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1993/12/06 第128回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第128回国会 予算委員会 第8号
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1993/12/06 第128回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第128回国会 予算委員会 第8号

#1
第128回国会 予算委員会 第8号
平成五年十二月六日(月曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 山口 鶴男君
   理事 衛藤征士郎君 理事 越智 通雄君
   理事 野中 広務君 理事 深谷 隆司君
   理事 後藤  茂君 理事 中西 績介君
   理事 杉山 憲夫君 理事 井出 正一君
   理事 草川 昭三君
      伊藤 公介君    小澤  潔君
      大島 理森君    柿澤 弘治君
      後藤田正晴君    近藤 鉄雄君
      佐藤 剛男君    志賀  節君
      島村 宜伸君    田中眞紀子君
      高鳥  修君    東家 嘉幸君
      萩山 教嚴君    原田昇左右君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      柳沢 伯夫君    若林 正俊君
      伊東 秀子君    坂上 富男君
      鉢呂 吉雄君    細川 律夫君
      三野 優美君    古賀 敬章君
      笹山 登生君    白沢 三郎君
      月原 茂皓君    山本 幸三君
      吉田 公一君  五十嵐ふみひこ君
      石井 紘基君    鮫島 宗明君
      長浜 博行君    石井 啓一君
      河上 覃雄君    富田 茂之君
      二見 伸明君    高木 義明君
      中野 寛成君    松本 善明君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  細川 護煕君
        法 務 大 臣 三ケ月 章君
        外 務 大 臣 羽田  孜君
        大 蔵 大 臣 藤井 裕久君
        文 部 大 臣 赤松 良子君
        厚 生 大 臣 大内 啓伍君
        農林水産大臣  畑 英次郎君
        通商産業大臣  熊谷  弘君
        運 輸 大 臣 伊藤  茂君
        郵 政 大 臣 神崎 武法君
        労 働 大 臣 坂口  力君
        建 設 大 臣 五十嵐広三君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会 佐藤 観樹君
        委員長
        国 務 大 臣 武村 正義君
        (内閣官房長官)
        国 務 大 臣 石田幸四郎君
        (総務庁長官)
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        沖縄開発庁長  上原 康助君
        官)
        (国土庁長官)
        国 務 大 臣 愛知 和男君
        (防衛庁長官)
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長 久保田真苗君
        官)
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長 江田 五月君
        官)
        国 務 大 臣 広中和歌子君
        (環境庁長官)
        国 務 大 臣 山花 貞夫君
 出席政府委員
        内閣官房内閣内
        政審議室長
        兼内閣総理大臣 藤井  威君
        官房内政審議室
        長
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一 津野  修君
        部長
        国際平和協力本 鈴木 勝也君
        部事務局長
        総務庁人事局長 杉浦  力君
        総務庁行政管理 八木 俊道君
        局長
        北海道開発庁総 加藤  昭君
        務監理官
        防衛庁参事官  河路 明夫君
        防衛庁長官官房 宝珠山 昇君
        長
        防衛庁防衛局長 村田 直昭君
        防衛庁人事局長 三井 康有君
        防衛庁経理局長 秋山 昌廣君
        防衛施設庁総務 草津 辰夫君
        部長
        防衛施設庁施設 江間 清二君
        部長
        防衛施設庁建設 森本 直孝君
        部長
        経済企画庁調整 小林  惇君
        局長
        経済企画庁国民 加藤  雅君
        生活局長
        経済企画庁物価 坂本 導聰君
        局長
        経済企画庁調査 土志田征一君
        局長
        環境庁長官官房 大西 孝夫君
        長
        環境庁企画調整 森  仁美君
        局長
        環境庁自然保護 奥村 明雄君
        局長
        環境庁水質保全 野中 和雄君
        局長
        国土庁長官官房 藤原 和人君
        長
        国土庁土地局長 原  隆之君
        法務省民事局長 濱崎 恭生君
        法務省刑事局長 濱  邦久君
        法務省入国管理 塚田 千裕君
        局長
        外務省合外交  柳井 俊二君
        政策局長
        外務省アジア局 池田  維君
        長
        外務省欧亜局長 野村 一成君
        外務省経済局長 小倉 和夫君
        外務省条約局長 丹波  實君
        大蔵大臣官房総 田波 耕治君
        務審議官
        大蔵省主計局長 篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省理財局長 石坂 匡身君
        大蔵省証券局長 日高 壮平君
        大蔵省銀行局長 寺村 信行君
        国税庁次長   三浦 正顯君
        文部大臣官房長 吉田  茂君
        文部省教育助成 井上 孝美君
        局長
        文化庁次長   林田 英樹君
        厚生大臣官房総 佐々木典夫君
        務審議官
        厚生省社会・援 土井  豊君
        護局長
        農林水産大臣官 上野 博史君
        房長
        農林水産省経済 眞鍋 武紀君
        局長
        農林水産省構造 入澤  肇君
        改善局長
        農林水産省農蚕 高橋 政行君
        園芸局長
        農林水産省食品 須田  洵君
        流通局長
        食糧庁長官   鶴岡 俊彦君
        通商産業省産業 内藤 正久君
        政策局長
        通商産業省機械 渡辺  修君
        情報産業局長
        資源エネルギー 鈴木 孝男君
        庁石油部長
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 白川  進君
        中小企業庁長官 長田 英機君
        運輸省運輸政策
        局長      豊田  実君
        郵政大臣官房長 木村  強君
        郵政省通信政策五十嵐三津雄君
        局長
        郵政省電気通信 松野 春樹君
        局長
        郵政省放送行政 江川 晃正君
        局長
        労働大臣官房長 征矢 紀臣君
        労働省職業安定 七瀬 時雄君
        局長
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省建設経済 小野 邦久君
        局長
        建設省都市局長 黒川  弘君
        建設省河川局長 豊田 高司君
        建設省住宅局長 三井 康壽君
        自治大臣官房長 遠藤 安彦君
        自治省行政局選 佐野 徹治君
        挙部長
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        参考人
        (日本銀行総裁)三重野 康君
        参考人
        (日本銀行副総 吉本  宏君
        裁)
        予算委員会調査 堀口 一郎君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月六日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     柿澤 弘治君
  鹿野 道彦君     佐藤 剛男君
  中山 太郎君     原田昇左右君
  松永  光君     大島 理森君
  綿貫 民輔君     田中眞紀子君
  工藤堅太郎君     吉田 公一君
  谷口 隆義君     富田 茂之君
同日
 辞任         補欠選任
  大島 理森君     松永  光君
  柿澤 弘治君     江藤 隆美君
  佐藤 剛男君     鹿野 道彦君
  田中眞紀子君     綿貫 民輔君
  原田昇左右君     中山 太郎君
  吉田 公一君     古賀 敬章君
  富田 茂之君     谷口 隆義君
同日
 辞任         補欠選任
  古賀 敬章君     白沢 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  白沢 三郎君     工藤堅太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 平成五年度一般会計補正予算(第2号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第2号)
     ――――◇―――――
#2
○山口委員長 これより会議を開きます。
 平成五年度一般会計補正予算一第2号)、平成五年度特別会計補正予算(特第2号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 補正予算三案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君、副総裁吉本宏君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○山口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
#5
○原田(昇)委員 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、政府に景気対策についてお伺いしたいと存じます。
 不況は日に日に深刻の度合いを増しておるのでありまして、この十月、完全失業率が円高不況以来の二・七%になるとか、鉱工業生産指数も戦後最大の落ち込みになるとか我が国経済はかつてない深刻な事態を迎えているわけであります。
 これは、十二月二日発行のニューズウイーク誌にも出ておりますが、サインズ・オブ・パニックという、恐慌という言葉を使って、恐慌の前ぶれではないかという表現が使われております。さらにまた、十一月三十日付のフィナンシャル・タイムズにも、細川総理が株価の暴落にクールなスタンスをとっていると書いておるわけであります。
 これはきのう発行された日本の新聞ですが、論評があります。株価下落について、株は上がったり下がったりするものなどの総理のコメントが伝えられた。これは、知人の計報に人はいつか死ぬものだと応ずるに等しい。極めて冷静で達観したコメントではあるけれども、このような達観は宗教家にならふさわしいとはいっても、為政者のものとは思えない、こういう批判がございます。御紹介しておきます。
 そういうように政府の無策ぶりについて極めて厳しい批判があるということを御存じだと思いますが、総理、あなたは現在の不況についてどう認識しておられますか。私は、この不況が、総理の対応が誤るとすれば、アメリカのかつての大恐慌や日本における昭和大恐慌にも匹敵する恐慌になりかねないと憂慮しておる次第であります。ぜひとも総理の現状認識について、率直にお伺いしたいと思います。
#6
○細川内閣総理大臣 現在の不況の状況につきましては大変懸念をいたしております。循環的な在庫などの要因に加えまして、バブルによるいわばその構造的な要因の影響が加わって、さらにまた円高の影響なども加わって調整も長期化しておりますし、低迷が続いている。住宅とかあるいは公共投資とか一部に明るい材料はございますけれども、個人消費であるとか設備投資であるとか、こうしたものは依然として落ち込んでおりますし、大変先行き不透明な状況を憂慮しているところでございます。
 三次にわたる経済対策を行ってまいりましたし、その効果が着実に浸透していくことを期待をしているところでございますが、このような状況というものを少しでも明かりが差していくようにしていくためにも、少しでも早くこのたびのこの補正予算を通していただくことが何よりも肝要なことであろう、このように思っているところでございます。
#7
○原田(昇)委員 総理の御認識は、今まで経済対策をたびたびやってきた、そして今度の補正予算を通してもらうのが一番いいだろう、こういう程度でございますが、私はこれでは少し十分じゃないと思うんです。現状認識は非常に甘いんじゃないか。もちろん補正予算を通すことは大事ですよ。大事ですが、次なる手をどう考えるのかそれで十分かということについては、これから私はぜひ御議論をお願いしたいと思います。
 特にこうなった原因についても、私は若干総理の今の御説明には承服しがたいものがあります。これから申し上げますが、特にその前に大蔵大臣から。
 政治経済情勢を敏感に反映する株価について、ことし八月の二万円台から急激に下落してきて、一時一万六千円台を割り込んだというようなことで、年初来の安値を更新しておるわけですが、九月当初の東証一部上場の株式時価総額というのは三百六十七兆円と言われております。それが二カ月で資産にして七十兆程度の額が消滅したということになっておるわけでありますが、これは私は何といっても株式市場が、政府がちっともやってくれない、国会は開かれておるけれども政治改革一本やりで、景気に対しては先送り、先送りということになっておる、こういう政府の無策に対する不信任の表明ではないかと思うのですね。
 最近、ここ数日間、若干値が戻してきておる。しかし、どうもまだ、先ほど総理のおっしゃったように、補正予算を通してくれという一本やりじゃ、これはまた、けさの状況をちょっとさっき聞きましたら、やはりまた政府の期待が本当かなということで、大分、模様見か下落というような感じでおるということでございました。
 この間、大蔵大臣が通産大臣とお会いになって、土地取引について若干緩和するという、まあ実態はどうか知りませんけれども、新聞報道がわっと先行した。それによって戻ったと言われるくらい敏感に期待感が出ておるわけであります。
 ここで、大蔵大臣はこういう事態をどう見ておられるのか、これからの先行きをどう判断しておられるのか、あなたは責任の経済大臣として、ぜひあなたのお考えを聞かしていただきたい。
#8
○藤井国務大臣 経済全体の問題についてはただいま総理がお答えになったとおりだと思いますが、今株価のお話が出たと思います。私どもは株価については重大な関心を持って日々の動きをウォッチをいたしております。ただ、この水準そのものについて政府がとやかく言う話ではないということも御理解はいただけると思います。
 対策でございますが、前政権の時代に、八月に一万四千円をっけたことがあるわけでありますが、そのときにいろいろ決定をされた対策があるのは御承知のとおりでありまして、着実にそのことを一つ一つ今実行するということによって、この期待をしているということも御理解をいただきたいと思います。
#9
○原田(昇)委員 今の対策が着実に実行されておる、それで十分だということでは私はないと思うんですね。その点をぜひ私としては認識をしていただきたいと思います。
 それから、労働大臣にお伺いしたいんですが、有効求人倍率が、平成三年三月の一・四六倍から、ことし十月には〇・六七倍に急速に低下した。完全失業率は、八月の二・五%から〇・一%すっ上がってきて、十月には二・七%。これに企業内の失業というのが、かなり実態的に失業と見られるようなものが随分ある。それを加えれば、実質失業者は五ないし六%に達するんじゃないかと言われておるわけであります。
 労働大臣、この事態をどういうように見ておられるのですか。しかも来年はもっと悪くなる、着実に悪くなる。そして、特に来年の四−六月期というのは最も警戒を要すると言われておりますが、いかがでしょうか。
#10
○坂口国務大臣 今先生御指摘いただきましたとおり、有効求人倍率は十月に〇・六七になりまして、九月に〇・六九でありましたから、〇・〇二また下がったわけでございます。九月には六年二カ月ぶりに〇・六台に低下をしてまいりました。完全失業率も十月には二・七%ということになってまいりました。
 大変憂慮すべき状態だというふうに認識をいたしておりますし、たとえ今すぐ景気が回復をしたといたしましても、雇用というのはそれからあと半年ないし一年間は非常に厳しい状態が続くものでございますから、たとえ来年すぐに景気が回復をしたと仮定をいたしましても、一年ぐらいは非常に厳しいことが続くというふうに覚悟しなければならないわけでございますので、ましてや、いましばらくそれが難しいということになれば、さらに一層厳しい状態のときは続くであろうというふうに認識をいたしております。
 そうした中で、今回のこの補正予算の中にも、雇用調整助成金を中心にいたしまして、その上積みと申しますか、今までにも緩和措置をお願いをしてきたところでございますが、さらに一層ひとつその充実を図っていきたいというのでお願いをしているところでございます。
 また、中高年のホワイトカラーのところにかなりしわ寄せが来そうでございますので、その対策も考えている。あるいは地域におきます雇用の悪化も起こっておりますので、地域の雇用創出に努力をしていただきます企業に対しましてはぜひ支援をしていきたい。そうしたことも考えているところでございまして、もう一段この厳しさが増してまいりましたので、現在、省内に雇用対策プロジェクトチームをつくらせていただきまして、そして今最終段階を迎えておりますが、この十二月の中ごろには発表させていただける段階になるであろうというふうに思っております。
 ただしかし、これはミクロ政策でございまして、やはりマクロの経済政策と相まっていかなければならないということは申すまでもございません。
#11
○原田(昇)委員 労働大臣のお話によれば、大変深刻だ、さらに深刻になることがあり得るということで、全力を挙げるということでございます。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。これはもう本当に労働省が全力を挙げて、内閣全体の仕事としてやっていただかなきゃならぬと思います。
 しかし、全体のマクロの問題として、私は、十月の六日、この委員会で企画庁長官に申し上げたわけですが、そのとき長官は、何か九月の実績がまだ出ないからなんて言って、全体の見通しも全然お触れにならなかったわけであります。今でもまだことしの年度とういう経済になるかという見通しはわからないのですか。
#12
○久保田国務大臣 景気が大変厳しい状況である、したがっていろいろな面で予断を許さないということは十分に認識しておりますし、また、言われておりますような雇用の問題につきましてもぜひ底支えが必要であるという、そういった閣内でのいろいろな協議が行われておるわけでございます。
 ただ、私が申し上げましたのは、ぜひ七−九月期の速報を、大変重要な指標でございますので、見さしていただいた上で今後の具体的な数値をお示しさせていただきたい、そういうことを申し上げたわけでございます。もちろん、景気後退は大変長期化しておりますし、また、大型なものでもある。したがいまして、経企庁としても、ぜひ九月十六日に策定いたしました景気対策が一日も早く実施の運びになるということを切望しているわけでございます。
#13
○原田(昇)委員 私は九月の話をしているのじゃないのですよ。今、何月だと思っているのですか。もうあなた、十月、十一月の状況はわかってきて、本年度の成長率がゼロになるかマイナスになるかと。恐らくマイナスになるであろうと、もう民間じゃみんなそう言っていますよ。あなた、それがわからないのですか。
#14
○久保田国務大臣 経企庁といたしましては、繰り返し申し上げるようでございますけれども、第二・四半期の分を確認さしていただいた上でお示しさしていただきたいということでございます。
 九月に策定されましたものも緊急経済対策でございまして、今の景気の状況を十分にらんだ上でさまざまの対策を盛り込ませていただいておるわけでございます。この中には、景気を刺激していくための政策も十分盛り込まれておると考えておりますので、その実施の一日も早からんことを願っている、そういう意味で申し上げました。
#15
○原田(昇)委員 企画庁長官、こういうことじゃないんですか本当なら。企画庁が今の状況から見て、またいろんな兆候から見て、ことしはほっておくとマイナス成長になりますよ、それによって雇用も大変になる、だからこの程度の追加需要を創出しないと成長率はこのくらいまではいかない、国際収支の黒字だって、もっと黒字がふえちゃうとか、そういう見通しがあってこれだけのものが要るということにしなければ、経済企画庁は要らぬのじゃないですか何も。私はあなたにぜひそういうことを大臣としてしっかりと判断してもらいたいと思うのですよ。これは要望しておきます。
 九月以降の景気が本当に悪くなった原因というのを、まあいろいろあると思いますけれども、何といっても政府が緊急対策を決定して以来、規制緩和というのをおやりになりましたね。いまだに何も実効が上がってない。円高差益もさしたる効果が上がってないんじゃないか。さらに、最も重要な柱である第二次補正予算というのをタイムリーに本院に提出してこなかった。やっと今やっておるわけですよ。いわば不況に対して傍観するばかりの姿勢だったんではないでしょうか。
 我が党は十一月初めに補正予算等の速やかな提出を求めたわけであります。しかし、政府はそれに応じなかった。これでは国民が、政府には真剣に不況に対処しようという気がないと感じたって不思議ではありません。伝えられるところによりますと、政府が第二次補正予算をおくらせたのは政治改革法案を優先させたためだという話です。ある閣僚は、景気対策は政治改革をやってからにしようじゃないか、こういうことを発言をしておられるわけであります。
 細川総理、それは本当ですか。もし事実でないとすれば、おくらせた理由はそういうことじゃないんですか。細川総理から、どうしておくらせたのか、お伺いしたい。
#16
○細川内閣総理大臣 何回か本委員会でも御答弁申し上げておりますように、このたびの冷害もかってない規模の冷害でございましたし、その査定などにも大変困難な作業が伴ったという事情もございます。さらにまた、財源の手当てをどうするかといったような観点からもぎりぎりの作業をしてきて、三十日の日に出させていただいたということでございまして、どうぞその辺のところは御理解をいただきたい、こう申し上げてきたところでございます。
#17
○原田(昇)委員 今、総理の御説明ですが、我が党には、ここに越智先生もおられますが、主計局で勤務された方はたくさんいらっしゃるわけですが、その人たちに聞いてみますと、それはもう内閣でどうしてもやれと言えば、何も災害の査定を全部やってしまわなくたって概算でやれるんだ、そういうことで早めることは幾らでもできるよ、こういうことを言っておられます。
 私は、その点は直接、特に共済なんというのは共済の穴埋めの金なんですから、この災害査定はそれはもう急ぐこともできるし、概算である程度やることもできるということでありまして、補正予算のおくれた理由には私はならないと思うのですよ。これは議論してもしょうがないのですが、ともかく内閣が本当にいつまでに間に合わせようということで、これはもう経済が大変だから早く実施しようということで決意をしていただけば必ずできたはずだ、私はそう思っております。
 さて、提出された補正予算案ですが、その内容について見てみますと、九月に発表された経済対策の書き写しでありまして、その後の景気の変化、景気が深刻化したということは何一つ反映されていない。私は非常に愕然としておるわけであります。せっかくおくらしたなら、その間の事情を十分しんしゃくして、深刻な状況に対応するものを入れてこなければならないと思うのです。また、我が党が要求した十兆円を超える公共投資関連の事業追加、さらに所得減税等についても何ら触れられていないということでございます。
 一体これはどうしたことかと思うのですが、細川総理は先週の予算委員会において景気対策について質問に答えて、先行きの不透明感を払拭することが必要であり、あらゆる手段で景気を向上させなければならないとお答えになっておられます。所得減税についても、タイミングが非常に大事で、政治決断を含めて決断する、検討する、こう述べておられるわけであります。遅くとも年末調整で減税されることを期待していた多くの国民にとって、タイミングというものはもう既に失しているとも言えるわけであります。
 しかし、遅まきながら七日に緊急対策を立案するということが新聞で報道されておりますね。私はこれは一応評価されておると思うのですけれども、またまた自民党に組み替え要求されたら大変だということで、これもまた延期されるということになったと聞いております。総理のそういうパフォーマンスのためにこのように内閣の姿勢が常にぐらぐらしているということが国民の不信を招いておるのじゃないでしょうか。一日も早く実施することが必要な対策がおくらせられているとすれば、まことに言語道断と言うべきじゃないかと思います。一体、総理は、どの程度の規模の不況対策を考えておられるのか。この際、はっきりお伺いしたいと思います。
#18
○細川内閣総理大臣 七日に何らかの景気対策を打ち出すといったような報道がなされていた点につきましては、先般、官房長官あるいは愛知長官から御答弁を申し上げたとおりでございまして、景気の現状についての確認をした、お互いに意見の交換をしたということでございまして、そこで何らかの景気対策を打ち出すということは当初から考えておりません。その点は先般お話を申し上げたとおりでございます。
 今の状況に対してどういう手を打つかということでございますが、これは今まで幾たびかの経済対策を講じてまいりましたし、また、景気に配慮した五年度の予算というものも通じまして、景気の現状というものに鋭意今取り組みをしているわけでございます。
 今回の補正予算におきましても、緊急経済対策を受けまして、生活者や消費者の視点に立った社会資本の整備でありますとか、あるいはまた災害復旧事業、中小企業対策、あるいはまた冷害対策にかかわる公共事業の追加、そういったものを盛り込んでおりますし、今回の経済対策と四月の新総合経済対策と、それからまた景気に配慮した五年度の当初予算、こういうものをあわせまして、必ずや景気の回復にこれらが寄与するものになるというふうに考えているところでございます。
#19
○原田(昇)委員 私が申し上げているのは、野党だから攻撃しているということじゃありません。本当に今の不況の中で苦しんでいる中小企業者、こういった方々は祈るような気持ちで政府の対応を見詰めているわけでありまして、常に、今おっしゃったように、七日にせっかくやっていただけるというんで、やれやれ、我々の声が聞こえたかと思っておったら、またこれで調査しておるんだということじゃ全くやりきれないと思うんですよ。総理、ぜひこの点をお酌み取りいただいて、国民の率直な感じをよくわかってほしいと思うんです。
 私は、何も予算審議中に緊急対策が出たからどうのこうのという党利党略の話じゃないと思うんですね。この補正予算は九月時点でつくったものだから十分じゃありませんよ、いいものがあったらあなた方野党でも何でも言ってくれ、そしてそれを聞いて、また外部の声も聞いて、その中で本当に大事なものを政府としては対策としてやる、いつやるよ、そしてこの国会の論議を踏まえてやるぞ、そしてそれを本予算に反映する、こういうことを言わなきゃおかしいじゃないですか。どうでしょうか、総理。
