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1993/11/11 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 建設委員会 第2号
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1993/11/11 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 建設委員会 第2号

#1
第128回国会 建設委員会 第2号
平成五年十一月十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     西野 康雄君     村田 誠醇君
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     村田 誠醇君     西野 康雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田 勲男君
    理 事
                鈴木 貞敏君
                永田 良雄君
                種田  誠君
                山田  勇君
    委 員
                上野 公成君
                坂野 重信君
                松谷蒼一郎君
                吉川  博君
                青木 薪次君
                佐藤 三吾君
                西野 康雄君
                木庭健太郎君
                磯村  修君
                上田耕一郎君
   国務大臣
       建 設 大 臣  五十嵐広三君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁  上原 康助君
       長官)
       (国土庁長官)
   政府委員
       北海道開発政務  菅野 久光君
       次官
       北海道開発庁総  加藤  昭君
       務監理官
       国土政務次官   増田 敏男君
       国土庁長官官房  藤原 和人君
       長
       国土庁土地局長  原  隆之君
       国土庁地方振興  秋本 敏文君
       局長
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       建設政務次官   伊藤 英成君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省建設経済  小野 邦久君
       局長
       建設省都市局長  黒川  弘君
       建設省河川局長  豊田 高司君
       建設省道路局長  藤川 寛之君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
   事務局側
       常任委員会専門  駒澤 一夫君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (建設行政、国土行政及び北海道総合開発の基
 本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前田勲男君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題といたします。
 まず、五十嵐国務大臣から建設行政の基本施策について所信を聴取いたします。五十嵐国務大臣。
#3
○国務大臣(五十嵐広三君) 建設大臣の五十嵐広三でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 建設行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べます。
 建設行政の基本的な使命は、住宅、社会資本の整備などを通じて国土の発展の骨格を形成し、安全でゆとりと潤いのある快適な生活環境を創造することにより、国民の豊かな生活への願いを実現することにあります。
 我が国は、目覚ましい経済成長を達成し、今や世界第二位の経済大国となり、一人当たりの国民所得は世界の最高水準にありますが、一方で、社会資本ストックの不足などにより、経済全体の豊かさと豊かさに対する国民の実感との間に乖離が見られる状況にあります。
