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1993/01/06 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第7号
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1993/01/06 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第7号

#1
第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第7号
平成六年一月六日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月五日
    辞任         補欠選任
     永田 良雄君     大木  浩君
     有働 正治君     西山登紀子君
 一月六日
    辞任         補欠選任
     糸久八重子君     角田 義一君
     西山登紀子君     聴濤  弘君
     下村  泰君     青島 幸男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         本岡 昭次君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                関根 則之君
                松浦  功君
                一井 淳治君
                上野 雄文君
                白浜 一良君
                平野 貞夫君
                吉田 之久君
                吉川 春子君
    委 員
                大木  浩君
                岡  利定君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                坂野 重信君
                清水 達雄君
                鈴木 貞敏君
                楢崎 泰昌君
                星野 朋市君
                村上 正邦君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                岩本 久人君
                川橋 幸子君
                志苫  裕君
                角田 義一君
                峰崎 直樹君
                渡辺 四郎君
                猪熊 重二君
                続  訓弘君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                直嶋 正行君
                聴濤  弘君
                西山登紀子君
                青島 幸男君
   委員以外の議員
       発  議  者  橋本  敦君
   衆議院議員
       修正案提出者   堀込 征雄君
       修正案提出者   岡田 克也君
       修正案提出者   三原 朝彦君
       修正案提出者   太田 昭宏君
       修正案提出者   川端 達夫君
   国務大臣
       内閣総理大臣   細川 護煕君
       外 務 大 臣  羽田  孜君
       法 務 大 臣  三ケ月 章君
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
       文 部 大 臣  赤松 良子君
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
       農林水産大臣   畑 英次郎君
       通商産業大臣   熊谷  弘君
       運 輸 大 臣  伊藤  茂君
       郵 政 大 臣  神崎 武法君
       労 働 大 臣  坂口  力君
       建 設 大 臣  五十嵐広三君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤 観樹君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 武村 正義君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)
       (国土庁長官)  上原 康助君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  愛知 和男君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       久保田真苗君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       江田 五月君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  広中和歌子君
       国 務 大 臣
       (政治改革)   山花 貞夫君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第三
       部長       阪田 雅裕君
       総務庁行政監察
       局長       田中 一昭君
       防衛庁教育訓練
       局長       上野 治男君
       防衛庁人事局長  三井 康有君
       防衛施設庁労務
       部長       小澤  毅君
       経済企画庁調整
       局長       小林  惇君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       外務省経済局長
       事務代理     朝海 和夫君
       外務省条約局長  丹波  實君
       大蔵省主計局次
       長        竹島 一彦君
       農林水産大臣官
       房長       上野 博史君
       自治大臣官房審
       議官       谷合 靖夫君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○政党助成法案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(橋本敦君
 発議)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(橋本
 敦君、発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第一号)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(閣法第二号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第三号)及び政党助成法案(閣法第四号)
(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに公職選挙法の一部を改正する法律案(参第三号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第四号)(いずれも橋本敦君発議)、以上六案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○関根則之君 新年明けましておめでとうございます。
 昨日は、職権による委員会開会という多数の横暴とも思える挙動がございましたので、私どもとしては残念ながら審議に参加することができなかったわけでございます。本日から審議を進めさせていただきたいと思いますので、しっかりとした政府の答弁をお願い申し上げておきます。
 この前、私の総括質疑におきまして、比例選挙におきます名簿の提出資格につきまして衆議院と参議院で政党要件が違うことにつきましてただしましたところ、明確な答弁が得られなかったわけでございますけれども、それに対する政府の統一見解が出ましたらひとつ御答弁いただきたいと思います。
#4
○国務大臣(山花貞夫君) 過日の先生の御質問に対して、今回の政府の提案、政党であるかどうかの判断基準として政策判断として御提案申し上げた、こうした趣旨の御答弁をさせていただいたわけですが、その中で、衆議院の三%、そして参議院の四%と、この観点について御質問をいただきました。改めてこの衆議院選挙得票率要件についてお答えをさせていただきます。
 衆議院と参議院では定数、名簿届け出にかかわる候補者数要件等選挙制度の仕組みが違うこともあり、選挙に際しての候補者名簿届け出にかかわる得票率要件について衆議院と参議院との間に相違が生じているものであります。
 なお、参議院の選挙制度については政党要件も含め今後各党各会派において十分御論議賜りたい、以上のように考えているところでございます。
#5
○関根則之君 私が質問をいたしました趣旨は、参議院の選挙と衆議院の選挙と同時選挙というのはこれからもあり得るわけですよ、そういう同時選挙が行われるときに、全く同じ政党で例えば国会議員を五人以上有しているような一人前の政党が、衆議院の方には名簿が出せるけれども自分の党の参議院の公認候補の名簿が出せない、そんなおかしなことがあっていいのか、半人前の政党としての扱いしか受けないではないかと。それはおかしい。法律的におかしい。幾ら政策判断があろうと、まさかそんな政策判断が正しいと思っているわけじゃないでしょう。しかし、そういう政策判断の面からお答えをいただいておりますけれども、仮にそういう政策判断があるにしても、法律上まことにおかしなことになっている、法律的な説明ができないではないか、こういうことを言っているんですから、それに対するしっかりした答弁が実はいただきたいわけでございます。しかし、まあこの問題はここで幾らやっていても時間ばかりたってしまうと思いますので、引き続きこういう問題については懸案として残しておきたいと思います。
 なぜそういう問題が起こってきたか私なりに考えてみますと、要するに今度の衆議院につきましての選挙制度の改革の案をおつくりになるときに、時間が忙しかったという点はあるでしょう、そういういろんなほかにも事情はあると思いますけれども、いずれにいたしましても参議院のことを十分考えていなかった。十分考えていなかったために当然法律上平仄をとって衆議院の案をこしらえるべきところが手抜かりになってしまった、私はそういうことではないかと思うんですよ。
 法制局長官にもこの間御意見を伺いましたけれども、これから参議院の方は直すからそれでいいんだというような感じの御答弁があったわけですけれども、そういうものじゃない。国の法律の体系の中で、一つの法律を直そうとしたら、それと関連の平仄の合わない事項がほかの法律にあれば、それを直していくというのがこれはもう当然の仕事ですよ。役人の皆さん、そういうことをいつもやっているでしょう。法律をつくるときに関連法の改正に関する法律というのを別途用意することもありますし、そういうことで整理をして、日本の国の法律体系の中ではこれで平仄が合っていますよ、間違いありません、不突合ありませんというふうな形にして出すんですよ。
 それをやってないというのはやっぱり問題じゃないかということを指摘しているわけでございますから、もう一回重ねてちょっとお願いしたいんですが、この問題につきまして引き続き御検討をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#6
○国務大臣(山花貞夫君) 前回も前段お答えさせていただきましたとおり、参議院の四%というところをにらんで衆議院の場合三%と政策判断した次第でございまして、今御指摘の、いやこっちもこっちも整合性を全部整えるべきではなかろうか、この点につきましては、今回の改正に当たりましては、参議院の選挙制度については、制度全体の改革についての議論が始まっているところでございます。
 したがって、基本的にはその問題について政府の提案としてはできる限り手を触れない、そこでの議論というものを尊重しなければならない、こういう前提に立っているわけでありまして、そうした中で今回の改正に即してどうしてもやっぱり手をつけなければならないところ、例えば戸別訪問の問題、あるいは選挙の通常のはがきの問題、ビラの配布の問題等々につきまして、どうしても関連して手をつけなければならない、こういう部分については今回その内容として提出させていただいたわけでありますけれども、制度の根幹に触れる部分その他につきましてはこれからの議論というものを待ちたい、こういう基本的な姿勢でございます。
#7
○関根則之君 いみじくも答弁の中で、戸別訪問の問題とかそういうところは直したけれどもほかのところは直さなかったと、こういうことですから、これはやっぱり法律的にそこまで手が届かなかったと。これはおかしいんですよ。おかしいことなんですよ。それを率直にやっぱり認めるべきだと思います。
 いずれにしろ、これは単に各党各会派でこれから論議をしていただいたらよろしいんだろうと、相も変わらず、私の方は知りません、あなたの方でやってくださいというような答弁、まことに不十分だと思いますけれども、そういう議論も私どもももちろん進めてまいります。と同時に、政府の中でも、法律体系を自分たちで所管しているんですから当然検討をしていただきますように、これは要請をしておきたいと思います。
 この問題にばかりいつまでもかかわっているわけにいきません。ただ、一つだけ申し上げておきますと、これはやっぱり閣法、内閣提出の法律なんですから、少なくとも、そういう各会派と統合をとるのが難しいかもしれませんけれども、政府として政府案として法律を出す以上はほかの関連法律につきましてもきちっと整理をして出す、それが内閣の私は責任だろうと思うし、日本の長い議会制民主主義の歴史の中で、不肖私も及ばずながら公務員としてそういう仕事を長い間させていただきましたが、それが日本の役所の仕事の進め方だと、それが落ちていたからそれでも構わないんだということではこれはおかしくなるということだと思いますので、その点はしっかり認識して対応していただきますようにお願いを申し上げます。
 問題を次に移しまして、法律の問題に入ります前に二、三最近の予算編成等につきましてお伺いをいたしたいと思います。
 景気の低迷の状況というのは大変なことでございます。私どもは暮れから正月にかけまして選挙区へ参りまして、有権者の方々といろいろとお話をしてまいりました。大変深刻な状況をもうどこへ行っても聞かされるわけでございまして、早く景気対策にしっかり取り組んでもらいたい、そういう話を伺うわけでございます。特に、私の選挙区は、自動車関係の下請と申しますか部品生産工
場等が非常に多いところでございますけれども、そういうところへ行きますと、もう仕事が全くないと言うんですよ。どうするんだということを真剣に訴えているわけでございます。そういう点を考えましても、早く予算をつくって景気対策をしっかりとやっていかなければいけないんじゃないかと思うわけでございます。例年、年内編成というのは当然のこととしてやってきたわけでございますが、残念ながらことしは、今回の場合には年内に編成ができなかった。一月中もちょっと無理なようだ、二月に入るんではないかということが心配されているわけでございますが、総理、現在のような景気の状況の中で、本格的な新しい年度の予算を一体どう組んでいくのか、また、それはいつごろまでにつくらなければいけないのか、またつくろうとしているのか。予算編成がいつになるのか、ちょっと教えてください。
#8
○国務大臣(細川護煕君) 現下の経済情勢につきましては、大変私も憂慮いたしております。一刻も早く不透明感が払拭できますように、曙光が差してくるように全力を尽くしてやってまいりたいと考えております。
 第三次補正予算による十五カ月間の切れ目のない当初予算と合わせた景気刺激型の予算を含みます総合的な経済対策というものを中旬をめどに策定をするということにしておりまして、できる限り早く当初予算も編成をしたいということで目下努力をしているところでございます。
#9
○関根則之君 大変何か他人事のような答弁のように私には感じられるんですけれどもね。
 新聞紙上等では、二月の四日とかそういう数字が出ていて、十日が予算閣議だというようなことが出ておりますけれども、具体的な日程はどうなんでしょうね。具体的にお願いします。
#10
○国務大臣(細川護煕君) 具体的には今おっしゃったようなことはまだ全然検討しておりません。できる限り早くということで考えておりますが、極力圧縮をしてどの程度縮まるのか、その辺の作業の手順につきましては大蔵大臣の方から御答弁いたします。
#11
○関根則之君 今の時点でまだ大体いつごろになるのか見当もつかないというようでは本当に心配なんですよ。二月の終わりから三月になって予算編成なんかやっていると、年度が経過して五月、六月、七月ぐらいになっちゃうんじゃないですか。もう年度が半ば進行してから予算が成立するというようなことでは、本来景気が悪いときに国民経済を押し上げていくのが政府の経済政策、政府の仕事だと思うんで、今のような状態だったら国民経済の足を引っ張ってしまうんじゃないですか。
 今、総理は第三次補正予算のお話しをされましたけれども、もちろん補正予算も必要ですよ、しかし補正予算よりも何よりも、大もとになる通年予算というものがしっかりできていませんと、もう総理にそんなことを申し上げる必要は全くないと思うけれども、やっぱりこの当初予算というのがどうしても大事なんですよ。それが骨格、骨組みであって、それに足りないところを足していくのが補正予算、追加予算なんですから、あくまでもその根っこがしっかりしていなければどうにもならない。
 政府にとって、自動車に例えればガソリンのようなもの、それが予算だと私は思いますよ。予算がなければどんなに経済政策を言ったって、経済というのは現ナマで動いていくんですから、金の手当てがつかなければ、公共事業にどれだけ使うのか、生活保護費をどの程度上げていくのか、医療費をどう措置していくのか、そういうことがきちっと金目で出ていかなければ本当の経済というのは動かないわけですよ。かけ声だけではだめなんですよ。
 そういう意味で、この当初予算というのは非常に重要なものであるというふうに考えますので、補正予算でごまかすというんじゃなくて、当初予算をどうするのかということを本当に一日も早く決めて編成をしていただきたいと思います。
 せっかくですから、大蔵大臣、どんな感覚でおいでになるのか、教えてください。
#12
○国務大臣(藤井裕久君) 今へ関根委員のお話のとおりで、私は通常予算というのは国民生活全体を通じての細川内閣としての基本的姿勢を示す重要なものだと考えております。したがって、全体を通じての通常予算、平成六年度予算は、さっき総理がお答えになりましたように、できるだけ早く取り組んでまいりたいと思っておりますが、同時に補正の……
#13
○関根則之君 具体的に。
#14
○国務大臣(藤井裕久君) これはできるだけ早くと言う以上には今お答えできる段階ではありませんけれども、第三次補正はまさに景気対策そのものの予算でございますから、国民生活全体というよりは景気に一番配慮したものであるということの意味において第三次補正というものも非常に意味のあるものである、このように御理解いただきたいと思います。
#15
○関根則之君 三次補正がいけないと言っているんじゃないんですよ。それも大事だけれども、やっぱり土台になるのは通常予算でしょう。それが土台になって組んでいく。十五カ月予算と言ったって、もうきょうは一月六日です。ぐずぐずしていてまだ編成の日程が決まってないというのじゃ、また十五カ月が十四カ月になり十二カ月になっていってしまうんじゃないですか。しかも、当初予算の成立が五月いっぱい無理かもしれませんね。六月、七月になってしまったら、もう大変なことになるじゃないですか。そういうことのないようにお願いをしたい。
 それから、国は国でいいでしょう、皆さんがやっているんですからね。だけど、三千三百の地方団体が本当に困っているんですよ。
 私は仕事柄、今度も市町村長さんや議員さんたちと随分接触をいたしました。その中で、みんな心配をしているんですよ。市町村や県は、自分なりにその地域の経済というものを考えたときに、自分のところの予算をどうするか、それによって地域の景気の回復ということを真剣に考えているわけですよ。そういう人たちが来年度の予算をどうやって組んだらいいかわからないわけですよ。この前もそういう質問を申し上げましたけれども、具体的に投資的経費をどの程度組んだらいいのか、国庫補助金をどの程度見込んだらいいのか、それに伴って自分たちの持ち出しの地方負担額をどう組むべきなのかわからないわけですよ。自治大臣、それじゃ本当に困っちゃうでしょう。
 それから、お年寄りに対する福祉行政とかなんとかいったって、現実に予算をきちっとして特別養護老人ホームを幾つつくるんだ、そういう予算を手当てしなきゃいけないわけでしょう。入所のための経費をどの程度にするんだとか。子供の学校だってそうですよ。高等学校の授業料をどうしていくか、上げるのか下げるのか、その辺のところだって決めてやらなければ国民だって困っちゃうんですよ。福祉も学校教育も社会教育も、すべての面にわたって予算の見通しが立たないと、市町村の行政が組めないと同時に、それによって影響を受ける国民の生活設計が立たなくなるわけですよ、自分たちがどうしていいのか。
 そういう非常に大きな影響を及ぼす問題ですから、早く国の予算をつくり、予算ができなくたって方針だけでも早く決めてもらって、事業をどう組んでいくのか、規模をどうするのか、伸び率をどうするのか、そういうことを決めてもらって、早く市町村へ、県へ連絡をしてやらなきゃいけないじゃないですか。
 そういう段取りをどういうふうに組まれるのか、ここでもう一回御説明してください。
#16
○国務大臣(佐藤観樹君) 関根委員が御心配いただきますように、私も、三千三百の地方自治体を指導する立場からいいまして、御指摘のとおりだと思っております。
 したがいまして、閣議の中でも自治大臣という立場におきまして、一月末までに税制改正大綱、地方財政計画、これはぜひつくって、そして地方自治体に示すことができる、知事査定等に極力迷
惑がかからないようにその基本だけはとにかく示さなきゃいかぬということを声を大にして言っておりますので、ぜひともそれは実現をさせていかなきゃならぬ、それが自治大臣としての責任だと思っております。
#17
○関根則之君 自治大臣が早くやるというまことに頼もしい御答弁でございますので、そのとおりやってもらいたいと思いますが、今おっしゃったことのアフターケアといいますか、それを我々もきちっと見させていただきたいと思います。
 ところで、来年の予算を組むということになりますと、税収の見通しがどうなるのか、これは大変なことになっているんじゃないかと思うんですが、国税の最近の収入状況、途中で補正をやっていますが、当初予算に対してどの程度落ち込みが出てきてしまうのか。同じように、地方税につきましてもこの間都道府県税収が発表になって、何か平成四年度では七・六%の三角が立ってということで、昭和五十年以来ですよね、十七年ぶりに実質的な絶対額での減少が起こったということでしょう、対前年度。これは大変な事態なんですよ。
 昭和五十年、あのころ私は財政担当をさせていただいておりましたので本当に真剣になって走り回ったという経験を持っておりますけれども、こういう状態の中で、ことしの税収が当初の地方財政計画に見積もった額に対してどの程度になるのか、また予算で各都道府県、市町村が見込んでおりますけれども、そういうものに対する落ち込みの度合い、どの程度になるのか、ちょっと見通しをお聞かせください。大蔵大臣と両方。
#18
○国務大臣(藤井裕久君) 御承知のように、第一次補正に対して第二次補正は五兆五千億減を出したわけでございます。それに対して、現在、十一月末の数字が出ておりますが、大体その範囲でおさまりそうである、十一月末ではこういうことは申し上げられると思います。
#19
○国務大臣(佐藤観樹君) 今年度は約一兆円の減収見込み、そして来年度についてはもちろんまだわかりませんが、いずれにいたしましても、景気の悪いときでありますから多少借金をしても地方財政計画あるいは地方自治体の運営そのものがいわば景気の下支えになっていくわけでございますから、私といたしましても、今八十八兆の借金を今年度で抱えるわけでございますけれども、この際やはり、地方自治体というのは北から南まで三千三百、そこで地域経済、地域社会を支えておるわけでございますから、そういった意味で地方自治体が運営に困ることのないよう景気の観点からも十二分に配慮してやっていかなきゃならぬ、こう考えております。
#20
○関根則之君 十一月末現在では五兆五千億の落ち込みでとまっているということですけれども、これから先、三月末といいますか、今年度収入が終わりますまでにまだ多分落ち込みが出てくるんじゃないかと思います。
 そういう状況の中で、総理、これから平成六年度の当初予算を組んでいく、そうなると減税を、何かこの間の記者会見で総理は七兆円とかいう数字を出していらっしゃったという報道がございますけれども、それは本当なのかどうか、減税をどの程度組まれるつもりであるのか、お示しをいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(細川護煕君) そういう具体的な数字は申し上げたことはございません。まだこの点につきましては政府・与党の中で御協議をいただいているところでございまして、いましばらく時間をいただきたいと思っております。
#22
○関根則之君 しかし、減税はおやりになるという基本的な方針はお持ちでございますか。
#23
○国務大臣(細川護煕君) そういう御期待が強いことを重く受けとめております。
#24
○関根則之君 重く受けとめておりますということは、総理がおっしゃることだから、もう少しはっきり、本当はこういう政策論議はきちっとやってもらいたいんですよ。今の時点で減税をやるのかやらないのか、そのくらいの基本的な方針を決めてなくて国の財政運営なんかできませんよと私は思いますよ。みんな思っていると思うんですよ。しかし、総理としては責任がおありになりますから、それで多分なかなかそうはっきり言えないということだと思うんですけれども、私は理解としては減税は多分やるなというふうに受けとめます。
 そうしますと、その減税の財源はどうするんですか。消費税の税率を上げていくんだと。一%上げれば大体二兆円ですか、もうちょっとありますか。例えば六兆円減税をするということになれば三%消費税を上げればまあ財源としては見合うわけですよね。今、ある程度まとまった減税財源ということになれば、これは酒税をいじったって、地価税をいじることはないでしょうけれども、たばこをいじったってそんな大きなまとまった金なんて簡単に出てくるものじゃないんですね。
 総理は、直間比率を是正したいということを八月の段階で本会議でおっしゃいましたね。直間比率の是正というのはどの程度おやりになるというおつもりなんですか。というのは、直間比率の是正というのはせいぜい一〇%ぐらい動かさなきゃ是正というのにならないでしょう。今、大体国税で七〇、三〇ですか、三〇に足りないんですけれどもね。地方税で間接税というのは今一〇%しかないんですよ。九〇%が直接税ですよね。そういう状態の中で直間比率の是正をしていきますなんという格好のいいことをおっしゃるけれども、直間比率の是正をするということになれば、私は、せいぜい七対三を六対四にするとか、五対五にするとか、フランスのようにむしろ直接税の方を少なくしてしまう、そういうような形に持っていくということではないかと思うんですよ。
 そうすると、仮に一〇%動かすということになりますと五%で振れますから、五%分といったら七十兆円で幾らになりますか、五、七、三十五、三兆五千億から四兆円動かさないといけないんですよ。四兆円とか五兆円とかいう単位の間接税をふやすといったらほかに税目がありますか。それは消費税しかないんですね。実際の問題としてはそうだと思うんですよ。
 しかし、それを本当におやりになるつもりがあるのかどうか、財源もなしに。しかも、それだけ大きな仕事をやる決意があるのかないのかあやふやな段階で、減税を何兆円もやりその財源としてこういうものを用意しています、そんなことがうかつに言えるんですかね。
 その辺のところを、要するに消費税のアップを減税財源として本当に考えているのかどうか、しっかりした見通し、自分の決意のほどをお聞かせください。
#25
○国務大臣(細川護煕君) 六年度の税制改正は税制改正として考えなければならないことだと思いますが、いずれにしても、この元旦の日の私の年頭の所見でも申し上げたわけでございますが、これから本格的な高齢化社会を迎えていく中で、受益と負担の関係、あるべき姿というものをやはりしっかり国民の皆様方に御認識をいただくということが何よりも重要なことだと思っております。
 どうしてもやはり負担というものが高齢化社会が進んでいく中でふえていかざるを得ないということは大方の皆様方が認識をしていただいているところだと思いますし、そうした中で、働き盛りの人たちの負担というものが過重にならないように、やる気を失うといったようなことがないように、資産、消費、所得のバランスというものを考えながら、直間比率の問題もそうでございましょうが、全体的な総合的な観点から税制のあるべき姿というものについても考えていく必要があるだろうと、そのことについて税調などの審議もお願いをしているところでございます。
 この問題につきましてもできる限り早く方向を示していただきたい、こういうことで政府・与党の会議にも今お願いをしております。
#26
○関根則之君 示していただきたいと政府・与党の会議にお願いをしておりますと、こういうことでは本当に困るんですよね。いろいろ広く皆さんから御意見を伺う、そういう与党体制を固めなさる、これは必要でしょうけれども、しかしやっぱ
りそれらをリードして束ねていくのは総理なんですから、自分で方針をきちっと決めていただいて大いにリーダーシップを発揮していただきますように、それで国の経済、財政がよろよろしないような形でやっていけるようにひとつお願いをしたいと思います。
 ところで、もう一つだけちょっと総理に考え方をお聞かせいただきたいんですが、地方分権大綱を今年度じゅうにおつくりになりますか。
#27
○国務大臣(細川護煕君) ぜひそうお願いをしたいと思っております。そうしたいと思っております。
#28
○関根則之君 総理は、持論としておっしゃっております地方の充実といいますか地方重視、地方自治尊重の政治をこれからは打ち立てていかなければいけないと思いますので、さらに一層ひとつ御努力をいただきたいと思います。
 ところが、そういう総理のお話とは実際の今の政治の動き方が違うんじゃないか、そんな感じがしてならないんです。
 というのを一つ例を申し上げますと、今度の法律だってそうですけれども、例えば政党交付金なんかの組み方を見ましても、地方政治家、市町村長だとか市町村の議員、県もそうですけれども、そういった政治家を政党交付金の積算基礎に入れるなんということは全然考えてないわけですよね。政党化がどんどん進むと無所属の議員さんたちをどうするのか、そういう問題もあるわけですよね。
 いろいろ例を挙げれば切りもありませんけれども、具体的な問題で、実は私の選挙区で一つ起こっている問題があるんです。細かい問題かもしれませんが、お聞きをいただきたいんです。
 東京都県境に新座市という、ベッドタウンが中心ですけれども相当の地場産業もありましてこれからの町ですけれども、人口十四万あります。須田さんという大変若い新進気鋭な市長さんが新しく誕生いたしまして、意欲的に町づくりを展開しております。そういう中で、埼玉県というのはどうしても県民意識が低いんですよ。埼玉都民なんという言葉があるんです、残念だけれども。そういう状況の中で県民意識を高めたい、また東京との県境、都県境にありましては東京の影響を受けやすいものだから、そこのところで自分の町の独自性を発揮して住民意識というものを高めていきたいと、もう苦心をしているんですよ。
 そういう中で電話帳の問題というのが起こりまして、今まで埼玉県の中の十四万の市ですから埼玉県の県南西部という電話帳の中に新座市の電話番号が当然全部入っていたわけです。それをそっくり今度は武蔵野版に持っていっちゃうというんですよ。そういう計画が進んでおりまして、準備が進みつつある。そういうところでこれは大変だと。自分たちが町の一体性を確保する上で一生懸命腐心をしている、それに水をぶっかけるようなことじゃないかということで、市長さんも大慌てで、今はNTTだと思いますけれども、NTTにかけ合ってお願いをしているんだけれども全然耳をかさないというんですよ。商売の上でこっちの方が有利だからあなた方の言うとおりにはいかないんですよ、こういうことでなかなか言うことを聞いてくれないらしいんですよ。
 これはおかしいんじゃないですか。商売の上では確かにそういう問題があるにしても、それならそれで武蔵野版にも載せるけれども、埼玉県の中にも載せていくというような形にして、地域の住民の地方分権なり一体性の確保なりそういうものを応援するような方向で手伝っていくようなやり方をとるべきではないかと思うんですけれども、総理、こういう事例についてどういうふうにお感じになりますか。
#29
○国務大臣(細川護煕君) 確かに、今二つの例を挙げてお話がございましたが、具体的な点になりますと、分権という観点から考えなければならない点はいろいろあろうと思います。
 今度、先ほども申し上げましたように、分権大綱というものを年内につくっていきたいということを申し上げているわけでございますが、本当に意味のある分権というものが着実に進んでいきますように、この論議につきましては御専門である関根委員はもう篤と長い経緯を御存じなわけでございますが、地方制度のあるべき姿から含めて本当にどういう形でこの意味のある分権についての進捗を図っていくことができるか、成果を上げていくことができるか。ただ訓示的な大綱をつくってみても余り意味がないということもございましょう。どこまで一体それを踏み込んだ意味のあるものにすることができるのか、これはぜひまたいろいろお知恵を拝借して、本当に意味のあるものにしていきたいなと考えているところでございます。
#30
○関根則之君 郵政大臣、今の問題につきましてどういうお感じか。
 それからまた、私の希望としては、やっぱりそういうものは、民間会社のことかもしれませんけれども、第一種電気通信事業者としてNTTは郵政省の認可をもらって仕事をしている。これはこの前まで電電公社だったわけですよね。そういう公共的な性格も持っているわけですよ、依然として。そういうものに対して、ぜひひとつ地元の市長さんや知事さんが一生懸命やっていることを手伝うような方向でやってくれという要請をしていただけるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(神崎武法君) NTTが電話帳の見直しを行っておりますことは承知をいたしておりますけれども、具体的な地域あるいは見直しの内容につきましては承知をいたしておりません。
 郵政省といたしましては、この電話帳の見直しに当たっては地元の声を十分聞いて、利用者に混乱を招くことのないようにNTTとしては十分配慮をしていただきたい、これを期待しているところでございます。
 御指摘の点につきましては事情を聞いてみたいと考えております。
#32
○関根則之君 郵政大臣、よろしくひとつお願いを申し上げます。
