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1993/11/08 第128回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する調査特別委員会公聴会 第1号
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1993/11/08 第128回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する調査特別委員会公聴会 第1号

#1
第128回国会 政治改革に関する調査特別委員会公聴会 第1号
平成五年十一月八日(月曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 石井  一君
   理事 大島 理森君 理事 北川 正恭君
   理事 野田  毅君 理事 保岡 興治君
   理事 左近 正男君 理事 前田 武志君
   理事 権藤 恒夫君 理事 三原 朝彦君
      逢沢 一郎君    石破  茂君
      小此木八郎君    坂本 剛二君
      自見庄三郎君    白川 勝彦君
      津島 雄二君    西岡 武夫君
      額賀福志郎君    葉梨 信行君
      浜田 靖一君    穂積 良行君
      細田 博之君    増子 輝彦君
      谷津 義男君    横内 正明君
      阿部 昭吾君    大畠 章宏君
      堀込 征雄君    岩浅 嘉仁君
      上田 清司君    岡田 克也君
      工藤堅太郎君    月原 茂皓君
      土田 龍司君    吹田  ナ君
      吉田 公一君    赤松 正雄君
      上田 晃弘君    太田 昭宏君
      高木 陽介君    前原 誠司君
      茂木 敏充君    簗瀬  進君
      川端 達夫君    笹木 竜三君
      穀田 恵二君    正森 成二君
 出席公述人
        神奈川県知事  長洲 一二君
        愛知県一宮市議
        議長      伊藤  俊君
        茨城県稲敷郡東
        村長      成毛 平昌君
        大阪府八尾市長 山脇 悦司君
        全国都道府県議
        会議長会会長
        長崎県議会議長 宮内 雪夫君
        千葉県印旛郡
        酒々井町議会議
        長       竹尾 昭治君
        東京都江東区議
        会議長     米沢 正和君
 出席政府委員
        自治政務次官  冬柴 鐵三君
        自治大臣官房審
        議官      谷合 靖夫君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
 委員外の出席者
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  松尾 徹人君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  山本信一郎君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       大竹 邦実君
        特別委員会第二
        調査室長    田中 宗孝君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月八日
 辞任         補欠選任
  斉藤斗志二君     横内 正明君
  笹川  堯君     浜田 靖一君
  中川 秀直君     坂本 剛二君
  小沢 一郎君     上田 清司君
  吹田  ナ君     岩浅 嘉仁君
  日笠 勝之君     上田 晃弘君
  柳田  稔君     笹木 竜三君
  正森 成二君     穀田 恵二君
同日
 辞任         補欠選任
  坂本 剛二君     谷津 義男君
  浜田 靖一君     小此木八郎君
  横内 正明君     斉藤斗志二君
  岩浅 嘉仁君     土田 龍司君
  上田 清司君     工藤堅太郎君
  上田 晃弘君     高木 陽介君
  笹木 竜三君     柳田  稔君
  穀田 恵二君     正森 成二君
同日
 辞任         補欠選任
  小此木八郎君     笹川  堯君
  谷津 義男君     中川 秀直君
  工藤堅太郎君     月原 茂皓君
  土田 龍司君     吉田 公一君
  高木 陽介君     日笠 勝之君
同日
 辞任         補欠選任
  月原 茂皓君     小沢 一郎君
  吉田 公一君     吹田  ナ君
    ―――――――――――――
本日の公聴会で意見を聞いた案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一号)
 衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(内閣提
 出第二号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三号)
 政党助成法案(内閣提出第四号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(河野洋平
 君外十七名提出、衆法第三号)
 衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案(河
 野洋平君外十七名提出、衆法第四号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(河野
 洋平君外十七名提出、衆法第五号)
 政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治
 資金規正法の一部を改正する法律案(河野洋平
 君外十七名提出、衆法第六号)
 政党助成法案(河野洋平君外十七名提出、衆法
 第七号)
     ――――◇―――――
#2
○石井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに河野洋平君外十七名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の各葉について公聴会を行います。
 この際、御出席の公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 公述人各位におかれましては、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。審査中の各案に対する御意見を拝聴し、審査の参考にいたしたいと存じますので、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 なお、御意見は、長洲公述人、伊藤公述人、成毛公述人の順序で、お一人二十分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 それでは、まず長洲公述人にお願い申し上げます。
#3
○長洲公述人 神奈川県知事の長洲でございます。
 委員の皆さんの熱心な御審議に敬意を表しますとともに、こうした機会をいただきましたことに感謝申し上げます。私といたしましても、政治改革の実現に心から期待をしておりますことを冒頭に申し上げたいと存じます。
 さて、今なぜ政治改革が叫ばれているか、その背景を私なりに整理してみますと、二点あるように思います。
 言うまでもなく、一つは政治腐敗防止の面でございます。ロッキード、リクルート、共和、佐川、そして最近のゼネコン汚職など、相次ぐスキャンダルに国民は驚きを通り越していささか絶望的な気持ちになっているやに感ぜられます。国民の政治に対する不信は頂点に達しているように思います。もし今国会でも不成立ということになりますと、国内のみならず、国際的にも日本への信頼は失墜してしまうのではないでしょうか。ぜひとも本委員会で審議をお尽くしくださって、一刻も早く政治への信頼回復のための措置を実行していただくことが急務だと思っております。
 最近では、一連の不祥事に関連いたしまして、地方自治体の首長からも逮捕者が出ておりますが、こうした政治腐敗を何とかしなければならないという切迫感は、中央も地方も変わるところはございません。私も、知事として大変残念なことであり、同時に危機感を持っております。せっかく世論の支持を高めてまいりました地方自治体への期待に水を差さないかとの心配もしているところであります。
 もう一つの背景といたしましては、日本の政治が世界の大きな歴史の流れに追いついていないのではないかということだと思います。
 振り返ってみますと、戦後の私たちの考え方の基本的枠組み、いわゆるパラダイムを決定づけてまいりましたのは、一つには、戦に敗れた貧しい国日本という自己認識、もう一つは、変わることのない東西冷戦という世界認識だったと思います。そして、貧しさをばねに懸命に働き続け、気がついてみたら、いつの間にか日本は経済小国から経済大国にさま変わりし、東欧、ソ連の崩壊により冷戦構造は消滅していたわけでございます。
 ここ数年の世界の大変動を私は歴史の峠と呼んでおります。東西冷戦は終えんして、世界は歴史の峠に立ち、今までとは全く違った景色が目の前に繰り広げられております。流れの速いこうした変化に現在の日本の政治が追いついていないのではないか、何か政治の仕組み自体がいわゆる制度疲労に陥ってはいないか、私は自分自身の反省も含めてそう感じております。まさに旧来型の政治スタイルが構造的に行き詰まって、国民に対しても世界に対しても政治的責任を十分果たし得ないでいるということではないでしょうか。
 このように、国民の政治不信と日本を取り巻く客観構造の変化、この二つが政治改革が叫ばれる背景となっているように私は思います。
 こうした社会の変動に私も神奈川の場で何とかおくれをとらずに県政を進めようということで、本県では、生活の質の向上、都市の質の向上、世界への貢献を三大目標に掲げて施策展開を推し進めているところでございます。私としては、国政レベルにおきましても同様に、生活者重視、国際貢献という理念を基本に据えた本格的な改革が必要ではないかと考えております。
 そうしたことで、現在政治改革関連四法案等が審議されているわけでありますが、私からは、個々の論点についてというより、多少大きなくくりで意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、選挙制度につきましては、民意の反映と国民の選択、この二つのバランスをとること、区割りにつきましては、客観的かつ公正に。特に実は神奈川におきましては、一票の重みが他県に比べて大変軽くなっておりますので、行政区の問題はあると思いますけれども、この際ぜひ格差是正をしていただくことを望みたいと思います。
 また、政治資金については、公費助成の考え方について理解をいたしますけれども、その前提として、まず何よりも収入支出の透明度を高めることが先決かと思います。以上のような原則に立って法案を取りまとめていただければと考えております。
 さらに、一つだけ申し上げたいと思いますのは、こうした議論の中に地方レベルの問題もぜひ含めていただきたいということであります。国政での改正があれば、地方へもいろいろ影響が出てくるはずだと思います。
 例えば政党への公費助成という話は、一体地方ではどうなるのでありましょうか。地方には無所属の議員が大勢おられますし、首長は圧倒的に無所属だと思います。本県の議会におきましても、こうした議論がなされ、意見書も採択されております。
 既に長い間御審議を重ねられ、争点も絞られてきていると思いますが、ぜひこれらのことを念頭に置いていただきまして、もちろん選挙制度には百点満点はないし、完全無欠はないと考えますので、現時点でのよりよい方法、ベターを目指し、欠点があればいずれ法律を改正するつもりで試行してみてはいかがでございましょうか。ぜひ国民にわかりやすい形で、今度こそ、とにかく政治改革を実現していただきたいと思います。
 ところで、今、政治改革というと、一つは選挙制度、もう一つは政治資金を中心とする政治倫理の問題が議論されております。もちろん当然のことでありますが、しかし、私は、これに地方分権という柱をさらに加えないと政治改革は完結しない、また、分権型の新しい政治システムこそ今日最も大きな政治課題であるということを強調いたしたいと存じます。
 小選挙区になりますと政策に基づく選択が可能になると言われておりますけれども、国会議員がますます地方利害にとらわれるということもあり得ると思います。別の観点から見ますと、今までのような利益誘導型の政治システムのもとでは、国会議員までが地方の仕事に追われ、本来の国政の課題に十分取り組むことができないのではないか。国がすべてを決める現在の仕組みをそのままにしておくならば、国会議員の地方議員化が進む可能性も強いかもしれません。地方のことは、もっと地方にお任せいただけませんでしょうか。
 そうした意味でも、制度を分権型に変えていくことをセットで実施しなければならないと私は存じます。これまで地方分権は、行政改革の課題とされてまいりましたが、私は、広い意味で政治改革のテーマでもあると認識をいたしております。
 私は、ちょうど十五年前でございますが、地方の時代というコンセプトを提唱させていただきました。日本は、明治以来、何とかして欧米に追いつくことを目標として進んできました。私はそれを追いつき型近代化と言っておりますが、その過程で、政治、経済、文化等のあらゆる領域で、画一と集権のシステムが形成されてまいりました。そうした状況下では、それが効率的な一面もあったと思います。しかし、ここまで社会が成熟してまいりますと、画一と集権ではかえって効率が悪い、これからはむしろ多様と分権が求められる、それが今や日本のキーワードの一つになっていると思います。
 この点で、昨今、地方分権への機運が高まっていることを私は歓迎しております。御承知のとおり、去る六月には、衆参国会で分権への全会一致の決議がございました。さきの総選挙では各党こぞって地方分権を公約に掲げられ、その後誕生した新政権も分権を政策課題の一つとして掲げておられますし、さらに、つい先日出されました臨時行政改革推進審議会の最終答申でも、「地方分権の推進」が大きな柱として位置づけられております。まさに、地方の時代は新たな実行の段階を迎えていると認識しております。
 無論、一方で、地方はまだ力が足りないといういわれなき地方不信論や、まだ安易に国に依存する体質があるとの声もしばしば耳にします。しかし、生活の現場である地方は、現実の具体的な問題に日々直面し、これに対応しなければなりません。その中で、環境、福祉、町づくり等々の分野で、むしろ各地の自治体は国の政策を先取りする取り組みを数多く重ねてまいりました。地方は、十分力を蓄積しているし、人材も育ってきていると思います。
 聞くところによりますと、全国に何々銀座というのが五百もあるそうですが、まねが本物にかなうわけはありません。それぞれの表情を持った町をつくるべきだと思います。私はよく表情豊かと申しますが、画一のものは表情豊かではございません。十人一色ではなく十人十色、できれば一人十色。一人一人の県民の生活から県内各地域の発展のあり方に至るまで、それぞれの個性を大切にすることを念頭に置いて県政に臨んでおります。個人も地域もみずからのアイデンティティーを大切にする。地方の時代は固有名詞の時代と言ってもいいのではないでしょうか。こんな感じが全国に、生活者と生活の現場である地方に広がってきているように思います。
 政治家の皆さんにこんなことをお話しするのは釈迦に説法かもしれませんが、これまでは政治というと、とかく高いところからイデオロギー的に天下国家を論じるものと考えられがちでした。こうした伝統的な政治を専門学者は、ハイポリティックス、高等政治と呼んでいるそうです。もう一つ、戦後の日本を含め先進国で目立ったのは、さまざまな職業団体が経済的利益の分配をめぐって政治や行政を動かすというタイプで、専門家の間ではインタレストポリティックス、利益政治と呼ばれているようです。これに対して生活者政治、ライブリーポリティックスは、伝統的な高等政治や利益政治と一味違う政治の動きで、これまでの政治家や行政が扱いなれた枠の外に、しかし深く広く生まれてきている新しい政治の流れでございます。この生活者政治を実現するためにも、政治、行財政システムを分権の方向に組みかえていくことが大切だと思います。
 そうした方向が各地で生まれ、これまでもいろいろな経験を積み重ねてきたわけですが、社会システムの面では全体として個性的な方向が各地に生まれてきた割に、行財政システムの面ではいまだに画一と集権の壁に突き当たっているように思います。しかし、ここへ来て、再び地方分権が大きなテーマになってきております。ぜひ、理念を掲げつつ、今は実績と論点を整理して、実行に重点を置くべきときでございまして、理念は変革的に、実行は漸進的にという思想で、具体化へのプログラム、プロセスを踏み出すことが肝要かと存じます。
 いささかPRめきますが、神奈川では、この十数年来毎年、地方の時代シンポジウムを全国ベースで開催してまいりました。ことしも、来週二日間にわたって、地方分権をテーマに開く予定でございます。
 こうした地方の努力は当然のことではございますが、今こそ私は、国会の出番ではないかと訴えたいと思います。先ほども触れましたが、分権は各党の公約でもございますし、国会でも既に決議がなされております。どうぞ、議員立法による分権推進のための法制定といったような方法も、一つの提案として御検討いただければと存じます。
 ささやかな私の知事経験でも、こうした大きな改革はボトムアップだけでは難しく、むしろトップダウンで進めていく方が効果的であると思います。神奈川でも、環境アセス、情報公開、産業政策、科学技術政策など、新しいことは大体私が先頭に立って進めてまいりました。つまり、政治のリードでございます。改革には政治家の決断が不可欠でございまして、地方分権こそまさしく政治家の仕事、今日的課題ではないかと考えております。
 最後に、ぜひ地方分権を含めまして政治改革が実現しますよう国会に深く期待していることを申し上げ、私の意見を終わりたいと思います。御審議の御参考にいささかでもなれば幸いでございます。
 ありがとうございました。(拍手)
#4
○石井委員長 長洲公述人、ありがとうございました。
 次に、伊藤公述人にお願いいたします。
#5
○伊藤公述人 私は、古くから毛織物の町として皆様方から御認識をいただいております愛知県一宮市の市議会議長の伊藤俊と申します。
 地方議会での発言には私もようやくなれてまいりましたが、国会という国権の最高機関であり、国の唯一の立法府で国政にかかわる大事について意見を陳述できますことは、まことに晴れがましく、小学生が学芸会の舞台に立ったときのような緊張を覚えております。
 初めに、いささか私ごとにわたりまして恐縮に存じますが、私の父は伊藤宗祐と申しまして、私と同じように一宮市議会議員として生涯を全うし、議長の職にもつかせていただきました。この父が存命中、機会あるごとにこんなことを口にしておりました。政治は流れる水のようなものだ、よどんだら腐ってしまう、政治というものにはいつも改革という要素が含まれておるべきだ、改革を改めて取り上げなければならないときは政治の主人公である大衆から見放されてしまったときである、このときこそ政治の危機であると申しておりました。
 この父の考えから推しはかりますならば、国会でわざわざ政治改革という言葉を取り上げなければならなくなってきたことは、実は国民が現存の政治に期待を抱かなくなっておることにお気づきになり、改革をお急ぎになっておられる御苦労が私にも身に迫ってひしひしと感じられます。
 とは申しましても、公職選挙法の一部を改正する法律案以下、このたびのいわゆる政治改革関連の諸法案をもって政治改革の本当の意味での実が上がるとは私を含めて大方の国民は見ておりませんし、これらの諸改革案も国民にはさほどの関心もなく、時に国会でこそ熱を帯びましても、国民は笛吹けと踊らずとなる懸念があるのを私は深く憂うる者の一人でございます。
 このように申します私は、一宮市議会においてはどの政党にも政派にも属しておりません。でございますから、これから述べさせていただきます意見は、全く自由な一地方議員である伊藤俊個人が直観だけを頼りにした視野の狭い粗笨的な見方、考え方とお受け取りをいただきまして結構に存じます。全体を通じましては内容や表現につじつまの合わないところもありましょうが、一つ一つの考えは、日ごろ私個人の政治活動の中で感じました国民の声を根底に置いて代弁しようと努力しているためのものだとお酌み取りをいただきますならば幸いに存じます。
 それでは、まず初めに公職選挙法の一部を改正する法律案から申し述べることにいたします。なお、以下述べてまいります改正案はすべて政府案を指しておりますので、さよう御理解を最初にちょうだいをいたしておきたいと思います。
 衆議院議員の定数は四百七十一であるべきだと思います。急激な人口の異動に伴う不均衡を是正するという口実のもとに、附則に次ぐ附則で現在は五百十一人になってしまっております。政治改革ばかりでなく、行政改革も叫ばれ出してから既に久しい年月が過ぎてきております。これに対する国民の目は極めて厳しいものがあります。この国民の目は、行政府に対してばかりでなく、国権の最高機関たる国会であろうと容赦するものではありません。もし唯一の立法府たる国会が例外と考えられるならば、附則で「当分の間」という言葉によって暫定措置を正当化されるようなこそくな手段を弄するのではなく、正々堂々と本則をこそ改めるべきではなかったでしょうか。こそくな手段こそ政治不信を招く第一歩でございます。それだけに、今、理由はどうであれ、定数は一度もとへ戻すことが信頼回復のレッスンワンであり、議員定数は極力減ずることも国民の信頼回復には重要な課題だと考えます。
 次に、戸別訪問についてであります。
 私は、これには大いに賛成でございます。候補者らが有権者を訪ねてみずからの政見、政策を説明し支持を訴えるばかりか、有権者の声に耳を傾け、それを政治に反映させるよう努めることはごく当たり前のことでありまして、ここに政治の原点があるのだと私は信じております。政治離れをしようとしている国民をもう一度政治へ、魅力ある政策を考え出す政治へと引き戻すには、それなりの地道な努力が必要でございます。その努力を怠る口実にプライバシー保護や静穏権配慮を盾にすることはいささか筋違いではないでしょうか。
 次に、投票方法は二票制が好ましいと存じます。政治は、政治家個人の資質にかかわることもかなり大きな要素でございます。それに国民は長い間候補者の名前を記載する選挙に親しんでまいりました。人の名前という固有名詞には、他の物や政党名にはない、口には表現しがたい温かみがございます。政治には合理性を重んじなければなりませんが、それと同等が、時にはそれ以上に人情の機微を解し、気の毒な人があれば一緒に涙するという繊細な神経を持ち合わせることも求められます。が、それと同時に、政党の主義主張や政策を目で確かめ、耳を傾けて聞き、将来への展望を見出すことも、これまた国民にとっては忘れてならない大切な事柄でございます。
 情にほだされやすい、人の固有名詞をもって投ぜられました一票でもって、政党まで選んだと見て律してしまうことは、むしろ危険ではないかと思います。合理的な思考のもとに将来に向かっての展望を明らかにする政策を打ち出した政党を見て、直接選ぶことができる二票制こそ妥当だと私は考えます。
 衆議院議員選挙区画定審議会設置法案については、海部内閣が並立制を提案したとき、第三者機関にゆだねられましたが、法案の骨子づくりと区割りが並行して行われたために、法案審議前にその全容が明らかになってしまって不満が続出し、法案そのものまでもみくちゃになってしまった経過は、国民がよく承知をしているところでございます。
 この事実を顧みますとき、私は自分の生活する地方のことしかよくわかりませんし、これは全国的規模のバランスから見ていくという極めて技術的と言ってよい分野のことでございます。それをあえて一地方議員が申し上げるにふさわしい何も持ち合わせておりませんが、ある近隣の親しくしている市議会議長さんから、比例単位については、身近な選挙、より民意の反映が可能な選挙とする方向が望ましい、したがって都道府県を単位とすることが最もふさわしいというお話を承り、私ももっともだとうなずいた次第でございます。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案について述べることといたします。
 政治資金の企業献金は、私は反対でございます。今日の国民の政治不信の源はここにあると言っても言い過ぎではないことは、毎日の新聞やテレビを見れば明らかでございます。
 そもそも企業は利潤を追求することが本務でありまして、それが最善であり、至上命令でございます。最近は、企業倫理などというきれいな言葉が並べられたりもしますが、企業からの献金は、利益誘導というよろいを上手に包み込んでしまう墨染めの衣をいまだ見出すことができておりません。国民の政治不信を回復するためにも、政党と企業の間には大きな距離を置く必要があります。
 とは申しましても、政治資金はこれまた必要なことは私自身よく承知をしております。ですから、個人献金を一定限度以内で認めることがよいと思います。しかも、これが法外なものにならないためにも、どれほどの少額であっても公表すべきであると思います。
 個人献金は税額控除などの優遇措置によって促進し、個人が献金することによって個人の意識が語らずのうちに政治へ結びつくことを助長することも、国民の政治離れを食いとめる大切な手段であると私は考えます。
 個人献金の拡大を図ることに伴って、現行の公職選挙法による政治家の寄附行為の規制を緩め、政治家を世間並みなつき合いができる道を開くように図るべきだと存じます。現行の公職選挙法のままでまいりますと、政治家は、法の目をかすめて世間並みのつき合いを保つか、それとも世間の義理さえ欠く世間知らずの政治家になりかねないのが現状でございます。最も世情に通じていなければならないはずの政治家が一番の世間知らずというそしりを受けることは、ひいては政治不信を招く一因ともなるのではないかと懸念いたしております。
 次に、政党助成法案について申し上げます。
 政党助成については、諸外国にその例を見ることができます。しかし、果たして外国の例がうまく機能しているかどうか、私はまたそれらの国を訪ねたことがございませんから詳しいことを申し述べかねます。読んだり聞いたりしましたところによりますと、一つイタリアの例を挙げましても、政党は国費から多額の助成を受けているにもかかわらず、大きな国家的汚職が多発しているのが現状のようでございます。
 このイタリアの例から見ても、国費で助成するからといって即政治の浄化につながると考えることはできません。むしろ、政党みずから何ら汗することなく助成されることによって腐敗し、堕落するおそれすらなしとしないのではなかろうかと危惧いたします。国民は汗して税金を納めなければなりません。その税金の上にあぐらをかいてくれる政党では、国民の信はたちどころに失墜することは明らかでございます。
 しかも、政党自身の内部においても、国費の助成は党内の中央集権化を招いて、地方の支部の声は山のかなたの雷にも思われなくなってしまうおそれが十分にございます。
 今日、地方分権の声がようやく高くなりつつあるとき、官僚の方々の発言は、地方公務員の資質に疑問があるとして、受け皿の用意ができていないという表現で地方分権には消極的になっておられるようであります。しかし、毎日の新聞やテレビでは、汚職事件を引き起こしてしまって政治の停滞さえ招きかねない現状をつくっているのは、実は官僚出身者のようでございます。もし地方公務員の資質が心配ならば、それを育成されるのも政府官庁の役目ではなかったでしょうか。いささか話が本道からそれましたが、これとよく似た現象が政党内部にも起こり、ひずみを来すのではないでしょうか。
 実際に、総選挙のとき、私ども地方議員を振り返ってみるとき、すべて手弁当で運動に参画してまいりました。こうした事実から推して考えますと、それほど巨額な費用が必要だとは思えません。また、日常の政治活動についても、国費の秘書の増員が図られようとしているとも聞きます。しかし、これらのために四百億円余とも言われる国費が政党助成金として計上し支出されることには、国民の大部分は全く望んでいません。
 加えて、地方の市長や地方議員は、無所属で活動しておられる人が相当数を占めております。これらの人の政治活動を、いわゆる市民党の枠から現在の政党の枠に組み込ませるような政党助成金の支出には、ますますもって国民は大きな疑問を抱くことは間違いないだろうし、民主主義政治の原点はどこに始まるのか、よくよくお考えがいただけますよう、私は強く要望をいたします。
 ただ単に政治活動にお金がかかるからといって、政党に国費助成を充てて事足れりとする安易な手法は、国民の最も嫌うところでございます。私たち一人一人が投票させていただきました国会議員の皆様方でございます。私の申します心情はよく御理解をいただけることと信じております。どうぞ、国民の血税は一円たりともむだに使わないという決意を持っていただきますよう、心の底からお願いを申し上げます。
 こう申しましては失礼かもしれませんが、お互いに政治に携わる者には老後の悠々自適はございません。先人の井戸塀の気概を見習いたいものだと、私自身、今ここにおいて自戒を新たにするものでございます。
 私ども地方議員の中にも、議員報酬の多寡は論ぜず、選挙で選ばれた議員であるという誇りを高く掲げて、政治活動に日夜尽力している者があまたあることをここに申し添えさせていただきます。
 今や、政治改革の具体的な政府案並びに自民党案、あるいはその他もろもろの意見は出そろいました。これらの案件の重要性を思うとき、政党間の安易な妥協だけで法律を生み出しでは、ますます国民の政治離れを招くおそれがございます。どうぞ、主権者たる国民の選択にゆだねる方策を見出されまして、国民の政治への信頼を回復されますよう、私は強く願ってやみません。
 以上、失礼をも省みることなく、私の思うところを率直に述べさせていただきました。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#6
○石井委員長 率直な御意見、まことにありがとうございました。
 次に、成毛公述人にお願いいたします。
#7
○成毛公述人 御紹介をいただきました茨城県東村の村長の成毛でございます。
 私は、急な手配で何かピンチヒッターの形でここに呼ばれたというような感じをいたしております。しかし、政治改革は今や国民世論である、天の声である、そういう気持ちを持っておるところでございますので、大変光栄に存じて出席をさせていただきました。しかし勉強不足でございますので、先生方のお耳に非常に差しさわる点等もあろうかと存じますけれども、御容赦をいただきたいと思います。
 よく外国の新聞等に、日本の経済は一流であるけれども政治は三流である、こういうようなことが書かれておる、このように聞いております。さらに、先ほど長洲知事さんからもお話がございましたが、ここ数年来の政治の腐敗等に対する国民の怒り、不信は大変なものがある。そういう背景のもとに何としても、国の外からも、日本の政治はすばらしいものである、さらに国民の皆さんから、国政、地方を問わず政治家は生まれ変わった、すばらしい努力をいたしておる、こういうふうにしなければならないというのが今回の政治改革であろうと私は思っております。
 そういう意味で、このたび政府提案、さらに自民党提案というようなことで、かなりの相違点のある法案がそれぞれ提案されたようでございますけれども、国民世論であるということを背景にして、譲るべきところは十分譲り合いながら、何としても今国会で成立を図られるよう、まずお願いを申し上げたいと思います。
 ただ、いろいろな法案の中で、政党助成法だけは、先ほどいろいろございましたように、私もかなりひっかかる点もございますので、その点につきましては後ほどまた申し上げたい、このように思っております。
 しかし、手法はいかに改正をしても、基本的になるのは、政治に携わる国会議員の先生方を初めとする我々地方政治家に至る政治家のやはりモラルの問題が基本ではなかろうか。もう一つは、国民全体が、きれいな選挙をやっていこう、きれいな政治をやっていこう、こういう機運をもっともっと強く打ち出していく、そういうことが私は基本にならないと、どういう手法をつくってもよくならない、このように私は思っております。
 昭和四十年代前半までは、私どもの村長選挙やあるいは村会議員の選挙等も、ほとんど手弁当の形で選挙が進められてまいりました。四十年代の半ばから、国政あるいは地方の選挙も本当に金のかかる状況になってきておる、これが実態であろうか、このように思うわけでございます。
 やはりその原因には、国の政治経済の中で、安易に金のもうかる世の中が出てきた。土地や株やあるいはゴルフ場等の開発等で、余り額に汗をしないで、少しうまくやって大きな金もうけができる、こういう世の中が生じてきた。そういう背景を踏まえて、やはり権力の伴う政治に金がかかってきたということも一面否めない事実ではなかろうか、私はこう思っております。
 そういう意味で、国の政治経済全体に、額に汗して働く人たちが本当に苦労して労働報酬を得る、正しい、最も妥当的なやはり姿がさらにさらに形成されないと、本当の意味での政治改革は難しいんではないか、こんなように私は思っております。
