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1993/12/08 第128回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第128回国会 予算委員会 第10号
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1993/12/08 第128回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第128回国会 予算委員会 第10号

#1
第128回国会 予算委員会 第10号
平成五年十二月八日(水曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 山口 鶴男君
   理事 衛藤征士郎君 理事 越智 通雄君
   理事 野中 広務君 理事 深谷 隆司君
   理事 後藤  茂君 理事 中西 績介君
   理事 杉山 憲夫君 理事 井出 正一君
   理事 草川 昭三君
      伊藤 公介君    江藤 隆美君
      小澤  潔君    鹿野 道彦君
      後藤田正晴君    近藤 鉄雄君
      佐藤 剛男君    志賀  節君
      島村 宜伸君    白川 勝彦君
      高鳥  修君    東家 嘉幸君
      中山 太郎君    萩山 教嚴君
      保利 耕輔君    松永  光君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      柳沢 伯夫君    若林 正俊君
      綿貫 民輔君    伊東 秀子君
      石井  智君    今村  修君
      緒方 克陽君    坂上 富男君
      鉢呂 吉雄君    細川 律夫君
      横光 克彦君    加藤 六月君
      工藤堅太郎君    笹山 登生君
      月原 茂皓君    山本 幸三君
    五士風ふみひこ君    石井 紘基君
      鮫島 宗明君    長浜 博行君
      石井 啓一君    河上 覃雄君
      谷口 隆義君    二見 伸明君
      高木 義明君    中野 寛成君
      柳田  稔君    古堅 実吉君
      松本 善明君    矢島 恒夫君
      山原健二郎君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  細川 護煕君
        法 務 大 臣 三ケ月 章君
        外 務 大 臣 羽田  孜君
        大 蔵 大 臣 藤井 裕久君
        文 部 大 臣 赤松 良子君
        厚 生 大 臣 大内 啓伍君
        農林水産大臣  畑 英次郎君
        通商産業大臣  熊谷  弘君
        運 輸 大 臣 伊藤  茂君
        郵 政 大 臣 神崎 武法君
        労 働 大 臣 坂口  力君
        建 設 大 臣 五十嵐広三君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会 佐藤 観樹君
        委員長
        国 務 大 臣 武村 正義君
        (内閣官房長官)
        国 務 大 臣 石田幸四郎君
        (総務庁長官)
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)     上原 康助君
        (沖縄開発庁長
        官)
        (国土庁長官)
        国 務 大 臣 愛知 和男君
        (防衛庁長官)
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長 久保田真苗君
        官)
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長 江田 五月君
        官)
        国 務 大 臣 広中和歌子君
        (環境庁長官)
        国 務 大 臣 山花 貞夫君
 出席政府委員
        内閣官房内閣内
        政審議室長
        兼内閣総理大臣 藤井  威君
        官房内政審議室
        長
        内閣法制局長官 大出 峻郎君
        内閣法制局第一 津野  修君
        部長
        防衛庁参事官  高島 有終君
        防衛庁長官官房 宝珠山 昇君
        長
        防衛庁防衛局長 村田 直昭君
        防衛庁教育訓練 上野 治男君
        局長
        防衛庁人事局長 三井 康有君
        防衛庁装備局長 中田 哲雄君
        防衛施設庁総務 草津 辰夫君
        部長
        防衛施設庁施設 江間 清二君
        部長
        防衛施設庁建設 森本 直孝君
        部長
        経済企画庁調整 小林  惇君
        局長
        経済企画庁調査 土志田征一君
        局長
        環境庁長官官房 大西 孝夫君
        長
        環境庁企画調整 森  仁美君
        局長
        国土庁長官官房 藤原 和人君
        長
        国土庁計画・調 糠谷 真平君
        整局長
        国土庁土地局長 原  隆之君
        外務省経済局長 小倉 和夫君
        外務省条約局長 丹波  實君
        大蔵大臣官房総 田波 耕治君
        務審議官
        大蔵省主計局長 篠沢 恭助君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省理財局長 石坂 匡身君
        大蔵省証券局長 日高 壮平君
        大蔵省銀行局長 寺村 信行君
        大蔵省国際金融 加藤 隆俊君
        局長
        国税庁次長   三浦 正顯君
        文部大臣官房長 吉田  茂君
        厚生大臣官房総 佐々木典夫君
        務審議官
        厚生省年金局長 山口 剛彦君
        農林水産大臣官 上野 博史君
        房長
        農林水産省経済 眞鍋 武紀君
        局長
        食糧庁長官   鶴岡 俊彦君
        水産庁長官   鎭西 迪雄君
        通商産業省産業 内藤 正久君
        政策局長
        通商産業省生活 土居 征夫君
        産業局長
        中小企業庁長官 長田 英機君
        郵政省放送行政 江川 晃正君
        局長
        労働大臣官房長 征矢 紀臣君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省河川局長 豊田 高司君
        自治大臣官房長 遠藤 安彦君
        自治省行政局長 吉田 弘正君
        自治省行政局選 佐野 徹治君
        挙部長
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
        自治省税務局長 津   実君
 委員外の出席者
        予算委員会調査 堀口 一郎君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月八日
 辞任        補欠選任
  江藤 隆美君     保利 耕輔君
  後藤田正晴君     白川 勝彦君
  綿貫 民輔君     佐藤 剛男君
  坂上 富男君     今村  修君
  三野 優美君     緒方 克陽君
  中野 寛成君     柳田  稔君
  矢島 恒夫君     山原健二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤 剛男君     綿貫 民輔君
  白川 勝彦君     後藤田正晴君
  保利 耕輔君     江藤 隆美君
  今村  修君     坂上 富男君
  緒方 克陽君     横光 克彦君
  柳田  稔君     中野 寛成君
  山原健二郎君     古堅 実吉君
同日
 辞任         補欠選任
  横光 克彦君     石井  智君
  古堅 実吉君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  石井  智君     三野 優美君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成五年度一般会計補正予算(第2号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第2号)
     ――――◇―――――
#2
○山口委員長 これより会議を開きます。
 平成五年度一般会計補正予算(第2号)、平成五年度特別会計補正予算(特第2号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保利耕輔君。
#3
○保利委員 総理、きょうは十二月八日であります。開戦から五十二年たったその日であります。そして、日本は、この日を契機として破滅の道を歩むことになりました。大変意義深い日にこういう質問をさせていただき、私自身何かどきどきするような気持ちでおります。
 この日が農業にとって破滅へ向かう道になるのではないかという危惧の念を持ってきょう質問に立たせていただくわけでございまして、非常に私自身心配、懸念、こういったものが渦巻いている中での質問であります。目下の問題について冷静に、淡々と御質問させていただきたいと思っておりますけれども、時によりましては興奮の余り大きな声を出すことがあるかもしれませんので、ここはお許しを願いたいと思うのであります。
 ところで、私は、十一月三十日に本会議におきまして十五分間の質問をさせていただき、四大臣から御答弁を賜りました。特に、この中で、議運の場内交渉係にお願いをいたしまして、明らかに答弁漏れであると思われる部分について、ここは答弁漏れたから再答弁をお願いをしたいという申し出をいたしたのでありますが、後に議事録を精査しようということになって、その場は終わっております。したがいまして、私は、答弁漏れと思われる部分について、あるいは答弁が十分でないと思われる部分について、以下いろいろと御質問をいたしたいと思っておるわけであります。
 まず第一に、細川総理大臣の御答弁部分で、私の質問に対して答弁が漏れていると思われる部分がございますので、御指摘を申し上げたいと思います。
 言葉そのものを引用させていただきます。「過去の国会決議、特に参議院における完全自給という強い立法府の姿勢に対し、行政府の長である細川総理の御所見、特に完全自給についてどうお考えになるか、御見解を求めるものであります。」というのが私の質問であります。
 「完全自給」という言葉が参議院の本会議の決議には入り、衆議院の本会議の決議には完全自給とは入っておりませんけれども、気持ちは同じであります。なぜ衆議院の本会議の決議に完全自給という言葉が抜けておるかというのは、外務大臣であられる羽田先生がよく御存じのことであります。完全自給を入れろと強硬にその当時御主張なさった党が、今政権についておられます。その政権についておられる方々は、完全自給ということについて覆すんではないかということは、私の最も懸念するところであります。私はそのことはないと信じております。
 そこで、答弁漏れと思われる部分、細川総理の完全自給に対する御見解をこの場ではっきりとお示し願いたいのであります。
#4
○細川内閣総理大臣 国会決議における完全自給との関係につきましては、必ずしも国会の決議に合致しているとは言えない面もございますが、政府としては、繰り返し申し上げてきておりますように、あくまでも国会決議の趣旨を体して今日まで、最後の瞬間までぎりぎりの交渉をしてきているということでございまして、その結果、昨日示されたような調整案が提示をされたところである、このように思っております。
 この調整案の取り扱いにつきましては、このような事情を踏まえながら、ラウンド交渉全体についての評価、あるいはまた我が国の農業に与える総合的な評価というものを踏まえて判断をしていかなければなるまい、このように思っているところでございます。
#5
○保利委員 非常に抽象的な御回答であります。さらにこれを突っ込んでお話を伺いたい。
 完全自給という中には、米について関税化拒否とミニマムアクセス拒否と、両方含まれるのか含まれないのかそこをはっきり御答弁願います。
#6
○畑国務大臣 本問題につきましては、先般の御質問を賜りました御回答の中にも申し上げさしていただきましたが、これは、完全自給という言葉につきましては、今ミニマムアクセスの問題も、そういうものは排除したい、排除しなければならぬ、そういうものが含まれておる、こう理解をいたしております。
#7
○保利委員 完全自給という言葉の中には、ミニマムアクセスを拒否するという概念が入っているというふうに農林水産大臣はお答えになりましたが、総理大臣、それでよろしゅうございますね。もし話が違うということになりますれば、内閣の中の意見が統一していないということになります。いかがでしょうか。
#8
○細川内閣総理大臣 今農林大臣からおっしゃったとおりでございます。
#9
○保利委員 それであれば、総理は再三国会決議は守るとおっしゃっておられます。そうすると、国会決議を守るならば、ミニマムアクセスについても拒否するというのが内閣の態度であるか否かはっきりしてください。
#10
○細川内閣総理大臣 繰り返し申し上げておりますように、国会決議の趣旨を体して最大限の努力をする、その精神を体して努力をするということを申し上げてまいりました。
#11
○保利委員 そういたしますと、努力をすれば国会決議は無視してもいいという結論になりますが、その点についての御見解はいかがですか。
#12
○細川内閣総理大臣 決して無視をするなどという、そんなことは全く念頭にございません。国会決議の趣旨というものの重さというものは十分踏まえながら、今日までぎりぎりの交渉をさせていただいてきていると、こういうことでございます。
#13
○保利委員 それでは、少なくとも日本の立場として、ミニマムアクセスは拒否をする、国会決議があるんだからこれを受け入れることはできないとはっきり態度を表明されるのが筋ではないかと思うんですが、それはいかがですか。
#14
○細川内閣総理大臣 そういう立場に立って交渉をしてまいりました。しかし、一粒たりともこれは入れない、何も、一〇〇%これは我が方の主張がのめなければ譲れない、こういうことではなかなか交渉は成り立たないわけでございますし、多国間の交渉の中で、我が国としては我が国なりの主張というものを最大限、最大限というか可能な限り反映されるように、そういう立場に立って交渉をしてきたことは、これはもう申し上げるまでもないことでございます。
#15
○保利委員 それでは、交渉は一生懸命そういう立場に立ってやってきた、しかし、裁定案といいますか調整案がこういう形で出てきた、それはのまざるを得ないというふうに今の御答弁は聞こえますが、そういうことになるんですか。
#16
○細川内閣総理大臣 まだ骨子が出てきている段階でございますが、なかなか昨日の御答弁でも申し上げましたように、これは重く受けとめなければならないであろう、このように思っております。
#17
○保利委員 重く受けとめるという意味は、それでは、これから検討をするということになるんでしょうか。そこのところをお答え願います。
 新聞では、もう態度は決まっているというふうに報じておりますし、ニュース等におきましても、テレビ等におきましても、既にもう政府の方向は決まっておる、こういうふうに盛んに流されて、国民の皆様は御心配でございますから、ここのところははっきり御答弁を願います。検討するのか、それとももう受諾を決めてしまっておるのか、そこのところを御答弁願います。
#18
○細川内閣総理大臣 今、さらに検討はしておりますが、修正はなかなか困難であろう、このように判断をいたしております。
#19
○保利委員 これだけの国の大事でありますから、修正は困難であっても、困難の道を乗り越えて、関税化拒否を表明して再交渉に臨むというのが、国の農業を守るという立場から、国民の食糧を守るという立場からの政府の態度であるべきだと思うんですが、すぐのみ込むということは私は断じて承服できないのでありますが、この点について、再交渉をされるのかされないのかそこをはっきりさせてください。
#20
○細川内閣総理大臣 七年間にわたって歴代の政権が積み上げてこられましたことを踏まえて、また国会決議の趣旨等も踏まえて交渉を積み重ねてきたわけでございますから、そういう状況の中で今日このような方向に大方の議論が収れんしつつあるわけでございますから、それを我が国がのめないと言った場合にどういう結果が出てくるかこのことはやはり大局的な観点から、我が国の将来というものを見据えた大きな観点から、我が国の国益としてどうあるべきかということについての判断をしなければなるまい、このように思っております。(「大きな観点から何ら支障はない、そんなこと」と呼ぶ者あり)
#21
○保利委員 今後ろの方から聞こえておりますが、大きな観点からは支障がないであろうということであります。米で日本がこの調停案を受け入れることができない、少なくともミニマムアクセスのところは受け入れることができないということを表明することがそんなにまずいことなんでしょうか。そして、それはすぐにそのまま、うちはもうガットから出るよとかなんとかということを表明するのではなくて、再交渉をするためには、まず拒否をしなければ再交渉にならないと思うのですけれども、そこはいかがでしょうか。
#22
○羽田国務大臣 この点につきましては、今総理からお話ししましたように、今日まで七年と数カ月にわたって、保利議員も何回も行っていただくという中で、本当にぎりぎり実は議論してきたことはもう御案内のとおりであります。
 そういう中にありまして、それでは、じゃ私どもの方は何かほかの提案ができるかということを考えたときに、私は、この問題について、アクセスの問題について、ほかに提案ができるかということについては、ちょっと現実にはない。
 というのは、いろいろな提案をしました。水際作戦ということで、日本が買うということにしても、それを外国にこのまま援助その他で使ったらどうだろうなんという議論もしたこともある、あるいはそういうことは可能性はないのか、いろいろなサウンドを行ってまいりましたけれども、残念ですけれどもそういった道がないということで、私どもとしては、今のあるところは、ミニマムアクセスというものは一つのやはり現実的なものであろうというふうに考えるところであります。
#23
○保利委員 少し私も声を大きく出し過ぎまして、申しわけない。
 ダンケル・ペーパーが出ましたときに、ちょうど二年前、十二月二十日でありますけれども、私はジュネーブに行っておりました。こんなものは受け入れられるかというのが私どもの判断だったんです。どうしてだ。農業について、輸入国はすべての農産品について例外なく関税化しなさい、そして、最も貿易歪曲効果が大きいと言われる輸出補助金については二四%の削減で許すという格好になっているんですよ。
 プンタデルエステの宣言が行われてから、それからこの方ずっと交渉が続けられてきたんですが、アメリカの交渉最高責任者は、当時ヤイターさんだったんです。ヤイターさんが何と言っていたか。世界で最も貿易歪曲効果の大きいのは輸出補助金である、これは全廃しなければならない、だから輸入国は全部関税化に置きかえてくれ、これが条件だったんです。それでバランスがとれるというのが考え方だったんですよ。
 ところが、輸出補助金は二四%。二四%の削減というと大きいように見えますけれども、七六%の輸出補助金は残るんですよ、ダンケル・ぺーパーの段階で。後のブレアハウス合意では、それを二一%にするということでアメリカとECが妥協している。
 我々は、日本国政府は、この輸出補助金が七六%ダンケル・ぺーパーで残り、ブレアハウスの合意で七九%残るということについてどういうクレームをつけてきたのか。そこのところは黙って認めてしまうのかどうなのか。そのクレームが全然つけられていなければ、ここからクレームをつけ直してもいいじゃありませんか。これをのまなければガットが崩れるなんていうようなことを言うのは余りに視野が狭いと私は思うのでありますが、この件については、農林水産大臣手を挙げておられますから、農林水産大臣からお答えください。
#24
○畑国務大臣 ただいま御指摘の点でございますが、輸出補助金といいますものの全廃、そういうものが、ただいま保利委員御指摘のとおり、従来からの大きな一つの不公平なありようではないかというような意味合いのものを、私も農林水産大臣に就任をいたしましてから、私なりの、そしてまた政府部内における共通認識としまして、この不公平がある、そういう中における我が方の主張といいますものは、やはりそういうものを、現在ブレアハウス合意があるんだから、それの関係からいっても、国会決議を踏まえた我が国の特殊事情をるる申し上げた内容といいますものは、ぜひこれを理解していただかなければならない、理解をすべきである、取り上げるべきである、そういうような意味合いのものを再三にわたって交渉をさせていただいた、私の立場からはさせていただいたわけでございます。
 私は、十一月十五日のいわゆる国別約束表の提出というものに一つの焦点を当てまして、それに向けて、昨日、柳沢先生にも申し上げたわけでございますが、そういう中における最終の、いわゆるかぎを握る、重要ポイントを握る立場はガットの事務局長である。それに焦点を絞って、最後は、そういう不公平がある中で我が方の立場を全然取り上げないということは、我が方としてはこれ以上何ら譲るべきものはないと。ある意味におきましては席を立って、これから先はまとめ役のあなたの方が譲歩案を我が方に提示をすべきである、そういう意味合いでの最後通告的なものを言って十一月に帰ってきたというのが事のいきさつでございますから、今の点は再三にわたって強く指摘をさせていただいた、かように御理解願いたいと思います。
#25
○保利委員 農林大臣の御苦労は歩といたしますが、輸出補助金の二四%削減、あるいはブレアハウス合意、二一%削減、これは日本国政府としては認める立場なのか、認めない立場なのか、これをはっきりもう一遍御答弁ください。
#26
○畑国務大臣 我が方におきましては、いわゆるブレアハウス合意というようなものが、いわば現実対応的な中で理解をするとするならば、我が方の主張は全部取り上げていただいても全くおかしなものではない、そういう点に絞っての問題をさせていただいたわけでございます。あくまでも包括的関税化ということを主張されることに対しましての私の方の一つの反論の大きな根拠として主張をさせていただいた、こういうことでございます。
#27
○保利委員 どうもよくわからないのですが、私が聞き漏らしておりましたら大変失礼でありますが、日本国政府は輸出補助金のカット率二四%というのを認める立場なのか、認めない立場なのか、それをはっきりさせてください。
#28
○畑国務大臣 ガットの精神に反する一つの取り扱いである、いわばそれに対して現実的な対応であると。しからば我が方の言い分も、これは現実的な国内事情の、そしてまた国会決議等々のものを取り上げてもらわなければおかしいと。さような話し合いをさせていただいた、そういうことであります。
#29
○保利委員 どうもよくわからないんですよ。輸出補助金二四%削減、あるいはブレアハウス合意の二一%削減を、日本国政府は認める立場か認めない立場が。イエスかノーかだけお答えください。
#30
○畑国務大臣 今全貌が示されておるわけでもございませんので、その問題についての政府としての判断ということになりますと、今私がこの場で答えるのは不適当。しかしながら、私自身が現地に出向いて交渉する立場におきましては、こういうことはおかしいと。こういうことはおかしいということを前提としての交渉をさせていただいた、そういうことであるわけでございます。
#31
○保利委員 ちょっとしつこいようで申しわけありません。この問題は非常に大事なんです。輸出補助金の削減率を認める立場か認めない立場が、それだけはっきり言ってください。
#32
○畑国務大臣 大変この問題に苦労されました保利先生の御指摘でございますし、いわゆる私自身の、農林水産大臣という立場にございましての交渉過程における認識は、これは認めがたい、こういう気持ちを持っての対応をさせていただいた、こういうことでございます。
#33
○保利委員 認めがたいということと認めないということとは少しニュアンスが違います。個人的見解のように聞こえます。政府として認められるのか、認めるのか認めないのかということを伺っておるわけです。これは総理大臣から伺いましょう。
#34
○細川内閣総理大臣 全く農林大臣が言われた通りであります。認めがたいという立場に立って我が政府としては交渉をしてきました、こういうことでございます。
#35
○保利委員 これは水かけ論になるといけませんのでこの辺にしたいと思いますけれども、認めがたいということは、日本国政府としてはこの輸出補助金の削減率は認めがたい。
 私は、認めないということと認めがたいというのは言葉のニュアンスは違うと思います。違うと思いますけれども、少なくともこれについては賛成できないという意思表示をしているのならば、意思表示を今されたんだから、その点についてはどこかでやはり、ガットで文句を言わなきゃいけない。それは取引の材料になるじゃありませんか。そういうものをなぜやらないんだというところが私の質問の趣旨であります。
#36
○羽田国務大臣 この問題につきましては、もう保利委員もよく御存じのとおり、今まで輸出補助金というのは、ガット法上これはいけないということじゃなかったわけですね。まさに今度の中でこういった、私たちにしてみれば今ガットで問題にしなきゃならぬのは、やっぱり自由貿易の中、ゆがめているのは、輸出補助金をつける、それによって生産がまた過剰になる、これがいろんな、ぐるぐる回っていて問題が起こっているんだよということで、これを始めなさいということで実は始めている話ですね。
 そして、これはまだ正式に我々のテーブルの上にのっていないということでありますから、我々はやっぱり、どうもそういう話があるようだけれどもこれはいけないよということをわきから実は言っているというまだ段階であろうというふうに思っております。もちろん、これは会議の中では言っておりますよ。しかし、まだ正式にこうなりましたよということは提示されながらやっているものじゃないということだけは御理解いただきたいと思います。
#37
○保利委員 もし認めがたいということであるならば、日本国政府としては交渉の場にこの問題を持ち出すべきだと思うんですけれども、それはいかがでしょうか。なぜ持ち出さないで黙っているんでしょうか。横から言っているんですとかサイドから言っているんですとかというようなことではなくて、日本国政府は、堂々と、輸出補助金はこのくらいの削減率で認められているじゃないかということをなぜはっきり言わないのか。私はそこのところは不満てしょうがないんですが、いかがでしょうか。
#38
○畑国務大臣 言葉が足らなかったかもしれませんが、私の立場におきまして、政府を代表しての交渉という農林水産大臣の立場にございまして、その点を強く主張しながら今日まで話し合いをさせていただいた、そういうことでございます。
#39
○保利委員 実は昨日、私はテレビを見ていて驚いたんですが、午後の四時ごろまでブリタン・カンター会談が行われて、そして伝えられるところでは、オーディオ・ビジュアルとか航空機の問題をめぐって徹夜の議論をやっている。私はふっと気がついたんですけれども、午後四時というと朝の八時なんです、向こうの時間では。朝の八時に結論が出ませんでしたということが報道で流されるということは、徹夜の議論をやっているということなんですよ。そういう議論をやって、彼らは航空機の問題であるとかオーディオ・ビジュアルであるとか、食べ物でない世界ですらそのくらいの激しい議論をやっている。
 日本政府はどのくらいそういう議論をしたのか。きのう同僚の柳沢議員がそのことについてしつこく、しつこくと言っては失礼ですが、強く御質問なさった。私も確かにそのことは感ずるんです。
 あのテレビのありさまを見ていても、眠そうな目をこすりながら出てきて、いや、話ができなかったという、そういう場面があるんですね。そういう場面というものがどうして日本の場合は見られないのか。そこはまことに残念でしょうがないんです。
 ちょっと伺いますけれども、畑大臣はドゥニー議長にお会いになったことがございますか。
#40
○畑国務大臣 私はガットのサザーランド事務局長に、かぎを握る男という位置づけの中で、就任以来、その私なりのいわゆる戦略といいますか、そういうスケジュールを念頭に置いて、十一月十五日というものに先ほど申し上げましたように焦点を当てまして、サザーランド氏に対しましては二回にわたってしつこく今の点等々を申し上げながら、我が方としては、いわゆる徹夜でもって話し合いをするというような、歩み寄りというようなケースの今回の交渉ではない。昨日、柳沢先生にも申し上げたわけでございますが、国会決議、自給体制、いわゆるこれをきちっと踏まえての交渉ということでございますから、これ以上我が方から歩み寄る余地は全くない。
 そういうような意味合いの中で、私の立場から強く主張をして、先ほども申し上げましたように、これからはまとめ役のあなたの方がどういう対応をするかのアクションを、行動を、そしてまた我が方に対する回答をと言って、いわば席をけって立つような形の中で最終的な我が方の気持ちを強く主張して、先月、交渉をさせていただいた。この辺につきまして御理解をいただきたいと思います。
#41
○保利委員 私の質問は、ドゥニー議長にお会いになったかどうかという質問であります。サザーランドと席を立つようにして相当激しいやりとりをした、それは御答弁になっておりません。ドゥニー議長と会ったかどうかということです。
#42
○畑国務大臣 私の立場ではお目にかかっておりません。
#43
○保利委員 今、ドゥニーの調停案が出てきたのに、その最も関係の深い農林水産大臣がドゥニーに会っていないというのが日本国政府の交渉のありさまだということは、おわかりをいただいたと思うのです。そんなことでこの調停案をのめるのですか。私はそれはちょっといかがかなと思うのです。
 これは、ウルグアイ・ラウンドの交渉というのは大変ですよ。ヨーロッパの中でも、共通農業政策の会議をやるときなんかは、ブラッセルのEC本部に警官隊が配備されておりますよ。デモに対してそれを抑えるための警官隊が配備されて、目を真っ赤にした連中が書類を持って走り回っていますよ。そういう交渉というものがいささかも見られない。
 現地の役所の方々に、本当に大変だったと僕は思うのですけれども、彼らを叱咤激励してやっているというふうな御答弁になるのでしょうけれども、この問題は、日本の食糧政策がどうなるかという問題のときに農林水産大臣みずからが乗り込んでおられないということは私には承服できないのですけれども、御見解をお聞かせください。
#44
○畑国務大臣 これは保利委員御案内のとおり、その中心となって本問題の取り組みをいたしておりますのはTNC、いわゆる貿易交渉委員会という立場でありますことも御承知のとおりでございます。その下にいわゆる市場アクセスの担当としてのドゥニさんのお立場がある。その総括的な中心人物が、貿易交渉委員会の議長がササーランド事務局長であることも御案内のとおりです。
 私の与えられた時間帯、十一月十五日というものを踏まえての立場といたしまして、私の戦略の中では、これはやはりその議長であるサザーランドに直接強く物事を申し上げることが一番私に与えられた責任である、こういう意味合いでの取り組みをさせていただいた。この辺について御理解をいただきたいと思っております。
#45
○保利委員 まあ大体どういう交渉態度であったかというのは明らかにされております。したがって、この調停案というものは、本当に大臣自身が真剣になって、本当に切り込んで、二日でも三日でも徹夜をしながら交渉をした結果の調停案だとは私には思えない、そのように印象づけられたような感じがいたします。
 そこで、最初の質問で、完全自給ということについて総理から御答弁をいただきました。完全自給にはミニマムアクセス拒否が含まれるというのが結論であります。このことについて、しつこいようですが、再度御確認をさせていただきます。よろしゅうございますか総理大臣。
#46
○武村国務大臣 済みません、たびたびこの問題で質問を受けてきましたので。
 完全自給という言葉は、素直にとれば、まさに完全、一〇〇%という意味合いでございますから、ミニマムアクセスを受け入れないという内容も入っている、常識的にそう認識をいたします。
 過去六回国会決議がございました。そのうち参議院の一回に「完全自給」という言葉が入っています。それは、経緯はおっしゃったとおりでございます、背景は。あと五回には「完全自給」という言葉が入っていません。そのことをどうこう言うつもりはありませんが、私どもは、国会決議の趣旨を体しと言うときには、それぞれ表現が多少違いますから、国会決議全体をどう認識するか多少戸惑いがございました。しかし、あえて六つの国会決議全体を通ずる精神を言えば、米は国内で自給すべし、この原則ではないかというふうに思っております。その国会決議の趣旨を体し精いっぱい頑張るとたびたびお答えをしてきました。
 まあ今回の結果はどう御評価いただくか、評価はさまざま分かれるところでありますが、先ほどECの問題が出ましたが、少なくとも、例外なき関税化をのめば、これは一〇〇%自由化に踏み切ったことを意味します。これは断固阻止する、国会決議の趣旨を体して断固阻止するというのが日本の外交のこの問題に対する基本方針でございました。歴代の自民党政権も含め、あるいは農家の方々のああいう強い、熱心な反対の声があって、日本の外交官も政府もここまで頑張ってくることができたのではないか。まさにそういう世論があってここまで頑張ってきて、例外なき関税化を阻止して、特例措置に入れることができた。
 少なくともついこの間までは、カナダもスイスも例外なき関税化に反対をしておりました。その中で農産物については、ほぼ米に関して日本と韓国だけがいわば超例外の措置になりそうだという状況でありまして、これはまさに国民のこの世論の結果でありますし、あるいは六回にわたる国会決議の意思が一応そこで貫かれたというふうに私どもは認識をいたしております。
 しかし、完全でないということは認めながら、その代償として何らかの犠牲を払わざるを得ない、そのことがこの数%のミニマムアクセスという提案で返ってきている。このことは大変残念なことであります。
 しかし、これをのむ、のまないはともかくとして、世界全体が垣根を取っ払って自由な貿易を推進していこうというのがウルグアイ・ラウンドの基本精神でございますし、ましてや通商国家としてここまでまさに貿易で伸びてきた日本を考えますと、この最終場面で全く犠牲を払わないで日本の完全自給の主張を一〇〇%貫き通すことは大変困難な状況になっているというふうに認識をいたしております。
#47
○保利委員 これは米の関税化先送りと言ったらいいんでしょうかね。けさのある一流の新聞でも調停案の内容が詳しく出ておりますが、その六年後には代償を払ってまた続けるかどうかということが明記されております。きのう官房長官が書類を持って御説明に図られた。それにはそのところは触れてないんです。
 それで、政府の答弁では、白紙の状態でありますという答弁もあった。白紙なんです、六年先は白紙なんです、ということじゃないんです。この調停案に、新聞の方が先にこういうことを報ずるというのは我々国会議員としては承服できないんですね。ここらは非常に大事なところだと思います。官房長官、どう思っておられるかをちょっとお答えください。少し時間がないですから、短く言ってください、大事なところだけ。
#48
○武村国務大臣 私も率直に、けさの朝日新聞を見てびっくりいたしました。そして、全体の状況を把握したところを簡単に申し上げます。
 きのう発表いたしましたのは、あくまでもドゥニの「調整案の骨子」でございました。したがって、骨子でありますから枝葉といいますか、これ以外の細部があることは当然想像はされますが、私どもはあの段階ではこの骨子だけしか承知をしておりませんでした。
 ただ、今日までいろいろな議論がございますから、六年間は特例措置を講ずることが明確に書かれておりますが、七年目以降どうなるかについては、当然そのままの状態で特例措置が延長される可能性もあるだろう。しかし、七年目から関税化をのめという強い主張も出てくるだろう。これをのむかのまないかは白紙の立場で一年前から議論ができるというふうに認識をいたしておりますし、この認識は間違っていないと思います。ただし、延長する場合に、延長ということは即関税化を依然として阻止し続けるということでありますが、そのときに何らかの新しいアディショナルな条件が議論としては出てくるだろうということは考えられることでありました。しかし、この事実は全く知りませんでした。けさの情報では、一両日中にもG17で、ガットの、これはどういう形で出されるか私は詳細知りませんが、何らかの形で全体像が示される予定でございます。当然、そこで示されることによって、日本も参加をしておりますから、この調停案の全貌が明らかになり、明らかになり次第、これは公になっていくというふうに認識をいたしております。
#49
○保利委員 私は今の官房長官の御発言の中に非常に大事な、重要な問題が含まれておると思います。けさの朝日新聞を見て私もびっくりしたんですがというのは、政府の官房長官の言う言葉でしょうか。私はその辺はもう少しきちんとした感覚を持っていただきたいと思うんですよ。新聞でこんなこと初めて知りました。うそなら違うですよ。だけれども、うそだとはおっしゃらないんだから。そういう交渉というか姿勢というか内閣の姿勢そのものに私は不思議な点を感ずるのです。これから外交交渉というのは重なっていきますよ。そのときに、現地の大使館が新聞よりも先に官房長官のところに情報をぱっと出すのは当たり前のことじゃないですか。それを、私は新聞を見て驚いたんですがという表現をされることは適切じゃないと僕は思いますけれども、適切なのか適切でないのかそこだけ答えてください。あなたの答弁は長いから、短くしてください。
#50
○武村国務大臣 驚いたことは私の真実でございます。表現がいい悪いは別としまして、全くこれは知りませんでした。
#51
○保利委員 これ以上申し上げてもしょうがない。そういうことは知りませんでしたというのが官房長官の答弁である。政府の、内閣の番頭である官房長官が、知らなかった、新聞の方が先に知っていました、こういうことを天下に向かって公言されたようなものです。私は、この問題は大変大事な問題だと思います。もうこれはここまでにしておきます。
 もう一つ、官房長官、国会決議は過去衆参六回ありましたが、「完全自給」という言葉が入っているのは一回だとおっしゃった。実は二回入っているんですよ。読んだことありますか、国会決議というのを。政府は国会決議を守りますと盛んに言いながら、そういう答弁をされていて国会決議を尊重しますということがなぜ言えるのか。それは官房長官、実質的に言うと一回なのかもしれませんよ。しかし、参議院の三回目には「完全自給」という活字がちゃんとついています。そして「完全自給」ということを二回目の決議で言ったけれども、それを引用する形で「完全自給」という言葉が出ているのです。
 国会決議のことについて論争するというのは私は通告してある。国会決議そのものを読んでいらっしゃらないということ自体が問題だと思うが、訂正されますかそれとも訂正されませんか。
#52
○武村国務大臣 私は、衆議院の国会決議は三、四回読みましたが、参議院はほぼ同じ内容だろうと思っておりまして、三回通して読んでおりませんでした。ただ、一回だけ「完全自給」という言葉が入っているという、まあだれに聞いたのか知りませんが、そういうふうに聞いておりますし、そのことを確信をしておりましたので、そう申し上げたわけであります。今御指摘のとおり、引用が入っているとするならば、二回というふうに訂正をさせていただきます。
 先ほどのこの追加的な譲歩の案も、官房長官だけが知らなかったという意味ではない点は御了解をいただきたいと思います。
#53
○保利委員 まあ今の御答弁も、ちょっと私は言葉じりをつかまえるのは余り好きじゃないんですけれども、全部の閣僚が知らなかった、こうおっしゃって、けさの朝日新聞で初めて知った、そういうことであります。そうすると、もう農林水産大臣もそういうことだ、交渉当事者は皆そうだということでありまして、まことにふがいない外交姿勢だと私は断ぜざるを得ません。この問題はここまでにしたいのでありますが、もう一つ私は伺いたい点がある。
 「完全自給」という言葉を入れることにこだわり、強く主張をされたのは、当時の、今政権についておられる大きな政党の方々でありました。我々は、「完全自給」という言葉は国会決議にはなじまない、こう言っておったのです。外務大臣は当時農林水産委員会におられて、断固反対だということで外されたのです。それは僕はよく承知しておる。それはどうしてか。当時でも沖縄には数万トンのお米が入っておりましたから、完全ではないのですよ、加工品で入っていたから「完全」という言葉は国会決議にはなじまないのですよということで、私たちが一生懸命交渉して落としてもらった経緯がある。そういう経緯なんです。それは外務大臣の御認識も一緒だと思う。
 ところで、「完全自給」という言葉を一生懸命にこの国会決議に入れることに頑張られた社会党の山花前委員長にお伺いをいたします。
 完全自給ということについて、総理からはもう御判断が出ておりますとおり、ミニマムアクセスを含むということであります。そのことについて、そのことが入ったこの調停案を受け入れるのか受け入れないのか。山花大臣の、そして前委員長の、社会党の幹部の山花先生の御意向を伺いたいと思います。よろしくお願いをいたします。
#54
○山花国務大臣 完全自給の概念につきましては、総理もお答えになったとおりでございます。
 今御質問いただきましたこのことについての社会党の態度ということにつきましては、昨日来、昼夜を分かたず、今党内で議論を進めているところでございます。
 閣僚としての立場では、連立内閣として党の出身の閣僚でもございますので、そうした党の意見の最終的な結論ということをも十分踏まえながら閣僚としての態度を決定していかなければならない、こういうように考えているところでございます。
#55
○保利委員 今御答弁になりましたことは、報道で私も承知しております。大変悩みの深い問題だろうと思います。もし我々が政権党にお。ましたときは、この問題の収拾はどうするか。私は羽田外務大臣の後任者なんですけれども、実は党の中で私も随分悩んだものでありますから、その悩みを今、村山委員長を初めとして皆さん方がお悩みになって、どう決めるかということについて真剣な御論議をされているということについては私も敬意を表したいと思うのです。