 それでは、法案の内容に入らせていただきたいと思います。
 政党の組織の問題につきまして御質問を申し上げたいと思いますけれども、政治資金規正法二十一条四項という規定がございますね。そこで政党の支部につきましては地域支部だけを認めている、こういう規定があるわけでございますけれども、地域支部というのはどういう支部なんですか。市町村の単位、また小選挙区の単位でつくれば政党の支部として認められると、そういうふうに理解をしてよろしいですか。
#33
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、関根委員が言われましたものに加えまして、その連合体と申しましょうか、極端な話、東京都には各市区町村があるわけでございますのでその連合体とか、そういったものも認められます。
#34
○関根則之君 そうすると、市町村なりその連合体は認めるということですから、ある都道府県の中に百の市町村があると仮定をした場合に、幾つぐらいの政党の支部が認められることになりますか。
#35
○国務大臣(佐藤観樹君) 政党というのは本部があり支部があるわけでございまして、その運営上、単なる企業、団体からの献金を得るためにそういった支部を続々とつくるかどうかということは別でございますけれども、今、関根委員が言われました百ということになれば、それはいろいろなケースがありますから、数はちょっと言い得ないぐらいそういう御質問でしたらあり得ると思いますが、実態的に党という機関がそういうものをつくるかどうかはまた別だというふうに考えております。
#36
○関根則之君 それじゃ具体的に承りますけれども、百市町村がそれぞれ市町村に一つずつつくって百つくることはできますね。それじゃ二つずつつくることはできますか、二つずつあわせてつくること。
#37
○国務大臣(佐藤観樹君) これは政治活動の自由がございますし、いわば結社の自由があるわけで
ございますので、しかし一方では、今申しましたように、お金の問題について明朗化をしようということで企業・団体献金の禁止ということを前提にしながら政党しかいけない、こういうことになっているわけでございますから、そういった意味で一つの市の中に、例えば地域を限って東支部とか西支部というのは認められませんけれども、第一支部とか第二支部という、つまり地域を限定するのではなくて、まあいろいろな人のつながりがございますから、そういう意味でつくることは可能でございます。
#38
○関根則之君 何か政治資金を得るという観点からはかり言っておりますが、これは政党の組織論にかかわる問題でございます。
 二つずつつくるということになりますと四千九百五十個ぐらいできますよね、百市町村があれば。三つずつつくるということになると、どのくらいになりますか、十六万ぐらいになりやしませんか。四つずつ仮につくるということになると三百万できるわけですよね。これ、多分全部こんなことをやっていったら、順列組み合わせの話ですから、何百万できるか何千万できるか、幾らでもできるわけですよ。そういうものを政党の支部として法律上認められるわけでしょう。つくるかどうかは別ですよ。しかし、幾らでもそれはできるということですよね。それじゃ、それはそれでひとつおいておきましょう、それは共通な理解ですから。
 市町村単位に、または二つの市町村ごとに、あるいは郡単位、昔からの郡がありますから郡単位に五市町村なり十市町村なり集まって、そこである政党の青年部をつくることができるか、婦人部をつくることができるか。いかがでしょうか。
#39
○国務大臣(佐藤観樹君) それはできます。
#40
○関根則之君 政党の支部として、一人前の支部として法律上認められる、そういう意味でできるというふうなお答えですか。
#41
○国務大臣(佐藤観樹君) 政治資金規正法上、企業からの献金を受け取っていいという意味におきます党の支部という位置づけとして認められるということであります。つくるかつくらないかはもう関根委員が言われましたようにこれは別の話でございますけれども、政治資金規正法上、この法律で言っておりますところの支部として認められるということでございます。
#42
○関根則之君 青年部それから婦人部というものができるということですね。
 そうすると、例えばあるA町とB町、二つの町に地域支部としてA町、B町支部ができる、社会党なら社会党の。でいいですよね。それと同時に、A町、B町の婦人部という支部もきちっとできる。このごろは女性部というんですかね。女性部もできる、青年部もできる。しかも、その青年部も婦人部もきちんと政党として企業等からの献金も受けられる、こういう御答弁でありますから、確認をきちっとしていただきます。今の答弁間違いないかどうか。
#43
○国務大臣(佐藤観樹君) 何々市に何々党の青年部というので、一市なら一市の中にそういう組織ができるということについて、これが政党の支部。として企業・団体献金を受け入れるという立場において、これは支部として認められます。
#44
○関根則之君 それは青年部、婦人部もきちんと寄附金を受けられる支部として認めもれる、こういう解釈のようでございますが、事務当局、間違いございませんか。
#45
○政府委員(佐野徹治君) 今回の政治資金規正法の改正法案でございますけれども、これにつきましては、政党の支部で、一以上の市区町村の区域または選挙区の区域を単位として設けられる支部、これにつきましては政治資金規正法上いわゆる企業等の団体献金を受けられる支部と、こういう定義をいたしておるところでございます。
 支部をどういう形でつくって政治資金規正法上の届け出をするか、これにつきましては政治資金規正法上特段の制限規定がございません。支部をどういう形でつくるかというのは、これはまさに政治活動の自由との関連で政治資金規正法上は届け出をする、こういうことでそれぞれのしかるべき団体が受理をすることによって支部と認められるものでございます。
 今まで議論がございますけれども、政治資金規正法の改正法案では、企業等の団体献金を受けられる支部、これにつきましての規定を明確化いたしたものでございます。
#46
○関根則之君 青年部、婦人部もその町の中に、具体的に言うとまたいろいろ問題が起こるから、A党のB町支部というのができる、それとA党のB町青年部ができます、A党B町の婦人部もできます、そういうことで間違いないかどうか。しかも、そのできた支部というのは一人前の政党支部ですから、企業、団体からの献金が当然受けられる、そういう解釈が二十一条四項の間違いない解釈であるかどうか、もう一回。というのは、今まで我々が聞いていたのとちょっと説明が違うものですから、間違いないかどうかきちんと御答弁をいただきたい、三回目ですからね。
#47
○国務大臣(佐藤観樹君) これは御承知のように、支部をつくった場合には、つくった後七日以内に県をまたがる場合には自治大臣に、それから県内の場合には県の選挙管理委員会に届け出てもらうということがございますので、今御質問のようなことになるかどうか別といたしまして、法律論といたしましては、これは例えば党が分裂をした場合に、本家争いというふうになった場合に、おのおの支部を名のるわけですが、そうするとうちの方は、自治省なりあるいは選挙管理委員会という立場からどちらがいいか悪いかということの認定は、こういう問題でございますし、結社の自由等々からいいましてこれは認定できませんので、そういった意味では、私たちのこの法律は関根委員今御指摘のように、A市のあるいはA町の青年支部あるいは女性支部というのは認めるということにしておるわけでございます。
 ただ、いけないのは企業支部、会社の中に支部をつくってそのままそこにお金が入るというような形態は、選挙部長が申しましたように、これはそもそも企業・団体献金を禁止するという大原則に基づいてこの法律ができているわけでございますから、企業支部は認めない、こういうことになっております。
#48
○関根則之君 企業支部は認めないと。
 それでは、職域支部というのがありますよね、同じ産業なり同じ職域を通じて、企業だけじゃないですよ、同じ系統の業者とか、そういうものを通じてつくることの方は、いわゆる職域支部というのはいかがでございますか。
#49
○政府委員(佐野徹治君) いわゆる職域支部でございますけれども、こういう支部を政党の支部としてつくるかどうか、これは先ほどお答え申し上げましたように、政治活動の自由との関連でこれにつきましての規制はございません。
 ただ、今回の政治資金規正法の改正法案におきまして、企業等団体から寄附を受けることのできる政党の支部につきましては、先ほど申し上げましたように「一以上の市区町村の区域又は選挙区の区域を単位として設けられる支部」、こういうように規定を明確化いたしておるところでございます。
#50
○関根則之君 まことにおかしい法律解釈が先ほどから出てきているんですよ。青年部、婦人部は一以上の地域を単位として政党の支部がきちっとできて、それは企業、団体から献金をいただけるんでしょう。ところが、職域支部とかそういうものは一切だめだと。それは、職域支部というのはもちろん一つの市町村ごとにやってもいいんですよ。それから二つ三つの市町村が合わさってつくってもいいんですよ。そういう原則は守るという前提ですよ。
 それから、自治大臣がいろいろ心配をして、政党の離合集散、分裂とか合併とかそういうことがある難しいケースがありますが、私は余り頭がよくないからそんな難しいケースを想定していないんです。単純に市町村単位であるいは市町村の連合で、婦人部と青年部はいいけれども職域ではだめだ、そういうお話ですよね。それから企業単位
でもだめだと。企業単位といったって、同じような企業を市町村ごとにまとめるとか二つの市町村にまたがってまとめるとか、そうすれば私は解釈としては同じでいいんじゃないかというような気がしますが、その辺のところがまことに分かれてしまう。地域支部はだめだけれども、青年部、婦人部はいいんだと。それから、全くの職域支部はだめだ、青年部、婦人部はいいんだと、こういうお話でございますから、その辺のところが大変混乱をしている。
 そもそもそんなことは法律のどこに書いてあるんですか。
#51
○政府委員(佐野徹治君) 私、先ほど来お答えを申し上げておりますように、政治資金規正法の改正法案では、この企業等の団体献金を受けることのできる支部につきましての規定を明確化いたしておるわけでございます。
 それは、先ほど来読み上げておりますように、「一以上の市区町村の区域又は選挙区の区域を単位として設けられる支部」、これが企業等団体の献金の寄附を受けることのできる支部であると、こういうように先ほど来申し上げておるところでございます。
#52
○関根則之君 だから、一以上の市町村を単位としてつくればそれでいいんですよということで、さっきからずっとそこのところを整理しているんですよ。
 一般的な政党の支部、それはいいでしょう。一般的な政党の地域支部はいいと思うんですよ。通称呼ばれている地域支部というのはだれが入ってきたっていいんですよね。農家の人が入ってきたって、中小企業のおやじさんが入ってきたって、あるいは大会社の社長さんが入ってきたって、その市町村だけの政党の支部、地域支部というのは、それは企業献金を受けても何をしても構わない、そういう一人前の政党支部として扱われるんでしょう。青年部もできる、婦人部もできる。ところが、職域支部はだめだ、企業支部もだめだ、こういうことでしょう。そんな区別はどこに書いてあるんだということを聞いているんですよ。
#53
○政府委員(佐野徹治君) これは先ほど来お答え申し上げておりますけれども、青年部なり女性部でございますか、こういった支部につきまして、青年部一般につきましてないしは女性部一般につきまして、企業等の団体献金の寄附を受けることのできる支部であるというようには申し上げておらないわけでございます。
 先ほど来私が申し上げておりますのは、あくまでも一以上の市区町村の区域、選挙区の単位、こういう支部を企業等の献金を受けることのできる支部というように申し上げておるところでございます。
#54
○関根則之君 これは先ほどから私はきちっと分けて質問をいたしておりますけれども、大臣は、青年部、婦人部がきちっと支部として認められて企業・団体献金が受けられますと、こういう答弁をしっかりしているんですよ。それを私は三通聞いているんですよ。後ろの方からいろいろ雑音がありましたけれども、きちんと詰めてあるはずです。
 今、選挙部長さんは、それはできません、こういうふうに答えましたね。これは答弁に矛盾がありますので、しっかりした統一見解を出してもらわなきゃ困ります。
#55
○委員長(本岡昭次君) 答弁をしてください。どうですか。
#56
○国務大臣(佐藤観樹君) 関根委員の御質問が青年部、婦人部の場合は一の市区町村の中にできるというお話で私は理解をいたしましたので、そこで一の市区町村の中ではそれは認められるということを申し上げているので、前提として当然法律の中には一の市区町村の中に認められるという法律になっておるわけでありますから、その中でのお話でございますから、何ら選挙部長と私は矛盾をしていないと思います。
#57
○関根則之君 承服することができません。
 一の市区町村と、二つ連合した市区町村の中で婦人部、青年部ができますかという話をきちっと私はしておりますし、それから今の一の市区町村の中に青年部と婦人部と通常の地域支部というもの、例えば三つきちっとできて、それが企業献金を受けられる、そういうことを今答弁なさっていますけれども、このことも今まで言ってきていることと全然違うんです。承服することができません。
#58
○政府委員(佐野徹治君) 少し大臣の答弁を補足させていただきますが……
   〔関根則之君「補足じゃ済まないんじゃな
   いの。今、大臣おかしいことを言ったんだ
   よ」と述ぶ〕
#59
○委員長(本岡昭次君) ちょっと答弁を聞いてください。
#60
○政府委員(佐野徹治君) 企業等団体献金の寄附を受けることのできる支部、これにつきましては、何度も申し上げて恐縮でございますけれども、政治資金規正法の改正法案で一以上の市区町村の区域または選挙区の区域を単位として設けられる支部、これは企業等団体献金の寄附を受けることのできる支部である、こういうように規定をされておるわけでございますので、この規定に該当するものであれば企業等の献金を受けることができるということでございます。
#61
○関根則之君 だから、そういう抽象論では一般国民にはわからないんですよ。これからいろいろと一般国民から寄附を受けてそれで政治活動をやっていこう、そういうことによって政治をきれいにしていこう、そのための政治改革でしょう。その政治改革をやっているときに、部長さんが今御説明なさったような、まあ役人としてはああいう説明しかできないんだと思うけれども、抽象論じゃだめなんですよ。
 具体的に一つのA町というところへ、いわゆる通常の地域支部、だれが入ってもいいですよという地域支部と、婦人部という地域支部――婦人部じゃない、今は女性部だ。女性部という地域支部と、青年部という地域支部と三つきちんとできますかと言ったら、大臣は、できますよ、できてそれは企業献金も受けられますよ、こういう答弁でしょう。皆さん方そういうふうに理解したでしょう。そういう理解をしているのが大臣の答弁。ところが、部長は法文を読んだだけで、一の市町村を単位とするものはできますよ、企業献金も受けられますよ、そういう答弁しかしないんですよ。
 それじゃ具体的に、私は余り局長さんたちを、総理の方針もあるし、総理の方針は大変結構だと思うから、局長さんたちに答弁を求めるということは、私もつらい思いをしたから余り求めたくないんだけれども、しょうがないからそこのところを、A町というどこか、どこでもいいですよ、A町の町内に企業献金を受けられる女性部、青年部、それから通常の地域支部、何々町何々支部という通常の地域支部、この三つの政党支部がきちっとできて、しかもそれが企業・団体献金を受けられるのかどうか、きちんとそこのところだけ説明してください。私も法律は知っているんですから、二十一条四項は。
#62
○政府委員(佐野徹治君) 若干抽象的な答弁になって恐縮でございますけれども、先ほどお話のございましたような支部につきまして政治資金規正法上の届け出、これは支部も届け出が必要でございますので、届け出がございまして、それから先ほど来申しておりますような政治資金規正法の改正法案の二十一条第四項の支部、定義規定のございます支部に該当するようなものでございますれば、これは企業等の団体献金の寄附を受けることができるわけでございます。
#63
○委員長(本岡昭次君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#64
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
#65
○国務大臣(佐藤観樹君) 私たちは混乱がないと思っておるのでございますけれども、いろいろなケースの場合、実態の問題等がございますので、後ほど整理をして答えさせていただきたいと存じます。
#66
○関根則之君 後ほど整理をして答えていただくんじゃ、私はこれ以上前へ質問を進めることができないんですよ。そこのところが基本の問題で、入り口のところでつっかえちゃうわけですから、そんな基本的な、しかもこれは企業・団体献金という一つの重要な部分の入り口をどうするかということなんですよ。
 総理、それじゃお尋ねしますが、今度の法律改正の中で、政治資金をどこからどういう形で調達するのか。個人優先で調達する、あるいは特殊な部門については企業・団体献金を認めていくと、こういうことで、この分野というのは非常に重要なものだと思いますが、総理はどう認識されておりますか、こういう扱いの問題を。
#67
○国務大臣(細川護煕君) ちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんでしたが、とにかく企業、団体等からの個人に対する献金というものは、これは今日の政治不信について大変大きな問題があるという観点から今度は抑制をしていこうという方向を決めたということでございます。
#68
○関根則之君 もう一回お願いしたいんですが、だからこそ政党に限ってはしばらく企業・団体献金を認めていこうと。だから、その入り口はきちっとしていなきゃおかしいでしょう。個人へどんどん企業の金が入っちゃいけないんですよね。そういう制度、これに別に私は反対しているんじゃない。一つのこれからのやり方だと思いますよ。
 だけれども、政党についてはきちんと政党という窓口を絞るとか規定をきちんとして――だれか自分で勝手におれは政党だと言ってきたんじゃ困るんですよ。そのためにいろいろ規制をしているんだと思う。その入り口の、政党はどういうのが政党なんだと、支部を含めて、その規定の話を私はしているんですよ。そこがいいかげんだったら、企業・団体献金は原則として今後は禁止していきますよというそこがぼけちゃうじゃないですか。ちょっと勝手なことを言って、適当に支部ですよと言って手を挙げたら、全部いいんですか。それもおかしいでしょう。
 要するに、入り口をきちっと絞らなければ総理のおっしゃっているような整理がつかないんじゃないんですかという意味で、この企業・団体献金が受けられる政党をどういう形で規定するか明確に規定しなければいけないと思うし、その規定の仕方というのはそう瑣末な小さな問題ではないというふうに私は認識してさっきから時間を使っているんですけれども、その問題は非常に軽易な問題で後へ送ってしまっても構わない、その場で答弁ができなくてもいいんだと、その程度の軽い問題だと思いますか。そこを聞いているんです。
#69
○国務大臣(細川護煕君) おっしゃるとおりだと思います。極めて基本的な問題だと認識をしております。
#70
○関根則之君 したがって、総理も基本的な問題だと言っていらっしゃるようなそういう問題について、私は通告してあるんですから、担当大臣がすべて事務当局ときちんと打ち合わせをして答弁できるようにしてくるのが当然ですよ。後で整理して答えますなんてそんなばかなことで審議が進められますか。これは総括審議なんですからね。すぐに答弁をしていただきたいと思います。もしすぐにできないんならば、時間をとってよく打ち合わせをして、間違いのない答弁をしてください。
#71
○国務大臣(山花貞夫君) まず第一に、今、関根委員御指摘のとおり、そこでの入り口の政党の概念をしっかりするということは大変大事なことだと思っています。
 第二番目に、今の自治大臣と選挙部長の答弁につきましては、私は矛盾がないものとして聞いておった次第です。
 以下、若干補足させていただきたいと思いますけれども、先生が今御指摘のとおり、政党、一体それは何かということについて今回の法律の体系におきましては政党法をつくり、政党の本部、県本部、支部、総支部、あるいは青・婦人部、組織論については立ち入っておらないということであります。
 したがって、それぞれの政党がどのような本部と支部の関係をつくるのか、あるいは普通の場合には本部あるいは県本・支部、その中に部局として青年部、婦人部というのがつくられているのではないかと思っています。そうした問題についてああしろこうしろということについては触れていないのが今日の法律でございます。
 今回はそれぞれの政治資金規正法、あるいは政党助成法もしかりでありますけれども、そこでの法律の趣旨に従ってそうした政党についての考え方をその法律の立場から示しているわけでありまして、それが政治資金規正法におきましては一以上の市区町村の区域または選挙区の区域を単位、政治資金規正法はそうですよと、こういうことを示しているところでございます。
 先生御質問の青年部、婦人部ということにつきましては、一つの地域支部にある青年部、婦人部、これがごく常識的な考え方だと思いますから、そういうものにつきましては一の区域における組織、政党のもとにある部局ということになれば、これはこれには当てはまらない、こういうことで答えているわけでありまして、それはお二人の答えは違っておりません。
 しかし、政党が組織論として、そうではない、一つの市町村における単位を持った青年地域組織というものをつくった場合、それはこの法律に該当するならばこの政治資金規正法上はこれに該当いたします、こういう答弁をしているわけでありまして、そのお二人の答弁については食い違いはないものでございます。
 なお、ここで、それぞれの法案につきまして、一体支部というのは何かということについて、政党法でがんじがらめに政党の内部を規制しているものではありません。したがって、その政党によっていろんな支部のつくり方があるんじゃないかと思います。それが外形上見て不明確な場合、おっしゃったとおりいいかげんなところの支部に企業・団体献金が入るじゃないかと、そのことを防ぐためにこうした形での地域の支部という明確な基準をつくったわけでありまして、この条文に合致するということになれば、これはこの政治資金規正法上は企業・団体献金を受けることができる支部である、こういう解釈で法を説明しておる次第でございます。
 大事な問題ですから、先生おっしゃったいいかげんな支部にということについて、あってはいけないと思いますので若干つけ加えたいと思いますけれども、企業・団体献金などにつきましては、政党に入る場合、あるいはその他の政治団体、議員個人に入る場合、二つのケースに大別することができると思いますけれども一政党に入る場合には、昨年の届け出でも……
#72
○関根則之君 そんなことは聞いていないんだ。
#73
○国務大臣(山花貞夫君) 大事な問題です。約九七%は透明です。しかし、個人に入った、その他の政治団体の場合には、透明度は三%にすぎないわけです。
 政党に入った場合には九七%透明である、こういう形もあるわけでありますから、したがって今回はこうした形で政党として明確にしたというところでありまして、その意味におきましては、お二人の答弁について私は矛盾はないものと思っているところでございます。
 整理する必要ということになれば、先ほど申し上げました一般的な従来の概念である県本、県本の中にある青年部、婦人部、こういったその下の組織というもの、これとの混同があってはいけませんので、この点については、それはこうした地域における支部がこの法律上該当しますよということについては若干整理をする必要があるのではなかろうかと思った次第でございまして、以上、私はお二人の答弁について矛盾はないものと思っております。
#74
○関根則之君 私に与えられた時間は百二十分で貴重な時間なんですよ。それをぺらぺら、御答弁なさることは結構ですけれども、余計なことまで言うことないんですよ。
 私はさっきから繰り返し言っているんです。二十一条四項に書いているように、一以上の市町村の区域を単位としてできているという前提で物を言っているんです。青年部だって婦人部だって全部そうなんですよ、女性部だって。それはちゃんと政治献金が受けられる支部と認めていいと大臣は言っているんですよ。ところが事務当局は、それは何かよくわからないと条文を繰り返し言っているだけなんです。
 それじゃ端的に聞きますが、一以上の市町村、そういうものは当然の前提だとして言いますよ。それはもう一回繰り返す必要はないんですよ。それで、女性部と青年部と通常の地域支部と、もうさっきから何遍も私言ったでしょう。例えばこの三つをある特定の町村の中へつくることができるか、その三つとも企業・団体献金を受けられるかどうか、そこだけ端的にお答えください。
#75
○国務大臣(山花貞夫君) その点については先ほどの大臣の答えも部長の答えも一致していると思っています。この今回の法律の規定に従ってその資格を持っているものであれば私はできると答えているわけでありまして、そうだと思っております。
 従来のような格好での青年部、婦人部ができるということとは違う意味で、政党が実体としてそういうものをつくろうということでいったならば、それは要件に合致すればできるということでございます。それは政党の実体論、組織論でありまして、各政党がどのような組織論をこれからつくっていくかということにかかるテーマによるものと思っています。
#76
○関根則之君 それでは重ねて確認をいたしておきますが、職域支部と言われているもの、ある職域を横断的に一定の地域の市町村で、一つの市町村の中に職域支部をつくるということはできますね。もちろん企業・団体献金を受けられる政党の支部としてですよ。
#77
○国務大臣(山花貞夫君) 今の先生の御質問では、職域支部の実体というものの中身が特定されておらないで一般論として御指摘でございますので、若干その点を前提としなければならないと思いますが、この法律の要件に合致するものであればそれはできる、こういう回答でございます。
 各政党がこれから本部の規約等を準備いたしまして、どういう組織論をつくるのか、それがどういう組織の実体をつくるのか、一つの区域に何百、何千の支部をつくるのか、そんなことができるのかできないのか、そうした政党の実体論というものを今度の法律に沿って私はそれぞれの政党が研究するということになってくると思います。
 結論としては、この法律の要件に合った組織であるならば、政治資金規正法の限りにおきましては企業・団体献金を受けることができると、こういう仕組みでございます。
#78
○関根則之君 職域支部はできるという前提、それは承りました。
 それでは、ある非常に大きな企業、全国的な企業があるといたします。その企業の工場がある特定の市の中に二つ三つあって一その二つ三つの企業の工場といいますか、それをまとめて、その市町村の中の工場、ある特定の会社の工場だけで支部をつくるということもできますか。
#79
○国務大臣(山花貞夫君) 今の御質問も、前提の実体ということについてもう少し明らかにしませんと結論は正確でないかもしれませんけれども、私ども申し上げておるのは、従来から、企業・団体献金の趣旨からいって、企業の中に企業支部をつくる、こういうものはだめなんですと、こう言ってきているんです。しかし、それぞれの政党の組織論として一つの地域に一つの何らかの形の支部をこの法律に合致するようにつくるということになれば、その支部とすればこの政治資金規正法上の支部には該当する、こういう見解でございます。
#80
○関根則之君 職域支部もできる、それから一以上の市町村の区域を単位としてと、そういう条件をきちっと満たして、政党の支部としてある特定の企業の工場をその市町村の中で集めて政党支部をつくるということもできる、しかもその支部に対しては企業献金が認められる、それが今回の政党に対する企業・団体献金の制度である。こういうふうに明確に理解をしたいと思いますけれども、それでよろしいかどうか、念のためにもう一回御答弁をいただきます。
#81
○国務大臣(山花貞夫君) 私が申し上げましたのは、政党の組織論については介入していないということでありまして、したがって先生の、職場支部とか地域支部とか職能支部とか、青年部とか婦人部とか、従来のような形であるとすれば、それは今の要件は私は備わっておらないと思いますから、できないということだと思います。したがって、組織論として今の要件に合うようなものであればできるということでございまして、この点は先ほどから一貫しておりまして、矛盾のあることはないと思っております。
#82
○関根則之君 いや、だから私は、さっきからきちっと前提を詰めて何遍も質問をしているつもりなんですよ。それを今はどういう答弁をしてきたかというと、青年部も婦人部も一市町村以上の区域を単位としてつくる場合にはできますよ、結構ですよ、政党支部として企業・団体献金も受け入れられますよ、こう言っておきながら今は、今までのような青年部や婦人部だったらだめでしょう、こう言っているんでしょう。何を言っているかわからないわけですよ。そんな答弁では、私はこれ以上質問を続けることはできません。
#83
○国務大臣(山花貞夫君) 今私が申し上げましたのは、今までのような青年部、婦人部というものは地域に恐らく各政党ともできていないのじゃないでしょうか。それは各支部の一つの部局になっているんじゃないでしょうか。本部の中に青年部がある、女性部がある、婦人部がある、こういう格好が、あるいは政党とは別の支持団体としての組織になっているかというのが私は現在の政党の組織論の実体だと思っております。
 したがって、各県本あるいは総支部における青年部、婦人部、あるいは労組部とかいろんな部、そういうものについては私は、その地域における支部が一つの支部であって、その中の部局というものであるならばこの法律の要件については合致していません、こういうように答えているわけでありまして、その点については一貫しております。
 したがって、政党が組織論として新しいこうした支部を幾つつくるのか、どういう支部をつくるのか、その場合に地域の支部としてこの法律に合致するものをつくった場合には、私はさまざまな形での地域支部はあり得る、この法律上禁止しているところではないのだ、こういうようにお答えしているわけでありますから、先生のような御疑問はないと私は思っております。
#84
○関根則之君 それでは、もう一回明確に答えてもらいたい。できるのかできないのかよくわからない、山花大臣の答弁では。
 一つの市町村に、ある一つの政党の支部が一以上できるということですか、できないということですか。
#85
○国務大臣(山花貞夫君) この法律の要件に合致すれば一つ以上ということができる、こう繰り返し答えているところでございます。
#86
○関根則之君 それは、二以上ということですね。二つできる、三つできる、四つでも構わないということですね。
#87
○国務大臣(山花貞夫君) 政党の今後の組織論を前提といたしまして、しかしそれを横においてこの法律の限りでお答えするならば、この法律の要件に合致すればそれはできる、こういう答弁でございます。
#88
○関根則之君 どうもそこのところが今までの解釈、我々がずっと聞いている衆議院の審議の過程におきましても、それはだめなんだ、一市町村には地域支部しかできないんですよ、それだけしか企業・団体献金は受けられませんよ、そういう前提で審議が進められてきたことは間違いないんですよ。そういう前提があるから質問をしているのに、法律で定める条件さえ備えていれば二つでも
三つでもできるんですよ、こういう変な答弁になっている。しかし、そのことは、法律の要件を満たさないから結局一つなんですよということを言っているんじゃないか。私にはそういうふうに理解できるんです。
 そこのところが明確でありませんから、そこのところを明確に答弁してください。
#89
○国務大臣(山花貞夫君) 私は明確に答弁しているつもりですが、この法律の要件に合致すればできる、合致していなければできないということでありまして、今後その点について、この法律の要件に合致するようなそのような支部をつくるかどうかは政党の組織論によっているところと、こう思っております。
#90
○関根則之君 そこのところが、法律の要件を満たしていれば、そんなことは当然のことなんですよ。しかし、法律の要件というのは何かといったら、一以上の市町村を単位として、こう書いてあるだけなんですよ。だから、そんな前提は私はもう満たしているものという前提で物を言っているわけですよ。二十一条四項を読んでみましょうか。あなた方がさっきから何遍も読んでいますけれども、そんな難しいことが書いてあるわけじゃないんですよ。一以上の市町村の区域を単位としてと書いてあるんですよ。
 だから、それは満たしているという前提で、一以上の市町村の区域を単位として女性部の支部ができる。今まではないかもしれないけれども、そういうものをつくった。組織論として言っているんですよ。そういう女性部もできる、婦人部もできたとしたときに、地域支部と婦人部と青年部と三つ、それから職域支部もできますよ、企業でもできますよとさっきから答弁があるんだけれども、それは本当にできるんですか。ただ口先の上でできるといって、法律の要件を満たしていないから結果的にできませんということを意図しているんですか。どっちなんですか。
#91
○国務大臣(山花貞夫君) 既にお答えしたとおりでございます。この法律に書いてある一つの市区町村あるいはその連合体、選挙区単位でその要件を満たしておればできる、こうお答えをしているところでございます。先生おっしゃるような、実体論としてそういう支部が一つの市に幾つもたくさんできるというようなことが政党の組織論として出てくるかどうか私は疑問に思いますけれども、そういう問題は横におきまして、法律論としてはできる、こう申し上げているところでございます。
 要は、この法律は政治資金規正法上、企業・団体献金に一歩踏み出すために透明度の高い政党、政治資金団体だけに認めよう、じゃそういった場合の政党が明確でなくては困る、その基準として、その限度でこう書いたわけでありまして、この法律上は、措置というのは、党員がどうなっていなきゃいかぬとか、そういうことについては内部に干渉しておらないと、こういう構造でございます。
#92
○関根則之君 言葉ばかりは多いんですけれども、本質的な答弁がなされていないと私は断ぜざるを得ません。
 先ほど答弁の中で、自治大臣は、企業を中心とした一以上の市町村の中のそういう支部は認めません、こういうことを言っているんです。ところが今の御答弁では、いろんな支部ができますよ、こういうことを言っている。その間の矛盾がありますので、その辺をきちっとしていただかなければ、これ以上私は質問を続けることはできません。きちっとそこのところをしてください。
#93
○委員長(本岡昭次君) 関根委員、質問を続けてください。よくわかっているじゃないですか。今の山花大臣の答弁で整理ができたでしょう。
#94
○関根則之君 答弁の内容が説得的でない、合理的でない、合ってないということを私は言っているわけですよ。
#95
○委員長(本岡昭次君) だから、繰り返し山花大臣が答弁したでしょう。
#96
○関根則之君 もう何遍も何遍もやっているんですから。
#97
○委員長(本岡昭次君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#98
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
#99
○国務大臣(山花貞夫君) お答えいたします。若干補足させていただきたいと思っております。
