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1993/01/13 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第12号
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1993/01/13 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第12号

#1
第128回国会 政治改革に関する特別委員会 第12号
平成六年一月十三日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月十二日
    辞任         補欠選任
     前島英三郎君     合馬  敬君
     直嶋 正行君     江本 孟紀君
 一月十三日
    辞任         補欠選任
     会田 長栄君     糸久八重子君
     竹村 泰子君     堀  利和君
     猪熊 重二君     横尾 和伸君
     高崎 裕子君     有働 正治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上野 雄文君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                関根 則之君
                松浦  功君
                一井 淳治君
                本岡 昭次君
                白浜 一良君
                平野 貞夫君
                吉田 之久君
                吉川 春子君
    委 員
                合馬  敬君
                岡  利定君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                清水 達雄君
                鈴木 貞敏君
                楢崎 泰昌君
                野沢 太三君
                星野 朋市君
                村上 正邦君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                糸久八重子君
                岩本 久人君
                川橋 幸子君
                角田 義一君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                猪熊 重二君
                続  訓弘君
                横尾 和伸君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                江本 孟紀君
                有働 正治君
                高崎 裕子君
                青島 幸男君
   衆議院議員
       修正案提出者   堀込 征雄君
       修正案提出者   岡田 克也君
       修正案提出者   柳田  稔君
   国務大臣
       法 務 大 臣  三ケ月 章君
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤 観樹君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 武村 正義君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (政治改革)   山花 貞夫君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第三
       部長       阪田 雅裕君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       大蔵省主計局次
       長        竹島 一彦君
       自治大臣官房審
       議官       谷合 靖夫君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○政党助成法案(内閣提出、衆議院送付)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(橋本敦君
 発議)
○政治資金規正法の一部を改正する法律案(橋本
 敦君発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。
#3
○吉川春子君 委員長。
#4
○委員長(上野雄文君) 吉川春子君。
#5
○吉川春子君 私は、証人の出頭を求めることの動議を提出いたします。
 政治改革の大前提である金権腐敗問題の究明のため、細川総理の佐川急便からの一億円借入にかかわる真相解明の必要から、細川総理の元秘書深山正敏君を証人として、来る一月十九日に本委員会に出頭を求め、その証言を聴取することの動議を提出いたします。
 引き続き、集中審議の開催を求めることの動議を提出いたします。
 政治改革の大前提である金権腐敗問題の究明のため、来る一月二十日午前十時よりゼネコン疑惑、佐川問題等の真相解明のための集中審議を開催することの動議を提出いたします。
 委員各位の御賛同をいただきますよう、委員長のお取り計らいをお願いいたします。
#6
○委員長(上野雄文君) ただいまの動議の取り扱いにつきましては、後刻、理事会において協議いたします。(「ちょっと待ってください」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(上野雄文君) 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第一号)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(閣法第二号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第三号)及び政党助成法案(閣法第四号)(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに公職選挙法の一部を改正する法律案(参第三号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第四号)(いずれも橋本敦君発議)、以上六案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。(「待て待て、だめだ。はっきりしろ、はっきり」「理事は何をやっているんだ、わからぬじゃないか、我々には」と呼ぶ者あり、その他発言す
る者多し)
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○森山眞弓君 質問に入ります前に、ただいま吉川委員から提案されました動議についてどのように処理をなさるようにお決めになったのか御説明をいただきたいと思います。(「何もわからぬじゃないか、我々には。はっきりしろ、もう一度。いいかげんにしろよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#10
○委員長(上野雄文君) お静かに願います。(「だめだよ、我々にわからぬじゃないか。何を言っているんだよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#11
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
 先ほどの共産党の動議につきましては、その取り扱いを、後刻、理事会において協議いたします。重ねて申し上げました。(発言する者多し)お静かに願います。
 それでは、森山委員の質問、騒音でちょっと聞こえませんでしたので、大変申しわけありません、もう一度。
#12
○森山眞弓君 先ほど、最初に私は、委員長がどのようにお裁きになったのかを聞かせていただきたいというふうに申し上げたのです。
#13
○委員長(上野雄文君) そのことですね。ただいま申し上げたとおりでございます。(発言する者多し)
#14
○森山眞弓君 済みません、もう一度はっきりおっしゃっていただけますか。
#15
○委員長(上野雄文君) 私が申し上げたのも、二度申し上げたのもお聞き取りになれませんでしたか。
#16
○森山眞弓君 もう一度、全員によくわかるようにお願いいたします。
#17
○委員長(上野雄文君) 先ほど共産党から提出をされた動議につきましては、こう申し上げたんです。
 ただいまの動議の取り扱いにつきましては、後刻、理事会において協議いたします。
 以上でございます。
#18
○森山眞弓君 私は、平成元年に自由民主党の政治改革本部の一員といたしまして、そこにおいでになる現官房長官の武村先生などと御一緒に党の政治改革大綱を立案した一人でございます。以来、政治改革につきましては一貫して自分なりに努力をしてきたつもりでございます。
 その後、いろいろ紆余曲折を経まして、衆議院を経て今日参議院でこのように審議が続行中であるというところまで参った事態を見まして、一種の感慨を禁じ得ないものでございます。そして、一生懸命やってきただけに、ぜひ本当によい改革として実現してほしいということを心から願っているわけでございます。
 これからの日本の政治を本当によいものにしでいくために、また二十一世紀、新しい事態にしっかりと対応していく政治をつくっていくために、ぜひともよい改革をしていかなければならない、そう思うわけでございます。改革のつもりでやってみたら抜け穴だらけ、食い違いだらけ、かえって支離滅裂で政治が混乱する、国民には迷惑をかける、国の将来を誤るというようなことになったのではとんでもないことでございます。
 そこで、幾つか気になる点について主なものに絞って質問をさせていただきたいと思います。
 私がまず最初に申し上げたいのは、当時から主張していたことでございますが、政治改革は衆議院だけの問題ではないということであります。国会は衆参両院から成っていることは言うまでもございませんし、さらに地方も含め、政治についてすべてのことを全体として見直すべきであるというふうに思うのでございます。このような点について政治改革担当の山花大臣はどのようにお考えでしょうか。
#19
○国務大臣(山花貞夫君) 今の森山委員御指摘のとおり、全体としての整合性ということについてはこれからの選挙制度のあり方として大変重要なものだと考えております。
 しかし、これまでの経過を振り返りますと、今お触れになりました、御努力いただいた自民党の政治改革の大綱に始まり、とりわけ八次審の段階で衆参の選挙制度については議論されたところでございます。また、その後も引き続いて、それぞれの党内において参議院の制度についてかなり議論がなされてきた経過についてもできる限り勉強してきたつもりでございます。
 もう数年前の五月だったと思いますけれども、自民党内で森山委員が提案いたしました参議院についての提案につきましても、大体、比例ではなく選挙区を中心として、全都道府県と十一の指定都市そして東京特別区は別として、当初は百十八、あるいはその後は百万人に一人といった提案等についても勉強させていただいておりますけれども、そのときにもたくさんの御議論があって議論がずっと続いてきたという経過ではなかったかと思います。
 選挙制度審議会においても、抜本的なところについてはまだ詰めの作業が必要であるということで、衆議院については具体的な提案となりましたが、参議院につきましては当面の問題として、拘束名簿式、比例代表の部分について個人名を入れることと、もう一つは選挙区定数の問題について、当面そこまでということで、まずは衆議院について制度を実現し、そして当面それが前後どうなるかは別として、二つの提案をした中で全体の問題点の整理はかなりされたと思っておりますけれども、国会の議論にゆだねた部分もあったのではなかろうかと思っております。
 ちょっとくどくど申し上げましたけれども、全体そうした流れの中で、まずは衆議院を今回の提案によってお願いをして、直ちに参議院につきましても、憲法の二院制の趣旨を生かす、こうした原点を踏まえながら国会で御議論をいただく、こういう気持ちを持ちまして今回提出させていただいた次第でございます。国会の御議論、そしてそのことと呼応しての政府の努力というものが大変必要である、このことについては十分わきまえているつもりでございます。
#20
○森山眞弓君 なるべく簡単にお答えをいただくようにお願いいたします。今、大臣御自身でもおっしゃいましたように、ほかの参議院なり地方議会なり、その他首長の選挙もございます。それらをすべて含めた政治の改革が最も重要な最大の目標だと思いますので、そのことを考えますと、今回の政府提案は、るるおっしゃいましたように、衆議院のみにかなり重点がかかっている。衆議院の選挙制度改革法だと言ってもいいくらいでございまして、参議院のサイドから見ますと非常にたくさんの疑問がわいてくるわけでございます。
 私が三年も四年も前にその当時の状況で考えました案についてわざわざ御勉強いただいて、今御披露くださいましたのは大変恐縮でございますが、あれからいろいろな議論がその後も積み重なりまして、私自身もいろいろと勉強をいたしました。ですからこの際、やはり参議院については衆議院とあわせて両翼の一環なんですから、どのようなことを政府としては考えていらっしゃるのか。政府が衆議院についてこれほど詳しい内容のものをお出しになる以上、それと見合いで参議院はこうあってほしいというイメージぐらいはおありになってもいいんじゃないか。法案化するのはいろいろ大変だということはわかりましたけれども。
 ですから、一つに絞らなくても、例えばA案ではこう、B案ではこう、それがだめならC案でどうでしょうかというような三つや四つの案がある程度おありになるはずではないかというふうに思うのですが、ごく簡単に御説明ください。
#21
○国務大臣(山花貞夫君) 現在の段階でA案、B案といったものについて政府は具体的なものを持っておりません。
 今回、御指摘のような問題点がある中で、まず衆議院から提案させていただきましたのは、過日
の総選挙の結論、国民の審判を踏まえて、何よりも政治改革をスタートさせなければならない、こうした国民の審判の結果を重く受けとめた中で、二、三年時間をかけてということではなく、政治不信解消のためには直ちにスタートしなければならない、こうしたところに大きな理由があったものと我々としては考えているところでございます。
#22
○森山眞弓君 政府としては何も案がないとおっしゃるのは甚だ無責任だというふうに私は思います。また、今のお言葉から察しますのに、与党の各党におきましても、必ずしもまとまった案がおできになっている気配はないようでございまして、これはまことに心もとないことだというふうに思うのです。
 自民党は自民党なりに、参議院はこうあったらどうかというようなものをまとめてございまして、もう既に何カ月かたっております。それをごらんになったはずでございますので、それも参考にしていただいて、各党が勉強をしていただいて、政府も大至急まとめていただくようにお願いしたい。本当は両方並べて出していただくべきであると思うんですけれども、それはやってないとおっしゃるんですから、これからでもできるだけ早く案をまとめていただくようにお願いしたいと思うんです。
 第一、来年はもう参議院の選挙なんです。そして、その参議院選挙の前に地方議会の統一選挙もあるわけです。地方議会の議員さん、何万人といらっしゃる方々が大変心配をしているわけです。ですから、衆議院の選挙制度の改革、その気持ちはわかるけれども、自分たちは一体どうなるのだということで、非常に不安が全国にみなぎっているわけでございまして、地方議会の議員の制度をどうなさるか、また参議院はもちろんのことできるだけ早くおまとめいただいて、来年のそれぞれの選挙に十分間に合うようにやっていただきたいと思うのですが、その点の御計画はいかがでしょうか。
#23
○国務大臣(山花貞夫君) 参議院の制度に加えて、今、森山委員、地方の選挙についても御質問いただきましたので、地方の部分は自治大臣の方にもちょっと補足していただきたいと思っております。
 確かに、御指摘のように、もう参議院の次の選挙の時期というものを考えますと、前回の改正のときを振り返るならば、たしかあのときには前の年の九月ごろまでには成案ができておったということではなかったかと思っています。そうなってくると、ことしの九月ごろといいますか、通常国会明けといいますか、その辺のところまでにかなり具体的なものにならなければ、次の選挙で一体どうなのか、こういう問題になってくると思います。
 そうした問題点につきましては、今自民党の過日の参議院選挙制度改革大綱についてお触れいただきましたけれども、連立与党側でもちょっと前はかなり、たしか私の聞いているところでは毎週一回ぐらい集まってというふうに伺っていましたけれども、それぞれの立場で鋭意研究されておるということについても承知しているところでございますが、やっぱり衆議院の場合には、海部内閣当時から具体的な提案があって、それで国会の議論が与野党で進んできた、議論の詰めがあったというところが実は土台になっていると思っております。したがって、今回もその意味におきまして、参議院のまずは院における御議論というもの、そのことも必要ではなかろうかと思っているところでございます。
 ただ、全体的なスケジュール的なことを考えると、そうした意味でこの次の通常国会の終わりごろまでには、一体どうするかという問題について本格的な、あるいはそうなるのかならないのかを含めて、ひとつそこを目指して努力しなければいけない、こういうように思っているところでございます。
 地方選挙の関係は、ちょっと補足していただきます。
#24
○国務大臣(佐藤観樹君) 自治体選挙のあり方につきましては、委員御承知のように、国との選挙制度の整合性ということも大事でございますけれども、あわせまして、御承知のように首長というのは直接選挙で選ばれている、いわば俗に言う大統領制的要素を持っているということで、政治機構自体が全然違うわけですね。
 そういう中において、一体そういう中におきます議員の選挙のあり方はいかがか、あるいは政党とのかかわり合い方というのは、地方の場合には国政の場合と随分違ったところもあります。
 それから、地方分権という大きな流れの中でこれからどうしていくかというのは、トータルでこれからこの四法案を通していただいた後、参議院の改革、そして地方の選挙制度の改革に早急に取り組んでいかなきゃならぬ、参議院におかれましても議論をいただきたい、こういうのが政府の立場でございます。
#25
○森山眞弓君 何でも参議院で議論してください、政府は何も用意してございませんというのは大変無責任だということを繰り返し申し上げたいと存じます。
 そこで、次に移ります。
 先日来、ここの委員会に出席しておりまして、ずっと皆さんの質疑を聞いておりました。衆議院における議論を踏まえた上で、さらにそれを深めるということですから当然かもしれませんけれども、参議院は参議院の立場から衆議院とは違った切り口で、私に言わせていただければ衆議院よりもやや濃密で的確で、レベルもはっきり言って高いという感じの鋭い質問を次々にさせていただいているというふうに自負しております。
 参議院がそれぞれの道の専門家をたくさん抱えておりまして、より広い視野から、幅の広い、奥の深い専門的な議論ができる場になっているということは、これこそ世に言われる良識の府というものを実証したのではないかとひそかに考えたわけでございますが、そのような事態がこのように実際に実現しておりますのは、やはりそれぞれの選挙のやり方、基盤が違うから、それによって補完し抑制し均衡していくということができるのではないか。国政にとって非常に重要な案件については、それぞれの特徴を生かしてそれぞれのいいところを出し合って抑制、均衡を図っていくということが望ましい。それが二院制の非常に重要な最大のポイントだと思うんです。
 ところが、この政府提案の衆議院の選挙制度は小選挙区比例代表並立制ですね。それはわかったんですが、その並立制の基盤が、比例代表による選出議席を全国基盤としているというのは、これは非常に重大な問題だと思います。これは基本的には参議院とほとんど変わらない。そういう人たちを衆議院に今の案では二百二十六人つくるんだということですね。これは大変大きな問題がこれから生じてくる非常に重大なことだと思います。
 参議院と同じことをなぜやるんですかというのは一般国民からもよく聞かれる話でありまして、ここの大臣方の御答弁を聞いておりますと、ここが違う、あそこが違うといろいろ違うところを御説明になりますけれども、国民にはそれはわからないわけでありますし、実際上私どもにとってもそんなに違うとは思えないわけです。
 衆議院の先生方は地域の代表、より地域に密接な立場ということが大変大事な性格なのでありますから、できるだけ有権者に近い身近なもの、顔の見える人たちということで都道府県単位になさるということが私にとっては不可欠の条件だというふうに思えるのでございますが、いかがでしょうか。
#26
○国務大臣(山花貞夫君) 前段のポイント、衆参の二院制の趣旨をという点については、もう大前提にしなければいけないと思っております。そこで、参議院の独自性、自主性ということについて、制度とはまた別の意味におきましても参議院の御努力があったものと承知をしているところでございます。
 後段の部分につきまして、今回の制度、衆議院に比例代表を取り入れたところがいかがかと、こ
ういう御趣旨だったと思いますけれども、今、森山委員御指摘のとおり、どういう形の代表の制度かということにつきましては、今その地域、地方の代表的な性格についてお触れになりましたけれども、憲法の原則からすると憲法四十三条の「全国民を代表する」、こうした資格は両院ともに持っているわけでありまして、その意味におきましては単に地方の代表ということだけではなく、全国民を代表するというそういうところも踏まえた中で、さらにそれ以上に二院制の趣旨からすればどうすべきか、こういった観点で考えなければならないところだと思っています。
 そうした中で、衆議院におきまして今回は御承知のとおりこれまで長い議論がありまして、与党と野党の議論というものが相対立しておりました。一方における単純小選挙区、一方における比例を中心とした併用制、こうした格好で長い議論の中で遂に、もうこの前の経過は振り返りませんけれども、妥協することができず、歩み寄ることができずに内閣が解散と、こういう事態までなったところでございます。
 そうなってまいりますと、それぞれ自分たちの主張ということだけにしがみついておりますとどうしてもできないということから、そこでは妥協点といいますか、成立可能な視点というものも衆議院の選挙について大変大事になってきたわけでございまして、そうした観点から、これまた正確さについてはさておきまして、それぞれの御主張であった民意を集約する小選挙区の制度、また民意を反映する比例代表の制度、これをうまく組み合わせようと、こういう格好で今回の制度になったところでございます。
 その意味におきましては、民意反映というところ、もう小選挙区なんですから、一方においては全国レベルでの比例代表ということがやっぱり一番民意を反映するものではなかろうか、こういう提案をさせていただいたところでございます。
#27
○森山眞弓君 国会議員が、衆議院であろうと参議院であろうと、民意を全体的に代表するものであるということは当然のことであります。だから、民意をバランスよく代表するためには、それぞれの選挙の基盤が違わなければいけないということを言っているのであって、比例代表並立制がだめだと言っているのではありません。ただ、全国規模の比例代表では参議院と同じじゃないか、それではそれこそバランスよく代表することにはならないじゃないかと言っているわけなんです。
 大臣は全国規模の方がいいということをおっしゃっておりますし、それ以外には考えられないようなお話をされておりますけれども、それをおっしゃるということは、参議院と同じでも構わないんだというお考えなのか、あるいは参議院の方を変えるべきなんだとひそかに考えていらっしゃるのか。例えば、全国比例代表制を参議院ではやめてしまえということを考えていらっしゃるのか。何も先に考えがなくて現に参議院でやっているものを衆議院の方に導入するというのは、おかしいではありませんか。
 おととい、参考人からも、このようなことを参議院でこのまま通すということは参議院の自己否定であり自殺行為だと、こういう御指摘がございました。このことについてはいかがでしょうか。
#28
○国務大臣(山花貞夫君) 参考人の有識者の皆さんの御意見については私も承知をしておりますけれども、それぞれの立場からお述べになもれておったわけでありまして、森山委員今御指摘の御主張だけがあったのではないと承知をしているところでございます。
 質問の御趣旨は、比例部分については同じではなかろうか、こういう御指摘ですけれども、前提として一つ申し上げたいと思いますのは、先ほど来申し上げておりますけれども、参議院の抜本的改革ということについては今回は政府としては先んじて意見を述べないし、そこには今回の改正においても触れていない、こういうことでございます。その点についてはこれからの議論ということになるだろう、基本的にはそういう姿勢です。
 第二番目に、同じものではないかという御指摘ですけれども、衆議院の場合には、決定的に違うのは、政党本位の選挙制度というものを衆議院に採用し、そこからくるそれぞれの腐敗防止のための施策、あるいは政治資金についても制度を変えたということでございます。したがって、重複立候補の制度とか、何といっても解散の問題、任期の問題、半数改選の問題、制度的にも選挙制度自体としてこういった大きな差があるわけでございますので、その選挙の母体ということだけでは、同じであるという結論にはならないものと考えているところでございます。
#29
○森山眞弓君 今のお答えは大変無責任と言わざるを得ません。しかし、お言葉の中に政党本位の選挙をやるというふうにおっしゃいました。衆議院は政党本位になるためのいろいろな工夫がしてあって参議院とはちょっと違うんだという御説明でございましたが、そうなりますと、比例代表の方々は特に党のリストによって当選されるということになるわけですから、在職中に党を変更するということがもしもあったとしたら、これはどうなるんでしょうか。現在までに参議院の中でも幾つか実例がございまして、そのたびにいろいろ議論がございました。これは何とかしなければいけないということを具体的に考えていたわけでございますか、いかがなんでしょうか。
 そしてさらに、比例代表制の先輩のヨーロッパ諸国というのがたくさんあるようですが、そういうところではどんなふうなことをやっているのか研究なさったんでしょうか。
 先般、参考人から、党議拘束について比例代表の議員の立場というものが議論されました。党の公約や方針に従わなかったらどうなるのかという点について、そんなことを言っても選挙のときにどの党も大した公約はしていないじゃないかと参考人がおっしゃいまして、一同苦笑したわけでございますが、私が今申し上げました党籍の離脱や変更というのははるかに重く大きい意味があるはずだと思うんです。有権者は党に投票するわけですから、当選した個人はその党にいて働いてこそ初めて存在意義があると私は思います。
 私は、自分のことを申し上げて恐縮ですが、比例ではございませんで栃木県の選挙区の選出でございますが、重要案件の投票をするときには自分の行動について自分を支持してくださった方々がどう思われるだろうかということが常に頭にあります。そして、その可能性があるときは主な方々に相談をするとか、終わった後でできるだけ多くの方に報告をするとか、恐らく議員の皆さんはそういう心がけでやっていらっしゃるはずだと思うんですが、そのようなことを考えますと、党籍を離脱する、あるいは変更するというようなことは非常に重大な問題だと思います。
 今までそういうことをなさった方がどういう過程を経でどういう御決心をされた結果実行されたのか、それはわかりませんけれども、生選したらば後は自分の勝手と言われてもやむを得ないような、そういうことは、もしもそれを見逃せば有権者の不信を一層買うことになりますし、ひいては民意を代表するという議会制民主主義の崩壊にもつながっていくかもしれない。そういうことを考えますと、これは大変重大な問題だと思うんです。
 このことについてはどのようにお考えなんでしょうか。これは放置すれば悪用される心配もあるのでございまして、どういうふうにチェックをなさるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(佐藤観樹君) この問題は、参議院に比例代表を入れますときから、実は制度をつくる前から大変な議論を呼んだところでございます。私も、自治大臣の立場でそういうことを言ってはいけな小のかもしれませんが、気持ちは森山委員と同じでございます。なぜ政党の枠で出てきた者が政党を離れて議席があるかということについては一般国民は素朴に思うと思うし、また先ほど言いましたように大変議論を呼んできたところでございます。
 ただし、憲法四十三条の全国民を代表する議員
ということで規定されている中身というのは、比例代表という形で政党の枠の中で当選をしても一たび議員になった場合にはもう既に全国民を代表しているんだ、したがって法的には何物にも拘束をされない独立した議員という立場になるんだという解釈になりまして、党を離れた場合でも直ちに議員の身分を剥奪することはできないというのが長年の憲法解釈になっておりますので、もちろん御承知の上の御質問ではございますけれども、ひとつそういうことになっていることを御承知おき願いたいと存じます。
#31
○森山眞弓君 外国はどうですか。
#32
○国務大臣(佐藤観樹君) 外国のその面については、憲法も違うものですから、ちょっと調べておりませんので、答弁できるときにお答えさせていただきたいと存じます。
#33
○森山眞弓君 余り自信のなさそうな御答弁でございますが、みっちりもっと詰めていかなければならない重要な課題だと思いますので、さらに御検討をお続けいただきたいと存じます。
 次に、小選挙区の問題ですけれども、小選挙区は各党一人の候補によって政策で争う、それこそ政党本位であるというふうにおっしゃるわけで、それがポイントでございます。平成元年の春につくられました自民党の政治改革大綱でもその考えが基礎になっているわけでありますから、私もそのことはよくわかるのでございます。
 しかし、その後、平成元年の秋、十一月に国際情勢が激変いたしまして急速に冷戦構造が変わった。それが国際情勢全体、さらには日本の政治にも影響を及ぼしまして今のような政情になってきたというわけでございますので、選挙前には思いもかけないほど突然の政変があって、現政権の中には今まで全く違う基本政策を主張してきた党が平気で一緒に並んでおられるという状況が出来しているわけでございます。国民一般は実に不思議だと思っているわけですけれども、このような状態で政策による選挙というものが本当にできると考えておられるんでしょうか。
 例えば、社会党は党の政策を強くはっきりと主張なさればなさるほど現政権の政策とは矛盾してくるということになるのではないでしょうか。きのう党大会でも大変御苦労なさったようでございますが、そのようなことが選挙をやればさらにはっきりとしてしまうのではないか。歩くの有権者たちは非常にその矛盾とねじれを敏感に察知しておりまして、私も年末年始、大分大勢の方に選挙区でお会いしましたけれども、特に女性は、なぜなんでしょう、不思議ですね、どうしてあんなことが平気でやれるんでしょうというふうに今でも言っております。
 女性は潔癖で正直、まあ男性が不潔で不正直とは申しませんが、あるいは男性に言わせれば女性は単純なんだとおっしゃるかもわかりませんが、しかし、きのうの委員会のやりとりなどを見ておりますと、男性にもかなり単純な方もいらっしゃりそうな感じがいたしますのでどちらということもございませんでしょうが、ともかくまじめな有権者は非常に不思議だと思っているということは周知のことでございます。特に女性の皆さんがそれに大変疑問を持っていらっしゃる。その女性が有権者の過半数を占めているということは言うまでもございませんし、政府の皆さんがよくおっしゃいます生活者そのものなんでございます。
 ですから、その女性たちの素朴な疑問というものを看過すべきではないと思うんですけれども、政策本位の小選挙区による選挙、山花大臣、それがちゃんとおできになるとお思いですか。
#34
○国務大臣(山花貞夫君) やはり問題の前提は、冒頭お触れになりましたとおり、世界的な政治構造、経済その他、社会その他含めてですけれども、大きな激変が日本をも直撃して、そして五五年体制が崩れた、こういう中でまさに二元的な発想といいますか、二元的な発想の観点というものを捨てて連立連合の時代にどう対応していくか、こういう私は新しい時代に今突入していると思います。そうした中で、それぞれの政党が連合連立の時代の中で国民の皆さんに存在理由をどう示していくかが問われている時代だと思います。そして、それだからこそそれぞれの政党が独自の主張というものを持ちながら、しかし政権ということを考えるならば、そこで基本的な合意をした中で政権をつくる、こういう時代に突入をしたと思っております。
 今回の例だけではなく、これからも一つの政党が圧倒的な多数を握って一党で政権を構成するということは私は難しい時代に入っていると思いますので、これからはさまざまな形での連合というものが土台となって政権がつくられるものと思っております。それぞれの政党は、よく言われているとおり、生まれ育ちが違いますから、そういう違いはあったとしても政権としての政策は一つでなければならないのは当然のことでございまして、そうした政党が国民の前でオープンな議論を重ねる中で一つの意思決定をしていく、こういう時代に入っていると思っています。
 選挙の場合には、そうした政党がやはり独自の主張をしながら、その中で選挙の結果、審判の結果を受けまして政権を構成するということになりますから、そこで大きな比重をとった政党の主張というものが一番出てくるということになるのは当然だと思っています。そこでの政策の濃淡というものは国民の審判の結果を仰いでということになると思っています。そうした時代に突入したということだと思っています。政治の風土も変わる、こういうように思っております。
#35
○森山眞弓君 大変苦しそうな御答弁で気の毒になるようでございます。
 次に、官房長官にお聞きしたいんですけれども、いわゆる保守系の方も四年前には想像もしなかった分裂が生じまして有権者は戸惑っております。例えば、自民党から三人の議員が出ていた地区で、その三人が、自民党から分かれた新A党のAさん、新B党のBさん、そして自民党にいるCさん、その三人に分かれた、しかし次は同じ選挙区から政策はほとんど変わらない同じような仲間、もとの仲間が三人とも出るということが考えられます。
 そうすると、A党というのは実際にはA氏の後援会、B党というのはB氏の後援会、自民党の中心であるC氏もC氏の後援会ということでお互いに競い合うということになるでしょう。そうなると、選挙区の面積が狭くなっただけで実態は変わらない。政策の争いではなくて今までどおり後援会の競争、票の取り合いということになっていくのではないでしょうか。そうすれば、有権者は政治改革とは一体何だったのだと思うに違いないと思うのですが、さきがけの代表でいらっしゃいます官房長官に御感触をお聞きしたいと思います。
#36
○国務大臣(武村正義君) これまでは、御承知のように、冷戦があり、社会主義か自由主義がという、大変鮮明なイデオロギーの選択がございました。いわば、今日までの自民党、社会党さんはそういうイデオロギー、世界的な政治状況も背負ったイデオロギーの対峙という形で大変わかりやすい形がとれたわけでありますが、その時代が終わったということでありますから、おっしゃるとおり、社会の基本的な体制の選択にかかわるようなイデオロギーの選択を背景にして政治主張をすることがしにくくなったというふうに認識せざるを得ません。
 それだけにこれからは、これまでの自民党から別れた政党であろうとなかろうと、社会党さんまで含めて、基本的な政策を鮮明にすることがやや難しくなったと言えるかもしれません。それでも、そのときそのとき国民の関心を持たれる、あるいは日本の国と世界のかかわりや時代の流れを考えると、大変大事な政策テーマは選挙のたびに出てくるわけでございまして、そういう大事な政策テーマをめぐって各党が鮮明な主張を掲げて審判を仰ぐということになっていくのではないかというふうに思います。
 加えて、こういう過渡期でございますだけに、もう一つは、政策本位と言っていますが、各政党のいわば成り立ちといいますか、それは政党の構成するメンバーもあるでしょうし、政党の物の決
め方とか体質とか手法とか金のかかわりとか、森山さんおっしゃるような潔癖で正直であるとか等々、そういうところもじっと鋭く政党を選ぶときに有権者はごらんになるようになってくるのではないか。要するに、本当に党自身を変えていこうとしているかどうか、そんなところまで見詰められる、そういう選挙に変わってくると思うのであります。
 そんな中でお互いしのぎを削っていくということにならざるを得ないし、私どもはそういう気持ちで、小さな政党でございますが、出発をさせていただいております。
#37
○森山眞弓君 政策を主張することはなかなか難しいだろうとみずから認めていらっしゃるということが、よくわかりました。
