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1993/10/22 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 農林水産委員会 第2号
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1993/10/22 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第128回国会 農林水産委員会 第2号
平成五年十月二十二日(金曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十日
    辞任        補欠選任
     中尾 則幸君    今井  澄君
 十月二十一日
    辞任        補欠選任
     今井  澄君    中尾 則幸君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        石井 一二君
    理 事
               青木 幹雄君
               浦田  勝君
               稲村 稔夫君
               吉田 達男君
               林  紀子君
    委 員
               大塚清次郎君
               北  修二君
               佐藤 静雄君
               吉川 芳男君
               上野 雄文君
               谷本  巍君
               中尾 則幸君
               野別 隆俊君
               風間  昶君
               刈田 貞子君
               星川 保松君
               椎名 素夫君
               新間 正次君
   国務大臣
       農林水産大臣   畑 英次郎君
   政府委員
       農林水産政務次  村沢  牧君
       官
       農林水産大臣官  上野 博史君
       房長
       農林水産大臣官  福島啓史郎君
       農林水産省経済  眞鍋 武紀君
       局長
       農林水産省構造  入澤  肇君
       農林水産省農蚕  高橋 政行君
       農林水産省畜産  東  久雄君
       局長 
       農林水産技術会  武政 邦夫君
       議事務局長
       食糧庁長官    鶴岡 俊彦君
       林野庁長官    塚本 隆久君
       水産庁長官    鎭西 迪雄君
   事務局側
       常任委員会専門  秋本 達徳君
       員
   説明員
       科学技術庁原子
       力安全局源子力  松岡  浩君
       安全課防災環境
       対策室長
       外務大臣官房審  津守  滋君
       議官
       外務大臣官房外  美根 慶樹君
       外務省総合外交
       政策局外務参事  河村 悦孝君
       官
       厚生省生活衛生  高原 亮治君
       局食品保健課長
       農林水産省経済  嶌田 道夫君
       局統計情報部長
       労働省職業安定
       局地域雇用対策  北井久美子君
       課長
       自治大臣官房審  嶋津  昭君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (当面の農林水産行政に関する件)
 (農林漁業災害、米安定供給等の対策に関する
 決議の件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石井一二君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農林水産行政に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○青木幹雄君 新しい大臣が就任されましてから初めての委員会でございます。大臣御就任、心からお喜びを申し上げます。
 また、私どもと今日まで一緒にこの委員会をやってきました村沢先生、本当に政務次官御就任おめでとうございます。
 この委員会は、非常に仲よく、お互いに立場はありますが理解し合ってやってきた委員会でございますので、私どもも一生懸命協力をいたしますので、ひとつ大臣にも、非常に大事な時期でございますのでしっかり頑張っていただきたいと思います。
 きょうは、私どもの同僚が特に米の問題を中心に質問をすることになっておりましたが、突発的なロシアの日本海に対する放射性廃棄物の投棄という重大な問題が起きましたので、わずかな時間ですが、その問題について質問をさせていただきたいと考えております。
 これは十七日の午前起きた問題でございますが、日曜日のテレビも全国的に放映をしておりますし、次の日の新聞も大々的に報道をいたしております。そして、国民挙げて非常にこの問題は遺憾であるという声が満ち満ちておるわけでございます。
 私も考えまして、本当に日本人の常識では考えられない事態でございまして、つい三、四日前までは、ロシアの大統領は日本へ来て日本とロシアの友好を誓った東京宣言まで発表をしておるわけでございまして、これは環境問題に関しても非常に大きな問題でありまして、環境庁長官もこういうことを言っております。エリツィン大統領夫妻と迎賓館で会った際に、私からも東京宣言の内容を確認したのだが、そのすぐ後に新たな投棄が行われるなんてことはこれは信じられない、こういうことを言っておりますし、またグリーンピースの代表も、エリツィン大統領が来日して東京宣言で放射性廃棄物の海洋投棄に懸念を表明するなど、今後投棄しないようなことを言っておるのに三日もたたぬうちにこういう行為が行われた。これは明らかにエリツィン大統領、ロシアが東京宣言をみずから破壊をするという外交上非常に大きな背信行為じゃないかと考えておりますが、それについて政府の見解をまずお伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま青木先生から御指摘を賜りましたように、重要な案件を抱えるさなかにございまして、私、農林水産大臣を拝命したわけでございます。当委員会の先生方の御意向あるいはまた従来からのお取り組みの中のその方向づけ、こういうものを十二分に意を体してこれからも御指導を賜りながら頑張ってまいりたい、かように考えておりますので、よろしくまずもってお願いを申し上げる次第でございます。
 ただいま御指摘のございましたロシアの放射性廃棄物投棄の問題、正直に申し上げまして、私自身もお互いの感覚ではこれはまことに常識を超えた残念な遺憾な、そしてまた、国民感情をある意味では無視したそういう行為であったと。
 その救いは、御案内のとおり、とりあえず二回目の投棄を中断をする、中止をすると、こういうことになったわけでございますが、本問題は農林水産省分野におきましても、そしてまた、国民の万般にわたる諸分野に極めて大きな影響のある問題でございますから、これからも重大関心を持つのは当然でございますが、ロシア側の良識ある対応を心から期待をし、そしてまた、この問題はそれぞれの立場から強く要請を、指摘をしていかなければならない、こういう問題と考えております。
#5
○青木幹雄君 外務省、来ていただいておりますが、これは正直な答弁をしていただきたいと思いますけれども、こういう事態に対して外務省は事前に知っておりましたか、どうですか。正直にお答え願います。
#6
○説明員(河村悦孝君) 事前には承知しておりませんでした。
#7
○青木幹雄君 そういう答えだろうと思います。官房長官の方も談話で事前に何の通知も受けてないということを言っております。しかしながら、これは常識で考えて、本当に事前に何にも知らなかった、連絡もなかったと言って通れるような問題じゃないと私は思っております。
 というのは、先ほど申し上げたように、三日ほど前に大統領が来て、環境問題についてもいろんな会議をしているわけですから、その席で果たしてそういうことが全然日本側に通知されなかったのか、日本側がそれを全然察しがつかなかったのか。国民の側から見ると、非常にこれはおかしい問題じゃないかというふうに私は考えております。
 また、グリーンピースというのは、これはもう御承知のように民間の環境団体です。これが完全に現場に行って実況放送をやっているわけですね。それは皆さんみんなごらんになったとおりであります。しかも、日本人のフリーのライターが一緒に同乗をしている。これは明らかに事前に場所と時間がわからなければやれない行為なんです。
 それを日本政府が全然知らなかったということは非常におかしいと思いますし、また、私も十九日の日にこの問題でロシアの大使館に抗議に行きましたときに参事官にお会いしました。これはIAEAに対しては正式にきっちり連絡をしてやりましたと、こういうことを言っております。これは間違いない事実だと思います。
 そういう中で日本政府がこれを全然キャッチしていなかったということになると、ロシアから本当にこれはもう日本がばかにされたと受け取っていいのか、それとも政府の、外務省のいわゆる情報収集する機関が完全でないと、そのどっちかになるんじゃないですか。どうでしょうか。
#8
○説明員(河村悦孝君) ロシア外務省からの説明によりますと、ロシア外務省からは事前通報はIAEAに行っているということでございまして、それを私どももIAEA側に確認いたしましたら、ロシア環境保護天然資源大臣よりIAEA事務局長に書簡が送付されていることを確認いたしました。
 それで、IAEAから我が方の通報でございますが、これは連絡ございませんでしたので、調べました結果、IAEAとしては、本来はこれはIMO、国際海事機関の方に通報すべきものである。ただし、ロシア側からはIMOにも通報はございませんでして、IAEAからの説明によりますと、IMOがやるべきであって我々にはそのような義務はないということでございました。しかしながら、我々といたしましても、このIAEAに通報があったことに対して私どもにもIAEAから連絡すべきではないか。これは、IAEAとの連絡は常にやっておるわけでございますが、今後とも一層IAEAとの風通しをよくするために、こういうことについては連絡してほしいということを要望いたしまして、先方も努力するというふうに言っております。
#9
○青木幹雄君 この問題は、知っておった、知っていなかったという水かけ論になりますのでこれ以上言いませんけれども、今後の問題もありますので、十分にこういう問題をすぐに把握でき、対応ができるような体制だけは政府としてきっちりひとつこれは努力していただかなければいけないと考えております。
 それから、政府も協力をされ、努力をされ、国民挙げて抗議をした結果、中止ということが正式に決まったと聞いておりますが、これは中止ですか、停止ですか、それとも延期ですか。そういう点、ひとつこの場ではっきりしていただきたいと思います。
#10
○説明員(河村悦孝君) この件につきましては、まさに先生が御指摘のとおりでございますが、二十一日の未明、午前に中止という連絡がございました。そして、日本時間の午後八時にロシア政府からの正式な発表がございましたわけで、これは中止ということでございますが、中止ということはすなわち取りやめるということでございます。したがいまして、延期ということではございません。
#11
○青木幹雄君 取りやめるということはどういう意味なのか。今後とも絶対にやらないという意味なのかどうか、その辺非常にこれは疑問が残るわけですが、私もロシアの大使館へ行ったときに参事官と話をしたんですが、彼が言うのは、ロシアの状態は飽和状態だ、もうどうしようもありません、引き続いてこれは日本海へ投棄せざるを得ません、こういうことを言っているわけです。それじゃそれを保管する、安全に管理することはできないかということも聞きましたが、それは財政的に非常に無理であります、こういうことを言っておりますので、それが本当だとすれば、中止は今はやったけれども、いずれまたいつこれは始まるかわからない。しかも、三日ほど前にエリツィンが日本へ来ておって東京宣言を発表して、その後にぽんとやるような国ですから、その点は、中止の意味がどういうものかということをひとつはっきりと確かめて明らかにしていただきたいと考えております。
 それから、それと関連した問題ですが、今ソ連に対する経済援助、どういう形で行われ、金額としてはどういうことになっておりますか。
#12
○説明員(津守滋君) お答え申し上げます。
 これまで我が国が旧ソ連諸国、すなわちロシア、中央アジア、ウクライナ等でございますが、この旧ソ連諸国に対しましてコミットを表明いたしました支援額総額は五十億ドルでございます。このうち、ロシアに対しましては四十六億ドルでございます。
 内訳を申し上げますと、無償支援と有償支援に分けられまして、無償支援は総額五億ドルで、内訳は人道援助、技術支援、それから核廃棄に伴う支援となっております。他方、有償支援につきましては四十一億ドルで、内訳は人道支援のための輸銀融資、それから貿易……
#13
○青木幹雄君 いいよ、時間がないから簡単で。
#14
○説明員(津守滋君) はい。貿易経済活動円滑のための輸銀融資、それから天然ガス等に対する貿易保険の引き受けとなっております。
#15
○青木幹雄君 これから先もいろいろ経済援助の問題が出ると思いますけれども、人道的な援助、これは当然やっていかなきゃいけない問題だと思いますけれども、これからロシアに対してなされる日本からの援助に対しては、これは要望でございますが、今の廃棄物を管理する施設をつくる、そういうようなものに優先的に限ってやるべきであろう、そのほかの援助はそれまでは一切打ち切っていただきたい、そういうことを要望いたしておきます。
 それから、これから両国間でいろんな影響調査、そういうようなものをなされるわけでございますが、その時期、それからどういう形で発表されるか、そういうことをちょっとお伺いしたいと思います。
#16
○説明員(河村悦孝君) 本件につきましては、まず十月の二十七日、二十八日にモスクワにおきまして専門家会合を開催いたします。そして、さらに十一月の十日、十一日に合同作業部会を実施することになっております。ここにおきまして、まさに先生がおっしゃいましたように、ロシア側といたしましてもできるだけ早い時期に投棄を停止したいという立場でございますので、これを促進するためにも、このような会合におきましてロシア側と十分に協議をしていきたいというふうに考えております。
#17
○青木幹雄君 調査結果の発表をいずれはしなきゃいかぬわけですが、国民もこういうものが投棄されたその影響がどういうふうかということに非常に関心を持っておりますから、この問題についてひとつ十分気をつけてやっていただきたいという問題がございます。
 というのは、これは本当にもろ刃の剣で、例えば投棄はしたけれども影響がないということになると、影響がなきゃこれは幾ら捨ててもいいじゃないかという議論につながってくるわけでございます。また一つ、漁民の側から見ますと、とにかく発表の仕方によっては日本海の魚は危ないよと、こういうことになって魚価にも影響する。非常に漁業も深刻な現状の中で、非常に大きな打撃を受けるわけであります。また、そうは言ってもこの問題は大事な問題で、絶対阻止しなきゃいかぬ問題ですから、わあわあわあわあ騒がなきゃいかぬと。騒げば騒ぐだけ消費者にも国民にも、日本海の魚は危ないなという印象を与える。そういう非常に微妙な問題ですので、ひとつ調査を十分にされ、これは正直な調査の発表をされなきゃいけないことはわかりますけれども、報道機関等に対しては漁民が安心してこれからも漁業ができる、魚の販売ができる、そういうようなことも十分に配慮した間違いのない発表をこの機会に強く要望いたしておきます。
 それから、時間が参りましたので、最後に農林水産大臣に要望し、決意をお伺いしたいんですが、今ロシアの問題なんですが、中国とも韓国とも非常に大変な問題、漁業問題を抱えております。特に、来年は日韓漁業協定に基づく自主規制の見直しでございます。
 日本と韓国との間で、お互いに規則を守って操業しましょうという約束をして自主規制というものが成り立っておりますが、ことしだけでも千件を超える違反操業が行われております。本当に日本海の漁民は安心して操業ができない状態が今日まで続いております。しかも、それは国と国とがきっちり約束したことが守られないために生じている問題でございまして、来年はこの見直しの時期でございますけれども、今までどおりの見直しではとてもこれは納得のいかない状態でございます。これは相手のあることで非常に難しい問題でございますが、これに対処する大臣の決意をひとつ最後にお伺いして、質問を終わります。
#18
○国務大臣(畑英次郎君) 青木先生、とりわけ日韓漁業関係につきましては従来から大変な御尽力を賜っておりまして、なおまた先般も韓国側にお出向きいただきまして、いろいろ実情を吐露されましての大変な御尽力を賜っておりますことも十二分に承知をいたしておるところでございます。
 御指摘のような改定時期ということを踏まえまして、約束事が守られるというようなことをきちっとこれからも主張してまいりますし、あるいはまた二百海里問題等々、そういうものを念頭に置きながら信頼関係をベースにしました中でのこれからの有効、適切な対応に全力を挙げてまいりたい、かように考えております。
#19
○青木幹雄君 終わります。
#20
○大塚清次郎君 畑大臣、御就任になるや未曾有の米の凶作、大詰めのガット農業交渉を初め内憂外患こもごもの中で大変御苦労さまでございます。
 限られた時間でございますので、私の質問はガット農業交渉の問題に絞って伺います。ひとつ簡潔に、しかも明快に御答弁願いたいと思います。
 まず、ガット交渉の政府の姿勢の問題でございますが、これはドンケル、それに次ぐサザーランド事務局長が示しております交渉の手順、これは十一月十五日までに改訂国別表を出していく。それに向けてだんだん白熱していくと思いますけれども、先週末、非常にショッキングな韓国東亜日報のスクープがありました。この報道をきっかけにして、いわゆる条件つき米の関税化容認といったような記事が全世界を駆けめぐったわけでございまして、これに対しまして政府でもいろいろ、温度差がありますが、新聞によりますと、農林水産大臣あるいは外務大臣あるいは総理の談話、コメントがあっております。
 ただ、そこで一番問題でショッキングだったのは、十六日の日、政権与党を支える首脳の静岡の記者会見、それが全国にテレビ放映されました。ここでかなり具体的にこの問題について言及しておられる。これで国民並びに生産現場の疑心暗鬼は頂点に達したと思います。非常にこれは不安を増幅させた。その後、いろいろな立場で政府はその打ち消しに躍起になられましたけれども、まだ生産現場では消えておりません。大臣は十八日に記者会見の冒頭発言で、三項目に整理してこれをきっぱり否定されておられる。そして、従来方針の堅持を改めて表明はしてもらっておるようでございます。
 そして、きのうサザーランドが来日しました折に、総理並びに農水大臣とも、あるいは外務大臣ともお会いになっておる。けさ、大体の要旨をとってみますと、だんだんだんだんしゃんとしてきておるということがうかがわれますけれども、ただここの中で気になるのは、きのう社会党関係の農民団体、それから全中とサザーランドの会談がありました。その全中との会談のときにサザーランドさんは、日本が米の関税化を受け入れれば関税化が延びるのだから、六年間は、日本の農業者にもそれほど大きな影響はないだろうと。いわゆる猶予期間を置いた関税化交渉を水面下で進めておるんだと言わんばかりのことを言っておる。これが本音じゃないかと思いますが、そうなってくると非常に問題があるわけでございます。
 実は、私が非常にしつこいまでに申し上げますのは、ジュネーブで日米の間に、どっちからしかけたかわかりませんが、公式か非公式でそのことについての接触は本当にあったのですか、どうですか。これは何としてもはっきりさせねばなりません。
 さすがに、あなたは十八日の記者会見に先立って、常識的にもそんなことあるはずない、あなたのよって立っておられる連立与党の中でも政策合意して例外なき関税化に反対でまとまっておると言われておる。ただ、羽田外務大臣は少し温度差があるようですね。十一月の改訂国別表の提出に至るまでの交渉において、例外なき関税化の方針変更については今予測できないと非常に微妙なニュアンスでございました。当時、細川総理に至っては、聞いたこともない、連絡もあってないと言っておられましたが、何とも少しファジーな態度をとっておられた。そういうようにしか見えません。
 そういう状況の中で、十六日に静岡のテレビ記者会見が全国に放映されたということ、これはそういったようなあいまいさを裏書きしたような、しかもそういう秘密交渉があったんではないかということを全国民に思わせることにつながっておるという、その相関関係からしてそうしか見えないわけでございます。私には、ジュネーブでの接触が本当はこれはあっているんじゃないかと、そう思えてならぬのでございます。
 こういったような、政府ではないと言い、新聞はあったと書き立てる、いわゆる米の条件つき関税化の話し合いが。そういうふうな報道をする。三たび私どもは衆参で国会決議をしております。特に、参議院では百十三国会において米の自由化反対というのをはっきり決議の中にうたってある。そういうことに照らしまして、こういうことがあっていいのかどうかということを非常に私は心配をいたします。
 私は、東京とそれからジュネーブとの間に食い違いがあるはずはないと思うんですよ。私が知り得た範囲内では、日本の外交ほど出先と本省との間の、あの時差を乗り越えた交渉の照復が密な国は私はないと思っております。そういうことだから、私はここで何かの動きはあったんじゃないかということを逆に考えるわけでございます。
 それが果たして、だから情報操作なのか、国内向け世論誘導なのか、これは今この時期にあってはならないと私は思いますが、大臣、本当にそれらしい話し合いがあったんですか。きのうサザーランドが全中で言ったようなことがあったんですか。これをひとつはっきりさせていただきたいと思います。
#21
○国務大臣(畑英次郎君) 今回のこのウルグアイ・ラウンドをめぐります農業分野の交渉、いよいよ最終段階を迎えました今日におきましては、全国民にいろいろ御心配を煩わす大問題である、こういうような受けとめ方の中で、ただいま御指摘がございましたような新聞報道につきましては、従来から再三にわたって私の立場から申し上げさせていただいておりますとおり、あの報道されましたような猶予期間つき云々というような意味合いでの提案あるいは合意、そういうものは全くあり得ないと、重ねてこの場をかりまして言明をさせていただく次第でございます。
 私自身、実は先般細川総理、そしてまた羽田外務大臣、お二方と、これからの最終段階における私の認識を申し上げ、その節に細川総理の方から、ぜひそういう基本的な姿勢を崩さずに、そしてまたジュネーブ等々に出向いて日本側の立場を強力にいわば説得に当たってほしいというような指示をもいただいた今日の姿であるわけでございまして、さような意味合いでは、ああいったような記事が流れましたことは極めて残念でございます。
 そしてまた、たまたまサザーランド事務局長がお見えになりまして、ただいま全中等々のお話、実は私はその全中さんとの話はつまびらかにいたしていないところでございますが、昨日たまたま社会党関係の皆様方が私の部屋にお見えになりました。その際にも、今大塚先生お話しのようなことがございましたので、私はその節に、私自身はそんなことは絶対、そういう余地もないということをはっきり申し上げ、その点について私にどう思うかという御下問がありましたから、なぜそのときもっと強くはっきり反発をしてもらわなかったかということを私の方から、実はいささか残念な気持ちもございましたものですから、失礼になったかもしれませんが、御指摘を申し上げたというようなことでございまして、さような意味合いの中から、私の立場、私の責任、私に与えられた権限、こういう立場から申し上げましても、今日ただいまそういうことのいささかの、ただいま申し上げますような合意等々の問題がないということを重ねて申し上げさせていただく次第でございます。
 小沢一郎先生の話も出たわけでございますが、今先生から御指摘がございましたが、私はあの小沢先生のお話、ここ二、三年来いろいろ、ある意味では意外というようなお話が全体の話の流れの一部に間々あることは事実というように踏まえておりますが、それはあの小沢先生のお立場の政治的な、お一人の政治家としての物の考え方の一端というように受けとめておるわけでございまして、私の立場では、やはり連立内閣スタートに当たっての、御指摘のとおり八会派の、党派の合意といいますものを前提とし、そしてまた大塚先生御指摘がございましたとおり、三度にわたる国会決議、これを十二分に踏まえた中で、いわば正念場を迎えております今日の姿でございますから、ベストを尽くしていかなければならない、かような決意に燃えておる次第でございます。
#22
○大塚清次郎君 大臣の決意、ますますかたくなっておるようでございますので、このままさらに終局まで日本の農業を守るために、国益を守るために頑張っていただきたいと思いますが、一つ注文をつけておきます。
 今まではそういういろいろな雑音がありました。ありましたけれども、もう私どもは細川総理並びにあなたを信頼する以外にはないわけですが、あなたのよって立つ政権与党の首脳あたりが今後こういうことの一切ないように、これはひとつくぎを刺しておいていただきたい、こう思います。個人で言われたということにしてはインパクトが余りに大き過ぎるとこれは思います。どうぞひとつそういう点でよろしくお願いいたしたいと思います。
 それで、私がなぜこうもしつこく申し上げるかと申しますと、今交渉は大詰めを迎えんとしておりまして、我が国がやっぱりガット交渉の最大の標的になっておる。それで、例外なき関税化をともかくものめという一本調子で攻め立てられておるのが実情だと思います。しかし私は、今まで一貫して私どもが主張してきたように、このダンケル・ペーパーそのものが、これは非常に不公平、不平等、これを持ったままだということがございます。輸出国と輸入国の関係、輸出国が輸入国に戸をあけろと言うならば、輸出国は未来永劫の供給の責任を持たなきゃならぬわけです、これが一つ。それからもう一つは、今輸出補助金がありますね。これは全廃すべきなんです。全廃してからそれを条件に戸をあけろ、こう言うべきなんですね。それがそうなっていないということがあるわけですね。そういったような基本的な問題がございますので、これはどうしてもその壁をぶち破らないと私どもはそれには乗れないということは、もう自明の理でございます。
 ほかにもいろいろございます。例えば例を挙げて、ECとアメリカの今けんかといいますか、ブレアハウス合意をめぐってまだ延々と続いておりますけれども、その輸出補助金の削減率、ダンケル・ペーパーは二四%、これは二一%で手を打っている。それに今度はフランスがだめだと抵抗しておるということですね。全廃しなきゃならぬものにそういったようなことでやっておるということで、これは一体何なんだと。それがしかも係争中なのに、それを外にして、ひとつともかく日本はリーダーシップを発揮して、交渉促進の主役になれというのが今のサザーランドが来、エスピーが来た理由じゃないかと私は思うんですね。そういう意味で、やっぱりきちっとして、これは将来にわたる国際貿易ルールですから、あくまでも私どもは正論を通していかなきゃなりません。そういう不公平、不公正なものは断じて私どもは許すわけにいかぬということでございます。
 そういったようなこともこれあり、それからもう一つ国内的には関税化をのめば、私は我が国農業は行く行くつぶれてしまうという気さえいたします。皆さんもそう言います。だから、どうしても例外なき関税化はのめないというスタンスをきちっと限りなく持ち続けるべきだ、このように思っております。
 私は、大臣御承知のとおり、東京ラウンドの牛肉・かんきつの自由化のとき、団体側で政府と一体になって何遍もワシントンあるいはジュネーブあるいは現地に参りました。多くの国会議員の方々も議員外交を展開してもらいました。そういうことで、非常にありがたい国会の支援を受けてまいりましたが、最後の最後になりますと、この日本農業、基幹作目である米という、城に例えて言えば本丸を守らなきゃならぬからひとつやむを得ないという雰囲気が出てきたわけでございます。その本丸が今やられようとしておる。しかも、やむなく自由化されてしまった牛肉・かんきつのその後の状況はどうでしょうか。
 あのときの国内対策はそのときには非常に手厚いものと思っておりました。実は牛肉が関税一千億円の特化をいたし、それから関税率は七〇、それから五〇へなだらかに下げる、それで五〇で下げどまりということがございました。それから、かんきつは嗜好品だからというわけで、ちょっと弱かったと思います。しかし、ミカン園の減反をした上で、果汁はこれはやばいからひとつ将来とも原料の価格支持をやろうということで、あれに約一千億ばかりの国内対策が講ぜられましたが、今になってみますと、そのときの見通し、シミュレーションというのが全然当たっていません。それよりさらに悪くなっておるということがございます。
 私は、ここにその後の輸入の状況、かんきっと牛肉の急増の実態を持ってきておりますが、今それは言いません。どんどんどんどん国内生産のパイが縮小していっているということではないですか。そういうことがございますので、これは畑作にも通ずるし、やっぱり米にもこれは通ずることでございます、将来ともに。
 したがって、私は、今度の新政策について先般本委員会での質疑の折に申し上げましたけれども、今度の新政策は、いわゆる現行の国境措置を維持するという前提でつくってあるのか、そうじゃないのかということを官房長に伺いましたら、現行の国境措置は維持するという前提でつくってありますと言う。だから、これが関税化でつぶれれば新政策は吹き飛ぶということになるわけでございます。そういったようなことがあるわけでございます。
