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1993/10/28 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 商工委員会 第2号
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1993/10/28 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 商工委員会 第2号

#1
第128回国会 商工委員会 第2号
平成五年十月二十八日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事         沓掛 哲男君
                真島 一男君
                谷畑  孝君
                井上  計君
    委 員         倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                下条進一郎君
                野間  赳君
                吉村剛太郎君
                一井 淳治君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                藁科 滿治君
                山下 栄一君
                横尾 和伸君
                小島 慶三君
                古川太三郎君
                市川 正一君
   国務大臣
       通商産業大臣   熊谷  弘君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長  久保田真苗君
       官)
   政府委員
       公正取引委員会  小粥 正巳君
       委員長
       公正取引委員会  矢部丈太郎君
       事務局経済部長
       経済企画庁調整  小林  惇君
       局長        
       経済企画庁国民  加藤  雅君
       生活局長
       経済企画庁物価  坂本 導聰君
       局長
       経済企画庁総合  吉川  淳君
       計画局長
       経済企画庁調査  土志田征一君
       局長
       通商産業政務次  和田 貞夫君
       官
       通商産業大臣官  江崎  格君
       房総務審議官
       通商産業大臣官
       房商務流通審議  川田 洋輝君
       官
       通商産業省通商  坂本 吉弘君
       政策局長
       通商産業省産業  内藤 正久君
       政策局長
       通商産業省環境  高島  章君
       立地局長
       通商産業省基礎  細川  恒君
       産業局長
       通商産業省機械  渡辺  修君
       情報産業局長
       資源エネルギー  堤  富男君
       庁長官
       中小企業庁長官  長田 英機君
   事務局側
       常任委員会専門  小野 博行君
       員         
   説明員
       科学技術庁長官  岡崎 俊雄君
       官房審議官
       科学技術庁原子  工藤 尚武君
       力安全局次長
       外務省総合外交
       政策局外務参事  河村 悦孝君
       官
       外務省総合外交
       政策局国際社会  隈丸 優次君
       協力部国連行政
       課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (景気の現状と対策に関する件)
 (ガット・ウルグアイ・ラウンドヘの対応に関
 する件)
 (製造物責任制度導入問題に関する件)
 (地球環境問題に関する件)
 (分散型電源の買電促進に関する件)
 (円高差益還元策に関する件)
 (緊急経済対策及び新社会資本整備に関する件
 )
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○沓掛哲男君 おはようございます。
 新しい政権のもとでの参議院商工委員会における最初の質問なので、いろいろお尋ねいたしたいのですが、持ち時間一時間三十分なので、三点に絞って質問いたします。第一はエネルギー、特に原子力発電について。二番目は、公共入札の独禁法ガイドラインを公正取引委員会で策定されるとの報道が出ておりますので、それについて。第三点は、低迷している景気につき、その対策を中心にして質問いたします。
 まず第一のエネルギー、特に原子力発電についてですが、私たちの暮らしにとってエネルギーは欠くことのできないものです。しかしながら、我が国のエネルギー供給構造は極めて脆弱であり、エネルギーの八〇%以上を輸入に依存し、中でも石油は九九・七%を輸入に頼っております用地球の温暖化、酸性雨等、地球環境問題が人類共通の課題として注目されている中で、環境負荷を最小限にしつつ望ましい経済成長の持続を実現するためには、需給両面にわたるエネルギー対策を考えることが必要不可欠であります。このためには、省エネルギーに向けて最大限の努力を行うとともに、石油代替エネルギーを積極的に開発していくことが必要であります。供給安定性、経済性、環境負荷等の面ですぐれた電源である原子力発電は、石油代替エネルギーの中核として重要な役割を果たすものであります。
 我が国においては、現在運転中の原子炉は四十三基を数え、発電電力量に占める割合も二七%を上回るまでに至っており、原子力発電は私たちの生活になくてはならないエネルギー源になっています。今後、原子力発電を推進していくに当たっては安全の確保が大前提でありますが、あわせて国民の方々の御理解と御協力が不可欠であることを、私の地元の石川県珠洲市の原発立地に当たり身にしみて感じております。
 では、原子力発電の安全性から入りたいと思います。まず、今月十七日にロシア海軍が行った核廃棄物の日本海への投棄に関連した質問をいたします。
 最初に、我が国でも原子力発電が行われておりますから、放射能を持ったいわゆる低レベル放射性廃棄物や高レベル放射性廃棄物が出ているわけですが、その処理をどうしているか簡単に説明してください。特に、海洋投棄があるのかどうかに焦点を当てて説明していただきたい。科学技術庁にお願いします。
#4
○説明員(岡崎俊雄君) ただいま先生御指摘のございました放射性廃棄物の処理処分対策は、我が国の原子力開発利用を進める上に当たりまして大変重要な課題であると認識しております。このような観点から、政府といたしましては原子力委員会及び原子力安全委員会の定めました方針に沿いまして、安全の確保を第一といたしまして着実にその推進を図っているところでございます。
 具体的には、原子力発電所の運転により発生いたします低レベルの放射性廃棄物につきましては、一たん敷地内に貯蔵した後、最終的には陸地に処分をするということといたしております。電気事業者が中心となりまして設立いたしました日本原燃株式会社が実施主体となりまして、昨年十二月、青森県六ケ所村におきまして埋設処分を開始するに至りました。
 なお、極めてレベルの低い一部の気体あるいは液体放射性廃棄物につきましては、法令によります厳正な規制に基づきまして、ろ過であるとか蒸発であるとか、あるいはイオン交換樹脂による吸着等の措置によりまして放射性物質の濃度をできるだけ低くした後に、濃度を確認した上で十分な拡散効果を有する排気口あるいは排水口から放出しておりますけれども、もちろんその際におきましても周辺環境に対する影響につきましては、事前の安全評価であるとかモニタリング等が適切に行われておるものでございます。
 このように我が国の原子力発電所から発生する低レベルの放射性廃棄物につきましては、安全に処理処分を実施するシステムができ上がっておりますので、海洋投棄を行う計画はございません。
 なお、高レベル廃棄物についてもお触れになりました。使用済み燃料の再処理から発生いたします高レベル廃棄物につきましては、ガラス固化等によります安定な形態といたしまして、さらにその後三十年から五十年間冷却のための貯蔵を行った後に、最終的には地下数百メートルの深い地層中に処分をする方針でございまして、このための必要な研究開発であるとか将来の実施主体の策定に向けた準備が着実に進められておるところでございます。
#5
○沓掛哲男君 ありがとうございました。
 次に、外務省にお聞きしますが、国際条約上核廃棄物の海洋投棄はどのようになっておりますか。低レベル放射性廃棄物を中心にして簡単に説明してください。
#6
○説明員(河村悦孝君) 低レベルの放射性廃棄物につきましては、ロンドン条約上特別許可ということになっております。
#7
○沓掛哲男君 ただ、いわゆる一九八三年の締約国会議で低レベル放射性廃棄物の海洋投棄を一時停止する特別決議が採択され、さらにその二年後の一九八五年にその停止を無期限延長するスペイン提案が賛成多数で可決されているんですが、この採決においで日本は棄権いたしておりますが、なぜ棄権したんですか。何か理由があったんでしょうか。
#8
○説明員(河村悦孝君) 八三年の決議採択の際には、我が国は、低レベル放射性廃棄物の海洋投棄につきまして、ロンドン条約、IAEAの基準等の国際的な枠組みや確固たる科学的根拠に基づいてつくられており、このような枠組みの中で行われます海洋投棄が海洋環境に悪影響を与えるような事態は生じないものと考えまして、反対投票を行った次第でございます。
 なお、八五年の採択の際には、我が国は、関係国の懸念を無視して海洋投棄を行う意向はないとの方針をもとにいたしまして、会議でコンセンサスを見出す努力の必要性を強調したにもかかわらず表決が強行された、こういう点から棄権をいたしました。
#9
○沓掛哲男君 それでは、今回のロシアによる日本海への放射性廃棄物の投棄はロンドン条約に関するこの特別決議に違反しているのでしょうかどうか、外務省にお願いします。
#10
○説明員(河村悦孝君) 決議違反でございます。
#11
○沓掛哲男君 違反しているんですね。
#12
○説明員(河村悦孝君) さようでございます。
#13
○沓掛哲男君 それでは、今回の投棄前にもロシアは放射性廃棄物を日本海に投棄していたようですが、その総量はどれぐらいなんでしょうか。また、どのような放射能物質、核種と言っておりますが、そういうものがどういうものなのか、また今回の投棄の直前の投棄はいつごろあったのか、そういうことを外務省や科学技術庁さんでわかっておれば説明してください。
#14
○説明員(河村悦孝君) 本年四月に発表になりましたロシアの白書によりますれば、極東地域におきましては一九六八年から九二年までに固体廃棄物六千百九十キュリー、それから液体廃棄物は六六年から九二年までで一万二千三百キュリーということでございます。
#15
○説明員(工藤尚武君) 補足してお答え申し上げます。
 極東海域の中で特に日本海に限っての御質問もあったかと思いますが、日本海に限って申し上げますと、日本海におきましては、六つの投棄地点に対しまして、液体廃棄物を約一万二千キュリー、それから固体廃棄物を三千八百キュリー、合わせまして一万五千八百キュリーの低レベルの廃棄物を投棄したとしてございます。
 それからまた核種でございますけれども、核種についてはその白書にも詳細な記載がございません上に、その白書の中でロシア政府自体が核種を把握していないと述べでおりますので、十分な把握は行われていないと思いますけれども、今回行いました投棄の発表の際に、ストロンチウム、コバルト、セシウムといったものが含まれているという発表をしてございますので、それから類推いたしますとそういった核種が含まれているのではないかと考える次第でございます。
#16
○沓掛哲男君 今まで相当のものを捨てているんですが、そうすると低レベルだけじゃなくて、高レベルの放射性廃棄物も既に日本海に捨てているんでしょうか。
#17
○説明員(工藤尚武君) 高レベルの放射性廃棄物は捨てていないということでございます。低レベルのものだけでございます。
#18
○沓掛哲男君 それでは、次に外務省にお尋ねしますが、ロシア政府はこの日本海への核廃棄物の投棄について、国際原子力機関に十月五日に通告したと言っているんですが、この国際原子力機関には日本人の職員がいるんでしょうか。また、いるとすればどういうポストとかあるいは組織があるんでしょうか。外務省は、こういう人たちとの連絡パイプというのは持っていないんでしょうか。
#19
○説明員(河村悦孝君) 現在、我が国はIAEAには正規職員として二十三名派遣しております。それから、特別拠出による派遣職員五名、コスト・フリー・エキスパートでは六名ございますが、先ほどの正規邦人職員の中には東京事務所職員の四名も含まれております。
 それから、先ほどの御質問でございますが、今回の問題につきましてはロシア政府はIAEAに通報しておりますが、IAEAといたしましては、それは本来IMOの方に通報すべきで、IAEAとしては技術的な観点から受け取ったということで、これは各国へ通報する義務はないというふうに考えておりました。
#20
○沓掛哲男君 いずれにしろ、いわゆるグリーンピースという一団体が事前にそういう情報を恐らく得ていたんでしょう、日本人の写真家も乗せて、そして投棄する現地に行っているわけですから。それに対して外務省は、今IAEAはいろいろ技術的な云々とおっしゃるけれども、そういう情報を得るような形には体制をとってはいないんでしょうか。もしすべてこういう重大なことが少しもわからないということであれば、これは重大な問題だと思いますが、いかがでしょうか。
#21
○説明員(河村悦孝君) 職員自体からそういうことを受けるということにはなっておりませんが、いずれにいたしましても今回の問題を契機にいたしまして、一層IAEAと我が方の大使館との連絡体制を強化していきたいというふうに考えておりまして、その旨申し入れまして、先方も努力するというふうに回答しております。
#22
○沓掛哲男君 単にIAEAだけじゃなくて、これから国際化時代、そういう国外の重要な情報というのを日本に伝えるパイプとしては外務省が中心になるのでしょうが、おぼつかないようなそういう感じもするんで、過去のことを幾ら言ってもあれですから、これから一体どうするのか、抜本的にきちっと情報を得るようにやっていただきたいというふうに思います。
 私も何回か国外へ行って、外務省さんのお世話になったり、ほかのいわゆるアタッシェの方々のお世話にもなったんですけれども、私見ていると、外務省から行った職員とアタッシェの間には非常に溝があって、外務省の人たちは大使館の奥まった部屋にいるし、アタッシェの人たちは入口にいる。場所だけという意味じゃないですが、そういうような仕事、飛行場に迎えたり案内したり云々する、そういうことで何となく必ずしもしっくりいっていない。条約やその他重要なことがあれば外務省の人はお出ましになるけれども、一般的なその辺の情報を集めるのは必ずしも、外務省の方が一生懸命いろいろやっておられたのかもしれませんけれども、そういう感じを受けました。
 これから外務省さん、それから各省庁から行っている人が一体となってこういう情報を把握して、そして事前に対応できるようにぜひやっていただきたいというふうに思います。これは要望ですからお答えは結構です。
 そこで次に、ロシアの放射性廃棄物の日本海投棄については今後どのように対処していくのか、外務省それから科学技術庁にお聞きしたいと思います。単にその情報を得るとかなんとかというだけじゃなくて、こういうロシアの核廃棄物が日本海に投棄されないように一体抜本的にどういう方法をとろうとされているのか、そういうことについて外務省、科学技術庁にお尋ねします。
#23
○説明員(河村悦孝君) 現在、きのうからでございますが、日ロ両国の専門家会合がモスクワで開催中でございます。また、第二回日ロ合同作業部会を十一月十日、十一日に開催いたします。これは合同海洋調査の問題でございますが、そこで今回の事態の正確な把握に努めるとともに、この共同海洋調査をできる限り早く実施できるよう調整を進めでおります。
 それから、なお今後の対処方策といたしましては、海洋投棄以外に放射性廃棄物の管理、処理を行うべきと考えておりますので、このためロシアが希望するのであれば適切な管理が行われるよう我が国としても協力の可能性を検討するという態度でございまして、その旨ロシア側にも伝えております。
#24
○説明員(岡崎俊雄君) ロシアにおきます放射性廃棄物の処理処分につきましては、基本的には当事国であるロシアが責任を持って対処すべき問題だと認識しております。
 しかしながら、科学技術庁におきましてもロシアにおける海洋投棄の停止を求める観点から、陸上におきます放射性廃棄物の処理処分方策に関する協力の可能性につきまして、技術的に検討を開始したところでございます。ただし、この場合におきましても海洋投棄に至っております詳細な実態、あるいはロシアにおきます放射性廃棄物の管理状況等について情報を得る、その実態を知ることがまず第一であろうかと考えております。
 先ほど外務省の方からも答弁ありましたとおり、ロシアとのいろんなチャネルを通しましてこういった情報の収集に今努めておるところでございます。こういった状況を踏まえた上で、我が国が行い得る協力あるいは支援方策について具体的に検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#25
○沓掛哲男君 現在起こった事象、またいろいろなこういう質問に対してうまく答えるのはお役人でございまして、すぐ調査、検討すると言うんですが、この問題は調査、検討だけではおさまらない重要な問題だと思います。そこで、私なりにいろいろな私案もこれから少し申し上げたいというふうに思います。
 本年の五月末に、ロシアの現第一副首相ガイダルさんが来日し、当時、前首相代行ということでございましたが、自民党の日ロ議員連盟の会議に来られまして、ロシア連邦の政治経済改革についてと講演され、その後の質疑で私から三点質問いたしました。その一つ、ロシアの核廃棄物を日本海に捨てないでくれとの要請に対し、ガイダル氏は日本海に核廃棄物を投棄することを残念にまた遺憾に思っておりますと、しかし我が国は核を解体しており、その捨て場をつくる資金がなくやむなく日本海に投棄しているのでおり、投棄場所をつくることにつき世界各国の協力、特に日本の協力をいただきたいと申しておりました。私、正確にと思って、きのう議事録を全部調べてきたので、こういうふうに言っておりました。
 また、来日していたロシアのミハイロフ原子力相が十月二十二日、江田科技庁長官を訪ね、日本がロシアからウランを買ってくれれば双方にとって有益なものになる、ウランを一年に一億ドル買ってもらえれば廃棄物の処理処分問題は解決できる、日本が核兵器解体に貢献できる側面もあると述べたと報道されております。
 また、ロシアは以前から核兵器用の高濃縮ウランを薄めて原発用の燃料としたものの購入を日本に求めておりましたが、我が国の電力会社が長期的にこのウランの手当てを現状しておるもので、それでもう十分なんだと、現在のところ購入の意思はないと、十月二十三日の新聞でも報道されております。
 これらを踏まえて質問いたしたいと思います。
 まず第一に、核兵器用の高濃縮ウランは極めて濃度の高いものと思いますが、それを薄めで原発用の燃料、すなわち三、四%程度の濃度のものにすることが商業上可能なのか、また危険は伴わないのか、これは通産省、科技庁に質問いたします。
#26
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。
 核兵器用のウランの高濃縮のものといいますと、ウラン235が一〇〇%ぐらいあるものでございまして、普通は二、三%の濃度のものを原子力の発電用に使っておるわけでございます。したがいまして、もし実際に使う場合にはそれを希釈するということになるわけですが、実は日本は核兵器国ではございませんので、どういう種類のものがどういうふうにやったらできるのかというところの、安全性の問題について理論的には可能ではないかというふうには思われますが、必ずしも具体的に安全であるということを申し上げるほどの知見がないというのが現状であります。
 それから商業上可能かどうかという点でございますが、これは国際的にも核不拡散の問題がございまして、高濃縮のものを日本が買ってくるということについてはいろいろ問題があろうかと思います。それで、実際にはアメリカでもやっているようでございますが、ソ連で希釈をしてもらったものを買ってくるというようなことがあろうと思います。ただこれが価格ですとか、現在、委員御指摘のような日本でかなり需要に見合う契約ができている段階で本当に商業的に買えるかどうかという点は、なお検討が必要かと思っております。
#27
○説明員(岡崎俊雄君) ただいま資源エネルギー庁長官がお答えになられましたとおりでございますが、科学技術庁といたしましても、どのような形でこの高濃縮ウランを低濃縮ウランに希釈をしていくのかということが全く不明でございます。したがいまして、商業上あるいは経済性の問題についてお答えする立場にはございません。
 技術的には、例えばその成分が均一であること等、十分確認することがあるとするならば、発電用燃料として使うことそのものについては安全上特段の問題が生じることではない、かように考えております。
#28
○沓掛哲男君 まさに高濃度のままで輸入するということは当然できないと思います。ですから、ソ連でこれを薄めてもらう。〇・七、八%のいわゆる天然ウランを濃縮していくのは大変いろいろ問題もあるけれども、濃くなったものを薄めることが科学技術的にそんなに難しいとは思いません。しかし、そうは言ってみてもいろんな安全性の問題があるでしょうから、当然ロシアの方において薄めてもらって、三%、四%にしたものを日本に持ってくることだというふうに私は思いますが、これからいろいろそういうことも勉強していただきたいと思います。
 そこで、こういうことをするかしないかはお役人の限界を超えているので、まさにこれは政治的判断だと思いますので、そこで通産大臣に次はお尋ねしたいと思います。
 ロシアは、資金、金融援助をしてくれれば陸地に処分施設をつくり、核廃棄物の日本海投棄はやめるということをいろいろ言っております。しかし、日本が資金援助をした場合、運航中の原子力潜水艦から排出される液体廃棄物も同時に処理され、原潜の運航の円滑化に寄与することが問題になるとも言われております。
 そこで、国民の理解を得て、電力会社のこれから出るであろう円高差益でウランを備蓄の目的で、一年に向こうは一億ドルと言っているんですが一億ドルでおさまるかどうか私もその辺はわかりません、仮に二億ドルとしても二百億円ですね、そういう程度のものを買ってあげれば、商売で得た金をロシアが処理場づくりに使うのですから、原潜の運航に関する問題も生じないでしょう。また、核廃棄物の日本海投棄もなくなり、さらに日ロ友好関係の促進にもなるのではないかというふうに思います。
 日本海沿岸の漁民等が大挙して皆さんのところに陳情していると思いますが、日本海がこの放射能の汚染を受けたら、日本はこれは本当に大変なことになり、日本海側に住んでいる私たちは住めなくなってしまうわけです。遠い一万キロメートル近くも離れた欧州に属するロシアよりも、近いシベリアとの関係を大切にすることだと思います。何はともあれ、この日本海にロシアが核廃棄物を捨てない手だてを何とかしてしていただかなければなりません。その一つの方法として今申し上げたようなことをお願いしたい。
 また、今エネ庁長官の言われたようないろいろなこれから検討しなければならない問題も多々あると思いますが、日本のすばらしい科学技術、そういうものをもってすれば私は科学技術的に解決できないことはない、残るところはやっぱり政治的決断、どう対処するかという問題だと思いますので、通産大臣に、今ここですぐどうするという結論をお出しになることができないとしてもいろいろ検討する、そういう姿勢をぜひひとつ示していただきたいと思います。通産大臣、お願いします。
#29
○国務大臣(熊谷弘君) ロシアに放射性物質の海洋投棄を永久に停止していただくということが大事であるということは、私どもも委員の御認識と全く同じでございます。そのためにはロシア側で施設を整備してもらわなきゃならない。しかし、その施設の整備にはお金がないんだというふうにロシア側の高官が言っておられるようでございます。
 したがいまして、これをどうするかということが大変問題になるわけでありますけれども、具体的な案として委員が今一案を出されました。なかなか難しい問題もそこに内包しているような感じがいたしますけれども、ただおっしゃられたように、私どもとしてはロシアに海洋投棄を永久に停止していただかなければならぬということは全く同じ意見でございまして、これをどうするか、日本としては何ができるか、どのようにやるのか、これは私ども政府として早急に検討していかなければならない、検討していく所存でございます。
#30
○沓掛哲男君 ぜひ早急に対処して検討を進めていただきたいというふうに思います。
 そこで次に質問を移します。今後の電力の需要供給見通しを、供給については原子力発電のシェアの推移も含めて、簡単に説明していただきたいと思います。
#31
○政府委員(堤富男君) 現在、電力需要は大変年々増加をたどっている段階でございます。最近の数カ月のところは最近の不況を反映しましてやや衰えてはおりますけれども、今後とも需要は伸びでいくと思います。
 現在約一億六千ぐらいの施設を持っておるわけでございますが、二〇〇〇年にはこれが二億二千、あるいは二〇一〇年には二億六千というような形で電源の施設がふえていくことが予想されるわけでございます。その中で、特に一番大きいのは原子力でございますが、現在二〇%弱のものが二〇〇〇年には二二%、二〇一〇年には二七%というような形で増加をすることが予想されるわけでございます。
#32
○沓掛哲男君 それで、久保田長官にお尋ねしたいのですが、経済企画庁というのはいわゆる電調審の事務局にもなっておりまして、ここでは電力の長期需給計画の策定、あるいはこれに基づき個別地点の計画組み入れ等を行っておるわけでございますが、その事務局をしております経済企画庁の長官であり、また政府・与党における最大の党である社会党の関係ということも含めて、これから政治的な問題と事務的な問題を含めながら御質問したいと思います。
 さて、社会党の九三年宣言の「共生市場経済」の章で、「原発は安全性の厳しいチェックをしながら、代替エネルギー確立までの過渡的エネルギーとして認める。」、「私たちは、@脱原発の目標、A原発・化石エネの縮小計画、」「などを内容とした「新エネルギー促進法」を制定する。」とありますが、原発にかわる代替エネルギーとして何を考えておられるのでしょうか。今エネ庁長官が言われたように、二〇一〇年には我が国の電力の四三%もの分担が必要となる原子力発電にかわるものとは何をお考えでしょうか。それからまた、社会党の九三年宣言では原子力発電は現状よりもふやさないとのことなのでしょうか。
 この二つについて久保田長官にお尋ねいたします。
#33
○国務大臣(久保田真苗君) まず、過渡的なエネルギー供給源ということで代替エネルギー源として何をという御質問でございます。
 九三年の宣言案では、これは目下討議中のものでございますけれども、抜本的な省エネルギーを進めるとともに、天然ガスなど低公害性のエネルギーの比率を大幅に高める。一方、太陽エネルギーなど自然エネルギーを導入していくという方向を示していると承知しております。
 今回、細川連立政権が成立いたしますときに私どもは合意をしておりまして、この政権におきましては「徹底した安全管理の下におけるエネルギーの安定的確保に責任を果たすものとする。」としております。また、八党派覚書というのがございまして、この覚書では、「原子力発電については安全性を確保するとともに、新エネルギーの開発に努める。」ということでございます。
 でございますから、現在原子力発電が相当の比重を占めているという状況につきましては、私どもは一切の制度、施設を前政権から引き継いでいるということでございます。もちろん、細川政権といたしましては、エネルギーの安定的供給という見地からこれを責任を持って果たしていくということを承知した上で私どもも入閣しているところでございます。
#34
○沓掛哲男君 二番目の質問にも的確に答えてください。要するに原子力発電は現状よりもふやさないとのことなんでしょうか。どういう認識でしょうか。
#35
○国務大臣(久保田真苗君) 私は、社会党の九三年宣言のことを言っておられるのであるとしますならば、将来的には新エネルギーの開発の方向に進んで、現在の原子力エネルギーは徹底的な厳重な安全とそれから国民合意のもとに、そういった代替エネルギーの比重をふやしていくという方向だと思っております。
#36
○沓掛哲男君 こういうことを申し上げるのは、私の石川県の珠洲でも今、原発要対策地点にもしていただいていろいろ動いているんですが、これに対してなかなか進まない。いろんな問題というのは、地元の社会党の方々が大変強く反対しておられるんです。固有名詞を出せばだれでも知っている人がいるわけですけれども、それはここでは差し控えさせていただきますので、社会党としてどうか、久保田長官としてどうなのか、そういうことを今お尋ねしたんです。
 そこで、今長官がおっしゃった新エネルギーが現在の核分裂する原子力発電にかわれるかどうかということに対しては、確かにしNGもありましょう、太陽光発電もありましょう、風車もありましょう、それもそれなりにふやしていくことは必要ですが、そういうものが日本のいわゆる電力源の大宗になるというものではとてもない数字でございます。私は、唯一もしクリーンなものができるとすれば核融合による原子力発電、そういうものが考えられるというふうに思います。
 そこで、核融合による原子力発電の可能性、また実用化、そういうものについてこれは科学技術庁にお尋ねしたいと思います。
#37
○説明員(岡崎俊雄君) 先生御指摘の核融合は、重水素などを燃料とすることから、その資源はほぼ無尽蔵であるということに加えまして、地球環境への影響が大変少ないというすぐれた特性を有しております。したがいまして、これが実用化されました場合には、私たち人類が恒久的なエネルギー源を確保することを可能とするものと考えております。
 我が国におきましては、日本原子力研究所が建設いたしました臨界プラズマ試験装置、すなわちJT60と呼んでおりますこの装置が、例えば臨界プラズマ条件の目標領域に到達するとか、あるいは本年の三月には世界のこの種の実験装置としてはまさに最高値を達成するなど、大変すぐれた成果をおさめているところでございます。さらに加えまして、現在、日本、アメリカ、EC及びロシアの四極によります国際熱核融合実験炉、ITER計画というのがございますが、この工学設計に我が国は参加をするなど、長期的観点からこの核融合の研究開発に取り組んでおるところでございます。
 さて、御指摘の実用化の時期でございますが、今後の技術開発の進展状況を予測することは大変難しいわけでございますけれども、昨年五月に原子力委員会の核融合会議の報告書によりますと、発電の技術的実証を目指す原型炉の運転開始は二〇二〇年代、また核融合のエネルギー源としての実用化は二十一世紀、来世紀中ごろと予測されております。いずれにいたしましても、我が国としては恒久的なエネルギー源として期待されるこの核融合の実用化に向けて、国際協力を十分活用しつつ積極的に研究開発を推進してまいる所存でございます。