 要するに、国民にとっては、有権者にとっては、選挙はいろんな意味でわかりやすいものでなければならないわけです。納得できるものでなければならないと思うのです。ですから、もし自分の一票の結果がどういう効果をもたらしたかということがわからない、不明確だというようなことがありますと、例えば重複立候補による敗者復活というような問題は国民一般の納得を得にくいんではないかという気がするわけでございます。
 このごろ非常にみんな憂えていることですが、投票率が下がっておりますね。一月十一日の朝日の「論壇」に橋本晃和さんという帝京大学の教授の方が投稿しておられまして、人はなぜ投票に行かなくなったか、行かないかということを論じておられるわけですが、今のところその理由が三つ説明されている。一つは政治不信、二つ目は既成政党の堕落、三番目は関心あれど投票せずということだけれども、最初の政治不信と既成政党の堕落というのは何もきのうきょう始まったことではないじゃないかと、先生の議論でございます。三番目の関心あれど投票せずというのは、なぜ関心があるのに投票しないのかということをいろいろ検討された結果、橋本先生のお話では、経済全般に対する自己評価の意識がその原因になっているということを言っておられまして、経済を評価しない人の棄権が初めて過半数を超えて様相が変わったというふうに分析しておられるわけでございます。
 また、十一日に来ていただきました参考人の方も投票率の問題について触れておられまして、政治的関心の高まりがあり選挙への興味を高めるということは大変大事なことなんだけれども、それに対する舞台づくりが重要であると。しかし一方、有権者の側は、投票に対する義務感がだんだんと減少していて、そして見物人といいますか、観客化しているのだというようなお話をしておられました。
 いずれにせよ、大変憂うべきことだと私は思っているわけでございますが、例えば私自身の経験から中世は、消費税の問題が焦点になった平成元年の参議院選挙では、参議院選挙としては投票率が大変高うございました。ですから、政治に対する国民の関心が非常に高ければ投票率は上がるんではないかなと単純に思っていたのでございますが、そのでんでいきますと、昨年の総選挙は、新党が次々とできまして、マスコミもやり過ぎなぐらい大変にぎやかに取り上げていただいたということで、関心は非常に高かったはずでございますから、かなり高い投票率が見込まれたのでございますけれども、意外にも有史以来の低投票率ということになってしまいました。
 私は学者先生のように分析する力はございませんので、なぜかなと不思議に思っていたんですけれども、その後私が自分の選挙区に行って話し合う有権者の古くこれまた女性の方々に多いんですけれども、おっしゃることは、余りにもいろいろな党が出てきていろんなことを言うんだけれども、ちっともわからない。きのうまで自民党だった人がきょうは自民党の批判をするというようなことで、何が何だかわからないので、今まではまじめに一遍も棄権したことないけれどもあの総選挙では生まれて初めて棄権したという方がときどきいらっしゃるんですね。話をする機会のある何人かの方の中にもそういう方がいらっしゃるわけなんです。その方は義務感もあるし、観客でもないし、自分は行かなきゃいけないと常に思ってまじめに投票していたのに、わかりにくいから、どうしていいかわからないので棄権したとおっしゃるわけなんでございます。
 今後も、これからの選挙でも、このように有権者を悩ませて、特に投票のやり方が非常に複雑でわからないとか、あるいは自分の一票がどういう効果をもたらすのかわからないというようなことになれば、どんな制度をつくっても棄権はふえていく一方なんではないかというふうに心配されます。せめて投票はわかりやすく、投じた一票が、ああこういう結果に結びついたんだなということが納得できるようなものにするべきではないかと思うのですが、特に重複立候補の敗者復活戦について私は納得しにくい、最も国民にわかりにくいポイントだと思うんですけれども、その点お変えになるお気持ちはないですか。
#38
○国務大臣(山花貞夫君) 重複立候補の問題は、まさに参議院の制度と違う衆議院における政党本位の選挙の特質だと思っています。政党の裁量権を認めるということから重複立候補の権利を政党の権利としても認めたわけでございまして、今、森山委員敗者復活とおっしゃいましたけれども、敗者ということではなく、やっぱりそこでの勝者という観点、こういった観点というものが従来の日本の選挙制度からすればなかなかわかりにくい、こういうことだと思います。
 ドイツなどの、もう繰り返しませんけれども、比例代表当選者の三百二十四人中三百二人でしたか、小選挙区で落ちたけれども比例代表で当選する。まさにそれが当選する仕組みということになっているわけでして、政治の風土として、それは当選者ということで国民から支持を与えられた結果という評価があるんじゃないでしょうか。
 その意味におきましては、従来とは違った制度を新しくつくるということでもありますので、確かに御指摘のような問題点は併用でも並立てもあるということについて学者からも指摘されていましたし、我々もそういう問題点があることは十分承知しておりますけれども、まさにそういうことを含めて政党本位の選挙を行う、そして腐敗をなくす、政治改革と一体となった新しい制度を、新しい政治をつくっていきたい、こうした観点で出しているところでございまして、私はこの制度というものが行われれば国民の皆さんの御理解を必ずいただけるものになる、こう考えているところでございます。
#39
○森山眞弓君 御理解いただけると自信がおありのようですけれども、有権者全部に徹底するのは大変難しいことだろうと私は憂えているわけでございますし、これはやっぱり何とか改められるべきではないか、私の意見はそのようなことでございますので、御承知いただきたいと思います。
 ともかく、現在のように政党が政策に責任を持たないでいろんな政党の間で無原則な協力や連立が行われたりいたしますと、選挙のときに党本位、政策本位といいましても、党や政策では有権者を納得させることはできにくいということになるわけでありまして、候補者としては、結局、当選するためには個人的に選挙民への密着したサービスという人間関係を基盤とした支持母体を拡大するという、もとのもくあみになるのではないかということが本当に心配されます。
 結局、中選挙区のころに非常に大きな問題だといってこの改革のもとになった同士打ちと同じことになるんではないでしょうか。そして結局金の力が物を言うということになってしまっては全く何のために苦労されたのかわからないわけですから、ここを何とか考え直さなければいけない。政党中心、政策本位というのには、政党や政治家が政治の基本姿勢、ルールをきちんと踏まえているということ、そして政治家と有権者の意識改革が強く求められるというふうに私は思うのでございます。
 そこで、有権者と政治家との意識改革のところに入りたいと思うんですけれども、今回の提案の
中でも選挙違反に対する措置は従来よりも一層厳しくなっております。これは意識改革あるいは選挙浄化ということの気持ちのあらわれだと、その点は私も認めるわけでございますが、私はせっかくここまでおやりになるのなら、もう一歩進めてイギリス式の腐敗防止法のレベルまで徹底していただきたかったなというふうに思います。すなわち、運動員が違反行為をいたしましたら、候補者、事務長などが知らなかったという場合でもその候補者の当選は無効になる、あるいは立候補の資格も剥奪される、要するに政治生命が絶たれてしまうということになるようでございまして、そのくらいまで徹底していただければもっと効果が実際にあったんではないかという感じがするんですが、いかがでしょうか。
#40
○国務大臣(佐藤観樹君) 今度強化をいたしました連座制は、私たちはほとんどイギリスの腐敗行為防止法とは違っていないと思っております。
 と申しますのは、「意思を通じ」というのがございますのは親族と秘書でございます。親族と秘書が候補者等、等というのは候補者となろうとする者、それから総括主宰者、地域主宰者、こういった人々と意思を通じた場合には、森山委員今言われましたように、買収、供応で有罪になった場合には当然議員失格までいく、こういうことになっておるわけでございます。
 そこで、イギリスの場合にエージェント、代理人と訳しておりますけれども、エージェントの行為について今申しましたように連座制が働くということになっておるわけでございますが、具体的にそのエージェントというのはどのあたりまで当たるかということは裁判所にゆだねられておったのでありますが、いろいろな判例が積み重なってまいりますと、確かに極めて広範囲の者が候補者の代理人とされておりますけれども、自発的に運動員として働いた者というのは代理人、エージェントではないけれども、候補者または選挙事務長と直接間接にまたは追認により意を通じて選挙運動を行った者は代理人であると、こういうことがだんだんイギリスの判例の中で積み重なっているようでございますので、その意味では、私たちとしては大体イギリスの腐敗行為防止法と同じ水準ではないかと思っております。
 じゃ何で総括主宰者、地域主宰者、出納責任者は意を通じなくていいかといえば、これはいわば選挙の中で非常に重要な役割を果たし、候補者を当選に導くため当然やることをやる、こういう立場でございますから、候補者と意思を通じなくてもいいということになっておるわけでございまして、そういった意味では私は、イギリスの腐敗行為防止法とほぼ同じ水準に今度の法律をもってなったと、こういうふうに自信を持っております。
#41
○国務大臣(山花貞夫君) 一言補足させていただきたいと思うんですが、イギリスの場合には今の制度のほかに選挙の訴訟の制度というものが非常に有効だったと聞いているところでございます。落選した議員あるいは個々の有権者が腐敗防止法違反に対して選挙争訟を起こせる。これを日本で実現できないかということについては八次審でも検討されておりましたし、たしか自民党では保岡議員がかなりこれを研究して衆議院でも問題にされておったわけですが、日本の場合には個人のそうした争訟という制度というものがなじまないのではなかろうかというところで研究課題となっている部分がございます。この点はやっぱりこれから研究しなければいけないところではなかろうか、こう考えているところでございます。
#42
○森山眞弓君 もう一つ研究していただきたいことがあるんでございますが、立候補制限についてでございます。
 連座制に立候補制限が入ったというのは非常に日本としては画期的なことでございまして、それは評価するわけでございますけれども、五年間の立候補制限となっているわけですね。これが実際に何回立候補制限になるのかということは考えてみなくてはいけないんじゃないかと思いますのと、一昨日の参考人もおっしゃっておられたんですけれども、これは五年間とか年を限るのではなくて何回というふうに言った方がいいんじゃないかというふうにもおっしゃっておりましたので、それも参考にしていただきたいと思うんです。
 それからもう一つは、その立候補制限が当該選挙に限られているということがちょっと問題なんではないか。衆議院では立候補できないけれども参議院ならいいとか、知事さんや市長さんならいいとかということになりますと、本当に政治生命が絶たれるというところまではいかないんじゃないか。むしろかえって混乱させるもとなんではないかという感じもいたしますので、その辺についてはどうお考えでしょうか、研究していただきたいと思うんですけれども。
#43
○国務大臣(佐藤観樹君) 法案をつくるときにも森山委員御指摘のようないろいろな議論がございました。公民権停止、つまり選挙権と被選挙権を両方ともだめにするという公民権停止でいくべきか、立候補制限でいくべきかと。それから期間の問題、衆議院と参議院では任期が違いますので、例えば参議院の場合には六年とか七年にすべきではないかという意見等もございました。
 いろいろ考えたわけでございますが、その根本は、連座制でございますので、いわば他人の行為によって、意思を通じている場合と通じていない場合がございますが、他人の行為によって身分を失格するという制度でございますので、ここはやはり憲法にいうところの基本的人権の選挙権、被選挙権じゃない、選挙権というものの重さからいくと、連座制は立候補制限ではないかという結論に達したわけでございます。
 確かに森山委員の御指摘のことは、まだまだ決定的とは私たち申せませんが、私たちはこれが妥当ではないかということで出させていただきました。
#44
○森山眞弓君 私の気持ちはわかってくださっていると思うんですけれども、この法案を拝見しますとまだまだなまぬるいという感じがするわけでございまして、さらに一層厳しい法律、法規というものが残念ながら求められるというふうに思うんです。
 しかし、本当に政治を改革していくのは法律を厳しくするということだけではだめでございまして、政治倫理の向上、確立ということが何よりも大切でありますし、国民の意識革命ということが非常に大切でありまして、法律や罰則だけではもちろん十分に目的は達しない。それは私もよくわかっております。どんな立派な法律をつくっても、どんな完璧と思われる制度をつくっても、それを運用するのは人間ですから、だからその人間がその気になって守るという気持ちにならなければ、結局どこかに抜け道を見つけて裏から何かするということを助長するだけになってしまう。それが非常に心配されるわけですね。
 残念ながら、議員や候補者というのは神様でも聖人でもないわけでございまして、もちろんみんな世間から注目されていて姿勢を正さなければいけないという気持ちは普通の人の何倍も持っている人たちではありますけれども、選挙となりますと、特に当選のためにはすべてを忘れるという可能性もあるわけでありまして、非常に誘惑に弱い、そういう人間なんだというふうに考えていかなければいけない。そのような、誘惑に弱い並みの人間、そのような特殊な状況に置かれた人々が間違いを犯さないようにするということが制度、法律の目的なのではないでしょうか。
 意識革命というのはお説教だけではだめでございますので、ぜひともそのようなつもりで法律、制度を厳正にしていただくということ、そして逃げ道のない厳しさということがとても大事だと思うんですね。
 もし逃げ道がないということになりますと、候補者はもちろん、関係する人たちもみんな選挙運動を通じて絶対違反をするんではないよということを運動員の末端に至るまで一生懸命に説くと思いますし、みんなそのつもりで努力をすると思うんですね。そうすれば警察の手をかりなくたって選挙運動自体が意識革命の教育手段として効果を発揮するわけでございまして、聞くところにより
ますと、イギリスではこの腐敗防止法ができてそれまで大変横行していたさまざまな違反行為がぴたっととまったというわけでございますので、その辺の決め手になるようなよい制度を真剣に検討していただきたい。重ねて申し上げておきます。
 それから続きまして、戸別訪問についてやや具体的な話になりますが、お聞きしたいと思います。
 戸別訪問を全面的に認められるというのはなぜでしょうか。今までも何回もお答えを聞いておりましたのでわかっておりますが、私も大変気になりますので、短くて結構ですから御説明いただきたい。
#45
○国務大臣(山花貞夫君) これまでも長い議論がありましたけれども、戸別訪問の権利といいますか、憲法上の権利でもあると私は考えております。同時に、いろいろな形で弊害も言われてまいりました。一つには迷惑論、一つには疲弊論、それからもう一つ買収ということについても言われておりました。
 ただ、結論的には、世界どこの国でもと言われてまいりましたけれども、戸別訪問を禁止している国というのは極めて例外的であり、やっぱり政治家と一人一人の国民との結びつきというものはそこからスタートする、政治活動の原点ではないだろうか、こういうように考えるところでございます。
 いろいろ心配される点もありますけれども、これまた森山委員今御指摘のとおり、一つの意識を変えていく、こういうところと結びついた運動の形ではなかろうかと思っているわけでありまして、政策判断として今回は提案させていただいたところでございます。
 ただ、衆議院段階からいろいろ議論もありますので、これまた院におけるそれぞれの御議論ということについては十分尊重しなければならないとも考えているところでございます。
#46
○森山眞弓君 戸別訪問を全面的に解禁なさいますとどういうことになるかということを、実際の運動を想定して考えていただきたいと思うんです。
 今大臣からも御指摘のあったようなさまざまな問題が起こるでしょう。そして、例えば違反の温床になるとか動員力のある人だけが有利であるとか、またお金の問題が絡んでくるであろうとかいう指摘が既にあったわけですが、私は一般有権者の側から、特に女性の側から聞いている話をお伝えしたいと思うんです。
 午前八時から午後八時までを認めるとおっしゃるわけでしょう。その時間というのは、実は女性にとっては大変忙しい時間なのでございます。大体このごろは共稼ぎ家庭が多いというのは御存じだと思います。そういう家庭では朝から夕方まではだれもおりませんから、六時から八時ぐらいの間にきっとそういうところを集中的に戸別訪問なさるでしょうね、もし認められたら。
 いわゆる専業主婦のいらっしゃる家庭でも、家にいらっしゃるというのはそれだけの理由があっていらっしゃるわけなんで、例えば小さい赤ちゃんを持っていらっしゃる、あるいはお年寄りの面倒を見なければいけない、それぞれ用があるからうちにいるんです。赤ちゃんにお乳をやっている最中にベルがビーと鳴ったり、ようやく寝かしつけたと思うときにドンドンたたかれたり、お年寄りをおふろに入れている最中にだれか来たり、そんなことがあったら大変困ります。内職をやって、一分でも五分でも余計働きたいという方もあるかもしれないし、ごく普通の主婦が毎日やっている料理の最中だって途中に来られたらば大変です。他人にやたらに来られるということは非常に迷惑以外の何物でもないんです。
 まして共働きの主婦の場合は、保育所から子供を連れて帰って六時ごろおうちへ着く、そして大急ぎで夕食の支度をする、そして子供に食べさせる、話を聞いてやる、おふろに入れてやる、寝かせてやる、宿題の手伝いもしてやらなきゃならない。八時ごろまでは戦争のように忙しいんです。私もそういう時代をしばらくやっていましたので本当によくわかりますが、そういうところへ後から後から人が訪ねてこられたらば何にもできない、家庭の崩壊になっちゃいます。
 老人だけの世帯というのも最近ふえておりますね。老人側夫妻あるいはひとり暮らしという方もいらっしゃいます。老人にもいろいろありますから、中には寝たきりでいらっしゃる方もあるし、ひとりで暮らしているような方は多少の自由はきくんでしょうけれども、しかし一々戸口まで出ていって応対するというのは、体の余り自由でない方にとっては大変なことです。私の母の生活などを見ておりますと、ひとり暮らしでやっていますけれども、ああいうところへたくさんの人が二時間か三時間の間にやってこられたらもう本当にノイローゼになってしまうだろうと思うんですね。
 中には元気がよくて、寂しさが紛れてちょうどいいというお年寄りもいるかもしれません、話し好きの人がよくいらっしゃいますからね。しかし、そういうところにばっかり行くわけじゃないでしはうし、仮にそういうところへ行ったとしても、一日に二人や三人ならいいですけれども、これ市町村議会議員選挙まで解放するんでしょう。これは一体どういうことになるか、本当に国民の生活はめちゃくちゃになってしまうというふうに思うのでございますが、八時まで戸別訪問が来るのなら八時までうちへ帰るのをよそうなんということになるかもしれませんね。
 そんなことを考えていただいて、ぜひこれは再考していただきたい、そのように考える次第でございます。
#47
○国務大臣(山花貞夫君) 御指摘のような問題点があることについては十分承知をしているつもりでございます。同時に、こういう観点はいかがなんでしょうか。
 今のお触れになりましたような問題は、実は電話の戦術の際にもほぼ同じような問題点があるんじゃなかろうかと思っております。同時に、恐らく衆参を通じて議員の皆さんは、選挙に対して、戸別訪問という名は使いませんとしても、個々面接あるいはその他の形で個人のお宅にお伺いしていろいろと選挙に関するお願いをしている、こういう現実も一方ではあるのではなかろうかと思っております。今の法制度からいきますと、戸別訪問は候補者本人がやっても全部違反である、こういう仕組みになっている。ここのところはどうなんだろうか。こういう問題もやっぱり一緒に考えるべきではなかろうか。
 そうすると、妥協案としては全面か中間がということなども含めて、やっぱりいろいろ議論して衆参の議員の皆さんの同意ということも必要ではなかろうかと考えているところでございます。
#48
○森山眞弓君 電話の件は私も申し上げようと思ったんですけれども、電話でさえうるさいと言われる時代です。電話というのは顔が見えませんからうるさいと言って切っちゃうということもできるんですけれども、人様が見えて、そして一応、こんにちは、これこれですと言い始めると、なかなかうるさいと言うわけにもいかないというのが人情でございましょう。そうすると、余計な時間はとられるし精神的にも大変であるということを申し上げたかったんでございます。
 それから、戸別訪問はオーケーだ、どなたが何をやってもいいんだということになりますと、あらゆるところに戸別訪問をすることが期待されるようになると思うんです。そんなことは実際には不可能なんですから、人の迷惑を承知の上で無理なことを認めるというようなことはおやめになった方がいいと思うんです。特に参議院議員というのは全県下なんですから、私は栃木県なので中ぐらいの大きさですけれども、北海道だとか島などがたくさんある沖縄や長崎県のような方はさぞ大変だろうと思います。
 そういうことを考えますと、衆議院は小選挙区になさるんであればそれはある程度可能かもしれません。しかし、さっき言ったような問題が、同じようなことがあるわけですから、ぜひとも戸別訪問は再考していただきたい。政治意識の改革にも役に立つだろうとおっしゃいましたが、ある程
度ほかの方法で改革された後もう一回考えていただいて十分間に合うと思います。
 また、外国ではやっているとおっしゃいましたけれども、外国と日本は選挙の感覚というか風土が違うわけです。例えば、日本ではみんなが当たり前だと思ってやっております遊説車にスピーカーをつけてどなるやり方、あれは外国ではどこもやっていないと私は承知しています。あれは当たり前だと日本人はみんな思っている。だけれども戸別訪問はやっちゃいけないんだと。外国では戸別訪問はいい、でもスピーカーつけてどなるなんてとんでもないときっとみんな思っているでしょう。だから、今までのいきさつとか習慣とか国民性とか意識とか、みんな違うんですから、外国でやっているからいいんだという説明はいただけません。ともかく、戸別訪問については絶対に再考をしていただくように強く要求をいたしておきます。
 あと、時間が大分迫ってまいりましたので簡単に別の話をしたいと思います。
 先般、在外邦人の選挙権につきまして寺澤議員から御質問がございました。実は私も日本にこれがないのはちょっとおかしいなというふうに思っていたのです。外国へ行きますけれども、行きました先で日本のビジネスの方とか外交をやっていらっしゃる方、勉強している人、国際協力に従事している方、いろんな方にお会いしますが、その方々からなぜ日本人はだめなんですかというふうによく聞かれまして、実は昭和六十年、この間の御答弁にもありましたが、政府から一遍提案したんだけれどもそれがうまく成立しなかったんですということを言うことにとどめるほかないので、これは大変残念だと思っております。
 一度提案された政府の法案というのは、仮にうまくいかなければ次にまた提案するというのが普通の話だと思うんですけれども、これはどうして続けて提案されなかったのか。さらに努力すべきなのではないかと思いますし、外国の例もたくさんあるようですから研究していただいて、余り最初から完璧を求めないで、ゼロよりは一歩前進というところからスタートしていただくべきなのではないでしょうか。
 先般、外国にいらっしゃる有権者に該当する人が四十万人と寺澤先生が指摘されておりました。それは大した数ではないと思っていらっしゃるとすればこれは重大なことであり、少数であればこそ大事にしなければいけないというのは、きのうまでの障害者の方のお話と共通するところがあると思うんです。まして、海外で日本のことについて一生懸命に努力をしていらっしゃるそれぞれの分野の方々、むしろ外国へ行くと日本が外からよく見える、日本の将来はこうあるべきだということを国内にいるときは考えなかったけれども外国に行ったらいろいろと考えているんですよという方が多いです。そういう方々に日本人としての権利を行使する機会をつくっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(佐藤観樹君) 私たちも外国にいらっしゃる方々の投票権を確保するということは非常に重要なことだというふうに考えております。
 確かに委員御指摘のように、昭和六十一年に出した法案が解散によりまして審議されずに廃案に終わったということもございますけれども、それ以上に選挙の公正公平を確保することがなかなか現実難しいという問題を持っております。
 今、委員完璧を期さなくてもいいわと言われましたが、今、裁判時代でございまして、もし何か自分のところだけに投票券が来ないじゃないかということになりますと、すぐ裁判になる時代でございます。したがいまして、我々の方としては、やっぱり完璧を期せるというある程度の自信がなきゃできないということなのであります。
 例えば外国にいらっしゃる方が、その方の選挙区がどこであって、一体そこからは衆議院の候補者はどなたが出ておるのか、その人の主張はどういう主張なんだというものをだれが責任を持ってその方にお届けをするのか。日本人は世界のかなり奥地まで行っておりますので、その手段というものが必ずしもなかなか完璧にいかないということもあります。
 それから、対象者を短期の滞在者や長期の海外永住者にするかどうか。それから、もし日本人会があったときに、そこで買収、供応が行われたときに、確かに日本の司法権は行きますけれども、実態的にそのためにわざわざ行けるかというような、不正を防止するという問題等もございます。
 しかし、冒頭申し上げましたように大事なことだと思っておりますので、特にこれは外務省が中心になって、在外公館が投票の場所なりその他のことになりますものですから、そのあたりと総合的にやっていかなきゃならぬ。
 しかも、今、森山議員は四十万と言われましたが、これはますますふえるわけでございますから、実際に事務的に本当に公正を期してやれるかどうかという総合的な判断を、今後とも協議を続けていきたいというふうに考えております。
#50
○森山眞弓君 先ほど私が引用いたしました橋本さんのお言葉によりますと、アメリカで生活している日本人の日本政治に対する関心が高くなってきて、日本の選挙への投票権を求める運動が各州で盛んに行われているということでございまして、それは私は当然の動きだというふうに思うんです。
 選挙区がどうなってだれが立候補しているか知らせることが難しいとかいろいろおっしゃいましたけれども、例えば国政の中に、今度は衆議院にも比例代表制を入れるとおっしゃっているんですから、例えば比例代表制だけを導入するとか、あるいは日本の有権者は自分のところへ投票券が配られるのが当然だと思っていますけれども、外国においでの方は御自分から名のり出ていただいたところに上げるとか、いろいろ方法は考えられるんじゃないですか。
 ですから、やろうと考えて努力をするかどうかの問題だと思うんですよ。外国にいらっしゃる日本の人たちは、全く無視されているという感じを非常に強く持っていらっしゃるわけですから、例えば私の思いつきですけれども、比例代表制だけでも投票できるということになれば、それだけでもまず第一歩としては喜んでいただけるんではないかというふうに思います。
 これからますますふえていく日本の国民、立派な資格のある有権者の人たち、特に外国へ行って日本のことを考えてくれることが一層深い人たちに日本の将来を決定する一票を投ずる機会をぜひとも与えていただくよう努力していただきたいというふうに思います。
 最後に、女性の議員のことについてお伺いしたいと思うのです。
 今までも何回か出てまいりましたけれども、列国議会同盟の資料によりますと、現在日本の衆議院十四人、全体の二・七%というのは百五十六カ国中百二十八位、参議院の三十八人、全体の一五・一%というのは四十四カ国中九位ということでございまして、参議院はまあまあのところにありますけれども、衆議院はまことに目を覆いたくなるような惨めな状況でございます。これは日本の政治がおくれているというあかしによく使われるのでございまして、私は女性の大勢集まっている国際会議などに行きますと、いつも非常に肩身の狭い思いをし、恥ずかしい限りなんでございます。
 私は、日本の女性が外国の女性に比べて劣っているとは思いません。むしろ、いろんな意味で、教育もレベルは高いですし、生活の程度も決して低くはないと思いますので、政治に参加するということを日本の女性がほかの国に比べてできないとか能力がないということは考えられないと思うのでございます。
 なぜ日本の女性は特に衆議院においてこんなに少ないのと聞かれましたとき、私は一つの理由として、今までの選挙制度にもあるんじゃないかということを言ったものでございます。このたび選挙制度が改革されるということが世界じゅうに宣伝されておりまして、注目されているという話が前にもございました。その注目されている人の中には、ああ、じゃ今度は新しい近代的なものが生
まれるのであろう、恐らく女性の議員もふえるのであろうというふうに期待しておられると思うんですね。
 ところが、今までの議論を聞いておりますと、小選挙区というのは女性は大変出にくいのではないか。比例代表制で補うとおっしゃるけれども、この比例代表制もさっきお話しのような重複立候補の惜敗した人のために比例代表制を設けているようなものですから、そこへ女性の候補者を何人かばらまいて私たちは女性を尊重しますよというポーズはとるけれども、実際に当選するのは男性ばかりなのではないかということも考えられるんではないか、そんなことが心配されているわけです。
 この点について私は、かねて女性の政治参加を促進したいということを強く考えてまいりました一人として、ぜひとも各党を代表しておられる皆様からお聞きしたいと思いましたんですが、それぞれ御都合があって全員来ていただけないのは残念ですけれども、山花大臣と石田大臣にぜひお考えを聞かせていただきたいと思います。
#51
○国務大臣(山花貞夫君) 今、党の役員の立場にありませんけれども、これまでの社会党の姿勢ということから一つ二つ御報告させていただきますと、もう数年前から全体の党の仕組みにつきましても、女性と市民と勤労者、この三本の柱で党をつくっていこう、こういう方向を打ち立ててきているところでございまして、女性の委員長、女性の副委員長、女性の執行委員、そしてとりわけ参議院におきましては大体上位五番の間には二人は必ず入っていると、こういう取り組みをしてきているところでございます。
 やっぱりこれは制度だけではなく、それぞれの政党の姿勢が問われるということだと思っています。単に御指摘のような形での候補擁立ということではなく、政党としてはそうした政党の本来のあり方として、政治だけではもちろんありません、すべての社会の分野ということになりますが、女性が平等に活躍できる場、そしてさまざまの決定、企画に参加できる機会というものをつくっていくこと、クオータ制などについても大変重視してきているところでございまして、今後もそうした政党の姿勢ということについては、現在の執行部、これからの執行部も大変強い意識を持って打ち出していくものと確信をしているところでございます。
#52
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。
 私は、今度選挙制度が変わるということになりますと、いわゆる比例代表の分、小選挙区の分、そのいずれも現在の制度よりはより出やすくなるのではないかというふうに思っておるところでございます。
 比例代表の方に対する御指摘が今ございましたけれども、それは今まさに山花さんがおっしゃったように、これは政党の姿勢の問題でございますので、私どもとしては一たん名簿へ登載をさせていただければ、その人の当選は当然信義の上からも期さなければならないと強く考えているところでございます。特に重複立候補等の問題がございますけれども、それはやはり政党の姿勢の問題の中で私は解決できることであろうというふうに思っているところでございます。
 それからいま一つ、選挙制度の中での、いわゆる小選挙区制度の中での女性の候補の擁立というのは、今まで中選挙区制でございますと、多分に個人的な競争、そういう要素の強い選挙でございました。それが政策本位ということになりますれば、そういったところにその地域の女性に出ていただくというのも現在よりはよりやりやすくなるのではないか。森山先生御存じのとおり、組織的な政党の場合は女性議員の擁立が比較的できております。
 特に参議院においては比例区を導入されましてから女性は出しやすくなっているのが我が党の実情でございますので、そういう基本的な問題を踏まえつつ、私どもの政党としてはより多くの女性議員の登用を願って頑張ってまいりたいと存じております。
#53
○森山眞弓君 委員長、済みません、最後……
#54
○委員長(上野雄文君) もう時間ですから。
#55
○森山眞弓君 女性の方も実力を蓄えて魅力的な候補者になるように努力しなきゃいけないと思いますが、実際問題として政治の中心を動かしておられる男性の皆様方に格別の御理解と御協力をいただきたいということを最後に申し上げまして、終わりといたします。(拍手)
#56
○野沢太三君 質問に入ります前に、議事の運営につきまして一、二、委員長にお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほどの吉川議員の動議につきまして理事会において協議というお話でございますが、昨日は、委員長の不信任あるいは公聴会の設定等につきまして与党、野党から活発な動議が提案され、それがこの場におきましてしっかりと議決をされたということで大変わかりやすい運営ではなかったかと、久しぶりにこの委員会が活性化したと評価しているわけですが、これを理事会協議になさりました理由につきましてお差し支えない範囲でひとつお話を伺いたいと思います。
#57
○委員長(上野雄文君) 朝の理事会、そして理事懇の席上で、あらかじめ共産党さんの方から御提起がございました。したがって、それにつきましては理事会で協議をする、こういう取り運びでまいりたいと思いますということをお話し申し上げたという経過がございます。
   〔吉川春子君「私は、納得しませんでした」
   と述ぶ〕
#58
○野沢太三君 吉川委員は納得をしてないように思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#59
○委員長(上野雄文君) 私、委員長として、もう開会時間も迫っておりましたから、私はそう取り運ばさせていただいた次第です。
#60
○野沢太三君 委員長がそういう御裁定ということであれば、ひとつしっかり協議していただきたいんですが、もう一点、この本委員会で不信任をされました委員の方が引き続き筆頭理事としてお仕事をされることについてはいかがなものかという強い声がございますが、この点につきましては、委員長、公平公正に運営をされるという宣誓をなさった立場でどうお考えでございましょうか。
#61
○委員長(上野雄文君) その点につきましては、各党、各会派の中で与えられた理事の選任を行うことでございまして、私の方から容喙すべきことではございませんし、それぞれの党、会派におきましてもお認めをいただくことになっておりますので、御了承を賜りたい、こういうふうに考えております。
#62
○野沢太三君 事務局に調べてもらいましたが、参議院で委員長不信任というのは初めてだそうでございます。その意味では歴史に名が残るこれは委員長様と、こういうことになると思いますが、どうか新委員長におかれましては、そのようになりませんようひとつ御努力をいただきたい、かように希望いたしまして質問に入らせていただきます。
 これまでいろいろと議論があったところでございますが、参議院におきましては三十数時間ということで、議論につきましてまだ尽くされていないと言われております。私は、その意味で幾つかの基本的な問題点についてお尋ねをし、あわせて若干の御提案を申し上げたいと思います。
 まず第一に、この政治改革の本来の目的がどこにあったのか、山花大臣にひとつお答えいただきたいと思います。
#63
○国務大臣(山花貞夫君) 国民の政治に対する信頼を回復する、これが政治改革の原点であったと考えております。過日の選挙における審判の結果を重く受けとめ、細川政権は政治改革政権と、こういうふうにみずからの使命というものを位置づけているところでもございます。
#64
○野沢太三君 信頼回復は私どもも全く同じ立場でございます。しかし、それだけにとどまらず、私どもは今の日本の経済の状況、国民生活の現状
を考えますと、私ども自身が政治に使っております資金、あるいはコストと言ってもいいかもしれません、広く言えば民主主義のコスト、こういう面で見まして政治にかかわる費用というものをできるだけ低減していくということもこの改革の先にはあったのではないかと思うわけでございます。
 また、中選挙区といういわばぬるま湯のような形の選挙制度では機動的に内外の諸問題に対応し切れないということもあり、やはりそれに適時適切な政治判断ができる体制をつくる、こういうこともあったのではないかと思うわけでございます。
 この点につきましてはこの辺にとどめまして、今度の改革がそれではでき上がった場合の効果はどのような効果があらわれるか、これにつきまして山花大臣、ひとつお願いします。
#65
