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1993/01/07 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第8号
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1993/01/07 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第8号

#1
第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第8号
平成六年一月七日(金曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月六日
    辞任         補欠選任
     大木  浩君     服部三男雄君
     星野 朋市君     片山虎之助君
     岩本 久人君     庄司  中君
 一月七日
     会田 長栄君     糸久八重子君
     聴濤  弘君     橋本  敦君
     青島 幸男君     下村  泰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         本岡 昭次君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                関根 則之君
                松浦  功君
                一井 淳治君
                上野 雄文君
                白浜 一良君
                平野 貞夫君
                吉田 之久君
                吉川 春子君
    委 員
                岡  利定君
                片山虎之助君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                坂野 重信君
                清水 達雄君
                鈴木 貞敏君
                楢崎 泰昌君
                服部三男雄君
                村上 正邦君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                糸久八重子君
                川橋 幸子君
                志苫  裕君
                庄司  中君
                角田 義一君
                峰崎 直樹君
                渡辺 四郎君
                猪熊 重二君
                続  訓弘君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                直嶋 正行君
                橋本  敦君
                下村  泰君
       発  議  者  橋本  敦君
   衆議院議員
       修正案提出者   堀込 征雄君
       修正案提出者   前田 武志君
       修正案提出者   三原 朝彦君
       修正案提出者   太田 昭宏君
   国務大臣
       内閣総理大臣   細川 護煕君
       外 務 大 臣  羽田  孜君
       法 務 大 臣  三ケ月 章君
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
       文 部 大 臣  赤松 良子君
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
       農林水産大臣   畑 英次郎君
       通商産業大臣   熊谷  弘君
       運 輸 大 臣  伊藤  茂君
       郵 政 大 臣  神崎 武法君
       労 働 大 臣  坂口  力君
       建 設 大 臣  五十嵐広三君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤 観樹君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 武村 正義君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)
       (国土庁長官)  上原 康助君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  愛知 和男君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       久保田真苗君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       江田 五月君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  広中和歌子君
       国 務 大 臣
       (政治改革)   山花 貞夫君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第三
       部長       阪田 雅裕君
       防衛庁参事官   太田 眞弘君
       防衛施設庁総務
       部長       草津 辰夫君
       経済企画庁調整
       局長       小林  惇君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       外務大臣官房長  林  貞行君
       外務大臣官房審
       議官       野上 義二君
       外務大臣官房領
       事移住部長事務
       代理       小林 秀明君
       外務省北米局長  佐藤 行雄君
       外務省条約局長  丹波  實君
       大蔵省主計局次
       長
       兼内閣審議官   武藤 敏郎君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       国税庁次長    三浦 正顯君
       国税庁課税部長  若林 勝三君
       文部大臣官房長  吉田  茂君
       文部省初等中等
       教育局長     野崎  弘君
       農林水産大臣官
       房長       上野 博史君
       自治大臣官房審
       議官       谷合 靖夫君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○政党助成法案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(橋本敦君
 発議)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(橋本
 敦君発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第一号)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(閣法第二号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第三号)及び政党助成法案(閣法第四号)(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに公職選挙法の一部を改正する法律案(参第三号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第四号)(いずれも橋本敦君発議)、以上六案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(本岡昭次君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま議題となりました六案の審査のため、来る十一日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その数及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(本岡昭次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(本岡昭次君) それでは、六案について前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○会田長栄君 おはようございます。御苦労さまでございます。
 私は、政治改革関連法案全般に関連をいたしまして、どうしても担当大臣に御認識を率直に聞かせていただきたいというのが第一の問題であります。
 それは何かといえば、今とかく政治不信が極に達しているというようなことが毎日言われておりますが、この政治不信というのは一体何なんだろうかということをもう一度確かめてみる必要がある、こう思いまして、ぜひ政治不信ということについての御認識をひとつ聞かせていただきたい、こう思います。山花大臣にお願いいたします。
#7
○国務大臣(山花貞夫君) 今日、政治改革の四法案を御審議いただいておりますが、政治改革の目的は国民の政治不信を解消する、こうしたテーマに沿ったものと考えております。今御指摘のとおり、長らく政治不信がその極に達したと言われておりますが、背景としては、言うまでもなくロッキード、リクルート以来の政治腐敗、政治と金とのかかわり、そのことについての国民の怒りが頂点に達して今日の政治不信を招いているものと承知をしているところであり、この点につきましてはおよそ異論がないのではなかろうかと思っております。
 政治不信は民主主義の否定でもあり、国政の場にある者としてその一日も早い解消のためにすべての努力を注いでいかなければならないと思っています。そのためには、政治不信解消のための今回の政治改革四法の実現こそがまず政治不信解消のための第一歩になるものと確信をしているところでございます。
 一日も早くその実現を期すために、どうぞよろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと思いますし、また我々としてもそのために全力を尽くしたい、このように決意をしているところでございます。
#8
○会田長栄君 私がなぜこの質問からお尋ねしましたかといえば、これは一九二八年、昭和三年二月二十日に我が国で第一回の普通選挙が行われました。このとき、田中内閣というのが金権体質ということで大批判を受けました。もちろん松島事件や機密費事件などの汚職から国民の怒りが頂点に達したときでございますし、政党政治というのが徹底的に批判されたわけであります。この進路には何が待っていたかといえば、一九三二年の五・一五事件、一九三六年の二・二六事件と進んでいったわけであります。それだけに政党政治というものが、まさしく民主主義の根幹が問われているということでありますから、このことを思い起こさざるを得ないわけでありまして、今や政党政治、議会制民主主義が問われて最大の頂点に達するのではないか、こう思うから、この問題についてお尋ねに入ったわけであります。
 もう一度お尋ねしたいわけでありますが、政治不信というのはまことに多くの国民から今日語られているところでありますが、この政治不信というものを取り除かない限り私が今申し上げたように政党政治の岐路に立つ、こう私は断言せざるを得ないわけでありまして、このようなチャンスというのはそんなに訪れるものではない。その点につきましてどういう御所見をお持ちか、お聞かせ願いたいと思います。
#9
○国務大臣(山花貞夫君) お話しのとおり、政党に対する不信、そして政治に対する不信は民主主義の根幹にかかわるゆゆしき事態であるという認識については、全く気持ちを同じくするものでございます。そして、民主主義が失われた場合には国を滅ぼす、そうした戦前の歴史の教訓ということについても改めてかみしめなければならないものと考えているところでございます。
 御指摘のとおりの状況の中で、今そのチャンスだと御指摘いただきましたけれども、言葉をかえれば、最後の機会ではなかろうかと考えているところでございまして、この機会に民主主義を復権させる、そして国民主権を復権させる、そうした道に通ずる改革の第一歩をなし遂げなければならないものと私たちも考えているところでございます。
 この国民の政治不信解消という最大のテーマが国民生活、あるいは経済、外交、すべてにわたって大きな深刻な影響を及ぼしてきているというのが現実の今日の姿だと思いますし、その意味におきましては、御指摘の点を我々も十分重く受けとめながらこれからの努力を尽くしてまいりたい、このように考える次第でございます。
#10
○会田長栄君 それでは、この政治不信というのが、通常行われている選挙、衆議院選挙、参議院選挙、地方自治体の首長選挙あるいは議会議員選挙に一体どのような形で国民の怒りというのがあらわれているのか、その点を分析していると思いますが、御所見があったら聞かせていただきたい。
#11
○国務大臣(佐藤観樹君) 全体的な認識につきましては山花大臣から言われたとおりでございまして、我々お互いに今やがけっ縁に立っている、ここでこの政治改革四法案が成立をしない場合には全く議会制度、日本の政治そのものがますます危機感に陥ってしまうという認識を持っておるわけでございます。
 あれだけ政治改革が言われましたこの前の衆議院選挙の投票率が六七・二六%という戦後最低になったことが、このことを私は如実にあらわしているのではないかと思うのであります。それから、参議院の平成四年に行われました選挙の投票率が五〇・七二%、これまた残念ながら戦後最低でございましたし、また平成三年に行われました統一自治体選挙、これも知事選で五四・四三%ということで、それから県議選でいいますと六〇・四九%ということで、いずれにしろ今までの選挙の中で最低であるということが政治不信の一つの結果ではないかと思っておるわけでございます。
 政治不信の中には、一つは金銭によるところの政治スキャンダルが相次いだということもありますと同時に、もう一つは自分の一票で政治が変わらないのではないかということもこの原因ではないかと思っておりますが、今度政権交代ということで、ぜひこれを機会に日本の政治自身をもう一回よみがえらせる絶好のチャンスだというふうに考えておるわけでございます。
#12
○会田長栄君 これは、私が日経ニュース・テレコンによる朝日新聞記事の検索の結果をパソコンを使って出してみました。日経ニュースニアレコンという新聞記事データベースを検索してみて、政治不信というものをキーワードとして朝日新聞の記事を検索したところ、次の結果が出ました。
 いわゆる政治家と金にまつわる汚職、疑惑事件というのは、八五年には十二件、八六年には十一件、八七年には十三件、八八年には四十七件、八九年には三百八十八件、九〇年には五十二件、九一年には六十件、九二年には四百二十五件、九三年には五百十八件という膨大な数字になっているわけでありますから、国民の政治に対する、政治家に対する不信というのはまさしく頂点に私は達しているものと思っているわけであります。
 実はここで自治大臣にお伺いしたいのは、いわゆる選挙の結果あらわれている棄権者数、投票率、これが第一回の通常選挙から年々下がっているという問題を私は忘れることができないんじゃないか、こう見ているんです。これは決して軽視できない問題だと見ているんですよ。
 そこで、地方自治体にかかわる選挙、これも同様であります。今やもうとてつもない数字になっているわけでありまして、御承知のごとく第一回から第十二回までいくと毎たび、第一回の統一地方選挙における投票率というのは、実は昭和二十二年四月でございましたが、知事選挙では七一・八五%、都道府県議会議員選挙では八一・六五%、第二回から第十二回まで推移していきますと年々棄権者数がふえている傾向にあります。
 そこで私は、分析する点で、この棄権者、投票率と絡めて、高齢化社会に入ったので棄権数がふえているのか、それとも政治不信が極に達しているためにどの層が一体この政治参加の選挙に選挙権を拒否しているのかという点について、改めて自治省だって私は考えてみなきゃいけないんじゃないか、こう思ってお尋ねしているわけでありますが、この点についての見解をお尋ねいたします。
#13
○国務大臣(佐藤観樹君) 会田委員が言われます直の数字が手元にはございませんけれども、地方選挙の場合には、やっぱり一番身近な市区町村の議会の選挙というのが一番投票率が高い、その次は県議選、そして残念ながら一番投票率が悪いのが知事選挙だという一つの傾向がそこから推察できると思うのであります。
 それからもう一つは、これ、ちょっと古いのでありますが、平成二年に明るい選挙推進協会が調べた、なぜ棄権したのですかという理由の中で、用があったから、病気だったから、まあ病気だったからというのはある意味ではやむを得ないかと思いますけれども、選挙に余り関心がなかったから、適当な候補者も政党もなかったからというような理由を挙げられている場合が多いわけですね。これだけのマスメディアの時代でございますから、そういった意味でのいろいろ教宣活動その他というのを我々としても、今日までもかなりやってきておるわけでございますけれども、これからしていかなきゃならぬ。その前提として政治不信というものを政治家自身があるいは地方議会も含めて取り除いていかないと、幾ら自治省がかねと太鼓をやってもなかなかこれは上がるものではないというふうに思っているわけであります。
 ただ、先生今御指摘のように年代別ということになりますとちょっと今手元にございませんので、また調べて御報告の機会があればさせていただきたいと存じます。
#14
○会田長栄君 それでは、最近の首長選挙の状況についての見解を伺います。
 御承知のとおり、仙台市長選、平成五年八月二十二日、投票率三九・二〇%ですよ。それから茨城県知事選、同じく九月二十六日、三九・二四%ですよ。徳島県の知事選、九月二十六日、三九・九七%ですよ。十一月二十一日に行われた宮城県知事選、三九・二〇%ですよ。そして東京都の葛飾区長選、十二月十九日に行われたわけでありますが、何と二一・七三%ですよ。これはまさしく大変な状態だと私は見ているんですよ。これで当選して、私、首長ですなんて言ってはいられない心境ではないかと見ているんですよ。それはなぜかといったら、十人のうち七人強が選挙を拒否しているわけでありますからね。これは民主主義政治にとりまして大変な問題でありますから、私はその点についてどのような御認識をお持ちか改めて伺いたい、こう思っております。自治大臣。
#15
○国務大臣(佐藤観樹君) 私の記憶しておる限り、仙台におきましても、茨城におきましても、あるいは宮城県知事選挙におきましても、選挙の帰趨はわからないという非常に厳しい選挙そのものだったわけでありますが、なおかつ、委員今御指摘になりましたような四割を切るような投票率ということでございまして、率直に言って有権者が白けてしまっているというか、結局だれがやっても同じではないか、そういうところに行き着いてしまっているのではないかということでございますと、私は各種のいろいろな分析を見てそう思っているわけでございます。
 したがいまして、私たちといたしましてはこの政府提出の政治改革四法案の成立をもってこれですべて政治改革ができると思っておるわけではない。まだまだやらなきゃいかぬ点が多々あるわけでございますけれども、これを成立をさせていただいて政治に関心を持っていただく。政治というのは人ごとではない、みずから納めていただいた税金でこれは全部執行しておることでございますから、有権者の皆さんの政治不信を取り除くことがその根本のことではないかというふうに考えております。
#16
○会田長栄君 実は、今御答弁ありましたとおり、有権者が白ける、あるいはだれがやっても同じということであれば、これは民主主義政治にとりましてこれ以上の危機感はない。このことが今後二十一世紀に入っていったときに一体克服できるのかどうかという際どい岐路に立っていると今日の政治は思われる。
 そこで見解をお聞きしたわけでありまして、本来であれば、きょう文部大臣に来ていただいて、私はこれは教育と非常に深いかかわりがあるということを見逃すことはできないということを質問したかったわけでありますが、実は昨年の四月ですか、森山前文部大臣に私はこの点についてお尋ねしたことがあります。
 このとき前文部大臣が何と答えていたか。これは決して見逃すことのできない私どもの問題だと思うから、このことを申し上げて、改めて見解を聞きたいんです。
 政治の世界には大変残念な事件が相次ぎまして、私ども政治家の一人として非常に恥ずかしく、また情けないという気持ちを述べられました。その上で、十年以上たっても一向に改善されるどころかますます困った状況になってきております、特に胸が痛みますのはこのようなニュース、情報をテレビや新聞や雑誌を通して目にし耳にする子供たちの心にどのような影響を与えるだろうか、どんな深刻な傷を与えているのだろうか、本当にいても立ってもいられないという心情を表明されました。
 私は、このことはまことにそうだと思っています。二十一世紀の主権者は、何といっても今の青少年であり子供たちなんです。この子供たちが日本の行く末を決めるんです。そのとき、我々政治の世界にいる者が特定の政治家が金にまつわる汚職とスキャンダル、金もうけをやって、それを選挙に金が必要だからやらざるを得ないという考え方で踏襲していったら、私は二十一世紀はバラ色どころか灰色になってしまうということを、これは教育の立場でも相当強く突っ込んでいかなければならない課題ではないかと思って質問したわけでありました。
 ところが、御承知のとおり、この問題については学校の先生方は一切解説や指導というものを個々の事例に基づいてやれないという法律のもとに今日あります。テレビや新聞、マスコミ、これを通して子供たちが直接受けているわけでありますから、それだけにこの点について何としても、いい教訓は、二度とこういう問題の起きないように政治改革関連法案というのは仕上げていかなきゃならないのは我々にとって急務だということを申し上げたくてこの例を出したわけであります。
 その点、両大臣に、篤と肝に銘じて、今後青少年や子供たちの将来を含めて決意を込めて答えていただきたいということを申し上げる次第でございます。それだけに、今度の政治改革関連法案と関連いたしまして政治資金規正法というのが最も大事になってきております。
 そこでお尋ねいたします。
 昭和二十三年に議員立法で政治資金規正法というものが成立いたしました。その後九回にわたって改正されていますが、簡潔にお答えいただきたいのは、この規正法の目的と理念というのは一体何であったかということをお答え願います。
#17
○国務大臣(山花貞夫君) 前段は今日の政治不信に対する先生の御見解をお伺いした上での質問でございますので、お答えに当たりましても、この現行の政治資金規正法の目的、理念、まさにそうした政治不信解消のためにはこの目的、理念というものをどのように実現することができるのかここに大変大きなテーマがあると承知をしているところでございます。
 現行政治資金規正法は、御指摘のとおり幾度か改正され、そしてその目的、理念に沿って一歩一歩改善されてきたと承知をしておりますけれども、本来の、そして今日も一貫している目的は、政治団体や政治家の政治活動が国民の監視と批判のもとに行われるようにするために、政治団体の届け出、政治団体や政治家の政治資金の収支の公開、政治資金の授受の規正等の措置を講ずることにより政治活動の公明と公正を確保し、これによって民主政治の健全な発展に寄与することを目的としているものでございます。
 今、私は規正法の条文に従って説明させていただいたわけですが、私は、政治資金規正ということにつきましては、法律ができましてから今日までの、例えば選挙制度審議会におけるその時点時点における判断、提案、第三次、第五次、第八次等の審議会においてかなり議論が尽くされているところでありますけれども、柱は三本あるのではないかと思っています。
 第一は、政治に金がかかっている、総量をどう規制するかということだと思っています。第二番目は、規正法の一章に書かれておりますとおり、資金をできる限り透明にする、そのことによって国民の監視と批判、そのことを受けながら政治資金が取り扱われなければならないということです。第三番目は、全体のこれまでの経過を振り返るならば、やっぱり企業・団体献金を廃してできる限り個人献金をもって政治資金が賄われるようにしなければならない。この三つの柱というのが、こうした目的、理念ということをもって運用されてきた政治資金規正法についての基本的な視点ではなかろうかと考えているところでございます。
 今回の改正につきましてもまさにこうした目的、理念に沿って法案を提案させていただいているところでございますので、その意味におきましては、前段に先生が御主張されました政治不信解消のためには、政治不信のよって来る政治と金の関係を正すためには、今回の政治資金規正法の改正につきましては従来の九次の改正に加えてかなり徹底した内容が盛り込まれているものと確信をしているところでございまして、この法案の成立が御指摘の問題解消のための一つの大きな素材となるのではなかろうかと考えているところでございます。
#18
○会田長栄君 それでは重ねてお尋ねいたしますが、政治資金規正法が成立以来、政治家と金にまつわる疑惑事件が発覚するたびごとに政治資金規正法というのが改正されてきました。その規正法を改正するころ、新たなものがまた出発をしているということを繰り返してきました。
 そこで、成立以来この政治資金規正法には理念、目的に沿わない六つの欠陥がある。すなわち、学者が言っているのは、この法律はざる法で抜け道が幾つもあるということで六点指摘しているわけでありますが、この点について今度の改正法案では是正されているのかどうかその点をお聞きしたいと、こう思います。
#19
○国務大臣(山花貞夫君) 先生御指摘のとおり、これまでの政治資金規正法改正の経過を振り返りますと、必ず大きな汚職事件等をきっかけとして国会で議論が行われ、そしてその時点における法改正というものがなされてきたものと私も承知をしているところでございます。
 しかし、なお抜け道と申しましょうか、政治資金規正法が十分でなかった部分が新しい疑獄事件が起こるごとに改めて浮き彫りされているわけでありまして、今日までの経過の中で先生御指摘のとおり各方面から、先生六点とおっしゃいましたけれども、今日の時点における新しい汚職事件をめぐって改めて問題点が浮き彫りされていると、こういうように承知をしているところでございます。
 そうした問題についてできる限り対応しなければならない、こうした考え方のもとに今回の法案を提出させていただいているところでございまして、一〇〇%かと言われますと、法律だけで問題を律することはできないというテーマもございます。何よりも政治倫理の確立、政治家一人一人の倫理の確立さえあればといった大前提がやっぱりどうしても必要になってきているわけでありまして、そうした問題点は当然前提とした中で御指摘のような欠陥についてはできる限り是正をしよう、こういう方向で今回も法案の準備をさせていただいた、そして提案させていただいているということでございます。
#20
○会田長栄君 それじゃ自治大臣にお尋ねいたしますが、従来言われていた六つの欠陥というのはどういうことであるか、簡潔に聞かせてください。
#21
○国務大臣(佐藤観樹君) 時間の関係もありますので、六つの欠陥に対しましてどういう対応をしたかということを、もう先生もよく中身を御存じでございますから、簡単に述べさせていただきたいと思います。
 まず第一番目には、現行の政治資金規正法というのは、一団体百五十万円まで受けられるという量的規制が付してありますけれども、数の制限は全くしておらぬわけでございますので、一億円受け取ろうと思えば百万円ずつ、つまり百万円超は公開するものですから、百万円ずつのものを百個つくれば一億円は全く国民の目に触れない、こういうことになっておったわけでございますので、これは、まずもとの企業・団体献金というのは政党及び政治資金団体しかいけませんと、それから公開基準につきましても五万円超ということにしたことがまず第一番目でございます。
 それから、透明性につきまして、政治団体や政党に対するものは、従来の場合には百万円超ということになっておりましたけれども、透明性を高めるということで、政党に行く場合には五万円超、それからパーティー券の場合には、政府案では五万円超でございましたが、これが衆議院の改正で二十万円超ということになり、いずれにしろ透明性は極めて高まったわけでございます。
 三番目に、パーティー券の購入でございます。今まではこれは寄附ではなくて事業収入ということになっておりましたので、いわば出し手の方の制限はございますけれども、非常に無制限に近かったわけでございますけれども、一昨年の改正によりまして、一回のパーティーにつきまして百五十万を超えて購入してはならないということで、量的な規制がされました。その際、公開基準も政治資金規正法にございます百万円超ということになったわけでございますが、これは先ほど触れましたように政府案で五万円超としておりましたが、衆議院の改正で二十万円超ということで、パーティーにつきましても厳しい量的規制と公開基準の規制をしたところでございます。
 それから、政治資金の公私混同につきまして、いつも、秘書が秘書がということで、あるいは会計責任者がということで逃れられておったわけでございますけれども、今度の場合には、一人の政治家が資金管理団体というのを持っておって、これにはみずからが代表者になるということになり、そしてそこで受けられるものは企業・団体献金はだめです、個人献金のみですということにしたわけでございます。正確に言えば、選挙中のものあるいは政党からのものはいいわけでございますが、企業・団体献金は禁止をしたということで、公私の峻別を厳しくしたことでございます。
 それから、収支報告書に対する虚偽記載が、従来は会計責任者のみ処罰されておったわけでございますが、今回はこの資金管理団体というのは政治家みずからが代表者にならなければならぬということで、そこで会計責任者に対します監督責任というのが発生をしてまいりまして、「相当の注意」を怠ったときにはその政治家本人も処罰をされ、かつ公民権が停止をされるという大変厳しいものになっております。ましてや、違法であるということを知って会計責任者といわば意思を通じて違法な寄附を受け取った場合には、共同正犯といたしましてさらに厳しい処罰、五年以下の禁錮あるいは百万円以下の罰金ということ、加えて公民権の停止がされるということになっております。
 それから、選挙区内に対します寄附につきましても非常に厳しくなり、かつもっと範囲を広げましたし、また罰則についても非常に厳しくしたということで、山花大臣からお話しございましたように、当初、現在考え得るものに対しては穴をふさいだというふうに考えております。
#22
○会田長栄君 なるほど、わかりましたが、十八年ぶりに大きな前進であるということだけは認められますね。
 しかし、ただ一点、政治資金の透明度の点ではどうかというところで、政治資金管理団体を一つにして献金額も百万から五万にするというようなことで、これは大きな前進だと思いますが、果たしてこの百万から五万にしていっての収支報告というのは明らかになるんですか。
#23
○国務大臣(山花貞夫君) 今の委員の御質問で、受けるのが百万から五万ということではなく、公開の基準が百万から五万ということでございますので、そういう趣旨でお答えさせていただきたいと思います。
 私は、透明度につきましては、今、自治大臣が六点にわたって御説明させていただいたこと、全体として相互に関連している部分もございますけれども、かなり高まるのではなかろうか、こう思っているところでございます。六点の問題点、重複しますから避けますけれども、全体として透明度を高めるということに焦点を置いているというのが一つのポイントでございます。
 そして同時に、資金の管理団体を一つにするということは、現実の透明度を確かめる手続ということをお考えになっていただきましても、今例えば、じゃ一体どの政治家がどれくらいの収支で政治活動を行っているかということを調べるためには自治省などに行って各政治団体の収支の報告書を調べなければならないわけです。大体一人の政治家が幾つ政治団体を持っているのか。一つという方はいらっしゃらないはずでありまして、多い人は、聞くところによれば五十あるいは百近く、あるいはそれぞれの政治団体相互のやりくり等もございまして、そういった意味におきましては、調べるといってもなかなか調べることが困難ではなかろうかと思っております。
 プロのマスコミの方が行って毎年見ておるという、そうしたかなり熟練した方でないとわからないというのが現実ではなかろうかと思っておりますが、一つにしてそれを見ればその政治家についての収支が明らかになるということであれば、そうした監視、批判にさらされるという面からも透明度を高めなければたえ得ないということにもなってくるわけでありまして、その資金の百万超を五万ということだけではなく、そうした全体の構成の中で透明度についてはかなり高まってくる、こういうように私は確信をするところでございます。
#24
○会田長栄君 それでは、きのう関根委員から質問のあった「政党献金「抜け穴」」というきょうの新聞をお読みになりましたか。
 きのうの質問に対して、「政治資金規正法改正案では、政党への企業・団体献金の公開基準は「五万円超」となっている。政治家が「支部献金」を利用して十の支部をつくり、一企業から各支部に五万円、計五十万円の献金を受け取っても、政治資金収支報告書には記載しなくともよいことになる。」。
 佐藤自治大臣はこうした指摘を認めたのに対し、自治省の佐野選挙部長が一般にできるとは言っていないと答弁したため、解釈が食い違っているというので、山花政治改革担当大臣が、現行の政党組織では青年部や婦人部は地域支部のもとにあるのが常識的でその場合は献金を受けられない、ただそうでない単位としてつくれば規定に該当すると説明、事実上の無制限であることを認めたと言っている。
 今まさしく政治資金規正法が二度とこういう厳しい批判を受けないように改正しようと言っている審議のさなかに「政党献金「抜け穴」 政府側「無制限」認める」という新聞が出ているわけでありまして、これはまことに、せっかく十八年ぶりに大きな前進だと私は高く評価しているところでありますが、その意味では今度の政治資金改正法案の立法趣旨というのは一体何だったんですか。改めてお尋ねいたします。
#25
○国務大臣(山花貞夫君) 改正案の立法趣旨という御質問をいただいたわけですが、本来の政治資金規正法の冒頭申し上げました目的、理念ということに沿って法改正を準備したことは当然でございますけれども、これはやはり選挙が終わった後、政治改革の政権をつくろうということで今日の連立与党が受け入れたそのときのテーマが、企業・団体献金の禁止に一歩踏み出すことを含め、資金の透明度をふやす、そして政党からの関係についてできるだけこれをきれいにしていくことに努力しよう、こうしたいわば合意に基づいているところでございまして、今回もその趣旨に沿って法案を準備したところでございます。
 今、委員、新聞を引用して抜け穴ということで御指摘いただきましたけれども、関根委員の御質問は抜け穴ということで御質問したのではなく、いわば地域支部ということについての法律の解釈として御指摘があって問題が整理されたものと、こういうように承知をしているところでございます。
 根本の問題は、企業・団体献金禁止に一歩踏み出すということから、企業・団体献金については、政治家個人については即時全面的に廃止するというのが今回の法律の眼目でございます。そして、一挙に企業・団体献金を全部なくすというところまでは残念ながら現実的な解決としては踏み出すことができなかったわけですが、今回のように政党、政治資金団体に対する寄附と政治家個人あるいは政治家の政治団体に対する寄附、企業の寄附について、これを現状で考えてみれば、昨年明らかにされました収支の透明度ということで考えますと、企業・団体献金のうち政党、政治資金団体になされた寄附につきましては、私の記憶ではたしか九七・二%が正確に内容を出しているところでございまして、その意味におきましては、政党に対する入りの部分につきましては企業献金について約九七%、ほとんどが明らかにされているわけであります。