 このため、来るべき二十一世紀を見据えて、国民が真に豊かさと潤い、安らぎを実感できる生活空間先進国の実現に向けて、国民のニーズに的確にこたえた住宅、社会資本の整備に全力を挙げて取り組むことが、本格的な高齢社会の到来を目前に控えた現下の内政上の最重要課題と認識しております。
 住宅、公園、下水道、道路、河川など国民生活に密接に関連する行政分野を所掌し、国の公共事業費の約七割を所管する建設省としては、こうした課題にこたえる大きな責務を負っているものと考えております。
 私は、この責務を真正面から受けとめ、二十一世紀の世代に引き継いでいく社会共通の財産としての良質な住宅、社会資本の整備に全力を挙げて取り組んでまいります。
 以上の諸施策の実施に当たっては、内需拡大等に効果があり、公的規制がもたらす社会経済の実質的負担を軽減して民間活力の発揮を確保するため、所管行政に係る許認可等を的確に見直して、規制緩和に努めてまいりたいと考えております。
 また、行政の推進に当たっては、地方の自主性と創造性が十分に発揮される必要があり、国と地方が適切な役割と責任の分担のもとで一体となって取り組むことが求められております。かかる視点から、各方面の意見等を踏まえて、国の関与の是正、地方への権限移譲、補助金の整理合理化等を推進してまいる所存であります。
 このような考え方から、ゆとり社会のための道づくりや安全で豊かな社会を支える国土保全と水資源開発など国土の均衡ある発展のための国土基盤づくりを着実に推進するとともに、文化性豊かな質の高い町づくりや豊かな住生活の実現を目指す生活者の視点を重視した政策展開に重点を置きながら、環境と共生じ、かつ活力に満ちた魅力ある地域づくりを行っていくことが重要であると考えます。
 平成六年度予算概算要求につきましては、公共投資基本計画の完全達成と所管五カ年計画の着実な実施を図るべく、所要の公共事業関係費の確保を要求しているところであります。
 現在、我が国の経済は、総じて低迷が続いており、先行きに対する不透明感も広がるなど、極めて厳しい状況に直面しておりますが、その中でも公共投資や住宅投資は景気の下支えに大きな役割を果たしております。
 建設省といたしましては、景気回復の動きを確固たるものとするため、今年度当初予算については、上半期契約率目標を設定して、その着実な実施を図ったところでありますが、六月に成立した補正予算、近々国会に提出される予定の緊急経済対策に基づく補正予算による追加事業についても、その円滑な実施に万全を期する所存であります。
 また、火山活動が継続している雲仙・普賢岳に加え、本年は、釧路沖地震、北海道南西沖地震、鹿児島県を中心とした八月豪雨災害、台風十一号
及び十三号による全国的な災害等が相次いで発生し、多くの生命、財産が失われております。これらの激甚な災害に対し迅速な復旧を行うとともに、今後の安全の確保に全力で取り組んでまいります。
 次に、建設行政の二つの緊急課題について御説明申し上げます。
 その第一は、建設業をめぐる問題についてであります。
 国民生活の向上を図る上で、住宅、社会資本の整備を着実に進めていくことが急務であるにもかかわらず、相次いで明らかにされた公共工事をめぐる汚職事件は、建設行政、建設業界、ひいては政治に対する国民の信頼を大きく損なわせるものであり、まことに憂慮すべき事態であると考えております。建設業界を指導監督する立場の建設省としては、責任を痛感するものであります。
 この際、一連の政治改革とあわせ、建設業に関係する政官業それぞれの真摯な自己改革の徹底を期さなければなりません。
 今回のような事態は二度と生ずることがあってはならないことであり、国、地方を通じて公共工事の発注者が襟を正すとともに、建設行政を預かる責任者として、建設業界に対しては、事業活動の適正化、モラルの確立を求め、さらには、公共工事の入札契約制度のあり方についても、思い切った改革に取り組んでいるところであります。
 これまでにも、建設省としては、指名基準の具体的な運用基準の制定、公表。指名競争入札の透明性、競争性を高めるための多様な入札方式の導入。入札契約制度全般にわたって大所高所から幅広い御議論をちょうだいするために、中央建設業審議会での公共工事に関する特別委員会の設置。一般競争入札の導入に向けて、直轄事業及び所管公団事業における一般競争入札の試行。公共工事の七割以上を占める地方公共団体の発注工事について、自治省と共同で実施する実態調査及び指導等を行ってきたところであります。
 今後の取り組みとしては、現在、中央建設業審議会の特別委員会での入札契約制度全般にわたる改革についての結論を年内にいただくべくお願いしているところでありますが、基本的には次のような方向で検討が進められているところであります。
 すなわち、当面、大型工事を中心とした一般競争入札制度の導入。指名基準の具体化等に係る地方公共団体に対する指導を初め、指名競争入札制度の透明性、競争性を高めるための制度の改善、資格審査制度の見直し、工事完成保証人のあり方など入札契約制度全体にわたる改革の推進。外国企業の取り扱いについて、経営状況、技術力などを的確に評価できる仕組みの検討。談合、贈収賄など不正行為を防止するため、営業停止を含む監督処分の強化、指名停止期間の延長などであります。
