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1993/10/19 第128回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第128回国会 環境委員会 第1号
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1993/10/19 第128回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第128回国会 環境委員会 第1号

#1
第128回国会 環境委員会 第1号
本国会召集日(平成五年九月十七日)(金曜日)
(午前零時現在)における本委員は、次のとおり
である。
  委員長 奥田 幹生君
   理事 柿澤 弘治君 理事 中村正三郎君
   理事 福永 信彦君 理事 谷津 義男君
   理事 岡崎トミ子君 理事 笹山 登生君
   理事 大野由利子君 理事 小泉 晨一君
      野田 聖子君    橋本龍太郎君
      林  幹雄君    細田 博之君
      持永 和見君    与謝野 馨君
      金田 誠一君    田中 昭一君
      前田 武志君    松沢 成文君
      田端 正広君    竹内  譲君
      宇佐美 登君    高見 裕一君
      北橋 健治君    岩佐 恵美君
―――――――――――――――――――――
平成五年十月十九日(火曜日)
   午前十時一分開議
出席委員
  委員長 奥田 幹生君
   理事 中村正三郎君 理事 福永 信彦君
   理事 谷津 義男君 理事 岡崎トミ子君
   理事 笹山 登生君 理事 大野由利子君
   理事 小泉 晨一君
      野田 聖子君    橋本龍太郎君
      細田 博之君    持永 和見君
      与謝野 馨君    金田 誠一君
      田中 昭一君    松沢 成文君
      田端 正広君    竹内  譲君
      宇佐美 登君    高見 裕一君
      北橋 健治君    岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 広中和歌子君
        (環境庁長官)
 出席政府委員
        環境庁長官官房 大西 孝夫君
        長
        環境庁企画調整 森  仁美君
        局長
        環境庁自然保護 奥村 明雄君
        局長
        環境庁大気保全 松田  朗君
        局長
        環境庁水質保全 野中 和雄君
        局長
 委員外の出席者
        議     員 園田 博之君
        議     員 渡瀬 憲明君
        衆議院法制局第
        五部長     福田 孝雄君
        外務省総合外交
        政策局国際社会 金森 俊樹君
        協力部地球規模
        問題課長
        外務省経済局海 伊東 喜昭君
        洋課長
        外務省経済協力
        局有償資金協力 佐藤 重和君
        課長
        厚生省生活衛生
        局水道環境部計 金子  洋君
        画課長
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環 三本木 徹君
        境整備課長
        水産庁研究部漁 吉崎  清君
        場保全課長
        通商産業省通商
        政策局国際経済 鹿島幾三郎君
        部国際経済課長
        資源エネルギー
        庁長官官房省エ
        ネルギー石油代 藤野 達夫君
        替エネルギー対
        策課長
        環境委員会調査 西川 義昌君
        室長
    ―――――――――――――
十月一日
 水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の
 一部を改正する法律案(園田博之君外七名提出
 、衆法第二号)
同月十三日
 環境基本法案(内閣提出第五号)
 環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関
 する法律案(内閣提出第六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月八日
 環境基本法の早期成立に関する陳情書(名古屋
 市中区栄二の一〇の一九加藤隆一)(第七六号
 )
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の
 一部を改正する法律案(園田博之君外七名提出
 、衆法第二号)