 それで、その結論が、このミニマムアクセスはノーだという結論を出されたときには、山花大臣は閣内にあって反対されますか、それとも閣外に出られますか。その点をお答えください。
#56
○山花国務大臣 今議論のさなかでございます。仮定の問題については今の時点での答弁は差し控えさせていただきたい、こう思います。
#57
○保利委員 まあ現状はそうでしょう。現状はそうですから、この問題はこれ以上は私は申し上げないつもりであります。
 しかし、事国民の食糧確保の問題にかかわる非常に大きな問題だ。我々が生きているうちはいいでしょう。外貨もあるから買えばいいのですから。もし米がなくなったらパンも食うということもあり得るでしょう。しかし、五十年、百年先の日本の民族が困らないようにする政策決断が今求められていると私は思います。そういう意味で、全国の皆さんが、それは生産者といわず消費者といわず、社会党の態度決定というものをかたずをのんで見ているというふうに私は感じておるのです。
 同時にまた、私は、例えで悪いけれども、将棋倒しという言葉がありますね。言葉というかそういうゲームというか、あります。その将棋倒しの最初のこまは小さいこまなんです。だんだんだんだん大きなこまが倒れていくのです。行き着く最後は、日本の農業の崩壊だけではなくて、日本の食糧自給力の崩壊ということになっちゃうんですね。私はそういう認識でおるのです。
 ですから、非常に大事な問題だと思うので、私は、山花大臣初め社会党の御出身の大臣、たくさんいらっしゃいますけれども、一々について伺う余裕はありませんけれども、そういう認識のもとに御判断をいただきたいと思う。
 確かに自由貿易というのは大事だ。自由貿易というのは大事だけれども、私は、こういう日本の食糧政策をどうするか将来の国民のために心配をするという姿勢がやはり必要だろうと思いますので、あえて言わさせていただきました。
 そこで、自由貿易ということについてもう一つ伺います。
 日本国政府は、今ダンケル・ぺーパーで提示されているところのMTO、これは外務大臣になるのでしょうかね、MTOの設立について、どういう交渉をなさって、今どういうところへ来ていて、サザーランド・ぺーパーの中にはどう出てくるかという見通しについてお聞かせをいただきたいわけであります。いかがでしょうか。
#58
○羽田国務大臣 この問題につきまして、まだ正式に細かく表明されているところではございませんけれども、やはりガットの設立当時ですか創設当時、このときには正式の国際機関として設立されてなかった。しかし、今この議論をする中にありまして、やはりガットというものをきちんと運営していくためには、この多角的貿易機関、MTO、これを設立することは必要であろう、こういったことは我が国も主張し、またフランスなんかも大変強く実は主張をいたしておるところでございまして、ただ、アメリカなんかが、こういった、当初の、この発足するときから、アメリカはこの国際機関というものをつくるということについてもともと余り賛成でなかったということがあります。
 そういうことで、中身については決して細かく反対するということじゃありませんけれども、機関についての、まだ反対といいますかそういった声があるということを私ども承知しておりますけれども、今これをやはりきちんと設立すべきであるということで、我が国もあるいはそのほかの国なんかもこれを主張しておるということを申し上げることができると思います。
 あと、もし実務的なことがございましたら、局長の方から答えさせます。
#59
○保利委員 私が実は申し上げたいのは、MTOの設立というのは、さきの本会議でも申し上げましたが、アメリカのスーパー三〇一条、通商法三〇一条という問題が後ろにあるということなんです。通商法三〇一条というのは、これは自由貿易に反する制度ではないんでしょうか。それを温存するような結論がもし出てくる場合には、サザーランド・ぺーパーそのものに反対をしなければいけないのが日本国政府の立場じゃありませんか。自由貿易を守るために米まで譲るというような御判断をなさる政府が、アメリカの、自由貿易に対して最も阻害要因になっている、世界中から嫌がられているスーパー三〇一条を温存するような結論がサザーランド・ペーパーの中で出てきたら、それは、もしアメリカとECが下交渉の中でオーケーということになっておっても、日本国政府としては断固として反対すべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#60
○羽田国務大臣 我が国としましては、今お話がありましたとおり、我々自身もこの三〇一条に悩まされてきたという現実がありまして、こういった点なんかも含めながら、やはり国際的なきちんとしたこういう多角的貿易機関というものをやはり設立しながら、国際紛争というものはやはり国際機関の中できちんと対応していくということが重要であろうということで、これは我々も積極的にその必要性というものを訴えていきたいというふうに考えております。
#61
○保利委員 今、また言葉じりをとらえるようで本当に申しわけないのですけれども、訴えていきたい、どういう方法で訴えていかれるか、ちょっとお答えください。
#62
○小倉政府委員 このいわゆるMTOの問題につきましては、保利先生も御案内のとおり、国際機関を設立する部分の問題と、それから今まさに先生がおっしゃいました紛争処理の手続の問題、これが絡み合っていることは事実でございますが、このMTOの設立の協定の中には、今おっしゃいました機関の設立の問題と紛争処理の問題とは一応別の問題ということで考えることもできるわけでございます。
 したがいまして、仮にアメリカが議会との関係でこの機関というものを設立てきないということが、どうしてもできないというような場合に、紛争処理手続、今まさに先生がおっしゃいました三〇一条的なものについての紛争処理手続をきっちりと法律的に決めておくということは、機関の設立とは必ずしも同じ問題ではないという処理の仕方もあり得るかと思いますので、そういう妥協の道というものも探らなくちゃいけない。
 そういう意味におきまして、紛争処理の点については断固としてやはり頑張らなくちゃいけないと思いますが、機関の設立の問題については、場合によりましては米・EC間、あるいは国際的にある種の妥協ができるということも可能かというふうに考えております。
#63
○保利委員 私が伺っているのは、MTOは設立しなければいけないという日本国の政府の立場があるならば、どういう交渉をなさるのですか。しなきゃいけないと思っていますでは通じないでしょう、日本国政府の意思が。どういうことを申し入れていくのか。今から何をするのか。時間は足りない、時間は足りないと言って米の方は決断をする。MTOの方はほっぽらかしのような状態になっておる。MTOのみとは言いませんよ、ほっぽらかしというのも言い過ぎかもしれませんよ。しかし、小倉局長にしても、解説じみたことを今ここで言うようなときじゃないのですよ。どういう交渉をやって、どういうクレームをつけていくかという時期じゃないですか。それなのに、こういうこともあり得るとかそんなことを言っていたら話にならぬ。日本の外交姿勢としてはおかしいのじゃないですか。もっと強い、闘う姿勢を示せということはこの間ここでも私は申し上げたのです、十月の四日に、この予算委員会で。そういう姿勢が全く感じられないが、いかがですか。
#64
○小倉政府委員 日本にとりまして一番大事なことは、やはりウルグアイ・ラウンドの協定が、全体としてアメリカの議会をきちっと通るということを確保するということが非常に大事ではないかというふうに考えております。その段階で、もちろんあるものにつきましては政治的妥協ということも可能であろう、また考えなくちゃならないということはあり得ると思います。
 したがいまして、今先生のおっしゃった点につきましては、いわゆるラカルテ・グループとかいろいろなグループがございまして、その交渉の中で、紛争処理ということについて特に集中的にやっている部分がございまして、そこではもう鋭意、日本がむしろ先頭に立つぐらいの気持ちで、また現に先頭に立ちながら一生懸命やっております。
 したがいまして、その機構の設立の問題につきまして、私は先ほどある段階で妥協ということが考えられるかもしれないと申し上げたのでございまして、まさに先生のおっしゃる三〇一条、そういったものについては断固として交渉しておりますし、今また、例えば具体的に申し上げれば、首席代表者会議、あるいは今申し上げましたような紛争処理手続をやっております場所で必死に交渉しているところでございます。
#65
○保利委員 今の局長の御答弁の中には重大な御発言があります。アメリカの議会を通るように配慮する、これは一体どういうことなのだ。日本の議会を通るようになぜ配慮しないのだ。それはおかしいよ。アメリカの議会を通るように配慮するのが外務省の立場なのですか。これは、羽田大臣、お答えください。
#66
○羽田国務大臣 今小倉局長が言われたことは、このMTOの一つの考え方あるいは構想、こういったものはきちんとやはり実現をさせるということが重要であるということ。ただ、アメリカの議会というのは、これは貿易交渉についての権限を一つ持っておる。そういう中にあって、その機関というものをつくっちゃいけないということのために、ほかが全部だめになったのではいけないじゃないかという中で、やはり実をきちんと取り上げるということが大事であろうということで、今アメリカという話があったというふうに思います。
#67
○保利委員 私は、余り頭がよくないのですが、今羽田大臣が御答弁になったことはよくわからないんです。アメリカの国内事情を配慮した外交をする、これは当然です、ある意味では。ある意味では当然ですけれども、その前に日本の国益を配慮した外交をやらなきゃいけないんでしょう。そのためには、MTO設立について一生懸命頑張っておられる。それはいいですよ。それはいいけれども、もしMTOの設立ができなくてまたスーパー三〇一条がひとり歩きする、そんなような状態になったら大変なんですよ。これは、自由貿易を守るために米を譲ると言っていた政府が、自由貿易を破壊すると言ってはおかしいが、自由貿易からかなり逸脱している三〇一条を認める、そういうものの発動をすることを認める、それは日本の国益を捨ててアメリカの国益を守るということですよ。だから、MTOが設立されなければサザーランド・ぺーパーは認められないぐらいの強い意思表示をすべき問題だと私は思うんですが、ここは、総理大臣、いかがお考えになりますか。
#68
○羽田国務大臣 今お話があったことは、まさにそういった紛争処理というものは、アメリカが大国ということで国内法によって国際的ないろいろなところを制約してしまうということ、これは困りますよということを私たちは思っておる。そして、そういったことをやはり実現するということが大事だろうと思うんです。要するにそういう機関をただつくるんじゃなくて、内容をやはり、そのかわり今度はアメリカやその他の反対している国なんかは、逆に我々の立場を今度は配慮しながら、こういった内容については認めるということは、私はあってしかるべきであろうと思います。
 この機関の問題というのは、例えば機関をつくるとどのくらいの負担をしなければいけないとか、そういったいろいろな問題もあるわけですね。ですから、それよりはむしろこういった今話があったいわゆる統一紛争処理、この手続が確保されるということが最大限の私たちのやはり目標であろうというふうに考えております。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
#69
○保利委員 私は政府の御答弁に必ずしも納得いたしませんが、つまりそういうものが必要であるというなら、もっと真剣な交渉をされていいんじゃないか。新聞にもMTOという言葉が余り出ないんですよ。外務省首脳はそういうことをはっきり日本の立場として、MTOが設立されないならば自由貿易が守られないんだから、サザーランド・ペーパーなんかはこれは認めることができないというぐらいの強い姿勢が今日本の外交に求められているんだと思うんですよ。その点を指摘をしたいわけなんです。
 ですから、大臣には大変だけれども、これは関係大臣皆そうなんですけれども、そういう意識で外交当局を叱咤激励されるのもいいでしょう。また、御自身が乗り込んでおやりをいただかなければならない。そういうことをしっかりやらなければ、時間がない、時間がない、自由貿易を守るということを一生懸今おっしゃるならば、そこのところは決して避けちゃいけない、私はそのように思うわけでございます。
 この問題はここまでにいたしておきますけれども、このMTOの設立について私は重大な関心を持っております。もしこれができなければ、日本国政府はサザーランドの包括合意案がもしか出てきたときに、これは拒否してもいいぐらい、これじゃ自由貿易体制が守れないじゃないかと言って拒否していいぐらいの内容だと私は思っておりますので、その辺のところをしっかり踏まえて、これから交渉するといったって、時間ないんでしょう。本当に困っちゃうよね。まあ頑張っていただきたい、こう思うわけであります。
 ところで、時間が切迫してきましたので、いろいろなことについて伺いたいと思うんですが、官房長官が今御退席なさっていらっしゃいますけれども、記者会見だそうであります。記者諸君の方が大事なんでしょう、私の質問よりも。まあ定例だからいたし方ないでしょうけれども。
 国会決議の線に大体沿っていると思うという御答弁があった。総理が非常な決意をもってミニマムアクセス受諾というようなことで意思表示をされたときにも、国会決議の線にはほぼ沿っている、こうお話をしておられるわけであります。しかし、よく考えてみると、この間も御指摘申し上げていますとおり、この問題は米だけじゃないんですよ。「基幹作物」という言葉が国会決議にも入っているんですよ。その基幹作物の中には麦だとか乳製品だとか、でん粉、雑豆、落花生、まあコンニャクまで入っているというふうな話もある。そこまであるんですよ。そういう問題は全部関税化をしてしまう。
 この調停案の中には全く盛り込まれていないんですよ。ドンケル・ペーパーをそのままのみ込みなさいということなんですよ。また、政府がそういう意思表示をするということは、そこの二十一品目のものについては、米を除いては全部ドンケル・ペーパーをのみ込むということなんですよ。これで国会決議の趣旨にほぼ沿ったものであるとかそんなことは僕は言えないと思うんですけれども、これは農林水産大臣の御見解をお伺いしたい。
 農林水産大臣は、この間の本会議のときの御答弁では、従来どおりの方針で頑張る、関税化は拒否するとおっしゃっている。関税化の拒否の中には、乳製品やでん粉が入っているわけですよ。北海道の皆さんは大変な御心配だ。こういう状況であります。この調停案ではそこのところは全く無視されている。それで国会決議の趣旨に沿ったものだと言えるんですか、どうですか。そこは農林水産大臣からまずお答えを願います。
#70
○畑国務大臣 先般の本会議上におきまして、保利先生からの御質問に対しまして、ただいま御指摘がございましたような答弁を申し上げ、そういう姿勢を持って交渉をさせていただいておることは事実であるわけでございますが、今回のいわゆる調停案骨子の中では触れられていないということは、御指摘のとおり、いわゆる関税化の道へということであることは事実でございます。
 そういうような中にございまして、まだ最終的なものが今示されておるわけではございませんが、私の立場におきましての、いわゆ首席大使あるいはまた担当の者を通じましてのただいま最終的な話し合い、折衝がされておる。従来の基本的な姿勢を踏まえての最終的な話し合いがされておるということであるわけでございますが、そういう中にございまして、この国会決議を踏まえての交渉の中での今回示されました調停案骨子といいますものは、それなりのいわゆる精神を酌んだ要素があるということは認めざるを得ない、かように考えるわけでございます。
#71
○保利委員 米の関税化が六年延びたということだけとれた。二十一品目、ほかの品目はすべて犠牲になった。ミニマムアクセスは買わなければならない。それで国会決議が守られる、最大限の努力をしたということがよく言えますね。私自身も非常に苦しんだところだから、それは余り大きな声で偉そうに言うなという気持ちもするけれども、自分自身でそういうふうに思うけれども。
 ほかの品目は全部だめなんですよ、全滅なんですよ。わずかに、二十一分の一のわずかな部分だけが残った。これで日本の食糧を確保していく責任者の農林大臣は御満足なのかどうなのか。恐らく満足じゃないでしょう、満足じゃないでしょう。それならば、こういうものは農林大臣としてはのみ込めない、総理に対しては、こんなもののみ込んでくださるな、北海道の皆さんが、九州の皆さんが、全国の皆さんがこんなものは承服できないと言っていらっしゃるだろうと思うんですが、農林大臣、それでも調停案を、自由貿易を守るためにMTOが認められなくても調停案をのまざるを得ない、こういうお立場ですか、どうですか。
#72
○畑国務大臣 先ほど来御指摘がございましたとおり、本問題の全容が、他の分野につきましても、あるいはまた農業関係の他の残された分野におきましても、具体的な内容が示されておる段階ではないわけでございまして、私は満足をしておるというような立場にないことは当然のことでございまして、そういうことの意味合いの中で今この全貌を、あるいはまた従来の姿勢を踏襲します意味合いでの最後の督励をさせていただいておる、こういう御理解をいただきたいと思います。
#73
○保利委員 最後の努力、最後の努力と言ったって、大臣が外に出られる予定もない。今までに大臣が国会に対して、こういうことで頑張りたいから行っできますという申し出もない。それで最後の努力をしているとは私は考えられません。
 そこで、私は、次の問題に移りたいと思います。
 この間の御答弁の中で、新聞に非常に大きく取り上げられて問題になった部分がある。それはミニマムアクセスそのものであります。そのものの解釈であります。大臣の御答弁をそのまま読んでみますと、輸入実績がほとんどない産品につきまして、国内消費量の一定量、一定割合の数量の輸入に関しまして、関税割り当てによります低率の関税が適用される関税輸入枠を設定するというものであることは御案内のとおりであります。これは今の、現行のガット規定だろうと僕は思います。
 そういう意味合いの中にございまして、国内消費量の一定割合の数量について輸入機会を、チャンスを提供するということであって、その数量の輸入自体を実現することを約束するものではない、こういうように私の方では受けとめさせていただいておるわけでございます。御指摘がございましたとおり、仮に、国際需給の逼迫等により実際の輸入がミニマムアクセス約束数量に満たないような場合、そのことをもって約束違反に問われるものではない、かように理解をさせていただいておるわけでございます。こういう御答弁です、ミニマムアクセス。これは今もお変わりありませんか。
#74
○畑国務大臣 先般の本会議場における私の答弁内容は、そのとおりであったというように私も記憶をいたしております。
 いわゆる私の立場にございましては、その後、衛藤先生からも御指摘がございまして、いささか言葉が足らなかった点もこれあり、そしてまた一般論的な要素が強過ぎた、こういうことの中から、先般の衛藤先生の御質問に対しまして、いわゆる国家貿易というような立場での対応の場合には、これは義務的な要素というような受けとめ方をせざるを得ないと。しかしながら、いわゆる輸出国側における凶作である、あるいはまた地球規模の異常気象等々によってはそういうことが実現できないことがあり得ると。さような意味合いでは、義務というような要素を踏まえることが今日我が国の立場では正しい受けとめ方であると、かように、いささか修正の要素を加味さしていただいて申し上げさしていただいたところでございまして、足らざる点をおわびを申し上げながら、御理解をいただきたい、かように考えます。
#75
○保利委員 実はこれは、その後御答弁が実は続くんですね。続く中にどういうことを言っておられるかというと、ミニマムアクセスを受け入れた場合には食管法の改正が必要であるということを言っておられるんですよ。ここは、国家貿易のもとでミニマムアクセスを受け入れたときは、これは義務になるというふうに遠回しに言っていらっしゃるんです、はっきりは言っておられないんですけれどもね。義務だから食管法を改正しなきゃいけないというんです。
 食管法のどの点を改正しなきゃいけないかこれは役所からでも結構ですから、御答弁ください。
#76
○鶴岡政府委員 食糧管理法におきましては、国民の食糧の安定供給を図るために需給の調整をするということになっておりまして、二条ノ二で基本計画を立てることになっております。その辺にまつわる規定の改正というのが、仮にミニマムアクセスを受け入れる場合には必要になろうかというふうに考えております。
#77
○保利委員 今の鶴岡長官の御答弁ですと、これは、食管法の改正は需給計画をきちんとつくるという食管法の第何条だったかの規定に基づくわけでありますね、そこを改正しなければならない。つまり、根っこの方には何十万トンかの輸入がありますよ、そしてそこに国内産の生産が乗っかりますよ、それを管理する。こういうことで、需給計画の中に一定量の輸入量というのがもう確実に入ってくるということが前提になっている。鶴岡長官、それは間違いないと思うんですけれども。
 そこで、そうなると、国家貿易のもとではミニマムアクセスは義務になる、これは間違いないかどうか、御答弁ください。
#78
○畑国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、例外的な状況以外は義務になる、そう受けとめて、厳しく認識をいたしております。
#79
○保利委員 例外的な状況というお話がありました。世界的な大不作、ないそでは振れないと言って輸出国側がとめちゃう。それは、もうそうなったら大変なことなんですが、そういう以外は義務だというのが大臣の答弁であります。
 細川総理、ちょっとお伺いいたします。
 今農林水産大臣は、ミニマムアクセスというのは本当に特殊な場合を除いては義務だというふうに御答弁されましたが、内閣全体としてはそれでよろしゅうございますね。
#80
○細川内閣総理大臣 ダンケル・ペーパーによりますと、従来、輸入がほとんど行われていない農産物について、一定量のミニマムアクセスの機会を設定することは締約国の義務であるとされていると承知をしております。
#81
○保利委員 いずれにいたしましても、政府の答弁である程度はっきりいたしました。義務なんであります。この間の本会議答弁では、必ずしも義務でないというところが強調をされて伝えられた向きがある。しかし、これは完全に義務になる。
 そうすると、この問から議論がたくさん出ておりますように、四%から八%、そしてきょうの新聞では、その先関税化の拒否を続けようとするなら、さらにミニマムアクセスをふやしていかなければならないということが明確に書き入れられている。
 八十万トンという米の量というのをどう考えるか。これはこの間から出ている話で、新潟県の生産量が七十数万トンですからね。北海道が五〇%減反していても七十二、三万トンなんですよ。一〇〇%生産すれば百数十万トンになるのです、北海道の米というのは。そういうものに匹敵するような、新潟県一つ要りませんよ、毎年毎年要りませんよというような政策を、これは農林水産大臣が自由貿易を守らなければならないからという名のもとに承認をしてしまうことになるんですね。私はこの点非常に危惧の念を持っております。
 伺いたいのですが、政府が今国内産のお米を直接買って、直接管理して、直接売っているいわゆる政府米、これは大体何トンぐらいになるか、農林水産大臣、おわかりでしょうか。
#82
○畑国務大臣 大体の数量といたしましては、二百万トン前後、予約限度あるいはまた実態、そういうようなぶれはございますが、その辺というふうに御理解いただいて結構と思います。
#83
○保利委員 今、御承知のように、政府管理米の中には自主流通米とそれから政府米とに分かれておるわけですね。そのほかにもいわゆるやみのルートと言われる自由米がある、相当な量がある、このことはもう周知の事実です。
 今二百万トンというお答えがありました。もう農林水産大臣にお伺いするには大変失礼な質問であったわけでありますが、実は、政府米が集まらないといって大変心配しておられるわけでしょう。今百六十万トン台に落ちているのですよね、実績として。百六十万トンということは、ミニマムアクセスで入ってくるであろう八十万トンのお米の倍の量しか持っていないということですよ。百六十万トンの政府米、あるいは二百万トンでもいいですよ、二百万トンの政府米の中で輸入米が八十万トンを占めるという格好にならざるを得ないわけでしょう。そこはそれでいいのかどうか、これは鶴岡長官にちょっと答えていただきましょうか。
#84
○鶴岡政府委員 大体米の需給規模は、主食用で一千万トン、これはいろいろなお米を含めて、そのほかに加工用米に約四、五十万トンの米があるわけです。そういう中で、仮にミニマムアクセスを受け入れることになりますと、政府管理米は先ほど先生御指摘のように、全体として六百万トン、それに五十万トンぐらいの規模があるわけですから、そういう中で物を考えていくことになろうかと思います。それにしましても、管理の面でいろいろな工夫を凝らさなければいけないのじゃないかというような気がいたします、仮に受け入れるようになりますれば。
#85
○保利委員 いずれにいたしましても私が言いたいのは、八十万トンというのはいかに大きいか、政府がハンドルしている、取り扱っているお米が二百万トン内外のところで、八十万トンの米、さらにその先までいけば、六年なんというのは一瞬のうちに過ぎますから、その先にいけばもっとふやしていかなければならない、そういうことがミニマムアクセスなんですね。
 事の重大性というのをどのくらい認識しておられるのだろうか。私は、大変失礼だけれども、社会党の皆様方はその辺を非常に心配しておられるのですよ、農業の実態、米の実態というのをよく御存じだから。それで、ミニマムアクセスには体を張って反対するというような一部の方々の御意見というか大勢と言ってもいいかもしれない、そういう御意見があるのだと承知しておる。我が党もそうです。そういうところを心配しているのです。
 今の細川内閣が将棋倒しの最初のこまを押すのです、押そうとするのです、今。きょうは十二月八日なんですよ。押すか押さないか。押さなきゃ自由貿易が守れないというのであれば、先ほど言ったMTOのような問題はどうするのだ。ほかにもいろいろあるのですよ。
 私はフランスはある意味では偉いと思うのですよ。オーディオ・ビジュアルの問題であれだけ論争をしている。この間も申し上げましたけれども、これは文部大臣にも非常に関係の深いところなんですね。ヨーロッパの文化がアメリカの文化に汚染されることが嫌なんだ。どうしても彼らのビデオ番組や何かが四六時中流れることに満足できない。それでフランスは抵抗している。この間、江藤議員がお話しになったように、フランスだけじゃないのです。フランス語圏の四十カ国の皆さんがこの問題については重大な関心を持っておる、こういうことなんですよ。ですからこれは、やはりそこのところは頑張っていただかなければならないなと思っております。
 そういたしますと、今お話を申し上げておりましたのは、ミニマムアクセスというのは義務だ、もう義務だと言い切っていいと思います。特殊な場合があるとか、それはどういう例だとかということは、義務だということの認識の上に政府の最終御判断をいただかなければならない。
 そこで、ドゥニー調停案というのが出てきたのですけれども、ドゥニー調停案というのはやがてサザーランド調停案に包含されるものであるのかどうなのか。それともドゥニー調停案の段階で日本は賛否を言わなければならないのかどうか。その点は外務大臣からお答えをいただきます。
#86
○羽田国務大臣 ドゥニ調停案、今お話がありましたとおり、これはあくまでも内々のものであろうと思います。それが実際にこれからサザーランドさんの最終的な合意文書といいますか、そういったものとしてあらわれてくるものであろうというふうに考えております。
 ただ、私どもの基本的な考え方は、まさに我々が議論し、そして申し述べてきたことが今の調停案の中に、要するに例外なき関税化というものを我々はとらなきゃならぬという中であらわされてきておるということを考えたときに、我々の意思といいますか意向というものは、そういう中でやはりある程度判断していかなきゃならぬものであろうというふうに考えております。
#87
○保利委員 今外務大臣が、内々で示されたものである、こうおっしゃったのですが、それは間違いありませんか。
#88
○羽田国務大臣 昨日も申し上げましたように、まさに我が国の代表が、それぞれの場所で、二国間あるいは多国間の会議に出ておるということでありまして、そういう中で日本の代表団が、ドゥニさんの考え方というものを本国の方に外交ルートを通じながら知らせてきたというものであります。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
#89
○保利委員 そうすると、これはまだ下打ち合わせの段階だと解釈してよろしゅうございますか。
#90
○小倉政府委員 先生も御案内のとおり、いろいろな動きが今ガットではございますので、その動きの中で、恐らくドゥニ調整案と申しますのは、ドゥニさんの考え方で、こういう点についてはこういうものが一つの全体をまとめるための必要なものではないかということで出てきておるわけでございますので、その出てきていない部分、あるいはいろいろな調停の中でいろいろな動きがございますので、ドゥニさんの動きの中で、私どもの知らない部分あるいは現在まだいろいろな調停、調整が行われている部分も両方ある、こういうふうに考えております。
#91
○保利委員 ちょっとわかりにくかったのですが、またこれは下打ち合わせの段階である、こういうふうに認識をしたいと思いますけれども、外務大臣、よろしゅうございますね。
#92
○羽田国務大臣 基本的にはそういうことであります。
#93
○保利委員 そうすると、最終的には、やはりサザーランド・ペーパーが出てきたときに初めて日本国政府としては、MTOが入っているのか、アンチダンピングはどうなっているのか日本に関心のある事項を詳細に検討した上で態度を表明されるということになるのではないかと思いますが、外務大臣、それでよろしゅうございますか。
#94
○羽田国務大臣 まさに、おっしゃる基本のところは、私はそういうことであろうというふうに思っております。
 ですから、サザーランドさんが、いろいろな、それぞれの各委員会がありますよね、そういったところで各国と議長さんが連絡をとったり、あるいは話し合ったり、議論をする、そういうものによって一つの方向が出された、それがサザーランドさんのもとに集まる、そしてそういったものを、お互いがみんな大体合意したものについてこれが提示されるということであろうというふうに思います。
#95
○保利委員 そういたしますと、このドゥニー調停案に対しては、日本政府としては、のむとかのまないとか、正式な意思表示をする必要はないですね。
#96
○羽田国務大臣 ということになると、私どもの案というものはサザーランドさんになかなか報告されないことになってしまうであろうというふうに思います。
#97
○保利委員 それは、総理もそのように解釈しておられますか。つまり、ドゥニー・ペーパーに対しては、それはのむとかのまないとかということを公式に言う必要はない、内意の下打ち合わせなんだからということについて、総理はそれでよろしゅうございますね。
#98
○細川内閣総理大臣 最終的には、ササーランドさんからの調停案に対して恐らく返答するという形になるだろうと思います。
#99
○保利委員 そうすると、ドゥニー・ペーパーの段階では意思表示は保留されていいんじゃないかと思います、ほかのところがどういうふうにセットされるのかわからないんだから。
 私は、シンボリックにMTOを取り上げたのですけれども、ほかにもいろいろ検討すべき問題がいっぱいあるでしょう。そういった問題で日本国政府の意向が反映されていないならば、あるいは部分的にでもきちんと取り入れられていないならば、のみ込みがたいものならば、全体を拒否するということはできるんだろうと思うんです。それまで御判断はお待ちになった方がいいと思うんですけれども、総理大臣、もう一遍そこのところを御答弁ください。
#100
○細川内閣総理大臣 全貌が明らかになりますのには数日あろうと思いますが、米については米についての部分でそれなりの私どもの考え方というものは整理をし、判断をしなければならないだろう、このように思っております。
#101
○保利委員 今、この点については同僚の佐藤議員がこれから詰めさせていただきます。彼はガットの事務局で働いていた人ですから、この辺については非常に詳しいわけであります。ちゃんとした返事をしてください。これは国益がかかっている。今、将棋倒しのその最初のこまを倒すか倒さないかの瞬間だから、しっかり判断をしていただきたいのであります。
 最後に一問だけ、私、伺います。ほかにもいっぱいやりたかったんですけれども、ちょっと私の質問技術が悪くて時間が迫ってしまいました。
 そこで伺いますが、このドゥニー調停案を実質的に、公式には受け入れなくてもいいんでしょうけれども、実質的に受け入れるという内々の意思表示があったときには、八党・会派の合意事項に反するという見解をお持ちなのかお持ちでないのか。これは社会党御出身の佐藤大臣と山花大臣に御答弁を願います。
#102
○山花国務大臣 先ほど熱心にかつ厳しく検討中であると申し上げましたけれども、八党・会派につきましては、一つには、ウルグアイ・ラウンド交渉は成功させること、第二番目、米の例外なき関税化には反対であること、第三番目、農林漁業の再建とそれらの持つ環境、国土保全、地域社会の維持などに配慮するものとすること、こうした一つの判断の基準がございます。
 今回、社会党が従来とってきた大変厳しい方針ということに沿って考えるならば、今回の調停案、調整案というものについては、そこには一〇〇%一致するものではないのではないか、こういうように私も考えているところですが、そういうことをも含めて、最終的にこれからのあるべき農業の姿等についても、先ほど先生がおっしゃった、まさに国家の一大事、こう考える中で検討を進めているところでございまして、今直ちに結論を出すのはまだ差し控えさせていただきたい、こう思っております。
#103
○佐藤国務大臣 今、保利委員からも大変いろいろな角度から質問がございましたし、最後のドゥニ案の位置づけそのものも、今、保利委員まさに御指摘のような状況にもあるわけでございますので、その辺も踏まえて、党は党として、また閣僚の一員としても考えていく課題であるというふうに考えておりますので、今、山花大臣からも答弁がありましたような、同じ対応をしていきたいと考えております。
#104
○保利委員 そこのところは、まさに将棋倒しの最初のこまに触れるか触れないか、それを押すか押さないかは社会党の皆さんにかかっていると僕は思います。そこのところはしっかり踏まえて頑張ってください。
 最後に一つ、手続論でお伺いいたします。
 これは、サザーランド・ペーパーが出てきたときには、日本政府としてはそのサザーランド・ぺーパーを検討する余裕が与えられるのか与えられないのか。それはのみ込むのかのみ込まないのかという判断を求められるのか、それとも検討する時間が与えられるのかそこのところを、これは外務大臣が責任者ですから御答弁ください。
#105
○小倉政府委員 今、先生も御案内のとおりに、アメリカ・ECもいまだ交渉中という点もございますので、それら米国とECとの間の農業に関する部分、それからほかの国の部分、日本の部分、そういったものが全体としまして一つの合意案の基礎をなすようなものとして提出されるというふうに考えております。
 しからばいっ提出されるかということでございますが、それは先ほど総理からの答弁がありましたように、私どもとしては恐らく一両日中にも提出されるのではないかというふうに見通しております。
 しからばどこで提出されるのかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、農業関係のG17と申しますグループあるいは首席代表者会議、そういったことではないか。
 そういうところでございますので、当然それはまた百十六カ国の国々に合意されなくちゃいけないわけでございますから、そのまた過程というものがございますので、その場でイエスかノーかというわけにはまいらないのではないかというふうに考えております。
#106
○保利委員 今の御答弁を伺っておりますと、サザーランド・ペーパーが最終文書として出てきたときに、まだ検討をする、検討をして諾否を決めるという余裕があるという御答弁であります。外務大臣、そういうふうに認識しておられますか。
#107
○羽田国務大臣 今局長の方からお答え申し上げたとおりであります。
#108
○保利委員 私は、まだ続けたいと思っておるわけでありますが、同僚の佐藤議員に譲りたいと思います。
 そこで、まだ足らざるところはほかの場で、まだいろいろと御質問をさせていただきたいことがたくさん残っております。ですから、農林水産委員会その他の場でいろいろまだ議論をさせていただく、そういうことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただき、佐藤議員に譲ります。
#109
○山口委員長 この際、佐藤剛男君から関連質疑の申し出があります。保利君の持ち時間の範囲内でこれを許します。佐藤剛男君。
#110
○佐藤(剛)委員 ただいま同僚の保利代議士のドゥニ・ペーパーの指摘は極めて重要だと思います。その問題について後ほど掘り下げます。
 その前に、一昨日、私は、ガットの委員会議長をやっていた体験をもとに、ガットの修羅場をくくった体験をもとに、またジュネーブあるいはアメリカ、ヨーロッパにおける人脈を通じて得た情報に基づき、一昨日この席において、もし私が間違えたことがあるなら私は腹を切りますよ、はっきり答弁をしてくださいということを総理大臣、外務大臣、農林大臣に申し上げて、そしてこういうふうなことになるでしょうということを予見したが、米の問題についてはガットよりこういう条件つきペーパーが出てくる。米という具体的な形で特定されて出てはこないけれども、第一条件は、輸出入関係が少ないもの、あるいはゼロのもの、あるいは消費に対して何%以下のもの。それから第二は、輸出補助金が付与されてないもの。それから第三は、国内での生産削減措置がなされていること。こういうふうな三つの条件のもの、日本でいえば米、韓国でいえば同じく米、カナダにおけるケベックの酪農品、こういうようなものが特記されて出てくるということを言いましたが、農林大臣も外務大臣もこれについては抽象的なお話ばかりで、はっきりした答えがなかった。ところが、翌日、ドゥニ議長から、ガットのトレードアクセス委員会議長でありますが、そのペーパーだということでの話があったわけであります。
 私は本当に、非常に失礼なことではあったけれども、平成五年十二月十五日という日は、日本において、日本の農業崩落の日であるよ、そして、その墓碑には、葬儀委員長は細川内閣総理大臣だ、副葬儀委員長は新生党羽田外務大臣であり、新生党の畑農林大臣ですよ。その十二月十五日には、本来ならば農林大臣がお出かけになって陣頭指揮をされて、伊達政宗が白装束をして豊臣秀吉のところに行ったぐらいの態度があってしかるべきですよ。少なくとも十二月十五日には黒ネクタイで出ていらっしゃい。余りにも日本の払った犠牲というのは大き過ぎる。
 外交交渉というのは、相手が言ってきたら徹底的にたたき、安くして、自分の方の国益というものを高く売るというのが基本であります。ところが、今回の交渉を眺めていると、余りにも日本の農業の犠牲は大き過ぎ、成功という言葉を私は使いたくない。成功の陰には涙ありじゃないですが、妥結の裏には日本の農業の崩落があるということを私はるる申し上げたわけであります。日本は、切ってならないカードを切ってしまった。米というエースを切ってしまった。それに対して対価をとっていない。
 これは保利代議士が、サブシディー、つまり補助金問題について指摘しているように、あの補助金に対してすら昨年の十一月にアメリカとECとの間で大枠をもう握られてしまった。しかし、ECはアメリカとの間で握ったけれども、あのフランスは大した粘り腰で、つい最近までこのブレアハウス・アグリーメントの修正をやって、さらに八百万トン分余計にとっちゃった。大したものじゃないですか。さらに、その基準年度を変えて有利なように持っていっちゃった。
 簡単に言えば、あの輸出補助金削減とは、百億円の補助金を出しているものを、三十六億円減らして、六十四億円を残しておくという話なんです。六十四億円を残しておくということなんですよ。しかも、その中には余剰の物資があったのですよ、ECの。その余剰の物資があったECはそれをごねたわけだ。フランスが横になったわけです。しかし、アメリカを説得してそれをとっちゃったじゃないですか。そのぐらいのことを日本は、農林大臣、白装束をつけて、黒ネクタイを締めて、ジュネーブのガット本部に行って陣頭指揮をすべきだったでしょう。しかし、行っても何ら意味がなかったかもしれない。
 なぜ意味がないかというと、もう既にアメリカにカードを切っちゃったからですよ。発言力をなくしたからですよ。発言力をなくしちゃったんだ。こんなばかげた外交というのはない。秋は外交の修羅場をくぐってきたけれども、日本の農産品をこんなに安く売ってしまった。それで私は十二月十五日というのはそういう日ではないかということを申し上げたのです。
 それで、それはさておき、今、保利代議士からお話がありましたが、ドゥニ議長のペーパーですが、よく外交交渉では、もうあと一週間ぐらいの時点になると、紙があってもノンペーパーというのですよ。そして、紙が天から降ってきた、ヘブンリーぺーパーなんていうのです。こういうことで交渉をやるのです。オフィシャルでありながらインオフィシャルとしてやるのです。非公式とするのです。そんなことで集まるのです。こういうことでありますから、そういうことは交渉につきものなのです。
 そもそも、このドゥニ議長の提案が出てきたというのは、ペーパーがあるのですか。外務大臣、お尋ねいたします。
#111
○羽田国務大臣 今のお話、確かにノンペーパーといっても実際に紙はある。この間のブラッセルの会議でも実はそうであったわけでありますけれども、調整案につきましては、その性格上いまだに公式の文書という形にはなっておりません。そのままの形で、原文を国会などの場所で公表するということは差し控えたいと思います。ドゥニ議長も、公表をするということを前提にして、こうこうこうだということを提示したものじゃないというふうに私どもは理解いたしております。
#112
○佐藤(剛)委員 そうしますと、そのペーパーについて、少なくともジュネーブにいる政府代表部、大臣が行っておられないから、恐らく私のかつての仲間であるので余り名前を言いたくないのですが、遠藤大使なり赤尾大使が、恐らくそれについてサザーランドに対しまして、サザーランド・ペーパーと同じものだなというぐらいの確認はしているのでしょうね、外務大臣。そのドゥニ・ペーパーにオーケーすればサザーランドはオーケーで、サザーランドからまた別々なオファーが出てくるということはないのですね。このぐらいのことは確認なさっておるのでございましょうね。
#113
○羽田国務大臣 そういう性格のものであろうと思います。(発言する者あり)いえいえ、私どもがこのドゥニ案というものについて、この方向について納得をしないということであったら、これは当然サザーランドさんのぺーパーというものは違ってくるということですけれども、実際にそこでペーパーがもうつくられないような状態になってしまうであろうというふうに思っております。
