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1993/01/12 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第11号
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1993/01/12 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第11号

#1
第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第11号
平成六年一月十二日(水曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月十一日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     野沢 太三君
     永田 良雄君     前島英三郎君
     会田 長栄君     前畑 幸子君
     大脇 雅子君     村田 誠醇君
     藁科 滿治君     堀  利和君
     長谷川 清君     直嶋 正行君
 一月十二日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     竹村 泰子君
     前畑 幸子君     会田 長栄君
     聴濤  弘君     高崎 裕子君
     下村  泰君     青島 幸男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         本岡 昭次君
    委員長         上野 雄文君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                関根 則之君
                松浦  功君
                一井 淳治君
                白浜 一良君
                平野 貞夫君
                吉田 之久君
                吉川 春子君
    委 員
                岡  利定君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                清水 達雄君
                鈴木 貞敏君
                楢崎 泰昌君
                野沢 太三君
                星野 朋市君
                前島英三郎君
                村上 正邦君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                岩本 久人君
                川橋 幸子君
                竹村 泰子君
                角田 義一君
                堀  利和君
                前畑 幸子君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                猪熊 重二君
                続  訓弘君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                青島 幸男君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤 観樹君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 武村 正義君
       国 務 大 臣
       (政治改革)   山花 貞夫君
   政府委員
       大蔵省主計局次
       長        竹島 一彦君
       自治大臣官房審
       議官       谷合 靖夫君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特別委員長の辞任及び補欠選任の件
○理事補次選任の件
○公聴会開会承認要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○政党助成法案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(橋本敦君
 発議)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(橋本
 敦君発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
#3
○関根則之君 委員長、動議を提出します。
 委員長不信任の動議を提出いたします。
   〔関根則之君文書を提出〕
#4
○委員長(本岡昭次君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(本岡昭次君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午前十時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午前十時四十六分開会
   〔理事上野雄文君委員長席に着く〕
#6
○理事(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 委員長不信任案が提出されましたので、私が暫時委員長の職務を行います。
 政治改革に関する特別委員長本岡昭次君不信任の動議を議題といたします。
 まず、提出者から本動議の趣旨説明を願います。関根則之君。
#7
○関根則之君 私は、政治改革に関する特別委員長本岡昭次君不信任の動議を提出いたします。
 本委員会は、委員長本岡昭次君を信任せず。
 以下、右動議提出の理由を申し上げます。
 去る一月十日、本委員会におきまして強行されました一月十七日の公聴会開催は、議会制民主主義のルールを無視した無効の採決であります。このような暴挙をあえて行った委員長を信任することは到底できないのであります。
 我が党は、リクルート事件を初めとするさまざまな政治不祥事に対する深い反省に立って、海部内閣以来この四年余、三たび衆議院の選挙制度の改革、政治資金の改革及び政党への公的助成等を柱とする政治改革を試みましたが、遺憾ながら、中途挫折し政権の座を離れる事態を招きました。それだけに、今回、細川新政権において初めて政治改革四法案が衆議院より送付され、本院での審議が開始されるに当たっては、この法案の重要性にかんがみ、二院制の本旨に照らし、徹底した審議を通じて抑制と補完の機能を十分果たすことが本院の使命と心得ております。
 翻ってこれまでの本委員会及び理事会の運営を見ますとき、昨年九月二十一日の委員長の就任のごあいさつにある公正かつ円満な運営に努めてまいる所存であるという言葉が極めて白々しく、空
虎さを感じ、中立公正であるべき委員長の職責が果たされず、与党サイドに立った一方的な運営を行っていることは極めて残念であります。
 すなわち、その一は、委員長は国会役員として与野党の意見を調整する中立的立場でありながら、委員会運営について、連立与党の幹部とともに官邸に赴き、その密議に加わったことは、政府・与党一体とは申せ、余りにも見識を欠く行為であると断ぜざるを得ません。
 これがゆえに、その後の理事会及び同懇談会等においてこの件が問題となり、十二月六日の第二回目の本委員会において、本岡委員長は再び、「この際、一言ごあいさつさせていただきます。私の問題をめぐってさまざまな御指摘があり、今日まで委員会が開催できなかったことはまことに遺憾であります。」と反省の弁を、あいさつのやり直しを行うという形で、前代未聞の異例なことが出来をいたしました。
 その二は、十二月二十四日の委員会開会について強行姿勢をとったことであります。
 もとより、委員会の日程の設定や運営につきましては、理事会の協議に基づいてこれを行うことは委員会の円満なる運営の要請であります。しかるに本岡委員長は、与野党の日程協議が調わぬまま、一方的に職権開会の姿勢を示したことは、およそ委員長としてはあるまじき行為として容認できません。
 その三は、一月五日の委員会開会の強行であります。
 前日来の理事会等の合意がないまま、連立与党幹部の申し合わせに従い、我が党欠席のもと総括審議を職権により行ったことは、これまでの民主的なよき慣行を無視するもので、正常な運営を阻害するものとして極めて遺憾であります。
 その四は、一月十日の公聴会の決定の強行であります。
 本来、公聴会は、国会審議が大方尽くされ最終段階に至った時期を見計らって外部の関係者や地方の皆様の意見を聞き取り、審議の参考に付するために設けられたものであるにもかかわりませず、いまだ実質審議がようやく行われ始めたそういう段階において、特に地方の意見を重視しなければならないそういう情勢のもとにおいて、我が党が地方公聴会開催を二日間要請したにもかかわらず、与党は一向にこれに耳を傾けず、中央公聴会のみの決定を急いだわけであります。与野党間において議が調わぬまま公聴会の設定を強行することは、これが採決に通ずる一里塚となるだけに、我々としては到底認めるわけにはまいりません。余りにも非民主的な運営で、まさに横暴と称しても過言でないと思います。
 以上、我々は、せっかく互選で選んだ委員長ではありますが、今日までのたび重なる不公正きわまる委員長の運営をもはや信任するわけにはまいらないのであります。