○国務大臣(山花貞夫君) 先ほどの御質問に対して、政治改革の原点は国民の政治に対する信頼の回復にある、こう申し上げましたけれども、不信のよって来るところといえば、もう言うまでもなくロッキード、リクルート以来の政治と金のかかわりである、こう考えているところでございます。
 今、総量についても、こういう御指摘がありましたけれども、まさにそのことが問われている中で、今回は選挙制度だけではなく政治資金についても、あるいは腐敗防止策につきましても、そのことを最大の問題点として全体として腐敗を根絶させる政治改革をやる、こう位置づけているところでございまして、そこが四法一体にぜひ早期に成立をさせていただきたい、こうお願いしているゆえんでもございます。
#66
○野沢太三君 まさにそういう趣旨で我々も努力を長年してきたわけでございますが、今回のこの四法案で果たして腐敗、違法行為が根絶できるとお思いかどうか、いかがでしょうか。
#67
○国務大臣(山花貞夫君) 前提として大事なのは、先ほどの森山委員との議論でもございましたけれども、政治倫理の確立、これを大前提として置くということを踏まえた中での今回の四法でございます。制度ができればすべてということにはなかなかなるものではない、こういう御意見についてはおっしゃるとおりだと思いますけれども、今回やっぱり腐敗の根絶に向けて大きく第一歩、第二歩を踏み出している、こういうように確信をいたします。
 一番どこに原因があったかということを考えるならば、最近の、今日に至るまで連日報道され続けているゼネコンの汚職にかかわる問題、国の政治だけではなく、地方の政治もそこに毒されていたということが国民の皆さんの前に明らかになりました。ここにメスを加えなければならない、企業・団体献金の禁止、ここに対策を立てなければならない、これは共通の焦点となってきた、こういうように思っているところでございます。
 今回、何といっても企業・団体献金禁止の問題につき、五年後見直しはありますけれども、半歩大きく踏み出して、企業・団体献金については政党、政治資金団体に絞った、ここからスタートしているわけでございまして、これは資金の総量も含めてかなり効果があるものと考えているところでございます。
 その他、政治資金の問題、腐敗防止の問題につきましても、常にそこに焦点を当てながら全体の法律が構成されているということについて御理解をいただきたいと思います。
#68
○野沢太三君 確かにゼネコン問題は象徴的な事件として大変なこれは反省が必要でございますが、それ以前にさかのぼって、これまでの議論を聞いていますと、小選挙区を採用すれば大変選挙はきれいになるというような議論がややもすればまかり通っていたような印象を受けるわけでございますが、奄美群島区の教訓というのがございます。これにつきまして、これまでの選挙の実態とそれに対するお考え、いかがでございましょうか。これは自治大臣の方にひとつお伺いしたいと思います。
#69
○国務大臣(佐藤観樹君) これは、御承知のように中選挙区制の個人本位の選挙という全体的な選挙制度のもとで、あのような激しい、金で金を洗うような選挙の実態になってきたわけでございまして、今度政党本位になったときにあのような選挙を一体行うことができるかどうか。今、山花大臣からお話がございましたように、もとも絶つわけでございますし、今度は政党自身がどういう候補を選びどのような選挙運動をやるか自体が問われてくることだ。それはその選挙区だけではなくて、全国的な選挙にいろいろな意味での影響を私たちは与えることだというふうに考えておりますので、そういう意味では、あのようなまさに金で金を争うようなそのような選挙はなくなっていくものだ、こういうふうに考えております。
#70
○野沢太三君 確かに、小さいというだけでは必ずしも選挙は浄化されないという一つの典型的な例かと思います。
 ここでひとつ視点を変えまして、先ほど大臣からもございましたが、民主主義の総費用、こういった面から日本の大体この費用が適正であるかどうか、こういった面を国際的な比較で眺めたらどうなるかということでございますが、ハイデンヘイマーさんという学者の方が政治資金指数というものを考えまして、これによって国際比較をやった例がございます。政治資金総額を選挙民の総数で除しまして、それから男性労働者の一人平均賃金というものでさらにそれを除す。こういった数字で見た場合に、一九八三年から四年の資料でいきますと、日本はイギリスの六倍、あるいはアメリカがイギリスの三倍、言うなれば、イギリスというのは日本の六分の一でありアメリカの三分の一の総コストでこれを賄っているという実態がございます。
 なぜイギリスがこのようなローコストで選挙ができるようになり政治ができるようになったか、これにつきましての御意見、御感想がございましたら、山花大臣、ひとつお願いします。
#71
○国務大臣(山花貞夫君) イギリスなんかの文献を読んでみますと、かつてはかなり腐敗の横行ということについては日本以上と思われるようなものもあったように書かれております。一票というものに朝と晩で株式のように相場がついて、それで売り買いやっておった、こういう時代も経てきているわけでありますから、そこではやっぱり先ほど来森山委員と議論しました腐敗防止法の確立、そして、その制度の徹底というところが一番大きな役割を果たしてきたのではなかろうかと、こういうように承知をしているところでございます。
#72
○野沢太三君 そこで、今、日本でも法定選挙費用というものがございます。これが適正かどうか、こういう問題があるんですが、ちょっと自治大臣にお願いしたいんですが、例えば現行四十万人の選挙区あるいは八十万人の選挙区ではどのくらいの法定費用になるか、これはおわかりでございましょうか。
#73
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、先生御指摘の四十万人、八十万人、ちょっとわかりませんが、今、一番最高が、これはおととし直したんだと思いましたが、北海道一区三千五百十六万九千円、それから一番少ないところが愛媛三区二千四百十七万八千九百円ということで、これを積算いたします根拠をかなり現実の数字に合わせましてしましたので、私たちはこの範囲内に入っていると。皆さん方からのお届けのものは、罰則もつくわけでありますから、当然その中に入っているというふうに確信をしておるところでございます。
#74
○野沢太三君 確かに届けられた数字を私もあれこれ調べてみますと、みんなその範囲におさまっております。おさめていると言った方が適切かもしれませんが、この費用をやはりしっかり守るということがまず私はスタートではなかろうかと思うわけでございます。そしてまた、これが守れるような選挙制度でなければならないだろう、かように存する次第でございます。
 ところで、その意味で、昨年行われました四十回の衆議院選挙あるいは一昨年の第十六回の参議
院選挙におきまする違反の件数はどのくらいございましょうか。警察庁からおいでいただいていると思いますが、お願いします。
#75
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 お尋ねの件でございますが、まず平成五年七月に施行されました第四十回衆議院議員総選挙につきましては、選挙期日後九十日現在で集計しましたところでは、総数で三千二十一件、五千八百二十五人を違反で検挙しており、そのうち買収につきましては二千六百八十三件、五千百三十三人を検挙しており、件数で八八・八%、人員で八八・〇%を占めております。
 次に、平成四年七月に施行されました第十六回参議院議員通常選挙につきましては、選挙期日後九十日現在で集計しましたところでは、総数で四百四十三件、千十七人を検挙しており、そのうち買収につきましては三百三件、七百二十五名を検挙しており、件数で六八・四%、人員で七一・三%を占めております。
#76
○野沢太三君 お聞きのとおりの件数でございまして、衆議院の場合には何と三千件を超す違反があった中で九〇%近い買収行為というものが出ておるわけでありますし、それから参議院でも四百四十三件の中で七〇%近い買収行為が出ている。
 今回の法律が施行されたと仮に考えたときに、これがなくなるとお思いでしょうか。自治大臣、ひとつお願いします。
#77
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、警察庁の方から報告いたしました場合は、例えば衆議院の場合には選挙が急でございましたから買収、供応のもとをかなりつかんだということになっておるわけでございます。
 法律が改正されますと、買収、供応等をやりまして当選した場合には連座制が働く、しかもそれは秘書等まで広げ、あるいは選挙の告示前に買収したものも今度は候補者等がやった場合にも広がるとか、罰則が大変強化をされておりますので、その意味で、そこを冒してまでやる危険度というのは非常に私は増してくると思います。
 そういう意味では、ゼロになるかと言われると、それは人間のやることでありますからそこまで私が言い切ることはできませんけれども、かなりこれは変わってくるし、また政治資金のもと自体が政党を中心として政党を通してやってくることになるわけでございますから、そういった意味ではもと自体がかなり絞られるということで、買収、供応事案というのはかなりゼロに近くなってくるのではないか、こういうふうに考えて法案は提出いたしました。
#78
○野沢太三君 かなり減っていくと、これは大いに期待をするわけでございますが、果たしてどうなるか心配でございます。
 そこで、検挙された中から、これは検察に送られてそこで法的な処理が行われるわけでございますが、昨年の衆議院選挙あるいはおととしの参議院選挙におきまして、起訴になったものと不起訴になったものがどの程度にございましょうか。受理件数と起訴、不起訴の概数をひとつ、法務省さんおいでですね、お願いします。
#79
○政府委員(則定衛君) 警察統計と同様、それぞれの選挙の三カ月経過後の数字について御説明申し上げます。
 まず、平成五年七月施行の衆議院議員総選挙におきましては、全国の検察庁で選挙違反事件の受理人員が総計五千四百二十三人でございますが、そのうち、その時点で処理された者の中で千九百二十八人が起訴され、三千三百十八人が不起訴となっております。また、その中で買収罪について見ますと、受理人員は四千七百四十三人で、そのうち一千六百四十八人が起訴され、三千五人が不起訴となっております。
 また、平成四年七月施行の参議院議員通常選挙につきましては、検察庁で受理しました総数が九百八十四人で、受理されたもののうち二百四十三人が起訴され、六百八十二人が不起訴となっております。これを買収罪に限った場合につきましては、受理人員は七百二十九人で、そのうち百三十七人が起訴され、五百四十七人が不起訴ということになっております。
#80
○野沢太三君 そういう状況でございまして、約五分の二くらいの方が起訴ということになって、今裁判が続行中もしくは結論がだんだん出始めている、こういうことであります。
 選挙にかかわる裁判につきましては、促進をしなきゃいかぬということで百日裁判の制度等についても既に導入されておるわけでございますが、もう半年、あるいは参議院選におきましては一年以上たっているわけではございますが、まだ全部これについて結論が出ていないという実態がございます。
 しかも、その中でいわゆる連座制というものが適用された件数というものはほとんどないという実態でございまして、これでは、せっかくこの法律ができても、訴訟制度をあわせこれをしっかりとしないとちっとも痛くもかゆくもない、粘っているうちに次の選挙に立候補できるじゃないかという話になってしまうわけでありまして、選挙を過ぎればみそぎができたということではどうも釈然としないというのが私は本当のところではないかと思うわけでございます。
 そこで、こういった制度の中で私どもは歴史の教訓を学ばなければならないと思うわけでございます。日本におきまして既に小選挙区というものは過去実際にそれを施行したことがあるわけでございますが、小選挙区の実施についていろいろ問題点があって、その後やっていない。昭和二十二年に、当時大選挙区からこれを中選挙区に直すときに小沢佐重喜委員という方が、これは小沢一郎議員のお父様と伺っておりますが、提案理由の中でこういうことを言っております。
  わが国において小選挙区制で総選挙が施行されたことは、六回の経験をもつものであります。しかしながらこの六回の経験の結果は、少なくとも次に述べるような欠陥のあることが、明瞭にされたのであります。その欠陥の第一は、選挙区域が非常に狭小でありますので、その区域内の地方的人物のみが多く選出されまして、中央政治界に活動する大人物が、当選困難であったということであります。その欠陥の第二は、選挙抗争が非常に激烈になりまして、その結果は当然の事実であるところの、情実と投票買収という点が横行することに相なってまいっておったのであります。第三は、あるいは今後はこの弊害はないかも知れませんが、政府の官権濫用による干渉が非常に行われやすい。従って常に政府党が大勝しておったというのが、われわれの苦い経験の一つであります。その欠焔の第四は、議員の行動が常に地方的問題にのみ傾きまして、ややともしますと中央の問題には、きわめて冷淡であるというような欠点を有しておったのであります。以上の欠点というものは、ごくおもだったものだけを申し上げたのでありますが、このような趣旨におきまして、私どもはこの小選挙区を再び繰返すことのできないことは、言うまでもないのであります。
 こういう指摘をしておるわけでありまして、これは歴史的な教訓でございます。
 我々はこの制度を今後議論し、運用するに当たりましては、単に小であるからこれは善であり正義であるというわけにはいかない。あわせまして、しっかりした腐敗防止の後ろ盾、あるいは訴訟行為にかかわる改善、そして何よりも先ほど森山議員が指摘されましたように、我々政治家自身が痛みを伴う反省と自覚に立ちました法の運用というものをしっかりやらない限り、この問題が解消できないと私は憂えるものでございます。
 何をこれからさらに改善したらいいか。私は、この議論というものはここでゴールではない、むしろこれを契機に日本の政治が本当によくなる一つの出発点ではないかと思うわけでありますが、今後改善すべき点として何をお考えか、ちょっと山花大臣にお考えがあったら聞きたいのですが。
#81
○国務大臣(山花貞夫君) 今の小選挙区の欠点といいますか、問題点について特徴的な点を過去の日本の歴史に即してお挙げになりましたけれども、おっしゃるとおり問題点はあったと思ってお
ります。ただ、かつての小選挙区、六回という戦前を中心にいたした経験について考えますと、一番最初に法律ができたときは、帝国臣民にして年齢満二十五歳以上、直接国税を十五円以上納める者ということでしたから、有権者が全国四十五万人のいわばそういうレベルの人たちの間で行われた選挙、やっぱりかなりの有産階級の選挙だったわけでして、無産階級は全く関係ない。こういう時代から始まって、その後、直接国税が三円ぐらいになりましても、やっぱり有権者の数というものは今日とは全く比較にならなかった時代、こういう時代での小選挙区であったという特徴も同時に考えるポイントとしてはあったのじゃなかろうかと思っております。
 そうした中で、前半の問題点、そうしたことがあることについてはやっぱり考えなければいけないということからするならば、これからの問題としては、まずは今回、腐敗防止のために企業・団体献金について大きく第一歩を踏み出す、政治資金の制度、そして腐敗防止の制度についてもできる限りの手だてを尽くしているわけでありますが、この実際の運用ということを通じて政治家も倫理観を高める中でこの法律の適正な運用ということに期待するというところからまずはスタートではなかろうか、こういうように考えているところでございます。
 もちろん、きょう御指摘のとおりの法定選挙費用を守ろうではないか、あるいは裁判をできるだけ速やかにして制裁はきちんとしようではないか等々の問題が大事なことは当然だ、こういうように考えているところでございます。
#82
○委員長(上野雄文君) 野沢委員、警察庁と法務省は帰っていただいていいですか。
#83
○野沢太三君 警察庁、法務省、ありがとうございました。
 そこで、さらに何を改善すべきかという点について申し上げますれば、今回の一連の腐敗防止行為の中で事前運動の期間が算入された点は非常に前進だろうと思います。それから連座の対象に秘書が加わったこと、さらに執行猶予つきでも問題が適用になる、五年の立候補制限が加わったこと、これは先ほどの自治大臣のお話でも画期的でイギリス並みの腐敗防止に匹敵するというようなお話でございました。
 自治大臣、月世界の人というのは御存じでしょうか。英語で言うと、マン・イン・ザ・ムーンと言うのですが。
#84
○国務大臣(佐藤観樹君) まことに申しわけございませんが、存じ上げません。
#85
○野沢太三君 先ほど自治大臣がエージェントという表現をなさいました。そのエージェントを称して月世界の人、夜専ら動くということでありまして、イギリスの選挙法で見ると事務長さんというものの権限が非常に強くて、事務長は厳格に投票権まで制限されて選挙を取り仕切るんですが、その代理人として月夜の晩に動き回る人、こういうことが抜け穴になっていたということでなかなかうまくいかなかった。しかし、だんだん判例を積み重ね国民の目が厳しくなる中でそれすらできなくなり、したがって連座制強化の中で、候補者としては事務長さんがしっかりしてくれないと自分が失格をするというおそれが出てきた、こういう歴史的事実がございます。
 それまで事務長さんというのは、どちらかというとひそかに猟をするという密猟者であったと言われますが、しかし、だんだんそれが八三年の選挙法を契機に森番としてむしろ密猟を取り締まる、そういう立場に変わってからイギリスの制度は本当に立派になったというふうに言われておるわけでございます。私は、今回のこの制度は確かに前進ではございますが、今言ったように密猟者であるとか、あるいは月夜の晩にひそかに動くというところまで及ばないんじゃないかということを心配しております。
 これはもう与野党を問わず我々全体の痛みとして受けとめまして、もう少し徹底した腐敗防止行為を考えていかないといけないのではないか、かように心配をしております。今後一層のひとつ御研究、御検討をお願いいたしまして、次の問題に移りたいと思います。
 並立制の問題点でございますが、政府案が二百五十対二百五十の理念でつくられ、そして今日修正をされまして二百七十四対二百二十六、こうなりました基本的な考え方を山花大臣、お願いします。
#86
○国務大臣(山花貞夫君) 基本的には中選挙区制における個人本位の選挙制度を政党中心の選挙に改める、こうした目標のもとに、これまで議論がありました民意を反映させる比例代表の選挙、そして民意を集約させる小選挙区の制度、こう性格づけられた両制度をちょうど二百五十、二百五十ということで、それぞれの相補う制度として構成したというのが政府案のスタートでございます。
#87
○野沢太三君 昨日の社会党の大会を伺っておりますと、穏健なる多党制を目指すということを委員長も表明しておられます。あるいは過去の総理の答弁の中でも穏健なる多党制ということをおっしゃっているわけでございますが、私どもは、並立制というものは本来民意を集約しかつ反映させる、比例部分でそれを補完するとともに、やはり政権選択の制度であるということを主体に考えるべきではないかと思うわけでございますが、穏健なる多党制ということであれば、あるいは併用制であった方が適切ではないかと思うわけでございます。この点につきまして矛盾があるように思いますが、山花大臣、いかがでしょうか。
#88
○国務大臣(山花貞夫君) 御指摘のように、並立制の小選挙区の部分につきましては、そういう分け方がどうかという議論もあるかもしれませんけれども、民意の反映よりはいわゆる民意の集約という点に重点が置かれているものと一般には考えられております。それだけに、自民党の海部案、そして単純小選挙区制につきましての先ごろの自民党案というものについては、まさに政権選択、ここに焦点を置いて、これを自民党の皆さんは選挙制度についての哲学と、こうおっしゃっておったところも承知しておりますけれども、構成されておったということだと思います。そうした考え方と、今、並立制の方が民意反映のためにはよろしいのではないか、こういう御意見につきましては私も実はそう考えてまいりました。
 そこで、かつての社会党案、公明党案は併用制ということだったわけですが、比例代表をできるだけ組み込みたい、比例代表を中心に選挙制度をつくりたいという議論の対立の中から結論的にはそうなりましたけれども、今回はそれぞれの意見の重要なものを半分ずつ織り込んだ次第でございまして、単純小選挙区とは違います。比例代表の部分についても二百五十が二百二十六ということになりましたけれども、基本的なそうした性格づけについては変わっておらないのではなかろうか、こういうように考えているところでございます。
#89
○野沢太三君 地方分権という大きな政治目標が出てきております。私も分権特の理事を拝命しておるわけでございますが、大いにこれは進めていきたい課題でございますが、その意味でも、地方の意思をもっともっと国政に反映するためにも、現在の二百七十四という小選挙区の数はいささかどうも中途半端な嫌いがあるのではないか。第八次選挙制度審議会においても六対四で三百、二百の御提言もございます点を見ますと、定数部分につきましてはやはり自民党案の三百に修正をするのが適切ではないかと思いますが、この点、山花大臣、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(山花貞夫君) 委員御指摘の地方の声ということが、選挙の定数の関係におきましてはかっての定数是正のときも同じ観点がございましたが、過疎過密の問題をどう考えるのか。定数を一対二ということを念頭に置いて是正してまいりますと人口減少県についてかなり議員の削減が行われる、これが格差是正以来議論されてきたところでございます。
 そうした点につきましては、これは八六年の国会決議、過疎過密に配慮してということがありましたけれども、常に法案づくりの念頭にあったと
ころでございまして、今回もいろいろ議論はありましたけれども、各都道府県にまず一つ配当するというところから問題点を考えたということについては、それは一つの配慮だったと思っています。また、地方公聴会などの意見を反映させまして、総理の決断、そして衆議院における修正ということで二百五十から二百七十四に変えた。これもそうした地方の意見について反映したものではなかろうかと、こういうように考えているところでございます。
 同時に、国会議員は憲法四十三条で全国を代表する、こういう資格もあるわけでありますから、その辺の全体の調整ということならば、今回の政府案というものがこうした状況というものにかなり配慮したものであると、ぜひこう御理解いただきたいと考えるところでございます。
#91
○野沢太三君 今の点については、再度、再々度、あるいはトップレベルにおいてもひとつ再度の御検討をお願いしたい部分でございます。
 次に、比例の単位の問題に移りたいと思います。
 全国単位の衆議院の今回の提案は、参議院の全国単位の場合と形の上では全く同じになってしまう。中身はいろいろございますけれども、これは、二院制の建前から違った選挙制度で選び出す、こういった趣旨からいたしましても避けるべきではないかと思うわけでございます。
 かねてそういった御検討もされておるということで、問題点等も大臣から既に説明ございますが、これを総理が検討しておるという記事も昨日の産経新聞の夕刊で拝見をいたしました。この点につきまして、集計を全国単位で、あるいは名簿は県単位でと、こういうことが具体的に可能なのかどうか。山花大臣、お願いします。
#92
○国務大臣(山花貞夫君) 少し前の時期に同じ趣旨のものが出てまいりまして、昨日また、昨日は前回と比べるとちょっと一味違っておりました。前回出たときに意見としてありました、全国集計で都道府県ということにした場合には全く与野党を通じてゼロという県が、まあ私は三つぐらい出ると思ったんですけれども、出るということになりますという問題点があったことに対して、きのうの新聞の場合には、これまたその空白の県に対しても一人ずつ配当する、こういうようなことがつけ加わっておったというのが昨日の記事ではなかったかと思っております。
 正直に申し上げまして、ちょっと私、問い合わせいたしましたけれども、そういうものがどこから出たのか私の段階では把握しておらないところでございまして、したがって、それぞれの考え方はあったことはありましたけれども具体的な提案として出されているものではない、こういうように承知しておるところでございます。
 前回のときにもちょっとお話ししましたけれども、この今回のアイデア、全国集計でということにつきましては、ドイツの併用制の形というものを参考にしたものでありまして、これは全国定数五百について全体をということでかつて議論があったことについては承知をしているところでございます。野党もあるいは学者も提案しておったものですし、かつて私が社会党のこの問題について担当しておりましたときにも、連用制について考える前の段階ではかなり検討した案ではございましたけれども、今回は全く状況が違っております。
 約半分について小選挙区、残る部分について比例と、こうした形の中で全体ではなくその半分弱についてということになりますと、かつての議論とはかなり違った面が出てきているのではなかろうかと思っているところでございまして、与野党を通じてゼロのところが出るという問題点を克服するために一人ずつ配当するということになりますと、また新しい問題点も出てくるのではなかろうかと、こういうように考えているところでございます。
 将来の議論のテーマなのかもしれませんけれども、今のところではなかなかそういった問題について具体的に国会にお諮りするというところまでは来ていないのではなかろうかと私としては承知をしているところでございます。
#93
○野沢太三君 ドイツが併用制の中でこういったことを具体化していることもありますし、総理が今一生懸命勉強しているということであれば、そのまた事務局である自治省はもっとこれは真剣に実現の方法について検討しなきゃいかぬのじゃないかと思うんですが、佐藤自治大臣、御意見いかがですか。
#94
○国務大臣(佐藤観樹君) 前の毎日新聞の一面冒頭に出たあの記事どきのうの産経新聞の夕刊との違いは山花大臣が今言われましたけれども、いずれにしましてもあの制度は、極めて制度が複雑になることと、それから少数県ではどんなに頑張ってもなかなか議席が回ってこないという問題がございますので、今、山花大臣から言われましたように、とても各党このやり方が一番合意が得られるんではないだろうかというような雰囲気が盛り上がっていると私は思っておりませんので、担当の者として、学識経験者という立場ではいろんな形から事務局と一緒に勉強はしておりますけれども、さりとて今ここでこれを再提案するという政治状況ではない、こういうふうに考えております。
#95
○野沢太三君 いずれにいたしましても、この問題は参議院にとっては非常に重要な課題でございます。全国区制度でやってきた歴史と伝統、そしてまたここから選ばれました我々にとっては、これは一つの存在の意義を問われることでございますので、さらに検討を深めまして妥当なる比例単位を参議院としてひとつこれはつくり出さなきゃいかぬ、かように思うわけでありまして、人の家に上がり込んで、住み心地がいいからあなた方は出てくれという、これはいささか礼を失するんではなかろうかと思うわけであります。
 その意味で、もっと顔の見える形で、衆議院の特性である地元あるいは国民の代表としてのつながりが民意をとにかく代弁するという立場にふさわしい比例制を考えていただきたい。その意味でも、負けた者だけが比例区で来るという制度はいささかどうも私は納得しがたいわけでございます。惜敗率という言葉自身が我々は気に入らない、善戦率と自民党では呼ぼうではないか、かように言っておるところでございますが。
 それと、重複立候補の方と比例名簿単独の方との順位づけの問題もあろうかと思います。
 これは各党の判断に任せられる部分が多いわけではございますが、先ほど森山議員からも御指摘のとおり、女性が出にくいのではないかという心配がございます。例のクオータ制をとって、比例につきましては三分の一、四分の一程度を女性部分として確実に割り当てる、こういった制度を制度化するというお考えはないでしょうか。これは自治大臣にお伺いしましょう。
#96
○国務大臣(佐藤観樹君) 今度の選挙制度というのは非常にいろんなやり方が私はあると思うんです。
 今、委員御指摘のように、比例代表の方に小選挙区を持たない重複立候補をしない方、党がどうしても必要な方を上位に載せて、そのあとは今度は重複立候補した人の善戦率にしろ惜敗率にしろそれで載せるというやり方もありましょうし、その中に女性を入れるというやり方もございましょうし、女性が比例代表の方で上位で名簿に載るというやり方だってあるわけでございまして、それは先ほど山花大臣から答えましたように、挙げて党の問題で、党の裁量において女性を三割なりなんなり出したいと思えば、それはいろいろやり方があるわけでございます。
 ただ、これを制度ということにいたしますと、憲法上身分とか性別とかで差別をしてはいけないということがございますので、制度とすることは私は困難だと思っておりますので、ひとつ政党の裁量権の中でこれは解決をしていけるし、またいくべき課題であると考えております。
#97
○野沢太三君 そのとおりでございますが、やはり今の女性の置かれた立場を考えた場合にはある程度制度上の支えをある時期必要とするのではな
いか、かように考えるわけでありまして、恐らくこの制度で女性を優遇した党は相当票がたくさん入るだろう、かように考えますから、その点は今後の課題にしておきたいと思います。
 それからもう一つ、かねてから疑問に思っておったんですが、除名とか離党した人が出たときに、それがどうも当事者同士で全部了解されていない、そういった場合に、繰り上げ当選をその方を抜いて出すというようなことが果たしていいのかどうか。名簿を出すということまでは政党のこれは判断でできるわけですが、一たん出した名簿は選挙民に対してその全体がやはり私は公のものとして固定されるんじゃないかという考えを持っておるわけでございますが、この点につきましての御判断、これは自治大臣にお伺いしましょうか。
#98
○国務大臣(佐藤観樹君) 衆議院の比例代表選挙におきまして、名簿登載者で当選にならなかった者が除名をされたり離党をしたり、あるいはその他の事由によりまして当該政党に所属する者でなくなった旨の届け出が文書で選挙長に行われておりますときには、もしその順番が来ましてもその人は当選にならない、こういうことに改正されました公選法の九十八条三項はなっておるわけでございます。
#99
○野沢太三君 ところが、御本人は納得していない、訴訟継承中という場合に、仮にその訴訟がひっくり返った場合には今の問題はどうなるでしょうか。
#100
○国務大臣(佐藤観樹君) 訴訟の結果が出たときでございますけれども、既に選挙管理委員会で、除名されなかった人、その下にいた人が繰り上げ当選をしておりますので、当選人の決定という行政処分に影響を与えないというふうに我々は考えております。
   〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕
#101
○野沢太三君 ちょっとこの点は納得できません。もう少し明確な判断をいただきたいと思います。
#102
○国務大臣(佐藤観樹君) それは結局、除名なり党を離党するなりその他の事由によりまして名簿から離れるということは、党と個人との関係ということが基本でございますので、そしてもう一つ、行為といたしましては、選挙会を開いて選挙長が、あなたが当選人です、と言ってその人以外の繰り上げた人を当選人にしてしまっているという行為がございますので、そこでそれを戻すということになりますと、議員の身分というのは一体どういうことになるだろうかという問題が発生をいたします。
 やはり裁判の結果、もしその訴訟が除名をされた人に有利であったとしても、既に選挙長が選挙会を開いて当選ということを確定した以上、それをまた覆すということは混乱を招くことになりますので、私たちといたしましては、それは訴訟に勝っても、またそれによって前に当選になった人を除いて繰り上げ当選になるということは行政の混乱という面からいいまして適当ではないと考えております。
#103
○野沢太三君 選挙民の方が私は大事だと思います。選挙であらわれた意思の方が大事でありまして、単に選挙管理委員会が認めた認めないというのは事務的な話ですから、それを覆せないというのはちょっと納得いきかねます。もうちょっとその辺をはっきりさせてください。
#104
○国務大臣(佐藤観樹君) 今の参議院の制度もそうなっていること等もございましてこういうことにしてございますが、なお細部につきまして選挙部長から答弁させます。
#105
○政府委員(佐野徹治君) 除名が訴訟の結果無効とされた、この場合の考え方の問題でございますけれども、当選を争う争訟手続というのが公職選挙法で定められております。したがいまして、公職選挙法の争訟手続によりまして結論が出されない限り、委員の方から今御指摘のございましたそのことだけで直ちに繰り上げ補充で当選した議員の身分が失われるものではない、こういうように考えておる次第でございます。
#106
○野沢太三君 選挙が無効ではないかという気がします。
 ジャンプしていいんだということがそういう形で通るとすると、相当恣意的な形で名簿の改廃が行われるおそれがある。そんな権威のないものかどうか。私どもは名簿の順位というものは大変神聖にして侵すべからざるものと、かように考えるわけでございます。この点は納得できませんので、ひとつ問題を保留させていただきたいと思います。
 次に、関根委員の方から、衆議院の場合の三%の阻止条項と参議院の四%条項の食い違いがあるじゃないか、いい悪いは側としてこの食い違いをどう考えるかという点について、先般来統一見解というお話がございましたが、やはり同時選挙ということもあるので、これについてはしっかりした考え方に基づいて法のもとの平等ということでチャンスを同じくしていくべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 これは山花大臣にお願いします。
#107
○国務大臣(山花貞夫君) 法のもとの平等という観点からの御指摘でしたけれども、現在の参議院につきましてはもう言うまでもなく四%という条項がございます。今回、法律を衆議院についてつくるに当たりまして、この阻止条項問題につきましては参議院の四%ということを十分しんしゃくして、政策判断として三%と、こうした提案をさせていただいているところでございます。
 この衆参の制度の差ということにつきましては、何回か申し上げましたとおり、参議院の制度の骨格部分については手を触れおい、こういうことで、今回の衆議院の選挙制度の変更に伴ってどうしても必要な部分ということになりますと、ビラとかはがきとかそういった部分的なものになります。したがって、そういう部分だけに絞りまして、この参議院の四%については手を触れることがなかったわけでございまして、過日申し上げましたとおり、衆議院と参議院では定数、名簿届け出に係る候補者数要件等選挙制度の仕組みが異なることもあり、選挙に際しての候補者名簿届け出に係る得票率要件について衆議院と参議院との間に相違が生じているものでございます。
 なお、参議院の選挙制度については、政党要件も含め、今後各党各会派において十分御論議賜りたい、こうした統一見解を過日も申し上げたところでございます。
#108
○野沢太三君 政党助成法では私どもにもいただけるんでしょうから、その場合は三%になるわけですね。大変これは矛盾が出てくるんじゃないかと思うんです。その意味でも、参議院制度を直すかこちらを直すか、これについては相当議論が要るんじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(山花貞夫君) 参議院について四%ができた経過を振り返ってみますと、定数五十、そして一人、そのためには二%、裏表に書いていることになるから四%と、大ざっぱに言うと大体そういう考え方だったと思います。
 正確に必要だったらまたつけ加えたいと思いますけれども、そうしたでき上がった参議院の制度が今あるわけでありまして、この制度については、今申し上げましたとおり今回衆議院を変えるからといって参議院の制度の骨格的な部分について手をつけることはしない、これは参議院の皆さんの御議論、これから始まる本格的な改革の中で議論していただく、こういう前提をとっておりますので今回は触れておらないところでございまして、これは最終的に衆議院のところがどうなるかということを含めてまた改めて参議院独自の立場での御検討を進めていただくという部分ではなかろうかと思っております。
#110
○野沢太三君 どうも釈然としませんが、これは参議院の制度との絡みもございますので後へ譲ります。
 今回の一連の改革法案の一番の問題点は、地方の視点と参議院に対する配慮が著しく欠落しておる、こう言われておるわけでございます。特に地方の選挙制度が直ちにこれによって影響を受ける
可能性がございます。その意味で、都道府県議員の選挙区は実質上大選挙区のようになっている実態がございますし、また、市区町村議員についても同様の問題がございます。
 この制度にあわせて地方の制度をどのように直そうとしておられるか、自治大臣、ひとつ。
#111
○国務大臣(佐藤観樹君) 例えば県会をとりました場合に、ある市におきまして、たしか最高が十八名だと思いましたけれども、という大選挙区もございます。一方、一名区が約四割二分ぐらいだと思いましたけれども、全選挙区であるということで、例えば県議会をとった場合には範囲が非常に広くなってきております。
