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1993/11/16 第128回国会 参議院 参議院会議録情報 第128回国会 厚生委員会 第4号
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1993/11/16 第128回国会 参議院

参議院会議録情報 第128回国会 厚生委員会 第4号

#1
第128回国会 厚生委員会 第4号
平成五年十一月十六日(火曜日)
   午後零時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     上山 和人君    日下部禧代子君
 十一月十二日
    辞任         補欠選任
     横尾 和伸君     及川 順郎君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     寺崎 昭久君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         会田 長栄君
    理 事
                大浜 方栄君
                木暮 山人君
                菅野  壽君
                高桑 栄松君
    委 員
                大島 慶久君
                清水嘉与子君
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                栗原 君子君
                堀  利和君
                及川 順郎君
                萩野 浩基君
                寺崎 昭久君
                西山登紀子君
   衆議院議員
       厚生委員長    加藤 万吉君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
   政府委員
       厚生省社会・援  土井  豊君
       護局長
   事務局側
       常任委員会専門  水野 国利君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(会田長栄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一日、上山和人君が委員を辞任され、その補欠として日下部禧代子君が選任されました。
 また、翌十二日、横尾和伸君が委員を辞任され、その補欠として及川順郎君が選任されました。
 さらに、昨日、勝木健司君が委員を辞任され、その補欠として寺崎昭久君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(会田長栄君) 心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院厚生委員長加藤万吉君から趣旨説明を聴取いたします。加藤万吉君。
#4
○衆議院議員(加藤万吉君) ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内客を御説明申し上げます。
 国際連合においては、昭和五十八年から昨平成四年までの十年間を国連・障害者の十年と宣言し、各国において行動計画を策定し、障害者の福祉の増進を提唱してきたところであります。
 我が国においても、この提唱に基づき、昭和五十七年三月に障害者対策に関する長期計画を決定し、この十年間に身体障害者福祉法の改正、障害基礎年金の創設、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正等、障害者に関する施策の着実な進展が図られてきたところであります。
 さらに、昨年四月には、本年すなわち一九九三年から二〇〇二年までの十年間をアジア太平洋障害者の十年とすることが国連アジア・太平洋経済社会委員会第四十八回総会において採択され、政府においても、本年三月に新たな障害者対策に関する長期計画を策定し、これまでの理念及び目標を受け継ぎながら、新たな時代のニーズにも対応できるよう積極的に取り組んでいくこととしております。
 しかしながら、障害者の完全参加と平等を目指すためには、今後も引き続き施策の一層の充実強化が求められております。
 本案は、このような国連長期計画の節目の時期に当たり、障害者を取り巻く社会経済情勢の変化等に対応すべく、心身障害者対策基本法を大幅に改正することとし、障害者の自立と社会参加の一層の促進を図るため、同法の題名を改め、障害者のための施策に関する基本的理念を定めるとともに、障害者の日及び障害者のための施策に関する基本的な計画に関する規定を設けるほか、雇用の促進、公共的施設の利用及び情報の利用等に関する規定の改正等、障害者のための施策を総合的かつ計画的に推進するための措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、法律の題名を障害者基本法に改めるとともに、障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することを法律の目的とすること。
 第二に、法律の対象となる者の名称を障害者に改めるとともに、身体障害、精神薄弱または精神障害が法律の対象であることを明定すること。
 第三に、基本的理念として、すべて障害者は、社会を構成する一員としてあらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとするを加えること。
 第四に、十二月九日を障害者の日とすること。
 第五に、政府は、障害者基本計画を策定するとともに、都道府県及び市町村も同様の計画を策定するよう努めること。
 第六に、政府は、毎年、国会に、障害者の施策の概況に関する報告書を提出すること。
 第七に、国及び地方公共団体は、障害者の医療、施設への入所、在宅障害者への支援及び雇用の促進等について必要な施策を講ずることとし、事業者に対しても所要の努力義務規定を設けること。
 第八に、心身障害者対策協議会の名称を障害者施策推進協議会に改めるとともに、中央協議会の委員を障害者及び障害者福祉事業の従事者のうちからも任命すること。
