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1993/11/09 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 農林水産委員会 第4号
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1993/11/09 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 農林水産委員会 第4号

#1
第128回国会 農林水産委員会 第4号
平成五年十一月九日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     中尾 則幸君     川橋 幸子君
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     中尾 則幸君
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     野別 隆俊君     川橋 幸子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井 一二君
    理 事
                青木 幹雄君
                浦田  勝君
                稲村 稔夫君
                吉田 達男君
                林  紀子君
    委 員
                大塚清次郎君
                北  修二君
                佐藤 静雄君
                吉川 芳男君
                上野 雄文君
                川橋 幸子君
                谷本  巍君
                中尾 則幸君
                風間  昶君
                刈田 貞子君
                星川 保松君
                椎名 素夫君
                新間 正次君
   国務大臣
       農林水産大臣   畑 英次郎君
   政府委員
       農林水産大臣官  上野 博史君
       房長
       農林水産大臣官  福島啓史郎君
       房審議官
       農林水産省経済  眞鍋 武紀君
       局長
       農林水産省農蚕  高橋 政行君
       園芸局長
       農林水産省畜産  東  久雄君
       局長
       農林水産技術会  武政 邦夫君
       議事務局長
       食糧庁次長    永田 秀治君
   事務局側 
       常任委員会専門  秋本 達徳君
       員
   説明員
       外務省経済局外  美根 慶樹君
       務参事官
       農林水産省経済  嶌田 道夫君
       局統計情報部長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (当面の農林水産行政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石井一二君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、野別隆俊君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。
#3
○委員長(石井一二君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 この際、畑農林水産大臣から欧州訪問について報告を聴取いたします。畑農林水産大臣。
#4
○国務大臣(畑英次郎君) 欧州訪問につきまして側報告を述べさせていただきます。
 ガット・ウルグアイ・ラウンドは、十二月十五日までの終結を目指して最終局面を迎えており、農業分野における米・EC間のブレアハウス合意や包括的関税化の例外問題を含めたダンケル合意案の修正に係る本格的交渉が行われようとしている段階であることは御案内のとおりでございます。私は、こうした情勢を踏まえまして、欧州を訪問して交渉の第一線の状況を直接把握するとともに、ガット事務局長やECの農業担当委員等とウルグアイ・ラウンド農業交渉について意見交換を行うため、十一月一日に日本を出発し、ジュネーブに続いてブラッセルに行き、十一月五日に帰国をいたした次第でございます。
 まず、十一月二日、ジュネーブにおきまして、十一月一日の貿易交渉委員会、いわゆるTNCの状況を含め、最近のウルグアイ・ラウンド交渉の状況を在ジュネーブ日本政府代表部大使より聴取するとともに、サザーランド・ガット事務局長とも会談をいたしたところでございます。
 会談では、サザーランド事務局長より、十二月十五日の交渉期限が迫り、各国とも交渉を成功裏に終結させるため決断しなければならない時期が来ており、日本も包括的関税化の受け入れについて国内説得に努め、ウルグアイ・ラウンドの成功に寄与してほしい旨お話があったところでございます。これに対しまして、私から、ダンケル合意案における輸出国と輸入国との取り扱いの不公平を指摘しつつ、我が国が包括的関税化の受け入れが困難な事情を説明するとともに、交渉の最終段階に臨む我が国の立場を再度明確に伝え、これを十分尊重した交渉運営を図るよう念押しをさせていただいたところでございます。
 次に、十一月三日、ブラッセルにおいて、在EC日本政府代表部大使より最近の米・EC交渉の状況等を聴取するとともに、シュタイヘンEC農業担当委員及びECの議長国であるベルギーのブルジョワ中小企業・農業大臣とも会談をいたしたところでございます。
 会談では、農政の責任者同士という立場から農政改革など農業をめぐる諸問題につき意見交換をするとともに、ウルグアイ・ラウンド農業交渉に臨む我が国の立場への理解を求めたところでございます。
 農業分野における交渉におきましては、多くの国が包括的関税化には一切例外を認めないとの強い態度を崩しておりませんで、厳しい状況にあると認識しておるわけでございますが、これらの会談を通じ、私より、それぞれ立場の違いはあっても互いの利害関係を尊重し合って相互に受け入れ可能な解決策をとるべきであることについて理解を得るべくるる説明をし、力説をさせていただいたところであり、包括的関税化は受け入れられないとする我が国の立場及びその背景事情について関係者のそれぞれ御理解は深まった、かようにも考えておるところでございます。
 いずれにしましても、今後とも、これまでの基本的方針のもとに、食料輸入国としての立場が交渉結果に十分反映されるよう引き続き最善を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
#5
○委員長(石井一二君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○佐藤静雄君 まず第一に、有史以来の未曾有の
大凶作とも言い得る今次の長雨、低温による大冷害に際しまして、農水大臣におかれましては早速我々の要求を酌み入れていただきまして従来にない画期的な対策を決定していただき、まことにありがたく、心から御礼を申し上げる次第でございます。
 さきに政府が示されました緊急経済対策六兆二千億円、これは私ども自民党が要求した額からしまするとまことに少な過ぎて不満にたえないのでありますけれども、これを組み込んで、さらにこの農業災害対策を組み込んだ予算を全国民あるいは全国の農民は一日千秋の思いで待っておるものというふうに思うわけでございますが、この補正予算を政府は一体いつ出していただけるのか、早急に出していただきたい。
 というのは、きのうから全国の農民が続々と東京に集まっております。あしたは全中主催の一万人集会もございます。いっ政府が我々の要望を予算として具現化してくれるのかということで待っておるわけでございますから、その見通しをひとつお聞かせいただきたい。
#7
○政府委員(上野博史君) 補正予算の提出の時期につきましては、これは補正予算が非常に多面にわたります項目を集めて編成をされるわけでございまして、私どもの関係の、この冷害の対策の関係の経費というのも我々にとって大変大事でございまして、できるだけ早い成立を期待いたしているわけでございますが、政府全体としての配慮、判断のもとに提出をしなければならない問題でございまして、鋭憲政府部内で提出の時期につきましては現在検討がなされているという状況でございます。
#8
○佐藤静雄君 細川内閣になりましてから一回も私どもは具体的な政策の提示をしていただいていない。具体的な政策の提示は、もちろんこれは予算としてお示しをいただくわけでございますが、これらの予算編成作業がおくれている。政治改革の問題が優先している。政治改革も大切ではございますが、この不況下においてやはり補正予算でしっかりと我々に政府の施策を出していただく、これが一番私は大切だと思うのでありますが、その点は農林水産省にお願いしてもこれはちょっとあれでしょうから別な機会に譲ることにいたします。
 今、大臣からヨーロッパの問題について御報告をちょうだいしました。これについてちょっとお尋ねをしたいのでございます。大変御無礼の段にわたることがあるやに思いますが、お許しをいただきたい。
 ウルグアイ・ラウンドの最終期限が十二月十五日に迫ってまいりました。重大な局面に入っておるわけでございますが、十一月十五日には改訂国別表を提出することになっております。こうした状況の中で大臣は、今御報告のとおり、十一月一日から五日にかけて訪欧されたわけでございます。内閣の重鎮であられます大臣がわざわざお出かけになるということになりますと、全国の農民は何があったのかなということになるわけでございます。
 そこで、御報告をいただいたように十一月二日にはサザーランドと会談されたようでございますが、サザーランドとは十月二十一日にも東京でお話し合いをしておられるようでございます。なぜこのような短期間のうちに二度も続けて会う必要があったのか、これは農民が極めて疑問に思っている点でございます。また、そもそも今回の訪欧の目的はここに書いてあるやつのほかに何かあったのではないかというふうに思われるのでございますが、大臣の御所見をちょうだいしたいと思います。
#9
○国務大臣(畑英次郎君) 先生御案内のとおり、このガット・ウルグアイ・ラウンドの問題はもう七年目に入っておるわけでございまして、そういう中にございまして、農業分野につきましては極めて各国とも難しい、困難性を帯びた項目が多いわけでございます。とりわけ我が国におきましては、包括的関税化ということは受け入れられない、いわば大きな基本的な姿勢といいますものを何としてもこの交渉結果に反映せしめたい、そういうような意味合いで、従来から御関係のそれぞれのお立場で長年にわたって汗を流していただいての大変真剣なお取り組みがなされて今日の姿を迎えておるわけでございます。そのいわば最終段階での正念場を迎えた今日におきまして、そういった先輩の皆様方の御努力に対しましても、私の立場におきましては、いわゆる念には念を入れて、そしてまた、何としてもこの基本的な物の考え方といいますものは、我が国の事情においていささかも譲ることができないという強い主張を重ねて申し上げることは事極めて大切、かような考え方に立って物事を進めさせていただいたわけでございます。
 サザーランド事務局長におきましては、先月日本に見えたときに私も一時間ばかりお話をさせていただきました。そのときも基本的な姿勢を述べさせていただいたわけでございますが、重ねて私がやはり現地に出向いて強く主張するということは、例えば先方が見えて、おれが行ったときに話を聞いてやったんだというようなことだけでもって事の決着を図られたんではたまらない、それでは責任が果たし得ない、こういう気持ちもございまして、会談の時間を現地で求めさせていただいてお伺いをしたわけでございます。
 私は、結果におきましては、やはり人間関係等々もベースにあって、物事の話し合いといいますものは同じ申し上げる内容におきましてもその受けとめ方が、その理解の度合いといいますものが高まる、そういうような期待をも込めて二回目の話し合いをさせていただいたわけでございます。やはり一回目と二回目といいますと、同じ物の言いようでもいささか冗談を交えながらずけずけと物が言えるというような意味合いでは、私は大変二回目の会談は、残念ながら平行線という姿で終わりましたが、私なりの言い分は、そして日本の実情といいますものはより厳しく受けとめていただいたんではないかなというように考えるわけでございます。
 なおまた、二番目に御指摘がございましたように、何らかのそれ以外の話し合いが水面下で云々と、あったんではないかというような御懸念を一部新聞等々で拝見するわけでございますが、そういうことがあり得るはずもございませんし、何といっても国会決議あるいはまた私どもの連立政権のスタートの際の八党派の合意、こういうものの基本的な立場というものを踏まえての私の立場、主張、こういうことを重ねて実行させていただいた、かように御理解を賜りたいと思っております。
#10
○佐藤静雄君 くどくなりますけれども、ECのシュタイヘン農業委員とも三日に会談をなさっておられます。例外なき関税化の問題では、大臣が米については例外を設けるべきであると強固に主張されたというふうに報道されております。さらに今大臣の御答弁にありましたように非常に誠実に、しかも熱心に我が国の主張を貫かれたということは大変私ども評価をいたすところでございます。
 しかしながら、結局平行線に終わったということでございますが、もともとECの関税化の考え方は、米国の関税化提案やダンケル案とも違うというふうに私どもは聞いております。アメリカはECの関税化をダーティータリフケーションといって、汚い関税化というふうに呼んで、対EC農産物輸出はもしこの案でいけば現在よりも減るんじゃないかというふうに考えて、非常に農民団体等は激しく反発しているというふうに聞いております。このようなECの事情を御承知の上でお会いになったのかどうか、その点についてもお聞かせをいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(畑英次郎君) 御指摘のとおり、シュタイヘンEC農業担当委員にもお目にかかりまして、我が国の立場に対する御理解を、そしてまた、いわば同志的立場に立ってほしいというような気持ちを持ちましてお話をさせていただいたわけでございますが、今佐藤先生御指摘のとおり、いわゆるブレアハウス合意、こういった問題をめぐってEC内部ではいろいろ問題もある、あるいはま
たアメリカ側におきましてもこの問題は再交渉の余地はないというような意味合いの点を含めまして、種々問題点を呼び起こしておりますことも十二分に承知をいたしておるところでございます。
 そういう中にございまして、私自身がシュタイヘン農業委員に申し上げましたことは、いわゆるブレアハウス合意等々、これも一つの例外的な取り扱いである、同じ位置づけで我が方の基本的な包括的関税化はのめないということも、これは例外的な取り扱いというような現実対応の解決案を考えれば当然そういうのは同じ位置づけではないかと。さような意味合いで、EC側の立場におきましてもこの問題を御理解願いたいということを強く主張させていただいたところであるわけでございますが、残念ながら、この関税化に置きかえるということがいわば基本的なあるべき姿であるというような認識を変えていただくことにはなりませんでしたけれども、ただいま申し上げたような実情を踏まえながら、問題点を指摘しながら、現実的な例外的な取り扱いというものは交渉事の最終段階では当然考えてもらわなくちゃならないということを強く主張させていただいたところでございます。
#12
○佐藤静雄君 報道によりますと、大臣は今月末に訪米なさるというふうに報道されております。
 現在、アメリカにおいて最も厳しい通商政策問題は、むしろ農産物じゃないのであります。NAFTA、御承知のように今NAFTAが、クリントンがせっかく出しても批准されないような状況にあるわけでございます。必死になって今クリントンは議会に根回しをかけておる状態でございます。そのNAFTAが通商問題としては最高の問題であります。そのほかにMTO、御承知のように多角的貿易機構構想、これはアメリカは到底のめないということで、これも非常に問題視をしている。それから南部の繊維産業の保護の問題でございます。これについては、もうガット・ウルグアイ・ラウンドなんかは念頭になくて、どんどん秘密裏に譲っておるというような状況でもあると聞いております。農業分野における交渉はもはや最優先的な課題ではないというふうに私ども聞いておるわけでございます。
 しかしながら、農業分野における交渉は、NAFTA、MTOあるいは繊維、これらの問題とパラレルに結びついておるわけでございます。これらの交渉結果を慎重に見きわめて訪米なさるんなら結構でございますが、今その問題の渦中になっているわけでございますから、そこに飛び込んでいくということはいかがなものかなというふうに私ども考えております。この点について御所見を賜りたいと思います。
#13
○国務大臣(畑英次郎君) 端的に申し上げますと、実は訪米云々の記事を見ました私がおやと思ったぐらいでございまして、そういう考え方は現在私の頭の中には全くございませんし、なおまた事務方の日程にもそういうことを検討しておる実態は全くない、こういうようにまず御理解を願いたいと思います。
 なおまた、今御指摘がございましたように、NAFTAの問題あるいはMTOの問題等々万般にわたりまして、やはり今月から来月に向けまして、各分野におきまして難しい問題が結構数多く残っておる。そういうような段階であるということも十二分に承知をしながら、何となくこの農業分野だけがただ一つ残っておって、何が何でも成功させるためには大いに譲らなくちゃならないなどという間違った認識のもとで物事を運んではならない、かように考えております。
#14
○佐藤静雄君 十一月七日の報道各紙によれば、クリントンはアメリカの農業関係者に、米国の輸出機会をふやすために日本と交渉している、近いうちに日本に対して米の販売ができるようになるというふうに述べたとされております。対日米市場開放交渉で具体的な見通しができつつあることを示唆しているという報道でございます。従来から報じられてきましたジュネーブにおける塩飽審議官とアメリカの交渉官、これが秘密合意をしたというような報道の裏づけの形になっていはしないかというふうに、心配をしておるわけでございます。