 ところが、政治家個人に対する企業・団体献金につきましては、先ほど抜け道と御指摘いただきましたような部分等があったことも原因して、わずか透明度三%というのが現実の状況でございました。
 一方においては九七%明らかになっているけれども一方においては九七%不透明である、こうしたこれまでの実績ということを考えますと、ここで政党、政治資金団体に絞ったこと、そして政党の地域の支部が本部と一体のものとして企業・団体献金を受け入れるといたしましても、従来の実例、実態から申しますとほとんど九七%その内容が明らかになる、こういうことでございまして、その意味におきましては地域に支部をつくることができる。そして、その場合の収支はまさに厳しい内部監査と公示されるということも考えれば、ほとんどその部分について透明度が飛躍的に増すものではなかろうか、こういうように考えているところでございます。
 そうした意味において、地域支部ということについては、これは本部の規約あるいは法律の要件に合致するならば認めることになると思っておりますけれども、その透明度という点一点を考えましても、従来とは全く違った透明度の増大ということが期待できるのではなかろうか、以上のように考えているところでございます。
#26
○会田長栄君 これは抜け穴というのは逆に言えば悪用するということですから、悪用すればできるということできのうから問題になっているんですよ。悪用されたのでは十八年ぶりの大きな前進は意味がないんです。
 先ほどから私が申し上げているとおり、これ以上政治家と金にまつわるところの汚職事件が続発するということであれば、日本の政党政治そのものが国民から私は否定されるのではないかという危機感を持っているんです。そういう危機感からいうと、どうも悪知恵を働かして次々とやりさえすれば可能になるというのではこれは立法の趣旨からいって困りますから、その点は十二分に配慮して私はやってほしいということなんですよ。
 したがって、立法の趣旨とは何だ、この際悪用されないようにどういう歯どめをかけるべきなのかということをきちっとしてもらいたいという意見を持っているんです。
 これはなぜかというと、二十三年以来九回にわたって政治資金規正法というのは改正されている。改正される国会審議などの状況のときには、新たな不正、疑惑というのが醸成されているんです。そういうことを言いたくありませんけれども、今まさしくこれほど真剣に議論をして前進させたいとこう思っているのに、今またどこかであるんじゃないかという疑いの目を持ちたくなるんです。だから、そういうことが二度とないように、この際、十八年ぶりに大きな前進を見たところでありますから、私は勇断を持ってそこは対応してもらいたいという意見なんです。
 私、本来は企業・団体献金は即時禁止した方がいいと思っているんですよ、これは悪の根源だから。幾ら企業は社会的存在なんと言ってみたって、今日まで九回の政治資金改正法案の中身を見ればおわかりのとおり、常に話題を提起する一方の側なんです。今は政治家だけ悪いように言われておりますけれども、政治家だけではないんです。出す方も悪いんです。したがって癒着ができるんですから。こういう前進する改正法案を提起して、その悪知恵にまた負けることのないようにひとつ真剣にやってもらいたいというところで、次の質問に入ります。
 企業献金、団体献金の五年後の見直しという問題についてお尋ねいたします。
 私は、今度の政治改革法案の中では、これは大目的だと思っています。この点について五年後、担当大臣として見直すに際しての決意のほどを聞きたい。どうぞよろしくお願いします。
#27
○国務大臣(山花貞夫君) 今の委員の御質問は政治資金規正法を中心としてということで御質問をいただいておりますけれども、関連四法案全体として腐敗防止、政治と金の関係に対して国民の批判にどうこたえるか、そうした見地から構成されているということについて冒頭ぜひ御理解いただきたいと思っているところでございます。
 御質問の政治資金の五年後見直しの問題につきましても、一方において個人献金が一体どうなるのか、あるいは政党本位の選挙制度、そして政党本位の政治活動ということにしておりますけれども、政党の活動というものが一体どのような形で展開されるのか等々のことを見きわめた中で五年後見直しと、こうした法の仕組みになっているわけであります。同時にこれは、先ほど申し上げましたとおり、経過がございまして、今回の政治改革政権樹立に当たって、企業・団体献金に踏み出す、こうした大前提のもとに少なくとも政治家個人、政治家の後援会等については即時全面的に禁止すると、ここまで大きく踏み出したものでございます。
 さらに、先生の御主張は全面的に禁止する、こうした問題につきましても、法案作成の経過におきましては、連立与党でも協議された中、五年後見直しに際しまして廃止の意見に考慮して見直す、こうした合意に基づいて今回の法案が作成されているところでございます。
 したがって、廃止の意見に考慮して見直す、こうした議論を踏まえて今回の法案を提出させていただいておりますので、全体の見直しの方向につきましては、そうした方向づけはきちんとなされているものと、こういうように考えているところでございます。これから新しい選挙制度あるいは新しい政治資金の制度というものを五年間見きわめた中で今申し上げました方向に沿って見直しがなされるものと私は考えているところでございます。
#28
○会田長栄君 私は気持ちの上では、五年後では遅い、こう思っているんです。そういう意味であります。細川政権の国民に対する公約ですからね、これは。政権が交代したときでなければこういう問題というのは前進しないんですよ。それは今日まで繰り返されてきたことでおわかりでしょう。そういう意味では、大臣の決意を今承ったわけでありますが、できる限り、五年などと言わずに一年でも早く政治が国民の信頼にこたえる意味でも努力されるようにこの機会にお願いしておきます。
 これと関連をいたしまして、商法と大変関係があるわけでありますが、私は企業の使途不明金問題というのをこのままにしておいたら決してよくならないと思う。現在のところは、企業・団体献金というのはこれは表舞台の話でありますね。ところが、今国民の怒りが頂点に達しているのは裏献金問題なんです。裏献金はどうしてできるかといったら主に使途不明金の問題なんですから、この使途不明金というのは商法を改正しない限りなかなかできない。ところが、今までの政府はなかなか腰が重かった。どうしても使途不明金問題を国民が納得するように解明していかなきゃいけないし、当然その対応の法改正もしなきゃいけない、私はこう思っていますが、それについてどういう御意見を持っていますか。
#29
○国務大臣(山花貞夫君) 今の御指摘の使途不明金問題についても大変関心を持っております。
 商法のということで今御指摘いただきましたけれども、この問題は諸外国の立法例等についても勉強させていただいておりますけれども、税務上の罰則等を科しているところもございます。そうした使途不明金問題についてさまざまな角度から検討を進めているという段階でございまして、これに対する直接的な対応ということは残念ながらまだ間に合っておりませんけれども、これからの最優先の検討課題の一つである、こういうように考えているところでございます。
 同時に、先生、それが結局やみ献金につながるのではないかと。まさに御指摘の問題は、最近まで引き続いているゼネコンをめぐる汚職の事件などを見てみればもう問題点は直結している、こういうようにとらえるべきだと思います。そうしたやみ献金に対して一体どうするか、もし、そういうことが明らかになった場合の罰則については、この法案におきましてかなり厳しく盛り込んでおるということをつけ加えて御説明させていただきたいと思っております。
 何といっても一番の大きな歯どめというものは、政治家個人に対する寄附は個人献金であっても原則として禁止するとしておりますから、まずこれに違反した場合には直ちに政治資金規正法の違反になることに始まりまして、寄附の量的制限違反あるいは収支報告書への虚偽記入の罪等々にすべて該当してくる問題である、こういうように考えております。
 こうして企業等の団体献金の禁止の違反、政治家個人に対する寄附の制限違反、寄附の量的制限違反の罪に問われた場合には一年以下の禁錮または五十万円以下の罰金に、収支報告書への虚偽記入の罪につきましては五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処せられることになっております。かつて話題となりました五億円もらって二十万円罰金払えばそれで済むのかこういった疑問にはきちんとこたえる重い罰則を科しているところでございます。
 同時に、今回の改正案におきましては、罰金刑の場合を含めて、公民権の停止という措置をとることになっているところでございます。公民権停止がありますから、政治家がこうした違反行為の罪に問われた場合には公民権が停止され次の選挙には出られない、こうした重い効果もあることについて強調して説明をさせていただく次第でございます。
 先ほど佐藤大臣御説明のとおり、従来は政治資金規正法違反の場合、今日の政治資金規正法の仕組みを考えれば結局政治家本人は未来永劫処罰されない、こういう構造があるんじゃないだろうかということを私は幾度がこれまでの国会におきまして主張してきたことを私自身の経験として記憶をしているところでございます。
 今回は、資金管理団体を一つにする、そしてその責任者、代表者には政治家本人が就任する、監督義務もある。こういうことなどを考えれば、今御指摘の使途不明金に直結するやみ献金などにつきまして政治家が責任を問われる、政治家本人が責任を問われる、こうしたことについてはかなり厳しい構成になっており、同時に禁錮刑、罰金刑に加えて公民権停止も科せられる、こうした内容になっておりますので、冒頭申し上げました使途不明金に対する措置につきましては、最優先の検討課題としながらも今日そのことについて具体的な提案をするまでには至っておりませんけれども、今回の規正法の中におきましては、そうした観点についてかなり対策については盛り込まれているということについて、この機会に御説明をさせていただいた次第でございます。
#30
○会田長栄君 時間でございますから改めて簡潔に私の意見を申し上げておきますが、どんなに罰則を強化しても、これは従来から結果的には罰則を乗り越えてやるのがやみというやつですから、したがって、その大もとになるところをきちっとさせなければ私はいけないと。企業といえども株主がいるわけでありますから、株主に明確にしていかない限りそれは決して公正ではない。したがって、使途不明金と言われている会計経理上の始末のつけ方というものは、これは商法上も細川政権としては五年後の見直しを目指して手をつけなきゃいけない、私はこう思っています。そういう意見だけ申し上げておきます。
 これは、私、決算委員会で使途不明金の問題について随分やり合いました。通常、一般の人であれば使途不明金などというのは、これは大体公務員だったら全部首です。しかし、社会的存在だということで重要な役割を認められている企業が使途不明金をつくってどこに使ったかわからないということを経理上認めておいて、そして株主に承認を受けて逃げ切って、それを政治家に上げて事業を獲得しようなどというのはまさしくもってのほかだということを申し上げておきました。
 なかなか難しいようなことを言いましたけれども、これはぜひこの点を、根っこを断ち切らない限り決して私はこの問題は解消しないだろうと、こう思っていますから、そのことをひとつ肝に銘じておいてほしいということをお願いしておきます。
 最後になりますが、もう一つ自治大臣にお尋ねすることは、地方首長が大変国民の期待を裏切っている現象がありますが、そういう意味では今度の改正法案で、有権者と候補者の接点である立会演説会というのが消えてから久しいんですが、これが一つ議論の対象にならなかったのかということ。一方で戸別訪問ということを認めるから、その点は大きな評価を私はいたします。
 この二点について質問をして私の質問を終わりたい、こう思いますから、どうぞよろしく。
#31
○国務大臣(佐藤観樹君) 一つは使途不明金の問題でございますけれども、もう先生の言われることは十分わかっておりますし、またいろいろ世論もあることは御承知のとおりでございますので、我々政治改革を担当する者といたしまして、今度の税制改革の中で何か結論が前に出せないかどうか、大蔵省あるいは税制調査会の方にさらに詰めた議論をしていただくようにひとつお願いをさせていただきたいと思います。
 それから二番目に、立会演説会の問題でございますけれども、御承知のように昭和五十八年、結局集まる人も非常に少ない、あるいは動員合戦になってしまっているということで、テレビ等を使った方がより効果的ではないかということで廃止になったわけでございます。もちろん立会演説会についてもいろいろと議論があったところでございますけれども、やはりこういう時代でございますから、今度は衆議院の小選挙区におきまして候補者を出せる政党というのは政党活動としてテレビを使えるというようになってきておりますので、私たちはそれの方がより効果があるのではないかということで立会演説会については今度の法案には入れなかったということであります。
 最後に、先ほど政党支部のお話しがございましたけれども、私たちといたしましては、いわば政党性善説に立って、いやしくも国民から三%の支持なり五人の国会議員をいただいているこれらの政党が、企業・団体献金を集めるために支部を規約を変えてわざわざたくさん何百何千つくるということをやること自体が国民の目から見て一体どうなるだろうか、そういう監視の中で果たしてやることができるだろうか。
 我々は、なるべく政党の活動というものには立ち入らないという原則でこの法案というのはできておるものですから、支部がいろんな格好で活動なさることについては私たちは立ち入らないようにしていこうということでございます。やっぱり政党が先生が今御指摘になったような五万円以下のものをたくさん集めるために支部をつくるということをやるとなれば、またこれは国民の指弾を受けるでありましょうし、話としては一市区町村以上または選挙区の中に一つだけという意見だってそれはないわけではありませんが、まず、私たちはここで政党のみに限るということにしていくことが妥当であるというふうに考えてこのように提案したわけでございます。もちろん、出し手であるところの企業、団体等は……
#32
○委員長(本岡昭次君) 大臣、時間でございますので短くお願いいたします。
#33
○国務大臣(佐藤観樹君) これはもう三木内閣にできました別表というのは出せる方の金額というのは変わっておりませんので、この中で私たちは対応できるのではないかと考えた次第でございます。
#34
○会田長栄君 ありがとうございました。(拍手)
#35
○続訓弘君 私は、昨年七月当選しできたばかりの文字どおり一年生議員であります。しかしながら、三十八年間東京都庁に勤めておりました。その間、美濃部知事時代にも鈴木知事時代にも、私は都政の政策責任者の一人でありました。そんな関係から、衆参両議院の先生方には都政を通じて大変お世話になりました。とりわけ、ここにおいての松浦理事、下稲葉理事あるいは関根理事を含めて、自民党の方々には特に各省庁で久しく御指導をいただきました。そんな関係もございまして、三十八年間の都政を通じ、そして一年半の参議院の経験を通じて、大変恐縮でございますけれども、私の感じた感想を二点ほど具体的な質問に入ります前に述べさせていただきます。
 その第一は、国会の審議のあり方についてであります。
 御案内のように、美濃部都政下では与党は少数でございました。社会党、公明党、共産党は与党でございました。にもかかわりませず、例えば六十五歳以上の老人医療の無料化の問題、あるいは児童手当の創設の問題、あるいは憲法論議にまで及びました無認可保育所の助成の問題、あるいは社会福祉各施設の助成の問題、あるいは公害防止条例の制定の問題等々につきましては、野党でありました自民党も、一転、都民のためという視点から真摯な議論をしていただきまして、そして立派な都政を執行していただきました。また、鈴木都政時代にも、三分の二以上の議決を要する新宿都庁移転の問題、あるいは三%、あの消費税の転嫁の問題、あるいは都市計画税二分の一の減免の問題等々につきましても、都民のための都政を執行するという意味で、真摯な議論の上、実は所要の政策、都政を展開していただきました。
 そんな中で、実は一昨日、峰崎委員と羽田副総理との間に議論が闘わされました。私はあの議論を聞いて、なるほど国権の最高機関としての国会はかくあるべし、こんなふうに思った次第であります。ぜひともそんな真摯な議論がこの国会の場で開かれますことを私は念ずるものであります。
 そして、感想の第二点は、細川総理のリーダーシップに係る問題についてであります。
 昭和五十六年の一月だったと記憶しておりますけれども、当時の経団連の土光会長が何の前ぶれもなく鈴木知事を突然訪ねられました。いわく、自分は鈴木善幸総理から臨調の会長就任を要請された、その具体的な承諾をする前に鈴木知事に本日は教えを請いに参りました、こんな話でありました。それは、あの未曾有の都財政の再建をスムーズに行っておられる鈴木知事の考え方についてお伺いしたい、こんな話でありました。私は感動いたしました。知事も恐縮しながら三点にわたって答えられました。
 その第一は、為政者の姿勢にありますよ、強力なリーダーシップにありますよ、これが第一点でありました。そして第二点は、悠久の都政を念ずる立場をちゃんと理解している組合幹部の存在と組合員の理解、協力ですと。そして第三点は、何よりも広範な都民の理解、協力。この三点があったがゆえに都財政の再建がスムーズに進行しつつございます、こんな回答でございました。
 今、国政では、政治改革の問題、行政改革の問題、また現下の不況に対するいろんな諸問題が山積しておりますし、外交問題でもこれまたいろんな問題が山積してございます。そんな中で今問われているのは私は総理の強力なリーダーシップではなかろうか、このように思います。きょうはお見えでございませんけれども、ぜひとも総理におかれましては、肥後もっこす、この魂を十分発揮されまして、強力なリーダーシップのもとに国政の運営に携わっていただきますことをお願いをするわけであります。
 さて、具体的な質問に入らせていただきます。
 先ほど会田委員からも御質問がございましたので重複するとは存じますけれども、基本的な問題について二点ほど山花大臣にお伺いをいたします。
 その第一点は、最近の腐敗防止を先行したらどうかという議論についてであります。細川総理も山花大臣も佐藤大臣も、四法案は一括でないと意味がない、今までの経過を踏まえて何としても不即不離にある四法案一括という姿勢を貫いておられますけれども、この不動の姿勢について改めて確認をさせていただきたいこと。
 そして第二点は、企業等の団体献金に関する問題でございますけれども、先ほども会田委員にお答えになりました企業等の団体献金を五年後に見直すことについての基本的な姿勢について。
 この二点だけ山花大臣にお伺いいたします。
#36
○国務大臣(山花貞夫君) 前段の御質問は政治改革四法一括採決についての決意、こうした御質問でございましたけれども、まさに細川総理を初めとした閣内一致した強い気持ちを持って四法一括成立ということを期して努力をしているところでございます。
 これは内閣の姿勢ということでもございますけれども、今回の細川政権誕生に当たりまして、政治改革政権、こうした提唱に賛同する今日の連立与党が細川政権をつくった経過からいたしましても、そこで合意されました政治改革についてのテーマは、どの部分ということではなく、まさに今回四法としてまとめ上げることができました全体の政治改革を実現しよう、そしてそのことなくしては本日も御議論をいただいている国民の政治不信を解消することはできない、こう考えた中で四法を一括して提案させていただいた次第でございまして、政治資金のあり方あるいは腐敗防止のための諸施策等々も、今回提案させていただいております政党本位の選挙制度のこれからと深く相互にかかわり合った問題であると考えているところでございます。
 そして、本来、政治改革の原点というものが腐敗の根絶にあったといった経過を改めてしっかりと踏まえるならば、四法一括の成立ということが何としても求められていると思いますし、それが先ほど三つの問題点、総理のリーダーシップ、それから庁全体の支援の体制、国民の支持、そのことを今当てはめて考えてみましても、国民の関心はまさにこの腐敗を根絶するための政治改革が全体として成立するかどうかにかかっていると思いますし、また衆議院段階を含めて与野党の議論が政治改革については何としても実現しよう、こうした機運はずっと一貫していると確信をいたしますし、そして総理のリーダーシップが問われているこの四法一括という問題についても、総理が極めて強い決意を国民の皆さんに昨年来メッセージとして伝えておりますことについては御承知のとおりでございます。
 そうした総理のリーダーシップを守り、私どもとしても四法一括成立のためにこれから残された期間全力を尽くしてまいりたいと思いますし、どうか御協力のほどについてもこの機会をおかりして改めてお願い申し上げる次第でございます。
 同時に、後段の問題については、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、やはりこの政治資金問題については、政治資金総量の問題、透明度の問題、そして企業・団体献金についての取り扱い、これが私は政治資金についての三つの柱だと考えております。
 先ほどその点について触れさせていただきましたけれども、五年後の見直しに当たりましては、連立与党の合意にありました「廃止の意見に考慮し五年後に見直す。」、法律の条文ということもありましてその文章どおりにはなっておりませんけれども、廃止の意見に考慮してと、こうした方向づけをきちんと踏まえた中で今回の法案についても提出させていただいた次第でございまして、一応五年という期間につきましては今後の運用の実態をしっかり見きわめてということでございます。そうした方向に沿っての関連する部分については、先ほど来御質問いただきましたとおり、五年待たずにという意気込みでこれから取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
#37
○続訓弘君 藤井大蔵大臣にお伺いいたします。
 それは、先ほど会田委員も山花大臣に御質問されましたけれども、政治腐敗の根源を断ち切るためには何としても使途不明金の問題を避けて通れない、こんな質問でございました。
 私は、使途不明金の制度は税法上認められていないのにもかかわらず、一般的にはそれが認められてい台かのようにみんな誤解をしておりますので、そんな関係から、今後使途不明金の根絶を図るためにどんな方策をお持ちなのか。
 そして第二点は、公明党が一月二日にこの問題について提言をいたしました。その一つは使途不明金に対して特別の重課税を、そしてさらに悪質なものについては青色申告の取り消しをと、こういう提案でございました。これについて大臣の所見を伺います。
#38
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの続委員の御指摘のように、いわゆる裏献金の一つの大きな根っこに使途不明金問題がある、これはもうそのとおりだと思います。もちろん、使途不明金が全部そういう政治資金に使われるわけではないのも御承知のとおりであります。しかし、いずれにしても、御指摘のように会計上は使途不明金という項目はないわけでありまして、機密費だとか旅費だとか交際費だとか、そういう中に入っているわけでございます。
 執行の問題につきましては、ただいま国税庁が参っておりますので、もし必要であれば執行上の問題を答弁させますが、今の御指摘、私には制度の問題だというふうに伺わせていただいたわけでありますが、実は過般の税制調査会の答申につきましても、この問題について一つの答申が出ております。
 一つは、何らかの検討をすべきだという考え方と、それから、やはり税というものには限界があるので税にこういう一つの特定の目的意識を余り持たせるのは行き過ぎではないかという意見が両方ある。これが税制調査会の両論なんでございますが、同時に、続委員今御指摘のように、公明党からやや踏み込んだ形の制度をつくるべきであるという御意見もよく承っております。これらを含めまして、今の税制調査会の答申などを加えまして検討させていただきたいと制度問題については考えております。
 もし必要であれば、執行の問題、今の青色の問題も執行の問題でございますもので、国税庁から答弁をさせたいと思います。よろしゅうございますか。
#39
○政府委員(三浦正顯君) ただいまの大臣の御指示で、現状の執行の状況並びに青色申告の取り消し問題について補足いたしたいと思います。
 国税当局といたしましては、現行の制度のもとででございますけれども、委員御指摘のとおり、使途不明金は大変な問題でございます。所得が実際にあった真実の所得者に課税をするというのが税務行政の本来の使命でございますので、課税上使途不明金は大変問題だと考えまして、一従来から、そしてまた今日も調査に当たりましては使途不明金の使途の解明に特段の努力をしております。
 ただ、税務調査と申しますのはいわゆる任意調査を基本としておるわけでございますので、実際上使途不明金の解明はなかなか難しいわけでございます。使途不明金を多額に支出しているような企業あるいはまた業界の団体等に対しましては、国税局の幹部等が率先して適正な会計処理の指導に努めるというようなことをやっております。
 ポイントは二つでございます。要するに、徹底した調査を行う、そしてまた指導にも意を尽くすということでございまして、こういったことを通じまして適正な課税の実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 それから、青色取り消しの関係でございます。
 現行の制度の上で青色取り消しにつきまして、私ども、実際のケースもございますが、継続的に多額の使途不明金を支出するなど悪質なケースにつきましては厳正な態度で臨む必要があると考えております。そういう点で、使途不明金を支出しております法人に対する青色申告の承認の取り消しにつきましては、その使途不明金の支出の状況から見まして帳簿の記載事項全体についてその真実性を疑うに足る程度かどうかなど個々の実態に即して総合的に判断し、もし問題がありと、現行法人税法第百二十七条に該当するという場合には、青色申告の取り消しをするということもあるわけでございます。
#40
○続訓弘君 それでは、佐藤大臣に一点だけお伺いいたします。
 先ほども会田委員から今回の政治資金規正法改正案は抜け道だらけではないか、こんな質問がございまして、そんな意見に対して、そうではないというお話もございましたけれども、もう一回そのことについて御所見をいただいて私の質問を終わらせていただきます。
#41
○国務大臣(佐藤観樹君) 私たちは、政治活動の自由ということは最大限重んずるのが憲法の精神であり、またそうあるべきだと思っておりますので、政党の組織論まで介入をしないということを大原則にしてこの法律はつくられておるわけでございます。したがいまして、法律論としてきのうございましたように、一以上の市区町村または選挙区を単位とする支部、これはいわば俗な言い方をすれば地域支部ということでございますけれども、それはいろんな格好があればいろんなことができるじゃないかということにつきましては、私たちはそのことは否定をしておらぬわけでございます。
 ただ、先ほどちょっと触れましたけれども、三木内閣以来たしか十八年になると思いますけれども、別表一という企業の方が出せる金額という最高一億のところ、あそこは全然さわっておらぬわけでございますね。それが一つでございますし、それから、そもそもいやしくも支持率三%とかあるいは五人要件とか、国民の税金をいただく政党助成法の対象になるような政党が、企業・団体献金を受けるために規約を変えてまでたくさんそういうものをつくって報告書を上げるということ自体が、報告書をつくるのも極めて面倒でございますし、それはどこかしかるべきところで、それも支部であることも機関でございますから認知を当然していかなきゃいかぬわけでございますので、そこまでやって企業・団体献金をつくるということ自体が国民の皆さん方から見てどうなんだろうか。企業・団体献金を集めるためにそういうたくさんの支部をつくる、政治資金規正法上の支部をつくるということは、これはやはり法の精神からいって好ましいことでないことはお互いにわかるのではないだろうかというふうに思っておりますので、私たちとしては十分この法の精神が生かされて政党活動に向かうというふうに考えておるところでございます。
#42
○続訓弘君 ありがとうございました。(拍手)
#43
○寺澤芳男君 民主改革連合、新生党、日本新党を代表いたしまして質問をさせていただきます。
 私は、外国の特派員を七、八人集めまして、毎週一度、朝食会をずっとこの一年間続けております。アメリカのニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、あるいは英国のロンドン・タイムズ、BBC、こういうところからの特派員がだれでも出られるような朝食会をやっているわけですが、そのジャーナリストたちの日本の政治に対する深い関心、そして我々の想像以上の深い知識、これに正直言って毎回立ち往生をいたしております。
 私の友人がアメリカやロンドンから電話をかけてまいりますが、まず今の日本の政治改革は一体どうなっているんだということを非常に心配しております。そんなに広くないこの参議院の第一委員会室、これは日本国じゅうの注視の的であると同時に世界のみんなが見守っている、そういう中で今我々は政治改革の法案を審議しているというふうに私は思えます。
 過去五年間、この政治改革法案をめぐって国会はもめにもめました。総理大臣も二人ばかりやめました。なおかつ今我々はこの実りのある審議を一生懸命にやっているわけですが、仮にこれが廃案にでもなったら、世界に対する日本の信用失墜に大きくつながるものではないかという危機意識を私は持っております。きのうもあの記者席に女性のアメリカ人記者が終日じっと聞いておりました。彼女も私の朝食会のメンバーの一人であります。日本の永田町はわからない、日本の国会の審議のやり方はどうしてもよく納得できないということを漏らして彼女は席を立って帰りました。
 政治改革もさることながら、私のようにおととしの七月に初めて国会議員になった者にとってこの永田町にはわからないことばかりが横行しております。各政党間のやりとりもよくわからない。このわからない永田町をガラス張りにしてわかりやすい永田町にする、国民にわかりやすい永田町にするということが、とりもなおさず世界の人々に、あの不可思議でフェースレスで顔がなくてわからない日本ということで敬遠されていた日本が大きく国際化の第一歩を踏み締めるということ、そういうことではないかと思います。
 湾岸戦争で日本は百三十億ドルも経済的な貢献をした。百三十億ドルといったら、国民の一人が赤ん坊をも加えて一万円、今二百五十円の公的助成で議論が進められているわけですが、その割には世界で余り評価はされていない。それは日本でいろいろ行われている、特に政治がよくわからないということだろうと思います。
 国会の審議が進められておりますこの政治改革法案がもし廃案になったら、世界における信用の失墜度、これがどんなものか。実際に世界を飛び歩き、世界の首脳に会い、国際会議に出席されておられます羽田外務大臣からお考えを聞きたいと思います。
#44
○国務大臣(羽田孜君) 今お話しございました点につきまして、私も実は考えさせられるところが多くあったわけであります。
 と申しますのは、数年前でありますけれども、英国のBBC放送ですか、この方が大蔵大臣であった私に対して実は取材に来られました。しかし、財政とか金融とか税制の問題についての質問ではありませんで、日本の政治改革というのは一体どう進むのかという話でした。また、その以前にも実はそういう話が各国の学者、あるいは評論家、また記者の人たち、これがしかもアメリカとかヨーロッパというだけでなくてアジアの国からもそうでした。そして最近では、この間サリーナス大統領が来られましたけれども、外務大臣、それからヨルダンの首相、そのほか幾つかの国の外務大臣あるいはその首脳の方々が来られて、私に聞くのもやっぱり政治改革の進捗状況です。
 そして、今から五年ぐらい前からでしたか、いわゆる外交官、大使の皆さん、こういった皆さん方が実は私に対して、そういったことについて三十分とか一時間ぐらい時間を要しながら説明を実は聞いてくれたことがありました。
 そのときに私はなぜこんなにみんなが関心を持つのかなという思いを持ったものでありますけれども、彼らの言いますことが、やっぱり過去の日本だったら別に日本の中で問題が起ころうとあるいは日本の国がどう向こうとそんなに気にしなかった、しかし、今や日本の例えば予算がどのように組まれるかということによって各国に影響があるし、また世界のいろんな動きに対して日本が発言をする、そういうことによって世界にも影響が及んでくるんだと、ですから、日本の政治というもの、特にこの永田町からの発信ということに対して私たちは無関心でおられないということを言っておりまして、日本ももうここまで来たんだからやっぱり本格的に世界に顔を見せる政治というものをやってもらいたいなと。
 この間亡くなったハンガリーの首相が言われたことは、日本に対して、政治的な発言をしてほしい。それからある国の大統領も同じこと、この方は生きていらっしゃいますからもう申し上げませんけれども、その方が全く同じことを言いました。そのときに言われた言葉が、私はミサイルでも担いでいかなきゃいかぬのかな、これは大変なことになるぞと思ったんですけれども、そうじゃなくて、日本のようにこれだけ多くの国とつき合っている国はないだろうと、この国はそれぞれの国の痛みとかそういったものはわかる国であると。そういう意味で、例えば今社会主義から市場経済に移ろうとしている国、途上国から発展国に移ろうとしている国、こういう国は、先進国とそういった国との間のかけ橋を日本がやってもらいたい、そのために日本は政治的な発言をしてほしいなんてということを言われておりました。
 やはり私たちはそういったことにこたえ、またあるときには日本という国がいろんな国の間の調整役をやる、これが私は日本のこれから生きる道だろうと思います。
 そのためにも、ここで本当に政治改革をやって日本が変わるぞ、そしてそこから本当に改革をやって、やったって変わらないだろうという議論がありますけれども、そうじゃなくて、やっぱり政治改革をやる、そしてその政治を変えていく意思と意欲を持つことが今私は日本に求められ、また我々議会人に求められていることであろうというふうに認識をいたしております。
#45
○寺澤芳男君 ありがとうございました。
 クリントン大統領と細川総理がもう二回会っているわけですが、やはり両首脳の一脈相通ずるということは、お互いに年が余り変わらないとか県知事と州知事の経験を共有しているとかということ以上に、やはり変革、チェンジということで、これから日本を変えていこうというあの細川さんの姿にクリントンも打たれて、そういう細川さんだったらこれから日米関係を構築していく相手として不足はないというそういう心情的な思いが多くあったんだろうと思います。
 ぜひこの政治改革は予定どおり我々は大いに実りのある議論をしながら成立させていきたいと思いますが、もう一度羽田外務大臣から、特に国際関係との重要性について御意見をお伺いいたします。
#46
○国務大臣(羽田孜君) もう今のお話があったとおりでありまして、多くの言葉を申し上げることはないと思います。
 私ども五年間この問題と取り組んでまいったわけでありますし、そしてこの間に二つの内閣がつぶれるというようなこんな経験を実はしてまいったわけでありまして、私は今度こそやらないと、ただ国内の問題じゃなくて、やっぱり対外的にも日本の信頼というものを失墜してしまうだろうというふうに思っております。やっぱり改革をしてそこから本当の真っ正面からお互いが議論できるような、どんな問題でもタブー視せずに議論できるような、そして日本のこれからの歩む道、あるいは国際的に日本が歩む道、こういうものがこの議会の場から発信される、そういう政治をつくるために何としてもこの会期内にこれを上げることをぜひとも与野党で話し合いながらやっていただきたいということを、心からお願いしたいと思います。