#38
○沓掛哲男君 核融合の原子力発電は、今の説明にもありましたように、数十年先、恐らくここに座っている方はほとんどその利益を得ることができないんじゃないか、そういうふうにも思います。となると、確かにほかのいろんな風車やいわゆる太陽光発電も大切ですが、国全体の需要からいったらほんの数%にも及ばないでしょう。LNGはある程度の核になるでしょう。これは相当の量を企画庁等で見込んでおられるわけですけれども、それでも到底足りない。そういう中で、日本国民がいわゆる文化的な生活をしていく上において電力は欠かせないものであり、したがって現在の原子力発電というものも安全性の原則を最優先しながら大事に活用していかなければならないというふうに思います。
 いわゆる政権与党の最大党でもあり、また参議院を代表している久保田長官に、社会党ということをひとつ超えてでも、これから原子力発電はいわゆる安全を最重点にして必要なものはやっていくんだという決意をぜひ述べていただきたいと思います。
#39
○国務大臣(久保田真苗君) 社会党の宣言はまだ討議中でございます。しかし、社会党のとる立場と内閣の私の立場とはイコールとは言えないと思います。私といたしましては、原子力、その他エネルギーの安定的な供給、この任務が果たせますよう、安全性という問題に十分に気を配りながら努めてまいりたいと思っております。
#40
○沓掛哲男君 前は社会党でそうだったけれども、内閣へ入り経企庁長官として今後は今私が申し上げたような形でやっていくということをぜひお願いしたい。リトマス試験紙のように赤くなって青くなってまた赤くなり青くなるというんじゃ、これは国民は言っておられたって信用できないですから、大臣になられた以上そういう国策の一環を今背負っておられるわけですから、今後とも原子力発電についで安全性を大事にすることは当然ですが、その理解をぜひいただきたいというふうに思います。
 それで次に、この問題に関して通産大臣、最後に御質問したいのですが、世界の人口は開発途上国を中心にして年間一億人もふえつつありますし、その人たちのエネルギー使用量も急増いたしております。石油等の使いやすいエネルギーをできるだけこの人たちに供給し、日本のように科学技術水準も高く、勤労意欲や使命感の強い人たちの多い、そして治安のよい国では原子力発電が適していると思います。こうした努力が、石油とかいわゆる使いやすいエネルギーを開発途上国にできるだけ回してあげる、そういうことも国際化時代に大切なことだと思いますが、最後に大臣の御決意を伺って原子力発電の質問は終えたいと思います。
#41
○国務大臣(熊谷弘君) 今後電力需要は着実に増大するわけでございまして、そのために必要となる電源開発に当たりましては、委員が冒頭に御質問の中で御指摘になりましたように、経済性の面を見ましても、供給の安定性から見ましても、また環境負荷の面で見ましても極めてすぐれたエネルギー源であるということでございまして、原子力発電につきまして私どもは、今後とも安全の確保を大前提といたしまして、着実にその推進を図ってまいりたいと思います。
#42
○沓掛哲男君 次に、独禁法のガイドラインについて質問させていただきたいと思います。
 公正取引委員会は十月二十一日に公共入札ガイドラインの制定方針を発表されたと各紙が報じておりますが、今建設業ガイドラインを吸収して新しい公共入札ガイドラインの制定をされようする趣旨、理由についでお尋ねしたいと思います。
#43
○政府委員(小粥正巳君) 私ども公正取引委員会では、入札談合も含めまして独占禁止法違反行為の未然防止を図るために、既に昭和五十四年には御案内のように事業者団体ガイドラインを策定しております。また、その後昭和五十九年でございますけれども、違反行為の未然防止、特に建設業団体の適正な活動に役立つことを期待いたしまして、情報活動等で事業者団体ガイドラインでも許容されている行為につきまして、いわば具体的、確認的に取りまとめた、ただいま御指摘をいただきましたいわゆる建設業ガイドラインも策定し、これによって建設業界あるいは業界団体におかれて独占禁止法の認識を周知徹底していただくということを期待してまいりました。しかし、残念ながら建設業界を含めまして入札談合行為等、独占禁止法違反行為は後を絶っておりません。
 例えば、昭和五十四年度に先ほど申し上げました団体ガイドラインを発表して以後、平成四年度まで十四年間でございますけれども、この間における独占禁止法の三条及び八条、それぞれ事業者あるいは事業者団体における競争の実質的制限行為、これについて私どもが行政処分をいたしました審決という形でまとめた結果を分析してみますと、十四年間に合計百五十一件でございますけれども、その約三割に当たる四十三件が公共入札に係る談合事案でございます。この傾向は最近特にふえておりまして、例えば平成四年度について見ますと、私ども三十三件の違反行為に対する審決を行っておりますが、その約六割に当たる二十件が公共入札談合事件である、こういう状況でございます。
 このような入札談合事件の状況にかんがみまして、私どもかねてからこの公共入札全体につきましてこのような談合行為の防止の徹底を図る措置をとることが緊急かつ重要な案件になっている、こういう認識で部内で検討を重ねてきたわけでございます。考え方がほぼまとまりましたので、御指摘のようにごく最近でございますけれども、公共入札ガイドライン、これは仮称でございますが、考え方といたしましては、御指摘の建設業ガイドライン、これは建設業団体だけに関するものでございましたが、今申し上げましたこの十数年における独占禁止法違反行為の内容を分析してみますと、実は公共入札と申しましても建設業だけではございません、むしろその半数以上が建設業以外の事案が含まれている、したがいまして建設業をもちろん含みますが、建設業を含めた公共入札一般に係るより包括的な対象を考えております。
 それから、違反行為の内容でもう一つ、団体に関するものだけではなくて、事業者相互の、例えば話し合いによる入札談合行為等独禁法違反行為が頻発をしております。したがいまして、建設業ガイドラインのように団体の行為だけではなくて事業者相互の行為も含む、双方の意味でより広範、包括的な公共入札全体に係るガイドラインを策定する必要がある、このように考えたわけでございます。
 それからなお、建設業ガイドラインにおきましては、先ほど申し上げましたように団体の情報提供活動等、団体ガイドラインで許容されるものを主として示しておりますけれども、私どもが現在考えております公共入札全体に関するガイドラインでは、独占禁止法上どのような行為が具体的に違反となるのか、それからどのような行為であれば原則としてこれは違反にならない許容されている行為であるか、それから状況に応じて違反のおそれのある行為、このように行為類型をできるだけ具体的に示しまして、結果といたしまして事業者及び事業者団体双方につきまして違反行為が未然に防止できますように、文字どおり活動の手引となるようなガイドラインを策定する必要がある、そのような考え方からこの取りまとめについて検討に入ることを先般公表したという次第でございます。
#44
○沓掛哲男君 独禁法はなかなか私たち日本人になじみにくい法律でもございますので、これからそういうガイドラインをつくり、いわゆる教育的な面を優先していろいろやっていただきたいというふうに思います。
 二番目にその公共入札ガイドラインの内容をお聞きしようと思いましたが、委員長に今もう言っていただきましたので、次にまた私なりの考えも述べて少し参考にしていただきたいというふうに思います。
 さて、民間における入札と、会計検査院法や会計法に基づく制度、仕組み、チェックの中で運用される公共入札とでは大きな違いがありますが、また同じ公共入札でも、既に製品として存在するものを購入する場合と、入札契約時にはそういう目的物が存在しないで、これから特定の場所で工事をしてその目的物をつくるという場合では、発注者側にも応札者側にも大きな違いがあります。
 すなわち、発注者側が関心を持つ目的物の質については、物品購入の場合は品物がもうそこにあるのですから、その質を確認すれば納入者がだれであっても関係ないわけですが、工事の場合、目的物がそこにはないので、今品質を確認することはできず、この工事をする業者を信頼して契約するということになります。
 また、応札側にとっては入札価格を決めなければなりません。幾らで札を入れるかを決めることは重要なことですが、物品の売買の場合、既にもう茶わんなら茶わん、物なら物でできているんですからコストは決まっておりますが、したがって特段の作業は要らないと思います。あとは幾らで入れるということを決断すればいいんだと思います。しかし、工事の場合これからつくるのですから、現場へ行き、工法を決め、資材、労務等の調査をして直接工事費を積算するという大仕事が必要になります。公共入札といっても、このような違いがあることも十分配慮して新ガイドラインを策定していただきたいというふうに思います。
 それから次に、具体的なお願いを二つしていきたいと思います。
 一つはまず建設業に係る事業者団体の情報提供活動等については、基本的に建設業のガイドラインを継承していただきたいということです。
 その理由は、応札者がみんなで集まってオープンに情報を交換することにより、各社は自社の技術力、手持ち工事量、経費面あるいは地元事情の精適度等における優位性、さらには他社の受注意欲等を広く検討し、入札に対する熱意度を決めることができると私は思うからであります。毎回の入札に全力投球していては、そのたびごとに何人もの有能な技術者と多額の費用を費やさなければなりません。会社の経営は大変困難になるというふうに思います。
 何事をする場合でも、私らも例えば選挙に出る、あるいは大学を受ける場合でも、大学を十受ける、しかしその中でこれとこれはということを、自分のいろんなことをほかの人のことを考えながら決め、うまくいけばという形でほかのもいろいろやるわけでございます。今回、入札契約制度が変わるにしても、いろいろのそういうグループの人たちが札を入れることになると思います。そういう際に、何もかも一つ一つやっていたら積算というのは大変なんです。日本人というのはそういう頭脳を使い、技術を使うことに対しては余りペイを払うことはしないんです、物となればやるんですけれども。そういう一つのものを積算するといったら、役所の方だって二、三人で一月ぐらいかかって一つのものをやるんです。そういうことで、では今幾つかの工事をこれから入札しようとするときに、十も二十も全力を挙げてやったらこれは大変なことだと思います。
 したがって、こういう席に関係者が集まっていろいろなことをお話しし合う、情報交換をする、そういう中で自分の熱意度をいろいろ決めていってもらう、そしてそれもオープンな透明度の高い中でやってもらいたい。ただ、そういうことを禁止すればどうなるかといえば、これはもう営業活動で一社一社どうなるか当たっていくことになります。それはまたかえっていわゆる暗い部分もいろいろ出まずし、これからの入札制度はオープンにそして透明度を高く、そういうふうな形をぜひ公取として指導していただきたい、そういうことが私の第一のお願いでございます。
 それから第二番目もお願いして、最後にもう一度委員長からそれについてお答えを聞きたいと思います。
 もう一つの方は、今委員長もいろいろお触れになったことなんですが、十月二十一日の日経新聞によりますと、新しい公共入札指針では事業者団体の行為を独禁法に原則として違反となるもの、違反となるおそれがあるもの、原則として違反とならないものとに具体的に分類するとなっております。
 現行の建設業の独禁法ガイドラインは、今委員長がおっしゃられたわけですけれども、事業者団体の活動につき原則として違反とならないものだけを挙げております。しかし、一般に複数の事業者間の行為は事業者団体の活動のように継続性や拘束性を持つことは少なく、同様の行為を行ったとしても競争阻害になりにくいので、事業者間の行為については事業者団体の活動よりも許容される範囲が広く、現行ガイドラインにおいて事業者団体の活動として許容されるものは当然許容され、さらに例えばルールに基づかない偶発的な受注予定者の決定は、独禁法第八条第一項第一号の「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること。」の違反や、第三条後段の事業者は「不当な取引制限をしてはならない。」の違反にはならないと考えられております。
 こういう考え方は、予算委員会などに公取委員長に来ていただいていろいろ御答弁いただくそういう中から、みんなこの辺まではいいのかなと。特に、五十七年の春の予算委員会で橋口委員長にいろいろ質問しお答えいただいております。橋口さんもこういうことに触れておられるんですけれども、今そういうことを参考にしながらいろいろやっているんです。今までは違反とならないものを決めていただいた。したがって、事業者団体でもいいものは当然いわゆる結合の弱いそういう事業者間でもいいだろう、もう少しはいいだろうということで、いろんなことを今申し上げたわけです。そういうことを橋口さんもおっしゃっているんです。
 しかし、今回は原則として違反となるものも定められるんですから、より厳格性が必要になると思いますので、ぜひ事業者団体と事業者間のそれぞれの行為についてもガイドしていただきたい。特に公取委員長にお願いしたいのは、そういう実情をよく御理解いただいて、そして教育的な面でひとつ企業界なり役所なり、そういうものを指導していただきたいということでございますので、最後に公取委員長のこれについての御感想なりお許しいただける範囲での今後の方向づけについてお答えをいただき、最後にしたいと思います。
#45
○政府委員(小粥正巳君) 私どもが公共入札ガイドラインを策定いたしますということを発表いたしましたその点につきまして、ただいまより具体的な内容についてのお尋ね、御要請をいただいたわけでございますが、これは何分これから具体的な内容について検討に着手をしていくわけでありまして、内容についてまだお答えを申し上げる段階になっていないことは御理解をいただきたいと思います。
 ただ、当然でございますが、検討に当たりましては、先ほどもちょっと触れましたように、過去の私どもの違反行為について処分をいたしましたその内容の分析、このようなものが蓄積をされておりますけれども、これを十分に勘案いたしましてできるだけ具体的なわかりやすいものを提示したい、こう考えているわけでございます。
 もちろん、今御指摘のように、今回の公共入札ガイドラインの中には建設業を含み、それ以外の多様な各業種を含んでいるわけでございまして、それに対応する事業者やあるいは団体の活動とその実態というものはこれは種々さまざまであろうかと思われます。ただ、入札手続につきましての行為、これに関連して私どもの関心となります独禁法違反行為を未然に防止したい、そういう問題意識から考えますと、その点は業種の実態がさまざまでありましてもおのずから共通のものがあるのではないか、そういうことも考えております。いずれにいたしましても、違反行為の未然防止の徹底ということにあくまで重点を置いて考えていきたい、具体的に策定をしていきたい、このように考えているわけでございます。
 そこで、特に二点について御要請がございました。一つは、団体の情報活動という点でございますけれども、これも恐縮でございますが、具体的な内容は今後の問題でございます。いずれにいたしましても、再三申し上げますように、違反行為の未然防止の徹底、それから団体なり事業者の本来の適正な活動、これがどのようなものであるべきかということをいわばクロ、シロ、灰色と申しますか、原則として違反のもの、原則として違反でない許容されるもの、そして場合によっては違反のおそれがあるものというそういう分類、これは私どもがその他の分野でガイドラインを示します場合に大体このような分類を示してガイドラインの内容を策定しておりますので、それに従ってつくりたいと考えているわけでございます。御指摘の情報活動につきましても、どのような内容を記述するのが最も適切であるか、これは十分今後検討してまいりたいと考えております。
 それから二番目のお尋ねで、特に事業者の行為の中で、先ほどの御指摘では個々の入札における偶発的な談合行為、このようなものがどう考えられるか、こういう御質問であろうかと思いますけれども、一般論でございますけれども、入札に際しまして入札参加者側があらかじめ受注予定者やあるいは入札価格を決定するといういわゆる入札談合行為でございますが、これは申すまでもなく入札制度の根幹に触れるものでありますし、独占禁止法違反になることは当然でございます。
 そこで、個別の入札における談合につきましても、その背後にいわば談合のルールがある場合、これはもちろんでございますけれども、仮にそのようなルールが認められない、しかしある個別の入札についで今申し上げたような意味での入札談合行為が行われたとしますと、これは独占禁止法上やはり問題にされるべきケースであろうと考えております。ただ、具体的に個々の事案をどのように判断しどのように取り上げていくかということは、これは申すまでもなく法の趣旨に照らしまして個別具体的な状況を総合的に判断して取り上げていく、そういうことでございますから、これはあくまで個別の問題は具体的な状況、態様に応じて判断が行われる、こういうふうに申し上げざるを得ないわけでございますけれども、その点はただいまのように私どもは考えているわけでございます。
 先ほど従来の公正取引委員会の国会におきましての見解を御引用されましたけれども、その点は今申し上げましたように、個々の事案の判断はあくまで法の趣旨に照らして個別に判断をされるということ、それから個々の工事に関するような案件につきまして例えばその規模とか地域経済への影響とかがその際の判断の材料の一つになることがある、そういう趣旨を述べたものであると私どもは理解をしているわけでございます。
 いずれにいたしましても、今回私どもが公共入札ガイドラインの策定の方針を明らかにいたしましたのは、冒頭申し上げましたように、建設業界にかかわらず公共入札に関しまして大変広い範囲で入札談合行為が残念ながら少なからず引き起こされているということ、これは私どもとしましても、私どものこれまでの努力がなお足りなかったということの反省も含めまして、これに対して防止の徹底を図る措置をとることが現在大変重要な課題となっているということを強く認識をいたしまして、このような方針を発表したわけでございますので、何とぞ御理解を賜りたいと存じます。
#46
○沓掛哲男君 公取委員長、どうもありがとうございました。退席されて結構でございます。
 では次に、景気の問題に移りたいと思います。
 まず経企庁にお尋ねします。景気の現状認識についていかがお考えでしょうか。簡潔にお願いします。
#47
○国務大臣(久保田真苗君) 景気の現状につきましては、住宅建設など一部堅調な動きが続いておりますけれども、消費、投資が低迷を続けまして企業収益、雇用の情勢も依然厳しく、したがいまして企業マインドも萎縮している、このような中で景気回復に向けた動きには足踏みが見られまして、総じて低迷の基調にあると考えております。
#48
○沓掛哲男君 私は、経企庁がお考え以上に景気の現状はもっと悪いというふうに思っております。
 そこで私なりにと思って、お手元に資料をつくりましたから、これをさあっと見てください。
 一番上のものを見ていただくと、この下は年月ですね、縦は前年度同月比に対して産業用大口電力需要が何%減ったかふえたかを示しております。いわゆる産業構造というのは、この電力需要量と大変相関が高いというふうに私は思います。
 まず、さあっと過去を振り返ってみても、景気が悪くなり出したのは一昨年の三月、組み立て産業が減り出したことです。この図の上を見てください。九一年の三月、電力の消費量が、需要がさっと減ってますね、下がっておる。これがまさに組み立て産業が下がってきたんです。そして、七月、八月にはほとんどの産業がだあっとだめになりましたね、七、八月がだあっと下がってきております。そして、この九一年の暮れあたりからもう何もかも悪くなって、まさにここから不況が始まって、電力もずっと下がってきたんです。
 そして、ずっと見ていただくと、九三年のところで三月、四月、これが上向いてきました。確かに中国向けの鉄鋼などいい面もあったんでしょう。あるいは政府のたびたびのいわゆる大型の経済政策、そういうものも幾分効果を出してきたんでしょう。しかし残念ながら、四月、五月ごろは横ばいになってきた。そして現在を見ていただくと、先ほど来いろいろ言われております、そういう影響でこの七、八、九月ともう対前年比で大幅に下回って下がってきている。
 こういうのが現在の認識で、雇用面にも不安が出ているし、景気、個人消費もだめ、設備投資もなかなかだめ、そして今おっしゃったように住宅、そして幾分公共投資がいいというんだけれども、本当はシェアとしてはわずか二五%のところがいいわけです。
 では、そういうものがどういうふうにして国のところにいろいろ今まで波及していったかというと、大手建設業関係の受注がふえる、そうすると大手建設業は単にその公共事業やそれだけではなくて、彼らは非常に企画力、計画力、調査力を持っていましたから、こういう開発をしたらどうか、こうしたらどうかというアドバイスをいろいろなところでやって、そしてそれがまた上がっていったんです。
 ところが今、大手建設業の受注額は去年に比べてダウンしているんです。それはなぜかというと、非住宅がもう全然だめなんです。ビルもだめ、そしていろいろの設備投資に関連したそういうものもだめですから、こっちの二五%のシェアは堅調、堅調と企画庁さんはおっしゃるんだけれども、もらったそれがどこへ行くか生言えば、建設業界が多いので、そこがもう全然だめなんです、減っているんですよ。ですから、もう個人消費も設備もだめ、こちらがいいというのもそういう状態ですから、何もかもだめ。そして、雇用問題にもいよいよ手をつけるようになってきているんですから、もう少し言葉の上だけじゃなくて真剣にひとつお願いしたいというふうに思います。
 次に質問いたします。
 企画庁さん、これは長官でなくても、それぞれの政府委員で結構なんですけれども、バブル経済の後遺症について特に現下の不況との関連においてどのような認識を持っておられますか。
#49
○政府委員(土志田征一君) お答えいたします。
 バブルの後遺症あるいはバブル崩壊の影響という点、に関しましては、三点あるかというふうに思っております。
 第一でございますが、これは金融面におきましてバランスシートが悪化をしております。特に金融機関の不良資産が非常に大きいというようなこと、企業におきましても有利子負債が増加をしているというような状況でございます。
 第二点は、いわば過度の投資に伴う過剰な設備等でございます。特にこの点で目立ちますのは、オフィスビルの過剰供給でございます。
 第三点は心理面でございまして、やはりバブルの崩壊が家計や企業のマインドに影響を与えておる、やや萎縮しているという側面があろうかというふうに思っております。
#50
○沓掛哲男君 そこで、目に見える形にと思って図面二つを用意したので、これについて説明してみたいと思います。
 今おっしゃったように、金融機関の問題、過剰設備それから家計、個人消費の云々、このほかに私はまだ過大な雇用というのが大企業にいろいろあるんだというふうにも思います。それから、土地、株の過大な高騰とか、そういうような問題もいろいろあると思いますが、一体このバブルというのは目で見るとどうなったかをこの図面二つで説明したいと思います。
 まず、この真ん中、バブルの象徴的なものとして、土地が物すごく上がっていきました。その土地価格がどうなったかを示したのが真ん中の図、これは東京圏のものでございます。下の方は年度を書いてあります。縦軸には、昭和五十八年を一〇〇とした場合に幾つになったかという数値を書いてあります。
 したがって、一番上の点線を見ると、商業地でございます。商業地も六十一年から六十二年にぎゅうっと上がっていきました。そして、平成二年では三一一、三・一倍、三年には三・一倍。そして、ここからいわゆるバブルがはじけてずっと価格が下がる、不況に入っていくわけですけれども、この商業地だけずっと見でいただきますと、平成五年はこれは七月を示しております、二一五という数字になっております。
 これは一体どんなぐらいに上がってくるかというと、土地価格は大体名目GNPぐらいで上がってきておりました。ここを見てもわかるように、五十八年から六十一年ぐらいまでは大体名目ぐらいで上がってきて、後はがあっと上がっていったんです。ですから、名目のとおりいくとすると、平成五年では一七四ぐらいになります。かなりまだ商業地は離れております。ビルもかなりあいていますから、商業地が適正なところへくるには、私はまだ一年近くかかるんじゃないかと思います。しかし、その下の住宅地は、ずっと目でたどっていただいて、平成五年になると一八九と名目GNPの一七四に大変接近してきております。まあまあの値段に住宅地はなってきたな、そういうことがこの住宅地の流動性を増してきているというふうに思います。こういうことで、土地の価格についてのバブルの影響は、まだ商業地で半年から一年ぐらいは続くだろうというふうに私はこの図から思います。
 それから、下の方です。いわゆる設備投資が過大だったというけれども、機械受注大手二百八十社とGNPの動きを示したのが下の図です。同じように六十二年ごろから機械受注はわあっとふえて、平成二年、平成三年、それからがあっと下がってきました。そして、この名目GNPよりも上回ったところを足してみると、面積で四百八十ぐらいになります。平成五年のところで大体百七十ぐらいの単位になりますから、四百八十を百七十で割ると二、三年、これから二、三年しなくてもいいぐらいのいわゆる機械設備をいろいろやったんではないかと思います。もちろんそのことがすぐ機械設備が要らないということではなくて、技術革新や新商品の開発、またそのほかいろいろなことがありますから、ある程度はいくんでしょうが、まあ機械設備についても二、三年分ぐらいはまあまあ大体余計ある、そういうようなイメージだというふうに思います。
 そこで、今バブルの影響というのは予想以上に多く、今おっしゃいましたいわゆる金融機関による過大な信用創造、そしてそれを今なくするために共国債権買取機構をつくっています。この共国債権買取機構も一兆九千億ぐらいですかの簿価のものをこの間一兆三千億ぐらいで買って、そしてそれをほかへ売らなきゃだめなんだけれども、売ったのは三十六億円というのですね。この間大蔵大臣が予算委員会で言っておりましたが。ですから、余り動いてないんですよ。こういうことがいろいろ問題だという意識はまさに企画庁でもお持ちだと思います。ですから、過大な個人消費や過大な雇用、土地、株の高騰、過大な設備投資、そういうものがいわゆるこのバブル経済の後遺症として重くのしかかっているんだと思います。
 そこで、時間もなくなってきたので、三番目、政府が九月に決めた緊急経済対策や日銀の公定歩合引き下げの効果をどう見ているか、簡単にお願いします。
#51
○政府委員(小林惇君) 本年九月の緊急経済対策に関しましては、従来取り上げられておりませんでしたけれども、規制緩和あるいは円高差益の還元といったところに着眼をして手をつけたということでございまして、この二つのポイントだけでも相当の効果を期待しております。
 それから、在来型の財政的な対策につきましてもおよそ六兆円の規模の追加支出が期待できる、こういうことでございまして、これがこれからの我が国国民経済の浮揚に貢献するというふうに考えておるわけでございます。
 その後、九月二十一日に日銀が公定歩合を引き下げたわけでございますけれども、〇・七五引き下げまして史上最低の金利水準にまで達しておるわけでございます。これら公定歩合の引き下げに関連いたしまして種々の民間向けの金利が引き下げられておりまして、順次住宅投資を初めとして種々の実物面に好影響が出始めておる、こういう認識でございます。
#52
○沓掛哲男君 今までやったことよりもこれからどうするかについてお尋ねしたいというふうに思います。
 景気の低迷が深まる中で、大手企業の九割以上は業績悪化により来春の新卒採用を大幅に削減すると報じられており、また有効求人倍率も東京が〇・五六、大阪が〇・四六と著しく減少しており、全国平均でも〇・七と一を大きく割り、雇用面にも深刻な影響が出始めております。私の地元の石川県でも、繊維関係の企業では稼働率が六〇から七〇%、一般機械でも七〇から八〇%で、この状態が続けば年末には雇用調整に入らないと経営はもたないというふうに言っております。
 このような景況を踏まえ、今後の景気対策として何をしたらよいのかを六つ七つお尋ねしますので、簡単にお答えいただきたいと思います。
 まず第一に、今までのようないわゆる公共事業というようなものを中心とした財政出動型、そういうような景気対策がこれからの景気にいい影響はあるのかどうか、もちろん効果はあると思いますが。またしかし、こういう財政の中でそういうことに大きな期待が持てるのか。そういうようなことを一言で言っていただきたいと思います。
#53
○政府委員(小林惇君) 財政面の種々の手当てというのは依然として重要性を欠いておらないというふうに考えております。
#54
○沓掛哲男君 とは思いますが、なかなかこれは財政当局にしてみればお金のいろいろ要ることですから、今後ともやはりパニックを起こさないとかいわゆる底割れをしないとか雇用調整に入らない、そういうためにはぜひ必要だというふうに思います。しかし、今までも既に三十兆円規模のものをやっているわけですから、これからやっていくといってもおのずから限界があるように思います。
 そこで次に、金融に関連して公定歩合の引き下げが考えられますが、先般公定歩合は一・七五%まで下がりましたが、その効果については今お聞きしました。また、今後さらにこの一・七五を下げることが景気の回復によい効果があるのか、またこれ以上下げることが経済的に見て可能なのか、いわゆる経済の専門家としての意見で結構でございますから、お願いいたします。
#55
○政府委員(小林惇君) 先ほども申し上げましたように、九月の公定歩合の引き下げ以降の金融緩和というのは非常に著しいものがございまして、既に住宅投資を初めとして好ましい影響を与えておるわけでございます。それから、当然のことですけれども、企業の金利負担の軽減が期待できるということで企業の設備投資の下支えになるというふうに認識しております。それから、マネーサプライの伸びも、これは財政面の支出が進んでおるということの証左でもあるわけですけれども、回復をしてきておるわけでございます。したがいまして、もちろんこの金融面の措置というのは有効であることは論をまたないというふうに考えておるわけでございます。
 公定歩合の操作等については、これは中央銀行の所管でもございますので、私どもから申し上げられない点ではないかというふうに考えております。
#56
○沓掛哲男君 私は、公定歩合はもう一・七五に下がっているので、これ以上下げてもなかなか景気に対する効果はプラス・マイナスだというふうに思います。景気に対してプラスの面は、今おっしゃったように貸出金利が下がれば、なかなかすぐ連動しにくいんですけれども、下がれば企業の設備投資が刺激されることはそのとおりだというふうに思います。
 しかし、マイナス面もございます。現在六百五十兆円もある個人貯蓄の金利が目減りするんですから、個人消費には直接悪い影響もあると思います。また、時間選好の影響、いわゆる預金金利が下がれば貯蓄してふやして将来使う楽しみが少なくなるから現在使うようになりやすいと言われますけれども、そういう影響は私は少ないというふうに思います。