 そして、特に自給率ということになりますと、休みなく下がっています。維持はなかなか困難だと私は思います。今度米の本丸をやられるということになりますと、そのことの心理的な影響が重なって、これはどうなっていくか。ますます自給率は下がり、日本の生産パイは縮小していく。老齢化し、後継者不足だからいいだろうなんということにはならないわけでございます。パイの大きさは縮めずに担い手の規模拡大で対応しようとしておるわけでございまするから、絶対国内的にも関税化には応ぜられないというスタンスを維持すべきだと私も思っておりますし、恐らく大臣もそうだろうと思います。
 それから、一番怖いのは、青山学院の速水教授というこれは関税化論者なんでございますが、その米に関するシミュレーション等も見ました。ほかにも二、三の学者がシミュレーションを出しておられます。よく私どものこの実態を踏まえたものもございますが、その中で関税化、これが一番問題なんです。関税化は牛肉・かんきつのときもガットにバインドしました。例えばフレッシュオレンジで季節関税四〇%でしたかね、それから非季節で大体二〇%でバインドしました。安心しておりましたところが、またぞろ最近どうですか経済局の方では、ゼロゼロとかハーモニゼーションとかあるいはまた一律引き下げとかいうようなことで、この関税引き下げの要請があっているんじゃないかと思いますけれども、そういうので、東京ラウンド、それからウルグアイ・ラウンド、これがどういう形で終結するにしても、また次のラウンド始まると思うんですよ、私は。そうなったときは、米は最初高い関税をしいてなだらかに下げていくから米の関税化もいいんじゃないかといっておりますが、これほど当てにならないものはないということは、過去の例、現実が示しておると私は思います。そのときのラウンドにバインドされているのが次のラウンドでゼロを目指して下げられていくことになります。
 林産物もついこの前約束したのをまたゼロにしろと言ってきておるといったような問題もありまするから、これは当てにならない。だから、そういったような関税化というものは、これは非常に危険なものであるということを思わざるを得ませんが、それについても大臣はどうお考えになりますか。そういったようなことがございます。
 それからもう一つは、今のようなことで日本にだけリーダーシップをとれ、包括関税化をひとつ受け入れてリーダーシップをとって、そしてガット交渉をまとめていこうというそういうひとつの日本に対する大変な攻めがあっておるわけですが、その陰に隠れてアメリカの今持っておる創業者利得でございますウェーバーは一体どうなっておりますか。それから、各国にそれぞれ輸入制限品目が日本以上にある。日本は小さく分類しても二十一ぐらいしか米を含めて残っておりませんけれども、これの行方はさっばりわからぬままに日本にだけともかくも米の関税化に応じろ応じると言うのは、これはいかがなものかと私は考えますが、そういう交渉の中身の説明は一向に今まで受けておりません、私どもは。ですから、米というものに隠れてしまっておるということは、非常にこれは危険だと思う。そういう意味からも私は、米の関税化は絶対これは阻止していかなきゃならぬ、受け入れられないという立場をとってまいらねばならぬ、こういうように思うわけでございます。
 問題は、いわゆる関税化がいかに恐ろしいものであるか、そしてまた、今の関税化の基礎になっているダンケル・ペーパーがいかに不公平なものか大臣もおわかりですし、またそれが国内に影響することはどうなのかということも、もう私が言う必要はございませんが、この辺で大臣にしっかり認識を合わせていただいて、その認識の上に立って今後の交渉に毅然たる立場で臨んでいただいて、日本の農業を守っていただきたいということをお願いいたしたいということで長々しゃべったわけでございます。
 ひとつ大臣、そういう点について、今後の大臣の交渉に臨むスケジュール、どんなものが考えられるか、そしてどういう態度で今後臨まれるかということ、そして細川総理もひとつ一心同体のものとしてこれはやってもらわねばなりません、非常に心配がありますので。そういう点も含めまして大臣の決意のほどを承って、私はこの問題を終結したいと思います。
#23
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま大塚先生から、とりわけ牛肉、かんきつの際の関税化の問題、私も当時大塚先生の額に汗をされました真剣なお取り組みに敬意を持って、ある意味では御指導をいただいた一員でもあったわけでございます。
 ただいま御指摘のとおり、関税化ということによりましてからの、今日かんきつ分野におきましても、とりわけ牛肉分野におきましても、まことに御指摘のとおり厳しい実態にあること、これまた事実であるわけでございます。そういったある意味におきましては難しい先例が身近な問題として今横たわっておる中におけるウルグアイ・ラウンド、米等々を初めとする最終段階を迎えておるわけでございまして、ただいま大塚先生御指摘のとおり、やはり物事を解決するに当たっては、曲げてはならない基本的なスタンスというものがあろうかというように考えるわけでございまして、やはり公平さを欠くということであってはならない。
 さような意味合いにおきましては、私は実は昨日もサザーランド局長にも申し上げたわけでございますが、いわゆる片一方で輸出補助金を残しながら、あるいは二四%から二一%といったような問題、こういうような姿の中で、我が方に対する包括的関税化を求めるということは極めて不公平である。やはり現実的な解決をということであれば、日本の置かれております生産調整の問題、食糧安全保障の問題、四六という数字に示されます食料自給率の問題あるいは穀物の二九%といった問題等々、こういったものを十二分に御認識を願って、私は現実的な解決というものがあり得るということを主張をもさせていただいたわけでございます。
 そしてまたこれから、一つの物事の考え方の中にございましたが、私の持論でもあるわけでございますが、毎年地球規模で人口が一億からふえつつある。人口増ということは即食料問題である。さような意味合いにおきましては、それぞれの国々が少なくとも飢餓という問題、これを解消する。そういう中にございましては、それぞれの国が主食につきましては少なくとも自給体制の確立を図ることが今日喫緊の課題ではないかなということを考えるわけでございまして、私は、従来から交渉の中にございましても申し上げておるわけでございますが、少なくともやはり国連等々が逆にそれぞれの国に向かって食料の、少なくとも主食については自給体制確立を大きく呼びかける旗を振ってもらわなければならない、そういうような今日置かれておる地球的な大きな問題ではないかなということを私は一つの政治信念として持たさせていただいておるような次第であるわけでございます。
 なおまた、御指摘がございましたように、輸入国側、そしてまた輸出国側、この辺のお互いの責任の明確化、こういうこともなされていないではないか。いろいろ大きな問題を抱えておるさなかにおける現実的な解決ということに大きく私は、ガット・ウルグアイ・ラウンドの事務局長等々におきましても御理解を願わなくてはならない。残念ながら昨日は本当の意味での平行線で話が終わったわけでございますから、私も来月上旬現地に出向きまして、重ねて説得に当たりたい。そしてまた、事柄の我が国における困難性、難しさ、重要性といいますものを、重ねてその他関係の方々にも力強く述べさせていただいて、最善を尽くさせていただきたいなというように考えるわけでございます。
 大塚先生の体験を通しました本当に貴重な御意見を念頭におきまして、そしてまた従来からお取り組みを賜りましたこの農水委員会の先生方のお気持ちを十二分に体して、正念場と心得てベストを尽くしてまいりたい。決意の一端を述べて答弁にかえさせていただく次第でございます。
#24
○大塚清次郎君 どうぞ頑張ってください。
#25
○浦田勝君 まずは大臣の御就任おめでとうございます。九州から久方ぶりの農林大臣でありまして、心から喜んでおるわけであります。それから、政務次官には私どもと一番なじみの深い先生が御就任されまして、これまた本当におめでとうございました。
 私は純朴な農村の出身でございまして、余り人を疑うことは嫌いでありますが、また人の言ったことをうのみにする性格もございまして、極めて単細胞であります。しかし、先ほども触れられましたが、今回の東亜日報の報道によりまして、十四日になされたわけでありますが、極めて具体性に富んだ、そしてこれは大小に違いがありますけれども、各社とも一斉に同じような報道がなされたわけであります。水面下でいろいろと話が進められておるのではないかというようなお話も出ておりました。
 しかし、けさの新聞なんかを見ますと、外務省からの流れた情報によりますと、部分開放やむなしというようなことで説明しておるような意向が出ておるわけでございます。これは全く、大臣がいろいろと説明なさいましたけれども、大臣そのものもいわゆる農民の立場に立って常日ごろ国会で御活躍をされてこられましたから、農民の立場ということは一番よくわかっておられます。
 しかしながら、私どもが見る目は、どうしてもいわゆる政権与党の大きな支えであるところの新生党、その中でやっぱり実力者であるという小沢一郎さん、しかも外務大臣は、私どもが農業問題のリーダーとして、特に農政関係におきましては御指導をいただいたわけであります。それにまた大蔵大臣あるいは通産大臣、いわゆるシフトがなされておるということが言われておるわけでありまして、これはどうしても私は、先ほど御説明がありましたが、もう一回だけは聞かにゃいかぬなと思って、没にしようかと思いましたけれども、あえてお尋ねするわけであります。
 この新聞の中に書いてありますことは、輸入が少ない品目、輸出補助金を支給しない品目、国内統制を実施している品目を提案したということであります。実際に猶予期間を認められる品目は米と酪農製品だろう、こういうことになっておるわけであります。
 ですから、こうなりますと、どうも茶番のような感じもしてならないし、また政権与党の中には国会決議を渋るところもあるようでもございます。なぜ今ごろ渋るのか。あるいはまた、小沢さんの発言の中には国民が負担をして国内の農業措置をやるんだ、こういうことでありますが、国民の補償によって一体どこがどうなるのか、私はどうもそこらあたりのことはわからないわけであります。この件に関しまして、大臣の御所見をちょっと伺いたいと思います。
#26
○国務大臣(畑英次郎君) 小沢一郎先生の御発言ということをめぐって、私もこういう立場にございますものですから、いろいろそれぞれのお立場の方からお尋ねがあるわけでございます。
 先ほども申し上げさせていただきましたとおり、小沢さんのお立場にございましては、従来からいささか私どもとは異なった御意見を時々発言されておったことも、これは周知の事実ではないかなというように考えますが、事少なくとも、新政権の連立内閣のスタートに当たって物事の合意を見て、それを受けての今日の私の与えられた立場でもございますし、そしてまた内閣の位置づけでもあります。何といっても国会決議等々があるわけでございますから、この原理原則を、そしてまた現実といいますものを十二分に踏まえて、私自身は、ただいま浦田先生御指摘のとおり、やはり今日これほど厳しい過疎という実態の中における農村を、そしてまた米の問題を、農産物の問題をこれ以上厳しい状態に追い込んではならない、そういう信念に燃えて、これからも自分の信念に基づいて、そしてまた内閣のすり合わせたきちっとした基本姿勢を踏まえて努力を続けてまいりたい、かように考えております。
#27
○浦田勝君 今大臣の御所見を伺ったわけでありますが、小沢さんを取り巻く新生党の一部においては、先駆けてこの関税化の問題、ウルグアイ・ラウンドについては協調してやっていくべきだという意見が出てきておるということもよく承知しておるわけであります。ならば、大臣も同じところにおられるわけですから、十分足元の方もきちんとやっていただいてやられることを心からお願い申し上げます。
 ところで、米がもし関税化された場合一体どうなるかということであります。これは全中が調査した結果が、大学の先生にお願いして調査したわけでありますけれども、全中はさきに部分開放や関税化、段階的な自由化などを考慮に入れず今すぐ関税化した場合どうなるかということで、米政策研究会に調査を依頼したのであります。東大の森島賢教授を座長として調査研究がなされ、その結果の報告です。
 日本の米市場で完全に自由化された場合、短期間で国内稲作の六四%が輸入米に置きかわり、最終的には数%を残して壊滅的な打撃を受けるとの影響調査をまとめておられます。調査は、現在のテンポで稲作のコスト低減率は一〇・八%にとどまり、内外価格差は現在五倍から六倍に縮小するようなことは極めて困難としております。
 このような前提で米市場を完全自由化したと仮定すれば、海外の米生産は急速に日本に向けてジャポニカ米、短粒米にシフトし、短期的に現状の国内米供給量九百九十三万トンのうち六百三十七万トンが輸入米となり、東北の一部や北陸の産地は大きな打撃を受けるものとしています。さらに、影響は国内産米の価格低下率は五割以上、長期的には七十八万トンまで縮小になる。三番目に、全国百六十二万人の雇用減少に及ぶ。以上のように予測しております。
 反面、輸出国のうちアメリカが受ける恩恵は、生産額で十二億三千万ドル、雇用で一万六千人の増加にすぎず、米国の経済へのメリットは、日本のダメージと比べて極めて少ないことを強調されています。
 ですから、これは私が調査したわけじゃない、大学の先生が、毎日朝昼晩こればかり勉強しておったような方ですから、うそはないと思いますけれども、このように深刻な影響が出るということを言っておるわけであります。安易に軽々に、確かに国際協調の中でやっていかなきゃならぬけれども、今申し上げましたように、我が国は我が国の食料の安全確保という面から、安全性にかわって守っていかなきゃならぬ問題であります。後で安全性の問題もお尋ねいたします。
 次に、食料政策の基本認識について、重ねてまたお尋ねしたいと思います。
 平成五年産米の作柄は、低温による寡照等の異常気象及び台風、集中豪雨等の災害で大幅に悪化し、未曾有の凶作となったわけであります。このような中で、政府は去る九月三十日、冷害対策を実施するとともに米の緊急輸入を行うことを決定したところでありますが、米の緊急輸入は本年限りの緊急特例的な措置であるとはいえ、水田営農活性化対策で生産調整を実施しておる中で、米を輸入するということは大変な矛盾があるわけであります。生産者に限らず、消費者、国民が農政への不信を持ちかねない重大な問題であります。
 さらに、米輸入の決定は、凶作に苦しんでいる全国の稲作農家に追い打ちをかけ、また消費者に対しても品質や安全性の問題を含め、主食である米の安定供給について不安を与えております。
 このような事態は、五年産米の冷害等の異常気象による不作によって生じたとは申せ、米の作柄変動に対応できる体制づくりを怠ってきた政府の食糧管理政策に責任があると言われても仕方がないと思います。
 衆参両院におきましては、先ほど出ましたように、三度にわたる自由化反対の決議を踏まえて、米市場開放に反対し、国内自給を堅持することを求めてきたのでありますが、この件につきまして、重ねて大臣から緊急措置及び食糧管理政策の基本認識についてお伺いをいたしたいと思います。
#28
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘のございましたいわゆる米の輸入問題につきましては、この問題があくまでも作況指数八〇というような姿の中にございます緊急避難的なやむを得ざる措置でございまして、これはあくまでも本年度の実態に対応する一年限りの措置であるという前提の中で物事の執行に当たらせていただいておるわけでございます。
 今回のこの作況といいますものは、百年に一回というような表現でおっしゃる向きもございますし、私自身役所からのいろいろデータ等々を見ますと、あるいは稲作の品種改良等々の問題を加味して物事を考えますと、場合によっては未曾有の大凶作、こういうような位置づけもなされるのではないかなということを考えまして、さような意味合いの未曾有の大凶作に対応する緊急避難的な対応、こういう位置づけの中で問題を解決していかなければならない。
 この問題につきましては、サザーランド事務局長を初め関係の方々にもいわゆる貿易ルールを決めるウルグアイ・ラウンド分野とは全く別世界の、別次元の話であるということも申し上げながら、これからも国内の皆様方におかれましてもそういった位置づけを御理解願う姿の中で問題解決に当たらせていただきたいが、というように考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、こういう緊急事態ではあるわけでございますけれども、ただいま御指摘がございましたように、在庫数量が云々というような御指摘もいただいたわけでございますが、私は、百万トンという数字につきましては、当時それぞれのお立場の御関係の方々が真剣な論議の中から百万トンという数字も出てきたというように、ある意味ではその間の御努力も承知をいたしております私の立場にございましては、百万トンという数字を軽々に扱ってはならない。
 しかしながら、今回のこういったような大凶作ということも加味して、やはり掘り下げた論議をやるべき今日の姿であるということを承知させていただいておるわけでございまして、ただいまさような意味合いでの復田計画等々の問題あるいはまたやる気のある農家の方々の意向調査等々を踏まえて、さような問題におきましてもこれからの、災いの中から福となるべき要素をつくり出す、そういう意味合いでの努力を続けてまいりたいというように考えておるわけでございます。
#29
○浦田勝君 大臣のおっしゃることはよくわかるわけでありますが、これは本当に未曾有の大災害でありまして、大凶作でありますから、昔なら本当に東北の皆さん方は、二・二六事件が起きたときと同じような環境になりはしないかというような状況であります。
 特に、冷害がもたらされて、農家所得が三年間も続いて所得の低減あるいは生産価格が抑え込まれたということ等々で、大変な苦しみの中でようやく頑張っていこうというときにまたこういうことでございますものですから、これは本当に農家にとっては輸入ということは耐えられないような不満感が出てきておるわけです。
 それはやっぱり政府の需給の見通しが悪かった。我が国の備蓄の問題等を含めて、本当にこれは責めるわけにいかない、それは確かに災害があったから予定が狂ったんだ。しかし、従来から財政的なことが言われてきて、米価というのは低く抑え込まれてきた経緯もあります。今日においては米価そのものが逆ざやから順ざやに変わってしまったというような格好でありまして、そういう中でどうして在庫をもうちょっと思い切ってやらなかったか。
 お隣の韓国にいたしましても、二百三十万トンぐらい持っている。これはもみですから、韓国ですらやはり食糧安保の関係から備蓄をやっておるわけであります。日本の場合はぎりぎりいっぱいにそういうことをやってきたというところに問題があるわけですが、来年の問題につきましては、この需給に対してどのようにお考えになっておるのか、重ねてお尋ねいたします。
#30
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま置かれております現実の姿の中にございましては、残念ながら八〇という作況指数、こういうことを考えますと、今月末に対応する予定をいたしております復田計画等々、あるいはまたこれからの新しい作付に伴います気象条件等を考えますと、来年の収穫数量等々は、そしてまた早場米等々の関連におきましていろいろ流動的な要素はあるわけでございますが、来年のいわゆる主食の分野におきましても、とりわけ端境期の対応といいますものは大変厳しいというように認識をさせていただいておるわけでございます。
 そういう中にございましては、私どもの立場にございましては、何としても国民の皆様方に主食の米の供給を一日も事欠くということがあってはならない、そういうような責任をも持っておる立場であるわけでございますので、さような意味合いにおきましては、来年の端境期ということを考えますと、主食につきましても残念ながら外米を一部輸入せざるを得ないかなというようなことを考えざるを得ない今日の姿であるというようにお答えをさせていただくわけでございます。
 しからばその端境期の、二カ月になりますか三カ月になりますか、あるいは一カ月で済むかわかりませんけれども、その時期に外米だけを、輸入米だけを食卓に乗せるというわけにはこれまた問題があるわけでございますから、その辺のことも踏まえた考え方に立ちますと、いささか来年に入りましてから早い時期に必要量の米を手当でいたしまして、それを当然のことながら内地米とブレンドをいたしまして、混入をいたしまして、食味等々の問題を解決しながら対応を進めていかなければならぬかなという意味合いの検討、あるいは諸外国の、輸出国等々の実態把握等々をただいま事務方で進めさせていただいておるというような現状にあるわけでございます。
 いずれにしましても、願わくは来年の収穫が豊作であってほしいというように考えるわけでございますが、そういうような意味合いのものを期待しながらも、端境期における対応といいますものは、一つの要素として行政責任という意味合いにおきましても考えておかなければならない、こういう実態にあることをこの機会にお答えをさせていただくわけでございます。
#31
○浦田勝君 大臣、私はどうもわからなかったのは、作況指数が、我々が本当に現場におってみて違うじゃないかと。それをいつまでも一〇〇だとか九〇だとか八〇だと。最近になってようやく八○を割るだろうと言われてきておる。私はそういうところが一番まずいんじゃないか。堂々と、これは本当に天災でありますから、ある意味では人災もあるかもしれない、備蓄の問題は。だけれども、この問題については堂々とはっきり、何せ作況指数がこうなんだ、だから今から準備しなきゃなりませんということを国民の皆さん方に御理解を得なきゃならない。
 加工用原料米は、もう年末に入ったら酒米、その他菓子からずっといろいろございますから、みそ、しょうゆ、せんべい、あられ、いろいろ材料、価格等々の関係もあるので、やはり早く措置をしなきゃならぬというようなことも早目に言うべきであった。あるいは端境期まで米が間に合わない、だから食いつなぎをして、何とか早食いをしてやっていこう、綱渡り的にやろうといっても、来年のことはまたわかりません、はっきり申し上げて。
 私は、なぜ作況指数をそんなにこうやるのか、在庫がたった二十六万トンしかないというようなときに。早々とこういう問題は言うべきであった。なぜかと申しますと、私はまた違うわけです。米を輸入するならやはり安全性の問題があるわけです。だから、変な国のものを入れて国民の健康を損ねるようなことになってはいけないと思うわけです。
 だから、私はそういう意味では、本当に政府の備蓄に対する考え方、そして今回の作況指数の発表の小出しのあり方、これはどうも解せないわけであります。国民の中にパニック状態を起こさせてはいけないとか、あるいはまた特定の業者が暗躍するといけないとか、こういうことの思いかなというふうにも、善意に考えればそうでありますけれども、私はどうもさっき冒頭申し上げましたようなこと等も、本当に腹を割った話も何もないわけです。この前の牛肉とオレンジのときと一つも変わらない。
 自由化のときに、サンキストを入れろということで大騒ぎになった。ところが、サンキストが低価格で日本を制圧した途端に価格はべらぼうに上がっていった。そのサンキストがどうであったか。サンキストそのものが、いわゆる我が国では使ってないようなカビ防止剤等々を使って日本に送ってきたというような事実もあるわけであります。最近になって輸入品のサンキストは皮をむいて食えなんというわけであります。
 ですから、これは単なる備蓄の問題じゃなくして、本当に私は政府の考え方がおかしいと思う。私は食糧庁長官を余り責めることはないわけです。この人も私と同じで人柄のいい人ですから、私も好きな人なんです。だけれども、こんな食糧庁長官は首をとれと言うわけですね。私は本当に人間が素直で純朴だから、食糧庁長官に対して、あなたやめてくださいなんて、そんなことは私は言えません。平生一生懸命努力をしておられる方であることはよく承知をしておりますけれども、やはり現実問題としてこういうことから責任問題が出てくるわけであります。
 その面では、備蓄の端境期まで本当に食いつなぎができるのかどうなのか。やはり皆さん方はそれなりのエキスパートでおられるわけですから、輸入の食料は大体どのくらいなんだ、それからどこから入れるんだというようなことをはっきり私はお示しいただいた方がいいと思うわけであります。
 それから、需給の逼迫と需給の転換についてでありますが、今日のように需給が逼迫した場合、平成三年産米と五年産の不作があるが、この背後には幾つかの要因があります。
 第一に、最近の米消費が減少から横ばい状況に転じているということであります。第二は、転作の緩和が有効に機能しなかったということであります。第三は、生産者譲渡米が急増し、政府米や他用途利用米の集荷が困難となってきたことであります。第四は、自主流通米が流通量の七〇%を超えているため、政府米の在庫調整の容量が小さくなったことであります。この点については、自主流通米中心の時代における需給安定システムとしての政府の役割にかかわる内容となっておりますが、これらの問題は米の生産、流通、消費の構造変動に伴い、転作や需給管理が転機を迎えていることを示しているものと考えられます。
 そこで、この米の需給管理について、農林水産大臣でなくても関係者でも結構でございますが、この点について御見解をお示し願いたいと思います。今回の異常気象によって米の収穫量、集荷量の減少、緊急輸入等による特例措置等が消費者、生産者に無用の混乱を起こすことになりますので、重ねてこの点についてお尋ねをいたします。
#32
○国務大臣(畑英次郎君) 今御指摘がございましたとおり、こういった未曾有の大凶作、それに伴います、当たりさわりがあるかもしれませんけれども、思惑絡みのいろいろな動き等々がいろいろ御心配を煩わしておることもこれまた事実であるわけでございます。
 私は、今日のこの事態に対しましては、食管制度そのものがこれがなかりせばということを考えました場合には、いろいろ問題点を御指摘はいただいておりますけれども、やはり食管制度があることによっていたずらに価格が暴騰することもない現在の姿、そしてまた買い占め等々がなされない事実、こういうことを考えますと、いろいろこの機会に改めて見直すということは必要ではあろうかというふうに考えますが、食管制度の基本といいますものはきちっとこれからも守っていく必要がある、かような気持ちをさらに強くさせていただいておるような次第であるわけでございます。
 ともあれ、残念ながら、御指摘がございましたように、政府米あるいは自流米、そういった分野の線引きといいますものが従来のような感覚ではなし得ない、そしてまた他用途米の問題等々も御案内のとおりであるわけでございまして、そういった点のこれからの改善の余地があるかないか、こういうことにつきましては真剣な検討を加えていかなくてはならぬというように考えるわけでございます。
 いずれにしましても、こういう事態を踏まえましても食管制度の基本といいますものはきちっと守っていかなければならない、かような気持ちでありますことをお答えさせていただく次第であります。
#33
○浦田勝君 食糧管理制度の基本的な役割を十分認識していただきまして、万全の措置を講じていただきたいと思います。
 それから、五年産米集荷の見込みと対応策についてでありますが、去る三月三十一日に策定されました平成五年度の米穀の管理に関する基本計画の中で今年産米の集荷見込みを振り返りますと、今年産米の生産量のうち政府管理米として集荷されるものの数量は、水田営農活性化対策における事前売り渡し申し込み限度数量と同数の七百万トンとしております。このうち政府米は二百四十二万トン、自主流通米が四百五十八万トン。主食用三百九十万トン、これは自主流通米の中の主食。それから酒造米四十二万トン、モチ米二十六万トンと計画されております。
 なお、五年産米からは多様な需要に対応した米づくりを推進するために、政府は政府米、自主流通米、他用途利用米及びモチ米州の生産・集荷目標を各都道府県ごとに策定し、確実な生産、出荷を行うこととしておるということであります。
 ところが、低温等の異常気象による作柄の低下に伴い、政府米や他用途利用米についての集荷が著しく困難になっている状況から、とりわけ政府米については需給の逼迫が懸念されておるわけでありますが、その確保が課題となっております。他用途利用米については経済的条件から集荷が困難となっておることは御承知のとおりであります。
 報道によりますと、十月十二日現在の米の集荷量は、自主流通米が百万トン、政府米が一万トンの計百一万トンとなっており、昨年十月二十日実績と比べまして三分の一以下であるとしております。これも新聞の報道であります。
 そこで、集荷が困難と報じておる今年産米の現在の集荷状況及び集荷対策についてお伺いいたします。
#34
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今御指摘のように、三月に策定しました基本計画では、極力やみ米を防止するという点から限度数量と同じ集荷目標を掲げているわけでございます。ただ実際は、先生御案内のとおり大体一千万トン強の米が、約六百万トン自流米と政府米で集まり、あとの四百万トンが農家消費等ということで農家の実際の消費、それから種もみ、さらに縁故米とかあるいは自由米と言われていますやみ米に流れておるというのが実態であります。
 今年の場合、作況八〇となりますとそれが八百五十万トンぐらいの生産になるわけでございますので、今正式のルートに流します自流米、これは別段、政府米と自流米と今回も区別せずに一緒くたにして集荷をお願いしておるところでございますけれども、正規の流通に乗せる米と、それからいわゆるやみ米との間で、やみ米業者の暗躍というのが例年以上に強くなっているのも事実でございます。私どもただいまのところ食糧事務所、系統と全力投球しておるわけでございまして、都道府県あるいは市町村の協力を得、場合によれば警察当局についても御支援を得ながら今全力投球をしておるところでございます。
 現在の集荷状況は大体十日から二週間ぐらいのおくれでございまして、作況のあれもありますけれども、今御指摘のような数字ではなくて、今二百万トン程度が見えてきたような状況だと思います。これからの集荷というのは、北陸がほぼ終期に当たっていますし、九州の早場米地帯、それから関東の千葉あたりが集荷の終期になっておるわけでございますけれども、それ以外のところはほぼ出荷最盛期を迎えるわけでございます。