 その辺、クリントンさんの発言の真意はわかりませんが、全国の農民は恐らく秘密合意をクリントンは発表したんじゃないかというふうに考えておるわけでございますが、この点については大臣の御所見いかがでございましょうか。
#15
○国務大臣(畑英次郎君) ただいまの御発言の内容につきましては、全くそういう事実はないというようにはっきり断言をしてはばからないところでございます。いわゆる対日米の輸出ということの意味合いのものは、現在の段階では、御承知のとおり、本年度のこの大凶作に対する一年限りの緊急避難的な輸入という事柄にただいま取り組まさせていただいている。それ以外の問題につきまして、先生御指摘のような内容のものが合意を見た、あるいはまた話が進んでおる、そういうことは一切ない、かように重ねて申し上げる次第でございます。
#16
○佐藤静雄君 断言をしていただきましてありがとうございました。早速あした、農業団体の者が来ておりますので、大臣のお話をお伝え申し上げたいと思います。
 次に、十一月十五日まで各国は関税引き下げなどの改訂国別表を提出する約束になっております。それについてお尋ねをしたいのでございます。
 これも報道でございますが、大臣が訪欧中に米については白紙で出すとおっしゃられた情報が、政府筋の情報として報じられました。さらにまた、十一月初旬の新聞各紙に、今回国別表はすべての項目について白紙で出すというふうに農水省から表明されたというふうに報じられておりますが、残念ながら私ども国会議員は一回もそのようなことの御説明を受けたことがございません。
 そこで、十一月十五日、タイムリミットが迫っておるわけでございますから、改訂国別表の内容を政府はもう既にお決めになったのかどうか、これが第一点であります。
 第二点は、ガット本部に出す前に、我々に御説明をいただけるのかどうか、それが第二点でございます。
 それから第三点は、農業交渉への日本提案では、米などの基礎的な食料の輸入制限堅持だけではなくて乳製品、でん粉など、我が国の農業にとって極めて重要な産物の国境措置を守るためにガット十一条二項(C)、国内で生産調整がなされておる品目についてはむしろ強化を求めたはずでございます。これら米以外の重要農産物についてはどのような考え方で国別表を出されるのか。
 以上三点についておただしをしたいと思います。
#17
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま約束表の問題につきまして、佐藤先生がそういった話は聞いたことがないというお話でございますが、私も事務方からそういう話を聞いたこともない、そういう実態はない、こういうように御承知を願って結構ではないかというふうに考えておる次第でございます。そういった一つの物事の方針といいますものが固まりました場合、これはやはり国会に御相談を申し上げる、そういうことは当然のことではないかなというように御承知おきを願っていただきたいというふうに考えるわけでございます。
 なおまた、御指摘がございました乳製品あるいはでん粉等々、こういった問題につきましては、ただいま従来の農産物につきましての包括的関税化、例外なき関税化といいますものは、我が方としてはそれぞれの難しい実情があり、事情があり、国内事情があって困難だという折衝を引き続き粘り強くただいまやらさせていただいているわけでございますから、さような意味合いの今日の姿でございますので、具体的な内容が詰まったとかいうことは今日ただいまない、かように御承知おきを願いたいと思います。
#18
○佐藤静雄君 大変念押しで恐縮でございますが、もし国別表をお出しになる際には、我々にある程度御説明をいただけるというふうにとってよろしゅうございますな。
#19
○政府委員(眞鍋武紀君) 若干事務的なことでご
ざいますので、御説明をさせていただきます。
 国別表については、現在交渉中でございます。ウルグアイ・ラウンド交渉をやっておるわけでございまして、米その他について例外にしろということで、ルールの変更を求めておるわけでございます。それから、いろいろな関税引き下げ交渉をやっておるということでございます。その交渉結果を踏まえて出す、こういうことになるわけでございます。
 国会との関係につきましては、先般のこの委員会でも御説明を申し上げたところでございますが、政府としては、国会のこのような御議論なりあるいは国会決議を踏まえまして、それを交渉結果に反映させるように、実質問題としてそういうことで努力をしておるわけでございます。
 しかしながら、国別約束表そのものは昨年出しておるわけでございますが、これは政府部内の一定の手続を経た上でガットに提出をする、こういうことになっておるわけでございます。それで、国会との形式的な関係は、合意文書の締結に当たりまして国別約束表というのは、その合意文書案の一部として国会に提出をされて、それで国会の承認を求めるというふうな手続になるわけでございます。条約と同じようなことになるわけでございます。
#20
○佐藤静雄君 事務方の精密な御意見を聞きまして、やはり事前には難しいんだなということがわかりました。わかりましたんですけれども、このような重大な問題でございますから、これは出すに当たってあるいは出した後、やはり国会に詳細に説明する、それは私は議会制民主主義の国で当然だろうと思います。そういう機会はお持ちになりませんか。
#21
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま局長の方からも御説明させていただいたわけでございますが、国会というお立場を十二分に踏まえた中でのいわゆる物事が形にあらわれた段階で正式に重ねて協議を申し上げる、そういう事の運びでございます。
#22
○佐藤静雄君 次に、お米の自給の問題に入りたいと思いますけれども、平成五年三月策定の米穀の管理に関する基本計画によりますと、平成五米穀年度の持ち越し量は三十五万あるいは四十五万トンというふうに考えたわけでございますが、現在実質持ち越し量は二十五万を割っておるんじゃないかというふうにいわれておりますけれども、実態はどうでしょうか。
#23
○政府委員(永田秀治君) ただいま御指摘がありましたとおり、本年三月に策定した基本計画では三十五ないし四十五万トンという持ち越し在庫を見通しておりましたところ、五年産米の出回りが相当おくれました。おくれましたことから、四年産米の販売数量が当初計画しておりましたものよりもかなり増加している、こういう見込みでございます。
 このため、本年十月末の四年産米の持ち越し量は、現在取りまとめ集計中でございますけれども、二十万トンをやや上回る程度のもの、こういうふうな見込みでございます。
#24
○佐藤静雄君 今年産米の見通してございますけれども、作況指数が七五というふうに発表されております。七五でありますと七百九十三万トン程度ですね。
 私は、最終見通しはもっと悪化するものというふうに考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
#25
○説明員(嶌田道夫君) 水稲の作柄につきましては、御承知のように成育段階に応じまして八月、九月、十月、収穫期と四回調査公表をしているわけでございます。最終的な結果は西日本などの一部の地域におきましてはまだ刈り取りが現時点で終わっておりません。そういうこともございまして、全国のすべての刈り取りが終了します収穫期の調査を取りまとめまして、それを毎年十二月の下旬に公表する予定としているわけでございます。
 このようなことでございますので、現時点におきまして最終的な作況指数がどうなるかということはなかなか予想することが困難な状況にございます。
#26
○佐藤静雄君 なかなか困難だということでございますが、現地で我々見た限りではよくはならない、数ポイント落ちるんではないか、こういうふうに考えておるところでございます。仮に作況指数七五とすれば、平成五年産米は、これも農水省の調査をいただいたわけでございますが、生産量が七百九十二万トン、必要需要量は政府の見通しては、今米穀年度は一千五万トンでございます。二十万トンという持ち越し量を仮に認めても、二百万トン程度が絶対不足量となりますけれども、この絶対不足量にどういうふうに対応するのか、方針をお聞きしたい。
#27
○政府委員(永田秀治君) 十一月一日から始まります六米穀年度でございますけれども、ただいま御指摘のあったような状況下であります。
 食糧管理制度のもとで国民食料の基幹である米を安定的に供給するということで、まず一つは五年産米の全量集荷に向けまして、これは国を初め都道府県、市町村、それから生産者団体、集荷団体、これらが一体となって今全力を挙げて集荷に取り組んでおります。それから六年産米につきましては、転作等の目標面積の見直しを行っております。六年産の新米の早期供給の推進を図る、こういうことをやることにしております。それから政府米と自主流通米を一体としました需給操作、実需要に応じた地域別、時期別の大変きめ細かな計画的販売を行うことにしております。
 それから、年末年始に向けまして自給に問題があるもちでありますとか米菓等の加工用の米につきましては、二十万トンの緊急輸入を行うことにしております。
 さらに、主食用につきましても、その安定供給を図っていく上で必要な量の輸入等を行う、こういうことでございます。その実効が上がるように最大限の努力を傾注していくこととしております。
 なお、六米穀年度の具体的な需給につきましては、現段階では集荷の見通してありますとか他用途利用米の主食への充当、それから六年産米の早食いの可能性、需給動向等、不確定要素が多いのでこれらの動向を見きわめる必要がある、このように考えております。
#28
○佐藤静雄君 御答弁は御答弁でお聞きいたしましたけれども、結局は米はとれないのでありますから、昨年からの持ち越し量ととれないそれだけの米とを合わせれば、どうしても足りないという結果が出るわけでございます。その足りない部分は輸入するしかないというふうに思われます。
 そこで、平成六年産の早食いと海外からの輸入に頼らざるを得ないということでございますから、できれば日本人の嗜好に合った短粒種を中心とした輸入をしていただきたい、こう思うのでございますが、現在短粒種の流通は非常に少のうございます。たしか少ないはずでございます。どのくらい主食用に適した米の短粒種の流通があるのかどうか、それをお聞きしたい。
#29
○政府委員(永田秀治君) 一般的に申し上げますと、ジャポニカ種を含みます中粒種あるいは短粒種は低温に強いということで、日本それから朝鮮半島、中国の中北西部を中心としております。それからまた北アメリカの西部、オーストラリア等でも一部栽培されているところでございます。
 御質問の、現在世界で取引されている米のうちで、中・短粒種がどの程度あるかということは不明でございます。実は私どももFAO、国連の食糧農業機関等に照会をしておりますが、そういうような資料はないということであります。しかし、こういう状況のもとで、今回の輸入に当たりましては必要に応じまして担当官を関係国に派遣するとともに、輸入業者等を通じまして情報収集に努めているところでございます。最終的にどこの国からどういう種類の米を輸入することになるかは未定でございますけれども、できるだけ国内の用途、ニーズに適合した米を安定的に、さらにかつ確実に買い付けるように努めてまいりたい、かように考えております。
#30
○佐藤静雄君 いろいろ短粒種の、あるいはシャ
ポニカ米の流通については報道もございますけれども、これは報道でございますので、政府の正式な答弁は不明だということでございますが、到底百万トンをオーバーするジャポニカ米の流通はないはずでございます。ないはずです。したがって、この場合主食用に不適な長粒種も主食用に輸入せざるを得ない。あるいは主食用に混入せざるを得ないというふうに思われますが、これは先ほど来の答弁ではその量がどのぐらいになるかといってもお答えがないんだろうと思いますけれども、日本人の嗜好に合わない長粒種を混入した、あるいは長粒種だけの輸入もせざるを得ないと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
#31
○政府委員(永田秀治君) ただいまお答えをいたしましたように、国内の用途、ニーズに適合した米をできるだけ最大限の努力を払いまして買い付けるということでまいりたい、かように考えております。
#32
○佐藤静雄君 食管法の目的は、御承知のように「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並二流通ノ規制ヲ行フコト」と、これが目的でございます。
 今まで申し上げておりますとおり、ことしは主食用好適米の量の確保はままならず、安定的価格も困難その極に達しております。非常に全国で今米の値上がりが続いております。せっかくの食糧庁の支持価格もほとんど守られておりません。私の地元の福島では、正月を控えてモチ米が一俵六十キロ六万円となっております。さらに自由米と称するやみ米は全国に蔓延しております。法律の目的にある安定確保、安定価格、正規正常な流通、いずれも根底から揺すぶられておるわけでございます。これで果たして食管法が正常に機能しているかどうかこの点に国民は大きな疑問を持っておるわけでございますが、これについて大臣の御見解を賜りたいと思います。
#33
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま先生御指摘のとおり、残念ながら実態としましては、従来の政府米価格、そういうものを上回る値上がりという実態にあることは私も率直に認識をいたしておるところでございます。問題は、先ほど来、そしてまた既に御案内のとおり、異常な大凶作ということを踏まえました中における自主流通米の混入、その度合いの比率等、従来では考えられなかった混入比率等々、かような意味合いでは値上がりという残念な実態を今生じておるわけでございますが、いわゆる便乗とかあるいはまた悪質なという要素が加わることのないように食糧事務所等々を督励しながら、関係機関の御協力をいただきながらこれからも鋭意努力を続けさせていただきたいなというふうに考えます。
 いささか弁解がましくなるわけでございますが、異常な、それこそ未曾有の大凶作といったような中における対応が残念ながらそういう結果を呼んでおる、そういうことにつきましてもいささか御理解がいただければありがたい。しかし、それに甘えた姿の中で事を見過ごすというようなことがないように引き続き督励をしてまいりたいと考えております。
#34
○佐藤静雄君 次に、今度の米の輸入が世界各国に与える影響についてお聞かせをいただきたいのでございますが、百万トンあるいは二百万トンの米の輸入を余儀なくされるために、九月三十日に日本が二十万トンの緊急輸入を決定しただけでアメリカ、タイの輸出国において既に取引価格が暴騰しております。現在まで終了したタイ米の買い付けが十三万三千トン、アメリカ米の買い付けが一万四千トンと聞いておりますけれども、これから先百万トンを超える買い付けが行われるとすればこの騰勢はますます激しくなるものと思われますが、その点について御所見を賜りたいと思います。
#35
○政府委員(永田秀治君) 世界の米の生産量に占めます貿易量の比率というのは大変少のうございまして三ないし四%ということで、米は大変自給的色彩の強い商品でございます。今回の緊急輸入に際しましては、輸出国側の生産事情、それから輸出余力も十分に把握いたしまして、国際相場などの貿易関係に及ぼす影響に十分配慮しながら、適切な輸入が進められるように私どもも留意してやってまいりたい、このように考えております。
#36
○佐藤静雄君 時間がございませんので、ちょっと大塚先生の時間に食い込むかもしれませんが……。
 今、食糧庁からお話があったように、米の貿易量は千三百万トンでございまして、商品作目としては極めて少ない量、現在米の買い入れ国はアフリカ、旧ソ連あるいは東南アジア、発展途上国が主なる国でございます。これらの国々が形づくってきた安定した米貿易を日本が割り込んでいってそしてぶち壊してしまう、巨額な負担をこれらの発展途上国の住民にかけてしまうということは、まさに経済大国である日本のエゴであります。こんなことが私は許されるとは思わない。これは緊急的に一時しょうがないとしても、こんなことは永続的には許されないというふうに考えます。これらの貧しい国々の人の怒りを考えた場合に、やはり米は日本で自給せざるを得ない、そういうふうに私は考えております。そう思うのでございますが、この点について大臣の御所見をいただきたいと思います。
#37
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま先生御指摘がございましたように、米の世界的な貿易量が大体一千万トンから一千三百万トン、そういう中にございまして先生御指摘のように既に輸入国それぞれが毎年コンスタントに買い付けをなさっていらっしゃる。さような意味合いでは、我が国の今回のこの事態によっていささか御心配、御懸念、御迷惑をかけつつあることもこれまた事実、そういうことを踏まえながら慎重なこれからの対応が必要であるというように考えておるところでございます。
 私どもにおきましては、先生御指摘のような意味合いからしました自給体制、そしてまた、本年は残念ながら我が国が異常気象に見舞われたわけでございますが、従来の輸出国側におきましても大干ばつ等々があり得る、こういうことも踏まえました場合に自給体制の堅持といいますものは必要であるということも、ただいま交渉の相手方にも先生御指摘のような意味合いを込めて主張をさせていただいておるところでございます。
#38
○佐藤静雄君 最後に、今回の教訓を受けまして国民あるいは農民が考えたことは、我が国の食料備蓄政策があってなきがごときもの、極めて脆弱なものだと。したがって、食料とエネルギー、これは民族生存のための必要最小限の基本物資でございます。石油は御承知のように石油備蓄法を定めまして百六十日分、これを義務づけて国家と民間の間で分けて備蓄をしておるわけでございます。さらにこれでも足りないからもう少し備蓄しようということで計画も持っておるというふうに聞いております。国費あるいは民間の費用で一兆円ぐらい備蓄にかけております。これと比べますと米の備蓄は全くお寒い限りでございまして、これは百万トンを備蓄してもたった四十日程度のものでございます。新しい備蓄目標を真二十万トンというふうに定めたようでございますが、これでも私は不十分だというふうに思っております。