 何とぞ、慎重審議の上、本案に賛成いただきたくお願いいたします。(拍手)
#8
○理事(上野雄文君) これより本動議について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#9
○白浜一良君 私は、与党を代表いたしまして、ただいま提案されました本岡委員長不信任案に強い怒りを込めて反対の討論を行うものでございます。
 十一月十八日に衆議院で円満採決されて本院に送付されて以来五十数日間たつわけでございますが、その間に自民党初め野党のいたずらな審議妨害に遭いながら、そのもとで委員長は円満な委員会運営をされてきたわけでございまして、もとより不信任に当たるものでないということを強く主張するものでございます。
 ただいま、十日の動議云々の話がございまして、暴挙というお話がございました。しかし、決して私は暴挙ではないと思うわけでございます。
 五日の晩から私たちは、この本院において絶対に政治改革をやらなきゃならないという強い決意で、どうしても公聴会の日程を決めなきゃおらないという強い私たちの主張をしたわけでございますが、なかなか議が整わなかったわけでございます。そして、私たちは与党の意見といたしましてぜひともこの十日には公聴会を議決してほしいという強い要求を委員長に提出したわけでございまして、そのやむにやまれない私たちの心情を酌んで、話し合いが整わないわけでございますから、その動議を受けて採決されたわけでございまして、これは明らかにルールにのっとった手続でございまして、決して暴挙ではないということを私は強く主張したいと思うわけでございます。
 また、本岡委員長が官邸に赴いたという話がございました。官邸に赴くこと自身がなぜ公正を欠き円満さを欠くのでしょうか。自民党政権時代も自民党の委員長は数々に官邸に行ってそういう会議をされているわけでございまして、その前例から見ても決して公正を欠くとは言えないということを私は主張したいと思います。
 また、十二月二十四日、要するに強硬姿勢で委員会を始めたということでございますが、実際十一月十八日から、送付されて以来実質審議は全くしていないわけでございます。もう二十四日はしなきゃならないというそういう状況の中で待ってくれと言われても、もう開会することを決めているわけでございまして、決してそういうことは当たらない、そのことを主張しておきたいと思います。
 また、一月五日のことを言われました。しかし、これだけの重要法案、国民が注視している私たちのこの本院での審議を前にいたしまして、十二月の二十八日もまた一月の四日も審議すべきだという私たちの意見、それを委員長が野党の意見も入れて二十八日も四日も仕事納め仕事初めということで抑えられたわけでございまして、そういう観点からいえば一月五日に委員会を開会するのは当たり前でございます。
 まして一部自民党さんの方から、もう一月は十日以後しかできない、そこまで休みだと。私たちは、国民の税金で、これだけ重要な法案を抱えている立場でございまして、休みを返上してでも私たちは審議しなけりゃならない立場でございます。そういう意向を受けてこの一月五日、委員長がこの私たちの開会要求を受けて委員会を開会されたわけでございまして、これも当然ルールにのっとったものであるということを私は主張しておきたいと思うわけでございまして、そういった観点におきまして、私は、趣旨説明されましたが、本岡委員長は不信任案に当たらないということを強く主張して反対の討論にかえたいと思います。(拍手)
#10
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました本岡委員長に対する不信任動議に対して賛成の討論を行います。
 本岡委員長は、法案についての審議がやっと緒についたばかりであるのに、法案採決の前提となる公聴会日程を強行いたしました。これは暴挙と言わざるを得ません。
 なぜ公聴会日程の採決に瑕疵があるかといいますと、これは当日朝の理事会で十四、十五の公聴会の提案が与党からされておりまして、これを引き続きお昼も夜も協議を続けるということになっておりました。ところが突然お昼に十七日の公聴会の新たな提案がなされましたが、これは委員会での採決ということは一言も出ておりませんでした。
 私は理事といたしまして公聴会日程には反対ですが、そして設定に時期尚早であるという意見を持っておりましたが、引き続き協議がされるものと、そういうことで委員会に臨んでおりましたところ、突如この緊急動議が提出されて採決した。こういう非常に民主主義のルールを踏みにじることをやられたということに対して、私の本岡委員長に対する不信感はぬぐいがたい決定的なものとなったわけでございます。
 同時に、この採決は、この委員会は非常にその可否が接近しておりまして微妙な状態であるにもかかわらず、その賛否の数も十分確かめずに賛成多数ということで採決をされたということは、こ
れはもうぬぐいがたい瑕疵がある、この公聴会の日程そのものが白紙に戻されなければならないものだということを私は繰り返し理事会、理事懇の中で意見を表明してきたところでございます。
 さらに、これまでのわずかな審議を通じても政府四法案の矛盾は明らかになっております。例えば小選挙区導入の根拠とされた金がかからない選挙という問題について、私の質問に対して、細川総理もそれからそこにおられます大垣も根拠がないということを言われたわけです。またさらに、小選挙区制は民意をゆがめる、企業献金は国民の参政権を侵害する、政党助成は国民の思想、良心の自由を侵害する、少数政党排除は法のもとの平等に反するなど、憲法上の疑義がますます深まり、どうしても十分な審議をとって徹底的な審議を尽くすことが求められているのであります。
 我が日本共産党は、審議の拒否という態度を一度もとったことがありません。むしろ十分なも審議を通じてこの法案の内容をあまねく国民に知っていただく、このことが非常に重要だと思っておりますが、そういうことを無視した動議の採決を決めた委員会運営というものを私は強く糾弾いたします。
 また、本委員会が国民から期待されている任務の第一は、この憲法違反が明白な小選挙区制導入ではなくて、金権腐敗政治の解明とその一掃であることは明らかです。本委員会の審議を通じても、細川総理にかかわる佐川急便からの一億円の疑惑はますます深まっています。その解明は本委員会において優先して処理すべき重要かつ緊急な問題になっております。そのためにも証人喚問の実現も急ぐべきであります。
 にもかかわらず、今後の審議日程についても何らの議論のないまま、理事懇において引き続き協議することになっていた公聴会日程を強行したことは、委員会運営について公平かつ円満な運営に努めるとした委員長自身の本委員会での釈明をもみずから踏みにじるものであります。
 昨年の委員会がなかなか開催されなかった第一の理由は、本岡委員長がこの円満公平な委員会運営を踏みにじるおそれがあるという問題で理事会、理事懇でたびたび審議が重ねられてきまして、それをお認めになってここの場で委員長は一度釈明をされたわけであります。今回、その釈明をみずからまた踏みにじってこういうことをされたということは犯罪で言えば再犯ですから、(発言する者多し)非常に罪が重いと、私はそのことをあえて申し上げたいと思います。
 以上が、この(「不穏当だよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)それは取り消します。取り消します。その発言は取り消します、私。そして、これはこういう意味です。委員長は委員長就任のときに、一番最初に公平円満にやるとおっしゃった、しかしそれはやらなかった、それでもう一度この委員会でみずから釈明をされた、そのことを私は、二度それを踏みにじるということは許せないということを申し上げたわけでございます。
 以上が、私が本動議に賛成する理由であります。
 以上、終わります。(拍手)
#11
○理事(上野雄文君) 他に御発言もなければ、これより直ちに採決に入ります。
 ただいまの関根君の動議に賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#12
○理事(上野雄文君) 多数と認めます。よって、本動議は多数をもって可決されました。
 暫時休憩をいたします。
   午前十一時五分休憩
     ―――――・―――――
  午前十一時二十八分開会
   〔理事上野雄文君委員長席に着く〕
#13
○理事(上野雄文君) これより政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 本岡委員長から委員長辞任の申し出がございましたので、私が暫時委員長の職務を行います。
 委員長辞任の件についてお諮りいたします。
 本岡委員長から、文書をもって、都合により委員長を辞任したい旨の申し出がございました。(発言する者あり)お静かに願います。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○理事(上野雄文君) 御異議ないと認めます。よって、辞任を許可することに決定いたしました。
 これより委員長の補欠選任を行います。
 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
#15
○松浦功君 私は、委員長に上野雄文君を推薦することの動議を提出いたします。
#16
○理事(上野雄文君) ただいまの松浦君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○理事(上野雄文君) 御異議ないと認めます。よって、委員長に私、上野雄文が選任をされました。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○委員長(上野雄文君) この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいま委員各位の御推挙により委員長の重責を担うことになりました上野雄文でございます。