 したがって、これをどうするか、どうあるべきかという問題につきましては、先ほども申し上げましたけれども、市町村長というものが直接選挙によっている制度ということもございまして、ここが国政の議院内閣制とも違いますし、また政党とのかかわり合いというのも県レベル、市レベル、町村レベルでまたいろいろと違うということもございますし、また、これから地方分権ということで、今の地方自治体のサイズというのが、このようなことがずっと続くんだろうかというようなこともございますので、私たちはそういったことをトータルに考えて選挙制度も考えていくべきだと思っております。
 なお、御承知のように、今度もし二百七十四の小選挙区を割る場合に市が割れました場合には、その市の境界線というものを例えば県の選挙なら県の選挙において割ってもいいということが書いてございますので、直接的にはその部分が影響してまいるわけでございます。
#112
○野沢太三君 ぜひひとつそういう意味で、区割りをなさっていく場合についても一対二という原則、これがやはり基本だろうと思いますが、その他の条項につきましても、なるほどとまさに選挙民の皆様が納得できる形が貫かれるようにしなければならぬじゃないかと思うわけでございます。
 そこで、選挙区画定の審議会でございますが、これをなぜ総理府に置くのか。やはり衆議院に置いて、これは衆議院が立法府としてしっかりと自律性のある姿でつくって、ゆめゆめゲリマンダーとかハトマンダーとか言われるようなことが政府側として言われないだけでもいいじゃないか、かように思いますけれども、いかがでしょうか。
#113
○国務大臣(佐藤観樹君) 二つお答えさせていただきたいと思います。
 従来、衆議院の選挙区の問題を扱います選挙制度審議会のときには、その区割りを担当しますものは総務庁のもとに置いてきた、いわば総務庁の所掌事務になっているということが一点でございます。
 もう一つは、四本一括して法案を出したわけでございますので、選挙制度の改革を含むものを出しておいて、あとの具体的な区割り案はひとつどうぞ国会の方でというのでは、提案者という立場からいいますと、これは無責任のそしりを免れない。
 そういう意味におきまして私たちは、総理府に置いて客観的な第三者によるところの学識経験者と名によってこの区割りをするということになって、十分客観性というものを担保できるということで出させていただいたわけでございます。
#114
○野沢太三君 この点につきましても、ひとつ今後の修正の中での議論として御検討いただきたいと思っておるわけでございます。
 そこで、問題は参議院の選挙制度でございますが、参議院の存在というのは、憲法の定める趣旨からいたしますと、衆議院に対する抑制あるいは均衡、補完、こういうふうに言われておりまして、そのためには違った選挙制度で選ばれるということが不可欠であると解しておりますが、これに対して山花大臣いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(山花貞夫君) 選挙制度を含めて憲法の想定する二院制の趣旨を生かす、ここが要点だと考えているところでございます。
#116
○野沢太三君 そこで、これまでも裁判所におきまして参議院の選挙制度あるいは衆議院も含めた議論がございますが、この間大阪高裁判決が出まして、違憲状態にあるという判断が示されております。これを見ますと、最大六・五九倍の格差が出てきた、これが六倍を超えれば違憲状態との判断を示して、国会がこの違憲状態を回避、是正する措置を講じなかったことは国会の裁量権を超えていると国会の怠慢を厳しく批判した、こうなっておるわけでございます。
 そこで、これまで最高裁の判例として幾つかあったわけでございますが、これはこれまでどうなっておりましょうか。
 法制局、きょうおいでですね。どうぞ長官、お願いします。
#117
○政府委員(大出峻郎君) 今お話しございました大阪高裁判決につきましては現在最高裁に上告中であるというふうに聞いておりますが、これまで参議院議員の定数訴訟について最高裁で違憲であるという旨の判決がされたことはないというふうに承知をいたしております。
#118
○野沢太三君 高裁レベルですから、まだこれどうなるかわかりませんけれども、しかし一つの判断としてはこれは注目に値する課題であろうかと思います。
 そこで、私どもは衆議院が今回抜本的な是正をしている中で、これにふさわしい参議院制度のあり方はどうあったらいいか、これについてひとつ選挙区あるいは比例区についての御見解を、山花大臣、お願いしたいと思います。
#119
○国務大臣(山花貞夫君) 基本的には、先ほど申し上げましたとおり、憲法が想定する二院制、それぞれ位置づけとしては国民代表であることについては同質であるということを前提としながら、憲法上も衆議院の優位性その他についていろいろな部分があるわけでありますが、その趣旨を生かした制度と運営というものが望まれている。御質問に答えれば、参議院につきましては、自主性、独自性というものを生かすような、そうした特徴というものをどうこれから制度の面でも運営の面でもということになると思っております。
   〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕
 ただ、幾度か繰り返して申し上げているとおり、今回政府の立場から具体的な提案ということについては差し控えた経過がございます。この問題については、これまでの自民党ならば政治改革の大綱、そして引き続いての選挙制度審議会、引き続いての長い議論というものの経過がございます。与党、野党を通じてそれぞれが大変大きな関心事と思って議論を続けてきているところでございますので、そうした議論というものを、これから具体的にこの衆議院の制度が成立したことに引き続いてできるだけ早期に議論をスタートさせ、結論を得なければならないものと、こういうように考えているところでございます。
#120
○野沢太三君 第八次審が既に一つの提言をしておりますし、自由民主党としても大綱という形でまとめまして、定数の是正あるいは比例の投票方法を含めた具体案を既に用意をいたしておるわけでございます。今回のこの政治改革に当たりまして、この参議院改革に関しましてどのように進めたらいいか、これについて明確な担保が必要である、私どもはかように考えるわけでございます。
 現在私どもがやっております比例代表の制度につきましても、最後の段階におきまして、徳永議長さんでございましたが、二回やったら見直すということがはっきりあの段階で明記された。しかし、それにもかかわらず、四回を数えましても今日まだこれができていないわけであります。あそこであれだけの議論があったにもかかわりませずこういう状態ですから、こうした議論、議事録だけ残っているというだけではもう全然これは力にならない。何としてもひとつ法案の附則なりあるいは附帯決議なり、一歩下がってもそういった形なりで今後参議院制度を引き続き改革するということを明示されないと私どもとしては納得できないわけでありますが、山花大臣。
#121
○国務大臣(山花貞夫君) 法案作成の経過などを通じまして、参議院段階における与野党の御議論についてできる限り勉強させていただいたつもり
でございます。そして、いろんな経過がありましたけれども、自民党の方が参議院についての制度改革の大綱をおまとめになったということも承知しております。同時に、与党の方におきましてもかなり精力的にこの問題について議論を進めており、さまざまなこれから手続とか手法ということについてはお知恵が出てくるんじゃなかろうかと思いますけれども、参議院の議論が進んでいる、こういうことでございますので、まずそこから始まるのではなかろうかと思っているところでございます。
 今回の法案に参議院についてはこう考えるというようなことにつきましては触れてはおりません。また、院の立場でどうするかということについては別の問題として、政府側としては、まずは衆議院の今回の法案について出させていただいて、くどいようですけれども、もうこれから先の日程などを考えますと、かなり早い時期に具体的なその作業を進めなければいけないテーマだ、こう考えているところでございます。
#122
○野沢太三君 確かに政党自身が考えなきゃいかぬこともあり、それから院が自分の問題として自決せねばならぬ問題もございますが、今回これが政府提案で出ているということは非常に重要でございます。
 政府としてはどうしたらいいか、中身までもちろん言えとは言っていないわけでありますが、改革をせにゃならぬという問題はあろうかと思うんですが、再度ひとつ御答弁をお願いしたいんです。
#123
○国務大臣(山花貞夫君) 今回政府提案としたことにつきましては、実は法案について検討する一番最初の作業だったわけでして、本来は、議会政治の土俵づくりのテーマであるとするならば議員立法とすべきではなかろうかといったかなり強い主張もございましたし、これも私は重い主張だと考えておりました。
 そこで、一番最初に法案提出の形式について議論をした場合には、その二つの議論をかなり徹底した中で、最終的な結論としては、今回政治改革政権と銘打ち、そして総理も強い決意を表明している、今回は、これまでの衆議院における長い議論もございましたので、そういう議論を踏まえた中で政府提案とさせていただこう、こういうように結論を出して政府提案としたものでございます。
 参議院の法案、制度改革ということになれば同じテーマがあるものと思っております。ルールづくりの問題だから与野党で議論して合意を得たもの、それが当然のあるべき姿ではなかろうか、こういう議論もやっぱり強いんじゃなかろうか、こういうようにも思っているところでございまして、そのことを含めてこれからの議論ではないか、こう考えているところでございます。
#124
○野沢太三君 議員立法であれば我々は、与野党協議いたしまして、引き続き参議院について改革を進めるべきであるということを相当重い形で入れ込んでいただく、こういうことでありますが、それをわざわざ閣法で取り上げたんですから、これについても政府は尊重するとか協力するとかいろんな取り上げ方があるんじゃなかろうか。もちろん中身は、これはもう我々自身の問題でございますから、与野党の協議、我々自身の努力、こういったものが必要でございます。
 この点につきましてはどうしてもひとつ加えていただきたい。自治大臣、どうでしょうか。
#125
○国務大臣(佐藤観樹君) 山花大臣からるる御説明いたしましたが、衆議院の選挙制度についてのことにつきましてはかなり長い時間衆議院でも討議が行われ、かつ選挙の結果ということになって、いわば政治改革政権としての細川内閣が発足をしたということにかんがみ、政府提案とさせていただいたわけでございます。
 当然私たちは、その法案をつくるときには参議院の選挙制度についても頭に十分入れていろいろと考えてきたわけでございますけれども、参議院につきましては既に自民党さんの方も改革案をまとめられている、あるいは与党の方でもいろいろな議論がなされているということであり、基本的には事は国権の最高機関たる院の構成にかかわる話でございますから、本来ならこれはやはり院の中で各党各会派がいろいろ議論をやっていただいて、参議院かくあるべしという議論をまとめていただくというのが、政府と国権の最高機関たる国会の立場ということからいえば私たちはそれが一番いい形ではないかと思ったわけでございます。
 なお、申しわけございませんが、先ほど答弁しました中で、衆議院議員選挙区画定審議会のときに、私は総理府と言うべきところを総務庁と言ったようでございますので、当然のことながら訂正をさせていただきます。
 また、総理府に置くことにいたしましたのは、これは単なる十年ごとの改定だけではなくて、著しい不均衡が起こった場合、例えば小選挙区が三倍を超えてしまうというような場合とか、ほとんどが二倍を超えるようになってしまったとか、こういうような場合も改正するということで、常設機関ということでございますので総理府に置いたわけでございます。
#126
○国務大臣(山花貞夫君) 御参考までにちょっとつけ加えておきたいと思うのですが、法案提出の形式につきましてちょっと振り返ってみますと、参議院に比例代表制導入が昭和五十七年ですが、このとき以来今日まで、幾つか、七回ほど関連した法案が出ておりますけれども、閣法になったのは一度だけ、繰り上げ補充の制度について閣法にしたところでございまして、期間、選挙運動、定数是正、あるいは寄附禁止、そしてまた定数是正、緊急改革等、すべて参議院の法律、参法、衆法という格好で、閣法ではなかったというのがこれまでの最近の経過でもございます。
 今回は、政権の性格づけというところからあえて閣法に決断をしたということでございまして、流れは一応以上のようになっていることについてもひとつ御説明、御報告しておきます。
#127
○野沢太三君 そう言いながらも、戸別訪問であるとかあるいは政治資金に関しては、参議院もこれは当然制約を受け拘束を受けるわけでございます。この問題については引き続き同僚議員あるいは今後の修正の意見の中で深度化させていただきたい、かように思うわけでございます。
 次に、先ほどの森山委員のお話にもありましたが、戸別訪問問題でございますけれども、我々は有権者九千万を超す中での運動をやっておるわけで、そもそもお金がかかる、あるいは体力の限界を超えるということから比例制というものを導入したという経緯があるわけでありますが、またまたここで戸別訪問をやって、さあ一斉に自由にやれと言われたら、もう朝令暮改も甚だしいじゃないか、絶対この解禁はできないと、かように思います。御意見はいかがですか、山花大臣。
#128
○国務大臣(山花貞夫君) 今回、参議院にも戸別訪問の制度ということにつきましては、さっき申し上げました、全体の骨格については手をつけないまでも、どうしても必要な限りではこうした提案をさせていただいたということの一つでございます。
 また、戸別訪問については、森山委員からもいろいろ問題点御指摘いただきましたけれども、議論があることについては承知をしているところでございますが、かつての参議院の全国区は残酷区であったという、非常に厳しかった選挙の長期における運動ということとは、今回仕組みとしては、戸別訪問、選挙が始まる期間ということでございますから、これは当然候補者本人の歩く限度についてはもうわかり切っているというところもあるんではなかろうかと思います。
 そういう意味では、しかし参議院は難しいではなかろうかという御議論もいろいろありましたけれども、例えば参議院の選挙と地方議員の選挙が同日選挙になった場合、また衆議院がなった場合、こういう場合には、一方においては認められ一方においては認められないということについてはやっぱり難しいのではなかろうか等々のことなども議論をして今回提案させていただいたところでございまして、この点につきましては、こうし
た判断についてまた院の議論というものを十分尊重したいと、こういうように申し上げてきているところでございます。
#129
○野沢太三君 もう一つ大事なことを申し上げますが、これまで個人の資金団体、あるいは管理団体という呼び方もありますけれども、これに対して企業献金を禁止するということになっておりますけれども、これまでの議論の中で、政党の支部を上手につくればそこに幾らでも入るじゃないか、抜け道だらけと新聞でも言っております。
 それよりも、自民党で申し上げているように、限度を決めて、ガラス張りにして、責任を持たせて企業献金を一定期間受け入れていく、これはやはり地方の無所属の首長さんたちや議員のことを考えても絶対これは欠かせないだろうと思いますが、この点に関する御意見、いかがでしょうか。
#130
○国務大臣(山花貞夫君) 問題の焦点は、今回、腐敗を根絶させるための選挙制度を実現していく、こういう観点から、政治資金、腐敗防止についても全体として提案させていただいているところでありますが、企業・団体献金を一体どうするかというところに国民の皆さんの関心も集中しているところだと思っています。
 そして、この部分について五年後見直しという前提を置きながら、今回は、まずは企業・団体献金について、この対象を、全面禁止というところまではなかなか現実的に難しかろうということから政党、政治資金団体に絞り、しかしこの政治家個人や政治家の後援団体等については即時全面禁止とした、これが大きな法案のめり張りのついた部分でございまして、やっぱりその前提のもとにできるだけ整理をしていきたい、こうした整理をしてきたところでございます。抜け道があるではないかということについては、このお金の、資金の流し方等を含めてこれまで幾度か指摘されましたけれども、そうしたいわば国民の皆さんの関心にこたえてつくった制度の抜け道ということを行うならば、その政党はかなり強い批判を浴びることになるのではなかろうかと思っています。企業・団体献金の抜け道のために支部をつくるということは、そのこと自体が批判を受けるところではなかろうかと思っている次第でございます。大前提に基づいて、できる限りこのいわばめり張りをつけた部分については生かし切りたいというのが今回の提案の趣旨でございます。
#131
○野沢太三君 時間が厳しくなりましたが、最後に一、二提案を申し上げます。
 私どもは選挙運動を全国にわたって展開するならば、もっとマスメディアを活用すべきである一と。例えば私ども比例区の場合には政見放送を十五分だけ二回認めておられる。たった二十秒しか我々は物をしゃべれない。これではやっぱりもったいないじゃないかと、こういうことではいけません。
 それから、投票率が下がった下がったと言うけれども、六時で打ち切られると、これ大変なんですね。やっぱり外国でやっているように午後八時とか九時とかここまでは認めて、それからしかもウイークデーでもいいじゃないかと、こういう御検討もぜひしていただきたい。
 それから投票方式を記号式でと言っておりますが、これはぜひ公平にデザインその他はしっかり考えていくようにしてほしい。右の端とか左の端は大変これ有利なんですね。そういった面で歌舞伎の番付じゃないですが、一番右に当たった人は必ずふえます。そういった点も配慮をしていただきたい部分でございます。
 それから、最後になりましたが、今後の参議院改革の一つの柱として、私は、党議拘束というものを緩和して議員個人の見識により投票行動を行う、これを一つの柱にすべきではないかと考えております。
 それからもう一つ、開かれた国会へ、こういうことで私どもこれまで国会審議のテレビ中継というものをやってまいりましたが、試験的にやって成功しております。自治省の御協力もいただきCATV連盟の御協力もいただいてこれから試験的にやろうと言っておりますので、ぜひこの方向で自治省その他関係の皆様も御支援をいただきたい。
 以上申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
#132
○委員長(上野雄文君) 午後一時五十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十三分開会
#133
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。
 吉川春子君提出の集中審議の開催を求めることの動議を議題とし、直ちに採決を行います。
 本動議に賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#134
○委員長(上野雄文君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本動議に対する可否を決します。
 本動議については、委員長はこれを否と決定いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#135
○委員長(上野雄文君) 休憩前に引き続き、六案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#136
○星野朋市君 大蔵大臣、大分お待たせいたしまして申しわけございません。この際でございますので、政治改革の問題はさておきまして、現在非常に問題になっております所得税減税と財政の今の状態について詳しく実はお聞かせ願いたいと思っているわけです。
 今、大臣の頭にある所得税減税は、景気対策のための所得税減税であるのか、税制改革による抜本的な改革、いわゆる直間比率の是正という意味での所得税減税が頭にあるのか。もちろん、これは景気対策といいますと所得税減税でなくて政策減税も含むわけでございますけれども、そこを含めてどちらに重点を置かれているのか、お聞かせ願いたいと思います。
#137
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの星野委員の御質問でございますが、まず、これからしっかりした福祉社会を築き、そしてまた総理のよく言われております実の伴った質の高い国家をつくり上げていく、そういう社会をつくり上げていくには現在のような勤労階級だけに特化しつつある税制負担のあり方は直していかなければならない、これが基本にあります。そのことを税制調査会に諮問したところ、御承知のようにこれからの正しい福祉社会のあり方は、法人税も含めてでございますが、今のようなやや所得税に特化した国民負担のあり方は無理がある、もはや限界に来ている、その分を消費課税の充実によって賄うべきであるという基本的な方向が示されております。私は、この点は正しい物の考え方であるとまず考えております。
 もう一つ、今、星野委員の言われた当面の景気対策の問題であります。
 景気対策については、私は現在の景気の情勢から見てあらゆる手法を使っていかなければならないとは考えております。既に、公共投資政策、政策減税政策、あるいは公定歩合政策、これは日本銀行の専管でありますが、そういうものをフルに稼働しておりまして、御承知のように、今世の中では残されたもう一つの政策手段である所得税減税を行うべきであるという強い世論があることもよく承知をいたしております。星野委員もそうだったかと思いますが、反面このことが消費増加効果に余り大きな影響がないではないかという御意見のあることもよく承知をいたしております。
 そういう中でこれをどう扱うかというのは、ややお聞き苦しいのかもしれませんが、これが現実でありますが、経済問題協議会で現在最後の詰めをやっておるわけであります。
 私は、景気対策というのは今の景気の現状からいったら必ずやらなければならないけれども、前にもこの場で申し上げたように、必ずマイナス面が伴っているということを常にバランスをとって
評価しなければならないと思います。公共投資政策というのは、将来の負担を残しております。公定歩合政策というのは預金者にとってはマイナスの効果を持っております。政策減税というのは公平な税制ということに対する批判をのみ込んでいるわけでありますから、常にそのバランスをどう考えるか、こういうことだと思います。
 したがいまして、大幅な所得税減税政策にはその裏として財源の問題があるわけでありますが、これを私の言葉で言う垂れ流し的赤字国債によって賄うということは余りにマイナス面の効果が大き過ぎると考えておりますから、私は政策選択としてあってはならないことだと思っております。したがいまして、景気対策としての所得税減税についてもしかるべきその返済の担保をしていかなければならない、これが私の率直な気持ちであります。
#138
○星野朋市君 昨年の十月八日、予算委員会におきまして、私は大蔵大臣とその点について若干議論をいたしました。景気対策のためのいわゆる戻し減税的な所得税減税は実は余り効果がないんではないかと。この点では御認識と一致しているわけでございますね。
 それで、そのとき申し上げたのは、いわゆる所得税減税によって消費効果を期待しても、これは従来の一般の人々の消費構造に対する感覚というのが大分違っておるので、バブルのときのようなあの状態を一部頭に置きながらそれを期待してもだめなんじゃないか、まして雇用問題が大きくなっておる、この雇用不安に対するセービングという問題がどうしても起こってしまう、そういうことを申し上げました。
 この点では今でも大臣の認識としては同じでございますか。
#139
○国務大臣(藤井裕久君) 学問的な言い方をすれば、不況期ほど減税の所得効果は低いということが言われているし、そのことは実態をよくあらわしていると思います。
 しかし同時に、今申し上げたように、あらゆる手法を講じて政府がやっているというこの姿勢が心理的な面においてプラスになるということは否定できないと私は考えております。
#140
○星野朋市君 もう既に総額三十兆に上るいわゆる景気対策というのがとられながら、なかなかその効果が出てこない。これも事実でございましょう。ただ、私から見てみますと、第二次補正予算の執行率がまだ非常に低い、これから効果をあらわす時期ではある、こういうふうな認識を持っております。
 それで、実は今私が所得税減税と財政の問題について特にお聞きをしたかった問題は、当面の問題はこれいろいろ、いわゆるさはさりながらなんですけれども、大蔵省は要するに中期の財政状況の展望を持っておられて、私も資料はないわけじゃないんですけれども、日本の成長率をどのくらいに見るか、これが一番大きなポイントなんですね。
 実は、昨年、今年度を通じて大蔵省が策定した経済成長の見通しは実質三・五、名目五%、収入は名目で上がってくるものですからこれは正しいですけれども、弾性値一・一というのを掛けて、これで歳入の見積もりをずっとしているわけです。それで、中期でこの歳入歳出の状況を見てみますと、毎年末にそのギャップ、いわゆる歳出の方が多い状態で、大蔵省はその場合にこれをたしか要調整額と呼んでいると思うのですが、これが歴年五兆から六兆ずっとあるわけですね。これは赤字なんです。
 そこで、来年度の経済成長の見通しが、今これは経済企画庁が一生懸命おやりになっていると思うのですが、どのくらいになるのか。まさか実質三・五%なんという高い数字が出るわけないんですから、そうすると、今の歳入の弾性値一・一というのからすれば歳入欠陥はますます平年度でも大きくなる、こういうことだと思うのですが、その点いかがでございますか。
#141
○国務大臣(藤井裕久君) 今、星野委員、当面の景気対策といえども日本の将来を見据えてやれと言われた。これは全くそのとおりであります。したがいまして、社会資本も将来の国民生活にプラスになる社会資本の形成に公共投資政策はやらなきゃならないということ、そしてまた、繰り返すようでありますが、垂れ流し赤字国債をやったのでは次の世代に全くマイナスになりますからこれをやってはいけないということなど、すべて星野委員が今言われたように将来を見据えての当面の景気対策でなければならない。これは非常に私ども重要な視点だと思っております。
 次に、今御指摘の点でございますが、実は前内閣のときにできた生活大国五カ年計画によって今の名目五、実質三・五はできております。そして、大蔵省のお話が今ございましたが、大蔵省は平成元年でもって十五年ぶりに赤字国債を脱却いたしました。そのために、平成二年から、生活大国五カ年計画を前提として平成七年には国債依存度を大体五%に持っていこうという一つの仕組みを考えて、ここで一つの図式をつくったわけでございます。それによって、このくらいの要調整があるからどうしようといってやってきたわけでありまして、過去においても、その要調整は歳出の見直しあるいは歳入のいわゆる増徴政策等々をとりましてこれを埋めてきたわけでありまして、平成六年度以降においても、徹底的な歳出の仕組みの見直し等をやってこれを埋めていくということも一つであります。
 おっしゃるとおり、生活大国五カ年計画の実質三・五というものは、私は経済企画庁長官の分野まで入ることは差し控えますけれども、現実にはなかなか平成六年無理であるということであれば、同じように徹底した歳出の見直しをするというのが平成六年度予算編成の基本的姿勢でなければならないと思っております。
#142
○星野朋市君 そういう状態の中で、余り大蔵省を支援するような質問では申しわけないんですけれども、要するに、ここで所得税減税をして赤字国債を発行しろと。この金額が多くなった分だけ実はその分が上乗せされるわけでございます。そうすると、税制調査会で問題になったいわゆる直間比率の見直しで片方で間接税を上げるということでありますけれども、仮に担保があったとしても、この間に累増した赤字分は返せないと思うんですが、いかがでございますか。
#143
○国務大臣(藤井裕久君) 私、国債政策全般にもつながる問題だと思うんでございますが、御承知のように昭和四十年度予算から国債を発行いたしまして、五十年度に赤字国債を出したわけでありますが、私は建設国債であろうと特例公債であろうと、今おっしゃった機能は同じだと思います。将来に負担を残します。なぜ建設国債だけが是認されているかと言えば、それは歯どめがあるからだと思います。本当のこと言うと、現在のような景気対策を大幅にやりますとどこが歯どめなのかという御議論ももちろんありますが、しかし、一つの歯どめがあると思います。
 この赤字国債による減税というのはそういう言い方をしておりますが、裏から言いますと最大の経費項目は国債費です。過去の借金の返済を赤字国債でやるということです。第二の経費が社会保障費です。社会保障を赤字国債でやるということを意味しております。第三の交付税はこれは三税ですから別として、第四が文教費です。文教費を、赤字国債でやるということを意味しておりまして、そんなことはあってはならないということを私は予算編成に当たって非常に重要な事項だと考えております。
#144
○星野朋市君 昨年末ですか、これは国債の発行残高、とにかく百八十兆を超えて百八十三兆ぐらいになっておるわけですね。そうすると、今の財政状況で国債の残高が二百兆を超えるのはもう目前。今の国債費が予算総額に占める割合が既に二〇%を超えているという非常な硬直化された状態であるとすれば、ここをどう解消するのか、どう対処していかなくちゃならないのか。要するに国債の発行残高はどこまで許されるのか。ここら辺が今まさに非常に大きな問題として大蔵省一番頭が痛いところだと思うんです。もし国債費が、例
えば二十数%、二五%、国家予算の四分の一を占めるような状態になったとして、今、国債は何とか消化できているからいいですけれども、経済の情勢によっては国債を売りさばくことができなくなる可能性もある。日銀引き受けというようなことになったら大分インフレになりますね。
 それからもう一つは、郵貯であるとか厚生年金、いわゆる財投資金というのが今増加していますから、そこからかなり使われるわけですけれども、要するに、もう間もなく二十一世紀を迎えるこの状況にあって、私はまだ本格的な議論がされていないんだけれども、いわゆる高齢化社会というのは貯蓄率の低下問題を引き起こす。ここが中期、長期で見ると非常に大きな問題になってくる。そこをあわせると、今整備すべき社会基盤、これもなくてはならないけれども、安閑として二十一世紀はバラ色だと言うわけにいかないと思うんですね。
 どうしたらいいかということはきょう論議の対象にはしません。大蔵省は実態をやっぱりこういうときにはっきり明らかにしておいていただきたい、こういうことで質問申し上げましたので、その点、大蔵大臣、御答弁いただきたい。
#145
○国務大臣(藤井裕久君) 星野委員は私の考えていることをそのまま言っていただいているような、大変な御激励の御質問だと思って承っております。
 まず、国の今の国債の状況は今度の二次補正をもって百八十八兆円になりまして、星野委員の御指摘のような数字は、もう全くでたらめな数字じゃないと申しますか、正しい数字だというふうに認識しております。
 この百八十八兆円なりなんなりの数字をどういうふうに考えるかですが、GNP対比で見る見方が一つあると思います。これはアメリカが最悪でございます。そして次が日本でございます。また、見方としては毎年の財政規模の中の国債依存度もありましょう。これは日本はやはりフランスに次いで最悪の状況でありまして、どんな面から見ても非常に悪い状況であると思います。したがいまして、これは本当のことを言えば、垂れ流し赤字国債だけでなく建設国債も含めてけじめをもっと持っていかなければならないというのが将来の日本社会を考えるときに非常に重要なことだと考えております。
 特に、星野委員の言われた点は私が、一般の方は言われないんですが、この委員会で申したことであります。それは、国債政策というのは民間資金を公的部門に振りかえるという機能を持っているということでございます。現在のように特別なこの経済局面、すなわち民間資金に余裕があるときにはこの機能はいいと思いますが、おっしゃるように民間が活発化してあるいはまた貯蓄率が下がって民間資金に余裕がなくなったときに、歯どめのなきこの仕組みを残したら大変なことになる、このことも私が垂れ流し赤字国債がだめだという大きな理由であることも申し上げたいと思います。
#146
○星野朋市君 それでは、政治改革法案の問題に移りたいと思います。
 やはり参議院の審議におけるこの制度の問題については、どうしても参議院と衆議院の整合性の問題が出てくるわけだと思います。これは、もう各委員が再三にわたって質問をして御回答を得ていますけれども、この点、どうしても私も納得できない点が、いわゆる先に参議院の全国比例というのができておるところに今度の衆議院の選挙制度改革によって同じ形がとられた、これがどうしても納得できないんですね。先日これは鎌田先生がこの質問をかなりしつこくなさったけれども、この理念が要するにはっきりわからない。
 要するに、衆参は別々の選挙制度であるべきだということはもうこれは皆さん御存じのことだし、再三そういう御答弁もいただいた。ところが、現にある参議院の全国比例にもってきて、中身は多少違っても、要するに同じ制度を取り入れたというこの問題は、衆議院はこういうふうにするから参議院は後で別のことを考えろ、こういうことになるんではないかと思うんですが、その点、改めて山花大臣にお聞きいたします。
#147
○国務大臣(山花貞夫君) 一つの経過は、これまでの議論を踏まえてということだと思っています。午前中もお話しさせていただきましたが、定数是正の問題から始まった政治改革への着手が、とりわけこのリクルート事件の後、全体としての政治改革というように進んでまいりました。そして、その時点において、当時、自民党におかれても政治改革の大綱をつくる、そして選挙制度の問題をも含めて抜本的な政治改革を打ち出されたと思っています。また、それに引き続いて、その趣旨に沿っての第八次選挙制度審議会の議論も行われました。そこでも衆議院の制度、参議院の制度、議論はされましたけれども、定数是正から始まり、そして腐敗を根絶する選挙制度を衆議院段階で考えてきた、これが全体の流れだったと思っています。
 八次審におきましても、参議院の制度につきましてはある程度の論点の整理は行いましたが、抜本的な政治改革については衆議院の制度を見た上で行うべきである、そして当面の課題としては比例区についての問題、選挙区についての問題、それぞれ具体的な課題を投げかけて八次審は終わったと思っています。
 今回、それを引き継いで当時の政府が法案をつくり、そしてそれが廃案となって今回に至っているということでありますので、全体の流れはまず北衆議院の制度について骨格を固め、そして具体案を提示する、そのことの中でその成立を見て、そして参議院の制度に入っていく、これがこれまでのここ四、五年の流れではなかったかと思っています。まず、そうした経過におきまして、今回は何よりも衆議院の制度につき、過日の総選挙の国民の審判を受けて早急に腐敗防止を含めての四法を提出させていただいた、こういう経過でございます。
 第二番目の問題、その場合になぜ比例代表をとったのかということにつきましては、今回、また経過にもわたりますけれども、自民党が党議拘束をした単純小選挙区制と野党側が考えた比例を中心とした制度、最終的には過日の国会におきましては社会党、公明党の併用制ということになりましたけれども、ついに双方が譲らずに、その間いろんな話し合いは具体的に進んでまいりましたけれども、解散総選挙までなった。
 ということですと、双方がお互いの立場だけに閉じこもっていたのではこれまた近い期間での改革はあり得ないのではなかろうか。そうした中で、着地点と申しますか、それまでの長い衆議院の選挙制度についての議論を踏まえた中で並立制、それぞれ小選挙区部分と比例区部分というものを二つ組み合わせたものを出してきたところでございまして、そうしたやっぱり経過というもので、今回の衆議院制度について比例を含む法案を提出させていただいた次第でございます。
 ただ、今回の衆議院の比例につきましては、最終的には今二百二十六ということでお諮りしております。前提として衆議院の制度については触れておりますけれども、参議院の制度につきましては骨格の部分を含め制度の抜本的改正については触れていないところでございまして、幾つか戸別訪問の問題とかあるいはポスターの枚数等々、今回の改正に伴ってどうしても手をつけなければならないというところについては変えておりますけれども、骨格部分につきましてはこれからの議論にゆだねているところでございます。
 衆議院の制度との関連性があることは十分承知しておりますけれども、そうした経過からするならば、やっぱり政治改革の第一歩、第二歩ということであるならば今回の政府提案の手法というものは仕方がなかった、やむを得なかったのではなかろうかと、こういうように考えているところでございます。
#148
○星野朋市君 長々と御答弁いただきましたけれども、私が聞いたのは、比例区を設ける経緯とかそういうことじゃないんですよ。比例区をなぜ全国区比例にしたかということを聞いておるんで
す。
 選挙制度の改革につきましては、選ぶ側の方からいってわかりやすいのは、衆議院は小選挙区、参議院は比例区、これが一番わかりやすいんですね。ところが、小選挙区を一気にとると場合によっては中間政党が排除されてしまうんではないかというので、その過程でもって比例代表制というものを加味しよう、こういうのが一般的な認識なんですよ。これが実は選ぶ側から一番わかりやすい論理なんですね。
 ですから、比例区を設けた経緯は要らないんです。なぜその比例区に参議院と同じ全国区を設けてきたのか、それが一番問題だと言っているんです。
#149
○国務大臣(山花貞夫君) 今の御質問で、比例区をつくったこと自体がけしからぬということですとまた議論が難しくなるわけですが、そうじゃなくて、そこを踏まえての御質問ですのでお答えさせていただきたいと思いますけれども、やっぱり目的は民意をどう反映させるか、比例区のいわば本旨というべきものをどういった形で生かすのかということがポイントだと思っています。