 とにかく、私ども、このような事態でございますので、五年産米の正規の流通に乗せるというのがただいまの最大の仕事でございまして、全力を挙げて集荷に当たっていきたいというふうに考えておるところでございます。
#35
○浦田勝君 わかりました。ぜひひとつ頑張ってください。
 そこで、次に他用途米の出荷の減免措置についてであります。
 政府・食糧庁は、平成五年他用途利用米について特例的な作況調整をするよう都道府県並びに食糧事務所、農業団体、集荷団体など関係機関に通達を出したところであります。
 この特例的作況調整は、低温、長雨、台風などの被害を受けた他用途利用米生産者が、災害の実態に応じて他用途米の集荷数量を減らし、主食用に出荷できるようにするものであります。この結果、他用途利用米の出荷量は当初計画を大きく下回ることは確実であるとされ、需要量を賄い切れない事態となっていることが懸念されております。
 そこで、この特例措置によって不足する分については輸入等によって対処するとのことでありますが、他用途利用米の確保対策について明らかにしていただきたいと思います。あわせまして、他用途利用米の需要先であるメーカー等の実需者に対してどのような対策を講じようとしておるのか、お伺いいたしたいと思います。
#36
○政府委員(鶴岡俊彦君) 他用途利用米は加工用米穀の供給の重要な位置を占めておるわけでございます。加工用米穀、御案内のとおり大体百四十万程度の原料を使用しているわけでございますけれども、自流米、他用途米、それからくず米というので、それぞれ三分の一程度を占めておるわけでございます。
 他用途利用米の生産、供給につきましては、生産者団体と実需者団体の間の契約に基づいてその生産、流通を確保する、それに政府が流通について助成を行うというようなことで対応しているわけでございますけれども、御指摘のように、ことしの作況が先ほど大臣申しましたように未曾有の状況、悪化しているというようなこともございまして、特例作況調整ということで被害の甚だしい地域につきましてはさらに通常の作況調整より減免する、できるだけ主食用に回すというような措置を講じているわけでございます。
 そういう点から、他用途米の集荷自身は当初予定しております四、五十万トンという数字よりかなり減少は免れないわけでございますけれども、そういうこともございまして、不足するものにつきましては、特に当面年末年始用の供給ということを考えて二十万トンの緊急輸入を実施することといたしたわけでございます。酒米等国産米に依存する業界につきましてはできるだけ国産を供給し、それ以外の輸入米で代替できるものにつきましては輸入米を充てていただくということで、原料供給について最大限の努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#37
○浦田勝君 次に、米の適正流通の確保についてお尋ねしたいわけであります。
 需給環境の悪化、さらには品質の低下が見込まれる中で、米の適正流通の確保が求められるわけであります。こうした中、政府・食糧庁は農業団体、全農、全国農業協同組合連合会や卸売業団体などに対して自主流通米の過剰な在庫積み増しの自粛を求める通達を出しておられるところであります。この通達は、低温、長雨等の異常気象による影響で今年産米の作柄が悪化し、米の先行き不安感から流通業者の間で在庫放出を渋る動きを牽制する意味からであると思われます。
 また、通達では、卸売業者や小売業者の在庫積み増し自粛に加え、米の供給を円滑にするため、米が不足しておる卸売業者へ優先的に供給したり、仕入れに余裕のある卸売業者と不足しておる業者間に米の融通を求めているわけであります。そして、自主流通米について実需に見合った適正な販売をするよう要請されております。
 そこで、政府はどのような基本方針のもとで米の安定供給と適正流通の確保のための対策を考えておられますか、お尋ねいたしたいと思います。
#38
○政府委員(鶴岡俊彦君) 全体的に需給が窮屈になるということは避けられないわけでございますけれども、そういう中でいろんな米、今回も加工米につきましてああいう措置を講じたわけでございまして、また大臣が先ほど御答弁申し上げましたように、主食用につきましても全体的に考えますと、数字的な面から見まして輸入が避けられないというような事態にもなるというようなことで、かなりいろんな米を供給していくというようなことで対応していくことになろうかと思います。
 その場合に、やっぱり地域的、時期的、これにつきましてできるだけバランスのとれた供給をしていくということが管理の基本ではないかというように認識しているわけでございます。そういう点から、自主流通米につきましても、ここ三年ほど産地銘柄、品種銘柄に合った価格形成をやっておるわけなので、自主流通米機構で入札制度をやっておったわけでございますけれども、今回の事態にかんがみまして、やっぱりバランスある供給ということから見ますと、自流米機構での入札というのは必ずしもそれにそぐわないというようなことで、延期してもらうなど、とにかく全体的な、時期的、地域的なバランスのとれた供給を行っていく。これは政府米、自流米、その他あわせまして十分な目配りをしながらやっていくというような考えでございます。
 そういう中で、従来やみ米に依存していた業者の間で若干不足でありますとか、あるいは店舗の売り方でも、いわゆる米専売業者でありますと対面売りができますので、買い占め等につきましては、そういうことをしなくても必要でない。スーパー等になりますとなかなかそういうのができなくて、レジのところへたくさん持っていったらそのまま女の子が売ってしまうというようなことで、スーパー等で物がないというようなことも伺うわけでございますけれども、我々自身、各県の食糧事務所、支所あるいは農協の末端というようなところからもいろんな情報をもらいまして、とにかく全体的な米不足にならないような配慮をしながらやっていきたい。また、それにつきましては十分国民の皆様に理解を得るようなPRも極力やっていきたい。そのために各県の食糧事務所にコメ一一〇番という制度を設けまして、もしいろんな御懸念があればお電話いただいてお答えしたり、対応すると。
 昨日もちょっと私、東京食糧事務所に行ったんですけれども、夜中まで職員が一生懸命やってもらっているというのを目の当たりにしてきたわけでございます。全力を挙げて対応していきたいと思っております。
#39
○浦田勝君 この前、自主流通米の入札を延期されましたね。指導されたわけでありますけれども、この自主流通米の流通状況を踏まえながら、再度協議してまた再開を決める、こういうことであります。今後の自主米取引は指定団体と業者との相対取引に移行することになりますが、相対取引価格を基準価格の七%高までの範囲とし、十四日の取引から実施されるということであります。こうした取引の延期は、平成二年に価格形成の場が開設されて以来初めてのことであり、円滑に行われてきた流通にも支障を来すのではないかと懸念されるわけでありますが、価格形成の場の入札延期についてどうお考えなのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 それから、もう時間がないものですからまとめてお願いを申し上げたいと思います。
 輸入米の差益の問題でありますが、新聞報道によりますと、緊急輸入した場合、その内外価格差による差益は食糧管理特別会計で吸収する。また、輸入米は国内産米とブレンドされて販売される。しかし、消費者への差益還元を考慮することが必要と思われる。また、輸入米はブレンドしないで販売した方が消費者には喜ばれるかもしれないと思われる。そこで、輸入米の差益、ブレンドについてどうお考えなのか、これもあわせてお願いいたします。
 それから、続いてやりますが、やみ米の取り締まりであります。
 この前新聞、テレビを見ておりますと、米屋のおじさんが堂々と私は日本一のやみ屋でございますと、こうやっておるわけであります。こんな法も何もかも無視したような人が、また東京まで出てきましてやみ米の販売を堂々とやみ屋でございますと売っておるわけでありますが、このようなことは果たしていいのかどうか。やみ米業者が盛んに暗躍しておることも事実であります。特に、特定米業者の皆さん方は、現場におりましても、私のところは今米が二万五千円まではね上がってしまいまして、農協としても集荷が非常に困難になっておるわけであります。このやみ米については、食糧事務所もただ見ておるだけではなしに、指導とかなんとか言っておるが一体どうなるのか、お尋ねをしたいと思います。
 それからもう一つは、先ほど申し上げましたが、輸入米には非常に毒性の強いパラチオン、マラソン等がございまして、ポストハーベストでいわゆるスプレーをかけながら日本に輸出する。これはばら積み等々では特に殺虫関係がございまして、薫蒸米とかそういうものが入ってきておったわけでありますが、アメリカのものを私も食べたことがあるんですけれども、国府田さんの農場の米、それから国宝ローズとかいろいろ私も食べたわけでありますが、この国府田さんのところの米が日本の一食分の三百倍。ということは、百日間三度三度食べて日本の一食分とつり合うというぐらいの極めて強い濃度がある。昨晩もテレビで言っておりました。
 私は、この件に関して、植防関係をどうするのか、非常に懸念をいたしておったわけであります。昔は限られた四十七名ぐらいで各港でやっておったわけであります。今日のように大量に入ってきて、漏れ承りますと百七十九人かの方々が水際防疫検査をやるということであります。これは非常につまらぬこととお思いになってお笑いでとめていただいても結構でありますが、今これだけ米の問題が変わってきた。米事情が変わったならば、私は食糧事務所の皆さん方も、もう監督、指導者を残して、あとはいわゆる農業団体の検査員あたりに権限を委譲して、指導をしながらして、そして余剰の食糧検査官の皆さん方は植防の第一線に働いてこの調査等をやっていただくならありがたいなというふうに思います。食糧事務所の皆さん方も他にいろいろと業務もあるそうでございまして、昔は一万七千人ほどおられたのが今日では一万二千ほどになっておられるということであります。いずれにしましても、状況が変われば物事もやっぱり変わっていかなきゃならない。
 そこで、残留農薬につきまして厚生省にお願いをいたしておりますので、これもあわせて御答弁願いたいと思います。
 時間はもうありませんね、あと五分でぱっと締めてください。お願いします。
#40
○委員長(石井一二君) 質問が多岐にわたっておりますが、持ち時間も少なくなっておりますので、質問の要点をよく踏まえて、順次的確に御答弁を願います。
#41
○政府委員(鶴岡俊彦君) 機構につきましては、昨今の異常事態ということで延期をいたしたわけでございまして、正常化すれば品質とか産地特性に合った価格形成が必要であろうかということで、再開すべき時期が来たら再開したいというふうに考えております。
 それから、輸入米につきましては、差益というのは、今から輸入する場合にどういう米をどうやってどの地域で、それぞれの仕入れ価格もかなりあるわけでございます。巷間言われておりますように支持価格が上昇する。それから販売につきましては、やっぱり主食米とか加工用米とかそれに準じて品質格差を見た価格で売ることになろうかと思います。そうでないと末端で差益がどこかに紛れてしまう。末端の価格は統制しませんのでそういうことになろうかと思います。その際、混米するのかあるいは単品で売るのか、私は率直に言いましていろんな形態があっていいと思いますけれども、なおいろいろ研究させていただきたいと思います。
 それから、取り締まりの件でございますけれども、これは適正集荷のためにも、取り締まりといいますか適正集荷に乗せていくためにもやみ米の防止というのは我々の最大の課題でございまして、全力を挙げてやっておるわけでございますけれども、私ども自身、強制権限がないというようなこともございます。
 それからもう一つは、川崎氏の場合には、集荷業者、我々の登録業者でないというような関係で、我々自身、中止勧告とか等々の指導が主体になるわけでございますけれども、現在、川崎さんにつきましては告発をし、富山県で訴訟中でございます。その後の取り扱いにつきましても関係機関との間で適切に協議し、適切に対応したいというように思っております。
 それから、安全性につきましては、これは食の安全性、国民の健康への関心事から最大の課題だと思っておりますし、輸入に際してもそれにつきまして十分な対応をする必要があろうかと思っております。輸入に際しては、輸入先国であらかじめ検査し、また国内に入ってきた場合に厚生省あるいは私どもあるいは農産園芸局の植防等でいろんな検査をして、適正な対応をしたいと思っております。
 それから、食糧事務所の職員の仕事、これはかなり減員をしておりまして、昨今の事態、みんな一生懸命やってもらっておるわけでございますけれども、私どもとしましても、やっぱり食管を取り巻く情勢に対応して、必要な仕事にできるだけ重点的に対応するということで今後とも考えていきたいと思っております。
#42
○説明員(高原亮治君) 食品の安全性確保につきましては、国民の健康を守る上で極めて重要であると考えておりまして、厚生省といたしましては規格基準の設定、監視、指導の充実、また輸入食品の監視体制につきまして、従来からその整備充実に努力してきたところでございまして、今回の緊急輸入に際しましても安全性確保のため万全の措置を講ずる所存でございます。
 特に、先ほどお話にもありましたように、検査の結果、食品衛生上問題ないことを確認したものでない限り、輸入を認めないという形で努力してまいりたいと考えております。
#43
○浦田勝君 どうもありがとうございました。
 ところで、あなたにお願いですが、日本はどうもアメリカに弱い。アメリカから言われて基準を緩めたりなんなりしないように、あなたの職責をかけて断固としてこの問題については対処していただきたいというふうに思います。
 時間がないですので二分だけくださいと全言ったわけですが、いわゆる罹災農家に対しての救済措置をこの前、国の方でもいろいろお示しいただいた。しかし、公定歩合の金利等とすり合わせてみますと、いわゆる自創資金にいたしましても天災融資資金にしましても、全くこれは高過ぎるということであります。
 問題はもう一つございます。この共済の方でございます。
 共済金につきましては財源的な問題が論議されて、五千億等々が必要であると言われてきておるところでありますが、これに対してどのような財源措置をなさるのか、これ一点だけひとつ聞かせていただきたいと思います。
#44
○政府委員(眞鍋武紀君) 共済金の支払い財源でございますが、現在損害評価を実施しておりまして、それを積み上げて算定をする、こういうことでございます。
 御指摘のとおり、相当多額に上るということが予想されるわけでございます。異例に厳しい財政事情のもとではございますが、被災農家の共済金の支払いが年内に円滑に行われますように、財政当局とも協議の上、財源の確保に万全を期してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
#45
○浦田勝君 一般財源については、財投ですか。
#46
○政府委員(眞鍋武紀君) この財源措置につきましては、一般会計からの繰り入れの方法、それから財投から借りてきて利子補給をするというふうな方法あるいはそれを組み合わせるというふうな方法、いろいろな方法につきまして財政当局と現在協議をしておるわけでございます。いずれの方式をとるにいたしましても、農業者に新たな負担が生じないように万全を期してまいりたいと思っておるわけでございます。
#47
○浦田勝君 農林予算に食い込むようなことはないですね。大蔵はこすいからね。
#48
○政府委員(眞鍋武紀君) ないようにやっていきたいと思っております。
#49
○浦田勝君 どうもありがとうございました。今、金利の問題その他お願いしましたけれども、どうぞひとつこれからも考えていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
#50
○佐藤静雄君 私、昨年初めて当選しまして、本日初質問でございますので、ひとつお手やわらかにお願いを申し上げたいと思います。
 まず、温厚篤実で経験豊富な大臣が農林水産大臣に御就任されました。心からお祝い申し上げます。さらに、毎日宿舎で御薫陶をいただいている村沢先生が政務次官に御就任、これまたおめでとうございます。心からお喜び申し上げます。
 さて、今回の冷害でございますが、天明の飢謹以来の未曾有の大凶作に見舞われました全国の四百万農家、それから激甚な被害をこうむられた被災農家の皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 大冷害に際しまして、我が党はいち早く十月十五日に冷害緊急対策につきまして決定をいたし、農水省あるいは総理大臣まで緊急対策のお願いをしたところでございます。
 御承知かと思いますが、一つは、既存の冷害対策の着実な実施を求めたいということでございます。二つ目は、未曾有の冷害等に対応した特例措置をぜひ御検討願いたいということでございます。三つ目は、やはり今悲嘆に暮れている被災農家の元気を回復するためにも、担い手農家の対策をぜひ講じていただきたい。それから、先ほど先輩のお二人の先生からお話のございました米の自給対策あるいは備蓄対策の強化、これについて御配意をいただきたい。さらに五つ目には、今話題の例外なき関税化、これはもう絶対反対でございますので、米の自給の堅持についてひとつ農水省挙げてお取り組みいただき、政府の責任においてこれを絶対やらないということで、農民にあるいは国民にお示しをいただきたいということでございます。
 そういうことを申し入れしたところでございますが、今回の被害の激甚さにかんがみまして、特別立法を制定して対処してはどうかという声も多くございます。この点について大臣の御決意を承ると同時に、天災融資法の発動あるいは激甚災害の指定、これはもう当然のことだろうと思いますが、いつもこれはちょっと遅過ぎます。したがいまして、現時点で激甚災害の指定の基準にもう合致しているはずでございますから、これを急いでいただきたいというふうにお願いを申し上げるとともに、何といっても共済金が農家のよりどころでございますで、これを何とかクリスマス前までにお支払いをいただきたいというふうにお願いを申し上げます。決意を承りたいと存じます。
#51
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま佐藤先生御指摘のとおり、福島県を初め全国的な大凶作の現況は、先生も未曾有のという表現で御指摘を賜ったわけでございます。
 さような対応に当たりましては、御指摘のように現行の災害対策の制度、これはもう十二分に速やかに対応をしていかなければならないということで、今日までそれなりの努力をやらさしていただいたわけでございますが、未曾有の災害であるということによりまして、これは一農林水産省だけで事柄が済む問題ではない、こういう見地に立ちまして、御案内のとおり関係閣僚会議を開催していただき、細川内閣としてこの問題に政府を挙げて努力を傾けようという申し合わせの中から、ただいまそれなりの物事が進行中でありますことも御案内のとおりであるわけでございます。
 十一月におきます二次補正等々の問題の中におきましても、この対応の財源をきちっと計上させていただくべく、ただいま努力をさせていただいておるわけでございます。
 共済の問題等々につきましては、先ほど来御指摘があったわけでございますが、これは少なくとも年内に関係の農家の方々にすべてお届けができますように、ただいまだんだんと作業が進められておるということも御承知のとおりであるわけでございます。
 そういった大被害や大凶作の中にございまして、いわゆるウルグアイ・ラウンドをめぐる自由化の問題、例外なき関税化の問題、よく関係の方々からも言われるわけでございますが、重病人のまくら元で大変なマイナス要因の話をするなというようなお気持ちも十二分に踏まえまして、先ほど来申し上げておりますとおり、やはり現実対応という姿を求めながら、例外なき関税化は我が国としてはこれは到底受け入れることができない、こういう立場で引き続きベストを尽くして努力してまいりたいというように考えているわけでございます。
 先生の御指摘のようなお気持ちを体して、引き続き努力を重ねてまいります。
#52
○佐藤静雄君 今回のこの冷害に際しまして、私ども自民党の全組織を挙げまして災害の現場に今参上いたしまして、農業者の考え方を直接にお聞きをいたしております。その中で非常に強く訴えられ、非常に私ども強く感じたことは、一言で言えば農政不信の問題であります。国、県、市町村、あるいは場合によっては農業団体を通じて行われてきた農林行政に対しまして、どうも農民は強い不満を持っております。さらに、農林行政に対しての強い不信も持っております。
 例えばこの原因としては、私考えますところによれば、今まで、これは自民党も責任がなしとはいたしませんけれども、ころころと変わってきた転作面積の変更、猫の目農政と言われておりましたが、それが大きな要因であります。
 また、米価決定時に私は自民党の農林部会でお話をしたのでございますが、もう七月の三十日でございました。七月中旬以降の極端な低温あるいは日照不足、これが長く続きましたので、この期間はちょうど稲の幼穂形成期に当たっております。したがって私が見たところではもう凶作は決定的だよというお話をしたのでございますけれども、これも農水省のお答えは一週間ぐらいおくれているというお答えでございまして、農民の肌で感ずる感覚とどうもお役所が考える、あるいはこれは農水省ばかりでなくて、私は県の行政を三十年ほどやっておりましたが、県も市町村もそうでございましょう、どうも肌合いが合わない。そういうところに農民が不信を持つ原因があるのではないかというふうに思っております。
 また、冷害が決定的になるや否や、緊急に米を輸入しなきゃいかぬという決定をされました。これもほとんど農民団体あるいは地方団体に御相談なく緊急にやらなきゃいかぬということを唐突にお決めになった。こういうことも大きな不信の原因ではないかというふうに思っております。
 さらに、これは私ども反省をしなきゃいかぬわけでございますけれども、行政も農協も最近機構改革を行いまして、どうも農民と触れ合う時間、機会が非常に少なくなっております。こういう指導の希薄さ、こういうことも私は農民が農政をあるいは行政を信じない一つの大きな理由ではないかというふうに考えておるところでございます。
 そういう観点で物を考えていきますと、今までの農政もあるいは新農政も余りにも経済合理主義、効率一辺倒、そしてコストの問題ばかり考えている、そういうところに偏っておりまして、農家の心情や農家の誇り、こういうことに余り理解をしなかったんではないか。本県を訪れた細川総理大臣は、「農魂」というふうなサインをしていただきましたけれども、まさしく農魂を行政も政治も理解していないところに私は大きな農民の憤りがあるんではないかというふうに思うわけでございます。
 大変抽象的で申しわけございませんが、やはり農林水産行政の基本はこの農家の心情を酌み取って、農家の誇りを認める、そこに第一の要請があるんではないかというふうに私は考えますが、大臣のお考えを簡単にひとつお願い申し上げます。
#53
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま佐藤先生御指摘のとおり、農家のお立場にございましては、従来から残念ながらいささか農政に対する不信感あるいはまた諸問題に対する不満等々、そういうものが横たわっておりますことは私自身もそれなりに承知をいたしているところでございます。
 私ごとを申し上げて失礼でございますが、私自身も大臣になりましてから、今先生が御指摘をされましたような、信なくば立たずという言葉もございますが、そういうものに向けて従来も努力をいたしておる役所の立場ではございますが、さらにその面の解消に向けて努力をしていこうということを誓い合わせていただいたような次第でもあるわけでございます。
 何といっても、やはり御指摘のように触れ合い、話し合い、こういうチャンスが必要であろうということを考えておるわけでございまして、実は、私自身も大臣になりまして四回国内出張をさせていただきましたが、四回とも現場に出向きまして、災害等々の問題がございまして四回とも作業服で回らせていただいた。あるいは政務次官、そしてまた総理も先ほどのお話しのとおり現地に出向いていただいた。私どもの方から要請を申し上げてお出ましを願ったということでございますし、食糧庁長官を初め、省を挙げて今回のような事態に当たりましては何といっても現場に足を運ぶ、そしてまた赤裸々に話し合いをするというような意味合いのものを今日積極果敢にやらさせていただいておる、かような姿にありますこともお含みおきを願いたいなというように考えるわけでございます。
 ともあれ、二十一世紀におきましては、やはり第一次産業の農業、林業、そして漁業分野におきまして、若い方々に魅力を持っていただけますようなそういう姿をつくり出すのが今日与えられた喫緊の課題である、かような立場を踏まえて引き続き省を挙げて努力をしてまいりたいなと考えております。
#54
○佐藤静雄君 総理大臣は作業服が嫌いのようでございますけれども、私も現場には作業服で参っております。
 ここで、先輩のお二人の先生からお話しがございました米の自由化についての報道についてちょっと触れさせていただきます。
 報道によれば、政府は米の関税化は原則として猶予期間を設けて受け入れることで米国と合意したことが十四日明らかになった。この日米間の合意は、今月上旬、ジュネーブで農水省塩飽審議官と米農務省オメーラ交渉官との二国間の交渉、引き続き十日来日したエスピー農務長官と畑農水相との会談などで水面下で行われたというふうに報道があります。
 一政府のお役人さんが、国是とも言うべきこの米の問題について自分自身の判断で交渉するなどということはあり得ない、私はこういうふうに理解をしております。この報道が誤っておるのか本当なのか。もしある程度の何らかの交渉事実がある、あるいはもっと勘ぐれば、一連の米の自由化に向けて噴出した、急に出てきたわけでございますから、噴出した報道は、凶作、米不足、そして米の緊急輸入決定と余りに符合し過ぎております。まさに、どこかで意図的な情報操作をしておるのではないかというふうに勘ぐらざるを得ない状況でございます。これがまた農民が一番農政を信じない、そういうことにもつながっていくわけでございますから、大臣、先ほどから何回も御答弁をいただいておりますけれども、恐縮でございますけれども、この報道について大臣のお考えをお聞かせ願います。
#55
○国務大臣(畑英次郎君) この問題につきましては、御指摘のとおり、あれほど大きく報道されますと、それなりの懸念といいますものを農業関係の方々を初め国民の皆様方がお持ちになっていらっしゃる。まことに私の立場におきましては残念千万なことでございますが、少なくとも今佐藤先生御指摘のとおり、これは民族の将来に関する大変大きな国としての大問題であるわけでございますから、ただいま御指摘がございましたような提案とかあるいは合意とかそういうことはあり得ない。そして、細川総理との打ち合わせの中から私自身が、いわゆる最終段階の正念場を迎えたという今日の中にございまして、近く関係筋に出向きまして従来の基本姿勢を踏まえてさらなる努力を重ねてまいりたい、こういう今日の姿でございますのでぜひとも御理解を賜りたい、かように考えるわけでございます。
#56
○佐藤静雄君 どうも疑い深いのか、もう一つ疑問がございます。
 それは作況指数についての疑問でございます。八月十五日、指数九五から九月十五日、八〇というふうに指数が激変しております。先ほども申し上げましたように、本年の大凶作の原因は七月中旬以降の低温、これが主原因となっております。あるいは八月の低温、これが主原因となっております。したがって、世界一優秀と言われる農林水産省の技術者が七月末、八月上旬のこの天候を見て九五という指数を出した。一部の報道によれば、これも意図的に操作されたのではないかという疑問がございます。
 この点について見解を承ると同時に、今後の作況につきましても、これはファイナルの作況になると思いますが、基準日が十月十五日でございます。もう一週間も経過しておるわけでございますから、正直にひとつ最終的な見込み、これをお示しいただきたいというふうにお願いしたいわけでございます。
#57
○説明員(嶌田道夫君) 水稲の作柄につきましては、今言われましたように毎年八月十五日、九日十五日、それから十月十五日の四回にわたりまして調査、公表しておるわけですが、これは各段階におきます水稲の生育段階において調査しているものでございます。
 例年でございますが、八月十五日現在の調査は、茎数でございますとか草丈、それから一部の穂数などから、調査日以降の天候を平年並みと推定いたしまして未確定要素を取りまとめているというものでございます。ただ、ことしは例年以上に水稲の生育がおくれておりました関係上、普通ですと一部実測も可能でありました穂数も推定せざるを得なかったという状況にございました。
 八月十五日現在の作況九五という数字でございますけれども、これは戦後最低でございました昭和二十八年の指数が八月十五日現在九五でございまして、その数字と並ぶものでございます。その八月十五日以降、御承知のように北日本の引き続きました低温、それから西日本の大型台風の襲来などいろいろございまして、各地におきます不稔もみの発生、特に北海道、東北におきます不稔もみの発生が非常に多かったわけでございますが、それに加えましていもち病なども発生したということがございまして、九月十五日現在の作況は八〇という著しい不良となったわけでございます。
 現在、十月十五日現在の作況の取りまとめを行っているところでございますけれども、刈り取りが例年よりおくれています。そういうこともございまして、最終的な結果となりますと全国のすべての刈り入れが終わります収穫期の調査、これは例年十二月下旬に出しておりますが、その結果を見る必要があろうというふうに思います。
#58
○佐藤静雄君 もう一週間も過ぎておるんですから、電話で連絡をとっていただけば、大体前に発表した数字よりはほぼどのくらい落ちるというようなことはもう確定的なんでございますけれども、その辺は作業をやっておらないんですか。
#59