#114
○佐藤(剛)委員 重要なる時期における日本国の外務大臣の発言としてははっきりしないのですが、要するに私が申し上げたいことは、そのサザーランド・ペーパーというのがあれば本当は見せていただきたいのですが、提出を求めたいのですけれども、恐らくそこまではいっていないのだろうと思っております。
 というのは、私はガットの場をよく知っているのです。ジュネーブのガットの本部にはクリーンルームというのがあるのですのそこのところに事務局長が座って、各国のヘッド・オブ・デレゲレーションを呼んで、それで仕上げの英作文をやるのです。もう英作文をやっている段階でしょう。そういう段階ですから、私はサザーランドもオーソライズした上でのペーパーであろうと思います。そうじゃないですか外務大臣。今頭を下げられましたからそのように申し上げるのですが、そういうことではございませんか。
 ですから、ドゥニ議長ペーパーについて日本がアクセプトしたら、サザーランドから別のオファーが追加されてくるというようなことはないですね。
#115
○羽田国務大臣 それはないというふうに心得ます。
#116
○佐藤(剛)委員 それはつまり同じだということでございますね。
 そして、それをやるのは、手続としては、閣僚会議というのが開かれないのですから、恐らくTNC、すなわちトレード・ネゴシエーション・コミッティーというのですが、ガットの中における今の閣僚会議の下にある、国会で言うなれば、予算委員会みたいなものですけれども、そういうところでの会議が開かれて、各政府代表が集まって、そこで恐らく日本代表もアクセプトするかしないか、それが十二月十五日、私も十四日か十五日かわかりませんが、その時点で開かれて返事をするんじゃないんですか。その日程をまず一つお尋ねします。十二月中におけるTNCが最後の場じゃないですか。外務大臣にお伺いしたい。政府委員はいいです。もうここは事が重要なことだから。
#117
○羽田国務大臣 よくガットの事情に通暁されている佐藤さんのお話、私はそのとおりであろうと思っております。
#118
○佐藤(剛)委員 ということになりますと、TNCという場において、そこの場では議長の横にはサザーランド事務局長がおるわけでございます。それで各EC代表、アメリカ代表は皆手を挙げてやるわけです。日本代表も挙手するわけです。アクセプトするか否かということになるわけです。そうすると、先ほども言いましたドゥニ・ペーパーを仮に受ければそれがサザーランド・ペーパーになって、その農業関係以外のすべてのこのぐらい厚い文書が、MTOが決まればガットの条約改正になって、全体の問題についてそれぞれの国の代表が、世界の将来のためにこれは喜ばしい話だとかいろいろなことを言うわけであります。しかし、そういう手続を経て、それから次の段階というのは何かといいますと、来年の四月じゃないですか。一昨日言いましたが、閣僚会議を開くのでしょう。閣僚会議を開きますね、まずそこを御確認したいんですが。
#119
○羽田国務大臣 おっしゃるとおりであります。
#120
○佐藤(剛)委員 その来年四月に閣僚会議が開かれて、そこでサインをするのでございましょう。
#121
○羽田国務大臣 そのようになると思います。
#122
○佐藤(剛)委員 そのときには外務大臣か農林大臣が日本国政府の総代表として出かけてサインをするはずであります。そしてそのときには、私は、恐らく政府の批准を、政府の承認を求めてという、英語で言いますと、サフジェクト・ツー・ジ・アブルーバル・オブ・ザ・ガバメントというのですが、そういうふうな文章を条件にしてサインをされると思うのですが、外務大臣、よろしいですか。
#123
○小倉政府委員 はい、そのように理解しております。
#124
○佐藤(剛)委員 そうしますと、十二月十五日にTNCにおいて、そして日本はもうもはやアクセプトする以外の方法はないのでしょう、全部カードを切っちゃったんだから。カードを切ってなければ農林大臣は今ごろ行っているはずだ、陣頭指揮で、白装束で黒ネクタイ締めて。日本の農民がかわいそうじゃないですか。だれも行ってないじゃないですか。こんな交渉がありますか 一体。今回のはまさしく不平等条約がです。私は、日本の幕末のあの不平等条約の改正のために、租税の不平等を改正するために明治時代何十年かかったのですか。農民が泣きますよ。先ほど保利委員が言われましたが、米以外のものについても、小麦を初め、大麦を初め、でん粉を初め、福島のコンニャクイモを初めみんな自由化されて、そして酪農業は半分つぶれちゃう。そういう厳しい状況の中のことで、それほど事は重大です。
 そして、次は内閣法制局長官。この十二月十五日にTNCの一応合意文書ができましたら、これを日本語に直すはずであります。英語とフランス語を使うはずであります。それで、閣僚会議の四月のころまでに日本の邦訳をやるはずだと思うのです。内閣法制局長官、確認を求めます。
#125
○大出政府委員 現在、具体的な手続がどういうふうに進んでいるのかということについては、私ども承知をいたしておりませんので、ちょっと仮定のことでございますが、国会の承認を求める条約という形のものにつきましては、これは、当然のことながら、外務省の方で翻訳をしていただきまして、そして、それをもとにして法制局の方で審査も行うということになるわけであります。
#126
○佐藤(剛)委員 はっきりわかりませんでしたが、要するにTNCでまとまった案文のマルポツについて、そしてそれを、MTOならMTOについての条約改正を、法律案の整理みたいなものを内閣法制局と外務省との間において行われる、このように理解してよろしいですね。そうでございますね。
 そこで、農業テキストと言われているのですが、この農業テキストというものが、ドゥニ・ペーパーでも何でもいいですが、かなり固まった段階で、まだ十五日まであるわけですから、そのペーパーをこの予算委員会に提出していただきたい。外務大臣にこれを要求いたします。どういう英語の文章かわからない。
 次に、私は農林大臣に質問申し上げます。
 例外、例外と農林大臣は言っておるが、私が得ている英語は、英語ですよ、随分いろいろ調べているのだけれども、そういう表現はない。この英字新聞はグレースピリオドとなっている。グレースピリオドというのは据置期間なのです。据置期間というのは、一千万トンの米を、例えば金額で言えば一千万円日本が金借りた、そして据置期間を六年間とする。そして、第一年目というのは、据置期間中なのだけれども、四十万円とりあえず返してください、そして六年目には八十万円とします、その後については、つまり、まあ七年目以降は一年に幾ら返すかというのを相談して決めましょう。据置期間中にとにかく交渉しましょう。全体としてはあくまでも例外なき関税化というのが貫徹されたというのが私が得ているアメリカの情報であり、ヨーロッパの情報であり、スイスの情報なのです。
 農林省も官房長官も例外とった、例外とったと言っているが、何が例外という、エクセプションという言葉が出ているのですか、それがあったら教えてください。出してください。ないですよ。グレースピリオドか、私が聞いているのはモラトリアム。モラトリアムというのは、御存じだろうと思いますけれども、金融の場合に、金を返すというときに、恐慌とかなんとかいったときに金返すのを待つよ、これを猶予と訳すのが適当なのかどうかわからないですが、言いう言葉を使います。しかし、今ガットの中においての文書はこうなっているはずですよ。
 ポリシー・カバレッジというのは対象ですね、政策の対象、オブ・タリフィケーション、関税化ですね、関税化の政策対象は、シャル・インクルーズ、含みますという意味で、オール、オールですよ、すべて、オール・ボーダー・メジャーズ、ボーダー・メジャーズというのは国境を越えでいるすべての措置、例えば輸入数量であれ政府間のステートトレーディングであれ小麦であれ河であれみんな関税化とする。こういうことになっていて、その原則が貫徹されている。ただ、そこにちょこんと何か恐らくマルポツがついて、三つの条件を満たすものについてはそのいわば据置期間を置いていい、グレースピリオドのシックスイヤーズを置く。あるいは韓国の場合、これから交渉でどういう表現をするのか、六年に変込まれるのか十年になるのか、今ねじり倒されているわけですから。私は、この問も言ったのですが、韓国と一緒になって、日韓が連携して救ってやるぐらいの、そのくらいの連携プレーをやってやりなさい、韓国が悲鳴を上げているじゃないですかと私は申し上げた。
 しかし、それはさておき、そういうふうなことになっているのが私の理解であります。つまり、例外なき関税化ということについての国会決議は受け入れられてない、そこが重要なのですよ。農林大臣、しっかりと答えてください。あなたは例外、例外とおっしゃっている。官房長官も例外とったとおっしゃっている。どこに例外という言葉があるのですか。あったら見せてください。
#127
○畑国務大臣 ただいま御質問いただいた関税化、より砕いた言葉で申し上げさせていただければ、六年間は関税化はしません、そしてその関税化の、私の立場のような者から言わせていただきますと、その関税部門において七年目になるといわばあぶり出しのように関税化が出てくる、そういう仕組みにはなっていない、かように私は受けとめさせていただいております。
#128
○佐藤(剛)委員 そんなことないのですよ。据置期間というのは、グレースピリオドというのは、次に金を返さなければいかぬのですよ、金借りているので。一千万トンの米を、アメリカは日本に輸出しようとしているわけだから。ミニマムアクセスというのは、六年目の八十万トンというのは、恐らく私は、七年目ごろになると、八十万トンというのを最低線にして、それを下回る量は関税をゼロにして、タリフクォータみたいな形で、それを超える量には第二次税率をかける、輸入量と関税化の両方併存。その八十万トンのミニマムアクセスがタリフクォータの枠となる。タリフクォータ御存じですか、農林大臣、タリフクォータというシステムを。そういうふうなことになるんじゃないですか。タリフクォータ自身が上がっていって、八十万トンが百万トンになって、その部分までは関税をゼロにして、すなわち第一次税率ゼロにして、それを超える量には第二次税率。これが七〇〇%になるか八〇〇%になるか、これは交渉次第だけれども、両方を併存する、それが通常のガットの我々の、まあ我々をプロと言っちゃいかぬけれども、そういうふうな者の常識なんだ。そういうふうなことではございませんか。
 ですから、私、もう一回続けて申しますが、例外をとったんですか、とったんですか、とったら教えてくださいというんだ。一番重要なことなんだ。
#129
○畑国務大臣 ミニマムアクセス分野の話は、これはある意味では横に置かさしていただきます。
 そして、いわゆる六年間の関税化はしないという分野につきましては、これはやはり例外なき関税化というものを阻止し得た、こう理解いたしております。
#130
○佐藤(剛)委員 全くよくわからない。私が申し上げているのは、アメリカもヨーロッパもガット事務局も、日本はカバレージ・ポリシー・オブ・タリフィケーションでオールメジャーズの中に含んだんだと。単に六年間は助走距離なんだと。包括関税化と課そうとどう訳しても構いませんが、例外なき関税化を貫いたと共通して言っている。そう理解しているんです。
 それから、今度は官房長官にお聞きしたいのです。官房長官、あなたは例外をとったとおっしゃっておる。しかし、どこに根拠があってその例外があるんですか。外交文書がジュネーブから来たのですか。ジュネーブの遠藤大使からの電報が来ていて、それをおっしゃっているんですか。ペーパーがあるんですか。ノンペーパーなんですか。口頭で言ったんですか。天から降ってきた紙を言っているんですか。ヘブンリーペーパーなのかどうかはっきりしてください。
#131
○武村国務大臣 きのう発表いたしましたぺーバーは天から降ってきたものではありません。申し上げておりますとおり、ドゥニさんの調整案の骨子として出先の代表に提示があったものでございます。
 これは、既にお読みいただいたように、関税化の、確かに例外という言葉はありません、特例措置という表現でありまして、このことがわざわざ括弧をされまして、「(六年間関税化を実施しないことが出来る)」と明確に書いているわけですから、少なくとも六年間は例外なき関税化を農林大臣がおっしゃるように阻止することができたのは事実でありますし、七年目のことでありますが、「2 上記特例措置を七年目以降も継続するか否かについては、実施期間終了一年前のレビューにおいて交渉される。」こういうことでございますから、佐藤さんの専門的な知識はわかりませんが、私が素直に読む限りではそうではないというふうに思っております。
#132
○佐藤(剛)委員 私も、時間がないですから、その点の問題については、ここのところは重要な問題ですからちゃんとテークノートしていただきたい。
 それから、その問題は重要ですから、きちんと英語の文書があったらそれを至急提出していただきたいと要求します。それだけは申し上げます。単に口頭だけで、口で、耳でささやいたとかなんとかじゃどうしようもない。
 それから、次に、そのときの条件の一つで一番気になっているのは、米の問題はサブシディーはないのです。ないからいい。それから、輸入というものも一時はあったけれども、年度で三%だから、それも入っちゃう。しかし、あと一つの条件として、生産がレギュレートしている、つまり減反を条件としている心配がある。減反をやめたら、そもそも私は、減反をやっていてミニマムアクセスを認めるということは理論的に矛盾しているし、農民をばかにしている話だと思いますが、この協定の施行というのはまず一九九五年一月でしょう。そうしますと、その減反についても国際的な拘束を受けるんですか、減反をし続ける約束を国際的にしたんですか、農林大臣。
#133
○畑国務大臣 減反という政策そのものは継続をされる、こういう理解でございます。
#134
○佐藤(剛)委員 重大なる発言がありました。
 私は恐らくそういう答弁が来るんじゃないかと思っていた。間違いなく約束しているんですよ。水田を減らすから勘弁してくれと約束したのでしょう。減反をし続けるからミニマムアクセスを下さい、冗談じゃないですよ。そもそも減反をして部分自由化するなんというのは本末転倒です。余っていれば備蓄をすればいいんですよ。もみで備蓄すればいい。もみで二百万トン備蓄すればいいんです。石油だって百四十日間の備蓄しているんですよ。そうでしょう。そういうことを国際的に、結局、米を特別待遇してくださいと頼む、頭を下げてお願いしますよと頼み込んだ、恐らくお願いして頼んだのでしょう。外交交渉がなっていない。減反政策の維持を国際的に約束しているんじゃないですか。農林大臣、それから外務大臣、それから内閣総理大臣、御三者にお答えいただきたい。
#135
○畑国務大臣 今回のドゥ三調停案の骨子の中にもそういうことが書き込まれておる。そしてまた、我が国におきましては、いわゆる潜在的な生産過剰というものを踏まえた政策としての展開が引き続き行われる、こういうことであります。
#136
○佐藤(剛)委員 外務大臣。
#137
○羽田国務大臣 これはまさに減反政策というものが付与されているということが、失礼、生産制限がとられているということ、これが一つの条件になっておることは事実であります。
#138
○細川内閣総理大臣 今両大臣から申し上げたとおりでございます。
#139
○佐藤(剛)委員 それでは逆の質問をします。
 減反をやめよということになって、減反をやめた瞬間には関税化にいくんですか。
#140
○畑国務大臣 現在の調停案の対象は六カ年、かような認識をいたしております。
#141
○佐藤(剛)委員 答弁されておりませんので、もう一回確認します。
 減反について、減反をやめたらば、減反をやめたらですよ、やめるという政策を出したらですよ、これは重大なことです。これからそういう政策をとるべきだと私は思う。そうしたときに、そのときには関税化がすぐに、トタですぐに施行されることになっちゃうんじゃないですかという懸念を私は表明している。
#142
○畑国務大臣 一つの話としまして、一つ想定されるという意味合いの要素も御指摘であろうかというふうに考えますが、六年間の中においていわゆる減反政策を取りゃめた場合は、それが問題になることは間違いない、こう思っております。
#143
○佐藤(剛)委員 私の持ち時間がなくなりましたのでこれで終わりますけれども、この減反の問題は極めて重大な問題であり、国際的な問題であり、どういう言葉で出ているのか、レギュレートという言葉を使っているようですけれども、ひとつ資料要求を、委員長、私は要求申し上げます。
 それで、ジュネーブにおいての交渉でペーパーが出たら、少なくとも確定版、もう日本はアクセプトしているんだから、もう日本は外交発言権もなくなっちゃっているわけだから、フランスのようにひっくり返ったり、ああいう発言権の立派なことをやっていないんだから、そのようなことだったら、ペーパーぐらい少なくとも当予算委員会に速やかに提出することを委員長にお願いし、最後に私はこう締めくくらせていただきます。
 商業捕鯨条約のときに商業捕鯨禁止の中で適用除外されているのにエスキモーの鯨があったんです。なぜエスキモーの鯨が適用除外になったか。これは、エスキモーにとって鯨のたんぱく質は生存に不可欠だからなのです。あのたんぱく質がないとエスキモーは種として死んじゃうからです。日本においても、私は、日本の米はエスキモーにおける鯨のごとく、米は日本におけるそういうものだということを強調しまして、終わりにいたします。
 ありがとうございました。
#144
○山口委員長 資料要求の問題につきましては、理事会において相談をさせていただきます。
 これにて保利君、佐藤君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
#145
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。細川内閣総理大臣。
#146
○細川内閣総理大臣 私の佐川からの借入金の件に関しましては、古い話で私自身の記憶もあいまいになっております上に、知事時代までの事務所の担当職員も既に退職をしておりますし、手元にはほとんど資料も残っていないというのが実情でございます。はっきりしなくなっている点も多くて大変申しわけなく思いますが、当委員会の御審議に御迷惑をおかけしたことをまずもっておわびを申し上げます。
#147
○山口委員長 質疑を続行いたします。柳沢伯夫君。
#148
○柳沢委員 私の一昨日の細川総理に対します質疑につきまして、ただいま細川総理から御発言がございましたし、また、理事会の方には総理の方から資料の提出もいただいたようでございます。ようでございますというのは、実はその検討等につきましては、大変恐縮なんですけれども、この問題の最初の取り上げをいたした白川先生にお任せをいたしておるということで、私は、白川先生にこれ以後のことをバトンタッチさせていただきたいということでございますが、ただ二点だけ、実は先般の細川総理に対します御質疑の中で、私自身がちょっと間違ったことを言っている点もございますものですから、その修正というような意味合いもございまして、二つの点だけちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 一つは、湯河原のお宅の、お宅と申しますか別荘の貸借関係でございますけれども、総理にお尋ねしまして、賃借料は月額お幾らぐらいでしょうかという御質疑をいたしまして、総理から十万円という御答弁がございました。私はそのとき自分の手元にありました資料のみから判断しまして、十七坪の家であるからそのぐらいですねなんというような勝手な推測をした発言をいたしたのでございますが、その後資料をいただきましたところ、これはそうではなくて、実は宅地が百八十坪、そして山林が四百二十坪、こういう土地の上に三十二坪の居宅が建っておる、それにはまた温泉もついておる、こういうことが事実関係であったようでございます。そういうことになりますと、やはり総理にこれでも十万円ですかとちょっと聞いておかないとやはり符合いたしませんので、私が勝手に推測して言った発言とはちょっと違いましたので、この点、確認をさせていただきたいと思います。
#149
○細川内閣総理大臣 とにかく大変古い家でございまして、確かに温泉などはついておりますが、雨漏りはするし、大分ひどい状況でございましたので、そういう価格で賃借関係を結んだということでございます。
#150
○柳沢委員 もう一点、大変恐縮ですが、私の質問に対して、私が、荻窪のおばあ様からの相続財産を売却した代金を運用されているという御趣旨の前の答弁に即しまして、その運用ぶりについてお尋ねいたしましたところ、株などで運用しておる、こういう株式投資のことの御答弁があったわけでございます。これはまあ参議院議員時代、総理が参議院に在籍されておられた当時の資産の運用ということなのでございますけれども、こういうことをお聞きいたしましたので、ここで追加をさせていただいて、総理はこういう株式の運用、資産の運用の形態として株式をおとりになるということは割に普通のことなんだろうか。その関連で、知事さんに御在任のときにはこの株式投資の方は継続されておやりになっておられたかこれが第一点。
 それから第二点は、その後総理は参議院議員として復活をされたわけでありますが、参議院議員への復職と申しますか参議院に復帰された後の期間はいかがであったか。この二点。
 つまり、参議院議員時代にはこの株式運用ということがあったと、株式に資産を運用するということがあったという御答弁でございましたので、引き続いてそれに関連して、知事時代のことと参議院に復帰された後のことについて、まあこれ、政治家と株式の問題というのはなかなかその後厳しい問題になっておりますので、つけ加えて御答弁をお願い申し上げます。
#151
○細川内閣総理大臣 株式の運用につきましては、参議院の当時から、また知事になりましてからも、その後も何がしかの株は運用しておりました。
#152
○柳沢委員 ありがとうございました。
 私の質疑はこれで終わりまして、あと白川先生にお譲りさせていただきます。
#153
○山口委員長 この際、白川勝彦君から関連質疑の申し出があります。柳沢君の持ち時間の範囲内でこれを許します。白川勝彦君。
#154
○白川委員 自由民主党の白川勝彦でございます。
 時間がございませんので、本論にすぐ入らせていただきますが、総理、あなたが私あるいは萩山委員、柳沢委員の質問に対して答えられたこと、それから昨日理事会に出された「借入金返済一覧」と題する書面並びに本日、これは題名はございませんが、答弁書を出されておりますが、これを、いろいろ書いてありますけれども、法律的に大切なことを要約すると、要するに次のようなことになるんだと思うわけでございます。
 すなわち、細川護煕は昭和五十七年九月、佐川清氏を介し東京佐川急便から一億円を借りた、もらったのではなくて借りた、要するにこういうことになると思うんでございますが、間違いございませんか。
#155
○細川内閣総理大臣 全くそのとおりでございます。
#156
○白川委員 それから、ほかにもいろいろございますが、この借入金は、昭和五十八年十二月から、おおむね毎年十二月、元金一千万円ずつと残金に係る利息を払った、そして最終的に支払いを終えたのは平成三年一月三十一日である、ただし、初回、すなわち昭和五十八年は二千万円であった、大筋においてこのようにお答えになっておられますが、この点はこれで間違いございませんでしょうか。
#157
○細川内閣総理大臣 古い話で記憶も定かでございませんので大変申しわけございませんが、いろいろな当時の事務所の職員、この人たちもやめてしまったりしておりますのでますますはっきりしないわけでございますが、いろいろな記憶をつなぎ合わせてみますと、大体今おっしゃったようなことであろうと思っております。
 毎年、大体今お話があったような形で残金に係る利息を支払って、最終的には今おっしゃったような期日に完済をしたものというふうに記憶をいたしております。
#158
○白川委員 それから、この一億円の借入の必要性、用途ということに関しては二つある。
 一つは、答弁書に書いてある言葉をそのまま引用いたしますと、「知事になって、」当時は実はなってなかったんですが、いずれなる、「知事になって、東京に住む家がなくて、小さなアパートでも一つ持っていないと不便であるということで、その資金に充てる」必要があったということが一点。
 もう一つは、熊本市にある自宅が、土塀、山門、家屋等が修復の必要があったので、その修復費用が必要であった。大体それに大ざっぱ一億円ぐらい借りる必要があって借りた。
 こういうことで、あとの金の前後は書いてあるとおりで結構なんですが、大体一億円という金を借りる必要があったというのはこの二つの用途であった、こう書いておりますが、これも間違いございませんか。
    〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕
#159
○細川内閣総理大臣 この理事会の方に出しました要旨のとおりでございます。
 必ずその二つに限定をされていたかどうかということは、これも記憶が定かでございませんが、多分そういうことであろうというふうに思います。
#160
○白川委員 それでは、まず使途に関することでお聞きしたいと思うんでございますが、あなたは昭和五十八年二月、見事に熊本県知事選に当選されて、知事になったわけでございますが、もともとこのアパートは、宿舎を出て住まいがなくなる、東京に出てきたときに泊まろう、こういうことで御用意をされたということでございますが、そのように使われたんでしょうか。
#161
○細川内閣総理大臣 そういうことでございます。
#162
○白川委員 そこで、そういうふうにお聞きしたんですが、調べてみたんですが、こういうようなうわさというか事実があるのですよね。あなたが知事に当選されたのは昭和五十八年二月である。ところが、このマンションは、昭和五十九年の三月十三日から平成元年一月三十一日まで約四年間、まさにあなたが知事をやっていたころでございますが、赤沢裕子さんという人にもう既に賃貸しておるわけでございます。賃貸しているわけでございますが、そうすると、上京したときに泊まるという、あなたが今おっしゃったことが、知事になった翌年のもう三月にはこのことの目的のためには使っておられないわけでございますが、そう理解してよろしいのですか。
#163
○細川内閣総理大臣 その間に賃貸をしていたこともございます。おっしゃるとおりでございます。
#164
○白川委員 その間と申しますのは、ただし、知事になられて一年後にはもう第三者に貸しておったということでございまして、この赤沢裕子さんという人は、実は芸名は浅野ゆう子さんとおっしゃる高名な女優なんでございますが、そういうことで、あなたの主たる目的は自分の私用に供するために買ったのだということですが、実際は賃貸マンションとして利用するということになってしまうのですが、この点はこれでよろしいのですか。
#165
○細川内閣総理大臣 初めから、目的は、恐らくもう少し頻繁に知事をやっている間も上京をしてくる機会があるであろうということを思っておりましたが、実際には何かとホテルの方が便利なものでございますから、その間、それでは運用に回そうということで、私は、だれに貸されたのか、その辺は存じませんが、不動産の会社を通じまして、これも私の事務所の方でその賃貸の関係はやっておりますので、私も詳しくは存じませんが、そのようなうわさは聞いております。
#166
○白川委員 まあそう承っておきましょう。
 さてそこで、時間がございませんので、端的にちょっとまとめてお聞きしますので、大事なことでございますから、記憶にある範囲で結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
 五十七年の九月、一億円を借りられたわけですが、それはキャッシュで借りたのでしょうか、それとも小切手とかあるいは銀行振り込みをしてもらったかということが第一点。ちょっとメモした方がいいですよ。
 それから、もしキャッシュでもらったのならば、だれから直接手渡されましたか。まずこの辺にしましょう。
#167
○細川内閣総理大臣 私自身は全くタッチしておりませんので、まあ当然のことでございますが、そういうことはすべて私の事務所の方でやっておりますものですから、それがどういう形であったかということはちょっと定かではございません。
#168
○白川委員 そうですか。あなたが直接この貸借をしたというのじゃなくて、事務所の者があなたのかわりにやった、代理人としてやったというのならば、非常に大事なことでございますので、一億円をあなたのかわりに受領するとか諸手続をするということでございますので、その方のお名前、このことを任せた職員の名前は教えていただかないと困ります。
#169
○細川内閣総理大臣 事務所にも数名その当時でもおりましたし、だれがそれを担当しておりましたか、その辺は定かではございませんが、お尋ねでございますから、よくそれは後ほど調べてみます。
#170
○白川委員 まあいいでしょう。そう承っておきます。
 さて、支払いの方法についてお聞きいたします。
 これはあなたの記憶に基づいてお答えいただければいいのでございます。どうしても忘れたということは忘れたと言っていただいて結構なのでございます。ただし、もう今まで私どももいろいろ聞きましたが、別に無理して、答えられないはずがないだろうなどと詰問したつもりはございません。記憶に基づいてお話をしてくださいと言ったことに対してあなたはいろいろお答えになったのですが、どうもそれが二転、三転しているようなので、以下のことはどうか記憶に基づいて正直にお答えをいただきたいと思います。そして、後であれば勘違いだったというようなおそれがある問題は、そのようにちゃんと留保をしていていただきたいと思うのです。
 まず最初に、二千八百万円ぐらいになるのですね、最初の五十八年の十二月の暮れごろ返したというのは二千万円とあなたはおっしゃっています。当時の金利を調べましたら大体八%強なのです。そういたしますと、最初に返したお金は二千八百万円ぐらいになるのですが、この返済、最初でございますので具体的にお聞きいたします。だれが返したのでしょうか。あなた御自身かそれとも今話したように事務所の者がかわりに返したのでしょうか。
#171
○細川内閣総理大臣 それは、先ほど申し上げましたように、事務所の者が返済をいたしました。
#172
○白川委員 そうすると、どこでだれに対して直接返したというようなことは、あなた自身が直接経験されてないからわからない、こういうことでございますか。
#173
○細川内閣総理大臣 そういうことでございます。大変申しわけございませんが、わかりません。
#174
○白川委員 そうすると、あなたは一度もあれですか、大体十回前後にわたって分割して返した、元金プラス金利を十回ぐらいにわたっていろいろ返した、こう述べておられるわけですが、それらはいずれも全部事務所の者が代行して、あなた御自身は直接だれかに持参した、こういうことはないということでしょうか。
#175
○細川内閣総理大臣 そのとおりでございます。
#176
○白川委員 そうすると、どうしてもお聞きしなければならぬことがあるわけでございます。
 これは、あなたが返した場合でも当然なのでございますが、ましてや、幾ら信用している者とはいえ、あなたの事務所の人がこの事務に当たられたということになると、当然のことながら、それぞれの返済のときに領収書を相手側からもらってきていなければおかしいと思うわけでございます。この領収書はもらっていたのでしょうか、どうでしょうか。
#177
○細川内閣総理大臣 当然そういうことであったろうと思いますが、先般来探しておりますが、その書類は見当たりません。
#178
○白川委員 大事なことなので、もらっていたということなのでしょうか、それとももらっていないということなのでしょうか。そこだけもう一度、あなたも確認したと思うので、そこは、もらっていたとおっしゃったのですかその事務員の方は。あるいはもらってなかったと言ったのでしょうか。そこだけもう一回確認します。
#179
○細川内閣総理大臣 そこまで細かく私までは報告がございませんから、聞いておりません。
#180
○白川委員 これはちょっと答えにならないのですよね。一番大事なことなんです。私は、借りたことよりも、返したと言う以上、普通、返したら当然領収書をもらうわけでございますが、それをもらっていたか、もらっていないか。こうやってあなたがこれだけの事実関係を調査して書類を出すときに、そのことを確認をしなかったというのはちょっと理解できないのです。
 もう一回重ねてお伺いいたします。領収書は本当にもらわなかったのですか、あるいはもらっていたのですか。
#181
○細川内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、こういう問題でございますから、それはあったに違いない、そう思っておりますしかし、大変申しわけございませんが、その後書類が紛失をして、ない、こう申し上げているわけでございます。
#182
○白川委員 それでは、もらっていたという前提で、以下の点をお尋ねいたします。
 あなたは、この書類がなくなった、古いものだからなくなったと言いますが、湯河原の土地の根抵当権を抹消したのはいつかこれはもう登記簿上明らかなんですよね。平成五年の三月十二日、ことしの三月に抹消しているんです。この弁済をしたという証拠は、最終的にはこの根抵当権を抹消するまではどうしてもあなたが、あるいはあなたの事務所が保存しておかなければならぬ大事な書類なんです。それがなかったら、万一向こうが抹消してくれないという場合は抹消できなくなるんですから。ですから、少なくてもことしの三月まではその領収書があるというのは当たり前なことなんです。それが何分にも古いことだから見当たりませんでしたというのは世間常識的には考えられないのでございますが、それでもあなたはそうお答えになるのですか。
#183
○細川内閣総理大臣 その領収書は見当たらないという返事を聞いております。
#184
○白川委員 ことしの三月、総理になられることをその当時予感されていたかどうかわかりませんが、少なくても日本新党という党を率いる党首であり、そしてそう遠くないうちに衆議院選挙がある、わかっていたわけでございます。そして、佐川清さんあるいは佐川グループからの借入金というのは政治倫理に大変関係する大事なテーマでございます。
 このことを意識して、ことしの三月まではとっておかなければならぬ書類、そして、抹消したら本当はもう要らないんですが、しかし、これは身の潔白を証明するために極めて大事な書類である、これは当然政治家として思うのは当たり前だと思うのでございます。それがないというのは、これは政治家としても考えられないのでございますが、重ねて、まだそれでもないとおっしゃるのでしょうか。
#185
○細川内閣総理大臣 事務所の方で一生懸命探してみましたが、とにかくきょうまでのところは見当たらないということでございますので、そのように申し上げているわけでございます。
#186
○白川委員 これは、お聞き取りのとおり、常識的には考えられないことでございます。それでも総理がそういうふうにおっしゃるとしたならば、私は、これは総理側にないとしたならば、しかし、もう一つ物証はあるわけでございます。それは、私がこの前委員長にお願いをしていた東京佐川急便側の帳簿を見れば、入金の事実があったかどうかというのはわかるわけでございます。総理はないと、もう探して。今ないものが後で出てくるということはないでしょう。
 そうすると、これだけ大事な問題でございますから、どうしてもこの点は、これだけ疑惑があるわけでございますから、委員会においてお取り計らいをいただいて、総理自身の身の潔白を証明するためにも、私は、この帳簿を取り寄せて、実際に総理がおっしゃったような入金があった、このことを立証してもらわなければいけないと思うわけでございます。これはこの予算委員会の義務だと思いますので、どうか委員長において、この点はできるだけ早いうちに出していただきたいとお願いを申し上げますが、いかがでしょうか。
#187
○後藤委員長代理 理事会に諮らしていただきます。
#188
○白川委員 それは、理事会に諮らせていただきますというのはこの前言ったことでございます。期限を付して、いつごろまでにこの問題は結論を出すというふうにしてもらわないと、これ以上の質問はできません。(発言する者あり)
#189
○後藤委員長代理 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#190
○後藤委員長代理 速記を起こして。
 このままで暫時休憩いたします。
    午後一時三十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五十二分開議
#191
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。白川勝彦君。
#192
○白川委員 理事会の経過はおおむねお聞きいたしましたが、残り時間四分でございますので、それを繰り返しませんで、どうしてもこの際さらにお伺いしておかなきゃならぬことをお伺いいたします。
 一億円の貸借、しかも政治向きの話ではなくて、細川さん個人に関することを代行させた職員ということですから、これは下っ端の人ではなくて信頼できる方だと思うわけでございます。また、そんなに複数人ではないと思いますので、その事務職員の方のお名前だけはひとつここでお答えをいただかないと、あなたのおっしゃったことは全部うそだと思われてもしょうがないと思いますので、お願いいたします。
#193
○細川内閣総理大臣 数年の間に何人がかわっておりますので、だれがそのときに担当しておりましたか、それは確認をいたします。
#194
○白川委員 それでは、最初にこのことの処理を命令した人はどなただったんですか。そこをお聞きしなくちゃならない。
#195
○細川内閣総理大臣 ちょっとそれは記憶は定かでございません。確認をして御返事をいたします。
#196
○白川委員 じゃ、そういうふうに承っておきます。
 いずれにいたしましても、この二十数分という中で、私は、返したということに関する基本的なことをお伺いいたしました。そして、世間常識的には、それらの書類がなければ返してないと言われても仕方がないことに属することでございます。しかも、借りたのは十年前と言いますけれども、一番大切な時価五億円と言われている湯河原の根抵当権を解除するまではどうしてもこれらの書類は必要な書類でございます、契約書、領収書を含めて。これを持っていないというのは、これまた常識的には考えられません。
 したがって、ことしの三月まではあったと当然推定してもいいわけでございますが、それがないということは、常識的に言えばもともとこのようなものが存在しなかったのではないかという疑念を、私が持つだけではなくて、世間一般、常識的には持たれてもいたし方ないと思うわけでございます。この疑惑を晴らすのは、だれでもできない、総理、あなた御自身が努力をしてなすしかないわけでございます。
 こういう政治改革の真っただ中、私は本当ならこのままでは納得できないということでもっととめたいところでございますが、予算委員会の、あるいは補正予算を上げなきゃならぬという事情で一たんは引き下がりますけれども、私も引き続きさらにこの問題を考えますので、総理自身が一億円の佐川からの借入の問題についてきちんと疑惑がないように努力いたしますと、この点を改めてお尋ねをし、御答弁をお伺いしたいと思います。
#197
○細川内閣総理大臣 理事会に提出をさせていただきました資料におきましても、そのような疑惑が持たれないように詳細に説明をさせていただいているつもりでございます。
 平成三年の一月三十一日に根抵当権が解除になっている、こういうところを見ていただきましても、返済はきちんと行われているということについてぜひひとつ御理解をいただきたい、このように思っております。
#198
○白川委員 最後に、これは仮説でございますよ。仮説でございますが、もしこの一億円のお金が実際は返されていない、こうしたならば、しかも知事に就任する直前の借入金である、しかも返されなかった。ところが、佐川急便グループ全体は熊本県でいろいろな事業で知事にお世話になっております。かつ、佐川財団なる、これは知事の職務権限に絡む財団の設立というような問題もございます。
 こういたしますと、私がこの前の予算委員会で質問したとおり、知事の職務権限にかかわり、そういう疑惑があると言われてもいたし方ないといったぐいの問題でございまして、あなた一個人のプライベートな貸借という問題ではない極めて重要なこれは疑惑というかスキャンダルになるわけでございますので、今のようなお答えではなくて、ないと言っているのですが、それはどこかにあるはずでございます。どうかひとつ、草の根を分けてもという言葉がございますが、職員の力をすべて動員してこの点はひとつ明らかにしていただきたい、このことを私は要望いたしまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#199
○山口委員長 これにて柳沢君、白川君の質疑は終了いたしました。
 次に、衛藤征士郎君。
#200
○衛藤(征)委員 建設大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 長良川河口堰の件でありますが、この件につきましては、先般細川首相が十一月十日の参議院環境特別委員会で、工事は九五%進んでおり現実的対応を考えなければならない、水資源の確保のため自治体からは実現への声が強い、行政関係者に聞くと環境面の配慮もそれなりにやってきたと言い、引き続き建設を進めるのが現実的だ、こういうような答弁があるわけでありますが、本事業を推進する責任者である建設大臣は総理と同じ考えだろうと思いますが、この点について重ねて建設大臣の明確な答弁を求めます。
#201
○五十嵐国務大臣 長良川河口堰等の事業に関しましては、これは長い間大変多額の投資をいたしまして事業を継続しているわけで、閣議決定もいたしまして、その上に来年度の概算要求につきましても、既に建設省としてはこれを大蔵省にお願い申し上げているところであります。そういう政府の方針は変わらないわけでありまして、総理の御答弁はもちろんそういう上に立ってのお答えであろうというふうに思います。
 しかし、いろいろな意見のある問題であることはもう委員御承知のとおりでありますが、かねがね申し上げておるのでありますが、私としては、折を見て、できれば近々にでも現地に行きまして、各自治体の皆さんのお話を承ったりあるいは住民の意見をお伺いしたり、現地もよく自分の目で視察をしたい、こういう気持ちている次第でありますが、概算要求等の方針というものは変わりのないところであります。
#202
○衛藤(征)委員 建設大臣におかれましては、現地踏査等をしっかりやる、しかし、概算要求については変わりなく要求をすると、しかるに事業推進の責任者である建設大臣は、長良川河口堰問題については積極的に建設を進める、このように承ってよろしいですね。
#203
○五十嵐国務大臣 今申し上げたとおり、政府の方針は閣議決定の上に立って推進されているものであります。しかしこれだけの問題だから、やっぱり私としては一遍現地へ行ってよく確かめたい、こういう気持ちであるということを今申し上げたところであります。
#204
○衛藤(征)委員 私といたしましては、建設大臣の答弁が明快に、本事業については建設促進をするという答弁をしてもらいたいわけであります。