 ただ、ここで効果があるとすれば、先ほど来出ておる金融機関の不良債権の処理にはかなりよい影響があるかとは思いますけれども、プラス・マイナスの面であって、これから一・七五をさらに一にするとかなんとかしたからといって景気にそんなにすぐ出てくるという気は私はいたしません。
 そこで次に、企画庁長官にお願いしたいんですが、減税についてですが、所得税減税はいまだ一連の経済対策の中において一度も行われておりません。即効性の期待できる景気対策は出尽くした感があり、残っているのはこの所得税減税しかないのではないかというふうに思います。直間比率を見直す抜本的税制改革の中で所得税減税を先行させ、さしあたって減税分はつなぎ国債で埋め、将来は消費税率のアップで対処するという案がいろいろ新聞等でも出ておりますが、これについて久保田長官はどのようにお考えでしょうか。
#57
○国務大臣(久保田真苗君) 今回の緊急経済対策の中には、政府税調、平岩委員会といったような面での活動も一応含みまして御提言申し上げております。そして、その中身につきましては細川総理が諮問という形で所得税減税を含むところの税制の基本的なあり方についで審議を頼んでおられますので、私は間もなく税調のこれに対する総合的な御判断が出てくると思い、それを見守っているところでございます。
#58
○沓掛哲男君 当然そうなった場合に、いわゆる財源の穴埋め的なものとして今申しました暫定的にはつなぎ国債があるんでしょうが、それをきちっとやっていく、また抜本的税制改革において直間比率を変えるとなれば間接税をふやすということでしょうから、間接税としてはどうしても消費税を上げざるを得なくなるんですが、この消費税を上げるということについて久保田長官の御意見をお伺いしたいと思います。
#59
○国務大臣(久保田真苗君) 所得、消費それから資産のバランスのとれた税体系のあり方というものが御論議されておりまして、いろいろな御意見も出ておるようでございますけれども、まだ明示的なものは伺っておらないところでございます。
 もちろん、私どもは連立政権に入るに当たりましてこうしたバランスのとれた公平な税制のあり方についてこれを進めていくという合意を持っておりまして、しかしなお消費税の問題につきましてはこれを六年度の当初予算には入れないのだという了解事項もございまして、そのような観点から、また経企庁として目配りをすべき観点から見守っておるところでございます。
#60
○沓掛哲男君 所得税減税をしてすぐ目の前に消費税が上がってくるというんだったら、私はこの景気浮揚効果はないと思います。やっぱり基本的には所得税減税をする、そして景気が上がってきたら消費税も取っていく、久保田経企庁長官、ぜひそういうふうなことで頑張っていただきたいというふうに思います。
 そこで、あと五分ですが、規制緩和、円高差益の還元が景気回復に及ぼす効果についていろいろお尋ねしたかったんですが、先ほどこれにも触れていただきましたのでこれは飛ばさせていただきまして、次のいわゆる円高対策についてお聞きしたいと思います。
 今、円は非常に高くなっております。経団連等では、この間の話では、我が国の円は百十五円プラス・マイナス五ぐらいがいいんじゃないか、言いかえれば今は百円台ですから百十円から百二十円、この問題がさっと何かの力で解決すれば相当景気浮揚にはプラスになるというふうに言われております。
 確かに、最近の急速なる円高で産業界は一層不況感が強まってきております。その対策を見てみますと、一つは国内生産から海外生産ヘジフトいたしております。その結果、国内就労人口が減少する。また、貿易黒字削減のため輸入拡大を図ります。その結果、当該部門の就労者が減少する。いずれにしろ、雇用不安を増大させております。この円高不況対策がさらに不況を招く結果にもなっております。
 この悪循環を断ち切るため、政府として思い切った円安政策の導入と、何か対策は考えられないものか。我が国の優秀な経済マンがたくさんいる経済企画庁で、ひとつ新しい知恵を出して高くなっている円を十円も安くすれば、私は今回の景気浮揚に大変大きな影響力を即効的に及ぼしてくれると思います。マネーサプライをふやすとかどうとか、この裏には米国とのいろんな関係もあると思いますが、何かこれについて一言、事務当局で結構ですから、一、二分で意見があったら教えてください。
#61
○政府委員(小林惇君) 為替レートの水準につきましては、経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいというふうに考えておりまして、そういう意味では直ちに円安にする妙薬というのはないわけでございまして、経済のファンダメンタルズの反映というものが王道といいますか、本筋ではないかというふうに考えております。
#62
○沓掛哲男君 それだったら、今の百円台が適正なファンダメンタルズというふうにお考えですか。経団連で言っている百十五円プラス・マイナス五、要するにいわゆる日本のファンダメンタルズは大体百十円から百二十円だと経団連が言っていますが、それについての意見重言ってみてください。
#63
○政府委員(小林惇君) これは基本的には、我が国の経常収支の黒字幅が大きくなり、それがここ数年さらに拡大をしたというところに原因があるというふうに考えております。したがいまして、この対策といたしましては、在来言われておりますように内需中心型の経済運営を徹底していくということが一番大事な点であるというふうに考えております。
#64
○沓掛哲男君 最後に、通産大臣に企業のリストラについてお尋ねいたします。
 従来、景気回復のきっかけとなっていたのが、一つには公共事業等の追加、二つには金融機関の積極的な融資、三つ目に輸出の増加、そういうものによる需要の増大でございましたが、今回は円高や金融機関の不良債権の増大、ゼネコンの問題等により今までのそういう筋書きは期待しにくい状態にあります。すなわち、供給過剰がなかなか改善しないのが問題だと思います。
 企業では、不採算部門の切り捨てなどのリストラが進んでいないので、供給力は縮小せず、その結果需給の不均衡が拡大して製品価格は下がりぎみと伝えられております。不得意の分野を切り、得意の分野等を伸ばすリストラによって企業の収益が回復すれば、新しい事業に進出したり設備投資や人員採用をふやしたりして、経営も活性化するという考えもあります。もちろん、リストラによって一時的に失業者がふえる場合には、政府の的確な対応が必要です。その他の政策面からの支援も欠かせないと思います。
 最後にひとつ、景気回復に対する通産省としての施策について大臣の所見を伺って終えたいと思います。
#65
○国務大臣(熊谷弘君) 現下の不況の中で企業が大きな構造転換を迫られているということは、私どもも委員と同じ認識を持っているところでございます。企業レベルでも、また業種といいますか産業レベルでもリストラは進めていかなければならない。しかしながら、その過程におきましてまた摩擦が生じてくるわけでございまして、これに対しても適切な政策がとられなければなりません。
 私は、内需主導型の経済成長というものが一定率保たれないとこの摩擦は極めて厳しいものになるということを感ずるわけでございまして、先ほど来企画庁の担当者の説明にもございましたように、基本的には内需主導型の経済をとりつつも、的確な産業構造転換策をあわせて講じていく。そのために、既に産業構造転換に関する法律もございますが、私どもは、特に厳しい状況にございます中小企業につきまして、この円滑化を図るためのリストラ法案を国会に提出いたしているところでございます。
#66
○沓掛哲男君 以上をもって終わります。ありがとうございました。
#67
○吉村剛太郎君 今日の政治課題で最大のものは、今続いております不況をいかに脱却するかということであろうかと思います。そういう折に、通産大臣、また経企庁長官に就任されましたお二人に大いにその腕を振るっていただきたい、このように考える次第でございます。
 新しい細川政権になりまして、国会の質疑はなるべく政府委員の方々に頼らないで政治家同士が討論をするように持っていきたいというようなことも言っておられます。そういうことで、私の方もなるべく各論を避けまして、きょうは総論に終始していきたい、このように思っております。それだけに、両大臣の生の声をぜひお聞かせいただきたい、このように思う次第でございます。
 今申しましたように、今日大変な不況下であるわけでございますが、たまたま私は先日テレビを見ておりましたら、終戦直後のニュース、日本ニュースでございますか、それが放映されておりました。一九四六年、七年、八年、そういう時代のニュースがありのままに放映をされておったわけでございますが、そういうものを見ておりますと、そこに映し出されております我々国民の姿、また子供たちの姿、本当に戦後の瓦れきの中で大変貧しかったな、こんな感じを深くしておるところでございます。ちょうど、私は終戦の年は小学校一年でございます。通産大臣とほぼ同じ世代ではないかと思いますが、学校に行くにははだしで通っておったというようなことでございましたが、それから見ますと、今日のこの平和で豊かな社会といいますものは、まさに隔世の感があるわけでございます。
 今日そういう不況下といえども、日本の今日の経済的豊かさは、我々日本人があの太平洋戦争という大変不幸で過酷な経験をしたが、私が常々考えますに、そこには国としての大変なある意味では幸運と、またその後の日本の政治を担った政治家の政治的判断また決断がすばらしいものがあったんではないかな、このように思っております。
 確かに、昭和二十年八月十五日、日本はポツダム宣言を受理して全面降伏をしたわけでございますが、確かにあの戦争といいますのは不幸せなものでありましたが、幸運といいますのは、この日本国土がいわゆる自由主義の国のアメリカに占領されたということが一つの幸運であった、このように思っております。それと同時に、ドイツや朝鮮半島のように分断されずにほぼ一〇〇%自由主義の国のアメリカに占領されたということ、これは大変な幸運であったと私は思っております。
 もちろん、御存じのように北方領土、これは本来日本の領土でございますが、これは余談になりますが、八月十五日以降の八月十八日にソ連軍が千島列島の最北端に南下してまいりまして、九月五日までずっと南下してきたということでございます。したがって、本来ならば日本国有の領土であるわけでございますが、それ以外はほぼアメリカに占領されたということでございます。北方領土の問題は直接この委員会と関係ございませんので、これはまた別の面で論じさせていただきたいと思いますが、そういうことで自由主義の国のアメリカにほぼ占領された、そして分断国家にならずに済んだということでございます。
 そして戦後、瓦れきの中からいろいろと苦労をしてきたわけでございますが、昭和二十六年に時の吉田総理がサンフランシスコにおきまして単独講和、いわゆる自由主義陣営との講和条約を結びまして、ああいう中で日本を自由主義陣営の中に位置づけした。あの当時単独講和反対、そういう世論もたくさんあったわけでございますが、端然として吉田さんは日本という国を自由主義陣営の中に位置づけをした。
 そしてそれと同時に、もちろんその当時は米ソ両大国を中心にしまして東西相対立した時代でございますから、日本国民の生命と財産を守らなければならないということでアメリカとの安保条約を結び、国民の生命と財産、安寧をまず確保したわけでございます。そして、その後日本はまさに日米安保条約のもと、アメリカの核のもとで、ある意味では防衛というものにそう気を使わずに、またお金を使わずに経済一本で進んでくることができた。その延長線上に今この日本の平和と豊かさがあると私は思うところでございます。そういうことを考えますと、時の吉田さんの政治的判断、決断といいますもの、まさに政治家の判断、決断というのはこういうものかな、このように思う次第でございます。
 そういう一つの幸運と、また幾つかの政治的な判断、所得倍増政策、また日本列島改造論、いろいろなことがあるわけでございますが、いずれにしましてもその延長線上に今日本のこの社会といいますもの、平和と繁栄といいますものは位置づけされている、このように思う次第でございます。
 そういう中で、三十八年間自民党は日本の政治をお預かりをしてまいりました。何も私が、自民党がよかった、このようにここで言うわけではございませんが、自民党が政治を担当し、そして折々にその路線上で打ち出しました政策に国民の方々が大変協力をしていただいたおかげだ、このように思う次第でございます。そして、三十八年間の自民党政権に終止符を打ちまして、新しく細川政権が誕生をした次第でございます。
 もちろん、細川総理もこの自民党政治を継承するということを言われでおるわけでございますが、そういう中で今歴史を振り返りまして、サンフランシスコ講和条約からそして安保体制といいますもの、それと今日の平和と繁栄といいますもの、こういうものについて通産大臣はどう評価をし、どうお考えになっておるか、大臣の言葉でぜひ答弁をいただきたい、このように思う次第でございます。
#68
○国務大臣(熊谷弘君) 戦後日本の発展の来し方を考えれば、その礎石に一方で政治的枠組みとしての日米安保体制というものがはかり知れぬ日本の平和と安全と繁栄の基礎にあったということは、私も委員と同じ考え方でございます。また、同時に日本は西側に所属することになったわけでございまして、そういう中で社会主義か資本主義がという選択の中で資本主義の道を選んだわけでございます。そしてそれもまた、その後の日本の繁栄、発展にはかり知れぬ影響があったというふうに私は考えます。
 ただいま現在、冷戦は終結を見たわけでございますけれども、この冷戦構造下に経済繁栄をつくり出す政治の体制ができた。私自身もかつて自民党に所属をいたしまして、この三十八年間の自民党というものは大きな役割を担ってきたと考えるわけでありますが、冷戦の終結後、我々はおのずからまた新しい課題に直面したのではないか、それが細川内閣の歴史的な使命である、こういうふうに私は考えているところであります。
#69
○吉村剛太郎君 まさに今、大臣がお答えになりまして、ある意味ではかつて我々は同志でございまして、基本的な考え方において異なるものは何もない、このように思っております。
 ソ連が崩壊し、東西ドイツが統一をしました。そういうものを見るにつけましても、やはり国家運営といいますものがまさに社会主義では運営できないという一つの歴史の証明であった、このように思う次第でございまして、そしてまさにソ連の崩壊といいますものはある意味では財政的な崩壊がああいう形になった。あれだけの膨大ないわゆる国防費といいますか、軍事費といいますものを負担できないというようなところからも来ているであろうということを考えますときに、本当に経済一本で進んでこれた日本の社会といいますもの、そういうものの方向づけをした政治的判断といいますもの、そして三十八年間自民党が政権を担当したということ、いろいろと今言われていることもありますが、私は必ず歴史の中で評価をされるもの、このように思う次第でございます。
 そういう中で企画庁長官、大変失礼でございますが、かつて社会党さんは、サンフランシスコ条約締結、また安保につきましては一貫しで反対の立場を貫いてこられたわけでございます。しかし、今通産大臣がおっしゃいましたように、厳然としてその路線上に今日の日本の社会があり、細川政権もその路線を引き継いでこれから政治を運営していこうという立場であるわけでございますが、逆に、かつての社会党さんが主張されましたそういう反対論、講和条約反対、安保反対、しかしながら歴史がもうこういう形のものを証明しておるということについて、長官はどうお考えになっておるか、よろしくお願いします。
#70
○国務大臣(久保田真苗君) 日本の戦後のこの発展につきましては、やはり敗戦後アメリカの経済援助というものがあり、また自由主義の貿易体制の中で日本が活路を見出して、国民の教育も進みましてよい労働力がこれを支え、ここに至ったことについては私は評価しております。
 ただ、おっしゃいますこの日米安保体制でございますけれども、これにつきまして、一緒に連合側で戦ってきた米ソというものが戦争の後非常に対決の姿勢になりまして、その関係で日本が分断されずにアメリカの側の占領を受けたということは私も幸せだと思います。それにつけても、日本にかわって分断された朝鮮半島の状況が今日に至っても解決していないということを非常に気の毒に思うものでございます。
 そして、そのように進んできたのですけれども、世界的な冷戦の中で、途上国をも巻き込むようなさまざまの軍事的な対決の中で、日本がもしかしてアメリカの核基地というようなことになって、そしてそれが日本の安全に脅威をもたらすということを国民が非常に心配し、安保条約に反対した国民が極めて多かったということも私は理解できるのでございます。ただ、その後、非核三原則というようなものをともかく編み出して、これを防いできたそうした内閣もあったということは私も評価しておりますし、あるいは武器輸出三原則といったようなこうしたものが生きて今日に至り、そして今や冷戦の構造というものが崩壊したということはまことによかったことだと思います。
 しかし、私どもは、冷戦崩壊後の日本あるいは世界というものは平和、軍縮という方向へ当然向かうべきだと思いますし、こうした原則を堅持してきた日本といたしまして最も世界に貢献できる、その観点から細川新内閣は新たな手法を編み出していくべき内閣だというふうに考えております。
#71
○吉村剛太郎君 日本が自由主義国でありますアメリカに占領された、そして分断されずに済んだということはまことに幸運であったという面、長官と私は全く意見が一致するわけでございますが、一貫して講和条約、安保に反対をしてこられました社会党の当時の主張は、安保を結べばすぐ戦争に巻き込まれる、徴兵制がしかれるというような主張であった、このように思う次第でございます。それはその当時、長官おっしゃいましたように大変な世論の喚起にはなっただろう、このように思っております。
 しかしながら、それが結果としましては、もう今日の歴史が証明しますように、この四十八年間、日本はおかげさまで戦争に全く巻き込まれることなく、そして今日のこの繁栄を満喫しておるというわけでございます。ずっと社会党さんがそういう主張をしてこられた、党大会でもいろいろなものでもそういう主張を変えておられません。しかし、現にそういう自由主義体制というのが堅持され、そして安保体制というのも今日なお堅持されておる、それを細川内閣は継承していくという、その細川内閣に長官は入閣をされたわけでございまして、基本的な面でずっと反対されておったものの政権に入閣をされた。
 その辺の矛盾といいますか、例えばこの間も予算委員会でいろいろと質疑がありました自衛隊の問題につきましてここは商工委員会ですから余り深く突っ込む気持ちはございませんが、しかし閣僚は内閣の一員として全体の責任を負わなくちゃいけないと思いますし、その防衛といいますものは、これは国民の生命、財産を守る大変重要なことでございますから、経済閣僚といえどもこれは十分にお考えのことだ、このように思っております。
 そして、自衛隊についてはずっと一貫して違憲であるという社会党さんの御意見でございますが、どうもよくわからないのは、閣僚として、政権としてはこの政策合意の中で認めるというようなことでございます。だけれども、違憲というのは、そのまま違憲という主張をお持ちなんです。しかし、閣僚としては現実を注視して認めていくというようなことであろうか、このように思いますが、私はなかなか理解ができないものですから、ちょっとその辺をもう少し詳しく説明をしていただきたいと思います。
#72
○国務大臣(久保田真苗君) 私自身の気持ちの中ではそれは余り矛盾していないんです。なぜかといいますと、仮にもし社会党が単独政権になったとしまして、その場合に日米安保条約を廃棄するかといったら、それはそうしないと思うんです。対外的な条約でございますから、それを一切を引き継ぐというのは当然でございまして、しかしその先、時代とともに変わっていく中でどうするかということが新たな課題になると思うんです。ですから私は、細川政権に入って日米安保条約を継承していくという基調から始まるということに何ら矛盾は感じていないのでございます。しかし、私としましては、せっかく政権がかわったのですから、やはり今までとは、この冷戦構造の中でずっとやってこられたその政権とは違う観点があってしかるべきだと思っているのでございます。
 また、自衛隊の問題に関しまして一貫して自衛隊は違憲だと、自衛隊は違憲か合憲かという御質問は極めて大ざっぱな御質問だと思うんです。私は、憲法に九条がある以上、自衛隊がいかに大きくなっても、どんな装備をしても、またどんな行動をとっても、それが憲法の精神に適合しているとは言いがたいものがあると思います。したがいまして、閣僚あるいは公務員というそういう立場に立ちますと、やはり絶えずこれが憲法の精神に合致しているのかしていないか、私ども公務員の場合、そこのところを常に目を配って心を戒めていくということは絶対に必要だと思っているのでございます。
#73
○吉村剛太郎君 通産大臣、今の質問に一言。安保の問題については先ほどお答えを聞きましたが、自衛隊について所見があれば一言。
#74
○国務大臣(熊谷弘君) 少し私のさきのお答えが舌足らずだったのかもしれませんけれども、私が細川内閣の歴史的使命と言わんとする意味は、冷戦が終結いたしました、その冷戦の終結後、日本の政治もまた変わらなければならない、好むと好まざるとにかかわらず変わらざるを得ない、その変わる道筋をつけていこうというのが細川内閣の歴史的使命である、これは経済についても同じことが言えるのではないかと思うのでございます。
 安全保障の問題につきましては、私は、日米安保条約というものは、今後見通せる限りの将来を展望いたしましても、この国日本の平和で安全な体制をつくる上に欠かせぬ最も大事なものだ、こういうふうに考えております。
#75
○吉村剛太郎君 若干といいますか、長官と通産大臣のニュアンスの違いを感じるわけでございますが、ここは商工委員会ですから、深くこれ以上のことは申すつもりはございません。
 ただ、いずれにしましても、国防といいますものは大変大切なことでございまして、万一のことを考えで常々最小限度の自衛力というものは持つべきだ、このように思いますし、その万一のことが起こらないようにするのがまさに国防の真髄だ、このように思います。
 それと同時に、今日の細川内閣は幾つか大変ファジーな点がございます。その一つが国防、自衛隊の問題だろう、このように思うわけでございます。政権といいますものは確かに結果的には幾つかの仕事をする、この細川政権というのは政治改革、景気対策、幾つかをして恐らく終わられるだろう、このように思います。そういうことをやった内閣だなということは結果として出てくるのは当然だと思いますが、しかし政権を担当している間はすべてにおいて責任を持たねばならないのが内閣であり政権だ、私はこのように思うときに、国民は我々も含めまして、国防についてどうもファジーでどうあるんだろうかという不安感を持っておることは認識いただきたい。国防について不安感を持たせないというのがやはり内閣の政治の責任であろう、このように思う次第でございますから、これはそのように申し上げまして次の質問に移りたい、このように思っております。
 一九八〇年代後半から一九九〇年代初頭、九一年の春か秋ぐらいまでですか、大変な好景気が続いたわけでございます。五十数カ月というわけでございまして、先ほど沓掛委員もおっしゃいましたその間の土地価格といいますものの暴騰、私はちょっと株価を調べてみましたら、一九八六年が一万三千円、それから一九八九年、最高値が三万九千円まで暴騰した経緯を持っております。このように、株資産額や土地資産額が国内総生産額を上回っておった。まさにその分が私はバブルと言われる、実態を上回った分がバブルであろう、このように思うわけでございます。
 こういう現象というのは世界的にも幾つかあるようでございます。特に有名なのが、十七世紀、オランダでチューリップの球根が投機の対象になってどんどん暴騰しまして、オランダ国民が家屋敷を売っ払っても球根を買い求めたと。しかし、チューリップの球根といいますものは何も価値がないわけでございまして、それが暴騰して投機の対象になった。それが一朝にして暴落して大変な社会的混乱を招いたわけでございます。
 この間の日本の経済といいますものは、実態から遊離された、そういうバブルの面を大変多く含んだまさにバブル経済、バブル景気といいますか、神武景気とか岩戸景気とかありますが、どういう命名をされるのかわかりませんが、私はこれは結果だから言えることかもしれませんが、やはり政策的にどうも若干後手後手を踏んだんではないかなという感じがしておるわけでございます。
 それで、ちょうどバブルが出てまいりました一九八八年ごろ、多くの人が土地を買ったり株を買ったりした、あのときはやっぱり引き締めるべきではなかったかな、こんな感じを持っております。それから、これが下り坂になりまして、不況がなという感じが抱かれ始めたときの一九九一年の春ごろにちょっと今度は緩めておれば、このようなバブルもなければ今日の不況といいますものも避け得たのではないかな、こんな感じを私は個人的に持っておるところでございます。
 これは、経済の当事者、政策の当事者というのはなかなかわかりづらい面があろうと思います。結果論だから言えることかもしれませんが、そういう経緯について、通産大臣の、自分だったらどうしたなというような御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
#76
○国務大臣(熊谷弘君) 私は、今委員が描写された経済の推移の当時は自民党に身を置いておりましたので、固有名詞を挙げると若干機微に触れますので差し控えますけれども、タイミングについての誤認というのは委員の御指摘のとおりだというふうに思います。
 とりわけ私の記憶が鮮やかなのは、先ほど沓掛委員が大変的確な資料を出されておりましたけれども、あの時点で、一昨年のたしか八月から九月にかけて、我々がこの国会の周りにいても一瞬にして景気が冷え込んでくるというのが見る見るわかるというような状況でございました。このあたりのタクシーは突然空車が目立ち始めまして、サラリーマンたちは千円札を握り締めながらつき合い酒を飲むということがびんびん耳に入ってくる時期に、極めて能天気な判断をしていた人たちがいることは私は事実だろうと思います。
 また、宮澤内閣が誕生いたしまして、景気の問題について宮澤総理も認識され、いろいろ努力をされました。私は党におりまして、当時綿貫幹事長のもとで副幹事長を務めておったわけであります。当時株価は二万六千円、ここで頑張らないと景気回復のコストは大変なことになってしまう、大変だと。これは自民党の中でもわんわん議論がございまして、当時の幹事長も非常に頑張られたわけであります。
 しかしながら、その当時、政府の役人たちが新聞記者を使って自民党経企首脳などと、これは新聞記事に出ていますから、私は今でも持っておるんですけれども、実に慨嘆にたえない。それなら固有名詞で自分で名乗れと、そういうことを言うなら名乗りなさいと言っておいたんですけれども、そういうのは今口をぬぐって知らぬ顔しておるわけであります。私はその固有名詞もみんなわかっておるんですけれども。
 したがいまして、私どもはあのころ懸命の努力をいたしました。そういう意味で、政治が政治の機能を取り戻さなければならないということを景気の推移を見ながら考えてきたところでございます。委員は私の一期先輩、委員が小学校二年になったとき私は入学したのでありますが、委員が志を立てで衆議院に回っておれば、今ごろは私のかわりにここへ座って逆の立場をやっておったんではないか、こう思うんですけれども、私はそういう意味で、今度の経済の危機に至る道筋というのが何よりも示しているのは政治の復権ということではないかと考えているところでございます。
#77
○吉村剛太郎君 大変的確な判断をされておったし、すばらしい御答弁をいただいたな、このように思っております。もう少し早く通産大臣に就任をしていただいておれば、このバブル景気も、またこの不況も避け得たのではないかな、このように思う次第でございます。
 今回の不況を見てみますと、かつてオイルショックとか、それからプラザ合意以後の円高によります、あのときは不況とまではいかないわけでございます、大変な経済危機を国民全員が感じた次第でございます。そういうことで、オイルショックだ、それから円高だ、そういうはっきりした要因といいますものがわかった経済危機といいますか、ああいう時代であった。ところが、今回の景気といいますのは、もちろん円高とかいろいろ絡んでおりますが、なかなか焦点が絞りにくいんじゃないかなと感じておるところでございます。
 そういうオイルショック、円高のときは日本の企業が本当に合理化に努めまして、まさに省力化、ロボットなんかが各工場に出てまいりましたのもあの期間だった、このように思います。日本企業はもう努力に努力を重ね、合理化に合理化を重ね、ある意味ではもう限界に来ているのではないか、こんな感じを私は持っているわけでございます。まさに乾いたタオルを絞って絞って絞りまくったのが今日の企業の実態ではないかな、このように思いますが、そういう中でこの不況をどう脱却していくかということが最大の課題である、このように思うわけでございます。
 特に、ことしの新卒も含めましてホワイトカラーの採用あたりが大変少なくなっておる、ある意味では採用中止というような企業も出てきておるわけでございます。今日までの企業の合理化といいますのは、生産現場で人員整理とかそういう面での合理化をやってきたわけですが、まだ数字の上で雇用の面では出てきておりませんけれども、いよいよホワイトカラーまで何とかしなければならない時代になってきつつある。
 大臣がいろいろと判断をされた、しかし残念ながら結果として大臣の思うようにならなかった、そしてこの不況を迎えた。その不況の要因といいますのは今申しましたようなことではないかなと私は思いますが、その辺の大臣の御見解と、これをどう脱却していくかという点についての大臣の御所見をぜひお聞きしておきたいと思います。
#78
○国務大臣(熊谷弘君) 今回の不況が極めて複雑なといいますか、単純な景気循環的要因だけではなくて、さまざまな構造的要因が積み重なったものであるということだろうと私は思います。
 ただ、例えば円高が理由で不景気になった、景気が悪い、こう言うんですけれども、冗談じゃないんで、この景気対策の路線を間違えれば円高になるのはわかり切っていたんです。昨年の政府見通し案を見て我々は愕然としたんです。これは当時自民党政調にいた人もおりまして、激論を交わしておったんですけれども、このナイーブさのなさ。千三百五十億ドルの貿易黒字を政府経済見通しに出したら、これは世界に対して円高でこい、責めてこい、こう言わんばかりの、これはだれが見ても、私のような素人が見ても、こんな見通しを出して恬として恥じないというのを見て愕然といたしました。これは日本にとって大変なことになる、私は人災だったと思っておるのであります。
 ただ、おっしゃられるように、例えば先ほど御指摘がありましたけれども、今よく言われる政府の景気見通し観の中には遠景としてぼんやりとしか書かれてないんですが、土地市場と金融市場におけるバブル崩壊の影響というのは私はこれは実は大変なことだというふうに思います。
 したがいまして、それこれ皆構造問題として一くくりにして申し上げますと、構造問題にチャレンジしない限りこの経済危機を打開することはできない。この構造危機というのは、先ほど経済企画庁長官が御指摘になっている点でございますけれども、平岩研究会を初めとして、トータルにこれを打開するための道筋を明らかにして、そしてこの打開の道というのは容易なことではないと思います。当然のことでありますけれども、既得権益とぶつかってくるわけでございますので大変痛みの伴う道でありますが、そこを直さない限り、良薬は口に苦しと申しましてなかなか大変だ上思いますけれども、それをやり切っていくということが肝要であろうと考えているところでございます。