 環境保全の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○奥田委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境保全の基本施策に関する事項
 公害の防止に関する事項
 自然環境の保護及び整備に関する事項
 快適環境の創造に関する事項
 公害健康被害救済に関する事項
 公害紛争の処理に関する事項
以上の各事項につきまして、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○奥田委員長 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。広中環境庁長官。
#5
○広中国務大臣 第百二十八回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。
 細川内閣は、豊かさが実感できるよう、生活者の視点に立って質の高い実のある国づくりを目指すとともに、国際国家としての我が国の立場と責任を十分に自覚し、これからの世界的な課題の解決に積極的な役割を果たすこととしております。私は、内閣の一員として、この課題に環境の視点から挑戦してまいります。
 今日の環境問題は、私たちの暮らしにかかわる身近なものから地球的規模の問題にまで広がり、また、子供や孫など将来の世代にも影響を及ぼす大きな課題となっております。
 とりわけ、地球温暖化、オゾン層の破壊等の地球環境問題は、人類の生存基盤にかかわる緊急かつ重大な課題であります。昨年六月に開催された地球サミットでは、持続可能な開発の理念のもとに、世界の諸国は、二十一世紀に向けた、地球環境の保全のための新たな努力を約束いたしました。地球環境に大きなかかわりを持ち、また環境
の保全に関するさまざまな経験と技術を有する我が国といたしましては、今後、こうした経験や技術を生かし、その国際的地位にふさわしい役割を率先して果たしていくことが必要であります。
 また、大都市地域における窒素酸化物等による大気汚染や生活排水による水質汚濁などの都市・生活型公害の改善のおくれ、廃棄物の増加、科学技術の進歩に伴う新たな環境汚染の可能性の増大、身近な自然の減少、自然との触れ合いを求める国民のニーズの高まりへの対応などの課題も山積しております。
 これらの問題の多くは、我々の社会経済活動の拡大に起因しており、大量生産、大量消費、大量廃棄といった現在の企業活動や国民一人一人の生活のあり方そのものに根差しております。
 こうした今日の環境問題に対して適切に対処し、環境の恵沢を現在及び将来の国民が享受していくためには、政府と国民が一体となって、これまでの社会経済システムのあり方や行動様式を見直し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指すとともに、世界への貢献の重要な柱として、国際的協調のもとに地球環境の保全に積極的に取り組んでいくことが必要でございます。
 以上のような認識に立ちまして、私は、次の施策について重点的に取り組んでまいります。
 第一に、環境基本法の早期成立てあります。
 環境基本法は、環境の保全の基本的理念とこれに基づく基本的施策の総合的枠組みを定めるものであり、地球環境時代にふさわしい新たな政策展開を図るために不可欠の法律でございます。その重要性にかんがみ、第百二十六回国会における御審議を尊重し、その過程で追加されました二つの条項を取り込み、今国会に再度提出させていただいたところでございます。速やかに御審議の上、一日も早く成立させていただきますようよろしくお願い申し上げます。
 第二に、この環境基本法の枠組みのもとに、次のような新しい時代の流れに対応する環境政策の新たな展開を図ってまいる所存でございます。
 まず、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築に向けまして、政府全体の環境保全施策を総合的、計画的に進めるための基本的方向を示す環境基本計画の策定に積極的に取り組んでまいります。
 次に、環境影響評価については、内外の制度の実施状況等に関して関係省庁と一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえ、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、法制化をも含め所要の見直しについて検討してまいります。
 また、社会経済活動に環境配慮を組み込み、民間における環境保全活動を促進するため、経済的手法の検討、リサイクルを初めとした環境に優しい行動様式の普及定着、環境教育、環境学習の推進、地球環境基金を通じた民間団体による地球環境保全活動に対する支援、環境の保全に関する情報の提供などに積極的に取り組んでまいります。
 さらに、公害防止計画の推進や地域環境管理計画の策定、アメニティーづくりへの取り組みなどの地域における環境保全施策を一層支援するほか、有害化学物質、先端技術による新たなタイプの環境汚染の未然防止対策を推進してまいります。
 第三に、地球環境の保全の推進であります。
 地球サミットにおける合意を実現するため、平成九年に開催予定の環境と開発に関する国連特別総会に向けて、国連持続可能な開発委員会を中心に国際的な取り組みが進められているところでありますが、これを積極的にリードしてまいります。