 先ほど来、私は政党の組織論、実体論と今回の法律の趣旨というものを意識して少し区別しながら御説明させていただきましたが、具体的な話の方がわかりやすいかもしれません。
 各政党の規約、これはいろいろ届け出られるものですけれども、例えば自由民主党の場合には八十八条に「郡市区町村その他一定の地域又は職域を単位として、本党の支部を置く。」、こうなっております。すなわち地域支部と職域支部を区別しているわけでありまして、今回の法律で言っておるものはその地域支部を言っているわけであります。職域支部については違う、こうした考え方ではなかろうかと私はこの規約を読むと理解をいたします。例えば日本社会党の場合には、現在のものですけれども、十四条で「党の基本組織は中央本部、都道府県本部一以下県本部)、総支部、支部であり、基礎組織は支部である。」、こういう支部の形を決めたほか、もう一つ、例えば「職場で党員十名を基準として支部を組織する。」職場支部というものをつくっております。
 こうした形で、従来の政党の規約によりますと、職域を単位とした支部につきましては地域を単位とした支部とは違った形で規定しているのではないか、こういうように政党の規約の解釈では、私は自民党と社会党だけ言ったわけですけれども、そうした従来の政党の組織論あるいは規約上の地域支部と職場支部的なものを考えるならば、今回の法律でわかりにくくなくできるだけ一つの明確な基準ということから地域ということを基準として打ち出したわけでありまして、従来の政党における職場支部、地域支部、今の規定に出てこなかった青年部、婦人部といったものはその支部の中の部局ということになると思いますから、それはこの法律における地域における支部には当たらないと思います、こういうように答弁をしておった次第でございます。
 したがって、今回こうした法律を前提として政党が規約を改正するその他のことで、それは例えば政党がそういう規約をつくるかどうかということはその政党の自主的な判断だと思っておりますけれども、今回の法律に合致するような地域における支部というものができるということになればこの政治資金規正法上の政党には当たる、こういう答弁でございまして、この点につきましては、自治大臣も選挙部長の答弁もそういう中で一貫しておると思います。
 通常、政党としては、一つの地域には一つの支部をつくるというのがこれはもう従来からの常識だったんじゃないかと思っています、地域支部としては。それを前提として考えているわけでありますけれども、しかし、その政党が自主的に判断して、この法律で管掌していない政党の判断によってそういう規約をつくったり、そうした条件に合致するような地域の支部をつくるということに将来なった場合には、それはこの法律上の要件に合致するだろう、こういうようにお答えをしているところでございます。
#100
○関根則之君 切り口が二つあるんですよ。今度の二十一条の四項というのは、一以上の市町村の区域を単位としてつくりなさいという切り口だけを決めているわけですよ。だからそこには、その要件さえ満たしさえすれば総合支部であろうと、総合支部というのはだれが入っても結構ですよ、どこの会社の人でも構わない、どういう職業の人でも構わない、金持ちであろうと金のない人であろうと構いませんよと、すべての人をひっくるめてできる総合的な地域支部、これが通常の今までの政党の支部ですよね。
 その切り口、地域、市町村単位ですよという切り口のほかに、市町村単位ですよという切り口は守るけれども、もう一つ、青年だけしか入れません、うちは青年の活動を活発にしてもらうために
総合的な地域支部のほかに青年組織の地域支部をつくるんです、そういう政党が出てきたって構わないでしょう。そのときに、地域を限定しますよという二十一条四項の要件さえ満たしておれば、前提をそこで変えちゃだめですが、そういう意味の青年の組織する支部も、女性の支部もあるいは職域的な支部も全部できると、そういう答弁と理解してよろしいんですね。そこだけ言ってください。
#101
○国務大臣(山花貞夫君) 政党が本部その他の規約を全部改正してそういう組織論をとれば、そういうことは可能であるということだと思っております。
#102
○関根則之君 よくわかりました。極めて明快です。だから地域の、一以上の市町村の単位さえ、そこさえ守ればいろんな切り口で何百何千、組織論としてやるかどうかは別ですが、法律上はそれは可能であると、こういうふうに理解をいたします。
 その答弁は衆議院における答弁と全然答弁が食い違っていると思いますので、その辺のところをしっかりと調べた上で御答弁をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#103
○国務大臣(山花貞夫君) さっき私は自民党と社会党の規約を例に挙げましたけれども、一つの地域において政党の実態としては一つというのが従来の政党の考え方ではなかったでしょうか。したがって、それは一つですよ、こういう言い方をしてまいりました。したがって、私はその意味ではそういう趣旨で一貫して答弁してきていると思っております。
 御指摘の点については全体をもう一遍精査させていただきたいと思いますけれども、きょうお答えしたことはそういうことで矛盾のない答弁としてお受けとめいただきたい、こういうように思っているところでございます。
#104
○関根則之君 全体として後で整理して答弁をするということですけれども、私どもが衆議院の審議を議事録で拝見し、今までずっと聞いておりました考え方と政府側の答弁の基本的なところが違うというふうに私には受け取れるわけでございます。そういう意味で今の御答弁は納得できませんので、衆議院の議事録をきちんと調べた上で引き続きこれは私どもの方としても問題提起をさせていただきます。
 それでは、この問題はそういうことでしばらくおくといたしまして、次に政党助成の問題に入っていきたいと思います。
 政党助成の法律の規定の仕方といたしまして、人口に二百五十円を乗じた金額を基準とするというような書き方をいたしておりますね。二百五十円を人口に掛けるというのはどういう意味ですか。どうしてこんな規定の仕方をしなければならないのか教えていただきたいと思います。
#105
○国務大臣(山花貞夫君) 今回、衆議院におきまして与野党の議論をもとにして修正をされた部分でございます。
 基本的考え方につきましては、今回の提案に当たりまして、原則として平成三年における政府案の算出方法に準拠しながら算定のための基礎について新しい数値を置きかえるなどして、原案としては四百十四億円と、こうしておったところでございます。
 この点につきましては、衆議院におきまして熱心な御論議が行われました。また、さまざまな形での世論あるいは公聴会における御意見等を踏まえまして、与党において総額についてどうするかをさらに検討した結果、最終的には自民党提案の三百九億円、国民一人当たり二百五十円とする、こうしたことで政府案に修正が加えられたところでございます。そうした院における議論の結論というものを尊重しているところでございます。
#106
○関根則之君 自民党案にもあったじゃないかというお話で、援軍を頼んできたような感じですが、私は参議院における審議というのはこれはもう原点にきちんと返って、やっぱり実体においてもまた法律的な表現においてもちょっと恥ずかしいようなそういう条文は必要があればきちんと直していく、そういうところをきちんと点検していくというのが良識の府としての参議院の審議ではなかろうか、そんなふうにも考えております。
 二百五十円というのはコーヒー一杯分程度だ、大したことないんだからひとつ頼んだらいいじゃないか、国民に負担を願ったらいいじゃないか、何かそういう耳ざわりのいいというか、のみ込みやすいといいますか、そういう感じの表現を用いることによって何かを物にしようという魂胆が見え見えになっている、そんな感じを受けてしょうがないんです。
 これは法律上こういう書き方をしなければいけないのか、法制局長官、申しわけございませんが、ほかに例がありますか。こんな二百五十円を基準として、正確には「人口に二百五十円を乗じて得た額を基準として」、こう書いてありますけれども、こんな書き方をしなければいけないと思いますか。
#107
○政府委員(大出峻郎君) 七条の規定でありますけれども、これは政党交付金の総額をここであらわしておると。その基準として人口というものをとったということで、こういう表現の仕方というものは特に問題はないと私は理解をいたしております。
#108
○関根則之君 いろいろ法制局の立場もありますから、散文的なことを聞いてもしょうがないのかもしれませんけれども、今の答弁は答弁として承っておきます。
 ところで、人口というのは日本は今少しずつではありますがふえていますよね。人口がふえると政党助成金というのはふえるんですか、ふえる必要があるわけですか。それだけの財政需要といいますか、助成金を増額する理由が増加してくるのか。逆に、今度は一定のピークを過ぎますと、人口推計ができておりますけれども、二〇〇〇年代に入りまして日本の人口はだんだん減っていきます。その段階ではだんだん減っていく。政党助成金もそれで減っていっていい、減るべきだ、そういう物の考え方ですか。基準とするんですからね。お答えをいただきたいと思います。
#109
○国務大臣(山花貞夫君) 今回の法律の運用ということですと、先生御指摘のとおりになると思っています。
 ただ、法案にありますとおり、五年後の見直しということになっております。今回、金額を決めるに当たっても初めての制度でありますからさまざまな議論を踏まえてやったわけでありまして、五年後の見直しには個人献金の状況がどうなるか等々を含めて総合的にまた判断するということでして、今の人口との計算のことにつきましては先生御指摘のとおりがこの法案の趣旨でございます。
#110
○関根則之君 もとは国民の税金なんです。大変な金なんですよ。一人二百五十円だからいいじゃないかといったって、とんでもない話なんで、オギャーと生まれた赤ん坊だって一人当たり二百五十円出さなきゃいけないということなんですよ。こういうやり方はわかりやすくていいじゃないかという話がありましたけれども、私はちょっとやり方としては、余りよくわからない人たちをうまくこっちへ向けさせるための一つの技術といいますか、余り品のいい規定じゃないという感じがしてしょうがない。
 それがただ感覚的な問題ならいいんですけれども、そうじゃなくて、大蔵当局に伺いますけれども、財政需要というもの、政党の経費がふえていくかどうか、人口を基準にしますと、人口がふえればこの政党助成金がふえなければならない必然的な理由があるのかどうか、人口が減っていったら下がる、そういう必然的な理由があるのかどうか、財政当局としてお教えをいただきたいと思います。
 今、山花大臣は単価を五年ごとに変えるんだからいいんじゃないかということだけれども、そんなことじゃないんですよ。そうじゃなくて、制度の基本として人口一人当たり二百五十円を基準とするということなんだから、それは物価の変動によっていろいろこれから修正はしなきゃいけない
でしょうが、しかし、基本のレベル、基本の制度というのは何かといったら、人口に比例して、人口がふえれば政党助成金もふえる理由がある、減れば政党助成金も減っていいんだ、そういうシステムでしょう。そういう制度ができていくわけでしょう。大臣がお答えになった五年ごとに変えますというのとはまた全然別な観点なんですよ。
 制度としてでき上がった以上、その制度の持っている正当性というものをどういうふうに説明をなさるのか、お尋ねをいたします。
#111
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま御審議をいただいております政党助成法、いろいろ御意見があるのは承知いたしておりますが、これが成立すれば、その法律の規定に従って予算に計上すべきものと私どもは理解しております。
#112
○関根則之君 まことに明快な御答弁をいただきました。
 私は、これは押し問答になりますからいつまでも続けるつもりはありませんけれども、少なくも国民の税金なんですから、こういう規定はやっぱり規定の仕方としてはおかしい。だって、政党の助成金の所要額が人口とぴったり比例するなんということはあり得ないんだから、それを基準としてなんという規定は、これはもう本当に民心を惑わす規定ですよ。そういうふうに私は理解をしている。ぜひひとつ大蔵省、いい法律をつくっていただきますようにお願いをいたします。
 それから次に、「基準として予算で定める。」ということでございますが、これはどの程度の変動が許されるんですか、予算編成権をまさか侵すとは思いませんけれども。
 例えば今は何か二百五十円だと言っている。それを掛けると幾らになるんですか、三百九億円ですか、そういうことになるかもしれないけれども、財政状況が今非常に苦しいんですよ、先ほどお尋ねしましたように。一年間で当初予算を五兆五千億も割り込むような税収の状況であるというときに、予算査定の段階で、私どもも大分いじめられましたけれども、大臣、地方財政が非常に苦しいときに、恨みを晴らすわけじゃありませんけれども、やっぱりそうでなきゃいけないと思いますよ、大蔵の査定というのは。一国の財政を預かっているんですから、それは厳密に査定をしなければいけないと思うんですよ。そういう非常に財政が苦しいというときに、どこまで切り込むことが認められるというふうにお考えですか。
#113
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまお答えいたしましたように、法律が両院で御了解のもとに成立するならば、誠実にそれを計上するのが私どもの立場だと考えております。
#114
○関根則之君 私の方も忌憚のないといいますか、率直に御質問申し上げているんだから、余り紋切り型の答弁はやめてくださいよ。
 例えば、それでは財政状況によって、一応三百九億という計算はできるけれども百億にともかく査定をする、主計官がそう言ったら大臣はどうなさいますか。
#115
○国務大臣(藤井裕久君) 法律に二百五十円と書いてあるんだから、それはいけないということを申します。そのような主計官の考えは間違いであると申し上げたいと思います。
#116
○関根則之君 百億はだめだと。それじゃ例えば二百五十億だったらどうですか。
#117
○国務大臣(藤井裕久君) 冒頭申し上げましたように、法律の規定に従って誠実に予算を計上すべきものと考えております。
#118
○委員長(本岡昭次君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#119
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、六案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#120
○関根則之君 質問の最初にも私から発言を申し上げましたけれども、今回の政党助成は地方の市長さんとか知事さんとか議員さんたちに対する配慮が大変欠けているんじゃないか、そんな感じがするわけでございます。
 そもそも積算の基礎には入っておりませんし、政党助成が受けられるのは国会議員を一定数持っていなきゃならないわけですから、どうしても国会議員が中心になってしまう。その政党補助金を通じて、地方の議員さんたちは無所属が多いわけでございますけれども、それが政党化される、組織化される、政党を中心とした組織化が進む、そんな感じがする。しかも、国会議員中心でございますからどうしても国政重視になって、地方の政治家の皆さんを中心としたものがやや軽視をされてくるといいますか、そういう傾向が出てくるのではないか。
 この地方に対する配慮が不足しておるということにつきまして、総理はどういうお考えをお持ちでありますか、お尋ねします。
#121
○国務大臣(細川護煕君) 確かにいろいろ御議論がこの点についてはあるところだと思います。地方制度の問題もございましょうし、それからまた地方議員の選挙制度の問題もございましょう。それからまた、地方政治と国政との、政治全体とのかかわり合いの問題というものもございましょう。さまざまな観点からなお慎重な論議が必要な問題点ではあるというふうには認識をいたしております。
#122
○関根則之君 そこで問題は、国会議員に対しまして、国会議員を中心として組織される政党に対してはこの政党助成がなされるんですけれども、そういうものじゃなくて、地方議員だけで政党ができてもいいと思うんですよね。大いにこれからは地域地域の政治をしっかりしたものにしていただく、そのために地方の政治家の皆さんに頑張ってもらわなきゃいけないわけですから、その財政的な基礎も必要ですよね。
 国会議員についての政治活動を活発化させるだけの財政的な基盤をしっかりさせるために政党助成というものが必要だというのですから、その論理は地方を重視なさる総理からいっても、地方の議員や市長さんたち、いわゆる地方の政治家の皆様にも当然そういう手だて、財政的な基盤を強化するための措置をとる必要があるんじゃないかと考えられるんですけれども、それに対して総理は、今回の政党助成法に基づく政党交付金はそれほど地方には行かないけれども、地方には地方としてこういうやり方をしますよという何か案がございますか。
#123
○国務大臣(細川護煕君) 今回の選挙制度改正法におきましては、改めて申し上げるまでもなく、衆議院の選挙制度について政党本位という観点から考え方が出されているわけでございますから、その辺につきまして今地方だけの視点というものを特に取り上げて何か具体的な提案があるかと言われますと、その点については確かに少し配慮が足りないというところはあるかもしれませんが、もっと大きく、繰り返しになって恐縮ですが、政党本位という観点からこのことを申し上げているわけで、並立制という趣旨の中から比例制度の中でそれぞれの政党においてお考えになることでございましょうが、その辺についても十分配慮をする余地があるというふうに思っております。
#124
○関根則之君 私としてみると、総理から地方に対して何か冷たい御返事しか得られないで残念なんですけれども、私は政党というのは、政党本位政党本位とおっしゃいますけれども、国会議員が中心になって組織する政党だけが政党じゃないと思いますよ。地域地域の政党というのがあっていいんじゃないかと思います。現に沖縄にはありますよね、国会議員もいらっしゃるのかもしれませんけれども。沖縄だけじゃなくて、ほかの地域地域でそこの政治家が、知事なりあるいは県会議員なり市町村長なり議員さんたちなり、そういう人たちが中心になる、たまたま何人か国会議員はいるかもしらぬけれども、中心は地方の政治家の皆さんであると、そういう政党ができたって悪いことはないと思うんです。そういう人たちに対し
て、そういうものをやっぱり育てていく、政治的なそういう人たちがまた金権腐敗に走ってはいけないわけです、清潔な政治をやってもらいたい、そのための財政的な基盤をしっかりと支えてやるための制度というのが私は必要だと思うんですよ。
 しかし、それを逆に、だからといって地方にどうぞ御勝手につくってくださいなんという話をし出すと、これはまたそのこと自身が非常に難しいいろんな問題を起こす。そう言っては失礼だけれども、中にはお手盛りの地方政党助成なんというのができないとも限らない。だから、そういうものをいつも制度の裏側として考えながら制度を仕組んでいかなきゃいけない。そういうものが必要だけれども、その組み立て方というのは非常に難しいと思います。どうかひとつ、地方のこともぜひ、検討の対象といいますか、これからの問題でございましょうが、考えながらおやりいただきたい、これはお願いをしておきたいと思います。
 ところで、政党助成金、政党交付金が各政党にずっと渡っていくわけですけれども、これは、何ですか、補助率のような物の考え方はしていないんですか。わずかしか政党経費は必要でないという政党に対しても人数割でどんとまとまった経費が自動的に行く、そういうことになるわけですか。
#125
○国務大臣(山花貞夫君) 今、先生の補助率という御質問の趣旨をちょっと正確に受けとめていないかもしれませんけれども、ただ後段の御質問につきましては、どのような配分基準というものが公平で客観的であるか、こうした観点から議員の数、得票率ということで全体を配分する仕組みにしております。マクロの計算方法ということになっておりますので、その意味では相対的に少ない支出で相対的に多い得票を得た政党もあるではないか、こういう御指摘も受けるところでありますけれども、それは全体の公平ということの中でそれぞれの政党が新しい体制に対してどのように資金を使い、そして党の体制を整備し、そして国政における国民の意見集約のための役割を果たし得るか。こうしたことで、客観的な基準ということになりますとやはり議員の数、パーセンテージ以外はなかなか難しいのではなかろうかと思っております。
 なお、これは第八次選挙制度審議会におきましても、配分についてはやっぱりこうではなかろうか、こういう御提言をいただいてきたところでございます。
#126
○関根則之君 私が補助率という言葉を使ったから極めて奇異な感じで大臣はお受けとめになったんじゃないかと思いますけれども、政党交付金というのはあくまでも一種の補助金であることは間違いない。反対給付なしに国の財源を移転する、支出をしていくわけですから、一種の補助金であることは間違いない。ただ、補助金適正化法の適用があるのかどうか、それはいかがですか。
#127
○政府委員(佐野徹治君) 補助金適化法の適用はないのではないかと考えております。
#128
○関根則之君 しかし、政令で指定すればこれは対象にはなり得るんでしょう。
#129
○政府委員(佐野徹治君) 制度といたしましてはそういうものでございます。
#130
○関根則之君 制度的にはなり得るけれども、今の政府は補助金としての適化法の適用を受ける補助金としては指定をしない、政令を書かない、こういうことですね。それは確認をいたしておきます。
 経費を非常に節約して効率的な運営をなさっている政党もあるかもしれない。そのときに、どんと大きな、自分の本当にかかる経費をはるかに上回るような補助金が行くというような事態もあるわけですから、私は、少なくもこれは実態として一定の線は引いておかなきゃおかしいんじゃないか。
 もとが国民の税金ですから、一人一人納めていただく国民の税金なんですから一定の、それは普通の補助金みたいに厳密にやるわけにいきません。しかし、例えば三分の一なら三分の一程度のものを、基準といいますか、考え方のもとに置いて、自己資金が三分の一ですか、それから政党補助金が三分の一、それから個人献金なりそういったもので三分の一というような考え方が示されたこともございます。それならそれでそういうものを基準にして、何らかの形でそれをきちんとした補助率にするというのは難しいにしても、一つのめどを置いておく必要があるんじゃないか、これは私の意見として申し上げておきます。
 ただ問題は、いただいた政党交付金が余ってしまったらどうするんですか。
#131
○国務大臣(山花貞夫君) これは、もし政党でそのような事態が生じた場合には、基金をつくりそこに積み立てるということになると思いますし、不要の場合にはこれは返還するということになると思います。
#132
○関根則之君 わりかしどんと一括渡すような形でお渡しする、補助金適化法の適用もない、補助率もないというような形、しかも余ったらどんどん積み立てておいたらいいじゃないか。相当おおらかな国の資金の運用になるんだろうと思います。
 ところで、たまたま少し当座使い道がないということで積み立てた、あるいは自分のところに保管する資金が相当ふんだんになった、そのときの保管とか運用はどういうことになりますか。法律上、何か規定がございますかということです。例えば銀行に預けなさいとか、そういうようなことがなされているかということです。
#133
○政府委員(佐野徹治君) 政党の自主性にお任せをするということで、法律では特段の規定はございません。
#134
○関根則之君 これはおよそ公金とかそういうもの、非常に公的な性格の強いものだと思います。
 総理、いかがですか。政党というのは非常に公共的な性格を持っているからこそ国民の税金を余り結社の自由を束縛するようなやり方で渡すんじゃなくて、結社の自由を束縛しないようにおおらかな形で渡していこう、こういうことですよね。しかし、そこにそういう公共的な目的があるからこそ出てくる政党助成金でしょう。そういうものをもらった以上、私は、政党はその資金をきちんと管理をし、多少資金的に余裕のあるものはきちんと保管をしなきゃいけないと思うんですよ。泥棒さんが来て持っていかれちゃうような、そんな管理をしてはいけないと思うんですよ。
 公的な性格の強い資金については、そういう保管の規制が全部あるんですよ。そのくらいのものは少なくも規定をしておかなきゃおかしいんじゃないですか。例えば、この余裕金を不動産投機に使っていいんですか。株の投機に使って構わないんですか。いかがですか。
#135
○国務大臣(佐藤観樹君) お金の性格は、関根委員言われましたように、国民の皆さんの貴重な税金で成り立っております政党交付金でございますから、運用あるいは預かりのあり方等については政党に任せますけれども、しかし関根委員今言われましたお金の性格からいって、それは適正にされるのは当然なのでありまして、基金についても当然のことながら報告をいたしますし、各年の報告につきましても公認会計士によるところの監査もするということできちっとやるわけでありまして、それ自身が政党の行動として問われているという性格のものであると考えております。
#136
○関根則之君 適正に使用しなければいけないとかいう規定はあるんです。すべて政党任せなんですよね。しかし、政党のことをとやかく言うつもりはありませんけれども、もとは公金ですから、一人一人の国民の税金ですから、こういうものはもう少し神経を使ってきちっとやらなきゃおかしいと思いますよ。
 今私が質問したことに答えてないじゃないですか。不動産投機に使えるんですか。使っても法律上違反という問題は起こらないのかどうか。株の投機に使っていいのかどうか。仕手戦に使っていいのかどうか。そんなことをやったらよくないというのは一般的には言えるかもしれないけれども、法律上そういうものはおかしいよ、違法です
よということが書いてあるのかどうか。いかがですか。
#137
○政府委員(佐野徹治君) 政党助成法につきましては先ほどお答えを申し上げたところでございますけれども、政治資金規正法八条の三という規定がございます。一昨年の十二月の緊急改革で改正をされたものでございまして、この規定では、政治団体がその有する金銭等につきましては一定の方法の運用でないといけないという規定がございまして、ここで限定されておりますのは、銀行その他の金融機関への預金、貯金、郵便貯金、それからいわゆる国債証券だとか地方債証券だとかそういった債券の取得、それから信託業務を営む銀行、信託会社への金銭信託で元本補てんの契約のあるもの、こういうものに金銭等の運用は限定されておるところでございます。
#138
○関根則之君 政党助成金の運用管理について格段の規定はありませんという答弁をしておいて、今の答弁ではおかしいんじゃないですか。そのために前段の質問を私はしているんですからね。政府委員に答えさせないで大臣が答えてくださいよ、きょうは総括質問なんですから。基本的な問題ですよ、こういう問題は。そんな細かい問題じゃないんですよ。
#139
○国務大臣(佐藤観樹君) 当然のことながら、選挙部長から言いましたように、政治資金規正法の上に乗ってこの資金は使われるわけでございますので、あるいは運用についても、支出について五万円以上のものにつきましてはこれは支出を明らかにするということになっているわけでありまして、それは政治資金規正法の網を当然のことながらかぶっているわけでありますから、その上にそれではこの政党助成法について特別のものがあるかといえばそれはないということを申し上げたのでございまして、政治資金規正法の今読み上げましたことにつきましては当然網がかぶっているという前提で選挙部長はお答えをしたわけでございます。
#140
○関根則之君 政党助成金は、これは政党というのは政治団体のうちの二足のものが政党として助成対象になるわけですから、当然その政党の使う政治資金というのは政治資金規正法の適用を受ける、政治資金規正法の定めに従う補完規定、これがかぶってくるということで、その範囲内で管理しなければいけない、こういうふうに理解できるということですね。その解釈はきちっと承っておきます。
 それで、基本的な問題につきましてお尋ねをいたしますけれども、そもそも政党交付金というのは何のために交付するんですか。
#141
○国務大臣(山花貞夫君) 抜本的な政治改革として出しました四法と一体のものでございます。
 今の先生の御質問に端的にお答えさせていただきますと、政治改革の原点である腐敗の根絶、そしてそのことのために一番求められている企業・団体献金の禁止へ一歩大きく踏み出すということの中で政治家個人などに対するものを禁止したということから、全体として政党の財政基盤というものが大変厳しくなるということに配慮したものでございます。
 立法例としては、外国におきましても企業・団体献金を禁止する代償に公的助成について増額する、こういう形が行われているということも承知しているところでございます。
#142
○関根則之君 大臣は、政党の政治活動をきちんと支えるためのものだ、そのために交付するんだと。したがって、そういうものに要する経費に充てるということでしょう。
 そういうことがどこに書いてあるんですか。この政党助成法はそういう条文を持っていますか。
#143
○国務大臣(山花貞夫君) そこで私は四法一体として抜本的な政治改革と申し上げた次第でございまして、さらに説明させていただくならば、例えば選挙制度の関係でも政党中心の選挙にしていく、そのために従来個人が行っておった政治活動についても政党が担う、そしてそのためにはということについては、これまで一体のものとしてとらえて答弁の中で説明させていただいてきたところでございます。
#144
○関根則之君 法律の立て方の問題を私は重要なことだと考えているんですよ。四法一体としてそこから交付目的が出てきますなんというそんな答弁で、納得するわけにはいかないですね。
#145
○国務大臣(山花貞夫君) 実は提案理由の説明におきまして、今御指摘の、ストレートには政党助成法の第一条「目的」というところで全般的、総合的に書いてございます。それを私は具体論としてちょっと説明させていただいた次第でございます。
 「この法律は、議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、国が政党に対し政党交付金による助成を行うこととし、このために必要な政党の要件、政党の届出その他政党交付金の交付に関する手続を定める」、そして「政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とする。」と。
 この文章では抽象的ですので、企業・団体献金の関係を含め説明をさせていただいたところでございます。
#146
○関根則之君 総理、この政党助成金というのは今度の政治改革の中の一本の柱、大変重要な柱でしょう。それで、しかも国民の税金を一人当たり二百五十円だなんといって出すわけですけれども、大変な金額ですよね、三百九億という金額がどんと出てくるんですから。しかも、それはほとんど会計検査も受けない。きょうは会計検査院の方においでいただいているので聞けばいいんでしょうけれども、これは余り微に入り細にわたったような検査の仕方はできないということだろうと思いますよ。また、それは政党の自主的な活動ということを考えたら余り入るべきではない。金をやるから行動について監視するというのはよくないと思いますから、それはそれでいいんですよ。
 しかし、それだけに、何のために交付するのか、何に使う金として交付するのか、少なくもそのぐらいのことは明確に法律の中に書いてなければおかしいんではないですか。
 さっき、不動産投機に使ったって違法ではないということでしょう。総理、よく考えてくださいよ。それから、株の投機に使ったって構わないんですよ。仕手戦に使ったって構わないんですよ。それはいいんですよ。余裕金がここにあるときにそれの管理のためには銀行だとか郵便局だとか書いてありますけれども、あれはそうじゃないんですよ。目的として使う場合には構わないんですよ。そういうものを制限するために、これは政治活動に要する資金として交付をしますよと、そういうことが書いてなきゃおかしいじゃないですか、法律として。
 たびたび申しわけございませんけれども、大出法制局長官、いかがですか。これ、法律の立て方としておかしいんじゃないんですか。
#147
○政府委員(大出峻郎君) 先ほど政党助成法の第一条の規定についての紹介があったわけでありますけれども、そこで、政党の政治活動の健全な発達の促進あるいは公明公正の確保を図る、こういう目的のもので……
#148
○関根則之君 法律の目的だよ。
#149
○政府委員(大出峻郎君) 法律の目的であるわけでありますが、この四条のところではさらに「国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならない。」と。これは、条件や使途の制限はいけないということでありますが、その前提といたしまして、政党交付金の交付というのは政党の政治活動のために使われるということを当然の前提としていることだと思います。
#150
○関根則之君 当然の前提じゃ困るんですよ。さっきから言っているように、私が何のための交付金ですかと言ったら、回り回って提案理由まで持ち出してきてやっと何とか説明がついているでしょう。そんな政党交付金じゃ困る。それに大蔵大臣、三百九億も出して本当に財政が締まります
か。これはまことにおかしいんですよ。そんなことを言うのなら、もういろんな交付金、こんなのは切りがありませんよ。大蔵省は、いろんな助成金だとか交付金だとか、そういうものについては大変厳しく縛っているでしょう。それは国民の税金を預かっているんだから当然ですよ。
 義務教育費国庫負担法を読んでごらんなさいよ。きちっと書いてありますよ。その第二条に、公立の小学校及び中学校並びに盲学校及び聾学校の小学部及び中学部に要する経費のうち、次の各号に掲げるものについて、その実支出額の二分の一を国が負担するんだと。そのためにきちんと負担法ができているんですよ。
 まだこんな例は幾らでもありますよ。私が言うことないでしょう。生活保護法では「国は、政令の定めるところにより、次に掲げる費用を負担しなければならない。」、「一 市町村及び都道府県が支弁した保護費、保護施設事務費及び委託事務費の四分の三」ときちんと書いて、何々の目的のためにどういう活動に要する経費に充てるためにこの資金を国庫から出しますよということを法律できちんと決めているんですよ。
 これだけの大きな政党助成法だったら、少なくもそういう目的規定をきちんと置いてやらなければね。法制局長官、わかりますよ。前提としてそんたくすべきであるなんて、四条を持ち出してあなたは説明しますよ。それは苦しいからわかる。法制局長官として一応でき上がった法律を説明しなきゃいけないから説明しているんだろうと思うけれども、心情においてどうですか。まあいいですよ。そういう聞き方をすると失礼だから余り聞きませんけれども。
 総理、これはおかしいですよ。要するに法律論を離れて私の言っていることをどう思いますか。感想だけでいいですから、ちょっと言ってくださいよ。当然のことだ、当たり前なことだと、提案理由説明まで持ってきて説明しなければならないようなそんなことが、そういう法律の仕組みが、それが当たり前なことだと考えますか。
#151
○国務大臣(細川護煕君) いや、おっしゃることもよくわかりますが、しかし一大臣、法制局長官から今御答弁申し上げた趣旨はそのとおりだというふうに私は思っております。提案理由にそれだけ明確に書いてあるわけでございますから、それはだめだと、こうおっしゃるのもわからないことはございませんが、私はこれで十分なのではないかという感じがいたします。
#152
○関根則之君 これで十分だと思いますという答弁を聞いて、本当に私は実はがっかりしたんですよ。総理からそういう御答弁があった以上、これは納得するわけにいきませんよ。法律の立て方として全くおかしい。