 もちろん、そうだからといって何もやらなくてはならないわけでありますので、今回提案されましたもろもろの法案が、いろいろこれから与野党政治折衝あろうと思いますけれども、そういう中で、妥結できるもの、譲り合えるものは譲り合って、成立を図られるようお願いを申し上げる次第でございます。
 それともう一つは、これまた長洲知事さんからもお話がございましたが、どうも今回の政治改革にしても、あるいはここ二、三年来選挙法の改正等がありましたけれども、国会議員の先生方の立場でだけ改正がされておるんではないか、そういうことを率直に思われてなりません。
 二年ほど前に選挙法等が改正になりましたが、私どもが、例えば、一年に一遍は懐かしい人たち、ごぶさたしておる人たちに年賀状はぜひ出したいと思っても、国会議員の先生方の立場では枚数的にも大変だというようなことで、これが廃止になりました。やめた後、私は熱心な年配の支持者から、何か私におもしろくないことがあって、村長、年賀はがきを出すのをやめたんですか、こういう話をされました。やめた理由がなかなか地域住民全体に理解されなかったと思いますけれども、そういうふうに、年賀はがき一枚を非常に政治家から来るのを楽しみにしておる人たちがたくさんいる中で、国会議員の先生方の都合を中心として、一年に四百枚か五百枚出す年賀はがきさえも出せなくなってしまった。
 こういうふうな一連の、一つの小さい出来事でございますけれども、地方の政治家と考え方が違う形で、あっという間に決められてしまう。選挙のときにも、私の選挙区の先生もきょうはおいででございますけれども、私どもはお見舞いを出すことができる。国会の先生方は地方の政治家には一銭も出せない。やらずぶったくりだなというような話が今出ておりますけれども。
 そういうふうに、今回の政治改革の法案の中でも政党助成法につきましても、地方議員、全国で三千二百三十の市町村がございます。首長あるいは知事、さらに六万人に近い市町村議員がほとんど無所属である。国会議員は約八百名弱でございますけれども、まあ六万数千名という地方の政治家は無所属であるということを踏まえますと、政党人だけが何百億というふうな政党助成があってもいいのか、そういうような感じを率直に抱いておるところであります。後でもう少し、これらについても申し上げたいと思います。
 そのような考え方もあるわけでございますけれども、しかし政治改革は天の声である、国民が全体が熱望しておるというふうに私は思っておりますので、そういう意味でぜひ成立を図っていただきたい、このように思います。
 具体的に六つほど申し上げたいと思います。あちこち飛びますけれども、要点だけ申し上げたいと思います。
 まず、公職選挙法の改正についての手法についてでございますが、まあ小選挙区制の並立制というようなことで、これは与野党同じ手法である。しかし定数が違っておりますけれども、現実の法律では四百七十一名、現実五百十一名ということでございますので、総数としては私は政府提案の五百名が妥当ではなかろうか、このように思っております。ただ、直接選挙の人数と比例代表については、恐らくこれから話し合いが成ると思いますけれども、やはりお互いに譲り合わないと、これはまとまらないというふうに思いますので、まあ二百七十五直接選挙、二百二十五比例、この辺が妥当ではなかろうかな、こんなふうに思っております。
 きのうの読売新聞にカナダの総選挙の結果が出ておりましたが、カナダはほとんど単純小選挙区制で行われたようでございますけれども、今まで与党でありました進歩保守党が百六十九名から一挙に二名になってしまった、そういう結果がきのうの新聞に出ておったようであります。そのかわり、今まで八十二名だった自由党が百七十八名というようなことで政権の移動があった。単純小選挙区は非常にわかりやすいわけでありますが、極端な票結果が出る。これはやはり日本には余りなじまないのではないか、こんなふうに感じます。
 そういう意味で、まあ半々というよりはもう少し直接選挙をふやした二百七十五対二百二十五あたりが、私の勘でございますけれども、安定した政権であり、なおかつ失政があれば政権移動が可能になる、そういう適当な票分けではないのかな、こんな感じを持っております。
 政治は安定していなければならない、これはもちろんでございますけれども、大きな失政があれば直ちに政権移動になる可能性があるというのも、いつも緊張した姿勢の中で政治家が政治活動をやるということのためにはいい形ではないのかな、こんなふうも思っております。そういう意味で、定数並びにその割合についてはそのように考えております。
 それから、比例代表の出し方については、与党では全国段階で、自民党案では県別にというようなことでありますが、私は、ブロック別あたりにすべきではないのか。余り県別ではローカルになりますし、全国的では参議院のように権力者の自由になるということではまずいんではないか。各ブロックごとに民主的に協議をして決める体制がよろしいんではないか。なかなか難しいとは思いますけれども、新鮮な形を考えるというふうなことでやるべきではないのかな。私ども地方自治体では八ブロックに分けておりますので、そういう中身でやることが、それぞれの県連の会長なり幹事長さんあたりが集まって民主的に決めていくということがいいんではなかろうかな、こんなふうに考えております。
 それから、投票方式につきましては、二票制が私はいいんではないか。海部内閣のときに自民党案も二票制というようなことで出したように聞いておるんですけれども、私は二票制がよろしいんではないかと。
 私の地元は、今度は野党になりましたけれども、立派な自民党の先生方が三名おられます。三名均衡しておるわけでありまして、例えば一人だけ残った場合に、他の二人の先生方の支持者は場合によっては棄権をしてしまう可能性がある、現在そんなことも言われております。
 ですので、直接投票はかなりの票はしなくても政党名は書こうというふうなことも既に巷間言われておりますので、死に票にならないようにするのには二票制をすべきではないかと。さらに、日本の国民はバランス感覚が非常によろしいんで、直接投票とあわせて、比例の票で全体のチェックをしていくということも可能ではないかと。そういう意味で二票制が私はいいんではないか、場合によっては当面というようなことでやるべきではないかと、こんなふうにも考えております。
 それから、戸別訪問につきましては認めるべきであろうと。当面、できれば人数を決めるべきではないか。例えば、村長ならば三百人とか国会議員なら千人とか、登録をさせて、その人だけが自由に戸別訪問ができるというふうなこと等も一つの方法ではないか。今の選挙法のように、マイクを握る人と労務的な人を十名ぐらい決めて大きな選挙をやる、これは選挙法違反をしていない候補がないのが当たり前のような選挙になっておるわけでありまして、実態に合った、しかもきちっとした登録的なすばらしい運動員を確保しないと選挙に勝てない、そういうふうな方法も一つの方法ではないのかなと、こんなふうに実感として考えております。ただし無報酬であるというようなことをつけるべきであろう、こんなふうに思っております。
 それから、政治資金規正法につきましては、政党助成とも関連あるわけでございますが、さきにも申し上げましたように、どうも国会議員の先生の都合のいいことだけ決められてしまうんではないか、七万人に近い地方の無所属政治家はどうなるのかなど、そんな感じを率直に思っております。
 今回の公聴会に地方六団体が正式代表が出られなかった。勉強がまだ十分でなかったという点、あるいは組織討議がされなかったということであろうかと思いますけれども、やはり暗黙のうちに無言の抵抗があったんではないか、私自身はそのように受けとめております。ですので、きょうは東村の村長ということだけで、個人的な立場できょうは出席をさせていただいたわけでございます。
 そういう意味で、先ほども地方分権、地方主権がこれから一番大事である、こういうことを言われておりますし、責任は国会議員の先生方がこれは大変重いものであるわけでありますが、仕事の苦労、そういうものは我々末端で頑張っておる人たちも同じである。そういうことを御認識いただき、さらに、これから福祉の問題等地方に課せられる仕事がどんどん多くなってきておる。しかも、町村も大きくなってきておる。そういう状況の中では、もっと地方政治家に対する配慮、地方主権、地方分権という考え方のもとにさらにさらに政治を進めていただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。
 来る前に何人かの皆さんに政党助成の話を聞いてまいりましたが、政治家は金がかかる、特に秘書をたくさん置くので金がかかるというふうな話をよく言われております。それならば、もっと国会議員の歳費を堂々と上げて、さらに秘書の数を、二名でなしに四名とか五名とか国で持つということをまずやって、政党助成は後にすべきではないか。国会議員も地方議員もみずから身を切って、金のかからない政治、金のかからない選挙を樹立をしながら、それほど一生懸命やっておるならば公費で持ってもいいんではないか、こういうふうにすべきであろうと。政党助成だけは後にすべきではないか、こういう意見がたくさんあるということもひとつお聞きをいただきたいと思います。
 それと、やるにしても、飛行機やJRにはただで乗れるそうだ、少なくともこういうことはまずやめるべきであろうというような意見等もたくさん出ております。先生方の耳には直接入れないと思いますけれども、いろいろ国民世論としてはそういう率直な意見がいろいろ出ておるということも踏まえて御審議をいただきたいと思います。
 その他いろいろ申し上げたいことございますけれども、時間のようでございますので以上で終わらせていただきますが、ひとつ地方の政治を十分お酌み取りいただきまして、また、立派な国政をさらに進めていただきますようにお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。
 ありがとうございをした。(拍手)
#8
○石井委員長 忌憚のない御意見をまことにありがとうございました。
 以上で公述人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○石井委員長 これより公述人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀込征雄君。
#10
○堀込委員 どうも三人の公述人の方々、本当にありがとうございました。この委員会での審議、ただいまいろいろな御意見いただきまして、大いに参考になったところでございます。
 私は、まず長洲知事さんにお伺いをしたいと思うんでありますが、知事さんは高名な学者、研究者でもございますので、とりわけ今私どもの審議の中で問題になっている、いわば衆参一体の改革を展望しながらこの政治改革法案の審議を進めるべきだという点について、私の所見を申し上げながら御意見を賜りたい、このように思うわけであります。
 日本の国会は、衆議院、御存じのように中選挙区で人と政党を選ぶ仕組みになっていると思うわけであります。個人と政権を選択をする仕組み、そして、参議院は一方で、全国区と県代表というような形で、いわば職能代表、比例代表、そういう機能、権能が参議院にあって、いわば人を中心とした仕組みが本来やはり参議院に与えられているのではないかというふうに思うわけであります。
 そこで、今、小選挙区と比例選挙の問題でありますが、御存じのように小選挙区は、いわば民意の集約という点はありますけれども、候補者本人の顔が見える選挙というところに最大の特徴があるわけでありまして、これは政権選択の選挙であると同時に、やはりその候補者本人、個人を選択をしていくという仕組みが一方で強調されると思うわけであります。比例選挙は、鏡の見えるような民意を反映する制度だ、こういうふうに言われていますが、しかし投票行動としては政党を選択するわけでありますから、ある意味では政権選択の有権者の意思が強く働いていくであろう、こういう特性を持っていると思うわけであります。
 そういうふうに考えますと、参議院選挙で比例を多くしていくということは、職能代表とか地域代表とか、そういう人中心の仕組みにやはりいささか反していくのではないか。むしろ、政権を選ぶ衆議院こそ一定程度の比例代表制がやはり備わっているべきであろう、こういうふうに私は、この政党中心の仕組みに変えるに際して、そういう今はやりの言葉で言えば私は哲学を持っているわけでありまして、そういう考え方で今の衆議院の選挙制度改革を私は仕組んでいくべきであろう、こういうふうに思うわけでありますが、長洲知事さんの、衆参の両権能にわたった御意見をお聞かせをいただきたいと存じます。
#11
○長洲公述人 大変難しい根本問題でございまして、十分お答えできないかと思いますけれども、やはり二院制をやっているわけでございますから、衆参同じような形になったんでは余り意味がないのではないか。特に参議院の方は、お話にもございましたとおり、人とか学識とか、そういうことを中心に選ばれているわけなはずだと思いますが、現状はほとんど政党化していると。何か体質が似てきたのではないか。そういう点で私もかねてから、率直に言いまして、参議院のあり方これでいいのかなという感じを持っております。
 当面は衆議院の制度改革ということでございますので、次の順番ということになろうかと思いますが、国会としては、当然参議院を中心に今御提起の問題はまた議論されてしかるべきではないか、そんなふうに一般論として感じております。十分なお答えになりませんが。
#12
○堀込委員 ありがとうございました。
 次に、伊藤公述人にお伺いをいたします。
 大変参考になる御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。公述人は、企業献金を、全くこれは廃止をすべきだ、日本の政治にとってやっぱりよくないものだということを明確におっしゃいました。それで、今、政党助成の関係で地方の無所属議員にも配慮しろという御意見も一方でいただいたわけでありますが、私は率直にお伺いしたいのでありますが、御存じのように自民党案では、政治資金規正法の関係で、資金調達団体、つまり政治家個人の周辺に資金調達団体というものを二つ残して、その団体への企業献金を年間二十四万、つまり二つ合わせて四十八万円まで許容するという内容になっています。
 これは、地方議員の無所属の方々を含めて企業献金をなくしても実態としてはそう困ることはない、あるいは、私どももこれから政治と金の関係をきちんと切っていくわけでありますが、地方議員の場合もそういう決意に立っていけば、地方の中で小口で企業からいただいているような、あるいは団体からいただいているような、そういう献金についてはすぱっと切っても問題ない、こういうふうに先ほどの御意見を拝聴いたしましたが、そのような見解でよろしゅうございましょうか。
#13
○伊藤公述人 お答えさせていただきます。
 今先生がおっしゃったふうにおとりをいただいて結構でございますが、先ほど申し上げましたように、企業献金そのものは、企業の本来の活動上の趣旨からいきまして、これが汚職につながるというような、汚職につながると言うと言い過ぎになりますが、つながるというふうに国民が理解しやすい状況であることは事実だと思います。
 政治不信の根本はそこにあると思いますので、疑わしきは罰せずなんということを国会の先生に言っては大変失礼なのでおしかりを受けるかもしれませんが、せっかく先生方が真摯な態度で政治活動をしてみえるのでありますので、国民から誤解の起きるようなことはお避けをいただきたい、そういう思いであります。 地方議員も同じような形でやりたいと思っておりますので、そういう意味で御意見を申し上げました。お気にさわった点はお許しをいただきたいと思います。
#14
○堀込委員 大変明快な見解をありがとうございました。
 成毛公述人にお尋ねをいたします。
 自治体の長の政治団体とか後援団体というのは、どうしても行政と関連ある団体や個人の参加などがおありになって、大変私はそういう意味では公平な政治という意味でお気遣いをなさっているんだろうというふうに思うわけでありますが、やはりそういう意味で、企業とか利益集団に有利な配慮をするというような行政にならないようなお気遣いというのはなかなか大変だというふうに思うわけであります。
 今御質問しましたように、地方の長の皆さんあるいは議員の皆さんの企業献金、周辺からの企業献金というのは、小口のものまで、やはりこれは国会もある程度この際大きな政治改革をやって身を律するので、この際、その周辺の企業・団体献金についてもすぱっと切ってこれは問題ないというふうにお考えでございましょうか、いかがでございましょうか。同じ質問です。
#15
○成毛公述人 お答えをいたします。
 私は先ほども、政党助成については後回しにしたらどうだ、これは国会議員だけが特別扱いではないか、こういうことを申し上げましたので、国会議員の先生方みずからが、まず政党助成も後回しで、みずからも企業資金は一銭ももらわぬよということであれば、当然我々もそういうことで結構であろうというふうに思いますけれども、四十七の知事さんあるいは三千二百三十の市町村長が、今すぐ絶対だめだということで果たして政治活動ができるのかな、率直に言ってそういう感じを持っております。
 しかし、私個人も含めて、ごく小口のものでもあれば、これは政治資金規正法で届け出をしておりますし、完全な透明度でやっておるという人が多いわけでありますので、今直ちにやめてもいいということをなかなか即断できかねる、そういう意味で先ほども地方政治家のことも十分配慮してほしいということを申し上げたつもりであります。
 ただ、基本的には個人献金にしていくべきであろう、このように思っております。
#16
○堀込委員 終わります。ありがとうございました。
#17
○石井委員長 次に、上田清司君。
#18
○上田(清)委員 新生党の上田清司です。
 先ほどの、政治は三流だというお話から伺いますが、私は必ずしもそうではないのじゃないかなというような考え方を持っておりますし、これは、各国の指導者あるいは世界の市民の人たちに幾らかの経験の中で聞く範囲内でも、日本型政治システムについてそれなりの一定の評価をしてもいいのじゃないかなということを私たちは考えております。
 それは、よくも悪くも一つの政党がずっと政権に立つことによって政策の一貫性があった、あるいはまた一つの欧米モデルを中心にした経済成長を追求することが可能であったとか、あるいはまた官僚主導の資源分配もそれなりに一定の成果を与えたのではないかなと思うのです。
 しかし、御承知のとおり、権力は絶対に腐敗する、絶対権力は絶対的に腐敗するというイギリスのアクトン卿の言葉にあるように、一党の長期政権というのが今日の政治改革につながるそうした問題が出てきたことを言わざるを得ないわけでありまして、まさしく東西冷戦の崩壊とともに、長洲知事が言われましたように、まさに峠を越えて新しい場面ができたのじゃないかな、私もそのように考えます。それこそ司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」を求めて私たちはずっと努力をしてきたわけですが、「坂の上の雲」を求めて上ったところに、何も場面がなくなるのじゃなくて、新しい場面をつくらなくちゃいけない、そういうふうな認識のもとにこれからの政治改革のあり方というのを論議しなければならないと思うわけでございます。
 そこで、伊藤公述人にお伺いしたいのですが、先ほども、企業献金には基本的には反対で個人献金をふやせという、文字どおり政府案の中身に近いお話をされたわけであります。と同時に、政党助成に関しては、どちらかといえば若干批判的な、あるいはまた否定的な方向でお話があったのですが、この個人献金について望ましいという部分が、原理として、理想として、理念として私たちもよくわかるところでありますが、私もかつて新自由クラブ立党のときに共鳴して参加したこともある人間の一人ですが、初年度にはそれこそ何万人という方が献金をしていただいたり三千円という党費を払っていただいても、二年、三年、四年となるとほとんどいなくなるという、そういう部分があると聞いておりますし、また、平成維新の会のお話を聞いていますと、百万人を目標にして一万円の会費で運営するということだったのですが、なかなか五万人程度で終わっているというようなお話を承ると、まだまだ日本の政治の世界の中において個人献金の総量的な拡大というのが、もちろん税額控除の問題等いろいろあるかもしれませんが、大変難しいのじゃないかな。
 そういう中において、諸外国でもう一通りこの政党助成についてもそれなりのルールと、そして成果の中で一定程度の制度的な定着というものも見ている場合がありますから、この辺についてお考えをいま一度ちょっとお伺いしたいところですが。
#19
○伊藤公述人 お答えをしますというのか、お尋ねをいただいていささかちょっと戸惑っておるのでありますが、先ほどの御質問のときにもお答えを申しましたが、私の申し上げたいのは、企業が利潤を追求するのを本務としておるということが国民のとるとり方であります。そこから献金をもらって、そこの企業のために動かないという話は、理解をしろとおっしゃられても非常に理解がしづらい。
 国会の先生が高邁な精神で、高邁な考え方で活動をされていることに水を差すような形になるということで、先ほども誤解があればおわびを申し上げるということで申し上げておるのですが、率直な言い方で、国民から見て、利益を追求するところが献金をして、極端な、言い方は悪いのですけれども、例えば企業の代表者とかかわるような審議が地方議会で起きるときも、当然除斥規定がありますね。それと同じような形で、企業からお金をいただいておって、あそこのためにはやらないよ、そういうのを理解しろとおっしゃられても非常に理解しづらい。
 私は、今回の申し上げるところで、個人献金についていいということで申し上げていますが、個人献金も一定額の以内で認めることがよいというふうに申しました。ということは、個人献金も、個人献金という名前で企業献金のトンネルが起きることを恐れるわけです。本来は除斥も含めて考えにゃならぬ。
 したがいまして、献金そのものをそれほど必要とされる形でなくて、途中の方で大変失礼なことを申し上げましたが、私は政治家の、特に国会の先生方に、大変言い方は悪いのですが、井戸塀の精神を思い出してほしい。だからといったって、かすみを食って生きているわけじゃありませんので、そんなことを言おうとは思いませんが、かつて先人は井戸塀だと、それで政治家は尊敬をされた。そういう中で私らもそれを見聞きして、私どもは地方でありますが、それを本来としてきましたので、そういう意味で企業献金はぜひやめていただきたい、そういうふうな考え方でございます。
 お答えになったかどうかわかりませんが、答弁させていただきます。
#20
○上田(清)委員 ありがとうございました。政府案の基本的な考え方に御同調されるような意見で、大変ありがたいと思います。
 それから、一応名誉のために成毛公述人に申し上げますが、JRとか飛行機代がただで配られているということではなくて、国会の方で買い上げておりまして、それで支出されている。お考えの中に、秘書が必要であれば何人でも財布の中をふやしてやっていけばいいじゃないかという議論の中で国政調査活動の枠の中でそういうものがなされているということの御理解をしていただければありがたいなというふうに思います。
 最後になりますが、長洲公述人にお伺いしますが、先ほど大変高いレベルでいろいろな地方分権のお話をしていただきましたが、具体的に、例えば政府の提案しております政治改革四関連法案の、賛否というまででなくても、お考えをもう少し具体的にお述べいただければ大変ありがたいな、参考までに教えていただければありがたいというふうに思いますが、いかがでございますか。
#21
○長洲公述人 私ども十分勉強していない点もございますけれども、政府提案の四法案、自民党さんの提案のものもございます。いろいろ食い違っているということは新聞等でも表になっておりましてそれなりに私どもも承知しておりますが、先ほどもちょっと触れましたように、なかなか一〇〇%完璧な選挙制度というのはないと思います。この辺は国会がお決めになることですから、国会の中で十分御審議をくださいまして、ぜひどこかで妥結点を見つけていただきたいというのが、私ども率直な気持ちでございます。
 ただ、少し言葉は過ぎるかもしれませんけれども、いろいろな論点の違いの裏にそれぞれの会派、党派の何か計算が見えているような印象を国民は持っておりまして、したがいまして、国民の方はきれいな政治をやってくれれば一番いいというのが一番根本でございまして、そのために議論していくと選挙制度まで行ったという経過は、私ども多少政治にしょっちゅう触れている者はよくわかりますけれども、一般の国民には大変わかりにくい。選挙制度はどうでもいいんだ、まずきれいになりなさいというのが、国民の声だというふうに感じております。
 そういう点で、個々の論点につきましてはぜひ誠実に国会の中で御議論いただいて、到達点を見つけて、とにかく政治改革が実現する、こういう方向でやっていただければと国民の一人として願っております。
 以上でございます。
#22
○上田(清)委員 大変ありがとうございました。
#23
○石井委員長 次に、太田昭宏君。
#24
○太田(昭)委員 公明党の太田昭宏でございます。
 さまざまな貴重なお話をいただきましたが、長洲先生にきょうは来ていただいておりますので、政党・政策本位の選挙、今回はそれが大きな政治改革の柱なんですけれども、その辺についてお伺いをしたいと思います。
 確かに今回の選挙制度、この新しい制度によりまして政党本位の選挙という形にはなろうかと思いますが、政策本位の選挙になるかどうかということについては、さまざまな意味で疑問とか意見が出されているわけでございます。相当、制度だけでなくて、政党あるいは政治家の側がそのことを心して国民に訴えるという、そういう姿勢が私は大事だと思います。
 特にネックとなるものが幾つか想定されているわけで、第一には、一人区となる小選挙区制では、過半数にも及ぶ票を獲得するために政策を訴えるというよりは、どうしても包括政党化するといいますか、だれにでもサービスをするといいますか、いい顔をするというような政策になりがちであるというような指摘もありますし、また、最近は特にイデオロギッシュな対立意識がなくて非常に、先ほども知事の方からもお話がありましたが、生活レベルとかそういうソフト面での対立ということを鮮明に出さなくちゃならないという、こういう課題もあると思いますし、また伊藤議長や成毛村長からもお話がありましたけれども、日本人がある意味では政策的に黒白をつけていくというような、そういうことではない違った感性を持っているというようなことがあろうかと思います。
 また、私大変心配しているんですが、小選挙区制になって二〇%、三〇%の得票率でも、多数の人が立ちますと当選するということになりますと、集中豪雨的なサービス合戦がまた逆にひどくなるというようなこともあるわけで、政策本位の選挙ということについては私たちが相当心しなくちゃいけないと思いますが、具体的に一人区で、しかも広範な地域というのを持って選挙戦を何回か戦われたという経験も含めまして、政策本位の選挙にしなくてはならないという、そういうことで私たちが心得べきこと、あるいは感想、御意見を長洲知事からお伺いをしたいと思います。
#25
○長洲公述人 私の乏しい経験ですから余りお役に立つかどうかわかりませんが、首長選挙は御指摘のように、いわば小選挙区で一人ということに相なります。私も毎回何人かの方と選挙戦を戦って当選さしていただいております。
 私の場合は首長でございますから、神奈川県をこういう方向に持っていきたい、できるだけ、今はつらいかもしれないけれども、神奈川はこういう方向へ行けばもっとはるかによくなるのではないかという希望と申しましょうか、議員のおっしゃる政策と言ってもよろしいのでございますが、やはり政策体系を私なりに訴えて、そして御支援をお願いする、こういう形でやってまいりました。
 私は、政党的には全く無所属でございますので、個々の政党にはいろいろお力添えをいただいておりますけれども、無所属の立場で、とにかく県民党の代表という意味で、神奈川県の将来像をできるだけ語りかける。私は、ちょっと僣越でございますが、どうも政治が暗くなり過ぎておりまして、もっと政治家が国民、市民に未来と希望を語りかける、一緒にやりましょうという、そういう側面が少し薄くなってきているのが残念だというふうに思っておりますので、できるだけそういう努力をして選挙をやってまいりました。
 つけ加えますと、私の場合はほとんど余りお金はかかりませんので、いろいろお金の面で苦労することはまずほとんどなかったということを申し添えさせていただきます。ありがとうございました。
#26
○太田(昭)委員 きょうは知事、議長また村長さんということで、ある意味では地方自治体の代表ということなんですが、別の選挙という角度から見ますと、知事選という海のように大変大きい選挙戦ということと、あるいはいわゆる市町村の非常に細かい、弁慶がのりをつくるというよりも、義経が細かく一粒ずつすって非常にきめ細かなのりをつくるというような、義経ののりづくりのような選挙戦を伊藤議長を初めお二人はされていると思います。
 そういう意味では、私は今回の選挙制度あるいは公職選挙法、選挙運動ということから考えますと、もっともっと幅広くみんなの自由な意見というものが選挙戦で展開されなければ本当の活性化された政治というものはないであろうというふうに考えておりまして、そういう意味ではもっとメディアの利用ということが、今回この法案の後にもさらに課題になろうかと思います。
 それから同時に、べからず選挙じゃなくて、できるだけ民衆の気持ちを代弁できるような、またそれが選挙に反映できるようなというような、そういうことでは戸別訪問を初めとしてそういうことが非常に大事かと思います。このちょうど真ん中のあたりの選挙制度で、特にべからず選挙みたいなことが非常に横行して、今回の場合でも戸別訪問とかそういうことについてはさまざまな危惧が逆に出されているわけでありますけれども、私は、できるだけべからず選挙ではない、そして規制緩和ということがさまざまな意味で言われているけれども、まさに選挙戦においての規制緩和ということを徹底的にやりながら、民衆のエネルギーというものを選挙戦を通じて国政に反映するというような流れをつくることが非常に必要だ、このように考えておりますが、メディアの利用ということが必要だということについてのできるだけ広い意味での長洲知事の見解や、あるいは非常に細かいという場合の、先ほども戸別訪問の話が、賛成という話をいただきましたが、さらにこの規制を取っ払って、それが積極的に必要だというようなお話を、メディアと非常に細かいレベルの戸別訪問を含めてのそういう選挙戦のあり方ということについて、三人の方からお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
#27
○長洲公述人 大変皆さん方が長時間かけて御議論なさっているテーマでもございますので、軽々に個人的な見解を言うほど私も自信はございません。しかし、例えば戸別訪問の問題でもできるだけ自由であるべきだというのは、基本方向として私もそのとおりだと思います。
 先ほどお金の話が出ましたが、基本方向はできるだけ個人献金でと。企業献金はどうしても、だれだって普通の人だったら、企業がただ何にもなしにお金を出すはずがないというようにみんな思っておりますから、ただ、そういうことを考えた上で、しかしこれは選挙民の方の長年のしきたりもあり、考え方もございますから、一挙にそこへ理想的な状況に行くのは難しいだろう。
 先ほど政治資金の面でも、政党助成法に私は一定の理解はしますけれども、まず透明性をはっきりすることと、将来はやはり企業献金はなくすという方向をしっかりさせること、その間国民も育っていく、こう思いますし、戸別訪問につきましても、いいか悪いか、私は正直なところよくまだ自分ではわかりません。
 ただ、日本の現状では、すぐ完全オープンで戸別訪問自由というのでかなり混乱が出ないかなという心配もございますので、何らかの歯どめをやりながら漸次、べからずではなしに、できるだけ自由な選挙活動、政治活動の方向に行く。そういう多少理念は変革的で、しかし実行はある程度段階的という方向で処理するより仕方がないのではないかというふうに個人的には感じております。
 不十分でございますが……。
#28
○太田(昭)委員 申しわけありません。簡単に、一言だけお二方にお願いいたします。
#29
○伊藤公述人 簡単に。戸別訪問の部分で、私は先ほど先生おっしゃったように、もうノリをちぎってちぎって、もっとちぎった方の選挙でありますが、戸別訪問をすることでいろいろ批判を受けるときに、迎合をするということを、迎合をし過ぎて政治が狂うというお話があります。しかし、現実問題としては、国民はそんなにばかじゃない。私などの場合で言うと、市民はもっと賢いよ、嘘を言って票はとれないよ。
 私ごとを言って大変恐縮でありますが、私は貧乏な議員でありますので、銭がありません。しかし、戸別訪問のかわりに、戸別訪問は禁止されておりますので、小まめに小さな演説会で御理解をいただく、それが票を固定をしてきております。私どもも、国会の先生の応援もやらしていただきます。そのときも、私の範囲内で個別の細かい演説会で訴えることによって御支持をいただく。だから、こんなものどうもならぬ、もっと戸別訪問をやらしていただいたら時間のむだもない。まず個人演説会をしようと思いますと、人を集めなきゃならない。会場に人を集めて、それからお話をする。それだけの暇があったら一軒一軒お邪魔した方がよほど早いじゃないか、そういう感じでありますので、戸別訪問はぜひ実施ができるような形で御審議がいただけるとありがたいと思います。
 少し余分に申しましたが、よろしくどうぞ御理解をいただきたいと思います。
#30
○成毛公述人 お答えをいたします。
 第一点のマスメディアの活用は、これから大変重要になってくると思っております。選挙の一つの大きな手法になるのではないか、このように思います。それから、戸別訪問はぜひ採用してほしいと思っております。
