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1993/11/12 第128回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第16号
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1993/11/12 第128回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第128回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第16号

#1
第128回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第16号
平成五年十一月十二日(金曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 石井  一君
   理事 大島 理森君 理事 北川 正恭君
   理事 野田  毅君 理事 保岡 興治君
   理事 左近 正男君 理事 前田 武志君
   理事 権藤 恒夫君 理事 三原 朝彦君
      逢沢 一郎君    石破  茂君
      斉藤斗志二君    笹川  堯君
      自見庄三郎君    白川 勝彦君
      穂積 良行君    細田 博之君
      増子 輝彦君    大畠 章宏君
      堀込 征雄君    岩浅 嘉仁君
      岡田 克也君    吹田  ナ君
      赤松 正雄君    太田 昭宏君
      日笠 勝之君    前原 誠司君
      茂木 敏充君    簗瀬  進君
      川端 達夫君    柳田  稔君
      正森 成二君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 佐藤 観樹君
        国 務 大 臣 山花 貞夫君
 出席政府委員
        自治政務次官  冬柴 鐵三君
        自治大臣官房審
        議官      谷合 靖夫君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
 委員外の出席者
        議     員 保岡 興治君
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  松尾 徹人君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  山本信一郎君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       大竹 邦実君
        特別委員会第二
        調査室長    田中 宗孝君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十日
 辞任         補欠選任
  葉梨 信行君     谷津 義男君
  小林  守君     細川 律夫君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  今津  寛君     西岡 武夫君
  小此木八郎君     自見庄三郎君
  谷津 義男君     葉梨 信行君
  細川 律夫君     小林  守君
  岩浅 嘉仁君     小沢 一郎君
  土田 龍司君     吹田  ナ君
  平田 米男君     日笠 勝之君
    ―――――――――――――
十一月九日
 小選挙区制反対、企業・団体献金の即時禁止に関する請願(岩佐恵美君紹介)(第七〇〇号)
 同(穀田恵二君紹介)(第七〇一号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第七〇二号)
 同(志位和夫君紹介)(第七〇三号)
 同(寺前巖君紹介)(第七〇四号)
 同(中島武敏君紹介)(第七〇五号)
 同(東中光雄君紹介)(第七〇六号)
 同(不破哲三君紹介)(第七〇七号)
 同(藤田スミ君紹介)(第七〇八号)
 同(古堅実吉君紹介)(第七〇九号)
 同(正森成二君紹介)(第七一〇号)
 同(松本善明君紹介)(第七一一号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第七一二号)
 同(山原健二郎君紹介)(第七一三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第七一四号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第七三九号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第八五二号)
 同(穀田恵二君紹介)(第八五三号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第八五四号)
 同(志位和夫君紹介)(第八五五号)
 同(寺前巖君紹介)(第八五六号)
 同(中島武敏君紹介)(第八五七号)
 同(東中光雄君紹介)(第八五八号)
 同(不破哲三君紹介)(第八五九号)
 同(藤田スミ君紹介)(第八六〇号)
 同(古堅実吉君紹介)(第八六一号)
 同(正森成二君紹介)(第八六二号)
 同(松本善明君紹介)(第八六三号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第八六四号)
 同(山原健二郎君紹介)(第八六五号)
 同(吉井英勝君紹介)(第八六六号)
 小選挙区制導入反対、企業・団体献金の即時禁止に関する請願(岩佐恵美君紹介)(第七一五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第七一六号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第七一七号)
 同(志位和夫君紹介)(第七一八号)
 同(寺前巖君紹介)(第七一九号)
 同(中島武敏君紹介)(第七二〇号)
 同(東中光雄君紹介)(第七二一号)
 同(不破哲三君紹介)(第七二二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第七二三号)
 同(古堅実吉君紹介)(第七二四号)
 同(正森成二君紹介)(第七二五号)
 同(松本善明君紹介)(第七二六号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第七二七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第七二八号)
 同(吉井英勝君紹介)(第七二九号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第七五六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第七五七号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第七五八号)
 同(志位和夫君紹介)(第七五九号)
 同(寺前巖君紹介)(第七六〇号)
 同(中島武敏君紹介)(第七六一号)
 同(東中光雄君紹介)(第七六二号)
 同(不破哲三君紹介)(第七六三号)
 同(藤田スミ君紹介)(第七六四号)
 同(古堅実吉君紹介)(第七六五号)
 同(正森成二君紹介)(第七六六号)
 同(松本善明君紹介)(第七六七号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第七六八号)
 同(山原健二郎君紹介)(第七六九号)
 同(吉井英勝君紹介)(第七七〇号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第八六九号)
 同(穀田恵二君紹介)(第八七〇号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第八七一号)
 同(志位和夫君紹介)(第八七二号)
 同(寺前巖君紹介)(第八七三号)
 同(中島武敏君紹介)(第八七四号)
 同(東中光雄君紹介)(第八七五号)
 同(不破哲三君紹介)(第八七六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第八七七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第八七八号)
 同(正森成二君紹介)(第八七九号)
 同(松本善明君紹介)(第八八〇号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第八八一号)
 同(山原健二郎君紹介)(第八八二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第八八三号)
 同(山原健二郎君紹介)(第九二一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第九二二号)
 小選挙区制等反対、議員定数の抜本是正に関する請願(正森成二君紹介)(第七三八号)
 小選挙区制反対に関する請願(佐々木陸海君紹介)(第七四〇号)
 小選挙区制導入反対に関する請願(岩佐恵美君紹介)(第七四一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第七四二号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第七四三号)
 同(志位和夫君紹介)(第七四四号)
 同(寺前巖君紹介)(第七四五号)
 同(中島武敏君紹介)(第七四六号)
 同(東中光雄君紹介)(第七四七号)
 同(不破哲三君紹介)(第七四八号)
 同(藤田スミ君紹介)(第七四九号)
 同(古堅実吉君紹介)(第七五〇号)
 同(正森成二君紹介)(第七五一号)
 同(松本善明君紹介)(第七五二号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第七五三号)
 同(山原健二郎君紹介)(第七五四号)
 同(吉井英勝君紹介)(第七五五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第八六七号)
 同(寺前巖君紹介)(第八六八号)
 小選挙区制の導入反対に関する請願(古堅実吉君紹介)(第八五一号)
 小選挙区制導入及び政党への公費助成反対に関する請願(佐々木陸海君紹介)(第八八四号)
 企業・団体等の政治献金の禁止等政治資金規正法の改正に関する請願(志位和夫君紹介)(第九二〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十一月八日
 選挙制度改革等に関する陳情書(甲府市丸の内一の六の一山梨県議会内中村正則)(第一二三号)
 政治腐敗防止法の制定、企業・団体献金の禁止に関する陳情書(東京都新宿区三栄町一七岩崎宏輝)(第一二四号)
 小選挙区制の導入反対に関する陳情書外四件(広島市南区稲荷町五の五大田トミ子外四名)(第一二五号)
 小選挙区制比例代表並立制反対、企業・団体献金の即時廃止に関する陳情書(埼玉県川越市六軒町二の一五の二水野秩一郎)(第一二六号)
 企業・団体献金の禁止に関する陳情書(福岡県田川市中央町一の一田川市議会内清水宣亮)(第一二七号)
 定住外国人の参政権に関する陳情書(大阪市天王寺区味原町一六の一三李英和)(第一二八号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)
 衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(内閣提出第二号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
 政党助成法案(内閣提出第四号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(河野洋平君外十七名提出、衆法第三号)
 衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案(河野洋平君外十七名提出、衆法第四号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(河野洋平君外十七名提出、衆法第五号)
 政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(河野洋平君外十七名提出、衆法第六号)
 政党助成法案(河野洋平君外十七名提出、衆法第七号)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○石井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに河野洋平君外十七名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政治腐敗を防止するための公職選挙法及び政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の各案を一括して議題といたします。
 この際、各案審査のため、去る十日から昨十一日まで、第一班秋田県、北海道、第二班群馬県、静岡県、第三班山梨県、長野県、第四班岡山県、香川県及び第五班福岡県、奈良県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員から、それぞれ報告を求めます。第一班野田毅君。
#3
○野田(毅)委員 秋田県及び北海道に派遣された委員を代表して、団長にかわり、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、石井一委員長を団長として、斉藤斗志二君、笹川堯君、堀込征雄君、平田米男君、簗瀬進君、正森成二君と私、野田毅の八名でありました。
 秋田県における会議は、十一月十日正午より秋田市内のアキタニューグランドホテルにおいて開催いたしました。まず団長からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者の意見の陳述及びこれに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、元中央大学教授早川廣中君、秋田県議会議員県連幹事長楢岡貞龍君、羽後町商工会理事阿部孝一君、岩手県議会議員自由民主党岩手県連政調会長佐藤正春君、都市政策研究会代表照井清司君及び福島県議会議員県連政調会長芳賀一太君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、早川廣中君からは、政治改革の今国会での実現を期するとともに、選挙制度については政府案に賛成、企業・団体献金については、全面禁止が望ましいが、当面は政党以外の者に対しては禁止すべきであること、政党交付金の使途の公正さを条件とする公的助成制度の導入を図るとともに、助成の対象となる地方政党の存在も認めるべきであること、地方選挙はすべて公営化すべきであること、政治家のみならず国民の意識改革が必要であること等の意見が述べられました。
 次に、楢岡貞龍君からは、今回の政治改革関連法案は議員を選ぶ国民の立場での検討がなされていないこと、比例代表選挙の区域を全国とすると都道府県で選出される議員数が半減して地域の声が十分に代表されないので都道府県単位とすべきであること、候補者とその所属政党は一体のものと考えるべきであることから投票方法は一票制とすべきであること、政治資金及び政党助成に関する政府案は無所属の地方議員等への配慮を欠くものであること、公費助成の必要性について国民の間で十分に議論が行われていないこと、政治改革は慎重に審議した上で今国会での実現を期すべきであること等の意見が述べられました。
 阿部孝一君からは、政治改革の実現とともに地方分権を推進する必要があるとし、政府案に賛成の立場から、政党への公費助成を導入するとともに、政治腐敗の元凶である企業・団体献金を廃止し、また戸別訪問は全面的に解禁すべきであること、小選挙区の区割りにおいては各都道府県内の格差への配慮が必要であること、地方議員の政治資金についての配慮は町村議員にとっては必ずしも必要とせず、むしろ選挙の公営化を徹底すべきであること等の意見が述べられました。
 佐藤正春君からは、国民の求める政治改革は、政官財の癒着構造の打破、政治腐敗の防止であり、自民党案に賛成の立場から、比例代表選挙の区域を全国とすると都道府県で選出される議員数が半減して地方住民の政治参加の意欲を著しく阻害するものであること、適法で透明性のある企業・団体献金は民主主義のコストとして当然に認められるものであること、無所属の地方議員等は個人献金以外に政治資金を得る道が閉ざされること、公費助成は政党の堕落を招くとともに地方への配慮に欠けるので別途再検討すべきであること等の意見が述べられました。
 照井清司君からは、現下の最大の政治課題は国民の政治不信の回復であり、そのためには早急に政治改革を実現して、不況対策等に取り組むべきであること、選挙制度は政府案に賛成であるが、比例代表選挙は地方の声を政治に十分に反映させるために都道府県単位とすべきであること、企業献金は見返りを期待して行われるものであるから、政治家個人に対する企業・団体献金を禁止し、これに伴い公費助成制度を導入すべきであること、地方分権に大きな期待を持っているので一刻も早く政治改革を実現すべきであること等の意見が述べられました。
 最後に、芳賀一太君からは、自民党案に賛成の立場から、将来において二大政党制を実現し、政権交代が可能な緊張感のある政治制度をつくり上げるために小選挙区に比重を置いた定数配分とし、比例代表選挙は顔が見える選挙とするために都道府県単位とすべきであること、小選挙区の区割りの機関は地理的、歴史的な配慮を行うために各都道府県に設置すべきであること、公費助成の額の算定基準と交付の対象に地方議員を含めるべきであること等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から、小選挙区選挙と比例代表選挙の望ましい定数配分、小選挙区の区割りにおける格差の是正、比例代表選挙の単位、企業・団体献金のあり方、額の多い個人献金の問題、政治資金の透明性の確保、寄附金の損金不算入の特例、政治資金における地方政治家への配慮のあり方、地方政治における無所属のあり方、公費助成の地方議員等への還流など多岐にわたる質疑が行われました。
 次に、北海道における会議は、十一月十一日午前九時三十分より札幌市内の京王プラザホテル札幌において開催いたしました。会議の次第は、秋田県における会議の次第と同様であります。
 意見陳述者は、北海道労働者福祉協議会理事長相原敬用君、札幌市議会議員常本省三君、橋本電気工事株式会社専務取締役橋本耕二君、北村村議会総務常任委員長鳥井修君、弁護士馬杉栄一君及び北海道議会議員酒井芳秀君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、相原敬用君からは、今回は政治改革を実現することができる最後の機会であり、今国会においてぜひとも一括成立を図かるべきであるとし、政府案に賛成の立場から、小選挙区選挙は候補者個人の資質に着目することができ、比例代表選挙は政党の政策を選択することができるので小選挙区、比例代表の定数配分はそれぞれ二百五十とし、投票方法は二票制とすべきであること、比例代表選挙の政党要件や阻止条項三%はやむを得ないものとして認めるべきであること、戸別訪問は有権者の良識を信頼して解禁すべきであること、政治腐敗の温床である政治家個人への企業・団体献金は禁止し、これに伴い必要な政治資金を確保するため、腐敗防止策がとられることを条件に、公費助成制度を導入すべきであること等の意見が述べられました。
 次に、常本省三君からは、比例代表選挙においては名簿登載順位の決定に政党幹部等の影響が強く働く可能性があるので、比例代表定数は総定数の三分の一程度が限度であること、戸別訪問の解禁は反対であるが、仮に一歩譲るとしても、候補者本人に限るべきであること、小選挙区の区割りは地方自治体の行政区画を分断することがないように配慮すべきであること、地方議員等にとっても政治活動には金がかかるので政治資金について地方議員等にも配慮すべきであること等の意見が述べられました。
 橋本耕二君からは、総定数は四百七十一とし、小選挙区定数は二百三十六、比例代表定数は二百三十五とし、比例代表選挙は全国単位、投票方法は二票制とし、小選挙区の区割りの機関は総理府に置くべきであること、寄附の公開基準は政府案と自民党案のうち厳しい方をとるべきであること、公費助成における地方議員等への配慮として国民一人当たり三百三十五円のうち二百五十円を国会議員に、八十五円を地方議員等に充てるような制度とすべきであること等の意見が述べられました。
 鳥井修君からは、政府案には政治資金における無所属の地方政治家の配慮がなく、その政治活動を著しく制約するものであり、また、政党に所属する地方議員に政党本部から政治資金が十分に流れないおそれがあること、戸別訪問は国民の意識改革や人数制限を行わないまま解禁すべきでないこと等の意見が述べられました。
 馬杉栄一君からは、選挙制度については政府案に賛成であるが、政府案及び自民党案の政党要件はいずれも極めて厳しく、少数政党や新政党に過度に作用するとともに、これにより選挙運動や公的助成に差異をもたらすので再検討すべきであること、特に政府案の比例代表選挙における阻止条項三%は少数者の権利を著しく制約することとなるので疑問があること、政府案の企業・団体献金の五年後の見直しは先送りのし過ぎであり、せめて三年後とすべきであること、政党への公費助成の総額は多過ぎるので再検討すべきであり、また、その使途は政策経費等に限るべきであること等の意見が述べられました。
 最後に、酒井芳秀君からは、自民党案に賛成の立場から、衆議院は地域に根差した議員を選出するために小選挙区に比重を置くとともに、比例代表選挙は都道府県単位とすべきであること、選挙運動期間の短縮は北海道のように一選挙区が非常に広くなる場合を考慮に入れて再検討すべきであること、政治資金における無所属の地方議員等への配慮をすべきであること、戸別訪問の解禁は時代に逆行するものであり、現在ではむしろテレビ等の活用を目指すべきであること、公費助成に関して政党とは何かについて十分検討されるべきであり、国会議員の合従連衡により助成を受けられることには疑問があること等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から、小選挙区選挙と比例代表選挙の望ましい定数配分、比例代表選挙の単位、政府案における比例代表選挙の阻止条項三%の是非、戸別訪問解禁の是非、自民党案の資金調達団体に対する企業・団体献金許容額についての経過措置の是非、政党への公費助成のあり方、政党支部の機能とそのあり方、無所属の地方議員等の政治資金のあり方、地方政治における無所属のあり方など多岐にわたる質疑が行われました。
 なお、両日の会議において、地方公聴会の意義についての指摘があり、また、その意見を今後の審議に反映させるべきことが強く要望されたことを申し添えます。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと存じます。速記録は本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者始め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、報告といたします。(拍手)
#4
○石井委員長 次に、第二班権藤恒夫君。
#5
○権藤委員 群馬県及び静岡県に派遣された委員を代表して、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、逢沢一郎君、石破茂君、阿部昭吾君、小林守君、細川律夫君、岡田克也君、川端達夫君と、私、権藤恒夫であります。このほか、静岡県においては原田昇左右議員及び大口善徳議員が現地参加されました。
 群馬県における会議は、十一月十日正午より前橋市内の前橋商工会議所会館において開催をいたしました。まず私からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者の陳述及びこれに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、日本社会党群馬県本部副委員長堀込敬司君、群馬県議会議員松沢睦君、有限会社土田本店代表取締役社長土田洋三君、主婦飯塚実枝子君、野本クリニック院長野本文幸君及び税理士永田智彦君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、堀込敬司君からは、政府案に賛成の立場から、政治改革関連法案の今国会での一括成立と与野党の合意の努力の必要性を強調するとともに、腐敗防止のためには法の精神の一層の周知徹底と厳しい相互監視によって成果が上がることを期待するとの意見が述べられました。
 次に、松沢睦君からは、政治改革関連法案が与野党の合意のもとに成立することを強く期待するとともに、衆議院議員の総定数と定数配分、比例代表選挙の区域及び投票の方法について自民党案に賛成、政党が組織政党に脱皮するための政党法の制定、政治資金についての地方公共団体の長や議員への配慮、戸別訪問の解禁への慎重な姿勢の必要性について意見が述べられました。
 土田洋三君からは、政治浄化のための中選挙区制打破の重要性と政治改革関連法案の今国会での一括成立の必要性を強調するとともに、衆議院議員の総定数、比例代表選挙の区域、投票の方法等について政府案に賛成、戸別訪問の解禁、企業・団体献金の禁止、政党助成の使途の公開、腐敗議員の排除とすぐれた政治家を育てる土壌の培養が必要だとの意見が述べられました。
 飯塚実枝子君からは、腐敗防止法の制定が必要であり、選挙制度の改革は国民の理解と納得を得て進めるべきだと指摘するとともに、衆議院議員の総定数と定数配分、比例代表選挙の区域及び投票の方法については自民党案に賛成、戸別訪問の解禁には反対、公費助成の総額は国民一人当たり二百五十円、地方の議員等への公的助成、腐敗防止のための罰則の強化等の意見が述べられました。
 野本文幸君からは、政治改革関連法案の早期一括成立と政治家の腐敗根絶の必要性を強調するとともに、選挙制度については多様な民意を反映する比例代表制を基本とする二票制の並立制、政治資金や政治家の資産の公開による腐敗の根絶という立場から、政治資金について政府案に賛成との意見が述べられました。
 最後に、永田智彦君からは、並立制に反対する立場から、同一政党の複数の候補者がいることにより立派な候補者が選択できる、比例代表制では支持政党なしの民意は反映されない、政治資金は厳格な透明性が必要などの意見が述べられました。
 次いで、各委員から、政党・政策中心の選挙の実現のための方策、衆議院の総定数と定数配分、比例代表選挙の区域、投票の方法と異党派投票、地方議員への公的助成のあり方、政治資金の透明性の確保の必要性、与野党の妥協のための条件など多岐にわたる質疑が行われたところであります。
 静岡県における会議は、十一月十一日午前九時三十分より静岡市内の静岡ターミナルホテルにおいて開催いたしました。会議の次第は、群馬県における会議の次第と同様であります。
 意見陳述者は、静岡県富士見学区連合町内会長伊藤一嘉君、静岡県議会議員奥之山隆君、岡田鋼機株式会社代表取締役社長岡田宏司君、日本ウエルコ株式会社代表取締役社長松本義廣君、大栄工業株式会社代表取締役社長土屋友親君及び静岡市長天野進吾君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、伊藤一嘉君からは、政治改革実現のために各党の英知を絞って歩み寄るべきだと指摘するとともに、連座制の実効性の確保のための連座裁判の迅速化、政治資金の透明性の確保と例外の設定による腐敗の拡大の排除、並立制における二票制、選挙区画定審議会の勧告の完全尊重等についての意見が述べられました。
 次に、奥之山隆君からは、政治改革の要点は政治家改革と有権者の意識改革であるとの指摘がなされ、小選挙区制と我が国の文化や政治風土との関係の検討、総定数削減の必要性、公的助成の導入による政党や政治家の堕落等の問題点、政権選択に資する一票制と顔が見える選挙とするための都道府県単位の比例代表制についての意見が述べられました。
 岡田宏司君からは、政治改革の早期実現の必要性が指摘され、政治改革の実現のために党利党略を捨て、与野党が歩み寄るべきだとの意見が述べられました。
 松本義廣君からは、政治改革が政争の具とされる不安と新たな制度の利害得失の国民への周知の必要性を指摘するとともに、参議院と類似の制度をとること及び総定数を五百人とすることの意味、政治家の道義的責任、行財政改革や景気対策の優先性等についての意見が述べられました。
 土屋友親君からは、政治改革関連法案の速やかな成立を強調するとともに、比例代表選挙の区域と投票の方法について政府案に賛成、政治資金の政党による管理、違法な政治資金等の全額没収等についての意見が述べられました。
 最後に、天野進吾君からは、小選挙区制の利点と死票等の問題点、比例代表制の顔が見えない等の問題点、今回の改革における地方議員と参議院への配慮の不足、今国会で政治改革をぜひ実現すべきだとの意見が述べられました。
 次いで、各委員から、政治改革に対する国民の理解、政党・政策中心の選挙の実現のための方策、政党財政と政党助成のバランス、小選挙区と比例代表の定数配分、地方選挙の現状と地方分権、今後の政党政治のあり方、地方議員等への公的助成のあり方、一票制の是非など多岐にわたる質疑が行われました。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと存じます。速記録は本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、報告といたします。
 以上です。(拍手)
#6
○石井委員長 次に、第三班前田武志君。
#7
○前田委員 山梨県及び長野県に派遣された委員を代表して、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、北川正恭君、白川勝彦君、中川秀直君、額賀福志郎君、大畠章宏君、太田昭宏君、前原誠司君と私、前田武志の八名でありました。このほか、山梨県においては堀内光雄議員、長野県においては若林正俊議員が現地参加されました。
 山梨県における会議は、十一月十日午後一時より甲府市内の甲府富士屋ホテルにおいて開催いたしました。まず私からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者から意見を聞き、その後これに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、山梨県労働者福祉協会会長大木敏夫君、八田村村長齋藤公夫君、山梨学院大学法学部教授茂野隆晴君、山梨県議会議員白倉政司君、公認会計士風間徹君及び元山梨県立日川高等学校校長齋藤左文吾君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、大木敏夫君からは、政治改革は単に制度を改革するだけで実現できるのではなく、政治倫理の確立と国民のモラルの向上が優先されなければならないが、政治改革関連法案が早急に成立し、真の政治改革が前進することを強く願うとともに、選挙の実態が直ちに政党・政策本位とならないことが考えられるので投票の方法は二票制が妥当であること、一票の格差は一対二未満を実現するよう努力すること、企業・団体献金は早期に廃止の方向に向かうこと等の意見が述べられました。
 次に、齋藤公夫君からは、政治改革の実現はすべての国民が期待を寄せていると指摘しつつ、衆議院議員の総定数は公職選挙法本則の四百七十一に戻すことが適正であり、政権の選択や各地域の代表の選出等の観点から選挙制度については自民党案に賛成、戸別訪問の解禁は不正行為が行われやすく実質的公平が害されやすいので反対、政治資金については、政府案は国会議員が優遇され地方議員等が軽視される不公平な制度となっているので賛成できないとの意見が述べられました。
 茂野隆晴君からは、政治改革関連法案を早急に処理し、不況の克服等当面する政治課題に本腰を入れるべきだと指摘しつつ、並立制の導入により政党は有能な人材の発掘の努力をすること、政治改革関連法案の成立のためには与野党の歩み寄り以外にはないこと、総定数五百は諸外国と比べても多くはないこと、比例代表選挙の区域はブロック単位が適当であること、戸別訪問の解禁により政治への親しみが倍加すると考えられること、選挙権年齢の十八歳以上への引き下げを検討すること、政治資金について無所属の地方議員等への配慮が必要であること等の意見が述べられました。
 白倉政司君からは、政治改革を早急に実現すべきだという立場に立って、衆議院議員の選挙は政権選択の選挙であるので小選挙区定数の比率を高めて民意の集約を図るべきであること、比例代表選挙の区域は有権者に身近な都道府県単位とすること、政治資金と政党助成について政府案では地方議員等の政治資金について配慮されていないこと、透明性の向上や罰則の強化等のもとに企業・団体献金を一定の限度で認めるべきであること、地方公聴会で述べられた意見が国会での論議に大きく反映されることを期待すること等の意見が述べられました。
 風間徹君からは、衆議院議員の総定数については政治コストの圧縮の観点から四百七十一が望ましいこと、比例代表選挙の区域は全国、投票の方法は二票制、戸別訪問は買収等への厳罰を前提として解禁に賛成、いずれにせよ政治改革関連法案の早期成立と施行を念願するとの意見が述べられました。
 最後に齋藤左文吾君からは、並立制を導入することを前提として、衆議院議員の総定数は公職選挙法本則の四百七十一、小選挙区にウエートを置くべきであること、比例代表選挙の区域は参議院とは異なる都道府県単位、投票の方法は一票制、戸別訪問の解禁には反対、政治資金については企業・団体も法人格を有しており適正な政治活動は認められるべきであること、政党助成はできる限り低く抑えるべきであること等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から、小選挙区の区割りにおける格差、贈答文化と言われる我が国における有権者の意識改革、衆議院と参議院との関係、選挙制度改革と地方分権、小選挙区における戸別訪問の解禁の意味、中選挙区制に対する国民の認識、企業・団体献金についての考え方、政党交付金の使途の報告、地方議員等の政治資金の確保など多岐にわたる質疑が行われました。
 次に、長野県における会議は、十一月十一日午前九時三十分より長野市内の長野ロイヤルホテルにおいて開催いたしました。会議の次第は、山梨県における会議の次第と同様であります。
 意見陳述者は、日本労働組合総連合会長野県連合会長松田章一君、長野県議会議員清水重幸君、上田商工会議所会頭・全国青果卸売市場協会会長堀謙三君、長野市議会議員鈴木清君、農業小林信夫君及び長野県中小企業団体中央会会長和田守也君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、松田章一君からは、政権交代可能な選挙制度と腐敗防止の徹底は国民の声であり、今国会で政治改革関連法案の一括成立を図り、景気回復の審議に入るべきだと指摘しつつ、選挙制度については民意を反映する比例代表制を基本とする制度が望ましいとの立場から政府案に賛成、戸別訪問の解禁には賛成、企業・団体献金は早期に禁止すべきであること、公的助成については政府案も自民党案もともに地方議員等への提起がないが、選挙公営の拡大と公的助成を図るべきであること、国民の信頼回復への政党の自己努力が必要であること等の意見が述べられました。
 次に、清水重幸君からは、選挙制度は候補者の顔が見えて民意を集約する点で小選挙区制がよいとの認識のもとに、並立制を採用するに当たっては、自民党案に賛成するとともに、政治資金及び政党助成については、無所属の者の多い地方議員等の政治活動に要する資金への配慮がされていないこと、戸別訪問の解禁は新しい選挙制度の定着を見て検討すべき課題であること、与野党とも譲るべきは譲ってこの問題に決着をつけ、景気対策等に取り組むべきであること等の意見が述べられました。
 堀謙三君からは、政治改革関連法案は与野党ともに歩み寄って今国会で一括成立を見るべきだと指摘しつつ、衆議院議員の総定数は五百、定数配分はこだわらない、比例代表選挙の区域は全国あるいはブロック、投票の方法は二票制、小選挙区画定委員会は総理府に設置すべきである、戸別訪問は現時点では解禁せず小選挙区になれた時点で自由化、政党助成は民主主義を守るためのコストとして賛成、企業・団体献金は透明性を高めた上で現行どおりとし、五年後に見直すこと等の意見が述べられました。
 鈴木清君からは、政治改革についての国民各層の声を取り入れることを考えるべきだと指摘しつつ、中選挙区制と比較して、小選挙区制における候補者選定手続や議員活動が地域エゴに振り回されるおそれ等の問題があるのではないか、政治資金については企業献金が政党に一元化されて大多数の地方議員は全く顧みられない、さらに政党助成では無所属議員や地方議員等について全く配慮されていない等の意見が述べられました。
 小林信夫君からは、今日の政治不信の事態は国民と政治家の双方で解決しなければならない問題であると指摘しつつ、政治改革の最後のチャンスであり、政治改革関連法案は話し合いの上年内に成立させて、その他の内外に山積する諸課題に着手すべきであること、並立制の特徴を生かすためにはそれぞれの制度に投票する二票制が望ましいこと、戸別訪問はルールにのっとったものならよいのではないか、政党助成の使途については透明性を確保すること、政治不信の払拭は、制度がすべてでなく、国民と政治家が断固とした決意で政治理念を守ることが必要であること等の意見が述べられました。
 最後に、和田守也君からは、地方公聴会の意義について指摘するとともに、安定した政策遂行能力を備えた政権の確立と、国民の信頼にこたえ得る政治の実現のためには小選挙区制に比例代表制を加味した並立制の導入が必要であり、このような観点から自民党案に賛成であり、政治資金については、企業・団体献金を政党に限定すると地方政治を支えている政治家の政治活動に及ぼす影響は極めて大きいこと。さらに政党助成も無所属の地方議員等には及ばないこと等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から、二大政党制あるいは穏健な多党制等将来の政界の姿、政治資金の抜け道、無所属の地方議員等への配慮、地方分権のあるべき姿、納税段階における政党、政治家へのチェックオフ、国民の意識改革、比例代表選挙の区域を都道府県単位とした場合の一票の格差と死票、政治家個人に対する企業・団体献金の禁止に伴う地方議員の自由な政治活動の担保、地方政治のあり方と地方議員のあり方など多岐にわたる質疑が行われました。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと思います。速記録は本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、御報告といたします。(拍手)
#8
○石井委員長 次に、第四班三原朝彦君。
#9
○三原委員 岡山県及び香川県に派遣された委員を代表して、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、大島理森君、今津寛君、小此木八郎君、葉梨信行君、谷津義男君、秋葉忠利君、岩浅嘉仁君、柳田稔君と私、三原朝彦でありました。このほか、岡山県においては石田美栄議員が現地参加されました。
 岡山県における会議は、十一月十日午後一時より岡山市内の岡山国際ホテルにおいて開催いたしました。まず私からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者の意見の陳述及びこれに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、岡山県総評センター事務局長光井勝君、岡山県議会議員元浜貫一君、税理士荒木智真君、島根県議会議員島田芳雄君、岡山県立大学助教授沼本健二君及び山口県議会議員吉井利行君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、光井勝君からは、政治改革関連法案の今国会での成立を強く念願するとともに、選挙制度については比例代表制を基本とした制度が望ましいとの立場から、衆議院議員の総定数と定数配分、比例代表選挙の区域及び投票の方法について政府案に賛成、戸別訪問の解禁、政治資金については企業・団体献金の全面禁止と公開基準の一万円超への引き下げ等の意見が述べられました。
 次に、元浜貫一君からは、選挙制度の改革が政治腐敗の防止につながるとは言えず、国民参加のもとにさらに議論すべきだとした上で、小選挙区にウエートを置いた自民党案に賛成、戸別訪問の解禁には反対、政治資金の規制と政党助成については、政府案は地方議員等の政治活動の実態に配慮したものとは言えず、自民党案が地方の実態にも対応できる内容となっている、さらに、地方公聴会での意見を十分に踏まえて法案を真剣に再検討すべきだとの意見が述べられました。
 荒木智真君からは、政治改革関連法案の早期成立を強く希望するとともに、選挙制度については民意の公正な反映という観点から比例代表選挙の区域は全国とすることが妥当であること、政治資金については、企業・団体献金を政党に対するもののみに限定する政府案は画期的なものであり高く評価できること、公民権の停止等罰則の強化は腐敗防止に有効なものであること等の意見が述べられました。
 島田芳雄君からは、地方公聴会の意義について指摘するとともに、選挙制度については、過疎地域の代表を確保する等の観点から自民党案に賛成、戸別訪問の解禁には反対、地方選挙の公営の拡大、政党助成については、配分基準が国会議員のみとされており、地方議員等の立場を全く無視していて納得できないとの意見が述べられました。
 沼本健二君からは、選挙制度については、小選挙区比例代表並立制が妥当な妥協点であるとし、比例代表選挙の区域は全国、比例代表と小選挙区の定数配分は前者が後者を極端に上回らないようにすること、投票の方法は二票制、比例名簿の順位を選挙人にゆだねる方式の採用、戸別訪問の従来どおりの禁止と候補者全員の演説会のテレビによる中継放送の実施、選挙違反に対する刑事裁判の迅速化と立候補制限の対象となる選挙の範囲の拡大、企業・団体献金の全廃を前提とする政党助成等の意見が述べられました。
 最後に、吉井利行君からは、選挙制度の改革が政治腐敗防止の実現につながるとは言えず、中選挙区制のもとで定数是正を行うべきだとの立場から、並立制を採用するとすれば、地方の声が反映するよう小選挙区の定数を多くするとともに、比例代表の選挙の区域は都道府県単位とすること、小選挙区の区割りに当たっては地方の実情を考慮すること、戸別訪問は解禁すべきでないこと、選挙制度の改革は参議院の選挙制度とあわせて考えるべきであること、政治資金及び政党助成については、地方議員等に対する配慮が欠けていること等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から、衆議院議員の総定数、小選挙区と比例代表の定数配分、選挙区割りにおける留意点、二院制における参議院のあり方、戸別訪問禁止の是非、選挙制度の改革についての国民の意思の反映、選挙権年齢の十八歳への引き下げ、地方選挙の公営の拡大、企業献金と政党助成の関係、企業・団体献金の五年後の見直し、地方分権と政党助成の関係、与野党間の妥協のあり方など多岐にわたる質疑が行われました。
 次に、香川県における会議は、十一月十一日午前九時半より高松市内の高松国際ホテルにおいて開催いたしました。会議の次第は、岡山県における会議の次第と同様であります。
 意見陳述者は、自治労香川県本部委員長・香川県評センター理事長三宅正博君、香川県議会議員稲井正君、香川大学教育学部助教授古谷修一君、香川県議会議員岡田好平君及び高松市議会議員穴吹俊士君の五名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、三宅正博君は、政治改革に賛成の立場から、選挙制度については、民意を反映する比例代表制を基本的に支持し、小選挙区と比例代表の定数配分は二百五十対二百五十とすることがぎりぎりの妥協点であり、比例代表選挙の区域は全国、投票の方法は二票制とすること、戸別訪問の解禁には賛成、政治資金については、政府案の五年後の見直しの際には企業・団体献金を全面禁止とすべきであること、公開基準を五万円超とする政府案を評価すること等の意見が述べられました。
 次に、稲井正君からは、政治改革は速やかに解決して、不況対策や冷害等の本来の政治課題に取り組むべきだとの前提で、衆議院議員は地域の代表だという観点から自民党案に賛成、戸別訪問は今回は見送るべきであること、政治資金については、企業・団体献金は量的制限と透明性を確保した上で認められるべきもの、さらに政党助成については、まず政党の自助努力が必要であり、助成はできるだけ少なくすべきであるとの意見が述べられました。
 古谷修一君からは、新たな選挙制度としては、民意の変化に敏感に反応して政権交代ができること、多様化した民意を的確に議席配分に反映できること、政策本位の選挙となることが必要だとの観点から、政府案に賛成するとともに、総定数の削減にも耳を傾ける点があること、政策中心の選挙の実現のためには政党や政治家の姿勢を変える必要があること、企業・団体献金は原則としては政党に対するものも含めて全面禁止すべきであり、企業・団体献金の禁止を前提とするならば政府案の政党助成の額は国民の理解を得られること、さらに政治改革関連法案の今国会における一括成立を強く期待するとの意見が述べられました。
 岡田好平君からは、与野党が歩み寄って政治改革関連法案の成立を期するべきだとしつつ、選挙制度の改革によって政治腐敗が防げるのかとの疑問点を指摘するとともに、選挙制度については、地域の声を代表する議員数を削減することのないよう自民党案に賛成、戸別訪問は現時点での解禁には反対、政治資金と政党助成については地方議員等への配慮が欠けていること、政党助成についての議論がいまだ不十分であること等の意見が述べられました。
 穴吹俊士君からは、政治改革関連法案をぜひ今国会で成立させることが必要だと指摘するとともに、選挙制度については、衆議院議員の総定数は現行よりも削減すべきであること、小選挙区と比例代表の定数配分は自民党案では小選挙区の比率が高すぎること、投票の方法は二票制、比例代表選挙の区域は全国またはブロックが適切であること、政治資金については、透明性を高めることが重要であること、罰則の強化については大変厳しいものと評価できること等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から、二大政党制と多党制、一票制と二票制、小選挙区と比例代表の定数配分、参議院の選挙制度との関係、定数配分と過疎対策、選挙区割りの基準、選挙制度の改革に当たっての国民の意思の反映、選挙権年齢の引き下げ、戸別訪問解禁の是非、企業献金の禁止と政党助成の関係、地方議員等に対する助成の方法、企業献金の五年後の見直しなど多岐にわたる質疑が行われました。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと存じます。速記録は本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、報告といたします。(拍手)
#10
○石井委員長 それでは最後に、第五班左近正男君。
#11
○左近委員 福岡県及び奈良県に派遣された委員を代表して、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、保岡興治君、穂積良行君、細田博之君、増子輝彦君、土田龍司君、赤松正雄君、茂木敏充君と私、左近正男の八名であります。このほか、福岡県においては楢崎弥之助議員、奈良県においては高市早苗議員が現地参加されました。
 福岡県における会議は、十一月十日正午より福岡市内のホテルニューオータニ博多において開催いたしました。まず私からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者の意見の陳述及びこれに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、福岡県私立学校教職員組合協議会書記長牧野苓子君、福岡市議会議員久保田秀己君、元福岡県議会議長篠田栄太郎君、福岡県議会議員中村明彦君、九州大学法学部教授薮野祐三君、大野城市議会議員前崎千波君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、牧野苓子君からは、地方公聴会を形式的なものにせず、地方の声を反映させてほしいとの要望の後、政治改革の中心は腐敗防止、政治倫理の確立であるとし、また選挙制度については、並立制を採用するとしても、より民意を反映する比例代表制を基本とし、それに小選挙区制を並立させる制度が望ましいこと、戸別訪問の解禁は自由な選挙活動の保障として歓迎すべきものであること、政治資金について企業・団体献金は本来全面的に禁止すべきものであること等の意見が述べられました。
 次に、久保田秀己君からは、基本的には中選挙区制から小選挙区制に移行すべきであるが、比例代表制を加味することはやむを得ないとするとともに、現在の並立制案について与野党が自説にこだわらず大胆な妥協をし、今国会で成立させるべきであり、また政治資金については無所属の地方議員等の政治資金に配慮されるべきだとの意見が述べられました。
 篠田栄太郎君からは、与野党が大胆な妥協をして速やかに並立制を実現すること、比例代表選挙の区域についてはブロック制を検討すること、戸別訪問は当然解禁すべきであること、政党助成は、政党の自由裁量でなく、選挙費用等使途の明らかなものに限定すべきであること、企業・団体献金は月一、二万円程度の少額に抑えて認めることが考えられること、今回の政治改革は改革の第一歩であり、さらに住民の手による地方自治の改革が必要であること等の意見が述べられました。
 中村明彦君からは、まず国民の政治不信の解消と選挙制度の改革との関係について言及しつつ、並立制を導入する場合は、統合機能にすぐれた小選挙区制に重点を置き、比例代表制は補完的機能にとどめることとするべきであり、衆議院議員の総定数の削減と比例代表選挙の区域は自民党案に賛成、戸別訪問の解禁は時期尚早、政治資金については、無所属の地方議員等の政治資金を個人献金のみに限ることは地方政治の軽視だとの意見が述べられ、さらに、地方公聴会での意見が法案審議に反映されるようにとの要望が述べられました。
 薮野祐三君からは、選挙制度については、いかに多様な意見を政治に反映させるかという立場から比例代表部分の大きい政府案に賛成であり、また政治と金の問題については、歳費とは別に立法調査費に係る部分を大幅に引き上げるべきであり、さらに、国民が政治に近づきやすくするためには、選挙権年齢の十八歳への引き下げや戸別訪問の解禁など新しいシステムを構築するべきだとの意見が述べられました。
 最後に、前崎千波君からは、政治改革は、相次ぐ政治家の不祥事に対する国民の怒りに端を発するものであることを念頭に置くべきであること、衆議院議員の総定数、比例代表選挙の区域及び投票の方法は自民党案に賛成であること、政治資金についは、政府案では無所属の地方議員等に及ぼす影響が極めて大きいこと、戸別訪問は解禁すべきであること、議員に定年制を設けるべきであること等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から、定数配分、投票の方法、比例代表選挙の区域、衆議院と参議院との役割分担、戸別訪問の解禁、新制度のもとでの地方議員の政治資金、企業献金と個人献金、女性の政治参加、国会改革、政見放送のあり方、国会議員の役割、国と地方との役割の見直しなど多岐にわたる質疑が行われたところであります。
 奈良県における会議は、十一月十一日午前九時三十分より奈良市内の奈良ロイヤルホテルにおいて開催いたしました。会議の次第は、福岡県における会議の次第と同様であります。
 意見陳述者は、全逓信労働組合奈良地区本部書記長増田喜三郎君、奈良県議会議員服部恵竜君、奈良県中小企業団体中央会副会長・奈良県薬事団体連合会会長・佐藤薬品工業株式会社社長佐藤又一君、大阪府議会議員松室猛君、京都産業大学法学部教授小平修君、京都府議会議員山本直彦君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、増田喜三郎君からは、プロの目でなく、素人の目で国民の総意を酌み取ることが今後の日本の政治のあり方であるとしつつ、今回の政府案に対しては賛成であるが、企業・団体献金を全面禁止していない点など不満な点もあり、企業献金の五年後の廃止を公約した上で公的助成に踏み切るべきだとの意見が述べられました。
 次に、服部恵竜君からは、地方公聴会のあり方についての疑問、地方の声の反映についての要望が述べられた後、選挙制度については参議院の選挙制度との整合性が必要であること、衆議院議員の総定数の削減、比例代表選挙の区域及び投票の方法については自民党案に賛成であること、政治資金についてはもっと地方議員への影響に配慮すべきであること、政党助成は今回は最小限にとどめるべきであること、今後の進め方として、足して二で割るような安易な妥協はすべきでないこと等の意見が述べられました。
 佐藤又一君からは、政治改革関連法案の今国会での成立を図るべきであり、これが最後のチャンスであること、政治改革の次には行政改革、規制緩和、景気対策等の実行に向かわなければならないこと、腐敗防止だけでは問題の根本解決にならないこと等の意見が述べられました。
 松室猛君からは、政治改革論議において政党の実態や地方選挙との関連についての議論が欠落しているとの指摘をしつつ、選挙制度については民意の集約に力点を置いた制度がベターであること、衆議院議員の総定数、比例代表選挙の区域及び投票の方法については自民党案に賛成であること、政治資金について企業献金を禁止することは地方議員の活動に支障を来すことになること等の意見が述べられました。
 小平修君からは、与野党が妥協し、今国会での成立に期待するとともに、現行中選挙区制の問題点の指摘、小選挙区制と比例代表制の特性の比較の上、政府案と自民党案を比較検討した結果、基本的に政府案に賛成するとの意見が述べられました。
 最後に、山本直彦君からは、公聴会のあり方についての要望の後、自民党案に賛成の立場からの意見が述べられ、戸別訪問の解禁には反対、無所属の地方議員等に対する配慮、租税特別措置による寄附金控除の対象範囲の拡大等庶民の心がわかる政治改革をすべきであって、永田町の永田町による永田町のための政治改革であってはならないとの意見が述べられました。
 次いで、各委員から、定数配分、戸別訪問、企業献金と個人献金、政権交代のできるシステム、二大政党制と穏健な多党制、国会議員の役割など多岐にわたる質疑が行われたところであります。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと存じます。速記録は、本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、報告といたします。(拍手)
#12
○石井委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま報告のありました第一班、第二班、第三班、第四班及び第五班の現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#14
○石井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十三分散会
     ――――◇―――――
  〔本号(その一)参照〕
    ―――――――――――――
   派遣委員の秋田県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年十一月十日(水)
二、場所
   アキタニューグランドホテル
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣
   提出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置
   法案(内閣提出)、政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(内閣提出)、政党助成
   法案(内閣提出)、公職選挙法の一部を改
   正する法律案(河野洋平君外十七名提出)
   、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法
   案(河野洋平君外十七名提出)、政治資金
   規正法の一部を改正する法律案(河野洋平
   君外十七名提出)、政治腐敗を防止するた
   めの公職選挙法及び政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(河野洋平君外十七名提
   出)及び政党助成法案(河野洋平君外十七
   名提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 石井  一君
      斉藤斗志二君    笹川  堯君
      野田  毅君    堀込 征雄君
      平田 米男君    簗瀬  進君
      正森 成二君
 (2) 政府側出席者
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  松尾 徹人君
 (3) 意見陳述者
        元中央大学教授 早川 廣中君
        秋田県議会議員
        県連幹事長   楢岡 貞龍君
        羽後町商工会理
        事       阿部 孝一君
        岩手県議会議員
        自由民主党岩手
        県連政調会長  佐藤 正春君
        都市政策研究会
        代表      照井 清司君
        福島県議会議員
        県連政調会長  芳賀 一太君
     ――――◇―――――
    正午開議
#15
○石井座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の石井一でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、よろしくお願い申し上げます。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつ申し上げます。
 皆様御高承のとおり、本委員会におきましては、政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することといたした次第でございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 今後の審査の参考に資するため、忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。
 まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆様から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員からの質疑にお答えをいただくことになっておりますので、よろしくお願い申し上げます。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、本日御出席の方々を紹介させていただきます。
 出席委員は、自由民主党・自由国民会議の野田毅君、斉藤斗志二君、笹川堯君、日本社会党・護憲民主連合の堀込征雄君、公明党の平田米男君、さきがけ日本新党の簗瀬進君、日本共産党の正森成二君、以上でございます。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介申し上げます。
 元中央大学教授早川廣中君、秋田県議会議員・県連幹事長楢岡貞龍君、羽後町商工会理事阿部孝一君、岩手県議会議員・自由民主党岩手県連政調会長佐藤正春君、都市政策研究会代表照井清司君、福島県議会議員・県連政調会長芳賀一太君、以上の方々でございます。
 それでは、早川廣中君から御意見の陳述をお願い申し上げます。
#16
○早川廣中君 早速でございますので、御意見申し上げたいと思います。
 きょうの委員会につきましては、国民の関心も大変高まっていると思うのでありますが、私は、現在までの、いろいろなことが言われていますが、冷戦下における日本の一つの高度成長が終わった今日、大きな転換点を迎えている。これは、私は政治だけでないと思います。経済もそうだし、価値観もそうだし、いろいろな面で転換点を迎えているわけですから、政治においてもこれに対応するような一つの漸進的な改革というのはやっていかなければならないという意味で、国民に対して三代の内閣にわたって公約をしているわけですから、私は今国会において、どのようなことがあろうとという言葉はちょっとオーバーかもしれませんが、与野党各党のいろいろな御意見があるようですから、それはじっくり話し合って、妥協できる点は煮詰めて、その上で必ず採決をしていただきたい。
 それで、私は、各党間のいろいろな利害、また大きな政党では、その党の中でも選挙制度については御意見が、個人の地位にかかわることですから、当然あってしかるべきだと思う。したがいまして、私は、むしろ党則を超えて採決をして、国民の前にやはりはっきりさせていただかなければ国民は納得できないのでないか、こういうふうに思っております。
 次に、公選法の関係につきましては、総定数について二案あるようでありますが、私は、最初の四百七十一というのは公費を使う議員ですから、国民は、少ない人数の議員で立派な仕事をやってもらえるならそれでいいというふうに思っている人もたくさんいると思います。しかし、今もう一億二千万を超えた我が国の人口の現状からいって、必ずしも四百七十一の時点のものを今持ち出すというのはちょっとどうかなと思いますので、まあ五百人というのはかなり常識的な国民の世論ではないかというふうに思っております。
 それから、配分の問題について、これは各党のいろいろな利害がぎりぎりのところでぶつかるのだろうと思います。しかし、私は、国民はそう見ていないと思う。投票制のことがありますが、要するに、国民はこれから厳しく政治というものを見ていくと思いますので、全国区が有利だから、地方区が有利だからということには私は絶対ならないと思う。これは必ず、一票制、二票制になることによってちょっと行使の仕方は違うと思いますが、国民は各党に対して厳正に見ていますから。そういう意味で、配分の問題については党のいろいろお考えがあるようですが、私は、政府案を基準として、多少の考え方はそうこだわることはないのではないかというふうに思っております。
 次に、全国の比例の単位についてですが、これについては、県単位というのは、私はこれはちょっと整合性にも欠けると思うのですね。比例ですから、これはもう全国でやるのが常識だと思う。だから、国民の常識をないがしろにして無理押しするということは、やはり避けた方がいいのではないかというふうに思われます。
 次に、二票制の問題ですが、これは私は正直言って、国民の中でも議論が分かれるところだと思うのです。というのは、二大政党が絶対的に正しいという考え方になれば、これは一票制が絶対整合性が合っているわけです。中央公聴会でもそういう御意見を述べた方が多々いらっしゃるようですが、そのとおりだと思うのです。
 しかし、現実に我が国の政治というのは、戦後は、二歩前進して一歩下がるという形ですべて緩やかに、国民の中の摩擦を少なく、経済も政治も発展しようということで今日まで来ているわけですから、そういう意味で、現状においては二票制がやむを得ないのではないかというふうに思われます。
 次に、戸別訪問の問題でございます。
 これは、私は正直に言って、私も選挙にかかわってまいりましたが、実際は本音と建前が全然違う。戸別訪問は今禁止されていますが、戸別訪問をやらないで選挙を乗り切るということはほとんど不可能であると言われている。ですから、この点については、禁止なら禁止で、本当に守る意思があるのかどうか。守る意思がないのに、ただ建前上禁止の方がいいということ。
 しかし、戸別を認めるについては、私は条件はあると思うのですね。これは、夜の夜中まで来られたり、多数の人が押しかけてこられたりされたのでは困りますから、私は、時間なりその他きちっとした条件をつけて、ルールをつけて、戸別訪問はむしろ解禁すべきだというふうに思っております。
 あと、立候補の制限については、これはむしろ罰則の問題との関連ですから、後で触れたいと思います。
 次は、政治資金規正法関係についてでありますが、今国民が一番関心を持っていることはここのことです。というのは、東北でも例に漏れず金権体質が、地方の時代だなんという中で、まさに代表的な事件が今続発しているわけであります。
 このことは何なのかということでありますが、結局選挙にお金がかかる。しかも、これが個人の責任において調達をするということでありますから、この資金の調達の方法については、親の相続をいっぱいした人か、あるいは過去の仕事によっていろいろなコネがあって、お金をうまく集める方法が巧みな人が有利だというのが今までの選挙だと思うのですね。ここが一番国民が正してもらいたいというふうに今思っているところであります。
 それで、その資金源はどこから出ているのかということでありますが、団体の問題もありますが、一番大きなのは企業であります。けさ新聞を見ましたら、企業献金をやめると官僚政治になるというような意見が、中央公聴会の中で述べた方の意見が出ておりました。私は、これにはびっくりいたしました。
 私も、わずかな期間でしたが、行政の責任者として運営をしてみましたが、企業の献金にきれいな献金なんというものはあり得ないと思う。これは必ず何か目的――というのは、企業というのは利益団体ですから。企業は社会奉仕団体ではありませんから。そんな項目があったら、そんな会社はつぶれてしまうわけです。これは利益団体でありますから、利益を求める企業からもらう金がきれいだなんということはあり得ないわけですから、私は、これをきちんと……。
 それならば、それを禁止して何で官僚政治になるとおっしゃった方がいるかというと、私は行政の責任者としてわずか四年間でありましたが、官僚といいますか役人の人は、行政のトップの人が選挙で選ばれてくる。この人のことを――要するに民間から来た陳情が正しい陳情ならいいわけですね。それが正しくない陳情に対しては、官僚の人たちは当然抵抗するので、ある意味では官僚政治というのは、正しいことをやろうと官僚一人一人は思っておるのです。しかし、それが国民から見た場合に逆に見える。官僚の独善的なように見える場合もあります。そこはやはり政治の人たちが、自分たちが正しい行動、正しい陳情をやっていれば官僚の人は納得するはずです。
 ですから、その意味での官僚政治というのは私は正しい。選挙をやっている人が上に立って、ひん曲げるからみんな抵抗するんだというふうに考えなければならない、こういうふうに思っています。
 そういう意味で、企業献金は、急にやるということについては、日本の国はなるたけ穏便に国民に納得をしてもらうという制度ですから、その辺はよく話し合っていただきたいと思いますが、その辺はいつの時点かでははっきりとすべきである。
 罰則の強化についてもそうだと思いますが、私は、罰則については、やはりきちっと守るという意識がなければ、うまくやれば罰則を逃れるのだ。こういう法案をつくればこういうふうに逃げる。何か規制ができるとそれを研究して、しかも本になって売り出される。こうやればうまく選挙をやれますよなんて手引が出てくるわけです。そういうものが出てきて裏かく、裏かくですから、これは僕は大変なことだろうと思いますが、しかし、厳しくやればやはりそのように効果が上がっていくのだろう、こういうふうに思っております。
 次に、政党助成についてでありますが、私は公的助成、大賛成なのですが、国民は、公的助成を出すと監視が厳しくなると思う。自分たちが納めた税金がこうされるということに対しては、国民は非常に厳しい。ところが、何か大企業かどこからかわからないけれども、どこにあるかわからないような金を使った場合には、国民は案外ありがたがるのですね。あの先生は偉い先生だ、冠婚葬祭に必ず電報を打ってくれて、出席をしてくれて、あれだこれだと。そういうものに無条件に感謝する国民がいるということです。僕は、全部だとは言いませんが、そういうことを喜ぶ人は、二、三割は地方ではもう常識ですね。
 だから、そういうものを打破していくためにも、公的助成というのは、これはどこが絶対いいという金額はないと思うのですが、しかし、今提案されている範囲内では、国民は、そのお金を正しく使ってもらいたいということで、また政党がそれをいいかげんな運用をしてもらいたくない、こういうふうに思っていると思います。
 最後に、地方の選挙ですが、私は、選挙そのものを全部公営化すべきだと思うのですね。ポスターについてはこう、宣伝カーについてはこう、政見発表の場があればこういうふうにするというふうに、全部公営化の道へ持っていけば、地方政党を――あえて言えば、地方政党も認めてもらわなければ、地方では実際困る面が出てくると思うのです。地方政党を認めた上で、それで党にお金をやるより、選挙そのものを公営化するということで正常化していくべきだ、こういうふうに思います。
 あと、どうも時間がぎりぎりになったようなので、結論のところを簡単に申し上げたいと思います。
 私は、幾らどんな制度をつくろうと、まず選挙をやっている候補者の自覚の問題、これがまず第一番目だと思います。自覚のない、裏をかこうなどと思う選挙をやっている限り、幾ら制度を直そうと、こんなものどうにもならないのではないかというふうに思う。
 しかし、候補者が何で自覚を持てないかというと、先ほど言いましたように国民側にも、まあ二、三割だか、はっきり統計をとったわけではありませんから無責任な数字は申し上げませんが、国民側にも選挙というものを、政治をどういうふうにするのかという自覚が足りない人がいる。これが問題で、最後に申し上げたいのは、きょうはマスコミの方も来ていらっしゃるというので、私も実はここまではるばる遠くから来てみたのです、私が一番遠かったようですが。
 それは、選挙報道に対して、マスコミが正しく報道しない。もう何か予想みたいな記事がはんらんする。それで、それがまた左右するのですね。選挙事務所に行ったら活発だなんて。活発だというのは、お金をたくさん使って人をたくさん雇えば活発になるに決まっているのですから。正しくやる人を評価しない。これは私は、日本のマスコミがまだまだ政治に大した見識がないというふうに思っておりまして、はっきり言いますが、選挙に携わる人、国民、マスコミ、この三つがはっきりと目覚めない限り、選挙制度なんて幾らいじってみてもどうにもなるものではないと思います。
 しかし、そう言っていてもなりませんから、今回は比例区が入るというのは、私は評価できると思うのです。というのは、今日本の国は、選挙運動に毎日タッチしなくても、国のためにやれる国会議員を出さなければ、世界のトップにランクされてきたこの経済を保つような日本の外交をやっていけないと思います。
 そういう意味で、私はこの法案が一日も早く通って、それで立派な見識を持った人が日本の外交に携わって、日本の今の不況というのは外交と大きく関連しているわけでありますから、国内だけの不況だとは思っていただきたくないということを申し上げまして、私の意見の陳述としたいと思います。
 以上でごさいます。
#17
○石井座長 どうも忌憚のない御意見を、早川先生、ありがとうございました。
 次に、楢岡貞龍君にお願いいたします。
#18
○楢岡貞龍君 それでは、私から申し上げさせていただきます。
 初めに、陳述をする前に申し上げておきたいと思いますが、去る十一月二日の毎日新聞に報道されましたところによりますと、十一月一日の日に、政治改革関連法案の修正交渉の際に、自民党の森幹事長が「政治改革は地方政治に大きな影響を与える。中央・地方公聴会が八日から始まる前に修正話をするのは公聴会を軽くみることになる」というふうに述べたのに対して、園田さきがけ日本新党代表幹事は「公聴会は形式的な問題で、法案の問題点は浮き彫りにされている。十二日までの合意を目指す」と、早期交渉の開始を求めたと報道しております。
 もしこれが事実であるとすれば、まことに心外な言動であって、独善と選挙民を愚弄する言動である。こういう態度でいわゆる公聴会を開くというようなことに一体何の意味があるのかということを、私はまずもって提言をいたしたいと思うのです。
 ゆえに私は、これから私が申し上げる意見は、決して形式的な意見でもなければ思いつき的な陳述でもないということを、まず委員の方々に御理解をお願いしたい、そういう前提でこれからお話を申し上げたいと存じます。
 時間がありませんので、私は、主に自分の関係しております地方の立場から現在の問題についての陳述を申し上げたいと思います。
 まず、今回の公職選挙法の一部を改正する法律案及び関連する法律案は、主に選ばれる側、すなわち衆議院議員の立場からのみ多く議論をされておりまして、選ぶ側、国民の方からの議論というものが余りなされていない。依然としていわゆる永田町の理論、考え方によってこういう議論がなされ、進行されておるというところにいろいろの問題点があると思うのです。
 現に、大部分の選挙民あるいは国民は、小選挙区並立制というのは一体どういうことなのか、それができれば自分たちが今まで投票しておった候補者がどうなるのかというようなことを、ほとんどの選挙民は知らないで新聞を読み、テレビを聞いているのです。こういうところに、私は、この選挙を議論する今までの運び方に非常に大きな疑問を持っておるものであります。
 私は、地方議会、地方議員の立場から、民主主義の原点というものは地方政治にあるというふうに考えております。そういう意味から、今回の改正案の中に、地方議会に対する配慮がほとんどなされていない。地方議員の政治資金というものは一体どのように調達をするのか。
 今もいろいろ話をされましたが、選挙には金が要ります。国会議員の選挙についての金の問題はいろいろ議論をされ、いろいろやられておりますけれども、地方議員は金を使わないで選挙をやっているわけではありません。しかも、そういう国政を支えておる地方議会あるいは地方政治というものは、私は一番民主主義の根幹というものにかかわっておると思うのです。その地方議員に対する選挙の資金というものは、一体どういう方向に進んでいくかという議論がほとんどなされておらない。
 しかも政府案では、政治資金規正法の一部を改正する法律案の中で、企業・団体献金を受けることができるのは政党だけであるというふうに限定をしております。しかも、それは国会議員を有する政党にだけ認めている。なぜ地方議員というものを認めることができないのか。国会議員だけが、一体政党を構成するあるいは政治集団を構成する政治家であるという理論であるのか。
 こういう意味からしますと、地方分権の強化などといいながら、地方軽視の措置であるということを私たちは地方の立場から感じざるを得ない。現に、知事であるとかあるいは市町村長、県会議員、市町村議員の中には、無所属で政党助成を受けられないという方々がたくさん出てまいります。しかも、地方においては個人献金の気風の浸透していない状況が現状でありますから、これらの地方自治体の首長、地方議員の政治活動費はどのように賄っていくのかということを、現在の段階においてやはり明確にしなければならないというふうに考えております。
 さらに、この件に関しての公費助成の問題でありますけれども、国民一人当たり三百五十円、総額約四百十四億円と一応政府の積算根拠を示しておりますけれども、これとても導入論が先行して、納得のいく説明が非常に乏しいのです。初めは六百何十億という数字を出しました。それが多いということで四百十四億円。何でこれが一体四百十四億円であるのか。三百三十五円という国民一人当たりの数字というものは何であるのかということが、納得のいく説明が非常に乏しい。
 しかも、この積算は、現在の政府・与党が、弊害ばかりが多い、金がかかると言って厳正に批判をした中選挙区制における現在までの経費を基礎にして算出をしておるわけです。私は、このことに矛盾があると思います。中選挙区制においては大変に金がかかるから、それを改正しなければならないと言いながら、中選挙区制においてかかった経費を基礎にして算定をしておる、一体これはどういうことであるのか。同時にまた、金権体質であると批判をしておる自民党案よりも、政府案がはるかに金額が多いということ、このこともまた一体どういう正当性があるのか、国民が納得のいく説明が非常に乏しいと思うのです。
 また、先ほども申し述べましたが、無所属議員は対象にならないということは、私は政党人でありますけれども、一体これが憲法で定める法のもとの平等という観点から問題がないのか。しかもそれは、国民の税金というものからこれを支出するということになりますと、私は、この問題は、法のもとに平等であるという民主主義の原点にかかわる問題ではないだろうか。このことについて、もっと国民が納得できる議論と説明というものが必要でなかろうか。
 しかも、本当にこの助成というものが必要であるのかどうかという、国民間の議論がほとんどなされておりません。政党人であるとか、あるいはジャーナリストの中においてはいろいろ議論をされておりますけれども、国民の中において、本当に我々はそういう政党助成というものをやって、政治というものをやらなければならないのかという議論が、もっともっと広範にこれはなされなければならない重大な問題ではないだろうか。
 それから、小選挙区二百五十、比例代表二百五十の並立制についてでありますが、各都道府県に配分される定数は小選挙区の二百五十だけであります、この案からいきますと。これは実質的には各都道府県の衆議院の定数の大幅削減に通じます。特に私のように、秋田県というような人口減少県の地方からしますと、国会議員が大幅に減るということは、これは地方分権が現実のものになっていない現状においては大変大きな政治課題である。
 地域の声を代表する議員の削減ということは、これは県民ひとしく、そういう方法はやってもらいたくない、こういう気持ちが地方にはたくさんあると思いますし、こういう方法をどこまでもやっていけば、今政府が言っておる地方重視というのとは逆に、人口が多い都市の政治家だけが多くなってしまう。地方を代表する政治家の数は少なくなって、その声が小さくなっていくということになっていかないか。
 したがって、政府案が比例代表の名簿を全国単位としておる点について、私は、そういう意味を補完する意味においても、ぜひともこの比例代表を都道府県単位に改めてもらいたい。そして、少なくとも衆議院議員の都道府県における定数の確保に努めるべきではないだろうか、そういう配慮をするべきではないだろうかというふうに考えるものでございます。
 同時にまた、現在参議院議員があるということは、地方区と全国区の選挙の現状を見ますと、衆議院議員は私たちが一人一人に対して投票をする、参議院は地方区と全国区があるというその選挙の方法の違いによって、国民は二院制というものを、参議院と衆議院というものの存在を認めていると思うのです。
 これが、選挙の方法が同じで、衆議院議員も全国区、参議院も全国区、そして地方区、そして小選挙区、これでは一体二院制の意義というものは、審議の過程は別にしまして、存在のあり方として、いわゆる参議院不必要論というものが出てくるおそれがある。そんなことでやるのであれば、衆議院一院制でいいじゃないかと。二院制の方向というものを考えた場合に、私は、参議院とは違う形においてやはり衆議院の選挙というものはやられなければならないのではないだろうか。
 そういう意味において、今回の改正案の中で、参議院の選挙のあり方は一体どうなるのか、これも議論がなされておりません。当然、これは国会の問題でございますから、衆議院のあり方と参議院のあり方を並行して議論し、これを国民に対して提示をしなければならない問題ではないだろうかというふうに考えるわけであります。
 次に、二票制の問題でありますけれども、参議院にはその二院制の意義の発揮のために、選挙区と全国比例代表の二票制の投票を行っておりますけれども、衆議院は候補者とその所属する政党が一体と見るべきである、私はそういう選挙が国民はわかりやすいと思うのです。なぜか。それは政策本位、政党中心、政権選択という衆議院の理念からも、一票制というものが私は正しいあり方では、正しいと言っていいかわかりませんが、一票制の方がいいのではないだろうか。候補者と所属政党を一目で確かめられる投票。
 しかし、無所属候補者に投じる者は政党に投票できないから、法のもとにおいては平等に反するという意見があります。これも私は一理があると思いますけれども、しかし、すべての有権者に一票は完全に平等に保障されておるわけでありますから、それを政党所属候補者に入れるか無所属候補者に入れるかというのは、これは有権者の全くの自由であります。
 もし一票制が法のもとの平等に反するという議論があるとすれば、これは三%をとらなければその中においてあれを認めないという、そういうことは一体どう関連を持っていくのか。ある人が算定をした数字によりますと、三%有効投票を持たなければ切り捨てるということになりますと、二百万票の票が死ぬという計算をしておる方もおるようでございますが、そういうことを考えますと、私はやはり二票制より一票制の方がいいのではないだろうかなというふうに考えるわけでございます。
 いろいろ申し上げましたけれども、政府は早期成立に向かって、場合によっては強行採決も辞さないというような言動が報道されておりますけれども、これは多分、細川総理が年内に成立をしなければ政治的責任をとるという、そういう言動に起因しておると思います。しかし、少なくとも政治改革というものは、今後、将来における我が国の民主主義の根幹と国の命運を決する重大な政治課題であります。一内閣の命運の消長を基準にして論ずべき問題ではない。これはあくまでも国民が納得をし、選挙民が理解をした上において、こういう問題はタイミングを見て発動をすべきであるというふうに考えますので、慎重に、しかも大胆に対応すべきであるというふうに私は考えるものであります。
 以上、終わります。
#19
○石井座長 ありがとうございました。
 次に、阿部孝一君にお願い申し上げます。
#20
○阿部孝一君 それでは申し上げます。
 長い間の不況が全くその出口も見せない今日、さらに追い打ちをかけるように、百年に一度あるかないかと言われるような冷害による農作物の被害が、まさに全国的な規模でその結果を見たわけであります。
 ことし、この冷害対策に、我々地方自治体におきましてはどうすればいいかというようなことで、農民の立場に立ちまして狂奔いたしまして、私、先ほど御紹介ありましたように商工会の理事という資格で出ておりますが、私自身も地方議会の議長をやっております。そういう立場から、地方の二万一千の小さな町でありますけれども、冷害対策の特別委員会というのをいち早くつくりまして、これらの被害農家というものをどうするかということにまさに狂奔して今日に至りました。
 その窮状を訴えるためには、やはり中央に訴えるしか手だてがなかったわけであります。県当局、県議会にも陳情はいたしましたけれども、やはり中央、農林省、農林大臣に訴えるという従来の手法を私どももとりました。国の出先機関がもっと積極的に地方の住民に接して救済措置をするという、基本的なものすら一切権限が与えられていない現段階においては、やむを得なかった措置ではあろうと思いますけれども、一地方の行政及び議会の代表などがすべて中央に陳情しなければならないということは、やはりおかしい、悲しい現実であろうかと思います。
 この意味から、政治改革はやはり、イコール地方分権の確立が伴わなければ効果はないと思います。補助金、許認可権限が地方を統制する最大の武器であると言われておりますが、これまでの考え方を改めることと並行して政治改革は進めるべきであります。
 このように考えるとき、今までの中選挙区制度がこのような中央依存型の体質をつくってきたということであります。現職の国会議員にとって、補助金は本人と選挙区をつなぐ重要なパイプであり、利益誘導型の政治は、地元サービスに明け暮れ、同一区内に同じ政党同士、現役が二ないし三、あるいはそれ以上共存いたしながら、個々のスタイルでサービスに勝った者だけが次の選挙で生き残ってきた、こういうシステムです。
 そこには国の政策を離れた個利個略だけが生まれ、このサービス合戦を支えるための資金力が物を言う、一党支配の堕落が今日の政治腐敗を生んだものと思います。幾たびか警鐘を乱打されながらも、ついにその深淵から立ち上がることができなかった。その政治スキャンダルが、ついに金丸さんの金の延べ棒というふうな蓄財にまで及んでは、何をか言わんやであります。
 かく言う私は、自民党立党以来、先ほど申し上げました二万一千の田舎町にありまして、情熱をかけまして、大げさに言うなら私の生涯をかけまして、自民党支部を結党すると同時に、当初から私は田舎町の幹事長を務めて、三十八年に及んだ経験からこれを主張しているわけであります。
 政治改革が叫ばれ、これしかないというような考え方から、選挙制度の改革に着手してから五年、海部、宮澤の二つの内閣がつぶれました。百十数時間を超える審議を重ねてきたこの法案は、できるだけ速やかにこれを成立させなかったならば、国民の失望は目に余るばかりでなく、全くの救いがたい状態になると思われます。国民のこのいらいらと不安を一掃して、次の不況対策あるいは規制緩和、地方分権の確立のためにも、一日も早く、どんな形でも私は最終的にはいいと思います、各党歩み寄りまして、成立を急いでもらいたいと思います。
 次に、定数の問題でありますが、二百五十名対二百五十名というのは私は妥当と思います。人物ですか、人と政党をほどよいバランスで選べるために同数がよいと思っております。歩み寄りとは申せ、足して二で割る方式はいかにも古い時代の政治感覚のような気がしてなりません。
 そして、比例選はやはり全国規模がいいというのは、これは地方の実情によっては、本音を申し上げますけれども、今までのしがらみからなかなか、特に有力な県会議員等を抱えておる、これはどこも全国的にそうだと思いますけれども、今までの十年、二十年あるいはそれ以上続いてまいりました人情というものから脱却し得ないというふうなところが、もう一、二回ぐらいやればあるいは世の中がだんだん変わってくるかもしれませんけれども、今すぐそういうわけにはまいりませんので、都道府県単位というのは何となく今までの考え方、自民党がかつて一党支配をしておったときの考え方がそのまま、党利党略みたいな感じが私いたしますので、やはりこれは全国的な規模で比例選は行われるべきだ。
 ただし、それでは参議院と同じじゃないかという批判もありますけれども、私は、まず衆議院のこの選挙制度改革を通す、その後で参議院を考えていいんじゃないか。というのは、参議院不要論さえも、これは去年、ことしから始まったものではありません。大分前からそういうふうな問題等も含めまして、参議院改革に関してはもう一つ別の角度から、それこそ国民不在でない、時間をもう一度別にかけてやってもらってもいいのじゃないかと思います。
 次に、政党助成について申し上げますが、岩國哲人出雲市長が申しましたように、コーヒー一杯の値段ならいいのじゃないかという、三百五十円ですか、三百三十円ですか。ただし、コーヒー一杯三百五十円が高いというなら、二百五十円という自民党案もあるようですが、この点は、私は専門家でもありませんし、田舎者で、酒は飲みますけれどもコーヒーは余り飲む方じゃないから、二百五十円のコーヒーが高いか三百五十円は過ぎるのか、そこら辺はわかりませんので、それは学識経験者等にお任せしますけれども、政党の公費助成は全く賛成であります。
 反対論の中には、今生まれたばかりの赤ん坊までが負担しなければならないというふうな意味で、おかしいんじゃないかというふうな反対があります。これは一つの基準なわけでありまして、そういうまさに重箱の隅をほじくるといいますか、このような議論は単なる理屈にすぎないのじゃないかと思います。ちなみに、こういうことを改革というのだと思います。
 そのかわり、企業・団体献金は、政党助成がきっちりでき上がった場合には私はやめるべきだと思います。その方が腐敗の温床を断ち切る一番の近道、一番国民にわかりやすい姿ではなかろうか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
 また、地方議員の場合、政党助成の問題で、市会議員の方もあるいは必要かもしれませんが、県議会のあたりまではひとつ考えてもらいたいし、そうなるのではなかろうかと思いますけれども、私ども町村議員なんというのは、正直申しまして、特別な方もたまにはおりますけれども、全部仕事を持っております。そして、歳費ももらっておりますし、一応地方議員にまで公平にというふうなことは考えなくてもいいが、ただ、その考えは十人十色でありますので、我々地方議員をどうするのだという、それならば選挙公営、こういうのもいいでしょうし、別の方法を考えてもいいのではないかと思います。
 ちなみに、秋田県の千八十五名の町村会議員の段階で、今社会党公認が二十一名です。公明党二十一、共産党五十四名、無所属九百九十一名であります。私は今四期目でありますけれども、一期目のときから、お隣の楢岡幹事長御承知のように、自民党の公認候補として町議会に立候補してきたただ一人の人間であります。
 それほど地方の議員というのは、何となく政党というものを敬遠するというか、政党色がないというふうなことを言いますが、私自身はそうは思っておりません。思想信条というものをきちっとした場合には、地方末端の議員といえどもやはり政党に所属していいと思います。社会党、共産党の議員を見ればわかるとおりでありますが、どうしても保守系無所属というふうなのが圧倒的に多いというのはいかがなものかと思います。
 特に、首長選等におきましては、知事選挙の場合なども、一党一派に偏せず私は云々というふうなことを言っておりますが、しからば一党一派、政党に所属しておるということは悪であろうか、ここら辺もこれからの新しい二十一世紀の政治を考えるときに、我々自身も反省しなければならないし、地方議員等から見て、中央、国会議員だけが公費助成は不公平じゃないかなどというのは理屈のための理屈であって、私はこれはきれいにするためにもやってもらいたいなと思いますと同時に、地方議会も系列化されてもいいんじゃないか。まさに私は、その人の政治信条に帰属するものであると思います。
 次に、戸別訪問でありますが、全く私は解禁した方がいいと思います。憲法で保障する表現の自由という立場からも、積極的に支持したいと思います。候補者本人の政党及び政策、また本人自身をアピールするためにも、戸別訪問というのは大変大事だと思います。戸別訪問は、時間制限なども設ける必要はなく、ぜひ自由にしてもらいたいと思います。
 ただし、夜中あるいは嫌なうちを訪ねるか訪ねないかは、その候補者あるいは運動員の良識なわけです。嫌われるために訪問するばかはいないはずです。何でも規制するというふうな、今規制緩和の問題いろいろ経済界で言われておりますが、私はしない方がいいと思う。そして、自由なる良識といいますか、それにゆだねて、私は、戸別訪問全面解禁を叫ぶのが、選挙そのものを、今までは選挙というと何か悪いことをするというふうなイメージ、こういうものを払拭し、公明正大に、肌で感ずる本当の政治を行うためにも私は必要だろうかと思います。
 最後に、区割りの問題ですが、国民の目から見ておかしくない有権者の数といいますか、これをきちんとやってもらいたいと思います。
 例えば秋田県の場合でありますけれども、今一区、二区、これが三区に分かれるというふうに新聞報道等でなされておりますが、その場合、一区が約三十九万、二区が秋田、河辺を含めて三十一万、その差八、九万あります。それから、現在の第二区が三区になりまして、これは四十九万になります。ちょっとおかしいんじゃないかと思います。一区が三十九万、二区が三十一万、そして第三区が四十九万。これは、第三区の方から有力な市郡というものを一区にくっつけるというふうな極めてわかりやすい区割りを示してもらいたい。これが、これからのわかりやすい政治の要諦ではなかろうかと私は思います。
 以上、要するに時代の要求に応じた改革を速やかに、かつ個利個略でない、これは今までなじんだ選挙区を離れる方もおるかもしれませんが、やはり変革というものはそういうものであるということに徹しまして、各党妥協もやむを得ないと思いますけれども、歩み寄って速やかに成立し、国民を失望させないようにしていただきたい、このことを強く主張いたします。
 終わります。
#21
○石井座長 まことに率直な意見、ありがとうございました。
 次に、佐藤正春君にお願い申し上げます。
#22
○佐藤正春君 自民党の佐藤正春でございます。
 自民党もいろいろな御意見がございまして、これが自民党の大変いいところでございます。私は、重複する点を避けながら申し上げたいと思っております。
 まず、国民の支持率が七〇%を超えようとしているところの細川政権に対しまして敬意を払いながら、さらにまた、今次政治改革に大いに御期待を申し上げたい、こう思っているわけでございます。
 しかしながら、今国民が期待し求められていることは本当は何だろう、何を求められているのだろう。これは景気対策でございます。さらに、我々東北にとっては、冷害対策であり、米の自由化を阻止し日本の農業を守る、このことが一番求められているわけでございます。久保田経企庁長官は、昨日の月例経済報告閣僚会議で、景気の底入れ宣言を事実上撤回いたしております。このことは大変に重要なことでございまして、本日御来席の国会議員の皆さんにぜひこのことをお訴え申し上げる次第でございます。
 そこで、政治改革でございますが、原点は何であるか、原点は何だ。自民党の長期政権から生まれたいわゆる政財官の癒着であり、今また大変話題になっているところのゼネコン汚職に見られる政治の腐敗でございます。これはマスコミ、学者、いずれの世論調査を見てもわかるとおりでございますが、国民が一番望んでいることは政治改革ではございません。腐敗の防止であります。政治家の汚職追放なのでございます。
 しかるに、今や定数のみが先行し、区割りがひとり歩きしているのが現状でございます。ましてや、公費助成など国民が納得するわけがございません。腐った政治家や嫌いな政党にだれが国民の税金を出すものでしょうか。私は、まず厳しい罰則を伴った腐敗防止法を早急につくるべきである、こう思っている次第でございます。
 公費助成は、ただいまの公述人も申し上げましたが、四百十四億円を単純に計算いたしますと、議員一人当たり約五千五百万円の助成が受けられるわけでございます。助成の要件であるところの議員五人以上そろえば新党の結成がなされるわけでございまして、いわゆる今いろいろと新党の結成論が言われているわけでございます。これは小党が乱立する可能性というものが将来考えられるわけでございます。
 さらにまた、汚職事件後に導入されましたフランス、イタリアではその後もスキャンダルが絶えない、こういう事実を見るときに、果たしていかがなものでございましょうか。あるいは、今次の公費の助成というものにあぐらをかいたこれからの議員というものが出てくるならば、私は日本の将来、日本の政治に一抹の不安を感ずるものでございます。
 時間に制限がございますので、私は、小選挙区の区割りと政治資金規制、二点についてひとつ述べてみたいと思っております。
 去る十一月二日、細川連立政権は、自民党との折衝に当たって修正五項目を設定したところ、自民党は二十一項目あり、意見が出されたと報じられております。これに対しまして細川総理は、泥をかぶっても成立させたいとの決意、このように仄聞をいたしておりますが、これは、泥をかぶるならいいでしょうが、泥に埋まってしまったらどうなるのでしょうか。これではせっかくの政治改革も成立不可能でございます。
 まず、定数の配分でございますが、二百五十と二百五十、各都道府県に配分される定数は実質は二百五十ということになります。マスコミ等の報道によりますと、二百五十の小選挙区になれば、私は岩手県でございますが、岩手県は三でございます。三百となれば四となります。
 御承知のとおり、岩手県の衆議院議員の定数はこれまで八人ございました。昨年末の緊急是正で一人減員になりまして、現在七人となっております。これが政府案の二百五十となりますと三人になるわけですね。そうしますと、今までの半分以下、かつて八人いたところが半分以下、こういうことに相なるわけでございまして、こうなりますと、県内有権者の政治参加意欲を阻害するとともに、いわゆる岩手県は四国四県に匹敵する、こう言われている広大な県土を持っております。
 御案内のとおり、県北、沿岸、中央それぞれみんな違うのです。山林、漁業、農業、それらの代表が皆、今までいたわけでございます。それがなくなることによりまして、民意が反映されない。いわば小選挙区こそが民意を反映できる唯一のものである、こういうふうに確信をいたしておる次第でございます。したがいまして、私の岩手県では、最低でも四以上なければならない、こういうふうに考えているものでございます。
 次に、政治資金規制の問題でございます。先ほど、最初の早川先生からは、企業献金が何か汚い、何か悪者だというようなお感じの御発言がございました。私は決してそうは思っていない。つまり、適法な献金、透明性のある献金は民主主義の正当なコストとして、また国民の政治参加の手段としてこれは当然でございます。