#47
○寺澤芳男君 時間が限られておりますので、一点に集中して御質問をしたいと思います。
 海外在住有権者の国政選挙投票権、先進国では今常識となっております海外に在住している日本の有権者の国政選挙投票権についてであります。
 現在、約七十万人の日本人が海外に住んでおります。有権者に該当する満二十歳以上の大人が約四十万人。
 大変皮肉なことが起こりました。PKOでカンボジアに派遣された自衛隊の皆さんから、我々は我々の国によって派遣されたのになぜカンボジアに行っているから投票できないんだ。たまたまPKOのもとで選挙が行われたそのカンボジアは、海外にいるカンボジア人でも海外で投票できるという何とも際立った対比となったわけであります。憲法第十五条で保障されている国民の参政権がただ単に海外に住んでいもということだけで行使できないということは、いかなる理由があろうが大変おかしい。
 私も二十一年間アメリカに住んでおりました。おととしの七月までワシントンにいて、隣のインドネシア人、マレーシア、ミャンマー、パプアニューギニア、フィジー、エジプト、モロッコ、先進国の人々はもちろんのこと、そういう国の人々もきょう私たちの大統領の選挙だということで意気揚々とワシントンの大使館に駆けつけていって投票しております。
 我々日本人だけが、世界で経済大国だ何だ、湾岸戦争には百三十億ドルも貢献しているこの日本人だけがしょんぼりと国政選挙に投票できない。二年たてば、三年たてば確実に東京へ帰っていくことがわかっている日本人の駐在員が投票できない。もちろん、アメリカ人じゃないからアメリカの大統領選挙には投票できない。こういうことをほうっておいていいのかどうか。こういうことこそ改革をしていかなければならないのじゃないかと思っております。
 まず、簡単に自治大臣から今までのこの件についての経緯を教えていただきたいと思います、国会での審議をも含めて。
#48
○国務大臣(佐藤観樹君) 憲法に定められた投票権でございますから極めて重要なことでございますが、昭和五十九年に政府から、海外に居住する日本人につきまして在外選挙人名簿、この場合には長期の滞在者つまり三カ月以上の方でございましたけれども、その登録を行いまして、国会議員の選挙の際に在外公館において投票を行うという内容の公職選挙法の改正が出されたわけでございますけれども、六十一年に衆議院の解散がございまして、その後引き続き検討を行っているという状況になっております。
 時間の関係もございますが、どこが難しいかということ等についてちょっと述べさせていただきたいのでございますが、審議は十分されなかったわけでございます。委員会での審議じゃございませんが、実務方を持っておる者といたしますと、まず第一に、海外へ行っていらっしゃる方に、その方がどこに投票権、住民票があって、その住民票を持っているところがどこの国にいらっしゃる方にどう連絡すればいいのか、あるいはそこではどういう方が立っているのかをどうやって周知徹底するかということがなかなか難しいことが一つであります。
 それから、在外選挙の対象者として、今、長期の滞在者つまり三カ月以上の方を申しましたけれども、じゃ三カ月未満の方とか海外永住者をどうするかという問題がございます。
 それから、選挙の公平公正、不正防止をするために、確かに捜査権は日本人の場合には及びますけれども、実際に買収供応をやった場合の捜査とかということになりますと、これがなかなか現実には非常に難しくて、選挙の公正確保ができるだろうかということであります。
 それから、在外公館、例えばアフリカにある在外公館が奥地にいらっしゃる日本人に投票してもらってその投票箱を日本に送るという場合に、それが完全にできるか、また、各市町村がアフリカの奥地にいらっしゃる方に周知徹底をするという実務が各自治体自身ができるかどうかという問題もございますし、このごろ選挙運動期間が短くなったものですから、参議院はもう少し長いんですが、解散から告示までの間にそれだけのことが完璧にできるかどうかということになりますとなかなかその辺の難しさがございまして、関係省庁となお一層これは慎重に検討しなきゃならぬというふうに考えておるところでございます。
#49
○寺澤芳男君 とにかく、今四十万人、多分これから二十一世紀に向かって百万人、これは本当にそこの国で働いている日本人のビジネスマンであり、あるいはいろんな学者であり、ありとあらゆる人たち、この人たちが御存じのようにニューヨークとかロンドンにおきましてはほとんど東京と変わらないような生活をしています。
 NHKのテレビを見ようと思えば見られます。新聞も海外衛星版で即日読めます。情報も豊富です。すべて変わってきています。そういうところで一生懸命に働いている四十万人の有権者が、ひょっとすると十年たてば八十万人になるかもしれないそういう有権者が、いかなる理由があれ憲法で保障された権利が行使できないということはゆゆしきことだと思います。これは、我々超党派で、そういう経験をしております議員が集まって議員立法を考えておりますので、政府としてもよく御認識をしていただきたいと思います。
 とにかく、これから世界、国際市場において、今までの日本が本当に経済大国としてのみならず世界からよくわかる日本として政治改革をこれから行っていき、そしていろんな行政改革、あるいはすべての面で本当に友達として頼れる、頼りがいのある日本ということにしていかないと、我々の生活がこれからやっていけなくなる、こういうふうに考えております。
 特に外交の面ではこれから大変難しい問題が目の前に山積しておるわけでありますが、日本の外交にとって悔恨の二十世紀から希望の二十一世紀に、ぜひ細川連立内閣がその糸口を先駆けとなって切るということで、政治改革を機に、特に外交の面で本当に日本の国威を、本当の意味でのいい意味での国威を発揚していただきたいと思いますが、一言、羽田外務大臣からその覚悟のほどをお願いいたします。
#50
○国務大臣(羽田孜君) まず、ただいまお話しがありました在外邦人の一票の問題ですけれども、やっぱり今度、選挙の前あたりでしたか、いろんな大使館ですとかあるいは商社の人ですとか、そのほかの皆さん方から、我々は日本の国を背負って現地でずっと生活しておる、そのときに、どうも日本からの発信というのは情けないよという話が実はありまして、やっぱりふるさとというものも遠く離れてみるとよく見えるものなんでしょうね、そんなことで、きょうここにいらっしゃる皆さんと、自民党時代にも、何とか在外生活者たちの一票というものを確保しようということで努力し、そしてその後、今度の法律にも何とか入れたいということでやっておったんですけれども、残念ですけれども、先ほど佐藤大臣からお話があったようにいろんな問題がありました。
 しかし、五十九年にこれ一回出しているわけですね。それからいろんなことを調査し検討し、それがいまだにできていないというのは、この間の下村委員からの御質問の問題と同じようなことでありまして、やっぱりやる気がないかやる意思があるかということだろうと思っておりまして、この問題についてまだよく関係省庁とやるために存分に努力をしていくということを申し上げておきたいと思います。
 それと同時に、変化というものは、ただ私たちは権力を持ったと喜んでいるものじゃないのであって、私は自民党におった者として一つの誇りを持ってきたんです。しかし、三十八年間ずっと一つの政権が続いてどうしても小回りがきかなくなっちゃったという面は私はあったと思う。ですから、私どもは、そういった面でやっぱり本当にこの変化というものはよりよき変化にすることが我々の務めであろうと思っておりまして、そういうことをすることによって国際的な信頼を得ることもできるだろう、かように考えておりますので、存分にひとつしていきたいというふうに思っております。
#51
○寺澤芳男君 ありがとうございました。質問を終わります。(拍手)
#52
○直嶋正行君 私は、きょうは限られた時間でございますので、要点を絞ってお伺いしたいと思います。
 まず最初に、自治大臣にお伺いしたいと思うんですが、一票の格差の問題と選挙区画定審議会、この点についてお伺いしたいと思います。
 この間も議論がありましたが、これまで我が国の場合、一票の格差が幾たびか問題点として指摘されながらなかなかその是正が進まないというのが実態であったと思うんですが、私は、今度のこの政治改革関連法案が成立をして新しい制度になった場合に、やっぱり今までのような事態でやることは許されなくなるのではないかなというふうに思います。
 といいますのは、この新しい選挙制度は小選挙区制を取り入れているわけでありまして、小選挙区制というのは言うまでもなく民意を集約する選挙制度であります。そういう意味でいいますと、現在の中選挙区制と比較しますと、一票等価の原則というのはよりはるかに重要になってくるんじゃないかと思うんです。
 もちろん、一票等価というのは憲法で保障された基本的な権利ですから重要であるということは間違いないんですけれども、ただやはり新しい制度になった場合に、その制度上の特色からして一段とその意味が変わってくるんじゃないか。この点を踏まえて、これから政府も国会も一票等価の原則というのを考えていかなければならないんじゃないか、私はそういうふうに認識しているんですが、まずこの点について自治大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#53
○国務大臣(佐藤観樹君) 投票権の平等というのは非常に重要な要素だと私たちも思っているわけでございまして、今度、御承知のように衆議院の小選挙区につきましては選挙区画定審議会ということで第三者機関でつくっていただこうと。それは二倍以内を基本として地方自治体のあり方、あるいは地勢とかそういったものを総合的に勘案してやっていこうということにしておりまして、二倍以内を基本とするということにしておるわけであります。しかも今度は、法案では総理府に置かれます常設機関でございますので、十年ごとに大きく著しく変動する場合には変えるということにしておりますし、まだこれからの地方分権の中で、例えば市町村合併なんというときがあったときにはそれも勧告をして変えるということにしておりますので、一票の平等価値というものについては委員御指摘のように今度は非常に敏速にできるんではないかというふうに考えております。
#54
○直嶋正行君 今のお話の中にありました画定審議会についてお伺いしたいと思うんですが、今も大臣のお話にありましたように、簡単に言うと一対二未満を基本にということなんですが、ただその場合に、行政区画とか地勢とか交通事情等を総合的に考慮して合理的にと、こういうことをうたわれているわけであります。
 衆議院でこの法案が通過した際に、マスコミの方で二百七十四を前提にしていろいろ試算をしています。
 恐らくこれは過去のいろいろな区割りの仕方をベースにしておやりになられたものだと思うんですが、例えばそれを見ますと、これは十一月二十二日の読売新聞なんですが、この読売新聞の試算でいくと、格差二倍以上の選挙区が二百七十四のうち六十五も出ると。これはあくまでもマスコミの試算ですから実際は違うと思うんですが。それから、これは朝日新聞なんですが、やはり格差二以上の選挙区が四十出る、こういうふうに試算をして出しています。これは基本的には今度の制度はそれぞれ各都道府県に一つずつまず割り当てていますから、それだけで府県格差を見ると一・八六になるわけですから、当然こういうことはあり得るわけです。
 そうしますと、確かに行政区画とか交通事情とかいろいろ配慮しなきゃいけないけれども、従来のような発想でただ単に総合的にということでは、私はかなり結果的に問題を起こす区割りになってしまうんじゃないか。ですから、今いみじくも大臣の御答弁にありましたように、一対二を基本にというここのところを従来よりもはるかに重視しなきゃいけない。例えば行政区画をなるべく割らないようにということをやりますと、こういうことは崩れると思うんです。例えば学者の中には、そういうことを考えるともう行政区画という広い単位でそれを配慮するんじゃなくて、例えば小学校の校区ぐらいの感じで細分化をする、そういうことも考えないとこの一対二を基本にというところが貫徹できないんじゃないかこういう御意見もあります。これは画定審議会が第三者機関としてあくまでやることでありますが、やはりそういうスタンスというのが非常に大事だと思うんです。まずこの点についてどう思われるかということが一点です。
 それからもう一つは、この著しい不均衡、ちょうど暮れに私が質問しましたときに、大臣は著しい不均衡の場合に例として一対三、憲法違反の部分を挙げられました。私はこの問題を考えるときに、従来からやっぱり一つ欠落している点があるなと思うんです。といいますのは、あくまでも憲法判断等で議論になるのは最大格差なんです。ところが、理論的に考えると、最大格差は例えば一対三以内におさまっていても、今マスコミの試算でお話ししたように非常に数多くの選挙区が一対二を超えてしまう、あるいは極端なことを言うと一対二・五を超える選挙区が二百七十四のうち百近く出ちゃうとか、私はこういうのも著しい不均衡だと思うんです。
 ですから、最大格差は一対三でいいかもしれないけれども、全体的に二百七十四の区割りの中でどういうバランスになっているか。やっぱりここが本当は大事なんじゃないかな、こう思うんです。
 この二点について、御見解をお伺いしたいと思うんです。
#55
○国務大臣(佐藤観樹君) 直嶋委員の御質問、ある意味では一と二は共通している部分があるかと思うんですが、いずれにしろ一対二未満を基本とするというのをどのくらい重視をするか、あわせて、行政区画なり地勢なり交通等を総合的に勘案するという部分をどのくらい理解をするか。
 中選挙区制でやってきて、実際、政令市は割れておりますけれども、一般市は割れていないというようなことになれて七十年近くやってきた有権者という意識からいって、その一対二未満を基本とするというのと、行政区画なり地勢なり生活圏、経済圏というものを一体として考えるということと、どちらを、バランスをどのくらいとるべきかというのを考えていただくのがいわば七人の審議会の委員だと私たちは思っているものですから、公正な第三者機関でということで、確かにイギリスのように何丁目の何番地まで行政区画入れて一対二未満を完全にやり遂げるということもそれは一つのやり方でしょうが、果たして中選挙区制から小選挙区制に変わるときにそれが有権者になじむだろうかということは、私が決定的に言うのではなくて、やはり審議会の中で委員の皆さん方に御苦労いただくというふうに答えるのが私の立場ではないかと思っております。
#56
○直嶋正行君 確かに審議会で議論いただくことでありますが、私は物の考え方として、あくまでも一票の等価原則というのはこの制度では非常に重要なんですよ。今までに増して重要になるんです。というのは民意を集約してしまうわけですから、ですから、そもそも憲法上は一対一が原則なんですから、それを一対二を基本にまで言ってみれば原則に幅を持たせているわけですから、この点はもちろん第三者機関であるとはいえ、政府のお考えというのは、そういう考え方の上に立ってこの問題に当たっていただかないといけないと思うんです。
 それから次に、審議会の勧告の扱いに関連してちょっとお伺いしたいと思うんですが、法案の中では、勧告を総理大臣は尊重するということになっています。ただ、この「尊重」という言葉なんですが、今までの政府の審議会は皆尊重じゃなかったかなと私は思うんです。尊重はするけれども、やらないということも結構あったんじゃないかなと。ですから、この第三者機関である審議会で議論して勧告をされたことを文字どおりやるために、どういう担保措置を、やっぱり何らかの担保措置といいますかそういうものが必要じゃないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#57
○国務大臣(佐藤観樹君) 確かに、直嶋委員言われますように他の調査会、審議会なんかの場合には尊重するということになっていますが、まず政府なら政府でいろいろとそこを直し、また国会でも当然御審議の中で直される場合もあると思います。
 ただ、この場合の「尊重」は、事の性格上非常に重い尊重ではないでしょうか。と私は考えておりまして、事の性格上おわかりになると思います。したがって、それは国権の最高機関である国会でお決めいただくわけでございますから、最終的には衆参を通して法案になるわけでございますから、担保といえば、国民に選ばれた、国民を代表する議員の皆さん方の一人一人の良識というものが担保になるということだと私は考えております。
#58
○直嶋正行君 じゃ、今の御答弁を受けてもうちょっと突っ込んでお伺いしたいと思うんです。
 これを今、尊重し国会に報告をすると、こういうことなんです。そうすると、具体的に、法案は多分政府がおつくりになることになると思うんですが、どういうふうになるんでしょうか。
 それから、この法律があることによって、例えば衆議院とか参議院というと国会ですね、国会は何か制約を受けるんでしょうか。その辺をお伺いしたいということ。
 ちょっと時間がありませんので、まとめてお聞きします。
 もう一点は、参議院の定数是正。今これは衆議院の制度ですから、参議院の定数是正についてはこれからどう考えていけばいいのか。この間の議論の中でも、総理から大阪高裁の違憲判決については重く受けとめるというお話がありますし、また答弁の中で参議院も考えなきゃいけないというようなこともおっしゃっておられます。じゃ、これは同じ審議会を使うのかどうするのか。
 もう一つ申し上げれば、この審議会を政府に置くのか国会に置くのかというのは、参議院で調整してくださいという与野党調整事項のたしか対象になっていたと思うんです。そういうこともあるものですから、この審議会の役割と政府と国会との関係というのをちょっと考え方を整理したいと、こういう意味もあってお伺いしているんですが、どういう関係になるんですか。
#59
○国務大臣(佐藤観樹君) この法案を通していただきました場合には、直ちに審議会の委員を選ばなければなりません。そして、これは国会の御了承をいただいて初めて審議会ができるわけでございます。できましたら、六ケ月以内に審議をしていただいて区割り案を出していただく。当然、今申しましたように総理は重い尊重をして、自治省が出すことになると思いますけれども、法案を出し、国会に御審議を、衆参当然のことながら審議を願うという手はずになるわけでありまして、審議会発足後、審議会が答えを出すまでが六ケ月以内ということが期間的な制約でありまして、当然この政治改革の重要性からいいまして、国会においても速やかに御審議をいただけるものというふうに提案者としては考えております。
 それから、参議院につきましては、自民党さんの方も定数是正案を既に結論づけられておるわけでございますし、野党さんの方でもいろいろ審議がされているように我々は承知をしております。したがって、その中でやっていただくのでありまして、ここで言いますところのものは衆議院選挙区画定審議会でございますので、あくまでこれは衆議院の小選挙区に臨む案だ、審議会だということでございまして、参議院とは別の次元だというふうに考えていただいて結構だと思います。結構だというよりも、ということでございます。
#60
○直嶋正行君 ということになると、衆議院のこの区割りの問題等は政府に審議会を置く。それで、今の大臣の御答弁だと、参議院は与野党あれで国会に置く、国会でやってください、こういうことになるわけですね。そうすると、ちょっと衆参で形が変わってくると思うんです。
 例えば、じゃ参議院でも与野党でやりましょうということになったときに、あわせて政府でも置くようなことを考えるのか片方は行政府に置いて片方は国会に置くということが本当にいいのかどうかというのは、私はちょっと率直に言って問題があると思うんですね。
 今、例えば画定審議会で出されたものを最終的に認めるのはやっぱり国会なんだからという御答弁もございました。そうすると、国会でこの第三者機関のこれを尊重するんだということで、例えば決議でもして国会に置いた方が法案にはなりやすいんじゃないかな、こういう感じもしないことはないんですよ。別に私は国会に置くべきだということを言っているんじゃなくて、衆参とか行政府、そういうことを考えた場合にどうなんでしょうかねということなんですよ。その辺、ちょっと補足がございましたらお伺いしておきたいと思います。
#61
○国務大臣(佐藤観樹君) 衆議院の小選挙区の区画画定の問題は四法の中での政府提案として出させていただいたわけでございますので、また選挙制度審議会の中の区割り等は総理府で今までやってきた所管事項でございましたので、政府の方で法案を出しておいて区割りは国会でやってくださいというのはこれは一貫していないんじゃないかということで、政府といたしましてはそのように、この四法案の中の選挙区画定審議会につきましては政府でということで提案をさせていただいているわけでございます。
 参議院の定数是正の問題は一体どういうふうにやっていくのかは、これは国権の最高機関の一院であるところの参議院の各党同士がまずお話しをしていただく。そして、例えば何倍以内でこういうことでこうやって事務的に何とかお手伝いをしろということならば、もちろん自治省もお手伝いをすることはやぶさかじゃありませんが、何といっても議員の身分にかかわる話でございますから、これは参議院の各党合意が得られますようにお話しをいただくというのが政府と国会というものの関係であるというふうに我々は考えておるところでございます。
#62
○直嶋正行君 この点、もう少しまた議論を後に譲りたいと思います。ちょっとまだ納得はできませんが、結構でございます。
 それで、時間がありませんので、あと山花大臣に二つまとめてお聞きをしたいと思います。
 一つは、この間からの審議で総理は、例えば自民党の河野総裁とのトップ会談に関しても機が熟すればやりますというようなことで非常に前向きなんですが、そのときに当然、例えば骨格部分と言われる部分の修正も議論になるんじゃないかと思うんです。私が言っている骨格部分というのは、定数の問題と比例の範囲だとか一票制、二票制、それからさっき議論のありました企業・団体献金の問題、この辺が骨格になると思うんですが、ただ一方ではこの期に及んで骨格部分を変えるというのはいかがかな、こういう声もあるわけです。これは本来総理に聞く話で、大臣にお伺いするというのは大変申しわけないんですが、きょうは残念ながらいらっしゃいませんので、この点についてどういうふうに見ておられるかということでお伺いしたいということが一点であります。
 それからもう一点は、これは自治大臣の方がいいのかもしれませんが、この中で比例の単位の話で、例えばブロック制にしたらどうだというような議論がありましたし、この前は全国集計をして都道府県別に当選者を決める、こういうアイデアが新聞で報道されたりしております。これに対していろいろ質問が出ておりましたが、自治大臣の御答弁をお伺いしておりますと、いずれについても私の受けとめ方ではかなり否定的な御見解であったように思うんです。ただ、さっき申し上げたようなトップ会談ということになれば俎上に上る可能性もなきにしもあらずであります。やっぱりどう考えてもこの比例の単位は全国一本でやるべきだというふうにお考えになっているのかどうか。私はやはり全国一本が望ましい、こういう意見を持っているんですが、そのことは別にしまして、この点改めてお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#63
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員御指摘のとおり、衆議院におきましても熱心な与野党の議論を踏まえてトップ会談が行われました。そこで、一度二度と時間の長短があったとしても、行われた中で、これまた御指摘のとおり三つのテーマ、すなわち戸別訪問の問題、画定審議会の設置の場所の問題、そして地方議員に対する配慮としての地方の意見を拝聴しての選挙公営の問題等をそのままなお参議院で継続して議論してもらいたい、こう送られてきているところでございます。さっきの自治大臣の答弁でそのことをちょっと補足して申し上げておきたいと思います。
 また同時に、こうして御熱心に御議論いただいている中で、与野党の法案に関する御議論も私は議論が進む中で行われるのではなかろうかと期待をしておりますけれども、総理としても、衆議院もそうでありましたが、また河野総裁も機が熟したらとおっしゃっていましたけれども、そうした議論を見きわめた中で、法案としては政府としてベストと思って提出させていただいているわけでありますけれども、しかし、決めていただくのは国会の議論ということになります。
 皆さんの御議論につきましては十分尊重する姿勢、このことにつきましては衆議院から一貫しているところでございまして、送られた三つのテーマだけになるのか、あるいはその他のテーマがあるのかということにつきましては、すべてこれからの総括、一般を通じての御議論の中で、細川総理としてもあるいは河野総裁もその辺はにらんでおられるのではなかろうかこういうように考えているところでございます。
 後段の問題、比例の単位の問題につきましては、今回具体的に議論されてまいりましたのは、都道府県という自民党案、そして比例区全国一本の政府案、またブロックという提案がございましたし、過日マスコミに出ました全国投票で集計と当選の範囲をという問題……
#64
○委員長(本岡昭次君) 大変申しわけありませんが、まとめてください。
#65
○国務大臣(山花貞夫君) ということもございましたけれども、そういう問題についても、これまた全体としてここでの御議論ということを踏まえて、最終的にトップ会談の機運が熟したならば、そこでまたお話しをいただくということになるのではなかろうかと思います。
 時間の経過がありましたので、簡単にさせていただきます。
#66
○直嶋正行君 終わります。(拍手)
#67
○委員長(本岡昭次君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#68
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、六案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#69
○片山虎之助君 それでは、まず冒頭に総理にお伺いいたしたいと思います。
 言うまでもなく、政治改革なかんずく選挙制度改革は、もう御承知のように民主主義の土俵づくりでございまして、これについては与野党ということじゃなくて十分関係者が論議を尽くし、合意形成をすることが私は筋だと思います。数で押し切るとか一方的にどうにかするとかいうことじゃ私は困ると思う。そういう意味で当参議院の委員会で議論が今始まっておりますけれども、十分審議をお尽くしになった上で、場合によっては大胆な妥協、修正をするお考えがおありかどうか、もう既に質問があったと思いますが、重ねてお伺いいたしたいと思います。
#70
○国務大臣(細川護煕君) 何回も申し上げておりますように、当然のことながら実りのある御論議が尽くされることを願っておりますし、また与野党の御論議の中から、参議院としてはこのように考えるがどうかといったようなお話がまとまってくれば、それは政府として尊重させていただかなければならない、このように申し上げてきたところでございます。
#71
○片山虎之助君 そこで、選挙制度改正はいろんな意見があってなかなか集約に時間がかかると。会期は二十九日までと決まっているわけでありますから、しかしそれまでに集約が果たして可能かどうかという見方が一方である。そういう中で、もしそうなら与野党で合意し得る腐敗行為防止を先行すべきではないかという意見が野党のみならず与党の中にもあるやに報ぜられておりますが、それについては総理いかがお考えでございますか。
#72
○国務大臣(細川護煕君) この点につきましても何回か申し上げたかと思いますが、やはり政治腐敗防止というのは選挙制度と一括の問題として、あるいはまたその他の政党助成とか今回提出をしております四法案一括で通していただくということが、成立をさせるということが政治腐敗の防止のためには効果があるであろう、そのような観点から、ぜひどちらが光とか役とかということではなくて、一括でお願いを申し上げたいと思っておる次第でございます。
#73
○片山虎之助君 選挙制度というのは、釈迦に説法ですけれども、私は便宜的な発想でなくて、ちゃんとした理念と長期的な運用に耐え得る制度である必要があると思うんです。
 そういう意味で、今回の小選挙区比例代表並立制というのは、もともと選挙直後に日本新党と新党さきがけが小選挙区を主張しているサイドと比例代表を主張するサイドの両方がのみ得るようなことをお考えになったと思いますけれども、足して二で割るような、フィフティー・フィフティーの案をお出しになって各党がのんだ。のんで今日まで来たわけでありますけれども、私は九月二十四日の参議院本会議の代表質問で申し上げましたように、小選挙区というのは、もう皆さん御承知のように民意集約で二大政党で政権の交代と安定がある、比例代表の方はまさに民意の正確な反映でどうしても多党化し連立志向になる。ねらいと効果が違うわけであります。それをくっつけている、プラスしている、木に竹を接いているような感じがどうしても否めない。
 そこで、最近はマスコミその他を含めて本当に並立制が正しい制度なのかどうかという一種の反省が私は起こっていると思うんです。それについて総理は、最初の提案から今日に至る経緯をお考えになって、この並立制についての評価はいかがでございましょうか。
#74
○国務大臣(細川護煕君) 木に竹を接ぐようなものだというお話に対しまして、松林と竹林を見るようなもんだと、いつかそういうお話を申し上げたこともございますが、今までの長い間の御論議の中から落ちついたのがこの並立制というものであって、やはり今までの経緯なり御議論というものを踏まえた結果としてこれは尊重していかなければならないものであろう。こういう基本的な制度について、一方的にそれを押し切るというようなことはいかがなものであろうか、今までの経緯というものはそれなりに重みのあるものだというふうに考えているわけでございます。
#75
○片山虎之助君 そこで、この総理御推奨の並立制というのは、世界で五カ国だとか七カ国だとかという説があるんですね。ちゃんとした国と言ったら語弊がありますけれども、ちゃんとした国は余りおとりになってないし、おとりになっている国でもいろんな議論があるやに聞いているんですよ。
 それはさておきまして、今回、衆議院での修正では二百五十、二百五十のフィフティー・フィフティーを二百七十四と二百二十六に、どなたの知恵か知りませんけれども差をつけられた。ということは、半々だという発想を、とにかく小選挙区、民意集約の方を優先して、比例代表が補完的なんだと、こういう立場をおとりになった、お変えになったと、こういうふうに理解してもいいんでしょうか総理。
#76
○国務大臣(細川護煕君) これもやはり、一言で申し上げれば、経緯からしてそのようになったということでございまして、それまでの委員会における御論議でありますとかあるいは公聴会における御論議とか、そうしたものを踏まえまして私どもは政府案としてはそのフィフティー・フィフティーのものがベストであると思って出させていただいたわけでございますが、今申し上げたような経緯を踏まえてトップ会談におきましてそのような譲歩案を出させていただいて、与党修正という形で二百七十四と二百二十六という形に修正をさせていただいたわけでございます。
#77
○片山虎之助君 そういう考えの延長に立ちますと、二百七十四をさらにふやされるお考えはありますかありませんか。
#78
○国務大臣(細川護煕君) それは、この参議院における御論議がどうなるかということに一言で申し上げれば尽きると思っております。
#79
○片山虎之助君 そういうことは、この参議院における論議の中で小選挙区優先をもう少し数字的に高めよう、こういうことになれば二百七十四がさらにふえていくと、こう理解してもよろしゅうございますか。
#80
○国務大臣(細川護煕君) そういう御論議になるかどうか何ともわかりませんが、本委員会における、あるいは参議院における御論議というものは、先ほども申し上げましたとおり重く受けとめさせていただきたい、こういうことでございます。
#81
○片山虎之助君 そこで、今回、私はこの並立制で一つ考えるのは重複立候補なんです。
 この重複立候補というのは今ドイツがやっている。ドイツは御承知のように併用制で、これは基本的な枠組みは比例代表ですね。ただ、国民に顔が見えないといかぬということで個人名を書かせる。個人名をたくさんとった人が比例の枠の中で優先して当選する、残りは名簿と。これは私は重複立候補は当たり前だと思うんですよ。
 ところが、二つの制度をつなぎ合わせている並立制において、小選挙区で落ちた人が敗者復活で比例で復活してくる、こういうことはいかがなものか。ドイツでも比例代表で併用の小選挙区で落ちた人の九割が復活してくるんですよ。かつてブルガリアで同じ制度をやって、結果が似たようなことになったものでびっくりしてやめちゃった。
 このことはどういうことかというと、小選挙区で一度国民の判定を受けて、言葉は悪いけれども、あなたは議員としては不適格です、そういった人がぞろぞろ比例代表の方で復活してくるような制度というのは、私は小選挙区制度の選挙というものの意味をなくしてしまうと、こう思いますが、いかがですか。
#82
○国務大臣(細川護煕君) それはそういう考え方もあるかもしれませんが、やはりこの人は党にとって大事な人であるということをその党が考えましたときに、私はそれなりに意味を持った制度であるというふうに考えております。
#83
○片山虎之助君 党にとって大事なら比例の上位に置けばいいんですよ。小選挙区で勝てるところに公認候補として出されればいいんですよ。小選挙区で落ちた者が、しかも外国の例で言うとほとんどが復活するような制度というのは、私は並立制の仕組みからいっておかしいと思いますよ。いかがですか。
#84
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員が御指摘のとおり、ドイツの例などは、たしか三百四十二人中三百二人ぐらいが小選挙区は落選するけれども比例で当選する。これがいわば政治風土として当然のこととして支持されているのではないかと思っております。
 今回の小選挙区比例並立の眼目は、個人本位の選挙制度を政党本位にしていく、こうした観点に立って政党の裁量権というものを広く認めていく。ここが重複立候補の一番の理由でございます。したがって、そうした政党本位の選挙ということがこれから新しくスタートしていくということで、選挙が行われましたならば、国民の皆様の御理解もいただけるのではなかろうかと思っているところでございます。
 それぞれそうした特徴というものを生かした中での重複立候補でありますので、その点についてちょっと総理につけ加えて説明させていただきました。
#85
○片山虎之助君 山花大臣、違うんですよ。ドイツは制度が比例代表だから、だからもともと名簿で通るんですよ。名簿の順番を個人名得票の多い人に優先するんですよ。総理のコールなんというのはいつも小選挙区で落ちるんです。それが名簿で復活してくるんですよ。これは比例代表だからなんですよ。
 今、大臣のことを言うと、政党が重要と。国民が選んだものを政党が否定するんですか。国民は小選挙区でノーと言ったんですよ。それを政党が名簿に挙げて、敗者復活で保険を掛けて当選させてくるような制度はおかしいですよ。
#86
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員が例に挙げましたコール首相についても、それは小選挙区で落ちても、比例の上位にあるものですから当選するということですから、理屈は同じではないでしょうか。
 今回の場合に、比例部分をきちんととって、今度二百二十六人の比例につきましては政党の裁量の範囲で順番をつける、そして惜敗率も利用するということですけれども、そうした意味ではまさに二つの選挙、小選挙区と比例代表の部分ということをかみ合わせたということからするならば、それは比例の順番について政党が政党の裁量によって順番を決めるということで当選するのは、制度の趣旨からいってこれは当然の結論ではなかろうかと思っております。
#87
○片山虎之助君 全然違うんですよ。比例代表で当選できるんですよ。ただ、そこは顔が見えるということで小選挙区部分を中に取り込んでいるんですよ。制度の中に包み込んでいるんですよ。我が国の並立制は別のものをくっつけているんです。こっちで国民がノーと言ったものが政党によってこっちでイエスになって復活してくるというのは、私は制度としておかしいと思う。合理的でないと思う。再度御答弁お願いします。