#20
○藤井国務大臣 ただいままで総理がお答えになったとおりだと思いますが、私が今例えて言えば、公共投資政策で申しますと、平成五年度予算の当初が九月末現在で七八%の契約率になっているわけです。そして、第一次補正、六月補正でございますね、これが四〇出ているわけですね。ということによって、少なくとも上半期、そして、第三・四半期はそれが支えるというふうに見ているんですよ。
 その次に、今度の補正予算によってこの第四・四半期を支える。少なくとも公共投資政策というのは下支え効果があるわけでございまして、そのような意味における公共投資政策というものは着実に実行できていると私は思いますし、平成六年度予算におきましても、景気の現状を見ながらの措置は十分考えるということはかって申し上げているとおりでございます。
#21
○原田(昇)委員 大蔵大臣、私は公共投資政策のことを聞いているんじゃないんですよ。
 今申し上げているのは、本当に国民は今不況で苦しんでいるんですよ。それで、失業がどんどん出て、これは社内失業まで入れたら大変な数になるだろうと言われておる。しかも株式市場はもう不信任を突きつけておる。こういう事態において、常にぐらぐらしていたんじゃ困る。国民に対して、政府はこうやってやるぞ、君らの状況もよくわかった、そういうことでやるのが本当の政治じゃないんですか。私たちだって協力しますよ、そういうことに対しては。国民生活を安定し、国の経済を発展させることこそ今私たちの最高の責任ではないかと思うんです。最大の課題ではないかと思うんです。国民はそれを待っているわけですが、いや、七日はただがちゃがちゃと相談をするだけだと。じゃ、いつやるんですか、緊急対策は。官房長官。
#22
○武村国務大臣 七日の会合につきましては、先般、ここでお答えをさせていただきました。
 連立与党の政策担当者と不肖私と五十分ぐらい、景気の現状、今御指摘をいただいているような点について真剣に意見交換をいたしました。そして、全体の認識としましては、とにかく一日も早く補正予算を成立をさせていただいて、実施に入るということが第一。懸案の政治改革ももうここまできているから、年内何としても真剣な議論をいただいて、これを仕上げていただくということが第二。そして、通常であれば、当然、年内でございますから、予算の編成に堂々と全力を挙げて取り組んでいこう。この予算の編成の中に、次の、この深刻な状況を認識しながら、日本経済に対してどういう予算を編成していくのか、いわば景気対策を含めた平成六年度のしっかりした予算を編成していこう、こういう認識でございました。
 景気対策の中には、単に公共事業のようにぽんと額をふやせばいいものもあるかもしれませんが、さまざまた言われておりますようなテーマは法律改正を要するものも少なくありません。そういう中で、この辺も当初予算が決定されるその時期を目標にしながら詰めていこうという考えでございます。
 私も、記者会見ではたびたび、この戦後経験したことのない未曾有の日本経済の危機的状況の中で、政治や行政はありとあらゆる手段を総動員して体当たりしていくのだということを申し上げておりまして、ただいまそういう気持ちでこの景気に対応していきたいと思っております。
 ただ、時期的な状況は、同じもう十二月、もう今オーバーラップしているわけですが、一つ一つ当面の課題を解決しながら、当初予算という大きな作業に全力投球をしていきたいし、これこそ与野党を超えてあらゆる知恵をおかりしながら取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
#23
○原田(昇)委員 そこで、今お話しになりました本予算でございますが、いずれにしても、今回の補正予算では景気の上昇は望めない、期しがたい。そこで政府は緊急対策をやらなきゃいかぬというように考えておられるのですから、それを織り込んで、本当に国民を元気づけるには、未来に対して確信を持てるような来年度の本予算を速やかに編成しなきゃならぬと思うのですね。
 細川総理は、来年度予算を年内に編成する決意がおありかどうか、はっきりこの際お伺いしたいと思うのです。与党の一部には、年を越してもいいじゃないかなどという無責任な発言をしておられる方もおられると聞いておりますので、この時期にはっきりと、年内編成をやるのだ、そして、この未曾有の不況をこの本予算によって、補正予算から引き継いだ本予算によってきっちりと対策を講ずるのだ、国民よ安心しろ、こういうものを出していただかなきゃならぬのじゃないかと思います。いつですか。
#24
○細川内閣総理大臣 先ほど来お話がございますように、景気の状況も大変懸念をしておりますし、そうした意味でも、しっかりとした景気対策を講じていかなければならないと思っておりますのできる限り早く予算を考えなければならない、年内編成に向けて努力をしたいというふうに思っております。
#25
○原田(昇)委員 景気は二番底が抜けるかどうかの危機的な局面に差しかかっていることは事実でありまして、本当に失業者がふえてきた場合に一挙に社会不安が顕在化するおそれもあるのですよ。アメリカでは、家のローンが払えなくなった多数のホワイトカラーのサラリーマンがホームレスになっておるということは私たちの記憶に新しいところでございますけれども、日本でも今ホームローンを抱えている方々はたくさんいるわけです。来年度予算にはそうしたことは絶対に起こさせないという決意を表明してもらいたいし、大蔵大臣はそういう方針で予算編成をぜひやってもらいたいと思うのです。
 そこで、国民は政府の姿勢を本当に真剣な目で見ておるわけでありますから、閣僚のちょっとした発言でも株が上がったり下がったりするくらいであります。そこで私は、しっかりした方針で、断固たる決意で本予算の編成に臨んでいただきたいわけですが、今総理から来年度予算を年内編成する方向で努力したいということを言われましたが、もう一度お伺いしたいと思います。その決意についてはっきりとこの際お示しいただきたいと思います。
#26
○細川内閣総理大臣 まさに今おっしゃいましたとおり、年内編成をする方向で努力をしたい、こういうことでございます。
#27
○原田(昇)委員 年内編成ということになりますと、まず税制改革が、予算の場合は税制の改正があって、そして歳入とか何か確定してからやらなければならないわけでありますが、既に政府税調の答申が出て、減税をどうするか、また消費税の税率アップをどうするかというようなことをセットにして出てきておると思うのですが、この辺はどういうように考えておられるのですか。所得減税をおやりになる、そして消費税の税率アップをするということで編成していこうとしておられるのかどうか、ぜひともお伺いしたいと思います。総理大臣、いかがですか。
#28
○藤井国務大臣 税制調査会の結論はもう原田委員御承知のとおりでありまして、私は、中期的課題として、日本の将来の福祉国家のあり方の負担関係の非常に正しい指摘をしておられると考えております。
 そこで、今のお話は、当面の減税政策をどうするのか、こういう御指摘だと思いますが、平成六年度予算編成の中の税制改革の中で、それらの方向も踏まえながら、国民の皆様の御意見をよく承って決定してまいりたいと思っています。
#29
○原田(昇)委員 せっかく減税して消費税をアップするというのでは、増減税で帳消したということでは景気対策にならないと思うのですが、その点はいかがですか。
#30
○藤井国務大臣 今申し上げたように、長期的課題としてある方向は正しいという前提に立って、今のような原田委員の御指摘もあることはよく承知をいたしております。それらも加えながら、国民の御意向によく耳を傾けて決定をしてまいるのが来年度の税制改革であると考えております。
#31
○原田(昇)委員 それでは次に入ります。
 細川総理の言われるとおり、あらゆる手段を用いて景気浮揚を考えるのだということであれば、財政政策の面ばかりでなくて、金融政策の面も動員しなければならぬと思うのですね。
 日銀は、きょう総裁おいでで恐縮です、おいでいただいておりますが、率直に耳の痛い話をして申しわけございませんが、ちまたの声は、どうも日銀の打つ手はいつも遅きに失して、せっかくの対策の効果が薄らいでしまうということを言っております。日銀総裁は現在の不況をどういうように考えておられるか、金融面の発動を必要とする考えがあるかどうか、率直にお伺いしたいと思うのです。
#32
○三重野参考人 お答え申し上げます。
 金融政策の運営についていろいろ御批判はあると思いますが、私どもといたしましては、こういう変化の激しい、難しいときでございますので、そのときどきの金融・経済情勢を絶えず見直しをいたしまして、機動的に金融政策を運営してきたつもりでございます。
 例えば、私どもが今回の金融緩和に踏み切って第一回の公定歩合を引き下げましたのは一昨年の七月一日でございます。先般、企画庁がいわゆる平成景気のピークについていろいろ検討なさって判定されたのがやはり一昨年の四月でございますから、間もなく金融緩和に踏み切ったわけでございます。しかも、それから七回にわたり公定歩合の引き下げを行いまして、六%から四・二五%下げまして、現在の公定歩合は一・七五%でございますが、これは日本銀行始まって以来百十一年、最も低い公定歩合の水準でございます。もちろん、公定歩合だけではなくて、市場金利、貸出金利もこれより以上に低下いたしまして、その水準というものは、歴史的に見ましても、対外比較いたしましても、非常に低い水準にございます。
 にもかかわらずなかなか景気がよくならない。これは、基本的にはやはり一九八〇年代の後半に起きましたバブル時代の数々の行き過ぎの調整がまだ続いている、その上にことしに入りましての円高、これに対する対応に企業が苦しんでいるということだと思います。
 したがいまして、このバブル時代の行き過ぎを生じましたことにつきましては、やはり金融政策にも一端の責任がございますので、この点は反省し、以後こういうことのないようにいたしたいと思いますが、一たんバブルが生じますとどうしてもその後の調整は避けられないわけで、今申し上げましたように、金融緩和を講じたにもかかわりませずなかなか出てこないのはどういうことかといいますと、それは委員御存じのように、金融緩和というのは、直接需要を引き出すことにはなりません。いわゆる企業の企業収益を下支えするという効果がございます。しかしながら、この調整が終わって、いい例は住宅投資でございますが、これが一番早く調整が終わりましたが、いわゆる低金利の影響がございまして、非常に今堅実な動きをいたしております。
 したがいまして、今調整にいろいろ苦しんでおりますけれども、この調整が終われば、企業が前向きの経営をいたしますのには、それをサポートする十分な金利水準の低さにあると思いますけれども、委員がおっしゃいましたように、非常に今難しい時期にありますので、引き続き念入りに情勢をチェックいたしまして、適切な金融政策の反映をいたしたいと思います。
#33
○原田(昇)委員 総裁のお話のように、単純な不況と違って、複合不況で、資産デフレだということを考えなければいかぬというのはごもっともだと思うのです。しかし、金利が投資の誘発効果が非常に高いということも、これは大蔵省の財政金融研究所あたりでもそういう説を言っておりますよ。長期プライム、長プラが一%下がれば、民間投資を誘発して、GNPで一%上昇させる効果があるということも言われておるわけであります、御存じのように。
 そこで、私は、今確かに公定歩合は日銀始まって以来かもしれないけれども、卸売物価が三%下がっているわけですね。そうすると、諸外国と比べて公定歩合は決して安いと言えない。マイナス三%というのがげたにあるわけですから、下に。そうすると、実質金利は四・七五になるのです。長期プライムとか、短プラは三%台、長プラはもっと高いと思うのですが、長プラは今幾らですか。短プラは三ですね。そうすると、まあ三%だから六%だ、実質は。アメリカと比べてごらんなさい、全然高いですよ。
 だから、そういう点でまだ投資誘発というところまでいかないんじゃないか。私は、金利についてはもっともっと引き下げの、諸外国と比べて日本の金利は割高ではないか、決して低いとは言えない、こういうように思いますが、いかがでしょう。
#34
○三重野参考人 二つお答えしたいと思います。
 一つは、委員がおっしゃいましたとおり、金利の低下というのは投資を引き出す効果があるわけでございますが、普通の場合はそうでございますが、今回の場合は、バブルのときに企業のバランスシートが非常に傷んでおります。したがいまして、金利が下がってマネーフローが多少改善いたしましても、企業はまず企業の負債を返済し、バランスシートを立て直すというところにまず関心がございますので、いつもに比べて非常に金利が下がったにもかかわらず設備投資が出てこないのは、そこに大きな原因が一つあると思います。
 それから、実質金利でございます。これは多少技術的なことを申し上げますが、これは委員が百も承知のことではございますけれども、実質金利というのは、名目金利からこれからの物価上昇の予想率を差し引いたものでございまして、非常に難しいのは、企業あるいは家計がこれから物価がどのくらい上がるだろうという予想を数字的に的確に把握することはできません。したがって、普通は機械的に卸売物価あるいは消費者物価の現在の情勢を当てはめて実質金利というのを一応置いております。
 そういう意味で、まずは卸売物価を調整する場合に、国内卸売物価の方がいいと思いますが、それはともかくといたしまして、委員のおっしゃったように確かに短期のものは六%近いものになりますけれども、確かにアメリカよりは高こうございます。しかし、日本よりもはるかに景気の悪いドイツかフランスの実質金利はこれよりはるかに高いところにございます。また、いわゆる国際比較をいたします場合、普通は、これは設備投資でございますので、長期金利を消費者物価で調整するのが比較的普通でございます。そうして金利をはじきますと、日本の場合は先進国では非常に低い方になっております。
 しかし、技術的にはともかくといたしまして、そういうことは別にしまして、私どもは、金融政策をやります場合には、実質金利も一つ頭の片隅に置いておりますけれども、それだけではなくて、名目金利、企業金融、資本市場の動向等を勘案して決めておりますが、いずれにしても難しい時期でございますので、これからも誠心誠意適切に運営してまいりたいと思っております。
#35
○原田(昇)委員 金融政策の面からも、この景気の回復についてのいろいろ大変難しい問題があろうと思いますが、ぜひお取り組みをいただきたいと思います。
 さて、今回の不況については、先ほど総裁も言われました複合的な不況であって、普通の病気と違うと。普通の病気だったら、下痢をすればそれに即応したお薬があるわけですが、今度の場合はちょっと循環器系統の、いわば資産デフレによって動脈硬化を来した、こういうことですから、これに対する処方せんというのは、おのずからまた別な処方せんを考えなければならないのじゃないかと思うのですね。それには、株式と、やはり土地の流動をよくするということが一番主眼になるのではないかと思うのです。
 そこで、まず証券市場の問題ですが、証券市場の活性化を図るための重要な課題として、個人の金融資産は今一千兆円もあると言われておるわけであります。金がないわけじゃない。個人はみんな金融資産として持っているのです。その一千兆円の金融資産をいかにしたら証券市場に誘導してこれるかというのが証券市場の活性化をもたらす最大の眼目ではないか。
 今まで日本の証券市場は法人に依存しておった率が非常に高い。しかし、これからアメリカとか諸外国と同じようにもっと個人を大事にしなければならない、小口の個人を大事にしなければならない時代ではないか、それが証券市場のすそを広げることではないかと思います。しかも、個人の投資家にとりましても、長期的で安定的な投資が得られるというちゃんとした証券市場に育つなら、これは非常にメリットがあります。
 そういう意味で、私はぜひとも証券市場の活性化のための環境条件を整備する必要があろうと思う。税制の面も含めてぜひ御検討をいただかなきゃならぬのじゃないか。大蔵大臣、いかがでしょうか。
#36
○藤井国務大臣 原田委員御指摘のとおりだと思います。
 過般から始めておりますように、例の株式の単位数の引き下げとか、財形貯蓄に証券投資信託を入れる話とか、一万円からの累積投資を認めるとか、いろいろ個人のための株式投資が容易に行えるような措置は逐次講じてきているところであり、引き続いて努力してまいります。
#37
○原田(昇)委員 ぜひこれは大蔵大臣にひとつじっくり取り組んでもらいたいと思います。
 それから、私は、去る十月六日、この委員会で、この不況の本質に関連して、バブル時代に高騰した地価、それがその後暴落して、土地を抱え込んだ金融機関が大きな影響を受けておる、これで動脈硬化は起こっているんだ、金融システムを再構築しなきゃならぬ、こういうことを申し上げたわけであります。これに対して大蔵大臣は、全く同感だが、今大蔵省としては不良債権の買い取り機関というものをつくってやっておるというお話がありました。
 しかし、どうもその内容を見ますと、不良債権のうち、十四兆あると言われておりますが、二兆円ぐらいが買い取り機関へ来て、しかも土地が売れないという状況にあるようであります。
 私は、土地の売れないのも、聞いてみると、非常に小さい、細切れの、だれもちょっと利用をできないような土地が入っておるというような話で、なかなか難しい問題だなと思いますが、改めて問題の難しさを認識したわけですが、しかし、そうかといって、これだけで万事足れりということじゃないと思うのですね。やはりもう一つ何かなきゃいかぬ。
 例えば、今すぐということでなくても、将来有効利用できるような土地であれば、これは公的な機関が、例えば自治体とか住都公団あたりが買ってもいいわけですね。そして、将来活用するという長期的な目で買って活用していくことも一つの方法なんですね。そういうことも含めて、これはぜひ御検討をいただきたいと思うのです。大蔵大臣、いかがでしょうか。
#38
○藤井国務大臣 前にも申し上げましたように、原田委員の御指摘は全く適切な御指摘だと思っているのです。つまり、総需要政策だけでは今回の不況対策に限界があるという意味でございます。
 そこで、原田委員御指摘の時点から大分売却の対象の情報をふやしまして、あのときは二百七十件ぐらい全部で出していたのですが、今六百三十件ぐらい出ておりまして、この間の御指摘のように、どんどん今のような関係機関にこういう情報を出す。ただし、相手方の債務者の了承が要るということだけは事実でありますから、債務者の了承をより積極的にとるということも含めてやっております。
 現在まだ御承知のように六十五億円しか売れていないという状況でございますが、一層努力をいたしますし、また、これは建設大臣なり自治大臣の御所管でございますが、先行取得などについても大変御尽力をいただいているように承知をいたしております。
#39
○佐藤国務大臣 原田委員御指摘のように、私たちといたしましても、景気対策をやる上におきましても、何といっても土地がないことには物ができぬわけでございますので、そのための先行取得というのは随分進めてきておるわけでございます。
 御承知のように、公共用地の取得債もございますし、あるいは土地公社によるところの取得、あるいは土地開発基金によりますやり方、いろいろあるわけでございますが、特に平成三年、四年でこの土地開発基金におきまして約一兆円積み増しをしてきているというようなことで取得もしてきております。また、四月の総合経済対策におきましても、一兆二千億円先行取得というのを地方公共団体はやってきております。また、今度の九月の緊急対策におきましても、国と地方自治体合わせて約三千億円先行取得するようにということで、かなり意欲的に公共用地のための先行取得をしてきているわけであります。
 ただ、委員みずから言われましたように、いわゆる十三兆円の中に入っております不良債権を買うということにつきましては、これはやはり無理でございますので、その点につきましては、いいものがあれば一向に構わないわけでございますが、いずれにいたしましても、地方公共団体といたしましても、委員御指摘のように土地が動くということ、それは直接今の不良債権という問題ではなくても、つまり土地が動くということは非常に経済の活性化にとりまして重要でございますし、また、自治体が公共事業をやる上におきましても不可欠なことでございますので、今後とも、先行取得ができますように、なお一層私たちの方としても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#40
○原田(昇)委員 土地の流動化促進ということが、今自治大臣お触れになりましたが、非常に大事だと思うのですね。私は、去る十月六日のこの予算委員会でもその点を御指摘申し上げたのでございますけれども、その流動化には、それこそ細川内閣の言う規制緩和ということをまずここで私は実行していただきたいと思うのです。
 それには、あの高騰時代に実施した土地取引の監視区域の撤廃とか、あるいは税制で厳罰的な譲渡所得税、あるいは買いかえ特例を非常に厳しくするとか、こういうことがなされたわけですが、これらについてぜひ再検討していただいて、大幅に緩和していただかなければならないんじゃないかと思います。
 また、金融面でも、総量方式、トリガー方式というのがあったわけですが、これについても、私はぜひこの際、もちろん今はもう実質上動いていないと思うのですが、いつでもそれは上がったら撃つぞという姿勢は結構ですが、しかし、当面そういう心配はないわけですから、ぜひこれは再検討していただくことが必要ではないかなと思います。
#41
○五十嵐国務大臣 御指摘のとおり、土地がなかなか動かない。この流動化を図っていくということは、景気をよくしていく上で非常に大きな要因の一つであろうと、こういうぐあいに認識をいたしているような次第であります。したがいまして、私どもといたしましても、この際、規制緩和あるいはお話のように融資であるとかという対策とあわせて、税制の面でも、例えば土地譲渡益課税の緩和等につきまして真剣に検討をしていこうと、こういうぐあいに考えている次第であります。
#42
○藤井国務大臣 税制につきましては、この間もお答えしたように、平成元年の土地基本法の精神に基づいて平成三年の土地税制ができた、この基本は私は正しいと思っております。これは前政権の基本方針でありますが、これは私どもも踏襲すべきものと思っております。ただ、その中で、いわゆる産業のリストラとかあるいは今の債権の回復とかそういうような問題についての税制がそういう中でどういうものが考えられるかを今勉強させていただいております。
 次に、金融でございますが、トリガーにつきましては、もう御指摘のように、総量規制をやめた後の措置として、再び過般のような事態が起きてはいけないということから、いわゆるいざとなったときに引き金を引くというわけでございますので、仕組みとして残っているけれども、実際は今そういう状況にないというのは御指摘のとおりでございますので、ひとつトリガーだけは残させていただきたいという気持ちを持っております。
#43
○原田(昇)委員 今大蔵大臣は土地基本法に触れられましたが、私はそれは間違いだと思いますよ。土地基本法の内容をよく御存じかと思いますが、これは土地の有効利用促進、そして需給バランスをとるということがまず主眼で、それができてから今の、やたらにもうけた場合には開発利益を吐き出してもらうというのがあるのであって、三番目にあるのです。一、二ができてないときに、三番目だけ先にするのは間違いだと思います。
#44
○山口委員長 質疑時間が終了いたしましたので、手短にお願いいたします。
#45
○原田(昇)委員 そういうことで、ぜひ考えていただきたい。
 そして、最後に申し上げたいのは、中長期的に見て、日本の成長を引き上げ、生活のレベルを上げていくにはどうしても新しい需要分野を開拓する必要があろうと思います。今までの日本の得意は、外国技術を模倣して日本で製品をつくっていくということですが、これからはやはり独自の技術によって発展することが大事でございます。したがって、この新しい独自の分野を開発するには、公共の分野においても情報通信のシステムの構築とか、あるいは教育の面で学校教育の施設充実による科学技術教育の充実とか人材の育成とかということが非常に大事だと思いますので、ぜひともこれから新しい社会資本としてこういったものを育てるように考えていくべきではないか。
 そしてこれと並んで、土地住宅分野あるいは……
#46
○山口委員長 約束の時間が来ておりますので、手短に願います。
#47
○原田(昇)委員 やめますから。
 新規の情報通信分野において、社会資本や規制緩和を推進していくことは大事ではないかなと、こう思いますので、時間でございますから、希望を申し述べて、次にバトンタッチいたします。
#48
○山口委員長 これにて原田君の質疑は終了いたしました。
 次に、田中眞紀子君。
#49
○田中(眞)委員 私は、このたびの総選挙におきまして新潟県第三区から当選をさせていただきました田中眞紀子でございます。
 当選後まだ百三十日しかたっておりません主婦でございます。その私が自由民主党・自由国民会議のメンバーといたしまして、本日この伝統あります衆議院の予算委員会において質問をさせていただけることを大変光栄に思っております。諸先輩の御配慮に対しまして衷心より御礼を申し上げます。
 私は、数日前にこの機会を与えてくださるというお話を聞きましたときに、自由民主党もいよいよ人材難なのかと思ってちょっと心配をいたしました。ところが、実際はそうじゃございませんで、例の怪しげな、私ども有権者からひんしゅくを買っておりましたあるグループが自由民主党から看板を変えて出ていかれまして、そして大変自民党も風通しがよくなりまして、かつての派閥とかあるいは年功序列のようなものはなくなりまして、自民党も随分変わってきたのではないかしらというふうな感じがいたしまして、ああ、少しは希望が持てる政党で、よくなっていくのではないかというふうに思っております。
 それで、私はこのたびの選挙に立候補いたしますときにスローガンを掲げました。その一つは、政治に強さとやさしさを、人の心の痛みのわかる政治の実現ということでございます。これは今後私が政治家として道を歩んでいきます上での道しるべ、道標として強く心にしっかりと刻み込んでいきたいと思っております。現場第一主義として、人々の心がよくわかるように、目で、耳で、手で触れて、有権者が、私ども生活者が何を考えているかということをしっかりと確認していきたいというふうに思っております。
 私は、本来でしたらば、この予算委員会もテレビで寝っ転がって見ていることもできたわけでございますが、解散後に立候補いたしましたのには理由がございます。それは、政治がどんどん私ども有権者から遠くなっていって、わかりづらくなっていっているということでございます。一体、どこでだれが、どなたの責任において政策を決定しているのか、一億二千万人をどこへ持っていこうとしているのかさっぱりわからない、そういう気持ちがございました。だものですから、落選も覚悟で、このまま座視しているのがいいか、どちらかいろいろ考えた末に思い切って立候補いたしました。その結果、新潟県の皆様から大きな愛情とエネルギーを与えていただきました。私はこの期待にこたえる義務がございます。そして、本日ここに立たせていただいているわけでございます。
 閣僚席を拝見いたしますと、何人がよく存じ上げているお顔もございますし、また、細川総理は、私が住んでおります目白に御実家がおありになります。家族構成も同じでございますし、私は一月十四日生まれでございますが、つい先日、新聞紙上で、総理も一月十四日でいらっしゃるということがわかりまして、これは大変な奇遇だなと思っております。
 それで、まず第一の質問をさせていただきます。内閣総理大臣にお伺いいたします。
 去る八月二十三日の一時に衆議院の本会議場において所信表明をなさいました。あのときはアウトラインがわかっておりましたのですが、いよいよ実態がわかってまいりました。選挙制度の改革、お米の自由化の問題、消費税率の引き上げ等でございますが、ここで改めて連立政権の意義と内閣総理大臣職の使命についてお述べいただきたいと思います。
#50
○細川内閣総理大臣 冒頭に、国民にわかりやすい政治を、絶えず現場主義というものを心がけていくというお話でございましたが、私もその点につきましては全く同感でございます。私もそのように心がけてやってまいりたい、そのように思っているところでございます。
 連立政権の意義についてということでございますが、これはさきの選挙が終わりました後で、長い間続いてきた一党支配の体制というものが今の日本の政治の状況に好ましい影響を与えていない、いろいろなむしろ弊害を与えてきたということについて、これを変えていくということが国民の大きな期待である。そのことを受けとめて、八党の合意によって連立政権というものが樹立をされたわけでございまして、その御期待にこたえるべく今私どもも鋭意取り組んでいるところでございます。