#79
○吉村剛太郎君 大臣がおっしゃいましたように大変複合的な不況でございます。その当時は自民党政権でございましたから、ちょうど船田さんが経企庁長官でございまして、その当時たしか景気の見通しを三・三%、これは宮澤総理もそうおっしゃっておったんですが、私も当委員会でそれはちょっと見込みとしては高過ぎるんではないかな、このように意見を言ったこともあるわけでございます。その当時の認識としては、初期の段階ではまだ循環的な不況であるというような見方が非常に強かったのではないかな、こんな感じもしておったわけでございますが、今おっしゃいましたように現実がそういうものではない、非常に複合的な不況だ、こういうことはもう明らかでございます。
 そういう中で、経企庁長官が先ほどちょっと景気の見通しについておっしゃいましたが、最近の数字か何かありますか、事務局。あればちょっと教えていただきたいと思いますが。
#80
○政府委員(土志田征一君) 委員お尋ねのその数字というのはどういう点か、ちょっと判然といたしませんけれども、最近私どもで出しておりますのでは、足元を示しておりますDIというのがございまして、景気動向指数でございますけれども、三カ月五〇を超えた後三カ月五〇を下回りましたけれども八月は五〇に戻っております。したがいまして全体として底ばい、一進一退であるという認識を示したところでございます。
#81
○吉村剛太郎君 そういうことで、経企庁はある意味では大本営みたいなところでございますから、非常に経済というのは心理作用が大きいものですから余り悲観的なことばかりは言えないという面もあろうかと思いますが、いずれにしましても、こういう不況の中で言われておりますのが、どうやって大きな経常黒字を減らしていくか、特に日米の貿易アンバランスをどう解消していくかというようなことが大きな課題でございます。
 そういう中で、先ほどから沓掛委員も触れられましたが、所得税減税でございます。確かにかつては、一般家庭の奥様が近くにパートの仕事があるから働かなくてもいいけれども働いてみようかと。そして、パートに出まして何がしかの収入を得て、臨時収入だから子供に服の一つでも買ってやろうかというような、基本的なベースの収入とは別にそういう余分の収入があったのがあのバブル時代であったと思います。そういう収入でじゃ旅行しようかとか、そういうことが消費の拡大につながったわけですが、今日そういうものがぴたりととまってしまいまして、まさに消費が冷え込んでおるわけでございます。
 そういう中で、やはり消費を拡大するためには、賃金を上げればまたそれはそれでいいんですが、可処分所得をふやすということで、所得税減税ということでございます。ただ、今政府税調もいろいろと論じておるわけでございますが、課税最低限はこれは国際比較をしますとかなり日本は高いところにあります。しかし、所得税減税は、税金を払わないそういう人たちは余り対象にならないわけですね。恩恵を受けないわけですから、その辺どういう施策をとるべきか。
 これは税調は税調で話があって議論しておりますが、経済閣僚として、経済通として通産大臣、アイデアでもあればちょっとお聞かせいただきたいと思いますが。
#82
○国務大臣(熊谷弘君) 減税問題、所得税、法人税も合わせての話でございますが、私ども産業を所管するものといたしまして極めて重大な関心を持っております。ただ、現実に政府税調におきまして、抜本大改革になるかどうかわかりませんが、多方面から今議論を進めているところでございまして、かねてから総理が予算委員会等におきましてその姿勢をお示ししているように、この調査会の審議の過程に影響を与えるような、予断を与えるような発言を今我々がするのはいかがかなと。ただ、調査会の意見がまとまった段階でさまざまな形、どういう形になるかわかりませんが、その上で我々は今度は政治として適切な判断をしていかなければならないと考えているところであります。
#83
○吉村剛太郎君 政府税調との関連がございますので、はっきりしたことはなかなか言えないだろうな、このように思って、それは十分理解できるところでございますが、私の個人的な所見といたしましては、これだけ冷え込んでおります消費を喚起するためには、少々の所得税減税では追いつかないんじゃないか、やはりかなり大きな所得税減税をしなければならないんじゃないか、このように思っております。
 そういう経済対策としての所得税減税と同時に、中長期的には、先ほどから出ておりました直間比率のアンバランスを是正するためにもこの所得税減税をし、消費税といいますもの、税率問題それから形はいろいろとあろうと思いますがやはり必要な点ではないかな、このように私は思っております。
 ところで、平成四年度税収の中で消費税収入が特別会計を含めまして六兆五千億程度、今日税収不足と言われている中でこれだけの税収があるということは、これは今日大変助かっておるわけです。竹下内閣のときに大変な苦労をいたしまして消費税を導入いたしました。まさに内閣の命運をかけて導入しましたのがこの消費税であったわけでございます。それで竹下内閣はつぷれた次第でございますが、結果として今日の不況の中で六兆を超す消費税の収入があるということは、これはその当時の竹下内閣の大変な判断ではなかったかな、このように私は考えておるところでございます。
 その消費税のことについて今日の姿と竹下内閣のあのときを思い起こして、通産大臣はこれをどう評価されるかお聞かせいただければと思います。
#84
○国務大臣(熊谷弘君) 私は、今はとても悪名高くなったんですが、国会対策委員会というところにそのころ所属いたしておりまして、自由民主党国会対策副委員長といたしましてこの消費税の法案の処理に全力を挙げておりました。今、委員に改めてそのころを思い出させていただいて感慨深いわけでありますけれども、私は適切な時期にこの消費税制度は導入をされたというふうに考えております。
#85
○吉村剛太郎君 企画庁長官、大変皮肉な質問になるかもしれませんが、その当時また体を張って社会党さんは消費税法案に反対をされたわけでございます。しかし、現実においてこの不況の中で、財政苦しい中で、消費税といいますものが六兆を超す税収を与えてくれでいるおかげでいろいろな福祉を初め政策を敢行することができるわけでございます。そういう中で、今通産大臣は非常に評価をするというお答えでございましたが、企画庁長官はその当時を思い起こして、そして今日の姿と関連させて、どうお考えがお聞かせいただきたいと思います。
#86
○国務大臣(久保田真苗君) 当時反対いたしました。それはやはり消費税というものが逆進性が強いということ、それからその当時のやり方が不公平税制の是正という手法には余りかなっていなかった。それから、今内外価格差というような言い方で表現しておりますけれども、物価から見て例えば庶民の実感として食料が高い、住宅が高い、こういう声が非常に強かったですし、また今のお年寄りでそんなにいい年金を得ていない方がまだまだたくさんいるわけでして、そういう方たちからも必死の叫びが上がってくるというようなことで、私どもはこれが非常に強引に導入されたということに、以前も後も強く反対して、そのときは大変選挙で勝たせていただいたわけでございます。したがいまして、私は消費税というのは、今の日本のいろんな規制のがんじがらめの中にあって、物価が割高であるというこの庶民感情を無視した、前回はそういう意味での反発がありまして、私どもも今後も戒心すべきことじゃなかろうかという感じは持っております。
#87
○吉村剛太郎君 余り時間がないのでこれ以上は申しませんが、いずれにしましても、今日消費税の六兆円というのが財政に大変大きな寄与をしておる。それから将来高齢化社会でございますし、そういう中でやはり一つの制度としては十分に検討をしていかなければならないんではないか、私はこのように思っておりますし、細川内閣の閣僚、特に経済閣僚の一人としてどうか前向きに考えていただきたい、このように思います。
 もう時間も余りございませんので、最後にガット・ウルグアイ・ラウンドについて若干お聞きをしたいと思いますが、十二月十五日の期限に向けて大詰めの交渉が始まっておるところでございます。自由貿易といいますものは、これは日本が貿易立国という観点からもどうしても堅持しなければならない一つの大きな大原則であることは私は言をまたない、このように思っておるところでございます。ただ、農産品十品目ぐらいを今日本は除外品目にしておるところでございますが、その中で、米がどうなるかということで例外なき関税化、ひいてはこれが輸入自由化につながるであろう、我々はこう見ておるところでございます。
 米といいますものが日本国民に持ちます意義といいますもの、これは多くの場所で、また多くの人々がおっしゃっているわけでございまして、まさに日本人の主食であり、また稲作からくる精神的な伝統、文化、宗教、そういうものまでつながっておりますし、また水田が持ちます治水能力といいますもの、それから水田が持ちます景観といいますものは日本人とは切っても切り離せない大変重要なものである、このように思います。まさに一物資ではない、そういうある意味では物資を超越した精神的なものまで含んだものが米だ、このように思うわけでございます。
 本年は御存じのように長雨、冷夏、大変大きな被害を受け、作柄指数ももう八〇を割っておるというような話があるわけでございまして、そういう中で今十二月十五日に向けてガット・ウルグアイ・ラウンドが最終局面に達しておるという中で、自由貿易といいますもの、これはもう必要不可欠なことであるわけでございますが、この米に関してどうしても守っていかなければならない、私はこのように思います。
 特に、地方に行きますと、地方経済といいますものは農村経済によって大変大きく支えられでおる。ウエートはいろいろありますが、例えば私の地元の福岡県なんか、農業粗生産の約六割は米なんですね。そういうことで、米によって支えられているのが地方経済だ。地方の商店街などはそういう農村経済によって支えられているという面が大変大きくあるわけでございまして、何とか包括関税化というものを避けて、これだけは守っていかなければならない。
 確かに、関税化によりまして、外的刺激によりまして米づくりの合理化、大型化、そういうことがありますが、いずれにしましても日本の狭い国土でございまして、百倍とか百五十倍大きな耕地面積を持っております諸外国とはとても合理化の面で五分に太刀打ちができない中で何とかこの米というものを守らなければならない、このように思っております。
 先ほど申しましたように、米といいますのは日本人にとっては大変精神面に大きなものがあるわけでございますが、先ほどの話に戻りますが、昭和二十年八月十五日、無条件降伏をした。しかし、無条件降伏の中にもただ一つ天皇制だけを守った。連合国は理解をしてくれたわけでございます。それがその後の日本の団結と平和と繁栄にどれだけ大きな精神的な意味を持ったかというときに、米もまた一つ同じような意味を持っているんではないかなと、全部自由化でもいい、しかし米だけはという考えを私は持っておるわけでございます。
 そういう中で、通産行政のトップに立っておられます大臣、確かに自由貿易によって日本の工業、通産業界といいますのは大変大きくこれだけになったわけでございますが、私が申しましたようなことも含めまして、ガット・ウルグアイ・ラウンド、その中での米についてどういうお考えをお持ちか、最後にちょっと御答弁をいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(熊谷弘君) ウルグアイ・ラウンドは最終段階を迎えつつあるわけでございますが、米が日本にとってどれほどの意味を持っているかということは、私も委員の御指摘をまつまでもなく十分に承知いたしているつもりでおります。
 包括関税化につきましても、基本方針につきましては総理が再三御発言をされておられるところでございますが、これらの基本方針のもとでウルグアイ・ラウンドを成功させていく中で、それぞれ各国いろいろ問題を抱えておりまして、そうした抱えている問題をともに解決していきたいと考えているところであります。
#89
○吉村剛太郎君 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 いずれにしましても、今回の不況によりまして緊急的に米を輸入せざるを得なくなった。国際市場といいますのがもう二割から三割上がっておるわけです。輸入量がふえればまだまだ上がっていく。食糧ですから、待ったなしの物資ですから、そういう面では大変大きな意味を持った物資だ、このように思っております。
 世界には大変貧しい国があるわけでございまして、少ない外貨の中から米を輸入している貧しい国もたくさんあるわけでございます。もちろん、日本は金持ちですから、米が少なくなれば買えばいい。しかし、国際価格というのは必ず高い方に寄っていく、このように思っております。だから、これが全量日本が米を輸入するようなことになれば、さっき内外価格差という話がありましたが、必ず高い方にいって、内外価格差がなくなるのは高い方でなくなるという結果になるんではないか、私はこのように思っております。豊かな日本が発展途上国、またいろいろな国に援助をするわけでございますが、まさに日本がみずからの米を自分らの手でつくるということが、これは間接的な海外に対する大きな援助にもなろうか、このように思います。
 米の問題について、最後に長官、一言お願いします。それで質問を終わります。
#90
○国務大臣(久保田真苗君) 再三国会の決議もございますし、私ども与党の中でもこうしたことが公約として出てきております。国内産で自給するという基本方針を踏まえていくべきだと思っております。
#91
○吉村剛太郎君 終わります。
#92
○委員長(中曽根弘文君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十分開会
#93
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#94
○谷畑孝君 私が国会へ送っていただいてもう四年近くになるわけでありますけれども、その間政界は本当に歴史が目まぐるしく遠いスピードで進んでまいりました。私どもが参議院に通ったときには参議院で与野党が逆転をする、そういうようなことでもございましたし、また過日の衆議院選挙では連立政権ができる、本当に大きな歴史の出来事であった、このように思っています。三十八年ぶりに自民党政権から政権が移行をした、その中で私どもの選挙民の皆さんも初めて政治がドラマになった、おもしろい、そういうことでございます。
 そういう意味では、やはり民主主義の基礎は常に政権が移行できるという、そういうことが政権に対して緊張感もございますし、お互いが努力して政策を勉強しながらその政策で争って、そして国民に信頼をされる政治をやっていこう、こういうことになっていこうかと思います。
 三十八年ぶりに政権が移行をされてその大臣になりました通産大臣と企画庁長官、初めての与党質問ということで、それぞれの決意をひとつお伺いしておきたいと思います。
#95
○国務大臣(熊谷弘君) 委員の御指摘のとおり、この細川内閣が七党八会派の連立によって成立をいたしたわけでございますが、私はこの内閣は歴史的な使命を持った内閣だと思っております。
 私自身、自由民主党の議員として長く政治の道におったわけでありますけれども、この冷戦の終結後の世界の大きな変化、それはとりもなおさず日本自身も従来のやり方、従来の手法、そういうものを変えさせるものであったと思っております。そういう中で、我々も苦しみ抜きながら一つの決断をし、新しい道を歩み出したわけでございますけれども、この細川内閣は政治の改革、行政の改革、経済の改革、この三つの改革を標榜して成立いたしたわけでございまして、私たちはこの改革の道を揺るがぬものにするという使命を負っていると思うのでございます。文字どおり一身をささげてこの内閣の大事業を遂行してまいりたいと考えているところでございます。
#96
○国務大臣(久保田真苗君) 私も、今まで本当に政権の交代が行われなかったということがここで破られたことに、一つまず第一歩の大きな意味を感じております。権力者は腐敗すると言われますけれども、それはどのような権力でも恐らくそのようになっていきやすいという真実があると思います。
 その中で、私どもは政治改革というまず国民の期待する第一の使命にこたえていかなければなりませんし、また今世界が、そして我が国の経済構造といったものが非常に大きな転換点に差しかかっているところに、比較的しがらみの少ない今度の新政権がこの仕事に携わり、規制緩和、内外価格差、そして貿易の不均衡、それから生活者重視の経済構造への転換、これを図っていくのにまことにふさわしいと思います。しかし、油断はしておられないわけでございまして、本当に私どもがこのことを実現するためにこの歴史的な事業に参加できることを大変幸せに思っております。
#97
○谷畑孝君 ただいま両大臣から歴史における新しい任務である、こういうふうに決意をいただいたわけであります。確かに三十八年間、午前中も議論ございました焼け野原の日本から今日の経済大国を含めて本当に生活を豊かにしてきた大きな功績もございましたし、またこの末期になりますとロッキード、リクルート、佐川、さまざまな問題を含めて、政治家と金の関係だとか含めて国民に本当に大きな政治不信をつくってしまった。そういうことの中で、また日本の経済も大きくなっていく中で、大きな経済の仕組みそのものも変革をしなきゃならない、政治の仕組みも変革をしなきゃならない、こういう大きな変革の時代に来た。そういうことにおいては、この新政権は偶然的な問題じゃなくてそういう歴史観に基づいた、必然的にやはり起こり得たものである、そういうふうに私は思っています。
 そのためには、この政権がただ単に政治改革だけをして終わりというんでは、これは余りにも国民の期待を裏切るものではないか。そういう意味では、この新政権が本格的な政権の序盤のスタートを切っていく、そういうものでなければならないんじゃないか、そう思うわけであります。
 そういう意味では、午前中も論議されましたが、大変な不況ということになってまいりました。私も地元の皆さんと対話するときに言うんですけれども、連立政権ができてから不況になっておるんじゃないんですと。連立政権がいろいろあって不況でと、こういうふうに事をあおったり、またそんな実感を受けたりする場合があるんですけれども、これはそんなことじゃないんですと私は言っているんです。これは景気そのものがずっと流れの中で来ておって、そして不況の二番底に入っていくところにある。
 そういう意味では、当委員会はもう本当に与野党を超えて国民のために通商産業政策をやってきた伝統があるわけでありまして、ぜひひとつこの新政権の二人の大臣におきましては、この景気を回復する非常に大事な任務を持った衝にある、私はこういうふうに思っているわけであります。
 それで、次の質問でございますけれども、今日のこの景気は単なる循環型の不況ではなくて、やはりバブルの崩壊によって金融システムそのものがあやふやになってきた、たくさんの不良債権を抱えておりますし、あるいは土地を担保にして大体金融資本は成り立っているものがその土地自身がデフレで半額に落ちてしまう、そういうことではなかなか脱出できない。しかも、この間数回にわたる総合経済対策を打ってきたにもかかわらず、今日のこの状況は、確かに偶然の状況もあります、冷夏の問題とかさまざまの問題もありますけれども、非常に出口が見つけ出しにくいという状況になってきておる。そこに一つの深刻な状況があると私は思います。
 そこで、非常に簡単で結構でございますけれども、もう一度景気についての認識をひとつ両大臣からいただきたいと思います。
#98
○国務大臣(熊谷弘君) 委員御指摘のとおり、日本の経済、景気の現状はまことに厳しいものがあり、また将来、先行き予断を許さない状況にあるというふうに認識をいたしております。この景気は不況というような言葉を使う以上に経済の危機だという言葉を使いたいくらいだということをさきの衆議院の商工委員会でも私はお答えをしたんですが、それぐらいの気持ちを持つぐらいに厳しい状況ではないか。そして、その背景にはさまざまな要因が積み重なっておりますけれども、単なる景気循環的な問題ではなくて中長期的な、構造的な問題が起因して現在の事態が起こっているのではないかというふうに思うわけであります。
 とりわけ、とかくいたしますと政府のこの分析の中には明示的には出ておりませんけれども、委員が御指摘になりました金融システムあるいは土地市場や金融市場における痛みの大きさ、深さというものは今度の経済の危機の根底に大きく横たわっているというふうに考えるものでございます。
#99
○国務大臣(久保田真苗君) 簡単に申し上げますと、住宅投資というものが堅調に引き続いていることが一つの救いではございますけれども、一番大きい比重を占めています個人消費あるいは設備投資、こういったものは非常に低迷しておりまして、総じで低迷の基調が続いている、そして今後の本格的な回復については予断を許さないという状況でございます。
 これにつきましては、午前中にもお答えいたしましたバブル崩壊の後遺症による長期化あるいは累積した経常収支の黒字といったようなものが円高を招き、この円高がなおさら企業家のマインドを萎縮させているという複雑な要因がございますので、私どもはこれに対応する適切な処置を今いろいろと行っているところでございます。
#100
○谷畑孝君 それで、通産大臣にお伺いするわけですが、これも午前中に議論がございましたけれども、景気というのは生き物であって、判断それと即刻に実行していく、信頼関係と国民の世論は大きな心理的なものもございますから、そういうことによって景気というのは上向いていくという要素が多分にある、こう思うんです。
 この間ずっと見でおりましたならば、九一年からこの不況が始まってきたにもかかわらず、対策を打ち出したのは九二年、一年おくれになってしまった。そして、その九二年の八月に十兆七千億円の総合経済対策を決定した。そしてまた、四カ月おくれで補正予算が組まれていくと。そのときに私もシャドーキャビネットの副委員長をやっておりまして、北海道と東北の経済界の皆さんと初めて懇談をさせていただきました。そのときに言っておったのは、八月のこの景気対策の場合に、どうしても北海道、東北は雪を見てくると、そんなことでこの景気対策は一年おくれの中でさらにまた一年おくれていくんだということで、その当時も非常に経済界の皆さんにとってみたらおくれでしまった、こういうような発言が多かったと思います。
 そういう意味では私は、連立政権ですからこうだということですぐに機敏にというのはなかなか難しい問題も確かにあると思います。しかし、経済はきちっとよくわかっておられる通産大臣ですから、そこらの点をひとつ機敏に手を打っていくことが大事じゃないかと思いますが、その点についてはいかがでございましょうか。
#101
○国務大臣(熊谷弘君) 細川内閣が発足すると同時に取りかかったのは、経済の情勢をどのように判断をするかということについての検討でございました。これは内閣の最初の閣議におきまして議論が出まして、その後直ちに分析のための関係閣僚会議を開き、そして従来の景気判断を乗り越えて、そして事態はなかなか厳しいぞという共通の認識をもとにして緊急対策を去る九月十六日に講じたところでございます。しかも、この緊急対策は、中長期の構造問題に取り組む第一歩、ファーストステップにするんだということで、もっと根本的な今後の政策を講じていくということを前提にして組まれたものでございます。
 私は、現下の日本の経済状況というのは、もはや従来型の手法の政策を逐次投入方式でやっていくということを許さない状況にあるのではないか。もっと骨太の正攻法の政策をやっていく以外には道はない。何か一つ言えばたちどころにこの病気は治るかのようなものではないというふうに考えるわけでございます。そのために平岩研究会も今後の経済改革のシナリオづくりをすることになっているわけでありますし、今後税調あるいは予算編成というものの一つ一つの判断の中で、我々は経済改革の道筋を国民に明確に示していくということが大事ではなかろうかと考えるわけであります。
 あわせて申し上げれば、現下衆議院において審議されております政治改革諸法案、これも国民の先行きに対する不安感を払拭する意味で、そしてそれを乗り越えてその先経済改革を実現していく道筋を示す意味で、私は大変大事な意味合いを持っているというふうに考えるところであります。
 要すれば、もはや逐次投入方式の政策を羅列する時代は終わった。骨太の構造改革政策をびしっとやっていく、そういうときが来たということを思っております。
#102
○谷畑孝君 よろしくひとつ、きちっとタイミングよく先手を常に打ち続けて景気を回復をしていただきたい、このように思っています。
 次に、細川連立内閣が発足して間もないときに、九月十六日に六兆二千億円の緊急経済対策を立てた。これに関連する補正予算をこれから審議して通していかなきゃならない、このように思うわけでありますけれども、この緊急経済対策というのは、これはだれが見ても一つの序盤であって、これからさらなる景気の対策のための手段がある、こういうふうに多くの人々が考えているわけであります。これは経済界もそうだし、国民の皆さんあるいは消費者の皆さんもそうだと思います。それは何かと申しますと、やはり大幅減税、こういうことになっておるんではないか、こう思うんです。だから、そういう意味では非常にタイミングよくそのあたりがきちっと連綿と一つのリズムが合った形の中でそういうものを断行していく必要がある、私はそのように実は思っているわけであります。
 そのことにおいてまた議論されておるのが、消費税を上げるのか、こういう話なのです。これはもう午前中議論がございましたように、やはり今購買力を高めていくということでございますから、いろいろと消費税自身は食料品を含めての非課税という議論もあったにもかかわらず、そのまま継続されたような状況もございます。そういう点について、私もいろいろ危惧する問題でございますけれども、通産大臣の方から、消費税を直ちに上げるのか上げないのかという議論がございますから、そこらに封ずる大幅減税との関連の中で所見をお伺いしておきたいと思います。
#103
○国務大臣(熊谷弘君) 所得税減税を含めたいわゆる抜本的な税制改革につきましては、景気はもちろんのこと、経済の先行きを考えた場合に極めて重要な役割を持つものでございまして、産業所管大臣として私も重大な関心を持っております。ただ、委員御案内のとおり、去る九月三日に細川総理大臣がみずから出席をいたしまして、政府税制調査会におきまして実質諮問を行ったわけでございまして、今いろいろな観点から調査会におきまして将来のあり方について議論をしていただいておるところでございます。
 私どもは、総理もたびたび申し上げておりますように、この政府税制調査会の議論に予断を与えるようなことがあってはいけないのではないか、そういう観点に立ちまして今かたずをのんで注視をいたしておるということでございます。もちろん、政府税調で一つの方向が示された場合、これを自動的に丸ごとのむかのまないかというような問題ではございませんで、そこには当然政治のサイドの政治判断というものがあってしかるべきだと思いますけれども、現在は冷静な多方面にわたる周到な調査が行われているところでございますので、我々はこれを見守っていきたいと考えているところでございます。
#104
○谷畑孝君 私個人としては、消費税反対の中で国会へ送っていただいたという関係があります。しかし、私も四年間それなりに勉強させていただいて、社会党の方もこれから税制についてはプロジェクトがつくられて議論が始まっていくというふうに思うんですけれども、私個人としましては、初めから反対だということで議論を封殺するというのは余りいいことじゃない、そういうふうに考えております。
 そういう意味では、私は三つぐらいの段階をもっと議論すべきじゃないかなと。一つは内外価格差をなくすことによって物価をどう下げていくかということが一つの大きなかぎになるだろうし、もう一つはやはり高齢化社会に向かってゴールドプラン、これは十年間でホームヘルパーをふやしていこうというんですけれども、私はぜひこれを前倒しすべきだと。今日、高齢化社会に向けたさまざまな状況の中で、私は、今まだ社会に余力がある中でそういう新しい社会の構造をつくり上げなきゃならない、そのためには前倒しをする必要があるんじゃないか。それと、これは与野党越えて、自民党さんの場合もそうでございますけれども、生鮮食料品は非課税にしなきゃならぬという議論がございました。
 そこらを率直に議論しながら、国との信頼関係でございますから、そういう状況の中でどうなのかということの議論を私はしてしかるべきだと。そういう中で国民の皆さんも、よっしゃ、この後はこういう社会になるんだったらいいじゃないかという議論にもなるだろうし、いや信用できない、やっぱりこれは反対だという議論にもなるだろうし、そういうプロセスの中で議論があってしかるべきだ、こういうことを今私自身としては考えているわけで、初めから反対だということで議論を封殺するというのは間違いだ、こういうのが私の持論でございます。
 いずれにしても、今日の時点で早急にただ単に上げたらいいという考え方もいかがなものか、こういうことを申し上げたかったわけでございます。
 次に、それでは景気を回復していこうとすれば、これは通産省だけではどうにもなりませんね。結局、日本の全体の財政、予算をやっている大蔵省を含めて各省の関係が心を一つにして大きなそういったことへ向かっていかなきゃならぬと思うんですね。そのときに、払いつも思うんですけれども、従来の長い政権の中で、あるいはずっと一つの慣習の中で概算要求のシーリングがあるし、それともう一つは財政再建ということの中でこれをどう償還していくかという、この二つはどうしてもある。同時に、不況ということの中で税収が落ち込んでくる。
 そんなことで、どうも財政そのものが硬直化して、言葉悪く言えばなあなあになってしまったり、従来どおりちょっとここを何%上げたらいいという横並びになってしまったり、そんなことでは景気の刺激を中心とした財政の組みかえにならないんじゃないか。時にはシーリングも飛び越え、財政再建も飛び越えて、やはり景気を浮揚させるためにはこういうことを一回やるんだという大胆なる一つの方向を打ち出す必要があるんじゃないか。大蔵省と四つに組んでも私はやる必要があるんじゃないか。そういう一つの切り込み隊長といいましょうか、一番若いかどうか知りませんけれども、ひとつそのあたり非常に若い大臣の熊谷通産大臣はどう考えておられますか、よろしくお願いします。
#105
○国務大臣(熊谷弘君) 内需主導型の経済成長をしていくために、財政のあり方があるいは財政政策のあり方が非常に大きな比重を占めるということは、まさにそのとおりだろうと思います。そして、現在の予算の進め方というものがシーリングの設定を初めいろいろと問題があることも、これもまた私は委員と同じ意見を持っているわけであります。委員のような御議論をこうした形で展開をしていただくことが今後の予算のあり方に対しては大きな刺激となると思いますし、またこれに基づいてディスカッションを進める、談論風発ということが非常に私は好ましいことだというふうに思います。
 内閣といたしましては、これは細川内閣として今のような議論を踏まえて決断を迫られる時期が来るだろうというふうには思いますけれども、他方またいろいろな議論があり得るわけでございますので、今の時期は議論を進めていただくということが最もいいことではないかなというふうに思います。
#106