 いずれにいたしましても、建設業界には大小五十二万の多様な業者が混在し、他方、発注者も多様である実態を踏まえながら、中央建設業審議会の結論を受けて、入札契約制度の透明性、競争性を高めるための改善方策を講じてまいりたいと考えております。
 また、この際、従来行ってきた建設業に係る行政のあり方を反省し、みずから厳しく建設業の指導監督に係る行政の執行体制を見直すとともに、あわせて公共工事の適正な執行を確保する観点から、建設行政の業務執行のあり方を総点検し、必要な改善方策を直ちに実施しなければならないと考えております。
 このため、去る十一月九日、建設省内に事務次官を本部長とする業務執行改善推進本部を設置したところであります。
 以上の対策を講ずることにより、国民の期待にこたえ、国民から信頼される建設行政の確立に全力を尽くしたいと考えております。
 その第二は、日米建設協議についてであります。
 日米建設協議については、昨年以来、特例措置についてレビューを実施してきましたが、クリントン新政権に移行してから米国側は、従来の主張を改め、一般競争入札制度を全面的に導入すること、特例措置対象プロジェクトを国の資金が入っているすべての公共事業に適用することなどを要求してきております。
 この過程で、米国側は、一九八八年包括貿易法に基づき、我が国の建設市場を差別的であると一方的に認定し、十一月一日を期限として制裁を課す構えを見せておりました。
 こうした状況の中で、先月二十六日、一般競争入札の採用、外国企業の適正評価などを内容とする「公共工事の入札・契約手続の改善に関する行動計画の骨子」を作成したところであり、この結果、この制裁期限はとりあえず明年一月二十日に延期されたところであります。
 もとより、米国側が一方的に期限を設定する措置は決して納得できるものではありませんが、現在我が国がガット政府調達協定の改定交渉もにらみつつ国際的な視点も加味した入札契約制度の実現を目指していることも踏まえ、また日米関係の協調を図るとの大局的観点から、明年初頭に策定することとなっている「公共工事の入札・契約手続の改善に関する行動計画」を米国側にも十分説明し)事態の収束を図っていきたいと考えております。
 以上、私の所信を申し述べましたが、その推進に当たっては、所管行政の簡素化、効率化を図るとともに、綱紀の保持に努め、国民の信頼と期待にこたえなければならないと考えております。
 委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
#4
○委員長(前田勲男君) 次に、上原国務大臣から国土行政の基本施策及び北海道総合開発の基本施策について所信を聴取いたします。上原国務大臣。
#5
○国務大臣(上原康助君) 国土庁長官、北海道開発庁長官の上原康助でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 第百二十八回国会に当たり、国土庁長官として、国土行政に対する私の所信を申し上げます。
 現在、我が国経済は、一昨年来の景気調整過程の中で極めて厳しい状況にあり、景気回復に向けて懸命の努力を続けているところでありますが、一方で、長期的に見れば、これまでに相当の経済的発展を遂げてきております。しかし、これまでは、ともすれば経済的な成長に重点が置かれ、必ずしも国民一人一人が生活の質の向上や心の豊かさを十分に実感できるまでには至っておりません。今後、我が国は、急速に高齢化社会へと移行していくわけでありますが、二十一世紀までに残りわずかな期間しか残されていない現在、美しい快適な生活環境の中で多様な価値観を実現できる社会を構築するための対策を積極的に打ち出していかなければなりません。
 このような状況の中、国土の均衡ある発展、総合的な土地対策の推進、安心して暮らせる国土づくりなど国土行政の果たすべき役割は極めて重要であると認識しており、私は、今後の国土行政の推進に当たり、次に述べる諸施策を積極的に推進してまいる所存でございます。
 第一は、国土の均衡ある発展を目指した国土計画の積極的な推進であります。
 このため、第四次全国総合開発計画で示されたように、東京一極集中を是正し、多極分散型の均衡ある国土の発展を図っていくことが極めて重要であり、多極分散型国土形成促進法に基づく振興拠点地域の開発整備、地域間交流を支える高速交通体系の整備等の諸施策の一層の推進を図ってま。いります。
 また、経済社会情勢の変化を踏まえ、長期的視点からの国土政策の対応方向を明らかにするため、国土審議会において第四次全国総合開発計画の総合的点検が進められており、来年春ごろを目途に報告がまとめられる予定であります。一方、新しい国土の軸について調査、検討を深めてまいります。