 その場合には、これまでの議論を振り返りますと、およそ手法につきましては三つあったんじゃないだろうか。一つは全国一本、第二番目はブロック、そして三番目は自民党案にあった都道府県、この三つの比例区の選出の手法についてどれがいいかという、長短ということについて考えだというのが最終的な決断でございます。
 民意を反映させるということになりますと、都道府県あるいはブロックの場合よりもはるかに全国一本の方が民意反映というこの理念にかなっているのではなかろうか、これが最終的には比例区を全国区にしたという理由でございます。
 同時に、一長一短ということを考えればまた細かい議論はありますけれども、端的にお答えするとそうした考え方でございます。
#150
○星野朋市君 そうすると、要するに参議院は衆議院がこういうふうにとったから別の方法をとれ、こういうことになるわけですよね。佐藤大臣、お答えください。
#151
○国務大臣(佐藤観樹君) 衆議院におきます比例代表と参議院の比例代表というのは、私は実態的に随分イメージが違うと思うんです。
 御承知のように、参議院は一回の選挙は五十名でございます。各政党、実態的には二十五名ですね、候補者を出しているのは。選挙運動の基準等もあるものですから二十五名ということでやっておりますね。衆議院の場合には二百二十六ということで、じゃ二百二十六名順番つけるのは大変じゃないかという御質問もございました。そこでみんなが努力しなきゃいかぬので拘束名簿ではいかぬという意見もあって、その際には重複立候補ということで、例えば最大立った場合には二百二十六名立てられるわけですね。ですから、そこには重複立候補で小選挙区で戦っている人もいるというので、確かに御指摘のように、その選挙の単位が全国区だという意味におきましては、その目的は山花大臣からお答えしたとおりでございますが、実態面におきましては私たちはかなり違っていると思っているわけでございます。
 したがいまして、たびたび今日まで長い間お答えをさせていただきましたように、私たちは随分違いもあると思っておりますので、それも参議院さんにおかれましていろいろ各党各会派の議論の中で、変えた方がいいとお思いになるのか、私が御説明しましたように、やっぱり随分実態が違うからいいんじゃないかということでこのままになるのか、それは国権の最高機関であるところの参議院さんのひとつ各党会派の御討議にまちたい、これが政府の考え方でございます。
#152
○星野朋市君 私は本質について論じているので、実態面で多少の違いがあることはとっくにわかっているわけですよ。
 そこで、これからの論議は、ちょっとはや旦言葉で申し上げますとバーチャルリアリティーという形でお話しをさせていただきたいと思う。仮にという言葉を使うと、仮定の問題には答えられないと、これ一言で終わる場合がありますので。
 このバーチャルリアリティ」というのは、実は最近非常に話題になったあの「ライジング・サン」の原作者のアメリカのクライトンというのが昨年の暮れに「ディスクロージャー」という本を書きまして、これの物語全体がそうであると同時に、その中に登場するハイテクの会社がエレクトロニクスの中でそのバーチャルリアリティーの実態を描いているわけで、本質は女性の男性に対するセクハラ問題ということで、もし興味があったらお読みいただきたいんですけれども、要するに日本では、何といいますか、これを仮想現実と。
 まさにこれから私が申し上げることは、この選挙制度をとったらどうなっていくだろうかという形で実は質問をいたしますので、お答えをいただきたいと思うんです。
 現行の制度で、あるいは来年にも考えられる衆参同時選挙があったときの投票所は一体どうなるんだろうか。
 小選挙区制ですからここの投票に向かう、ここのところはわかります。それから隣に行って政党、これもわかりますね。それで、参議院はもし改革がなくて現行制度であったとすれば、そういうことはできる。だけれども、投票所全体についてどんな形の公示がなされて――選挙をしに行った人間は何も詳しい人間ばかりじゃないんですから圧倒されちゃうと思うんですよ。最大では、重複立候補を含めることができますから、二百二十六プラス相当数のところまで候補者が立てられますね。しかも、これは後から詳しく申し上げますけれども、各政党によって候補者の名簿の順位というのはばらばらなわけです。
 どんなあれを佐藤大臣は描かれますか。それはなかなか難しいんだけれども、言葉で言いあらわせるだけ言ってください。
#153
○国務大臣(佐藤観樹君) 基本的には、星野委員言われましたように、恐らく衆参同時選挙という場合には、まず衆議院の部分の投票、そして、それが投票が終わりましたらその次が参議院のコーナーということになるんであろうと思います。
 その際に、衆議院の場合には、まず一つの紙には政党名、正確に言えば名簿登載政党または略称というふうなことが書いてあるわけです。もう一つには、政党名のほかに候補者名と当選とすべき順序というものが書いてある。その紙が少し離れた適切な場所に、投票用紙に書きます。その台の前に張ってあるということになるわけでございますし、投票用紙は今度は記号式でございますので極めて簡単にマルをつけてもらえばいい、こういうことになります。
 もちろん、星野委員が御心配になることは十分新しい制度でございますからありますので、当然のことながら、私たちも法案を成立させていただきましたら今後十二分にひとつPRをさせていただきますとともに、投票用紙を渡すところでこれはよく投票者の方に説明をするということで、星野委員の御心配のないように万全を期したい、こう考えております。
#154
○星野朋市君 そうはいかないんだろうと思うんですね。要するに、大混乱が起こる可能性の方が大きい。それは、大臣、広い投票所でこっちで済ませてこっちでやる。講堂みたいなのを使っているところはいいですよ。ところが、公民館みたいなところの投票所が大部分なんですから、狭い中で壁一面にこんなのが張られる可能性があるわけです。大変ですよ。
 それで、私は自民党の案の比例は県単位がいいと思っているんですよ。もしこれが県単位でなくて全国だったら、よく例に出る高知とか鳥取みたいなところは五名が二名になって、さらにその地域の代表がということは全国比例の場合はほとんどありませんね。どうしても中央に偏ってしまう。ここを代表する人はほとんどいなくなってしまう。
 そういうことならば、私は本心は政府も全国比例はまずいなと思っていると思うんですよ。これは佐藤大臣は、私がブロック制、私はいわゆる道州制論者ですから、私がそれを言うと嫌な顔をさ
れる、今さら何を言うかと。けれども、本心はそこにあるんじゃないか。廃藩置県というものをやった、それからもう百年もたっているんですから、大変だとは思いますけれども、これからの地方自治というのは、もう経済圏も共通のものになっている。それから、まさに大臣の傘下にある警察庁は広域取り締まりの問題で県境の問題で一番困っている。それから、地方行政のむだというのはたくさんあるんですよ、これ。そういうことを考えると、やっぱりこういうところを契機にして僕はブロックを採用すべきだと、まあ中間案みたいですけれども、これはそう思っているんです。
 今、多分ノーとお答えになると思うんですが、御見解をお聞かせください。
#155
○国務大臣(佐藤観樹君) 当然私たちもそのことは考えた上に、一番最大の目的であるところの多様な民意を反映させるにはということで全国にしたわけでございます。
 例えば昨年四月、五月に出しました社会党、公明党の案は、これは併用案でございますけれども、その単位はブロックにいたしました。なかなかブロックの分割が難しかったわけでございますけれども、問題は、ブロックにする場合に一体合理的なブロック案が本当に全体皆すっとまとまるかどうかという問題もございますし、恐らく一番小さなところは四国のブロックになると思います。そうしますと、ここは人数、総数にもよりますけれども、一二%ぐらいの阻止率になってしまうということもございまして、当然、星野委員御指摘のように、全く私は考えられないと言っているわけではないのでございますが、ただ、一番その意味で合理性を追求していけば、多様な民意の反映といえばやっぱり母数が大きいことが一番いい。
 しかも、ここは重複立候補も認めているということで、ある程度完全拘束名簿を二百二十六にするということじゃないやり方もやれるということでカバーできるというふうに考えておりますので、私たちは星野委員が御指摘のことを全く考えないで結論を出したわけではない。考えた末に、やはり阻止率が低くて、そして多様な民意の反映という並立制のもう一つの大きな柱、このことを貫徹させるためには全国区が一番ベストであるというふうに考えてこの法案を提出した次第でございます。
#156
○星野朋市君 この議論は、やっていたら何時間やったって実は終わらないんですね。
 とすると、こういう矛盾がいろいろ出てくると思うんですが、今度の小選挙区制はあくまで政党へ政策本位で争われる選挙制度であると、こういうことに間違いありませんね。
 もちろんいわゆる憲法の問題があって、しかしながら個人の無所属の立候補も認められているわけですよ。そうですね。これはだんだん政党化するであろうということを前提にはしているけれども、現実に無所属の個人の立候補が認められているわけです。
 そうすると、現実に前回の選挙で、山花大臣は社会党の委員長だったですから、恐らく社会党の委員長という形で社会党の山花さんで、どっちのウエートが大きいかというと私は社会党の委員長というウエートが大きかったと思うんです。
 これはおいておきまして、その意味では親しみやすいから佐藤さんの方がいいんですけれども、そのときは大臣じゃないですから佐藤さんと言いますけれども、佐藤観樹の名前を書いた選挙民は、佐藤観樹がユニークで政治家として非常におもしろい男だ、実績もあるしという形で投票したのか、あの人は社会党だから投票したのか、御自分でウエートはどのぐらいだと思われますか。
#157
○国務大臣(佐藤観樹君) 大変難しい質問でございますけれども、率直なことを言いますと、私のところの選挙区というのは必ずしも、これは私自身の努力不足にもよるわけですが、党及び労働組合の組織というのはそう多い方じゃございません。そういうことからいろいろ考えてまいりますと、前回は九回目の選挙でございましたけれども、父以来のそういう支持者等がおって、どちらかと強いて問われれば、難しい答えですが、党よりはむしろ個人かなと。
 何か、そうすると自分でもっているような格好になって言いにくいのでありますが、地域の選挙事情からいいますとそういうことでございましたので、社会党に属しているということももちろんありますが、その上にやっぱり個人というのが乗っているのではないだろうかなと、強いて問われれば。それでお答えにさせていただきたいと存じます。
#158
○星野朋市君 私は逆だと思うんですよね。佐藤さんで投票したと思うんです。
 それで、午前中に森山先生から御質問があったのは、別のいわゆる切り口で、後援会組織という形での投票がなされたと。そうすると、政党、政策を主眼とした選挙でありながら、実態は小選挙区制の場合は個人的色彩が非常に大きいということは認めざるを得ないと思うんですよ。
 そうすると、自民党案の一票制の方が、憲法上の問題とかいろいろ問題はあるんだけれども、理論的には政党、政策本位だとするんだったならば、一票制の方が理屈上通っているとお思いになりませんか。
#159
○国務大臣(佐藤観樹君) これは前の御質問で星野委員言われましたように、この選挙制度自身あるいは政治改革自身が政党及び政策中心である。中心であって、しかし何といっても憲法上無所属の立候補を認めているということでございますから、その範囲内でやはり制度としては考えなきゃいかぬ。
 その際に、小選挙区に無所属の方が出た場合、比例の方はない。小選挙区で無所属の方を投票した、マルをつけた方には比例代表がない。逆に、無所属は立てない比例代表の政党というのは、これはまた比例代表の方の政党しかマルをつけられないということになるわけでございますので、名簿届け出政党は両方に、小選挙区と比例代表ということでマルを二つつけることができる。すると、同じ有権者にとりまして、投票者にとって法のもとの平等ということについて大変疑問を持たせることになるのではないか。
 ですから、前、私についての御質問があったことと制度としてどうあるべきかということとは、それはまた違うことではないだろうかと。あくまで無所属というものを許している以上、これはやはり二票制でないと無理な制度になる。あえて一票制をとらなきゃいかぬ積極的な理由はないということで、私たちは二票制にしたわけでございます。
#160
○星野朋市君 そうしますと、無所属の人の問題は後から出てくる公費助成の問題と絡んで、この前民社党の吉田議員が言ったように、無所属党でもつくってしまった方がいいんじゃないか、こういう突拍子もない理論が出てくると思うんです。
 それで、佐藤大臣から今お答えいただいたんですけれども、無所属に投票した人はその個人に投票した人ですから、政党支持じゃないんですよ。だから、それはそういう選択なんだからしょうがない。それから、両方に出せない政党があったとしますね。その政党は要するに比例だけでという選択をしたんですからそれはしょうがないじゃないか。理論的には政党、政策を中心とした、そっちの方に向かうということを考えるならば、二票制にして個人では社会党の佐藤さんに投票した人が次の二票目で比例区で別の政党に投票するというのは、それこそおかしいと思いませんか。
#161
○国務大臣(佐藤観樹君) 一票制の場合、小選挙区で無所属を選んだ人、この人は小選挙区で無所属を選んだのだが比例代表で党がないんだからしょうがないじゃないかと言われますけれども、それは小選挙区で無所属だから、実は政党名も入れたいんだけれども入れる欄がないということと、入れない、書かないということとは私たちは違うと思うのであります。
 つまり、比例代表に選択の幅が全くないわけでありまして、それと同じことが逆の場合も、小選挙区に無所属が出てないんだからしょうがないんじゃないか、政党名だけ入れればいいのではない
かということと同じことになるわけでありまして、したがって私たちは、無所属の立候補ということを当然のことながら認める限りはやはりこれは二票制をとらなきゃいかぬ。先生御指摘のように、異党派投票というのはおかしいという考え方は全くないわけではないと思いますが、しかし、無所属というものの立候補を許している限りは異党派投票というのだってあってしかるべきではないか、こういうことでこういう制度にしたわけでございます。
#162
○星野朋市君 この問題を長くやっておりますとこれまた限りがありませんので、持ち時間の中で別の問題を取り上げさせていただきます。
 三%条項の問題でございます。
 要するに、比例代表制を全国区にしてより広く民意を反映させると言いながら、逆に少数意見を切り捨ててしまうということは矛盾していないかというのが一点あります。それと、今、日本の有権者を仮にわかりやすく九千万、投票率七〇%としましょう。そうすると、三%条項に触れるのは約百九十万近い票をとったところでも切り捨てられるわけですね。より広く民意を反映すると言いながら、こんな大量の切り捨てが起こるということ、これは理論的にあり得るわけですから、それをどう考えているのか。
 それから、この三%のいわゆる切り捨てという部分は実際に選挙結果にどう出てくるのか。要するに、九十五条の二というのは一般の人たちにはまだよくわかっていないんですよ。全国比例の選挙結果というのは、参議院ではドント方式ですからわかっていくわけですね。それで四十五から五十、ここがなかなかわからないわけですけれども、今度の場合は実際にこの当選順位というのはどう決めるのか。これは九十五条の二にありますからわかっているんですけれども、むしろ一般の人はこう考えているんですね。大体決まっていく、ところがある政党の順位の人間が途中で百何十万票かとってぽっと出てくるけれども当選となかなかいかない、ということは三%条項にひっかかるかもしれないから、こういうふうに考えがちなんです。九十五条の二は違うんだけれども、その点を詳しくお聞かせください。
#163
○国務大臣(山花貞夫君) 当選決定の具体的な手続、九十五条の関係はちょっと自治大臣にまた補足してもらいたいと思いますが、三%のいわゆる足切りの問題につきましては、従来、参議院の全国比例ですと五十人の当選。ということですと、計算上は一人当選させるためには二%必要である。しかし、これが今回は五十人、百人、二百人、二百二十六人ということになってまいりますから、その意味ではやっぱりかなり今までの参議院とは違った雰囲気、形になってくると思います。
 諸外国を見ても、全国比例一本で計算する場合には三%、四%、五%と、こういうような基準というものをつくっているわけでございまして、そうした例なども念頭に置きながら、今回は政策判断として三%と、こういう基準を一方における五人要件と一緒に出させていただいたところでございます。これはまさに従来から政策判断だと申し上げておりましたけれども、この点についてはいろいろ御議論もいただいてまいりましたので政府の政策判断として出させていただいたところであり、これは委員の御意見についてはまだ十分尊重しなければいけない、こういう前提で考えているところでございます。
 なお、この点についての参議院の関係はもうきょうは省略いたしますけれども、あと三%の具体的な当選決定の手続につきましては、ちょっと自治大臣の方から補足していただきたいと思います。
#164
○国務大臣(佐藤観樹君) まず、比例の場合でございますから中央選管のどなたかが選挙長になっているわけでございまして、選挙長が各都道府県にございます選挙の分会長から何々県は何党何万票という票がずっと上がってきて当然集計をするわけでございます。そして、集計をしますから各政党何万票、全体の中で何%というのがずっと出てまいります。しかし、三%阻止条項がございますので、三%未満のところはそこで全部切り落とします。残りの中で各政党がどれだけあるか、ドント式によりましてこれを配分しまして議席数を決める、こういうことになるわけでございます。
 その後のことは、今の御質問では順番のことはちょっとお触れにならなかったからいいかと思いますが、そういうことで、いずれにしろ三%に達しなかった政党の得票数というのは全部落として、残りの三%以上の政党の合計数の中でその政党がどれだけ議席を得るかというのをドント式で計算する、こういうことになります。
#165
○星野朋市君 要するに、わかりやすく言うと今までの選挙結果にワンクッション置くということなんですよね。先に総得票数が出て、それが確定して、これは確定しなくちゃ、例えば理論的には二・九九九九ということもあり得るわけですからね。それで、その結果が出て線を引いて、この政党はだめよとはっきりわかってからドントで決まっていく。時間がすごくかかるということ、そんなにかかりませんか。こういう問題があると思うんですよ。
#166
○国務大臣(山花貞夫君) 今問題とされました点については、そのクッションかどうかの問題、これは比例代表の選挙制度をとりますと、やっぱりさまざまな形でそういう部分が出てくるんじゃないでしょうか。選挙についての手法と申しますか、当選者決定の手続だと思っています。
 きのうも議論が出ておりましたけれども、例えば、じゃこの小選挙区部分についてフランス約二回投票制の方がよりよいのではなかろうかという議論もありましたけれども、そこまでいくとちょっと手続がわかりにくいといいますか、かかり過ぎるのではなかろうかということで、今度の経過でも議論いたしましたけれども、これを排したところでございます。
 その意味におきましては、確かにワンクッションは置きましたけれども、振り返ってみると、参議院の比例代表が初め出たときにも単なる表の順番ではなくてドントで計算していきますから、一番初めは非常にわかりにくかったということですが、最近ちょっとなれてきたというところがあるんじゃなかろうかと思っています。どれが一番公平公正かなどの点について考えるならば、やっぱりその意味ではちょっとクッションということがあるかもしれませんけれども、必ず御理解いただけるようになるのではなかろうか、こういうように思っているところでございます。
 蛇足ですけれどもつけ加えますと、北欧の比例代表の選挙制度などは非常にわかりにくくて、畳一畳というと大げさですけれども、かなり大きな投票用紙に有権者が書いている。あれは投票自体も難しいと思いますし、選挙の仕組みなどは我々勉強しに行ってもなかなかのみ込めない、こういう部分があったりしましたけれども、その国においてはこれが最も公平公正であると国民的理解のもとにおいてやってきているというところがございましたけれども、やっぱりその意味におきましては、単純明快であるということからはワンクッションあるんじゃないかと御指摘あるといたしましても、今度の選挙制度全体の仕組みから申しますとそこまでは御理解いただける範囲ではなかろうか、こう思っているところでございます。
   〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕
#167
○星野朋市君 そうしますと、これは答えは要らないんですけれども、小選挙区制で仮に十万で当選、これは五一%とればいいわけですから十万で当選。片方は理論的に言えば百八十万票とっても落選なんですよ。要するにこんな不公平が出てくるわけですから、これはやっぱり大変な問題を残す。私はこれを指摘しておきます。
 それから、時間がそろそろ来ておりますので、公費助成の問題についてお伺いしたい。
 今までの公費助成に関する御質問の大部分が実は入り口論なんですよ。どういう形で選挙資金が入るのか、そういう議論が主だったわけですけれども、大臣、公費助成というのは要するに政治資金のほぼ三分の一であるということについては確信を持ってお答えできますか。
#168
○国務大臣(山花貞夫君) 提案は、政府案は三分の一でしたけれども、修正ということになりまして約四分の一、こういう基準になっていると思います。
 全体として新しい制度をつくる場合、今回は、従来の選挙制度ではなく、選挙制度も新しくなりますし同時に政治資金の制度も変わります。こういったところで、政党が担うべき役割とそこでの経費につきましては推定ということにならざるを得ません。推定ということから、過去における実績ということを基準として推計値を出したわけでして、今の基準につきましては、選挙制度審議会の答申などにおきましては過度に公的助成によってはならない、こういう基準になっておったところでございます。
 結論的には、かつての政府提案でありましたほぼ三分の一という計算基準を採用いたしまして出したところでございまして、これまた政策判断の一つだったと思っています。これが議院の修正ということで衆議院段階で修正されましたので、これはもう院の御意見として尊重して、修正で今回参議院で御議論いただいているところでございます。
#169
○星野朋市君 実はそこに大きな問題があると思うんですよ。私は、さっきこの議論を進めるに際して、この一番基本になるのはバーチャルリアリティーだと申し上げましたね。要するに、今まで言われていたのは、小選挙区制になっていって、秘書の数も少なくなるじゃないかとか、金もかからなくなるじゃないかということを論議しているのに、この根拠が過去の数字をもとにしているわけですよ。こんなばかな話があるかということなんです。そうでしょう。
 じゃ政治資金の大部分というのは何だと思いますか。内訳的に言ってください。政治資金というのは内訳は何なんですか。
#170
○国務大臣(山花貞夫君) 広い意味では政治活動一般に関する資金……
#171
○星野朋市君 いやそれはいいんです、具体的に。
#172
○国務大臣(山花貞夫君) もうちょっと分けて、その次の分類は、日常の政治活動資金と選挙運動の資金、こういう格好になると思います。
 あと、具体的にはそれぞれの政党あるいは議員によって占める比重というのは違っているのではないでしょうか。正確に何分の何というわけにはなかなかいかない、こう思っております。
#173
○星野朋市君 要するに根拠は余りないんですよ。
 政治資金の一番大きなウエートは、たしかこれは人件費だと思いますね。そのほかの項目は、これは自治省に聞いてもむだなんです、お答えは聞かれませんから。ところが、今までの政治資金の中に、これは調査研究費百万とか百五十万とか、そういう形で全部認められたものがあるわけですね。それは何なのかということですよ。だから私が過去のものをもとにして計算しているのはおかしいというのはそういうことなんです。
 いい例で申し上げましょう。企業に交際費というのがありますね。政治資金の中にも交際費はかなりあると思うんですよ。
 国税局があるゼネコンの常務、かなり派手に遊んでいた人でしょう、この人の一年間の交際費をくまなく洗ったことがあるんです。何月何日どこへ行って幾ら使ったのはどういう人間とどういうふうにして会ってそれで幾ら払ったのか、特定の人間に絞って一年間のものを全部後追い調査したんです。そしてわかったことは、本当の交際費はその三分の一だと。三分の一は何かというと、自分の遊興だった。三分の一は部下とのコミュニケーションだった。
 交際費の実態というのは大体そんなものなんですよ。これは自分の身に、私は真ん中のものは余り使わなかったけれども、多少は使った。交際費というのは実際はそんなものなんです。そういうことを本当は精査して、要するに過去の実績じゃなくて、こうあるべき姿の実は三分の一の助成だと、こういうふうになるのが僕は本当だと思うんですけれどもね。
 だから、この公費助成というものの基礎が依然として不明だというところにいろいろ問題点がある。これは五年後の見直しということがあるので、本当に真剣に考えていただきたい。公費助成がその党の財政の一〇〇%を占める、こういうようなことは絶対あってはいけないと思っております。
 それから次に、これは法律上の問題じゃありませんけれども、いわゆる比例の順位の決め方、これは今の参議院の全国区だと全部拘束名簿制ですから、一位、二位、これがつきます。今度の場合は各政党の裁量に任せるわけですね。そうすると、選挙をする側からすると非常にわかりにくい。
 ある政党、これは言えば恐らく自民党だということがわかると思いますけれども、これは多分最初の方は順位づけ、途中は同一順位、そこで例の惜敗率の問題が出てきます。それから、中間にどうなるかわかりませんけれども、下位の方は順番をつけられないからやはり同一順位の惜敗率、こういう問題がある。だけれども、政党によっては恐らく一番から全部順番をつけてしまう政党もあると思うんですね。
 そうすると、選ぶ側は何なのか、片方はこんなのがあって一列に並んでいた次のところにごそっと人がいる、また片方は一列に並んで下にごそっとこんなのがある、幾ら法律ではないといっても、こういうような大きな矛盾を感じるんではないかと思う。これは政党の裁量だからといって余り簡単に過ごせる問題ではないと思うんですが、御感想はいかがですか。
#174
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員言われましたように政党の裁量の範囲内でございますが、何分とも新しい制度でございますので、そういう意味では次の選挙があるまでには我々としても周知徹底を十二分に図っていかなきゃならぬと思っておるわけでございます。
 このごろ、例がいいかどうかわかりませんけれども、ゴルフでもたくさん並んでいるときに、同じ場合には同じ順位、例えば百人のコンペをやれば同じ順位というのはあるわけですね。ですから、そういう意味では、惜敗率にしろ善戦率にしろ、これは同じ順位が並んでいるというのはそうそう私は意味がわからないということではないと思いますが、いずれにいたしましても、これは新しい制度を入れることでありますから、周知徹底を十二分にやって、何といっても有権者のための選挙でございますから、図っていきたいと思っております。
#175
○星野朋市君 私は時間内にきっかり終わりたいですから、途中の質問を省きまして最後の質問をいたしたいと思います。
 このような重要な法案、これはできるだけ与野党が一致して合意して成立させることが望ましいと思っているんですが、聞くまでもなく大臣お答えいただきたい。お二人、どう思っていらっしゃるのか。
#176
○国務大臣(山花貞夫君) 私も全く同様に考えております。そのことにつきましては、今回の法案を衆議院に提出して以来、細川総理以下、私どもの答弁は一貫している、こう考えております。
 きょうも、午前中、閣法でなぜ出したのかということについて御質問いただきましたが、私もその際、かつての参議院の比例選挙の導入のとき以降ほとんど議員立法でございまして、一回だけ閣法というのは繰り上げ当選の部分的なものだったわけですが、とりわけ議会の選挙制度のルールに関することですし、それから定数の増減といった問題を超えた全体のものですから、本来はじっくり与野党で御議論いただいて、そして政府提案ではないという形が国権の最高機関、立法府のみずからの土俵を決めるということについては最も望ましいのではなかろうかと考えておりました。しかし、今回これまでの選挙の経過、連立政権誕生の経過、連立政権の性格等から閣法にしたところでございますけれども、本来はそういう考え方があるべき姿と、こう思っておったところもござい
ます。
 したがって、その意味におきましては、今回の法案につきましても内閣としてはベストということで出させていただいておりますけれども、国会の議論については十分尊重させていただきたいということについては当初からそうした態度を一貫させて今日まで至っているところでございまして、この基本姿勢は変わっておりません。
   〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕
#177
○星野朋市君 私は、要するに重要法案を与野党一致して成立させるべきかと聞いているんですから、イエスかノーかで答えていただければいいんですよ。
 それで、本当は自民党の修正案というのが出てからこの質問をしたかったんですけれども、今からケースを四つ申し上げます。その中で担当大臣としてはどれが一番望ましいと思うか、御返事いただきたい。
 ケース一、これは今の政府・与党が自民党案にできるだけ、一〇〇%と言いませんが、できるだけ近づいた修正案を出して自民党ともども賛成、成立させるというケース。
 それからケース二、要するに骨格部分のある部分を修正する、どこをどう直すというのは具体的に言いませんけれども。そうして、この部分の修正によっては自民党は賛成するか反対するか非常に微妙なところですけれども、そういう状態。
 ケース三、参議院協議事項だけは自民党案に修正して、骨格部分は全然修正しない。でも、これは自民党はやっぱり賛成しないでしょうな、骨格部分が直らないんだからね。
 それからケース四、これは現在の政府修正案どおりで採決に持ち込む。当然、自民党は反対。共産党さんはこの法案全部に反対ですから、これはもう反対です。
 そのケースの場合、大臣としては一番望ましいと思われるのはどこですか。
#178
○国務大臣(山花貞夫君) きょうの質疑の中で一番の難問ということだけではなく、これは国会がこれだけ議論が進んできている段階で、衆議院段階でも終盤に与野党の話し合いがございましたが、参議院は一体これからどうなるかと。こうした時点で、政府の立場としては、先ほど申し上げましたとおり、国会における与野党の議論で成立することが一番望ましい、こう言ってきた立場もございますので、これからの院における議論について政府の側からこれが望ましいこれが望ましいと言うことについては、これは差し控えなければいけないのではなかろうかと思っております。
 ただ、はっきりしている結論は、この政治改革について国民の政治の信頼回復のためには何としてもなし遂げなければならない。その結論だけは明確でありますし、このことについては与野党ともに共通の認識で今日に至っている、こういうように確信をしているところでございます。
#179
○星野朋市君 私の今の質問に正確にはお答えいただいていないですけれども、しょうがないですな。今のお立場からお察しいたします。
 それで、最後に申し上げますが、きょうの午前中の野沢先生、森山先生の御議論の中に、参議院改革についても実は自民党は一つの案を出した、それで与党側は真剣に協議されているというお話がございました、どの程度一生懸命やったかということはわからないですけれども。それで、実はここに問題があるんです。
 先月の二十四日のこの政治改革特別委員会が開会された冒頭に、我が党の松浦理事から、衆参選挙の整合性の問題の質問の中に、参議院制度の改革は政府が提案されますねという御質問があって、大臣はそういうふうに答えられたと思うんですが、ちょっとけさの御議論の中と意味が違うと思うんですね。あるいは総理かもしれません。そこのところをちょっと明確にしていただきたいんです。
#180
○国務大臣(佐藤観樹君) 松浦委員の御質問に対しまして総理の方から、幾つかの問答がございましたけれども、最終的に総理が言われましたのは、与野党がまとまるならば政府として提出することもあり得るあり得ると言ったか、出しますと言ったのか、いずれにいたしましても、重要な国権の最高機関のあるべき姿の問題でございますから、それは与野党でまとまって提出は政府がしろというんでしたら、いろんな細かいこともございますから、政府としては喜んでさせていただきます。
 これは星野委員今御質問のように総理が言われたものですから、私もその後すぐ総理にお伺いをしましたら、総理の言われますのは、長い問答の間で与野党がまとまるならば政府として提出することもやぶさかでないといいましょうか、細かい言葉の表現は別として、そういう意味でございました。
#181
○星野朋市君 終わります。(拍手)
#182
○岩本久人君 先月二十七日に私は総括質問をいたしました。その中で不十分な点がございますので、最初にまず法務大臣にお伺いしたいと思います。
 過去十年間の選挙における戸別訪問と文書違反の件数、当日の警察庁の答弁では、戸別訪問については千四十八件の二千三百九十八名、文書違反については千四百六十三件の三千六百七十二名ということでありますが、ではこの結果、その後これはどのような刑罰が科せられたのか、具体的にお伺いいたします。
#183
○国務大臣(三ケ月章君) 前回、そういう御質問でございまして、委員から答弁に御猶予をいただきました。
 資料に基づいてかなり細かい数字をお答えする必要がございますので、もしおよろしかったら政府委員の方からお答えさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#184
○岩本久人君 いいです。
#185
○政府委員(則定衛君) 裁判結果ということでございますが、五年間に限りまして最高裁の司法統計年報について調べてみました結果を御報告させていただきたいと思います。
 それによりますと、昭和六十三年中に一審、地方裁判所で有罪判決がありましたのが百八十九人でございます。その中で罰金に処せられた者が十人、それから執行猶予つき懲役または禁錮に処せられた者が百六十七人、懲役または禁錮の実刑に処せられた者が十二人ということになっております。
 また、平成元年におきましては、一審、地裁有罪判決を受けました者が二百二十五人、罰金に処せられた者はその中で五十一人、執行猶予つき懲役または禁錮に処せられました者が百六十九人、懲役または禁錮の実刑に処せられた者が五人。
 それから、平成二年におきましては、有罪判決を受けた者が五百八十一人でございますが、罰金に処せられた者は十二人、執行猶予つき懲役または禁錮に処せられた者が五百六十三人、懲役または禁錮の実刑に処せられた者が五人。
 平成三年におきましては、有罪判決七百十六人中、罰金に処せられた者が五人、執行猶予つき懲役または禁錮に処せられた者が七百九人、懲役または禁錮の実刑に処せられた者が二人。
 平成四年におきましては、有罪判決総数が百四十八人、そのうち罰金に処せられた者が二十四人、執行猶予つき懲役または禁錮に処せられた者が百十八人、懲役または禁錮の実刑に処せられた者が六人となっております。
 以上でございます。
#186
○岩本久人君 では、次の質問に移ります。法務大臣、結構で中ございます。
 政治資金規正法の問題について取り上げてみたいと思うんですが、今までの議論で問題になっておりますいわゆる第二十一条の四項の問題、参考までにこの条文がどうなっておるかということを読んでみたいと思うんですが、「会社等の寄附の制限」、時間がかかりますから二十一条は省きますが、その四項にはこう書いてあります、政党支部の規定のところで、
 第一項及び前項の規定の適用については、政党の支部で、一以上の市町村(特別区を含む。)の区域(地方自治法一昭和二十二年法律第六十七
 号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、その区の区域)又は公職選挙法第十二条に規定する選挙区の区域を単位として設けられる支部以外のものは、政党及び政治資金団体以外のそれぞれ一の政治団体とみなす。こうあるんです。
 普通の人が普通に読んで、これは何が書いているのかなかなかわからぬと思うんですね。
 それで、もし私だったらこれと同義語になるのにどういうふうに表現するかと一生懸命考えてみたら、簡単に言えば、市町村の区域または選挙区の区域をもって政党及び政治資金団体とみなす、これで十分足りるんではないかと思うんですが、何々以外のまた何々以外でこうだ、こういうようなことで物すごくいろんな言い回しが難しく難しくしてあるというような気がしてならぬのです。
 その点、これは何が書いてあるのか、どういうことなのか、まずお伺いいたしたいと思います。
#187
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘のとおりでして、私ももともと弁護士という商売柄こういう文章については読みなれている方ですけれども、やっぱりわかりにくいというのが実感でございます。