 委員会の運営に当たりましては、公正かつ円満な運営に努めてまいる所存でございますが、まさに異例の事態で委員長不信任案の後でございます。私は、理事会の皆さん方と相談をしてその運営に努めてまいる所存でございますので、委員各位の御支援と御協力をよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
#19
○委員長(上野雄文君) 理事の補欠選任についてお図りいたします。
 現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に本岡昭次君を指名いたします。(拍手)
 暫時休憩いたします。
   午前十一時三十一分休憩
    ―――――――――――――
   午後二時十四分開会
#21
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
#22
○楢崎泰昌君 委員長 (「委員長」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#23
○委員長(上野雄文君) 楢崎泰昌君。(発言する者多し)指名したんです。指名したんですから発言してください。指名をしましたから発言をしてください。指名をいたしましたので発言を願います。私は楢崎泰昌君を、あなたの挙手、「委員長」の発言に従って指名をいたしました。御発言を願います。――御発言を願います。(発言する者多し)発言をしないんですか。――発言をしてください。
 速記をとめてください。
   〔午後二時二十分速記中止〕
   〔午後二時四十四分速記開始〕
#24
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
#25
○楢崎泰昌君 委員長。
#26
○委員長(上野雄文君) 楢崎泰昌君。
#27
○楢崎泰昌君 楢崎泰昌でございます。
 ただいま審査中の六法案について、来る一月十八、十九日の二日間、午前十時に中央公聴会を行うこととし、公述人の選定等は委員長に一任すること、並びに二十日、二十一日の二日間、地方公聴会を行うこととし、そのための委員派遣等を行うことの動議を提出いたします。
#28
○中村鋭一君 委員長。
#29
○委員長(上野雄文君) 中村鋭一君。
#30
○中村鋭一君 私は、来る一月十八日一日間、地方公聴会を開くこととし、そのための委員派遣を行うこと及び派遣委員の人選、派遣地の選定等は
委員長に一任することの動議を提出いたします。
#31
○委員長(上野雄文君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#32
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
 ただいまの楢崎君の動議に賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○委員長(上野雄文君) 少数と認めます。よって、本動議は否決されました。
 ただいまの中村君の動議に賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○委員長(上野雄文君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本動議に対する可否を決します。
 本動議については、委員長はこれを可と決定いたします。
 暫時休憩をいたします。
   午後二時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時十三分開会
#35
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第一号)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(閣法第二号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第三号)及び政党助成法案(閣法第四号)(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに公職選挙法の一部を改正する法律案(参第三号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第四号)(いずれも橋本敦君発議)、以上六案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#36
○前島英三郎君 我々は、今、議会制民主主義の土俵づくり、ルールづくりを真剣に議論しておるわけでありますけれども、しかるにここ二、三日の特別委員会のあり方はどういうことでありましょうか。まことに恥ずかしい限りであります。
 上野委員長に私はまず申し上げたいと思います。
 先ほどの公聴会日程の採決のあり方といい、午前中の本岡前委員長の不信任案可決に至るプロセスといい、我々は改めて議会のあり方、委員会のあり方あるいは委員長職務のあり方等々、イロハから学び直す必要があるとさえ思っているのであります。我が党の松浦理事の御推挙によって円満に選ばれた新委員長が、いきなり職権の乱用、公聴会動議可否同数にもかかわらず、ためらいもなく与党提案に軍配を上げる、公正無私はどこへ行ってしまったのでありましょうか。大体、可否同数の場合は委員長は否とするのが歴史的民主主義の慣行なんです。全くもって不信の念を抱かずにはおられません。
 もう一度上野委員長に聞いておきます。
 あなたは、全会一致で選ばれた新委員長として、この委員会を国会法四十八条に基づいて今後どう切り回していくおつもりかお伺いしておきたいと思います。
#37
○委員長(上野雄文君) 私から冒頭お答えを申し上げなければならないというのは、そのこと自体がこの運営をめぐっていろいろ議論のあったところだろうと思っております。
 しかし、私は、就任のごあいさつの際にも申し上げたとおりでございまして、各党各会派から選任をされておられます理事の皆さんと円満な委員会の運営を図ることができるように一生懸命努めてまいりたいと思っております。私の不行き届きの点などがございましたら、どうぞ遠慮なしに御指摘を賜りますように心からお願いを申し上げます。
#38
○前島英三郎君 命の御発言をしかと私も受けとめながら、さらに委員長に幾つか質問をしなければなりません。
 振り返って、恐縮でありますが、午前中の本岡委員長は明らかに委員会運営のあり方が問われて解任されたものであると私は思っております。彼の文書による辞任の申し出により辞任したのではありません。私はそう思っております。よろしいですか。この際、その辺は、この委員会において不信任の動議が提出され、そして民主主義の多数決によって解任されたということをしっかりと私は議事録にとどめておきたいと思っております。
 上野委員長、そういうことでよろしいですね。
#39
○委員長(上野雄文君) 委員会におけるルールがございまして、そのルールに従って不信任決議案が出され、ルールに従って採決の結果得た結論でありまして、それから本岡委員長が文書によって辞任を出されたというのも、原因が不信任決議案であり、手続として文書を出す、そういうルールになっているわけでありますから、ルールに従って処置をとったということでございます。
 したがって、私は、定められている今日までの委員会の運営の基本というものをルールに従って運営してまいります。先ほど申し上げました決意と全く変わっていないことを重ねて申し上げたいと存じます。
#40
○前島英三郎君 しかと受けとめておきます。
 そうすると、この不信任案動議の一つの提案理由が今月十七日に公聴会を開会するという一昨日の強行採決は無効であったと認識してよろしいか。どうですか。
#41
○委員長(上野雄文君) さあ、それは……。
#42
○前島英三郎君 私は青島議員が怒るのももっともだと思うんですよ。私はこれは二院クラブの名誉だと思うんです。名誉を大変この委員会が傷つけたわけでありますから、再びその辺はしっかりと私は、新委員長が公正無私と言うならば原点に立ち返って、やはり二院クラブ、そのときは下村泰さんであったと思いますが、名誉を私は守ってあげる責任があろうと思うんです。
 与党、二院クラブの賛成多数というような形で昨日の新聞は報じられておるわけでありますから、そういう意味におきましても、先ほど理事懇でその辺は青島委員からるる御説明があっただろうと思うんですが、その辺私たちは、開かれた委員会の中で新委員長が公正無私という議会運営をやろうとするならばするほどこの問題はもとに差し戻すべきだと思うんですが、委員長、いかがですか。
#43
○委員長(上野雄文君) 手短に申し上げたいと存じますけれども、先ほど来、動議の採決の後開かれました理事懇におきまして与党、野党の皆さんといろいろ協議をいたしました。そして、青島幸男議員にも御出席をいただきまして御意見を述べていただいたところでございます。そして、さらに与党、野党の議員の間で大変激しい議論の応酬なども行われたところでありますが、最終的に野党の皆さん方はこれらの一連の経過を持ち帰りたいというお話でありました。さらに与党の皆さん方は、それぞれの立場におきまして前回の採決の結果は有効であったと、こういう御主張でございます。
 今日まで私ども、議会とりわけ委員会の運営のルールを基本にいたしましてこの委員会の運営に当たってきたわけでありまして、私はあの中央公聴会の議決につきましては有効に議決をされたものである、こういう理事懇における私の考えを述べたところでございます。(「野党はそうじゃないということをつけ加えてくださいよ」と呼ぶ者あり)私が述べたということを申し上げたわけであります。
#44