 さらに、公共事業の一層効率的かつ整合的な執行を図るとともに、地域振興プロジェクト等の公共事業を積極的に推進するため国土総合開発事業調整費の活用を図るほか、国土利用計画について
は平成七年の改定に向けて作業を進めてまいります。
 第二は、総合的な土地対策の推進であります。
 土地対策は、内政上の重要課題であり、これまでも土地基本法にのっとり今後の土地政策の基本指針として平成三年一月に閣議決定した総合土地政策推進要綱に従い、各般の施策を総合的に実施してきたところでございます。
 最近の地価動向については、大都市圏では引き続き下落しており、また地方圏でもおおむね横ばいまたは下落の傾向にありますが、土地の利用価値に相応した水準、中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保し得る水準を目指して、引き続き総合土地政策推進要綱に従い、需給両面にわたる構造的かつ総合的な土地対策を着実に推進してまいります。
 第三は、大都市圏整備の推進であります。
 大都市圏域においては、大都市圏整備計画等の積極的な推進を図ること等により、事務所、工業、大学等の諸機能の適正配置を推進するとともに、総合的居住環境の整備に努めてまいります。特に、近年の経済社会の変動等を踏まえ、次期首都圏基本計画の策定を視野に入れつつ、首都圏を取り巻く諸情勢の変化や今後の課題等について検討してまいります。
 また、首都機能の移転については、国会等の移転に関する法律に基づく国会等移転調査会の調査審議の円滑な推進に努めるなど積極的に取り組んでまいります。
 国の行政機関等の移転については、本年六月の国の機関等移転推進連絡会議の申し合わせ等に基づき、その促進に努めるとともに、特に、埼玉県大宮・与野・浦和地区への国の地方支分部局の集団的移転については一層の推進を図るなど、今後も着実にその実施を図ってまいります。
 さらに、多極分散型国土形成促進法に基づく業務核都市の整備を進めるとともに、筑波研究学園都市の総合的な育成整備、大阪湾ベイエリアの開発整備、関西文化学術研究都市の建設、琵琶湖総合開発事業の計画的な実施等各圏域における主要プロジェクトを推進してまいる所存でございます。
 第四は、地方振興の推進であります。
 地方の積極的な振興により、人口の地方定住と多極分散型国土の形成を推進することは内政上の重要課題であります。このため、大都市住民の地方回帰を促進するとともに、各地域の個性を生かしつつ、都市と農山村が一体となった地方の積極的な振興を進めることとし、地方拠点法の円滑な施行を初めとする各種の施策を推進してまいります。
 また、地域社会の維持、農林地の保全などが困難となっている中山間地域については、前通常国会で制定されました特定農山村法等に基づき、地域の特性に即した農林業等の事業の振興を図り、豊かで住みよい農山村の育成を図ってまいります。
 さらに、各地方開発促進計画に基づく振興施策及び地方産業振興のための各般の施策を推進するとともに、地域振興への寄与、自然環境の保全の徹底等を図りつつ、地域の特色を生かした国民に真に望まれる多様なリゾートの整備を進めてまいります。
 過疎地域、半島、山村、豪雪地帯、離島等については、生活環境や産業基盤の整備等各般の振興施策を積極的に実施してまいります。また、奄美群島及び小笠原諸島に関する特別措置法が今年度末に期限を迎えるに当たり、それぞれの法律の延長及び必要な改正について検討を進めてまいります。
 第五は、災害対策の推進であります。
 災害から国土を保全し、国民の生命と財産を守ることは、国の重要な責務であります。特に、本年は災害が多発しておりますので、この責務の重大さを改めて強く認識しております。この中で、国の災害対策のかなめである国土庁といたしましては、関係省庁との緊密な連携のもとに各般にわたる対策を総合的かつ計画的に実施し、災害に強い国土づくりに努力してまいる所存でございます。
 鹿児島県を中心とする一連の台風や豪雨による災害については、災害からの早期の立ち直りに向け、適切に対処してまいりたいと考えております。北海道南西沖地震災害についても、地元地方公共団体とともに、被災者の救済とこの地震で著しい被害を受けた地域の再建、復興に全力を挙げてまいります。これらの災害については、既に激甚災害に指定し、被災施設の復旧や被災者の生活再建の円滑化に資することとしております。また、冷害を初めとする天災により甚大な農作物被害が出ておりますが、これに対しても激甚災害法を適用し、被災農林水産業者への有利な融資を図ることとしております。さらに、雲仙岳噴火災害についても、災害の長期化、拡大を踏まえ、二十一分野にわたる被災者等救済対策を強力に推進し、特に、住宅対策、安全対策、移転対策、基盤整備などを総合的に展開することにより、被災者等の生活再建と地域の再建、復興を進めてまいります。