#88
○国務大臣(山花貞夫君) それが比例代表による選挙の選考だと思っております。比例代表の場合にも政党がどういう順番をつけるかということにつきましては政党の裁量に任せられているところでございまして、一番、二番、三番ということになるのか、あるいは一番が何人並ぶ、二番が何人並ぶ、これは政党の裁量によるわけでありまして、その政党の上位にあった方につきましては、これは例えば小選挙区に出ない方もあるかもしれないということを含めて、すべて政党の裁量ということを生かしたそうした比例代表の制度ですから、私はこういう制度をとる場合にはこういう考え方というものが当然あり得ると、こう思っております。
#89
○片山虎之助君 いやいや、違うんですよ。委員長、何度も同じことを言うのは時間があれですからもう言いませんけれども、相互乗り入れを認めているからなんですよ。だから、制度として私はそれはおかしいと、こう言っている。答弁になっていません。
#90
○国務大臣(山花貞夫君) となりますと、一票制、二票制の問題も関連して基本的な見解の違いという点があるかもしれませんけれども、今回二つの制度をそうした中でつくった中で、日本における新しい制度として重複立候補も含めてこういう制度をつくろうとしているわけでありますから、そうした政策判断について御議論をいただきたいと、こう思います。
#91
○片山虎之助君 見解の相違で片づけるんならもう答弁なんか要りませんよ。何でそういう制度をとったかという背景をもっとちゃんと説明しなきゃいけませんよ。制度の説明をしているだけですよ。
#92
○委員長(本岡昭次君) 片山君、立って発言してください。
#93
○片山虎之助君 いやいや、立つと時間が惜しい。
#94
○委員長(本岡昭次君) 同じことですよ。
#95
○片山虎之助君 わかってないからですよ、質問が。委員長がそういう判断をするのはなってないですよ、あなた。
#96
○委員長(本岡昭次君) それはどういうことですか。
#97
○片山虎之助君 あなたは議事を取り仕切るんだから……
#98
○委員長(本岡昭次君) だから、私は質問を続けてくださいと言っているんですよ。
#99
○片山虎之助君 いやいや、それは答弁がよくない。(「続けてくださいよ」と呼ぶ者あり)ちゃんと答弁がなきゃ。何で続けなきゃいかぬのですか。あなた、そういうところから何言っている。
#100
○委員長(本岡昭次君) ちょっと大臣、もう少し、私はわかるつもりでいるんですが、質問者の片山委員は理解できないとおっしゃっているんですから、もう一度答弁をきちっとやってください。
#101
○国務大臣(山花貞夫君) 私は見解の違いということで答弁をしなかったことはございません。そういうこともあるかもしれませんがと私は申し上げたところでございまして、重ねて、制度の趣旨について国民の理解が得られないのではなかろうかということにつきましては、今回の改正案におきましては、政党本位の選挙を実現する観点から、一定の要件を満たす政党について小選挙区選挙及び比例代表選挙ともに候補者及び候補者名簿を政党が届け出るということにしているものでありまして、いずれも政党が届け出る。こうした政党に幅広い裁量権を認めているところであります。したがって、政党として当選させたい人について重複して立候補の届け出をすることを認めたものでございます。
 選挙人にとってそれまでの個人中心の選挙になしんできた経緯から先生御指摘のとおり違和感ということがあるとしても、政党本位の選挙であるということについて御理解いただければ、私は国民の皆様の御理解をいただけるのではなかろうかと、こういうように考えているところでございます。
#102
○片山虎之助君 わからない。
#103
○国務大臣(佐藤観樹君) 片山委員が言われておりますのは、ドイツの場合には併用制でございますから、まず各政党に割り当てられる議席というのは御承知のように比例代表で決まってきて、そして小選挙区で当選した者を優先的に当選をさせてくるというのが、これがドイツでやっております併用制でございます。しかし、コール首相の例を挙げられましたけれども、コール首相だって小選挙区に落ちて比例で当選したということ、この事実ということは、我々が申しております制度、並立制の場合には確かに小選挙区と比例代表を別個にやるわけでありますから、制度は初めから違うわけでございます。
 しかし、小選挙区で落ちても、党にとって大事な人は比例代表の名簿の上位に入れて当選させようというその現象におきましては、結果は私たちは同じだというふうに考えております。制度は違います。総定数を幾つに、当選数をどうするか、その決め方が違うことは我々も十分承知しておりますが、コール首相の例を挙げれば、コール首相は小選挙区で落ちて比例で当選順位が高くて当選しているということは、これは我々の言っている重複立候補で当選する場合と現象的には同じであると、こう考えております。
#104
○片山虎之助君 比例代表併用制の方は、当選した者の中の優先順位を決めるだけの話なんですよ、ある意味では。こっちは二つの選挙なんですよ。こっちの選挙の意義というものを私は否定しちゃうんじゃないですかと、こっちで落ちた人がこっちで上がるのは。併用は違うんですよ、何度も言うように。皆様あるいは御承知かもしれないですが、そこのところを言っているんですよ。そこのところに対する答弁がなってない。答弁は簡潔に願いますよ。きょうは往復ですからね。予算委員会と違いますので。
#105
○委員長(本岡昭次君) 答弁をしてください、大臣。納得いただくまで答弁してください。
#106
○国務大臣(山花貞夫君) 候補者重複立候補の考え方につきましては、自民党の側で法案をつくったときも同じ考え方だったと思うのですけれども、こうした並立制であったとしても、政党の裁量権ということから候補者重複立候補を認めているわけでありまして、これは併用でも並立ても落ちた人が当選するということについて国民の理解が得にくいのではなかろうかこういう考え方があることは私は承知しておりますが、そういう制度にしようということですので、これで国民の皆様の御理解をいただけるようにしていきたいと、こう思っているわけです。
#107
○片山虎之助君 こういうことで時間をとり中断するのもあれでございますから、一応この問題は、納得できませんけれども、後へ送らせていただいて、次の質問に入ります。
 そこで、参議院の選挙制度をどうするのかということは本会議からこの委員会を通じて何度も議論してまいったわけであります。ワンパッケージでいくべきだけれども、実際は衆議院の選挙制度が先行している。考えてみますと、参議院の選挙制度というのは一種の並立制でございまして、そこに衆議院が追っかけて並立制をやると。それはそれなりの背景や理由があるから私はわかりますけれども、しかしこれだけ議論が進んだ段階で参議院の選挙制度についての政府としてのお考えが従前と同じことの繰り返しなんですね。
 もう公聴会をどうするとか参考人をどうするとかというこの段階で、ある意味では衆議院の選挙制度が煮詰まってきていると私は考えますけれども、この時点において参議院の選挙制度について改めてお考えをお聞かせいただきと思います。
 総理、お願いします。
#108
○国務大臣(細川護煕君) 御承知のような経緯で、選挙制度審議会における御論議もまたその後の国会における御議論も衆議院先行というような形になってまいりました。
 議論が煮詰まってきたところからまず決着をつけて先行させて、そしてしかる後に参議院の制度について考えていこうというのが今までの流れだったと思っておりますし、そういう状況を踏まえまして、今、参議院の各党におきましても議論をしていただいているわけでございますし、自民党におかれましては既に自民党案なるものを考えてまとめつつあられるということでございますから、各党におかれましてもそのような議論が煮詰まって、早くこの参議院の制度につきましても与野党の協議、合意というものができるならばと、そのように願っております。
#109
○片山虎之助君 全く同じ調子の受け身の答弁なんですね。
 自民党がまとめた参議院選挙制度改革案、これは二つの柱があるんですよ。地域代表としての都道府県選挙区と職域代表としての全国比例制、これは維持しながらバリエーションを加えているんですよ。御承知でしょうか。
#110
○国務大臣(細川護煕君) 承知しております。
#111
○片山虎之助君 そうすると、その二本柱について、それを維持する方がベターかどうかについてはいかがですか。
#112
○国務大臣(細川護煕君) これはいろいろ議論があるところだと思います。まだ私の個人的な考え方を申し上げるのは差し控えさせていただいた方がよろしいかと思いますが、先ほども申し上げましたように、各党におきましてそれぞれ早く議論を煮詰めていただきたいものだというふうに思っているわけでございます。
#113
○片山虎之助君 総理は政府・与党のリーダーなんですから、皆さんの御議論を待って、御調整を待ってということでは私はいけないと思いますよ。総理、個人の意見で結構ですからどうぞ。
#114
○国務大臣(細川護煕君) 私は、参議院の選挙制度のあり方については個人的な意見としてはまだ煮詰まっているとは思っておりません。もう少し各党各会派でそれぞれの見解というものが示されて、政府としてもそれなりの幅広い意見というものを受け入れてそして判断をしなければなるまいというふうに思っているわけでございます。
#115
○片山虎之助君 総理の状況の御判断を聞いているんじゃないんです。参議院議員を三回もおやりになり、二期十二年とせんだってまで参議院議員であったわけでありますから、その総理自身の参議院選挙制度に対する御意見の基本的なものについてお伺いしているんですよ。与党の状況を聞いているんじゃありません。
#116
○国務大臣(細川護煕君) 何と申しましても、衆議院の選挙制度と二院の制度として存立をしていくための条件というものが整うということが一番基本的なものであろう、これは当たり前の話でございますが、そう思っております。しかし、例えばそれが全部比例の方がいいのかとか、あるいは地域代表で全部やるのかとか、それはいろいろな考え方がございましょう。私もその点についてはまだ自分なりのこれがベストではないかという考え方は持っておりません。
#117
○片山虎之助君 いや、ベストの意見ではなくてベターでいいんですよ。
 そこで、それでは具体的に言いましょう。
 比例の単位が、御承知のように参議院では昭和五十七年に法律が通って五十八年から四回全国単位の比例をやっている。もう既にある意味では国民の間に参議院の全国比例の制度は定着しているんです。ところが、今度は衆議院が全国比例でおやりになる。いや、中身が違うんです、問題のある重複立候補があります、あるいは政党所属でなきゃいけませんと。しかし、そんなことは国民から見れば何にもわかりません。同じ制度なんです。参議院がやっているものに衆議院がずかずか入ってきて、おまえ出ていけ、こういう制度になっている。
 しかも、今、参議院は五十人で大問題ですよ、順位づけその他が。一回の選挙で比例が五十人ですよ。二百二十六人おやりになるという。どこかの下足番の札じゃあるまいし、二百二十六だとか二百二十三だとかそういう当選者が出るんです。国民の目に見えない、地域とつながりのない、政党だけが勝手に決めたのが当選していく。しかも重複立候補で落選者がぞろぞろ出てくる。参議院が今やっているのに、衆議院でもこういう制度をおやりになりたいと思っておられますか、具体的に。
#118
○国務大臣(細川護煕君) 確かにおっしゃるようなお考えもあろうかと思います。またそういう御議論もさんざん今まで衆参の委員会でなされてきたわけでございますが、しかしこれも、たびたび経緯ばかり申し上げて恐縮なんですが、やはりそういう御議論の集約されたものが今日こういう形になっているわけでございまして、私はやはりこれが政府として出させていただいた最善のものである、こういうことを繰り返し言わせていただいているわけでございます。
#119
○片山虎之助君 とにかく二百二十六人も全国単位で名簿だけで選ぶというような制度はありませんよ。どこかにあるかというとイスラエルにあるかもしれない。しかし、イスラエルは人口も少ない国ですから。ドイツは全国集計ですけれども、ちゃんとラントごとの名簿で議席を再配分してラント単位で当選してくるんですよ。日本のこんな二百二十六のように一括で全国単位で当選者が出るような乱暴な制度はありませんよ。
 再度、御答弁をお願いします。
#120
○国務大臣(山花貞夫君) 今、乱暴な制度と委員おっしゃいましたけれども、今回は、総理が今お答えのとおり、これまでの議論の経過というものを踏まえ、今までは自民党の党議拘束してまで出してきた単純小選挙区制、そして野党のドイツに例をとった併用制、ついにそのことで歩み寄ることなく廃案となり内閣がかわった、こうした経過を踏まえて現実的に可能な制度ということで両者を組み合わせた案をつくったわけでありまして、その意味におきましてはそれぞれの特徴を生かし相補う、こういう観点から、一方におきましては小選挙区でありますけれども、他方におきましては比例代表制度をとりその長所を生かしたいということからつくっているわけでありますので、決して乱暴な組み合わせということではなく、こうした我が国における議論の経過を踏まえての政府の提案でございます。
#121
○片山虎之助君 乱暴か乱暴でないかはこれは言葉の表現の問題ですから別にしまして、とにかくそういう制度を持ち込んで、それじゃ、参議院の制度はどういうふうにお考えですか。参議院の全国比例との関連を言ってください。
#122
○国務大臣(山花貞夫君) 参議院の制度につきましては、既に八次審におきましてある程度議論はなされましたけれども、あるべき制度ということにつきましてはまだ詰めの作業が必要であるということから、二つのテーマが当面の課題として出されているところでございます。拘束名簿式比例代表選挙について個人名を入れる問題と定数の是正の問題、ここまでが八次審の議論でございまして、その先の議論というものは自民党内でも詰められておりますし、与党でも詰めてきているさなかでございます。
 そうした中で、先ほど委員が自民党の案ということで御質問の中にありましたけれども、その自民党の参議院の政治改革大綱の案というものについても勉強させていただきますと、自民党における衆議院の選挙制度ということを前提としておつくりになっておったと、こうした性格をお持ちなのではなかったかと承知をしているところでございます。やっぱり衆議院の制度が、まだ最終段階に至っておりませんけれども、どのような形で固まるのかそしてその上でまた参議院につきましても参議院の独自性ということを生かす抜本的な選挙制度のあり方がどうなるのか、こうした議論が当然引き続いてなされるものと考えているところでございます。
 今私の申しましたのはこれまでの経過を踏まえてのことでございまして、そういう経過についてはやっぱり尊重しなければ一歩一歩前進することができない、こういうふうに考えております。
#123
○片山虎之助君 往復ですから答弁は簡潔にもう要点だけでよろしゅうございますので、経緯その他はこれからは御省略願いたいと思います。
 自民党の参議院の改革案は、衆議院の比例が都道府県単位だからそれを前提に我々は現在の全国単位の比例を維持する、こういうことなんですよ。ところが、遺憾ながら自民党案じゃなくて政府案をこちらへ送ってこられたもんですから、全国単位ということでは完全に同じな比例代表制になる、こういうことなんで、それについてそれでいいとお考えですかということをお聞きしているんです。簡単にお答えください。
#124
○国務大臣(山花貞夫君) 今回御審議いただいておるのは衆議院から送付された四法、政治改革の法案につきましてはぜひこれで議論して通していただきたい、こう思っているところでございます。
 これはこれまでの答弁で申し上げておりますけれども、参議院の選挙制度の骨格部分については今回触れておらないところでございまして、その問題につきましては引き続きあるいは議論される、こういうことだと承知しております。
#125
○委員長(本岡昭次君) 大臣、質問者の質問の要点に答えた答弁をお願いいたします。
#126
○国務大臣(山花貞夫君) 政府の提案としては、今回の衆議院の小選挙区比例並立制の法案についてぜひ御理解をいただきたい、こうした提案をさせていただいております。
#127
○片山虎之助君 同じ答弁の繰り返しですから、早急に参議院の選挙制度について与党・政府で御、調整をいただくということ、二院制度のあり方を考えてしっかり御検討いただきたいということを申し上げて、答弁は一つも納得しておりませんので、それを申し添えて次に進みます。
 次は、政党への公的助成でございます。
 衆議院の段階で四百十四億円が三百九億円になった。最初から経緯を見てみますと、最初は五百億円、六百億円、それが四百十四億円になって最後は自民党案の三百九億円になった。バナナのたたき売りじゃあるまいし、本当に国民の税金に対する私は真摯さがないと思います。この経緯について総理、いかなる御所見をお持ちでしょうか。
#128
○国務大臣(細川護煕君) これも、世論に配慮をし、また衆議院段階におきます委員会での御論議等に配慮をして自民党案に歩み寄ったものである、このように御理解をいただきたいと思っております。
#129
○片山虎之助君 余り定見がないという話ですね。私は、国民の目から見ると、消費税は今増税しようかどうか、不況でこの年の瀬をやっと越したというような状況で百億、二百億の話がすいすいこう変わるようじゃ本当に国民は怒ると思いますよ。
 この政党への公的助成が三百九億円。これ以外に我々はいろんな公的な補助を受けているわけですね。例えば議員活動に対する補助としまして一人平均七千万程度もらっているでしょう。平成五年で大体その額は四百九十億円以上ある。政策秘書が今度一年間になりますから恐らく平成六年は五百十億か二十億か三十億かそのくらいになるわけですよね。さらに、我が国は世界で一番選挙の公営化が進んだ国でありまして、これは一種の個人に対する補助ですよ。候補者補助なんです。これが衆参で合わせますと三百億を超えるんですよ。
 そうしますと、その三つを足しますと千三百億円ぐらいの公的な助成が議員及び政党に出てくるということになると、幾ら経済大国でも私はこれは世界の中で突出していると思いますよ。
 そこで総理、御所見はいかがですか。
#130
○国務大臣(細川護煕君) そういうお考えも確かに一つの考え方だと思います。
 政府の案におきましても、比例選挙につきまして選挙の公営というものの見直しを考えているというのは、そのようなことも踏まえて考えているということでございます。
#131
○片山虎之助君 今までの我が国の選挙制度が個人中心でありましたから、選挙公営をずっと拡充していって、それに伴って選挙運動の規制を強化してきたんですよ。今、細川内閣は規制緩和でしょう。そこで今度は、政党中心になるんなら、なるほど今回の改正でも、政党が政見放送をできるとかそういう一種の政党中心の公営化も拡充されました。ただ、個人の方の選挙公営はそのままなんですよ。いわば二重になっているんです。
 そこで、私はこの政党助成をやるのなら、個人に対する選挙公営の公的な補助あるいは選挙運動全般について見直す必要があると思う。現在世界で政党に対する公的助成をやっているのは、フランスを除くと大体比例代表の国です。そこのところをいかがお考えですか。
#132
○国務大臣(細川護煕君) 今申し上げましたように、今度の政府案でもその辺の考え方を少し取り入れているわけでございますが、おっしゃるように、今後この点につきましてはいろいろな御議論もございましょうし、その辺を踏まえて大いに勉強していくべき課題であるとは私もそう思っております。
#133
○片山虎之助君 私は、個人中心の今の公営のシステムを見直して、選挙運動の規制ももう一遍これは再検討し直して、政党中心の公営化、これだけマスメディアが発達しているんですから、テレビやラジオをうまく活用して、例えば各政党ごとの立会討論会でも演説会でもよろしゅうございますけれども、そういうことを思い切ってやる、しかしトータルでは公的依存を減していく。今、一方的に公的依存が膨らんでいるんですから、何度も言いますように。
 政党に対する公的助成が三百九億円、公営化が衆参で三百十億円、それから個人に対する議員の活動補助が五百億以上に上っている。こういう状況は私は一遍整理しなきゃいかぬと思います。いかがですか。
#134
○国務大臣(細川護煕君) おっしゃることは私もよくわかります。
 先ほど申し上げたとおりの答えになりますが、大いに勉強してみる必要があることであろうというふうに思っているわけでございます。
#135
○片山虎之助君 そこで、三百九億円の根拠です。
 これは四百十四億円も似ているんですけれども、これは過去三年間の、与党の皆さんと自民党の方は時点が違います、少し計算の方法が違うけれども、政党活動費、本部、支部、個人も少し入れてその額を出して三分の一をぶっ掛けたのが四百十四億円ないしは三百九億円だと聞いておりますけれども、そうでしょうか。
#136
○国務大臣(山花貞夫君) 言葉を省略して答弁させていただきますと、大体おっしゃるとおりの計算方式でございます。
#137
○片山虎之助君 大変簡潔ないい答弁でございます。
 ただ、その積算の基礎になっている数字というのは現行制度が前提なんです。金がかかり過ぎる金がかかり過ぎる、同士打ちでサービス合戦になるということが言われている現行制度を前提にその積算の数字が出ているんです。私はそれはおかしいんじゃないかと思います。今度はすっきりした制度になり、すっきりした選挙運動の形態になるんですから、新しい制度を前提にしたモデル計算か何かできませんか。
#138
○国務大臣(山花貞夫君) 今回、政党本位の選挙ということで制度を組み立てましたけれども、例えば小選挙区において個人の立候補も可能であるという部分も残っていることは残っているわけでして、したがって、一から十まで政党本位の選挙で仕切られた比例代表とはやっぱり違っております。ということからいたしますと、その意味において、そこまで割り切って計算するのはなかなか難しいと思っております。
 前段の部分につきましては、過去の実績でやったって新しい制度は違うんじゃなかろうかということはこれまた御指摘のとおりだと思いますが、新しい制度をつくる場合には、その意味において過去の実績を一つの判断の材料にするということについては、やっぱりそれ以外になかったんじゃなかろうかと思っています。自民党の法案づくりも同じ立場だったと思います。我々も同じ立場だったわけでして、過度にということなくということでやったわけです。
#139
○片山虎之助君 そこで、政党の財政基盤としては党費、企業献金、個人献金、事業収入、今回の公的助成と大きく五つあります。優先順位をつけてください。
#140
○国務大臣(山花貞夫君) それぞれの政党によって違っていると思います。党費、事業収入、あるいは政党交付金等、比重は違っているのではなかろうかと思っております。
#141
○片山虎之助君 それ以上その点は言いませんが、それじゃ、今度の三百九億円でも四百十四億円でもよろしゅうございますけれども、三分の一にされた根拠。
#142
○国務大臣(山花貞夫君) 三分の一ということは、それぞれの政党がそれぞれの党内議論として出たところもありましたが、今回は八次審におきまして、過度に依存しない、こういう大まかな基準がございます。外国など、ドイツなどでも五〇%を超しちゃいかぬ、こういう格好で違憲訴訟等が起こったことも承知をしております。したがって、三分の一というのは政策判断としてこうした基準を持って出した、こういうことでございます。
#143
○片山虎之助君 私個人は三分の一でも実は多いと思っているんです。思っているんですが、自民党の積算の根拠にも三分の一がありますから、まあ三分の一は認めましょう。五割を超えるなんというのは私は論外だと思う。公の税金、本来権力から独立して自由で権力に対抗せにゃいかぬ政党が公的依存の傘の中でぬくぬくいくというのは私は問題だと思いますよ。問題だと思う。
 そこで、今回の三百九億円を配分しましたときに、その政党の活動費の五割を超える党がありますか、ありませんか。
#144
○国務大臣(山花貞夫君) これは新しく個人の政治活動についても、政党が肩がわりと申しましょうか、政党が負担してやっていくわけでありますから、過去の計算例からは結論を出すことができないと思っております。新しいそうした全体の資金構成の中で政党がどのような政治活動を展開するかということによるわけでありまして、したがって五年後見直しと、こういうことになっていると承知をしております。
#145
○国務大臣(佐藤観樹君) これは、この法案を成立させていただきましたら来年の一月一日にということになると思いますけれども、各政党どれだけの所属議員ですかということで計算を始めるわけでございますので、したがって、今、何党には幾らお金が行きますということについてのデータはございません。
#146
○片山虎之助君 自治大臣、力強く言い切りましたけれども、これはデータがあるんですよ。データはありますけれども、今まだそれはややこしくなりますから言いません。
 それから、配分はちゃんと法律に明定しているんですから、議員数と得票数なんだから、それを突き合わせますと五割を超える党が幾つもあるんですよ。物によっては、党によっては十割に近い党もあるんですよ。今までかかっている経費が丸々公的助成の税金で賄われるようなことは私は適当でないと思いますよ。
 いかがお考えですか、総理。
#147
○国務大臣(佐藤観樹君) 私がありませんと申し上げましたのは、片山委員の比べられる三百九億を各政党どういう配分になるかということについては、各政党が何人我が党は所属しますということが届け出をする時期になっていないものですから、そのもとがないわけでございますので、比べようもそれは私はないと思います。
#148
○片山虎之助君 だんだん時間がなくなってきて困ったんですが、そこで、私はやはり政党の経費というのは自助努力がなきゃいかぬと思います。十割全部を税金で賄います、五割以上税金で賄いますというふうな党は、これはよくありませんよ。もう解散してもらわなきゃいかぬ。やっぱり三分の一が私は限度だと思う。
 そうなると、過去一年でも三カ年でもよろしゅうございますが、それの実績の三分の一をぜひ上限にしてもらいたい。国民から見ると当たり前の話ですよ。自助勢力なしというような政党助成はいけません。
#149
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘の、政党は過度に公的資金などに依存してはならぬ、自助努力が何よりも大事であるということについては全く賛成でございます。
 後段の部分につきましては、これは、したがって、新しい制度をつくって新しい選挙のシステム、政治活動のシステムをつくるわけでありますから、そういうことについて予測をしてということはなかなか難しいと思っています。それが五年後見直しの規定の趣旨でございまして、御指摘のとおりの自助努力を何よりもということを前提としながら、運用を見て、個人献金の度合いを見て、政治活動の度合いを見て、そして五年後に見直す、この際に改めてきちんとした整理が行われるということかと思いますけれども、スタートにおきましてはこれまでのいろいろ検討した結果として今回の提案をさせていただいているところです。
#150
○片山虎之助君 いやいや、スタートだから大目に見てくれ、五年後にちゃんとやりますと。そんなことはいけませんよ。実績はきちっと選管というか自治大臣に出ているんだから、自治省や都道府県選管に出ているんですから、実績の三分の一を限度にしてくださいよ。
 総理、いいんですか、実績を超えても。実績の三分の一を超えても。丸々十割公的助成で政党がやっていく、五割を超えて半分以上税金で政党が運営される、こういうことは許されますか。
#151
○国務大臣(細川護煕君) 今、山花大臣から御答弁ございましたが、現在の政党活動費とは一応無関係ということで今度の、まあ大まかに、さっきお話しもございましたが、一応ある程度の根拠はあるというお話もございましたが、しかし、粗っぽく言えば、何を基準にしてやるかということはなかなか今の時点で難しい話でございますから、大変大ざっぱな話として今回の政党助成というものがはじかれたわけでありまして、それがまさに今話しがございましたように、五年後にはしかしそれをきちんと見直していこうということでございますから、そこのところはそういうことでこれは割り切ってやるしか仕方がないのではないか、それがやはり私は現実的な話なのではないかと、こう思っております。
#152
○片山虎之助君 私も選挙区に帰ると、公的助成というのは国民の皆さんの評判が悪いですよ。しかも、今の総理みたいな粗っぽいある意味では乱暴な配分、五割や十割を超える党が出てくるような配分を国民はなかなか許さないと思いますよ。ここできちっと私は約束してもらわにゃいけません。
 まず、こういう制度が始まるときは仕組みからいくんです。それで、だんだんぐあいを国民に見てもらって、理解や納得を得てから額をふやしていくべきなんですよ。最初から粗っぽくわっとつかみでやって、五年後には見直しますからでは。五年間どうするんですか。仕組みからいってくださいよ、多過ぎる。
#153
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員御承知のように、最近、政治腐敗をなくそうということでずっとブームをもってできた政党もございます。そういったところは、従来の政治活動の費用に比べまして議席配分とか比率配分からいったら多くなるわけですね。あるいは、政治活動にお金を今までかけてきても、いろいろな批判を浴びてお金が少なくなるところもあるわけでございまして、それはこれから五年間の間にそのあたりのことは、どうあるべきかは。もちろん党費なり事業収入なり自助努力ということを前提にして考えていくことでありまして、今の選挙結果あるいはパーセンテージをもとにしてはじいたものと国民の期待とは必ずしも一致をしない場合もある。
 つまり、相対的に一票が安く当選したところもあれば高いところもあるわけでございますから、そのあたりは総理から言われましたように、五年間の間に国民の御納得のいくように我々も、政党としても、自助努力なり事業収入なり個人寄附なりを集めることによって頑張る中で五年後にそのあたりをトータルで見直そう、こういうことでございますから、企業献金のあり方も含めて見直そうということでございますから、御理解いただきたいと存じます。
#154
○片山虎之助君 理解できません。五年後じゃ遅過ぎると言っているんです。
 何で改められないんですか、スタートするときに。こんなに問題が多いのに。
#155
○委員長(本岡昭次君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#156
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こして。
#157
○国務大臣(山花貞夫君) 委員御質問の御趣旨は、五年というのは少し長過ぎるんじゃなかろうか、もっと短くすべきではなかろうかということにつきましては、政府の提案としては五年ということで申し上げております。これは同時に政党交付金だけではなく、企業・団体献全廃止の問題につきましても、廃止の意見を踏まえて見直すとなっているわけでありまして、これは御議論いただいてもっと短くすべきである、こういう御議論になるかどうかということだと思いますので、その期間につきましては、どうぞ御意見をいただければ十分拝聴しなければいけないと、こう思っております。
#158
○片山虎之助君 スタートから直せと言っているんです。
#159
○委員長(本岡昭次君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#160
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
 それでは、再答弁を求めます。
#161
○国務大臣(佐藤観樹君) 片山委員に二つのことを簡単に答弁をさせていただきたいと思います。
 一つは、ここで五年後の見直しというふうに出てきておりますのは、企業・団体献金のあり方につきまして廃止を含めて見直すということのところから五年後見直しになっておるわけであります。
 あわせまして、政党助成法の方につきましては、政党は日々活動しているわけでありますから、政党の経費を民主主義のコストとして賄うということで出てきておるわけでございます。したがって、党費もあれば、事業収入もあれば、そういったもののトータルとしてどうあるべきかということを、今、片山委員が御指摘のことも含めて五年後の見直しをしようということでございます。
 俗な言い方をすれば、一票当たり大変大きな国民の皆さんの御期待をいただいて、政党の経費、選挙の経費はかからなかったけれどもたくさんの議席、得票率をいただければその党は政党交付金が相対的に多く行くということがあるわけでございます。それは国民の期待で、議席と得票率というもので割っているわけでございますから、それはあり得るわけでございます。したがって私たちは、そういうことも含めて、企業・団体献金の廃止ということも勘案をして、政党のお金につきましてはどうあるべきか、五年後見直しをしよう、こういうことで申し上げておるわけでございます。
#162
○片山虎之助君 それでは、平常時において公的助成がその党の活動費の五割なり七割なり十割を超えることが公的助成のあり方として適当かどうか、総理の御見解を承りたい。
#163
○国務大臣(細川護煕君) もう同じことを申し上げて恐縮ですが、私どもはこういう今御提案を申し上げているような考え方で行くというのが現実的な対応であろうということでこの法案を出させていただいているわけでございますから、しばらくこれでとにかく走ってみて、自治大臣からも今御答弁がございましたように、いろいろな観点から見直しをすべき点が出てくればそれは見直していくということが適当ではないか、こう思っております。
#164
○片山虎之助君 大変問題な総理の見解ですよ。私の方はこれはもう重要な修正点として申し上げておきます。
 とにかく各党の過去の実績の三分の一を限度にすると。そして、各党が公的助成をふやしていきたければ、自助努力であとの三分の二をふやせばいいんですから。今のままでは、三分の一という皆さんが言われる限度を超えて、政党の活動費の五割なり七割なり十割なりそれ以上の公的助成がある党が出てくる。そんなことはこの不況に悩む国民の目から許されないと思います。これはもう当方の修正点として申し上げておきたいと思います。
 そこで、もう時間がなくなってまいりましたが、昨日の質問で、いわば企業献金を受けられる地域支部の範囲について、地域に根差す職域的な支部もそれは認められる、こういうことなんでしょうね。確認で質問します。簡潔にお願いします。
#165
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員は職域支部とおっしゃいましたけれども、従来の政党の中で位置づけられておりました職域支部とか職場支部は、今回の法案における一地域、根を張った地域における支部には私はならないと思っております。
 しかし、昨日答弁いたしましたのは、政党がみずからの組織の体制としてそういう地域に根を張った職域的な性格を持ったものをつくるということがあった場合には、今回の法案に合致したものであるならば法案上の支部にはなり得る、こういうように考えております。
#166
○片山虎之助君 確認しますと、地域に根づいた職域的な支部であっても今回の法案に合致すれば、それは活動の実態だとか規約の問題とかなると思いますけれども、それは認められる、こう理解していいんですね。イエスかノーかだけで結構です。
#167
○国務大臣(山花貞夫君) 今回の法案にのっとった組織であるならば認められるということでございます。
#168
○片山虎之助君 はい、わかりました。
 そこで、いろんな質問をしたいんですが、あるいは最後になるかもしれませんが、今回の全体の制度改正は政党中心主義なんです。政党のみひとり清く、政党悪をなさずなんですね。企業献金も政党には許される。公的助成も政党にどっと行く。公認の決定から、選挙資金の配分から、選挙の運動から、全部政党中心なんですよ。政党の執行部は圧倒的な力を持つ。
 しかし、現在の我が国の政党というのはこれは任意団体なんですよ。人格なき社団なんですよ。党首はだれがどうやって決めるか、金はだれがどうやって集めてどうやって配っているかさっぱりわからないところが幾らもあるんだから。そういう意味では、前近代的な党もたくさんあるんですよ、