○谷畑孝君 それで、大臣にその続きでもう一つの区切りとして聞いておきたいと思うんですが、通産省が一番最初に新社会資本整備、こういう言葉を使って発言し、各界から非常に大きな関心を持たれたわけですね。それは従来の公共型、いわゆる道路をつくったりあるいは建物の外枠をつくったり、そういうことじゃなくて、これから高齢化社会になってくる、そういう形の中で駅にエレベーターをつけることだとかスロープをつけることだとか、あるいは学校の研究施設にさらに力を入れていくんだとか、あるいはその中に研究施設の機材をもっと入れていくんだとか、そういう新しい発想という状況があったわけなんですね。最近どうも新社会資本整備というものがいつの間にか消えてしまったような感じがしてならぬわけでありますけれども、私は今日の中では非常に大事なことだろうと思います。
 特にこの間、十月二十六日に通産省の熊野事務次官も、平岩会長の経済改革研究会で議論されている中で公共投資の拡大ということがあるんだけれども、高齢化社会のことを配慮した、そういうような観点のあり方が大事だというような記者会見が出ております。ここら、ちょっと時間の関係ありますので、少し簡単で結構ですからお願いいたします。
#107
○国務大臣(熊谷弘君) 新社会資本という考え方につきまして正当に評価をしていただいて、我々も大変ありがたいと思うわけでございます。
 御引用のありました熊野次官は、私などは日ごろ熊野節といって、新社会資本というと祝詞のようにいろいろとその重要性を説き来たり説き去るという姿を見ておるわけでありますけれども、一般的に言いまして高齢化とか情報化等の社会経済情勢の変化に応じて社会資本という概念が拡充されていくべきだというふうに私どもは考えているわけであります。具体的に言いますと、今委員が御指摘の高齢者、あるいは女性の社会参加への支援とか、都市における居住、通勤の利便の向上でありますとか、教育、研究開発といった将来の発展基盤の形成でありますとか、あるいは環境、それから先ほど言いました情報化といったたぐいの、どこから見ても社会資本であるというものについて整備していくということは、これはもう時代の要請でございまして、私どもはこのような考え方に立ちまして積極的な整備の努力をしていくべきだと考えております。
 今般の九月十六日の緊急経済対策も実はそういう考え方を色濃くにじませたものとなっておるわけでございまして、委員が御心配になっているように、新社会資本というものは政府として考え方を薄めているのではないかという御心配でございましたけれども、決してそうではございませんで、我々は来年度の予算編成におきましてもこうした考え方を強く打ち出していきたいと考えているところでございます。
#108
○谷畑孝君 ぜひ新社会資本整備というものを国民世論として大きくしていただいて、そしてこれからの公共事業の配分のあり方を、高齢化社会だとかあるいは障害者の車いすのエレベーターの問題だとか、さまざまなそういう観点に立ったような町づくりができるようなものをぜひ私は実現していただきたい、こういうように強くもう一度要請をしておきたいと思います。
 時間の関係で、次に移っていきたいと思います。
 次に、久保田経済企画庁長官の方に質問をしたいと思います。時間の関係で、幾つか準備をしておったんですけれども、少し省きながらPL法の問題で少し議論をしておきたい、こう思います。
 きょうは皆さんにイラストの漫画をお渡ししておりますので、これを少し見ていただきたいと思うんですけれども、私の友人の箕面の女性市会議員が発行している「声・あなた発!」というニュースなんですけれども、亀山慶子さんという四十一歳の主婦の方で、住民運動も全く参加していないし、御主人はサラリーマンで全く平凡な主婦なんです。その方が四月に家を改装するということで、家の防水、外壁塗装工事を業者に頼んでやったわけです。
 家もすっきりになって楽しいということの漫画なんですけれども、この漫画をずっと見ていってほしいんですが、そうするうちに頭痛がどんどんしてきて、吐き気がしてきた。それでお医者さんに行きますと、このまま吸い続けると呼吸麻痺を起こして大変なことになる、すぐに自宅を離れなさいということで、そういうことで借家住まいをいや応なしに一カ月やりましてやっと症状がおさまった。その間業者との折衝をしておったわけです。そうしたら業者は、うちは関係ありません、こういうふうに言われている。業者が認めない以上被害者側が過失の立証をするしかない、臭気の検出が過失立証のポイントだ、こういうことで初めて箕面市の消費生活ルームに行って相談をした、こういうことなんですね。
 そして、消費生活ルームで紹介された検出機関を幾つか回っていくんだけれども、できませんと、こういうことなんです。このできませんと言うには、自分たちが検出してもめごとに入っても嫌だと、またその本人が訴訟を起こしてそういうごたごたの中に巻き込まれるのも嫌だという、そんなこともどうもあったらしいんです。いずれにしても、できませんということになっておったんです。
 そういうことで、次は国の出先機関の環境局大気課の紹介でやっと見つかった検出機関、ここでもできなくて、結局そこで紹介されたところでようやく検出をしたというんですね。その検出した結果が今ここに書いてあるトルエンだとか毒性が強いものですね、俗にいわゆるシンナーですけれども。そういうものが検出されて、その中でやっと請負業者と話し合いになって、それで最初関係ないと言っていた者がようやく借家住まいと医者にかかったお金だけは払いましょうと、こういうようにこの経過を経てやっとここへ来たということですね。
 そういうことの中で、次の防水メーカー、これも毒性のそういう塗料ですね、このつくっている会社、ここも同時にやっておったわけですけれども、この会社は、あなたとは直接契約がないので我が社には関係がございません、あなたが我が社の過失を証明しなさい、こんなことで全く門前払いになっている、今でもそういう状況になっておるんですね。そしてその中で、この亀山さんというのは、先ほども言いましたように住民運動も経験なければ本当にまさしく平凡な主婦なんですけれども、今でもなお臭気がとれなくて結局は借家住まいをやっておるわけですね。
 こういうことを考えますと、この人はようやく、製造物責任法という今大きく問題になってきましたこの法案、この法案がこの問題を解決するのではないか、こういうようにこの亀山さん自身がそこへたどり着ついてきた。この一人の主婦がこういうプロセスの中で来たというのは、私は今回のPL法の性格を物語っておるんではないかと思うんです。
 つきましては、久保田企画庁長官、私の今の説明に基づいた中で、PL法の必要性についてひとつ意見をお伺いしておきたいと思います。
#109
○国務大臣(久保田真苗君) この例というのは、生活者の身体、生命にかかわるようなもので、しかもそれがやっと手に入れた自宅に関係する塗装であったということで、PL法の今到達している時点において、これがまことに喫緊の課題であるということを物語っているような事例であると思います。消費者は大変こういったらい回しで苦労をいたしまして、こうした欠陥商品による事故を防止し、あるいは被害者の被害を救済していくということが必要だということでございます。
 私どもといたしましては、本当に今このPL制度の審議が国民生活審議会でいわば大詰めに来ておりまして、昨年からの御答申の結果を受けまして、今本当に関係の省庁が一生懸命に自分のところに関連のある製品についての検討を急いでおられまして、来月にももうその審議会の方へ御報告が出ることになっております。その結果を受けて、国民生活審議会が実りのある検討結果を出してくださるものと私は今期待している、そういう大事な時期でございます。
#110
○谷畑孝君 確かに、PL法というのは通産から見ても、大企業あるいは中小企業の立場で見るとまた消費者の立場だけではいかない、不況の中でコストがかかってくるというような状況があろうかと思います。そのあたりもこれから調整をしながらつくっていく法案だな、そんなことを私自身も自覚しております。もう時間がございませんので、回答は結構でございます。
 次に、ずっとこの間中小企業で頑張ってこられました和田政務次官にお聞きをしたいわけでありますけれども、通称中小企業大臣と私どもがニックネームをつけておるわけでありますけれども、和田政務次官にひとつ御質問をしたいと思います。
 最近、不況の中でどうしても大きな企業、余力のある企業におきましてはリストラをどんどん進めていくわけでございますけれども、ところが、このリストラというのは結局結論は、本来はもう少し合理的なところで企業がもっと収益を上げて、そして新しい産業に進出して活性化ということになるんですけれども、どうもそれへ行くまでの間に、結局人員の整理であったり、あるいはコストをさらに下請、孫請のところにそれを落としていくことであったり、受注を突然として半分に減らしてしまったりという、どうもそういうことの中で中小企業がある、だから中小企業というのは非常に厳しい状況がある。
 そういうことで、これから出でまいりますリストラ支援法というものもあるわけなんですけれども、ぜひ私はそこへ行くまでの間に、下請取引の適正化をきちっとしていくことが非常に大事なことではないかな、そんなことを実は思っています。
 それと同時に、下請代金法の問題ですね。最近ゼネコンの問題が起こったりして、親企業の方から下請企業に対して、賄賂はもうおれが直接行ったんではぐあいが悪いからおまえのところ行けというようなことで、下請のところにそのときには行かせるというような話もございますし、どうしても下請、下請へという状況が出てくる。そういうようなこともあって、やはり下請代金法の問題もさらにこれを対象範囲を広げたり、そんなことの視点も非常に大事だと思いますね。この不況の中で中小企業が大変な状況にあるわけでありますけれども、和田政務次官におきましてはこのことについてはどう考えておられるのか、少し質問をしておきたいと思います。
#111
○政府委員(和田貞夫君) 今委員が御指摘になりましたようなこと、ちらほら私たちも耳にするところでございまして、九月十六日に閣議決定いたしました緊急経済対策を受けまして、中小企業庁といたしましては約一万社の下請企業を対象といたしまして来月早々に調査に入る、こういう計画を立てております。これは、公正取引委員会は別に調査されますが、それとは別に中小企業庁としてやりたい、早急にこの取りまとめをやる、遅くとも十二月の初旬ごろにはその取りまとめをやりたい、その結果によって今後の対応を進めてまいりたい、こういうように考えておるところでございます。
#112
○谷畑孝君 十一月の緊急調査というのは非常に大事なことだと思います。例えば、私の地元の東大阪でも金型屋さんなどは三年前に比べて仕事が半分に減った上に、四〇%もの値下げを要求されてとうとう転業を余儀なくされた、こういう事例というのはもうたくさんあるわけでございますから、ぜひその調査に基づいていわゆる下請取引の適正化、それと下請代金法、こういう問題に対して真剣にひとつ取り組んでいただきたい、こういうことを再度要請をしておきます。
 次に、もう一つ政務次官の方からお聞きをしておきます。
 民間が冷え込んでしまっているときには、やはり頼みは何と申しましても官公需の受注ということになります。官公需の受注というのは、もちろん建設関係だとかそういう公共事業もさることながら、官公庁にはたくさんのさまざまの分野がございます。制服であってみたり、あるいは機材であってみたりたくさんあります。そういうときに中小企業の枠といったらおかしいですけれども、中小企業はもっと受注ニーズにあずかるように、いわゆる中小企業分野法じゃないですけれども、ここは中小企業の分野だ、こういうようなことは考えられないかどうか、こういうことを思いますので、ひとつこのあたりについての政務次官の所感をお伺いをしておきます。
#113
○政府委員(和田貞夫君) 昨年度の中小企業向けの国の実績というのは大体三七・七%を占めておるわけですが、本年度は三九・九%を目標に立てて中小企業の官公需の発注を確保したいというように努力をしているわけでございます。なお、官公需につきましては、これは委員御理解のとおり、法律に基づいて毎年閣議で中小企業向けの発注をするように決めて、そして各省庁にお願いをしておるところであります。
 そしてまた、都道府県に対しましても同じように協力を要請しておるところでございますし、さらには市町村長に対しましても、各通産局の方でこれらに対する会議が開かれるときにできるだけ参加を要請して、そして法の趣旨を生かすように御協力をお願いする、こういうようにしてまいりまして、できるだけ中小企業の皆さん方に、単に土木、建築工事だけじゃなくて鉛筆の一本に至るまで中小企業の皆さん方に発注を可能にするように今後なお努力をしてまいりたい、こういうように思っております。
#114
○谷畑孝君 もう時間が来ました。最後にしておきます。
 中小企業庁に要請をしておきたいんですけれども、やはり今この不況の中で一番頼りにされているのは政府系の金融支援で、非常に人気がございます。また地方自治団体も予算を大きく増額していただきました。ぜひ今後ともそれらに留意してひとつやっていただきたいと思います。
 一つだけ、私も地元でいろいろ苦情を聞いておるのは、国民金融公庫ですね、あれは非常に手続も易しいしいいんだけれども、あの国金が一番門前で断られてしまう非常に厳しい状況がある、これだけのことを聞いておりますので、その点よく留意してひとつ頑張っていただきたいと思います。
 これで質問を終わります。
#115
○政府委員(長田英機君) 国民金融公庫の貸し付けでございますが、実は最近非常に貸付実績が伸びておりまして、例えば平成四年度では前年度に比べて一五%伸びております。また平成五年度の今日までをとってみますと、一八%ぐらい伸びておりまして、かなり貸付実績自身は伸びております。
 また、よく議論になります担保の問題がございますが、担保の問題につきましても実は貸し付けのかなりの部分、例えば金額でいつでも約七割ぐらいは国民金融公庫は無担保で金を貸しているわけなんでございます。このような実態にあるわけでございますが、先生御指摘のように私どもは、こういう不況な時期ですから、政府系金融機関が頑張るように再三にわたり通達を発しまして、適切な貸し付けが行われるようにこれからもまた頑張ってまいりたい、そういうふうに思います。
#116
○谷畑孝君 ありがとうございました。終わります。
#117
○横尾和伸君 公明党の横尾和伸でございます。
 私からは、限られた時間でございますが、地球環境、資源エネルギーという分野についてお尋ねしたいと思います。
 大量生産、消費、廃棄、この世の中の風潮の反省として省エネルギー、ごみ減量化、資源の有効利用、そういったことなどが大きく取り上げられているわけでございますが、これらの問題に適切に対処する新しい社会の仕組みをつくること、これが大きな課題であるとともに、あわせて国民一人一人のライフスタイルの変更が求められております。これを大きな問題としてとらえ、今の文明の問題だ、こう指摘する方も少なくありません。これを変えていかなければならないと危機感を抱いている人がふえております。
 例えば、私の知人の一人であります、つい最近まで官僚の中心者だった方が退職をされて、文明を見直すんだということに今後生涯をかけるということで研究所をつくられたということもございますし、また市民運動として、私の知る限りでもごみの減量化、省エネ、古紙の利用といったことに一生懸命取り組んでいらっしゃる方も多いわけでございます。
 生産から始まって消費、廃棄、この流れの特に一次産業を除く生産部門、また消費の部門を担当されるのが通産省だと思います。通産省は、そういった意味でライフスタイルの変換といったことに対して中心になるべきだと思うんですけれども、通産大臣のその点に関するお考えをまずお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(熊谷弘君) 人類共通の課題である地球環境問題、これを克服し、かけがえのない地球を将来の世代に引き継いでいくということは、委員御指摘のとおり我々のまさに責務だと思うのでございます。
 御指摘のとおり、環境問題は、地球環境問題やあるいは廃棄物問題等の都市型生活型環境問題といったように、国民の日常生活や事業活動一般に広く起因するものでございまして、したがって企業、国民の自主的積極的行動を通じて経済社会システムのあり方や生活スタイル等の行動様式を見直していくということが必要だろうと思います。
 私は、ことしの四月にワシントンに参りましたときに、これは十数年前に行ったときにはワシントンではノースモーキングといいますか、禁煙というのがキーワードで、禁煙と言えば人間がぴくりと動くというくらいの徹底ぶりだったんですが、今ワシントンではリサイクルと言うとみんなそれにわっと殺到するということだそうでございまして、アメリカのあり方というのもまた徹底し過ぎるような気もしますけれども、それくらい意識の変革というものが大事だろうというふうに思います。
 通産省としましても、さまざまなそうした方向へ向けての誘導措置といいますか、努力をいたしているところでございまして、リサイクルにつきましてはリサイクル推進月間でありますとか、あるいはリサイクル功労者等の表彰といったいわゆる啓発活動を実施いたしておりますし、また省エネルギーについても広報対策の拡充を図りまして省エネ意識の高揚に努めでいるところでございます。
 さらに、当省といたしましては、平成三年に制定されたリサイクル法、それから前通常国会で成立させていただきました省エネ・リサイクル支援法に基づいて、省エネルギー、リサイクル、フロン対策等に関して格段の努力を行う事業者に対し金融、税制上の支援措置を用意しているところであります。しかし、ひっきょうするところこれは誘導措置でございまして、要は、委員もまさに御指摘のとおり国民の意識が変わるということが大事でございまして、その方向へ向けてさらに努力をしてまいりたいというふうに思います。
#119
○横尾和伸君 それぞれ持ち場は持ち場で、これはそれぞれが頑張らなければいけない問題だと思いますが、特に通産省の置かれた立場は大変重要でございますので、どうか今後とも頑張っていただきたいと思います。
 次に、地球温暖化防止の関係でお尋ねしますが、国連中心で進められてきたわけですが、気候変動枠組条約、これが近々発効する予定だと伺っておりますけれども、これまでの経緯と今後の発効までのスケジュールについて、外務省来ていらっしゃいますか、ごく手短に御説明いただきたいと思います。
#120
○説明員(隈丸優次君) 御提起の条約でございますが、平成二年十二月に国連総会によって成立されました政府間交渉委員会におきます交渉を経まして、昨年の五月九日にニューヨークにおいて作成されております。昨年の六月、ブラジルのリオデジャネイロで開催されました国連環境開発会議において主要な成果として署名のために開放されたということでございまして、我が国につきましては、昨年の六月十三日にこの条約に署名しております。また、国会の承認につきましても、本年の五月二十八日にこの条約を受諾したということでございます。
 これからの条約の発効の見通してございますが、本年の十月七日現在、この交渉委員会の事務局によりますれば三十六カ国がこの条約を締結しているという状況でございます。条約の二十三条の規定によりまして、この条約は五十カ国による批准が行われました後九十日目の日に効力を発するということでございます。
 今後の各国の批准につきましては、確たる見通しを申し上げるのは非常に困難でございますが、昨年の七月に行われましたミュンヘン・サミットにおきましても、各国に対しこの条約を本年末までにぜひ批准するようにという、努力するようにということが要請されている次第でございます。
#121
○横尾和伸君 近々発効するということでございますが、アメリカでも最近地球温暖化防止のための行動計画が発表されたそうでございますが、我が国の場合はもう既に地球温暖化防止行動計画ができておりますが、特にこの実効を上げることが今後の国際的なリーダーシップ、そう言うとちょっと大げさかもしれませんけれども、国際的な信頼感の確立あるいはさらに進んで国際貢献の一つの道を開くということ、そういう観点からも大切なことだと思うのです。
 そういう意味で地球温暖化防止計画がこの枠組条約に基づく日本のとるべき行動の柱となるわけですけれども、その具体的な推進も含めてリーダーシップを発揮していくことが重要だと考えるわけですが、通産省の今後の取り組みについてお尋ねします。
#122
○政府委員(高島章君) 今御指摘ございました地球温暖化の防止行動計画でございますが、我々としてはこの計画の中身をいかに厚くしていくかということに今一生懸命努力をしているところでございます。
 もう委員よく御高承のとおりでございますけれども、これからの地球温暖化問題というのは単に環境保全という観点からだけでなくて、むしろそのコストを埋めるにはいかにして経済成長を図っていくか、あるいはいかにしてエネルギーの有効な利用を図っていくかという観点も必要でございまして、経済成長とエネルギーと環境保全といった三つの点を総合的に頭に入れまして、幅広く政策を進めていくことが必要であります。すなわち、経済成長と経済発展と環境保全の両立を図っていくということが最も肝要であろうと我々は思っているわけでございます。
 また、温暖化問題を抜本的に解決するためにはどうしても、例えば今CO2の固定化技術というものは確立されておりませんので、そういった抜本的な技術開発、革新的な技術開発を進めることと、それから既に開発されました技術をいかにして発展途上国に移転するかということが重要であります。なぜならば、地球温暖化問題というのは日常生活あるいは一般の企業産業活動から生まれるものでありまして、アジアで発生したものは即日本にも影響を与えるわけでございますから、特定の国だけでの解決というものは無意味なわけでございます。
 こういったような観点から、通産省といたしましては総合的かつ長期的な視野に立ちまして、まず一つはエネルギーの需給構造をいかにして改革していくかというのが一点。それから第二点は、現在の経済社会の構造そのものをいかに環境調和型にしていくかということが二つ目。それから、さっき申し上げましたように技術革新につきまして革新的なものを開発していく。そして最後には、そこで生まれた技術、現に生まれております技術を途上国へいかにしてうまく技術移転をしていくかということでございまして、そういったことがこの地球温暖化の防止行動計画のまさに中身になっていくであろうと思うわけであります。
 具体的には、先ほど大臣の御答弁にもございましたけれども、さきの通常国会において成立させていただきました省エネ・リサイクル支援法、さらにはエネルギー需給構造高度化法といった法律に盛り込まれております諸施策を十二分に活用いたしまして、エネルギー需給の高度化さらには環境調和型の経済社会をいかにしてつくっていくかということに政策の中心を置いてまいりたいと思っているわけであります。
 なお、つけ加えますと、革新的な技術革新というのは実は我が国だけではなかなか難しゅうございまして、国際的な協力が必要でございます。ちょうど今、きょう現在でございますが、先進国によります環境エネルギー技術の国際共同開発をいかにして進めていくかという国際会議を通産省内の会議室で開いております。
 そういったことも含めまして、今後、中期、短期、さらにはあらゆる分野につきましてこの防止行動計画の中身を厚くしていきたいと思っております。
#123
○横尾和伸君 頑張っていただきたいと思います。
 次に、フロンの回収、再利用の問題についてお尋ねしますけれども、フロンの問題は終わったという誤ったムードが現在日本の多くの人たちにも漂っているかに思えます。
 一九九五年には特定フロンが全廃される、あるいはスプレーにはもう全く使っておりません、こういった歯切れの一見よさそうな言葉がそのムードの原因だと思いますけれども、フロン対策はむしろこれから始まったばかりと考えなければならないと思います。
 ある学者の説をかりますと、四十六億年前に地球ができた、四億年前に初めて海から生物が陸地に上がってきた、このころにオゾン層が実は大体今のレベルまででき上がって、今からすると八割方だという表現ですけれども、今のレベルにまでオゾン層が地球を取り巻いたんだと。それが有害な紫外線を遮った。有害な紫外線は生物の組織を壊す強い力がある。これを遮るオゾン層の働きも大きく作用して地球上に、陸上に動植物が繁栄した、こういうことでございまして、これをひっくり返すと、オゾン層が破壊されると動植物の細胞は壊される。人の場合にはまず皮膚がんが発生する、これはよく言われておりますけれども、また生物や植物が、もちろん植物といえば農産物も入りますけれども、大変な被害を受ける。つまり、細胞が破壊される、できなくなる。これは食糧危機にもつながるわけでございます。
 そういった意味でフロンの問題は大変恐ろしい問題だと思うんですけれども、最近特に地球のオゾン層破壊が予想外に速く進んでいるという報道が目立つわけなんですけれども、その実態について通産省はどのようにとらえているのかまずお尋ねいたします。
#124
○政府委員(細川恒君) お尋ねのオゾン層の破壊でございますが、国際的観測網によりますと、熱帯域を除きましてはぼ全地球的に減少傾向が確認されております。一九八〇年代は七〇年代に比べまして減少傾向が進んでおるということが明らかになっております。特に南極でございますが、一九八九年から本年まで五年連続して大規模なオゾンホールが観測をされておりまして、我が国の気象庁の観測によりますと、本年のオゾンホールは過去最大であった昨年とほぼ同規模になっておるというふうに理解いたしております。
#125
○横尾和伸君 特定フロンですけれども、一九四〇年から五〇年ごろに使い始められたと言われておりまして、一九六〇年から急激に伸びている。累積の生産量の推測はなかなか難しいそうでございますが、おる説によると二千七百万トンという計算もあります。その量というのはちょっと実感はできないんですけれども、ただ申し上げたいのは、全生産量の一割か多く見積もっても二割程度のものが、既に生産されたものが使われそして廃棄されてオゾン層に今現在で到達している。つまり、現在のオゾン層の破壊はその全生産量のせいぜい一割ないし二割だろうという試算もございます。
 もしそれが本当だとすると、細かい数字はともかく、これからさらに何倍かのフロンが現在出回っていて、そしてそれが何らかの形で廃棄されるということを考えますと、九五年に全廃されるあるいは今すぐに全廃されたとしても、現在使われている量がそれだけありますので、その使われているものがさらにオゾン層に働きかけてオゾン層を破壊するということを考えると、とてつもない問題だと思われるわけでございます。私は、そういう意味でフロンの回収、再利用という問題はこれから急務であり、大変大きな問題だと思っております。
 昨年の十一月のモントリオール議定書第四回締約国会議で初めて特定フロンの回収、再利用の推進が決議されたそうでございます。恐らくこれは、今申し上げたような厳しい認識のもとに四回目にして初めて回収、再利用の問題が決議されたと思われるんですけれども、そういった決議について通産省はどのようにとらえているのか、お尋ねいたします。
#126
○政府委員(細川恒君) 昨年十一月に、今お話ございましたようにモントリオール議定書第四回締約国会合が開かれまして、同会合におきましてオゾン層破壊の一層の進展などを踏まえまして、特定フロンの生産全廃時期、これは二〇〇〇年から一九九六年に前倒しになっております、それともう一つは規制物質の追加といったようなこともございまして、いわば生産数量規制が大幅に強化をされたわけでございます。同時に、今お話ございました既存の特定フロンなどの回収を促進すべき旨の決議も採択されたわけでございます。
 この決議につきましては、一つばオゾン層破壊の一層の進展を踏まえ、特定フロン等の排出を抑制してオゾン層の破壊を軽減する必要が高まってきたという認識がございます。もう一つは、生産が全廃される一九九六年以降も必要となります補充用の特定フロン、それを確保することは不可欠だ、こういったようなことの国際的認識のもとで先ほど申し上げました決議が行われたわけでございます。
#127
○横尾和伸君 いずれにしても、大変厳しい問題だと思いますが、この厳しい問題に対して、特定フロンガスの回収、再利用を何とか進めようという市民団体あるいは地方公共団体の活動が少ないですけれども、つい最近目立ち始めました。私の知っている限りでも、群馬県内でフロンガス回収をすすめる会が大変活発に活動しております。また青森県内では青森アップル会、こういった市民団体の方たちが本当に献身的な活動を展開しているわけでございます。目に見えないもの、あるいは結果の確認が大変難しい問題であるにもかかわらず献身的に一生懸命やっているその姿から、むしろ庶民の声として政治あるいは行政に携わる者が耳を傾けなければならない問題だと思っております。
 私はそう思うんですけれども、こういった活動をどのように通産省は評価されているのか、またこれを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか、特にこの問題については大臣の御決意、考え方をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#128
○国務大臣(熊谷弘君) 自治体とか市民団体におきまして、最近特定フロンの回収、再利用への取り組みが行われてきていることは、我が国においてもオゾン層保護の意識が広く国民に浸透してきていることを示しておりまして、高く評価すべきものだと思っております。また、このようなことは特定フロンの排出を抑制し、オゾン層の破壊を軽減する観点、それから生産が全廃される一九九六年以降も必要となる補充用の特定フロンを確保する観点から大変望ましいことだと評価しているわけでございます。
 こうした特定フロンの回収の動向を踏まえまして、通産省としては本年十月から化学品審議会オゾン層保護対策部会、これは通産大臣の諮問機関でございますが、そのもとに回収再利用等対策分科会を設置いたしまして、他の関係省庁の参加を得て、我が国における望ましい特定フロンの回収、再利用等のあり方について審議検討を進めているところでございます。
#129
○横尾和伸君 終わります。
#130
○山下栄一君 公明党の山下でございます。
 午前中からもさまざまな重要な課題の議論が行われたわけでございますけれども、内外ともにさまざまな大きな課題を抱えながら、また前政権からの負の遺産もしっかり受け継いで新しい政権が誕生したわけでございます。大変かじ取りが大変だと思いますけれども、国民の皆さんの期待が大変大きい中での政権でございますので、どうか二大臣頑張っていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 まず私の方から、第一点、規制緩和の問題につきましてお伺いしたいと思います。
 昨日、第三次行革審の最終答申が提出されました。その答申の最大のテーマの一つが公的規制の緩和である、このように位置づけられておるわけでございますし、また九月の政府の緊急経済対策の中でも規制緩和が重要な施策の中に位置づけられておるわけでございます。緊急経済対策の中の規制緩和九十四項目、このうち通産省の分が十六、七たしかあったと思います。
 それに関連しての質問でございますけれども、その一つが分散型電源からの買電メニューの一層の整備促進、こういうことが掲げられておるわけでございますが、この項目の具体的な内容と実現の見通し、時期につきましてお伺いしたいと思います。
#131
○政府委員(堤富男君) お答えを申し上げます。
