語るに落ちた話だとしか申し上げようがないということでございます。
#137
○有働正治君 語るに落ちた話かどうか、以下お聞きいただきたい。
 この間の私どもの調査で、幾人もの関係者から直接証言を得ました。私も担当者の一人として直接当人から証言を得ました。自民党の現職の県会議員あるいは自民党の当時のあなたの選挙参謀ら複数以上の関係者が、五十七年当時、熊本であなたの秘書が、県知事選のための選挙資金として佐川から金が来たことを共通して明言している。
 この証言からすれば、佐川からの金が県知事選対策のものであった疑惑が極めて強いと指摘せざるを得ないわけでありますが、いかがですか。
#138
○国務大臣(細川護煕君) 今申し上げましたとおり、全くお話にならぬ話だということです。
#139
○有働正治君 複数以上の証言で、はっきり県知事選の資金として佐川から金が来たということを私どもと立場の違う者に対しても明確に述べているわけです。
 私に証言した人はこうも言っています。県議工作は五十七年当時のお盆以降、つまり九月以降本格化した。さきに述べた動きと合致するわけでありますが、それまでは金に苦労するときがあったが、十月になると佐川から金がどんと来て、どんと使っている、金に苦労することはなかったとまで言っているわけです。どうですか。
#140
○国務大臣(細川護煕君) それは、何回も同じ答えを申し上げても仕方がございませんが、全く関係のない話だということに尽きているわけでございまして、これ以上申し上げることはもう同じことの繰り返してございますから、申し上げません。
#141
○有働正治君 あなたの秘書の話として紹介しましたが、その秘書も一人ではありません。あなたの現地秘書が次のように述べたことも私に証言してくれました。つまり、五十七年秋口にあなたの秘書がある有力な県会議員に対し、すぐに三千万円を県議対策のために必要だ、これまでの一回の対策費のための資金から見るとけたが違う、どうしようかと一瞬ためらったといういきさつがあります。
 この三千万円の話は、あなたの国会提出資料とのかかわりで言えば十月六日の第一回の借り入れ時期と金額的に符合するわけでありますが、いかがですか。
#142
○国務大臣(細川護煕君) 借入金の話は知事選の政治活動費とは全く関係がないと繰り返し申し上げているわけでございます。
#143
○有働正治君 否定されますけれども、私は証言に基づいて指摘しているわけであります。
 角度を変えて聞きます。
 あなたは、佐川への返金などは当時秘書だった深山正敏氏に担当させていたと国会で答弁されました。しかし、私どもの関係者が九月に本人に会った際、私は佐川担当でなかったと述べています。食い違いがあります。この点ほかにかかわった人がいるのかどうか、いかがでありますか。
#144
○国務大臣(細川護煕君) その前に一つ申し上げますが、政治でございますから、それはいろんなことをおっしゃる方がありましょう。政敵と目される方々もそれはいらっしゃいましょう。何とか敵対心をかき立ててやっつけようと思われる方もおられましょう。それはいろんなことがあろうと思います。しかし、それはまあ一つ一つうわさにかかわっていたんでは、これはなかなかやっていけないわけでありまして、今いろいろな話を取り上げてのお話がございましたが、いずれもこれは私がはっきり申し上げるわけでございますが、全くかかわりがないということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 それから、事務所で担当しておりました者、事務所の職員は当時何人がおりましたから、その者たちが、今お話に名前が出ました深山のほかにも何人か担当しておった者がおると思います。
#145
○有働正治君 政敵でも何でもないんです。自民党のれっきとした幹部なんです。自民党議員なんです。当時の自民党のあなたと一緒の方です。あなたの選挙参謀としてやった人なんです。それが政敵と言えるはずはないわけであります。
 それで、お尋ねします。
 お金が届いたのは現金でありますか、銀行振り込みでありますか。
#146
○国務大臣(細川護煕君) 全く承知しておりません。
#147
○有働正治君 時間が参りましたけれども、私ども関係者から得た証言によると、段ボールで届けられたということを聞いています。それ、調べて報告願えますか、総理。
#148
○委員長(本岡昭次君) 有働君、時間が来ております。
#149
○国務大臣(細川護煕君) わからないと申し上げております。
#150
○委員長(本岡昭次君) 時間です。
#151
○有働正治君 一言だけお願いします。
 私は確実な証言に基づいて、しかも一人二人ではありません。当時の状況を知り得る立場にある人の証言等に基づいて指摘しているわけであります。マンション、山門、土塀の疑惑はもともと大きな疑惑を持っている上に立っての質問であります。私どもの調べで得た証言からいって、私の指摘からいっても、総理の答弁は全く納得できません。政治改革を言う以上疑惑解明が必要である、とりわけ佐川とのかかわりでは一点の曇りも許されないと考えるわけであります。