 私どもも県会議員をやっておりまして、町内あるいは隣近所の中小企業のおやじさん、商店街のだんなども、一応皆会社になっているわけでございます。そういうところからもいただいております。でありますから、いわゆる今の大手ゼネコンの、毎日報ぜられるようなあのような状態と全く違うわけでございます。そういう点も感じていかなけれはいけない、こう思っているわけでございます。
 そういう点は、逆に、今問題になっている裏献金あるいは非合法献金に対しては罰則を厳しくしていく。なぜこれを国会においてやらないかわからない。罰則を厳しくいたしまして、追徴課税あるいは公民権制裁などでいわゆる腐敗防止法、わかりやすく言えば、ちょっと言葉が悪いのですが、政治的な死刑を与えたらいかがですか。そうすればやりませんよ、二度と出られないんだから。私はそうすべきである、こう思っているわけでございます。
 次に、政治献金と地方政治家、いわば市町村議員の立場について申し上げます。
 岩手県の市町村議員の総定数は、一千三百十二人でございます。そのうち、無所属議員は全体の八六%を占めております。政党所属はたったの一四%でございます。平成四年十二月の末に、選管において私が調べてきたところによりますと、県内の市町村議員の所属政党は、自民党はゼロでございます。社会党は六十九、五・三%、公明党は二十四、一・八%、民社党が十三、一・〇%、共産党が六十、四・六%、無所属が一千百二十九、八六%でございます。以上が私ども岩手県の現在の政党所属の状況でございます。
 また、知事、市町村長は、岩手県は自治体が六十ございますが、その中でたったの一人だけが、宮古の市長でございますが、自民党籍で先般出馬いたしまして、私どもの同僚でございますが、当選いたしております。たった一人です、政党所属は。
 これらの圧倒的な多数の無所属議員の政治資金ルートは、政府案では個人献金ルートに限定されていることは、これは何の根拠であるか。先ほども出ましたが、私はこれは全く国会議員と地方議員の差別のほかに何もない、こう思っているわけでございます。今日、地方分権が叫ばれ、民主主義のサンプルと言われている地方自治を担う地方政治家、議員に、個人献金以外にも何か政治資金のルートを与えなければ公平というものを欠くものではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
 さらに、以上の状況から見ますと、公費の助成、この問題につきましては、いわゆる今審議されている政治改革と切り離して、ひとつ時間をかけて、きょうは公聴会をやっているわけでございますが、切り離してもう少し時間をかけてやらないと、私は国民が納得しないのではないかと思うんです。国会議員も地方議員も一緒くたになってやってしまって、政党助成が受けられないこれからの地方議員の活動というのはどういうふうにするのか、これは国民が納得しない。そういう点も含めまして、もう少しこの点については別途時間をかけてやるべきである、このように思っている次第でございます。
 いずれにいたしましても、我が党といたしまして政治改革は課題でございます。どうかひとつ国会においても大いに論議をしていただきまして、これを促進し、さらにまた早く御決定いただくようにお願いいたしまして、私の陳述を終わります。
 以上です。
#23
○石井座長 地方の立場より率直な御意見、ありがとうございました。
 次に、照井清司君にお願い申し上げます。
#24
○照井清司君 それでは、意見を述べさせていただきます。
 私は、先ほど御紹介にもありましたとおり、現在、秋田市で主に秋田市の都市問題についての勉強をしております。したがいまして、これまで意見を述べられたいわば政治のベテランの方々とは少し違う立場から、今回の一連の政治改革関連法案について意見を述べさせていただきます。
 まず、私は、これまで積もりに積もった国民の政治に対する不信感をぬぐい去ることが現下の政治課題であるというふうに思います。きょう、秋田にわざわざお見えになられた議員の方々も、もちろん当然の思いだと思います。したがいまして、今回の政治改革法案を一日も早く成立させることがぜひとも必要であります。このためには、与野党が最大限の歩み寄りをして、極端に言えば、試行錯誤の形ででも新しい制度をスタートさせることが肝要だというふうに思います。
 国民が願っているのは、政治改革だけではないわけです。日本の社会を生活者重視の社会に変えるためには、行政改革も必要ですし、先ほど来お話がありますように、地方制度の改革、地方分権を進めることも必要なわけであります。ただ、行政改革、また地方制度改革というのは、国民が直接に関与できるわけではありません。審議会とか国会の場とか、あるいはいろんな場がありますけれども、多くの国民は直接に関与ができないわけであります。
 そういう意味では、国民から直接に選ばれた国会議員の方々が政治改革を速やかに進めていただく、それが国民の政治に対する信頼回復の最大のチャンスではないかというふうに思うわけです。この機会を逃さずに、一刻も早く国民の期待にこたえていただくことを強く要望いたしたいと思います。
 なぜ一刻も早くでなければならないのかと申しますと、今、佐藤正春先生の方からもお話がございましたように、現在の景気の状態というのは非常に深刻でございます。その景気の深刻さをぬぐう、払うという意味からも、政治改革を進めることが有効だと思うわけであります。
 政治改革というのはもちろん経済政策の手段ではないわけですが、バブル経済崩壊後の景気後退がこれほど長引いているというのは、円高でありますとか、あるいは民需の減退というような経済的要因が主なんですけれども、国民の多くが現在感じているのは、バブルの時代の経験からいえば、急激な経済成長というものを、むしろ倫理的に考えて、今余り好ましくないという感じになっているのではないかと私は思うわけです。
 過去を振り返ってみますと、戦争直後を除けば、日本経済にとって戦後最大の不況と言われたのは昭和四十八年秋の石油ショックでございます。石油ショックのときには全治三年というふうに言われました。そのとおり、国民の省エネルギー努力ですとか企業の必死の対応で、全治三年という形で克服されたわけです。
 しかし、今回の景気後退、まあ不況と言っていいと思いますが、これは企業の方はともかく、国民は割とさめたムードでその回復を見ているというふうに私は思うわけです。そういう雰囲気の中では、経済的な政策手段または財政的な政策手段だけではなかなか景気は回復しないのではないかというふうに思うわけです。今回の政治改革法案が成立いたしますと、国民は経済的にも長いトンネルを抜けたような気分、心理、マインドというものになるのではないかというふうに私は感じるわけです。
 それでは、幾つかの論点について、今まで皆様方からございましたけれども、私の意見を申し上げたいと思います。
 第一番目は、並立制と二票制についてであります。
 民意の集約と反映ということが非常に今回議論になっておるわけですけれども、そのいずれに重点を置くべきかというのは、新しい制度であるだけになかなか決着がつかない問題だというふうに思うわけです。としますと、ここはバランスのよい小選挙区、比例代表各二百五十の政府案にするのが妥当であると思います。また、二票制にするか一票制にするかは、小政党への配慮をして、民意を反映しようとする二票制にすべきであるというふうに思います。
 第二点目は、企業・団体献金についてであります。
 先ほど早川先生からもお話がございましたように、政治家に対して企業が献金をする場合、すぐにはともかく、いつかは何らかの見返りを期待しないはずはないと思うのが庶民感情であります。企業の中には、業界団体に属しているというような事情で、仕方なくやっているケースもあるだろうというふうに思うわけです。こういう状態を打破して改革するためには、やはり政治家個人への企業献金というのは全面的に禁止をするという案の方が、国民へのわかりやすさという点ですぐれているというふうに思います。
 そのかわり、個人からの献金はもっともっと奨励されてしかるべきであります。もちろん、個人の方でもその政治家に対して何らかの対価を期待する人はいるでしょうけれども、多くの場合には、その政治家の主義、主張に賛同するとか、あるいは自分の意見を代弁してくれるからというような比較的、単純というのは失礼ですけれども、そう経済的な理由からでなく献金をする場合が多いように思うわけです。
 第三点は、政党への公費助成についてであります。
 この問題は、今申し上げた政治家個人への企業・団体献金の禁止というものと裏腹の関係にあると私は思います。政治活動の経費負担に公的な助成を導入して、その使途を国民に公開するということで、政治と政治資金との関係を透明なものに変えることは、ヨーロッパの多くの国々やカナダでも採用されている制度であります。いわば民主主義のコストとして、多くの国民がその負担に納得しているのだろうというふうに思うわけです。
 ただ、公費助成を導入する以上は、国会議員の定数是正にもっと努力をしなければ、その後の行政改革というものもなかなか進まないように思いますので、その点は留意していただきたいというふうに思います。
 第四は、戸別訪問についてであります。
 これについては、ややとっぴな意見でありますけれども、私は、小選挙区制が定着しますと、議員の方々の住宅選択というものが変わってくるのではないかと思います。東京の豪邸か高級マンションに住んでいる人というのが国会議員に対する庶民のイメージであるわけですけれども、小選挙区制になれば地域主義、住民主義というものがもう少し重視されると思うわけです。
 そうしますと、その地区内の住宅に少なくとも土、日は定住するという形になってくるのではないだろうか。とすれば、やはり隣近所との関係というものは非常に重要になってきますし、隣近所が重要になれば戸別に訪問する、伺うということが常識的なわけです。したがって、戸別訪問には先ほど来幾つかの問題点はあると思いますけれども、私は解禁すべきものというふうに考えます。
 第五は、比例代表の選出単位についてであります。
 この点については私は、政府案よりは自民党案の方がすぐれているというふうに感じております。なぜならば、比例代表が全国一本から選ばれるということになりますと、地方に住んでいる人間にとってはほとんどなじみのない方々が選ばれてしまうような気がいたします。もちろん、地方に住んでいても知っている人はいるわけですけれども、どうも大方はそうではないかというふうに思います。この点は、都道府県選出でありますとその心配はほとんどないわけです。
 やはり地方に住む人間にとっては、東京あるいは中央に知り合いがいてくれるというだけで信頼感、親しみ、そういうものがわいてきますから、そうでないときはその近寄りがたさというのを非常に感ずるわけでありまして、この点についてはぜひ御理解をいただきたいというふうに思うわけです。
 そうしますと、都道府県単位の比例代表制であれば、地方に住む人間の民意の反映というものがスムーズに行われるというふうに思います。また、小選挙区制による一党独裁の弊害を防ぐという意味でも、やはり都道府県単位で比例代表制をやっていただいた方がよろしいのではないかというふうに感ずるわけであります。
 最後になりますけれども、冒頭に申し上げましたように、国民の願っているのは政治改革だけではないわけです。行政改革も、地方の制度改革も必要なものであるわけです。特に、私ども地方に住む人間にとりましては、国が自己の果たす役割と任務を限定していただいて、各地域で展開される社会資本の整備でありますとか教育、福祉などの生活諸施策を、地方自治体の手で、権限も資金もその地方自治体の手にゆだねていただくという、地方分権の考え方に大きな期待を抱いておるわけです。
 今仮称で出てきておりますけれども、こういう地方分権基本法の制定に向けて本格的な議論を開始させるためにも、ぜひ一刻も早く、その前段であるこの政治改革法案を成立させていただくことを再度お願いいたしまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#25
○石井座長 どうもありがとうございました。
 最後に、芳賀一太君にお願い申し上げます。
#26
○芳賀一太君 福島県の芳賀一太でございます。
 最後に意見を述べさせていただきますが、まず最初に、地方の声を聞くこういう機会をつくっていただいたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
 それぞれの立場から今意見が述べられたわけでありますけれども、いろいろ重複する点もございますが、私なりの立場で意見を申し上げたいと思います。
 まず、その前に、私は昭和四十年代から五十年代の初めまで、自民党の代議士の秘書として国会で約十年ほど働かせていただきました。また、地方の県会に出させていただいて三期十一年目になったわけでありますが、そういうみずからの体験を踏まえながら意見を述べたいと思います。
 代議士の秘書をしておりましたときには、福島県の二区は定数五人に自民党が五人当選をしておった時代でありまして、中選挙区のすさまじい同士打ちの姿を身をもって体験をさせていただきました。何とか政策本位の選挙や政治ができないものだろうか、政治や選挙にお金のかからない方法はないものだろうかというようなことを、秘書同士でお互いに、ライバルの代議士の秘書とも話し合いながら過ごしてきたわけであります。
 自民党が、三十八年間、いろいろなことがありましたけれども、とにかく政権をずっと維持し続けてこられたその背景は、やはり日本の中選挙区の制度、これが大きな功を奏しておったのではないかというふうに感じられます。よほどのことがない限り、中選挙区の制度が続く限り、政権交代は行われない。
 今回は、相次ぐ不祥事件があって、国民の政治に対する不信というものがかつてない高まりを見せた時期でありますし、また、それが自民党の長期支配に対する一つのうみとして、これに自民党の中からも大きな批判があって今度の政権交代が行われた。小選挙区の方が政権交代が可能だ、中選挙区は可能でない、いろいろな意見がありますけれども、私は、中選挙区の場合には、今回のような大きな事件がない限り、自民党の中で政権が交代していけばいいわけですから、よほどのことがない限り自民党は永久政権だろうと思います。
 いろいろなことを感じながら地方議会に出させていただきました。福島県は、人口が二百十万、また県土は岩手県に次いで全国で第二位の大きな県土でありまして、多極分散型の県土を有しております。したがいまして、政治に対する住民のニーズというものも多様化しておりまして、これを住民サイドに立って県政に反映させるという、この地方政治は極めて大事なものであるというふうに、身をもって感じているところであります。
 また、私の選挙区、県会議員の選挙区のことをちょっと申し上げたいと思うのですが、栃木県と群馬県と新潟県に県境を有しておりまして、面積だけは神奈川県と同じ面積がございます。定数が二名でずっとやっておりましたが、過疎になりまして、十年ほど前から定数一名になった選挙区であります。私は、定数二名のときにも県会の選挙を経験しましたし、また、定数一名になってからこの十年間、いわば小選挙区の中で県会に選ばれているわけであります。
 そういうことを考えますと、例えば、小選挙区になったから政策本位、あるいはお金のかからない選挙ができるかというと、これは候補者にもよりけりでありますが、必ずしも制度だけでお金がかからなくなったり、政策中心に行われるものではないということを、みずからの体験をもって感ずるわけであります。
 したがって、どんな制度をつくっても、先ほどどなたかおっしゃいましたように、やはり政治に取り組む姿勢、そういうものが基本でありまして、制度だけではどうにもならないというふうに思います。
 また、広大な選挙区の中で、定数一名で議席を維持しようとしますと、大変な日常の政治活動、選挙活動というものが必要とされるわけであります。そういう意味で、国政の場合にも、小選挙区になった場合に、そういったような懸念がいろいろ出てくるのではないかというふうにも思います。
 いずれにいたしましても、伊東正義先生が出た私の地域でありますから、総理を断ってまで政治改革に情熱を燃やした伊東先生の精神を、我々としては、何とかこの政治改革実現という形で生かしたいなというふうに率直に地元としては考えているわけであります。
 五年間議論に議論を重ね、また、かつてない国民の政治不信の中ででき上がったこの改革法案でありますから、与野党ともにその案を拝見させていただきましたが、大筋においてはそんなに違いがない。小選挙区並立制でいこうということなんですから、大筋においては違いがないと思います。
 そういうことで、地方の声もお聞き取りをいただきながら、またさまざまな議論を土台にして、どんなことをしても今国会中にその実現を図っていただきたい。やらなければ与野党ともに国民から見放されてしまう。多少の妥協はやむを得ないと思いますが、大筋においては絶対この議会において通していただきたいということを申し上げたいと思います。
 また、最近の連立政権の中で、例えば小選挙区にして政策中心に選挙をする、公約を掲げて国民から選んでもらう。その後、首班指名を経て内閣ができ上がるわけですけれども、率直な疑問は、各党の皆さんが、選挙のときにそれぞれの党の考え方を公約として国民に示して投票を得たにもかかわらず、その後連立政権ということになると、自分の主張してきた、選挙のときに主張してきた公約と、連立政権の合意のもとにまた違った内容の政策が出てくるということに対しては、これが仮に小選挙区になって政策中心の選挙ということを言っても、果たして、こういう連合政権というものも初めての経験でありますからわかりませんけれども、有権者としては何となく裏切られたような感じがあるのではないでしょうか。
 例えば、今東北では米の自由化反対ということを言ってきておりますけれども、微妙に連立内閣の中でそれが使い分けをされて国会で答弁されるということには、我々はどちらの意見を信じたらいいのか。もう一回、選挙のときに、私どもは当選したらこういう政党の枠組みで政権をつくるのですよということをお示しいただいて、我が党の政策とは違うけれども、連合政権になったらこういうふうに自民党の政治を継承してやりますよということをお示しいただいて連合政権ができるのだったら納得するわけですけれども、非常にその辺があいまいだ。
 ということを考えますと、小選挙区にしても、制度ですから一長一短はあるわけですけれども、多党化していくということには、確かに国民の民意は多様化はしているわけですけれども、やはり政党政治をやっていく場合には大きく二大政党が望ましいのではないか。そして、政権が交代をしていく、緊張感を持って国民のために責任のある政治を断行するということでは、やはり小選挙区に比重を置いた定数の配分が望ましいのではないかというふうに思います。
 したがって、第八次選挙制度審議会の考え方にもありますように、総定数四百七十一というのはおおむね妥当な線ではないか。しかも、小選挙区に比重を置くとすれば、むしろ三百以上の小選挙区をつくるべきでないかというふうに思います。非常にあいまいな形で参議院の選挙が行われているわけですから、そちらで補完していただいて、衆議院はできるだけ小選挙区に力を入れて議席配分をすべきだというふうに思います。
 地方議会は、定数がありますけれども、いずれも一割、二割減の定数で、厳しく定数を削減してやっております。国会だけが許されるものではないということで、総定数四百七十一、小選挙区は三百以上で考えるべきだというふうに思います。
 それから、比例代表選挙の単位でありますが、これはやはり、先ほどどなたかおっしゃいましたように、全国単位では顔の見えない選挙になってしまう。したがって、都道府県ごとに配分をすべきではないかというふうに思います。
 さきの総選挙で福島県を見てみますと、自民党が八人、元自民党が四人、社会党は五議席あったわけですけれどもいずれも惨敗ということで、自民党が八で元自民党が四人という議席配分になっているわけです。これか今度の案ですと、定数が四か五人に分かれてしまいますから、地方の議員が、福島県に所属する議員というものが結果的には削減されていくということになるわけで、やはり比例代表選挙の単位は都道府県ごとにするのが望ましいのではないかというふうに思います。
 それから、投票の一票制か二票制かという問題ですが、これはやはり、小選挙区の本当のねらい、政権交代を可能にする、あるいは一つの政権を責任を持って選択するということを考えますと、投票は一票制が望ましいというふうに思います。
 戸別訪問については、これはなかなか日本の政治、あるいは地方の政治の場合特に言えることですけれども、いきなり戸別訪問を解禁してしまったら大変な混乱が生じる。戸別訪問の弊害の点の方がむしろ強調されてくるのではないかということで、戸別訪問は今までどおり禁止した方がいいというふうに思います。
 それから、小選挙区の区割りでありますが、衆議院でやるか、あるいは総理府でやるというような案になっておりますが、私は、やはり都道府県ごとに第三者機関の区割り委員会みたいなものをつくって、例えば福島県が五という定数であれば、その区割りについては福島県の区割り委員会にお任せするというような方法で決めた方がいいのではないか。ただ町村の人口とかそういうことで機械的に決められますと、歴史的な経過やいろいろさまざまな背景があるわけですから、むしろ都道府県に区割りはお任せした方がすっきりした形が出るのではないかというふうに思います。
 それから、政治資金の関係でありますが、政府案では企業・団体献金を政党に限定しているようでありますけれども、これは先ほどお話があったように、例えば地方議会を構成する議員の八割ないし九割は無所属議員である。これも非常に大事な地方の政治を担っているわけでありまして、地方だからお金がかからない、中央だからお金がかかるということではありませんので、政党に限定をするということはいかがなものかなというふうに感じます。
 それと同時に、国会議員の公費助成の問題ですが、これもどうも、政府案にしても自民党案にしても、この金額に対する根拠がどうも薄い、どうもお手盛りじゃないか。歳費のほかにさらにまた国民の税金からいただく。それで、仮にこの法律が通っても辞退しますという政党もあるわけですから、そうすると、自分が支持しない政党にも例えば税金を差し上げることになるということからしても、公平さに欠けるのではないか。
 これは全く個人的な意見ですけれども、例えば政治に何がしかのコストがかかるということを国民に理解していただけるならば、普通の一般の財源からではなくて、そういう政治資金を拠出するという国民の任意の資金を集めてプールして、その中から政党の頭数とかいろいろな方法によって配分をしていくという方法もあるのではないかと思うのです。国民から助成をするということを法律で決めて、それは要りませんという政党があったら、私は、それではいただきたい政党でみんなで山分けするのかということもおかしな話だと思うので、その辺はやはりもう少し考える余地があるのではないか。
 さらに、そのことに関連して、地方議会に所属する議員の公費助成の問題については明確な文言がないわけですけれども、それはどうするのかという問題ですね。その辺もあわせて検討していただきたいと思います。
 政治腐敗防止については、最も有効的な、最も厳しい法規制をしながら、二度と政治が汚れないような方法を各党間で工夫をしていただければいいのではないかというふうに思います。
 いずれにしても、絶対的な制度というものはないわけで、やはり政治家の政治に取り組む姿勢、モラルの問題が非常に重要だと思います。我々地方議会にいて強く感じるのは、やはり名実ともに地方分権というものを果たしていかないとだめじゃないかと。特に、国会議員の場合にはインターナショナルな、国政に専念をしていただく。地方議会は、道路や橋やいろいろな住民に身近な問題は地方議会が中心になってやっていけるようにしなければだめだ。
 福島県なんかは、百二十年前に戊辰戦争で会津藩が敗れてから、中央には大変冷たくされてきまして、本当に陳情政治というものに、もう何といいますか、依存してきたような地域でありまして、まさに何でもかんでも中央に行かなければ物が解決しないというような今日の状況を打破して、やはり地方重視の地方分権を一層推進していただく。地方のことは地方議員がやる、国政に関する、国の根幹にかかわることは国会議員の皆さんが専念をしていく、そういう役割分担が、今度の政治改革を通じていい方向で確立できないものかなということを切に感じているところであります。
 まとまらない話になりましたが、率直に感想を申し上げて、意見とさせていただきます。
#27
○石井座長 どうもありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
 時間が一時三十二分でございますが、中身のみならず、時間的にも、堅実に時間をお守りいただきまして意見の発表をしていただきましたことを、厚く御礼申し上げたいと思います。
 各委員の質疑を行いたいと存じますが、私から一言だけ申し上げさせていただきますのは、楢岡秋田県連幹事長から、さきがけの代表の地方公聴会に対する御意見がございましたが、この問題は、当委員会の理事会で自民党議員から厳しい御叱正がございまして、私、委員会を代表し御当人の意見を聞きましたところ、御当人は、公聴会は大変重要なものである、しかし同時に、それが終わったらスムーズに議事を進めてもらいたいという意図のことを述べたのであって、公聴会軽視の発言ではないという釈明がございましたので、これは理事会で報告をいたしまして、了承を得たところでございます。
 今回、これまでなかったように十地区にメンバーを派遣いたしまして、ちょうどこの時間にどこかでこれが行われておるということで、全ブロックを網羅して地方の声を聞いております我々の意図を、ひとつお酌み取りいただきたいと思います。
    ―――――――――――――
#28
○石井座長 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笹川堯君。
#29
○笹川委員 出席の皆さん、どうも大変ありがとうございます。
 私どもも、国会で長時間にわたりまして、微力でありますが、一生懸命法案が成立するように最大の努力をいたしております。同時にまた、さきの選挙でもこのことは公約にもなっておりますので、国民の期待にこたえるように一層努力をしてまいりたいと思っております。
 さて、各皆様方からいろいろ御意見を拝聴いたしまして、もっともな御意見もたくさんございましたし、どうもそれは少し違うのじゃないかなということも、実は気がついたこともございますが、なかなかお一人お一人に、別にここは論戦する場ではありませんので、皆さん方の御意見を聞いて、それをまた国会で反映させるのがきょうの目的でございますので、また時間が大変短うございますから、なぜおれに言わせないのだということを言われても困りますから、私の場合は皆さんにお聞きをすることだけを今申し上げて、あと細かいことはまた順次ほかの議員に言っていただきたいと思うのです。
 各議員の皆さんから、地方分権、特に一極集中はなるべくやめた方がいいというのが実は今まで随分意見としてあるわけであります。例えば予算にしましても、東京、あるいは都会で納めた税金が地方へ分散されているわけですね。まさに傾斜配分されております。
 しかし、今度の政治改革の中で、選挙制度の改革ということになりますと、残念ながら議員も一極集中になるわけであります。都会の方が多くなって、地方は減ってくるわけであります。国会で今まで議論したのは、一極集中をやめて地方分権をしようと言っているのに、これでいくと国会議員だけはどうしても一極集中が免れない。このことについてどなたか御意見があればちょっと言っていただけませんか。どなたでも結構です、それがいいとか悪いとかしょうがないとか。
#30
○芳賀一太君 確かに、人口割りで国会議員の定数を決めるということになると、今おっしゃるとおり一極集中になっていくと思うのですね。しかし、我々地方の立場からいつも考えることは、投票率の問題ですね。我が方は大体八五%から九二、三%の投票率で政治に参加しております。東京の場合は、東京と言ってはあれですが、都会の場合は、いずれも投票率が五〇%を切ったりしているわけですね。もういかなる場合でも、最初から政治に参加してないわけです。
 ですから、国会議員の定数を決める場合には、単なる有権者数ではなくて、直近の過去三回の例えば棄権率とか投票率とか、そういうものも勘案してやるべきではないか、全然投票へ行かないのですから。そういう人たちを念頭に置いて議員の定数を配分するというのもいかがなものかなという疑問を持っておりますし、そういうことも勘案しながら、地方、恵まれない地域、政治の恩恵をたくさん受けなければならないところほど議員への期待度が大きいわけですから、そういうところの地方の定数を減らさないように考えるべきではないかなというふうに思います。
#31
○笹川委員 ありがとうございました。
 実は私も、先般政治改革委員会で、どうもこれはおかしい。東京みたいな場合には税金もたくさんあるし、ほとんど都会議員の方で間に合うのだから、特別区にして国会議員を廃止したらどうだ、実はこういう意見も、厳しかったのですが申し上げました。
 と申しますのは、せっかく地方地方と言いながらこれは配慮されないし、東京の方というのは本当に選挙に行かないのですね。しかし、選挙に行かないからと言うと、行かないのも自由なんだ、行かないのは政治に対する批判をあらわしているんだという意見もないわけではありませんので、どうしても一人一人の票の平等化ということになると、一票の格差を縮めようと思うと、そういう不都合なことが起きてくる。しかし、その不都合なことは、法律の上からいくと何か平等のようにも思えるわけでございますので、その辺も我々議員が大変苦労いたしておるということもぜひひとつ御理解いただきたいと思うのです。
 それと、地方議員への配慮をこれからどうするんだという御質問でありますが、私どもも自分たちのことだけやっているわけではございませんで、これが終わりましたらまた地方議員のこともやっていかなければならぬ。そしてまた、地方議会が決められることもおのずとあるわけでございますので、決して私は地方議員を無視しているということには相ならないと思っております。
 それから、地方の場合は、今まで無所属の議員が大変多いわけでありますね、御説明いただきました人数のように。しかし、これからは政党を中心とした政党の選挙になるのだということになりますと、私は将来、時間を置いてでも、やがて地方の政治も政党にそれぞれ属して戦うような形のものになっていくのじゃないのかな、こう思っております。少なくなるかどうかはわかりませんけれども。そういうことをしませんと、今度の政治改革が上から下までぴしっと一つの筋の通ったものにならないのじゃないのかな、こういうふうに考えておりますので、この点につきましては私は自然に結果が出てくるのであろう、こういうふうに思っております。
 それから、政治献金ですが、企業は悪で個人はいいんだ。あるいはまた、逆に言うと、金額さえ少なくすれば企業の政治献金も決して悪じゃないと思う。少額のもので大きなものを期待して何か頼みに行こうというのは、日本の常識的には非常に難しい。たくさんもらえば、やはり何かのときには頼まれるだろう。
 また、個人にしても、個人でたくさん出せば、まさに自分のお金でありますから、企業の献金よりもっと大きな期待感があるし、何かのときには頼まれるということを考えますと、必ずしも個人献金の方がいいんだということには私はなり得ないと思うのですけれども、もし私の考え方にそれは違うのだということがありましたら、ぜひひとつどなたでも結構ですから反論していただければありがたいと思います。金額の問題ですね。
 それと、今よく汚職汚職が出ておりますが、汚職というのと政治献金というのは全く異質のものですからね。片っ方は刑法に抵触するもの、片っ方は法律において許されるもの。近ごろこの区別がどうもついてきてなくなったのじゃないかな。こういうことが政治に対する不信も増幅されているのじゃないかなと思うのですけれども、このことについて何か御意見があればぜひお聞かせをいただきたいと思います。どなたでも結構です。
#32
○早川廣中君 最初の点なんですが、今三倍ぐらい格差があるわけですね。それが今度のでは、私ども新聞でしか見ていませんから、不正確かもしれませんが、何か都市の議員と地方の議員が二倍ぐらいになる。
 これですが、私は、比例区というのは、各党で候補者を決めるときに考えなければならないと思うのですね。それで、極端な言い方をすると、四十七都道府県といいますか、そのぐらいからうまく候補者を比例区に案分しておかなければ、地方の票を全国区でとることは難しいと思うのですね。ですから、これは地方を重視するというその党の戦略だと思うのです。
 これから、極端に言うと、北海道なら北海道が一つの地区だ、地方政党だって出てくるかもしれませんよ。九州に行くと、独立論なんてあるそうだと私の友人から昔聞いたことがありますけれども。そういうのもあるわけですから、それは比例区があればこそ、私はむしろ緩和していくのではないかというふうに思っております。意見はなかなかかみ合わないと思いますけれども。
 それから、地方重視といいますけれども、もちろん国会議員の先生をたくさん抱えている方が、何かのときに地方のためにいいかもしれませんけれども、僕は、国会議員というのは国全体を見るのが国会議員の役割。さっき県会議員の先生からお話がありましたが、地方分権についてはある程度県に任せてください、こう言っているわけですから、むしろ私は比例区を中心とした国会議員の先生、僕は比例区と選挙区の難しいと思いますが、いろいろな制度あると思いますけれども、極端な言い方をしますと、民意が反映しないような国は滅びたわけですよ。
 そういう意味で、選挙という非常に民意がわかりやすくやる制度だということで、ある意味では日本は行き着くところまで行き着いてしまったわけですよ。国民が物すごいサービスを要求した。それに迎合してしまった。ブレーキがかからなかった。これがはっきり言って、僕は金権体質のもとだと思うのですね。ですから、案分をして、国全体のことバランスをとって。
 それから、地方分権は、私はむしろこの政治改革でないと思うのです。日本の国の地方分権でないのは、今ゼネコン汚職で出てきますが、中央官庁の役人がみんな副知事や部長なんかに全部いて、予算はこうやってこうやって全部決めて、地方のためだなどというリゾート法に私も四年間関係しましたけれども、これは国土庁で全部決めて、どこにどうしろああしろ、詳細に決めた国土庁の命令が暗黙に地方の自治体まで来て、重点地区だ何だなんてでき上がったわけですね。リゾート法については、いろいろな理由で見事失敗しましたけれども。
 そういうふうに、分権の問題と今度の問題、いわゆる定数のある程度の、三を二ぐらいまでのところはむしろ仕方がないのじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。
#33
○笹川委員 最後になりましたが、先ほどどなたかが、自分の払った税金が政党助成で行く場合に、嫌いな党に行く可能性がある、これは嫌なことだというお話があったと思うのです。
 これは国会でもその議論がありましたが、そういう議論になりますと、税金を納めても、例えば自分は社会福祉にみんな使ってもらいたいと思うのだが、どうも社会福祉が少ない、ほかへ行ってしまっている。あるいはまた、都会の人は都会に金をまいてもらいたいと思うけれども、そのお金は農業団体に多額の補助金が行っている。そういう、自分の好みどおりにはなかなかいかないものですので、その点は多少あるかもわかりませんが、ひとつぜひ御理解いただきたいと思っております。
 私はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#34
○石井座長 斉藤斗志二君。
#35
○斉藤(斗)委員 大変お忙しいところありがとうございました。
 まずもって、実は全国都道府県議会議長会というのがございまして、そちらから私どもにも陳情をいただいております。その主たる内容は、一つは地方政治をきちっと反映してほしいということと、地方議員の今回の政党助成法関連に関しては不十分だ、この二点が主たるものだと私は理解いたしたわけでありますけれども、各都道府県で議長会さんがこのようなことを出されたことに大変敬意を表したいと思っております。
 そこで私の質問でありますけれども、まず第一に、定数の問題でお聞きしたいというふうに思います。
 早川さん、阿部さん、それから照井さん、それぞれ二百五十、二百五十だというようなお考えを披瀝されたわけでございますが、私どもは、民意の集約と反映ということを考えたときに、日本の二院制といった性格づけの中から、衆議院ではどちらかというと集約を主に置くべきではないかということで、小選挙区の数をふやしているわけでございます。加えまして、重複立候補という制度も今回考えました。これは与野党一緒でございますが、要するに、小選挙区でも比例でも両方に立候補できるということでございます。
 私は、この二つの制度を比較いたしまして、早川先生は大学の先生ですから、大学受験をよく御存じかと思いますけれども、第一志望と、または本命志望と、それから滑りどめという考えをいたすときに、やはり政権政党を選ぶんだといった方に重きを置くべきではないかなというふうに考えるわけであります。
 そうであるならば、当然小選挙区の方が多くなければおかしいという理論に私は立つわけでございまして、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、語弊があるかもしれませんが、滑りどめと本命第一が一緒だというのはちょっと私としては納得できないので、その点につきまして比例二百五十、二百五十とおっしゃったお三方にお伺いしたいと思います。
#36
○早川廣中君 何か比例区の候補者の順位づけについて、今の御発言だとみんな第二志望みたいに、選挙区で立てた人が全部自動的に比例区に並んでしまうように聞こえるのですが、その点いかがですか。そういうふうに誤解されるような発言のようですが、どうですか。そうではないんでしょう。
#37
○斉藤(斗)委員 それは各政党で出してくるわけですから、重複立候補する人もあるし、しない人もいる。それはそのとおりです。
#38
○早川廣中君 ですから私は、重複立候補というのは国民の目から見て、もし全部そういうランクづけやったら、いかにこの政党は全国的な視野に立った候補者を全国区の比例区で立てられないかということで、国民の選挙する人は、一票はいい、だけれどもこんな第二志望のだけ並んでいるんだったら、それじゃこっちはもっと魅力ある人のほかの政党に入れるだろうということで、僕は票が逃げてしまうと思うのですよ、それをランクしたら。
 まあ私なんかなれっこありませんけれども、もし僕が夢物語で党首になれば、戦略的に地方区にはみんな地方の強い人を立てますよ。それから比例区には、さっき言いましたように、たまたまここの候補者はどうも苦戦しているというような県があれば、そこには例えばそこの出身者で、東京に行って全国のいろいろな仕事をやっている人を見つけてきて、私はカバーすると思う。これこそタレントを持ってきてわっととる方法だってあると思うのです。いろいろな戦術を考えるので、天下の自民党が第二志望をぐるっと並べるなんて思ってもいなかったので、これは下手すると週刊誌の種になると思うのですが、いかがでしょうか。
#39
○斉藤(斗)委員 それじゃ、阿部さんにも一つお伺いしたいと思いますが、それぞれのウエートの置き方についてです。ちょっと語弊があると最初に申し上げましたように、ちょっと言い過ぎたところがあるかもしらぬけれども、そのような性格づけの中におきまして、要するに重複立候補という意味につきましてお伺いしたいと思います。
#40
○阿部孝一君 私は……
#41
○石井座長 ちょっと待ってください。阿部さん、何か意見がありましたらどうぞ。なければまた……。
 それじゃ、斉藤議員の希望が三人を指名しておりますので、照井さん、何かありますか。
#42
○照井清司君 私は、重複立候補をそういうような意味合いで使うということは別にしなくても、それは今の制度で与野党一致されているのであれば、そのことを余り議論しても仕方がないというふうに思います。
 ただ、二百五十、二百五十はわかりやすいという意味で申し上げたのです。おっしゃられるとおり、民意の集約の方にウエートが置かれるということで考えられるのであれば、私が申し上げたように、比例代表は都道府県単位で選ぶというのは、私は反映だと思いますけれども、それは集約したと言いかえてもいいのではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょう。
#43
○石井座長 早川廣中さん、何か。
#44
○斉藤(斗)委員 結構です。
 次に、地方政治家に対する政党助成が及ばない可能性が高いという議論の中で、今この法律の中には、自由民主党の方は企業献金並びに団体献金に関しましては、政治資金調達団体というこういった公的なものを置きまして、そこにはいいだろうという考え方をいたしておるわけでございます。
 例えばの話ですが、これを活用するということの中で、例えば今自由民主党の案は二つということ。同時に、一つの企業並びに団体には二十四万円という上限が設けられております。これは節度ある、こういうことがあるかなと思うのでありますけれども、もしこれを、例えば国の場合が二つであるならば地方議員の場合は一つで、または金額が二十四万円だけれどもそれを下回るとか、そのようなことで地方議員には配慮するということであるならば、地方議員からのいろいろな意味での御要求に対して多少なりとも考慮の余地があるのかどうかということを、その点御指摘になられた楢岡さん、それから佐藤さん、それから芳賀さんにお伺いしたいと思います。
#45
○楢岡貞龍君 ぜひ今斉藤先生がおっしゃったような方法を地方議員にもおろしていただきたい。
 それからいま一つは、やはり政党の政治資金というもののあれからしますと、そういうものを国から各地方議員に個々におろしてくるということがもし問題があるとすれば、いわゆる地方選挙の公営化というものを強化して、それに対して国が交付税なりそういうもので選挙の公営化というものを援助していくという方法もあろうかと思うのです。ですから、今斉藤先生がおっしゃったような方法と二本立てでやっていけば、そういうもののバランスは私はとれていくのじゃないだろうか、こういうふうな考えを持っております。
 以上です。
#46
○佐藤正春君 まず政党助成ですが、これは国民的なコンセンサス、いわば国民は納得していませんよね、御存じのとおり。まず国民の納得できないものをこの状態でやっていいかどうか、私は別個切り離してもいいから、もう少し考えていかなければならぬというのが一つ。
 それからもう一つは、先ほども申し上げましたとおり、地方議員の立場として、先ほどは笹川先生から、いや、将来やればみんな政党に入ってやるようになるんだからというお話ですが、将来は将来として、ここに私が数字でお示し申し上げましたとおり、ああいう状態の中で我々が政党助成、いわばそういう公費の助成を受けられないというのは全く不公平、差別でございます。そういう状態の中では今やるべきじゃない、こういうことです。
#47
○芳賀一太君 地方議員といっても、都道府県会議員の場合と市町村会議員の場合と、若干考え方を変えなければならぬのじゃないかなと思うのです。例えば町村会議員の場合には、すべてを政党化してしまうということが果たしていいのかどうかということを考えなければならないと思うのですよ。確かに自民党の党員ではありますけれども、町会議員に出るときに無所属で立候補しているという議員が大半なわけですが、それにはそれなりの理由があると思うのですね。
 地方議会の場合には、外交や防衛とか極端に考え方の違う問題はありませんので、身近な問題を処理していく地方公共団体ですから、全部中央の政党に系列化してしまうということはやはり問題があるのではないかなというふうに思うのです。
 ただ、都道府県会議員の場合には一応政党政治の建前をとっておりますから、それらの都道府県会議員の地方議員に対する助成をどうするのかということは我々にとっては重大関心事でありまして、政党助成法が例えば国会議員の頭数で決めるのかどうかわかりませんが、党員の数であるとか都道府県会議員の数であるとか、そういうものもやはり配慮して、当然政党の活動資金が地方もその配分にあずかれるような方法もあわせて考えていただかなければならないのではないか、そういうことをさっき申し上げたわけであります。
#48
○斉藤(斗)委員 終わります。
#49
○石井座長 野田毅君。
#50
○野田(毅)委員 御苦労さまでございます。
 今それぞれ指摘された問題点、我々の出しております自由民主党案と政府案の基本的な相違点の一つなんですね。それはやはり個人の政治家には認めないが、個人の政治家の持つ政治団体には一定の限度のもとに、しかも透明度を高める、そういう形で個人の政治家の政治活動を国会議員も地方議会の議員も保障するという、それが私どもの基本的な考え方です。
 この点で、政府案は政党にしか認めないという形をとったがために、無所属の地方議員の政治活動を、いわば自分でお金をつくる人間でなければできないという、なかなか実態的に、個人の献金によって継続的に政治活動を支えるということは現実問題不可能に近いわけですね。
 その中で、地方の選挙も公営化すれはいいじゃないかというのですが、これは実は全くの誤解でありまして、政府案によっても、選挙のときの資金は企業献金を個人の候補者が受け取ることは認められるのです。この点は誤解をされております。したがって、選挙の公営化をすれば――自治省、陣中見舞い、いいんでしょう。ああ企業はだめか。個人はいいのか。じゃ、いずれにしても個人のあれで、選挙のときの資金の調達と日常の政治活動の資金の調達とということで、少し違っています。
 問題は、選挙のときに金がかかるということだけではなくて、日常の政治活動の保障をどうするかということが大事な問題点の一つなんです。
 そこで、きょうは県議会の先生方三名お見えです。どうでしょう、恐らく秘書さんそれぞれやはり必要になっているのではないでしょうか。持っておられるんでしょう。
#51
○楢岡貞龍君 後援会の中にいわゆる事務職員を持っております。
#52
○佐藤正春君 我は、後援会の中に事務職員を二人持っています。
#53
○芳賀一太君 私も一緒です。
#54
○野田(毅)委員 ありがとうございます。
 実態的に、都道府県議会になるとほとんど職業的な形での政治家としての仕事をしていかないと、現実問題動けないと私は思いますね。そういうことを考えますと、地方議会の日常の政治活動をどうやって賄うかということをあわせて考えなければ、後はよきに計らえというわけにはいかぬ。この点が、私どもが主張をしておることと政府の間の大きな隔たりの一つであるということをまず指摘をしておきたいと思っています。
 それからいま一つ、企業はみんな利益団体だから、企業献金はもともと全部いけないんだ。そういう考えの人ももちろんありますよ、人間いろいろな人の考えがあるんだから。しかし、現実問題、今まで問題になっているものは、オープンになった正当なる企業献金が犯罪性を持ったようなことはないのですね。つまり、全部裏に潜っているんですね。
 問題は、さっき佐藤さんからもお話があったが、裏の献金をもらったら徹底的にやっつけろ、政治的に回復不能なダメージを与えよというお話があった。これは実は昨年の暮れの緊急是正で、いわゆる金丸さんみたいな事件があったときに、やめろやめろと言わなくても自動的にやめざるを得ない形の法改正をもう済ませております。
 したがって、これから後の問題は、極力裏に潜らないように、透明度を高くすることによって、そして強制的に国民の税金の中から政党助成の金額をふやすよりも、やはりそういう正当な企業献金というものにこれは堂々とやってもらうんだ、むしろそういう風潮をつくることの方が大事ではないか。むしろ私どもは、そういうような企業献金については法人税法上の枠組みを、今よりも地位を与えようというのが我が党案なんですよ、特に政党に対して企業献金が行われる場合に。
 今は一般の寄附金と同じ扱いになっていますから、ほかの寄附で満額になった場合には、政治資金規制上は枠があっても、税制上限度を超えれば実は損金で落ちないのですね。むしろそっちの方を手当てをすることによって、政党交付金の額は政府案よりも低くていいではないか、こう考えておるのです。この点について、せっかくですから早川さん、楢岡さんあるいは佐藤さん、どちらでもいいですけれども、御感想があれば。
#55
○早川廣中君 おっしゃるのはわかるのですが、表に出ている献金だけを見ても、企業の中で、ゼネコンとか、今度はゼネコンやっつけられたから減るかもしれませんが、政治に寄附をいっぱいした方が自分の会社の利益になる業界の方が大体上にあるのですよ、売上高の中の利益の統計を見ますと。まあゼネコンが一位。それで、一般大衆に物を売ったりする業界は、業界ぐるみで出すときには、政治にほとんど出さないのですよ。そういうふうにちゃんと一覧表ができているのですね。裏の話はもうやめましょうよ、今回は。これは罰則の問題ですから、ルール違反ですから。ルール違反の議論をしているときではありません。
 ですから、結局、ゼネコンが一位になるということは、そういう業界は表でもお金をたくさん出して、政治に影響を及ぼして企業は金もうけをしたいと思う。献金しても全然金にならないような業界があるのですよ。そういう業界はほとんど寄附していない。それは経団連という枠の中で仕方なくやっているようですけれども、その企業はどこにも献金なんてしていませんよ。その表を持ってくればよかったのですが、そういうものがありますからね。
 ですから、企業は、かつての冷戦時代に、社会主義と自由主義経済どっちがいい、こういう議論のときには、これは資本主義市場経済の方がいい。だから、企業の行く末も考えて自由主義経済を守っていかなければならないと、企業が寄附をして自由民主党を守る、僕はそこまでは理解できたのですよ。いわゆる市場経済を否定している政党と真正面から戦っていかなければならない時点では認められますが、今もうほとんどコンセンサスは、社会主義政党の方もいらっしゃいますので、また別な意味で、御質問を受けるとちょっと苦しくなりますけれども、それを除きましては今の枠内ですから、その点でどうか表に出て……。
 それからもう一つは、金権体質を国民が言っているわけですよ。要するに、この政党に寄附することによってこの業界がもうかるんだから、出そうという業界があればそういう金が幾らでも集まってくるから、選挙に幾らでもお金がかかって、私も三十年ぐらい前にちょっと手伝ったことがあるが、最初は秘書が二人だった。今は大体二十人。もう常識になっているのですね。今県会議員の先生でも二人か一人。みんなどんどんエスカレートしていったのです。
 国民は、大体政治のコストはこのぐらいだ、このぐらいにしてくれ。ただ、どれがいいかということを議論すると難しいですよ。それはコーヒー一杯がいいのかコーヒー二杯がいいのか、これは僕は議論が尽きないと思います。そういうことですから、国会議員の先生方はその点、企業に対して、やはり身近にいらっしゃるから、私ども第三者から見ているのとどうも違うのではないか。これはもう認識論で、これ以上議論いたしません。
#56
○楢岡貞龍君 今の企業献金の問題ですが、これはやはりあくまでも透明度の問題だと思います。同時に私は、やはりこれからの社会というのは、民主主義なりそういうお互いの意識というものが、今までは未熟な民主主義社会、あるいは革新か保守かというような時代が終わりまして、成熟した一つの民主主義社会というものを考えますと、企業献金というものの性格も当然変わっていくだろう、あるいは政治に対する一つの連動性というものも変わっていくだろう。
 今野田先生がおっしゃったように、透明度という問題に対しては、これはあくまでも厳重にしていかなければならないけれども、そういう一つのものを政治に対して支出をさせるということは、私は決して悪ではないというふうに考えております。これは全部が全部公的な資金でやるよりも、むしろ私は、公正なバランスのとれた民主主義社会の成熟に寄与するものだというふうに考えていいのではないかと思います。
#57
○佐藤正春君 企業献金でございますが、今お話がありましたが、企業即悪者だ、企業が金を出すのはみんな反対給付を求めるから出すんだという考え方は全く短絡的です。と同時に、世界で評価されるこれだけの日本の企業をべっ視したことになりはしませんか。
 それから私は、この民主主義、憲法上の問題もございますが、やはり自分の政治参加の手段として、今お三人からお話しになりましたいわゆる透明度の高いきちんとした献金というのは、当然これは参加するのは当たり前ですから。私は会社の経営で忙しいから参加できない、しかしうちの会社はおかげさまで何とかいいようだから幾らか出しましょう、私は金がないから体で稼ぎましょう、私はポスターを張りましょうと、おのおのの政治参加の意味があるではないですか。私は大いに結構だと思っております。
 と同時に、先ほどから申し上げましたが、公費助成につきましては、不純という言い方は当たらないのですが、企業献金がだめになったから、それではしょうがないから国から出してそれで賄おうや、余りぐずぐず言われなくて済むからという発想というか、そういうやり方に何か私は矛盾を感じるし、それから国民もそういうことは許しませんよ。でありますから、繰り返しますが、公費助成については十分に練っていただいて、国民のコンセンサスを得られるような形でひとつ進めてほしい。
 以上です。
#58
○野田(毅)委員 それでは最後に、簡単なことだけ聞きたいのですけれども、実は二年前に、海部内閣当時、我々は法案作成作業に携わって、三百の小選挙区で、区割りまで当時の第八次選挙制度審議会にお願いをしてやったのですが、どうしても格差是正は二対一までにおさまらなくて、飛び地ができたり、地域的に縁のないところを結びつけたり、実は幾つかの例外ができてしまったのですね。
 そういう点で、選挙区の数が少なくなればなるほど、区割りにおいて、非常に地域的な一体的なところを分断したり、別のところをくっつけたりということ、この点は不可避なんですね。恐らく二百五十になれば、二倍以内におさまらないところが二けた出るのではないかと、これはだれがやったって当然予想されるわけです。そうでないと、さっきどなたかお話がありましたが、むちゃな区域をくっつけなければならぬということになる、そういう問題も実はあるわけです。
 ですから、さっきも我々は、基本的には衆議院の選挙は小選挙区が基本なんだ、比例はあくまでそれを補完をするという役割なんだ、こういう位置づけをしているのです。そのあたりで、ただ二百五十対二百五十でちょうどいいじゃないかとかいうようなことじゃなくて、そういうことまで考えて、なおかつやはり二百五十対二百五十ということでいい、こういうことになるのだろうかな。これはさっき二百五十、二百五十を主張された方、今度は照井さん、いかがでしょう。
#59
○照井清司君 今、野田委員が言われたところはありますけれども、ただそうしますと、三百対百七十一で、なおかつ百七十一も都道府県単位であるというのは、やはり制度としてはちょっとおかしいということはありませんでしょうか。
#60
○野田(毅)委員 いや、それは全然違うのです、県に割り振りますから。さっきどなたかからお話があったが、私どもはやはり、代議士というのは県代表という意識でみんな見ていますよ。特に、大都会よりも地方に住む方がはるかに投票率が高いというのは、言うならばそれだけ政治に対して飢えているということですよ。つまり、政治の手が欲しい地域なんですね。そういう意味で、県代表という、県の定数、県別定数で県間の格差でいくと問題ないですね。むしろそっちでいった方がいい。しかも、三百という小選挙区を見るわけですからね。
#61
○照井清司君 もちろんそうだと思うのですけれども、比例代表の方を都道府県単位にすれば、その方も県代表であるということにはなりますでしょう。
#62
○野田(毅)委員 それを県単位にすればと、こういうことですか。
#63
○照井清司君 そうです。ですから、私は比例の方は都道府県単位の方がいいというふうにあえて申し上げたのです。
#64
○野田(毅)委員 ああ、そういう意味でね。では、それとセットされていると、そういうことですか。
#65
○照井清司君 ええ。そのつもりで、二百五十、二百五十は前提だけれども、比例の二百五十は都道府県単位がいいのではないかというふうに申し上げたのです。
#66
○野田(毅)委員 それなら、あなたの御主張はわかりました。
#67
○石井座長 では、いいですか。
#68
○野田(毅)委員 はい、いいです。
#69
○石井座長 堀込征雄君。
#70
○堀込委員 きょうはどうもありがとうございました。社会党の堀込です。
 今お話続いてございましたので、今の件で照井さんにお尋ねをしたいわけであります。
 民意の反映と集約で二百五十、二百五十ということをおっしゃって、そして全国一本よりも都道府県単位がいい、こういうふうにおっしゃいました。ただ、私ども三%条項なんかも入れているのは、余り小党分立してはまずいという考え方があるのですが、都道府県単位にしますと、例えば秋田は、定数百七十一ですと二名ですね。比例選挙でも、例えば自民党が三三%、社会党が三三%、新生党は三〇%とったけれども、議席が配分されないとか、物すごく小選挙区と同じ死に票が出るわけですね。三〇%もとっても、議席が配分をされないという比例制になる。
 しかも、この都道府県単位というのは、自民党さんの案でいきますと、二十一県が二名区で、そういう死に票が物すごく出る。つまり、私どもの三%条項よりもかなりそういう欠陥を持っているんではないか、こういうふうに思うのですが、その点はいかがですか。やはり比例制は民意をある程度集約するというところに特徴があるので、全国単位で、名簿が並び過ぎるという欠陥はある意味でわかりますけれども、そういう欠陥があるではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#71
○照井清司君 そこのところは、先ほど申し上げたのは、ある意味で私は地方に住む者の情緒論として申し上げたわけです。やはり今の参院選の比例代表区の方々に対する親しみの持ち方、まあ秋田だけの特殊例かもしれないのですけれども、そういうことから考えますと、やはりどうしても全国の、二百五十か百七十一かは別として、今の得票率でちゃんと割り振っていきますと、どう考えても、これまでの実績やなんかから見てうまく選ばれない方も出てくる。何となく現議員を優先しているような考え方ですけれども。それでも、そこのところは地方に住む者の目から見れば、やはり全国というような、上から名簿掲載するような形ではなくて、都道府県で推す人間をそこに当てはめていく。確かに、今堀込委員もおっしゃられたように、死に票は出るかもしれませんけれども、それはむしろそれぞれの都道府県の状況を反映しているのではないかというふうに私は考えて、あえてそちらの方を選択したらどうでしょうかという提案をしているつもりです。
#72
○堀込委員 心配をされる点はわかるのですが、ただ、一票制で小選挙区に投票したものがすぐ比例につながっていくわけですから、民意の反映という点では死に票は物すごく……(照井清司君「二票制ですか」と呼ぶ)自民党さんの案でいきますとね。しかも、都道府県で一票制でいきますから。
#73
○照井清司君 いえ、私は並立制と二票制は賛成です。
#74
○堀込委員 二票制で都道府県単位ということですね。はい、わかりました。
 それで、ちょっと関連しますけれども、これは楢岡さんにお尋ねをいたします。
 参議院選挙制度との絡みで、衆議院の方もどうも全国単位の比例はいかがなものかという御意見がございましたけれども、私は、衆議院はある意味で政権をつくる選挙だし、ある意味で民意を反映する選挙だろう。参議院の場合は、全国区とかつての地方区ですね。地域代表、それから全国の職能代表といいますか、そういういわば機能、権能というものを参議院独自にやはり果たすことを期待しながら仕組まれておっただろうというふうに思うのです。
 そういう衆議院と参議院の特性を考えまして、小選挙区と比例代表というのを考えますと、やはり小選挙区というのは、何よりもいい点は候補者の顔が見えるという特性があると思います。ある意味で個人を有権者が直接選択できる、そして政権も選択できるという面があるわけです。比例選挙というのは、やはり民意を鏡のように反映するけれども、しかし投票行為としてはある意味では政党を選択するわけですから、そういう意味では政権選択の意味合いも非常に強い側面もある。
 そういう意味で考えますと、私は、参議院で比例を多くすることは、かえって本来の職能と地域代表というところの精神に反していくのではないかという考え方を持っています。むしろ政権を選ぶ衆議院こそ、小選挙区二百五十、比例二百五十というバランスのとれたところで、政党を中心とした選挙を展開して政権をつくっていくべきではないか、このように私は思うのですが、御感想ございましたら。
#75
○楢岡貞龍君 私が申し上げましたのは、参議院のあり方は現在のままでいい、現在のいわゆる地方区と全国区でいい。しかるに、また衆議院の比例の方を全国区にするということになりますと、参議院と同じ形態において国会議員を衆議院も選ぶということになるから、衆議院の方の比例は都道府県単位でやるべきである。でなければ、参議院と全く同じ方法で国会議員を選ぶということになりますと、どっちの性格もほとんど同じようになってしまうのではないか。参議院は現在のままでいいということにして、衆議院の比例は都道府県単位で選んでいくべきだ、こういうことなのです。
 それから、さっきちょっとどなたかの案に、私は、いわゆる自民党案、三百対百七十一という数字は、これは必ずしもそれにこだわる必要はないのではないか。三百対二百でも、あるいは三百対百七十幾つでもいいと思いますので。ただ問題は、やはり小選挙区というものを重点的にやる。百七十一というものにどこまでも固執してやるべきではないというふうに私は考えております。
 以上です。
#76
○堀込委員 もう一つ、実は参議院と政府案は同じ制度かというふうにおっしゃるのですが、御存じのように、参議院の場合は都道府県の選挙区選挙、これは複数代表ですね。これに全国比例を組み合わせてございますし、私ども政府案は小選挙区に全国比例を組み合わせてあるわけでありまして、そこは明確に、参議院と全く同じ制度ではないということだけは、この並立制の根幹でございますからぜひ御理解をいただきたい。
 それから、もう一つ御理解をしておいていただきたいのは、三%条項、これは憲法違反じゃないかというお話がございましたが、御存じのように、ドイツの五%条項を初め諸外国でも、政権を選ぶ衆議院が余り多党化してもいかがなものかということで、やはりこれは認められる制度ではないか。海部内閣のときに政府案が出ましたけれども、あのときも実は二%条項が入っていたわけでございまして、私どもとすれば、これはいろいろ法制局とも議論しましたが、まあ憲法上許容される政策選択だろう、こういうふうに思っておるのです。ぜひその点も御理解をいただきたいのです。
 もう一つ憲法上の問題として一票制の問題、これが、きょうは一票制の御意見の方が多かったわけでありますが、どなたでも結構でございますが、やはりさっき無所属の問題も御指摘をされました。それは政策選択の問題として憲法上もカバーできるだろうという御意見でございますし、国会の論議の中でも、もう野田先生初め自民党の皆さんにそういう論点で議論をした経過がございます。
 ただ私は、制度の初めから、ここへ○したらその人の有権者は二票効果を持ち、ここへ○したらその人の有権者は一票効果を持つ。投票前から一票、二票効果が差がついているという制度は、どうもこれは、私どもも一票制は併用制のときもいろいろ検討しましたし、それで一票制をあきらめた経過もございまして、どうもちょっと、違憲訴訟などが実際にはしょっちゅう起きてしまって、相当問題が起こるのではないかというふうに思うのですが、その辺どなたか御感想ございますか。――では、それはそういう問題点があるということを御理解いただいて、次の質問をさせていただきます。
 これは佐藤さんに、企業献金の件で、資金の面で、腐敗防止を非常に強調されたのでお伺いをしたいわけであります。私ども、今度の法案をつくるに当たって、政府案も自民党さんの案もそうでございますが、何としても金権腐敗の政治を正さなければいけない、相当きつい縛りをかけようということで、それぞれ今、差はありますけれども、そういう共通の基盤はこの国会の議論を通じてもできてきたというふうに思っておるのです。
 それでは、企業献金を全く切ってしまうのか。私どもは全く切ってしまえ、こういうふうに主張してきたのですが、自民党さんの案は、御存じのように、政治家個人についても、資金調達団体というものに、一団体年間二十四万円、月二万円、これを二つの団体までいいというふうに許している、政府案は切ってしまっている、こういうことであります。
 これは、国会の議論の中で、実は私どもは社会党という貧乏世帯にいるものですから、人も公設秘書プラスアルファぐらいしか使っていない。しかし、自民党さんは現実に十何人も人を使っている。あるいは、今度私ども連立の仲間になりました新生党やさきがけの皆さんもそうなんですけれども。話してみると、やはり少し単位が違うなというのが私どもの実感でございます。それはそうなんですけれども、それは、やはり社会党などは政権をとる気がなくて、複数区で一人しか立てないから金がかからなくてよかったのだよ、こういうふうに言われるのですよ。
 それはある意味でそうかもしれないのです。複数区で複数を立てて、身内同士で厳しい選挙戦を展開するから金が要るのだというのは、ある意味で説得力があるのですね。しかし、そういう現実をこれからやはり正しながら、小選挙区を中心とし、あるいは比例選挙を中心としながら、金のかからない仕組みをつくっていこう、政策本位のものにしていこうというのが政府案も自民案も私は共通の基盤だと思っているのです。
 そこで、残るのは、資金調達団体に月二万円程度の、年間二十四万円のものを残すかどうか、ここが議論になっているわけであります。私、今皆さんお聞きしていまして、地方議会の場合、つまり国政であれば、衆議院の場合議院内閣制でございますから、政権をとるために、四人区なら自民党さんは二人か三人立てるとか、五人区なら三人。過半数をとるために、そういう選挙をやらざるを得ないわけですね。
 ところが、地方議会の場合はある意味では大統領制ですね、知事とか市町村長さんは直接選ぶわけでございますから。そうしますと、身内同士の争いでお金がかかるという理屈ではなしに、やはり普通のおつき合いとかいろいろな政治活動にお金がかかる、こういうことだろうというふうに思うのです。
 私が御期待を申し上げたいのは、実は政府案も自民案も、最後の資金調達団体の二十四万円をどうするかというところまで来ているので、地方議会の方も、これからはお金をお互いにかけないのだ、変なサービス合戦のようなことはやらないで、そういう世界をつくり出していくのだということで、地方議会に配慮しろということだけじゃなしに、そういうことでぜひお願いをしたいというふうに思っておるのですが、いかがでございましょうか。
#77
○佐藤正春君 今、お話はわかりました。
 実際に私どもの同僚の社会党の議員なども、かかってしようがないというのが本音なんですよ、正直なところ。それで、今お話しのとおり、地方議員にも認めろということじゃなくて、現状はそうなっているのだ。そういう中で、国会と地方議員との差別のある中で、これをこのまま進めていいんだろうかということを申し上げておるわけです。ですから、この問題については、特に公費助成については、ひとつもう少しじっくり御審議願いたい、こういうことを申し上げた。
 と同時に、それから、これは私の方から質問できないのですが、連立政権の中では、もちろん社会党が企業献金というのは禁止しているわけですが、将来、いわゆる五年後に見直すとか、いろいろな問題が政府間であるわけでございまして、そこらあたりがまだはっきりされていないのじゃないか。私は、やはり国民も企業も商人も皆、あらゆる階層がそれぞれの分担において政治参加するということが基本である、こう思っております。
#78
○堀込委員 ありがとうございました。終わります。
#79
○石井座長 それでは、次に、平田米男君。
#80
○平田委員 公明党の平田でございます。
 きょうは、大変お忙しいところ、また、遠いところをお越しをいただきまして、ありがとうございました。
 私どもから、まず最初に照井陳述人にお伺いをしたいのですが、あわせて芳賀陳述人にもお願いをしたいと思います。
 比例代表の集計単位を全国にするのか都道府県にするのかという点につきまして、照井さんの場合は、議員の顔が見えないではないか、全国では見えない。芳賀さんも同様のことをおっしゃられたわけでございます。確かに、全く小選挙区に出ない候補が比例代表に出た場合、しかも党幹部等でなくて、マスコミ等を通じても余り知るチャンスがない、こういうようなケースはおっしゃるとおりかというふうに思うのです。
 しかし、今回、政府案にしましても自民党案にしましても、重複立候補というのを認めております。そして、同一順位で、善戦率とか惜敗率とかという、言葉は違いますが、自分たちの得票の力に応じて当落を決めよう、こういう制度を設けておるわけでございます。そういたしますと、比例代表で当選をする多くの方々は、小選挙区で立候補している人たちということになるのではないかというふうに思うのですね。そういたしますと、少なくとも顔はよく見えるということになるのではないか。
 また、仮に小選挙区で落ちたとしても、比例代表で当選をしてこられれば、秋田の選挙区で出られればやはり秋田の議員、こういう意識を県民の方々は持たれるのではないか、こんなふうに思うのですが、その点いかがでございましょうか、お二人からお聞かせいただければと思います。
#81
○照井清司君 平田委員のおっしゃられる重複立候補制というのは、先ほど斉藤斗志二委員からもお話がございましたことですけれども、それは要するに、出れるという前提で考えればそうだというふうに私は思います。
 ところが、小選挙区にそう何人も乱立するということは現実にないんじゃないかというふうに思うわけです、一つは。つまり、三人とか四人はあるかもしれません。だけれども、それが、例えば一小選挙区であれば六人も七人も出れるという情勢ではないのじゃないか、これは全然やったことがないからわかりませんのですけれども。そういうのが、出ればそうだけれども、出れる状況がつくれるかどうかというのは非常に心配だというのが今のお話を聞いて一つ思いました。
 それからもう一つは、なぜそんなに全国単位にこだわらなければいかぬかという点なんです、私にしてみると。それは、参議院がそうだからそうという理屈では決してないはずなんですね。民意の集約と反映というのをバランスするためには、一方は小選挙区で少数で戦い、一方は全国という非常に大きな網で民意を反映させるのだというお考えはよくわかりますけれども、それでも、先ほど私が申し上げたように、都道府県単位であっても民意の反映ということにはなるのじゃないかというふうに私自身は思います。ですから、そこはどうしてもやはり都道府県単位にこだわりたい、そういうふうに強く申し上げたいと思います。
#82
○芳賀一太君 小選挙区を導入するよって来る根本的な理念から考えれば、私は、制度ですからいろいろ一長一短はあるにしても、長い歴史的経過の中で小選挙区をやろうということで各党合意されたわけですから、やはり小選挙区の本当のねらいというものを重点に考えて定数の問題も考えるべきであるし、また、二票制ではなくてやはり一票制が望ましいと思います。一票制でなければ、もう小選挙区を導入した意味がなくなってしまうわけですから。
 ただ、現職の皆さんがそれぞれ落ちこぼれなく全員当選するという意味では、今の案は結構かと思いますけれども、やはり小選挙区に重点を置いて考えるべきであるということと、やはり一票制を堅持していかなければ意味がないということと、それから参議院のように全国区の、本当に有名タレントを除いては、全く写真と経歴を見るぐらいしか選択のしようがない候補をどうやって選ぶかということを考えると、少なくともやはり都道府県単位で比例代表は考えるべきではないかな、そういうことを前提にして申し上げたわけであります。
#83
○平田委員 都道府県単位でやった場合に、先ほども堀込委員から指摘があったかと思いますが、全国の場合は三%の阻止条項を置いておるのですが、都道府県の場合はもっと大きな事実上の阻止条項を置いた結果になるという点が問題点として一つあるわけですね。
 それからもう一つは、二人区が二十一県あるわけですが、二人区で果たして比例代表と言えるのかどうか。芳賀さんのようにもう小選挙区で全部やるべきだというお考えならばそれは当然のことかもしれませんが、しかし、並立というのは、小選挙区ともう一つ比例代表という二つの選挙制度でやるという考え方、これが基本にあるわけです。そういたしますと、その比例代表の特色を失わせることになるのではないか。こういう点についてはどのようにお考えでしょうか。
#84
○芳賀一太君 今の連立案では、技術的に選挙戦術として、例えば重複立候補、各党それぞれどんなふうに出てくるかわからないのですけれども、小選挙区に候補者を出さないで、例えば比例の方だけをねらって立候補するということも可能になるわけでしょう、この案ですと。○○党という、例えばこれから新しい新党もできてくるかもしれませんが、そういう政党は小選挙区に、一名区に立てることはできないけれども、二百五十の枠の中で、全国単位ならば比例代表にだけ候補を出そうという政党もできてくるわけですね。
 そうすると、小党分立がさらに進んで、例えばいろいろな大きな組織を持っている宗教団体であるとか組合とか、そういうものが、一時の全国区の参議院選挙のように百以上の政党がいっぱい出てきて、そして比例代表の方だけをねらって立候補してくるというようなことも考えられるのではないかということを考えますと、私は、責任の持てる形での政党政治を確立していくためにも、やはり小選挙区に重点を置いて、比例代表も都道府県単位にやっていくというふうに思うのですね。
#85
○平田委員 照井さん、ございますか。
#86
○照井清司君 やはり比例代表というのがそういうねらいであるとすれば、今マスコミ等で伝えられるようなブロック単位、例えば東北なら東北ブロック単位ということは案としては値すると思いますけれども、むしろそういうふうにするための地方の実情が進んでない。もう少し言えば、地方制度がそういうブロック単位でやるというふうにはまだ進んでませんので、地方の状況から考えればやはり都道府県単位でお願いすべきではないかという意見になってしまいます。
#87
○平田委員 次に、無所属議員の場合に企業・団体献金が禁止になっていることは不公平だというお話がございました。きょうお越しをいただいた方々は所属政党のある議員さんでございますが、中央公聴会では、無所属の首長あるいは議員の方も企業・団体献金禁止して結構である、こういう御意見もございました。
 そこで、阿部さんでございますか、所属政党がおありで、今町会でございましたか、議員をしておいでになるということでございます。無所属の方も多いんじゃないかと思うのですが、そういう方々の御意見としてはいかがなんでしょうか。企業・団体献金を無所属議員がもらえないというのは不公平だという意見が強いのでしょうか。
#88
○阿部孝一君 私は、つい解散の前までは、先ほども公述の中で申し上げたと思いますけれども、自民党の立党以来の地方支部の最初から幹事長だけ三十八年間やってきましたが、解散と同時に離党し、今正確には入党しておりませんけれども、新生党支持の立場というか、近く県連をつくるという立場の中で考えております。
 そして、私自身今四期目ですけれども、私は本当は議員になるよりも、自民党の地方活動を通じながら日本ということを考えてきた、これは少し大げさな表現だと笑われるかもしれませんけれども。最初はなろうと思いませんでした。むしろ政党活動に全身全霊をささげてきた一人であります。この点は、お隣の楢岡先生なんかよく御存じでありますけれども。
 ずっと高齢になりましてから地元の町議会議員というのに立候補してきて、そのときには秋田県千八十五名の中でだれも自民党公認で立候補しようとした人がいなかったにもかかわらず、私自身は、親戚や友人、参謀の連中からも、何で自民党から、無所属の方が票をとりやすいのじゃないかと言われましたけれども、あえて公認をとってまいりました。
 そういう中で、先ほども申し述べましたけれども、今の公的助成に関しては、町村議員の段階では、もしそういうふうな制度があっても、受けたならば今の段階では住民の総スカンを食うだろう、こう考えております。
 反面、別の考え方からすれば、地方議員、我々末端の町村議会議員までも政党の系列化するおそれがある云々という話には違いまして、系列化されてもいいんじゃないか、こういうふうに思っておるところです。
#89
○平田委員 はい、わかりました。
 芳賀さんにお伺いしたいのですが、総定数については四百七十一というふうに主張されておいでになるわけですが、これについては四百七十一に固執をするというお考えなんでしょうか。それは五百でも構わないというお考えでございましょうか。
#90
○芳賀一太君 地方議会はどこの地区でも血の出るような思いをして定数を減らしているのですね。ですから、できるだけ少ない方がいいという意味で申し上げたのです。自民党案が四百七十一というのは、それなりの経過があって算定された数字というものが出ているわけで、四百七十一がいいだろうというふうに申し上げたのです。
#91
○平田委員 最後になるかと思うのですが、ほとんどの方が政治改革は今国会でぜひ成立をさせてもらいたい、あるいは一日も早く、こういうお話がございました。楢岡陳述人の場合は慎重にと、こういう御発言もあったわけでございますが、これは今国会でできなくてもやむを得ないというようなお考えなんでしょうか。それとも、慎重にはやるけれどもやはり今国会で成立をさせるべきだ、こういうようなお考えの上での御発言なんでございましょうか。
#92
○楢岡貞龍君 私も自民党員でもう六期も県会議員をやっております。この前も選挙で、政治改革はやるということを公約にして選挙を戦いましたから、ぜひとも今国会で成立をさせてもらわなければならない。
 ただし、今の政府・与党のやり方を見ておりますと、自分たちの、特に細川総理の政治日程に合わせてこの問題を決着をつけようという印象が非常に強いのですよ。そういうことであってはならないと私は思う。とにかく全国会議員のコンセンサスの上で今国会で成立をさせるということが大事なのであって、いわゆる一内閣の消長を基準にして政治日程を、しかも政治改革という重大な政治日程を議論するということは、私はこれは越権であるというように考えております。
 以上です。
#93
○平田委員 ありがとうございました。
#94
○石井座長 簗瀬進君。
#95
○簗瀬委員 さきがけ日本新党の簗瀬進でございます。
 まず、質問に先立ちまして、細川さんの政治日程で決められたスケジュールではないということ、これは申し上げなければならないと思います。
 一つは、リクルート以来もう五年間もやっているわけです。海部内閣、宮澤内閣そして細川内閣と、三つの内閣にまたがってやっているわけでありますから、もうそろそろこの辺で終止符をつけて、もっと大切な景気対策やら行政改革、経済改革の問題をやりなさい、これは国民の多くの世論だ、そういう意味での節目として年内というようなことを言っておりますので、この点は御理解をいただきたいなと思う次第であります。
 私、時間が十分でございますので、公的助成についての質問をお二人の方にさせていただきたいと思います。最初は楢岡さん、その次は佐藤さんにお願いをいたしたいと思います。
 私も、中央公聴会からたまたま全国都道府県議会議長会の会長さんとか多くの地方政治の関係者に質問をする機会を与えられて、そしてきょうお二方からもお話を聞きました。公的助成、そして政治資金について、企業献金を廃止した上で、助成の対象は政党である、この二点が非常に地方をべっ視しているのではないかという話が非常に強く出ているわけであります。
 論点は二つだと思うのですね。一つは、無所属議員の存在をどのように考えるのだろうかというのが第一点。それから第二点として、これは助成対象はあくまで個人としての国会議員ではありません。政党であります。でありますから、例えば、先生方も自民党支部に入っているわけでありまして、政党の所属メンバーであります。ところが、率直に申し上げますと、中央に来ても地方に来ないのではないか、そういう意味での政党の中の還流がきちんと保証されてないのではないかというようなものが、反対論の二番目の理由のような感じがいたしております。
 そこで、まず第一番目に、いわゆる無所属議員あるいは無所属首長、この問題でございます。私は、楢岡さんがおっしゃるように、まさに民主主義の原点は地方にある。しかしながら、率直に申し上げますと、議員の無所属化、首長の無所属化、これこそまさに民主主義の成熟を妨げている一つの原因なのではないかな、そういう考えを持っております。この件について御見解を伺いたい。お二方とも自民党として頑張っていらっしゃったわけでありますので、その辺の御経験を踏まえて聞かしていただきたいのです。
 私の考えは、私もかつて県会議員でありました。なぜ無所属議員が発生するんだろうかということを、その辺を分析いたしてみますと、つらつら考えると、私は四つぐらいあるのではないかな。
 まず第一番目、広範な支持を得たい、特にこれは首長の場合に顕著であります。それから第二番目、対立を好まない国民性というものがあるのではないかな。それから第三番目、所属政党のいろいろな事情があるのではないかな。それから第四番目、国政と地方の問題が違うのではないか、地方独特の問題を持っているのではないかな。こういうふうな無所属の発生原因があるのではないかなと思います。
 例えば首長さんなんかの場合、余り対立を地方に持ち込むのはいかがなものかという考慮が働くのかもしれません。伝統的に、日本というのは同質的な国でありますから、全会一致。多数決は余り好まないというものもあるかもしれません。しかし、そういう中で私は、大きなマイナスが出てきているのではないかな。
 すなわち、首長が無所属になる、それは裏側として当然議会の総与党化につながってくる。野党が存在しなくなってくる。そういう意味合いにおいて、野党の存在がなくなるということで、首長に対するチェック機能が非常に低下してくるのではないかな。こんなマイナスが出ているのではないでしょうか。
 それから、議員にとっても、例えば無所属になるというふうなことになりますと、中央政党の公約から解放されます。というふうなことで、言うならば、公約に縛られた形で真剣に有権者に対峙していかなければならないという部分を徐々に低下させてしまうのではないかな。政治の最も大切な機能は、有権者に対する説得です。その説得を、地方政治がその力を失いつつあるのではないかな。これもやはり一つ無所属の問題なのではないでしょうか。
 それから、例えば所属政党の事情と先ほど申し上げましたけれども、率直に申し上げますと、親が不始末しているのに、何で我々がそのしりぬぐいしなければならないのだということで出てしまうケースもありますね。言うならば、所属政党のスキャンダルからの逃避であります。しかし、それは逆に、その政党の自浄能力のなさにつながっていくのではないでしょうか。地方がむしろやるべきことを、無所属に逃げてしまうということで、その責任から逃げてしまうのではないかという問題が出てくるのではないか。
 それから、消費税などのときにありました。どうも親政党が国民に非常に受けの悪い政策を持ち出してきたときに、それを無所属になることによって逃げる。そういうことが地方政治にあるのではなかろうかな。
 ということになってまいりますと、逆に、地方政治が民主主義の原点と先ほどおっしゃられましたが、まさにその原点として、有権者に真剣に自分の当落をかけて訴えかけていくという機能が、無所属になることによってなくなってしまうのではないかな。そういう問題があるわけであります。
 でありますから、私は、民主主義の成熟を考えますと、無所属については、それは存在としてあるわけですから、これを無視するわけにはまいりません。しかし、将来的にはそれを漸減していく方向に我々政治が向かっていかなければならないのではないかな。
 そういう議論に立って、公的助成問題で、無所属議員の人権をというふうなことで、これを声高に言ってこられることというのは一体どういうことなのかなという、その辺の御所見を聞かせていただきたい。これが一つ。
 それからもう一つ、いわゆる政党の還流の問題であります。公的助成のあて先は個人ではありません。政党です。でありますから、政党の党内民主主義が確立をされている、中央政党が得手勝手しない、地方のことをよく考えて、公明正大にお金を使ってくれるならばこの問題は起こらないはずであります。
 しかし、なぜ地方支部が中央政党を信じられないのだろうか。そこに本質的に横たわっているのは、最終的には私は、例えば自民党の中にあって、私もかつて自民党でありましたけれども、派閥の寄り合い世帯である。県連も、そういう意味では、本当の意味での組織化されていない。そういう大変病理的な問題が自民党の中にあるから、政党に幾ら助成をしても、中央だけが利益をこうむって、地方に来ないのではないかな、そういう問題があるのじゃないかな。
 その辺についての、党内民主主義として、これは公的助成自体の問題ではなくて、まさにその政党が抱えている問題なんです。その部分を反対論に援用してくるというのは、私は一種一つのすりかえなのではないかなという感じがするわけです。
 以上の質問でございます。
#96
○佐藤正春君 いろいろな議論がございます。しかし、今おっしゃられた、要するに地方から立候補するところの無所属議員あるいは首長のいわば政治哲学というものを否定するものでありまして、私はやはり国会議員の思い上がりじゃないかと思っていますよ。あなたも県会議員やられたのでしょう。やはりそこはお考えにならないといけないと思うのです。
 無所属で地方から立候補するそれぞれの方々は、それなりの政治哲学を持って立候補されています。それをあなたの今の論理でいうと否定していますね。(簗瀬委員「否定しています」と呼ぶ)これは思い上がりです。(簗瀬委員「いや、思い上がりじゃありません。民主主義の全体を考えて言っているわけだから」と呼ぶ)まだ話聞きなさい。
 それから、内容につきまして、地方から無所属で出るのは、広範な支持を得たい、日本の民族として対立を好まない、いろいろ四つございました。これは全く末梢的なことなんです、そんなことは。あなたはそう思って県会議員のときは出られたかもしれない。そうじゃないのです。
 国政と地方議会の違いは、御案内のとおり、国政はまず外交、防衛、税金、こういう問題ですね。地方は、いわゆる地域の要望というものをいろいろ吸い上げていかなければならない。あらゆる問題があるわけです。福祉の問題もあれば、あるいはきょうもたくさんおいででございますが、それぞれの、共産党が掲げるような問題もあれば自民党が掲げる問題、いろいろあります。それをすべて吸い上げていく場合に、やはりみずからの政治哲学で、無所属で立候補されるというのがほとんどでございます。でありますから、私はあなたの言われることについては反対でございます。
 それからもう一つは、二点について今言われたわけでございますが、先ほど申し上げました。公費助成は、まず永田町はどうか知りませんが、新聞などごらんになってください。国民のコンセンサスは得てますか。得てないでしょう、どの新聞も、見てごらんなさい。ぜひやりなさいというのがありますか。
 いいですか。公費助成が四百十億円ですよ。単純に計算すると、議員一人当たり約五千五百万。プラス歳費ですよ。幾らになりますか。こういうものを国民が許しますか、現在のところ。(簗瀬委員「個人じゃないんだ」と呼ぶ)個人じゃなくたって、政党がもらって個人に行くわけでしょう。政党を集約しているのは人間でしょう、政治家でしょう、議員でしょう。そういう言い逃れはおかしいと思うのですね。
 ですから、そういう中で私は、将来五人以上になると新党ができるというようなことで、先ほどもお話がございました。新党の小党が乱立するというおそれが一つある。それから、例えばフランスとかイタリアなどでも、これをつくってもいまだに汚職がなくならないのです。そういう一つの、何といいますか、公費助成の先進国とでもいいますか、こういう状況も見ていかなければいけない。
 でありますから、その最後にもう一点としまして、我々地方議員としては、無所属がこれだけ多いんですよと先ほど申し上げました。そういう方々は政党に所属してませんから、これを受けられませんよ、こういうことを申し上げたのです。
 ですから私は、政治改革と別個でいいですから、時間をかけてもう少し御審議願いたい。そのことによって国民のコンセンサスも得る、地方議員も喜んで参加する。先ほど笹川先生は、将来政党になるんだから御心配なさらないで、こう言われました。私どもの同じ自民党で、そう思っている人もいるのですよ。
 ですから、これからの将来、何年かこれを審議するうちにそういうふうになっていくであろうし、私も自民党を、今日まで三十年の経験の中で、そういう方向に向けていかなければいけない。それは私は、やはり永田町も地方も同じ方向でみんなですり合わせしていかなければいけない、こう思っているのです。
 以上です。
#97
○楢岡貞龍君 先生に、私から申し上げさせていただきます。
 先ほどの先生の理論は、私は一応わかります。ところが現実は、じゃ果たして日本国じゅうの首長たちが本当にみんな喜んで入れるような政党であるか。私も政党人です。しかし私は、自分が所属しておる自民党がベストだとは思っておりません。ベターだと思っているのです。政治はいわゆるベターの追求であって、ベストではないと思う。
 ですから、当然そこに、ベストを追求する者は、現在の政党が幾つあっても入っていけない人たちがおるということは認めなければならない。これを認めることが民主主義の原則なんですよ。入らない者が悪だということは、これは民主主義の原則じゃない。反対の者の立場も認めて、それに対してどうともに生きていくかということが政治でしょう。だから、そのあなたの理論というものは、私は非常に危険な考え方があると思うのですよ。当然、無所属の県知事なり議員というものを認めて、それを共生、ともに生きていくにはどういう道があるかということを模索するのがベターの道だと私は思う。それが政治だと思うのです。
 そういう意味では、私は、先生の理論というものは、これは政党エゴだと思うのです。私たちは、政党人ではあるけれども、政党エゴに陥ってはならない。あくまでも謙虚に、自分たちのいわゆる政党のあり方を国民に対して問うという立場が、政党の伸長していく、政治が成長していく根底だと私は思うのです。ですから、私はあなたのその意見には賛成できません。
 もう一つ、今の助成の問題は、そういうことであるならば、政党所属の県会議員なら県会議員までの人数も計算して政党助成の積算をするべきである、国会議員だけの数によって政党の配分、積算をするべきではない、私はこう思うのです。以上です。
#98
○簗瀬委員 終わります。
#99
○石井座長 正森成二君。
#100
○正森委員 佐藤正春公述人が、政治改革の原点は何か、政財官の癒着、ゼネコン疑惑をただせ、国民が望んでいることは、定数配分先行の改革ではなくて、腐敗、汚職の追放だというように言われました。あなたは自由民主党の県会議員ですし、私は日本共産党の国会議員ですから、お話を伺っていると、ほかの点ではいろいろ意見が違いますが、この点では全く見解を同じくするということを、まず最初に申し上げておきたいと思います。
 そこで、阿部孝一公述人に伺いますが、あなたは商工会の理事であると同時に、地方議会の議長だということを先ほどちょっと言われましたが、それは羽後町のことでございますか。
#101
○阿部孝一君 そうです。
#102
○正森委員 そうしますと、羽後町では、私の知っているところではこの間、九月三十日に意見書が採択されまして、それはあなたが御参加になったかどうかはわかりませんが、全会一致だというように報道されております。その意見書を見ますと、この間出しました小選挙区制、それについて、
 「国民の多様な意志を正確に反映するという国民主権と議会制民主主義の原則に根本的に反する」としてこれに反対する意見書を議決し、政府に送付しました。
ということを前提にしまして、今度の案も小選挙区制が基本になっておるということで、死に票が多いから反対だということを言うた上で、
 諸悪の根源である企業、団体献金の禁止をタナ上げするばかりか、四百十四億円の税金(本町では毎年七百十万円余)を政党に配分する「公費助成」や得票率三パーセント未満の政党には議席を与えないという、乱暴な小政党排除を盛り込むなど、憲法の保障する思想、信条、結社の自由と基本的人権への重大な侵害といわなければなりません。
こういうことを言いまして、
  いま国民がつよく求めている「政治改革」は金権腐敗の徹底解明と再発防止策であることは各種世論調査の結果が明確に示しております。
こう言った上で、関連法案を撤回せよ、こういう決議をしておられますね。
 あなたは、公述人として出てこれられて、必ずしも議会の意思に完全に従属するということは、それは代表制の理論からしてないから、あなたの御意思をここでお述べになるのは自由だと思っておりますが、しかし、少なくも自分も参加した議会がこういう決議をしているときに、それに一言もお触れにならない。全会一致といえば、恐らくあなたもこれに賛成なさったと思うのですが、それはどういうわけですか。
#103
○阿部孝一君 申し上げます。
 今言われましたような理由で政治改革を否決せよという陳情書がその前に出ておりました。これは否決しております。そして、続いて議員提出でただいまの意見書が出ましたが、これは私、建前でなく本音で申し上げますけれども、おしかりを受けるかもしれませんが、何となくくたびれた、前の政治改革反対のあれはつぶしたから、次のあれは同僚の共産党の議員がせっかく苦心して出したのだから、議会をもませないでいいのではないかというふうな配慮があったのではないかと思います。私は議長席におりまして、前のものは否決、次の意見書は、まあいいやというか、それで議会、散会いたしましたので……
 ここら辺に、あるいはこれからの地方議会あるいは地方議員の、先ほどから築瀬委員と笹川委員からもお話がありましたように、これからの政党政治が成熟するには、選択は無所属でも自由でしょうけれども、やはり政党化していく方向が成熟した日本の政党政治のためには必要であろうと思います。まだ残念ながら、地方議会で……
 雄勝町を御存じだと思います。これは朝日新聞等でも取り上げた。これは最初から陳情書を満場一致でやっている。うちの方は一応否決して、続いて議員から出た意見書は、まあ仲間割れするのもどうかなと。これは国会の先生たちよりは、ある意味では対立を好まない和やかな、ただ私自身も大変矛盾を感じております。
#104
○正森委員 かくも格調高い意見書が、くたびれたから採択したと言わんばかりの議長さんのお話で、非常に遺憾に思いましたが、きょうは公述人としておいでいただいておりますので、そういうことをとやかくあげつらおうとは思いません。次の質問に移らせていただきます。
 早川公述人に伺いますが、企業献金で、これはやめるべきだ、きれいなお金というのはあり得ないという意味のことをおっしゃいました。また、阿部孝一公述人は、腐敗の温床を断つという意味で、やめるということがわかりやすいということをお話しになりました。これは、国会でも、参考人に岡原元最高裁長官においでいただいたのですが、岡原元最高裁長官も同じ意見だったのですね。私どもとこの点では同じ意見ですが、先ほど阿部さんには少し失礼しましたので、お二人からこの点について一言ずつ御意見を承りたいと思います。
#105
○早川廣中君 ちょっと質問の意味が……
#106
○正森委員 企業・団体献金を、あなたは、きれいな献金というのはあり得ないということでこれは禁止すべきだとおっしゃったと、こう申しているのです。
#107
○早川廣中君 地方の場合は中小企業がたくさんあるわけですね。中小企業の場合は、企業なのか、社長のワンマンの意思でどうにでもなるお金があるわけですね。だから地方の場合は、中小企業の場合はちょっとごっちゃになっているのですね。
 その議論と、先ほど私が申し上げたのは、いわゆる上場会社のようなたくさんお金のあるところの企業は、利益追求企業として、組織としてそれなりにもう個人から脱皮しているわけですよ。だから、中小企業と大企業を一緒に論じられるとちょっと難しいところはあると思うのですが、少なくとも大企業においては、さっき言いましたように、大きな組織で寄附する大きな金額の場合は、今言うような、企業としての利益を得るか、それとも自分の業界が有利になるか、二つあると思うのです。僕はさっきその二番目のことを言いませんでしたが。そういう点があるので、どうしても大企業の献金については――中小企業はいいという意味ではないですよ。
 だから、私はあくまで、大企業でも個人で献金するのは、大企業の人ははっきり言って給料をいっぱいもらっているのです。僕は堂々と出しなさいと言うけれども、私の友人なんて、ああ、政治はだめだだめだと言って、大企業の社員の人で個人的に献金などする人はなかなかいないですよ。パーティー券一枚買うのだって嫌だ、会社はうんと買え、こういうようなことになっていますので、そういうことで申し上げたのです。
 中小企業のこととはちょっと別ですが、大企業の原則論を申し上げたということで、自由民主党も廃止の方向へ向かっているということですから、僕は、国民の支持が自由民主党にも少しまた戻るようないい法案ですから、どうぞ頑張っていただきたい。
#108
○阿部孝一君 申し上げます。
 これは、政党への公的助成をやるべきだという建前で、これがきっちりした場合には、国民に透明度云々とかという企業献金の問題はありますけれども、こういうところが何となく、企業が悪いというのではないけれども、幾ら言ってもよくならない今の政治の状態でありますので、国民にわかりやすくするためには、とかく不透明になる、ごまかしがきく、そういうふうな企業献金等はやめるべきである、こういうふうに私は思っております。
#109
○正森委員 最後に、芳賀公述人に伺います。