 内閣総理大臣のそういう状況を踏まえた位置づけと申しますか使命と申しますかそういうことについてのお尋ねでございますが、なかなか八頭立ての馬車というものを一緒にうまく足並みをそろえて進めていくということは確かに難しいことではございますが、そういう中にありまして、内閣の一体性というものを保ちながらこの政治の運営というものに当たっていかなければならない。そのことをしっかりと進めていくということが国民の御期待にこたえる道である。
 大変抽象的な言い方で申しわけございませんが、とにかく国民の御期待にこたえられるように、私は私なりに内閣の中において総理大臣としてのリーダーシップというものを発揮をしてまいりたい、このように思っております。
#51
○田中(眞)委員 ありがとうございました。
 ここに日本新党の「政策大綱」がございます。その中で、「今、日本の政治に求められているのは、」「既成政党ならびに対立と野合の戦後政治体制を解体し、これに代わる、新しい政治体制を構築することである。」というふうに述べていらっしゃいます。
 私ども一般の生活者が見ますと、先ほども申し上げましたけれども、ちょっと看板だけをかけかえて、自民党を出ていらして、汚職の問題等が余り解明されていない政党も連立の中にいらっしゃいますし、また、憲法二十条の政教分離の問題で、宗教団体と政党との間の資金の流れが余りはっきりしていない不透明な政党もおられます。
 それからまた、主婦の立場でございますけれども、私ども一番いいのじゃないかと思っておりましたのですが、消費税に反対をしたり、あるいは選挙制度の問題でありますとか米の自由化とか、そういうことに随分はっきりと反対をしていらっしゃった政党が、ある日突然、私は社会党の支持者ではございませんから裏切られたわけではございませんけれども、社会党の政策は全部悪かったとは思っておりませんでしたのに、選挙後に突如として基本政策を百八十度変えてしまわれた。しかも、例のPKOでございましたか、あのときにはたしか全社会党議員の方は辞職を取りまとめられたのではないかと思います、私はテレビ観戦、新聞で見ておりました立場でございましたけれども。
 何かこの間も、経企庁長官の発言をこちらで伺っておりましたけれども、一体自衛隊が合憲であるのかないのかはっきりしておりませんでした。たしかあのとき長官の発言では、閣内では発言をするけれども、国会においては私は発言をすることは慎みたいとおっしゃいましたから、それは国民の期待に反することでございまして、そういうことこそ明瞭に、わかりやすくお話しをしていただきたかったなというふうに思っております。
 それで、そういう政党が皆さん一緒になった八頭立ての馬車でございますが、その政治的な野合というのは、では一体総理はどういう状態を指してお述べになっていらっしゃるのか私のような主婦にもわかるように御説明いただきたいと思います。
#52
○細川内閣総理大臣 連立政権というものは、そもそもそれぞれの政党が立党の精神というものを持っておりますし、また、それぞれ固有の政策というものを持っているわけでございますが、このたびの連立政権におきましては、三十八年間続いてきた一党支配というものを、先ほども申し上げましたように、とにかく変えるということが、政権交代を実現するということが、日本の政治の成熟のためにも、あるいは議会主義の前進のためにも、あるいはまた政治をわかりやすくしていくというそういう観点からも望ましいことではないか。
 そういうことで、選挙が終わった後でございますが、今おっしゃいましたように、安全保障とか外交の問題とか、それぞれに違った考え方を持っている政党でございますが、政権交代という大義のもとに連立を組んでやっていこうということでこのたびの連立政権がスタートをしたということでございまして、その辺について私は今国民の御支持を得ている、そのように考えております。
#53
○田中(眞)委員 この「政策大綱」の中にもたびたび出てくる言葉がございまして、リーダーシップという言葉でございます。今もここで総理がお述べになりました。「強い政治的リーダーシップ」「内閣のリーダーシップの強化」「内閣が強力なリーダーシップを発揮できる」。リーダーシップが大変お好きでいらっしゃるようでございますが、リーダーシップというのは指導性ということでございまして、内閣総理大臣は当然内閣のリーダーでございますし、リーダーシップをとるということは責任に裏づけをされていなければなりません。
 ですから、私などが申し上げるまでもなく、御自覚でいらっしゃることだと思いますが、結局ぬえのような、何か私ども一般庶民が見ますとわかりづらい政党が寄り集まっているわけでございますけれども、その連立政権が行う政策のすべての責任は細川護煕総理が全部おとりになる、それがリーダーシップであるというふうに理解してよろしゅうございましょうか。
#54
○細川内閣総理大臣 おっしゃるとおりでございます。
#55
○田中(眞)委員 それでは、個別の問題について伺わせていただきたいと思います。
 まず、中国の残留邦人の問題について厚生大臣にお伺いいたします。先日の厚生委員会でもお尋ねを申し上げたことでございます。
 戦後四十八年たち、日中国交回復がなされてから二十一年、そして厚生省が残留邦人の帰国の問題に手をつけられてから十二年たっていると承知しております。戦前、満州に開拓者として、国策として送り込まれた日本人は百五十五万人というふうに言われております。これは国策でございました。そして、昭和二十年の八月にソ連が日本人の居留区に入り込んでから、日本人は皆逃げ惑うて、中国人に子供さんをお預けになったり、あるいは孤児として置き去られてしまったという方々でございまして、当時十三歳ということをボーダーラインとして厚生省は孤児と残留婦人というふうに区分けをしていらっしゃるというふうに承知しております。
 この孤児の方々も、もう五十歳近くになられますでしょうし、年とっていらっしゃる方は七十歳を超えていらっしゃいます。この方々はずっと日本の国を誠実に信じて、辛抱強く待ってこられた被害者でございます。愛国者であると言っても私は過言ではないと思っております。
 この方々に対しまして、今厚生省は、十年に一回、今度見直しをなさるそうでございますね、五年に一回は帰国をできるようにするということでございますが、今六十五歳の方は、次は七十五歳、八十五歳まで祖国の土を踏むことができないのです。私はこれはもう寿命との競争であるというふうに考えております。タイムリミットが来ているのです。
 ですから、私はもういろいろな問題があるのはよくわかっております。一時帰らせてあげたりすると、厚生省やら法務省、建設省、文部省等いろいろな縦割り行政があって難しいんだということは重々わかっておりますが、そういうことを超えて、細川内閣では、役所の縦割り行政というものを排除して、立法府が一生懸命イニシアチブをとるということをおっしゃっている、そのとおりと私も思っておりますが、こういう問題こそ人権問題、人道問題でございますので、厚生省がもう少し誠実に考えていただきたいと思っております。
 そして、今まで調べてみますと、厚生省は、未帰還者留守家族援護法というものをつくられて、親族の同意がなければ帰国できないという制度をつくられました。その次に、二年前には特別身元引受人制度をつくられました。しかし、孤児の方々が、小さな子供さんたちが、自分がだれであるかのアイデンティティーも見つからない方々がどうやって身元引受人を探すのでしょうか。これは私は実質的には機能をしていない制度であるというふうに思います。
 ですから、ぜひこれは日本の政府が身元引受人となって、つまらない細かい制度はやめて、日本に最低年に二回でも、二回と言っても、一回が実現するかどうかわかりませんので、日本の役所仕事もありますので少し多目に言ってございますけれども、当該御本人とそれからやはりお世話になった中国の方に対する御恩というものを忘れてはいけないと思うのです。
 ですから、育ててくだすった養父母の方あるいは配偶者、お子さん、どなたでも結構ですが、ワンセットとして、日本の国がまず交通費も滞在費も持って差し上げるということはできないものでございましょうか。厚生大臣の御意見を伺いたいと思います。
#56
○大内国務大臣 今、田中委員御指摘のような所感を私も持っておりまして、九月の五日に残留婦人が見えられましたときに、私は、即座に、これらの人々の対応については、国が最終的に全責任を負うという記者会見をしたのでございます。
 今までにはいろいろな御指摘のような経過がございましたけれども、残留邦人の場合は、これは長い間の戦争から生まれた最大の犠牲者である。とすれば、やはり国がいろいろなことを言わないで、最終的には責任を負うべきものであるということでそれを申し上げまして、その十二名の残留婦人及び、十一月二十六日でございましたか、十五人の残留婦人の方々に対しましては最大の措置ができるように今対応さしていただいておりまして、九月五日の十二人の方々についてはいろいろな意味で対応が完了いたしまして、それらの方々も満足され、感謝されているわけでございます。十一月二十六日の十五名の方もそのような対応をしていきたいと思っているのでございます。
 そこで、特別身元引受人の問題について御言及がございましたが、私の決意は、最終的に国が全責任を負います。ただ、実際にいろいろな個人的な悩みとか個々の生活の相談といったような事柄は、今、例えば二十近いボランティア組織がございまして、これは実は中国から引き揚げた方々が、中国語も話せ、中国の事情もよく承知している方でございまして、それらの方々が、お一人お一人について身元引受人になったり、いろいろな形で貢献をされまして、これは非常に有効に機能しているのでございます。
 それで、現に、例えば残留婦人の身元引受人として登録されている方は、三百二十八名今登録されておりますし、また、残留孤児の皆さんにおきましては千三百八十一人ぐらい登録して待機をされておりまして、いつでもお世話をしたいという方々が現実におられるのであります。ですから、それらの身元引受人あるいは入管法上の身元引受人というのは、これは大変有効な機能を持っているんでございまして、そういうボランティアの方々の活動やあるいはその他の活動を全部封殺してしまうということよりか、やはり国も最大の援助をしながらそれらの人々のお力もいただくということの方が、私は本当の意味で親切な対応ができるのではないかと。
 それから、十年に一回というような帰国の一つの方針がございましたが、これは幾ら何でもひどいではないか。ですから、これは財政の問題がございますが、あとう限り短縮をしたいということで、今財政当局とも話し合いをしているさなかでございます。
#57
○田中(眞)委員 一生懸命機能はさせようとしていらっしゃるのはわかりますが、私も厚生省の方に再三おいでいただきましてこのことは調べておりますけれども、ボランティアについて私が聞きました厚生省の方のお話では、ボランティアの数が足りないということを伺いました。また、いろいろな団体からも聞いておりますが、身元引受人はなかなか負担が大きくて、今、大臣何人とおっしゃいましたか、千三百数人とおっしゃったかと思いますが、これもなかなか希望者がいなくて、そういうことが大変ネックになっているということを厚生省から伺ったことがございます。それについてお答えいただきたいことと、もう一点は予算でございます。
 私が承知しております数字では、予算は、厚生省はもちろん全体として十三兆円という大予算を持っていらっしゃいますのですけれども、食費も一日大体千二百三十円。一日ですよ。ということは、一食はすごく安い。三百円、四百円、消費税も払うわけですから。それで一食を食べさせていて、そんなことができるでしょうか。そして、二週間の滞在で一人に約四十万円ぐらいをかけていらっしゃるということですけれども、今現在、大体わかっているだけでもって千八百人ぐらいの方がいらっしゃる。中国側の発表ではもう少し多いというふうに聞いてはおります。ですから、実際にどれだけの予算を今かけ、今後幾らかければ速やかな帰国を可能にするのか、お答えいただきたいと思います。
#58
○大内国務大臣 私は先ほど数字を申し上げましたが、改めて申し上げますと、残留婦人関係、つまり特別身元引受人として今登録して待機されている方、つまり実際に登録されている方は三百二十八名でございます。これに対して既にあっせんの実績は百五十二世帯に及んでおります。それから、要するに入管法上の身元引受人、これにつきましては千三百八十一名現実に登録をして待機をしているわけでございます。そして、実際にあっせんの実績は九百十八世帯に及んでいるわけでございます。
 ですから、特別身元引受人や身元引受人がなければその対応はしないということではなくて、そういうものがあろうがなかろうが国が最終的には責任を負う。しかし、現実に日常生活のいろんなお世話をするということは非常に細かいことが要るわけでございまして、そういう方々についで、こういうふうに登録されている実際の身元引受人というのはあの九月の五日に来られてから急増しておりまして、そういう方々の御好意もちょうだいするということは、私はこういう問題の解決にとっては非常に大事なことである。しかし、そのことは国の責任を回避するものであってはならないということを厳重に申し上げているわけでございます。
 それから、今給食等のお話もございまして、私も食事を一緒にいただかしていただいたのでございますが、できるだけいいものを給食するように今努力をしておりますが、細かい予算的な関係等については政府委員から答えさしていただきます。
#59
○土井政府委員 残留孤児、残留婦人等の一時帰国あるいは永住帰国の予算でございますが、今年度十七億八千万円の予算を計上しております。
 なお、お話がありました食事でございますが、お話がありましたような金額で予算積算をしているところでございます。今後改善に努力したいと考えております。
#60
○田中(眞)委員 これは先ほど申し上げましたように、やはり厚生省とか建設省、特に私は、本当にやる気になれば、政府関係の施設とかYWCAとかいろいろございますし、クリアする気持ちがあるかどうかということにかかっていると思うんです。自民党の政策を引き継いでおられますが、よかったこともありますが、自民党でも遅々として進まなかったこともあるわけですから、連立政権に対して私どもが期待していることは、そういう問題こそ見直しをしていただきたかったんです。また自民党と同じような答弁をなさって、お気持ちはわかるんですけれども、これでは失望いたします。大した額じゃございません。これはやるのかやらないのか。
 そして、総理大臣も、この戦争は、何でしたか、侵略戦争であったとおっしゃいました。いろいろ波紋もございますけれども、侵略を受けたとする中国人の方への思いやり、この御努力に対する感謝の気持ちがあって、そしてそこで耐えていた人々の心の痛み、まさしく私の選挙スローガンでございますが、心の痛みというものを十分に感じられたらば、ここに全閣僚がいらっしゃるわけでございますから、それを取り払って速やかに、これは時間の問題です。私がせっからだから言っているんじゃございません。何とか早くこれを推進なさるお気持ちは総理におありになりませんか、お尋ね申し上げます。
#61
○細川内閣総理大臣 今厚生大臣からのお答えも、前向きに今検討しておられるというふうに私は受けとめました。まだまだ物足りないとおっしゃるお気持ちはよくわかりますが、私も、関係各省庁も前向きに、できる限り対応していくように、心の痛みというお話もございましたが、そういうことを踏まえて極力努力をさせていただきたいと思っております。
#62
○田中(眞)委員 細川総理が前向きに検討するなどという古い言葉を使われることは、私ども国民が大変失望するところでございます。
 それで、私は議員立法を考えました。そして、本当に私のような新人がやるのは生意気かと思いましたけれども、とてもこれは見ていられないと思いましたものですから、三日間であっという間に、派閥を超えまして、三日間で四十四人の国会議員の先生方が御署名くださいましたし、一週間を過ぎましたらば六十人を超える先生方が御署名くだすっております。ある機会に中国の徐教信大使とお目にかかりましたときにこのことを率直に申し上げました。中国側もいろいろ御要望やらお考えがおありになると思いますので、率直に御意見も伺ってございます。内閣法制局で、何度か書類の往復もして、書類はでき上がっております。あとはこれは決断だけでございます。
 私どもが議員立法をするときに与党は御一緒に御判断いただけるかど保うか内閣総理大臣、伺いたいと思います。
#63
○細川内閣総理大臣 それは、連立与党の方におきましても、よく検討をさせていただくようにいたします。
#64
○田中(眞)委員 人道上の問題でございますので、額も大したものではございませんし、これによって細川内閣の支持率はもっともっと上がると思います。私は、これは内閣に対する支持率ではなくて、細川総理個人に対する期待感が七〇%を超えているんだというふうに思っております。
 その期待感は何かと申しましたら、先ほど申しましたようなわけのわからない不透明な部分のある各政党の汚職の問題であるとか憲法に抵触しそうな問題等、それから、なぜ政策を百八十度も変えてしまったかということについて国民の前にわかりやすく、総理がいつもおっしゃるように、明度に明らかにしてくださるだろうということを期待しているんです。それが国民の支持でございまして、この残留婦人の問題は、邦人の問題は本当に胸の痛むことでございますし、当時生まれた子供でももうとっくに成人をしているんです。そういう方々の声をじかに聞いていただきたいし、胸で感じていただきたいと思います。これはもう伏して総理にお願いを申し上げますし、また、与野党の先生方にも御協力をお願いしたいと思います。
 次に、お米の問題について伺わせていただきます。
 これは、ウルグアイ・ラウンドが七年前にスタートして、あと七日しかない。私は七日もあるというふうに思っております。私は、お米の自由化は絶対反対論者でございます。私の名前が田中という名前であるからだけじゃございませんけれども、お米の問題は根本的に国内の問題と国外がございます。
 国内では、基本的な農政の失敗をずっと引き継いできています。食管会計の赤字等ということもございますけれども、とにかく減反というものをずっと続けてきて、備蓄を怠って、そして今回選挙をやっておりますときに、新潟県は水田が多うございますから、私はことしは全然稲のできが悪いなと。いつまでたっても、選挙の終わるころになっても稲が真っすぐ立っておりました。選挙中も、ことしはきっと凶作になるわねという話をしておりました。選挙になると、実るほどこうべを垂れる稲穂かなというようなもので、候補者は頭を下げていますが、終わるとみんな踏ん反り返ってしまいまして、凶作になってお米がない、あらそうか、それじゃ輸入すればいいじゃないか、これは安直だと私は思います。
 それで、いろいろと今までの御議論の中、マスコミ等を通じまして、総理大臣、農林大臣、外務大臣の御意見はもう十分わかりました。これは男性の理論か何かわかりませんが、幸いこの内閣には三人の女性の閣僚がいらっしゃいます。私は主婦でございます。台所を預かる同じ主婦の立場として、環境庁長官に環境問題としてこのお米の問題を伺います。
 環境庁長官は直接所得補償制度についてどのように考えていらっしゃいますか。長官御自身の御意見を、官僚ではなくて、政府委員ではなくて、大臣の、長官の御意見を伺いたいと思います。
#65
○広中国務大臣 農民に対する直接所得制度でございますか。(田中(眞)委員「直接所得補償制度」と呼ぶ)私、お答えできません。保
#66
○田中(眞)委員 どういう意味でおっしゃっているんでしょうか。答えたくないとおっしゃるのか、言葉の意味がおわかりにならないのでございますか。(発言する者あり)
#67
○山口委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
#68
○山口委員長 速記を起こして。
 広中環境庁長官。
#69
○広中国務大臣 失礼いたしました。
 この所得補償制度そのものについて私は十分理解しておりませんでしたので、その説明を聞いたわけでございますけれども、私の立場でこの問題にお答えすることはできません。そのような十分な判断資料を持っておりませんので、どなたか別の担当の方にお答えをお願いいたします。
#70
○田中(眞)委員 いや、お立場とおっしゃいましても、環境庁長官というお立場がおありになると思います。これは日曜日でございますから、失礼しました、土曜日の新聞でございますからお読みになっていらっしゃると思いますけれども、読んでいらっしゃらないですか。
 お米の問題は、開放に向けて命ずっと報道されておりますから御案内のとおりでございますけれども、この今私が申し上げました制度は、ECなどで行われている、平地に比べて条件が不利な山間地の農家に対して一定の条件のもとに、耕地面積一ヘクタール当たり円換算でもって約一万七千円でございますけれども、これを給付されるという、そして農業を続けてもらうということによって環境保全ができるという制度でございます。スイスなんかでもあることは御存じでいらっしゃいませんか。そして、日本も中山間地での米づくりについて今問われておりますので、そういう意味でもって日本の国土の中での中山間地での米づくりについて、これは環境保全と大変密接不可分な問題でございますからお尋ねしているのでございます。ぜひお答えください。
#71
○広中国務大臣 お答えいたします。
 直接の所得補償という問題に対しては私はお答えできませんけれども、中山間地におきますところの農業の環境に対する意味というのでしょうか、その大切さについては十分な認識を持っております。
#72
○田中(眞)委員 どういうふうにしたらいいかどういう認識を持っていらっしゃるかお答えいただきたいと思います。明快にお願いいたします。女性はあれだからだめだと言われたくありませんので、頑張ってください。
#73
○広中国務大臣 全く個人的なお答えで、それが意味があるかどうか私は疑うわけでございますけれども、山間地におけるいわゆる水田農業というのでしょうか、それに関しましては、何らかの形で継続されるような、そのような方策というものを考えなければいけないだろう、そのように思っております。
#74
○田中(眞)委員 日本の国土の七・一四%が水田でございます。水田というものはやはり環境に大変影響するとお思いになりませんか。七・一四%の水田が国土の中で工場になってしまったり宅地になってしまったりした場合、環境は汚染されるとお思いになりませんか。環境庁がカバーするところは海洋汚染やらあるいは大気汚染だけではございません。もちろん大気とも関係はございますが、私どもが  長官、どうぞお聞きください、質問いたしておりますのでお開きいただきたいと思います。地面の問題についても、保水の問題、国土、砂防というのももちろん関係ございますけれども、私は、日本の、この中山間地帯は特にそうですけれども、平地におきましても水田がなくなってしまったら環境問題に大きく影響をするというふうに考えておりますが、いかかでございましょうか。
#75
○広中国務大臣 私も問題提起の意味というのは非常によくわかります。そして、水田というのが国土保全の視点から非常に大切であるという認識を持っています。しかしながら、現状におきましてどのようにそれをキープしていくかという問題に関しましては、関係省庁が知恵を出し合って、与野党を超えまして、党派を超えまして考えていかなければならない問題だろうと思います。非常にいい問題提起だと受けとめております。
#76
○田中(眞)委員 今お米が自由化されるかどうか、日本の減反をどうするか中山間地帯やらをどうするのかという局面に来ております。内閣の閣僚でいらっしゃいますので、余り自分ごとでないような発言をされますと大変がっかりいたします。特にこの地域に住んでいらっしゃる。いや、農林大臣やら総理やら外務大臣の御意見は大体わかっております。外交交渉が間際になっているので余り実態を言いたくないとかおっしゃっていますが、では、せっかくにこにこしていらっしゃいますので、羽田外務大臣に伺います。
 外務大臣は、中曽根内閣とそれから竹下内閣でございましたか六カ月ずっぐらい農林大臣をなさいましたね。私は、やはり基本的に国内におきまして総合農政というものに失敗があったと思うのですね。新農政というものもできましたけれども、常にお米はあるというふうに私どもも生産者も消費者も考えているところに間違いがあるのではないでしょうか。そして、農林大臣としてもちろん御努力なさったことはわかりますが、次に大蔵大臣となられて、食管赤字もごらんになったと思います。
 そして今、今度連立に入られて、今度ウルグアイ・ラウンドで期限がない、そしてもういろいろな取引の中でこれは自由化せざるを得ないというふうなお考えでいらっしゃるのでしょうが、せっかく一人の先生が農林族としてあれだけ頑張られたのに、その場その場でくるくる変わっていかれてしまうということによって、結果的にはお米は、国民の納得いかないところでもって、国際取引の材料として売り飛ばされてしまうという感じがいたします。
 お米の問題はいろいろな角度から言えると思うのですけれども、この外交折衝、ウルグアイ・ラウンドについて申し上げたいのですけれども、これは経済問題というよりも政治問題です。外交交渉というのは、まさしく国と国とが自分の国の利害を守るために、その上に立って協調をしていくということが根本にあると思います。その中で、長い政治経歴を持っていらっしゃる外務大臣が、今回の選挙も、私は、田んぼの中で大臣がグーだかチョキだかパーをやっていらっしゃるポスターを見まして、何を考えているんだろうと思っておりましたけれども、それがあけたらパーだった、お米は全部出されちゃったでは、とてもじゃありませんけれども守り切れませんので、どうしても、どういうふうにあるべきなのか、広中長官にもわかりやすく、御意見を伺いたいと思います。ウルグアイ・ラウンドじゃございませんよ、農政についてどうあるべきかです。
#77
○羽田国務大臣 ウルグアイ・ラウンドでないということであります。
 農政につきましては、私は、今お話のありましたように、農林水産大臣あるいは大蔵大臣、そして今外務大臣という立場で担当することになっておりますけれども、しかし、それ以前あるいはその間も農政にずっと携わってきたものであります。そういう中にありまして、私が一番思いますことは、農業というものの改良、あるいはそのための基盤の構造改革、こういうものを進めるテンポと、経済というものが進んでいくテンポというものは物すごく違っておる、差があったということが言えると思います。
 それと同時に、日本人ぐらい食生活が大きく変わった民族というのは、私は世界を探してもほかにないんじゃないのかなというふうに思います。お米を守らなければならぬと私たち言いますけれども、そのことを言うグループの会の中でもやはりほかのものがどんどん食されておるということでありまして、なかなかこの農政というのは難しいなというのを思ったのは率直なところです。
 そして、余り長く時間もあれでございましょうから短く申し上げますけれども、今言われたように、農業の果たしている役割というのは、やはり一億二千万人の国民に食べさせている米というのは物すごく大事なものであろうと思っております。
 そして、それと同時に、今お話がありましたように、水田の果たしている役割というのは、水を酒養するということ、そしてもう一つはやはり土砂の流出というもの、崩壊を防いでおるということ。そういうことを考えたときに、ただコンクリートで固めちゃえばいいじゃないかと言う人もいます、山間部は。そうかと思うと、森林に変えればいいじゃないかと言う人もいます。しかし、あの急傾斜のところを森林に本当にできるだろうか。実際になかなかできない地区もあるわけです。
 ですから、そういう問題なんかについても配慮しなければいけないということで、これはウルグアイ・ラウンドになるわけですけれども、私たちは、この七年と数カ月、ずっとそのことを世界各国の皆様方に対して、日本の米というのは特殊事情、変な意味の特殊じゃないよということを言いながら、国土というものは、今お話があったように、七・数%も水田で占められているんだ、そういう状況というものを考えてくれと。ですから、私は、平地の農業というよりは、むしろ棚田の米づくり、これがなくなったとき本当に日本の国土は大丈夫なのかなという実は思いを持って、それをもとにしながら今日まで交渉に当たってきました。
 ですから、私は、農林大臣のときにも、その間にあっても、大蔵大臣にあっても、今外務大臣になっても、先ほどくるくる変わるというお話がありました。私は、どこにあっても、あるいは消費者に対しても農民に対しても、常に実は同じことを申し上げてきておるということだけははっきりと申し上げておきたいと思います。
#78
○田中(眞)委員 くるくる変わるのでなければ、テンポに合わなかった、見通しがなかったということを私は感じます。
 それで、とにかく中山間地が大事だとおっしゃいましたけれども、確かにこういうところから過疎化が進んでおります。ですから私は先ほど補償制度の問題もお伺いしたわけでございますけれども、こういうところに本当に住んでいただくためにはどうすればいいのかというふうな配慮も常に常に複眼的にされていないとならないのです。