 簡単に言えば先生がおっしゃったとおりの結論なわけですけれども、一項で企業・団体献金は政党、政治資金団体に限る、二項で政治団体がする寄附は例外、三項でもらうこともいけませんよと言った後に、二十一条の四項で、政党の支部というのは、一つの地域ということで組織されたものについては政党及び政治資金団体のそれぞれ一の政治団体とみなすと。
 要するに、ここで言っていることは、原則は企業。団体献金は政党、政治資金団体だけ。そしてその支部ならばよろしいけれども、支部というのは地域に根を張った支部でなければいけませんよと、これだけのことが書いてあるということだと思っております。
 この法文のつくり方につきましては私も説明不十分だと思いますので、選挙部長の方からちょっとつけ加えてもらいたいと思います。
#188
○政府委員(佐野徹治君) この改正法案の二十一条の第四項につきましては今お話しがあったとおりでございますけれども、この趣旨でございますが、政党というのは本部のほか支部の組織から構成されておるわけでございますけれども、支部組織にはさまざまな態様があると思われますので、外形上そこいらを明確にする必要があるのではないか、そういうことで、企業等の団体献金を受けることのできる政党の支部につきましては一以上の市区町村の区域または選挙区の区域を単位とする支部に限ることといたしまして、その規定の明確化を図ったところでございます。
#189
○岩本久人君 そこで、この際、法制局長官に聞きたいんですが、まず日本には法律と名がつくものが大体幾らあるんですか。そして、とにかくどの法律を読んでみても、これもそうですが、とにかく難しく難しく書いてあるような気がしてならない。なぜもっと国民から見てわかりやすい表現にならないのか。この点について、まず基本的な見解を伺いたいと思っております。
#190
○政府委員(大出峻郎君) 最初の御質問で、法律の数がどれくらいあるのか、こういうお話がございましたが、平成五年の十一月三十日現在、これは法務省の司法法制調査部というところで調査されたものでございますけれども、件数としましては千六百二十件、法律の数ではということになっているようであります。
 ただ、若干これは統計上の問題もございますので、例えば一部改正法の附則がまだ生き残っているとか、あるいはもう既に実効性というものを喪失しているというような類のものもあるかもしれませんが、そういうものを司法法制調査部なりに整理をされての数字だと思いますが、千六百二十というふうに私ども承知をいたしておるところであります。
 そこで、今度はその法律の条文等の問題で、非常にわかりにくいという問題でございますが、法令につきましては、その文章表現だとか規定の仕方だけではなしに、さらに用いられる言葉というようなことにつきましてもできるだけ簡潔で国民一般の方々にも理解されやすいものであることが非常に大切なことであるということは、御指摘のとおりだろうと思います。当局といたしましても、部内で研究会などを設けまして検討するなど、これまでも法令文の平易化、わかりやすくするための努力、工夫をいろいろ重ねてきたところであります。
 ただし、一般に法令は国民の権利とか義務にかかわるものでございますから、ある事柄について規定しようとする場合に、必要なことを過不足なく正確に表現することが求められる。また、その法令のほかの条項なりあるいは関係するほかの法令の規定との整合性を保つということも、必要なわけであります。こうしたことから法令の規定中の表現が広く一般に用いられる文章に比べてどうもかたいというようなものとなり、ともすれば読みにくく、しかもわかりにくいというような面があることは、正確さを期するという意味では避けがたい面もあるかと思いますが、今後とも極力わかりやすく法令の規定を表現するように私どもも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#191
○岩本久人君 まあそれぞれいろんな理屈があるんだろうとは思うんですが、我が国はまさに高度に発達した法治国家でございます。何人といえども法律と無関係では生きていけないわけでありますから、一人一人の国民にとってわかりやすい、そして親しみやすい表現にしていただくように今後飽くなく追求してもらいたいと要望しておきたいと思います。
 ところで、担当大臣に伺います。
 いずれにしても、この二十一条の一項によって今後は企業・団体献金ができるのは政党及び政治資金団体、こういうことになるわけですね。それで、今までの議論でいろいろたくさんの問題点が出ておりますが、何といっても一番の問題は、その政党支部に対して、それは一つでなくていいんだと。例えば、今まで女性支部とか青年支部とか職域支部とか、そういったようなものがいろいろありましたが、そのことを本当にそれでいいんだよということにしたら、オーバーに言えば、とかく問題の多い企業献金を規制するという大きな目標からしてみて何のための政治改革か、こういうことになるんですね。
 ですから私は、五年後の見直しという問題もあるとは思うんですが、できるだけ早急に、それぞれの政党が支部を幾らつくるというのはそれぞれの政党の自由でしょうから、しかし企業・団体献金等を受けることのできる支部は一つに限る、こうすべきだと思うんですが、その点についての基本的な考えを伺いたい、こう思っております。
#192
○国務大臣(山花貞夫君) まず、基本的な問題として政党と政党の支部の関係があると思います。政党と支部は一体のものである、こういうように考えるべきものだと思っています。したがって、政党の中央本部、県の本部、支部の本部、全部一体として考えなければいけない、こういう前提があると思っています。
 ただ、しかし、支部の中にも今御指摘ありましたとおりさまざまな形態がそれぞれの政党によって規約上設けられてきたというのも現実だと思います。これはそれぞれの政党の判断、組織のあり方についての規約の定め方による。したがって、あるいは職場支部、あるいはその他の地域支部ということについても書かれてまいりました。
 今回、さきに引用しましたけれども、各政党のそうした規約部分についても比較して比べてみましたけれども、それぞれの政党はばらばらでございます。ばらばらであって、そこのところについては、政党の活動の自由といいますか、そこにのっとってみずからの政党に最も理想的なあり方、そして支部の構成員についても最近では外国人問題まで関連してきているというようなところもございます。そうした支部について、そういう意味でたくさんの支部が余りにも自由にできるということになれば、御指摘のとおり企業・団体献金禁
上の趣旨に反することになるだろう。
 例えば、一つの企業に企業の支部というものがある。従来、企業とか職場に支部がありますけれども、そのことが企業・団体献金集めの隠れみのになるという格好になってはいけないだろう、それならば不明確なものについて明確な基準をつくろう、こういう格好で一の市町村あるいは選挙区単位にというこうした地域支部につきましては支部として企業・団体献金を受ける資格のある支部です、こういうように認めようとしたのが今回の規定でございます。
 したがって、趣旨からいたしますと、企業・団体献金禁止の趣旨を生かしていきたい、こういうつもりでつくったものでございます。ただ、じゃ一体その他の支部はどうなるかということにつきましては、いろんな支部が現在もありますし、これからもできると思いますけれども、一般的に従来の政党の規約にあります規定というものを念頭に考えるならば、従来の職場支部あるいは企業支部といったものにつきましては今回の地域の支部には当たらないんじゃなかろうか、こういうように思っているところでございます。これをこれから各政党がどういうように判断するかということについては今後の課題と実績を見なければいけないということだと思っております。
 同時に、今御指摘のとおり、そのことによって何か抜け道的なということを行った政党の場合にはそれなりに世の批判を受けるということもあるわけですけれども、しかし実態を見きわめた中で見直しという問題点が出てくることもあり得るのではなかろうかと思っております。これは全体として政治資金の運用については五年後見直しということもありますけれども、そのことだけに拘泥しないで、こうした問題につきましては実態を見きわめていただいて、院の議論も当然起こってくると思いますけれども、対応しなければいけないテーマだと、こう考えております。
#193
○国務大臣(佐藤観樹君) 重要な問題でございますので、ちょっと簡単に補足させていただきたいと思います。
 つまり、政党というのは受け入れる金額については制限がないわけですね。出し手の方だけに、政治資金規正法上の別表にございますように、最高一億なら一億というのがあるわけでございまして、政党の本部であれあるいは政党の支部であれ、出す方の制限はございますが、受ける方には制限がございませんから、幾つつくってみたって、それは確かに五万円超を公表するという公表基準の問題はございますけれども、それ以下のものは出さないというのは、それはありますけれども、それによって受け取れる政治資金の合計がふえるというわけではございません。
 ただ、便利か不便がというような問題はありますけれども、基本的にはそんなに支部をたくさんたくさんつくってみたって、それによって全体的に多くもらえる、企業・団体献金が入るということじゃございません。何かそのあたりが大変報道も誤解されているんじゃないかというふうに思いますので、非常に岩本委員の御指摘は重要な課題でございますので、その点も補足をさせていただきたいと存じます。
#194
○岩本久人君 今まで、これまでも出されていない問題として一つ質問したいんです。
 市町村とか選挙区というエリアを満たしておればいいということなんですが、その支部の党員の数は極端に言えば一人でもいいんですか。その点については何人以上なのか、何々県の何党のぞめ支部の数は一人でもいいのかどうか、その辺を聞きたいと思います。
#195
○国務大臣(佐藤観樹君) これは各政党の規約がございますからそれに基づくのが常識的とは思いますが、政治資金規正法上では代表者と会計責任者、そして会計責任者に事故があったときにはその代理人ということになっておりますから、したがって最低二人。つまり、代表者と会計責任者に事故があったときの会計責任者の代理ということを届けるわけでございますので、したがってこれは最低二人いなければ支部というのは政治資金規正法上は認められない、こういうことになるわけでございます。
#196
○岩本久人君 いや、そうすると、そのようなことが世の批判を受けるとか倫理の問題とかいろいろあるにしても、法的には政党の支部は市町村と選挙区というエリアを一の単位にする、それで二人以上ならいいということになってくると、やっぱり余計問題だと思うんですね、ここのところは。だから、五年後に企業献金は全面的に廃止するということも含めて検討するという総理の答弁もありますけれども、五年間も待つことはない。やっぱりこういう問題点が出たということになると、できるだけ速やかに大幅に見直しをしてもらうということがどうしても必要だと思うんですね。この点についての基本的な見解を伺いたいと思っております。
#197
○国務大臣(山花貞夫君) 大変貴重な御指摘としてこれから対応させていただきたいと思っております。
 一言つけ加えますと、政党の支部によりましては、例えば社会党の規約などによりますと十人をもって職場支部を形成するとかこうなっているわけでして、政治資金規正法上は二人ですけれども、それぞれの政党によっていろんな決め方があり得るのではなかろうか、こうも思っているところでございます。
#198
○岩本久人君 早急にここのところは基本的に対応を特に要望しておきたいと思うんです。
 次に、この改正案が通った暁には選挙運動というのはどうなるかということをちょっと二、三聞いてみたいと思います。
 まず、選挙期間の問題ですが、衆議院の審議過程において現行十四日が十二日に修正されたということがありますが、これはどういう経過でなったのか、まず伺いたいと思っております。
#199
○衆議院議員(堀込征雄君) お答えをさせていただきます。
 今度の選挙運動全体が政党本位、政策本位の運動ということで仕組んでまいりました。そして、政府案は十四日間、そして自民党案の中には十日間ということで、できるだけお金がかからない、そういう意味で短縮の議論がされたところでありますが、しかし実際にはどの程度の期間が適切か、選挙民に政策がわかり、そして運動期間がどの程度かということにつきましては衆議院段階でもいろいろ議論がございました。
 もう一つは、選挙公報とかあるいは政見放送とかそういうものを事務上いろいろ消化していかなければならないという期間もございまして、十日間まで短縮することは無理があろうということで衆議院の理事間協議の中で十二日ということで話し合いが一致をしたところでございます。
 そういうことで修正をさせていただきました。
#200
○岩本久人君 この結果について政府としてどのような評価をしておられるか。また、参議院は期間が現在十七日、ということになると、かなりの差ができてくるということですが、その点についてもどのようにお考えがお伺いをしておきたいと思っております。
#201
○国務大臣(佐藤観樹君) 衆議院で修正されたわけでございますので、投票用紙が正確に有権者に渡る、選挙公報がちゃんと渡る、それから政見放送等がぴしっと放送局の御協力もいただいてできるということを万全を期してやらなきゃいかぬと思っております。
 参議院の十七日間の選挙運動期間につきましては、これは参議院の制度と密接に絡むことだと思っておりますので、参議院の今後の制度のあり方の中でひとつ御検討いただくべき課題というふうに考えております。
#202
○岩本久人君 前回の質問のときに若干オーバーして御迷惑をかけましたので、以上で終わりたいと思います。(拍手)
#203
○江本孟紀君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表しまして、スポーツ平和党の立場から質問をさせていただきます。
 まず、山花大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、私は昨年十二月二十四日に総理のところへ
お伺いいたしまして、そのときに十一項目の私どもの立場の要望書というのを出しました。その要望書の中身ですけれども、「政治改革法案の取扱について」ということで、
  従来より私たちの政治改革に対する考え方は、政治腐敗の防止を基本とし、政治資金の透明化と政治資金の助成を制度化することによって、大きく改善できると主張してきた。
 それ故、選挙制度の改革は、これ等の改善策が実現され、その推移を見守る過程で検討すべきと考えている。」
 しかし実際の国会の審議においては、少数政党及び無所属議員の意見がそのまま反映される現状にないことも事実である。
 私達を選出した有権者への責任をおもう時、今まで主張してきた精神は堅持しつつ、この法案がより自由で民主的な政治活動を保障する制度となるよう努める義務があると考える。
というようなことで、十一項目ですからその中には三%阻止条項とか政党要件で所属国会議員の現状五名を二名にしてくださいとか名簿登録者三十人を十名以上にしてくださいとか、そういったようなことをお尋ねをしました。
 そこで、早速私どものそういう意見が通ったかどうか知りませんけれども、その後に三%阻止条項というのが二%だというような話がちらほら聞こえてまいりまして、これは効果があったかなと一瞬思いましたけれども、そういうことで修正事項になったという理解をしてよろしいのでしょうか。
 それから三%、二%というその根拠、これはどういう根拠でその数字が出てきたのかということでございます。
 それから、総理に申し入れたときもそうですけれども、この数字そのものが非常に国民にとってもわかりにくくなっているということです。この三%が一番理解されにくい。そこで、一番理解されやすい方法は、やっぱりこれは過去の国政選挙の議席獲得に必要とした最低得票率の平均値によるものというのが一番いいんじゃないかということを申し上げました。そして、過去四回の参議院選挙の比例区をとってみれば、ドント方式の最後の議席獲得に要した得票率の平均は一・七四%であります。
 これは、ちょっと資料を見させていただきますけれども、昭和五十八年参議院選挙のときのドント式配分五十番目の政党、これは共産党五議席ですけれども、一議席当たり得票率が一・七九%。昭和六十一年参議院選挙ドント式、同じく五十番目の政党は自民党の二十二議席、一議席当たりの得票率が一・七五%。それから平成元年、これは社会党の二十議席で、一議席当たりの得票率は一。七五%。それから平成四年、民社党三議席、一議席当たりの得票率は一・六七%ということになっております。
 それから、全国区がその前にありましたけれども、この過去三回、昭和四十九年、五十二年、五十五年、このときのものを平均しましても一・一二ということになっております。比例区と全国区一緒に合わせても一・五九というような数字になっております。(「あんたの防御率と一緒だよ」と呼ぶ者あり)いや、そんなによくはなかったんですけれども。私の場合は三・七九でございます。
 こういうことで、ちなみに全国区時代のものをもう一回言いますと一・一二%ですので、比例制度と平均しますと一・五九%というようなことも出ておりますけれども、このようにどの角度から見ても二%以下に修正するのが妥当ではないかというふうに私どもは考えておりますけれども、この辺をいかがお考えでしょうか。
#204
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘いただいた昨年の御主張の中で、恐らく腐敗を防止するという観点につきましてはかなり今回の法案に盛り込んできたのではなかろうかと思っております。
 次に、三%条項につきましても、今幾つかの論点ということで御質問いただきましたが、まず初めの問題点といたしましては、今回の得票率三%要件は高過ぎるのではないか、こういう点だったと思います。同時に、実は五人の要件と三%ということにつきまして、五人ということについては従来の法律にずっと書かれておったところもございまして、それに今回は三%という得票率をつけ加えた理由につきましては、一言で言って政策判断である、これまでこういう言い方をさせていただきました。
 実は、今、江本委員御指摘のとおり、過去の最低当選者の得票率ということを試算しますと、随分詳しくお調べいただいた数字のとおりになると思いますけれども、例えば参議院の比例代表で考えれば、従来は定数が五十ということでございましたけれども、今回はこれが二百二十六ということになってまいります。そうなってくると、ここのところは随分違ってくるんじゃなかろうかというようにも思っております。
 そうしたことから、諸外国の制度を見ましても、部分的なものではなく全国一本の比例代表ということになりますと、やっぱりある程度、三パー、五パー、あるいは四パーといったようなそうした基準というものを設けていることも現実でございまして、そうした中で政策判断として出させていただいたわけであります。当初から私ども、総理も一貫して申し上げてまいりましたのは、とにかく国民の期待にこたえて、この法案については成立を念願している、こういう立場から、政府としてはベストです、こう言って出しておりますけれども、国会で十分御議論いただいた場合にはその御議論については尊重させていただきます、こういう姿勢で今日に至っております。衆議院段階で幾つか修正した点についても、そうした姿勢のいわば証拠と申しましょうか、あらわれであった、こういうようにお受けとめいただきたいと思っております。
 まず、最初の政党要件のうちの三%の問題につきましては、これは最近私も、マスコミを通じてのものをも含めて、連立与党内においても手直しに値する課題である、こうした共通の認識があるということを聞いておりまして、政府としてもそうした与党の動きにも注目しているところでございますし、またこの衆参を通じての与野党の議論ということについて大変貴重な御意見であると考えて今日に至っているところでございます。
 まだこれからの経過があると思いますけれども、これで与野党の議論、あるいは連立与党と皆さんとの協議が調って修正あるいは法改正というお話になってくるのであるならば、政治改革担当の私といたしましても政府部内におきましてそのような方向でまとめていく、こういうつもりでこれから努力をしていきたいと思っているところでございます。
#205
○江本孟紀君 そういうことで、三%の問題をもう少しこだわりたいと思います。
 この三%という数字が政治改革法案の中の至るところに出てくるんですけれども、例えば立候補の政党要件とか、当選人決定の阻止条項、政党助成の要件、それから政治活動に関する寄附を受ける団体要件というようなことが一律三%という数字になっておりますけれども、三%三%といったら消費税のときも三%ですけれども、この三という数字に何かこだわりとか深い意味があるのかどうか、その辺を少しお聞きしたいと思います。
#206
○国務大臣(山花貞夫君) 全くこだわりとか持っておりませんでして、基本的には申し上げたとおりです。
 今御指摘のとおり、政党要件だけではなく政党助成法における要件あるいはその他の部分にも横並びでこの数字がございます。したがって、これは御議論いただいて、与野党の御議論あるいは江本さんの会派と与党との御議論等々を含めて、恐らく私は、もし検討ということになればこれまた横並びで検討するということになるのではなかろうか、こうも思っているところでございます。政党助成法における三%という要件につきましてはこういう横並び的な考え方もあったわけですけれども、恐らく江本委員の御関心として例えばいつの選挙を基準にするのかということもあるんじゃないかと思っております。
 先ほどこれまでの例をずっと紹介されましたけれども、その時点時点によって動きますね、各政党ともに。あるいは、とりわけ少数会派の皆さんの得票については三%を超すこともあればそうでないこともあるといった場合に一体三%はどうなるか、こういう議論もあるのではなかろうかと思っております。
 衆議院の場合には解散がありますから一回の選挙で全議席を決定するということになりますけれども、参議院の場合には半数改選でもございます。そうなると、一番直近のと法律に書いてありますけれども、直近だけではなく前々回ということも考えなければいけないのではなかろうかということにつきましても、政策論とかあるいは立法政策的には検討の余地がある問題ではなかろうか、こういうように思っているところでございます。
 また、一番最後に触れておられました比例代表選挙立候補における人数の要件ということにつきましても、これも従来の参議院段階におけるあるいは衆議院段階における確認団体の制度といった数もある程度念頭に置かれたわけでありまして、従来、確認団体について参議院ならば十人、衆議院ならば二十五人、こういう制度がありまして、確認団体の資格を取る取らないということは、その後の選挙戦上の有利不利ということに大いにかかわったといったことでの十人、二十五人という基準がございました。
 こうした点につきましても、立法政策上の問題として果たしてどうなのかということについては、これまた野党の御議論、あるいは皆さんとそこでの御議論などにつきましても十分検討させていただき、またそうした中で合意ができるならば政府としては十分これを受けとめて検討させていただきたいと思っております。
 最後に、なかなか難しいのは政党要件としての議員五人という問題でありますけれども、これは既にいろいろな法律にずっと存在しまして、これまでそれでよろしいということで今日まで来た経過がございます。ここのところは直ちにというよりは少し時間を要するのではなかろうかと思っておりますけれども、御指摘の御趣旨については十分御意見としてよくわかりますので、そのことも、この問題はちょっと時期的にはずれるかもしれませんけれども、検討課題となるのではなかろうか、こういうように思っているところでございます。
#207
○江本孟紀君 この後に徐々にそういうのを質問しようと思っておりましたんですけれども、言われると何か順番がぐっと狂ってくるかなという感じもしますけれども。
 今私は、この三%の意味というのはそういう根拠が要するに横並びだというようなことだというふうに理解しますけれども、しかし、これを仮に二%以下に修正されるということであれば、これは非常に国民に理解されやすい数字になるんじゃないか、さっき挙げました私の最低の数字という基準からいえば非常にわかりやすくなるんじゃないかということを私は主張したいと思います。
 そういうためには、やはり一律にすべての要件は全部合言いました二%以下にすべきじゃないかというふうに考えますけれども、その辺はいかがでしょうか。
#208
○国務大臣(山花貞夫君) おっしゃるとおりに思います。
 ただ、五十人の場合と二百二十六、ちょっと違いますから、二%からまたうんと下げるということは、これはちょっと現実の数字を当てはめてやってまいりますと全体の合意といいますか、それはなかなか難しいのではなかろうか、こういう気もしております。ただ、御趣旨については十分理解できるところでございます。
#209
○江本孟紀君 今のお答えからいろいろ関連して、最もきょう言いたいところだったんですけれども、この後に出てきます問題なんですけれども、私どもはやはり少数政党という立場から、今一番少ない二名という国会議員の数で政党を一応構成しております、そこのところで、先日下稲葉先生の質問の中で、大変重要なというより、解釈を非常にはっきりさせておかなければいけない箇所がありました。
 つまり、今言いましたように、私のところの政党ということで言いますと、前々回、初めて結党して出てきたんですけれども、そのときは一・七七%を獲得しました。前回は三・〇六%というふうに得たわけですけれども、この状態ですと、とりあえず政党助成法の政党要件というのは満たしておるわけです。ところが、次の一年半後の選挙でこの三%を超えられなかった場合、この場合に次の三年間は交付の対象とならないのではないかという御心配を下稲葉先生が質問をされましたが、そのときは幸か不幸かちようど自治大臣のお答えがなかった。お答えというよりもお聞きにならなかったので答弁をされておりませんけれども、そこで私が改めてお伺いしたいと思います。
 衆議院の場合は選挙が一回しかありませんから、それはそのときに直近という言葉が一回で使えるわけです。ところが、参議院の場合は直近が二回あるわけですね。そうしますと、さっき言いました下稲葉先生の御心配のとおりなんですけれども、私どもの場合、これ、最初に言いましたように、三年間は公的助成を受けて、次に三%を起さなければ突然公的助成はあしたから金が入ってこなくなるということになりますと相当うろたえるような事態になるわけですが、そういうふうな解釈ということになってしまうとこれはかなりおかしいんじゃないかと思うんですけれども、この辺はどうなんでしょうか。
#210
○国務大臣(山花貞夫君) 既に野党、自民党の皆さんからも御指摘をいただいてまいりましたが、きょうまた改めて直接該当される江本委員の方から御質問をいただきました。確かにおっしゃるとおりだと思っております。
 くどいようですけれども、政策判断として出しているわけでありますけれども、これは皆さんの御議論をいただいた中で合意さえできればこれは検討し、これを修正することについては可能性があるテーマだと、こういうように思っているところでございます。
 ただ同時に、今御指摘の問題につきましては、直近だということにするのか、前回と前々回を平均するということにするのか、あるいは前回か前々回どちらかにするということになるのか等々のことにつきましても、若干の過去の実績を調べた中でそういうことを含めてよりよき結論を出さなければいけないテーマではないかと、こう思っているところでございます。
#211
○江本孟紀君 そこで、非常にそのあたりを何とかしてほしいなというのが私たちの考え方ですけれども、参議院におきます直近という言葉の説明がこの法案では非常にあいまいであるということで、やはり説明不足ということですから、これは要するにはっきり明文化をするということが大事かと思います。方法は別にして、このことを求めたいと思います。
 次に、山花大臣にお伺いしたいと思います。
 比例代表における、これは私どものあれじゃないですけれども、政党要件で名簿登載者を三十名以上としております。とすると、これは何度がやられたと思いますけれども、実際出てくるのが一億八千万の金がかかる。
 そもそもこの政治改革をやるときに金のかからない選挙制度をというようなことで始まっているのに、選挙に出るのにもういきなり一億八千万も金がかかってしまうというような制度になっておると思うんですけれども、これは私らにとっても非常に、もし一応政党要件は満たしているというような形ができたとしても、万が一衆議院でスポーツ関係から出たいというようなことになりますと、うちにはとても一億八千万もありません、いろいろな事情もありまして大変なものですかう、そういったところも何となく私どもにとってもこのあたりはかなり考慮すべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#212
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘の部分については、選挙における選挙公営にかかるお金という
こともちょっと御紹介させていただかないと、なかなか説明十分ということにならないんじゃなかろうかと思っています。
 今回は供託金の金額については現行のものと同じであります。
   〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕
 したがって、今の委員の御質問は、同じでも人数が三十ということになれば大変だと、こういう御趣旨として伺ったところでございますけれども、公営部分について一体どれくらいかかっているかということについて見てみますと、例えば前回の参議院の場合には候補者一人当たり選挙公営部分が一千九百七十一万円かかっております。あるいは議員一人当たりということで申しますと一億三千四十六万四千円、議員一人生み出すのに選挙公営が一億円以上かかっているというのが参議院の選挙公営の部分でございます。衆議院につきましては、前回が千百六十六万五千円、今回が千四百十五万円。要するに、選挙公営部分で衆議院でも千四、五百万、参議院の場合ですと約二千万近くのお金を公営として出しているということもありまして、その意味ではある程度の供託金を出していただいて、法定得票数がない場合には手続が違ってくる、こういうような供託金と選挙公営の部分の金額についてもひとつ念頭に置いてお考えいただきたいと思っているところでございます。
 そして、この三十人要件ということにつきましては、趣旨としては小選挙区の部分については個人で出るということになる、比例部分は党が推薦しないといけないということから三十人そろえばということで、今回は二百二十六ですから、従来の参議院とは違って、その数を考えれば衆議院の現在の確認団体二十五ということをにらんで三十、こういう数字を出したところでございます。
 かつての海部内閣のときはたしか三十五という要件だったと思っておりますが、それよりは五人削ってその部分だけは出やすくしたわけですけれども、まだこれでも大変だというお声がございますことは伺ったところでございまして、これまた先ほどのいろいろな要件と同じことで、少数会派の皆さんからそういう御意見が出て、それを与野党の議論あるいは与党の皆さんとの合意ということになれば、政府としてはこういう問題について受けとめて検討するということにやぶさかでないということについて、この部分についても申し上げておく次第でございます。
#213
○江本孟紀君 確かにそうなんですけれども、数が違いますから。でも少数政党という立場を考えたら、もう少しこの数のところは考慮していただきたいと思います。
 次に佐藤自治大臣にお伺いしたいと思いますけれども、この政治改革法案が議論されましてから、与野党問わず、よく外国の事例をよく持ち出されます。外国はこうだからというような妥当性を非常に強調されますけれども、私は海外の選挙制度が必ずしも日本に合っているかどうかということに関しては、これは日本の独特の風土やそういったものもありますから、合うかどうかは別にしまして提案をしたいと思うんですけれども、小選挙区を取り入れるとしたら、やはりその中には多選禁止条項というのを取り入れるべきじゃないかというふうに思います。
 ここで、また資料を持ってきましたけれども、外国の例です。アメリカなんかは、これはもちろん大統領は二期しかできません。それから、下院議員は任期が二年で、これは三期六年というふうに決まっております。上院は六年。それから、州によっては三期、四期、六期といろんなのがあります。あとドイツ、スイス、メキシコ、フィリピン、韓国、いろいろなこういった定年制というか任期を設けてあるというようなことでして、こういったところを私は、小選挙区にするということであれば多選禁止条項といったものをこの法案の中に組み込む、こういうことがあると世論も何となくいろんな意味で今まであった弊害のようなものも少し緩和されるんじゃないかというふうに思いますけれども、この辺はいかがでしょう。
#214
○国務大臣(佐藤観樹君) 地方におきます知事以下の首長さんにつきまして、職務権限を持っているということで多選禁止という声が非常に大きいことは私も聞いておりますが、ただ、これも結局有権者の選択にまつべきじゃないかというまた一方の原則的な有力な意見もあります。今、江本委員言われました小選挙区におきます議員の多選問題というのは、これは今から議論するには少し早いのではないだろうか。
 確かにアメリカの場合には、江本委員今言われましたように、かなり禁止をされておるわけでございますが、これから見通す政治状況というのはかなり激しいものになって、小選挙区においても当落というのはかなり違ってくる可能性も多いんではないだろうか。そのあたりの少し先を見てから、やはりその議論というのは有権者の方々の御意見も聞いてみてすべきテーマではないか、こういうふうに思っております。
#215
○江本孟紀君 時間がなくなりましたが、いっぱい用意したので一通り全部やりたいなと思っておりますので、手短にお願いしたいと思いますけれども、佐藤大臣にお伺いしたいと思います。
 参議院選挙において拘束名簿式を採用したときの主な理由は一体何だったのかということですけれども、これはいかがですか。
#216
○国務大臣(佐藤観樹君) これは、人口一億以上いる国で有権者を全国を単位にするという制度の国はないんです。そして、銭国区だあるいは残酷区だと言われたように非常に金がかかると。当時言われたのは、五億とか六億とか多い人は言っておったわけでございまして、ここを政党本位に変えることによって金のかからない制度にしようというのが趣旨であったと記憶をしております。
#217
○江本孟紀君 この全国区を廃止したときは、私たちが聞いておるのは、どうもタレント議員がどんどんふえてくるからそれを排除しようと。最近でもある雑誌には、我々について、お笑い・スポーツ十人衆などというようなそういう書き方をされますけれども、そういうようなことがあってはいけないんじゃないか。
 一つの政党の名簿の中にどうしても当選させたい候補と絶対に議員にさせたくない候補がいた場合に、国民の意志はどういうふうに反映されるのか。それから、選挙というのはもう本当に国民に対して親切なやり方をしなければいけないんじゃないかということで言いますと、やはり選挙というのは拘束名簿式というのは見直すべきじゃないかというふうに思います。そうしますと、私は、参議院に拘束名簿式があるんですから、より顔の見える、地域に密着した候補を選ぶべき衆議院では非拘束名簿式を取り入れるべきじゃないかなと思いますけれども、いかがですか。
#218
○国務大臣(佐藤観樹君) 後ろの方の問題についてだけのお答えでいいんだと思うのでありますけれども、衆議院の場合には、もちろん拘束名簿を一部名簿に入れてもいいし、あるいは重複立候補ということで小選挙区で、戦ってその惜敗率によって順番が決まるという制度もございますので、そういう意味では、顔が見えるという面においてはかなり参議院の比例代表よりも顔が見えてくるのではないかというふうに考えております。
#219
○江本孟紀君 時間がないので、次に山花大臣にお伺いしたいと思いますけれども、少数政党にとってもう一つ看過できない問題があります。それは、政党要件の中に衆参を通じて国会議員は五名以上としている点なんですけれども、この点についてどうお考えですか。根拠をお願いします。
#220
○国務大臣(山花貞夫君) これは、かねてから政治資金規正法等におきまして五人要件という一つの基準がございます。政党というものをどういう基準でということになりますと、ある程度客観的な国民がわかりやすい基準でなければならないというところがやっぱり一つあるんだと思います。政党をつくっているわけじゃありませんから、五人、三%、いろいろこういう基準などをつくったりして、政党というものはそこでの基準で判断する、こういうのが経過であったというように思っているところでございまして、この点についてはさっきもちょっと出ましたけれども、いろんな法
律にはめ込まれておりますので、現在までこれで来ておりますので、ここのところはちょっとなかなか厳しい検討がなと、こういうように思っております。
#221
○江本孟紀君 もう一つだけ、済みません。岩本先生の分もひとつよろしくお願いします。
#222
○理事(一井淳治君) 簡単にお願いします。
#223
○江本孟紀君 そこで、ぜひ五名を二名にしていただきたい。その二名の根拠は、私たちのところが最低のところからスタートしていると一応認定をされておる党でありますから、そこからスタートすべきじゃないかということで、それをお願いしたいと思います。