○前島英三郎君 委員長はそうおっしゃったが、野党の皆さんは、いずれにしましても我々を含めてあれは無効であると。なぜならば、二院クラブはどさくさの中でわけもわからないまま、委員長がしっかりと数を数えるということも怠りながら強行してやったことでしょう。これに対して野党は厳しく理事懇においても意見が出されたと思うんですから、委員長はそういうお考えでも自民党を初め各野党はこの問題については承服をしていない。こういうことは、委員長、十分その辺はおわかりですね。その発言も述べておいてください。
#45
○委員長(上野雄文君) 私は、先ほど申し上げたように、委員長が採決の際に数を確認の上で決定
を下したものというふうに思っているわけでございます。
 もちろん、各野党の委員の皆さんからは大いに疑問があるという点が提起されたことは御指摘のとおりでございます。
#46
○前島英三郎君 それは当然私たちは無効だという認識に立っておりますから、二院クラブの名誉のためにも何らかの形で委員長として名誉回復の処置をとられんことを強く要求しておきます。これは理事会に要求しておきます、無効ですから。
#47
○委員長(上野雄文君) お答えいたしましょうか。
#48
○前島英三郎君 はい。
#49
○委員長(上野雄文君) 私は、先ほども申し上げたように、有効に議決されたもの、そのように申し上げたわけでありまして、無効のものとは考えておりません。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#50
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
#51
○前島英三郎君 自民党を初め共産党、野党各党から、それは無効であるという強い委員長に対する意見があって、それを踏まえて先ほどの委員長の発言であると、こういう認識でよろしいですか。
#52
○委員長(上野雄文君) 私は、先ほども申し上げましたように、これは有効であるという立場を繰り返し理事懇の中で申し述べた経緯を申し上げているわけでありまして、その点については御了承をいただきたいということです。
#53
○前島英三郎君 ですから、あなたの意見はいいんです。私は聞いているんじゃない。その理事会は何も与党だけで構成されている理事会じゃないんでしょう。委員長というのは、賛成、反対、いろんな意見があったものをまとめて、それをまた委員会に報告する責任もあるでしょう。しかし、そういう意見が野党の側からあったということの意見を踏まえて、あなたの先ほどの意見につながるんですねということを私は確認しているんですよ。
#54
○委員長(上野雄文君) 私は、与党、野党交互に指名をいたしまして、いろいう御意見を述べていただきました。有効だという御意見と、大いに疑義あり、無効だという説をお述べになられた方々もおられました。これはもう与野党意見の対立でこざいまして、このことは何回繰り返してもそれ以上の合意点を見出すということは非常に難しい。
 それで、国会における議決のあり方などという問題についてもいろんな御意見がありましたが、結局はこれは既に当時の委員長の採決によって有効に機能しているものでありますから、そのことを今ここで無効だなどという結論を導き出すということは大変なことなのでありまして、しかもきちっとルールに従って行われたというふうに私どもは思いますから、そのように先ほど申し上げたようなことをお答えいたしたわけでございます。
#55
○前島英三郎君 したがって我々は、議会政治のあり方、そのルールをつくるべきこの特別委員会、政治改革の委員会なんでしょう、そういう中でこれからの政治というもののあり方を考えているときに、今のような委員長の発言で真の公正などということは私は望むべくもないという思いをしているんですよ。
 そして、あなたは先ほど公正無私というような格好いいことを言っているが、私は本岡前委員長と同じようにあなたにも不信任案を出したい思いに今駆られているんです。というのは、あなたは先ほど正午のNHKニュースのインタビューで何とおっしゃったか。ちょっともう一回ここで言ってみてください。あなたはNHKのインタビューでどういうことをおっしゃったか、もう一度あなたは委員長としておっしゃってください。
#56
○委員長(上野雄文君) 私は、委員長としてインタビューに答えた覚えはないのでありまして、一委員として私の考えを述べたわけであります。
#57
○前島英三郎君 これは、院内、まあビデオを撮っている人もたくさんおりますから調べてもらえばわかるんですが、お昼のNHKニュースであなたはこういうことをおっしゃった。よろしいですか。新しく委員長になったのは上野さんですよ。そして、そういう流れの中で、この不信任案提出は予定の行動で審議妨害の一環である、あなたはそう発言したんだよ。そんな新委員長のもとで議論ができると思うのか。あなた、公正無私なんというのはとんでもない二枚舌じゃないか。あなたはそういう発言をしたんでしょう。それに対してあなたは自分の言葉に責任を持つのか持たないのか、ちょっと聞いておきたい。
#58
○委員長(上野雄文君) 私は……
#59
○前島英三郎君 ルールに従ってやっているんでしょう、我々は今。いいですか。あなたは、その不信任案提出は予定の行動で――だれが予定の行動ですか。審議妨害の一環であると。審議妨害の一環であるとあなたは発言したんですよ。そんな新委員長のもとで、公正無私で我々がこの重要な議会制民主主義のルールをつくる、今我々は新しい時代をつくろうというこのルールをつくる審議の中で、(「質問しなさいよ」と呼ぶ者あり)質問しているじゃないか。(発言する者多し)
 あなたはその言葉にどう感じておられるか。それはどういう思いでおっしゃったのか。その発言どおりなのか、あるいはあの発言は大変な間違いだったのか、その辺も含めてこれからの委員会運営のこともあるから聞いておきたい。(発言する者多し)現に言っているんだから、審議妨害の一環だと言っているんだよ、新委員長は。そんなことは許されるかい。
#60
○委員長(上野雄文君) お答えを申し上げます。
 私はずっとこの委員会の運営に携わってまいりまして、いろんな経緯がございました。まあお互いにこの新しいルールに従って委員会の運営を行いましょう、そして今までになかったものがあれば新しいものを相談ずくでつくり上げていきましょうと、いろんな苦悩も続けてまいりました。しかし、このことについて私が社会党の一委員として見た場合には、率直にそのことを言ったつもりでございます。
 ただし、私が委員長に就任する前のことでございまして、その点は、私が申し上げたことについての御理解はいただきたいなと、こういうふうに思っております。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#61
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
 それでは、お答えを申し上げます。
 先ほどの件につきましては、委員長不信任案が通ったという混乱の直後のことでもございました。委員長就任後は、私は、委員長就任のごあいさつにも申し上げましたとおり、公正中立を期して一生懸命委員会の運営に当たってまいる決意でございます。
#62
○前島英三郎君 それは、社会党としては自衛隊を容認しないが内閣に入れば自衛隊を容認するという発言と同じなんだよ。
 それはあなた、自民党は審議を妨害しているんじゃないんですよ。何が妨害なんですか。その妨害の一環だという言葉は、あなたは撤回しなければならない。不信任案が成立した後の混乱した中での取材なんという言いわけはだめですよ。あなたはそれを撤回しなさい。撤回するまでは審議はできません。
#63
○委員長(上野雄文君) 速記をとめてください。
   〔午後四時四十四分速記中止〕
   〔午後五時一分速記開始〕
#64
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
 前島委員の質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 不信任案が可決された直後の混乱の中の多少感情の高ぶりの発言で誤解を与えた結果となりましたが、委員長就任後は、委員長就任のごあいさつでも申し上げましたとおり、中立公正に委員会の運営に当たるという決意には変わりはございません。
#65
○前島英三郎君 私は、上野委員長とは昨年はオーストリアへ御一緒に視察旅行へ行ったり、それは私はお人柄も知っているが、しかし、今やマスコミの時代、開かれた時代で、あなたの一つの言動が大きな、我々の政党、いろんな方々に自民党が審議を妨害していると、それの一環であるというふうによしんば映るということは我々にとっても大変これは腹立たしい思いがしたわけでありますから、以後、委員長という立場をよく認識されて公正な委員会の運営を行使していただきたいことを心からお願いを申し上げておきます。
 そういう意味では、先ほどの下村泰さんの一昨日のあのことももう今や院内テレビで全国会議員が知っているわけですよ。そして、下村さんがあの行動の中で質問が終わってすっと歩いていかれたそのあたりでもう採決が行われたというのが証拠で残っているわけですから、こういうことをよく点検して、あなた方は与党の中で早く審議を終えたいという思いがわからぬでもないけれども、やはり我々は議会政治のルールをつくるという、ほかの法案じゃないんです、大変大切な法案でありますから、我々はしっかりと慎重な審議を重ねながら、問題提起をしながら、みんなで立派な法案を目指すというのはこれは至極当然であります。私があたかも審議引き延ばし、これもそうかというようなやじがありましたけれども、まことに遺憾であることを申し添えておきます。