 そして、殊に外交の中で、お米が日本の主食である云々ということを申しますけれども、もちろん、今、暮れになりまして、新年に向けて、お米もお酒も日本人みんなが口にするわけでございますし、日本は瑞穂の国と言われて、宮中では陛下がお田植えをなさり稲刈りをなさり、新嘗祭、神嘗祭もございますから、それは日本の特殊なものではございますけれども、しかし、外交交渉においては、お米が自由化されたからどれだけ世界の経済が潤うかという観点でお考えになったことはおありでしょうか。これは、私は、国際政治の、外交の場で大きなストラテジー、大きな戦略物資として、かつての牛肉・かんきつと同じように売り飛ばされるだけではないかと思うのです。心さえあれば、頑張る気があれば確実にこの問題は私は守り通せるというふうに思っておりますが、いかがでございましょうか。
#79
○羽田国務大臣 もう今お話しになったことそのままを今日まで、私だけじゃありません、これは自民党を代表する皆様方、あるいは野党の皆さん、あるいは農協の関係の方々、そういった方々も、それぞれが世界に出張されながら、今お話しになったとおりのことを実は訴えてきておるということであります。
 いずれにしましても、ただ、もう御案内のとおり、この交渉に参加しておる国というのは実は百十六あるわけです。それぞれの国がやはりみんな痛い、つらい、苦しいものを持っているわけですね。それをどうやって乗り越えるかどこで妥協するかというところが私はこの交渉というものを成功させることにつながるのだろうというふうに思っておりまして、今御指摘あったことは、全く私どもも今日まで訴え続け、今政権がかわったからといってその点について何の実は変化というものもない、むしろそういったことをさらに強く訴え続けておるというのが現状であるということを御理解いただきたいと思います。
#80
○田中(眞)委員 私は、大変上手なことをおっしゃる方だなと。なるほど、政治歴も長いし、いろいろポストもたくさん占めていらっしゃる方はこうやって出世なさるのかなというふうに思いましたが、私の考えは変わりません。どうしてもやはり米は国際市場での戦略物資でしかないという認識を私は持っております。
 なぜならば、日本の政治家には意外と愛国心が欠けてきているのではないかということを感じております。
 私が中学生のときにインドのネール首相が亡くなりましたが、大変気品があって美しいお嬢さんのインデラさんをお連れになって日本にいらっしゃったときにその演説を伺ったことがあります。後のインデラ・ガンジー首相でございます。ネール首相のお話も伺いました。
 また、アメリカに高校で留学しておりますときには、大統領選挙でニクソンに勝ったばかりのケネディ大統領が、国際通貨基金それから世界銀行総会ですぐ至近距離で演説なさるのを伺いました。ホワイトハウスに呼んでいただきましたが、私は偶然寝坊いたしまして行き損ないましたらば、ジョン・F・ケネディとジャクリーヌ・ケネディと書いて、マキコ・タナカヘという本をいただきまして、今いい記念になっております。
 それからもう一人は、父と一緒にドイツに行きましたときに、ウィリー・ブラント首相とシュロス・ギムニッヒという迎賓館やら大統領官邸でお話をさせていただきました。
 この三人のアジアとアメリカとヨーロッパの指導者たちに共通していることは愛国心でございました。大変強い愛国心と力強い信念を持って、人類愛を持っている方でございました。まだ十日もございますので、ぜひ細川総理大臣におかれましては愛国心を持って、これらの世界の指導者、かつての指導者に負けないような愛国心を発揮していただきたいと期待するのみでございます。
 またもう一点、文部大臣にもお伺いしたいと思います。幸い女性でいらっしゃいますので、このお米の問題は男性と話すといつもああいうふうにはぐらかされますので頭が痛くなります。時間がなくなってしまいますので、文部大臣は今のようなこういうふうな発想、何かがあるとイージーに、結構無計画に、しかも交渉事だからといって秘密主義に話が変わっていってしまうんですが、こういうことは子供たちに与える影響は結構大きいんじゃないかと思います。お米というものは、子供たちはカレーライスとかお握りとが食べるのが大好きでございますし、これは外米だなんと言いながらカレーを食べるようになるのかもしれません。そして今、小学校や中学でカリキュラムの中でお米の輸入問題ということについて結構レポートを書いている学校もございます。御存じかと思います。
 教育というものは、要するに教科書に書いてあることであるとか資料という数字だけが教育ではなくて、まさしく我々大人がやっている行動や判断の基準というものが今後日本を担っていく子供たちに大きな影響を与えるというふうに思いますが、そういう文部大臣のお立場から、それからさらに、この過疎地というものを見ることは多くの精神性を、都会のきらびやかなライトやら、ごみが道路に出してあったり、ディズニーランドがあるような町に暮らしている子供たちにとりましては、特に精神性を高めるというような教育的見地もあると思いますが、文部大臣として、閣僚でいらっしゃるわけですから私は関係ないとおっしゃらずに、ぜひこのお米の問題をどう考えていらっしゃるか伺ってみたいと思います。
#81
○赤松国務大臣 今の問題についてお答え申す前に、一言感想を言わせていただいてよろしゅうございますでしょうか。
 私はずっと政治と直接関係のない場所におりまして、でも政治に関心は持っておりました。そこで、一番この選挙の前に感じていたことは、当時の与党にたった一人も衆議院の女性の議員がおられなかったということを大変寂しいことだと思っておりました。そして、その選挙中に社会的に弱い立場にある方の心の痛みというようなものを反映しなきゃいけないということを言い続けて当選された、それが非常にパワフルな女性だということに大変感銘を受けているものでございます。自民党はいつまでも野党でおられるわけでもございませんでしょうし、ぜひそういう場合に女性の声がもっと今までより反映されるようであっていただきたいなと、これは私の期待であり希望でございます。
 で、ただいまのお話になりますが、私、この前の予算委員会でたしかお米の問題で御質問が私の方に参りましたときに、ちょうどその前日だったと思いますが、新聞にエッセーが載っておりまして、それに大変印象深かったというお答えをさせていただいたことがございます。それは、お米が単に食べるものとしてではなくて、そのお米をつくる水田というものが非常に重要だ。日本の国土という観点、あるいは先ほど環境の問題も御指摘がございましたが、環境という観点からも非常に水田、お米というものの意義が書かれていたエッセーでございましたので、それを引用させていただいて、そういう観点からも見なきゃいけないのだなというふうに私は改めて感じだということを述べた記憶がございます。前回の予算委員会でございました。そういうふうに思っております。
 また、子供に対する影響という点では、子供に今給食でお米を食べてもらっております。これはもとは一時はお米を余り食べささないで、パン食にしていたように聞いております。それをなぜお米にしたかということでございますが、まずはパン食にこだわる方も多かったそうでございます。なぜかというと、パンの方が給食の手間が省けるから楽なんだ。あと洗うときだって、お米はあれにへばりつきますから面倒くさい、そういう観点でパン食にこだわる方もあったそうでございますが、それはやはりよくない。子供のときからお米を食べるということによって日本の文化というようなものに対する関心も高まるだろうし、お米の大事さというものも実感できるんじゃないか。
 私どもの年代は先生よりもうちょっと上ですから、私どもはお米が食べたくても食べれないような時代の学生時代を過ごしまして、どんなにお米が食べたかったかというのは本当に情けないほど感じていたわけでございまして、今の子供にはそういう実感がないでしょうから、せめて給食ででもお米を食べてもらおうということでやっているわけでございます。(「時間がないよ、時間がない」と呼ぶ者あり)それでは、時間がないそうでございますから、失礼いたします。
#82
○田中(眞)委員 頭が私悪いものですからよくわかりませんでしたけれども、お褒めいただいたところはよくわかりました。ありがとうございました。
 ただ、今回も凶作が見込まれているのに青田刈りをいたしましたね。それは、農業者の方に伺いますと、六月と翌年の二月に特別報奨金でしょうか、あれが出るからということもございましたけれども、もう少し弾力的に行政が指導をしていればこんな無残なことは起こらなかったと思うのです。せっかく水田があるのに、稲が育っているのに、凶作が見えておりますのに青田刈りをやったじゃないですか。そうして足りなくなった。それではアバウト二百万トンですか、輸入しましょう。こういうふうに、なければ買えばいいというような発想が子供に及ぼす影響をどう思われるか。
 今の大臣の言葉からいけば、私は、自由化なんかしないで、頑張って、昔は貧乏人は麦を食えなんと言う総理もおられましたし、アワやヒエは食べる必要はないわけですし、それだけパン食やめんが浸透しているのであれば。それから、他用途米なんて言わずに我々も食べたらいいのです。そうやって今回輸入をしないでしばらく次のときまで頑張って見てみようというような発想が閣内から出てこなかったのかどうか、お伺いしたいと思います。文部大臣、もう一回伺います。農林大臣はいい。一言だけ。
#83
○赤松国務大臣 米食の給食をやめてパンにするとかあるいは倹約をしてお米を減らすとか、そういう発想が出てこなかったかと、出てきませんでした、残念ながら。
#84
○田中(眞)委員 もう少し、せっかくの連立てございますし、なぜか社会党の先生方があれだけ反対なすっていたのに、それが全然反対の意見もなくて、何でも満場一致で、これはどういうことなのか、ますますわかり、づらくなってまいりました。私はどうしても今回の自由化は反対をしたいという立場を堅持いたします。
 時間がございませんから、次に参ります。祝日法の改正の問題について伺いたいと思います。
 ここに新聞がございます、十一月二日付。これも私ども有権者に大変密着した問題でございますから伺いたいのですが、新聞によりますと、祝日を繰り上げて三連休をふやす、そうすると国民生活にゆとりができて、レジャーの機会がふえて、一、二兆円の経済効果を見込める。これは何を言っているんだろう、今景気が悪いのに、どういうことで、だれがこんなことを言っているのかと思って眼鏡をかけてよく見ましたら、この発想は閣議で総務庁長官がおっしゃった。そうしましたらば、今度は経企庁長官が、そういう景気のいい話はいいですねと。景気が悪いのでございまして、三日続けば景気がよくなるんじゃございません。これは医療の面でも、それから子供の学校のカリキュラムの面でも、いろいろな問題が起こってくるのです。
 まず、総務庁長官に伺いたいと思います。どういう算出基準でこの一兆円、二兆円というのが出てきたのでございましょうか。しかも、それをどういうふうに使われるおつもりですか。思いっきではないということを国民にわかりやすくお話しいただきたいと思います。
#85
○石田国務大臣 祝日を移動することによって三運休をつくろうということにつきましては、私だけがこの問題について言及をいたしておるわけではございません。先生も御存じのとおり、例えば今、アメリカ、ドイツ、それからフランス、そういったところでも行われておるわけでございまして、あるいはイギリスにおきましても、児童生徒等を対象にして、家族の要請があれば課外授業扱いとして子供を休ませることができるリクエスト休暇制度、そういうような制度をとっている先進諸国があるわけでございます。
 また、現行の祝日をできるだけ月曜日や金曜日に集中させますれば、今、週休二日制が定着しつつある中で、さらにまたゆとりのある国民生活、心にゆとりのある、そういった生活にもゆとりが出てくるというような状況を現出することができるわけであります。
 また、国民の皆さん方のさまざまな考え方を聞いてみますれば、例えば九月に総理府が調査をいたしました国民生活に関する世論調査、これでは、今後の生活で「心の豊かさやゆとりのある生活を重視したい」という方が約六割おられるわけでございます。その中で、一番力を入れたいのはレジャー、余暇生活である、こういうようなデータもあるわけでございまして、そういったことによりましてもし祝日が合算できるようになりますれば、現在、国民が連日休暇をとれるのはいわゆるゴールデンウイーク、八月の休暇、お盆、あるいは正月、年末年始でございますか、そういったところに集中をいたしておるわけでございますから、それを分散することもできる。
 もちろん、今委員が御指摘のとおり、それによりましてさまざまな検討をしなければならない問題も多くあるわけでございます。医療の問題もそうでございますし、あるいは生鮮食料の流通の問題もそうでございましょう。あるいは教育の問題にも関連をしてくるわけでございますから、そういった問題等を十分検討しなければならない課題であることは私もよく承知をいたしておるわけでございます。
 ただ、そういった、じゃ経済効果の問題についてどうかというようなお話もございますけれども、そういった問題についても、やはり都会の方が地方に出かけていくわけでございますから、そういった意味の波及効果も私は十分期待できるというふうに思っているわけでございます。
 また、その数値につきましては、いろいろ御議論のあるところであろうと存じます。
#86
○田中(眞)委員 ちょっと問題に答えていらっしゃらないと思います。算出基準、どこから一兆円、二兆円が出てくるのかということを伺っております。
#87
○石田国務大臣 私は、二兆円なんということを申し上げたことはございません。ただ、やはり今までのこういったものを研究している箇所が通産省にもございますし、そういったレジャー関係にもございます。そういった人たちの中でそういったことを、一兆円規模の波及効果があるのではないかという話は承ったことがございます。
#88
○田中(眞)委員 では、この問題は、気分的な問題であって、余り具体化しようとしていらっしゃらないというふうに理解してよろしゅうございましょうか。内閣総理大臣に伺います。
#89
○細川内閣総理大臣 国民の祝日というのは、さまざまな観点から、歴史的な経緯とかいろいろな観点から考えられているものでございますし、今総理府を中心として検討をしていただいている。まあそれがどういう影響があるかというようなことをあらゆる角度から考えていかなければならないと思いますので、そのことについて検討をしていただいているということでございます。
#90
○田中(眞)委員 役所の検討はとてもじゃないけれども待っておられませんので、私がわかっている影響を申し上げます。
 これは医療の面でございます。現在、医療の現場は、看護婦さんだけではなくて、特老等いろいろな福祉施設におきましてもマンパワー不足でございます。そして、高齢化のために疾病構造自体が変わってきていまして、難しくなっています。そういう中で、人手がなくて患者がふえて、そういう人々は、週末になるとお医者様や看護婦さんが休むために、人手がさらに足りなくなるために不安になるのです。そしてこれが三連休になったらどうでしょうか。しかも、救急医療をやっている現場には急患が殺到するんです。そこで十分な医療が受けられるとお思いになりますか。
 現状をよく認識していただけば、三連休などということは健常者だけの理論であると私は思うのです。こういう弱い立場の人たちの気持ちというものを政治はよく考えていただきたい。
 もう一つは、教育的な見地でございます。私も子供三人育てておりますからよくわかるんですが、やはり三日も子供がごろごろしていますと困るんですよね。狭い住宅でごろごろなんかされたら、まあ塾でも行きなさい。特に今この時期になりますと受験の間際でございますから、塾に行ってくださいということになりますと、受験間際は公開模試なんかやっている。五千円が一万円ぐらいにはね上がっているのです。しかも、カリキュラムの面で、学校の先生方は、金曜日とか月曜日にあるカリキュラムをずらすためには大変な御苦労をなさらなければいけない。そういう現実の問題に目を向けていただきたい。
 ただアバウトに、一、二兆円ではないとおっしゃいましたけれども、そうなると経済効果があるかもしれないとか連休になればいつも列車が込むじゃないですか。スキーでもお盆でも、いつもそうです。
 そうではなくて、むしろ、零細企業の方々などは有給休暇を二分の一も消化できないのが現実なんですから、過労死なんかしなくて済むように、自由に周りに気兼ねをしないで休めるように、そういう体制にしてあげることの方がより現実的であろうというふうに私は思います。
 そうして、最後に申し上げますが、この部屋には政治家だけがいるわけじゃございません。大臣方を守っていらっしゃるSPの警視庁の皆様方、政府委員、役所の方、秘書の方、衆議院の衛視の方、速記をとっていらっしゃる方、二階が落ちるほどいっぱいいらっしゃるマスコミの方々、これみんな国民でございます。みんながこの塾の問題に、病人に悩んでいらっしゃると思います。違いますか。しかも、教育費が大変かかっていて、つらい思いをしているのが実態なんでございます。
 政治家だけが特別ではありません。特別であってはならないんです。私も存じ上げている議員さんの中で、奥様が、隠してはいらっしゃいますが、アルツハイマーでいらっしゃる。あるいは息子さんが補導された、お嬢さんが議員会館から飛びおり自殺をした、あるいは先天的な精神あるいは身体の麻痺を持って苦労していらっしゃる先生を私は直接存じ上げています。
 ですから、自分の痛みとして、この部屋にいるみんなが、やはり御縁あってここにいるわけでございますけれども、あらゆる意味でもっと身近な方の意見を聞いていただいて、多分景気浮揚になるだろうとかそういうアバウトなことではなくて、もっともっと閣内で活発な議論をしていただきまして、政治をより身近なものにしていただきたいと思います。
 消費税についても伺いたいと思いましたが、時間切れでございます。次回はもっともっと研さんを積みまして、しっかりと勉強をさせていただいて、次の機会が早く来ることを期待しておりますが、そのときまで連立政権があるかどうかはわかりませんが、皆様にも御努力いただきたいと思います。
 きょうは本当にありがとうございました。
#91
○山口委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十分休憩
    午後一時四分開議
#92
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。佐藤剛男君。
#93
○佐藤(剛)委員 自由民主党・自由国民会議所属の佐藤剛男でございます。御質問させていただきます。
 それに先立ちまして、私は政府委員をやっておりました経験もありまして、小沢一郎代議士が政府委員の改革をということでございますから、どうぞ政府委員の方はお帰りいただいて、今、景気対策の重要な時期でございますので、真剣にゃっていただきたい、かように考えるわけであります。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
 それから、私は、日本の農業を守る特別行動議員連盟に属しておりまして、過日国会におきまして寝泊まりをしてまいったわけであります。その理由につきましては後ほど申し上げますが、非常に寒い中、農民の本当の苦しみというものをしみじみと実感しながら一昼夜を過ごさせていただきました。
 私は実はスイスのジュネーブで三年間日本政府代表部参事官をいたして、ガットの委員会の議長をいたした男でございます。恐らく国会議員の中でガット委員会の議長をされた方は数少ないんじゃないかと思います。MFAというような多国間繊維取り決めの修羅場の場面も参加いたしておりますし、日本政府の代表をさせていただいたわけでございます。かようなことで、本日は、若干細かい点に入るかもしれませんが、事は重要な時期に参っておりますので、細川総理、関係大臣、特に羽田外務大臣、畑農林大臣にはしっかりとした御答弁をいただきたいと思うわけでございます。
 いよいよウルグアイ・ラウンドもあと十日で妥結する、私はそのように確信いたしております。これは、私のジュネーブにおります人脈あるいはアメリカの人脈、ヨーロッパの友人を通じての私の判断でございまして、これから申し上げます点について、いろいろな事実関係、もし間違っておりましたら、私は政治家として責任をとるつもりでございますから、そういう腹をくくるつもりでいますので、特に外務大臣、農林大臣、きちんとした答弁をお願いいたしたいと申し添えるわけでございます。
 私が十二月十五日にこのウルグアイ・ラウンドが妥結するということを確信いたします理由は、二つあるのであります。
 第一は、アメリカとヨーロッパ。ガットというのは御承知のように強者の論理が通るところでありますが、ガットにおけるアメリカ・EC十二カ国が、昨年の十一月、ちょうど一年前でございますが、例のブレアハウス・アグリーメントというところで、両国間における、ECとアメリカにおけるサブシディー、補助金の問題について手を打ったわけであります。
 その手の打ち方につきましては、数字でいえば、ECは、たかが百億円のものを三十六億円減らしまして六十四億円にする、金額ベースでいいますと。あるいは、数量ベースでいいますと、一〇〇のものを七九にする。二一を減らす。二一を減らし、三十六を減らすというようなことでございまして、全体として私は、今回の交渉の妥結に当たって、よくないと思いますが、ECが一番得をしているものだと思っていますが、この強者と強者が連携いたしておりまして、もう既にEC内部におけるフランス等の鎮静化をするためにその話し合いが終結に来て、改めてEC・アメリカ間での合意が近々に行われるというふうに私は接しているわけであります。
 それから第二は、日本が、ここはちょっと重要でございますので外務大臣、農林大臣、よくお聞きいただきたいのでありますが、いろいろ外交には機密はつきものであります。これは存じております。私も外交経験六年間やっておる男でございますからわかるわけでありますが、事国の基本にかかわるような米というような問題について、こういうような問題について私が得ている情報は、既に日本はアメリカに対しましてミニマムアクセスについて、ミニマムアクセスという名前で、これは言うなれば実質的に、サブスタンスにコミットした。あとは表現の、書き方の問題でございますが、そういうことになっております。
 それで、米以外の二十品目のものがあるわけでありますが、それについては、小麦とか大麦とかあるいは雑豆とかでん粉とかそういうものがあるのですが、そういうようなものについては関税化をする、こういうことになっておる。こういうことのカードを日本は既に切っているわけでありまして、私は、本来切るべきでないカードを切ってしまった、エースを切ってしまったということでございまして、本交渉におきます交渉の態度というのは極めてなっていないといいますか拙劣である。おるいは、外交交渉というのは、相手が言ってきたことを徹底的にたたくわけであります。それで、日本国の言わんとすることを徹底的に高く売るのが経済外交でありますが、このようなカードを既に切ってしまっておるという事実。
 私は、先ほど申し上げましたように、この事実について十分確たる事実を持っておりますから申し上げるのでありますが、その後において、本日既に新聞に出ておるごとく、アメリカは残っている韓国に向けて  今韓国は悲鳴を上げています。これは日本と韓国は、米は同じでありましても、日本の農家は農家外所得というものは八〇%ぐらいあるわけでありますが、韓国の場合というのは半分は大体農家中心でありますから非常に大きな悲劇を受けているわけであります。こういうようなものが、ガットという強者と弱者の論理で展開するわけであります。これは驚くことではないのであります。
 そういうことの中にアメリカとECとが出してきました一つの論理があるのです。これは英語で言いますと、御存じのように、外務大臣、例外なき関税化と訳していますが、オーバーオール・タリフィケーション・ウィズアウト・エクセプションというものであります。このものについて、今米の問題について、これは例外である、例外なき、ウィズアウト・エクセプションじゃないと言っておるが、私の得ているアメリカの情報によりますと、アメリカは徹底してそのとおり、その論理を追求した、オーバーオール・タリフィケーション・ウィズアウト・エクセプションというのが実現したということを言っておりますし、きょうの新聞にも出ていますが、アメリカが韓国を相当の強気で押し込んでいるわけであります。ねじ伏せられているわけでありますが、まことに気の毒だと思うのですが、そういう状況も同じ論理の一環であります。
 日本というのは、農林大臣、御承知のようにこんな国はないのです、世界の中で、こんな大きな農業市場というのはないのです。しかも、キャッシュマーケットなんです。発展途上諸国と違ってお金で払うのです。これほどの魅力的なものを、しかもカードを切るべきときに切らないで、今の本当の拙劣なる、エースを切ってしまった。これが起こっている事実であり、そういう情報に接していながら、知りません、存じません、今外交交渉中であるということで言ってこられる外務大臣、農林大臣、総理、これに私は憤りを感じて今ここに質問をしているわけでございます。
 言葉は悪いかもしれませんが、私は、恐らく十二月十五日は日本農業の崩壊の日になるだろう、そういう墓碑があるとすれば墓にそう刻むだろう。葬儀副委員長は農林大臣、羽田外務大臣、葬儀委員長は細川内閣総理大臣であるかと思いますが、まことに無礼なことをお許しいただきながら、かようなことを申し上げたいわけであります。
 ここで、それはさておきまして、外務大臣にお伺いいたしますので、これからの流れをお聞きいただきたいと思います。
 私は、十二月十五日を迎えますとこういう状況が出てくると思うのです。ガットの事務局長はこういう声明を出します。世界の貿易のためによかった、世界のガット加盟国がこのウルグアイ・ラウンドの成功に導いた、何%の増大が図られるだろう、来年の三月だか四月だか恐らく四月になると思いますが、四月には閣僚会議を開いて、そこで署名をいたしましょうという段取りになるだろうと思います。
 アメリカのクリントン大統領は、恐らく議会に向けて、ウルグアイ・ラウンドは成功した、犠牲にするものはあったが、アメリカは大成功したという発言になるだろうと思いますし、細川大臣は何と言うかわかりませんが、それなりの一つの声明がなされてくるだろうと思います。
 そこで、私の見るところ、来年の四月に閣僚会議というのがあると思う。今月の十五日には恐らく外務大臣あるいは農林大臣は行かれないのだろうと思うのです。現地に行かれるのですか。現地においての政府代表に任せ、それで解散という形になると思うのでありますが、これから十五日に向けてのこういう流れについて、今私が申し上げたことをどのようにお考えになるか羽田外務大臣にお尋ね申し上げます。
#94
○羽田国務大臣 今お話のございました流れ、これにつきましては、いろいろな国の閣僚あるいはガットの関係者、こういった皆様方とのお話し合いを聞いておりますときに、今御指摘があったような一つの流れになるだろう。ただ、各大統領ですとかサザーランドさんがどのような声明を出すかこれについては私が察知するところではありませんけれども、今の流れはおおむねそういうことだろうというふうに思います。
#95
○佐藤(剛)委員 そこで、これから手続の問題に入るわけでありますが、今このウルグアイ・ラウンドにおいては、これは膨大なる作文資料ができておるわけです。これはサービスの問題からMTO、ガット機構を直す部分から、私は相当の英文の資料ができ上がると思います。これは、十二月十五日に終わった後、来年の三月くらいまで、ちょうど法律でいいますと内閣法制局がマルポツ作業をするわけでありますが、そういう資料整理をして英語とフランス語のものができ上がって、そして閣僚が、今外務大臣が御確認されたように、日本の代表が行かれる。行ってサインをする。恐らくそのときに、その文書の中には、日本政府の承認を得て、サフジェクト・ツー・ジ・アブルーバル・オブ・ザ・ガバメントと言うのですが、こういうものが入るのです。
 そこで、入っていきますときに、これから社会党所属の大臣閣下にお伺いいたしたいわけでありますが、そういう承認の文書を閣議にかけたときに、六人の大臣がおられますが、そのときに承認についてサインをされるかどうか。一政治家、私も政治家であり、五十嵐大臣、伊藤大臣あるいは上原大臣、久保田大臣、山花大臣、佐藤大臣、この六人の大臣にまずお一人お一人、そういうものの承認が出てきたとき、私が申し上げているのは自由化というものが入っているものですよ。農業テキストですよ。農業テキストの中に入っている、もっと具体的に言いますと、第一年度四%、日本で言いますと約四十万トン、一千万トンの消費の四十万トン、それから最後の年度で八%と言えば八十万トン、こういうようなものについて、部分自由化とか称していますが、そういう自由化です。自由化という言葉は、私はパーセント自由化を言うべきだと言っているのです。一〇〇%自由化があるいは何%自由化か自由化に違いない。こういうことの点について、六大臣、順次、まず山花大臣からひとつお尋ね申し上げます。
 そういう文書が出たときに、社会党は今まで、私の理解しているところ、自由化について反対の立場をとっておられたわけでありますが、大臣の立場を離れても、政治家としてまずひとつお答え願いたい。
#96