 分散型電源からの買電をする場合には、具体的に電力会社にどういう電力を幾らぐらいの価格で買ってもらえるか、そうすれば自分たちのそういう予測が可能でございますので、それで分散型電源の設置あるいはそういう買電に努力をするということができるわけでございます。そういう意味から、この九月に決められました緊急経済対策の中で買電メニューを決めたわけでございます。
 現在、実は太陽光発電ではどういう値段で、風力発電ではどういう値段で、あるいはそれが昼間である場合、夜である場合というようなことを分けてメニューをつくっておるわけでございます。ただ、自家発電につきましてまだ一部の電力会社で全部のメニューができておりませんので、これを本年度以内を目途にいたしまして完全に整備をさせていただくという方向で努力をしている次第であります。
#132
○山下栄一君 ということは、残された三電力の買電の体制を今年度中にとるという、これが今回の規制緩和の内容であるということですね。
 この分散型電源の規制緩和、これは省エネ、環境保全の観点のみならず、我が国の今後の長期的な電気供給の確保という観点からもさらに一層進めていくべきである、このようにも考えておるわけでございます。特に、電事連が昨年発表いたしました買電メニュー、特にごみ発電とかコジェネ型自家発電の買い取り価格の見直しの問題なんですけれども、通産省として特に今後見直しを検討課題として取り上げる可能性があるかどうかにつきましてお尋ねしたいと思います。
#133
○政府委員(堤富男君) 現在、先ほど申し上げましたように幾つかの電源種類ごとにやっておるわけでございますが、例えば太陽光発電を幾らで買っているかというようなことを比較しますと、日本の場合には売っている値段そのもので買っていただける、いわば電力会社の売っている値段と同じ購入価格でやっている。世界的に見ますと、ドイツでも大変太陽光発電なんかは熱心にやっておりますが、実際に買うときにやはり九〇%の価格で買うというようなことをしておりますし、アメリカの場合には回避コスト、アボイデッドコストと言っておりますが、その値段でございますので、これも一〇〇%ではございません。
 そういう意味では、日本の買電メニューで出しておりますのは、優遇という言葉を使うかどうかは別としまして、世界的な比較では割合高い値段で買っておるということでございます。そういう意味では、まず我々の努力は、買電メニューを完全にするということを眼目にしたいと思っている次第であります。
#134
○山下栄一君 例えば、夏のピーク時につきましてはエネルギーの確保が大変だと思います。その場合に買電価格を季節価格という形で変動性にして引き上げるとか、そのような可能性はどうなんでしょうか。
#135
○政府委員(堤富男君) 現在でもこの余剰電力の購入、例えばコジェネレーションの場合の余剰電力につきましては、そういうピーク時で使います火力発電、例えば石油とかLNGが多いと思いますが、そういうもののコンビネーションの価格を前提として設定されておりますので、これ以上高い価格というのはやや自分で発電するよりも高いコストで買うということになるのではないかと思う次第であります。
#136
○山下栄一君 特定供給の問題でございますけれども、自家発電業者が電力十社以外に売電、いわゆる特定供給ですけれども、これも緩和する方向で検討すべきではないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#137
○政府委員(堤富男君) 特定供給を含めまして、まず申し上げたい点の一つは、現在も日本で使っております電力の一一・八%は既に外部からの自家発等の電力を実は使っておるわけでございます。今後、長期的な確保という意味では大変重要なことでございます。
 一方、特定供給といいますのを現在購入する場合ある限定を置いております。ただ、この限定をどこまで外すかというのは大変難しい議論がございまして、どういうことかといいますと、特定供給をする人は電気事業法上の供給義務を課されておりませんので、もし例えば石油の値段が急騰したというような場合には、一斉に発電をみずからはやめて電力会社の電力を使うというようなことで、あるときに突然戻ってくるということがあるわけでございます。そういう場合には、電力会社は供給義務というのが課されておりますから、電力会社といたしましてはそういう人たちのためのバックアップ電源、いつ戻ってきていただけるかわからないけれども、供給義務を課されているという観点からそういう予備電力を用意しておくということがございます。
 これはだれが負担しているかというと、ある程度は特定供給の人が戻ってくることも想定はして、その人たちに値段を高くしているというふうなことはございますが、そういうものが一斉に戻ってきたというような場合のことを考えますと、そういう自家発電をできない人たちの負担でいわばバックアップ電源をつくっていなきゃいかぬということになるわけでございまして、公平性という観点から本当によろしいのであろうかという議論が一つございます。
 それから、ちょっと長くなって申しわけございませんが、もう一つは、電力会社といいますのは、どんな山間僻地における電力の値段も、東京都で非常に需要が密集している地区の値段も実は均一にしておるわけでございます。そういう場合に、非常に需要が密集している地区のところでは、もし特定供給あるいは自家発電を行って他人に供給しますと非常に安く供給できることがあり得るわけでございますが、そういう非常にいわば収益の上がりやすい場所のところを集中してやりますと、電力の採算というのがだんだん悪くなる。
 そうなると、山間僻地の人たちに対して都会の人たちと同じ電力料金でというところが非常にやりにくくなるというようなこともございまして、特定供給の方向といたしましては、いろんな意味での余剰電力の買電促進ということは考えてまいりたいと思いますし、全体的な検討の一環として今検討させていただいていることは事実でございますが、一定の制約もあるということは御理解を賜りたいと思う次第であります。
#138
○山下栄一君 いろいろ難しい問題があると思うんですけれども、方向性としましては、やはり分散型電源の促進というのは冒頭申しました観点からもさらに拡大普及させていくべきであるということが基本でなきゃならないと思うわけでございます。この問題につきまして、分散型電源の規制緩和につきまして大臣の御所見を簡単にお聞きしたいと思います。
#139
○国務大臣(熊谷弘君) 委員が幾つかの御質問の中で既に示唆されておりますように、この分散型電源の導入促進というものは非常に重要なことだと私どもも思っております。このような観点から、現在総合エネルギー調査会におきましてエネルギー供給体制の全般的な検討を行う中で、効率的な電力供給システムを構築する上で分散型電源をいかに組み入れていくかということにつきまして検討がなされているところでございます。今後、この委員会の検討結果を踏まえまして、分散型電源活用のための具体的な方策につきまして、もちろん規制緩和もそうでございますけれども、システムということになりますから、さまざまな方策につきまして積極的に検討してまいりたいと考えております。
#140
○山下栄一君 どうもありがとうございました。
 続きまして化学兵器禁止条約の問題、特に国内の適切な対応という観点からお聞きしたいと思うわけでございますが、軍縮平和の観点から重大な歴史的意義があるかということはもう申すまでもないと思うわけでございます。もうこの条約の発効も迫っておるということです。ただ、この条約の与える影響、これは化学工業全般にわたりまして、医薬品とか化粧品その他染料、印刷、さまざまな化学工業の分野に影響を与えると。もともと化学工業の分野には非常に中小企業が多いということ、また査察の問題、申告の問題、さまざまな問題を抱えておるわけでございます。
 この条約の国内実施体制につきまして通産省の方で御検討をいただいていると思うわけでございますが、検討状況につきまして簡潔にお願いしたいと思います。
#141
○政府委員(細川恒君) 化学兵器禁止条約上の義務を的確に履行いたしますために、条約実施法の制定を中心といたします国内の条約実施体制を整備、確立することが必要だというふうに認識をいたしておりますが、今お話ございましたように、この実施体制の確立に当たりましては、関係者の理解と適切な対応を得つつ、企業秘密の保護と過剰な企業負担の回避などに配慮する必要があるというふうに考えております。このような観点から、化学品審議会に新たに部会を設置いたしまして、条約実施法の制定を中心といたします国内施策のあり方につきまして目下鋭意検討をお願いいたしておるところでございます。
 また、当省といたしましては、既に企業関係者などにさまざまな場を通じまして条約内容や国内の対応の方向につきまして周知徹底を図ってまいっておるわけでございますが、条約実施に向けての体制整備を図るために平成六年度に所要の予算、税制などの措置を現在要求中でございます。今後、審議会におきます検討などを踏まえまして国会での条約の批准手続が進められることを前提といたしまして、次期通常国会に新法を中心とします総合的施策の御検討をお願いいたしたいというふうに思っている次第でございます。
#142
○山下栄一君 今も局長が触れられたんでございますけれども、いずれにしましても条約の規制対象となる企業、工場、これが三千とか四千とか言われておりますが、非常に広範囲にわたる影響を与えるということ。それと企業秘密の保護の問題、製造目的とか製造量とか、どこに販売したかということ等も報告しなければならないというデータ申告の問題。また、国際機関による査察が日本の小さい工場にも入ってくるというふうなことで、査察の体制についても非常に不安感がいろいろあると思うんです。
 そういう観点から考えますと、今も少し触れられたわけでございますけれども、中小企業の方々の不安感をなくしていくための具体的な体制が非常に重要ではないかなと思いますので、特に申告の問題、査察の問題につきましてどのような配慮をされておるのかということを具体的にお願いします。
#143
○政府委員(細川恒君) 御指摘のように、条約上の義務を履行するに当たりまして、中小企業などに過度な負担がかかったりすることのないような配慮をする必要があろうかというふうに考えておるわけでございます。この観点から、御質問がございましたように、査察や申告の際に関連企業が適切な対応が行えますように平成六年度の要求におきまして、一つには各都道府県別に中小企業を対象といたしました査察対応などのセミナーの開催、あるいは査察対応指導員の各中小企業への派遣を通じた査察対応のきめ細かな指導の実施、こういったことにつきまして中小企業対策費として総額約二億円を要求中でございまして、遺漏なきよう進めたいと思っております。
#144
○山下栄一君 しっかりよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、APECへの対応の問題でございますが、来月十七日から二十日までですか、APECの閣僚会議、また非公式の首脳会議が行われると。国際社会からも、アジア・太平洋というGNP五割を超える国が参加する、米、中、日本も入っておるということで、大変大きな関心が集まっておるわけでございますけれども、これには熊谷通産大臣も大変厳しい政治日程の中参加されるとお聞きしておるわけでございます。一週間前の当委員会における所信表明の中でも大臣おっしゃっているわけですけれども、「APECの枠組みを活用してアジア・太平洋地域の貿易、投資の自由化等に向けて貢献してまいります。」、このように述べておられるわけでございます。
 今回のAPEC最大のテーマはアジア・太平洋域内の貿易の自由化と投資の促進ということを伺っておるわけでございますが、APECに臨む我が国の方針につきまして大臣にお尋ねしたい、御決意も含めてひとつお願いしたいと思います。
#145
○国務大臣(熊谷弘君) まず、話の前提といたしましてアジア・太平洋地域というのが、特にアジア地域は世界の成長センターで、現にそうでありますし、今後とも成長センターであり続けるだろうというふうに思うわけであります。そういう意味で、アジア・太平洋経済協力、つまりAPECが開かれた地域協力の一つのモデルを目指して着実に進行していくということが望ましいわけでございます。これは日本だけではなくて、アジア地域の人たちにとっても、アメリカ、カナダ、オーストラリア、それらメンバーそれぞれに全部共通のことでございます。
 とりわけ、アメリカがAPECという枠組みを今後の新しいポスト冷戦の新秩序といいますか、経済面における新秩序として重要な位置づけをしていることは、既にクリントン大統領初めアメリカ政府の各般の発言から明らかでございます。そういう意味で、今後このAPECが非常に重要な役割を果たしていくだろうと私ども思っておるわけであります。
 委員御指摘になりましたように、本年十一月にシアトルで開かれますAPECの閣僚会議におきましては、地域貿易自由化問題が最大のテーマになっておりまして、アジア・太平洋地域の貿易投資の自由化についての議論が行われる予定でございます。我が国としても、この地域を長期的には障壁のない貿易投資市場とすることにより域内の貿易投資の拡大を図っていくため、参加国・地域と協調しつつ積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#146
○山下栄一君 十一月中旬は国会も大きな山場を迎える中で、また別の意味で重要な国際会議ということでAPECですが、どうか大臣、体調を整えられて、日本国民の大きな負託がかかっておりますので、責務を果たされますよう祈っております。
 以上で質問を終わります。
#147
○市川正一君 私は最初に、電力業界やガス業界が広告費とか会費の名目で莫大な事実上の政治献金を行っていた問題について、今国会の中心課題である政治改革ともかかわって、まずただしたいと思います。
 公益事業である電力会社やガス会社は、一九七四年当時、その企業行動に国民的な批判と抗議が集中して、以後政治献金を廃したことになっております。しかし、実はそれ以降も、自民党の出版物への広告費という名目で事実上の巨額な政治献金を行ってきたことが明らかになりました。報道によりますと、電気事業連合会は九〇、九一、九二年度の三年度で合計二十五億円を支出しております。これは支出後各電力会社に配分されることになっているので、電力会社の責任で広告を出していたということになります。また日本ガス協会は、一九八〇年以降、経団連の外郭団体である経済広報センターを通じて、通常会費とは別に特別賛助会費の名目で広告掲載料二十一億七百万円支出した、こうなっております。
 通産省は、これらの広告料が余りにも高額であるために、公益事業のあり方として適切かどうか調べる、こう述べておりましたが、その調査の内容と結果についで報告を求めます。
#148
○政府委員(堤富男君) 当省で報告を受けましたところでは、電事連では、自民党関係の出版物でございます自由新報等につきまして、五十八年度から平成四年度までの十年間で五十五・五億円の広告料を支出しているところであります。またガス協会は、一般広報費、活動強化の趣旨から、経済広報センターに会費といたしまして、先生御指摘の特別賛助会費も含めまして十三年間で二十五・三億円を支出しているところであります。
 ただ、いずれも最近、社会的な批判、誤解等を招かないようにという観点から、自民党に支払われていた広告費につきまして廃止をする、あるいはまたはその方向で検討するということを表明したと報告を受けております。
#149
○市川正一君 今の答弁を聞いていますと、既に新聞その他で報道をされていることの追認の域を超えておりません。何か新しい事実が明らかになったんですか。
#150
○政府委員(堤富男君) この問題につきましては、政治献金であるかどうか、これは電気事業法の法令上の問題というよりは政治資金規正法等の他法令の問題でもございまして、我々としては法的権限に基づきます報告は求められないということも頭に置きながらの報告聴取でございます。
#151
○市川正一君 電力業界もガス業界も会費を出したということになっているようでありますが、これは結局形を変えた政治献金であるということは明白です。私も何回かごの問題を取り上げてきました。国民的な指弾の中でついに中止せざるを得なくなったわけですね。
 ところで、伺いたいのは、こういう経費は電気事業法やガス事業法に基づく料金認可の際の審査に当たって、当然料金算定の根拠になる総括原価の中に含まれていると思いますが、いかがですか。
#152
○政府委員(堤富男君) 料金査定の場合におきましては、特定の支出項目、どこの会社から燃料を買うとか、原油はどこから買うとか、その支出先について一つ一つ具体的に考えているわけではございません。それぞれの項目につきましてその項目ごとの総額が過去の実績あるいは全体の比率、それからそういうことを総合的に勘案して総額としてのレベルを料金算定で折り込んでいるわけでございまして、通常の予算、国の予算のようにどこどこに支出することを認めた上での個別認可ということにはなっていないということでございます。
#153
○市川正一君 それじゃ、あなた、何をチェックしているんですか。電力、ガス業界の七四年の政治献全廃止宣言以来、たびたび料金改定が実施されてきていますよ。その際に、こういう費目についてはその内容が適切なものかどうか、はっきり言えば政治献金が含まれているのかどうか、それは調べないんですか。
 大臣、後でお聞きしますが、これは済んだこっちゃといってのんびりせぬように、ひとつよく聞いておいてください。
#154
○政府委員(堤富男君) 政治献金であるかどうかという観点は、もちろん電気事業法上の法令ではチェックできないわけでございます。今回のように、例えば事業団体への支出という形で出る場合には、一般管理費の諸費の中の事業団体費ということで考えられるわけでございますが、先ほども申し上げましたとおり、料金査定の際は特定の個別団体への支出についていいか悪いかということを個別にチェックしているわけではございませんで、事業団体費あるいは会費、分担金等が、過去の実績、全体の比率、最近の動向等を総合的に勘案して、総額として適正になるように厳正なチェックをしているわけでございます。そういう意味で、料金のあり方と今の個別の支出についての問題点は、すぐには料金の問題という形にはならないわけでございます。
#155
○市川正一君 厳正という言葉はこういうときに使うべき言葉じゃありませんよ。
 あなた、広告宣伝費が政治献金の隠れみのに使われていたことはもう業界の常識じゃないですか、あなたも調べてそうでしょう。こういう事実上の政治献金の資金は、そうすると電気料金として消費者が全額負担させられるということになるんじゃないですか。大臣、こういう十分なチェックをしていなかったという政府、通産省の責任はやっぱり国民の立場からいって免れ得ないものだと思うんですが、過去のことではあっても、今の大臣はいかがですか。
#156
○国務大臣(熊谷弘君) 過去のことでのんびりしているわけではなくて、しっかり承っておったわけでございます。
 これが広告であるかどうかというのは、広告を出す主体の判断というのがあるわけでございます。ただ、そうはいっても非常識な、広告の実体をなしていないということであるならばともかくといたしまして、私は、そういうチェックというのはまさに国税当局がやっていることだろうと思います。阿部やってどれぐらいの対象にというのは、おのずから外形標準的にあれば損金に参入されるわけでございますからチェックされているのだろうと思います。
 料金を査定する側からいたしますと、エネルギー庁長官から累次御説明申し上げましたように広告費として計上されているもの、それが過去との比較をして全体との比率あるいは額、あるいは最近の動向というのは宣伝が必要になってくる、どうしてもこの趣旨をここは強く出したいということがあれば若干伸びることはあるわけでございまして、そういうようなものを総合勘案してリーズナブルなラインにあれば、これはエネルギー庁としては認めざるを得ない、こういう判断をいたしたものと思っておるわけであります。
 ただ、実態としてそのかくかくしかじかの方面で出した金額が社会的常識からすると御批判を受けた、社会的常識というのはそのときどきに変化するものでありまして、そういうものを踏まえて電力、ガス業界が今度の決定をしたものだというふうに私は理解をしているわけであります。
#157
○市川正一君 これは今回初めて突然出てきた問題じゃないんです。私自身が本委員会で何度か取り上げてまいりました。ここに会議録を持ってきましたが、例えば一九八〇年三月には、電力会社が通産省の口ききで政治家のパーティー券を購入した問題を取り上げました。また、八五年の十一月には、個人献金と言いながら実は役職のランクごとに金額を決めて組織的に献金している事実も指摘いたしました。
 こういう形を変えた政治献金が行われているんじゃないか、公益事業である電力やあるいはガス事業においてこうなっている、企業活動に問題があるということを具体的事実で指摘したんです。そして、その問題について通産省も前向きに調査し検討することをおっしゃっていたが今まで放置されていた、これはやっぱり怠慢としか言いようがないんです。
 今回の事件をきっかけにして明るみに出たガス業界の場合は、個人献金ではありますが会社が報酬から天引きしていたということも明るみに出ました。これは公益事業としての社会的責任にかかわるだけでなしに憲法にも違反する、そういう重大な疑いも含まれます。
 私は、こういうことが今後は再び発生することのない保証はあるのか、通産省として厳格な対策をとる必要があると思うんですが、重ねてお聞きいたします。
#158
○政府委員(堤富男君) 先ほどもお話し申し上げましたように、電力、ガス両団体におきましては広告費は廃止するという方向で、あるいは廃止すると表明を行っているわけでございます。当省としては、電力、ガスという公益事業を営むものとして今後ともその社会的位置づけ、これは決して電気事業法で規制されたことだけではなくて、それ以外の行動についても良識ある行動をとるものというふうに期待をしておるわけでございます。
#159
○市川正一君 私は、あえて言葉を選ばずに言うならば、そういう姿勢ではまた共犯者になるおそれがあるというふうに言わざるを得ぬのです。
 私は、この際電気、ガス料金の算定基準や料全体系について抜本的に見直し、経理をもっとガラス張りにする必要があると思うんです。例えば、料金算定の根拠になる各費目についてその内容を明確にするとか、チェックの体制を強化するとか、あるいは国民生活に高く大企業に安い今の料全体系を、生活者重視政権を言葉どおりに理解するならばそれにふさわしい仕組みに逆転するとか、思い切った対策が必要になると思うんですが、通産大臣、いかがでしょうか。
#160
○国務大臣(熊谷弘君) 私は、それぞれの査定時におきましてできるだけの資料をプレス発表時に公開してきたというふうに理解をしておりますけれども、しかし一般的にできるだけ国民にわかりやすい発表の仕方があってしかるべきだということは全く委員と同じ意見でございます。ただ、技術面その他ございますので、今までの努力を継続していきたいというふうに思います。
 ただ、この電気料金の個々のあり方につきましては、当面我々は今の電気料金の体系を変える状況にはないというふうに思っております。
#161
○市川正一君 こういういわばやみ献金みたいなものが含まれている、そういうことを基礎にした料全体系というのはいずれにしても見直さなければならぬということは、これは大臣お認めと思うんですが、そうでしょうね。
#162
○国務大臣(熊谷弘君) やみ献金と言われたんですけれども、やみであれ表であれ政治献金であれば、これは政治資金規正法に基づいて処断されるべきものであろうと思っております。我々としては、電気料金の査定という立場から厳正な判断をしていきたいと思っております。
#163
○市川正一君 先ほど来御答弁の中に厳正という言葉がたびたび使われるので、言葉の正しい意味における厳正さを要望いたします。
 あわせて、その問題とかかわって今回の緊急経済対策の目玉の一つになっている電気、ガス料金の為替差益還元の問題であります。政府は先般、円高差益の還元と称して電気、ガス料金の若干の引き下げを行われましたが、その算定の根拠をお示し願います。
#164
○政府委員(堤富男君) 最近の円高傾向を考えまして、これが電力あるいはガス企業にとって差益という形で残っている、あるいはできることになるということが判明したわけでございます。
 具体的に申しますと、平成元年のときの料金算定のときには円レートは百二十四円と設定されていたわけでございますが、最近は御承知のとおり大変円高が進んでおりまして、その円高を三カ月平均ということで百四円になるという機械的な計算をさせていただいた上で、百二十四円と百四円の差額を円高差益還元ということでお返しした次第でございます。
#165
○市川正一君 久保田長官にお伺いしたいんですが、経済企画庁はことしの五月当時に、電力業界は九三年三月期決算を前提にすれば今年度は二千四百六十億円の為替差益が出る、そして当該業界に為替差益の還元を要求されておりました。今の通産省の説明をお聞きになっていかがお思いでございましょうか。
#166
○政府委員(坂本導聰君) 円高差益の算定に当たっての基準のとり方というのは、これはいろいろな考え方がございますが、今御指摘のような九三年三月期決算をベースとしてということで企画庁が差益還元額を算定したことはございません。
 ただいま通産省のお話にございましたように、今回の円高差益還元に当たっては直前の三カ月間の為替レート百四円ということを採用され、また油の方もバレル当たり十六・五ドルということでございますので、私どもはそれは適正な数字であろう、また現在の為替、油の状況から見ると、電力会社にとってはかなり厳しい諸元になっているというふうに考えております。
#167
○市川正一君 実は、我が党もことしの五月に、当時の森通産大臣に試算の根拠を示して、電気、ガス料金の差益の還元を要求いたしました。この中で、私どもは九三年度も原油価格十九・三ドル、バレル当たりでありますが、為替は百十円で推移すると仮定して、六千七百億円余りの差益が生ずるということを指摘いたしました。これは我が党の試算ですよ。経企庁は、さっき基準時点を九三年三月にした覚えはないとおっしゃるけれども、ちゃんと出てますがな。
 我々は九〇年度を基準にしています。というのは、九〇年度という時点は、八九年四月の料金改定以降、年度で見て一番原価が高く、そして為替が一番安い時期です。その当時でも十分電力、ガスとも利益を上げて、設備投資も行って、内部留保も行っておる。だから、こういう基準時点は、私どもと経企庁の場合、時点の違いはありますが考え方は同じです。
 そこから推移して、一体どれくらいの差益が出てくるかという、方法論的には同じ考え方で作業を進めでいるわけです。私どもの試算によれば、九一、九二年の二年間で九千億円以上の巨大な差益を既にため込んでいる。だから、今度の差益還元二千六百五十億にとどまらずにもっと国民に還元ができるはずだというのが、私どものいわば試算の結論であります。
 この点、もう一度通産省並びに経企庁の方で差益の実態について調査をやり直していただきたい、要望いたします。
#168
○政府委員(堤富男君) 原価に関係いたしますのは、燃料費の円レートと燃料価格だけではございません。平成元年に決めましたときの百二十四円、十六・五ドルというのは、確かにその後おっしゃるような意味で、むしろ差益ではなくて差損が生じた事態になっておったわけでございます。
 ただ、その時期に委員御指摘のような収益が、上げてなかったかというと上げてあったわけでございます。その原因を申し上げますと、先ほど申し上げましたように、要因といいますのは燃料費だけではございません。燃料費というのは一六%ぐらいに、最近非常に少ないウエートになっております。
 実は、料金の査定をいたしました平成元年当時の、例えば電力につきましては、需要は四%ぐらいしか伸びないと考えていたわけでございますが、平成元年、二年、三年、四年と、かなりこの予想を上回る、例えば平成元年でございますと六・六%の需要の伸び、あるいは平成二年でございますと七・四%の伸びというようなことになるわけでございます。これはどういうことになりますかといいますと、非常に設備の稼働率がよくなるということがある反面、いわば需要に設備がなかなか追いつかなくなるというような事態になってきたわけでございまして、ちょうどバブル期時代における大変急激な需要の伸びというのが原価を下げる効果があったということで、その差損の部分をある意味ではコンペンセートするような形で推移したわけでございます。
 そういう意味では、そういう異常な時期をベースにレートを考えるということではございませんで、やはり今回の場合におきましても、為替レートの問題と油の値段を考えて、その部分について差益が生ずるであろうということを平成元年の査定に戻った形で計算をさせていただいた次第であります。
#169
○市川正一君 経企庁はまた適当な時期にお伺いしますが、この問題の締めくくりとして私は提案をし、両大臣の所見を伺いたいのでありますが、結局のところ、電気、ガス料金を公共料金として政府が審査し認可しておきながら、その具体的内容は、今の差益の問題もそうでありますし、全く国民には知らされていない。だから、先ほど来おっしゃるように、我々が厳正に審査して認可した、だから正しいんだという、そういう役所の結論だけの押しつけであってはならぬと思うんです。
 私は重ねて提起いたします。政府が料金の算定の根拠をガラス張りにして、国民にわかるようにするとともに、料全体系も家庭用に高く、そして産業用に安い今の現行料全体系を、国民生活を豊かにする方向で改定すべきじゃないか。生活者重視という、そういう観点で両大臣がこの問題に取り組んでいただくことを重ねて提起し、所見を伺いたいと思います。
#170
○国務大臣(熊谷弘君) 電力、ガス業界におきましては、価格に政府が介入いたしているわけでありまして、我々はできるだけ公正でかつ国民にわかりやすい料金設定をし、またそれを国民にわからしめる、知らしめるということは大事だというふうに思っております。
 ただ、委員御指摘のように、現在の電気、ガス料金につきまして直ちに変更をするということを考えているわけではありませんが、我々の目指すところは、常にそのときどきの情勢判断をしながら、社会的に公正な価格設定をする努力を続けなければならないと考えているところであります。
#171
○国務大臣(久保田真苗君) 今回の円高差益還元は、私は比較的早く取り組めたというふうに評価しているわけでございます。もちろん、地域独占事業的な事業でございますから、政府が今後もこの経営というものに十分注意を払い、国民生活そして物価、そういったものを勘案しながら適正な料金を決めていくために早く手を打っていく、そういう姿勢は持ち続けていきたいと思っております。
#172
○市川正一君 次に、両大臣がそれぞれ所信表明の中でもお触れになった消費者被害の救済、特にいわゆるPL法の制定問題についてお伺いをいたしたい。
 国民生活審議会を所管する経企庁、産業構造審議会を所管する通産省、両省庁からPL法制定に関する取り組みの現状がどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
#173
○国務大臣(熊谷弘君) PL法問題につきましては、委員が質問の中で御示唆いただいておりますように、産業構造審議会におきまして議論を開始しているところでございます。正直申しましていろいろな議論がございます。特に、中小企業の方々からは大変不安といいますか、心配といいますか、というような議論も出されているわけでございます。これからさらに結論をまとめるべく努力を続けているプロセスでございまして、ただいまの時点におきましては審議会としての一つの合意ができているわけではございません。いずれにいたしましても、この議論を引き続き続けまして、その結果を踏まえまして適切に対応していきたいと考えております。