 あなたの御意見を聞いておりますと、公費助成について、金額に根拠も薄いし、お手盛りだ。支持しない政党にも税金が回ることになる。辞退する政党もある。まさに日本共産党が、通っても辞退する政党でありますが。もしもらうとすれば、回るお金がほかの政党へ回る、それはそのとおりなんですね。
 そのことと離れても、思想、信条の自由という憲法十九条にも関係すると。今、日本では、支持政党なしがNHKの調査でも五〇%を超えておりますし、棄権する有権者も三五%ぐらいに上っておりますから、そういう人が納める税金まで自分の支持しない政党に回るということは、いかにも憲法上問題があるというように私どもも思っているのですが、芳賀さんにこの点について一言だけ伺いまして、ちょうど時間が終わりますので、終わりたいと思います。
#110
○芳賀一太君 政党助成というのは初めてのケースですから非常に戸惑いがあると思うのですが、いろいろそれぞれお話があったように、いきなり企業献金を廃止して政党助成に切りかえるということについては、非常にいろいろな問題点があるのではないか、この部分は切り離して、もう少し時間かけて検討されてもいいのではないかなというふうに思うのです。
 今おっしゃったように、無所属の地方議員も政党化してしまうのは困るという話を私申し上げましたが、それはそれなりに理由があって無所属でやっているわけですね。しかも、どの政党も支持したくないという人が過半数以上あるわけですから、したがって、手前みそに既成政党だけが税金の中から補助を受けようというのは、いかにもお手盛りの考え方でありまして、これは国民の大多数の支持は受けられないのではないかというふうに私は思うのです。
#111
○正森委員 終わります。
#112
○石井座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述者の方々におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。派遣団を代表し、厚く御礼申し上げます。
 拝聴いたしました御意見は、率直なものであり、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しましても、深甚なる謝意を表する次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後三時十五分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の北海道における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年十一月十一日(木)
二、場所
   京王プラザホテル札幌
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣
   提出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置
   法案(内閣提出)、政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(内閣提出)、政党助成
   法案(内閣提出)、公職選挙法の一部を改
   正する法律案(河野洋平君外十七名提出)
   、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法
   案(河野洋平君外十七名提出)、政治資金
   規正法の一部を改正する法律案(河野洋平
   君外十七名提出)、政治腐敗を防止するた
   めの公職選挙法及び政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(河野洋平君外十七名提
   出)及び政党助成法案(河野洋平君外十七
   名提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 石井  一君
      斉藤斗志二君    笹川  堯君
      野田  毅君    堀込 征雄君
      平田 米男君    簗瀬  進君
      正森 成二君
 (2) 政府側出席者
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  松尾 徹人君
 (3) 意見陳述者
        北海道労働者福
        祉協議会理事長 相原 敬用君
        札幌市議会議員 常本 省三君
        橋本電気工事株
        式会社専務取締
        役       橋本 耕二君
        北村村議会総務
        常任委員長   鳥井  修君
        弁  護  士 馬杉 栄一君
        北海道議会議員 酒井 芳秀君
     ――――◇―――――
    午前九時三十分開議
#113
○石井座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の石井一でこさいます。
 私が本日の会議の座長を務めますので、よろしくお願い申し上げます。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することといたした次第でございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席いただきまして、まことにありがとうございました。今後の審査の参考に資するため、忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。
 まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆様から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員からの質疑にお答えいただくことになっておりますので、よろしくお願い申し上げます。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党・自由国民会議の野田毅君、斉藤斗志二君、笹川堯君、日本社会党・護憲民主連合の堀込征雄君、公明党の平田米男君、さきがけ日本新党の簗瀬進君、日本共産党の正森成二君、以上でございます。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介させていただきます。
 北海道労働者福祉協議会理事長相原敬用君、札幌市議会議員常本省三君、橋本電気工事株式会社専務取締役橋本耕二君、北村村議会総務常任委員長鳥井修君、弁護士馬杉栄一君、北海道議会議員酒井芳秀君、以上の方々でございます。
 それでは、相原敬用君から御意見をお願い申し上げます。
#114
○相原敬用君 ただいま御紹介をいただきました意見陳述人の相原でございます。
 このたびの公聴会に当たり、意見を述べる機会を与えていただいたことに対し、感謝を申し上げます。また、政治改革特別委員会において法案審議を行っております議員の皆さんに敬意を表する次第でございます。
 私は、政府案を支持する立場で幾つか意見を述べさせていただきます。
 まず初めに、総論的に申し上げたいと思います。
 御承知のように、一九八〇年代から一九九〇年代にかけまして、リクルート、共和、佐川急便問題など、政治献金、政治資金調達をめぐって相次ぐ不祥事が表面化いたしました。最近では、地方レベルではありますが、いわゆるゼネコン汚職が司直により摘発を受けております。このようなことから、今国民の政治と金に対する怒りと不信は頂点に達しております。これをこのまま放置するならば、我が国の議会制民主主義にとって取り返しのつかない事態になることは火を見るよりも明らかであります。そして、このような事態を防止するためには、問題を政治家個人や政党の資質のみに帰することなく、政治制度について抜本的に改革することが緊急かつ重要な課題であると考えます。
 過ぐる第百二十六回国会では、こうした視点で、議員立法という形ではありましたが、政治改革法案が審議をされ、国民は大いに期待をいたしました。しかし残念ながら、去る六月十八日、国会が解散され、その百二十六国会では政治改革は日の目を見ませんでした。
 総選挙後、政治改革を最重要の政治任務の一つとする細川新政権が誕生し、今、政府案として政治改革四法案が提出され審議されていることは、国民にとってみるならば、最後のチャンスに等しいと思うのであります。
 最近、天の声という言葉が流行しているようでありますが、政治改革実現は、国民が怒りを込めて発する大いなる天の声と受けとめていただき、今国会において必ず政治改革関連法案の成立を図るよう、政府はもとより各政党、議員の皆さんに強く訴える次第でございます。総選挙による総意はそこにあると私は考えます。
 以下、幾つかの点について意見を述べます。
 第一の点は、選挙制度の基本に関することであります。
 もともと政治というものを議会制民主主義という制度で見た場合、政治の当事者は主権者である個々の有権者であり、その有権者から負託を受けたそれぞれの議員であります。また、議会制民主主義のより健全な発展と充実のためには、政党政治の成熟が必要であることは定説でありますから、一方で、政党もまた政治の直接の関与者であります。したがって、議会制民主主義下における選挙制度を考える場合、主権者である国民、有権者の意思、すなわち民意が議員または政党にどう有効に反映できるのか、そういう観点で考えることが当然と思うのであります。
 現在の衆議院の選挙制度は、選挙区は中選挙区制であり、投票の対象は議員個人であります。この制度は、それぞれの候補は政党所属を明らかにしているものの、選挙対象者が個人であることから、候補者間の競争の激化となります。このことから、政治家個人は多額な政治資金を必要とし、そのことが政治献金の不明朗、腐敗のもととなっていることは否定できません。さらに、議員個人選挙と政党政治の充実という背反、相克の中で、派閥政治と族議員が横行することとなり、ここにまた政治資金の構造的な不透明が生まれる結果となっております。
 私は、主権者である国民、有権者と、その政治的負託者としての議員並びに政党との関係を考えるとき、国民、有権者の選択肢、すなわち民意を反映すべき選択肢を狭めることがあってはならず、できるだけ広げることを基本とすべきであると考えます。すなわち、議員個人のみの選択肢とか政党のみの選択肢という制度をとるべきではなく、議員個人と政党との双方への選択肢を考慮した制度を採用すべきと考えます。その立場で、政府案の小選挙区比例代表並立制を、現時点でよりベターな制度として支持するものであります。
 私は今、現時点でよりベターな制度という表現をいたしました。私としては、政党間の政策競争を通じて我が国の政党政治の成熟を図るためには、比例代表によりウエートをかけた制度が望ましいと考えております。しかし、今政治改革が当面する最大の課題で、かつ急がれていること。そして、総選挙後、政党間の連立による細川政権が誕生し、その連立与党間で知恵を出し合い、協議を重ね、その結果として小選挙区比例代表並立制が選挙制度の基本として採用されました。
 私は、この政治判断を大切にしなければならないと考えます。なぜならば、総選挙を通じて反映された民意による政治判断であるからであります。今までかけ声だけで手がけることのなかった政治改革について、この政府案の実現によって大いなる一歩を歩み出すことこそが肝要と評価するからであります。
 第二の点は、議員の定数と投票についてであります。
 議員の定数については、政府案では総定数五百人、二百五十人を小選挙区選出議員、二百五十人を比例代表選出議員としております。別な言い方をすれは、個人基準二百五十人、政党基準二百五十人ということでありましょう。私は、前述したように、有権者の選択肢はでき得る限り広げてほしいと申し上げました。こうした意味で、個人の資質による選択基準と政策による選択基準が、それぞれフィフティー・フィフティーに振り分けられることは妥当であると考えます。
 なお、比例代表選出の部分において、五人以上の国会議員保有及びいわゆる三%条項については、結社の自由のかかわりから批判もあるやに聞いておりますが、新制度における政治的混乱を避ける意味で、当面やむを得ないものと考えます。ただ、政治的安定の過程で、慎重に再検討すべき条項であることを指摘しておきたいと思います。
 次に、投票についてであります。
 政府案では、いわゆる二票制を採用しています。私はこれを支持します。有権者は、選挙の投票の際、通常三つの選択肢に遭遇します。一つは、個人も政党もよい。二つは、個人はよいが政党がよくない。三つは、個人はよくないが政党がよいというものであります。現在の衆議院選挙では、この三つの選択肢のうち、個人も政党もよい場合は問題がありませんが、他の場合は、個人に目をつぶるか政党に目をつぶるか、選択が狭まります。
 政府案では、小選挙区では候補者個人の資質を選択し、比例代表では政党、政策を選択することを基準としておりますから、合理性を持っていると考えます。小選挙区では議員の資質が高められ、比例代表では政党の政策機能の充実が求められる。少なくとも、従来の我が国の政治環境にはなかった、好ましい状況が生まれることは間違いないと思われます。実現を心から期待をいたします。
 第三に、政治資金にかかわって意見を申し述べます。
 今さら言うまでもありませんが、議会制民主主義と議院内閣制をとっている我が国において、有権者は選挙時における投票行為を通じて議員あるいは政党に政治を負託し、議員と政党はその投票の結果を受けて有権者、国民の負託にこたえなければなりません。このような中で、政治活動に必要な費用は、議員にあっては支給される歳費、調査費、秘書費等々を主に、政党にあっては政党構成員による党費、党事業収入などによって賄うべきが本来であると考えます。
 一方、有権者は、みずから負託した政治についてその実現を図るため、政治の当事者として、議員、政治家、政党の行う政治活動に対してボランティア、あるいは政治活動に必要な費用について個人として寄附、献金を行ってしかるべきと考えます。すなわち、政治資金の寄附、献金の主体者は、政治の当事者としての個人とすることが本来的に妥当と考えるものであります。
 しかし、現状はどうかといえば、本来的な個人からの寄附、献金は微々たるものであり、企業献金が、企業団体も含めて我が物顔に大手を振ってまかり通っております。しかも、献金を受ける政治団体数については制限がないことから、庶民感覚にとって気の遠くなるような金額の政治献金が行われてきたのが実態であります。そして、この企業献金が政治家と金の関係を不明朗にし、腐敗の大もとになっていることは明らかであり、昨今の出来事から見ても何人も否定のできないことであります。したがって、私は、政治腐敗の根を断つため、この際、企業及び団体からの寄附、献金を禁止もしくは極めて厳しい規制をすべきであると考えます。
 そうした意味で、政府案が、企業及び団体による献金を、政治家個人と、従来派閥などの資金調達の受け皿となっていたその他の政治団体に対しては全面禁止とし、政党及び政治資金団体のみ企業及び団体の献金対象としていることは、現状から見て大きな前進であり、私は政府案を支持するものであります。また、個人による寄附、献金にしても、政治家本人に対するものは禁止し、政治家自身が代表者となる資金管理団体も一つに限定するなど、政治家と金の結びつきの透明度を高くする法案内容について、私は評価するものであります。さらに、公開基準も、従来は百万円を超えるものが対象でしたが、それが五万円を超えるものに大幅に引き下げられる法案内容は、献金を受ける団体の制限条項と相まって、政治献金の透明化が進むものとして支持するものであります。
 ここで、企業・団体の寄附、献金に関する五年後の見直しについて、一言付言させていただきます。
 今、多くの有権者、国民の間には、昨今の政治献金をめぐる状況から、企業・団体の寄附、献金については全面的に禁止すべきであるとの根強い意見があります。私は、現状の政治的環境から、政府案が五年後の見直し条項を付したことは、当面理解でき得るものであります。しかし、この見直し条項が政治的妥協の産物として、将来とも逃避条項として利用されてはならないと考えます。少なくとも五年後には、何らかの形において見直しが実現できるよう、強く要請しておきたいと思います。
 第四点は、いわゆる政党交付金についてであります。
 現在、政治資金の寄附、献金の主流をなしている企業・団体の寄附、献金を禁止もしくは厳しく制限し、個人の寄附、献金を主にいたしますと、現状では総体として政治資金の寄附、献金は減ることとなるでしょう。政治活動資金が減ることは、政治活動が弱まることに連動いたします。寄附、献金が減少する中で政治活動を強めるとすれば、裏献金などというよからぬことを考え、腐敗の新しい種も生まれる可能性があります。したがって、正常な政治活動を行うために必要な政治資金の確保策として、政党に対する公的助成金の交付、すなわち政党交付金制度を創設することが肝要であると考えます。
 公的助成金の交付は、当然のごとく国の財政からの支出を必要といたします。国の財政は租税を中心として成り立っておりますから、国民は納税という形で間接的に政治資金の寄附を行うこととなるのであります。
 政治活動資金を税金から支出することについて、さまざまな意見があろうかと思います。しかし、有権者が投票行為を通じて負託したはずの政治が、現状の政治資金規制のざる法状態の中で政治腐敗が進行し、深化し、我が国の議会制民主主義が危機状況になっていることを考えるとき、抜本的な腐敗防止策がとられるならば、政治浄化という意味で、国の財政を通じての間接的寄附は受忍でき得る事柄だと考えます。いや、むしろ耐え忍んででも、企業献金や資金調達団体の野放し状態をなくし、政治腐敗の根を断つことこそ、有権者、国民の責務とさえ考えるものであります。政党政治の成熟を目指す選挙制度の改革と政党への交付金制度は車の両輪であり、支持するものであります。
 交付額の点につきましては、その基準について決め手となるものを示すことは難しいことだと思います。政府案の、国民一人にすると三百三十五円という基準は、一九八九年から一九九一年までの三年間における届け出のあった政治資金の総額約千二百五十億円の三分の一に当たる額、四百十四億円を交付総額とするものであります。民主主義のコストとして、一年に一杯のコーヒー代に相当する額を拠出することは、現状として妥当な額として受忍できると思います。
 むしろ、交付金の額の多少のことより、その資金がどう使われたのか、あるいは新しい政治資金規正法に違反する者がいるのかいないのか、そうした有権者、国民の監視を強めるべきと考えます。つまり、透明度をより徹底すべきであります。国民はそのことをこそ望んでいるのであります。また、政治家、政党の皆さんの懸命の努力を強く要請するものであります。
 最後に、重ねて強調いたしますが、このたびの政治改革の審議が、論議のための論議に終始し、結果として政治改革が実行されないということがあってはなりません。どんなに困難性があってもそれを克服し、必ず選挙制度、政治資金そして政治倫理にわたる一括した政治改革を断行するよう強く訴えまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
#115
○石井座長 どうもありがとうございました。
 次に、常本省三君にお願いいたします。
#116
○常本省三君 私は、自由民主党札連の政調会長で、札幌市議会議員の常本省三です。
 衆議院政治改革特別委員会の委員の皆様方には、政務極めて多忙な今、地方公聴会を企画され、わざわざ北海道までおいでいただいた熱意に敬意を表します。委員の皆様はほとんど初対面の方々ばかりですので、簡単な自己紹介の後、陳述をさせていただきます。
 私は、昭和八年七月網走市で生まれ、幼時に父と死別したため、少年時代は父母の郷里富山県で育ちました。その後、警察予備隊で八カ月間勤務した後、昭和二十八年に開校した保安大学校、現在の防衛大学校に入校、自来、自衛隊の各地で勤務し、四十代後半で自衛隊を退職して札幌市議会議員に転向し、議員職に専念している者であります。
 以下、せっかく与えていただいた機会でありますので、真心をもって意見陳述をさせていただきます。
 まず、公選法の法律案中、比例代表選出議員についてでありますが、議員は本来いずれの政党に所属しているかは全く自由ですが、市民、国民によって直接選ばれた者が、それぞれの議会で政治活動をするのが民主主義の基本であると思料します。
 比例代表制度は、政界の権力者、大企業の実力者、組合の実権者、宗教団体や諸団体のボス等の掌中にある者だけが代表として指名されるおそれがあります。このような人たちが衆議院の半数を占めるような選挙制度は不適当であります。少数意見も反映させるため、やむを得ないとするならば、定員の三分の一程度が限度と考えるものであります。また、選出区画が広くなればなるほど見ず知らずの候補が選ばれることになり、これも非民主的な選挙方法になるので、この点も十分配慮する必要があります。
 次に、戸別訪問でありますが、公聴会出席に当たり、一般の方々数名の御意見を聴取しましたところ、そのほとんどの方々は反対でした。その理由は、これまでも現実に宗教活動とか団体の活動とかを名目にしつこく訪問され、暗くて悪い選挙ムードになるからとのことでした。私も同感であります。一歩譲って、どうしても必要なら、候補本人のみに限定すべきです。
 次は、ポスターやチラシも反対です。理由は、地域の全電柱や街路樹等が特定の個人の顔写真で埋め尽くされたり、連日特定候補のチラシを投げ込まれたりするのが実態で、これは違反であると同時に、お金をまいて歩くようなものです。どうしても必要なら、公費で、かつ秩序ある方法で全員公平に対処すべきです。
 次は、政治資金規正法にかかわる法案と政党助成法案についてでありますが、全額公費をもって充てるのが大原則と思料しています。今回は、公費のほか、会社、労働組合、その他もろもろの団体による、所属国会議員五人以上の政党に対する寄附を認める法案を提案していますが、この場合、地方議員に関する政治資金についてどのように取り扱うのか、お尋ねします。
 ちなみに、私自身にかかわる政治資金は一〇〇%公開を旨とし、十数年間、私自身が後援会に寄附をしつつ、すべて後援会の活動費で賄ってきました。詳細は逐次後援会に報告するとともに、毎年道選管に報告しています。私にかかわる過去十年間の年平均政治活動費は四百六十一万円であります。この額には、四年に一度の選挙にかかわる費用は含まれておりません。以上でありますが、必要に応じ、資料はすべてだれにでもお見せしますから、私の場合も参考にされ、的確な支部政党交付金制度も規定して、地方に至るまで、お金に汚い政治を一掃するような政治資金規正法を策定されますよう要望いたします。
 次は、選挙区画定にかかわる法案についてでありますが、地方の立場から、地方自治体の行政区を幾つにも分断することのないよう、十分配慮した区画決定をお願いします。
 以上、種々意見を申し上げましたが、それぞれの公述人の意見が反映されなければ公聴会の意味はありません。真剣に取り組まれますよう切にお願いして、私の意見陳述を終わります。ありがとうございます。
#117
○石井座長 ありがとうございました。
 次に、橋本耕二君にお願いいたします。
#118
○橋本耕二君 私は、本日意見を述べさせていただくことになりました橋本耕二と申す者でございます。
 私は、これまで一度も特定の政治団体にみずから加盟したことはございません。ただ、頼まれますと断ることができない性格が災いしまして、本日も、このような重要な公聴会にもかかわらず承諾をし、えらいことになったと若干後悔をしているところであります。しかし、以前から、最近のいろいろの問題はすべて選挙制度と、それに参画する国民一人一人の意識の問題に起因するという観点から興味を持っておりましたので、一市民として、国会で大変な御苦労をされておられる先生方を前に、つたない意見でも聞いていただける機会を得ましたことを光栄に存じております。
 私は、これまで五回、衆議院議員の選挙を応援させていただいた経験があります。今は既に引退された自民党の箕輪登先生が三回、自民党時代の松浦昭先生が一回、そして前回の新生党の松浦知子さんであります。残念ながら、松浦知子さんは我々の力及ばずで、応援した者一同、一様に肩を落としておるところであります。そんな経験の中から、私がこれまでの選挙の応援で感じておりますことを少し述べさせていただき、結論の方に入っていきたいと思っております。
 まず第一に思いますことは、とにもかくにも候補者ありきということでございます。次に、何々党であるとか、人柄がよさそうだとか行動力がありそうだとかが続きまして、本来最も重要な、その候補の政策立案能力や政治手腕の比較などは余り話題に上りません。私の経験では、ただ一度、消費税問題が出たときだけ、候補者と政策なり党案なりが対等に並べられたように思うくらいであります。
 まして、現在のように中選挙区制で、同じ党から数人の方が立候補するとなりますと、基盤を持っておられる候補者は別としまして、そうでない候補者、これは主に今までは自民党の先生方でありますが、身内同士の戦いを強いられます。ふだんは同じ仲間でありながら、一たん選挙となりますと、他党候補以上に敵対心を燃やして戦わなければなりません。同じ党ですから、当然掲げる政策やスローガンは一緒であります。
 すると、何でその候補を差別化するかということになります。あの先生にはこの陳情に手助けしてもらったとか、あの先生には地元の市議、道議がよくお世話になっているとか、業界の会合には本人みずからがよく出席してくれるとか、仕事の面倒をよく見てくれる、ポスターの映りがいい、握手してもらった、若いのがいい、ひどい話になりますと、選挙向きの顔かどうかというふうなことが話題にまでなることがあります。そんな話題の中には、政策立案能力や政治手腕のことは出てまいりません。すべてと言っていいほど、自分たちへの利益優先、地元への利益誘導に結びついてまいります。
 したがって、候補者は、選挙で選ばれたその日から、次の選挙に向け日々それらのことに奔走し、なおかつ本業である国政を考えなければなりません。当然、地元と東京の往復の連続にもなるでしょうし、何人もの秘書を抱えなければ、十分な政治活動と地元での選挙対策には対応し切れない状態になります。当然、お金も歳費だけでは到底やれないと考えます。
 このような状況の中で、今や国家的スキャンダルにもなりそうな雲行きの大手ゼネコンのやみ献金や談合疑惑、茨城県や仙台市長等の首長さんの収賄疑惑が、連日のように新聞やテレビをにぎわせております。以前にも、ロッキード、リクルート、共和そして金丸脱税事件と、数多くの事件が発生しております。
 これら一連の疑惑事件の根底には、いわゆる政界、官界、産業界の三つどもえの構造が浮かび上がってまいります。各種補助金や許認可権を数多く抱え、中央集権の真っただ中にいる官界の人たちや、各種公共事業の発注権限を握る地方自治体の首長さんや上級役人の人たちと日ごろ政治活動の上で密接なつながりを持ち、時には行政的指導をしていかなければならない立場の国会議員の先生や地方議員の人たち、そしてその先生方に利益誘導をもくろみ、選挙の応援を含め、票と資金を提供し得る産業界や各種団体の、この三者の三つどもえの構造は、頑丈な鎖のようにつながってしまっています。特に、米に代表される農業問題を考えますときに、三者の思惑は、お互いが死活問題のがんじがらめの構造のように私には思えるわけであります。
 しかし、戦後半世紀、我が国が今や世界に冠たる経済大国と言われるようになったのには、優秀な多くの官僚と、真の国家繁栄を願ってさまざまな政策を立案し、それを遂行してきた多くの政治家の先生方と、我慢強く、世界から働きバチとあざ笑われながらも、一生懸命汗を流してきた多くの国民があってのことだと確信しております。
 今、世界の潮流を考えるとき、桎梏から解放へ、一極から多極へ、画一から多様へと転換しているそうであります。世界に肩を並べ、今や世界をリードしていかなければならない我が国は、これまではこれまでとし、これからのことを今真剣に考えていかなければならないと思います。
 このような社会状況の中で、いよいよ最終段階まで来た政治改革関連法案であります。まず結論から申し上げさせていただきますが、党利党略、私利私欲にとらわれることなく、多くの議論の中から、安易な言い方とおしかりを受けるかもしれませんが、最大公約数的妥協点を見出してでも、ぜひ今国会で成立をさせていただきたいと思っております。
 まず、公職選挙法改正案についてでありますが、私としては、議員定数と投票方式が両案の大きな相違点であり、戸別訪問やあいさつ状やポスターの掲示期間等の問題は、必ずや双方歩み寄っていける問題と考えておるわけであります。なぜならば、現行法で違反とされていることですら、いろいろな形で現在行われている現状があるからであります。
 では、議員定数に関してでありますが、本来公選法で定められております四百七十一名が適当と考えます。現在は五百十一名と臨時の措置がとられているようでありますが、これは議員定数の増減案の折に増だけを決議し、減数案を見送った結果のなせるわざでありまして、まさに私利私欲のあらわれだと言わざるを得ません。
 また、その選挙区選出議員と比例代表選出議員との割合でありますが、私は、直接有権者と接する小選挙区選出議員が多い方がよろしいと考えます。しかし、その数が多くなり過ぎたり比例代表を各都道府県別で行うとなってきますと、前段の利益誘導型の政治形態にもなり得る懸念を抱きます。したがって、広く国家的民意を反映する意味で二百三十六対二百三十五、そして比例選は全国単位がよろしいかと考えております。
 次に、投票方式でありますが、党利党略の権化のような問題と思われます。今、これまで経験のない小選挙区制度導入に当たり、極力民意を反映させ、選挙民に選択の幅があり、いわゆる死に票が少なくなるという意味で、二票制がよいのではないかと考えます。また、今後小選挙区の区割りが画定され、選挙後の状況を考えますとき、その小選挙区で当選人となった先生は、中選挙区で当選された先生以上に地元の声を中央に反映させなければ、次の選挙では戦えなくなります。それゆえ、これまでのように中央から地方への施し行政から、地方の民意を真に中央に反映をさせ、地方の独自性が発揮される契機になると考え、ぜひ小選挙区制度を導入していただきたいと思っております。
 次に、選挙区画定審議会設置法案についてでありますが、その審議会を設置するに当たり、その所掌事務を取り扱う機関と任命権者の違いが出てきております。ちなみに両案とも、国会議員を除く適任と思われる学識経験者七名ないしは七名以内で構成し、六カ月以内に案を勧告もしくは意見の提出となっているわけであります。直接利害関係のない方々に案を練っていただいたものを、再度利害関係がもろにぶつかり合う議会で審議するとなれば、大変な混乱を招くのが必至であります。したがいまして、私は、政府案であります総理府に所掌事務をさせ、内閣総理大臣が七名の識者を厳正に任命することが望ましいと思います。
 次に、政治資金規正法の改正案についてでありますが、両案とも、現行法よりかなりの部分で公開限度額の規制が強化されているように思います。高く評価をするところであります。そこで、この際、現行法と今回の両案、三つの中から最も規制の厳しい部分を採用することを提案したいと思います。
 最後に、政党助成法案に関してでありますが、前段で申し上げましたように、これまで政治に携わる皆様にかかわる費用が膨大なものになっている今日、その費用の一部を国から助成することには大賛成であります。そうすることにより、特定の企業や団体と同様に全国民の負託を受けているという自覚と同時に、国民の側からしますと、おのおのの政治家の皆さんに対して無関心でいられなくなり、それがひいては今後の選挙への関心の高まりになる契機と考えます。前段で三つどもえの構造等をくどくどと申し上げましたが、本来最も襟を正さなければならないのは我々国民かもしれません。なぜなら、我々国民一人一人が投ずる一票が十分に国政を左右する力になるからであります。
 金額につきましては、国民一人当たり三百三十五円と二百五十円の違いであります。今回の法案では、地方議員のことは具体的に規定されておりません。私は、地方の議員の皆様も、規模こそ違え、同様の苦しみの中で日々の政治活動をされているものと確信しております。そのことを考えますと、人口一人当たり三百三十五円を計上し、その二百五十円分については党及び国会議員に助成し、残りの八十五円分については、地方議員に何らかの形で助成する方法はいかがなものかと考えております。
 終わりに当たり、本日の公聴会を含め百十七時間にも及ぶこの諸法案の審議で、ほとんどの議論は出尽くしているのだろうと推察いたします。賢明なる皆様の御英断で、長年の懸案でありました政治改革を今国会でぜひなし遂げていただき、引き続き行政改革、また景気対策等に大いに取り組んでいただきたいものと望んでおります。
 自戒の念も含めまして、瓜田にくつを入れず、李下に冠を正さずと申します。
 本日は、つたない公述人ではありましたが、御清聴いただきましたことを心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
#119
○石井座長 ありがとうございました。
 それでは、次に鳥井修君にお願いいたします。
#120
○鳥井修君 私は、北村議会の鳥井修でございます。
 私の村は、人口四千三百人、議員定数十四人、十四人全員が農業という純農村であり、それだけに、本年の大冷害は我々村民に大きなダメージを与えました。しかし、村民一丸となってあすの発展を夢見、この乗り切りに渾身の努力を続けているところでありますが、国の手当てなくて再建は図れません。激甚災害の適用、共済金の早期支払い、自作農、天災資金の枠拡大などを切にお願いするところでございます。
 さて、政治改革につきましては、歴史の大きなうねりの中でさまざまな意見や考え方もあろうかと思います。しかし、政府から上程された政治改革関連四法案と自民党提案の五法案について比較検討しましたところ、改革刷新を願う原点においては大きく異なるものではなく、歩み寄りが可能であると認識いたしました。今や政治不信がその頂点に達している現状を直視し、我が国の議会政治、民主政治の再生を果たすためにまたとないチャンスを迎えていることを肝に銘じ、成立に最善の努力を尽くしていただきたいと願ってやまない次第であります。このことは、意見の公述に先立って、私の基本姿勢として明らかにしたいと存じます。
 さて、私はさきに申し上げたように、北海道の片田舎にある小さな自治体の議員の職についており、各級の選挙が行われるたびにさまざまな体験を積み重ねてまいりました。たとえ小なりといえども、改革を急ぐべきだと判断される多くの問題を見聞きしてまいりました。したがって、今日これほどに政治改革への期待が声高らかに語られている以上、今こそ旧制度を一掃することができる最善のときであると思い、あえてこの席に出席することを決断させていただきました。
 地方における各級選挙の体験を通して、関連法案の中から、以下二点に絞って陳述させていただくことをお許し願いたいと思います。
 その一つは、政党助成法及び政治資金規正法に関し、無所属地方議員に対する配慮をお願いしたいということであります。政府案は、政治資金規正法の一部を改正する法律案の中で、企業・団体献金を受けることができるのは政党だけに限っております。地方議員は、政治資金をどのようにして調達すればよいのでありましょうか。政党への公費助成により、政党の地方組織や政党所属地方議員には政党内において何らかの措置が講ぜられる余地がありますが、我々地方議員の大半は無所属であります。
 ちなみに、平成四年十二月三十一日現在の本道における市町村議員は四千五十五名で、そのうち無所属議員は三千九十二名に達し、約七六・三%を占めております。町村議員のみでは、実に八六%が無所属議員であります。また、市町村長については、全道二百十二名全員が無所属でございます。政党助成を受けられない無所属地方議員や首長は、著しく政治活動を制限されるのではないでしょうか。また、政党所属議員についても、個人献金の気風が浸透していない現状では、政治活動費をどのように賄ったらよいのでしょうか。町村議員は別としても、例えば郡部の道議の日常活動を見るとき、何カ町村もの広い地域を自分の車を運転しながら歩く姿を見るとき、その感を強くするわけでございます。
 本来、政治活動は、各級ごとに条件の違いはあるにしても、地域と住民のため、自由闊達に普及が図られるものでなければなりません。当然、政治資金の保障措置、つまり公費助成についても、各級ごとの実態に即し、平等を期すべく最善の配慮が必要であります。この点、政府案は実情を無視した観念的な提案であると思います。節度を前提とした企業献金、団体献金について、資金調達団体を対象として取り上げている自民党案に賛意をあらわす次第であります。
 次に、選挙運動について、政府案では戸別訪問をあらゆる選挙において、さらに人数に制限なく解禁する内容となっております。私は、戸別訪問を全面解禁することにより、選挙の手法を外国並みに整えようとする政府案、しかし、経済一流、政治三流と言われている日本の政治、急に一流を押しつけても、マイナス面の心配を抑えることができないのであります。
 かつて戸別訪問が買収、供応の温床になってしまった苦い経験から、大正十四年の普通選挙以来、大筋として一切禁止されてきました。例えば、訪問者の人数制限がなくなったことにつきましては、経済団体、組織団体の有力者が三日も歩けば大勢が決まる小さな自治体では、人数制限のないことから、威圧行為の発生を招くおそれがあります。公正な選挙を損なうおそれがある以上、対応は慎重を期すべきであります。
 政治改革は、制度の改革とともに、議員や候補者も含めた国民全体の意識改革であることも事実であり、これら意識改革が不十分なままにいきなり解禁するのは、混乱と弊害が生じるのではないでしょうか。その点、自民党案のように、戸別訪問は新しい制度の定着ぶりを見てから進めるという方がよいのではないでしょうか。
 加えて、地方分権と言いながら、今回の地方公聴会の意見、要望を取り入れることなく改正を押しつけることのないよう、特段の配慮をいただくことをお願いいたしまして、つたない陳述といたします。
#121
○石井座長 どうもありがとうございました。
 次に、馬杉栄一君にお願い申し上げます。
#122
○馬杉栄一君 弁護士の馬杉栄一です。
 冒頭に、まず今回の衆議院政治改革に関する私の基本的な立場、見解を述べさせていただきます。
 私は、政府の提出した今回の政治改革関連法案中、衆議院議員の選挙制度として小選挙区比例代表並立制を導入し、その定数を五百、うち二百五十を小選挙区、二百五十を全国比例代表選挙議員とし、投票はそれぞれ個別に行う二票制とする案に賛成しつつ、なお幾つかの点について修正あるいは論議を深めていただくことをお願いする見解を有しております。
 まず、小選挙区比例代表並立制になぜ賛成をするのかということでありますが、私は、我が国でこれまで行われてきた中選挙区制度そのものが金権腐敗の政治を生んだ元凶であるとか、既に制度疲労の状態にあるという考え方はとっていません。どのような選挙制度をとろうとも、政治家に倫理観がなく、選挙民に主権者たる自覚が不足していれば、金権腐敗は生じると思います。そして、政治は堕落してしまうと思います。しかし、今直ちに政治家に倫理観を、国民全部に完全な主権者としての自覚を有することを期待できる状況にはありません。また、その実現には長い時間を必要とするでしょう。したがって、さしあたっては、政治腐敗を防止するためには、政治資金の流れの是正や連座制の強化など、腐敗防止のための制度の充実はぜひ必要だと考えます。
 私が小選挙区比例代表並立制に賛成するのは、今日本が新たな政治体制の構築を迫られているという現状認識からであります。現在、国民の間の価値観が多様化しています。それを受けて政党の数もふえております。既に今回の衆議院議員選挙においても、九党派の政党が議席を得ています。参議院も含めれば十二となります。この状況はこれからも続くと思います。そして、そのことは活気のある、常に進歩する日本を維持するためには必要だと考えています。しかし、このような多党制は、安定したリーダーシップのある政権が一方で必要視されている現状から見ると、矛盾した状況でもあります。
 民意の反映としての少数党派の議席の確保と安定政権づくりのバランスのとり方は、選挙制度を考える上で最も重要なことであります。この観点からすると、単純小選挙区制と完全比例代表制とは、両極端なものとして排斥せざるを得ないと考えます。残るのは、この二つの組み合わせか中選挙区制のいずれかと考えられます。
 中選挙区制を、一応現在の我が国のそれを前提に考えますと、これは各選挙区ごとに三人から五人、まあ二人とか六人もありますけれども、選出する制度です。三人区では、少数党が議席をとることは大変困難なのは言うまでもありません。一方、五人区では少数党でも比較的議席をとることができます。しかし五人区ですと、比較中位の政党、例えば二五%前後の政党は、一人は受かるが二人は無理ということになり、獲得議席数において一五%程度の政党と同じという現象が生じます。したがって、三人区をふやすと少数党に不利、五人区をふやすと多数の政党が分立することになっています。
 現在、定数是正が急務と言われてきましたが、その是正方法、例えば三人区をふやす、あるいは五人区をふやすというような方法によって選挙結果が変わるというシステムは、将来的に見て安定的なものとは思えません。また、選挙の結果そのもので多数派を結成しようとすれば、同一選挙区内で同じ志を持ち、同じような選挙基盤を持つ者が最も激しく争うという矛盾した事態が生じます。これを避けられるのは、強い組織力を持ち、票の微調整すらできる政党だけということになります。
 しかし、すべての政党がそのような組織基盤の上にいることを前提にはできませんから、結局選挙は選挙として争い、その結果を見て国会内で各党各派が合従連衡しつつ多数派を形成するという形になります。まさに現在の連立与党の成立がそうであります。そして、その多数派の形成そのものには国民は直接的にタッチできないことになりますし、政権は多くの場合、少数党がキャスチングボートを握る。例えばイスラエルでは、二名程度の政党がキャスチングボートを握ることがあります。したがって、不安定なものにならざるを得ないと考えられます。このような点から、中選挙区制はいずれは変わらざるを得なかった制度と思われます。
 一方、小選挙区比例代表並立制ですが、これについては、私はさきに述べましたように、政府案である定数五百、小選挙区、比例各二百五十、二票制という枠組みにおいて、現行中選挙区制より二つの要請を満足するものとして賛意を表します。
 まず、五百の定数ですが、今回の選挙において有権者数は九千五百万人に上ります。民意の反映という意味において、自民党案のように現行より一〇%近くも大幅に減らす必要性はないと思います。
 次に、小選挙区と比例区の割り振りですが、これは二つの相矛盾する命題の調和の問題であり、どちらにも偏らせるべきではないと私は考えます。したがって、五〇%、五〇%は維持すべき枠組みと私は強く申し述べたいと思います。この点でも自民党案に反対ですし、安易な妥協はすべきではないと考えます。
 また、比例の単位ですが、これも少数政党の議席保障の観点からは全国単位であるべきと考えます。同じ趣旨で、投票も二票制であるべきとの意見です。
 では、その枠組みで中選挙区制と比較してみます。まず死に票ですが、少数党にとってかえって少なくなるのではないかと思います。一方、安定政権の樹立ですが、小選挙区制においては多数派の結集のための動きが急となり、各党派が統一した戦いを組むことになるでしょう。そして、その組み合わせや一致した政策そのものを国民が判断して投票することになり、国民の直接的支持のもとでの多数派の政権ができることになります。いずれの面でも、現行中選挙区制よりベターだと考えています。
 なお、付加して述べます。一つは死に票ですが、中選挙区制の方が小選挙区比例代表制より少ないという説がありますが、これは少なくとも常にという意味では誤った命題だと思います。仮に今回の衆議院議員選挙における九党派の得票率を前提として、中選挙区のすべてが三人区だということを考えますと、自民党は三六・六%を占めており、社会党は一五・四%、新生党以下は一〇%でありますから、三人区であれば、票割りが完璧に成ったとして自民党が二人、社会党一人、ほかは全部ゼロということになります。
 五人区でもこれは余り変わりません。自民党が三人、社会一人、新生一人、あとは全部ゼロ。しかも、これを五人区にしまして、五人区の最下位当選者の得票率を見てみますと、ほとんど一〇から一五、大体一一から一二%であります。これも仮にの話ですが、仮に全部が五人区ということになって、全選挙区において一〇%以下、こういう平均的な政党があるとすると、その政党は五人区であっても議席数はゼロになります。このような事態はそもそも仮定の問題であり、あり得ないと思いますけれども、多数政党が分立した場合、中選挙区が常に死に票率が少ないということは言えないことだけは指摘しておきたいと思います。
 もう一つは、国政選挙が直接今国民の声を正確に国会に反映するかこそが最大の尺度であって、どんな政権をつくるかにあるのではない、こういう考え方についてです。この考え方は、私は正しくないと思います。国民の声を正確に国会に反映させるとともに、どのような政権を国民が望むかを、選挙の後にその結果を見て各党派の協議で決めさせるのではなく、国民が選挙の中で直接的に判断すべきだと思います。いわゆる議院内閣制の国において、議会までの民主主義をとるのか、行政権までの民主主義をとるのか、こういう命題の問題でありますが、私は後者が正しいと考えております。
 以上で、私の基本的見解を明らかにした上で、幾つかの問題点につき、意見を述べます。
 まず、最大の問題点です政党要件、阻止条項について申し述べます。
 内閣案、自民党案とも、政党の要件として、現職国会議員五人以上とか、直前の国政選挙で三%以上、あるいは新規参入の選挙の場合、比例代表に三十人以上の立候補が必要だとか、こういうような制限を加えています。そして、それによって立候補、選挙活動、政党助成金、政治資金の受領資格などについて、そうでないものとの間に大きな違いが生じる仕組みとなっています。これについては、要件が厳し過ぎ、新しい政党、少数党派に過度に作用するものとして、私は疑問を持っています。そして、再検討をお願いしたいと思います。
 個々の問題については、時間の都合上省略せざるを得ませんが、特にこれに関連して、比例選挙での三%阻止条項について意見を申し述べます。
 政府案による比例代表選挙では、三%未満の得票しか得られない政党は議席を与えられません。これは小党分立を防ぐということでしょう。しかし、議会に少数政党がある程度の議席を占めても、小選挙区部分で多数派が形成され得るのですから、あえてここに持ち込む必要性はありません。三%といいますと、今回の選挙では二百万票近くになります。もし有権者が一〇〇%全員投票するとすると、二百八十万という巨大な数字になります。仮にそのような政党が二つとか三つとかあったら、どうなるのでしょうか。六百万とか七百万という票が、国民の意思が国会に反映されないという事態になります。これは極めて問題ではないでしょうか。
 政党の要件とあわせて、少数者、少数政党への配慮を再検討すべきだと私は思います。少数者は、社会的弱者である場合もあるでしょう。また、将来の多数派となる場合もあるでしょう。いずれの場合もその権利は保障しなければなりませんし、その権利を仮に制限することがあっても、慎重かつ必要最小限のぎりぎりまでにとどめなければならないと思います。
 ここに私は「障害をもつ人々と参政権」という七月に出た本を持ってきております。この中に、在宅投票復活訴訟の件が載っております。この事件は、ここにおられる皆さんは当然十分御存じのことだと思います。しかし、私は再度この事件を引用して、少数者、社会的弱者の投票権の権利保障について申し述べたいと思います。
 この事件は、ここ小樽の裁判所、札幌地裁の小樽支部でまず起こされました。小樽の佐藤さんという在宅の、すなわち外出の全くできない重度の障害者の方が提訴された事件です。私も弁護士になりたてのころ、ほんのわずかだけこの訴訟に関与させていただきました。昭和四十六年六月にこの訴訟は起こされました。当時、外出のできない障害者の方々、この方々は郵便投票制度がないため、投票することができませんでした。そして、事実上投票権が奪われていました。その数は百万に上ると言われていました。しかし実は、昭和二十三年から二十七年まで郵便投票制度はあったのです。ところが昭和二十七年に、これが悪用されるということで、この投票制度が国会で廃止になったのです。そのために、佐藤さんを含め百万の人たちが投票権を奪われました。
 そして、二十年たって佐藤さんは裁判を起こしました。この間、国会議員も弁護士もそして学者も、ほとんどの人がそんな問題があることに気づきすらしなかったのです。一審、二審とも、在宅投票制度を復活しないのは憲法違反と断じました。そして、この訴訟を契機として、国会は昭和四十九年六月に公選法を改正し、郵便投票制度が復活しました。私たちはこの訴訟を通じて、一票の重要性を再度認識し、その具体的保障を常に考えていかなければならないこと、そして身体障害者の方々等ハンディキャップのある方々への配慮の目をきちんと持ち続けるべきことを学びました。
 この経験からすると、この三%阻止条項は余りにも多くの一票を無視すると私は思います。とりわけ並立制の場合には、阻止条項はそもそも必要ないのではないか。例えば、ドイツでは五%条項はありますけれども、ドイツの場合は、少なくとも数で言えば完全比例代表制です。上田さんとか浅野さんという元法制局長の方の本の中にも、だからこそ五%があるんだ、こう書かれていました。並立制の場合は必要ないのではないでしょうか。
 企業・団体献金について申し述べます。
 企業・団体献金については、それが民意をゆがめ、政治腐敗を生むものとして廃止すべきとの意見が現在強くなっており、私も同じ見解を有しています。この点につき、政府案、自民党案ともいま一歩はっきりしない感じが私はいたしております。確かに、政治家個人向けについて企業・団体献金を全面的に禁止している案は一歩の前進であり、賛意を表します。しかし、政党等については五年後に見直すとしかなっていません。
 今直ちにというのは困難かもしれません。また五年後に完全廃止というのも、それは望ましいとしても、政治状況からいって難しいのかもしれません。しかし、五年後という見直しでは先送り過ぎるのではないでしょうか。一九七五年に政治資金規正法が改正されたときも、たしか五年後に見直すという条項があったはずです。それはうやむやになりませんでしたでしょうか。そして、現在の佐川、ゼネコン事件を迎えてしまったのではないでしょうか。それに対する反省はどうなったのでしょうか。私は、せめて三年先ぐらいの緊急の問題としてこの規定を定めるべきだと思います。
 政治資金の公開、罰則などについて申し述べます。
 政府案、自民党案とも公開基準を引き下げ、政治資金規正法違反者の公民権の停止を盛り込んだ点で評価できますし、その他、秘書を連座制に加えたり、当選無効に立候補を制限するというようなものは、いずれも適切だと思います。しかし、この種の法律の強化は、その執行が適切に行われなければ余り意味がありません。
 金丸事件で、法の不備とともに、検察庁の姿勢がこれまで適切であったかについて、国民の間に大きな疑問が生じました。現行法において、公務員の犯す職権乱用罪については、検察官が適切な処理をしない場合があり得るということから、刑事訴訟法二百六十二条は準起訴手続というのを持っています。検察官が起訴しないこの種の犯罪について、告訴人、告発人の請求により事件を裁判に付する決定をすることができる手続です。
 私は、市民が政治腐敗を直接的に監視する制度として、買収だとか政治資金規正法違反などに、このような腐敗選挙政治犯罪についてもこの準起訴手続の対象にすべきではないかと考えます。これは今後の検討課題だと思いますけれども、ぜひ論議の対象にしていただきたいと思います。
 選挙活動の自由について申し述べます。
 私は、選挙活動はできるだけ自由であるべきだと考えています。しかし、我が国の公職選挙法はさまざまな制限を加えています。私は弁護士をやっておりますけれども、その法律の専門家の立場から見ても、やってはいけないことが多過ぎて、また規制方法が複雑過ぎて、問われてもよく答えられない、そんなような法律になっています。恐らくだれが見ても、あれを読んですぐわかるなんという人はいないと思います。
 せいぜい二週間ぐらいの選挙期間です。ポスターが立ち並んだりビラがまかれて、本当に何が困るのかというのは疑問です。多くの人々が選挙に参加して活発に議論し、訴えかけ、そのことが我が国の民主主義の基盤となるのではないでしょうか。その点で、今回の政府案が戸別訪問の自由化を打ち出したことは大きな前進だと考えます。そして、さらに進んで、選挙運動の規制の全面的な見直し、基本的な自由化へ向けて議論されることを期待します。
 最後に、政党助成金について申し述べます。
 内閣あるいは自民党案とも、政党への公的助成制度を設けようとしています。私は、議員の政策活動費や選挙民に対する説明のための旅費等について、もっと多額の国費を出すべきだと考えています。私の知り合いに国会議員もたくさんいます。しかし、選挙区に帰る旅費がない、飛行機代がないというような事態すらあるわけです。そして、そのような資金を抽象的な形で一定額政党に出すことについて、私は反対はしません。
 しかし、政党の財政の基盤は、本来は、何万とか何十万という国民の要求を受けて、その人たちに依拠して成り立つべきだと思います。その苦労をするからこそ、活発な政治活動、広範な人たちとの連帯が可能になるのだと思います。したがって、政党の助成金は余り多くないもの、政党の組織基盤そのものについていえば、政党が自分で賄うものだ。したがって、その部分を除いた政策の作成費、あるいはその宣伝などへの助成に絞られるべきなのではないかと思います。
 現在の政府案は、総額として四百十四億円、自民党案でも三百九億円という大きな金額です。従来の政治資金が、今回の改正により流入しにくくなることへの代替だということを前提としても、私は多過ぎると思います。何の努力もなく、国会議員一人当たり五千万以上の助成金を政党が得るとしたら、提案理由にあるような「政党の政治活動の健全な発達を促進する」より、その組織活動の無気力さをむしろ生むのではないかという、私はそのおそれを感じています。また、各政党の過度の中央集権化を助長することになるのではないかと思います。
 私は、これについてはさらにもっと減額すべきだと思いますし、これも五年後の額についての見直し条項がありますけれども、三年後くらいの見直しとすべきだろうと思います。また附帯して、さきに三%条項のところで述べましたように、政党要件の緩和も必要だと考えています。
 以上で私の意見陳述を終わります。御清聴を感謝いたしますとともに、国会での論議の深まりと、国民の理解の上に立った法改正が速やかになされることを期待します。終わります。
#123
○石井座長 ありがとうございました。
 意見陳述者の最後として、酒井芳秀君にお願い申し上げます。
#124
○酒井芳秀君 まず初めに、政治改革特別委員会の先生方におかれましては、わざわざ北海道にお越しをいただき、私どもの意見を聞いていただく機会をつくっていただきまして、敬意を表するところでございます。
 最も基本論的なことは、この場では避けたいと思います。と申しますのは、新聞、テレビ情報等で、実現へ向かっていろいろな折衝が行われているという段階においては、私は何とかこの小選挙区比例代表並立制でもってこのたびの政治改革、まあその他の法案もございますが、実現させたいとの意思から申し上げたいと思います。きちんと文章立てしておりませんので、雑駁な言い方、あるいはお釈迦様に説法ということになるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。
 現行五百十一議席の衆議院中選挙区制でございますけれども、私は、基本的に総定数は公選法本則に基づく四百七十一人、そして四百七十一人のうちの三百人を小選挙区、そして百七十一人を比例代表ということで配分する自由民主党案に賛成をいたします。
 衆議院は、たしか学校で衆議院と参議院の役割を習ったような記憶がございますけれども、参議院に比べまして、直接地域の声を代弁する役割を有していると考えられております。よって、地域に根差した、地域に根っこの生えた議員がより選出されるべきだと考えております。広く民意を反映するという観点から、比較的小さな政党に配慮しても、総定数の半分を比例代表に配分するのはどうかと思います。
 ここで視点を変えまして、特に申し上げたいのですが、比例代表議員をどれだけの広さの単位で選出するかということは大きな問題でありまして、配分数の問題とも関連いたします。名簿範囲を全国単位とするのであればその数はより少なく、都道府県単位とするのであれば、私は比例代表の範囲は多くてもいいと思います。
 そこで、今参議院という院がございます。ここは総定数二百五十二、百五十二がいわゆる選挙区候補、そして百人が比例代表候補でございます。この参議院の百人の比例代表候補について私は調べてみたのですが、実に百人のうち七〇%、およそ七十名の方が東京を中心とする首都圏に住んでおります。さらに山梨県あるいは長野、千葉あたりまで範囲を広げますと、八十人近くになると思います。実際私、国会便覧で自宅の所在地を勘定いたしました。
 そうしますと、衆議院に全国単位でもって比例代表を五百人のうち半分導入して、行く行くはそのうちの七、八割が便利だからとかいうようなことで、私は、人間はやすきに流れやすいのでそうなっていくのじゃないかなと思いますけれども、そういった地域、首都圏に住んで、先ほど申し上げましたように、衆議院のいわゆるローカルの意見を直接代弁していただけるような議員を選ぶということになっていくのかどうか、ここに大きな不安を持つものでございます。ですから、先ほど言いましたように、全国単位とするのであれば、よりその数は少なくすべきだということを申し上げたいということでございます。
 それから、昨今、地方の時代と言われて久しい。また、最近では地方分権ということでいろいろ言われておりますけれども、特にこの北海道のようなところですと私どもの声を代弁してくれる方が絶対に必要だ。ますます日本は関東圏と関西圏が求心力を持って、加速的にいろいろな面で、人がもちろん集まりますから、プラスの要素を持っていく。比して、郡部は落ち込んでいくということでありまして、これはいずれの内閣になっても変わらないと思うのですが、国土の均衡ある発展というこの大きなテーマからかけ離れていくということになるわけでございます。
 そしてまた、衆議院は、そういうふうによりローカルの意見を代弁して出ていくのだという観点。皆様も、地域のために、この県のために頑張ります、あるいはこの町のために頑張りますと。これは、私は利益誘導という言葉があいまいに使われておりますことに反発を感じるわけなんですが、個人的に利益誘導をする、人間対人間で利益誘導をするということは最もいけないことでありましょうけれども、地域とか自分の出身の選挙区に対するいわゆる公の利益誘導というのは、それがあるから私どもが地方議員も含めて出ているのだと思いますので、釈迦に説法でございますが、そこのところを認識を願えればと思います。そして、それを補完するというか、より大所高所に立って物事を見、国政を動かしていくのに参議院がある、ですからその選挙単位は大きくなっている、こういうことでないかなと思いますので、申し上げておきたいと思います。
 したがいまして、私はできれば都道府県単位、このような形で、北海道をとってみますと、政府案ですと、例えば小選挙区に十人張りつきます。あとは全国単位で今度選ぶわけですから、北海道の声を代弁する候補者が何人立てられて、何人当選していけるのか。今の選挙制度でいいますと、二十三人の衆議院議員が本道から出ているはずでございます。ですから、政府案ですと十人プラス二人になるかもしれない、五人になるかもしれない。しかし、十七人とかそういう数字を仮定してみても、いずれ首都圏に引っ越しされる方もいるかもしれません。それで、地域の悩みをじかに肌で感じて国政に反映していけるかどうかとなると、私は非常に疑問を感じます。
 ちょっと蛇足になりますけれども、何かこのたびの畑作三品の議論の中で、まあ畑作三品と言うとぴんとこないかもしれませんけれども、北海道の代表的な畑の作物でございますが、ある党の方が、三品と言ってわからないのは、これは新しい先生はもっともかなと思います。しかし、小豆という言葉すらわからない、小豆と言わなければわからない、こういう方が衆議院にふえていくような可能性もなきにしもあらず。あるいは、浜にあっては刺し網、刺し網の種類がどういうものがあるか、こういうものをやはりとらえて、そういう一次産業ですとか、そういった問題に取り組んでいくということからしますと、やはりよくローカルを知った議員が出るべきだということでございます。
 したがいまして、この問題の結論でございますけれども、総定数四百七十一、実はこれは私見ですが、これは妥協ということであれば政府案の五百であってもいい。しかし、その比率においては自由民主党案の比率でいくべきであるということを申し上げたいと思います。
 それから、北海道の場合は特殊事情がございまして、実は私、道議会議員の選挙区、日高支庁でございますが、和歌山県と同じ広さでございます。そこで、政府案、自由民主党案とも、小選挙区の場合は日高、胆振で一選挙区ということが想定されます。そうしますと、これはおおよそ和歌山県を三つ合わせた選挙区ですから、これ以上広くはなりませんけれども、これだけでも候補者にとっては大変な政治活動の量になるわけでございますし、選挙運動の量にもなります。ですから、この期間短縮につきましてもいかがかなと、これはつけ加えておくだけでございますが、思っているところでございます。
 次に、地方政治と地方議員にかかわる問題ですが、これはるる今お話がございましたとおり、今回の政府案は片手落ちであると言わざるを得ません。この人口掛ける三百三十五円という数字は、国会議員の政治活動費を根拠として算定しているやに聞いておりますから、私ども自由民主党所属の都道府県会議員の政治活動費は算定に入れておらないはずです。この点は、全く片手落ちと言わざるを得ません。
 そしてまた一方で、無所属の首長、地方自治体の長、そして地方議員、これはもう八、九割になると思いますが、この方々は政府案では個人献金のみに頼る、こういった選挙になるわけでございます。政令指定都市の議員以上は大体大きな経費がかかるのが普通でございますけれども、やはり中規模の都市部の市会議員の先生方は、私どもと同じような事務所を構えたりしてやっている先生方もいます。そうでないと地元のニーズにこたえられないというケースを考えますと、私は、蛇口の水を絞って、後やることだけやりなさいというような、大変乱暴な法案でないかなと思っているところでございます。したがいまして、地方政治と地方議会に対する配慮を今すぐ御検討の上、案を出していただきたいなと思います。
 それから、戸別訪問についてでございますが、今解禁という考え方は、私の見方では唐突で時代に逆行するものでないかと思います。今、やはり個人のプライバシーというものを大事にする時代でございますから、大相撲の真っ最中でございますけれども、背広を脱いでラフな姿になって大相撲を一生懸命見ているときに、ピンポンと来ます。そっちに御主人が出たとします。今度電話作戦で、電話に奥さんが出ます。そして、外では選挙運動のスピーカーが鳴っている。こういう事態が予想されます。
 大体、戸別訪問を受ける方は当てにされている方でございますから、ひっきりなしに市会議員――札幌なんかですと知事、道議、市長、市議、一緒にやるわけですから、これは大変なことですよ。多分、その当てにされる人は朝から晩まで、仕事になりません。当てにされない人は、一方で見るとひがみっぽくなっちゃって、何でおれのところへ来ないのだろう、私のところへ来ないのだろう、こういうようなことも予想されますので、私は、公示前の日ごろの政治活動で足りないのか。一生懸命皆さん方も私どもも会合を開きます。また、公示に入ってからも、個人演説会という手段があるじゃありませんか。五人でやっても個人演説会、五十人でやっても個人演説会。そういうことで足りないのかなということで、これはやはりもう少し、政治腐敗防止ですとかいろいろな有権者の意識の熟度が高まり、と言うと有権者を信頼していないようで失礼でございますけれども、そういった段階でやるべきであります。
 むしろ代替の措置として、予算をつけていただいて、私ども都道府県会議員にも政見放送をやらせていただきたいと思うのですが、テレビの活用ですとかラジオの活用ですとか新聞の活用を、私は考えた方がいい。海外にいる方の投票の問題もございますけれども、衛星放送ですと、これは私は直接候補者の話を聞くことができるという点も注目しているわけでございます。それで、ある新聞に載りましたけれども、北海道の旭川の老人の方でございますけれども、戸別訪問が解禁になったら戸別訪問お断りの張り紙をするそうでございます。ということを申し上げて、戸別訪問は反対でございます。
 それから、政党助成と腐敗防止でございますが、私ちょっと不勉強なんですが、イタリアはことしから政党助成、公費助成をやめるということでございます。と申しますのは、政党とは何かと、いうことをまずきちっと議論して固めなければ、いわゆる衆議院の院内会派に対してお金を与える――ちょっと粗雑な言い方でございますが。ですから、好きな者同士が十人集まれば九億ぐらいのお金が当たることになるのでしょうか。しかし、地域に根っこが生えてないのです。その支部はどこにある、少なくも北海道、札幌にある、まだそれならいい。札幌にも存してない。
 また、私どもから言わせると、全国の津々浦々までそういった考えに共鳴する方がいて政党が成り立っている、そういう党にきちっとした政党助成をするというのであればいいけれども、内閣を組織するために合従連衡して、二十人引き連れれば十何億というお金が支給される。こういうものによって多党化というものが非常に進んで、イタリアのようになって、党対党の駆け引きでお金が乱れ飛ぶということで腐敗を増長させるということも、考えられないこともない。ですから、政党助成の問題については、相当まだ議論が私は必要かなと思いますけれども、この際、地方のことに配慮していただけるのであれば妥協点を模索してもいいかな、こう思っております。
 それから、最後に申し上げますけれども、この公聴会、この時期と今後の日程でございます。私は、新聞情報等でこの公聴会が終わり次第もう詰めの作業に入るというから、よくあるように、この公聴会もセレモニーで終わるのかな。ですから、今全国でこの公聴会で意見を聞いたことを本当に私どもに配慮してやっていただくのなら、やはりまだ何日もかかっていくのが本当でないかな、このように思う次第でございます。ですから、これはちょっと口幅ったい言い方でございましたけれども、拙速じゃなくて、十二分な議論の上に、しかし国民が望んでいる、アンケート調査でもそうなっていますから、政治改革を適当な時期に、歩み寄れるものなら寄ってやっていただきたいな、このように思うものでございます。
 大変失礼な言動にわたりましたけれども、以上で私の陳述といたします。ありがとうございました。
#125
○石井座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#126
○石井座長 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笹川堯君。
#127
○笹川委員 私は、自由民主党の笹川でございます。大変多くの皆さんが陳述人としてきょうおいでをいただきまして、ありがとうございました。
 また、今セレモニーではないかという酒井さんのお話であります。これは本当に皆さん方の意見を聞いて、ゆうべも夜遅く座長は東京の方に連絡をいたしておりますので、必ず皆さん方の御意見が反映されることだけは間違いない、こういうふうに申し上げておきます。
 それと、時間が大変短いものですから、わざわざ札幌まで来て、本当なら丸一日くらいやらせていただいた方が我々もありがたいと思っているのです。しかし、これも定められたことでありますのでお許しをいただきたい、このように考えております。
 さて、政治改革問題は長い間やりまして、別に細川内閣になったから急に出たものではございませんし、その点については今まで自由民主党も長い間やったのだけれども、当時の国会情勢でどうしても反対が多くてできなかった。たまたま今回の政権がかわったという機会に、これはそれぞれが歩み寄って何がなんでも、国民に対して公約であるからやろう、こういうことで実は話し合いをしております。もちろん、政党間の話し合いでありますから、骨格の部分で譲るというのはどうしても時間が大変かかります。しかし、時間がかかりましてもこれを達成したいという気持ちは全員持っておりますので、その点まず御理解をいただきたいと思います。
 さて、私たち三人が交代して皆さんにお尋ねするわけですが、お尋ねしておりましてまた御答弁が長くなっても、私の方も次の質問が出ないわけでありますが、いろいろと各党間で問題になっております、そしてまた、国民の皆さんが一番心配をしておるということにつきまして、幾つかあるわけでありますが、まず戸別訪問はやった方がいいかやらない方がいいか、これであります。これは、長い間実は禁止されましたが、もう堂々と欧米並みに開放したらいいじゃないか、しかも国民が良識をもってすればいい、必ずこうおっしゃる。しかし、選挙というのはエキサイトしまして、なかなか良識的に行動ができないというところに実は選挙の難しさがある、これをぜひ御理解をいただきたいと思います。
 それから、選挙をやる方については、何でも自由の方がありがたいに決まっております。しかし、主権者たる国民の側からいいますと、飯食っている最中に来られたり、ふろ入っている最中にどやどやと入ってきて、これも困る。ですから、国民の側から困るという問題を私は取り上げるべきだと思うのです。
 今どなたかが、候補者だけならいいじゃないかというお話もありました。これは大変ユニークでありまして、私も実は制限つきで解禁したらどうだ。例えば、二十人から三十人ですな。腕章をはめてやったらどうだ。それがもしうまくいくようなら、将来は全面解禁してもいいじゃないかということで、私は候補者だけいいということは実は気がつきませんでしたので、もし候補者だけいいということなら、これも大変おもしろいアイデアじゃないかと思うのですね。そうすると、七十歳定年制を設けなくても、七十歳以上の人はとても歩けませんから、そういうことでは非常に、実質的に定年制が導入できたということにもなるのじゃないかと思うのです。
 それから、三%の阻止条項であります。私個人としては、これはない方がいい。例えば少数政党がたくさんできて政治が安定しない、あるいはまた二大政党をこしらえていって、政権交代可能な政党にするのだというのが小選挙区制のねらいだ。これも事実わかるのですが、やはりせっかく国民の方が、寒くても雪が降っても、わざわざ投票所まで足を運んだ人たちが投票したことが無効になってしまうのですね。これは、できたら私は余りやらない方がいいと思っておりますので、三%条項はなるべく外した方がいい。一人しか当選しなくても、その人の政治活動が正しくて多くの国民が共鳴すれば、次の選挙でどっとふえる可能性もあるわけですから、そういう可能性の芽を摘んでしまうことはいかがかな、こういうふうに思っておるのですが、お手を挙げていただいて、申しわけありませんが、マル・バツ式でお答えをいただきたいと思うのです。
 三%は絶対に守った方がいいという人、ちょっと手を挙げていただけますか。三%条項を入れた方がいい、今の阻止条項ですね。三%以下が切り捨てになるわけですよ、足切り。足切ってもいい、しようがないと。――いませんか。
 それじゃ、三%の足切り条項を廃止して、票は一票でも全部生かした方がいいと思う人、手を挙げていただけますか。――どうもありがとうございました。
 それと、きのう秋田でもやったわけでありますが、いろいろな政党がいろいろな人を推薦をしておりますが、必ずしも党が推薦したとおりに御発言をなさってない人がたくさんいらっしゃる。これは非常にいいことだと思うのですね。党から頼まれたからといって、その党のために皆さんが発言する必要は全くないのでして、自由民主党でも、私みたいに企業・団体献金は廃止の方向の方がいいという人間もいるわけであります。だから、その点については大変心から感謝を申し上げます。
 それから、公的助成金の話でありますが、地方議員に対してはどうしてくれるんだというお話がきのうもありました。実は、大変申しわけありませんが、そこまで気が回らなくて、自分の頭のハエを追うんで精いっぱいだったということは申し上げておきます。これは大変必要なことでありますので、順次これから取り組んでまいります。
 それから、もう一つは、これから政策と政党中心の政治活動をしていこう、選挙運動をしようということでありますので、無所属が地方議員は多いんだよということは確かにわかるのですが、これも将来はある程度、議員である以上は整理されていくのが私は普通じゃないのかな。これは、市長さんだとか知事の話は別でございますよ。議員さんはやはり、議員活動をしていくについて、どこの政党の政策に共鳴するかということである程度絞られていくんで、今の無所属がいいんだよ、だから無所属にも公的助成金をという話は、ちょっと私は将来は無理じゃないのかなという気がいたします。
 それから、税金を政治活動に使わせていただきますと、経費がかかっていますので、確かに国民がもっと厳しく、政治に対して関心を持って監視をするという面は出てくるだろうと思います。今度逆に、その反対に余り公的助成だけに頼ると、政治家がある程度資金集めをして、また集めることによって、出した人は一生懸命応援しますね、そういうものがなくなるというデメリットもあるように私は思います。いずれにしても、政治献金と汚職という、裏金というものが非常に混同されておる、新聞や何かに報道されても、あるいはテレビでも。その点の区別がなかなか国民につかないということは、実は政治家の側からすると大変残念なことだ、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、公的助成金は多いか少ないかになりますと、出す方は少ない方がいい、もらう方は多い方がいい。あるいは、政党によりましても、今までの中選挙区で非常に同士打ちをしている自民党ですな、この場合には経費がかかっていますから、なるたけ余計欲しい。あるいは、社会党さんだとか公明党さんみたいに、今まで政権に縁がなかったから、しかも五人区で一人しか出さない場合は経費も非常に安い。それを参考にすれば、安い金額でもいいじゃないかというようなことにもなりますが、いずれにしても、各党は政権をとるために頑張るわけでありますから、そういう意味では、大変申しわけないですけれども、公的助成というのは必要なものだということをぜひひとつお考えをいただきたい。
 私は個人的には、企業からの政治献金は、自分の関係する以外のところからはほとんどもらっておりません。やはりもらえば頭も下げなければならぬし、拘束されるということは事実です。それは、物をすぐ頼まれるということはないでしょうが、精神的にはやはり借金があることは間違いないので、でき得れば私は公的助成金だけで、国会議員は一〇〇%国家と国民のために政策を勉強してやる方がいいんじゃないか。だから、北海道から若い立派な代議士出ていますが、年じゅう金が足らぬ、金が足らぬ、北海道に帰るのが飛行機賃が高くてしようがないとか、そういう話をしょっちゅう聞いております。ですから、公的助成というものはやはり必要だ。
 それから私は、一極集中を廃止しよう、多極分散型の国土形成と言っているのですね。ところが現実に、この小選挙区制でやっていきますと、大都市に国会議員がふえまして、北海道も少なくなってしまう。そうすると、それでなくても広いところを回らなければならないのに、今までより以上、もっと回らなければならぬということになると、北海道出身の国会議員の寿命は短いのじゃないでしょうか。これは端的に、医学的に言ってもそういうことは私はあり得ると思うのです。むちゃくちゃ使うのだから、そうですね。
 そういうことを考えると、しかも総数はほとんど減っていないのですよね、五百人だから十二人しか減っていない。ところが、地方の国会議員がどんどん少なくなって都会に集中してしまうというと、今酒井さんかな、何か地方の意見が集約されない、国会議員の比例代表の人がほとんどそういう大都市に住んでしまうのじゃないかというようなお話がありましたので、その意見も私よく頭の中にたたき込んで、きょうは私は皆さん方の意見を聞くために北海道に来た、こういうふうに理解しておりますし、自民党の中でもいろいろな考えがあると思いますが、私たちの考えも今生でちょっとお知らせしましたので、どうも質疑形式にならなくて大変申しわけありませんが、皆さんの発言はしかとここに書いて東京へ持って帰りますので、どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#128
○石井座長 斉藤斗志二君。
#129
○斉藤(斗)委員 斉藤斗志二でございます。まずもって、本日いろいろ貴重な御意見を賜ったことを厚く御礼を申し上げます。
 私どもも、各界各層からぜひ地方の声を聞いてほしいということ、そしてさらにそれを政治改革に反映してほしいということ、もう一つは、地方議員並びに無所属議員に対する特に政治資金に関しての配慮をしてほしい、こういった陳情をたくさんちょうだいをいたしました。そういうこともございまして、当初よりも多い回数の地方公聴会を持つべきだということを自由民主党が主張いたしまして、今回二日にわたりまして全国十カ所になったということ、私どもはこのような機会を持ったことを非常にうれしく思っているわけでございます。
 そこで第一は、ぜひお伺いいたしたいのは、地方の声をより反映させるという中で、比例配分、議席配分の件でお伺いをいたしたいというふうに思います。先ほど酒井さんからもその旨の御発言をいただきましたし、また橋本さんからは、逆に総定数は四百七十一がいい、かつ小選挙区と比例の比率を、確認でお聞きしたいのですが、二百六十と二百十一とおっしゃられたのですか。
#130
○橋本耕二君 二百三十六と二百三十五でございます。
#131
○斉藤(斗)委員 ちょっと聞き違えました。
 そうしますと、ほとんど差がないというようなお考えを御披瀝いただいたわけでありますけれども、私は、参議院と衆議院、それぞれ性格が違うんだ、民意の反映と民意の集約、これは予算に関しまして、首班指名につきましても、その役割が違うわけでございまして、そういう意味では、衆議院には衆議院なりの性格をより強く持たせるべきだと考えております。
 そこで、御参考までに、現在参議院が総定数が二百五十二で比例部分が百でございまして、割り算をいたしますと三九・七%という数字になるのですね。約四〇%弱でございます。私は、衆議院においては、比例においてはこの数を超えるべきではないというふうに考えておる一人でございます。そういう意味では、自由民主党が出しました四百七十一で比例が百七十一、これは三六・三%になるわけでございまして、この辺までが限度かなというふうに考えておるところでございます。
 これから与野党の話し合いにもなるでしょうけれども、例えば三百ということを、私どもはどうしても、地方の時代のことも考えますと小選挙区で三百。逆に、これを比例にまで逆算していきますと、四〇%を限度とするという一つの数字を持ちますと、五百の場合は二百ぐらいまでが限度になるのかな、こういう気もいたすわけでございます。私は、ぜひ地方の、そして直接選べる小選挙区の数をきちっと担保し確保する、そしてそれは先ほど申し上げました参議院の性格との関係で、参議院を上回ってはいけないのだというふうに思っているわけでございます。
 その点、酒井さんには先ほどそのようなことを強く御主張いただきましたので、私は避けたいと思います。橋本さんには、四百七十一というのは私どもと意見は一致したのでありますが、その比率において、私の意見、そのようなことでお聞きいたしますが、再度御質問申し上げます。
#132
○橋本耕二君 四百七十一という部分については、今まで本来そうであった数字でございます。先ほども言いましたように、現在五百十一になっているというところが逆に不思議なところでございまして、その数字を割り出しましたのは、冒頭に申し上げましたように、何とか最大公約数的な妥協点を見つけてやっていただきたいという一つの思いからでございます。
 なぜ一つ選出の方が多いかということでございますけれども、それにつきましては、例えば千歳とか恵庭とかという、北海道近辺、自衛隊の方が多い町がございます。例えば今回のPKOの問題が結果的に非常に世論を喚起するといいますか、成功に終わったという部分で終わっておるわけでございますけれども、一番最初のことを考えますと、やはり隊員の家族の方ですとか身内の方にしますと、危険な任地に赴かせるということについては余り好ましくないというふうなことになってくる。それが今後の形の中で、そこから選出される議員の方がいらっしゃるときに、先ほど言った地方の民意といいますか、自分の選挙区に対する民意ということを考えますときには、非常に賛成しかねる部分が出てくる可能性があるだろう。
 それを、ブロック割ないしは都道府県割、全国割ということは別としまして、比例の方で出ていかれる方が、今度は参議院と衆議院のことはちょっと別としまして、いわゆる日本国として、ないしは国際的な情勢の中で今日本がどうあるべきなんだという形を考えることができ、そこで民意といわゆる日本国としての考え方の中での調整を図るという部分で、数多い形の方が私はいいだろうと思うけれども、地方の民意を出す方が、足して二で割って一余ったのを単純に計算しました。申しわけございませんが、そういうことでございます。
#133
○斉藤(斗)委員 同じ質問を常本さんにお伺いいたしたいのであります。
 比例は、要するに間接選択になってしまうのだというようなことで、少なくとも政府案の五〇%は多過ぎる、三分の一が限度だという御発言をいただいたわけでございます。今橋本さんの方からも、ちょっと自衛隊に関して、PKOの関係、派遣の問題につきましても、地域の事情と全国の事情が多少違うので、そういったことも配慮した方がいいんではないか、そういうような内容での御返事をいただいたわけでありますけれども、私は、常本さんには自衛隊の関係の御経験も多少おありになるというようなこともございますが、三分の一というのはやはり一つの良識ある数字ではないかなと思いますので、再度お伺いしたいと思います。
#134
○常本省三君 私は、全く自衛隊にこだわってはおりません。市民、国民を選挙民という考え方で発言をしております。
 私が申し上げたいのは、衆議院は原則的にはやはり民主的に、市民、国民一人一人が直接代表を選ぶべきであるというのが、私の考え方では原則であります。しかし、この法案の全体を見ますと、少数意見が反映されないではないかという意見もございますので、それらもやはり大事でありますから、考えるならば、三分の一ぐらいまでが限度であろう、私はそれ以下が適当であろうと思います。
 特に、地方の意見が国で十分述べられ、反映されなければならないのが衆議院の基本的な体質だと思いますから、それが比例の場合は、特定な方を最終的には選ぶのですね。先ほど私も申し上げました。それぞれの政党の権力を持っている方、あるいは政党以外の権力を持っている方、選ばれた者がメニューの中に載ってくるということでございまして、これはやはり原則的には、むしろそれをするならば、事前にその中に出る方が、ちょうど裁判官のあれがございますね、あれと同じように、適当であるかどうかということもあわせやらなければならないぐらいな気持ちを持っております。そういう理由でございます。
#135
○斉藤(斗)委員 ありがとうございました。
 もう一つ、地方並びに無所属の議員さんに対する政治活動の経費、コストを担保するということについて、現在出された案は十分ではないのではないかという御指摘もいただきました。その中で、自由民主党の案は、実は政治家の資金調達団体という制度を設けておりまして、それが国会議員の場合は二つという上限を設けております。そしてさらに、企業並びに団体からの献金は上限を二十四万円ということで設けてあるわけでございまして、これは節度ある、また社会的に常識的に認められた範囲ではないかということで出させていただいているわけでございます。
 そんな中で、例えばこの自由民主党の案の方に沿って考えるということであるならば、地方議員の皆さんまたは無所属議員の皆さんに関しましては、国会議員と地方議員は選挙区も広さが違いますので、例えばその資金調達団体を一つということで、かつ、現在自由民主党では二十四万円という上限を設けておりますが、これを半額の十二万円で一企業・団体からの献金は認めようではないかといった考え方は、私はそれも一つの考え方だなと思っておるわけでございます。
 きょう、お三人の議員の方々がおられますので、試案でございますが、そのような制度が導入されれば、少しは地方議員の活動の経費の一助になるというふうに考えられるのではないかと思うのですが、その点いかがでございましょうか。三人の議員さんおられますので、常本さん、それから鳥井さんと酒井さんにお願いしたいと思います。
#136
○常本省三君 私は、地方議員もやはり活動するにはお金がかかるということで、概念的に申し上げるのは失礼だと思いましたので、私の場合を先ほど申し上げました。
 私は、議員に出たときから、お金にきれいな議員活動をしようと思いまして、びっしり書いてきました。それで四百六十一万円、これは十年間のものを全部足して年平均に割ったものでございます。これは、先ほどちょっと仲間の議員の方と話しましたら、少ないのではないかなという意見もありました。確かに事実そうかもしれません。
 少ない理由は、事務所が、私の足元にある自民党の支部の事務所をそのまま私が使っておるものですから、事務所代が要らない。もう一つは、事務はこの十数年間、家内が一人で全部やってきた。事務というよりは、私ども一番大事なのは電話当番なんです。これはもう私の地域では有名です。あそこは奥さんが――ただ、家内は電話を受けるだけというのが基本でございます。今主人がおりませんので、議員ではありませんから余計なことを言うなということで、ただお聞きするだけのことを今もやっておる、きょうも事務所に行っておりますが。そういうことで、経費はそのくらいであります。
 一万を超す票をいただいておりますから、多くの方々とのおつき合いをしておりますし、私は自分で運転をしながらあちらこちら飛び回っておるというようなことでございまして、お金は要ります。したがいまして、理想的には、これはやはり公費で賄うようにした方が一番間違いないのじゃないかな、こう思いますので、先ほどのような陳述をさせていただきました。しかし、全体を考えますと、今早急にそういうことにということにはならないと思いますので、法は人が決めたことですから、ぐあいが悪かったらまた変えればいいことでありますので、どうぞ今お考えのとおりのものでまず進めていただいて、悪いところは直していくということもやぶさかではないと思いますから、そこまでは私は申し上げません。
 原則的にはそういう気持ちですので、お酌みいただきながら、また五年後の見直しということでございますので、十分せんさくをされ、それを、どなたでもが政治に参画できる、参画というのは投票のことではなくて、議員に出てそして活動できるような、有能な人材たくさんおります。ただ、やはりそういうような問題がありますので、お勧めしても出てこない。私ももうそろそろ交代を考えて相談しました。しかし、一番のネックはやはりお金かかるのではないかということなんですよ。したがって、おまえ今までやってきたのだから、もうちょっと頑張ってやれ、そんなに年でもないだろう、こう言われて、もうしばらく頑張っていきたいと思いますが、金銭的にもどなたでも出られるような体制を法的に確立する必要があろうかと私は思います。
 以上、返事になったでしょうか。終わります。
#137
○鳥井修君 私、地方議員といいましても、村の議会という、町村議員については報酬が与えられておる範囲内で間に合っておるのではなかろうか。
 町村の議員の実際の役目と申しますと、今日厳しい農業情勢の中でそれぞれが出稼ぎに行ってしまう、そして周りはもうがらんどうであるというのが今の現状でございます。そういう中で、高等小使といいますか、消防の後援会の会長であるとか、期成会の会長であるとか、そういうもろもろの役職を受けながら留守を守っているような状態であります。そういうようなことを政治活動でやっているのです。これが政治活動かなというような感じもしてやっております。
 ですから、私は、各級の選挙を見ている中で、郡部の道議会議員の動きを見ていると、もう衆議院議員以上に動かなければならない状況の中で、衆議院議員だけが手当を受けて、道議は考えていないような状態の中のものは、非常に不公平を感ずるということを申し上げたわけでございます。大きくなる市会議員とかそういう地方議員の場合は、今申されたとおり、いろいろな活動費がかかろうかと思いますけれども、私のような三千や四千の小さな地方議会では、自分の歳費が活動費と思ってやっております。
#138
○酒井芳秀君 ただいま鳥井先生からもお話ありましたけれども、北海道は面積が広いということで、町議会の方、村議会の方と市議会以上の議員の方との差が出てくると思います。
 そんなことで、さっき和歌山県と同じ選挙区から私、定員二名で出ているわけなんですが、ここからまた二時間半ぐらい私の地元事務所までかかるので、やはり秘書という人を置いて地域のニーズに対応させなければならないという意味では、大きな政治活動費、衆議院の先生よりはるかに地元の会合や現場に出向くことが多いわけですから、そういった意味では非常にかかるという意味で、自由民主党の経過措置を入れた対応、これは適切。そしてなおかつ、馬杉先生おっしゃられましたように、五年と言わず、状況を見てどんどんこの見直しの議論をされていく方がいいのではないかな、このように思っております。
 それで、この機会に、戸別訪問ですが、実際私の選挙区はそういうところなので、候補者個人に戸別訪問を許すといっても、初日に車に乗ってしまったらおりられなくて、片っ方の手でお握りほおばりながら片一方で手を振っている、こういうのが現実でございますので、ここら辺も考えていただきたいな、このように思う次第でございます。
 ですから、経過措置を講じながら、企業といえども、法人と言われるように人ですから、信頼しなさ過ぎるのもいかがかと思うのですね。ですから、公開基準を下げたということで、やはりそれが皆さんの前に明らかになるわけですから、そういった方法でいいのではないかなと思います。
#139
○石井座長 野田毅君。
#140
○野田(毅)委員 どうも意見陳述者の皆さん、大変それぞれに貴重な御意見をちょうだいをしてありがとうございました。
 特にその中で、常本さんがおっしゃいました、やはり選挙の原則というのは直接有権者が代表を選ぶのであって、この姿が一番基本なんですというのは、私ども全く同感なんですよ。したがって、もう釈迦に説法ですが、日本では憲法上いわゆる間接選挙はできませんね。そういう点からすると、その中で御指摘のあった拘束式比例というのは、さっきもおっしゃいましたけれども、リストの中でAという人はぜひ上げたいけれどもBという人は嫌だ、だけれどもやはり政党を選ばなければならぬというような、率直に言ってややそういう難点があることは現実なんですね。
 特に拘束式比例ということになると、我々政治活動をする者は、本当は有権者の代理人ではなくて代表者ですから、必ずしも全く代弁しなければならぬということになるとこれはちょっとおかしいのですけれども、しかし、どうしてもこれはやむを得ないですよね。ある程度自分の支持基盤の方向というか、支持者の主張なり意見というものを十分にわきまえた上で判断をするという、これがやはり現実問題の政治活動の原点だろうと思います。
 そういった点で、どちらかというと比例がどんどん広がるということは、特に全国単位で選ばれるということになると、さっき御指摘があったように、党の中の偉い人とか支持母体の偉い人とか、そういう人の御機嫌を伺うということが優先をして、むしろ自分を支持してくれた有権者というのが直接見えないわけだから、そういう点でやはりかなり問題があるいはあるのかなという気はします。そういう認識でさっきのような御主張になった、こう理解しておってよろしいでしょうか。
#141
○常本省三君 そのとおりであります。
#142
○野田(毅)委員 ありがとうございました。
 そういう点でもう一つ。馬杉さんのお話も大変傾聴させていただきました。私どももこれは基本認識として、特に選挙制度をなぜ今変えるのか。中選挙区制度がただ単に金がかかるから変えるのだということだけでなくて、やはり日本の国の政治のあり方、これからの国の政権のあり方という問題に関連して、今の参議院のように十二もたくさんの政党があると、連立が不可避になって、少数政党がキャスチングボートを握って、有権者が選挙で選択した後になってから政権の政策が決まるということは余り好ましくない。だから、むしろ選挙の際に政権の骨格まで有権者が選択できるような仕組みの方がいいのだ、それが中選挙区の場合はなかなか難しいのではないか、だから選挙制度を変えるということの意味があるのだというふうに承ったのですが、その点はどうでしょうか。
#143
○馬杉栄一君 そのとおりです。
#144
○野田(毅)委員 ありがとうございます。
 そこまでは、私どもも実は全く同じなんです。そこから先がちょっと違うので、もしそうであるとするならば、むしろ配分比率が、今の参議院の選挙は確かに比例が百なんですが、実際の選挙は、あれは半数改選ですから五十名ですね。つまり、五十名の全国単位の比例でやっていてもこれだけ多党化するわけです。かてて加えて、政府案では、余り多党化が進み過ぎないようにということで三%阻止条項を入れた。しかしこれは、先ほど来笹川委員の御質問で皆さん問題意識をお持ちになった、憲法上非常に問題があるのではないか。
 そうすると二百五十の、だから今までやっておる参議院の五倍の定数で、しかも阻止条項も一切なしにやりますと、比例の選挙では多党化が五倍進むのではないのかな。そうすると、むしろ今の中選挙区よりも、衆議院の中はやったらめったら多党化が広がってしまうという、こういう懸念をお感じになりませんでしょうか。
 そういう点で我々は、一つは配分比率を、少なくとも参議院の現在の配分比率よりも比例の比率を上げてはならないという一つを持ち、同時に、さっき常本さんにお話ししましたそういう問題意識もあって、むしろ選ぶ単位を全国単位ではなくて、我が党案では県単位だというような発想でやったのです。そういう点で、馬杉さんのお話の筋を通していくと、考え方としてはむしろ政府案よりも自由民主党案に結論的には近づいてくるのではないのかな、こう思うのだけれども、いかがでしょうか。
#145
○馬杉栄一君 私の考えは、さしあたって、多分多数政党が存立することになるだろうと思います。しかし、恐らく流れとしてそれがそう極端に続くとも思いません。
 私の考えとしては、今の先生のお話のとおり、選挙の際に政権の骨格まで見通して、それに投票するということが必要だと思います。そのことを満足しつつ、しかし、これからかなり大きい変化をもたらすであろう二十一世紀に向けて今の日本の状況を考えますと、今の時点で少数政党を抹殺してしまうような状況がもしあるとすれば、日本の進歩発展の芽を摘んでしまう可能性を感じています。したがって私は、少なくとも今の時点で自民党案のように多数の部分を小選挙区にして、そして今の時点で少数政党が、抹殺という言葉は悪いですけれども、消えるのが早まるというのは正しくないと思うのですね。
 私は、選挙制度というのは、その時代やその国に合った制度だと思うのですね。あの国でこうだったから、では日本で合うかということにはならないと思うのです。私は、あくまで今の政治情勢の認識において、あるいは日本の発展においてという意味ですから、将来的にどうかということまではわかりませんけれども、少なくとも今の時点では、私は多くの政党が存在してもいいと思っています。しかし、そのことによって国の安定的な政権ができないということや、あるいは先ほどから述べていますように、国民がどういう政権ができるかということについて直接的に判断できないということはまずい。だから、この調和を今のところはイーブンでとる、それからスタートをすべきだという考えであります。
#146
○野田(毅)委員 これはお三人にお伺いしたいのですが、さっき我が方の斉藤委員もちょっと言及しましたが、仮に与野党話し合いの結果、議席の配分比率が、当初政府案をつくられる前は、社会党はどうしてもだめだと言うので二百五十対二百五十になったのだけれども、新生党と公明党は三百対二百でいいじゃないか、こう言っていたわけです。そこで、仮に与野党が一生懸命精力的に話をして、結果において三百対二百になったということになったら、相原さん、橋本さん、馬杉さん、それはそれでよしとするということであるかどうか、ちょっと教えてください。
#147
○相原敬用君 定数配分の問題については、極めて高度な政治判断を必要とすることだと思うのであります。一公述人が、高度な政治判断について何名がいいということについては、なかなか言い切れません。
 ただ、私は先ほど主張したように、いわゆる選択肢の幅ということについてやはり広げておくべきだ。したがって、いわゆる小選挙区基準と比例基準についてはフィフティー・フィフティーというのが、現状ではよりベターだと思っています。しかし、高度な政治判断の中で、一定の話し合いが行われる過程の中でその割合が変わり得るということは、最終場面あり得ることかもしれません。ただ、その場合に、余りにも小選挙区の方が多くなるということについては私は避けてほしいというふうに、どうしてもという状況の中ではそういうことがあり得るのかな、こういう判断をしております。
#148
○橋本耕二君 先ほど陳述の中でも申し述べさせていただきましたけれども、最大公約数的妥協点をぜひ見出してということでございますので、今野田先生がおっしゃったことにつきまして、もし皆さんがお集まりになってそういう妥協点に達したということであれば、大賛成であります。
 以上です。
#149