 こういう状況になりまして、細川内閣におきましては、いわゆる不透明といいますか不透明感、ファジーな面がありまして大変わかりにくい、こういう声があるわけであります。せっかく総理が、本事業の推進を九五%進捗しているがゆえにやるんだと言っておるわけでありますから、当該本事業の推進責任者である建設大臣がもっと明快に、長良川河口堰建設については行うということを答弁してくれませんか。もう一度。
#205
○五十嵐国務大臣 今申し上げたとおりでありますが、この機会でありますから、私は、関連して少し私の気持ちを申し上げてみたいと思うんです。
 非常に大きなプロジェクトで長期にわたって継続される事業というのは、これは一般論でありますが、長良川ということだけではないんでありますが、たくさんあろうと思うんであります。それらは二十年、三十年あるいはもっとかかるという中で、さまざまな社会的な変化というものもある、あるいはさまざまな価値観の変化というものもあるわけですね。そういう巨大なプロジェクトの長期にわたる継続に関しては、私は、その有効性というものを確認する上で、本当は何か一つその機関があったらいいな。何といいますか、それが行革審のようなものであるのか、あるいは行監のようなものであるのか、そういう点では私はまだイメージがはっきり出てきていないのでありますけれども、何かやはりそういうものが必要なんだなという感じは一つ持っているところであります。
 ただしかし、もちろん今そういうものがあるわけでないわけでありますから、私としては、やはり大きなプロジェクトの場合、こういう仕事を担当している者として、できるだけ自分としても自分の目で確認しながらそれを進めていくということが当然であろう、こういうぐあいに思っているわけであります。
#206
○衛藤(征)委員 これは政治マターではなく、既にこれは行政のマター、範疇に入っているわけですから、これを担当している責任者である建設大臣は迷うことなく全力を挙げる、こういう答弁をしませんと、何となく、細川内閣の主要閣僚でありまする建設大臣が今のような答弁でありますと大変ファジーでありまして、まずいんじゃないかなという感じがするわけですね。ですから、行政マターですからぴしっと、長良川河口堰の建設は積極的にゃるんだという責任者としての答弁をしてください。そうせぬと、今の答弁じゃまたあいまいになっちゃいますので、もう一度ぴしっと、やる、こういう答弁をやってください。お願いします。
#207
○五十嵐国務大臣 せっかくの重ねての御質問でありましたので、私のちょっと平素思っていることをさっき申し上げました。しかし、今申し上げましたことも、私は本当にみんなで考えていかなきゃだめなことだな、こういうぐあいに思っているところであります。
 長良川に関しましては、先ほども申しましたように、政府の方針というのは、閣議決定もあるわけでありますし、もちろん推進という方向で概算要求もしているわけでありますから、そういう方向で進めていくことになろうと、こういうことです。
#208
○衛藤(征)委員 結構であります。
 総理にお尋ねいたしますが、先週金曜日の予算委員会におきまして、田舎においては生産基盤の整備は生活環境の整備そのものであり、生産基盤の整備への投資を抑制していくということは大変困ると、こういうような萩山議員の質疑に対しまして、総理は、結論だけを申しますが、生活環境の整備は今までに地方により厚く投資がなされてきておって、このことは地方軽視ということにはならないという、こういう答弁をされたわけなんです。私はこれを聞いておりまして、かつて知事時代、また、日本新党の政策綱領からいたしましても、地方を重視する細川首相の政治姿勢、あるいは政治理念、信念、そういうものから少しこれは乖離しているんじゃないかなと、こういう感じがしたものですから、非常に大切なポイントじゃないかと思うんです。
 それで、総理のこの御答弁は、何を根拠にしてこういうような御答弁をされたのか。先般出されました財政審の中に書いてあるような、例えばAだ、Bだ、Cだとかいうランク分け、そういうものの判断があって、総理が我が党の萩山委員の質疑にこうした御答弁をされたものかどうか。今まで地方により厚く投資がされてきたんだ、だから地方軽視ではないという、このように断言したのですが、その根拠は何であったのか、お答えいただきたいと思います。
#209
○細川内閣総理大臣 公共事業の整備に当たりましては、生活者重視という視点に立った公共投資ということにつきましては、今までも都市だから厚くとか、地方だからどうとかということではなくて、十分その地方の置かれた今の状況というものを念頭に置いて、より厚く意識を持って対策が講じられてきた、こういう趣旨のことを申し上げたつもりでございます。
#210
○衛藤(征)委員 私は、自治省が作成しました「行政投資実績」を見ておるのでありますが、三大都市圏と地方圏を比較してみますと、例えば、一人当たりの生活基盤投資額は、地方圏は三大都市圏の約八割弱と、こういうような実績でありますし、また、全国に占める地方圏の生活基盤投資額を見ましても、昭和六十二年度の四八%から平成二年度は四五%と、むしろ低下傾向にあるわけなんですね。ですから、この事実をもってしても、私は、今まで地方により厚く投資がなされてきたということにはならないと思うんです。
 それから、財政審が出した答申の中にこういう文言があるんですね。御案内のとおり、「三類型の優先順位」云々という中で、A、B、Cと分けまして、最後にCの分野におきましては、「産業基盤整備については、これまでの投資実績や国民経済に占める比重の変化等を考慮すると、これからの我が国経済の成長のために必要な分野には適切な配慮をしながらも、全体としては、重点的かつ」これからです、「抑制気味に扱うべきである。」と書いてあるわけですね。今度は「抑制気味に扱うべきである。」という財政審の答申、わざわざ抑制ぎみに扱えと書いてあるのですが、その中には漁港、港湾、農業生産基盤あるいは沿岸漁場整備、工業用水、こういうものが含まれるわけなんですね。どうしても理解できませんが、こういった漁港にしろ港湾にしろ農業生産基盤にしろ、これをとにかく予算編成等において「抑制気味に扱うべきである。」というこの財政審の答申は行き過ぎではないかな。これは総理の気持ちにも沿わないものではないかな、私はこのように思うのです。
 過去の総理の発言をずっと見ましても、これを総理がそのまま「抑制気味に扱うべきである。」そうだと、こう受けとめられては困るわけでありまして、この辺のところを総理からもう一度言及していただきたい。お願い申し上げたいと思います。
#211
○細川内閣総理大臣 財政審の答申にかかわる問題につきましては大蔵大臣の方からお答えをいたしますが、その前に四全総の中でも、それぞれの地域が活力のある、個性のある地域づくりを進めていくための方策を講じていかなきゃならぬといった趣旨のことがうたわれておりますし、また、その方針に沿ってこれまでも国づくりというものが進められてきていることは御承知のとおりでございます。
 さっきのお尋ねにも関連をいたしますが、生活者重視ということは、これは都市であろうと農村であろうとを問わず重要な視点であると思っておりますし、そのような観点に立って公共投資というものもなされてきているし、また今後ともなされていかなければならないであろう、重点的にめり張りのきいた施策というものが講じられていく必要がある、このように考えている次第でございます。
#212
○衛藤(征)委員 最近、私どもが地方に帰りましてまず感じますことは、県庁に参りましても、あるいは地方の農村、山村、漁村に参りましても、総理が都市部を重点的にお考えになっておる政治を推し進めになるのじゃないか都市のインフラ整備を最重点に進められるのじゃないか。そのために、地方の社会資本整備がおくれる、とりわけ、農村、山村、漁村の生産基盤整備等がおくれてしまうんじゃないか。つまり、総理は、都市には、都市圏には温かいんだが地方には冷たいんじゃないかなというようなことを言う人が多いわけなんです。総理は大変心外だと思うんですよ。本当に心外だと思うんです、総理は。
 しかし、あれだけ熊本の知事時代に総理が地方分権を高らかにうたいとげられまして、先頭に立ってリーダーシップを発揮され、日本国じゅうをひっかき回してきた。そして、地方地方ということで業績を上げられてきた総理に対して地方の声が、これは大分県だけじゃなくて農村、山村、漁村関連の全国大会に参りましても総理に対する誤解があるわけです。誤解ですよ、これは。この誤解を解かないと大変まずいと私は思うんです。
 私は、参議院時代から総理をよく存じ上げている一人でありますが、これはまずいな、何としてでも誤解を解いてさしあげねばならぬな、こういう気持ちでいっぱいなんです。総理のこの御発言が何か曲解されまして、財政当局、大蔵省等に行きましても、いや、官邸の御発言が、総理の御発言が云々と、こう返ってきちゃうわけですね。だから我々下っ端は総理のお気持ちを体してやるんだと、予算傾斜配分を都市部にやるんだというニュアンスが伝わってくるものですから、これはますますいかぬ。
 本委員会で総理にこのことをお伝え申し上げまして、そして総理から、決して地方を軽視しておらない、米のミニマムアクセス受け入れ等々これから先の考え、視野に入れたときに、むしろ農業生産基盤等農村の生産基盤、こういったものには力を入れねばならぬのだ。あるいは、先ほど財政審で言われているところのCランクの漁港にしても港湾にしても、あるいは沿岸漁場整備にしてもさようでありまするが、こういうことについては力を入れるんだ、むしろそういうことに重点配分せねばならぬのだという、そういうことがにじみ出るような、明らかにやるんだということをここで御発言をしてもらわないと、どうしてもこの誤解が解けないような、私はそのような気持ちがするのです。総理、いかがですか。
#213
○細川内閣総理大臣 決して都市偏重の施策を考えているということでは全くございません。おっしゃいましたように、私も地方の経営に携わってきた者でございますし、衛藤委員のお地元と同じような地域の経済社会の状況というものは十分認識をしながら、地方分権を進めていくことの重要性ということを絶えず訴え続けてきたところでございまして、内需主導型の経済社会というものをつくっていくためには、どうしてもやはり多極分散型の国土に向けての施策というものを今後より積極的に進めていかなければだめだということを言い続けてまいりましたし、またこれからのさまざまな施策を打ち出していく中でも、そうしたことをよく念頭に置きまして考えてまいりたいというふうに思っております。
#214
○衛藤(征)委員 それでは総理の御答弁はこのように理解してよろしゅうございましょうか。総理の従前のお考えどおり、細川総理御自身もまた細川内閣も地方重視の視点はいささかも揺るぎない、こういうことでよろしいわけですね。御答弁をいただければありがたく思います。
#215
○細川内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、地方重視とか都市重視とかということではなくて、やはりあくまでも生活者重視ということなんだろうというふうに思います。都市にも地方にも生活者の方々がおられるわけでございますから、その生活者の方々のニーズというものはどちらもそれぞれに、多少その種類は違うだろうと思いますが、生活者重視という点におきましてはこれは変わらないわけでございましょうし、そういう意味で財政審の報告の中でも、今まで重点的に投資をされてきたものと、それから今まで多少おろそかにされてきたものと、その辺の均衡を考えながら、めり張りのきいた重点的な方策というものを打ち出していかなきゃならぬだろう、これが財政審の報告の御趣旨でございましょうから、その御趣旨を踏まえて、繰り返しになりますが、都市でも農村でも生活者重視ということをしっかり念頭に置いて考えてまいりたい、こういうことでございます。
#216
○衛藤(征)委員 よくわかりました。地方も都市もしっかりと重視をしながら多極分散型国土形成に努める、このように御答弁をされたと、これはくどいようでありまするが、地方もそして都市も従前どおり重点的にやるんだ、このように理解してよろしいですね。どうもありがとうございました。
 次に、補正予算の評価についてお尋ねをいたしますが、今次の補正予算の景気浮揚効果、これについて経企庁長官はどのような評価をされていらっしゃるでしょうか。
#217
○久保田国務大臣 このたびの九月十六日に策定いたしました分の景気浮揚効果としましては、まず第一に規制緩和による効果、それから次が円高差益還元による効果、そして生活関連それから住宅、こうした事業、中小リストラ、そうしたものを合わせまして、あえて試算しますとGNPの約一・三%を上げる、そして円高差益還元については、差益の約七割が一年をかけて還元されるであろう、そういう予測を持っております。
#218
○衛藤(征)委員 あえてという経企庁長官の御答弁ですが、GNPの浮揚効果は一・三%ぐらいというような試算でありますが、さて果たしてそれだけの浮揚効果が出るかどうか。
 御案内のとおり、景気は大変不透明感を増しておりますし、また経済の実勢は大変悪うございます。鉱工業生産指数も、十月を見ますと対前月比でマイナス五・一%、こういうようなことでありまして、この指数は景気とともに動く指数でもあるわけでありまして、それだけに実体経済は非常に悪い。また、御案内のとおりでありますが、それを反映するがごとく、株価につきましても極めて不健全な株価であるとあえて申し上げたいと思います。
 総理におかれましては、毎日の前場あるいは後場の株の終わり値を見るにつけて胸が痛むんじゃないかなと私は思うのでありますが、昨日の終わり値を見ますると一万六千九百三円、また本日午前の前場の終わり値は一万六千四百九十二円と、こういうようなことでありまして、この株価の指数をごらんいただきまして、総理の率直な気持ちはいかがでございましょう。この株価は、我が国経済の実勢を反映しておるものなのかそうでないのか。そうでないとすれば、一体どこに問題があって一万六千四百九十二円というような本日の午前の前場の指数が出てきておるのか。総理の率直なお気持ちをお聞かせ願えればと思います。
#219
○細川内閣総理大臣 企業業績の悪化などもあって先行き不透明感というものがなかなか払拭できない、こういう市場の動きにつきましては、大変私も強い関心を持ち、また何とかひとつ上向いていくようにあらゆる対策を講じていかなければならない、そのように強く感じているところでございます。この補正予算を上げていただき、そしてまた来年度の予算におきましても、できる限り景気刺激になるような予算を組んでいかなければいけない、そのように考えているところでございますし、また今日までの累次の対策におきましても、さまざまな観点からできる限りの対策を講じてきていることは御承知のとおりでございます。
 いずれにしても、大変懸念をしておりますし、重大な関心を持っているということでございます。
#220
○衛藤(征)委員 私は総理に注文申し上げたいのでありますが、補正予算はもっと早く出すべきではなかったのかということを申し上げたいのです。それも、連立内閣の総合的な景気対策はもう既に九月にはでき上がっていたわけでありますから、あれから約二カ月半もたちましてやっと補正予算が出てきた。こういうような後手後手、つまり政策の不在が株価の急な下落を招いたんじゃないかな。つまり、この不況はある意味では、言い過ぎかもしれませんが、政策不況と言われても仕方がないのではないかなと、このように思わざるを得ないわけであります。
 私どもは減税につきまして例えば五兆円、あるいは野党におきましては十兆円の所得減税を要求するというようなことを言っておるわけでありますが、株の下落によりまして時価総額の急落は大変大きなものが出ておるわけでありまして、東証一部上場のことしの九月三日における株式時価総額を見ますと、約三百六十六兆円ですね。ことしの十一月二十九日、御案内のとおり大幅に、一万六千円台を一時割るというようなこのときにおける株式時価総額、これを見ますと二百九十三兆七千億、こうなるわけでありまして、一瞬にして消えてまいりましたこの株価、総額で約七十二兆三千億と、こういうことになりますか。私どもは約二カ月の間に七十兆円以上の資産を消したことになるわけなんですね。今、私たちは一生懸命五兆円だ、十兆円だと言って、補正予算を早く出せ、出さぬと言っている間に、二カ月の間に約七十兆円の資産が消えてしまった。これは一体だれが消したんだ。これも、やはり私どもの政策が後手後手に回ったその責任、そのツケがここに出たのじゃないかなと言わざるを得ないわけであります。
 今出ておる補正予算にいたしましても、当初は官房長官は、十一月の二十日には補正予算が出せるだろうということを委員会で言明し、その次には二十日以降となり、そして二十六日から、そして三十日と、こういうことで十日間もおくれてしまったわけであります。
 その経緯を調べてみましても、過般委員が指摘いたしたように、財政当局等各省庁においては既に積み上がっておったにもかかわらず、政治改革関連法案の審議を視野に入れたときに、そちらの方が大事だということでこの補正予算案上程をずらした、こういうことが指摘されたわけでありますが、私もその感を強くしておるわけでありまして、この十日間のおくれというのは、大変大きな責任を私たちは感じておるわけでありますが、この点について官房長官、あなたは内閣のかなめでもありまするが、どのようにあなたはお考えになっていますか。また、この点についてのあなたの反省の弁はありますか。官房長官、お答えいただきたいと思います。
#221
○武村国務大臣 今までいささか御答弁を申し上げてまいりましたが、九月十六日に緊急経済対策を決定しまして以来の課題でございました。毎日午前、午後記者会見もございますし、時々記者から質問も受けておりまして、あれは十月の半ばごろでございましたか二十日前後でございましたか補正予算はいつできるんだという質問がありました。それで、まあ担当を呼んで作業の状況を聞いたことがございまして、次からは二十日過ぎという答えをするぞと、十一月二十日前後にできても二十日過ぎには間に合うだろう、こういう前提でお答えしますよということでそういうお答えをその後はしてきておりまして、たしか政治改革特別委員会でもそんなお答えをしたことがございました。
 それが、最終は、まあ基本的には私どもが見通しておりましたよりは、冷害の現場から積み上げてくる作業の状況が例年の災害よりは全国にわたっておりました関係等もございまして、やや予想を上回ったということもございます。もちろん、九月期の企業の最終的な経営状況が出てくるという、これはまあ通年のことでございますが、そんなことでややおくれた感がございまして、衆議院の政治改革が通って、その直後にはどうも出せないと。そんな状況の中で最終十一月三十日ということになりまして、私の記者会見で答弁をしてまいりました、国民に向かってある種お約束をしてまいりました二十日過ぎということからいきますと、一週間余りずれたことにもなるわけであります。
 理由が何であれ、この緊急対策、冷害、災害のかかわる補正予算の提出が、そういった私の見込みからすればおくれをとったことには、それなりの責任を感じております。ただ、意図的にあるいは政治的におくらしたわけではないという点については、ぜひ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
#222
○衛藤(征)委員 官房長官に重ねてお尋ねしますが、この十日間の補正予算提出のおくれが現下の株価にいかに影響しているか、その辺の御認識はございますか。
#223
○武村国務大臣 株のマーケットを私は詳しく知りませんが、日々さまざまな内外の経済動向をめぐって動くわけでございまして、この補正予算の提出の時期が株価に影響したという認識はそれほど強くは持っておりませんが、まあしかし影響がなかったと言い切る自信もありません。むしろ、このことも含めて、昨今、これからの私どもが責任を負っております景気対策、来年度予算編成を含めた経済政策そのことが、経済の現状や行方を表現する株の動向に大きな影響を持っているということは強く認識をいたしているものでございます。
#224
○衛藤(征)委員 ただいま官房長官は答弁の中で、この十日間の補正予算の提出のおくれが株価に影響したとは思わない、このように明確に御答弁されましたが、これはそのとおりでよろしいですか。もう一度。極めて重大な発言だと思いますよ、官房長官。
#225
○武村国務大臣 今申し上げたのは、影響がなかったと明快に言い切ったわけじゃなしに、影響したという認識は余り強く持っていませんでしたと、これは率直に私自身がそうであったからそう申し上げたので、しかし影響しなかったとは言い切る自信がありませんというふうにも申し上げております。
#226
○衛藤(征)委員 内閣のかなめである武村官房長官がこういう御認識でありまするから、いわゆる経済界におきましては、細川連立内閣が経済に弱い、あるいは出してくる政策がタイミングがおくれておる、その政策が出される時差が余りにも大きいと。そういうことを嘆いて、そして結果的には政策不況になり、それが株価の下落につながっておると、私はこのように思いますよ。
 官房長官、大変お忙しいんでしょうね。よくわかるんです。この委員会の途中にも、午前、午後の定例記者会見云々、いっぱいあるのはわかるんですが、この一週間の各新聞紙の社説を見ましても、どうなんでしょうか。「政治は一体何をしているのか」「株式市場の警告を軽視するな」等々、もうとにかく各紙とも政策不在が現下の経済をもっと深刻なものに追い込んでおるということを社説で書かれていますよ。社説で連日このように出てくるというのは極めて私は異常なことだと思いますが、これをごらんになったときに、官房長官のただいまのような御答弁でよろしいんでしょうか。私は、もし今官房長官の答弁が生中継でぱあっと外に出まするとたちまち株に影響してしまう、こういうことじゃないかと思いますよ。
 例えば、御案内のとおり官房長官は二十九日午前の記者会見で、下落している株価動向について、「政府としても注視している。日本経済の展望の中で何をしていくか、政府の責任は大きい。あらゆる手段で難局に当たりたい」、このような記者会見をしているのですよ、官房長官は。この記者会見は何ですか。
#227
○武村国務大臣 現下の政治の責任の中で景気対策が大変重い責任であることは重々認識をしているつもりでございます。
 先ほどの御質問は、補正予算の提出時期、あれは、ですから政治改革法案が通った直後、二十日から三十日ぐらいの、いわば十一月下旬に補正予算の提出の時期がおくれたことが株の動向に影響を与えたという御指摘がありましたから、私はそのことについての自分の当時の認識を率直に申し上げた。補正予算の提出時期と株の動向との関係を申し上げたわけでありまして、もちろんそれ以前からも経済の動向には私なりの、政権の中で何にも増して重大な責任を背負っているという認識を持ち続けてきております。
 そして、むしろ十二月に入って、過般、株が千円余り下がったことがございました。あの前後から新聞、テレビ等々で政府の責任を追及する表現も目立ってまいりましたし、また、政府の一挙手一投足が株の市場からも真剣に厳しく見詰められていることは肌で感じているつもりでございます。恐らくその前後の報道だろうと思いますが、そこは衛藤議員とほぼ同じような認識を持ちながら、日々責任を全うしているつもりでございます。
#228
○衛藤(征)委員 久保田経企庁長官は、今回の補正予算がGNPの一・三%浮揚効果があるだろう、そういう熱い期待を込めて補正予算を出しておると。全くそのとおりだと思うのですね。全閣僚がそういう認識だと思いますよ。何とか今次の補正予算が景気浮揚につながればという期待感を込めて出す。それが十分満足のいかないものであっても、ベストなものであってほしいと、そういう願いを込めながら出したわけでしょう。さらには、これが株価にいい反発をもたらすようにという、そういう願いを込めていることも事実だと私は思いますよ。
 官房長官にお尋ねしますが、昨年の八月からいわゆる株価の下支えのためにPKOをやってまいりましたですね。政府がやってまいりましたこの株価下支えのPKO、これを官房長官は御存じだと思うのですが、この評価をどのようにお考えですか。あんなものをやったって何にもならぬのだという評価でありますか。お尋ねいたしたいと思います。
#229
○武村国務大臣 PKOは十分存じ上げております。大蔵大臣が御答弁申し上げたとおり、公的な資産をどう管理するかというのがまず第一で、結果として株式市場にも、昨年のあの異常な低落以降この資金が使われてきているということであります。そのことによって株の動向にも一定の影響を与えていることは、十分認識をいたしております。
#230
○衛藤(征)委員 昨年の八月、いわゆる政府も株価を下支えするためにPKOを出動させまして、必死に祈るような気持ちでやってきたと思うのです。今次の補正予算も、官房長官、これがやはり株価の下支えになればという気持ちであることも間違いないと思うのですね。これが十日間もおくれたという意味は、この失われた資産は極めて私は大きい。私は、官房長官がそういうような認識に立っていただきたいと思います。
 JR東日本株の上場、これは、PKOを一生懸命やってきて、そしてJR東日本の株の上場をやれば何とかここで高とまりをしてくれるだろうという願いを込めながら政府はやったのじゃないのですか。大蔵大臣。
#231
○藤井国務大臣 JR東日本の株式の上場につきましては、御承知のように本年度の、平成五年度予算において国会の御了承のもとに売却の権限を与えていただいたわけであり、年度当初からこの方針に基づいて諸般の準備をしてまいりました。具体的に実際入札をし、かつ売り出したときが適切であったかどうかということを後から振り返って、いろんな御意見のあることは承知をいたしております。いたしておりますが、当時の状況からして、私どもは適切な時期だったと当時考えていたことも御理解をいただきたいと思います。
#232
○衛藤(征)委員 それに関連いたしますが、JTの株の上場は見送った、このように判断してよろしいでしょうか、大蔵大臣。
#233
○藤井国務大臣 日本たばこ産業の株式の公開につきましても、東日本と同じように国会の御承認をいただいているのは事実であり、また、それに従った手続を進めているのは事実でございますが、今御指摘のように、証券市場の状況、金融の状況などを十分見計らいながら今後考えてまいりたいと思っております。
#234
○衛藤(征)委員 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、株価は経済のバロメーターでもありますが、大蔵省といたしましては、株価対策といいますか、証券市場の活性化対策といいますかどのようなことをお考えになっておるかお答えいただきたいと思います。
#235
○藤井国務大臣 ただいま衛藤委員から大変な御心配をいただいておりますし、私自身も重大な関心を持ってこの日々の株式の市場を見守っております。ただ、当然のことながら、株式の株価動向というか水準についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、基本的には総理のさっきのお答えのとおりでありまして、先行きの見通し難あるいは企業業績の悪化でありますから、景気対策を着実にやるということが第一でありますが、今お話しの点につきましては、昨年八月、一万四千円というオーダーになったときに、いわゆる株価対策をお決めいただきました、これは前政権でございます。そういう中で、個人株主の充実等々、そしてまた、さっき武村官房長官に御質問のありました新指定単の問題でございます。これも基本的には公的資金の資産運用のあり方の問題でございますが、結果として株式市場の活性化に貢献したことは間違いないと思います。
 こういう昨年の八月以来の対策というものをより適切に運用していくということでもあると考えておりますし、同時に、今証券各社から規制の緩和の問題についてもいろいろ要望が出ております。私どもはこれにつきましても、投資家の保護とかそういう観点のものは安易にこれを考えるべきではないと思っておりますが、証券市場の活性化につながるような規制緩和は一層充実してまいりたい、このように考えております。
#236
○衛藤(征)委員 今大蔵大臣の御答弁の中に新指定単のお話がありましたが、この新指定単については、さらに平成六年度予算編成に向けては活性化させる、このように理解してよろしゅうございますか。
 それとあわせまして、不良資産対策ですね。時間がありませんから、あわせて不良資産対策についてどのようにお考えになっておるか、お尋ねいたしたいと思います。
#237
○藤井国務大臣 新指定単につきましては、今申し上げたように、直接の目的はあくまでも公的資金の運用のあり方でありまして、今お話しありました平成四年度と五年度につきましては、二兆八千億ずつこれを組んだわけでありますが、平成六年度につきましては、金融の情勢等々を見ながら検討させていただくつもりでおります。
 次に、不良資産の問題でございます。これも前政権のときからでございますが、一月にいわゆる共国債権買取機構をつくって、現在二兆円が大体こちらに移しかわっております。ただ、残念ながらこれの最終的回収が六十五億円というのが現状でございまして、そのために、先日も申し上げましたように、日本の債権というのはほとんどが不動産担保でございますから、いわゆる不動産の流動化というものを図っていかなければならないと考えておりますし、同時にこれも、過般いわゆる国税の執行の問題といたしまして、なるだけ償却がしやすいような体制をとっているということで、少しずつ軌道に乗っていることは事実だと思っております。
#238
○衛藤(征)委員 この不良資産対策でありますが、御案内のとおり、英国あるいは米国におきまして、英国のライフボートあるいは米国のRTC、整理信託公社等々が発動されまして、大変な成果を上げておるわけでありますが、我が国においても、この不良資産対策についてはさらに一歩踏み込んで、公的資金の活用ということも前向きに考える時期に来ておるのではないかと思います。時間がありませんから、いろいろと詳しいことは申しませんが、大蔵大臣からこの点について御答弁をいただければと思います。
#239
○藤井国務大臣 衛藤委員も御心配いただいておりますような、これは非常に重要な問題だと思っております。
 ただ、本年の一月のあの決定の際に、この不良債権の発生したいろいろな原因を考えると、やはり基本的には金融機関の責任が基本であるという前提のもとに、自己努力によって解消するという今の仕組みができているわけでありまして、当時も公的資金を入れるということについては結果として否定的な意見が多く、そのように処理をしたわけであります。そこで、ただ、申し上げておりますように、この買い取り先としての地方団体等々において、いわゆる先行取得の財政的な措置というものを大分とっておりますので、それらもあわせてこの処理を進めているのが現状でございます。
#240
○衛藤(征)委員 土地の流動化について、国土庁長官にちょっとお尋ねをいたします。
 先般の委員会でも私は質問申し上げたのでありますが、監視区域制度の弾力的な運用について、十一月九日に局長通達が出されたと思うのでありますが、それは、地価上昇のおそれがないと判断される場合にはこれを解除しなさい、監視区域の一部についておそれがないと判断される場合には監視区域の縮小をしなさい、また指定を継続する必要があると判断される場合には届け出対象面積の緩和をしなさい、こういうことが骨子になっておると思うのでありますが、十一月九日の通達後、国土庁といたしましてはどのようなフォローアップをし、通達後に全国の都道府県で現実にこの通達を受けて実際に行政運用をしておる自治体があるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
#241
○上原国務大臣 お答えをさせていただきます。
 今お尋ねのように、去る十一月九日に土地局長通達で各都道府県関係に通達を出しました。その後相当動きがございまして、まず山梨県における監視区域については、昭和六十三年十二月一日の甲府市の市街化区域での指定を初めとして、県下五十五市町村において順次指定を行っておったところでありますが、これらの監視区域については、平成五年十一月三十日にすべての区域が指定期間の満了を迎えることとなりましたが、このうち小菅村、丹波山村の二村については再度の指定は行わない。
 その他の市町村については、届け出対象面積が百平米とされていた区域について二百平米に緩和をするなど、二十四市町村について届け出対象面積の緩和が行われていると聞いております。
 なお残りの二十九市町村については、届け出対象面積が五百平米または一千平米と大規模であることから引き続き従来どおり取り扱いをする、こういうふうになっております。
 さらに東京都では、市街化区域の全域につきまして現行の百平米を三百平米、市街化調整区域等については現行の二百平米を五百平米に、来年一月を目途に届け出対象面積を緩和することを決定した旨御報告を受けております。
 その他の各自治体においても、先般発出いたしました通達に基づき鋭意検討が急がれている、こういうふうにこの通達の効果がそろそろ出つつある、こう認識をしております。
#242
○衛藤(征)委員 土地の流動化は不良資産対策の最たるものでもありますし、また経済活性化の冠たるものでありましょう。どうか国土庁におかれましては、局長通達後逐次フォローアップをしていただきますように、一回局長通達出してというだけではなくして、逐次フォローアップをしていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 時間がありませんので、次に大蔵大臣にお伺いいたしますが、有価証券取引税の件についてでありますが、私は、そろそろ有価証券取引税については廃止する時期に来ているのじゃないかということを申し上げたいんです。
 大臣御案内のとおり、国際的にもう整合性がとれなくなってきているわけでありまして、有価証券取引税については、アメリカはもう完全に廃止していますし、カナダも廃止していますし、ドイツも廃止している。フランスは株式の委託のみ取引所取引税をかけるようにしてありますし、またスイスは印紙税の形で株式の委託のみに限っておる、こういうような感じでありますし、米国では既に一九六五年末に連邦税を廃止しておりまして、州税を見ましても、最後になったニューヨーク州においても一九八一年の十月に廃止されております。オランダが一九九〇年の七月、ドイツが一九九一年一月にそれぞれ廃止しておるわけであります。
 こういうようなことを考えますと、我が国も国際的に整合性をとるためにも有価証券取引税の廃止をすべきだ、このように思いますが、大臣、いかがでありますか。お願いいたしたいと思います。
#243
○藤井国務大臣 まあ衛藤委員その道の御専門でいらっしゃるわけですが、御承知のように、シャウプ税制でいわゆる有価証券の譲渡益を総合課税するということをやったわけですが、現状機能しないということで、結局、二十八年でしたか、やめることの身がわりとしてというような形で確かにこの有取税が出てきたと思います。そこで、過般の税制改革で有価証券の譲渡益に対して課税をすることになり、それとの見合いで有価証券取引税を下げるというような、そういう形で処理をしてきておりますもので、今一つのバランスがとれているように私は思っております。
 ただ、今諸外国の情勢、るる御指摘になったことはよく承知をいたしておりますので、とりあえずは今のような有価証券の譲渡益とのバランスで、一つのバランスにあるということだけは御理解をいただきたいと思います。
#244
○衛藤(征)委員 これは大蔵大臣に強くお願いをいたしますが、国際的に整合性をとるためにも廃止の方向で取り組んでいただきたいし、まして、御案内のとおり、昭和二十八年、万分の十五、今、万分の三十になっておるわけでありますが、せめて有取税を半分の万分の十五にするとか、いずれにいたしましても、廃止の方向で取り組みをいただきたいということを強くお願いをしておきたいと思います。
 最後に、農林大臣にお伺いをいたします。
 ドゥニー議長から調整案が示されたということでありまするが、この調整案なるものは日本語なのか英語で示されたのか、フランス語で示されたのか。お願いいたしたいと思います。
#245
○畑国務大臣 これは御案内のとおり、ウルグアイ・ラウンドの問題の我が方の窓口におきましても外務省ということでございまして、我が方は外務省の立場からいわゆる調整案骨子というものの内容をお知らせをいただいた、こういうことでございます。
#246
○衛藤(征)委員 じゃ、外務省にお尋ねいたしますが、これはどうであったのか、簡単にお答えください。
#247
○小倉政府委員 これは、ドゥニさんがいろいろな動きの中で調停案として出しましたものでございますから、もともとは英語、ドゥニさんはフランス語もできますけれども、英語で話をしておった。そのドゥニさんの考え方を私どもの方にいろいろな形で提示されたものでございますから、もともとは英語で話し合いを行ってきたというものであろうと思います。
#248
○衛藤(征)委員 これは示されたのではなくて、ドゥニー議長が述べたことを英語で文章化したもの、そういう意味でございますね。
 私は、ドゥニーさんがこの調整案を示してきたということなんですが、どうも腑に落ちない面がありまして、調整案を示してきたのか、示させたのか、我が国政府の方がドゥニー議長に対して。そういう感もするわけでございまして、何か不可解な点があるということでございます。
 それから、これは農林大臣にちょっときついことを申し上げて恐縮なんでありまするが、各国の担当大臣が、ガット・ウルグアイ・ラウンドのまさにラウンドテーブルに乗り込んでいって最終的な詰めをやっておるわけなんです。そのときに、我が国の担当大臣が、農林大臣がガットの場にすっ飛んで行かないということについては、大変申しわけありませんが、やはり私どもからしますと失望を感じるわけなんです。
 もういよいよ七年越しのガット・ウルグアイ・ラウンドの大詰め、これから十五日までの大詰め、あるいは今までにもありましたが、当然私は、担当大臣といたしまして、かつて中山外務大臣が一泊二日でアメリカに行って帰ってくるようなこともやりました。また、ヨーロッパも十時間あるいは十二、三時間で行って帰れるわけです。でありまするから、担当の外務大臣、通産大臣あるいは農林大臣が、ここ一週間以内にあるいは十日のうちに行ったり来たり行ったり来たりすることも不可能ではなかったと私は思うのです。
 土日月をとってみてもさようでありましょうし、またウイークデーでありましても、私どもは国会で、衆議院で三回も国会決議をしているがゆえに本委員会としても、あるいは担当大臣から議運の方に、出張いたしたいという出張命令が出れば、お願いが出れば、お伺いが出れば、あるいは私どもの理事会に出てくれば、行ってらっしゃいと、早く行きなさいと我々は当然お勧めします。残念ながら、今次については全くそういう動き、そういうものがなかったということ。
 これは、かつてある新聞紙、読売新聞でしたか報道いたしました。九月の末に既に日米間でこの問題については対応が議了しておったというようなスケジュール説も出てまいりましたが、こんなものを裏づけることになりはしないかと、ますます残念な結果になるわけでありまして、今からでも遅くない、担当の大臣として私は行くべきだと思いますし、そのためでありますれば国会としても、本委員会としても、あるいはこれが参議院に行ったにいたしましても、参議院にもお願いして、国会の権威において、内閣が国会に連帯して責任を負う、その憲法の上からいっても、この七年越しの最大事については、私は、担当の農林大臣としてガット・ウルグアイ・ラウンドの場に乗り込んでいって、テーブルをたたいて最終的な詰めをしっかりとやっていただきたい、それを強く要請をいたしまして、私の質問を終わります。
#249
○山口委員長 これにて衛藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、野中広務君。
#250
○野中委員 今回の国会というのは、第一に政治改革、第二に深刻な景気の現状にかんがみて補正予算を通すこと、この大きな柱のもとに国会が開催をされたわけでございます。
 九月の十六日に細川内閣は緊急経済対策を発表になりました。けれども、先ほど来衛藤議員からも、あるいはそれぞれ登場いたしました委員からも発言がありましたように、私どもが繰り返し補正予算の提案を求めましたにもかかわりませず、十一月三十日初めてこの予算が国会に出てまいりましたこと、そして、我々いろんな慎重審議を求めましたけれども、与野党話し合いの上で、委員長の配慮によって四日間の日程でこれをやることに決めました。
 ところが、残念ながら、この審議の途中で中西前防衛庁長官が、自分から爆弾抱いて出たような格好でこの委員会の審議に空転をもたらしてみたり、あるいはけさからもございましたけれども、細川総理自身の佐川からの一億円の借り入れ問題に対する相次ぐ答弁の食い違いが、本委員会の熱心な促進を求めようとするにもかかわりませず、残念ながらここに至ったことを私はまことに残念に思うのでございます。さて、九月の十六日の緊急経済対策に基づきまして、政府は、一つには生活者・消費者の視点に立った予算である、あるいは景気回復のための予算である、またいろんな説明をしてこられたわけでありますけれども、どうも私は、失礼でございますけれども、この予算を拝見をしておりまして、実感として、これで景気が回復をするのかということがわいてこないのであります。残念ながら、まことに内容のない予算であると言わなくてはならないのであります。
 結局は、私なりに見てみますと、五兆円の今年度の税収不足を穴埋めをするために、国債整理基金を取り崩して、さらにNTT株の売り出し分の地方融資分の返済を早めて、そのつなぎという理由で建設国債を増発し、三千億、三千億の公共事業、施設費に加えまして災害・冷害対策を計をいたしまして、地方交付税交付金の減額分を交付税特別会計において借り入れをしたのであります。これではとても景気回復どころではないのであります。
 株価は、先ほど来お話しのように、敏感に反応をして下落をいたしましたし、予算審議中にも一万六千円台を時には割るような状態さえありましたので、慌てて去る二日、抜本景気対策だといって、与党政策担当幹事が大幅所得減税の早期実施、土地取引・住宅取得関係の規制緩和、証券市場の活性化などを官房長官に申し入れられたと新聞が一斉に報道をされましち後、そういういうことはなかったんだといった向きの話もありましたけれども、少なくともすべての新聞が一斉に報道をして、その影響か、株価は一万七千円台に戻ったこともまた事実であります。三日の予算委員会において、与党政策幹事もあるいは官房長官もこれを否定をされました。
 そこでお伺いをいたしたいと思うわけでございますが、当時は七日とも言われ、またその後十日とも言われたこの大幅減税等の諸施策はいつ打ち出されるのでありますか、最初にそれをお伺いいたしたいと存じます。
#251
○武村国務大臣 既にお答えを申し上げてまいりましたが、その日の会合は正式に景気の対策を合意をしたものではありません。
 今のお尋ねはいつということでございますが、基本的には、さまざまな景気対策が予想されますが、新年度の予算措置において実現ができるものも少なくありません、あるいは立法措置を要するものもあるかもしれません、そんなことを全体としてまとめて、細川政権として取りまとめていくことになろうかと思っております。私自身の認識では、少なくとも平成六年度の当初予算編成時点、これが一つのけじめだというふうに思っております。
#252
○野中委員 官房長官、あの当時から全部そういうことはなかったと否定をされたわけでありますけれども、ここに当日の新聞すべてありますけれども、こういうように各紙一斉に報道されるというのは、私は単にマスコミだけの責任に、勝手にやったんだということだけでは済まないと思うんです。まあ、それはいいとしましょう。