 これだけの資金を出して日本で新たにこういう制度をつくるのは初めてでしょう。しかも、この金額は一億や二億の金じゃないんですよ。総理、これから人口がふえていけばどんどんふえていくんでしょう。日本の人口というのは頭打ちがあると言われているんですから、まあ一定の限界はありますよね。あるけれども、さっき山花大臣が言われたように五年ごとに見直しをやっていく、ふえるかもしれませんよね。大きなものになっていく可能性があるわけですよ。しかも今度の政治改革、総理が政治生命をかけているというこの政治改革の中で重要な一本の柱ですよ。それを始めるときに、その柱の目的規定、何のために出すのかということがきちんと書いてない、そんな法律を我々は審議できないですよ。
 これ以上明確な答弁がなければ私はもう質問続けられません。
#153
○国務大臣(山花貞夫君) くどいようですけれども、提案理由の説明、法文の中にきちんと書いてあるわけでありまして、そうした問題につきましては、例えば政党がこの問題に対して、税金であることに特に留意してその責任を自覚しなきゃいかぬということも明記してあるところでございます。政党のお金の使途についてあれこれと内部に手を突っ込まないというのが全体の法律体系の中身でございます。
 なお、提案理由につきましては、冒頭申し上げましたとおり、これは施行期日などをごらんになっていただいてもおわかりのとおり、四法一体としているということについては提案理由の中にも書いているところでございまして、法律全体の提案のつかみとしては私はこれで十分御納得いただける内容になっていると確信をしているところでございます。
#154
○関根則之君 ある制度を見るときに、そんな提案理由までさかのぼって一般国民は読むわけじゃないんですよ。政党助成法っていうのは何だろう、例えば高等学校あたりの社会科の勉強で読むときだって、提案理由まではなかなかいかない。法律ぐらいはたまには見るかもしれない。そのときに政党助成金というのはこれこれこういうために、まあ一言で言えば私は政治活動のためにということだと思いますが、政治活動資金として使うんだ、そのためにそういう経費を補助するんだというのを、ほかの立法例だって全部書いてあるじゃないですか、どうしてそれを書かないんですか。そのくらいなものをきちんと書いておかなければいけない。
 書かないからこそ、さっきから申し上げているように、これだけ大量の資金が仮に不動産投機に回っても、不動産をどんどんどんどん買いあさる資金にこれがなるわけですよ。ゴルフ場をつくる資金になるかもしれない。それでも構わないんです。違法じゃないんです。法律のどこに違反しますか。違反してないんです、それは。違反しているという答弁がさっきから出てこないでしょう。こんな法律はおかしい。それは国民が見てるからいいんだなんて、そんなことはおかしいですよ。納得できません。(「四条二項」と呼ぶ者あり)
#155
○国務大臣(山花貞夫君) 今、四条二項という声もかかりましたけれども、先生が立法例と比較してと、こういう御質問の趣旨でございました。
 立法例ということですと、他の法律についてのものもあればこの政党助成金についての立法例も先例がございます。海部内閣のときに出しました法律の提案の構成もほぼ同じでございまして、そうした意味におきましては、そうした従来の立法例ということを踏まえて今回出しているところでございまして不足はない、こういうように考えているところでございます。
#156
○関根則之君 そのときの案は法律にならなかったんですよ。参議院で審議していれば私がきちっとそういう議論をしたはずです。だから、間違いのない、いい、参議院の審議を通じて本当にどこから見ても立派な法律になった、そういう法律をつくるために、総理、我々は審議しているんですよ。その意味を理解してください。
 そんな提案理由の説明までさかのぼって説明をしなければ、何のための経費として政党助成金を出すんですかと子供たちに質問されたときに、先生は答えられないんですか。これからつくる法律ですから、そんなばかな法律はやめてくださいよ。これからつくる法律ですよ。まさに今の不動産投機をやる、株の仕手戦に参加する資金に使ったって、ゴルフ場を変なところにつくる金に使ったって、全然構わないんですよ、これ。違法じゃないんですよ。
 四条がある四条があるとさっきから後ろの方から言われたことを早速利用しておっしゃいますけれども、四条は違うんですよ。「適切に使用しなければならない。」と書いてあるんですよ。「適切」というのは何だ。「適切」という解釈を導き出すための親条文が必要なんですよ。そうでしょう。これは裸で「適切」なんですよ。適切に使わなければならないというのは裸で出てきているんですよ。これは多分社会通念でしょう。何に基づいて適切であるか適切でないかを判断しろと言ったら、社会通念なんですよ。そこまで言っちゃいけないんですよ。法律というのはそんなものじゃないですよ。きちんと目的条項、対象とする経費をきちっと書いて、そのために交付するんですよ。
 だから、その目的に照らして、補助対象経費というものがあるんだから、その補助対象経費に照
らしてみておかしいかおかしくないか、その交付目的に照らして適切であるかないかを判断するということで初めてこの四条というのは生きてくるんですよ。こんな一般の社会通念に戻るようなそんな条文を置いておいて、これが立派な法律なんだ、画期的なこれから日本の政治を左右するような法律なんと言われたって、我々は納得することはできませんよ。
#157
○国務大臣(山花貞夫君) 今、社会通念にもとると、こういう御意見でしたけれども、「国民の信頼にもとることのないように」ということは社会通念に反するものではないと思っております。
#158
○関根則之君 もとるではない。戻ると言ったんです、私は。
#159
○国務大臣(山花貞夫君) 同時に、その適切な使用の中につきましては、税金その他の貴重な財源であるということを明記いたしまして、このことに留意し各政党は責任を自覚しなければいけないと、こう書いてあるわけであります。
 そして、先ほど自治大臣お答えのとおり、支出については五万円以上はすべて明らかにする、そして国民の皆さんの批判を仰ぐということになっておりますし、監査についても公認会計士含め監査を受けるということまでを書いて、あとはそれぞれの政党の責任であると、これがこの法律の建前だと思っております。
#160
○関根則之君 今までの答弁では、これはもう全く納得することができません。したがって答弁を了解するわけではありませんが、私の時間も予定の時間が大体参りました。
 これは自民党の中での使用時間でございますので、多少の余裕はいただいております。しかし、それにしても時間でございますので私はきょうのところはこの質問は終わりますけれども、総理にひとつお願いしたいのは、総理、せっかく総理の名において総理のときにこれだけの改正をしようというんですから、我々が提起したような問題を素直にひとつ聞いていただいて、おかしければしかるべきときにしかるべき対応をする、余り修正だとかなんとかいうとまたすぐひっかかるから申し上げませんけれども、そういうことをやる、修正のチャンスがあるならきちんと修正もしてもらいたい、ひとつそこだけお願いをし、それに対する総理の感触といいますか、お答えをいただきまして、私の質問を終わります。
#161
○国務大臣(細川護煕君) 御意見はよく承りました。貴重な御意見として承っておきます。
#162
○関根則之君 終わります。(拍手)
#163
○大木浩君 関根議員に続きまして、自民党の立場から質疑をさせていただきます。
 昨日はいろいろと理由がございまして私どもはこの委員会への出席をあえて差し控えさせていただいたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、私は現在、この政治改革諸法案が参議院に持ってこられたその経緯、あるいは現在どういう法案としてあるかということについて、どうも政府側と私どもの間に基本的に食い違いがあるんじゃないかという感じを持っております。
 昨日、たしかあれは平野委員のお話だったと思いますけれども、衆議院の方で、いわゆるこれは国会用語でしょうか、荷崩れなく参議院の方へこの法案を持ってきたんだからひとつ速やかに審議を進めろというようなお話がございましたけれども、その荷崩れなく、あるいは総理がよくお使いになります整々粛々という形で参議院に持ってこられたと、総理は果たしてそういうふうに理解をしておられますか。
#164
○国務大臣(細川護煕君) 随分長時間かけて衆議院におきまして相当掘り下げた御論議がなされたというふうに理解をいたしております。百何時間でございましたか、とにかくそれだけの時間をかけて、またそれなりに掘り下げた議論であったというふうに私は感じているところでございます。
#165
○大木浩君 衆議院の方でかなりの時間をかけられたということはわかります。しかし、果たして総理がおっしゃるように本当に掘り下げた議論であったかということになりますと、実は非常に不備な点が多かったんじゃないか。そのままで参議院の方へ持ち込んでこられたということは、先ほどからの議論を聞いていましても不明な点がいっぱいあるわけでございますよ。荷崩れはなかったのかもしれませんけれども、その荷物の中身をあけてみたらいろいろと崩れておるというのが現在の政治改革法案じゃないかというふうに思います。
 しかも、いや、もうこれ随分時間をつぶしたんだから早く参議院でやろうというようなことを与党の代表の方があちこちで言っておられるわけでございますが、これは新聞記事ですから正確かどうかわかりませんけれども、一応こういう趣旨のことを言っておられると思います。
 ここで読ませていただきますけれども、きのうも政府の首脳会議を開かれて、この中で与党代表者会議の座長である社会党の久保さんが「連立与党側が自民党委員欠席のまま五日、参院政治改革特別委員会での審議再開を強行したことについて「今後は自民党の意向にかかわりなく特別委を整斉と開いていく」と述べ、今国会内の法案成立に向け、」云々と、こういうことを言っておられる。また、久保さんは、参議院の法案審議時間につきましても、「「衆院では百二十二時間やった。しかし、参院では自民党案がないので、衆院の半分でいい」と述べ、参院では約六十時間の審議で十分」だと、こういうことも言っておられます。これは新聞記事ですから正確かどうかわかりませんけれども、少なくともこういう趣旨のことを言われたんだろうと思いますが、総理は参議院の審議は六十時間でいいと思っておりますか。
#166
○国務大臣(細川護煕君) 問題は、さっき私も百何時間と申しましたが、時間ではなくて、いかにそこで実りのある論議がなされるかということの方が重要なことであるというのが私の基本的な認識でございます。
#167
○大木浩君 意味のある審議ということを言われましたけれども、私、総理の御答弁をずっと、もう随分、もうこれで四カ月になりますが、聞いておりますと、総理のお答えというのは大体二つのパターンがございまして、一つは、いろいろな御意見もあるけれども、おれたちの方でみんなで相談して一番いいと思うのを持ってきたんだからおまえたちはそれをひとつ早く審議しろ、なるべく直さずに審議しろ、こういうお話。それから、あと一つは、非常に一般的に、おっしゃることはよくわかりますけれども、今もおっしゃいましたですよね、意見としては承っておく、意見としては承っておくけれども、実際の行動としては反映されない、こういうような感じがあるわけでございます。これは非常に残念なんです。
 せっかくこの参議院で、実は本当に同じこの法案を二回目をやっておるわけですから、これは一体どういうことかというわけでありまして、先ほどから関根委員の質問でもおわかりのように、参議院は参議院でやっぱりいろんな専門家をそろえてその立場からの議論をしているわけですから、一般論じゃなくて、できるだけ国民に、私どもが納得するだけでなくてやっぱり国民が理解しなければだめでございますから、どうぞひとつそういう趣旨で御答弁をできるだけ具体的にお願いをしたいと思います。
 そこで、きのう、これもまた平野さんのお話で憲法五十九条云々の話が出ております。憲法五十九条につきまして総理にお聞きする前にちょっと一つ、むしろ法律的にお聞きした方がいいかと思いますけれども、法制局長官、この五十九条というのはどういうときに用いられるものだというふうにお考えですか。
#168
○政府委員(大出峻郎君) 憲法五十九条でございますけれども、これは先生御承知のように、法律の成立の手続を定めた規定であるわけであります。そして、第一項におきましては、法律案は両議院の議決によって成立する、こういうことを原則とする旨が書かれておるわけでありますが、特別の場合には衆議院の意思のみで成立することもあるということを二項で定めておるわけであります。
 ただいま先生の御質問の御趣旨は、憲法五十九
条の四項に関連してのことかと思いますが、この憲法五十九条四項の規定といいますのは、法律案について、参議院が衆議院の送付案に対して可決も否決もせずに会期満了に至り、その結果、五十九条の二項の先ほど申し上げましたいわゆる衆議院の特別多数議決といいますか、再議決と言われておりますが、の衆議院の優越が機能し得ないというような事態になるのを防止しようとする規定であるというふうに一般に解されているところであります。
 つまり、法律案について、参議院が衆議院の送付案を受け取った後六十日以内に何らの議決もしないときには、衆議院は参議院が否決したものとみなす旨の議決を行い、五十九条二項のいわゆる再議決の方法をとることができるという規定でございます。
#169
○大木浩君 今の長官のお話は要するに条文をほとんどそのままお読みになっただけで余りよくわからないんですが、ただ、特別の場合にということをおっしゃいましたですね。特別の場合に使う条項であると。
 どういうときが特別であるとお考えになりますか。
#170
○政府委員(大出峻郎君) 私が特別な場合ということを先ほどちょっと申し上げましたのは、五十九条の二項の規定について申し上げたつもりでございますけれども、そこの条文をちょっと読んでみますと、五十九条の二項は、「衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。」、こういう特別な規定が置かれておる、こういうことでございます。
 そこで、先ほど先生の御質問の御趣旨は、この五十九条の四項に関連してのお話であったと思いますが、四項の方は、「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。」、こういう規定になっておるわけであります。一定の場合、つまり六十日以内に参議院が議決をしないときには衆議院は参議院がその法律案を否決したものとみなす旨の衆議院の議決をして、そして、先ほど申し上げました五十九条の二項なりあるいはもう一つ三項の両院協議会を求める旨の規定があるわけでありますが、そのどちらかの手続を進めることが憲法上は可能である、こういう憲法上の制度的な仕組みになっているということであります。
#171
○大木浩君 どうも先ほどから同じような御趣旨の御説明でありますけれども、私が特別なということの御質問をしたのは、やはり私は、これは非常に政治的にといいますか、特殊な状況でどうしても早く結論を出さなければ国民のためにならないというふうなときに発動されるものじゃないかというふうに考えるからなんです。ですから、そういった立法の趣旨というものはどういうところにあるんだろうということをお伺いしておるわけでございます。
 抽象論を繰り返してもしょうがないんですが、この五十九条の中には二つのチャンネルがありまして、一つは両院協議会、一つは衆議院の三分の二で再可決する。二つありますね。その二つまず並んでおるということについて、それぞれについてどういうときにどういうふうに使われるべきだ、立法の趣旨というのはどういうことだろうということについて、もし御説明をいただけるならばお願いしたいと思います。
#172
○政府委員(大出峻郎君) 憲法五十九条の二項の規定といいますのは、いわゆる衆議院の参議院に対する優越の規定でございます。そういう趣旨のものでありますが、それではどういう場合にその五十九条の二項なり、あるいは先ほどの五十九条の三項、両院協議会を開くことを求める手続にするのかということにつきましては、これは国会の運営の問題でございますので、私の立場といたしましては憲法の規定の制度がこういう形になっておるということを申し上げるにとどめさせていただきたいと思います。
#173
○大木浩君 法制局長官としてそれ以上踏み込んだ御説明ができないということでございますけれども、あえて私の方から三日わせていただければ、やはりこれは、先ほどから申し上げておりますように、例えば非常に緊急に何か結論を出さなきゃいかぬというようなときに、改めてまた時間のかかるような手続をするよりは、こういったことで緊急的な措置ができるという道をあえて例外的に開いておるのだろうというふうに私は理解をしておるわけでございます。
 ところが、今この政治改革法案が参議院に来たばかりの時点で既に五十九条云々ということを言っておられますけれども、これは総理、こういうこれからの選挙制度全般、あるいはそれがひいては議院の運営にもかかわるような基本的な問題を、しかも今議論を始めたところで、五十九条で何でもとにかくやってしまうんだというようなことは少しおかしいんじゃないかというふうに私ども思います。
 きのうも総理は、こういう条文があるということは重く受けとめるとおっしゃいましたけれども、重く受けとめるというのは、それじゃ必要があったらやると、こういうことですか。今のような状況で、まだ審議が始まったばかりで今からこういうことを言われるのは、これは非常におかしいんじゃないですか。
#174
○国務大臣(細川護煕君) 実りのある御論議がなされることが当然の前提であるということをきのうも申し上げました。そういうことがなされるということがぜひ望まれることでありますし、それを大いに期待をしているところでございますが、一方で憲法にこのような規定があることも、これは憲法でございますからそれなりに重く受けとめさせていただいている、こう申し上げたところでございます。
#175
○大木浩君 それは少し逆な議論だと思うんですよ。私は、今この政治改革法案というものが出てきたばっかりで、そういった時点において五十九条云々ということが、それはそういうのが細川総理の政治姿勢の反映であるかどうかということをお伺いしておるわけであります。
#176
○国務大臣(細川護煕君) とにかく政府としてはしっかり御議論を本院においてもいただくということが何よりも期待をいたしていることだ、こういうふうに申し上げておるわけでございます。(「衆議院が決めることだよ」と呼ぶ者あり)
#177
○大木浩君 今、後ろの方からこれは衆議院が決めることだとおっしゃいましたけれども、そうですか。これは衆議院の人が決めることですか。今のやじは非常に重大ですよ。これは参議院にも重大にかかわってくるし、後でまたお聞きいたしますけれども、二院制ということを考えれば、衆議院の制度をいろいろと手直しをすれば、それじゃ参議院の方はどうなるかという関連の問題も当然出てくるわけでございます。
 これは参議院は参議院として、先ほどから十分に自主的に。私どもは審議を拒否しておるわけじゃないんです。ただ、年末にいろいろとほかに、例えば景気対策あるいは予算というものもあるから、そういったものをむしろ優先したらどうかということは申し上げました。それからまた、今まで参議院の中でいろいろ了解して大体六日ごろから始めようということも話がありました。六日とか七日とか。そういう辺はいろいろ小さな話かもしれませんけれども、とにかくそういうことで大体の日程を決めてやろうといったところが、そうではない、何かよそで決めたことが参議院の方にはね返ってくる。これは非常に不愉快なわけでございます。
 もう一遍お伺いいたしますけれども、総理は参議院でじっくりと意味のある審議が行われるということを期待しておられるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#178
○国務大臣(細川護煕君) 参議院に送られましてからもう既に五十日ほど経過をしているわけでございますし、もちろんその間に補正予算の審議とかいろいろございましたが、しかし、これだけの時日がたっていることは一面で事実でございます
から、できる限り実りのある審議を速やかにお願いを申し上げたい、このように期待をいたしております。
#179
○大木浩君 何か参議院で何十日もたったとおっしゃいますけれども、我々がこの法案の審議をとめたために時間がたったわけじゃありません。
 それは先ほどから申し上げておりますように、今国民の要望ということを考えればほかにもやることがあるじゃないかということですから、これは御存じのとおりにそのためにせっかく国会法も修正いたしまして一月からの国会ということになったわけですから、年末には一応予算とかあるいは景気対策ということに集中して、そして一月になってからもう一遍しっかりとこの政治改革法案をやったらいいじゃないかと、こういうことを申し上げておったわけでありまして、五十日たったというのが何かまるで自民党、野党の責任などと言われるようなことでは私は全く理解できません。もう一遍今のことにつきまして御説明をいただきたい。
#180
○国務大臣(細川護煕君) 先ほど申し上げたことの繰り返しになるかと思いますが、私は繰り返し本委員会におきましても論議が深められていくことを願っているということを申し上げているわけでございまして、またぜひ参議院特有の、参議院固有の考え方というものもおありでございましょうからということも、これもまた再々申し上げてきたところでございまして、ぜひひとつそうした御論議を積み上げていただいて、速やかに本法案が成立をすることを期待いたしております。
#181
○大木浩君 我々も、慎重にしかも実のある審議をするということについては、さっきから言っておるとおりに、一生懸命やりましょうと言っておるわけですから、何か自民党がとめておるかというような前提でお話しをされる、あるいは何月何日までにやらなきゃ国がつぶれるというような話はこれはおかしいと思うんですよ。審議をした結果、もっと細かいことについても詰めなきゃいかぬというようなことがあったならば、それは当然それに必要な時間をとるというのが正しい態度じゃないか、そう思いますが、いかがでしょうか。
#182
○国務大臣(細川護煕君) これも衆議院でも参議院でも何回も申し上げてきたことですが、政府の提案したものが百点満点だと思っているわけではございません。ベストだと思って出させていただいているわけでございますが、それぞれいろいろな観点からの御論議もございましょうし、また一般論として合格点主義というようなことも再々申し上げてきていることも御記憶をいただいているかと思いますが、ぜひそうした観点から論議を深めていただきたいと、こう思っているわけでございます。
#183
○大木浩君 この政治改革法案ばかりじゃありませんけれども、政府がいろいろとたくさん重大な問題を抱えておられる。しかし、先ほどの予算の話を一つとりましてもなかなか結論が出てまいりません。やっぱりここは私は総理がリーダーシップを発揮されなければ、何といっても連立与党ですから、八党ですか、なかなかいろいろと議論があって、それを今おっしゃるとおりに時間もある程度限られた中でどんどんと結論を出していくということであれば、総理がもっとリーダーシップをとられないとものが動かないと思うんです。
 例えば先ほどの予算につきましても、なぜ年末に仕事が進まなかったのか。これは総理にお聞きしてもしょうがないかもしれませんけれども、大蔵大臣、なぜ仕事ができないんですか。我々は、どうぞひとつ時間を使って、せっかく官僚の方々にも時間を差し上げて大いに予算なり景気対策なりをやってくださいと申し上げていたんですけれども、どうもさっぱりそこら辺のところは動きがないようでございますが、大蔵大臣、どういうふうに考えておられますか。
#184
○国務大臣(藤井裕久君) 先ほど来、総理も言われておりますように、景気対策というのは非常に重要なものだと考えておりますし、現に総理から、経済企画庁長官を中心に我々は景気対策を今月の中旬ごろまでにまとめるようにという御指示もいただいております。
 そういう方向で現在進めておりますが、同時にその中で、第三次補正予算そして平成六年度本予算を編成する一つの方針を固めてこの二つの予算の編成に取りかかってまいる、こういう段取りで進めているということを御理解いただきたいと思います。
#185
○大木浩君 なかなかものが動かないわけですけれども、参議院でございますから少し視点を変えまして、今度の政治改革法案、先ほど後ろの方では衆議院でやらせればいいというようなばかなことをおっしゃる方もありましたけれども、これはやはり参議院にも大きくかかわる法案でありますから当然参議院としてのいろんな視点があると思います。
 総理にお聞きいたしますが、総理も十二年ですか十二年半ぐらいですか参議院におられましたけれども、現在の参議院というのはその機能を十分に果たしていると総理はお考えになりますか。
#186
○国務大臣(細川護煕君) それなりの役割を果たしていただいているというふうに思いますが、私は参議院におった者といたしまして、もっと大きなやはり役割を果たしていただきたいという期待は持っております。
#187
○大木浩君 もっと大きなというのがよくわかりませんけれども、少なくとも院の構成等々を考えれば、あるいは選挙法を考えれば、衆議院の先生方というのは比較的小さな地域、今度小選挙区制が導入されればもっと小さな地域になるかもしれませんけれども、とにかく一つ一つの地域を代表するという性格が衆議院の場合には非常に強いと思います。もちろん、それは国会議員ですから国全体のことをするわけですけれども、同時にその地域の代表という色彩が非常に強いと思います。
 それに比べて参議院の場合は、例えば選挙区議員であっても都道府県というようなもう少し大きなところを代表しているから、そういう意味では大きなということかもしれませんけれども、現実にはそういった機能が発揮されていないんじゃないか。
 例えば、これは憲法上の問題でもありますので今すぐに手直しできないかもしれませんけれども、御存じのとおりに予算と条約については衆議院の優越性というのが非常にはっきり書いてございますですね。しかしよく考えてみると、予算は今も申し上げましたように地域代表の衆議院というものが優越性を持っているのはいろんな国の例を見ましても比較的そういうところが多いと思いますけれども、条約についてはむしろ逆といいますか、例えばアメリカのように、まあ日本と同一には論ぜられないけれども、むしろ州、これは州ですから日本の都道府県とは違いますから、それなりの限定的な主権的なものを持っていますからそれは別でしょうけれども、しかし上院の方がむしろ外交とか防衛についてはいろいろと勉強もするし発言権も持つし、あるいは権限も持つ、こういう体制になっているわけです。
 そういうことについても私は、これは今すぐ問題じゃないにしても、これからいろんな選挙制度も変えよう、あるいは両院の関係もいろいろ勉強しよう、こういうときですから、そういうことも考える必要があるんじゃないかと思いますが、これは総理、どうお考えになりますか。
#188
○国務大臣(細川護煕君) よく言われますように、抑制とか均衡、補完とか言われますように、参議院の機能もいろいろあるわけでございましょうが、今お話に出ましたような条約の問題にしても、大きな観点からの、財政の問題にしても年度ごとの予算の問題ということではなくてもっと大きな財政の問題とか、大所高所からの良識の府としての御論議というものが参議院において衆議院とは違った角度から、観点からなされるということは、大変これは国民が期待をしておられるところじゃないかな、こういうふうに私は思っております。
#189
○大木浩君 実は、総理も御存じだと思いますけ
れども、参議院の中で現行法のもとでどうやったら参議院の独自性というものを発揮できるかというようなことで、例えば長期的に一つの問題を議論する、勉強するというような調査会というようなものをつくりましたけれども、現実には実際の法案とかそういうものと結びつかないとやっぱり本当の意味での機能というものは発揮しがたいというようなことで、必ずしも所期どおりの目的を果たしておるかどうかわからないというような状況であります。
 そういうことで、これは今すぐになかなか究極的なお答えがいただけないかもしれませんけれども、今いろいろと選挙制度を議論する過程において同時に二院制というものをどうしようかということも当然議論されていいと思いますので、これはぜひともひとつ今後勉強していただきたいと思いますが、山花大臣、ひとつ担当大臣としてコメントしていただきたいと思います。
#190
○国務大臣(山花貞夫君) 御指摘のことは大変大事なテーマだと思っております。十分受けとめてこれからも努力したい、こう思っております。
 なお、一言だけつけ加えますと、これまで幾度が御指摘をいただきまして、全体の経過の中で、まず衆議院の選挙制度の問題を中心とした今度の改革、そして同時に、既に与野党におきまして御議論いただいてきた経過もございます。そういうことを十分伺って政府としても今の御意見を生かしていきたい、こういうように思っている次第でございます。
#191
○大木浩君 まず衆議院というのが非常に問題なわけであります。
 先ほどから申し上げておりますように、この政党助成だとかあるいは政治資金の規制だとかいろいろ法案がありまして、これは何も衆議院だけというわけじゃないんですよね。これは当然参議院にもかかわってくる。ですから私は、これは既に同僚議員も何回も御質問いたしましたけれども、参議院については一体どういう考えを持っているかということが、やっぱりこれは政府・与党としては少なくとも方向だけでもお持ちにならないと、私どもとしてはこれは本当に意味のある議論というのはできないんじゃないかというふうに感ずるわけでございますが、山花大臣、どうですか。
#192
○国務大臣(山花貞夫君) やっぱり立法府の問題ですから、立法府で決めるというのが本来の考え方であろうと思っております。
 今回、衆議院の制度改革につきましても、スタートのところは政府提案にするかあるいは議員の提案にしていただくかということについてかなり議論をした上で、政権の性格づけということから政府提案という形にした次第でございまして、参議院の問題につきましては、既に参議院で議論が先行しているという経過もございます。参議院の皆様の御議論というものを十分受けとめながら政府としても方向を打ち出さなければいけない、こういうように考えているところでございます。
#193
○大木浩君 参議院の方で議論が先行しているとおっしゃいましたけれども、参議院のことにつきましては、御存じのとおり、自民党は既に一つの案を出しております。それが完全に十分なものかどうかは別として、基本的な考え方ということを出しているわけですけれども、政府・与党の方からは今のところ何も出てきていないわけでありますから、そういった一つの大きな空白というものがあるままで、いや、とにかく衆議院の法案だからまずそれをやれとおっしゃいますけれども、それはおかしいんじゃないか。むしろ私は、今四つの法案が出ておりますけれども、それをそれぞれについてこれは参議院とは一体どういう絡みがあるんだということを一つずつ分析して、進められるものは進める、進められぬものは進めない、こういうのが本当の正しいアプローチだと思いますが、どうなんですか。
#194
○国務大臣(山花貞夫君) 先ほど答弁で若干省略させていただいたところでございますけれども、今回の選挙制度改革は、全体の流れの中で直結しているのは八次審の答申、そしてかつての海部内閣の提案、そして今回に引き継がれている、こういう全体の経過だと思います。
 八次審の答申におきましても、まず衆議院の制度についてこのようにしたらどうか、こういう提案がありまして、参議院につきましては幾つかその問題点の整理ということを行った中で、衆議院の制度について固まったならばこちらに、第二段階に進むべきではなかろうか、全体としてはそういう流れではなかったかと承知をしているところでございます。また、前回の政府の提案につきましても、全体そうした考え方に沿って行われたものと私は理解しているところでございます。
 そして今回の提案、さきの総選挙の結果を受けてのものでありますから、何年も議論するということではなく、細川政権の、総理のかたい決意に示されたとおり、この問題についてはまず四法案を出して、これは決して衆議院の問題だけではございません、御指摘のとおり院の関係、そのうちの一院の問題でありますから、衆参にかかわるテーマとして衆議院の法案について提出させていただいたところでございまして、これからこの決着の仕方といいますか、そのことによって、また参議院についてもこれまで進んできた議論にどのような議論が加わるかということもあるのではなかろうかと思っております。
 午前中もお答えいたしましたけれども、参議院の制度につきましては、これからまた改めて院を中心として本格的な議論があるとするならば、戸別訪問の問題、ビラ、ポスターの問題等、必要な限りで今回法案として四法の中に加えさせていただいておりますけれども、根幹に触れるような部分につきましては今回触れていないところでございまして、そうした問題についてはこれからの参議院の議論というものを最大限尊重する中でこの方向についても進みたいと、これが全体としてのこれまでの考え方でございます。
#195
○大木浩君 今のお話の言葉じりをとらえるつもりじゃないんですけれども、根幹に触れるものは直さない、議論しない、こういうことですか。
#196
○国務大臣(山花貞夫君) さわっていないと申しましょうか、触れていないということでございます。
 これは、どこが根幹かということになりますと議論があるかもしれませんけれども、今回の野党の皆さんの、自民党の提案にもそうした根幹部分に触れた仕組みというものを提案されているということであると承知をしておりますし、そうした部分についてはこれまでも与野党の中で議論があった、そして、全体としての改革なのかあるいは現実的なまず第一段階の改革なのかということを含めていろいろ御議論があったと受けとめております。
 全体の数の問題とかあるいは選挙の制度の問題等々、根幹の部分については今回は触れておらない、こういうことでございます。
#197
○大木浩君 根幹に触れていないというのは参議院の根幹に触れていないという意味かどうかわかりませんけれども、しかし、この法案を通せば根幹に触れてくる可能性があるわけですよ。
 先ほど荷崩れなしで持ってこられたというお話がありましたけれども、私どもの方ではこんなものが来るとは思わなかった。つまり、注文したものとは違う品物が届いたと私どもは思っておるわけでして、先ほどから海部内閣のときにどうかとか第八次審議会がどうかというふうに、人に責任を押しつけないでくださいよ。
 我々としては考えてみたら今出てきたものが非常に根幹に触れる、衆議院の話だということで参議院は後でということではとても議論ができない、こういうふうに思うからこそいろいろと御質問しておるわけでございまして、せめて参議院のことについてどういうふうに考えていくんだと。それから、いろいろと技術的な問題もございますけれども、まさに今の参議院をどういうふうにするかということについて全く政府・与党側は考え方なしと、これで審議をしろということじゃ、これは審議できないじゃないですか。
#198
○国務大臣(山花貞夫君) 今、私申し上げました
のは、根幹に触れていないというのは、衆議院の制度ができた場合に、じゃ参議院は二院制の趣旨を生かすために参議院としての自主性を生かすために一体どうするかという議論は、まずは参議院の皆様の御議論というものを最大限尊重しなければいけない、こういう立場で申し上げたわけでございます。したがって、今回の法案では、いわば必要最小限度の部分について盛り込んでいるということでございまして、参議院の制度の根幹についてはもちろん今回の制度では組み入れたものにはなっていない、こういう趣旨でお話しをさせていただいたところでございます。