#174
○国務大臣(久保田真苗君) 製造物に係る総合的な消費者の被害の防止、救済のあり方について、非常に大事な問題でございまして、昨年十一月の国民生活審議会答申をいただいております。その趣旨を踏まえて今年度も審議を継続していただいておりますけれども、政府といたしましても製品特性等を考えながら精力的に検討を進めているところでございまして、これに関係する省庁がそれぞれ所管の製品についての検討を続けております。間もなくその成果を国民生活審議会の方にお出しいただくということを期待しておりますので、その得ました後に審議会において実りのある検討結果を御審議いただくよう、私どもも期待しているところでございます。
#175
○市川正一君 今月に入って立て続けに報道各社が、ごらんになったようにここにも持ってまいりましたが、国生審及び産構審の各部会の報告案というものを報道しておりますけれども、審議はここに伝えられているような方向で進んでいるのかどうか、その内容を明らかにしていただきたい。
#176
○政府委員(川田洋輝君) 産業構造審議会におきましては、ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように幅広い論議を今進めておるところでございまして、九月の末から取りまとめに向けた論議を開始いたしておるところでございますが、その途中のペーパーなどが新聞紙上などに残念ながら出ているものかと存じます。
 ただ、大臣も先ほど申しましたように、製造物責任の内容とかあるいは経済活動への影響といったような問題につきましてさまざまな論議がございまして、現時点ではコンセンサスが形成されているとは言えない状況でございます。私どもとしては、引き続いて産業構造審議会において精力的な審議を進めてまいりたい、その結果を踏まえた適切な対応ということで今後進めてまいりたい、こういうことでございます。
#177
○政府委員(加藤雅君) お答えいたします。
 国民生活審議会におきましても、現在消費者被害に係る民事責任のあり方について精力的に検討を行っているところでございますけれども、例えば読売新聞に出ております国民生活審議会報告素案というふうなものは現在まだ全くできていないわけでございます。
 ただ、ここに出ております内容を見ますと、民事責任ルールのあり方について開発危険の抗弁は認めるべきだ、あるいは証明責任に関して推定規定は適当でないというような報道がされてございます。これは恐らく、十月八日に第五回の部会を開催したわけでございますが、その席で川井創価大学教授からその問題について御報告をちょうだいしたわけでございまして、川井先生の御報告はそのような方向で御報告をいただいたわけでございます。国民生活審議会としては、恐らくそのような御報告を踏まえて議論を今後ともされるということになると思います。
#178
○市川正一君 新聞が勝手な報道をしよったんや、関知せぬというのでは、それは国民は納得しません。今、くしくも火のないところに煙は立たずの一端をお述べになったけれども、実際そういう方向での議論が進んでいるということの反映じゃないですか。今までの例を見ても、報道機関に事前に政府が考えている政策方向をリークして世論の誘導を行うというのは常套の手段です。
 報告案の報道されるに至った経過がどうであれ、世間に与えた影響は、制定されるであろうPL法の内容があたかもそういう方向で今進んでいるように思い込ませる結果になっておるんです。私は事態は重大だと思うんです。うんともすんとも政府は言わぬじゃないですか。これはもう根拠のないことだというようなことを、私が今聞いたからそんなことちょっと言うだけのことで、国民に対してはこういう事実はないんだと言っていますか、言っておらぬじゃないですか。
 そこで、私はまず通産省に伺いたいんです。
 報道された産構審の総合製品安全部会報告案を見ますと、その内容は消費者の立場を無視して産業界の立場に立ったものになっております。特に、二点について私はただしたいんですけれども、一つは、報告案は責任要件を過失から欠陥に転換することが望ましいというふうに言い切っているわけですね。一方で、製造者に損害賠償を請求するのであれば、事故の原因となった製品に製造者に由来する欠陥があることが必要だとした上で、原告は製造者の責任を求める以上、基本的には製品のどこに欠陥があるかを明らかにすることが必要だ、こう言っております。
 そうするとこれでは、過失から欠陥への転換やということは言葉だけで、実際は現行法体系どおり被害者である消費者が製造者の過失を証明しなければならず、消費者に過重な負担を強いることになるのは明らかです。例えば、テレビから火が出て家が焼けてしもうた。実際にそういう事件があります。火事になるくらいですから、テレビは丸焼けになってしまい、テレビのどこに欠陥があったかは製品に関する知識も情報も不十分な消費者が証明せんならぬことになるわけですね。それは不可能です。
 ところが、報告案の趣旨からすると、結局だれの不注意でどういう欠陥を生じたのかを被害者である消費者が証明せよというのと同じことになるじゃないですか。審議会の審議は、これはあなた方はノータッチやとおっしゃるならば、一応それはそうしましょう。それは横へ置いておいても、通産省としてはこういう考え方が消費者被害の救済に役立つ、こうお考えになるんでしょうか、いかがですか。
#179
○政府委員(川田洋輝君) 産業構造審議会におきます審議の状況は、繰り返しになりますけれども、先ほど申し述べたとおりでございまして、現在まさに取りまとめの非常に重要な時期に差しかかっておるところでございます。今、るるお述べになりましたような重要な問題につきましても、まさにそういったことを今論議をいたしておるところでございます。この審議会では、お話しのような産業界という立場だけではなくて、消費者代表の方々も、それから産業界でも中小企業代表の方々、それから弁護士、日弁連の方々などにも広く御参加をいただいておりまして、ただいまお述べになりましたような問題につきましていろいろ論議をいたしておるところでございます。
 私どもは、全体として申しますと、製品事故から消費者を守るということは大変大切なことだ、製品の事故が起こらないこと、再発を防止すること、それから被害が起こった場合には迅速かつ確実に救済をされる、そういうことを基本に踏まえながらこれからも論議を進めてまいりたい、こういうことを思っておるところでございます。
#180
○市川正一君 今審議会がやっているから云々じゃなしに、通産省としては今のような問題についてこういうようなことで一体消費者の被害救済に役立つのかどうかという問題を問いただしているんです。だから、その点にはっきりお答え願いたいのと、あわせて、もう時間がありませんから、もう一つの大事な問題はあなたもおわかりのように開発危険の抗弁を認めることです。この問題です。
 報告案によりますと、マスコミが発表したやつによりますと、開発危険の抗弁を認めないと研究開発、技術革新が阻害される、こう述べて、あたかも世の中の不便をこのためにもたらすというような口ぶりであります。しかし、今の社会で万全の安全研究を尽くすならばリスクの回避は可能です。その上で被害が発生したとすれば、それは企業の社会的責任として損害賠償を行うのは当然じゃないですか。もし製造者が訴訟の中でこの抗弁を行えば、被害者である消費者はそのときの科学技術の水準をもってすれば製造者は欠陥が防ぎ得たということを反論しなければならない、そういう責任を負わされるんです。これは消費者にとって重過ぎる負担じゃないですか。
 私は、こういう問題一つをとってみても、産業界がこれまで何と言ってきましたか、我が国の製品の品質管理は世界一や、安全にも十分配慮されておる、だからPL法など必要はない、こう言って反対してきたのが筋通らぬことになります、自己矛盾になると思う。だからこういう点で、消費者被害の救済に今指摘したような開発危険の抗弁を認めるという立場が役立つという認識なのかどうか、その問題を聞きたいんです。今審議がどないなっているというような話やおませんがな。
#181
○政府委員(川田洋輝君) 先ほど基本的な立場については私どもの考え方を述べさせていただいたわけでございますが、現在まさに御指摘のような問題について、関係者に非常にさまざまな影響もあるし、それからどういう中身のものにするかということでせっかく御論議をいただいておるところでございます。私どもは、そこのコンセンサスの形成を待って通商産業省として施策を適切に進めていきたいということでございますので、いましばらく結論の出るところをひとつ見守っていただければということで、恐縮でございますが、繰り返しの答弁にさせていただきたいと存じます。
#182
○国務大臣(熊谷弘君) 委員の御指摘は、今の審議会制度といいますか審議会の枠組みを精神を守ろうとすると、なかなか実はお答えといいますか対応できないものではないかと思うのであります。私自身は、今の審議会というものが本当にこういう形でいいのかどうかというのはあるんです。国務大臣として、政治家としてはいささか疑問に思っていることはたくさんございますし、先ほど来委員がお話ししておられるように、大体やたらとリークするというやり方というのがないとは言えないと私は思っているんです。少し度が過ぎた役人がいるということも、私はそのとおりだと思っているんです。これから、政治改革が終わった後、まさに政治が政治の機能を回復するというのは、与野党全員の連帯責任において努力をしていかなきゃならぬと私は思っておるんです。
 しかし、今審議会でやっている最中に通産省がこの方針だというんなら審議会なんか要らないわけでございまして、やはり我々としては、せっかくここまで議論が煮詰まってまいりまして山場に差しかかったということでございますので、ただそれを踏まえて通産省としてどういうふうに判断をするか、また内閣としてどういうふうに判断をするかというのはまたおのずから違ったところでありまして、ぜひまた方針が決まったときに市川先生の御批判を我々はしっかり受けながら議論させていただきたいと思うのでございます。
#183
○市川正一君 そのときはもう遅いんや。だから今こうして声を大にしてやっているんであって、そのときにはもう遅過ぎたということになるんです。だから今、国民の世論をここに反映して、そしてあなた方がやっぱり所管官庁としてその責任を果たすべきだ。それで、今通産大臣がかなりそれなりの発言をなさったんで、久保田長官にも、これは意地悪質問やおませんのです、本当に大事な瀬戸際なんで声を聞かせてほしいんです。
 久保田長官は、一言申させていただくと社会党の御出身です、今でも籍があるわけですから。その社会党はPL法を出しておられました。それでその賛同者でもございます。社会党の議員立法は、欠陥及び因果関係の推定を規定しておりますし、そして明文化していないという点で開発危険の抗弁も認めでいらっしゃいません。当然、今私が指摘したような立場に立っていらっしゃると思うんですが、通産省とのやりとりや産構審の部会報告案の立場をお聞きになってどういうふうに考えていらっしゃるのか、ひとつ勇気ある御所見を承りたい。
#184
○国務大臣(久保田真苗君) まず社会党案でございますけれども、連立政権の中では公明党案もございます。こうした社会党案につきましては、今までの国民生活審議会の議論の中でこうしたものも参考にしながら審議をしていただいていると思います。
 そして、先ほど読売新聞の記事というのが出ましたんですけれども、あれは国民生活局長がお答えしましたように、本当に一つの試案として御開陳いただいたものでございまして、私どもとしましては、この国民生活審議会にかかわって消費者の被害の防止、救済に努める官庁は幾つもございまして、そうしたところからまだ正式に御報告が審議会に出ておらない、そういう段階でございますのでございますから、今通産省の方もこの審議会の御議論に対して大臣としてあるいは内閣としてどう対処するかということはこれからのお話だって言っておられますことを、本当にそのままいただきまして、私どもも審議会に一定の御報告をいただいた上で審議会とともに考えていくという立場に立ちたいということでございます。
 もとより経済企画庁といたしましては、消費者行政を預かっているところでございますので、消費者のこれまでにありました弱い立場から出てくる欠陥については十分注目してまいりたいと思っております。
#185
○市川正一君 久保田長官は御存じだと思いますが、第十三次国生審は、通産省からの圧力でPL法導入を見送ったということを森蔦部会長があの中で明らかにされております。
 私は、消費者行政を預かる久保田長官が、まさに消費者が泥まみれ汗まみれで草の根から取り組んで、そしてPL法制定の、そしてそれは中身もきっちりしたもの、そういうものをつくろうというこの世論と運動に対してどういう態度をおとりになるかということを非常に期待もし、また注目もしているということだけをこの機会に申し述べておきたいと思います。
 時間が参りましたので、本来ならばここで不況、景気対策についてそちらの方から拍手が起こる質問をするつもりだったんですが、残念ながら時間が迫ってまいりましたので、大店法問題についてお聞きいたします。
 実は、政府の規制緩和の中で大店法の見直しについていろいろ議論が出ているやに聞いております。読売新聞は大店法の五年後の廃止を報道いたしておりましたが、通産省はどういう検討をなさっておるんですか。
#186
○政府委員(川田洋輝君) 大規模小売店舗法、いわゆる大店法につきましては、平成四年一月末から改正大店法が施行されておりますが、その附則の第二条におきまして、改正法の施行から二年以内、すなわち平成六年一月までということに相なりますが、その二年以内に改正法の実施状況の検討を踏まえた見直しを行うということに相なっております。こういうことでございますので、私どもといたしましては、今後産業構造審議会あるいは中小企業政策審議会の合同会議といったような場を開催させていただきまして、関係者の意見も十分踏まえながら見直しのための検討を進めてまいりたいというように思っております。
#187
○市川正一君 附則第二条のことはよう承知しております。問題は、新法による出店調整の期間はすべて一年以内に終了しているということに報告を私は承っております。だとすれば、なお見直しの対象になる実施状況が存在しているというふうに通産省はお考えなんですか。
#188
○政府委員(川田洋輝君) 大店法の趣旨につきましては、消費者の利益の保護に配慮しつつ、周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、もって小売業の正常な発達を図るということにあるわけでございます。こういう趣旨から申しますと、調整処理が一年以内で処理されているということは、こういう調整にかかる負担を少なくするなどの見地から、また消費者、小売業者等の関係者にとっても便益をもたらすものではないかというように思っておるところでございます。
 そのほか、大店法をめぐる議論につきましてはいろんな関係者の方々が問題意識その他を持っておっしゃっておられますので、先ほども申しましたように、広く関係者の意見をお伺いをしながら、法律の定めに沿って見直しの検討を進めてまいりたい、こういうことでございます。
#189
○市川正一君 その見直しという中に、読売新聞が報道したような大店法の言うならば廃止ということが含まれているのかどうか。きょうのNHKのお昼のニュースによると、平岩委員会ではこの廃止論は挿入しないという報道をいたしておりました、私はその詳細の経緯は知りませんけれども。したがってそういうことは今考えてはいないということですね、そういうことというのは廃止ということ。
#190
○政府委員(川田洋輝君) 先ほどから申し上げておりますように、広くいろんな論議があるところでございますので、法律の規定に則して検討したいということでございます。
#191
○市川正一君 きちっと答えるところはきちんと答えないと、これは大臣がかん立てるのは私ようわかると思う。
 そこで、最前あなたは大店法の目的を引用したけれども、もともとこの日本の歴史的、社会的存在である中小小売業を守るということは、これは高齢者社会やあるいは消費者の選択の利便を保障するということやら等々で、大型店の巨大な資本力による勝手な営業活動を規制して、大型店と中小小売店の共存共栄を図るということやと思うんです。こういう立場に立ちますと、大店審での審査の一番の中心は、大型店の進出による中小小売店の影響について十分な審議を尽くすことやと思うんです。それがそうなりているかどうかということが新法との関係で今問われていると思うんです。
 実は、新潟県の上越市に進出する上越ウイングマーケットセンターというのに対して、この上越市内の商店会や町内会など五十団体で組織された上越の新しい流通を考える会が一カ月間に集めた署名運動、出店面積を五百平米に削減することを求める署名ですが、これが一万七千に上っております。そして、上越市議会でも大幅削減を求める意見書が全会一致で超党派で決議されているんです。そしてまた、近辺の新井市などの市町村六十三の商工会や商店街の声が超党派の世論となって、この国会にも恐らく商工委員の諸先生のところにも届いでいるやに私聞いております。送られてきております。
 この世論を無視して、十月十九日に大店審は、店舗面積を一八・四%は削減したのでありますが、結局結審をいたしました。そして、地元の上越市のこの会は、大店審での再審を通産大臣に要請いたしております。恐らく雇いていると思います。この再審要請に対して通産大臣はどうお答えになるのか、承りたいと思います。
#192
○国務大臣(熊谷弘君) 最初に、雄弁なものですから言われっ放しなんで、最初の方の質問に私の方から申し上げたいんですが、大店法の問題につきましては、私どもは心を平らかにいたしましてすべての可能性を含めて見直しをしたいと。せっかく、先ほども委員は消費者の味方、黄金バットのように振る舞っておったんですが、大店法になった途端に消費者がきれいにいなくなってしまったんですけれども、私は大店法の問題はやっぱり消費者というものを十分考えて見直していくべきものだ、しかしあらゆる可能性を通じて見直しをしていきたい、こう考えておるわけでございます。
 次に、具体的に上越ウイングマーケットの出店案件につきましては、私はわざわざ委員からも御指摘をいただきまして早速勉強をさせていただきました。この案件につきましては、本年三月の届け出以来、いわゆる大店審におきまして大店法に基づく消費者等からの意見聴取、それから地元商工会議所の意見集約、それから審議会メンバーによる現地調査を行うなど、すべての手続を丁寧に慎重かつ厳正に行いまして、その上で諸般の要素を総合的に判断した上で、去る十九日に委員御指摘のとおり出店者の店舗面積の削減等を内容とする答申が出されたところでございます。
 以上のように、今回の答申は大店法上も適正な手続に従った慎重審議の結果として出されたものでございまして、私としてはこれを尊重すべきであると考えておりまして、再審議の必要はないのではないかと考えておるところであります。
#193
○市川正一君 大臣の方からは審査は尽くされたというお答えでありますけれども、実態はとんでもないんです。例えば、大店法第七条の二項に基づく意見の申し立て者が三百三十名に上っておりますが、そのうち直接意見を聞いたのは十名だけです。また、カウボーイなど上越ウィングマーケットセンターの申請面積四万五千平米で年商売上高百二十三億ということになっておりますが、売上高が非常な過小評価であるということはこれは歴然たる事実であるのに、それを見逃して結審をいたしております。具体的数字を申し述べるいとまがございませんが、こういう一つ一つの事実を突き詰めていきますと、明らかに大店審の審査は不十分であり、尽くしていない。私は、先に結論ありきでなしに、大臣の最終決裁を前にして再審議を行うべきであるということを先日直接じかに地元代表と一緒に、大臣ちょうど御都合であきませんでしたので、申し上げましたが、十分にその状況も聞いて検討されることを重ねて要請をいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#194
○国務大臣(熊谷弘君) さきにお答えしたとおりでございます。
 私どもも、委員の御意見もございましてさらにいろいろ検討してみたわけでありますけれども、所定の手続に従いまして十分審議されたものという判断に立つでいるわけでございまして、この考え方を今変える理由は見当たらないと考えているところであります。
#195
○市川正一君 そうかたくなな御答弁じゃなしに、やっぱり要はもう一遍調べてみようというぐらいのところに行くはずですわな。
 というのは、何もこれだけやおまへんのや。本委員会で私は四月に、佐賀県の上峰町のニチイの出店についても、大店審の佐賀審査部会の委員を賛成者にする工作だとか、あるいはテナントとして入居する商業者が意見の集約聴取の代表になっているとか、大店審の審議のあり方自身が不公正、不透明になっているということを具体的事実を挙げて指摘いたしました。これは担当官は御存じのとおりです。思い出しましたか。そうでしょう。
 だから、今回の上越の問題、佐賀の問題、この大店審の結審について、地元の関係者が道理と根拠のある要求に基づいて再審査を求めているんです。いわば、新規法案ではそこの救済方法がないんです。私はあの改正のときに指摘いたしました。だから、透明性、公正性が確保されるというならば、大店法改悪で実施したのは結局迅速性だけしか残らなかったというふうなことのないように、また大店法の骨抜きにならぬように、私は声を大にして消費者の利益なんだと、さっき大臣がおっしゃったからもう一遍言いますけれども、消費者のその利益のためにもこれはぜひ再検討していただきたいということを重ねて申し上げで、ちょうど時間になりましたので答弁を求めて、質問を終わります。
#196
○政府委員(川田洋輝君) 私からは、ただいま御指摘がございましたマイカル上峰の案件につきまして、まず御説明させていただきたいと思います。
 四月八日の参議院商工委員会で、市川委員から佐賀県マイカル上峰の出店の案件について御質問がございました。当時の森通商産業大臣及び細川商務流通審議官からお答えいたしておりますとおり、大店審において慎重かつ厳正な審議を行いまして、諸般の要素を総合的に勘案して出された答申に沿って既に調整手続を終了いたしておるところでございます。したがって、再審議の御要請につきましては、もはや手続的にそういう余地がないということを御理解いただきたいと存じます。また、この旨は先般の審議の際にも両者からお断りを申し上げているというように私どもは承知をいたしております。十分厳正な手続を進める必要がございますし、それに則して仕事を進めてまいりたいと考えでおるところでございます。
#197
○斎藤文夫君 最後になりまして、しばらくお時間をちょうだいしたいと思います。
 なお、経済企画庁長官が衆議院の委員会との関係がございまして、四時十五分にここをお出にならなければならぬと承っておりまして、あと十分しかございませんが、お戻りになられてから時間があればまた残余させていただくことにしたいと思います。
 そこで、経企庁長官にまずお尋ねをいたすところでございます。
 かつて金利引き下げに逡巡をした三重野日銀総裁が昨日、この景気回復は来年度にずれ込むかもしれぬ、こういう意見を発表されまして、私どもも、先ほど来お話がありました深刻な不況状況、この中で景気回復をもう首を長くして期待し待っておるところでありますが、現実にすぐ実現ということはなかなか難しい。
 そこで、長官はこの景気回復の時期をいつごろとお考えになっておられるのか。一流新聞の一流企業百社のアンケートを見ましても、来期以降の回復が八〇%、ほとんど大部分が今なお落ち込んでいる、あるいは足踏み状態、こういうことを言っておるところでございまして、長官、この景気回復を一体いつごろと我々国民は期待したらいいのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
#198
○国務大臣(久保田真苗君) ことしの四−六月期、今年度一期目からマイナスの成長を記録いたしまして、その後も円高、異常気象等の影響もございまして底ばいを続けている。つまり、低迷が基調であるという見方をしております。そして、本格的な景気回復というものについては予断を許さない、そういう状況でございまして、今回の不況が非常に複雑なものであり、いろいろ外的な要因も加わって経営者のマインドを萎縮させている。あるいはバブル経済の崩壊の後遺症というものがかなり長期化しておりまして、そのバランスシートの解決もまだ見ていないという状況でございますから、確かに景気につきましては低迷が長期化しているということは申し上げざるを得ないと思います。
 ただ、私どもは、これに対する緊急経済対策というものをとっておりまして、これが中長期的な課題にも適合できるようなそうした差益還元、規制緩和、そして生活関連の社会資本整備ということでできる限りの手を最近打ったわけでございます。これに前内閣から引き継いております累次の経済対策、こうしたものの前倒しに懸命になっておりまして、それは好調にいっているわけでございまして、そのようなことの積み重ね、そして切れ目なしに来年度予算にもつないでいくという、これが私どもの期待する部門でございまして、確かに住宅投資などには非常に強い需要があるという実感を持っておるわけでございます。
 ですから、私どもはできることならば、せっかく今年度のいろいろな手を打ったものが何とか年度のうちに糸口をつかみたいものだ、そういう希望を持っております。
#199
○斎藤文夫君 時期を明確にとお願いしましたが、なかなか難しい問題でございますから、これはいずれ機会あるごとにお尋ねをしてまいります。
 そこで、今お話がございました九月十六日、細川内閣が御発表された緊急経済対策、これはこの間、久保田長官の私どもに対するごあいさつの中でも拝見をいたしたところでありますが、今、中長期的な展望にも合致をしながらしかも即効性がある、これはすぐ即効的な効果を上げてしかもそれが中長期的な経済構造の改革にまでつながるすばらしい考えです、こう口では言えても、現実に実は私どもはこれを拝見いたしまして即効性はない、こう判断をした方が間違いないのかなと。
 なるほど中長期的にはそれぞれ規制緩和とかあるいは円高差益の還元、しかし円高差益の還元とおっしゃったって、先ほども御指摘がありましたが、電力会社、ガス会社で国民一人当たりに考えればたかだか三百円。かつてどんぶり一杯の還元と言われたときがありましたけれども、長官、三百円でコーヒーだって飲めない。それでも、努力はされた、評価はいたしますけれども、決して即効があるような円高差益還元ではない、ましてや文化の薫りが高い、肌で実感できる豊かな社会、それは私どもも選挙で言っておることでございますけれども。
 しかし、そういうようなもので本当に今の景気対策、もちろん前々からの前倒し、十三兆二千億、それに今度の五兆九千億ですか、合わせればそれだけでも十九兆円余、こういう大型な補正幸組み、しかも公共投資七十二兆三千億の平成五年度の予算、それを積極的にぶち込んで景気浮揚に全力を挙げて前内閣時代から取り組んでいる。この姿は十分わかりますけれども、しかし残念ながら、後ほどこれは通産大臣にもお尋ねをいたしますけれども、むしろこの緊急経済対策は肝心なところでこま落ちを感ずるような点がある。あえて言うなら、新社会資本の充実は通産サイドの意見である、ところが重層的な波及効果で、いわゆる情報産業その他を含めてそういう効果が出るはずの新社会資本充実というのがいつの間にか新が消えちゃう。そして、おっしゃられるように生活者のための社会資本。
 生活者とか国民とか、あえて言うなら私たちはそのとおりでありますが、生活者ですらこういうことを新聞で投書しておりまして、なるほどこういう素人の人ですら思っているんだなと。この深刻な景気不況の中で政府が言う三・三%のGNPなんていうのはもはや絶望的だ、マイナスだろう、こうまで素人、一生活者が新聞に投書しておられる。皆さんは今なお三・三%、修正をなさろうとしていない。十二月末には来年度のGNPの発表があるんじゃないですか。去年この三・三%をお決めになったときに、私どもは言下に高い、こんな実績が上がるはずがない、強く御要請をした。
 この三・三%を決めた基準あるいはまた先ほどお話をした景気に対する即効性、これだけひとつ大臣に御答弁をいただきたい。
#200
○国務大臣(久保田真苗君) 三・三%の達成が困難になっているということにつきましては、確かに今年度の一期目、四−六月期がマイナス成長になり、今後もし目標を達成しようとするならば、二期目以降において年率にして九%程度の成長が必要であるというこの試算から見まして困難な情勢であることは確かであると思います。
 けれども、その中でもやはりこれを下支えする公共投資、特に住宅という要因がございますし、また新しい社会資本の整備というのは、今回の緊急経済対策の中ではそれほど大きい事業規模ではございませんけれども、しかしこれは次の予算にもつないでいく、そういう新しい芽でございますので、私はここで企業家に、また生活者である国民に、先にある希望というものを見てひとつマインドを奮い立たせてもらいたいものだと思っております。今のこのマインドの冷え込みという精神的な要素を解決するにはそれが極めて必要なものだと思っております。
 また、訂正の件でございますけれども、私どもはまだ本当に年度の三カ月分の成長しか総合的な指数を得ておりません。そういたしますと、私どもは月例報告という形で、あるいは時々刻々のさまざまな指標の発表によってこれを補っておりますけれども、七−九月期の二期目の数字を見てからこれについて見直してまいりたいと思うわけでございます。なぜなら、この数字は非常に多くの数字が寄りかかっているのでございまして、ここでそこつな見直しということは禁物であろうと思うからでございます。
#201
○斎藤文夫君 まだ実は長官にいろいろお尋ねしたいんですけれども、衆議院との約束がありますから、どうぞ御退席ください。そのかわり、かわりの方から御答弁を願います。
 経済企画庁の今までの、特に不況に入りつつある段階からのGNPの見通しが極めてずさんであり甘かった、私どもはたびたび今までも指摘をしてきたところでございます。元来、三・三%を目標としたのは、要するに税収見込みを六%に見込まなければいわゆる年間予算が組めない、それだから名目成長を四・九、五%ぐらいに置ける、その計算から三・三%が類推されてくる、こういうように私たちは見ておるところでございます。あるいはまた欧米に対する内需拡大の配慮とか、そういう政治的な配慮の中であの三・三%は決まった。
 これだけで論議していると終わっちゃいますから、これはあえて答弁を求めてもしようがありませんが、ところがそのときに、これは去年の十二月、IMFは日本の経済成長をどう見ておったか、知っていますか。二・四%と見ている。日本じゃ三・三%なんて大きな旗を上げている。ところが、外国はそのときですら既に二・四%と見ている。生活者は、もう既に絶望的でマイナスだと今言っている。こういう状況を本当に経企庁は真剣に考えてもらいたい。いや、当たるも八卦、当たらぬも八卦だと。私はかつて大変な勢いで経企庁の幹部の人に迫ったことがある。だれか思い出していると思うんですよ。そういうときにだれも責任をとらない。
 今長官がおっしゃられたように、無責任な、早計な判断はできない、まだまだ三カ月の一期分しか見ていない、そういうようなことをおっしゃられるけれども、昨年の実績を考えてごらんなさい。当初三・五%、下方修正して一・六%。そのときだって私どもは厳しくこの数字にはならないと言っておったら、実際は〇・八%だったわけでしょう。