 それでは、九月十六日に出されました緊急経済対策というのは、規制緩和を含めていろいろな分野がここに載せられております。それは、法律改正を必要とするものもあればいろいろな問題があるわけでございますけれども、予算を含めて、今お話をいただくと、平成六年の当初予算の編成の中に組み込まれるものだということでありますから、この間報道されたようなものが仮に骨子として考えられておったとしても、第三次の補正というのはあり得ないということでございますね。それをお伺いをしたいと思います、大蔵大臣。
#253
○藤井国務大臣 ただいまの野中委員の御指摘でございますが、官房長官も申されたように、景気対策、いろいろ考えられるということをお話しございまして、その中で考えるわけでありますが、平成六年度予算が一つの重要な柱になると考えております。
#254
○野中委員 そうすると、現在のように大変景気が深刻に落ち込んだ状態であり、税収はもっとシビアに見直さなくてはならない状態でございます。財源を一体どのようにして求めていくかというまことに難しい時期を迎えておるわけでございますけれども、平成六年度の予算編成を目前にいたしまして、その前提となります経済企画庁の経済見通しはいつになるのでありましょうか。企画庁長官、お伺いします。
#255
○久保田国務大臣 前からお答えさせていただいておりますように、七−九月期の国民所得の速報が出た時点で、今年度についての見直し、それからあわせて、こういう局面でございますので、来年度の経済見通し、こうしたものをあわせて適切な時期にできるだけ早くお示しをさせていただきたいと考えております。
#256
○野中委員 私は政府側に経験がありませんからわかりませんけれども、少なくとも大蔵省の来年度の予算編成の税収の見積もりというのは、いわゆる八月の概算要求をもとに大蔵原案なるものをっくられるわけでありますけれども、経済企画庁の経済見通しなくして税収の見積もりは不可能だと思うのでございますけれども、大蔵大臣、いかがでございますか。
#257
○藤井国務大臣 ただいまの野中委員御指摘のとおりだと考えております。
#258
○野中委員 そうすると、今日現在において、もう十二月のこの時期を迎えて経済企画庁から景気の見通しが発表できないというのは、何か内閣の後ろ側におられる人がどこかで予算の年内編成はできないのだと言っておら乱るのを新聞記事で見たことがありますけれども、もうそういう状態になっておるわけでございますか。総理、年内予算編成はやらないということですか。
#259
○細川内閣総理大臣 先般来申し上げておりますように、何とか年内編成をやりたいということで鋭意努力をしているというところでございます。
#260
○野中委員 ただ、経済企画庁の見通しもまだ出ないという中で、先ほど来申し上げていますように年内予算編成は、私は財源の見通しすらできないと思うのですね。だから、結局はマイナス成長を出さなくてはならないから時期をおくらせていらっしゃるのか、そこらあたりが私には全くわからぬわけでございますけれども、経済企画庁長官、そんなにおくれておる理由をもう一度教えてもらえませんか。
#261
○久保田国務大臣 例年およそこの時期にQEが出ます。今まだ出ておりませんが、出次第急いで、そして来年度の予算編成、それから経済見通し、そういったものの絡みでやらせていただきたいということでございます。経済見通しがはっきりと立たなければ来年度の予算編成ができないかという御質問でございますが、年内に当然予算編成を目指しているわけでございまして、そのようなことのないようにいたしたいと思います。
#262
○野中委員 これ以上長官をお苦しめするのはやめておきたいと思いますけれども、一方、景気対策の一つとして土地の規制緩和などが言われておるわけでございます。
 総理も官房長官も知事を経験されたわけでありますが、土地問題の規制緩和とかいろいろなことになりますと、どうも府県知事が鈍いとか府県知事が悪いとか、知事の方に責任を振られることが多いのです。都道府県知事というのはおふろの値段を決めるぐらいでございまして、土地の値段などは、これは全く知事が決めるわけではないのでありまして、土地の値段やあるいは規制が知事の責任のように言われる向きもありますけれども、私は、本来間違っておりますし、土地は、一つにはやはり柱は金融政策だと思います。
 したがって、この金融政策が現在のような梗塞状態で、土地市場が完全に死んじゃっている、そういうどうにもならないという状態に来ておるように思うのでありますけれども、一体土地利用の活性化というものはいっ、どのような手法で行われようとするのか、国土庁長官、お伺いいたしたいと存じます。
#263
○上原国務大臣 先ほど衛藤先生のお尋ねにもお答えをさせていただきましたが、国土庁といたしましては、土地の適正かつ合理的な利用の促進を図る観点から、規制緩和いわゆる監視区域の見直し等について十一月九日に土地局長通達を出し、山梨県あるいは東京都その他の都道府県や政令都市においても今見直し作業が鋭意進行しつつある、こう理解をいたしております。
 今、先生お尋ねのように、決して各都道府県知事あるいは市町村長に任せてあるのではなくして、国土庁としては、国土利用法に基づく、あるいは土地基本法に基づいて、調整機能ができる範囲内で示達なり指導助言をやらないと、また地方の、いわゆる自治体の権限に関与する、介入するというような逆のおしかり等も時折ございますので、そこいらは慎重にしながら進めているということと、あわせてまた、流動化問題につきましては、大蔵大臣や通産大臣ともよく相談をしながら、目下総理の指示等も仰ぎながら一生懸命やっているということを御理解を賜りたいと存じます。
#264
○野中委員 次に、今政府税調で税制審議が行われておるわけでございますけれども、所得税、住民税等の大幅な減税が議論をされ、時には私どもは報道を通じて一月一日から大幅な減税が行われるなどという話を聞くわけでございますけれども、現状においてそんなことはとても不可能だと思うわけでございます。
 けれども、さかのぼってやるという方法はできるわけでありますが、景気対策を考えると、さかのぼってやる意味は、現在の深刻な景気の落ち込みを考えるときに、これまたなかなか難しい問題であるわけなのでございますけれども、残念ながら、今日の景気対策の中で、活字がひとり歩きをしたり、言葉だけが踊るような傾向があり過ぎるのじゃないかと私は思うのであります。
 その点について、まあ昨今、非常にいろいろなところでいろいろな発言をされる閣僚や、あるいは政権与党の首脳の皆さんもいらっしゃるわけでございますので、改めてこの所得税減税、住民税減税という問題について、大蔵大臣の所見を、自治大臣を含めてお伺いをしておきたいと存じます。
#265
○藤井国務大臣 まず、税制調査会は、今後のあるべき社会経済のあり方として、所得課税の軽減、所得課税でありますからこれには住民税は入っているというふうに我々は認識しております、所得課税の軽減、消費課税の充実、こういうことを言っております。
 それを、今の御指摘は景気対策としてどう考えるかというお話だろうと思いますが、これについては、平成六年度編成の過程において、これらの問題を一体として結論を出していかなければならないと考えております。
#266
○佐藤国務大臣 全体的な話は今大蔵大臣からお話ございましたが、住民税の減税もその中に入っているというお話でございますが、失礼でございますけれども、実は、税調の中でも地方税の問題というのは余り深く審議をされてきませんでした。極めて私としては不満なのでございます、率直に言わせていただきまして。
 それで、住民税減税をするというときに、課税最低限を上げるのか、あるいは三段階の上の方を切るのか、一体どういうやり方にするか、それはいろいろやり方があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、何かかわりの財源がなければ地方自治体は困ってしまうわけでございまして、そのあたりのことをこれから、まず減税をどうするかそれから、消費譲与税を地方消費税にという意見も税調の中にもございましたし、また地方自治体の方からもそういうような御要望もございましたが、それとて、消費税そのものをどうすべきかということからの議論をしていかなければ国民の納得が得られないというふうに考えておりますので、今大蔵大臣が言われました基本的な線に沿って、私は、三千三百の地方自治体の経営者の皆さん方が困らないようにするのが自治大臣の責任だと思っておりますし、また、景気の下支えをするのが私たちの役目だと思っておりますので、そういう考えで頑張っていきたいと思っております。
#267
○野中委員 つきましては、地方分権、地方財政について引き続いてお伺いをいたしたいと存じます。
 先日、隣の越智理事が地方財政について、いささか私とは見解を異にする質問をなさいました。おられませんので残念でありますが、これが自由民主党でございますので、私は、そういう意味において、地方分権、地方財政についてお伺いをしておきたいと思うのでございます。
 御承知のとおり、もう申し上げるまでもなく、地方財政は、多額の借入金を抱えますとともに、現在の経済情勢は予想以上に低迷を続けて、今後三年続きの減少が懸念をされるなど極めて厳しい状況が続いておるのであります。また、地方分権を進めていく上においても、地方財政基盤の一層の充実を図ることが、先ほど大臣もお話がございましたし、たびたびここで答弁もございますけれども、一番緊急の課題であると思うのでございます。このため、地方交付税の総額の確保を図るなど地方税財源の充実強化を進められるとともに、地方分権の推進に即した地方税財源の確立を図るべきであります。
 以上の観点に立ちまして、最初には地方分権の推進についてお伺いをいたしたいと存じます。
 きょうまでの我が国の発展を支え、国民の平均的生活水準が世界のトップレベルに到達いたしましたことは、あの廃墟の中から立ち上がった国民の努力と、今は下野をいたしましたけれども、我が党自由民主党の政策に大筋において誤りがなかった、私はそう考えるのであります。
 しかし、これまでの我が国の社会構造や体制には、残念ながら画一的、縦割りの弊害が目立つようになってきていることも否定することができません。総理は、またそれを一番よく御承知だと思うのであります。一方、政治、経済、文化等の中枢機能が東京圏への一極集中によりまして非常な弊害をもたらしておることもまた事実であります。さまざまな問題が発生をしておることも御承知のことと存じます。
 また、急速に進展しつつあります高齢化あるいは国際化、情報化などの幾多の懸案の問題に対応するのはまさに現下の急務でありまして、これを考えますと、今こそ新たな社会体制の構築というものが実現をする時期ではないだろうかと私は思うのであります。今後は、個性豊かな、魅力ある地域づくりを進めることによりまして、国土の不均衡な発展を是正をしていき、多様な発展の可能性を花開かせるためには、そのことが現下の政策の最大急務であると私は思うのであります。
 このような時代背景の中で、第百二十六国会におきましては、衆参両院におきまして、憲政史上初めて「地方分権の推進に関する決議」がなされたことも御承知のとおりであります。国会みずからが地方分権の推進の先頭に立つことを明らかにした意義はまことに重く大きいものがあり、歴史的なことだと考えるのであります。このような状況を背景といたしまして、地方分権推進の議論が盛んに行われるようになっております。これは非常にうれしいことであります。連立与党の合意事項にも、地方分権の推進がうたわれておることも承知をいたしております。
 しかしながら、一口に地方分権の推進といいましても、その内容はまことにさまざまであります。権限移譲を中心として論じる人もあれば、都道府県や市町村の規模、あり方について、その受け皿論とでもいうべきものを論じられる方もあります。さらには、地方分権の推進に関する基本法の制定を唱える者もあります。こういうさまざまな考え方なりあるいはねらいなりによって大きく方向性が違ってきているような、私はそういう気持ちすら今日感ずるのであります。
 地方分権の推進という言葉だけが盛んに行われ、言葉だけが、さっきも申し上げましたけれどもひとり歩きして、残念ながら、一つの定まった流れがあると、このようには理解されないのであります。逆に、誤って理解をされる向きがあるのではなかろうかとさえ心配をするのであります。このため、どうも総論の議論しか行われずに、どうしても抽象的になりがちでありまして、逆に私は、地方分権のあり方について危惧を最近感じておるのであります。これが理由となりまして、残念ながら地方分権の推進の議論に国民的な関心がもう一つ出てこないのではないでしょうか。あるいは、地方公共団体の関係者ですら、必ずしも地方分権に向かって、残念ながら盛り上がった状態というものを見せておらないのではないかと感じることもあるのであります。
 したがって、まず地方分権の推進をするための道筋を定めるなり目標を設定することを念頭に置いて、具体的に地方分権が進んでいく場合にはどのようなことが起こるのかについて、想像力を十分に働かせ、議論を尽くし、どのような内容をどのような手順で進めていくかについて、国民的なコンセンサスを得るようにすることが急務であると考えるのであります。
 このような中にあって、去る十月の二十七日、第三次行革審の最終答申が細川総理に対して提出をされました。そのうちに、地方分権の推進に係る部分で、「地方分権推進の基本理念、取り組むべき課題と手順等を明らかにした地方分権に関する大綱方針」を一年以内に策定をし、それに沿って、「速やかに成案を得て、地方分権推進に関する基本的な法律の制定を目指すべきである。」とされておると思うのであります。
 これに関しまして、若干私の見解を申し上げますと、法案の内容をどのようなものにするかは何よりも重要であると思うのであります。内容いかんによっては分権推進自身の嚆矢ともなり得るものでありまして、しかも法律制定の過程において、先ほど来申し述べましたように、十分に地方分権に関する議論を行うことになり、抽象論から一歩も二歩も進み得るようなそういう意義を持ち得ることが考えられると思うにであります。単に分権に関する理念を抽象的に法制化するだけならば、それがどの程度地方自治の確立、地方分権の推進の力になるものかは、甚だ疑問だと言わざるを得ないのであります。
 行革審の最終答申を受けまして、今後地方分権の推進をどのように進めようとお考えこなっておるのか、総理初め関係大臣のお考えない決意をお伺いいたしたいと存じます。
#268
○佐藤国務大臣 なぜ地方分権が今必要かということにつきましては、野中委員が言われましたことで尽きていると思います。画一的な国づくりから、地域が非常に特性のあるものにしていく、また、きめ細かな行政を行っていくためには、一番身近な行政は一番身近なところでやるという、ここに尽きると思いますので、この部分は野中委員の言われたとおりでございます。
 これからの全体的なスケジールといいましょうか考え方について述べさせていただきたいと思いますが、今御承知のように方分権特例制度という、いわゆるパイロット自治体を十五カ所、推進本部の方で指定をいたしました。これから五年間、各省庁と話し合って、独自に、これはフリーにこの部分はやらしてもらいたいということで、上の許可を要らないようにしひとつやっていこうということで決めていくわけてありますが、さらに来年六月までに希望あるところは指定をしていこうということで、今いわゆるパイロット自治体制度というとでこれを進めておるわけでございます。
 今日まで、野中委員も言われましたように、いろいろな格好で地方分権、あるいはそう言わなくてもそういう格好で、一括整理法とかあるいは各法律によりまして国の権限を移譲するということをやってきたわけでございます。私、今見ますと、地方財政計画の中で地方単独事業、これが十六兆六千億ばかりになっておりますが、これがかなりやる意欲のある首長さんにはそれなりの特色のあるものができるようになっているということも、非常にこれはいいことではないかと思っております。
 これからは、委員言われましたように、第二十三次の地方制度調査会の方で広域連合制度及び中核市制度というものが提起をされておりますので、自治省といたしましては各省庁とお話をして、来国会にはこの法案を出したいということで今取り組んでおるところでございます。そして、第三次の行革審で出されました最終答申、今、野中委員も言われましたように、一年をめどに、総理及び内閣が中心になって地方分権の理念、手順、内容、こういったものをひとつ考えなさいというふうに最終答申に出ております。
 その大前提といたしましては、今のような三千三百の地方自治体という制度を前提としてやるのではなくて、本格的なひとつ国と地方のあり方そのものを見直しなさい。国は外交的にいろいろ忙しいじゃないですか、簡単に言えば。それから、裁判の制度とか全国的なものは国がやるけれども、生活にかかわるものは、簡単な平たい言葉で言えば、ひとつ地方自治体に移していこうという、抜本的な、基本的な地方分権ということを前提にしておるわけでございますので、これは石田総務庁長官の方の御担当になるわけでありますが、来年度の予算とも絡みますので、行革審の最終答申にありましたようなペースで、ひとつこれはぜひ各省庁とも力を合わせてやっていかなければならぬと思っております。
 もう一つ重要なことは、三千三百の地方自治体でいいのかねと。総理のお言葉をかりれば、地方自治体のサイズということを言われますけれども、これについてもいろいろな検討がなされなければならぬと思っておりますので、既に、ことしの六月だと思いましたが、自治省の方で、市町村合併特例法が再来年の三月でこれは期限切れになりますので、それまでにということで、地方自治体の大きさのあり方につきましてどうあるべきかというのを今検討を始めていただいておるわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、野中委員言われましたように、憲政史上初めて地方分権の決議が国会でされ、衆議院でも参議院でも両方てされ、かっ両方にも地方分権の特別委員会ができておるわけでございますので、この前も高鳥委員からもお話がございましたけれども、何で町村道に建設省がチェックをするんだねというようなお話がございましたけれども、そういう意味におきまして、ひとつ議員各位の方と、これは行政側全般にかかわる話でございますので、国会と政府とが一体となってやっていくということが非常に重要なことではないかというふうに考えております。
 おおむねそのような方向で、これから全力を挙げてまたやらしていただきたいと考えております。
#269
○細川内閣総理大臣 野中委員と同じく地方の経営に携わってまいりました者として、分権の必要性、意味ということについて、これはもう感じているところは全く同じであろうというふうに思っております。
 ただ、先ほど来お話がございましたように、国会決議がなされたり、いろいろ審議会等でも分権ということはもう嫌というほど論じられてきたわけでございますが、どうもいま一つ肝心の地方の方においても盛り上がりを欠いている面があるのじゃないか。これも全くおっしゃるとおりでございまして、先ほど自治大臣から御答弁がございましたパイロット自治体などにいたしましても、何とかこの権限、財源の配分の問題で風穴をあけようということでこのような制度ができたにもかかわらず、なかなか積極的に手を挙げていただくところがどうもまだ少ないなという感じが率直にしたことも事実でございます。
 そういう意味で今、国会もまた自治体も行政も一体となって分権を進めていかなければならないというお話がございましたが、大臣から答弁がございましたが、私も全くそのとおりだと思いますし、この行革審が定めました今後の手順に従いまして、今度内閣の方にも推進本部ができるわけでございますし、そこの本部におきまして、理念であるとかあるいはその具体的な進め方であるとか、そうしたことが論議をされることになると思いますが、今度こそ意味のある方向で進んでいけるように、国会におきましてもぜひ御指導をいただきたい、このように思っております。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
#270
○野中委員 今、総理及び自治大臣からお話をいただきました。おっしゃるとおりでありまして、行革審の最終答申に提言をされておるこの行政改革の推進機関といたしまして、今もお話がございましたけれども、総理を中心とする本部を設置して、地方分権の推進に積極的に取り組んでいくべきであると私は思うのであります。これについても、きょうまでどのようにするのか、何らの動きも、私に見えないのかもわかりませんが、見えてこないのはまことに残念でございます。
 伝えられるところでは、誤解であればいいと思うのですが、答申が提出されるまでの経過について、行革審の事務局を含めて官僚側の抵抗が極めて強くて、最終答申の内容に関して行革審の委員には、私もお会いをした方もありますけれども、大変不十分なものとして敗北感を語っていらっしゃる人さえございました。
 私はそういう中におきまして、先ほど来お話がございましたように、それぞれ地方自治体の経営に参画されました総理を初めとする皆さんでございますから、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますとともに、そういう縦割りの中において、総務庁には最終答申を尊重して積極的にその内容の実現に向けて努力するという気があるのかどうか、私は大変疑念を持っておる次第であります。いまだに行政改革、地方分権の推進を行う体制づくりすら具体的に見えてこないというのは非常に不可解であります。総務庁長官のお考えを率直に聞きたいと存じます。
#271
○石田国務大臣 簡潔にお答えを申し上げたいと存じます。
 この地方分権の問題は、既に第三次行革審の答申の中に明確に示されているわけでございますので、総務庁といたしましては、来年度の行革大綱の中にこの地方分権の問題を明確に取り上げたい、このように存じておるところでございます。ただ、来年度以降の行革大綱につきましては、予算編成時においてこれを発表することになっております。やはり予算に関連があるわけでございますので、発表の時期はそのようになっておるわけでございます。
 今、総理からも御答弁がありましたように、その中に総理を本部長とする行革推進本部を、全閣僚を集めたそういった本部を編成をいたしまして、そしてその中で、一年間をかけて国会の議論等をお伺いをしながらその方向性を明示いたしたい、このような方針で考えているところでございます。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
#272
○野中委員 地方分権の推進につきまして私なりの考えを率直に申し上げますと、一つには、これが進まない理由には、国の行政の側の地方分権への無理解なり地方公共団体に対する不信感なりが原因の一端としてあるのではなかろうかと思います。また、残念ながら、先日来の地方における幾つかのゼネコン絡みの事件が一層不信感を強めたことも事実であると認めざるを得ません。
 したがって、地方の行政に携わっておられる諸君にも責任がないわけではありませんけれども、現行の制度が余りにも中央集権的であるために、地方の諸君がそれに乗りかかってしまって、みずからの判断を行い得るような裁量権の中での事柄についても、安易に中央省庁の指示に乗りかかって、そしてその指示どおりに、あるいは他の団体との横並びでしか活動しないことも、しばしば目につくのであります。
 表向きはかっこよく地方分権の推進という言い方をしながら、本音の部分では、補助金中心主義というか、財政的な面の保障があればそれでよい、権限移譲など求めていないという場合すら、残念ながらあるのであります。そのようにまた思うのであります。これらが一部とはいえ現実にあるとするならば、地方分権の推進に批判的な言動はなくならないと思うのであります。理由もまた根拠がないとは言えないと思うのであります。
 地方分権が進むというのは、地方公共団体に責任も移譲されるということでありますとともに、また財源、そして人づくり、こういう受け皿も重要であるわけでございます。この点について地方行政関係機関に十分認識してもらう必要が私はあると思うのでございますし、現在の中央集権体制のみならず、中央依存の体質が余りにも目立ち過ぎる状況を全体として改めてもらうようにしなければこの地方分権というのは進んでいかない、こんな率直な気持ちを持つのでありますけれども、総理の、あるいは自治大臣の御所見を承れば幸せであります。
#273
○佐藤国務大臣 今、野中委員の御指摘、私もそういう面が非常にあると思います。
 パイロット自治体が十五申請があり、十五推進本部で許可をされたわけでありますが、十五という数字が果たしてどう評価されるべきかということも一つ考えてみなければいかぬと思います。それから、今まで長い間、今、野中委員言われますように、やはり中央依存型になっていた、全体的な体質というものもそうだし、それから、国なり各省庁なりあるいは県なりに恨まれたくない、全体がやっていけばそれでいいのじゃないかという、意欲を必ずしもお持ちになってないという面も私は率直に言ってあろうかと思います。
 したがいまして、これから機会あるごとに、冒頭、この地方分権の問題の本質であるところの、なぜ今地方分権がということをより徹底をしていくために、我々としても努力をしたいと思いますし、また、細かい補助金というのはやはりなるべく一般財源化していく、あるいは交付税の中に入れていくというようなことをしていくなり、できる限り中央依存のことをなくすように、これからも私たちとしても努力をさせていただきたいと思っております。
#274
○細川内閣総理大臣 もうおっしゃることに私も全く同感でございます。
 自治体に物を任せても、なかなかそれにこたえられるだけのことができないのではないか、こういう中央省庁の側からの、中央からの物の見方というものにも、認識につきましても、あるいは不信感につきましても、当たっていないこともない、当たっている部分もあるということも事実であろうと思いますし、まあ裏を返して言えば、自治体の側の自助努力というものが、どうもやはり中央に甘えていて足りない、欠如しているということも、これは全くおっしゃるとおりだと思います。
 まあ鶏か卵がということになるんだろうと思いますが、しかし、やはりこれはできる限り任せて、権限も財源も任せてやってみてもらうというところからしか新しい動きは出てこない、私はそう思っておりますし、そういう方向で今までも物も言ってまいりましたし、また行革審の答申などに携わってきた折にも、そういうことを考えながら答申を書かせていただいたわけでございますが、これから本格的にこの問題が始まっていく中で、取り組みが始まっていく中で、ぜひ今のお話のようなことを踏まえて考えてまいりたいと思っているところでございます。
#275
○野中委員 先日なり今も佐藤自治大臣から答弁でお触れになりましたけれども、私も、地方分権の推進のためには、権限移譲等とあわせまして国庫補助金等の整理合理化を一層進めなくてはならないと思っておるのであります。ただ、佐藤大臣が触れられましたように、整理合理化ということを言いながら、零細補助金を廃止すると一方で言いながら、何か類似の補助金をつくっていく、そういう例があるわけでございます。全く意味がないのではなかろうかと私は思うのであります。
 奨励的な補助金や零細補助金の廃止等の国庫補助金等の整理合理化について、方針を策定して計画的に推進しなければ、私は、またこの地方財源の税財源を含めた拡充、充実を行うことができない、また行うべきである、こう考えるのでありますが、ひとり大蔵大臣だけの責任ではないんでありますけれども、大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。
#276
○藤井国務大臣 今まで野中委員のお話しのとおりであると思いますし、私どもは、平成六年度予算の編成においてもより零細補助金の整理をしてまいりたいと考えております。
#277
○野中委員 次に、地方財源の確保についてお伺いいたします。
 今回の補正予算におきましては、五・五兆円の国税の減収が見込まれ、この影響を受けて一・七兆円交付税が減収となります。このため、交付税の総額を確保するために今回は、先ほども申しましたけれども、特別会計借入金を行うことによってこれをしのごうとされておるところでございます。来年度の国の税収は、今回の落ち込んだ状態がスタートラインとなるわけでございますから、伸びはそんなに、そんなにと言ったって、まあ全く見込むことができないという状態であろうと思うのでございます。平成五年度当初額を確保することも困難な状態ではなかろうかと私なりに推測をするわけでございます。
 一方地方も、現時点においては、平成五年度は最終的に一・六兆円程度の減収が見込まれ、これに対しては減収補てん債で穴埋めをしなければならない状態であると考えるのであります。この状況では来年度の地方税も期待をすることはまことに困難であります。とても地方財源に余裕のある状況ではないのであります。越智委員から地方は随分余裕があるような御発言がこざいましたけれども、地方を見てきた私どもでは、全くそんな余裕はないのでありまして、このような国、地方ともに厳しい状況の中におきましては、やはり何といっても国と地方との信頼関係を損なわないようにきちっとした処理が必要であります。
 地方団体の役割が高まり、現在では国民経済に占める公共部門の中におきましてその四分の三を占めるに至っておることを考えますと、地方財源の充実は最重要課題であって、平成四年度の補正で約一・六兆円を特金借り入れをいたしましたし、今回、平成五年度補正でまた一・七兆円の特金借り入れを行うことを考えますと、実質的な地方財源の不足の状況が生じていると考えるのであります。交付税率の引き上げをも考えなければならないのではなかろうかと私は思うのであります。
 最近、厚生省等の措置費等を中心に、地方でそれぞれ住民の対象となるものについては、保育所とか生活保護とかこういうものを交付税でというお話も漏れてくるのでありますけれども、全体のパイをふやさないで、基準財政需要額に入っておる入っておると言われたって、これは全く姿かたちが見えないのでありまして、私はそういう点で、十分な地方財政についての現状認識を来年度の取り組みの中で考えていただきたい、このように思いますので、自治大臣よりお伺いをしたいと思うのであります。
 次に、少なくとも現行の交付税法の中で平成六年度に加算すると法定をされております額、たしか三千九百五億だと思いますし、また大蔵大臣が自治大臣に、平成六年度に加算すると約束されたと承っております四千六百二十七億でしたかは、国、地方の、先ほど申し上げましたように、信頼を確保する上において欠くべからざる問題でありますので、必ず加算をしていただく必要があると思うのであります。この点につきましては、はっきりとひとつ大蔵大臣の口から明言をしていただきたいと存じます。
#278
○佐藤国務大臣 地方財政のことにつきまして、御専門でありますからでございますけれども、大変力強い御質問をいただきましてまことにありがたいと思っておるわけでございます。
 補正の手当て、地方税の一兆六千億それから交付税の一兆七千億弱、足りなくなった分につきましては、今、野中委員御指摘のように手当てをさせていただきまして、地域経済、地域社会を支える地方自治体が円滑な運営ができますように、また、これが景気の下支えをするということにつながってまいりますので、そのような措置をさしていただいたわけでございます。
 今御承知のような財政状況でございますので、来年度も、野中委員御指摘のように、地方税収が大幅にふえたりあるいは地方交付税のもとになる財源が大きくふえるという見通しは、残念ながらないと考えておいた方が私もいいと思っております。しかし、今や経済を支える上におきまして国と地方は一体となって、むしろ、公共事業ということをいいますと七七%強が地方が担っておるわけでございますので、そういった面におきまして、まさに車の両輪として、国と地方自治体が一体となってこの景気の下支えをしなきゃならぬというのが基本的な考え方でございます。
 その意味におきまして、ひとつこの際、若干借金がふえますけれども、しかし、これはかって先輩の皆さん方がやりましたように、昭和六十二年の補正から平成三年まで約十四兆円返したわけですね。その分だけ借金が減ったわけでございますが、また景気がよくなったときにはそういうこともありましょうから、そういうようなことで、この際は、国と地方自治体が一体となって景気の下支えをする役割をしていく必要があるというふうに考えております。
 恒久財源の問題につきましては、先ほどちょっと触れさせていただきましたが、今後なおかつ、どうあるべきかについては議論をしていかなければならぬと思っておるわけでございます。
 なお、加算額の問題につきましては、大蔵大臣なりうちの財政局長の方から答弁さしていただきたいと存じます。
#279
○藤井国務大臣 野中委員は実際、ずっと地方団体の経営をやっておられましたし、私、実は昭和五十年度補正、赤字国債を戦後初めて発行したときの地方財政の予算の責任者をやらしていただいてまいりました。
 今お話しのように、私は、地方財政、国の財政は車の両輪であり、その基本は信頼をお互いに持つということであります。したがいまして、平成六年度で措置すべき、お約束したものは果たさせていただくことを、この際、お約束します。
#280
○野中委員 次に、水俣病の京都訴訟について、ひとつ総理にお伺いをいたしたいと存じます。
 御承知のように、十一月の二十六日、京都地方裁判所の民事第四部において、昭和三十年から五十年代に京都、大阪、愛知など二府十県に転出をした水俣病に関連をする未認定患者らが求めました水俣病京都訴訟で、小北裁判長は、国、県は水質二法や漁業調整規則などの法規制を怠り、被害を拡大させたと最大の争点でありました行政責任を認定し、ほぼ原告側の主張どおり、三十八人を水俣病と認め、各三百五十万から七百五十万円、総額一億九千三百万円の支払いを命じられたのであります。
 熊本県知事を経験され、そして深刻な、水俣病という不幸な困難に遭遇しておる多くの県民とともに接してこられて、私の聞き及ぶところでは、熊本県知事として、国にもその早期解決を求められたと聞く細川総理でございます。この中で長い間生きてきた人たちは、訴訟の途中で無念にも亡くなっていった人たちもございます。こういう人たちの気持ちや現在非常に苦しんでおる人たちの気持ちを考えまして、熊本県知事を経験された細川総理でありますだけに、総理のリーダーシップと政府のトップにあられる方としての決断を求め、御答弁をお伺いしたいと存じます。
#281
○細川内閣総理大臣 おっしゃいましたように、大変苦しい状況に被害者の方々が置かれておられるわけでございまして、また、地域の経済にとりましても、地域の社会にとりましても、これが大きな負担になっている。そのことのために、熊本県にはほかの県にはない公害部といったような部までございますし、行政としての対応にも大変苦慮してきたところでございます。被害者の方々の救済のために認定業務の促進に努めてまいりましたし、まだまだ不十分ではございますが努めてまいりましたし、また、総合的な対策も種々講じて今日に至っているわけでございますが、先般の京都地裁の判決に関しましては、もう何回か地裁、高裁の判決も出ておりますが、いずれも行政のあり方の根幹にかかわる問題でございまして、なかなか簡単に判断することが難しいという状況であるということでございます。
 私としても、一刻も早く被害者の方々が安んじられるような状況にしていかなければならないという気持ちでございますが、なお慎重に判断をしなければならない、そのように思っております。
#282
○野中委員 私が、熊本県知事を経験され、今や我が国政府のトップにいらっしゃる細川総理に求めた期待とは残念ながらやや外れた御答弁で、それぞれまた所管庁とのしがらみもあるからこういう答弁になったのであろうと思うわけでございますけれども、県民とは、そして、そういう方々とは一番近くで触れてこられた方であります。他の、我が自由民主党時代の総理とは違う決断を、ぜひこの席をかりてお願いをしておきたいと存じます。
 次に、防衛政策についてお伺いをいたします。
 細川総理は十月の三十一日、自衛隊の第四十回観閲式に出席をされまして、従来と異なってみずからの言葉で、目覚ましく変わった国際社会の中で世界のどの国よりも率先して平和を主導し、軍縮も世界に率先してイニシアチブをとっていかなくてはいけない、国際情勢はドラマチックな変化を遂げ、我が国に求められる時代の要請も大きく変わったと指摘をされ、防衛計画大綱の見直しにも早急に取り組むと訓示の中で触れられたと報道をされておるのであります。改めまして、総理の訓示の中に述べられた考え方を具体的にひとつお答えをいただきたいと存じます。
 あわせて、あの日は防衛庁長官、政務、事務両次官はモーニングで出席をされ、総理のみが、歴代総理では初めて背広姿で出席をされたと聞くのでございます。これに対する総理のお考えをもお伺いすることができれば幸せであります。
#283
○細川内閣総理大臣 初めに服装の問題から申し上げたいと思いますが、いつか本会議だったか委員会だったかでも御答弁を申し上げたと思いますが、今シビリアンの人たちが観閲式に列席をいたします場合に特段の定めというものはございませんで、諸外国におきましても、私の知る限りでは、平服でシビリアンの人たちは列席をしているというふうに聞いておりますし、また実際に観閲をするに際しましても、できる限り機能的な方がいいのではないかと、また自衛官にもそれは礼を失することに決してならないのではないかと、私はそのような判断で出席をさせていただいたということでございます。決して自衛官の方々の士気にそれが影響するというようなことはないというふうに私は確信をいたしております。
 その折に申しました防衛計画大網の問題についてでございますが、策定されましてから既に十七年でございますか十八年でございますか、もうとにかく二十年近くの歳月がたっておりますし、この間に国際情勢も、冷戦構造も崩壊をし大きく変わってまいりました。あるいはまた、将来の人的な資源の問題というものも真剣に見詰めていかなければならない状況に来ているというふうに認識をいたしております。科学技術も年ごとに著しく変化を遂げているわけでございますし、そうしたことを考えますと、この大綱のあり方についても、そろそろ基本的に考え直していくべきときに来ているのではないかという趣旨のことをその際に申し上げた次第でございます。
#284
○野中委員 総理が平服で行かれたことについては、総理なりのお考えをお伺いをいたしました。
 ただ私は、同席された中西防衛庁長官、両次官等のモーニング姿を見るときに、やはりこれが自衛隊の士気に影響しないかどうかというときに、総理はやはり宮中等に行かれるときはモーニングを召してお行きになるはずでございますし、我が国自衛隊の最高の指揮官である総理が、年に一度の最大の観閲式に行かれるわけでございまして、一たん緩急あればみずからの生命を捨てる自衛官に対してある程度礼を尽くされるのも、また一つの哲学でなかろうかと思うわけでございます。これは私の考え方でございまして、私の考えを申し上げておきたいと思うのであります。
 さて、その総理の防衛に対する考え方と、残念ながら先般辞任をされましたけれども前中西防衛庁長官は、就任早々、やや異常と思えるほどAWACSの四機導入を力説をされました。一機五百七十億。たしか文化庁の予算は、私は五百三十億ぐらいだったと思うのですね。だから、一機が文化庁の予算よりも多いこのAWACSを四機も導入されることをなぜあれほど異常に力説をされるのか、そんな不思議な目で見ておりました。
 九月の末に訪米をされましたときにも、ちょうど九月の二十七日、アスピン国防総省長官と会談をされまして、戦略ミサイル防衛計画、TMDへの日本の参加について、日米次官級安保定期協議のもとで検討していくということで合意をされたと報道をされておるのでありますが、これは日本、アメリカ、韓国で北朝鮮を、あるいは時に中国を仮想敵国として、特に最近中西前長官のお話の中には、北朝鮮の新型ミサイル、ノドン一号の試射を殊さら強調をしておられたのを私は奇異に感じてきたのでございます。
 もちろん、我が国の専守防衛は重要でありますし、そして北朝鮮が、IAEAの査察をめぐっていまだ十分な対応ができておらないことも残念に思う一人であります。けれども、一方、非公式、公式のアメリカそして韓国、北朝鮮を含む会談も進んでおるという話も聞きます。私は、日本のみがこのような状態で果たして将来いいのであろうか問題を残念ながら残すのではなかろうかという危惧を感ずる一人なんであります。
 連立与党の中には、石井一日朝友好議員連盟の会長や嶋崎事務局長、さらには金丸、田邊両訪朝団のときの先遣隊とし、あるいは三党共同宣言の草案に中心的にかかわり合われたのは、今記者会見のために残念ながらおられませんが、武村官房長官その人であります。こういう人たち、あるいは小沢新生党代表幹事や土井衆議院議長は特別機で、紅粉船長やさらには機関長の二人をピョンヤンまで出迎えに行かれた、こういう方々がおられるわけであります。
 儒教の教えに非常に裏づけられた、民族の誇りを持っておる韓国や北朝鮮の人たちの人柄に触れるときに、日本だけが、過去の歴史が風化をしていく中で、植民地支配をしておった統治期間の歴史や、あるいはあの当時どんな異常な状態であったかということが、だんだんもう忘れられていきます。私は、侵略戦争のときにも総理に話をいたしましたけれども、子供のときから、朝鮮の人たちが土工に使われて、むちうたれて、そして血のにじむような状態の中で労役に服しておる状態を眺めてきまして、いまだにそのときの姿を思い起こして悲しく思う一人であります。
 そんなことを思いますときに、今のこの状態というのが、残念ながら今一番近くて、そして再び遠い国になってしまった。こういう北朝鮮との関係を思うときに、韓国においても、あるいは北朝鮮においても、あるいはアジアもそうでありましょうけれども、この過去の傷跡と歴史はそのまま教育の中に入れられ、語られ、若い人たちの、子供たちの中にもしみ込んでおります。日本には、残念ながら何一つそういうものが残っておらないのであります。そんな段差の中で、今のような日本の関係というのは本当にいいのかなという思いがしてならないのであります。
 改めてそういうことを考えますときに、この時代に生きてきた一人として心の痛む思いを私はするのでありまして、総理、残念ながら官房長官はおられませんので聞けませんが、外務大臣のお考えをお伺いをいたしたいと存じます。
#285
○羽田国務大臣 ただいま北朝鮮の問題に触れられながら、我々日本として過去の問題についてどのように考え、そしてどう対応していくのか、そして我々がそういった国とどう対応していくのかというようなことであろうと思いますけれども、もう今お話のあったこと、私どもも全く認識しながら対応していかなければならない問題であろうと思っております。
 私も、今、野中委員からお話がありましたように、これは私は子供のころでありましたけれども、やはり日本の中に連行されてきた人たちが、日本の大人の人たちに雪の中で足げにされていたこと、いまだに私は記憶から、頭から離れることはありません。
 そういう意味で、私どもは、かの国のいろんな状況というものについてよく承知すると同時に、非難すべきものは非難しますけれども、しかし対話すべきところは対話していく、そういう姿勢というものはやはり持ち続けていくべきであろうというふうに考えております。
#286
○細川内閣総理大臣 基本的な認識は野中委員と全く同じでございますし、今羽田外務大臣からもお話があったことに私の認識も共通をしております。