 それから、最近、この政治改革法案を初め国の基本にかかわる問題におきまして党議拘束を外すべきじゃないかという風潮が非常に高まっております。日本には政党法というのがありませんので、また基本の政策も連立政権時代にはいろいろ変わったりなんかするんですけれども、国民の目からすると政党よりも個々の政治家の資質というものに非常に期待する傾向が強いんじゃないか。現に細川総理大臣の支持率なんかもそうだと思います。
 こういうふうに選挙制度というのはこれ自体が非常にわかりづらいんですけれども、国民の気持ちというのは本当は政治家個人に、政党助成なんかにしても政党というよりも個人にお金をもう少し、例えば経常経費の助成とかというふうに考えるべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#224
○理事(一井淳治君) 簡潔にお願いします。
#225
○国務大臣(佐藤観樹君) これは、全体的な流れといたしまして、個人と企業との出てきたいろんなスキャンダルをなくそうということで、政治自身を政党本位という大きな流れを今つくりつつあるわけですね。
 そういう中におきまして、我々政治家個人も、例えば立法事務費とかその他かなりのものが出ているわけでございまして、国会の中における個人の議員としての活動費というのをどうするかというのはいわば別の問題で、つまり議会内における処遇という意味で歳費を幾らぐらいにするとか立法事務費をどうするかとか立法調査費をどうするかという問題はこれはあるとは思いますけれども、基本的に援助というのは政党本位という基本からいうならばやはり政党にしていくというのが正しい流れであろうというふうに考えております。
#226
○江本孟紀君 時間がないので、この辺で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
#227
○高崎裕子君 それでは最初に、政党助成の算定根拠についてお尋ねいたします。
 算定根拠の説明を受けましたけれども、これは全く私は大ざっぱだというふうに思うんです。八九年から九一年の三年間のすべての政党の政治資金の純支出の平均を算定の根拠にしていると。その純支出額は千二百四十三億円です。この額がすべての政党の政治活動費ということになるわけですが、この三分の一を助成しようとしているその千二百四十三億円の内訳ですけれども、政党本部が三百六十九億、そして政党支部が四百三十二億、そして国会議員の関係政治団体分として四百四十一億円というふうになっているわけです。
 この中で国会議員の関係政治団体分の四百四十一億円なんですけれども、自治省届け出分と各都道府県の選管届け出分がありますけれども、自治省届け出分については政治団体のすべての支出総額の二分の一というふうに見たと。それから各都道府県の選管分は国会議員分としては三分の一と見た。この二分の一、三分の一というのは、これは大臣へ推計ですね。
#228
○国務大臣(山花貞夫君) 前回の海部内閣当時以降の計算の仕方といいますか、ということだったわけでして、その今の分については、自治省が実態というものを把握した中で推定、推計をしたところでございます。
 この点、ちょっと選挙部長の方からつけ加えて……
#229
○高崎裕子君 結構でございます。
#230
○国務大臣(山花貞夫君) いいですか。推定でございます。
#231
○高崎裕子君 自治省と都道府県に届け出られた政治団体の支出額というのは千八百五十二億円なんです。そのうち国会議員の政治団体分、自治省分は二分の一つまり五〇%と見た。それから、都道府県分については三分の一つまり三三%と見た。これは今言われたように推計です。何の根拠もないわけなんです。
 大変大事なことは、一%違っても十八・五億違います。一〇%違うと実に百八十五億も違ってくるということでは、支出額がふえれば助成金も当然ふえてくるということで、こんなつかみ金的なこと、いわばどんぶり勘定とも言っていいようなこういうことは本当に私は許されないというふうに思うんです。
 その点、どうですか。
#232
○国務大臣(山花貞夫君) 推計というのはけしからぬじゃないかという御指摘ですけれども、確かに明確な基準といいますか、計算根拠というものが過去の実績に基づいて試算されるということではなく、新しい制度をつくっていくわけですから、新しい制度をつくるに当たって一体何を基準にするかといえば、これまで御報告しておりますようなこれまでの各政党の支出の実績というもの、これに基づいていく以外にはないというのが現実的な決め方ではなかろうかと思っております。
 したがって、御指摘のような過去の実績から推計ということ、そして、そこでの推計が少し違えば金額が変わるではないかという部分につきましては、その意味におきましては過去の推計の数字をきちんと把握した上でございますので、その上での計算ですから、推計としてはこれ以外にやり方がないのではないか、こういうように思っているところでございます。
#233
○高崎裕子君 過去の実績でいろいろと推計をしてみたということなんですけれども、今言ったように一%違えば十八・五億も違うという大変なことで、その推計で国民の税金を使うということはもう大変重大な問題なわけです。一いろいろと調べてみたというふうにおっしゃるんであれば、それをもう少し出して国民の納得のいく形で示さなければ、一%で十八・五億、そして一〇%で百八十五億も違う、こういうつかみ金的なことは本当に国民は納得しないわけです。ですから、推計だというふうにおっしゃったわけですから、そういう点は非常に問題だというふうに思うんです。
 それで、大変つかみ金的だということについては政党支部についても言えるということで、この点について私は指摘したいんですけれども、政党支部は四百三十二億です。この純支出額の算定も全くでたらめなわけです。海部自民党内閣の当時は算定基準として、政党支部については当然これは地方議員の分も含まれておりますのでこの地方議員の分はよけるということで、国会議員分としては二分の一でカウントしているわけです。四百三十二億円の二分の一分、つまり二百十六億円というのはこれは上積みされているということになるわけですけれども、この点は間違いありませんね。
#234
○国務大臣(山花貞夫君) できる限り国民の皆様に御納得いただけるような計算方式を出しているつもりでございます。
 今御指摘いただいた分につきましては、海部内閣のときの計算の方式というものを一つの基準といたしましたと、こう申し上げておりますけれども、別にそのままそっくり取り入れたわけではございません。当時と今回違っておる最大のポイントは、企業・団体献金の取り扱いでありまして、当時はたしか自民党案は、資金調達団体は一政治家二つということなどを通じて企業・団体献金を集められる、こういう仕組みになっておりましたけれども、今回は企業・団体献金に一歩大きく踏み出すということから企業・団体献金を政党、政
治資金団体に絞り、個人の政治家後援団体には即時全面禁止。こうしたところが当時の法案とは全然違っているところでございます。
 そういうことを前提としながら、今回は政党本位の選挙制度、そして政党の活動というものを個々の支部が担う場合もあれば政治家個人が担うものもある、こういった観点から、そうした部分について考えるならば、これからの政党活動というものについては本部の指令に基づいて政党の政治活動という格好で行われることに要するコストなども勘案するということなどを考えまして、支部につきましても今回のような措置をとったところでございます。
 同時に、いろいろ御質問いただいて、推計だからここのところがちょっと違ったらどうなのかということは私は全部否定するつもりはございません。そういう部分を新しい制度をつくっていく中でできる限りの努力をした結論が今回の推計の方式だったわけでございます。
 では一体この問題について、よしあしという問題については、これは一つには五年後の点検ということがございます。これから一体どういうような政党の資金状況になるのか、あるいは個人献金の流れが一体どうなってくるのか。こういうことを全体的に見きわめた中で、また五年後見直しの際には廃止の意見を含めてといった大きなテーマもありますけれども、全体としてこの政治資金の問題については検討し直す、こういうことが残されているところでございまして、まずは企業・団体献金一歩大きく踏み出して、この上でまた問題があるならば五年後にもう一遍見直していただきたい、これが政府の提案の内容でございます。
#235
○高崎裕子君 まず、いろいろとお尋ねする前に、今回は政党の支部については二分の一としないで全体を計算に入れたというこのことは間違いないわけですね。結論だけ言ってください。
#236
○国務大臣(山花貞夫君) 今回はそうした計算方式をとっておることは間違いございません。
#237
○高崎裕子君 これだけでもお手盛りなわけなんですけれども、今いろいろ大臣はその理由を述べられました。
 企業献金については個人について廃止をしたということを理由に挙げておられますけれども、これ自体が大変ごまかしなわけです。
 個人について献金を禁止しても政党についての献金はこれは認める、そして政党の本部だけではなく支部についても認める。そして、大臣はこの委員会で述べられました。法律論的には女性支部、それから青年支部、地域支部、さまざまな支部、全国市町村三千を超える支部のほかにつくられる、つくることは可能だ。つまり、政党支部については無数につくることができるわけなんです。これを通して個人は企業から入った献金は受け取ることができるんです。つまり、迂回して献金を受けることができるという点ではこれは個人献金を禁止したといっても従来と全く変わらないわけですよ。
 これは、佐藤大臣も平成三年の九月十三日の委員会で言われました。企業からのお金はそのままにして、そして国民から税金をいただくのは国民は納得できない。そうおっしゃったではありませんか。
 このように、企業献金については従来と実態としては全く変わらない中でさらに政党助成で上乗せをする、そして自民党でさえできなかった地方議員の分までも上乗せをして、政党の支部については全部これは計算に入れるということ自体が国民としてはもう絶対納得できないというふうに思うんです。
 政党活動が中心だ、政党活動中心にするために小選挙区制を入れるんだ、小選挙区制はお金がかからない選挙だ、こういうふうに言われました。お金をかけないためにするんだ、そう言いながら、こういう形で政党助成ではばっと上乗せしながらやるということ自体が私は大変問題だということで、この点、本当にお手盛りだというふうに思うんです。
#238
○国務大臣(山花貞夫君) お手盛りではございませんし、たくさんの論点についてお話しになりましたが、私伺っておって、ポイントは、国民の皆さんが聞いてどうかと思うのは、今回、企業・団体献金禁止について全くこれまでと変わっていない、こういう御主張が今の御主張の中の最大のポイントだと思っておりますけれども、そうではございません。
 今回、企業・団体献金の問題について大きく一歩踏み出しているということについては繰り返し申し上げているとおりでございまして、同時に、今回はそこだけごらんになっていただいてそこだけの議論ということではなく、政治改革四法と、こう申し上げております。政治改革四法のもちろん一つの柱として選挙制度の問題はありますけれども、連座制を含めた厳しい処罰の問題、そして政治資金制度、公私を峻別して個人に対する企業・団体献金を禁止した問題、すべて全体を考えていただければ、テーマとしては腐敗を根絶する政治改革をいかになし遂げるか、改革の第一歩、第二歩を記録したい、こうした気持ちで今回つくったわけでございます。
 企業・団体献金の問題についても、従来と変わらないということならばこれだけ議論にもならなかったんじゃないでしょうか。従来と変わって個人に対する企業・団体献金が即時完全禁止だ、それでは大変ではないか、こういうことから随分衆参通じて議論が起こっているわけでございまして、これは衆議院、参議院における議論を全く無視なさればそういう御主張になるかもしれませんけれども、私はそうではないということを断言してお答えさせていただく次第でございます。
#239
○高崎裕子君 もう今の答弁は全くごまかしの答弁ですよ。今言ったように、むしろ衆参の議論を通じて明らかになったのは、政党への企業献金を支部も含めて残しているということから抜け道があって変わらないということを私先ほども指摘いたしました。その点について、今言ったような答弁というのは国民に対するごまかしにほかなりませんよ。
 それで、次に具体的にお尋ねします。
 算定の基礎になっている純支出額ですけれども、社会党の本部、支部でそれぞれ幾らでしょうか。
#240
○国務大臣(山花貞夫君) 各政党の会計、財政の問題で、重要なテーマです。私は今資料を持っておりません。
#241
○高崎裕子君 いや、これ、算定に各政党の純支出額を積み上げてそして金額を出したわけですよ。それで、今手元に持っていないという話で、私はもうびっくりしてしまいました。わからないんですか。社会党の前委員長ですよ。ちゃんと答えてください。
#242
○政府委員(佐野徹治君) これは政治資金規正法上の届け出等もございますので、私ども自治省の方で把握をいたしておりますので御紹介させていただきますと、これは平成元年から三年分の支出を平均したものというように御理解をいただきたいと思います。
 日本社会党の本部は、支出総額は六十三億三千九百万円でございます。同支部は支出総額は六十七億三千四百万円でございます。なお、純支出額につきましてはちょっと計算はいたしておりませんが、いわゆる重複分といたしまして、寄附・交付金、借入金返済相当額、宣伝事業費を除く事業費、こういったものは重複分として純支出額を計算いたします場合には除かれるべきものであると考えております。
#243
○高崎裕子君 それで幾らになるんですか。政党本部で社会党の場合、九億三千五百万になりますね。
#244
○政府委員(佐野徹治君) ちょっと純支出額は計算をいたしておりませんが、寄附・交付金につきましては本部は二十四億八千六百万円、借入金返済相当額につきましては一億七千七百万円、宣伝事業費を除く事業費につきましては十八億八千八百万円、支部につきましては寄附・交付金は十二億八千九百万円、借入金返済相当額は三千八百万円、宣伝事業費を除く事業費は四億五千五百万円
となっております。
#245
○高崎裕子君 それを差し引きますと、政党本部の金額は九億三千五百万となるわけです。
   〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕
 支部は幾らになりますかね。五十億ぐらいだろうというふうに思うんですけれども。そうですね。これ、大体でいいですから。
#246
○政府委員(佐野徹治君) ちょっと正確な計算はあれですが、五十億前後ではなかろうかと思われます。
#247
○高崎裕子君 そこで大臣にお尋ねいたしますが、先ほどもお述べになりました政党助成法の考え方、三分の一としたというのは、第八次審で政党は過度に国家に依存してはならないと、そこで政策的な判断として純支出額の三分の一にした、ドイツでも五〇%を超えれば違憲だということもあるんだということを繰り返し述べられました。そのとおりですね。
#248
○国務大臣(山花貞夫君) そのとおり答弁をしてまいりました。私は今でもそう思っております。
#249
○高崎裕子君 そこで、具体的にお尋ねいたしますけれども、社会党の本部の純支出額は九億三千五百万、その三分の一が助成金と、今のお考えでなるわけですよね。そうすると、三億一千百七十万円、これがあなた方が政党助成をするに当たっての考え方に基づいて出てくる数字なんです。
 それにもかかわらず、赤旗の試算で社会党への助成は、これは四百十四億円のケースですけれども、八十六億に上るんですね。これまでの議論は収入についてどれだけかということで議論されましたけれども、今度の政党助成の算定根拠というのは、これは純支出について考えているわけですね。それの三分の一という考え方ですから、純支出で議論するわけですけれども、社会党の支部の純支出額については今五十億というふうに言われました。その三分の一ですから約十七億ということになるわけですね。そうすると、本部とそれから支部と合わせると、本来三分の一の助成ということであれば約二十億ということになるわけです。とすれば、この四百十四億円のケースで見ますと、この八十六億は二十億から見ますと実に四。三倍にもなるんですよ。これは大変なお手盛り以外の何物でもないというふうに言わざるを得ないんです。
 憲法に反して国民の貴重な税金を使って、しかもあなた方は考え方の根拠として、政党は国家に過度に依存してはならないということを言い続けてきて三分の一としたというその立場からいって、全くかけ離れた莫大な助成をもらうということになるわけです。こんなことは国民は絶対許しませんよ。どうですか。
#250
○国務大臣(山花貞夫君) 各党の本部の財政問題というのは組織の中の中心的な問題でございまして、私も正確な手持ちを持っているわけではございませんので、選挙部長のお答えが今御質問の材料になっていると思います。
 ただ、私伺っておって、本部の支出が九億というのはどう計算してもちょっとおかしいんじゃなかろうかと……。
#251
○高崎裕子君 純支出ですけれども。
#252
○国務大臣(山花貞夫君) だって、人件費だって百億近くかかっているはずですから。
 ということですと、ちょっとそこのところは少し調べてみないとわからないところもございます。それはいろいろなやりくりもあるかもしれませんし、例えば本部の支出を、シャドーキャビネットをつくって随分そこにお金を使ったけれども、一体そういうことをどう、いろいろ計算もありますから、そこのところは各政党内部の問題としてそれぞれの事業も絡めてのやりくりがあるんだと思っております。私は財政局長をやっておりませんので、その辺のところはちょっと正確ではないかもしれません。
 ただ、そういうことを抜きにしてお答えさせていただきたいと思うのは、今回は各政党の支出の三分の一あるいは四分の一ということにしたのではありません。
 全体としての民主主義のコストということで、とにかく企業・団体献金を禁止して政治をきれいにしていくための一つの大きな柱として政党助成ということを考え、政党本位の選挙における政党の財政基盤というものを最小限度固めていかなきゃいかぬということで、いわばマクロの観点で全体の経費というものを計算し、これをどう客観的に国民の皆さんにおわかりいただけるような基準で分けるかということになれば、これは得票率と議員の数ということになるだろう、こういう客観的な基準によって分けたところでございまして、したがって従来から自治大臣も答弁しておりますとおり、全体として相対的に少ない経費で大きな議席を持っておったところとそうでないところ、いろいろそこは違いが出てくるのではないかと思っております。
 全体、マクロ的に計算して、その割り当てられた助成金というものを資金の一部として政党の財政基盤を確立し、そのことに基づいて政党中心の日常の政治活動、そして選挙活動等も含めこれから展開するということになると思いますから、その意味におきましては、大きな資金の差というもののないできる限り平等な公平な各政党の財政能力ということをつくり上げていくことが一つの方向だ、こういうように考えているところでございまして、莫大なお金を持っている政党と全くお金のない政党、そういう差があってはいけない、それをなくしていこうということについては私は国民の皆さんの御理解をいただけるのではなかろうか、こういうように思っているところでございます。
#253
○高崎裕子君 今、純支出額のお話が出ましたけれども、そもそもこの法案の算定の基礎として出されているのが、今言ったように支出総額から寄附だとか交付金、事業費等を引いて純支出額を出して、そしてそれを基礎に過度に依存してはならないということで三分の一にした。その純支出額が社会党では今言ったような数字になるということで、これは私が言っているのではなくて、皆さんが出された法案の算定をしたその算定の仕方で私は今議論をしているわけで、人件費があるとかそういうことでごまかさないでください。
 それから、民主主義のコストというお話をされましたけれども、あなた方が法案を提出されるバックグラウンドというのは、第八次審で政党は過度に国家に依存してはならないんだ、そのことに留意しなければならない、これが基本なわけですよね。そうですね。
 そうすると、これは今言ったように三分の一ところがその四・三倍になるこういうものが助成されているという、これはもう第八次審のあなた方の考え方から決定的に外れている、反している。過度どころか、過度というのは皆さん二分の一を超えて過度というふうに言われるわけですけれども、これはもう明白に極度の過度なんですよ。こんなことで国民は納得いたしませんよ。
#254
○国務大臣(山花貞夫君) 私は誠意を持ってお答えしているつもりですけれども。
 御質問は、何かもう既にお金をもらっておってけしからぬ、こういう御質問になっているわけですけれども、そうした全体のマクロで計算した中で客観的な基準によって各政党助成を行い、そのことを財政の基盤としてこれからの新しい時代の政治に政党がどのような活動を展開していくかということについては、これはこれからの政党のそれぞれの努力にかかっていることだ、こういうように思っています。
 したがって、そういう意味におきましては、さっき申し上げたように、お金をたくさん持っているところと全くないところとではなくて、できる限り公平な基盤というものをつくって、その中であとは政策を含め政党の努力にかかる、そしてそのことについて国民の皆さんにどれだけ御理解いただけるか、こういう制度のスタートでございますので、何かもう何倍かもらってしまってけしからぬという御議論はちょっと今の議論とは外れているんではなかろうか、私はこういうように伺っておったところでございます。
 その意味におきましては、確かに新しい制度で
すのですべて一〇〇%これでもう固まったというものではございません。したがって、衆議院段階における、さっきから三分の一というお話がありましたけれども、今回の修正によりますと約四分の一という基準になっているのではないかと思っておりますけれども、そうした基準をもちましてこれから政党がそのことをにらんで来年まで、これから一年間、ずっと先までどういう体制を組んでいくか、組織論、運動論を含めて努力をしていくという、そうした政党の努力がかかったこれからの時代、こういうことになることをも含めてどうぞ御理解いただきたいと思っております。
#255
○高崎裕子君 これからの政党のあり方として公平な基盤をつくるというふうに言われました。この法案が公平ですか。大きな政党にはたくさんのお金を渡し、そして小さな政党には少額だ、こういう中身になっているんですよ。
 民主主義のコストと言われますけれども、例えば政党というのは、自分たちの政策そして考え方を国民に示して、そして国民から支持を受けていく、こういう活動をするわけですね。この政党の本来のあり方は、一人一人の有権者にビラ一枚を配るのでも全く同じことが要求されるわけですよ。大きいからたくさんもらえ、小さいから少ししかもらえないということになると、これは民主主義にはならない。民主主義に反するということなんです。私たちは、三分の一になったらいいとかそういうことを言っているんではないんですよ。こういうお手盛りをするということになるから、こういう法律はやめようというふうに言っているわけです。
 政党の本来のあり方というのは、今言ったように、自分たちの考え方を国民に示す、そして国民から支持を浄財という形でいただく、党員の党費それから事業収入、こういうもので自助努力で活動をして初めて政党は国家に対してその信念に基づいて物を言える。そういう政党本来のあり方からやっぱりかけ離れているというふうに思うんですね。
 日本新党の平成四年の政治資金の収支報告書を私たち計算してみました。純支出額は五億を超えます。その三分の一が助成であるということを考えると、一億八千八百万というふうになるわけですね。ところが、日本新党の助成金は、これも四百十四億円のケースですけれども、二十三億円もらえる、二十一億円以上、つまり十二倍ももらえるということで、これはもうお手盛りだということははっきりしているわけです。
 私たちは、三分の一以内に抑えればよいということを言っているのではなくて、政党本来のあり方は、今言ったように、政党の自助努力であるということと、国民が今この不況の苦しい中でこんなお手盛りは許せない、国民の税金をこういうことに使うことは許されないということを改めてここで強調しておきたいと思います。
 この問題は、根本的には憲法上の問題があるわけです。憲法十九条は思想、良心の自由を保障しています。これは政党支持、政治献金を自分の意思に反して強制されない権利である、国家からもだれからも干渉や強要をされない、侵すことのできない基本的人権として認められています。政党助成の実態というのは、政党への政治献金です。自分が支持しない政党に自分の税金が配分される、そのことは拒否できない、つまり強制されるということになるわけですね。
#256
○国務大臣(山花貞夫君) 強制という言葉は当たらない、こう考えております。
 ただ、その前に一つだけ申し上げておきたいと思いますことは、交付金の配分について、大きな政党がたくさんもらって小さな政党が少ないというのはけしからぬ、こういう御主張でございましたけれども、すべての政党に頭割りということにはやっぱりならないと思っております。
 一体どういう客観的な基準がよろしいのかということになれば、議員の数、そして前回選挙における得票の率、これが一番国民の皆さんが納得いく客観的な基準ではないでしょうか。その他、例えば党員の数がどうかとか、支部の数がどうかとかということではないし、その党の支出がどうかということでもないと思っておるところでございます。全体としての枠を決めた中で、どうやって客観的になるほどと思われる基準ということになれば、やっぱり議席と得票率ということになる、それ以外にはなかなか、もしこういうのがいいというのがあればお知らせいただきたいと思いますけれども、難しいのではなかろうか、私はこういうように考えているところでございます。
 後段の問題につきましては、これは法律解釈としては既に法制局長官の方からもその点について、共産党の質問だったと思いますが、お答えいただいているところでございますけれども、強制ということではなく、これまで申し上げたとおり、政治不信解消のための抜本的な政治改革を行うに当たって、これまた政党助成ではなく、政治資金規正法とかその他のすべての法律の全体系の中で出していることでございますので、その意味におきましては、そのうちの非常に大事な部分として、民主主義のコストとして国民の皆さんにお願いをするということでございますから、決してこれは強制してということには私はならないと思っておる次第でございます。
#257
○高崎裕子君 今、基準については説明していただきました。これは法律の八条をそのまま御説明をいただいたわけですけれども、私が問題にしているのは、この法律のそもそものよって立つところが、八次審で政党が過度に国家に依存してはならないというそのことが前提になっているのに、今数字で具体的にお示ししたように、過度どころか極度の依存になっているということが大問題だと、だからこういう法律はもうやめるべきだということを私は言っているんで、これは問題をすりかえた答弁になっているわけですね。
 今、強制していないということですけれども、我が党の聴濤議員に対する質問では、自分がその政党を支持するしないにかかわらず、税金という形で配分されるんだということを言われましたね。それがまさしく自分の税金が配分されることについてやっぱり国民としては拒否できない、そういうことになるわけでしょう。私は、拒否できないというそういう法律の枠組みをつくるということ自体が憲法違反だということを言っているわけなんですよね。国民の意思を抑制したり強制するということを、何を根拠にできるんですか。
#258
○国務大臣(山花貞夫君) 何を根拠にできるのかと御質問ですが、私としては何を根拠に憲法違反だと断じられるのかということについて、どうも十分納得がいきません。
 この公的助成の制度につきましては、確かに八次審で問題提起をされたところは大きな手がかりとなっておりますけれども、それだけではありません。私、実感として感じておるところですけれども、二、三年前は公的助成問題について学者、有識者の皆さんの場合にも余り私は御理解がいただけなかったんじゃなかろうかと、こういう気がしておりました。今日はゼネコン事件ですけれども、腐敗が続き、そして政治のそうした問題点というのが厳しく追及される中で、そうした中で私は世論についても少しずつ変わってきたということを私自身の経験として実感をしてきています。
 企業・団体献全廃止の方向に、そして政治コストもきれいにするならば、民主主義のコストとして公的助成をある程度受けることについては理解できる、こうしたお考えというものが私は各方面から出てきつつあるということを実感する中でこの作業を続けてまいったという経過もございます。
 直ちに憲法違反ということについては、例えば税金の使い道について一体どうするか、そういう意味では、これも憲法違反じゃないか、これも憲法違反じゃないかと、こういう立論はあり得るかもしれませんけれども、今回の場合そうした理屈には私は当てはまるものではない、憲法違反とはならないと、こういうように確信をして提案させていただいている次第でございます。
 諸外国でたくさんやっていますけれども、いろいろなその他の事情が加わって憲法違反ではない
かという議論が起こっていることは確かに承知をしております。ドイツなどの場合につきましては、幾つかのケースについてその他の原則から憲法違反ということが問われておりますけれども、こうした国の経費をもってやるという部分についてそういう議論が出ているということについては承知をしておらないところでございます。
#259
○高崎裕子君 諸外国の例を出されましたけれども、フランス以外は政党に対するのは選挙制度についての補助金だけだということでは、日本のこういう制度というのはもう世界の流れからも反するわけですよね。
 助成制度の中に○○党を支持しなければならない、こう書いているわけではないわけですけれども、国民がどの党を支持するかしないかにかかわらず一人二百五十円という形で算定してそういう法律で強制されるということが憲法上の問題だということを私は指摘しているわけです。
 国民はタックスペイヤーとして当然税金の使途については物を言う権利はあるわけですけれども、支持しないから税金を払えないと言えない、つまり税金の使途がよくないという問題以上に、根本問題というのは思想、信条の自由を侵害してはならないという憲法上の重大問題があるということなんです。これが憲法の本源的問題であるということが、山花大臣も法律家なわけですから、ここがどうしてわからないんでしょうか。
#260
○国務大臣(山花貞夫君) 前提と結論の間に私は若干理解し切れないところもございます。
 例えば、フランスだけこうなんだという御指摘がありましたけれども、各国の選挙制度、政治資金についての制度というのはかなり違っているわけでありまして、ここの国だからこう、こういうことは言えないんじゃないか、私はこういうように思っております。
 日常の政治資金と選挙を一番区別しているのは、割合に日本は区別している方だと思います。アメリカなどは全く区別していないということではないでしょうか。そのかわりアメリカの場合には、国会で議員が一般的、国民サービス的にやるものについては全部国が面倒を見るということを前提として選挙と政治資金は区別していないということだと思っています。今おっしゃったフランスだけということではなく、私はこの政治資金の関係というのは非常に難しいと思っています。
 いろんなことで勉強しましてもいろいろな資料が出てくるわけでありまして、ドイツなどの場合には、専門家の調べたところによりますと、年間約十億マルクという資料もございます。これは国会図書館で調べたものですけれども、調べてみると、確かに選挙運動費用補助だけではなく、連邦とか州、欧州議会選挙運動費用の補助、連邦基本の補助、州基本の補助、機会均等化調整金補助、議員が政党に納付した税金優遇措置などの間接的な補助、会派の補助、それから政党関係財団に関する補助金、これが非常に大きいです。こういうことを全部含めると政治に関する経費の恐らく五〇%を超したというような問題にもなり得るのではなかろうかと思っておりますけれども、政党だけではなく、政党に関係する財団、政党の役割が日本などとは比較にならないくらい高まっておりますから、国家の活動だけではなく、政党が各国に代表団、財団をつくったりしております。そういうことをも含めて、各国の制度というのは全部違っているわけでありまして、ストレートに持ってきたものではありません。
 今できる限り腐敗を根絶するための政治改革を実現するために、こういう全体構想の中で今度の政党助成金についても提案させていただいたところでございまして、もちろん政策判断ですから十分御議論をいただかなければならないとも思っているところでございます。
#261
○高崎裕子君 外国の例をさまざま出されました。もう私そんなに長々答弁されると質問する時間がなくなってくるんです。簡潔にお願いしたいんですけれども。
 外国はもう数十億とか、この選挙制度の補助金ということに限っておりますけれども、その金額も選挙のある年に数十億とか、本当に限られた金額で、日本のようなこんな、もともとは四百十四億、修正して三百九億などという莫大な、それを政党助成という形でやるという国はフランス以外にないということでは、私は大変なこれは国民の税金のむだ遣いだというふうに思うんです。
 角度を変えて、政党助成が政党に入った後というのは、これは政治資金になるわけですね、そして当然政治資金規正法の対象になるわけですね。
#262
○国務大臣(山花貞夫君) 一言。フランスの場合だけおっしゃいましたけれども、もし不正確であったら訂正しますけれども、ドイツの場合には年間十億マルク、六百八十二億円ということになります。
#263
○高崎裕子君 時間がないんですから、私の質問に答えてください。
#264
○国務大臣(山花貞夫君) 回答といっても、やっぱり間違っているからという、こういう前提はお互いに理解しなきやいけないと思いますから。
 今の御質問の点については、それは政治資金ということになると思っております。
#265
○高崎裕子君 もう、ちょっと質問に答えていただけないので、私の質問時間が本当になくなっていくんですよ。
 それで、政治資金規正法の対象になるということで今お話しありましたけれども、自治省が編集された政治資金規正法の解説によると、政治資金というのは、「民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財である」、「いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならない」、また基本理念としては、「政治資金の拠出は、国民の立場からすれば、国民の政治参加の一つの手段でもあり、国民の権利でもある」、こういうふうに述べているわけです。
 支持する政党に拠出して初めて政治参加と言え、初めて自発的な意思と言えるわけで、自分の支持しない政党に拠出するということでどうして政治参加と言えるんでしょうか。国民の思想、信条の自由が侵害されるだけではなく、大切な参政権というものも同時に侵害するということははっきりしているわけです。
 政党助成は、このように国民が税金という形で、法律という法的拘束力を持つその法律によって自分の支持しない政党へ政治献金が強制されるということは、これ、はっきりしているわけです。
 私たち日本共産党としては、この侵すことのできない思想、信条、この基本的人権を侵害するこの政党助成というのは憲法違反であることははっきりしているし、この政党助成はやめるべきであり、仮にこの法案が成立しても受け取りを拒否するということを改めて述べて、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
#266
○有働正治君 私は、選挙運動の制限の問題について尋ねます。
 政府は、政策本位の選挙と言いながら、それと全く逆行する選挙運動期間の短縮、あるいは法定ビラの頒布方法の制限、事前ポスターの制限等、国民が政策を知る権利を制限する重大な私どもからいえば改悪を行っています。
 そこで、まず憲法とのかかわりで聞きます。限られていますので、主として山花大臣にお尋ねします。
 日本国憲法は、日本国民は正当に選挙された国会の代表者を通じて行動すると規定しており、国民主権、議会制民主主義の立場からいいまして、選挙は国民が政治に参加する最大の機会であるわけです。選挙のときこそ、政党や候補者を正しく選択するために、選挙の争点、各政党の政策や理念がよく有権者にわかるように、国民の知る権利が十分に保障されることが憲法の精神上からも求められていると思うわけですが、山花大臣、いかがですか。
#267
○国務大臣(山花貞夫君) 全くそのとおりだと思っています。
#268
○有働正治君 ところが、建前と実態は違うわけであります。
 これまでの選挙法改正のたびごとに、選挙の公
正を図ることを口実にして次々と大切な国民の知る権利が剥奪され、憲法の保障する言論、表現の自由をじゅうりんして、選挙をいわば暗やみ選挙に導いてきたわけであります。今回の一連の選挙運動にかかわる改悪は、さらにそれを促進させるものだという点で、国民による選挙活動の自由あるいは民主主義の根本条件を損なう憲法上許されない問題を含んでいると私は考えるわけであります。
 そこで、具体的に聞きます。
 ポスターや法定ビラなどの活動は、選挙において有権者の知る権利にこたえる重要な活動になっているわけであります。平成二年九月、財団法人明るい選挙推進協会が作成いたしました「第三十九回衆議院議員総選挙の実態」によりますと、有権者が候補者やその所属政党の情報を得る媒体のうちで最も多く接触したものは、テレビの政見放送六七%、候補者のポスター五一%、政党のビラ・ポスター。文書四八%となっておりまして、半数以上あるいはそれに近い人がそれを見聞きしたとして、その有効性も指摘されているわけであります。