 ただ、マスコミの報道等については、最近私の方でも選挙がございましたけれども、やはりマスコミの報道の公平あるいは興味的な予測ですか、こういうことに対する報道のあり方等はかなり慎重にマスコミの皆さんにやっていただければありがたいな、こんなふうに常々思っております。
#31
○太田(昭)委員 ありがとうございました。
#32
○石井委員長 次に、三原朝彦君。
#33
○三原委員 どうもお三方、御苦労さんであります。
 短い時間ですので、一問か二問ずつしか質問させていただけないのが残念でありますが、長洲知事さんにまず私は質問させていただきたいと思うのですが、今新しく我々がやろうとしている公的助成の問題を通して、今までずっと我々百時間くらい議論してきましたが、その中で批判が起こるのは、そのことが今も皆さん方の話の中でありましたように、地方にも党みたいなことができるようになる、そうでないと無所属の人には不合理な、不利益な法制になっておるからというようなことでありますが、地方議会の方までも、長洲知事さんなんかはかなりもうほとんどの党から支持されているような感じだと思いますが、その党化、地方議会までも明らかに党が、何といいますか議論し合うような、厳しいちょうちょうはっしの議論が起こるような感じになるのがいいのかどうか。または、そのことが実はオール与党化するような、よく言えば協力体制、悪く言えはなれ合いみたいな議会の形になるんじゃないか。
 そのことが、ひいては批判も起こらないような問題が起こり、そしていずれのときにかよどむようなことになるんじゃないかという見方もあるわけですね。党化する方から見れば、逆に行政をやる向きではやりにくいじゃないかという意見もあると思うのですが、そういう点、どのようにお考えでしょうね。
 新しく党が地方にまで先鋭化してきて、議論をやり合う中での地方自治がいいのか。それともそうでなくて、ある意味での、オール与党という言い方はおかしいかもしれませんが、協力し合うような、余りそういう地方にまで党という先鋭化したものは起こらなくて、是々非々で個々の議員が賛成したり反対したりできるような議会がいいんであろうか。どうでしょう。
#34
○長洲公述人 これはいろいろなケースがあると思いますので、一概に言えないかと思いますけれども、地方議員はもう現実として県会でもかなり無所属の方がいらっしゃいます。まして市町村へ行くと、もうほとんど主力は無所属でございまして、これはいろいろやはり民意の反映の中で、何か中央の政党の全部出先機関になるということを地方では拒否するというのが、割に地方の政治、行政の実態なのではないかなというふうに私どもは感じております。したがいまして、政党助成法でも、一体無所属の人はどうなるんだということを大変県議会で、さらに市町村だったらもっと心配していると思います。
 私どもは、時々困ることは、正直申しまして、何か中央の政党間の争いが代理戦争で県会に持ち込まれ、市会に持ち込まれて、県民、市民の当面のいろいろな仕事とは余り関係ないところでいろいろなことが停滞するというようなケースも間々あるわけでございまして、そういう意味では、一概には言えないかもしれませんが、私は、余り地方まで全部中央政党の系列に入るという事態は日本の実態に合わないのではないかというような認識を持っております。
 以上でございます。
#35
○三原委員 じゃ、次に伊藤議長さんにお尋ねしたいのですが、今伊藤先生は政治の中での話で義理人情、人情の機微の話と、しかし論理の話とされたので、私もそのとおりだと思うのですね。政治の世界というのは、どうこう言いながらやはり親兄弟というのは、そこの息子が出る、弟が出ると必ず応援する、たとえ考え方が差があっても。
 そういう場面もあるし、逆にまたそうではいけない場面もあるわけなんですが、その義理人情の話から、実は僕らが五年ぐらい前ですか、政治家が、国会議員で一年生議員のときだったのですが、どのぐらいお金かかるだろうというようなことでいろいろ調べて、みずからを赤裸々に、かかった費用なんかを計算してみたのです。そうしたら、伊藤先生が言われた、いややはり世間並みのつき合いはと、こういうことでその世間並みのつき合いというのが重ねられていきますと、それがやはりウン百万になってしまったという事実があったのですね。それがやはり、これはまずいんじゃないかというようなことで、冠婚葬祭に対する縛りができてみたりとか、起こってきたんですよね。
 ですから、私も地元に帰って義理を欠いて今政治活動もしておるのですが、そういう面では確かに地元に戻りますと、いろいろな集まりがありますと、地元の議会の方、地方議会の方たちは、何とかかんとか名目をつけながらもまだ昔どおりのつき合いもされる。国会議員はやはり自分たちでつくった法律だからというので、私なんかもう我慢に我慢をして、やせ我慢をして法律にのっとったことをやろう、こうやっているわけですね。
 そういう面で義理を重んずれば、今度は国政レベルまで行きますと、かなりの額がかかる。そうすると、それが伊藤先生が批判された企業あたりまでも、安易な言い方かもしれませんが、行って、少し協力してくれませんかということにならざるを得ない。個人献金というのは、まだ日本の社会では醸成されてませんからね。
 今度は、義理を欠くようなことになると、反面では確かに伊藤先生がおっしゃったようなことはもうやめてしまおうと。それは企業からも団体からももらわないようにすれば、義理を全く欠けばできるようなことかもしれませんが、そういうところの兼ね合いで我々も悩んでいるのですが、私は今のところは、我々の政府提案の方では、もう企業・団体献金はやめよう、そのかわりに公的助成をもらって、それを何とか活用させてもらって政治活動ができるようにやろうということを今考えておるんですけれども、そこのところを、質問という言い方にならないかもしれませんが、政治家になれば、政治をやっている間は国会議員でも地方のレベルでも、もうこれは義理を欠かざるを得ないような状況になっているんじゃないかと僕は思っているんだが、どうなんでしょうね。(発言する者あり)
#36
○石井委員長 静粛に願います。
#37
○伊藤公述人 二点の部分でのお尋ねだというふうに理解をさせていただきます。一つは公職選挙法の関係で、私が余分なことを申しましたが、義理人情が欠けるような、世間を知らないようなことはいいかどうかという意見についてと、公費助成の関係のお尋ねだと思います。
 法律をつくる立法府の先生方に法の部分の解釈で申し上げるような失礼なことはちょっと避けたいと思いますので、私の個人の実例で例えば申し上げようと思うのですが、私が議長に就任をしましたときに、慣例で、先ほどもごあいさつのときに申しましたが、私の父は議長になったときに、私の方へ電話がかかってきて、金額は別としてちょっと持ってこいと。何だよと言って持って届けたら、事務局の者が、おめでとうございます。何がおめでたやという話で、父に文句を言いました。
 ところが、私もありがたいことに今度議長にさせていただきました。したがいまして、同僚議員に、もう私の方の形を言いますと、議長になって少なくとも次の議長が、私の場合は起きないだろうけれども、起きるとしても十五年か二十年先しか起きないわけなんです。しかしながら、皆さん集まっていただいて一杯やろうということになれは、集まっていただくんですからね、手ぶらというわけにいきませんのでと言ったら、私の方の事務局で聞いたら、八百円ぐらい足を出してもいいと。八百円ばかり足というとやれないんですよ。酒ちょっと飲み過ぎたらもう終わりなんですよ。だから、とてもやれないで。そんなら何ぞやる方法ないかと言ったら、逆に議長交際費から出すのならいいと言うのですね。そんなばかな話があるかということで、皆さんにおわびをして、就任祝いはやめさせていただきました。皆さんに御理解をいただいてあれですが、大変陰では、あのやろう、できが悪いという方のお話があるそうであります。
 また、もう一つ申し上げますと、こういうことを言ってはなんですが、我々の方も、議員報酬の値上げになるときは、報酬審議会の答申に基づいて出るわけでありますが、いっときちょっと報酬の値上げの方法に疑問がありまして、反対論をぶとうということで弁護士の先生に御相談を申し上げたのですが、どういう方法をとっても受け取るのを拒否すれば議席はなくなる。何とかならぬかということで調べてもらったのですけれども、議席はなくなるということで、そうすると反対のしようがないわけですよね。本会議で反対、委員会で反対と言っておいてもらうなんて、そんな器用なわけにいかないわけですよ。
 だから、公職選挙法的にそういう部分でも非常に疑問が多い。合っているとか間違っているとかと立法府の先生方に申し上げようと思いませんが、これをつくっていただいた法律の中で、もうがんじがらめで持ちかねとる。
 義理も欠けば、何ともそれこそ冠婚葬祭で、例えば葬儀で私がお見送りに行くときには香典が出せるわけでありますが、家内が行くときには家内の名前しかいかぬわけですね。生花も出せない。大事な人なので家内が生花を出したら、しかられちゃった。おっかあの名前で出すくらいなら出すなと。そんなこと言ってもらってもつかまっちゃうからしようがないじゃないかということでお願いに上がったんですけれども、私の大変お世話になっている有力な方で温厚な方ですが、家内の名前で出した生花の札をほかってしまわれた。目の前でほかられるんですからね。こんな思いまでして議員というのはどうしようか。好きでやらしていただいておるけれども、もう半分泣きべそでやめたいという感じを抱いたという思いを持っております。
 そういうことのないような形でお願いをしたい。だから、公職選挙法を改正される中で私らも政治活動ができるような、人としてのつき合いができるような形での改正をお願いをしたいという気持ちであります。
 また、公費助成についてはいろいろ申し上げると長くなりますので、あえて先ほどので思い起こしていただけるとありがたいのですが、私が例を出したのは、今報道等でもうるさく言われておるイタリアの例を出して申し上げたわけであります。それがそのまま今の現在の国会に当てはまるとは申しませんが、少なくともまだ現状は、日本はやってないじゃないかと。既にやっておるイタリアがあのていたらくじゃないか。だから、先ほどからも何度も申し上げておるのでそれこそおしかりを受けますが、先人が言った、政治は井戸塀だ、この精神を思い出していただきたい、そういう思いでいっぱいでございますので、意を尽くしませんが、これで答弁とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#38
○三原委員 もう時間がなくなりましたので、成毛村長さんには質問できないのが残念ですけれども、ちょっとだけいいですかね。じゃ、ちょっと一分だけ。
 村長さん、実は私の地元の福岡県の大川市というところでは、市長さんがおやめになるときに、公明選挙をするために市から立候補者に少しずつ市の助成か何かをやって、選挙をその中でみんなでやってみたらどうかというような運動があったのですが、実は私の町あたりでも、もうこのごろ町会議員に出る人がほとんどいないんですね。それはまあいろんな意味があるでしょうが、一つの要因は、やはり選挙は一種の、田舎へ行きますとお祭り騒ぎみたいになりまして、お金がかかる。それの割には全然その報酬なんか、御承知のようにそれで生活できるようなものでもありませんから、ですから、本当にボランタリーみたいな気持ちでやる以外できない。
 そんな状況なんですけれども、村会議員、村長さんのところの村会議員の選挙あたりでも、公営の選挙でというような感じになる方向には、村民の意識、村長さんの意識でないんでしょうかね。その点、ちょっとお聞きをしたいと思ったものですから。
#39
○成毛公述人 結論的に申し上げますと、残念ながらそういう空気にはなっておりません。
 ただ、村会、私のところでは村でありますが、村会議員になる若い人たちが前よりは少なくなってきておる、これは事実でございます。金がかかるとか、政治家が尊敬されないとか、いろいろあろうかと思いますが、世の中がよくなってきたので、私どもは青年団運動をやるときに、もう政治家になるんだ、地方政治家になるんだという意識をたくさんの人が持っておったんですが、そういうことをやらなくてもまあまあ若い人たちが世の中をエンジョイできるという風潮も一つあろうかなと。残念でありますけれども、そういう意気の高い青年たちが少なくなっておる状況も、地方政治家を志す人が少なくなってきておる、そういうことにも起因しているんじゃないか。選挙に金がかかるということも一つの考え方でもあろうかと思いますけれども、そんなふうに考えております。公的な選挙をやるべきであろうという風潮は、まだ残念ながら出ておりません。
#40
○三原委員 ありがとうございました。
#41
○石井委員長 笹木竜三君。
#42
○笹木委員 民社党・新党クラブの笹木竜三です。
 先ほどのお話にも少しありましたけれども、今回の連立与党案、公費助成のあり方ですとか企業の団体献金を政党に限るということについて、無所属の特に地方の議員に対して配慮が足りないんじゃないか、そういうお話もありました。
 その前提で日常の政治活動に大体どのくらいのお金がかかっているのか、あるいは選挙に対してどのくらいの資金がかかっているのか。できれば額を、長洲様、伊藤様、成毛様、公述人の皆様に教えていただけたらありがたいと思います。ちょっと額のことが詳しく報告していただくのは不可能であれば、せめて企業・団体献金の割合がそれぞれ日常の政治活動、さらに選挙のときにどのぐらいの割合なのかについて教えていただければと思います。お願いいたします。
#43
○長洲公述人 恐縮でございますが、額は正確には覚えておりません。
 選挙費用そのものは、いつも法定費用の枠内でやっております。企業の方も、規正法の法にのっとった形で私としては完全に適法な形でやっておりますので、企業・団体等の献金の比率というのはそう高くないと思います。できるだけ私としては、初めのときからお金をかけないようにということは、教師上がりでもありますから、特に周りにも戒めてやっているつもりでございます。
 以上です。
#44
○伊藤公述人 最初にお断りをしたいんですけれども、公費助成で地方への配慮がないというようなお話でありますが、私の言い方が悪かったので御理解が逆になっておるような感じがいたしますのでお断りをいたしたいのですが、地方にしてくれという意味ではなくて、地方は無所属の市民党の者がほとんどでありますので、それが政党所属にならなければならないような形の法律はいささか納得がいかないという意味で申し上げましたので、お含みをいただきたいと思います。
 また、費用ということでありますが、うそを言っておるというふうにとられると非常に心外でありますので、きょうは私一緒にうちの方の事務局の者が来ておりますので、何でしたら確認をとっていただけばいいんですが、私は、少なくとも選挙の費用は、前回の選挙のときに私の方の出納責任者が報告をするときに、選管の事務局で最も少ないだろうと言ったら、いや、どべの方ではあるけれども後ろから三番目にあるという話であって、非常にうちの出納責任者が憤慨をいたしまして、こんなに使わなくて、使わない人がまだ下におるというのは納得がいかないという話がありました。日常的には、国会の先生方と違いますので、地域でありますので、ほとんど要りません。
 ただ私は、年に二回ばかり地域のお子さんたちに、私の名前ということではなくて、有志の方で映写会とかそういうのはやっております。したがって、そちらへ寄附をしておるという部分がありますが、これも厳密な部分でいって、果たしてそれが費用になるのかどうかわかりませんが、後援会事業というのが行っております。ただ私の金でなくて、後援会の方々のボランティアとしての、少しノートとかジュースが出るようでありますが、私自身が出向いておりませんのでわかりませんが、それは後援会の方々の御寄附でやっていますので、言い方を格好よく言いますと、個人献金によって賄われておるという実情でございます。選挙はそういうふうでございます。
 お答えになったかどうかわかりませんが、こういう返事でお許しをいただきたいと思います。
#45
○成毛公述人 お答えをいたします。
 私はただいま四期目でございますが、そのうち二期無競争でございましたし、昨年四期目があったのですが、軽い選挙でございましたので、公職選挙法に基づく資金の中で選挙は行ってきた、こういうふうになっております。
 ただ、常日ごろは、後援会ががっちりしておりまして、会費制で村政報告なり懇談会等をかなりやっておりますけれども、会費制で実施をいたしております。ただし、村長になりまして交際が広くなりましたので、結婚式あるいはひも解きその他等の招待は多い、こういうことで歳費はかなり使っておるというふうに思っております。
 以上であります。
#46
○笹木委員 次の質問なんですけれども、例えばこの制度が成立した場合に、無所属の地方の議員の方が個人献金をふやすこと、あるいは政党から推薦をいただくという形で、公認でなくても推薦という関係で政党からの援助をいただくこと、そういったことで選挙並びに政治活動が支障を来さないのではないかと思うわけですけれども、今のお話でも、企業・団体献金の割合は高くない、あるいは個人献金のみというお答えでしたので、その点についてもう一度御確認でお答えいただければと思います。もう一度三人の方々にそれぞれお願いいたします。
#47
○長洲公述人 お答え申し上げます。
 私は先ほども申しましたのは、今度の政党助成法というのでしょうか、党本部へ参ることになりますので、党に属さない地方議員が圧倒的でございますし、首長はほとんどが無所属、政党に属しておりませんので、その辺はいろいろ、選挙に費用がかかるとすれば、公営にするとかあるいは個人だけにするのか、そういうことの議論もぜひやっていただきませんと、当面は衆議院選挙の問題を御議論になっていると思いますけれども、あれは日本の地方まで影響を及ぼす制度でございますから、そういう点への御配慮をぜひ審議の中でお願いしたい、こういうことを申し上げた次第でございます。
#48
○伊藤公述人 お答えをいたしますが、その前に、先ほどの部分で言葉が足らなかったので補足をさせていただきますが、費用がどの程度かかっているかの中で選挙の部分につきまして、選挙法の枠内でしておることは届けをしているわけですから、その枠の中で使う中での少ない方の一人であるというふうに、先方のしりから三番目というのは御理解がいただきたいと思います。
 したがいまして、政党から援助をいただくということは、実は先ほどの最初のあいさつのときに言い方が悪かったので今反省をしておりますし、お許しをいただきたいのですが、私は、最初二期はある政党所属の議員でございました。しかしながら、国会の先生方が決める法の中で、地方として納得ができない部分があるわけです。したがって、しかしながら政党所属でありますのでそれに従わなければならない。それが嫌で、政党を出させていただきました。けんかで出たんじゃありませんので、党の方も御了解をいただいて仲よく出させていただいて、今もそことのおつき合いもあります。ありますが、少なくとも地方のことは地方に任せていただきたい、そういう気持ちが強うございます。
 したがいまして、政党から援助をいただかなければ議員活動ができないというのなら議員をやめます、そういう考え方が基本でございますので、御理解がいただきたいと思います。
#49
○成毛公述人 お答えをいたします。
 私、先ほど三千二百三十ほど市町村があると申しましたが、それぞれの市、町、村の議会議員の皆さんは、恐らく政党から金を交付されて、その系列になって選挙をやるという気持ちは今のところは持っていないのではないか、私はこう思っております。
 ただ、私自身の先ほど選挙の状況を申し上げましたが、私は幸い緩やかな選挙で済んでおりますけれども、激しい選挙をやっておる首長もございます。さらに、四十七の知事さんの立場等を考えてみますと、いずれも県民党あるいは市民党、そういった立場で選挙をやっておられる。それが系列化になるということはかなり問題があるのではないか。地方にまで政争と申しますか、激しい政党間の競争を持ち込むというのは問題があるであろう。そういう意味で、今般政党助成が重視された法案が出て、地方の実態が余り顧みられないのは困ったことだな、そういうことを申し上げておるわけであります。
#50
○笹木委員 ありがとうございました。
 私自身も、一団体、一個人から上限二十万で、結果としては約八割、額として八割は個人から集めさしていただいております。この制度で必ず、今の実態からお聞きしても、地方での選挙のお金を賄うことは将来的に可能ではないか、税の控除を導入することによって可能ではないか、そんな感想を持ちました。
 どうもありがとうございます。
#51
○石井委員長 次に、増子輝彦君。
#52
○増子委員 自由民主党の増子輝彦でございます。
 きょうは、三人の公述人の皆様方には、大変お忙しいところをわざわざ国会のこの委員会までおいでいただきましたことに、まずもって心から御礼を申し上げる次第でございます。本当にありがとうございます。
 先ほど来、お三人の皆様方の大変長い経験に基づいて、また見識のあるお話を伺いまして、私ども国政にある者といたしましても大変参考にもなりましたし、今後の国会のこの審議の中においてもいろいろと参考にもさしていただきたいと思っております。そういう中で、きょうは三十分という限られた時間でございますので、幾つかの点についても細かく質問をさしていただき、参考にさしていただければ大変ありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それぞれ三人の皆様方は、地方自治に長く携わってまいりました。地方分権、まさしく今後の政治課題の大変重要な課題の一つであることは、これは言うまでもございません。その中にあって、今後のこの政治改革の結果によりまして地方がどういう政治を行っていくのか。と同時に、もちろん私ども国の政治にあって今後どういう政権をつくりながらこの国の政治というものをリードしていくか、これはいわば両輪のものだと私は認識をいたしているわけでございます。
 そういう中で、実は今度の政権交代の中で、地方自治に携わる皆様方も、それぞれある意味では戸惑いというものをお持ちになりながら、今後この政治がどういうふうになっていくんだろう、そしてその立場の皆さんがどういうふうに対応していけばいいんだろうということも、これは事実、不安なりあるいはいろいろなお考えがあるかと思います。そういう中で、今後の政権の姿というものがどういうふうにあるのがいいのだろうかとか、あるいはどういう政権というものを皆さんが考えておられるのか、この辺を簡単にお聞きをいたしたいと思いますので、それぞれ長洲公述人、伊藤公述人、成毛公述人から、簡単にひとつまずお聞きをいたしたいと思います。
#53
○長洲公述人 どういう政権ということは国民が選ぶことでございますから、私ども個人としてこういう政権が望ましいというふうに申し上げることはできないかと思いますが、地方の立場で申しますと、何をやるにも東京の役所、そして与党のまあ族議員とおっしゃるんでしょうか、そういう方のところへお百度を踏まないと細かいことまでできないという、こういう体制はぜひやめなければ本当にいい地方の政治はできないと存じます。
 そういう意味で、一般論で申せば、いろいろなことにつきまして地方にかなり大幅に分権をしていただく、中央への一極集中、画一と集中の体制を突き崩す、こういう方向に行ってくれるような政権を、あえて申せば希望いたします。
    〔委員長退席、三原委員長代理着席〕
#54
○伊藤公述人 今長洲先生がおっしゃったことで同じ意見でありますが、私の考え方で申し上げますと、少しそれを述べさしていただくと、現実に陳情陳情ということで国へ陳情をしに来なければなりません。だから、何とか地方分権をもっと早く進めていただきたい、そのことに、一言に尽きると思います。基本的には……(発言する者あり)
#55
○三原委員長代理 傍聴人の方に申し上げます。
 静粛に願います。――進めてください。どうぞ。
#56
○伊藤公述人 失礼しました。
 傍聴の方からも、それが地方自治がだめになるとおっしゃるけれども、私は地方分権を進めていただくことが地方がだめになるとは思っておりませんので、それで答弁にさしていただきます。
#57
○成毛公述人 お答えをいたします。
 どういう政権を望まれるかということですか。政治改革、きれいな政治をやっていくということであると思うのですが、手法として小選挙区制度が採用される。通常、私どもが本で読む限りでは、小選挙区制の根本は、二大政党的なものに移行して政権移動が割合可能になるというふうなことがかなりあるというふうに聞いております。そういうふうな現実路線の政党にそれぞれがかなり近くなってくるんではないか、そういう感じを持っております。
 それからいま一つは、今言われましたように、地方分権、地方主権の政治をぜひ今後一層進めていただきたい。特に、国の権限が知事さんに、知事の権限が我々市町村に健全に移譲できるように、そういう政治の場をつくっていただきたい、このように思っております。
#58
○増子委員 三人の皆さんのそれぞれのお考え方をお伺いをいたしました。まさしく地方分権、すなわち地方自治のあり方というものが当然政権と直結してくるものだという認識と理解をさしていただきました。
 そこで、幾つかの点について細かくお伺いをしたいと思います。
 まず、衆議院の選挙制度の改革についてでございますが、先ほど長洲知事、制度については民意の反映とバランスというものが必要であろうというような話をされておりました。
 私ども自由民主党は、小選挙区の定数を三百といたしております。これはなぜかといいますと、やはり政権担当の政党を選択するということの政治的な私どもの哲学なり理念というものをここに置いているわけでございまして、その補完的な役割として比例というものを民意の反映という形の中で実はつけ加えているわけでございますが、そして、この三百と百七十一というバランスは、ただいま申し上げたとおり、あくまでも政権を担当する政党の選択ということで私どもは考えているわけでございますが、この自民党案の三百、百七十一というものは、まさしく先ほど長洲公述人がおっしゃられたとおり、民意の反映とバランスというものをよく持っている案ではないかと私は思っているわけですが、この点についてどういうふうにお考えになっておりますか。
#59
○長洲公述人 今度のは、並立制というのでしょうか小選挙区と比例代表制を組み合わせるというのは、いずれにいたしましても、非常に多様化してきている民意をできるだけ反映さして死に票を少なくするという考え方と、もう一つは……(発言する者あり)もう一つは……(発言する者あり)
#60
○三原委員長代理 再三の注意にもかかわらず、静粛に願えないようでありますので、会議の秩序を乱す傍聴人に退場を命じます。退場を命じます。――退場を命じます。――会議の秩序を乱す傍聴人には退場を命じます。――会議の秩序を乱す傍聴人の退場を命じます。――御静粛に願います。――退場を命じます。――御静粛に願います。――秩序を乱す傍聴人の退場を命じます。――速やかに退場を命じます。――御静粛に願います。――秩序を乱す傍聴人の退場を命じます。速やかに退場してください。――退場を命じます。――会議の秩序を乱す傍聴人の退場を命じます。――御静粛に願います。――御静粛に願います。
    〔三原委員長代理退席、委員長着席〕
#61
○石井委員長 質疑を続行いたします。(発言する者あり)静粛に願います。質疑を続行いたします。静粛に願います。
 衛視の皆さんに申し上げます。とりあえず、議場が混乱しておりますが、公述人を求めた会合でありますので、傍聴人を座らせてください。傍聴人をもう一度座らせてください。衛視は少し離れてください。公述人を求めた公の会合でありますから、議事を進行させてください。それから、不規則発言をやめてください。静粛に願います。――静粛に願います。
 質疑を続行いたします。長洲公述人。
#62
○長洲公述人 先ほどもちょっと申しかけましたけれども、今回の並立制その他のいろいろな案というのは、いずれにせよ政権交代が起こり得るような政権の選択をやることと、しかし死に票が少ないように、多元化した民意をできるだけ反映する、そのバランスをとる問題だと私は判断しておりますので、お話しのように二百幾つでございましたかね、三百と百七十一がいいのか、二百五十、二百五十がいいのか、その辺はなかなか百点のベストというのはないと思いますので、セカンドベストをぜひお選びいただきたい、こう考えております。
#63
○増子委員 それでは伊藤公述人にお伺いしたいと思いますが、先ほど伊藤公述人は、四百七十一の方が今回いいだろうというお話をされました。場合によっては本則を改めるべきではなかったのかということもつけ加えておられたようでございますが、本則四百七十一に基づいて、自由民主党は私が先ほど申し上げたような配分というものをしたわけでございますが、この点について伊藤公述人の方からもお考えをお伺いしたいと思います。
#64
○伊藤公述人 民意を反映する方法としてどういう部分がいいかという部分については、国会の審議にゆだねたいという気持ちであります。
 ただ、本則四百七十一を改めずに、附則、附則の中で順次変更をしてくるようなこそくな手段はやめていただきたい。あくまでも、私も公述人として本日お邪魔をしておるのは市議会の議長ということで参っております。我々は、法律に従うわけであります。こういう言い方は差しさわりがあったらお許しをいただきたいんですが、私の考えておりますことは、悪法といえども法は法である、ソクラテスの毒をあおった気持ちを思い出していただきたい。したがいまして、本則の四百七十一を基本としてお考えをいただきたい、附則で変えるような形はおやめをいただきたいというのが私の公述しました意見陳述の本意でありますので、御理解がいただきたいと思います。
#65
○増子委員 地方議会でもときどき本則とは違った定数というのは出てまいることがありますけれども、私の今お聞きしたいことは、今回のこの小選挙区比例代表並立の定数配分につきまして、議席の配分につきまして、自民党案は先ほど申し上げたとおり、政権を担当する政党の選択という考え方の中で、今回の三百、百七十一という本則に基づいての配分をさせていただいたわけですが、これについてはどのようにお考えになっておられますかということをお聞きを申し上げたいところでございます。
#66
○伊藤公述人 したがいまして、定数の四百七十一は、もちろん申し上げましたように、それでお願いをしたい。ただ、配分の部分にまで入ることを私の意見陳述は避けております。意識して避けております。これは国会の先生方の審議にゆだねたい。
 ただ、決まり出したときは、最終のところで申し上げたように、どういう方法かは別としまして、国民がそれを選択できるような形での、国民投票とまでは申しませんが、方策を国会でお考えをいただきたい、そういうふうに申し上げて意見の陳述を構成をしておるつもりでございます。それで御理解がいただきたいと思います。
#67
○増子委員 そこで、次にお伺いしたいことは、実は一票の格差という問題が、先ほど長洲知事さんの方からも話が出てまいりました。これも、いわば地方にどういう形で配慮していくのかということは大変やはり重要な我々の政治的な課題だと実は思っているわけでございます。
 それこそ本則四百七十一、一票一対二の範囲内におさめるという国会決議も実はなされているわけでございますが、今回のこの定数配分の中でどうしてもこの一票の格差というものを真剣に私ども考えていかないと、地方分権、地方自治の振興ということからいきましても大変重要な問題だと思っているわけでありまして、今回自由民主党は、実は比例代表の単位を都道府県ごとにすることにより地域代表である代議制の趣旨を貫いているわけであります。
 と同時に、各都道府県に対する定数配分は、まず地方に配慮をいたしまして、小選挙区、比例代表とも一人ずつ基礎配分をさせていただいた案でございます。こういう観点からいきますと、地方分権が現実のものとなっていない今日の段階において、地域の声を代表するということは極めて重要なことだと私は思っているわけでございます。
 そういう意味で、今回のこの比例の単位を一つとりましても、全国単位であるならば、やはり民意の反映ということももちろん重要ではございますが、この地域の振興なり地方自治の確立、地方分権等からいきますと、いわゆる顔の見える選挙というものを重視していくことも当然必要になってくると思います。
 そういう中で今回、自由民主党は県単位の比例の単位を実は案として出しているわけでありますけれども、この辺の全国一本の比例と県単位ということになれば、地方自治ということとも絡めまして、やはり先ほどの一票の格差ということを当然守っていく上でも、どうしても自民党の案でなければこれはなかなかこの問題をクリアできないということになっているわけでありますので、この件について長洲公述人とそれから成毛公述人に、その所見をお伺いをいたしたいと思います。
#68
○長洲公述人 先ほど申しましたように、特に神奈川等が一票の重さが軽いわけでございまして、この問題の是正はぜひお願いしたいと思いますが、これは基本的には区割りの問題になってくるかと考えております。この一票の格差是正のために小選挙区制と比例制をどうするか。その数の配分というのは、これはどちらをとってもいろいろ理屈は成り立つと思います。
 それから、一票制か二票制がという問題でございますが、私は、理論的には二票制の方がすっきりしているなとは思いますけれども、これも今お話しのような意見があれば、ぜひ国会の内部で御議論いただいてお決めいただきたいと思います。
 先ほど伊藤議長さんもお話しになりましたが、今いろいろ皆様の間で御審議なさっていらっしゃる論点の一つ一つについて公述人としてどちらがいいという判断はあえて避けておりまして、ぜひ皆様方が国民の前で公明正大な御議論を重ねていただいてお決めいただく事柄だ、こういうふうに考えております。
 以上でございます。
#69