 過去の歴史というものを直視をし、その上に立ってしっかりとした関係というものを未来志向型に構築をしていかなければならない、このように思っているわけでございますが、そのためには、幾つかの越えていかなければならない問題があることも現実の姿でございまして、例えば核疑惑の問題などもそうでございましょうし、そうした問題を越えていくということの中で、また新たな日朝間の姿というものも生まれてくるというふうに確信をしている次第でございます。
#287
○野中委員 総理及び外務大臣のお話を承りました。
 ただ、私も、核の疑惑、IAEAの特別査察等を北朝鮮が早く受け入れてくれることを念じてやまない人間であります。けれども、この問題というのは、私ども日本も認識しておかなくてはならないのは、本来、核を持った国が核を持たない国を支配しようという考え方からできたIAEAだと私は思っているのです。そのことを日本というのは認識をしておらなければいけないと私は思っておることを付言をしておきたいと思っております。
 細川総理は、先般韓国を訪問をされました。聞き及びますところでは、歴代我が国の首相としては、一歩踏み込んだ、統治時代からの、戦時中を含めた陳謝をされたと報道をされておりました。しかし、その言葉や態度の割には、その後、従軍慰安婦問題等、宮澤内閣当時に一定の展開を見た問題を含めて、具体的なものが目に見えてこないのでありますが、現在の進展状況をお伺いをいたしたいと存じます。
 あわせて、台湾の軍事郵便貯金の問題等、中国、フィリピン等を含めて、総理の侵略戦争発言以来、発言の影響がむしろアジア各地に新たなるいら立ちをもたらしますとともに、補償を求める声すら高まってきておるのでございます。この際、その状況をお伺いをいたしたいと思うのでございます。
 余談でありますけれども、細川総理の訪韓を思うと、私は歴史のめぐり合わせを思うのでございます。一五九二年、熊本城ゆかりの加藤清正が朝鮮出兵をして、ちょうど四百年たったときに熊本城ゆかりの細川さんが訪韓をされて、因果みたいなものを感じるのであります。それだけに私は、その訪韓について、誠意ある結果を早く出されることを望んでおきたいと思います。
 この間、熊本へ行きました。あの有名な藤崎八旛宮の大祭を知りました。聞きますと、ぼした祭というのですね。これは何だといって聞いたら、加藤清正が朝鮮を滅ぼしたぼした祭だと。非常に苦戦をして、藤崎八旛宮に祈願をしてそして無事帰還をしたということを含めて、滅ぼしたぼした祭という話を聞いて、まあ総理の訪韓と合わせながら、細川さんの知事のときにこの名前ぐらいは変えておいてほしかったなと、こう思うのですけれども、御感想が聞ければ幸せでございます。
#288
○細川内閣総理大臣 その祭の名称につきましてはいろいろ説がございまして、そういう説もあることも確かでございます。しかし、それが歴史的に定まった認識ではございませんで、この点についてはそういう議論も以前から大分なされておりますが、そのような歴史的な事実が確認されない、また違う意味合いもあるんだというようなことから、その名称が引き続き受け継がれている、このように私は承知をいたしております。
#289
○野中委員 従軍慰安婦やら台湾は。
#290
○羽田国務大臣 ただいまの御質問でございました従軍慰安婦問題につきましては、たしか宮澤内閣で河野官房長官の方から、いわゆるこの従軍慰安婦というのは人道的な問題にかかわってくる問題であって、こういった問題について今後我が国としてひとつ考えていきたいということでお話がありまして、私どもその話を受けながら、実は担当のそれぞれの役所と連携をとりながら、どういう対応ができるかということを今検討している最中でございまして、今ここでどんなような形があるんじゃないのかということをまだ申し上げる段階に至っていないことをお許しをいただきたいと思いますけれども、今御指摘のありましたことを含めまして、私ども検討してまいりたいというふうに存じます。
#291
○野中委員 軍事郵便は。
#292
○丹波政府委員 先生が触れられた軍事郵便貯金の確定債務の処理の問題でございますけれども、これは内閣が中心になりまして、政府部内で今後の処理ぶりについて鋭意検討中というぐあいに承知いたしております。
#293
○野中委員 私は台湾の旧軍人の人に会いますと、私たちは日本の軍人としてあの戦争に参加しました、そして乏しい報酬の中から強要されて、この軍事郵便貯金を出しました、これが全然ほごにされております、私たちは日本の軍人の皆さんのように軍人恩給をくれというわけじゃないんです、せめて自分たちのためた、その強制的にためた郵便貯金ぐらい返してくれるべきじゃないですか。こんな傷跡を、これは子供にも受け継がれております、こんなことを今残しておいては本当にだめだと私は思うわけなんです。早急なひとつ改善を総理にも要請をしておきたいと思います。
 次に、米問題について質問をいたします。
 米問題はもうそれぞれ我が党の政策的専門家が十分質問をされましたので、私は、三反なり五反なり、小さな農家を周辺に見ながら暮らしておる一人の人間として、視点を変えて質問をいたしたいと存じます。
 最初に、今日の米を中心とする我が国農政の現状を思いますときに、生産者のための安定した水田営農対策推進の立場で、米の需給調整制度という国の方針のもとに、二十年間、我が国農民は減反に次ぐ減反の協力をしてきたのであります。その結果、緊急時に備えての備蓄米がことしはわずか二十六万トンだという、そんな少量だということを言われて驚いておるのであります。そして報われない農業、いつも犠牲にされる農業という結果を思うときに、まず私は、自民党農政の誤りを謙虚に反省をし、農民に謝罪しなければならないと思っております。
 羽田さんはこの間、田中眞紀子さんの質問に答えて、私は終始我が国農政にかかわってまいりましたと。私自身も、我が国農政のトップ指導者であったと思っております。それが買われて二度も自民党内閣のときに農水大臣をやられましたし、あの牛肉・オレンジのときにも現職農水大臣の訪米にも先立って行かれたり、一緒に行ってサポートされたり、こんなことをやられて、時に今は亡き山村農水相が訪米をされたときなどは、無防備にホテルの中で発言をするので、どこで盗聴されておるかわからぬぞと言って彼の口をふさいで、そして外へ出て話をしたなどという逸話すら私は聞いたのでありまして、あなたは二枚舌どころか三枚舌、今度のことでは反省をしてもらわなくてはならないと私は思っておるのであります。
 ことし冷害や災害で、今日までの政府の農政を信頼しておれば米の輸入の阻止だけはできる、こう念じてきた農民にとりましては、ここに来て備蓄米がないから緊急輸入だと声高に言われて、タイ国から米が船出をした、あるいはカリフォルニア米がアメリカの港を出たというテレビの画面を見て、時に怒りを覚え、我が国農政に不信感を持つのは当然のことであります。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
 なぜ政府は、加工米はともかくも主食米の輸入前に、我が国の主食の自給を守るために、国民全体に、せめて一日一食、パンかめん類にしてくれ、そして皆さんも協力してひとつ輸入をできるだけしないようにしましょう、あるいは農民の皆さんにも保有米を少しでも、一日一食、パンにかえてひとつ協力をしてくださいという協力を求められなかったんだろうか。
 なぜか今度の米不足というのは、初めに輸入ありき、このような政府の態度に、売り惜しみゃら買いあさり、そして値上がり、一番悪い方向へ方向へと歩みが進んできて、それが主食米の輸入の口火を切ることの結果につなかったと思うのでありまして、何かつくられた筋書きだったんじゃなかろうかなと、初めから意図的な筋書きでもあったような気がしてならないのであります。輸入によって、国の財政だけがもうける結果になるわけでございまして、私の今の意見に対して、畑農水大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#294
○畑国務大臣 ただいまのお話を伺いながら、私自身も正直申し上げまして、極めて複雑な心境の中でこの問題に今日まで取り組まさしていただいたことも率直に申し上げさしていただきたいというふうに考えております。
 ただ、御理解を願いたいことは、百年ぶりというような言葉で一時言われておったわけでございますが、私自身は、未曾有の、全く予期しなかったこういった台風あるいはまた冷夏・長雨、そういうような意味合いの中において緊急避難的に残念ながら外米の輸入をせざるを得なかった。かような意味合いにおきましては、あの節、その措置がおくれればおくれるほど、また違った意味合いでの売り惜しみ、あるいは不正規な流通という問題が起こるということも懸念をしながら、残念ながらあの道をとらざるを得なかった、かように御理解をいただきたいと思っております。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
#295
○野中委員 私の地元では、農政に不平や不満を言う前に、日本の将来の食糧の安全と自給に対応するための最善の知恵と努力を出そう、そうしなければ、主食の輸入を生産者の我々が放置すれば、必ず輸入自由化の道に通ずるんだということで、町と農協とが一体となりまして、一軒一軒の農家に、その耕作反別は問わずに、一袋三十キロだけひとつ協力してください、こう言って呼びかけたのであります。おかげで全戸協力をされました。それがずっと京都府下に伝わりまして、今では京都府下の市町村が、せめて一袋協力してくださいという呼びかけをやって、一つの市では六〇%も成功したとかいろいろな実績が出てきているわけであります。
 私は、やはり我が国農政を考えるときに、この考え方が必要であったんではなかろうか。日本の農業を考えるときに、農水省というのはこういう考えに立って全国市町村やらあるいは全国農協組織と一体となって行われれば、それは大きな成果をおさめることができたと思うのであります。
 そして、もし仮にきょう朝から議論されておるような部分自由化につながってくるとするならば、私は、二十年間減反面積を割り当てられて、それを毎日農民と話し合いながら協力を求めてきたのは、実は市町村長であり市町村の職員なんです。そして農協の職員なんです。毎晩毎晩、農家を訪れて、そして会合に出て、そして多くの怒りを聞きながら、減反へ減反へという協力をしてきたのであります。そういう人たちが何とか輸入阻止のために我々は耐えなくちゃならないということでやってきた農業、これを安易に貿易の自由化だから、あるいは国際協力を重んじなくてはならないからといって、皆さんがそういう建前だけでこれを容認していかれるというのは、まことに悲しいことだと私は思うのでございます。
 三度の国会決議を行い、細川内閣発足以来たび重なる答弁を繰り返しながら、ここに来て農民が裏切られたら、農民をだましたのは一体だれだということになるわけでございます。皮肉に聞こえるかもわかりませんけれども、第十何代城主とかいう殿様と世間では言われますけれども、歴代城主というのは農民を犠牲にして権威を保ってきたのであります。現代に生きる近代政治家細川さんが、よもやそんなことは私はされないと思いますけれども。
 米は、三千年同じところに同じ作物を植えて、いや地をしないのは米だけなんであります。これを我が国の主食として定めてきた先人たちのこの生き方、そして、鎮守の森に豊作を祈り、豊作を感謝する米文化を発展させ、さらには、日本列島は縦にずっと山が連なっておるわけでありますから、雨の降る梅雨どきの前に田植えをいたしまして、そして池をつくり、山に降る水を水田に蓄えることによって防災を果たしてきたのであります。あるいは環境保全を行ってきたのであります。
 そういう営々とした農業の持つ歴史を考えるときに、先人たちの生きるためのとうとい知恵を軽んじたりおろそかにしては、山を荒らし、田畑をなくして、やがて大きな災害となることは、ことしの災害もまた実証をしておるのであります。そこに国会決議の重みというものをもう一度私は考えて、政府で二枚舌や三枚舌を使わないように、農民をだまさないようにして、国権の最高機関としての国会の存在感をもう一度見直してほしいと思うのであります。
 八党合意事項について抵触するのかしないのか、こんな議論が社会党を初めとする中にあると報道をされておるのでございますけれども、八党合意が国会の決議よりも権威があるのか優先するのか、そういうことを言いたいじ、禁断の木の実を食った社会党が、今までの党の歩んできた道を捨てても連立政権を守ろうとされるのか、山花大臣のお気持ちをお伺いいたしたいと存じます。
#296
○山花国務大臣 国会の決議と八党派の覚書について触れられましたけれども、過日来私は、八党派の合意についてどう考えるかということについても、これまでの国会の決議というものを重く受けとめる中でこう考えますと、こう答えてきた次第でありまして、三度の国会決議の重要性については、全く先生と同じように強く受けとめているところでございます。
 社会党はということで御質問いただきましたが、きょう午前中もお答えいたしましたけれども、きょうもこの予算の委員会中も党内ずっと全代議士の議論が行われていたのではなかろうかと思っておりますが、これまでの基本的な政策というものを堅持するという立場で、政府の外交について最終場面、大変緊張して注目しておったわけでありますけれども、御承知のとおりの経過で、今回、案の骨子が示されたことに対して、今、党としても大変厳しい議論を続けているさなかでございます。
 従来の方針というものを捨てるとかそういう問題ではなく、そうしたものを堅持しながらこれからどう対応するかということについて今検討を続けているところでございますので、私どもとしても、閣僚といたしましても、そうした党の方針というものがどのような議論の中で方向づけられるかということを十分踏まえた中で態度を決したい、こういうように考えている次第でございます。
#297
○野中委員 次に、政治家の倫理についてお伺いをいたします。
 先日の本委員会において、私は政治倫理について幾つかの質問を申し上げましたので、引き続いて、この際、お伺いをいたしたいと思うのであります。
 最初に、総理、ちょっとお伺いしますけれども、このところ未曾有の不況は、原因もいろいろあります、そのための対処の方法もいろいろあるはずでありますけれども、何といってもそのかなめは、一つは、先ほども申しましたけれども、土地であります。また、本日いろいろ論じられましたけれども、もう一つは株だと思います。
 総理は、かつて、総理就任前のことでありましたかそれとも総理に就任されてからでありましたか、不況対策の一つとして株を持ち上げるべきだ、そのためにも、象徴的な、抽象的な意味合いもあったでしょうが、かつて大ブームを起こし、その後暴落したNTTの株の価格を上げる努力をするべきだと発言をされましたね。たしか夕刊フジの質問にお答えになったと私は記憶しておるのでありますけれども、巷間同じことがあちこちで言われておりますが、今はいかがお考えでございますかお伺いします。
#298
○細川内閣総理大臣 株価の水準の問題につきましては、今の立場で私はいろいろコメントすることは差し控えさせていただきます。
 ただ、株価の動向というものがやはり企業収益などに、含み益などを通じて大きなかかわりがあることでございますから、この株価の動向というものにつきましては、再三本委員会でも申し上げておりますように、重大な関心を持っているということだけ申し上げておきたいと存じます。
#299
○野中委員 ところで、これは仄聞ですが、総理もまたかつてNTT株を手がけられているという話を聞いておりますけれども、そういう御経験はおありですか。
#300
○細川内閣総理大臣 資産の運用につきましては、すべて事務所の方に任せておりますものですから、私はつぶさに承知をしておりません。
#301
○野中委員 自分で承知をしておらない、こういうお話でございますけれども、総理自身の名義だけでなく、だれか他人の名義で株を取得されたということは御記憶はございませんか。当時のお立場もあったことでございましょうし、しかしまた、他人名義とはいっても、そのためのファイナンスは自分の方でといったことは、そういう事実はありませんか。念のためにお伺いをしておきたいと思います。
#302
○細川内閣総理大臣 すべて事務所に任せておりましたので、足かな記憶はございません。
#303
○野中委員 このことはまた後日触れさしていただきたいと存じて、問題を先送りをいたします。
 次に、羽田副総理、私はあなたに新生党の党首として、柴野たいぞう代議士、大谷忠雄代議士について先般お伺いをいたしましたが、大臣は、今御指摘がありましたので、やはり正確に本人から聞いて、しかるべき対応をしてまいりますとお答えになりました。両代議士について、その後どのようにされましたか、お伺いをしたいと思います。
#304
○羽田国務大臣 まず、柴野さんの問題でありますけれども、これは本人にも話を聞いてまいりました。これは確かにその一つの著書、これについて、いかにも何か本人が、例えば金日成さんですか、こういった方にお会いして書かれたというようなことになっておったというふうに報道されたり、いろいろとされたわけでありますけれども、これはたしか三人の方が著作をされたものであるということ、それから幾つかのものについてはかわりの人、こういった人なんかに現場を調査していただきながら、それを著書の中に書かれておるというようなこと、こういった状態であるというお話をお聞きいたしましたところでございまして、ともかく、何というんですかそういったものによって疑念を持たれるようなことがないようにというようなことで注意をしたことがございました。
 それから、もう一点につきましては、大谷さんの問題は、今落合さんという秘書の方が、たしか取り調べをされておるという状況にあるということで、私ども、この点につきましては今調査中であろうというふうに思っております。
 ただ、本人はいろいろとみんなに心配をかけますということで、すべての役職、こういったものを返上いたしますということで、今、一人の議員として精励しておるということであろうというふうに思っております。
#305
○野中委員 ミスター政治改革と言われた羽田党首のもとで、政治改革というのは演説でもなく、法律でもなく、一人一人の倫理観であります。私は、今のお話を聞いて、何一つけじめがつけられておらないことをまことに残念に思います。
 次に、十一月三日の夜、TBSの報道を通じて、新生党の新人六名が公認料五百万円と千五百万円を、合わせて二千万円を小沢一郎代表から、あるいは佐藤守良先生からいただきましたと。中には、タクシーの中でゴム輪の百万円を二十束、一つない言って探したりなんかして、ドラマチックな報道を私ども見てびっくりしたわけでございますけれども、その後記者会見で、小沢代表は公認料五百万円のみだと言われて、他の候補者も、五百万以外は貸付金だったとか、いや、勘違いだったとかあるいはもう五百万以外何もないとか、二転三転した報道をその後聞いたのであります。中には、党本部へすぐ出てこいといって怒られて、出ていくのにも新幹線がのうて車で飛んできたという話すら聞いたのでございますけれども、汚れ切ったごみの捨て場の中から、政治改革だけを叫んで過去のすべては葬ろうとした人たちの猿芝居とでも私は思えるほど、とても信用できないという声を聞くことが多いのでございます。
 この一連の事件は、既に告発をした方もあるようでありますからいずれ明らかになると思いますけれども、ただ、私は、あの報道の後、新生党の栗本慎一郎代議士から、これはまずやらせでしょう、TBSのやらせだ、TBSのやらせならテレビ朝日問題など吹っ飛ぶほどのテレビの犯罪で、重大な問題だという発言をしておられるのを聞きました。
 テレ朝問題というのは私も関心がありますので、いずれ機会を見て十分この場で御質問をしていきたいと思いますけれども、これは後日に譲りますけれども、政治改革の中心的な新生党であり、大学教授であり、マスコミにもたびたび登場をされておった栗本代議士のやらせ発言というのは、このまま聞き逃して放置することはできない重大な問題であります。
 郵政省は、TBSの報道がやらせであったのかどうか従来のやらせ問題と同様調査をされておるのか。あるいは調査結果が出ておれば、御報告をいただきたいと存じます。
#306
○神崎国務大臣 お答えをいたします。
 放送法は、三条の二におきまして、報道は真実を曲げないことを規定をいたしております。同時に、放送法三条におきまして、放送番組編集の自由を保障しているところでございます。したがいまして、放送番組の内容に関します国の関与につきましては、必要最小限度にとどめるべきものであると私どもは考えております。
 TBSの報道につきましては、郵政省が調査に着手いたしました椿発言に係るテレビ朝日問題とは基本的に異なるものだ、このような認識に立っております。テレビ朝日問題におきましては、番組制作の責任者である報道局長が政治的公平に反する発言をし、それが社会問題となったわけでございますが、今回のTBSの報道につきましては、当事者の一方の側から、これは真実に反する報道である、あるいはやらせであるという批判がなされているわけでございまして、私どもといたしましては、この問題につきましては、当事者間の対応にいましばらくはゆだねるのが妥当である、このように判断をいたしまして、今日まで見守っているところでございます。
 新たにまた確認をいたしましたけれども、意見の対立が続いているようでございますが、私どもとしては、引き続き対応を見守る、これが妥当であるというふうに判断をいたしております。
#307
○野中委員 事はやはり政治資金にかかわり、政治改革にかかわり、そしてミスター政治改革、羽田党首のもとにおける重要な問題であります。しかもそれが、国民の前にあれはやらせだというような報道がなされるなどということは、これは重大なことであって、私は放送行政の上からも重大な関心を持ってもらわなくてはならない問題だと思うわけでございます。あえて大臣の重ねての答弁をいただこうとは思いませんけれども、私ども重大な関心を持っておることを付言をいたしておきます。
 中西前防衛庁長官の九月の訪米の際の九月二十六日、二十七日の全日程、面会場所、面会者を報告をしていただきたいと存じます。
#308
○村田(直)政府委員 お答えいたします。
 中西前防衛庁長官が、平成五年九月二十四日から九月二十九日までの間、米国を訪問し、太平洋軍司令部においてラーソン太平洋軍司令官、国防省においてアスピン国防長官及びクラッパー国防情報局長とそれぞれ会談を行いました。
 全日程は、九月二十四日金曜日が、成田発ホノルル着て米太平洋軍司令部を訪問、アリゾナ・メモリアル……(野中委員「二十六、七だけでいいんだよ」と呼ぶ)そうですか。二十六日ロ曜日は、ダラスからワシントンのアンドリュース基地に着いて、その日は宿泊でございます。一野中委員「だれに会った」と呼ぶ)その日は公式日程がございません。(野中委員「私的の方を言ってくれ。秘書官も全部ついているんだから」と呼ぶ)私的については、私は承知しておりません。
 二十七日月曜日は、米国防省訪問で日米防衛首脳会談を行い、国防情報局ブリーフィングが行われ、ワシントンを立ってニューヨークに十九時四十分に着いたという日程でございます。
#309
○野中委員 私は先般、総理にも、失礼でありましたけれども、このAWACSの導入について政治家がかかわったことはございませんかと、総理には失礼な質問でございました。総理は、前政権で決められたことでありますと、こういう御答弁であったと記憶をいたしております。
 九月の二十六日の夕刻、中西防衛庁長官は、ある米国の軍需産業の裏の部分に関連した方の自宅で夕食に呼ばれていらっしゃいます。防衛庁は知っておるはずであります。お答えください。
#310
○村田(直)政府委員 私が防衛局長として随行してまいりましたが、その日の夜は、私はウイズナー次官と会っておりまして、大臣の行動については存じておりませんでした。
#311
○野中委員 知っておって言わないのか知らなくて言わないのか。私は、もうここに本人がおらないのでありますから、実は御本人がおられたら、この質問、楽しみにしておったのです。
 と申しますのは、二十六日の夕刻、まことに不自然であります。これははっきり申し上げますと、共和党有数のヘルムズ上院議員の外交担当補佐官であり、弁護士であり、実は有名な軍事関係のロビイスト、ダグラス・グラマン事件にも関与されましたジョン・カーボ氏と自宅で夕食をともにしておられます。そして、それにはマスコミ関係の人もかかわっております。きょうはこれだけを申し上げておきます。
 総理、先ほど私は、文化庁の予算の一年分以上のAWACS一機の話をいたしました。そしてこの前には、過去の不幸な事件が、いや、貿易収支の改善だ何だといって幾つかのスキャンダルを起こしてきた歴史を振り返りながら話をいたしました。どうぞこの部分について適切な対応をされ、そしてそれの誤りなきを期していただくことを私はこの席で申し上げて、きょうはこの程度でおいておきたいと存じます。実はまだたくさんありまして残念でございますが、時間が大分来ましたので。
 大蔵大臣、政治団体に対する個人献金は、所得控除、税金の還付が行われるわけであります。もし不正な行為が行われた場合、厳正な処置をとりますか。また、もしあなたに直接関係のある団体であっても同様の処置をおとりになりますか。これをお伺いをいたしたいと存じます。
#312
○藤井国務大臣 これは本来国税当局がお答えすべきことだとは思いますが、当然のことながら、国税当局は、その組織目的が適正な課税を実行するということになっておりますから、そのあらゆる資料を通じて適正な課税をやるのは当然のことだと考えております。
#313
○野中委員 そのほか私は、実は山花大臣が政治改革法案は継続審議にするという、なるんだという発言をされたというのを記者会見の報道を通じて聞いて、一体どういうことなんだと。今、国会の最中に、参議院でやられようとしておるときに担当大臣がもう継続審議なんだと発言されることの不見識さを思ったのですが、余り多弁にならないように、簡単に言ってください、時間がありませんので。
#314
○山花国務大臣 一部報道があったことについて、私も気がつきましてすぐ記者会見をして、事実無根であるということについて発表をした次第でございます。全くそういう発言をしたことはございません。
#315
○野中委員 言わないことを新聞が書いたのかどうか知りませんけれども、伊藤運輸大臣も、何か質問がないと言ってこの間廊下で不足を言っておられましたから、成田空港の感想やら、レプチエンコ問題にも名前が出ましたから政治倫理でお伺いしたいと思いましたが、残念ながら時間がありません。
 私は、先般のこの質問におきまして、みずからの政治生命と命をかけて質問をするという言い方で、部落解放同盟に対する税のあり方について質問をいたしました。国税庁は見事に、そんなことはありませんと胸を張って答えました。後から、もう時間がありませんが、関西地域の連立与党の皆さんからも、よく言うたという激励もいただきましたし、そこに座っていらっしゃる武村官房長官は、かつての八日市市長とし、滋賀県知事として、野中さん、あの国可庁の発言はけしからぬですね、こういう発言も、私の肩をたたいて激励をしてくだされた。
 きょうは、私は時間がありませんし、ここにこれだけ資料を持ってきております。なぜ私がやらないかというと、私はこういう二十五哺にわたって、高木文雄大坂国税局長時代から積み重ねられてきたこの困難な問題で、国税庁の諸君も現場の税務署の諸君も苦労しただろう。けれども、私はあんな発言を聞いたら、暴露してやろうと思った。だから、税務署長のある署長に、今度は気の毒だけれどもあなたのところの具体的な問題を出すかもわからぬ、そのときは、断りなしにずばっと出て迷惑をかけたらいかぬから、あなたのところが抱えておる、二代にわたる税務署長が抱えておる問題についてあらかじめ断っておきますと申しました。
 あなた方が長い間、全部未処理として時効処置をしてきた幾つかの例を、私はこれだけ量を持っております。未処理として処理してきたんだ、全部。時効扱いにしてきたんだ。けれども、なぜテレビでやらなかったかというと、一つの団体がこういうことをやって、国民が、何と恐ろしいことをやっていたんだなということで、一つは差別が再生産されること、それを恐れたこと、もう一つは、税に対する国民の不信感が増幅してはならなしと考えたから、私はあえてやらなかった。
 この次、あなた方が反省しないなら、私は通常国会でテレビの時間をもらっております。そこで私は明確にこの問題をやらしていただきたいことを申し上げ、神崎大臣の問題に関連をいたしまして山崎元弁護士の証人喚問を要求いたしましたが、公明党の賛成を得ることなく、今度の予算委員会を終わらざるを得ないのは残念であります。
 がしかし、これは必ず実現をしていただきたいと思いますし、そして、石田長官は情報公開を言っていらっしゃいます。情報公開はみずからのところでやるべきであります。そのことを厳粛に申し上げておいて、きょうは、残念ながら時間がありません。しかし、これもやはり地方でいろいろな問題のしがらみを持っておるだけに、証人喚問をされなかったって、私はテレビの前で、いかにあなた方が政教一体でやってこられたかを明らかにする勇気を失ったわけではありませんので、このことだけを申し上げて私の質問を終わりたいと存じます。
#316
○山口委員長 これにて野中君の質疑は終了いたしました。
 次に、深谷隆司君。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
#317
○深谷委員 私は、都市出身の議員として、きょうは相続税を専ら質問しようと思ったのでありますが、ここのところ繰り返されている米問題について、まことに大きな問題が次から次へと出ておりますから、まずそのことから質問をさせていただきたいと思うのであります。
 いよいよ国民の最大の、あるいは日本にとって重要な米問題が、調整案が出されて大詰めに差しかかっております。そして、その対応をめぐって、我が党の仲間からたくさんの、さまざまな角度からの質問が出されたのであります。どちらかいうと、米問題というのは農村出身の議員の課題のようにとられがちでございますが、消費者は都会に住む我々が中心でございますから、そういう意味では、我々といえども重大な関心を持たなければならないし、第一、米の自由化に対して、消費者の立場から賛成だと思われても困りますから、むしろ逆に、私はかねてから米の自由化には反対であるという立場から、これから質問をさせていただきたいと思っているのであります。
 農政、米問題、それは単に農村の問題だけではないということをまず私は申し上げたい。そして、私は、食糧安保論という立場から、米の自由化に対してはむしろ反対を唱えてきたということから申し上げさせていただきたいと思うのであります。
 私は、これは昭和五十二年に、今から十六年前に私自身が書いて出したパンフレットでございます。その中で、米の問題を語って、食糧安保ということを考えて、よほど外国から食料品を輸入する場合には注意深く考えながらやっていかないとえらいことになるぞといったようなことをまとめて、多くの人たちに公表をいたしてまいったのでございます。
 今、日本は、全世界から主たる食料品を大量に買い込んでおります。聞くところによると、全世界の二〇%に及ぶ食糧にかかわるものを買いあさっている、こう聞いているのでありますが、農林水産大臣、現状はどうでしょうか。
#318
○畑国務大臣 御指摘がございましたとおり、いわゆる米は大方自国のを賄うというような姿の中で、世界の未分野が千三百あるいは千四百万トンというような姿の中にございまして、ただいま我が方の不足というようなことにつきましては、確定的な数字じゃないわけでございますが、百万トンを上回る、さような意味合いでのただいま御指摘をいただいた、こういうふうに考えるわけでございますが、二〇%という数字が、そこの数字が固まっておるとかいうようなことは、現在のところは来年のいわゆる早場米の問題、作付の問題等々……
#319
○深谷委員 いやいや、お米だけじゃない。雑穀も含めた食料品、全世界の生産の二〇%を日本は買いあさっているでしょうと聞いているのです。
#320
○畑国務大臣 買いあさるという言葉につきましては……
#321
○深谷委員 いやいや、パーセンテージを聞いているのだよ。正確に聞きなさい、人の意見を。
#322
○畑国務大臣 いや、買いあさっているという意味合いでのパーセンテージということにつきましては、私の方ではそういうような姿ではなくして、慎重な取り組みをさせていただいておる、二〇%という要素も、これまたその数字としましては論議の対象にはなり得る、こう考えております。
#323
○深谷委員 私が聞いているのは、世界からそういう主要な食料品、雑穀も含めて、大量に日本が買っている事実なのですよ。世界の人口からいけばわずか二%の人口の日本人が、そんなに多くの食料品関係を輸入するということが一体いいのかということを尋ねたいから聞いているわけで、どのくらいになりますか。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
#324
○畑国務大臣 ただいま御指摘ございましたとおり、いわゆる食糧の自給率におきましては四六%、あるいはまた穀物分野におきましては二九%といった数字に象徴されますように、ただいま御指摘がございましたように、二〇%になんなんとするような要素があり得る、こういうふうに受けとめさせていただいております。
#325
○深谷委員 日本人が生きるための食料品を外国からの輸入で相当間に合わせている、これが現状ですな。今申し上げた、この私が書いた、今から十六年前でも、主要食糧の日本の自給率は四〇%しかない、当時で。今はもっと変わってきていると思うのですが。
 そういうような状況がこのまま続いてまいりますと、例えば食料品を輸出している国の天候が不順で、この間の日本における冷害のような、凶作のような事態になったり、あるいはほかの事情で日本に輸出できなくなるといったようなことになると、たちまち日本は食べられなくなって立ち往生じてしまう。だから、何でも買い込めばいいのだといったような今日までの姿勢は危険ですよ。それが食糧安保論なんですね。
 これからの時代を考えますと、私は、武力によるさまざまな制圧とかあるいは混乱というのは徐々に徐々に少なくなっていくはずだし、少なくしていかなければならぬと思うのですけれども、しかし、こういうような経済的な圧力というんでしょうかね、そういう意味での制裁、例えば日本に対する食料品の輸出ストップといったようなこと、これは起こり得ると思うんですね。
 ですから、日本人が食べる食料品というものを、お金があるからといって過度に世界におぶさっているということはとても危険ではないだろうかということを申し上げているわけですが、この点、総理はどうお考えでしょうか。
#326
○細川内閣総理大臣 おっしゃるとおりだと思います。今御議論があっておりましたように、相当部分を輸入をしている。国内の農地が五百二十万ヘクタール、海外の我々日本国民が食べているその食糧を栽培しているところの面積が一千二百万ヘクタールだったかと思います。今ちょっと正確ではございませんが、たしかそんなものだったと思いますが、とにかく日本でつくっている倍以上の農地で我々の食糧というものが供給をされている。
 これだけでも大変心配なことでございますが、現実はそういうことであって、自給率を少しでも高めていくということが大きな課題であるとは思いますが、しかし、これは実際問題として後継者の問題もございましょうし、また、財政的ないろいろな問題もございましょう。なかなかこの自給率を上げていくことか困難な制約的な条件かあるということもまた一方で受けとめながら、できる限り安心できるような状況というものをつくっていかなけれはならない。この点については私も同感でございます。
#327
○深谷委員 つまり、日本人が生きるための食糧というものを過度に輸入に頼っていくということの危険さというのを総理は御認識されておられる。そういうときに米の自由化という問題が起こったので、我々も、この問題について重大なとらえ方をしなければならない、そう申し上げたいわけであります。
 今までどちらかいうと日本の米は高いと言われた、世界の米と比べると格段に高いと。だから、自由化して安い米を買い込んだら消費者にとってはプラスなんだといったような、そういう話もかなり流れておったですね。それは私は非常に大きな誤解ではないだろうか、こういうふうに思うわけです。現に、米の国際価格というのは今度の冷害によって緊急輸入をやることだけで大きく変動している、こう言われているのであります。
 農林大臣にお伺いしたいんですけれども、米というのはほとんどの場合、多くの国の場合、自給のために生産しているというケース、これが圧倒的だと聞いています。そして、外国へ輸出できる国というのは、アメリカを中心としてわずかしかない、百カ国以上は米を買わなきゃならぬという現状に立っている、そういう状態だ、私はこう聞いているんですが、どうでしょうか。
#328
○畑国務大臣 ただいま先生御指摘のとおりでございまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、大方、自国のいわゆる対応という姿の中で事が行われておる。逆に申し上げれば、貿易分野の数量といいますものは四%程度である、この一事をもっても御理解がいただける、かように考えます。
#329
○深谷委員 お米というのは自給が中心であって、輸出する国はそう幾つもない、だから国際市場に出回るのは四%ぐらいだ、おっしゃるとおりです。
 麦の場合はどのくらいですか。
#330
○畑国務大臣 麦につきましては、ちょっと数字がぶれるかもしれませんが、一五、六%というふうに記憶をいたしております。
#331
○深谷委員 お米の場合は国際市場に出回るのが全生産の四%ぐらい、麦の場合は一五%とおっしゃったが、多分、私の記憶ではもう少し高いと思いますね。
 つまり、言いかえれば、小麦の場合は一六、七%まで出回っておりますから、そういう意味では国際市場というものがある意味では確立されているんですね。ですから、一つの地域で飢鐘が起こったとか凶作がありましても、国際市場というのは一応確立されていますから、調整したりして、価格が混乱するということが比較的少ない。ところが、米の場合はわずか四%でございますから、たちまち変動しやすいわけですよ。
 この冷害による凶作で日本は最初百万トン緊急輸入するんだ、こう言っていた。そのときでさえ、百万トン緊急輸入するだけで世界でもうトップの米輸入国になって、今や二百万トンになろうかという話も流れて、国際的な米の価格というのは急騰したと言われていますが、何%ぐらい上がりましたか。
#332
○畑国務大臣 御指摘のとおり、米相場はかなりの動きがございまして、一時期五〇%といったような数字を示しておって、残念ながら余りその後の変化がないというのが現在の姿ではないかこう理解いたします。
#333
○深谷委員 つまり、大量に日本が買い込むということでお米の値段というのは上がっていくわけですからね。だから、今までのように、自由化になったら消費者は安く食べられるんだという神話は、かなり問題だと思うんですね。そこらをやはり国民は正確に知らなければならないし、農水省もそういうことはきちっと国民の皆さんにお知らせするということは大切なことだろうと私思いまして、この努力はぜひやっていただきたいと思うんです。
 それから、本当に残念ながら、我が国はことし冷害に襲われて凶作になりました。で、緊急輸入をするということをお決めになった。随分早い決め方じゃないかなと私は正直思った。
 今、この間も私、代表質問で申し上げたばかりでございますが、景気回復、即座にやらなきゃならない、直ちに対応を考えなければならないと言っていながら、いまだに具体的な政策が出てこない。そして、不景気の状態というのはますます深刻になっている。この対応の遅さに比べて、米の緊急輸入の決断の早いこと、驚くべきものがあると私は思うんですが、どうお考えです。
#334
○畑国務大臣 この問題につきましては、今回のいわゆる冷夏・長雨、台風等々の被害による大凶作、この実態を私なりに厳しく受けとめる姿の中にございましても、異常な緊急な、国民の主食である、かような意味合いでは、一日も国民の皆様方に御不安を与えることが量的にあってはならぬ、さような意味合いでの決断をさせていただいた次第でございます。
#335
○深谷委員 農林大臣、そのお考えは必ずしも正しくないんです。
 先ほど申したように、本当にたくさんの食料品を今日本は買っているわけですよ。だから冒頭私は確かめたわけだ。例えば、我々がてんぷらうどん一杯食べたって、この中身は今や外国のものですよ。国産はないんですよ。(「水がある」と呼ぶ者あり)水なんということを言っているんじゃない。まじめに聞きなさいよ、あなた。
 要するに、食べ物のことごとくは外国から入ってくるものだというくらいに今や食料品をたくさん買って、豊富なんですよ。だから、先ほども野中理事が言われたように、確かに食糧事情は悪くなった、国民に心配はかけるかもしれないが、大丈夫ですよと。米が主食と言ながらも、パンも食べるし、おそばも食べるし、そういうものは豊富なんですから、ここで慌てることはありませんよとむしろ国民の皆様に呼びかけて、この苦しい時代は国民とともに頑張りながらこれを乗り切るというのが本当の姿勢ではないかと私は思うが、細川総理、いかがでしょう。
#336
○細川内閣総理大臣 おっしゃることもよくわかりますが、しかし、やはり米という一番基幹的なものが足りなくなるという不安が出てまいりますと、これはやはり心理的な不安というものは避けられないというふうに私は思いますし、あの時点で農林省が緊急的な措置として迅速に対応したということは、私はやはり適切な判断であったと、そのように思っております。
#337
○深谷委員 国民に不安を与えないために緊急に対応したと。ならば、景気対策ももっと早くおやりになったらいいじゃありませんか。どうなさるんですか。
 今のお話を聞いたからあえてまた言わざるを得ないんですけれども、来年度予算の編成は年内にゃるんですか。ちょっと途中ですけれども、それだけ伺いたい。
#338
○細川内閣総理大臣 再々申し上げておりますように、何とか年内にやろうということでぎりぎりの努力をさせていただいております。
#339
○深谷委員 この間、本会議で申しましたように、相当やっぱりおくれていますよ、景気対策は。具体的なものがまだ出そろってないんです。所得減税をやるのかやらないのかもはっきりしないし、それに伴う消費税はどうするかわからない。もうマスコミ関係では、所得減税と消費税と抱き合わせで一緒にやる、多少の時間差はあっても。もうそれが当たり前みたいになっているんですよ。国民の皆さんは、それでは効果が相殺されて何にもならぬ、景気の回復の見通しは暗い、だから株価が下がってしまったと、この間もそう申し上げた。
 そういう景気対策についてこれだけおくれているのに、お米の緊急輸入だけは驚くほどの早さであったということを考えると、私は、そこまで勘ぐってはいけないんでしょうかな、米の自由化に向けてむしろ絶好の機会と考えたんじゃないだろうかな。既成事実をつくり上げるということで、百万トンや二百万トンという米を輸入しようとした、そういう疑いを捨て切れないのでございますが、総理、いかがでしょうか。
#340
○細川内閣総理大臣 そういうことはございませんと、端的に申し上げさせていただきます。
#341
○深谷委員 まああなたはそう答える以外に答えようがないと思いますけれども、しかし、今までのさまざまな対応と比べたら、余りにも米の緊急輸入の決定とその推進は早過ぎて、それだけで、ほかもそうならば私はよくおやりになりましたねと言いたいんですが、ほかが全くおくれていて、これだけ進んでいるということに関しては、どうしてもそういう疑問を持たないわけにはいかないということだけ強く申し上げておきたいと思うんであります。