○説明員(嶌田道夫君) 現在、十月十五日現在の作況の取りまとめを行っておりまして、今月下旬には公表する予定でございます。
#60
○佐藤静雄君 納得できませんけれども、次の質問に移ります。
 何回も大臣に御答弁をいただいている米の自由化でございますけれども、先ほど御答弁にもありましたし質問にもございました。過去衆参両院で反対の決議を三回も行っている。七月の総選挙でも各党がそろって例外なき関税化については反対だということを国民に約束しております。さらに、現政権ができる八党合意でもきちっと自由化はしないという旨を約束しております。これは国民に対する約束、そう考えていいと思います。さらに、たび重なる国会での質疑におきましても、大臣もあるいは総理大臣も、しないという答弁をしておるわけでございます。
 そういうことからかんがみまして、例外なき関税化はまさに日本の国是であります。国の基本方針であります。したがって、この方針をいささかも動かすということは、やはり国是に反することであります。
 したがって、最終的に安易な妥協を行うということになれば、私どもも重大な決意をせにゃいかぬと思いますけれども、大臣はもちろん、内閣としてもある程度の責任は国民にとっていただきたいというふうに思っております。それほど重要な問題だ。政治改革も重要でございますけれども、大臣の御答弁にありましたように、事は一億二千万の民族の将来にかかわることであり、日本の国土の保全、環境の保全、そういうことにかかわることであります。これが何事にも優先する問題だと私は理解しておりますが、いかがでございましょうか。
#61
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま佐藤先生の御指摘にございましたような本問題に対する認識、位置づけ、こういうものを踏まえまして引き続き努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#62
○佐藤静雄君 次に、時間がございませんので、具体的な冷害対策に入りたいと存じます。
 先ほど大臣から心強い共済金の早期支払いの御答弁がございました。そこで、特に指摘したいのは、農地流動化あるいは作業の受委託等によって大規模稲作経営に取り組もうとしている意欲のある中核農家がことしは大打撃を受けておるわけでございます。まことに残念のきわみであります。
 農水省は十五日、被害農家に支払う農業共済金が五千億円以上に上るという見通しを明らかにしておりますが、これは過去最高の支払い額だろうというふうに存じます。先ほど浦田先生からの御質問にもございましたように、この不足であると思われる四千億ないし五千億の不足額をやはり一般会計で処理をしていただきたい。農家の皆さん方も、一般会計できちんと処理をするところに、ああ我々をよく考えておるんだなという気持ちがこれはあるわけでございますから、一般会計できちんと処理をしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 と同時に、共済金の円滑な支払いを受けるために、大体今事務量が私の県では通常の八倍ないし九倍と言われております。損害評価の事務費、この事務補正、これをひとつ徹底して助成について御検討いただきたい。農業共済基金からの資金供給の確保、これについても御努力をいただきたいというふうにお願いを申し上げる次第でございます。
#63
○政府委員(眞鍋武紀君) 共済金の支払いでございますが、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、年内には農家までちゃんと支払いができるように御指摘のような支払い財源の確保につきましても万全を期してまいりたいと思っておるわけでございます。
 さらに、事務費につきましても、いろいろとことしは事務量が膨大であるというふうなことから、各方面から要望がございます。これにつきましては、手持ちの予算によりまして配れる財源もございます。そういうものも活用し、さらには積立金の取り崩し等々の措置もございます。そういうふうなものも含めまして、これもそういう損害査定に支障が生じないように万全を期してまいりたいと思っているようなわけでございます。
 いずれにいたしましても、農業共済制度はこういう災害対策の基本でございますので、農家の方々のお役に立つよう努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
#64
○佐藤静雄君 被災農家の飯米確保対策でございますが、農水省が飯米確保のためにいち早く手当てをしていただいたことを高く評価いたしております。
 ところで、この飯米を末端で取り扱うのは市町村になるわけでございます。市町村が農家に米を配給して、代金の回収までこれは義務づけられております。
 五十五年の冷害時には、私は県庁の役人をしておりましたが、そのときに市町村へ行ってその事務を見ましたが、膨大なものがございまするし、毎月に関することでございますので、これはもう市町村の職員は非常に、今でさえ疲労の上にまた疲労を強いられます。さらに代金回収になりますと、五十五年の代金がようやく五年かけて大体済んだ。それで、相当部分が市町村で取り切れずに損失に落ちたというような例もございまして、この市町村に対する手当てを私はしなきゃいかぬなというふうに考えておるわけでございます。それについて政府でどういうふうにお考えになっておられるか。
#65
○政府委員(鶴岡俊彦君) 御指摘のように、ことしの水稲の作柄の低下で一部の地域で特に農家の飯米確保に懸念が出ておりましたので、一般の小売店を通じた米の売却以外に、全中、全農、農協店舗を通じました組合員への安定供給あるいは都道府県知事の要請に基づきまして、市町村を通じて被災農家に売り渡しをしてもらう措置を講じたところでございます。
 ただ、今度も市町村に御指摘のようにいろんな御苦労をおかけすることになるわけで、私どもとしても何か考えられないか、いろいろ検討したんですけれども、私ども食管の立場からそれについての対応というのはちょっと申しわけないけれどもできないというようなことで、各地方団体にいろいろな御苦労をおかけすることはわかるわけですけれども、特段の御理解と御協力をお願いしてやっていただかざるを得ないということを申し上げざるを得ないと思っております。
#66
○佐藤静雄君 時間がもうございませんので簡単に御答弁を願います。
 現在、公定歩合が年一・七五%というふうに史上最低の水準にございます。これと比較をいたしますると、制度資金の金利、これは非常に高うございます。特別被害者で三%、その他は四・二五%から四・六%、頼りにする自創資金が四%というふうに非常に高うございますので、やはりこの金利を下げていただく。
 それから、例えば土地改良で負担金償還金が非常に農家の限界を超しております。したがいまして、この土地改良負担金の償還、これについても利子の減免あるいは返納、元金猶予あるいは償還期間の延長、そういうことをお考えいただきたい。さらに、土地改良施設に対する維持費もなかなか払えない状態にございますので、この助成についてもお願いをしたいということを申し上げまして、時間でございますので最後の質問といたしたいと思います。
#67
○政府委員(入澤肇君) 土地改良資金の償還金の問題でございますが、今回のような災害の場合には、従来から償還条件の緩和につきまして指導しているところでございます。
 今回も、関係金融機関に対しまして九星二十日付で通達を出しまして、被災の程度等を考慮の上で必要に応じて償還猶予あるいは償還期限の延長等につきまして配慮するよう指導しております。現在、農林公庫等で具体的に検討しております。
 それからまた、金利の軽減につきましても一生懸命検討していますけれども、他の分野に比べてそもそも公庫の貸付金利が低水準に設定されているということからなかなか難しいという認識を持っております。
#68
○国務大臣(畑英次郎君) 佐藤先生から、先ほど来、地方行政を御経験の立場から、市町村の実態を把握されての貴重な御意見があったわけでございます。
 やはり金利の問題等々、今局長が申し上げましたとおり従来の感覚では難しい。そういう中にございまして、大変努力をしなくちゃならぬということで事務方も大蔵等とのかけ合いをいたしておるわけでございますが、残念ながらこれまた壁が厚いという中にございまして、いわゆる問題意識を持ちながら、引き続き先生のお気持ちを体して努力をしていきたい。その他の分野におきましても同様な気持ちを持って対処をしてまいりたい、かように考えております。
#69
○委員長(石井一二君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時十五分開会
#70
○委員長(石井一二君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#71
○野別隆俊君 私は、今回の冷害、特に集中豪雨、そして十二号台風、北海道、東北を襲いました冷害対策についてこれから質問をいたします。
 まず最初に、先ほどからいろいろ出ておりましたように、大臣、私も同じ九州でございまして、本当におめでとうございます。
 質問に入ります前に、この風水害、北海道の南西沖地震を含めまして約三百六十九名の方がお亡くなりになっておりまして、心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災を受けられました国民の皆さんに心からお見舞い申し上げたいと存じます。
 午前中、自民党の皆さんから質問がございましたから、かなりの部分が重複をいたしますので質問が非常に苦労する部面がございますけれども、これから順を追って質問に入りたいと思います。
 まず最初に、農業共済金の支払いについてであります。この問題も出ておりましたが、今回のこの農業被害というのはかってない、百年に一回とも言われるくらいの被害でございました。私も北海道、九州を調査に回りましたが、特に北海道の一部の地帯ではもう大変な状況であります。南西地区を回りましたが、十五ヘクタールつくっておりまして一粒もとれない。こういうのは一戸かというとその一帯は全部であります。全町村同様の状態にある。
 その地区はもうそういう状態でありましたが、そういうのを後で北海道の議員の方に聞いたら、こういう地区が土地区ぐらいあるんだと。もう全滅、宝くじよりも貴重な状態でございました。とにかく殻はありますが中身がない。さっきのように冷害、いわゆる花粉が出る時期に十二度以下が九日間も続いたということでありますから、これはもう絶対米の中身ができるはずはないのであります。
 そういったことで私ども調査をいたしまして、直ちに青刈りをすべきだ、こういうことを要求して、新政権はこれに直ちに対応していただきました。この点については敬服を申し上げたいと思います。
 そういったことで、直ちにその対応はしていただいたのでありますが、青刈りを全部やったけれども、もうやりまして後一カ月近くなるのであります。そのときも、今刈れば労働力からいっても日が長いんですから十日間でやれるものが、あと収穫期まで置くということは十四日もそれにつぶさなきゃならぬ、そういった費用が大変かさむんだという農家の意見でもございました。
 それから、いもち病が発生する、そういうのが次年度にまた発生するような状態になる。こういうこともありまして、ぜひひとつ青刈りをやらしてくれということで、私どもも大臣にこのことを要求いたしまして直ちにこの対応ができたのであります。
 この共済金も全体の一般的な共済金よりも、早く刈ったんですからこれについてはやっぱり早く対応していただきたい。相当な経費をもかけて刈っているのでありますから、ぜひひとつこの点についてどういう対応をしていただくのか、お尋ねをいたします。
#72
○政府委員(眞鍋武紀君) ただいま御指摘いただいたのは、宮崎県及び鹿児島県の早期水稲につきまして損害評価を早くやって、いわゆる青刈り等をやって早く共済金を支払え、こういうことだと思います。
#73
○野別隆俊君 北海道、北海道だよ。
#74
○政府委員(眞鍋武紀君) 北海道でございますか。大変失礼いたしました。
 北海道の道南の地方におきまして一部青刈りをしたようでございます。それにつきましては、現在損害評価を終わりまして、組合段階で損害評価をやり連合会段階で調整をして、それから全国段階へ上げて金を支払うわけでございますが、この分につきましてはいわゆる仮渡しという制度がございますので、できるだけ早くこの仮渡しを行うよう、現在、鋭意連合会等で努力をしておるという状況でございます。
 せっかくの御指摘でございますので、作業を急ぐように私の方からも指導してまいりたいと思っております。
#75
○野別隆俊君 次に、共済金の対応でございますが、大臣も九月の十六日に緊急経済対策会議の中で、農業共済等については保険金支払いにかかわる事務手続等の速やかな実施を図り、早急の支払いをするということを言っておられるのでありますが、去年までは年越しになっていました。こういうことではやっぱり問題でありまして、これはもう何としても年内に全部解決を図っていただきたい、このことを一点お尋ねします。
 同時にこの共済金が、農業だけの被害が七千億とも言われているようでございまして、そうなりますと被害共済金は五千億ぐらいに達するんじゃないか、こういうふうにも見られております。これが農業共済保険特別会計から支出をするのを合わせて、これまた原資が不足しますから第二次補正予算と。一般会計から少なくともこれ三千億から四千億の繰り入れを行わなければ原資は不足する、こういうことになるようでありますが、年内に払うと同時に、こういった原資について一般会計から何としても、これさっきもちょっと出ておりましたが、財投などから借りるのじゃなくて一般会計で対応していただくように、この点についてお尋ねをいたします。
#76
○政府委員(眞鍋武紀君) 財源確保の問題でございますが、再保険金の支払い財源の不足につきましては、一般会計から全額繰り入れるというふうなことがこれまで行われてきたわけでございます。しかしながら、ことしの被害は大変大きい、相当大きな額に上るというふうな事情、それから一方、国の財政事情が大変悪い、こういうふうな状況を踏まえまして、従来どおり一般会計から全額繰り入れによる方法でございますとか、あるいは資金運用部から全額借り入れてそれに対して一般会計から利子補給をする方法、あるいはその組み合わせといいますか、一部借り入れをして利子補給をし、一部一般会計から繰り入れるというふうないろいろな方法について現在財政当局と協議をしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、こういう方式の変更が新たな農家の負担につながらないように、そういう考え方で対処してまいりたいと思っております。
#77
○野別隆俊君 一般会計から支出するか、またはそういった特別の財投等からの利用ということも考えられる、こういう話でございましたが、何としても一番末端の農家にしわ寄せがいかないということ、それからこれを扱う連合会あたりも相当そのことによって事務的に煩雑をするということになりますと、またそこに経費がかさむわけでありますから、そういったことにならないようにお願いをしたいと思います。
 それから、今度の災害は、全国では一千八百万筆ぐらいの筆数がある。その中で恐らく一千万筆近いんじゃないか、この災害が。そうすると、例年の六倍ないし七倍ぐらいの件数になる。その件数を扱うわけですから、もう県や市町村の共済組合は大変な労力が要るわけです。もう徹夜徹夜の仕事をしてきているわけでありますが、これらに対しての、通年ベースじゃなくて、これは特殊事情をやっぱり十分参酌をして財源措置をするのかどうかということが一点。
 それからもう一点は、今度は末端で評価をする人たちがいるわけですね。稲の作況の評価をやる評価員が相当な日数が要るわけです。今まで例年ベースのやっぱりこれも七、八倍の労力日数が要る。これらに対して、今聞いてみると五千円前後しか払ってないのですね、日当も。これでやっているんですよ、みんなこの評価員の人たちは。この分が今度相当増額になっている。こういう負担を末端の共済組合じゃとてもできないわけでありますが、国でこれは十分対応するのかどうか、この点について二点お願いしたい。
#78
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業共済についての損害評価でございます。御指摘のとおり、ことしの被害は相当な広がりと大変大きいわけでございます。そういう意味で、共済組合の損害評価員あるいはその他の職員につきましても大変な事務費がかかる、こういう状況でございます。
 いずれにつきましても、損害評価のための特別事務費補助金という所要の予算措置が講じられておるわけでございます。そこで、各組合なりの損害評価の実務の実績に応じまして農業共済組合に対しまして助成をする、こういうことが一点あるわけでございます。さらに、その被害が著しいためにさらに補助をしても不足をするというふうなところにつきましては、各組合で特別積立金というのを積み立てておりまして、それを取り崩して損害評価の費用に充てる、こういうこともできることになっておるわけでございまして、そういうこともやりたいと思っております。
 さらに、ことしは特別の異例な災害でございます。御指摘のとおりでございます。そういうことでございますので、今回の異例な災害に伴う損害評価の状況等を見定めまして、必要に応じまして財政当局とも相談しながら適切に対処をしてまいりたいということでございます。
#79
○野別隆俊君 次に、種もみの確保についてであります。
 全国的にこういう被害が出ておりますから、種もみがなかなか確保できない。私も県の方に行って聞きましたが、何とか今必死になって確保中だということを言っておりましたけれども、これもまたまじるようなやつじゃなくて、立派な系統のいいものをとらなきゃなりません。やっぱりそれぞれの県の採種圃等からとらなきゃならぬと思うんです。種もみの確保が全国的にどういう状態になっているかこの点についてまずお尋ねをしたいと思います。
 もう時間がないようですから、一遍に二つずつ聞いていきます。同じ種もみを確保するのに、六十二年の冷害の際には、それぞれの農家に対して種もみの購入をする場合に県が一部負担をしている。こういったことで当然種もみが高くなっておりますからその分は一部県が見たのでありますが、そのときには国もこれに対して一部負担をしているようでありますが、今回のこの種もみに対する対応をどうするのか、この点についてお伺いいたします。
#80
○政府委員(高橋政行君) 今お話しのとおり、我々は種もみの確保を非常に重要なことと思っておるわけでございまして、今お話がございましたように、県内ではまず採種圃産の種子でひとつ確保していただこう。どうしてもそれで不足をする場合には、それに準じました圃場を指定いたしましてそこから確保する、これを我々は準種子と呼んでおるわけです。それでもどうしても確保できないということになりますと、さらに政府所有米あるいは自主流通米の方から転用するということで、転用種子で対応するということをやっております。しかしながら、県内ではそれでも十分でないということでありますと、農水省それから全国段階の農業団体と連携をしまして、ゆとりのある県からの融通をするということでやってきております。
 それで、現在どういうような状況にあるかということでございますが、まず北海道につきましては採種圃産種子と準種子によりまして確保の見込みでございます。それから、東北の青森、岩手、宮城につきましては各県におきまして採種圃産、準種子、転用種子で九割を手当てしておりまして、不足分は秋田とかあるいは山形などから導入する予定にしております。それから、南九州の宮崎、鹿児島でございますが、これも各県において採種圃産、準種子、転用種子で七割を手当てしておりますが、不足する分は富山から導入する予定にしておりまして、全体といたしましては種子の確保のめどがつきつつあるということでございます。
 それからもう一つは、種子確保に対する助成に関係しての御質問でございますが、これにつきましては現在災害に伴う種子需要であるとかあるいは被害の状況であるとか、そういったことを調査しておりますので、その結果を踏まえまして、過去昭和五十五年にもそういった例もございますので、どういった措置がとれるのか財政当局とも協議を行っておるところでございまして、できるだけ早い時期に結論を得るようにいたしたい、このように思っております。
#81
○野別隆俊君 次に、災害復旧工事の早期実施についてであります。
 特に今年度の米不足、こういうことを考えるときに、後で聞くのでありますが、年度内に、今度植えるのが間に合うのは九州の西南暖地とそれから四国の高知方面でありますが、こういう県の災害復旧を急がなければ来年度の米の確保ができないことになるんじゃないか、これは何十万トンか知りませんが。
 そういった面からいけば、こういった早期米地帯の復旧については、冬期は九州南部と高知県あたりは晴天日数が非常に多うございます。ですから、突貫工事をやってでも三月までに仕上げなければ、私の県で聞きましたら農業土木関係だけで一万二千件もあると言われておりますから大変なことだと思います。その中で早期地帯は三千カ所ぐらいのようですから何とか仕上げてもらって、年度内の米対策、これを図ってもらいたいと思います。そういう地帯に対して来年度の米作がやれるように、早期米がつくれるような状態に持ち込むことができるのかどうか、災害の復旧対策についてお尋ねをいたします。
#82
○政府委員(入澤肇君) 御指摘のとおり、大至急災害復旧をしなきゃならないと考えております。
 私ども今、例えば九州農政局管内の災害に対しましても、他の地方局から職員を動員し、さらに各都道府県の災害査定の経験者を動員いたしまして災害査定を急いでいるところでございます。
 そうしまして、査定が終わりますと直ちに着工に入りますが、過去五カ年の平均実績によりますと大体初年度で復旧進度八割ということでございます。そして、頭首工のように河川内の構造物につきましては、復旧事業の実施が河川流量の少ない時期に制限されるということがありましてちょっと問題があるんですけれども、特に、今回宮崎県の加治屋頭首工などは比較的災害の規模が大きいことから、おおむね半分ずつを二カ年にわたって復旧することにしております。
 しかし、その間の農業用水の確保につきましては、復旧工事完了までの間はポンプによる取水を行うことといたしまして、来年の作付には支障のないように適切に対応してまいりたいと考えております。
#83
○野別隆俊君 次に、天災融資法の発動と激甚災害法の適用については先ほど質問があっておりましたから特段申し上げませんが、これは直ちに発動し適用するということなのかどうか。この点については大臣のお考えを聞きたいと思います。
#84
○国務大臣(畑英次郎君) この段階でございますから、はっさり姿勢を示しておいた方がいいと思いますが、前向きで今事務的な作業の詰めを急いでおる、一日も早く御期待にこたえたい、そういう段取りを進めておると御理解願いたいと思います。
#85
○野別隆俊君 この点についてはぜひひとつ、今までの経緯もございますから当然、しかも今度の場合はかつてない大災害である、こういう立場からも直ちに天災融資法の発動、激甚災害地の指定を行って対応を図っていただきたい、このことを強く要請いたしておきます。
 次に、冷害に強い品種を開発する必要があるんじゃないか。特に北海道で私は感じたのでありますが、あそこにいろいろな品種がありますが、やっぱり純度が高くなって味のいい米になれば今までの状態からいくと非常に冷害に弱いのではないか。昔の雑種的なような、雑種じゃありませんけれども、昔の品種の方が割合強いと言われているようでもあります。しかし、これもなかなか試験結果を見ますと画一的ではありません。非常に難しいことだと思います。今度の北海道の場合は、十二度以下になったところはほとんどやられているようでございますから、十三度までは北海道でも何とか耐えられる、こういうふうに聞いているのでありますが、この耐病品種の改良についてどういうふうに考えられているか。
 それから、これもついでに今の問題に関連して、気象学の研究が必要じゃないか。気象予報等が事前にあることによって対応ができる。今度も行ってみました。県も末端も本当に対応に努力をしておりました。場所によっては夜はタイヤをたいて温度を上げる。霜が来ぬように対応している。こういう本当に生々しい状態を見せつけられたわけでありますが、こういった気象研究の必要があるのではないか。
 それと同時に技術指導の強化。各地を回ってみましたが、非常に対応のいいところとやっぱり対応がおくれているところもございました。ぜひひとつそういったことで早期の育苗をやって、余り早く植えれば今度は外に出してから影響がございますから、苗の期間を少し長く置けるような方法はできないのか。私どもが昔田植えをしたのは非常に長い苗でありましたが、今の機械植えのは非常に短い、非常にわずかな日数しかたっておりません。これをもう少し日数が苗の時期に置けるようにならないのか。こういうことを研究していけば、こういった冷害対応もできるのではないかという気がするのでありますが、この品種改良も含めましてお尋ねをいたします。
#86
○政府委員(武政邦夫君) 先生御指摘のように、このたびの非常に厳しい気象災害というものに対しては、やっぱり品種そのものに耐冷性を持たせていくというのが非常に大事だというふうに考えております。
 そういう意味で、国の試験研究機関としましても公立の試験研究機関と連携をとりまして品種改良に努めておりまして、特に品種改良については、先ほど御指摘のように、目下良質多収、これに加えまして耐冷性、そしてどうしても冷害のときにはいもち病が多発いたしますので、いもち病抵抗性、これを目標に品種改良を進めております。
 それから、先ほど御指摘の栽培技術につきましても、やはり中苗と成苗と、それから稚苗とではそれぞれ耐冷性について違いますので、そういった意味では初期生育能力の高い育苗方法、または施肥法の開発、水管理、こういう面についても鋭意努力をしております。
 この結果として、最近の例でございますけれども、ことし、ひとめぼれをごらんいただきますとササニシキ等とはかなり違った耐冷性を示しているというふうに考えております。こういう良質でかつ耐冷性の強いものを育成しておりますし、平成五年にはまいひめとこころまちという品種がございますが、この品種も良質でかつ耐冷性が強いものを育成しているわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、ことしの冷害というのは実は私どもでも過去に例を見ない厳しいものだというふうに受けとめております。そういう面から、研究面におきましてもことしの被害状況を科学的に分析いたしまして、この研究成果をできるだけ早く現場に適用して来年度以降の技術対応に遺憾のないように、そういうことを急ぎたいというふうに考えております。
 その中には、当然やはり一番大事な点では気象学の問題もありますので、当省だけの研究機関だけでなくて気象庁とも十分な連携をとりまして、そういった方面での研究をあわせて進めてまいりたい、このように考えております。
#87
○野別隆俊君 ぜひひとつ品種改良、そして技術指導の徹底、これについて格段のこれからの努力をお願いしたいと思います。
 それから、災害を受けた被災農家に対する所得確保、この点についてでありますが、公共事業等の事業の就業機会というものをうんとつくっていただきたい。これは出稼ぎもございますけれども、やっぱりこういった中核農家はそう出稼ぎに行っているわけにはいかぬわけであります。地元で次の準備があるわけでありますし、その他の営農もやっている。こういう関係もありますから、そういった例えば農業土木、そして一般土木、こういう問題も地元に相当あるわけであります。就労希望者をとって何とかそういうところに、かなり公共事業なら、義務づけは簡単にいかぬにしても、そういう業者の方々にその地元の労働力を使っていくような対応を図るべきではないか、このように考えるわけでありますが、この点についてお尋ねいたします。
#88
○国務大臣(畑英次郎君) 先生御指摘のとおり、今回の農業災害とあわせまして全国的な不況という実態の中にございましては、やはり自分の居住地における就労機会をそこに見出すことができる、こういう方向に対する手当てが喫緊の課題というように受けとめさせていただいております。
 そういう中から、既に御案内のとおり、農林水産省のみならず関係閣僚会議等々の開催の中から労働省もこの問題に大きくかんでいただきまして、他省庁の公共事業が、ただいま先生御指摘のような意味合いで、特に農業災害の関係の方々の優先雇用の問題、こういうことに力を入れさせていただく、ただいまさような意味合いでの取り組みが始まっておる。引き続き努力を重ねてまいりたいと考えております。
#89
○野別隆俊君 この点については、ぜひひとつ労働省その他の各省庁と連携を強めていただいて、営農が十分地元でできながら、そういった所得が得られるような道を講じていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、平成五年、六年度の米需給の問題でございます。これも先ほどちょっと触れられておりましたから特に詳しくは申し上げませんが、今年度の米の作付状態からいくと予定では一千二十五万トンぐらい収穫量がある予定であったと思います。これが先ほどのように作況指数が九〇から八〇になり、また十月十五日段階はまだ御発表でないようでございますから、これが発表されれば七七、八になるのじゃないかということになると、まさに二百万トン以上の米が不足をする。それをどういうふうに国内対策をしていくのか、お考えがあれば。これは恐らく相当量の輸入をしなきゃならぬ状態にあるのでありますが、国内での需給対応にどのような努力をしていくのか、まずお聞かせ願いたい。
#90
○政府委員(鶴岡俊彦君) 御指摘のように、十一月一日から始まります六米穀年度の米需給は相当厳しくなるというふうに受けとめておるわけでございます。
 そういうことから、特に年末年始に向けて需給に問題がありますモチ米を含めました加工用米につきまして二十万トンの緊急輸入を行うことにしたわけでございます。
 それで、主食用の問題につきましては、今後の今年産米の集荷状況あるいは来年産米の作付の見通しということにもよるわけでございますけれども、当面政府管理米として持っておる米の持ち越し在庫、これは当初三十五万トンぐらいを持つ予定になっていたのですけれども、昨今の作のおくれからそういう手当ても進めておりまして二十万トン強にとどまるのではないか、その持ち越し。さらに五年産米につきましては、できるだけ自主流通米、政府米にという、政府管理米への集荷努力を行うということで、現在系統団体と私ども食糧庁、それに農政局、県それから市町村当局を煩わしまして全量集荷に現在取り組んでいるところでございます。