 さて、もう一つ、私は若干腑に落ちないところがありますから申し上げておきますが、午前中の不信任案提出論議で辞任した本岡委員長、前委員長ですね、不信任議決の重さというのを本当に認識しておられるのか不思議であります。重い責任がわかっていないんじゃないかというような気がするわけです。解任された人が委員会で与党の筆頭理事におさまっておられることは、これもまた何かしっくりいかない、そういう思いがするわけであります。まあ、大臣を罷免されたらその後すぐ官房長官になったようなものでありまして、この辺も大変私は与党の良識を疑っておきたい、このように思っているところであります。
#66
○委員長(上野雄文君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
 ただいまの前島君の発言中に穏当を欠く言辞があったとの御指摘がございましたので、委員長といたしましては、速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
#68
○前島英三郎君 理事会で協議をするということですか。私は、一つの例えとして私の感想を申し上げたまででございます。
 さて、参議院にとりましては初めての政治改革法案の審議であり、総括を終わって常識的にはまだ入り口という段階であります。議会制民主主義のルールをつくる土俵づくりをするという非常に重要な法案であるだけに、私に言わせれば、これから委員長のもとで本当に徹底審議をしてもらいたい、こういう思いがあるんです。ところが、全体の報道を見ていますと、幾日には採決だの幾日にはどうだのと、どんどん一つのスケジュールが組み立てられているんです。
 そこで伺いたいんですが、委員長、今までこの委員会でどのくらいこの政治改革法案は審議されたか、時間的には掌握しておられますか。私は調べてありますから申し上げますが、三十五時間ちょっとなんですよ、よろしいですか。それで、申し上げますと、参議院のこれは生死にかかわるようなことが含まれておるわけですね。これはもういろんな議論の中で大変出てきておる。私に言わせれば、一つは、これは衆議院の公職選挙法である、こう言っても過言ではないもので、参議院あるいは地方議会すべての議員たちがもうがんじがらめに縛り上げられているような形の中においてこの参議院に送られてきただけに、私は徹底的な審議が必要だというふうに思っております。
 衆議院での去年の審議時間は、これも委員長御存じかどうかわかりませんが、合計二回にわたって行われましたので二百五十時間ぐらいやっているんですね。大体そのくらいやっているでしょう。二百五十時間全部とは制しませんけれども、せめてその半分ぐらいは絶対に審議してもらいたい、私はこう思うんですが、委員長のお考えを聞いておきたいと思うんです。
#69
○委員長(上野雄文君) 私もできるだけ審議ができるように努めてまいったところでございまして、お互い意見の一致を見て整々粛々と審議が進むということを心から願っている一人でございます。
#70
○前島英三郎君 さあ、そこで、いろいろな審議の中身も私たちも一生懸命勉強しておるわけでありますが、もう一つだけ、またしかられるかもしれませんが、しかられるかどうかは別として私の意見を申し上げておきます。
 先日、五日の本特別委員会には、話し合いがつかないうちに委員会が開会されましたために自由民主党の委員は出席をいたしませんでした。その間の質疑を参考にと思いましてVTRに収録をいたしまして、その後でVTRを見させていただいたのでありますが、中に参議院の基本的なあり方にかかわる重要な議論がありまして、私は非常に驚いたのであります。これは平野さんの御発言、平野さんの見解だったと思うんですが、これに対する政府側の答弁があったわけではありませんので私としては問題にするつもりはございませんが、しかし、私の考えだけはしっかりと述べておきたい、こういうぐあいに思うんです。
 間違っていたらまたおっしゃってください。
 平野さん、平野委員の発言の御趣旨は、元参議院事務総長が執筆された、参議院は政局の死命を制するような決定を原則として避けるべきであるという部分を引用されまして、だから政治改革四法案を継続にしたり廃案にしてはならないと非常に力んで発言をなさったわけであります。政治改革法案を成立させたいという熱意はまことに結構でございますが、議論の末、いいものであれば私たちもぜひ成立させるべきものと考えております。
 参議院は政局の死命を制するような決定を原則として避けるべきであるというのは参議院の自己抑制なんだそうですが、もし成立させるとすれば、それは自己抑制によってではなく、その法案自体がよいものだと判断するからであるはずであります。そして、参議院が存在する意味というのはそんな自己抑制にあるのではなく、全く反対に、衆議院の動きを抑制、補完することにあるはずである、私はこう思っているわけであります。
 まあ、あの発言は参議院を死滅に追い込むと言ってもいいほどの大変な発言であったと思いますし、自縄自縛の議論だというふうに思っておるわけでありますが、一般的に言えば、参議院が自己抑制すべきことは多々あると思うのであります。しかし、だから衆議院から送られてきた法案を六十日以内に通せということでは、参議院の存在価値をなげうってしまうとともに、参議院の自殺行為になると私は思うわけでありますので、このことはあえて申し上げておきたいと思っているところでございます。
   〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕
 さて、時間がもう四十分ぐらいになってしまいましたが、いずれにいたしましても、国会という場でこの時期に議論すべき課題は何か。きょうは官房長官、大蔵大臣にも早々から御待機いただいて大変申しわけないと思いますので、まずお二人にお伺いしておきたいと思うのでありますが、プライオリティーをつけるとすれば、未曾有の不景気をどうするか、それに光を当てる予算審議が何よりも優先されるべきであると、こう私は思います。
 政治のルールづくりということも基本的には大事なことでありますが、時期、順序ということも考えなければならないと思うんですね。政治改革の論議をしているうちに国民が干上がってしまったらどうするんでしょうか。一年の計は元旦にありといいますけれども、ことしの計はいつになるか、大変国民は不安の毎日だというふうに思うんです。
 大蔵大臣、平成六年度の予算編成が昨年末にで
きなかった本当の理由は何なのか、本当の理由、ぜひ率直に述べていただきたいと思います。
#71
○国務大臣(藤井裕久君) 現在の経済情勢というのは極めて難しい段階にあるというふうに私どもは受けとめております。
 また、私どもも年内編成をする準備をずっと進めてまいりました。しかしながら、昨年の十二月下旬でありましたが、総理より、特にこれは経済企画庁長官が中心でありますが、私どもも含めて、この際緊急に経済対策を立てるように、その中には第三次補正予算も含めてやるべきであるという御指示があり、現在、久保田企画庁長官のもとにおいて中旬をめどとして景気対策の立案をいたしておるところであります。
 その中に第三次補正予算も入っておるわけでありますが、まずその第三次補正予算をつくることによって総需要政策としての底入れをしっかりやっていく、これが非常に大事であるという認識のもとに、総理の御指示のもとにこの作業を進めている。これが現状であり、そのことによって景気に万全を期していきたい、これが私どもの考えてあります。
#72
○前島英三郎君 予算編成ができない、それは万全を期してやるんだという意気込み、それも何かしらむなしい響きに聞こえるというのは私だけではないと思うのであります。正直言って、景気はますます後退していまして、都道府県を含めて地方自治体も予算が組めなくて困っているという現実があるんですよね。現実があるんです。
 これは私の生まれ故郷の山梨県の新聞なんですけど、これを見てください。一面のトップ、「政府予算遅れシワ寄せ」、「県、市町村予算編成に苦慮」、これが現実なんですね。
 そこで、GNPのこういうことによるマインド的なマイナス効果というかマイナス的な部分がどのくらいになるかということをいろいろ試算している方々がいるわけでありますが、大蔵大臣はこれから張り切ってやるとしても、恐らくとても新年度予算が四月執行などということはもう難しいだろうと思いますね。第三次補正予算もどういう形で出てくるのかも雲をつかむような状況。消費税の問題も含めて、あるいは減税の問題も含めて、今まさしく国民は路頭に迷っているという言葉がふさわしいほどの状況だというふうに思うんです。
 そういう意味で、ことし一年、今のような形で一年の計を大蔵大臣として見詰めるならば、国民の総生産はどのくらいマイナスになるとあなたは読んでおられるか聞いておきたいと思います。
#73
○国務大臣(藤井裕久君) 経済見通しについての私どもの責任者は企画庁長官でありますが、前島委員から、私がどういう感じを持っておるのか、こういうことでありますからお答えいたします。
 私は、越年したということの心理的なマイナス面、これはなくはないと思います。しかしながら、現在、平成五年度予算、そして二回にわたる補正予算、さらに今回の第三次補正予算というものがずっと底固めのために今効果を発揮しつつある。特に第二次補正は、もう御承知のように、むしろ第三・四半期の末から第四・四半期の底固めをやるわけでありますし、今回第三次補正予算が院の御承認をいただけるならば、第四・四半期を中心とした底固めの大きな効果を持つと考えておりますから、若干の心理的効果を除けば、総需要的にいえばマイナスはないと考えております。
#74
○前島英三郎君 それは、しかし、大蔵大臣、甘いと思いますね。私は二十兆から三十兆円ぐらいのGNPのマイナスになるという見方をしている人たちのお話を聞いて、なるほどなという思いを大変強くしているわけであります。