 そこで、慌ててお米を百万トン、二百万トン輸入することにいたしまして、今どんどん入りつつございます。そして、先ほど申したように、世界で一番の米輸入国家に今なりました。そして、これも先ほど申しましたが、米の国際的な価格も上がってしまった。これは世界に随分迷惑をかけたことにならないでしょうか。これは外務大臣に伺いたい。
#342
○羽田国務大臣 確かに、この量というものをあれすることによって国際価格が高騰するんじゃないかという懸念があったわけでありますけれども、それぞれやっぱりそういったことも配慮しながら広く手配をしたというふうに伺っております。
#343
○深谷委員 今、まともに食事ができるというか食生活ができる世界の人は約十億と言われているんですね。それから残り十億、この人たちは本当に飢鐘であえいでいる。今こうやっているときでも、餓死で亡くなってしまっていく子供たちが本当にたくさん出ている。残りの三十数億も、どちらかというと危機に近い数字が出ているわけでございます。
 世界に貢献すると言い続け、また、いろんな角度で貢献もしてきた日本でございます。ですから、今外務大臣に申し上げましたけれども、こういう形で世界の人々に多大に迷惑をかけることというのは、私は非常に重要なことではないかと思うのですけれども、率直なお気持ちを聞かせてください。
#344
○羽田国務大臣 先ほど来もお話がありましたように、やはり食糧というのはできるだけそこに生活するところでつくる、これが一つの原則であるということが一つの議論としてあることは私も承知しております。そして、日本のように相当お金のある国というのが買うことによって、本当に飢餓と栄養失調に悩んでいる人たち、こういった人たちの価格というのが暴騰してしまうというようなことがあったら、これはもう大変なことになるわけでございまして、このあたりは私たちもよく考えなければいけませんし、今実は、私どもが今度のガットの問題で各国を回ったときにも、まさにそういったことなんかも説いてまいったところでありました。
#345
○深谷委員 本当に、周りに御迷惑をかけることを考えながら、やはり「世界に貢献する日本」としてきちんとした姿勢をとっていこうじゃありませんか。このことを強く私は要望申し上げたいと思うのであります。
 それから、外国から輸入されるお米の安全性について伺いたいのですね、農林大臣。
 過日、我が党の委員の質問の中にもこのことが言われました。ところが、農林水産大臣は、大丈夫ですと、とっても簡単にこの問題についてのお答えをなさったのですね。本当に大丈夫なんですか。どういう理由で本当に大丈夫だと確信を持っておられるか、お聞かせ願いたい。
#346
○畑国務大臣 私どもの立場にありましては、国民の皆様方に、いわゆる米の安定供給ということとあわせまして、御指摘の安全性という問題が極めて大きな重要な柱、かように受けとめる中にございましての従来からの検査体制、かてて加えて今回の場合におきましては、厚生省サイドにおけるチェック、こういうものを十二分にやらさせていただいておる。こういう姿の中にございましての安全ということを私自身が国民の皆様方にはっきり申し上げる責任もある。
 そしてまた、それだけの内容の安全のチェックの体制を、さらに私自身がこの目でも確かめさせていただいたというような意味合いでの大丈夫と申させていただいた次第でございます。
#347
○深谷委員 失礼だけれども、あなたは厚生省の専門家でも何でもないのですよ。この目でしっかり安全性を確かめたと言ったって、どうやって確かめられるのですか。しかも、今までの検査基準が云々というお話をなさったが、今度外国から自由化で入ってくるというのは、そういう意味では今までにない新しい事柄なんですよ。だから、今までの国内産の安全基準で検査をすれば大丈夫という簡単なものではないのですよ。違いますか。
 農薬に詳しいある専門家は、まあ日本でも農薬は使用している、しかし、これは育成中に散布するものであって、プレハーベストと言われているんだ。ところが、問題なのは収穫後に使用するポストハーベスト農薬だ。アメリカなどもそうですが、遠くから輸出する国々は、長期間お米がもたなければなりませんから、直接殺虫剤をスプレーして、中には二十一カ月も農薬が残留しているというケースがある、こう言っているのですよ。これは安全ですか。
#348
○畑国務大臣 私自身もその技術的な専門家でないことは御指摘のとおりでございます。そういう中にございまして、厚生省のお立場でのこの問題に対する積極的なお取り組みも賜っておる姿の中における安全ということを確認をさせていただいておる。
 そしてまた、今ポストハーベストの問題等々、こういうことも十分関係者の方々が踏まえて検査をやらさせていただいておる、こういうことであるわけでございます。
#349
○深谷委員 私、きょう時間がありませんので、これ以上この問題を質問いたしませんけれども、農林水産大臣、各種の本で今、驚くべき農薬汚染の実態が書かれています。どうか、国民に安心させるためだというような簡単なことで、大丈夫でございます、私が見ましたから、確認しましたからといったような軽々しい発言は慎んでいただいて、もっと真剣に、外国から輸入する米、これに対するさまざまな害がないかしっかり勉強なさり、調査をなさり、対応することを強く要望しておきたいと思います。
 私は今度のお米の騒ぎを見ながら、もう一つ、近年日本人全体がお米のありがたさというものをかみしめるというそんな暮らし方がなくなってきたような気がいたしまして、まことに私は残念に思っているのであります。昔は御飯をいただくときには、まずお百姓さんにそのありがたみを感謝したものです。それから、日本のような連作、千数百年も続いてこられた、これは自然の恵みだ。自然のありがたさをどれだけ感謝をしながら手を合わせた後に御飯を食べたものか。我々の世代、皆さんの世代ならよく御存じだろうと思うのです。今自分がお米を食べ、食糧を食べ、生きていられることに感謝する、こういう美徳が日本人全体にあったと思うのですが、近ごろどうもそれが忘れ去られているような気がしてならないのです。
 具体的に申しますと、世界から買っているさまざまな食料品、残飯としてごみ箱に捨てるのが年間一千万トンだと言われている。この間我が党の江藤先輩が、銀座のネズミが太っちゃって猫の方かびっくりすると冗談を言われた。本当にこれはブラックユーモアみたいなもので、一千万トンも残飯を捨てているのですよ。一千万トンといったら米の生産量と同じじゃありませんか。こういう状態というものを直していくという問題は非常に大事だと私は思うのですね。
 文部大臣はおられますか。席を外しておられるようですから後で聞きますけれども、これは教育の問題なのですよ、本当はね。家庭の中の教育、学校での教育、これはぜひとも文部大臣に聞きたいが、ちょうどいないから後にいたします。
 それでは後回しにして先にお尋ねすることにいたします。お見えになりました。文部大臣、失礼ですけれども、お出になるときは理事にお断りになってから行ってくださいね、そういう規則になっていますから。
 今のことをもう一回残念ながら繰り返しますが、文部大臣、日本はあり余るくらいの食糧を手に入れて、昔は一粒のお米にも感謝しながら食べたという美徳があったけれども、今やそれが失われている。年間一千万トンの残飯が捨てられて、そういう状態が続いている。これは教育の問題の一つでもあると思うが、文部大臣はどうお考えになりますかということを尋ねようとしていた。
#350
○赤松国務大臣 物を大事にするという気持ちは私どもの世代には非常にあると思います。先ほど先生おっしゃっていらっしゃいましたように、一粒のお米に感謝をし、それを残すと親から大変しかられたものでございますのでも、物が豊かになって、そういう気持ちがだんだんに失われてきたということは事実でございます。これは、単に物を大事にしろとか言っても、この傾向は簡単に直るとも思えない。大きな社会的な変化の中で起こったものだと思いますのでも、その中で、やはり物は大事にすべきだということを何とか教育の中で若い人たちに伝えることができれば非常にいいと思いますが、そう簡単にできるとも思えません。
 で、一つお米について、この前この場で田中眞紀子委員がおっしゃったことで私がお答えしたこと、先生たしかここでお聞きになっていらしたかと思いますが、学校での給食という問題でございまして、これは、ずっとパン食を給食の内容にしておりましたのをお米にかえて、お米を子供に食べてもらうということを通じて、お米の大事さあるいはおいしさ、そして食文化のあり方というものを学校の中で身をもって味わうことができる一つの手段として、給食の中でお米を食べている。そして、教えることもそれを通じてできるのではないかと思って、そのようにしておるところでございます。
#351
○深谷委員 文部大臣、そういう一般の人のような簡単なお答えを求めているんじゃないんですよ。そんな世間話でしゃべるような話を聞いているんじゃないんですよ。お米を大事にしない、食べるものを大事にしないということは社会全体のさまざまな動きからできてしまった、学校でやろうといってもそう簡単にいきませんとあなたはおっしゃった。それではだめだということを言いたいんですよ。
 学校教育の中で、そういう日本人の本来持っていたいいところ、自然の恵みに感謝して、今食べられることに、お百姓さんだとか流通機構に携わるさまざまな人たちにありがたいと思う心を教えるのが教育なんだ。それを、何にもできません、せいぜい給食で云々ということでは、我が国の文教行政というのはできないと言いたいんですよ。横綱審議会に女性を入れろとかそういうようなものよりも、これからの世代がどう生きるか、どう育つがこの教育の大事さをあなたは本当にかみしめて、どうしたらいいかということを真剣にお考えください。お願いいたします。感想をお聞きしたい。
#352
○赤松国務大臣 最初に申し上げましたように、子供のときから、勤労の大切さ、それによってつくられたお米というものに対する認識を教えることは大変大事なことだと思っております。
#353
○深谷委員 あなたの今のおっしゃったことを先におっしゃれば、私も別に大きい声を出す必要はないんですよ。
 あなたは、そういうような日本人の美徳が失われたのは社会全体の変化だ、それもそうですよ。しかし、あなたは今文教行政を担当なさっておられる方ですから、教育の現場でそういうことを教えるために全力を挙げます、今具体的にこれこれこういうことは言えませんが、よく相談しながら頑張ります、そういうお言葉を私は欲しかったのでございます。それは、後ろから、女性をいじめるなとばかな発言がありましたが、そんなこととは関係ないことで、私が真剣に言っていることだけはきちっと受けとめて、文部省の方もおられるでしょうが、教育の中で、日本人のよさ、日本人の道徳観、そういうものをつくり上げるように頑張っていただきたいということを強く申し上げたいと思います。
 米問題に関して、日米間でさまざまな交渉を持ってきたんですねという質問、我が党から再三出されました。しかし、どちらかというと、外交交渉中なのですべてを明らかにできませんというお断りの言葉が多く、米問題での日米間の合意の存在についても、今何らかの合意に達している事実はないと否定し続けてこられたのでございますが、ぎりぎりの交渉を行っている、そう言ってかわして、その経過を一切明らかにしなかったというのが今まで私どもが受けた印象でした。これは大変問題だと思いますが、総理、どのようにお考えでしょうか。
#354
○細川内閣総理大臣 二国間、多国間でさまざまなやりとりをしてきた、これは外交交渉でございますから、改めて申し上げるまでもないところでございます。しかし、先般来申し上げてまいりましたように、全体のこの作業の中で、アメリカとの間でもいろいろな話し合いがなされてきたというこどをぜひ御理解をいただきたいと思います。
#355
○深谷委員 外交交渉ですから、全部それは種を明かすということはできないでしょう。それはわかるのですよ。しかし、米というのは日本国民にとって重大な問題ですからね。その国民の声を体して大勢の人があなたに質問をしたわけですよ。だから、話せる枠、話せない枠、おのずからあるでしょうが、うそを言ってはならぬのです。外交交渉は相手があるからということではあるけれども、うそを言ってはならない。
 あなたは今まで日米間の合意の存在を、今何らかの合意に達している事実はありません、こう否定し続けてきたわけですよ。そのとおりだったのですか。
#356
○細川内閣総理大臣 そういうことでございます。
#357
○深谷委員 これは既に新聞でさんざん報道されたことですが、総理、九月の段階で、あなたは、ウルグアイ・ラウンドの年内の決着が一つ、これはもうやるぞ、日本が切れるぎりぎりのカードは部分開放だと側近に語ったと、これはマスコミに出ておった、九月に。こういう事実はどうですか。
#358
○細川内閣総理大臣 それはちょっと正確ではございません。
#359
○深谷委員 それでは、これも同じく報道でございますけれども、実際には米市場開放をめぐる水面下の日米交渉が山を越えたのは九月のころだ、こういう報道がなされたのですね。これはどうでしょうか。
#360
○畑国務大臣 そういう事実はございません。
#361
○深谷委員 マスコミは、アメリカとのぎりぎり極秘交渉で九月の中旬にはほぼ妥協した、こう書いているのですよ。これは誤報だったのですね。
#362
○畑国務大臣 そういう事実はございません。
#363
○深谷委員 私の得た情報によりますと、九月の下旬に農林水産省の首脳が官邸を訪ねて、このぎりぎりの日米間の妥協について、この方向で収束していいかということを総理に尋ねて了解を得ている、こういうように聞いたのですが、どうでしょうか。
#364
○細川内閣総理大臣 外交交渉でございますから、その経緯についてさまざまな報告があるということは、これは当然のことでございますし、先ほど委員からも、それは当然のことだというお話がございましたが、その経過について逐次報告は受けております。
#365
○深谷委員 初めてあなたが認められた部分なんですよ。九月の下旬に農水省首脳が官邸を訪ね、この方向で収束させていいかという打診に対して総理は了解した、こういう事実はあったのですね。
#366
○細川内閣総理大臣 とにかくぎりぎりの局面まで、繰り返し申し上げますが、国会決議等もございますから、こうしたものを踏まえて最後の瞬間まで我が国の立場というものを貫くように頑張ってもらいたい、こういうふうに申しております。
#367
○深谷委員 十月中旬には合意の輪郭が漏れまして、これも新聞等で大騒ぎになったのですよ。このときも総理並びに政府の関係者も知らぬ存ぜぬで通したのですね。そして、今度の調整案ですよ。ウルグアイ・ラウンドの期限まであと一週間というぎりぎりのときに、何と驚いたことに、全く想定されていた、報道に載っていた筋書きどおりの中身が伝えられたわけですね。
 この最終調整案を見ますと、今まで私がお尋ねした、そしてそのことに答えられた総理を初めとする関係者の話がやっぱりおかしいと言わざるを得ないのでございます。外交交渉という言葉に隠れて事実を隠し、水面下で妥協している問題について、国民に知らせない、国会でも語らない、そしていよいよ最終の一週間前になったら思ったとおりの案が出てくるなどというのは、余りにも整い過ぎていると私は思うのですよ。
 それから、我が党の柳沢議員が農水大臣に向かって、ぎりぎりの交渉のこの大事なとき、あなたはなぜ現地まで行って、交渉している職員や関係者を叱咤激励して頑張れと言ってこなかったのかということを鋭く指摘をしたわけでございますが、あなたはこちらにいて督励はしているといったようなお考えでございました。はっきり申し上げて、今までの農林水産大臣と比べるとやる気のなさが目立つように思うのですが、あなたのお考えを聞かせてください。
#368
○畑国務大臣 私は、農林水産大臣に就任以来、この大問題に対しまして、私なりの与えられた責任を果たすその取り組みのありようといいますものを、スケジュールを念頭に置かさせていただいたのが一番であります。そういう中で、先ほども申し上げましたように、十一月十五日というものが国別約束表を提出をする時期と、そういう前提がありましたことも御案内のとおりです。
 そういうような意味合いから、私がまずその焦点として、問題のかぎを握る立場というものはガットの事務局長である、そういう意味合いの焦点を当てまして、十一月上旬には、先ほども申し上げましたけれども、我が方としては国会決議を踏まえての、いわゆるフリーハンドで私が来ているわけではない、いわゆるこれで歩み寄って云々という話ではない、こういうことはできないという中で、ガット事務局長、あなたがまとめるという意思があるならばそれ相応のものを私の方に出してくれということを、私の立場では、言葉は悪いかもしれませんけれども、最後通告のようなことをして席を立つような勢いで帰らせていただいた。
 さような意味合いでございますから、私がその後また何かの譲歩案を持っていって云々ということをするようないわゆる戦略の取り組みの姿ではなかった、この辺も御理解をいただきたいと思います。
#369
○深谷委員 理解できないのですよ、そこのところが。
 アメリカもカナダも韓国もオーストラリアも、主要国の大臣は、いよいよ大詰めの時期を迎えて、連日のようにジュネーブに入っているんだ。日本の国会が今まで三度も決議した、それに基づいて戦うべきあなたが、アメリカ、カナダ、韓国、オーストラリアその他の主要国の担当大臣がジュネーブに出かけて必死で頑張っているときに、行こうともしていなかったではないか。人によっては国会の審議中だからという弁解をなさる方もいらっしゃるが、行っていいかという了解を求めることすらなかった。どうですか。
#370
○畑国務大臣 私が十一月の上旬にサザーランド事務局長といわゆるただいま申し上げましたような意味合いのやりとりをいたしました際に、そのとき、たまたま今手元に資料もございますが、十一月十日に貿易交渉委員会を開く、それで今後の交渉は貿易交渉委員会、その各国首席代表者の間でもって話し合いをやっていきたいというような意味合いの発言があり、そしてまた我が方が、御案内のとおり首席交渉者といいますものもきちっと決めさせていただいておるわけでございますから、ただいま申し上げました国会決議を踏まえての、そういうような意味合いでの、我が方からいささかでも条件的な、譲歩案的なものを、歩み寄るような姿のものを出すことはできない、そういう姿の中で首席交渉官にもそういうことを十二分に私の立場から指示をして帰らせていただいた、こういう中で先方から何らかのアクションが起きてこなければまとめ役の責任は果たせませんよ、そういうことを言わせていただいた、こういうことであります。
#371
○深谷委員 私、今の発言は重大だと思うんだ。自分の方から歩み寄りの案は出せないが、向こうから歩み寄りの案を出せと言ったの。私の言いたいのは、日本は受け入れられないという決然たる態度で相手に臨んだのかということを聞いているのですよ。違うのですか。
#372
○畑国務大臣 言葉が足らなかったかもしれませんが、我が方は国会決議を踏まえての交渉である、そういうことによって、まとめようとする気持ちがあるならば何らかのアクションを起こしなさい、こう申し上げてきたわけでございます。
#373
○深谷委員 はっきり申し上げて、行く必要がなかったんじゃないんですか、もう既に。関係国の根回しは終わり、手打ちは終わっていて、今度最終調整案が出されたような内容でお互いに納得し合っている、だから行く必要がなかったのではないかと私は疑うが、私の間違いでしょうか。
#374
○畑国務大臣 与えられた責任としまして、ただいま申し上げたようなことのいわゆる私なりの努力をさせていただいた、こういうことでございます。
#375
○深谷委員 先ほどからの農林水産大臣のお言葉、何回も伺っていますが、残念ながらあなたに意欲を感じられない。これからだってまださまざまな交渉があるのですよ。戦いを、大戦争をやっているときに、本当に安全な奥深くに、大臣室におさまっていたり、国会にいるというような、そういう時期じゃないのですよ。やはり命がけで戦うという姿勢を、少なくとも担当大臣には見せていただきたかったというのが正直な私どもの気持ちでございます。今からでも遅くはありませんから、全力を挙げてください。あなたの人生をかけて、政治家としての人生をかけて、勝負してください。お願いします。
 山花社会党前委員長にあわせて伺いたいのですが、今こういう事態になった。少なくとも今までの動きを見ていると、残念ながらもうこういう形でしか解決しないのかなと思うような悲しい状況ですよ。社会党は国会の議決というのを重んじて、一粒たりとも入れないとおっしゃってこられた。今、どうですか。
#376
○山花国務大臣 お話しいただいた、御存じのとおりでして、三度の国会決議の方針というものを堅持して頑張ろうというのが従来の党の主張でございます。その主張というものを堅持して今日に至ったところでございます。
 今回の、昨日来の、案の骨子が出たということの中から、連日、党としては、こうした事態に対して、これまでの交渉の経過等も含めて、対応について協議しているさなかでございます。私もそうした協議について、刻々お話を伺ったり、また意見を申し上げたりしておりますけれども、そのさなかでございますので、党の方針が決まりましたならば、そのことを踏まえて閣僚としての態度についても決したい、今日の段階ではそう思っているところでございます。
#377
○深谷委員 さっき、委員会開会中にマスコミのメモが入ってきたのですけれども、社会党代議士懇談会では、米の部分開放に反対の意見が相次ぎ、野坂国対委員長が最後に、閣議決定の延期、ウルグアイ・ラウンドの再交渉を求めることで意見を集約された、こうなっていますが、これはどうですか。
#378
○山花国務大臣 この予算委員会のさなかのお話だと思います。まだその報告は私は聞いておりませんので、予算委員会が終わりましたならば詳しく聞きたい、こう思っております。
#379
○深谷委員 それはだめなんですよ。今、じゃ聞きなさい。私の質問の終わりまでの間に聞けばいいじゃないですか、こんなこと簡単なんだから。
 ほかにも共同通信その他の情報によれば、同じことなんですよ。つまり、社会党としては閣議決定の延期、ウルグアイ・ラウンドの再交渉、こう言っているのですね。あなた、どうするの。
#380
○山花国務大臣 代議士会を開いだということは……(「懇談会」と呼ぶ者あり)懇談会ですか。懇談会を開いだということは、衆議院段階における意見の集約の一つだと思っております。参議院からもあるいは関係団体からも、全国の組織からも、各方面の意見を集約して最終的に社会党としての方針が決まるものと考えているところでございます。
#381
○深谷委員 もう段階はここまで来ているのですよ。もうぎりぎりのところまで来ているのですよ。あなたは社会党の結論を待って決めるようなことをおっしゃるが、大臣として、では今どう考えていらっしやるの。
#382
○山花国務大臣 大臣としての考え方は、先ほど申し上げたとおりでございます。一深谷委員「どういうふうに」と呼ぶ)党の方針が決定された場合には、そのことを踏まえて閣僚としての態度も決定したい、こう思っております。今、各方面の意見を党本部が中心となって聴取をしているところでございます。
#383
○深谷委員 はっきり申し上げて、こんなに当事者能力のない大臣は珍しい。大臣たる者、国務大臣たる者、こういう米の重要な問題に対して、ここまで来たら自分はどう決定するか、政治家としての良心をかけ、人生をかけて決断なさるのが常識だ。そういう意味では、何でも本家の言うとおり、本家のおっしゃるとおりにします、そんな議論は話になりません。
 今までさまざまな、総理初め皆さんから答弁を聞いてまいりました。秘密の事前の交渉はなかった、日米間の合意や妥協もなかった、繰り返し申されました。しかし、今日は情報社会ですからね、きょうはそれで答弁終わったかもしれませんが、これから具体的な事実がいろいろ出てくるかもしれません。私はきょうの答弁は重い意味があると思う。
 きょう答弁なさった総理、あなたが言っていることが事実と反することが次第に明らかになったらどうなさいますか。
#384
○細川内閣総理大臣 外交交渉、事は交渉事でございますから、我が国の立場をあくまでも貫くべく、最後までこれは徹底して我が方の主張を述べる、そこで激しくぶつかり合って、まとまるところにまとまっていく、これが私はやはり交渉であろうと思います。そうした意味で、私どもは、繰り返し申し上げておりますように、国会決議の趣旨を体して最後の瞬間まで努力をしてきた、また努力をしていくと、そう申し上げているわけでございます。
#385
○深谷委員 私が言っているのは、今まで、九月のもうその時期に、日米間で大筋の合意はできたとかあるいは農林水産省の首脳部が官邸に行って、あなたとこの線でいこうと決めたとか、さまざまな問題を具体的にお聞きして、あなたはそういう事実がないとおっしゃった。そういう事実が、情報化社会ですから時間とともに流れるかもしれない。事実に反する、それがうそであるというようなことがはっきりしたらどうなさいますかと聞いているのです。
#386
○細川内閣総理大臣 ですから、それは交渉でございますから、さまざまなことがあろうと思います。交渉の経過の中で、日米間でも相当に話は詰まっていくでありましょうし、こういうことはどうだろうか、それはだめだ、やりとりがさまざまにあることは、これは申し上げるまでもないことでありまして、そのような経過について逐一報告を受けてきている、こういうふうに申し上げているわけでございます。
#387
○深谷委員 今、私の質問がかみ合っていないのですよ。私は今まで、九月の段階で日米の合意や妥協は秘密裏になされているということを指摘して、そうではありません、そんな事実はありませんとあなたはおっしゃったから、後からそういう事実がわかったらどうしますかと聞いているのです。それだけなんです。
#388
○細川内閣総理大臣 そういう合意というものは、その時点でないというふうに私は承知をしております。
#389
○深谷委員 では、そうではないという事実がわかったら、責任はおとりになりますね。
#390
○細川内閣総理大臣 それは外交交渉でございますから、繰り返して恐縮でございますが、それはさまざまな段階があるということは、これはぜひ御理解をいただきたいと思います。
#391
○深谷委員 委員長、ちょっとこの答弁では納得できないよ。事実に反した場合には責任をとりますかと聞いているんだから。理事、ちょっと行ってよ。
#392
○山口委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
#393
○山口委員長 速記を起こして。
 私の方から申し上げます。
 政府側におきましては、質問者に的確にお答えいただくように要請いたします。一発言する者あり)静粛に願います。
 細川内閣総理大臣。
#394
○細川内閣総理大臣 内閣総理大臣として、責任を持つ者として、きちんとお答えをしているつもりでございます。
#395
○深谷委員 ただいまの御発言は、あなたが今までおっしゃったことが事実に反するという事態が起こったら、責任をとるというふうに受けとめてよろしいですね。
#396
○細川内閣総理大臣 それはちょっと仮定のお話でございますし、外交交渉でございますから、繰り返して本当に恐縮でございますが、私としては私の立場で全力を尽くしてお答えを今しているわけでございますし、外交交渉に当たってきた、そういうふうにお答えをしているわけでございまして、その点につきましてはぜひ御理解をいただきたいと思います。(深谷委員「納得できない」と呼ぶ)
#397
○山口委員長 武村官房長官。
#398
○武村国務大臣 今総理がおっしゃったことは、我が国の政治の最高責任者として申し上げたとおりでありますということで、もうすべてを言い尽くしていると私は思います。(深谷委員「だから、もしそれが違ったら責任をとるというの」と呼ぶ)違ったらというのは、いかにも総理がうそをついていたという仮定の上で答えよと、それは失礼な話だと思いますね。
#399
○羽田国務大臣 先ほどからお話をこうやってお聞きしているわけですけれども、今日まで総理がずっと御答弁されてきたんですけれども、これは長い交渉の経過がありますね。七年数カ月という大変長い交渉がある。そういうものを受け継ぎながら、時々、交渉というのはいろんなお互いのサウンドがあるわけですね。そういうサウンドというものを踏まえながら今日に至ったということを総理は言われておるわけでございまして、私は、総理がうそを言っているということはない。
 ただし、一つの問題について、今このものについてどうなのかということを聞かれても、先方がまさにこういったものを聞いているわけですから、今度は逆のリアクションが出てきてしまうということがある。そういう中でなかなかお答えできない場合があったということはこれは事実でありますけれども、私は、うそをついていたというのは当たらないんじゃないかというふうに御理解いただきたいと思います。
#400
○細川内閣総理大臣 うそは全くついておりません。ただ、明らかにできないこともあるということを御理解をいただきたいと思います。
#401
○深谷委員 そういうことなんですよ、はっきり言って。私は具体的に何月、どこで、どういうことと言って聞いているわけだから、それが違ったら責任とりますかと言うのは当たり前でしょう。やはりそれだけの重みを持った発言と私はきょうのところは受けとめて、また全く違うような報告が、情報社会ですから、出てきた場合には改めてその責任を問いたいというふうに思います。
 次に、私は相続税についてお尋ねしたいと思います。
 相続税といいますと、どちらかというと都市問題といった印象が多いんですけれども、しかし、まあこれは国家全体の問題でございますから、ぜひ誠実にお答えすることを期待したいと思います。
 その前に申し上げたいんですけ書も、近年、とりわけ東京に対して一極集中という言葉が大変多く出るような時代になってまいりました。確がご、政治や行政その他あらゆる機能が集まっているのが東京でございますから、一極葉中という言葉は間違いないのでありますが、その一極集中の弊害を言われるときに、あたかもここに住んでいる人々のゆえにそのようになったといったような印象さえ与えていることは、私どもにとっては納得いかないことなんであります。
 むしろ逆に、一極集中の弊害に苦しんでいるのはここに住んでいる人たちであって、東京なら東京の都民というのは何の責任もない、逆に大きな迷惑を受けているというのが実情ではないだろうかというふうに思うのであります。東京の住民はそういう一極集中によって、例えば土地の高騰ですとか、さらにはそのための高い税負担であるとか、あるいは交通渋滞、そのために環境が悪くなるといったようなさまざまな大きな迷惑を今日受けているわけでございます。東京だけのことを言おうと思っでいませんが、しかし、この東京をつくったのは、我々の先輩たちが明治以来営々として今日まで努力を続けてきたからでございます。その志を受けて、ここに永久に住みたい、ここをふるさとと考えたいという人たちが大半でございます。
 そこで総理、今聞いておられましたか。大事な問題だからもう一回言うけれども、要するに、一極集中と言われて、何かここに住んでいる人たち、東京の人たちがそういう一極集中の弊害を生み出しているようなそんな印象さえ、与えている。しかし ここに住んでいる人たちは、逆に政治や行政が集中しているから迷惑千万な状態の中に置かれている、私、そう思うんですよね。明治以来、我々の先輩たちが営々と築き上げたこの都市、ここに住んでいる人たちはその先輩たちの志を継いで永久に安定的な暮らしをここで続けていきたい、こう願っているわけですね。
 私は、東京の人たちがそういう苦しい中をやはり安心して生きられるような環境をつくっていくということは政治にとって大事なことで、私は、東京をふるさとと思って住み続けるというそういう人々はそれを一つの大きな権利としてお持ちだろう、こう思っているんですが、総理、どうお考えでしょうかと聞きたい。
#402
○細川内閣総理大臣 東京をふるさとにしておられる方々もおっしゃるようにたくさんいらっしゃいますし、その思いというものが生かされるように、政治もそのことにしっかり目を向けていかなければならない、このことはもうおっしゃるとおりだと思います。
#403
○深谷委員 東京に住む人たちが安全で快適な暮らしをしていくような政治を行うことは大事なことだと言われた総理のお言葉は、まことに結構だと私は思います。そこで今、その東京と限りませんが、近畿圏も含めた都市に住む人たちの最大の悩みは相続税の問題でございますから、このことについてお尋ねしたいと思うのであります。
 相続税の国の税収に占める割合を調べてみますと、昭和五十五年、当時は一・六%ぐらいだったのですね、大蔵大臣御存じのように。ところが今、平成四年になりますと、実に四・八%と異常に増加しているわけです。他の税はそんなに変わっていない、相続税だけが異常にこう上がっている。被相続人一人当たりの納付税額も、六十年代前半ではせいぜい二千万円ぐらいだった。今はもう七千万以上というのが当たり前になっている。これは土地の高騰、都市は土地が高いということが影響しているということであることはもちろんでありますけれども、逆に言えば、そこに住む人たちは相続税という負担が莫大なおもしになってかかっているということであろうと私は思うのですね。こういう状態になっていることについて、総理はどのようにお考えでしょうか。
 総理は今聞いておられなかったようだから、じゃ大蔵大臣、よく総理にわかるように答えてください。
#404
○藤井国務大臣 今の深谷委員の御指摘は、大都会を中心とした方々に対して極めて適切な御意見だと思っています。
 そこで、やはり私は、相続税というのは、やや青臭い言葉で言えば、社会正義を実現するための税制だと思うのですね。いわゆる世代交代をするときに、それなりの資産の転換をするということによって社会正義を実現する。これは極めて正しい税制だと思います。
 しかしながら、政治にはやはり健全な中堅層を育てるという大事な仕事があるわけでありますが、現に今深谷委員御指摘のように、一部地域においては土地、特に土地の値上がりが原因でそのような、何というか中堅階級の方にまで相当な税負担を求めるような形になっている、そのことが今のような数字にもあらわれている、こういう事態だと考えておりますので、もし御質問があれば引き続きお答えをいたしますが、税制のそこいらのひずみを直すということは大事なことだし、今までも直してきたつもりでございます。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
#405
○深谷委員 総理、ちょっとお聞きになっていただきたいのですけれども、例えば、具体的に私申しますと、中央区に住んでいるある中華そば屋さんがいるのですよ。これをAさんと名づけましょうか。それで、苦労の末やっと三十五坪の土地と建物を購入して頑張って努力をしてこられた。残念ながら奥さんも早く死んでおられたので、長男夫婦と一緒に営業していた。ところが、本年の四月にお亡くなりになってしまった。
 具体的な話ですが、この店舗は長男が引き継ぐことになって、ここに相続税問題が起こりました。相続財産は土地、建物が主でありまして、一階が店舗、二階が住宅になっておりまして、他の財産というのは一千万円程度の預金でしかありません。小規模宅地の減額を行って、基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額は一億九千万円になった。結局この相続税額というのは約五千三百六十万円になったのですね。それで、東京の中心地はこういうケースがうんとあります、うんとあります。
 そこで、この長男は、今まで親がいたときと同じような、何の変わりもないそのまま中華料理店を営んで生活したいと思っているのですが、ただいま言ったような相続税がかかってまいりますから、さてどうしたらいいだろうかと悩んだのですね。そして、まず考えられるのは延納かなということ。しかし、二十年の年払いとして、利子、税金を含めると年間四百八十万円、とってもこれは払えるものではない。そこで、では店も建物も売ってしまって納税しようかと考えた。売ったらもう生きられない。しかも、売ろうにもバブルがはじけて今や土地が売れなくなってしまっている。そして、売れば譲渡税も取られるし、見知らぬ土地で店舗を開くわけにもいかない、どうしたらいいか。生きるにも生きられないんです。生きるすべがない。
 さっき私が総理に伺ったときに、この東京というところに住む人がふるさとと思って生き続けることは大事なことで、本当にこういうような人たちが安心して暮らせるような社会をつくるのが政治の重要な問題だと、こうおっしゃった。この人の場合、このケースはうんとあるんですけれども、これをお聞きになって、どうしたらいいとお思いでしょうか。
#406
○細川内閣総理大臣 おっしゃるように、そのようなケースは本当に多いと思いますし、そういう方々がふるさとである東京から出ていかなければならない、こういうような状況が出てくるということは、大変これは問題だと思っております。やはりそれに対応していくためには、国土の均衡のある発展ということが何よりも基本だと思いますし、また、当面の対策としては、まさにおっしゃるように税制の問題があるんだろうと思いますが、さきの税調の答申におきましても、その点につきまして、居住用の土地にかかわる税負担を中心に一部で負担感が強まっているから、したがって今後、税率区分の幅の拡大であるとか、あるいは居住用の資産とか配偶者に対する配慮をしていかなければならないという指摘もなされております。
 したがいまして、来年度の税制改正におきまして、その答申の趣旨というものを踏まえて、できる限りそういう方々への配慮というものがなされるようなことを考えていかなければならないだろう、そのように私も受けとめているところでございます。
#407
○深谷委員 今の総理の前向きなお話というのはよく承りました。
 この間、高鳥委員が藤井大蔵大臣に質問をしたときに、高鳥委員が同じような趣旨でお話をいたしましたら、私もそのとおりだと思うとおっしゃった。ところが、じゃどうするかということについてはほとんど触れておられなかった。もう一回大蔵大臣のお考えを聞きたい。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
#408
○藤井国務大臣 今総理もお話しになりましたが、平成六年度の税制改革において、ただいま総理も言われたように、税率の間隔をより延ばして低い層をうんとっくるとかあるいは既に昭和六十二年と平成三年に二回にわたって、例の小規模の二百平米以下の事業用資産及び居住用資産について、事業用については四〇%を七〇%、居住用については三〇%を六〇%減額をいたしておりますが、ここいらに手を入れるとか、さらに、言われました配偶者については、基礎的に八千万円を控除いたしておりますが、これをもう少しふやすとか、そういう方向の平成六年度税制改正を考えております。
#409
○深谷委員 藤井大臣、まさに我が党が政権をとっているときの税制調査会の議論をきのうのように思い出すんですよ。できるだけ、例えば事業用の宅地はまあ六〇%にしようとか、居住用は五〇%に減額しょうとか、さんざん議論したんですね。しかし、残念ながら、今日の状況を見ていますと、これで救えないんですよ。
 そこで、私は新たに、例えば二百平米以下の小規模宅地については、むしろこの際非課税にする、そのくらいの思い切った対応をしないと無理ではないかと思うんですが、どうでしょうか。
#410
○藤井国務大臣 今、事業用ですと既に七割減額をいたしておって、三割残っているわけでございますが、それらについてもまた考えようということでございますので、まあひとつそこいらで御理解をいただきたいと思います。
#411
○深谷委員 今Aさんの例で言いましたように、その辺で御了解いただきたいと言うが、私が了解するんじゃないんですよ。現実に生きられない人が都市でたくさん出ているわけだ。だから、そういう木で鼻をくくったような話では、よく承知していますが何もやらないという答えしかないわけです。
 通産大臣、あなたはどう思いますか。
#412
○熊谷国務大臣 委員がまさに御指摘のとおり、私どもも長い間この承継税制という形でこの問題に取り組んできたわけでございますけれども、最近のまさに委員が御指摘の地価高騰の中で、また、私どもの調査を見てみますと、ある種の世代交代期と重なりまして、中小企業のサイドからこの問題に対する非常に強い要請が高まっているということを私どもも感じているところでございます。
 これは工夫がいろいろございまして、私ども、委員が御指摘のように全部、一〇〇%というわけにはなかなかいかないのかもしれませんが、ただ、御案内のとおり中小企業の承継の場合、特に相続を通じての承継の場合には二つの方法がございまして、上場会社との比較で評価するとか、あるいはいわゆる清算方式で、清算した段階でどうする、それの比率をどういうふうにあんばいするかというようなやり方がございますが、私どもは、現在平成六年度の税制改正の中で、相当の項目にわたりまして大蔵省に対しまし要求をいたしているところでございまして、ぜひこの相続税につきましては大幅緩和の方向で、現下の中小企業の苦しみを少しでも和らげるように努力をしていきたいと考えておるところでございます。
#413
○深谷委員 二百平米以下の部分については、現在の減額基準よりももっとうんと引き上げるんだという、減額を多くするんだというお考えだろうと思うんですね。大蔵大臣ときっとぶつかりますからね、あなた。しっかりこういうような現状を踏まえて、私が申したように、少なくとも二百平米以下は非課税にするぐらいの元気と勢いを持って頑張ってやってください。
 そして、基礎控除も今のままでいいとは思えない、あるいは法定相続人比例控除も今のままでいいとは思えない、税率構造の見直しといったような問題を含めて、通産大臣、期待してますから頑張ってくださいね。それだけちょっと申し上げておきます。
 それから、最近物納が非常に多くなった。相続税が払えないために相続した土地や有価証券などの物納が増加しているのですけれども、一九九二年度で見ますと、物納が実に一万二千七百七十八件、額面にして一兆五千六百四十五億円にもなっている。もちろん、あなたが言われるかと思うから先に言いますけれども、昨今地価がある程度下がってきた、だから取引価格が相続税の算定基準よりも低いという場合には物納が有利だと思ってやる人もいると言われるかもしれないから先に言っておくんですが、しかし、現実は、特に中小零細の方々には、払えないからやむにやまれず物納するという方が圧倒的に多いんですね。
 大体、私思うのですが、相続税というのは現金で払うべきものでしょう。払えるという状況があるから払うのが相続税だから。つまり、親から相続を受けて、それだけの利益というか資産ができる、お金ができる、それで払うものだから。本来、私は、相続税というのは物納ではなくてお金で払うというのが本筋だと思う。それがここまで物納になっているというのは、いかに多くの人が苦しんでいるかという裏返しのあらわれなんですね。どう思います。
#414
○藤井国務大臣 おっしゃるように、物納は例外的な仕組みだと思います。戦後の昭和二十年代の財産税のころは非常に多かったわけでありますが、その後非常に物納は減って、今おっしゃったような資産インフレの時期にこれがふえてきた、こういうのが現状でございまして、むしろ今のような資産インフレの後の一つのひずみが残っている現象であると考えております。
#415
○深谷委員 通産大臣に伺いますけれども、物納する場合には、更地にするとかろいろな条件が必要なんですよ。だから、本当に零細な人たちは、物納するということだけでどうしようもないのですから、そこまで整備して出すことも不可能なんですね。おまけに、そこに生き続けたい、そこで中華そば屋さんをやりたいという人たちを救うためには、物納で一たん国が受け取って、借地権を逆にお与えするとか、そういう全く新しい発想に立たないと、ふるさと、都市に生き続けることは不可能だと私は思うが、通産大臣、どうでしょうか。