 そこで、私はこういう政党中心にするのはよろしゅうございます、あるいは。そのためには、政党というものが国民の批判にたえ得るような自浄能力をきちっと持つ、そういう自律能力を持つようなものにせにゃいかぬと思う。そのためには私は政党法の制定が必要だと思いますけれども、総理、いかがですか。
#169
○国務大臣(細川護煕君) よく議論がなされておりますように、やはりこれは政党活動の自由という観点からさまざまな議論があるわけで、一言で申し上げるならば、やはり慎重に考えるべき問題であろうというふうに思っております。今の御指摘のような点も踏まえて十分議論がなされるべき課題であろうというふうに考えております。
#170
○片山虎之助君 いや、何で慎重にやらないといかぬのか。慎重な理由を教えてください、慎重に対応するというのは。
#171
○国務大臣(細川護煕君) 今申し上げましたように、政党活動の自由という観点から慎重な議論が必要であるというのが、今まで長い間この問題は議論されてまいりましたが、そういった観点から一番議論がなされてきたというふうに私は承知しておりますし、そういう意味で慎重な議論が必要だろうと、こう申し上げているわけでございます。
#172
○片山虎之助君 政党活動の自由を侵さないような政党法にすればいいじゃないですか。
 例えば、政党としての要件を書く。法人格の付与をきちっと位置づける。内部秩序、党首ほかの役員をどうやって選任するか手続の基本を書く。あるいは公認決定の手続、支部組織、まさに支部が今問題ですから、今の地域支部、職域的な支部を含めて。あるいは党議拘束の範囲、あるいは会計処理、会計報告、あるいは解散の手続、そういうものが一つも政党活動の自由を侵さないように、公権力に侵害されないような手だてをこうむりながら、国民の理解を得るような政党法というのは私はつくれると思いますよ。
 それを今のように公的助成や比例の届け出の要件は衆参でばらばらで、それはそれぞれの必要があることは認めるにしても、そういう政党の規制ではこれから本当に政党中心、政策本位の選挙制度なり政治の仕組みをつくっていく上で私はおかしいと思う。
 再度、御答弁求めます。
#173
○国務大臣(山花貞夫君) 総理がお答えしたとおりでございますけれども、政党法をつくるかどうかにつきましては、たしか制憲議会における金森国務大臣の発言等が印象に残っておりますが、政党は自由であることがその命である、それ以来の今日まで続いた議論でございます。
 立法の体系について、ストレートに政党法をつくった国もありますし、我が国の場合には長年の法体系といたしまして個々の法律の中に政党に関する必要な事項について定めているということで今日まで来ているわけでありまして、八次審におきましても議論がありましたが、政党に関する法制、こういう処理をしているところでございます。
 今回も公職選挙法、政治資金規正法、あるいは助成法、必要に応じてそうした法制を整えているわけでありまして、これは国会における御議論かということになると思いますけれども、総理お答えのとおり、現在、政党法という格好で区切ろう、こういうようには考えないで今回の法律を提案しているところでございます。
#174
○片山虎之助君 言われることはわかるんですよ。だが、私が言う政党法は公権力を政党に及ぼすようなことを考えているんじゃないですよ。政党の自律自浄能力を強化して政党中心になるのなら、国民にわかりやすい、国民の理解を得るような政党の仕組みをきちっと法的に位置づける必要があるということを申し上げているんで、本格的な検討をお願いいたします。
 終わります。(拍手)
#175
○清水達雄君 私は、今回のこの政治改革特別委員会の審議に当たりまして、自分自身納得できない不満に思う点が大きく言うと三つぐらいあるわけでございます。
 一つは、予算編成を意図的におくらせて政治改革法案をその前に通さなきゃいかぬ、こういう意図がありありと見えているわけでございます。予算編成がどうも新聞の報道等によりますと二月ではないかというようなことになります。そうなりますと、これは当然長期間の暫定予算を組まなきゃならない。また、暫定予算には経常的経費ぐらいしか計上できないわけでございまして、公共事業費も政策的経費も計上できない、こういう事態になるわけでございます。この不景気において、何といってもやっぱり予算編成をちゃんとやり、経済対策をしっかりやらなきゃならない。政治改革の問題というのは大きな課題ですから、それから後十分時間をかけてじっくり審議すればいいんじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 どうもこの点につきましては、予算編成の問題を議論すると減税問題が出てくる、その財源をどうするか、消費税率の引き上げ問題に及ぶ、こうなると連立政権が崩壊するんじゃないか、連立政権がどうかはわかりませんけれども連立与党に崩壊の問題が出てくるんじゃないかということから、とにかく政治改革法案だけ上げちゃわなきゃならぬ、こういうふうなことが新聞等にも言われているわけでございます。
 この点について、私どもこの審議を非常にやりにくくさせているというふうに思っておりますので、とりあえず総理と大蔵大臣、それから羽田外務大臣・副総理にお伺いいたしたいと思います。
#176
○国務大臣(細川護煕君) この御議論も今まで随分なされてきたわけでございますが、政府といたしましても現下のこの経済状況というものを決して看過しているわけではございませんで、幾たびかにわたる経済対策も講じてまいりましたし、また何とか年内の予算編成をやろうということで努力もいたしてまいりました。
 しかし、昨日でしたか、も申し上げましたように、現下のいろいろな状況を総合的に判断をいたしますと十五カ月間の切れ目のない予算を組むということの方がよりベターなのではないか、こういう判断もございまして、とにかくこの中旬をめどに総合的な経済対策というものを取りまとめさせていただいて、三次補正に続いて当初予算で思い切った景気刺激型の予算というものを組んでいこう、こういうことで決断をさせていただいたということでございます。ぜひその点については御理解をいただきたいこう思っております。
#177
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもといたしましては、年内編成のための準備はずっと進めてまいりました。しかし、今、総理がお話しのように、十二月十七日、いろいろな諸般の情勢を見た中で、経済企画庁長官に特に御指名がありまして、私どもが相協力して経済対策を本年の一月中旬ぐらいまでに策定するように、そういう中で、第三次補正そして平成六年度予算を編成する中に、十五カ月予算と今総理からもお言葉がありましたように切れ目のない形で下支えをする経済対策をとっていく、こういうことからこのような決定をしたということで御理解いただきたいと思います。
#178
○国務大臣(羽田孜君) 政治改革のためにわざわざ予算をおくらせている、そういうことは絶対あり得ないことでありますし、また予算をやってそれから政治改革というお話もあるわけでありますけれども、結局、政治改革がいつまでもずれるということはむしろ景気全般にも悪い影響を与えてしまう。やっぱり国民は、政治改革をきちんとやって本当に信頼される政治の場からきちんとして発進してもらいたい。私はそのことが大事なんじゃなかろうかと思っております。そうかといって、政治改革をやっているから景気対策ができない、あるいは予算が組めないということはあり得ないわけでありまして、私どもはこれを一緒になってやっております。
 今の政府・与党の中でも連絡の協議会を設けながら、要するに十五カ月の予算というものを一体どうしていったらいいのかという問題について鋭意協議をしている最中でございまして、決してこれは何も予算をおくらせるものにならないということを申し上げたいと存じます。
#179
○清水達雄君 今、羽田副総理からとにかく政治改革を先にやらないと景気対策もきちんとできていかないんじゃないかというふうなたぐいのお話があったわけでございますけれども、これは全くおかしな話である。
 ところが、きょうの日経新聞に出ておりますけれども、これは羽田副総理が座長をやっておられます経済問題協議会、この中のいろいろな議論を見てみますと、減税財源問題とぶつかるとどうしても与党の中に亀裂が生ずるからこれはちょっと後回しにしておこうというふうな感じのことがいろいろ書いてあるわけですよ。どうもそこのところがやはり予算編成なり経済対策を進める上での一つのガンになっているというふうに私は思っているわけでございまして、どうもこれはやっぱり国民に対して今の政権は大変申しわけないことをやっているんじゃないかというふうに思うわけでございまして、言うなれば背信行為をやっているんじゃないかというふうなそういう感じすら持つわけでございます。
 もう一回御答弁をお願いいたします。
#180
○国務大臣(羽田孜君) 私自身大蔵大臣を務めてまいりまして景気対策をやってきた人間です。そして、それ以来ずっと景気の動向というのをまさに追いかけてまいりました。
 ただ問題は、今度の場合にはまさに長期の冷夏というものが続いたということ、そして急激な円高というものがあったこと。例えば、昨年の四月、五月ぐらいにはいろんな数字というものはいい方向に向かってきたけれども、それ以来ずっとそういう悪い状況が続いてしまったという中でさらに景気の足を引っ張ってしまったということで、例の新しい対策というものを私どもは強力なものを今やらなければならないということなんです。
 私の申し上げているのは、政治改革をやって、それから景気対策をやればいいんだというんじゃないんです。これは並行してやるべきだということを私はずっと実は言ってきているわけでございます。ただ、税収の状況なんかも非常に落ち込んでいる状況であります。こういうものをきちんとやっぱりとらまえないと本格的なことはできないということでありまして、今精力的にいわゆる歳入をどのように見積もりながらどのような予算を組むかその大事なところの部分を今議論しておるということであります。
#181
○清水達雄君 私は十分おっしゃっていることを納得できませんが、余り議論していてもしようがありませんから、次に関連する問題でございますけれども、この政治改革特別委員会の運営につきまして、与党に政治改革推進本部というのがあって、ここで委員会のスケジュールであるとか採決予定日なんかについての議論を何か一方的にやって、この委員会に押しつけているんではないかというふうな話をいろいろ聞いているわけでございまして、私はこれは非常にけしからぬ話だと。やっぱり委員会として独自性を持ってちゃんと十分な審議ができるようにやっていかなきゃいけないというふうに思っているわけでございます。
 それで、その政治改革推進本部でのいろんな議論を見ておりますと、新生党の小沢代表幹事であるとかあるいは公明党の市川書記長なんかの発言が非常に強くて、そういうのでどんどん押しつけられてきているというふうなことであるようでございまして、私は本当に委員会軽視であって許されるべきものじゃないというふうに思っておるわけでございます。そういう意味で、新生党の代表であられます羽田副総理と公明党の石田委員長にその辺についての御見解をお伺いいたしたいと思います。
#182
○国務大臣(羽田孜君) 私からお答えするというのもどうかと思うんですけれども、これは自民党の場合にも幹事長室があるし、あるいは国会対策委員会がある、こういう中で、まさに現場の理事の皆さん方と打ち合わせしながら物事を進めていらっしゃいますね。まさに今、連立与党というのはこれが大きく今あれして五つぐらいのものがあるわけですから、そういう中で議論をしながら、また現場の理事の皆さん方と打ち合わせしながらやっているということで、私は決しておかしなものではないというふうに考えております。
#183
○国務大臣(石田幸四郎君) お答え申し上げます。
 今まで私ども大変長い議員生活をしているわけでございますけれども、重要な政治課題につきましては、それぞれの委員会の自主性というものは尊重されなければなりませんが、同時にまた、政党としての考え方というものがそういうところに反映されるのは、例えば湾岸戦争の問題のときにいたしましても、あるいはPKOの問題のことにいたしましても、そういったことは通常的に行われてきたもの、このように思っているところでございます。
#184
○清水達雄君 新聞等の報道もそうでありますし、最近は何かGHQとかいうようなことがよく言われていまして、どうもそのGHQの指示によってこの政治改革特別委員会の理事会とかいろんな運営が左右されているというふうなことが言われておるものでございますから、これは委員長にも、特にそういう一方的ないろんな押しつけはけ飛ばしてちゃんとした中立公正な運営ができるようにお願いいたしたいというふうに思うわけでございます。
 それから、今ちょっと総理が席を外されておりますが、先ほどの予算編成問題に関連いたしまして、経済企画庁は来年度の経済見通しをいつ公表するおつもりがあるのか。
 それから経済見通しにつきましては、従来から外れることが非常に多いわけでございます。私も経企庁に二回ほど出向していったことがありますけれども、なかなか経済企画庁の経済分析とかその調査等の活動が、やや机の上にへばりついたようなことをやっていて経済の実態をじっくり見てないというふうな面もかなりあるわけでございます。特に今の経済の現状を見ますと、いわゆる資産デフレの影響というのが非常に大きいわけでございまして、来年度の経済見通しをやるについては、資産デフレとの関係というのを十分見てやらないとだめだと私は思っておりますが、その辺についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#185
○国務大臣(久保田真苗君) 来年度の経済見通しは、平成六年度の予算編成時に合わせてお示ししたいと考えております。
 先生もうよく御存じのとおり、私どもは内外経済の実勢を踏まえて十分に分析した上で出すのでございますけれども、それに加えまして政府のとるべき基本的態度あるいは経済政策、そういったものをできるだけ的確に整理いたしまして出していく、こういう使命を負っているわけでございます。
 また、おっしゃいますように見通しができるだけ的確に国民の御参考になるようなものに値するようなものにしていくべく、現在万全の用意で進めておるところでございます。
#186
○清水達雄君 第三番目の問題点は、細川総理の東京佐川急便からの一億円の借金問題でございます。
 総理は政治改革の旗頭であるということで、この新政権も政治改革をやろうということでスタートをされたわけでございます。ですから、総理がやっぱり一億円の借金問題についてきちっとした疑惑を解明するという努力をやっていただきませんと、つまり足元を固めていただかないとだめじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 六十年の十月十四日に、政治倫理綱領というのを国会で議決しているわけでございますけれども、「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」というふうに書いてあるわけでございまして、私、今までのこの佐川問題に関する総理のいろんな御答弁を聞いておりますと、どうも余り一生懸命努力をして汗を流してきちっとした答弁をしておられないという感じを非常に持っているわけでございます。
 この点については、やっぱり総理はもっと努力をして疑惑を晴らすというふうにしていただかなければならぬと思いますけれども、いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(細川護煕君) 全くおっしゃるとおりだと思います。私としてもできる限りそのような疑いを持たれることがないように努力をしてまいったつもりでございますし、また今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
 ただ、何分この問題につきまして、一つは古い話でございますものですから、なかなか適切な材料がもう既に廃棄処分にしてしまったりなんかしているものもございますし、私自身の記憶ももちろんあいまいになっているということもございますし、それからまた当時の担当職員が退職をしてしまってはっきりしなくなっているといった点もございますし、それからまた事務所が今日まで七回にわたってかわったりしておりますものですから書類が見当たらなくなっているということもございます。また、委員会における御質疑も、事前の具体的な御通告がなかったために大変前後関係などでいささかちぐはぐな答弁を申し上げたことがあって、大変御迷惑をかけたことがあることにつきましてはおわびをしなければならないと思っております。
 しかし、誠心誠意、できるだけの今日残されている、集められる資料などを出させていただいて、そうしたいわれなき疑いというものが晴れるように努力をさせていただいているところでございます。
#188
○清水達雄君 この佐川急便からの借金問題につきましては、後からこの間総理が予算委員会に提出された資料をもとに御質問をさせていただきたいと思っております。
 その前に、政治献金問題につきまして質問をいたしたいと思うんでございますが、今回の政治資金規正法の改正案では企業・団体献金を政治家の資金調達団体に対して禁止をしているわけでございますけれども、これはよく言われますように、企業も社会的な存在であって企業の活動というのは政治に対してもいろんな意味で非常に関係があるわけでございますから、そういうことも踏まえた上で、やっぱり企業にもちゃんと政治献金は出させていいんじゃないか。政党には出させることにしておりますけれども、資金調達団体に対して禁止しなければならない理由というのは私はないというふうに思っているわけでございます。
 今までのいわゆる政治家と金の問題というのは、やみ献金で起こっているわけでございます。政治資金規正法は昭和二十三年に制定されて、五十年改正、五十五年改正、あるいは平成四年改正というふうに行われてきておりますけれども、幾ら政治資金規正法を改正してみたところで、それと別のやみ献金がいわゆる政治汚職になっているわけでございます。そういう意味で、政治資金規正法に乗っかった金というのはそんないろんな問題が起こるわけじゃないわけでございまして、私はどうしてこれを禁止しなきゃならないのかということにつきまして甚だ疑問に思っているわけでございます。
 透明性をきちっと確保して、あるいは違反に対する罰則とか公民権停止というのは非常に今回の改正案でも強化されておるわけですから、それで十分ではないかというふうに思っているわけでございますけれども、この問題につきまして山花大臣の御見解を伺いたいと思います。
#189
○国務大臣(山花貞夫君) 御指摘のとおり、透明度の問題あるいは腐敗防止のための罰則の強化等を含めて、今回は、政治家の後援会、資金調達団体に対するものを含めて政治家個人に対する企業・団体献金については即時全面的に廃止としたところでございます。
 やっぱり国民の皆さんの政治不信がよって来るところは、もう最近のゼネコン汚職に至りました政治と金との結びつきにあったということではないでしょうか。そして、そうしたゼネコン事件など毎日の報道にもなお伝えられているケースを見る場合には、その多くの場合が企業から政治家個人に対する寄附であり、これが御指摘のやみ献金をも含めて温床になっておったんではなかろうかこうした指摘があることについても否定し得ないのではなかろうかと思っております。
 今回、全体として企業・団体献全廃止という主張も大変強かったところでありますけれども、現実的な手法としてまず一歩前進と、こういう格好で政党、政治資金団体を除くその他の政治家、そしてその後援団体については禁止をすると一歩踏み出したところでございまして、最近の国民の皆さんの大きな関心がここにあるということを考えれば、何としても今回の法案について御理解をいただきたい、こういうように考えているところでございます。
#190
○清水達雄君 問題はやみ献金でありますとかあるいはいわゆる贈収賄のたぐいの話でありまして、政治資金規正法にちゃんと乗っかって届けられ経理されたものは問題にならないと思うんですね。私も実は一口二万円というので今企業からの献金を受けております。なかなか今不況で集まりませんけれども。こういうものはきちっと公私が分別されておって、非常に透明性を持ってできると思うんですよ。そういうことをやればかえって選挙民の方も、やれお祝いを持っていかなきゃならぬとか中元の何とかを持っていかなきゃならぬということにならなくて、割合クールな関係でつき合えるんですね。私はその方がむしろかえっていいと思うんですよ。
 それから、個人献金の話が非常に出ておりますけれども、個人から金をもらうということは一生いろんな面倒を見なきゃならぬことがあるよということをいろんな政治家からも私は聞いているんです。私はまだ余りそんなこと経験ありませんけれども。むしろ企業が出す金の方がコスト意識があるんですよ、政治を担うコストだという意味が。私はそういう意味で自民党案のようなああいう額を制限し透明性をきちっと確保した企業献金をやっぱり存続させるべきだというように思っているわけですけれども、もう一度お答えをお願いします。
#191
○国務大臣(山花貞夫君) 御自分の体験に基づいた御主張については、私もよくわかります。
 ただ、午前中もちょっとお話しさせていただいたわけですが、企業が献金をする形として政治資金規正法にのっとって政党、政治資金団体に出す場合、個人に出す場合を比較してみますと、歴然とした差がございます。政党、政治資金団体に出す場合には、昨年九月以降の自治省が集約したところによりますと九七・二%が公にされている、オープンになっているわけでありまして、すなわち言葉をかえれば九七%が透明度がある。これが政治資金規正法の目的、理念にある透明度を出すことによって国民の皆さんの監視と批判に耐えるような政治資金、この要件に合致しているところだと私は思っています。
 ところが、企業が個人に出したお金につきましては透明度がほとんどない。透明度がこの数年見ると三%から三・二%というのが私の承知しているところでございまして、すなわちほとんど九十何%については全く水面下に潜った格好で明らかになっていない。これでは国民の皆さんの批判を仰ぐことはできないということではなかろうかと思っているところございます。
 したがって、やっぱり一歩前進ということでぜひ御理解をいただきたい、こういうようにお願い申し上げる次第です。
#192
○清水達雄君 今の透明度のお話というのは、つまり収入先がはっきりしているという意味だと思うんですけれども、これはいわゆる百万円を超えると企業の名前が出るから困るというところでそうなっているわけでございまして、その使われ方云々の問題じゃないと思うんですよ。ですからこれは、今度公開基準を強化して五万円とかということにすれば、これはもうそういう問題はなくなると思いますよ。だから、そのことをもって透明性が今の段階でどっちが高いから云々という議論はないというふうに私は思っているわけでございます。
 それはそれとしまして、次に、いわゆる企業が政治連盟というのを持っているわけです。この政治連盟の会員は企業なんですよね。会員が企業。だから企業が会費を政治連盟に納めるときに企業会計から納めると企業献金になっちゃうということで、これも禁止されていると思っておりますけれども、自治大臣、いかがでしょうか。
#193
○政府委員(佐野徹治君) 政治資金規正法上、企業と法人等の出します会費というのは寄附とみなす、こういう規定がございます。したがいまして、今回の改正によりまして企業等の献金が禁止される対象につきましては、それらにつきましても同様に禁止をされるということでございます。
#194
○清水達雄君 法制局長官にお伺いしたいんですけれども、政治連盟というのは企業がつくっている結社でございまして、憲法二十一条に結社の自由というのがあるわけですが、これに対する会費を会員である企業が出せない、出したら法律違反になるということでは、私はこれは憲法に抵触するのではないかというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
#195
○政府委員(大出峻郎君) 今回の改正案は、政治腐敗事件の多くが政治家をめぐる企業等の団体献金に起因するんだというようなことにかんがみて、政党、政治資金団体以外のものに対する企業等の団体献金を禁止するということにしておるわけであります。
 この改正によりまして、御指摘の政治連盟と言われるもの、すなわち一定の業界に属する企業等をその会員とするような政治団体についても、会員である企業等の団体からの寄附、先ほど会費というお話がございましたが、会費は政治資金規正法第五条第二項の規定により今は寄附とみなされておるわけであります。そういう寄附を受けることができなくなるということになるわけであります。
 しかしながら、これらの政治団体でありましても、企業等の団体からの寄附、今の場合は寄附とみなされる会費を含んででありますが、寄附以外の個人の拠出や事業収入等により資金を調達することは禁止されているわけではない。また、これらの政治団体の結成を制限するというものではない。さらに、政治活動についても制限を加えるというものでもないわけでありますから、これらの政治団体に対する企業等の団体献金の禁止が憲法二十一条第一項で保障する結社の自由を侵害するというものではないというふうに考えておるところであります。
#196
○清水達雄君 法制局長官は憲法違反ではないというお話でございますけれども、会員である企業が会費を企業会計の金で払えないというのは、これは結社の自由に対して重大な制約というか制限を加えているわけでございますね。現実には、それじゃもうとてもそういう結社はできないよということに事実上なるというふうに私は思うわけでございまして、今の解釈では私はどうも納得できないというふうに思うのでございますけれども、これは余り議論していても決着がつかないと思いますので。私は、非常に大きな問題である、企業に対する結社の自由をこれほど大きく侵害するようなことをなぜ政治改革の問題として政治家の襟を正すためにこういうことをやらなきゃいけないのかこれは国民に対して大きな権利の侵害であるというふうに思っているわけでございます。
 それからもう一つば、従来からいろいろ言われておりますが、地方の首長や議員に対する政治資金の調達の手段としてどういう方法を考えておられるのか、具体的にお話を伺いたいと思います。
#197
○国務大臣(佐藤観樹君) 一つは、政党が推薦するような場合もございますので、そういった場合には政党から出る資金もございましょうし、また個人献金によって運動を賄ってもらうという手段がございます。個人献金の場合には、例えば首長さんが代表になりまして、そして資金管理団体をつくっていただいてやる、こういう手段がございます。
#198
○清水達雄君 この問題はもっと掘り下げて議論をしなければならないと思いますので、私はきょうはこの段階にいたしておきたいと思います。
 そこで、先ほど申し上げました細川総理の一億円借金の問題でございます。
 いろいろ今まで資料を出されておりますのを見ますと、五十七年の四月に相続財産を売却して剰余金が一億二千百万円ほど得られたとか、あるいは五十七年の五月にはマンションの購入とか家屋、土塀、山門の改修のために佐川さんに借金の申し入れをしたとかそれから五十七年の七月には、マンションを購入して代金が七千七百万円かかって、これは借金の以前ですから相続財産を売ったお金か何かそういうふうなもので賄われたというお話があります。それから五十七年の十月になってやっと一億円の金銭消費貸借契約が締結されている。
 それから、土塀の修理の問題につきましては、これよりも相当遅い五十八年の五月に市の教育委員会にその修理についての届け出がなされている。あるいは山門修理についてはさらにそれより一年以上遅い五十九年の六月に市の教育委員会に届け出がなされているというふうなことで、借り入れの時期とその金によって行う行為の時期というものが非常に合わないわけですね。例えばこういう土塀とか山門なんかにつきますと、一年あるいは二年近くにもわたるような借金になっている。これは金利は大変なむだになるわけでございますけれども、そういうふうなことがあります。
 それから、知事選を五十八年の二月に控えておりまして、なぜ急いでこういうふうな行為をやろうというようにお考えになったのかというあたりもよくわからないというふうなことで、どうもお話しになっているこの一連の事柄をつかまえましても、非常に不自然な感じを免れないわけでございます。いろいろ御答弁はなさっておりますけれども、そういう感じが非常にするというふうに思っているわけでございます。
 それで、十二月十五日に予算委員会に出されました資料をもとにしまして御質問をいたしたいと思います。
 この予算委員会に出された資料というのは、東京地検に佐川急便が押収をされたものの写しをとって持ってきたのか、あるいはそうではなくて、東京佐川急便に原本とか写しがあってその写しをとってきたのかその点についてはどうなんでございましょうか。
#199
○国務大臣(細川護煕君) 初めにいろいろ疑問の点があるという御趣旨のお話でございましたが、その一々についてはまたお話があるんだろうと思いますが、今まで出させていただきました資料なりあるいは今までの答弁で大体御理解をいただけるのではないかという気がいたしますのですが、それはまた改めてお答えをいたします。
 今のお尋ねにつきましては、佐川の方に残っておりましたコピーだということでございます。
#200
○清水達雄君 実は提出された資料の貸付金台帳というのがあるわけでございますけれども、これの説明書の方に、説明資料の一ページでございますけれども、ア、イのイのところでございますけれども、「貸付金台帳の記載開始年月日が「昭和六十年一月三十一日」からとなっているのは、本資料が東京地検に任意提出した資料の写しであり、時効との関係で昭和六十年以降のものに限って提出したためであるようである。」ということが書かれているわけでございます。ですから、これにつきましてはどうも東京地検に提出したものの写したというふうなことがここに説明されているわけですね。
 ところが、今のお話ですと佐川にあったものの写したということじゃございませんですか。
#201
○国務大臣(細川護煕君) 地検に提出をしたもののコピーで佐川に残っていたものということでございます。
#202
○清水達雄君 それで、この貸付金台帳というのが、ここに出ておりますのは昭和六十年の一月三十一日以降のものしか出てないわけですよ。ところが、実際に借金をしましたのは五十七年の十月なんです。そこから、いわゆる東京地検に出さない、つまり時効等の関係で東京地検に持っていかれなかった部分、つまり五十七年から五十九年末までの写しはなぜ提出されていないんでしょうか、借金の期間は五十七年から始まっているのに。
#203
○国務大臣(細川護煕君) まさにそのことがその説明資料に書いてあるわけでございます。
 同じようなことになるかと思いますけれども、なぜ六十年一月以降の台帳しかないのかという点につきましては、たまたま佐川側が六十年以降についてコピーをとっていたものと思いますけれども、前期繰越、そういう印が押してあるところからそれ以前の時期につきましても記載があったものと推定されるということであろうと思います。
#204
○清水達雄君 いや、それは推定されるのは推定されると思いますけれども、そのものはないんですか、それ以前のものは。
#205
○国務大臣(細川護煕君) これが佐川側から提出をされた資料のすべてでございます。
#206
○清水達雄君 その点につきましては、もう一度佐川に提出を頼んでいただいて提出してくださるようにお願いをしたいと思います。
 それから次に、金銭消費貸借契約証書の写しの問題でございます。
 この金銭消費貸借契約証書を見ますと、第一条に、「貸主は、本日金一億円也を借主に貸し渡し、借主はたしかにこれを借り受け、受領しました。」という文章になっているわけですね。ところが、資料として出されました利息計算通知書によりますと、貸し付けは十月六日に三千万円、十一月十日に三千万円、十二月十五日に四千万円の三回に支払われたということになっているわけでございます。つまり、契約書では十月六日に一億円もらいましたと書いてあるのに、実際は今言ったようなことになっているわけでございまして、契約書と利息計算通知書の記載とが合わないわけですね。これはどういうわけでしょうか。これはもうそんなに考えなくたってすぐわかる話だ。
 ちょっと委員長、速記をとめてください。まだいっぱいありますから。
#207
○委員長(本岡昭次君) それでは、速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#208
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
#209
○国務大臣(細川護煕君) 先ほども申し上げましたとおり、この資料につきましては、先方から強く断られたものでございますが、私の事務所の職員が無理にお願いをして今回限りということで提供をしていただいたものでございまして、先ほどさらに出せないかというお話もございましたが、今回限りということで出していただいたものでございまして、これは本物のコピーでございます。
 契約書などにつきましては確かに法律的にずさんだと見られるところがあるかもしれませんが、先方も佐川会長から来た話ということでやかましいことは言わなかったというふうに聞いております。双方の覚えのためにつくったものでございまして、事務的に完全でないということは御指摘のとおりでございます。
#210
○清水達雄君 これは非常にずさんなのが、例えば抵当権の設定契約書なんというのは、文字どおりずさんそのものな書類が後から出てまいりますけれども、この契約書については東京佐川急便の渡邉廣康社長の印鑑も押してあるちゃんとした契約書なんですね、これは。これに一億円を十月六日に受け取ったと、こう言っているんですよね。ところが、別の方ではそうじゃないと、三回に分けて受け取られている。それについては利息の計算書なんかもいろいろついているわけですよ。だから、今のお答えはどうも私は納得できませんですね。
#211
○国務大臣(細川護煕君) 先ほど申し上げましたとおり、確かにある意味では会長からの直接の話であるということで、事務的に詰めたものではございません。したがって、随分法律的に見れば抜けているところがあるかと思いますが、それは以前から京都などの家を、父の名義のものでございますが、賃貸をしているといったような関係がございましたのでそのような覚書になっているわけでございます。
 今のお話でございますが、利息計算通知書をごらんいただきますと、昭和五十七年十月六日に貸付金明細ということで三千万、十一月十日に三千万、十二月十五日に四千万、こういうことになっておりまして、そこにそれぞれ、例えば十月六日から十二月三十一日まで、十一月十日の三千万以降の十二月三十一日まで、あるいは十二月十五日から十二月三十一日までの利息、こういう年末までのそれぞれの利息というものは双方了解の上で免除されたものというふうに事務所の者は申しております。
#212
○清水達雄君 これは収入印紙まで張ったような跡があるような、そういったちゃんとした契約書のとおりに金が動いていないというのはどうも私は納得できないんですけれども、先に行きます。
 三回に分けて契約が締結されたのなら、やっぱり三つの契約書がなきゃおかしいわけですよね。要するに、金銭消費貸借契約というのは要物契約ですから金が動かなければ契約は成立しないわけですよ。これは覚書とかなんとかじゃないんですよね、この契約証書というのは。だから本当にどうもよくわからない。
 それからもう一つ、後からもいろいろ出てきますから先に進みますけれども、利息計算通知書を見ますと、五十七年分については、今、総理がおっしゃったように、利息を免除するということになっておりまして、五十八年からについては七%の利息だということに最初はなっている。
 それからもう一つ、この紙ですね、五十八年の三月二十八日に一千万どうも借金を返した後らしくて九千万円の残高になっておりますけれども、これについて利息を八%に引き上げているんですね。ということになっているんですよ、説明では。
 ところが、この利息を実際に計算してみますと、この前の十二月十五日の分も八%の利息の金額が書いてあるんですよ。ちっとも変更になっていないんですよ、これ。どうしてこういうおかしな書類になっているのかお答えいただきたいと思う。
#213
○委員長(本岡昭次君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#214