 これは、結局は食管制の会計の中で考えれば負担がそういうふうになってくるわけでございますから、それはもう食管法の中でお考えになるんじゃなくて、回転備蓄で一銭も払わないというようなことではなくて、今申し上げましたように、国の存立、国民の生命に関することでございますので、やはり棚上げ備蓄的なものを取り入れて二百万トン、少なくとも八十日分とか、そういう備蓄を考えていく。その処理は、食管会計の中でなくて、ODA予算が一兆三千億もおるわけでございますからODA予算とリンクさせるとか、また食管会計の枠を飛び越えてやっぱり一般財源でそういうことを考えないとこれはやっていけない。その点について農水大臣の御所見をお聞きいたします。
#39
○国務大臣(畑英次郎君) 先生御指摘のとおり、石油の備蓄との目で見た、肌で感じた受けとめ方におきましては、いろいろ御指摘の点を私どもも
感ずるわけでございますが、石油と米、これは同じ位置づけをすることにはいかないというように考えるわけでございます。米は我が国で生産をしておる、そういうような実態の中におきまして、先生御指摘のこれからの備蓄の問題は、さらに掘り下げた論議の中であるべき姿をつくり出していきたい。
 そういう中にございまして百三十万トンという数字を、来年の十月末には残念ながら在庫はゼロという姿の中から二年間によって百三十万トンという数字をつくり出そうということを当面の一つの努力目標にさせていただいておるわけでございますが、これからさらなる、従来の百万トンという数字も御関係の皆様方のそれなりの真剣な論議の中からの数字でございますから軽々には受けとめてはならないということをかねて申し上げたこともございますが、そういう中からの百三十万トン、さらにまたこういう実態を踏まえての引き続き論議を重ねながら今後の対応に万遺憾なきを期してまいりたい、これからの本格的な論議も私ども必要であろう、かように考えておるところでございます。
#40
○佐藤静雄君 終わります。
#41
○大塚清次郎君 私は、去る十月二十二日のこの委員会での畑大臣に対する質問に続きまして、再びガット農業交渉のことについてお尋ねをいたしたいと思います。
 今度欧州訪問をされました。五日間の非常に駆け足で大変だったと思います。御苦労さまでございます。また、この訪問の成果についてはここにペーパーでお出しいただいております。いろいろ困難な旅だったと思います。そこで一点だけ。
 サザーランドと会われてからジュネーブでECのシュタイヘン農業担当委員と会われておる。その際に、ペーパーにはないわけですが、やっぱり米国とECの合意の修正と、それから米の例外化、それについての日本側の要求、これはどうも受け取り方がアメリカと通じておるところがあるんじゃないかと思うんですね。表ではけんかしているようだけれども、どうも中ではやっぱり肌の色が一緒ですから、そこに来ているんじゃないかと。これは牛肉・かんきつのときもそうでした。そういう意味でシュタイヘンはむしろ畑さんをたしなめておるようなことが聞こえてきましたけれども、その点についてだけ簡単に感触を。
#42
○国務大臣(畑英次郎君) シュタイヘン農業担当委員のそのときの雰囲気を端的に申し上げますと、EC・米国間のプレアハウス合意についての再協議といいますかこういうものが積極的に行われていないのでいささかいら立ちを覚えておるというような表現が私自身の印象に強く残っておるところでございます。
 しかしながら、実態につきましては大塚先生御指摘のように、どういうことかそれはうかがい知るよしもないわけでございますが、私自身は、我が国の例外的な取り扱いといいますものは、ブレアハウス合意に見られるとおりやはり各国それぞれ特殊事情があり、しかもそれでもEC内部がまだ問題を抱えておるではないか、さような意味合いで我が国に対する理解を深めてほしい、こういうことを主張させていただいたということでございます。
#43
○大塚清次郎君 その辺をしっかり見きわめて対処されたいと思いますが、これはいろいろ後から最終になって問題が出てくると思います。
 それから、大臣に最後にひとつ確固たるお考えを伺う前に、共通認識として持っておかなきゃならぬ点が二、三ございます。
 それは、経済局長にまずお伺いしますが、この米国・ECのブレアハウス合意の修正については近いうち最後の要求があると思いますけれども、例えばブリタンがアメリカのUSTRのカンターと会うようなこと、それを持って日本に来るというようなことがありますが、その辺、合意についての見通し、これはなかなかできないでしょうけれども、今の感触としてどうなのかこれをひとつ経済局長にお尋ねしたいと思います。
 それからもう一つ、アメリカが持っておるウエーバー品目、これは実は怨嗟の的なんですよ、創業者利得といっておりまして。これがどうもNAFTAでも確保されておる、アメリカの場合。これは今度のガットの場合はどうなるのか。その辺について今までの話し合いではどうなっているのか、この八年間で。これを一つ伺っておきたい。
 それから、そのほかにEC圏内だけでも各国に輸入制限品目が数多くあるんですね、日本以上にあるんですね。これはどう今扱われておるのか、これと並行的に、日本の問題と。そういう点につきまして、時間がありませんのでひとつごく要点だけ経済局長から伺いたいと思います。
 さらに十一条二項(C)、先ほど佐藤委員からありましたが、この強化についてのことは今お触れになりましたからなんですが、その三点だけを経済局長から。
 それから外務省にお伺いしますけれども、NAFTAの米議会での批准、これがウルグアイ・ラウンドに大きなかかわりを持ってくるということは、これは当たり前です、保護主義か自由貿易かということですから。この動向がどうなるのか、今どう外務省は見ておられるか。
 それからもう一つは、ガット交渉の全分野の中で、農業はその分野の一つなんですが、それが相互に絡んでいるのはわかりますけれども、その中で市場アクセスあるいはサービス貿易、知的所有権、特に私は金融の面について非常に大きな対立が、農業以上の対立があると聞きますけれども、そういうことはどうなっているのか。農業は農業だけ取り上げて言っておりますので、なかなか表に出てこない。ひとつありのまま言っていただきたいと思います。
 それからもう一つ、非常にこれは大事なことですが、東京ラウンドでも問題になって、これがファジーな形で運ばれてきましたけれども、ガット条約ができたとき、その履行を担保する紛争裁定、こういうのが今までパネルで行われておったわけです。だから、だれかがだれかにくっつけば、すぐ片方で勝ち負けが決まるということですが、そういうことじゃいかぬと日本も大いに主張しておると思いますが、そういう点についての運びはどうなっておりますか。
 さらに考えなきゃならぬのは、アメリカの三〇一条の制裁法に象徴されるように、国内法でそうやれば、国際条約をガットでやってもそれを拘束できないという事態、こういうのはここでしっかり歯どめをしなきゃならぬじゃないかということについての扱いがどうなっているのか、さっぱり霧の中でわからない。これは私は、前の東京ラウンドのときは、こんなに木で鼻をくくったような、外交上の秘密だということではなかったと思うんです。我々国会議員にも、どうだろうか、こういう要求をしてきているがどうだろうかということがあっておったわけですが、今度はそれが一向にない、非常にさま変わりしておる、交渉についてのいわゆる国会と行政府の関係が。これは非常に問題だと思いますが、そういう点をまず事務的に要点だけ。
#44
○委員長(石井一二君) 質問が多岐にわたりましたが、的確に順次御答弁を願います。
#45
○政府委員(眞鍋武紀君) まず、ブレアハウス合意の今後の見通してございます。
 これにつきましては、ブレアハウス合意の見直しといいますか明確化というふうなことで、カンター、ブリタン両者の間で話し合いが二回ほど行われたわけでございますが、進展がなかったというふうに報道されておるわけでございます。それで、それぞれお互いが相手側に責任があるというふうなことを言い合っておるというふうな状況でございまして、ただいま農林水産大臣から御答弁がございましたように、両者とも若干いら立っておるというか、そういう状況でございます。
 今後どうなるかという点につきましては非常に不透明でございます。交渉期限が十二月十五日ということで迫ってまいっておりますので、両者の動きが活発化してくるというふうなことも予想されるわけでございますので、現在のところ大変見通しが困難であるということしか申し上げられな
い状況でございます。
 ただ、ただいま御指摘がございましたように、ブリタン委員がアメリカを訪問するというふうな報道があったわけでございますが、けさの報道ではそれを取りやめたというふうな一部報道もございます。そういうことで確認がとれておりませんが、いずれにいたしましても現在非常に見通しが難しいということを答弁させていただきます。
 それから、関税化の問題でアメリカなりECがどうするのか、こういうことでございますが、アメリカにつきましては、ウエーバー品目すべて関税化をするというふうなことで方針を決めておるわけでございます。
 それからECにつきましても、ECも当初加盟国の中からいろいろと関税化反対という声もあったわけでございますが、いろいろと説得をし、大体もうすべて関税化をするというふうな方針を決めたというふうなことでございまして、両者ともこのすべてのものについて関税化をするという点については一致をしておるというふうな状況でございます。そういうことから我が国に対しても関税化を受け入れるようにと、こういう要求を行ってきておるところでございます。
#46
○説明員(美根慶樹君) まず、NAFTAの関係でございますけれども、NAFTAにつきましては、労働あるいは環境の点で大変激しい論争が米国内にあるのはよく御承知のことと思います。
 この点に関しまして、米国議会に対しまして十一月三日に行政府の方から補完的な協定が提出されて、現在審議が行われておるところでございます。審議の見通しということでございますけれども、大変難しいところでございまして、私どもこれの去就いかんではウルグアイ・ラウンドにも大いに関係が出てくるということでございますので、いろいろな方面で情報収集等に当たっているところでございますけれども、現在のところ批准されるということについて楽観を許さない状況だということで、引き続き注意しておるところでございます。
 なお一点だけ、カナダにおきまして選挙の結果新しい首相が選ばれたわけでございますけれども、NAFTAにつきましては若干の点で規定をさらに明確化する必要があるという問題提起をされておるようでございます。しかしながら、再交渉になるという可能性は低いのではないかというふうに見ております。
 それから、農業以外の市場アクセスの問題でございますが、先生先ほど御指摘のとおり、特に金融なんかにつきましてはまだ大きな問題が残っておるというのはそのとおりでございます。現在まだ交渉中でございます。これにつきましては、日本に対しても各国からの要求がまだ残っております。特に自由化が十分でないといったことで、さらに引き続きもっと大きなオファーをするようにという要求がございます。
 それからアメリカにつきましても、まだアメリカは金融を例外にしたい、サービス自由化の例外にしたいということで頑張っております。いろいろな理由を挙げておりますけれども、そのようなことから、確かに金融につきましてはまだ大きな問題が残っております。これについて現在交渉中でございます。
 ただ、私どもといたしましては、金融等その他の問題も含めまして、十二月十五日というこのウルグアイ・ラウンドの交渉期限には全体の合意を成立させるということで各国とも交渉をやっておるところでございます。したがって、それまでには一定の合意というものが成立するはずだというふうに考えております。
 それから紛争処理の方法等々でございますけれども、これについては最終的にウルグアイ・ラウンドが成立した場合に、全体の貿易に関する国際的なメカニズムをどのようにするか。一言で言いますと、現在のガットにかわる新しい包括的なメカニズムをつくるべきだという方向で議論が行われております。これについてもまだ最終的な合意には至っておりません。しかし、この包括的な貿易機構というものができ上がった場合には、その中で紛争処理というものも一つの大きな項目として扱われるということで、今その詰めの交渉が行われておるところであります。
 それと、米国の国内法との関連ということについても若干言及がございましたけれども、私どもといたしましては、国際間でウルグアイ・ラウンドの交渉の結果、そういう新しい枠組み、新しい合意というものができた段階では、各国がそれぞれ国内の国内法を振りかざして一定の措置に出るということは許されるべきものではない、またそういうことはないというふうに考えております。
#47
○大塚清次郎君 今答弁をいただきました。そこで畑大臣にお尋ねしたいと思います。
 この前の本会議でも大臣やっぱり明確な既定方針を貫くというスタンス、これをはっきりされました。そういうことでございます。
 それから、十月二十六日、衆議院の農水委員会がございました折、細川総理、保利耕輔委員、また保利委員に対する畑大臣の御答弁でもそういったような猶予期間づきの関税化の提案なんか、そういうものは一切ないんだと。事務段階を厳しくチェックしてみたが、そういう痕跡も全然ない。いろいろ今言われておるのは、そういうことが内外から聞こえてくるのは、新聞報道の情報操作だとさえ言っておられます。これはそうであればこれにこしたことはないわけで、大臣の厳然たる考え、総理の決意、ありがたいわけでございますが、どうもそれは建前なのか本音なのか。やっぱり私が思うにガット、ジュネーブでこの猶予期限つきの提案がなされておるんじゃないかこれは。そう思わざるを得ません。もう既に大臣の訪欧を前に、複数の政府筋は、これは細川総理が今度日米会談、APECと同時に行われる日米会談に行くとき、米問題で言及されたらここでは何らかの応答をしなきゃならぬようになる。だから、それをどういうようにするかということになると、政治判断をする場合には三つ、四つの選択肢があるということで、あたかもあの東亜日報のスクープを契機にしたその後の一連のものの上に、この三つ、四つの選択肢が組み立てられておる節があるということです。
 やっぱりそういう火種があるからこんなことが表に出てくるということ、そしてヨーロッパのブリュッセル発の報道でも、あなたがおいでになったことをいわゆるこの部分開放案が表に出てしまったからその取り繕いのために畑大臣はヨーロッパに来たんだろうというような報道の仕方はまことに非礼だと思うんですが、そういう報道がされている。もっと生々しいのは、既に十月二十五日ですよ、共同のワシントン発ですが、これはエスピー、米国の現農務長官、米の関税化の実施時期を六年間猶予する案がミニマムアクセスと組み合わせて日米間でジュネーブで話し合われている、米国としても受け入れ可能な案であると報じている。これは間違いないでしょうね。交渉当事者ですよ、USTRというのは。
 それを受けたかのように武村官房長官は衆議院の内閣委員会で、外交交渉はすべてオープンとはいかない、公表されないこともあると。これは裏書きすれば水面下での交渉を示唆しておるということでございます。それゆえに、そしてまた国会決議をもってしても政府の手足を縛ることはいかがなものかという、私はこれは議院内閣制の中で非常にゆゆしい問題だと思うわけでございます。
 さらに、先ほど佐藤委員が触れられたように、十一月七日のワシントン五日発の共同では、アメリカの大統領が、幾らかは選挙区向けのことであるにしろ、農業者団体へのリップサービスとは言えない表現でこの交渉が進んでおるということをはっきり言っておるということがございます。この点を尋ねてから先に行きたいわけでございますが、時間がないので続けますけれども、今後の交渉を片方で考えてみた場合に十一月十五日、十二月十五日という一つの交渉の節目があります。米とECが話し合いをして何が何でも落着させた上で日本に来て、あるいは韓国を訪ねて、いわゆる水面下で交渉されたそういったような猶予期間づきの関税化、ミニマムアクセスつきのものをのま
せるための来日じゃないかと私は思うんですが、そういう点で非常にここのところが大事な段階だと私は見ております。
 そして次から始まる第二ラウンド、十二月十五日が一応設定されておりますが、それまでの間いわゆる四極会議や日米首脳会談や、あるいはそのときになって畑大臣が行かれるか、外務大臣が行かれるかして十二月十五日になだれ込むということになってくる。それまでにまたジュネーブでは二国間であるいは複数国間であるいはマルチでTNCを初めいろいろあって、そういうものの連携の上にまとめられていくというようなことを想像するのは私一人じゃないわけでございます。
 しかし、私どもにとってはこの米の関税化に代表されるような例外なき関税化は受け入れられないという非常に高いハードルがあるわけでございます。また状況としてもNAFTAの問題があり、ほかの農業外の分野の問題もあり、さらに米とECの問題もこれあり、いろいろの阻害要因は数多くある。それが、米だけが標的にされて袋たたきに遭っている。いかにもウルグアイ・ラウンドを壊すのはこの例外なき関税化の、特に米についての日本のかたくなな態度だと言わんばかりの流れ、歩みを今しております。私はこれは大変な事態になってきたなと、こう思っておりますが、そういう点についてもう一遍初志を貫くというお答えをここでいただきたい。
 きのう私の県では終戦後一番数多い集会がございました。私は農協中央会長として二足のわらじを履いておりますので、集まった人の面魂を見ますと、牛肉・かんきつの事態のとき以上の熱気でした。これはどうかすると大変なことになるなということを私は心配します。大臣御出身の大分県でも私は恐らくそうだと思いますし、官房長官はいろいろ言っていますけれども、これは滋賀県でも私は同じだと思います。そういう点からしっかり構えてもらわなきゃならぬ。
 特に私が言いたいのは、シュタイヘンですか彼が言ったと言われることが事実ならば次元が違うぞと。米・ECの間と日本の米は次元が違うというが、とんでもない。大体東京ラウンドからウルグアイ・ラウンドに移ったときは、輸出競争、輸出補助金を全廃するということが第一義だったわけでございます。それで私どもは泣く泣く牛がんの自由化に応ぜざるを得なかった。それが今になってそのダメージが来ております。一、二年は国内対策をしていただいて、これで大方満足じゃないけれども変わる手だてかなと思っておりましたが、ここにきて、何年かたって既に大変なダメージを受けております。必ずや米の関税化はそうなっていくと私は見ます。新政策も行われませんでしょうし、大変な事態です。