○馬杉栄一君 今、新しい制度を入れるわけです。したがって、先にそのことによってかなりの部分が決まってしまうということは、妥当でないと私は思います。
 私は議員ではありませんから、国会で票を投じるということはないのですけれども、二百五十、二百五十の線というのは、まずこのスタートとしてはきちっと守っていくべきだというふうに思います。そこからスタートして、次のときに考えられないわけではありませんから、その次の段階でそれなりの考えをまた国民に問うべきだと思います。現段階では、私はこの二百五十、二百五十であるべきだという考えを持っています。
#150
○野田(毅)委員 終わります。
#151
○石井座長 次に、堀込征雄君。
#152
○堀込委員 六人の方々、傾聴すべき御意見を賜りまして本当にありがとうございました。
 私は、まず政治資金の関係についてお伺いをするわけでありますが、御存じのように、御指摘ございましたように、地方政界までゼネコン事件で飛び火をしまして大変なことになっているわけであります。公共事業の入札制度やいろいろな問題をめぐって、やはり我々政治家というのはいろいろそういうことを頼まれたりする立場にあるということは、これは一方で地方議員の方々も、それを頼まれてやるかやらないかは別にして、そういう機会にしょっちゅう、まあ存在としてはあると思うわけですね。
 そこで、先ほど来、政党助成の話として地方議員に配慮しろという話はよく承るわけでありますが、今度の政治資金規正法改正では、これは私ども政府案もそうですし、自民党さんの案もそうですけれども、この際やはり議員も相当厳しい政治資金規正法の世界に身を置こうということで、議員の周辺のお金については公開性も高めたり、自民党さんの案では資金調達団体、年間二十四万円まで、二つということに限定はしていますけれども、相当絞り切って、金をかけない活動をしていこうという決意で実はこの両法案が出されて、今議論されておる。
 そこで、政党助成の方は、地方議員に配慮しろということはまだわかるのですが、企業の献金の方ですね。これもなくなってしまうと地方議員が困ってしまうのだということについては、私はぜひ地方議員の皆さんにも御理解をいただいて、この部分につきましては、少なくも政治というのは、先ほど笹川先生から出ましたように、やはり企業からもらうといろいろなしがらみができるわけでありまして、そういう意味ではそういう御決断ができないものかどうか、これは常本さんにちょっとお伺いをしたいわけであります。
 ぜひそちらの部分、例えば現行の公職選挙法でも政治資金規正法でも、例えば地方公共団体あるいは国と請負その他の関係があるところから選挙に関する資金を受けてはいけないとか、いろいろな規定があるわけでありますが、実際には宮城や茨城やああいう裏の世界の話もあったり、表もやはりそういう業界からかなり受けているというのもあると思うので、ここはやはり断ち切るべきではないかという考え方を持っているのですが、いかがでしょう。
#153
○常本省三君 地方の議員の献金についてお尋ねでありますが、地方の議員といえどもお金はかかります、飛び歩いておりますので。しかし、私のことは先ほど申し上げました。いつでもどなたにでもオープンにしますということであります。
 企業からの汚いお金、これはもうどなたであろうと私は許されないと思います。政治家の資質に欠けるのですね、それは。だから、これは企業であろうと団体であろうと何であろうと、汚いお金はやはり許されません。
 がしかし、現実にお金がかかっていきますので、ガラス張りで、公費もいいでしょうし、また理解ある方の、または、人のことは言えませんから私のことを申し上げますと、私の多くは、私の身内、息子もそこで勤務しておりますが、小さな会社ですが幾つか経営しております。そこからが半分ぐらいでしょうか。あとは地元の後援会の方々が、数万ですが、後援会費として納めいただくもので先ほどの費用が大体賄われております。幸いに、私自身はもう子育ても終わっていますし、そして年金ももらっていますし、その他今申し上げました会社からの報酬もありますので、私はほとんど市からいただく、一千万を超すものを市からもいただいていますし、私の生活費は自分のもので賄える立場にありますから、やっております。
 いずれにしても要るのですから、これはガラス張りで、もうガラス張りの制度をはっきりさせていただいた方がいいですね。こういうものにこれこれ使っておりますと、いつでもどなたでも見れるのでしたら、悪いことをしないと思いますよ。そういうことで、みんなオープンで政治家は活動していった方がいいと思います。
 お尋ねの点、特に企業献金についてどう思うかということですが、ある程度のものは私もそれはきちんとやるならばよろしかろうと思います。汚いものは、一切これは否定をしていかなければならぬと思っております。
 以上です。
#154
○堀込委員 わかりました。
 やはりお話を聞いていて、常本さん、非常に公開性も高めてきれいにやっていらっしゃるということはわかるのですが、やはり道を残しますと、何万人と議員もいるわけですから、中にはいろいろな人も出たり、また業界の方も自分の会社の利益のために多少やったりということは、やはりどうしても残るのじゃないか。そういう意味で私どもは、これはきちんと政党に一元化した方がいい、議員の周辺のものは断ち切った方がいいのではないか、こういう考え方を持っていますので、できれば御理解を賜りたい。
 私なんかも、率直に言って選挙のときに労働組合から陣中見舞いをいただいたりいろいろするわけですが、それもやはりこの際切ってやろうという決意で、実は私ども自身にとっても大変なことなんですけれども、これをあえて乗り切ろうということで実はやっているわけでして、お互い苦しみはあるのでしょうけれども、ぜひ御理解を賜りたいな、こういう気持ちでいます。
 そこで、酒井さんにお伺いをいたします。
 一つは定数の四百七十一の問題、ほかの方からも御指摘がございましたが、私ども政府案もいろいろ迷ったのです。ただし、四百七十一は確かに本則にあるのですけれども、たしか一九二五年、大正十四年ですか、当時の人口に、十二万人に一人で機械的に四百六十六という数字を割って、その後沖縄の五つ加えて四百七十一になったということでございまして、本則自身がそんなに根拠のあるものではない。したがいまして、十二万人に一人とすれば、当時の根拠でいえば今千人ぐらいの衆議院が要るのかというような話にもなってきてしまいまして、いろいろ検討しまして、五百十一はともかくとして、五百というあたりが適当ではないかという案を政府案としてまとめたということが一つ。
 それからもう一つは、これから恐らくこの法案が成立しますと、さっきの和歌山県の三倍もするような地域を回るという御苦労の話は本当によくわかります。私ども困っているのは、今度の定数配分でもそうなんですけれども、さっきもどなたかありましたが、関東、関西圏を中心に議員の数が集中するということ。もう一つ困っているのは、例えば北海道であれば札幌へ一極集中している。この小選挙区の定数配分を一体どういうふうにしたらいいか。周辺は物すごく広くなってしまう、札幌は幾つかに分けなければいけない、こういう姿が出てくるのですね。これは、三百にすればもっと出ます。そういうものをどういうふうに解決するかという問題点もあるということを、これからの検討事項でございますが、私ども非常に悩んでいるということもぜひ御理解いただきたい。
 それはまず私の一方的な意見でございますが、さっき、やはりこれも企業献金の話でありますが、経過措置を含めて、やはり自民党案の最小限の二十四万円程度までは実態からいって必要ではないか、こうおっしゃられましたけれども、私は、この経過措置は、例えば献金をもらう方は三年かけて二十四万円に減らしていきます。それから、公開基準の方も三年かけて減らしていきます。しかし、例えば企業から政党への献金の枠が、今最高一億円ですが、これを一億五千万にするのはこの法案が通ればすぐやるとか、それから公費助成も一遍にすぐやってしまうとか、いろいろありまして、やはり経過措置は、僕はちょっと国民の納得の得られるものではないのではないか。もしそれをやるのなら、こっちの上げる方もやはりやらないと整合性がとれないのではないかという気持ちを持ってますが、簡単で結構ですが、感想を。
#155
○酒井芳秀君 政治資金規正法についてのお話でございましたけれども、質問からちょっとそれますけれども、初めにお話があった都道府県単位というのは、ぜひそうしてほしい、譲っても言われているブロックまで、こういうことをまず申し上げておきたい。
 それから、今の企業・団体等の献金でございますけれども、経過措置でだんだんに減らしていくということが私どもとしては望ましいと思っていますけれども、私見ですが、初年度から二十四で始めてもというような考えもいかがかなと思います。
 それから、企業・団体献金を絞るというか、やめるということであって、個人献金のみに頼っていくという政府案を進めていこう、また可決させたいとするならば、これは企業、団体等に対して強い行政指導で、そういう会社を構成している社員、従業員に対して、個人献金ができるような教育といいますか、一番いいのはそれに見合う報酬、給与をふやすことですね。それぐらいのことをすることによって有権者の意識が高まっていくのではないかな、こんなことを思っております。
#156
○堀込委員 馬杉さんにお尋ねをいたします。
 大変傾聴すべき御意見、ありがとうございました。三%条項、六人皆さん反対だということで、実はちょっと困ったなと思っているのですけれども、実はこれを入れるときに、私ども法案作成のときにいろいろ議論いたしまして、御存じのようにドイツで五%条項があったり、あれは併用制でやっているのですが、こちらの比例部分についてはどうなのかなという議論もいたしました。
 それからもう一つは、今の参議院の比例も、全国単位の比例を見るまでもなく、非常に民意が分散しますね。過度に分散するといいますか、そういう傾向があるということ。それから、どなたかからも出ましたが、私ども衆議院の、民意を反映しつつ、かつ民意を集約しながら政権をつくっていく機能、それから参議院の全国区、選挙区選挙という地域代表、それから職能代表といいますか、参議院に求められた権能、機能の分化というようなことも考えると、私は、さっきの意見とちょっと違いまして、むしろ参議院は少し比例を減らしていくべきではないか。むしろ衆議院こそ、小選挙区と民意の反映できる比例と、調和のある制度にすべきではないかという、したがって政府案の考え方を持っているわけであります。
 そういうことで、確かに要件が厳し過ぎるというお話がございましたが、私どもその辺で、海部内閣のときは御存じのように、あのときは二%の条項があったわけであります。それらもいろいろ考慮をいたしまして、三%というものをやはり衆議院の場合入れざるを得ないのではないかという結論に落ちついたということで提案をしている。
 それからもう一つは、実際の選挙実務で、先ほど、これは政党要件の話になるのでございますが、非常に大変なんですね。自治省も大変だし、地方の都道府県選管も非常に大変なんで、物すごく多党化して立候補してくるという可能性があるわけですね。これは私は、ある程度民主主義で保障されなければならない、おっしゃるとおりだと思うのです。しかし、そこにはやはり一定の調和といいますか、そういうものが必要なのではないかというところから実は三%条項を入れたということでございまして、この辺を私はぜひ御理解を賜りたいということで、もう一度御意見をお伺いしたいということが一つ。
 それから腐敗防止で、これも傾聴すべき御意見をいただきまして、私ども検討いたしました。民衆訴訟制度だとか、去年民間臨調からもそういう制度を入れたらどうだという提言をいただきました。しかし、選挙にはおとりや寝返りも一方にありまして、これをやると非常に大変だなということで、しかしある程度これを将来は入れていかなければいかぬということで、実は検討事項にしようということで今度の法律に入らなかったわけでありまして、これは御指摘のとおり検討させていただきたいと思っております。
 今の三%の問題について、いかがでございましょうか、もう一度お聞かせをいただきたいと思います。
#157
○馬杉栄一君 先ほど申し述べましたように、私は、今の選挙改革というのは二十一世紀に向けてのスタートだと思うのです。だからその意味で、多少の混乱がその選挙結果にあったり、あるいは多少の手間がその選挙結果によってもたらされても、私は、少数党あるいは少数のこれからの人たち、その権利はまず保障されるべきだろう、そのスタートは必要だというセオリーがあります。
 したがって、私は阻止条項は要らないというのが今でもその考えですし、そして、もし仮に何らかの技術的な問題もクリアする必要性があってパーセントを入れるとしても、三%は余りに多過ぎる。余りに多過ぎると、これは質問できないシステムのようですから私は質問いたしませんけれども、恐らく多くないという答え、そこにおられる七人の方から出ないのではないかというふうに思います。
 しかも、それは一党だけではないのです。たくさんあれば何百万ということになりますから、私はほんの少ししかかかわりませんでしたけれども、一票の回復のために一生かけた人の事件がここにあるわけです。そのことからいっても、私は三%条項は余りに多過ぎるし、もし仮にそうであったとしても、何か必要だとしても、私は今資料持ってませんけれども、かつて公明党さんだったか社会党さんだったか、一緒だったか忘れましたが、一%というような案もあったかに記憶しているのですけれども、せめてその程度であるべきだろう。政治ですから、そこだけですべてをやめてしまえと言うつもりもありませんけれども、考え方もありませんけれども、せめてその程度がぎりぎりの限度ではないかというふうに考えます。
#158
○堀込委員 終わります。
#159
○石井座長 平田米男君。
#160
○平田委員 六人の皆様方から大変熱心な、また有意義な意見をお伺いをさせていただきまして、心から御礼を申し上げたいと思います。
 私の方から、まず戸別訪問につきましてお伺いをしたいと思うのですが、戸別訪問は解禁すべきではないという御意見が常本さん、鳥井さん、それから酒井さんからございました。解禁するにしてももっと制限をすべきである、こういうお話がございました。馬杉さんからは、政治活動は基本的に自由であるべきだ、こういうお話がございました。私も、政治活動は基本的に自由であるべきだ、こんなふうに思っております。ですから、そういう意味から戸別訪問も解禁をすべきだ、このように思っておるわけです。
 私は今政治家でございますが、政治家になる前の選挙運動のイメージ、今でもそうだと思うのですが、非常に暗いというイメージがあるわけです。何かやると違反になるのじゃないか、一般の方々はびくびくしながら政治にあるいは選挙活動に参加をしている、こういう実態があるのではないかと思います。こういう実態がある限り、国民が政治に積極的にかかわろう、こういう思いというのは出てこない、こんなふうに思うのですね。
 そういう意味で、選挙運動というのは基本的に自由になされなければならない。これが私は、国民が政治に参加をし、そして民主主義政治というものがもっともっと豊かになる大前提でなければならないのではないか。確かに、今まで戸別訪問等を禁止されておりますし、また選挙活動のあり方についても、非常に複雑な厳しい規制があるわけでございますが、それを前提に考えていきますと、今すぐ解禁をするのは不安だ、こういうようなお気持ちもわからないわけではありません。
 しかし、今私たちは大変革の時代に、政治を大きく変えて、今までの政治とは違った新しい国民本来の民主主義の活力ある政治をやっていきたい、こういう考え方に立っているわけでございます。そのための抜本的な政治改革でなければならない、こんなふうに思っております。もし一般市民の方々がボランティアで選挙運動を応援しよう、こういったときに、大勢の方がもし参加できるとしたら、事務所のいろいろな活動に参加する人数というのは限られてくるわけでございまして、そういう方々が自由にやれるとするならば、今許されているのは電話をかける程度。しかし、戸別訪問が許されれば、自分の友人、知人に気軽に話しに行って、私はこういう候補を信頼している、だから応援したいから支援をしてくれ、このような活動が活発に行われるのではないか、こんなふうに考えております。
 そういう意味から、反対の意向を強くお持ちのお三方に、こういう戸別訪問を解禁することによる新しい選挙のあり方、国民の政治参加の拡大、こういう視点で戸別訪問を再度見直していただきたい、こんなような思いがございますが、御意見を承れればと思います。
#161
○常本省三君 お尋ねでありますが、私はやはり賛成しかねます。
 先ほど、一歩譲っても本人のみと申し上げました。これは、例えば私のことが一番適当だと思いますから、常本がこういう男だからまた送り出してくれとお願いして歩くだけならばまだいいのです。人海作戦で、妨害も、一対一ですから、やっているかもしれませんね。常本の何かあることないこと悪いことまで言いふらして、そしてあいつは悪いやつだが、こっちはいい者だというようなことまで起きかねない。そういう懸念のある戸別訪問でありますので、私が申し上げましたのは、一歩譲っても本人だけでしたら公平ですね、ということでございます。
 特に、私どものような大都市では、大勢の方々の支持を得なかったならば、市会議員といえども出られません。そうしますと、勢い人海戦術をとる。その結果、どうですか。やはり直接そういうような動きをする人が手元になかったならば、またそういう人に指令する人を持っていなかったならば、またお金を使って人を頼んで飛んで歩くということに相なりかねないということで、先ほど申し上げました陳述の中でも、かえって暗くて悪いムードになるからという、これは私の言葉ではありません。数名の方にいろいろとお聞きしてみましたが、それはよくないねということでございます。
 再度ですが、そういう意味で、私は反対であります。
#162
○鳥井修君 私は、先ほども申しましたとおり、小さな行政団体というのは、ある程度経済団体等に土地改良等でいろいろ借金をしょったり、こういう冷害になるとますます借金をしょいかねないわけでございます。そういう中で、経済団体の有力者がひとつ頼むというような話は、威圧的としか感じられないわけです。返事しなければならないというのが現状だと思うんです。
 現在も、飛び飛びなら戸別訪問でないという枠の中でいろいろ運用されておりますけれども、そういう活動する中でも、いろいろな組織、団体の人が、飛び飛びであったらということで、それぞれオルグを組んでどっさり固まって行かれたときに、それに知り合いもつけて行くというような形の中で、威圧的としか思えない行為が続いているのが現実なんですね。そういう状態の中でこれが解禁されますと、今以上にひどくなるのではないかという懸念の方が強いわけです。そういうことで、先ほどそのように申し上げたわけです。
#163
○酒井芳秀君 まず、先ほど申し上げたのですが、家庭の静穏という面で、本当に有権者の方がそういうことを望んでいるかどうかというスタンスに立ちますと、私はむしろそうじゃない、こういうふうに思っております。むしろテレビ等を活用して、ああいう一方的な政見放送じゃなくて、その選挙区の候補の方を三人なり並べて、司会者が均等な質問をして、そういう姿をテレビを通じて見せる。そうすると、正直な話、すててこ姿でも見られるわけですよ。ところが、一ふろ浴びて、奥さん方でも髪がぐちゃぐちゃになっているときにピンポンときたら、あんた出なさいと言って子供が出て、それで用が足りるのか。
 それから、候補本人に限れば、これは正確に意思が反映して有権者に伝わるかもしれません。代理の方ですと、やはりその人の味つけしようで、相手の候補を悪く言う。そして、必ず出ます、事実でないことを中傷的に流す選挙のあり方。その辺のことが、まだ熟度が深まってないのじゃないかという意味で、利害誘導というものを非常に懸念する。
 ところが、先ほど言いましたように、私の選挙区だとか、今度日高、胆振で北海道何区になるか、小選挙区になりまして、車からおりている暇はありません。都市部の小さな選挙区の人は、車からおりて戸別訪問を本人はできるでしょうけれども、そういうものが、不公平が生じる。そうしたら、二十人とか三十人に運動員を限定してやる場合には、言葉巧みな人を重用してやっていく。そこで、北海道新聞の「読者の声」に載ったのも、口ざわりのいい、同じようなことを述べて、そういうのはもうお断りです、テレビ等でよく知っているしというようなことであります。
 もつ一つは、党営選挙的な国会議員はいいのです。これは大体党の看板しょって戸別訪問しますから、嫌な人は嫌だとなりますけれども、地方議員になると、地方議員はほとんどがまだ中選挙区制なんですよ。ましてや町会議員さんなんかは、一区二十人とか三十人の選挙区がある。そこに入り乱れて運動員があることないこと言う、そういうようなのはちょっと、私は熟度がまだ達してない、こう思いますので、賛成しかねます。
#164
○平田委員 私の考え方と大分違うということをまた改めて感じたわけですが、相原さん、橋本さん、それから馬杉さんにお伺いしたいのです。
 戸別訪問について、今、現職の地方議員の皆さんの御意見だったわけでございますが、まさに市民の皆さんから、お考えどうなのか、これをお伺いしたい点が一つでございます。
 それからもう一つ、あわせてお伺いをしておきたいのですが、地方議員に対する政治資金の配慮が今回ない、こういう御指摘がやはり現職の議員の皆さんからございました。確かにそうかもしれないというふうにお話を伺っていて思うわけでございますが、公費助成というのは、これはどこまでも政党に対する公費助成でございまして、国会議員、なかんずく衆議院議員に対する公費助成でないということを明確に申し上げておきたいと思います。
 それが先ほど、常本さんでございましたか、政党の支部に対する交付金制度もというような御提案がございましたが、政党が本部だけで使うのか、あるいは支部にまで公費助成をきちっと回すのかどうか、これはまさに政党の中の判断の問題ではないかと思うわけです、政党が自由にそのような使い方ができるわけでございますので。そうしますと、政党に所属をしている地方議員さんに対しては、政党の判断によって公費助成は回るわけでございまして、これは特に問題はないのではないかと思うわけでございますが、無所属の議員につきましては公費助成はない。しかも、企業・団体献金を禁止されてしまう、こういうことになるわけです。
 しかし、きのうも簗瀬さんが、地方議員の無所属化が問題である、こういう御指摘をされました。私は、無所属議員というものは、あってならないものではない。自分の哲学でもって無所属でやるんだ、こういうお考えの方は、私は極めて尊重しなければならないと思います。
 しかし、国は基本的に政党政治を行うことが国民の信頼にかなう、民主的な政治が行える、これが今回の抜本的な政治改革の基本にあるわけでございます。その大もとを我々は見失ってはならないのではないかと思うのです。ですから、こう申し上げると若干御反発があるかもしれませんが、私は、無所属で出るということは、やはり相当な決意でもって出ていただくということが必要なのではないか。企業献金、団体献金、個人で受領する。これは資金団体を通じてもらうにしても、個人の政治家がもらうということは、やはり企業との癒着ということはそこで起きるわけでございます。
 わいろというのは、一つの職務権限に対応して払う場合にわいろになるわけでございます。しかし、後援会費として五年、十年継続して払っていたとしても、全くわいろ性がないのか。お金をもらっているあの人に頼まれたから、毎月後援会費を払ってくれるあの人に頼まれたから、政治家として職務に関するものを何かやってあげよう、便宜を図ってあげようというふうに思ったならば、毎月支払っているその後援会費というのはやはりわいろ性を帯びてくるのではないか。こういうようなことを考えますと、政治家個人が、あるいは個人の後援会が企業・団体から献金をもらうということは、やはり禁止をした方がいい。これが私たちの考え方でございます。
 そういう大原則のもとで、なおかつ無所属で出たい、こういう方々は、それを乗り越えてやるんだ、だから個人献金で私は政治活動を賄います、いや個人献金も要りません、歳費だけでやります、このくらいの大きな決意を持ってやっていただくこともこれからは必要なのではないか、こんなふうに思うわけです。とりわけ鳥井さんでございましたか、すべて歳費で賄っておいでになる、こういう話もございました。そういう意味で私は、まさに無所属議員のお立場のかがみではないか、こんなふうに思うわけでございますが、この点につきまして、相原さんと橋本さんと馬杉さん、ちょっと時間がなくなりましたから簡単に、戸別訪問と今の点、お答えいただければと思います。
#165
○相原敬用君 時間がありませんから、意が届くかどうかわかりませんが、私は、戸別訪問というよりも、選挙活動は原則的に自由にするということを大原則にして、その上で個々の問題を判断をすべきというふうに思っています。したがって、戸別訪問、これについてはやはり自由化をしていくべきだ。
 過渡的にいろいろな問題が起きてくるだろうと思います。しかし、有権者を僕は信頼すべきだと思うのです。何回も何回もしつこく行ったら、入れるものも入れなくなってしまうのです。ですから私は、ここのところは有権者の良識を信じて自由化をして、そして有権者の選択の幅を広げる、こういうことで、戸別訪問その他を含めて、できるだけ選挙活動は自由にする。選挙活動を頼みますと、違反になるから嫌だというのが圧倒的な意見なんです。違反でないのですよということを書くからには、やはり自由化を広げていくということにすべきだと私は思っています。
 それから、地方政治の資金の関係です。私も、不勉強で申しわけないのですが、今回の政治資金規制にかかわる、あるいは政治資金にかかわって、どれだけ中央の議論で地方のことが論議されたか定かでありません。ただ、我が国の政治制度を考える場合に、とりわけ国政レベルを考える場合には、いわゆる議院内閣制というのは、これは政党政治の代名詞ですよね。我が国の政治をこれから成熟させていくためには、政党を中心にして、これは国政レベル、地方レベルを含めて考えていくというのが中心になって、二十一世紀に考えていくべきだろうと私は思っています。
 しかし、無所属の人がいてはいけないということではございません。しかも、これから地方主権であるとか地域主権ということを考えてみた場合に、地域政党というものもあっていいのではないかというふうな感じがしています。その場合に、政治資金との絡みで、地域の人が、例えば北海道で北海道何々党をつくった、あるいは札幌で札幌何々党をつくった、何々クラブをつくった、そういうものも地域政党と認めて、そこに政治資金をどう公費扶助をしていくのかという、そういったことについては私は十分に検討してしかるべきことではないのかな、こういうふうに感じています。
 以上です。
#166
○橋本耕二君 先ほど公述の中で、戸別訪問やあいさつ状やポスターの掲示期間等の問題は、必ずや双方歩み寄っていけるものだというふうに、簡単に申し述べてしまいました。なぜならば、現行法規のもとで禁止とされているものが、実際に先ほどの経験で申し上げましたように、何らかの形で数多くなされているのが現況かというふうに思います。その点で、本来現行法で規制されているものが、そうされている段階で、今解禁する解禁しないということは、我々一市民からすると言語道断かなという気がしておる部分でございます。
 それと、政治資金規正法の部分に絡んで、先ほど私の本音としまして、こういう問題については、単純なことを単純なように結論するのが一番いいんじゃないかという解釈をしておりまして、今出ておりますもろもろの案の中の最大公約数という部分で、最も襟を正すという点をとっていくと一番我々国民にとってわかりやすい問題なのではないかなということで、意見を申し述べさせていただきました。
 以上です。
#167
○馬杉栄一君 選挙等の自由の問題ですが、これにつきまして、今のお二人のお話と重複いたしますけれども、例えば戸別訪問がなぜ悪いかということで、例えば買収があるとか、いろいろな相対関係の中で法律はできてきているのだろうと思うのです。したがって、今回、多角的な腐敗防止の制度ができる中で、戸別訪問も同時に自由化されたときに、戸別訪問で仮に買収という事件が起きたとしたら、その政党やまたそれの関連の方は恐らく致命的な打撃を受けるだろうと思うのです。
 ですから、何にもなしで、そして腐敗が横行し買収が横行している中で、そういう時点で私が問われたら、恐らく戸別訪問はやはりまだもう少し不自由にしておくべきではないかという意見になったんだろうと思うのです。常にそういう相対関係があると思いますので、今の段階でそういう大きな枠組み、腐敗防止の枠組みをきちっとつくる中で、そして同時に選挙活動は自由であるべきだ、こういう見解であります。
 また、そもそも弁護士が聞かれて全然わからない、これが当たっているのか当たっていないのか。あるいは判例見たって、文書違反で裁判所へ行って、この文書は公選法違反かどうかぎりぎり争うような選挙の仕組みというのはどう見たっておかしいですよ。そうしたら、先ほど出ていましたけれども、ほとんど一般の人は怖くて参加のしようがない。それは絶対に改めるべきだというふうに思います。
 それから、先ほどの地方議員の関係で、政治資金の問題がありました。今の政治改革の問題は、例えば参議院をどうするかとかということも含めて、必ずしも全体的な整合性を保ちつつ、あるいはそれを全体的に配慮しつつ話が完全に進んでいるとは思いません。そういう意味で、地方への配慮が足りないということは私も感じます。ただ私は、これも相対的な問題だと思います。
 例えば、先ほど地域政党どうかというお話がありました。しかし、それでは今の政府案なり自民党案がそのまま通ったときに、政党要件との絡みになります。そして、地域政党をつくっても、その政党が資金を得られるかどうか、これは疑問になりますよね。ですから、その中で考えていかなければならない。しかし、それをやっていると恐らくまた十年かかるでしょう。でもそういう事態でもない。だから、まず一歩をやるしかない。今こういうような考えで、地域の問題についてそれほど、こうすべきだというのは今のところ残念ながら持ち合わせていません。
#168
○平田委員 ありがとうございました。終わります。
#169
○石井座長 簗瀬進君。
#170
○簗瀬委員 まず、本日御出席の六人の皆さん、それぞれ大変傾聴に値するお話を聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。
 特に、馬杉さん、酒井さんがお触れになっていただきましたいわゆる選挙権の問題、あるいは選挙権の行使の仕方の問題、これは非常に大きな問題です。残念ながら、今回この点についての新しい施策というのはないのですけれども、例えば検討過程の中で、いわゆる選挙権を十八歳にしようとか、あるいは海外在住者の選挙権の行使の仕方をどうするのだ。実際、現実に今ほとんど事実上制限されているのと同じなんですね。そして、馬杉さんがお触れになったような在宅投票の問題、重度障害者等の問題、非常に傾聴する御意見が出たな、さすが北海道だというふうな感じで、非常にきょうはうれしく思っております。
 そういう中で、実は、きのう秋田であえて非常に挑発的な議論をしかけまして、首長や地方議員の無所属化は日本の民主主義の成熟にとってマイナスであるというふうな、あえておもしろくするためにかなりの決めつけの議論をしかけてみました。思い上がるなというふうな御批判もいただいたわけでありますが、実は、いわゆる地方政治の中における無所属の問題というのは、私は非常に大きな問題になりつつあるのではないかなと思っております。
 なぜならば、小選挙区ということになりますと、これは自民党もあるいは連立与党も言っておりますが、政策中心、政党中心の政治にするのだ。という形になってまいりますと、当然、小選挙区の中で選挙区支部というようなものがきちんと生き生きと機能していかなければ、絶対に小選挙区の生命が絶たれてしまうのですね。例えばイギリスの小選挙区の生命は、やはり地方支部です。アソシエーションというようなものが、全部お金はそこで集めて、そして候補者の決定も支部がやっていく。そういうふうな生き生きとした、いわゆる民主主義の原点というのは地方にあるのです。
 しかし、そういう小選挙区制を採用しようとしているこの日本にあって、今無所属化というふうなことが非常に多くなっている。お話の中にありました、鳥井さんでございましたか、北海道においても町村議員で八六%が無所属になっている。
 しかしながら、無所属になっている方が、では国政選挙で何の運動もしていないのかというと、私は違うと思うのです。恐らく、今の実情からいってみると、いろいろな意味で国のお世話をお願いしなければならないという形になれば、当然応援をいたします。衆議院選挙では応援をする。その場合は、例えば自分の支持政党が自民党であるならば自民党の活動者として動くわけです。しかしながら、自分の選挙になると無所属だということになってくる。こういう形が果たして本当にいいのだろうかという問題は、私は大変深刻な問題になってくるのではないかなと思うのですね。
 そこで、政党政治って一体何なんだろうか、そういう本当の意味での日本の政治の原点のお話を秋田と北海道と、私は今突きつけられたような感じがするんです。日本は政党政治の国ではない、個人政治の国であった。そういうふうな状況を我々今、乗り越えようとしてやっていくときに、やはり地方政治の中で、本当の意味での政党政治というようなものについての位置づけがきちんとなされていないのではないかな、そういう懸念を大変持つわけであります。
 政党政治の原点というのは何かといえば、政党とは、まさに公約によって存在をしている、あるいは綱領によって存在している団体であります。そして、公約を訴えかけることによって、言うならば自分の政治はこれをやりたいのだという、そういう意味でのプラットホームといいますか、綱領を明示しながら選挙で訴えて、そして最終的にはその公約に従った責任を負うという、一種の明瞭な、有権者との公約を中心にした契約関係の中で自分の存在を律していくというようなものが、政党政治の原点なんですね。その部分が、個人政治という形になってしまうとどうなのかなという問題になってくるのではないかな。
 その政党政治も、そういう意味ではいろいろな問題を今抱えております。政党の危機というふうに言われている事態もあるわけなんですけれども、そういう意味で、強化をしていかなければならないという部分と、それから別の新しい綱領を入れていかなければならない部分と、いろいろなものがごった煮になっているのですね。これが問題をかえって複雑にしている部分もあります。
 それから、中央と地方というふうなことで考えた場合も、無所属の皆さんが存在をするというのは、やはりいろいろな意味での綱領をその中に込めている。それはそれで大変真剣にお悩みになった結果のことであろうと思う。そういう意味では、国と地方は別だよという、地方分権の原点には独自性の部分があるのですね。
 しかしながら、独自性をいいながら、やはり地方分権がしっかりとできていないという形になると、国に依存するために、逆に今度は従属性の部分が出てくる。また、政党政治の未来ということから考えてみると、特に小選挙区制を入れて、政党支部としての生き生きとした活動をしてもらうという形になる場合には、政党の地域単位というようなものがしっかりとできていかなければ絶対だめなんですね。そういう意味では、協調というよりも、むしろ民主主義の原点として、無所属ではなくて積極的に政党の中で位置づけて活動をしていただかなければ、小選挙区制が死んでしまう、こういう問題も実はあるんです。
 もう一つ、政党助成の問題で、例えば保守系の皆さんで、お金が我々のことを全然考慮されてないんじゃないか。実はそうじゃないんです。配分のいわゆる一つのメルクマールとして、政党の所属議員の数とかというようなものを使っているわけでありますけれども、あて先は政党なんです。だから、その政党が本当の意味で、地方の支部も全国本部も一体的にきちんと運用されているならば、お金は大変うまいぐあいに使われていくはずなんです。ところが、使われていくかどうかということについての大変な御懸念を持っている。その懸念の一番の根本は何だろうかというと、やはり個人政治あるいは派閥政治、そういう意味での組織がきちんとできていない、政党の未組織化、そういう問題がその背後にはあるのだろうと私は思うのですね。
 だから、そういうようなものを乗り越えていくためにも、無所属というよりも、政党というようなものを悪だと性悪説的に決めつけることなしに、かえって生き生きとした政党活動をもう一回ここで見直してやってもらわないと、逆に小選挙区制を入れる意味がないのではないかな、私はそういう心配をするわけなんですよ。だから、この辺について、私の持ち時間は十分ということで、もうほとんど質問時間はこれだけでなくなってしまうわけなんで、酒井さんと鳥井さん、それから常本さんですか、お三方の御意見、簡単で結構でございますので、ちょっと聞かせていただければと思うのですが。
#171
○酒井芳秀君 簗瀬先生のお話は、基本理念というか、そういう面では私も同感でございます。
 それで、地方議員といえども、ここのところの議論というのは大変大きいと思うのですがね。無所属で、是々非々で、この町のためによかれと思う何々町党、何々郷土党みたいなスタンスで判断して行政をやるかという観点からすると、私は、実は北海道においても都市党、郡部党というような地方議員のスタンスになると思うのです。ただ、そういうふうにやっていくと、情緒的に非常に感情的な対立とか一時の感情でもって、だあっと町の行政が仕切られてしまうということが、うまく説明できないのですけれどもね。
 そういう面では、政治家というのは大体生涯を通じて一つ、宗旨がえしても二つぐらいのスタンスでいくべきでないか。党と浮沈をともにするぐらいの意気込みというのがその政治家の信念になるのでないかという意味で、賛同をしたいと思います。
 それで、政党にお金が助成されるので、その配分についてはいろいろやりようはあるなということも同感でございます。長くなりますので、ここまでしか申し上げません。
#172
○石井座長 次へ進めてよろしいですか。
#173
○簗瀬委員 いいです。どうもありがとうございました。
 時間がありませんので、終わります。
#174
○石井座長 特にありましたら御発言をいただきますが、問題の提起をひとつ受けとめていただきまして、次に、正森成二君。
#175
○正森委員 日本共産党の正森でございます。
 私も時間が短いので、ほんの二人か三人かの公述人にしか伺えないかと思いますが、お許し願いたいと思います。
 まず、相原公述人に伺いたいと思います。
 あなたは最初に、リクルート以来の相次ぐ不祥事、今はゼネコン汚職などがありますが、政治と金に対する不信は頂点に達している、国民の怒りが天の声となって政治改革ということになっているのだ、そして、細川さんはこれを最重要課題として取り上げるということになっているという問題提起がございました。その点では私も同じ意見ですが、それから先が違います。
 例えば、十月三十一日にフジテレビが放映されました。これは国民のある程度の傾向をあらわしているのですが、国民の意向は、総選挙の前も最中も後も、金権腐敗の一掃ということが国民の願いで、このフジテレビの視聴者に対する調査を見ますと、政治改革法案が通ったら政治はどうなるか、きれいになると答えた国民は一五%にしかすぎません。きれいにならないが七六・八%です。政治改革で何をやってほしいかという点では、腐敗防止と政治資金規制を合わせて八二・八%、選挙制度の改革はわずか七・六%にしかすぎません。だから、圧倒的多数の国民は、金権腐敗の一掃とそのための制度的保障で、選挙制度をいろいろ変えてほしいとかいじってほしいというのは、総選挙の前も最中も後も極めて少数意見だというように言わなければならないと思うのです。
 その点で相原さんは、今度の法案での企業献金の禁止を非常に大きな前進だと高く評価されて、個人とその政治団体には禁止した、これが非常に大きな前進だと言われました。ところが、我々が国会で調べてみますと、政党の支部は金を受け取ることができるし、支部長も企業に要求することができる。支部は三千二百余の市町村全部につくることができるし、二百五十の衆議院の小選挙区全部につくることができるし、その連合体もまた支部になることができる。だから、ここに自民党の道議員、市会議員、村議員が来ておられますが、皆さんはそれぞれ支部をつくり、かつその支部長になることもでき、したがって、その資格では企業献金を要求することができるようになっているのですね。
 ですから、こういうものを大きな前進だというように評価できるのかどうかということを、相原さんに伺っておきたいと思います。
#176
○相原敬用君 国民が金権腐敗の政治を断ってほしいというのは、当たり前の話であります。戦後四十数年たって、二十一世紀に向かって金権腐敗の政治をどう根絶を図るか。それは、政治の仕組みや選挙制度の仕組みや、そういうものを総合的に勘案をして抜本的に改革を進める、これが今私たちが議論している政治改革なんだろう。選挙制度だけいじくればあとはいいんだということではないと思っています。
 あくまでも基本は、恐らく改革特別委員会の先生方を含めて、議論をされている方は、政治腐敗を抜本的になくするための選挙制度の改革をどうするのか、その他政党交付金の問題をどうするのか、そういう議論なんだろうと思います。したがって私は、今のこの政治改革の論議は国民の期待に合致しているというふうに理解をして、そういう意味で評価をしているというふうに申し上げたつもりであります。
 それから、政治腐敗の根本をなしているのは政治と金の関係であって、その中心をなしているのは企業・団体の献金だというふうに、私は先ほども公述の中で主張したつもりであります。したがって私は、これを全面的に禁止もしくは厳しく規制をする。私自身、全面的に禁止をすべきだという意見を持っています。しかし今、この政治的な環境の中で直ちにそこまで取り組めないとすれば、いわゆる政党並びに政治資金団体にのみ企業・団体を含めて献金を認める、そして五年後にはそれを見直す。私は先ほど、逃避条項にしないで、五年後には必ずそういう国民の期待にこたえてくださいというふうに申し上げましたので、そういう意味で大きな前進の一歩、これを確実に踏み出してほしい。その踏み出していくことが国民の期待なんだというふうに、私は理解をしております。
 以上です。
#177
○正森委員 フジテレビなどの世論調査や私が申しました問題点に正面から答えておられないと思いますが、きょうは御意見を伺うことが中心で、国会のように論戦するために来たわけではありませんから、あなたへの質問は終わらせていただきます。
 馬杉公述人に伺いたいと思います。
 あなたの御意見を聞いておりますと、政府案を中心にして幾つかの修正がなされるべきだという御意見だと拝聴しました。しかし、非常に貴重な御意見を述べられたのですが、例えば政党要件の緩和にしましても、あるいは政党助成にしましても、企業・団体献金の禁止にしましても、特に阻止条項にしましても、これは非常に政府案にとっては厳しい内容で、むしろ政府案は、これらすべてについて修正をするということはほとんどあり得ないであろうと考えられるぐらいのものですね。
 ですから、あなたの御意見は、どちらかといえば、幾つかの修正が必至であって、それがなされないならば、政府案についても反対ないし保留するという意見に近いのではないかというように私は思わざるを得なかったわけですが、そういう問題点を指摘しておきたいと思います。
 その中で、幾つかの問題点について伺いたいと思います。まず第一に、阻止条項が、もし全部が投票すれば、有権者は九千万以上ですから、三%なら二百八十万がその権利を失うことになるということで、今の少数派は将来の多数派になり得るのだ、その芽を摘んでしまうのだというのは全く賛成でございます。
 その中で、札幌地裁の在宅投票復活の裁判のことをお出しになりました。これは非常に有名な判決で、私も役目柄承知はしておりますが、あの中ではたしかLRAの原則といいますが、レス・リストリクティブ・オルタナティブというそうですが、より制限的でない他にかわるべき手段がなければ、基本的人権としての選挙権は制限できないという、格調高い画期的な原則を言われたように思うのですね。そういう意味からいいますと、三%で大体二百万、全員投票すれば二百八十万、それも一党としてですね。二党、三党あればもっと多くなるわけです。それが結局、少数政党の掲げる政策、世界観あるいは思想を支持する国民の意見を切り捨てるということにもなるので、これは選挙権の平等とか国民の思想、信条からいっても重大な問題であるという認識を私どもは持っております。
 この点についての、法律家としての馬杉公述人の御意見を承りたいと思います。
#178
○馬杉栄一君 私も、その部分については同意見です。したがいまして、先ほどの別の方の御質問の中で、非常に事務的に問題がある、いろいろなことがありました。ですから、ここはそういう細かなことを言う場面ではありませんので言いませんでしたけれども、今先生がおっしゃったように、やはり制限というのは、ぎりぎりのところでどうしても必要であればやるべきだと思います。したがって私は、先ほど述べましたように、三%条項というのは、今の政府案あるいは自民党案の中で一番問題だと思います。
 とりわけ、ほんのわずかですけれども、一票にそれだけの、一生をかけた人の事件をやった身にとっては、何百万という票がそのまま捨てられてしまう。それは、選挙戦で負けたらまだわかります。しかし、何百万というところまで達しなかったからおまえだめだというのは、私はどうしても納得ができません。したがって、この点についてはもう一度よく考えていただきたいと思いますし、もし仮に技術的な面その他含めてあるとしても、ぎりぎりでどのぐらいだ、三%がいいか、二%がいいか、一%か。その数であっても何十万です。ですから、そこのところはぎりぎりまで考えていただきたいという意見を持っています。
#179
○正森委員 時間でございますので、あと一問だけ聞かせていただきます。
 馬杉公述人は、政党助成について、本来政党の組織基盤は、政党が有権者に依拠して行うべきものだというように言われました。これは非常に正しい意見で、法律家ですから御存じかと思いますが、昨年四月九日にドイツ連邦憲法裁判所がドイツの政党法について、その主な内容について憲法違反の判決を下しました。その中で、
 国庫補助によって、政党が党員や支持者を通じて自らの活動への財政的支援を得ようと努力する必要が取り除かれてしまうならば、政党の国家からの自由は侵害され、政党が社会に根ざしているというその特性から解放されてしまう危険が存するのであって、「もし市民が、政党は国庫から「セルフサービスをしている」との印象を受けたとしたら、このことは必然的に政党の威信を低下させ、結局のところ、憲法によって政党に割り当てられた任務を遂行する政党の能力が損なわれることになってしまう」
これはドイツの裁判所ですけれども、そう言っております。
 私どもは、基本的には、政党というのはこういうような考えで、自分の支持基盤については自分の努力によって、国民から資金も含めて支持を得るということが正しいので、それを余りにも国家に依存するということは、国家政党になってしまう、政党の自由な活動と自由な意見が逆に阻害されるおそれがある、こう思っておりますし、それも一つの大きな理由にして、そのほかに国民の思想、信条の自由を侵害するという理由もありますが、私どもは、政党助成法案が仮に通っても、お金を受け取らないということになっております。
 ドイツの判例の考え方などについて御意見がありましたら承って、質問を終わらせていただきます。
#180
○馬杉栄一君 今のドイツの判例については、私先ほど述べた見解とほぼ一致しておりますので、そういう意味では、私は正しい考え方だと思います。
 しかし一方で、政治というのは、どうしても多数の人たちのいろいろな考え方、いろいろな政党の考え方を集めて、そして前進していかなければならないと思います。この部分だけがだめだからあと一切だめという態度は、私は正しくないと思います。したがいまして、この政党助成については、私は、今の考えでは金額が大き過ぎるので、もう少し考えていただきたい。これは、恐らく多くの国民は同じ考えではないかと思います。
 それから、これは今の政治資金について大きな変更を加えるのだということを前提に、それによってマイナスの政党が出る、このことも私はまずいことだと思います。したがいまして、先ほど申し述べましたのは、三年間ぐらいで考え直すべきだ。むしろはっきりと、進んで言えば時限立法で、そして三年ぐらいの間に自分たちの基盤を、大衆に依拠した、多くの人たちに依拠した、そういった政党に衣がえすべきだというような観点で、三年ぐらいの、あるいは五年でも結構です、本当の意味の時限立法としてむしろあるべきだろう。単なる見直し条項ではまずいという考えを私は持っています。
#181
○石井座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述者の方々におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位の皆様に対しましても、深甚なる謝意を表する次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後零時三十七分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の群馬県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年十一月十日(水)
二、場所
   前橋商工会議所会館
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣
   提出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置
   法案(内閣提出)、政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(内閣提出)、政党助成
   法案(内閣提出)、公職選挙法の一部を改
   正する法律案(河野洋平君外十七名提出)
   、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法
   案(河野洋平君外十七名提出)、政治資金
   規正法の一部を改正する法律案(河野洋平
   君外十七名提出)、政治腐敗を防止するた
   めの公職選挙法及び政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(河野洋平君外十七名提
   出)及び政党助成法案(河野洋平君外十七
   名提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 権藤 恒夫君
      逢沢 一郎君    石破  茂君
      阿部 昭吾君    小林  守君
      岡田 克也君    川端 達夫君
 (2) 意見陳述者
        日本社会党群馬
        県本部副委員長 堀込 敬司君
        群馬県議会議員 松沢  睦君
        有限会社土田本
        店代表取締役社
        長       土田 洋三君
        主     婦 飯塚実枝子君
        野本クリニック
        院長      野本 文幸君
        税  理  士 永田 智彦君
     ――――◇―――――
    午後零時一分開議
#182
○権藤座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の権藤恒夫でございます。
 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
 この際、派遣委員を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
 御承知のとおり、本委員会におきましては、皆様方も御関心の深い政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することとしたところでございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわりませず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。今後の審査の参考に資するため、忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いをいたします。
 まず、この会議の運営につきまして御説明を申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆さんから御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いをいたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党・自由国民会議の逢沢一郎君、石破茂君、日本社会党・護憲民主連合の阿部昭吾君、小林守君、新生党・改革連合の岡田克也君、民社党・新党クラブの川端達夫君、以上でございます。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 日本社会党群馬県本部副委員長堀込敬司君、群馬県議会議員松沢睦君、有限会社土田本店代表取締役社長土田洋三君、主婦飯塚実枝子さん、野本クリニック院長野本文幸君、税理士永田智彦君、以上の方々でございます。
 それでは、堀込敬司君から御意見をお願いいたします。
#183
○堀込敬司君 私は、政府提案の改革法案を尊重し、社会党推薦の立場から意見を申し上げますので、よろしくお願いを申し上げます。
 私は、まず三つの項目について強調をしておきたいと思うのであります。
 その一は、政治改革法案の早期解決についてであります。政治改革の会期内決着は多くの国民の望むところであり、政治に対する国民の信頼を回復するための最重要課題であると確信をいたしております。
 一例を挙げるならば、今日各種選挙において投票率が著しく低下をしている事実があります。これこそまさに政治不信の民意のあらわれであり、我が国民主政治の危機的状況にあると言わなければなりません。一方、今やゼネコン汚職に見られるように、地方にまで政治と金の汚れた関係が蔓延をしているのであります。
 これら憂慮すべき政治状況発生の要因は、私たち野党であった者にもその責任の一端はあるといたしましても、主たるものは自民党の永年にわたる一党支配、権力支配がもたらしたものであり、特に政官財の癒着の構造による金権腐敗の不祥事件の連続発生に原因があることについては、今日明白であります。
 一方、世界の冷戦構造は崩壊をし、日本においては五五年体制の終えんがあり、我が国をめぐる政治情勢は急激に変化をし、今や新党ブーム、多党化の時代に突入をしておるのであります。
 このような時代認識に立って二十一世紀の日本を考えるとき、どうしてもこの際、政治改革にまず手をつけて、国民との信頼関係の中で新しい社会づくり、国づくりに専念していかなければならないことは万人承知のとおりであります。その場合、日本は議院内閣制でありますから、まず内閣をつくる上で優位性を持つ衆議院の改革をどのようにするかということと、政治と金の汚れた関係をはっきりと断ち切ることが焦点になっていることは当然のことと考えておるわけであります。
 これらについては、既に長い間論議を積み重ねてこられた各党の皆さんはもちろん、一般的にもよく理解が行き届いていると承知をいたしております。よって、政治改革については必ず今会期内において処理されるよう強く求めるものであります。
 その二は、政治改革関連法案の同時解決についてであります。
 今多くの意見の中には、一部政治腐敗防止関連の法案をまず先議をいたしまして国民の前に改革の一応の体裁をつくり、その他の法案については先送りするという意見も散見をされるところでありますが、このことは本質を著しく逸脱した論理であり、とても容認することはできないのであります。必ず、関連法案については同時解決こそ国民の望むところであり、皆さんには正しく努力するよう御期待を申し上げる次第であります。
 その三は、各党の合意の拡大についての意見でありますが、政治改革については、政党に対する基盤となる重要事項について審議するものでありますから、円滑に進展をしない厳しい側面をあわせ持っていることは言うまでもありません。特に骨格になる部分については、容易に譲歩することの困難な実情についても相互に理解できるところであります。しかしながら、必ず結論は出さなければならない問題であります。よって、将来の日本政治の展望を切り開くため、英知を結集をして合意点を拡大をし、最終段階におけるところのできる限りの平和的解決を希望しておく次第であります。
 次に、政治腐敗防止についての意見でありますが、今日最も重要な政治課題は、何といっても政治の腐敗を防止をし、風通りのよい政治、国民だれもが納得のいく透明度の高い選挙を実施することにあると確信をいたしております。関係者が買収等選挙違反により官憲に逮捕され、司直の手によって裁かれながら、有罪の可能性が極めて高いにもかかわらず、あるいは有罪になっても、候補者自身は裁判等のかかわりもあってか、全く何の責もなくそのまま済んでいることに限りない疑問と憤りを感ずるところであります。
 今回の公職選挙法の改正によりますと、連座制が強化をされ、法に定められた関係者が有罪になった場合、候補者の当選は無効となり、連座制裁判確定時より五年間は公職選挙法に定める選挙に立候補することができなくなるわけであります。しかし、これだけですべてよくなるという保証はありません。制度が完全に機能するよう、万々の条件整備が必要であることも指摘をしなければなりません。
 次に、政治資金規正法に基づく収支報告書が公表されておるのでありますが、政治家個人が複数の政治団体を通じまして多額の政治資金を集めていることがよくわかるのですが、このすぐれた集金能力は、時の権力と無縁ではなかったという片りんをうかがい知ることができるのであります。許された法の範囲内とはいえ、幾つかの疑問は残るのであります。
 今回の規正法の改正によれば、政治家個人に対する企業・団体の寄附は禁止をされ、一般個人等の寄附などに頼ることになったわけであります。しかも、その公開基準は五万円超であり、資金管理団体も一つに限るとなっているのであります。これらは極めて適切なる手段であり、だれもが金のかからない選挙がごく普通のこととなるよう、国民とともに強く望んでおくところであります。
 政治資金規正法に定める事項に違反をする行為があった場合、一年以下の禁錮または五十万円以下の罰金刑に処せられることとなっています。また同時に、公民権は停止をされ、五年間立候補を制限されることとなります。しかし、これだけで納得のいく政治、正しい選挙が行われるか、疑問は残るのであります。従来から一定の法の縛りはあったはずであります。さらに必要なことは、法の実施に当たっての厳しい監視と法律の機能化、そして本人等の自覚と関係者の認識の徹底と努力に負うところが多いことは言うまでもなく、はっきりと申し上げておくわけであります。また、法の精神、内容を広く社会全体に周知徹底を図り、相互監視の中から成果を上げるよう期待をいたしておるものであります。
 次に、公職選挙法改正案についての意見でありますが、政府案は、総定数を五百といたしまして、小選挙区二百五十、比例代表二百五十としているのであります。自民党案は、今回四百七十一という現行公選法の本則に戻った総定数で提案をしているのでありますが、本定数は一九四七年の四百六十六を基準といたしまして一九六四年当時に定められたものでありまして、人口増加の今日、当時の数字を単純に持ち出すことについては疑問もあり、四百七十一という数字には余り強い論拠はないのではないかと思っておるところであります。また、諸外国と比較をいたしましても、日本の衆議院議員の数は二十四万人に一人であり、必ずしも多い数字にはなっていないと信じておるところであります。
 また、二百五十対二百五十の配分については、民意を反映するが候補者の顔が見えにくいとされる比例代表二百五十と、国民の政権選択の意思が明確に示されるが少数意見が反映されにくいという小選挙区二百五十と、二つの制度を導入をするとすれば、少なくとも議席の数を半々にすることは極めて合理的な選択であるというふうに確信をいたしているところであります。
 もう既に長い間論議を積み重ねて、今ようやくにしてまとめの形をとって提案をされた政府案については、支持をすることを強調をしておきたいと思うのであります。
 また、小選挙区選挙と比例代表選挙は、別の当選人決定の手続を持つところの二つの選挙を実施をするものでありますから、二票制は有権者の意思を尊重するための必要な条件であり、一票制では小選挙区選挙で無所属候補に投票した人は比例代表で事実上投票できないし、またその逆も起きる欠陥があるので、憲法上からしても二票制が正しいと信じて賛成をする次第であります。
 比例代表の区域については、全国単位が正しいと思っております。比例代表は、民意の反映を尊重し、このことを徹底をするための制度であります。一方、自民党は都道府県単位といたしているのでありますが、人口の少ない県では比例代表の定数が二ないし三というところが非常に多く、あたかも単純小選挙区制に近い制度となって、比例代表の特徴を生かすことが困難になっているという一部の欠陥があることも指摘をいたしまして、政府案を支持することをこの際強く主張をいたしておきたいと思うのであります。
 いずれにいたしましても、選挙制度につきましては、一〇〇%理想を貫く制度は多くの英知を傾けましても結論に到達をすることは極めて厳しいものがあることは、相互に理解のできるものと考えられる次第であります。当面ベターのもので決着を図りながら、将来に展望と期待を残すことを申し上げまして、私の意見陳述を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#184
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、松沢睦君にお願いをいたします。
#185
○松沢睦君 群馬県議会議員の松沢睦でございます。
 私は、自由民主党群馬県連政治改革実行委員長という立場で、党を代表して、群馬県連等で議論されている意見について公述を申し上げたい、こう考えております。
 今、国会では、政治に対する信頼の回復と政治腐敗の防止を目的に、抜本的な政治改革の実現を目指して真剣な議論が進められており、国民は、選挙制度の改正を初め政治資金の規制強化と透明化等、これら関連法案の成立を強く期待しているところであります。新聞、テレビの報道によれば、与野党それぞれの交渉委員も決まり、最終決着と成立に向けて努力が続けられていることを高く評価するものであります。法案成立に当たっては、修正案は、可能な限り話し合い、譲り合って与野党共同提案で成立されるよう強く期待するものであります。
 今回の改正は歴史的変革と言われるとおり、特に衆議院議員制度の改革、小選挙区比例代表並立制を柱とするそれに伴う関連法案の改正であります。長く定着していた中選挙区制を根本から変える大変革であります。にわかに国民は理解しにくい、理解されるまでにはかなりの時間が必要であります。
 しかし、成立すると直ちに画定審議会が設置され、六カ月以内に区割りが決まると直ちに本会議で決定をされ、周知期間を決め、施行される手順となりますから、施行されるまでに時間がありません。何が何だかわからないで選挙が行われる心配があります。改革の本旨が政治に生きる選挙が行われるためには、政治家皆さんが、一日も早く国民に理解され、周知させることが何より肝要であることを指摘したいと思います。
 きょうも国会では、成立に向けての与野党協議に入っておると聞いております。そこで、今までの争点四点について意見を申し述べ、参考にしていただきたいと思います。
 第一番目は、総定数と配分についてであります。
 総定数は、現行五百十一を公選法で定められた四百七十一に減数すべきである。地方議会においてはほとんどが減数条例を適用している今日、法の趣旨を損なわない範囲で減数することが望ましいというふうに思います。
 配分については、直接民意が反映できる小選挙区の配分を多くした方が、人口が多くそして棄権率の高い大都市中心の傾向を是正することができるのではないかと思っております。
 比例区については、都道府県単位より選出されることが望ましいと思います。直接国民が選んだという認識を持つためには、一票制がより民意を反映できると思います。小選挙区制になると都道府県の発言権がアンバランスとなり、人口の少ない県は発言権が半減するという極端な改正になるので、都道府県別比例代表制で補う必要性を痛感をしております。
 第二点については、政党中心の政治資金規制の改正について申し上げたいと思います。
 我が国は、政党法を持っておりません。現在は組織政党ともなっていないわけであります。政治家個人の後援会の連合体である議員政党と、労働組合組織をもとにした政党も組合員が組織離れを起こし弱体化して、組織も個人後援会化しておる。その議員政党、あるいは政教分離と憲法に明文化されているのに明確な宗教組織に乗る宗教政党等、いずれも組織政党化していない。こうした中で起こったのが自民党の派閥であり、その中で強い派閥集団がつくられ、その派閥集団が一党支配体制をつくり、それが金権によって支えられたという構図は御承知のとおりであります。その弊害をなくすため、より透明度の高い規制をしたり政党助成法をつくるわけであろうと思います。
 政権交代可能な二大政党を志向する、あるいは緩やかな多党制を志向するにいたしましても、今のような形での議員政党では派閥が多党化したようなもので、過去のような独裁的土壌が依然として残っている、こう考えますと、この規制だけで効果が上がるかどうかということは大変心配であります。しかし、政治は人でありますから、その法律の趣旨をつくられたそれぞれの皆様方がこの法律を遵守して守られれば、効果が上がるというふうには思います。とにかく、今までの流れをきちんと変えて、透明度の高い政治資金によって国民の期待にこたえる政治をやっていただきたい、こう思っております。
 また、もう一つ疑問に思っておりますことは、政府案によりますと、企業献金、個人献金は一切禁止しておるようでありますけれども、政党を通せば全く自由な状態で、現行法より悪くなるという意見もあるわけでありますが、その心配がないようにしていただきたい。政党の発言権が個人の政治活動を強力に規制する可能性が生まれるのではないか、政党だけが政治資金を持つことによって、その政党の幹部によっての支配体制がより強くなるのではないかという危惧であります。
 このことは、政党の官僚化が進行していく、また一方では一部の幹部と官僚とによる支配体制が助長されるという心配もあるわけでありまして、しかもそうした、例えば緩やかな多党化というふうに考えてみた場合でも、その中の中心の人たちだけが意見を言うようなことになって、少数意見が無視されるという危険性が今まで以上に多くなるのではないかという危惧もあるわけでありますので、運用についてのそれぞれの政党のリーダーシップを期待したいというふうに思います。
 また、もう一つ心配なことは、政党が強くなる、政党の指導力がより強くなるということは、一面は個性のある政治家や有能な新人が出にくい体制になるのではないか、そのことは政治に活力が失われることになる。少なくとも、今後日本新党のような政党が再び生まれるという可能性は全くないのじゃないかというふうに考えられます。情熱ある有能な個人が出馬しやすくなることは、むしろ政治の活性化のために不可欠でありますから、その芽を摘むようなことはぜひやめてもらいたい。それをどうするかということがむしろこれからの改正の大きな趣旨であろうと思いますので、その点に力を入れていただきたいと思います。
 第三番目に、地方団体の政治への影響についてであります。
 今回の改正は、地方政界にも多大の影響を及ぼす極めて重要な法案にもかかわらず、地方公共団体の首長並びに地方議員にかかわる制度改正、公費助成問題については何らの基本方針が示されていないことは、まことに遺憾であります。特に全国で九九・五%を占める無所属の首長、七八%を占める無所属議員に対する政治的配慮が全くなく、特に政府は、地方政治を十分理解した明確な基準を早急に示すことによって、中央地方一体となった政治改革の実現が早期になされると思います。早急に与野党協議の中で積極的に取り組んで結論を出していただきたいと思います。
 今日の地方政治は、市民総参加型になって地方自治が安定してきております。これを政党化することは、いたずらに対立を助長し、安定した住民生活を脅かすことになりはしないか。地方政治における政治的対立は住民生活になじまないので、住民合意の政治志向が定着している点を特に注目をしていただきたいと思います。
 第四番目は、公選法の改正の中で戸別訪問の制限解除についてでありますが、無秩序な選挙運動により、有権者の迷惑やプライバシーの侵害等の弊害が多いので、慎重に考える必要があるというふうに思っております。
 以上、何点か指摘いたしましたが、疑問や不安には率直にこたえる国会であってほしいというふうに思います。どなたが政権をとっても、それは国民の選択であることを厳粛に受けとめ、国民の声なき声が正しく生かされる政治の確立こそ政治改革の本旨であると思いますので、限られた時間の中であっても、十分論議を尽くして、早期成立を期待するものであります。
 時間はありません。景気対策は急務であります。重なる不況の中で国民は大きな不安の中にあります。今政治が何ができるかを期待をしております。政治改革法案には一日も早く決着をつけ、不況脱出のため、政府も国会も一丸となって今すぐできることから実行して、国民の負託にこたえていただきたいことを希望して、私の公述を終わります。
#186
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、土田洋三君にお願いいたします。
#187
○土田洋三君 陳述人の土田洋三でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、群馬県の北部の利根郡というところから参りました造り酒屋のおやじでございます。今まで選挙運動とかあるいは特定の政治家の皆さんとおつき合いするとかいうようなことが全くなかった、本当のいわゆる一般的な市民でございまして、そういう市民的な立場から、今回の政治改革関連法案についての私の考え方を述べさせていただきたいと思っております。
 政治不信が叫ばれてから既に長い年月がたっております。その間、さまざまな議論がなされ、小手先とも言える枝葉の部分では幾らかの改革がなされましたが、政治家と金にまつわる話は後から後から、それこそ浜の真砂のごとく尽きることがありません。最近では、これでもかこれでもかというほどゼネコン汚職がマスコミをにぎわしております。
 これらの話が連綿として続くのは当然のことであります。なぜなら、各政党は政権をとるためには現行の選挙制度の中では複数の候補者を立てる必要があるからであります。そして、当選するには金のかかる目に見えないシステムが厳然として存在しているからであります。立候補するからには当選したい、当選するには金がかかる、つい金の出るところにへばりつく。もし私もそのような立場だったら、金には絶対手を出さないよというようなことを断言できる自信は全くありません。人間性の弱みにつけ込むような現在の目に見えない金のかかるシステム、すなわち現行の中選挙区制度を打ち壊すことが政治を浄化するために最も重要なことだと考えております。
 今回の総選挙の結果、自民党は長きにわたった政権の座から、その地位を失ってしまいました。総選挙の最大争点が政治改革であったことからして、政治改革に熱意を持っていると見られた党が多くの議席を獲得したのは、当然の結果であると言わねばなりません。国民の声は一日も早い政治改革を望んでいたのであります。また、最近の各種世論調査によると、細川連立内閣が歴史上かつてない高い支持率を集めているのは、こうした国民の声の反映と言わざるを得ません。なぜなら、細川連立内閣は、その発足当初から政治改革関連法案の早期成立を最大の政治課題であると言明していたからであります。
 こうした事実から、党のいかんを問わず、早急に政治改革を進めることが国民に負託された国会議員の重大な責務であると私は考えています。もし、一日延ばしにこの法案の成立を阻む者がいるとしたら、国民の願いを裏切る背信者と呼ばれても、何ら弁明の余地はないものと信じております。ぜひとも今国会で政治改革関連法案が成立するよう、関係諸氏の絶大なる努力を期待しております。
 最近、政治資金の部分を手直しすれば政治は浄化するとか、その他一部だけを改正すれば政治が国民の信頼を回復できるような論議を振り回す方がいらっしゃいますが、既にそのような時期は過ぎ去ったかと思われます。現行の制度が基本的に変わらないで選挙が行われるならば、国民は政治を見捨ててしまうかもしれません。
 今回行われた総選挙は、国民の関心度が非常に高いとマスコミ各社はこぞって伝えておりましたが、投票所へ足を運んだ有権者の数は、考えていたよりもはるかに少なかったのです。今までのやり方では私たちは何もできないのではないだろうかと国民の一人一人が無力感に襲われていたのは、紛れもない事実だったのであります。大変不見識な言い方かもしれませんが、今のやり方に有権者も疲れてしまったのです。その意識を変えるには、制度を根本的に変える以外にはありません。そういった意味から、今国会では政治改革関連法案の一括成立をぜひともお願いいたします。
 以上のような基本的な考え方に立って、今回の政治改革関連法案について、私の関心を持っている部分について、私の意見を述べさせていただきます。
 まず第一に、選挙制度関係から申し上げます。
 一、定数について。私は、小選挙区比例代表並立制であるなら、小選挙区の定数が少しでも多い方がよいと考えております。しかし、先ほど基本的な考え方で述べたとおり、まず抜本的な制度改革を何よりも優先してほしいと願っておりますので、とりあえず今国会では妥協できる数字でよいのではないかと思っております。しかしながら、長期的には漸次総定数は減らし、小選挙区定数はふやしていった方がよいと考えております。
 二、比例代表の名簿単位について。比例代表の名簿単位については、比例代表の性格上、国民の声を分断することなく集約した形で配分できる全国単位でなければならないと考えております。
 三、公示、告示の期日は、十日前がよいのか十四日前がよいのか、判断できる基準を私は持っていないので、わかりません。
 四、候補者について。小選挙区選挙は、所属国会議員が五名以上、直近の国政選挙における得票率が三%以上に該当する政党による届け出でよいと思いますが、その他の部分については、政府・連立与党案と自民党案の相違によって何がどうなるのかという点が私には判断できませんので、どちらとも申し上げられません。
 五、投票方式について。有権者にとって、顔の見える小選挙区候補者と政策を支持する政党が必ずしも一致するとは限りません。有権者が弾力的に運用もできる、また武村官房長官の、一票制の場合憲法的にも疑義があるという論には賛同できますので、二票制を支持いたします。また、かねてより記号式にした方がよいとの持論を展開しておりましたので、記号式には大賛成です。
 六、比例代表選挙の当選人決定は、少数党の乱立を防止する意味でも三%未満の得票率の政党に当選人を配分しない考え方に賛成いたします。
 七、寄附禁止の強化について。本来、政治家は第一義的には政策立案のために存在するのであって、その能力を磨き、国家国民の役に立つ政策を立案することに全力を挙げるべきであり、議員の貴重な時間や秘書の精力をいたずらに費やすような寄附について、禁止の強化は当然だと思います。むしろ違反した者については罰則を与えてもよいと考えております。
 八、戸別訪問は、候補者と有権者がじかに触れたり、候補者の考え方を身近に聞けるよいチャンスなので、大いに行うべきです。また、現実に戸別訪問は選挙ごとに行われていて、やるなと言っても選挙運動にはつきものとしてなくなるはずがありません。こそこそやるよりも、むしろ良識を持ったやり方で正々堂々と行うべきだと思います。
 次に、選挙区画定審議会設置についての考え方を申し述べます。
 みずからに大いなる利害を持つ案件、その利害が大きなものであればあるほど、それをみずから決定するなどというのは、よほどの自信家でも遠慮してしかるべきものであります。やはり公正な第三者に身をゆだね、その決定に潔く従うという姿を国民の範たる議員が身をもって示してこそ国民の信頼をかち得るのではないでしょうか。したがいまして、政府・連立与党案を支持します。
 政治資金関係についての考え方を申し述べます。
 企業・団体の寄附は、政治資金団体を含む政党に対するものにとりあえず限定すべきです。しかるべき経過措置を経た後、企業・団体の寄附は全面的に禁止すべきだと考えております。企業・団体は自然人に準ずるものだから、自然人と同じ扱いをしてもよいのではないか等の意見を言う人もありますが、企業等団体はそのほとんどが明確な目的を持ってその組織を維持しているのであります。
 すなわち、企業・団体等が献金を行うということは、企業・団体等の組織維持に必要な行為であって、純粋な政治活動と結びつけて考えられるケースは甚だまれだと思います。また、企業等団体は、政治においては選挙権も被選挙権も与えられている自然人とは全く異質なものであります。ですから、将来的には、人が人を選ぶという性質を持っている選挙のかかわりの中から企業等団体は排除し、献金はすべて個人献金とするべきだと考えます。また、政治団体の数は政治家の資金管理団体一つに限定すべきだと思います。
 次に、政党助成法案について意見を申し述べます。
 私は、個人的には、選挙運動の費用と議員のそれにふさわしい生活保障は、真の民主主義社会を達成、維持するための最低限のコストだと考えているものであります。ノーマルな形での選挙費用及び政治活動費は全額国民が負担しても全く差し支えがないとまで考えております。むしろ、献金になど一銭も頼らなくても正常な政治活動ができるような体制ができた方が、よりすぐれた政治家が輩出できるのだと信じています。しかし、その反面、その金銭の使途については、当然一目瞭然にわかるような書式で全額公表されるべきであります。
 基本的には、議員には経済的な苦労は一切かけない、そのかわり、違法行為や一たび国民の信頼を裏切るような行為をした者には二度と議員になれないような重い罰則で臨む、こういったシステムをつくり上げた方が、腐敗した議員を排除し、すぐれた政治家を生み出す土壌が培われるのではないでしょうか。
 最後に、大変な蛇足になりますが、大変昔に「大学は出たけれど」という映画がございました。これは、当時大学を出たけれども就職する場所がないという悲惨な社会状況を描いた映画だったと記憶しております。今日も、来年の卒業生あるいは再来年大学を卒業する学生諸君は、自分たちの雇用の問題について大変心細く、そして日本の将来について大変な不安を感じておるように聞いております。私の周囲の知人、友人のお子様たちも、まだいまだもって就職が決まらない子供たちがたくさんおります。
 こういった意味でも、一日も早く政治改革関連法案を今国会において成立させ、議員諸氏におかれましては、いっときも早く景気対策に身を処していただきまして、豊かな日本を築いていただくよう心からお願い申し上げまして、陳述とさせていただきます。どうもありがとうございました。
#188
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、飯塚実枝子さんにお願いいたします。
#189
○飯塚実枝子君 本日の地方公聴会が現地における各界の意見の聴取を目的と明記されておりますので、私は、有権者の半数を占める女性の立場から、また、愛する子供たちのあすの日本を憂うる主婦の立場から、政治改革に関する極めて素朴な、素直な意見を申し述べたいと存じます。
 政治改革に関する審議が国会で激論されて久しく、そのさなかにまたしても金丸事件、新たにゼネコン汚職と、続発する不祥事に私たち女性の怒りは極限をはるかに越え、今は政治改革という文字にむなしささえ感ずる昨今でございます。
 本来、政治改革とは、あのロッキード、リクルート事件以来、金権腐敗を防止する、これが出発点であったはずでございます。国民の八〇%以上がこの腐敗防止法案の早期成立を願っておったことも事実でございます。それだけに、政治資金の規制、透明化、罰則の強化等、絶対に抜け道のないベストな腐敗防止法成立を私たち女性は特に切望しておるところでございます。
 ただいま国会では、小選挙区比例代表並立制という、私たち女性にとってまことに複雑・難解な法案が大詰めを迎えております。政治改革という言葉に耳なれておる私たち主婦にとって、この法案をいかに徹底周知するか、相当の時間を要すると思いますので、十分な周知期間を置いていただきたいとお願いいたします。
 さて、昨日いよいよ修正問題に入りましたこの政治改革法案でございますが、歴史的大変革と言われる選挙制度の抜本的見直しは、国政の根幹を動かす重大なものでございます。最も時間をかけ、国民の理解、納得を得た上で進めていただきたいと願っております。
 特に私たち女性にとって、また地域の長年にわたる住民感情から申しましても、これは非常に大きな関心事でございます。ぜひ、声なき声、地方の民意を十分に聴取されて、あすからの国会審議が党利党略、私利私略から離れて、慎重な公正な審議を進められるよう強く望みます。
 では、本論に入らせていただきますが、まず、総定数について申し上げます。
 既に地方議会におきましては、地方自治法に基づき、適切な議員削減が着々と実行されつつございます。地方議員みずからが骨を削り、身を削って努力をされておりますのに、五百名という数字は、国会議員お手盛りのそしりは免れません。まして不況にあえぐ国民感情からも受け入れられませんし、公的助成が国民のとうとい血税によって賄われることを勘案いたしますと、私は、四百七十一名が最も妥当であり、この数にすべきである、かように考えます。
 第二に、小選挙区と比例代表の数の配分について申し上げます。
 私は、三百名対百七十一名に賛成でございます。本来、選挙とは直接投票で選ぶのが大原則であります。特に衆議院にあっては、選挙民が直接選ぶ議員数をより多くすることが地方の民意を最大限に反映でき、今叫ばれております地方分権、地方自治の確立のためにも、小選挙区に比重を置き、比例を補完とすべきであると思います。
 また、私たち女性の立場から申し上げますと、衆議院は、参議院と異なり、たとえ中選挙区であっても同一県内で身近に選んできた長い歴史がございます。衆議院議員を代議士とお呼びするのも、文字どおり、私たちの代弁者であるという親近感が非常に強く、それが今日まで投票率のアップにつながってまいりました。
 次に、比例代表の名簿単位について申し上げます。
 参議院は、衆議院のチェック機関として、また、かつては良識の府として、広く各界各層の民意を反映できるよう全国区が早くから取り入れられてありました。しかし、第一議院である衆議院は、政権の選択という非常に重大な意義を明確にするためにも、当然、各都道府県単位とすべきであります。また、有権者にとっても県選出の意識が非常に高まり、小選挙区と比例とが同一県内で同時に選挙を行えば、相乗効果によりまして、県民の政治意識は一段と向上すると存じます。
 また、なお、全国単位にいたしますと、有能な新人、特に女性の進出は一層難しく、ほとんど困難となります。しかも、その名簿登載順位をめぐり、党中央の権力が一層強まると思います。さらに懸念されるのは、登載順位争いの激化に伴い、将来、金品授受の温床となる懸念がございます。
 第四に、投票方式について意見を申し述べます。
 私は、一票制に賛成でございます。衆議院においては、有権者が一つの選挙、一つの投票、そして一人の代表を選んで行われるべきであると思います。先ほど申し上げましたとおり、選挙は選ぶ人にわかりやすいことが第一義であります。全国民、老若男女一人一人が簡単に投票できること、また、高齢化社会にあって、多くのお年寄りたちは正しい一票を投じようとまじめに願っておられます。このお年寄りのためにも、一票制が私は最も望ましいと存じます。
 なお、二票制になりますと、小政党がますます乱立し、健全な二大政党により安定した国政を望む多くの国民の願いは遠のいてしまいます。
 私は、昨夜たまたま新聞の切り抜きを目にしましたところ、現在の政治改革に関する調査特別委員長、石井一先生の記事を拝読いたしました。読売新聞の四月十九日付でございますから、当時先生は、自民党の政治改革推進本部選挙制度主査をなさっておられるころのことでございます。この比例の全国単位を次のように否定されておられます。「小党分立により連立政権となる可能性が高く、政権担当政党が、国民の直接選択でなく、各党の交渉によって決まってしまう」と、その欠点を指摘されておられます。先生の御炯眼どおり、四カ月後に現実となってしまいましたが、私は、石井先生の国を憂うる御心情は現在も決して変わらぬものと信じておるところでございます。
 第五に、戸別訪問について、特に女性に関係のあることでございますので、私はこれに強く反対いたしたいと思っております。
 核家族の進む中、また共働きの多い団地や新興住宅地では日中ほとんどかぎがかけられ、夜は家族にとって貴重な団らんの時間でございます。また、群馬は非常に平穏、おおらかな土地柄でございます。地方に参りますと、御近所に行くくらいではかぎをかけない、あけ広げたままの家の多いのが現状でございます。このどちらの御家庭にあっても、戸別訪問の波状攻撃は大変迷惑ですし、特に女性にとって、見知らぬ訪問者は恐怖心さえ覚えますので、反対でございます。
 先ほど戸別訪問は既に大っぴらでないにしろ行われておるという御発言がございましたけれども、それは私たちの今までの範囲から申し上げますと、ほとんど自分の知り合い、知人といいますか、親戚を回る程度でございました。全然見知らぬ訪問者というのは、私たちにとって、先ほど申し上げたとおりに迷惑でございますことを強く強調したいと思っております。
 また、買収、利害誘導等、不正行為が行われやすいと思いますし、先ほどのあけ広げた家庭のことを考えますと、戸別訪問を装い、犯罪の起きる可能性もある、このように考えます。
 第六に、公費助成について申し上げたいと存じます。
 国民一人当たり二百五十円、総計三百九億円に私は賛成いたします。先ほど申し上げましたとおりに、国民のとうとい血税によって賄われる公費助成五百億円は少し多過ぎる感がいたします。ちなみに、フランス百二円、オーストリア百二十八円、スウェーデン二百四十八円と、それでも私の申し上げる日本の二百五十円は、他国に比べ高い水準でございます。それに、政治家への不信感は現在相当根強いものがございます。公費助成を受ける以上、議員先生方はみずからの姿勢をまず正し、清潔な政治活動に専念されてほしいことを心からお願いいたします。
 しかし、政治にお金のかかることもまた事実でございます。まじめに清廉潔癖な議員にこそこの助成を大々的にすべきである、私たち女性はこのように考えておりますし、政党が窓口になることに納得できません。これは政党幹部、党中央の権力がますます集中、増加し、かつての自民党の大派閥の様相が懸念されます。また、政党が窓口となりますと、圧倒的に無所属議員の多い地方議員、首長さんも、その資格が失われるということがございます。ぜひ地方への公費助成をお願いする次第でございます。
 次に、私たち女性の最も関心の深い腐敗防止のための罰則強化について申し述べます。
 連座制の範囲を広げ、強化いたしましたが、刑の確定した五年間、その選挙区では立候補できないが、他の土地では立候補できる、これは余りにも甘い、お手盛りの感がいたします。また、刑の確定にかなりの時間がかかりますので、灰色議員がそのまま議員活動を続ける、これでは現在と全く変わらないし、国民は納得できるものではございません。
 アメリカでは、スキャンダルが明るみに出ますと、すぐに辞任いたしますが、我が国では同一党内、仲間同士が本人をかばい合い、反対に、居座るよう説得する、罪をかばうのが国会内では美徳とされております。まず政治改革の中で、議員みずからの出処進退を明らかにする、直ちに行う、またそれを促すような規定をぜひつくっていただきたいと思います。
 そして、政治家のけじめという言葉に国民は大変な怒りを覚えております。公務員、民間のサラリーマンは、不正が発覚すれば直ちに懲戒免職です。政治改革は、議員諸公のみずからを厳しく律する姿勢、これがなくして国民に政治改革の説得が果たしてできるものでしょうか。永田町論理と国民の隔たりが余りに多過ぎる昨今、私たち女性はそれを大変悲しみに思っております。
 終わりに、いよいよこの国会で、年内に細川内閣が命運をかけて、責任をかけて、この政治改革関連法案の成立をと総理御自身が昨日もおっしゃっておられます。国民が望んでおることももちろんでございますけれども、しかし私は、国の根幹を動かすこれだけの大きな大改革でございますので、国民に十分納得いくようにもっと細かい審議がなされてもよろしいのではないか、このように考えております。内閣のメンツやスケジュールにこだわらず、そして、それがたとえ年内に成立できなくても、私は、細川内閣の責任を問わず、与野党ともに責任を持ってぜひこの法案の成立を、たとえ年内でなくても早く成立することを望んでおります。
 細川内閣の存在は平成の世の歳月にすぎませんが、しかし、この大きな国の根幹を揺るがす抜本的な改革法案は半永久的なものであり、我が愛する子供たちの未来は二十一世紀につながっておることをぜひ国会議員の先生、肝に銘じて、これからの審議を慎重に、かつ公平に行われ、議員あって国民なし、国民不在の感を私たち女性に与えないような御努力をお願い申し上げまして、私の公述とさせていただきます。
#190
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、野本文幸君にお願いをいたします。
#191
○野本文幸君 御紹介いただきました野本です。今回の政治改革関連法案についての意見を述べさせていただきます。
 最初に結論から申し上げます。
 私が国会議員の方々にお願いしたいことは、二つだけです。
 一つは政治改革法案の一括しての早期成立、もう一つは政治家の腐敗、これは政治腐敗ではなく、あえて政治家の腐敗と言わせていただきますが、政治家の腐敗の根絶、この二つが私の心からの願いです。この二つが達成されることが、国会と国会議員が国民の信頼を取り戻すための最低限のハードルであると申し上げたい。このことを御理解いただくために、以下私の考えを述べさせていただきます。
 私は、小児科と精神科を主体とした開業医です。専門は小児の精神医学であり、登校拒否を初めとした子供の心の問題や病気を中心に治療しております。子供の心の病気の治療には、薬を使った治療とともに重要なのが精神療法やカウンセリングです。精神療法といっても学問的にはさまざまな方法があるのですが、基本的に共通した点もあります。
 その一つに受容、訓読みすると、「うけいれる」と読みます。受容とは、患者の気持ち、考え、価値観を一たんはそのまま受け入れることを意味します。患者の語ることが理不尽であったりおかしいと思っても治療者の価値観で安易に判断してはならないこと、治療者の価値観を押しつけてはならないことを戒めているわけです。これは精神科の初歩であるとともに、基本です。
 私は昨年まで大学に籍を置いていまして、学生の講義も担当していましたが、この受容の大切さについては、精神科に限らず、医師としての必要な態度であることを話してきました。それは、受容ということができることが、医師としても人間としても一人前の社会人であるからです。子供には受容はできません。そして、精神科に限ってお話ししますと、この受容ができなければ患者は心を開かず、患者と医者との心の交流ができず、結果としては患者を治せないことになってしまいます。患者を治すという責任を負っているからには、自分の価値観を押しつけるわけにはいかないのです。
 昨今の政治家の方々に必要なのは、まさにこの受容ではないかと思います。各党間の意見、哲学の違いはあるでしょう。相手の意見は理不尽であったり納得できないかもしれません。しかし、政治家としての結果責任をとるために、自分の主張ばかりにこだわるのではなく、日本の未来に対する責任にこだわっていただきたいのです。国民はそれを政治家に期待しています。
 これまでの政治の中で、日本は、平和、治安、経済的繁栄など、他国から見ればうらやましい成果を上げてきました。医療制度も、だれでもどこでも一定の水準の医療を受けられます。日本ほど社会主義的社会はないというほど、平等で貧富の差が少ない国も珍しいと思います。これは国民一人一人が勤勉に働いてきた結果であることは論をまちませんが、それとともに、政治家が国民の最大公約数を的確につかみ、政治のかじ取りをうまく行ってきた結果でもあります。
 私は、政治にとって最大公約数へのバランス感覚が重要であると考えていますが、今の最大の政治課題は政治改革ですし、政治改革の早期実現こそが最大公約数の希望であると考えます。そして、法案が不成立の場合、政府・与党の責任が問われることは当然ですが、野党の責任も追及されてしかるべきです。お互いの失点をとがめることを繰り返すのではなく、妥協すべきは妥協して早期の実現をお願いいたします。
 私は今回の公聴会のために分厚い資料に一通り目を通しましたが、読み進むに従って細かい内容に気持ちをとられてしまいそうになりました。しかし、政治家の方々には大局的な立場でのバランス感覚に期待いたします。
 選挙制度についての具体的な意見としましては、国民の総意が反映できる制度が望ましいことです。確かに、選挙制度として完全な制度はないと巷間言われますように、中選挙区制にしても小選挙区制にしてもまた比例区制にしても、それぞれ一長一短があることは専門家の方々の御指摘のとおりと思われます。これまでの中選挙区制のもと、自民党による長期の一党支配が続きました。これは、得票率と議席数とに差があることや定数配分の問題が常に指摘されながら今日に至っておりますが、私は、これはこれで日本の置かれた政治状況の中では歴史的な必要性があったと思いますし、一定程度の成果を上げてきたと考えています。
 しかし、最近になり、東西冷戦構造が変化、消滅しつつある中、日本の有権者の意識もおのずと変化してきていることも事実でしょう。その変化の一つは、自民党は多少の問題はある、しかし自民党以外には安心して政権を託せる党はないという思いから、急激な変革でさえなければ自民党以外の党でもいいのではないかという思いではないかと思います。選択の幅が広がったことです。これはささいなことのようですが、根本的な意識の変化であると言えます。
 この国民の意識の変化に対してできるだけいろいろな意見を反映させるためには、全国単位を一区とした比例区制が基本となる選挙制度が望ましいと考えます。全国を一区とした比例区制の場合、極端な多党乱立による政治の不安定さが懸念されますが、これを補う形で小選挙区制が必要と考えます。比例区制では、政党の顔は見えますが個々の候補者の顔は見えませんので、個々の候補者の顔が見え、腐敗防止に一定の枠をはめられる小選挙区制が必要であると思います。
 また、一票制か二票制かにつきましては、投票する立場から考えますと、二票制の方が自然ですし、わかりやすいと思います。
 以上が、政治改革の早期実現のお願いと、選挙制度に関する私の意見の大枠です。
 次に、政治家の腐敗について申し上げます。
 政治家の腐敗とその結果である政治家への不信は、一言で申し上げるならば政治と金の問題です。政治家とはもうかる商売なのではないかということです。昨今の金丸疑惑以来最近のゼネコン汚職まで、国民の間には政治と政治家に対する不信感が強まっています。それは、実際にマスコミに登場した政治家、登場させられた政治家、罪を認めた政治家など、特定の政治家に対する非難や怒りだけでなく、やっぱり政治家はというふうに、人々が政治家一般に普遍化して見ていることが見過ごせない点であると思います。
 これは、政治家に入る金と政治家から出る金が余りにも不明瞭であることに原因しています。また企業献金にしても、一千万円単位の金が使途不明金として処理されて政治家に流れていることは、とても信じられません。政治という名をかりてその裏で私腹を肥やす議員がいること、そして、金を出した人や企業に対してだけ特別の援助をすることなどの不公平感を人々は感じています。この不公平感は、金の動きが一般の人には見えないこと、見えないため陰で事が運ばれていることからきています。
 私は、本来であれは、個人献金にせよ企業献金にせよ、すべてをガラス張りにすべきであると思います。何万円以下は公開義務がないというのは、おかしな話であると思います。そして、だれもがそれを閲覧できる方法がよいと思います。だれから、あるいはどこから金が入り、それをもらった党や議員はどういう動きをして、結果がどうなったか、この一連の政治献金の動きを一般国民が知ることのできる制度を希望します。
 そういう観点からは、企業献金は廃止して個人献金のみにするのがベターであると考えます。さらに、議員になる前と、なってからの資産公開の必要があると思います。政治にどれくらい金がかかるのか、議員とはどれだけ金がもうかるのか、あるいはもうからないのかを明らかにすべきです。そこまで議員とお金との関係をクリアにしていくことこそが政治家の腐敗の根絶につながるのではないかと私は考えます。これらの私の考えからしますと、政治献金についてより厳しい枠組みを提案している政府案に賛成いたします。
 最後になりますが、私も一応先生と呼ばれています。先生と呼ばれるようになってからのことを振り返りますと、医師としての責任感が強くなったとともに、責任を果たすための傲慢さも強くなったように思います。責任を果たさなければならないがゆえに、自分こそが真実であるように錯覚してしまうこともあったと反省しております。政治家の方々には、自分のこと、金のことに振り回されることなく、日本の未来に責任を持った決断をしていただきますようお願いし、私の陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#192