○成毛公述人 お答えをいたします。
 先生の御意見として、党の御意見として地方を重視するんだというお話でございまして、大変ありがたいことだ、このように思っております。
 比例代表の分け方として、与党の方は全国、自民党案は県別ということでありまして、私はブロック別がよろしいのではないか、こういうように申し上げました。
 具体的に、全国でやりますと参議院のような形になり、県別ですと何か県の会長や幹事長の権限が強過ぎて問題がある場合もなきにしもあらずではないか。その間をとって、関東地方なら関東地方で、それぞれの県の代表が民主的に話し合って序列を決めるということがいいんではなかろうかという私なりの考え方であります。ただし、全国的な考え方で決めるのは、地方を重視するという考え方からいえばこれは困る、こういうことを申し上げておきたいと思います。
 さらに、人口的にすべてのものがこれから基本的に考えられると思いますけれども、私ども地方に住む人間にとりましては、例えば私の村では、一万三千名の人口でございますが、七千町歩余り面積がございます。国土保全あるいは道路の維持等々考えますと、人口だけで物事を、尺度を考えるのはいかがなのかな。大きな国土を管理しておるのも我々地方でございますので、そういうことも加味した考え方、それぞれ一区域は四十七都道府県に基礎的に計算しておるということでございますので結構なことだと思いますけれども、基本的に人口だけで物事を考えられては大変困るな、そんなふうに思っております。
 それから、質問外でございますけれども、私は先ほど五百が適当であろう、そして二百七十五、二百二十五というようなことを申し上げましたが、単純小選挙区がぐんと比率的に多いと、結果的にやはり今日本に多くの政党がある、その小さい政党が死んでしまうということもあろうかと思いますので、比例もある程度多くなくてはいかぬであろう、これがやはり日本の現在の国民のニーズにこたえた割り振りなのかな、こんなふうで申し上げたところであります。
#70
○増子委員 そこで、次に大事なポイントとなってまいりますのは、当然、この選挙制度が導入されるということになりますと、区割りの問題がやはり我々個人にとりましても、あるいはその地域にとりましても極めて重要な問題になってくるかと思います。
 そこで、長洲公述人にお答えをいただきたいと思いますが、選挙区の区割りについて、何か特に御要望の点がございますか。
#71
○長洲公述人 一般論としては、先ほども申しましたように、一票の重さの格差をぜひ是正するような区割りにしていただきたいと考えます。
 あとは、いろいろ行政区でよそとくっつくとか、いろいろ一見住民にわかりにくい区割りになる可能性もございましょうけれども、私は、第三者機関で決めていただく、それに国会も従う、こういうふうにお願いするのがよろしいのではないかと考えております。
#72
○増子委員 それでは次に、政治資金制度についてお尋ねを申し上げたいと思います。これは伊藤公述人にお答えをいただければありがたいと思います。
 議会制民主政治の基本は、国民も企業も政治的、社会的に参画することが大切なことだと私は認識をいたしております。企業献金は政治腐敗、利権の温床となると一方的に断定することは、果たしていかがなものかなということを考えるわけであります。先ほどもお話がございましたとおり、やはり政治家のモラルなりその考え方なり姿勢なり、これはすべて集約されてくるわけでありますが、これは極めて重要な私どもの考え方でなければならないと思っております。今、ゼネコン疑惑等で、いろいろ裏金等の問題を含めて大変大きな問題になっているわけでございます。それは、あくまでもやはり政治にかかわる者のモラルというものが最も私は大切だ、そういうふうに思っているわけでございます。
 そういう意味で、企業も今日社会的な活動というものに力を入れながら、やはり社会的な還元なりそういったものをやっていかなければならないことも当然なことでございます。そういう中で、企業の献金がすべて悪だということは、私はそうではないと考えますし、自民党案もそこのところをきちっと踏まえて、透明性を持ちながら、一つの制限を求めながら、この企業献金というものを実はやっていくということにしているわけであります。
 そこで、企業献金はだめだ、反対だとおっしゃられる伊藤公述人、これは全くゼロなのか、あるいは許容範囲内という形で先ほど申し上げたような、きちっとした社会的な責任なり使命なり活動なりを踏まえてお互い企業がやり、政治家がモラルを守っていくということを心がければ、これは許容範囲内の中で可能なのかどうかということのお考えについて、お答えをいただければありがたいと思います。
#73
○伊藤公述人 お答えをします。
 政治に企業も個人も参加する必要があるという先生の御説、そのとおりだというふうに理解をいたします。しかも、いわゆる企業献金についての基本的な部分で、政治家のモラルの問題というのは、個人献金も含めてあくまでも政治家のモラルの問題だと理解をいたしております。その部分までは先生と同じ考え方だと思っております。
 ただ、企業献金はすべて悪と言うのかというお話でありますが、すべて悪であるかどうかということではなくて、私の申し上げたのを再度申し上げますが、企業は利潤を追求するのを本務とするもので、それが最高の、最良の方法であるというふうに、いわゆる市民も国民も皆そう理解をしております。そこで受け取ったものが企業の社会還元のものである、政治をよくするためにもらったのであるというふうには単純に、私は地方議員でございますので難しいことを別として、単純にそんなふうの理解はできません。あくまでも企業献金は、企業が利潤を追求する上で当然その見返りを腹に置いて要求するものだという理解をいたしております。
 合っているとか間違っているというふうの考えとは別にしていただきまして、そういう理解で意見を陳述いたしましたので、そういうふうに御理解がいただけたらありがたいと思います。
#74
○増子委員 そうしますと、例えば個人献金ということになりますと、今の公述人のお話に沿ってお答えをいただきたいと思いますが、個人献金の場合はそういうことはない、あくまでも純粋な浄財という形の中でお考えになられているのか。
 と同時に、日本のこの風土の中で、個人献金というのは現状から見て今後ふえることは可能なのか、あるいはふえるはずだ、その辺をどういうふうにお考えになっているか、お答えをいただきたい。
#75
○伊藤公述人 お答えします。
 先ほどの個人献金の部分でも、先ほどのお答えのときに申し上げましたが、絶対いいというふうの理解をいたしておりません。
 私は、個人献金にも問題があるだろう、したがって一定限度額以内で認めることがよいと申し上げておりますし、前の御答弁の中でも申しましたが、個人献金でも企業との関連がある、あるいは法案審議上問題があれば、地方議会でも除斥規定がありますので、当然そういう部分についての制限はされるべきだろう。個人献金は何でも善で企業献金は何でも悪だというふうの形じゃなくて、中身的には個人献金でも問題のあることがあろうと思いますが、それは先生のおっしゃるように政治家のモラルの問題だというふうのとらえ方をしたいと思っております。
 企業献金とは、もう企業献金は全然話にならない、個人献金は問題があるけれども、それは審議をする過程でとかそういう部分、金額の問題とかということで制限をしていただきたい、そういうふうの感じてお答えをさせていただいておりますので、そういうふうにお含みをいただきたいと思います。(増子委員「個人献金がふえるかどうかということについて」と呼ぶ)
 個人献金は、私は、今の政治不信の状況が改善をされてきて政治家に信頼が復活してくればふえると思います。ということは、私の例で申し上げますと、私が国会の先生の選挙に携わるときに、献金こそいたしませんが、私の方の後援会は総動員をかけます。これは、その先生のおっしゃる説に基づいて、国がよくなる、だから力をかそうじゃないかということで、後援会の幹部会の決定に基づいて総動員をかけます。それも人的な動員ではありますが、それを金銭換算をしていただければたくさんな寄附だというふうに思っております。
 そういう形でありますので、個人献金はふえるというふうの、ふえるような形になるような、言葉が過ぎたらおしかりは覚悟していますが、個人献金がふえるような政治がやれるような形に法を進めていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
#76
○増子委員 この個人献金がふえるかどうかという問題、非常に私は難しいと実は思っているわけであります。
 私のことですが、私は毎月三百円で十六ページぐらいの後援会会報を発行いたしております、有料で。月三百円、決して少ないとは言えませんが、今の経済的な価値観からいけばコーヒー一杯分ぐらいのお金でいけると思いますが、これがなかなか実はふえません。私も大変熱心な後援会の皆さんがたくさんおられます。三百円毎月出しておりまして、もう今回で十一月で十九回、約一年七カ月発行しておりますが、なかなか月三百円でも、これは献金という形ではありませんけれども、まあ同じようなものだと思うのです。この後援会会報が月三百円で、今のところ残念ながら二千部ぐらいしかとっていただいてないということになりますと、それ以上の個人献金ということになりますと、極めて私は、今の日本のいろんな歴史的な政治に対する考え方もあるのかしれませんが、なかなか難しいような実は感じを強く持っているわけであります。
 そしてその中で、実は今回のこの政治資金の問題につきましては、特に地方議員の無所属の方々に対する問題が、お三人の公述人の皆様方から強く出されてまいりました。まあ私が先ほども申し上げましたが、政治資金の調達というのは、やはり大幅にこれを制限をするのは現実的でありませんし、と同時に、私はディスクロージャー、いわゆる透明性が極めて大事なポイントになってくる、そういうふうに考えているわけでございます。そしてその中で、地方の政治家の皆さんに対しても、議員の皆さんあるいは首長さんに対してでもですが、年間それぞれ各二十四万円、月二万円のこの二つの調達団体に対しても行うことができるという道を実は残して、自由な議員活動を担保しているのが実は自由民主党の案でございます。
 政府案では、地方の政治の大多数、これはほとんど、先ほどもお話がありましたとおり、六万人の地方議員の方々、あるいは三千を超える地方自治体の長さんの方々、これは残念ながら個人献金しか受けられなくなるということになれば、果たして先ほど申しました個人献金がふえるのかどうかという考え方、そして、そういうものがふえるような政治状況をつくれという、つくるべきだという考え方は当然でありましょうけれども、こういった観点からまいりますと、ここの部分で、私は地方の議員あるいは首長の皆さんが自民党の案を否定をしていくならば、大変難しいような気がしてまいるわけでありまして、個人献金しか受けられなくなるような状況の中で、今後ともそれぞれ重要な政治的な立場の、地方の振興のために、そして地方分権のために、すべて、寝食を忘れて頑張っていられるお三人の皆さんが、どうやって今後の政治活動費を賄うことができるんだろうか。
 先ほど選挙資金の問題については、法定選挙費用以内でそれぞれやっておられるということでございますが、と同時に日常の政治活動というのは、選挙活動は欠かすことができません。比較的知事さん、市長さん、町長さんあるいは議長さん、長と名のつく方々は、極端な話、公的なそれぞれの地方自治体のお金によって、例えば今花輪の問題とか弔電、祝電の問題等含めて、公職選挙法の中でもいろいろと問題になっている部分が実はあるわけでありますが、これが行われていると。もちろん個人の名前、長洲知事さんの長洲という名前は入れないけれども神奈川県知事、あるいは成毛村長さんは東村長と、あるいは議長さんは一宮市議会の議長という名前でいわゆる花輪を出しているというのが現実に今あるわけでありますから、こういったものは、日常の活動は自分のお金ではなくてこれはやっているわけであります。
 それが一切今後、例えば将来的にだめだということで公職選挙法等も当然改正になっていくと思われる中で、こういった個人の政治活動というもの、これに対して不安がないのかどうか、そういったものがいわゆる今のような考え方の中で十分賄っていけるのかどうか、これについて、これは時間が参りましたので最後になりますが、ひとつ三人の公述人の皆様方に一言ずつ、この点についてお答えをいただければありがたいと思います。
#77
○石井委員長 大変恐縮ですが、時間がオーバーしておりますので、一言でよろしくお願い申し上げます。
#78
○長洲公述人 先ほど来、伊藤議長さんのお話が、かなり私どもも同感でございます。モラルと透明性、こういうことを高めなければいけない。
 同時に、企業献金につきましては、どうもやはり事の起こりがいろいろスキャンダルから出ておりまして、企業からお金をもらっていて何にもないはずはないというふうに普通の人が思い込んでいる、この現実からスタートしませんと、なかなか政治不信の払拭というのはできないのではないか。少しつらくともやはり基本的には、まあ個人が全部いいとは申しませんけれども、方向としては個人献金、しかし経過措置として透明性を高めながら企業・団体の献金も認めていく、こういうような方向なのではなかろうかというふうに存じております。企業献金丸ごと全部認めるというようなことになりますと、到底国民の納得が得られない、普通の人はそう考えていない、ここが大変大事なポイントではないかというふうに感じております。
 私どものことは、大きな方向が決まればその中でやってまいります。
 以上でございます。
#79
○増子委員 個人で賄えるかどうかをお答えいただければありがたいのですが、政治活動、そこが大事なんで。
#80
○長洲公述人 そういうふうに決まれば、そういうふうにやっていくより仕方がございませんし、やっていくつもりでございます。
#81
○伊藤公述人 簡単に申します。
 やれます。そういうふうに思っておりますし、十五年ほど前と比較をいたしましたらはるかに費用がかからぬようになりました。したがって、やっていけるというふうに思っております。
#82
○成毛公述人 私は、政治家は個人献金を中心にすべきである、このように思っておりますが、地方の知事、市町村の、まあ私個人でなしに仲間を考えた場合に、経過措置は必要であろう、このように思っております。
#83
○増子委員 大変ありがとうございました。
 ただ、残念なことに、途中で議会民主主義を壊すような問題がありまして十分な質疑時間をもらえませんでしたが、本当にいろいろ御質問に答えていただきまして、ありがとうございました。
 これで質問を終わります。
#84
○石井委員長 次に、坂本剛二君。
#85
○坂本(剛)委員 時間もありませんから、単刀直入に入りたいと思います。自民党の二番手として質問させていただきます。
 今度の政治改革は、いわゆる政治と金の悪弊を絶つ、それから民主主義の土台であります選挙というところに、あるいは政治という場に金の入り込む余地のない、そういう仕組みをつくっていこうというのが、私はこの政治改革の大きな基本理念だと思っております。そういうことを考えますと、国民や有権者の意識の改革を図っていくということが、私はまず考えられなければならないんじゃないかな、こう思っておるところでございます。
 まあ地方の選挙を考えましたときに、まことに口では申し上げられないようなことが今なお堂々とまかり通っておることは事実でございます。したがって、国政選挙、特に衆議院の選挙で本当に清潔な選挙の実現、あるいは党営選挙でもってきれいな選挙をやろうといって一生懸命これからやるわけでございますけれども、地方の選挙もそれに連動して清潔な選挙をやるんだよという、そういう意識、認識でもって私は事に臨まないと、この今まさに二十一世紀を目前に控えて日本の政治体質、すべての体質を変えようというときに、そのもくろみがうまく機能するのかなという、そういう心配もあるわけです。
 特に首長選挙につきましては、政府も修正協議の中でいろいろ公的助成とか公営選挙とか、そんな方法を考えていきたい、こういう話もございますけれども、私は、やはりドラスチックな改革というものをやらないと意識の改革まではなかなか行かぬ。そこで問題なのは、首長選挙でも何でもそうでございますけれども、自治体というのは、自分たちが構成しているその自治体の長を決定する首長選挙、こういうものを、その立候補する人が自分のお金で立候補しておるということ、これが私は、どうもいろいろさまざまな問題を起こす原因になっているのじゃないのかな、こう思っておるのです。
 ですから、完璧な公営選挙、そこで私、長年考えていたこと、ちょっと持論を申し上げたいと思うのでございますが、県民税の一部を四年に一度の県知事選挙のためにプールをするという方法はとれないものか。市町村長もしかりでございまして、そしてそういうプールした選挙資金でもって何名かの方々が立候補して選挙をやるわけでございますが、ある一定票数を、自治体ばらばらで結構でございましょうが、ある一定票数以下の者にはかかった経費全額弁済させるという、そのために立候補届け出のときに保証人を二人つける、そして逃げられないようにしておく。そして選挙も、先ほど成毛公述人さんでしたかもおっしゃいましたが、登録制の運動員を確保して、この方々には公費で日当も払いましょう、そういう方に正式な運動をやっていただくという、こんなことも取り入れながら、ひとつ金のかからない選挙を実現できないかな。
 聞くところによると、首長さんが初めて当選したとき、前の人の任期まだ残っていますから何日間か余裕ありますけれども、その間に一番先にやる仕事というのは、次の四年後の選挙の資金を集めるための仲間づくりだ、こう言われておるのですね。しかし、こんなことであっては、もう最初から公平、平等な政治なんかできないわけですし、ましてや清潔な政治の確保なんというようなことはおぼつかないわけでございます。
 そんなところで、このことを長洲知事さんと、それから成毛村長さんはどう考えていらっしゃるか、まずお聞きしたいと思います。
#86
○長洲公述人 私の場合は、余り政治活動にも選挙活動にもお金をかけていないつもりでございますので、ちょっと御質問とそれるかもしれないと思っております。ただ、お話しのようなこともあり得るかと思います。
 地方でもこのごろは、ポスターとか車も一台ぐらいは公営にしようということでたしかやっておりまして、そういう公営の部分がだんだん広がる傾向にあることは、私は歓迎をいたします。ただ、やはり基本は、制度をどうしましても、首長も含めまして、政治家のモラルと資金の透明度が低ければ必ず悪いことが起こる、こういうふうに思いますので、そういう面の仕組みはかなり厳しく法で定めた方がいいのではないか、こんなふうに考えます。
 以上でございます。
#87
○成毛公述人 選挙に金のかからないように、私自身もそのようなことで常々日常活動等やっておりますし、これからも一生懸命取り組んでまいりたい、このように思います。
 ただ、国会の先生方にも私はお願いを申し上げたいのですが、事務所開き等に一万人も一万数千人も集まる選挙が各地で行われておる、自動車代は幾ら出してもいい、国会議員の先生方の選挙はいいなというふうな話を田舎でよく言っております。そういう意味で、やはり国会議員の先生方みずからがやはり姿勢を正して、正しい選挙をやっていくということをぜひ実行していただきたい、このように私は思っております。
#88
○坂本(剛)委員 もちろん、国会議員はこれからまさに襟を正そうということで今審議をやっているわけですが、どうしても地方との連動性というものもあるいはあった方がより効果が上がるのじゃないかと思いますし、ただいま私が申し上げたものは、長洲知事さんは自分じゃお金を使ってないということでございますけれども、多分支援団体とか政治団体がそれぞれの政党とか企業からの献金をもらって、そういう中で運営がなされていると思うのですね。丸々公費でやると、丸々住民の税金でやると、政党のひもつきにならない。いわばアメリカの大統領制のような形ですから、議会からの拘束がなくなってきますね。非常にやりいい私は行政府の長になっていくのじゃないかな、ましてや企業等とのおつき合いも公平になっていくのじゃないのかな、こんな観点から申し上げさせていただきました。
 次に移ります。
 地方議員に対しての公的助成はあってほしいのだという話も先ほどもあったようでございますが、これは私は、まさにおっしゃいましたように、地方の議員とか地方の首長さんにはこういう制度が及ばないわけでございますから、特に無所属の方々には大変だと思うのです。
 これも、実は諸外国では随分とやっているのですね。ドイツ、オーストリア、スウェーデン、ノルウェー、イタリアの、今のところ五つの資料しかございませんけれども、スウェーデンなんかは、県議会及び市町村議会に議席を有する政党に対する補助を、それぞれの地方レベル、町は町、市は市、州は州の決めで、法律で定めておるということですね。それから、ノルウェーなんかも政党補助が地方レベルで決めてあります。それから、オーストリアもそのとおりですし、政党または議員団に対する補助を州ごとの法律で決めているということなのですね。こういうことを実はやられております。イタリーはもう、国会議員の選挙は三百億リラですが、州議会選挙には四百億リラも国費の助成を出しておるという、いろいろこうやられているのです。
 ですから、もう少し日本も、特に地方議員の方々あるいは首長の方々は、もっとそういう意見をどんどんと申し上げるべきじゃないのかな。先ほど拝聴しておりますと、とにかく国の方で考えていただきたい、考慮していただきたい、こうあればいいのだ、していただきたい、何していただきたい、ついでに清潔もまず国からということになってくるのですが、地方制度調査会というのがあって、その中で地方の選挙制度とか行政の仕組みとか、もろもろ意見を具申する場があるやに伺っております。ましてや、こういう地方選挙のことについて、国会で審議すべきものじゃないという見解も一部にはあるようでございます。
 その地方制度調査会というものを、私はもっとフルに活用していくべきではないのかな、そしていろいろな制度をどしどしと取り入れていく、それがまず地方分権の始まりではないのかな。地方分権も与えられるものではなくて、自分たちでやはりかち取っていくということ。これは頭がかたい自治省をぎりぎりしながら、何とか地方のレベルで地方のことを、地方の自主性というものを確保していくということ、私はこういうことをおやりになる必要があるのじゃないのかな、こう思うのでございますが、今の諸外国でとられているこういう制度について、どうでしょうか。地方のレベルでやりたい、やるべきだという御意見があればお聞かせいただきたいと思うのです。
#89
○長洲公述人 私、勉強の不足で諸外国の例を存じませんけれども、地方の選挙だけを地方議会だけで条例で制定できるかどうか、現状はなかなか難しいのではないかと考えておりますが、しかし、坂本議員の御指摘のように、我々自身がそういうことも勉強をして、いい方向をつくり出していくという御意見は全く賛成でございますので、努力をいたしたいと存じます。
#90
○坂本(剛)委員 あとお二方にも。
#91
○伊藤公述人 ただいまの御指摘の、地方分権は自分たちでかち取るべきだ、何をやっとるというおしかりは、おっしゃるとおりであります。また帰りまして、うちの市長ともよく話をして頑張りたいと思います。先生からの励ましをいただいたというふうに理解をさせていただきます。
 ただ、地方議員に対する助成でいろいろと今お話をいただきました。正直言ってそこまで、私も不勉強でありますので、承知をいたしておりませんが、現実問題として、選挙について公営選挙の部分のお話が先ほどございました。そちらの例で申し上げますと、実は私の方も法の改正に基づいて、ポスターの掲示代、車代、直接の運動員の費用が出していただけるという形になりました。
 なりましたが、実は私は後援会にこの話をしましたら、後援会は困っちゃうというのですよ。ほんならもらった金、もう一遍しようがないで寄附するだかというお話です。もともと集まってやるときには、草の根運動でありますので、地方議員の場合はたくさんの方に手弁当で動いていただきます。特定の方だけに公費助成があったのでは、動かなくなっちゃうわけであります。したがいまして、逆ですので、公費助成なんというのはやってもらうとはた迷惑だなというのが私の印象であります。
 いささか言葉足らずになっておしかりを受けるかもしれませんが、私の意のあるところをお酌み取りをいただきたいと思います。どうも失礼しました。
#92
○成毛公述人 地方選挙が公営の国がたくさんあるというお話、私、今初めてお聞きしましたので、これからみっちり勉強して取り組んでいきたい、このように思っております。
#93
○坂本(剛)委員 それから、献金の問題についてでございますが、先ほどから随分と議論が出ておりますけれども、どうしても企業献金はだめなのかなという、そういうことがあります。
 しかし私は、地方の場合、もう完全にシャットアウトされるのですね、これは何でもかんでも。そして国会議員は優遇措置がいっぱいあるという。政令指定都市以上の議員さん、特別区議員さんもそのとおりで、いろんな恩典がありますけれども、例えばこの間こういう話を県会議員さんから伺いました。
 国会議員は、お悔やみ、お葬式ですね、御自分で行くときはいい、あとはだめだよという取り決めしたけれども、お悔やみのとき、国会議員は地元にいるか。ほとんど来なくて済むじゃないか。要するに出費なくて済むじゃないか。我々県会議員は毎日うちにいるんだ、地元のお悔やみはそのたびに行かなくちゃならない。そうすると、国会議員にとっては大変都合のいい法律だという、こういう御批判もあったわけでございます。
 私は、そういう意味では、やはり企業献金とかあるいはそういう個人への献金というものは、透明性を確保すること、公私の峻別をきちっとすることですね。そして公開の基準を理解のあるところまで引き下げることによって、私は、きちっとした献金というものが確保されるのじゃないか。
 むしろ、全面禁止したって、現実にお金がかかるのですね。現実には政治活動するにはかかる、自分の立場を維持するためにはかかるのですから、禁止したところでどんなものでしょう。また裏に潜っての悪いことが重ねられていくのではないのかな。非常に日本人は頭がいいですから、特に議会に所属する方々は非常に優秀でございまして、いろんなことを今まで考えてきましたので、私はその方をむしろ心配いたすわけなんです。
 たがって、自民党が提案しております二つの資金調達団体、そして一カ月二万円限度で、こういうことについて御理解いただけるのかどうかなということ、やはりどうしてもそれもだめなのかどうかということ。しかも公開制、年間五万円以上、月五千円弱です。月五千円弱の献金については公開制にする、そのことについて、またそれぞれお三方から、時間がないものですから簡単にひとつお願いしたいのです。
#94
○長洲公述人 献金の問題、政党への助成の問題も含めまして、私は、先ほども申しましたように、一般の人が大変不信の目でずっと見ているということから、政治家の一人として、どうしてもその目を避けてはいけないんだというふうに感じておりますので、基本的には企業献金はない方がいい。
 ただ、お話にもございましたとおり、個人献金といってもまだ国民の方もなれておりませんし、そういう意味では政党助成の問題も含めて経過措置は必要かというふうに考えておりますが、透明性を高めて経過措置をあれして、しかし、基本的には理想的なきれいな方向に行くんだという姿勢をやはり国民に示しませんと、何かいつも言いわけしているような形ではなかなか納得得られないのではないか、そんな気持ちがしてなりません。
 以上でございます。
#95
○伊藤公述人 企業献金については、先ほどから私も何度もお答えをしておって、先生方におしかりを受けるんじゃないかということでびくびくしながらしゃべっておるので、今長洲公述人のおっしゃった意見と同意見でありますので、企業献金についての部分は割愛をさせていただいて、先ほど先生が、香典や冠婚葬祭に持っていく費用はかかるだろうというお話であります。
 確かにかかりますけれども、これは議員だから云々じゃなくて、現実にその地区で生活をしているわけであります。したがいまして、御近所で御不幸があれば当然香典を持って上がる、これは許されておりますので。昔は全然それもだめだと言われたので非常に困りましたが、先ほどのどなたかの先生の御質問のときにお答えしましたように、今私の方が困っておるのは、例えば葬儀のときに、私が公務があって行けない、そうすると家内は家内の名前で持っていかなければならない。そうすると向こうさんは、家内の名前で持ってきた香典なら要らない、そうおっしゃられるので、これは困っちゃっているのですよ。これは家内の名前でなく、家内が私の、奥さんが主人の香典を持っていくことぐらいは許していただいて、現実に一般の方は、葬儀が起きて御主人が都合が悪いときは、奥さんが御主人の名前で持っていかれるわけです。こんなのは許していただきたいという気持ちが強うございますので、それだけお答えをさせていただきます。よろしくどうぞ。
#96
○成毛公述人 お答えをいたします。
 私も、政治家の政治資金は個人献金にすべきであると、こういうふうに思っておりますが、経過措置が必要であろう、こういうことを申し上げました。
 ただ、私の表現が少し間違っていると申しますか、自民党の案では、経過措置というのは三年間は今までどおりだということだと思いますけれども、政治改革を思い切ってやるというのに、三年間は同じことをやるということでは、なかなか政治改革にならぬではないかというふうに思いますので、私の言う経過措置というのは、二十四万円までは可というものを経過措置として何年間かやったらよかろう、こういうふうなことを申し上げたところであります。
#97
○坂本(剛)委員 長洲知事さんにお伺いしますが、地方分権。小選挙区を導入していけば、今まで以上に国会議員は地方にとらわれて、しかも国がすべてを決定するという今の仕組みをそのままにしておったのでは、ますます地方の族化が出てくるだろう、こんなことを言われていますね。
 私も市会議員、県会議員、実は経験しておるのです。そして地方のことも十分に、選挙の性格の違いも勉強させていただきました。先ほど来から、献金について一般の人が認めてくれないという御意見もあるし、それから、伊藤公述人の話でもいろいろ、実はどうしてもだめなんだ、国民感情が許さないよ、汗をかかない資金の調達は国民はだれも認めない、こんなような発言も実はありましたけれども、私は、今の段階で地方に権限を分権したときに、国のレベルの族議員がまた同じく地方にも族化されてこないのかな、地方レベルで。
 例えば宮城県知事のあの例のゼネコン汚職なんか見ても、県会議員の介在というのも十分ありましたしね。それから、いろんなゴルフ場の開発事件なんというのは、数限りなく関西にも関東にもいっぱいございましたけれども、必ずやそういう方々が中にあるわけですから、いろいろな意味で、私は、モラル、これは本当にモラルになるわけでございますが、今の段階で果たしてうまくこれまた分権が政治のレベルで機能していくのかなという、その辺の、学者であります知事さんの御見解をひとつ聞いて、終わりにしたいと思います。
#98
○長洲公述人 御指摘のように地方でも本当に嫌な事件が起きておりまして、私どもも本当に肩身の狭い思いをしております。この点は、国政レベルでのスキャンダルもございましたが、地方だって同じだという御懸念、不信感、これは自然なものと私ども受けとめまして、改めて自戒しなければならないと感じております。この点は私は、ただ分権の問題と直接つながっているのではなくて、やはりその方その方のモラルの問題とやはり制度的に資金の透明性が低いということが関係しているのではないかと考えておりますので、個人的なモラルと制度面での透明性を高める方式と、こういうことをあわせて考え、自戒も込めながら、ぜひ地方でそういうことが再発しないようにしたいと決意しているところでございます。
 十分なお答えでございませんが、以上でございます。
#99
○坂本(剛)委員 いろいろありがとうございました。私、時間なくなっちゃったものですから、もう短縮して、いろいろございまして、質問させていただきましたが、本当にありがとうございました。
#100
○石井委員長 穀田恵二君。
#101
○穀田委員 三人の公述人の方、本当に貴重な御意見ありがとうございました。私は、日本共産党の穀田恵二です。
 まず最初に、長洲知事と成毛村長にお伺いしたいのですけれども、お二人とも、今度の政治改革の中心は何といってもきれいな政治であってほしいということが根本だと質疑の中でもお話ありました。私は、そのことが根本だと思うのです。
 そこで、この間の報道なんか見ていましても、ついせんだってのテレビでありましたけれども、政治腐敗の防止ということがやはり八二%ぐらいを占めている。しかも、それと関連して私は大事だと思うのは、特についせんだっての新聞でも、政治腐敗の土壌をつくってきたゼネコン汚職の本質を考えるならこの問題を見過ごすことはできないはずだ、公共事業をめぐる政官業の癒着を正すだけで政治改革の相当部分が達成できる、こうありました。だから私は、今度の政治改革の中心は、やはりそういう意味でいうと政治腐敗の防止、なかんずくこの問題、ゼネコン汚職だとかを初めとして解明が求められている、このことだと思うのですが、その辺の御意見をお二方にまずお聞きしたいと思います。
#102
○長洲公述人 国民の間で政治改革をするべきだという機運が高まっている根本の背景は、先ほど私申しましたように、穀田議員さんのお話のとおりお金が汚いということが根本にあり、他方、もう一つ、世界はもっと動いているのに、何か狭いところでごたごたやっているんじゃないかという不信感とか抱き合わせになっているように存じます。そういう意味で、穀田議員御指摘のように、やはり政治腐敗の問題に感じている国民の不信に正面からこたえるということが、今回の国会でなさっていらっしゃいます政治改革の一番原点だろうと思います。