 それからもう一つ、官房長官が言ってほしくないのは、外交交渉には秘密がある、それは当然なんです。当然ですけれども、それをもって全部ふさいでいったら、これは専制じゃないですか、専横じゃないですか。だから大臣、そういうことはやめさせていただいて、主管のことについては主管に任せて、大体武村さんというと政治改革を標榜してさきがけ新党をつくったんじゃないですか。それがもうとにかく専門家のように言う、けしからぬと私は思っております。実はきょうここへ来ていただいて、もう少しじっくりただそうと思っておりました。こういう危機のときに、農水省も一生懸命やっておられるときに国内から外野からいろいろ言ってもらっちゃ困る。
 そういう点をひとつ頭に置いて、最後に確固たる大臣の気持ちをお聞きしまして終わりたいと思います。
#48
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま大塚先生からそれこそ信念を吐露され、私にとりましてはまことにありがたい御意見を交えてのお尋ねを賜ったわけでございます。
 とりわけ私自身も主張させていただいておりますことは、あたかも農業分野での日本の姿勢がガット・ウルグアイ・ラウンドの問題成功へのすべての道を閉ざしておるがごとき受けとめ方、物の考え方、これはまことに遺憾千万であるわけでございます。ただいま大塚先生御指摘のとおり、それぞれ他の分野におきまして大きな問題が残されたまま難しい実態に置かれておることもこれまた事実であるわけでございます。さような点に十二分に私自身も主張を続けながら、与えられたこの立場にございましては、従来から国会決議等々踏まえてそれこそ真剣な取り組みをなされて、今日の姿を迎えておるわけでございますから、あくまでも例外なき関税化を受け入れる、そういうことのないように私としましてはベストを尽くしてまいりたい、かように考えているところでございます。
#49
○大塚清次郎君 ただいま非常に力強い言葉をいただきました。ベストを尽くすよりもひとつ身命を賭してやってもらわなきゃならぬ。特に畑先輩は本当に、今で言えば地方分権を唱え、そして農林水産業の中から生まれ育って今あられるわけでございます。これはひとつ国会議員としての立場、各省大臣としてのお立場、それからもう一つ国務大臣としてのお立場をお持ちなんです。私は、総理を外しては国務大臣としては全部同じ立場だと思いますので、やっぱり畑大臣の今後の引っ張り方がすべてを決めていくと。ひとつぜひ全国農民の期待にこたえていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#50
○稲村稔夫君 大臣、大変重要な任務を持っての訪欧、大変御苦労さまでございました。
 持ち時間も三十分ということでありますから、本当に伺いたいと思えば切りなくあるという今状況でありますけれども、先ほど来それぞれ同僚委員の皆さんからかなり突っ込んだ質問等もございましたので、できるだけ私は同じことを繰り返さないようにということで幾つかのことに絞って御質問申し上げたいと思っております。したがいまして、あらかじめ質問通告は出しておりますけれども、その通告の項目から若干外れたり、あるいは省略したりというところもあると思いますが、それはひとつ御了承いただきたいと思います。
 私は、今いろいろやりとりを伺っておりまして、さらに私自身の体験の中から、ここのところはどうしてももう一回念押しをしておきたいなということがございましたので、まずそれから伺いたいと思います。
 それは、私がサザーランド事務局長が来日されましてお会いをいたしましたとき、この農業交渉のところが成功しなければすべてという、ニュアンスは必ずしもそうでなかったかもしれませんけれども、しかし農業交渉が成立しなかったらウルグアイ・ラウンドは重大な局面を迎える、極端なことを言えば壊れてしまう可能性も持っているんだ、日本はその気かという、要約すればそういう言い方をされたように私は受け取っておりまして、甚だ残念でありました。
 今度サザーランドともお会いになったわけでありますが、その辺のところをサザーランドはどういうふうに言っていたのか。今私は直接的には事務局長の話しかわからないわけでありますが、極端に言えば、一、二の例外を除いたら全部が例外なき関税化に賛成しているんだ、もう残っているのはおまえだけだ、だから承知しろみたいな言い方でありましたが、ヨーロッパ各国が本当にそういうふうに強力に例外なき関税化を推し進めようというそういう姿勢であったのかどうか、会われた要人との会談の範囲の感触で結構でありますので、ひとつお教えいただきたいと思います。
#51
○国務大臣(畑英次郎君) 先生御指摘のとおり、残念ながらいわゆる農業分野の交渉、話し合いがまとまらなければガット・ウルグアイ・ラウンドの問題すべてが壊れるというような意味合いの雰囲気を漂わせながらの話をすることは事実であります。
 その点につきましては、先ほど大塚先生にも申し上げましたとおり、それは全く認識が違う。そしてまた、さらに十五分野の交渉の中からまだ他の分野で、先ほど外務省の方のお話もございましたけれども、金融問題等々ある意味では比較にならないほど大きな問題がまだ横たわっておる。そういうさなかにおいて我が方に向かってそういう
ことを言うのは、私としては全く受け入れる余地はないということを申し上げさせていただいているわけでございますが、先方さんの言い分としましては、例外なき関税化が一つの今回の交渉事の大きな柱である、この柱を傷つけるわけにはいかないというような言い方をされておることはこれまた事実であるわけでございます。そういうものが今ECにおきましても、自分たちも痛みをこらえて協力をし、ウルグアイ・ラウンドの成功に向けて力をいたしておるからというような表現で私に話かけがあったことも、これまた残念ではございますが事実であるわけでございます。
 私は、残された期間が極めて短時間ではございますが、担当の事務当局に対しましても、先般の訪欧を機会に我が方の姿勢はいささかも揺るぎはない、この点を踏まえて事務段階も引き続き粘り強く交渉をしてもらいたいと督励をして帰ってきたところでございます。
#52
○稲村稔夫君 大変御苦労さまでした。
 それで、さらにまた問題は別の方になりますが、先ほど国別表の提出のことが質問されました。
 これは具体的に出す表は、それは政府の方のあれですから、それを出されるということは政府の責任で出されるということになるのでありましょう。しかし、国民最大の関心事の一つになっているこの米の自由化をめぐってのことを皆心配しているわけであります。特に、そうすると米だけはいいのか、二十品目は外れるんじゃないかと、これも相変わらず今みんなが心配しているところです。そういうことがあるだけに、国別表そのものということではなくても、少なくとも国別表をこのころには提出します、その骨子はこうですということくらいはやはり国会に報告をされてしかるべきだというふうに思っているんですけれども、これはあくまでも事務手続であるからということになるんでしょうか。
#53
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来申し上げておりますが、要するに正式の国別表というのは、ガットの条約といいますかウルグアイ・ラウンドの成果として国会に提出をして御承認を受ける、こういう手続は事後的に、事後的にといいますか、交渉が終わって、その成果がまとまった段階で出す、それで形式的な承認あるいは不承認ということを求めるわけでございますが、その前にこの委員会あるいは国会決議を踏まえて実質問題としていろいろと交渉を今しておるわけでございます。
 その交渉結果がいずれ出てくるわけでございますので、その結果を踏まえて国別表というのはつくる、こういうことでございます。したがいまして、どういう交渉結果になったか、あるいはなるかということは当然いろんな場で公にしていくということでございます。その交渉結果を踏まえて作成して出していくということでございますので、実質問題については国会にもいろいろ報告をするということになるわけでございます。
#54
○稲村稔夫君 私は、事務的ないろいろな手続問題という観点からだけ物を考えるわけにいかないということでありまして、これだけ大きな課題というものについては、もちろん国会に報告していただくということが大事なのでありますけれども、今大臣や総理がこの委員会へ来ていろいろと従来の方針は変えていませんと、こういう答弁をしていながら、一方ではマスコミにはまた違うことがいろいろと流れてくる。だから疑心暗鬼が充満しているんですよ、率直なことを言えば。疑心暗鬼が充満しているときに、その疑心暗鬼をなくしていくためには、手続的にはこういうふうにしてやっていきます、内容はこうです、骨格は大体こうなりますということを少し丁寧に扱っていただくということが大事なんだというふうに思うんです。この点は強く要望しておきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それで、さらにもう一点大臣にお伺いしておきたいのは、訪欧された結果として、今後我が国にとっては何が一番重要か、我が国は何をしなければならないか、どうお感じになりましたでしょうか。
#55
○国務大臣(畑英次郎君) 我が国は何をしなければならないかというと、相手というものに対してはいろいろ考え方が私はあろうかというふうに考えますが、私の立場におきましての認識は、やはりあくまでも日本の農業というものをきちんと守り育てていかなければならない、そしてやはり従来の例外なき関税化というものをあらしめてはならない、そういう考えを、信念を強くさせていただいたという段階でございます。
#56
○稲村稔夫君 大臣のそういう決意のほどはよくわかりましたし、ぜひそれで頑張っていただきたい、そう思いますが、「が」というふうにつきましたのは、先ほどもちょっと申し上げた大臣も総理も、あるいはきのう私どもは社会党という立場でありましたけれども、官房長官にも総理にかわって会っていただいて強く申し入れをいたしましたら、そのときの官房長官も、従来の方針、国会決議の方針を踏まえて、そこからはみ出るようなことのないように、条件は厳しくはなっているけれども全力を挙げて頑張るというふうにおっしゃっていただいています。
 「しかし」というのがつかざるを得ないのが今の状況なんですね。なぜ「しかし」というふうにつくか。幾ら言われてもどこかから、そうじゃないんだ、こういうふうなものがあるんだ、こういう話が出てくるからです。これは私は、今後の交渉、交渉事なんですから交渉していくときにも、日本国内でも違う意見があるじゃないか、違う方向、かなり大きな動きがあるじゃないか、それは特定の立場の主張でしかすぎないじゃないか、こういう逆襲が向こうの方にも用意されるということになるわけです。我々にとってはそれが弱みになるといったんでは困るわけです。
 そうすると、私は、もう一つ今我が国がやらなきゃならない重要な課題というのは国内の体制をどういうふうにきちっとしていくかということだと思うんですね。要するに陣容を立て直し、自分の味方の中からばらばらなところが出てきたんじゃ困るということだと思うんです。閣内はもちろんきちんと統一していただかなきゃならないが、同時に産業界とかマスコミ関係とかいろいろなところとコミュニケーションを、まさに総理と農水大臣が先頭になった形で積極的にコミュニケーションを図る、そういう機会を積極的につくっていって、日本国内がわかったということに全部、全部がといったってどこにもへそ曲がりがいますから、へそ曲がりは除いて、少なくとも物事の理解がちゃんとできる、わかったというところにやっぱりならなきゃ足元につけ込まれるということになると思うんですよ。
 その辺のところを今後大臣、構えとしてはやっていっていただけるんでしょうか。
#57
○国務大臣(畑英次郎君) ただいまの御質問にも関連するわけでございますが、実は先ほどの閣議の後の閣僚懇談会におきましても先週の訪欧の内容について御報告を申し上げ、そしてまた私の考え方も申し上げながら、従来の基本的な姿勢を持って対応してまいりますということを申し上げ、そしてまた総理からも同様な趣旨の話が本日も持たれたということでございます。
 そしてまた、毎週の閣議の後の記者皆さん方との懇談会等々、きょうもまたそういう話も出たわけでございますが、とりわけ何といっても報道関係の方々に事実を正しく御認識願うべくさような意味合いでの話し合いの場を持たさせていただいておるということでもございますし、なおまたつけ加えて申し上げれば、先般の訪欧に際しましても報道関係の皆様方もそれぞれ御同行をいただけた、こういう実態にありますこともこの機会に御報告を申し上げさせていただく次第でございます。
#58
○稲村稔夫君 ぜひ対外的にきちっとした対応を従来どおりしながら頑張っていただきたい。そして、特に国内の対策というのは、これはやはり十分に整えていただかないとそれこそ追い込められてしまうということ、幾ら外へ強く頑張っても追い込められてしまうということがありますので、くどいようですけれども、強く要望しておきたいというふうに思います。
 そこで、そのことと関連をするわけでありますが、私は我が国の農業・農政の基本というものは、私の考えを先に申し上げて恐縮でありますけれども、やはり最大限食料というのは自給をするということ、その最大の努力をして、そしてなおかつ足りないものは輸入に頼らざるを得ないというようなことが必要なんだというふうに思います。そうすると、それだけに我が国農業の体質を強くしていくということが非常に大事なんだというふうに思うんで、そこで米を中心にした農政の問題について、いろいろと基本的な課題になりますけれども伺いたいというふうに思っております。
 ただ、これをまた議論するには大体二時間か三時間くらいいただかないとなかなか議論が乾かぬような感じがいたします。きょうは米の問題を中心に伺っていて、ますますわからなくなるところなどが中にはありましたので、その辺を中心にして伺っていきたいというふうに思います。
 ことしはもう大変な冷害ということでありますから、このことは私はくどいようですが農林水産省の皆さんには何回も申し上げるわけであります。五十九年の冷害、米不足のときに随分米の需給関係についてはこの委員会でも議論をいたしました。そのときにいろいろと議論をした経過の中で私どもが申し上げてきたこと、警告というふうに言えば警告してきたことが今具体的事実としてあらわれているというふうにも言っていい面が随分あると思うんです。私たちからいえば、それ見たことかというところもないわけじゃありません。しかし、そこで揚げ足を幾ら取っていても切りがありませんから、十分に私どもが提起してきたことが何だったかということはもう皆さんも承知なんでしょうからそこのところは省略をさせていただいて、ただ一点、適正在庫については、五十九年、私もこの委員会の委員でありましたからそのときの論議に参加しておるんです。
 五十九年のときは、適正在庫はたしか百五十万トンと政府の側からおっしゃっていたはずであります。それがどうしていつの間に百万トンになったのか、これは説明を伺ってもどうしても私どもにはなかなか理解できないところです。百五十万トンが百万トンになった、化けた理由を少し明らかにしていただきたいと思います。
#59
○政府委員(永田秀治君) 百万トンの議論につきましては、作況が九八程度の不作が続きましても、その後の転作緩和等で十分回復できるということで、その後百万トンの在庫ということになったというふうに考えております。
#60
○稲村稔夫君 同じことを百五十万トンのときにも言っているんですよ、似たようなことを。だから、どうして百五十万トンが百万トンになったか、その合理性が僕はまだわからぬと言っているのはそこなんです。皆さんのところに通告した項目の中にはそういうことが入っていなかったから準備していなかったかもしれないけれども、私どもがしょっちゅう、私なんかが農水省に、特に食糧庁にはそのことを伺っているんですから、聞いていることなんだから、もうわかっているはずなんだと思う。だけれども、そこのところのもっと合理的な説明ができるんですか。
#61
○政府委員(永田秀治君) 六十二年から平成元年度の前期対策のときでございますけれども、六十一年十月末の持ち越し在庫が百七十七万トンということで、三度目の過剰米の発生が懸念される中で、持ち越し在庫の水準につきましては適正在庫百万トン、上限百五十万トン、これを超えるものについては生産者団体の自主調整保管とする、こういうことでございます。ただ、この時点で備蓄について団体側からも具体的な要請は出ていなかった、かように認識しております。
#62
○稲村稔夫君 団体から備蓄の要求があったから、なかったから、そういうことじゃないでしょう。私は、こんなでかい声を出すのは余り好きじゃないんだけれども、時々でかい声が出てしまうんです。米が不足をして韓国から輸入しなきゃならないということになって、その反省のもとで大体百五十万トン程度が適当だと、みずからがそう言ったんですよ。農協だとか農業団体の要求があったから、なかったからという問題じゃないでしょう。
 こんなことでやっていると怒っているだけで時間がたってしまいそうで困るので、今後の問題として、言ったことにはちゃんと責任を持てるように、持つように対応をしていただきたいということを要望して、ちょっとわからないことがあるんで、いっぱい聞きたいことがあるものですから、次に移らせていただきます。
 大臣、先ほど緊急輸入はことし単年度だけというお話がありまして、それは私は当然そういう姿勢で臨んでいただかなきゃならないんだというふうに思いますが、しかし米のマーケットが小さいというのは先ほども議論があった。しかも、それは大体もう行き渡っているんですよ、ある程度。例えば先ほど出たオーストラリアの米、日本人が開拓をした短粒種ということですけれども、パプアニューギニアに輸出をしていたのが、アメリカのカリフォルニア米が補助金つきでもってやってこられて、競争じゃちょっとうまくなくてほかへ売ることになっていったというような経過を私オーストラリアへ行ったとき聞いていたりしているわけです。
 そんなふうに、狭いところで、一つのところでよその米が入ってきただけでそんなことが起こったりする状況、これは逆の面もあるわけですね。我が国が米を大量に買い入れる。例えばジャポニカ種の米を洗いざらい買い入れるというふうなことを今の状況でいったらやらざるを得ないんじゃないでしょうか、対外的に輸出できる能力を持っているところから。