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、永田智彦君にお願いをいたします。
#193
○永田智彦君 永田でございます。
 私は、読み上げる原稿を持ってまいりませんでしたので、まとまらない点はお許しいただきたいと思います。
 今国会におきますこの政治改革の論議をお聞きしておりまして非常に感じますことは、選ばれる側の論理、すなわち政治家の方々の論理というものが非常に優先して、選ぶ側の、すなわち有権者、国民の側から見た論議というものが大変不十分であるというふうに感じております。
 いかなる選挙制度も一長一短でございまして、完全無欠というものはないと思うのでございます。したがいまして、現行の中選挙区制が非常に多くの問題点を抱えているということは、我々も承知しております。しかし、現在進んでおります小選挙区比例代表並立制というものは非常に大きな問題を抱えている。そういう意味で、私は現行の中選挙区制よりも悪い制度だというふうに考えております。したがいまして、私は小選挙区比例代表並立制そのものに反対する立場から以下の公述をいたしたいと思っております。
 まず、現在進んでおります小選挙区比例代表並立制を推進する方々が話されておりますいわゆる中選挙区の欠陥でございますが、その第一の、中選挙区制のもとでは政権交代が起こりにくいということについては、起きてしまいましたので、最近先生方が言わなくなりました。そのことについては、私もこれ以上は触れないことといたします。
 第二点に、衆議院で政権を担おうとする、過半数をとろうとする政党は、同一の選挙区で複数の候補者を立てなければならない。したがって、同士打ちになって、サービス合戦になって金がかかるんだという論議でございますが、それは選ばれる側の、政治家の方々の論理なのであります。我々有権者は、複数の候補者が出るからこそ、いい候補者、立派な候補者を選択することができるのであります。これを同士打ちというのは、選ばれる側の論理なのであります。
 ですから、小選挙区比例代表並立制になりまして候補者をすべて政党が選ぶということになれば、今まで政治家は有権者によって選ばれていたわけですから、常に目が有権者の方に向いていたのです。それが今度は、政党の幹部や、あるいは小選挙区においては地元の県会議員だとか少数の地元の有力者の方に目が向くようになるというのは自明なのです。ずっとやっていけば必ずそうなると思うのです。どうしてかといえば、候補者になること自体が勝利そのものに結びつくからであります。
 そういう意味におきまして、複数の候補者が出ている現行の中選挙区制というのは、有権者にとって非常に大切な選択ができるという利点というものがあるわけでございます。有権者が、政党だけでなくて非常にすぐれた政治家を選びたいという、これこそ一種の政治改革の重要な柱だと思います。その点をないがしろにしているこの小選挙区比例代表並立制というものに、私は非常に疑問を持っております。
 次に、比例代表の件でございますが、比例代表というのは、何だかんだいいましても、最終的には現在の参議院の全国区と同じパターンになるというふうに私は思います。したがいまして、大組織の代表でありますとか大きな労働組合の代表だとか、なお私が最も懸念しますのは、官僚のOBが今後多数政界に進出してくる可能性があるということで、比例代表については大変疑問を持っております。したがって、衆議院に比例代表そのものを導入することに反対でございます。
 比例代表の点でもう一点ですが、民意の反映ということをよく言われておりますが、民意というのは私は二種類あるのではないかというふうに思っております。
 一つは、何%の得票を得たからその得票に応じた議席を配分するべきだ、これは一つの民意だと思います。同時に、どういう人物がいいか、どういう政治家の資質あるいは能力を持っている人を選ぶかという中で、有権者の選挙に際しての意思決定というのは非常に多様化してきております。
 ですから、今支持政党なしとか、これを無党派層と言っていいのかどうかはわかりませんが、非常に支持政党なしという方々がふえてきております。この方々の民意というものは、比例代表のところで、無所属だめだ、あるいは既存の政党だめだということになる。これが今大変大きな勢力なのですね。これらの方々の民意というのはどういうふうに反映されるのでありましょうか。この点で非常に問題だというふうに思っております。
 次に、国民の政治不信と金の問題でありますけれども、過去数年にわたりまして国民の政治不信というのは非常に高まってきております。それは言うまでもなく、政治家の一部の方々の腐敗し切った様子というものを国民が嫌というほど見せつけられてきたからであります。
 これは事実なのでございますけれども、この後からが違うわけでして、多くの政治家の方は、この後何と続くかといいますと、だから中選挙区制が続く限りサービス合戦とも言える選挙、それから派閥の援助を前提とした選挙はなくならないんだと、こう来るわけですね。それで悪いのは中選挙区制である、こういうふうになります。
 これは、私は責任の転嫁だというふうに考えております。中選挙区制が悪い、だから政治改革は選挙制度の改革だと、いつの間にか政治改革はすべて選挙制度の改革というふうにすりかえが行われてきておるわけでございます。悪いのは、政治についての金の集め方と使い方でございます。中選挙区制が第一に悪いのではなくて、政治家の方々の金の集め方それから使い方が悪いから国民の不信を買っているわけであります。
 私が考えますのは、民主主義というのは全体主義国家ではないのですから、金はかかるのですね。政治に金はかかるのです。これを前提に話をしていかなければいけないと思うのです。きれいごとで政治家の方も、私はきれいな選挙をしますとか、私は金のかからない政治をやりますなんて建前のことを言いますからおかしくなってくるので、現在の民主主義におけるこういう選挙制度は、どんなふうにやったって金はかかりますよ。小選挙区制になったって、奄美群島を見ればわかるのですから、金はかかると思うのです。問題はここから先なんですね。ですから、民主主義のコストとしての金というものはかかるわけです。問題は、金の集め方と使い方をどうするかということが大事だと思うのです。
 私は、金の集め方につきまして、まず民間から政治献金を集める。これは個人でも法人でもいいのではないか。一定の枠を設けて民間からも金を集める。それから、どうしても足りなければ公費の助成をするのもやむを得ない。しかし、公費の助成というのは税金をもって使うわけでございますから、この金の集め方、つまり入りについて厳格に透明性を確保する必要がある。そういう意味で、腐敗防止法で担保して、この集めた金について、何円以上とかなんとかと言わないで、全部公表するぐらいの新しい政治資金規正法と腐敗防止法をつくって管理する必要があろうかと思います。
 次に、金の使い方でございますが、私は最終的には金の使い方というのは政治家と有権者の意識の問題だと思っております。それは、制度が悪いから金がかかるのではなくて、政治家とそこにいる選挙民の、有権者の意識の問題だ、モラルの問題だと思うのです。ですから、政治家が立候補するときに有権者にたかりの構造を味わわせてしまえば、そういうふうな支持者がふえてくるわけです。私は絶対的に言えると思うのです。バスを仕立てて国会見学をじゃんじゃんさせる、こういうものに金がかかるわけです。それをさせてしまったのが政治家であり、またあたかもそれが後援会活動だというふうにやる政治活動そのものが悪いのでありまして、選挙制度が悪いのではないというふうに考えております。
 世論調査におきましても、選挙制度が変わったらば今より金が相当かからなくなるか、政治に金がかからなくなるかということに対して、国民の多くは否定的な意見を出しているということを皆さんもお考えになっていただきたいと思います。
 私は、厳格な腐敗防止法を制定することが何よりも急務であると考えております。先生一人一人がみずからを厳しく律するような、非常に厳しい政治腐敗防止法をつくっていただきたい。そして、収支報告を一〇〇%していただきたい。現在で不足しておりますのは、一部の閣僚等について資産公開というのがされておりますが、あれでは不十分でございまして、収支報告と同時に貸借対照表を公開する必要があろうかと思います。そして、これらについては公認会計士もしくは税理士の第三者による監査を義務づけて、そして必要なものはきちっと集める、そしてきちっと使う。これを、入りと出をうやむやにするから、ゼネコンから何かもらったとかなんとかという国民のひんしゅくを買うようなことが出てくるのだというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、現在の雰囲気は、何でもかんでも政治改革というのは選挙制度改革で、小選挙区比例代表並立制を主張する人が改革派である、そして中選挙区もいいところがあるじゃないかと言う人はすべて守旧派であるというような雰囲気が一部マスコミ等を通して行われていることは、私は自由な討議というものを阻害していると思います。さきの衆議院選挙におきましても、福岡政行というテレビによく出る大学教授などは、週刊誌において、この選挙区のだれだれは小選挙区を推進している人だというのでマルがついているのですね。中選挙区制論者は守旧派だというのでバツがついている。こういうことをやって、何となく少数意見を言うと後ろめたいという雰囲気を醸しているということは、私も戦後間もない二十一年の生まれですけれども、戦争は知りませんけれども、何となく全体が嫌な雰囲気になっているということを私は懸念しております。
 先生方が、特にきょうおいでの先生方のうち連立与党の方、たくさんお見えになっておりますが、細川さんが何が何でも年内にやると言った手前、どうしてもやらないと責任をとらなければならないというようなことはあろうかと思うのですが、私は年内に成立しなくても責任をとる必要はないと思うのです、言っちゃったからまずいですけれども。
 いずれにしても、私は、選挙制度という大切な問題を、何となく皆さんの気持ちも焦っている、わっしよいわっしよいというふうなことでやっていって、最終的にこれが成案になった暁に、こんなはずではなかった、自分は一生懸命政治活動をやってきたけれども、いつの間にか選挙民を離れたところで自分が首を切られたということのないように、そういう制度をつくっていただきたいと思います。
 以上でございます。
#194
○権藤座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#195
○権藤座長 これより委員からの質疑を行いたいと思います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢沢一郎君。
#196
○逢沢委員 自由民主党の逢沢一郎でございます。
 きょうは大変お忙しい中、それぞれの党の推薦という背景があるようでありますけれども、意見陳述においでをいただきました六名の皆様方、本当にありがとうございました。それぞれ貴重な御意見あるいはまた政治改革に対するお話、お考えをお伺いすることができました。
 全国一斉に地方で公聴会が開かれておるわけでありますけれども、これからの日本の国の政治を決定づける、言うなればその政治を通じてこれからの社会やあるいは経済や国民生活、あるいは私どもも含めた一人一人の国民意識にも恐らく大変大きな影響を今回の改革は与えることになる、そういう認識を持っておりますけれども、それだけに、きょういただきましたそれぞれの御意見を大切にさせていただいて、あすからの審議に十分生かしてまいりたい、そのことをまず冒頭に申し上げておきたいというふうに思います。
 私ども自由民主党に与えられました時間は四十五分ということでございますが、私と隣におります石破議員と二人でこの四十五分を担当させていただきたいと思います。
 まず最初に、最初に意見を御開陳をいただきました堀込さんにお伺いをしたいわけでありますけれども、実は、比例代表並立制という新しい選挙制度を軸にした政治改革を推進するという方向が、さきの七月十八日の総選挙の結果を踏まえる形で一気に方向性が出たわけです。まとまった。
 これは私どもの自由民主党にとっても言えることでありますけれども、堀込さんがリーダーをなさっておられます社会党におきましても、たしか選挙の前までは、いわゆる並立制というのはとんでもないことだ、けしからぬ、併用制あるいは連用制、つまりベースは比例代表に軸足を置いた制度というのが当然あるべきものだという御趣旨であったというふうに記憶をいたしておるわけでありまして、党の中央におきましても、選挙が終わって急に並立制でいこうということになって相当な議論があった、混乱があったということを、今やもう自民党と社会党の間でも十分人間関係がありますから、よくそういう話を聞くわけでありますが、恐らく地方にあってはもっと大きなショックというか衝撃であったのではなかろうかと思います。
 しかし、それを乗り越えてでもこれは推進をしていかなければいけない、そういうお立場に立っていただいたということは、ある意味で、我々政治改革を実現をしようという立場の者にとりましては、社会党さんがそういう立場になっていただいたのは大変な評価をすべきことでございますが、そのことについて、内部の御事情をお伺いするようで大変恐縮でございますけれども、いわゆる群馬の社会党におきましては、そのことに対しての十分な理解と協力、コンセンサスができているのだということなのかどうか、最初にそこをお伺いいたしたいと思います。
#197
○堀込敬司君 私たち日本社会党群馬県本部定期大会も十月段階において開催をいたしました。そこで出てくるたくさんの質疑、意見、これはやはり今までの大会と違いまして、小選挙区比例代表並立制をめぐる意見というものが大変多かったのです。
 それで、私たちが今まで歩んできた選挙制度に関する問題は、はっきりしているのは、前回の国会におけるところの社公共同提案、小選挙区比例併用制、これが私たちが新しくこの方法がいいだろうということでもって結論を出した選挙制度であります。民間臨調から連用制というのが出されまして、それに乗る構えも一応とってまいったわけでありますけれども、しかしながら、御承知のとおり解散・総選挙、こういうことになりまして、結果的には、御承知のように自民党の過半数獲得ということがつぶれまして、非自民という格好でもって結集をされた勢力が政権をつくるかどうか、こういう状況に置かれたわけであります。
 そこで、私たち日本社会党はどういうふうにしたらよろしいのか、このことは大変苦労いたしましたわけでありますけれども、私たち日本社会党の道筋をずっと考えてみても、綱領があって、さらに「社会主義への道」というのがあって、ここまでは抵抗政党であったのですけれども、その後「新宣言」というものを掲げまして、抵抗政党から国民政党という格好になり、現実的な方向を志向をいたしたわけであります。連立・連合政権というのは普通のことというふうにそこに規定をして、これは日本社会党群馬県本部それぞれの党員もそれまではよく承知をしておるわけであります。さらに、二年前の大会でもって、社会民主主義、これを一つの路線としてとって、新たに現実的な路線の中で政権に挑戦をしようじゃないか、こういうことをはっきりと大会で決めまして、私たち日本社会党群馬県本部大会でもそのことを決議いたしたわけであります。
 しかしながら、そうはいっても、政権に私たちが具体的にかかわるということはなかなか難しいだろうと考えておったけれども、先ほど申し上げたような極めて急激な変化の中で、率直に言ってみれば、思いもよらぬ政権に挑戦をしたその結果が具体化するという、そういった可能性が出てきたわけであります。
 それで、いろいろ論議をいたしまして、やはり日本の国の政治の将来を考え、今までの一党支配の自民党の政権がもたらしたもろもろの弊害については除去することがよろしいのではないか、こういった観点から、あえて私たちは、並立制についてはそれまでなかなかそれでよろしいという結論をそれ以前には出したことはないわけでありますけれども、一つは、この際ひとつ新しい政権でもって新しい日本の政治というものを国民の要求に従って切り開いていく必要があろう、そういう見地から、完全無欠ではないけれども、一応今申し上げたような新たなる日本の国の政治の朝明けを迎えるということでもって私たちはのみ込み、そのことを日本社会党群馬県本部でも認めたわけであります。大会においてもいろいろ議論あるいは意見はありましたけれども、最終的に決意をしたのは、現細川内閣を強力に支援をして政治改革の推進をしていこう、こういうふうに決定をされております。
#198
○逢沢委員 ありがとうございました。
 時間も限られておりますので、次に質問をいたします。
 県会議員の松沢先生及び飯塚さんにお伺いをしたいのですけれども、先ほどの意見陳述を聞いておりますと、これだけ長い間我々が政治改革に取り組んできた、そしてもう今回の国会が始まって審議も相当一生懸命やってきて、新聞にも報道される、テレビでも中継もある、しかし、どうも新しい政治改革の意図するところ、特にその中心課題の選挙制度について、必ずしも国民の皆様の理解、あるいは新しい仕組みの意図が十二分に伝わっていないという雰囲気が今お二人のお話から伝わってきて、いささか戸惑いも覚えながら、しかしやはりどうしても今国会で成立をさせる、そうなれば、総理もおっしゃっておられるように、あるいは我々議員もそうあるべきだろうと考えておることは、そう遠からず、多分来年の今ごろということになるのでしょうか、新しい制度で選挙をやるというふうに思うのです。
 またそうあるべきだと思うのですが、しかし、これほど国の将来にとって大切な政治改革、そして選挙のやり方を基本的に変えるということは本当に大変なことであります。にもかかわらず、十二分に国民の方がそれをおわかりいただいていないとすれば、これは重大なことだな、改めてそう思うのですが、例えばこれから一年後の選挙というものを想定して、本当に理解をしてもらう、わかっていただく、その政党本位、政策中心の選挙になるように持っていくためにはどんな努力が必要なのか、あるいは厳しいところがあるのか、率直なところを、時間の関係もありますので簡単にお述べをいただきたいと思うのです。
#199
○松沢睦君 おっしゃるとおりでありまして、一体これが小選挙区制になるかという実感が、まだほとんどの人はそういうふうになりそうだなというぐらいであろうというふうに思いますし、国会内で議論をされていることについて、ほとんどの人はどういう議論がされているか、確かに新聞やテレビでは報道されているが、一体それがどういう意味を持つかというようなことについて、突き詰めた、実際に変わるという実感がなかった段階においては、まさに徹底をしていない。しかし、現実にこれで今国会で変わる、変わるとなったら変わった時点でやはり周知徹底を図る、こういうことを国会議員の先生方みんな努力していただきたいし、それに対して我々も努力していく。
 現法案について、あれだけの膨大な細部について、ここはどうだ、あそこはどうだという法律論を私どもは代表の国会議員の先生方にみんなお願いをして任せているわけで、群馬県も八人も衆議院議員が出ておられるわけですから、それぞれの立場でおっしゃっているでしょうから。そして出た結果について、私どもはそれをもとにして勉強もし、また、我々が知らないのですから、ましてや一般の国民の皆様方はわかりにくいのですから、それをしっかり伝えていって周知徹底を図った上で、何が何だかわからないうちに選挙になったということのないようにすることが、本法の趣旨を生かして日本の政治が変わっていく道だと思いますので、それも自民党が一丸となってやる必要がある、まだばらばらだというふうに思っています。
#200
○飯塚実枝子君 ただいま松沢先生のおっしゃるとおりでございまして、小選挙区比例代表並立制でございますか、私もこの文字を見なければ一言で言えないような大変難しい法案でございます。とにかく選挙というのは、字のとおりに「選んで挙げる」と、私たちはこのように考えております。
 参議院で全国区、比例はもう経験しておりますが、参議院の先生方には非常にお気の毒だと思いますが、我が群馬県からもお二人の比例区から選出されている方がいらっしゃいますけれども、その先生方を県民はほとんど御存じない。よほど選挙あるいは政治に関心のある方でなければ御存じないのじゃないか、このように考えております。
 私は、こういった国会議員の先生方と選挙民との距離が今度の衆議院によってますます開かれてしまう、こういうことは我々にとっても非常に悲しいことでございますし、先生御本人を私たち自身が選ぶ、こういう選挙民の当然の投票の権利を今回奪われてしまう、衆議院のこの選挙に対しましてはそういう反発が、特に女性からは非常に多いのも事実でございます。
 これを皆さんによくわかっていただくには、決定後に、松沢先生のおっしゃるとおりに、相当の周知期間を置いていただいて御理解いただかないと、棄権率が今回は大変多くなるのではないかと思います。衆議院に比べて参議院の投票率がどこの県においても低い、これは比例が入っているからだ、私はこのように信じております。
 以上でございます。
#201
○逢沢委員 ありがとうございました。
 それでは続きまして、土田社長様にお伺いをしたいわけであります。
 いわゆる現行中選挙区制度はもう制度疲労で、時代背景を考えてみてもこの制度を続ける限り政治はよくならない、結論からいえばそういうことだろうと思うのです。私も、自由民主党の党内にあって自分自身を振り返りながら、そのことを正直申し上げて痛感をしてきました。
 私は岡山県から選ばれているのですが、恐らく岡山に比べて群馬の方が、より自民党が強い。自民党の強い方がたくさん出られている。それだけに中選挙区制度下における選挙のときの実態というのは、時々新聞やテレビで拝見いたしますけれども、私の地元の岡山の比じゃないのだろうな、そういう想像もいたします。それだけに、社長様がそういう強いお気持ちを持ったというのも非常にうなずけるなというふうに思うのです。
 一方、中選挙区ではもう新しい政治を切り開けないというふうに思いつつも、確かにもう政権は交代してしまって、今の連立が基本的には、国の基本政策、つまり自民党のそれを引き継ぐということで政治が始まってしまった。しかし、選挙制度は変えるということになっている。
 じゃ、こういう状況で変えて、例えば事実上自民党と新生党が一騎打ちになるとか、自民党と新党さきがけ、新生党でというところもあるかもしれません。そうなったときに、この法律の意図する政党中心、政策本位の選挙ということに本当になるんだろうかな。そうしなければいけないのだけれども、本当のところなるんだろうかな。お金もばかみたいにかかるようなことにはならないだろうけれども、とらの子の一人を選ぶ選挙ということになると、当選できるのは一人だけだからという現実の方が先に立ってしまう。だから、制度の意図するところが本当に十二分に生かせるかどうか、実態を考えたときにやはり不安もあるなというのが正直な腹のうちでもあるわけでありますが、そこをどう乗り越えていくべきか、お考えをお聞かせいただきたいのです。
#202
○土田洋三君 私は、基本的に、地方分権の確立ということが表裏一体として非常に重要な要素だと思っているのですね。
 例えば、今我々が橋をかけてくれとか道路をつくってくれよとか公民館をつくってくれよというのを、例えば私の選挙区であるならばA代議士、B代議士という方に陳情してやる。しかし、本来その町に住む人たちが育ててきた歴史とか文化とか伝統というものは、その土地の人たちが一番よく知っていて、その土地の人たちが守り育てていくべきということがまず根本的に一番大事だと思うのですね。
 そういった意味で、現在の縦割り行政の中では地方分権というものが全く確立されていない。三割自治というような言葉がありますが、現実には三割自治どころか、細かな、例えば学校の机の高さから色から、そんなものまで全部決められてしまっている。そういう中で、むしろ地方のことは地方にお任せしようというような形で地方分権というものが確立された場合、地元に対する利益誘導という要素が選挙的に非常に薄くなってくるわけですね。
 今の選挙はやはり基本的に、どぎつく言いますと、利益誘導のうまい先生方あるいはいろいろ身近に感じられる先生方の方が、人情面からいってもしようがないことなんです、人間のやることだからしようがないことなんですが、どうしても票を集めやすくなっている。そういう仕組みになっているわけですね。それよりもむしろ、裏側として地方分権というものをきちっと確立されたときに初めて、政党本位という形でやっていくことが私は党の独裁につながるとかそういうことにならずにいくと思うのですね。それは、地方分権の確立というものが裏側にあるからだということが大変重要な要素だと思っております。
 それといま一点は、党で人材を登用する場合、一つには英国のように試験制度だとかそういうような開かれた形の中で、この人は国会議員としてすばらしい能力と資格を持っているよというような形の登用の仕方というものがオープンに行われるべきではないだろうかというふうに思っております。そういうことで弊害を除去していけばいいのではないだろうかと思っております。
#203
○逢沢委員 続いて、土田社長に最後に一問だけお伺いいたしますが、お金のことなんです。
 意見陳述の中で、最終的には献金は個人に限るべき、そして受け皿としての団体も一つだ、要するに選ばれた者が経済的な、政治活動をするためにあくせくしてお金を集めるような、そんなばかみたいなことに時間、エネルギーを費やすことがないような道をつくってやれというお話を伺いまして、一つの御意見として大変深く拝聴いたしたわけであります。
 私は自分自身の体験に照らして、そのことも非常に大切なことだろうと思うのですが、もう一つは、やはり政治家というのは、いい意味で、自分自身の政治活動を賄うための浄財を集める苦労から解放されたのでは、政治家としての成長なり人間としての成長ということから考えてみると、むしろまた逆に大きな問題があるのじゃないかな、そういうことが頭から離れないのですね。
 制度が中選挙区から小選挙区に変われば基本的に候補者像も変わってくるのかなというふうにも思うのですが、ちょっと例えは悪いかもしれませんけれども、大変な風、ブームによって当選をしてくる。今回もそういう選挙だったかもしれない。しかし、選挙が終わって二、三日後ぐらいにテレビを見ていましたら、私だれかに入れたんだけれども、だれに入れたかわからないとインタビューに主婦の方が答えていらっしゃる。たしか新しい政党の何とかさんだったなというふうにおっしゃっておられる。つまり、選挙があって二日、三日後にはもうだれに入れたかわからないということなんです。
 そういう選ばれ方をした人でも、もちろん国民の意思によって選ばれた国会議員である。しかし、たまたまと言っては恐縮かもしれないけれども、そういうふうにして議会に出てくれば、歳費もたくさんあって、あるいは政党助成のおかげで党を通じてたくさんお金がもらえて、お金集めの苦労なんかなしに議員をやれるというので、本当にそれでいいのかな。選挙というハードル、そしてもう一つは、一人一人の有権者が自分の選んだ議員を本当に吟味をする、チェックをする。こういう人間にならポケットマネーを出しても応援してやってもいいな、あるいはうちは中小企業で大変だけれども、月々五千円か、自民党の法律案は二万円ということになっていまして、そのくらいなら応援してやりたいな、そういう有権者と候補者あるいは政治家との関係を築いていくということはより重要なことのように私には思えてならないのですが、いかがでしょうか。
#204
○土田洋三君 私は、先ほど言ったように、基本的に地方分権という形を確立して、本来国政を預かる議員の皆様方は、外交であるとか安保であるとか国際貢献の問題であるとか、大きな国家レベルでの話というものに本来その能力を邁進すべきだし、考えるべきは、やはりトータル的な意味での日本のあり方、日本の進むべき道、そのために我々は何をなすべきかということについての能力を研さんされることに大いなる時間を費やすべきだと思います。金の苦労なんか私どもの中小企業のおやじがやっていればいいのであって、議員の皆様方はやはり外交問題であるとかあるいはこの国の安全保障の形であるとか、そういうものについて日ごろ研さんされることが大変重要なことではないだろうかというふうに私は思っておるわけです。
 最後に、私ごとで非常に恐縮なんですが、自分自身としてはイギリスの生活が多少長かったものですから、そのイギリスの選挙の形が昔から、若いころからずっと頭にあるのですね。イギリスの場合は御案内のように単純小選挙区制なんですけれども、あの形が私にとってはいいことだなというふうには思っております。
#205
○逢沢委員 どうもありがとうございました。
#206
○権藤座長 委員とそれから陳述者の皆さんに申し上げます。
 衆議院の規則でございますから、発言は団長の許可をとってお願いします。
 石破茂君。
#207
○石破委員 きょうは、お忙しいところありがとうございました。自由民主党の石破でございます。
 何人かの方から、今国会でできなくても問わないから慎重にやれというお話がございましたが、私は、それはあってはならぬことだと思っております。この議論というのは竹下内閣のころからずっとやってきていまして、宮澤内閣のときに何で最後にひっくり返っちゃったかというと、できなくても責任問わないからねという声が出てきて、それで一気に崩れてしまったのですね。責任をとらなくてもいいというのは我々が言うべきことじゃない。総理が一国の最高責任者として責任をとると言ったのだから、責任をとらなくてもいいよということを申し上げてはいけないので、とにかくこれができなければ責任をとっていただく、そしてできるためにみんながやらないと、今度もできないということは絶対に許されないことだというふうに思っています。今国会中に成立をさせなければいかぬというのが私の考えでございます。
 完全無欠なものはないというのはみんなの共通認識でございますが、やはり海部内閣のときに我々自民党で提案をして、あのときは閣法でございました、政府提出でございましたが、二票制と言い全国と言ってきたわけですね。それを今回一票制と言い都道府県と言っておるわけで、提案しているのはほとんど同じ人間でございますよ。そういうふうに変わるわけで、そのことにも象徴されるように、これがベストだというものはない。ここまで来ますと、総理が年内に成立させるとおっしゃった、あと参議院の審議も考えますと、衆議院というのはもうここ一週間ぐらいが勝負であろうというふうに考えております。
 そうなりますと、自民党は自民党の案がベストなんだ、政府は政府の案がベストなんだ、こう言っていますと、もうどこまで行っても歩み寄らない。何のために百何十時間も、大変なお金を使って、こうやって皆様にお出ましいただいて審議してきたのかということになりますから、どこかで歩み寄らなければもうどうにもならないだろうというふうに思います。そして、強行採決というのはなるべく避くべきことでありますし、やるべきことではございません。ただ、最後は、民主主義は数でございますから、そういうふうにならざるを得ないのでしょう。そういうことをいかにして避けていくかということが重要だと思うのです。
 そこで、私は、個人的には共同修正をやって、自民党もそしてまた連立与党も、土俵を決める話ですから、みんなが賛成ということになるのがベストだと思っています。そういう観点から項目を限りましてお尋ねをいたしたいと思います。
 それぞれの方に御意見を述べていただきたいわけでございますが、中選挙区がよろしいとおっしゃられますと、これはもう二日かけても三日かけても話がまとまりませんので、堀込さんから野本さんまでお答えを簡潔にいただきたいと思います。
 まず配分ですね。二百五十、二百五十がよろしいのか、三百と百七十一がよろしいのかということでございます。これは私は、参議院との比較で考えてみるべきものじゃないだろうか。衆議院というのは、どこに政権を担わせるのか、だれを総理にするのかという選挙ですね。そこが参議院と違うところであります。参議院の場合には二百五十二の定数で、選挙区の方が多いわけですね、百五十二。それで比例区が百ということになっている。ところが、参議院においてさえ選挙区のウエートが高いのに、何で衆議院がフィフティー・フィフティーなんだろうか。衆議院の方はだれを政権につかせるかという選挙ですから、やはり衆議院においても小選挙区部分の方がウエートが高くてしかるべきじゃないかというふうに思いますが、その点、いかがですか。
 それから、全国か都道府県かということでございますが、これはそれぞれの地域の代議士なんだ。代議士というからには地域の代表なんだということもわかります。全国となれば遠くなっちゃうということも理解ができないわけではありません。ただ、重複立候補というものが参議院とは決定的に違うところであって、そしてまた、それも党の上の方がずらっと決めちゃうのじゃなくて、勝った人の九割までとった人、勝った人の三割しかとれなかった人、それはおのずから違うべきものだろう。たくさんとれた人、善戦と言ってもいいし、惜敗と言ってもいいけれども、それから機械的に並べていくべきものであって、そこに党の恣意など入らないというふうにやったとするならば、それはもう全国でもいいのかなという気もしてはおります。そうしますと、両方がこうだこうだと言っていても仕方がないから、じゃ両方の顔が生きるようにブロックみたいなものでどうだろうかということについてはいかようにお考えか。
 そして最後に、二票か一票かという話なんですが、これは私どもも最初二票と言ったことがありますから、絶対に二票はだめだということを申し上げるつもりはございません。ただ、例えばある党の候補者が、私は消費税は上げてもいいんだ、仕方がない、上げなきゃどうにもならないじゃないかという主張をしたといたします。そしてある党は、いや、三%のままでいいんだという主張をしたといたしますね。ある人が小選挙区では消費税を上げてもいいという人を選択し、そして比例区においては今のままでいいんだというのを選択した場合には、一体この人は何を言いたいのということがよくわからない。それは政権の選択という意味でやはりおかしいんじゃないか。
 憲法違反だという声もございますが、そこまで憲法は予定しているんだろうか。やはり衆議院というのはどの政党に政権を選択させるかということ、これは憲法からそういうふうになっているわけですね。そうしますと、そちらの方が優先して、法のもとの平等に本当に抵触するのかなというと、憲法はそこまで予定をしていないような気もするのですが、その点、いかがでしょうか。
 いろいろ総花的にお尋ねしましたが、簡潔に五人の方々にお答えをいただければと思います。
#208
○堀込敬司君 最初の問題については、参議院と衆議院の性格といいますか、使命といいますか、それはおのずから異なると思っております。衆議院は政権をつくっていくという重要な役目を持っておるし、参議院はそれをチェックしていく、こういうことで、参議院については昔は良識の府、こういうふうに言われて、おのずから政権の立場からいえば衆議院の方が優位性を持つわけであります。
 参議院においても、地方区、つまり選挙区、それから比例代表を比べてみて、比例代表の方が少ないではないか、こういう立場もありますけれども、しかしながら、やはり顔の見える選挙と政党を選ぶ選挙、これを合わせてバランスをとることが大事であります。参議院でそういう形をとっていることについてはもう御承知のとおりで、やはり小選挙区に似た選挙区に余り偏り過ぎていないという現状がありますから、これはこれとして私は参議院はよろしいのじゃないかと思います。
 しかし、比例の問題で、参議院についても衆議院のコピー化ということでもって改めなければいけないという意見があることについては私も承知をいたしております。しかし、やはり衆議院の場合には政権をつくっているという非常に重要な任務を帯びておるわけでありますから、したがって、これは小選挙区と比例代表に分けておりますけれども、参議院よりもはるかに重要な要素を持っておると思うのです。
 先ほど私も意見の中で申し上げましたように、一つは参議院よりははるかに顔の見える選挙をやる、いま一つは、政党としてはっきりこの政党がよろしい、こういう政党を選ぶということを組み合わすことがよろしいということについては先ほど申し上げたとおりでございます。ぜひともこれは、二百五十、二百五十、そういった参議院と衆議院の比較をしてみて、衆議院の方が政権をつくる重要な場であるとするならば、やはり選挙法の性格を生かして同数にすることが極めて妥当ではないかというふうに一つは思っておるわけであります。
 それから、全国区かあるいは都道府県かという、こういったことでブロック制についてはどうかというようなお言葉がありましたけれども、この辺については、私たちいろいろ意見を交換をいたしておりますけれども、今この辺は与党、野党の修正協議に入っている一つの問題であろうというふうに考えますが、私たちの場合にも、ぎりぎり決着においてはやはり協議をして意見を合致をさせて結論を出さなければならないということになれば、そのことはかたくなにぜひこうしなければいかぬというようなことは考えなくてもいいのではないかな、そんな気がいたします。
 それから、二票か一票かの問題でありますけれども、これは先ほども意見を申し上げたわけでありますけれども、やはり当選人決定の手続を持つ二つの選挙を実施するわけですから、したがって、これは二票制の方が有権者の意思を尊重するために必要な条件であって、一票制では小選挙区制で無所属候補に投票した人は比例代表で事実上投票ができない、またその逆もあるわけですね。
 それと、参政権というものを国民はひとしく与えられておるわけですから、結果的にはその辺が、参政権の権利を行使することができなくなるという結果があるわけですから、したがってそのことは、憲法違反かどうかについては相当綿密にいろいろな方々に意見を聞かなければ結論は出ない問題だとは思いますけれども、しかし私たちは、少なくとも参政権をそういった形で制度でもって摘んでしまうということについては、問題があるというふうに考えております。
#209
○石破委員 済みません。ちょっと時間がございませんので、三つのお尋ねをしましたが、ここだけというところをそれぞれの陳述人にお答えいただけますか。
#210
○松沢睦君 簡単に答えましょう。
 もともと一番望ましいのは、中選挙区制にかわって一番望ましいのは単純小選挙区制です。しかし、政治的な配慮で今ああいうふうに並立制になったわけだから、それはそれでいい。だから、そういう考え方からいけば、フィフティー・フィフティーでなくて、直接名前が書ける選挙が多い方がいい。しかし、それについても、それはもう政治ですから、この法案を何としても成立させたい、私どもそう思っているし、ぜひやってもらいたい、妥協はすべきだと思っていますね。
 ブロック制については、私はやはり都道府県単位で選ぶのが当然だと思っています。だけれども、これも全国区というので分かれているのですから、これも妥協案かな。
 一票制、二票制についてもいろいろ意見があって、これもすり合わせ、妥協案かな。しかし、とにかく両者、与野党ともどもに同じ土俵の上に乗って、とにかく共同提案で同じ土俵をつくってもらいたい、こういうことだけお願いします。
#211
○土田洋三君 簡単にお答えいたします。
 先ほども逢沢先生に申し上げたとおり、私は小選挙区の数が多い方がいいというふうに思っております。
 それと、全国か都道府県かという比例代表の問題でございますが、やはり比例代表というものの根本的な性質上、私は全国でいいのではないかというふうに思っております。
 それと、一票制か二票制かの問題については、やはり人間というのは、選挙になりますと、政策だけではなく非常に感情的な部分というのもございまして、例えば地元代表に、この人だけはどうしても当選してもらいたいけれども、政策としてはこの党が好きなんだよというような、どうしても人間の矛盾した存在というものの部分も認めなければならないのではないだろうかという意味では、二票制でいいのではないかというふうに思っております。
#212
○飯塚実枝子君 私が、年内をまた延びてもいい、このように成立につきまして発言いたしましたのは、私先ほど少々時間をオーバーしておりましたので言い足りなかったのでございますけれども、強行採決ということに女性は非常な、何と言うんですか、この今の民主主義の時代に強行採決ということは大変ルールに反している、このように受けとめておりますので、ぜひそれは避けていただきたい。やはりどうしても両方の合意を得られなければ、年内にこだわらずに強行採決をあくまで避けてほしいという意味で私は申し上げましたので、この成立を先送りしていいというような考えは毛頭もございませんので、つけ加えておきます。
#213
○野本文幸君 簡単に申し上げます。
 配分数の件で言いますと、私は比例制が多い方がいいという基本的な考えがありますので、今回の二つの法案で言いますと、政府・与党案がいいと思います。
 それと、ブロック制の件ですが、小選挙区で地域代表的な性格が強い方が出てくるということから兼ね合わせますと、ブロック制よりはやはり全国一区がよろしいのではないかと思っております。
 三点目の、一票か二票かということになりますと、先ほど石破さんが言われましたことは選ばれる側の論理でして、選ぶ側の論理としますと、今土田さんが言われたように、いろいろな意味での、この党は好きだけれどもこの議員は嫌だとかということもありますので、できれば二票制がよろしいかと思います。
 以上です。
#214
○石破委員 土田さんにお尋ねしたいのですが、御主張ほとんど九九%私は同感なんです。それで、一票、二票もそうこだわるわけではないのですが、ただ私は、この人は好きだがこの党は嫌だ、そういう選択というのは本当に小選挙区制の目指すものなのかなという気がするのですよ。例えば、若い議員なんかは、自民党は腐っているけれどもおれに入れてくれと言って当選してきている者がいっぱいいるのですね。逆もあるでしょう。
 ところが、小選挙区制というのは、衆議院というのは、この人を総理大臣にするぞという投票でもあるわけですね。そうしますと、結局自由民主党とすれば、石破茂に入れるということは、その党の総裁を総理大臣にするという意思表示であるわけですよ。そうするとそれが、本当にこの人は好きだけれどもこの党は嫌いだというような、いかにも日本人的な考え方は――確かに、ドイツでもそうじゃないかと言われればそうです。ドイツの場合には、クロスボーティングというのが二割ぐらい出るんだそうですね。ただ、そこをやはり変えていかないと、あれもいいがこれもいいというのが払拭できないのではないのかなという懸念が私はどうしてもぬぐい去れないのだけれども、いかがですか。
#215
○土田洋三君 最終的な形としては、あるべき姿としては石破先生のおっしゃるとおりだと思うのです。それには、今までの地域代表的な要素が、何度も申し上げるのですが、地方分権が確立された上は、張りつく場所が今までみたいな固定的なところではなくて、どこにでも議員の先生が張りついていく、流動化できるような、例えばイギリスみたいに流動化して、どこでも飛んでいける。この間までは九州で出ていたのだけれども、今度は北海道で出られるんだよというような状況の中で、選挙民もそういうものになれる、議員の先生方もなれるというような状況の場合は、まさにおっしゃるとおり、もう政策というものが中心課題となって、この党に政権もとらせたいし、その中のこいつを首相にさせたいよという形で本来あるべきだと思うのですが、いわゆる日本的な義理人情で積み上げてきた今までの形の中では、過渡的措置としてやるには私は二票制の方がいいのではないかというふうに思っております。
#216
○石破委員 松沢さんにお尋ねしたいのですが、これができた後、どういう候補者を発掘していくのかというのがとても大事なことだと思っているのですね。
 今の私も含めてですが、二世議員がやたらめったら多い。それで官僚出身も多い。本当に一生懸命党のために頑張ってきた人間がなかなか国会議員になれないじゃないかということ、それはやはり小選挙区制にすることによって解決されるという部分が随分あるのではないか。すなわち、党でどういう人を候補者にしていくのかということについてきちんとした基準をつくる。そしてまた候補者も、我が自民党としては以前に候補者公募制度みたいなものをつくりました。そして、だれでも、お金がなくたって、二世じゃなくたって、官僚じゃなくたって、国会議員になってほしいなという人をならせるように、そういうシステムをやはりつくっていかなければいけないのではないか。そうすることによって、党独裁とか党・官僚独裁みたいな弊害は除去されるのではないかというふうに思うのですが、その点、いかがですか。
 もう一つは、先ほど来地方分権のお話が出ています。これができますと、今度は国会議員というのは、国防、外交、教育、経済政策、票にならないようなことを一生懸命やっていかなければいけないという方にシフトしていくでしょう。そうすると、だんだん地方にそういうことが移っていかなければいけないと思うのだが、この議論の中で決定的に抜けているのは地方分権の話だと思うのですね。そうなったときに、本当に地方分権をどのようにやっていったらよろしいのか。
 そしてまた、もしお時間があればで結構ですが、いわゆる公費助成というのは、何で中選挙区では公費助成ができないかというと、同士打ちをやっていて、同士打ちの費用なんか税金から出せるかということでした。それから、一人ということになれば、それは公費助成をする大義名分も立つだろう。ところが地方議員さんの場合には、例えば県議会で、町議会で、村議会で小選挙区制ということになると、これは考えただけで恐ろしいという感じがするのですが、その場合に一体どういうスタイルで公的助成なりというものを考えていったらよろしいか、お答えいただければ幸いです。
#217
○松沢睦君 今、石破先生からお話があったのですけれども、随分長い間議論なすった、御苦労だったと思いますよ。しかし、その御苦労なすった議員というのは、自民党の衆議院議員の中だってほんのわずかの人ですよ、申しわけないけれども。海部内閣当時だってそういうことでおやりになり、これは三木内閣からずっと流れてきた政治改革の流れですからいいのですけれども、熱心におやりになってここまで来た。だけれども、今までは熱心にはおやりになってきたけれどもつぶれてきた、本当に成立するのかということになる。成立する前に成立した後のことは言えないし、勉強もできないし、それは全部、出ている選出の国会議員に関係があるわけですから。県会議員の場合でも、県連の場合、こっちはそうじゃない、こっちはそうだといういろいろな意見があってまとまってないのですから。それで、それが小選挙区になれば、だれが出るんだ、かれが出るんだという話になるのだから、なおのこと成立した後でなければ議論ができない、研究もできないという実態は御理解をいただきたい。
 ですから、ほとんど周知していない。これはもう全国的にそうであろうと思いますし、社会党の方々だってこうなると思ってなかったのが急にこうなったんだし、全部そうだと思います。だから、なった時点から始まるんだ、こういうふうに思っていただくことがいいのではないか。その上で、今の個々の問題についても、地方の問題についてもございます。
 ただ、土田さん今ちょっとおっしゃっておられた、国会議員は国のことをやればいいという議論も確かにあるのです。あるけれども、それでは選挙民に張りつかなきゃ落っこっちゃうじゃないかというので、こっちにばかり来ているという批判もあるのです。ですから、決まりさえすれば、おのおのの役割というのは、県なら県、市町村なら市町村とはっきり分かれるのですから、それは心配ないだけの人材はたくさんいますから、決めたら安心して同じ土俵の上で議論をすべきだ、今までやってきたことをしっかりやっていただきたいということをお願いをしたいと思います。
 それから、最後に新人発掘の問題でございますし、候補者の問題でございますが、これは今はみんな衆議院議員として選ばれている方々なのですから、その方々が御自身で議論をして決めていくべきだ。我々が選んだわけですから、それを選んだのがああだ、こうだと言うのではなくて、選ばれた議員が選ばれた立場に立って、国民のために自分が何をするかということは真剣に議論をしていただきたい、それは衆議院議員の皆様方の責任だと私は思っています。
#218
○石破委員 質疑の時間が尽きましたので終わりますが、何にしても、現職議員にとっては今のままが一番いいというのは、もう実際みんなが思うところでございます。改革というのは、先取り改革と後取り改革、後追い改革というのかしら、それがありまして、我々は今のままが一番いいのだけれども、このままやっていたらどうなってしまうのだろうという恐怖感でこれをやってきております。
 ですから、とにかく何とか合意しました後に周知徹底するために、きょうお出ましの皆様方のお知恵とお力をまたおかりしたい、心からお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#219
○権藤座長 阿部昭吾君。
#220
○阿部委員 私は、社会党・護憲民主連合の阿部昭吾でございます。
 社会党と私どもは今会派を一緒にしており、実際は社会民主連合に所属をしております。選挙区は山形県の第二区です。私は、いつもこの選挙区と国会の間を、上越新幹線になるまで二十七年間、この群馬県を通って国会に通ってまいりました。
 私は貧乏な学生のころに、政治家になりたい、こう思って、十九歳のころに社会党に入ったのであります。私が政治家になりたいと思ったのは、政治家というのは誇りのあるもの、社会で尊敬をされるもの、こういう思いがございます。ところが、私は県の議員を八年やって、そして国会議員二十七年になって、最近は政治家というのは何かうさん臭い目で見られる、大変残念でならないのであります。私は貧乏な政治運動家でありますから、考えてみますると、選挙というのは金なんかだけでできるものではないという確信を最近持っております。それにしても、やはり最近ちょっと、特にこの二十年くらいの間、日本の政治というのは少し金に麻痺をしてきたのではないか。
 例えば、言ってはいけませんけれども、二十人以上も秘書を使っておるなんという政治運動は、私はやはり堕落だろうと思う。それはみんな金なんです。金がなければできませんからね。したがって、私の見るところは、今度のゼネコンとかなんとかいうもの、今表へ出ておるのは氷山の一角だろう、こう見ておるのです。
 その意味では、何といってもこの政治資金の関係は、先ほど永田先生が言われました出と入りを鮮明にしていく、これを鮮明にできなかった場合は政治活動や選挙に充てることはできないという明快なものをこの際つくる必要がある、こう思っております。
 もう一つの問題は選挙制度でありますけれども、小選挙区と比例制、こう言っておる。この中で、周知期間をもっと置けということは私もよくわかる。もう一つあるのは、重複立候補という制度を認めておるわけですね。小選挙区にも立候補するが、同じ人が比例区にも立候補する。この制度は、小選挙区になると死票が非常に多くなってしまう、したがって比例区との並立によって相補い合う、しかし比例選挙ならば顔が見えないじゃないか、こういうことは重複立候補ということで実際上カバーされていく、こういうのが今度の並立制選挙の中身なんですね。
 きのうきょう始まったことじゃなくて、国会の中ではこの問題は長い間、海部内閣がつぶれ、宮澤内閣がつぶれたのもまさにこの問題でつぶれたわけで、今回三回目、相当練りに練って出ておる。しかも、自民党もそれから連立与党も、小選挙区比例代表並立制というこの大枠については完全に一致をしているわけです。したがって、連立与党の方も、もう既に御案内のように、どこで妥協を図るかという決断を今進めつつある。野党の方もそうしようというところで話が進んでおる。したがって、私は、ここでもしまとめなければ、国会というのは一体何だ、政治家というのは一体何だということになってしまうのだろうと思います。したがって、私などは、もし今国会でこのことがやり切れないようであれば、現職の議員はすべて次は立候補してはいかぬぐらいの腹を固めなければいかぬなと実は思っております。
 そういう状況に来ていると思うのでありますけれども、二つのことだけお尋ねしたいのは、政治資金のことはやはりぬるま湯にしておってはいけない、出と入りをどんな場合でも明らかにする、小切手帳か何かで政治資金の出し入れは全部公開される、このぐらいのことをやったらいいと私は思っておりますけれども、政治資金だけやって選挙制度は後回しでいいということにはならない。
 今度の選挙制度は、本当に長い間野党もそれから今の連立与党も大変に苦しみ抜いて、とにかくこのあたりでまとまりがつくのであろうという前提の上に、双方それぞれ今度の法案というのは準備して出しておると私は思っておるわけです。
 その意味で、ぜひ、さすが群馬県、例えばさっき、あれよあれよという間に政権交代が行われたと言っておるが、実はあれよあれよというものでできたのじゃない。長い間自民党の中におった皆さんが、経世会分裂以来その決断を固めつつあった。この皆さんと、建前を非常に重視してきた社会党が、田邊さん以来山花さんに引き継いだ社会党が、自民党の金丸さんや竹下さんの関係の中で育ってきた人たちと手を握っても政権交代を実現しようというのは、これは並み大抵でできた問題じゃないと私は思う。あれよあれよという経過の中で出たものではない。そういう意味で、その中で今この政治改革をやり抜こうとしておるのでありますから、これはどんなことがあっても、この機会を逸したならば政治はもはや台なしになってしまう、こう思っておるわけです。
 そういう意味で、松沢陳述人にお伺いします。
 立場はいろいろおありだと思いますけれども、私は連立与党も総定数は今の程度だろうと思うのですが、比例区、小選挙区の関係はある決断をして踏み込もう。それから、比例区の関係についても、私は、さっき言った重複立候補の問題その他考えた場合、全国一本が一番いいと思うのですよ。しかし、野党自民党がどうしてもというのなら、やはり一歩踏み込もうじゃないかということも、与党の側にもその腹づもり、少しずつ動き始めたように思うのです。私は今回どんなことがあっても、まとまらなければ政治は全部双方だめですからね、行かなければいかぬ時期だろうと思う。その意味で、群馬県の自民党の立場で御意見をひとつ伺いたい。
 それから、政治資金は全部透明にすべきだ、この二つです。
#221
○松沢睦君 今先生のおっしゃる気持ちはよくわかります。ただ、そのお話の中で、二百五十と二百五十はどうしても守るんだ、だけれどもブロック制はいいんだ、そういう固まったものじゃなくて、そういうことになると、こちらの海部内閣当時つくってきた三百対百七十一というのは明らかに根拠があるお話ですから、どうしてもがちんとぶつかっちゃうわけですよね。けれども、それを乗り越えても今国会でどうしても共同提案で成立させてもらいたい、私は特に強くお願いを申し上げます。
 それと、今の政治資金の透明のお話につきましては、もう本当におっしゃるとおりで、政治家自身がみんな自分の問題として解決するのですから、明らかに入りも出も明確にした方がいい、こういうふうにはっきり思っていますから、しっかりした改正をしていただきたいと思います。
#222
○阿部委員 土田陳述人さんにお願いしたいのですが、小選挙区はなるべく多い方がいい、こういう御意向でありましたが、私は、五百、そのうち二百五十、二百五十がいいと思っていますよ。しかもその中に、比例区の場合には小選挙区との重複立候補がありますから、それは同時に顔の見える選挙にもなっていくのです。いいと思いますが、しかし、与野党間意見が一致するのならば、二百五十、二百五十にこだわらずに、あるまとめをつけようという機運が連立与党の内部にも出てきておると思うのです。
 当面、日本の政治の現状から考えると、その辺の総定数の譲り合いはやっても、比例区と小選挙区の重複立候補ということで地域の中はいろいろにまた動いていくということを考えれば、定数の問題はある歩み寄りで、例えば本則などといいますけれども、私が若かった時代の総定数というのは四百六十六だったかと思います。いつの間にやら本則が変わって、あのころ日本の人口は、戦後八千万ぐらいしかいなかったのですよ。今一億二千五百万近くなっていますよね。イギリスは人口六千万で下院の総定数は六百何ぼ。衆議院の本則本則とおっしゃるが、この本則に一体どこでいつなったかということになると、僕らの記憶では、一番最初、戦後の時代は四百六十六だったのですよ。したがって、五百程度というものはそんなにべらぼうなものではないのではないか、こう思うのですが、土田先生の御意見を伺いたい。
#223
○土田洋三君 最終的には早期決着ということがとりあえず最大の私のお願いでございます。そういった意味では、決着数としては小選挙区が二百七十五で比例区は二百二十五になるのかなとか、私は勝手に推測しているわけでございますが、その辺はやはり与野党の折衝で、やはりお互いにじっくり話し合った上で最終決断をしていただきたいというふうに思っております。
 また、総定数の問題につきましては、私は、基本的な考え方としては衆議院の数は少ない方がいいというふうに思っているわけです。できれば少数精鋭で、一つの意見を余り時間をかけずに、もう少し短期間に集約できて、というのは、やはりこういう激動する国際社会の中では、リーダーシップをとる際に大変時間のかかり過ぎるところが、日本が国際社会の中で非常にひんしゅくを買っているという点は否めない事実だと思うのです。そういった意味で、私はやはり国会議員の総定数は少ない方がいいのではないかという考えを持っております。
#224
○阿部委員 これで終わりますけれども、私は、いずれ日本の政党政治というのは党議拘束というものを薄めていく、非常にいろいろな考え方が多様化してきました時代に、党議拘束で全部縛り切るという時代は間もなく終わるだろう、党派を超えていろいろな案件ごとに態度が決まっていく、そういう時代に移っていくのじゃないか。そういう意味で今度の選挙制度も、小選挙区とかいろいろなことがありますけれども、全般的な政治状況はそういうふうに変わるのではないか、こういう考えも持っております。
 以上申し上げまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。
#225
○権藤座長 岡田克也君。
#226
○岡田委員 新生党の岡田克也です。時間も十五分しかございませんので、端的にいろいろ御質問したいと思います。
 今お聞きをしておりまして、皆さんの中で堀込さん、土田さん、野本さん、大体私、同意見であります。特に土田さん、非常に説得的なお話をされていたと思います。それから永田さん、独自のお立場に立って中選挙区制度がいい、こういうお話であります。これは時間があれば十分議論したいところでありますが、国会の中では実は中選挙区制度が一番いいという議論は、議員個人としてはあるかと思いますが、政党としては日本共産党以外はそういう考え方はございませんので、きょうは時間の関係もあって割愛をさせていただきたいと思います。そういう意味で、松沢さんと飯塚さんに主としてお聞きをしていきたいと思います。
 まず、松沢さんにちょっとお聞きしたいのですが、一票制の問題です。先ほどもちょっと出たのですが、憲法問題がございまして、私も政治改革特別委員会の中で衆議院の法制局に、一票制について憲法上問題がないということが断言できるのか、こういう質問を二回しております。つまり、無所属候補に入れた場合に政党のところが空欄になってしまう、あるいは小選挙区に候補を立てていない政党に投票したい人は小選挙区が空振りになってしまう、これが投票する権利を奪うことになるのではないか、したがって憲法違反ではないか、こういう質問に対して衆議院の法制局は、答えは言えない、つまり憲法に合っているということを断言できなかったわけであります。この点についてどうお考えでしょうか。
#227
○松択睦君 さあ、私が聞いたわけじゃないからわかりませんから、先生の方がわかっているんでしょうから。ただ、過去に二名連記ということが終戦直後の衆議院選挙ではございましたね。だから二名連記なんかの方がわかりやすいと私どもは思いますね。
 だけれども、なぜ一票制かといえば、自分の意思が、個人に入れたことはイコールそれは政党に入れたことになる、比例区を選んだことになるということの方が非常にわかりやすくて投票する側の方はいいと思いますし、そんなに政策が違わないのにあの党だ、この党だとやたら出て、それで混乱して五人も十人も出てというんじゃなくて、ある程度みんなまとめられて、二大政党型を志向するための小選挙区制だという論理もあるんですから。多党化の論理もあるんだから、両方ともあるにしても、いずれにしても明確な方が選ぶ側はいいんですよ。
 ところが、今の議論は、みんな選ばれる側の方が、おれの都合が、おれの都合がと言っていて出てくる感じになっているから、これではちょっとわかりにくいから自民党としては一票制で統一した、こう思います。
#228
○岡田委員 今の松沢さんの御意見は政策論なんですね。それで、そこは一票制、二票制それぞれの立場からいろいろな議論があると思うのですが、私がしておりますのは憲法論でありまして、幾ら政策的によくても憲法に違反しては、これは憲法が最高法規でありますから、できないわけであります。
 もし、憲法違反の疑義がかなり強い中でこの制度が導入をされ、衆議院選挙が行われた、その後最高裁判所に行って違憲であるということになれば、これは大変なことになってしまう。つまり、選ばれた人はみんな憲法違反で選ばれてきたということになるわけで、国政大混乱に陥るわけであります。そこの問題点があるということを一言御指摘をさせていただきたいと思います。
#229
○松沢睦君 ですから、そのことは法律をつくられる衆議院議員の方々がよく御存じなんですから、私どもは憲法違反であるかないかということはわからないのですから、それはそういうお立場で国会で論戦をしていただきたいと思います。
#230
○岡田委員 ですから、せっかくの地方公聴会でありますから、国会ではそういう議論がある、それを踏まえて御議論をいただきたいということを申し上げるわけであります。
 それから、飯塚さんにお聞きしたいと思いますが、先ほど、比例区で全国単位だと女性が出にくくなる、こういうお話がございましたが、どういう意味なんでしょうか。ちょっとわかりにくかったものですから、御説明いただきたいと思います。
#231
○飯塚実枝子君 参議院の例を見ましても、私の最も尊敬する先生がこの前、十六位だかで当選できなかった。私たちの自民党の方でございまして、大変女性党員も尊敬とあこがれを持っていた先生でございましたけれども、その先生が次点ということで当選されなかった。私たちもいろいろな会に出かけていますけれども、女性を優先するあるいは尊重すると言われておりますけれど、私はまだまだ、特に国会の中では、本当に女性副総理がいらしてもいいくらいじゃないかと思うのでございますけれども、女性の地位というのは非常に低い。地域にありましては私たち婦人が大同団結してこの人を出そうという、特に上州の女性の中でそういう雰囲気が高まってまいればそれもまた可能かもしれませんけれども、全国区ということは非常に難しいのが現状であると思います。
#232
○岡田委員 今の衆議院も参議院もそうなんですが、現状を見ますと、とりわけ自由民主党、私も自由民主党であったわけですが、自由民主党の場合には女性議員が地方区において非常に少ないという現実があります。これは恐らく個人本位の選挙ということと無縁ではないだろうと私は思うわけであります。現実に我々議員の生活を見てみますと、それこそ家族をほうり出して朝から晩まで走り回っている、こういう現実があります。女性の場合に、例えば子供さんを抱えておられる、あるいはお仕事を持っておられる方が選挙に出よう、こうしたときに、そういうものを捨てなければいけないという問題が出てくる。その辺が実は日本において女性議員が少ない一つの大きな原因ではないかなと私は思っております。
 全国だと女性が少なくなって都道府県だと多くなるというのは、必ずしもそうは言えないのかなと。それはまさしく先ほど御指摘ありましたけれども、それぞれの党の女性に対する考え方の問題、あるいは女性議員に対する評価の問題であって、必ずしもブロックが全国だからだめだとか都道府県だからいい、こういうことにはならないんじゃないかな、こういう気かいたしますが、どうでしょうか。
#233
○飯塚実枝子君 中選挙区の場合、確かに今まで自民党は地方議員に女性が大変少なかったと思います。
 これは先生はもと自民党にいらしたから御承知のように、自民党は非常に有能な男性の先生方の層が厚い、少しぐらいの小ざかしい女性が出ていく余地がない、それぐらいに自民党はすばらしい男性の先生たちがいらっしゃると、今でもこのように思っております。一部の方のために大きな自民党すべてが悪いというようなことに憤慨しておるところですけれども、今回は小選挙区となりますと、女性が出られる確率が中選挙区よりも、女性同士の団結というのが、例えば地域の婦人会とか今までいろいろお互いに育ててきましたものを女性が力を合わせれば、中選挙区よりもむしろ小選挙区の方が出やすくなるんじゃないかな、このように単純に、これは女性の意見でございます。
#234
○岡田委員 それから、ちょっと時間もありませんので一言コメントさせていただきますが、先ほどの飯塚さんのお話の中で、選挙というのは直接選挙するのが大原則だ、本人を選びたいというのが有権者の権利である、こういうお話がありました。
 これは、我々今の制度になじんでしまっていますので、そういうふうに思うわけでありますが、世界的に見ますと、候補者を直接選ばない、つまり比例制の国というのはかなり現実にはありまして、候補者を直接選ぶ小選挙区制の国というのは、英米系の例えばカナダとかアメリカとかイギリス、そういう国はありますが、ヨーロッパの大陸系の国は比例制というものが何らかの形で入っている国がほとんどである。そういう国は個人を選ぶというよりも党を選ぶということが前提になっているということなんで、我々は余りにも今の中選挙区制度のもとで個人を選ぶということに目が行き過ぎていますが、必ずしもそれは投票者の権利を奪うということではないと私は思っておりますので、これはコメントだけ申し上げさせていただきます。
 時間もありませんので、松沢さんにもう少し聞かせていただきたいのですが、地方議員への配慮の問題ですね。これは非常に大事な問題だと私も思っておりまして、例えば何にお金がかかるかといえば、一つは選挙、そしてもう一つは日常の活動ということになると思います。私は、お金が少なければ少ないほどいいという考え方には立っておりません。選挙にお金がかかるのであれば、それは国なりあるいは都道府県が負担をする、公営選挙の割合をふやしていくことで解消できるのではないか、こういう気がいたします。それから、日常の議員としての活動のために一定の経費が要る、こういうことであれば、それはまさしく都道府県議会とか市町村の議会で御議論いただいて、そのために必要な費用をそれぞれの都道府県や市町村の御判断で有権者の皆さんの御理解をいただいた上で出す仕組みをおつくりになったらどうか、こういう気がいたしますが、いかがでしょうか。
#235
○松沢睦君 おっしゃるとおり、地方議員については、地方議員にかかわらず国会議員全部そうですけれども、とにかくいつから十何人も秘書がいるようになったり、ああいうことをするようになったのか、ちょっとわからないぐらいやっちゃった。そういう流れで、地方議員もみんなそういう影響を受けたわけです。だけれども、よく考えてみれば、我々自身みんなそうですけれども、秘書もいないし、自分一人で回っていて地元の仕事をしているのですから、そんなに選挙に金はかかりません。
 だから、公費の負担というものはできるだけ受けない方がいい。国会議員のように政党にうんと金をよこせなんて、そんなことを地方議会なんかは考えてもおりませんし、またその必要も私はないと思います。しかし、向こうがもらえてこっちがもらえないのはばかげじゃないかという議論があって、そういう話も出るのでしょうが、基本的にはお金を使わないということが原則ですから、現状の中で地方議会に改めて県議会を開いてお金を国会と同じように出すなんということは、私は考えてみたこともございません。
 ただ、一つ先生に申し上げておきたいのは、市町村長、都道府県知事の選び方について、これはもうほとんど全部無所属でいらっしゃいます。ですから、これが一体どうなってくるかということ、そしてそれが非常に安定をしてなじんできているわけですから、そういうことも含めて地方議員の声をしっかり国会で聞いてみて、本当に国会議員と同じベースのことを考えているのか、考えていないのか、じゃどれがいいのかということはしっかり聞いていただいて、そしていろいろ御指導いただきたいと思います。どういうことでも受けて立ちますから。
#236
○岡田委員 時間もございませんので、最後にこの法案の今後の問題でございます。
 先ほど石破さんの方からもいろいろお話があったのですが、会期が十二月十五日になっている。そして参議院でもそれなりのきちんとした審議をしていただかなければならない。こういうふうに逆算をしてまいりますと、どうも来週のしかるべき時期には衆議院を通過させないと、この国会での成立は不可能であります。
 ということは、選択肢は二つあります。もちろんきょうも協議が行われておりますが、きょうから来週前半にかけて精力的な妥協のための協議をして、そして合意に達すればもちろん問題ないのですが、合意に達しない場合に、そのときに政府の原案で粛々と、私は強行採決とは申しません、粛々と採決をしていくのが民主主義のルールなのか、それともこの国会での成立というものを断念して後送りをしてしまうのか、選択肢は二つしかない。もうそこまで今は追い込まれているわけであります。
 そういう意味で、私はここではもう随分議論もしてまいりました。この地方公聴会を入れると百時間を超える議論でありまして、宮澤内閣のときよりも多くなる。しかも、海部内閣から含めますと三百時間を超える議論をしているわけでありまして、もうそろそろ断を下すべき時期が来ているのじゃないか。もちろん話し合いは最後まで努力をいたしますが、その結果、最終的には採決ということにいかなきゃいけない、こういうふうに思っているところでございますが、もし御意見があれば一言お伺いしたいと思います。
#237
○松沢睦君 十二日というお話があったようですけれども、きょうあたりのテレビを見ていると、今こだわらないというようなお話になってきているようですね。いずれにしても、話し合おうという空気が出てきて共同提案もするべきだという意見も出てきているのですから、お互いにあれをしてぜひ成立をさせてもらいたい。成立をさせてもらいたいが、強行採決で成立をさせるようなことだけはどんなことをしても避けて、共同提案をしてもらいたいということだけお願いします。
#238
○岡田委員 私どももなるべく合意の上で成案を得たい、こういうふうに思っておりますが、最後に一言だけ申し上げさせていただきますと、この国会が始まってから政治改革特別委員会の審議が始まるまで一カ月かかりました。もしあのときにもう少し早くこの特別委員会の審議に入っていれば、これだけ日程は詰まらなかったと思います。
 それから、自由民主党の森幹事長は、この地方公聴会が終わるまで本格的な協議はすべきでないということを言われました。私は、結論を出すのは地方公聴会の結果が出てからでいいと思いますが、協議に入らないということは理由がないような気がいたします。故意にそういうことをやっておられるとは私は思いませんが、限られた時間でありますので、お互い精力的に議論を尽くしていかなければいけない、こういうふうに思っていることを最後につけ加えさせていただきます。
#239
○松沢睦君 先生、一言だけ。
 先生は一生懸命御努力なすったと。さっき石破先生にも皆さんにも言ったけれども、全体は知らないのですよ。だから、おれたちだけ努力したのだからもうこれでいいんだというのじゃなくて、国民は知らないのですから、そういう謙虚な立場に立って国会の採決というものを考えていただきたいということを私は申し上げているのです。
 それと、今おっしゃられましたように、とにかく皆さんできちんと合意をする。森幹事長だって、私どもに地方公聴会のお話があって片っ方でどんどん進んでいるのでは、何を言ったってしょうがないじゃないか、公聴会なんか、決まっているところへ行ったってしようがないじゃないかという声があるんだから、公聴会が済んでから審議に入ることの方が、私は国民の声を吸い上げるという意味では地方公聴会の意味があるというふうに思いますので、目先のことにこだわらないで、大乗的見地に立って国民のための立派な法案をつくっていただきたいと思います。
#240
○岡田委員 一言、最後に。
 それぞれの国民の理解が進んでいないというのはおっしゃるとおりかもしれません。しかし、それは、一つはマスコミの仕事であると同時に、それぞれの地域選出の国会議員がそれぞれの地域に帰って語りかけて、そして有権者の皆さんに御理解をいただくというのが仕事であろう、こういうふうに思っておりますので、最後につけ加えさせていただきます。
#241
○権藤座長 川端達夫君。
#242
○川端委員 皆さん大変御苦労さまでございます。私で最後ですので、よろしくお願いします。滋賀県選出の民社党の川端達夫でございます。
 滋賀県というと、この地から遠いですから、どこかなとお思いかもしれませんが、昭和五十三年、選抜甲子園で完全試合を前橋高校に喫した県でございます。
 いろいろな御議論を伺いまして、おのおのの立場での皆さんの御意見、実は今永田町で議論している部分が反映をしているということを実感をいたしました。
 そういう中で、私たち国会議員の今の立場というのは、宮澤内閣、その前の海部内閣、二回、国民の政治不信を解消するためにどうしても政治改革を実現するんだと申し上げながらできなかった。いわばイエローカードを二枚もらって、その結果、政権与党である、責任者である自民党が退場を食らった、政権の座から滑り落ちたということだと思います。そして今、このぎりぎりの局面に立ったところで、今度できないということであれば、サポーターである国民の皆さんは大ばかやろうと、もう知らないということをおっしゃる。そして我々は永久追放、こういう事態に今至っているのではないかな、そういう非常に深刻な思いの中で議論をいたしております。
 そういう中で、今まで皆さんが思っておられることをほかの委員の皆さんからの御質問で大体理解はできたのですけれども、せっかく永田さんおいでで、ほかの皆さんから御質問がなかったので、一言お尋ねをしたいのです。
 実は永田さんの御意見というのは、前国会までは非常に強い意見として随分ありました。そういう中で、先ほどおっしゃいましたけれども、今各党間の党の議論としては、そういうものが真正面に出ている政党というのは一つしかありません。しかし、国会議員の胸の中を見れば、そういう思いを持っている人も何人か固まりでおられるというのも、皆さんもマスコミを通じて、何となくこの人たちは違うところでグループをつくっているけれども、そうじゃないかなというのを見聞きされているということが根強くあることは事実です。
 そして、実は国民の皆さんの中にも、率直に今の政治改革でいったときにどうなるんだろうなと、永田さんのおっしゃるようなことがそうだと思う方もたくさんおられると思います。しかし、きょう、それはこうだ、我々はこう思うということを言う時間がございませんので、またできたらいろいろな機会が持てればと思うのです。
 ただ、そういう中で一つお尋ねしたいのは、例えば前々回の衆議院の選挙では、有権者の皆さんは、どんな結果が出ようと政権交代をするとは思わずに、自民党が政権を持ち続ける、そして野党に政権を渡す気もさらさらないという中で自民党やその当時の野党に投票されたと思うのですね、政権を選択しないつもりで。
 この前の選挙は、どう考えても自民党が単独で過半数をとることはあり得ないということを有権者は自覚しながら、場合によっては自民党の単独少数政権なのか、あるいは自民党を中心とする連立政権なのか。そして、当時私たちは五党会派で連立政権、社会党さんも基本政策に合意しようということの中で、我々はこういうことでやろうという枠組みを示した中で、そういう人たちに任そうかなという、政権はかわるかもしれないし、かわらないかもしれないという投票をされたと思うのですね。
 今度、私たちが今主張している小選挙区を含む選挙制度に変えたとしたときには、そのときには間違いなく、おのおのまた今までどおりばらばらに出ておのおのやれば、これは何の選挙かわからないですね、小選挙区で。そして勝敗も非常にはっきりしているわけで、これは自民党が全部勝つのですね。
 そういう意味で、今度は恐らく、形はともあれ有権者の皆さんに定数一名の選挙区でお示しするのは、自民党の皆さんはお一人お立てになる。そして今の連立政権は、こんなのは心配でしょうと、だから自民党に政権を戻してくださいとお訴えになるでしょう。我々は、細川内閣をつくりました、まあいろいろありますけれども、一生懸命やっています、とにかく流れを変えるのを続けさせてくださいと言って与党の中でだれか一人を出して訴えるということになる。そうすると、有権者の皆さんは、どちらに政権を渡そうかなということで、どちらかに入れるということですね。それから、もうとことん反対で、批判勢力ということで一部の政党に入れるという意味では、有権者の選ぶ側から見て、政権を選ぶという特徴は非常に明確にあると私は思うのです。
 これが今連立政権ができた中で、なおかつ中選挙区制でもう一度、これだけいろいろ意見があるんだから選挙制度で信を問えということでやった場合に、そのことに関しては明確になるかもしれないけれども、そうしたら政権は結果次第で、どんな政権ができるか全くわからない。
 そういう意味の大きな転換期での、腐敗防止とか云々ではなくて、そのときどきで政権を非常にダイレクトに皆さんが選びやすいという特徴を私は持っていると思うのですね。そのことが実は日本の政治に今まで欠けてきたことであり、非常に大事なことだ。そのとき一方がスキャンダルなんか起こしたら、もうそれは要らないと。あるいは政策で争うときはどちらがいいんだということを非常に明確にする選挙制度が、そしてそれに裏打ちされた政治というのが日本の政治にとっては大事だということです。
 中選挙区制にも私は長所もあると思います。そして、今腐敗だらけを全部中選挙区制のせいにするのも私は間違っていると思います。
 そういう思いでこういう制度を変えようということを主張しているのですけれども、その点については先ほどの御意見から見てどういうふうにお考えですか。
#243
○永田智彦君 最初に川端先生、発言の機会をいただいてありがとうございます。私はもう最後までないと思ってあきらめておりましたので、先生に感謝申し上げます。
 私は、いわゆる五五年体制というのが終わりになった、崩壊したということで、例えば最初に消費税の問題で参議院が与野党逆転して兆候が出てきた。今までは自民党はずっと政権与党で社会党がずっとあきらめ野党、こういう五五年体制というのがずっと続いてきましたけれども、やはり国民の価値観も、それから政治に対する期待とか、そういうものがいろいろ変わってきました。そこへ腐敗が出てきます。私は本来自民党の支持者でしたけれども、自民党の支持者というのも非常に広くて、今回日本新党やさきがけや新生党に票が流れたのも、保守、中道から相当流れているわけですね。
 ですから、選挙制度そのものが中選挙区制である限り、今の自民党がずっとやるような体制は変わらないんだという議論は、もうこれからは国民の中で通用しない。ただ、先ほども言ったように、私は何が何でも中選挙区制がいいなどということを言っているのではなくて、よりよい制度があればそのように改革していく必要があります。
 先ほど石破先生から、現職の議員は全員が今のままの制度がいいと思っているんだという話がありましたけれども、私はこれは違うと思います。建前の話でありまして、やはり中選挙区制の中でもう疲れ切った、要するにふだんの後援会活動などに血眼になって本当の政治活動ができない、今の制度ではもう疲れたという方はたくさんいると思うのですよ。だからその先生方の中には、何とか新しい制度にしなければ自分は新しい政治ができないという人も大勢いると思うのです。
 一方では、今の中選挙区制の中でやった方がいいんだと。日本共産党だけが反対していると言いましたけれども、それも建前の話で、実際は日本社会党の中にも自民党の中にも、いや、まだ今のこれを年内に仕上げるのは早過ぎると考えている方はたくさんいらっしゃると思うのです。
 先ほど阿部先生から、ここでまとめなければ国民は何と言うかというお話がありました。きのうの中央公聴会でもこういう意見は出ましたけれども、確かに国民は、今一生懸命国会でやっている政治改革を何とかまとめなければ、いつまでたってもまとまらないじゃないかという話が一方ではありますけれども、一方では、国民の大多数がこの小選挙区比例代表並立制というのを説明できないぐらい知らないのです。この前までは連用制だったのですから。
 連用制がいいと言いまして、社会党の山花委員長は、四月の社会新報で、民主政治を根底から覆す小選挙区制を認めることはできません、並立制もその実質は小選挙区制ですから、これも認めることはできませんと言って、そして委員長として七月の選挙をやっているわけでしょう。それで、選挙が終わりましたら今度は連立与党になりまして、急に小選挙区比例並立制ですから、社会党に投票した方も、相当の方がこれはどうなっているんだという意見はあろうかと思うのです。
 国民全体の中で、政治改革は早く何とかしてもらわなければならないけれども、その一方で、ほとんどの一般の市民が小選挙区比例代表並立制というのが最もいい制度だということをわかっていないということを考えなければいけないと思うのです。
 ですから、私はこのまま中選挙区制でずっと引っ張るというようなことではなくて、年内にやらなければ責任をとらなきゃならないのか、それから、ここで選挙制度改革を年内にまとめなければ国民が納得しないのか、そんなことを国民に聞いてみる。私は、選挙制度改革を年内にまとめなければ国民は納得しないという意見がどれほどあるかということを、先生方は選挙区へ帰って聞いてみていただきたいと思います。
 以上でございます。
#244
○川端委員 どうもありがとうございました。
 いろいろ御議論したいのですが、時間がありませんので。
 そして、いろいろ皆さんもおっしゃっていただきました。今の永田さんのお話もよくわかるのですが、一方、国会の議論としてはいよいよ最後の段階に来ているという中で、堀込さん、土田さん、野本さんは基本的に与党案がいいだろう、そして松沢さんと飯塚さんは自民党案がいい、それは我々の色分けでも同じことですね。そういう中で、しかしやはりできるだけ早く、そして可能なら共同修正をして円満に一括して成立させろ、しっかりやれ、こういうことだったと思うのですね。
 そこで、どう接点をつくるかというのが、おのおのにこだわればこれはいつまでたっても平行線になるということで、五人の先生方手短に、ひとつ大岡越前になったつもりで、ここでのめと。配分と比例区の範囲と一票制か二票制か、おのおの御自身が一番いいというのはよく理解をいたしております。その中で、そのままのめということはなしという前提で、これでうんと言えという裁定案を出すお立場であれば、相手のことも考えていかがおっしゃるかということをお尋ねしたいと思います。
#245
○堀込敬司君 先ほども意見を申し上げましたように、これはこれからの日本の将来の大きな方向を決する大事な問題であり、それからまた各政党の基盤に対する重要な問題でございますから、軽々にこの道の最終結論を出すということは難しいということはお互いによくわかるわけなのです。
 しかしながら、これがもし今回決まらなかったということになりますというと、せっかく日本の国の政治が新しい方向に向かっていこうというその道を閉ざすことになりますから、したがってできるだけ私たちはすり合わせを行いまして、そしてできるだけ譲歩し合って、採決というのは、これは共産党がいる限り当然しなければなりません。しかし、その採決も、つまり強行採決ということについては相当に強い反発がある中で、多数の力をもって進めていく、こういうことでありますから、避けることが一つは考えなければならないところの手段であろうというふうに私は思います。
 したがいまして、今大変苦労をして修正協議に入っておるわけでありますから、私たちはあの修正協議、六つの事項がそれぞれの責任者の間で進められ、その他の技術的な事項が理事との間で進められている、こういう段階に来ておるわけでありますから、これらのところでもってそれぞれの問題が最終結論が出ることを極めて強く望みます。
 しかしながら、政治改革はやはり今会期中にしなければならない、こういうことでありますから、時間的にもし余裕がなければ仕方がないとしても、衆議院だけは通す。そのときには採決をして、若干の無理はあってもそれは民主主義のルールでありますから、やはり民主主義のルールを全く忘れて国会を運営をするわけにはまいりません。したがって、もう海部内閣あるいは宮澤内閣、今回も百数十時間にわたって論議をしたところでありますから、どうかひとつそういうことで私は今国会中におけるこの成立を、採決をもってしてもやるべきではないだろうかというふうに思います。
#246
○川端委員 そういう御趣旨はよくわかるのですが、そういうことではなくて、これから松沢さんを含めて、総理と河野総裁を呼びつけてこの案でのめということを言っていただきたいという感じでございます。
#247
○松沢睦君 率直に河野総裁と総理大臣に一任をして、そしてとにかくその二人で決めろ、それが新しい道ですよ。今堀込さんおっしゃったように、自民党は牛歩戦術しませんから、そんなばかげたことを、採決をするなんということはもう二度とないように国会運営をしていただきたいと思います。
#248
○土田洋三君 川端先生の質問の趣旨と全く外れてしまって申しわけないのですが、大岡越前というのはお上の権力を背景にしていまして一発で裁けるのですが、今は民主主義社会でございますので、とても大岡越前になるわけにはまいりません。
 私はやはり民主主義の根本的ルールというのは多数決原理に尽きると思うのですね。もし多数決原理を使用したことが数の暴力であるのだとしたら、欧米の社会の法案は全部数の暴力による可決と言わざるを得ないわけですね。したがって、今国会で早く成立させろという国民の声が圧倒的なわけですよね、細川さんをこれだけ支持しているということは。それであるならば、やはり基本的には、日本で言うと強硬意見に聞こえるかもしれませんが、私は多数決の原理というものを行使すべきであるというふうに根本的に考えております。それで、もしその多数決原理によって選ばれたものが、仕組みがだめであったら、次回は連立与党の議員の皆さんが全部落選されればいいのだ、国民にそれだけの良識があればいいと私は思っております。
#249
○飯塚実枝子君 私は女性の立場から、先ほどから何回も申し上げておりますけれども、選ばれる人、これは先生方が一生懸命御審議なさっていらっしゃいますけれども、選ぶ側の立場になってもっと配慮をしていただくべきだと思います。それには一番わかりやすい一票制がもちろんいいし、そして比例と小選挙区の配分もやはり今までどおりの都道府県単位がいい、このように私は思っておりますし、参議院の比例代表制に国民が、今ほとんどの方が納得していないのではないかと私は思うのです。
 なぜならば、少数政党がたくさんできまして、テレビにしょっちゅう出ているからというような方たちも中にはお出になります。今、特に若い人たちは本当に自分たちの人気投票のようなつもりで投票される方もありまして、これほど大切な国政を託す政治家を選ぶ、特に衆議院を選ぶ貴重な一票でございますから、参議院のコピーを決してしていただきたくない、もっとまじめな先生たちを選んでいただきたい。比例区を選ぶというとまた、私は参議院の一部の先生のことを言いたくございませんけれども、何か人気投票で選ばれてきたような方たち、この人に国政を託せるのかと不安な方たちが出てくることを私は非常に恐れております。
 以上でございます。
#250
○野本文幸君 御質問の趣旨のとおりにお答えします。
 配分数でいいますと、小選挙区二百八十五、比例区二百十五、比例区の単位はブロックでもよろしいと思います。
 一票制か二票制かはどちらでもよろしいと思います。
 以上です。
#251
○川端委員 どうも皆さん、大変ありがとうございました。終わります。
#252
○権藤座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述者の方々におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じております。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、深甚なる謝意を表する次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後三時九分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の静岡県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年十一月十一日(木)
二、場所
   静岡ターミナルホテル
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣
   提出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置
   法案(内閣提出)、政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(内閣提出)、政党助成
   法案(内閣提出)、公職選挙法の一部を改
   正する法律案(河野洋平君外十七名提出)
   、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法
   案(河野洋平君外十七名提出)、政治資金
   規正法の一部を改正する法律案(河野洋平
   君外十七名提出)、政治腐敗を防止するた
   めの公職選挙法及び政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(河野洋平君外十七名提
   出)及び政党助成法案(河野洋平君外十七
   名提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 権藤 恒夫君
      逢沢 一郎君    石破  茂君
      阿部 昭吾君    細川 律夫君
      岡田 克也君    川端 達夫君
 (2) 現地参加議員
      原田昇左右君    大口 善徳君
 (3) 意見陳述者
        静岡県富士見学
        区連合町内会長 伊藤 一嘉君
        静岡県議会議員 奥之山 隆君
        岡田鋼機株式会
        社代表取締役社
        長       岡田 宏司君
        日本ウエルコ株
        式会社代表取締
        役社長     松本 義廣君
        大栄工業株式会
        社代表取締役社
        長       土屋 友親君
        静 岡 市 長 天野 進吾君
     ――――◇―――――
    午前九時三十分開議
#253
○権藤座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の権藤恒夫でございます。
 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 御承知のとおり、本委員会におきましては、皆様方も御関心の深い政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することとしたところでございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわりませず御出席いただきまして、まことにありがとうございます。今後の審査の参考に資するため、忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いいたします。
 まず、この会議の運営につきまして御説明を申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆さんから御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いいたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党・自由国民会議の逢沢一郎君、同じく石破茂君、日本社会党・護憲民主連合の阿部昭吾君、同じく細川律夫君、新生党・改革連合の岡田克也君、民社党・新党クラブの川端達夫君、以上でございます。
 なお、現地参加議員として、原田昇左右君、大口善徳君が出席をされております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 静岡県富士見学区連合町内会長伊藤一嘉君、静岡県議会議員奥之山隆君、岡田鋼機株式会社代表取締役社長岡田宏司君、日本ウエルコ株式会社代表取締役社長松本義廣君、大栄工業株式会社代表取締役社長土屋友親君、静岡市長天野進吾君、以上の方々でございます。
 それでは、伊藤一嘉君から御意見をお願いいたします。
#254
○伊藤一嘉君 おはようございます。座ったままで失礼いたします。
 私は、住民の組織であります自治会の役員として世話役活動をしております。汗を流すボランティアです。政治の専門家ではありませんので、論述にずれがあると思いますが、お許しください。
 最近のマスコミにおける世論調査を見ましても、現内閣に対する支持率は非常に高いです。このことは、国民が、何かしら新しいこと、期待していることをやってくれるだろうという大きな希望があらわれていると思います。国民にわかりやすい政治、身近に感ずる政治、透明度のある政治、国民が心の豊かさ、幸福感を感ずる政治、このような期待を持っております。
 その出発点として、今回の政治改革関連四法案であります。既に今日まで十分審議がなされていると思いますが、私は、どんな制度であっても一〇〇%満足というものはないと思います。各党に意見の違いがあっても、歩み寄れる案を英知を出してつくっていただきたい。小異を捨てて大同につく気持ちが大切だと思います。
 今回の関連法案の中で感じた幾つかの点について述べます。
 一、公職選挙法改正案が選挙違反での罰金を引き上げ、連座制を強めたことはよいことです。しかし、連座裁判が確定して五年間の公職追放といっても、迅速な裁判が伴わなければその効果は薄いと思います。ぜひ裁判の迅速化を図り、効果が国民の目にわかるようにしてほしいです。一方、政治資金規正法で禁錮刑、罰金刑に処せられた者は五年間の公民権停止という政治制裁には効果があると思います。
 二つ目、金にかかわる醜い姿を断ち切り、透明度のあるすっきりとした姿にしてほしい。このことは、私たち市民の切なる声です。個人への企業・団体献金を禁止、次に、政党とその政治資金団体に対する企業・団体献金についても五年後に見直す旨が条文に入っておりますので、ぜひ国民が納得する方向で、積極的に御検討願いたいと思います。
 三、政党助成についてですが、今日までの金にかかわる醜い姿、政治不信、国民自身が政治からのあきらめ、虚脱感さえ持っている現状を、今回の政治改革関連法案の成立によって一歩でもよい方向に改革、前進させる、そのためには、国民は民主主義を育てる立場から、負担することはやむを得ないと思います。しかし、その前提は、前に述べました一、二を前提とします。
 なお、市町村長や市町村議員の方々には無所属の方々が多いです。政党助成が受けられないという現実がありますが、多くの場合、政党より支持、推薦を受けております。一定の決まり、枠等を設け、その支持、推薦をしている政党より助成を受けることができる、一つの方法ではないでしょうか。私の個人的な考えですけれども、要は、例外を設けてそれがまた腐敗に拡大されることのないよう、各党間で英知を出して、現実の姿も考慮に入れながらクリアするよう求めます。
 四、二票制についてです。並立制では、民意の集約としての小選挙区制と民意の反映としての比例代表制のそれぞれのよさを組み合わせようとするものですので、二票制でよいと思います。
 五、衆議院議員選挙区の画定審議会が設置され、その委員は国会議員以外の者で七名をもって組織される。その委員は、識見が高く、かつ公正な判断をすることのできる人であり、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命をする。調査審議を行い、改正案を作成し、内閣総理大臣に勧告するとなっております。ぜひ改正案の内容は一〇〇%尊重し、国会で決定してほしいです。政党や個人の利害、エゴが入ることのないようにお願いしたい。国の政治、国民のための政治を行うということをぜひ忘れないでお願いしたいと思います。
 六、政治には金がかかり過ぎると言われております。なぜ、かかり過ぎるのでしよう。
 例えば、中央、地元に多数の秘書を置かなければならない、古い慣習に流されて金が多くかかるなど、その具体的な例を挙げていけば切りがありません。そのような金のかかる要素、原因を、政治家を含め私たち自身、国民自身が今真剣に考え、除去していく努力が必要です。登山と同じで苦しいかもしれませんが、頂上を目指してみんなで汗を流すべきです。
 最後に、国民が自分の持っている一票を積極的に行使する、そのような姿勢、行動が起こせるような状況を、今回の政治改革関連法案を成立させ、国民の期待にこたえていただきたいと思います。
 以上です。
#255
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、奥之山隆君にお願いをいたします。
#256
○奥之山隆君 一連の不祥事に端を発しました政治改革ということが大きな議論になっておるわけですが、政治改革の基本的なといいますか、要諦は、政治家改革であると思います。政治家がしっかり意識改革をすれば、必ずしも制度その他をやみくもにいじくる必要はない。あるいは、国民の意識改革、選ぶ側の意識改革ということも前提になくてはいかぬ。ですから、間断なく国民運動というようなものを広く起こしていくということが基本でなければならないというふうに思っております。