 そこで、一億円にまつわる疑惑解明の証人喚問として、佐川清氏、深山正敏氏の喚問を要求します。ぜひ早急に実現していただきたい。結果いかんによっては別の人物の証人喚問も検討せざるを得ません。資料として本委員会理事会で要求していますのを、今後の質問とのかかわりで早急に出していただくよう要求いたしまして、私の質問を終わります。委員長、よろしく。(拍手)
#152
○委員長(本岡昭次君) 今の点については理事会で検討しております。
#153
○下村泰君 先般の私の質問に総理から大変御理解のあるお答えをいただきましたので、たまたまテレビ中継がございまして関係者の方々がごらんになっていて、十年間遅々として進まなかった問題が担当者がかわるとこうも違うものかということで、いろいろお電話あるいはお便りをいただきました。
 ここで一つ確認をさせていただきたいんです。こういうことははっきりしておきませんと、後になって知りませんと言われたんじゃかないませんから。
 特にどうも日本の政治形態の中じゃそういうことが多うございますから、前任者はどうですか私は知りませんと言われるのが特徴でございますし、殊に役所の方に伺いますと、必ず先生の意思を尊重し検討いたしますと、検討検討と言ってやったことないですから、検討という言葉はやりませんという言葉に等しいものですから、ましてや自治大臣にもよく伺っておきませんと、自治大臣のこの間いただいた御回答というのはお役人さんの書いてくださった原稿だろうと思うんで、こちらも心配でしょうがありませんから、まず、その総理大臣の意を体して自治大臣がどういうふうに受けとめていらっしゃるか、それを確認させてください。
#154
○国務大臣(佐藤観樹君) あのとき下村委員へのお答えの冒頭で私はお怒りは十分わかるということを申し上げましたけれども、私も最初に回答書を事務局から持ってこさせたときに何を今までやっていたんだというのが率直なところでございました。
 したがいまして、結論的に、当委員会がいつまで審議が続けられるのかわかりませんけれども、下村委員に採決になるまでに一定の報告をぴしっとできるように委員会が終わりました後直ちに指示をいたしましたので、私もやることはやらせていただきますので、この委員会でこの四法案の審議が終わるまでには、ここまで来ておりますのでめどはこうなりますということを下村委員に報告できるように指示をしてございますので、もう少し時間をいただきたい。ここまではっきり時期も明示をさせていただきました。
#155
○下村泰君 まことに恐れ入りますが、総理からも一言ひとつ確認をいただきたいんです。
#156
○国務大臣(細川護煕君) この会期末までにという自治大臣からのお話でございましたが、もっと早くできるように努力をいたします。
#157
○下村泰君 大変ありがたいことでございます。本日の議事録ができましたら、ここに携わる方々に私はすぐ送らせていただきます。皆様方がこれだけ理解をしてくださっているんだよということをお知らせしたいと思います。
 殊に障害を持った方々の声というのは届きそうで届かないんです、今までね。余りにも届かな過ぎた。殊に厚生大臣なんかにもお願いしておきます。この後この委員会が何回開かれるかわかりませんが、障害者の方々にとっては選挙というのは参加できないんです。いろんな理由があって参加できない。
 一番簡単に申し上げますと、今の聾唖者がそうなんですよ。皆さんは電話でよくやりますよね、私はだれそれ立候補者のあれでございまして、よろしくこのたびの選挙をお願いしますと。これ健常者は聞こえますよ。耳の御不自由な方はどうします。そうすると、この耳の御不自由な方に対してはファックスしかないんです、今の状態でいけば。即伝えるとすればファックスです。ところが、ファックスはいけないんです。これ選挙違反になっちゃうんですね、決められた文書しか出せないんですから。これは決められた外の文書ですからね。そうすると聾唖者にとっては、ファックスが送られてきても選挙違反、送った方も選挙違反、こういう弊害もあるんですよ。ですから、障害者にとってはいろいろな弊害があるんです。点字投票もありますし、たくさんあるんです。
 これは、これから一つ一つ、厚生大臣がお話のわかるうちにやりたいと思います、話のわからない人が厚生大臣だとこっちが何を言ってもどうしようもないですから。のれんに腕押しというのは一番困るんです。大内厚生大臣はわりかた話のわかりやすい方でございますから、在任中によろしくお願いして、これからたびたび申し上げますので、ひとつ今から含んでおいていただきたいと思います。
 さてそこで、今回の政治改革でございますけれども、今回の政治資金規正法によってどのぐらいの効果があるんでしょうかね。つまり、今までよりは幾らかいいのか、それとも飛躍的に効果があるとか、どうなんでしょうか。