 特に、気候変動枠組み条約の発効に向けた準備及び本年十二月末に発効する生物多様性条約の円滑な実施への取り組みを着実に進め、またアジェンダ21の国別行動計画を早急に策定するとともに、砂漠化防止条約交渉や国際熱帯木材協定改定交渉への対応、環境と貿易の相互関連についての検討等、国際的枠組みづくりに積極的に貢献してまいります。
 また、開発途上国の環境問題への対処能力を向上させるため、ODA等を通じた国際環境協力の拡充、本年六月に我が国で開催されたアジア太平洋環境会議の成果のフォローアップなどを進めてまいります。
 さらに、アジア・太平洋地域における地球環境研究ネットワークや東アジア地域における酸性雨モニタリングネットワークの構築に向けた取り組みを推進してまいります。
 これらの対外的取り組みとあわせて、地球環境保全のための国内対策を強化してまいります。特に、地球温暖化防止行動計画の具体的な推進、昨年十一月のモントリオール議定書締約国会合の決定を踏まえたオゾン層保護対策の強化、第三次酸性雨対策調査の推進、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の適正かつ円滑な施行等に力を入れてまいります。
 第四に、自然環境の保全と適正な利用の推進であります。
 まず、生物多様性条約を踏まえ、多様な生物種の保存を図るため、生物多様性に関する全国的な状況を把握するための調査を進めるとともに、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく生息地の保護管理や保護増殖事業を推進してまいります。
 また、人と自然との触れ合いを進めるため、国立・国定公園において長期滞在のできる野営場を初め、快適な公衆トイレ、長距離自然歩道、ふるさといきものふれあいの里、国民保養温泉地などの整備を推進するとともに、自然との触れ合いを進めるための指導者の育成や多彩な行事を推進してまいります。
 さらに、すぐれた自然環境を保全するため、国立公園、ラムサール条約登録湿地等の保護管理の充実を図るとともに、世界自然遺産としての登録を推薦している白神山地及び屋久島の保護管理に万全を期してまいります。
 第五に、大気、水、土壌環境等の保全の推進であります。
 大気環境の保全については、東京、大阪周辺の大都市圏における窒素酸化物による汚染を改善するため、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法に基づき、各種対策を総合的に推進するとともに、ディーゼル車を中心とする自動車排出ガスに係る単体規制の強化、低公害車の普及促進等を図ってまいります。
 また、水環境の保全については、有害物質による水質汚濁の未然防止対策、海域における富栄養化対策を充実強化するとともに、水質総量規制及び生活排水対策を引き続き推進してまいります。特に、水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策につきましては、去る九月二十九日に中央公害対策審議会に諮問したところであり、できるだけ早く答申をいただき、これを踏まえ、関係省庁と協力しつつ立法措置を含む必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
 さらに、土壌汚染、地下水汚染、廃棄物最終処分に係る環境汚染及び地盤沈下の防止のための取り組みを推進するとともに、日常生活に関係の深い騒音、振動、悪臭対策を進めてまいります。
 第六に、環境保健施策の推進であります。
 公害による健康被害者の公正かつ円滑な救済と健康被害の未然防止に万全を期してまいります。
 また、水俣病問題については、その早期解決を図るための総合的な対策の円滑な実施を図ってまいります。
 第七に、環境研究の推進であります。
 地球環境研究を強化するため、国立環境研究所の充実等を図るとともに、地域環境研究を一層推進してまいります。
 以上、環境行政の主要な課題と今後の取り組みの基本的方向について、所信を述べました。
 環境問題は、多様な分野にまたがる問題でありますので、政府全体の環境行政の中枢としての環境庁の企画機能及び総合調整機能を十分発揮しつつ、環境行政の総合的かつ計画的な推進に全力を挙げてまいりたいと考えております。
 本委員会及び委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○奥田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村正三郎君。
#7
○中村(正三郎)委員 きょうは時間をいただいて質問をさせていただくわけですが、この質問の予定が決まったのが非常に、それから時間が余りありませんでしたので、私の準備不足ということもありまして時間を短くいただいておりますので、いろいろと端的にお伺いしていきたいと思うのです。そういう関係で、通告をしていない部分もありますので、通告していないことでお答えになれないようなことがあったらばそれで結構でございますから、いろいろ質問させていただきたいと思っております。