#416
○熊谷国務大臣 最初の問題意識からもう一回繰り返して申し上げますと、我々としては悲鳴に近い状態ではないかというふうに思っておりまして、まさに執行面の工夫というものが、物納の問題についてもそうですし、それから延滞期間の問題についても、とにかくこの事態を踏まえて、大蔵大臣を含めて主税当局と我々は精力的に交渉をしていきたい、こう思っております。
#417
○深谷委員 もう一つ例を挙げたいと思ったのですけれども、時間がありませんから結論だけ言いますと、父親が持っていた同族会社の株式の相続を受けた息子がいるのですよ。この人の場合、これは台東区なんですけれども、株は一万五千円という評価になっているのですね。ですから、合計で三億円ぐらいになってしまうわけです。それで、長男が社長になって引き受けるわけですけれども、その株式の相続税額が七千二百五十万円なので、とってもこれは払えない。長男の給料は年間九百万ぐらい。だから実際はもう話にならないのです。
 それから、相続税通達では同族会社の株式を提供してもいい云々となっているが、実際にはこれは受け取れませんから、現実には。そこで、株式を売らなきゃならぬということですが、買ってくれるところがない。事業を承継しようというのは、ですからもし仮に売ったら不可能だし、売りたくても買ってくれるところがない。全く立ち往生じてしまっているのですね、今。結論から言うと、この人は事業をやめるしかないのですよ。ついこの間までは、中小企業は三代がわったら財産なくなると言った。今は二代でだめだ、こういう状態になっているんですね。
 大体、取引相場がない株式を評価すること自体が大変無理な話なんですよ。株価評価方式というのは、御案内のように類似業種比準方式と純資産価額方式の二つがあります。
 純資産価額方式の場合には、会社をすべて清算をした場合に一体どのくらいのものかということを判断して、それから算出するわけですね。ですから、私に言わせますと、会社を清算してから評価するというと、何だか最初から継続させないことを言っているような感じがしてならないのです。私はこういう純資産価額方式というのは現状に即してないように思う。やはり親が苦労してつくり上げた中小企業という事業を子供たちが受け継いで、次から次へと世代が交代していくというところに中小企業の生きる道があり、しかもそういう中小企業が今の日本の経済を支えているわけでございますから、私はこういうような形というのは抜本的に考え直さなければならないと思うのです。しかも土地の価格が高くなっていますから、都市の場合、それが即反映しちゃうわけですよ、同族会社の株価に。それで高くなってしまうのですね。こうなりますと、本当に行き先がなくなってしまう。
 それから、もう一つの類似業種比準方式、これは比較的大きいところでございましょうが、この場合には、大企業に比較的近いということでこのような方式がとられているわけですけれども、大企業というのはもともと規模が全く違うわけですよ。ノウハウにしたって、あるいはその企業の持っているのれんとか信頼とか、そういうものを全部考えましても単純に比較することはできないんですね。ですから、こういうような状態が今現実に行われているわけですけれども、これで一体いいだろうかという疑問を私は持つのです。
 通産大臣にお答えいただきますが、もう少し説明いたしますと、私は、こういうような状態を解決するためには、実態を踏まえた評価方式のあり方を新たに構築していかなければならない、そういう検討を開始しているかどうかという点を聞きたいのです。
 それから、時間がありませんから、さらに私は一つの提案として、すべての中小企業が、ただいま申し上げた類似業種比準方式と純資産価額方式のいずれか選択できるような仕組みというものができないだろうか。それから、類似業種比準方式における減額率を現行から思い切って変えることはできないだろうか。それから、一株当たりどのくらいの利益があるのかということを算定して、いわば収益還元方式とでもいうのでしょうか、そういう新たな方法を見出せないか。
 重ねて申しますが、現在のこの二つの方式では、中小零細企業の跡継ぎが事業を受け継ごうとしても、相続税が割高になって現実に受け続けることができないで、三代でつぶれるどころか二代でつぶれてしまうという本当に困った状態にあるわけですから、これに対して、どうこれを解決するかということは非常に大事な問題。恐らく、この問題に関して言えば、大蔵省当局と通産省との関係でいけば、かなり対決するだろうと思うのですね。
 今、私が申し上げたことなどについて、まず通産大臣からお考えを述べていただき、続いて大蔵大臣に御意見を伺いたいというふうに思います。
#418
○熊谷国務大臣 結論からいいますと、平成六年度、来年度の税制改正にどうしても盛り込みたいということで、委員が既に御指摘になられましたけれども、まずこの二つの評価方式の選択をできるようにする、これについて我々今既に要求をしているところでございます。それから、その減額率も、少し思い切って引き下げることができないか。この二点につきましては、既に我々は、何としても実現をしたいということで、今交渉をいたしているところでございます。ぜひ御支援をお願いしたいと思います。
 そこで、全体としての、この二つの方法以外の方法をどうかということなのですが、これがなかなか、正直言いまして、いろいろな議論がございまして難しゅうございますが、なお我々としては、既に定着しつつあるこの二つの方式以外に、今まさに委員が御提案なされたような案も含めて、今後検討をしていきたいと考えております。
#419
○藤井国務大臣 土地評価の問題については先ほどお答えしたとおりでございますが、今のお話は、上場のない株式の評価の問題だと思います。
 これは、もと自由民主党の税調で大分議論を承継税制としてされたわけでございますよね。そういう中で、小会社についても純資産方式と類似業種方式を併用することもできるというところまでやっているわけでありますが、今通産大臣話されたように、なかなか新しい仕組みというのは難しいんだと思いますけれども、引き続き勉強をさせていただきたいと思います。
#420
○深谷委員 藤井大臣は、せっかくいいことを言いながら、最後は、勉強させていただきたい。そんな話ではないんだ。今現実の問題なんだ。
 そこで、ただいまの通産大臣、大蔵大臣のやりとりをお聞きになりながら、総理はどうお考えでしょうか、お尋ねしたい。
#421
○細川内閣総理大臣 両方の大臣のお立場もよくわかります。両方の話を伺って、私もよく、よくよく勉強させていただきます。
#422
○深谷委員 二人の交渉事ですから途中で明らかにできないのは無理もないと思いますが、しかし、現実問題として、中小企業の方々が日本の経済を支えて頑張っていまして、その人たちがどうにも生きられないという現状があるわけですから、どうぞ一刻も早くこれらについての具体的な税制改正を来年度にぜひつくっていただくように心からお願いしたいと存じます。
 きょう私は一時間半にわたりまして質問をさせていただきました。米の問題については、私は、細川総理や農林水産大臣の今日までの説明では納得できません。これは、恐らく私一人ではなくて、国民全体が同じような思いを抱いているのではないかと思いまして、甚たしく不満であります。今後の状況次第によっては重ねて追及するような場面が起こるかもしれないと思いまして、この問題についてはきょうの答弁では余り点数を差し上げることはできませんが、後半の相続税問題については前向きだな、そんなふうな思いも持ちまして、やっとお互いにほほ笑みもできたわけでありますから、どうぞ国家のために、国民のために、一層頑張ってくださるようにお願いいたして、質問を終わります。
#423
○山口委員長 これにて深谷君の質疑は終了いたしました。
 次に、山原健二郎君。
#424
○山原委員 総理と佐川との関係につきまして質問をいたします。
 一億円の借り入れという話が出ていますが、一億円だけなのか。昨年八月二十八日付の朝日報道によりますと、東京佐川から六千万円借り入れしていたことが報道されています。これは九一年二月末までに分割返済したと細川事務所が説明をしておるというふうに報道されていますが、これは事実でしょうか。
 九二年二月十八日の西日本新聞によれば、あなた自身の談話として、「京都の細川別邸の修現代として佐川から融資を受けた」と述べております。報道が一致しているわけですが、佐川から借りているのではないか。この六千万円について質問をいたしたいのです。御答弁をお願いします。
#425
○細川内閣総理大臣 理事会に提出をいたしました資料のとおりでございまして、五十七年の九月に一億円を借入をしたということでございます。
#426
○山原委員 ちょっと聞きにくかったんですが、六千万円というのは借り入れしていないんですか、一億円のほかに。
#427
○細川内閣総理大臣 いたしておりません。
#428
○山原委員 一億円は一昨年の一月三十一日までに完済をしておりますがね。細川事務所もこういうふうに新聞に出しておりますし、それから総理御自身も、「京都の細川別邸の修現代として佐川から融資を受けた」、こう報道が、日時が一致するわけですが、これも否定されるわけですか。
#429
○細川内閣総理大臣 京都の家の修理ということはございません。
#430
○山原委員 西日本新聞に談話として発表されたのは間違いでしょうか。
#431
○細川内閣総理大臣 それは、資料として理事会に提出したとおりでございます。
#432
○山原委員 あなたが談話を発表されているんですよね。これが間違いですか。これを今持ってきていますが、西日本新聞、朝日新聞。
#433
○細川内閣総理大臣 それは、熊本の私の家の山門とか土塀とかということでございます。
#434
○山原委員 これは、ちょっとここで時間がわずかしかないものですからね。「京都の細川別邸の修現代として佐川から融資を受けた」、こういうふうに西日本新聞に出ているわけです。日時は一致するわけです。これは間違いですかこの新聞が。
#435
○細川内閣総理大臣 それは違うというふうに記憶をしております。
#436
○山原委員 これは、真実はもう少し時間がかかると思いますが、それでは一億円の借り入れについてお聞きしますが、この間の答弁及び二度の理事会においての釈明は、一億円の使途についても、返済に当たっての原資につきましても、返済の時期についても総理の答弁がくるくる変わっています。
 この一億円についてですが、今回の二度の釈明で、一億円を借りたとする肝心の金銭消費貸借契約書が明らかにされていません。それから、債務者、債権者、連帯保証人はだれかまた約定利息は一体幾らであったのか、また返済方法が契約上どうなっていたのか、これも不明のままでございます。これは、細川総理は白川議員に対しまして、契約書を交わして貸借したと述べ、それは間違いないことであろうと答弁をされております。事の真相を明らかにするためにこの契約害を本委員会に出すことは絶対必要でありますが、この提出をする御意思があるかどうか、伺っておきたいんです。
#437
○細川内閣総理大臣 再三申し上げておりますように、探しましたが見当たらないということでございます。
#438
○山原委員 契約書が見当たらないと。金銭感覚が我々と全く違うわけですよね。これは大変なことですよ。
 白川議員に対しまして、十二月一日に、確認してみないとわからないと答えているのですよ。十二月一日から一週間以上たっていますね。確認されましたか。
#439
○細川内閣総理大臣 確認をいたしました。しかし、その結果見当たらなかったということを申し上げているわけでございます。
#440
○山原委員 契約書、肝心かなめの契約書、これが出ないと話にならぬわけです、この問題の真実を明らかにする意味で、もし本人が出せないとするならば、契約の相手方、連帯保証人から提出を求めることもできるわけですね。本委員会にこれを提出してほしい。それが出なければ、この問題についての審議をこれ以上できません。いかがですか。
#441
○細川内閣総理大臣 私の方は手元にございませんものですから、何とも申し上げようがございません。
#442
○山原委員 あなたの政治責任が問われる問題ですよ。この契約相手それから連帯保証人、そういうところから明らかに出させたらいいじゃないですか。ここで明らかにしなければ、全くこれは疑問が残ったままになるのですよね。細川総理として、ここで明らかにすべき任務があるのですよ。
#443
○細川内閣総理大臣 平成三年の一月でございましたか根抵当権の解除もいたしておりますし、借入をしたものは完済をしている、こういうことでございます。
#444
○山原委員 随分あいまいな答弁を国会でするものですね。こんな総理大臣、今まで余り見たことない。今までなら、少なくともこういう事件が起こったら、真相究明のために努力をするものですよ。
 それから、一億円について、マンションの購入に充てたと言っておりますが、本日の釈明で、八二年五月ごろ熊本県知事選挙出馬を決意し、「知事になれば上京の機会も多く、この際東京に住居を物色し購入することにした。」と述べておりますが、当時の状況は、沢田知事をおろすためにごたごたが続いておりまして、十二月まで最終調整が続いた時期でございます。こうした状況を見ますと、知事になればなどという理由も疑問の残るところでございます。七月には既に代金の支払いは終わっていると言っておりますけれども、したがって、九月になってマンション購入のため一億円借りるという理由は全くないではないかということが考えられるわけですが、この点はどう釈明されますか。
#445
○細川内閣総理大臣 先ほど理事会に提出をいたしました資料のとおりでございます。
#446
○山原委員 知事になればなどという状況じゃないですね、まだ候補者にもなっていないんだから。候補者にもならずに、知事になれるかもわからぬときに、東京へ知事になって行くんだからマンションを購入するなどという理由も、少なくとも世間では通用しないですよ。これはもう本当に不可思議千万なことが次々と出てまいります。
 次に第二に、山門、土塀の修繕といって二千万円程度のことが出ておりますが、これも一億円の借り入れの理由について疑問が生じてまいります。
 返済の問題ですけれども、一体知事の給料から幾ら返済に充てたのか。また、土地代金の運用というが、株で幾ら利益を得て、返済に使ったのか。一切の資料は当然出すべきだと思いますが、この資料はございませんか。
#447
○細川内閣総理大臣 すべて理事会に提出をしているとおりでございます。
#448
○山原委員 返済に当たって、事務所員が現金を返した、領収書は探したがないと先ほど答弁がありましたが、これはおかしな話ですね。領収書並びに東京佐川の帳簿を本委員会に提出をすべきです。九回に分けてそれぞれ元本、利息を幾ら支払ったかという証明をする材料が一枚もないんですか。
#449
○細川内閣総理大臣 探しましたが、現時点では見つかりません。
#450
○山原委員 普通の我々の社会で、実際に借金をした場合に、その返済に充てた領収書を、そういうものを保管するのは当たり前ですよね。そんなもの一切ないということになりますと、これはもう全く審議のしょうがない。これはまさに特別委員会でも開いて、これを集中的に審議をするかどうか。そうでなければ真実は明らかになりません。全く暗やみの中でこんなことが論議されるというのは、非常常に不愉快でございます。
 それで、私は、時間がありませんから最後に伺いたいのですけれども、我が党が理事会で要求しました一億円借り入れの金銭消費貸借契約にかかわる資料一式、一億円借り入れの返済を示す資料一式、そし一億円借り入れ返済の原資となった内訳を示す資科一式、これは当然本委員会に提出すべきだと思います。
 この点は委員長にもお願いをいたしたいと思います。それがなければ、この一億円を返したという事実がますます疑わしくなってまいります。結局、事実を覆い隠すためのつじつま合わせで、事の本質は返済なしの佐川からの政治献金ではなかったのかという重大な疑問が生じてくるわけでありまして、総理といたしまして、政治責任をかけてこの問題についての解明をするために資料を提出すべきだと思いますが、これに対しまして総理のお答えをいただきたいのです。これはもう重大な問題ですからね、どうぞはっきりしたお答えをいただきたい。
#451
○細川内閣総理大臣 何とか見つけようと思って誠実に対応してまいりましたが、残念ながら、申しわけないことに見つからなかったということでございます。引き続き調査をさせていただきます。
#452
○山原委員 時間も迫りましてこれ以上申し上げることできませんけれども、一切資料がないなどということで逃げ抜けられる問題ですかこれは。そんな問題じゃないでしょう、総理自身の問題ですからね。
 しかも、佐川問題を初めあるいはゼネコン問題、これだけの問題が起こっているときに、本当に解明しなければならぬのは、かの選挙制度を変える政治改革じゃないですよ。国民の意思は、八五%が疑惑解明をやってくれというのでしょう。それを張本人のあなたがやらぬということを納得できますか。答えてください、もう一回。
#453
○細川内閣総理大臣 再々同じことを申し上げて恐縮でございますが、最近も何回かにわたって事務所の移転などをしておりますので、しかもまだ、借りたお金は完済をいたしましたものですから、その資料はもう既に用がないということで、恐らく事務所で焼却をしているのであろうかと思いますが、先ほどから申し上げますように、なお念を入れて探してみたい、こう思っております。
#454
○山原委員 まさか、完済したからといってすべて焼却するわけでもないでしょう、これは当たり前の生活者であればそれは保存しておくわけですから。
 そういうことを考えまして、私は、細川総理、この問題に関しては極めて不誠実、国会に対して責任を果たそうとする意図すらないということを申し上げて、きょうの質問を終わります。
#455
○山口委員長 これにて山原君の質疑は終了いたしました。
 この際、外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。羽田外務大臣。
#456
○羽田国務大臣 ドゥニ調整案の骨子につきまして、英文テキストの提出方を佐藤委員の方から御要求があったわけでございますけれども、このようなテキストというのはないわけであります。
 同骨子は、御報告申し上げました骨子は、六日夜、これは御答弁でも申し上げましたけれども、ジュネーブ代表部で幹部がドゥニ議長とお会いをいたしましてお話をした、そのことをそのまま日本語にしたものでございます。正式なテキスト、これが提出され、また公表可能となり次第、当委員会の方にも私どもとして御報告申し上げたいと存じます。
#457
○山口委員長 以上をもちまして平成五年度補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#458
○山口委員長 ただいま自由民主党・自由国民会議衛藤征士郎君外二名から、並びに日本共産党松本善明君外一名から、それぞれ平成五年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 この際、両動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。まず、衛藤征士郎君。
    ―――――――――――――
平成五年度一般会計補正予算一第2号)、平成五  年度特別会計補正予算(特第2号)及び平成五
  年度政府関係機関補正予算一機第2号)につき
  撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#459
○衛藤(征)委員 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、平成五年度第二次補正予算三案につき政府が撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を説明いたします。
 今回の我が国経済の不況は、戦後最長、最大の規模となることが確実であり、景気回復の兆しは全く見られません。急激な円高の進行や、未曾有の長雨・冷夏などの異常気象による影響が、一部回復に向かっていた景気の動きに、文字どおり水を差したことも事実でありますが、景気の現状は政府や民間の調査機関の予測以上に厳しく深刻であります。今こそ、早急な対策を求める国民の期待にこたえ、景気回復に万全を期することが現下の最大の政治課題であります。
 我が自由民主党は、九月九日に緊急総合経済対策を決定し、景気対策の速やかな実施を求め、さらに十一月五日に第二次補正予算の早期提出を求めてきたところでありますしかるに、政府は、我が党の要請後二カ月余も経過した十一月末になって、ようやく平成五年度第二次補正予算を提出されたのでありますが、景気の現状に対する認識不足の補正予算であり、不況対策としてその規模、内容とも極めて不十分なものと言わざるを得ません。
 よって政府は、平成五年度第二次補正予算等を撤回し、以下の重点事項を追加し、施策の充実を図るよう組み替えるべきであります。
 組み替えの重点事項は以下のとおりであります。
 まず第一は、公共事業費の追加であります。一般公共事業関係については、特に住宅、上下水道、農業集落排水、廃棄物処理施設、生活関連道路等の生活環境整備関係事業に重点を置いて事業の推進を図ることであります。
 施設費については、従来から基盤整備を強く求められている教育施設、病院、社会福祉施設、研究開発施設に重点を置いて施設設備の整備を図ることであります。
 第二は、厳しい経済情勢のもとで苦境に立たされている経営基盤の脆弱な中小企業に対する施策であります。
 特に資金繰りが悪化している中小企業の経営安定を図るため、中小企業金融公庫、国民金融公庫等に対する出資の追加を行うことにより、中小企業運転資金支援特別貸付制度及び緊急経営支援貸付制度の一層の拡充を図ることが必要であります。
 また、現在の金利水準は確かに低くなっておりますが、過去の高い金利水準のときに借り入れた資金については、中小企業者はその金利負担に非常に苦しんでいるのが実態であります。このため、中小企業金融公庫、国民金融公庫等における六・八%以上の高金利の既往の貸付残高について、一%の金利を減免し、金利負担に苦しむ中小企業の経営の安定を図ることとし、中小企業金融公庫、国民金融公庫等に大幅な出資を追加することであります。
 以上が動議の概要であります。
 委員各位の御賛同をお願いし、私の説明を終わります。(拍手)
#460
○山口委員長 次に、松本善明君。
    ―――――――――――――
 平成五年度一般会計補正予算(第2号)、平成五
  年度特別会計補正予算一時第2号)及び平成五
  年度政府関係機関補正予算一機第2号)につき
  撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#461
○松本(善)委員 私は、日本共産党を代表して、一九九三年度第二次補正予算三案につき政府が撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。
 まず、撤回、編成替えを求める理由についてであります。
 本補正予算に何よりも求められているのは、かつてなく深刻化している不況に対して、労働者や中小業者の苦難を救済する緊急対策を実施するとともに、国民の立場に立った抜本的な不況打開策を確立することであります。
 ところが、政府提出の補正予算案は、税収不足を取り繕う対策に力点が置かれ、現在の深刻な不況に対しては、政府自身も追加の景気対策の必要性に言及しながら、それは来年度予算で編成していくと言うほど、不況対策として全く無策に近いものであります。これは平成恐慌とさえ言われる現在の不況の実態を全く認識していないと言わなければなりません。
 不況打開の抜本策についても、国民の購買力向上が何よりも求められているのに、所得減税の要求には背を向けています。しかも細川内閣は、来年度以降に消費税の増税や年金・医療などの改悪を計画するばかりか、焦点の米問題では、三度にわたる国会決議を踏みにじり、二枚舌と言われるような欺瞞的態度をとりながら、米輸入自由化を推し進め、日本農業を破壊しようとしています。
 一方、大企業の要求にこたえて、公定歩合の引き下げ、銀行減税を推進し、企業のもうけの自由を拡大するために規制緩和を進めようとしています。国民の血税のむだ遣いであるゼネコン汚職解明の姿勢は全く見られません。これらはすべて不況対策に逆行するものであります。
 日本共産党は、国民の切実な要求にこたえるため、政府予算案の撤回と抜本的な組み替えを強く求めるものであります。
 次に、編成替えの概要について述べます。
 第一に、国民の購買力を向上させるために、二兆円規模の所得減税、消費税の食料品非課税化を直ちに実施することであります。住宅減税、教育減税などのきめ細かな実施、福祉・教育など国民生活関連予算削減の中止を求めます。
 第二に、雇用不安を解消し、産業空洞化を防ぐために、雇用調整助成金の運用を改善するとともに、労働者の生活や地域経済に重大な影響を及ぼす一方的な工場閉鎖や海外移転を規制し、海外進出を優遇する税制を縮小・廃止することを求めます。
 第三に、政府系金融機関や地方自治体の中小企業融資を大幅に拡充するとともに、中小業者の休業補償制度を創設します。分割発注、逆ランク制の採用により、官公需の中小企業への発注率を大幅に引き上げることを求めます。
 第四に、冷害に苦しむ農家を救済するとともに、米輸入自由化を行わないことを明確にして、減反政策を中止し、備蓄を確保するなどゆとりある生産計画を打ち立てて、安心して米づくりに取り組める展望を開くことであります。
 第五に、大手ゼネコン中心の従来型の公共投資ではなく、公営住宅、公団賃貸住宅の建設戸数の倍加を初め、福祉施設など、地域密着型の公共投資を進めることであります。大型プロジェクト計画の見直し、予算凍結を含め、既定経費の組み替えを求めます。
 これらの施策を行うための財源は、AWACSなど軍事費の大幅削減、ゼネコン中心の談合にメスを入れて公共事業のむだをなくすこと、国債の低利借りかえ、大企業優遇税制の縮小・廃止などによって確保すべきであります。
 以上が動議の概要であります。
 委員各位の御賛同を期待して、趣旨弁明といたします。(拍手)
#462
○山口委員長 これにて両動議の趣旨弁明は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#463
○山口委員長 これより討論に入ります。
 平成五年度補正予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議二件を一括して討論に付します。
 討論の通告がありますので、順次これを許します。後藤茂君。
#464
○後藤委員 私は、日本社会党・護憲民主連合、新生党・改革連合、公明党、さきがけ日本新党及び民社党・新党クラブを代表し、平成五年度補正予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 今回の補正予算は、細川新政権として初めて提出された予算であり、以下に申し述べる諸施策を実行すべく、特に緊要となった事項について所要の措置を講ずるものであって、まことに意義深いものと考えております。
 以下、賛成する主な理由を申し述べます。
 その第一は、九月に決定された緊急経済対策を実施するための歳出追加が行われていることであります。
 我が国経済は、調整過程にある中、急激な円高の進行や冷夏・長雨の影響が加わったこともあって、総じて低迷が続いております。
 政府は、昨年三月以来、三次にわたる経済対策と景気に配慮した平成五年度予算を通じ、景気の状況に対応してきましたが、さらに去る九月十六日には、規制緩和、円高差益の還元に加え、円高の影響や災害による被害への対応等国民が直面する厳しい経済情勢に対し、即効的に対応し得る幅広い諸施策から成る緊急経済対策を策定いたしました。同時に、本対策は、生活者・消費者が豊かさを実感できる経済社会の構築といった我が国の中長期的課題の解決にも資するものと考えております。
 今回の補正予算においては、緊急経済対策の一環として、生活者・消費者の視点に立った社会資本整備を推進するため、一般公共事業関係費及び各種の施設費等を追加計上しておりますが、これらはより質的な面に着目し、思い切って社会資本整備を推進するもので高く評価するものであります。
 また、集中豪雨や台風等により被害を受けた地域に対して災害復旧等事業費を追加するほか、円高、冷夏尊厳しい経営環境に置かれている中小企業を支援するために中小企業等特別対策費を計上するなど、まことに時宜にかなった適切な措置をとっており、評価するものであります。
 賛成の理由の第二は、冷害等対策について適切な措置が講ぜられていることであります。
 冷夏等により、水稲の作柄が戦後最低の水準になる等極めて大きな農作物被害が発生していることにかんがみ、被害を受けた農家の経営者及び地域経済の安定を図るため、冷害等対策を講ずることとし、これを実施するための歳出追加が計上されております。具体的には、公共事業等の追加、農業共済再保険金支払い関連の農業保険費等の計上などが行われており、適切かっ妥当な措置であると評価するものであります。
 賛成の理由の第三は、平成五年度税収の大幅な減収に対処するため、適切な措置が講ぜられていることであります。
 税収が第一次補正後予算に対し、五兆五千億円程度の減収となることが避けられない見通しとなっております。このようにまことに深刻な事態に対処するため、従来にも増して徹底した既定経費の節減を行うとともに、税外収入の確保及び追加財政需要の圧縮に努めることといたしております。また、地方交付税交付金を減額するとともに、やむを得ざる措置として、公共事業関係費の追加に対応するもの等について建設公債を追加発行することといたしております。
 なお、地方交付税交付金の減額に対しては、地方団体の円滑な財政運営を確保するため、交付税及び譲与税配付金特別会計において所要の借り入れを行うことにより、当初予算額どおりの地方交付税総額を確保することといたしております。
 しかし、これらをもってしてもなお財源が不足することから、特例的な措置として、当初予定していた国債整理基金特別会計に対する定率繰り入れ等を停止するとともに、これに伴い国債整理基金の運営に支障が生じることのないよう、NTT株式の売却収入に係る無利子貸し付けについて繰り上げ償還を行うこととし、このため必要となる措置を講ずることといたしております。これらの措置は、税収の大幅減という事態に対するものとしてはまことにやむを得ない面があり、厳しい財政事情の中での適切な対応と考えられ、評価するものであります。保以上、三点にわたり理由を申し述べましたが、私は、本補正予算が、現在我が国が直面している景気情勢等に的確に対応し得るものと全面的に賛成の意を表するものであります。その一日も早い成立を強く望むとともに、本補正予算の諸措置が着実に実施に移されることが最大の景気対策であるということを申し上げて、私の賛成討論といたします。
 なお、自由民主党・自由国民会議提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議及び日本共産党提出の編成替えを求めるの動議については、見解を異にするため、反対をいたします。(拍手)
#465
○山口委員長 次に、野中広務君。
#466
○野中委員 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成五年度一般会計補正予算(第2号)外二案に反対し、我が党提出の平成五年度一般会計補正予算(第2号)外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成の討論を行うものであります。
 既に御承知のとおり、現在、我が国の経済は、四十年不況、第一次石油ショックをしのぐ戦後最悪の状態に陥っており、平成恐慌の様相を呈し、我が国の経済構造そのものまでが崩壊させかねない極めて深刻で憂慮すべき事態となっております。これは、バブル崩壊後の循環不況と構造不況が重なったのに加え、急激な円高の進行、さらに記録的な冷夏・長雨等の異常気象、台風等による災害などが追い打ちをかけたことがその原因の一つであります。しかしながら、その最大の原因は、政府が景気に対して十分に注意を払わず、迅速、機動的に有効適切な施策を講じなかったことにあります。
 毎日のごとく報じられる各種経済関係指標を見ても、その惨状たるや目を覆うばかりであります。
 例えば、十月の鉱工業生産指数は前月比五・一%の低下で、調査開始以来最大の下げ幅であります。また、完全失業率は二・七%で五年八カ月ぶりの高水準となり、完全失業者は前年同月比三十一万人増の百七十六万人、有効求人倍率は〇・六七倍に低下し、また、負債総額一千万以上め全国企業倒産件数は千二百五十八件で、前月比六・二%増等々、枚挙にいとまがありません。
 政府の余りの経済無策ぶりに、十一月二十九日には、日経平均株価が一万六千七十八円と年初来の安値を更新しましたが、これは、政府に対し不信任案が提出されたのと同じことであります。
 企業収益の悪化による雇用調整も、一時帰休、企業内配転、さらに出向、希望退職と一段と厳しくなってきており、今や産業界全体に広がる気配を見せております。
 また、以上のような状況から、今年度の実質経済成長率は、第一次石油ショックの昭和四十九年度以来、十九年ぶりのマイナス成長になるのではないかとも言われております。
 政治改革に没頭する余り、焦眉の魚となっていた景気対策をなおざりにし、座して景気の悪化を見過ごしてきた政府の責任は極めて重大であり、これは、政策不況ならぬ無政策不況、政策不在不況というべきであります。
 まず、このことを指摘し、以下、本補正予算に反対する主な理由を申し述べます。
 その第一は、補正予算の編成、提出が余りにも遅過ぎたことであります。
 我が党は、事態の緊急性、重大性にかんがみ、去る九月九日、五兆円を超える所得税減税、公共投資の拡大による社会資本整備の促進と財政投融資の一層の拡大、雇用安定の確保等十六項目にわたる緊急総合景気対策を取りまとめ、翌十日には、細川総理にその実施と第二次補正予算の早期編成を強く要請したのであります。
 これに対し、政府は、九月十六日、六兆円規模の緊急経済対策を決定したものの、第二次補正予算の編成にはなかなか手をつけようとしなかったのであります。すなわち、本補正予算が国会に提出されたのは、実に二カ月半もたった十一月三十日であります。好況時ならいざ知らず、この間、政府は、国民生活にとって最も重要な景気対策を放置し、不況にあえぐ国民をよそに見て、拱手傍観、じんぜんとして日を送ったのであります。
 しかも、補正予算の編成を終えても、参議院での政治改革法案の審議を促進させるという政治的思惑から、その提出を故意におくらさせたのであります。これでは、生活者重視という細川内閣の看板に偽りありということではありませんか。提出が遅過ぎたため、予算が成立したとしても、年度内にその執行、消化が十分に行われるか甚だ疑問であります。
 その第二は、補正予算の規模が小さ過ぎ、不況対策としては不十分なことであります。
 去る九月に決定した緊急経済対策関連経費として一兆三百億円が計上されておりますが、これは、あくまで九月時点での積算であり、その後の景気の状況を見るならば、とてもこの程度の規模では焼け石に水で、効果は期待できそうにありません。
 例えば公共事業等の追加であります。今さら言うまでもなく、公共事業はその乗数効果が大きく、景気対策としては極めて有効であります。景気がこのように落ち込んでいるというのに、本補正予算においてはわずか九千四百億円の計上であります。
 さらに、中小企業対策であります。真に、政府が、不況の風にさらされている中小企業経営者の立場を考えるならば、もう少し思いやりのある施策がとられてしかるべきであります。一般会計において、中小企業特別対策費はわずかに七百七十億円であります。これでは、厳しい不況下で年の瀬を迎える中小企業の資金需要に十分こたえられるとは到底考えられません。高金利の既往貸し付けに対する金利の減免措置などもとられておりません。
 その第三は、所得税の減税が盛り込まれていないことであります。
 今や所得税の減税を求める国民の声は、ちまたにあふれております。景気の底割れも懸念される今日、景気を浮揚させるためには、GNPの約六〇%を占める個人消費の喚起なくしては到底不可能であります。九月の全国・全世帯の平均消費支出は、物価上昇分を差し引いた実質で、前年同月比一・七%の減と、五カ月連続で前年同月を下回っており、個人消費は完全に冷え切っております。消費者マインドをよみがえらせるためにも、ここは景気回復のカンフル剤として大型の所得税減税が必要であるにもかかわらず、これが見送られているのであります。所得税減税を初めとする税制面からの対応がとられていないことはまことに遺憾と言わざるを得ません。
 以上の理由により 政府提案の補正予算三案は、景気の現状に配慮したものとは到底認めかたく 反対せざるを得ません 速やかに、我が党の組み替え動議の内容に沿って組み替えられんことを要求するものであります。
 なお、予算関連三法案については、歳入を確保するためのもので、やむを得ない措置であり、賛成であることを申し添えておきます。
 また、日本共産党提出の組み替え動議には反対であります。
 以上で私の討論を終わります。(拍手)
#467
○山口委員長 次に、古堅実吉君。
#468
○古堅委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の平成五年度一般会計補正予算(第2号)外二案と、自由民主党・自由国民会議提出の組み替え動議に反対し、我が党提出の組み替え動議に賛成する討論を行います。
 政府案に反対する第一の理由は、かつてない不況下であすの生活をどうするかというところまで追い込まれている労働者や中小企業者の苦難を救済する緊急対策となっていない点でも、また、国民の立場に立った抜本的な不況対策にもなっていないという点でも、国民要求にこたえられないからであります。
 細川内閣のゼネコン汚職を究明する意思のなさがこの委員会審議で明らかになりましたが、こうした態度では、公共事業費の六千億円もの追加も効果は期待できないことは明らかであります。
 大企業の大規模な人減らしと賃金カットを放置し、中小企業の経営難や大企業による下請いじめには一片の通達と金融措置でお茶を濁すばかりか、中小企業補助金を百三十億円も削減し、軍事費には全く手をつけずに福祉・教育予算は軒並み減額するという、国民に余りにも冷淡な予算となっているのであります。
 また、不況打開の抜本的対策という点でも、大企業を濁せば何とかなる式の従来型の自民党政治を展開し、公定歩合の引き下げや、膨大な銀行減税の継続など、大企業本位の政策を進めながら、国民の購買力を向上させることが最も大事なこのときに、所得税減税を先送りした上に、年金・福祉・医療の改悪を軒並み計画し、国民生活を脅かそうとしているのであります。ましてや米のミニマムアクセス受け入れを事実上決定しようとしている政府の態度は言語道断であり、断じて許せません。
 我が党は、二兆円の所得減税を中心として国民の購買力を向上させ、労働者の雇用不安の解消や中小企業の仕事確保と経営を守るなど国民の立場に立った予算を実現することを要求していますが、このことこそ今求められており、それに反する政府案には反対であります。
 第二の理由は、不況による税収落ち込みを糊塗しながら、国債費を追加、拡大していることであります。
 巨額の税収不足は、もともと自民党政権や細川連立政権与党である新生党、新党さきがけなどの失政がもたらした、長期・深刻化する不況に原因があるものであります。その責任をあいまいにして、将来の増税と借金づけ体質の拡大を不可避にする国債増発や、NTT事業費貸付金繰り上げ償還による国債増発という隠れ借金や、定率繰り入れの停止、交付税特会の資金運用部資金からの借金などで乗り切ろうとしていることは許されないのであります。
 三兆六千百六十億円もの国債の追加増発により、国債依存率は一八・六%と一九・八七年度の一九・四%以来の高水準となり、我が国財政の借金づけ体質を一層助長し、財政危機をますます深刻化させるものであります。また、国債整理基金特別会計への定率繰り入れの停止は、償還財源を枯渇させ、減債制度そのものを危うくするものであります。
 財源を問題にするなら、軍事費の半減を初め、ゼネコン中心の談合にメスを入れ、銀行の不良資産の無税償却などの大企業優遇税制を縮小・廃止することなどによって確保すべきであることを強く指摘するものであります。
 第三の理由は、国連PKO分担金のうち、第二次ソマリアPKO活動の五十五億円及び旧ユーゴスラビアの防護隊活動の五十二億二千四百万円の分担金についてであります。ソマリアPKOが、当初の人道的目的から事実上はアメリカの対ソマリア戦争と性格が変わってきたこと、また、旧ユーゴスラビアはまさに戦争そのものとなっていることから、日本国憲法に照らして問題があるからであります。
 次に、自由民主党・自由国民会議提出の組み替え動議についてです。
 それは、今焦点となっているゼネコン汚職にふたをしたまま、公共事業費を追加するだけで、中小企業補助金の削減や所得税減税を要求しない政府案をそのまま受け入れており、不況対策としては極めて不十分であること、さらに、多額の国債発行は財政危機を一層進めることになるので、反対するものであります。
 以上が反対理由の要旨ですが、日本共産党は、提出した動議でも明らかにした立場も踏まえ、国民の暮らしを守る根本的な不況対策実現のために引き続き奮闘することを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
#469
○山口委員長 これにて討論は終局いたしました。
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#470
○山口委員長 これより採決に入ります。
 まず、衛藤征士郎君外二名提出の平成五年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#471
○山口委員長 起立少数。よって、衛藤征士郎君外二名提出の動議は否決されました。
 次に、松本善明君外一名提出の平成五年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#472
○山口委員長 起立少数。よって、松本善明君外一名提出の動議は否決されました。
 次に、平成五年度一般会計補正予算(第2号)、平成五年度特別会計補正予算(特第2号)、平成五年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#473
○山口委員長 起立多数。よって、平成五年度補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました平成五年度補正予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#474
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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#475
○山口委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時十八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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