#158
○国務大臣(細川護煕君) 後でまた自治大臣から補足をしていただきたいと思いますが、一つ象徴的なものを申し上げれば、今までは政治資金でも百万を超えるものを公開しなければならないということだったものが、五万円超のものは公開ということでございますから、それだけで相当に透明性は高まるということになるんだろうというふうに思います。
 ほかの点は大臣の方から御答弁いたします。
#159
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、総理からお答えがございましたように、政党を除きます政治団体につきましては、収入の問題については五万円超、それから支出につきましては五万円以上、国民の前に明らかにしなきゃならぬということで、透明性が非常に増したこともございますし、午前中の審議にもございましたように、政治資金規正法に違反をした者につきましては立候補制限が課せられる、あるいは公民権の停止等もかかってくるというようなこともございますので、非常にその意味では厳しくなって、下村委員のお言葉をかりれば飛躍的にこの政治改革の法案というのは効果を持つと、こういうふうに考えております。
#160
○下村泰君 この案をお出しになった方としては、そういうふうにお考えになるのは当たり前だと思います。しかし人間というやつは、こういうふうにしたらこうなるよというと、こういうふうにしたらこうなるよと、裏のもう一丁、そういうふうにならないようにするにはどうしたらいいかと裏の裏をかくやつはいっぱいいるわけですよね。そうしますと、五万円に抑えようが一万円に抑えようが見えないところで渡す。渡されたものというのは、これはもうどうにも見えないんです、これはいつまでたったって。ですから、今のゼネコンなんかを横の方から見てみると、あんなに人をばかにした、あんなに人を信じられないことはないと思いますよ。
 例えば、各ゼネコンの会社の役員の方たちが捕まりました。それ以前に新聞記者にマイクロホンを向けられて質問されているときのお答え、実に見事だったじゃないですか。そんなことができるわけないだろう、ばかなことを想像して物を言うなと言ったやつが捕まっているんですよね。ばかなことを想像して言うなというやつが一番悪いことをしているとなれば、このゼネコン汚職なんというのはこれから先も永久に私はなくならないと思うんです。
 それに対する今度の政治資金規正法の御判断は総理はどうお考えでしょう。
#161
○国務大臣(細川護煕君) これは政治家みずからのやはり襟を正す姿勢というものがその根本であるということは、これはもう申し上げるまでもないことだと思います。それがあって、また制度なり仕組みというものも、これは万全のものはないわけでございましょうが、できる限りそういうことが起こらないように改善をしていくということがその上にさらにあって初めてこれは一定の効果が出てくるものであろうと思っておりますから、そういう意味で、今度の政治改革法案というものもそれなりの評価をしていただけるものにはなるというふうに私は考えているわけでございます。
#162
○下村泰君 私はここへ来ていて一番おかしかったのは、倫理規定というような言葉があるんですが、何で今さら参議院とか衆議院のおじさんたちが倫理規定なんてものをつくらなくちゃいけないか。選良の士と言われている人が倫理なんて必要ないでしょう。倫理は個人個人が持っていなくちゃいかぬものですよ。それをいい年こいた連中が集まっているこの国会で倫理規定をつくらなきゃ物事ができないなんて、そんなばかなこと考えられますか。幼稚園の子供じゃないんですよ。いいことと悪いことの区別はつきそうなもんじゃありませんか。
 そういうことから考えますと、この政治資金規正法というものは幾らどうあっても、私はなくなりっこない、ゼネコンというもの、あれは当然なくなりっこないと思うんですが、どうですか、官房長官。
#163
○国務大臣(武村正義君) 人間の社会に裏や陰が存在する以上は絶対になくなるというものではないのかもしれません。しかし、倫理綱領や行為規範をいい大人の私どもがわざわざ国会で決めてこれを守っていこうという約束をいたしておりますのも、また、今回のようなさまざまな知恵を絞りながら政治資金をめぐる厳しい罰則をつけた法律の議論をいたしておりますのも、世の中の犯罪とある種は似ておりますけれども、陰や裏の部分を許さない、完璧ではないにしても、少しずつ完璧に近い方向を目指して努力をしていこうという決意でございまして、絶対に完璧になくならないからやる必要がないという理屈では世の中は前進しないと思うからだと思っております。
#164
○下村泰君 もちろんやらないよりはやった方がいい。選挙の手話の導入と同じようなものですけれども、あれとはちょっと異質かもわかりませんが、しかし、こういうことを言っている方がいますよ。