 ただ、既に小選挙区を導入しようと、それぞれの政党あるいは国民世論あるいはマスコミを含めて、もう小選挙区以外に解決する方法はない、こういう状況になっておることも承知しております。最終的にはそういうふうになるのではないかなと思っておりますが、私は、この小選挙区制というものが、日本の伝統とか文化とか日本人の物の考え方とか意思を決定するやり方とか、そういうものに果たして本当に合致するかどうかということを、歴史的な転換ですから、真剣に考えなければいかぬというふうに思う次第でございます。
 と申しますのは、日本人が外国の制度だとか文化を取り入れるときに、表面的なものだけ、あるいは形式だけを取り入れるという例がたくさんございます。非常に変な例ですが、お葬式のときに、和尚様が払子といいますか、馬のしっぽのような白いものを振ります。これをやらないと亡くなった方の霊が弔われないかな、そういう感じがするわけですが、これはもともとビルマだとかインドだとかそういうところからスタートしまして、向こうの方は周りにハエがいっぱいいるものですから、ハエを追うために始まった。そのスタイルを、修行僧が見てきたのか、遣唐使だか遣隋使が見てきたのか、そのことを取り入れたわけで、制度とかそういうものを模倣するというか取り入れるときに、その素地だとか土壌であるとかそういったものを正しく取り入れているかどうかということなんかを、もう一回考えてみなけれはいかぬのではないかというふうに思います。
 また、アメリカ、ヨーロッパでは、人種も違い、民族も違い、文化も伝統も違う。だからさんざん議論をする。そして、最終的には多数決で決めていこうというのが民主主義の原点になっているわけです。あるいはそれは宗教観から来る、キリスト教あるいはユダヤ教のように一神教あるいは排他的なそういう宗教、そういうものと、日本のように、和いといいますか、いわゆる和をとうとぶ、仏教というものを中心とした民族性というものがありますし、あるいはお米を中心とした農耕文化としての運命共同体的な、和をとうとぶというところから物の決め方というものをやっている日本と、全然文化が違う。
 ですから、アメリカ、ヨーロッパの二大政党制なり小選挙区制を即日本へ取り入れることが果たしていいのかどうなのかということの議論というものも、もっともっと深めなければいかぬのではないか。結果的には、そうはいいましても最終的には小選挙区になるではありましょうけれども、そういう議論が果たして大きく取り上げられておったかどうかということをお尋ねしたいという気がするわけです。
 あのワシントン大統領が桜の木を折ったのは私ですと正直に白状したことが、西欧では美徳として、美談として取り上げられていますが、こんなものは日本では当然のモラルとして自分で正直に言うわけです。アメリカ等では、自分の非を認める、謝ったら負けだ、そういう前提の中でいろいろな制度ができているわけです。その辺を、西欧の文化と日本の文化と違うというところから、この選挙制度が果たして将来とも正しいかどうかということなんかの議論をもっと深めていただきたい、それが一点。
 それからもう一つは、政権交代可能な二大政党論、こういうことの中に小選挙区制が入っているわけですが、制度を改正することによって無理やり政権交代をする、制度があるから交代するという議論は、前回の中選挙区で政権交代したわけですから、その論理は一つ通らないかなというような感じがするわけでございます。
 それからもう一つは定数の問題ですが、連立与党は五百、自民党は四百七十一、こう言っているわけですが、まず、五百という根拠は全くないわけです。四百七十一というのは、まあ本則にのっとって四百七十一ということを言っておるわけですが、地方議会では軒並み議員を減員しております。そういうことから、この政治改革を本当に国民の前にしっかりやり遂げるということを真剣に考えるならば、国会も四百七十一を四百なり四百五十にする。我々も身を切っている、身を削る思いでこの改革をしているんだということを国民に訴えるなら、この定数をまず二十や五十ぐらい減らすべきだ、そういうことをお願いしたいと思います。
 それから三番目に、政党の公費助成ですが、公的助成とも言っていますが、これは私は末代禍根を残すやり方だと思います。政党、政治家の堕落を生むことだけであって、全く活性化にはつながらない、このように思います。と申しますのは、将来この公的助成は、増額はあってもこれを廃止しようという動きは出てこないと思います。
 例えば私の例ですが、私も県議会議員で、事務所を持ち、年金をもらっている人で十万かそこら払えばいい人に来てもらっています。それなりの維持費はかかるわけです。で、毎月二千円なり三千円なり一万なり二万というものを後援会として私はいただいております。それは有権者と私の信頼関係の上に成り立っているわけですし、浄財をいただくということに対しましては、ありがたいなという感謝の気持ちがわきますし、あるいは一生懸命やらなければいかぬなという気持ちになりますし、謙虚な気持ちもあるわけですが、それを全部税金で政党に助成をするならば、感謝の気持ちや謙虚な気持ちや一生懸命やろうというような気持ちを失わせることになる。このことは、増額はあっても将来廃止はない、政党や政治家が堕落することだけであって、全くこの制度はだめだ、そういうふうに私は思います。民主主義を維持する、あるいは政治家を育てるにはそれなりのコストがかかるということを国民に訴えるべきであって、その浄財なり献金は広く浅く、そして透明度を高めて、不祥事があったら厳しい罰則を設ける、これで片づく問題であって、いたずらに税金を政党に助成するということは、末代禍根を残す、全く政党や政治家が堕落の一途をたどる悪い制度だ。これはぜひやめていただきたい。どうしても国会議員の先生方がやめたいならば、皆さん方は、中央省庁の許認可権であるとか、あるいは議院内閣制の中で議員は即執行者になるわけですから、そこに利権が伴う、こういうことであれば皆さん方はやめてもらいたい。我々地方議会にはそんな利権その他はありませんから、地方は残していただきたいと思います。
 それから、小選挙区と比例区の一票の問題ですが、我々は一票でいいというふうに思っております。政党を選ぶということはもちろんでありますが、私たちは政党を選ぶと同時に個人の名前を書いているわけです。ですがらその個人を選ぶ。結局、細川さんにしてもあるいは前回の宮澤さんにしても、どの政党から出ようと、一国の指導者になった場合の最終的な政治的な判断であるとか政策的な決断というのは、その最高指導者の個人の判断に任されるという部分がたくさんあるわけですから、その個人の政策なりあるいは手腕なり力量なり人柄なり、そういうものをある意味では選択している、こういうことになるわけです。一律に比例区に名前が盛られる、北海道の人だか東京の人だか大阪の人だかわからない人のところへも我々が小選挙区で投じた一票が入るわけですから、なるべくその比例区に回る人の顔が見られる、その人物が確かめられるということからいったら、都道府県単位にその票を投ずるべきだ、あるいはそういう名簿をつくるべきだというふうに思っているところでごさいます。
 以上です。
#257
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、岡田宏司君にお願いをいたします。
#258
○岡田宏司君 十五分の持ち時間というのは私にとっては大変な時間でございますけれども、私は原稿も書いてきませんので、思っていることをそのまま率直にお話ししたいと思います。
 今、奥之山先生がおはらいのことを言いましたけれども、私ちょっと考えてみましたら、仏教の入る前に神道があって、あれはやはりおはらいするわけで、そんなところから仏教の方も日本でまねたのじゃないかなとか、それから、例えば小選挙区制よりも今までの方が選挙のやり方はいいのじゃないかというお話がございましたけれども、日本は、江戸時代というのは戦後非常に批判されていますけれども、徳川時代の三百の藩がありまして、それぞれ地方がそれなりの文化を持ってやっておったわけでございます。それから見ますと、小選挙区制というのはある程度江戸時代のあのうまくいっていた藩の単位の中で地方に密着した形で出てくるのじゃなかろうかというような感じもしないわけでもございません。
 私個人のことを申し上げますとなんでございますが、学生時代は目黒に住んでいたものですから、ちょうど社会党の三輪さんでしたか、当時出ていまして、何や構わず社会党という名前がついていると社会を改革してくれるのじゃなかろうかということで、単純な思いで社会党に投票しておりました。
 それから、学校を出まして商売を始めますと、やはり現実の問題になると、マルクス・レーニン主義の金科玉条で、バイブルのように変えてはいけないようなものをそのまま、何というか、固定化した考え方でいくと、ビジネスというのはうまくいかないし、どうも我々商売をやっていますと、日々変化なんですね。ですから、その変化に対応してそれなりに考えも変えていかなければならない、やり方も変えていかなければならない。そういったのがわかりまして、自民党の、党員というのは何かお金を払うだけで党員になってしまうものですから、余り意識的な党員という意味じゃないのですが、今までずっと、今でもそのまま籍はあるのじゃなかろうかと思うのです。たまたま今回は新生党になった方の尊敬すべき先輩とか友人がおりまして、出てくれないかということで出てきたわけでございまして、本来言えば保守党で、自民も新生も日本新党もさきがけもひっくるめた、いわゆる大保守党の一員であるというふうに自分を位置づけております。
 今回の改革の問題も、この間の日曜日のテレビをちょうどたまたま見ていましたら、海部さんが出てきまして、あれはもう平成元年にほとんどオリジナルはつくったんだ、自民党の中で一生懸命やったんだけれども、なかなかまとめ上げなくてきょうまで来てしまったというようなことでございまして、私に言わせると、五年もかかってやっとここまで来るようじゃ、企業でいきますと、もう間違いなくつぶれていますね。
 我々の会社でいきますと、いわゆる改革しなければならないというのはやはり倒産のシグナルが出ているときなんですよね。そうしますと、これは死んじゃいけない、倒産しちゃいけない、何とかしようということで、みんなで考えを持ち寄って、これがいいじゃないか、あれがいいじゃないかと、とにかく実行に移すわけです。実行に移しながら、悪かったらそれを直していくということでございまして、とにかく遅いですよ。
 これは私は、自民党さんやその他の党を全部含めて、怠慢の一語に尽きると思います。意識がないですね、今の政治家の方々は。もちろんその中で、こういう改革法案がこういうふうに出てきてもう寸前のところまで来ましたから、やらないわけじゃないと思いますので、それをよしとしますけれども、いかにも長過ぎるわけですね。世の中、物すごい変わっているわけですよ。
 私どもの業界でいきますと、今工作機械業界に携わっていますけれども、バブルの後、内需は七五%減です。九〇年をピークにしますと、今現在二五%が実需です。そういう最もひどいところにおるわけでございまして、そういう中で見ますと、やはり変えるべきところはどんどん変えていってもらいたい。そして、世の中に絶対というものはないということを政治家の皆さんにもう一度考え直していただきたいと思うのです。
 三百がいいか二百五十がいいか、あるいは五百がいいかということでございますが、四百七十一というのは、たしか日本の人口が八千万ぐらいのときに四百七十一にした。だから五百というのは、今一・二億ですか、一億二千万おりますから、それからいくと五百人以上、それを五百としたというふうにも聞いておりますけれども、私は奥之山先がおっしゃったように、絶対数は四百人ぐらいにはすべきだろうと思うのです。あるいは三百でもいいのじゃないか。アメリカに、私ときどき出かけまして市議会の市長さんなんかに会ったことがございますけれども、大体議員の数が一けたですよね。大きなニューヨークとかそういうところは行きませんけれども、静岡市のような規模、人口二十五万か三十万ぐらい、あるいは五十万ぐらいのところでも大体十人前後ですよ。それからいきますと、衆議院も二百人でもいいじゃないか、百人でいいじゃないかというような暴論も出てくるわけでございます。
 それはともかくとしまして、五百人がいいか四百人がいいかということよりも、とにかくここまで来ましたら、一遍小選挙区制をやってみるということだろうと思うのですよ。それでまずければまた中選挙区制に戻したっていいわけで、そんな絶対的なものに固執することはないし、三百ということを自民党さんはおっしゃっていますけれども、これもやはり自分たちの議員の配分から出てくるエゴの数字だというようなことも聞いておりますけれども、そんなことをお互いに言っていましたらなかなかまとまらないですよ。妥協に妥協を重ねて結局おかしなものになってしまう。
 もちろん討議することは十分やっていただきますけれども、ここへ来ましたら、三百が二百五十なのかどうか、あるいは海部さんはこの間、三百と二百五十の間をとって二百七十五でどうだなんという考えじゃ嫌ですよなんということをおっしゃっていましたけれども、これもそれで決まるのならそれでよろしいのじゃなかろうか、そう思うわけでございます。
 たまたま、一昨日ですか、新聞を読んでいましたら、十一月八日に政治改革推進審議会が行われて、細川首相と河野自民党総裁と衆参の国会議員百五十名を集めて、政治改革の実現を求める緊急国民集会を開いた、これは産経新聞そのままでございます。集会では、今国会での政治改革関連法案の成立のため、トップ会談による決着を訴える緊急アピールを採択したと出ております。
 その中で、私、驚いたのですが、細川さんはトップ会談について、「遅くとも今週末までには話し合いの場をつくっていただきたい」と。ところが河野総裁は、「機が熟し状況が整えばお目にかかる気はある」として、当面は交渉担当者間の折衝を見守る姿勢を示した。さらに細川首相は、選挙制度は万全でない、決断することが政治家に求められているとし、また河野総裁は、一方でこういうことも言っているわけですね。最も緊急の課題は政治の信頼を取り戻すことであり、それを避けるわけにはいかない、延ばすわけにはいかないと強調しているが、さらに、力による決定を求めず、数で押し切るやり方は民主主義でないと強行採決を牽制したというようなことを片っ方でおっしゃっているわけですね。これではいつまでたっても、どうも河野さんのもとの自民党では、何か引き延ばしをするような印象を与えるわけですね。
 私は、今自民党に期待しております。新生党の推薦で公述人になっておりますけれども、やはり自民党というのは大きな人数を抱えた第一党でございますし、今野党とはいえ、それなりの責任はあると思うのです。その自民党が野党になったときにこそ、私はここで今までの、例えば過半数を占めていながらその採決が強行採決であるというような言葉が出るというような、何といいますか、ばかげた言葉が横行するようなことでは困ると思うのです。会社でも、株主の五一%が採決すれば、それはイエスになるのですね。それでなければ進んでいかないわけですよ。だから、議員の五一%が賛成したらこれはもう強行でも何でもないわけで、民主主義の最も基本の原理に基づいて採決が行われたことですね、決定が行われることでありますから。そういう意味でも、やはり自民党の側でも、もちろんこの一週間の間だろうと思いますが、折り合いをつけて、正々堂々と私は姿勢を示してもらいたいと思うのです。
 私は、最近の自民党さんを見ていますと、小じゅうと的な印象が非常に強いのです。かつての野党のようなものですよ。今野党さんが与党になりましたから大変堂々として発言されています。所変わっているわけですけれども、変わった瞬間に自民党さんが正々堂々たる姿勢を示して、選挙改革に、本来はほとんどのものは、骨子は自民党さんがつくったわけですから、これを堂々と受けて立つ、協力してやるということになれば、国民の信頼が、自民党だけでなくて政治に対する信頼が戻ると思うのです。
 現状は、皆さん衆議院選挙の投票率だとかあるいは地方の投票率を見ますと、惨たんたるものですね。これは間違いなく国民が、政治に不信というより無関心ですよ。どうにもならないな、何をやったってしようがないじゃないかというような風潮が出ているということの方が、私は大変に問題だろうと思うのです。ここはもう与党、野党というのではなくて、政治家の皆さんあるいは官僚の皆さんが日本の国のため、あるいは世界の一員としての日本のためにどうしていくべきかということにもっと専念していただきたいと思うのです。
 例えば米の関税化の問題でも、聞いてみれば賛成だか反対だか、とにかく声は反対の声で絶対反対なんということを言っていますけれども、絶対反対というのは、もし米の自由化が、自由化といっても言葉の意味がちょっと違いますけれども、米の輸入が始まったら、絶対反対と言った方はどうなるのですか。私は、言葉に責任をとってもらいたいと思うのです。
 例の米の問題でも、最近アメリカが言っている例は、日本の米の需要の五%から八%を輸入してくれ、それだけ輸入したら関税化については五年ないし六年先送りしてもいい、そこまで来ているわけですよ。今の自由化という言葉は、一〇〇%自由化で、米がすぐ全部入ってきてしまうというようなことをマスコミを含めておかしな宣伝をしているわけですね。やはり五や八というのは我慢できる数字だと思いますよ。これを恐らく九九%の衆参議員の皆さん方あるいは農家の方も許容できるとわかっていると私は思うのですね。建前と本音の違いですね。もうそろそろそういう策略ですか、そんなようなまやかしの、責任を後へ後へ送っていきまして決定をしないというような政治をやめていただきたいと思うのです。
 私なりの結論を申し上げますと、中選挙区制がいいか小選挙区制がいいかということは、私はどちらとも言えないと思うのです。でも、ここまで来まして小選挙区制というならば、私は仕組みを変えることにおいて、新しい風を入れる意味においては、ここまで来た以上は小選挙区制を導入していただきたいと思います。
 私、昔読んだ本で、かのカール・マルクスあたりも変革が必要だということを言っているわけです。今、私どものビジネス界では、経済学者のシュンペーターのことがまたさらに言われるようになってきまして、やたらと出てくるわけですけれども、イノベーションといいますか、革新ですね。革命ではなくて革新ですよ。現状の仕組みを変えて、本流はそのままにしておいて、現状の仕組み、やり方を変えていくということが大事だ。これはやはり新しい風を入れるということが大事じゃないかな。今よどんでいるわけですね。ぜひとも皆様方に、国会の議員の方に改革について折り合いをつけていただいて、妥協という言葉は言いたくないのですが、我慢するところは我慢して、自分たちのエゴ、政党のエゴ、そういうものをやめて、やはり早くに決定していただきたいと思います。
 大変雑駁になりましたけれども、以上で私の陳述を終わります。
#259
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、松本義廣君にお願いをいたします。
#260
○松本義廣君 松本でございます。機会をいただきましたから、私なりの意見を申し上げます。
 十一月六日の静岡新聞朝刊に「死に物狂いで成立に向け努力」の小見出しのもとに、政治改革に関した記事が掲載されておりました。その内容は「細川首相は五日夜、都内で開かれた日本新党と友好団体との懇親会で、政治改革法案について「何としても成立させなければならない。死に物狂いで成立に向け努力している。いろいろ曲折があると思うが、全力を尽くしたい」と決意表明した。」友好団体を代表して○○会議議長は「政治改革を乗り越えなければ連立政権は雲散霧消する。しっかり手を結んでいかなければならない」と述べ、連立与党間の結束を求めた、とありました。
 私はこの記事を読んで、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではありませんが、心底情けなくなりました。自民党の党内改革から発祥したように記憶しておりますけれども、およそ政治改革のうねりが起きて以来、その必要性についてはいろいろ説明されておりますけれども、その精神を一言で言えば、国家国民のために行うということであろうかと存じます。だからこそ国民の大半も、これを是として今日まで参ったと思います。
 しかるに、首相出席の場での、政治改革を乗り越えなければ連立政権は雲散霧消する、だから政治改革を仕上げろとの発言の趣旨は、いかなる思考から出たものなのでありましょうか。連立政権などは雲散霧消しても構わないから、国家国民のために政治改革をなし遂げなければならない、それ以外にあるのでしょうか。発言の誤りを祈るばかりでありますが、私はそこに、政治家と政党の命とも言える政策が違おうと連立し、あるいは何をしてでも数を頼りに政権の獲得をという、まさに権力志向をこの目で見た思いがいたしました。
 このような情けない事態を見るにつけ、当初から私が漠然と感じていた、政治改革が政争の具にされている不安が明確になってまいりました。およそ、我が国の憲法をも含め、人間のつくり上げた法律から規則、規約に至るまで、恒久の歴史に耐えるものはないと思います。まして、第二次大戦後半世紀になんなんとする現下の内外における情勢の変化を前にして、国家国民のよりよき姿を求め、なおかつ、宇宙船地球号の乗組員として国際社会に貢献せんとすれば、政治改革を含めたあらゆる改革は当然に必要でありましょう。
 では、改革を実行するとなれば、何からというプライオリティーの問題と、どのようにというハウツーの論議の前に、その改革を図り、議論し、決定権を有する人々に必要な要素は、国を思う純粋な精神であり、絶対に堅持していてほしいものは、公正無私の姿勢と公正不偏な見識であります。いやしくも、党利党略で争ったり、我田引水の思惑から改革の内容とその是非を論ずるようなことは、みじんもあってはならないと思います。翻って現状を眺めれば、我が身にとって有利だから改革、改革と叫ぶ、そんな風潮を感じ、大変に心配をいたしております。
 わずかばかり前から、中選挙区制は欠陥が多い、サービス合戦の結果金もかかる、政策による選挙ができない、それより小選挙区制がよい、それは将来的に政権交代可能な二大政党制への移行を促す、そのことが我が国の将来にとって有益である、このようなテーゼが大手を振って歩き始めました。そして、それに反対していた政党でさえ、そのテーゼに近いところの政権与党となっておるのが現状であります。
 では、二大政党制の国家とはどんなものかと思い浮かべますと、凡庸な私に限ったことかもしれませんが、アメリカ合衆国とイギリスが真っ先に思い浮かびます。その二つの国はすぐれた先進国であることには違いありませんけれども、文化と意識の違いもあり、将来における日本のあるべき姿の理想とも思えません。
 回復基調にあるとのことでほっといたしておりますけれども、アメリカはここ十年ほど、いわゆる三重赤字に悩んでおり、産業の空洞化、失業問題、ホームレス、治安の問題等々は周知の事実であります。長い間イギリス病で悩んだかの国は、皮肉にも事実上二大政党が消滅して、保守党の単独長期政権のもとで国力を回復してまいりました。二大政党制の国家についても、実例は厳しいものがあると思います。小選挙区制に関しましても、イタリア、韓国などでは、その弊害が大きくて、廃止の機運が高まっていると仄聞いたしております。
 そのような事実もありながら、国民みずからの将来につながる政治改革の是非と選択にかかわる重要な判断を、我々国民自身が投票という行為で下さねばならぬときに、二大政党制に関してはもとより、文字どおり国の行く末を左右する選挙制度の全体像についても、だれだれはお国がえになるとかの、私に言わせれば枝葉末節の情報は洪水のように流れても、国民が厳正な判断をするためになくてはならない情報は、果たして今日まで十分だったのでありましょうか。仮に、国会は十分なる調査研究の上で、我が国にとって得るところ大であるとして現在に至っているとすれば、私なりにいささかの疑問が生じます。
 およそ、いかなる制度改革においても、それ以前の制度に比較して、すべての面で全く、ことごとくすぐれていることはあり得ないと存じます。例えて申し上げれば、この点は国民の負担が増して、そういう大きな欠点があるけれども、全体としてはよくなるから、これは皆さんぜひ取り組むべきだ、そういうような次第であります。
 だとするならば、なぜ新たな制度の利害得失を国民に十分に知らせなくてもよしとするのでしょうか。それとも、既に十分に知らされたとお考えでしょうか。それこそ政治改革といえば、だれが推進派で、だれだれは守旧派、あるいは、ひどいのは、何党は何議席になってしまうというような過剰なほどの報道をしているマスコミに、先ほど申し上げた点はどうしてほとんど登場しないのでありましょうか。それとも私だけがそのことを知らないのでありましょうか。寡聞にして知りません。不思議なことであります。
 私は、変化とか改革に反対するものでは決してありません。むしろ、新たなる社会の実現、特に政治の変化というよりも進化には、その前向きさにおいて人後に落ちないつもりであります。もっとも私自身は、将来の日本を考えますときに、政治改革イコール選挙制度改革となってしまっている現在の現状を憂えておりますし、改革のプライオリティーにおいては行財政改革が、わけても小さな政府の実現と税制改革が、より重要度の高い事柄と考えてはおります。
 しかし、選挙制度改革も重要であることには違いありません。それゆえに国会は、小選挙区比例代表並立制が及ぼす将来の日本への正と負の影響について、質、量ともに充実した調査研究をされ、論議を尽くし、その経過と結果を広く国民に伝えたのか、つまり、くどいようですが、具体的なメニューを国民に既に提示されたとお考えなのか伺いたいと思います。そして、マクロ的視野でとらえた場合、現在よりもよりよき国家となり、よりよき生活を国民が享受できるのか、理論的証明を国民の前になす義務があるとも考えます。
 当然なこととして、政治は政治のために存在するのではございませんから、政治そのものの制度はすっきりしたけれども、その政権交代とか政治的な動きの過程で経済が疲弊し、よって国力の低下を招き、国民が困窮するような事態を招くようなことが絶対にあってはならないとも思います。この点は、特に大丈夫なのか伺いたいと存じます。
 また、将来におきまして、危機に対する管理能力と対応能力を持つ国家として云々も一連の政治改革の動きの中でよく耳目にいたしますけれども、その政治信条をお持ちになっていらっしゃる方々が現政府の枢要な勢力を占めていることを見ますと、現在の国政の大問題である経済不況をどう考えて、どうとらえているのか、お聞きしたいと思います。
 私は、現在の経済不況は、手をこまねいていたり、対策に政官民が全力を挙げて取り組むことにちゅうちょしていれば、恐慌にもなりかねない要素を持っているものと考えています。それこそ国家の危機的状況が生ずる危険を感じます。今まさにクライシスコントロールが我が国に必要とされているのではないかとも思います。
 仮に政治改革が六カ月程度おくれても、ロングレンジで眺めれば許容の範囲と考えますが、景気対策はそうはいきません。この際、与野党で政治休戦を申し合わせ、政治改革は期限を定めて棚上げし、景気対策一本やりで経済の回復を図るときなのではないでしょうか。そのような精神と現実に即した実行力こそ、国民が政治に求めているものではないかと愚考いたします。政治家はパフォーマーでも評論家でもありませんから、答えを出さねばなりません。政府は、その責任において、有効な対策を実施し、景気回復を図る義務を国民に対して負っているはずであります。
 次に、去る七月の総選挙は、まさに政治改革、特に有権者にとっては選挙制度改革を一大テーマとして争われた選挙だったと思います。その意味するところは、今日までの汚辱にまみれた政治の一部、特に腐敗の横行する選挙の根絶を目的としたものと、私はとらえています。
 実は私自身も県会議員の職にありまして、選挙に関することについて意見を申し上げることは内心じくじたるものもありますし、多少恥ずかしくもありますが、あえて意見を申し上げます。
 言うまでもなく、我が国は法治国家であり、あらゆる事象の究極の判断は法によっており、法を犯した結果としての罪の軽い、重いの違いはあっても、法を犯した場合、法を破ったという点では全くイコールであります。選挙に関して言えば、金銭、物品による買収と文書違反とは、法律上五十歩百歩の問題とも言えます。
 しかし、我々の人間社会にはいま一つの判断基準があります。いわゆる道義的責任であります。道義的には、買収と文書違反には越えがたい違いがあります。その道義的責任の所在を明確にできることが政治家の重要な資格であり、反面、この意識の欠如こそが現在の政治への不信をもたらしている原因とも考えます。
 数々の不祥事によって国民が政治に愛想を尽かし、特に道義的責任をとれない、あるいはとらせられない欠陥が、私も自民党員でありますけれども、我が自民党を含め存在しております。ほとんどの有権者がそれらを包括した政治構造に大なり小なり愛想を尽かした環境の中で行われたのが、さきの総選挙であります。
 しかも、あの選挙の当選人は、当然の帰結として、現在の国会で審議されている政治改革関連法案を審議する立場となる。当たり前の話ですが、それは選挙制度に加えて政治資金規制、つまりその精神において腐敗防止の法案を審議する立場になることは自明のことでありましたから、その法案の審議をする立法府の構成員たる議員になる経過の中で買収等を行っていたのでは、道義的責任上全くお話になりません。
 この際、みずからの陣営から金銭あるいは物品の買収によって逮捕者を出した政治家は、与野党を問わず、最大級の道義的責任をきちっととるべきであります。その行為こそが政治改革の根幹の精神であり、国民の政治に対する信頼を取り戻すまさに第一歩であると信じております。
 次に、小選挙区比例代表並立制に関しては、原点に立って考えてみますと、あえて参議院と類似の制度を持つ意味は何なのか。むしろ二院制度そのものを改革すべきかどうかの結論が先になされていなければ、現在の小選挙区比例並立制の論議はむなしいものではないかとも存じます。したがいまして、小選挙区と比例代表の定数と配分、そして比例の範囲にも普遍的な意義は、私自身見出せるか疑問に思っております。まして総数として五百人という定数案に関しては、ほとんどの地方議会が定数を削減している事実の前には、意味と意義を見出すことは困難であります。
 政治資金規正、政党助成法案に関しては、政治活動にかかわる金銭の透明性の確保とともに、政治家の政党に対するフリーハンドを担保することにも劣らないほど重要な要素であり、全体主義にも通じかねない手段はとるべきでないと存じますし、公費助成については、むしろ税制改革の中で取り扱い、個人、法人を問わず、その所得税の一定割合をその人格の自由裁量権にゆだね、選択肢の一つとして、支持する政党なり政治家に自由に献金できるシステムにすべきと考えます。
 大変雑駁でありましたが、以上でございます。ありがとうございました。
#261
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、土屋友親君にお願いをいたします。
#262
○土屋友親君 皆さん、おはようございます。
 ただいま御指名をいただきました土屋でございますけれども、一国民という立場で意見を述べさせていただきます。なれておりませんので、お聞き苦しい点がありましたらお許しをいただきたいというふうに思います。
 私は、昭和四十八年に、三十歳のときに脱サラをして小さな会社を始めました。運悪くといいますか、思いもよらないオイルショックに見舞われまして、翌年には建設資材がなくなる、あるいは値段が高騰するというような非常に厳しい経験をしたことがございます。
 ちょうどあのころだったと思いますけれども、二十年前になると思いますが、私にとって大変ショッキングな事件が起こりました。ロッキード事件が発覚をいたしまして、田中内閣が総辞職をする、三木内閣のときになりましては、元総理の田中さんが逮捕されてしまうという大変ショックな事件でした。
 もっと気になったのは、政治家の皆さんのお金に対する感覚でした。証人喚問での与党、野党の皆様方のやりとり、またテレビ、新聞などに出てくる政治家のコメントが余りにも国民の感覚からずれていることでした。何億というお金が紙袋に入れられ、あるいは段ボールに詰められて運ばれるなど、お金をただの紙切れのように考えて扱っている感覚です。
 私どもの国民の感覚では、お金は財布の中に入れておくとか、金庫に大切に保管するとか、あるいは銀行に預ける、あるいは支払いのときには振り込みを使う、小切手にする、しかも横線を引くなどが常識だろうと思います。尊敬され、しかも国民の模範であったはずの政治家の方々の、ほんの一部の議員とは思いますが、あのような態度だとか姿勢にはただただあきれるばかりでした。
 あの二十年前から政治改革が叫ばれてきましたが、いまだに成果らしい成果が得られないのは本当に残念でなりません。あのころに五、六年かけて今提出されているような法案の一部でもつくっておけば、その後のリクルート事件ですとか共和事件あるいは佐川事件、最近のゼネコン汚職事件などというのは防げたのではないかというふうに思われます。振り込みを使わないだとか、あるいは小切手を使わないというのは、そのこと自体が後ろめたいお金だというふうに思われます。あれから二十年、政治家の顔ぶれは大分変わりましたし、世の中も一変いたしましたが、政治の世界だけが相変わらず旧態依然としているというふうに思います。
 三年ほど前でしょうか、海部内閣の時代に、いよいよ政治改革が実行に移されるかという期待がありましたが、国民を無視した国会議員の一方的な都合により先送りにされてしまいました。また、本年五、六月ごろには、宮澤前総理が国民に向かってあれほどまでに約束をしたものが、またまたほごにされてしまいました。日ごろ、国家国民のためにと言っている国会議員の方々の党利党略、派利派略という部分が余りにも目につき過ぎます。
 今、国の内外には早急に解決をしなければならない難問が山積をしております。今まで十数年の学習効果、この間に費やした時間あるいは労力、経費などをむだにしないためにも、速やかに次の政治課題に取り組んでいただけるよう、何としてもこの国会で一日も早く、一刻も早く法律を可決成立していただきたいと思います。やたらだらだらと時間を引き延ばすことは、国民を裏切ることであり、とても国家国民のためというふうには思えません。
 長引く不況はさらに深刻な事態になってまいりましたし、これから年末にかけて、さらに大型の企業倒産が出てくる可能性があります。それによる連鎖倒産なども考えられまして、大変心配です。国民の不安はますます募るばかりではないでしょうか。政治家の最大の使命が国家国民の安泰あるいは幸せな生活を提供するということであるならば、ここは大きな度量を持って、与党、野党の協議の中で妥協点を見つけてほしいというふうに思います。
 さきの衆議院選挙の後、政権をどのような形で組むか、どのような連立政権になるかというときに、わずか一週間か十日の間に、あれよあれよという間にいろいろな部分で政策協定がまとまりましたし、また、政治改革法案に対する妥協案なども出てまいりました。あのときのことを思えば、与党、野党が妥協点を見つけることはそう難しいことではないというふうに思います。ここでまた党利党略だとか、派利派略、個利個略というふうな部分が見えてきますと、政治家は言っていることとやっていることが全然違うのではないかというようなことで、ますます国民の政治不信が高まるものというふうに思います。政治不信を解消し、政治に対する国民の信頼を回復するという意味からも、政治改革法案の一刻も早い可決成立が大切だというふうに思います。
 法案に対する与党、野党の違いも大体絞り込まれてきたように聞いておりますし、定数の配分もお互いに二十、三十譲り合うぐらいの度量は欲しいというふうに思います。
 私、個人的には比例区の代議士が多くいた方が、国全体を考えた政策を打ち出していただけるのではないかというふうに思います。地域の代表ということになりますと、どうしてもふだんから地域の方に目が向いてしまうと思いますし、国全体よりも地域サービスの方に走りがちになるというふうに思われます。また、選ばれた国会議員の方々には、選挙のことなどは余り考えずに、思い切り内外の課題に取り組んでほしいというふうに考えます。
 また、我々有権者にとりましても、政策にすぐれた政党を選ぶわけですから、余りに目に余る汚職体質のある政党だとか、国民をないがしろにするような政策不在の政党は、国民の支持が得られなくなるというふうに思います。このようなことから、自浄作用が働いて体質改善が図られるか、そうでなければ党自体が衰退していくというふうに思います。また、切磋琢磨が生まれるというふうにも考えます。
 一票制か二票制かにつきましても、小選挙区で個人名を、比例区で政党名を投票するのがよいのではないかというふうに考えます。全政党が全選挙区に候補者が立てられるというふうには思えませんので、一票制では、自分の支持する政党の候補者のいない選挙区の有権者は投票できないというようなことになると思われます。選挙には一人でも多くの有権者の意思表示が大切だと考えます。二票制にしていただければ、国民にとっては選択の幅が広がりますし、また投票率も上がるというふうに考えます。
 また、小選挙区の一部にしか候補者を出せない政党であっても、比例代表で一定の票が獲得できれば議席が得られることになり、せっかく投票したものが死に票になるということもないというふうに思います。無所属の候補者に投票したものが比例代表に反映しないで死に票になるという一票制では、公平とは言えないというふうに思います。
 なお、比例区の選出単位ですけれども、私は、全国単位にした方が死に票が少なくなり、先ほども言いましたけれども、地域に偏ることもなく、幅広い意見の反映ができるというふうに考えます。選ばれた国会議員の方々が、余り地域のことにとらわれないで、大局的な見地から国全体を考えた政治をしていただき、世界に目を向けた政治をしていただくには、県単位などの小さな単位よりは全国単位などの方がよりよいのではないかというふうに思います。
 政党に対する助成金につきましても、与野党の話し合いの中で妥協点を見つけることは十分可能であるというふうに思います。我々国民の側から言えば、国民の納める税金を使うわけですから、なるべく少なくして、有益な使い方をしてほしいのは当然です。議会制民主主義のコストを適正に負担するということについては異論はありません。が、しかし、国会議員の皆さんの中には、選挙にお金がかかるので、多少後ろめたいお金であっても集めざるを得ないとか、秘書が勝手に本人の知らないところでやってしまったというふうな言い逃れをする方がおりますが、国民の模範になるべき先生方がこれでいいのでしょうか。潔さなどが見られないというふうに思います。
 むしろ、国会の先生方でさえ適当なやり方でやっているんだからということではないと思いますが、最近、地方の自治体の中でもゼネコン汚職のようなものが広がっているのが大変気にかかります。このような体質が日本中に蔓延しないことを祈りたいというふうな気持ちです。世の中の指導的立場に立つ方々は、政治家であれ、行政に携わる人であれ、また民間企業の人間であっても、常に襟を正して人々のお手本になってほしいというふうな気がします。
 このような思いから、本当に選挙にお金がかかるのであれば、政党助成金はなるべく減らしていただいて、選挙ごとに候補者の選挙資金団体に対して公費から補助をするというふうなことを考えてもよいのではないかというふうに思います。もちろん、選挙後に得票数が確定し、しかも法定得票数に達した候補者のみに補助をするということです。違法に集められた選挙資金、政治資金が明らかになった場合は、すべて国庫に没収するということでいいと思います。当然地方の議会選挙であれ、首長選挙であれ、同じ公費からの補助が必要だというふうに思います。
 田中角栄さんはたしか五億円で失脚をしたと思いますが、最近では何十億あるいは百億に近いようなお金が簡単に動いているようです。佐川急便事件あるいは最近のゼネコン汚職事件などは本当に目に余るというふうに思います。特権階級だから何をしてもいいというようなおごりはないと思いますが、国民の怒りが爆発する前に、国会の皆様自身がこの政治改革法案を成立させて歯どめをしてくれればというふうに思います。私は、まだ政治家の皆さんには良識のある方々が多いというふうなことを信じたいというふうに思います。
 また政治献金ですが、これについては、政党に対してのみの献金がよいのではないかというふうに思います。企業あるいは個人から政党に対して献金をし、政党が全責任を負い、末端の地方組織までを管理するということにしてほしいと思います。個人あるいは個人の政治団体に対する献金は、癒着を生みやすく、不明朗な部分が多く、汚職の原因にもなりやすいというふうな思いがしますので、禁止するという方向で進めてほしいと思います。これは、先ほどの政党の助成金との関連になると思いますが、政治の信頼回復がないままに献金を認め、また、国民の税金から政党の助成金が使われるということでは、国民は納得しにくいというふうに思います。いずれにいたしましても、日本の政治の命運がかかっているという認識でやってほしいというふうに思います。
 また、完全無欠な制度もなかなかつくりにくいというふうに思いますので、与党も野党もお互いに譲り合ってやっていくという精神で進めてほしいと思います。お互いの足の引っ張り合いばかりでは、見ていて余り感じのいいものではないというふうに思います。
 最後になりましたけれども、一票制にしろあるいは二票制にしろ、小選挙区と比例区の定数配分にしても、性急に二大政党制に移行するようなやり方よりも、現状の党派の状況をよく理解しつつ、徐々に収れんしていくということでよいのではないかというふうに思います。海部内閣時代あるいは宮澤内閣時代の派閥の足の引っ張り合いよりは、意見も政策も全く違うはずの今の連立政権の方が、党派が違うにもかかわらず、一生懸命に前に進もう、何とか妥協点を見つけようという姿勢が見られ、むしろすがすがしく思います。一党支配よりもたまにはこういう連立政権があった方が、お互いに切磋琢磨し、研さんするということになってよいのではないかというふうな思いもいたします。また、国民が政治に関心を持つという機会にもなったように思います。
 まとまりのない意見発表になりましたが、これで終わりにさしていただきます。
#263
○権藤座長 ありがとうございました。
 次に、天野進吾君にお願いいたします。
#264
○天野進吾君 きょう、公聴会ということでこの会場へ来ました。そして傍聴席を見ますと、まず半分が報道関係者、そして半分が議員関係、そして各政党関係者で占められ、その数は極めて少ない。この選挙制度、現在やっていることに対して、報道の方が先行しているかもわからないけれども、国民はむしろ一体何をやっているんだろうというまさに横に置かれた存在という感じがしないわけではありません。それが現実のこの選挙制度に対する論議ではなかろうかと私は基本的には思っております。
 と申しますのも、実は、今は国会議員の皆様方もまさに暗中模索の中での選択だろうと私は思っております。そして、それをあえて表現するならば、お化け屋敷の中に入った子供たち、暗中模索ではあるけれども、おっかなびっくり前に進んでいる。それは、世間が、そして報道が、この選挙制度の改革こそあすのテーゼであるがごとき、そういう表現があるがゆえに前に進んでいる。それはきょう派遣委員の先生方を含めて、同じ心境ではなかろうかと思っております。
 先ほど、松本さんの言葉の中に、我が身を考えて改革を叫ぶという表現がありましたけれども、本当にそういう人間がいるだろうか。まずもって自分自身の立場を考えていかざるを得ない。そこにはまさに、暗中模索、どちらを選んだらいいだろうかという心境の中でこの問題が論議をされている、それが私は現実の姿だと思っております。
 また一方では、例えばこの地方公聴会を通じ、一つの意見として聞きたいと言いながら、一方では既にトップ会談の要請、あるいはまたトップ会談にいかないまでも、その前提としていろいろ論議を尽くされてきているわけであります。この時の流れを考えてみたときに、これまた不思議なことであろうかと思わざるを得ない、これが今日の姿だと私は思っております。
 先ほど松本さんの言葉の中に、具体的なメニューが出されているのか。我々は政治の世界に長いことおりましたから、小選挙区制、中選挙区制あるいは大選挙区制それぞれの制度の持つメリット・デメリット、欠陥その他については、ある程度は知識として持っております。しかし、多くの市民は残念ながらそうしたものを具体的に感ずることはできなかった。その具体的なメニューも明示をされていない。そういう中で小選挙区制になったらどうなっていくのか。
 先ほど一党独裁反対という旗を掲げた方がいらっしゃいますけれども、一党独裁という政治が今日の日本の政治の中に生まれてくるだろうか。恐らく私は、基本的にはもうノーと言わざるを得ない日本の政治だと思っております。小選挙区制の姿、その方向は、決して一党独裁ではないでしょう。あるいは二大政党論への一つのプロセスかもわかりませんけれども、しかし先ほどからしばしばお話がありました、土屋さんからもお話がありましたように、死に票というものが大変にふえてくる、こうしたものをどうするのか。そして、政党対政党の戦いになって個人というものが抹殺されていくそうした政治の流れに対して、果たして小選挙区制というのは日本国民の政治土壌の中で十分にそれが生かされていくだろうか。そうしたことを考えて、これらの問題を判断されていかなければならないはずであります。
 もし小選挙区制がヨーロッパあるいはアメリカで行われているからこれを日本に導入しようとするならば、少なくとも私たちは申し上げなければならないのは、日本人の政治に対する認識度、民主主義はまさに戦後与えられたものであります。よその国のように闘い、かち取った民主主義ではない。まさに天から与えられたようなその民主主義の中にどんぶりとつかって今日まで歩んでまいりました。その中で行われてきた中選挙区制、その制度の欠陥として、本来の選挙制度とは別の角度での選挙制度の改革が今浮かび上がっていることは、大変残念だと私は思っております。中選挙区制から小選挙区制への変更、もしそれがあるならば、それは極めて大きな変革であります。まさに日本政治のこれまで戦後さまざま行われてきた改革の中で、これこそがすべてを凌駕できるだけの大きな改革であるにもかかわらず、その根本的な問題について論議を尽くされていない部分を感ぜざるを得ないところであります。それがまた、恐らくは国民の認識でもあろうかと思っております。
 私は、もはやイデオロギーの時代は終わったというふうに思っております。そして、例えば自民党内閣から細川内閣にかわっていった、しかしその最初の言葉が、宮澤政権あるいは自民党政権、それをある意味では踏襲しながらという表現があるように、各政党間における政策やあるいはまたイデオロギーにおいても、大同小異の時代に入ってきたと言わざるを得ないところであります。もちろん、そのことは決して悪いことではありません。日本の方向がある程度固まりつつあること、そして歩むべき方向が決まってきたこと、これらを確実に私たちは感ずるわけであります。そうした意味で、新しい時代に入ってきただろう。ならば、そういう時代への対応として小選挙区制というならば、また一面理解をできる部分がございます。
 しかし、もし小選挙区制によって、日本人の政治に対する無関心あるいは民主主義の歴史の浅薄さ、そうしたものから生まれるさまざまの問題を、この小選挙区制という制度改革によって一挙にそれを強制的にも国民に意識を持たせようとする方向で考えるなら、極めてまた危険でもあります。先ほど岡田さんが、小選挙区制やってみたら、そして、だめならもう一度戻したらと言われました。恐らくこんなことはできないはずであります。
 なぜ今、小選挙区制への移行がこれほど各国会議員の皆様方の大きな不安として残っているのか、それは自分自身の問題があるからであります。いわんや一たん小選挙区制になったものがまた中選挙区制に戻る、その人間のある種の既得権というものは一体どうなっていくのか、そういうことを考えれば、そう簡単に変えられるものではありません。
 しかし、私はきょうは自民党という立場で出てまいりました。そういう立場の中で、岡田さんの言う、自民党はまだ責任ある政党、だから期待している、これは大変にありがたい言葉だと思っております。また、そうでなければいけないはずであります。かりそめにも、つい数カ月前までは、長いこの日本の政権を担ってきた政党であるならば、十分にこの問題に向かって勇気を持って、自信を持って対応してほしいというふうに私は思っております。確かに、その間にはさまざまな、政党助成の問題あるいは制度上の問題、献金の問題、そうしたものもあります。これらを伊藤さんは、小異を捨てて大同に立つという表現を使われました。小異を捨てるんじゃない、小異を残して大同に立つ、私は、その精神のもとにこの問題を論議してほしいと思います。
 さて、具体的に少しお話をさせていただきたいと思います。
 この小選挙区制の持つ一番大きな怖さは何か。それは、国会議員の皆様方がおのずから感じられている、例えば世襲制度が極めて厳しくなること。そして、例えば原健三郎さんのように当選二十回になんなんとするような、そういう方は今後存在し得なくなる。一政治家として、職業政治家として歩めるような時代は終わってくる。これは、ヨーロッパやアメリカの政治の世界を見れば一目瞭然であります。そういうところに心配があるわけであります。
 しかしそのことは、私は同時に政治の大きな前進にもつながってくると思っております。時の流れ、その時代に対応する新しい感覚を持った人間、そういう方々が政治家として生まれてくることを私たちは期待をするわけであります。そう、私たち首長の立場では、当選五回というのは極めて珍しい時代であります。いや、私はむしろ、首長たる者を、多選制度そのものをやはり制度化して考えるべきときを迎えたと思っております。恐らくは、本来ならば、十年を一サイクルに考えるならば、上限三選程度があるいは限界かなと私は思っておりますけれども、そのことは国会議員にまた一面では共通する部分もないわけではないだろうと思っております。
 そうした意味では、小選挙区制の方が新しい時代感覚に対応できる選挙制度であることは事実であります。しかし、先ほど申しましたように、たくさんの死に票があるということ。では、そのたくさんある死に票を、土屋さんは比例区でというふうに言われるわけでありますけれども、今あえて私が言うならば、選ぶならば小選挙区制かこれまでの選挙制度か、その二者択一であるべきだと思っております。
 比例区、まさに妥協の産物であります。一体参議院の全国区、私たち静岡県内にも参議院の全国区で当選されている方もいらっしゃいます。比例区で当選されている方がいらっしゃいます。しかし、その方の名前すら、顔すら知らないのが現実であります。それが果たして政治だろうか。その方々に政治家としての意識が十分にあるだろうか。それだけの情熱があるだろうか。そういうことを考えれば、政治家にとって最も必要なこと、それは情熱であります。だとするならば、地についた選挙制度の中で私はやってほしい。あえて私自身の個人としての考え方からいうならば、比例制度はとらない方がむしろベターだ。オール・オア・ナッシング、その方向を私はむしろ期待をするところであります。
 さて、私は地方の議員そして首長というこれまでの生きざまの中で、今回の政治改革は、地方議会並びに地方政治、そうしたものを全く無視しております。ついでに参議院も無視されているわけであります。いや、むしろ参議院は、まさに今回の衆議院の改革、それが大きくなればなるほど参議院の存在が薄くなっていく感を私は感ぜざるを得ないところであります。そう、先ほど松本さんが、二院制度の問題も論議をすべきときではないか、おっしゃるとおりでありましょう。これらも私は改革してほしい。
 さて、そうした中で、地方議会は御存じのとおり、まず首長においては九九・五%が無所属であります。そして、議員も七八・六%が無所属であります。なぜなら、地方議会にイデオロギーは要らない、そういう精神が昔から言われてきたところであります。ために、こういう形になっているわけでありますし、特に首長選挙は、各党の相乗りというか各党の推薦、そうしたものの中でできるわけでありますので、ために、現在のような無所属システムになってきているわけであります。一体これらのものはどうするのか。そして、これが将来、公費助成ということで国会議員に対して公費助成制度がとられていったそのときに、ついでに地方は地方で勝手にやれということになりかねない。地方行政は極めてその財政厳しいときであります。恐らくは転嫁をされてくるおそれが十分にあることを心配いたしますので、どうぞ今後の検討の中ではそういうことのないようお考えいただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、この法案、だらだら流すべき問題じゃないことは事実であります。そうした意味で、国民に、まずもって小選挙区制は二大政党への一つのプロセスとしてあるということ、そして、はっきりとした国民選択の姿を明示するもの、先ほど岡田さんから、五一%の決定は決定だという表現がありました。これが小選挙区制の精神でもあります。だとするならば、小選挙区制のあるべき姿はそういうものだ、そして同時に、そのことによって死に票が出てくる、そうした欠陥、いや利点というよりも欠陥をそれぞれ明示をされた方がよかろうと思っております。その上で、どうぞ国会議員の皆様方、自分の首のことを考えてこの問題を考えないでほしい。まさに日本政治の根幹を揺るがす問題であります。生意気なことを申し上げます。どうぞ、そうした意味で、この選挙制度の問題はそろそろピリオドをつけていただきたい。
 以上、申し上げました。
#265
○権藤座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#266
○権藤座長 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢沢一郎君。
#267
○逢沢委員 六人の御意見をいただきました皆様方、本当にきょうはありがとうございました。それぞれの立場から貴重な御意見、御提言、御所見を述べていただきました。大変勉強にもなったように思いますし、また、あすからの審議に十分その御意見を生かしてまいりたいというふうに思います。
 お触れをいただいた方と、ちょっとそこのところが十分聞き取れなかった方とおられるわけでありますので、もう一度全員の皆様に簡単にお答えをいただきたいわけでありますが、この政治改革の議論も確かに国会ではもう四年、五年越しだ、まあいろいろあるけれども、とにかくもうここで一つの結論を出さなければいかぬ、そういう立場に立たれるか、そういう御意見をお持ちか。
 いや、しかし、確かに国会議員の間では、あるいは一部マスコミや永田町周辺では議論を重ねてきたかもしれないけれども、しかし一般の市民、国民は、新しい選挙制度になったら、あるいは新しい政治とお金の関係になったら、それはどういう実態になるのか、まだほとんど理解できてない、そういう声もありますね。したがって、これはやはり、やってだめならまた戻せばいいじゃないかという簡単なわけにはいかない。もっと国民の理解を、あるいは今度の改革の意味するところ、意図するところを十分理解をさせる、そういう底上げが必要だ、そういうお立場に立つのか。簡単に、伊藤さんから順番にお答えをいただきたいと思います。
#268
○伊藤一嘉君 実は、この問題はもう五年も六年も前から出ております。出ている内容というのは、その都度内容の部分が変わって出てきている。というのは、それが廃案になったり、また特に今回の場合は連立与党から出ているというような内容が変わってきておりますが、ともかく制度を変えていかなければ、国民から言われている政治不信なり腐敗なりいろいろなものが解決できないということになれば、私は、ともかく一〇〇%ベターというものがなくてもやるべきだ。それで、やる中において、個々の問題についてはその都度また試行錯誤すると思いますけれども、それを直していく、もうそういうときに来ている、こう思っておりますので、ぜひひとつ各党間での英知を出して、ともかく国民に不信感を持たれないというか、国民が一票でも、よし、今度は投票をしてみよう、そういう姿勢になるような土壌を、成立をさせてつくってほしい、これが私の希望です。
#269
○奥之山隆君 先ほど私なりの意見を申し述べましたが、今逢沢先生のお話で、とにかくやらなきゃいかぬではないかということについてどうだ、こういうお話ですが、私も、やらなきゃいかぬ、それは思っています。
#270
○岡田宏司君 私、資料をいただきまして、衆議院のこの問題に関する委員会の議事録でございますが、大変詳細に皆さんお答えになって、勉強されていまして、これだけ討議しているのかなというのを初めて私、知った次第でございまして、いわゆる本会議における状況とは全く違って、ああいう特別委員会というのですか、委員会の中での先生方の御討議の熱心なのには驚きまして、ここまでもう討議し尽くされているんだなと非常に実は感心したわけでございます。
 確かに、どちらがいいかとか、どうのこうのということはございますけれども、私は、やはり新しい風といいますか、新しい気持ちを生み出す意味においても改革をしていただきたいと思います。もちろんこれがパーフェクトなもので、絶対というものであるとはだれもが思っておりませんし、きょうの御参加の皆さん方のお話やこの一週間ほどの新聞等の情報でも、皆さん変えていきたいということはおっしゃっておりますので、概要ではもう既に合意ができていると思っておりますので、ぜひこの法案を、若干の調整はあるかもしれませんが、ぜひお通しいただきたいと思います。
#271
○松本義廣君 私自身は不安がありますので、現在のままいくことには反対をしております。
 恐らく、そこで詰めて詰めて、これで万事遺漏ない、万端遺漏ないということでスタートしても、その後欠陥は出てくるものであります。それが、そのスタートする以前に大いなる不安を感じているのを、とても賛成ということは申し上げられません。
 以上です。
#272
○土屋友親君 先ほども申し上げましたけれども、ロッキード事件から二十年近くたっております。また、リクルート事件が表面化して大問題になっているその裏で共和事件が進行し、あるいは佐川急便事件が進行していたというふうな事実があると思います。そういうことからいきますと、一刻も早く国民のためにはこの法案を成立させていただいて、次の課題に移るというふうにしてほしいと思います。
 また、先ほども言いましたけれども、完全無欠な制度というのは難しいと思いますので、また時期を見ながら修正するということでいいのではないかというふうに思います。
#273
○天野進吾君 逢沢委員の御質問というのは、もうそろそろこの辺でピリオドを打ったらどうかという御質問だというふうに私は理解をしたのですけれども、そういうことでいいですね。――そういう意味では、私はできるだけ早く結論は出すべきだと思っております。
 よく国民が間違えられるのは、新聞等でよく、小選挙区制になるとこうなりますよと、当選者の数が出てきてしまうわけです。ああいうので相当何か国民の方がだまされていってしまっているんじゃないかなというふうに思うのですけれども、それよりも、今の中選挙区制を改正するかどうか、その結論はもうそろそろ出すべきじゃないだろうかというふうに思っております。そういう中で考えていただきたい。
#274
○逢沢委員 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと個別のことについてお伺いいたします。
 まず最初に、伊藤さんにお伺いをしたいのですが、私も政治家、衆議院議員になりまして丸七年、足かけ八年目ということなんですが、確かに選挙のときに限らず、後援会活動、政治活動にも、自由民主党でずっと与党であったということもありますが、秘書も相当な数を現に必要としてきましたし、いろいろな仕事がたくさんある。結果的に随分お金がかかってまいりました。かかるものだなと大変厳しい実感を持っているんです。議論として、なるべく金がかからないような政治をつくろう、かけないようにしていこう、それは確かに重要なことだろうと思うのですが、ちょっと逆に開き直ったような言い方に聞こえるかもしれませんが、政治にお金をかけずにいようと思えば、変な話になるかもしれませんけれども、何の活動もせずにじっとしていれば、それは確かにお金はかからないということになろうかと思うのですね。
 何万人という方に支持をされて議員になる。ばりばり積極的に仕事はしていかなきゃいけない。しかし、仕事をすればするほど、活動の手を広げ、熱心に、丁寧に、細かくやればやるほど、経費というものは当然伴ってくるわけですが、先ほどちょっとお話の中に、たしか六番目のところで御指摘をなさったように私、メモをいたしたのですが、その金のかかる要素をだんだん除いていかなきゃいけないんじゃないか、そういうふうにおっしゃいました。秘書の数のことなのか、あるいは郵送代のことなのか、何を意図しておられるのか、政治家が政治家として仕事は熱心に一生懸命やっていかなきゃいけない、それは恐らく否定はなさらないというふうに思うのですが、どういう意図、趣旨でそのことをおっしゃったのか、少しお話を簡単にいただきたいと思います。
#275
○伊藤一嘉君 実はマスコミを通しても、これはちょっと言葉の語弊があると思いますが、一月に一億かかるとかなんとかということがよく出ておりますし、あわせて、いろいろな面では、中央と地元に私設の秘書も含めて置かないと、今先生が言われたようなきめ細かなことはできない。そのためにどうしてもお金が要る。
 それから、日本の何か古い慣習といいましょうか、冠婚葬祭を含め、お見舞いも何も含めて、いろいろそういうことをやらないと、やはり支持に対する礼を失するとか、いろいろとそういう点で出てくると思いますが、そういう点をやるにはどうしても今の国会からいただく歳費だけでは賄い切れないから、どうしてもいろいろなお金が要るという、論議が鶏が先か卵が先かの論理で、いつもそういう点で国民が別のところに置かれてそういう論議がなされている。
 そういうことを防ぐ一つの意味で公的助成も考えて、少しでもそういう醜い姿が消えるような方法がないだろうかということが、一つは公的助成ということで出てきたのだろうという判断をしております。
 それで、まあ極論かもしれませんけれども、青島議員が何もしないでやったところが当選をした、参議院のああいうことが出ておりますから、何かやはりそこらについて、各個人の人たちがその選挙区の状況を踏まえる中で、支持者を含めてそういう点について人間の触れ合いの中で誠意を持っていくような、そこには余り金、金という言葉が優先しない方法というのはないだろうか。そういう点で、支持者である国民自身も、私たち自身も真剣にコンセンサスを図ったらいいんじゃないかな、私はそういう素朴な気持ちです。
#276
○逢沢委員 重ねて伊藤さんにお伺いするのですが、政党助成ですね。仮に政府案そのとおりということになりますと、社会党を初め現在各党の中央が集めている政治資金をもはるかに上回ってしまうような金額になっている。党によっては今集めている分の三倍とか四倍とか、そういう実態に現になるわけですけれども、それは大丈夫ですか、お認めになりますか。それは必要だというふうに言い切られますか。
#277
○伊藤一嘉君 私は、その点についてはお互いに、自民党も含めて全部で英知を出して妥協点を見出してほしい。ですから、その金額が今の案でいいとか、多いとか少ないとかということではなくて、それが、政治に金がかかること、腐敗やいろいろなものを除去するならば、そこら辺についてもお互いに話し合っていただきたい。金額には拘泥しません。
#278
○逢沢委員 ありがとうございました。
 では、続きまして奥之山県議にお伺いをいたします。
 先ほど改めてお伺いして、もうここで結論を出さなきゃいかぬ、最終的にそういう御判断をお聞かせをいただいたわけですが、今回の政治改革の中心テーマはやはり選挙制度で、抜本的に中選挙区から小選挙区ベースに変わる。その意図するところは、今までの政治、選挙というのは、特にこれは自由民主党に主に言えることなのかもしれませんが、やはり個人中心の政治、選挙になっている、それをここで近代的にしていこう、政党中心、政策本位の政治状況をつくっていく、選挙の実態もそっちに持っていく、そこが最大の意図するところであると思うのです。
 さて、県会議員としてこの地域に根差して活動をなさっておられる御自身の目から見て、静岡県は今、衆議院で一区、二区、三区、分かれていますが、今回の総選挙では新生党から出られた方もおられる、日本新党もたしかおられたと思いますが、そういう実態を頭の中に浮かべて、果たして本当に政党中心、政策本位の選挙が展開できるかどうか。仮に一年以内に選挙があるとすれば、どう展望なさるか。あるいは、そうしていかなきゃいけないわけですけれども、政策本位の選挙にしていくためには、我々政治にかかわっている者が一体どういう努力を、あるいは国民や有権者の皆さんに対する啓発というか啓蒙というか、それも大切な部分になってくると思うのです。そこを御自身でどう展望なさっておられるか、考えておられるか、簡単にお話しください。
#279
○奥之山隆君 やるべきだと言いましたのは、いろいろな議論をしてきていますから、これもまた政治改革法案その他が成立せずに流れたということになりますと大変な政治不信という形になりますから、私が申し上げましたのは、先ほど言いましたような、小選挙区は歴史にたえ得るのか、あるいは公費助成はやめたらどうだとか、そういったことが十分議論されていればという前提で、やらなきゃいかぬと言ったのであります。
 それからもう一つ、政策本位ということでございますが、私はたまたま県議会では選挙区は一人区でございますが、ただ、当選させていただきますればその地域全体の代表ですから、私の事務所なんかへは、極端に言いますと、市議会の先生方の中では共産党の方もお見えになりますし、社会党の方もお見えになりますし、公明党の方もお見えになります。それは、国政と違って必ずしもイデオロギーその他だけでなくて地域の諸問題ということでありますから、私は、自分の思想とか哲学に照らして、私の政治的な位置なり立場は自由民主党に所属しています、しかし、一たん当選させていただきますれば全体の奉仕者だという形ですから、どんな政党の方であろうと、どんな意見の方であろうと、そのことが正しいことならば自分としてそれを受けとめて政策なり政治に反映するということであるというふうに思っていますから、地方政治と国の政治ということでは多少の違いは、多少というか、かなりの違いがあるのではないかなというふうに思っております。
 それから、政党本位の政治ということではありますが、先ほど申しましたように、本当に政党の政策、綱領、いわゆる政綱、そういったものに合致した候補者でなければならないということではありませんし、その政党の言うことをうのみに考えるだけであるならば、議員はその政党の一構成員というか組織の一員、まさに数だけそろえればいいということになるわけです。個人がいろいろな意見を持っておって、同じ政党の中でも切磋琢磨して伸びていくということでありますから、必ずしも政党本位ばかりにもいかない選挙というのは現実にあり得ると思いますし、中選挙区の中ではそれぞれサービス合戦とかそういったような話がありまして、勢い同じ政党同士の中でサービス合戦をするよりも政党本位でやろうじゃないかということに小選挙区がなりつつあるわけでございます。
 逢沢先生の質問には十分答えられませんでしたが、これが定着し、国民の皆さん方が理解をしていくには、それなりの時間をかけないと定着していかないではないかと思っております。
 例えば、自民党が消費税を導入したときには参議院等でばらばら自民党が負けましたけれども、小選挙区を導入することによって、いわゆる政権交代可能な二大政党論というようなことも言われておりますが、自民党があのときにあえて消費税を導入しましたのは、自分たちが将来とも政権を担っていかなきゃいかぬという責任においてやったわけであります。
 ただ、この二大政党制というような形になってまいりますと、ああいう国民に犠牲を強いるというか、厳しい政策を出したときには、いつでも政権が移動してしまうというような形になりがちな部分もあると思うのです。ですから、いつも国民の世論といいますか、意見におもねるだけの姿になって、政権を維持せんがために、厳しい、時には国民に犠牲を強いるような政策が果たしてとれるのかなというような感じもちょっといたしております。
 ちょっと質問とは違いますが。
#280
○逢沢委員 ありがとうございました。
 時間も限りがございますので、続きまして岡田社長様にお伺いいたします。
 経済人のお立場に立脚しての意見を先ほどお聞かせをいただいたわけですが、このことについてどう考えておられるか。
 それは、細川総理が、とにかくいわゆる政治本来の課題、それは経済の構造改革であり行政の改革であり財政の見直しである、そういう本来やるべき政治課題に、政治改革という一つの課題を乗り越えないと着手できないんだという趣旨のことをよくおっしゃっておられます。
 聞いていると、確かにそれはそうだな、そういうふうにも伺えますが、一方、国民の皆さんの間には、政治改革は政治改革、しかしこれだけの景気や経済の状況なんだから、それはそれでまあ同時並行で、むしろそっちに力を入れて進めてくれればいいではないかといったような議論もございますが、御自身の立場からして、とにかく政治改革が一つの大きなネックになっている、これを越えられないと本来の政治ができないんだ、始まらないんだ、そういう趣旨の総理のお考えといいますか態度に、どういう御意見、感想をお持ちでしょうか。
#281
○岡田宏司君 これは先ほどちょっと土屋さんもおっしゃっていましたように、ロッキード事件に端を発してそれからもう約二十年近い年月がたつわけでございます。政治改革をしていかなきゃならない、仕組みを変えなきゃならないというのはそのころからもちろん当然あったわけですよ。戦後の仕組みがいつまでもうまく機能するとは限らない。
 そういった中で、特に平成元年ですか、海部さんのときに具体的に政治改革法案が出てきたわけですね。結果的に、それを討議した結論がまだ出ない。ここまで討議したから、もうこの時期で、十一月なり十二月なりで区切ったら、改革法案が、廃案になったら別ですけれども、もし通れば、これをまず片づければ次にやるべきことは経済の改革とか税制の改革とかではないかということじゃないかと思うのですよ。そういうふうに私は受けとめています。
 もちろんすべてのものは同時並行でやっていかなきゃならぬ問題ですよ。でも政治改革法案については、過去五年間皆さん一生懸命やってきたわけですから、ここでもう結論を出す寸前に来ているから、細川首相はそういう発言をされたのじゃないでしょうか。
 それから、つけ加えますけれども、この場をかりまして、私一個人の意見でございますけれども、所得税減税、こんなことをやったって景気回復しないと思うのです。それはどういうことかといいますと、わずかばかりの減税をしたところで、これだけ消費マインドが落ちているということは、先行きの不安感があるから皆さん持っている金を使わないわけですよ。先が明るければどんどん使うわけですね。だから、今、日本の経済というのは全く変わりまして、もうケインズ理論は通らないわけですよ。これを皆さんお間違いになっているんじゃないかなと思うのです。ただし、所得税減税はすべきなんです。
 これはどういうことかといいますと、消費税に移行しませんと税収がなくなるのですね。皆さん間違えているのは、今は企業活動が沈滞しているのです。成熟化社会に入りますと、かつてのように企業の利益が出ないような仕組みになっているわけですから、法人税から収益を取ろうとかそういった考え方では通らないから、消費税、私は売上税と言いたいぐらいですけれども、売上税に移行していくのが先進国のやり方だ。日本はもう先進国に入っているわけですよ。
 だから、そこら辺がただ目先の、税金を下げるから景気が刺激されるというような議論になっちゃっているわけですけれども、税制の抜本的改革のための所得税の減税だろうと思うのですね。そこら辺を、マスコミを含めまして全く国民に知らしめていませんね。私は、どうも政治家の皆さん方というのは経済音痴じゃないかなと思うのです。大蔵省を初め日銀も実際の現場を踏んでないのですよ。だからそういうばかげた討議が行われているんじゃないか、そう思います。
 それからもう一つつけ加えますと、先ほどの費用の問題、助成金の問題です。いい悪いという御意見がございますけれども、現実に行動を起こせば費用がかかるのですよ。例えば秘書一人雇われれば、直接給与だけで五百万ぐらいかかると思いますね。そう安くは採用できないと思うのです。同額のその他経費もかかりますよ。
 そうしますと、地方に二人、国会の方に二人ということになれば、それは国からも助成がありますけれども、四人だと年間で四千万ぐらいかかるのですよ。その他もろもろのことを考えますと、やはり一億ぐらいの金は、本当に活動するとなったら議員さんにかかるのじゃないかと私は思うのですね。そういうことを皆さん割に問題にしないのですね。
 じゃ、ある党のように信者の方が一生懸命手弁当で来ればそれは計算に入りますかといったら、名目的には出てこないのですね。これだって一日動けば、日当だとか、いろいろその人が働きに出れば幾らかかるかということで、一万円はかかると思うのですよ。そういったものの換算をせずに、ただお金は出さないよ、使うなといっても、行動を起こせば金がかかるのですね。このことを前提に置いて討議しませんと、先ほどの助成金の問題は進まないと思います。
 以上でございます。
#282
○逢沢委員 時間の関係で最後に土屋社長に簡単に一問だけお伺いいたします。
 衆議院と参議院と両院で日本の国会というのは成り立っていますね。よく国会でも議論されましたが、衆議院はどの政党に政権を預けるか、そのことを通じてだれを総理大臣にするか、それを選挙を通じて国民の皆様の意思を反映をしていただく、そのことを重く考えるならば、小選挙区の割合をより多くする。今の参議院の定数二百五十二、百五十二と百の地方区と比例区の割合よりも、少なくとも、衆議院は政権選択ということに意義をより重く置くとすれば、小選挙区の方が多くてしかるべきだろうし、広く民意を反映するという機能は参議院に任せるとすれば、ちょっといきなりはどうかなと思われるかもしれないけれども、思い切って一票制で政党政治に特化をするという機能を衆議院により強く与える、今回の制度改革を素直にその趣旨を生かそうとすればそうなるのではないかと私どもは考えているわけでありますが、御所見を簡単にお聞かせください。
#283
○土屋友親君 先ほどもちょっと述べさせていただきましたけれども、国民の側が政策によって政党を選ぶということになればいいわけですから、その面では比例区と小選挙区が同数であってもいいというふうに思いますし、私、個人的にはむしろ比例区の方を余り減らさないでおいた方がいいような気がします。
 それは、先ほどの意見の中でも述べましたけれども、選ばれた国会議員の方が常に地元に密着をしているといいますか、地元にサービスをしなければならないだとか、あるいは実際の政治活動の中で、地方に縛られるというと語弊があるかと思いますけれども、地方の意向を常に背中にしょってやるよりは、余りそういうことを考えずに、国家国民のため、全体のためにはどうなのか、あるいは世界に目を向けた場合にはどうなのかというふうなことを考えて政策を考えてほしいというふうに思うわけです。政策がすぐれていれば国民が支持をするわけですし、政策が余りよくないなというふうに思われればその政党は支持が減っていくと思います。
 先ほど政権の話がありましたが、今の連立政権であっても十分やっていけるというふうに思いますし、また政権がかわる、あるいはどういうふうな政権の枠組みになるかということの中で切磋琢磨も生まれると思いますし、議員の皆さんがそれぞれに研さんをされるというふうに思います。ですから、必ずしも一党で政権を維持するということでなくても、政権の枠組みが変わるということがあってもいいというふうに考えます。
 以上です。
#284
○逢沢委員 時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
#285
○権藤座長 次に、石破茂君。
#286
○石破委員 本日はどうもありがとうございました。
 時間の関係で限られた方にしかお尋ねできないかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 まず、奥之山先生にお尋ねをいたしたいのですが、今、消費税を訴えて参議院はぼろ負けした、ところが衆議院は勝った、やはり嫌なことを訴える場合にはどうも小選挙区的なものはなじまないのじゃないのかねというお話でございました。私が小選挙区論者になったというのはまさしくそこなんですけれどもね。同じ消費税を訴えた、確かに宇野さんから海部さんにかわったということはあるけれども、同じ自由民主党ですね。同じ政党が同じ政策を訴えながら、参議院で負けて衆議院で勝ったのはなぜだと思われますか。
#287
○奥之山隆君 私は、戦後日本の政党政治家は、極端に言いますと利益誘導をずっとやってきたと思うのです。先ほど逢沢先生の質問にもありましたが、秘書をたくさん置いてお金がかかる。それは、現状の国政のやり方でやればサービス合戦もしなければいかぬから、ずっとお金がかかると思うのです。日本の政党政治家は、戦後一貫して利益誘導をずっとやってきたわけです。
 戦後焼け野原になりましたから、国が中央集権的な力を持って、まあ焼け野原のときには民主主義なんといってもだめですから、中央集権的な手法が国家を復興するには一番よかったと思います。家がない、着る物がない、食い物がない、ないない尽くしで始まりましたから、政治家が地元へ補助金を運ぶ、政策でいろいろやってくる、そのことが復興につながったということが長く続きましたものですから、政治家の仕事は利益誘導をやるんだということで、自民党は特に地域代表的な性格がありますから、やってきた。
 じゃ、それに反対する野党は何をやってきたのか。社会党もやはり、自分たちの支援団体である労働組合の時短であるとか給料を上げろだとか、そういう形で、ある意味では日本の政党政治家はすべて利益誘導をやってきたということが今日のいろいろな問題を起こしているというふうに思うわけです。
 ですから本当は、今こちらでも話がございましたが、そういうことを前提に考えると、お金がかかるから公費助成をしなさい、こういうふうになるわけですが、もっと地方がやれることはすべてそちらへ、地方分権とか地方主権と言われていますから、財源もそうですし、いろいろな許認可権もそうですが、もっと地方にいろいろな分権をしていくという形になって、国会議員の先生方は国家の主な政策だけをやるという形になりますれば、私はさほどお金がかからなくてもやれるのではないかというふうに思います。
 ですから、利益を誘導してきた政党に、今まではある意味では投票してきた。ですから、自民党が初めて消費税を導入するという形の中で、一たん入った懐からお金を取りますよというそのときには、多くの人たちが、もう利益の誘導をできなくなった政党はあかんべえだよといってすべて社会党へ流れたというところから反省をしていかないと、この議論というのは難しいのではないか。
 ですから、そこら辺をもう一回我々が、利益誘導だけをやっているような政治をもういいかげんやめましょうと。特に、我々は孫子の代まで借金を抱えるような国債残高を持って、これでもかこれでもかとやってきて、世界一自由で、世界一豊かな国でありながら、国民はほのぼのとした、しみじみとした幸せが実感できてないというのも世界の七不思議の一つではないかなということだと思います。ちょっと話があれですが……。
#288
○石破委員 松本先生、同じような質問なんですが、要するに、選挙のときの公約というのは何なんだという話だと私は思うのですよ。これだけ長年議論しながら、てんで選挙制度改革についての認識が高まらないのは何でなんだろうか、メリット・デメリットも全然明らかになってないではないかという御指摘でございました。
 それは、私もずっと歩いていてそうだと思うのですが、我が自由民主党というのは、政治改革大綱を定めたときから、選挙公約として、ほかのどこの党も言わないときに、小選挙区制なんて国の破壊だ、民主主義の破壊だ、一党独裁だなんてほかの党が言っているときから、変えていかなければいけないのではないかということを公約の一番にうたってきた。並立制とは言っていませんが、小選挙区をベースにして比例を加味したということを海部内閣のときにやり、それはもう何回も、統一地方選挙も入れれば、今回の選挙まで入れて四回も五回も公約してやっているわけですね。国政選挙というのは、それを訴えて、それで支持を得たはずなんで、何でこんなに理解が深まらないのかと私は非常に不思議なんですよ。
 それは実は、それぞれの選挙で、今回の選挙でもそうですが、政治改革ということはみんな言ったと思うのだけれども、選挙制度改革というのをきちんと訴えた候補者がどれだけいたのかしらということだと思っているのです。もう政治改革をやらなきゃいけない、自民党の公約はこうかもしれないけれども、おれはこうだと言う人がたくさんいて、今の奥之山先生の話みたいに、とにかくそれはそれとして、あんたのところに道路をつけるよみたいなことでやってきたから、公約というものが全然しみ渡らなかったのじゃないかなというふうに思っているのです。公約というのは宿題と一緒で、あしたまでやってきなさいというのが宿題ですよね。私の当選の任期中にこれをやりますということが約束のはずなんですが、その辺のところが理解を損ねてきた、理解が不十分な大きな原因ではないかなと思いますが、いかがですか。
#289
○松本義廣君 私自身はまさに石破先生のおっしゃっていることとイコールになってしまうから、何かなれ合いみたいな感じになってしまうかもしれませんですけれども、政治改革という言葉が既に政治改革のうちの一部だけをとらえているという、もうそこにちょっと、まやかしとは言わないけれども、実態をとらえてないというのがあると思うのですね。選挙制度改革は本当にそんなに急がなければならないものかという議論は、政治改革全体は、それはもちろんできるだけ早くやらなければいけないと今でも思っています。
 しかし、そこのところがすっきりしませんし、原案として出てきたのは小選挙区制度ですね。それならそれでまた、私は教条主義者ではありませんから、例えば自分が一〇〇%納得しなくても、なるほど理論として通っているから、これは試してみる価値があるなというような考えにも至ることはできるのですけれども、ミカンの木にリンゴを接ぎ木するようで、ミカンも魅力的だしリンゴも魅力的だけれども、何かそれを、選挙制度改革の中でも小選挙区、比例が加味される並立制、併用制、そうすると、何をなすべきために選挙制度改革をするのか。当初出た原案というのは必要牲が裏にあるわけでして、そことどんどん違う方に行ってしまえば、これは現実問題、国民にインフォメーションを流すといったって不可能に近くなってしまう。
 つまり、国会の中で議論されていることがどんどんいろいろな要素で複雑化していけばなおさら、国民にすっきりした形で価値の、基準の順位づけをしてもらうときに、もうインフォメーションとして不可能になってしまうということが、現在何とはなしに望洋と、一言で言えばよくわからないということにつながってしまっていると思います。
#290
○石破委員 松本先生に続けてお尋ねしますけれども、要するに、国政の選択のインフォメーションを国民に明示するために、小選挙区というのはやらなければいけないのではないかという気が私はしているのですよ。静岡県の発展というのは、そのために県議の先生がいらっしゃって、知事がいらっしゃって、市長がおられて、市会議員がおられる。本当に国政選挙で選んでいただきたいのは、地域の発展をするために何をするかということではなくて、国防、外交、教育、経済をどうしますかということをまさしくインフォメーションとして与えて、それを選択していただくにはやはり小選挙区制しかないのではないかしらということです。
 それからもう一つは、私も高校生のころにロッキード事件というのが起こって、今太閤と言ってもてはやした人たちが、同じ人たちが田中角栄ほど極悪非道の人間はいないと言って追い払ったのは、これは一体どういうことなのだろうか。自分たちが例えば自民党の国会議員に一票を入れたとするならば、それはやはり田中角栄さんを総理にしようということで一票を入れたという意思でなければいけないのに、そこが全然乖離してしまっている。要するに、自分たちが選んだことに対して、それは静岡県の発展のために何々代議士がいいと思って一票を入れたのであって、国政のために国政を選択して入れたのではないのだよという非常に無責任なものを変えていかなければいけないのではないか。まさしくインフォメーションを与えるためには小選挙区でなければいけないのではないか。
 今、政治休戦をやって経済を急げというお話がございました。それは確かに説得力のある議論なんですが、ただ、今本当に経済政策をこうするぞといったって、もう日本の経済はどうでもいいからおれのところに橋がかからないかねというような、そういうようなインセンティブが働く以上は、本当に国会議員が、経済という日本全体のことにとっては大事だけれども自分の票には関係ないよということで挑めないのではないか。だからやはり政治改革をやっていくことが必要ではないのかなと思いますが、いかがですか。
#291
○松本義廣君 それはちょっと先生と私は考え方が違うと思います。川の流れのように、低きに流れる流れに逆らった制度というのは、やはりうまく機能しないし、人の気持ちの中に入らないと思うのですね。小選挙区で一つの地域を代表して国政に出たとすれば、その先生に国の運営の誤りなきを期す期待もかかりますけれども、当然のことながら、選挙民は自分の地元の繁栄のために働いてくれることを望むのは当たり前でして、そのことにこたえられない政治家が果たして有能な政治家か。つまり、そこに利益誘導とともに利権が絡むからそれはいかぬということであって、地元のために働く政治家が何が悪いんでしょう。そのことを否定するようなシステム、方法論を模索していっても、それはやはり自然に有権者の中にしみ渡らないと思います。
 ですから、小選挙区制度で私はそれなら許容の範囲にあると先ほど申し上げましたけれども、小選挙区制度の中で有権者が一票を投票するのは、その政治家の地元貢献度だけなんという、そういうばかにしたものではありません。その政治家が国のためにどれだけ働けるかということと地域のためにどれだけ役に立ってくれるかということとあわせ持って、それは投票行為に移ると僕は思います。
 それにもう一つ、今の中で申し上げたいのは、制度で、例えば政党からお金を各政治家がいただいて政治活動をするという行為も、全体主義につながるから余り了としないと申し上げましたのも、ある程度国の経済力がついて日本並みの先進国になってくれば、政党の政治家に対する拘束力というのは弱くなって当然ではありませんか。それも水が高きから低きに流れる当たり前の流れの中だと思うのです。そういう中でシステムを、今度は政党の政治家に対する拘束力をいやでも応でも強めていくような方向に模索していくということは、やはりその自然の動きの中で相反してしまうように考えています。
#292
○石破委員 それでは天野市長にお尋ねをいたしますが、まさしく地方分権論みたいなお話なんですけれども、大変恐縮な質問で、私、不勉強で申しわけないのですが、市長を推薦された政党はどこですか。
#293
○天野進吾君 共産党以外です。
#294
○石破委員 共産党以外ですね。
#295
○天野進吾君 所属は自民党です。
#296
○石破委員 共産党以外は自社公民全部推薦ということでよろしいですね。
#297
○天野進吾君 まあそういう形になっておりますね。
#298
○石破委員 先般、神戸で市長選挙がありました。恐ろしく低い投票率でした。あれは何であんなに低い投票率になっていくのでしょうか。どのようにお考えですか。
#299
○天野進吾君 市民から見て結論が出ているという認識から、選挙そのものに対する意義、それが希薄だったという結果じゃないですか。
#300
○石破委員 それでは、今非常に政治の無関心、それは結論が出ている、あの場合は確かにそうでしたね。もう一人出た対抗馬の人は、アメリカにいて全然選挙運動も何もしなかったというような人であるからああいうことになった。あれは一つの例外的な現象なのかもしれませんが、とにかく首長さんの選挙というのは今恐ろしく投票率が低い。そして、全部が推薦みたいな形で、争点が全くはっきりしてこないということがあるだろうと思っているのですね。本当にそういうのは地方自治にとって正しい姿なのだろうか。
 同時に、首長さんは総理大臣と違いまして大統領制ですよね。要するに住民によって直接選ばれているということ、議院内閣制とはそこが違う。私は、地方公共団体の首長さんの投票率がこんなに下がってきたというのは、それこそどの政党もやはり権力の側にいた方がいいやということが如実に出てきたということも、ある面言えるのではないかと思うのですが、いかがですか。
#301
○天野進吾君 権力の側にいた方がいいという認識からではないだろうというふうに思っております。その政党として対抗すべき候補者を持たないがゆえに現職をもってよしとする、そういう判断の結果だろうと私は思っております。
#302
○石破委員 私は、政党政治を地方政治に持ち込むことがすなわち是だとは思っていないのですが、常日ごろとても不思議に思っているのですけれども、都道府県まではきっちりした所属会派、自民党というのがありますね、自民、社会、公明、民社。市町村会レベルになってくるとそういうのがなくなってくるというのは全国的な傾向だと思うのですが、私は、地方政治においてもそれが自民、社会、公明という、きちんと中央に直結したものでなければいけないとは思っていません。ただ、市議会やそしてまた県議会においてもやはり政党というのがあって、静岡県はこうあるべきだ、静岡市はこうあるべきだ、そしてそれを闘わせていくということも大事なことじゃないか、そしてまた、それが地方分権を支える一つの考え方になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#303
○天野進吾君 おっしゃるところ、よくわかります。また、そういう部分は決して無視できないところだと思っておりますけれども、ただ、地方になりますと、自分たちの町、この町をどうやってくれるか、それはもうイデオロギーではない、政党ではない、市民にとって市民のための議員であってほしいという認識が基本に流れているというふうに思っております。
 言うなれば、先ほどの論議の中でもございましたけれども、松本さんが、我田引水なぜ悪い、国会議員がその県のために努力をすることなぜ悪いか、これは日本人の共通した認識。しかし、それは現実という社会の言葉であって、理想は私は違っておると思う。理想に向かって日本人が努力をすることを怠っているから、今日の、今論議をされているこの選挙区制度の問題も同様に言えると私は思います。
 そうした意味で、理想と現実というものに対する日本人の感覚というのは、恐らくヨーロッパやアメリカに比べれば違いがあるだろうというふうには思っております。それが地方自治体にまで影響している。私は、その辺が基本的な概念として存在するがゆえに、今申し上げましたような地方議会における無所属システムというものが生まれてきている、市民はそれを認めているということになろうかと思っております。
#304
○石破委員 続けてお尋ねをいたしますが、確かに我田引水何悪いということですね。また、地元のためにやってくれる代議士を選ぶのは当たり前ではないかというお話、それはよくわかるのです。
 ただ、私は首長さんにも地方の議員さんにも自分の選挙区では申し上げているのですが、国会議員に頼んだから橋がついて、あの先生は力があるから公民館が建って、この先生は怠けていたから道路がつかなかったよというのは、私はそれは本当の地方行政というものをある意味でおかしくしてしまっているのではないのかなと思うのですね。本当にそこの市民がきちんと願い、そこの議員が一生懸命やり、そこの市長が本当に努力をされれば、国会議員が口をきこうがきくまいが、そこに予算がつくという方が本来の姿ではないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
#305
○天野進吾君 我田引水なぜ悪いという言葉は首長に、知事だとか市長、我々の立場では言わせていただきたいところです。しかし、議員は別の角度で物を考えてほしいと私は思っております。
 私の場合には静岡市を今担当しているわけでありますので、この静岡市の大きな発展のためにさまざまな努力をします。それは一面では我田引水なぜ悪いという部分があります。でも、私は議会の皆さんは別の角度で物を考えてほしいな、日本の政治は基本的にそうあってほしいなと思っております。国会議員も国会の仕事、先ほど言った国の防衛の問題とか経済の問題とか教育の問題、そうした問題について論議をする、真剣に考え努力をする、そういう国会議員であってほしいと思っております。県会議員またしかりであります。
#306
○石破委員 ありがとうございます。
 それでは最後に、もう一度奥之山先生に戻りますが、公的助成は堕落であるというお話がございました。私にしても、お金を下さる方は本当にありがたいなと思っています。ただ、そこに本当に見返りを全く求めずにという方々が皆無かといえば、私はそうではないと思っているのですね。やはり公的助成というからには、それは国民からいただくものだ。そうであれば、国民に対して感謝の念というのを持つのがまた国会議員であって、公的助成を受けるようになってしまうと感謝の念がなくなるよというのは、私は少し違うような気がしているのですね。やはりそこは、公的助成の部分というのをある程度は認めていかねばならぬのではなかろうか。
 もう一つは、問題になっているほとんどはやみ献金なのですよね。ばれなければいいんだという人はいっぱいいる。今回の金丸先生の事件にしても、いろいろなことは、ほかのことが起こって、税務調査をぎりぎりやっていったらあんなことが出てしまったという話であって、わからなければいいんだというのはもうどっさりあると思っているのですね。そういう意味で問題になるのは、もう国会議員なんてものに金を持っていったって何もいいことないよというシステムをつくることなのではないだろうか。政治家に物を持っていっても何もいいことないよ。
 ただ、例えば、変な例えかもしれません、さっきの先生のこれじゃないのですけれども、神社におさい銭投げますよね。あのときに、何かこう見返りを求めてということよりは、やはりそこに何か、見返りないかもしれないけれども、この人に何かしたいな、この宗教に何かしたいなというような気持ち、ある意味では祈るような気持ちなのかもしれない。そういうものへ変わっていかなければいけないのではないだろうか。
 だから、公的助成というものも、本当に政治家が全員に支えてもらっているんだということに感謝の念を持ち、そして中選挙区であっては公的助成は私はいけないと思うのですね、内輪争いの費用を何で国民が持たなきゃいけないんだという話ですから。だけれども、小選挙区になっていけば、自分がこの政権を選択するんだということを意思表示をする、それにかかるコストというのはやはりある程度国民全体で負担をしていかなければいかぬのではないか。
 じゃ、何で自分が支持しない政党にまで公費助成が行くのということはあるかもしれないけれども、そういうものがあって初めて選択の機会というのが出るわけですから、ある意味でそういう部分は認められてしかるべきじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#307
○奥之山隆君 今、政治改革ということが大変叫ばれて、国民も政治家もそういう一つの認識のもとですから、お金がかかり過ぎる、だからそれを小選挙区にしてやっていくという先生のお話がございましたが、今はそういう意味で公的助成というのは認められるかもしれませんが、この議論の中に入っておらない、これからある程度の時間が経過したときには、先生の言われるような本当に感謝の気持ち、あるいは謙虚な気持ち、一生懸命やらなければいかぬという気持ち、そういうものはやはり時とともに薄れてくると私は思うわけです。
 これで、国会が公費助成をするからそれじゃ地方もやったらどうだ、こういう話になるわけです。そうすると、一都道府県に五十人の県会議員が例えばいますとすると、四十七都道府県ですから物すごい数、二千五百人だか三千人ぐらいの県会議員もいるわけですね。そういったところ、あるいは首長さんまですべて公費助成でやっていかなければいかぬといったら、莫大なお金がかかる。それも先ほど言いましたように、時がたつにつれて感謝の念は薄れていく。しかし、これからはもっとお金がかかるといえば、増額だけはあっても、これをやめまいかというような話には必ずしもならないというようなことだと思います。
 それから、今、天野先生との議論の中で、国会議員が出ていって何で橋だ何だという話がございましたが、それは結局、地方分権なり地方主権という形の中で、地方は今まさに三割自治と言われている中でやっていますから、やはり地元の選出の国会議員の先生に頼まなければいかぬとかという形になるわけです。その辺も政治改革の一環として、地方分権なり地方主権、財源も伴った、地方がちゃんと独立できるというような形にしていきますれば、国会議員の先生方の仕事というのはおのずと国防や外交や教育や経済とかという大きな仕事になり、まさに国家のグランドデザインを考えるような形になる。そうなってきますと、さほどお金がかからぬでもできるのではないか。今のままでいくと、やはりお金がかかり過ぎるから公的助成というような形になるのではないかなということですから、最終的には与野党が歩み寄っていくわけですから、多少の公費助成というのはやむを得ないのかな、全くゼロというふうに、これでなければだめだと教条主義的に私思っているわけじゃありませんが、やはりできるだけ少なくして、歯どめをかけていくということが必要じゃないかなと思います。
#308
○石破委員 終わります。
#309
○権藤座長 次に、阿部昭吾君。
#310
○阿部委員 私、社会党・護憲民主連合、お隣にいらっしゃる弁護士の細川議員は社会党そのものでありますが、私は社会民主連合であります。