 それから、六年産米につきましても、早食い等での対応は可能なわけでございまして、六年産米につきましては、先ほど来議論がありますように、減反面積の見直しというようなことを考えております。その際、やっぱり意欲のある農家、主産地、将来の稲作を見据えた農家につくってもらいますとともに、先ほど先生から御指摘がありますように、早場米地帯でもできるだけ早期供給という視点を置いて検討を行う、今月中に結論を出すような予定で現在作業をやっておるわけでございます。
 そういう点から、ことしの持ち越し、それから今年産米の集荷に全力を挙げる、それからまた来年の早場米地帯の転作見直しと組み合わせた早期供給に全力を挙げて国内産での確保に努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#91
○野別隆俊君 時間がございませんから、この点については国内対策、国内で早場米地帯でどの程度の量を補うのか、それから減反緩和でどれだけするのかという、これは数字的な問題はお聞き取りすることができなかったわけでありますが、ことしはたしか百万トンぐらい残ってなきゃならなかったんじゃないですか。三十万トン、三十万トン、こう三年間積み上げてそれだけの手持ちがなきゃならぬのが現実には二十五万トンしかなかった。こういう状態ですから、こういったことでは困るのでありまして、来年ないとも言えないわけですから、災害というのは。私は少なくとも備蓄百五十万トンと言いたいわけでありますが、百万トン以下では備蓄はとてもじゃない。しかしことしもだめ、来年も備蓄量がとれるような状態は出ませんね。五年、六年というのは全然そういう状態にならぬのじゃないかと思うわけです。六年度は輸入しなくて済むようになるのか。
 私は輸入数量も聞きたいわけでありますが、これは恐らくしゃべらないと思います。実際は百万トン以上輸入しなければ今の状態じゃ足らぬのじゃないですか。
 しかし、これは五年と六年の関係もございますから、五年、六年で減反緩和も七万ヘクタールでしたか、前の積み残しの三万五千ヘクタールを入れて十万五千ヘクタールぐらいだというふうに私は思っているのでありますが、ことし実際やれるというのはどのくらいを検討しておられるのか。この程度は言えるんじゃないか。お伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(畑英次郎君) お尋ねの趣旨が、いわゆる来年の端境期を見据えて、この辺で実際に米の供給量等々から常識的に考えればかなりのものが不足をする。それを踏まえてどういったような対応を考えておるかということでございます。
 数量そのものにつきましては、先ほど食糧庁長官からお答え申し上げましたように、これからの作付面積等々流動的な要素はございます。そしてまた、何といってもいわゆる来年作付を行う分に対する気象条件等々によって願わくは大豊作であってほしいと当然のことながら考えておるわけでございます。その辺の要素も加わる関係もございまして、数字でもってお答えをすることはできませんけれども、そういう姿の中にございましても残念ながら端境期にはかなり厳しい。
 さような意味合いでは、残念ながら米の輸入ということを来年の端境期というものを踏まえた中におきまして対応を、手当てをしていかなければならない。さような意味合いの事務段階での取り組みが始まっておる。こう申し上げてお答えにかえさせていただく次第であります。
#93
○野別隆俊君 これと関連いたしまして、もう一点ここでお伺いしておきます。
 ことしは被害が仮に二〇%あったとすれば八百万トンなきゃならぬのでありますが、この集荷、これは大変だと思いますが、集荷対策はどういう形でおやりになるのか。
 今さっきありましたように、食管制度がきちっとしていないとこのようなときは困るのであります。取り締まりもできないような、価格も放任されるようなことでは困るわけで、食管制度は、やっぱり見直す部分は見直してきちっとしたものをつくって、食管制度が機能しないからこういうことになっておるんですが、実際この集荷がどうなるんだという心配をしているんです。
 八百万トンあって、二百万トン仮に農家の自給があったとしても、六百万トンから六百五十万トンを政府のルートに乗せなきゃならぬ線でありますが、これはとても厳しい。農家がある程度持つ。恐らくは出荷を渋る。それから業界はまた売り惜しみをして米相場をつくろうとしているわけですから、こういったことからいけば恐らく六百万トンの集荷をするのはなかなか容易じゃないと思います。そういうことについての決意や数字を述べることができましたら、やってください。
#94
○政府委員(鶴岡俊彦君) 確かに、従来は一千万トン程度の規模についての集荷だったわけですけれども、それが二割減になりますと八百五十万トンぐらいというようなことで、集荷環境は極めて厳しいというのは私ども厳しく受けとめておるわけでございます。
 そういうことから、一つは、何といったって米は農家がつくっておるのでありますから、農家の自覚というのをひとつ求める必要があるというふうなことで、私ども町村あるいは系統を通じまして農家に対する積極的な呼びかけを行っています。
 また、検査とか集荷につきましては、できるだけ弾力的に行おうということで、土曜日、日曜日、それも休日を振りかえまして集荷に当たるというようなことをやらせておりますし、また農家の庭先で検査を行うというような特別な対応もいたしておるところでございます。
 また、やみとか別ルートで流れるというようなおそれが多分にあるわけでございますので、私どもの現地の職員、それに県当局、町村あるいは農協関係の人にも協力をいただいて、やみが発生しそうな地帯といいますか、そういう動きを十分とらえるとともに、聞き込みがありますと、そういうところへの対応をやっているわけでございます。
 率直に言いまして、ことし私ども食糧事務所自身もかなり積極的な対応を昼夜やっているわけでございます。そういうこと等も含めまして、また集荷に当たりましては系統側では政府米、自流米一体とした集荷を行う。また、他用途米につきましても政府米並みを頭に置いた前渡金を出すとかいうことを系統独自の判断で対応しておるわけでございまして、私どもそういう事実を頭に置いて今後の対応を系統あるいは事業者団体その他と相談していくわけでございます。そういう従来と違う集荷についての対応を行いながら、極力米を正規のルートに乗せていきたいということで最善の努力をしていきたいというふうに考えております。
#95
○野別隆俊君 あと四点ばかりあるんでありますが、林業問題、水産問題もありましたが、あと一点だけ。
 特に、これは災害地を回っておりまして、本当に養鶏農家の人からの叫びでございました。もう大変な状況です。四万羽鶏を養っている人が三万羽今度の災害でやられたんです。上は林野庁の山でございます。林野庁の山から土石流が流れてきまして、三棟全部の養鶏場が流された。三万羽全滅でございます。全部で四万羽養っているんです。今の養鶏農家というのは年に大体四回から四回半とっているんです。ですから、常時四万羽養っているので、年間でいきますと十六万羽なんです。ところが、これが一回分はもうパアになりまして、三万羽やられただけじゃなくて、その次も入れられなかったんです。相当大きな被害を受けているわけです。ところが、調べてみるとこれは共済制度も何もないんですね、養鶏には。豚とか牛にはありますが。この前ちょっと畜産の人に聞いたら、そんな小さい一羽一羽をもしかえられたら、これは被害のないやつを被害に持ち込んだりするようなことが起こるとなかなか難しい。共済制度はできないんだそうです。
 そこでこういった人の救済、いわゆる救う道がないのかということであります。その人はひなを買わなきゃなりません。今度は養鶏場を修理しなきゃならない。この金がないわけです。しかも養鶏業というのは非常に所得が低いのであります。
 例えば、この人は四万羽常時養って四回転していますから一年間で十六万羽出すのでありますが、一羽が何と二百五十円ぐらいなんです。私どもが焼き鳥屋に行きますと、一本でさえ千円から千五百円しているんでありますけれども、たった二百五十円。そうしてこの二百五十円のうち手取りが一体何ぼかというと、ほとんど二百五十円の七割というのはえさ代なんです。それからひな代、それから施設整備費に食われまして、手取りは一三%から一五%しかないんです、手に残るのは。よくいって一五%残ったとすれば、一年間十六万羽出しても六百万ぐらいの手取りにしかならない農家なんです。やらなきゃ食えません。宮崎の場合は日本一養鶏が多いわけでありますが、こういったところの農家の救済方法というのをもう少し真剣に考えてもらいたいと思うんです。
 土石流がそういうことで流れましたから、上の方は今度は林野庁は立派なあれをやるようになりました、相当な経費をかけて。ところが、上はやっても下に流れてくるわけですから、下の溝が整備できないんです。林野庁は林野庁の土地の中しかやりません。あとは自分でやれといったって、自分のところの流れる溝は持っているわけであります。その人は自分でつくっているわけです。ところが、その何倍という水が上から来るわけであります。こういうことになれば、これは林野庁だけではなくて県、市町村で対応したり国が対応していかなきゃならぬのじゃないか。農家は自分でつくった溝があるのでありますけれども、そういった他の影響によって困っているわけです。
 これらについて、低利資金対策、国の制度金融でどういう道で救ったらいいのか。その農家はどうしたらいいかわからない。国が補助も出さぬ、共済もできぬから国から借りられないんじゃないですか。販売先の業者から借りれば七パー、八パーの金利の金を借りなきゃならない。しかもそこの言いなりにならなきゃならない。こういう状態が農家にあるのであります。この辺について担当の方からお話を聞くと同時に、後で大臣のこれらの方々の救済対策についてお伺いしたいと思います。
#96
○政府委員(東久雄君) ただいま御質問いただきました点で、特に融資の関係でございます。
 災害を受けた養鶏農家が鶏舎の復旧等に利用できる低利資金制度というものがございまして、それは農林漁業金融公庫の主務大臣指定施設資金の災害復旧資金というのがございまして、これが低利の資金として準備されております。これは復旧でございます。
 それで、鶏舎が全壊しているというようなときには鶏舎を新築して経営を再開するということになりますので、この場合には限度額のもう少し大きな総合施設資金というものを借りることができます。
 それから、また新しく鶏を導入しなきゃならぬ、死んだ後のやつを新しく導入しなきゃならぬ、そういう資金につきましては、一定の規模の拡大をするということであれば農業近代化資金を使えます。
 それからもう一つは、今ちょっと経済局の方で検討していただいております天災融資法の適用というようなことになりましたら、それは営農再開のために必要な経営資金が借りられるということになるわけでございます。
 これらは非常に具体的な融資の問題だろうと思いますので、市町村ないしは普及員ないしは県の方に、私の方で畜産会の方に畜産コンサルタントがおります。そういった方に具体的に御相談いただければ、私の方も十分その辺は連絡はとっているつもりでございます。
 なお、鶏舎につきましては保険に加入しているということが多々あるようでございますので、念のために申し添えておきます。
#97
○国務大臣(畑英次郎君) 野別先生からただいまこの分野の厳しい実態の御議論もあったわけでございますが、局長答弁にございましたような施策と相まちまして、いずれにいたしましてもこういった全国的な御関係の皆様方も横の連絡をさらに強くしていただきまして、私どもの方との緊密な連携の中で問題解決に一層の努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#98
○野別隆俊君 最後になりますが、今の資金問題は、これはなかなかそう簡単にいかぬようです。施設をやられましたから、自分のところはもう復旧せぬと間に合わぬからこれをやってしまう。そうするともう資金はなかなか借りられないんです。だから、こういった面でなかなかすぐ対応ができません。しかし、それじゃ飯食えぬからすぐ復旧する、個人でもう復旧しているわけです。そういう個人で復旧した場合はなかなか認めないんです。そういった問題等もありますから、この問題、資金の対応はこれならできるというようなのをちょっと後で教えていただきたいと思います。
 ともあれ、農業は非常に厳しい状況下にあります。大臣、まず健康に留意していただいて、日本の食料を守るために、これからあとは谷本さんが米の流通とかその他については質問していただくことになっておりますから、私は災害だけに限って申し上げましたが、こういった対応も十分やっていただきますようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#99
○谷本巍君 質問通告とは順序が逆になりますが、初めに新ラウンド問題について伺いたいと存じます。
 きょうの午前中の質疑の中でも、十月十四日の毎日新聞を契機にしましたいわゆる条件つき関税化新聞報道等について、大臣がこれを否定するという見解を承りました。しかし、あれだけ報道されてみますと、うそも百遍言えば真実になるということをおっしゃった方が昔おりましたが、なかなか打ち消すのは大変だろうと思います。そういう意味で、くどいようですが次のことについて大臣に伺いたいと存じます。
 それは、今後の展開の中で今回の報道内容が事実であるということが明確になった場合、政府は責任の所在を明らかにしてくれますか、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(畑英次郎君) 過般来申し上げておりますとおり、そういった提案あるいはまた合意というような事柄そのものがないわけでございますから、その辺につきましては私の、そしてまた細川総理みずからも再三にわたって申し上げております内容をぜひとも御理解と御信用を賜りたい、かように考えます。
#101
○谷本巍君 この件は責任者が大臣でありますけれども、ところが、大臣の知らないところでもしそういうふうな事実があったらということも含めて私申し上げておるんですが、いかがですか。
#102
○国務大臣(畑英次郎君) 事我が国にとりましても極めて重大案件でありますことも御案内のとおりでございます。そういった事柄を、責任者の私をさておいてという言葉はいかがかと思いますけれども、全く関知しない中で物事が運ぶということはあり得ないと明言をさせていただきます。
#103
○谷本巍君 次に伺いたいのは、いわゆる条件つき関税化報道によって米の問題での日韓共闘にひびが入ることを私は一番恐れます。
 韓国の皆さんは日本の新聞をよく読んでおられます。例えば私、去年十二月にジュネーブを訪ねた際に韓国大使館を訪ねましたら、ちょうど宮澤総理のいわゆる柔軟発言が新聞に出た後でありまして、大使館の皆さんはその新聞を出して、一体これはどうなんだ、日本はしっかりやってくれる気があるのかどうかといったようなことでただされた場面等々もありました。ともかくも、日本の新聞を読んでおると、韓国大使館の皆さんが言うには、疑心暗鬼に陥りやすいという率直な話も出てまいりました。
 そういう状態が続いていきますというと、韓国は八カ国協議の中に入っておりませんから、頼みは日本だけでありますから、日本頼むに足らずということになれば韓国は独自にアメリカと話し合いに入るということになるわけです。日韓が分断される状況が生まれてくるわけです。そういう状況になったらもはや日本の米は守ることはできない。その意味では、米の問題というのは日韓共闘というのが私は最大のかぎだろうと思うんです。でありますから、ああいう新聞報道があった後は韓国側と十分な意思疎通を図ることが私は極めて重大だと思うのです。どういう対策をやってこられたか、その事実について伺いたいと存じます。
#104
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、なおまたただいま御指摘がございましたとおり、韓国側におきましては包括的な関税化、これには反対である、我が国と基本姿勢を同じくする立場において従来からのお取り組みを賜っておったところでございましたから。そしてまた、とりわけ社会党のお立場等々にございましても、先般来いわゆる政治的な党レベルの御尽力でこの問題について取り組みをされておったことも十分承知をいたしておるところでございます。
 そういう中にございましての先ほど来のいわゆる事実に基づかない報道であったわけでございましたので、直ちに韓国側に、これは事実に基づく報道ではないという明確な否定をさせていただきまして、その後の我が国の総理を初め、取り組んでまいりました否定に関する実態をもお知らせ申し上げておるというのが今日の姿でございます。
#105
○谷本巍君 この問題での韓国との協調、共闘ということについては、ひとつ今後も大臣、重視していただきたいということをこの際お願い申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、経済局長に伺いたいのでありますが、それは国別約束表の提出についてであります。交渉日程ですと、十一月十五日までに改定した新たな約束表の提出が求められておるわけであります。この改訂国別約束表の提出についてどんな方針で臨むかについて若干伺いたいのであります。
 その第一点は、日本は基礎的食料の自給を堅持するということとともに、ガット十一条の明確化を求めておるわけです。ルール改正提案の交渉の結果が出るまで新たな約束表は出せぬと私は考えるのでありますが、その点どうお考えになっておるでしょうか。
#106
○政府委員(眞鍋武紀君) ウルグアイ・ラウンド交渉におきましては、御指摘のとおり七月の貿易交渉委員会におきまして、サザーランド事務局長から本年の十二月十五日までに合意を目指そうというふうなことで交渉の進展を図って、その成果をもとに十一月十五日までに各国は改訂国別約束表を提出するというふうなスケジュールが提示されておるわけでございます。交渉は現在も御案内のとおり継続中でございます。我が国がダンケル合意案の修正を求めておる状況は御指摘のとおりでございます。そういうことでございますので、交渉の進展を踏まえて作成するわけでございます。
 したがいまして、交渉の決着がつかないといいますか、交渉が継続している部分については国別表の訂正といいますか、修正といいますか、そういうものができない状態もあろうかと思います。
#107
○谷本巍君 そうすると、日本が求めている基礎的食料の自給、それからガット十一条の明確化の問題、これが片づかないという場合、それを除いた部分について出していくというお考えなんですか、それとも全部出さないという考えなんですか、どっちなんですか。
#108
○政府委員(眞鍋武紀君) それは今後の交渉いかんにかかってくるわけでございますが、現在のところ十一月十五日に提出をしよう、こういうことになっておるわけでございますけれども、御案内のとおり、いろいろな交渉の実態がずれ込んできておるというふうなことでございます。
 当初の予定では十月十五日ぐらいまでに実質的な交渉を終わって、交渉といいますかルールとかそういうものが終わって、それをもとに各国が国別表をどう修正して書き込むかという内部検討をした上で出す、こういうスケジュールになっておったわけでございますが、そういうものが少しずつずれ込んできておる、こういう状況でございますので、いかなる方法でやっていくのかということは今後の交渉にかかってきておるという状況でございます。
#109
○谷本巍君 ともかくも、交渉結果が具体的に出ていないものについてはこれは出しょうがないわけですから、そういう部分は出すことはあり得ないというふうに考えておいていいわけですね。
 さて、それで次に、この新たな国別約束表を出す場合に国内的にはどのような手続を踏んでいかれるか、その点いかがでしょうか。
#110
○政府委員(眞鍋武紀君) 国別約束表といいますのは、ウルグアイ・ラウンド農業交渉の過程で各国政府から提出をする交渉のための文書でございます。前回提出いたしましたときは、その内容につきまして政府部内の所要の手続をとって決定をされて提出した、こういう経緯がございます。そういうことでございますので、次回も同じような政府部内の手続を経て提出されるというふうに御理解いただきたいと思います。
#111
○谷本巍君 中身の問題との関連もあるんですけれどもね、局長。米の問題等についてはこれまで国会決議があるわけです。ですから、これまで歴代の大臣が言ってきているのは、状況の進展を見ながら国会にも報告をし、国会の意見も聞きながらやっていくようにしたいということを答弁しておるわけです。ですから、国別表を出す場合も、問題の中身いかんということもありますが、それは国会等々の意見も聞きながらやらなきゃならぬ、これまでの答弁からしますと私はそう思うのだが、いかがでしょう。
#112
○政府委員(眞鍋武紀君) これは外交交渉でございますので、一定のルールがございます。御指摘のとおり、国会の決議その他いろいろな意見を踏まえて政府が交渉するわけでございます。国別約束表につきましては、先ほど申し上げましたように政府内部で検討をしてそれで決定されるということでございます。
 それで、国会との関係につきましては、ウルグアイ・ラウンド交渉合意後、我が国の国別約束表に記載された内容を義務として負うことになるわけでございます。我が国はそういう義務を負うことになるわけでございますので、我が国の国別約束表はウルグアイ・ラウンド合意文書の締結に当たりまして国会意文書の一部として国会に提出をされて、その合意内容の締結について国会の承認を求める、そういうことになるわけでございます、形式的な手続は。政府と外交交渉、それから国会との関係はそういうことでございます。
 しかしながら、先ほど来御指摘をいただいておりますように、三度の国会決議があるというふうなことで、国会の御議論、農水委員会を初め各所での御議論を踏まえながら、政府がそういう交渉に当たって実質的な交渉を行い、国会の御意見を反映させた交渉結果を得て国別約束表を提出する、こういう段取りになろうかと思います。
#113
○谷本巍君 そこで大臣に伺いたいのですが、大臣は十一月一日から約五日間の日程でヨーロッパを訪問するということが新聞にも出ております。この点については、サザーランド事務局長が来て、きょう帰るわけですか 一週間後の訪問ということになるわけでありまして、何のための訪問か、そういうふうな疑問も一部にあるようであります。したがいまして、大臣が訪問される目的は何なのかここのところをひとつ明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#114
○国務大臣(畑英次郎君) ウルグアイ・ラウンドの問題、農業分野の問題がいわば長年にわたります重大懸案として今日の姿を迎えておるわけでございますが、常識的には最終段階を迎えたと。そういう中にございまして、基本的な物の考え方かガット関係者と我が方とは大きく食い違いを来しておる姿の中で最終段階を迎えておる。さような意味合いで先日、予想どおりといってはどうかと思いまするけれども、残念ながらサザーランド事務局長におきましても、包括的関税化ということを強く総理を初め私に対しましても求められたところであります。
 でございますから、別れしなにも申し上げたわけでございますが、私としてはいささかも基本的な姿勢を譲歩する気持ちはない、あなたにお目にかかって重ねて私の言い分もひとつ聞いてもらいたい。あわせて、私といたしましてはECその他御関係の方々にも我が国の基本姿勢を御理解願うべく、事極めて重要な問題でございますからベストを尽くす、かような意味合いでただいま御指摘のございましたような取り組みを展開したい、かように考えております。
#115
○谷本巍君 けさの日本経済新聞によりますというと、今大臣が言われたようなことを紹介しながら、「条件付きで関税化を受け入れるなどの妥協案を探る場面もありそうだ。」というようなことが書いてあります。
 先ほども申し上げましたように、大臣はいわゆる条件つき関税化というものは考えていないということはもう明らかなわけでありますけれども、事のついでで例示的に申し上げますというと、例えば関税化はしないがミニマムアクセスはやっていくという妥協の仕方も私はあるような気がするんです。
   〔委員長退席、理事青木幹雄君着席〕
条件つき関税化と非常に似たような格好だが、表向きちょっと変わったような形になります。そういう考え方も大臣はとらないというふうに理解しておいていいですね。
#116
○国務大臣(畑英次郎君) この分野の問題は極めて国民的な関心、そしてまた重要課題でございますから、従来主張してまいりました基本姿勢を十二分に念頭に置いて努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#117
○谷本巍君 ありがとうございます。
 続いて、米の緊急輸入問題について伺いたいと存じます。
 初めに伺いたいのは、昭和五十九年に米が不足いたしまして、韓国からたしか十五万トンでしたか、返還をしてもらった際に、衆議院、参議院の両院が決議を行っております。その決議は簡単に言うならば、本院の場合でしたら、米の完全自給を再確認するということとともに、二度とこうしたことを繰り返さないという決意を決議で表明しながら、そのためにゆとりある需給と米の備蓄を行っていくという方向を明記しております。言うなれば、当時言われたところの綱渡り需給破綻への反省を込めた決議といってよかろうと存じます。
 そこで、まず初めに伺いたいのは、この決議どおりの行政が行われていれば、今回の場合にいたしましても、史上最大の冷害とはいえ、今の段階で百万トンを超えるような輸入を予測しなければならないという事態には私はならなかったと思うのです。そういう意味で、今の畑大臣は直接の責任は全くないわけでありますけれども、行政と立法との絡みの問題からしてどのように農林水産省がお考えになっているか、初めにその所見を伺っておきたいと思います。
#118
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、今先生のお話を謙虚な気持ちで拝聴させていただいたわけでございます。御指摘のとおり、今回は有史以来の大凶作であるという中にあったとしましても、緊急輸入をするという事柄は極めて重大な問題であるという意味合いで、心に刻んでこれからの農政の推進に当たってまいりたい、かように考えております。
#119
○谷本巍君 つまり、二度と再びこうした事態は繰り返さぬようにする、そういう立場でこれからの対策をやっていきたいということですね。
#120
○国務大臣(畑英次郎君) 物事にはやはり万遺憾なきを期する、さような意味合いで引き続きベストを尽くしてまいりたい、かように考えております。
#121
○谷本巍君 そこで、備蓄と減反緩和問題について伺いたいのであります。
 韓国米が輸入された際に私ども明白に記憶をしておるのでありますが、私は当時農民団体におりまして、二百万トンの備蓄をやるべきだという主張をいたしました。当時の社会党も同じような主張でありました。ところが、農林水産省がとられたのは百五十万トンでよろしいということでありました。
 その根拠については、いろいろな説明があったのでありますが、私の記憶では、例えば昭和五十五年程度のと、これは微妙ですよ、程度の冷害が二回あったとしても、新米の早食い等でも入れていけば米備蓄を百五十万トン確保しておれば何とかしのぐことができるような量なんだという説明を受けたことを記憶しております。
 ところが、昭和六十二年でしたか、目標は百五十になって最低が百というぐあいになって、何かそのうち百万トンというのがいつの間にか目標のように変わってしまったという過程があるわけであります。どうしてそういうふうに変わってしまったのかということを伺っておきたいということが一つであります。
   〔理事青木幹雄君退席、委員長着席〕
それから、もう一つ伺っておきたいのは減反緩和の問題についてであります。平成四年で申しますと、たしか十二万ヘクタールの目標に対して、実際に復田された面積は六万ヘクタールにしかすぎなかった。平成五年の場合は六万ヘクタールの目標であったが、約四万ヘクタールの復田しか得られなかったというような状況でありました。二年続きで目標に対して実際はかなりの乖離といいましょうか、未達成という部分が残ったということでありました。
 どうして二年連続の目算狂いのような状態が生じたのかその辺をどう農林水産省がお考えになっているか、以上二つの点を伺いたいと存じます。
#122
○政府委員(鶴岡俊彦君) まず、最初の在庫のお話についてお答えしたいと思います。
 米の在庫水準につきましては、御案内のとおり過剰の発生を回避する傍ら、円滑な回転操作、作柄の変動等に対応した安定供給を図るという基本的な考え方に立ちまして、さまざまな論議を経た上で設定されてきたところでございます。
 これまでの経緯について申し上げますと、まず昭和五十年八月の総合食糧政策の展開におきまして、二百万トンの在庫目標を掲げて五十一年産以降三年で積み増すということとされてやったわけでございますけれども、五十年産米の大豊作等によりまして、五十一年十月末の一年持ち越し米が二百五十四万トンと、既に単年で超えたわけでございます。また、五十二年十月末には二百九十七万トン、五十二年十月には三百七十七万トンということになりまして、五十四年度から全体で六百万トン余の第二次過剰処理を行ったところでございます。
 五十九年度から御指摘のようなことを受けまして実施しました水田利用再編第三期対策におきましては、四年連続の不作ということで在庫水準が下がったために、今御指摘のような考え方によりまして三年間にわたり各年約四十五万トンの在庫積み増しを予定したところでございます。
 ところで、そういうことでやったわけでございますけれども、六十二年十月末の在庫は二百二十万程度となったということで、過去の在庫処理に伴った経緯というようなことの中での論議から、六十二年から実施しました水田農業確立前期対策におきましては、各年二十万トンの在庫縮減を計画したところでございます。全体としての在庫につきましては、不測の事態に備えるということとともに、やっぱり円滑な回転操作、回転備蓄というような両方の観点から、在庫水準について百万トンというふうに設定いたしたわけでございます。