 まず、今環境庁長官の所信表明をお伺いいたしました。基本的な政策について伺いましたけれども、細川内閣発足当初から、連立を組まれた八党合意のもとで自由民主党が政権政党であったときの政府、自民党政府の政策を継承していくということを繰り返し総理が発言しておられます。
 そういう意味でまずお伺いしたいのですが、環境行政におかれましても自民党の政策を継承していくということに間違いございませんかどうか、大臣にお伺いしたいと思います。
#8
○広中国務大臣 ご質問のとおりでございまして、細川内閣は、これまでの自民党の政権を基本的なところで継承していくということでございますが、特に環境行政につきましては、環境行政の推進に関しては与党も野党も今まで一緒になってやってきたというところもございまして、そういう視点からも今までの基本的な環境行政とこれからの行政、根本的な違いはないというふうに私は理解しております。
#9
○中村(正三郎)委員 大変率直な御意見をいただきまして、私も長官をやらしていただいていましたときに大臣から随分質問していただきました。ほとんど御意見一致することはかりでございましたことを思い出すわけでございます。
 そうした中で今度、今国会、環境行政としては最大の目玉であります環境基本法を再提出していただくということになっております。今伺いましたところ、私どもの政権のときにまとめた法案と同じものであるというような趣旨のお話があったと思うのですが、内容につきまして私どもの時代にまとめたものと違うところがあるんでしょうか、どうでしょうか。また、途中で修正されたところがありますが、その修正した後の形で出されるように今話しておられたと思いますが、違うところがあったらば教えていただきたいと思います。
#10
○広中国務大臣 違ったところはございません。二カ所修正させていただいて、衆議院で一カ所、参議院で一カ所修正させていただいたところを含めまして、もとのとおりでございます。
#11
○中村(正三郎)委員 ありがとうございました。私ども、これをまとめるのに大変苦労いたしまして、頭脳ばかりではなくて体力も使いましてまとめた法案でございます。法案をまとめるに当たって苦労もございましたし、これが私どもがまとめたから最善のものだというおごった気持ちもございません。ただ、これだけまとめるのも大変なことであった、現段階ではできる最善の案であろうということで努力をしてまいりましたので、ぜひこれが委員会の御協力も得まして早期成立することを私は心から望むものでございます。
 地球環境問題等いろいろな問題がございますけれども、これを一々やってまいりますととても時間もないし準備も不足でございますので、具体的なことについていろいろお伺いしたいと思います。
 今環境行政、企画調整能力を重視して、政府の中でいろいろな環境に関する問題について積極的に働いていこうというようなところが述べられておりました。今まで、ちょうど二十年以上前でしょうか、環境庁ができたころはいわゆる公害が多発いたしまして、公害に対する批判が非常に集中した時期でありました。そのために、公害という加害者があって、公害によって被害を受けた被害者があるという時代、ですから、公害を出すのは主に産業である、被害を受けるのは住民であるというような構図の中に、極めて先鋭な対立関係があった。でありますから、そのころの何と申しますか、役所の対応というのは非常に難しいものがあって、だんだん世の中が落ちついてまいりまして、公害対策も整ってまいりまして、地球環境問題も考えなければならないという時代に入ってきたのですが、ともすると、環境庁がいろいろな役所に対して物を言いますと、何かそれは経済成長を害するものだとか、そういう感覚でとらえがちな面が過去あったと思うのですね。
 しかし、今主な環境公害、大ざっぱに言って大変恐縮ですけれども、出しているのは何かといったら人間生活に起因するところが大きいわけでありまして、工場だとか悪質なものはありますけれども、悪いものはまだあると思いますけれども、そういったものの公害対策、環境対策というのは非常に進んできた。ですから私は、昔のように環境庁がちょっと物を言うとどうもほかの役所の抵抗を受けるんだとか、こんなことを言うと環境庁がやられるから遠慮するんだということがあったかどうか知りませんが、環境庁はそういう感覚を払拭して、これは総理の直属機関なんですから、積極的に政府の中で調整能力を発揮して、環境行政、公害対策、地球環境でもすべて政府全体でやるものですから、その指揮官が大臣なんですから、そういう御決意を持って臨んでいただきたいと思うのですが、そうしたことに、大臣も長いこと環境委員会をやっておられましたし、今度大臣になられて何か御所見があったらお聞かせいただきたいと思います。
#12
○広中国務大臣 元環境庁長官の中村委員の大変力強いお言葉を大変ありがたく思っているところでございます。確かに御指摘のように、今私たちの直面する環境問題は主に生活型というのでしょうか、広い意味の住環境、そうしたものではなかろうかと思っております。そういう中にありまして、環境には追い風が吹いている、そのような認識をしております。