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
#215
○国務大臣(細川護煕君) ちょっと細かいお尋ねなものですから申しわけありません、時間がかかりまして恐縮いたしますが、この利息計算通知書をごらんいただきましても、五十八年の一月三十一日から、これ一枚目、二枚目、この両方でございますね、この両方とも、片方は五十八年の四月三十日以降いずれも八%ということになっております。
 そのことにつきましては、これも前に御説明を申し上げたことがあるかもしれませんが、あるいはその説明資料の中にも多少触れておるかと思いますけれども、一億円とその金利の返済につきましては本来一年でお返しするつもりであったわけでございますが、私の事務所に対しまして、佐川清さんから無理をしないで年一回、元本、利息別で一千万円ずつの分割払いでいいというお話が佐川氏の側近を通じてございましたので、金利を七%から八%に変更いたしまして、担当職員が私の資金をやりくりして支払って完済をしたものでございます。
 金利変更に伴う新たな契約書はつくったかつくらなかったかと、そういう御趣旨なのかと思いますが、今となってはわからないというのが担当の職員の話でございます。
#216
○清水達雄君 いや、金利変更の契約書をつくったかつくってないかなんということを聞いているわけじゃなくて、この利息計算書が、二つ書いてありまして、一方の方は「下記の通り約定利息を変更致しましたので御知らせ申し上げます。」と書いてある、右側の方のものはね。前の方からちっとも変更になっていない、初めから八%、変更になっても八%なんです。それはどういうわけかということを伺っているだけのことで、契約書は七%。
#217
○国務大臣(細川護煕君) 初めの一ページ目の分は一億についての利息ということでございまして、こちらは九千万になりましたから「約定利息を変更致しましたので御知らせ申し上げます。」と、こういうふうになっているわけです。
#218
○清水達雄君 変更になっていない。同じ利率なんです、これ。計算書と同じ利率です。同じ利率ですよ、これ。
#219
○国務大臣(細川護煕君) 率は同じでございますが、額が変わっている、こういうことでございます。
#220
○清水達雄君 この辺も本当に不思議な書類があるなどいう感じがするわけでございます。
 それからもう一つ、次に貸付金台帳というのがあるわけです。この貸付金台帳を見ますと、これはどうも企業の中の補助帳簿、いわゆる正式な経理帳簿じゃなくて補助帳簿のようでございますけれども、これが、ずっと見ますと、どうもこれは、例えば六十年一月三十一日から平成二年十二月三十一日まで、だから六十年から平成二年までの非常に長期にわたるものが、同じ人が同じ日に書いたようなように見えるわけです。全く同じあれなんですよ。最後の一枚、平成三年二月一日の分だけが違う人が書いた。
 これはもうまことに変な話でございまして、これは専門家に言わせると、五年間もの長年月に書かれたものがこんなふうに書けるものじゃないということが言われておりますし、それから貸付金台帳というのは、通常企業が使うものは、日付に従ってだれがだれに幾ら金を貸した、だれから幾ら返済があったというようなものをずっと順を追って書いておくものなんです。それがとじられた簿冊になっているわけですよ。そういうもので全くないわけでございまして、どうもこの点について非常に疑惑がある。もうちょっとはっきり言うと、つくられたものじゃないかというふうなことを言っている人がいるわけでございますけれども、この辺についてはどういうお感じでございますか。
#221
○国務大臣(細川護煕君) コピーでございますから、同じように見えるということもございましょう。それからまたもう一つは、恐らくインクの色とかいろいろ違っていると思います。しかしコピーでございますから、そのように見えるということは確かにあろうと思います。それからもう一つは、恐らく同じ経理担当者が書いたものであろうということもあろうかと思います。
 利息の方につきましては一年に一遍まとめて払っていたと聞いておりますし、そういうことでございますから、このような書き方になっているのではないかというふうに考えているわけでございます。
#222
○清水達雄君 今のような御説明ではとても納得できませんので、これは総理からもう一度東京佐川急便に聞いていただいて、本当に五年間同じ人がちゃんとこの貸付金台帳をつけていたのかということを確認していただくことと、それからその人の名前を教えていただいて、これは私はどうも呼んで聞かなきゃならないなという気がいたします。証人喚問が必要じゃないかというふうに思いますが、この点については後で服部委員の質問がありますから、証人喚問問題については後でまとめてやってもらうことにしておりますが、それが必要だと思います。
 いずれにしましても、本当に同じ人がこれを書いていたのかどうか、その人はどういう人であったかということを教えていただきたいと思います。
#223
○国務大臣(細川護煕君) この資料をお願いに上がりましたときに、もうこれ一回でやめてもらいたい、これ以上は出せません、こういうことでございましたが、とにかく自分の名前はどうしても伏せてもらいたい、こういうことで利息計算書の最後の印鑑のところを塗りつぶしてございますが、それもそのような要請に基づくものでございます。そのときに事務所の者が聞いてきた話では、同じ経理担当者が書いていたと、こういう話をしていたというふうに聞いております。
#224
○清水達雄君 東京佐川が言っておられるのは、さらに資料を出すことは嫌だということを言っておられたように総理のお話を伺うんですけれども、今の話は私はどうも信じられない。
 やっぱり国民の信頼を得なければ疑惑は晴れないわけですから、ここのところはもう一度ちゃんと聞いて、聞くぐらいは聞いたって別にどうってことはないと思いますよ。東京佐川にもう一回本当にそうであったかどうかということを聞いて、御報告をいただきたいと思います。
#225
○国務大臣(細川護煕君) それは前回、この一億円の借入問題にかかわる資料を全部出していただきたい、私にかかわるものについて出していただきたいというお願いをいたしましたときに、これがすべてであると。そして、これ限りにしてもらいたいということで出していただいたものでございます。
#226
○清水達雄君 私はどうも総理の今の答弁に納得できないわけでございます。それは東京佐川だってこういう疑惑を晴らしたいというふうに思っていると思うんですね。だから、本当に総理が言っておられるようなことを東京佐川が言っているのかどうか、これはやっぱり本当に証人喚問をしなきゃ、もしその担当者がだめだと言ったら取締役、経理担当重役でも何でも呼んでやっぱりこれは証人喚問をしてやらなきゃならないと思いますよ。
 もう一度お答えください。
#227
○国務大臣(細川護煕君) とにかく、御本人からはそのような強い要請があったということでございます。
#228
○清水達雄君 これにつきましては、後から証人喚問の要求をしなければならないというふうに思っております。
 それから、この貸付金台帳の中で利息の入金日というのがあるのでございます。この利息の入金日の中で、総理も今見ておられますからわかると思いますけれども、六十一年から六十三年の利息の支払い日がそれぞれの年の十二月三十一日なんですよね。三年間にわたって十二月三十一日に利息を会社に払いに行ったということになっているわけです。こんなことが本当にあるんだろうかというように思われますけれども、いかがでしょうか。
#229
○国務大臣(細川護煕君) まあ運送会社でございますから十二月三十一日もやっているんだろうと思いますが、一番書き入れどきなんじゃないかという気はいたします。
 さっきも申し上げましたように、利息は一年に一遍まとめて払っていたというふうに聞いております。ここで、ただ十一月二十一日から十二月三十一日までの利息分というのは、十一月二十日にそれまでのものを含めて前払いをしているということではないかというふうに思料されるところでございます。
#230
○清水達雄君 これは先ほどお話ししたように、やっぱりどうしても佐川の人に証人に出てもらって話を聞かなきゃならない。
 十二月三十一日に金利を、しかもこれ現金ですよね、現金を持って十二月三十一日に佐川に払いに行っているんですよ。これは一体どなたが払いに行っているんでしょうか。
#231
○国務大臣(細川護煕君) うちの事務所の深山という秘書が主としてこの問題を担当しておりました。
#232
○清水達雄君 それから、ちょっと次に進みますけれども、覚書というのがあるわけでございますね。この覚書というのは、いわゆる担保をどうするかということのものでございます。これには日付が入っておりませんけれども、五十七年何月何日に締結した金銭消費貸借契約に関し、債務の担保として、根抵当権の設定契約のほか、下記事項に基づく担保、つまりあの刀のつばですか、というふうなものを提供する、そういうことの覚書になっているわけです。
 これは日付が、実際にはこの覚書は九月二十九日につくられておって、借金の日の十月六日より以前なんですね。以前の日付であるんですけれども、既に契約が締結されたその契約に関してというふうな言い方もしている。これは、事務的に何か粗っぽくやったんだということと言われれば、あるいはそういうこともあるのかなという感じもするんでございますけれども、これについても不自然さが非常に残っております。
 それからもう一つ、これは一番肝心なところでございますけれども、根抵当権の設定契約書でございます。これにつきましては、これは前に服部委員の質問のときにも出ていたわけでございますが、書いてあるのは「細川護煕」と、これ実印だと思いますけれども実印が押され、それから極度額が一億円というふうなことが書いてあるんですが、抵当権者の名前も書いてなければ捺印もない。要するにこれは全く効力を持たない、これ要するに契約書になっていないわけですね。こういうもので根抵当権の設定の登記はできないわけですよ。
 どうしてこういうものが出てくるのかということがまことによくわからない。本物は別にあるはずなんです、これは登記をされておりますから。本物は出してもらえないんでしょうか本物の写しは。
#233
○国務大臣(細川護煕君) 初めの点から、覚書の方からちょっと申し上げておきたいと思いますが、確かに御指摘のように、昭和五十七年何月何日というところは日付が入っておりません。日付が入っていないのは、今おっしゃいました大体そういうことであろうと私も想像しております。日付が入っていないというのは、金銭消費貸借契約書というのが十月六日に作成をされて、この時点ではまだ存在しなかったためだろうというふうに私は思っております。
 それからもう一つ、今、根抵当権者の署名捺印がないのはどういうわけか、こういうことでございますが、全くそのとおりでございまして、恐らくこちらで記入して先方に送付したもののコピーだからであろうというふうに思います。これに先方が日付と署名捺印をすれば完全な形になるわけでございますが、考えられますことは、当方に送り返した分だけ署名捺印をして佐川側は手持ち分をそのままにしていた可能性もあるのではないか、登記では当方の契約書を恐らく使用した可能性が強いのではないか、こう思っております。
#234
○清水達雄君 今の答弁は全く変な御答弁でございます。これは根抵当権の設定契約書ですからちゃんとしたものがあるわけでございまして、それを出すことに何ら支障があるはずがないわけでございます。それが出せかいと言う。そうじゃなくて、本来、登記をされておるわけですから、細川さんの方から送られできたものの写しだけが出てきたって何だかよくわからない話で、これは納得できません。
#235
○国務大臣(細川護煕君) 再々申し上げておりますように、この件に関する資料がどうしても私のところで見つからないものですから、大変申しわけないことだと思っておりますが、今なお引き続き捜しておりますけれども、残念ながらまだ見つからない。これは佐川側から送られてきたコピーでございますから、先ほど申し上げましたように、使われたものは我が方にあったものであろう、こういうことでございます。
#236
○清水達雄君 それは私はどうも信じられませんで、やっぱり抵当権の設定者の方がこういうものを持っていなきゃおかしいと思うんですよ。だから、それはやっぱりもう一度佐川にそういうものを出すように頼んでいただきたいというふうに思います。
 そこで問題は、根抵当権の設定原因の日付が登記簿によりますと五十七年十二月三十一日というふうになっているわけです。抵当権の設定原因の日付が五十七年の十二月三十一日になっております。これは、要するにこの根抵当権を設定して与信契約をした日なんですよね。ということでございますから、それ以前の金銭消費貸借契約にありました五十七年十月六日の三千万円とか五十七年十月六日の一億円の金銭消費貸借契約、実際には三千万、三千万、四千万というふうに分かれて入金がされたということになっておりますけれども、原因の日付以前の金銭消費貸借契約についてはこの根抵当権では担保されていないんですよ。これはそれでいいんですか。要するに、金銭消費貸借契約はこの根抵当権によって担保されていないんですよ。
#237
○委員長(本岡昭次君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#238
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
#239
○国務大臣(細川護煕君) その点につきましては、覚書におきまして「金銭消費貸借契約に関し」云々と書いてありまして、その第二項に「根抵当権設定契約に基く」云々と書いてございますから、そのことによりまして今のお話に対するお答えになるのではないか、こう思っております。
#240
○清水達雄君 それは法律上のお答えになりませんで、要するに、この根抵当権の設定によって担保されるのは十二月三十一日以降の金銭消費貸借契約なんですよ。十二月三十一日に原因となる金銭消費貸借契約がなければおかしいんですよ。
 だから私は、今まで総理がいろいろ一億円と言われた十月六日三千万とか十一月十日三千万とか十二月十五日の四千万とかいうのとは別の金銭消費貸借契約があった、その根抵当権が十二月三十一日の原因日付で設定されているというふうに推定されるんですけれども、いかがでしょうか。
#241
○国務大臣(細川護煕君) 再三申し上げますように、確かに事務的にずさんな契約であることはもうおっしゃるとおりでございますが、しかし、この覚書によりまして、契約でございますから双方が納得してそれでいいということでやっているわけですから、そういうことで大変いいかげんだとは思われるかもしれませんが、そういう形で借入契約をしたということでございます。
#242
○清水達雄君 いや、それは会社が金銭消費貸借契約を正式な借金の契約をちゃんと結んで抵当権をつけようというときに、その対象にならないような抵当権の設定の仕方でいいなんということになるはずがないんですよ。どういうわけでこういうことになるんですかね。これは全くわかりません。
#243
○国務大臣(細川護煕君) それは、そうおっしゃられましても、当事者同士の間でこのような形で結構だということであったわけでございますから、私は立ち会ったわけではございませんが、そういう話し合いでそのような契約が成立したということでございますから、私もそのように受けとめるしかない、こう思っております。
#244
○清水達雄君 今まで総理が提出された文書について全部見できますと、みんないろんな欠陥とか信頼できないんじゃないかとかいうふうな点があるわけですよ。
 それで、一番問題なのは根抵当権の設定契約書です。判こも押してないし、設定権者の名前も書いてない。ところが、登記がされている。しかし、その登記によっては金銭消費貸借契約の担保がされていない。一体これはどういうことなのか。全部が総体的に見まして全くみんなでたらめだというふうなようにしか思えないんですよ、これは。これをもって総理は自分の疑惑は氷解したと思うというお話しをされているわけです。これで疑惑が氷解したというふうに思えというわけにいかないと思うんです、私は。だから、こういうものを出していただいてますます疑惑が募ってきている。いや、本当にそうなんですよ。
 こういうことで、一国の総理が、しかも政治改革をきちんとやろうと。政治改革の本当の実効が上がるというのは、やっぱり政治家個人個人が細かいところまで気をつけて、例えば金の出し入れとかいろんなことについても、秘書に任せっ放しておれば細かいことは知らないとか何とかしているだろうとかということじゃ政治改革というのは実現しませんよ。きめ細かくそういうところに配慮をしながらやっていって初めて出てくるんで、秘書が勝手に金をもらったとかなんとかかんとかで、それは私は知りません、そんな話じゃどうにもならないと思うんですよ。
 私は、ここの問題についてはどうしてもこれは納得ができない。どういうふうにされるのか、お答えください。
#245
○国務大臣(細川護煕君) 大変申しわけないんですが、私のところの資料があればこういうことにはならなかったわけでございますが、相手のあちら側のその書類が不備であるかどうかという点については私の方でいろいろとやかく申し上げるべきことではないので、今とにかく、あちらからいただいたものはこれはまさに本物でありまして、これをやはり信じていただくしかない、こういうふうに思っております。
#246
○清水達雄君 一国の総理が自分に降りかかっている疑惑を晴らすのに今のようなお答えじゃ、私はどうしようもないと思います。
 きょう私がこういう点を指摘したわけですから、これを佐川急便に伝えて、こういうことでは疑惑が解けないよ、もうちょっと協力してくれということは言えないんですか。
#247
○国務大臣(細川護煕君) それはもう随分強くお願いをいたしました。ぜひひとつこの疑惑が氷解をするようにあらゆるこれにかかわる資料を出していただきたいということで再三再四お願いをしたわけでございますが、そこでいただいたものがこれだけの資料でございます。
#248
○清水達雄君 それは、そのときはちゃんとしたものが出してもらえるだろうと思ってお願いをしたんだと思うんですけれども、出てきているものがこういうふうにでたらめなものなんですよ。これは、もうちょっとちゃんとしたものがあるんじゃないのかということで、もう一回頼んでもらわなきゃ私は引き下がれませんね。
#249
○国務大臣(細川護煕君) それはもちろん私としても大変困る話でございますから、ぜひ話しはしてみたいと思いますが、お願いはしてみたいと思いますが、しかし、あれだけ強く再三お願いをしてきた結果がこの出てきた資料だということでございますから、果たしてどれだけ期待できるかなという感じはいたしますが、しかし私としてもできる限り、そのいわれなき疑いが晴れるように最大の努力をしてみたいと思っております。
#250
○清水達雄君 それで、これは総理自身がどうしても出していただかなきゃならないものに領収書があるわけです。この抵当権の抹消は、平成五年三月十二日に受け付けられて抹消されているわけです。去年の三月ですよ。この抵当権の抹消がなされるまでは、総理としては佐川急便に金を返した、返したことの領収書を当然持っているべきだと思うんですよ。そうでなきゃ、いつまでたったって抹消してくれないかもしれない。
 この領収書というのが、何か東京佐川にあったものの写しというのが出てきておりますけれども、これなんかはここに出した人の名前もなきゃ判こもついてなきゃ何もないようなものでございまして、こんなものはもう全く物を言うに当たらないようなものでございます。
 やっぱり総理がこれだけ何回も金を返して領収書をもらわないということはないんですよ。これは少なくとも代理人が払いに行っているわけですから、これがないということは絶対あり得ないと思うんですよ。これをやっぱり出してもらわなければ究極的にはこの疑惑が私は晴れていかないと思いますけれども、いかがですか。
#251
○国務大臣(細川護煕君) 領収書は、それは当然もらっているという話でございますが、残念ながらそこのあたりの書類というものが一括してないものですから、大変申しわけないと、こういうことを申し上げているわけでございます。
#252
○清水達雄君 しかし、去年の三月に抵当権を抹消されているわけですから、そういうのが全然ないというのはちょっと信じられないですね。
#253
○国務大臣(細川護煕君) おっしゃることもよくわかりますが、しかし、抵当権を抹消してしまえば用はない話でありまして、またすぐに使うということもないわけでございますから、私の方としてはそれは一括して一つの資料としてとっていたわけでございましょうが、それがどうしても見つからないということで、今躍起になって捜しているということでございます。
#254
○清水達雄君 という今のお話ですと、抵当権が抹消するまでは領収書はあったということですね。
#255
○国務大臣(細川護煕君) 多分そうだろうと思います。
#256
○清水達雄君 去年の三月十二日に受け付けられているわけですから、だからそれはついこの間の話ですよ。まだ一年もたっていないわけですよ。だから、これはもうぜひ捜してもらわなきゃいかぬと思いますよ。これが全然ないというのは、これだけ多額の借金とその返済についてどうも私は信じられないし、それは総理の努力が足りないんじゃないですか。そういうふうにしか思えないわけでございます。
#257
○国務大臣(細川護煕君) あったかどうかもわかりませんが、とにかく今一生懸命捜しているところでございまして、まとめてとにかくないわけでございますから、いかんともしがたいわけでありまして、今後とも引き続き最善の努力をさせていただきたいと思っております。
#258
○清水達雄君 その領収書というのは、要するに代理人、深山さんというお話がありましたけれども、深山さんが金を返しに行き、あるいは利息を払いに行って、それで領収書をもらってきて、それで総理にお渡しするわけですね。そういうふうにされていたんでしょうか。
#259
○国務大臣(細川護煕君) すべて事務所に任せておりましたので、私はかかわっておりません。
#260
○清水達雄君 しかし、これは何も政治資金云々の話じゃなくて、プライベートな金の貸し借りの話ですね。これについて事務所に任せておいて私はよくわかりませんというそういうことでは、それは国民の常識として通らないんじゃないですか。プライベートの話ですから、これは。
#261
○国務大臣(細川護煕君) それはおっしゃることもわかるんですが、しかし事務所の、私のところもいろいろな資産の問題を抱えておりますから、そうしたものの運用については全部事務所に任せているというのが私のところの実際の姿でありまして、一々領収書をもらってきたからそれを見せられるという話では全然なかったということでございます。
#262
○清水達雄君 私は、今のようなお話だと政治改革というのはうまくいかないと思いますよ、これは法律を何ぼつくっても。やっぱり公私を峻別してきちっとやる。深山さんという人は秘書でしょう。だから、やっぱり政治家の倫理というか、公私の峻別というか、そういうところをきちっとしてやるということでないと、私はどうも、それは総理は殿様だから云々という話がありますけれども、そういうことじゃないと思うんですよ、これは。
 そういうことじゃ、殿様であったんじゃ政治改革なんかできっこないというように思うわけでございまして、だからそういう態度を改めていただかないとまともな政治改革の議論なんかできないということを言っているんですよ。
 もう一回お答えください。
#263
○国務大臣(細川護煕君) 私は、繰り返し申し上げますように、ここに出させていただいているものは確かに事務的に不備なものが多いと思います。不備だらけだと言ってもいいかもしれません。しかし、本物であることは間違いない。ですから、その点についてはぜひひとつ御理解をいただきたい、こう思っているわけでございます。
#264
○清水達雄君 それで、いわゆる実務を行った人は深山さんというお話でございましたけれども、深山さんが終始一貫この件に関しては実務を行っていたんでしょうか。
#265
○国務大臣(細川護煕君) 先ほども申し上げましたように、主として深山が私のところの経理担当をいたしておりました。何人か人がおりますから時には違う人がやったということもあるかもしれませんが、事務的な問題等々は違う者がやったということも時にはあるかもしれませんが、主として経理の問題は深山がやっておりました。
#266
○清水達雄君 そういう意味で、やっぱりこの問題が疑惑として上がらなければこんな質問をするのは本当は好まないわけで、本当は嫌なんですよ、我々はこんな質問するのは。だけれども、こういうものが上がった以上は、やっぱりきちっと解明しないとこれはどうしようもないわけでございますし、国民にも申し開きができないわけですよ、国会でこれだけ取り上げられてきている問題。だから、どうしてもやっぱり総理に努力をしていただいて、この疑惑を晴らすということをしていただかないと、私は国会としても非常に困るんじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 東京佐川急便の問題につきましては、渡邊さんの背任罪云々で今裁判が行われているというようなこともいろいろあったりして、東京地検に資料が行っていると思うんです。このことも本当は法務省刑事局長に聞きたかったんですけれども、どうせ聞いても答えませんから省略をしておりますけれども、それは東京佐川から東京地検に頼めばいわゆる閲覧して写すこともできるし、やっぱりそこまで行かないと私はないんじゃないかなという感じがするわけでございまして、そういう努力をしてもとにかくこれはやっぱり決着をつけなきゃならないというように思っております。引き続きこれは専門家の服部先生がやりますので、証人喚問、私の言った分も含めて服部先生の方でやらせていただきます。
 私は、だから、今、深山さんがやられたということでございますから、深山さんと、それから東京佐川急便の経理担当者、あるいはその監督者の証人喚問をぜひお願いしたいと思います。
 終わります。(拍手)
#267
○委員長(本岡昭次君) それはまた、後刻、理事会に諮ります。
#268
○服部三男雄君 服部ですが、清水委員に引き続いて佐川急便からの一億円借り入れ問題について総理にお尋ねいたします。
 総理は新聞記者のインタビューのときに、例の佐川問題等で、金丸自民党前副総裁それから今の新生党の代表幹事について九三年の一月三十日、ちょうど一年前ですが、佐川急便についてどう思うかということについて、引き続き徹底究明するべきだ、小沢元自民党幹事長に関してはかなりの部分かかわり合いがあると指摘されているので証人喚問が必要だ、竹下元総理の再喚問も必要だと、こういうことをインタビューでお答えになったことがありますか。
#269
○国務大臣(細川護煕君) 記憶しておりません。
#270
○服部三男雄君 九三年一月三十日に産経新聞のインタビューを受けて今のようなことを答えた記憶がありませんか。再度、確認します。
#271
○国務大臣(細川護煕君) 記憶しておりません。
#272
○服部三男雄君 九二年十月二十六日に同じく産経新聞で、そのときに、日本新党を旗上げしたのは、今度の佐川急便事件でもう日本の政治はだめだ、こういう基本的認識を持っているからだというふうにお答えになったことはありませんか。
#273
○国務大臣(細川護煕君) 多分そういうことはないんじゃないかと思います。
#274
○服部三男雄君 今、清水委員から総理が提出されたいわゆる六点セットと言われる佐川急便から協力されたいろんな関係書類の不備を追及されて、非常に今汗をかいておられたわけですが、そのときに、真摯に今後も努力する、この疑惑を晴らすように真摯に総理の立場として努力せにゃならぬという基本的認識をお持ちだったわけでありますが、どういう努力をされるんですか。もう一度お尋ねします。
#275
○国務大臣(細川護煕君) どういう努力と言われましても、もちろん、先ほどからお話がございますように、私のところでなくなった資料、見当たらない資料、こういうものが出てくるようにするということが一番とにかく手っ取り早い話ではないかと思っておりますが、ごそっとその部分だけがないわけでございますから、その時期の他の資料も、佐川の話だけではございません、その部分のその他の書類も、恐らく段ボールか何かに詰めていたんだろうと思いますが、さっきから申し上
げますように七回も引っ越しをしておりますから、その期間のものだけがすべて佐川の問題以外も含めて見当たらないという話です。
#276
○服部三男雄君 総理、私の質問に答えていただきたいんですよ。あるかないかのことを聞いているんじゃないんです。今後どういう努力をすると約束されるのかと聞いておるんです。段ボールがあるかないかそんなことを聞いているんじゃないんですよ。今後どういう真相解明のための努力をする心構えがあるのかということを聞いているんですよ。具体的に挙げてください。
#277
○国務大臣(細川護煕君) ですから、あらゆる努力をすると申し上げております。
#278
○服部三男雄君 疑惑を受けているのは、総理、あなたですよ。政治改革を標榜する総理が具体的な事実も挙げないで、あらゆる努力、この問題が出てから一カ月以上たっているんですよ、どういう努力を今後なさるんですか。もう一度答えてください。
#279
○国務大臣(細川護煕君) ですから、今も申し上げましたように、とりあえず一番具体的なものとしては今見当たらない資料を捜すということが一番手っ取り早い方法ではないか、そういうことでまださらに努力をしているということでございます。
#280
○服部三男雄君 前回、ちょうど一カ月近くになるんですが、この予算委員会で私が質問に立って総理に、この提出された書類等はどうも不備が多くて本当に佐川急便のものかどうか国民の多くが疑問に思っているから、それでは解明にならないんで、これらの書類は昨年度の東京地検特捜部が特別背任罪で渡邊元社長を検挙した際に押収しているんだと、だから東京佐川に頼んで東京地検へ行って閲覧して押収物のコピーをもらえば原本に間違いないわけです、これは地検が押収して持っていっているものだから。そのコピーさえもらってここへお出しになれば一挙に氷解するじゃありませんかと、私はわざわざ自分の経験からいって御忠告申し上げた。それに対して総理はどういうふうに今後対応される気ですか。
#281
○国務大臣(細川護煕君) 先ほどのお尋ねにもお答えをいたしましたように、佐川側には強くこの問題に関する資料をできる限り出していただきたいということでお願いを申し上げてまいりました。それに対して出せるものはこれがすべてであると言って出していただいたのが両院の理事会に提出をさせていただいた資料でありまして、今のところこれ以上出せないというのが佐川側の返答であったということを申し上げているわけでございます。
#282
○服部三男雄君 去年、総理から佐川急便に協力要請されたときに、それは佐川急便はたまったものじゃないと思うんです。大きなビルの中の無数にある書類を一枚一枚引っぱがして見ていって捜すんだから、それは通常の業務じゃないんだから、だれだってかないませんよ、こんなことをもう一遍やってくれと言われれば。しかし、東京地検へ行ってコピー代十円払えば押収物はちゃんとあそこに格納されているんですから、すぐ出てくるんですよ。東京佐川にとっては苦痛も何にもないんですよ。それを総理はこんなイージーなことを佐川急便に何でお頼みにならないのか。去年の十二月十五日に、もう一遍やってみます、東京佐川に頼んでみますということをあなたは私に言っているんですよ。これ、一カ月たっているんですが、やったんですか。答えてください。
#283
○国務大臣(細川護煕君) 佐川側にはその後も何回か電話でお願いをしておりますが、もうこれ以上は御勘弁をいただきたいと、こういうのがあちら側の返答でございます。
#284
○服部三男雄君 総理が自分で直接頼まれたかどうか相手はだれなのか東京佐川のだれに東京地検へ行って押収物の閲覧、コピーをとってきてくれと頼んだのか、だれに頼んだのか、名前を挙げてください。
#285
○国務大臣(細川護煕君) 私の事務所のだれが電話をしたかわかりませんが、事務所からあちらのだれに頼んだかも聞いてはおりません。しかるべき人に恐らくしかるべくきちんと頼んだのであろうというふうに思っております。
#286
○服部三男雄君 その東京佐川の頼んだ相手方の名前を次の私が質問するときに調べて回答いただけますか。
#287
○国務大臣(細川護煕君) 先ほどのお尋ねにも印鑑の問題が出てまいりましたが、印鑑のところも消してくれというぐらいでございますから、担当の名前はくれぐれも伏せてもらいたいと、これがあちら側の強い要請であったということでございます。
#288
○服部三男雄君 総理、今の総理のお答えを聞いて、逃げているとしか思えないんですよ。簡単なことですよ。東京地検へ行ってコピーするのはだれでもできるんですよ、被差し押さえ人であれば。
 あなたは今政治改革を標榜し、選挙に金がかかるのがいけないんだと、だからその根幹は選挙制度に問題があるんだから衆議院の選挙制度、こんなもの国民はだれも要望していませんよ、選挙制度改正してくれなんていうことは。これは政治家の勝手都合だとみんな言っているんですよ。そういうことを今やろうとする大事なこの政治改革特別委員会でそんな回答で国民の多くが納得すると思いますか。
 総理、どうですか、もう一遍尋ねますよ。東京地検に押収物を東京佐川から閲覧謄写しにいくかどうか要請するか、もう一度言ってください。
#289
○国務大臣(細川護煕君) 政治改革を実現してくれということについて国民は期待していない、それはちょっと違うのではないかというのが私の認識であります。政治改革については、国民はぜひ信頼できる政治を実現するために政治改革をやってほしいという強い願いを持っておられると思います。
 後段の部分につきましては、先ほどから申し上げるように、佐川側はこれ以上協力することは差し控えたい、こういうふうに繰り返し言われているということでございます。
#290
○服部三男雄君 総理、水かけ論をやっているんじゃないんです。これは一国の総理の疑惑ですよ。日本の政治に対する信頼がかかっている事件なんですよ。せっかく家捜ししてこの半ぺらの六枚の紙を捜し出すぐらいの労力を佐川急便があなたのためにやったんなら、至って簡単な、だれもが当然の権利として持っている閲覧謄写権を行使させることぐらい簡単なことじゃありませんか。どうしてそれをあなたは説得できないんですか。この事件は一国の政治の信頼がかかっているんですよ。
#291
○国務大臣(細川護煕君) おっしゃるとおり、私も何とか説得をしたいと思って執拗にお願いをいたしました。私がお願いをしたわけではございませんが、私の事務所からお願いをいたしました。しかし、その答えは先ほど来申し上げているようなことであるということでございます。
#292
○服部三男雄君 じゃ、今後も総理はやる気がないということをはっきりおっしゃるんですかここで。佐川急便に対して今後続けて要請するということをおっしゃっているんですか。それとももうやらないということをおっしゃっているんですか、あなたは。
#293
○国務大臣(細川護煕君) 再々申し上げますように、引き続き最大限努力をする、こう申し上げておるわけです。
#294
○服部三男雄君 事務所の職員を通じてではなくて、総理本人が東京佐川へみずから汗をかいて実行していただきたいと思っておりますので、その確約をお願いします。
#295
○国務大臣(細川護煕君) 私が出向くかどうかということはともかくといたしまして、これ以上何か御協力をいただけることがないかどうかこの点につきましては重ねて、重ねてというか、あるいはもっともっと引き続きこれはお願いをしてみなければならぬと、そうは思っております。
#296
○服部三男雄君 昭和五十七年当時、相続税の問題、それから総理の政治資金団体への総理個人の借り入れ、六千四百万円ありましたですね。前回予算委員会で私質問しました。トータルすると二億円を超える金額が必要であるということが土地登記簿謄本、それから政治資金団体の報告書から明らかになりました。それについて総理は、当時、細かいことは事務所の方で財産管理をやっているから今すぐはわからないということであった。それからちょうど二十日を超えておりますので、その後調査はしていただけましたか。
#297
○国務大臣(細川護煕君) 前回お尋ねがございました点についてでございますが、相続税の問題につきまして、荻窪と湯河原の相続につきましては、調べさせました結果、昭和五十五年九月十六日に祖母から四人の親戚が相続をいたしまして、私の持ち分の相続財産合計は七千五百八十八万九千七十三円で……
#298
○服部三男雄君 ちょっと待ってください。それはどこですか。