 これは当たらなかったから、あなたたちけしからぬといって穴をまくって怒ることではない。しかし、それによって企業の設備投資その他、とりわけ中小企業等は、経済成長三%、じゃ何とかするかなと思っていれば現実ががくんがくんと落ちてくるから、どうしたって設備投資に対してこれはもう各企業はマインド的に冷えてしまう。消費者だって、経済企画庁の言うこと当てにならず、こういう考えになるんじゃないですか。毎回毎回、今回も希望観測ということでは私は済まされない。本当にそれならば打ては響くように下方修正されたらどうですか。
 最近出た一般の民間のリサーチ、約四十七社ですか、それを見たってもうほとんどが二%以下ですよ。あるいはまた、今の落ち込みから見ればマイナスが予想されるとささやかれているときに、あなたたちは依然として、まだまだ数字が足りません、多くのものを分析しなければ下方修正もできません。下方修正しないうちに来年度のGNPの予想を発表しなきゃならなくなる。こういうことを続けておるというところに景気判断を見誤ったと、私たちは強く憤りを持って指摘をさせてもらわなければならない。
 これは我々自民党内閣のときの問題で、随分私たちは内輪でこの問題を大きく声高に指摘をしたんです。でも、このままいけば、これはだれの内閣になろうと、一番景気が落ち込んで嘆くのは国民なんです。だからこそ、あえて、重ねて経企庁に強く私は指摘をしたいと思っております。したがって、大臣がおられませんが、言うなら経企庁というのはもっと景気の、経済の動向に敏感に対応していただくような努力をしなきゃいけない。
 臨時行革審で出ましたね、この後大臣にも所見を一言お尋ねしようと思いますが、二十一省庁あるのを六省にしようというんでしょう。そして細川総理は、私の考えに似ている、だからぜひ実行あるのみ、調子いいですよ。だけれども、本当にそのときの経済企画庁なんというのは財政ポツです。その下に経済なんというのがくっついてきて、もう本当に込みやられちゃうんじゃないですか。なぜ経済企画庁ができたのか。私がかつて仕えた藤山愛一郎先生は、経済企画庁長官として経済企画庁の役割の重さというものを認識させたんです。皆さんの今のやり方だったら、ああそれは大蔵のポツになってもやむを得ない、こういうことすら考えられる状況なんですね。
 ですから、日本経済のリードオフマンとして大きな自覚と自信を持って堂々と日本のかじ取りを経済企画庁が命にかけてもやるんだ、こういう気持ちであなたたち大臣を輔弼しなきゃならないだろうと思いますが、いかがですか。
#202
○政府委員(小林惇君) ただいまの委員の御指摘、大変しみ渡る御指摘であるというふうに考えております。
 特に成長率の、例えば平成四年度につきましても当初三・五という数字を出し、それが四年度の実績見込み、これは昨年の暮れでございましたけれども、それが一・六になり、実績は〇・八だったというような経緯をお示しいただいたわけでございます。本年につきましても大変厳しい数字がございまして、三・三の当初の数字に対して、先ほど大臣からも御説明申したように、年度の第一・四半期はマイナス成長であるということで、年度の三・三という数字が非常に厳しくなっております。それから、委員御指摘でございましたけれども、民間経済調査機関あるいは新聞報道によりますと、これは暦年の数字でございますけれども、IMFが数字を出してございますけれども、そういうのも非常に厳しいものがあるというふうに十分承知しておるわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、経済の実勢あるいは先行きについてでき得る限りの努力をいたしまして、大臣を輔弼してまいりたいというふうに考えております。
#203
○斎藤文夫君 それでは、時間の関係がありますので、熊谷通産大臣に質問をさせていただきます。
 不況下の中小企業問題、中小企業はこれはもうまさに千差万別です。ですけれども、そういう本当に小さい企業が日本の大企業を支えた、この二重構造の中で世界に冠たる経済大国日本ができた、これは明らかなる事実でございます。ところが、中小企業の持つ脆弱性というものはこれはもう枚挙にいとまがありませんし、今時間の関係でそれを一々指摘しているようなことはできません。
 しかし、それらの中小企業の持っている本質的な問題、加えて今日の不況という、言うなら社会の流れの中で今中小企業はダブルパンチを食らって深刻な状況下に陥っていると私は考えておりますが、大臣、中小企業の現況に対する御所見をまずお聞かせいただきたいと思います。
#204
○国務大臣(熊谷弘君) 日本における中小企業の役割というものがどんなに大きかったか、また今後とも大きいというのは、私は全く委員と同じ意見でございます。しかしながら、その中小企業が戦後、幾多の不況がございましたけれども、今回の景気後退局面におきましてとりわけ厳しい試練にさらされているというふうに私は思います。従来の不況を見ますと、まずこんなに長く続いたこともありませんし、回復局面においては、まだ全体としては低迷していても、まず中堅中小企業が機動艦隊として動き出しまして、金融もそれにずっとついてくるというようなことがあるんですけれども、今は逆でございまして、中小企業は陣吟しているというのが私は実態ではないだろうかと。
 そういう考え方に立ちまして、委員から先ほど来自民党政権におきましても累次の経済対策を講じたという御指摘がございました。そのとおりでございまして、昨年の八月に十兆円、この四月に十三兆円ということで、今回の六兆円と合わせますとほぼ三十兆円近い景気対策が講じられたわけでありますが、今回の一兆円を合わせましてそのうちの四兆円が中小企業対策として講じられているところでございまして、我々もそういう施策に明らかになりますように中小企業の危機というものを十分認識しているつもりであります。
#205
○斎藤文夫君 特に中小企業対応というと、今までの通産省はいろいろ技術的な指導とかあるいは補助、助成、そしてまたいろいろなアクセスの整備、そしてまた資金等々の調達、いろいろやってきているところでありますが、私はそれなりに今までの通産行政というものは、地方、都道府県あるいは商工会議所等々とのタイアップの中で機能を果たしてはきていると思いますね。
 しかし、それはあくまでも通常のときにそういう今までの通産行政の方針で十分対応ができた、しかしこの二年半に続く深刻な不況は、まさに中小企業が本当に死活をかけた大問題にまで追い込められています。こういうときに在来の通産行政の中小企業対策で本当にやっていけるのかなと。もっと何か画期的な、要するにおざなりではなくて、中小企業の経営基盤強化のためにどういうような手だてが中小企業に一番いいのかなと。
 例えばリストラ法もありますよと、こうおっしゃられる。しかし、そのリストラの目するところ、新規事業に進出をするお手伝い、これは結構ですね、また一万産業の空洞化懸念があるわけでありますが、円高その他を背景として外国へ大手企業が出ていけば、それの部品製造として海外への進出はどうだと、こういうような援助もしようと、お題目はいいんだけれども、果たしてそれに意欲を持って進出できる中小企業というものがあるか。
 私は特に神奈川でありますから、横浜、川崎を中心に中小企業日本一の地域に住九でいる。いろんな人に聞いてみても、今新しい企業の開拓となれば、例えばその技術的な問題、設備の問題、そしてまた製品をいかなる方面に売るのか、販路の問題、大変なリスクをしょわなきゃならない、とてもできることじゃないですよ。
 ましてや、例えば自動車産業がいよいよ外国へ行く、あるいは地元ではレイオフをする、工場の配置転換は行われる厳しい状況下に置かれたときに、部品メーカーの業者は、じゃ海外へすぐ行ってなれぬところ、言葉の通じぬところで本当にすぐに製造ができるか。それは三年、五年、十年先の果実をとるならいいけれども、今この時点ではとても、せっかく通産省が中小企業の景気浮揚の一環でもあるし、将来的に構造改革にもなるからいいとおっしゃられても、そうそう喜んでそういうものに期待をするというものは全国でも非常に少ない中小企業、優秀な体質の極めて丈夫な中小企業だと私は思っておるところでございます。
 重ねて、中小企業のあす生きていくための積極的な施策というものを大臣にお聞かせいただきたい。
#206
○国務大臣(熊谷弘君) 日銀の統計資料によりますと、最近のいわゆる企業に対する新規貸し出し、これは政府、民間合わせての新規貸し出しの中で政府系金融機関が半分を超えるということが出てきているわけでございます。私は、この緊急な事態について中小企業施策は有効に機能をしているというふうに思います。
 他方で、逆に言いますと、民間金融機関の方にいささか問題があるのではないか。私がまたこれ以上発言しますと、また日銀いじめとか大蔵いじめと言われますから、もうこの間から言っているんですが、与野党の委員がもっとなぜこれしっかりやらないんだという気持ちが私は実はあるのであります。償却前利益空前という、この数年にわたって都市銀行全体がそうですよね。しかも、短資市場は依然として下がったというけれども、そこは比較によりまして公定歩合がここまで下がっているにもかかわらず本当にうまく下がっているかどうか、真の自由な市場になっているかどうか、こういうものについて私はもっと与野党通じて厳しく審査し、議論をし、ディスクロージャーしていかなければならないと思うのであります。そうすればこのメカニズムが明らかになる、私はそう確信しております。
 私は専門家じゃありませんので、さまざまな議論がある、何か思い当たることが幾つもあるわけでございまして、そういうこともあわせながら中小企業の行く先を考えていかなきゃならぬと思います。
 今委員が鋭く御指摘になられまして、我々もちょっとぎくっとするんですが、リストラ法案がすべてじゃないよと、確かにそのとおりでありますけれども、またリストラ法案が一つの方向を示す機能を持ち得ると私は思うわけでございます。これはぜひ早期に成立をお取り計らい願いたいと思うのでございますが、しかしおっしゃるとおり、それだけで十分であるとは思っておりません。
 とりわけ、私どもがこれからやらなければならないと思うのは、今委員が生き生きと描き出しましたけれども、全体としての、大企業も含めて、自動車、電機を含めて大変な状況になってきておりまして、そういう中で中小企業も対応していかなきゃならぬ。ところが、自分たちが食べていく新しいチャンスというものを、正直に言いまして我々もまだ描き切っていないわけでございます。そういうものを早く描き出すと同時に、その描き出した絵図面に到達できるようにあらゆる努力を払っていかなければならない。
 私は、平岩研究会のありようも、それから私ども通産省が今、担当局長も来ておりますけれども、鋭意作業を進めております産業構造審議会の検討作業も実はその方向に向けて努力をしているところでございますので、絵ばかりかいているな、こうまたおしかりいただくかもしれませんが、我々は八月に内閣に入って以来、今全速力で走っているところでありますので、御支援を賜りたいと思うのでございます。
#207
○斎藤文夫君 大臣が非常に認識をしていただいていること、さすが通産御出身と心から敬意を表するものであります。ぜひ、ひとつ中小企業問題についてはさらに御努力をいただくことをお願いしたいと思います。
 今お話がございましたが、日銀の三重野さんの話ばかりするわけじゃありませんが、これも新聞で、ああよく言ったなと思いましたが、大臣御指摘のように民間金融機関が融資に慎重になり過ぎている、もっと積極的に対応したらどうだと。日銀の三重野さんが言うんですから、よほど現実はそういう状況に立ち至っているなと思っておるところでございます。
 しかしながら、これは民間にも私たちは要求をしてまいりますが、政府の、とりわけ中小企業の金融機関においては、従来の貸し付け規模の拡大とか、あるいは貸し付け条件の緩和、とりわけ無担保、無保証、これは非常にリスクが高いと言われればそれまでですけれども、そういうものにもこの際は特別に御配慮をいただかなきゃならない。それがやはり経済安定、景気対策に私はつながっていく道だと。それから、既往の借り入れがありますとなかなか新規借り入れが制限をされる。こういう際は、既往の分についての償還は弾力的に運用していただく、そういう緊急避難的な対策も必要ではないかと思っておりますので、ぜひひとつ御認識をいただきたいと思います。
 それから、製造物責任制度と中小企業の問題ですが、これからPL論議がされるところでございます。十一月五日に産業構造審の小委員会答申がおされるようでありますし、従来からいろいろ論議もありましたが、これからはいよいよこういうことで製造者責任が明確になっていくのかなと思っておるところでございます。その意味では消費者保護とか、あるいは救済、そしてまた国際的な制度のバランスから見ても私はまことにいいことであろうと思っております。しかし、今まで通産省には製造安全関連法などいろいろ製造物に対する安全の責任を問う法律がございまして、それらとの関連は一体今後どうなるのか。
 かつて私は委員会で指摘してきましたが、電気用品取締法というのがありまして、ソケット一つ外国から輸入してくるのに検査に一カ月も二カ月もかかる、輸入障壁だ、こういう話をしたことがあるんです。そういうのはこれからは当然規制緩和の対象になっていくと思うわけでありますが、いずれにしても従来あった製造関係に対する法律との関連というものはどう整理をされようとされますか。
#208
○国務大臣(熊谷弘君) 細部にわたりましては、担当審議官もおりますのでまた補足の説明をしていただきたいんですが、基本的には、仮に製造物責任制度が大方のコンセンサスを得て発足ということになりますと、当然のことでありますけれども、安全の問題でありますとか消費者保護という名において行われたさまざまな規制は整理統合されるということになるのは、これは当然だと思っております。細部について詰めたわけでありませんが、ざっと数えますと百近い規制が統合される、この制度の中に組み込まれていくというふうに考えおります。
#209
○政府委員(川田洋輝君) PL法と申しますのは、端的に申しますと、事故が起こった後の被害救済についての裁判規範でございます。一方、ただいま御指摘の電気用品取締法などの製造物安全関連の法律は、消費者が事故に遣わないようにするために、事故の未然防止あるいは再発防止を図るというものでございます。
 私どもは、事故の未然防止及び再発防止と迅速かつ確実な被害の救済というのは、全体として総合的な製品安全対策を構成していくものというように考えておるわけでございますが、安全規制につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、大きな流れというのは規制緩和の流れにあるわけでございまして、経済情勢の変化、技術進歩、事故の実態などを踏まえて、常に見直し、基準・認証制度の合理化といった、めり張りのきいた体系としていくことが重要ではないかというように思っております。
 なお、事故が発生いたしました場合に、事故の製品が行政上の安全基準に適合しているかどうかという問題と、民事責任の、先ほど言いました裁判における判断基準としての最終的な裁判実務ということとは法律論としては切り離した問題であるわけでございますけれども、実際の問題につきましては、やはりその安全基準に適合しているかどうかというようなことが重要な一つの判断基準となる、裁判実務におきましてもそういう関係に相なろうかと存じます。
#210
○斎藤文夫君 そこで、PL法が仮に近い将来施行されますと、やはりそれだけ中小企業にも責任がかかるわけでありまして、中小企業の自家製品は直接責任が問われる、これはもう当然なことになりますが、大企業の下請で部品をつくった、いろいろやってみたら、その部品が大企業の設計そしてまた指導によってつくったにもかかわらず欠陥であった、おまえのところでつくったんだから、中小企業おまえの責任だ、こういうような問題も、私は素人なりに今懸念をしております。学界、法曹界、相当厳しい意見を持っておりますから、それだけにこの問題については慎重にやはり対応をしていただきたい。
 それに、谷畑先生も先ほど中小企業等に及ぼす影響も懸念をされると、お時間がなくて十分お触れになれなかったようでありますが、実はその谷畑先生の御質問でいただいた資料、これはいい資料だな、なるほどこういうことがあるのかな、こう思いました。
 ただ私は、塗装業界の顧問としてふと思いましたのは、ここに書かれているこの亀山さんの命にまでかかわる重要な影響をもたらした有機溶剤、これは一体どういう使われ方を塗装業界でしているのかな。ここにいてちょっと情報を収集した程度でありますから十分とは言えませんけれども、その調査によると実際業務用の六〇%をこれらのものは占めている。言うならば、塗装業界で通常こういう溶剤を使わなければ塗装ができない、こういうものなんですね。その普遍的な溶剤を使って事故が起きたときに、それはペンキ屋、おまえの責任だ、こうなるともう塗装もできない。そして、この溶剤は、国の関係で言えば住都公団、JR、どこでもみんなこういう溶剤を通常使っている。
 そういう状況のものであるとすると、この亀山さんは大変それに弱い方で、こういう御被害に遭って明確になったから、なるほどすばらしい御努力をされたな。一面敬意を表するんですけれども、これを通常の日本全体で押しなべて、これでペナルティーをかけられたら、特に零細の塗装業者なんというのは塗装の仕事を断るようになっちゃう、そういう気がしたんですが、この辺について所見があればお聞かせいただきたい。
#211
○政府委員(川田洋輝君) 先ほど来いろいろ申し上げておりますように、現在まさにいろんな論議をいたしておるところでございますので、これに直接ということは現時点では差し控えさせていただければと思うわけでございます。
 ただ、先生今御指摘の点は、まさに欠陥とはどういうものであるのか。経済社会の中で有用な品物、例えば自動車についても非常に有用な品物ですが、場合によればこれによって死亡事故が発生するというようなこと。今この事例でも、どうしても使わなければならない、そういう有用性があるということと、それによって消費者が被害を受ける、ここいらをどういう関係で考えていけばいいのか、まさに欠陥をどういうものとしてとらえて、責任を関係者問でどう分担し合っていくかという基本問題であろうかと思います。まさにそうい丁たことについて答えができるように、鋭意今検討を進めさせていただいている、こういうことでございます。
#212
○斎藤文夫君 したがいまして、PL法と中小企業という問題設定の中で、中小企業の製造者責任も例外ではありませんけれども、十分配慮されるように特に要望しておきます。
 時間がなくなりましたので、それこそどんどん参ります。
 景気浮揚対策で、九月十六日、細川内閣の緊急経済対策が発表された。片や、前内閣の宮澤内閣当時、四月に総合経済対策が打ち出された。先ほどもちょっと触れたところであります。
 そこで、宮澤内閣のときの対策の中には、従来即効性の高い公共事業、これはいわゆるハード面、そういうものに力点が置かれておった、それを新社会資本整備と銘打って新たな展開を期待させた。私は、先ほども申し上げましたように非常に高く評価をしておった。とりわけ、通産省の皆さんの努力で、元来だったらとてもそういうところに登場しなかったであろう教育用パソコンとか研究機関の充実、情報通信基盤整備あるいは病院、福祉施設等々に新社会資本充実と称していろいろ重層的な、しかも即効性のある、波及効果の高い、例えばこれによって電気メーカーといいますか、コンピューターメーカー等にも相当な刺激を与えられたろう。これは、言うならば通産省の主張が大きく景気浮揚対策の中に反映されておる。私は本当に喜んでいた。
 ところが、それがいつの間にか新が消えた。いや、新が消えたってやることは同じですよ。ところが、そういかない。この新が消えたというところに、私は非常に重要な意味があるんじゃないのかな、こう思っておるんですけれども、大臣いかがでございますか。
#213
○国務大臣(熊谷弘君) 私どもの認識は、この新社会資本として建設国債の財源にすることが認められた、支出が認められたものというのは消えたのではなくて、もはや新とつけなくてもいいところに座り込んだ、こういうふうに考えているわけであります。ただ、とかくいたしますと、これからの予算編成に向けて我々が油断をいたしますと、この事務方にもその出身者がおりますが、大蔵省などというのはすぐ、お互い経験済みのとおり、どこかへまさに込み合ってしまう人種でございますので、通産省といたしましてはさらに勉強を重ねまして、各省ともどもにこの新しい概念の拡充強化に努めてまいりたいと思っております。
#214
○斎藤文夫君 実は、私が非常に通産省に肩を持っているのは、いろいろそれなりの理由があるんですけれども、結局財政事情でそういうものの具体的な名前を外された、これは私のうがち過ぎた見方でしょうか。例えば、コンピューターは償却期間が十年、ところが建設国債六十年、そういうものでそういう十年の償却のものを予算手当てはできないよ、これは大蔵の今までの財政方針が新内閣になったらまかり通ったんじゃないですか。今大臣は、いやそれはもう明記しなくてもいいですよ、こうおっしゃいますけれども。
 この細川内閣の社会資本充実に当たっては、細川総理は一兆円後で肉づけをいたします、具体的なもの何もなし、こういう経済政策の重要な分野に対する発表はかつてなかった。自民党時代、それぞれできるできない、いろいろおしかりはあっても、一生懸命具体的に事業の明記をしてやってきた。ところが、細川内閣は重要なところでぼかした。それは後で後でと、いつもそういうような体制でこられたということは、裏を返せば通産省は大蔵省にしてやられちゃった、こうとってよろしいでしょうか。
#215
○国務大臣(熊谷弘君) 私は、今あのときの対策のあの項目を手元に持っておりませんので正確に繰り返せませんが、ただ一兆円の使用目的といいますか項目というのは、まさに斎藤委員が御指摘された方向へ向けての支出を目指したものであると私は理解しておりまして、決してなおざりにしたものではなくて、細川内閣は斎藤委員の考えている方向へ向かって前進をしていると私は理解しております。
#216
○斎藤文夫君 ちょうど久保田長官お帰りでございますから、ちょっとお聞きをいたします。
 今話題にしております新社会資本整備が「生活者・消費者の視点に立った社会資本整備」、こう置きかえられた。具体的な施策は何なんですか。
#217
○政府委員(小林惇君) 去る九月の緊急経済対策において「生活者・消費者の視点に立った社会資本整備の推進」ということが取り上げられたわけでございますけれども、中身は具体的には、文化の薫り豊かな質の高い生活にかかる社会資本整備、あるいは豊かで美しい生活環境の実現を肌で実感できる社会資本整備等になってございます。
 この九月十六日の対策に先立ちまして、総理から企画庁長官に対しまして経済対策の取りまとめの指示がございましたけれども、その際には、事業規模一兆円の社会資本整備につきましては、今回の緊急経済対策で取り上げられました円高差益の還元、あるいは規制緩和に直接関連する社会資本整備が一つの項目。それから第二としては、小中学校等の地域開放に必要な施設、あるいは博物館、美術館の施設整備等の文化の薫り豊かな質の高い生活にかかる社会資本整備。それから第三には、高齢者や身障者に優しい町づくりのための公的施設へのスロープ等の設置、あるいは主要な道路の段差解消、街路樹の植栽といった豊かで美しい生活環境の実現を肌で実感できる社会資本整備というような、大きく三つの項目に分けて指示があったものでございます。
#218
○斎藤文夫君 時間がなくて残念ですけれども、今お話しのあったような施策は、今それぞれ都道府県あるいは各都市で一生懸命やっていることなんですよ。しかも、文化の薫り高い施設、美術館や博物館があしたできますか、五年十年かかる。となると、やっぱり即効的なものということにはなかなかならない。確かに、お年寄りのため、あるいは身障者のために階段等を改良してスロープをつくる、あるいは街路樹を植栽する、当然いいことです。いいことですけれども、そういうことは地方がやっているんです。国があえてお題目を唱えて、何回も言うようですけれども、本当にそういうことに対してそれでは地方へ大きな予算をつけてくれたか、つけてないんだから。ただ二兆円、これからやりますと言うだけでございますので、生活者とかそういうことだけの言葉でもって本当に波及効果の高かった新社会資本整備を捨てだということは、いかにも細川内閣の景気浮揚に対する大きなミスであった、こう私は指摘をしておきます。そこで、時間がないものですから、次は日米経済関係について入らせていただきます。
 実は、細川・クリントン会談によって新しい時代の幕あけというようなことになるのかどうか。特に、アメリカは戦後日本を育ててきた、こうかつてアメリカの財界や政界の人たちは思っておった。ところが今時代が変わりまして、そういう人がいなくなった。クリントン政権は若い人たちが多い政権だということも言われておるところであります。同時に、従来日本とアメリカの貿易摩擦というものは、繊維、鉄鋼、自動車、半導体、数えれば切りがない。いろんな険悪な時期もございました。しかし、日本に日米安保条約という形のものがあったからそういうものを抑止してくれた。これは私の持論なんです。
 要するに、日本はアメリカとの同盟国よ、いろいろ経済的に問題があるけれども、安保条約でまあお互いが兄弟で手を握っているんだからひとつ目をつぶってやろうや。こういう気持ちがあったから、日本のいわゆる経済摩擦についても最後はアメリカも妥協をしてくれた。ところが、世界の趨勢は、安保条約のいわゆる重要さというものがあの時点とは違った意味合いのものになりつつある。となりますと、日米経済問題がもめたときに果たして本当にそれを抑えてくれるようなものが両国の間にあるのかどうか、私は極めて懸念をいたしております。
 しかも、日米の貿易インバランスはもう突出している、五百億ドル。幾ら円高になっても五百億ドル。しかも一流経済大国というか、経済国の中で日本がひとり勝ちの黒字国、本年度は千四百億ドルを超えるかもしれない、こう言われているわけでしょう。
 こういう状況の中で、もしも日本が今の自由貿易体制を堅持していくとするならば、相当な犠牲と努力、痛みを分かたないとやっていけないんじゃないか。こういうときに十二月十五日、延期、延期して、ウルグアイ・ラウンドのもうこれが最後、いよいよその時期が来る。幸い昨年は、アメリカとECとの農業問題の陰に隠れて日本はそれほどの風圧を受けなかった。しかし、今回はいよいよもって大変な風圧が来つつある。こういう状況を踏まえて、大臣、日米関係、日米経済問題、どうおとらえになっておられましょうか。
#219
○国務大臣(熊谷弘君) 戦後の日本の繁栄の基礎が日米安保体制の上に築かれているということは、まさにそのとおりだろうと思います。そして、この日米安保体制というものは重要性がなくなったということではなくて、日米双方にとってますますこの日米安保体制というものが、これからの両国の発展と、また両国を組み込んだアジア・太平洋地域の平和と繁栄のために欠かせぬものだということを、私はまず第一に委員に申し上げたいことでございます
 その上で、しかしながら委員御指摘のとおり、日米の間に実は大きな問題が生じていることも事実でございまして、これが何といいましても日本にとっては突出した黒字、アメリカにとっては突出した赤字という形で出ておるわけでございまして、去る七月のクリントン大統領と宮澤前総理の共同声明におきましてフレームワーク協議の合意がとり行われたわけでございます。その基本認識は、まずこの日米間の日本にとっては黒字の存在、アメリカにとっては赤字の存在、ギャップをいかにして解消するかということが最大の問題である、ハイリー・シグニフィカント・ディクリース、十分意味のある削減ということで合意をいたしておるわけであります。
 要はこれをどう具体的にこれからつくり上げていくかということでございまして、来年の一月を一つの中間的なめどにいたしましてマクロの経済調整、それから第二は部門別の問題、それから三番目は、双方協力してむしろ技術開発でありますとか環境問題でありますといった共同作業でできる分野、この三つに分けて協議が始まっているところでございます。
 現在ただいまの時点は事務方で議論がとり行われているわけでありますけれども、やがて委員御指摘のように政治判断をいたしまして日米を揺るぎのない関係にしていかなければならない、これは今後の我々にとって非常に重大な政治判断を要求される問題も入っております。したがいまして、細川総理のもとで我々もその基本をゆるがせにしないように、事柄を成功裏に終結させたいと願っているところであります。
#220
○斎藤文夫君 通産大臣そして経企庁長官のごあいさつの中にもウルグアイ・ラウンドは成功させなければならない、こうお述べになっておるところであります。なるほど、今の日本の自由貿易体制堅持方針というものが当たって努力してこういう日本ができた、思えばその一番のメリットは日本が享受したと、世界はそう言っているわけです。ところが、いろいろそれには問題があって、果たして我々の米問題等要求されるものをはねのけで成功に導けるのか、これは我々としては非常に心配をいたしておるところであり、先ほども御質問があったわけであります。
 この時期にサザーランド事務局長が何で訪日したのか、この意味はどういうところにあるのか、ただ我々の反対反対、国会決議でお米関税化反対、これ聞いて慌てて帰ったのか、ちょっとおかしいんじゃないでしょうか。やっぱり内部的には政府といろいろ包括問題等、関税化問題等の話が出たんじゃないですか。
#221
○国務大臣(熊谷弘君) サザーランド事務局長は日本にだけ来たわけではございませんで、実は世界各国を歴訪いたしておりまして、私が去る十月九日にシンガポールに参りましてASEAN諸国の経済閣僚との会談を行ったわけでありますが、その行く先々でサザーランドさんが事前に行って、これは我々と話の内容は違うんですけれども、やっておりました。彼の話を聞きますと、アメリカにも行き、カナダも回り、オーストラリアの諸国等も回り、またヨーロッパ各国とも全部精力的に話し合っているわけでございます。つまり、今ウルグアイ・ラウンドの交渉はいよいよ最後の段階を迎えているわけでありまして、決して御心配のように日本に圧力をかけるだけのために来たわけではないというふうに思っております。
#222
○斎藤文夫君 それでは最後に、このウルグアイ・ラウンドを成功させる御自信がありますか。そして、もしも農業で日本が突っ張って譲らない、そのときにはそれにかわる代償のカードを通産大臣はお持ちになっていらっしゃいますか。私は、このウルグアイ・ラウンドが万一成功しないと、日米間というのは、細川新内閣に規制緩和だ、内需拡大だと話し合ったことで大きな期待を寄せている、その反動が大変なものになってきやせぬか。私はそれを懸念するために、ウルグアイ・ラウンドの成功についての自信を最後にお尋ねして終わります。
#223
○国務大臣(熊谷弘君) 最初に申し上げておかなければならないのは、ウルグアイ・ラウンド交渉は成功させなければならないということであります。それは単に細川内閣の問題ではなくて、世界経済にとってこのウルグアイ・ラウンドの交渉は、日本だけじゃありません、アメリカにとってもヨーロッパにとっても、すべての国にとって責任だというふうに私は思っております。アジアの国々も、私がそれぞれお目にかかった首脳は全部そういう危機の意識を持っておりました。
 もちろん非常に難しい問題がたくさんございますけれども、これから我々は成功に向けて全力で努力をしていきたいと考えでいるところであります。
#224
○斎藤文夫君 ありがとうございました。
#225
○委員長(中曽根弘文君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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