 第九に、この法律は、公布の日から施行すること。ただし、障害者施策推進協議会及び障害者基本計画等に関する規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日から施行すること。
 以上が本案の提案理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(会田長栄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#6
○前島英三郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 現行の心身障害者対策基本法は、昭和四十五年、議員立法で成立したのでありますが、その制定に当たり御尽力された先人の御努力に対して、まず初めに深く敬意を表するものであります。
 当時、高度成長の真っただ中であり、障害者福祉の問題に余り関心が寄せられていなかった中で、障害者の生活全般にわたる施策の基本的な方向を示すものとして制定されたものでありますが、その内容は画期的、先駆的であり、規定の多くは現在でも依然貴重なものとして高い評価を受けているのであります。
 次に、本改正案に賛成する理由の一端を申し上げたいと思います。
 本法が制定された後、昭和五十六年の国際障害者年や、昭和五十八年から始まった国連・障害者の十年等を契機として、障害者自身や障害者福祉に携わる多くの関係者の惜しみない御尽力によって、障害者に関する各種施策は大きく進展し、法制定当時に比較すればその水準は相当な高さにまで到達しております。
 今回の改正案においては、法制定後における施策の進展によって到達した基本的な内容を、幅広くかつ系統的に反映させている点をまず評価したいのであります。
 具体的には、法律の題名を障害者基本法と改正し、国連・障害者の十年の合い言葉、「完全参加と平等」の理念を本法の基本的理念として規定したほか、公共的施設等の利用に関し、事業者の努力義務規定を設けるなど、ある意味では二十一世紀を見据えたものとさえなっているのであります。
 第二は、障害者基本計画の規定を設けたことであります。
 これにより、障害者施策を総合的かつ計画的に推進するための体制を整えることができまして、施策の推進に一層の充実が期待されるところであります。
 また、基本計画の案の作成の過程におきましては、障害者自身の声が反映されなければならないことが法的に明確にうたわれたことも高く評価される点であります。
 第三は、障害者の日に関する規定を設けたことであります。
 障害者が差別されない社会をつくっていくためには、社会全体の理解が不可欠であり、障害者の日の法制化により啓発広報活動等が一層推進されることが期待されるのであります。
 第四に、高齢化社会の進展に伴い、障害を有するお年寄りが次第にふえております。こうした方々が抱えている問題は、障害者が抱えている問題と共通点がまことに多く、本法の改正は、高齢化社会への対応という観点からも極めて重要な役割を果たすものであると考えております。障害者が暮らしやすい社会をつくることは、同時に高齢者を含む社会のすべての人々にとって暮らしやすい社会をつくることにほかならないからであります。これがいわゆるノーマライゼーションの発想であります。障害者のための施策と高齢化社会のための施策とはまさに車の両輪なのであります。
 最後に、本改正案は、現状において最善のものと確信いたしますが、社会の進展とともに、絶えざる前進を目指して、我が党としても引き続き努力を重ねていく決意であることを表明いたしまして、私の賛成討論を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#7
○堀利和君 私は、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本新党・民主改革連合、民社党・スポーツ・国民連合を代表しまして、ただいま加藤万吉衆議院厚生委員長より提案されました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案につきまして、賛成の討論を行いたいと思います。
 本改正案が成立を迎えるに至りました。このことにつきまして、心から私は喜びを隠し切れないところでございます。
 当初、この改正の話が持ち上がったときには、条文の文言の修正あるいは小幅な改正にとどまるのではないかということで大変心配もいたしましたけれども、今回、このように大幅な改正のもとで成立を迎えることになったことは、与野党の各会派の努力、そして皆様方の大きな熱意のたまものであると思いますので、心より敬意を表したいと思います。
 この法律は、二十三年ぶりの大幅な改正となるところでございます。「完全参加と平等」をテーマにした一九八一年の国際障害者年、引き続いて八三年から九二年までを国連・障害者の十年とし、そして、それに伴いまして関係法令の改正、また具体的な施策の推進という、このような成果に立っての今回の改正であります。
 私は、賛成討論としまして、その主な理由を申し述べたいと思います。
 まず第一は、法の題名を障害者基本法としたことでございます。
 国の法律はおよそ千七百本あると聞いております。そのうち基本法と名のつくものは、さきに成立した環境基本法を含めて十二本しかなく、貴重な基本法の一つです。このように、障害者の施策において憲法とも言えるべき基本法として生まれ変わったことは大変大きな意義があると思います。
 第二は、第一条の目的において、障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加の推進、第三条の基本理念として、一九七五年に採択されました障害者の権利宣言に基づいて障害者が社会の一構成員であるということを明確にしたことでございます。
 第三は、障害の定義において、新たに精神障害を加えたことであり、身体障害、精神薄弱、精神障害という三つのカテゴリーに整理されたことでございます。
 第四は、国民に広く障害者の福祉に対する理解、啓蒙を進めていくために障害者の日を定めたことでございます。
 第五は、政府において障害者基本計画を策定し、障害者施策推進協議会の委員に障害者当事者及びその福祉の関係者を加えたことでございます。