○山花国務大臣 これまで政府が鋭意交渉中であるということにつきましては、こもごも、総理初め皆さんからお話があったとおりでございまして、まだ結論が出たものではございません。結論について示されたものでもございません。したがって、今の段階でそのことについてお答えすることについては差し控えさせていただきたいと思います。
#97
○佐藤(剛)委員 こういう答弁で自民党の同僚代議士の質問に常に答えておられたわけでありますが、今や時間が違うんです。十二月十五日、もうあと十日しかない。十日ですよ。私はその修羅場をくぐってやっているわけですから。今ガットのところにおいては、ペーパー、英作文づくり、いかなる形をやるかということでやっています。
 そういう中で、イエスなのかノーなのか、サインするのかしないのか、部分自由化をするとき。それだけ答えてください。
 次は、佐藤大臣。
#98
○佐藤国務大臣 本問題につきましては、この委員会でも、総理を初め、国会決議に基づいて鋭意努力をしているということはもう再々お答えがあるわけでございまして、今、佐藤委員の方から長い経験を通じてそういうふうに言われますけれども、我々はその中身を見たわけではございませんから、今我々は政府の一員といたしまして最大限国会決議に基づくように努力をしている最中でございますので、それを先を越して、中身がわからない段階でサインするかしないかと言われても、それは答弁を差し控えさしていただくというのが当然閣僚としての答弁だと存じます。
#99
○佐藤(剛)委員 それでは、佐藤個人として、政治家佐藤個人としてお話しください。
 それから、私の得ている情報はそうなんです。そういう面についてひとつお話しいただきたい。
 山花大臣、また繰り返すようですが、お願い申し上げたいと思います。
#100
○山花国務大臣 個人としてどの御質問ですけれども、私は、先生は中身こうなんだと断定しておっしゃっていますけれども、それは私は知りません。政府が鋭意交渉しているさなかどういうものが出てきたかということが前になければ、個人としても発言することはできないという意味で、差し控えさせていただきたいと思います。
#101
○佐藤(剛)委員 それでは、恐らく各大臣そうおっしゃるとしますと、時間がないもので、こういう問題提起をいたします。
 それでは、内閣総理大臣あるいは外務大臣にお答えいただきたいのですが、MTO、ガットの機構の改正でありますれば国会に行きます、そのものは、ガットの条約改正になりますから。そして内閣の批准があります。これはまあアメリカが譲歩してMTOオーケーということになれば、この十日間の間になるでしょう。しかし、その農業関係のものは、いわゆる農業テキストと言われているものであります、この農業テキストについて、総理大臣、外務大臣、あるいは農林大臣、これは国会に提出を私は要求いたします。国会に提出を要求いたしますが、それに対してしかとしたお答えをいただきたいと思います。
#102
○羽田国務大臣 今お話がありましたように、ウルグアイ・ラウンド交渉の結果というのは、御指摘の農業テキストを含め国際約束としてこれは締結されることになるというふうに予想されます。現在、その実質的な合意に向けて最終的な交渉が行われておるところでございまして、ラウンド交渉の結果作成される国際約束、これにつきましては、最終的な判断は、内容が確定した後、国内法制との関係を検討する必要がありますけれども、その締結につきましては国会の承認を求めることとなるというふうに考えております。
#103
○佐藤(剛)委員 このときの国会提出なんですが、恐らく外務省は、従来の方式を見ますとパッケージ、全体で、この厚さで出して、その中のある農業部分だけは一部、こういうような形にイエスかノーかの承認を求めてくると思うのですが、私は農業テキストに関しましては、事の重要性にかんがみて、分割の部分について分割審議の要求をお願いしたいと思うのですが、委員長、テークノートしていただきたいと思います。
#104
○中西(績)委員長代理 後ほど理事会で検討いたします。
#105
○佐藤(剛)委員 それでは、次に米の問題についての例外の問題ということでお伺いいたします。
 アメリカは、オーバーオール・タリフィケーション・ウィズアウト・エクセプションだ、この原則が通ったと言っている。農林省の方は恐らく、これは例外だという、例外が通ったんだという物の言い方をしてくるのではないかと思います。そういう品目が各国あるわけです。
 これは日本の米とか韓国の米、モラトリアムを新聞で見ますと、韓国は十年にしてもらいたいとかいうような話が出るわけでありますが、カナダの酪農品などもそうだろうと思います。そういう場合に、いろいろな基準、これを英語で書いてくるはずであります。英語でもちろん書くのですが、米というふうに書いてこない、日本の場合の米、韓国の米、カナダの酪農品と書いてこない。
 恐らく基準というのが、私はこれからきちんとした形で出てくると思いますが、大体次のような三つの条件が出てくるという情報に接しているわけであります。
 一つは、国内において構造調整が行われているもの、例えば米のように減反をしているもの、そういう言葉で米を浮き彫り出すわけであります。これがガット流のペーパーづくりです。それから第二は、輸出補助金を出してないもの。第三は、輸出入のないもの。米でいいますと、ことしは緊急輸入しなければなりませんから、例えば米のゼロの時点、一九九〇年ぐらいを基準率としてとり、輸入がないとか、あるいは輸入がほとんどないとかゼロに近いとか、そんなような表現を使って合意文書をつくるのがガットにおける常識であります。私はそういうふうな基準が出てくるのだろうと思うのでありますが、畑農林大臣、御見解を伺いたいと思います。
#106
○畑国務大臣 ただいまお話のございました三項目の記事は、私も拝見をいたしました。しかし、さような我が方に対する正式な話というものは私どもには入っていない、こういうことでございます。
#107
○佐藤(剛)委員 今、十二月十五日にかけて十日前という、それでガットの場において十五日にそういうデクラレーションをするとする、もう最後の段階なのです。既に米国とEC十二カ国とは手を握ってしまっているのです。米国と日本とも手を握っているのです。それで今韓国をねじ伏せているのがアメリカの外交の現状なのです。そういうやり方は、ガットの場での常道なのです。
 そういうふうなことの中で、その条件がなければ、例外なんて認められないで全部関税化になってしまうのです。そうでしょう。関税化にしないための条件というのは、農林大臣、どうですか。これはガットの関係等はないのです。農林大臣として、アメリカに対して、あるいはガットの場で言っている、米は特殊性なのだと。何が特殊性なのだ、じゃ英語で言ってみろといったら、どういう条件を出しますかお答えいただきたい。英語でやらなくていいですから、日本語で。
#108
○畑国務大臣 御指摘のような意味合いにおきましては、いわゆる我が国における農産物に対する国会決議等、そしてまた環境問題、国土保全の問題等々、従来から種々論議の中に出ております我が国の置かれておる特殊事情なり、この包括的関税化を受け入れることのできないよって来る要素といいますものを従来からずっと主張をし、その我が方の主張を反映したまとめ役の対案が出てくることを私としましては期待をしておる今日の姿でございます。
#109
○佐藤(剛)委員 それでは、畑農林大臣、私が申し上げましたような基準は大体合っていますでしょうか。
#110
○畑国務大臣 今いろいろ新聞記事等、あるいはまた推測に基づきますお話等が私の耳にも入ってくるわけでございますが、今、最終段階におきますこの段階におきまして、我が方としましては、従来の基本的な姿勢を重ねて主張をさせていただいておるということで御理解を願いたいと思います。
#111
○佐藤(剛)委員 まことに残念なのですが、回答になっていないのです、農林大臣。事重要なる問題について、そんなことで外交交渉はできないのですよ。農林大臣は行かないのでしょう、今度十二月十五日にはジュネーブには。行かれるのですか。任せてしまっているのでしょう、政府代表に。あそこに任せられているのは、遠藤大使がやっているのでしょう。私のかつての仲間です。そういう段階じゃないのじゃないですか今は。
 先ほど田中眞紀子先生が午前中に言っておられたように、米というのは、政治は米で始まるのですよ。豊作の祈りから政治というのは始まっていたのです。天皇陛下が米を、田植え始まってからやっていたのですよ。
 そして、農林大臣、米だけじゃないのです。米以外の二十品目、小麦も入っているのですよ、国家貿易をやっている小麦もです。大麦、でん粉、それから酪農品、全部壊滅しますよ。葬儀副委員長としての墓碑が建ちますよ、まことに失礼ですが。
 私が問題としているのは、海外において、構造調整を行っているということを米を猶予とするために農林当局が言っていることです。ということは、減反をし続けながら、ここが重要なんですが、ここ聞いてくださいよ、減反をし続けながら米の部分自由化をやる、こんなばかな話はないでしょう。減反をしながらですよ。
 かつて昭和三十五年、日米安保のころ、岸内閣のころには、水田は三百万ヘクタールあったんです。今や二百万ヘクタールですよ、減反の結果。そして、備蓄もない。かつては備蓄があったんだ。私は、もみで二百万トン備蓄すべきだし、今、毎年の農業専従者というのは千七百人を割ってしまった。三百八十万戸農家、それを維持するためには、三十年を一世代として十万人が毎年毎年農業に行かないと日本の農村は崩壊するんです。今もう既に崩壊しつつある。お医者さんが毎年九千人合格しているんですよ。それが千七百人しかいないという状況で、で、郡部に行ってらっしゃい。大臣、長崎にはあれがありませんか私の方の福島には、嫁探しだなんだっていうのがたくさんある。お嫁さんが来ない、これが日本の今の状況であります。
 減反をやめないと、いいですか仮定の事実だからとおっしゃるかもしれませんが、減反をやめないで部分自由化をするということは論理矛盾でありますし、政策として矛盾であります。その辺はどういうようにお考えなのか、今の段階でお聞かせください。外交交渉の問題とは違う。
#112
○畑国務大臣 私も、言いたくありませんけれども、大分県出身でございます。大分県、過疎率日本一であります。その大分県の中の最も過疎の厳しいのが私の地元でございます。
 そういう実態を踏まえながら、いわゆる農産物の米等を中心とする問題の重要性にかんがみまして、ただいまいろいろ御指摘がございました問題につきましては、やはり包括的関税化はのめない、その立場に立って、先生御指摘のようないわゆる我が国の抱えております実態、難しさを今日まで再三にわたって粘り腰をもって主張してまいった、こういうことで御理解を願いたいと思います。
#113
○佐藤(剛)委員 粘り腰でございますれば、農林大臣、直ちにジュネーブヘ行かれて、あるいはアメリカヘ行かれて交渉していらっしゃる、これが日本国民に対して、日本の国民の米という問題に対して真摯な担当大臣じゃございませんか。
 十二月十五日、コンクルードするんです。私は成功という言葉は使わない。妥結するんです。妥結するが、この成功の陰には涙ありなんだ。涙ありというのは、涙が何なのかというと、日本の農業の涙なんだ、日本の農業の大犠牲なんだ。
 そもそも交渉態度がなってない。対価をもらってない。外交というのは、相手が言ったことに対して徹底的にたたき、自分の方を高く売るのが外交でしょう。そういうふうなことで、対価、何をとったんですか。ECの補助金について、補助金を減らすとアメリカとECとの間で手を結んだブレアハウス・アグリーメント、もう少し減らせということを言ったのですか。きちんとしたあれがありますか。何も言ってこないじゃないですか。
 だから、一番得して一番するいのは、ここでは、悪いけれどもECだ。そういう中で一番悲鳴を上げているのが、もう日本も終わっちゃったから韓国だ、韓国ですよ。そういう状況がこのガットという強者の論理の中で、これはしょうがないんですが、ガットというのがもともと日本がひょこひょこ後からお願いして入っていった場所ですから、そうじゃなければガットを出るって言われたんじゃ国際連盟の脱退みたいになっちゃうから、そうはいかないけれども、交渉には、切ってはならないカードがあるんですよ、エースがあるんですよ。それを切ったんですよ。だから私は怒っておるし、怒りを持っているわけであります。
 社会党の各大臣あるいは社民連の科学技術庁長官にそれぞれ米の問題についてお伺いしたいんですが、時間が参りましたのでここで打ち切りますけれども、まことに私は、この情勢というのを眺めてみると、日本の米というのは八十八と書くんですよ。米寿というのは八十八なんですよ。私はおばあちゃんに、あなたが米を残すと、米を落とすと目がつぶれると言われた。なぜ目がつぶれるのかというのを調べてみると、農林大臣、古事記に当たるんですよ。古事記にスサノオノミコトという乱暴なミコトがおられるのですが、スサノオノミコトが、オオゲツヒメのところに行きまして、けんかをしましてオオゲツヒメを殺すんです。そうしますと、オオゲツヒメの目から出たのが稲なんだ。頭から出てくるのは蚕様だ。こういう日本古来のものがあって、政治という政は、豊作を祝うところから始まって、そして十一月になれば豊作だったといって国民は踊りを踊ってやってきているんです。
 こういうものについて、単に自動車とか電子計算機並みに扱っては困るんですよ。これは、私は、あのときにゃりましたあの治外法権と……
#114
○中西(績)委員長代理 佐藤君、まとめてください。
#115
○佐藤(剛)委員 やめます。
 治外法権とそれから租税関係で苦労してやったあの不平等条約の改正、あれと同じことになりますよ。日本の酪農、崩壊しますよ。米だけじゃない、農産品、崩壊しますよ。アメリカは、オーバーオール・タリフィケーション・ウィズアウト・エクセプション、この原則が通ったと言っているんですよ。
 時間が来てしまいましたから私はこれで終わらしていただきますが、ひとつ私の心情を解していただきまして、細川総理、よろしくお願い申し上げます。
 しかし、よろしくお願い申し上げると申し上げても、既にカードを切ってしまっているわけだから、これは。もう日にちがたったらわかるんだから。そのときになると、日本はやはりガットにいなきゃいかぬからこうしましたとおっしゃるんでしょう。見え見えなんだから。そういうことの状況を申しまして、ここで終わらしていただきます。
 ありがとうございました。
#116
○中西(績)委員長代理 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、大島理森君。
#117
○大島委員 総理、総理は年内に政治改革を成立させなければ政治責任をとると言われました。それは依然として今も内閣の、あるいは総理自身の基本的認識でございますか。
#118
○細川内閣総理大臣 年内に成立させていただくように、何とかひとつ、政府としても最大限の努力をしておりますし、また、衆参両院におきましてもそのように御理解と御協力をお願い申し上げたいと思っております。
    〔中西(績)委員長代理退席、後藤委員長
    代理着席〕
#119
○大島委員 衆議院、参議院にお願いしていることはわかっておりますが、年内に政治改革を成立させなければ政治責任をとると言われたことは、今も総理の基本的姿勢でありますか。
#120
○細川内閣総理大臣 何としても成立をさせたい、このように強い決意で今取り組んでいるところでございます。
#121
○大島委員 決意であることはわかるんですが、細川内閣が最初にスタートをされ、そのときに総理は国民に対してお話をされました。つまりそれは、年内に政治改革を成立させなければ政治責任をとると言われたと私は記憶しておりますが、そのことを総理は今も内閣の、あるいは総理御自身の基本的認識としてお持ちでありますかということを聞いておるわけです。
#122
○細川内閣総理大臣 そのような気持ちで全力で取り組んでいるということでございます。
#123
○大島委員 そうすると、その言葉は今も変わらないと受け取らしていただきます。
 国会の期限は十五日まででございます。これはもう御承知のことだと思います。そういう中にありまして、実は政治改革の一環として国会改革を、一昨年ですが、思い切ったことをやりました。それは何かと私あえて聞きません、そのとき総理は衆議院におられませんでしたから。それはどういうことを決められたかというと、ここにおられる各党も全部了解され、六蔵省も了解されたんですが、一つは、通常会の召集を一月にするということでございました。したがって、予算編成は年内に、加えて、できれば二十四、五日までに編成をして、もう各地方から陳情合戦とかそういうことをせずに、そういうふうにやろう。これは、私は大変な国会改革であったと思いますが、そのことは御承知ですか。
#124
○細川内閣総理大臣 もちろんよく存じております。
#125
○大島委員 そうしますと、今国会は十五日まででございます。そして総理は、政治改革を年内に成立させなければ政治責任をとると言われました。そして今は、そうお願いしたい、こう言っておられます。
 一方、国会改革という観点から、まさに私どもは、この二年間、年内の予算編成、そして通常会は一月召集という国会改革を今日まで成立さしております。加えまして、後で伺おうと思いますが、きょうの株式市況、前場の終わり値は一万六千八百四十二円、これまた暴落です。つまり、景気対策という問題がここに浮上してまいりました。午前中の我が党の質問に対しても、年内の予算編成をするんだ、こういうことをおっしゃいました。
 そうしますと、一日は二十四時間、この一年は十二月三十一日で終わります。国会は十五日でございます。一体、政治改革、景気対策、年内の予算編成、これは、まさしく総理、総理自身が日本の政治運営をどうするかという意味で大変大きな決断と、あるいは国民に対して、私は、今あるこの課題について、今も質問が佐藤さんからありましたが、ウルグアイ・ラウンドもあるといたしましょう。こういう問題をこういうふうな順序で、そして、こういう決意で年内の政治運営をするんだ、これがどうも委員会のやりとりの中で浮かんでこない。あるいは景気対策についても、後で申し上げますが、ともかく補正予算を早く通してくれと。しかし報道では、国民に期待を呼ぶようないろいな報道がなされました。
 したがって、景気対策の点は後で伺いますが、年内の政治運営について、総理の頭の中にあって、今どういうふうなスケジュールあるいはどういうふうな運営というものをお考えになっておられますか。
#126
○細川内閣総理大臣 景気対策あるいはウルグアイ・ラウンドの問題への対応、政治改革、まあこれが大きな課題だと思いますが、政治改革は何としても年内にひとつ成立をするようにお願いを申し上げたい、こういうふうにかねてから申し上げているところでございますし、また、景気対策と予算編成の日程につきましては、ただいま第二次補正の御審議をお願いをしているところでございますから、確たることを今申し上げることはできませんが、何とか年内に編成ができるように努力をしていきたい、こういうことをけさほども申し上げたところでございます。
 米につきましては、恐らく近いうちに第三者からの調整案が示されるであろう、我が方としてもぎりぎりの判断をしなければならない時期になるであろう、その中で我々として将来に禍根を残すことのないような判断をしなければなるまい、このように思っております。
#127
○大島委員 総理、国会は十五日までですね。年内に政治改革を成立さしてほしい、こうおっしゃいました。そうしますと、十五日までに政治改革が成立するんだ、その次は予算編成に取り組むんだという順序でございますか。
#128
○細川内閣総理大臣 まだ今この第二次の補正を鋭意御審議をいただいているさなかでございますから、とにかくこの会期の中で懸案として挙がっているものに全力を挙げて取り組んでいくということを現時点では申し上げざるを得ない、こういうことでございます。
#129
○大島委員 坂口労働大臣、労働大臣は、政治改革を若干引き延ばしても今なすべきことは景気対策ではないかということを会見で発言されたと私は伺っております。それは本当ですか。
#130
○坂口国務大臣 雇用が非常に厳しい状態の中で景気対策をどうするかという質問がございましたので、雇用が初め予想した以上に悪くなってまいっておりますので、さらに景気対策が重要だということを申し上げたわけでございまして、全体といたしまして連立政権で政治改革が重要であることは当然であります。連立政権で政治改革を第一義に考えなければならないのは当然でございますが、車の両輪のごとくやはり経済対策もやっていかなければならないと、こういうことを申し上げたわけでございます。
#131
○大島委員 経済が予想外に冷え込んでいるので初めの計画より経済に重点を移すのは当然、政治改革が若干ずれることがあってもやむを得ない、これは労働大臣が三日の会見でおっしゃったことを私は拝見しました。雇用という問題を所管する大臣としては一つの御見識だと私は思うんです。
 総理、この見解に対して総理はどう思われますか。
#132
○細川内閣総理大臣 おっしゃるとおりだと思います。
 政治改革はもとより本内閣の最優先の課題でございますが、どちらに優先順位があるといったようなことではなくて、現下の深刻な景気の状況というものを考えますと、これは両方とも重要な課題として、車の両輪として推し進めていかなければならない課題であると、このように考えております。
#133
○大島委員 おっしゃるとおりですと、こう軽く言われましたんでございますが、年内に政治改革を成立させなきゃならぬ、一方景気も重要である、車の両輪であると。車の両輪でもし年内、例えば私が何回も申し上げますように、国会は十五日までですよと。十五日までなんです、今決められておりますことは。その両輪、両方を十五日までに解決できると言うのであれば、それは、そういう言い方も一つの責任あるリーダーとしていいかもしれませんが、現実を直視した場合に、実際に日をめくってまいりますと、その両輪が十五日までに解決されるとお思いですか。
#134
○細川内閣総理大臣 それはもうおっしゃるとおり、カレンダーをめくらなくても大変厳しいことは十二分に認識をいたしておりますが、ただ会期の問題は、これは国会の方でお決めになることでございますから、私どもは、この限られた会期の中で全力を尽くして景気対策にも政治改革にも取り組んでまいりたい、こういうことでございます。
#135
○大島委員 これ以上そこは議論をすることでもないんですが、ただ、まず政治というのはいろいろな要素をこなしていかなきゃなりません。私がかつて官邸におりましたときも、PKOもやり政治改革もやらなきゃならぬ、あるいはいろいろなことをやらなきゃなりません。そしてそのときに、やはりリーダーとしては、時間の政治学というものと今なさなければならないものと総理自身の頭の中で整理されて、そして国会に対して正直にお話しされた方が私はいいような気がするんです。
 そのときに、補正をまず上げてください、こうおっしゃっておるように聞こえるんです。年内編成はしたいんです、こうおっしゃってもおられます。一方、御自身が年内に政治改革を成立させなければ政治責任をとると言われたことも事実だ。それを消化するには、この三つの課題を年内にやるということは私は現実的に非常に難しいんだろうと思うんです。
 だとすれば、まず補正を通してくださいということは、これは私どももこの論議をしているわけですから当然だと思うんです。今まさに、先ほど申し上げましたように、本日の前場の終わり値が一万六千八百四十二円、これは大変な暴落です。これは後で認識は伺いますが、やはり景気対策という問題が大変重要な問題だ。そのことに対して、日本の政治は国民に向かってどのようにこういうふうな方針を出そうとするのか、ここが一番大事だと思うんです。一発言する者あり)
 今、ちんたらちんたらという、そういうふうな発言がありましたが、それじゃ、総理の御認識、ちょっと伺いましょう。与党のそういうわからぬ人たちが、そういうことを言っておる人がいますが、自民党は、あるいは共産党を含めて野党といいましょうか、補正予算の審議をおくらせたことがありますか。それとも政治改革について審議をやらないと言ったり、そういうふうな御認識を総理は持っておられますか。
#136
○細川内閣総理大臣 今熱心に御論議をいただいている、このように認識をしております。
#137
○大島委員 ですから、補正予算を私どもは上げたら、次は景気対策、年内編成に日本の政治の集中をいたしますと。政治改革は、私どもも五年間やってきた者として、何としてもこれはさらに話し合いをさせていただいて成立をさせなきゃいかぬと思います。したがって、総理が御自身でおっしゃった言葉にとらわれることなく、今なさなきゃならぬのはこういう順序だ、そういうふうな決意を国民の前にきちっと明らかにすることが一番大事なんじゃないでしょうか。どうですか。
#138
○細川内閣総理大臣 おっしゃることはよくわかります。わかりますが、政府の今の立場といたしましては、この限られた日数の中で、まだ参議院の委員会において趣旨説明も行われておりません。そういう状況の中で、少しでも政治改革についても御審議をお進めをいただかなきゃならぬと思いますし、また、景気対策についてもあらゆる可能な限りの対策を講じていかなきゃならぬ、それが今の政府の立場だと思っております。
#139
○大島委員 それでは、まず、今までの質問の中で、予算編成は年内に編成をしたいということも改めて明らかになりました。
 それじゃ、現補正予算について総理の改めての御認識をお伺いしたいのですが、緊急経済対策関連経費一兆三百三十五億円を含む九三年度の二次補正、これは、今の景気状況を見ながら、十分にこの補正予算で景気対策ができているという御認識をお持ちですか。
#140
○細川内閣総理大臣 この緊急経済対策を進めていくための補正の審議、これを一刻も早く進めていただいて、補正予算の執行ができるようにしていただくということが何よりも当面の景気対策だ、このように思っております。
#141
○大島委員 当面これでいいですということですかそうしますと。これを成立させて、景気対策としては当面これでいいという御認識ですか。
#142
○細川内閣総理大臣 御承知のように、今まで三回にわたって三十兆ほどの対策もやってまいりました。そうしたものの浸透も着実に図っていかなければなりませんし、また、規制緩和でありますとか円高差益の還元であるとか、さまざまな対策も講じてきたわけでございます。それに引き続いて、今度この補正の中で講じてまいらなければならない施策も打ち出しているわけでございますし、とにかくこれを上げていただくということが現時点では何よりもの経済対策である、このように思っております。
#143
○大島委員 そうしますと、この景気対策をやることによって当分の間はよろしいというふうに総理はお考えですか。
#144
○細川内閣総理大臣 まずこれを上げないことにはそれから先に進めない、今この御審議をいただいているわけでございますから。また、その後の経済状況などを踏まえまして、あらゆる角度から対策を考えていかなければならない。今の経済の状況は非常に懸念すべき状況にあるという認識は十分持っておりますので、その景気の動向というものに十分注意を払いながら、考えられるあらゆる対策を講じてまいりたい、このように思っております。
 しかし、とにかく今はこの補正予算を上げていただくということが最優先であると、こう申し上げているわけです。
#145
○大島委員 政策として私は聞いておるのです。この一兆三百三十五億円をお決めになった根拠は九月でございましょう。九月のいわゆる景気対策ということでございましょう。つまり、九月の景気状況、経済動向を見てあのときに決めたことを、ここに二カ月おくれてこういうふうに予算化したわけでございましょう。これは今予算としてもうここに提出されているわけですから。私は、それで今の経済状況を見て、それだけでいいのですかと、こう聞いているのです。
 だから、これを上げるとか上げないとかということは、それは国会で、まさに決められた日程の中で粛々と採決されるわけです。総理の志もわかります、早く上げてくださいと。上げないと次の景気対策は言えませんと。言えば言ったでまた何か言われる、こういう気持ちがあるものですからなかなか言えないことだろうと思いますが、しかし景気は、今総理がまさに現状の景気に対してどういうふうな認識を持っているか、日本の経済運営、政治運営の最高責任者である総理が、今後もどのようにこの景気を回復させていかなければならないかという熱意あるいは問題意識を持っているかまさに株式のマーケットも、経済の皆さんも思っているわけですよ。
 だから、何とか今の予算だけ上げてください、予算を上げてくださいと言うのは、それは政治家の発言じゃございませんよ。やはり九月のときの経済状況に合わせて今のものをつくり上げた、今の経済状況にこの一兆云々という予算が合っているかどうかこれだけでいいのか、この辺の認識をもう一度お話しください。
#146
○細川内閣総理大臣 もちろん、これから来年度の予算編成等におきましても景気に十二分に配慮した対策を講じていかなければならないと思っておりますから、そういう意味で、とりあえずはこの補正予算をまず第一にお願いを申し上げたい、こう申し上げているわけです。
#147
○大島委員 そうしますと、今のこの補正予算だけでは十二分に景気対策の決め手になるものだという認識ではありませんね。
#148