 ただ同時に、その問題を議論していきますと、少し専門的に突き詰めていくと、選挙制度の問題も浮上してきた、こういうことで今細かい御議論が行われているんだと私は認識しております。したがいまして、やはり細かい選挙制度の問題も十分御議論していただかないと困ると考えます。同時に、いつもその原点は、先ほど穀田議員御指摘のような問題が国民の間にあるということをぜひ念頭に置いて、御審議をお願いできればと考えております。
 以上でございます。
#103
○成毛公述人 ただいま先生の言われたとおり、きれいな選挙をやっていく、また政治家が身を正しく行動していくということが一番大事であり、そういうことを基本にして政治改革が進められなくてはいかぬであろう、このように思っております。
 私自身は、村で当然いろいろな仕事をやるわけでありますけれども、村の業者が何社かあるわけでありますが、あくまでも公平に、村内業者を育成するという見地で、あくまでも公平にというようなことでやっておるつもりであります。
 以上であります。
#104
○穀田委員 今もお話ありましたように、やはり原点が、正面からそういう点で頑張るということで、私どもも奮闘したいと思うのです。ただ、先ほど私も言いましたように、このゼネコン汚職というものが本来解明が求められている。そのことが一つ今国民的な世論として背景にあるということも私どもは言っておきたいと思います。
 二つ目に質問したいのは、伊藤公述人に企業献金の問題です。お話ありましたように、長洲知事からも質疑の中で、何もなしに金を出すはずがない。私これは至当といいますか、まさに当たっている言葉だと思うのです。しかも、伊藤公述人からもお話ありましたように、見返りを期待しないはずがない、これもまた真理ではなかろうかと思うのです。そういう意味でいいますと、政府案では、政党への企業からの献金は自由になっている。そしてまた、私どもの国会の質疑で明らかにしていましたように、政党支部というものをトンネルにして事実上個人にも企業から献金が渡るような仕組みになっている、こういう問題があろうかと思うのです。
 しかも、今度、御承知のとおり、与党は最初所信表明その他では廃止に踏み込むんだと言って、次は与党の合意で廃止の意見に考慮していると、次に法案になりますと廃止という文言が消えて五年後に見直すということになりました。これでは本当に見直すことにならないと思うのが私の率直な実感です。
 そこで、私はやはり企業献金というものを直ちに禁止すべきだ、そのことに踏み込むべき時代に来ていると思うのですが、その辺についての御意見をお伺いしたいと思います。
#105
○伊藤公述人 今おっしゃった部分で、政党批判はちょっと勘弁をさせていただきたいので御了承願いたい。
 後の部分については、私も御答弁を申し上げましたように、見返りもなくて出すような企業献金があるとは考えられない、あるかもしれないけれども、あると思う国民はいないだろう、そういう理解でございます。したがいまして、企業献金を直ちに廃止する、結構なことであります。一日も早く実現を見たいものだと思います。
#106
○穀田委員 ありがとうございます。
 最後に、政党助成の問題について一言だけ質問をしたいと思います。
 私ども、皆さんお話にもございましたように、政治に金がかかるというよりは、金をかけているというふうな現実だと思っています。しかも、その上に政党助成などと、何をか言わんやというのが私どもの見解です。伊藤氏も先ほどお話があったように、血税は一円たりともむだに使ってはならぬというふうなお話がありましたので、そこでもう一言だけお伺いしたいわけです。
 私どもは、この政党助成という問題は、政党の支持のいかんにかかわらずむしり取られる、しかも自分が支持していない政党にも渡っていく。特に日本の場合には、御承知のとおり政党支持なし層が一番、五五%も占めているというような実態があったり、さらにはこの前の選挙でも三五%近くの方々が投票なさらないという、そういう実態にあります。その中でともかく金を巻き上げてやっていくというのはけしからぬと私ども思っているわけです。
 そこで、お話あったように、政党みずからが汗をかいてやらないと、この点では成毛公述人からありましたように、堕落するというのが、私は政党が堕落するという事態に踏み込むというふうに思うのです。したがいまして、民主主義のコストとして、料亭の飲み食いまでその試算の範囲に入れるなどというのはもってのほかだと思うのです。
 そういう意味で、政党助成が政党支持の自由を侵すものと違うか、それから政党がみずから汗をかいて本来集めるべきものであって、そういう公費助成なんかを行っていたら政党がまさに堕落の道と腐敗の道へ踏み込むのと違うか、この問題についての御意見をお聞かせ願いたいと思います。伊藤さんと知事とお願いします。
#107
○長洲公述人 確かに、税金からただ丸ごと来て、それを飲み食いに使うというようなことは許されることではないと私は感じます。ただ、やはり民主主義のコストというのでしょうか、本来は国民が個人献金で賄うべきことかもしれませんけれども、諸外国もそれだけではいかないというのでいろいろやっている例もございますので、各政党が自戒しながら、応分の公費負担を政党あてに出すというのも一つの知恵かなという感じもいたします。
 なかなか一義的なお答えが難しい問題かと存じます。
#108
○伊藤公述人 先ほどの御質問の中での見解ということでありますが、こういう言い方はあれでありますが、金を巻き上げてというところはちょっと除外をしていただきまして、民主主義のコストがかかるという形の中でのあれでありますが、それが政党助成があれだから全部いかぬという意味ではございませんが、あとの部分については先生のおっしゃる説と同一意見だというふうに御理解がいただけたらありがたいと思います。
#109
○石井委員長 これにて午前の公述人に対する質疑は終了いたしました。
 公述人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十一分開議
#110
○石井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、御出席の公述人各位に一言があいさつを申し上げます。
 公述人各位におかれましては、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。審査中の各案件に対する御意見を拝聴し、審査の参考にいたしたいと存じますので、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 なお、御意見は、山脇公述人、宮内公述人、竹尾公述人、米沢公述人の順序で、お一人二十分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 それでは、まず山脇公述人にお願いいたします。
#111
○山脇公述人 御紹介いただきました大阪府八尾市長の山脇でございます。
 私は今、全国市長会の副会長という役職についておりますが、御案内のように、全国市長会といたしまして、今回提案されております政治改革法案についての統一見解というものが出ておりません。したがいまして、全く私個人の意見ということになろうかと思いますが、現場を預かる一員といたしまして、庶民の感覚から見た政治改革法案、また、自治体の首長として見た今回の問題について意見を述べたいというふうに考えております。
 全国市長会並びに地方六団体共通いたしまして、地方分権の立場からこれを推進してもらいたいというような要望決議を何回か行っておりました。そういうような背景から、本年の六月に自治法の一部改正が行われました。そうして、地方六団体が国会、内閣に対しまして意見を言う、意見書を提出するという制度がとられました。大変、自治体といたしましてもありがたく思っておりますが、さらに六団体を中心にいたしまして具体的な提案ができるよう今いろいろと検討されておりますが、結論を得るに至っておりません。
 先ほども申し上げましたように、全く私の個人的見解でございますので、専門的にこれを扱っておられる皆さん方とは若干食い違う点もあろうかと思いますが、その点ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 政治改革の必要性ということにつきましては大変長い歴史を持っておるわけでございまして、田中元首相の金脈問題に端を発しまして、一九七四年の十二月には三木首相が自民党の改革案をつくられました。その後、翌年の一九七五年の七月には公職選挙法、政治資金規正法の改正案が成立をいたしました。さらに、一九八〇年の十一月には政治資金規正法の改正案が成立いたしました。政治家個人に対する収支報告が義務づけられたところでもございます。一九八八年の六月に、リクルート事件が発覚をいたしました。翌年の八九年の十二月には、これまた公職選挙法の改正案が成立をいたしました。ここでは、本人欠席の冠婚葬祭の寄附の禁止、あるいは年賀状、あいさつ状などの禁止を盛り込んだ改正案が成立をいたしました。さらに、昨年の十二月にはまた公職選挙法、政治資金規正法の改正案が成立をいたしました。収賄罪での罰則の強化あるいは選挙運動期間の短縮、選挙公営の拡大、全国会議員の資産公開等が成立をいたしました。また、本年の四月に与野党それぞれ政治改革法案を提出をされました。いずれも大変な論議がありましたけれども、これは成立を見ない、内閣が解散をされるというような結果に相なりました。
 こういうような経過をたどってまいりますと、いずれも事件が起こりましてその後にその対応ということに相なっておるわけでございまして、それで、国民の間にはこれでは非常に不十分だ、もっと根本的、基本的にメスを入れる必要があるのではないか、こういうのが庶民の感覚ではなかろうかと思います。先ほども申し上げましたように、事件が起こりますと何らかの改正がされる、その都度される、これでは庶民としては、先ほども申し上げましたように根本的な改革にはならないというようなことになろうかと思います。
 したがって、今求められておりますところの政治改革というものにつきましては、政治腐敗を正し、国民のためにどういう国会をつくり出すかということが問われておりまして、国民主権を視点に置いた、すなわち国民の端的な意思によって選ばれるような制度であること、また、きれいな選挙であり、かつ政治活動が腐敗をしないことが担保されるかどうか、あるいは地域利益誘導型政治や政治腐敗の問題などを引き起こす等、構造的な問題にメスを入れること、さらには、中央集権から地方分権へどうかかわっていくか等を視点に置いた改革であるかどうかが重要であろうというふうに考えております。
 時代は大きく変わってきておりまして、世界の流れは皆様方の御存じのところでございます。国際社会の中で日本の役割が問われておる今日、国内だけでなく国際的にも信頼される清潔で公正な政治を確立するためには、俗に言うところの族議員や政官業の癒着構造の弊害を改める時期でもあろうかと思います。この機会を失すると、国民の期待する改革ができないのではないかというふうにも危惧をいたすところでもございます。
 とりわけ、長年地方政治に携わってまいりました私といたしまして、地方分権の視点での改革が大事なものであるというふうに考えております。地方分権での改革の視点といたしまして、余りにも現在の政治構造は中央に権力が集中しやすいような構造となっておりまして、これを、政治・行政システムをどう改善するのか。そのためには、国民主権、市民自治の観点から、国民の監視が十分できるよう透明性のある政治システムに転換することが重要でもございます。
 そういうような観点に立ちますと、このたびの政治改革の論点は、余りにもどう政権をつくるかということが中心に論議をされているのではないかと考えるところでございまして、地方の現場から見まして、地方と連動する視点が抜けているのではないか、こういうふうに考えております。
 このことは、政党助成法の中にもうかがうことができます。この法案は、地方選挙においても画一的に当てはめることを基本に検討されておるように思います。国におきますところの政権の選択といいますのは議院内閣制のもとにおける政府の形成、こういうことになるわけでございますが、地方におけるところの首長の選択は直接選挙でございまして、これは異なるわけでございます。当然国民の政治選択志向も異なるにもかかわらず、先ほども申し上げましたように、選挙制度を同一とすることに無理がありはしないか、こういうふうに考えます。
 例えば、地方公共団体の議会の議員及び首長は全国で六万八千九百九十八人、そのうち無所属が五万三千百十六人と七七%を占めておりますし、首長だけを見ましても六百六十三人おられますが、そのうちの九九%が無所属でございます。市民が無所属、無党派の首長を求めているのではないかと思います。
 地方の選挙においては、選挙の公営化が進められ政党への助成が行われますと、政党所属と無所属の間では格差が生じるばかりか、首長が政党化する傾向になりまして、地方自治が政党によってコントロールされる、こういうおそれがないのかどうか。つまり、選挙制度も、今後分権化のもとで考える必要があるものと考えております。
 きょうも朝、この国会に参ります途中で自動車に乗っておりますと、ラジオ放送がされておりました。この東京の葛飾区ですか、区長選挙があるそうでごさいまして、悪いことをしたのに税金を二億使う、これはもうやりきれぬというようなラジオ放送がありました。こういうようなことも考えてみますと、考えていただいておるところの公営選挙そのものにも私はメスをまだまだ入れる必要があるのではないか、こういうふうに思います。
 現在の国政と地方政治との関係は、許認可、補助金制度にあらわれているごとく、余りにも中央集権になっております。しかも、これが地元利益誘導に走りまして、肝心の国の方向なりを論議することが非常に少ない、政治の視野を狭くしているのではないか、こういうふうに思います。我々自身も、地方の自立、自主性、市民の政治的成熟化が不可欠であると考えておりますが、国民の主体的コントロール機能、いわゆる地方分権、こういうものを信頼していただいて、外交、防衛、司法、経済、総合調整機能、ナショナルミニマム等の確保、これは国政本来の仕事として大いにやっていただいて、残余のものにつきましては、民主主義を支えている基盤でございます地方自治体、地方分権化、そういうものに権限を移譲するというふうにされてはどうかと思います。こういうことによりまして、地元利益誘導政治の排除、政治腐敗を阻止できるのではないかと考えます。
 また、国の縦割り行政が自治体の総合的な行政を妨げておりますし、族議員の温床にもなっております。現在、省庁の統廃合を進められようといたしておりますが、そういうものをさらに進めていただいて、総合行政を進めていただきたいというふうに考えております。
 国政に対する政治不信というものが、地方政治におけるところの政治不信と連動いたしまして、さらに国民の大きい政治不信となってきておる今日でございます。政治改革は、地方分権化を含めた行政改革が不可欠であることを強調しておきたいと思います。
 地方分権からの意見といたしましても、現在、民意を聞く制度といたしまして、地方制度調査会あるいは選挙制度審議会、衆議院政治倫理審査会等がありますし、また、各党それぞれ専門的な分野で委員会を持っておられますが、それを民主主義の視点、分権の視点から意図した制度として運用されているか、選ばれる側ではなく選ぶ側が監視する権威ある第三者機関、適当なものが見つかりませんが、そういうものを設置をされる必要があろうかと思います。
 さらに、議員同士の活発な論議の展開される国会運営を期待いたします。国会において何が本当に議論されているのか、国民の目に明確に政策選択の機会を与えることが政党政治を志向される以上大切であろうと思います。
 例えば、宮澤内閣時代に、自民党案、さらに社会、公明両党が小選挙区比例制度を中心とする議員提案をされました。これは華々しい論議になりまして、テレビ中継をされたわけでございますが、非常にこれは視聴率が高うございました。こういうような政党同士の討論というものを大いにやっていただければ、もっともっと国民の中に身近なものとして映ってくるのではないか、こういうふうに考えております。こういうことをやることによって、官僚主導から政治家主導へと転換が可能であろうと思います。国会が真に国レベルの最高機関たるべきにはいかにすべきかを視点として持つ必要がございましょう。
 最後になりますが、政府・与党によるところの五項目、また自民党の二十一項目、両方すり合わせの作業が現在行われておるわけでございますが、どうか一致点を見出していただいて、一日も早く解決をしてもらいたいと思います。また、そのほかにも、衆参セット論あるいは地方議会セット論、無所属議員の問題など多くの問題がありますが、だからといって、慎重になり過ぎ、新しい道を見出すことができなければ、政治に対する不信はますます高くなろうかと思います。政府案、自民党案を比較いたしましても、どれが完全なものだと言い切れるものはございません。いつまでも甲論乙論論じ合って時間を費やす、必要ではございましょうが、もう早く、日本の将来に対する失望感をこれ以上国民が抱くことがないように、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 地方の現場を預かる一員として、端的に庶民の感覚というものを申し上げまして、簡単でございますが、私の意見とさせていただきます。(拍手)
#112
○石井委員長 まことに貴重な意見、ありがとうございました。
 次に、全国都道府県議会議長会会長、長崎県議会議長宮内雪夫公述人にお願いいたします。
#113
○宮内公述人 全国都道府県議会議長会の会長をいたしております長崎県議会議長の宮内でございます。
 かねて衆議院の諸先生方には、四十七都道府県の各般の問題につきましていろいろと御指導と御支援をいただいておりますことにつきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 とりわけ、直近の問題として、北海道南西沖地震の問題あるいは鹿児島県の大水害の問題あるいは雲仙・普賢岳の問題、そして、最後に全国的な米作農家を中心とする農家の緊急な課題等々につきまして、いろいろと御指導と御鞭撻を賜り、適切な処置をとっていただいておりますことにつきまして、全国都道府県議長会の会長という立場で、この席をかりまして心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 さて、リクルート事件以来、最近の佐川急便事件あるいはゼネコン汚職事件に至るまで、中央地方を問わず、政界の不祥事が相次いております。このことが国民の強い政治不信を招き、その信頼を根幹とする議会制民主主義にとって極めて憂慮すべき事態を招いておることはあえて申し上げるまでもないと存じます。
 このような状況にかんがみ、私ども議長会では、昨年の秋以来、国民の政治に対する信頼を回復するために、政治腐敗の防止に向けて、国民の納得の得られるような抜本的な政治改革の実現を求めて、政治倫理を確立することはもとより、選挙制度の改正、政治資金の透明性の確保、規制の強化等を図るための政治改革関連法案の早期成立の要望決議を繰り返し繰り返しやってまいってきたところでございます。
    〔委員長退席、三原委員長代理着席〕
 その意味で、今国会で政治改革関連法案に政府並びに与野党の国会議員の皆さんが全力を挙げて取り組んでおられますことにつきましては、まずもって敬意を表するところでありますが、かといって、いささか不満もないわけではございません。
 選挙制度にいたしましても、あるいは政治資金や政党助成金の制度にいたしましても、これらのあり方は、単に国会議員のみならず、私ども都道府県議会議員を初めとする地方議員や首長の選挙、政治活動のあり方に極めて密接な関係があり、かかわり合いがあると思いますが、その立案やこれまでの審議において、私どもいわゆる地方の、都道府県議会議員を初めとする地方議員等の意見が一度も聞かれることはなく、国会議員の皆さん方のみで論議が進められてきたことでございます。このところ地方分権の推進が国会で決議をされ、さきの総選挙でも各党こぞって公約として取り上げられたり、さらに、現内閣で知事経験者が総理大臣を初め枢要のポストを占めておられるなど、その推進に大きな期待を寄せておったわけでございますけれども、かかる大事が地方の声を聞かず、しかも、地方のことを少しも配慮をされずに中央のみで決められていくことに対しましては、いささか不満と失望を禁じ得なかったところでございます。
 かようなことから、私ども議長会では、去る十月二十七日、急遽、臨時役員会を開催いたしまして、都道府県議会議員の意見を聞く機会を設け、その意見を法案等に適切に反映をしていただくことを求める緊急決議を行った次第でございます。本日、さらには後日行われる地方公聴会において、いささか遅きに失するとはいえ、こうして私どもの意見を聞いていただけることになったことに対しましては、ともかくお礼を申し上げる次第でございます。この上は、これらの意見を十分に酌み取っていただきまして、法案あるいはその後の運用等に適切に反映をしていただく、まずもってこのことをお願いを申し上げる次第でございます。
 私からは、全国都道府県議会議長会の会長として、各都道府県における意見書の概要を御紹介を申し上げるとともに、政治資金規正法による寄附の制度及び政党助成法による政党交付金の制度について、さきの臨時役員会の決議、その際出されました各議長の意見等を踏まえながら意見を述べさせていただきたいと存じます。
 それでは、まず、都道府県におけるこの九月議会での政治改革関連法案関係の意見書の採択状況について申し上げますが、青森県、秋田県など合計九県で行われております。
 その一つが、地方自治体の長や議員を含めた選挙制度の改革の全体の輪郭を明らかにするように求めたり、その実現を促すものでございます。国会における政府答弁等によりますと、地方の選挙制度のあり方は、参議院改革と同様、次の段階での検討課題とされているようでありますが、この後申し述べます政党交付金制度等に関する意見書と同様、これらは今回の制度改革が地方議員等に与える影響に対する不安を物語っているものと考えます。
 さらに、小選挙区等の議席配分について、地方への傾斜度を高めるよう求める意見書が、過疎地域を多く抱える県で採択をされております。これも、今回の選挙制度の改革により議員定数が大きく減らされることとなり、地域住民の声が国政に反映されなくなるのではないかと考える地方の不安のあらわれと存じます。
 また、比例選挙よりも選挙民が直接選挙できる選挙区選挙の議員数を多くするよう求めるものや、このほか、地方の声を十分に取り入れるよう求めるもの、政治改革の断行を求めるもの、衆議院議員の定数を四百七十一人とし、比例選挙の単位を都道府県ごととすることを求めるものなどが採択をされております。
 これらの意見を地方の総意であるとして直ちに集約することはできかねますけれども、国会においては、このような多様な地方の声を真摯に受けとめていただいて、それぞれの議会が納得のできるような最善の努力をお願いを申し上げたいと存ずるものでございます。
 次に、ただいまの都道府県議会の意見書でも取り上げられましたが、政治資金規正法の改正案及び政党助成法案について申し上げます。
 まず、政治資金規正法についてでございますが、今回の改正案を見ますと、これまで公職の候補者に対して直接に出すことが許されておりました政治活動に関する寄附が、これからは、政府案の資金管理団体や自民党案の資金調達団体を含め、政治団体に対してのみしかできないこととなります。このこと自体は政治家と金を切り離すという趣旨であろうかと存じますが、政府案によれば、今後はさらに、これまで可能であった企業等の団体献金が政党のみに対してしかできず、国会議員を含め政治団体に対してはできなくなります。国会議員ほどではございませんけれども、我々都道府県議会議員もいささかなりとは申せ、その政治活動に企業等の団体献金をいただいておることは事実でございます。
 これにかわるものとして政党助成法による政党交付金の制度が設けられるわけでございますが、政党助成法案を見ますときに、「国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならない。」とあって、その配分方法については政党の内部にゆだね、それ以上のことは何も規定されておりません。また、配分基準、すなわち各政党に交付すべき額については、国会議員の議員数やその選挙の得票数によって算定をし、地方議員のことは何ら考慮の対象とされておりません。
 このようなことから、政党交付金が果たして地方議会議員やその政治団体にまで流れてくるのか、疑問あるいは不安を抱いておる都道府県議会議員も少なくはありません。また、仮に流れてくるとしても、その過程で政党の中における中央集権的な仕組みが強化され、中央支配が強まるのではないかと危惧されるところでございます。
 一方、私ども地方議員の場合、都道府県議会議員で一六・二%にも及ぶ無所属議員がおります。このような議員の政治資金や選挙運動資金は、個人献金のみで現に必要とする金額すべてを賄い切れるものでございましょうか。
 このようなことから、政治活動に関する寄附につきましては、個人献金が定着するまでの間、例えば資金管理団体に限るなどして、一定の限度で企業等の団体献金を残すことも一つの方法として検討されてよいと考えるのでございます。
 また、政党交付金については、私ども議長の中にも、金額がいささか大き過ぎる、国民の理解が得られないのではないかとする意見もあるわけですが、それらの誤解を払拭するために、政党への公費助成の内容が政府案では国会議員の数及び得票数となっておりますが、その対象に地方議員の数等を考慮して、いわゆるすそ野を広くすることにより有権者、納税者への理解も得ることができるのではないか、ただいまの政府案ではいかにも国会議員だけの法律であるかのごとく見られることは、これは厳しく避けるべきであると考えるものでございます。
 以上、全国都道府県議会議長会の会長という立場で意見を申し述べてまいりましたが、国会におかれては、私ども都道府県議会議員の声を酌み取っていただき、ぜひとも政治改革法案の中に反映をしていただくことをお願いを申し上げますとともに、今後政府あるいは与野党の皆さんが精力的な折衝を続けられ、今国会でこの法案が成立し、国民が納得のできる政治改革が断行されることを心からこいねがって、私の公述とするところでございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
#114
○三原委員長代理 宮内公述人、ありがとうございました。
 次に、竹尾公述人にお願いいたします。
#115
○竹尾公述人 ただいま御紹介をいただきました竹尾昭治でございます。
 私は、千葉県の北総台地、新東京国際空港、成田市のすぐ隣の町の酒々井町という小さな町の議長でございます。
 今回、この公聴会に浅学な私をお招きをいただきまして、専門家の諸先生の前で私の考えを述べるということは、緊張とそしてまたいささか赤面の至りでございます。
 せっかくのこのような機会でございますので、ちまたで聞く話、そして新聞等においていろいろと知りました件について、私のできる範囲内で、二十分間という時間を与えられておりますけれども、いかんせん田舎のちまたの声でございますので、時間等については御容赦いただきまして、簡潔に率直に意見を述べさせていただきたいと思います。
 初めに、私は、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の二法案に絞り、発言をさせていただきます。
 制度の点でございますけれども、現行の中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に制度を変えることによって、政治が大きく動くと考えています。このことは、今国民が政治に求めている最大の関心事と言えると思います。したがって、この改革をまず推進することが非常に大切であろうと考えるものです。新制度を導入後も、欠陥があれば手直しをし、よいものに一歩ずつ近づくことが最善の方策だと考えます。
 次に、定数でございますが、政府案としまして、総定数五百人、うち小選挙区二百五十人、比例代表二百五十人、これに対し自民党案は、総定数四百七十一人、小選挙区三百人、比例代表百七十一人と伺っておりますが、今や世界の動きは瞬時のごとく動いている現在、政治は迅速に対応しなければならない。そのことからも、国民は二大政党制を望んでいるのではないかと私は感じられます。したがって、これは、これに近い考え方である自民党案に同調するもので、政府案の二百五十人、二百五十人というのは、格差の問題のある地域があるので、二百五十人以上三百人以下がよろしいのではないかと思います。
 また、比例代表選挙区ですが、政府案全国単位に対し、自民党案都道府県単位となっておりますが、少なくとも私どもの国会代表となる方の顔も知らない方がなるということはいかがなものかと、私ども地方の末端の声です。よって、都道府県単位がよろしいかと思います。
 次に、投票方式等は二票制でよろしいのではないかと思います。既に参議院選挙で実施済みなので、投票する側もなれているので戸惑いなどはないのではないかなという感がいたします。
 次に、当選人決定の方法ですが、この中で、比例代表選挙で各政党の当選人は各政党の得票率を基礎とし、ドント方式で決定、なお、得票率三%未満の政党には当選人は配分しないとなっています。また、直近の選挙を見ますと、三%未満とした場合、クリアできない少数政党が現在の政党でも出てきます。よって、少数党、少数意見を取り入れるということが議会運営の原則と思われますので、もう少し緩和してもよろしいのではないかなというふうな感じをいたします。
 次に、戸別訪問でございますけれども、政府案は自由化、自民党案は禁止というのが案でございますが、現行法は禁止とはいえ電話はよいというようになっております。これは、私も同じ地方との差はあれ選挙される者として感ずることでございますが、自由化でよいと私は感じます。国民も選挙で代表を選ぶのだから、候補者と接する機会を持ち、自分たちで選ぶということが義務と私は思います。
 次に、政党交付金及び配付の方法ですが、地方議会人の立場として、中央・地方選挙は同じと考えます。したがって、地方議会を含めた公的助成配分を考慮していただきたいと思います。
 以上、雑駁に述べましたが、いずれにしましても、今政治改革は国民の負託にこたえる最大の課題であると認識しており、今国会で決着がつかなければ国民の政治に対する不信感はますます高まることは必至であります。したがって、早く安定した政治が図られるよう、国会の先生方のますますの努力をお願いし、非常に簡単でございますけれども、率直な意見としてお聞きいただければありがたいと思います。
 大変どうもありがとうございました。(拍手)
#116
○三原委員長代理 竹尾公述人、ありがとうございました。
 次に、米沢公述人にお願いいたします。
#117
○米沢公述人 御紹介をいただきました特別区議会議長会の米沢江東区議会議長であります。委員各位におかれましては、歴史的な政治改革の実現に向けまして関連法案の審議に傾注されておりますこと、まことにその御苦労に対しまして心から敬意を表する次第であります。
 政治改革は、国民がこぞって期待するものであり、我が国はもとより世界が注目をいたしているわけでございます。また、我々地方行政を担う者にとりましても、その成り行きは大いに関心のあるところであります。その意味で、今回地方団体の代表から意見を求められたことに対しまして、心から謝意を表したいと思います。
 さて、特別区は政治経済の中心地である大都市東京の中枢に位置をいたしております。八百万区民を抱える特異な地域性を持っており、選挙制度一つをとっても他の地域とはかなり違った特性があるわけでございます。特別区政に携わる一人といたしまして、今回の政治改革関連法案について、こうした地域性を念頭に置きながら、主に大都市圏の地方議会人としての立場に立って、六点にわたって意見を申し述べたいと思います。
 なお、政府及び自民党合わせて九法案が提出されておるわけでございますが、各法案は相互に関連があり、また政府案と自民党案の比較におきましても多くの共通点が見られますので、全法案を通しまして一括して意見を述べることといたします。
 まず本論といたしまして、その一、制度の基本的な仕組みについて申し上げたいと存じます。
 我が国の選挙制度は、明治二十二年に小選挙区制が導入された後、大選挙区制、そして小選挙区制、中選挙区制、大選挙区制と変遷を重ね、昭和二十二年から現在の中選挙区制が施行されておるわけでございます。しかしながら、中選挙区制は同一政党の候補者同士の争いで、政策中心の選挙戦になりにくく、選挙資金がかかるなどの理由から、政府の第八次選挙制度審議会は、比例代表制とかみ合わせた小選挙区比例代表並立制を新たな選挙制度として答申をしたわけであります。
 小選挙区比例代表並立制は、小選挙区制が多数党による政局の安定をもたらすとともに、選挙費用が少額で足りるなど長所があるわけでございますが、その一方、死票が増加して少数派が代表を出しにくいなど、民意の反映に十分機能しない面があるとされているところから、少数派にも議会進出の機会を与え、国民の意見を公正に議会に反映させようとの要請から、比例代表制を加味したものと理解をいたしておるわけでございます。
 並立制はこうした両者の制度を補完し合うものとして考え出されたものであり、現在の中選挙区制の廃止とそれに伴う小選挙区比例代表並立制の導入は、大方の国民の合意が得られているものと思います。
 選挙制度の基本的な仕組みに関しましては、政府案、自民党案に若干のニュアンスの違いはあるといたしましても、大筋では一致できると思われますので、制度改革を求める国民の期待を十分認識をしていただいて、今後も合意形成に向けまして最善の方策をとられることを御期待申し上げます。