 決して参議院のことを考えないということではなく、そうした議論というものは当然これから院の中で活発に行われることになると思いますし、そのものについては十分尊重して対応すべきであるということにつきましては、総理初め私ども繰り返しお答えしてきたとおりでございます。
#199
○大木浩君 どうも今の根幹云々というところがよくわからないんですが、先ほどから申し上げておりますように、数年前からずっとこの政治改革の議論はしておるわけですけれども、最近出てきたものは衆議院だけの話であって、とてもじゃないけれども参議院は後でゆっくりやればというような形になっていないということを申し上げるわけです。
 それじゃ、今のこの政治改革特別委員会の中でそういった根幹についても私どもいろいろこれから質問いたしますけれども、そういった問題については十分に審議をされ、必要ならば修正される御用意がありますか。
 まず山花大臣。
#200
○国務大臣(山花貞夫君) 今回提案させていただいた抜本的な政治改革のための四法、このことについて御議論をお願いしているわけでございまして、まずは何よりもこの法案を中心として与野党の議論を詰めていただきたい、こう思っているところでございます。
 しかし、それは御質問の立場でこうあるべきかという議論が出てくることについては当然あり得ることと思っておりますし、そうした御意見については十分拝聴しなければいけない、こう思っております。
#201
○大木浩君 最高責任者の総理にもやっぱり御確認をいただきたいと思うんですが、この政治改革委員会の中でこれから私どもいろいろと質問を続けます。その中で、参議院の言うことを聞けばこれは衆議院と共通の問題であっても手直しをしなきゃいかぬ、あるいは衆議院の今の選挙法についても参議院と二つ並べるとどうも非常に不合理なことが出てくる、そういうことについては謙虚に検討していただける、こういうふうに理解してもよろしゅうございますか。
#202
○国務大臣(細川護煕君) 与野党の御協議で煮詰まったものが出てくれば、それは政府としても尊重をさせていただくということは当然のことだと思っております。
#203
○大木浩君 与野党の協議というより、むしろ私どもは今ここで質疑をしておるわけですから、その中で与野党というよりはむしろ自民党としての意見を申し上げなきゃ、時間がないわけですから、今からゆっくり与野党協議してまとまったものだけ持ってこいというんじゃこれは少しおかしいと思います。
 要するに、自民党としても具体的ないろいろな御質問を申し上げ、あるいは修正案といいますか、既に案は出しておりますけれども、今までの議論を踏まえてさらにいろいろな修正的な意見を述べたならば、それについては十分時間をとって御検討いただけるかどうかということをお聞きしておるわけであります。
#204
○国務大臣(細川護煕君) それは委員会での御論議というものを尊重することは当然でございます。くみ上げられるべきものがあるかどうか、それは政府として判断をさせていただきますが、ここでの御論議はよく承らなければならない、これは当然のことだと思っております。
#205
○大木浩君 私どももむやみに時間を延ばすつもりはありませんけれども、やはり審議をしてみて必要だということについては十分に時間をとっていろいろと質疑をさせていただきたいということを申し上げておきます。
 ちょっと視点を変えまして、総理は今回の政治改革法案の提出あるいはその前から、一つのお考えとして穏健な多党制ということを時々というかしばしば言っておられるようでございますが、まずこの穏健な多党制というのは現時点におきましても総理の基本的なお考えかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#206
○国務大臣(細川護煕君) 冷戦構造というものが崩壊をして五五年体制というものが変わってきた状況の中で、今までの資本主義的な体制か社会主義的な体制か、そういう二者択一の時代状況というものからもっと価値観の多様化した社会というものに変わってきているのではないかというふうに思いますし、そういう状況の中で、私の見通しとしては幾つかの穏健な多党制というものに変わっていくのではないかなということを申し上げたところでございます。
#207
○大木浩君 今、総理は社会主義とか資本主義ではなくて何か第三の道というか中間というのかというようなものが出てくるというようなお話でございましたけれども、日本の中ばかりではなくて、むしろ今世界がポスト冷戦時代ということになっているわけですね。そういう一つの大きな流れがある。そのポスト冷戦時代、要するに冷戦状態というのがなくなったというのは、これは一体どうしてなくなったのか。
 山花大臣、社会党の幹部として、この冷戦時代が終えんしておるということはどうしてそういうことになったんだというふうに理解しておられますか。
#208
○国務大臣(山花貞夫君) 冷戦の終えん後の新しい時代、こう言われておりますけれども、何が終わらせたかといえば、それは歴史が終わらせたということだと思います。それぞれの国の民主主義を求める国民の声というものがこれまでの冷戦構造に対して民主主義を求めて立ち上がったというところが力になっている、私はこういうように考えているところでございます。
 我が国におきましても、そうした中で時代的な対応をしなければならない、そういう時期を迎えている、こう理解しているところでございます。
#209
○大木浩君 社会主義とか資本主義とか余り経済的な言葉だけで使うのはどうかと思いますけれども、少なくとも私は、東西冷戦時代というのは、自由民主主義諸国、いわゆる自由圏諸国と、共産圏といいますか社会主義諸国といいますか、そういった二つのブロックがあって、簡単に言えば東側の社会主義ブロックの方が崩壊したというふうに私は理解しております。そうじゃないんですか。
#210
○国務大臣(山花貞夫君) 私は、視点を変えて、それぞれの国の大衆が民主主義を選んだと、こうした格好で申し上げたわけでありますけれども、単純にどちらかの体制が勝利したということだけでは説明がつくものではない、こういうように思っております。
#211
○大木浩君 物は言いようといいますけれども、やっぱり国際社会ではソ連、東欧を中心とする、あるいはアジアにもありますけれども、社会主義諸国といいますか、あるいは統制経済の独裁政権が相次いで崩れだというのが私は現在の姿じゃないかと思います。
 それでは、ちょっと国内に視点を変えて、先ほども総理でしたか山花大臣でしたか、五五年体制が行き詰まった、だから今新しい体制を考えなきゃいかぬとおっしゃいましたけれども、五五年体制が行き詰まったというのは、これはどういうふうに、山花大臣ばかりにお尋ねして恐縮ですけれども、私は五五年体制が行き詰まった大きな一つの理由というのは、失礼ながら社会党を中心とする革新勢力が国民に理解されるような現実的な政策を、内外の政策についてありますけれども、特に外交についてそういった政策をとられなかったということがやっぱり自民党がずっと政権の座
にあった一つの大きな理由であったんじゃないかというふうに思いますが、それは間違いですか。
#212
○国務大臣(山花貞夫君) 今、総理が五五年体制が行き詰まったということについて触れたところでございますけれども、私も総理の考え方と同じ立場でこの現状について考えております。
 ただ、五五年体制とは一体何であるか、また議論は幅広くなるかもしれませんけれども、冷戦という世界の体制のもとにおいてでき上がった日本の国内の政治の体制であったと、一般的にはこう理解して間違いないのではないかと思っております。
 じゃ、一体その五五年体制というものがどのようなものであったかということにつきましては、自社二党の二元的な政治体制ということもあったと思いますし、そうした中で自社の体制から自社公民共という多党化へ進んできたということも含めてのものと思っております。そうした体制の中で、三十八年間続いた一党の体制のもとにおけるそれぞれの対決型姿勢ということに対して既成政党批判という形で新しい有権者の意識というものが選挙に反映したと。こうした形で行き詰まりと、そして新しい体制ということをとらえるべきではなかろうか、こういうように考えているところでございます。
 行き詰まりということにつきましては、そうした中での国民の政治不信ということがもう極限まで達するほど高まった、そこに行き詰まりが象徴されておったということだと理解をしております。
#213
○大木浩君 多少意地悪い解釈かもしれませんけれども、今の山花大臣のお話を聞いておりますと、社会党は今までは野党第一党として大いに任務を果たすべきであったけれどもなかなか社会党だけではうまくいかなかったと、だから今後は、この新しいポスト五五年体制の中で、社会党という看板はおろして、ほかの党と一緒になって、とにかく数をふやして、そして何か一緒にやっていこうと、こういうことですか。
#214
○国務大臣(山花貞夫君) 御質問のようなことを安易な気持ちで考えたわけではございません。
 私は、先ほど若干言葉を選んで、既成政党に対する国民の政治不信の高まり、こういう言い方をいたしましたけれども、既成政党に対する国民の政治不信の高まりというものは、やっぱりそれを代表する自民党と社会党、社会党も野党第一党としての地位にありながら政治全体が批判を受けるということの中で大きな責任を負うたということを自覚しているところでございますが、そうした政治体制を変えていかなければならない。そのことについては政党よりも国民の皆さんの意識が先行して過日の選挙の結果にあらわれた、こういうように受けとめたところでございます。
 もちろん、社会党が野党第一党としての役目を十分果たし切っていなかったところにこれだけの政治不信を招いた、政治の腐敗があったということについての責任を私は政治全体の不信の中で十分自覚している、こういうつもりでございます。
#215
○大木浩君 社会党が十分に野党第一党としての任務を果たさなかったということをおっしゃいました。その結果として、自民党も長い間、一党独裁とは言いませんけれども、一党で政権を独占しておったという結果になったわけですから、そこから生ずるいろいろな問題というのは私どもも十分に理解をしておるわけでございます。
 ただ、これからの将来に向かって、今これから新しい体制をつくっていこうということですけれども、先ほどの、内政外交両面にわたるけれども、特に外交についてはやっぱり国の政策というものがきちっと一体化していないとなかなか外に向かって十分な力が発揮できないんじゃないかということからいいますと、私は現在の連立政権を見ておりまして、細川総理が言われているように、穏健な多党制というものから出発されておられますけれども、これはやはりもう少し、ただ穏健穏健と言っておっても、多党制というものが、仮に多党制であっても基本的な政策について一致しておるならいいんですけれども、そうでない政党が寄り集まってただ数だけ合わせるということでは、これは本当の意味での力強い政治もできないし外交もできないじゃないかという感じがするわけでございます。
 総理、この辺につきまして、随分この間うちからいろいろとお米の問題を初め苦労しておられますけれども、これから八党を率いてどういう外交を進めていこうと思われるのか、あるいは先ほどの穏健な多党制ということについてはむしろ、これから二大政党だか三大政党だかわかりませんが、もう少し集約した姿にする方が望ましいと思っておられるのか、どうでしょうか。
#216
○国務大臣(細川護煕君) 見通しとして幾つかの政党、幾つかの政治グループに分かれていくのではないかということを申し上げているわけでございまして、それはそういうものが現実のものになってこないとなかなかそれから先のことはわからないわけでございますが、今、確かにおっしゃるように、連立八党の中で、それぞれ生まれも育ちも違うわけでございますからいろいろな御議論があることは確かでございます。しかし、幅広い国民の意思のあるところを吸収しながらできる限り的確に対応していこうということで努力をしているところで、米の問題でも何でも大変手間取っているじゃないかというふうな御趣旨のお話もございましたが、確かにそうかもしれません。しかし、幅広い御議論を吸収しながら最終的にそれを取りまとめていくというのが私は大事なプロセスでもあると思っております。
 そういう意味で、今、国民の御期待をいただけているのであろうというふうに思っているわけでございまして、今後とも八党の中での議論というものをよく取りまとめて、各党で取りまとめて、しっかり対応をしてまいりたい、そのように考えているわけでございます。
#217
○大木浩君 将来はということではなくて、現実にいろいろと具体的な問題が出てきておるわけですから、それについてどういうふうにされるのかということが出てくると思います。
 その一つ二つを例示的に申し上げますと、まず現在、朝鮮半島に二つの政府というか国がありまして、これからこれらの国々とどういう外交を進めていくかということですけれども、先般、外務大臣「あれは記者クラブですか、何か北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国ですか、簡単に北鮮と言わせていただきますが、北鮮との外交を再開するというようなことを言われた。しかも、その基本として、「植民地謝罪テコに再開」と、これは新聞の見出しですからそういうふうに言われたのかどうか知りませんけれども、そういうことを言われたのかどうか。
#218
○国務大臣(羽田孜君) 今のお言葉でいきますと、そういう言い方をしているわけじゃございません。私どもは、やっぱり北朝鮮というのはすぐ隣国であるということ、この国と対話ができないというのは大変不幸な状況であるということ、そしてその国が孤立化していくということはいろんなものの情報についても閉ざされてしまうという中で非常に危険な問題を起こす可能性というものもあるだろう、その意味でやっぱり我々としても率直な話し合いができる環境というものを望みたいという意味のことを実はお話ししております。
 それから、話はずっと長く、これは講演の中でたしかしたんだと思いますけれども、記者クラブの講演の中で実はした話でありますけれども、そういう中にあって、私どもといたしましては、いわゆるかつての植民地の問題、あるいはそのことによりまして心に痛みあるいは体に傷、いろんなものを負わしてしまった、こういったことについての総理が言われた謝罪というのは、これは単にアジアというだけでない、これを非常に幅広い中で言われたわけでありますけれども、そういった中に北朝鮮そのものだってやっぱり入っているんだということを申し上げたことは事実であります。
 いずれにいたしましても、私たちは、核の問題等が今ありますけれども、やっぱり本当の話し合いかないととんでもないことを起こしてしまう
きっかけになっていくであろう、その意味で、いろんなルートを通じながら話しかけというものはしていく必要があろうという思いで言っておるわけであります。
#219
○大木浩君 私の質問時間が大分少なくなってまいりますけれども、自民党の中で多少調整させていただきますのでよろしくお願いしたいと思います。
 今、外務大臣おっしゃったように、北朝鮮も朝鮮半島でかっては日本の、植民地という言葉がいいかどうかは別として、要するに植民地的性格のあれでいろいろと苦労されたということはあれですから、それは、その北朝鮮の人々に、何と申しますか、それなりの我々の感情を表明するということはそれは決して不思議なことじゃないわけでありますけれども、ただ、これから外交交渉、いつから始められるか知りませんけれども、始められるのに、とにかく謝罪だ、悪かった、アイム・ソーリーということから交渉を始めるというのは、これは私は外交交渉の始め方として非常におかしいと思います。
 もちろん植民地時代のいろんな問題というのはありますよ。それを忘れるということじゃありませんけれども、御存じのとおりに、北朝鮮とは向こうの事情もあって今まで国交が回復されていないということは、これはもう北朝鮮と大変に仲よくしておられました社会党の皆様方が十分御存じなわけでございます。
 先般、これは予算委員会でもお聞きしましたけれども、山花委員長の時代に韓国に行かれたですね。言葉が悪いんですけれども、韓国とは、この間訪問されて、今まではつき合いなかったけれども今度は和解をされた、こういうことでございますか。
#220
○国務大臣(山花貞夫君) 私が委員長でありました当時、それまで委員長として韓国を訪問し相互の交流の機会ということをつくることができておらなかったものですから、その意味におきまして、党を代表して訪韓をし、将来の日韓の関係について友好関係を築いていく、そのスタートを切る、こういうつもりで訪韓をしたところでございます。
#221
○大木浩君 非常に残念なことには、いわゆる北朝鮮が、少なくとも国際社会ではそういう解釈になっていると思いますけれども、解釈だけでなくて理解だと思いますけれども、北が南に侵入をしたということで朝鮮戦争が起こったというふうに私どもは理解しておるわけです。その後の社会党さんの北と南に対するおつき合いの仕方というのは、南とは交渉しない、政府として認めないとおっしゃったかどうかは忘れましたけれども、とにかく現実にはつき合わない、北とは仲よくしようということでずっとやってこられましたけれども、これはどういう御判断で北とだけつき合ってこられたのか、御説明をいただきたいと思います。
#222
○国務大臣(山花貞夫君) 一つには朝鮮半島全体、朝鮮民主主義人民共和国とも韓国とも対等均衡に交流をすべきであるということについては最近の党の方針として長く掲げてきたところでございます。残念ながら、それ以前の段階におきまして、政府は韓国の政府と、そして社会党は朝鮮民主主義人民共和国の政府と、こうしたそれぞれ偏った交流をしておったということについては歴史的な事実でございます。
 確かにかつての社会党は軍事政権の時代にはそうした意味におきまして韓国との交流ということについてなかなか実現しがたかったというところもありますけれども、そうした体制がそれぞれの中で改善されてくる中で、とりわけ今回三十二年ぶりに文民政権が誕生したことをきっかけに私たちとしても交流としてのスタートを切った次第でございまして、そうした朝鮮半島全体に対する我が国の変わり方ということを考えれば、朝鮮半島全体に対して私たちは今後とも友好関係というものを求めていくというのが当然の姿勢ではなかろうかと基本的にそう考えております。
#223
○大木浩君 どうも社会党さんが北とつき合われたということと、自民党というか政府が南とだけしか正式な国交は結び得なかったということを二つ並べて同列に論じておられますけれども、私はそれはおかしいと思うんですよ。
 日本といたしましては、自由民主主義陣営ということで日米安保体制を基本にいたしました自由民主主義国との、いわゆる西側自由圏との協力ということを軸にして外交を展開しておった。その枠の中では北側とは、向こう側の事情がいろいろあったということでなかなか交渉できなかった。
 それでは、なぜ社会党さんは南と接触することができなかったのか。
 今、何か軍事政権とおっしゃいましたけれども、それでは南も北もずっと長い間、臨戦状態というか、あるいは準臨戦状態と申しますか、そういった状態の中で軍人が非常な発言権を持ったということはあると思いますけれども、しかし世界のほとんど多くの国が南の政府と交渉を持っておった、国交も持っておったというときに、何か社会党さんだけはなかなか南との交渉をされなかった。最近になって何か急においでになったということ、私はどうもその辺のところが理解できないんですけれども、どうでしょうか。
#224
○国務大臣(山花貞夫君) 政治改革のテーマでなかったものですから、私は若干簡略化してお話をさせていただいたこともあるかもしれません。
 私は、一衣帯水の隣国である韓国とも朝鮮民主主義人民共和国とも、国家として、政府として、そして国民の間でも友好関係を築いていくということはアジアの平和にとっても大変大切なことであると思っております。それは朝鮮半島の皆様の問題だけではなく、我が国の国益にも合することである、こういうように考えているところでございます。
 残念ながら、朝鮮民主主義人民共和国とはいまだ国交が正常化されておりません。戦後残されたテーマの大きな一つであると、こう考えております。ということであるとするならば、その国交正常化の問題、一日も早くということを願いながら、私たちは朝鮮半島の平和的統一、そして平和な朝鮮半島全体と日本との関係、そういうことを模索しながらできる限りの努力をできるところからしてきた、これがこれまでの経過でございます。
 今日の韓国の体制というものは、先ほど申し上げましたとおり、選挙によりまして権力の正統性というものを確立された金泳三大統領が誕生した、こういうことをきっかけにして、私たちとしても従来の党の方針ということにつきましては必ずしも十分ではなかったということを反省しながら、新しい将来の関係というものをつくり上げたい、こういう気持ちで新しい関係をつくる努力をスタートさせたわけでありまして、そうした歴史の進展の中における政党の政策の判断ということでございます。
#225
○大木浩君 いろいろと言葉は多いんですけれども、巧言令色少なしや仁という言葉もありますけれども、どうも私は先ほどから非常に具体的なことをお聞きしておるんですけれども、要するに世の中が変わったからおれたちも変えたんだということを、私ははっきり言えば、やっぱり自分たちが間違っておったということをおっしゃりたくないんでしょうけれども、私の方はそう理解しております。山花大臣にお聞きしても、どうもおれは外務大臣じゃないから、あるいは社会党の委員長じゃないからというようなお話でございますけれども、しかし、やっぱりつい最近まで委員長をやっておられて、その当時はやはり社会党の外交も責任者としてやっておられたから私はお聞きするわけであります。
 例えばこの間もありましたけれども、自衛隊についてはこういう考えだ、しかし社会党としてはこういう違う考えだと。何かその立場立場によって赤くなったり青くなったり、まあ言葉は悪いけれどもカメレオンのように変わられるというのは、やっぱり私は一人の立派な政治家としてはそういうのは成り立たないんじゃないかと思いますけれども、これはコメントですから私はこれ以上
のことは申し上げません。
 最後に一つ、細川総理、二月十一日でございますか、アメリカヘ行かれてクリントン大統領と、これはもう決まっているわけですね。今いろいろと国内の大変な問題も抱えておられますし、いろいろ物が決まっていないんですけれども、そういった状況の中で一体何をお話しに行かれるのか、ひとつ御説明を願いたいと思います。
#226
○国務大臣(細川護煕君) 懸案となっております日米包括協議というテーマがございます。確かに困難なテーマで中身が必ずしも詰まっていないものもございますが、これからできる限り努力をして、恐らく二月十日の首脳会談というのは、優先分野を初めとするこの包括協議にかかわる問題について確認をする、そういう会談になるんだろうということでございますから、今後それぞれの分野につきましてできる限り詰めてまいりたいと思っております。
#227
○大木浩君 私は個人的には、何の準備もなくとにかくアメリカヘ行くんだというような外交というのは非常にまずいんじゃないかと思いますけれども、あえてそれは、これ以上御質問しても余りお答えが出てこないでございましょうし、また同僚議員の時間を余りとってもあれですから、そろそろ終わりにさせていただきます。
 私は先ほどからのお話を聞いておりまして、この政治改革法案、まず第一には、本当に非常にこれは大事だとおっしゃっておりますけれども、じゃ何を実現するのかということについての目的がどうも明確じゃないんじゃないか。
 それから第二に、非常に時間のことを心配して、あえて言えば非常に中身についてまだまだ問題があるにもかかわらず拙速主義だということで、やっておられますけれども、私は先ほどから申し上げておるとおりに、特に参議院の立場からいいますと、もっともっと十分に議論しなきゃならない問題が非常に多い。現行の制度というもの、二院制というものをどういうふうに考えておるかということにつきましては、全く配慮ができていない。
 それから第三に、今、連立八党がこの法案を通してこれから政権を担っていかれようというんですけれども、現実にどのような政策がとられていくのか、重要な問題について全然はっきりしたことがないということでございまして、やはり私どもは、これからの政治が本当に国民にはっきりわかるようにするためにも、これからもうちょっとこの政治改革委員会におきましてこの政治改革法案というものを今言ったような視点から十分に審議をさせていただきます。
 それはもちろんやたらに時間をとるということではございませんけれども、必要ならばそれに必要な時間は十分にとるということで議論をしていただきたいということを最後にお願いいたしまして、それについて総理から何かコメントがあればお答えをいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
#228
○国務大臣(細川護煕君) おっしゃったことはよく承っております。先ほども申し上げたとおり、参議院における真摯な御論議というものを期待いたしております。
#229
○大木浩君 終わります。(拍手)
#230
○鎌田要人君 私に与えられました時間の冒頭を割きまして、細川総理に若干お伺いをいたしたいことがございます。
 それは、まず第一にこの政治改革関連法案でございますが、大きく分けまして三つに分けられると思います。
 第一のまず公選法の改正についてでありますが、これにつきましては二院制のもとでの参議院のあり方からいたしましても、特に全国一単位の比例代表制を抱えていることからいたしましても、参議院の論議が大変大事であると思います。また第二の政治資金規正法の問題、あるいは第三の公費助成の問題、これは当然参議院にも適用があることでございますから、これまた当然のことでございます。したがいまして、この政治改革関連法案が参議院に付託されましてまだ日が浅いわけでございますが、十二分に審議を尽くすべきことをまず最初に申し上げたいのであります。
 細川内閣は、政治改革を実現することをまずその第一義として高く掲げておられます。でございますので、まず最初に総理のこの点につきましての所信をお伺いいたしたいのでございます。
#231
○国務大臣(細川護煕君) 何回も申し上げていることでございますが、政治改革をやり遂げるということは国民の強い期待であろうと思っておりますし、また、すべての今日の日本が抱えております困難な問題というものを真正面からとらえて構造的な改革というものを大胆に進めてまいりますためにも、一番基本的なフレームワークである政治の状況というものを何とか改めていかなければならないという思いを強く持っているわけでございます。この政治改革ができなければ本当に思い切った経済改革もできないだろうし、また行政の改革もできないだろう、そのように私は認識をしているわけでございます。
 したがいまして、今回四法案一括で提案をさせていただいているわけでございますが、ぜひその基本的なフレームワークとしての政治的な改革というものにつきまして、本院におきましても実りのある御論議をいただいて、少しでも早く成立をさせていただきたい、そのように強く願っている次第でございます。
#232
○鎌田要人君 最初に私がこれをお伺いいたしましたのは、この政治改革問題について総理はどのような御認識と御決意を抱いておられるかということを改めて伺いたかったからであります。
 ところが、現実の行政あるいは政治、あるいはそういったものの動きの前に、私は今日のこの景気の動向というのが大変大きな、何といいますか、我々にとりましては一つのネックになっておるということを痛感しておる次第でございます。それだけに、今の総理の政治改革にかけられる熱意はまことに壮なるものとしてその意気はたたえながら、当面の問題の経済の問題、この問題が私は実質的には一番大事な問題だと思うんです。でありますから、自民党が、政治改革の問題も大事だけれども目の前の経済の問題をどうしようかと、この問題に一生懸命になっておることも御理解をいただきたい。後ろの方で伺っておりますと、何か自民党が政治改革の邪魔をしていると言わんばかりのお話を伺うのでありますが、そうじゃない。そうじゃなくて、その前に今の目の前の経済の問題というのを何とかせにゃいかぬじゃないかと。
 一、二の指標でお話を申し上げます。
 まず第一がこの平成不況。これはことしの一月で三十三カ月目に入りました。この景気回復への期待は大きいのでありますが、現実には第二次オイルショック後の不況の三十六カ月を上回って戦後最長となる気配が濃厚だと言われております。
 そこで、経済成長率でありますが、政府は経済成長率をお出しになりません。お出しにならないのは、予算どこれが連動するから、その予算が年を越したということで経済成長率をお出しになりませんが、民間の調査機関、金融機関十七機関の平均で〇・五%の成長率ということを見込んでおります。〇・五%ということは実質的にはほとんど成長はないということですね。
 九四年度の企業収益の悪化は景気回復の足を引っ張り続ける、こういう予想が専らでございまして、低空飛行を続けそうだと言われております。また、完全失業率も昨年十一月に二・八%まで上昇いたしました。戦後の失業率のピークでございました円高不況下の八七年五月、この三・一%の水準に迫りそうだと言われておるわけでございます。また一方、長らくふえ続けました貿易収支の黒字も、九四年度は前年度より百億ドル程度減りそうだということでございます。
 加えるに、一九九三年は未曾有とも言うべき災害の当たり年でございました。私の郷里の鹿児島に総理がさっそうとおいでいただいて、本当に県民も奮い立ったことは事実でございます。北は北海道から南は大分あるいは鹿児島、長崎と、こういったまさに災害列島ということに相なりまし
て、私どもも非常に心を痛めておるわけでございます。
 このような景気の状況をもどのように戻してまいりますこのためには、総理としてどのような認識を持っておられ、どのような手を打とうとしておられるのか、それをお伺いいたしたいのであります。
#233
○国務大臣(細川護煕君) 今いろいろな指標を挙げてのお話でございましたが、今日の景気の状況、経済の状況につきましては、大変厳しいものであるという認識を持っております。
 幾たびかの経済対策を講じてきたわけでございますし、それが着実に浸透していくことを心がけているわけでございますが、第三次補正予算、それからまた景気というものに十分重点を置いた当初予算の編成、こうしたものを十五カ月間切れ目なく組んでいくということによりまして、何とか景気に明るい兆しが見えてくるようにということを考えているわけでございます。
 一月中旬には総合的な経済対策を策定するということにいたしておりますが、今の経済の状況につきましては、構造的な要因もございましょう、あるいは循環的な要因もございましょう、さまざまな要因が絡み合っているものだと思いますが、総合的な観点から考えまして、最大限効果のあるようなめり張りのきいた予算というものを組むことによりまして、またその他の対策を可能な限り発動することによりまして、何とか今の低迷感というものを払拭してまいるように最善の努力をしてまいりたいと思っております。
#234
○鎌田要人君 私は、この委員会のみならず、あらゆる機会に総理の御発言を伺っておりまして、非常に総論はいいんですが、各論が何ら見当たらないんです。その間にどんどん景気は悪くなっていく、この状況を非常に心配しておるわけですね。
 私は、総理は経済が苦手だ、こういうことを聞くたびに、いや、そんなことはないよ、私が鹿児島の知事で総理が熊本の知事のときに、鹿児島で熊本を見ておって熊本がうらやましかったよ、そういうことを言ったものですよね。ところが、世間一般の常識は総理は経済が苦手だと、こういう私にとってみれば同僚の、総理をかつての同僚の知事と言っては申しわけないけれども、その観念からすると非常に寂しい思いがします。私はあなたが経済が弱いのか強いのかということを聞くほどやぼじゃないから、一応この点はおきますがね。
 そこで、以上を要約しまして、私が細川内閣の姿勢について重大な疑問を感じておることがあります。それは、細川内閣がこれほど重大な予算の編成を何でことしに譲られたかということなんです。私は、細川内閣が一番期待をされた最大の課題は予算の年内編成だったと思いますよ。それをどうして予算を、しかもこれだけ国民が塗炭の苦しみに陥っておるとぎに予算の年内編成をあきらめられたのか。十五カ月予算編成ということをさっきおっしゃいましたね。あれは昔よく我々が使った言葉ですよね。ところが、十五カ月予算編成にはなりませんよ、今のあなたの状態だと。第三次補正まで組むとおっしゃっておられるんでしょう。そうしますと、予算編成は下手しますと年度を越しますよ。
 そういうことで、実際経済の運営というのは、目の前にあるこの不況の克服というのが細川内閣の手によってできるのか、これは本当に私ども与党、野党の立場を超えて真剣に心配しております。その点につきまして、あなたの忌憚のない御意見をお伺いいたしたいんです。大蔵省が邪魔をして予算の年内編成ができなかったんだとおっしゃるのならそれをおっしゃってください。そうしましたら今度は藤井さんに質問をいたします。
#235
○国務大臣(細川護煕君) 大蔵大臣の出番がある必要はないと思っております。大蔵省が別に何か言ったわけではございませんで、物理的に、全力でとにかく年内編成をしようということで私どもとしても努力をいたしましたが、残念ながら具体的な編成の作業までたどり着くことができなかった。
 また、ある意味で先ほど十五カ月予算といってもそれは手おくれになるんじゃないかという趣旨のお話もございましたが、私どもはむしろ逆に十五カ月の予算というものの方が景気刺激の面でもより効果があるのではないかと、そのような判断もいたしたところでございます。
 必ずこれを早く上げていただくことによって景気に対する国民の皆様方が持っておられる不安というものを一刻も早く解消していくことが私どもの責務であると、このように思っております。
#236
○鎌田要人君 今の総理のおっしゃった最後の点、国民の不安を払拭すること、これが私どもの仕事でありますとおっしゃるその点は全くそのとおりです。ただ、そのとおりにあなたの今の態度ではならないだろうということを心配しているから申し上げているわけです。(「予算委員会をやろう」と呼ぶ者あり)でありますから、今、後ろの方で予算委員会をやろうという話があるのは無理もないんです。それは私は、これをやるから予算委員会は後回したとかそういうことはなくて、並行してやられたらいいだろうと思うんです。それを言っているんです。
 そこで、私は細川内閣にもう一つお伺いしたい。
 あなたは何でも政府関係の諮問委員会任せですね。制度改正を何か伺いますと、それはこの委員会の意見を聞きました、これはこの委員会の意見を聞きました、そういうことは私は慎んでいただきたい。
   〔委員長退席、理事上野雄文君着席〕
 総理というものは一国で一番偉いんですから、あなたが右へ行けとおっしゃればみんな右へ行くんです。あなたが諮問委員会の意見を聞いてとおっしゃるのは、あなたの自信のなさを国民が鋭敏に受け取るんです。そういう意味で、あなたは、おれはこう行く、こういうことをおっしゃってほしいんですよね。それが私は、この委員会で皆さんがあなたに質問をされてもがっかりされる理由だと思うんですよね。あなたが、私はこうやりたい、こうおっしゃることがもう少しあっていいんじゃないか。それを私は痛感いたしますので、特に諮問委員会任せで御自身の発言が、非常にあなたは遠慮深いから御発言にならないのかもしれませんが、その点で、今のようなこういう時代ですと。あなたは日本丸の船長ですよ。あなたは日本丸の船長ですから、右を向き左を向きいろいろ配慮をされることは必要ですが、右を向いて右の意見にぐらっ、左を向いてぐらっ、これじゃあなただめですよということを特に申し上げたいのであります。
 そこで最後に、総論的なお尋ねといたしまして、細川総理、あなたは一院制論者ではないんでしょうね。それを最後にひとつ総論的な部分としてお伺いしたいんでず。