 私は、閣僚の一員にならせていただきまして、これからのさまざまな行政、例えば住宅建設にいたしましても、産業政策にいたしましても、あるいは鉄道、交通整備にいたしましても、ぜひ環境の視点からやっていただきたい、そういうことで閣議後の懇談会などで御指摘をいたしましたところ、それこそ各省庁から、環境に優しい町づくりとか環境に優しいエネルギーとか、そういったような計画をそれぞれの省庁からたくさん出していただきまして、まさに私は、今国を挙げての、省庁を挙げての環境の時代だという認識を持っております。多少手前みそになるかもしれませんけれども。
#13
○中村(正三郎)委員 今大臣おっしゃられましたように、環境というものの重要性は政府内部、どこの省庁に行っても認められるようになってきた。そして、それぞれの役所がそれぞれの立場で環境行政を進める。大変結構なことになってきたわけでありますけれども、それだけでは進まないんですね、環境行政というのは。それを統合して総合的に計画、立案、実行していく、その指揮官みたいなものが必要なんです。私はまさに環境庁はその指揮官でなければいけないと思っておりますので、今大臣のお言葉をいただきましたけれども、頑張ってやっていただきたいと思うのです。
 私は、サステーナブルディベロプメントという例の考え方ですけれども、この定義がよくわからないとかいろいろな批判をする人もいるのですが、これはブルントラントさんが言い出して、今一応定着した地球環境問題の一つの基本的な考え方になっていますね。しかし私は、サステーナブルディベロプメントというのは耳当たりはいいのですけれども、これを実際にやろうと思って究極突き詰めていきますと、経済全体も環境という視点でとらえていかなければいけないという時代が
来ると思うのです。すなわち、地球上で人類が生存可能にしていくにはどうしたらいいかということを考えて経済を組み立てなければいけない時代さえ来るのじゃないかと思うのです。そのためにはやはりケインズとかシュンペーターの経済学ではいけないんで、やはり持続可能な経済というのはどういうふうなものだということを、経済のやり方としても考えなければいけないし、また経済学としても確立しなければいけない時期が来るのじゃないかと思っているのです。そこまで言いますと大騒ぎになって環境基本法もまとまらないと思いますので、まとめるときはそこまでは環境基本法にぶち込まなかったわけですけれども、私の方から一方的に申し上げて申しわけないのですが、それほどの問題だという決意で臨んでいただきたいと切に希望するものでございます。
 それで、具体的な問題に入りますけれども、自然の保護とか地球環境保全、いろいろなことをやりますけれども、環境庁の今までのやり方が、公害があって公害の被害者がいるという流れで組み立ててきたものですから、やはりいろいろやり方を直していかなければいけないということもあるのじゃないかと思うのです。特に、今地球環境問題を言いますときにCO2の発生量が非常に問題になってきます。CO2の発生量を抑えようとすると、これはクリーンなエネルギーをつくらなければいけない。クリーンなエネルギーをつくろうとして例えば地熱発電をやろうとする。そうすると、地熱発電をやるようなところというのは大体自然公園に入っているのです。そうしますと、ここは地熱発電をつくろうとすると自然公園法に触れるからできない、こういう問題が起こってくるのです。ここでまた縦割り行政の悪さというのが出てきまして、きょう自然保護局長いらしたらお許しをいただきたいのだけれども、自然保護局の方はこれはだめだと言う。地球環境の方はCO2が少なければいいんですからね、こういう話になってくる。
 実は私の選挙区でも具体的な話があったので、これは包み隠すこともないので率直に申し上げますけれども、風車をつくって風車を回して発電をしようとしたのです。風車を回して発電をして、そのエネルギーでもって漁協が養殖漁業のエネルギーに使おうとしたのです。ところが、CO2を減らす、節電をするという意味では風車はいいのだけれども、やはりそれは自然公園法の地帯であった。それで、ここは建てちゃいけないよという話になるのです。そうなりますと、やはり出先の人というのは執拗に自然を守るんだということでそれに抵抗される、そんなことをやっていたらクリーンなエネルギーが進まない、こういう問題が起こってくるのです。そのときに、風車を建てようとしたところの近所に灯台が建っていたのです。それじゃ灯台はよくてなぜ風車は建てたらいかぬのだ、景観を害するんだという議論がありまして、今これは検討中の課題になっているのです。そういう中で、やり方も私は少し考え直していった方がいいんじゃないかと思うのですね。
 そこで私は、自然公園法のいろいろなことを言われる許可基準ですね、それがなかなかわかりにくい。これは先生方もよく経験された方があると思いますけれども、いろいろな陳情が来たり何かするというので、ひとつどういう方法でやっているか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#14
○奥村政府委員 お答えをいたします。