 二番、総定数及び定数配分について申し上げます。
 政府案、自民党案ともに、総定数削減という点では共通の立場に立っておられます。政治改革と同時に行政改革が求められている今日、総定数削減の方向が打ち出されましたことは高く評価するものであります。
 政府案の総定数五百は政府の第八次選挙制度審議会の答申を根拠としているとされ、一方、自民党案の四百七十一は公職選挙法に基づいておるわけであります。現在は公選法の本則より四十人多い五百十一人となっておりますが、これは一票の格差是正のための緊急避難的な措置であり、速やかに衆議院定数の抜本改正を検討するとの昭和六十一年の国会決議も勘案いたしますと、この際、抜本的是正を図ることはぜひとも必要なことであろうかと存じます。
 両案が歩み寄りまして、国民が納得できる総定数とその配分を定めてもらいたいと思いますが、昨今の行政改革に向ける国民の厳しい目に明確にこたえ、また、地方議会の多くが定数削減を実施している現状などを踏まえますと、衆議院における総定数はできるだけ本則に近づけるよう努力すべきと考えております。参考に申し上げますと、特別区二十三区中十六区が条例により法定数を削減をいたしております。
 なお、小選挙区比例代表並立制は、小選挙区では一党または二大政党制になりやすく、比例代表は小党分立の結果を招くという、全く異質な選挙制度を同時に行うため、その定数配分が大きな論点になることは十分に理解をするものであります。しかしながら、もともと政治改革の本旨が政界再編による二大政党制を志向するものであったことを考えましたときに、小選挙区によりウエートを置いた配分方式が望ましいと言えるのではないでしょうか。
 いずれにいたしましても、将来を含め、政界再編にかかわる重要な課題でありますので、国民が納得できる総定数等、両案の歩み寄りによる定数配分の決定を心から望むものでございます。
 次、三番、選挙区割りにつきまして。
 小選挙区制の導入によりまして、現行百二十九の選挙区が、政府の案では二百五十、自民党の案では三百の新たな選挙区が実現することになるわけでございます。選挙区の改定案策定のため、政府案では総理府に衆議院議員選挙区画定審議会、また自民党案では衆議院に衆議院議員小選挙区画定等委員会を、それぞれ法に基づき設置すると言われております。設置を総理府とするか衆議院とするかでは、法理論上若干の検討を要すると思いますけれども、趣旨においてはほとんど差異がなく、結局地方にとっては具体的な区割りそのものに高い関心を持つことになるわけでございます。
 政府案では、各都道府県に総定数のうち一人ずつ基本配分をし、残りを選挙区間の人口比を格差二倍以内に均衡させるよう配分するといたしております。すなわち、小選挙区定数二百五十では一区画当たりの人口は約四十九万人、自民党案の三百では約四十一万人となるわけでございます。この方式を当てはめてまいりますと、政府案、自民党案とも、二十三区においては世田谷区を初め人口の多い区は一部を分割をし、それを地区と合区させなければならないという事態が起こってくるのであります。これまた参考に申し上げますと、現在、世田谷区は七十九万人、大田区が六十五万人、足立区が六十三万人、練馬区が六十二万人、江戸川区が五十七万人でございます。
 法案では、区画設定は行政区画、地勢、交通などの事情を総合的に考慮するよう求めておるわけでございますが、地域が連携をし、ただでさえ区画割りが難しい二十三区にありましては、さらに行政区域をも越えて新たな区画割りを決定することは、住民感情はもとより選挙執行上も不都合が生じかねないわけでございます。また、地方選挙である都議会議員選挙の区画にも重大な影響を与えるほか、私たちに最も身近な区長や区議会議員選挙にも波及するおそれがあるわけでございます。したがって、やむを得ず行政区画を割り込んだ区画設定をする場合には、地域住民の意向や地域の歴史的沿革などの実情を十分に反映して行うよう心からお願いをいたしたいと存じます。
 なお、比例代表の名簿につきましては、政府案が全国単位、自民党案が都道府県単位といたしておりますが、私ども地方から見れば、都道府県単位の方が地域代表としての性格がより鮮明になり、また参議院比例代表との比較においても衆議院の特性が出やすく、望ましいのではないかと私は思います。
 四番、戸別訪問について。
 政府案によれば、衆参の国政選挙を初め知事選などすべての地方選挙を含めて、午前八時から午後八時まで戸別訪問は可能となるわけでございます。戸別訪問は欧米では広く認められておる選挙運動でありまして、これは候補者とじかに接しましてその政策を知ることができる点では、有権者にとってまことに望ましい方式と言えるわけでございます。
 しかしながら、たとえ罰則や腐敗防止策を盛り込んだとしても、無制限に戸別訪問を認めるとするならば、住民のプライバシーの侵害や利益誘発を招くおそれがないとは言えないわけであります。戸別訪問の全面的な解禁は、国民や候補者の政治に対する成熟度との兼ね合いで検討されるべきであり、今後、一定期間をか付で十分な論議と啓発を行った上で実施に移すことが望ましいと考えております。したがって、現段階で全面解禁することは時期尚早と言わざるを得ないと断言をいたします。
 五番、政治資金制度につきまして。
 寄附の対象や金額を制限するなど、政治資金を抑制していくという方向と、そのためには一定程度政党への公費助成が必要であることはほぼ国民的合意が得られるものと私は考えます。公費助成は政府案が年間四百十四億円、自民党案が三百九億円で、国民一人当たりではそれぞれ三百三十五円と二百五十円になるわけでございますが、算定の根拠は、いずれも現行中選挙区制のもとでの実績によっておりまして、必ずしも明確でない上、諸外国の公費助成額と比較した場合に決して安いとは言えないと言われております。助成額は企業・団体献金の扱いとの兼ね合いもあり、ただ高低だけでは論じられませんけれども、いずれにしろ、国民に負担を求めるものでありますから、その額はできるだけ低く抑えるとともに、国民にわかりやすい算出根拠を示すべきであると思います。
    〔三原委員長代理退席、委員長着席〕
 六番目といたしまして、地方選挙の公営化について申し上げます。
 政治資金制度に関連をいたしまして、地方議会を担う者の一人といたしまして、地方議会議員等の政治資金のあり方について付言をいたしたいと存じます。
 政府案は、企業・団体献金を政党と政治資金団体に限り認めるといたしておりますけれども、地方においては、先ほどもどなたかおっしゃいましたが、区市町村長のほとんどが政党に所属せず、また地方議会も無所属議員が相当数おり、しかも政治資金団体を持たない場合が多いわけでございます。このため、政府案が成立をいたしますと公費助成の配分がない無所属の首長や地方議会議員は個人献金に頼らざるを得なくなりますが、個人献金の風土が浸透、定着していない我が国の現状を考えますと、実質的に政治活動費調達の道が閉ざされることになるわけでございます。また、政党への助成により地方議員の系列化が進み、ひいては中央集権化につながるおそれも出てくると思われます。地方議会等に対する政治資金のあり方につきましては、選挙公営化の問題を含め、地方の実態を十分考慮し、規制と助成のバランスのとれた施策を講じられることを心から望みたいと思います。
 この際、せっかくの機会でございますので、付言をさせていただきたいと思います。
 以上、六点にわたり意見を述べさせていただきましたが、今回提出されている政治改革関連法案の中心的な課題である選挙制度改革につきましては、政府案、自民党案とも、衆議院に小選挙区比例代表並立制を導入することでは一致を見ておるわけでございます。新聞報道等によれば、これまでの審議の過程で、総定数と定数配分、比例代表の単位あるいは戸別訪問、小選挙区における政党の要件、公費助成等に焦点が絞られてきているように思われます。これらはそれぞれ政党の将来展望に密接にかかわることであり、激しい論議が交わされることは理解をできますけれども、冒頭申し上げましたように、政治改革は国民期待の課題であります。ぜひとも実現に向けて一層の御尽力を賜りますように心からお願いを申し上げます。
 なお、つけ加えれば、審議日程が詰まっているところから、巷間、強行採決の導入や最終的に審議未了、廃案となるおそれがあるやにささやかれております。国民注視の中でのこのような事態になることを厳に慎まれるよう特にお願いを申し上げたいと存じます。
 最後に、国民は、制度改革が実現をすれば、これまで長年培ってきたものとは異なる制度の下で選挙等を経験することに相なります。国会審議の間におきましても、広く国民の理解を仰ぐことは当然でありますけれども、新制度の実施段階でも一層きめ細かな周知を図る必要があろうかと存じます。
 特に、人口八百万、有権者数で六百万人以上を数え、かつ、移動の激しい東京二十三区住民の実態を思うとき、周到な準備と周知のための一定期間の確保は何よりも重要であると存じます。各区は、今後も国会審議の動向を見据えながら二十三区民に対して的確な対応を図っていく所存でありますが、国においても大都市の事情を理解の上、十分な配慮をされるよう心からお願いを申し上げまして、私からの公述を終わります。ありがとうございました。(拍手)
#118
○石井委員長 ありがとうございました。
 以上で公述人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#119
○石井委員長 これより公述人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀込征雄君。
#120
○堀込委員 四人の方々、それぞれ本当に地方の実態を踏まえた御意見をいただきまして、ありがとうございました。御礼を申し上げながら、若干の質疑をさせていただきたいと思います。
 大変恐縮でございますが、宮内公述人に最初にお伺いをいたしますが、実はただいま今国会で九県から意見書、それから議長会からもいただいておるわけでありますが、実は前国会でもこれは二十四県ぐらい意見書を自治大臣あてに私どもいただいておるわけであります。
 この意見書を比べてみますと、実は前国会と今国会でかなりトーンが違うなという感じがするわけであります。前国会で二十四県からいただいた意見書につきましては、金丸脱税事件もあり、政治の不信をこれ以上許してはいけない、国会は何をやっているんだ、早く腐敗防止を中心に政党助成も含めた四法案全部上げなさいというのがほぼ、多少ニュアンスの違いがありますが、大体そういう意見書になっています。今国会でいただきました九県のものにつきましては、今御意見ございましたように、地方へ少し配慮しろ、地方の意見を聞いていないのではないかというようなトーンに実はなっているわけでありまして、同じ県議会で、ことしのうちの話でございますから、大分トーンが違うなという感じやこの温度差は、議長さん、どこから出ているというふうにお考えになりますか。
#121
○宮内公述人 お答えをさせていただきます。
 前回の議会での意見書とそれから今回の意見書とかなりトーンが違うではないかというお話でございますけれども、私は、先ほども申し上げましたように、議長会の決議にもございましたとおり、前回は、御説明がございましたように、非常に汚職対策といいますか、そういう問題に焦点が時期的に絞られておったというふうに思います。
 しかしながら今回は、出てまいりましたこの二法案が、地方議員と申しますか、都道府県会議員の選挙運動、政治活動等に非常に重大なかかわり合いがある問題が具体的な形で出てきたために、いわゆる金丸問題等を含める問題よりも身近な、直近な課題としてただいま御指摘の決議が多くなってきた、あるいは展望を危惧する意見書等々が多くなってきた、こういう背景があると思います。非常に短い間ではございましたけれども、急転直下の非常な政治情勢の変化であったというふうにその背景を理解をしておるところであります。
 以上です。
    〔委員長退席、前田委員長代理着席〕
#122
○堀込委員 もう一つ宮内議長さんにお尋ねをしたいわけであります。
 意見書に実は、地方の意見を余り聞いていない。確かに議長会とかこういう公式の場ではやっておりませんが、例えば私自身は地方へ行って地方議員の、県会議員の皆さんから市町村議員の皆さんまで御意見を聞いたり、あるいは党の議員研修会をやったり、いろいろなことをしながら私どもこの法案の審議を実はやっているつもりでございまして、そういう意味では私ども、きのう、おとといも地元で無所属議員の皆さんともお話をしてまいりましたけれども、かなり実は御意見は聞きながらやっているつもりでございますので、ぜひその点は御理解をいただきたいと思うわけであります。
 そこで、今お話ございましたいわば企業献金、これはやはり自民党案のように資金調達団体へ二十四万掛ける二つ、この程度のものは残してもらわなければ困るというのが一つございました。それから、政党助成も何か国会議員だけで、これは地方議員に恩恵ないのじゃないか、これでは困るというのがおおむねあったわけであります。
 実は私ども、政治と金の問題、先国会からずっと議論してまいりました。ただ、僕らはどうしても意見が合わないなというか、感覚が合わないなというところがどうしても自民党さんとあったわけであります。どうしてそんなにお金がかかるのだろうということでありまして、それは自民党の皆さんが政権政党で、中選挙区のもとで複数の候補を立てて、政権をとるためにしっかり選挙をやっている、したがって身内同士の選挙でお金がかかる、サービス合戦でお金がかかる、こうおっしゃられたもので、それはそれで私はある意味では理解をしたわけであります。
 都道府県なり市町村の場合、やはりある種の大統領制であるわけですね、選挙される知事とか市町村長さんは。議員の選挙というのは、いわばそういう国会の議院内閣制とは違いまして、ある意味ではそういうあれはないわけでありまして、そういう意味では政権党であろうと野党であろうと同じ条件で選挙が行われるのであろう、こういうことだろうと思います。そういう意味で、国の方も、この企業・団体献金もできるだけ、私どもの政府案では議員個人のものは全部切ってしまおう、政党だけに一元化してしまおう、こういう案なんですが、やはり国のこの現状を考えて、ぜひ私は地方の方も企業・団体については議員の皆さんに御理解をいただいて、これから金のかからない選挙、金のかからない政治活動というものを実現していくのだという立場に立って英断をいただきたい、ぜひ御了解をいただきたい、このように思うわけですが、もう一度ひとつ御意見をお聞かせをいただきたいと思います。
#123
○宮内公述人 ただいまの堀込議員さんの御質問でございますが、御趣旨は十分理解をできるわけでありますが、私どもも、いささかもその点について、いわゆる政治と金との問題を、透明度の高い、国民に理解のできるような、そういうものにしなければいけないということは、決議をしている中でも言っておるわけですから、少しも先生のおっしゃることと変わらないと思います。
 ただ、確かに御指摘のように、活動そのものについては自民党も野党も――失礼。地方はまだ逆転現象になっておりませんので、ただいまちょっと失言をいたしましたが、どっちにしても各党ともそれぞれ同じようにやっておるわけであります。
 ただ申し上げたいことは、企業からの献金等をばっさりやるというのは、私ども十分な理解はできるわけですが、その前提として、やはり地方議員といえども政治活動が従前どおり、あるいは従前以上に活発に行われることが担保されなければいけないと思うのですね。
 ということは、個人献金は可なりということでありますけれども、先ほどもどなたか公述人の方がおっしゃいましたように、個人献金というのは、言ってやりがたし、なかなか簡単にいかない問題であるということは、議員さんも御承知のとおりであろうというふうに思います。これが定着するまでの間は、やはりそこら辺は若干の猶予を持って、国民に理解をするように、国会、地方を問わず、やはりPRと広宣活動を徹底すべきではないかというふうに思います。
 ちなみに、例えば千人の後援会がおるとします。あるいは一万人の後援会がおるとします。そして、企業の献金がこれから禁止されたからして皆さんひとつ御協力してください、一月に千円あるいは一年に一万円、仮にこういうふうに言っても、答えはまずほとんどが、応援はするけれども献金までしなければいかぬのかというような、私は、風土がまだまだかなり残っておるんではないかというふうに思います。
 そういうことを考えますときに、企業献金も切られ、そして、先ほど私が申し上げましたように、中央からの還流も明確にされないというような状況の中で、果たして国会議員の皆さん方をすそ野で支えておる地方議員の活動が本当に保証されるか否や、私どもはむしろその点を危惧するところでございます。どうぞひとつ、地方議員は地方議員なりの大変厳しい状況に置かれているという苦衷を察していただいて、ひとつ御理解を賜っておきたいというふうに思います。
 以上です。
#124
○堀込委員 時間が来ましたので、一つだけ簡単に言います。
 何人かの方から、比例単位は都道府県単位がいいという、例えば千葉の竹尾議長さんですか、ございました。あるいは三%条項の話もありましたが、例えば自民案でいきますと、千葉は比例が七人でありますから、これは例えば一〇%から一二%ぐらい得票した政党でも議席が配分されないという実態も起きますので、まあそのことはさておきまして、山脇市長さん、済みません。
 地方議員に配慮しろとか定数を地方に配慮しろとか、いろいろな御意見ございますけれども、さっき、これからの国政、やはり国政は限定されて、分権を進めていくべきだという発想に立たれた場合、その辺の御意見、どう思われますか。簡潔に、済みません。
#125
○山脇公述人 先ほども自治、分権の立場からお話を申し上げました。現場を預かる者といたしましては、やはり見えるところで見える候補者ということが一つあろうと思いますが、しかし、今回出されております案というものは、それによって死票が出るということから、バランスをとられまして二百五十、二百五十ということになっておるというふうに理解いたしておりますので、それでいいのじゃないかと私は考えております。
#126
○堀込委員 ありがとうございました。
#127
○前田委員長代理 次に、工藤堅太郎君。
#128
○工藤委員 新生党の工藤堅太郎でございます。
 四人の公述人の皆様方には、お忙しい中にもかかわりませず、わざわざ国会までお出ましをいただきましてありがとうございました。
 今回のこの政治改革法案、戦後、焦土に等しい荒廃の中にありました我が国が、経済の繁栄する、世界に冠たる堂々たる国家を自民党政治のもとで築き上げてまいったわけであります。しかしながら、世界も大きく変化をいたしておりますし、またいろんな問題が生じてまいりまして、特に長期政権、このことも問題があったのかもしれませんが、ひずみが生じて、この際政治改革を行うべきである、このような強い国民の御意思が働いているものだ、私はこのように理解をいたしているわけであります。
 ただ、この政治改革、申し上げるまでもなく、百点満点ということはないわけでありまして、恐らく国民の皆様方も六十点よりは七十点、八十点でも何とかやるべきだ、このようにお考えになっているのではなかろうか、私もこのように理解をいたしております。
 先ほど来、四人の皆様方からいろいろお話をお伺いをいたしました。立派な御意見で、それぞれ本当に感服をいたしたわけでありますが、それぞれちょっとニュアンスが違う場面もありますけれども、押しなべて申し上げますと、今国会で必ずこの政治改革を実現をすべきであると四人の皆様方おっしゃっておられたようにお聞きをいたしました。もし今国会を逃すようなことがあれば、国民の政治不信はますます増大をするというようにもおっしゃったようにお聞きをいたしました。まさに私ども同じような考えでいるわけでありまして、何とか歩み寄ってでも今国会で成立をさせたいものだ、このように考えるわけであります。
 ただ、先ほど米沢公述人、いわゆる、何といいますか、強行採決をしてはならない、そういうことをしないで十分話し合ってというようなことなんでありますが、その辺が本当に、十分話し合って歩み寄りたいんでありますけれども、なかなか難しいところでございまして、このような質問を申し上げるということもどうかと思いますけれども、本当に難しいわけであります。ですから、その辺をどのようにお考えになっているか、もう一度お一人お一人からお聞きをいたしたい、このように存じます。
#129
○山脇公述人 大変難しい質問でございます。
 私も現場を預かる市長といたしまして、こういう問題がもしも私の地元で起こって、けんけんがくがくの意見があるというようになりますと、やはり第一番に、議員の考えておられることがどういうような意向であるかということも一つは判断の材料になりますが、同時に、市民がどう考えておるのかということが原点になろうかと思います。
 したがいまして、数と数との問題もありますけれども、市民全体がどういうような意向であるかということによってこれは決しなければならぬ、こういうふうに考えております。
    〔前田委員長代理退席、委員長着席〕
#130
○宮内公述人 お答えをいたします。
 強行採決是か非かということだったと思いますが、私は、全国議長会の会長として、この種のものを答弁をする権限ないしは責任は持ち得ないというふうに思います。これは、あくまでも地方公共団体ないしは地方議会の範とすべき国会の皆さん方の良識によって判断をしていただかなければならないというふうに思います。
 以上です。
#131
○竹尾公述人 それでは、私の率直な意見を申し上げたいと思います。
 是か非か、言葉では私は言えません。専門家の国会の諸先生方の最後の最後までの努力を私たちは期待するよりほかないということでございまして、何とかそういうところ、地方の末端の皆さん方の考え方は、今国会でという願いは非常に強いということで、先ほど意見として申し上げました。
 そういうことで、是か非かということは、先生方の御判断でよろしくお願いします。
#132
○米沢公述人 私も地方議会に三十年間おりましたので、その辺は多少心得ているつもりでございますが、今私の申し上げたのは、とにかくそういう事態にならないように、十分慎重におやりいただきたいということを申し上げたのであります。これは政治家としての宿命である以上、その点は十分御理解願いたいと思います。
#133
○工藤委員 ありがとうございました。
 それぞれお話、全くそのとおりだと思いまして、私どもも、国民の皆様方の御期待にこたえるべく、一生懸命努力をして一致点を見出してまいりたいもの、このように思います。
 ところで、私は十数年間地方議員、県会議員をやらせていただいてまいりまして、ついこの前までそうだったわけであります。何か当時ふんまんやる方なく思ったことは、中央で大きな政治腐敗というようなものがあれば、それが国会議員だけではなくて、県会議員とか地方議員までいろいろ波及してくる。その都度、ちょぼちょぼいろいろなものを取り決めするわけであります。
 例えば、結婚式とかお葬式なんかには、自分が行けなければお祝いとか香典を出すわけにいかないといったようなこととか、隣の方で大変親しくつき合っている方であっても、生花も出すわけにはいかないとか。これはもう国会議員の問題ではないのか。そういうことをやった連中は国会議員ではないのか、我々ではないんだというようなことを、常にそう感じてまいったわけでありまして、今その立場に立って、身を引き締めて物を考えていかなければならない、行動していかなければならない、そのように思っているところでございます。
 ところで、この政治改革、これが断行されますと、それぞれのお立場で地方の政治を支えておられる四人の公述人の皆様でありますから、一言お伺いをしたいのでありますが、それぞれの地方でどういうような変わり方をするというようにお考えになるのか、その辺を、簡単で結構です、お願いをしたいと存じます。
#134
○石井委員長 一人ずつですか。
#135
○工藤委員 はい。
#136
○石井委員長 それでは、山脇公述人。
#137
○山脇公述人 先ほどもお話、意見を申し上げました。この政治改革が国会で話し合いによって成立をされますと、当然、地方にもそういう影響が出てくるわけでございます。私の立場から先ほども申し上げましたように、全国の首長の約九九%は無所属でございます。これの選択の考え方、国会議員を選ぶのとそれから首長を選ぶのと、選ぶのには違いがないわけですけれども、選ぶ価値観といいますか、選び方がちょっと違うんじゃないか。
 なぜかと申しますと、地方政治は非常に多彩な問題を抱え、やるわけでございますから、できるだけ無所属といいますか無党派、こういうものを選択される機会が多いわけでございます。しかしながら、この制度が成立をいたしますと、首長がやはり無所属が少なくなってくるというような傾向になりますと、勢い選挙民の選択の幅を狭めるというようなことになりはしないか、そういうことで政党化してくるんじゃないかということ、地方自治の現場としては大変難しい問題を抱えておるなというふうな感じもします。
#138
○石井委員長 それじゃ、もう一人で、時間が参りましたので、次に移らしていただきたいと思います。宮内公述人。
#139
○宮内公述人 ただいまの工藤先生のお話でございますけれども、これは大変ぶしつけな申し上げ方で恐縮でありますけれども、今の御質問は何を基準におっしゃっておられるのか。つまり、政府案が物の見事に通ったときにどうなるのか、あるいは折衷案が通ったときにどうなるのか、あるいは自民党案が通ったときにどうなるのかというような御質問なのでしょうか。それとも、そこら辺がはっきりしませんし、果たしてこれがどうなるものやら。
 そういうことを完成させるための私どもは参考人であり公述人だと思いますので、ちょっと、展望を語れと言われても、法律ができるかできないかわからないのに私が答弁をするということは、これはいささか国会軽視になりはしないかというふうに私は思いますので、御遠慮させていただきたいというふうに思います。
#140
○石井委員長 それでは、次に赤松正雄君。
#141
○赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。
 本日は、四人の公述人の皆さんにおかれましては、大変に貴重な御意見を聞かしていただきまして、ありがとうございました。
 先ほど、八尾の市長の方あるいは宮内さん等からも直接お話がありましたけれども、どう政権をつくるかが、関連法案等が中心になり過ぎていて、地方に対する配慮が足らないという趣旨のお話がありました。
 実は今、連立与党とそれから自民党の皆さん、代表の間で修正に向けての協議が進められております。その中で、連立与党の側は五つのいわゆる修正する代表的なポイントを挙げておりまして、もちろん五つには限らないのですけれども、代表的なポイントとして、総定数及び配分、あるいは戸別訪問、政党の要件、公的助成というふうなことの中に、一つ、地方の皆さんに対する、そういったいろいろな御不満、御指摘に対する配慮として、地方の議員あるいは首長選挙の公営化という問題を、その与野党の修正協議の中の重要な項目の一つとして挙げているわけですけれども、その地方議員、首長選挙の公営化ということで、皆さんのお気持ち、いろいろおありの部分がすとんと落ちられるのかどうか。
 その辺、地方議員、首長選挙の公営化ということに対するお考え方を順次お聞かせください。
#142
○山脇公述人 先ほどもお話を申し上げましたように、現在、政府・与党の方は五項目、また自民党の方は二十一項目を出されまして、いろいろとお話をされておる、精力的に話をされておるということを新聞で伺っております。そういう中で、地方選挙にかかわります問題といたしまして、公営化を進めておる、またそれの見直しを進めておるというお話でございます。
 なるほど、そういうことについては大変ありがたい話でございますが、ただ単に選挙の公営化を進めているというだけで、分権の視点でどうなのかという視点が非常に何か物足りないような感じがいたしまして、選挙選挙ばっかりの話になりまして、それぞれ地方の独特の形態がありますので、大都会は大都会、田舎は田舎、中小都市は中小都市、あるいは首長は首長、議員は議員さんというような選挙の形態も若干違ってこようと思いますし、またその本人の心構えも大分違ってくるだろうと思いますので、一概に押しなべてなかなか難しい問題だろう。だから、確定的なことはちょっと申し上げられないのではないかと思います。
#143
○宮内公述人 赤松議員さんにお答えします。
 私は、都道府県議長会の会長という立場で出席をさせていただきました。先ほども申し上げましたように、政治改革に関する緊急決議を出しておりますし、それを構成しているのが政治資金規正法の改正案並びに政党助成法案、この二つに緊急決議が限られております。したがいまして、個人的な見解はございますけれども、ただいまの御質問に対しまして会長という立場で申し上げることは、これは差し控えさせていただきたいと思います。
 しかし、今ちょっと調べてみましたところ、御質問の趣旨を体した都道府県議会の決議は、この政治改革に関する決議ないし意見書はいろいろと出ておりますけれども、その件については出ていないというふうに思いますので、参考までに申し上げておきたいというふうに思います。
 以上でございます。
#144
○竹尾公述人 先ほど私の意見の中にも、地方の議員の公的費用ということでもってお願いしたわけでございますけれども、これは率直に、私は町でございますけれども、町村等の千葉県内での会議におきましても率直な考え方として、せっかく国会の諸先生方が今政治改革法案を審議している中で、公的選挙ということで、新聞でも私も見ておりますけれども、この際地方もひとつ真剣に先生方に考えていただいて、すぐ云々じゃなくともそういう方向に向けてお願いしたいと、そういうことで意見を申し上げたわけでございまして、重ねてそういうことも十分配慮された御審議をいただければと、こういうことで申し上げました。よろしくお願いします。
#145
○米沢公述人 赤松議員さんにお答えいたします。
 私どもは、公正な、金のかからない選挙ということをうたっておる以上、当然地方選挙の公営化は必要だというふうに理解いたしまして、お願いいたしたいと思います。
 しかしながら、先般、特別区二十三区の中で、葛飾区で起きました区長不信任の問題、それに対しまして区長が議会解散、そしてまた選挙が終わりましてから区長不信任、また区長選挙、こういうことを考えますと、やはり私ども地方議会としてみずからにむちを打たなければならないという、そういう点の問題点が残っているということで、これは何もこの場所ばかりじゃなくて、国全体見ても汚職の問題から出てこういった問題になりますと、果たしてそういうことで国が金をかけていいのかどうかという、そういう御批判もあるわけですから、十分ひとつその点も我々がみずからを戒めながらお願いするという以外に方法はないと思います。よろしくお願いいたします。
#146
○赤松(正)委員 政党助成ということに関連しまして、国民の間には、要するに新しくそうした政党に国民の側からお金を負担をする、これは民主主義のコストということで説明をされることで満足する方もいるんですけれども、もう一方では、そういう格好で政党、国の政治全般に対して国民が負担をするということなら、もっと国の政治全体の、端的に言いますと、こうした衆議院でのいろいろな議論のありようというものが国民全体にもっとわかりやすく提供されるべきだ、そうした情報が余りにも国の場合はわからなさ過ぎるという。普通の新聞を通じて、あるいはラジオ、テレビを通じてはわかるけれども、普通のみんな、テレビ、ラジオを見ない、聞いたりしない人はいないと思いますけれども、正しい的確なる情報が伝わらない。
 それに比べて地方では、例えば八尾の市長さんでしたら、主として市のいわゆる議会便りというんですか、そういうふうなものが出ていると思いますけれども、今申し上げたようなそういう国の、いわゆる議会の中で議論されていることがもっと的確にわかりたい、そういうこともしないで政党助成云々という声が一部にあるんですが、どう思われますか。市長だけで結構です。
#147
○山脇公述人 政党助成の金額の問題はさておきまして、これは政府案、自民党案、それぞれ算出金額も違うわけでございますが、どれが正しいかということについては私は専門的にはわかりません。ただ、民主主義を発展をさし、透明性のある政治を展開するという意味では、政党助成というものについてはこれは必要だろう。これは大きい額じゃなしに少ない額の方がいいわけで、しかもそれで効果が発揮ができればいいというふうに思いますが。
 ただ、先ほどもお話し申しましたように、非常に視聴率が高うございましたのは、政党と政党とが政府委員を抜きにした討論、これは三木内閣のときだったと思いますが、社会党、公明党が政府案、自民党案に対し小選挙区比例代表というものを議員提案をされまして、恐らくこの委員会であった、大変な議論が展開されました。まあ私もテレビを見ておりまして、違った雰囲気でございまして、大変親しみを感じました。そういうものが随所にあれば、もっともっと国民と国会が近くなるのではないか、こういうふうに思いますので、そういう情報を随分提供していただいて、もっと距離を詰めていただければ幸いかというふうに思います。
#148
○赤松(正)委員 終わります。
#149
○石井委員長 次に、簗瀬進君。
#150
○簗瀬委員 きょうは、いずれも地方政治のベテランの皆さん、お話をいろいろ聞かせていただきました。ありがとうございました。
 私、その中で、底流として一つ流れている共通点があると思います。それは、いわゆる地方政治の脱政党化といいますか、あるいは地方政治の無所属化といいますか、これの問題があるのではないかなと思います。例えばこの問題が、先ほどの宮内議長さんの中にもお話があったように、公費助成の受け皿として政党以外のものを除外した、そのことから非常にクローズアップされている問題だと思います。しかしどうもこれはよく考えてみますと、山脇さんのお話の中にもあったように、どうも日本の政治の本質的な問題につながってくる可能性があるのではないかな、私は、大変そういう意味で興味を持ってきょうはお話を聞かせていただきました。