○細川内閣総理大臣 それは、おっしゃるように九月の時点で緊急経済対策というものは出てさたわけでございますから、当然のことながら時間差というものがあることはおっしゃるとおりだと思います。
 しかし、今後、今申し上げましたように、来年度の予算におきましても、あるいはまたその他もいろいろあるかもしれませんが、とにかく来年度予算におきまして基本的には景気に十分配慮した対策を講じていきたい、こう考えているわけでございますから、その辺はぜひ御理解をいただきたいと思います。
#149
○大島委員 要するに、御自身の内閣が出された補正ですから、ともかくこれを上げてくださいという、その言われることもよくわかります。しかし一方、総理の答弁の中には、現状の経済を見ますと、これでは足りないわけですから、何か来年度の予算に向けて景気対策を考えたいんだというふうに私は受け取りました。
 それで、これもたびたび質問にありましたが、報道によりますと、七日にも云々という話がございました。多分これは、総理か官房長官がどちらかわかりませんが、今のいわば平岩研、これに対して何か知恵はありませんかとか、そういうことを言ったのだろうと思うのです。
 あるいは、これは官房長官ですか証券会社の野村の前の社長か会長をやられた田淵さんをお呼びになったというのは。総理ですか、官房長官でか。総理ですか。これはどういうことを田淵さんからお聞きになったのですか。
#150
○細川内閣総理大臣 今の経済の状況万般について、市場の問題に一番お詳しい方でございますから、お詳しい方のお一人でございますから、ぜひひとつお知恵をかしていただきたい、このようにお願いを申し上げた次第です。
#151
○大島委員 総理の認識には、当然に既にそのときは今の補正予算を出した後でございますよね。つまり、これではどうも十分ではないという認識の上で、いろいろな方からお聞きになっているんだろうと思うのです。それは結構だと思います、いろいろな人から御意見を聞くのは。
 これも報道ですから私もわかりませんが、平岩研に、今次の補正でさらに何かいいものはないかこう言ったところが、与党の皆様方が乗り込んでいって何だという話があったとかなかったとかという話は聞いておりますけれども、総理、やはり九月に御自身が考え、内閣がいろいろと相談されて景気対策を積み上げて出されて、それから二カ月後に補正を出されました。経済は毎日毎日動いております。総理の認識の中にもありますように、どうも今の景気対策の側面から見る補正ではどうしても足りない、知恵が何かないかと総理自身もあちこちお話を聞いておられる。ただ、与党の皆様方がそうやって積み上げているかどうか私はわかりませんが、総理は非常に苦労しておられる。
 そういうときに、今の景気対策について、私は、大事なのは明確な指針とタイミングだと思うのです。この補正予算、もし総理が、そのように御自身の中でも早く通してほしいという気持ちの反面、どうしても今のこれでは不十分だ、何か考えなければならぬとすれば、実は自由民主党は、私どもの案として組み替え動議を考えております。これを真剣にかつ慎重に総理自身は受けとめて考えるおつもりはございませんか。
#152
○細川内閣総理大臣 まだその中身も拝見しておりませんし、何ともコメントを申し上げる段階ではございませんが、御提案はもちろんよく承らせていただきたいと思います。
#153
○大島委員 本当に近いうちに山さしていただくことになるだろうと思います。そのときにどうぞ与党の皆様方も人様の意見を笑わないで、普通与党であれば真剣に積み上げていって、私どもは九月にも山さしていただきました、自由民主党としての景気対策の案を。そして、橋本政調会長が総理のところに持っていかれました。今次もまた私どもが政調の中で積み上げて、その上で出します。どうぞ真剣にこの動議の内容をごらんになっていただいて、今次の状況は、政治家のみんなが知恵を出してこれを脱却しなければならぬと思いますので、ぜひ本当に前向きに御検討をしていただきたい。
 もう一度総理の……。
#154
○細川内閣総理大臣 まじめにしっかり受けとめさせていただきます。
#155
○大島委員 わかりました。
 そこで、各論で総理の御認識をちょっと聞きます。今の景気の現状、動向の中で、どの面を一番総理は日本経済の最も危機だ、あるいは大変なところだという御認識がございますか。
#156
○細川内閣総理大臣 どういうふうに申し上げたらいいのかわかりませんが、雇用の面でありますとか企業収益の面でありますとか、さまざまなとらえ方があろうと思いますが、何といいましても、それはやはり雇用という問題が一番心配な問題だという認識を持っております。
#157
○大島委員 日銀からもおいでいただいておりますが、現在のあるいはきょうの株価動向も含めて、日銀として見る経済状況、景気動向、これについてどういうふうな認識を持っておられますか。
#158
○吉本参考人 お答えを申し上げます。
 経済の現状でございますけれども、これを一言で申し上げますと、やはり景気の停滞が長引いておりまして、依然として具体的な回復の兆しがなかなかあらわれていない、こういうことかと思います。
 御承知のとおり、住宅投資あるいは公共投資は、それぞれ財政の追加措置等もございまして増加しております。それに対して、国内需要の大宗である個人消費あるいは設備投資が盛り上がっていないというのが現況かと思います。先行きにつきまして、やはり企業の円高への対応、あるいは先般来お話がございます雇用調整、こういった景気に対するかなりマイナス要因がございまして、なかなか景気回復への展望が現在開けていない、これが現状である、このように考えております。
#159
○大島委員 総理、私は、総理のよくお使いになられます、また細川内閣の課題である生活者主権という言葉もお使いになります、生活者大国という言葉もお使いになられます。例えば宮澤内閣も海部内閣もそういう視点に基づいていろんな施策をやってまいりました。それは格別新しいことではございませんが、一つの考え方としてやらなければならない視点だと思うんです。ただ、生活者というのは、それと同時に労働者である人が大半だと思うんです。みずからの糧があって初めて生活者になるものだと思うんです。
 先ほど総理に、現状の経済感覚、経済分析、あるいはそういうものの中でどういう点に一番問題意識を持ちますかと言ったら、さらりと、あれもある、これもあるということをおっしゃいましたが、私は、総理の今までの言動から見ますと、多分失業問題だという答えが出るだろうと思っておったのです。この失業問題というのは、私は、私自身も戦後の世代、団塊の世代、ある意味では、ベビーブームと言われて、ひどいときは粗製乱造だと言われたり、やたらネーミングをつけられる世代なんです。そういう私自身の振り返った四十数年の生きざまでも、こんなに失業率の高い時代はないんだろうと思うんです。この失業問題という点から見たら、まさに生活者重視という総理の非常に大きなテーマから見たら、もっともっと深刻にお考えにならなきゃならぬかもしれません。
 そこで、総理のそういう意味での認識をちょっとお尋ねしますが、今いろんな新聞報道や評論の中でもありますけれども、いわゆる企業内失業者という言葉がよく出てまいります。これは総理、いろんな経済報告を聞いたり、経済閣僚会議でいろいろな話題になると思いますが、総理の御認識では、大体このくらいの人数がいそうだというその人数、おわかりですか。
#160
○細川内閣総理大臣 いろいろ言われておりますが、その実態はなかなかよくわからないと申しますか、どういうとらえ方をするのかによっても違ってくると思います。私も相当な数であるという認識でございます。
#161
○大島委員 労働大臣、いかがですか。
#162
○坂口国務大臣 現在、民間のいろいろな調査機関が出しております数字を拝見いたしますと、百万から三百万ぐらいの間にあろうかというふうに思います。
 ただし、その出しております根拠と申しますかどういう点を根拠にして出しているかということを拝見をいたしますと、製造業を中心にしまして、そうして製造業の現在の生産水準から見ました適正な労働者数と現在の労働者数、現実におります労働者数と生産水準から見ました適正な労働者数との差、これをもって算出をするという方式をとっておるわけであります。
 しかし、非常に落ち込みました現在のこの製造業の現状をもって適正な労働者数とするのはちょっといかがなものかなという気もするわけでございます。だから、そういうふうな意味で問題なしとはいたしませんけれども、しかし、そういうふうな意味で出しているということはよく承知をいたしております。
#163
○大島委員 十月の完全失業率二・七%という数字は盛んに言われます。総理の頭の中にも入っておると思うのです。これは大変高い水準であるというのも認識されておると思うのです。この失業率というものに私は、私個人としては、今後の経済動向、経済運営、ましてや日本の政治として本当に実はいろいろなことを考えなきゃならぬところがあるような気がするんです。
 総理の規制緩和論、あるいはリストラ、そして円高、日本の経済構造をどう変えていくか。その基本の中にあって、やはり日本の社会というのは、いわば準完全雇用体制の中で一つの社会ができてまいりました。政治の基本としてそういう社会を堅持していくのか数年間いささか痛みを伴うけれども、そこは二次的、三次的に思うのか。これはいずれまた議論をさせていただきますが、いずれにしても、この失業率の一面を見ますと、それ以外にもたくさんございます、鉱工業生産指数、倒産、企業収益、需給ギャップとかいろいろな問題点があると思いますが、この失業という側面から見ても、いかに厳しいか。これは総理、本当に深く認識を改めてしていただかなきゃなりません。
 今の九月補正で一兆何がしが入っているのを早く上げてください、早く上げてください、それだけが総理の責任ではないんですよ。むしろ、九月に決めたことがもし今足りなければ、勇気を持ってもう一回つくり直してみる、あるいはさらに考えてみる、それがまさに、先ほど田中代議士の質問じゃありませんですが、総理のリーダーシップだと私は思うんです。ですから、この景気の現状というものは、まあさらりと総理はお話しされましたが、より深刻な状況であるという認識をさらにしていただきたい。
 そこで、先ほどから申し上げましたように、その景気のいわば一つの側面であります株式の問題にちょっと触れさせていただきます。
 きょうは午前中、前場の終わり値が一万六千八百四十二円、暴落になりました。株式はマーケットが決めるものだといえばそうかもしれません。ただ、株価というのはいわば日本の経済、日本の政治、そういうものをあらわしている、こう言われておるわけでございます。
 そこで、日本の経済構造を考えた場合、今のこの株価の現状に対して総理自身はどんな認識を持っておりますか。
#164
○細川内閣総理大臣 おっしゃるように、株価というものは、経済の全体の姿の一面をあらわしているものだと思いますが、水準がどのくらいが適当であるかということを申し上げることは、もちろんこれは政府の立場として差し控えさせていただかなきゃならぬことでございますし、そのことは御勘弁をいただきたいと思いますが、いずれにしても、強い関心を持って、また重大な関心を持って株価の動向については見守っているということでございます。
#165
○大島委員 日本経済というのは、御承知のように、株はお互いに持ち合い株の構造が一つあります。それから、その含み益に依存している部分が非常に多うございます。そういう日本独特の経済構造、企業構造というんでしょうか、そういうものがあるものですから、私は、もちろん株価というのは政府が直接介入して云々という、そういうものではないとは思いますけれども、このきょうの暴落なんかも、非常に大きないろいろなことを考えなければならないことがある。特に十一月二十九日のときは銀行株が売られたというところに、私は一つの大きな問題があるような気がしてなりませんでした。
 そこで、よく総理に景気論争をやっていきますと、自民党からの負の遺産を云々というお話がございます。これはちょっと振り返らせていただきますと、昨年の八月に株が落ちましたときに、宮澤内閣はいわゆるPKOというのをやりました、御承知のとおり。株価維持政策でございます。その努力があって、九三年の秋には経済の回復基調に乗って株価も自律的に反転していくだろうという、いわばそういうシナリオがある程度私はあったと思うのでございます。そういうPKOの政策によって株価のマーケットの動きは功を奏してきたと私は思うのです。
 ただ、残念ながら七月に選挙があって、そして、その後の細川内閣がまさに新しい内閣をつくる、あるいはまた政局のいろいろな流動性があったでしょう。そういうふうなことに加えて、まさに景気対策そのものがやはりおくれた。細川内閣の景気対策がおくれた。ここに私はやはり一つの問題点が大きくあった、こう思うのです。
    〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕
 ですから、率直に伺いますが、今までの景気のいろいろな動向を見て、総理自身は、御自身が総理になってから景気対策はもっと早く出すべきであった、あるいは景気対策についていささか手落ちがあった、そんな反省といいましょうか、そういうものは全くございませんか。
#166
○細川内閣総理大臣 基本的にはこの経済の状況に対する認識をどう持っかということでございましょうが、循環的な要因に加えて、けさほどのお尋ねでもたしかお答えをしたと思いますが、バブルの崩壊などによる構造的な要因も加わって、そこにまた円高というような追い打ちが加わって、大変先行き不透明な、懸念すべき状況に至っているというふうに認識をいたしております。
 このような状況に対しまして、繰り返し申し上げますように、三回にわたって昨年来三十兆円にわたる対策を講じてきているわけでございますし、また金融政策も発動されておりますし、できる限りの対策というものが講じられてきているわけでございますから、今後さらに必要なものにつきまして、十分景気の状況というものをにらみながら、できる限りの対策というものを今後とも引き続き講じてまいりたい、このように思っております。
#167
○大島委員 これはむしろ大蔵大臣にちょっとお伺いさせていただきます。
 株式市況で、公的資金の運用等を図りながら、いわばPKO政策的なものを今後お考えになりますかなりませんか。
#168
○藤井国務大臣 ただいまのお話は、平成四年の八月の暴落、一万四千円台がついたときに、各種の株価対策をとられたということはよく承知をいたしております。当時私は自由民主党でございました。
 そこで、その中で個人株主の増強等々の一つに新指定単という仕組みをつくるということをやられまして、二兆八千億という平成四年分、五年分をつくられたわけでありますが、この趣旨は、大変大島委員に反するようなことを申し上げるようでございますが、PKOという実情、実態認識から来たものではなく、公的資金の運用のあり方としてこれをやらせていただいたように承知をいたしております。
 結果として株式市場の活性化につながるということも期待されてはおりますけれども、基本的には公的資金の資産運用のあり方として考えられていたということを御理解をいただきたいと思います。
#169
○大島委員 郵政省は、簡易保険福祉事業団経由ではなくて、簡易保険や郵便貯金本体によるいわゆる今言った指定単を求めたり、厚生省もいわば投資顧問の投資の一任勘定への運用委託解禁を要請中と聞いておりますが、その辺に対しては、大蔵大臣としてはどんなスタンスでこれから向かわれますか。
#170
○藤井国務大臣 ただいまのお話は、平成四年、五年に実施したこういうものについて、平成六年度にも考えるのか、こういう御趣旨であろうと思います。
 今お話しのように、各省がというお話がございました。これはまさにこの資産運用のあり方の議論から来ていると思います。そういう中で、これから各省とお話をし、かつ金融情勢等々も見ながら検討すべき課題だと考えております。
#171
○大島委員 今私は総理の、要するに景気対策という問題について、政治全体の中における、総理の頭における重要度あるいは認識度というものから株式という話の側面に向かって伺いました。
 そこで、先般一万六千円台から上がりましたときの要因になったと言われる話はいろいろありますが、その一つとして、大蔵大臣、通産大臣が土地政策、税制を含めた対策を来年考えなきゃならぬ、こんなことをお話しされて、一つの方向性を示していただいた。そこが一つのきっかけになったんではないかな、こう予測いたすわけであります。
 そこで、これも大蔵大臣でございますが、土地政策の税制について、基本的にどんなことを今検討して、どういう基本方向に持っていきたいと思っておられますか。
#172
○藤井国務大臣 通産大臣とお話をした話というのは、景気の現状、特にあのとき鉱工業生産が前月比で五%も落ちる、こういう事態に応じていろいろお話をしたわけでございます。
 とにかく第二次補正予算は早期に成立させていただきたい、平成六年度予算も景気というものに十分目配りをしなければならないだろう、あるいは年末金融は十分やろうということを決めるとともに、株式市場の問題、あるいは金融のシステムの問題等を考えると、土地の流動化をしていかなければならないな、こういう点について合意をしたということでございまして、内容についてはこれから勉強しようということであります。
 したがいまして、土地の流動化というものは何に阻害されているのか。先ほど午前中の御議論にもあったような規制の問題もありましょう、もちろん税制というものが無関係であるはずはないと考えております。したがいまして、税制の問題も議論されると思いますが、基本的に平成元年の土地基本法に基づく、前政権の際おつくりになったあの基本的仕組みは守る、そういう中で、今のような観点から、何らかの政策措置があるかということを検討したいと思っております。
#173
○大島委員 土地税制につきましては、先ほど原田委員の方から伺いました。
 私は、今の景気対策で必要なことは次の三、四点ではないかそういうふうに思っております。これはまさに総理の御決断をぜひ必要とし、早くその方針を打ち出してほしい。
 その一つは、やっぱり所得税減税だろうと思うんです。これが一つ。規模の話は後で申し上げましょう。それから第二点は、今土地税制の話を出しましたが、それらを含めてやっぱり金融機関の健全化ではないかという気がするんです。第三点は、やっぱり公定歩合の引き下げなんだろう。第四点として、公共事業の拡大ということを私は申し上げたい。率直に、個人的に言えば、公共事業の拡大というのは、私の頭の中ではプライオリティーは割と低いのでございますよ。
 そこで、そういう中にあって、まず所得税減税についてちょっと伺います。所得税減税を総理はやりますかやりませんか。
#174
○細川内閣総理大臣 税制調査会の答申でも、御承知のとおり、総合的な検討の中で、よく言われます所得、消費、資産のバランスのとれた税体系というものを考えていく中で、六年度の税制改正において考えていく、こういうことでございます。全くそのように受けとめております。
#175
○大島委員 そうしますと、それは税改正という理念からおやりになるということですか。
#176
○細川内閣総理大臣 やはりそういうことを、そういう大きな全体の枠組みの中で考えていかなければならないのかなと思っております。
#177
○大島委員 そうしますと、景気対策の政策として所得税減税を考えるのではなくて、まさに我が党が、かつて苦しい中で、直間比率の見直しをしましょうという税制改革をやりました。そういう視点から考えるということでございますか。だとすれば、そこには当然、間接税の引き上げというものを裏腹として含む所得税減税をおやりになるということですか。
#178
○細川内閣総理大臣 今申し上げましたように、総合的な検討の中で税制改正の問題に取り組んでいくということでございまして、やはり何と申しましても、現下の厳しい財政状況というものを考えますと、一体赤字国債を垂れ流し的にやっていいのかといったようなことは、これはやはり大いに慎重に考えなければならないところだと思いますし、しかし、一方で減税に対する御要望も大変強い、このことも十二分に承知をいたしております。
 そうした中で、景気対策として、つまり税制改正と切り離して減税だけができるのか、このことについては、その財源をどうするかという観点から、よほどこれは慎重に考えなければならない、このように思っております。
#179
○大島委員 改めて総理のお考えはわかりました。
 つまり、税の総合的な観点から所得税減税を考えるのであって、景気対策という観点からの所得税減税は遠慮申し上げたい、したがって所得税減税をいたすとするならば、これは総合的な観点だと言っても、いわば総理がおっしゃる税の公平、公正あるいはそういうふうなものを考える、税収を考えるとすれば、当然、間接税の主たる消費税に手をつけなければなりませんよ、したがってそういう総合的な観点で所得税減税を考えますというふうに私は理解しましたし、多分我が委員の皆様方もそう理解したと思うのですが、そう考えてよろしいですね。
#180
○細川内閣総理大臣 今申し上げましたとおり、財源をどうするかということは、これはもう改めて申し上げるまでもなく、容易なことではございません。そういう中で、減税だけ先行させる、先行というか切り離してやるという話については、これは慎重に考えなければならない、こう申し上げたわけです。
#181
○大島委員 山花大臣、それから石田大臣、大内大臣、恐縮でございますが、二、三年以内に消費税をアップすることに賛成ですか反対ですか端的にお伺いします。
#182
○山花国務大臣 消費税の税率の問題だけではないと思っております。総理、大蔵大臣答弁されておりますとおり、平成六年の税制改正を通じて全体的に考えるということなのですから、消費税だけ上げる上げないということになれば、消費税について上げることにつきましては、国民の世論、そしてこれまでの経過もあり、今日の経済情勢から大変困難である、こういうふうに考えております。
#183
○大島委員 それじゃ、山花大臣、所得税を下げたら消費税を上げてもいいんですかその財源として。山花大臣のお考え方を。
#184
○山花国務大臣 減税それ自体に対して今検討しているところでして……(大島委員「いやいや、それは簡単に考えて」と呼ぶ)私は、消費税と直結した、減税やれば消費税アップということについては賛成できない、こういう気持ちでおります。
 そういう問題については、これから全体の税制改革なりで議論されるテーマだと思っております。
#185
○石田国務大臣 お答えを申し上げます。
 所得税減税の財源としてのいわゆる消費税アップというのは、私は、直ちに直結して考えるべき問題ではない、やはり総合的な将来の福祉の体制をどうするか、高齢化社会に向かってどうするかそういった問題等を十分勘案した上で、税の負担をどうすべきかということをまず決めないとならない、そのように存じております。
#186
○大内国務大臣 二、三年というお話がございましたけれども、まあそれは別にいたしまして、これからの超高齢化社会の到来の中で、財政需要は必然的に相当ふえてくると思います。
 その中で、直接税をもってこれに充てるという事態はなかなか難しいのではないか。これからの経済の発展のいかんによります自然増収の動向にもかかわるわけでございますが、中期的にはこの問題は避けて通れないのではないかこう思っております。
#187
○大島委員 総理、今、山花大臣、石田大臣、大内大臣のお話を伺いました。ニュアンスがそれぞれ、あるいは基本的な考え方もちょっと違うんだろうと思うんです。
 もう一度伺います。景気対策に減税という手段は総理の頭にはありますかありませんか。
#188
○細川内閣総理大臣 いろいろ知恵を絞っているところでございます。
#189
○大島委員 いろいろ知恵を絞っておられるという発言と、先ほどは所得税減税をどうされますかと言ったら、税のいわば全体のバランス、つまり税がどうあるべきかという観点から考えます、こうおっしゃいました。今はいろいろな知恵を絞っております、こう言われました。
 そうしますと、ずばり申し上げます。
 所得税減税を先行さして、そして例えば翌年に消費税を上げるとかという形でおやりになるという知恵ですか。それとも、まず所得税減税をやります、その後は、例えば、今、石田大臣もお話ししましたように、全体の負担がどうあるべきかという議論を国民の前にもう一度していただく時期が来る、そのときに考えるというのか。
 もっと言えば、所得税減税をしたら、消費税を上げて補てんするか国債を出すか、どっちかしかないんですよ、はっきり言いますと。その国債の中にも二つあるんだろうと思うんです。つなぎ国債といわゆる純たる赤字国債。いろいろ知恵を出していくといったって、そのぐらいしかないんですよ、総理。
 ですから、るる私は景気の動向を今お話しして、総理もかなり深刻だとおっしゃったのなら、決断しかないと思う。決断しかないんですよ。どの方針で私は行きます、どういう方向性を持ちます、大幅な所得税減税をやります、こういうことを総理がこの場でお話してきたら、いろいろな意味でそのことが影響するんだろうと思うんです。少なくとも所得税減税は景気対策ではなくて税の世界のあり方から考えますというんじゃ、これは景気対策にならぬのですよ。そこのところを基本的にもう一度お伺いしたいんです。
#190
○細川内閣総理大臣 いや、それはもう私も気持ちは全く同じでございます。それは所得税減税だけできるならば、これはもう皆さんに喜んでいただけることでございますから、それはもうぜひ考えたいところでございますが、先ほど来申し上げますように、大変厳しいこの税収の中で、財源の中で、税調の答申におきましても、将来のあるべき経済社会の姿というものを見据えながら一体として考えていくということを言われております。
 ですから、具体的にはどのくらいの時間差を置くのかとか、あるいは幅はどうするのかとかといったようなこともこの前の答申では触れられていないわけでございますし、今後税制改正の中でその辺の点についてはお触れをいただくということになるわけでございましょうし、その間におきまして、今大臣からもそれぞれ御答弁がございましたが、それはもちろんいろいろな御意見ございましょう。連立与党の中でも、その税制改正の作業とあわせていろいろと御議論をいただくことであろう、このように思っております。
#191
○大島委員 景気対策の議論、経済への影響を与える減税という議論をするときに、政府税調というのはむしろそういう観点からの議論じゃないと僕は思うんですね。総理、そうでしょう。税全体がどうあるべきかという世界の議論をするのが政府税調の話であって、ある意味じゃ基本は。
 今僕が総理に一生懸命訴える気持ちを持って言っているのは、まず所得税減税をやることが今の景気対策にとって一つの大きな手段だ、そのことを言い切ったら、それはもういろんな影響が私はあると思うんです。最後に、そのことにもう一度お答え願います。
 時間が終わりましたので、一つだけ大蔵大臣に。これは時間がなくて申しわけありませんでした。簡単で結構です。
 金融界の不良債権の処理問題というのは、さっき私は景気対策にとって一番重要な一つだと申し上げました。簡単に公的資金を何らかの形で入れる、あるいは償却のあり方をもう少し考える、これをしませんと心臓から血が回りません。ここが実は一番大きな問題のような気がするんです。もちろん、銀行、金融筋に対しても、もう少し厳しく襟を正してもらわなきゃならぬところは正さなきゃなりません。アメリカ、ヨーロッパ、イギリスを考えたときに、やはりおくれたがゆえに大変な事態を起こしているわけです。日本もすぐこれに手をつけるべきなんです。大蔵大臣、その点についての基本的認識を最後にぜひお答えいただきたい。
 総理、もう一回所得税減税について。
#192
○細川内閣総理大臣 税制調査会における御論議は、もちろんこれは税制をどうするかという観点から御論議をいただくというのが本来の調査会の趣旨でございましょうが、役割でございましょうが、しかし、その御論議の中におきましても、社会保障を含めた将来の国民負担率がどうなるのか、そのことを踏まえて御論議をいただくことは当然のことでございましょうし、そうした意味で、少し大きな観点から今度の税制改正の時点におきまして方向づけをしていただきたい、こう思っているということでございます。
#193
○藤井国務大臣 ただいまの御意見は、ことしの一月、共国債権買取機構をつくるときの主たる議論の点であります。そのときの結論は、このような不良債権がたまったことの基本的な責任はやはり金融機関にあるという前提に立って今のような処理体系になったわけで、私は、生に公的資金を入れることについては、あのときの考えと同じでいいと思っております。
 ただ、あのときもそうですが、その環境をつくるということをいろいろ考えて、例えて言えば税の執行上の問題もやらせていただいたわけでございます。まあそんなようなことを通じて着実にもう今軌道に乗り出したところでございますので、一層推進してまいりたいと思います。
#194
○大島委員 総理、もうこれで終わりますが、どうも総理の景気に対する認識と、政策はもう決断だけなんですよ、私、そう思うのです。政府税調に聞いて政策をやるんだったら、これは政治じゃないと思うのです。いろいろまだまだ申し上げたいことがあるんですが、景気対策というものに本当に真剣に取り組んで、ぜひ早く、できるだけ早くお出しいただきたい、このことを申し上げて質問を終わります。
 ありがとうございました。
#195