 そうすると、一つはその米を買っていた国民に大きな迷惑を与えるということになりますね。それから出す方の側からしますと、せっかくそこでマーケットを安定させていたのを、それをやめて今度は日本に緊急だ、とにかく売るというには、これから先一定量輸入してくれるという条件でもあればいいですけれども、そうでなきゃ今回だけよその国の権利を奪ってまで輸出するというようなことはなかなかできませんよという話にもなりかねないですね。そうすると、それじゃ買えませんといったら、作況七五かそれ以下になるかもしれないというような明らかに出てくる米不足、国民に安定供給ができないということが起こってしまう。安定供給をするためにはある程度条件をのまなきゃならないということが起こってくる可能性は多分にあるんじゃないでしょうか。
 先ほどのガットでの交渉というのは、表面的には我々の立場で頑張るということになっているけれども、事実交渉の中で崩れていかざるを得ないような要件というのはできてこないんだろうか。その辺が心配になるんですが、いかがでしょうか。
#63
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほどの、いわば従来の米の輸出国側あるいは従来の輸入国側、これにそれぞれ種々問題を投げかけて、一部御承知のとおり価格の高騰等々あっておりますことも事実でございますから、今先生御指摘のような意味合いでは、これからもその辺に対する十分な留意を持ちながら、現実対応の姿の中では最小限の輸入の量というものを確保するように御理解を得るように、引き続き努力をしていかなければならない。
 しかしながら、今回のこのケースは、あくまでも未曾有の大凶作というものを踏まえた緊急避難的な措置であるということも御理解を願いながら、そしてまた従来から申し上げておりますとおり、いわゆるガットの問題と貿易に関するルールの問題と今回の緊急避難的な対応といいますものは全く別次元の、あくまでも違った世界の対応であるということを、念には念を入れながら御理解を願いながら事を進めさせていただいておる、かような姿にございますことも御理解をいただきたいと思っております。
#64
○稲村稔夫君 その点は、大臣のお気持ちはよくわかりますが、しかし私はこれはガットの交渉よりももっと困難な問題を含んでいるというふうに思うんですよ。
 というのは、相手の国の事情もあります、売ってくれるかくれないかという。そして、それにつ
いてくる条件がのめるかのめないか。のめなきゃ国民の胃袋にすぐ響いてくる。この辺の交渉は非常に面倒だと思うんですよ。なおかつ、国会決議にもあるような自給という立場で原則を貫いていかなきゃならないんですから、これは大変難しいと思いますけれども、ぜひその辺は対外的にもお言葉のとおりきちっとしていただくと同時に、国民に安定供給が欠けるようなことがないようにしていただきたい、このことを要望申し上げておきたいと思うんです。
 最後に、もう私の時間がなくなりましたからもう一点だけ、これは食糧庁に、今度は大きな声を出さないでも済むようにお答えをいただきたいというふうに思うのであります。
 在庫の数量だとかなんとか数字がいろいろと今出ているんですけれども、これは本当なんでしょうか。
 ちょっと私の論点を聞いてください。やみ米がかなり出回っているんですよ。かなり出回っている。この事実は食糧庁もおつかみになっている。私も、食糧庁の皆さんにやみ米というのはどのくらいあるかといっても、これはやみですから、やみの中は見えないんですよ。そうすると、在庫はある程度押さえられるとしても、不足をする数字というのは、数字としては押さえられるんでしょうか。実際に数量がどの程度とうなっているかやみ米問題を含めてお答えいただきたい。
#65
○政府委員(永田秀治君) 先ほどもお答えをいたしましたところですが、この十月末の在庫の数字でございますけれども、これは基本計画では三十五万トンから四十五万トンということを申し上げましたけれども、ことしこういう状況の中で収穫が大変おくれているということでありますから、政府米の売り渡し数量もふえております。
#66
○稲村稔夫君 そんなことはみんなわかっているんだ。やみ米との関係で数量がはっきりしているかどうかという点。
#67
○政府委員(永田秀治君) したがいまして、在庫の数字はそういうことでございます。
 それから、集まっている米が一番問題なわけでございまして、今回の作況指数から現在八百万トンをちょっと切るような生産量というふうに言われております。しかし政府管理米、政府管理米というのは自主流通米と政府米でございますけれども、これを合わせて五百五、六十万トン、年間の需要量ございますけれども、今それに向かって全力を挙げて集荷に努めているという状況でございます。
 通常でございますと、十月末で集荷は四百万トン程度の数字になりますけれども、現段階ではまだ約三百万トン程度の数字でございます。ことしは非常におくれておりますので、これから全力を挙げて集荷に努めたいというふうに考えております。
#68
○稲村稔夫君 もう吉田さんの時間に食い込むんで、申しわけありません、吉田さん。これで結論にしますから。
 結局、数字というのはわからないんでしょう、実際に足りないのは、実際の量は。というのは、やみの中にあるものの数量、それがわかればある程度のものは出てくるだろうと思いますけれども。私は、だから食管制度が大事なんですよ。そして、少なくとも国民の主食である米が数量的にも、仮に推定であったって、それはちゃんと科学的根拠といいましょうか、物質的根拠というか、そういう根拠をある程度持ちながら推定ができるような数量が把握できなきゃ計画だって本当は立てられやしないんじゃないですか。(「それ出してないんだから、出されなきゃいかぬですよ」と呼ぶ者あり)
 そうすると、そういう数字を今後あなた方の方はきちんとつかむ努力をするんですかしないんですか。ここでもちょっと今イレギュラー発言ありましたけれども、僕らが数字を出してくださいと言っても出てこないんですね、わからないんだ。もっとも、もらえばやみの中の数字になると思う。ということですから、これからの努力の問題としても踏まえながら、お答えをいただきたい。
#69
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま先生御指摘のとおり、今日この時点におきましては、これから先の作付面積あるいはまた気象状況等々いろいろな流動的な要素はございますが、私どもの食管制度の法の趣旨からいいまして、国民の皆様方にいわゆる米の問題につきまして不安を与えない、安定的な供給ということに責任をきちんとこれからとるような、そういう御指摘のような意味合いでの努力を、引き続きベストを尽くしてまいりたい、かように考えております。
#70
○稲村稔夫君 終わります。
#71
○吉田達男君 既に重要なポイントについて相当突っ込んだ御質問が続きましたので、時節柄秋で落ち穂拾いになると思いますが、質問をいたします。
 大臣、世に言われていることですが、心当たりがないと思いますので、私が具体的に法律を挙げて質問をいたしますが、守られざる三法というものがあります。守られざる三法は何だろうというと食糧管理法だというんです。二番目が道路交通法だというんです。三番目が公職選挙法だというんです。
 それで、これは時節柄極めて大事な時期に今審議をしておる過程におきまして、私どもはやみ米は取り締まってもらわぬといかぬ。そしてまた、政治改革はやり抜いてもらわなければならぬ。政治の動きの中でどこかあいまいに取引がされるかもしれぬという懸念もまたある。これは両方ともきちっとやり抜いて、国民の政治に対する信頼をから取ってもらわなければならぬ。大事な職務にある大臣にこの件について時節柄お答えをいただきたいと思います。
#72
○国務大臣(畑英次郎君) 国民的な関心事であり、ある意味におきましては最大の期待である、そういうことを踏まえた上で、その実現に向けて私なりにベストを尽くしてまいりたい、かように考えております。
#73
○吉田達男君 先ほどの御質問の中で既に触れられておられますので、訪欧された成果について端的にお尋ねいたします。
 大臣の報告書の四番目のところに、「包括的関税化は受入れられないとする我が国の立場及びその背景事情についての関係者の理解は深まったと考えている。」、こういう御報告でございます。なかなか厳しい情勢の中で、例外なき関税化は受け入れられないということを貫いて帰られて御苦労さまでございましたが、この御報告の中の感触は、その努力の中で希望的なものが幾つかでも浮かんだのか、そういうことを期待しながら、そこの点をお伺いいたしたいと思います。
#74
○国務大臣(畑英次郎君) 私はやはり交渉事といいますものは、一度言って自分の主張が受け入れられなかったからといってあきらめるというようなことは、今回のような特別重要な案件につきましてはあり得ないことでございますことは言うまでもございません。
 さような意味合いで、やはり一回目よりか二回目、人間関係の面からいたしましても強く、そしてまたある意味では和やかな雰囲気の中にもずばり物事を言い得るというような雰囲気の中で話をさせていただいた。こういうことからいたしまして、理解が第一回目の話し合いよりも今回の訪欧によっての話し合い、そしてまた訪欧したということの熱意、そういうものが私はそれなりに評価がいただける、かような意味合いでさような文言に相なったわけでございます。
#75
○吉田達男君 その点については私も感じ取っておりますが、具体的なものとして方法的に何か浮かんだのではないかということでお尋ねしたわけでございます。それは、あればおっしゃっていただけたと思いますが、雰囲気として御報告ということであれば。
 ヨーロッパに行かれたわけでありますが、日本の現在の米に対するいろんな交渉の中では、ECもありますがアメリカ、この方が非常に重要なポイントにあると思います。今度、大臣もアメリカに行かれますし、総理もまたアメリカに行かれる。このウルグアイ・ラウンド交渉にかかわってアメ
リカとECのブレアハウスの合意に基づいて再交渉をやろうということですが、ちょっととまっておるわけです。アメリカの方でならぬということになっておるわけです。これに対してはどういう見通しというか見込みを持っておられるか。それはタイミングの問題があり、日本の対応のタイミングもありますから、大臣の考え方を伺っておきたい。
#76
○国務大臣(畑英次郎君) EC、そしてまたアメリカ間のブレアハウス合意に基づきますいわゆる再交渉というような受けとめ方あるいはまた解釈とかいろいろな言い方が行われておるわけでございますが、先日お目にかかった印象としましては、本問題につきましては、EC側におきましては話し合いの場を積極的に求めて話のいわば詰めをしたいということですが、残念ながらアメリカ側の反応が鈍い、こういうような意味合いで足踏み状態にあるなというように受けとめさせていただいたというのが実感であるわけでございます。
#77
○吉田達男君 そのアメリカに行かれるので見通しがあればというつもりだったんですが。
 十七日だと思いますが、アメリカではまたNAFTAの、北米自由貿易協定の批准が下院でなされるかどうかという重要なときになろうと思います。このNAFTAの批准がなされるかどうかということは、ウルグアイ・ラウンドに対してどういう影響を与えるものと大臣の方では観測といいますか理解していらっしゃるか、お伺いします。
#78
○国務大臣(畑英次郎君) これは、アメリカ議会の中でもその評価があるいは対応が、いろいろ意見も分かれておるというさなかにございまして、私の立場でとかく申し上げるのはどうであろうかということでいささか御遠慮をさせていただきたい、こう考えるわけでございますが、肝心のガット・ウルグアイ・ラウンドのEC・アメリカ間の交渉が、このNAFTAの問題が片づかなければというような意味合いでの物理的な問題を生じておるということは事実ではないか、こう受けとめさせていただきました。
#79
○吉田達男君 責任ある者が他国の政治的な判断に介入をする印象を与えるようなことは御遠慮ということですから、わかりました。
 そこで、NAFTAの中のカナダ、ケアンズ・グループに入って、ウルグアイ・ラウンドについては一定の、別な考えを持っていたグループでカナダがあります、アメリカがあります。それでメキシコがNAFTAをやるわけでございますが、さきに佐藤先生から御指摘あってこのNAFTAとの関係で追及があったんですが、例えばカナダはアメリカとNAFTAを締結するに当たって乳製品等の特別品目については自由化に例外を認めておる、つまりアメリカの方が譲歩しておる。その構図について言えば、日本の米についても同様な構図があり得るんじゃないかという感じが私の方では、感じという段階かもわかりませんが、ございまして、この点については大臣はどういうふうに考えられるのか。私はこれはついていいことであろうと思うので、お尋ねいたします。
#80
○国務大臣(畑英次郎君) 一般論といたしまして、やはり物事の交渉といいますものの一つのポイントは、公平でなくてはならない、扱いが同じ、各方面から、各視点から見ましても同じ位置づけ、同じ内容である、同じレベルである、そういうものでなくてはならぬという意味合いでは、今吉田先生御指摘の問題は十分私なりに留意をしていかなくちゃならぬ、かように考えております。
#81
○吉田達男君 ヨーロッパがあり、アメリカがあり、アジアで韓国が日本の隣でこの例外なき関税化の受け入れについて反対というか、一定の意見を持っておられるわけであります。先ほどの御質問の中にも東亜日報の報道をめぐって日本の交渉について韓国側の方で懸念を持たれたんではないかという危惧をしております。
 この件については、この前谷本議員の方からも指摘がございまして御見解がありました。あれは日本の政府がそういう方針を持っていないにかかわらず誤報があったということでありました。しかし誤報によっても、それを読んだ人は一定の反応をするわけでございます。韓国があの報道を見て、日本は一緒に米の自由化阻止に向けてウルグアイ・ラウンドを協力関係でやれるものなりと考えたいのでありますけれども、そこのところの懸念について、それ以後日本の政府当局は、そういうことが誤報であった、日本の政府はきちっと方針を貫いてやりますということについて、十分なお互いの意思の疎通が行われているのかどうかお尋ねをいたします。
#82
○政府委員(眞鍋武紀君) この問題につきましては、包括的関税化の例外というふうなことで韓国とはこれまでも連絡を密にしてきておるということでございます。交渉が最終段階を迎えてまいりましていろいろな報道が流れ飛んでおるわけでございます。こちらの態度についても報道が流れ、あるいは韓国の態度についてもいろいろな報道が流れる、こういう状況でございます。
 御指摘の東亜日報の報道につきましては、日本政府として外交ルートを通じましてそのような事実はないということを相手国政府に伝達したところでございます。
#83
○吉田達男君 大事なウルグアイ・ラウンドのタイムリミットの近づく時期でございますから、協力関係を持つもの、またお互いの見解は違うにしても、大臣の言われたようにお互いの腹と腹とはいっても突っ込んだ話ができるという関係を阻害することのないような大事な時期でございまして、せっかく御努力を願いたいと思います。
 そこで、そういう時期に規制緩和の問題が経済改革研究会の方で出されておりまして、この規制緩和に別表をつけて米を明示するかどうかで議論があったという経過が伺われております。結果的には「塩、米・麦等」ということで国家貿易品目ということで例示されましたけれども、このことが細川総理の訪米に当たって日本の柔軟な立場を理解させるという働きをするのではないかまたそのことを企図しているのではないかまたそのことをはかってこの時期のタイミングに別表をづけたという見方もございます。これの影響を私どもは、揺るがぬ日本の決意として農水大臣は例外なき関税化に反対だと言っておるものに濁りを打つのではないかという心配をするのでありますが、どういう見解をお持ちですか。
#84
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、今回の中間報告のいわゆる別表の中の例示ということでもって数多くの項目が挙げられたわけでございまして、先生御指摘のように米という言葉がこの中に入っておることもこれまた事実でございます。
 私ども承知をいたしておりますのは、いわゆるあくまでも例示であって、これに挙がったからといって事柄が具体的にこうなるとか、挙がらなかったからといって規制緩和の対象にならないということでもないということも承知をいたしておるわけでございます。なおまた、国際的な一つのルールができたものにつきましてはそのルール以上のものを要求するということもないというような意味合いの文言があの中にもうたい込まれておるというような点等を十二分に踏まえて、これから先の具体的な論議を十二分に私どもは留意をしながら対応を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございまして、いわば、今殊さら、特に言挙げしてこれに懸念を表明するというケースでもないし、かといってこの問題に無関心であってはならないこともこれまた言うまでもない、かような意味合いの受けとめ方をいたしております。
#85
○吉田達男君 米が時事的な課題ですから表に出ましたけれども、この五百品目、品目というか五百の項目の中にはいろいろあります。
 そこで、例えばIQ、輸入数量制限のものなんかありますね、こういうようなものもこの中に挙がっておる。そして、十一月十五日に国別表を出せといっておるものの対象のものも入っておる。このタイミングにこういうことになると、国別表のつくり方、これは先ほどから議論になっておりますが、極めて重要な効果を持つ意味はあると思うのでございます。これについては規制緩和とい
う観点で見た場合、米については先ほど答弁があってちょっとあいまいでありますが、初志貫徹ということで私は受け取っておるんですが、米以外の品目にわたって規制緩和の過程ではどういう考えになりますか。それもあわせてお伺いします。
#86
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、この別表といいますものは、ここに書いてあるわけでございますが、あくまでもこれは資料、項目の資料というところで今ここにうたい込まれておるわけでございます。とりわけ農産物関係におきましては、十二月十五日というガット・ウルグアイ・ラウンドにおける我が方の主張を取り入れた決着に目指して今真剣に取り組んでいくこと以外のものは、私はこれとのかかわり合いという意味合いではその道を選ぶことが最も大切である、かように考えております。