 確かに、憲法上の制約で、地方は、首長といいますか大統領制をとっております。立法権としては条例制定権を持っておるわけでありますが、これは明らかに法律すなわち国会議員がつくる立法よりも下に置かれております。また、二段階制がとられております。県と市町村があり、県議会議員と市町村会議員の皆さんがいらっしゃる。このような憲法がつくった枠組みがありまして、その枠組みの中では大変強い自治権が与えられているわけでありますが、実際のところその内実においては、例えばいわゆる徴税権等、税の面でも、あるいは権限の面でも随分制約をされている。そういう大変矛盾をされた中で地方政治の悩みというようなものがあるのではないかなと率直に感じさせていただきました。
 本来、政治をはぐくむのは地方であります。身近なところで政治が発展をしなければならないにもかかわらず、例えば山脇さんのお話の中で、政党によるコントロールのおそれがある、このような表現が出てまいります。どうもお話を聞いておりますと政党性悪論、あるいは地方政治にとって政党政治はどうもそぐわないもの、このような印象もそこはかとなく伝わってくるような感じがいたします。
 しかし、例えば、アメリカにおいてもどこの国においても首長さんが全部無所属になっているかというと、どうもそうではないようであります。というふうに考えてまいりますと、その首長さんで無所属の方が九九%も多いという、それは大変広範な意見を集約していく、そういう部分では非常にいい部分もあるのかもしれませんけれども、それと同時に、ある意味では住民のチェック機能というようなものが非常に弱まってくるのではないかな。政党は組織ではあっても、その政党を支えているのは一人一人の有権者であります。政党はそれ自体として存在するものではなく、有権者の中で生き生きと根づいていなければならないもののはずであります。決して性悪のものでは私はないと思っております。
 このように考えてみますと、大変、冒頭に山脇市長さんがおっしゃられたことというのは、地方政治と政党政治のかかわり、これについての根本的な問題提起を私はなさったのではないかなというような感じを持たせていただいたわけでありますが、この点についての御所見、私は、政党政治を本当に生き生きと根づかせていくためにも、むしろ有権者に最も身近なところで政治をやっていただく地方の中においてこそ本当の意味での政党というようなものが根づいていただけないものかな、そのために地方の役割というのは非常に大きいのではないかなと、実は全く逆の印象を持っているわけなんですが、この辺についての御見解をちょっと聞かせていただければと思います。
#151
○山脇公述人 大変理論的に、しかも矛盾点といいますかを突いていただいておるわけでございます。私自身もしっかりした整理はできておりませんが、指摘いただいておりますように、今回のこの政治改革法案というものは、全く政党を中心に政策論争する、それも地方の場合にもそれを期待をされるということで一貫をされておると思います。そういう意味では、そういう国政で議論されるべきものも地方で若干関心を持ち、議論をされるということについてはやぶさかではありませんし、そういうことによって国政と市民との間隔、間柄というものが近くなる、こういうような一面性は肯定ができるわけでございます。
 ただ、地方は地方独特のカラーがありまして、そういう国会で行われる政策論争だけで地方自治が守れるかということになりますと、もっともっと現場主義といいますか、現場に根づいた諸課題を抱え、それを解決するというようなことも一面大きい役割を担っておるわけでございます。
 したがって、その間をどういうふうにリンクをさすかということについては大変難しゅうございますが、これは矛盾した考え方でございますけれども、首長としてはやはり全体の奉仕者という立場から、政党の奉仕者じゃないということを貫きたいとは思います。またそれとは別に、政策論争が行われるというものも何らかの形で保障する、担保ができるというものがあればうまく両方機能するんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。
 的確なお答えになるかどうかわかりませんが、矛盾するようなことを申し上げますが、そういうふうに思っております。
#152
○簗瀬委員 続きまして宮内公述人に、先ほどの質問を踏まえてお答えいただければ大変ありがたいわけでありますが。
 政治のコストをだれが負担するのか、これは大変な難しい問題であります。企業からお金を出すという形になれば、これは会計原則を見ても、企業がみずからの利益を流出することを認めるのはやはり企業の論理から認められる場合だけてあります。という形になりますと、企業から政治の世界にお金が入ってくる、当然それは見返りが予測されているからなのではないかな、このような疑念を持たれてもしようがありません。また一方、それでは日本の国民がそれぞれコスト負担の意識を持っているか、これもなかなか難しいわけであります。
 ただ、それは国民が悪いというよりも、我々が実は国民の期待にこたえるような政治をしてこなかったという我々自身の責任も大変多くあるわけでありますが、それはさておきまして、現状では大変いずれからも難しい、このような中で公的助成という考えが入ってきているわけであります。
 先ほど、例えば地方議員の数を算定の中に入れていただければというお話もございました。すそ野を広くしてほしいというお話もありましたが、そのような還流システムがきちんとできているという条件があるならば今回の公的助成についても御賛成がいただけるのかどうか。
 また、還流システムというのは、言うならば政党内部の問題であります。中央政党から地方の政党支部にお金が回ってくるというふうなことでありますので、当然それをやってまいりますと、先ほどお話の中にも出ておりましたように、中央と地方の系列化の問題も出てまいります。そこで、先ほどの政党性悪説的な考え方から言わせてもらえば、中央が地方を支配するというのはけしからぬのではないかという議論さえ出てくるかもしれません。
 こういうお話の中で、基本的にやはり今の現状からいってみて、政治のコストを公的に御負担をしていただくということについては、国民についても一定程度の御理解がいただけるのではないかな、ただし、その後の問題は我々政治の側の責任だと思うのです。私はそのように考えて公的助成は導入すべきである、このように結論を出すのでありますが、この点についての宮内さんの御見解を聞かせていただければと思います。
#153
○宮内公述人 ただいまの簗瀬議員さんの御質問にお答えしたいと思いますが、まず政党性悪論についてでありますが、私は都道府県議長会の会長という立場でありますから、他の団体、これは六団体ございますが、他の五団体のことについては触れることはできないと思います。
 少なくとも全国議長会の中で都道府県議会の現状を見ますときに、政党政治が中心になって動いておることは間違いございません。先ほど申し上げましたように、無所属議員が一六・二%いることは確かでありますが、しかし、政党化された中で都道府県議会、公共団体が動いているということは事実です。したがいまして、どうしてもやはり中央と地方との関係というのは密接不可分でなければいけないというふうに思います。
 そういう意味で、今回この都道府県議会の議員が非常に重大な関心を特に持って立ち上がったというのは、例を挙げて大変恐縮でございますけれども、私有財産公開法がこの間成立しておるわけでありますが、これなどにつきましては全く私どもも重大な関心を実は持っておったわけでありますけれども、また重大なかかわり合いがあるわけでありますけれども、余り周知徹底、御協議、御審議等が十分いただけなかったというふうに私どもは理解をいたしております。
 そういう意味合いにおきまして、今回この法案が通りますと、このままいきますと、国会議員の数とそれから国会議員の直近の選挙の得票数で決まっていくというような表現だけが非常に私どもには刺激的に映るわけでございまして、それじゃ私どもは企業の献金等も断たれ、そしていわゆる個人の献金のみで活動をせよといっても、一体どのように今度の法案が成立した暁には県連ないしは支部、そういうものに還流をしてきて、そして断たれた活動費を補完するに足るだけの十分な活動費が流れてくるのかどうか。
 正直言って、この都道府県議会議員が支えて、大変これはもう恐縮でありますけれども、いざ鎌倉というときになりますというと、都道府県議会議員が先生方の先頭に立つことは御承知のとおりであります。これは日常活動、政治活動があって成り立っておるわけであります。それができないような形になってまいりますというと、粗骨病じゃございませんけれども、全く骨ががたがたの政治体制にそれぞれがなりはしないか。このこと自体は地方政治の弱体化を招いて、それぞれの皆さん方にも累を及ぼす問題ではなかろうかということを危惧し、私どもは、党派を超えて今回の問題には重大な関心を持っておるということで申し上げた次第でございます。
 お答えになっているかどうかは知りませんけれども、以上でございます。
#154
○簗瀬委員 どうもありがとうございました。
#155
○石井委員長 川端達夫君。
#156
○川端委員 公述人の皆さん、大変御苦労さんでございます。民社党の川端達夫でございます。
 十分ということで、私がお話をして公述人の皆さんにお答えしていただくと一人平均二分半ということでありますので、手短にお尋ねをさしていただきたいと思います。
 国会でいろいろ議論している中で、地方政治、地方の部分にこの制度改革がどうかかわるかということを実はいろんな角度でこの場でも議論をしてまいりました。そういう中で、実態としてやっぱり一番よく御存じなのは皆さん方でございます。
 そういう部分でお尋ねをさしていただきたいと思うんですが、先ほど来、そして国会の議論でも、無所属の方が非常に多いという中で、こういう制度を変えるということをどうするんだという議論があります。
 そういう中で、ちょっと簡単に予備知識ということでお尋ねしたいんですが、市長さんは直接市議会の議員ではございませんが、市議会をお持ちであるということでありまして、おのおのの皆さん方それぞれ議会の立場でおられますので、その中で、いわゆる無所属議員の方、たくさんおられると思うんですが、純粋な意味での県民党あるいは市民党という、要するにその方自身が党員でない方ですね。そして、あるいは無所属であるけれども実際はどこかの所属の党員であり県連の役員であるという方、たくさんおられると思います。それから、先ほどの宮内先生のお話じゃないですが、衆議院の選挙になればおっ取り刀で駆けつけるぞという方は、実は無所属ということで私はないと思うんですね。選挙のときのいろいろな地域の方との部分でやっているという二面性をお持ちだと思う。
 そういう部分で、おのおのの関係される議会で、総定数の中で、本当にあの人は全く無所属だなという、政党に縁がないなどいう方はどれぐらいおられるかというのを、ちょっと、アバウトで結構ですのでお教えいただきたいのです。御自身の議会でも結構です。
#157
○山脇公述人 これは私の市のことですか。それを言って……。
 三十四名の定員でございまして、そのうち無所属が七名ぐらいじゃないかと思います。(川端委員「全くの純粋。党員でもない、無所属」と呼ぶ)はい。会派はほかの友好クラブみたいな党、会派結成をされているのですが、そんなもので……。
#158
○宮内公述人 都道府県議会議員の場合は一六・二%が無所属でございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、政党化、系列化はかなり進んでおるというふうに思います。思いますけれども、先ほど説明で申し上げましたように、この一六・二%の無所属の議員の、もしこの政党助成法案が通って還流するというような事態が生じた場合に、この一六・二%の皆さん方、やはり糧道を断たれるわけですから、入って、政党化、系列化になってくるだろうというふうに私は思います。
 以上です。
#159
○竹尾公述人 それでは、私の地域の実情などを御報告いたします。
 先生のおっしゃるとおり、無所属でございましても国政の選挙を通じまして自民党支持というのが今回ございました。しかし、無所属ということで地方、市町村の選挙戦などに立候補された方は、大体私どものところは印旛郡は、十一市町村ございまして、その中の七〇%は無所属の方であると判断してもよいと思います。
#160
○米沢公述人 私の方は特別区でございますので、大体、地方と違いまして都市の場合には政党化が進んでおります。それでも今現在一名でございますが、今こういう状況になってまいりますと、これから無所属の方がふえる可能性が出てまいります。それからもう一つは、二十三区の区長はほとんど無所属という、もちろん選挙の洗礼を受けますので、よろしくお願いいたします。
#161
○川端委員 県会で一六・何%とおっしゃいましたけれども、私の感じでは、実際は、選挙のとき無所属、あるいは会派もそういう中間会派に所属されていても、ほとんどの方が何らかの政党人である、党員であるというのが実態だと思います。そういう意味で、私は実は逆に、先ほどお話ありましたように――そして衆議院の選挙があると、系列化されている中で、実際にはその選挙のむしろ地域の中枢的な仕事を担っておられるというのが地方議会、無所属とおっしゃっても実態は私はそうだと思うんです。
 逆に今度、選挙制度を変えようという部分で言うと、そういう地方政治のあり方がいいんだろうかということが実は問われてくることではないだろうか。
 今まで自民党の保守系無所属の方はたくさんおられますから、そうすると、同じ市の中においても何とか派と何とか派とあるということで、おのおの一生懸命やられる。ところが、小選挙区になってくると、そこでは一本化される。そのときに感情論として政党だけという話でないということと、そういう政党人としての議会人というものと、一方で地方自治という、地方の議会としてはそういうことは選挙のときは言うけれども、実際は地域の皆さんとの活動においてはそういうことは余り関係ないんだ、だから首長さんなんかは政党を離れてやっておられるというのは、私はそういう両面があるものだと思う。
 そういう中で、小選挙区なんかに変わってくるということの中で、実は地方議員が地方で衆議院なり国政の選挙を支えるその核なんだということでいいんだろうか、そこの枠を切らなければいけないのではないかというふうに私は思っております。
 そして、実はそういうことにしなければ結局は同士打ちで、今ここで議論になっているのは、衆議院の同士打ちで、同じ政党で、地域にサービス合戦だ、利益誘導だ、後援会活動だということで物すごいお金が要る、これが要らなくなるんだということが。実は地方議員の皆さんがおのおの政治活動の中で今費用が一番恐らくかかるのは、政治のいろいろな活動で時間は政務にかかる、しかし費用はいわゆる後援会活動にかかるというのが実態じゃないでしょうか。そういう部分を下支えにするようなことで衆議院の選挙をやるんだったら、幾ら制度を変えても一緒の話ではないか、お金がかかるという意味では。
 ですから、そこに非常に問題があるのではないか。大きくそこの地方の政治がどういうものを議員として求められるのか、政党とのかかわりということが私は突きつけられてくるのではないかと思っておりますが、時間がほとんどありませんので、もう端的に、実情としてそういう部分で、私は、恐らく議員として三先生方活動されるときの時間的に議員としてとられる割合とそれから費用的にとられる割合というのは随分違うんじゃないかというふうに思います。
 そういう中で、実態として、この与党が提案しております企業・団体献金を地方議員の皆さん方のパイプを切るという部分は相当困る話なのか、余り関係ないよとおっしゃるのかという感想だけお伺いします。お一人ずつ三万に。
#162
○宮内公述人 これは先ほど申し上げたと思いますが、個人献金というのはなかなか難しい、したがって、暫定期間を置いて企業献金を認めて、そして国民に周知徹底を十分していただいて、個人献金等の理解も十分徹底させて進めてやっていってもらいたい、簡単に言うとそういうことであると思います。
#163
○竹尾公述人 私は町村の方でございまして、一切そういうことは関係ございません。
#164
○米沢公述人 私ども、今と同じでございます。
#165
○川端委員 ありがとうございました。
 終わります。
#166
○石井委員長 谷津義男君。
#167
○谷津委員 四人の公述人の皆様、本当にお忙しいところありがとうございます。
 私も地方議員出身でございまして、その立場に立って今度のこの改革案を見ておりますと、時々これでいいんだろうかと思う節も実はあるわけでございまして、特に地方議員、首長さんの問題で総じて質問を続けてきたものでございます。
 そういう立場に立ちましてこれから御質問させてもらいたいと思うのですが、まず山脇さんにお伺いするわけでありますけれども、最近よく、国会議員もそうでありますし県会議員さんもそうでありますが、政党で活躍している方が首長さんに立候補するときに途端に無所属で立候補する方が多いわけでありますが、これをどのように考えておりますか。
#168
○山脇公述人 御承知のように、最近は価値観といいますか、非常に多様化いたしております。政党志向も、地域によって条件が大分違いますけれども、多党化現象という傾向があるわけで、そういう中から選ばれる首長といたしましては、やはり市民ニーズに対応し、全体の意見を集約するということでは無所属というふうにならざるを得ない、こういう状況にあろうかと思います。
#169
○谷津委員 そうしますと、今まで政党の中でその綱領あるいは理念に基づいてずっと活動してきた方が、場合によってはその自分のとってきた行動とは相反するような行動もとらなきゃならない場面も起こるかと思うのですね。こういうことについてどういうふうにお考えでしょうか。
#170
○山脇公述人 首長が無所属が多いということの原因につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、首長は首長としての任務があるわけでございますから、これは全体の奉仕者として市民サービスを徹底さすという立場からいきますと、政党の理論と住民の理論と、これは必ずしも一致をしない場合がありますが、どちらを優先するかといいますと市民の意見を優先をするということにならざるを得ないんじゃないか、こういうふうに思います。
#171
○谷津委員 そうしますと、山脇さん、政党というのは首長にとっては、いわゆる市長さんにしても町長さんにしても村長さんにしましても、政党というものはむしろ邪魔になるというふうに言ってもよろしいでしょうか。
#172
○山脇公述人 邪魔になるというようなことではありませんで、首長としての条件としてはそういう条件がいいんじゃないか。ただ、いろいろな党派がありますので、そこで議論が闘わされるということは、これは民主主義の基本でありますので、十分意見を闘わしてもらって結構ですし、むしろ、先ほども申し上げましたように、国政で論議をされておることが地方の議会でも若干の議論ができる、されるというようなこともいいんじゃないかと思いますし、そういう点では何も妨げにもなりませんし、否定もするものでもございません。
#173
○谷津委員 先ほどから、首長さんの九九・五%ぐらいが無所属なんですね。それから議員さんにおきましても、市町村あるいは区議さんも入れまして大体七八%ぐらいの方が無所属だということであります。私はこれはこれなりに哲学があるというふうに十分に理解をしている一人でございまして、地方議員あるいは首長さんのいわゆる無所属化というのは広く市民の意見を集約する上において必要なものであるというふうな立場に立っているわけであります。
 そこで私聞きたいのは、例えば首長さんであろうと、それから県会議員であろうと、あるいは市町村の議員でありましても、区議さんでありましても、選挙区というのは市の単位とかあるいは県の単位で、県ですと郡とかそういう単位ですね。大体市の単位で出られるのが市長さんであり、あるいは市会議員さんであり、区ですと区長さんで、みんなそのほかで二十人も三十人も候補者が出て、入り乱れて戦いをするわけですね。そういう中で政党を名のって出ている方もいるわけですね。例えば共産党さんとか公明党さん、社会党さんというのは比較的そういうふうな方向で出ているのですが、いわゆる無所属とそうした政党を名のって戦われている方たちとの選挙戦を見たときに、これは竹尾さんに聞いた方がよろしいでしょうかね、その辺のところはどういうふうにお考えですかね。無所属の方が圧倒的に出て戦っているわけですが、大概激しい戦いをしていると思うのですが、その辺のところはいかがでしょうか。
#174
○竹尾公述人 私どもの地域におきましては無所属が圧倒的に多いということで、もちろん小さな町の中で大勢の方が同時で戦うわけですから、しかしながら、町の中でもうまく、小さく区割り的なものが必然とできておりまして、やはり自治会の推薦ということでうまくその辺はバランスを考えながら戦っておりますので、その辺においては、苦労はございますけれども、そんなに町自体が二分した戦いをというようなこともございません。
 しかしながら、今後はこれからの改革においての内容的なものも十分私ども勉強しながら地域でもしっかりやっていかなければならないと思いますけれども、私どもの町の関係から見ますと、そのような混乱的なものは、あるいは困ったなということは今現在はございません。
#175
○谷津委員 もう一度市長さんにお尋ねするのですが、山脇さん、実は、市長さんの場合は今既に小選挙区で戦っているのと全く同じでありますね。そういう中で、激しい戦いになりますと町を二分するような戦いが行われていることは間々あるわけでありまして、またこれが多いかもしれません。
 そうすると、後遺症が残っていろいろな面で大変な御苦労をなされて、一期ぐらいの間はその後遺症を埋めるのに大変な苦労があるというふうなことも聞いておるわけでありますけれども、小選挙区になりますと、こういった面では激しい戦いになるわけです。ただし、政党間の戦いということになりますと、同じ小選挙区によっても無所属同士の戦いとかなんかから見るとちょっと意味が違ってはきますけれども、かなり後の後遺症ということについて大変苦労なされていると思っているのですけれども、この辺のところについてはどのように山脇さんは今までやってこられましたか。その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#176
○山脇公述人 私も何回か選挙をさせていただいてきました。後遺症は私の場合は余りございませんで、これは、地方選挙、私どもの場合は全国統一選挙でございまして、市会議員の選挙も同時に行うわけでございます。勢力分野は大分変わりますので、そういうことでは余り後遺症というのは感じておりませんし、むしろアメリカのように選挙を紳士的に戦って、その後はお互いに握手ができるというようなムードになればいいな、こういうふうに思っております。
#177
○谷津委員 はい、わかりました。
 そこで、先ほどから大変御議論になっておりますところの政党助成、政治資金規正法の問題、こういう問題について集中的にちょっとお聞きをいたしたいと思うわけであります。
 まずお聞きをいたしますが、現在の法律の中で、政令指定都市議員以上の特定公職の候補者については、これは後援団体あるいは個人献金に対しましてはいわゆる租税特別措置法の四十一条の十六で優遇措置がとられておるということは御存じでしょうか。市長さん、それから町会議員さん、区議さん、お聞きしたいのですが。
#178
○山脇公述人 適用したことはありませんので知りません。
#179
○竹尾公述人 存じません。
#180
○米沢公述人 私も存じておりません。
#181
○谷津委員 私は、このことば重要なことだろうと思うのですね。
 実は、ただいま申し上げましたように、政令都市議員以上の方は税制上の優遇措置がなされておるのですよ。ところが、今お聞きしますとだれも知らないということでございます。先ほど、企業献金はだめよという話でございますし、個人献金だけに頼るといってもなかなかこれは今までの慣習的な面から見ても難しい。そこへもってきてこういう優遇措置すらとられていないということでありますから、なお私は難しいというふうに考えておるのですが、その辺のところは山脇さんどのようにお考えですか。
#182
○山脇公述人 政令都市以上では税制で優遇措置がとられておる、私は全く存じません、こういうふうに申し上げました。
 それと政党の助成との関係ですか、そういうことは存じておりませんので、公営選挙の関係ですか、ちょっと聞き漏らしましたが、そういうことにつきましては全く不案内で、金の関係については存じておりませんし、できるだけ透明で安く上がる選挙というようなものを志向したいというように考えております。
#183
○米沢公述人 これは私どもが不勉強なのか、あるいは政府のPRが不足なんですか、その点よくわかりませんけれども、まことに遺憾であります。優遇措置につきましては、私ども話としては実は聞いておったのです。深く勉強する気にもなれなかったことも事実でございます。失礼します。
#184
○谷津委員 そうしますと、今までそういうふうな対象がなかったというふうな理解をしてもよろしいのでしょうか。いわゆる個人献金なんかは余りいただいていなかったということの理解でいいのでしょうか。米沢さん、いかがですか。
#185
○米沢公述人 私どもといたしましては、そういうことでございます。
 ということは、特別区におきましては、区議会の場合には政治献金というものについては非常にあいまいといいますか、皆さん方のお考えとちょっと違う立場にあります。ということは、ほとんどございません。そういう経緯がありませんのでお答えのしょうがないということでございます。
#186
○谷津委員 実は、今審議をされている議案の中におきましても、これについては対象になっていないのですよ、正直申し上げますと。それで、政令都市議員以上の方は優遇措置は受けられるのだけれども、市町村長さん、それから市町村、区の議員の方、もちろん区長さんも対象になるのですが、この対象外にされているわけですね。
 私は、この件につきまして、この前この委員会におきまして自治大臣にも尋ねたのです。不公平ではないかというふうに申し上げましたところが、この答弁につきましては、技術的な面で非常に難しいとか、もう一つは、ちょっと皆さん方が聞くと腹の立つような答弁があったので私は申し上げないのですけれども、そういうようなことがあって不正が行われるのじゃないか、現実に幾つか事件が起きているじゃないか、要するに、架空のことをやっているうちにやるのじゃないかとか、そういうのがあったのですけれども、いずれにしましてもこれは対象の中に入れるべきと、私はそういう考えのもとに今日至っているわけでありますが、市長さん、県議さん、そして町議さん、区議さんといらっしゃるわけでありますから、おのおの皆さん方の御意見を聞かせていただきたいと思います。
#187
○山脇公述人 今まで政令都市以上の者を優遇措置を考えていただいておるということで、対象に入れるべきであるというようなお話を、大変配慮をいただいておるわけでございますが、しかし、一面若干問題なしとは言えない面もあるそうでございまして、私どもといたしましては、せっかくそういうような措置を検討いただいておりますけれども、なるべく安く上がる選挙をいたしまして、そういうものを適用されない方がいいだろうというように私は思います。
#188
○宮内公述人 お答えいたします。
 個人献金の税の優遇措置でありますけれども、私は行われるべきであるというふうに思います。しかしながら、現実問題としては、なかなかこれが周知徹底をされないで、個人献金が容易になされるというようなことにつながっていかないというのが私は現状ではないかというふうに思います。
 ちなみに、某新聞には、「いずれにしても「税額控除」が普及するかどうかは、納税者の選択次第。連立与党内部には「日本の風土から考えて、こうした制度があったとしても、個人献金が急激に増加するとは思えない」(新党さきがけ幹部)との悲観論も聞かれる。」というふうに掲載されております。参考までに申し上げておきたいというように思います。
#189
○竹尾公述人 ただいまの先生の、政令都市以上の優遇がある、それは初めて私知ったわけでございまして、この点につきましては、今までかつて私どもの町ではそういうことがございませんし、考えたこともございませんでした。そういうことで、今ここで私の意見を率直にと申し上げられても答えることができませんので、よろしくお願いします。
#190
○米沢公述人 先ほど来申し上げたとおり、私ども特別区におきましてはそういった経緯がありませんけれども、しかし、この個人献金の問題は、非常に問題が多岐にわたってきます。
 一々お話しすると長くなりますが、一番末端のいわゆる政治を預かる私どもは特に、何といいますか、ちょっと話しづらいのでありますが、一般の献金と違った形で、個人的にとにかく親しい方ばかり、ということは隣近所でありますから、そういう中では個人献金というのは非常に難しいと思います。したがって、私どもとしては法律の改正の中でこれを望むわけでありますけれども、現実は非常に難しい問題が出てくるのじゃないかということで、お答えになりませんけれども、お許しを願いたいと思います。
#191
○谷津委員 そういうふうに考えますと、確かに個人献金といいましても、私も地方議員をやっていましたからそれは如実にわかるのですよ、言われることは。
 そこで、非常に難しいであろうということなんですが、今回の改革案によりましては個人献金によるということでありますから、その難しいものをまた法制化していくということにもなるわけでありまして、そういう中で企業献金はいわゆるだめよということであります。私は、ざっくばらんに言いまして、法人も人格を持っておるというふうに考えますから、企業は悪で個人は善だというふうな物の考え方はいかがなものかというようなことを考えておりまして、一定の枠をぴしっと決めて、そうしてやることの大事さというものに立っておるわけであります。
 そういう中で、今お話を承っていきますと、そういうことで個人献金、なかなか集められない。そうなってまいりますと、今後立候補する方は政治に金はかけない、選挙に金はかけないということでありますから、できるだけ私は、そういうことで金をかけない選挙をやるのは当然なことでありますけれども、一方においては、やはりかかるべきものは一定程度あるわけであります。そうなると、いわゆる地方の首長さんでも、あるいは議員さんでもそうなりますけれども、資産を持っている方でなければなかなか出られない要素も出てくる、私はそういう心配をするのです。それは、そういうことでないのを望みますよ。しかし、現実の問題となるとそういう問題もあり得る可能性も十分あるのですが、その辺のところをまず米沢さんの方からお聞かせいただきたいと思います。
#192
○米沢公述人 私は、冒頭に申し上げましたように、まだ個人献金というのはそういった定着した時期じゃないということなんですね。その点が難しいのでございます。特に、私どもといたしましては、この個人献金と企業献金とを比べましても、これは個人献金というのはなかなか先ほど言ったように、今の政治家が個人から直接いただくという、そういうシステムになれてないということ、なれてないといいますか、実際問題として……(谷津委員「ですから、全部自分のお金でやっているということですか」と呼ぶ)そうでございます。私ども地方議会の一番末端の政治家は、ほとんど自分のお金でやっている。だから、先生のおっしゃるように、金持ちしかできないじゃないかと言いますが、それはやはり創意工夫の中でやっているつもりでございます。
    〔委員長退席、前田委員長代理着席〕
#193
○谷津委員 同じことの質問でまことに申しわけないのですが、宮内さん、どういうふうにお考えでしょう。
#194
○宮内公述人 私も、先ほどから申し上げますように、なかなかこれは簡単にはいかないと思います。したがって、先生がおっしゃるように、また先ほどから私が申し上げますように、一定の期間、個人献金というものが定着するまでの間、やはり一定の限度で企業等の団体献金を残して、しかもそれを資金管理団体に限るというようなことで、監視の目といいますか、チェックをしていくというようなことでやっていかないと、実質的には本当に政治活動は末端ではもうやれないのではないかというふうに私は思いますので、十分その点を御勘案を願いたいというふうに申し上げておるところでございます。
#195
○谷津委員 そういうことを補完するために、地方の選挙については公営化ということも話の中に出ていないわけではないわけであります。そういうことを考えたときに、この公営化、この辺につきましては、もう既に今日までの選挙の中で一部公営化されて、衆議院、参議院、いろいろやっているわけでありますが、地方のいわゆる市町村議員の公営化ということにつきまして、この点をお聞きいたしたいと思うのですが、この辺について、まず県議会の議長会会長さん、宮内さんからお聞きするのですが、この辺は、どこまで公営化をやったらいいかという一つの目安みたいなものがありましたらお知らせをいただきたいと思います。
#196
○宮内公述人 お答えいたします。
 四十七都道府県それぞれ意見がこれは違っております。したがいまして、公営化を進めるべきという意見には違いはありませんけれども、しかし、かなりその間には意見の扞格といいますか、ニュアンスの違いがかなりございますので、統一した考え方ということでは申し上げることは御寛容を願いたいというふうに思います。
#197
○竹尾公述人 ただいまの先生の御質問でございますけれども、本音は、町村まで、時間はかかっても公営化を望んでおるのではないかと私は思います。
#198
○谷津委員 市長さん、いかがでしょうか。
#199