 選挙におけるこうした国民の有権者の判断材料として、ポスター、ビラ、これが重要であることはお認めになりましょうか、自治大臣。
#269
○国務大臣(佐藤観樹君) 今お読み上げになりましたものは恐らく複数回答でございますので、そのパーセンテージ自体が合っているかどうかわかりませんが、選挙運動の一つとしての非常に有効な手段であると考えております。
#270
○有働正治君 にもかかわらず、法定ビラの頒布につきまして、政治活動用ビラ、いわゆる法定ビラは、全戸配布を含めましてみだりな散布以外は自由にできるというこの現行規定、それが有権者の政党の政策を知る権利にこたえるものとして極めて重要なものであるわけです。お認めになられたところであります。
 ところが、国民の知る権利は重要だ、またそのことの重要性は述べながらも、国民の立場から見ますと、今まで政策判断の一つとして、極めて重要な機会でありましたし媒体でありましたこういう法定ビラが街頭で自由に受け取られていたものを、今度は政令で制限することにすると。これは逆行ではありませんか、山花大臣。
#271
○国務大臣(山花貞夫君) 委員の質問の前提としての、表現の自由を重んじて選挙活動についてはできる限り自由が尊重さるべきであるということについては、私は同感でございます。
 ただ、自由と申しましても、例えば資金量の差によって、そのことについて自由とは言うものの、かえって選挙の公正を害することになりはしないか、こういった問題点も一方にはあったのではないでしょうか。今日の公選法は、これまでも幾度かの憲法判断まで仰いできているところでございますけれども、憲法上の人権の尊重は大前提としながらも、合理的必要な制限の場合には違憲には当たらないのではないか、こういうような判断も示されてきているところでございまして、やっぱり具体的なケースに即してどうかということを判断しなければならないと思っています。
 委員の御質問は今回の法案の関係でございますので、その具体的なケースに沿ってお答えさせていただきますと、現在、御指摘のとおり、確認団体の政治活動用ビラにつきましては散布することを除いてはこの頒布方法について制限はございませんけれども、今回の法改正におきまして、確認団体の制度を廃止するとともに、候補者届け出政党及び名簿届け出政党等に候補者の氏名等を記載できる選挙運動用ビラの頒布を認めることといたしました。ここが大きく違ってまいります。
 ここから、このビラの頒布方法につきましては、候補者個人の場合と同様に新聞折り込みその他政令で定める方法に限定したものでありまして、従来は枚数制限なくずっと政党活動ということだったんですが、今回のだと個人の名前も載せられるわけですから、選挙運動用という新しい非常に有力な武器となってまいります。このことにつきましては従来の候補者の運動と同じレベルにしたわけでございまして、いわば選挙運動の変更に伴ってよりこれを強化したという意味を持ち合っているのではなかろうかと思っておりますので、単に制限したということは私は当たらないのではないか、こう思っております。
#272
○有働正治君 選挙運動用のビラということになりますと、従来の政治活動用のビラ、法定ビラから見ましたら極めて限定されることは、これは明白であります。それから、政党の政治活動は、その政党の旺盛な活動かどうか、それは政党として政治活動の自由として本来認められるべきであるということを主張しておきます。一般的には重要性を認める、あるいは憲法上のことも認められると言いながら、実態としては制限すると。今回も頒布を制限するというのは、これ自体重大な自己矛盾であります。
 そこで尋ねますけれども、法定ビラの規定を設けました昭和四十五年、当時の秋田国務大臣も、数量等を規制していないということを挙げながら、十分自由の原則の確保ということが考慮されなければならない、またその点が考慮されているということを明言されているわけであります。その点から見ますと、政府はこの見地を変更したということになると思いますが、端的に答えてください。
#273
○国務大臣(山花貞夫君) 今の御指摘ですと、変更したということにはなっていないと思っております。政策ビラ、選挙の場合はずっとこれは制限なく配れますけれども、選挙本番、始まったときに個人の運動にも使える、個人の名前も入ったビラを政党として配れるということは従来と随分違ってくるわけでありまして、そのことを集中してやるということですからビラの性格も違ってまいります。選挙中ということを考えれば、私は、委員御指摘のような制限するという観点でとらえられるものではない、こう思っております。
#274
○有働正治君 全くへ理屈という以外にありません。明白に法定ビラとしては頒布が制限されるわけで、言語道断である、全く納得できないということを指摘しておきます。
 次に、事前ポスターの規制問題を質問いたします。
 衆議院審議の段階で、連立与党と自民党との間で政府案になかった事前ポスター規制の改悪というのが挿入されました。衆議院の解散後、または衆参両院議員、地方議員の任期満了の六カ月前から事前ポスター張り出しが禁止されるわけです。撤去命令違反には公民権停止の罰則つきであります。
 ところで、地方議員のポスター掲示の制限の方向が打ち出されました昭和五十六年、一九八一年、当時、山花大臣は「憲法の原理としての主権在民、国民主権、そこに基礎を置く国民の政治活動の権利、当然内容として思想、表現の自由の裏づけがあり、国民の知る権利を内容とするものでなければならないと思いますけれども、それを大幅に制約する」と明白に五十六年二月十二日衆議院の委員会の質問の中で述べておられます。このあなたの考えは、私はそれとして正しいと考えるわけであります。
 この考えからしますと、今回の事前ポスター規制は明白に憲法に違反するとあなたも考えていたはずだと思うわけですけれども、大臣、いかがですか。
#275
○国務大臣(山花貞夫君) 合理性のない、必要のない制限というものについては憲法違反の議論にまでわたって議論しなければならないと考えております。当時、私、具体的にどうしたテーマでそう主張したか記憶しておりませんけれども、一般論としては、表現の自由を堅持して、いわばそういう選挙の際だけではなく、日常の政治活動を含めて権利を最大限行使できるような制度というものが望ましいということについては今日も一貫して考えております。
 今回、実は修正は衆議院における修正ということでなされたわけでございまして、これは委員御存じのとおり、もうこれまでかなり以前から議論されてきた事前規制の問題でございます。この問
題について政府提案では触れておりませんけれども、衆議院段階で修正された、こういう経過でございますので、これは院の御議論として我々は尊重しなければいけない、こう思っているところでございます。
#276
○有働正治君 ポスターの規制が問題になったときに、憲法上これは大きな問題があると明確に述べておられる。その立場があなた変わられたんですか。
#277
○国務大臣(山花貞夫君) 変わっておりません。
#278
○有働正治君 いかに言葉で言っても明白に変わっているわけで、この落差の大きさを痛感せざるを得ないわけであります。
 次に、無所属候補の運動の制約についてお尋ねします。
 テレビ、ラジオ放送によります政見放送は、政党のみできることとされておりまして、無所属立候補者はテレビ、ラジオによる政見放送の機会そのものが与えられないことになるわけであります。経歴放送がテレビ、ラジオで一回放送されるだけであるということになるわけであります。
 今日はまさにメディア時代であります。先ほど挙げました明るい選挙推進協会の実態調査によりましても、有権者にとりまして政見放送は政策を知る第一の有力な媒体として挙げられているわけであります。まさに国民の知る権利、候補者が政策を訴える選挙、政治活動の自由の根幹にかかわる重大問題であると考えるわけであります。無所属立候補者はなぜこのような権利が剥奪されていいのか、一言答えてください。
#279
○国務大臣(佐藤観樹君) これは今度の政治改革の全体が、政党本位、政策本位、こういう流れの中にあるわけでございます。現実に、小選挙区に出せる政党のその候補者もこれは個人としての政見放送というのはできないわけでございます。なぜできないかといえば、それは今大電力圏になって、なかなか短期間の中に全部の候補者を乗せることは小選挙区でございますから数が多くなってできないということでございますから、それと同様に無所属の場合にも無理であるということであるからであります。
#280
○有働正治君 政策本位といいながら、こういう無所属の方々に対して差別を行うというのは極めて重大であります。
 そこで、質問の角度を変えてお尋ねします。
 放送法では、第一条の「目的」で放送の不偏不党ということを基本精神としています。したがって、無所属立候補者を差別して放送局に押しつけるということは放送法の目的に照らして問題があるというふうに言えると思いますが、山花大臣、いかがですか。
#281
○国務大臣(佐藤観樹君) よく研究をしておりませんが、放送法で言うところの不偏不党というのは、有働委員が今言われたような角度からの内容ではないと私は理解をしております。
#282
○有働正治君 全く問題外であります。しかも、これだけの重大な問題に対して研究をしていないというのは問題であるということもあわせ指摘しておきます。放送局の場合は放送法違反をやれということが押しつけられることになるわけであります。大問題であります。
 そこで、もう一度角度を変えて聞きます。
 無所属というのはその人の政治信条であると私は考えるわけでありますが、山花大臣、いかがでありますか。
#283
○国務大臣(山花貞夫君) それはおっしゃるとおりだと、こう思っております。
#284
○有働正治君 無所属の方は政治信条として無所属で立候補されるわけであります。日本国憲法はどういうふうに規定しているかとなりますと、憲法十四条及び四十四条で信条によって差別してはならないと明確に規定しているわけであります。
 あなたは明確に信条だと述べられた。そういう点からいったら、信条によって差別してはならないというこの憲法の明記、これに違反すると。無所属候補者の政見放送を認めないということは、つまるところ憲法に違反しているということにならざるを得ないじゃないですか。大臣、明確にしてください。
#285
○国務大臣(山花貞夫君) そうはならないと思っております。
 今御指摘の条項があることと同時に、四十四条その他におきまして、選挙に関するいろんな資格の問題とか、選挙の法は全部法律で定めるということになっているわけであります。したがって、憲法の精神にのっとりながらよりよき選挙制度というものを国会の議論を通じてつくっていく、これが今度の四法の私たちのお願いした気持ちでもございます。その中でいろいろ御議論いただいてよりよきものをつくるという観点からお願いしている議論でございますので、憲法違反の議論をお願いしているというつもりは毛頭ございません。
#286
○有働正治君 あなたは無所属の方もその人の政治的信条であるということも認めた。憲法第十四条も、法のもとに国民は平等であって信条その他によって差別しちゃいかぬということを明記しているわけで、四十四条にしてもそのとおり明記しているわけです。各法律もその精神に基づいてつくられているわけで、大原則のこの無所属の方々を信条によって差別するということは憲法に違反することは明白じゃないですか。
#287
○国務大臣(山花貞夫君) 私は、違反するとは思っておりません。
#288
○有働正治君 全く説得力がない。言葉だけで違反しないと言っても、それが通用するものでないと明確に私は指摘しておきます。憲法違反の法、そして放送法にも違反するような、放送局に対して放送法違反のことを押しつけるようなこういう大問題があるということを明確に指摘しておかざるを得ません。
 一言、選挙期間の短縮の問題。
 選挙期間の短縮というのは、選挙運動の基本そのものを根本的にゆがめるものです。これは新人よりも現職有利となって、事前運動の激化、裏での買収や利益誘導等の増大をもたらして、選挙運動の民主的原則を根本的に損なうものであります。だからこそ山花大臣も、八三年十月七日の衆議院の委員会の質問の中で、事前運動が激化するんだ、したがって何倍も金がかかるということを明言されているわけでありますけれども、この考えは今もお変わりありませんか、山花大臣。
#289
○国務大臣(山花貞夫君) 今回は当時とは選挙制度を変えた新しい提案でございますから、そこでは若干のあれは違ってくる、こういうように考えでいるところでございます。
#290
○委員長(上野雄文君) 有働君、時間ですから。
#291
○有働正治君 最後に一言。
 この点は、岡原元最高裁長官も、昨年十一月二日の衆議院の政治改革特別委員会の参考人の意見表明の中で、重大問題であると指摘されていることを述べておきます。
 選挙は国民が政治に参加する最大の機会で、政党や候補者を正しく選択するために、選挙の争点や各政党の政策、理念がよくわかるように、選挙のときこそ国民の知る権利が十分に保障されなければなりません。今回の改悪は、憲法の保障する言論、表現の自由をじゅうりんし選挙を暗やみ選挙に導くものでありまして、国民の選挙権もまた被選挙権も踏みにじる暴挙であるということを私指摘して、質問を終わるものであります。(拍手)
#292
○青島幸男君 長時間にわたります熱心な御質疑、皆さん方の御労苦に私は敬意を表します。
 しつこいようで大変恐縮でございますけれども、私にとりましては大変重大な問題なので、冒頭、一月十日に行われました当委員会における公聴会日程に関する動議とそれの採決に関する問題を再度取り上げたいと思うわけでございます。
 官房長官はあのときおいでになったかどうかわからないのでるる説明申し上げますけれども、実は私どもの下村委員がここの席で発言を終えまして、この席を立ちまして、自席へ戻ろうと歩き始めたわけです。その折に、「動議」という声がかかりまして、たらたらたらと大声で動議が語られまして、下村委員は事前に動議が出るということなど全然知らされておりませんし、実際何が起こったのかわからないで歩いているうちに、委員長
が、本岡前委員長ですが、「ただいまの角田君の動議に賛成の方の起立を求めます。」と、賛成の諸君がお立ちになりました。下村議員は歩いていたわけですから、物理的に申しますと立っていたことは事実でございます。しかし、何が起こったかわからないという状態でいて、それを本人の意思に反して賛成と認定されて、それをもとに次々に議事が進行されるという状態になりまして、正当ま当委員会のメンバーとして議席を得ております下村議員の意思と権利を完全に無視した状態で採決が行われた、こういうことでございまして、ですから、こういう問題についてまず閣僚の方にお尋ねしたいんです。
 というのは、それはちょっと筋違いだとお考えかもしれませんけれども、総理初め皆さんそこの場においでになったわけですよ。ですから、皆さん、好むと好まざるとによらず現場の目撃証人になられているわけです。その事実はビデオにも撮ってございますので、完全に証拠として成立する状態があるわけですよ。
 とりあえず山花大臣にお尋ねしますけれども、かく申すあの採決が一点の疑念も差し挟むことのできない完全無欠な正当な採決であったと、個人的なお考えで結構ですけれども、お考えになられますかどうですか、まずその点をお尋ねします。
#293
○国務大臣(山花貞夫君) 青島委員の御質問は、一言で言えば私の評価はどうか、こういう質問だと思います。
 今、私、閣僚の立場としてそのときの採決の当否についての評価を申し上げることについては差し控えさせていただきたい、こう思っております。
 ただ、現実の問題として、私は総理とこちらにおりましたけれども、下村委員がどういう行動をとられておったかということは私あの時点では目撃はしておりませんでしたので、その点については事実関係の問題ですけれども、もとに戻ってよかった悪かったか、一点の瑕疵もないと考えるかどうかといった評価について、私からその点について述べることについては私の立場として差し控えさせていただきたい、こう思っているところでございます。
#294
○青島幸男君 これは、政府を代表して官房長官においでいただいているわけですから、官房長官にもその点でお尋ねをしたいと思ったんですけれども、いかがなものでございましょうか。
#295
○国務大臣(武村正義君) 私が政府を代表する立場ではありませんが、今、青島委員の一月十日のこの公聴会決定に対する御説明と御認識は拝聴させていただきました。
 それはどうしても、私も毎日二回記者会見に出ておりますが、往々にして、国会をめぐるこういった問題に対する質問を受けるのでありますが、政府がかかわる場合もございますけれども、一般的には院のことでありますからコメントを差し控えます、こういうお答えをしているのが通常でございます。
 これは、首をかしげられましたが、やっぱり院と政府の関係からいきますと、我々も国会議員ではありますが、政府の立場で院の動きに対してコメントをすること自身がやはり問題になる場合が多うございますので、きょうもそういう意味では、逃げるような感じでございますが、遠慮をさせていただきたいと思います。
 私自身、あのときはここにおりませんでした。いなかったからという理由ではありませんけれども、御理解いただければというふうに存じます。
#296
○青島幸男君 おいでにならなかったので私も再度るる御説明申し上げたわけでございまして、事実関係はそういうことでございます。
 実際には、下村議員は何が行われたのかということが認識できないような喧騒のさなかであった、こういうことなんですけれども、現場におられた証人としてこれは明確にお尋ねしたいんですけれども、そのときに何が起こったかは山花大臣は理解できましたですか、あのとき。
#297
○国務大臣(山花貞夫君) 私の立場としますと、いろいろな場面について日ごろ想定して出席をしているということもございます。
 あの時点におきまして、朝からの流れなどは一応いろいろな格好で聞いておりましたので、何が起こったかということについては私はその時点で理解しておったつもりでございます。
#298
○青島幸男君 もしかしたら事前にこれこれこういう動議が出るかもしれないということを御存じだったんじゃないんですか。
#299
○国務大臣(山花貞夫君) それは、正直申し上げて全く事前には存じておりませんでした。これは私も自治大臣も同じ立場だったわけでして、そのことについて当時話し合ったことも記憶しております。
#300
○青島幸男君 事前に通告を受けるなり知らされていなければ、何が起こったか認識できないというのが普通の状況だと思うんですね。ですから、私は極めて下村委員は正直な御発言をなさっているし、彼にファウルはないと思います。この事実を踏まえて、賛成と認定して、しかもそのままそれを前提として議事を進行してきたこの委員会のありようについては、私は憤激する以外に何物も考えられませんね。
 では、改めてお尋ねいたしますけれども、上野委員長は、委員長就任のときのごあいさつにもございましたが、委員長という重責を担うという上からは、公正無私、公平に事を運ぶようにしていきたいというお考えを披瀝なされまして、その点に関しては私もそのとおりだと思いますし尊重したいと思います、お考えは。上野委員長としては、あのときの採決のありようにつきましては一点の疑念を差し挟むこともないほど完全無欠な正当な採決であったとお考えになられますか、いかがですか。その点をお尋ねいたします。
#301
○委員長(上野雄文君) お答えを申し上げますが、私は今、青島委員が言われたように、間違いなく採決されたものと思っております。
#302
○青島幸男君 これは私はとても心外でございます。
 というのは、議会というのは正当に選ばれた議員が議席を得て、しかもそこでルールにのっとって議員の考え方並びに意思、発言の自由は保障されておりまして、そのために真摯にみずからの見解を述べ、お互いに議論し合って、その中から論点を見出して、何が国益になるか、あるいは何が国民の利益と安全と福祉を増進するだろうかという一点に絞って議論をして、その積み重ねで議会制民主主義というのは成り立っているわけでございまして、しかもその最後は採決という形で決定しなければならない。
 多数決というのは多少問題が残るということも言われておりますけれども、今のところそれにまさる決断の方法がないわけですから、さんざん議論を重ねたあげくで、もう出尽くしたところで多数決ということで採決をするということで事を進めていく以外に方法がないわけですから、議会制民主主義の基本になりますのは、その採決のありようをいいかげんにしたりないがしろにしたら成り立たないわけです。
 この採決が非常に大きな意味を占めるというこの基本理念に基づくと、委員長のその御発言はとても納得がいきません。
 ですから、今の委員長のお考えですと、私どもがどんなに真摯な議論を重ねてまいりましても、最後の結論の場になったときにまたああいう暴挙が繰り返されないという保障は何もないわけです。そういう委員長のもとで何を議論しても何をかいわんやということでございますので、上野委員長のもとでこれ以上私は議論することはできないと思います。いかがなものでしょうか。
#303
○委員長(上野雄文君) 私は、お答えを申し上げますが、あなたの御質問はこの間の採決について私の認識についてお尋ねがありましたから、そのことをお答えを申し上げただけです。
 あとの問題については、お尋ねでなくて、あなたの意見が述べられて、質問を続けないというのは不当じゃありませんか、私はあなたに発言を抑えるようなことは申し上げているつもりはありませんし。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#304
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。
#305
○青島幸男君 私は、議事を妨害するつもりもございませんし、真摯な態度で事に臨んでいるつもりですが、今の問題につきましては委員長のお言葉も決して納得はできませんし、こういうことが繰り返されないという保証が何もないということで、実にむなしい思いで質問を続けさせていただきますけれども、これは多くの方々がテレビを通じても、あるいはラジオ、新聞等の報道でも実際に起こったことを完璧にごらんになっているわけですから、どちらの言っていることが正しいのか、それは自明の理でございまして、おのずとわかってくると思います。どういうふうなことで民主主義的な運営が行われているかいないのかということは、多くの国民の方が目にすることでございますから、おのずと明らかになることでありましょう。こういうことが繰り返されないということを私はひたすら念じるものでございます。全く委員長のお言葉にも不満ですけれども、決められた時間でございますから、その不満も抑えて質問を続けさせていただきます。
 まず、山花大臣並びに自治大臣にお尋ねします。
 ここ四、五年で一般の国民の方の政治意識というのは急激に変わっているように私は見るんですけれども、御両氏はいかがお考えになりますか。
#306
○国務大臣(山花貞夫君) 私もそのことを実感しているところでございます。
#307
○国務大臣(佐藤観樹君) このごろテレビに出させていただく機会がいろいろと多くなりましたが、昔はもう政治番組というのはチャンネルを変えられちゃったわけですが、本当にこの四、五年というのは、そういう意味では政治に対する不満なりあるいは政治自身がドラマを生みつつあるということもあって、非常に政治課題の視聴率が高くなっているということは、一方では国民の皆さん方の不満や不平もいろいろなものがあると思いますけれども、関心が高くなってきている、私はそう考えております。
#308
○青島幸男君 おっしゃるとおり、ラジオ、テレビの報道を見ましても政治に関する番組が非常に大きな比重を占めるようになりまして、しかも多くの方々が大変熱心に関心を持ってごらんになっていると思います。余り政治ネタなどを扱わなかったスポーツ紙まで政治ネタに熱心に取り組むことで売り上げを伸ばしておるということは、いかに一般の民衆の方々が政治のありようについて関心を高く持っておられるかということの証左だと思うわけです。
 そういうふうに意識がかなり変わってきまして、五五年体制が固まってから久しくの間ですけれども、まだ戦後の混乱が続いているような状態で私は二十何年前に当議会に参加させていただきましたけれども、その折は、国会というところは労働争議をそのまま持ち込んでいるんじゃないかと思うようなところがありましたね。自民党さんに代表される資本家側とあるいは幾つかの組合の代表というような形がつばぜり合いで、労使闘争がもうそのまま持ち込まれているような状態で、またそれを世間の有権者の方も是認するというような時期もありました。
 しかし、それがずっと経過をたどってまいりますうちに政治意識がだんだん変わりまして、多くの方々、特に未組織労働者とかあるいは組織においでになっても上層部の指導に盲従しないという方々、あるいは最近とみに変わってまいりましたのは、家庭に入られた女性も夫に従ってただ投票するということではなくて、それから働く女性の方々がそれぞれの職場で話し合ったりあるいは個人的な見解、政治的な意識をしっかりとお持ちになっているし、それから農協を通じて保守一辺倒だった農民の方々やあるいはその他の漁業とか林業に携わっている方々もそれぞれ皆さんが固有の政治的見解をお持ちになって、それで投票に赴かれる。その結果が従来型の結果とは違ったことを生んで、今日、連立政権が生まれた、こういうふうに認識するんです。
 それを、今御提出の法案は、まず政党ありきというメニューがありまして、政党はこれだけです、この中からお選びください、あとのものは出てまいりません、というような格好で突きつける。極めて選択肢が少ないところへそういう多くの方々の認識を恣意的に集約しなきゃならないというのは、そういう考え方に逆行することではないか。この場でも多く論じてまいりましたが、そのことに私はいたく心を痛めているわけです。そのお考えについてはいかがですか。
#309
○国務大臣(山花貞夫君) 前段の現状認識については、先ほど私も実感しておりますと申し上げましたけれども、本当にこの四、五年かなりのスピードでそのことがいよいよはっきりしてきたということではなかったかと思っております。青島委員御指摘のとおり、さきの選挙の結果というものがそうした問題点を象徴している出来事だったと、こう思っております。
 さて、そこで、そうした国民の意識の多様化ということを考えれば、いわば政治的な価値観判断の場面でのメニューが余りにも政党に偏り過ぎているではないか、この御指摘につきましては選挙制度のあり方を考える場合には常にぶつかってきたテーマでもございました。
 実は、御承知のとおりのかつての与野党の時代、自民党の単純小選挙区に対して、野党側、社会党と公明党は比例代表併用制を提案いたしました。比例代表併用制を提案する前の段階では、これはもう六、七年前になりますけれども、全体のあるべき選挙制度ということを考えた場合には、まず国民にわかりやすい、あるいは金がかからない、あるいは公正な運動ができること等々の要件とともに、一番大事なテーマとしては、できる限り民意を正しく反映すること、したがって比例代表だというのがかねてからの私たちの主張でもあったわけです。その意味におきまして、じゃ比例代表という仕組みで一体どういう形があるかということを考えてみると、現実、日本の政治の場において全国一本の比例代表ということで、それは言われている鏡のように民意を反映するということになるかもしれませんけれども、それにはさまざまな難点もあるのではないだろうか。じゃ一体どうかということで併用制を選んできた経過もございました。
 しかし、残念ながらこれまた御承知のとおりの経過で、単純小選挙区、いわばおっしゃったとおりの民意集約という形で、むしろ国民の多様な意見を反映するということよりは、絞り込んでいくという考え方と比例代表の考え方とぶつかり合ったままついに実らずに内閣がつぶれたということを繰り返してきたところでございます。
 おっしゃったとおり、できる限りの民意反映ということがかねてからの私個人にとっても考え方ではありましたけれども、現実に解決しなければならないということになった場合には、ここで歩み寄りも必要ではなかろうか、こういうように実は考え方が変わってきたと申しましょうか、現実の国会のやりとりの中で変わってきたところでございます。
 そうした中では、連用制ありあるいはその他のいろんなことをやってきましたが、それでもだめだったということから、やっぱり百年河清を待つというような議論もできませんし、腐敗防止のための施策もどうしても必要である等々のことを考えながら、お互いが歩み寄れるぎりぎりのところとして今回の法案を提出したところでございます。
 御指摘のような問題点があることについては私も十分承知をしておりますけれども、やっぱり仕上げるということを考えれば与野党の合意ということがどうしても必要だというところから出してきた法案でございまして、御指摘のような問題点があることはあるけれども、しかし、ぎりぎりこの辺のところが着地点ではなかろうか、こういう気持ちで今回法案をまとめさせていただいた次第でございます。
#310
○青島幸男君 かなり苦しい答弁のように拝見しました。さまざまなことがあって、現実的な問題としてはなかなか思う理想的なものには近づきがたい現実があるんだというお話でございますけれども、それはちょっと認識が違っていらっしやるんじゃないかと思うのは、例えば細川さんが率いられた日本新党などを発足当時のことから考えますと、今のこれから御提案になられるような法制化のもとでは出現しにくいというか、出られませんね。非常に出にくいですね。
 ですから、党費助成の問題にしてもそうなんですけれども、先ほどもここで他の政党の方が御発言になっていらっしゃいましたけれども、大きな政党に頭割りに大きな金が配分されるということはこれはやっぱり間違いですよ。ということは、大きな政党はそれだけ論客もそろっていらっしゃるでしょうし、伝統もお持ちでしょうし、それから知名度もあるでしょう。ですから、それなりに大きな資本を持っている、あるいは蓄積もあるかもしれない。そのことにのっとってみずからの政策を周知徹底せしめるには幾つもの方法も手段もお考えもお持ちなわけですよ。
 ところが、新たにこれからこういう考え方でいきたいんだと、例えば、共通の認識に基づいて環境問題はこうしたい、原発の問題はこうしたいと考えてシングルイシューで集まった市民グループ、市民団体がいるとしますね。市民団体で活躍しているにしても限度がある。この際やっぱり我々の代表を国会へ送ってそこで大いに発言していただこうなんというようなことがあっても、そこに魅力的な人物がいても、なかなかそれが可能にならないということは、日本新党が発足し、大きくなって今や六〇%の支持も得るようなところまできたという、ああいうこれから育ってこようとするような芽をそれは摘むことになります。そういう可能性を全く排除してしまうというのは、多く論じられましたけれども、これは民主主義の根底を揺るがすことになりはしないか、こういう懸念を皆さんお持ちなわけですよ。
 ですから、ドイツなんかでは政党とは言わないまでも〇・五%とったグループには、認知して発展的に活躍をしてくださいという意味で、そこにも国庫補助を配分するという考え方まであるわけですよね。ですから、最前申しましたように、大きな政党にはそれなりの伝統ややり方がある。これから伸びようというそういう真摯な希望を持った方々に十分な配慮をして、そこから育てていってやがて大きな勢力になるようにしていくという配慮がなければヒトラーを育てることになりはしないかという懸念を多くの方はお持ちです。
 その点についてはいかがですか。
#311
○国務大臣(山花貞夫君) 幾つかの論点を含んだ御意見であったと思うんですけれども、全体として国の政治の場にデパートだけじゃなくて専門店も必要だ、それぞれのお立場の少数意見を代表する皆さんが出てくることも大変大事なことであってこれが民主主義の原点であるということについては、全く異論はございません。
 その次の問題として、例えば例として、政治資金の問題、政党交付金の問題について、今回の仕組みというのはやっぱり既成政党、大政党有利ではないか、この御意見につきましては、ここのところはやっぱり制度のスタートという問題点はあるんじゃないかと思うんです。
 今御指摘のあったドイツの制度の場合には、たしか機会均等金とか、あるいは国によっては与党よりも野党に対して政党補助を何割か増して出すというところもありますし、政党助成という問題についてある程度その社会での習熟というものが出てまいりますと、その意義がはっきりする。そういう場面では、例えば党費収入が少ない党には余計に出して均等化を図るとか、ドイツの場合にも少し習熟してくるとそういった配慮もなされると思うんですけれども、スタートするという場合にはある程度客観的な基準でやりませんとまた異論が出るのではないでしょうか。客観的基準といいますと、やっぱり議員の数、パーセンテージというところが一つの客観的な基準ということになってくるのではなかろうかと、こういうようにも思っているところでございます。
 同時に、今度、政党本位ということについてそれでどうかという御質問いただきましたけれども、今例に出していただいたドイツなどの場合には、政党の役割といいますか、これがやっぱり日本以上にといったら正確じゃないかもしれませんけれども、政党の役割というものがその社会において非常に高く評価されておる、こういうようなところまで成長しているんじゃないでしょうか。国家は政党であるなんという言葉がありますけれども、やっぱりそれぞれの国にとって政治を支える政党の役割というものは欠くべからざる存在になっていますし、それが正しくどう成長していくかということがその国の政治のバロメーターになってくると思っています。
 その意味では、これだけ国民の皆さんの御批判をいただいた我が国の場合には、政党自体が失格の烙印を押された中からスタートしなければならない、これが細川政権スタート以後の私はテーマだと思っているところですが、そういうときに新しい制度をつくっていく基準というような場合にはやっぱり客観的な基準でいかなければならなかったんじゃなかろうか、そういうようにも考えているところでございます。
#312
○青島幸男君 その辺が見解の相違といえば相違なんですけれどもね。
 先ほども申しましたように、大きな政党は自分たちの主義主張を周知徹底せしむるための手段は幾つか持っているだろうと。スタートの時期だからそれも無視してまず頭割りでいくより仕方がないじゃないかという現実論で押し切るというのは、それはスタートの時点だからこそそういうことをしてはいけないんだと、そう思うわけですよ。スタートの時点だから小政党がまだ出ていないですわね。ですから、そこまで配分するというのはどうしたらいいんだろうと。具体的に困るかもしれませんけれども。
 ですから、ある程度プールするお金があったら、その上から幾らかのけておいて、それで大政党に薄く小政党に厚くという配分の基本原則をまずつくって、それでプールした分で出てきた政党の芽をはぐくみ育てるというような格好がもっと望ましいと思いますし、大政党にのみ大きな金が動くというのは、それは国民の税金ですから、国民感情としては、再三ここでほかの委員からも述べられましたように、それは納得する部分が少ないという認識を普通は常識としてお持ちになってしかるべきだと思います。スタートだからこそその辺のお考え方を改めてほしいという私は要望を持ちます。それはまあ見解の相違としてこれ以上突き詰めませんけれども、私はそういう認識を持っています。
 それから、小さい政党を補助していくと小政党が幾つも幾つも乱立する。しかし、少なくとも衆議院というのは内外の諸問題について、当意即妙と申しますか、即座に対応していかなきゃならないという政治決断、判断が要求される。経済の問題にしても、外交の問題にしてもですね。ですから、小党が乱立して収拾がつかないというような状態になるのはいたずらに政局を混乱させて不安を導くんじゃないか、こういう御議論も皆さん方の背景にありますけれども、しかし、それはおのずとシングルイジューで出てきた政党にしても基本理念が幾つかあるわけですから、その基本理念によって自然に収れんされて幾つかの政党に集約されていくんじゃないか。
 先ほど山花大臣もどなたかの質問にお答えになりまして、大政党が大きな勢力を持って牛耳るというのはこれからはなくなるだろう、幾つかの小さな基本的理念を同じくする政党が寄り合って、協力し合いながら、連立か連合がわかりませんけれども、それがリーダーシップをとっていくような格好になるのが自然の成り行きではなかろうかとおっしゃいました。それは私一理あると思います。だからこそ小さな小党の乱立があってもそれは一向に差し支えない。民主主義というものは時間のかかるものです。
 現実の問題として、今、八党派が極めて迅速に連携なすって内閣をお組みになったじゃないですか。そういう具体的な事実も把握なされば、小党が連立しても、基本理念で統合されてそれが幾つかの勢力となって拮抗、対決したりして民主主義のルールにのっとった運営を図るようになるだろうということは想像にかたくないですね。
 ですから、小党乱立を恐れる余りそんなことを考えるというのは、むしろ一番効率的なのはディクナーターシップですよ。だれか有力なリーダーがいて、有無を言わさず引っ張っていく、それは泣く人間が多いということはヒトラーの例を見すも明らかですから、ですから、そういうことへの配慮よりも、むしろ小さな政党あるいは国民の一人一人の多様なニーズを吸い上げてそれをいかに開花させるか、そういう方法を基本理念に据えてこの法案を検討しなきゃならなかったと私は思います。
 ですから、今御提出の法案は基本的に組み直して再提出していただくことを切に望みまして、むしろ私はこの法案をつぶすことに全力の努力を惜しまないつもりでございます。
 これで終わります。(拍手)
#313
○委員長(上野雄文君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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