 自然公園法の許可は、法律の規定に基づきまして、工作物の設置でありますとか木竹の伐採でありますとか、十一種の許可を要する行為がございますが、それぞれごとに許可の基準の考え方が違ってまいりますし、また地域によっても違ってまいるということで、法律上は許可基準を定めないで具体的な個々の状態に対応して運用するというような考え方をとっておるわけでございますが、しかしそれでは先生おっしゃるような点で大変不都合がございます。やはり申請者の方にもわかりやすく、あるいは均衡のとれた考え方でということになるわけでございまして、私ども局長通知で審査指針というのを定めまして、立地条件でありますとか行為の規模の限度でありますとか、形や外部の意匠に関する要件などを一般的に明らかにいたしまして、これに基づき判断をいたしておるという状況でございます。
#15
○中村(正三郎)委員 今言われましたやり方ですが、これは法律で定めずにというお言葉がありましたけれども、いわゆる行政指導ですか、今非常に評判の悪い行政指導というのがあるわけですけれども、政令だとか通達だとか省令とかいろいろありますね。これは何に属するものでやっておられますか。
#16
○奥村政府委員 お答えをいたします。
 許可の考え方は法律に明定をされておりますので、これは先生おっしゃるような行政指導という性格のものではございませんで、許可基準が個別に法律で定めにくいということで運用にゆだねておるということでありますので、これは法律の運用の形態というふうにお考えいただくとありがたいと思います。
#17
○中村(正三郎)委員 私が知っていて質問すると人が悪いから言いますけれども、これは局長通達でやっておられる。そして、国民の側から見れば行政指導みたいに見えるわけですよ、これは政令でも何でもないのですから。だから、こういうところも考えていかなければいけないと思うのですが、私がなぜこれを言うかというと、スキーを好きな人はいると思いますけれども、草津へ行くとスキーのリフトは茶色に塗ってありますよ。これも地元で非常に不評判で、私が環境庁長官のときに文句を言われたことがあるのです。ところが、北海道へ行くとこれは白く塗ってあるところがあります。それから、ガードレールの色も、緑に塗ってあるところもあれば白もあれば茶色もあるのですね。これは、同じ国立公園で、同じような環境の中で違っちゃっているのですね、基準がないから。その基準は何かというと、それは人の趣味になっちゃうのですね、きれいかどうかという。それで、国立公園等の中には絶対赤いものはつくらせないというようなお話をされる方もいるそうで、この前建設省の人望言っていたのですけれども、きれいな橋をつくったらそれを灰色に塗れと言われたと。非常に景観上悪いと。それで、私は、こういったことと全く関係なく、東大の先生のある講演を聞いていたときに、日本人の古来の知恵として、委員長の地元なんかいっぱいあると思いますけれども、緑の中に赤い欄干の橋があるとこれが非常にきれいで、人の心を和ます効果があるという講演を聞いたことがあるのですね。だけれども、自然公園の中ではそういうことはできないのですね。それがどこでなされているかといえば、その公園の出先の人たちの一筆といいますか、そういうことでなされるということになる。だから、いろいろな問題が起こる。
 もう一つ問題を言っちゃうと、建物の高さや何かですね、問題になったでしょう、小針さんとかなんとかかんとか。そういう問題が出てきちゃう。だから、出てきちゃうから私はこういうところをちょっとやり方を改善したらいいのじゃないかと思うのですね。その地元の人の意見を入れるということも必要ですけれども、やはり地元の人の意見がすべて正しいとも思えない。じゃ、国民の平均的な趣味が同じかといったら同じじゃない。赤い欄干をつくるというのがいいと言う人もいるだろうし、緑にして見えなくしちゃうのがいいと言う人もいるだろう。これは結論はなかなか難しいことだけれども、少し検討されたらどうかなということを私は申し上げたいのですよ。だから局長、何か答えることがあったら答えていただいて結構です。
#18
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のような色とか形とか高さとか、いろいろな御意見があろうかと思うわけでございますが、基本的な考え方といたしましては、やはりその自然景観にマッチしたものということで、余りかたい印象を避けるという意味で、例えば切妻というようなことで考え方を整理をしておるところでございます。また、色についても、その自然景観との不調和等違和感を感じないようにトーン
を抑えた色にするというような観点から、いろいろな考え方をお示しをしているということでございます。こうした考え方については、最近では都道府県などの自治体で景観条例というようなものが定められまして、都道府県の自治体行政などでもこうした考え方が行われるようになってきていると承知しておるところでございます。
 ただ、こうした考え方についてはいろいろな御意見もあるところでもございます。私ども、地域で具体的な許可の考え方を整理する管理計画というのを定めておりますが、これを定めます場合には、学識経験者や都道府県や市町村なり自治体の方々、それから地元の関係者、観光協会の方々などの御意見を参酌して、幅広く御意見を聞きながら決めるという方式をとってきておるわけでございますが、今後ともこうした運用についてはいろいろ研究してまいりたいと思います。