#299
○国務大臣(細川護煕君) 相続財産の合計、私の持ち分の相続財産の合計は、これは荻窪と湯河原両方についてでございますが、七千五百八十八万九千七十三円でございまして、相続税は三千四百五十七万円でございました。登記簿謄本では債権相続の滞納額を入れて合計一億八百七十四万円余りとなっておりますが、これは相続財産が未分割でありましたために、法定相続分に見合う税額を延納申請したことに伴って設定されました担保額でございます。
 相続に伴う遺産につきましては分割協議が行われまして、昭和五十六年九月に確定いたしました私の持ち分に応じた相続税に更正請求をし直しまして、昭和五十七年三月三十一日付で税額三千四百五十七万円が確定をいたしております。この金額は、相続した荻窪の土地を昭和五十七年四月に売却をいたしまして、代金は約二億円でございましたが、持ち分に応じて分配された金額から精算をされましたもので、私が支払ったものでございます。
#300
○服部三男雄君 荻窪の土地を売却した結果、税金等を引いて一億二千万円前後のお金が残った、こういうふうに前にお答えになっておりますね。売られた土地は荻窪の昔のいわゆる荻外在の一部であろうかと思うんですが、この相続人は登記簿によりますと総理の弟さんの名前になっておりまして、総理自身は相続しておられないように思うんですが、何か誤解か記憶間違いがあるんじゃありませんか。
#301
○国務大臣(細川護煕君) それは違うと思います。今申し上げたのが事実だと思います。
#302
○服部三男雄君 荻窪二丁目の七百四十三番十二というのが相続によりまして近衛通隆さんの名前に、五十五年九月十六日が原因ですけれども、登記は五十六年三月十一日になって、それが日本信販へ売られたり、あるいはもう一つが、たしかどこかの建設会社、佐藤工業でしたか、に売られておる。これはいずれも近衛通隆さんの名前で売られておりまして、総理は相続しておられないから、一億二千万利益が出るのは別の物件の話じゃないんですか。混同はありませんか。
#303
○国務大臣(細川護煕君) それはちょっとそちらの資料が違うのではないかと思います。
#304
○服部三男雄君 それでは総理の方から、いわゆる荻外在の土地の一部相続を受けている、それをどこへどういうふうに売却したかということを資料を出していただければありがたいんですが、出していただけますか。
#305
○国務大臣(細川護煕君) 資料については検討いたしますけれども、しかし税金も払っておりまして、五十七年三月十一日、三千四百五十七万納税をいたしております。
 それから、今申し上げたのは、三千四百五十七万というのは、これは荻窪と湯河原、両方であったかと思いますが、その後土地の売却に伴います譲渡所得税約三千五百万円、それから住民税約九百六十万円、これもその後払っているわけでございますから、そうしたところから明白であると思っております。
#306
○服部三男雄君 湯河原の土地の相続後に住友信託銀行へ借金の返済をしておられましたね、抵当権抹消になっておりますから。湯河原の土地の抵当権を設定されていた住友信託銀行へ四千万の借金の返済がありますね。それは、前回、総理は自分が払ったとおっしゃっているんですが、金額はわかりますか。四千万全額で間違いないですか。
#307
○国務大臣(細川護煕君) 抵当権設定の債務額四千万円につきましては相続したときに支払っておりますが、相続分に応じて私が負担した金額は四百万円でございます。
#308
○服部三男雄君 先ほど来総理は、総理個人の財産管理と、実務ですよ、そして政治資金について、佐川との関係は深山が主にやっていたということで、深山さんがこれに関与していたということは去年の十二月初めごろから当国会でお答えになっているわけです。細かいことはわからないとおっしゃる。
 今、清水委員からありましたように、これは政治倫理に絡む問題でありますから、当然私は、この一カ月間、総理は深山さんを呼ばれていろいろ質問をされ、これはどういう実情であったか調査をされたのではないかと思うんですが、やっておられますね。
#309
○国務大臣(細川護煕君) 私は直接に話は聞いておりません。毎日このような状況なものですからなかなか直接に話を聞く時間というのがなくて、書類で私が疑問に思うような点につきましては提出をしてもらっております。
#310
○服部三男雄君 深山さんが出した書類というのはよく意味がわからないんですが、もうちょっと説明をいただけますか。
#311
○国務大臣(細川護煕君) 相続関係の事実等々につきまして、その日時あるいはその経緯等々につきまして彼が思い出せる範囲でできる限りひとつ思い出してもらいたい、こういうことでメモ書きで出してもらっているということでございます。
#312
○服部三男雄君 五十七年中に総理の政治資金団体へ六千四百万円を繰り入れたことも深山さんがやったと前回予算委員会でお答えになっているんですが、その資金の出所、当時総理は株はそんなに持ってない、資産はそんなに持ってないというふうにお答えになっているんですけれども、その資金出所について深山さんが書面で回答をくれましたか。
#313
○国務大臣(細川護煕君) そのようなことは詳細に覚えていないということを言っておったというふうに聞いております。
#314
○服部三男雄君 深山さんがやめた後、総理の個人財産の管理とかあるいは政治資金のやりくりとか借金の手続とかそれはだれが今やっているんですか。
#315
○国務大臣(細川護煕君) 事務所に数人おりますから、その者たちが交代でやっていると思います。
#316
○服部三男雄君 平成三年度に借入金で五億円弱、平成四年度で借入金九億円前後あるということを資産公開で総理は明らかにしておられるんですけれども、その中の二部として軽井沢の土地を抵当に入れたとかいろいろなことがあったようですけれども、それはだれがなさったんですか。
#317
○国務大臣(細川護煕君) だれがというよりか、私の事務所でいたしております。
#318
○服部三男雄君 九億円もの借金で、無利子であればいいんですけれども、借金すれば当然金利を払わなきゃいかぬということになりますね。その金利の支払いについて前回尋ねたところ、総理は、いや、事務所でやっているから細かいことはわからないというお答えなんですけれども、総理大臣の収入、報告された所得申告の内容から見ますと、ちょっとこの金利を払えないんじゃないかなというのが国民の偽らざる感想でございまして、その点について追って明らかにすると前回お答えになっておりますから、きょうその回答をいただきたいと思うんですが、お願いいたします。
#319
○国務大臣(細川護煕君) 平成四年の六月に旧軽井沢の土地約一千坪を担保に入れまして金融機関から五億円を借り入れまして、このうち四億五千万円を日本新党に貸し付けております。適正に借り入れておりまして、詳細をお答えする必要はないかと思いますが、その後一年たっておりますが、金利の支払い金は日本新党が私の事務所に金利を支払って、それを私の事務所が金融機関に支払っているということでございます。
#320
○服部三男雄君 そうすると、党に対して総理は金利付で貸しておられるということですね。
#321
○国務大臣(細川護煕君) そういうことでございます。
#322
○服部三男雄君 元麻布のマンションを買われたときの契約書はございましたか。
#323
○国務大臣(細川護煕君) 契約書はございます。
#324
○服部三男雄君 七千七百万で当時購入されたということですが、その契約書では全額即金支払いになっておりましたか、分割払いになっておりましたか。
#325
○国務大臣(細川護煕君) マンション購入代金約七千七百万円、これは経費も含んでおりますが、七千七百万円の支払いは、よく記憶しておりませんが、手付と残額を支払ってローンは組んでいないということでございます。
#326
○服部三男雄君 そうすると、分割払いをされたということですか。その詳細についてお答えいただきたいんですが。特に最初に払われた金額は幾らかということをお答えいただきたいと思います。あと分割払いの内容についてお願いいたします。
#327
○国務大臣(細川護煕君) これは事務所の方にも聞いてみましたが、よく記憶をしていないということでございます。
#328
○服部三男雄君 契約書に書いてないんですか。
#329
○国務大臣(細川護煕君) ちょっとよくわかりません。
#330
○服部三男雄君 総理、この一億円疑惑の発端になったのはこのマンションなんですよ。あなたはマンションを買うから一億円借りたと言ったんだ。ところが、調べてみたら借りるより前にマンションが購入してあったわけです。だから、手付は払ったのか、当時幾ら払ったのかと。今回こうしてせっかく大事な本来の制度論とか政治改革について真剣に議論しなきゃならぬときにこのような問題が起こったから、今やっているんですよ。人ごとのような答え方してもらったら困るんです。
 契約書があるならば契約書を見れば。七千七百万というのは高額の物件ですよ。庶民がなかなか一生かかって買えないマンションなんです。もともとそれが発端となって佐川の一億円問題が発生したんです。契約書があるにもかかわらず見もしない。わかりませんと。幾ら細川家のお殿様といえども、こうして国会議員がみんな国民にかわってこの問題を聞いているときに余りにも安閑としたやり方じゃないか。非常に私は総理に対して不信を覚えざるを得ないんです。
 契約書があるならば、契約書のコピーを持ってきてここでお答えいただくのが当然じゃありませんか。一カ月半もこのために国会で数回にわたって審議を行っているんですよ、この問題について。余りにも不誠実じゃないかと、強く反省を求めます。
 総理、この点について明確にしてください。
#331
○国務大臣(細川護煕君) 先ほど申し上げましたように、契約書はあるわけでございますが、これはもう登記簿謄本で明らかなことでございますから、ここで改めてお出しをする必要はないんだろう、こう思っております。
#332
○服部三男雄君 総理、もう一度お話ししますが、一億円借りる目的がマンション購入だとあなたは国会、衆議院の予算委員会でお答えになった。ところが、一億円が現実に数回に分けて入る前に既にマンションは買われている。これは国会だけじゃないですよ。総理は去年のアエラの記事でも堂々とそう話しておられた。ところが事実は食い違ったということがこの問題の発端になったんですよ。だから、マンションをどういうふうにしてどういう形で買って、どういうふうに払ったのかと聞いているんです。それを答えずに、そんなものは登記で明らかだ、私の物は明らかだから出す必要はない、そんなことでこの国会で答弁になると思いますか。だめですよ、そんなのは。質問できないですよ、それじゃ。
#333
○国務大臣(細川護煕君) しかし、おっしゃることはわかるんですが、その経緯につきましては、前後関係につきましては、前回のときもたしか申し上げたと思います。借入金の用途につきまして東京に住居がないと不便なのでその資金に充てるためということを申し上げたわけですが、調べてもらった結果、刀のつばの担保の提供が昭和五十七年の九月、金銭消費貸借契約が同年の十月であったのに対して、今お話しのようにマンションの購入は同年七月であって、それは誤解を招いたかと思います。
 しかし、私は昭和五十七年の五月ごろに知事選挙に出馬を決意して議員宿舎を出ることにいたしました。そして、その際に東京に住居を物色して購入することにしたわけでございますが、実際に東京佐川から融資が実現する前に、知人を通じて住宅の譲渡の話がございましたために、昭和五十七年七月三十日に佐川からの借入金を当てにして先に元麻布のマンションを購入したということでございます。
 その間、事務所の職員におきまして手持ち資金のやりくりをした由でございますが、その詳細は、資料がございませんので残念ながら判明をいたしません。
 しかし、今のこの契約書の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、登記簿謄本で明らかなことではないかと、このように思っております。
#334
○服部三男雄君 登記に載っているんだから総理の所有だということは、そんなことは聞かなくてもわかっているわけであります。登記の有無、契約の条件、支払いの内容、分割なのか即金なのか。例えば七千七百万即金で払ったということが明らかになれば、総理、そうしたら何も佐川から一億借りる必要は何もないわけですよ。そういうことを聞きたいから今尋ねているんですよ。総理の答弁は答弁になっていないということなんですよ。
 納得できないから、私は質問を中止しますよ、こんなことやっているなら。
#335
○国務大臣(細川護煕君) それはちょっと、大分認識が違うと申しますか、またよく御理解をいただいていないというふうに思わざるを得ないんですが、借入金の申し込みはマンションを購入する前にしているわけでございますから、その点はひとつそのように御認識をいただきたいと思います。
#336
○委員長(本岡昭次君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#337
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
#338
○国務大臣(細川護煕君) 先般の本院の予算委員会におきましてお尋ねをいただいたことともちょっと関係があるわけでございますが、服部委員から、私が昭和五十七年に私の政治団体に六千万円を貸し付けて四百万円を寄附していた事実について御指摘を受けたわけでございますが、確かに私自身の資産に関しましては知事選に備える必要もございましたから借用の必要があったと思っております。さらに、翌年三月に申告すべき譲渡所得税、それから住民税の負担などの心配もあったというふうに記憶をいたしております。
 しかし、特に有利な貸し付けをしてくれるような銀行もございませんでしたので、昭和五十七年五月ごろに父所有の京都、赤倉の別邸などを賃貸して、昭和五十五年ごろから面識がございました佐川氏に京都でお目にかかって相談をしたところ、刀のつば、これは父からの預かり物でございますが、それを担保として、あわせて湯河原の別荘を賃貸することによって融資を受けることについて了承を得たということでございます。
 契約書につきまして先ほどからお話しがございますが、手付七百五十万円をまず打ちまして、その後残金六千七百五十万円を引き渡し日までに支払うというのが契約書の中身でございます。
#339
○服部三男雄君 こんな簡単なことを十分も押し問答しなきゃお答えにならぬというのは、総理、あなたはおかしいんじゃないか。自分がみずから招いたことを答弁するのに……(「おかしいというのはどういうことだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者あり)
 いいですか引き渡しはいつだったか。引き渡しは五十七年七月ですから、頭金と手付金ですか、七百五十万を払った残りの代金七千万を五十七年七月に支払われたことは間違いありませんね。
#340
○委員長(本岡昭次君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#341
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
#342
○国務大臣(細川護煕君) 先ほどもこれは申し上げたと思いますが、引き渡しの七月三十日までに手持ちの資金のやりくりをして支払いをしておるというふうに聞いているということを先ほど申し上げたところでございます。
#343
○服部三男雄君 ということは、七千七百万は当時資産としてあったと。ところが予算委員会では、衆議院の予算委員会それから参議院の予算委員会では、当時、荻窪の土地等を売った利益はあったけれども、それは株で運用していたから、手持ちの金がなかったから佐川さんに借りに行ったんだと。ところが、現実には七千七百万あったということを今お答えになっている。明らかに答弁が違うと思うんですが、総理、もう一度、その点について前の御答弁を撤回なさるのかどうかお答え願います。
#344
○国務大臣(細川護煕君) それは資産の取り崩しもいたしておりますから、それだけの手持ち資金があったということだと思います。
#345
○服部三男雄君 いや、それは今お答えいただいた。なければ七千七百万でマンション買えませんから、確かに資産を取り崩しなさったんだろうと思うんですけれども、前に予算委員会では、当時取り崩すものがなかった、だから佐川さんのところに借りに行ったんだ、こういうふうにお答えになっているから、前の答弁と明らかに食い違いますから、前の答弁を撤回されるんですかとお尋ねしているんです。
#346
○国務大臣(細川護煕君) 資産として運用しておりましたので、借用したいというふうに考えたということを前から申し上げているわけでございまして、全然前の答弁と食い違っているとは思いません。
#347
○服部三男雄君 その七千七百万の資産取り崩しとか管理とか、そして支払いも深山さんがなさったんですか。
#348
○国務大臣(細川護煕君) 深山が中心になって事務所で運用をいたしておりました。
#349
○服部三男雄君 総理は、昨年の一月ごろスイスへ行かれたことがございますか。
#350
○国務大臣(細川護煕君) 参りました。
#351
○服部三男雄君 昨年一月、スイスへ総理が行っておられる間に、その留守の間に、高輪にある日本新党の事務所へ毎日新聞の記者が行きまして、佐川さんとの関係でお尋ねしたいということを永田事務局長に申し込みが再三にわたってあったことを総理は御存じですか。
#352
○国務大臣(細川護煕君) 存じません。
#353
○服部三男雄君 昨年平成五年四月ごろ、総理について、この佐川との一億円借り入れ問題というものがジャーナリズム等で取り上げられたことはありましたか。
#354
○国務大臣(細川護煕君) 一々承知しておりません。
#355
○服部三男雄君 アエラという朝日新聞の雑誌がございますね。の平成五年五月二十五日号に、総理は詳細な佐川さんとの関係についてインタビューという形でお答えになっておりますね。記憶にございますか。
#356
○国務大臣(細川護煕君) それは記憶にございます。いろいろこの件について書かれましたので、一遍整理をして話しておこうということで、完全に整理されたものではございませんでしたが、できる限り記憶をたどってそのときに話したという、何月だったか忘れましたが、そういう記憶はございます。
#357
○服部三男雄君 先ほど私がお尋ねしたとき、総理は佐川さんの問題について、特にジャーナリズムは取り上げていない、そんなことは記憶していないとお答えになったんじゃなかったですか。それが急にこのアエラのインタビューに応じて、詳細な坪数、面積、地番表示まで克明なインタビューに応じられたのは、どうしてですか。
#358
○国務大臣(細川護煕君) いや、先ほど申し上げたのはそういう趣旨で申し上げたのではないと思いますが、しかし今申し上げましたように、とにかく新聞、雑誌などで、新聞にはそれほど出ておりませんでしたが、雑誌などでは大分そのような話が出ておりましたので、その件について説明をしておいた方がよかろう、こういうことでその会見に応じたわけでございます。
#359
○服部三男雄君 あのアエラの記事を見ますと、坪数、面積、建物の何平米まで克明に書いてあるんですけれども、ということは、人間の記憶ですから当然そんな細かいことはあるわけがないんで、総理は事前に契約月日とか家賃額とかこういったことを全部調査の上でインタビューに応じられたんでしょうか。
#360
○国務大臣(細川護煕君) 先ほど申し上げましたように、完璧なものではなかったと思いますが、その時点で集められるだけのものを集めて、そしてインタビューに応じたと。もちろん、選挙のまだばたばたの時でございますから、どれだけ十分なものであったかということについては、これは必ずしも完璧なものではなかったと思いますが、それなりの資料は集めるだけ集めてインタビューにお答えをいたしました。
#361
○服部三男雄君 これまで本委員会それから予算委員会で、総理は、佐川さんとの関係はいろんな契約とかお金のデリバリーとかは深山さんが主としてやっていたとお答えになっているわけですが、そうすると、このアエラのインタビューの前にいろんな調査をなさるときに深山さんを呼ばれて細かいことをお聞きになりましたか。
#362
○国務大臣(細川護煕君) 聞いておりません。それは恐らく事務所の者が深山に電話をかけるなどして聞いたところが多いと思います。もっとも、父の契約をしておりますようなものについては手元に資料があったかと思います。京都とか赤倉の別邸などにつきましては、それは詳細な面積であるとかあるいは契約の年月日であるとか、そうしたものはあったろうと思います。
#363
○服部三男雄君 お父上であられる細川護貞さん名義の京都の別邸のことを今お触れになりましたが、その契約書等は総理の手元にあったということをおっしゃっているんですか。今ちょっと趣旨がよくわからなかったもので、再度お答え願えればありがたいんですが。
#364
○国務大臣(細川護煕君) それは父のところからもちろん取り寄せたものでございます。
#365
○服部三男雄君 元麻布のマンションのことで一点補足してお尋ねしたいんですが、前回私の予算委員会の質問では、実際に参議院の議員宿舎を出て引っ越して住んだかどうかはっきりしない、調査をするというふうにお答えいただいたように思うんですが、参議院議員宿舎の家財道具を元麻布のマンションヘ移動したことはありますか。
#366
○国務大臣(細川護煕君) 五十七年の七月三十日以降昭和五十八年の三月までの間、一時居住しておりますから、荷物は当然動かしていると思います。
#367
○服部三男雄君 五十七年八月から別の人が既に住んでいたという事実が明らかになっているんですよ。家財道具を移せないんですよ。現にもう貸借人が入っていたんですよ。違うと思いますが、もう一度答弁願います。
#368
○国務大臣(細川護煕君) もう一遍正確に申し上げますが、私が一時居住をしておりましたのは五十七年の七月三十日から五十八年の三月までの間でございます。そして、民間会社に賃貸をいたしましたのは五十八年の四月から五十九年の二月まで、それが最初の貸借人である民間会社でありまして、その後、昭和五十九年の三月から平成元年の一月までまだ別の民間会社に賃貸をいたしております。その後、平成元年の三月から平成三年の二月まで、これは個人に賃貸をいたしております。その後、平成三年の三月から平成四年の三月まで私自身が居住をいたしておりました。
#369
○服部三男雄君 次に、奥様のお父様の名義のNTTの株三百株についてお尋ねしたいわけであります。
 朝日新聞の調査によりますと、総理の元麻布のマンションを担保に入れられた東京証券金融への交渉は深山さんが行ったということが朝日新聞で明らかになっておるんですけれども、そういう事実を総理は御承知ですか。
#370
○国務大臣(細川護煕君) 義父の会社のことなどで秘書の深山がときどき手伝いをしていたことはよく承知しております。
#371
○服部三男雄君 私の質問に直接的にお答えに。なっていないというふうに思うんです。
 ということは、総理は、このNTTの三百株を買う、四億円だったそうですけれども、この東京証券金融の借り入れを深山さんがやっていたことは間違いないという趣旨で今お答えになっているんですか。
#372
○国務大臣(細川護煕君) そのときには、そのような話は大きな話でございますから、当然私に相談があったろうと思います。
#373
○服部三男雄君 そうすると、総理にちゃんと深山さんから、あの三百株の資金をつくるための手続から株の購入、こういったことを深山さんがやっていることは総理に報告があったということをお答えになっているんですか。再度確認します。
#374
○国務大臣(細川護煕君) ちょっと少し細かくその経緯を御報告しておいた方が、お話ししておいた方がいいかと思いますので、申し上げます。
 マスコミの報道によりますと、私が義父名義で東京証券金融からマンションを担保に四億円を借りてNTT株を購入し売却益五千万円を得たのではないかと言われておりますが、それは事実ではございません。
 私自身がNTT株を購入したわけではございませんで、私の家内の父でございますが、私の義父の上田正平のNTT株購入に当たりまして、申込証拠金を工面してほしいと依頼をされまして、元麻布のマンションを担保にして準備をしたということでございます。
#375
○服部三男雄君 総理、私の質問にお答えいただきたいんですけれども、深山さんが東京証券金融に申込証拠金ですか、あるいは売買委託手数料を証券会社に振り込むとかこういったことを深山さんがやったということは総理に報告があったんですかとお尋ねしているんです。
#376
○国務大臣(細川護煕君) 先ほど申し上げましたように、私の義父の相談にはいろいろ乗っていたと思います。しかし、当時は義父もまだ元気でございましたし、直接証券会社に出向いていったりしていたというふうに深山からは聞いております。
#377
○服部三男雄君 直接私の質問にお答えいただきたい。
 深山さんが東京証券金融に行ったり、その代金の振り込みをしたり、あるいは投資顧問会社へ相談に行ったりしているという事実が明らかになっているんですが、そのことを深山さんから報告を受けているかと聞いているんです。
#378
○国務大臣(細川護煕君) 義父の会社あるいは今の問題等々の相談には乗っていたというふうにしか聞いておりません。
#379
○服部三男雄君 そのNTT株の購入時期の義理のお父様、岳父の方ですが、年は幾つだったでしょうか。
#380
○国務大臣(細川護煕君) ちょっとわかりませんが、まあ七十ぐらい、当時七十ぐらいではないかな、そんなものではないかなと思います。
#381
○服部三男雄君 総理が株を運用しておられるということは前にも委員会でお答えいただいておるわけですけれども、株というのは、総理がいつか新聞にお答えになったように、上がったり下がったりするものでございますから、ましてや証券、金融とかから借りれば、当時かなり金利が高かった、昭和六十一年ごろは九パーも一〇パーも金利のかかるときでございますから。七十歳以上の義理のお父様がお買いになるときに自分のマンションを抵当に入れているわけですね、四億という大金で買うわけですから。自分のマンションが提供されるというときに、当然普通の人間であれば足らない金額、差額分は、申込金、そのお金が足らないから総理に貸してくれとおっしゃるんだ。
 では残りの分は、足らない金の残りの分は上田さんがお出しになる、あるいは上田さんが土地を、自宅を担保に入れられるとか、そういったことを総理は確認されたろうと思うんですけれども、そういうことをお聞きになりましたか。
#382
○国務大臣(細川護煕君) これは申込証拠金の担保ということでございます。それで、今その上田の方の家の話をお尋ねでございましたが、昭和四十六年の秋以降、上田の父の方は借家住まいでございましたために担保を貸してほしいという話になったわけでございまして、それに対して貸したということでございます。
 つけ足して申しますならば、義父も既に亡くなりましたが、妻が、私の家内が百一株を相続いたしましたけれども、これについては資産公開をいたしております。
#383
○服部三男雄君 総理の関連会社、関係会社、奥様の経営しておられる会社らしいんですけれども、その名前で西武不動産から軽井沢に別荘を購入されたことがありますね。その購入資金をつくる際に、このNTT株百株を銀行に担保に入れられたということは記憶ございませんか。
#384
○国務大臣(細川護煕君) 細川家の不動産管理事業を行っておりましたキコーエンタープライズ、後でホソカワ・アンド・アソシエイツというふうに社名変更しておりますが、昭和六十三年の四月に不動産会社から約五千六百万円で軽井沢の土地を購入いたしまして、また平成元年五月にその土地に建物を建築するのに際しての資金として、この義父のNTT株百一株を担保提供してもらって、計九千六百万円を借り入れましてキコーエンタープライズに融資をしているというふうに聞いております。
#385
○服部三男雄君 このNTT株三百株の購入について、まず一般市民の目から見ますと、随分大きい金額だなと。あのとき公開入札したんです、たしか。だから、そんなロットのまとまった三百株なんというのはなかなか買えなかった。到底不可能だったんですよ。総理も株のことを、運用しておられるからよく御存じと思いますけれども、庶民では絶対に買えない株だった。その株を、総理じゃないとおっしゃいますが、普通の市民ならばこれは総理がやったんだと当然みんな思っているんですよ。残り百株を動かされた。あなたの元麻布を担保に提供して東京証券金融から借りられた。それを売られた。残ったのは百株でしたね。この株を担保にして、今度銀行から金を借りて軽井沢を買うと。総理のお答えは岳父の売買であるとおっしゃるが、担保は総理の担保で出ている。今度それを、もうけをもとにして買うときには岳父から担保提供を受けて銀行から金を借りて軽井沢の別荘を買うと。実質上はあの別荘は奥さんと総理しか使っていないんですね。
 どう見ても話が不自然なんです。総理が自分で三百株買ってもうけて、自分のマンションを担保に入れて買ってもうけて、そして総理の実質上運営しているキコーエンタープライズでその株を担保にして銀行から借りて土地を買ったと言うならばよく理解できますが、何のために、わざわざ岳父が、七十歳以上の人が四億もの大きい株の取引をしたという非常に不自然な、しかも担保提供を総理がする、今度はその株を岳父からわざわざ借り入れて銀行から金を借りて別荘を買うと。なぜそんな不自然なことをお答えになるのか。別に株を買って悪くないんだから、自分で買って自分で別荘を買ったと言えばいいものを、なぜそんな不自然なことをお答えになるのかなというふうに国民は思っていますから、明確に答えてください。
#386
○国務大臣(細川護煕君) キコーエンタープライズというのは同族会社でございますから、当然、上田の父の方もその役員になっていたわけでございますから、そうした意味で今のような話につながってくるというふうに御理解をいただきたい、こういうことでございます。
#387
○服部三男雄君 総理は、昨年の三月の「日経ビジネス」に「日本新党の緊急経済対策」というものを投稿された御記憶はありますか。
#388
○国務大臣(細川護煕君) 何か書いたような気もいたしますが、はっきりしておりません刀
#389
○服部三男雄君 こういう日本新党と銘打って緊急経済対策とうたわれる以上は、今までのように自分の個人財産は事務所がやっているんだというんではなくて、みずから自分の筆やペンをなめなめ書かれたものだろうと思うんですが、間違いございませんか。
#390
○国務大臣(細川護煕君) そういう話はたくさんございますから、私も一々覚えておりません。
#391
○服部三男雄君 ということは、自分以外の者が書いた可能性もあるということをおっしゃっているんですか。もっと明確にお答えいただけませんか。
#392
○国務大臣(細川護煕君) 私の名前で出ておるなら私が書いたんでございましょう。ただ、そのことを記憶していないと申し上げているわけでございます。
#393
○服部三男雄君 その項目の中に、バブル崩壊の象徴とも言うべきNTT株価の対策を首相の、当時の首相ですけれども、直接指揮に基づいて断行しなきゃならぬ、例えば政府にも推奨責任のあるNTT株については額面増資をやるべきだと、こういうことをお述べになった、あるいは文章で書かれて提出された記憶がありますか。
#394
○国務大臣(細川護煕君) 当時、日本新党の中でもそんな議論をしておったことは記憶をしております。
#395
○服部三男雄君 この項目は、株買い支え機関の設立、いわゆるプライス・キーピング・オペレーションのことをおっしゃっているわけでありますが、株はもう何千とあるんですが、その中でNTTだけを特別取り上げられたのは何か根拠があるんですか。
#396
○国務大臣(細川護煕君) それは、今お読み上げになられたその原稿に書いてある趣旨からいって、そうしたことが景気刺激対策として非常に意味があるのではないかという議論が日本新党の中でなされていたことを受けてそのようなことを書いたということでございます。
#397
○服部三男雄君 株価対策はNTTのことだけでいいんですか。日本新党というのはそういうことを考えているところなんですか。
#398
○国務大臣(細川護煕君) それは何月であったか忘れましたが、その当時その問題は随分新聞、雑誌等でも取り上げられていた問題であったと思います。そういうことを踏まえてそのような提案を書いたのではないかというふうに思っております。
#399
○服部三男雄君 清水委員の質問と私の質問を合わせて二時間弱の間ですが、結論として、総理がお答えになればなるほど納得できない、よくわらない、お逃げになっているということの姿勢がはっきり出てくる、そういうことが明らかになったと思うんですね。
 先ほど申しましたように、原本、佐川との一億円問題について返したとおっしゃるならば、そんな十年前の半ぺらの、残っているのはガサがかかった後の残って判のないようなものを出してくるよりも、東京地検へ行って佐川から出してもらってコピーしてくれば一挙に氷解するという、これを何度も繰り返して申し上げても、総理は東京佐川に対してそれを必ず出してもらうように説得するということを確約なさらないんですけれども、最後ですからどうかここで一週間以内に出してみせますと、佐川に頼めば済むことですから、自分で電話をかければ済むことですから、確約をお願いしたいと思います。
#400
○国務大臣(細川護煕君) 何回もそういうお願いをしたわけでございますが、とにかくそれは佐川としては勘弁してもらいたいというのが先ほどからのお答えでございます。
#401
○委員長(本岡昭次君) 時間でございますので、質問をとめてください。
#402
○服部三男雄君 最後です。私どもの要望に対して総理はお答えにならないので、それならば当委員会として、元秘書の深山さんと、そして東京佐川急便の経理部長、担当者と、そしてその後の政治資金関係を担当している、まだ総理は具体的な秘書の名前をおっしゃいませんが、この方を特定して当委員会で証人喚問をすることを強く委員長に要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
#403
○委員長(本岡昭次君) 後刻、理事会にて協議いたします。
#404
○橋本敦君 私は、小選挙区比例並立制そのものの問題につきまして、その核心的な部分に触れながら質問をしたいと思います。
 私ども日本共産党が、この小選挙区比例並立制につきましては民主主義の根本原理に反する、また我が憲法にも反するという立場で反対を貫いていることは総理も御承知のとおりであります。
 その根本的な理由として私どもが重視しておりますのは、何といっても重大な主権者たる国民の民意をゆがめるという問題であります。
 その民意のゆがみがどこに出てくるかという問題ですが、最大の問題は、これは得票以上の議席を比較第一党に与える、いわば虚構の多数、つくられた多数をつくる、こういう重大な欠陥を小選挙区制そのものが持っているという問題であります。これは明らかに、基本的には国民の多様な意思の国会への正確な反映という民主主義の根本原理に反するからであります。こうした民意のゆがみがあることについては、既に衆議院でも我が党の志位書記局長も質問に立ちまして指摘をいたしましたが、総理は小選挙区だけならばおっしゃるようにいろいろ問題はあろう、それはそう思っております、こう答えられて、比例制が並立されているのでそれが緩和される、こういった答弁をなさってまいりました。基本的にはこうした重大な欠陥が小選挙区制そのものにあることについてはお認めになっているところであります。このつくられた多数という問題、得票以上の議席を比較第一党が獲得するという問題は、それでは比例を並立させれば解消されるであろうかということになりますと、これは決して解消されるものではない。
 この点は明確な問題だと思うのですが、まず、総理の御認識はいかがでしょうか。
#405
○国務大臣(細川護煕君) 比例の導入によりまして死に票も生かされることになりましょうし小政党も議席を得られるということで、今おっしゃったような点について、今度の政府案というものはそうした点を考えて提案をされているものだというふうに御理解をいただきたいと思います。
#406
○橋本敦君 私の質問は、いわゆる民意のゆがみ、つくられた多数という問題は、総理は緩和されるとおっしゃったんですが、比例を並立させても決して解消されない、そういうことはこれはもう公然たる事実であると思うんです。そのことははっきりおっしゃいませんが、山花国務大臣はどう認識されておりますか。
#407
○国務大臣(山花貞夫君) 総理がお答えになったと全く同じ認識を持っております。