 といいますのは、あなたは参議院議員でおられたですわ。それから衆議院に行かれましたわ。それで、あなたの今度出されたこの法案の提案理由の御説明を伺いまして、あなたは一院制論者じゃないのかなという感じが私はしてならないんです。この点をひとつ総論的なお尋ねの中で、最後の締めくくりの問題といたしましてお伺いいたします。
#237
○国務大臣(細川護煕君) 初めの前段の部分のお話につきましては、先輩の大変適切なアドバイスとしてよく拳々服膺させていただきたいと思っております。
 一院制云々ということにつきましては、私は、参議院が良識の府として、これも何回か本委員会でも申し上げたことだと思いますが、かつての緑風会のような存在感のあるものであってほしいなと常々願っているところでございます。そのような観点から、私は二院制の存在の意味というものにつきまして十分認識をしているつもりでございます。
#238
○鎌田要人君 今、かつての緑風会のごとくとおっしゃいましたね。私も緑風会というのは非常に立派な党派だったと思うんです。ところが、緑
風会が何でポシャったかと、ポシャったというのは速記録ではちょっとはばかられるような言葉ですが、基本的に申しますと、緑風会は滅びるべき運命にあったんです。といいますのは、要するにこれは金権政治のもとで緑風会というのが抗し切れなかったということが端的に言って緑風会の存在し得なかった理由だと私は思います。
 そこで、緑風会的なものを参議院で求めたいという気持ちは、皆さん方、与野党通じていっぱいあると思います。しかし、現実にはこの問題は私は非常に難しいと思います。難しいというのは、世の中全体が、口では金銭に反対しますけれども、腹の中は金が欲しいという人たちでいっぱいです。そういうことでありますから、緑風会というのは結局あの間のあだ花だったのかなという気持ちを私は持つんですが、その点どうお考えでありますか。その点だけひとつ参考までにお伺いいたします。
#239
○国務大臣(細川護煕君) 緑風会が衰退をしていったその理由というのはいろいろあろうと思います。今おっしゃったようなこともございましょう。あるいはまた政党化が進んでいったといったようなこともあるだろうと思います。しかし私は、現行の制度の中におきましても、これは制度とか仕組みとかの問題とは切り離して、参議院に所属をしておられます皆様方の御努力によってそれは相当程度実現できるものではないかなというのが私の認識でございます。
#240
○鎌田要人君 そこで、いよいよ本題の政治改革関連法案の質疑に入ります。
 まず政府案でありますが、これはただいまも申しましたように、衆議院の選挙制度について小選挙区制並びに比例代表制の並立制を導入することとしておられます。
 そこで、この政府案なるものは、現政府の成立につながりました今般の総選挙では、これを公約として掲げた政党は与野党を通じてありましたでしょうか。その点をお伺いしたいのであります。
#241
○国務大臣(山花貞夫君) 選挙の公約で小選挙区比例並立を掲げた政党はなかったと、こういうように承知をしております。一部政党を除いてほとんどが抜本的な政治改革というテーマで選挙を戦ったのではなかったかと承知をしております。
#242
○鎌田要人君 そのとおりであります。
 そこで、どこの政党も言わなかったものがどうしてこの政治改革として出てきたのか、その経過を、もしお許しいただければ、総理、お話しいただきたいのであります。
#243
○国務大臣(細川護煕君) 今、山花大臣からお話がございましたように、選挙時の公約におきまして、私もよく各党のことは存じませんが、多分間違いがないと思いますけれども、公約の中で政治改革ということとそれからまた抜本的な選挙制度の改革ということをほとんどの党が訴えていたと思いますが、その後の議論の中で、今日提案をしておりますような法案の形に、つまり並立制という形に議論が収れんをしていった、一言で申し上げるならばそういうことではなかったかというふうに思っております。
#244
○鎌田要人君 総理、あなたは総理になられる前は参議院の議員でしたね。そのときに日本新党という政党を率いておられましたね。その日本新党の公約は何だったのでしょうか。
#245
○国務大臣(細川護煕君) 政治腐敗の防止あるいは連座制の強化とか罰則の強化とか、そうしたものを含めました政治改革というものにつきまして当然掲げておりましたし、また、選挙制度の改革につきましては日本新党は割に柔軟な立場をとっておりました。実際問題としてこれは与野党の妥協の産物以外成り立たないものであるという観点から現実的な対応をすべきであろうということで、この点については当初は中選挙区の連記制といったようなことを言っていたこともございましたし、それも例えばというようなことでそういうようなことを申しておりました。あるいは併用制とか並立制とかといったようなことを言っていたときもございます。
 いろいろ例えばということでそういうようなことを挙げておりましたが、いずれにしてもこの問題につきましては、他のどの党よりも恐らく柔軟に考えてきたのではないかというふうに思います。
   〔理事上野雄文君退席、委員長着席〕
#246
○鎌田要人君 それでは次に、与党第一党の社会党さんにお伺いします。
 社会党ではこの並立制は憲法違反だとおっしゃいましたね。選挙前は憲法違反だということをおっしゃいました。そこまでおっしゃったんです。それが一変して、社会党を含む政府提案という形で今登場してきておりますが、この理由は那辺にあったのかお伺いいたしたいと思います。
#247
○国務大臣(山花貞夫君) かねてから、かつて自民党が提出した単純小選挙区制に対して厳しい批判を突きつけておりました。関連して、その単純小選挙区制と小選挙区比例並立制、並立制が入っても小選挙区部分についてはやはり認めがたいのではなかろうか、こういう主張をしておったことは事実でございます。
 先ほどの総理の答弁と関連をいたしますけれども、そうした中で解散前の国会、五月の段階におきまして五党派が集まり、連用制を軸として選挙制度の改革をしていこう、こうした合意をして、社会党は当時公明党の皆さんとともに併用制を主張してまいりましたけれども、併用制から連用制、そして衆議院の議論の現場におきましては修正連用制あるいはその他並立制とかかわるような幾つかの案について、瀬踏みという状態だったかもしれませんけれども、議論をしてきたというのが解散前の状況でございます。
 選挙におきましては、そうした経過も踏まえて、たしか選挙の公約では非自民の連立政権をつくろう、政権交代を実現して政治改革の第一歩をつくり上げようということを主張しながら、選挙制度の問題といたしましては、比例代表を中心とした抜本的な選挙制度の改革ということを腐敗防止策とともに主張しておったところでございます。
 先ほどの総理のお話にもございましたけれども、そうした選挙が終わり、国民の審判を受けとめた中で、新党、さきがけの方から政治改革政権をつくろう、こういう提唱が出てきたところでございます。これが六月の二十七日だったと思いますけれども、要点は三つの柱、一つは二百五十、二百五十の並立制、第二番目の問題は腐敗防止、連座制の拡大と罰則の強化、第三番目は政治資金の透明化を図り、税額控除制度及び政党に対する公的助成を導入することによって企業・団体献金の廃止に踏み出そう、この三つの提案に同意したものと連立政権をつくる、こうした呼びかけにこたえて私たちはこれに賛同したところでございます。
 私たちは選挙の審判、私たちはというのは当時の立場でございますので、当時の社会党はということが正確でございますが、そうした中で国民の審判を受けて、非自民の連立政権を掲げて選挙を戦った責任と、政権交代を求め政治改革の実現を要求する国民の皆さんの声を大義として、私たちは従来の政策を変更してこれに同調をし、連立政権樹立に決断をしたところでございます。
 以上が全体の経過でございます。
#248
○鎌田要人君 こういうことを申し上げるのは非常に言いにくいんですが、あなたあるいはあなたのほかの社会党籍を有せられる国務大臣の皆さん方に接するたびに私が思うことはこの点なんです。
 といいますのは、皆さん方は小選挙区には絶対反対だったはずです。それから、比例代表でもこの並立制じゃなくて併用制の方に皆さん方は重点を置いておられたはずです。私が伺った範囲では、社会党の皆さんは今日のような選挙制度とはまさに地球の表と裏ぐらいの径庭のある選挙制度を推しておられたはずです。私はあえて嫌がらせと受け取られたかもしれませんが、それでこのことをだめを押したんです。これは私は、社会党の皆さんにとってみれば国民に対する重大な背信行為だと思いますよ。どうですか。
#249
○国務大臣(山花貞夫君) 選挙の公約の最大のテーマは、腐敗した政治を変えるべきである、こうした国民の政権交代を求める声であったと受けとめておりました。そしてその国民の声を大義として私たちは選択をしたところでございます。
 なお、私が申し上げました経過のすべてにつきましては、きちんと党の大会を招集し、党の大会に諮り、従来は連用制あるいは連用修正というところまで議論をしたけれども、政権交代を行って、今回は、私たちの気持ちからするならばなおちゅうちょはもちろんあったわけですけれども、政権交代を実現するために小選挙区比例並立、新党さきがけの提案をのんで、これから新しい連合の時代、連立の時代に私たちの存在価値というものをいかに示していこうかということを運動方針として出しまして、そのことについて大会決定も行ったところでございます。
 そうした民主的な議論を踏まえて政策の変更を政党として行ってきたところでございまして、全体は国民の声というものに重きを置いて政党がそのことを大義としたというのが経過でございまして、背信ということは当たらない、私はこう考えております。
#250
○鎌田要人君 どう理屈をつけられても背信であることは間違いない。私も国民の一人でありますから申し上げます。それは、あなたはおかしいですよ。まあ、この程度にとどめておきましょう。
 その次の問題として、特にこれは総理にお伺いしたいのでありますが、比例代表制についてはその選挙単位が全国一本となっておりまして、こうなりますと、現行参議院の比例代表制と全く同一の単位となるのでありますが、この点についての御説明をお伺いしたいのであります。
#251
○国務大臣(細川護煕君) 比例制度という趣旨を徹底するために全国単位ということにしているわけでございますが、重複立候補のこともそうでございますし、名簿の登載者のこともそうでございますし、幾つかの点で現行の参議院の制度とは異なっているというふうに考えております。(発言する者あり)
#252
○鎌田要人君 今こちらの方から声が出ておりますが、全国区の比例代表制、どう強弁をされましても参議院と同じ制度なんですよ。本質的には同じ制度なんです。それをどうして、立法制度としてある、参議院の制度があるのを右に見ながら衆議院についてこれを入れようとされるのか、そこのところを納得のいく説明をお伺いしたいんです。
#253
○国務大臣(山花貞夫君) 若干総理の前に法案提出者の立場として答弁させていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたとおり、さきの通常国会におきましてはそれぞれ与野党が法案を出しましたけれども、残念ながらあれだけ大きな世論を背景として廃案となりました。そうした中で、何としても実現可能な提案をしなければならない。こうしたことを前提として、先ほど御報告した経過を踏まえて小選挙区比例並立。当時は二百五十、二百五十という選択でありましたけれども、二つの主張、一方における比例代表、一方における党議決定された単純小選挙区、その双方をにらんだ中で歩み寄った結論が比例代表二百五十、そして小選挙区二百五十、こうした結論だったと私は振り返りまして思っています。
 そうなってくると、比例代表の選挙のシステムをどうするか。それぞれがそれぞれの特徴を生かし相補うものでなければならないと考えた場合、比例代表は民意を反映する、そのことに最も重点を置いて仕組みを考えなければならないのではなかろうかと思いますし、そう考えました。
 そうして、その選挙区の範囲につきましては、都道府県の案ありブロックあり、そして全国一本ありましたけれども、一方において小選挙区制をとりいわゆる民意の集約という言葉に代表される選挙のシステムであるとするならば、一方においては民意の反映を一番よくすることができるとだれもが考えることができるこの全国比例単位ということを選択した次第でございまして、その意味におきましては、そうした選挙制度全体の構造の中から比例部分につきましては全国でお願いをして民意を反映したい、このような経過でございます。
#254
○鎌田要人君 衆議院の選挙制度の改正としてあなたが比例代表を全国一本で入れましたと。その趣旨はわかるんです。問題は、その前に実定法の制度としまして参議院に比例選挙制がありますよと。いろいろ細かいことをおっしゃっておられますが、抹消的な議論でありますからそれはおきます。本質的な議論は比例代表制であることは間違いない。
 そこで、参議院というものがある二院制のもとで、どうしてあなたの方が衆議院についてだけ、何か衆議院一院制、あなた一院制論者ですか、私はあなたの今の話を聞いておりますと、細川さんと同じようにあなたも一院制論者じゃないかと私には印象づけられましたが、そこのところを聞いているんですよ。衆議院がどうだということはどうでもいいんです。どうでもいいと言ってはいけないが、参議院の実定制度を前に置いてこれがいいんだとおっしゃるその理由をあなたに伺いたいんです。参議院を配慮して、参議院のことも視野に置いてあなたのお答えをお願いしたいと思います。
 以上です。
#255
○国務大臣(山花貞夫君) もちろん、憲法の二院制ということを最大限尊重する、こういう立場でございますし、そのことを念頭に置いて今回も法案提出の作業に携わったつもりでございます。
 御指摘のとおり、比例選挙という部分、その部分だけをとらえますと同じではないかという御指摘になるかもしれませんけれども、全体の構成というものは異なる制度の仕組みになっている、こういうように理解をしております。
 先ほど総理が答弁いたしましたとおり、今回の選挙制度改革の部分の最大のポイントは、個人本位の選挙から政権を争う政党間の政策の選択を求める政党中心の選挙である、これが今度の抜本的な改革の焦点となっているところでございまして、その意味におきまして、政党の裁量権を認めた重複立候補の制度、あるいは政党が名簿登載者という形で候補を出す制度等はもちろんのこと、従来からありました参議院の制度における任期の問題、解散権の問題、半数改選の問題等々を全体としてごらんになっていただけるならば、制度として異なった制度ということについては明らかだと思っているところでございます。
 そして同時に、そのこととの関係で、では一体参議院が憲法の想定するよりよき二院制ということを実現するためには、あるいは二院制の趣旨をより以上生かすためにはどうかということにつきましては当然議論が出てくるものと、こう承知をしているところでございまして、まずはこうした意味におきまして政治改革の全体の経過、一言で全体の経過と申し上げましたけれども、振り返る中で衆議院の制度についてこうした提案をさせていただいて、個人本位の選挙から腐敗防止の施策をも含めた四法一体とした新しい制度をつくり、そしてそういう制度をつくることを前提としながら、また参議院におきましてもそのことを生かす新しい制度について御検討いただくというのが全体の流れであると、こういうように理解をしてきているところでございます。
#256
○鎌田要人君 私は今あなたの御答弁を聞いておりまして、本当にかわいそうだと思いますよ。参議院に今ある制度との差をどうして浮き立たせて答えようかということであなたは苦労しておられますね。だけれども、どんなに苦労されても、参議院の制度に今あるこの比例選挙というものと衆議院選挙の比例選挙と本質的に同じなんですよ。全く同じですよ、全く同じです。
 違うということをあなたはおっしゃりたいのなら、具体的におっしゃってください。お願いします。
#257
○国務大臣(山花貞夫君) 全く同じたとは考えておりません。違う点につきましては先ほど申し上げたとおりでございますので、重複いたしますか
ら省略いたしたいと思います。
#258
○鎌田要人君 今違うところを具体的に申し上げましたと言われるんですが、どこが違うのか、それじゃもう一遍おっしゃってください。
#259
○国務大臣(山花貞夫君) 重複になりますけれども、もう一遍お答えさせていただきます。
 制度が全く同じという御指摘でございますけれども、そうではないということで先ほど挙げましたのは、今回は衆議院の制度を政策本位の選挙制度に改めるということを中心として、政党の裁量権を認め重複立候補を認めていること、また、参議院の場合には今までは確認団体その他という格好で候補を出しておりましたけれども、政党所属の者について政党が名簿登載者を決めるということ、これも参議院とは違っております。(「同じじゃないか、参議院のと同じじゃないか」と呼ぶ者あり老いや、参議院の場合には政党に所属していない方につきましても名簿登載者とすることができるわけでありまして……
#260
○委員長(本岡昭次君) 大臣、不規則発言には構わないでください。
#261
○国務大臣(山花貞夫君) はい、失礼いたしました。
 また、従来からの根本的な違いは、任期六年制ということ、三年ごとの改選ということだと思います。解散権がございません。したがって、これは、国民の民意をどう反映するかということにつきまして、参議院の場合には三年ごとに確実に民意反映のための選挙が行われるということでございますが、衆議院におきましては解散権の行使ということから、その点について全くそういうこととは違った格好になっているわけでございます。そうした任期の関係その他から考えれば、制度としては私は違っている、こういうように考えているところでございます。
 確かに、全国区比例ということだけをとらえれば同じではないかということについては御指摘の部分もあるかもしれませんけれども、しかし、そうした今度の変革を通じて、両院制について参議院が一体これからよりよき方向についてどうするかということにつきましては十分これから議論をしていくべきテーマだと、こういうように考えているところでございます。
#262
○鎌田要人君 何遍伺いましてもあなたのおっしゃる理屈は――ここで聞いている人たちがみんなぶうぶう言っているでしょう。これは故意に言っているんじゃないんですよ。あなたのおっしゃっていることはむちゃくちゃなことをおっしゃっているんですよ。私は、あなたの理由づけというのは全然……(「党利党略だ」と呼ぶ者あり)党利党略じゃない。党利党略じゃないんです。(「日本のためだ」と呼ぶ者あり)日本のために、そのとおりだよ。
 でありますから、あなたのおっしゃる、特に解散が一方はある、一方はないからねということなんか理屈のりの字にもならないですよ。これはあなたは弁護士さんで選挙法にお詳しいかもしれませんが、選挙法のイロハの常識を私は疑いますね。違いますよ。この比例代表が衆議院と参議院とに全国区があるということの矛盾をあなたはおわかりになっていて強引に覆い隠そうとしておられる、その理由しか私は理解ができません。
#263
○委員長(本岡昭次君) それでどうなんですか。
#264
○鎌田要人君 それはおかしいよ。おかしいよ。
#265
○委員長(本岡昭次君) いやいや、おかしいと言ったって、すれ違いです。質問をしてください。質問をしてください。
#266
○鎌田要人君 いや、質問はできないですよ。質問はできない。
#267
○委員長(本岡昭次君) 質問をしてください。座られたらだめじゃないですか。質問をしてください。
#268
○鎌田要人君 おかしいよ。
#269
○委員長(本岡昭次君) 質問をしてください。
#270
○鎌田要人君 おかしい。
#271
○委員長(本岡昭次君) 質問をしてください。
#272
○鎌田要人君 もう一遍答弁を求めます、それでは。
#273
○国務大臣(山花貞夫君) わからぬとおっしゃいますけれども、やっぱり一言で言って見解の違いということになるのではないでしょうか。私は、その意味におきまして法案提案理由以来一貫して以上のようにお答えしてきているところでございまして、そのことについて確かに見解の違いということはあるかもしれません。
 今回の自民党、野党がまとめられた参議院の選挙制度についても勉強させていただいておりますけれども、これは衆議院の制度との関連においていろいろ御検討されているところがおありになった、こういうように考えております。その部分ではやっぱりお互いに見解の違いという点はあるんじゃなかろうかと思いますけれども、そういう点を議論として闘わせる中でよりよき制度を求めていくというのが本来求められる姿勢ではなかろうかと思っております。
#274
○鎌田要人君 それではお伺いしますが、重複立候補の問題がどうしてここで出てくるのかということなんです。
 これは、総理にこの前お伺いしたときも総理がそれをおっしゃりかけたから、私は、ああこれは総理は御存じないからこういうことをおっしゃるんだろうと思って、それ以上は追及しなかったんです。ところが、あなたは今所管大臣として重複立候補の問題をここで出してこられるが、重複立候補の問題が比例代表制の問題とどう関係するんですか。そこが私はどうしてもわからない。比例代表制があるから、それで一方は重複立候補があるから、それで両立できるんだ、この理屈がどうしてもわからないんです。
 そこをおっしゃってください。それをお願いします。
#275
○国務大臣(山花貞夫君) 比例代表につきましては、参議院におきましても従来から政党が名簿登載者を決めるという意味におきまして政党の裁量権というものが認められてまいりました。
 今回、衆議院の制度につきましても、先ほど来申し上げておりますとおり、政策中心の政党本位の選挙を行うという意味におきまして四法全体そういう仕組みになっておるわけでありますけれども、政党中心の選挙のシステム、政党助成もそのとおりだと思っております。そういう中で、政党の裁量権を認めるということから、それぞれの政党が重複立候補を認めることによって政党の裁量の中で議院に送り出したいという人に順位をつけましてこれを立候補させる、こういうシステムでございます。
 これは、今、いろんな制度が振り返ればあると思います。例えば、かつて社会党が公明党とともに法案を提出いたしました小選挙区の併用制の場合にも比例区の場合と選挙区の場合、やっぱりそういう意味におきましては重複的な形をとっておったわけであります。政党の裁量権ということになれば、この重複立候補の問題については当然、当然といいますか、認められるべき問題ではなかろうかと思っているところでございます。
#276
○鎌田要人君 重複立候補の問題というのは、そういう理屈づけで行われるべき問題ではないんです。重複立候補の問題は、それがあるから衆議院の全国区と参議院の全国区とあっていいんだというそんなめちゃな理屈がありますか。(「それはおかしい」と呼ぶ者あり)それはおかしいという意見がこの辺でありますが、それは全くおかしいんです。(「おかしくない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)おかしいんだよ。
 不規則発言には応じませんが、その点をもう一遍答えてください。
#277
○国務大臣(山花貞夫君) 一言で申しますと、繰り返し重複いたしますけれども、政党の裁量権を認め、そしてよりよい候補を出すことができるためにということで重複立候補の制度を設けているところでございます。これがけしからぬというのは、やっぱり見解の違いということ以外にないんじゃなかろうかと思っております。
#278
○鎌田要人君 それがけしからぬと言っているんじゃないんですよ。その重複立候補の制度があるから参議院と衆議院と両方に比例代表はあっても
いいんだという暴論をあなたがされるから、おかしいと言っているんです。それを私は言っているわけで、もう一遍御回答をお願いします。
#279
○国務大臣(山花貞夫君) 両制度の違いを数え上げてみろと、こういう御指摘であったものですから、違いの一つとして申し上げたところでございます。
#280
○鎌田要人君 私は実にあなたはひきょうだと思います。あなたはひきょうだ。(発言する者多し)いや、黙って聞け、黙って聞け。私は重複立候補の問題を……(「ひきょうというのはよくない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)じゃ、それは取り消す、それは取り消すが、(発言する者多し)静かにして。重複立候補の問題を……
#281
○委員長(本岡昭次君) 不規則発言は慎んでください。
#282
○鎌田要人君 両方の制度が違うという、比例代表制が両院にあっていいという理由の一つに重複立候補をおっしゃることは間違いですよということを私は口をきわめて言っているわけです。そこをどうしてもあなたはおわかりにならない。わかろうとされない。わかろうとされないのは、あなたはこの提案をしておられるから何が何でも両院を通さなきゃいかぬと、その使命感に燃えておっしゃっておられるんだろうと私は善意に解釈いたします。しかしながら、この点は絶対におかしいと私は思います。
#283
○国務大臣(山花貞夫君) 今おかしいと御指摘でしたけれども、私はおかしくないと思っているわけでありまして、これはもう見解の相違と言わざるを得ない、こういうように思います。
 しかし、そうした議論をお互い闘わせることによって、もし重複立候補の制度についてこうやるべきである、こういう御議論があるならばそれはまたお聞かせいただきたい、こういうように思います。
#284
○鎌田要人君 重複立候補の問題を私はここで議論しているんじゃないんですよ。あなたは問題をすりかえようとしておられる。重複立候補があることで衆議院の比例代表制が全国であってもいいんだとおっしゃるから、それはおかしいんじゃありませんかということを申し上げているわけです。
#285
○国務大臣(山花貞夫君) 重複立候補の制度があるから衆議院に全国比例代表をとるのはよろしいんだと、もしそういう私の答弁だとお受けとめいただいたとするならば私が舌足らずであったと思いますけれども、そういう意味で言っているわけではありません。
 両方の制度の違いが幾つかあるかということの中で、例えばこれが例えばこれがということの一つとして重複立候補の問題を取り上げたわけでありまして、比例代表を全国を単位として並立制、比例の部分についてこれを行うということについてはまたほかの理由があることはもちろんでございます。それは幅広く民意を反映するためにベストの選挙の仕組みである、こういうように考えて衆議院に比例代表を採用したわけでありまして、御質問にありましたとおり、重複立候補をやるから比例は全国にしたということでは決してないということについてもし説明不足でしたら、改めてお答えさせていただいた次第です。
#286
○鎌田要人君 私が言いたいのは、選挙制度というのは、いみじくもあなたがおっしゃったように、両院制をとっておりますときは衆議院と参議院と選挙制度が違わなければおかしいと私は思います。でなければ、よく言われるように、両院制というのはむだか、そうでなければ不必要かということになるわけですからね。
 でありますから、衆議院でこの選挙制度をつくられるときには参議院の制度とは違った制度をつくられるべきだと、簡単明瞭なことを言っているんです。それをあなたの方はわざわざ参議院の制度と同じものを衆議院にもつくろうとしている。そこを私はついているんです。それをお答えください。
#287
○国務大臣(山花貞夫君) わざわざ参議院の制度と同じものをつくろうとした、こういう気持ちは毛頭ございません。先生のそうした御指摘をもし受けるとするならば、説明が不足なのかもしれません。
 かねてから申し上げましたとおり、これまでの長い与野党の議論あるいは八次審の議論、そして与野党の交渉の経過等を踏まえながら、衆議院において実現可能な選挙制度ということを考える中、さきに経過御報告した新党、さきがけの具体的な提案ということに合意をしてスタートしたわけでありますので、小選挙区比例並立制、このことにつきましてはそうした経過の上に選択したものでございます。わざわざ参議院と同じようなものをつくるという気持ちは毛頭ございませんことにつきましては、重ねて申し上げておく次第でございます。
#288
○鎌田要人君 この議論を何日やっても、この答弁じゃ同じことですな。
 でありますから、私は一応この答弁を整理する意味で、それじゃ委員長にお願いします。私の意見と大臣の御意見とどっちが正しいか、委員長の直属でひとつまとめてください。
#289
○委員長(本岡昭次君) 私がここで見解を申し上げてもよろしいですか。
 私は、今の鎌田委員と山花大臣の議論を興味深く聞かせていただきました、これは参議院の問題でありますから。
 そこで、比例制というものが双方にあって、参議院に先にあるものを衆議院が後から同じものを持ってくるなど、こうおっしゃっている。それで、同じか違うのかという議論を今繰り返されているわけです。
 それで、同じというのは何をもって同じとするのか、何をもって違うとするのかという問題の中で、比例という制度の中で、参議院の場合、私は選挙区を戦いますが、私が選挙に破れて惜敗率で比例の方で当選するという選択肢は一切ないわけなんです。私は、選挙区で敗北すればそれで終わりなんです。
 ところが、衆議院の比例は、小選挙区で戦った人が、ある一つの層が十人なり二十人なり、場合によっては百人もそこに重層的にランクをされまして、同位順位に一番とか二番とか五番とか、そしてそれは惜敗率によって順次当選が決まっていく。中には、惜敗率が悪くて当選できない人もそこに生まれてくるということは、違いの中身が大きいか小さいか知りませんが、少なくとも衆議院の今採用されるものと参議院の比例とは違うんだろうと私は判断をいたします。
 正しいとか正しくないじゃなくて、違いがあるのかないのかというと、私はそういう点で明らかに違うと思います。
 以上です。(「名委員長」と呼ぶ者あり)
#290
○鎌田要人君 今こちらから名委員長というやじもありましたが、申しわけありませんが私は名委員長と思わないんです。
 というのは、あなたのおっしゃる惜敗率の問題なんというのは、その属性の一つですよ。本質的に比例代表制というのは、衆参両院にほぼ同じようなものとしてあることがいいのかどうかということを私は問題にしているんです。あなた、そこを間違えちゃ困りますよ。
#291
○委員長(本岡昭次君) いや、間違っていないですよ。これはもう仕方がないでしょう。どちらが正しいかじゃなくて、違いがあるかないかといいますと、私は違いがあるでしょうということを申し上げたわけですよ。わかっています。(「議事整理がなっていない」と呼ぶ者あり)
 鎌田委員、あなたの要望にこたえて私は議事整理をさせていただいたつもりであります。違いがあるのかないのかという質問が来ましたから、私は違いがあるでしょうと。それで、あなたは違いがないとおっしゃるが、ひとつそういう議事整理でもって次の質問をやってください。
#292
○鎌田要人君 今、私が委員長に発言を求めましたので、それでは私の責任でこれはおさめます。
 そこで、衆議院と参議院の二院制をとっております以上、本来その選挙制度は全く異なるものとすることが必要だということを私は強調して申し
上げたわけです。それに対する二院制のもとでの比例代表制の、私の意見をもってすれば、空たる属性をもってこれが違うあそこが違う、これは理屈になりませんということだけ申し上げまして、私は次の質問に移ります。
 自民党は、今般の衆議院選挙制度の改革に当たりましては、まず議員定数を四百七十一名ということでこの数を減らしました。これは議員の職責にかんがみまして、いたずらに数をふやすことが議会制度の本旨ではないということで議員の定数を減らすと同時に、文字どおり選挙制度の中で比例代表選挙は補完的なものという意味でその選挙の定数を少なくしました。それから、選挙の単位を都道府県単位とすることによりまして一つの特色を出した。それと、一票制によることとしたわけであります。このように自民党案では、衆議院の小選挙区制並びに比例代表制の並立制を導入した場合でも、参議院の選挙制度との特異性を意識して強調しております。
 これに対しまして、政府・与党案はこの点の配慮が皆無であると思いますが、いかがでございましょうか。総理にお伺いいたします。
#293
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘の総定数四百七十一、一票制、そして比例区の選挙の単位の問題は、衆議院の段階におきましても自民党の提案の御主張として十分承り、議論をしたところでございます。
 政府案につきましても、今御指摘の総定数の問題につきましては五百十一から五百人ということでやはり減になっております。諸外国の例を見ましても、あるいはこれまでの日本の選挙の定数の歴史ということを振り返りましても、穏当な数字ではなかろうかと思っておりますし、これはこれまでの幾度かの最近の提案におきましても五百という数字があったわけでありまして、決して減を無視しているということではなかったかと思います。
 また、その点におきまして、衆議院段階における自民党の提案は単純小選挙区ではなかったけれども、三百、百七十一、あくまでも民意集約の三百の小選挙区に重点を置き、比例部分についてはその補完という位置づけではなかったかと思っているところでございまして、その根本の立論のスタートが違っておったのではなかろうかと思います。それが一票制、二票制ということにも違いが出てきたのではなかろうかと思っているところでございます。
 そうした中では、一票制、二票制の問題につきましても、衆議院段階で十分議論いたしましたが、二つの選挙制度というものを並立させている、こうした形からするならば、これまでの国会における議論からいたしましてもやはり二票制というものが妥当ではなかろうかと考えて、政府案をベストと考えて提案した次第でございますし、最後の比例の単位の取り方につきましても、先ほど申し上げました、この単純小選挙区制ではないけれども、やっぱり民意集約の小選挙区部分に重点を置くという考え方からいたしますと、比例部分についてはその補完として考えるならば地域における県単位がよろしいのではなかろうか、これが自民党の主張ではなかったかと、こういうように理解をしているところでございます。
 しかし、この点につきましては、先ほど来申し上げました小選挙区部分と比例部分のそれぞれの特徴を生かして相補完する選挙の体制として、スタート二百五十、二百五十、今日は二百二十六そして二百七十四と修正されましたけれども、そうした制度として今回全体をとらえて提案させていただいた次第でございまして、先生御指摘の点について配慮しなかったということではなく、十分議論をした中で提案をさせていただき、なお衆議院でも自民党案につきましても並行させて議論させていただいた中で今日参議院で議論していただいている、こういうことでございます。
 御主張としては、その御主張の立論の姿勢、その前提からするならば先生の御主張については十分わかりますけれども、政府案としては以上申し上げた経過でこれを提案している次第でございますので、その点につきましては、先ほどの議論と重なりますが、若干意見の基本的な部分の対立というものを引きずっていると申しましょうか、そこから見解の違いというものが出てきているのではなかろうか、こういうように受けとめているところでございます。
 ただ、先生御指摘の点については、考えなかったということではなく、十分検討した上で今回提案をさせていただいているということにつきましてはぜひ御理解をいただきたい、こういうように思います。
#294
○国務大臣(細川護煕君) 山花大臣から丁寧な御答弁がありましたので、もうそれに尽きております。
 今お話がございましたように、今までの自民党の考え方というものも十分踏まえながら念頭に置きながら政府案というものをまとめさせていただいた、今までの長い間の御議論というものが収れんして今日の政府案になっているということでございますから、ぜひひとつその点につきましては御理解をいただきたい、こう思います。
#295