 震災対策については、東海地震対策を引き続き推進するほか、南関東地域直下の地震対策に関する大綱の推進など震災対策の一層の充実に努めてまいります。
 また、火山対策や土砂災害対策等についても、総合的な対策を推進するとともに、防災無線網の充実強化、防災情報の有効活用、防災訓練等を通じた国民の防災意識の高揚等に努めてまいることといたしております。
 第六は、総合的な水資源対策の推進であります。
 水需給の安定を図るため、全国総合水資源計画及び各水資源開発基本計画に沿い、水源地域対策の充実を図りつつ積極的に水資源開発を推進してまいります。
 また、国民の水資源に対する意識の高揚を図るとともに、地下水利用の適正化、雑用水利用の促進などの水資源の有効利用及び水資源の保全に努めてまいります。
 最後に、国際協力の推進であります。
 我が国が国際社会に貢献していくためには、国土庁としても所管の行政分野で積極的な国際協力を実施していく必要があります。このため、国連が定めた一九九〇年からの国際防災の十年について、その中間年に当たる来年に日本で開催される世界会議を初めとして、六十年の活動に積極的に取り組んでいくとともに、居住や防災分野での開発途上国に対する支援などを推進することとしております。
 以上、国土行政に関する所信を申し述べましたが、これらの施策の強力な推進に全力を挙げて取り組んでまいりますので、委員長を初め委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、北海道開発行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べます。
 北海道は、ゆとりある広大な国土空間を有しており、我が国が国土の均衡ある発展を図り、地球社会と共存する生活大国を実現していく上で、極めて重要な役割を果たすことが期待されている地域であります。
 近年、青函トンネルの開通や新千歳空港、高規格幹線道路網の整備の本格化など、新たな発展を支える基盤の整備も進みつつありますが、北海道は本州等に比べて開発の歴史が浅く、いまだ社会資本の整備は立ちおくれている状況にあります。
 また、野菜や牛乳の生産量の増大、加工組み立て型産業の拡大、さらには観光等による交流の拡大など、着実に発展しつつある分野が見受けられる一方、農産物の市場開放の要請、北洋漁業の縮減、産炭地域の振興対策など困難な問題を抱えているところでもあります。
 このため、第五期北海道総合開発計画に基づき、柔軟で活力のある産業群の形成、高度な交通・情報通信ネットワークの形成、安全でゆとりのある地域社会の形成を図るための基盤整備を初めとする各般の施策を積極的に推進してまいる所存であります。
 また、豊かな自然環境及び歴史的景観や良好な
自然景観の保全、再生、創出に努めてまいります。
 現在、我が国経済は調整過程にあり、急激な円高や冷夏等の影響もあって景気の低迷が続いている中で、北海道経済も回復に向けた動きに足踏みが続いております。
 このため、平成五年度予算及び六月に成立した補正予算の円滑な執行に努めているところでありますが、今後さらに、財政当局とも協議しながら、去る九月に決定された緊急経済対策を踏まえ、第二次補正予算の編成等に取り組んでまいる所存であります。
 また、本年は、北海道においても、記録的な低温、日照不足により水稲の作柄が戦後最低の水準となるなど深刻な冷害に見舞われ、地域経済にも大きな影響が懸念されているところでありますが、こうした状況に対応するため、関係機関と密接な連携を図りながら、被災農家、被災地域に対する積極的な支援措置等を講じてまいる所存であります。
 以下、各事業の主要施策について申し上げます。
 まず、国土保全と水資源開発につきましては、千歳川放水路事業、牛朱別川分水路事業等地域の骨格を形成する根幹的事業及び火山噴火対策を初めとする火山砂防事業等を重点的に実施し、安全な国土の形成に努めてまいります。また、治水対策とあわせて、水需要の増大に対処するため、多目的ダム等の建設を推進してまいります。さらに、潤いのある水辺空間の創出を目指し、河川及びダム湖周辺の整備を行うとともに、都市化が進んでいる流域における総合治水対策にも力を入れてまいります。
 特に、本年は、一月十五日に釧路沖地震、七月十二日には北海道南西沖地震と二度にわたって大きな災害が発生したところであり、被災地域の迅速な復旧に努めるとともに、災害に強い地域社会の形成に努めてまいります。
 次に、道路整備につきましては、道内各地域の均衡ある発展に寄与するため、特に基軸となる高規格幹線道路の整備を推進することとし、国道、地方道に至る道路網の体系的かつ総合的な整備を推進します。また、交通安全施設等の整備、防災、震災対策事業及び消融雪施設等の整備を重点的に進めるほか、都市機能の向上と都市環境の改善を図るため、都市周辺のバイパス、連続立体交差、街路及び土地区画整理の各事業を推進することといたしております。