 第三次補正のことも、官房長官はこの間のテレビで、二十日ごろにはまとめ上げるというような力強い発言であったように記憶しておるんですけれども、あなたは官房長官の立場としてこの越年に対する考え方、この景気の低迷の現状、予算編成の今後の、大体いつごろを目安に第三次になるのか、あるいは平成六年度の予算編成になるのか、そういう一つの心づもりをあなた自身は持っておられるんですか。
#75
○国務大臣(武村正義君) 今の日本の経済情勢が過去経験したことのない厳しい苦しい状況であることは、十分認識をいたしているつもりでございます。そんな中で年末の予算編成の決断が行われました。常識的に言えば大方の年は年内で編成をし終えているわけでございますから、昨年度も年内に予算を編成することの方が、景気がひときわ厳しいだけに、安心を持っていただけるという考えでありましたが、まさに諸般の事情と言うと抽象的になってしまいますが、この政治改革それから予算そのものも、大蔵大臣が今お答えしましたように、異例の第三次補正という積極的な方針を決断いたしまして、そういう意味ではいわゆる十五カ月の予算編成という新しい考え方で臨むことを決めましたこと等々考えまして、最終的には越年の決断をすることになったわけであります。
 やや、一カ月余り予算編成の時期がシフトしたことになりますが、しかし、やはり国民の大方の皆さんも、延びたことは残念だ、しかし中身だなと。本当にきちっとした第三次補正を編成するのかどうか、そしてそのことも含めてこの景気対策に対して、税の問題もございますし、あるいは規制緩和の具体的な措置の問題もございますし、土地や住宅に対する政策の問題もございますし、そういう中身をどう景気対策として細川政権が決めていくか、そのことをじっと大きな関心を持ちながら注視をいただいているというふうに思っておりますし、その国民の鋭い景気対策に対する御関心には総理を中心に全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っております。
   〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕
 政治改革の論議のさなかも政府全体としてはそういう意味で景気対策や予算編成の準備を着々進めているところでございます。
 第三次補正を二十日までに編成というふうに申し上げたことはありません。大蔵大臣が今申し上げた、中旬、月半ばに経済対策という方針、指示が総理からございまして、そのことを念頭に置いて、中旬というのは十日から二十日ぐらいまでかなと、中旬の中では一番おくれた時期になりますが、二十日ごろを目標に、今、経済対策、景気対策の取りまとめを政府はいたしておりますと、こういう発言を先般記者会見で申し上げました。
#76
○前島英三郎君 大丈夫かいなという思いを持ちますので、我々の議会制民主主義のルールづくりということももちろん大切だというふうに思うんですが、今何か永田町は政治改革問題に明け暮れておりまして、政治改革は必要なんだけれども、この時期に政治全体にとっては何が必要なのであるかということを我々は臨機応変に仕分けをしていきながら国政の中に参加をしていきたいものだというふうに思っているわけであります。
 今、諸般の事情と官房長官の話がありましたけれども、これも総理が八月に格好よく政治改革が年内にできなきゃ責任とりますなんというふうなことをやっちゃったものですから、何かそれにすべて右向け右のような形になって、何かプライオリティーの一番が政治改革であるというような思いを政府全体が持ってしまっているというところに私は国民の不幸があるように思います。
 経済や景気がマイナス一直線ということになりますとこれは大変な事態でありますから、この辺の責任も含めて大蔵大臣、再度決意を伺っておきたい、こう思います。
#77
○国務大臣(藤井裕久君) 今、前島委員御指摘のように、私は、経済というのは国民生活そのものであると考えておりまして、極めて重要に考えております。同時に政治改革も、今の政治の仕組みの根幹、仕組みの問題でありますから、同じように重要であると思っております。
 そこで、経済問題につきましては、私といたしましては、今申し上げたとおり、緊急の経済対策、そしてその中に含まれる第三次補正というものを通じてしっかりした底支えをするとともに、官房長官がお答えいたしましたように、この経済対策の中には、我々の、多くの方の御認識もそうでありますが、総需要だけでは解決しない構造問題と
いうものも含んでいるわけでありまして、全力でもってこれに取り組んでいるということを御理解いただきたいと思います。
#78
○前島英三郎君 官房長官、大蔵大臣、どうもありがとうございました。
 いよいよこれから、山花大臣、佐藤大臣、お待たせして申しわけありません。
 私は、選挙制度について委員会で質問させていただきますのは、本格的な論議といたしましては十一年ぶりぐらいになります。ちょうど参議院に比例代表制を導入するというあの昭和五十七年ごろ以来でございますから、まだ肩がやわらかくなっておりませんので、ぜひとも御懇切な答弁をいただきながら徐々に肩をほぐさせていただきたいと思っておりますから、よろしくお願い申し上げます。何かこの政治改革特別委員会がきょうは異様な雰囲気でありましたので、ひとつそういう意味ではキャッチボールするつもりで最初はまず伺っていきたいと思います。
 連立政権の中で、いや、もっと一般的な話で結構ですが、幾種類もの考え方や立場の異なった人々が集まって一つのことを決める場合、ある一つの政策を決定するといった場合、どのようになさるんでしょうね。山花大臣はつい昨年までは与党第一党社会党の党首であられたわけですから、しばしば取りまとめ役を果たされたと思うんですが、どのようにまとめられましたでしょうか。
#79
○国務大臣(山花貞夫君) 連立政権をつくるまでとつくってから今日までということになると思いますけれども、つくるまでということは、選挙の前に連立連合政権のあり方について一般的にそれぞれの政党の固有の主張を展開いたしました。その上で、さきがけ、新党の呼びかけ、政治改革政権をつくろうということにこたえて非自民の連立政権をつくる相談を始めたわけでありますけれども、これは八党派の合意ということで基本的な連立政権のあり方について規定したところでございます。
 そして、連立政権ができました後は、初めての経験ということでもありますから従来の政府・与党の関係とはやっぱりかなり違うシステムが必要になるだろう、こういうことで、今日の体制としては、もし正確を欠いたら後でつけ加えさせていただきますけれども、代表者会議という相談の舞台、あるいは政務連絡会、政務幹事会という連絡の舞台等々行いまして、それぞれの政党がそれぞれの政策部門で協議した結論というものを各党の代表である政務幹事の皆さんが持ち寄りまして一体となって政策をつくる、そして場合によって重要な問題については代表者会議にも上げるという経過などを行いまして、これを政府に対しても連立与党の意見として上げてくる、そうした経過というものがこれまでの政策づくりについての手続面における全体の流れではなかったかと、こういうように承知しているところでございます。
#80
○前島英三郎君 それはつまり、皆さんの意見をじっくり聞いて、小異を捨てて大同につく、あるいは最大公約数でまとめる、こういうことで理解してよろしいですか。
#81
○国務大臣(山花貞夫君) 一言で言えば御指摘のとおりだと思っています。
 やっぱり連立政権の政策づくりということにつきましては、それぞれが固有の政策を持っていたというところから、違う考え方、まあ生まれも育ちもと言われますけれども、政党として違ってきたわけです。それが政権としては、政府の政策はまさに一本でなければなりませんから、そこに至る過程につきましてはそれぞれ違う意見の開陳等も行うわけでありますけれども、その事前の議論というものは、あり方としては、できる限り国民の皆さんの前でフランクな議論を行う、そしてそれぞれお互い譲り合うところは譲り合って一つの政権の政策、政府の政策としてまとめていく、これが連立政権における政策づくりのあり方だと思っております。
 おっしゃったようなことで、それぞれが十分自分たちの主張が通らないまでも、お互い譲り合ってそのときの国民の声に耳を傾けながら結論を出して一つの政策にまとめる、これが基本的な姿勢であると心がけているところでございます。
#82
○前島英三郎君 そういう最大公約数の危険性といいますか、マイナス点といいますか、実は私は最大公約数ではなくて最小公倍数でなければならないと主張しているのでありますが、これがどんな意味であるかということは、山花大臣、おわかりになりますか、これはお答え結構です。
 算数は大変苦手でありましたが、学校時代から先生に最大公約数の方が実は小さな数字で最小公倍数の方が大きな数字だから間違えるなということを何度も言われたことを覚えておるんです。最大公約数というのは、幾つかの数があった場合、そのいずれをも割り切れる数のうちで一番大きなものでありますから、みんなが割り切れるということで取りまとめる場合に都合がいいということになっているわけですね。一方、最小公倍数といいますのは、幾つかの数についてその倍数が同じになる数のうちで一番小さなものであります。
 この最小公倍数の求め方ですが、最初は最大公約数の求め方と同じように一なら二、玉なら三という全部に共通の約数で割ってまいります。次はすべてに共通しなくとも、幾つかの共通する約数を探して割るわけですね。そして最後に割ってきた公約数とこれ以上割れなくなった数字。ちょうどL字形に並んでいる数字を全部掛け算して出しますね。だから最小公倍数のことをLCMと言うんだと、こういうことを習ったことを記憶しておるわけであります。