 これはあくまでも資料であって、今この答申を受けて、それ以後にそれぞれ項目別に論議が始まるということでございますから、私はその節には当然のことながら従来の基本的な認識、立場に立ちまして主張をしていかなくちゃなりませんけれども、まだこれについては何ら結論が出たということではないわけでございますので、この点も御理解をいただきたいと思っております。
#87
○吉田達男君 それでは、一般的にお尋ねいたしますが、いわゆる規制緩和ということに、経済の活性化ということを一つの大きい根拠として今取り組まれておるわけでございます。しかし、考えてみると、規制をしたときにはそれぞれについてその規制をした理由、根拠があったものでございます。そのものを一つ一つ点検せざるうちに規制緩和をしてしまうということは、責任ある行政のあり方としては私はあり得ぬことだと思います。
 食料の安全、食料の安定、これらにかかわっても規制緩和の問題が今の品目より別にございます。そういうような規制緩和がいろいろ俎上にありますけれども、さっき言いました、つくったときの根拠に照らし、また世界の趨勢の中で経済の活性化を求められるとしても、国内におけるそれに対する対応、調整そのものもなくて、またいきなり緩和ということには相ならぬだろうと、思うのでありますが、これらについて大臣の所見といいますか、お伺いいたしたいと思います。
#88
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、今回のこの中間報告等々の問題は、今先生御指摘のような意味合いでは、見直しの論議をやることは絶えず必要であるというふうに理解をいたしております。
 見直しの中からさらに問題点があれば、ケースによっては規制という要素を上積みせざるを得ない問題もあり得る、こういうようにも受けとめさせていただいておるわけでございます。例えば今回のこの未曾有の大凶作に対しましては、やはり食管制度そのものも私はこれは見直しをしなければならない。しかし、その見直しをする前提の一つの物の考え方としましては、やはり食管制度の存在価値といますもの、今回のこの事態に対する大きな存在価値、こういうものを御認識願う中で私は物事の見直しがあり得る。かような意味合いでのこれからの取り組みがなされるべきであろう、かように考えております。
#89
○吉田達男君 それでは、時間も来ましたので、あと一つ災害のことについてお尋ねいたします。
 このたびの冷害について関連対策の事業を早急に実施されるということで二千億の公共の枠をつくってやろうとしておられる。これは速やかにでございます。
 私、鳥取ですが、土地改良の理事長もしていろいろ聞いておりますと、なかなか難しい要素がございます。復円をするといっても、畑になっているものは水を充てても漏ってしまいますから、すき込みとかいろいろな作業があります。これはちょっと対象にならぬようでありますが、畦畔についても水が来なければ畦畔の意味がないんで、個々の圃場の持ち主、管理者、これがやるといたしましても、最も困難なのは水路でございます。
 もともと官僚制度ができたというのは、このかんがい水路がもとになってできるわけですが、一軒二軒が頑張っても水路の維持ができない。もう一里も二里も向こうの方から頭首工を引っ張ってやってくる、こういうことの管理をしなければならぬのですが、このたびの復円に当たってこれらの水路については意欲のある農家が一軒二軒あってもできないんです。これを成功させるためには事業主体において格別の取り組みをしなければならぬと思いますが、これの具体的な実施に当たってされた意向調査についても一つの前提条件があって、意向調査として復円をしたり、あるいは減反緩和について乗ろうという反応があるのでありまして、大前提でありますので、これについての具体的な事業主体、負担割合等々についてどう施行するか。地方自治体に対する指導等々についても、詳しくなくてもお答えをいただきたいと思います。
#90
○政府委員(上野博史君) 担当の者がちょっと申しわけないんですが参っておりませんので、私の方からお答え申し上げます。
 今度の冷害対策あるいはこの復円関係の対策といたしまして、間もなく編成されます補正予算の中に手当てをするということで現在のところ予定をいたしております。
 冷害対策の地元の就労に地元も就労の機会を提供して、これによる所得確保を図るというような意味合いも含めましての総計費でございますが、総事業費二千億円程度の公共なり非公共の予算というものを予定いたしておりまして、その中に今委員御指摘のような復田のための経費の関係も見られるというふうに考えております。
 ただ、今いろいろ御指摘ございました中には、事業の補助の対象になるかならないかというような意味でいいますと、個々の農家が営農行為としてやるべき分野、あるいはそれが今おっしゃいましたようにかんがい排水施設の補修というような形あるいは改修というような形で公共事業なり公共事業の対象として対処できる分野、その辺については具体的に現地において御相談の上扱っていかざるを得ないだろうというふうにも思っておりますけれども、極力いろいろな事業を使いまして対応できるように考えてまいりたいということでございます。
 詳細な補助率の問題であるとか、採択基準につきましては、まことに申しわけございませんが、きょう私にそれだけの知識がございませんのでお許しをいただきたいと思います。後ほどでもまた御連絡をさせていただきたいと思います。
#91
○吉田達男君 あえてこの問題を問いましたのは、圃場というものは、今は所有者が個人であって、土地改良しても個人が維持管理してやるわけでありますけれども、この水路というものについては村社会で伝統的に管理したものでありますが、減反が進んで歯抜けになったりした農村崩壊の中で維持ができなくなってやむを得ざる状態になっているというものであります。その中で、意欲のある者が隣の田んぼでも一緒につくろうかということを働きかけても働きかけても生産意欲を今失っておるところであります。そこにまた負担をかける。大変なことであります。
 土地改良の負担金を払うのに、農業収入がないから出稼ぎに大阪に行っておると。我々も負担金を取りに大阪まで集金に行くのであります。そうしなければ維持できないというような現状が農村の中にあって、それがまた歯抜けになった、崩壊寸前になるような村落においてはこの水路が命綱でありますけれども、一人の力でできない。だから事業主体を、今まで伝統的に受益者が集まって負担をしろ、こういうことでは成功しないんで、公共事業として施行するに当たって、これは役場とか農協とかもっと公共的なものが主体になってやるべきである。そうしなければ、このことだけを引き合いに出すわけじゃありませんが、中山間地の農業全体がもうそういう時期に来ているという視点に立って、この災害を一つの教訓にして、新しい制度でも立ててやり抜くということでなければこの二千億円が生きないと私は願望を込めて、もう一度積極的な答弁を期待して質問をいたします。
#92
○政府委員(上野博史君) 今おっしゃられました
ことは、このところの農業の実態をかなり具体的にお話をされたというふうに私どもも受けとめているわけでございます。
 何年か前からだったかと思いますが、こういう維持管理の問題にやはり従来のような村社会の構造でこたえていくことが非常に難しいというようなところに対しまして、今おっしゃったような関係者が寄り集まって具体的な維持管理をやっていくというような仕組みも補助予算の対象として始めておるところでございます。
 その辺の具体的な適用関係につきましてもまたお話をさせていただきたいと思いますが、そのほかに私どもの立場からいいますれば、何人かの非常に熱心に農業をやりたい方にできればその地域全体の農業というものをぜひしょっていただいて、その方々によってその地域の水管理も行われるというような形に変わっていくことが先々まで考えると一番いいことではないか。そのための基本的な対策といたしまして、土地の貸し借りの推進というようなことまでできれば考えていかなければならないんではないか。あるいは今おっしゃったような圃場の整備を進めるというようなことにつきましても、そういう土地の権利関係の調整まで含めて物を考えていくべき時期に来ているのではないか。これは一般論でございまして、具体的な、今委員の頭に置いておられます地域への適用の問題というのはまたいろいろあろうと思いますが、一般論としてはそういうことも考えて対応してまいっておるということでございます。
 いずれにいたしましても、復田ができるだけ行われますように各般の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#93
○吉田達男君 終わります。
#94
○刈田貞子君 先ほど来から各委員からこのたびジュネーブ及びブラッセルに大臣がお出かけになった事柄についての質問がございましたので、私は重複を避けまして、細かいことについて言えばお伺いしたいこともございますが、今後の交渉に当たって大臣がどんな立場で今後の交渉をさらに続けられるか、その抱負のようなものを伺うことによりまして私の激励といたしたいと思いますものですから、大臣の強力な最後の追い込みにかけての抱負を、そして気迫を聞かせていただきたいと重ねてお願いいたします。
#95
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、この時点を、それこそ長い間にわたります例外なき関税化を日本がのめと言われることに対しての最後の反対を貫く情熱を込めた各界の御期待に沿うべき最大、重要な時期を迎えておる、こういうような意味合いのものを私なりに受けとめて、先般訪欧をさせていただいたわけでございます。
 そして、私なりに、先ほど来申し上げましたような、肌で感じ、耳で確かめ、目で見てきたわけでございますので、それを踏まえて事務当局に従来の基本的な姿勢を踏まえて粘り強く物事を、さらに将来に悔いを残さない取り組みをやってもらいたい、こういうことを激励して帰ってきたわけでございます。残念ながら、言葉の上では全く平行線で物事の進展はないわけでございますが、やはり情熱を込めて、引き続き事務段階におきましても、なおまた、これからこの残されました短期間ではございますが、十二分に問題の展開を見詰めながら私もベストを尽くしてまいりたい、かような気持ちを持たさせていただいているわけでございます。
#96
○刈田貞子君 先ほどからお話しございましたように、当ウルグアイ・ラウンドの交渉というのは七年を過ぎて大変長い時間をかけてきておりますけれども、その間に、我が国においては、さきの牛がん交渉及び十二品目等の問題を通して一歩すつ下がってきた経過がございます。
 しかしながら、これも考えてみますと、今日この時点で抱えておりますところの米だけはどうしても守りたいというこの事実の一点をもって各現場及び私ども、当委員会に置かせていただいて私も八年ですか、になるわけでございますけれども、やっぱりこの委員会にあって米だけは譲るまい、だからこれだけは泣こうということをやってきた立場でありました。したがいまして、こうしたすべてのものを背負って最後の交渉に臨んでいただきたいこと、重ねてお願いをするところでございます。
 次に、私は、先ほど来からお米の問題が出ておりましたが、それを消費地の立場からひとつお伺いをしてみたいと思います。
 消費地発といたしましては、食糧庁が十月十三日に出されましたところの消費者に対する米等の適正な供給確保についてというこの通達に基づいてちょっとお伺いしてみたいというふうに思うんです。先ほどいろいろ値上がりの問題でありますとか、在庫の問題も含めた数量の問題等がいろいろ指摘されておりましたが、そうした問題が現地の消費地に出てくるとどういうことになるかという現場の話でございます。
 私は東京の人間でございますので、東京食糧事務所でコメ一一〇番を設けております。これはこの十二日の通達に基づいて消費者向けの一一〇番を設けておるわけでございますけれども、そこに消費者団体の代表が、店頭に米がないということで苦情を申しましたところ、あなた、こんな時点に米がないなどということはないのであります。それは来年の六月か七月の時期のせりふならいざ知らず、今そんなことがあり得ないのでありますというふうに、逆に怒られたというんですね。それで一体どんなのが窓口にいたのよと、私は一人で怒っていたわけですけれども。確かにそんなことがあってはならないはずのことが事実町では起きているわけでございまして、毎日やはり売らなければならない数量を確保するので、特に小さな小売店さん等では大変に困っておるのは事実です。
 すそ物が少ないというのはよく御存じですが、これはことしの凶作に遣わなくても、従来からだんだんいわゆる政府米と称するものが少なくなってきてすそ物がなくなっているというのが小売の店頭での多くの言い分でございましたが、この一一〇番の問題もあわせて米の実態の巡回調査をなさったというふうに聞いておりますが、まずその報告を教えてください。
#97
○政府委員(永田秀治君) 今の東京事務所の対応の具体的な例につきましては大変申しわけない。ことだと思います、事実であれば。私どもも常日ごろから、事務所の対応につきましては十分注意をするように、特に消費者の方にはわかりやすく説明するようにという話をしておりますので、今後ともそういうことで指導させていただきたいと思います。
 それから、コメ一一〇番の問題でございますけれども、これにつきましては全国の事務所にこの十月の初めに設置をいたしました。これは通達の前に設置しておりますので、その間、全国的な集計はちょっとわかりませんけれども、東京の事務所の場合ですと三百八十件ほど意見なり苦情なりが寄せられているということでございます。
 今お尋ねのございました巡回指導の件でございますけれども、これは通常でありますと卸売業者は年に一回の巡回指導でございますけれども、これを月一回すつ実施する。これは十月から来年の一月までの四カ月、特に年末年始を控えましてやりたいということでございます。それから、小売業者の場合は通常これも年に一回でございますけれども、四カ月の間に一回以上巡回する。期間は十月から同じく来年の一月を中心にしてやることにしております。
 また、苦情の中でいろいろ個別にお話がございますような場合には、個別の業者に対しましても私ども出向いて事情聴取するなり、あるいは場合によると指導するということにしております。
 それから、状況がどうかというお尋ねでございますけれども、始まったばかりでございますのでまだ結果が参っておりませんので了後ほどまたわかり次第御報告させていただくということにしたいと思っております。
#98
○刈田貞子君 先ほどやみ米業者の話が出ておりましたけれども、その中でそうした不正規流通米の業者に対してのいわゆる摘発というんでしょう
か、あるいはまた指導した例というんでしょうかそういうのがあるかないかというのが一つ。
 それからもう一つは、今言ったその数量が確保できないという問題がある関係上、やみ米、不正規流通米といってしまえば大変聞こえは悪いんですけれども、今小売の店頭あるいは中間卸の卸の段階では自由米という形で全く普通の言葉あるいは事柄としてこれを調整弁に使っているんですね。やみ米というと聞こえが悪いんですけれども、自由米を買って足しておりますと、こういいますと大変よく聞こえるんでしょうか。自由米というのが全く調整弁になっているのを私どもはよく知っておりまして、もっと言いますと、今週買ったお米の値段が来週は同じ価格ではあり得ないというのは、そのやみ米価格、つまり自由米価格の値段が都度都度に違うものですからそれをブレンドして売るので来週の価格は小売業者にも読めない、こういう実態が出てくるわけでございます。
 私も主婦でございますから米を買っております。それで、今まで十キロ五千八百円だったものが六千百円、そして先々週六千三百八十円で買ったのがきのう買ったら六千六百八十円、ばかに上等な米じゃないんですよ、ですけれども六千六百八十円。普通のときから見ますと千円弱上がっているわけですね。これは今消費地では当たり前のことになっていまして、八百円から千円ぐらいは上がっていても仕方がないのではないかというふうに思っているわけです。
 一つお尋ねしたいのは、さっき言ったやみ米業者の摘発ができているのかいないのかということと、それから自由米なるものが、さっきも話に出ていましたけれども、残念ながらやっぱりこれがお米の供給あるいは流通の段階で調整弁になっていっているんでしょうねということを一つ。それから、価格の問題についてどのような御指導を今されているんですか。その三点。
#99
○政府委員(永田秀治君) お答えを申し上げます。
 まず、やみ米の問題でありますけれども、不正規流通を放置いたしますと、米穀の流通秩序に重大な支障を及ぼすということだけでなく、食糧管理制度に対する国民の不信を招きかねないということで、これまでにもその防止対策に厳正に取り組んできたところでございます。特に、本年のような需給事情のもとにおきましては適正ルートの集荷、流通が国民への米の安定供給にとりわけ私どもは重要だと考えております。
 このために、食糧事務所、県、市町村、それから生産者、集荷団体が連携をいたしまして生産者に対しましてPR活動、これは農村を巡回しております。それからまた、不正規流通一一〇番というのをつくっております。これは市町村なり食糧事務所なりいろんなところに設けてあります。それから、米の流通業者への巡回指導もやっております。中止指導ももちろんこれはやっております。そのほか、警察庁や各都道府県の警察にもお願いをいたしまして路上指導も実施しているところでございます。この結果、本年七月以降現在までに不正規流通に関与した業者に対しまして指導した件数が六十四件に上っております。
 それから、これは行政の方からの指導というのが不正規流通防止の一番のねらいでございますけれども、そのほかにどうしても悪質な場合には司法当局に告発するということもやっておる次第であります。
 それから、次にお尋ねのやみ米が調整弁になっておるのではないかということでありますが、需給が非常に緩和されている場合ですと余り目立たない問題でありますが、ことしのように非常に厳しい状況の中では、今までもやみ米で供給していたところもそれぞれ供給が細ってきておりますので、そういうところに供給してほしいという要望が出てくるわけでありますので、私どもの方は、従来からきちんと供給されているかどうかという点も踏まえまして、供給に当たりましては卸、小売の形できちんと前年どおり供給されるように実施はしておるわけであります。