○山脇公述人 先ほどのお話も関連するわけでございますが、企業・団体献金の問題とかかわり合いがありまして、それができないから選挙の公営というものが出てきておるというお話でございます。選挙には、どこまで公営にすれば、選挙を賄えばいいのかというような話でございますが、これは具体的な話では、一番よくかかりますのは事務所経費あるいは宣伝車の費用、あるいは情報といいますか新聞等々の費用がかかるわけでございます。個人個人にもそれぞれのパターンがありましょうが、基本的な経費というものを算出をされまして、それを公営にするという一つの方法がどうだろうかというふうに思います。
#200
○谷津委員 公営化の問題に対しまして、私どももう一つお聞きしておきたいのは、現在行われております法定費用というのがありますですね。これは、選挙によりまして法定費用の額というのは決められておるわけでありますが、端的にお聞きをしますが、四人の方に聞きたいのですが、現在の法定費用というのは選挙の中で見合うものであるかどうか、この辺のところ、はっきりと忌憚のないところを聞かせていただきたいと思います。
#201
○山脇公述人 現在の法定費用ですか……(谷津委員「選挙の費用が決められていますね」と呼ぶ)はい。法定費用は決められておりますが、私はその範囲内で行っておりますので、十分対応できる、こういうふうに思っております。
#202
○宮内公述人 先ほどから申し上げますように、私は全国都道府県議長会の会長という立場で参ってきております。いろいろの見解がそれについてはあるというふうに思います。二つの問題については、私が責任のある答弁ができないことをお許し願いたいというふうに思います。
#203
○竹尾公述人 私どもの町村では法定選挙費用というものは遵守しているつもりです。ですから、これについては意見はございません。
#204
○米沢公述人 先ほどお話しした中で、まず議員定数の削減の問題が、やはり私は大きくかかわりがあると思うのです。今の現状の中で幾ら公営化したって、これだけの人数でしょう、現実問題としてこれは非常にそぐわないと思います。
 それから、今の法定選挙費用、これは先生方と全く同じで、これは現実問題として全然計算になりません。
 以上でございます。
#205
○谷津委員 こういうところで答弁するのはしづらい質問を私がしたわけでありますから、これはそういう答弁になるのはよくわかるわけでありますけれども、実際に選挙活動をやる上においてはこの法定費用というものの枠というのは非常に大きな問題になってくると思う。なぜかというと、その枠の中であれば正であり、それを超えれば悪ということになるわけでありますから、そういった面から考えますと、この枠をいかに決めるかということは私はかなり重要なことであろうというふうに考えておりますものですから、ただいま聞いたわけであります。
 というのは、このことはまた、公的助成の中とかあるいは公営化の中に非常に大きな影響を与えるということでありまして、今模範的な回答ばかりしか出てこないので何とも申し上げられないわけでありますけれども、先ほどから出ております公的助成の問題でありますが、ただいまの法案によりますると、これは自民党案によりましても、あるいは閣法、政府案によりましても、公的助成が地方議員のところまで行くということは私は非常に心配をしておりまして、各位は政党化されておっても現実の問題としては私は難しいと思う。
 この間、私が質問をしましても、官房長官の答弁によりますれば、せいぜい陣中見舞いという形くらいにしか行かないよという答弁すら出ているわけでありまして、こういうことを考え合わせると、この公的助成というのが地方で活躍をなされておる皆さん方のところに行くということはなかなか難しいというふうに私は考える。しかも、無所属ということになると全くその対象にもならないということであります。しかも、私は、大事なことは、地方の活力というものが国全体の活力にもつながるし、これから地方分権ということも考え合わせるならば、当然この辺のところは議員が一生懸命活用できる、そういう素地はつくっておかなきゃいかぬだろうというふうにも考えるわけであります。
 しかし、今のままでいきますと、最近地方議員に立候補する方が非常に減ってまいりまして、せいぜい一人オーバーとか二人オーバーとかということで、なかなか候補者が出てきないんですよ。この出てきない理由は、先ほどどなたさんですかおっしゃっておりまして、確かに政治家に対する批判もある、メリットもない、いろいろな問題があって出てこないという、金もかかるということで出てこないということでしたね。しかし、金がかかるということについては皆さんみんな法定費用の中でやっているということでありますから、そうなればそんなにかからないかなというふうに思うんですが、私は絶対にこれはかかると思うんですよ、いろいろな運動からいきますと。
 ですから、そういう面も含み合わせまして、今度の政治改革の中では根本的にそれを考えてやらなかったならば、これからの、本当に地方の時代と言われながらも、本当の活動というのは私はでき得ないということを考えておりますから、今あえて本当に失礼な聞き方をして申しわけなかったんですけれども、そういうふうに考えている。
 この件について、宮内さん、どういうふうに考えますか。率直な意見をひとつ、立場を超えて、議長会の会長だからというんでなかなか答弁しないんだけれども、まず個人の意見でも結構ですから聞かせていただけますか。
#206
○宮内公述人 これは先生方が一番御承知のことではないかなというふうに私は思うんです。
 今、金がかからない、法定費用の云々というようなお話がございましたけれども、確かに法定費用でやっておると私は思いますけれども、しかし問題は、そこに至るまでの間の政治活動資金がどうであるかという問題であるというふうに私は思います。
 したがいまして、その点について、全く企業献金もいけない、個人献金はなかなか難しい、税制なんというのはなかなか周知徹底しない、税の控除等々はほとんどみんな知らない等々ということになれば、全く地方の活性化、地方の時代といっても活動しようにも活動はできないんではないかというふうに私どもは思って、ぜひ何とか還流をということをお願いし、地方議員という一項目を入れていただきたいということをさっきから申し上げておるわけでございますので、十分ひとつそこら辺をおわかりいただき、理解を深めていただきたいというふうに私の方からお願いを申し上げるところでございます。
#207
○谷津委員 今の改正案の中におきますと、この公的助成の中では政党ということになりますし、この政党にも一定の枠が要って、国会議員五名以上とかなんかの枠があるわけですから、先ほどからお話が出ておりますように、何か国会議員だけを中心にして考えているんじゃないかというふうなお話、私自身が地方議員をやってきた経験から見ると同感なんですよ、その辺のところは。そのように思うんです。
 しかし、無所属という形になると今の状況の中ではどうしても対象に入りませんね、政党の助成ということになってきますと。そうすると、無所属の方たちをどういうふうに、地方の首長さんも入れて、対象にして計算の中に入れていくのかということになると、技術的にも物理的にも非常にこれは難しい問題ですね。そうなると、これをカウントするため、カウントと言っちゃ失礼ですが、包含するためには何かいい方法がありますか。何かお考えがありますか。その辺のところをひとつお聞かせいただけないですか。宮内さん、どうです。
#208
○宮内公述人 これは谷津先生に私の方から知恵を授けていただきたいというふうに申し上げたいぐらいでありますが、先生、これは無所属も重大問題でありますね。無所属も重大問題でありますけれども、都道府県会議員はたくさんおるけれども国会議員は出ていないというようなところ、地区になってまいりますと、これは重大問題になると私は思うんですよ、その地区の活動というものは。
 つまり、国会議員がその地区にいないということであればいわゆる配分の対象に当然ならないわけでありましょうから、したがって、県連というか、その党の支部というか、あるいは何というか、そういうところには全く都道府県会議員はおっても還流はなされないということになって、これは無所属の問題のみならず、そういうところの問題に私は重大なかかわり合いが生ずるんではないか。
 そういう意味合いにおいても、何とかひとつ地方議員というか都道府県会議員というこの一項を入れていただきたいということをさっきから何回も申し上げておるところであります。
#209
○谷津委員 これはちょっと誤解しているところもあるので、実は政党支部がありますればそこで集められますから、自分の所属している国会議員がいなくても、それは可能性はないわけではないんですけれども、今の問題は確かに非常に重要な問題であるということだけは私も認識をしております。
 そこで、最後にこれはお聞きしたいのでありますけれども、実は先ほどから四人の方とも一連して言っていること、それから午前中の方もみんなそうなんでありますけれども、やはり無所属ということ、これは地方政治にとって非常に大事な要件であることもどなたもおっしゃっているわけですね。県議会では一六・二%ですか無所属の方がいらっしゃいますが、政党化はされているといいながらも現実には、町村議員さんあるいは区議さん、そして首長さん、ほとんど無所属の方。しかもこの無所属の方たちが市民党あるいは県民党、数多くの考え方の人たちを集約して、その中でよりよい行政を行う、あるいは政治を行う、市政を行うということで皆さん頑張っているわけなんです。私は、このことは、今後仮にこの法案が成立いたしましてもこの無所属化というものは続いていくであろう、また続けなければならない面が多々あるというふうに考えております。そういうことを考え合わせますと、この無所属の人たちに対する対応というのは、今度の政治改革のいわゆる法案の中では私は重大な項目の一つであるというふうに考えているわけなんですね。
 そこで、例えば、これは当然お答えは一つになってくるだろうと思うんですが、この法案が仮に成立いたしましても、皆さん方は、無所属で出られた方は、今後も活動するならば私は無所属で活動していく率の方がはるかに高いと思う。しかし一方においては、政党助成法を見たりあるいは政治資金規正法を考えたりすると、何か系列化が、無理やりにと言っては何ですけれども、そういうふうな方向に作用していくことも事実なんです。それに対して抵抗感をお持ちじゃないかと思うんですよ、はっきり申し上げまして。
 その辺のところにつきまして、この系列化が進もうが、あるいはまた無所属に対する法案上の、私から言わせると、冷遇と言っちゃなんですけれども、法律の枠の中に入り切れない非常に苦悩する面あるいは活動が制約される面があろうかと思いますが、そういう面を踏まえながら、最後の質問として、市長さん四人の方にもお願いするわけでありますが、まず、宮内さんから、そういう今私が言ったことを踏まえて、今後の活動をどうなさっていくのか、その辺を最後にお聞かせいただきたいと思います。
#210
○宮内公述人 おっしゃるとおり、無所属は無所属なりの地方政治の中で非常に大きな役割を果たしておることは、これは否みがたいと思います。したがいまして、法律が通ってそれが系列化されていくということについては、確かに危惧される面も私はあると思います、無所属のよさが残ってこないというのは。つまり、地方の無所属的な生の声、いわゆる党派を超えた生の声というのは中央に伝わっていくことがなかなかできにくい、そういう状況を醸成することは適当ではないというふうに思います。
 したがいまして、願わくんば、無所属の皆さん方のいいところを残すという意味で、地方の無所属的ないいところを残すという意味で、無所属議員の処遇についてもいろいろと御高配を賜ればありがたい、こういうふうに思っておるところであります。
 以上です。
#211
○谷津委員 竹尾さん、どうですか。
#212
○竹尾公述人 ただいま地方の無所属の関係のお話でございますけれども、私は、今後、法案のどちらであっても、法案が採択されても、無所属というその地方での活躍の、自分の所属するまあ無所属というものは今後も続いていかなければ、またその地方の小さな町の議員としまして、やはり町民とのいろいろの今までの過去の経緯から申しますと、これはすぐに政党どうのこうのということはないと思います。
#213
○谷津委員 米沢さん。
#214
○米沢公述人 この問題は、私ども東京とおのずから地方の市町村とは大分違うと思います。そういう中で、やはり東京都の場合には、できるだけやはり二大政党といいますか、まあ政党の系列化というものはこれから進んでいくんじゃないかと思います。ということは、今先生のおっしゃったいろいろな問題点を踏まえていきますと、当然これは所属しなければやはり政治家としての活動が成っていかないということになるんではなかろうかと思います。
 ただ、今言ったように、地方の都市、市町村になりますと、これは無所属の方々の立場というものはまた違った形で動いておりますのでそこまで言及できませんけれども、まあ東京都特別区に関する限りはそういう傾向が出てくるんじゃないか。ただ一時的に政党不信ということで今現在政党離れしていることは事実であります。しかし、国会の先生方がきちんとまとめていただければ、それに基づいて政策なりあるいはその実行のために皆さんがまとまっていくという、これはやぶさかでございませんと思います。
#215
○谷津委員 終わります。どうもありがとうございました。
#216
○前田委員長代理 次に、大島理森君。
#217
○大島委員 四万の公述人の皆様方、本当にきょうはお忙しいところありがとうございました。
 まず第一に伺います。
 比例区、比例の区分の話でございますが、今まで、午前から午後から伺いますと、やはり比例区は全国区でない方がいいという意見が多いんですね。
 そこで、改めて各公述人の皆様方から、比例区のあり方論について所見をお一人お一人お伺いしたいと思います。
#218
○山脇公述人 今回の政治改革の法案を流れておりますのは、やはり政党政治、しかも将来的には二大政党というものを志向されておるというような感じがいたします。
 現場の関係からいいますと、目に見えるところで選挙は行われるというものを重視いたしますと、小選挙区になります。しかし、小選挙区になりますと、死票ばかりになりますと、死票が出まして民主主義の少数意見が切り捨てされる、こういうことを救うために比例代表というか比例区があるというふうに理解をいたします。どこでその接点を求めるかということは非常に難しゅうございますが、大まかな話としては、半分半分でいいんじゃないかというような感じがいたします。
#219
○大島委員 数の問題ではなくて、比例の、全国ベースで比例の選挙をやった方がいいか、その辺を中心にお答えいただきたい。
#220
○山脇公述人 私は、現場で、身近に選べるというためには、小選挙区で半分、だから死票を救うという意味では全国区でいいんじゃないか、こういうふうに思います。
#221
○宮内公述人 お答えいたします。
 先ほどから何回も申し上げますように、私が、立場がそういう立場でおりますので、政治資金規正法の改正案、政党助成法案については、責任を持って会長としてお答えをしてまいりました。ただいま大島先生のお話でございますが、したがいまして、これに対しまして個人的な考え方しか申し述べることはできないと思います。
 私は、先ほどからどなたかからも公述があったと思いますが、顔が見えるといいますか、よくわかる、そういう理解度を高める、政治の親近感を持たせる、そういう意味では都道府県単位、これに尽きるというふうに思います。
 しかし、果たしてこの衆議院選挙の中にそういうような、参議院と一体どこが違うのかというような制度を取り入れることにつきましては、いわゆる国家を支え、内閣を支える重大な衆議院の責務、目的から考えまして、いささかこの問題については、将来に禍根を残さねばいいが、したがいまして参議院の改正どこれは並行して行われるべき制度上の問題点がありはしないか、こういうふうに私は思います。衆議院の根幹にかかわる重大な禍根を残すことになりはしないか、参議院的衆議院というものは、一体どういうような意味合いがあって、参議院とどう違うのか、こういうような重大な制度上の問題があると私個人は思っております。そういうことをひとつ御理解の上、御検討を賜りたいというように思います。
 以上です。
#222
○竹尾公述人 それでは、考えを申し上げたいと思います。
 今回の比例区、これについては、もう私どもは新聞だけの認識でございますけれども、二倍以上にふやさない、そういうことが非常に強く打ち出されております。そして、先ほど私の意見の中で、三百、百七十一の意見に賛成を申し上げましたのは、やはり地域の格差が今現在でも二百五十、二百五十では出てくる地域がある。そのようなことで、やはり選挙する私らから国政へ議員さんを送るにも、身近に顔を知り、そしていろいろとコミュニケーションをとりながら、これからの私どもの代表を送るのがやはり選挙民の義務じゃないかと私は思っております。
 そのようなことで今回の自民党さんの考え方に同調したいということでございますので、その辺でここでは回答にさせていただきます。
#223
○米沢公述人 この問題につきましては先ほども私述べたのでありますが、やはり比例代表制については、政府の案あるいは自民党の案、それぞれの立場で理解をしているつもりでございますが、ただ言えることは、二大政党制を国民が志向している以上、そういう世論が形成されていることは事実でございますから、それに基づいて比例代表制が加味されるのですから、この問題については、ここで今の比例代表制のあれがどうかということについては、先ほど言ったように私どもといたしましては、できる限り、まあ自民党案に近いのでありますが、できるならば地方に重点を置いた、そういう一つの数でいった方が大変地方の声が反映できるのではないか、こういう意味で、こういうふうにしか申し上げられませんが、お許しをいただきたいと思います。
#224
○大島委員 これは大変失礼なことを伺うかもしれませんが、恐縮でございます。
 今私ども、政治改革、政治改革と言って、もう五年やってまいりました。それで、先ほど来公述人の皆様方から、我々国会議員の数を、衆議院の数を、まさに行政改革という視点から絞り込め、したがいまして、政府案も五百、私ども四百七十一……(「格好だけ」と呼ぶ者あり)まあ格好だけだという意見も今ございましたが、一つの理屈はそこにあるんだろうと思います。
 そこで、政治改革をやると同時に、地方議会をどうとらえていくかということは、実は、率直に言いまして、自民党の中でも余り議論していないんですね。それで、これはましてや我々がしていないんですから与党の方も余りしていないんだろうと思うのです。
 それで、私も県議をやった経験もございますし、宮内先生もよく存じ上げておるのでございます。議員の数というものを、ふと、こう言うと本当に失礼なんですが、どうも日本の場合、地方議会の議員の数が今のままでいいのだろうかという、私個人の意見として、こう絶えずあるんでございますよ。
 そこで、これは市長さんに聞くのは、ここで言えば、帰ってから議会の人に怒られるかもしれませんが、率直に言って、宮内議員からも……。宮内公述人、非常に長い間県議をやっておられる。それのみならず、地方議会、まず県議会、それから町村議会、区議会と、こうそれぞれ大ベテランがここにおられます。その数の問題、言いづらければ別ですが、どうあったらいいと思いますか、これから。
 これから私どもの選挙制度も大胆に変わっていきます。それで、皆さん口をそろえられ、また我々も地方分権への道というのは非常に大事である、こうある。それで、今後多分この問題が片づけば、参議院改革、地方議会の選挙制度も含めて、まさに新しい地方の時代に合わせて、地方議会がどうあるべきかということを皆さんと一緒になって議論をしなければならぬ大きな宿題が残っていくんだろうと思うのです。その参考に供したいと思うのです。
 もうこれはひとつ、議長会の会長としてということでお答えできなければ、個人としてでも結構でございますから、所見をちょっとお伺いしたいな、こう思うのでございますが。
#225
○宮内公述人 これは、議長会の会長という立場で御答弁をするのは大変難しい問題でございます。
 したがいまして、私見をあえて申し上げたいと思いますが、例えば、先ほど公述をいたしましたように、秋田県、青森県その他からそれぞれ意見書が出ております。そういう意見書を拝見する限りにおいては、機械的にこの数の決め方というのはやるべきではないのではないかという県がかなりの数あるということでございます。
 例えば、具体的に言いますというと、私どもの長崎県でございますけれども、県土の四分の一が島で、離島であります。したがって、数が少ない、人口が少ない、過疎地である、離島であるということで、それでは、問題は比例して何もないのかということになりますと、決してそうではございませんで、辺地債や、あるいは離島振興法や、あるいは火山対策臨時措置法や、その他の大変手間暇を国会にかけなければならない大きな問題を抱えておる地域であります。
 したがいまして、機械的に人口が少ないじゃないかということではっさり切ってしまって果たしていいものかどうか。これは県会議員の定数も同じでございます。そういう感触を私どもは持っております。これは恐らく、周辺過疎地、過疎地区の道府県においては同じような見解ではなかろうかと推察をいたします。
 以上でございます。
#226
○竹尾公述人 非常に難しいことでございまして、私ども、町、村では、この点につきましては、いろいろと本日ここで私の考えを即座に述べるということは、かえって御迷惑をかけるものではないかなと思いますので、申しわけございませんけれども、一控えさせていただきます。
#227
○米沢公述人 実は私個人的に申し上げますと、いつも区議会選挙では高点をいただいているのですよ。それだけに非常に言いづらいのでございますが、実際、私ども特別区では二十三区中十六区が定数の削減を行っております。したがって、そういうことを考えますと、やはり政治改革、行政改革ということになりますと、定数削減という問題、その中でいろいろ審議をしていただいてやっていかなければならない問題ではないかと思うのです。
 いたずらに、そういう言い方は悪いのでありますが、いたずらに人数が多いということが決してベターだとは思っておりませんし、アメリカの例、諸外国の例を見ましても、これはもう少数精鋭主義という、日本の国土に合うかどうかは別にいたしまして、そういう考えを基本的に持っております。
 したがって、私個人としては、私どもの議会でも、定数の法定数から下回ってもいいのじゃないかという見解を持っておりますが、大変難しい問題であります。
 以上であります。
#228
○大島委員 いずれこの政治改革の四法案、政府案の四法案、私どもの五法案、お互いにこれから精いっぱい努力して、そして成案を得る最後の努力の段階に、ようやくスタートになっていると思っております。できた暁には、次は参議院選挙がどうあるべきで参議院の制度がどうあるべきか、多分地方議会の選挙そのものも、もう皆様方から御意見をいただいた今の時点で、生かさなければならないものは生かしていかなきゃいかぬと思います。
 それと同時に、地方の時代、地方の時代といつも議論され、そういう方向に行くのでございますが、一体地方というのはどこを一番中心に考えなければならぬかということを、ここのところも真剣に考えませんと、国と地方の関係がそのまま県の中でまた同じことが起これば、これは本当の地方の時代ではないのだろうと思いますので、抜本的な地方行政制度、議会制度も考えなければならぬだろう、また、御議論しなければならぬだろうと思います。
 そこで、最後に、選挙制度にかかわって、山脇公述人にちょっとお伺いしたいのでございます。
 先ほども我が方の谷津議員から、地方政治の政党化というものに対していろいろと御質問ありました。
 私は、あり得べき姿として、あるいはこの制度が、私どもの選挙制度が成立しますと、一つの流れとして、いや応なしに地方政治も政党政治化が進むのであろう、こう思うのです。それで、市町村のところまでどういう形で行くかは別にして、県レベルは今でもかなり政党化しておられますから、行くのだろうと思います。首長選挙も、首長さん方も、今すぐにではありませんが、いずれは、政党をどう支持していくかということがもっと気楽に問われる成熟した民主主義になっていくということが実は一つのねらいなわけでございますね。
 そこで、山脇公述人、首長、つまり市長さんや知事さん、まあ市長さんの御経験、今市長さんでございますが、政党化あるいはそういう枠組みの中に入っていくことが今の時点でどう思われておられるか。やっぱり自分としてはそうではないんじゃないかとか、あるいはこういう環境がそろえばそういうことがなっていくんじゃないかとか、その辺の御所見をお伺いしたいものだな、こう思っておりますが。
#229
○山脇公述人 将来のことにつきましては、これは定かでございませんが、今の政党の条件下の中ではなかなか首長というのは政党化は難しいというふうに思っております。
#230
○大島委員 大変ありがとうございました。
 もうほんのわずかでございましたが、改めてきょうの御臨席を感謝して、終わります。ありがとうございました。
#231
○前田委員長代理 次に、穀田恵二君。
#232
○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。
 きょうは本当に御苦労さまです。私からも若干だけ質問をさせていただきたいと思います。山脇公述人と宮内公述人に最初にお聞きしたいと思います。
 私は、先ほどの質疑でもお話ししたんですけれども、やはり政治改革の中心は政治腐敗の防止だということを私どもの考え方として主張しております。
 これは十月三十一日付のフジテレビで、政治改革で何をやってほしいかという問いに答えて、やはり腐敗防止が五六・二%、政治資金規制が二六・六で、八二・八%をこれで占めているんですね。だから、やっぱりこれが今の声だということがおわかりいただけると思うんですね。そう考えたときに、私は、地方も含めて、中央政治もそうですけれども、今度のゼネコン疑惑を解明するのがこの政治改革にとっても極めて大事なことでないかと思っています。
 だから、全国紙でもこう書いていまして、目の前に起きている戦後最大級の政治汚職事件も素通りして、どうして政治改革政権と言えようか、政治改革で大事なのは何よりも個々の具体的な政治のありようだ、こう言っていますし、また地方新聞でもこのごろでは、腐敗実態の解明が大事だ、腐敗に目をつぶった改革は見せかけの改革にすぎまい、こう言っています。
 ですから、私は本当に政治改革を行う上ではゼネコン汚職の解明が必要だと思うんです。その点での御意見をまずお二方にお聞きしたいと思います。
#233
○山脇公述人 おっしゃるように、政治改革の一つの大きな焦点としましては、腐敗をいかに防止するかということにあるわけでございます。しかし、まだ、これだけですべてかといいますと、そうではありませんで、やっぱり構造的な問題も含まれておりますし、あるいはまあ若干、一番最初申し上げました、そういうような政治腐敗を起こすところの構造的な問題にもメスを入れる必要がある、あるいは言われておる、目の見えるところで政治が行われる、いろいろな条件がありますが、おっしゃるとおり、腐敗防止というものも一つの大きな政治改革の柱であると思います。
#234
○宮内公述人 四十七都道府県、これは全部でございますけれども、その相当数の県がただいま議員御指摘の政治腐敗防止の決議をほとんどやっておるという実態で御理解をしていただきたいというふうに思います。
#235
○穀田委員 構造的な問題があると。これは私どもも同意見でして、例えば政治的風土の問題だとか、企業献金を初めとするそういうあり方がずっと長く存在しているだとか、そういう問題もあると思います。
 そこで、私の場合時間がありませんから、今度は無所属問題について、山脇公述人と竹尾公述人にお聞きしたいと思います。
 全国で、先ほどありましたように、無所属の議員の方々が本当に頑張っておられる、こういうお話もありました。今度の小選挙区制の比例並立でいきますと、政府案でいきますと、なかなか無所属の方が、例えばその力でもってして地方から国政に挑戦するとなりますと大変なことになります。いろんなハードルを越えなくちゃならないということは御存じのとおりです。
 例えば、小選挙区制の方には参加できない、比例代表の方には三十名いないと出せないし、一億八千万要る。さらには比例で三%以上の得票がなければ議席はゼロになってしまう。それから、御承知のとおり、大政党と違って、献金を受ければ、まあ頼んでもそうですが、犯罪になっちゃうし、果ては助成も受けられない。こんなことになります。だから、徹頭徹尾、少数政党や無所属が排除されるという結果になる。
 こういうことで本当に参政権が守られるんだろうか、また、少数政党や無所属が排除されるというのは民主主義の根本に反しているんじゃないか、私どもはそう訴えているところです。その点での御見解を山脇公述人と竹尾公述人に伺いたいと思います。
#236
○山脇公述人 おっしゃるとおり、今回の政治改革の法案によりますと、無所属の議員の立候補が極めて制約されるというような状態になるわけでございます。しかしながら一方、国政を市民、国民の前で明らかにされるというようなことについては政党同士が討論をしてもらう、こういうところが目に見える部分でございまして、そういう点と、無所属の議員の、あるいは小さい政党を救うためには比例区で救う、そして目に見えるところを半分で、目に見えて論戦をしていただく、選択、こういう取り合わせじゃないかと、こういうふうに私は思っております。
    〔前田委員長代理退席、委員長着席〕
#237
○竹尾公述人 私は、非常に、国会の諸先生方の考えで質問されるわけでございますけれども、本当に不勉強でして、その点については申しわけございませんけれども、回答は避けさせていただきたいと思います。
#238
○穀田委員 実は法律上は、先ほど私言いましたように、山脇さんからお話あったですけれども、比例で救うとあるんですけれども、実際は比例で三十人以上なければ立候補できない。そして一億八千万円なければ、供託金も要りますから事実上立候補できない。仮に二・九%とって、本来八人ぐらいの当選の可能性があったとしても、三%以上の得票を得なければ当選することもできない。こうなってきますと、それは比例で救うということにならないじゃないか。
 だから、無所属だけじゃなくて、少数党ですね、例えば新しく政党をつくろうという努力、本来民主主義というのは、きょうの少数党があすの多数党になるということを保障することが私は民主主義の根幹に属する問題だと思いますから、その点では残念ながらそうならないんじゃないかということで、きょうはお聞きしたかったわけです。
 時間もあれですから、最後に米沢公述人にお聞きしますが、先ほどの御意見の中で、同一の政党が複数立候補させることによって政策中心の選挙がしにくくなって、サービス合戦だというお話、一番最初ございましたよね。
 私はこれ、自民党の政治改革大綱の中にあります、どちらかといえば自民党の、当時でいいますと、党内事情に属する問題じゃなかろうかと思います。いろんな地方の市町村長含めて、小さいところもそうですけれども、例えば徳之島だとか、それから新潟でああいう田中角栄さんを生んだところの村長などは、小さくなればなるほど事実上のサービス合戦が行われるということを言っております。そういう意味では、選挙区が小さくなったらなったでまたそのことが復活し、なるんじゃないかということが一つ。
 それから二つ目に、やはり先ほどのお話ずっと聞いていますと、二大政党、政界再編、これが一つのキーワードになっておりまして、そのことがなすために選挙制度が変えるんだというようなことは、私はちょっと違うんじゃないかと。選挙というのは、本来民意をどう正しく反映させるかということであって、その結果として二大政党になる場合もあるでしょうし、それは政界再編につながる場合もあるだろう。しかし、目的としてそういうことに使うというのは明らかに違うんじゃないかという私は意見を持っています。その点で本末転倒ではないかということを申し上げて、御意見をお聞きして、私のを終わりたいと思います。
#239
○米沢公述人 お答えいたします。
 私は、もともと今回の政治改革の本旨が二大政党がベターであるという、一つ、国民の世論がそういう方向に向かっているのではなかろうかという前提のもとで発言したと思うんです。
 ですから、いろいろ御意見があると思いますが、私はそのまま理解いたしまして、そういう中で、少なくとも今回の政治制度改革の中ではそういう少数の方々に対しても道を開けるということで、できるならば私は、やはり個人、これは個人見解ですから、個人が立候補するのは自由ですが、自由でございますけれども、できるだけ政党という場で政策を練って、それは個人よりは大きな横のつながりを持った組織が政策を行うことがやはり私はベターだと思います。
 そういう中でこれを進展することがやはり国の政治を正しい方向に持っていくのではなかろうか、そういうふうに私は確信しております。だから、先ほどもそのようなことで申し上げたつもりでございます。
#240
○穀田委員 わかりました。
 私は、そういう意味では、やはり参政権を等しく扱うためには、その意味では今度の法案ではなかなかできないんだということを最後に申し上げて、終わります。
#241
○石井委員長 これにて本日の公述人に対する質疑は終了いたしました。
 公述人各位におかれましては、貴重な御意見を長時間お述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 次回は、明九日火曜日午前九時三十分公聴会、午後零時三十分理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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