 第六は、雇用、交通、建物、情報等の民間事業者の責務を明らかにしたことでございます。
 障害者が一人の社会人として生きる限り、施設の中あるいは在宅という家の中に閉じこもっているわけではありません。町そのものが、社会そのものが住みやすくならなければなりません。そういう点で事業者の責務を明らかにし、障害者が社会参加あるいは施設の利用の利便を知るために、努力するということは大変貴重な条文であると認識しております。障害の種類、程度によっては、確かにその施策に均衡を欠くところがございますので、この点については一層の施策の充実が必要かと思います。
 障害者を取り巻く社会経済情勢は激しく変化しております。特に、二十一世紀の本格的な高齢社会を迎えることを考えれば、お年寄りは何らかの障害を負っていくとも言われておりますし、あるいは子供にしろ、女性にしろ、若者にしろ、障害を持つ者が横断的に存在するわけです。そういう点で、障害者の福祉はすべての福祉の質的な側面を規定すると言っても過言ではないと思いますし、障害者がどれだけ社会に参加しているかは、その社会の文化的水準のバロメーターとも言われております。
 私は、そういう点からも、今後二十一世紀に向けてますます障害者施策の重要性と、障害者も一人の市民として当たり前に生きていける社会づくり、これを国を挙げて、国民一体となってやっていくことこそが重要であるということを訴えまして、与党を代表しての意見陳述を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#8
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、心身障害者対策基本法改正案について賛成の立場から討論いたします。
 国連・障害者の十年をきっかけとして障害者運動が前進し、世論の高揚によって心身障害者対策基本法の改正を求める声が高まり、このたび障害者基本法が制定される運びになったことを我が党は喜びとするものです。
 我が党は、この改正に当たりまして、心身障害者対策基本法改正についての提案を発表し、国連の諸決議、日本国憲法の生存権の保障などの理念に照らして、障害者の定義を見直し、障害者の全面参加と平等、権利の尊重、あらゆる分野での差別の禁止などの提案を行ってきました。
 本改正案が法案名称を障害者基本法とすることや、障害者基本計画の作成と実施状況の報告義務、全面参加と平等の趣旨が盛り込まれたこと、障害者の日を定めるなどの前進があったことを評価するものです。
 しかし、障害者の定義についていえば、国連障害者の権利宣言で言われているように、障害者とは、先天的か否かにかかわらず、身体的または精神的能力の不全のために、通常の個人生活並びに社会生活に必要なことを自分自身では完全にまたは部分的にできない者をいうとの規定にすべきとの障害者関係者の意見は強いものがあります。したがって、今後あらゆる分野における障害者の差別を禁止し、障害者の権利の保障を明確にして、関連法律の一本化を図ることを検討すべきであると考えております。
 さきの通常国会で廃案になった後の経過についていえば、自閉症及びてんかん、疾病を伴う障害を有する難病患者は障害者の範囲に入れることがこの改正案に含まれるということを確認しておきたいと考えます。
 これらの諸課題を実現するために、今後とも努力することを述べて討論といたします。
#9
○委員長(会田長栄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(会田長栄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、菅野君から発言を求められておりますので、これを許します。菅野君。
#11
○菅野壽君 私は、ただいま可決されました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本新党・民主改革連合、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、障害者の「完全参加と平等」の実現に向け、政府の「障害者対策に関する新長期計画」に基づき、障害者のための施策の一層の充実を図ること。
 二、てんかん及び自閉症を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって長期にわたり生活上の支障があるものは、この法律の障害者の範囲に含まれるものであり、これらの者に対する施策をきめ細かく推進するよう努めること。
 三、精神障害が法律の対象であることを明定したことにかんがみ、精神障害者のための施策がその他の障害者のための施策と均衡を欠くことのないよう、特に社会復帰及び福祉面の
  施策の推進に努めること。
 四、事業者の責務を新たに定めたことにかんがみ、事業者がその責務を果たしやすいよう、必要な施策を推進すること。
 五、中央障害者施策推進協議会に障害者及び障害者の福祉に関する事業に従事する者のうちからも委員及び専門委員を任命することと定めたことにかんがみ、地方障害者施策推進協
  議会においても、同様の趣旨が生かされるよう適切に指導すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#12
○委員長(会田長栄君) ただいま菅野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   (賛成者挙手)
#13
○委員長(会田長栄君) 全会一致と認めます。よって、菅野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大内厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大内厚生大臣。
#14
○国務大臣(大内啓伍君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#15
○委員長(会田長栄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(会田長栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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