 さらに、平成三年産米の作柄が悪化し在庫が減少したため、四年産米の減反面積を緩和するとともに、平成五年度からスタートしました水田営農活性化対策におきまして各年三十万トン程度を積み増し、七米穀年度末に百万トンの在庫を目標としたところでございます。この持ち越しの水準については、先ほど申しましたような観点で論議を踏まえて決定したわけでございます。
#123
○政府委員(高橋政行君) 減反の緩和があったけれども、順調に進んでいないじゃないかというお話の件でございますが、確かに平成四年度、五年度で転作目標面積を緩和したわけでございますが、超過達成という事態になったわけでございます。
 それで、このような結果となった主な理由として我々考えておりますのは、まず平成四年度につきましては特に単年度限りの緩和ということで行いまして、殊に今農家の皆さんはそれではなかなか理解しがたい、そんなことではできないということがまず大きな理由ではなかったかと思います。
 それから、実際の農業の実情として見ますと、特に都市近郊地域では野菜等への転作が行われまして、その転作が定着しておる。また、中山間地域では高齢化あるいは担い手不足というようなことで、実際に保全管理田など、ある意味では不作付地でほってあるというようなところの水稲作への復帰が進まなかったというようなことがあったと思います。
 それから三つ目には、ブロックローテーションということを特に後期対策では力を入れてやったわけでございます。ブロックローテーションで地域輪作農法というのがかなり展開されておるわけでございますが、そういったローテーション途中の作付計画の変更ということにどうしてもなるわけでございますので、なかなかそれが困難であったということがあったと思います。
 それからもう一つ重要なことでは、転作の緩和面積が配分されるに当たりまして農家の水稲作付拡大の意向に沿って配分されなかったというような問題も大きな要因ではなかったかというふうに考えております。
#124
○谷本巍君 食糧庁長官、もう少し答えというのは率直にやってもらうことはできぬものですか。
 国会決議は「ゆとりある需給計画のもとに、不測の事態に備え適正な在庫の積増しを行い、」、ここに区切り点がついていますからね、「備蓄体制の確立に努めること。」、国会決議はこう書いてあります。これは二百万トンぐらいになりますと備蓄ということは間違いなく言えますけれども、百万トンというのは在庫調整ですよ、備蓄とは言えませんよ。そういう意味では、やっぱり国会決議をきちんと守ってやっていこうということよりもどう財政負担を少なくするか、そこのところにこれまでの需給対策というのが傾斜していたのではないのかというふうに私には思われてならぬのです。長官、どうお考えですか。
#125
○政府委員(鶴岡俊彦君) 過剰というようなことから、かなり多額の経費を使って在庫処分をしたという厳然たる事実があるわけであります。その重みも一つの背景にはあるわけですけれども、やっぱり全体としてはどういうふうな在庫を持つかという重ね重ねの議論の中で今日に至ったというふうに私は理解しておるわけでございます。
 五十九年度以降やりましたものも、国会決議の趣旨は我々行政としても尊重することは当然でございますので、そういうものも踏まえて議論した結果、五十九年度から実施しました水田利用再編対策でも各年四十五万トンずつで百五十万トンの在庫の調整を予定してきたわけでございますけれども、六十二年に二百二十万トンになったというようなことで、過去の過剰米処理の苦い経験ということもありまして、六十二年度から水田農業確立対策がいろんな論議を経て実施されました。
 それからもう一つは、やっぱり回転操作をやっていく。棚上げ備蓄も議論はあったわけでございますけれども、棚上げ備蓄になりますと、古米、古々米、三年古米というようなのが出て、これまたその処理に大変なことになるということで、需給操作の中で回転備蓄ということを頭に置きまして、百万トンが在庫水準で、百五十万トンが上限ということにし、それからさらに新しくスタートしました水田営農活性化対策におきましても、昨今の情勢を踏まえた上で現在のような在庫水準を目標に政策を進めてきたところでございます。
#126
○谷本巍君 どうもあなたの話からは反省といいましょうか、こういう点をこう改めていく、そうした前向きの姿勢というのはさっぱり感じられない。極めて私は不服であります。
 そしてまた、あなたにこの際言っておきたいのは、過剰にしてはならない、昔あったようなああいうふうな過剰を再現してはならないというのはこれはだれだって思うことですよ。だとするならば、なぜ韓国米を輸入しなきゃならぬような事態になったんですか。そしてさらに、例えば平成四年、平成五年の減反緩和にしてみたって、生産力が過剰であれば減反緩和達成率はもっと上へいったですよ。ところが、事もあろうに達成率が五〇%を切るような状況がさらに生まれてしまったわけでしょう。過剰な生産力過剰な生産力というぐあいに見ることができるかどうかということ自体が問題なのじゃないでしょうか。
 先ほども答弁がありましたけれども、転作が定着したというような話にしたって、例えば野菜をやっている農家が米に戻りはしませんよ。米と野菜の収入の所得比というのは逆転してしまったんだから、昔と違って、米価を抑え過ぎたために。それが野菜への転作になって戻らないということですよ、はっきり言って。そういう問題などもありますし、それからまた減反のやり方にしたって需給のあり方が単年度ですから、したがって転作をやる、もとへ戻してみたところであと何年米をつくることができるかという点などもはっきりしないといったようなこと等もあってのことですよね。
 でありますから、そうした点なども含めてもう一度あなたの考え方を聞かしていただきたい。
#127
○政府委員(鶴岡俊彦君) 経過を説明しろという話で二回御答弁させていただいたわけでございますけれども、私自身も昨今の事態を踏まえましてやっぱり転作目標の見直しが必要ではないかというようなことから、三年産米の不作を受けまして四年産米に当面単年度ということでああいう見直しをやりまして十三万ヘクタールの転作緩和をしたわけでございます。
 実際の配分その他農家の対応との関係上そのとおりにならなかったわけでございますけれども、後期対策でさらに緩和し、現在進めてきたわけでございますけれども、今回の不作によりそういう計画が御破算になったというようなことは私ども重大に受けとめておるわけでございます。そういう中で、転作の見直しをするということは私も人後に落ちるものではございません。別段反省のかけらもないとかなんとかいう話でなくて、やっぱり私は米の管理を預かっておる大臣を補佐する責任者としまして日夜悩んでいるところでございます、顔を見れば平気な顔をしておるかもわかりませんけれども。
 そういうことで、やっぱり転作の見直しというのは実態に合わせてやっていく必要があろうかと思います。その中には、全体の水準をどうするか、それを何年でやるのか、あるいはどういう地域でやるのか、どういう人にやってもらうのか、どういう稲作経営をねらいにするのか、そういういろんな論議を踏まえて適正に考えていきたいということを考えておることは申し上げさせていただきたいと思います。
#128
○谷本巍君 よくわかった、最後のそれを言ってくれれば何も時間をかける必要はなかったんです。
 そこで、大臣に伺いたいのであります。
 減反緩和は今月いっぱいぐらいで一応の方向づけが得られるような話も伺っておるわけでありますけれども、私の属している社会党といいますというと、二百万トン備蓄、そして一部は棚上げ備蓄も含めて加工用米に回したらどうかといったような方針等々を私どもとしては持っているわけです。またさらに、もみ備蓄ということについてもやはりもう少し研究していく必要があるのではないかといった考え方も私どもの政策の中に含めておるところでございます。一方、全中さんの方を伺ってみますというと、全中さんの方の目標が二百万トンですね。そして、最低百五十万トンは確保すべきだというのが簡単に言いますと全中さんの考え方であります。
 やはり、これまで食糧安保ということを日本が言ってきておるわけであります。ガット交渉でもそれを言ってきておるわけでありますから、それを言うならば、備蓄として二百万トン目標で百五十万トンぐらいは最低限として確保していかなきゃならぬという考え方になるだろうと思うんですが、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
#129
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、ただいま復田に対する農家の方々の意向調査等々がだんだん集計がなされつつあるわけでございます。そういうことも踏まえながら、問題は、減反緩和をし期待をしながらも、実行されないという意味合いのものを前提とした作業であってはならぬということも考えておるわけでございます。
 そういう中にございまして、ただいま先生御指摘のような、いわばこういった機会にはいろいろもう一度洗い直して足元を見直しながら物事を考える、掘り下げた論議をやる、こういうような必要のある段階ではないかなというように考えておるわけでございまして、先生の御意見を初め関係の各分野の方々から本格的な御意見が寄せられつつある今日の姿でございますので、きょうの先生の御意見等々も念頭に置きながらこのことを処してまいりたい、かように考えております。
#130
○谷本巍君 それから、これは大臣からお答えいただけるのが一番いいんですけれども、大臣でなくても結構ですが、面積緩和をどの程度に抑えていくかという問題とともに、もう一つ大事なのは、今の作付からしますというと米を増産していくわけですから、米増産への体力をどうつけるかということがもう一つの課題なのではないのかという気が私はするんです。これは、これまで減反緩和をやったが達成率が悪かったという経験に即しても、どう体力をつけるかということももう一つの検討課題ではないかと思われます。
 この点については国境措置の問題もありましょうし、それからまた米価の問題もあるでしょうし、それからまた復円への助成をどうするかというその辺の研究課題もあると思われます。特に米価問題については、米の過剰期には減反と引き下げという状況がずっと続いてきていて、不足期、今がまさしくそうなんですが、この不足の状態になってきてもやっぱり米価は抑制状況が続いていて、そしてそこで農家に対しては不正規流通が求められるというような状況が一般的なんですね。あれは秋田県の大潟のやみ米派というんですか、ああいう異常なものもありますけれども、農家全般としては私そういうことだろうと思うのです。
 ですから、米価政策のあり方についても再検討が必要な面があるだろうと思いますし、それからまた復田問題ですね、これも減反田というような押しなべて水の便利が悪い、あるいはまた面積が小さいといったようなところを減反に充ててきておる傾向が強いわけでありますから、それだけに費用がかなりかかるという点があるわけです。
 ですから、この辺のところも当然念頭に置いていかなきゃならぬでしょうし、それからまた、田んぼへ戻すのも単年度じゃなくて複数年で、何年でやるかということなども大きな検討課題だろうと思うんです。そうしたことについてどうお考えになっておるか、お伺いしたいのです。
#131
○国務大臣(畑英次郎君) 谷本先生、専門家のお立場からただいま具体的な項目を挙げて御指摘を賜ったわけでございまして、実を申し上げれば、そういった項目が役所の内部におきましても検討されておる重要項目である、こう申し上げて差し支えがないというふうに考えるわけでございます。
 これからの水稲等との問題を考えました場合には、問題はやはり所得というような意味合いのものが、あるいはその分野に魅力がなければどうしても問題の解決にはつながらない。さような意味合いで、新農政の問題等々の取り組みがただいま始まっておるわけでございます。要は、いずれにいたしましても、二十一世紀におきまして若い方々をもこの分野に参入がいただけますような、そういう体制づくりの一つのスタートに、こういった難しい実態を踏まえた中で災いを転じて福とするというような要素を目指して努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#132
○谷本巍君 ありがとうございます。積極的に前向きにひとつお願いしたいと存じます。
 最後に伺いたいのは、先ほど農業技術問題について野別さんから質問がありましたが、私は農業生産のあり方と冷害問題との絡みについて若干伺ってみたいと思います。
 昭和五十五年の冷害の後、随分議論が行われたのは、例えば同じ地域でもってある水田は三俵とれた、ある水田は六俵とれた。どうしてなんだと調べてみたら、やっぱり土の問題がそこにあったといったような指摘等々が多くありました。当時議論されたことは、日本の農業技術水準は非常に高くなった。したがって、天候がいいときにはたくさんとれるが、天候が一たん悪くなるともうどうにもしょうがない。単収が下がってしまうという状況が生まれるということが指摘される中で、どう土に力をつけるかということがかなり強調されたのであります。
 それから、もう一つの問題というのが品種問題ですね。今回の経験で言いますというと、産地間競争が激しくなって、そして県の奨励品種ということで一品種に絞ったところが、予想以上の災害を受けてしまったという経験があります。例えば、北海道のきらら三九七を植えつけた人、それから青森で言いますというと、名誉挽回ということでむつほまれ、皆さん張り切ってこれを植えつけたのでありますが、不幸にしてそのために災害が激甚なものになってしまったという話を現地の皆さんからお聞きしています。日本では古くから、品種や作目を特徴を生かしながらうまく組み合わせて危険を分散させるという営農の方法というのがあったわけですね。やっぱりその辺のところをもう一度私ども研究する必要があるのではないのか。
 昔に比べますというと、最近は冷害が多くなってまいりました。そして、世界的に見ても異常気象の状況というのがここ数年顕著に見られるような時代になっておるわけですから、それだけに営農のあり方についてひとつ再検討を加えてみる必要があるのではないのかというふうに私は思うのですが、いかがでございましょうか。
#133
○政府委員(高橋政行君) ただいま先生からいろいろと専門的なお話がございましたが、我々も今回の冷害からいろいろとやっぱり得るところがあるのではないか。単なる凶作のせいだけにしてはいけない部分があるのではないか。
 その一つとしては、今お話がございました特定品種への過度の集中というような問題、それからそもそも営農の基本技術がどうなっているかという問題があると思っております。特にことしはそういうところに、特定品種に偏らないというところに実は非常に力を入れまして運動を展開いたしたんですけれども、やはりこういう事態になったという中でもう一度基本的に見直してみようと。それで、全国的にやはりいい事例悪い事例があると思います。そういう事例も調査分析いたしまして、特に試験研究機関の皆さん方あるいは学者の皆さん方も入れまして、営農のあり方あるいは品種構成のあり方、そういったものについて検討をし、技術を確立し、普及をしていく、そういうことを大々的にひとつやってみたいと、こんなふうに思っております。
#134
○谷本巍君 今、答弁いただきました局長の言われるような前向きの姿勢で積極的にひとつお願いをしておきたいと思います。
 終わります。
#135
○吉田達男君 ことしの春から異常気象が言われて、海洋のエルニーニョ現象が原因ともなろう、こういうふうになっておりましたが、今日の異常気象の影響や被害はおかの上のことばかりでありますが、海洋の影響やあるいは漁業の被害というものはどうなっているか、水産庁の方からお答え願います。
#136
○政府委員(鎭西迪雄君) 本年の夏の我が国周辺海域は、長雨によります日照不足あるいは低気温、親潮すなわち冷水でございますが、これの張り出しが例年より南に偏ったこと等から、特に日本海の北部あるいは太平洋の北部の沖合海域とかごく沿岸域の浅海域の一部に、例年に比べまして表面水温が相当低い状況が見られたことは事実でございます。
 漁獲の状況でございますが、本年夏の漁獲におきましては、北海道、青森におきます日照不足等によりまして昆布の生育不良等、この夏の異常気象の影響によるのではないかと見られる現象もございます。しかしながら、一般的には、道東沖ではマイワシは非常に不良でございましたが、隠岐島周辺のマイワシは非常に好漁場が長いこと形成されてきたというようなこと等々、沖合域や沿岸域におきまして従来とは異なる漁況が見られましたけれども、この原因がことしの夏の低水温、長雨のみによるものかどうかというのは一概には言えないのではないかというように考えておるところでございます。
#137
○吉田達男君 被害がないということになればありがたいけれども、現実に水温が日本海海域で一度ぐらい低いあるいは日本海の北部では二度から三度ぐらい低い、太平洋側でも一度ぐらい低い、日照不足がある。こういうようなことはプランクトンの状況やあるいは魚体の育成、産卵ふ化にも影響があるということになると、後年度においてまた被害があり得るということも考えられる。そういう点では長期の観測調査が必要となりましょうが、そういうことの体制はどうなっているか。
 あるいは、早い話が集中豪雨や長雨で川がはんらんして海が色が変わるほど泥に汚れているということは、おかの上に上がれば一目瞭然であります。藻場が侵されて磯場が泥をかぶったり、ごみをかぶったりしておる、あるいは海草がこの被害を受けている、こういうことをあちこちで聞くのが現実であります。
 そういうようなものは、やっぱりこのたび異常気象による被害としての位置づけをして、長期の調査体制も、ではあるけれども、部分的なものであっても被害としての対応をなされなければならぬと思いますが、これは大臣にお答えいただきたいと思います。
#138
○国務大臣(畑英次郎君) 御指摘のとおり、最近は本年のような異常気象というような意味合いからの問題の発生あるいは従来のごみ等々、こういうことを考えますとさらなる積極的な取り組みをやっていかなければならない、かようにも考えておるわけでございますが、今後におきましてもいわゆる漁場の機能回復という視点に立ちまして積極的な取り組みを展開したい、かように考えておるところでございます。
#139
○吉田達男君 次に、ロシアの海軍が日本海に放射性廃棄物を投棄したということはまことにけしからぬことでありまして、エリツィン大統領が訪日された経過からしても信義則に背くことでありまして、これはまことにけしからぬと思いますが、大臣の見解をいま一度伺っておきたいと思います。
 あわせて、食物連鎖等々がありますれば、生産者においても大変に心配をしておりますし、生産者の不安ということは消費者の不安でありまして、これについてどう対処するか、調査、評価あるいはそういう環境の対応、こういう点についてはどう考えておられるか、お伺いいたします。
#140
○国務大臣(畑英次郎君) ロシアのいわゆる放射性廃棄物の問題は、私どもの常識ではまことにとんでもないことだというように申し上げてよかろうかというふうに考えるわけでございます。一部低レベルであるからいいんではないかというような意味合いのものがささやかれるわけでございますが、やはり今日のような環境問題、そしてまた、とりわけ放射性というような問題におきましては、本当の意味で真剣な対応が必要であるというように考えるわけでございます。幸い中止をするということにも相なったわけでございますが、ただいま御指摘のとおり、いささかの不安あるいはまた今後におきまして問題を起こすことのないような調査等々を水産庁の関係におきましても十分取り組みをしていかなければならないと思います。
 なおまた、私の立場にございましては、これはやはり外交問題等々通しまして、あるいは内閣としましてもこの問題につきましては強く従来以上にロシアに対して問題意識を持ってもらうように努力をしながら、対応に万遺憾なきを期していかなければならない、各それぞれの立場において万全の体制の努力を重ねていかなければならない、さような気持ちを持たさせていただいているわけでございます。
#141
○説明員(松岡浩君) 政府におきまして、放射能対策の関係機関をまとめましていろいろな対策を行っておりますのが放射能対策本部でありまして、そこを動かしているのが科学技術庁ということで、私の方からお答えさせていただきます。
 まず、今回の投棄が行われまして、十月二十日、おとといですけれども、放射能対策本部の幹事会を開きました。そこで、早急に影響評価をやるということで、我が国独自の海洋放射能の調査を実施するということを決定しました。
 この調査は既に十月二十日から始められているわけですけれども、関係省庁が協力して行っておりまして、例えば海上保安庁は四隻の船を出して十点において海水を採取して分析する。気象庁も一隻の船を出しまして四点で海水の採取、分析を行います。水産庁の方も船を出しまして、魚類、プランクトンの分析を行います。それから、魚介類の市場調査を充実する。こういうことで直ちに調査に取りかかりまして、一、二カ月のうちには全部のデータがそろいましてきちんとした今回のロシアの投棄に対する評価が出ると思います。
 それから、大ざっぱな安全評価ですけれども、今申しましたように、今の調査が終わって正確な評価が出るわけですが、現在ロシアの発表によりますと、今回の投棄は約一キュリー、それから白書によりますと、これまで日本海に捨ててきた液体の放射性廃棄物は約一万二千キュリーあります。これまで一万二千キュリー捨てておりまして、ことしの春にやりました日本海の調査で特に異常な放射能は検出されておりませんので、これは大ざっぱな常識的な評価ということですが、一万二千キュリープラス一キュリーということであっても、その前後で海の放射能レベルが大きく変化するとは常識的には考えられませんので、多分影響はないであろうということが予測できるわけです。しかし、やっぱり実際に水をとりにいって調べるということが大切なので、この調査を今やっているということです。
#142
○吉田達男君 お許しをいただいて、いま一度質問をいたしますが、四月二日の日にこのロシアの海洋投棄が明らかになって、これに対応しておらなければならぬ。しかしながら、共同作業その他を言っておくれておる。おくれていて、今言った答弁でありますが、液状の廃棄もある、固形の廃棄もある、これについて非常な不安が残っている。あなたの答弁で安心だと思う者はまずない。それが現実でありますが、ロシアにおいてモスクワで十一月の十、十一日にかけて合同作業部会あるいは今月の末に専門家会議、こういうものをやるのであります。その中ではきちっとしてもらいたい。
 それは日本だけで調査が及ばぬところについてロシアとの共同作業をして、そのことによって万全を期す。そして、ロシアとの共同の中では核の廃棄物の処理についての技術的な指導、提携の中で今後海洋投棄がなされないような方向づけを持ってやる。こういうことがなければ安心できない。今言った例示の中で海洋汚染について言うけれども、食物連鎖からいえば、泥があり、海藻があり、魚介類があり、海水がある。そういうようなものはもっと広範囲に及んで長期にわたる調査体制がなければならぬ。
 以上についてもっと自信のある積極的な考え方で対処願いたいと思うので、いま一度答弁をお願いいたします。
#143
○説明員(松岡浩君) まず、固体廃棄物のお話ですけれども、ちょっとその前に一言申し上げますと、先ほど言いましたのは大ざっぱな頭の中での評価ということで、あくまで実際に水をとったり海底土をとったりして、その調査結果を評価して最終的な評価をしたいと思っております。
 それから、固体廃棄物の件ですけれども、確かに固体廃棄物は海底にありまして、そこから容器の腐食とかによりまして将来放射性物質が拡散してくる可能性はあります。ただし、ことしの春の調査では、深水の水の分析、海底土の分析、それから先ほど生物の濃縮の話もありましたけれども、海産生物もとりまして、とりあえず春の時点では異常なデータは出ておりませんでした。しかし、それは単に春の時点ということですから、共同調査を投棄海域でやり、それから来年以降も国内調査をやるということで今進めております。
 それで、共同調査がなかなか進まないわけですけれども、今、十月二十日に独自の調査をやるということで、先ほど御説明しましたけれども船を投棄海域に向けているわけですが、外交ルートを通じまして日本の船だけで投棄海域まで調査をさせてくれというふうに通告いたしております。その結果がうまくいけば、今回の我が国独自の調査で投棄海域までの調査も可能になると思います。
 それから、専門家会合を十月の二十七、二十八、ウラジオストクの視察を二十九、三十、それから日ロ合同作業部会を十一月の十、十一、こういうことを予定しておりまして、こういう中できちんとロシア側に停止を求めるのはもちろんのこと、向こうが海洋投棄をせざるを得ないと昔言っていた値上施設の状況などを見たりして、いろいろやっていくうちに日ロ間でそういう雰囲気が、向こうもきちんとやめるという雰囲気が出てくることになるのではないかと思います。
#144
○国務大臣(畑英次郎君) この問題は、我が国にとりましても、とりわけ農林水産省の立場にございましても、極めて重要問題であるというように受けとめさせていただいているわけでございまして、ただいま一部お話がございましたけれども、ロンドン条約の締結関係国会議が十一月にロンドンで開かれます。あるいはまた、ただいま御説明がございましたように、モスクワで開かれます日ロ合同作業部会、十一月十日から十一日、こういった場を通しまして、二度とこういうことが行われない、そういう方向に向けて全力を挙げなければならない、かような考え方に立っております。
#145
○風間昶君 公明党の風間でございます。
 初めて私は畑農林大臣にお会いし、またこの委員会で大臣のこれまでのお話を伺って、私も何点かお伺いしたいと思います。
 まず水産庁の方に、今のお話なんですが、十月十七日から開始したと見られるロシアによる日本海への放射性廃棄物の投棄問題で、ことしの四月に行った調査に比べて、いち早く今回は政府がまず日本独自で調査を決め、二十日に早速行かれたということに非常に敬意を表する次第です。最初に海上保安庁の船が向かったわけですけれども、今のお話ですと順次ということでございますが、水産庁の方ではいつからどの範囲の位置まで、どこの位置まで調査するのか、教えていただきたいと思います。
#146
○政府委員(鎭西迪雄君) 一昨日の政府の放射能対策本部の申し合わせに基づきまして、各省庁が連携いたしまして、今回のロシアの液体放射性廃棄物の日本海への海洋投棄に関します海洋影響調査というものをやるということを決定いたしたところでございます。
 その概要は、海上保安庁、気象庁、水産庁が共同でやりまして、科学技術庁においてこれらの調査結果の評価、検討を行うということでございまして、保安庁、気象庁サイドで日本海沿岸海域、主としてそこの表面水あるいは中層、深層水というものについての調査を行います。
 私ども水産庁といたしましては、市場におきます日本海産の魚介類の調査というものを充実いたしますと同時に、この十一月一日から西海区水研の調査船を早速日本海の主として大和雄あるいは隠岐島の周辺海域でございますが、そういう主要漁場に派遣いたしまして、魚類等を採取いたしまして調査するということで、関係省庁連携によります影響調査というのを早速行いまして、評価が出次第早急に公表いたすことにいたしておる、かようなところでございます。
#147
○風間昶君 概略はわかりました。
 いつからというのは十一月一日からですか十一月からということは。
#148
○政府委員(鎭西迪雄君) はい。
#149
○風間昶君 もうちょっと、大和雄、隠岐島というのはちょっとわからないんですけれども、要するに日本海の日本のところから何キロぐらいのところを水産庁が調査をされるんですか。
#150
○政府委員(鎭西迪雄君) 私どもの調査船が行いますのは、日本海の大体沖出し三百キロ前後ぐらいのところにおきます主要漁場ということをねらいにいたしまして、幾つかの地点でそういう魚類の採取等々を行うということでございます。
#151
○風間昶君 今のお話ですと、日本海産魚介類、私たちは日本海の魚を食べさせてもらっているわけで、非常においしいわけですけれども、一方、廃棄物は拡散はしていくものの、日本海はやっぱり半閉鎖的な状況ですから蓄積していくと思うんですね。
 ちょっと物の本を見ますと、放射能の量だけを測定しても、放射能の核種をきちっと判定をしていかないと、例えば魚の中に放射能が入っていった場合に、ベータ線とガンマ線ではベータ線の方が骨に集中して集まりますし、ガンマ線だったら身の方に集まるわけですから、そこまでやっていかないと、いわば日本海の我々が食料資源として食べる魚の安全度の問題についてはきちっとしたデータにはならないんですね、ただ単に漁場の放射能の量だけをはかっても。
 それともう一つは、魚介類というふうにおっしゃいましたから、魚だけではないというふうに判断していいんでしょうか。どうでしょうか。
#152
○政府委員(鎭西迪雄君) 海水の調査につきましては、確かにおっしゃったようなそういう放射能についての調査でございますが、魚介類につきましては、ただいま委員御指摘のように、放射性物質によってどこに蓄積するかという特性がございますので、私ども、魚介類、これは上層、中層、底魚というようなことで採取いたしますし、プランクトンについても採取するというように承知しておりますが、今御指摘のような点も含めて関係省庁で共同調査をした結果を分析し、公表するというように理解しております。
#153
○風間昶君 何といったって、やっぱり一番心配なのは海洋投棄の環境への影響でありますけれども、直接的には身近に私たちが食べる魚、市場に出回ってくる魚、日本海産の魚に影響が本当にあるのかないのかということでありますから、これは少なくとも前回の春の放射能対策本部ですか、あのときにやったデータだけじゃなくて、きちっとした形で国民の前に情報、結果を公表していく必要があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、大臣にお伺いします。
 世界最大の農産物の輸入国である日本は、もう午前中からも話題になっておりますけれども、外の問題としてはウルグアイ・ラウンドの決着の政治判断、国内的にも折しも、伺ったところ、ことしはちょうど第一次オイルショック発生後二十年目に当たるそうなんです。それで、食料自給はもとより、いろんな環境保全の問題だとか、農村地域の振興だとかあるいは担い手の減少、従事者の高齢化、さまざまな諸課題を抱えている厳しい状況の中で農政を担当していかなければならないと思うわけです。