 現在の中央集権システムを温存したままで小選挙区制を導入すれば、従来にも増して腐敗と議席の私物化を助長するという弊害が予測できる。小選挙区制のもとでは、現職議員が公共事業や補助金の箇所づけ、許認可の際の運動など、地域に関するありとあらゆる利益誘導を一手に独占できる。そうなると、その地域の市町村の首長、利益団体が現職の議員の傘下に組み込まれることになる。そうして、現職議員の地盤が安泰になれば、ますます多選、世襲などの弊害も強まるだろう。したがって、小選挙区制の導入を真の政治改革に結びつけるためには、権限、財源の徹底した地方分散を図り、利益誘導に関する国会議員の関与の余地を小さくすることが不可欠の必要条件と言える。
 こういうことを言っている方がいますけれども、この件に関してはどうでしょうか。
#165
○国務大臣(細川護煕君) そういうことも確かに大事なことだと思います。一つの考え方だと思います。しかし、そればかりでよくなるかと申しますと、最近のゼネコンの問題も、地方の首長による問題がたくさんあるわけでございますし、権限と財源を自治体に配分すればそれで済むのかという問題もあるんだろうというふうに思います。
 ただ、私は今のお話の観点とは違った観点から地方分権というものは進めていかなきゃならないことだと思っておりますが、いずれにしても、地方、中央を問わず、さっき倫理倫理といっていい年の大人が騒いでいるようなことじゃ済まないんじゃないかとおっしゃいましたが、私もこれは地方、中央を通じて言える基本的な政治家のモラルの問題だというふうに思っております。
#166
○下村泰君 国民の大半は、国会の中で何をやっているか常によくわからないんですね。わかるのは何だといったら、新聞の報道だけなんです。
 そうしますと、新聞の報道だといっても一面、二面は余り読む人はいないんですよ。一番先に読むのはスポーツ欄とかテレビ欄とかラジオ欄とか、あるいは三面記事とか。そういう三面記事の方に政治に関することが載っていれば読むかもわかりません。ほとんどごらんにならない。そういう日常生活の方が多いわけなんですね。ですから、選挙のときに最近非常に投票率が悪いというのはそういう側面もあるんじゃないかと私は思うんですね。政治に興味が持てないということ。
 例えば、九月二十六日の茨城、十一月二十一日の宮城、この両方の県知事選が三九・二%で、両方とも期せずして三九・二%の低い傘なんです。最近、こういうふうに非常に投票率が低い。これは、やっぱり今申し上げましたように政治に対する不信感、政治に対する興味、こういうものがない。それから、国民がこぞって参加できない。例えば、PKOの問題にしてもお米の問題にしても、もし国民投票だったらどういう結果が出たんだろうかというようなことも考えてみる必要もあるんじゃないかと思います。
 そういう意味で、もっと国民の前に開けた、何かあったら国民に投票してもらう、国民投票の結果がこうだからこうなるんだというようなことができないものか。それができなかったら、もっと私はテレビというものを利用すべきものだと思うんですが、いかがでございましょう。
#167
○国務大臣(細川護煕君) 国会は唯一の立法機関という憲法の規定からいたしますと、法律をつくるための国民投票というのはなかなか難しいということなのかもしれませんが、しかし、諮問的な意味での国民投票ということは大いに研究をしてみる余地があるのかな、私はそう思っております。
#168
○下村泰君 時間が来ましたのでやめますけれども、総理にちょっと一言だけお聞きしたいんです。
 大阪高裁で今度の参議院のあれが出ました。定数是正が目の前に迫られたことだろうと思うんです。これはどうなんでしょうか、議員さん同士にやらせるといつまでたってもできませんから、完璧な第三者機関にやらせるという方法はいかがなものかなと思うんですが、いかがでしょうか。それだけ聞かせていただいて終わりにします。
#169
○国務大臣(細川護煕君) 地裁の判決ではございますが、重く受けとめております。
 定数の問題につきましては、今度の衆議院の選挙制度の改正法案でも第三者機関によってやろうということで法案として出させていただいているわけでございますし、いずれにしても、今後参議院の選挙制度というものを考えていく際にも当然そのような形のことが考えられなければならないのではないかというふうに思っております。
#170
○下村泰君 地裁じゃなくて大阪高裁ですね。念のために訂正しておきます。
#171
○国務大臣(細川護煕君) 大阪高裁です。失礼しました。
#172
○下村泰君 どうもありがとうございました。(拍手)
#173
○委員長(本岡昭次君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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