○鎌田要人君 御丁重な御答弁でありますが、いただけません。
 といいますのは、衆議院も参議院も二票制なんですよ。衆議院も参議院も二票制なんです。これをどういうふうに説明されますか。選挙担当大臣、お願いします。
#296
○国務大臣(山花貞夫君) 二票制にしたということは、小選挙区並立制を採用したことから二票制にしたということでございまして、全体の選挙制度の仕組みということを考えれば、今回は一方において比例、一方において小選挙区、こうした形のいわばその意味におきましては異なった代表選出のシステムでありますから当然二票制がよろしい、こういう結論になった次第でございまして、こうした考え方につきましては、かねてからの並立制の主張の場合にはそういう提案だったのではなかったかと、こういうように理解しているところでございます。
 今回の自民党の御主張が一票制、こういうふうに踏み切られたと思っておりますけれども、従来は二票制ということがいろいろな考え方の上で正しいと、こういうことで今日に至っていると思います。
#297
○鎌田要人君 自民党がどうだったこうだったという御意見の前に、私はこの制度ができ上がった姿を見て判断すべきだと思うんです。
 衆議院の方は二票制で二百七十四と二百二十六ですか、参議院の方は二百二十五のうちの百が比例代表、しかも同じように二票制ですね。このこういう姿が一国の選挙制度として妥当かどうかということに、私はどうしてもその点に疑問がいってしまうんです。そこのところはあなたの方は、衆議院はこれでいきますよ、参議院はどういうことをお考えなのか、参議院は参議院でみんなで議論していい案を持ってこい、こういうことなんですか、そこのところをちょっとお伺いしたいと思います。
#298
○国務大臣(山花貞夫君) 先生の御質問、前段と後段あったと思うんですけれども、前段の一票制、二票制の問題につきましては、全体の選挙制度についての御質問の中でその部分だけを取り出すのはどうかと思いますけれども、一票制、二票制ということについてのいろいろな法律的な問題点につきましては、衆議院段階でかなり議論された中で二票制と、こうした経過もございます。その部分につきましてはその部分として、全体の選挙のシステムとは別に一票制の長所欠陥、二票制の長所欠陥と申しますか、そうしたことについてそれぞれ議論があったことについてちょっと冒頭触れておきたいと思います。
 後段の問題につきましては、幾度が御指摘をいただいているわけでありますけれども、これから参議院の制度については一体どうするのかということにつきましては、これまた衆議院の制度だけではなく参議院の制度改革についても長年の議論があったことについては承知をしております。自民党が与党の時代に幾度かの小委員会が持たれ、
あるいは専門的な意見がたくさん出されまして、そのことについて提案などがあったという経過についても勉強させていただいているところでございます。また、昨年一年間、与野党の議論、そして自民党におきましては大変御苦労されて提案をまとめられたということについても承知をしているところでございます。
 そうした提案、立法府の問題、そして参議院の選挙制度の問題ですから、参議院の側での皆様の御議論というものもこれから十分拝聴させていただいて、そして政府としても態度を決めるというのが従来の答弁でございます。
 確かに流れとするならば衆議院を光やって参議院、こういうことでございますけれども、これはこれまでの長い議論の経過がございまして、そういう長い議論の経過を十分踏まえた中で抜本的な政治改革を何としても実現するまず第一歩ということで、選挙制度の問題について衆議院から四法という格好でまとめて出させていただいた次第でございまして、もちろんこれで政治改革は終わりということではございません。第二弾、第三弾、これからさまざまな論点を含めてまた御議論いただく部分が残っていると思います。その最大のテーマが参議院制度の問題であると私たちも承知をしているところでございます。
#299
○鎌田要人君 参議院制度が私は非常に軽く扱われておるという感じを持っているんです。それは皆さんの提案の態度がそうですね。それから、皆さんの提案の根源になった選挙制度審議会の参議院の選挙制度の部分がまことに簡単なんですよね。それを私は実は総理にお伺いしたいと思うんです。
 あの選挙制度審議会の第八次の答申をお読みになられたと思うんです。第八次の中で衆議院の方は懇切丁寧にこんなに厚く言っていますが、参議院の方はペらっと、それでしかも結論は出していないんですよ。参議院の制度については、私どもがあれを見まして受ける感じは、ああ、これは参議院については、まずあの副会長さんははっきり私の前で、私は一院制論者ですからねということをおっしゃったんです。でありますから、私はずっとあなたにもまた選挙担当の大臣にも一院制論者じゃないかということをお伺いしましたのは、それがやはり気持ちにあるからなんです。
 あの答申をお読みになられたと思いますが、その点をどういうふうにお考えになっておられますか、お伺いしたいと思います。
#300
○国務大臣(細川護煕君) 山花大臣からお答えがあったとおりだと私は思っております。今までの長い間の御論議の収れんしたもの、その形として出てきたのがまず衆議院から手をつけるというところであったというふうに理解をしているわけでございまして、選挙制度審議会における御論議も、私はその論議の過程は承知しておりませんが、今お話に出たその最終的なペーパーを見ただけでございますけれども、その御論議の過程でも、恐らくまず衆議院からやるべしという御論議がその中であったのではないかなということを私もあのペーパーを見て感じているわけでございます。
 参議院の改革というものが、選挙制度のあり方というものが大きなテーマであるということはこれはもう申し上げるまでもないことでございまして、私も、さっきから申し上げますように一院制論者ではございませんから、そういう意味で、引き続き参議院の選挙制度のあり方につきましても十分御論議を煮詰めていただいて、早く参議院の選挙制度の問題につきましても法案が提出され審議が始められるような状況になればいいなと願っているわけでございます。
#301
○鎌田要人君 私に与えられました時間はあと五分になりました。
 参議院は良識の麻といたしまして衆議院に対する抑制、均衡、補完の役割を果たし、その独自性を発揮し得るよう、その議員の選出に当たりましても、都道府県単位の選挙区と全国比例代表制との二者をもって構成しておることとしております。このことをぜひ念頭に置かれまして、制度改正を衆議院の方からやられるときも参議院のことを常に念頭に置いてやっていただきたい。これで一応この問題については終わります。
 そこで、次に選挙制度。
 本来、衆参両院と地方議会の選挙、これを一体一連のものとして、それぞれの特性を生かし、かつそれぞれの整合性をもって組み立てられなければならないと思っております。そういう意味で、この衆議院の選挙制度を考える場合に、参議院の選挙制度はもちろん、地方議会の選挙制度についても十分な配慮をしていただき取り上げていただくことが必要だと思うのでありますが、その点につきましての総理の率直な御意見、特に地方議会制度のあり方につきまして御意見をお伺いいたしたいと思います。
#302
○国務大臣(佐藤観樹君) 鎌田委員言われますように、地方の選挙制度のあり方と国の選挙制度のあり方の整合性というそちらの整合性も大事かと思うのでございますが、もう委員に言うまでもなく、地方議会の場合にはいわば首長さんというのは大統領制のように直接選挙になっているということもございますし、また背景といたしまして、これから地方分権という中で地方自治体がどういうスタイルであるべきか、あるいは政党とのかかわり合いはどうあるべきか、あるいは選挙制度自身も中選挙区制に、と言ってもいいんだと思いますが、議員の場合にはなっているわけです。
 そういった意味で、総合的にこれから考えていかなきゃならぬというふうに思っているわけでございますが、ただ国との整合性だけの観点ではなくて、幅広くいろいろな議論をしていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
#303
○国務大臣(細川護煕君) 今の佐藤大臣の御答弁に大体尽きていると思います。
 先ほども関根委員のお尋ねにもお答えをしたことでございますが、地方の選挙制度のあり方、あるいはまた地方制度そのものについての考え方ももう少し整理をしていく必要もございましょうし、あるいはまた地方政治と国の制度とのあり方、政党とのかかわり方、そういった点についても、まさに今のお話のように総合的な観点からよく詰めていかなければならない点がたくさんあるのではないかと思っております。
 そうした点についてまで今回一挙に詰めてというところまでいかなかったことは、確かにおっしゃるとおりでございまして、今後この点につきまして総合的な観点から慎重な検討が必要であろうというふうに考えております。
#304
○鎌田要人君 あと一分でありますが、最後に一問だけお伺いをいたします。
 新たに制定されようとしております政党への公費助成の問題であります。
 これにつきましては、一部の既成政党に従来の実績を超えた巨額の資金を提供する結果になることを恐れます。それから、また反面、無所属の多い地方議員、新たに結社をつくって国政に進出しようとする勢力、これにとっては厳しい選挙戦を強いる結果となることを恐れます。
 選挙の公正ということを維持する見地からも反省を望む者の一人といたしまして、これらの点についてどう考えるかをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#305
○国務大臣(山花貞夫君) 政党助成の問題につきましては、提案理由あるいは法文上も明確に打ち出しているところでございますけれども、その法律だけではなく四法一体の全体の政治改革の一つの柱、こういうように位置づけているところでございます。
 そうした観点では、先生御指摘の問題も確かに重く受けとめているところでありますけれども、大切な国民の税金をもって政党本位の選挙ということから、政党の財政の健全化の一助にしよう、こういうものでありますだけに配分についても客観的な基準でなければいけない、こうしたことから客観的な基準に基づいて配分することになっているわけであります。
 また、後段御指摘の問題につきましても、企業・団体献金禁止に大きく踏み出したい。最近の
政治状況、新聞でも連日ゼネコンの問題が報道されている今日の事態の中で、そうした意味では選挙制度も変える。選挙だけではなく、日常の政治活動に使用される政治資金のお金を集めるシステムを新しくしていこう、そうしてきれいな政治を実現していこう、こういうことに対しての提案でございますので、ぜひ御理解をいただきますようお願い申し上げる次第でございます。
#306
○鎌田要人君 終わります。(拍手)
#307
○吉川春子君 まず、総理にきのうの答弁との関係でお伺いいたします。
 総理は、昨日、我が党の有働議員の質問に対して、政治的、社会的状況が異なる、小選挙区制導入時の過去のことは検証していない、過去は過去、今は今という御答弁でした。私は、これはもう大変何という態度だという感じを受けました。民主主義の根幹にかかわるこれほど重要な選挙制度の問題について、過去のことは検証していない、こういう発言はまじめな態度とは言えない。無責任な態度だと私は思います。
 日本では、歴史上、二回小選挙区制が導入されました。そして、その弊害が多くて、二回とももとの大選挙区制、中選挙区制に戻されています。今回、三回目の小選挙区制の導入をもくろんでおられるわけですけれども、その法案の提案者がこういう態度でいることはまことに無責任な態度だと思います。
 総理は、国会で選挙区と金の問題について戦前からの論議がいろいろと行われていたということを御存じないんでしょうか。
 これは具体的事実でお伺いした方がいいと思うんですが、大正十四年二月、二回目の小選挙区制を廃止して中選挙区制に移行する際に加藤高明首相は次のように述べています。
 今日ノ小選挙区制ヲ採用スル当時ニ於テ、時ノ
 内務大臣、今日ノ政友本党ノ総裁タル床次君ガ
 小選挙区制ヲ維持セラレル理由ト云フモノガ、
 爾来二回ノ総選挙ニ依ッテ悉ク裏切ラレテ居ル
 ト云フ事ヲバ指摘スレバ宜イノデアリマス。床
 次君ハ当時ノ速記録ヲ見マスト云フト、第一ニ
 ハ小選挙区制ハ費用ガ掛カラナイ、大選挙区制
 ハ費用ガ余計掛カルト云フコトヲ言ッテ居ル。
 是ハ全ク嘘デアリマス。今日ノ小選挙区制ノ下
 ニ於テ如何ニ多額ノ選挙費用ヲ要スルカ、如何
 ニ選挙界ニ於テ忌ムベキ不正行為ガ現レルカト
 云フコトハ諸君御承知ノ通リデアリマス
と述べていますが、こういうやりとりについては御存じありませんか。
#308
○国務大臣(細川護煕君) 昨日の御答弁で検証という言葉を使いました。これは確かに御指摘のように不適切であったかと思います。その点は改めさせていただきます。
 ただ、私が昨日申し上げました趣旨は、その当時とは社会経済情勢が違う、あるいは政治状況というものが違う、そういう中での制度というものと一概に比較をすることはいかがなものであろうか、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。
 現在の中選挙区制度というものは、昨今さまざまな政治腐敗の問題を起こしているわけでございますが、それは繰り返し申し上げておりますように、同士打ちであるとか、あるいはどうしても個人後援会中心の選挙になるとか、そういったことがさまざまな政治と金にまつわる問題を生み出している大きな原因になっている、それがやはり今日の政治の基本的な問題ではないかというふうに考えているわけでございます。
#309
○吉川春子君 政治的、社会的状況が違うというふうにおっしゃられましたけれども、今私が引用しました床次議員の大選挙区は金がかかり小選挙区制は金がかからないというこの論、この論はまさに総理が繰り返し委員会でもおっしゃっておられる、選挙運動費が多くかかる、同士打ちの弊害、そのために政治道徳上の及ぼす影響ははかり知れない、こういうことを言っているわけなんです。こういうことは戦前と同じ論を展開しながら、小選挙区制の弊害についてだけは社会的、政治的状況が違うんだということで否定する、これはちょっと説得力がないと思うわけです。
 自治大臣、伺いますけれども、私は自治省から内務省編の大正十四年の選挙費用に関する資料をいただいておりますが、大選挙区制のときと小選挙区制になったときとの選挙にかかった費用、どういう数字になっていますか、御報告いただきたいと思います。
#310
○国務大臣(佐藤観樹君) 大正四年のときが七千四百十円、これは一人当たりでございますけれども、大選挙区制でございます。大正六年のときは大選挙区制で八千七十三円、それから大正九年のときが小選挙区で二万六千四百七十三円、それから大正十三年が小選挙区制で二万六百四十七円ということになっております。これを明治三十三年を基準とする物価指数による換算額にしますと、大正四年が五千七百八十九円、大正六年が四千百六十一円、大正九年が七千百三十五円、大正十三年、これが七千八百五十円ということになっております。
 今、吉川委員がお読みになりましたものは、今申しましたように、大選挙区制と小選挙区制との比較において答弁をしていることでございまして、現在問題になっております中選挙区制と小選挙区制との比較で大正十四年の話はしているわけではないわけであります。
 しかも、大正十四年以前は、御承知のように、制限選挙でございますから、男性しか投票権を与えない、あるいは被選挙権を与えない、あるいは国税によるところの差別があるというようなことで、それをそのまま今の議論に当てはめるのは、総理からお話がありましたように、大きく社会情勢も変わっておりますし、それから七十年もたっておるわけでございますし、今度我々が提案をしておりますものは政党本位、政策本位ということで、罰則等も非常に厳しくしたりあるいは政党助成をしたりということで、これは中身と状況が全然違うと言って私はいいのではないかと思っております。
#311
○吉川春子君 私は数字だけ言っていただければよかったんです。
 つまり、大選挙区の中に中選挙区も概念として含まれますけれども、大臣が今言われました数字を見ても、小選挙区制になったときと大選挙区、選挙区が大きいときとでは三倍から四倍近い選挙費用の差があって、小選挙区制の方がそれだけたくさんの費用がかかっているということは内務省の資料でも明らかです。
 続いて伺いますけれども、昭和二十二年中選挙区制に変更する際に、衆議院では小沢佐重喜議員がいかに小選挙区制の弊害が多い選挙であったかという論を展開しております。この小沢佐重喜議員というのは小沢一郎氏のお父上であるそうでありまして、さすがに立派な論を展開しておられるわけです。
 まず、小選挙区制の欠陥の第一は、選挙区域が非常に狭小であって、その区域内の地方的人物のみが多く選出されて、中央政治界に活動する大人物が当選困難であったということ。
 欠陥の第二は、選挙抗争が非常に激烈になって、その結果は当然の事実であるところの情実と投票買収という点が横行することに相なった。
 第三は、今後はこの弊害はないかもしれないけれども、政府の官権乱用による干渉が非常に行われやすい。したがって常に政府党が大勝しておった、われわれの苦い経験の一つでありますと言っておられます。
 そして欠陥の第四は、議員の行動が常に地方的問題にのみ傾いて、ややともしますと中央の問題にはきわめて冷淡であるというような欠点を有しておった。
 以上の欠点というものはごく重立ったものだけを申し上げたのでありますけれども、そういう趣旨におきまして、私どもはこの小選挙区を再び繰り返すことのできないことは言うまでもないのであります。
 こういう論を展開していることを、総理、いかがお考えでしょうか。総理にお願いいたします。
#312
○国務大臣(細川護煕君) それは一つのそのとき
の時代認識というものを踏まえたお考えであったと思います。しかし、今の状況下でどういう制度がいいかということにつきましては、今までの御論議というものを踏まえて今回提案をしているような法案を出させていただいているわけでございます。
#313
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、吉川委員が読み上げられましたように、小沢佐重喜議員がそのように申していることは私たちも十分存じておるわけであります。
 ただ、我々がこれから目指しております選挙制度というのは、単に小選挙区制ということだけではなくて、小選挙区比例代表並立制ということで、政党を中心にしていこう、政策本位ということでございまして、戦前と比べてまず基盤が違うと私たちは思っております。
 それから、地方的人物のみが多く選出されるということでございますけれども、ある政党がそういう候補者ばかり立てて本当に政党あるいは議員個人、候補者に票が集まるだろうか。もっと識見の高い、幅広い人物を選定するでありましょう。
 それから二番目に言われました、選挙抗争が激烈になり情実と投票買収が横行するということについては、これが今ここまで問題になってしまったわけでございますから、私たちは先ほど申しましたように、小選挙区比例代表並立制ということで、個人同士の争いではなくて政党による政策の争いに変えていこうということに変えているわけであります。
 三番目の政府の官権乱用による干渉、これは今問題にならないと思います。
 四番目の、地方的問題にややもすると傾きがちではないかということでありますが、これはある意味では一番目の問題と同じように、政党は国会議員の候補者を出すときにはやはりそれだけの全国的な視野、識見を持った人を政党として出すわけでございますから、これも現時点では当たらないのではないか、こういうふうに考えております。
#314
○吉川春子君 小選挙区制の弊害の問題について、お金の問題についてだけきょう伺いますけれども、佐藤大臣、選挙抗争が非常に激烈になるとその結果買収等が行われる、こういうことについて、だから小選挙区制を導入するというのは変じゃないですか、小選挙区制はもうとれないということを私は指摘したので、同じ理由で、だから小選挙区制を導入するということは答えになっておりませんね。この点についてはどうなんですか。
#315
○国務大臣(佐藤観樹君) そこは、私が申し上げた表現の部分をとったわけでございまして、現行中選挙区制でも問題になっておりますように、選挙抗争が激烈になってお金がかかる。その際に、これは今日までの中選挙区制の中で政党によって実態はいろいろ違うと思うんです。
 羽田外務大臣、副総理からもたびたびかつての自民党の状況について、中選挙区制の場合には同士打ちが非常に多いということを言われたわけでございます。社会党という立場で言わせていただくならば、地域割りをしたり組織割りをしてお金がかからないようにして今日まで頑張ってきたというようなことがあるわけでございまして、そういった意味では、小選挙区におきましては、候補者は、与党なら与党として原則的に恐らく一名ということになりますと、同士打ち、同じ党内の中で争ってお金をかける、そういうことは非常に少なくなってくるし、政策本位ということになればそれは余り意味がなくなってくることになるわけでありますので、私たちは今度のことでそれは十分解消でき、腐敗を防止できる、こういうふうに考えております。
#316
○吉川春子君 同士打ちの問題は通告してありますので、この後聞きます。
 それで、要するに、今、佐藤大臣小選挙区制になればお金がかからなくなるであろうと期待を述べられたんですけれども、じゃ、小選挙区制になればお金がかからないんだという具体的な数字のデータはありますか。私は、さっきは、小選挙区制になるとこれだけ戦前でもお金がかかりましたよというデータを佐藤大臣から示していただきましたが、じゃ、かからなくなるんだという数字のデータを総理からぜひお示しいただきたいと思います。――佐藤さんでいいです。短くお願いします。
#317
○国務大臣(佐藤観樹君) データはございませんけれども、選挙区の面積も小さくなることでありますし、同士打ちというのがなくなるわけでございますから……
#318
○吉川春子君 同士打ちは後で聞きます。
#319
○国務大臣(佐藤観樹君) いや、それが大きな理由でございますので、私たちは、推測として考え得る制度としてはお金がかからなくなってくる、ただし政党の活動の中には、当然のものは、政策の宣伝その他はさらにかかる政党もあろうかと思いますが、個人の負担という意味においてはお金がかからなくなってくる、こういうふうに考えております。
#320
○吉川春子君 数字はお示しになれない、小選挙区制になればお金がかからなくなるであろうという推測だけで、かからなくなる、かからなくなるという宣伝は私は無責任だと思います。
 それで、続いて伺いますけれども、奄美群島出身の徳田虎雄議員が十二月一日に都内で行った講演の中で、いかにお金がかかったかということをお話しになっておりますわ。
 前回の総選挙までは、鹿児島一区に合区するまでは一人区の奄美群島区で、事実上の小選挙区制で毎回すさまじい金権選挙が繰り広げられてきたことは特別委員会でも何遍も議論になりました。徳田氏は、今回は奄美で使った十分の一で済んだ、そして、小選挙区制になったら暴力団でも盗人にでもだれにでも頭を下げなければならないところに問題がある、小選挙区制になるとみんなに手当てをしなければならない、大変な選挙になると。ある社会党議員が小選挙区制のもとでは今の三倍から五倍の選挙費用がかかるのではと心配していることを取り上げて、五倍で済みますかね、私は十倍かかると思いますよと忠告したエピソードも紹介しておられるわけなんです。
 総理、これだけお金がかかるということを否定する何かデータはありますか。
#321
○国務大臣(細川護煕君) 今度は、四法案一括出させていただいているわけでございますが、その四法案すべてを通じまして、政治と金にかかわる問題につきましても相当に改善をされるであろう、罰則の強化とかあるいは透明度とかそうしたことも盛り込まれているわけでございますから。
 そしてまた、今論議になっております選挙制度につきましても、それは今お話がありました具体的な例は、地域の特別な事情というものも恐らくおありになるんだろう、同じ党同士でやっておられたわけですから。
 そういう事情もあるんだろうというふうに私は思っておりますが、とにかく具体的なデータと言われるとちょっとそれはなかなか難しいわけですが、先ほど佐藤大臣からもお答えを申し上げたように、全般的に私は必ずこれは今の同士打ちというような形のものは少なくなるであろう、大幅にその点は改善をされるであろうというふうに思っております。
#322
○吉川春子君 この一括処理の理論自体が、選挙制度だけでは腐敗防止はできないんですよ、政治資金規正法、公選法、連座制規定、そういうものにかかわりますよということの告白であって、小選挙区制になれば金がかからなくなる、きれいな選挙になるということの論拠はそれだけでは言えないということの告白であるということだけ指摘して、きょうはそこの論議には入りません。
 それで、もう一つ伺いますが、世界では並立制を導入している国が山花大臣の答弁でも四つあるんですけれども、この中で韓国、八〇年代後半から並立制を導入した韓国で、これは東亜日報の東京支社長の鄭求宗氏のインタビューあるいは本の記事ですけれども、韓国でも大変お金がかかるようになった、十倍以上のお金がかかるようになった、そういうことを言っておられるわけですね。
 こういう外国の例について調査をされたのかどうか、並立制を導入している国で本当に韓国以外はお金がかからないというそういうデータを外国の調査によって得ておられるのかどうか、その点をごく簡単に答弁してください。山花先生、簡単にお願いします。
#323
○国務大臣(山花貞夫君) 簡単にのつもりで一言だけ申し上げますと、小選挙区制ということで御質問いただいておりますけれども、小選挙区比例並立制、そして四法を一緒に出して全体として金のかからない選挙制度にしようと。したがって、先ほど先生数字とおっしゃいましたけれども、法定選挙費用一つ見てもかなり縮まってくるというところでございまして、このことを私先に一言申し上げておきます。
 外国の例で申し上げますと、韓国の例は、韓国の政治家の皆さんと随分選挙制度について直接お話しする機会がございましたが、やっぱり考え方は同じで、制度の問題だけではなく倫理の問題とかさまざまな仕組みがなければ選挙にお金がかかるということをやめることはできないんだとおっしゃっている点は、私は同じ観点ではないかと思っておりました。
 そこで、今回、腐敗防止を含めてということでありますので、そうした意味におきましては効果を期することができると思っております。
 具体的にどこの国でどういう選挙制度でどのくらいお金がかかっているかということにつきましては、公的助成等の比較は十分に調べましたけれども、今御質問のような趣旨では私は調べておりません。いろいろと聞いただけでございます。
#324
○吉川春子君 企業献金の問題とか公的助成の問題では外国の例を豊富に引用しながら、アメリカではこうだ、ドイツではこうだと盛んにお話しになる中で、この並立制でお金がかからない問題については外国の例は調べておられないし、お金がかかる制度だということを否定する論拠も何も持ち合わせておられません。
 それで、質問をかえます。
 総理、日本新党は政策要綱で、平成五年二月ですが、政治資金規正法、公選法などの重大な違反者に対しては、議員の配偶者、親族、選挙責任者、公的秘書の違反についての連座制を強化して議員資格を喪失させるとしています。日本新党は、さきの総選挙で買収で逮捕された関係議員、候補者を四人出していますけれども、こういう人々についてどういう処分をされたのでしょうか、措置をとられたのでしょうか、伺います。
#325
○国務大臣(細川護煕君) さきの地方選挙においても若干違反があったかと思いますが、詳細はちょっと承知しておりません。
 今お話しがあった国政選挙におきまして、おっしゃったように四件ほどの違反が出ておりますが、これらの人々に対しましては、党の規約によりまして党紀委員会を開いて事情を聴取し、二名に対しては厳重に注意をし、また一人からは本人の方から離党の申し出がございましたので、厳重注意の上、離党を承認したところでございます。
#326
○吉川春子君 福岡一区選出の山崎広太郎議員の選挙にかかわって、前県議、福岡市議、太宰府市議、甘木市議、志免町議、宇美町議、古賀町議がそれぞれ買収、被買収で逮捕されました。みずからの選挙でこれだけの逮捕者を出した山崎議員は、何事もなかったかのごとく改革法案の衆議院通過に当たって本会議でこういうふうに演説しているんです。「連座制の強化等腐敗防止のための措置により対応できる」云々などと政治改革四法案に対して賛成討論を行っています。
 総理、これは余りにも国民をばかにした態度じゃないでしょうか。いかがですか。
#327
○国務大臣(細川護煕君) 先ほども申し上げましたように、党の党紀委員会におきましてそれなりのしかるべき処分をしたということでございますから、それによって本人の今日というものも、またその釈明の上に立ってそのようなことを発言したというふうに私は受けとめております。
#328
○吉川春子君 いやしくも金権腐敗根絶を標榜する政治改革四法案の賛成討論の討論者として、私はこの方がふさわしいとは到底思えません。
 畑農水大臣、さきの総選挙であなたの運動員二名が買収行為で、そして玖珠町議一名、一般四名が被買収行為で逮捕されておりますね。
#329
○国務大臣(畑英次郎君) まことに申しわけないことでございますが、我が後援会同志にそういうケースがあったことは事実でございます。
#330
○吉川春子君 熊谷通産大臣、運動員一名が買収行為で逮捕されましたか。
#331
○国務大臣(熊谷弘君) そのとおりでございます。
 私も、前回の選挙は政治改革が非常に重要視された選挙でございまして、選挙のやり方その他を含めて非常にトラスチックにみずからの内なる古さを克服しようということでやって、結果としてこのようなことが起こったものですから、びっくりもし愕然ともいたしました。
 その後いろいろ事情を聞きますと、従来型の選挙と余りにも変わったために、逮捕された方は私と同じふるさとの腕一本で事業家として成功した方で、それでそういうことになってしまったということだそうでございまして、私どもも、あってはならないことでありますし、せっかくみずから選挙のやり方を含めて改革しようと思っていたやさきでございましたので、非常に反省もいたしておるところでございます。
#332
○吉川春子君 神崎郵政大臣、支持者一名が買収行為、知人八名が被買収行為で逮捕されたそうです。
 西日本新聞九三年八月十八日付の報道によりますと、「複数の有権者に菓子折りを贈り、神崎氏ら公明党候補への投票を依頼していた疑いが強まり」云々、そして送検された男性は西日本新聞社の取材に対して「創価学会の会員として神崎先生の選挙を応援した。菓子折りは、お中元のようなつもりだった」と話しております。
 この件について、事実ですか。
#333
○国務大臣(神崎武法君) ただいま逮捕されたというふうにおっしゃられましたけれども、そういう事実は全くございません。
 私を支持してくださった八十三歳の御老人が公選法違反の事実で事情聴取を受け書類送検されましたけれども、検察庁で不起訴処分になっているわけでございます。事実関係を後ほど私も伺いましたけれども、この御老人が、例年お中元に物を贈っている知人のところにそのときも菓子折りを例年どおり贈った その後で何か手紙で選挙の依頼をしたということで公選法違反の疑いで事情聴取を受けた、最終的には不起訴処分になっているということでございます。
 いずれにせよ、公選法違反の疑いを持たれたことにつきましては極めて残念なことであるというふうに考えておりますし、私どもも選挙違反を起こさないようにお互いに選挙関係者には十分戒めているところでございますけれども、今後ともそういうことのないように努めてまいりたいと考えております。
#334
○吉川春子君 書類送検ということで、私はこれは調査局行政法務室からいただいた資料に基づいて言いましたが、逮捕されたのでないというのであればその点は取り消します。とにかく、送検されたということは事実です。
 そこで総理にお伺いいたします。
 合いずれも私が指摘しました事例は、同士打ちがない選挙区で起こった事例でございます。こういう選挙区で運動員が逮捕されている候補者、議員数は、与党で新生党十一名、日本新党四名、社会党一名、公明党一名、新聞報道その他の資料で少なくともこれだけになっていますが、これらはすべて政党同士の同士打ちのないところで起きたわけです。だから、買収選挙は同士打ちのところで発生する、こういう論拠は崩れるんじゃないんですか。その点、総理に伺います。
#335
○国務大臣(細川護煕君) それはおっしゃるとおり、同士打ちのところでなくても激しい選挙戦が展開されるところにおきましてはそれは往々にしてあり得るのだろうというように思いますが、いずれにしても大変遺憾なことだと思いますし、こ
うしたことがなくなるように最善を尽くしていかなければならないし、また、制度面でも充実を図っていかなければならないということで今度の法案を提出させていただいているということでございます。
#336
○吉川春子君 そうしますと、総理、確認いたしますが、中選挙区は複数立候補して同じ政党同士で同士打ちをやるんだ、だからこれで金権選挙、お金のかかる選挙になるんだ、だから選挙制度は小選挙区制に変えなければならない、こういう三段論法か何段論法か私はわかりませんが、繰り返し聞かされてきたんですけれども、こういう前提は崩れるわけですね。
 要するに、複数立候補で同士打ちしないところでもこういう買収行為がまかり通るということであれば、これは選挙制度の問題ではないということになるんじゃありませんか。
#337
○国務大臣(細川護煕君) 小選挙区制度と比例制度というのが世界でも最も普及した制度であるということは改めて申し上げるまでもないところなのでございましょうが、今度の並立制度は両方ともその構成をなしている制度でございますけれども、しかし、そういう観点からいうならば、中選挙区制度というものが世界の中でも特殊な、むしろ問題を多く抱えた制度であるというのがそもそもこの政治改革の論議、選挙制度改革論議の出発点であったというふうに私は理解をいたしております。そこから今日延々と論議が続いてきて今回このような法案を出すということに至っているわけでございますから、ぜひその点について多くの国民の方々の御理解をいただきたい、こう思っているわけです。
#338
○吉川春子君 もう時間が来たので私はこれで終わりますが、ともかく同士打ちだ、金がかかる、だから中選挙区は制度疲労だということは、事実上今の私の質問で否定されたのではないか、また総理のその点についての反論は、私には明確にはわかりませんでした。
 何が何でも中選挙区制度のもとで金がかかるという理屈で理由をすりかえてやってきたということは、私は非常に遺憾であるというふうに思います。
 私ども日本共産党は、この国会に三法案を提出しておりますけれども、やはりこういう道こそが真の政治改革の道である、金権腐敗の根絶の道であるということを最後に主張いたしまして、質問を終わりたいと思います。(拍手)
#339
○聴濤弘君 私は、引き続いて企業・団体献金問題について質問をいたします。
 企業・団体献金が金権腐敗政治の大もとにあり政治を汚す根源であることは、ゼネコン疑惑等々が余すところなく示していると私は思います。そのため我が党は、企業・団体献金の全面禁止、このための法案を提出していることは御承知のとおりであります。
 ところが総理は、企業献金は必ずしも悪とは言えない、その根拠として企業も社会的存在だということを国会でもこの間再三答弁しておられます。しかし、学校も病院も養護施設等々も同じように社会的存在であり、社会的存在だというだけで何かすべてが同列に論じられるというわけではないと思うんです。同じ企業という範疇でもやはりそうだと思うんです。
 例えば、NTTだとかJRだとかJALだとか、これは立派な社会的存在としての企業でありますけれども、これは政治献金は禁止されているはずであります。それはそのとおりだと思いますが、なぜなんでしょうか。