 さらに、先ほどから話題になっているように、戦後、大々凶作と言われて、いろんな言い方がありますけれども、そういう状況の中で他産業並みの所得額を得られる希望の持てる農業にしていくためには、そのためにも新農政が現実的に実行段階に入っている状況の中で、新政策を含んだ中期的または長期的な農政のあり方について、初めての委員会なものですから、大臣の所見をぜひともお伺いしたいと思います。
#154
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘がございましたとおり、第一次産業分野、とりわけ農業分野におきましては、大変厳しい実態に置かれておりますことは御案内のとおりであるわけでございます。
 そういう中に、今回のウルグアイ・ラウンドをめぐります農業分野の問題が大きく、そしてまた多くのしかかってきておるというのが現在の姿であるわけでございますが、時たまたまいわゆる地方分権あるいは地方の時代をつくり出さなくてはならないということが、一極集中排除という意味合いの要素を踏まえましても、国家的な一つの大きな案件である。こういうことを考えました場合には、私は今、国民的な課題の一つの大きな柱は過疎対策という問題ではないかなというように考えるわけでございまして、さような意味合いでは、過疎対策の決め手としましての農業の活性化、こういうものをつくり出していかなければならない。
 こういう視点に立ちました場合におきましては、ただいま先生からも御指摘がございましたとおり、後継者が確保できるような他産業並みの勤労条件の中における他産業並みの所得の確保、こういったことを目指していかなければならない。
 かような意味合いで、御指摘のございましたとおり、昭和三十六年にできました農業基本法を見直しをし改正をするような意味合いを込めた新農政が本年から、ある意味におきましては具体的な展開が予算面等々におきましても図られつつある今日の姿であるわけでございまして、私どもの立場にございましては、何としてもこの新農政を、十年計画ということでそれなりのプランができ上がっておるわけでございますが、その毎年の、当面来年度予算編成等々の中におきましても、厚みを増しましてダイナミックな展開ができますような取り組みを図ることがこれまた必要ではないかなというように考えるわけでございます。
 午前中から論議がございました米の自由化等々あってはならない、そういうことも踏まえながら、ただいま申し上げますような意味合いで、従来とは違った意味合いの魅力をこの農業分野につくり出していかなければならない、そういう責任が与えられておる今日の立場である、かように受けとめさせていただいておるわけでございます。
#155
○風間昶君 非常に希望にあふれる、今までにないものを、何か星を持って農政に当たっていきたいという大臣の心構えをお伺いしまして、アイデアがあればどんどんこちらの方からも出していきたいと思いますので、よろしく御指導をお願いします。
 次に、共済金の年内支払いについてお伺いします。
 ことしの記録的災害では、損害評価の点でどの方式の加入にしても大変な調査になるのではないかというふうに思うわけですけれども、損害評価員の方々の今までの人数体制では厳しいのではないか。余りにもひどい状況である以上、年内にどうしても支払うと、先ほど大臣もその力強い御決意、また約束をしていただいたというふうに認識しておるわけですけれども、じゃ損害評価員の増員を含めて年内の実行が可能なんですか。可能にしていただきたいという上からお伺いしたいと思います。
#156
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業共済につきましては、大変な被害でございまして、やはり農業共済は災害対策の基本でございます。こういうときに農家のお役に立つということがこの制度の信頼性あるいは存在意義でございますので、関係者総力を挙げて、現在年内支払いに向けて取り組んでおるところでございます。
 そうはいいましても、なかなか作業は大変でございます。御案内のとおりでございますが、被害を受けましたすべての耕地につきまして検見という方法によりまして悉皆調査をやる、それからさらに連合会段階におきまして坪刈りという方法で実測をやる、こういうふうな調査があるわけでございます。そういうふうなことではございますが、ただいま申し上げましたように、全力を挙げて取り組んでおるわけでございます。
 そういうふうなことで、損害評価員につきましても増員任命をするというふうなことで農業共済団体を指導しておるわけでございます。何としても年内に支払いができますように頑張っていきたいと思います。
#157
○風間昶君 ですから、単純に考えますと、連合会が今おっしゃった認定結果を検定する坪刈りですか、坪刈りまでしなくても検見だけでもわかるのではないかと僕は単純に思ったんですけれども、それはどうなんですか。それはやっぱり法律上はきちっと検見をして、そして坪刈りをして検定をきちっとしなければならないものなんですか。省略できないのかなと思ったんですけれども。
#158
○政府委員(眞鍋武紀君) この損害評価でございますが、なかなか大変な作業でございます。実際に支払う金額に関係するものでございます。関係者の利害が非常に対立する面もあるわけでございます。それで、見た目でこれぐらいだろうと、こういうふうなことを言いましても、実際にとってみるとえらい少なかったというふうなこともあるわけでございます。
 そういうふうなことで、本来なら全部を実測した上でやれという意見もあるわけでございますが、全部を実測していたのではとても時期的にも間に合いませんし、それから人員的にも間に合わないというふうなことで、検見の方法で大体を見まして、実際にそれと現実がどうなっておるかということで圃場を選びまして、そこで坪刈りをして実際に乾燥調製をして、大体収量がこれぐらいだというふうなことを見定めた上で評価をするということで、検見だけではやっぱり現在の見る技術では無理がある、こういうことでございます。
#159
○風間昶君 僕は省略してもいいと思ったんですけれども、そんなものではないんですね。甘えはきかないんですね、お金の問題だから。わかりました。
 であるならば、なおさら物すごい人的コスト、いわゆる事務費の補助、これはかかると思うんです、どれぐらいかかるかわかりませんけれども。五十五年の冷害対策時にも特例措置、事務費補助をやられたわけですけれども、これは当然今回もやっていくわけですね。どうするんですか。
#160
○政府委員(眞鍋武紀君) 御指摘のとおり、大変な費用がかかるわけでございます。そこで、損害評価特別事務費補助金というふうな予算措置が講じられておりますので、かかりました実績に応じまして各共済組合へ助成をしていくというのが第一点でございます。それでも足りないようなところにつきましては、特別積立金というのが各組合にございます。そういうものを取り崩して損害評価の費用に充てるということでございます。
 しかしながら、今回は、本日けさから御議論いただいておりますように、大変異例の大きな災害でございます。そういうふうなことでございますめで、今申し上げました二つの措置でも間に合うかどうか、こういう問題がございますので、そういう問題を見定めた上で、必要に応じまして財政当局とも相談しながら、適切に対処してまいりたいと思っております。
#161
○風間昶君 ですから、その財政当局の壁が厚いというふうな記事も大臣の言葉として出ておりました。政府が出したトータルして八項目の中で冒頭に、共済金の年内早期支払いと、しっかりと全国に出回っていますから、あの記事は。ぜひとも大臣に頑張っていただきたい。大蔵省との折衝に全力を挙げてもらわないと、これは本当に、これで払えなかったら大臣の首もないし、日本の農業もなくなるというぐらいのお気持ちでやっていただきたいと思うので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、不況と大凶作のダブルパンチで農家の方々は物すごい収入減となって、例年、秋から冬にかけて特に東北、北海道の農家の方々は出稼ぎに行くわけですけれども、出稼ぎは今回かなりふえるのではないか。やっぱり農業者の皆さん方は、今回の被害に対して国によるいわば心のこもった小回りのきいた対応、これにすがるしかないわけです。ぜひとも、そういう意味では国は就労機会を確保してあげるべきだと思いますけれども、その対応状況はどうなっておりますか。
#162
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま風間先生御指摘の点は、これだけの大凶作に伴いまして農村地帯にある意味では壊滅的な打撃を与えつつある、こういうような意味合いから、御承知のとおり、関係閣僚会議等々を開きまして、ただいま先生御指摘のいわゆる所得を働く場をつくることによっていささか補いをつけさせていただく。かような意味合いでは、ひとり農林水産省という立場だけではなくして、農林水産省の立場はもちろんでございますが、建設省を初め各省庁、いわば公共事業をこういった被害の厳しいところに力を入れて箇所づけをやらさせていただく。
 その場合に、今出稼ぎに行きたいと思ってもこういった不景気でございますからなかなか出稼ぎに行く先がない、求人の度合いが低い、こういうことを考えました場合に、公共事業の対応の中にその農業関係の方々を最優先で雇用をしていただくようなそういう取り組みを展開すべきであろうというような意味合いの中から、労働省の方にも力強くこの問題にはダイナミックな取り組みをお願いしたい。
 幸い、労働大臣におかれましても、当然のことであるというような意味合いで既にこの取り組みが始まっておる今日の姿ではございますが、引き続き、これは細川内閣としての重要課題と受けとめて、先生御指摘の問題の解決に全力を傾けてまいりたい、かように考えております。
#163
○風間昶君 大変ありがとうございます。
 きのう農水省の方のお話ですと、通達は出したと。通達は出したということで、その後は努力をしていくつもりだという状況でお話を承っておったんですけれども、やっぱり大臣にも、長年地方の実態も、大臣は御経験がおありですから農民の方々の心を知っていらっしゃると思いますので、通達を出した後のフィードバックがどうなっているのかということが大事な問題。初めてそこに農業の現場と政治を動かしていく人の溝が埋まっていくのではないか、かぎがあるのではないかというふうに思うものですから、その後のフォローもしっかりとしていってあげていただきたいというように思うんですけれども、よろしいでしょうか。
#164
○国務大臣(畑英次郎君) 今、さような意味合いでこういった問題はフォローをしていくことが極めて大切でございますから、実態を把握しながら、先生御指摘のような意味合いでこれからが本番という段階でございますので、今担当部局におきましても会議等々を聞かさせていただきまして、御趣旨に沿った対応が進められつつある、かように御承知おきを願いたいと思っております。
#165
○風間昶君 出稼ぎ労働の話になりましたものですから、労働省の方にも来ていただいているんですが、農業者だけではなくて、全国の出稼ぎ労働者の実態は傾向としては年々下がってきているんじゃないかと思うんですけれども、今新しいデータで何人ぐらいいらっしゃるんですか。
#166
○説明員(北井久美子君) 出稼ぎ労働者の数は昭和四十七年度の約五十五万人をピークにいたしまして年々減ってきております。平成四年度におきましては約十六万五千人となっております。出身地別では、やはり北海道、東北地方がそのうち八割近くを占めているという現状でございます。
#167
○風間昶君 じゃ、出稼ぎ労働者の中で農家の方の出稼ぎの実態はどのぐらいいらっしゃるか、割合と数。
#168
○政府委員(入澤肇君) 農家の出稼ぎの実態につきましては、私ども農家就業動向調査、それから農業動態調査で調べておりますけれども、今の労働省の答弁でありました数字を合わせますと、四十七年の時点で三十四万一千九百人、平成三年の時点で五万六百人という状況でございます。
#169
○風間昶君 農家の方が出稼ぎに行っている業種はどういうところが多いんですか。
#170
○政府委員(入澤肇君) 平成三年の実態で見ますと、出稼ぎ先の業種としまして建設業が一番多くて三万五千八百人、その次に多いのが製造業の九千二百人、それから食品産業の四千七百人、サービス業二万一千人、農林漁業には五百人というふうな状況でございます。
#171
○風間昶君 数と割合を聞いたのは、実は今月の七日、八日に横浜で日本農村医学会という学会があって、そこでのさまざまなパネルディスカッションだとか、講演の中で出稼ぎ者の健康診断あるいはデータ発表がございまして、出稼ぎ前に比べて出稼ぎに行っているときは血圧が上がっているのが一般的だと。出稼ぎ中に結構亡くなっている方が多い。亡くなっている死因は、いわば日本の成人病の死因とほぼ同じで、脳卒中と心臓疾患とがんだと。特徴的なことは、働いている間に亡くなっている方々は脳出血とかクモ膜下出血とか、要するに脳血管の異常で亡くなっている方が多くて、仕事から帰ってきて休んで宿舎にいるときに亡くなっている方、いわゆる心不全、心臓疾患で亡くなっている方が多いという発表があるわけです。
 その死亡を防ぐには、学会発表では、出身地での出稼ぎ前の健康診断と健康に対する教育が必要であるというふうに述べられているわけですけれども、私はさらに、それは健康診断というよりも、薬をもらっている人がほとんどだから健康診断をされているわけで、むしろ出稼ぎ期間中に、健康診断という大げさなものではなくて、メディカルチェック、要するに自覚症状を聞いてもらえるような人あるいは場が絶対必要だというふうに思っているんです。
 要するに、就労期間中に起こり得る不測の事態にどう対応していくのかということも、農水省としても、これは農家の出稼ぎがこれから多くなることを考えますと大変な中ですけれども、やっていく必要があるのではないかというふうに思います。就労期間中の農家出稼ぎ者のメディカルチェックの実態はつかんでおりますでしょうか。
#172
○政府委員(入澤肇君) 残念ながらつかんでいないんですけれども、実は、先ほど大臣から御答弁申しましたように、通達を出しました後のフォローの第一弾としまして、十月十五日に東北各県の農政担当者、それから各県の農協中央会の代表者、農業会議の代表者等を集めまして出稼ぎ全般について議論をいたしました。その中で、今の出稼ぎ中の健康状態等につきましてもチェックする必要がないだろうか、むしろ相談の窓口、そういうものをつくるべきではないかというふうな議論がございました。これにつきまして、各県に持ち帰ってもう一回検討し直すということになっております。
#173
○風間昶君 やっていらっしゃらないのだったらぜひやるべきで、現場に医者が行くとかということはなかなか難しい場合もあるものですから、それだったら例えば保健婦さんでもいいわけですし、あるいは健康教育をきちっと少なくとも一回、東北、北海道の方がいらっしゃっているところは一カ月では済まない、もう三、四カ月から半年ぐらい冬の間行くわけですから、最低一回はチェックをしていただきたいなというふうにぜひお願いしたいと思います。
 次に、道内の農作物の被害、十月五日現在で過去最高の千九百七十四億円というふうになったと北海道が発表しました。そのうち水稲は平年作の場合に得られる収益の四〇%弱しか確保できない計算になっている。専業農家の多い、しかも水稲をつくっているところが多い空知地方、岩見沢とか滝川とか、北先生のいらっしゃる奈井江だとか、状況が大変ひどいわけであります。また、札幌周辺の石狩地方などの五町村をつぶさに私も見させてもらったけれども、石狩川と千歳川の川の流域によって被害程度が若干違うとか、防風ネットがあるところとないところでは若干違うとか、被害状況が少し異なっている感じを私は受けたんです。
 ことしのような、それこそ天災とも言ってもいいし、社会災害とも言ってもいいし、政災と言ってもいい。農業政策という政災があって、政治全体の政災とも言うべき記録的な災害に対して、やっぱり救急治療として大臣初め政府が速やかに実施していくのは当然ですけれども、いわばいつやって来るかわからない冷害ということに対して、手間かけながらあぜを高くしたり、あるいはこれは本当に現地に行ってお伺いしたんですが、水かさを増すような深水管理なんかは昔からやっていた。やっているところは助かっているんだ、被害はあるにしてもやっていないところよりもずっと助かっていたんだという話を聞いて、予防的な根本治療というのは医学の部分でも大事だし、同じく生きている農産物に対しても大事な観点に有りますから、水循環システムなどの新しい栽培技術も当然あると思いますので、ぜひそういうものを駆使した恒久対策を、災害が来てからどうだのこうだのと言うんではなくて、予防恒久対策をきちっと視野に入れていくことが必要じゃないかと思うんです。
 ぜひそれをやっていただきたいので、大臣、一言。私時間オーバーしましたものですから、終わります。
#174
○国務大臣(畑英次郎君) 先生、医学分野の造詣が深いわけでありますけれども、これはやっぱり生物というような意味合いの中で、こういった予防という段階が極めてこれからの大きな課題というように受けとめさせていただいているわけでございます。御指摘の分野につきましては、今回の反省に立ちまして力強く取り上げていかなければならない、そういうような意味合いでのただいま準備を進めておると御理解をいただいて結構でございます。
#175
○風間昶君 ありがとうございます。
#176
○星川保松君 ことしは大変な異常気象で農業被害が続出をしておるわけでありますが、その中で私は、北海道、東北地方の冷害対策について質問をしたいと思います。
 北海道、東北地方の冷害というのは、これはしばしばあるのでございまして、いわゆる北国の農業にとって宿命的なものでもあるわけでございます。この東北の冷害というのは一つのパターンがございまして、ほとんどオホーツク海の寒気団がずっと夏に南下してくるのでございます。ですから、一番最初に北海道に被害を与えて、それから青森に被害を与えて、それで岩手に被害を与えて、宮城、福島というふうにずっと南下してくるのでございます。奥羽山脈のいわゆる太平洋側、ここにずっと被害を与えて南下してくるんです。
 それで、今回もその具体的なことが九月十五日のいわゆる作況指数にはっきりあらわれております。といいますのは、北海道は、これはいろんな対策もありますので、作況指数四六となっていますけれども、別として、青森が三二ですね。それから岩手が少しよくなって四二、それで二ポイントよくなって宮城ですね。下がっていって福島が六七、そして、奥羽山脈に遮られて今のように太平洋岸をずっと南下していく。ところが、その奥羽山脈に遮られた西の方、秋田が八三です。山形が八四です。
 こういうふうにこれはもう一つの東北の冷害のパターンでありまして、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」という詩がありますね、あの中に「サムサノナツハオロオロアルキ」というのがあるんですよ。私は子供のとき、あの詩を読んで意味がわからなかった。寒さの冬じゃないかと思って、私はミスプリントじゃないかと思って別のその詩集を見てみたけれども、夏なんですね。子供のときわからなかった。後になって冷害の問題と取り組んで初めて寒さの夏ということがわかったわけです。そういうパターンがある。昭和九年の冷害、これはまさしくこのパターンであったようです。
 ただ、この場合は奥羽山脈の東の方をずっと下がっていって、その際に奥羽山脈の低いところから西の方に冷たい風が越えてくるんです。その越えてきたところはやはり秋田、山形の方も被害をこうむるんですね。山形で二カ所越えるところがあるんですよ。一つは、いゆる国道四十七号線沿いに鳴子峠を通って、それで越えてきたのが最上町、これは一町皆無です。その隣の私のところは標高五百メートルぐらいです、奥羽山脈の。そこのところを越えてきて、尾花沢が三分作ぐらいしかできないという状況なわけですね。私はそこに住んでいるわけですよ。
 それで、収穫皆無の皆さんが大変深刻な状況になりまして、何とかしてくれと。この冷害が農家が怠慢だみたいなことを言う方がいらっしゃいますけれども、決してそうじゃありません。もう本当に一生懸命何とかしてこの寒さと取り組んでいい米をとろうと思ってあらゆる努力をしたんですよ。それでもだめだったということからして、もうこうなった以上はいわゆる制度、そして国に助けてもらう以外はないということになっているわけです。
 そして、実はあしたの晩に農協の講堂に被害農家が集まって、私にそこへ行って国の対策を説明しろと、こういうことになっているんですよ。きょうは十七分間しかありませんよね。あした皆さんに納得いくような説明をしませんと、これは大変なことになるんですよ。
 そういうことで質問をするわけですけれども、今までもいろいろと問題は出てきたんですけれども、その中ではっきりしない点から先に質問をしたいと思うんです。
 まず、食う米がないというのが一番深刻な農家の状況でございます。あした食う米がない、年内いっぱいしか食う米がないという人に対して、私はあした何と答えればいいのかということですね。それで、今までも飯米がなくなったような農家の皆さんは政府米を貸してくれと、こういうことで貸してあげる制度があったわけです。今回はどうなさるか、どういう対策をとられるか、ここからひとつ。
#177
○政府委員(鶴岡俊彦君) 被災農家の飯米対策につきましては、基本的には一般消費者と同様、通常の小売店を通じて購入していただくようになるわけでございますけれども、今年については特に異例である、それから北海道、東北地域の特に太平洋岸については災害がひどくて飯米の確保に困っているというふうなこともありましたし、また農家に買いに行って米がないというようなこともあったようであります。
 全中、全農に対しまして、農協店舗を通じた農家への米の安定供給の指導あるいは自主流通米につきまして、知事から要請があった場合には市町村を通じて全農が農家に売り渡す等の措置を講ずることといたしまして、農家に対する飯米確保に遺憾なきを期したいというふうに今考えているところでございます。
#178
○星川保松君 これはちょっと長官、それでは私はあした行って皆さんに話はできませんよ。店へ行って買ってきなさいということでしょう。そうじゃなくて、今までいわゆる政府米を貸して、そして政府米を農家が売り渡すときにそれを返済した形をとるということが今まであったでしょう。だから、それを当てにしているわけですよ。それはもうやらないんですか。
#179
○政府委員(鶴岡俊彦君) これは今、飯米は、農家の方につきまして、店に行っていただくのではなくて、先ほど言いましたように、農協等の店舗を通じあるいは市町村を通じ供給していただくことにしたのでございます。ところが、政府米につきましては、食管法では貸し付けというのは農家に対する場合規定はないわけでございます。
 それからまた、今年につきましては、集荷自身が全体として自主流通米ということで集めておりまして、政府米で今のところ農家の対応に供給できる状況ではございませんので、当面、集荷しております自主流通米につきまして、県からの要請がある場合には市町村を通じて供給していただくというような仕組みで対応していきたいということで考えておるわけでございます。
#180
○星川保松君 そうすると、貸すということはもうないと。買って対処しなさいということですか。
#181
○政府委員(鶴岡俊彦君) そう思います。貸し付けの道というのは開かれていないんです。
#182
○星川保松君 何年の年だったですか、前はあったような気がしたんですがね。そうですか。なければしょうがないですけれども。
 それから次は、やっぱり種子の問題、種の問題ですね。種の確保については具体的にどこがどういうふうな形でやっているんですか。
#183
○政府委員(高橋政行君) まず、県内でひとつ確保しようということが基本になりますので、県の中の採種圃産の種子で確保しようと。それが足らない場合には一般の農家の圃場、準種子と言っていますが、それで確保しようということで、都道府県と農業団体が中心になってその調整をしておるということであります。
#184
○星川保松君 それから、いわゆる作況指数に対する農家の皆さんの不信感というのは非常に大きいんですね。その作況指数について、一つはふるい目の問題があるんです。一・七から収穫したものとするのが政府のやっている方法なんですね。ところが、農家としてはそんな細かいものは出荷しないということで、一・九から一・九五ミリの米を出荷するというようなことをやっているわけですよ。だから、一・七との間に〇・二ミリほどの差があるんです。そのために作況指数についての農家の気持ちと政府の発表が食い違っているんじゃないかということが一つ。それがどのように改良されたのかあるいはそのままだったのか。
 それから、最終的には共済の場合もそうですけれども、農水省が調査をしてその作況を決めるわけです。その際に、最初は検見を組合がやって、連合会がやって、そして国がやるというふうな際に修正が行われるわけですね。その修正は、今までどうももっとその実態はひどかったという修正はないんですね。もっと被害は少ないはずだという修正ばっかりされているわけです。
 だから、例えば連合会が坪刈りをやった。それと同じぐらいの箇所について坪刈りをやっているのか。どうも農水省の方は人手が不足だとかなんとか言って、それも少ないサンプルで結局それを修正するということをやっているんじゃないかという不信感があるんですが、この二つについてひとつお答え願いたいと思います。
#185
○説明員(嶌田道夫君) まず、前段の収穫量のお話でございますが、統計の収穫量の調査は飯用に供し得る米穀の量を把握することを目的といたしまして一・七ミリの目幅のふるいを用いているわけでございます。ただ、今言われましたように、農家では一・七ミリよりも大きなふるい目によります選別を行っている実態にあるということは承知しておりますけれども、この場合に一般的にふるい目より小さい米穀がふるい残しとして混入している。それからさらに、ふるい下の米については農家や米穀業者による再選別が行われまして、食用に利用されているという実態にもあります。
 このような実態を考慮いたしますと、飯用に供し得る米穀の量を把握するという意味におきましては、現在の統計の収量基準は妥当なものではないかと判断しています。しかしながら、収穫量の調査結果につきましては、その持つ影響力が非常に大きゅうございますので、慎重かつ適切な対応が必要であると考えています。そのようなことから、現在の一・七ミリにつきましても、継続していく場合、絶えず実態をつかまえまして研究を重ねていく必要があると考えております。
 このようなことから、平成四年産の水稲から各地域におきますふるい目幅にかかわる指導であるとか指導の実態、それからカントリーエレベーターやライスセンターなどにおきます選別の結果等について全国的な調査を現在行っているところでございます。
#186
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業共済の損害評価でございますが、まず一・七ミリのふるい目によりましてふるいまして、それで減収量をはじくというふうなことにしておるわけでございますが、その中から、それでも……
#187
○星川保松君 国の調査。
#188
○政府委員(眞鍋武紀君) それでは、これは省略いたしまして、国の調査はこういうことになっております。
 組合で損害評価をやり、連合会で坪刈りをして評価をする。それでその結果を国に上げてきた場合に、統計が行います調査によって一定の範囲がございます。その範囲に入っておればそのまま認定をする、それに当たってない場合にはさらに査定をする、そういう仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、あくまでも我々の特会とかそういうもので独自の調査をやっているわけではなくて、統計の調査を使って査定をしておる。その場合に一定の範囲内に入っておればそのまま採用しておるということでございます。
#189
○星川保松君 何だかわけがわからないね。
 時間がないんで、次に、いろんな資金の制度などがあるわけですけれども、資金というのはやっぱり借りればこれは返さなくちゃならないんですね。それで、何といっても頼りになるのは共済金なわけですよ。その共済金を早く出してもらいませんと、農協から出来秋に払うことにしていろんなものを買ったやつもみんな利息がついていますから、できるだけ早く支払ってもらいたいと。早く支払うということですけれども、じゃその準備としてどの段階までいっているんですか、共済の支払いの手続の方は。
#190
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来御答弁しておりますが、共済組合でまず損害評価をする、それを連合会段階でチェックをし、それから国段階で一定のチェックをする、その上で確定をして金を支払うと……
#191
○星川保松君 今どこまでいっているんですか。
#192
○政府委員(眞鍋武紀君) そういうことになっておるわけでございますが、被害の大きい特に困っておる農家につきましては、それを一定の段階で仮払いをするという制度がございます。
 それで、これは各組合の努力によりまして非常に早く進んでおるところもございますが、やはり被害が大きいためにおくれているところもございます。そういうことで、組合によって違うわけでございますが、幾つかの組合では既にもう仮払いの準備が整っておるというふうなことも聞いております。
#193
○委員長(石井一二君) 時間も迫っておりますので、あと簡略にお願いします。
#194
○星川保松君 それでは、時間も経過しましたので、せっかく自治省にも来てもらっているはずですから、自治省に。
 各自治体もいろんな細かいことで被害農家に対して手当てをするわけですよね。それから、独自の救農土木とかやったり、いろんなことをやるわけですよ。それで、そういうものも災害のための思わぬ出費ということに自治体がなるわけですから、それをどのようにとらえどのように助成していくか、そのことをひとつお聞きして終わります。
#195