 さて、なぜその最小公倍数が大切で必要なのかということでありますが、この導き出すプロセスは非常に示唆に富んでおります。この政治改革の審議の中でも、この最小公倍数の必要性というのを私は言いたいわけですよ。それはまず最初は最大公約数を求めるのと同じでありまして、全員に共通する部分、会議で言えば満場一致の結論を出すことにほかなりません。次のプロセスは、全部に共通しなくとも複数に共通するものを求めますから、会議になぞらえれば多数決でまとまる結論を見つけ出すプロセスに似ているわけですね。最後に残ったL字形の下部の横に並ぶ数というのはほかのメンバーと異なる要素、異なる因子ということになりますから、これを会議になぞらえれば少数派もしくは個人のニーズや意見ということになるわけであります。
 具体的に数字を例に出してみますと、四と六と八という人が会議を開いたといたしましょう。四と六と八の最大公約数は二ですから、全会一致の結論は二ということになりますね。悲しいかな、六が抱えている三という因子は少数派ということで本日の会議の結論からは切り捨てられてしまう、こういうことになるわけです。ところが、六という人は、この三こそが最大にして最も深刻な問題であるといたしましたら、何のための会議であったかということになってしまうと思うんです。よろしいですか。
 障害を持つ私の立場で言うならば、障害を持つ人々が抱える問題の多くというのは、いわば最後に残った三という因子のようなものばかりなんです。今まで私たちもいろいろ取り組みましたが、まさにこの三という因子なんですね。ですから、障害を持つ人々の問題というのは、全会一致や多数決の発想ではしばしば無視されたり、あるいは軽視されたりしてきたという歴史があるわけですね。そこで、私は最大公約数ではなくて最小公倍数の原理が大切だと実は主張しているわけなんです。
 単に少数意見を尊重すべきだということばかりじゃないんですね。公倍数を求めるプロセスを見れば、ただやみくもに少数意見を取り上げるというんではなくて、全員が一致する部分、多数が一致する部分、共通しない部分というふうにきちんと合理的に整理をいたしまして、重複や過剰がないようにいわばニーズを絞り込まれているところであります。このことは大変政治改革の論議でも私は必要だと思っております。
 これが私が申し上げる最小公倍数の原理でありますが、これはまた私の政治に臨む基本的な原理
原点でもございます。そして、近年、こうした原理に基づきまして導き出されまして、いろいろ全会一致で実は障害者の問題というのは可決をされ、例えば障害者基本法に見られるように、全会一致というふうな形で国会でも形になっていくというプロセスがあるわけであります。
 このように、初めのうちは少数のものであっても、やがてみんなのもの、大きな流れになるというのは政治の潮流にも言えるんですね。現に、細川総理の日本新党というのは、参議院だけの小勢力であったんです。二年たって政権の一翼を担う勢力に成長したんですね。当初、一見異端に見えるというのは、実は最小公倍数の三と同じなんです。三の因子と同質なんです。つまり、問題をある時点で固定してとらえるのではなく、大きな流れ、動向の中でとらえることが大切であり、制度もそうした変化に対応できるものでなければならないと私は思っておるんです。だから、衆議院の公職選挙法であってはならない、参議院を見渡しあるいは三千三百の市町村を見渡した、こういう姿勢が私は政府のこの政治改革の法案のポリシーの中に欲しかったということを実は申し上げたかったわけであります。
 こうして考えてみますと、少数を排除することは未来を排除することなんだということに私はなり得るのではないかという気がするんですが、大臣、この私の最小公倍数の原理についてひとつ御感想を伺っておきたい、こう思っております。
#83
○国務大臣(山花貞夫君) 前島委員の御主張を伺っておりましたけれども、大変説得力があるものとしてお伺いしておったところです。結論の部分は若干政府の出した立場から違いますけれども、そこを除きますと、いわば政策意思決定についての手法といいますか、そのことについてわかりやすく数学的な最小公倍数、最大公約数という格好での御説明でしたけれども、一つの考え方といいますか、大事な私たちが忘れてはならない政策決定についての手法、あり方ということについては大変説得力あるものとして伺っておりました。
 最後に、政治改革との関連での御意見ということになりますと、当然一つには、全体の問題につきましてはそれなりに長い経過がございましたので、今回は政治改革の四つの法律といういわば全体の中での一部の骨格を示しているということでございまして、政治改革についての一歩二歩を進めていきたい、こういう格好ですけれども、当然政治改革の前に何があるのか。
 かつての自民党の政治改革大綱でも、まずみずからの改革、党の改革ということがあり、そして政治は倫理を重んずるというそうした見解が前提となった中で具体的な制度を含めての政治改革について触れておられたと記憶をしておりますけれども、実は立場は違いますけれども、私たちもそうした考え方はとってき、かつ主張してきたつもりです。単に選挙制度の問題だけではなくて、さまざまな政治改革のテーマ、もちろん国会改革を含め、議論する中の一つのテーマとして今度の選挙制度の問題についても考えてきたという経過がございます。
 したがって、考えてきた流れにつきましては私は今御指摘のとおりの考え方をとってきたつもりですが、最後のもう一つの論点である、そうした中におきまして少数の立場というものをいわば政治改革の中の制度の議論の前に忘れてきたんじゃなかろうかと、こういう御主張が一番最後のまとめではなかったかと思います。
 そうした問題につきましても、私たちはそういうつもりはなく、やっぱりこれまでの議論の経過の中で、こういうことだと思うんです。随分議論だけはしてまいりましたけれども、当時、かつての与党と野党が意見が対立してそれぞれの主張に固執しておるということでどうしても政治改革とりわけ選挙制度の問題、その他今回の関連する諸問題については解決することができなかったわけでありまして、そうした事態に対して解散総選挙もあり、国民の審判を受けた中で、その意味におきましては、従来の全体の議論の流れというものを踏まえ今回は何としても実現しなければならない、こうした課題を負うた中でそれぞれの野党も歩み寄りをし、そして骨格といたしましてはかって政府が提案した小選挙区比例並立制、そうした制度としての歩み寄りということについても思い切った歩み寄りをした中で、かつ振り返ってみると、今度の法案について中身を検討していただきますと多くの点で共通の部分があるのではなかろうかと思っております。
 もちろん、今回、自民党案として出た法案との比較においてかなり食い違いということも指摘されてはおりますけれども、全体としてはかなり実現可能な制度ということを前提として議論してきた経過があった、私はこれまでを振り返ってそう考えているところでございます。
 そうした中で、出した経過の中では当然この御主張のような部分についてもいろいろ議論もしたし、十分検討した中で出したつもりと思っておりますので、まだ個々の問題につきましては不十分ではないか、こういうおしかりをいただく部分というものも当然あると思っておりますけれども、そうした問題についてもこれからの議論の中で十分生かしていかなければならないと、基本的にはこう考えているところでございます。
#84
○前島英三郎君 自民党もかつて第八次審の答申を受けまして、そして政権交代が可能な仕組みにすることが政治の活力を生む、まあ自民党もいろいろ悩みながら取り組んできたわけであります。
 しかし、現実に政権交代が行われて、そしてその政権の中に大きな二大政党というような流れではなくて、すべての政党が、別に私は非自民というよりもむしろ類自民だと思っているんですが、社会党もかつてのような硬直した考え方ではない、あるいは新生党も自民党から出ていった人々である、あるいは日本新党も党首はかつて自民党にいた人であるというぐあいに、イデオロギーがもうほとんど変わらないんですね。変わらない状況の中にあるときに、なぜあえてこうした逆行するような、多様化する民意、しかも最小公倍数的なそういう考えから持っていくと、小さなものを切り捨てて行くような、規制緩和規制緩和ということからさらに逆行するようながんじがらめの規制を加えたこういう政治改革法案というものをなぜ政府として出されたのか、あなたはその責任者としてどういう考えをお持ちですか。
#85
○国務大臣(山花貞夫君) 重複を避けてお答えをしたいと思いますけれども、先ほど細川総理が昨年内、年内にこの政治改革実現ということを言ったではなかろうかと、こう御指摘がありましたけれども、それは総理の強い決意であったと同時に、選挙における有権者の審判を受けての発言であったと、こう考えております。
 そうした中では、やっぱり対立したまままた何年も時を過ごすというだけの時間的余裕はないということであるならば、これまでの議論を踏まえて結論を出さなければならない、こういう考え方の中で、その意味におきましては、さっき言ったとおり随分足りない部分はあるかもしれないけれどもということで議論をして出したものでございまして、委員が今おっしゃるとおり、ここも足りない、ここも足りない、一番大事な点はと、こういう点についてはかなり議論した上で私たちはそういう点を克服する内容になっているのではないかと思っています。
 それは、例えば単純小選挙区制の海部総理のときの案、あるいは八次審のときの提案、あるいは自民党の提案等々と比べると、今回は数は二百五十と二百五十から少し変わりましたけれども、比例部分についてはその意味において少数政党も出る可能性というものは、今挙げましたすべてのものに比べると一番可能性としては残しているのではないかと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
#86
○前島英三郎君 いかがでしょうかと問われても、それはもういかがにはならないんですよ。
 一つ宿題を出しましょう。佐藤自治大臣、お答えいただけるならあなたの見解で結構です。
 まず、公費助成という問題がありますね。これ