#340
○国務大臣(細川護煕君) それは、公益的な企業というものについては当然ある程度のそのような抑制というものが求められているということに尽きると思っております。
#341
○聴濤弘君 今、公益的なというふうにおっしゃられましたが、もう一つ質問させていただきます。
 国の公共事業を請け負っている会社、法人、これも選挙に関しては寄附はできない、献金してはならない、こういうふうに定められているはずでありますけれども、これはどういう理由なのでしょうか。
#342
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘の点は規正法に規定されているところでございまして、国との関係がある企業については質的な制限としてこれを禁止しているところでございます。
#343
○聴濤弘君 今お二人とも、公益の関係がある、国との関係があるというふうにおっしゃいましたけれども、私はそれは理由にならないと思うんです。国と関係しているのは献金を禁止しますと確かに法律に書いてあります。しかし、なぜなのか。そのなぜなのかというところの説明はお二人から受けておりません。
 その点いかがですか。この禁止している動機について、なぜなのか。そこをお答えいただきたいと思うんですが。
#344
○政府委員(佐野徹治君) 若干法律に沿いまして御説明をさせていただきますと、政治資金規正法の二十二条の三で、いわゆる寄附の質的制限という規定がございます。これは、国から補助金だとか負担金だとか利子補給金だとか、こういったものを受けている企業、団体等についての政治活動に関する寄附を禁止しておるものでございますけれども、これは、国から特別のお金なりなんなりそういうものを受けておる会社につきましては、やはり癒着と申しますか、そういった関係も生ずるおそれがある、こういった観点から質的制限の規定があるものでございます。
#345
○聴濤弘君 今説明がありましたけれども、癒着というような関係があるということでありました。
 これは自治省から出されている本でありますけれども、「選挙資金規正法詳解」、自治省の選挙管理課長が書かれた解説書でありますけれども、国の公共事業を請け負っている、そういうところで選挙の際に献金をするのがなぜいけないかといえば、やはり不公正な選挙が行われる、そういう危険性があるからだということが書いてありますし、また不明朗な関係を生み出すからだ、そういう説明が自治省自体で行われております。
 したがって、この間ずっと説明されておられる社会的存在だから企業献金は必ずしも悪ではない、要するに企業献金をしてもいい、それは企業も社会的存在だからという理由は私は成立しないと思うんです。同じ社会的存在でも禁止されている企業がある。しかも、なぜかというと、やはり不明朗な関係が生まれるからだということでありますから、社会的存在だから企業献金はいいんだという論は成り立たないと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
#346
○国務大臣(細川護煕君) しかし、それは先ほどからも申し上げておりますように、一定の制約のもとにそのような企業は除外をされている、制約を受けているということでございますから、それはそれなりに理屈として成り立つのではないかというふうに考えます。
#347
○聴濤弘君 いまいちよく私には納得できないんですが、その部分が除外されている、それはやはり不明朗な関係を生むから除外しているというんですから、したがって社会的存在だから企業献金をやってもいいんだという論理は成り立たないわけですね。別個に、別のある基準があって初めて企業献金は容認できるとかできないとかということになるはずであって、社会的存在という基準だけでもっていいとか悪いとかは言えないと思うんですよ。
 くどいようですが、もう一度私質問します。
#348
○国務大臣(佐藤観樹君) 社会的存在でも、先ほど選挙部長から申し上げましたように、一定の要件を備え、あるいは国が株式を持っているとか補助金を出しているとか、あるいは国と請負契約をしているとか、一定の期間、選挙に関してですけれども、というようなものについては社会的存在の中の一定の部分ということで禁止をされているということでございます。
 八幡判決も、そういう意味でそれを下敷きにするならば、私はそういう解釈でいいのではないかと思っております。
#349
○聴濤弘君 今の、佐藤大臣にもう一度お聞きいたしますけれども、その除外されている部分はなぜ除外したかということ。先ほどの答弁もありましたけれども、不明朗な関係を生み出すから、特に国と関係のある場合には不明朗な関係が生まれたらこれは大変だからということだと思うんですね。だから、そのことはやはり腐敗とか不明朗とか不正とか不公正とか、そういうことにこそ基準があるんじゃないんですか、献金をしてもいい悪いという問題は。
#350
○国務大臣(佐藤観樹君) 御承知のように、昭和四十五年のいわゆる八幡判決では、企業の社会的存在というものを認めて、したがって政治活動の自由という観点から企業献金はいいというふうに判決が下っておるわけですね。そういう意味におきまして、だからといってそれじゃ社会的存在だからすべての企業がいいかということにつきましては、それは政策的な観点から、例えば補助金をもらっている企業が補助金をもらって事業をやっておるのに政治活動に関与する、献金を出すというようなことは、補助金が国民の税金である限り好ましいことではないから禁止をしているのでありまして、そのような理解でいいのではないかと思っております。
#351
○聴濤弘君 私の指摘していることについて、八幡裁判の方へお話を持っていかれて、私の質問との関係で大臣からの明確な答弁は私は得られなかったと思います。
 ところで、その八幡裁判のことでありますけれども、衆議院の調査特別委員会で元最高裁長官の岡原参考人が出席をされてあの八幡裁判について、あれはよく読んでいただきたい、あの裁判でもって企業献金ができるんだというふうに読んでもらうと、理解されると、大変これは違うんだと。
 あの当時は、あれは一九六〇年の事件でございまして、今のように企業献金行き渡ってない、今のように行き渡っているのなら最高裁があんな判決はやれるわけはなかった、こういうことをこの国会で参考人として証言しているんですね。あれはいわば、我々の言葉で言えば助けた判決だったと。その助けた判決というのは、無理やりにいろいろ理屈をつけて有罪の判決にするんじゃなくて、まあこの辺でいいやということで助けた、俗に言う助けた判決だ、こういうふうに岡原参考人は言っておられるんです。
 だから、大臣、八幡裁判がこうだったからと言われてもそれは論拠になりません。どうですか。
#352
○国務大臣(佐藤観樹君) 岡原氏の御意見は参考人としての御意見でありますから、それはそれといたしますが、私も十分そのことは存じておりまして、まず八幡判決の要旨の中では、企業といえども社会的な存在であるからやることはできるんだという一般論を御承知のように言っております。
 しかし、憲法は基本的人権として、これは内国法人にもそれは及ぶことなのでやれるんだと言っていますが、しかし野方図にやれるのかというと、社会にいろいろ影響があるときには、弊害があるときの対処は立法政策にまつべきであるということもあの判決で言っております。
 それから最後に、金額等につきましても、例えば経営実績とか資本金とか、あるいは社会的な地位とか、こういったものを十分考慮して、この範囲を超え不相応な寄附をなす場合は取締役の忠実義務に違反するが、八幡の場合には資本金とか純利益とか株主配当金等の額を考慮に入れても本件の寄附が合理的な範囲を超えたものとは言えないということになっておりまして、社会的に影響がいろいろ出てくる場合には立法政策にもよるべきであるということも書いてあることも私も承知をしております。
#353
○聴濤弘君 今始めた議論というのは、社会的存在だということが理由になって、それが唯一の理由になって企業献金が容認できるということはあり得ないということを私は言ってきました。
 今のお答えによりましても、そのことについて私の主張に納得あるお答えは得られなかった。私は今企業献金が、先ほどからの議論もあるように、なぜ悪いかといえば、不明朗な関係を生み出す、不正、腐敗を生み出す、なぜならばそこにわいろ性の問題があるから、これが一番大きな理由だと思います。この点については衆議院で十分な議論、質疑が我が党の議員によっても行われ、もちろんさらに突っ込む必要がありますけれども、その部分が衆議院でやられましたので、私はここでおきます。
 もう一つの問題として、これは八幡裁判とも大いに関係する問題でありますが、民主主義の問題があります。
 私は法務大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、ある会社で、株主総会で多数決で特定の政党の支持を決めたり、あるいは株主に特定政党の支持、投票を強制することができますでしょうか。
#354
○国務大臣(三ケ月章君) 株式会社の法人論に連なる問題でございます。
 御承知のように、株式会社と申しますものは、株主の出資に基づいて構成されたものでございます物的会社と言われるものでございまして、しかし同時に会社自体は一個の独立した法人として社会活動を行うものである。したがいまして、その社会活動を行うに当たりましては、その出資者である株主から授権を受けました取締役が職務執行に当たる、こういうふうな体制に会社組織としてはなっておるわけでございます。
 でありますから、取締役が法令及び定款の範囲内におきまして行う個々の行為、これは非常に株主というのはいろんな人間がおります。こっちを向いている人もあればあっちを向いている人もあります。しかしながら、それは企業の目的に照らして、株主から委任されました取締役が法令及び定款という枠の中で個々の行為が任されておる。もしそれを逸脱した場合には、また会社法の備えておりますいろいろな監査制度であるとか代表訴訟であるとか、あるいは株主総会によるチェックというふうなものもございます。
 したがいまして、個々の行為、例えば今委員御指摘の寄附というふうなものがある人間にとりまして非常に不利であると申しましても、それは取締役が株主、会社全体にとりましてむしろ定款及び目的の範囲内の事業であるというふうな形でした場合には、やはりその一部の意向に沿わない者があるからといって直ちに違法とは断じ切れない、こういうのが会社法の建前ではないかと存じます。
#355
○聴濤弘君 いずれにいたしましても、株主総会で特定の党の支持を決定する、それを株主に押しつけるというようなことはあり得ないということは当然だと私は思うんです。それはまことに当然なんで、第一は会社は営利を目的としたもので、政党活動をやるというものじゃないわけです。
 それからもう一つ、私は、わいろ性の問題と別に民主主義の問題として非常に重要な点なんですが、この点が肝心の点ですが、株主個々人というのはやはり政党支持の自由を持っているのであって、それから投票権を持っており、それをみずから行使するわけで、これはいかなる形態であれ、いかなる動機であれ、それを制限することはできないと思うんです。ここに企業献金のもう一つの側面の民主主義の問題があると思うんです。
 私は総理に質問したいんですが、企業は社会的存在であるとしていろんな寄附を行います。例えばその地域のお祭りに寄附をする、慈善事業に寄附をする、あるいはまた社会事業に寄附をする、そういう寄附と政党に対する政治資金、寄附、これが同列のものだと、社会的存在だから同列だというふうに総理はお考えでしょうか。
#356
○国務大臣(細川護煕君) 同列というのはどういう意味がよくわかりませんが、それぞれ今のお話のように、定款の趣旨にのっとって株主に御理解が得られるものであれば、それはそれぞれに適切に処理をされるべきものであろうというふうに思います。
#357
○聴濤弘君 そこが問題なんですね。お祭りでの寄附だとか、それから地域での災害が起こったか
らというので寄附を出すとか、これは株主だって大体全部が賛成し得るんですね。万人が賛成し得るんです、そういうことに対して。ところが、ある特定の政党に対してお金を出そうということは万人が支持をする、賛成をするということは、これは理論的にはあり得ないんです。なぜならば、議会制民主主義のもとで政党というのは反対党が当然存在するということを前提にして一つの政党が存在しているわけですから。
 したがって、この普通のお祭りの寄附だ、社会事業への寄附だ、万人がそれはそのとおりだなと思う会社に期待されているものとは全然質的に違うんです。すべての株主が特定の党を支持するということは理論的にあり得ない。ですから、ここには同じ寄附行為であっても完全に性格が違うものなんです。
 この前者の場合には、憲法十九条に抵触はしてこないと思いますが、後者の場合、政治資金の場合、この場合には憲法十九条の思想及び良心の自由という問題とかかわってくる、そこに違いがあるということは、総理、お認めになりませんか。
#358
○国務大臣(細川護煕君) これはもう先ほど法務大臣から御答弁申し上げたとおりだと、私もそう思っております。
#359
○聴濤弘君 それじゃ、法務大臣に今の具体的なことでお答えいただきたいと思います。
#360
○国務大臣(三ケ月章君) 企業も先ほどから出ております社会的実在というふうな形で、どうも必ずしも委員御賛成でないかもしれませんけれども、権利能力あるものには自然人と法人とございまして、法人はやはり権利能力を持つ社会的存在であり、社会的存在であります以上、これは社会生活におきます通常の交際というふうなことができる。これはまさに委員おっしゃるとおりお祭りの寄附であるとか、近隣の災害のお見舞いであるとか、これは全くあれでございます。
 しかしながら、企業は同時に、先ほど委員自身お認めになりましたように営利を目的とする企業でありまして、営利というふうなものの目的を追求するために何が今日的であるか、こういう問題につきましては、これは個々の株主の判断ではなくして、株主の代表によって選出されました取締役会がそういうふうな判断を任されておるというところで、取締役がこれはこういう企業献金をした方が会社のためになる、こういうふうに考えて行動するというふうな場合も、法令に違反しない場合、先ほど法令の幾つかの例がございました、それから定款の目的、これはかなり広く解されておりますが、それに反しない場合には認められるということでございまして、そこには多少の差異はありましても、社会的活動として質的な差異があるとは会社法は考えていないのではないかと私は考えております。
#361
○委員長(本岡昭次君) ちょっと聴濤君、時間が来ましたのでとめてください。
#362
○聴濤弘君 はい、わかりました。今の答弁に対して一言だけ。
#363
○委員長(本岡昭次君) また次の機会があるでしょうから、そこでやってください。交代してください。時間は厳格に守ってください。
 次の質問者出てきてください。
#364
○聴濤弘君 三十秒でやめますよ、本当に。
#365
○委員長(本岡昭次君) いや、みんなその範囲内でやっているんじゃないですか。約束を守って。
 どうぞ次の質問者出てきてください。
#366
○聴濤弘君 それじゃ終わりますが、執行部の判断だけでそういうことが行われるということを法務大臣がお認めになったということは非常に重大だと私は思います。そのことを一言だけ述べて、私の質問を終わります。(拍手)
#367
○青島幸男君 ただいまのお話でございますけれども、私がこういう場で細川総理にその問題についてお尋ねするというようなことになるとは予想もしておりませんでした。
 総理は当初、私の考え方ではやっぱり企業献金というのは廃止の方向に向けて考えた方がいいんじゃないかというようなお考えをお述べになられた記憶が私はあるんですけれども、もしそうなら、それは私はすばらしいことだと思っているんです。
 こういうお話し合いをするのは、私はこの参議院に座を占めましておよそ二十五年ぐらいになりますけれども、最初に出ましたときは佐藤総理でございまして、佐藤総理にこの問題を追及といいますかお伺いしまして、企業献金というのはやっぱりこれは非常にわいろ性の強いものだからやめた方がいいんじゃないでしょうかというようなことを質問したことがあります。
 あの当時、佐藤さんは、政治資金規正法をきちっとするんだ、小骨一本抜かないなんという有名な発言がありますけれども、やがてはうやむやになりまして、小骨一本どころか、ミンチにしてたたいて、つみれにしてしまったじゃないかというようなことまで出たわけでございまして、以後ずっと、その当時五年後に見直すからというようなお約束で言い逃れられて、そのまま来ているわけですね。
 今のお話のように、企業は営利目的ですから、金がもうかればいいということで、この政党に寄附をしていればやがてうまい話が回ってくるだろうという考え方で献金をすれば、それは非常にやっぱりわいろ性の高いものですよ。もう一つ、もし全くそういう期待をせずにさる政党に寄附をしたということになれば、それはやっぱり株主に対する背任とか横領とか、そういうことになるでしょう。
 つまり、その企業全体がある政党に献金をすべきだというふうに思ったということがあったとすればそれはそれなりの考え方はあるでしょうけれども、企業が持っているお金、それは社長なり役員なりがあの政治家は私は信頼できるからあの人に信頼を寄せたい、あの政党の後押しをしたいとポケットマネーで金を出すんならいいんですよ。ところが会社の金ですからね。営利を目的とする会社が将来会社に至福をもたらしてくれるであろうという目的である政党に金を出せば、これはわいろ性が強いと言えますし、もしそれが全くなかったらそれは背任横領ですよ。
 企業全体が一つに結束するということはあり得ないでしょう。その金を稼いだのは多くの従業員たちの血と汗の結晶でしょう。その方たちがそう思ってやりましょうというのなら話は別ですけれども、そういうケースはめったにないですよ。やっぱり一握りの役員なり代表権を持った方々が、勝手にと申してはなんですけれども、将来営利をもたらすだろうからという目的でなさるんだったら、これはやっぱりわいろと言わざるを得ませんね。
 そういうものを野放しにしてきた積み重ねが今日のゼネコン問題になっているわけで、その辺のところに思いをいたしたら、企業献金というのは廃止の方向にすべきだという結論になるのが当然だと私は思いますが、大変残念なことに、委員会での御答弁を伺っていると、今の話のように社会的な組織であるから容認されるべきだというようなお答えを変えられないというのは私は大変残念ですが、今もそのお気持ちは変わりませんか。
#368
○国務大臣(細川護煕君) 企業の中にも大きな企業もありましょうし、また小さなお豆腐屋さんだとか八百屋さんだとかといった本当に個人でやっておられる企業もあるわけで、そうした小さな経営者の方々のところではどちらのポケットから出したかということはなかなかわかりにくい話なのかな、区別しにくいところもあるのかなというのが現実の姿なんじゃないかという気もいたします。
 ですから、社会的な存在といっても、本当に何か大企業のことばかりをすぐ念頭に置いてしまいがちでございますが、そういったところもやはり念頭に置きながら考えていかなきゃならないのかなと。そういうことを考えましても、だからというわけではございませんが、私もできる限り企業献金というものはなくしていくことが好ましい、望ましいと思っております。
 今度の法案におきましても、とりあえず個人に対するものは御承知のとおりやめる、そして政党
に対するものは五年後に廃止も含めて見直しをするということでございますから、現実的な話としてはなかなか一気に全部やめてしまうというところまでいかないというのが、やっぱり今の現実の政治の状況の中で、これはまさに助成法の話、公的助成の話ともかかわってくる問題でございましょうか、いろいろなことを考えますと現実的な対応としては私はそんなところなのかな、それでも相当に大幅な改善になっているのではないかというのが私の認識でございます。
#369
○青島幸男君 五年後に見直しをする、しかもなくしていく方向で検討することが望ましい、こうおっしゃられて、五年後に企業献金の廃止も含めてと、こういうお答えを今いただきましたけれども、五年後に見直しをするというのは佐藤さん以来なんですよね。あれから二十年もたっているわけですけれどもね。ですから、一般の国民は五年後に見直しをすると、どっちの方向に見直しをするのか非常に不安がっているわけですよ。認める方向に見直されたんじゃかなわないなと、こういう認識で。
 今、総理は廃止も含めてというお考えを明確にお述べになりまして、私は大変心丈夫に思いました。しかし、現実に対応することを考えてと申されたということは、現実に今そういう金が入っているということなんですよね、はっきり申し上げれば。ですから、あすからやめるというわけにいかないよということですから、そのこともお認めになったということを私は認識しました。
 ですから、五年後に廃止も含めてということを、明確にやめる方向で検討するよというふうに御発言はいただけませんか。
#370
○国務大臣(細川護煕君) これはまだやはり少し御議論をいただかなきゃならないところでございましょうが、私自身の気持ちとしてはそのくらい踏み込んで考えていかなければならないんじゃないかというふうにもっと積極的に考えておりますが、しかし、いろいろな政治的な状況もございますし、その辺も踏まえて対応していかなければなりませんから、先ほども申し上げましたように、現実的な対応としては今出させていただいている法案が現時点では最善のものではないかなというふうに考えているわけでございます。
#371
○青島幸男君 大変私も心丈夫に思いまして、そういうお覚悟できっちりと決めていただく方向にお働きいただきたい、我々も及ばずながら応援をしたい、こういうふうに思っております。
 究極は、そういう企業献金が、わいろ性の強いものがなくなるということ、それを今国民が一番求めていることでして、選挙制度をいじくるということよりむしろそのことに国民の方々の目は向いていると思うんですね。ですから、その目の向いている腐敗防止ということをまず最重点にやるべきなのに選挙制度にすりかえたという見方が国民の間に非常に強い。そこに疑いの目を持って見られる点がある。
 それから、小選挙区制というのは、先ほどからの議論でも伺ったように突如出てきたわけですね。ですから私も戸惑いましたけれども、多くの国民の方も戸惑っていらっしゃると思うんですよ。
 小選挙区制にするとどういうことになるかというと、同政党の中の対立候補のけんかがなくなるから金がかからなくなって、しかも皆さんが想定なさっていることは、比較的大きな少数の政党が拮抗してそのバランスの中から民主的な国の運営ができるんじゃないか、こういうことでお話を進めていらっしゃるようですけれども、必ずしも私はそうなるとは思いませんね。
 というのは、大政党が有利なように恣意的に誘導していこうとなさっていらっしゃる。ほかの市民団体やなんかの意見なんかは聞く耳持たぬという格好で済ませられているんじゃないかというふうに私は感じるわけですよ。というのは、比例区に出そうとすれば三十人以上の候補者をそろえなきゃならない。あるいは三%条項でこれから新しく芽生えてこようとするような政党の芽を摘んでしまう。つまりは、我々政治家、プロに任せろ、素人は出てくる幕がないんだということでそういう少数意見を踏みにじって、まず政党ありきというところに恣意的に収れんなさろうとしていらっしゃるような気がするんですが、それはいかがなものですか。
#372
○国務大臣(細川護煕君) さっきからの御議論の中でも申し上げてまいりましたが、選挙制度というものが小選挙区制度と比例制度、大まかに言えばその二つしかない。それをどういうふうに組み合わせるかということなんだろうと思いますが、そのどちらかの制度あるいはそれの組み合わせをとっているというのが世界の選挙制度の大勢であって、むしろ中選挙区制度というものの方がちょっと変わった制度であるというのが、またそこにさまざまな問題が起こってきているというのが、先ほどから申し上げておりましたように、この五年間ですか、あるいはもっと前からと申し上げてもいいのかもしれませんが、ずっと続けられてきたこの選挙制度の議論の一つの収れんしたものではなかったかというふうに私は理解をしております。
 その中で、今度の選挙制度というものは、衆議院の選挙制度については政党本位ということ、政権の意思の選択ということが明確に示されるような形にしていくことがやはり政治の安定とかリーダーシップとかというようなことを考えたときに適当なのではないか。ですから私は参議院はまた違った姿が望ましいのではないかと思っておりますが、そうした観点から今度の選挙制度というもの、並立制というものを提案させていただいているわけでございまして、そうした観点から考えますと、ある程度やはりこの政党本位になるような、したがってそれなりの政党要件というようなものをやはり備えた条件というものが必要になってくるのではないか。
 その辺についてはもちろんまた参議院でこれから御議論をいただかなければならない点でございますが、その阻止条項とか三%とかなんとかといったような話は今後いろいろまた御議論もございましょうが、私どもが提案をさせていただいておりますのは、政党本位の政権選択の意思というものが明確になるような衆議院の制度であるべきだということでこのような法案を出させていただいているということでございます。
#373
○青島幸男君 国民、有権者の方々に政党を選択していただこうということが政局の安定にもつながるし民意の反映にも一番適当なのではないかというお考えのようですが、だったら、やっぱりいっそ比例制をもっとうんと拡大してしまった方がいいんじゃないかと私は思いますけれどもね。でき得れば比例一本にしたっていいというぐらいの考え方を持っています。しかも、選挙のやり方としては、個人に一切選挙運動を認めない、公営の選挙で政党が責任を持って選挙を行う、その政党は、全部全国一本の選挙区にして政党を選んでください、こういうことになれば明確に民意は政党の議席数に反映すると思います。それで、一人一人が金を使わなくても済むわけです。政党が責任を持って政策を述べ、国の指針はこうあるべきだということを訴えて、それで各政党がどういう支持を得られるかということで、多くの方々の支持を集めた政党がたくさんの議席を持って、その申から首班も選ばれて、そのように国が運営されるとすればもっと民主的になると思います。
 あわせて申し上げるならば、参議院も今の状態では、それこそ衆参が車の両輪のようにそれぞれが使命を達成しないと成り立たない組織になっていますし、二院制は私はルールとしてはとてもよくできているルールだと思っています。ですから、あわせて参議院も地方区と全国区の個人記名式に、もとに戻して、それで違った選挙のあり方で選ばれた違った院がそれぞれ補完しチェックしていくということが多くの国民の認識にこたえることじゃないか、そう思いますけれどもね。
 もっと大幅に比例区を広げてしまおうというようなお考えはありませんか。
#374
○国務大臣(細川護煕君) 私も以前、全部比例にというさっきお話がございましたが、同じような
ことを言っていたときもございました。しかし、とにかくこの何年間かの御議論、特に最近の御論議の中で今のような並立制というものが大体議論の集約するどころとして出てきたわけでございまして、そうした議論、論議というものを尊重していかなければなかなかこの政治改革というものができない、これもまた現実的な判断であろうというふうに思っております。
 比例の部分をふやしたらどうかというお話でございますが、これも今までの衆議院の御論議の中で最終的に、これは与党修正という形でございましたが、いろいろな与野党の御論議を踏まえて今の形に、姿に修正をしたわけでございますので、参議院で今後どういう御論議があるかわかりませんが、政府としては今出させていただいているものが一番いいのではないか、こういうことで考えているわけでございます。
#375
○青島幸男君 寄り合い世帯だのなんだの言われておりますし、総理の抱えております背景からしますと大変苦渋に満ちたお言葉のように聞こえますし、仕方がない選択だったんだというようなふうにも私聞きましたけれども、ただ、話がいろいろあって錯綜していてどうもまとまらない、この程度ならまとまるんじゃないか、そういうことでまとめてしまっていいものとそうでないものとありますね。選挙制度というのは国の民主主義の根幹にかかわる問題ですから、そこのところは、こうやってやっとまとめてこういうふうに意見を集約したんだからこれでいこうじゃないかという安易な態度で決めてそのままお続けになるのは私は考え物だと思いますから、決断をもって臨んでいただきたいと思います。
 それから、公費助成の問題ですけれども、一般の国民の方からお預かりした税金を政党の頭割りで配分してしまうというのは、それは大きな政党を肥大化させ定着させる、そういうことになりますよ。ですから、一党の独裁長期にわたるというようなことになりはしないかという懸念を持っている方が大勢います。ということは、大きな政党なら大きな助成金があるわけですから、その金で思うさま、選挙違反とまでは言いませんけれども、票を集めるための選挙運動なりなんなりなさるでしょうね。そうすると、少数の政党が長期に定着してしまう。ヒットラーとまでは言わなくても、二大政党が両立して拮抗するというような状態を理想的どお考えになるかもしれませんけれども、必ずしもそうはなりませんね。
 一つの政党が頭数で割った助成金を持って横暴に振る舞ったら、横車を押し始めたら、これはとめどがなくなりますね。しかも、その法律にのっとって有利なところは変えようとしませんからね。そうなることを私どもは懸念しているんですよ。
 その辺いかがですか。
#376
○国務大臣(細川護煕君) 私は必ずしも二大政党制になっていかないのではないかというふうに再点申し上げておりますわけで、これだけ世の中にもいろいろな考え方を持つ人たちがふえてきているわけでございますから、今お話しのこの公的な助成というようなものがあって、それは確かに政党の発展のために大きな役割を果たすものでございましょうが、しかしそれだけで一つの政党が固定してまた肥大化をしていくということではないんじゃないか。そこにはやはりこれだけ成熟している国民の政治意識というものもあるわけでございますから、そこは適切にブレーキがかけられるのではないかという意味で、大変楽観的過ぎると言われるかもしれませんが、私は日本の民主主義のレベルというものを信じたいと思っているところでございます。
#377
○青島幸男君 御自分から仰せられましたけれども、大変楽観的にごらんになっていらっしゃると思いますよ。
 それで、むしろ大きい政党に厚く小さい政党に薄くという考え方とは全く逆に、三%条項で、それに満たないものはもう政党としても認めない、議員もできないだろう、だからもう黙ってしまえというようなことではなくて、例えばドイツなんかでは〇・五%ぐらいの得票までそのグループの存在を認めて助成しようというような格好がありますよね。ですから、ミニマム最低〇・五%ぐらいあれば一つの勢力として、あるいは一つのそういう考え方を持った方々のグループがそこに存在するということを承認して、その方々のむしろ育成とか補助とかに当たるべきが本当なんです。
 大政党は大政党なりにさまざまな機会を持っているわけですから、好きなようにと言ってはなんですけれども、できますよ。小政党だからこそ金が要ったりするわけでしょう。だから、新たに出ていきたいという例えば市民グループの団体がありまして、これが市民運動だけやっていてもらちが明かない、我々の仲間を国会へ送ろうよというようなときに、それが全くできない話になりますね、今回のこのやり方だと。それでは余りに理不尽なんじゃないか、こう思いますね。
 それに、国庫補助というのは今初めて行われるように皆さんおっしゃいますけれども、我々は選挙のたびに大変な補助を受けているわけですね。
 というのは、ラジオ、テレビの政見放送。実を申しますと佐藤さんが総理のときに、私は二千五百キロ走って五十万人の方と会ったと、こう言われたわけですよ。ところが佐藤さんが言う五十万人というのは、テレビでいうとコンマ以下の視聴率ですよ。私はテレビの人気でここへ来ていますけれども、テレビの重要性をもっと考えなきゃだめだ、選挙の公約を政見放送でやらせたらどうですかということを私が提言して、その翌々年か何かの選挙から始まったわけですよ。ですから、あれを民放の時間、放送枠として買い上げたら莫大な金額になりますね、NHKがああいうふうにやってくれているからいいですけれどもね。
 それから、今でもポスター代とかビラとか、あるいはガソリン代とか、あるいは運転手さんの補助までしているわけでしょう。それから、新聞の広告とか各家庭に配られる公報なんかを勘定に入れますと、これは莫大な金ですよ。これは税金から出ているんでしょう。既に補助は行われているわけですよ。
 ですから、私のことを申し上げるのも口幅ったいようですけれども、私は公営選挙に徹して自分の金は一銭も使っていません。自治省へはゼロの報告をしました。それでもちゃんと当選してこられるんですよ。ということは、公的補助があるからです。大政党は今でもそれなりの新聞だってスペースを持っているわけですよ。ですから、そういうことを通じて公営に徹するというような選挙のやり方をすれば、それは違反も何もなくちゃんと行けるはずなんですよね。
 その辺はどうお考えですか。
#378
○国務大臣(細川護煕君) おっしゃるように、現在でも相当に公営選挙についての補助が出されているというのは、全くおっしゃるとおりだと思います。
 しかし、選挙のときだけの補助ということで果たして、青島委員のように知名度のある方は別として、なかなか日常的に政治活動をしないと選挙で通ってこない、ほとんどの人がそうであるわけですが、選挙の公営化ということだけではなかなか私は現実的には難しい側面があるのではないかという感じがいたしております。もちろんそうしたことも十分念頭に置きながら今度の公的な助成ということも考えさせていただいているわけでございまして、その点につきましては、何と申しましても、先ほどのお話にございました企業と政治との金にまつわる問題がさまざまに噴き出してきている中で、現実的な対応として当面やはりこういう考え方で行くしかないんだろう、そういうところで今度の法案を出させていただいたということでございますから、ぜひひとつ御理解をいただきたいと、こう思っております。
#379
○青島幸男君 総理の言葉の端々に出るのは現実の対応としてということですけれども、現実に選挙区で地盤、看板の培養のために皆さん腐心していらっしゃるんでしょうけれども、前々回の選挙か何かのときに使われた費用を算定基準にして今
度の助成もお考えになっているわけでしょう。その助成の算定基準になる根拠すらおかしいと私は思うんですよね。
 それは現実の問題として、自分の政治的な見解を多くの方々に知らしめるための手だてとして使ったのか、あるいは地盤培養のために祝儀不祝儀に出ていった、あるいは入学進学のお手伝いをしたとか交通違反のもみ消しをしたとか、そういうことで培養されているんだったら、そういう地域の利益代表みたいな方よりはむしろ比例代表制で、すとんと民意を反映する格好で出てきた方々が公営に徹した選挙のやり方で党の責任において出てくるということが衆議院に一方であれば、参議院がそれを補完するに足る制度の改革もできるでしょうし、そこで両々相まって民主主義が成り立つんだ、そういうふうに考えますけれどもね。
 もう時間がなくなりましたから、私は最後に希望だけ申しましたけれども、細川総理の先ほどの、私はもっとトラスチックな考え方を持っているんだけれども、いよいよ話がまとまってここまで来たんだから、もとへ戻して壊すようなことはしないでくれというようなお言葉のように拝聴しましたけれども、そういう決意をずっとお持ちになって奮闘していただきたい、そう思います。
 ありがとうございました。(拍手)
#380
○委員長(本岡昭次君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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