○山口委員長 これにて大島君の質疑は終了いたしました。
 次に、柿澤弘治君。
#196
○柿澤委員 私の方からは主として外交問題と景気対策について質問をしたいと思っておりますが、日銀総裁が外交案件もあって後ほどいらっしゃるということでございますので、出しました紙とは逆になりますが、外交案件から話をさせていただきたいと思っております。
 冷戦構造が終局した後、今世界は新しい国際秩序の形成に向けて大変大きな動きがございます。そうした中で、経済大国になった日本の果たす役割、積極的な役割というのを定めていくことが現在の政治の責任であり、また、内閣を担う細川総理の御責任でもあろうかと思いますが、その点についての御認識をまず伺いたいと思います。聞いてなかったですか。だめですよ、ちゃんと聞いてなきゃ。
 新しい国際秩序を形成する中で、経済大国になった日本としては、積極的な役割を担うべき時期に来ているというふうに考えておりますが、その点についての細川総理の御意見を伺いたい。言語不明瞭でしょうか。
#197
○細川内閣総理大臣 こういう新しい国際社会の状況が生まれた中で、日本が今までにも増して大きな役割を果たしていかなければならない、これはもう申すまでもないことでございます。
 国連の場におきましても、あるいはまたその他の、先般もAPECの会議もございましたが、さまざまなそのような地域的な協議の場におきましても、日本が経済面のみならず国際の平和のために、あるいはまた政治的な面におきましても、あるいはまた援助の面におきましても、環境の面におきましても、大きな役割を果たしていかなければならないということは、これは申すまでもないところであろうと思います。
#198
○柿澤委員 第二次大戦の前に、細川総理のおじいさまになられます近衛文麿公は、新秩序を形成するに当たって、米英中心の秩序を排すということで、アジアの主張をしっかりと代弁をしていくことを主張されておられたと思います。この点については細川総理は同じお考えでしょうか。
#199
○細川内閣総理大臣 何と申しましても、今我が国にとって重要な国際社会における取り組み方と申しますのは、よく言われますように、優先的に申し上げれば、アジアの諸国の一つとして日米関係というものがその基軸であるということは、これまた改めて申し上げるまでもないことだと思っております。
 何と申しましても、GNPの四十数%を二国で占めている。この二国間の関係というものは、これはどちらがおかしくなっても片方に響いてくるという意味から申しましても極めて重要な二国間関係であると思っておりますし、また、お隣の中国というものも日本にとって極めて重要なかかわりのある大国でございますし、朝鮮半島もまた同じくらい日本にとって大きな意味を持っておりますし、また、それから少し置いてロシアというものもございましょう。ロシアが日本にどういうかかわりを持つかというその位置づけを考えるということも、しっかり念頭に置いておくということも重要なことでございましょうし、何といいましても、アジアの中において日本が、あるいはアジア・太平洋諸国の中でどういう役割を世界に向けて果たしていくことができるか、それがやはり基本的なスタンスではないかというふうに私は認識をしております。
#200
○柿澤委員 アジアの一員として世界の中でどういう役割と責任を果たせるかというのが基本的認識である、もちろん日米基軸というものを忘れずにというお話がありました。私はそのとおりだろうと思います。
 そういう観点に立って、どういう役割を果たしていこうかというのが問題だというのでは、これは質問型であります。あえて御自分に問うていらっしゃるのかもしれませんが、それを国民に向かって、こういう役割を果たしていくべきだと説得をするのが総理大臣の役割だとはお思いになりませんか。
#201
○細川内閣総理大臣 それは当然のことであろうと思います。
 先ほども申し上げましたように、経済の面でも、あるいはまたODAの問題ならその問題についても、環境の面でも、あるいは政治的な役割も応分に果たしていかなければならないと思いますし、それぞれの面で日本として果たしていかなければならない役割あるいはこたえていかなければならない期待というものがあるというふうに感じております。
#202
○柿澤委員 総理大臣たる者は、どういう形で考えていったらいいのか先ほどの減税の問題もありましたけれども、考えているだけでは責任を果たしていることにならないと思います。その点、細川総理はいろいろな形で問題意識は持っておられますが、それを実行に移し、そして行動で国民を説得していくという努力を一層していただきたい。これは私からお願いをしておきたいと思うのです。その点がはっきりしないから、細川内閣はファジーである、言葉だけが踊っているというふうに言われるのではないでしょうか。
 今、アジアの一員として日米基軸の中でAPECでも役割を果たすとおっしゃいましたのでお伺いをいたしますが、それではマレーシアのマハティール首相の欠席は、これは遺憾であったのですか、それとも、仕方がない、当然のことと考えられますか。
#203
○細川内閣総理大臣 マハティールさんにも私はAPECの会議の前にも申し上げたのですが、マハティールさんがこのアジア・太平洋地域の発展のためにどう考えておられるかということをAPECのメンバーの前でお話しをいただくということが皆さんが期待しておられることだと思います、あなたが欠席をされるということはこのAPECの会議に画竜点睛を欠くということになりますからぜひ御出席をいただきたい、こういうことを、APECの会議の前に来日されました折に、私は率直に申し上げました。
 いろいろアメリカなどに対して持っておられるお気持ちもよくそんたくをした上で、これからこの地域がまとまっていく上で、EAECのようなものも、もちろん私はそれなりにお考えはわかりますと。しかし、それはAPECの中の一つのフォーカスとして考えていくということを皆さんおっしゃっておられるわけでありますし、ぜひその辺のことを踏まえた上で御出席をいただけないものかということを申し上げたのですが、残念ながら御出席をいただけませんでした。
 私はAPECから戻りましてからマハティールさんにはすぐお手紙を差し上げて、お手紙を差し上げてというのは大使を通じてでございますが、APECの会議の成果あるいはそこでどういうことが話し合われたかといったようなことにつきまして、私なりに感じたことをマハティールさんにはお伝えをさせていただいたところでございます。
 マレーシアが今後この地域において果たしていく役割というものは大変大きなものがあると思っておりますし、そういう意味で、マハティールさんの今回の会議への欠席ということは大変残念であったというふうに思っております。
#204
○柿澤委員 APECが終わってからマハティールさんにそうしたお手紙を出されたということであれば、私はそれは評価したいと思います。
 しかし、その後オーストラリアのキーティング首相との間でいろいろなやりとりがあってこじれているというのは、私は大変残念なことだと思います。
 この際、日本の外交として、その間を取り持っていくという努力をしていただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#205
○細川内閣総理大臣 おっしゃるとおりだと思いますのできる限りのことはトライしてみたいと思います。
#206
○柿澤委員 アジアに関しては、細川総理がおっしゃった、第二次大戦を侵略戦争、こう断定をされましたけれども、私はその議論には異論がありますが、しかし、いろいろな心の傷跡があります。その意味では、これからパートナーとしてしっかりとした関係を結んでいくということが大事であろうかと思います。
 その意味でも、中国も大国ですが、日本も東南アジア、ASEAN諸国等を含めて非常に幅広い経済、政治交流関係があるわけですから、そうした点で、ぜひとも一つの役割を積極的に担っていただきたいと思いますが、その点は異論はありませんか。
#207
○細川内閣総理大臣 全く異論ございません。同感でございます。
#208
○柿澤委員 そこでお伺いをいたしますが、一九九五年は国際連合誕生の五十周年に当たり、憲章改定その他も含めた国連の改革が大きな課題になっております。
 先週の金曜日、日本時間では四日になりますが、国連の総会は国連改革に関する作業部会の設定を決議いたしました。この国連改革については、細川総理も先般の国連総会演説において三つの問題点を指摘され、そして改革の議論には積極的に参加をするとおっしゃっておられますが、この作業部会はみんなに開かれているわけですけれども、日本はその中で積極的に国連改革について発言をしていくということをお約束いただけますでしょうか。
#209
○細川内閣総理大臣 作業部会の中でおっしゃるように積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 安保理の改組というものは今や大きな流れになっておりますし、前から申し上げておりますように、相当数の国が我が国の安保理入りを支持していただいていると考えておりますので、推されるならばなし得る限りの責任を果たしてまいりたいということを申し上げているわけでございまして、今後の作業部会におきましても、できる限り積極的な取り組みをしてまいりたいと思っているところでございます。
#210
○柿澤委員 ぜひそうお願いを申し上げたいと思っております。
 しかし、細川総理の国連演説で気になる点が一つございます。といいますのは、国連改革については、財政改革、安保理の問題その他援言をされておられますけれども、改革された国連において、なし得る限りの努力をしていくという結びになっておりまして、改革されなかったら可能な限りの努力をされないんでしょうか。
 その点、七月に出した外務省の報告とそごがあるというふうに言われておりますし、国連筋、また私もガリ事務総長にも先般お会いしましたけれども、日本は国連における積極的な活動、役割の分担をヘジテートして、ちゅうちょし始めているのではないか、こういう疑念を生んでいるわけですが、その点はいかがでしょうか。
 改革をされようとされまいと、もう既に日本が国連の主要メンバーである。それはもちろんつくられたときには第二次大戦の戦勝国による組織であったかもしれませんが、その五十一カ国から百八十四カ国に加盟国がふえ、日本としても既に数十年の経験を積んでいる。その国連をあたかも日本の外部の組織のごとく考えて、改革されたらそれに参加をするという考えは間違いではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
#211
○細川内閣総理大臣 「改革された国連において」と申しておりますが、安全保障理事会も改革されないと、改革されて枠が広がらないと入れないわけでございますから、そういう意味でも改革されなければならないと思いますし、何よりも国連というものが、先ほどもお話がございましたように、財政の面でも、あるいはまたその他の安全保障理事会の問題もそうですが、機能もそうでしょうが、さまざまな面で改革されなければならない課題がたくさんある。しかし、我が方は、先ほども申し上げましたように、多くの国が、相当数の国が我が国の安保理入りを支持していただいているという現状がございますから、そういう現状を踏まえて、推されればそれにこたえていく用意があるということを申し上げているところでございます。
#212
○柿澤委員 今細川総理からお話がありましたように、今回の国連総会でも多くの国が、日本の安全保障理事会入りを当然のこと、もしくは必要なことというふうに判断していると私は理解をいたしております。それだけに、推されれば、推されればという言葉が非常に気になるのですね。
 皆さん、結局それは、日本としてまだなっても十分な責任が果たせない、十分な責任が果たせないからちゅうちょをしているのではないかそして、推されたら、いわゆる常任理事国としての責任と言われるものの中で、これとこれはできませんよという条件をつけながら入ってくるのではないか、こういう疑念を持っていると思いますが、もう少し前向きに、自分が国連の改組に積極的に取り組み、そして、国連の安保理に参加をして、安保理のあり方そのものを変えていくんだ。
 さっきおっしゃったアジアの一国としてのいろいろな考え方、この中には欧米と違うところもあるでしょう。民主主義や人権や市場経済を尊重するという点では普遍的な価値をシェアしておりますけれども、分け合っておりますが、しかし、やはりアジアにはアジアの特殊性もある。そういう点を主張しながら、また、日本が経験してきたさまざまな戦争体験等を生かしながら安保理で独特の活動をしていく、そういう意味で参加の希望を表明してもよろしいのではないかと思いますが、この点はぜひ前向きのお答えをいただきたいと思います。
#213
○細川内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、相当数の国々が我が国の安保理入りを支持していただいているという状況でございますから、私は前に自然体ということを申し上げましたが、ここで大声を出して人を押しのけてまでやらなくともこれは間違いなくなると言うとちょっと言い過ぎなのかもしれませんが、そういうところまでしなくても、私は、推されればその役割を果たしていくという、そういうむしろ謙虚な姿勢の方が望ましいのではないか、こういうふうに考えているということでございます。
#214
○柿澤委員 細川総理が大変謙虚なお方であるというのはよくわかりましたけれども、しかし、やはり引き受けるべき責任は引き受けるということを言いながら、そのポストもきちっと主張していくことが大事じゃないでしょうか。細川総理自身、なりたくてなったのかどうかわかりませんが、我々は選挙のときは、ぜひ投票してください、我こそその能力ありと言って立候補してくるのですね。推されればなるというので立候補したわけじゃないのですね。
 それとも、総理は、余り自分ではお気に召さなかったけれども推されたから総理になった、これが自然体で大変うまくいっている理由だと、こうお考えなのですか。
#215
○細川内閣総理大臣 いや、それは先ほどから申し上げますように、今のお話は国連のお話だと思いますから、そちらの方でお答えをいたしますが、今、推されればなる、推されればそれなりの役割を果たしていくということを申し上げたわけで、当然あらゆる機会を通じまして、常任理事国の問題につきましては日本にその意思があると、我が国にその意思があるということは明確に申しておりますから、その意思はしっかりと受けとめていただいているというふうに私は思っております。
#216
○柿澤委員 その意思はあるということを再三にわたって表明しているという総理のお言葉がありましたので、その意思ありと表明されたというふうに理解いたします。というのは、そこのところが非常にあいまいに受け取られていますね、国際社会の中でも。ですから、その点はやはりきちっと言っていただきたいと思っております。
 その点、外務大臣、御意見があれば伺います。
#217
○羽田国務大臣 冷戦が終えんした後、やはり国連の役割というのは大変大きくなってきておりますし、また、非常に幅広いものになってきております。そして、安保理の果たす役割というのは、ともかくいろいろなものに大きな影響を及ぼす場所であるということ、そういうことからいったときに、我が国はやはり国連の中でいろいろな貢献をしてきております。
 もちろん、資金的にはアメリカに次いでの二番目というようなことでございますし、あるいはその他におきましても、今、日本というのは大変大きな貢献をしておるということでありまして、やはりみずからの持てる能力といいますか、こういったものを発揮しながら、本当に世界に平和、しかもみんなが楽しみといいますか安心を享受できるようなそういう世界をつくるために、日本みたいな国こそ働くべきだろうと思っております。
 そして、日本は核も保有しない国であるということからも、これからの新しい世界の秩序をつくっていくためにも必要なのかなという思いを持っておりまして、作業部会でも積極的な働きをしていきたいというふうに考えております。
#218
○柿澤委員 国連の常任理事国になると軍事的な責任を負担せざるを得ないとか、それだから困るとかいう意見もありますね。
 この点については、山花前委員長、いかがですか。
#219
○山花国務大臣 御指摘の点については大変関心を持っているところでございます。この問題についてまだ具体的にどこがどうということにはなっておりませんので、これから私たちとしても十分検討させていただきたいと思っております。
#220
○柿澤委員 どこがどうということになっておりませんのでといって、入ったらどういう責任があるかないかは国連憲章上しっかり書いてあるのですね。その中で、もちろん常任理事国でなければ軍事的な活動に参加する必要がないとも書いてありませんし、なったからといって負担しろとも書いてないのです。そのくらいのことは小学生だってわかっているので、社会党の前党首がまだわかりませんからというのは不見識だと私は思います。
 それからもう一つ。ともすれば、常任理事国になると軍事参謀委員会に入らなければならない、そうするとこれは集団自衛権の行使に当たる、こう言われておりますが、私もこの間、地球的規模の国際議員会議というのに出て、軍事参謀委員会の話を国連の方からも聞いてきましたが、国連憲章上は、常任理事国のメンバー国で軍事参謀委員会を組織する、これは安全保障理事会、国連が実施する軍事的な活動について助言をする、そして統括をするというような書き方だったと思います。
 しかし、そこへ入ったからといって、全部同じ行動をとる義務も責任も負わされていない。むしろソマリアのような例で国連の活動が危機に瀕するような場合には、事前に日本としてこれはやめた方がいいというアドバイスだってできる、入らなければアドバイスもできない、そういうふうになっているわけで、そこがネックになるとは思いませんけれども、一応確認をしておきたいと思います。
 法制局長官、いかがですか。
#221
○大出政府委員 まず、国連憲章の四十二条、四十三条の関係で、いわゆる正規の国連軍の関係の問題があります。
 これは、国連の加盟国の場合もそうでありますけれども、仮に常任理事国になったからといって、だから正規の国連軍に兵力を必ず提供しなければならないというような仕組みには法的にはなっていないというふうに私ども承知をいたしております。そのためには特別協定というものが必要であって、その特別協定を締結した場合に初めて問題となることだというふうに理解をいたしております。
 それから、ただいま軍事参謀委員会という面のお話がございましたが、これは先生よく御存じのように、国連において必ずしも十分に活動している分野ではないというふうに伺っております。今行っている具体的な内容というものも必ずしも私どもよく承知をいたしておりませんが、ただ、軍事参謀委員会の置かれている現在のような姿というものをもとにして想像をいたしますというと、特にそう問題があるというわけでもないのではないだろうかという感じを持っております。
#222
○柿澤委員 問題がないというのは、憲法上問題がないという意味ですね。
#223
○大出政府委員 問題は、我が国が武力の行使をせざるを得ないということか、あるいは武力の行使と一体となるような行動をとるということにならざるを得ないということになると憲法上問題が出てくるということでありますけれども、今の四十七条のもとに置かれるところの軍事参謀委員会というものの活動の状況というものが直ちにそこに結びっくのかどうかということについては、よく研究してみなければいけませんが、現在のところの状況ではそう特に問題にしなくてもいいのではないかという感じを、話を聞いて伺っておるということです。
#224
○柿澤委員 国連の問題ばかりに時間を使えませんけれども、もう一つだけ申し上げておきたいのは一細川総理、聞いておられますか大丈夫ですか。先ほど、ほかの国を押しのけて常任理事国になるというのもいかがか、こういうお話がありましたね。しかし、私は逆だと思うのですね。日本は、もし改組されたとして、常任理事国にならなければ、非常任理事国として定期的に、世界の大国ですから、責任を果たすために、非常任理事国に立候補しなければならない、そしてアジアの国々と争ってその議席を奪い取らなければならない、こういうことになるわけですね。
 ですから、日本がもし常任理事国になれば、アジアに配分されている非常任理事国のいすは日本以外の国々の中で選挙で選ばれることになって、むしろアジアの安保理におけるプレゼンスをふやすことになる、こう考えなければいけないんじゃないかと思うのですが、その点についてはいかがですか。
#225
○細川内閣総理大臣 これは繰り返し申し上げているとおりでございますが、今まで着々と、御承知のように長い年月かかって、安全保障理事会に我が国が入ることについて各国の御理解と御支持をお願いしてきているところでございますから、引き続きそれを地道にやっていくということに尽きるんだろうということだと思います。
#226
○柿澤委員 やはりその点では、日本が前向きの姿勢を示すことによって、非常任理事国の一つのいす、大事ないすですが、これをアジアの他の国々に開放していくということも、全体としてのアジアの安保理におけるプレゼンスをふやすという意味で大事な視点だということをぜひ御記憶にとめておいていただきたいと思います。
 それから、先般、自衛隊のあり方と憲法の問題で中西前防衛庁長官が辞任をされました。大変残念なことだと思っておりますが、しかし、これから国連のPKO活動を考えていく場合に、やはり今のPKO法に残された問題点、そして憲法との関係、いろいろ議論をしていくべきものは多いのではないか。その点では、総理大臣も創造的改憲ということをおっしゃっていた時期があったわけですね。そういう点で、この点は決してタブーにしないで議論をしていくことが必要だというふうに私は思っております。
 まず、愛知新防衛庁長官、御苦労さまでございます。ぜひとも自衛隊の指揮命令をきちっとやっていただきたいと思っておりますが、この間のカンボジアでのPKO活動の経験から見て、今後PKO法の問題点とされるポイントが幾つかあるように思いますが、その点を御説明いただきたいと思います。
#227
○愛知国務大臣 カンボジアでのPKO活動は初めての経験でございまして、全体としては大変うまくやれた、また、国民の御支持も得られたと思っておりますが、何しろ初めての経験でございますので、反省点あるいは検討に値する点があったことも事実でございます。
 この間、国会に政府として提出をしました報告書にも述べでございますが、これから具体的な事項につきましては検討してまいりまして、それを踏まえて、次のさらなる国連平和維持活動、日本として思うように十分力を発揮できるように検討してまいりたい、このように考えております。
#228
○柿澤委員 抽象的なお答えしかありませんでしたが、カンボジアのPKOに参加した方々からは、現行PKO法の武器の使用、これが個人の判断に任されている、これは非常に問題だという指摘がありましたね。
 この間、ある新聞で評論家が書いておりました。PKO活動に参加している例えば百人の部隊が深夜行軍をしていた、そこでゲリラと遭遇をした、ゲリラ側から銃弾が聞こえた、その一発の銃弾に驚いて、隊員の中の一人が自分の身を守るためという判断で小銃を発射した、その一発の小銃の音で部隊の存在が明らかになってロケット砲を打ち込まれて全員が死亡する、こういう可能性だってあるではないかだから個人の判断に任せるということが安全だとは限らない、やはり部隊としての規律ある行動が必要だというふうに書いておりました。私はその議論はもっともな点だと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
#229
○愛知国務大臣 カンボジアから帰ってまいりました隊員からの感想として、そういうことがあったということは承知いたしております。確かに隊員の心理的負担が非常に大きかったということはそのとおりだと思います。
 具体的な方策につきましては今後十分検討されるべき課題だ、このように考えております。
#230
○柿澤委員 この点については、連立与党の皆さんはいかがお考えでしょうか。
 大内厚生大臣、大変積極的にPKOを推進していただきましてありがとうございました。その御趣旨は変わらないと思いますが、その点から、今の見直し問題。
#231
○大内国務大臣 見直し条項というのは、私自身が提案いたしまして、あの当時法律の中に入れていただいたのでございまして、カンボジアのPKO参加を貴重な経験といたしまして、いろいろな要請が出ております。したがって、当然その見直し条項に基づいて検討さるべき課題である、こう思っております。
#232
○柿澤委員 本当はほかの方にもお聞きしたいのですが、時間がありませんので。
 実は、三年の見直し条項というのがありますけれども、現在、国連では引き続き新しいPKO活動が展開をされつつあるわけです。そして、当然のことながら、カンボジアを終了した我が国に対して何とか参加をしてもらえないだろうかこれは公式には来ていないと聞いておりますけれども、私の耳にもいろいろな形での国連筋の意見が入ってきております。
 モザンビークについては、先般、四十七人の方が半年の勤務を終えて帰ってこられました。これは引き続き実施をするということで期待をされておりますが、しかし、現在のPKO法での定員は二千人でありまして、二千人の枠から見れば五十人前後の参加というのは決して十分ではありません。
 その意味でも、その他の分野について、我が国は積極的に、先ほど細川総理はさまざまな分野で、あえて安全保障ということはおっしゃいませんでしたけれども、政治的な分野でとおっしゃったわけで、ぜひとも国連の要請にこたえて、これは公式に要請があるというのは最後の段階ですから、非公式の段階でもできる限りのことをやっていただきたいと思っておりますが、その点いかがでしょうか。
#233
○細川内閣総理大臣 憲法と平和五原則というその枠の中で国際社会の要請にこたえていく、それはもう当然のことだと思いますし、三年たったら見直しというその見直しの中で、先ほど来御議論がありますようなことを踏まえて、見直すべき点はしっかり見直して、その役割を果たしていくということに尽きると思っております。
#234
○柿澤委員 先ほど冒頭に申しましたように、日本は、現在、政治改革法案の審議で明け暮れている、それに景気も悪いということで、国際社会からは、せっかく日本が国際社会の一員として前向きの積極的な活動を始めたばかりなのに、また内向きになっているのではないかという懸念の声も出ております。
 確かに足元の問題も大事ですけれども、しかし、大きな流れとして我が国が国際社会の中でより積極的な役割を果たしていく。しかも、先ほど総理がおっしゃったように、日本独自の考え方、日本独自の立場に立って提言をし、実行していくことが大変大事なことだと思っておりますので、ぜひともそうした方向で、内向きになったと言われないように、頑張っていただきたいと思っております。
 それでは、三重野総裁もおいでになりましたので、景気の問題に入りたいと思いますが、もう同僚議員からほとんど質問が出ましたので、重ねてということになる部分もあるかもしれませんが、できるだけそうならないようにいたしたいと思います。
 先ほど大島議員もおっしゃっておられましたが、現在提案されている政府の補正予算は、現時点における景気対策としては大変不十分なものであると考えざるを得ません。お決めになったのが九月十六日、そしてなぜ十一月の末まで、また十二月までその提案がおくれたのか、この点はどう考えても説明ができないのですけれども、その点を御説明いただけますか。
#235
○藤井国務大臣 第二次補正予算につきましては、既に御説明いたしておりますように、非常に厳しい財政事情の中でぎりぎりどれだげのものが確保できるかということと、あわせて、特に共済金でございますけれども、冷害対策等を通じる諸対策につきぎりぎりの精査をやっていたというのが実情でございます。
#236
○柿澤委員 私も、先ほど大島委員がおっしゃったように、やるべきことが幾つか残っていると思います。一つは所得減税、これをできるだけ早くやっていただく必要がある。本来なら十月ごろに、先ほどの税制全体の構造の見直しとは切り離して、景気対策として年末の戻し税でもやるべきだと私は考えておりましたが、時間的にそういうことができないということですけれども、ぜひ早期に決断をしていただきたい。全部政府税調の会長さんにお預けしますということでは、私は政治のリーダーシップとは言えないのではないかと思っております。
 万が一その減税が来年度の予算とあわせて税制改革で実行される場合には、所得減税は一月にさかのぼってやられるというような話も出ているようですけれども、これは可能なんでしょうか、大蔵大臣。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
#237
○藤井国務大臣 先ほど来総理のお話がありましたように、今、平成六年度予算編成、税制改革の中でこれを議論していくべきことであると考えておりますので、今のお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#238