#19
○中村(正三郎)委員 特に、先ほど申しましたように省エネルギーの施設をつくろうとかなんとかというとき、そういうときにかたくなに環境庁の自然保護局がつくらせないというようなことが起こると、また環境庁は多くの人を敵に回すような結果にもなると思うのですね。そういうところをよくお考えいただきたい。
 それから、これは結論を出すのは非常に難しいけれども、目立たない方がいいとかなんとか言いましたけれども、ニセコは私、長官のときに視察に行きましたけれども、一緒に行った方がいらっしゃると思うけれども、スキーのリフトの色は白ですね。だけれども、草津は茶色ですよ。こういうばかばかしいことが起こるので、これはぜひ検討課題として御検討いただきたいということをお願いしておきます。大臣、何か御所見ありましたらどうぞ……。
#20
○広中国務大臣 このディスカッションを大変興味深く拝聴しておりました。確かに美観という問題はコンセンサスでいいのか、しかもどうやってコンセンサスをつくっていくかとかというようなこともございます。あるいは非常にすぐれた感覚の方が独断的に決めるのがいいのか、本当に考えさせられる問題でございますけれども、国立公園とかなんとかということでやたら控え目にするという傾向などもあったりいたしますので、逆にスキー場などでは真っ赤なリフトなんというのもおもしろいかななんて、これは私の感覚でございますけれども、いろいろあるので検討させていただきましょう。
#21
○中村(正三郎)委員 ありがとうございました。
 それでは、自然保護局いらっしゃるので、海岸の問題でもう一つ御質問したいのですが、日本は海に囲まれておるわけで、海岸線が非常に長いのですね。私は、実は選挙区も海に囲まれております海育ちで、海が好きで、環境庁の方も、沖縄へ視察に行ったときに海に一緒に行ったりして理解を深めていただいたのです。
 ところが、日本の海岸線を見ると必ずしも余りきれいじゃないのですよ。日本は環境対策を一生懸命やっているとか、海洋国だとか、自然が美しいとか言っているけれども、これは率直に言ってヨーロッパや何かの海岸線と比べると僕は汚いと思いますよ。だから、こういうことがなぜ起こってくるのだということをやはり今考えてみて改善策を考えなければいかぬと思うのですね。
 例えば、自然公園に指定したところは環境庁が口を出す、そうでないところは一切出せないんだというようなことだけれども、これはおかしな話で、環境基本法もでき、自然環境の保全ということが環境庁の役目だったら、そういうところに大いに発言をしたらいいと私は思うのですよ。また、そういうシステムをつくるべきだと思うのです。そういうことを言うと環境大騒ぎの二十年前のことを思い出して、環境庁にそんな権限を持たしたらまた開発ができなくなるとかなんとか、滑った転んだという話になりますから、そういうことじゃないんだ。環境を本当に国民のためにコンセンサスを得て保全するんだという観点からやれば、もっと開発もスムーズになるような自然保護をきちっとできるようにもなる。例えば、今自然公園地域でもホテルをつくろうとしたりなんかすれば、いろいろな制約がありますよ。おかしいと思うのは、漁業組合が町と組んでさっき言った風車をつくろうとすると、これは自然景観だと言って文句が来るんですね。だけれども、漁民が漁業の小屋をつくったり住宅をつくったりなんかするのは一切これは制限がないのですよ。こんな変な法律はないのですよ。やはり自然環境保全ということは万民平等でなければいけないわけだ。そういったこともいろいろ考えていかなければいけない。
 ただ、問題を広げるとまた議論が広がっていってしまいますので、海岸の問題に限定して、ちょっと保全状態に限定して伺いたいのですが、今全国の海岸線はどんな状態になっているか、環境庁の把握状態を教えてください。
#22
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。
 私どもは自然環境の状況を五年に一度トータルに調査をいたします自然環境保全基礎調査というのを行っておりますが、五十九年度、一番新しいデータでございますが、全国の海岸線のうち、自然海岸が五七%、半自然海岸は約一四%、人工海岸は約二九%ということになっております。全国の海岸線における自然公園などの占める割合は五四%でございまして、自然海岸について見れば六四%が自然公園等の区域になっておるという状況でございます。
#23
○中村(正三郎)委員 今お答えありましたように、自然海岸というのは約五五%でしかないんですね。半自然海岸というのは約一五%。半自然て何ですか、これ。
#24
○奥村政府委員 お答えをいたします。
 護岸とかテトラポッドなどの人工工作物がつくられておるのが、これは人工海岸でございますが、その中で潮間帯、潮の満ち引きがありますところについては人工工作物がなくて自然状態が維持されているもの、これが半自然海岸という整理をいたしております。
#25