 時間がございませんので、伊藤公述人にお伺いしたいのでありますが、私は、いずれ日本の議会政治というのが、党議拘束で全部縛り上げていくという時代は終わるだろう。アメリカは、御案内のように民主党大統領の提案に対して与党民主党で賛成しない場合もある、反対の共和党の方が賛成する場合もあるわけであります。こういう価値観の多様化した時代でありますから、国会の中の政党政治というのも党議拘束というものがだんだんさま変わりをしていく、こう私は実は思っているのであります。
 そういうことを前提にして私は今の政治改革というものを踏まえておるわけでありますが、今の私の申し上げましたことについて、伊藤公述人の御意見を承りたい。
#311
○伊藤一嘉君 今先生がお話しになったことについて、私自身もそういう点では理解をしております。そういう点で、今後二党といいましょうか、若干そこには経過的な措置があろうかと思いますけれども、ともかく国民それから市民の代表といいましょうか、国の観点から今後の政治というものがなされるということについて、今先生がおっしゃったことについては、それを理解をしたいと思います。
#312
○阿部委員 同じことについて、岡田社長さんのお考えを。
#313
○岡田宏司君 全くそのとおりだと思いまして、共産党なら共産党でも我々が納得する御意見があれば私は受けとめる気持ちでおりますし、社会党さんなら社会党さん、あるいは自民党さんでも、それぞれいい御意見ならばそれは当然オーケーすべきであって、自分の所属する党が、私がもし議員とした場合でも、自分の考えと違う、明らかにこれは違う、むしろ他の党の方が公正であるならば、それに賛成するというのは当然だろうと思うのです。国会ではそれがなされていないわけですけれども、そういうふうに変わると思いますし、今御指摘のように、アメリカの姿を見ていましても、大変にそういうところは自由にやっておるようですから、その方がやはり議会の自由化ができるんじゃないか、そう思います。
#314
○阿部委員 土屋公述人に伺いたいのでありますが、今度の政治改革というのは、確かにとめどのない腐敗、国家国民のためを言いながら金の延べ棒をため込んだり、私は、実はゼネコン汚職に至るまでの汚職というのは氷山の一角だと見ております。それは、率直に言って、秘書を二十人も三十人も持っておって、そう簡単にいくものじゃないと思う。私は二十七年間国会議員をしておりますけれども、とにかく今の政治は、この二十年間の間に金まみれになってきた。そこでこの数年間の間に、これは何とかしなければいかぬというのが今度の政治改革だと思うのです。
 その中に、なぜそうなったかというところに、中選挙区制に問題ありと。私など十回、中選挙区のために、社会党を脱党したりいたしましても生き残ってきたわけで、政治家自分のために今度の選挙制度の改革という意味で言えば、これはえらいことになっておるのですよ。
 しかし、やはりここでは大きな転換を遂げる以外に日本の政治はよみがえらぬ、こういう観点で、あるときには私どもフランス流の小選挙区二票制、過半数を得なければ当選者にならないという制度もあるのかなと考えたこともある。併用制というのは僕らが一番最初に言い出したのです。公明党の皆さんが第一番にこれでいこうということで、これには社会党も賛成、こうなった。そのころ自民党は海部内閣の並立制であったものが、これがつぶれてその後単純小選挙区に変わってきた。そしてその間に民間から連用制が出てきたりしましたけれども、結局やりますよと言って決意表明された宮澤さんがやり切れなかった。そこで不信任案ということになって今度の政変が起こった。
 私どもは、あれよあれよという間に新政権が出てきたのじゃなくて、そういう一連の状況変化というものをずっと見ておる中で、これは不信任しかないという状況に進んでいったわけでありまして、今度の場合は、自民党も、小選挙区そして比例代表並立制という前提を新政権発足のときに合意をしておる。
 したがって、今出てきております土俵は一緒なんですよ。あとは中身の、私から言えば微調整という段階に入っておる。その意味では一人一人の政治家、議員というのはみんな大変だ、みんな中選挙区で出てきた皆さんですからね。みんな大変なんですよ。しかし、小選挙区だけだと死に票ができる、いろいろな問題が起こるというので、これを補完するものとして比例代表というものをやっていく、こうなったわけですね。
 そういう意味で、この中で重複立候補という制度がある。小選挙区にも立候補するが比例区にも立候補できるというものがある。したがって、従来の参議院の全国区の人は、ここから出ておっても全然関係がないとおっしゃられる向きが確かにあった。今度の場合は重複立候補する者が非常に多く出るでありましょう。ですから、地域にある意味でちゃんと顔が見えなければ、重複立候補しても比例区で当選のめどは、小選挙区で惜敗いたしました、比例区で当選ということにもなりませんから、やはり地域に顔の見える、そういう組み合わせの今度の選挙制度の改正、こうなっておると思う。
 そういう意味で、私は先ほどの土屋公述人のお話を非常に感銘をもって伺いましたけれども、私はいずれ微調整だと思うのですけれども、そういう段階でまとめなければ政治は大きな不信の中に落ち込んでしまう、こう考えておるわけです。その点についての御意見を承りたい。
#315
○土屋友親君 何回も言うようなことで申しわけないのですけれども、私は、ロッキードに始まりリクルート事件、リクルート事件が解明されているそのさなかに共和事件が裏で起こったり、あるいは佐川急便事件が着々と進んでいるということは、全く国民を無視したというか裏切っているというふうに思います。国会議員の方々がこんな態度で国民に尊敬されるのかというふうに憤りを当時は感じておりました。今もそうです。そういうことから、早くこの政治改革をしてほしいというのが願いであります。
 その中で、今おっしゃられました、いろいろ意見がありましたけれども、例えば小選挙区選出の定数とあるいは比例区選出の定数なんですけれども、私は、本当にもう微調整の段階でいいのではないか、三百まで歩み寄る必要はないというふうに個人的に思っています。それは、先ほど言いましたように、こちらの意見でも出てきましたけれども、選ばれた国会議員の方が地元にばかり目を向ける、地元のサービスに明け暮れる、失礼な言い方ですけれども、明け暮れるというようになったのでは、国会議員としての本当の職責が果たしていけるのかというふうに思います。地元のことについては、市長さんもいらっしゃいますし、あるいは知事さんもいらっしゃいます。県会議員の方もいらっしゃるわけですから、先ほど石破先生がおっしゃられましたように、国会に出た先生は、対外国との外交問題であるとかあるいは防衛問題であるとか、そういった大きな見地で仕事をしていただきたいというふうに思いますので、できれば、小選挙区と比例区は二百五十、二百五十でもいいというふうに僕は個人的には思います。
 以上です。
#316
○阿部委員 政治資金の問題、これもいろいろな経緯があって今度の公費助成、それから企業・団体献金は私どもは五年後は廃止、こういうふうに思っていますけれども、政府案は五年後見直し、こういうことになっております。
 問題は、出と入りというものを明快にしておく、ガラス張りにするということがなければいけないだろうと思っておるわけです。
 政治資金の入ってくるものも出ていくものも全部例えば小切手帳でやるとか振り込みでいくとか、とにかくわからぬ政治資金の出入りは全くない、こういうぐあいにしていく必要があると思うのです。例えば私は二十七年間議員宿舎で単身赴任でやっておりますけれども、二、三回当選するとどこかへ大きいマンションを買って出ていく議員が相当いるのですね。すごいものだなあと僕は思うわけです。
 ですから、私は、政治家というものは金のことでは明快でなければいかぬ。そういう意味では出と入りを常に明らかにしていく。そういう立場からいうと、政治家がいつでも金のために身も心もすり減らしておるなんという姿じゃ、外交の問題とか国政の重要な問題というものよりもそっちの方が、選挙をどうするかということだけの方が先になってしまう。したがって、私どもは長いいろいろな議論の末に一定の公費助成、こういうことに、今度の自民党案と連立与党案には若干の金額の差はありますけれども、これも私はやはり双方の意見を調整してまとめをしなければいかぬ、こう思っておりますけれども、この件に関しまして伊藤公述人の御意見を承りたい。
#317
○伊藤一嘉君 今先生がお話しになったように、公的助成も含め、それから企業献金とかそういうことについては五年後見直すということが今回の法案の条文にも入っておりますので、そういうことも含めてガラス張りにしてもらいたいというのが本当に国民の願いですし、それは収支が明確になる。
 ただ、今までもお金の問題、お金の問題ともう何度も言われているのですが、やはり国会議員になった先生自身がその点についてどうガラス張りにしていくのかという心構えがないと、何か次から次に、法律があったにしても、大変失礼ですけれども、裏道をつくるようなそういう意識になると、これは幾らいろいろな規制をつくっても次々に出てくる。この際、改革案が出たというのは、そういう点ではガラス張りにし、そして政治が国民のためにあるし、国民が一票をしっかりともう一回、これならばおれは雨が降っても投票所へ行くよ、そういう国民の信頼を回復するような形にするには、お金はかかるかもしらぬが、そのかかるものについては公明正大に透明度がある、そういうふうになることを心から希望します。
#318
○阿部委員 天野市長さん、私は今後の政治の課題は地方分権だろうと思います。そういう意味で、先ほど石破議員の方も言われましたけれども、一々全部中央に陳情に行かなければ事が決まらぬということじゃなくて、私はむしろ国政というのは、静岡県で、国直轄でやっておる、あるいは県でやる、市町村でやるというたくさんの事業がある、このトータルを国の中では明快にしていく、その実行は全部地方にゆだねていく、こういう方向に将来進んでいくべきではないか、こう思っておりますけれども、御見解を。
#319
○天野進吾君 その点については、阿部委員の御指摘のとおりだと思っております。
 我々静岡市には静岡市の心があります、そして歩むべき道がある。今のままではまさに金太郎あめで、何を、どこを見ても日本はどこの町も同じだとよく言われますけれども、そういうようになる。やはり個性のある行政というのが当然あるべきだと思っておりますので、ぜひそういう地方分権は積極的に、そして英断をもってやっていただきたい。
 その場合に、しばしば見える姿ですけれども、地方の時代だという言葉の裏返しとして、金まで地方で勝手にやれというのがよくあります。分権をしながら自分たちで逃げてしまう、これだけはおやめいただきたいと思います。ぜひそういう面での予算上の問題、当然のこととして一緒にあわせての地方分権をお願いいたします。
#320
○阿部委員 全く同感です。
 以上で終わります。
#321
○権藤座長 次に、岡田克也君。
#322
○岡田委員 新生党の岡田克也です。時間も限られておりますので、ある程度限ってお話をさせていただきたいと思います。
 ずっとお伺いをさせていただいて、伊藤さん、岡田さん、土屋さん、三人の御意見は私の考えとおおむね一致をしていたと思いますので、そのほかの三人の皆さんに絞ってお伺いしたいと思います。時間も限られておりますので、ちょっと言い方が厳しく聞こえたりするかもしれませんが、議論は熱く、人間関係は温かくというのが私の信条でございますので、お許しをいただきたいと思います。
 まず、松本さんにちょっとお伺いしたいと思うのですが、国民が今の政治改革の論議というのを十分に知らされていないのではないか、こういう御指摘がありました。私どもも率直に考えて、そういう面があることも否定できないと思います。しかし、この議論をもう四年も五年もやってまいりまして、それでなお、もしそういう状態があるとすれば、どこに問題があるのだろうかという気がするわけです。
 一つは、おっしゃるマスコミの姿勢ということもあるのかもしれません。しかし、国民がもし国政でいろいろ議論されていることを知ろうと思えば、もちろん議事録を取り寄せるとかそういうことはできるかもしれませんが、基本的にはマスコミを通じて、そしてもう一つは、みずからが代表として出している国会議員の口を通じてそれを理解するしかないと思うわけであります。
 私自身は、別に誇るつもりはありませんが、過去三年間で地元で五百回以上の小集会をやりまして、一時間お時間をいただければ、そのうちの七割から八割は政治改革の話をしてまいりました。したがって、私の話を聞いていただいた方は、政治改革の必要性についてかなり理解をしていただいているという自負がございます。
 その辺は、もし松本さんの周りにおいて、政治改革について全く知らされてないという話があるのであれば、それはまさしく地域を代表して出ておられる国会の先生にそういうことをお話ししていただく。あるいは松本さんも現職県会議員ですね、ですから、もし直接お話ししていただく時間がなければ、松本さん御自身が国会の先生からよく話を聞いていただいて、そして有権者の皆さんに説明をしていただく、それが本筋ではないかという気がいたしますが、どうでしょうか。
#323
○松本義廣君 私の方もきつい言い方になるかもしれませんが、手短に申し上げます。
 この公聴会が一つの姿だと思います。むしろ先生にお伺いしたいのは、何日ごろ採決に至ると御自分で予想されているか。我々の意見が仮に反映されていくとするならば、まさか今月中に採決されるというようなことはありますまい。これをお答えにします。
#324
○岡田委員 僕の質問には答えていないのでどうかと思いますが、公聴会はきょうやりまして、あした、それぞれの公聴会の結果を政治改革特別委員会で報告をいたします。それは当然、総理にもそれから関係の方々にも報告されるわけでありまして、それを踏まえて最後の政治改革の詰めを行う、こういうことであります。
#325
○松本義廣君 例えば、本来インフォメーションというのがそういう形で十分であるとするならば、それは先生方が一議員の責任においてなすべきだ、こういうふうに先生はおっしゃっているように聞こえますね。
 国家の大事を決めようとするときに、国家が機関として国民に知らせる、そういう指示を国会はなさるべきじゃありませんか。
#326
○岡田委員 それは県議会も同じだと思うのですが、もちろん将来的には例えばCATVをアメリカのように入れるとか、だれでもそれにアクセスできるようにするとか、そういうことが望ましいと思います。今はそういうところにはまだ至っておりません。しかし、アクセスをしようとすればすることができるし、そして国会議員というのは、まさしく国政を議論するとともに、有権者の皆さんに対してそのことを説明する義務がある、私はそういうふうに思っております。ここは見解が分かれるかもしれませんが。
 それから、松本さんにもう一つ御質問したいのですが、二大政党制についていろいろ疑問を述べられました。そしてアメリカとかイギリスというのは必ずしも理想的な国の姿と言えないのではないか、こういうお話であります。私もそれは全く同感であります。だからこそ、我々は完全なる小選挙区制度ではなくて、それに比例を加味したものを提案しているわけですね。
 まあ、釈迦に説法かもしれませんが、二大政党制といいますか、完全小選挙区制度というのは、民意を集約する、あるいはもっと極端に言えば政権を選択する制度だ、こういうふうに言われております。それに対して、比例制というのは、民意を鏡のように正確に反映する、五〇%の支持があれば議席も五〇%だ、こういう制度である。そのどっちがいいかということで、いろいろ議論を政治改革特別委員会でも尽くしてきたわけでありますが、我々はその中間をとって、二百五十、二百五十の並立制というものを提案いたしました。
 もし、先ほど松本さんのおっしゃった小選挙区の問題点があるとすれば、同じような結論になるのじゃないかな、こういうふうに期待をするのですが、いかがでしょうか。
#327
○松本義廣君 それは、私は国会議員じゃありませんので、別に先生と歩み寄るという場面はないと思いますけれども、考え方としてはそうなり得ると思うのです。
 ただ、私が申し上げたいのは、先ほどの意見でも申し上げたとおり、二院制の問題ですね。参議院と衆議院が少なくとも類似になって存在するということの意義とか意味。
 それからもう一点は、赤がいい、赤のよさと悪さがある、白い色のよさと悪さがある、それを合わしてピンクにしたから、みんな集約的にオーケーになるかといったらそれは違う、こういうことなんです。小選挙区制のよさ、長所、欠点、比例制の長所、欠点はあるけれども、それではそれをくっつけたからそれで民意の集約だとか、あるいはそれがよりよい姿になるということには、ちょっと私自身は合点がいかないということなんです。
#328
○岡田委員 今二点御指摘をいただいたわけであります。
 まず、参議院の問題ですけれども、これはおっしゃるように、参議院と衆議院は同じ制度を持ったのでは二院制の意味がない、こういうことだろうと思います。このことは実は随分、私も当時自民党におりましたが、党内でも議論をいたしまして、まず衆議院を、これが衆議院の制度だというものをきちんと打ち立ててほしい、その上で、それを前提にして参議院の制度改革について大いに議論をしたい、こういう意見が自民党の中でも大半を占めて、そしてこの五年間、参議院は横に置いて衆議院の議論を中心にしてきたわけであります。もう既に参議院の先生方の中で、衆議院における並立制を前提にして、じゃ、参議院はどうあるべきかという議論が始まっておりますが、まさしくそういうことで、これも緊急に御議論いただいて、なるべく早く新しい制度でやっていただきたい、こういうふうに思っております。
 それからもう一つの、白と赤をまぜてピンクになるというものでもないだろうという話ですが、これはなかなか難しい質問だと思うのです。ただ、世界のいろいろな議論を見ましても、アメリカやイギリスに見られる単純小選挙区制度と、それからヨーロッパ大陸に見られる比例制、そのどっちか極端な姿というよりは、それをうまく取り入れて、その中間的な折衷的ないい案がないかとそれぞれの国が模索をし、あるいはそういう制度を既に採用しているところでありまして、日本もそれを並立制という形で採用したということであります。
 おっしゃるように、私は並立制が一〇〇%正しいとはもちろん思っておりません。しばらくやってみて、だめであれば多少いじっていく。例えば並立制から併用制に移行していくということも、今の二百五十、二百五十なら超過議席も余り出ませんから私は容易だと思います。あるいはもっと小選挙区に振った方がいいというのであれば、二百五十の、小選挙区をこれからいじるというのは大変なことであります、例えば三百を二百五十に減らすというのは全部変えなければいけませんが、小選挙区を二百五十、比例を二百五十にしておけば、その比例の二百五十を二百、百五十と減らしていけば小選挙区の方に振っていくことになるわけですから、そういう形で弾力的に考えていくべきではないか、こういうふうに思っております。
 何かもしコメントがありましたら……。
#329
○松本義廣君 先生が随分本心からお話しいただいているというのを感じますので、私も今の大きな流れも承知していますし、先生のおっしゃるように、矛盾を抱えながらもやっていかなければならないということもわかります。ですから、そうであれば、もしここで選挙制度改革の一連のことを国会で議決するのであれば、今まだ不安もあるから、例えば何年なら何年後をめどにこれを再点検する。例えばそういう総選挙を行うとか、国会でそのことをやる。そういうことを国民の前に明らかにして、ある程度の欠陥は出るかもしれぬ、しかし、今までの政治の流れ、ちょっと私は本末転倒だと思うのです、政治の腐敗、それをこの改革によって断ち切るというのはちよっと本末転倒だとは思いますが、しかしそういう方法もあるのではないかと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
#330
○岡田委員 ありがとうございます。
 それでは、天野さんにちょっとお聞きしたいと思うのです。
 必ずしも趣旨がよく読み取れないところもあったのですが、最後の公的助成について、地方は地方で勝手にやれということになりかねない、それは財政難の折、困るんだ、こういうお話がございました。
 しかし、これは考えてみれば、公的助成について、もしそれが市町村や都道府県で必要であればという前提に立っての話でありますが、もしそれが必要であれば、それはまさしくその県会議員の先生方、市会議員の先生方の活動をきちんとしなければ議論ができない、そういういわば民主主義の根幹にかかわることでありますから、まさしくそれぞれの市議会や県議会で御議論いただき、県民や市民の御理解をいただいて、そして御負担もお願いしていく。そういう姿が本来であって、それまで国に下さいということでは、これは何か民主主義を本末転倒に考えているんじゃないか、そういう気もするのですが、いかがでしょうか。
#331
○天野進吾君 今、岡田委員の物の考え方でまいりますと、地方によって大変に大きな変化をもたらす可能性があります。恐らくは私たちの静岡市のような町ならば、それへの対応は可能であります。
 しかし、これが小さな村あるいは町、極めて財政厳しいときに、町になりますとそうはいかない。同じ地方自治体においてもその選択がまちまちになる可能性は極めて多いということを率直に言っておきます。そういう意味です。
#332
○岡田委員 町や村までどのぐらい公的助成が要るのかよくわかりませんが……。
 それでは松本さんにもう一つ、ちょっと済みません。
 経済状態が非常に厳しいからちょっと六カ月ぐらい凍結して、それで景気対策を先にやったらどうか、こういうお話がありました。確かに経済状態は非常に深刻で、これは早く我々も議論しなければいけない、そういう認識です。
 ただ、政治改革の話ももう五年近くやってまいりまして、衆議院は恐らくここ一週間が山だと思っているのです。これはこの国会でやり遂げるという前提に立った場合には、参議院での十分な審議ということも考えますと、来週の半ばまでには衆議院を通っていないとできないということを意味するわけで、これはどこかで決断をしなければいけないとすれば、まあ来週前半までに、できれば自民党さんと与党側が妥協していい案をつくり上げる、そして、その妥協が調わないのであればそこは多数決の原理で粛々と採決をしていく、そういうことで来週の半ばぐらいには衆議院はけりがつきますので、その後、総理は参議院の方の審議もありますけれども、景気対策に全力で取り組んでいく、そういうことで御理解をいただけないでしょうか。
#333
○松本義廣君 先生、こういうことだと思うのです。
 今、例えばソマリアとか、また湾岸紛争のような危機が勃発したときに、政権担当者はどうするのかということなんです。しかも、はっきり申し上げて、新生党の先生方の主張の中に、もっと日本という国は危機管理能力を持たにゃいかぬ、こうおっしゃっているわけですね。ですから、イフの話はやめにしても、現に経済危機があるわけですね。そして僕が怖いのは、そのことを理由に早く景気対策に移らなきゃいけない、移らなきゃいけないからこれを早く仕上げなきゃいけない、もう現にここで意見を言っていらっしゃる方の中にそういう発言もありましたですよね。
 ですから、僕はむしろ、あえてそれならば、大事なことなんだから、私も小さな、零細な商売をやっておりますけれども、年末年始というのが、特に景気の悪いときは山ですよ。ああいう大型倒産も、政府が許すというとこういう公の場で語弊があるでしょうけれども、村本建設のような大型倒産も、官民が力を挙げて救済するという動きに出たらどうだったのかというのは想像せざるを得ない。かつて、例えば証券会社なんかでそういう実例もあった。
 そういうことを見るときに、そのことを理由に、経済の悪化を理由に早く仕上げなきゃいかぬという危険と考え合わしたら、それも先延ばしするのがよりベターじゃないかな、こういう考えで申し上げました。
#334
○岡田委員 いろいろな御意見があると思いますけれども、今、国会の方で、経済状態が苦しいから早くこれを仕上げなきゃいかぬ、こういう議論は余りないと思います。むしろ、この国会でやることが国民に対する約束である、だから、そのためにはもう来週中にも衆議院を何とかしなければいけない、こういう議論であります。
 そしてまた、ここでもし政治改革ができなければ、私はもう政治に対する信頼というものは失われると思います。そうすると、これから景気対策といってもそう甘いもの、心地よいものばかりであるはずがなく、国民の皆さんあるいは経済界の皆さんにも相当血を出していただく、犠牲を強いるようなそういう話が多いと思うのです。そのときに政治家みずからが血を流さずして、改革せずして、国民の皆さんや経済界の皆さんに構造改革しろ、血を流せ、これはやはり通らないのじゃないかな、そういう気持ちもあって、まず政治改革をきちんとやり遂げたい、こういうふうに思っていることを最後に申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
#335
○権藤座長 次に、川端達夫君。
#336
○川端委員 皆さん大変御苦労さまでございます。また、貴重な御意見ありがとうございます。
 率直に申し上げまして、国会議員、我々の立場でいいますと、相次ぐ政治スキャンダル、そして戦後ほぼ五十年という日本の大きな転換期ですね。今の不況も循環型の不況ではなくて、日本の経済全体が、みんなが一生懸命働いていいものをつくって外国にどんどん売って支えていこうという仕組みはもうもたないという中でどうするのかという転換期を迎えている。農業の問題もそうだ。高齢化社会の中で税制はどうあるべきか。大変深刻な節目の時期に政治がまともに対応していない、そして一方で悪いことばかりしている。もういいかげんにしろ、こういうお怒りの背景があると思います。
 私も、実は七年余りの議員生活の中で、この担当として五年以上やってまいりました。そういう中で、海部内閣、宮澤内閣、二回イエローカードを食らった。その責任者として自民党が退場を食らった。そして三度目、今我々はプレーをしているわけですが、この時点でもうロスタイムに今や入っている。ここでできなければ、食らうのはレッドカード、これは永久追放のレッドカード、そういうせっぱ詰まった思いの中で取り組んでおります。
 先ほど天野市長さんの方から、我が身を考えて、不安で、お化け屋敷にいておどろおどろとやっておるんじゃないかという心配をお持ちいただきました。一部にはそういう方もおられるかもしれません。少し前までは随分おられました。しかし今私たちはそういうものを、自分の選挙、私は民社党ですが、民社党なんてこの選挙制度にしたら恐らくもう生き残れないという状況、しかしそれでもやらなければいけない。私の選挙区がどうなるかということではなくて、やろうという中で、多くの同志の皆さんが党派を超えてやっているということだけは、ひとつぜひとも御理解をいただきたいということを冒頭申し上げておきたいと思います。
 そういう中で、松本先生にちょっとお尋ねをしたいのですが、先ほどの御議論の中で、小選挙区になったときに、地元の代表だから地元の発展を考えるということは当然じゃないか、私は情熱としてはそれは大変大事なことだと思いますし、私もそう思っています。
 ただ、先ほどから御議論の中で、日本が非常に転換期の中で、行財政も変えなければいけない、そして税制も、そして危機管理に対応する。そうすると、逆に言えば今の政治はそれに対応できていない。なぜ対応できないのか、今なぜ永田町の国会議員はそういうことをきちっとできないのかというと、これは私は、一番大きな背景は米ソの冷戦構造のもとに日本があった。だから、本来は国の進路を決める大きな道筋を考えるのが国会議員であり、その道筋に従って公平、公正に執行するのが行政の役割であった。ところが進路は、いわばアメリカが決めてくれたのですね、外圧という形をとって。そうすると、極端に言えば国会議員はすることがないわけですから、それがいいと言う方とけしからぬと言う方の二つに分かれて、執行する権限の中の配分に介入をしてきた。私は、行政に対する国会議員の介入だと思うのですね。そして、それを地元にたくさん持っていくということで利益誘導をし、それで五分の一ぐらいの支持者にメリットを与えるということをやってきた。
 ですから今、それが、そういうことでない、本来の仕事をやれという状況に我々は置かれているときに、そこを断ち切るには、今までどおりの選挙の仕組みを温存した中では、そのことに対しても無責任な形でやるしかない。やっても生き残れる人がいっぱいできてしまう。五人に一人でも、血を流すことはいけない、一国平和でいいといっても、そうだと思う人が五人に一人はおられるでしょうということの中で日本の政治が機能しないという観点でいうと、私は、小選挙区に変えていくという中でデメリットというか、地元の代表であるというか、あの人のことをよく知っているというのはよくわかるけれども、その地域が発展するために頑張るということは、公平、公正な行政の執行でいえばどこかがへっ込むということなんです、行政の公平さという意味では。
 だから私は、それは有権者の皆さんも含めて、国会議員というのはそういうものでないという形に変わっていかなければ、いつまでたっても一緒。逆に、小選挙区でそれをやったら物すごい悪い政治になるということを思うのです。先ほどそこら辺の議論で、地元のことを一生懸命やるのは当たり前だと、私は情熱としてやるべきだと思うのです。日が当たっていないので不公平じゃないかということで言うのは正しいことだと思いますが、そこら辺はどうお考えでしょう。
#337
○松本義廣君 先生が先にお答えを言ったとおりだと思うのですね。自分の地元をアピールするということは、その選挙区から出てきている代議員ですから、当然のことだという意味で先ほど申し上げたわけです。
#338
○川端委員 ありがとうございました。
 そういうことで、私たちも今の政治、結局、行政に対して、石破先生もおっしゃいましたけれども、国会議員に頼んでも何のメリットもないという形に変えない限り、まともな政治は日本で実現できないということだと私は思います。
 そこで、天野市長さんにお伺いしたいのですが、小選挙区に対するいろいろな問題点が、いい面でおっしゃったのか、悪い面でおっしゃったのかがちょっとよく理解できなかったのですが、現実に市長選挙ということで小選挙区をまさに選挙制度としてはやっておられる。そういう中で、おっしゃるように世襲の問題であるとか、長年居座っているとかいうことがなくなる、このことを国会議員として心配している人はいないと私は思うのですよ。そしてむしろ、このこと自体を切ることが大事だということ、そういう意味でおっしゃったのだと思うのですけれども、小選挙区というものの市長としての位置づけというのは、要するにそういう意味で是なのか非なのか、もう一度ちょっと教えていただきたいと思います。
#339
○天野進吾君 先ほど川端議員が、私たちは自分の立場、川端議員の自分の立場を考えずに今日本の政治のためにという前提に立って考えているよというお言葉がございました。私は大変にありがたい言葉と思っております。そういう意味での小選挙区制、私は日本のこれからの姿として求めざるを得ない姿だろうと思っております。
 かつて自民党が小選挙区制を公約に出した。しかしあの当時、他の政党は小選挙区制をノーと言っていた。今なぜ突然これが是になっているのであろうか、イエスになっているのであろうか。立場が変わればという言葉では余りにも情けない言葉であります。川端委員がもし、その思想が、立場が変わって今与党の立場にあるからということで、自分自身の議席をも顧みずに本来のあるべき姿を求めてというならば、いささか心配しないわけではございません。
#340
○川端委員 よく聞かれることでございます。民社党の立場で私も含めてずっと言い続けてきたのは、選挙制度によって政治のあり方を変えてはいけない、政治のあり方に応じた選挙制度を求めるべきだというふうに申し上げてまいりました。
 平成二年の衆議院の選挙で、有権者の皆さんは、この一票を自民党に入れた人もその当時の野党に入れた人も、この一票によって政権がどうかなるかということを思った人は、極端に言えば一人もいなかった。自民党政権が続くのであり、そしてそれは単独政権であるというふうに思っておられたと思います。その当時の海部案を、その政治構造の中で並立制、小選挙区を含む選挙制度をやれば、これは自民党の長期、超長期政権が続くということになる政治構造であったと私たちは認識して反対をいたしました。
 そして、この前行われた選挙、このときは国民の皆さんも含め、客観的事実として、自民党安定単独政権がこの次の選挙の結果存続するということは一〇〇%ないという状況の選挙でありました。したがって、有権者の皆さんは、政権がかわるかもしれない、そしてそれは自民党の単独少数政権かもしれない、場合によっては連立政権ができるかもしれない、そういう選択の中で実は投票された。そして、結果として政権交代したときに政治構造が変わったわけですね。
 今までは、政権交代ができないというのは、選挙制度ではなくて、基本政策の部分で、共通する中で選択するということのできない政治構造であったわけです。それが、前回はその選挙の直前にそういうことを社会党さんを含めて我々が、新生党、社会党、公明党、民社党、社民連で、基本政策は自民党政権を継承するということで政権をとらせてくださいと我々は訴えて選挙をやった、そういう中の選択であった。
 そうしたら、この次の選挙のときに同じ中選挙区制でやったら、どんな選挙で国民の皆さん選んでくださいと言うのですか。ここにも何人か我々与党という意味で仲間がいるのが、みんなばらばらにまた出るのですか。そうしたら国民の皆さんにどう訴えるのだ。こういうふうに政権が現実に交代し、なおかつ、また交代し得るという政治状況に変わったときには、政治構造が変わったときには日本の政治にとって、有権者の皆さんに――今度の選挙では連立側から可能な限り一人ですね、これは新党になっているかもしれないし、なっていないかもしれません、一人。自民党から一人。自民党の皆さんがおっしゃるのは、あんな不安定なややこしい政権でいいと思いますか、もう一度我々に戻してくださいと訴えられるでしょう。我々は、細川内閣のもとで一生懸命やってきました、引き続きやらせてください。日本の政治史上で初めて有権者が政権を選択できる政治構造ができ上がった。
 そういう意味では、こういう緊張ある、そして可能な限り、一歩でもスキャンダルを起こせばもうもたない、すぐ御苦労さんという政治状況を持続させるには、この選挙制度に変えるのが今の状況では絶対やるべきことだということで、今に至っている。政権党が勝ったから政権を維持するには小選挙区を持った方が有利であるとか、そういうことではないということは御理解をいただきたいと思います。
 何か御所見があればお聞かせいただきたい。
#341
○奥之山隆君 今大変御立派なお話をいただきましたが、私は、例えば連立与党の言われている公的助成なんか見ていますと、初めもっと高かったですよね、自民党よりはるかに。それが正しいと思えばどこまでも言い続けていけばいいと思うのですが、周りを見たら何か高過ぎるからといってすぐ下げてしまうのですね。バナナのたたき売りみたいなやり方というのに非常に疑問を持っていまして、川端先生から、政権選択の中では連立与党が統一候補を立ててというようなことで、それはそれなりの考え方ですが、何か全く自信がないように、すべて妥協してしまう。本当にこれが正しいというならどこまでももっと言い続ければいいものを、ちょっと周り見て高過ぎるからすぐに下げてしまうというところが、何か全く根拠がないという感じがしますものですから、そこら辺ちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
#342
○川端委員 いろいろな生まれ育ちの者が集まったという中での議論の経過で、これも国民の皆さんの我々政権に対する審判の一つに非常に重く置かれるか、まあそういうこともあるかなと思っていただけるかというのは、率直に受けとめていただく問題だと思います。
 そこで、何かこちら側も質問を受けているようになってきましたが、せっかく御質問をいただきましたので、先ほど奥之山先生、基本的にはいろいろな、小選挙区制が日本に合うのかなというふうなことも御指摘もありました。そういう中で、最終的には、しかし、とはいえ答えを出してきっちりやれよということであったように受けとめさせていただいたのですが、そういう中で、一票制の問題ですね。
 先生の御意見の中では、選挙というもので政党を選ぶだけだったら、それはもうそんなものだれでもいいということになってしまうではないか、だからやはり個人というものの資質というものも見なければいけない。私たちも実は議論する中で、小選挙区制というものを、比例をも加味する、あるいは並立する場合に、あるべき姿として望むべき、こうあってほしいという政治体制というものを非常に明確にしようと思えば、一票制の方がすっきりしているということは事実だと思うのです。ただ、有権者の皆さんにそれを強いるということは、やはりちょっと憲法上だけではなくて行き過ぎではないか。
 例えば、生命倫理、宗教に関するようなことでこの人を私は絶対支持したい、しかし政権というものは違うんだという、要するにクロスボートの選択もあるだろうし、小選挙区に出てない人、出てない政党だけれども、ある政党を支持しているというときに、あなたは政党は選んでいいけれども、ほかの政党で小選挙区に出ている人を選んではいけない。逆の場合もそうですね。無所属の人を選ぶのはいいけれども、その人は政党を選ぶ権利はないというふうな部分のことを含めて、やはり国民の皆さんが結果として、二票制でやっていく中で、そういうクロスボートや、現実問題としてその一方にしか出ないようなところには支持がなくなってくるというふうになってくれば、実質的に一票制という機能が果たされると思うのです。
 そこら辺でちょっとわかりにくかったのは、個人というものが非常に大事だよとおっしゃりながら一票制がいいのだというふうにおっしゃったような気がしたものですから、ちょっとそこら辺のお考えだけお聞かせをいただきたいと思います。
#343
○奥之山隆君 それは全国的な統一した、全国を網羅した名簿という形になると、顔が見えないということですから、それぞれの都道府県で我々の顔が見える人が比例の中でも出てくる方がいいのではないかということで、一票ということを言わせていただいたわけです。
 それから、本当に死に票とかそういう議論ということでいきますと、例えば中選挙区でも捨てがたいものがありますのは、中選挙区ならいろいろな政党が勢ぞろいして選挙をやるわけですね。ですから選択肢はいろいろあるわけです。あるいは自分が若いから若い人に入れるだとか、この人は福祉に強いから入れるだとか、それぞれのその人の判断によって選択肢というのがあるわけですから、そういう意味では、中選挙区でも捨てがたい。四人なり五人区ならば六人、七人、八人出ますから、そういう意味では非常に自由だというようなものと比べると、小選挙区というのが日本の文化や伝統に対して果たして本当にいいのかなということを私自身話をしたわけです。
 ただ、もう今ここまで来ておってこれをやめてしまうというわけにもいきませんから、基本的にはやらざるを得ないかなということも思いますし、私自身ちょっと頭の中が混乱してしまいましたものですから、そうなってしまいましたが、いずれにしてもそういうことでもう待ったなしになってしまったのかなということで、先生の答えにはなりませんが、そういうふうに考えます。
#344
○川端委員 大変ありがとうございました。
 時間が参りましたので、終わります。どうも皆さんありがとうございました。
#345
○権藤座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述者の方々におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、深甚なる謝意を表する次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後零時四十二分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の山梨県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年十一月十日(水)
二、場所
   甲府富士屋ホテル
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣
   提出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置
   法案(内閣提出)、政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(内閣提出)、政党助成
   法案(内閣提出)、公職選挙法の一部を改
   正する法律案(河野洋平君外十七名提出)
   、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法
   案(河野洋平君外十七名提出)、政治資金
   規正法の一部を改正する法律案(河野洋平
   君外十七名提出)、政治腐敗を防止するた
   めの公職選挙法及び政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(河野洋平君外十七名提
   出)及び政党助成法案(河野洋平君外十七
   名提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 前田 武志君
      北川 正恭君    白川 勝彦君
      中川 秀直君    額賀福志郎君
      大畠 章宏君    太田 昭宏君
      前原 誠司君
 (2) 現地参加議員
      堀内 光雄君
 (3) 政府側出席者
        自治省行政局選
        挙部管理課長  山本信一郎君
 (4) 意見陳述者
        山梨県労働者福
        祉協会会長   大木 敏夫君
        八田村村長   齋藤 公夫君
        山梨学院大学法
        学部教授    茂野 隆晴君
        山梨県議会議員 白倉 政司君
        公認会計士   風間  徹君
        元山梨県立日川
        高等学校校長  齋藤左文吾君
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#346
○前田座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の前田武志でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、よろしくお願い申し上げます。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することといたした次第でございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわりませず御出席いただきまして、まことにありがとうございます。今後の審査の参考に資するため、忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。
 まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆様から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員からの質疑にお答えいただくこととなっておりますので、よろしくお願い申し上げます。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党・自由国民会議の北川正恭君、白川勝彦君、中川秀直君、額賀福志郎君、日本社会党・護憲民主連合の大畠章宏君、公明党の太田昭宏君、さきがけ日本新党の前原誠司君、以上でございます。
 なお、現地参加議員として、自由民主党・自由国民会議の堀内光雄君が出席されております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 山梨県労働者福祉協会会長大木敏夫君、八田村村長齋藤公夫君、山梨学院大学法学部教授茂野隆晴君、山梨県議会議員白倉政司君、公認会計士風間徹君、元山梨県立日川高等学校校長齋藤左文吾君、以上の方々でございます。
 それでは、大木敏夫君から御意見をお願いいたします。
#347
○大木敏夫君 山梨県労働者福祉協会の会長を務めます大木でございます。
 初めに、こうした機会をおつくりいただいたことについて心から感謝申し上げます。
 時間が限られておりますので、早速本題に入らせていただきたいと思うわけであります。
 今日の国内における最大の課題が、このところ連日明らかにされておりますゼネコン汚職に象徴されるように、金権腐敗の蔓延といいますか深化によりまして最悪な状態に至っております政治不信、これは最近の地方における各種選挙の投票率を見てもわかることでありますけれども、こうした政治不信を一掃して政治への信頼と期待を取り戻すことにあることは、すべての人の一致した認識であろうというふうに思うわけであります。にもかかわらず、そのための抜本的な改革が一向に進まないことに、私どもとしては深い失望を感ずるわけであります。
 それで、なぜなのかということについて、私はこの機会に改めて皆さんにお聞きしたいというふうな気持ちでいっぱいでございます。
 私自身といたしましては、今国会に政府案として提出をされております政治改革関連四法案に基本的には賛成の立場をとるものでありますが、考えますに、真の意味での政治改革というものは、単に制度を変えることだけでは達成できるものではなく、政治倫理の確立であるとかあるいは国民総体のモラルの向上、こういうふうなものが何よりも優先されなければその実効を上げることは不可能であるというふうに思います。
 しかし、そのことをただ唱えるだけでは政治改革が一向に前進を見ることができないという今日までの現実を見ますとき、一方では、選挙制度の改革であるとか、あるいは政治献金の一層の透明化、あるいは違反者の罰則の強化等の具体化もまた急務であるというふうに考えるわけであります。
 そこで、今日までの私どもがマスコミを通じて知る限りの論議を見ておりますと、政府案は、今日までの長い改革論議の経緯も十分に考慮をした内容のものでありますし、時間は正確ではないかもしれませんが、私どもの知る限りでは、今国会においても既に七十時間を超える論議が重ねられているというふうに聞いておるわけであります。
 こうしたことからいたしますと、私どもの気持ちといいますか、考えるところでは、一応論議が尽くされているのではないか、内容もほぼ明らかにされているのではないかというふうに思うわけでございます。
 そうした意味で、ごく最近の論議を見聞きいたしますと、私どもの立場からすれば、論議の繰り返しあるいは重複が目立ってきているように思えてなりません。したがって、あえて言葉を使わせていただくなら、いたずらに時間延ばしが行われているのではないかというふうにさえ思えてならないわけであります。
 そうした立場から、この際、早急に関係法案が採択をされまして、国会において真の意味での政治改革が大きく前進することを強く願うものでありますし、また、そのことに大変大きな関心を寄せているわけでございます。
 ここで少し具体的な事柄についても二、三意見を述べさせていただきたいと思うわけでありますが、その一つは投票方法についてでございます。
 私ども、多少は選挙の実態も承知をしているつもりでありますけれども、この地域における選挙の実態を考えますと、政党によるあるいは政策による戦いだとはいいましても、実情はむしろ、全部とはもちろん申し上げませんが、多くの投票あるいは選択が、政党あるいは政策の選択ではなくて、個人的情実であるとか、いかに地域に利益をもたらしてくれるかというような地域利益優先型であるように思えてなりません。
 もしそのことが当たっているとすれば、その結果がそのまま中央においては、伝えられる一票制をとりました場合には今度は、そういう選挙の現実にもかかわらず、政党に投票されたというふうに集約をされてしまうのではないか。ということになりますと、本当の意味で十分な民意を反映することができないのではないかというふうに思うわけであります。
 したがって、私としては、政府案による二票制は妥当なものではないかというふうに申し上げたいと思うわけであります。
 次に、政治献金の扱いについてであります。
 政府案によりましても自民党の案によりましても、原則的には、企業・団体による献金、特に個人に対する献金については禁止の方向が望ましいとされながらも、今日の現実を踏まえまして、それぞれの猶予措置というのがとられるようになっているようでありますけれども、私どもとしては、政党あるいは政治団体に対する献金については、やはりこの原則というものをしっかり踏まえていただくということがまず大事ではないかというふうに思うわけであります。
 政府案につきましても、現実を踏まえて、これの見直し措置というものを設けることによって当面の措置とするというふうに見られるわけでありますが、五年後の見直しというものが明記をされているわけであります。
 そうした意味で、私どもとしては、先ほども述べましたように、今日の現実からしてみて、言葉は私どもはよく専門的には存じませんが、一定の猶予措置あるいは猶予期間というものが設けられることはやむを得ないというふうに思いますけれども、やはり、事柄の性格からしまして、企業・団体による政党あるいは政治団体に対する政治献金についてはできるだけ、先ほども触れさせていただいた原則に沿って、短い期間で原則が生かされていくことが必要なのではないかというふうに思うわけであります。
 国会におきますこの期間をできるだけ短縮するという御努力についても、この機会に強くお願いをいたしておきたいというふうに思うわけであります。
 それからもう一つは、一票の格差問題についてであります。
 山梨の立場ではむしろ、御承知のように大変小さな県でございますので、今日の格差についても、そう踏み込んで是正を図るべきだ、縮小を図るべきだという立場は正直なところなかなかとりにくいわけであります。しかし、少なくとも一票の平等というものを考えました場合には、政府案でもあるいは自民党の案でも同じように規制しようとしております一対二あるいは一対二未満というものについては、やはりこれまたできるだけ早い機会に実現が図られるようにぜひ御努力をいただきたいものだというふうに思うわけであります。
 以上、限られた時間ですので十分な意見は述べられなかったとも思いますけれども、私の意見を終わらせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。
#348
○前田座長 ありがとうございました。
 次に、齋藤公夫君にお願いいたします。
#349
○齋藤公夫君 私は、ただいま座長より指名をいただきました、自民党山梨県連から推薦を受けました、八田村の村長を務めております斎藤公夫であります。
 このたび、地方自治に籍を置く立場から意見陳述をさせていただきます。
 今や政治改革という言葉は国民にとって耳なれたものになっておりますが、その実現によって日本の政治がどのように変わるかについては、いまだ必ずしも明確に理解されていないものがあると思われます。
 それは、過去何回かにわたり、自民党政権時代、政治改革大綱を定め、選挙制度改革、政治資金、国会改革などの各分野にわたり中長期的な課題を設定し、各党派に呼びかけ、健全なる議会制民主主義の確立、政党政治の再構築を目指してきたところでありますが、当時は現与党におかれましても余り乗り気ではなかった問題として見送られ、既に四年を経た今日、いまだ実現できない難題であったからだと思います。
 しかし、このたび細川連立政権が誕生し、政権の課題に政治改革断行を前面に打ち出し、政治改革実現に向け大きく前進してきたことはまことに喜ばしい限りであり、すべての国民が期待を寄せているところであります。
 そこで、このたびの政治改革は、日本が国際社会においても名誉ある地位を占めたいと願い、国民からも信頼される、わかりやすい政治の実現を目指す改革でなければならないと思います。そのため、審議の時間も十分とり、国民の声に耳を傾け、将来に禍根を残さない思い切った改革の実現を望む一人であります。
 初めに、選挙制度改革について申し上げます。
 制度につきましては、小選挙区比例代表並立制は政府案と全く異論はないものであります。
 総定数につきましては、現行五百十一人に対し、政府案は五百人にとどめております。自民党案では四百七十一人と、昭和四十六年の公選法に定めた定数に戻るべきだと主張しております。
 この現行五百十一人という数字は、過去の国政選挙のたびごと、一票の重みの格差を一対三以内にとどめんがため、最高裁の判例に基づき、常に八減十増とかの改正を行い、お手盛りに総定数を増してきたものであります。一方、地方議会は、財政面等を考慮し、地方自治法に基づき法定数はありながらも、適切な定数削減に努め、住民福祉の向上に向け、スリムな体質づくりに努力してまいりました。
 それらを考えますと、このたびの政府案の総定数五百人という定数は、過去のいきさつから見ましても改革という意識からはほど遠いものであり、公選法に定められた四百七十一人に戻すことが適正な定数ではないかと考えるものであります。
 次に、小選挙区、比例代表の定数であります。
 政府案は、小選挙区二百五十人、比例区二百五十人と定めてありますが、自民党案では、小選挙区三百人、比例区百七十一人であります。
 現行の国会制度は衆参二院制であるため、衆議院の選出方法は参議院とは異なる性格を必要とするものであり、我が国の議院内閣制では、衆議院は内閣総理大臣指名の優越権を持ち、解散もあることからして、その選挙は、政権の選択の意思が最も端的にあらわれる選挙制度が理想であると考えるものであります。
 そのため、小選挙区制は小範囲で候補者を選択できますし、その性格からして、自民党案の小選挙区三百人という数字は、第八次選挙制度審議会の考え方に沿っても妥当な数字と考えるものであります。
 次に、比例代表の選出方法であります。
 政府案では比例代表の名簿単位を全国制としておりますが、自民党案のように都道府県単位にすべきではないかと思います。
 それは、代表民主制による政権の選択という総選挙の意義に照らせば、全国単位よりも都道府県単位とした方が有権者にとっても意識の度合いが強いと考えられますし、選ぶ権利と選ばれる候補の距離が近ければ近いほど政治に対する関心が高まり、政治に関する理解と監視の目も高まります。また、政治家本人も、それぞれの選挙区内の実情を把握しつつ、責任ある立場で国政に専念できるものであると思います。
 それが万一、政府案の小選挙区二百五十人、比例区二百五十人で執行されたと仮定いたしますと、山梨県と同一県では、小選挙区で二選挙区に分割され、二人の代議士になります。それに、比例代表制が全国比例代表名簿制を採用された場合、本県出身の代表者が全国単位の名簿の上位にいない限り、山梨県規模の選挙区からは一人も比例代表者を送り出すことはできません。
 例えば、現行制では五人の定数を持つ山梨県では、二人の代議士しか出せないことになり、地方分権を主張する理念から大きく後退するものであり、その比重は大都市に重く地方は軽くという不公平を助長することになり、政府案に賛成できるものではありません。それが、自民党案ならば、山梨の選出代議士の数は大きな変動はないものと考えられます。
 次に、投票方式について申し上げます。
 政府案では、衆議院選挙という一つの選挙の中に二つの選挙があることを認め、二票制としておりますが、自民党案のように、衆議院選挙はあくまで一つの政権を選ぶ一つの選挙であり、一票制と考える方が妥当ではないかと考えます。
 なぜならば、衆議院選挙の第一の意義は政権の選択にあり、政権は一つであります。したがって、その選択の行為も一人の代表の選出を通じて行われるべきだと考えます。また、参議院選挙とは異なる点に留意することが望ましいと考えるからでもあります。
 次に、戸別訪問であります。
 政府案では戸別訪問をあらゆる選挙において解禁するとありますが、自民党案では現行どおり禁止とし、新しい制度の定着を見てから、今後の課題にしております。
 ここで、政府案どおりすべてが解禁されたならば、買収、利害誘導等の不正行為が行われやすく、不当な競争を余儀なくされ、選挙運動の実質的公平が害されやすいと思います。特に、山梨県のような甲州選挙の土壌では、義理人情の不合理な要素によって、選挙民の自由意思による投票が阻害されやすいと思うからであります。
 次に、政治資金関係について申し上げます。
 政府案では、政治資金規正法の一部を改正する法律案の中で、節度を持った企業・団体献金すら全面的に禁止し、その見返りとして政党助成制度を導入するなど、国会議員を有する政党に対してのみ認め、地方議員を軽視した制度ではないかということであります。私は、政治資金は国・地方を通じた一体的な規制であると思います。
 今日の日本の政治の仕組みと役割の中で、国政を担う国会議員の役割と、地方において地方自治を担う地方首長、議員の役割、機能は、おのずからの違いはありますが、この両者がそれぞれの役割を担い合ってこそ日本の民主政治が成り立ち、今日の繁栄があるものと信じます。それがためにも、中央の国会議員が優遇され、地方の政治家を軽視するような不公平な制度には賛成することができません。
 ちなみに、現在地方で政治活動をしております関係者の数を申し上げますと、首長関係では、知事四十七、市長六百六十三、区長十六、町村長二千五百七十二、合計で三千二百九十八人で、うち九九・五%は無所属と言われております。議員では、県議二千八百四十九、市町村会議員は何と六万五千三百十三人、このうち七八・六%は無所属であると言われております。
 この数字を見ましても、国会議員は現行でも五百十一人、地方首長、地方議員を含めますと七万一千九百七十一人であります。
 このうち、政党への公的助成により、政党の地方組織や政党に所属する議員には、政党内において何らかの措置が講じられる余地はありますが、残る約七九%、五万六千八百五十六余人の無所属議員は個人献金だけで政治活動をすることになり、個人献金の気風が浸透していない現状では政治活動を封じられることと同じことになり、不公平な政府案であり、実情を無視した改革案だとしか思わざるを得ないものであります。
 万が一、この政府案が法令化されたと仮定いたしますと、地方では財産のない人は政治への道を阻まれることになり、優秀な人材であっても金がなければ押し出すこともできず、政治家になるなと言わんばかりのものであります。
 私は、以上の観点から、このたびの政府提出政治改革法案には幾つかの問題点が見受けられ、国民に納得できる法案ではないと考えます。したがいまして、国政の半数を担う自民党案等の改革案に十分耳を傾け、憲法で定める主権在民の精神を尊重し、願わくは今国会での成立を心から念じ、私の意見陳述にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。
#350
○前田座長 ありがとうございました。
 次に、茂野隆晴君お願いいたします。
#351
○茂野隆晴君 先ほど座長より御紹介にあずかりました茂野でございます。
 こうして公述人としての機会を与えられましたことは、ありがたいことと感謝を申し上げます。
 貴重な時間でございますので、衆議院政治改革に関する調査特別委員会地方公聴会に関する案件につき、時間を勘案し、与野党双方から提出されております法案に関連して、私が主要な論点と考えますところを述べさせていただきます。
 私がまず最初に述べたいことは、政治改革法案というのは、一言で言えば、実際政治のルールづくりであるということです。ゲームで言えば反則行為はいけない、試験で言えばカンニングはいけない、だからそうした行為をなくするにはどうしたらよいのか、規則を破った者に対する罰則はどうするのかと。
 国民の代表としての公職者がルール違反をするということは、国民の期待を裏切ったわけであるから、それだけで情状の余地はないといってもよい。この意味で、罰則規定のみならず、法律は厳格なものになってよいと考える。封建法特有の連座規定は現行法でもあるが、もっと実効性のあるものにしてほしい。のみならず、配偶者が行った場合とか、そうなると縁座であるが、そのような規定さえも加えた方がよいとさえ考える。李下に冠を正さずというが、国民代表の政治行動はこうあるべきだ。
 次に問題は、ルールづくりが余りにも長くかかり過ぎているということである。
 民主政治の土俵づくりであるから徹底審議と言えば確かにそうだとも言えるが、個別の問題が出るたびに、これも慎重にじっくりと時間をかけてというのでは、いつまでたってもまとまるはずがないのは自明である。まさか、憲法ではないが、不磨の大典をつくろうなどとのお考えではないと思う。変転してきわまりないこの時代に、ルールだけ確固不動のものをつくろうなどと考えなくてもよろしい。ルールだって時代状況に合わせて修正すればよいのだから、もっと柔軟な立法づくりをしてほしい。
 政治倫理、倫理がかしましいと言ったころからもう十年、政治改革がもはやこれまで、待ったなしということから始まって、五年三代の内閣にわたっている。今や平成の小田原評定として、平成の国会名物となった感がある。戦後最大の大学改革も、ともすれば保守的な世界であるから、その改革は難事であろうと言われていたが、周知のように、ほぼ同時期に開始されたにもかかわらず既に実行段階に入っている。立法府がもたつきを見せていたのでは、世間に示しがつかないのでは。
 衆議院議員定数不均衡の放置は司法府によってその怠慢を指摘されたが、今国会でまとまらないようでは、このたびは国民がその怠慢さにあきれ果てるであろう。政治改革など食えないものは早く片づけて、今日の不況のもとでの我々の生活を何とかしてほしいというのが国民大多数の本音ではなかろうか。
 年の瀬を迎え、中小企業はおびえている。この甲府でも、どこそこの企業は年内にもとかいう声が、こうした情報に全く疎い私のような者の耳にさえ入る昨今である。言われるところの女子学生のみならず、卒業を控えた四年生の顔色はさえない。食べることに直接関係のない政治腐敗状況には、多くの国民は軽べつのまなざしは向けても怒ることはないが、経済の悪化に伴う日常生活の逼迫した状況には、国民の我慢はそうそう長くは続くものではない。
 こうした意味からも、改革法案を早急に処理して、当面、国民が願望する諸問題に本腰を入れてほしい。そうでなければ政治的無関心、ポリティカルアパシーと言われるものは一層増長されるであろう。ひいては国政の活力を失わしめることは言うまでもない。多くの民衆不参加の政治的土壌が今日の政治腐敗を生み出したのである。
 この意味で、政治改革の真の目的は、国民代表にふさわしい政治家を生み出す制度づくりである。この際、立法府は国民の側に立って考え、国民本位の立法づくりに果敢に取り組んでほしい。
 次に、個別的な点に入ります。
 共産党を除き、小選挙区制と比例代表制とを組み合わせた並立制の導入を柱とする選挙制度の改革を初めとする政治改革法案は、政府・連立与党と自民党の案とが、総体的に言って政治資金関係以外はかなり接近してきたと私は見る。
 今でも、現行の中選挙区制をそのままにして、強力な腐敗防止法を制定して政治腐敗に対処すべしという有力な考え方がある。しかし、中選挙区では政策を抜きにした情の選挙となる部分が余りにも多い。その情の化身ともいうべき利益誘導に容易に陥りやすく、それがため、実際政治がひどくゆがめられてしまうことが多いのである。この制度にこうした救いがたい部分が内在している限り、幾ら防止法をつくったとしても、抜け道のみが先行してどうにもならないのである。
 では、それにかわるどういう制度をというところから出発し、与野党で一致したのが並立制である。
 ここで付言すれば、中選挙区制のもとには、真の政治好き、いわば政治青年とか志のある者が中央政界に打って出ることができた。そこには壮烈なロマンさえ感じられたが、並立制ではほとんどこうしたことはかなわぬことになる。
 並立制が実現すればどうなるといった見通しは、ここでは述べる必要はないであろう。既にこの点では一致を見ているのであるから。
 ともあれ、政治のロマンをいわば奪った上に成り立つかもしれない政党本位と言われる並立制のもとでの政党は、そのかわりに、政党の持つ本来的な人材発掘機能をよく発揮して、有能な人材を真剣に見出す努力をしてほしい。このことをよく全うした政党のみが今後は伸長できる制度でもあると言える。少なくとも、そうした展望を抱かせる方向に動き出す可能性を秘めた制度であることは確かであろう。
 次には、総定数、小選挙区及び比例代表の定数とその選出単位、投票方法について述べます。
 私は、選挙制度に限らず、この改革案全般について双方が歩み寄るしかないと考えます。これを妥協と言うならば、近い将来政界再編成必至となろうことから、そうしたことも視野に入れて当然であろうが、改革断行という観点から現在の立法府が英知を尽くした妥協の結果の数字ならば、それは今日の政治家が創出した作品として尊重すべきだと考える。
 実際には、地元山梨県では小選挙区の定員が一体二名になるのか三名になるのかといったことにもなろうけれども、そうしたことは選挙区画定審議会に全面的にゆだねるしかない。ただこの際は、政闘、政党の闘いのみならず、互譲の精神が肝要であろう。きょうの敵はあすの味方といったことがいつ起きても不思議ではないような政治状況をおもんぱかれば、なおのことであろう。選ぶ側にしてみれば、平易でわかりやすい制度がよい。
 総定数については、政府案でよいのでは。他国と比較しても決して多いということはなく、現行との切りかえもこの数字の方がスムーズにいくことは確かであろう。
 比例単位については、いわば道州制的な考え方に沿って考えてほしい。かつての選挙制度審議会答申に見られたような全国十一ブロック案なども大いに参考になろう。私は、ブロック単位にするのが今日の実情にかなうものと考える。今や住民の生活空間も都道府県の枠にとらわれないようになってきているし、その意識もそれにつれて変化してきている。
 有権者も、都道府県単位では小選挙区とかわりばえがしないと言うのでは。全国単位では広過ぎて親しみがわかない。ブロック単位くらいにして、各地から人材を見出し登載することがよい結果を生み出すような気がする。
 私は、政治改革と言うとき、現状の参議院が衆議院のてんぷら院と言われて久しい状態を嘆かわしく思う。現状では跛行性の特徴が全く失われてしまっている。二院制が機能していないというところに今日の政治の悪化のもう一つの大きな要因がある。政治改革案が実現すればなおのこと、その選挙制ゆえに両者の跛行性は薄れる。
 いずれにしろ、参議院の大改革も急務に違いないが、このことはさておくとしても、この際の改革を機に、衆議院独自においても院内部にあって抑制作用が働く制度になることを期待したい。特に、比例代表による代議士がいわば質の政治を担えるような形である。この意味で、重複立候補ができるこの制度はよいと思う。どうしてもこの人は党に必要な人物というときなど、この制度が生きてくる。
 大学には推薦入学制度というのが近年ではふえているが、一つには、かかる入学生によって活性化がなされるであろうというねらいがある。その入学定員の比率ということになると、選挙定数と同一には論じられないが、入試のみはきちんとやられなければならないことは当然である。一票制では、憲法に言う「正当に選挙された代表者」に、比例代表選出議員は当たらないことになる疑いが強いのではなかろうか。
 次に、戸別訪問について述べます。
 訪問の時間帯のことなどは別にして、全面的に解禁されるべきだと思う。諸多の権利が説かれる現代法の中で、公職選挙法は禁止規定のみがやたらと多くて、このことが全く暗いイメージを抱かせ、選挙は怖いという観念ともなって政治参加に対して萎縮させる要因となっている。性格上やむを得ない面もあるが、戸別訪問をも同一に羅列的に扱っているのはおかしい。戸別訪問の解禁となれば、政治への親しみは倍加しよう。
 誤解されると困るが、私は、訪問時に、政党のマーク入りに限るが、ごくごく廉価な記念品といったたぐいのものであれば配布は認められるという、いわばこのくらいの解放度があってもよいと考える。贈答社会とも言われる国情に照らして現実的であろうと考えなくもない。いずれの制度も国情を無視しては首尾よくいくものではない。国情の配慮は立法の常識である。
 解禁となると煩わしいのではないかとか、プライバシーが侵害されるのではないかといった懸念を抱く向きもある。確かになきにしもあらずであろうが、非難を受けるようなことを重ねる候補者、政党は、その印象が悪くなり、逆効果を招くことになろう。それに、今どきそうした運動員を拒絶できないような有権者は余りいないのではないか。政党本位、政策本位の選挙戦とは言論戦ということであるが、戸別訪問はそのための最大の武器である。第一義的な観点を抜きにして枝葉にとらわれることなく、この機会に解禁を強く期待したい。
 また、大学などで政治の勉強などをすれば、その実践を行いたくなるのも自然であろう。改革案にはないが、選挙権を有する年齢を満十八年以上の者と、その引き下げを行うことによって、政治的インパクトも及ぼすから、このたびの政治改革と全く無縁であるわけがないと思うのだが。戸別訪問にもこうした若者たちが参加できるようになればという期待感から、ここで言及させてもらいました。
 次に、政治資金と政党への公費助成について述べます。
 私にとって、政治献金といえば、江戸時代の商人の、商売ができるのも武家が太平の世の中をつくってくれているおかげで、冥利に尽きるという意味からの冥加金を思う。いわゆる資本主義政党の成り立ちからも、こうした性質の献金が主要な政治資金であったことはうなずける。また、政党は政治資金についても自助努力が望ましい。
 この意味合いから、政党のみならず、個人に対する献金も節度あるものであればよいとも考えるが、自制がきかなくて今日の腐敗を招くに至ったのであるから、お金が絡んだ事件により失われた信頼は余りにも大きい。また、資本主義政党云々の政治状況は、近年に至って一変したと言ってよい。
 こうしたことからも、団体の持つ自律性に期待して、政党への献金のみが認められ、個人への献金は認められないとする与党案にくみしたい。
 政党への献金も、古代の貴族による律令制のもとで、国司たる者は、部内の人民と取引することなど、癒着を回避する幾つかの強い規制があったように、現今社会にもこうしたことを当てはめて、国や地方公共団体の仕事が比較的多い企業からの献金は受けられないといった規定をぜひとも盛るべきだ。
 なお、無所属議員については政党助成の恩恵が受けられないのであるから、大筋自民党案のような方法で認められてもよいのではないか、そういったことも考えております。
 その政党助成については、政治教育、啓蒙機能などをより一層発揮してもらうためにも認められてしかるべきであることは当然であるとして、その趣旨を訴えることによって、金額において上回る与党案であるが、国民の納得が得られないとは考えない。なお、地方議員などについては、不都合のない形で認められる方向で考慮してほしいと思う。
 時間の関係もありまして、以上でございますが、話し言葉をそのまま原稿にしたものでございまして、何分まとまりを欠き、大変恐縮いたしております。
 御清聴ありがとうございました。
#352
○前田座長 どうもありがとうございました。
 次に、白倉政司君にお願いいたします。
#353
○白倉政司君 山梨県議会議員の白倉政司です。所属は自由民主党であります。
 政治改革調査特別委員会の先生方、連日御尽力をいただき、国民の一人としてまず心から敬意を表したいと思います。また、山梨・甲府で公聴会が開催されますことは大変ありがたく、しかも陳述ができますことを大変光栄に思っておるところでございます。
 さて、日本も大変豊かな国家になってまいりました。いわば国破れて山河ありという状況から、復興に努力した時代もありました。そしてまた高度成長の時代もあったわけであります。そして、幸か不幸かバブルがはじけました。
 言ってみれば、これまで全力で走ってきて、時にクラッチを踏んでみた、ブレーキをかけてみた、そしてお互いに右を見たり、左を見たり、後ろを振り向いてみたならば、余りにも失ったものも多かった。それは、時に日本人としての心の問題であり、そしてまた環境の問題もそうでありましょう。教育に福祉に、またしかりであります。そういういろいろな課題を抱えている中にあって、政治の問題もまたしかりだと思うわけであります。
 そんなことを考えたときに、政治改革は、バックギアはもう許されない、どのようなギアを早く選択するかという時期に来ていると私は思うのであります。
 国民の政治に対する不信感が頂点に達している今、改革の基本姿勢は、政治と国民意識、政治家と国民をいかに近づけるかにあると考えるものであります。しかも、早急に政治改革の実現をすべきであるとの立場に立って、以下、意見を述べたいと思います。
 なお、山梨県議会も、将来の政治、選挙制度のあり方について、全国でいち早く国へ向かって意見書を提出させていただいたということも申し添えておきたいと思います。
 まず、選挙制度についてであります。
 選挙制度は言うまでもなく民主主義の根幹をなすものでありますが、現行の中選挙区制は、同一党派の候補者間のいわば同士打ちが避けられず、制度疲労を起こしていると言われております。したがって、政党中心、政策本位の選挙の実現を図ろうとすること、これは私も極めて理解できるところであります。
 言うまでもなく、衆議院議員の選挙は結局総理大臣をつくることになります。国民の政権選択の意思が明白に示されることが必要であります。したがって、小選挙区の比率を高めて民意の集約を図るべきだと思います。また、別の角度から見るならば、国民にわかりやすく、候補者の顔が見えるというのか、選挙民が直接候補者を選ぶことができる制度を中心に位置づけ、改正してほしいと思います。
 よって選挙制度は、小選挙区主体、小選挙区定数の割合を高めることが欠かせないと私は思います。
 次に、比例区についてであります。
 政府案では、その候補者を、政党作成の名簿、いわゆる中央ですべてを決めようとするわけで、今の参議院比例区と同じく全国単位としている点は、国民の政治離れに拍車がかかることは確かであります。地方分権に文字どおり逆行するし、この上なく中央集権的であります。
 多くの政治家、世論が、地方分権、地方自治の確立を公言しているのであります。国の最高決定機関である国会、その衆議院議員を、それぞれの党本部で、有権者の意思とは違うところで決めてしまうということがよいものでしょうか。比例代表の区域を都道府県単位とすることにより、有権者に身近な選挙になるのでありますし、地方分権の確立が近づくのであります。
 また、我が国における衆参二院制の意義と特性を考慮した場合、衆議院においては比例代表の区域を都道府県単位にすることにより、地域の実情にふさわしい、しかも参議院の比例区とは異なる特性を持った選挙制度とすることができるのではないでしょうか。
 次に、政党助成制度についてです。
 政治と金、選挙と金、現実的問題です。健全な民主主義を実現するコストとして、政治活動に対する公的助成制度は適当な措置であると思われます。
 ただ、今回の政府提案は、政治家個人に対する企業献金を全面廃止する裏腹に政党助成の必要性を述べておりますが、結果的には国会議員だけの公的助成になっていてまことに残念であります。地方政治家にどう資金運用されていくのか、いや、中身は地方政治家の政治活動費等が無視されているのであります。
 本日は御出席の八人の派遣委員の先生方がおられますが、聞くところによりますと四人の先生方が、県会議員、府議会議員経験者であります。地方政治家は政治活動費をどのように調達すればよいのか、教えてほしい今の心境であります。
 御存じのとおり、地方議会は政党にとらわれない多様な対応を求められていることに加え、八田村の村長も今お話しのとおり、地方議員の大多数、首長に至っては九〇%が無所属と言われております。しかし、政党を通して政治資金が配分されるのは政党要件を満たす政党に所属する議員のみであり、地方政治家は無所属議員が多く、この議員たちには配分されず、極めて不公平であります。
 国会議員だけ特権階級的に位置づけて政府提案されていると見えるのでありまして、許されてよいはずはありません。この批判は、ちまたの大きな声であります。政治資金規正法の改正とも関連して、地方公共団体の首長や議員の政治活動についても当然担保できるよう制度的に明確に位置づけるなど、何らかの配慮がなされるべきであります。
 さらに、政治資金の問題であります。
 政治資金は、国民の自発的意思によって献金されるのが大原則であります。一連の政治腐敗事件は確かに企業献金が引き金となって起こったとも言えますが、現実問題として政治活動に一定のお金がかかることも先ほど申し上げたとおりであります。
 企業も団体も日本国家を形成している一員であるにもかかわらず、政府・与党は、企業や団体の献金は悪、個人献金は善と主張しておりますが、断定はできないと思います。企業も団体も政治参加を保障されるべきものであり、企業・団体献金の全面禁止を直ちに行うことは問題が大き過ぎると言わざるを得ません。
 政治資金の収支の透明性を高めるとともに、罰則の強化を図るなどの腐敗防止策を講ずる中で、公的助成制度とのバランスを総合的に考慮しながら、一定の認めはあってほしいと思うのであります。
 個人献金は、欧米人と違って、日本では口で言うほどまだ現実性は薄いと思います。企業・団体献金の全面禁止は、当然、国・地方を通じた一体的な規制であることを思うとき、くどいようですけれども、地方政治家の政治活動等における影響が極めて大きく、政府案は実情を無視した改革案と言わざるを得ないのであります。私は、長いスパンで見ると、今もお話があったのですけれども、金持ち以外は政治家になれない、手を挙げるなにならないか、大変心配であります。
 次に、戸別訪問について一言だけ申したいと思います。
 対話・スキンシップ型に政策を訴えるには有効な選挙運動で、期待もできますが、一方では、悪質な買収、利益誘導等、実質的な不正行為の温床になることが懸念されていると言われます。確かにその感がいたします。
 私も余り難しいことはわかりませんが、選挙をしたことがある身として、選挙のときはそうでなくても猫の手も借りたいほど忙しいのが候補者であります。選挙はお互いさんでありますので、無用不当な競争は避けて、さらに忙しくなったり大変になる方法、戸別訪問の解禁は余り考えない方がよいのではないかと率直に思います。
 終わりに、政治改革は国・地方を問わず最重要課題であり、選挙制度の改革にしても、政治資金、腐敗防止、政党助成制度にしても、すべからく国の問題であると同時に地方の問題でもあることは言うまでもありません。
 政治は最高の道徳、確かにわかります。また、そうありたいと思います。しかし、それゆえに、政治に関係する諸規制、諸法律が余りにも美し過ぎないか。例えば、法定選挙費用は現実的ですかと国民から問われたり、批判を受けるのであります。本音と建前、裏と表、時に永田町の論理等々、国民の常識と距離が出てしまいます。国民と政治がますます離れてしまうのであります。
 このたびの一連の改革が、公平公正にすると同時に、国民と政治家、国民意識と政治というものがますます接近できるような、またあわせて、実行できる改革となりますよう切に希望します。政治改革の実現は国民だれもが待ち望んでいるところであります。
 ところで、この公聴会が開かれる前から、政府筋から、修正だ、妥協だ、十二日だと報道されております。それも結構だとは思いますけれども、公聴会の位置づけに疑問が出てくるのであります。
 いずれにしましても、国民の生の声を聞き、全国で開かれるこの公聴会の意見が大きく反映され、国会において十分論議を尽くし、また、地方のこういった要望に十分耳を傾けていただきまして、今国会において実現されますよう切望して陳述を終わります。
 ありがとうございました。
#354
○前田座長 ありがとうございました。
 次に、風間徹君にお願いいたします。
#355
○風間徹君 御紹介をいただきました公認会計士の風間でございます。
 まず、私の個別的な意見を申し上げる前に、前提条件としまして、自民党提出の政治腐敗防止法案と申しますか、これは政府提出の四法案に含まれる部分が多いと理解いたしまして、政府提出の四法案を基礎に意見を申し述べたいと思います。
 もう一つ、絶対的な制度というのはあり得ないと思いますので、この制度が永久的に維持されるべきではないし、また、先生方にも再改正に弾力的に対応していただきたい、こういう前提で私の意見を述べさせていただきます。
 まず、公職選挙法改正案の関係でございます。
 一番目に総定数の問題でございます。
 政府提出が五百名、自民党が四百七十一名、現行が五百十一名ということでございますが、私の意見としては、少なければ少ない方がよろしいのではないかということでございます。
 その理由といたしましては、最近の税収不足とか税制改正論議の盛んな点にかんがみましても、政治コストはできるだけ圧縮されるのが望ましいのではなかろうかということでございます。しかしながら、この際に国政と地方行政の関係を整備していただいて、それに見合うような形で圧縮をお願いしたいということでございます。
 次に定数配分の問題でございます。
 これは、政府提案ですと二百五十名、二百五十名で百分の五十でございまして、自民党提案は比例区百七十一、小選挙区三百で百分の三十六という割合で選出することになっております。私は、どちらとも言いにくいとは思いますが、政府案の方がベターと考えておるものでございます。
 その理由としましては、今度の政治改革は政党、政策を政治選択の中心とする制度改革であると思いますが、小選挙区の候補者に対する個人的支援の要素というのは、選挙である以上必ず残るのではなかろうか。つまり、個人の人気投票とか私どもが郷土力士を応援するといったような性格のものは必ず残ってくるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 それともう一つは、例えば今後出てまいるであろう消費税の税率の改正の問題なんかにおきましても、個人への支持と政党への支持が乖離する、相反するという場合が大いに考えられるわけでございまして、つまり、個人と政党とどちらも選択できるというような、均衡のとれた、両方の意見が反映されるような制度がベターでなかろうかと考えるものでございます。
 三番目に投票方法についてでございます。
 政府提案は二票制、自民党提案は一票制ということでございます。私の意見といたしましては、二票制とすべきではなかろうかと考えております。
 これは、先ほどの定数配分で申し述べました個人支援と政党支援が相反する場合に、民意を反映するためには二票制度の方がよろしいのではなかろうかということでございます。
 二番目の理由といたしましては、政党ファッショと申しますか、政党独裁という危険性を防止するためにも、一人の有権者が、相反すると申しますか、個人と政党をそれぞれ選択できるというような制度がよろしいのではなかろうかと考えるものでございます。
 四番目に選挙運動でございます。
 まず戸別訪問については政府提案は容認、自民党は禁止、あいさつ状については政府提案では禁止、ポスター掲示は自民党案は禁止というような規定になっておろうかと思います。
 これについて私の意見は、あいさつ状とかポスター掲示、並びに電話の応援依頼の禁止というのも含めて、戸別訪問の方は容認してよろしいのではなかろうかと思います。しかしながら、これは脱税と同じでございまして、買収とか供応に対する罰則はぜひ厳罰の方向で検討していただきたいということでございます。
 この理由としましては、これは私はうわさでしか存じ上げないのですが、山梨の場合、特に買収の事犯が多いというような話を承っておるところが一つの理由でございます。
 二番目に、環境とか景観保護、選挙費用の抑制の面から、ポスター掲示、あいさつ状の配布というのはやはりやめていただいた方がよろしいのではなかろうかと思います。また、個人あっての政党でございますから、戸別訪問というのは必要であろうと思いますし、マスコミの媒体を活用した公報を充実する方法で、あいさつ状、ポスターの禁止という規定を盛り込んでいただきたいと考えておるものでございます。
 最後に比例代表の単位でございます。
 政府提案は全国レベル、自民党は都道府県ということでございますが、私の考えでは全国レベルが望ましいのではないかということでございます。
 この理由といたしましては、都道府県単位比例とすると、敗れた政党を支持した票が死に票となってしまうわけでございまして、民意が反映されるといいながら実は反映されないという結果になってしまうのではなかろうかということでございます。現状では情報がほとんど全国均一に享受できる環境にございますので、広域である方がベターであろうかと考えておるところでございます。
 ちょっともう一つ言い忘れました。政党要件というのがございましたが、これは自民党提案で、全国三十人以上の候補者擁立も含めようではないかという意見でございます。私は、この要件緩和の点につきましては賛成と考えておるところでございます。
 理由は、歴史的にも新党を願望するというのは周期的に発生してくるものでございまして、また環境変化に対応するためにも、柔軟な制度というのはどうしても必要ではなかろうかというふうに考えております。
 それでは二番目に、衆議院の選挙区画定審議会もしくは委員会の設置法案関係でございます。
 この機関の設置先というのが、政府提案は総理府、自民党提案は衆議院ということでございます。私の意見としましては、これはどちらでもよろしいのではなかろうかと考えておるところでございます。
 この理由としましては、例えば政府の専制とか密室の決定というような弊害が出てきたら、最初にお願いしましたように、速やかにこれを是正する改正を行っていただければよろしいのではなかろうかと思うわけでございまして、現状では私はどちらでもよろしいのではなかろうかというふうに考えております。
 次に、政治資金規正法の改正案の関係でございます。
 個人政治献金につきまして、政府提案では禁止、自民党提案では選挙運動に限り容認というような提案がなされておるようでございます。これにつきましては、私は、限度額の合理的な設定もしくは献金の公開方法の厳格化を前提として、少額献金は認めてもよろしいのではなかろうかと思うわけでございます。
 この理由といたしましては、後ほど申し述べます政党助成法が成立しても個人の選挙資金というのは必要でございますし、助成が政党に交付されましても配分方法は現状では不明であるということでございます。
 二番目は、個人に献金することによって、政党への支持とか政治への参加というような、いわゆる選挙民の政治に参加する、そういう気持ちを高揚させる効果があるのではなかろうかと思うわけでございます。
 それでは、最後に政党助成法関係につきまして意見を述べさせていただきます。
 まず、交付金の額でございます。
 政府提案は一人当たり三百三十五円の総額四百十四億円、自民党提案は一人当たり二百五十円の三百九億円ということでございます。これにつきましては、私は、少ないにこしたことはないというのは最初に申し上げたところでございますが、現状ではどちらがいいかということは申し述べられないということでございます。
 理由を申し上げますと、政党主導によって政治活動とか選挙活動が行われた際のコストというのは、現状では不明ではなかろうかということでございます。それともう一つは、仮に政党に助成が行われても、各地方への配分額というのはまだ未定でございますので、どんなふうになるのかわからないものですから、助成は必要であろうが、どちらか好ましいかということはちょっと現状ではわかりません。
 最後に、私の職業柄、会計士をやっておりますので、使途の報告、公表等の措置につきまして公認会計士の監査ということが盛られておりまして、大変ありがたいと思うわけでございますが、この点について若干意見を申し述べさせていただきます。
 これにつきまして、例えば報告先がどうなのかという問題がございます。これが政党に対する報告ということになってしまいますと、私ども、会社に対して監査報告を出すのと同じでございまして、意見に対して外部の信頼性並びに個人の独立性を保つのが難しいという問題が発生してまいります。
 二番目に、報酬をいただく先でございますが、これにつきましても、政党からちょうだいするということになれば主従の関係になりまして、これはまた、制度の効果を果たして担保できるかどうかという問題が出てまいります。
 もう一つは、責任の問題でございます。監査報告を提出するのはよろしいわけでございますが、この責任はどこまですれば明確になるのか。つまり、使途を制限しないというふうに書いてありますので、私ちょっとわからないのですが、要するに証憑との突き合わせさえすれば済むのか、それともその使い先に問題があった場合に私どもが責任を負わなければいけないのか、この辺も明確にしていただかなければ監査の実効性並びに信頼性が維持できないと考えておるものでございます。
 最終的に私の結論として申し上げますと、いずれの案にせよ、今度の制度改革を早期成立させていただく、また施行していただくということを心より願うものでございます。
 一つは、小選挙区の早期導入というのは、私今回、裏側と申しますか、ある候補者の選挙運動を見たのですが、労力とコストの削減の面、時間的制約がある中で非常に有効な選挙運動というものを行う面、そして候補者と地域の密着ということを考えますと、ぜひとも小選挙区制というのは大切ではなかろうかと考えました。
 また、最初に申し上げましたように、絶対的に永久的な制度は存在しないものでございますから、改定にぜひ柔軟であっていただきたいと考えております。
 三番目に、これは本当の最後でございますが、政治資金の透明度を高めていただければアプローチはどういう方法でも結構でございますので、何とぞ早期に今度の改正案を成立させていただきたいと願うものでございます。
 長いこと御清聴ありがとうございました。
#356
○前田座長 ありがとうございました。
 次に、齋藤左文吾君にお願いいたします。
#357
○齋藤左文吾君 私は、自由民主党から推挙された陳述人の齋藤であります。
 私は政治家ではありません。一国民、一庶民として、しかし、長い間選挙運動を通じて政治活動には意欲的に取り組んだ経緯があります。ですから、政治の動向には強い関心を持っております。このたびの政治改革の問題について、ある程度具体的に意見を述べます。
 まず最初は、選挙制度の問題であります。
 第一は、小選挙区と比例代表の問題であります。
 今度の四つあるいは五つの改正案を貫くものは政策本位、政党中心ということであります。政府案も自民党案も、底に流れる点は同じであります。地方の問題については今いろいろ意見がありましたように今後十分検討していただくとして、事衆議院の選挙の問題については、これはいわゆる政策本位、政党中心ということで貫いていくべきである、こう考えます。
 こういう観点からすれば、小選挙区比例代表並立制というのは、並立制で小政党の意向やそういうものを反映させるという点ではベターな制度であろうというふうに考えます。
 第二は、総定数と、小選挙区、比例代表の定数の問題であります。
 総定数は、自民党が出しておる四百七十一名も論拠がないと言えばないのですが、これは公選法の本則四条に正確に規定してあります。現在の五百十一というのは、これを四十名もオーバーしておるわけです。
 この四百七十一が五百十一になった経緯は、御案内のとおり三倍以内に抑えるために人口がふえた選挙区をふやしていった、緊急避難的にふやしていったという経緯であります。これはこそくな案です。根本的に今度変えるという段階に立ち至ったら、やはり原則の本則に戻すべきである。もう一つは、余り議員が多くない方がいいという国民感情が底流にございます。
 ですから、今度の改革はいわゆる末梢的な改革ではないのですから、根本的な改革だから、この際やはり本則へ戻すのが私は正しいと思う。
 それから、小選挙区と比例代表の問題は先ほどからもいろいろ意見が出ていますが、二百五十、二百五十という数は非常にいいわけです。しかし、比例区に比重がかかると、少数党の分立傾向、二大政党の実現がしにくい面が出てくることは言うまでもありません。
 衆議院は政権選択の意思集約の場だ、これを念頭に置かないと、論議が非常に散逸してしまうわけです。だから、あくまでも小選挙区にウエートを置くべきで、比例代表はそれをカバーする、こういう意味が至当であろうというように考えるわけです。最近の外国の例を見ますと、この八月、イタリアでは比例代表を廃止しました。イタリアは万年の小党分立で、いつも政権が不安定であったという経緯があります。
 それから、比例代表の選出の単位の問題であります。
 これは政府案によりますと、現行の参議院の比例区と全く同じ。参議院の比例区についてもいろいろ今批判がある。むしろ昔の全国区の方がよかったじゃないかというような批判もあります。これを引き写してそのままやるということであれば、問題がある。ですから、先ほども話がありましたように、地方の県民、都民、運民の意向が反映する身近な選挙だという意識を持つためには、単位は都道府県にすべきであると考えます。
 投票方式の問題についてはいろいろ問題がありまして、一票制あるいは二票制という問題については、憲法上の問題があるというようないろいろな批判があります。二票制の論拠もある。しかし、やはり一票制の方がより二大政党につながり、先ほども言いましたように政党選択、政権選択の意思が明確に表現できる、こういうふうに考えます。
 選挙運動の問題については、今一番問題になっているのは戸別訪問の問題であります。
 政府案は戸別訪問を自由にしています。戸別訪問自由という意見もかなりあります。しかし、戸別訪問が自由になると、政策本位の運動というよりも日本的な人情論、例えば候補や夫人がわざわざうちを訪ねてきてくれた、こういうことに対する感激。また各家庭によっても、各選挙で波状的に戸別訪問されると有権者が、何というか、静ひつ性、プライバシー、各家庭でも困惑をするんじゃないかと思うのです。
 それに買収の問題だって否定できません。買収というほどでなくても、何かプレゼントを出すとか、そういうことだって不可能ではありません。これはやはり、戸別訪問は禁止した方がベターであると考えます。
 それから次は、衆議院議員の選挙区画定審議会の問題です。
 これは大変いい制度であって、政府案も自民党案も、所掌事項、作成基準、勧告の期限というのはみんな同じです。それから、その組織も自民党案と政府案は同じで、国会議員以外の人七名を選ぶとなっている。これは大変いい制度だと私は思うのです。
 ただ、設置、任命の問題に差等があります。政府案は、総理府に置き、任命は内閣総理大臣。自民党案は、衆議院に置き、任命は衆議院議長となっています。これは税制改革などと違って衆議院のいわゆる選挙区の画定審議会であるから、衆議院に置いても差し支えないと思う。なお、もちろん委員は国会議員以外ですから、どこへ置こうが公正中立という点については問題ない、こういうように考えます。
 次は、政治資金規正法の一部を改正する法律案について。これは自民党では別個に出していまして、政治資金改正法と公選法の二つから成っています。
 政府案は、政党もしくは政治団体への寄附は許して、個人の候補者は全面禁止ということです。自民党の案は、政治家の資金調達団体を二つだけ認めて、それに一つ二十四万円までは許容しよう、こう書いています。
 会社、団体等も一つの法人格を持っている。個人が選挙資金を出し、選挙運動をするように、会社、団体だって一つの法人格を持っているのだから、私は、適正な政治活動というのは認められてしかるべきだと思うのです。
 ただ問題は、透明性の問題だとか適正さの問題です。会社や団体というものが政治への発言力、影響力がなくなるというようなことは、これだけ会社、企業、団体等が多数ある現在の社会の構成からいって、会社や団体が政治活動できない、制限されるというようなことは、現在の社会制度、社会のあり方からいって問題があると思うのです。
 これに伴って、政府案では、個人の政治献金については税制上の措置がなされている。ところが、企業や団体に対する法制的な措置はなされていないのです。ですから、これは一つの法人格を持っていますから、企業や団体が法人格に基づく適正な政治活動をやる場合においては、当然企業や団体にも税法上の特別措置を個人と同じようにすべきである、こう考えます。
 それから罰則の問題がありますね、いわゆる連座制の強化です。
 政府案も自民党案も、親族、あるいは今度は秘書まで加えるというようなこと、これは両方見るべきものがあるというふうに考えます。ただ、自民党の案では、公職中に収賄罪に問われた人は実刑期間プラス五年間は公民権が禁止されているのですよ。立候補ができない。私は、これの方がベターだと思いますね。政府案の方ではその規定がない。収賄であれば実刑プラス五年間という自民党の案の方が厳しいわけですから、これはよりベターであると私は考えます。
 最後に、政党助成法案であります。
 政党の交付金の問題でありますが、政府案は、この算定基礎として一九八九年から九一年までの平均値をとって、その三分の一助成にしている。したがって、一人三百三十五円、約四百十四億円となっています。各国の例を見ても、ドイツは百五十八円、フランスは百二円、オーストリアが百二十八円です。三百三十五円なんというのは列強の中にはない、外国にはありません。
 自民党案の方は、一九八六年から八九年までの平均値をとっている。八九年から九一年というのは選挙が多くて、非常に選挙費用がかかった年なんです。だから平均値をとると多くなるのです。これは二百五十円で約三百九億円ということですから、自民党の案の方がベターであると思います。
 それにも増して、国民感情からは、公費の助成はできるだけ低く抑えた方がいいという感情が底流としてあります。こういう点をぜひ御理解をいただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#358
○前田座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#359
○前田座長 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北川正恭君。