 正規の流通の方はきちんとやるようにしているわけでありますが、先ほども申し上げましたように、何よりも政府の管理米にどれだけ集められるかということが一番のポイントだと思います。今刈田委員の御指摘のとおりで、ことしのような場合には、テレビ等で放映されているのを見ましてもやみ米というのは高く売ってしかるべきだというようなことを言っておりますけれども、私どもは、消費者の皆様方にきちんとそれなりの価格で供給されなければいけないということでありますから、全力を挙げて集荷に努めているということであります。
 価格でございますけれども、これは九月の私どもの調査で見ますと、前月に比べますと、小売店での調査でありますが、特、上、中とございますけれども、特の場合で一二一%、上で〇・九%、中では〇・五%の上昇でございますが、十月の下旬の私どもの調査では特で八・〇%、上で七・一%、中で五・七%。標準価格米については、数量はないという問題はございますけれども、これは横ばいでございます。
 価格の上昇の問題につきましては、自主流通米の価格は一定の値幅制限のもとで行われておるわけでございますので、政府米による供給比率が低下し自主流通米の割合が上昇しているということもあるわけでございますけれども、先生のお尋ねのようなやみ米でやっているところというのは多分上がらざるを得ないというようなことだと思いますので、私どもは極端に価格が上がっているような店頭につきましては食糧事務所が指導に参っている次第であります。
 それから、じゃどういう対応をするのかということでありますが、政府米の方というのは、これはすそ米というふうに言われましたけれども、業務用の米とかそういうものはそれなりの用途があるわけでありますので、私どもの方もそれぞれの要望に沿った米づくりということを指導してきたわけでありますけれども、ことしはそういうことも異常気象のもとでは吹き飛んでいるわけでございます。
 私どもが今やっておりますのは、自主流通米と政府米とを一体として需給操作を行う。そういう供給計画に沿って全国隅々まで公平な供給が行えるようにする。それから、年末年始につきましては特にモチ米を中心にした加工用の米が大変問題になりますので、これについては緊急輸入を進めたところでございますし、主食用についても必要な量の輸入を行うということでございますので、これらの措置が着実に実施されるようにやってまいりたい、このように考えております。
#100
○刈田貞子君 秋は消費者団体が集まって消費者大会を開く唯一の月になっているんですけれども、ことしの消費者大会、全国大会は、この食料確保の問題が大きなテーマになっていると聞いております。そして、高いあるいはえたいの知れないもちを食べるのならば、ことしはもちなしの年にしようかという申し合わせをやりましょうかというような話まで出ておるようなぐあいでございまして、消費者も生産地の状況に合わせて相当いろんな意識変革を行おうと今しているような状況下にあると思います。
 もう一つお尋ねしたいのは、十一月一日からできました特定標準米の話ですけれども、特定標準米はそうすると幾らになれば妥当なのかという問題があると思います。昨日からきょうにかけて米審が開かれておりまして、消費者米価というものが据え置きになり、そして一応は基準になる消費者米価というのがあるわけなんですけれども、この消費者米価の対象になる政府米があやふやな形でなくなっちゃっているということで、何のための消費者米価がという話さえ出ておるわけでございますが、しかしながら、その特定標準米の値段を幾らに今考えればいいのか。ちなみに私の調べてきているところでは四千三百八十円でございます。これが適当かどうか。
 これを一つ伺わせていただくのと、あわせて、消費者は今大変に需給関係に不安を抱いているわけであります。したがいまして、先ほど来から大きな国規模での需給関係の話が出ておりました
が、消費地においても、食糧庁は四カ月ごとのサイクルで供給計画を立てているわけでありますから、少なくともその四カ月サイクルの供給計画ぐらいは現地に示せないものだろうか。先般新聞に広報なさいまして、米はあるのだから不安を抱かなくてもよろしいのだという広報を一般紙になさいましたけれども、あの程度のものではなくて、きちっとした数字をもって消費地に米は決して不安がないのだということを、ないのならないようにきちっと出さなければいけないんじゃないかというふうに思うんですが、この点二点をお答えいただいて、質問を終わります。
#101
○政府委員(永田秀治君) 特定標準価格米でございますけれども、これは県によりまして組み合わせる政府米と自主流通米、それから自主流通米はなるべく安いものをということに指導しておりますが、県によりますと必ずしもそういうものがないところもございます。県によって大分差がございますけれども、全国平均で各県の価格を見てみますと大体四千四百円ぐらいでございますので、刈田委員のただいまの四千三百円ということですが、標準に近いのではないかなというふうに考えます。
 それからもう一つ、ことしは特に主食用の米はどうなるかということで、先ほど申しましたように、加工用の米の輸入というのは既に着手しておりますが、主食用については今後考えていくということで、とりあえず供給計画につきましては年三回で確かにやっております。ことしの十一月から二月までの分については既に話をしておるわけでありますが、これは通常の年であればこういうことは全然問題にならない、通常の業務でありますけれども、こういう年でございますので、委員の御指摘の点を踏まえまして、消費者の皆さん方にも伝わるように努力いたしたいと思います。
#102
○星川保松君 ガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉も大詰めにまいりまして、大臣も責任者として本当に御苦労さんでございます。みんな大臣頑張れと、こういうふうになっておるわけでありますけれども、ただ頑張れ、頑張れでは大臣も頑張っておりますとしか言いようもないと思いますので、心中察すれば本当にやせるような思いだろうと思うんですが、そうやせてもおられないようなんで少し安心しております。何とか知恵を出してこの包括関税化の中で米だけは例外にすることができないのかというのがみんなの願いなわけでございまして、何かいい方法はないだろうかとみんなで知恵を出さなければならない。その知恵を携えて大臣が交渉をしていただくというふうにしなければ、本当の大臣の応援ということにもならないんじゃないか、こう思って私なりにもいろいろ考えております。
 それで、欧米の皆さんというのは、我々よりも極めて理論的に物事を考え、理論的な交渉でないと彼らはがえんじないという向きがあるわけでございます。
 なぜこの日本の米を例外にしてほしいということをガットの方で受け入れてくれないのかということを私なりに考えてみますと、どうも根底に、いわゆる欧米の農業というのは牧畜が中心になって今日まで来ているわけです。牧畜が中心の農業で、しかも肉食文化です。それに対して我々の方はいわゆる稲作農業で、そして米食文化ということになっておりますね。そういうことからして、どうも牧畜肉食文化の皆さんが我々の稲作米食文化というものに対してなかなか理解できないというのが根底にあって、そこが打開できない大きなネックのもとになっているんじゃないかなという気がしてならないわけなんです。
 牧畜の場合は国土そのものを余りいじくらなくてもいいんです。家畜は牧草があって、その牧草を結局食べて成長するわけですから、丘は丘なり、山は山なりにそのままで使えるんです。生産に用いることができるわけです。ところが、稲作というのはそうはいかないんですね。山でもだめだ、丘でもだめだ、すべて水平面をつくらないと田にならないんです。
 私は飛行機に乗るたびに下を見ながら思うんですけれども、日本列島というのは本当にもう山脈の頂上部分だけが海面上に出ているんじゃないかとすら思われるような山国なわけですよ。そういう山岳列島の中で水平面をつくって水田を圃場として、そこで米を生産するということのためにいわゆる水平面づくりを山国でやっているわけです。ずっとそういうことをやってきましたし、いかに水平面を大きくするかというのが今の圃場整備なわけです。これは大変な仕事であり、大変なコストがかかるわけなんです。今でも圃場整備の場合は水田十アール当たり百万もかかるわけです。一ヘクタールで一千万ということになりますから、十ヘクタールで一億という金がかかるわけです。
 そういうコストをかけて生産をしなくちゃならないという国の現状にあってやってきたわけですけれども、アメリカとかオーストラリアで水田をつくるというのは、もうそんな金をかけなくても簡単に大きな水平面をすぐつくることができるような状況にあるわけです。そこでの稲作と日本のような山岳地帯の水平面づくりの稲作とは初めからこれは競争にならないというのも私は当然じゃないかと思うんですね。
 そういうところで、今まで我が国では米づくりということをやってきた。だから、米がだめになるということは水田がだめになる。米が国際競争に負ける、水田が耕作されなくなるということは、日本の国土そのものが破壊されてしまう、崩壊してしまうという危機感を我々は持っているわけです。だから、日本の米についてはひとつ例外にしてほしい、こういうふうに我々は願っておると思うんです。
 そういういわゆる農耕文化、牧畜と稲作の文化の相違、農業そのものの。あるいは食文化の場合も肉の皿にジャガイモをつけるかライスをつけるかというようなことしか欧米の食文化の中では考えていないわけです。米というものをジャガイモと同列にベジタブルとして、野菜として考えている。ジャガイモと同列なものですかう、何で自由化できないんだということになっていってしまうんじゃないかと思うんです。
 ですから、そういうことについていわゆるガットの皆さんあたりがどれほど文化の相違というものに理解を持っているんだろうかと私はいぶかるんですけれども、その点についてはどんな感じを大臣はなさっていますか。
#103
○国務大臣(畑英次郎君) 今星川先生から示唆に富んだお話をいただいたわけでございます。
 我が国の地形からいたしまして、農地面積そのものが一四%程度しかない。ところが、ヨーロッパ諸外国におきましては大方平地、言葉をかえて申し上げれば、農地が六〇%から七〇%というようなケースが大方と申し上げた方がいいと思います。さような意味合いから申し上げますと、私どもはやはりこれ以上農地を、そしてまた水稲作を減らすわけにはいかない。これは水資源の問題であり、国土保全の問題である、こういうような意味合いからの視点を交渉の際に強く主張させていただいているわけでございます。
 今先生からいみじくも御指摘がございましたように、その位置づけが残念ながらやはり野菜の範疇である、そういう実態もこれあり、ここ数年来先輩の皆様方が御努力を賜ります中でそういった問題点を指摘しながらも、今日まだ話し合いが平行線であるというような現状にはございますが、今先生からのお話等々をさらに私のこれからの一つの大義名分の柱としまして強く主張をしてまいりたい、かように考えております。
#104
○星川保松君 もう時間が来たようですけれども、一つだけ。
 先ほども質問があったようですけれども、いわゆる米だけを特別扱いの案が浮上したという、これは朝日新聞の五日付の朝刊に出ておったんです。これによると、いわゆる包括合意案に対する「農産物の例外なき関税化」の原則を崩さないで、そして例外として認める方法として「輸出入が事実上、行われていない品目」というような考え方が浮上しているというようなことが書いてあるわ
けでございます。これも私は一つのポイントじゃないかという気がします。
 というのは、ガットというのは、貿易する商品のいわゆる関税ということでありますから、輸出入が事実上行われていないというものは貿易にも関税にもなじまないということで、これが例外扱いというふうに持っていくいい考えではないかと。ただ、ここではその代償としていわゆるミニマムアクセスというのが出ているのは私はまずいと思うんですけれども、この前段の方だけは着想としては非常にいいんじゃないかと。これについて一言だけひとつお考えを。
#105
○国務大臣(畑英次郎君) この段階になりますと、ありとあらゆる、よく言えばいいアイデアということになるかもしれませんが、ある意味ではいろいろ難しい問題点を含んだ種々の記事、また御提案あるいは御意見等々が寄せられるわけでございますが、この最終段階におきましても、そういった意味合いのものよりもやはり従来からの基本的なあくまでも包括的関税化というものには反対である、これを力強く前面に掲げながら、終始一貫して最後の粘り強い交渉をやってまいりたい、かように考えております。
#106
○林紀子君 私は、時間がありませんのでずばり大臣にお伺いしたいと思いますが、今回の訪欧の目的は国内向けの世論対策だったのかということです。
 ECのシュタイヘン農業担当委員付の報道官は、今回の農相の訪欧は国内向けの世論対策ではなかったかと語ったと伝えられておりますし、また各マスコミも、「「最後まで粘っていることを内向きにアピールするためのアリバイづくり」との見方を裏付けた格好だ。」、「「最後のお願い」をしておくという国内向けの色彩が強かった。」、「政府としては、ギリギリまで日本の主張を伝えたという姿勢を、むしろ国内に示すことが重要だった。」などなどと書いているわけですけれども、そのとおりではないかという危惧があるわけですが、どうですか。
#107
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、やはりこの段階になりますといろいろな御意見が寄せられるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますとおり、農は国の大本である、その視点に立ちまして、あくまでも包括的関税化はのめない、この主張で引き続き努力をしてまいりたい、かように考えております。
#108
○林紀子君 こういうふうにお伺いするのは、どうしても牛肉・オレンジの輸入自由化のときのことを思い出さざるを得ないわけです。あの一九八八年にオレンジ・牛肉輸入自由化を受け入れた、その決着したとき、当時の農水大臣は二度訪米なさいました。その都度国内向けのデモンストレーションではないかというふうに報道され、そして結果はそのとおりになったわけなんです。そのときと非常に似ているわけです。
 そして今、ミカン農家も畜産農家も酪農家もどんなに大変な状況になっているか。あのときの二の舞は絶対許すことはできない、許されないということを強く申し上げたいと思います。
 そこで、具体的にお聞きしたいのですが、十一月一日のガットTNCでサザーランド事務局長は冒頭、「局面を打開するまでには至っていないが、農業分野では、いくつかの交渉参加国の間で、ある種の静かなる進展が見られたようだ」と述べていたわけです。
 先ほど、アメリカとECの間は足踏み状態だというお話が大臣の方からありました。そうしますと、進展があるといいましたら日本の米の関税化をめぐってではないかとすぐ思うわけですけれども、この点についてサザーランド事務局長に確認はなさいましたでしょうか。そしてどういう内容だったでしょうか。
#109
○国務大臣(畑英次郎君) 今、「静かなる進展」というお話でございますが、さような意味合いでの話の一つの項目という取り上げ方もございませんでしたし、そしてまた、その「静かなる進展」といいますものが我が国の問題ではないというように私自身は自分なりに承知をいたしておりまして、さような意味合いでの我が国関係のお話ではない、かような受けとめ方をさせていただいております。
#110
○林紀子君 確かめないでそのように感じられたということになるわけですね。
#111
○国務大臣(畑英次郎君) 私とのやりとりの中に、今日までそういうことの問題がないわけでございますから、そしてまたサザーランド事務局長の発言そのものを私自身が生で聞いたわけでもございませんので、ただいま申し上げた意味合いでの御理解を賜りたいと思います。
#112
○林紀子君 それではもう一点、サザーランド事務局長とお話しになったときに、「日本側が農産物輸出国側の供給義務を強調した際、事務局長は「引き続き検討する」と答え、最終合意案の修正をにおわせたからだ。」という報道もあるわけですが、これは大臣が直接おっしゃったわけですね。この供給義務というところが満たされたら、日本はこの最終合意案修正ということでのむというふうにお考えになっているわけですか。
#113
○国務大臣(畑英次郎君) 私は、物事の決着を図る場合にはあくまでも公平でなくてはならぬというのが一つの物の考え方であろうかというふうに考えております。さような意味合いでは、輸入国側、輸出国側、それぞれそれ相応の一つの責任というものを持たなくてはならない。
 たまたま本年、残念ながら日本は大凶作であった。そしてまた今度、これは一般論として、いわゆる輸出国側の大干ばつ等々があった場合に、その生産のすべてを自国消費に回すということも話としてはあり得る。かような意味合いでの問題点を指摘申し上げ、これからのいわゆる一般論としての交渉の中におきましては、双方に責任を課すべきだという主張をさせていただいたわけでございまして、それに対して物事がすぐ事務局長の方で取り上げて云々というような意味合いのものを感ずるというわけにはまいりませんでしたけれども、強く主張をさせていただいて、それは一つの検討項目だということであったわけでございます。これが片づけば云々というような短絡的な問題ではなくて、一つの問題点であるという指摘をさせていただいた、こう御理解願いたいと思います。
#114
○林紀子君 それからもう一点、これは国内の話ですけれども、十月二十六日の衆議院の農水委員会ですけれども、細川総理大臣はこのように答弁なさっています。「極めて大まかな話について、しばらく前に幾つかの選択肢を示されて、こういう方向でという話はございました」と。そうしますと、この選択肢を示されたのは大臣ですね。この内容というのはどういうものなんでしょうか。
#115
○国務大臣(畑英次郎君) まことに申しわけございませんが、私自身の立場から選択肢云々ということを申し上げたこともございませんし、私はその委員会等々で、総理の発言につきましては、いわゆるやりとりの中でのいろいろな話が出た、さような意味合いの受けとめ方の中では、先方さんからいろいろな投げかけがあったと。いわゆる交渉事でございますからやりとりはある。それが本当の意味で合意を見て取り上げられたというものは何にもないというのが現在の姿と、かように心得ております。
#116
○林紀子君 ちょっと今のお話は違うと思うんですね。これは国内で総理大臣に対して幾つかの選択肢を示して、こういう方向で交渉をする、そういうふうに言われたというお返事なんです。大臣がそれを示さないということになりましたら、一体だれが示すのか。総理大臣がちゃんとお答えになっているわけです。こういう重要な問題、農水大臣以外に示す人はいないと思うんですが、そのことについてはどうお考えですか。