#408
○橋本敦君 私は、この問題の担当国務大臣として今の答弁は絶対に納得できません。
 小選挙区並立制という並立制で比例代表を加味したそのもとにおいても、比較第一党が得票率以上の議席占有率を占めるというこの事実は、多くのシミュレーションによって客観的にも明らかにされている事実は御存じでしょう。山花さん、いかがですか。
#409
○国務大臣(山花貞夫君) 多くのシミュレーションとおっしゃいましたけれども、いろいろマスコミがシミュレーションを出しておりますが、中身は随分違いますね。ずっと勉強させていただいておりますけれども、それぞれのマスコミが独自の、まだ行われていない選挙の区画というものを前提とし、また同時にこれからの選挙についての各党の選挙の協力等について全く独自の判断をしてされておるということでございまして、また、新しい選挙の体制になればどのような形の選挙になるかということは、シミュレーションをつくることは全く困難であるというのが今の現状だと思っています。先生、多くのシミュレーションを前提にして安易に判断することはと言うと私はしかられるのではなかろうかこう思っているところでございますが。
 総理お答えのとおり、小選挙区は小選挙区の特徴、比例は比例の特徴があるわけでありまして、制度としての特徴は総理がお答えになったとおりであると私は考えているところでございます。
#410
○橋本敦君 私の質問に全然お答えになっていないですよ。
 あなたはそうおっしゃいますけれども、実際多くのシミュレーションがあらわしているところでは、自民党が各党競合して戦った場合に、現在得票率三六%ですけれども、現在の議席占有率四三%に対して六〇%台の議席をとるという予想は、これはNHKも読売も日経も共同通信もみんなやってますよ。逆にまた、与党が一本化した場合には、現在得票率四八・四%ですが、現在の議席占有率四七・六%を超えて約六〇%の多数の議席をとる、こういう予想をしていることも事実ですよ。こういうシミュレーションがあることは、私が指摘した小選挙区制の持っている欠陥が比例を加味しても解消されないということを示唆している重要な事実として、これはあなたは認識される必要がありますよ。
 さらにこの問題について言うならば、あなたは選挙をやってみなきゃわからぬとおっしゃいますけれども、やってみなきゃわからぬような制度を出して、一体日本の政治と国家がどうなるか、何の展望もないんですか。そんなばかなことはないでしょう。
 かねがね多くの諸国において、また我が国の歴史において、小選挙区制の持っているいろいろな欠陥や矛盾が学説の上でも多く議論されてきた。そういう小選挙区制の最大の問題として比較第一党に得票率以上の有利な議席を与えるということ、そしてその意味で民意の公正な反映をゆがめている、当選した以外の第二党、第三党に投票された国民の民意を消し去るという意味で、そうした大きなゆがみがあるということ、こういう小選挙区制度そのものの欠陥については、山花国務大臣、あなただって認識されているでしょう。
#411
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員、やってみなきゃわからぬ制度を出しておる、こうおっしゃいましたけれども、選挙の予測というのは予測がつかないものではないでしょうか。従来とは違った新しい連立、連合の時代、それぞれの政党が連立、連合の時代におけるみずからの存在価値をかけて次の選挙は戦うのだと思っています。そうしたことならば、どういう政党の共闘関係ができるか等を含めて、今日の段階では予測しがたい状況であるということについて申し上げたわけでありまして、一般論として、わからないものを出したということでないことについてはぜひ御理解いただきたいと思います。
 後段、委員御質問の小選挙区の特徴ということにつきましては、そういう特徴を持っているので一方において比例代表の制度を組み合わせたということでございまして、その意味におきましてはそれぞれ相補完して新しい制度としてお諮りをしているということでございますので、単純小選挙区とは違います。同時に、多くの政治資金、腐敗防止などにつきましても、四法一体として御判断いただくようにお願いしているところでございます。
#412
○橋本敦君 政治資金その他、四法一体の関係はありませんよ。
 あなたがそうおっしゃるから、比例を加味しても、総理は緩和されると言ったんですよ、いいですかあなたもその特徴が入れられると、こう言ったわけです。その特徴が入れられても、小選挙区制が持っている民意のゆがみという重大な欠陥と私が主張しているその部分は、いいですか、小選挙区制部分では歴然と生かされることはあなたもお認めのとおりだが、比例代表を加味してもそれが解消される、ゆがみが解消されるということにはならない。このことについての認識を問うているわけですよ。特徴を問うているんじゃないんですよ。幾ら特徴を言ったってだめですよ。
 そして、もう一つ聞きますが、今私が指摘したようなシミュレーションが現にシミュレーションとして行われている、そういう結果が出ているという事実は、これは新聞をごらんになっているでしょうね。
#413
○国務大臣(山花貞夫君) 小選挙区の欠陥ということについて、前段の御質問ですが、一つ一つの選挙におきましては、一人を選ぶという形の選挙におきましては、御指摘のとおり、いわゆる死に票というものが出ることは小選挙区の特徴でございます。世界のどの小選挙区の制度を見ても、そういう一つ一つの選挙について見ればそうだと思っています。したがって、全体として単純小選挙区で五百の選挙という場合には、その特徴とおっしゃいましたゆがみというものがストレートにあらわれるものと思いますけれども、そのことを一方における民意の反映という立場で比例代表の制度で緩和している、これが今回の選挙の並立制の特徴でございますので、この部分についての指摘は私は認めますけれども、しかし今度は、単純小選挙区ではなく、その比例代表を加味しているという全体の制度として御理解をいただきたい、こういう趣旨で申し上げたところでございます。
 それから、シミュレーションにつきましては、各種のシミュレーションは私も関心を持って一生懸命勉強しているところでございます。
#414
○橋本敦君 だから、私が指摘したシミュレーションで緩和されるというお話だが、小選挙区部分の重要な欠陥である特徴は全面的に解消されていないということが出ているということもシミュレーションとしてあることは御認識されているはずですよね。ですから、根本問題として、比例制を並立させたからといって、いみじくも今あなたがおっしゃったように、若干緩和されるということなんですよ。根本的になくならないということなんですよ。
 だから、基本的には並立制というのは小選挙区制なんだということはかねがね言われているとおりで、民意のゆがみというのは依然として残っていくという重大な問題を持っている。現に、そういう民意のゆがみがある、またはつくられた多数という可能性があるという制度だが、あえてこれを導入されようとするその本当の真意は一体どこにあるのか、これを私ははっきりしてほしいんです。これまで、民意の集約とかあるいは安定した政権とか、こういうお話がございました。そういうことですか。
#415
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員は選挙制度の問題に絞って御質問いただきましたけれども、今回、四法一体として出しているとおり、政治改革がテーマです。
 さきの国会において、御指摘のとおりの単純小選挙区と比例代表併用制などについて意見がぶつかり合って結論が出なかったのです。したがって、そのことでは腐敗防止を含めて全体が先延ばしになる。こういう中では、やっぱり政治改革を何としても実現しなければならない、こういう現実成立可能なという観点から選挙制度の部分につきましては歩み寄り可能な今申し上げました並立制を提案したということでございまして、そこだけを考えたのではなく、国民の政治不信解消のために全体としての政治改革を実現するその一つの柱としての選挙制度である、こういう形で御理解をいただきたいと思っています。
#416
○橋本敦君 全体でごまかさないでください。私は選挙制度の議論をすると初めに言ったじゃないですか。選挙制度そのものを真剣に議論する必要がありますよ。
 それで、今あなたは比例の特徴で小政党の意見も反映させながらその特徴を生かすとおっしゃいましたが、しかしその比例部分で少数政党に与えられる得票を三%条項で足切りしてしまう、そしてまた立候補については三十人の立候補ということで供託金だけでも一億八千万という巨額な負担を押しつけて、小政党に対するそれ自体差別を持ち込んでいる。比例代表部分はわずか五百のうちの二百二十六ですよ。そういうところに減らしておいて、しかもそれに小政党の意見も反映する、特徴を生かすんだ、こう言いながら三%足切り条項をつくる。二%にしたって同じですよ。こういうことをやるというのは重大な自己矛盾だと思いませんか。どうですか。言っていることとしていることが違いますよ。
#417
○国務大臣(山花貞夫君) 自己矛盾とは思っておりません。
 今度の選挙の部分に絞って考えてみても、従来の個人本位の選挙から政党中心の選挙ということに大きく性格を変えようというのが今回の提案のかぎでございます。そうした意味におきましては、そこでの政党はということについて、議論がありますような政党法で政党の内部に干渉するようなことではなく、その法律法律で必要な規定というものを政党に関する法制としてつくっていこうということの中から、五人、三%、こうした数をつくったところでございまして、阻止条項三%ということについては、全国一本の比例代表の場合には世界の各国を見てみましても三%、四%、五%というものはあるのではないでしょうか。
 例えば中選挙区で考えた場合、中選挙区ならばもっと阻止条項が高いのじゃないでしょうか。現実に中選挙区で五人区ならば大体数理上は二〇%、あるいは六人区だって現実の選挙の結果を見ても十数%というのが阻止条項になっております。もう二人区ですと五〇%になりますけれども、中選挙区における三、四、五、六人区を調べますとかなり切られているレベルというものは高いわけでありまして、過去の選挙におけるいろいろ結果を考えてみると、少なくとも一〇%が中選挙区では阻止条項になっています。中選挙区と比較をしていただくならば、中選挙区よりは今回の比例代表の場合にははるかに少数政党が出やすいという部分もあることなど、決して先生御指摘のとおり少数政党を切るということにはなっていない、こういうように考えております。
#418
○橋本敦君 冗談じゃないですよ。実際に三%近く得票をとって何議席かの議席を得られる条件があっても、制度的に切るんですから、切るんじゃありませんか。中選挙区制度で三人、五人区で争って、そこでどういう得票と当選結果になるかについては比較する話じゃないですよ。比例部分としての足切り条項、こんなものは中選挙区制にはありませんよ。それ自体がけしからぬじゃないかという話をしているときに、私はあなたはまともに答えていないと思いますよ。
 例えば一票の価値を考えてみましょうか。国民、主権者の一票の価値は、生かされる一票と殺される一票とそんな差別が合理的な理由なしにあっていいんですか。そんなことがあっていいわけないでしょう。三%以下の政党に投票された国民の主権者たる多数の意思が制度的に抹殺されるというようなことも含めて、比例部分をひっつけているから緩和されるなどということを合理化しようといったって、それはもう憲法的感覚からいって許されませんよ。
 あなたも御存じと思いますけれども、最高裁判所は五十一年の四月十四日の判決で、一票の価値の平等ということについて、形式的な一票の価値そのものが大事にとどまらないで、まさに各投票が選挙の結果に及ぼす影響力においても平等であることを要求されるんだと言っているでしょう。まさに選挙の結果に影響を及ぼすその一票が影響を及ぼさなくなる、何といったってこれは憲法上重大な問題がありますよ。
 さらに、その次の問題として私が指摘したいのは、そもそも国会議員を選挙するという国政選挙の目的は一体何かということなんですよね。これは、まさに憲法四十三条で決められている、全国民を代表する議員で国会を組織するという国会の構成でしょう。そうしますと、その国会というものは、比例代表を並立すればいいというんじゃなくて、可能な限り多様な民意を反映するというのが、これがまさに憲法が予定し民主的な原理として考えるそういう基本的な要請、憲法的要請であることは疑いないでしょう。まず、この点はどうですか。
#419
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員御主張の中の憲法論、最高裁判所の判決の趣旨、一票の価値についての御見解につきましては、この点は私は全く同感でございます。
#420
○橋本敦君 例えば東京大学の憲法学者の芦部さんは「国会が国民代表であるためには、選挙において表明される国民意思を国会はできるかぎり忠実に反映し、国内の地域的・社会的および経済的諸利益の公正な、かつ均衡のとれた代表が確保されていなければならない、と考えられるようになった」と、日本国憲法の理念というのはまさにこれをやっぱり志向しているんだということを言っておられますが、これは当たり前のことですよね。
 だから、この理念から考えると、小選挙区制部分で多様な民意の反映をそこで切ってしまうそういう制度自体を持ち込むことにまず基本的に重大な問題がある上に、とりわけ私が指摘をした小選挙区制の欠陥として出てくる、並立制を併用しても出てくる、実際の得票以上の多数の議席を比較第一党なり大政党がとるというこういうゆがみ、いわゆるつくられた多数、虚構の多数、こういうことが通るという仕組みは、今私が指摘をした憲法の原則に基本的に反する問題を持っているんだということですね。
 憲法四十二条は「全国民を代表する選挙された議員」で国会を構成すると書いています。ここで言う「全国民を代表する」という限りにおいては、文字どおり全国民を代表するという意味では公正な国民各層の民意を公正に反映したそういう国会だということが予定されておるはずですね。この考え方については異論がないと思いますが、どうですか。
#421
○国務大臣(山花貞夫君) ただいま憲法四十二条に基づいて立論されておりましたけれども、十四条、四十三条、四十四条、すべてに共通の問題点だと私は思っておりまして、その憲法論につきましては全く同感でございます。
 ただ、御指摘のとおり、では完全に民意反映ということならば、あるべきそういう姿だけを考えるならば、結論的には全国一本の比例代表になるのではないでしょうか。これが一つの極にあるのだと思っています。
 同時に、今御指摘になりました憲法の中でも、やっぱり四十三条、法律によってこの選挙制度については決めるというところから政策判断が出てくるんだと思います。一方において単純小選挙区があり一方において全国一本の比例代表という両極の中で一体どの制度をその国の制度として採用するのか、これが政治の判断であり、憲法の要請することだと思っています。そういう中での要請にこれでこたえましょうというのが今度の提案でございますので、御指摘のような御意見があることについては承知しておりますけれども、そしてまた大事な問題点だと思いますけれども、こうしたことでどうでしょうかということで議論を賜っているのが今回の提案でございます。
#422
○橋本敦君 今あなたのおっしゃった憲法的要請にこたえられないのが今の政府提案の小選挙区比例並立制だと私は言っておるんですよ。だから、それに本当にこたえるならばそれは比例代表制でしょうとあなたはおっしゃった。なるほどその論はそれ自体としてそういう見解は成り立つんですね。
 例えば、関西学院大学の渡辺教授はこう言っておられますよ。「近代的代表観では、多数代表制・小選挙区制が、現代的代表観では比例代表制が対応するのである。選挙区の多数意見が代表されればよい、という代表観から選挙区のなかの意見の違いを議会に反映することが必要と考える代表観への発展である。」、これが現代だと。「日本の中選挙区制は、偶然ではあろうけれども、まさにこの小選挙区制から比例代表制への歴史的発展の中間的位置にある制度といえる」という説をおっしゃっている。
 私ども日本共産党が、中選挙区制を維持して定数是正をやるということを今現在主張しながら、将来的には比例代表制を展望しているというのは、今、山花さんが御指摘になった、まさに多様な国民意見、主権者たる国民の政治意思の正確な反映ということを憲法上の要請として大事にしているからであることは言うまでもありません。
 そういうような憲法的な要請から考えてみるならば、あなたがどういうようにお考えになろうとも、私どもの立場から言うならば、今のつくられた虚構の多数ということの上に立って強力な政治をするための政権をつくろうなどということ、こういうことを考えておられる今の小選挙区比例並立制などというものはおよそ憲法の理念からかけ離れているものだと言わざるを得ないんですよね。
 ここで私はさらに総理に伺いたいんですが、総理は「権不十年」という本の中で、「政治改革の目標は、あえて反論を覚悟で言えば、選挙制度など政治システムの変更による「政治権力の強化・集中」ということしかない」とおっしゃっている。これは小沢氏の「日本改造計画」で言っておられるダイナミックな政治ということと軌を一にするものです。
 具体的にそれがどういうものであるかということについて、図らずも衆議院での論議の中で石破委員が、今日政治家の役割が、「消費税をお支払いください、年金支給は、二十年間かけてのことでございますが、六十五歳にさせてください、申しわけないけれども、牛肉・かんきつの自由化を受け入れてください、そういうつらくて苦しいことをお願いをしなきゃいけない側に立った」と、「本質的に選挙制度を変えなきゃいけないという発想はそこから出てこなきゃいかぬのじゃないかというふうに思っておるんです。」、ずばりとこうおっしゃって、これが一番肝要なところではないかと総理に聞いたときに、総理は「いや、全くその点については私も同感でございます。」、「狭い選択の幅の中で、おっしゃるように苦い決断をしていかなければならないことばかりが山積をしているわけでございますから、そういう中で決断ができるような政治環境というものを用意される必要がある。その意味で私は、選挙制度を初めとする政治改革というものがぜひ必要である、」、こういう認識だということをおっしゃっているわけですね。
 だから、私があえて言うならば、民意をゆがめる小選挙区制部分、そのことを完全に緩和し切れないつくられた多数ということが民主主義に反する重大な欠陥としてあるこの制度をあえて導入して、今私が指摘した憲法の国会の基本理念にも反するということを乗り越えてでもこれを導入するその意図が、まさに総理が今答弁されたようなこういう強力な政治をすることにあるんだと、こういうことがはっきりしているわけですが、総理、この点は間違いないんですね。
#423
○国務大臣(細川護煕君) 確かにこういう課題をたくさん抱えている中でリーダーシップが求められているということも一つの側面で、事実でございましょう。大変重要なことだと思っております。しかし、また同時に、その民意の反映ということが強く求められているということも事実でありまして、その両方の兼ね合いというものをどういうふうに考えるかというところで、今までの御議論というものを踏まえまして今日このような法案を出させていただいている、こういうことでございます。
#424
○橋本敦君 本当に民意の反映ということをお考えなら、山花大臣がさっきいみじくもおっしゃったように、比例代表制度そのものをもっと真剣に模索し追求するということでなきゃならぬはずですよ。
 本当に民意の反映が大事だと言うならば、今私が指摘した虚構の多数と言われるような重大な民主主義に反する欠陥をどう解消するか。これはもう小選挙区制をやめるよりほかないと私は思いますが、比例代表制についてもっと真剣に検討される必要があるんですが、それは私が先ほどから言っておりますように、並立ということをつけ加えただけで根本的に解消されないということは、これはもうぬぐい切れない重大な欠陥なんです。
 そこで、その虚構の多数ということを、私はもう一遍、これがいかに民主的な原理に反するかということを総理にも山花国務大臣にも考え直してほしいとも思うのです。
 内務書記官をされて、内務次官にまでなられた坂千秋さんという方が昭和七年に「比例代表の概念とその技術」という本をお書きになっている。私はいろいろ資料を検討しておりましてこの本に至りました。その当時、昭和七年、旧憲法下ではありますが、民主政治の理念ということに立って、この坂さんは内務書記官としていろんな世界の選挙制度、我が国の小選挙区制から中選挙区制への移行、データをふんだんに検証されて書かれた本がこれなんですが、実に私は鋭い指摘をされていると思うんです。
 こう言っておられます。
 「小選挙区時代に於ける我が国の立法例や永く英国の立法例を為してみる比較多数主義でこの選挙の当選人を決定するものとすれば、却て投票の少数を得たる者が当選人となることも決して珍らしくない。」。いわゆるつくられた多数になる。「之は多数者の合理性に出発したところの多数決主義が、自ら生み出したる大きな矛盾と不正である。」、こうおっしゃっているんです。
 そして、「多数決の鉄則は、洵に不可思議なる選挙の結果を表はして来る。甚だしき場合に至っては、上述の如く合理性を認めらるべき多数の意思を却て死票とし、議会の内に於て多数国民の声として表明せらるるものは、実質に於ては少数者の意思である。」、こうなってしまう。「この倒錯現象は如何にして之を適当なりと説明せむとするか。」ということで、厳しく批判されておるんです。
 こういうわけですから、これはまさに、旧憲法下においても論ぜられた我が国が民主政治へと向かう代議政治の理念として厳しく批判されてきた。ましてや今日の国民主権の憲法のもとで、総理もあなたもおっしゃる、国民の民意の多様な反映が大事だと言うならば、こういう欠陥を持つ小選挙区制部分というのは、これは何としても採用してはならない。
 並立制で比例制をつけたからということだけで、それが多様な民意を反映するものでないということを私はきょうシミュレーションで示しましたが、シミュレーションだけでなくて諸国の例その他数々のデータで私は並立制であっても比例を併用しても小選挙区制の欠陥は増幅されこそすれなくならないということを論証するつもりであったんですが、それはまたの機会に譲りますけれども、今指摘したように、戦前でも、本当に民主主義を願う立場からまじめに選挙制度を検証すればこういう意見が出てくるんですよ。ましてや今日の主権在民のこの憲法下においては、こういう民主主義の根本理念に反する重大な欠陥を持つ小選挙区制というものは、これは断じてとるべきではないと私は思います。
 時間が参りましたから終わりますけれども、小選挙区制の持つ重大な民意をゆがめるという欠陥、ここから出発して、今日の憲法が予定する国会の正しい民主的理念、この原則に反して、結局行く道は、総理が今はおっしゃいませんでしたが、石破委員に言われたような国民を苦しめてもやるという強力な政治への道であるとするならば、私は一層断じて許されないということを指摘して、質問を終わりたいと思います。(拍手)
#425
○下村泰君 私が出てくると、恐らく皆さんはほっとするでしょう。私は余り大臣方をいびるのは好きじゃないから、できるだけお褒めして、ついでに何かいろいろといただこうかとも考えておりますけれども。
 私の立場からいきますと、今度の政治改革のいろいろなものが出されております、それからこの選挙の制度の話も出ておりますが、ただ、こういう制度は結構なんですけれども、ところがこの制度ができてもこの制度から外される障害者の方々がいることを忘れてもらっちゃ困るわけですね。ですから、今度のこの法案ができるときに、あるいはこの法案を考え出すときに、障害を持った方々に対する対応の仕方というのは考えたことがあるんでしょうか、それをまず伺いたいと思います。
#426
○国務大臣(佐藤観樹君) その問題は、法律というよりもむしろ執行の面で今日までかなりやってきたと思っております。
#427
○下村泰君 大変何か自信を持って自治大臣はお答えになっているようですけれども、自治大臣が野党側にいたときはそんなような答えは出てこないはずですよ。それほど簡単なものじゃありませんよ。
 それで、順次伺います。
 まずこの投票という行動にかかわる部分で伺いますけれども、投票の前に入場整理券というのが来ますよね。あれが来ないと非常に寂しいんですよ。何か日本人と認められないんですよ、あれが来ないと。あれが来るとほっとすることがあります。ところが、あれを例えば視覚障害の方々に対しては、中には本当に大きな字でないと見えない人がいるんですから、大きな字にするとか、それから、例えば点字シールにするとか、こういうような対応というのがなされているかどうか。それから、すべての市町村でこういうことが行われているのかどうか。あるいは投票所がどういうふうになっているのか。お答え願いたいと思います。
#428
○国務大臣(佐藤観樹君) まず、投票所等につきまして、二階にある場合には極めてやはり投票に行きにくいということがございまして、昭和六十一年のときには五万一千七百三十九カ所の投票所に対しまして二・六%でございましたけれども、平成二年二月十八日の総選挙では五万二千三百二十九カ所に対しまして二・〇%ということで、二階にございます投票所というのはお年寄りの方やあるいは身体障害者の方、ハンディを持っていらっしゃる方には不便でございますので、できるだけ減らすようにということで頑張っておるところでございますので、これにつきましても今後とも指導強化をしていきたいと思っております。
 それから、点字投票等々も、あるいは点字によりますところのお知らせ版、いわゆる点字公報等もやっておりますが、全国全部やれているかどうかということについてはちょっと自信ございませんので、選挙部長の方から答弁させていただきたいと存じます。
#429
○政府委員(佐野徹治君) 点字公報でございますけれども、目の不自由な方々の便宜を図りますために、啓発事業の一環といたしまして、ほとんどの都道府県で候補者の氏名だとか経歴等を記載いたしました点字による選挙のお知らせ版を配布いたしておるところでございます。
#430
○下村泰君 まことに頼りないですね。
 東京都の例を申し上げますと、東京都では、これは五年前の調査なんですけれども、一九八九年の調査、二十三区二十六市町八村六十四団体を調査した結果なんですけれども、投票所の階段解消、段差が大きいと車いすの方は無理ですからこれをスロープにしてありますが、これが東京都の場合には二七一・五%。それから、障害者用の投票記載台が九六・五%、これは車いすでも書けるような高さにしてある。それから、特例の照明、視覚障害者で目の御不自由な方が見えないといけないので特別の照明がしてありますのが四四・八%。それから、点字器の備えつけが九七・六%。それから、点字による候補者氏名の掲示が四九・一%。車いすの配置あるいは老眼鏡など、これは全国のほとんどほかの市町村ではこういうのがねないんです。ですから、恐らく地方の方へ行ったらもう東京都の半分以下、あるいはこれに該当するところはないんじゃないかね。
 ちょっと自治省、答えてみてください。
#431
○政府委員(佐野徹治君) 今、先生御指摘の東京都以外の県等につきましてどの程度やっておるかということにつきましては、私ども詳細な実情については把握はいたしておらないところでございます。
 ただ、例えば従来から老人の方だとか体の不自由な方が投票しやすいように、エレベーター等の昇降設備のない場合には二階以上の部屋には投票所を設けないように、こういった指導もいたしておるところでございまして、今後ともこうした指導は徹底してまいりたいと考えております。
#432
○下村泰君 どうですか、自治大臣、お聞きになっていて。自治大臣として情けないと思いませんか。
 結局、そういった国の制度の中からはじき出される方々は、おまえら人間じゃないと認めていると同じことなんですよ、これは。そうじゃないですか。しかも、各自治体のあるいはボランティアによって支えられている、これが現状なんですよね。
 そうしますと、障害者の方々の中にも選挙に行きたいという人は大勢いらっしゃる。ところが今申し上げたように、自治省が現状をじかにつかんでいないんですよ。どういうふうにお思いになりますか。
#433
○国務大臣(佐藤観樹君) 私も、今度の選挙のときに選挙事務所の方に、投票に行きたいけれども車いすがないかと、ところがその投票所には二台しかないというんで、それをやりくりをして車いすを手配してもらったというような例がございました。
 いずれにしろ、せっかく意思のある方がそういうことでは行けないわけでございますので、今後とも努力をしていきたいと思いますし、また選挙管理委員会の連合体もございますので、そこと話しながら、また財政的にどうするかということも、交付税等でどうするのか、できるのかできないのか、そのあたりも十分調査をいたしまして、また先生に御報告ができるようにしますので、なお一層頑張らせていただきたいと存じます。
#434
○下村泰君 お答えはお答えで結構ですけれども、実際にできるかできないかの問題ですからね、とにかく。
 次に、投票に行けない方について、在宅投票とか郵便投票というのがあるんですが、以前障害を持つ方々に対して行われたアンケートがありますけれども、その中で投票に行かない理由を尋ねたところ、およそ三割が行きたくても行けないという状態の方がいるわけですね。
 具体的には、体のぐあいそれから介護者がいない、行くまでが余りにも大変、もっともある党によっては支援組織で有権者をバスに乗っけて運んでくださるなんていうところもありますけれども、障害を持った人々で希望する方々にそういう制度があればいいと思うんですけれども、それはありませんからね。いろいろ問題がある。移送サービスあるいは介護サービスをすべて本人がしなくちゃならぬわけですよ、こういう方たちは。負担が大きいんです。
 こういうことについては、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
#435
○国務大臣(佐藤観樹君) 平成二年の調査だったと思いましたけれども、選挙に行かなかった理由の最大は、体が悪かった。それは一時的な病気も入っておる統計ではございますけれども、先生御指摘のような問題も十分入っていると思うわけでございます。
 特に、私頭が痛いのは、寝たきり老人の方の特別養護老人ホームに入っている場合には、選管が指定すれば大体行けるということになっておりますし、老人保健施設の場合には、五十人以上の施設については不在者投票ができるようになっておりますし、病院では病院の中でやれると、もちろん大きなものでございますが、しておりますけれども、在宅のざっと二十四万人の方々をどうするか。これを郵便投票ということは、私も昔、二十何年前からいろんなことをやったことがあるんですが、どうやって本人であることが確認できるかというような問題がございまして、在宅の寝たきり老人の方をどうやって投票所に足を向けていただくかあるいは投票できるようにするか。これが大きな課題だと思っておりますので、これまた積極的に取り組ませていだだきたいと存じます。
#436
○下村泰君 ある方はこういうことをおっしゃっているんですよ。投票箱を移動させることができないかこういうことも言われていますけれども、果たしてそれは可能なのかどうか。
#437
○国務大臣(佐藤観樹君) 私も衆議院の公選法の委員をやったときに、先生御指摘のように、それを提案して社会党で法案にしようとしたこともあるのでございますが、それじゃ投票箱が盗まれたときどうする、いわば選挙の公正というのを確保することがなかなかそれは難しい、それから、限られた人数の中で何十人かの寝たきりの方の間を持って回る時間だけでも現実には職員で対応するには非常に難しい、それとその運搬ということ、何といっても投票の結果が入っていることでございますから、ということを考えますと、今のやり方は無理ではないか。
 しからば、何があるだろうか。ファクス等ということもあるかもしれません。ファクスのないうちはちょっと別にいたしますけれども、その本人の確認ということがなかなかこれが難しい、だれかが本人の意思と違って書いてしまってファクスで送ったらどうなるかという問題等があるものですから、またしかられそうでございますけれども、選挙の公正ということからいいますと持ち回りをやるというのもこれまた難しい。ということで、頭が痛いと申し上げたわけでございます。
#438
○下村泰君 確かにそういうことはあるんです。しかし、現在、障害者の方で在宅投票をしている、これは自分で書かなくちゃいけないですよね。いわゆる白書といいます。みずからが書いたものでなければ有効ではない。ところが、実際に障害者の家に同居している方々が書いたとして――書いている方もいますよ、実際には本人が書けなくて。だから、本人が書いているか書いていないかわからないでも今投票されているわけですよ、障害者の方が在宅投票の場合、郵便投票する場合には。それを考えると、例えば大臣が今おっしゃったように、本来はそういう考え方からしていけばワープロだっていいわけなんです。だから、問題は幾らもあるんです、こういうことで。
 今度は、その対象になった今の手続上の問題にはこういうことがあるんですよ。
 これは実際にあった話なんですが、町議会議員選挙のときに郵便投票証明書の交付がありまして、投票用紙及び投票用封筒の交付請求がありました。それで、速達で投票用紙が送られてきたんですね。ところが、町議選は告示から投票日まで日にちが短いでしょう。だもんだから、簡易書留速達で送らねば間に合わない。しかし、体が悪いんですからとてもとても郵便局に行けない。それで、そのときはほかの方にお手伝いをしてもらってこれは用をなしたんですが、こういうことが現実にあるわけなんです。
 そうしますと、一体こういう手続上の問題というのはもうちょっと何か簡便にならないのかという問題が起きてくるんですけれども、これはどうですか。
#439
○政府委員(佐野徹治君) 現行の郵便による不在者投票につきましては、選挙の公正を確保する、こういった点から手続面では比較的厳重など申しますか、厳格な手続を必要としております。
 確かに、町村議会議員の選挙運動期間、これは御案内のとおり五日間でございます。比較的短い期間でございますけれども、例えばこういった短い選挙運動期間のものにつきましても投票用紙の請求はこれは選挙の告示前も可能でございますので、私ども、こういった点につきまして、制度が十分に活用されるように周知の徹底には努力してまいりたいと考えております。
#440
○下村泰君 例えば、今の自分で書いて投票する白書の話です。もう一回これに戻りますけれども、在宅投票制度というのは一九四七年の地方自治法の改正で初めて採用されたんだそうですね。それで、五〇年に施行の公職選挙法に引き継がれた。そのときの対象というのは三百万人から四百万人に上った。ところが、親族や選挙運動員が悪用するなどの違反があったので五二年に廃止された。これがそもそも在宅投票がなくなってしまった大きな原因なんだそうです。私はこの当時いませんから知りませんけれども。
 それで、みずからは自分の手は動かすことができないんですよ、筋ジストロフィーで。筋が萎縮しちゃいますから書けない。そこで、残る動く機能は何だといったら足なんです。足でワープロを打った方がいるんですよ。ところが、これは認められない。同じ在宅投票でもこれは認められない。
 こういうふうに、障害者にとっては、日本の国に生まれながらにして国民の権利が何ら行使されないという方々が非常に大勢いらっしゃる。
 今までの流れをお聞きくださいまして、総理はどういうふうにお感じになったのでしょうか。それを聞いて終わりにしたいと思います。
#441
○国務大臣(細川護煕君) 大変いい御指摘をいただいたと思っております。
 今、大臣からも御答弁ございましたが、なかなか技術的な問題も確かにあるだろうと思います。あるだろうと思いますが、ぜひ何とかしたいものだと、今のお話を伺いながら、私も全く同じような気持ちを持ったところでございまして、ぜひ言葉どおり前向きにひとつ検討をさせていただきたいと思います。
#442
○下村泰君 終わります。
 ただし、選挙は公正を期する公正を期するといっても、満足に動ける者だけの公正じゃだめなんですよ。動けない方々の公正も期さなきゃいかぬですからね。よろしくお願いいたします。(拍手)
#443
○委員長(本岡昭次君) 来る十日午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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