#360
○北川委員 きょうは陳述人の先生方、本当にお忙しいところありがとうございました。また、貴重な御意見を賜りまして、感謝いたしたいと思います。大変ありがとうございました。
 大木陳述人にお聞きいたしたいと思うのです。
 一票の格差是正で、重さの問題ですが、一対二ということでございます。今度の区割りは、飛び地をつくらないとか行政区画は分けないとか、あるいは歴史とか伝統とか地域性を重んじるというような原則があって、そして分けていく、こういうことになるのですが、逆に、二百五十では本当に一対二でいけるかというとほとんど不可能だ、こう言われているわけでございます。
 したがって、二百五十で一票の持つ重さの格差が開いた場合にはどうされるか、どうそれをとらえられるかということですね。今格差一対二の範囲内でということをおっしゃったものですから、そのあたりを少しお聞きしたいなと思います。
#361
○大木敏夫君 お答えしたいと思います。
 私も先ほどは注意してそのことを申し上げたと思うのですが、一つは、そういう原則を設けたことをできるだけ生かしてほしいということを申し上げたと思うのです。ですから、今回の改革に当たって直ちにそれを実施することを要望した、あるいは求めたわけではないわけです。
 政治の現実というのはそうではないということも承知をしております。しかし、少なくとも政府案においても自民党案においても、そういうことを提案として明記しているわけですね。ですから、それに向かって、それが早急に実現されるようにぜひ御努力をいただきたいということを申し上げたわけでありまして、今御指摘のように即そういう問題が起こるとは考えておりませんので、御理解いただきたいと思います。
#362
○北川委員 はい、わかりました。
 それでは茂野陳述人にお聞きしたいのですが、確かに選挙運動が怖いとかかたいというのは本当にそうだと思うのですね。それで、戸別訪問解禁となりますと、今度の政府案でも自民党案でも対象が四十万人、五十万人になるわけですね。そうすると、一体これは現実的に本当に可能なのかどうか。二十五歳の立候補者と八十五歳の立候補者ですと、もう自動的に二十五歳の体力のある方が勝つのかなとさえ思います。確かに、選挙を明るくしたり参加しやすくしたりする意味で、いずれは戸別訪問は解禁の方へ行くのだろうと私は思います。
 そこで、大学の先生でありますからぜひ学生さんに、ディベート教育といいますか討論を中心とした教育、あるいは子供のときからそういった選挙なり政治に参加できるような雰囲気づくりということ、学校の方で意識的に何かそういうことで御努力をされているのかということも踏まえて、お聞かせいただきたいと思います。
 あと風間先生に、今、ずっと続けてきた中央集権を地方分権に変えていこうという流れが全体にあると思います。今度の選挙制度もそういうことが含まれていると思いますが、そういうときに制度として、例えば比例制を本当に全国単位にしてふやしてしまいますと、中央集権的な意味合いが出てくるのかなという気がするのです。
 例えば議員定数にしましても、山梨が五名から二名に落ちざるを得ないというようなことになると、ついつい人口集中の東京であるとかあるいは大阪であるとか名古屋であるとか、そういったところへ集中してしまうということになりますね。そうすると、やはり都道府県単位、せめてブロック単位というようなことまでしておかないと、現実の政治としては機能しないのではないかなという気がするわけです。
 細川総理が地方分権とおっしゃられるなら、そのあたりぜひ御理解をいただきたいのですが、そのあたりの御見解を承らせていただきたい、そう思います。
 これぐらいでまず一遍お聞きしたいと思います。
#363
○茂野隆晴君 今の戸別訪問に関してと、それに含めて十八歳への選挙年齢の引き下げですが、私は、十八歳に引き下げるというようなことは、今はやっていないのですけれども、かつて政治学の講義を担当したことがあるのですが、そういった概論書にも書いたことがあるのです。
 大学教育、政治学とかは一年生、十八歳ぐらいから始まりますし、運転と同じように、やはり習った以上はすべてやってみたいというふうなのは人情だと思いますね。ですから、政治運動と言ってはなんですけれども、まあ政治運動そのものをやる学生もいるわけですが、要するに選挙運動、あるいはまた有権者として参加したいというふうなこと。
 まあ実際の数においては今実現しないというようなこと、前から言われていることもあるのですけれども、実際になかなか実現しないということは、要するに対象年齢の者がそういった声を上げないということですね、当然。また、政治家からも引き下げようというふうな声がほとんどと言っていいくらい出なかった。しかし、国によっては十八歳からのところもあるようです。
 私自身、さっきも言いましたように最近では政治学の担当をしておりません。ただ、一年生の基礎ゼミというのがあるのですが、社説などをなるべく読むようにということもありまして、そういった習慣を、要するに中立というか、特別偏ったというふうなことはできるだけ避けるような姿勢でもって接しております。
 戸別訪問自体には、さっきも言いましたように全面的に、あるいはまた、国情を酌んだかどうかちょっとはっきりしないのですが、私なりに、国情を酌んだ戸別訪問はよろしいのじゃないか、そういうように考えております。
#364
○風間徹君 先ほど全国と申しましたのは、全国か都道府県単位かという相対立する考え方がございますね、そういうところで全国の方が望ましいというわけでございまして、一番の眼目は先ほど申し上げたように、相反する意見を持ったときに勝った負けたでできるだけ死に票にならない、つまり意見が反映されるような方策ということでございまして、北川先生おっしゃられたようにブロック単位という方法でも私は結構ではなかろうかとは思っております。
#365
○北川委員 もっと進めて、都道府県単位で山梨から国会議員の数を減らさないというのは。
#366
○風間徹君 先ほども言われたように、国会議員二人になる可能性も大いにございますので、そうなるとちょっとせつないなというような考え方でございます。
#367
○北川委員 白倉陳述人にお聞きしたいのですけれども、齋藤村長さんの方がいいのかもわかりませんが、公的助成と絡めて、特に政令指定都市、県レベルまでは所得控除は当然認められておりますし、今度の政府案では税額控除も入れるというような話です。ところが、一般の市町村長さんなり市町村会議員さんには認められない。こういう前提になりますと、確かに御努力いただいて定数を減らしていただくのも事実でございますけれども、定数割れで減らしたという現実も私はあると思うのですね。
 そうしますと、公的助成によって縛られるということと対比する意味合いにおいても、一つは、現実的な対応として限度額を決め、あるいは透明性を確保した上で、企業献金というのは認めるべきだと私は思います。
 もう一つは、政令都市あるいは県以上のレベルは認めて市町村の場合には認めないというところは、中央と地方、あるいは地域間格差というようなことは大いに是正すべきだと思いますが、助長するような格好はいかがなものか。せめてそういったときに、議員の、個人の政治活動が自由になるような献金というものはぜひ入れるべきだ、こういうふうに私は思いますが、その見解をお尋ねしたい。
 さらには、企業は、商法もございますし監査対象にもなりますから、本当に透明性の確保をすれば、むしろよりきれいなものになる。個人はチェック機構がございませんから、多分白倉先生、いろいろな個人的な頼みをされたときに、現金でなくとも、何かお菓子というような贈答文化的なことを背景にしながら、間違いがむしろ起きやすいのではなかろうかというようなことも僕は思います。
 したがって、そのあたりについて、現実の政治を日々御苦労いただいている身から、詳しくといいますか、どうぞ現実に照らし合わせて御意見承れれば、このように思います。
#368
○白倉政司君 私は率直に言って、税法上の優遇措置が市町村には及んでいなかったということを今回初めて知ったわけで、むしろ今回このような機会で承知させていただいて驚いたのが現実です。これは全く、先ほどどなたか自民党の立場から申しておったのですけれども、こういった政党助成法とか政治資金の問題の中で連動して、一緒に、ぜひとも市町村にまで税制上の優遇措置を拡大すべきだというふうに思います。
 そうでなかったならば、くどいようでありますけれども、上からの流れをとめられて、そして下からもそういった優遇措置がないということになってくると、先ほど私が陳述したがごとく、ますます地方の政治家、市町村長、市町村会議員を含めて動けなくなるではないかというふうに思うわけでありまして、ぜひひとつこの辺についても、当然優遇措置を拡大していただきたいと思います。
#369
○齋藤公夫君 ただいま白倉先生もおっしゃったように、私ども町村という地方の立場で政治をしておりますと、政治活動を一生懸命すればするほどやはりある程度政治活動資金というものは必要になってくるわけであります。ですから、そういうものに対して、ただ個人だけでの活動資金ということになると、どうしても制約されてしまう場面もあります。
 さらに、支援してくれる人の立場を考えたときにも、やはりある程度の税制の優遇措置等々がとられておれば、献金等に対しても理解をしていただけるわけでありますが、それが政令都市は認められていても町村の分野がなぜ認められないのか。同じ政治を担当する立場からすれば、政令都市も市町村の組織も全く同じ問題じゃないかという不公平さを実は感じておる一人であります。
 ですから、これらを考えたときに、ある程度公営的な政府による活動援助というものもあってしかりだというふうに思うし、それによってまた責任ある政治活動に専念できるというふうに私は考えておるところであります。
#370
○北川委員 齋藤左文吾先生にお聞きしたいのですが、衆議院と参議院と二院があって一つの国会を構成していると思うのですね。そうしますと、もし衆参同時選挙があって、二百五十、二百五十で二票制というようなことになると、衆議院か参議院か国民の皆さんはこんがらかるのではないかと思うのですね。
 したがって、先生は今、国民の意思の集約をして政権選択、こういうことだと御意見を承ったわけですが、やはり衆議院と参議院と、憲法制約がありますから今の状態ではお互い両方ともなくすわけにはいかないといったときに、参議院との違いは私も必要だろうと思います。そのあたり、政治に強い御関心を持たれる立場から、もう一回お聞かせをいただけたらと思います。
#371
○齋藤左文吾君 先ほども私申し上げましたように、今度の改正案の比例代表制度というものが、参議院の比例とは人数は違いますけれども、制度、内容はほとんど同じですね。やはり全国単位である、それから、上の方からドント方式で名簿順に選ぶ。
 だからその点、参議院でも最近いろいろ比例区の問題について参議院独自の検討課題になっているわけですよ。同じことを衆議院と参議院がやるということになると、両院の独自性というようなものがどこで明確になってくるのかなと私は疑問を持ちました。
 それで、ではそのやり方についてどういうように差別をつけるかということですけれども、参議院というのは、昔の全国区、今の比例区というようなものがあるウエートを持って存在してもいいと私は思います。衆議院に余り参議院と同じような制度、内容のものを、フィフティー・フィフティーにウエートをかけると問題がある、こういうふうに私は考えるわけです。
 これは参議院でもいろいろ問題があって今検討中ですが、私は、衆議院の方は小選挙区にウエートを置いて、比例代表区はそれを補完する、現時点ではそういう立場でいいのではないかというふうに判断をいたします。
#372
○北川委員 私もそう思いますね。二百五十、二百五十でフィフティー・フィフティーにしてしまうと、参議院で検討中といってもどちらにもウエートをかけられないから、参議院は検討する必要はなくなってしまうという心配をして実はそんな質問をしたわけでございます。
 話を変えまして、私も、今度の政治改革の中の特に選挙制度で、小選挙区比例並立を入れて、ひょっとするとこれは改悪になる可能性もなきにしもあらずだなという思いを一部持ちながら進めさせていただいています。しかし今回、中選挙区制が七十年続いてきまして、腐敗が連続して起こった。
 戦後、右肩上がりで、高度経済成長可能な状態で貧しさからの脱却なんかを目指してどんどんと右肩上がりに上がっていきますから、年金の問題も解決できたし、あるいは所得減税もできたとかいろいろなことができましたが、右肩下がりといいますか、高齢化を迎えて活力はなくなる、あるいは高賃金を確保したものですから、中国や東南アジアとは違って、給料が絶対的に安くならないという状態。
 あるいは、日本が輸出で一人勝ちしたら、これまたジャパン・バッシングという日本たたきで右肩下がりということも覚悟しなければいけない状態のときに、やはり政治家が、まず国会議員が襟を正すことは当然必要だということからやるべきだ、こういうことを思っております。
 また、制度を変えることによって国民の意識革命を引き出すということも必要な時期に来ていると思いますが、結果、一対一の選挙になれていない、ディベート、討論が比較的不得手な国民性を考えたときに、多少危険なこともある。
 したがって、政治家、国会議員はもとよりでありますけれども、国民の皆さん方の意識も変わっていただくためのさまざまな方策をやっていかなければいけない。両々相またなければ本当の意味の改革につながらないだろう、そう思います。
 大木さんもおっしゃったと思いますが、私は、結局は連座制を強化いたしまして腐敗防止を徹底して、公民権の停止とか立候補の制限とかを厳しくして、秘書とか家族とかいう範囲を設けずに、支持者の皆さんが禁錮刑を受けられたら当該候補者は当然そこで公民権停止というところまでいかないと、先ほどの贈答文化とか日本の歴史、風土、いろいろありますけれども、それを断ち切らぬ限りは今度の制度改革はひょっとすると危険性があるな、こう実は思っているわけでございます。
 立法府にある者が司法当局に調べられたりということは、司法当局の方が政治の世界とか国民感情を本当に全部理解しているかといったらいささか世界が違うと思いますから、三権分立からいってもおかしいとは思いますが、それにしても、調べられるということ自体は我々が本当に猛烈な反省をしなければいけない。
 すなわち、立法府にある者が自浄能力が発揮できるようなシステム。それは相対的なものですから、我々も当然先に襟を正さなければなりませんが、国民の皆さんの意識革命もなければこれは完成をしないわけでございます。
 そこで、私は、本当に腐敗防止を入れて連座制を強化していくというふうにしなければいけない、こう思いますが、それぞれの代表の先生方でございますのでお二人に代表していただいて、このあたりの御見解をお伺いしたいと思います。
 大木さんと齋藤村長さんにお尋ねをしておきたいと思います。
#373
○大木敏夫君 お答えします。
 先ほども私は意見の中で述べさせていただきましたように、北川委員が今お話しなさいましたようにいわゆるモラルの向上ですね。モラルというときに、単に政治家だけではなくて、もちろん責任ある地位にある皆さんですからまずそれをはっきりしていただかなければなりませんが、同時に、選挙する側としての国民総体のいわゆる政治的なモラルというものも同時に引き上げられなければ、幾ら制度的なあるいは法的なものがあったとしても実効は上がらないということについては、全く同感であります。
 政治改革そのものがそうした裏づけといいますか、あるいは私どもの考えでは単なる裏づけというようなものではなくて、政治倫理の向上とかモラルの向上というのは核心部分であって、それをどう実効あらしめるかという意味でいろいろな手だて、手段というものが考えられるというふうに思っておりますだけに、今お話しいただいたことは全く同感でございます。
 ぜひひとつ、私どもも努力いたしますけれども、議員の皆さんの方も格段の御努力をしていただければというふうにあえてお願いをいたします。
#374
○齋藤公夫君 ただいまの北川先生からの御質問にもありますが、私どもも政治に籍を置く一人として、選挙になりますと、我々はやはり公明選挙をもって選挙をやろうという意思のもとに選挙活動をするわけであります。
 しかしそれに反して、やはり一般選挙民の意識というものが政府の考えるような方向で一緒に歩んでさえくれれば、そういう醜い、金のかかるような選挙は生まれてこないというふうに実は思うわけであります。しかしどうしても、選挙制度だけを変えても国民の意識というものが変わらない限りは、また同じことが繰り返されるということも十分考えていかなければならない問題であります。
 ですからこの点、私たちは、選挙に選ばれる立場の罰則強化、選挙違反等々の場合の罰則強化というものは厳しくやることが当然だと思うし、それによって、選挙に選ばれる人の意識と、それを取り巻く陣営の人たちの意識も変わってくるのじゃないかというふうに実は思うわけであります。
 それとあわせて、やはり国民の、選ぶ側の意識も変えていただけるような行政指導もしていかなければ、これもまた何にもならないことになりますので、おっしゃられたような形の中で、罰則は厳しく、公平な選挙ができるような形で推進が図れるようにひとつまたお願いもするところであります。
#375
○北川委員 どうもありがとうございました。終わります。
#376
○前田座長 次に、白川勝彦君。
#377
○白川委員 時間の関係で二、三点ずつまとめてお伺いしたいと思いますので、ちょっとメモをとっていただきたいと思うのです。
 最初に、白倉公述人の方にお尋ねを申し上げたいと思います。
 山梨県の県議会議員も、例えば甲府市のように大きなところでは複数選ばれる、すなわち中選挙区であるわけですね。それに対して、多分小さな市や郡では一名しか選ばれないという小選挙区が文字どおり同居をしておるわけであります。
 これは収支報告書その他によっても明らかになろうかと思いますが、お互い議員仲間の中で、中選挙区の議員は大変活動費がかかる、それに比べると、一人しかいない、すなわち小選挙区のところの県議は選挙費用がかからないというようなことが俗に先生方の仲間同士の中で言われているのか、あるいは確たる根拠があるのかどうか、そんなところをちょっとお聞きしたいなと思うわけでございます。
 二番目といたしましては、非常にすばらしい御指摘をされたと思うのは、日本人は戦後一生懸命やってきたけれどもいろいろ忘れてきたものもある、政治をどうしたらいいかということを忘れてきたのではないかというようなことをおっしゃった。
 私も共感するところが多いわけでございますが、同時に、であるがゆえに、私も三十歳で衆議院に出ました、白倉公述人も随分若いうちに議会に挑戦されたのではないかと思いますが、決してそれに対して日本国民は手をこまねいていたわけではなくて、また我々若者は手をこまねいていたわけではなくて、今の政治を変えようということでかなり挑戦してきたところもあるのじゃないかと思うのです。
 そういう中で、政治が沈滞したり腐敗したりするのは制度の問題なのか、それとも人の問題なのかということでいろいろな人の議論があって、今衆議院で行われているのは、最終的には制度がだめだと個人が努力してもだめなんだという発想があるわけでございます。
 ただ、私は個人的には、制度は制度として大事である、しかし、どんな制度をつくっても人なくしてはだめだということをいつも思っているわけでございまして、国民が、今の制度がだめだから、もうこんな、例えば白倉先生を選んだって日本の政治は変わらぬなどという白けた気持ちがあるだろうか。
 あるいは国民の側から、今の衆議院の中選挙区制というのはひどいものだ、選挙運動をやっても、投票に行くにしても、何ともつまらないものだ、どうにもならぬという声が果たしてこの十年、二十年の間に実は出てきたのだろうか。この辺のところを実践を踏まえてお伺いしたいと思うわけでございます。
 最後になりますけれども、第三点は、私は、政府案をとりましても、まあこれは自民党案も同じなんで、政党本位、政策本位という一見だれもが否定できないような命題なのでございますが、若い者が地盤、看板、かばんがない中から、県議会とか、あるいは衆議院も含めて結構挑戦してきて、かつ、窓口があったと思うのでございます。
 例えば、山梨のように五人区の場合でしたら、投票した人だけをとらえると全有権者の一〇%にいかなくとも衆議院議員になれた、こういう一つのチャンネルがあったわけでございます。ですから、中選挙区制というのは言うならば比例代表という意味も非常に込めていたわけでございますが、そのチャンネルがなくなる。しかも政府案のように三%条項がありますと、これからの若い者たちは、全国から二、三十万人集めて当選しようという道も三%条項で完全に断たれるわけでございます。
 こういうように政党が前面に出てくる制度、そして、いやそういう人がいたら政党がそういう人を発掘すればいいじゃないかと言うけれども、やはり既成政党というのはしょせん既成政党でございまして、そこではだめだと思うから挑戦する若者がいるわけです。そういう道が閉ざされるということに対して、お互いに若い政治家として、自分たちの世代は出てこれたわけですが、後の世代の若い人たちの民主主義の芽を摘むということは、私は、何としてもこの制度改革の中で与野党ともに真剣に考えなければならないテーマだと考えているわけでございます。
 白倉さんにはこの三点についてお伺いします。
 まとめてお聞きすることにいたしまして、次に齋藤左文吾公述人にお聞きしたいと思うのでございます。
 元職が校長先生なので、むしろ国民一般的な感じを出されるかと思ったら、極めて実践的な御意見を出されて非常に参考になったのですが、本当に示唆に富むと思うことは、政策本位、政党本位ということであるならば、現実には、各種の選挙で行われる戸別訪問というものが政策を訴える戸別訪問に実際なるだろうか。それよりも、どちらかといえば、何でもいいからとにかく頼む、もう二度三度戸口で頼むということになるのが当たり前だろうと思うわけでございます。
 政策本位、政党本位というならば、むしろ、私も経験いたしましたけれども、かつてあった立会演説会の復活というようなことの方が本来でいう政策本位、政党本位の争いになろうかと思うのです。それらを言わないで、戸別訪問の解禁は政策の伝播のためにいいんだ、こういうことになるわけでございますが、私はそうはならないと思うのでございます。むしろ執拗な連呼、あるいは本当に必死な、とにかく頼むというようなことにしょせんなるだろうと思うのですが、その辺、いろいろ選挙に携わられて、経験上お話しいただきたいと思うのです。
 それから、地方の議員数を減らすということを本当にみんな各市町村やっておられるわけでございます。先生は根本的改革とおっしゃいましたが、我々は抜本的政治改革と言っておるのです。抜本的政治改革をする中で、この制度改革も決して個々の政治家にとって痛みが伴わないとは言いませんが、そんなのは候補者個人の話であって、やはり定数をどうするんだ、一割やそのくらいを減らさぬでどうするんだということは素朴な感情としてあろうかと思います。
 現実に地方議会などではそういうところをやってこられたのに対して、国が、五百人だって十一名減らしたと言えば減らしたのですが、相場感というのはありますよ。逆に私なんか、自民党案をつくるときも、四百名ぐらいに削減しなければだめだぞと言った一人なんですが、助成法との絡みでその辺の素朴な、例えば五百十一人を五百人にしたという程度で本当に国会議員が血を流したという感覚が国民にあるのかどうか、先生の考え方あるいはまた国民の声をお聞かせ願いたいと存じます。
 八田村長には、ちょっと難しい問題なのであらかじめお聞きしておきたいと思うのですが、ゼネコン汚職ということで、今は知事とか市長が多いわけでございます。俗に言うといわゆる首長さんが大変疑惑の対象になっておられるわけでございます。私、これは無理からぬところがあると見ているのでございます。
 なぜこうなったかといいますと、首長さんといえども一方では選挙をやらなければいけないわけでございます。昔のように任命制ならいざ知らず、選挙をやらなければいかぬわけです。ましてや、県知事選というようなことになれば相当規模のお金がかかることは当然でございます。ところが、法律上は、首長となりますと大統領制でございますから広範な職務権限があるわけですね。何も建設関係だけじゃなくて、すべてのことに職務権限があると言って過言でないわけでございます。
 ところが、一方国会議員の場合は職務権限というのがないわけでございまして、例えば同じようなお金を受け取ったとしても、ほとんど職務権限がないという形になってくる。
 腐敗防止法は両党とも出しているわけでございますが、私は、今回のこのゼネコン汚職を看過して我々政治改革を論ずるのは恥ずかしい、こう思っておるわけでございます。我々国会議員、あるいはこれは当然のことながら地方議員にも及ぶわけでございますが、収賄罪ということは直接できないかもわかりませんけれども、公職選挙法に公務員の地位を利用しての選挙運動はしてはならないとかというのがあります。
 それと同旨のように、議員が法律上、もしくは法律上直接職務権限がなくても、関連することに関して金員を受け取ることを何らかの意味で処罰するという根本的な規定を設けないことには、首長は収賄罪でどんどん捕まる、ところが、同じような金をもらっても国会議員というか議員はほとんど捕まらないという、非常にアンバランスな傾向が出てくるのではないかな、こう思うわけでございます。
 八田村の村長さんでございます齋藤公述人はそういうことは全くないと思いますが、同じ同僚である首長がああいう事件に巻き込まれた中で、首長という立場にあってただでさえ厳格に気を使っておられると思うのですが、こんな問題について、同じく選挙をやらなければならない首長と議員とが余りにもアンバランスではないか。ここを何らかの意味で与野党で埋めずして、ただ選挙の規定をきつくしただけで腐敗防止をやったなんということは、国民は絶対許さぬと私は思うのでございます。
 その辺についての御意見なり御感想がございましたらお聞かせ願いたいと思います。質問だけ先に述べましたが、多分このお答えをいただくと私の持ち時間がなくなると思いますので、御意見を承りたいと思います。
#378
○白倉政司君 どの程度御期待どおりの答弁ができるかわからぬわけですけれども、率直に話してみたいと思います。
 まず最初に、山梨県の県議会の場合に、中選挙区といいましょうか複数区、そしてまた一人区の場合にどんな政治状況か等々ということだと思います。
 そういう意味からすれば、確かに先生御指摘のとおり、甲府を初めとした複数区で大勢になるほど、さっき私もお話ししましたとおりいわば同士打ち、言ってみれば仲間同士の票の奪い合い、勢い日常活動の活発化という問題につながってくるわけであります。したがいまして、確かに複数区ほど、しかも大勢の定数のところほど日常活動が、いいにつけ悪いにつけ活発になっていることは確かな現状として見えるわけであります。
 では、かといって一人区がどうかと言われますけれども、一人区の場合は、何といっても自分が与えられた任期の間に実績を積んだり立派な政治活動を踏めば必ず評価される中で、とかく無投票だとか、あるいはまた選挙があったにしても有権者がそのような評価をしていただけるということは確かにあろうと思います。一方、激戦になると言うまでもなく大変厳しい選挙になることは確かだと思いますけれども、平均的にならしてみれば、小さい選挙区というか数が少ないほど金がかからないだろうということは言えると思うわけであります。
 国政選挙まで言及するのはどうかと思いますけれども、小選挙区になった場合でも、今度は政党中心の選挙になってくるわけですので、そういう意味からすればなおさら、事お金の問題に関して見ればかからないであろうというふうに思っております。
 また二番目の、言ってみれば政治が停滞している原因はどうなのかというようなお話もあったわけです。大変難しい質問でどの程度答えになるかわかりませんが、制度の問題にしても個人の問題にしても、私ども、国会議員の評価というのはなかなかしにくいわけですけれども、一連の問題がやはり政治不信の中から政治停滞を招いていることは確かだと思います。
 かといって、この倫理の問題、モラルの問題を政治家個人だけの問題に訴えてみても、先ほどお話しのとおりなかなか解決でき得ない問題だ。国民の政治改革、政治モラルの問題と並行して進んでいかなければ名実ともに改革はできないことは確かだと思うわけでありまして、そういう意味からすれば、文字どおり制度の問題も並行していく。
 そしてまた、この制度の問題、先ほど私はきつく言ったわけでありますけれども、制度とか法律は一つの努力目標やら理想目標やらというものもあろうかと思うわけであります。くどいようでありますけれども、その辺、答えになったかどうかわかりませんが、制度とあわせて政治家の意識改革、国民の意識改革という問題も進めていかなければならないと思っております。
 三番目の問題の、政党中心、政策本位というような話、言われればもっともに見える云々という言葉ですけれども、こういった御時世の中で、さっき言った今の中選挙区制度という問題が制度的に疲労をしていることは確かだと思うわけであります。
 確かにさっき北川先生おっしゃったとおり、小選挙区比例代表並立制が即二十一世紀の選挙制度としてふさわしいかというと、なかなか難しい問題があろうかと思うわけでありますけれども、基本的にはこういった形の中で一つの活を与えて、国民と政治家と、また時に制度改革の中で、さっき言いましたとおり政治と国民がより近づくインパクトになればと期待をいたしております。
 以上です。
#379
○齋藤左文吾君 先ほど私、陳述のときにも申し上げましたが、戸別訪問で政策を訴えるという候補者はほとんどないのです。そんなことをしていたら戸別訪問できませんから。戸別訪問というのは、行って、よろしくお願いしますと言って頭を下げる。それで、さっきも言いましたように、候補が来た、夫人が来てくれた、秘書が来てくれたということで評価をするわけですから。
 戸別訪問というのは、決して政策を訴えて理解を求めるものじゃない。特に日中などは主婦とかそういう人たちしかおりませんからね。だから私は、情的な問題が優先することは否定できないと思うのです。戸別訪問というのはノーマルな選挙運動ではない。
 次に定数の問題ですが、政府案の五百というのも第八次審議会の約五百というのをとっていると思うのですけれども、今までの定数是正の経緯を見ると、今までの与党も野党も、まあまあこの辺ならいいだろうと、ふえたところを直して、三分の一、最高裁判所のあれもあるからふやしていって糊塗しよう、こういうこと。
 これは政府だけじゃないと思うのです。与党と野党が同調して、今まで順々にふえてきた。五百十二から五百十一に減ったことは一回ありますけれども、あとは大体ふえているのです。
 だから、この際、相当抜本的な改革ですから、どこへ戻すかということはあれだけれども、一応現在四条に規定されているんだから、そこまで戻すというのが妥当である。
 以上です。
#380
○齋藤公夫君 確かに、我々首長という立場で物を考えますと、ゼネコン汚職のような形で、あのような醜い姿を見ると実は残念に思えてならないわけであります。これは恐らく、さっきおっしゃられたように首長にはやはり職務権限がございます。ですから、結局そういうものにまつわるいろいろな汚職の問題がそこから発生してくるだろうというふうには思うわけです。
 すべての首長というものは、市民から選任されてその責任を負うからには、やはりしっかりとした行政運営をして清潔な政治をしたいとだれしも願っておると思っております。しかし、そういう意思に反して、激しい企業競争の中で、結局その競争の中に首長が巻き込まれてしまうというケースが実は多々あるような気がしてならないわけであります。
 特に、最近、バブル崩壊前のあの高度経済成長期は、地方の開発というものが急激に進んでまいりました。地方には大きな仕事をする企業も育ってこなかった土壌もありまして、そんな形で、結局中央の大企業が競って地方に進出するというような傾向になったわけなんです。そこに企業同士の競争が生まれて、それが結局首長を巻き込むような形になったというふうに私ども実は受けとめておるわけであります。
 たしか、我々を含めて地方公務員は選挙等々に参画できない、してはならないという規定も実はあるわけであります。しかし、公務員も一選挙権を持つ立場を考えると、みずからの意思を行使するという責任もあるわけであります。やはりある程度のそういう活動の範囲というものは認めるべきだというふうには考えておりますが、それが組織として動くことは、私たちも、これはやはり法に反するというふうに思っております。
 またその中で、確かに首長だけがそういう職務権限があるだけにいろいろ問題がまつわってくるわけです。しかし、私どもが地方から見たり、また国会議員等々のいろいろな汚職等の問題を見るにつけ、むしろ中央にいる人たちの万が一つ動けば大きな汚職を犯しておるということでもありますけれども、それが例えば裁判等々になると、職務権限がないということで、結局そのまま見送られてしまうというケースが実は多々あるわけであります。そういうことを考えると、非常に不公平な、残念な気さえするわけであります。
 最近、地方にいろいろな職務権限が移譲されております。そういうことを考えると、地方に権限が移譲されることはむしろ迷惑な問題だとすら私ども実は考えておるわけであります。ですから、そういう意味では、もちろん政治家として犯してはならないことはやはり犯してはならないし、我々若い政治家とすれば、失敗は許されないという一つの信条の中で政治活動に徹しておりますから、全く残念なことであります。
 そんなことで、これから、こういういろいろな汚職等々の問題を機に、やはりお互いに襟を正してやっていかなければならない問題であろうというふうに実は感じておるところであります。
#381
○白川委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。
#382
○前田座長 次に、大畠章宏君。
#383
○大畠委員 日本社会党の大畠章宏でございます。
 きょうは、お忙しい中をそれぞれの陳述者の皆さんに御参加いただきまして、大変ありがとうございます。
 いろいろとそれぞれの皆さんから御意見を賜りましたけれども、いずれにしても、言ってみればごちゃごちゃ言わないでやりなさい、もう決断のときですよ、そういう御意見が多かったと思います。
 いろいろ新聞に出ていますが、海部さんの時代、宮澤さんの時代に続く三度目の挑戦でありまして、これで流れてしまったらもう日本の政治改革はできないんじゃないか、国民からの信頼というものは失墜したままずっといってしまうのではないか、そのくらいの危機感を感じながら、何とかこの国会で成立させるべく、きょう御出席の皆さんは全員そうだと思いますが、きょうの皆さんの御意見を拝聴させていただきました。
 ただ、この選挙制度の問題、政治資金の問題、いろいろ改正法案をお出ししておりますが、その原点は何だったろうか、これを忘れてはいけないと思うのです。ロッキード問題、リクルート、佐川急便事件を通じて、政治家の懐に入るお金、出るお金、その収支が非常に不透明である、そういうことから国民の皆さんの非常に大きな政治不信が広まったのは事実であります。
 したがって、そういう観点から、ちょっとイギリスの政治腐敗防止の基本的な考え方、いろいろありますが、やはり問題があったらその再発防止のための法律をどんどん重ねていった、一〇〇%の法律というのはないかもしれないけれども、八割でも七割でも防げればそれでいいということで、どんどん重ねていったという話も聞いています。
 そういうことから考えますと、いろいろ御意見がありましたけれども、やはり企業献金の問題に対する意識というものをどうとらえるか、これが大変重要な観点かなと思うのです。
 自民党案も与党案も、それぞれ企業献金問題については一定の歯どめをかけようということで一致しているわけでありますが、さきの中央での公聴会でもいろんな御意見を賜りました。
 一つの意見は、企業というものは利潤を追い求めるものだから、したがって献金というものは企業が利潤を追い求めるために出しているんだというような意見。一方では、いやそうじゃないんだ、企業というものは非常に内気なものだから、お金も出さないで口を出すのはいかがなものか、そういう感じでお金を出しているんですというような意見もありました。
 そこで、きょうのそれぞれの陳述者の皆さんのお話を伺うと、いろいろその認識が異なっているようであります。私の父も元校長をやっていたものですから、まず齋藤先生の方から、先ほど企業献金についていろいろありました。しかし、私が申しました、どちらかというと、基本的にもう企業献金に頼った政治はやめようじゃないかというのがこれまでの政治不信を招いた原因を払拭するものになるんじゃないかと思うのですが、それについてもう一度齋藤先生からお伺いしたいと思います。
 また、大木さんの方から、その齋藤さんのお話を伺った感想を含めて、最近はディベートの時代でありますから、ぜひ御意見を承れればと思います。
#384
○齋藤左文吾君 企業献金廃止の問題につきましては、政府案でも中途半端というか、政党並びに政治団体への企業・団体からの寄附は認めよう、しかし五年たったら見直そうと。仄聞するところによると、一度にここで禁止をしたいと考えたが、なかなかそこまでいかないというような経緯があって、五年後に見直すからとりあえず政党、政治団体への企業並びに団体の寄附は容認しよう、しかし個人の政治家に対する企業・団体からの献金は全廃しよう、これが政府案ですね。
 だから、今大畠先生おっしゃったように、企業献金をこの際もし根本的に撤廃するのだったら、一切企業献金撤廃というのがすっきりしていいなというように思います。何か、中をとったような案だと思うのですね。
 自民党の方では、調達団体と言っておりますが、個人に対してはそれを二つだけ、二十四万円だから四十八万円まで認めよう、こういうことになっていますね。政府案だって、政党及び政治団体は最高一億まで認めているわけですね。
 だからその辺が、自民党案、政府案ともそうすっきりしない面もありますけれども、そこは、もしはっきりするならさっきおっしゃったように全廃する、五年後見直しなんというあいまいなことをつけないで、と私は思います。
 資本主義の世の中における会社、企業というものは利潤追求ですから、それはもちろん利益を上げなくては会社をやっていく必要はないのです。しかし、そのほかの団体等については、法人格を持っておる。まあ会社だって法人格を持っておりますが、そういうものが政治資金も出せない、ノーマルな政治活動ができない。それで、個人には税制上の優遇があるが、企業からの献金には優遇がない。今の日本の近代社会において、企業、会社、団体というのをネグレクトして、個人だけということで今の社会が読み切れるのかなというような感じがしますね。
 だから、問題は、今も御指摘があったように、その透明性、出入りをはっきりさせて、そして、ある程度規制すればある程度許容されるべきだ、こう考えます。
#385
○大木敏夫君 今齋藤さんお話しなさったことで、原則的には企業というものの性格、性質を考えてやはりなくすべきだ、しかし現実の問題は、こういうことでありましたから、その限りでは同感するところがあるわけです。
 ただ私は、さらに一歩進めて考えたいと思うのは、企業の持つ性格からして、確かに企業も社会的存在ですから、政治のために何がしかの献金をすることは許されてもいいのではないかという意見もたくさんあることは承知をしています。しかし、確かによい政治が行われるために企業といえども援助をということだけとれば多少筋が通っているように思うのですが、企業の本質からしまして政治的な献金というものは望ましいことではないと私は思うわけです。
 政治献金をする余裕があるならば、むしろ、例えば福祉事業とか文化事業というようなものへ積極的にやっていただく、そして見返りは期待しないということの方が、社会的存在としての企業の本来の姿にもよくマッチするものではないかということを思うがゆえに、企業による政治献金というものは基本的にはやはりなくすべきだというように思います。
#386
○大畠委員 ありがとうございました。
 あと持ち時間六分ということでございますから、いろいろお話ししたいと思ってはおりますけれども、次の質問をさせていただきます。
 そこで、先ほど風間さんから、公認会計士をされている中での感覚も含めていろいろな御意見がございました。
 特に、今回の政府案あるいは自民党案、両方とも公認会計士の収支の監査というものが義務づけられている。しかしその中で、報告先をどこにするのか、それはちょっと不明確なんじゃないかというような御指摘もありました。いわゆる伝票との突き合わせだけでいいのか、それとも、使用方法がちょっと不適切じゃないか、これが公金の使用先としていいのかなというようなものもあるんじゃないかという御指摘もありました。
 そこら辺もうちょっとお考えがありましたら、本来はこうあるべきじゃないかというようなお考えがありましたらお伺いしたいと思うのです。
#387
○風間徹君 お答えいたします。
 実は、私ども監査の業務に従事をしておりましていつも問題になるわけでございますが、例えば日本の企業の監査を行う場合に、代表取締役社長をその報告先にいたしまして、これに対して意見を表明する、それで報酬も会社の方からちょうだいするというようなことがございます。先進国でありますアメリカの場合は、取締役会あてということで全体に出しておるわけでございまして、報酬は社会的コストということで会社からちょうだいするわけでございます。
 その面で考えますと、せっかく新しい制度をおつくりになって私どもを御利用いただくということであれば、当然報告先は自治大臣あてとか、少なくともお国からいただいた補助金はこんなふうに使われておりますということの意見を表明するのが至当ではなかろうか。これは私の考えでございます。
 それで、報酬につきましては、助成金の中から、政党から私どもがちょうだいするということになりますと、これも主従と申しますか業務をちょうだいするということで、これが妥当なのかどうなのか、よく検討をお願いしたい問題でございます。
 と申しますのは、当然のことながら、例えばそれぞれの業務とか難易によって違うわけでございますが、私どもの報酬というのはほかの監査業務を見てもそれほど高額なものにならないはずでございますから、別個の予算措置でお考えいただくという方がベターではなかろうかと思います。
 最後に、監査責任の問題でございますが、何について意見を述べればいいのかというのがどうも法案を読んでおりますとはっきりしないということでございまして、私は、当然のことながら、その責任を負う範囲は、使途まで含めて、助成を受けたお金が政治活動として妥当に使われておりますということに対する意見が表明できるような周辺の基準を明確にしていただきたいと願うものでございます。
 以上でございます。
#388
○大畠委員 ありがとうございました。
 今いろいろ、使途不明金というものも社会的に大変問題になっていますので、やはりそこら辺、委員会の中でもぜひ討論すべき課題かなと思っております。
 時間がなくなってまいりましたけれども、私も元県会議員をしておりました。そういうことから、先ほどのお話、大変よくわかるわけであります。
 それで、最後に白倉さんにお伺いしたいのですが、御自分の政治活動で、言えるところまでで結構ですから、どういう形で政治活動資金を調達しているのか。それから、今回の法案が通るとその調達の道が大分損なわれてしまう、先ほどありましたね、国会議員ばかり、自分たちのことばかり考えているんじゃないかということだったのですが、この法案が通ったときに現在の政治活動資金を集めている中でどのくらい被害があるのか、ちょっとお伺いしたいのです。また、どうしたらいいのか、そういうふうなこともお伺いしたい。
#389
○白倉政司君 私は、極めていろいろな意味で、政治家として日常襟を正しながら議会活動、政治活動をやっているつもりであります。自治省に政治資金報告をしていますし、自分は自分なりに透明的にやっているつもりであります。
 そういう意味からすれば、自分は県会議員の中では比較的地味な方であるというふうに思っておりますが、それでも、その地味な中でも、政治活動費については、いわゆる企業献金の中で政治活動をやっていることは確かであるわけであります。
 そういう意味からすれば、政府が提案されているように企業献金が全面廃止になりますと、それがゼロになるということであります。私は個人的には事業をやっているわけでも何でもないわけでありますので、即、政治活動のパイプが閉められるということでありますので、日常活動ができ得なくなる。
 もっとはっきり言えば、表街道が歩けなくなるから裏道の研究をしなければ政治活動ができないではないかと思うにつけ、先ほど言いましたとおり、長いスパンで見れば、事業をやっているとか金があるとか云々でなければ政治は語れない、政治家としてみれば手が挙がらない、こういう時代になることを心配していると申し上げたわけでありまして、その辺で御理解していただきたいと思います。
#390
○大畠委員 ありがとうございました。
#391
○前田座長 次に、太田昭宏君。
#392
○太田(昭)委員 公明党の太田昭宏でございます。
 きょうは、お忙しい中、貴重な御意見をちょうだいしまして、ありがとうございます。
 早速ですが、今回の選挙または政治改革の法案等につきましては、民意の集約ということで小選挙区制の部分、そして民意の反映、鏡のように映していくという比例制の部分、これをバランスをよくしながら一つの制度にしていくという基本的な考え方を私たちの与党案として持っているわけです。
 自民党の案は比例代表の部分にも非常に民意の集約的な側面があって、私は、三百、百七十一の比率での結果というものは民意の集約を鋭くし過ぎている、ひずみが出るという危険性があると思うのです。参議院と両面相まって考えるということも当然あるのですが、衆議院が優位であるという現状からいきますと、そこのひずみが修正されない。衆議院がしっかりとバランスをとってやることが非常に必要である、こういう認識をしているわけなんです。
 白倉さんも齋藤先生もおっしゃったのですが、参議院の比例区と衆議院の比例区、全国単位ということになりますと同じであるというお話をされました。これは比例ということでいえば同じなんです。しかし、参議院の現在の地方区が都道府県別です。一緒だからだめだという論議であるならば、全く同じ理屈で、参議院の地方区と今回の自民党案の比例部分が一緒になってしまうということが当然出てくる。これは一つの理屈で、私はそれに重きを置いているわけではないのですが、一緒であるということについて言えばそういうことが言えるので、余り論議の対象にならないだろうと私は思う。
 むしろこの比例部分というところに、価値観が非常に多様化しておりますから、そこでそれぞれの人たちの意見をどういうふうに反映するか、一人一人の選挙民の意見をどう反映するのかということ、私はできるだけ素直に反映していくことが選挙制度の一番の基本でなくてはならないというふうに思っております。
 そういうことで、都道府県別ということでやっていきますと、死に票がそのまま修正されないで相当いってしまうというふうに私は考えておりまして、二百五十、二百五十、若干の修正があってもいいのですけれども、かなり比例区に重きをなすという考え方が価値観の多様化した時代には必要である、こういう考え方を持っておりますが、白倉さんと大木さんにお話をお聞きしたいと思うのです。
#393
○白倉政司君 今先生から、私どもの考え方に対して、参議院の地方区の選挙と衆議院の比例区が、都道府県別にやるということであるならば同じではないかという御指摘は、それは御指摘のとおりごもっともなことだと思います。
 しかし、政治家というものは、顔の見えるというか、身近な人から選ぶべきだという基本的考え方の中で私どもこのように申し上げておるわけでありまして、それが、比例区が全国単位ということになってくると、今の参議院の比例区を見れば、非常になじみが薄いことは確かだと思います。
 そしてまた、もっとはっきり言えば、参議院の比例区のそれぞれの先生方が、むしろ国民の方にその心が現に向いているのかしら。政治家というものは基本的に、地域の代表だとかある代表だとか、代表者意識がなければまずいと私は思うのです。そういう意味からすれば、先ほど齋藤先生からもお話がありましたが、今の参議院の比例区そのものも問題があるではないかというふうに個人的には思っています。
 くどいようでありますけれども、政治家は基本的には地域の代表だとかここの代表だとかという極めて代表者意識がなければならないと思うのですけれども、これが全国単位になってくると、この代表者意識というものが極めて抽象的になってくると思うわけであります。
 そういう意味からすれば、さっきも言いました衆議院の特色をあらわしながらの比例代表という意味からすれば、ぜひ都道府県単位であってほしい。それが即、国民やら政治を接近させることにもなるし、代表者意識にもなるし、私どもからすれば選んだ人だという、いわば政治家に対する尊敬の念等々も出てくると思うわけであります。
 そういう意味で、衆議院の比例区についてはぜひ都道府県単位でありたいという意見を陳述したわけであります。
#394
○大木敏夫君 私は、意見の中でも二票制が妥当ではないかということを述べさせていただいたわけですけれども、資料を拝見しまして私ども素人が戸惑いましたのは、今御指摘もありましたように、民意の反映と民意の集約というのは一体違うのか違わないのか、専門的にどういう意味を持っているのかというのは私どもはちょっとわかりませんで、戸惑ったわけです。
 しかし、そのこととちょっと角度を変えてといいますか、私が二票制が妥当ではないかというふうに申し上げたのは、今日までの選挙の実態からしましても、地方区といいますか選挙区における選挙の選択・投票行為、その多くが、どうしても個人的なつながりとかつきあいとか情実、さらには地域の利益をどちらがより代弁してくれるか、あるいは時の天下はどちらかとか、そういうふうなことが優先をされて選ばれるということが選挙区の場合は多いように思われるわけですね。確かにそれも民意だといえばそれぞれの気持ちですから、民意の集約という意味ではそれは一つやむを得ないことだと思います。
 しかし、大原則に掲げております政治改革の中心的なねらいは、自民党案の提案説明の要旨を読ませていただいても、政党政治あるいは政策本位の政治の実現ということをうたっているわけでありまして、前段申し上げたようなことが多く当たるとすれば、やはりそこにおいて、一対一のために生かされなかった政党なりあるいは政策を選択するという意思をまさに反映する場が必要だということは当然だと思うのですね。
 そういう意味で、先ほどお話がございましたように全体としてのバランスをとるという意味ですれば、一対一といいますか、二百五十対二百五十、最終的な総数はわかりませんけれども、仮に全体数を五百と想定しましたときの折半というのも、また前段から申し上げるような意味合いからして妥当なものではないかというふうに思います。
 そうした意味の全体的な政党本位、政策本位の政治を実現するという大前提に立って、今日の選挙の実態、選挙区の実態を考え合わせてみた場合に、繰り返しになりますけれども、やはり二票制の採用というものは大変妥当なものではないか、それから数の配分についても妥当なものではないか、こう考えているわけでございます。
#395
○太田(昭)委員 意見が相当分かれたのが戸別訪問の問題だと思います。
 私、前も何回か山梨にお邪魔したことがありまして、無尽とかいう、私たちにはよくわからないそういう人のつながりが物すごく強いのですね。そういう中での戸別訪問というものは、単に戸別訪問の問題だけではなくて、今までの日本型の選挙というものがこれからどうなっていくのか、また無尽というようなことも含めて、社会の中の人間のつながりみたいなものが一体これからどうなっていくのか、それが選挙とどういう関係があるのかというような幅広いテーマだというふうに、私はここに来まして戸別訪問についてはそうお伺いしたわけなんです。
 私は、戸別訪問はまず原則として解禁ということなんですが、今までいろいろな論議を国会の中でも聞いてきまして、茂野先生のきょうの話は、積極の中でも積極で大変興味深かったのです。
 先生は、どんどん解禁して、むしろ自由にエネルギーをぶつけていって、できたら記念品ぐらいはなんていうことを言って、あえてそこまで踏み込んでいただきましたけれども、私は、記念品ではなくて、それぞれの政党の政策のパンフであるとか、そのセンスも含めて、そういうものでやるべきだと思っているのです。
 また、学生さんと接したりしながら政治離れを非常に痛感しているのではないかと思うのですが、そういう意味では、若い人たちの政治参加とか、あるいは買収が行われるとか何とかが行われるからやめようやめよう、べからずべからずのべからず選挙というのじゃなくて、逆に戸をあけて、そしてオープンにして、どんどん政策を訴えていくという形に持っていった方が、これからの日本の民主主義ということ、あるいは選挙というものを考えた上で大事じゃないかという観点に私は立っているのです。
 その辺につきまして、茂野先生の御意見をちょうだいしたいと思います。
#396
○茂野隆晴君 先ほど北川先生から、贈答文化であるとか国情といったふうなたぐいは断ち切らなければいけないということもありましたけれども、法律自体の根底には国情あるいはまた民俗、文化、そういったものがなければ現実性を持たないと思うのです。
 戸別訪問に当てはめて言えば、記念品のたぐいというようなことも出ましたけれども、私は、記念品といってもマーク入りで銀行が配るような手帳みたいなものであるとか、そういったことを想定しているわけです。とかく日本人は、選挙にかこつけて、一年ぶりだとか、たまに行くのに手ぶらなどうまくないというようなことで、お菓子を心配したりする。
 そういった意味でも、政党のマーク入りのものを持ってきましたよというようなことになりますと、非常に行きやすいかどうかはっきりはしないのですけれども、ともかく何も持っていかないよりは行きやすい。もちろん言論戦ですから、パンフレットも持っていくにこしたことはないわけですけれども。極端かもしれませんが、そういった意味で記念品というようなことが出たわけです。
 要するに、悪質なものが横行するであろうとか、あるいはまた煩わしい、家にどんどん押しかけて、女性もいればお年寄りもいる、病人もいる、いろいろ相手は想定できるわけです。しかしながら、先ほども言いましたようにそれは選挙に限らず断ればいいわけであって、また断っても押しかけるような者には入れない。それが重なりますとそういったことも控えるようになるわけで、自然に淘汰されてくるわけです。
 要するに、では戸別訪問というものをいつまでも解禁しないのか。いつまでとなりますと、悪質なものが終わらなければいつまでもということになるのだと思いますけれども、いずれそういったふうなところに、選挙、政治文化だけではなくして民衆の言論でもってやっていく。
 ですから、そういったふうなものになるには、戸別訪問というのは、やってみなければわからないと言えばそれまでですけれども、非常にインパクトを与えるものであろう。私、そういったことを日ごろ考えているわけです。
 若者なども積極的に参加する政治文化に一日も早く日本の国が成熟してほしい。そういった願いも込めて、もちろん与党は賛成しているわけですけれども、戸別訪問というものを思い切って解禁した方がいいのではないかと思っているわけです。
#397
○太田(昭)委員 質問時間が終了いたしましたので、ありがとうございました。
#398
○前田座長 次に、前原誠司君。
#399
○前原委員 きょうは、お忙しい中、貴重な御意見をありがとうございました。
 三点にわたりまして、お二方ずつ全員の方にお伺いしたいと思います。
 まず、献金の問題について齋藤村長さんと白倉県議さんにお伺いしたいと思います。
 我々さきがけ日本新党としては、選挙を戦うときから企業献金というものは禁止をすべきだろうというふうな話をしていました。というのも、今の政治不信の根幹にあるのはロッキードからリクルート、共和、佐川、ここは金丸さんの地元でありますけれども、そういうふうな問題についてほとほと国民が嫌になってきたということではないかと思います。
 したがいまして、企業が社会的存在である、それはまさにそのとおりでありますけれども、この際、一度そういうつながりを、あるいは不信を持たれているものを断ち切ってスタートしたらどうかという意味で、我々は企業・団体献金は廃止をしていったらどうかということであります。
 ただし、お二方に御質問をするのは、首長をされ、県議をされているわけでありますが、私も京都の府議会議員をしておりまして、無所属でありました。ですから、もし無所属のままこれが出てきたら多分大変だろうなというふうに思うわけであります。ただ問題としては、自分に都合がいい、悪いというところで話をし出すと物事の本質というものはゆがんでくる。
 ですから、ここで私がお伺いしたいのは、企業献金、団体献金は廃止しよう、しかし、では地方議員の方はどうするのか、あるいは首長の皆さんはどうするのかというところで、代替案というものはないのかなと。つまり、例えば選挙の公営化を拡大していくとか、あるいはある程度の実費補償をしていって皆さん方の活動を認めていくというふうなことをすれば、地方議員の方が何%おられる、首長さんの九九・何%が無所属だ、だから企業献金を残すべきだという議論は私はちょっと本末転倒じゃないかなと思っております。
 この点についてお二人のお考えをお聞かせください。
#400
○齋藤公夫君 献金の問題でありますが、我々首長という立場で申し上げますと、確かにすべての政治献金が閉ざされてしまうと政治活動に一つの制約をされることになりかねない場面もあります。今までの企業献金でのいろいろな不正を見ますと、確かにいろいろな問題点はあろうかと思います。
 しかし、企業も確かに社会的存在であろうと思うし、団体等々もそうであろうと私どもも思っております。ですから、企業献金を地方の立場で考えると、完全に閉ざされてしまうことは政治活動への大きな影響があるということを私ども感じてはおります。ですから、むしろ収支報告、透明性というものをしっかりとして、献金の額の制約というものもしっかりとしておくことが大事だろうと思っております。
 そして、企業献金、団体献金をなくして、中央の政党に属する人は政府からの資金援助を受けられるということを考えたときに、では一体首長というものは――私が申し上げましたように首長は大体九九・五%が無所属という立場でありますので、何らかの形で法的な活動援助の道を見出していただきたい。
 また、いろいろな公営化の制度をつくっていただいて、その中である程度の活動に対する道を開いていただきさえすれば、例えば企業献金が閉ざされても私どもは政治家として生きていく道がありますが、現状のまますべてがそういう形で閉ざされると、やはり活動が制約されてしまうということを感じたわけであります。
#401
○白倉政司君 一連の事件の話も出たわけですけれども、言ってみれば、裏献金の問題が話題になった、そしてまた事件も出た、だから企業献金はだめだというのは、私は論理の飛躍だと思います。したがいまして、やはり基本的にどうあるべきかという問題を考えなければ、一時的な感情といいましょうか話題の中で、政治活動ができ得なくなってしまうのではないかということを私は個人的には大変心配をしているわけであります。
 また、急激な変化というか激変は避けるべきであると私は思っております。だからそういう意味で、今回企業献金が全面廃止ということになってくるといかがなものかというふうに言わざるを得ないわけでありまして、どういう金額がいいかという問題は議論がありましょうけれども、一定の企業献金は認めていただきたいと本音として思うわけであります。
 余り議論をして、こうだからああだと言うと、角を矯めて牛を殺してしまうような格好にならないかと心配をしているわけでありまして、基本的には、何とか企業・団体献金を認めていただく中で、先ほど来の話題のとおり、収支報告の徹底、あるいはまた公職選挙法、政治倫理の問題、腐敗防止法の問題等々の中で解決でき得ればと思っております。
 以上です。
#402
○前原委員 ありがとうございました。
 次は、比例区単位の問題について茂野先生と風間先生にお伺いしたいと思います。
 皆さん方のお話を伺っておりますと、メリットとしては、全国単位にいたしますと死票が少なくなる。また、一票の格差の問題で、都道府県単位というのは一対三に限りなく近くなるということではないかと思います。デメリットとしては、地元出身の議員が少なくなってしまうかもしれない、また、全国単位になると議員が遠い存在になってしまう。きょうはそういう御意見がいただけたのではないかと思います。
 ただ、地方分権に逆行するというのはちょっと違うのではないかと私は思っております。どういう点かと申しますと、今の中央集権体制で、例えば山梨は五人の政治家の方がおられますが、五人いて、そして地元に例えば予算を引っ張ってくるというふうなところで頑張っておられるというのは、まさしく中央集権を前提にした上での話ではないかと私は思います。
 ですから、逆に全国単位にして、地元に縛られない方が外交あるいは防衛、マクロ経済というふうに、大所高所に立って日本の政治を考えていただくこともこれから大切なことになって、またそれが一つの突破口になって、システムとしての地方分権というものが細川内閣の一つの課題でありますけれども、そういうものにつながっていくのではないかと私個人は思っております。
 茂野先生、そして風間先生のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#403
○茂野隆晴君 比例区単位についてですけれども、私が申し上げましたのは、今日の住民の生活空間というか生活の場が、一言で言いますと例えば山梨の上野原とかあちらの方は八王子に近い。東京都民の意識にかなり近いのじゃないかと言われておるわけですね。埼玉や千葉あたりでもそういった例があると思うのです。要するに、自分は関東の生まれであるとかあるいは東北育ちであるとかそういったふうに、都道府県に限らずかなり広い。
 それで、全国区は先ほども出ましたように広過ぎるのではないか。都道府県ですと選挙民が小選挙区と同じで余りおもしろくない。そういったこともあるし、それよりも何よりも要するに人材を、ブロック単位でもって人材を比例代表区の議員さんにできるようにしたいということがあります。さらに、比例代表、比例単位から選ばれた人が、とかく衆議院は数の政治と言われているわけですけれども、二院は、三権ではありませんが分権しているわけですね。しなければいけないわけですが、さっきも言ったように余りしていないのですけれども。ともかく、衆議院の中においても分権的に、数の政治でもって景気よく、景気悪いことかもしれませんけれども、牛歩でやろうよというようなことになっても、比例単位で選ばれた先生方が、牛歩はまずいのではないか、議会制に徹しようというようなことで抑制力がきく。そういったことを比例区に期待しているわけです。
 要するに、先ほども言いましたように、道州制というのはこのごろ余り聞かないのですけれども、これからの行政というのは小さな都道府県単位の縄張り意識、セクショナリズムにとらわれない広域行政が非常に大切だと思うのですね。そういったこともありまして道州制、選挙制度審議会が平成二年だったか答申した十一ブロックぐらいが適当という、その辺が参考になるのじゃないかということです。
#404
○風間徹君 お答えいたします。
 先ほど申し上げたこととまた繰り返しになろうかと思いますが、個人と政党の政策が相反するというようなケースが遠からず来るような思いがしているわけです。そういった場合のすくい皿と申しますか、並立制でしかも二票制というようなものはぜひ残していただきたいなという感じでございまして、その際に、これが全国でなければいかぬのかブロックでなければいかぬのかというのは、私は、死に票が少なくなる、減らせるという効果さえあればどちらでもよろしいのではないかというのが現在の考え方でございます。
 以上でございます。
#405
○前原委員 ありがとうございました。
 では最後に、風間先生からも今お話が少し出ましたが、一票制、二票制の問題について大木会長と齋藤先生にお伺いしたいと思います。
 私は、一票制、二票制というのは両方言い分があるだろうと思っております。例えば一票制にすると、先ほどからお話がありますように、民意の集約をしていって政党選挙にするんだということになれば、おのずと政策とそれを訴える人というのはある程度一致をしていなければいけないというふうなことは確かにあると思います。
 ただ、この間も委員会で元最高裁判所長官の岡原先生がおっしゃっていたのですけれども、まさしく先ほど風間先生がおっしゃったように、移行期においては人物と政党というものが一致をしない。つまり、小選挙区、比例代表というものが定着をしてきてある程度固まった状態ならまだしも、今まで中選挙区制で個人選挙に頼ってきた中で、それを導入して果たしてすぐにうまく機能するかなという問題があると思うのです。
 例えば、失礼ですが齋藤先生は校長先生をされていたということで、お見受けしたら非常に義理人情にお厚い方のように見えます。例えば私が先生の教え子で、先生は自民党をがんがんに支援されていた、だけれども教え子の前原が日本新党から出るので何とか頼むということを言ったら、よしわかったというふうなことも言っていただけるのではないかなというふうに期待もするわけでありますけれども、そういった中で、一票制、二票制の問題は、時間軸も入れて議論をしていかなければいけない。
 そういうところについて、今申し上げましたように、小選挙区比例代表並立制を導入した場合に、一票制、二票制のあり方といいますか、今私が申し上げたような時間軸も入れての考えについてどういうふうに思われるか、大木会長と齋藤先生にお伺いしたいと思います。
#406
○大木敏夫君 重ねてのお尋ねなものですから、お答えの方も重なったようなことにならざるを得ないと思うのですが、実は私も関心がありましたものですから、つい先日、政治改革委員会の記事を読みまして、前の最高裁長官の岡原さんの御意見等もなるほどなというふうに改めて勉強はしました。
 しかし、先ほどから申し上げているように、選挙の現実を考えますと、特に山梨の立場から見ますとどうしても選択・投票というものが、政策に同感したとか私はこの政党にぜひ天下の政治をとってもらいたいという思いからその政党の候補者を選択するということよりも、むしろ個人的情実、あるいは地域の出身だから地域のことを何とかしてくれるのではないかという意味の利益誘導というようなことの方が多いということは否めないと思います。
 そうしますと、地方選挙というのはまたかなり違うというふうに私は思いますが、少なくとも国の選挙は、すべての皆さんが強調しますように、やはり国の政治をどうするかということ、あるいはだれにゆだねるかという選択をすることだということになりますと、その選挙区で投じた票が、そういう個人的にやや傾いた思いで投票したにもかかわらず、逆に個人が所属する党への投票だというふうにそのままなってしまう一票制では、これは本末転倒といいますか逆立ちということにならざるを得ないと思うのです。
 それからもう一つは、今度小選挙区になりますと一対一の選挙ですから、仮に七十対三十とか八十対二十のような選挙になったということになればこれはやむを得ないといって割り切りもつくのでしょうが、では五十一対四十九というような選挙に仮になった場合、しかしこれも結果ですから五十一の方が勝つわけです。そうすると、四十九にあるいは他の一、二の政党を足せば、むしろ逆に当選しなかった方が圧倒的多数だというようなことも現実においてはあり得るわけです。
 ですから、そういうものの救済というと言葉はちょっとおかしいと思いますが、適切な言葉が見当たりませんからとりあえず使わせていただくと、救済という意味、まさに民意の反映という意味からも比例区というものはぜひ必要なものだ。
 ただ、岡原さんがおっしゃったように、長い将来、もしそういうギャップというか、ずれというか、ミスマッチというようなものがかなり解消されてきて、国民の政治意識も上がってきたというような状況の中で、先ほどどなたかもおっしゃられたように法律は不変のものではないわけですから、したがってそういう事態がきちんとつくられる状況が見通せれば、これは手直しするということはあってしかるべきだと思うのです。
 しかし、繰り返しになりますが、現実ではそれはかなり遠い将来ではないか。したがって、この二票制をむしろ定着させることの方がよりベターではないかというふうに思うということなんです。
 以上です。
#407
○齋藤左文吾君 この一票制、二票制の問題は、一票制が善で二票制が悪とか、こういうような立場ではないと私は思うのです。一票制、二票制の問題については、両方とも視点によって特質がある、こう判断すべきです。
 だから、二票制の場合は、有権者の選択の自由やあるいは異なった考え方の人に投票する機会を与えるという意味であれば、二票制がベターです。一票制の場合は、前からちょっと言いましたように、できるだけ二大政党で強力な政権ができるようにする、そして、衆議院であるから政党を選択する、政権を選ぶ、こういう意味からするとやはり一票制の方が望ましい。
 一票制、二票制の問題は、二票制が完全によくて一票制はだめだとか、そういう価値判断ではないと思う。視点によって、二票制の方がベターである、一票制の方が望ましい、こういうことなんです。
 ですから、できるだけ二大政党に近づけていく、外交的にも対外的にもできるだけ強力な政権を誕生させる、そして衆議院の性格上、政権を選択する意味が非常にウエートが高いということであれば、これは小選挙区の定数と比例制の定数との差にも連動するわけです。そういうように見た方がいいというふうに私は考えます。
 以上です。
#408
○前原委員 ありがとうございました。終わります。
#409
○前田座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述者の方々におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、深甚なる謝意を表する次第であります。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後四時八分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の長野県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年十一月十一日(木)
二、場所
   長野ロイヤルホテル
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣
   提出)、衆議院議員選挙区画定審議会設置
   法案(内閣提出)、政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(内閣提出)、政党助成
   法案(内閣提出)、公職選挙法の一部を改
   正する法律案(河野洋平君外十七名提出)
   、衆議院議員小選挙区画定等委員会設置法
   案(河野洋平君外十七名提出)、政治資金
   規正法の一部を改正する法律案(河野洋平
   君外十七名提出)、政治腐敗を防止するた
   めの公職選挙法及び政治資金規正法の一部
   を改正する法律案(河野洋平君外十七名提
   出)及び政党助成法案(河野洋平君外十七
   名提出)について
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 前田 武志君
      北川 正恭君    白川 勝彦君
      中川 秀直君    額賀福志郎君
      大畠 章宏君    太田 昭宏君
      前原 誠司君
 (2) 現地参加議員
      若林 正俊君
 (3) 政府側出席者
        自治省行政局選
        挙部管理課長  山本信一郎君
 (4) 意見陳述者
        日本労働組合総
        連合会長野県連
        合会長     松田 章一君
        長野県議会議員 清水 重幸君
        上田商工会議所
        会頭
        全国青果卸売市
        場協会会長   堀  謙三君
        長野市議会議員 鈴木  清君
        農     業 小林 信夫君
        長野県中小企業
        団体中央会会長 和田 守也君
     ――――◇―――――
    午前九時三十分開議
#410
○前田座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の前田武志でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、よろしくお願い申し上げます。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することといたした次第でございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席いただきまして、まことにありがとうございます。今後の審査の参考に資するため、忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。
 まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆様から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員からの質疑にお答えいただくこととなっておりますので、よろしくお願いいたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党・自由国民会議の北川正恭君、白川勝彦君、中川秀直君、額賀福志郎君、日本社会党・護憲民主連合の大畠章宏君、公明党の太田昭宏君、さきがけ日本新党の前原誠司君、以上でございます。
 なお、現地参加議員として若林正俊君が出席されております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 日本労働組合総連合会長野県連合会長松田章一君、長野県議会議員清水重幸君、長野市議会議員鈴木清君、農業小林信夫君、長野県中小企業団体中央会会長和田守也君、以上の方々でございます。
 なお、本日御出席をお願いしております堀謙三君は、都合により出席がおくれておりますが、間もなくお見えになる予定でございますので、その際、改めて御紹介いたします。
 それでは、松田章一君から御意見をお願いいたします。
#411
○松田章一君 委員各位の手元に私の申し述べます要旨についてお配りをさせていただいておりますが、参考にされながらお聞きをいただければありがたいと思います。
 まず、私の基本スタンスといいましょうか、基本的な姿勢について申し述べさせていただきたいと思っております。
 今、一つ一つ具体的な事例を言うまでもありませんけれども、いわゆる政治腐敗がきわまりまして国民が非常に怒っておりまして、まさに頂点に達している、こういう状況ではないかと思います。本来尊敬されるべき政治家に対してもうあきれ返っている、こういう状態が率直な現状ではないか、こう認識をいたしております。
 けさの新聞にも出ておりましたけれども、連日のいわゆるゼネコン汚職報道、そしてまた逮捕されたある首長は、これ以上ほっておけば日本じゅうの首長はいなくなるだろう、こういうことを言い出すという状況がございまして、もうどんな政治家の名前が新聞やテレビに出てもびっくりしない、こういうのが今率直な状況と言ってもいいのではないか。世界の歴史的な常識とされております政権の交代がなければどんな立派な政治家がいても、そしてまたどんなすぐれた頭脳を集めても、権力は必ず腐敗する、こういうふうに言われているわけでありますけれども、今ようやく我が国でもそういう状態を目の前に見ている、こういう状況ではないかと思います。
 細川連立内閣が成立をいたしまして、その最も大きな力は、政治改革を望む国民の声が反映された、こういうことだと思っているわけですが、政権交代可能な選挙制度と腐敗防止を徹底的に確立をする、そういう要求というものは国民的な声と言ってもいいのではないかと思います。我が国では、思いがけないことが起きることをひょうたんからこまというふうに言うわけでありますけれども、決してこれはひょうたんからこまということではなくて、我が国の政治も、従来型の政治ではなくて新しい政治、新しい国民の期待にこたえる、そういう枠組みをつくってほしい、こういうふうになってきていると思うわけでありまして、ようやく我が国の政治も脱皮のときが来ている、こういうぐあいに言ってもいいのではないかと思います。
 新しい選挙制度は、現行中選挙区制にかわりまして小選挙区比例代表並立制というふうに提案をされてございます。いろいろな議論がありまして、恐らく、党の命運にかかわるというような議論がありますように、与野党を問わず物すごい痛みを伴うものでございますけれども、腐敗し切った政治を追放し、政治の信頼を確立するたった一つのチャンスとぜひ考えてほしい、各党がそういう意味で協力し合って、ぜひこの国会で法案の一括成立を図ってほしいということを念願するわけです。少なくとも、我が国の政治に関係をしている政党は、そのために一生懸命努力する責任があるというぐあいに認識をいたしております。
 そして、今空前の不況の中で国民が大変苦しんでおりますし、とりわけ勤労者の追い詰められたような心情については御理解をいただけると思うわけであります。ぜひ国民の前で急いで景気回復のための審議を行っていただきまして、国会も立派な仕事をしている、こういうぐあいに映るようにぜひ努力をしてほしいということをお願いしたいと思うわけです。
 これは、新聞のことですからいろいろ言っても仕方がありませんけれども、きょうあたりの新聞では、もう公聴会が終わってしまったかのごとく、どんどん政治改革に関する議論が詰められているみたいに書いてあります。新聞は必ずしも本当のことを言っていないというふうに思っておりまして、多分私どもの意見が尊重されたことになるのではないかと思っておりますが、そういうようなことをちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 自民党案と政府案、両方が衆議院の調査特別委員会から私のところへ資料として届けられました。目方にいたしまして三キロ、厚さが十センチ、私はそういうものを見るのは初めてですから、これはえらいことになってしまったなと。とても時間的に読みこなすというふうに必ずしもなっておりませんので、欠けているところがあるかもしれませんけれども、申し上げてまいりたいと思います。自民党案それから政府案を両案というぐあいに表現させていただきますけれども、両案についての私の見解を申し述べてまいります。
 まず、どんな選挙制度でも欠点のないものはない、こういうふうに言われているわけでありまして、そういう意味では、民意を反映する制度として比例代表制を基本とする制度が一番望ましい、私はこういうぐあいに考えております。
 もちろんいろいろな意見がある中で、提案されているのは小選挙区比例代表制なんですが、小選挙区制というのは少数意見が切り捨てられるという弱点があります。しかし、民意を劇的に反映するという利点が同時にある、こういうふうに言ってもいいのじゃないか。政治腐敗が出てくればたちどころにそれが反映する、こういうことです。しかし、余り変わり過ぎても不安定だから、これを緩和したり、さまざまな国民の意見の反映のために比例代表制との組み合わせがバランス上必要だ、こういうぐあいに考えてもいいのじゃないか。そういう意味では、そういう方法が取り入れられている提案だというふうに受けとめていきたいと思っております。
 次に、総定数と定数配分、投票方法についてであります。
 定数については、現行法制定の経過、十五万人に一議席というふうにされた経過だとか、あるいは今の本則の数字が四百七十一と書いてあるというようなことだとかいろいろな意見がありまして、確定的なものはないというふうに思っているわけでありますが、現行の定数が五百十一、五百がいいところじゃないか、こういうふうに判断をいたします。
 定数の配分ですが、小選挙区二百五十、比例区二百五十、これが今申し述べた理由によりまして説得力のある数字、配分ではないか。つまり、バランスがとれるという意味でいい数字ではないか、こういうぐあいに思います。
 投票方法ですが、並立制の持つ長所と短所の組み合わせ、そういうことからいいまして二票制が当然ではないか、国民の理解も常識的にそういうふうになっているんじゃないか、こういうぐあいに思われます。小選挙区制に傾斜をするような提案が行われておりますけれども、ややバランスを欠くのかなという印象が強いということを申し上げます。
 次に、いわゆる政党などの三%要件と比例の単位について申し上げます。
 三%という数字が正しいかどうかということについては、当然意見があると思います。要件についてのハードルが高いと新しい党が出にくいとか、あるいは少数切り捨てというような意見が起きるという可能性があるわけなんですが、かつて社会党がこういう条項について一%ということを主張したことがあるような気がいたします。しかし、三%を切っていくような状況になりますと、投票率等を見まして四十万、五十万という票になると思いますが、一人一党的な状況になりまして、小党分立というようなことの表現でしょうか、そういうことになりはしないか。したがって、比例代表制あるいは政党本位の今回の政治改革の趣旨に合致しないと言ってもいいのではないか。難点はありますけれども、実態的に三%が妥当かなというぐあいに思います。
 それから、比例代表選挙というのは、限りなく死票をなくする、そういう目的を見る限り、単位は全国単位がそのために望ましいのではないかというふうに言ってもいいと思います。
 次に、戸別訪問と連座制の問題について申し上げます。
 我が国の選挙制度、戸別訪問が禁止をされて久しいわけですが、この戸別訪問の禁止が日本の民主主義をおくらせたという議論がございます。いろいろな議論の仕方はあるわけでありますけれども、もう一つ、前の海部内閣が提案をいたしました案にも戸別訪問は解禁するという趣旨が組み込まれていたように思います。そういう意味では、非常に大きな改革ということで、戸別訪問の解禁というものを歓迎したいというぐあいに思います。
 ただ、買収が横行しやしないかとか、あるいは選挙の公正が害されはしないかという意見がございます。そういう意見もよくわかる意見ですが、しかし、連座制の強化だとか厳しい立候補制限というようなものが導入されるという条項が同時に並んでおりまして、大丈夫、担保されるのではないかというぐあいに考えます。
 連座制の強化について両案とも前向きであることについて、そしてまた立候補制限五年間という提起がされておりまして、これは評価をしたいと思います。ただ、抜け道をつくらないように要請をしたいということと、参議院の任期が六年なんですが、そういうことを考えれば、立候補制限五年でなくて六年でなぜいけないのかな、そういう感じもいたします。
 次に、政治資金規正法について申し上げます。
 政治と金の問題、これが一番大きな問題でありまして、腐敗を根絶するために最優先課題というぐあいに考えております。企業・団体献金を個人へは禁止をして、当面は政党に一元化する。五年後に見直しという言い方がされておりますが、全面禁止ということを含んだ意味で、そういう方向について支持をしていきたいと思います。
 もっとも、これは両案とも政治家とそのダミーの政治団体だとか派閥への献金禁止ということに踏み出した点を評価しての現実的な意見というふうに受けとめていただきたい。そういうことを評価しての意見でありまして、何も五年以内でなくても、できるだけ早く企業・団体献金は禁止をしていく、そういう方法をとることが求められていることじゃないか。
 当然、国民感情は諸悪の根源がここにあるというふうに受けとめておりまして、すぐやめろと言っているように聞くわけであります。自民党提案の、資金調達団体という表現がされておりますが、そこへの献金の容認だとか、あるいは政党枠の上限拡大という提案がされておりますけれども、国民感情に合わないのじゃないかな、こう思います。率直に言って、これはもう早いところやめていくという方向を出さないと、日本の政治の信頼が回復されていかないのじゃないかな、正当化することはどうかな、正しいことだというふうに言つていくのはどうかな、こういうぐあいに思います。
 それから、公開基準について、政府案が五万円以上、自民党案が五十万円以上となっておりますが、透明度を高めていくという意味で一層努力をしていくことが望ましい、こういうぐあいに思います。
 さらに、政党助成法関係ですが、政治不信というものが政党不信に連動しているというふうに思うわけでありまして、何としても国民の信頼回復には、政党の自己努力といいましょうか、政党みずからの努力が求められている、そう言ってもいいというぐあいに思います。
 第八次選挙制度審議会の答申、そういう経過ですとか、あるいはよく言われておりますところの民主主義のコストというような意識の向上でありますとか、そういう方向に向けて、腐敗の根絶のためには罰則強化あるいは公開、公的助成、これは一連の課題でありまして、企業・団体献金の禁止に伴いまして選挙の公営化を広げていくこと、したがって、公的助成はそういう意味で進めていくべきものかなというぐあいに思っております。
 両方の案とも、地方議員だとか首長への問題提起といいましょうか、対応が書いてございません。地方の時代というようなことが言われておりまして、ちょっとおかしいかな、あるいは不十分かなという感じを持ちます。
 この政党助成関連の問題につきましては、見方によっては大変大きな開きがありますけれども、両案とも開きはそう大きくないというふうに国民の目には映っているのじゃないか。外国の例なども参考にしながら、国民の意識との合意を得るようないい結論を出してほしい、こういうぐあいに思うわけであります。
 ちょっとつけ足しの注文なんですが、実はこの公聴会につきまして傍聴の制限がありまして、制限はある程度仕方がないかもしれませんけれども、もうちょっと大勢入れるような配慮というのが当然あってもいいのじゃないか、そういう公聴会だってしゃばにあるわけだからという意見がございまして、今後に生かしてほしい注文ではないか、こんなぐあいに思います。
 以上、少し粗い意見でございましたが、時間の範囲内で私の見解を申し上げさせていただきました。
 ありがとうございました。
#412
○前田座長 ありがとうございました。
 ただいま、上田商工会議所会頭・全国青果卸売市場協会会長の堀謙三君が御出席されておりますので、御紹介いたします。
 堀謙三君には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。
 次に、清水重幸君にお願いいたします。
#413
○清水重幸君 初めに、選挙法改正についてですが、選挙というものは、顔が見えて、人格、識見ともに共感を持てる人を選び、民意を集約することが最も理想であるというように理解をしております。
 そのためには小選挙区方式がよいという物の考え方に立っておるわけであります。
 現在の政治改革法案の審議の進みぐあいを見てみると、もう既に小選挙区比例代表という形で進められておりますので、前段申し上げたように小選挙区方式がいいと言っても、もう既にここまで来ておりますので、小選挙区比例代表制は認めなくてはならないという立場に立って申し上げてまいりたいと思います。しかし、前段申し上げたとおりでありますので、小選挙区を現在盛んに言われておる三百、比例代表百七十一というものは、私の考え方からいうとぎりぎりの線と思うのでありまして、その線で法案をつくるように強力に求めたいと思っております。
 次に、衆議院選挙の第一の意義は政権の選択にあるわけでありまして、政権は一つであるにもかかわらず、今回の政府案では、衆議院選挙という一つのものの中に二つの選挙があることを認め、二票制となっております。選択の行為は、一人一人の有権者が一つの選挙、一つの投票をもって行うべきであり、一票制が正しいと認識をいたしております。
 次に、投票方法でありますが、政府案では小選挙区二百五十、比例代表二百五十となっておりますけれども、各都道府県に配分をされている定数は、このとおりでいきますと小選挙区の二百五十であります。実質的には各都道府県の衆議院の定数の削減となるということに考えられるわけでありまして、地方分権が現実のものとなっていない現況において、地域の声を代表する議員の削減をするということは認めるわけにはいかないという考え方であります。そういう観点に立ちますと、政府案の比例代表を選ぶ方法を全国単位としている点を都道府県単位に改めて、都道府県の衆議院議員の定数の確保に努めてもらいたい、かように思うわけであります。
 次に、政党助成及び政治資金規正法の改正でありますけれども、法案は、国政及び地方政治に反映させるために日夜邁進、努力をしておる地方議会議員の意見を聞くことなく立案されていると思います。
 ちなみに、長野県では、知事、市町村長の一〇〇%、県議会議員の二四・六%、市町村議員は八六・四%が無所属の議員であります。政党助成金の配分基準を見ると、所属国会議員二分の一、国政選挙の得票数二分の一など、無所属では政党助成が受けられぬ仕組みのようであります。また、個人献金の気風が浸透していない日本の現状から見ますと、この政府案では企業・団体から受ける資金調達団体を全く禁止している実情など、地方議会議員の政治活動費はどのようにお考えになっているのかと心配をするわけであります。もし都道府県や市町村が単独で考えろというなら、基準財政需要額の中にこのことをきちっと算入をしておかないと、地方自治体での処理は難しくなるということであります。
 また、公費助成の配分では、前段申し上げたとおり、国会議員二分の一、国政選挙の得票数二分の一ということでありますので、政党地方支部は何となくおこぼれちょうだい的に感じてしまうわけであります。政党のことだからおのおの政党でとあるいは言われるかもわかりませんけれども、ある程度の方向を出しておくべきと思います。そういうことを強く感ずるわけであります。
 次に、戸別訪問でありますけれども、これも政府案では、すべての選挙において戸別訪問を自由としております。言葉としてはすばらしく聞こえますけれども、現実問題として、選挙が激烈になれば全有権者が戸別訪問に参加して、選挙後半ともなると波状攻撃が起こることは確実であります。お互いに選挙をやっておる者はこのことはよくわかるわけですが、現在禁止されている状況でありましても、相当のそういう場面に近い混乱が起きていることは御承知のとおりであります。実情を知っておる私どものような被選挙人から見ると、怖くなるような気がしてならないわけであります。戸別訪問は、新しい制度の定着ぶりを見て、それから今後の課題として順次考えていく方がよいのではないだろうかと思います。
 次に、そのほかの関係でありますけれども、公職の候補者などは、選挙区内にある者に対して、慶弔、激励、感謝等のためのあいさつ状を、電報の類を含むとありますけれども、出すことを禁止しております。大変失礼な言葉になりますけれども、いつも東京等においでで地元不在の国会議員の皆さんと違って、地元にいる地方議員の実情を余りにも知らな過ぎると思います。地域と密着度の強い地方議会議員の活動の剥奪と思います。
 今回の改正案には直接ありませんけれども、公職の候補者などは全く困っているのが実情で、例えば、身体障害者の団体や老人クラブの団体等に招待されるとか、あるいは個人のおうちで竣工式に招待をされて、先ほどの団体のところで懇親会をやるとか、あるいは個人のおうちでお祝いを大きくやるというようなところに、手ぶらで、名刺だけで出席できるものではありません。
 例えば市町村長とか議長とか、個人名の入らないものについては御祝儀などを認めているとは聞きますけれども、いかに公費であるといっても、同席する立場の私どもとしてはまことに困る。隣の二人は御祝儀を出し、こちらは法律があるからといって名刺だけ出すという実情は、議員の皆さんもその辺は御承知であろうと思います。そこで、慶弔だとか激励だとか感謝などのあいさつ状を出すことの禁止については、なおさら今後苦しむこととなるだろうと思います。立法に当たっては、もう少し実情を知り、配慮すべきとつくづく感じておる一人であります。
 以上で私の陳述の要旨は終わりますけれども、立法に当たっては十分参考としていただき、国民が喜び、外国から見ても評価できるよう希望をいたしたいと思います。
 選挙制度には、いろいろの意見の人があるとおり、結果から見て絶対完璧というものはないのではないかと思います。そこで、きょうは与党の皆さんも野党の皆さんもおいでになりますけれども、与党も野党も譲るべきところは譲って、国民世論の大勢であるこの問題に決着をつけるべきだと思います。一般国民の立場から見ると、もっと大事に考えている景気対策だとかあるいは高齢化対策、国際社会における日本の問題など、取り組んでいただきたいと思うことがたくさんあるわけであります。
 私が特にこの際お願いをしたいと思うのは、地方分権問題こそは我々地方人として切望をする問題であります。今回の政治改革法案と同じくらいのウエートをかけて取り組んでいただきたいと強く希望を申し上げて、私の陳述を終わりたいと思います。
#414
○前田座長 ありがとうございました。
 次に、堀謙三君にお願いいたします。
#415
○堀謙三君 御指名をいただきました堀でございます。
 政治改革法案の成立に重大な意味を持つ本日の地方公聴会で意見陳述をさせていただきますことは、私にとりましてまことに光栄であるとともに、責任も感じております。
 それでは、まず私は、率直に結論から申し上げさせていただきたいと存じます。
 政治改革法案はもう五年越しの法案だと思いますが、国民は挙げて成立に期待しているとともに、行きつ戻りつのじれったさに憤りさえ感じているのではないか、このように考えているわけでございます。したがいまして、与野党ともに勇気ある大譲歩で歩み寄って、修正するべきものはきちんと修正して、今国会において法案を通し、一括成立させるべきであると強く要望いたすものでございます。そして、政治不信を払拭し、国民の信頼を取り戻すことが先決ではないかと存じます。
 そうでないと、不況が長引いている、そしてまた難問山積している重大なときでございまして、ますます国民に不安を抱かせ、混乱を増すことになりかねないからでございます。
 なお、当然のことでございますが、政治改革には痛みが伴うと思いますが、何事によらず、私たち民間の改革におきましても、痛みの伴わない改革はあり得ないと存じます。今こそ政治家の先生方には、身を捨てて国難に当たる心境で新しい政治、新しい時代を切り開き、世界に通じる政治を確立していただきたいと念願いたしております。
 本法案につきましては、政府・与党案と野党自民党案に多少の隔たりがあるようでございますが、私たち国民の目から見ますと、少しぐらいどっちに転んでもそんなに大きな影響があるとはどうしても思えないのであります。どうかひとつ、双方、犠牲的精神を発揮して歩み寄って、大胆に譲歩してもしっかり修正し、与野党の合意の上で早急に成立させるべきであると思います。
 特に与党側は、できるだけ野党の意見を聞き入れる大きな気持ちが必要かなと思っておりますが、交渉過程の中では譲歩した方が負けで譲歩させた方が勝ちなのかと考えますと、あながちそうではないと思います。国民の目から見ますと、よくあれだけ譲歩して法案を成立させたと、もしかすれば国民は譲歩した方に軍配を上げるかもしれないからであります。いわゆる負けるが勝ちもあり得るのではないかと思うところでございます。
 政治家でない私には、政治交渉の駆け引きにつきましてはよくわからないわけでございますが、私たち経済界、あるいは一般社会的な交渉事では、お願いする方が六〇%譲歩、相手方が四〇%譲歩で交渉事をまとめるのが一般常識になっているように思っております。したがって私は、政府側が六〇%ぐらい譲歩してもいいくらいの考え方で、犠牲的精神を発揮してもいいのではないかと思っております。政府案六〇%譲歩、自民党案四〇%譲歩をということでありますが、これは私の素人考えでしょうか。間違っていたらひとつお許しをいただき、一笑に付していただきたいと存じます。
 これについては、つい先日細川総理が国会において、大胆な譲歩をしても今国会で成立させたいと言明されておられますので、私たちは明るい希望を抱くとともに、細川総理の勇気ある強い姿勢は高く評価されるものと確信をいたしております。
 なおまた、事ここに及んで野党が引き延ばし作戦に出るようなことがあれば、良識ある国民を全部敵に回すことになると私は思っております。潔く協力するときは協力してこそ、国民から大きな拍手を浴びるのではないかというふうに思っております。
 さらに、万が一の強行採決はできるだけ避けるべきであると思いますので、どうか修正して採決し、法案を通していただきたいと強く希望いたす次第であります。
 以上、総論として申し上げてまいりましたが、あとは少しく具体的に各論の面で私の考え方を申し述べさせていただきたいと存じます。なお、素人でありますので順序立てては申し上げられませんが、その点はひとつお許しをいただきたいと存じます。
 まず一番目には、相違点の中の議員総定数であります。近い将来は自民党案の四百七十一議席に戻すべきかとは思いますが、現時点での四十議席減は大変難しいと思われますので、政府案の五百議席が適切であると思います。
 二番目に、投票方式でありますが、これは少数政党にも気を配り、記号式二票制がいいと思います。
 三番目は、問題の定数配分でありますが、双方の中間をとって、小選挙区二百七十五、比例代表二百二十五が現時点では一番適切かと思いますけれども、前段申し上げましたように、政府案六〇%譲歩、この精神で考えますと、小選挙区二百八十五、比例二百十五でもいいし、こんな半端な数はまずいということなら、場合によっては三百の二百でも構わないと思っております。なお、これについては、将来二大政党に二つないし三つの少数政党が理想と考えられますので、比例二百議席は最低確保すべきと存じます。
 次に四番目の、小選挙区と比例の重複立候補は