#117
○国務大臣(畑英次郎君) 今私が、そしてまた総理が踏まえております交渉の方針なり基本的な姿勢といいますものは、例外なき関税化はのめない、それを貫きたい、こういう意味合いでの交渉をしておるわけでございますから、それ以外の選択肢云々というのはいささか解せないと申し上げざるを得ないわけであります。
#118
○林紀子君 そうしますと、細川総理大臣がおっしゃったことが違っているということだというふうに受けとめさせていただきます。――じゃ、ちょっと答えてください。
#119
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど申し上げましたように、やはり交渉事でございますからいろんな言葉のやりとりがあるというような受けとめ方を私はいたしております。
#120
○林紀子君 ここは大事なところなので、農水大臣以外の人がだれか選択肢を示したといったら、これまた大問題なわけですよね。ですから、ここのところはもうちょっと明らかにしたいんです。
 じゃ、ちょっとお答えがあるのでしたらしてください。
#121
○国務大臣(畑英次郎君) ウルグアイ・ラウンドの問題は、私はこれはもう農業分野の米、乳製品の問題だけではなくて、いろんな金融問題、サービス問題、MTOの問題等、いろんな問題があるわけでございますから、そういったことをいろいろお考えになる中でのいろいろなやりとりがあっておる、こういうように私は受けとめさせていただいたわけでございまして、私の立場からこれこれの選択肢がありますというようなことを申し上げる余地もございませんし、そういうことは国会決議等との筋合いからいいまして、大筋からいいまして、そういう踏み外した提案を私自身がするはずがない、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#122
○林紀子君 それでは、だれが示したかということについて疑問は残りますが、私の時間がありませんので、最後にお尋ねいたします。
 大蔵省は、来年度の予算編成に当たりまして、零細補助金の打ち切りというのを打ち出しているようですけれども、その中で学校給食の米飯給食と牛乳への補助金が廃止されようとしている、こういうことなんですけれども、これは大変な問題だと思います。農水省はどのような態度で予算確保に臨んでいらっしゃるのか、むしろ拡充の方向で頑張っていただきたいと思いますが、いかがですか。
#123
○政府委員(永田秀治君) 米飯学校給食につきましては、米の消費拡大に寄与するとともに、長期的な視点に立って米を中心とした日本型食生活の定着を図るためにも重要な役割を果たしていると考えております。他方、学校給食用米穀の値引き措置等については、受益者負担の考え方及び財政資金の効率的使用の観点から、廃止を含めた見直しを行うべきとの意見があることは事実でございます。
 本件につきましては、米飯学校給食の意義を踏まえまして、財政当局等と十分協議をいたしまして、効果的な措置の確保に努力してまいりたい、このように考えております。
#124
○政府委員(東久雄君) 学校給食用の牛乳の件で畜産局の方からお答えさせていただきます。
 学校給食用の牛乳といいますのは、当然児童の体位の向上という観点、それからもう一つは、幼いときからずっと牛乳を飲み続けるという習慣は、日本人のカルシウム不足を解消する上で、牛乳を大人になっても飲み続けるという上で必要でございます。といいますのは、幼児で牛乳の飲用をやめますと腸内の細菌の酵素が変わりまして、大人になって飲めないという状態になります。そのためにも非常に重要でございます。それからもう一つは、酪農乳業のために非常に大事であると。特に中小乳業の供給が多いわけでございまして、これが重要であるという立場を私たちは持っております。
 一方、今先生がお話しのとおり、受益者負担の考え方に立って補助を廃止するべきではないかという議論、それからまた中小乳業メーカーの合理化にもう少し資するべきではないかという議論、ほかの方法があるのではないかというような議論がございます。
 こういうものも踏まえながら、私たちとしては効果的な措置の確保ということで十分頑張っていきたいというふうに考えております。
#125
○椎名素夫君 ウルグアイ・ラウンドについてはもう先輩の先生方から詳しい御質疑がありましたし、またそれに対して大臣から委細を尽くした御答弁もありましたので、あえて御質問を重ねるということはいたしませんけれども、これは将来にかかわる非常に重大な問題であり、基本的な誤りのない交渉態度を貫いてぜひ御努力を願いたいということをお願いいたしておきます。
 一つ感想を言わせていただきます。このウルグアイ・ラウンドの交渉というのは自由化の交渉、いわば少し古臭い例えですが、城をめぐっての攻防ということに例えますと、立派な城壁を築いて頑張ろう、こういうことだろうと思うんです。大臣の姿を見ておりますと、城の大手門の上の城壁に立って敵に勇敢に立ち向かう武者ぶりを想起させるものがありまして、まことに心強いと思っております。
 ただ、昔から城攻めの話を聞いてみますと、正面から攻められて落ちた城というのは余りないんですね。よく起こることは、城の中のだれかが裏の方のからめ手門をあけて、そこから敵兵がなだれ込むというようなことが非常に多い。これが先ほどから大分提起されている委員の先生方の御懸念だと思います。時々後ろも振り返って、そのあたり遺漏がないかお確かめを願いながら、正面の敵にも立ち向かっていただきたいと思うわけです。
 しかし、もう一つ一番大事なことは、やはり城の中できちっとその備えを持つということが根本でありまして、そのために城の中に井戸をたくさん掘ったり、あるいは実のなる木を植えたりということは、昔から築城の根本ということになっている。そういう意味で私は、日本の農業の体質を本当にこの機会に強くするということは何より重要であり、また特に、実際に携わっておられる農業者の方々が意欲を持って仕事に立ち向かうということを確保しない限りは、非常に悲しい表現でありますが、城壁残って荒城の月というような話になりかねない、この点を十分に我々は考えてやっていかなきゃいけないのじゃないかと思っております。
 将来の農業をどう展開するかということについては新農政という方向が示されているわけでありますが、しかし、今この時点に立って考えてみると、五年先、十年先の話も結構でありますが、ことしの大変な冷害、これに対して政府がどれだけ手厚い手当てをするかということが、この農業に携わっておられる方々の意欲というものを本当にここで確保して、そしてそれを将来につなげていくという意味で一番大事なことではないかというふうに考えているわけであります。
 先般、いろいろと政府の方でも冷害対策を出されましたけれども、何よりまずみんなが望んでおることは共済金がきっちりと早く支払われるということである。全国で申しますと作況指数は七五というようなことをいいますが、私の出身の東北では青森が二八、岩手が三三、宮城が三八と本当に惨たんたるものになっております。
 十月二十八日に農林水産省でおまとめになった冷害対策の実施について、被災農家に対して共済金を年内に支払うこととして、補正予算において再保険金の支払いに必要な財源を確保するという方針を出されておりますし、また二十二日のこの委員会でも決議をしております。これは非常に重要な点であるかと思いますが、ことしの冷災害による水稲共済金の支払い総額は五千億ぐらいに達するのではないか、そのうち三千七百億が不足になる、このためにどうしても農業共済特別会計の繰り入れが必要であるということになっているわけです。しかし、今財政当局との御交渉を精力的に進めておられるわけでありましょうけれども、何にしても大蔵省のくせですが、いつでも不況によって景気が低迷し、財政が厳しいというようなことでいろいろと御苦労されているのではないかというふうに思っております。あるいは場合によっては、一般会計からの繰り入れだけでなしに財政投融資からも仰ぐかというような話もございますが、そういうことになるとまた利払いの問題も出てくる。何とかしてこれはやはり一般会計か
らの繰り入れが必要であるというふうに認識をしております。
 こういう、今前段に申し上げましたような意味から申しまして、この異例、特例の際に、いつもの大蔵省の財政当局の論理というものを何とか打ち破って、そしてなるべく早くしっかりした方針を打ち出していただいて、そして農家の方々に勇気を与えていただきたいと思うわけでございまして、この点についてのお取り組みについて御質問申し上げ、お答えをいただいて、私の質問を終わります。
#126
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま椎名先生から、共済金支払い等々の問題を含めまして今回の異常災害に対する基本的なあるべき姿という点につきましての気持ちを込めた御質問をいただいたわけでございます。
 私自身も、御指摘がございましたとおり、約五千億近い農業共済金の支払い、これが年を越しますと、俗っぽい言葉で申し上げれば、ありがたみが半減するというような受けとめ方の中で、年内に現金を必ず被災農家の方々のお手元に届ける、これは必ず実行したい、こういうような意欲を持ってただいま取り組みをさせていただいておるわけでございます。そしてまた、今回の補正予算等々でそういった繰り入れ問題等を解決しなくちゃならぬわけでございますが、要は、あくまでも被災農家の方々の負担がふえるというようなことをあらしめてはならない、これも鉄則として私自身が心得させていただいておるような点でございます。
 今回は、御指摘がございましたように、従来の厳しい災害実態とは比較にならない未曾有の大凶作である。でございますから、今までの災害対策はすべてこれを積極果敢に展開いたしますとともに、御案内のとおり、既に金融関係におきましても三年据え置き、あるいはまたこの低金利の中にございましてもその三年間の中におきましては一・五%等々、従来考えられなかった問題を、いささか言葉が過ぎるかもしれませんけれども、その厚い壁を打ち破って大蔵当局の御理解もいただいた、こういうような意味合いの気持ちをこれからも引き続き本問題解決には十二分に踏まえて努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
#127
○新間正次君 大臣には本当にお忙しい日程でもって御訪欧御苦労さまでございました。今回の交渉ではとにかく日本の主張をはっきりと述べられた。非常に我々としても意を強くしておるわけでございます。ガット交渉でもお米が問題になるわけでございますけれども、同僚議員皆様方がおっしゃっておるように国内におきましても米が大変問題になっておる。
 そこで、食糧庁にちょっとお尋ねしたいわけでございますけれども、国民の主食であります米に関して、食糧庁は国民の意識について何らかの調査をなさっておられるか、また調査をなさっておられるならその結果をどのように把握しておられるか、時間がありませんので簡単で結構でございます。
#128
○政府委員(永田秀治君) 米に関する国民の意識調査といたしましては、一つは、平成二年十月に総理府が実施いたしました「食生活・農村の役割に関する世論調査」がございます。この調査によりますと、「おコメは日本人の主食として最もふさわしいと思う」ということや、食料は「できる限り国内で生産する」、それから米などの基本食料は「生産コストを引き下げながら国内で作る方がよい」といったようなものが高い割合で支持されているところでございます。
 それからまた、お尋ねの食糧庁でございますが、食糧庁といたしましても食糧モニター定期調査というのを毎年二回実施しております。これの項目はその都度違いますが、米の供給のあり方、米の品質と価格等について消費者の意向の把握に努めておりますが、米の供給のあり方の中では、やはり国内生産で賄うべきであるというものが高い支持を得ておるところでございます。
#129
○新間正次君 前回お尋ねしたときと同じような答えしか返ってこなかったのが非常に残念でございますけれども。
 さて、この冷害で、ある意味においては、私どもお米というものの大切さというものを改めて見直すいい機会を与えてもらったんじゃないかなというような考えも持っておるわけでございます。というのは、今までもお米というのはとにかくお米屋さんの店頭に行けばあるわけでございますし、ですから単なる商品の一つくらいにしか我々は考えていなかった。これが今回の大凶作でまさに米というのが農作物であり、まさにおてんとうさま次第であるというもので、我々国民にとっての主食として認識を改めてさせられたわけございますけれども、その割には生産、流通というものがどういうものかということについての考え方、これがまだまだ国民の間にも認識として甘いのではないかというような感じがするわけでございます。また、先ほど大臣からもちょっと御答弁いただきましたけれども、冷害対策に関して被災農家の方々に対してはいち早くいろんな対策を実現していただきました。これは大変結構なことでございますけれども、これも何か対症療法的な感じがしないでもない。
 そこで、私考えますのに、この冷害を機会に米のあり方を改めてもう一遍、大所高所といいますか、二十一世紀の子孫のためにも米管理のあり方をどうするのか、これをいわゆる官僚中心、霞が関中心ではなく全国民が論ずるべきいい機会じゃないかなと思うんです。例えば米の適正在庫水準、同僚議員からいろいろ質問ありましたけれども、これなんかもいわゆる財政主導の在庫調整ということではなくて、やはり国民の皆さん方に米のあり方をまず議論してもらって、その結果仮に二百万トンなら二百万トンの備蓄があってもいいんだという考え方になるのならば、私はそれはそれでいいじゃないかな、そういう議論をもっとどんどんどんどん進めていかなくてはいけないんじゃないかな、コンセンサスがあるべきではないかなというふうに感じております。
 また、国民一人一人の問題として二戸あたり二俵程度の在庫を持つくらいの、私はいわゆる家庭内備蓄というものも検討してみてはどうかなという感じがしないでもないわけですね。ことしはちょっとまずいですけれどもね、これは。この大凶作のときにこれをやってしまうというと、政府が何か米の買い占めを勧めているような感じがしないでもないんで、ことしはどうかと思いますけれども、そのくらいの考え方をぜひ国民の皆さんに持っていただくような、行政の方としても国民とのコンセンサスを持っていただきたい。
 それから、農家の方々に対しての転作の問題ですけれども、これも何となく場当たり式の施策が行われているんじゃないかなというような感じがしないでもないんですね。依然として農家の皆さん方からは何かお上から減反を強制されているんじゃないかなというような意識が全くないわけではないんじゃないか。農業団体あるいは農家の皆さん方、現場の方々がいろいろ御苦労なさっていらっしゃる。それが地方自治やら地方行政にもいろいろな悪影響が出かねないというような感じがしないでもない。
 こういうようなことを考えますと、国民、農家のコンセンサスを得るためにもっと広範な議論を論ずるべきいいチャンスじゃないかなと思います。きのう、きょうと米審も行われております。その審議会も何となく価格決定の権威づけの形骸化と言われてもう久しいんですけれども、こういう場であるいは米管理のあり方の議論をするというのも一つの方法じゃないかと思います。また、国民の意識調査が行われているという御答弁いただいているわけでございますけれども、本当に米をどうするのか。これはガット交渉全体の成功のため、米の譲歩やむなしとするのかということとも多少絡んでくるわけでございますけれども、暴論かもしれませんが、私はこれは憲法改正時と同様に国民投票でもやって一遍考えてみたらどうかなという感じがしないでもないんですね。
 食糧管理法、これはマスコミの批判が非常に多いわけでございますが、私はこの食管法に反対し
ているわけじゃありません。第一条にはまさにすばらしい、「本法ハ国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並二流通ノ規制ヲ行フコトヲ目的トス」と書かれておりますけれども、とにかく私はこれはすばらしいものである。農業基本法、農地法等と並び農政の国民の基幹法律であると私は思っております。この機会に憲法並みにひとつこれも国民投票を行ってみたらどうかというのも、暴論かもしれませんけれども私はいいチャンスではないかな、国民の審判を仰ぐべきではないかと思いますね。こういうように国民のコンセンサスがないままでは、ガット交渉の結果もどこを座標軸に置いて行うのか、また猫の目行政の批判ということも今後続くんじゃないかなという懸念も感じます。こういう冷害を機会に、ひとつ子孫のためにも米管理のあり方をどうするのか、全国民が真剣に論ずべき問題ではないかと考えておりますが、以上の諸般の点を考慮して大臣の御見解を最後にお伺いし、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
#130
○国務大臣(畑英次郎君) 米問題あるいはまた広く農業問題、この問題について今先生からいろいろ御意見があったわけでございますが、今度の大凶作に伴いまして、新聞紙面を拝見いたしましても投書欄等々に各界各分野の方々がいろいろ御意見を寄せておる。さような意味合いでは、この機会にあらゆる分野の方々の御意見を謙虚に拝聴する、この姿勢はより前向きに事を進めていかなくてはならない。そしてまた御指摘がございましたように、それぞれ従来から持っております機関等々でこの論議を深めていただく、こういうことに耳を傾けてまいりたい、かようにも考えておるわけでございます。
 いささか誤解を招くかもしれませんけれども、私は国民投票等々をするまでもなく、やはりこの農業分野の問題、主食の問題をめぐる対応につきましては国民各界各層の代表の国会の御意思、これを基本にこれからも十分その実現に向かって私どもが取り組んでいくことが今日の正しいあるべき姿ではないか、かようにも考えさせていただいているわけでございます。
 いろいろな御意見がある中にございまして、政治信念として主食の自給体制あるいは農は国の大本である、それを踏まえた取り組みをこれからも続けてまいりたい、かように考えております。
#131
○委員長(石井一二君) 本調査に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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