 下水道、都市公園、公営住宅等の生活環境の整備につきましては、雪と寒さの厳しい冬、広域分散型の地域社会など、北海道の自然、社会の特性に対応した整備を推進するとともに、快適な冬の生活環境づくりを目指し、ふゆトピア事業を積極的に推進してまいります。
 港湾整備につきましては、国際貿易及び国内流通の拠点として外貿・内貿ターミナルの整備を進めるとともに、離島の港湾など、地域の生活基盤としての港湾整備、豊かで潤いのある港湾空間の形成等を重点的に進めることとしております。また、空港整備といたしましては、国内、海外との交流の拡大に対応するため、新千歳空港の整備や関連するプロジェクトを推進するほか、道内地方空港の滑走路延長等の整備を計画的に進めてまいります。
 さらに、農業をめぐる内外の諸情勢にかんがみ、より一層の低コスト、高品質を目指した高生産性農業の展開を図り、我が国の食料供給基地としての役割を果たしていくとともに、農山村地域の活性化を図るため、農業、農村の整備を推進することとしております。
 また、二百海里体制の定着に対応して資源管理型漁業の振興を図るため、漁港及び沿岸漁場の整備を積極的に推進することとしております。
 これらの基盤整備の推進とあわせて、北海道における産業の振興開発を促進するとともに厳しい経済情勢下にある民間の設備投資を促進し、新分野への進出等に取り組む意欲ある企業を幅広く支援するため、北海道東北開発公庫の出融資機能の活用に努めてまいります。
 このほか、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定を図るため、北方特別措置法に基づく第三期の振興計画が本年六月からスタートしたところであり、この計画に沿って所要の施策を積極的に推進し、北方領土問題等の解決の促進に資するよう努力してまいります。
 以上、北海道開発行政に関し、所信の一端を申し述べましたが、今後とも力強い北海道の形成を目指して、北海道総合開発の推進に全力を傾注して取り組んでまいる所存であります。委員長を初め委員各位の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。ありがとうございました。
#6
○委員長(前田勲男君) 以上で所信の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(前田勲男君) 次に、伊藤建設政務次官、増田国土政務次官及び菅野北海道開発政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。伊藤建設政務次官。
#8
○政府委員(伊藤英成君) 建設政務次官の伊藤英成でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 国土の均衡ある発展を促進し、活力ある経済社会と安全で快適な国民生活を実現するためには、公共投資による住宅、社会資本の整備等を計画的に推進することが必要であります。とりわけ、建設大臣が所信でお話をされたとおり、国民が真に豊かさと潤い、安らぎを実感できる生活空間先進国づくりを行っていくことが重要であり、政務次官としての職責の重さに改めて身の引き締まる思いがいたします。
 もとより微力ではございますが、五十嵐建設大臣のもと誠心誠意建設行政の推進のための努力を重ねていく所存でございますので、委員長を初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
#9
○委員長(前田勲男君) 続きまして、増田国土政務次官。
#10
○政府委員(増田敏男君) 国土政務次官の増田敏男でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 国土行政の重要性は、まさに御案内のとおりでございます。微力ではございますが、上原国土庁長官を補佐しながら全力で取り組んでまいりたい、このような所存でございます。委員長初め委員各位の御指導、御協力を心からお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
#11
○委員長(前田勲男君) 続きまして、菅野北海道開発政務次官。
#12
○政府委員(菅野久光君) 北海道開発政務次官を拝命いたしました菅野久光でございます。
 上原長官のもとで、多くの課題を抱えております北海道開発行政の推進のために全力を尽くす決意でございます。委員長初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
#13
○委員長(前田勲男君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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