○説明員(嶋津昭君) 今回の冷害に伴います地方団体の財政事情は、非常に事態が異例な事態でございまして、従来にない幅広くてきめ細かな対応が求められているところだと思います。今御質問にございましたような点も含めまして、極力地方団体の実際の財政事情をよくお聞きしまして、特別交付税なりあるいは地方債の手当て等について細心の注意を払ってまいりたいと考えております。
#196
○林紀子君 ことしの百年に一度と言われる大冷害に当たり、私どもは九月初めから東北、北海道また私が住んでおります広島を初め全国各地の被災地を訪れましてたくさんの皆さんの要望を聞き、大臣にも申し入れを行いました。また、農水省に対しましても何度となく要請もしてまいりました。改めて、被災されました農家の皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 そこで大臣にお伺いしたいのですが、今冷害に苦しんでいる農民の間では凶作は天災だ、しかし米不足は人災だと、こういう声が大きく広がっているということです。私のところに要請に来られた宮城県の農協婦人部のある女性は、今までの政治を恨みますと一言おっしゃいました。また私は、東北六県の農家の皆さんと東北農政局に要請に参りましたが、そのときある農民がこうも言いました。我々に減反を押しつけておいてどうして緊急輸入だ、国は農民に対して謝るべきだ。私はこの言葉が忘れられないわけです。
 こうした農民の声に大臣はどうお答えになるのか。また、このような米不足、これを招いて緊急輸入をせざるを得なくなるような事態を二度と引き起こさない、こういう決意を国民の前にはっきりと明らかにしてほしいと思います。
#197
○国務大臣(畑英次郎君) 本年の大凶作につきまして、これに伴います緊急輸入の問題等々ただいま御指摘があったわけでございますが、やはりこの農業分野におきます異常気象、そしてまた本年の未曾有の大凶作につながる、いわばよく世間の方々が申しておりますけれども、ことしは水稲等の関係におきましてはある意味では夏がなかったというような異常な事態であったわけでございまして、さような意味合いにおきましての緊急輸入であるということにつきましては、これは御理解を賜りたいなというように考えるわけでございます。
 そしてまた、従来農政につきましてはそのときどき、御関係の役所におきましてもあるいはまた政党、政治家の立場にございましても、真摯な取り組みがなされてまいりましたこともこれまた事実であるわけでございます。何といっても農業分野、他の国々におきましても、残念ながら農政につきましてはやはり気象問題が大きく作用するというような意味合いでの実態であることも、これまた御理解を願いたいなというように考えるわけでございます。
 今回の緊急輸入はあくまでもこの大凶策を踏まえた緊急避難的な対応である、かような意味合いでの御理解をお願い申し上げたいなというように考えますとともに、先ほど来御指摘がございましたこういった一つの事柄、事態を踏まえまして論議を掘り下げ、そしてまた災いの中から福に転ずるような意味合いでの各般にわたる努力を重ねてまいらなくてはならない、かような気持ちを持たさせていただいているところでございます。
#198
○林紀子君 今、最初に申し上げましたが、確かに凶作は天災だ、米不足は人災だ、その後半の部分に今大臣お答えいただいてなかったんじゃないかと思うわけです。
 時間がありませんから先に進みますが、こうした冷害に苦しむ農民に追い打ちをかけるように、アメリカとの秘密会談があった。先ほど来話題になっておりましたけれども、このニュースが報じられたわけですね。六年間の猶予期間を設けて、この間は三%から五%のミニマムアクセスで部分自由化する、六年後には関税化を受け入れる、こういう報道だったわけです。毎日新聞、最初に報じました新聞には、十日来日したエスピー・アメリカ農務長官と畑農水大臣との会談など水面下で行われたと、こういうふうに報じられているわけですが、この秘密会談というのはあったんですか。
#199
○国務大臣(畑英次郎君) いわゆる秘密会談あるいは水面下という言葉がただいまございましたけれども、そういったような意味合いのものはございませんので、さよう御理解を願いたいと思います。
#200
○林紀子君 それでは、外務省にお伺いしたいと思います。
 第一報を報じました韓国の東亜日報十月十四日付の記事では、韓国の政府高官の話として、先週日本政府からこのような内容を通報され、日本側はこれと関連して共同歩調をとってきた韓国に対して済まなく思うと伝えてきたと報道しているわけですね。
 二十日の日には、我が党の志位書記局長が羽田外務大臣に申し入れました。そのときに、交渉の事実がないなら関係国に抗議するとか、事実でないことを通告すべきではないかとこちらが言いましたのに対しまして、羽田外務大臣は韓国の報道というのは知らない、その辺を聞いてみるというふうに約束をされたわけですけれども、その辺はお聞きになったんですか。報道の事実関係を確認しているのか、そして、どうしてこのような報道がなされたかということはおわかりになっているのでしょうか。
#201
○説明員(美根慶樹君) ただいま御指摘になりました韓国東亜日報の記事につきましては、中身については報道されたような事実はございません。米の問題等に対する政府の方針については、本委員会あるいはその他の委員会の場で累次説明しておるところでございます。私どもの考えでは、政府の考え方というものはこういった公の場で明らかにしておりますので、韓国の東亜日報等についてもそういうものは当然伝わっておるものと考えております。
 それから、先ほど委員が御指摘になりました抗議するかしないかということでございますけれども、私どもの考えといたしましては、報道といいましてもいろいろなものがございますけれども、一つ一つについて抗議をするということは考えておりません。
#202
○林紀子君 先ほど畑農水大臣、お名前が同じなものですから紛らわしいのですが、農水大臣は韓国には事実に反する報道だということを通告したというふうにおっしゃいましたね。それでは具体的にどういう内容を通告されたのか、いつ通告されたのか、それをお聞きしたいと思います。
#203
○政府委員(眞鍋武紀君) 十月十四日、外務省本省から在韓国日本大使館に対しまして報道されているような事実はないことを韓国政府に伝えるように公電により指示をし、その指示に基づいて我が大使館の職員が向こう側に伝達したということでございます。
#204
○林紀子君 今、外務省はそういうことを向こうに言う意思はないとおっしゃいませんでしたか。
#205
○説明員(美根慶樹君) 私の説明が舌足らずであったかもしれませんが、東亜日報の内容について東亜日報に対して抗議するということは考えてないということを申し上げたわけでございます。
#206
○林紀子君 それじゃ、韓国政府に対しては正式に今農水省の方からそういうことを伝えるようにという、そのことは大使館を通じて、つまり外務省を通じてやったんですか。
#207
○説明員(美根慶樹君) その点については、先ほど農林水産省の方から御説明があったとおりでございます。
#208
○林紀子君 それは、十月の十四日に報じられたものをいつなさったんですか。
#209
○政府委員(眞鍋武紀君) 十月十四日付で在韓国日本大使館に対して送付をし、それを我が方の大使館の職員が執行したということでございます。
#210
○林紀子君 そうしますと、東亜日報が十月十四日付に報じてそれをすぐということですね、それじゃ。そうですか。
 私は、先ほど畑農水大臣からお話を伺って、初めてそういうことを通告したというのを知ったわけなんですね。私は、今回この問題大変だと思ったものですから、マスコミについてはテレビも含めまして新聞も含めまして、目を皿のようにしてよく報道を見ていたつもりなんですけれども、そういう報道というのは一切なかったんですよ。だから、私さっき初めて聞いて、ああそういうことだったのかというふうに思ったわけなんですけれども。東亜日報をもとにして日本の国内では、これだけ大変なことがもう今にも、それこそ六年間猶予期間でミニマムアクセスは受け入れるということが報道されているわけですからね。そうじゃないということを韓国にもちゃんと言ったんだということはそれこそ記者会見でもして、農水大臣や羽田外務大臣、総理大臣もそろって記者会見をして、そしてそうじゃないということを言って当然のことじゃないですか。どうしてこういう事態になっているんでしょう。
#211
○国務大臣(畑英次郎君) 御記憶と存じますけれども、東亜日報のその記事を受けたかどうかよくわかりませんけれども、国内の毎日新聞等々その他の記事に同じような趣旨が掲載をされたわけでございます。それを踏まえてこの報道に関しましては、ということはその時点におけるこの累次の報道すべてに対してその事実はないということを明確に否定をさせていただいたわけございますから、私の立場におきましては、その報道されました一社ごとに抗議をするとかあるいは連絡をとるとかそういうことではなくて、全面的に否定をさせていただいたということであります。
#212
○林紀子君 韓国に対してきちんとこういうことをやったんだということも、非常に大事な問題になるわけですよね。ですから、この中身はそうじゃないということを盛んに今まで否定をされていらっしゃいますが、やはり私たちがそれでもというふうに心配になるということは、例えばガット事務局やアメリカ政府や韓国政府や日本政府筋、全部こういう一点、同じことに報道があるわけですね、同じ内容で。だから、非常に心配になる。だから、その否定をするときにも、韓国に対してもそうじゃないんだということを言ったということもきちんとそれこそ大々的に記者会見なども今後も、今からでもいいですから、していただきたいと思うわけですね。
 それに関連してお伺いしたいと思いますのは、さきの衆議院の農水委員会で農水大臣は、関税化受け入れ阻止ということは情熱を持ってやるというふうに日本共産党の藤田スミ委員の質問に対してお答えになりました。私も傍聴しておりました。しかし、そのときぜひとも大臣の職をかけてでも、政治責任をかけてでも関税化は阻止だということをはっきり言っていただきたいということを何度か申し上げましたが、情熱を持ってということしかお答えいただけなかったわけですが、改めてここで大臣の職をかけて、政治責任をかけてこの関税化というのは阻止をするというその言明をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#213
○国務大臣(畑英次郎君) 人それぞれ顔色が違いますように、表現の違いはございましても私自身の情熱をそれこそベストを尽くしてこれからも取り組みをしてまいりたい、かようなことを重ねて述べさせていただきます。
#214
○林紀子君 やはり情熱どまりという気がいたしますけれども、そこで村沢政務次官にもお伺いをしたいと思います。
 この農水委員会でもまた予算委員会でも、参議院の急先鋒となって村沢政務次官は今までドンケル案を受け入れるな、米関税化も受け入れるなと強く自民党政府に迫っていらっしゃいました。新生党の小沢代表幹事は、報道されている条件つきの関税化受け入れ案について、連立与党の合意とそれほど矛盾はないし、きちんと政府が説明すれば与党も理解できるかもしれないと言っているということなんですね。それでも、今報道されているような関税化受け入れが本当になされたら、それは八党合意とは全く矛盾すると思うわけですね。その辺はどうかということと、それから関税化受け入れがもしなされた場合には、政務次官としてまた連立政権を支えている社会党として、どういう責任を全うするのかということもお聞きしたいと思います。
#215
○政府委員(村沢牧君) 小沢氏の発言については、本人から直接聞いているわけではありませんから、私が的確なことを申し上げる立場にありません。しかし、小沢氏の発言が米の例外なき関税化を容認するという趣旨であるとするならば、これは政府の立場や政府の方針と異なるものであり、ましてや私、政務次官の主張とも異なるんだということを私は申し上げたいというふうに思うんです。
 そこで、連立政権が発足するに当たって、米の例外なき関税化は反対である、このことを小沢氏が所属をする新生党も含めて八党派覚書をしたことは御承知のとおりであります。したがって、米につきましては今までと同じように国会決議の趣旨を体して国内産で自給するという基本方針のもとで対処してまいりますので、御指摘のありましたような不統一はないというふうに思います。同時にまた、なぜ米の自由化をしないかということは大臣が今まで答弁したとおりであります。政務次官でありますから、大臣と全く同じ立場でございます。
 と同時に、私のことについて問われました。皆さん御承知のように、本会議で国会決議を三回やり、当農林水産委員会でも私の承知しているところでは五回ほどこの種の決議を行っております。私はその際、時には提案者となりまた賛成者となって、皆さんと一緒にこの決議をやってまいった者でございます。したがって、政治家といたしましては、大臣は情熱を持って当たるというふうに言っておりますけれども、そのことは当然でありますけれども、私は政治家の信念に基づいてこの決議を尊重してまいりたいというように思います。
 なお、社会党のことについても御質問ございました。私が政務次官として社会党のことについていろいろ答弁する立場ではないというふうに思いますが、私の知っている限り社会党も米の例外なき関税化は絶対反対である、そういう立場を貫いておりますから、この党の決定を、大会決議もしておりますから、今後とも貫いていくものと思っておりますので、ぜひ御理解をいただきたいというように思います。
#216
○林紀子君 次に、減反緩和、復田対策についてもお伺いしたいと思います。
 来年度の減反緩和に当たりまして、今農家の意向調査というのを行ってこれが終わったところだと思いますけれども、その意向調査の結果というのを今後の転作配分、復田面積の決定に際して最大限考慮するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 それからもう一点、この結果は公表しないというふうにおっしゃっているわけですけれども、例えば富山県議会などでは我が党の犬島県議の質問に対しまして、調査結果を踏まえて、国の意向もあるけれども、公表については考えてまいりたいというふうに答えているわけですので、それぞれの行政の判断で、地域分に当たっては意向調査の結果を公表しても当然だと思いますし、少なくとも公表するなというような圧力はかけないということはお約束をいただけると思いますが、どうでしょうか。
#217
○政府委員(高橋政行君) ただいまの農家の水稲作付意向調査、これを今おっしゃいましたようにやっております。それで、現在やっておりまして、一応単に集計をした状況では十二万ヘクタールになっております。しかしながら、内容につきましてどうも精粗いろいろございますので、現在中身について地方農政局において精査をさせているところでございます。
 それで、それについての公表が云々ということがございましたが、それぞれの県におきましてそれを例えば公表なさるとか公に言われることにつきまして、うちの方でとやかく言うつもりはございません。
 それからこれの利用についてでございますが、やはり我々は農業者の方が今後意欲を持ってやっていただけるというようなところに配分していくということが重要な一つの考えではないかと思っておりますので、配分に当たりましてはこの意向調査の結果も重要な要素の一つというふうに考えてまいりたいというふうに思っております。
#218
○林紀子君 あと一点だけ。
#219
○委員長(石井一二君) それじゃ、簡単にあと一点ということで。
#220
○林紀子君 種もみ確保について、先ほども御質問ありましたけれども、この確保の問題、被害が甚大な地域の種もみは確保されているのか、モチ米も含めてどうなのかというのをお伺いしたいことが一点と、それから今までの冷害、一九八〇年、八一年などは購入費補助として三分の一、同県に対して二分の一の事務費補助というのを行ってきました。ですから、今回はそれ以上の凶作なわけですから、そのときの制度以上の補助というのをぜひやっていただきたいと思うわけです。私たちもぜひ応援したいと思いますけれども、補正予算に種もみ確保事業を含むように財政当局に働きかけて、今大変な状況の農家に頑張れと、そういうエールを送るその一つの手だてとしてもぜひこれを組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#221
○政府委員(高橋政行君) モチ米の種子の確保でございますけれども、これにつきましては先ほど申しましたウルチ米と同様な方法でその確保に努めているところでございます。それで、ウルチ米と比べますとやはり県内で確保することが困難な情勢にございますから、ほかの県から融通していただくというようなことで今調整をしているところでございます。
 それからさらに、いわゆる種子確保に当たっての助成の関係でございますが、これにつきましては、現在災害に伴う種子需要であるとかあるいは被害の状況であるとか、そういうことも詳細に調査をしておりますので、その調査の結果を踏まえましてどういうような措置をとるのがいいのか、財政当局とも協議を行ってまいりたいというふうに思っております。
#222
○新間正次君 先日、私ども農水委員会といたしまして宮城県の特に古川市を中心にいたしまして視察をさせていただいたわけでございますけれども、現地に参りましたときに委員長も大変多くの方々から陳情をいただいておりまして、私ども現実にその田んぼの中に入りまして稲穂を手にとって見ましたけれども、本当に植わったまま立ったままという、稲穂が本来ならば十分垂れていなくてはいけないこの時期に全く立ったままの稲穂である。その稲穂をとって手に置きましてぷっと吹きますと稲穂がまさにもみ殻のように飛んでいってしまうという、こういう実情を見まして本当に大変な危機を迎えているんだなと。聞くところによりますと、大体通常年収の十分の一ぐらいの収量しか収穫することができない。これは東北ばかりではありませんで、九州とか四国の豪雨あるいは北海道の地震を初めとして全国的に農林水産業に対して大変大きな影響が出ておるわけでございます。まずもって自然災害の被害を受けられました皆様方に一日も早く平穏な生活が戻りますことと、さらにはお亡くなりになりました方々の御冥福を心からお祈りしたいと思います。
 生産者対策につきましては、同僚議員の皆さんからいろいろ質問されております。私も、時間が余りございませんので、はしょって質問させていただきます。どちらかと言えば消費者のサイドに立った質問ということで御理解をいただければ、一部もちろん生産者の方の質問も入ってまいりますけれども、質問の順番が多少入れかわっておりますことを、まずお許しいただきたいと思います。
 まず、今後冷害の影響で新米の入荷がおくれてくるのではないかなということが予想されるわけでございますけれども、その対策として、緊急措置とはいえ輸入米という措置もとられる。しかし、その輸入米そのものも農薬の汚染の問題等いろいろな不安な材料も抱えているわけでございます。心配するのは、国民の皆様方の不安を除く材料としての政府の情報の不足といいますかですから在庫数量とかあるいは今後もし輸入するとすればその時期あるいは数量、あるいはまた今後の米の需給計画などの早急な公表というようなことをしていただけないだろうかということでございます。
#223
○国務大臣(畑英次郎君) 御指摘がございましたとおり、本年の大凶作を踏まえまして、年末には加工分野におきます二十万トンの緊急輸入をいたしますということを、これは情報が早過ぎた、物事の公表が早過ぎたというおしかりをいただいたケースの方もあるわけでございますけれども、事柄はやはり総合的に判断をいたしまして、今先生御指摘のとおり、物事はやはり決めたその段階で操作をせずにきちんと公表する、当然のことではないかなというふうな考え方に立っているわけでございます。
 今回はあくまでも緊急避難的な対応であり、そしてまた復田等々の計画によりましては、来年の端境期に対する対応もそれなりの準備を進めておるというのが今日の姿でございまして、来年の端境期の流動的な要素がまだいろいろございますので、数字をもってお話を申し上げる段階ではないということも御理解を賜りたいと思います。
#224
○新間正次君 それから、戦後初めての大変深刻な不足、不作ということでございますけれども、一昨日も東京のお米の小売業者の方が品薄に対するいろいろな陳情をなさっていらっしゃいました。現実にまた主婦の方なども思惑買いといいますか不安を何か大変感じておると。特に不作、凶作という情報が流れてくるわけで、ふっと思い出しますと四十九年ですか、オイルショックのときのトイレットペーパーみたいな、どうもあんなような感じも心配されるわけでございます。
 また、もう既に始まりましたお歳暮の内覧会なんかでは、お米がどうもことしは何か目玉商品になりそうだという話もちらっと聞いてはおるわけでございますけれども、このような観点から、政府としては国民の、いわゆる我々消費者の生の声を聞く努力をもう少ししていただけないだろうか、こういうふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#225
○国務大臣(畑英次郎君) まず、さらに国民の皆様方の御理解をいただきたいという意味合いであえて申し上げるわけでございますが、米そのものを国民の皆様方には御心配のないような供給義務を果たす。これは政府の責任であり、こういう大凶作にございましても米そのものを供給する体制におきましては御心配がないということを、あえてこの機会に申し上げさせていただきというふうに考える次第でございます。
 ただ問題は、今御指摘がございましたような意味合いでは、従来購入できた政府米そのものが自主流通米分野の方に大方入ってしまいまして、そういうものがないということがそれぞれの店頭においては現実起こっておる問題であるということも承知をいたしておるわけでございますが、国全体としての意味合いでの供給ということには事欠くことはあり得ない、かように重ねて断言をさせていただきたいというふうに考えるわけでございます。なおまたこういうような事態に対しましてのただいま新間先生御指摘の消費者からの声、こういうものを積極的に耳にさせていただくような努力もいたしますし、あるいは生産者の方々、各界各層の方々の御意見を幅広く聞きながら、これからの万遺憾なきを期していかなければならない、かように考えております。
#226
○新間正次君 何かお米一一〇番とかあるいはモニター制度のようなものもあるというふうにお伺いしたんですけれども、そういう制度もあるということで理解してよろしゅうございますか。
#227
○政府委員(鶴岡俊彦君) 御指摘のように、食糧庁におきましては従来から全国で千三百人の主婦を食糧モニターに委頼しまして、消費、流通に関する御意見や要望の把握に努めてそれを行政に生かしているところでございます。
 また、今回の事態にかんがみまして、食糧事務所や都道府県におきましてコメ一一〇番というような窓口を設けて、消費者からの苦情や相談に応じさせていただいておるところでございます。また、通常の行政ルートその他によりましてできるだけこちらの情報も提供しますとともに、また団体等を通じまして消費者等の要望、意見の把握に極力努めていきたいというふうに思っております。
#228
○新間正次君 それでは、時間がまだちょっとあるようでございますので、品種改良ということでお尋ねしたいと思います。
 先ほど野別議員もおっしゃっておられたようでございますけれども、最近の品種改良というのはどうもいわゆる味がよくて量がたくさんとれるということを追求するという、これは大変結構なことだとは思いますけれども、そういうことにのみ何か品種改良という技術が先行してしまって、現実にそれでは耐冷品種であるとかいもちに強いものであるとかというものに関する技術研究、今後の品種改良の技術研究のあり方についてお聞かせいただきたいと思います。
#229
○政府委員(武政邦夫君) 最近育成された品種で耐冷性の問題でございますけれども、おっしゃられるように一部については若干耐冷性が弱い。例えば北海道の場合、ことしはきらら三九七が弱かったということでございますが、あれも耐冷性から見るとやや強でございまして、ゆきひかりが強ですから、ゆきひかりに比べると耐冷性がやや強で若干弱い。ただし品質が非常にすぐれているということでございまして、決して非常に弱い品種だということではないわけでございますので、できるだけ我々の方も品種改良としては良質だけではなくて、当然そういう環境に対するストレスに強い対応性を持つ品種が大事だというふうに、これは大変力を入れている部分でございます。
 そういう意味では、名前を聞いていただくとよくわかると思うんですが、最近の中では先ほど申しましたひとめぼれ、はえぬき、まいひめ、こころまち、それからはなの舞い、つがるおとめ、こういうものもすべて耐冷性強の品種でございます。ですから、良質、耐冷性尋常に兼ね備えるように我々やっておりますし、きららにつきましても、きららにさらに耐冷性をつけるべく目下努力をいたしておりまして、これも間もなく私どもはでき上がるのではないかというふうに考えているわけです。私どもはこれからの気象災害等を考えますと耐冷性というのは極めて重要な育種目標であると思っておりますので、ここはこれからも鋭意努めてまいりたい、こう考えております。
#230
○新間正次君 大変個人的なことで恐縮でございますけれども、実は私の兄が有機農法に取り組んでおるわけでございますが、今回の場合も、窒素、燐酸、カリの各化合物のうちで燐酸化合物をバランスよく吸収させた食物に関しては、そうでないものに比べて丈夫であったというようなことも聞いております。天候不順によります被害があった地域においても、この有機農法で栽培された作物というのはむしろ化学肥料でつくったものよりも被害が少なかったという例も出ておるわけでございますが、農業全般における有機農法のこれからの位置づけというものをお知らせいただきたいと思います。
#231
○政府委員(高橋政行君) 有機農業につきましては、化学合成農薬やあるいは化学肥料というものを使わないで生産するということでございまして、こういう農産物に対します消費者の最近の安全性志向であるとかあるいは自然志向というようなものにこたえまして、生産者の皆さんがいろいろな工夫をして現在各地に見られるところでございます。
 農林水産省といたしましても、新政策の中で重要な柱として環境保全型農業の推進ということをやっておりますが、有機農業もこうした環境保全型農業の一環として今後とも推進をしてまいりたいというふうに思っております。
#232
○新間正次君 それでは、最後に大臣にもう一度力強い決意のお言葉をお伺いしたい。
 というのは、農作物といいますか、お米などを含めて大体凶作の年が二、三年は続くというようなことも、ある農家の方からお伺いしたことがあるわけでございます。したがって、来年あるいは再来年ということも長期的に考えていろいろやられていかれることは当然のことだと思われますが、とにかく我が国にとりましてお米というのは重大な食物でございますし、米不足という事態が絶対にないように決意のほど、確信のほどをお聞かせいただきたい。
#233
○国務大臣(畑英次郎君) 新聞先生御指摘のとおり、日本の歴史等々からいたしましても米の位置づけといいますものは極めて重要な要素を持っておる姿であることは御案内のとおりでございます。今回の大凶作とはいいながら、そういった事態を踏まえて今後の糧にしながら万遺憾なきを期してまいりたい、かように考えております。
#234
○新間正次君 期待いたします。どうもありがとうございました。
#235
○委員長(石井一二君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、この際、浦田君から発言を求められておりますので、これを許します。浦田君。
#236
○浦田勝君 私は、自由民主党、日本社会党。護憲民主連合、公明党・国民会議、日本新党・民主改革連合及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員椎名素夫君及び新間正次君の共同提案に係る農林漁業災害、米安定供給等の対策に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    農林漁業災害、米安定供給等の対策に関する決議(案)
  本年における異常低温、集中豪雨、台風等の災害は、全国各地にわたって、農林漁業 に未曾有の被害を与え、地域経済はもとより、広く国民経済一般にも極めて深刻な影響 を及ぼしている。
  このため、政府は、先の関係閣僚会合におい て冷害対策等に関する基本的事項を提 示したところであるが、甚大な被害は、農林漁業者の経営意欲を著しく減殺しており、 これを回復する観点から、天災融資法・激甚災害法の早期発動等既存の救済策の着実な実施はもとより、実効あみ特段の対策につき、補正予算等必要な財源確保も含めて、迅速かつ的確に実施し、被災農林漁業者が安心して再生産に取り組むことのできる体制の確立等に万遺憾なきを期すべきである。
 また、米が戦後最悪の不作となる見通しであることに対応し、転作等目標面積の緩和等により、計画的な適正在庫の確保に努め、食糧管理制度の基本に即した安定供給対策を講ずるとともに、今回の米の輸入については、緊急特例的な措置であり、国際的な米需給に及ぼす影響等に十分配慮しつつ、本会議及び本委員会における米の国内完全自給に関する諸決議の趣旨に反することのないよう万全を期すべきである。
 右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#237
○委員長(石井一二君) ただいまの浦田君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
#238
○委員長(石井一二君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、畑農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。畑農林水産大臣。
#239
○国務大臣(畑英次郎君) ただいまの御決議に対しましては、全力を傾注して努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#240
○委員長(石井一二君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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