○柿澤委員 藤井大蔵大臣、慎重なのはいいんですが、差し控え、差し控えで株式市場の方も差し控えちゃっているわけですから、やはりそういう点は方向を示すということが大事なんじゃないかと思いますが、その点では今の御答弁は納得できません。できるだけ早く減税の効果が各家庭に浸透するような方法を考えていただきたい、そしてできるだけ早く決断をしていただきたい、こう思っております。
 それから、土地流動化対策については、資産課税の見直し、これはいろいろ議論されましたから私は触れません。ぜひやってもらいたいと思います。
 それから、規制緩和についてもぜひやってもらいたいと思います。建設大臣もいらっしゃいますが、建設大臣、この間の政府がお出しになった規制緩和の中身を見ると、九十四項目でしたか、土地とか不動産関係は何も入っていませんね。建設省だけそこのところはサボったのでしょうか。今度は、土地、不動産関係の規制緩和は景気対策の面でも応急対策として必要だと考えますが、その点いかがでしょうか。
#239
○五十嵐国務大臣 規制緩和に関しましては、建設省も鋭意検討を進めていると、ころであります。御承知のように、例えば容積率の問題だとかさまざまな問題があるわけでありますが、やはり快適な生活環境を確保していくという意味からいうと、さまざまな下水道だとか道路だとかそういう公共的な施設と、それから住宅や宅地のキャパシティーというもののバランスということはやはりしっかり確保していかなければならぬ点であって、そういう点等も配慮しながら、しかし今、優良の宅地等についてはその規制緩和についての方向も既に出しているところでありますし、今後につきましてもこれらにつきましては目下検討を十分に進めているところであります。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
#240
○柿澤委員 今、前向きに、慎重に、いろいろと言葉がありましたが、何か昔から使なれた官僚用語を社会党の大臣が巧みに操っていらっしゃるのを見ると今昔の感がいたします。こういう点は前内閣の伝統を継承していただく必要はないのですから、どんどんやってもらいたい。まあ、前内閣もそうではなかったですけれども、しかし、そういうことは継承しないで結構でございますから、どんどんやってもらいたい。今の問題で、容積率について言いいますと、一つの例ですから、例としてお聞きいただければいいんですが 私どもの地元では、即成市街地ですね、容積率が決まっている、高さの制限もある。それで七階建てのビルを建てようと思ったら、地下を掘ると六階にしなければいかぬ。なせ六階にしなければいけないのかとしったら、地下も容積率に入りますというのですね。それじゃ何のための容積率ですか。容積率といったって既成市街地において、下水や電気の供給の能力が制限があるわけじゃないのですよ、それは新興住宅街ならともかく。それなのに、地下を掘ったら上の一階削らなけれはならないというんだったらこれはビルを建築しようと思っている人にとっては採算を悪化させるということで、抑制要因になるんじゃないですか。そういうことをきちっと直していただく。
 例えば地域を限定してでも、そうした公共的な施設に余裕のあるところについては、地下は別に掘ったからといって何にも景観にも影響を与えるわけではありませんし、周辺の環境に影響を与えるわけではない。それをむだにした使わないということの方が規制の弊害と言われても仕方がないと思うのですが、その点はぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。
#241
○五十嵐国務大臣 特に今御指摘の住宅地下室の容積率の緩和の問題に関しましては、従前もいろいろ先生初め皆さんから御意見が強いところであって、建設省も既にもちろん検討を進めているところでありまして、近々の建築審議会にお諮りをいたして、その実現を目指して検討を進めていきたい、こういうぐあいに思っているところであります。
#242
○柿澤委員 今の建設大臣のお答えを前向きの答弁と受け取って、できるだけ早く実現していただきたいと思います。
 では、日銀総裁においでいただいておりますので金融政策を少し伺いたいのですが、日銀はことしの春まで、景気は上向く上向くと言いながら来ましたね。ようやくこの夏から秋にかけて方向転換をして、深刻であるとおっしゃっておられます。深刻であると遅まきながらおっしゃったことは結構なのですが、今までの判断に甘さがあったのではないか。私は渡辺美智雄前副総理のように死刑に値するとは申しませんけれども、責任はどうお感じになっていらっしゃるのか、その点をまず聞かせてください。
#243
○三重野参考人 お答えします。
 けさ午前中にも御答弁申し上げましたが、現在は非常に変化の激しいときでございます。したがって、そのときどきの金融・経済情勢を絶えず見直して、機動的に運営してきたつもりであります。
 それで、金融政策が最初に緩和に転じましたのは一昨年の七月一日でございまして、これは最近、企画庁が平成景気のピークを一昨年の四月とした、それから間もなくて、その後七回にわたりまして公定歩合を下げて、もう委員御存じのように、現在の公定歩合の一・七五というのは、日本銀行開設以来、一番低いあれでございます。
 こういう今の景気後退というのは、一九八〇年代後半のいわゆるバブル時代のさまざまな行き過ぎの是正の過程でございますが、そういう過程でいろいろ調整が行われている場合には、金融緩和というのは直接的に需要の増大につながるということはなかなか考えにくい。したがって、これまでの金融緩和というのは、企業の収益の下支えといいますかそういうことを通じて景気を支えてきたというふうに考えております。
 例えば住宅投資、これは一番初めにストック調整が終わりまして、当時の低金利の支えがありまして、現在堅実な動きをしているのは委員御承知のとおりでございます。したがいまして、私どもは、金融緩和が余りきいていないと言われますけれども、実際はかなり企業収益の下支えにきいているのだ、しかも調整が終われば住宅投資のようにきいてくるのだ。したがいまして、今の調整が終われば、企業が前向きの投資に転じた場合には十分それをサポートできる低さまで運営してきた、こういうふうに考えております。
#244
○柿澤委員 三重野総裁、今の御判断は甘過ぎますよ。公定歩合は一・七五%に下がりました。しかし、銀行の長期プライムは何%ですか。まだ三%台じゃありませんか。それに、中小企業金融を見ている私どもの立場では、銀行が貸し渋りをして貸してくれないという事態も起こっています。この点については、金融機関を指導する立場から、窓口をぜひ使って、金融機関に貸し渋りのないように御指導いただきたい、こう思っております。
 それから、これは大蔵大臣と通産大臣にお願いしたいのですが、中小企業金融で新しい金融、リストラのための新規金融とかいろいろ出していただいている。これはありがたい。しかし、現在困っている中小企業の皆さんにとっては、それは実は猫に小判なんです。つまり、新しい金を借りてまで何かをやるという状況ではない。それよりも既往の貸付分の金利の負担であえいでいる。
 今総裁が金利の引き下げが企業の経営環境を改善しているとおっしゃいましたけれども、実は既往金利についてはそう弾力的に下がってない。既往貸し付けについてはまだ七%台のものもあるわけです。そういうものを何らかの形で事前の返済を認めるとか、もしくは既往金利についての金利負担の軽減のための、利子補給になるか出資金になるか、いろいろな方法はあると思いますけれども、面倒を見ていただかなければ、もう中小企業はこの円高の中で、これも政府の無策もあると思いますけれども、本当に命を絶たれるという寸前のところまで来ているわけです。
 その点、今回も中小企業金融を補正予算に加えていただいておりますが、これはある意味では新規貸し出しの金利を下げたというだけであって、既往金利について手をつけていない。この点が私は欠けているのじゃないかと思っておりますが、その点、私どももそういう提案を自民党としてさせていただきますので、ぜひ前向きにお取り組みをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#245
○熊谷国務大臣 ただいま委員御指摘の点は、実は過般の商工委員会でも自民党の各委員の諸先生から問題提起をされたところでございまして、その場におきまして私から、正直申しまして政府部内、これは政府系金融機関は委員の古巣の大蔵省も大いなる発言権がございまして、中小企業庁、通産省の意向だけで決められるものではございませんが、我々としては最大限の検討をしなければならない、そういう踏み切った答弁を実は申し上げたところでございます。
 もとより、だからといってこれは検討には時間がかかりますので、委員の御指摘のように、中小企業の分野の金融はまことに緊急を要しておるということでございますので、さまざまな工夫を実はしております。金利の利払いについての再融資のようなこともあわせて考えるとか、今までのいわゆる政府系金融機関の融資の方向からすれば相当思い切った踏み込み、担保の問題その他につきましても努力をいたしているところでありまして、今回の補正予算はそういうものも相当組み込んだ予算でございますので、ぜひ一時間も早く通過をお願いしたい。よろしくお願いいたします。
#246
○柿澤委員 大蔵大臣、お願いいたします。
#247
○藤井国務大臣 通産大臣とよく相談して措置してまいります。
#248
○柿澤委員 前向きにとお答えできますか。
#249
○藤井国務大臣 通産大臣とよく相談します。
#250
○柿澤委員 通産省が中小企業庁で中小企業の責任を持っておりますが、やはり金融は大蔵省が持っているのですから、その点、通産大臣にげたを預けて、よく相談しますでは、私は大蔵大臣としての御答弁は足りないと思いますが、三度目の正直。
#251
○藤井国務大臣 政府関係機関については、今通産大臣がお話しのようなことだと思います。
 民間金融機関に対しても、これは民間ですからできる範囲というのがありますけれども、常にそういう問題について世銀行局を通じて指導しているところでございますので、今のお話はよく承りました。
#252
○柿澤委員 大蔵省の先輩ですからもうこれ以上はやりませんが、細川総理、今、通産大臣、日銀総裁そして大蔵大臣の御答弁、まあお聞き漏らしになった点もあるかと思いますけれども、私たちとしては、中小企業金融対策の充実、特に既往金利の引き下げについて新たな施策をとってもらいたいということを、公共事業の追加とあわせてこれから政府に申し入れをしたいと思っておりますが、それについては、大島委員の質問に対して、真剣に検討しますとおっしゃっていただきましたが、この点についてぜひとも補正予算に加えるという点も含めて検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#253
○細川内閣総理大臣 よく検討させていただきます。
#254
○柿澤委員 よく検討というのは、その私が言った点も含めてということですね。わかりました。
 それでは、私どもが組み替え動議を出したときには、ぜひとも組み替え動議を受けて、全党一致で予算が早急に成立するように心から期待をして、私の質問を終わります。
#255
○山口委員長 これにて柿澤君の質疑は終了いたしました。
 次に、柳沢伯夫君。
#256
○柳沢委員 私、八月の細川内閣の発足以来、細川総理を初めとする内閣、閣僚の政治運営というものにつきまして、まあ私なりに注意深くこれを拝見させていただいてまいりました。幾つかのことについて疑問を持っておりまして、これらについてすべてただせればそれはそれでいいんですけれども、時間も限られておりますし、この場所は補正予算を中心として諸問題を論議する場でもある、こういうことでございますので、きょうは、当面する大きな問題であるところのガット・ウルグアイ・ラウンドの問題、さらには補正予算絡みの問題、さらには中期税制の答申も出ましたので、それらについて総理初め関係の閣僚の皆さんの答弁をいただきたい、こう思っておったわけであります。
 ただ、その前に、実は少し柿澤委員から時間をいただいたわけですけれども、先般来、総理の身辺にございました例の佐川の関係企業からの一億円の貸し借りの問題につきまして同僚議員がいろいろと質疑をさせていただいたわけでありますけれども、いささかこれは十分解明されていないな、こういうような疑問点もございまして、それをぜひこの機会にただしておけ、こういうことでございまして、私なりに今、同僚議員の質疑とそれに対する細川総理の御答弁をさっと見させていただいたわけでありますが、これにつきまして幾つかの問題にちょっと触れさせていただきたい、このように思います。
 十二月三日金曜日に、我が党同僚予算委員の萩山委員の質疑に対しまして、細川総理から何点かにわたりまして非常に詳細にこの件について御答弁をいただいております。
 返済の問題を尋ねられた際、「正確にお答えをさせていただきたいと思いますが、二度の知事退職金が七千万円程度ございましたので、その中から四、五千万円程度、また、祖母からの相続によりまして運用していた手元金が相当額ございましたので、その中から主として返済をいたしました。」こういうふうに御答弁になられております。
 さらに、このおばあ様からの相続財産というのは、荻窪の土地であって、相当な広さのものであった、こういう御答弁もございます。さらに、この相続物件につきまして、処分してそれを運用していた、こういう御説明もございました。
 さらに、一億円の借り受けの問題に関連いたしましては、「湯河原の方の家を、たまたま佐川さんから貸してもらいたいという話がございましたので、そこをお貸しをする際に、それを担保にしてそれでは一億円貸してやろう」、こういう経緯であったということも御答弁なさっておられます。
 それから最後に、「何年間がで返済をいたしまして、平成三年の一月三十一日に根抵当権の解除をしておりますとおり、完済をいたしております。」これが総理の御答弁でございます。
 私、この今ちょっと読み上げた点について、それぞれに若干のことをお尋ねさせていただきたいのでございますけれども、まず第一に、この荻窪の土地は相当の広さであった、こういうことで、しかもそれは処分された代わり金を御所持でいらっしゃったというように御答弁を承るわけですけれども、よろしければ、この荻窪の相当な広さの土地を処分された資産はどの程度の金額であったか、お答えいただきたいと思います。
#257
○細川内閣総理大臣 昭和五十七年に相続をいたしまして、代金は約二億円でございます。
#258
○柳沢委員 ありがとうございました。
 そして、この代わり金を運用されておった、こういう御趣旨の御答弁がありました。これは当然でありまして、運用してなければ、手元にあれば、これはすぐに一億円の用立てにできるわけでございますから、したがって運用されておったということでございましょうが、この運用というものがどんな形態をとったか。ちょっと、五十七年のときには自分の所要金として用立てできなかったんだけれども、返済に当たってはこれが用立てできるということでございますので、その間の経緯を御説明いただければと思うのです。
 運用とは、これは金融資産として運用しておったのかとかあるいはそもそも、もう一点お尋ねいたしますけれども、返済をいたしたのは、二億円の運用利益ではなかなかこれ、返済の用立てというわけにもまいりませんでしょうから、やはり元本に食い込んだ形での返済であった、こういうようにどうしても考えざるを得ないと思うのですけれども、そうだとするといささか五十七年の一億円のときにはこれを利用できなかったけれども、その後返済に当たっては、元本に食い込んでまでこの返済資金としてはこれを充てることができたという状況、このいきさつ、これをちょっと御説明いただかないとなかなか納得できない。私、これをさっと見ただけでそういう疑問を自分の心の中に感じたのでございます。
 お答えをお願い申し上げます。
#259
○細川内閣総理大臣 相続をいたしました土地の代金は、株などでも運用をいたしておりましたし、それからまた、知事の給与でありますとかあるいは参議院議員の年金でありますとかあるいはまた退職金でありますとか、そうしたものすべてを含めて、そうしたものを原資としてやりくりをしながら毎年返済をしていたはずであるというふうに記憶をいたしております。
#260
○柳沢委員 そういうことですと、本件についてだけ取り上げさせていただきますが、大体運用先としては株式である、こういうお話でございましたのですが、この株式は、株式の利回りの方が、一億円佐川から借りたお金の支払い金利の利率よりも高い、こういうような関係に立たないとなかなかちょっと我々には理解できないんでございますけれども、これはまた、私、きょうそんな問題だけ扱おうと思って立ち上がったんじゃございませんから、それ専門の委員の質疑にゆだねたい、こう思うわけであります。
 もう一点、ちょっと私なりの疑問をたださせていただきますが、湯河原の方の家を、たまたま佐川さんから貸してもらいたいという申し出があったので、それで貸したんだというお話がありまして、それが一億円の貸借関係を発生させるきっかけになった、こういうお話でありますけれども、これはどういう賃貸借関係でございましたですか。一カ月当たりのお家賃であるとか、そういったものについて御記憶でもあればお答えいただきたいということですが。
 今頭かしげられているんで、ちょっと補足して、私の問いただしたいことは、この返済資金に、この湯河原の家を貸したそのいわば賃貸借料を自動的に返済なりあるいは借入金の利払いに充てていくというような、そういう関係にはなかったんでありましょうか。全くこれは別の関係として処理されておったんでしょうか。そこだけちょっと疑問をたださせていただきたいと思います。
#261
○細川内閣総理大臣 たしか十万円という低い金額であったと思いますので、とてもそれを充当するというようなものではございません。
#262
○柳沢委員 これはまあ十七坪の家ということでございましたので、そういうことだろうかなと思いながら御質疑をいたしたのでございますけれども、ただ、十七坪の家を、また月額で家賃も十万円というような家を、これをまた東京佐川の、多分東京佐川だという推定を我々いたしておるんですが、何のためにこれを借りたいという申し出があったのかなという、その点はちょっと、余り時間とりたくないんですが、いかがでございますか。
#263
○細川内閣総理大臣 何のためにというのは私の方もよくわかりませんが、保養施設として、役員の多分保養施設としてということであったと思っております。
#264
○柳沢委員 役員の保養施設ということもちょっと解せない気もするんですが、それはそれでいいでしょう。
 最後に、平成三年の一月三十一日にこの貸借関係は終了をいたした、完済をいたして終了いたしたんだ、この平成三年の一月三十一日という日を総理みずからが明確にこうおっしゃっているんですが、これは、一月三十一日といえば一月の末日ですから、自分としては一月にこういう貸借関係は終わっておきたいと、新しい月にはもうそういうものの存在しない日を迎えたい、こういうお気持ちかと思うんですが、一月三十一日というのは特に何か意味があって、それ以上の意味があってこの一月三十一日に完済をされたと、こういうことでございますか。
#265
○細川内閣総理大臣 事務所の方で、たしかその一月三十一日という期限であったと、毎年返しておりましたから、そういうことであったというふうに記憶をしているということでございます。
#266
○柳沢委員 それで、返済原資の方は、今総理がおっしゃったように、まあ二億円のおばあさまからの相続財産の処分代わり金プラス、まあその後株で運用されましたから、そこに何がしかのものがあったかもしれませんが、年金もちょっとおっしゃられたんですが、これはまあそう大した、有意味の数字でもないかと思うんですが、それと知事時代の退職金と、こういうふうに総理は「正確にお答えをさせていただきたい」と、こういうわざわざ「正確に」という、何と申しますか、非常に注意深い御表現をされて、二度の知事の退職金七千万円とそのほかは今言ったようなものであると、こういうふうに答弁されているんですが、それはいいですね、それで。
#267
○細川内閣総理大臣 もちろん、そのとおりでございます。
#268
○柳沢委員 確かに、平成三年一月三十一日にこの湯河原の土地に設定されておった根抵当権も消滅をいたしております。それで今総理は、そこでもうすべて完済されたんだ、その原資は二度の知事の退職金その他である、こうお答えになられたんですが、つじつまが合わないんです。
 何でつじつまが合わないかというと、よくわからないんですがね、私もきょうこれいただいて、読んだだけですから。知事さんというのは、任期が来て、そうして終了すると、もう自分は再度立候補しないということを表明されると、退職金というのは前払いになるんですか。つまり、知事さんをやめる前に、わざわざ退職金取りに来られるのもあれだからというんで前払いにでもなるんでしょうか。つまり、やめてないんです、知事さん、一月三十一日現在に。
#269
○細川内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、全体の相続を受けたものなどの運用のやりくりの中でと申し上げました。ですから、多少その辺の前後はあろうと思いますが、いずれにしても、そのようなもののやりくりをして、それを原資として返済をした、こういうことでございます。
#270
○柳沢委員 いや、その今の荻窪の土地の処分代わり金の二億円の話をしているんじゃないんです、総理、今私は。
 そうではない別の原資、つまり、もう一つの大きな塊である、つまり返済原資としてはかなりの部分を占めるところの知事さんをやられたときの退職金、これについてお尋ねをしているわけでございます。これがかなり原資の中の大きな部分を占めているわけですね。そのことについては、総理はわざわざお断りになられて、「正確にお答えをさせていただきたい」。だから私、本当にそれでこの御答弁大丈夫ですかということもお聞きしながら、しかし、そういうふうに言われちゃうと、我々は到底この総理の説明が納得できませんよということを今申し上げているんです。
 お答えいただきたいと思います。
#271
○細川内閣総理大臣 知事の退職金をいつ受けたかにつきましては、ちょっと私も記憶がございませんが、いずれにしても、全体のやりくりの中でその返済をした、こう申し上げているわけです。
#272
○柳沢委員 知事の退職金がいつ出たかというのは、それは知事をおやめになられてからいつ出たかということが問題であれば、それは総理が今お答えになられたことで、それが意味のある御答弁ということになるのですが、まだ、一月三十一日、本件負債を完済した段階では知事さんは知事さんのままなんですよ。それでも退職金をいただけるんでしょうかと。知事さんは、何ですか、権腐十年とかとおっしゃられて知事を二期でおやめになられた、そのことをもう知事部局が知ると、退職金どうぞと言って持ってきてくれるのかなと思いながら聞いておるわけでございます。
#273
○細川内閣総理大臣 たしか二回に分けて退職金は受け取っていると思いますが、それはいつの時点であったかということについては、先ほども申し上げましたように、定かではございません。
#274
○柳沢委員 これは押し問答になりましたね。私は、二回に分けられて退職金を受け取られているということ、これはわかり切った話ですよ、二期やられているわけですから。これは一期ずつ退職金が支払われるわけですから、それはわかっているのです。ですけれども、今総理がおっしゃった、二期の退職金をこの返済に充てた、こうおっしゃって、それは、完済の日は間違いなく一月三十一日であるとおっしゃっているのですね。しかし、そのときはまだ知事さんなんですよ。どうして退職金が手に入るでしょうか。
#275
○細川内閣総理大臣 いや、ですから先ほどから申し上げておりますように、多少前後はあるかもしれませんが、全体としてそれをやりくりして返済に充てたという御説明を申し上げているわけでございます。
#276
○柳沢委員 これはだんだん後退されて、答弁があいまいな分野に退かれているのですが、ですから私は、「正確にお答えをさせていただきたい」とおっしゃっているし、一月三十一日、もう大丈夫なんですかという確かめをしながら総理に今こういう、何というか、若干プライベートなことで大変恐縮ですが、しかし、この問題自身は総理が取り上げられた問題なんですね。ですから私は、やはりここは我々が、政治倫理をめぐる論議のしっかりした帰結を我々としても求めておかなければならないこれは責任なんですね。そういう意味で、私は総理に貴重な時間を費やしてお尋ねしているのです。
 それからもう一つ、もう一つと言ってもちょっとあれなんですが、この間、同僚議員がついこのことのために間違ったのですが、平成三年一月三十一日にこの根抵当権を解除した。この一月三十一日というのは大変重要な意味を持っている日なんですが、その日は、実は登記の日じゃないのですね。登記はそれから二年余りたったことしの三月の十二日に行われているのですよ。ですから、今、一月三十一日、どっちがが間違っていらっしゃるのじゃないですか。
 しかし、やはりこれは、私も、今半畳の言葉が飛びましたけれども、まあしかし、何というかやはりこういうことは、総理御自身が御答弁に当たって御自分の口でもって、しかもいろいろな言葉を使ってこの御答弁に当たっている以上、これは揺るがせにできないのですよ、我々として。これを揺るがせにしたら、じゃ我々の国政というのはどなたの言葉を基礎にしてこれを積み上げていったらいいか、ほとんどこれはもう動揺と混乱のみになるでしょう。これは私として、そのまま、じゃ次に参りますというわけにいかないじゃないですか。
#277
○細川内閣総理大臣 繰り返し申し上げますように、完済をいたしましたのは、平成三年の一月の三十一日に完済をしている。根抵当権の解除は、向こうの混乱でその後少しおくれてから解除をされているというふうに聞いております。
#278
○柳沢委員 根抵当権抹消登記が抵当権消滅の日から後というのは、ちょっとこれは不自然なんですね。完済してからまだ根抵当権の登記をほうっておくということはあるんです、これは。それはなぜかというと、また借り始めようと思っていれば、それは消滅の手続なんか抹消の手続はとりませんからね。しかし、完済してもう根抵当権を抹消したい、そしてもうこれ以上この債権者とは債権、債務関係を持たないということを決意されておって、それでその登記を現実に二年もおくらせるということは、ちょっとこれは解せないんですよ、正直言って。だから我々は、こっちの一月の三十一日という方があるつくられた日ではないか、あえて言ってしまえばですよ。
 ですから、とにかくこの話は、総体として全く私の頭の中、私、こんなこと余り興味を持つ人間じゃありません。先ほど言われて、これをすぐ読んだだけでこれだけの疑問がわくというのが現実なんですよ。それをここで、はいはい、そうでございますかというわけにいかないじゃないでしょうか。
#279
○細川内閣総理大臣 それは、解除がおくれたというのは、あちら側もそのときは多分混乱をしていた事情があったということもあろうかと思います。それはあちら側の事情でございますから私はわかりませんが、とにかく私の方は、完済をしたのはその日であるということだけをしっかり申し上げておきたい。
#280
○柳沢委員 要するに、委員長も非常によくわかってくださると思うのですよ。総理が一月三十一日というものを大事に言えば言うほど、総理の今までの御答弁は矛盾を来しているのです。むしろ、ことしの三月の二十何日でしたかそのときに完済、多分あのころだったかななんて言って、じゃそうしておこうというようなことでやったと言う方が、これは助け舟になって、後からまた余分なことを言うななどと言う人があらわれるかもしれませんが、普通はそうなんですよ。世の中のことというのは、事実のことであれば、これま人を説得するだけの力を持っているのですよ。事実でないと、もうこれはなかなか人は説得し得ないんです。大変、総理大臣のような御顕職にいらっしゃる方にこういうことを申し上げるのは恐縮千万と思いつつも、私は譲るわけにはいかない。(発言する者あり)
#281
○山口委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#282
○山口委員長 速記を起こして。
 細川内閣総理大臣。
#283
○細川内閣総理大臣 もう一度お答えをいたしますが、知事退職金七千万円のうち相当部分を充てているということであって、四、五千万円か三、四千万円か、その辺のことは私も定かではございませんが、いずれにしても、さっき時期が違うというお話もございましたが、違うんじゃないかというお話もございましたが、そのも、私も古いことですからよく覚えてはおりませんが、しかし、近々、近いうちに退職金が入るということで、先ほども申し上げたように、全体としてやりくりをして、相続で受けたものなども含めましてやりくりをしておりましたものですから、その辺の前後関係というものは多少あるかもしれません。しかし、とにかくそういったようなものを原資として完済をさせていただいた、こういうふうに申し上げているわけでございます。(発言する者あり)
#284
○山口委員長 暫時休憩いたします。
    午後四時十三分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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