は三百九億円にした理由はいろいろ述べられた。自民党も確かに三百九億円であった。私はこの公費助成にはたとえ自民党案であっても私は批判的な立場を持っておるんですよ。
 そういう思いを持ってきますと、例えば公費で、三%に二院クラブの人たちやスポーツ平和党はひっかからないから、何とか二%にするだの何だのと勝手な発言もあるようですが、よろしいですか、これは議員五人に対して二分の一の補助になるんですね。そして、集票した一つの得票数によってあとの二分の一は振り分けられると、こういう認識で佐藤さん、よろしいですか。
#87
○国務大臣(佐藤観樹君) 御指摘のように、政党助成法におきまして政党交付金というのは議員の数で配分する分が総額の半分、それから得票率で配分する分が半分、こういうことでございますから、委員御指摘のとおりでございます。
#88
○前島英三郎君 私はもう時間がありませんから、あといっぱいありますが、きょうは公費助成のところだけ、一つ申し上げておきます。
 参議院の東京選挙区は四人が当選しますが、一人大体平均八十万から百万票ですね。小選挙区では、例えば、政党の中で当選してくる人が、今度の単位では四十万そこそこの中から一人選ばれてくるわけでありますから、十万とれば当選と仮定しましょう。そうすると、東京選挙区で百万票とった人と衆議院の小選挙区で十万票の人はそれぞれ選挙活動費には十対一の大きな差が出るというのは、これはしょうがないことですか。それは当然なことだというふうにお考えになりますか。
#89
○国務大臣(佐藤観樹君) やはり面積が大きくなれば対象の有権者数も多くなってくるわけでございますから、その意味で私は、今例に挙げられました東京の百万票の方がやはりお金はかかるというのは常識だと思うのですね。
#90
○前島英三郎君 何。ちょっと待って。ちょっと勘違いしているから整理すると、つまり小選挙区で十人当選してきた人と東京選挙区で参議院では一人当選してきた人、したがって、公費の政党助成というのは、つまり一対十の大きな開きが出るということを言っているわけですよ。それが平等と言えるかどうかということを言っているわけです。
 よろしいですか。つまり、これから公営選挙になろうとしていくわけでしょう。参議院で百万票とった、しかしこれは一人としてカウントする。しかし、百万票という数に対しては百万票の公費助成がある。小選挙区激戦、これは大きな選挙区、小さな選挙区、激戦ということは変わりはありませんよ。小さな選挙区で十万票をとった人が十人寄っても、東京で一人で選ばれた参議院の人と二分の一は同じ価値になるんだけれども、それで矛盾はないか、こういうことを言っているわけです。
#91
○国務大臣(山花貞夫君) 正確にもしかすると質問の御趣旨を受けとめていない部分があるかもしれませんけれども、衆参の場合でも、あるいはそれぞれの衆議院、参議院の全国的な比較におきましても、今、委員御指摘のような票の多寡によって一つの議席というものはあるのではなかろうかと思っています。結論的にはそれぞれの選挙制度における国民代表を一人選ぶというシステムの問題だと思っています。
 例えば、私も自分の経験で言うならば、一番最初は衆議院でしたけれども、三万何千票で当選した方もいらっしゃいましたけれども、私は十四万票ぐらいで落選をいたしました。同じ選挙でもやっぱり地域によってはそういう違いがあるんだと思っています。私は東京の外れの方、外れといいますか、西の方ですけれども、人口三百万から三百七十万、選挙区は昔一つでしたけれども今二つになっております。そういうふうに地域によって当選の票数は違ってくるわけでありますけれども、その票の多寡によってそれぞれの一人の議員の資質、資格といいますか、それは違ってくるものではないと思っています。
 したがって、衆議院、参議院につきましても、議員の数によって配分するということにつきましては、その人がどれぐらい票をとったか十倍とったかということとはやっぱり違って、一人の議員を生み出したということに対する評価としては客観的な一つの基準になるのではなかろうかと思っております。政党交付金については客観的な基準によってしなければいかぬということですから、議員の数についてやるということについては、票差があったとしても私は客観的な基準になり得るのではなかろうかと思っているところです。
#92
○前島英三郎君 ちょっとよくわからない。立て板に水のようにしゃべられるけれども、非常にポイントをあなたはずらしている。
 私は思っているんですよ。例えば、参議院が非常に選挙制度のもろもろで縛りづけられているという例をもう一つ申し上げますと、西川潔さんは大阪で無所属で当選してくる。二院クラブという五人の会派に入ると公費の助成がある。しかし、あの人が、無所属として大阪で百万票近い票をとった者にはこの公費は助成されない。これはこういう認識でよろしいですね、彼は無所属で戦いますから。はいどうぞ、答えてください。
#93
○国務大臣(佐藤観樹君) 無所属という立場では、いわゆる得票率という面にはカウントされませんので、御指摘のとおりでございます。
#94
○前島英三郎君 そうすると、つまり二分の一は、五人の会派をつくっても、どのような激戦の中で戦ってきても、選挙の得票に対する公費助成というものはまずそれはないんだ、こういう認識ですよね。つまり、同棲はだめよ、結婚式を挙げなければだめよという発想なんですよ、いいですか。
 つまり、働いていて、やってきて会派をつくった。そして五人になった。公費助成の二分の一は来る。ほかのところは戦った汗に対しても税金が配分されていくのに、それは偽装的な集団ですから二分の一しか与えませんよという仕組みなんですよ。それはイエスかノーかで答えてくれますか。
#95
○国務大臣(佐藤観樹君) 法の趣旨全部を流れているものは、政党本位、政策本位の選挙に変えていこうということでございますから、そういう結果になります。
#96
○前島英三郎君 ですから、私はこれも今後のいろいろ議論の中の一つの問題点として申し上げている。そもそも衆議院の戦い方と参議院の戦い方は違うんです。衆議院の政党政治という方向、参議院は、これからあるべき参議院はどうしようかというような思いにも立って勉強会をしているという流れもあって、非政党化という方向、これがむしろ二院の意味なんです。ですから、私は衆議院のこの法案の根底には参議院無用論があるということを非常に危惧しているわけです。
 ですから、この公費助成にしても、衆議院の公費助成のあり方と参議院の公費助成のあり方というのは別建てでなければならない。背景が違うんだから。選ばれてくる民主主義のコストが違うんだから。その辺はどうお考えになりますか。修正するお考えはありますか。
#97
○国務大臣(佐藤観樹君) 御承知のように、総額三百九億なら三百九億を衆議院と参議院に半分ずつ分けます。そして衆議院は議員数と得票数によって分ける。参議院も同じ分け方にするわけでございます。
 今、前島委員が冒頭に言われましたように、参議院の場合、東京でとられた何十万と、地名を出して申しわけございませんが、鳥取とか島根とかこういうところでとられた票もみんな一議席ですから、議席数で割るというのは不公平ではないかと言われることは確かに不公平かもしれません。しかし、それはやはり民意を国会の中で反映をさせるということに着目をしてやっておるわけでございますので、どちらも一議席は一議席なわけですね。ですから、議席割という面においては、それはそれで御理解いただきたい。
 それに票数の方、パーセンテージの方はとった票が生きてくるわけでございますから、例えば東京で百万票とられたのと鳥取で三十万票とられたのとは、百三十万票ということになるわけでございますから、それは……
#98
○前島英三郎君 参議院同士はいいんです。衆議院と参議院は同じ考えの土俵にあるわけでしょう。
#99
○国務大臣(佐藤観樹君) もちろんそうです。そしてその前提としては、四法案に流れておりますのは政党本位、政策本位ということでございますから、それはそういう思想で流れております。
#100
○前島英三郎君 その辺は宿題にしておきます。
 いいですか。一つ。一分あるから一つだけ。
 記号式のところで、視覚障害者はなぜ記号式ができないんですか、自書式にしているんですか。私は非常にこれも不公平だと。また、なぜ全部を記号式にしなければならない理由があったのか。日本は識字率が高いんですよ。そういう意味では、しっかり「山花貞夫」と書くところに本当に選挙民と政治家とのつながりがある。マルなんていうようなことはだめだと思う。しかも、それを視覚障害者だけは郵便投票も含めて記名式にするというのは、非常に私は違和感があるし、公平を欠いていると思いますけれども、その辺だけ一点。
#101
○国務大臣(佐藤観樹君) これも実はいろいろと研究をしてみた結果、例えば点字の場合には自書式にしたわけでございます。
 と申しますのは、言うまでもなく、限られた期間の中にこの点字の投票の前の紙をつくり、かつその投票用紙をつくるということは非常に時間的なことからいっても困難性もありますし、それから実際にどこにその点字を打つかというのはなかなかわからないんだそうです。これは実際に聾唖連盟の方とも相談をして、やはりこれは自分で名前を打った方が正確に書けると。つまり、打つにしてもどこに打つかというのはなかなか投票用紙ではわからないということまで研究をいたしまして、この際、点字投票につきましては自書式にした方が投票者のためである、こういうふうにいろいろ研究して判断をしたわけでございます。
#102
○前島英三郎君 理由にならない。やっぱりそれは理由にならない。説明にならない。
 終わります。(拍手)
#103
○委員長(上野雄文君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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