○中村(正三郎)委員 私は、今公共工事、景気刺激のためにやるとかそういうこととも若干関連してくるんですけれども、実際に体験したことですけれども、ある離島で県の方でもってここは護岸した方がいいよと言ってきた。言ってきて、それならば公共工事量も上がるし、それじゃやっちゃおうということで、何の損害も受けてない海岸に護岸をしていった。そこで、地元から何でこんなところへ護岸するんですかという話が出て、そしてそれを、私はこれはもう包み隠すこともないと思うので、衆議院議員で前に九州地建局長をやった私の友人の方とそれを見て、いけないと言ったら、その建設省出身の方もこれはいけない、即座にやめなかったらこれは大変だ、護岸すればその先の砂は恐らく飛んじゃうだろうということで、私も環境委員会かもしくは沖縄北方特別委員会がで沖縄に視察に行ったときに発言して、それはとめたんですよね。
 私はこういったことについても、やはり環境庁が自然環境の景観を変えていくときに、別に開発とめろとかなんとか言うんじゃないですよ、こういう問題がいっぱい起こっていると思うんだ。特に、この前北海道に視察に行ったときに言われたんだけれども、ある人が、北海道知事は支持しません、私は社会党だけれども。なぜだと言ったら、川を全部固めちゃうと言うんですね。川の護岸を全部固めちゃって、こんなのでいいわけがない、あの人は自然を壊しているから嫌です、こういう人がいた。だから、こういうところが、例えば海岸線保全なら海岸法があって、これは建設省だとか、それから河川だったらこれは河川局だとか言うんでしょうけれども、そういうことでなくて、自然環境、自然を守るという立場から十分それは環境庁が僕は口を出していっていいと思う。そこで、また戻るんだけれども、そういうことを言うと開発に環境庁が何かブレーキをかけるからいかぬ、そういう時代じゃないと思うのですよね。大いにそういうことをやってもらいたいと思うのです。
 私は、そういう中で非常に問題だと思ったの
は、海岸の中に、やはりある離島なんだけれども、民間企業がフローティングステーションをつくって、それから桟橋みたいなのをつくっちゃったんですよ。つくっちゃって、そこにまたそれをつくったのは、最初は黙ってつくっちゃったらしいんだけれども、その後許可されたのですね。何で許可されたというと、これが機関委任事務で、県の権限で許可したのですね。だから、機関委任事務というのは、今地方の時代で、地方に権限移譲するということがいかにもそれなら全部善だというふうに語られるけれども、僕はそれは間違いだと思うんだ、はっきり言って。何をやるかわからないという面がある。そこで、許可しちゃったもののところに不法なものをもう一個つけ加えたので、それを撤去させようとした。撤去させる法律がないのですよ。許可しないと言うことは、あれは違法なものですと言うことはできるけれども、撤去させる法律がない。ですから、法律がないから予算もつかない、できないという話になるんだね。
 それはしかし、そのフローティングステーションは下にアンカーを引きずっていて、ばりばりサンゴ礁をぶっ壊して大騒ぎになっている。それが、白保の空港をつくっちゃいかぬという人は、白保の空港のことは皆さんに随分言って、お連れもしたから御存じだと思うけれども、何にも、サンゴ礁もないから石のところなんですよ、ほとんど。ちょっと沖に行けばありますよ。だけれども、そのきれいなサンゴ礁をぶっ壊しているそういうところに環境庁が何も言わないというのは、そういうことはないと思うのですね。実際に口は出していただいているようですけれども、私はそういう意味で環境庁の守備範囲、地球環境保全、自然保護に関することにはすべてかかわり合いを持って口を出せるんだというシステムをつくっていってもらいたいと思うのですね。
 それからもう一つ、ついでに言いますけれども、その同じところなんだけれども、白保という空港をつくるときは反対だときたんですよ。町でも反対、まあ行政当局だとか市会議員だとか大半の住民というのは賛成なんだけれども、反対運動が起こった。それはなぜかというと、サンゴ礁を埋め立てるからいけないというのですね。私は環境庁長官のとき答弁もしましたけれども、実際に空港をつくるところでないきれいなところの写真が報道されて、これが埋まるんですよというようなことを報道されて、これは間違った報道だということを指摘したこともあります。ところが、そのサンゴ礁のところに空港をつくるというのは相変わらず県が反対しているのです。ところが、それと並んでちょっと離れたところ、十キロかそこら離れていますけれども、同じようなところにホテルが人工海岸をつくると言ったら、それを許可しちゃったのですね。おかしいと思うでしょう、これは。空港ならだめでホテルの人工海岸ならよろしいというのは、私は絶対筋が通らぬと思う。これを幾ら言っても、これは機関委任事務で県がおやりになったことだという話になっちゃう。それじゃ地方の時代といったって何ですかという話になってくるわけですね。
 私は、あえて特定の名前を申しませんのは、こういうことを言うと、あいつが反対したとかなんとか言われるのが嫌ですからね、あらぬ腹を探られるのが嫌だから言うのですが、こういうところも環境庁が、何で空港はサンゴ礁を壊していけなくて、こっちでサンゴ礁を壊して人工海岸をつくる、行政の整合性が合わないじゃないかということは大いに指摘して、むしろ僕は大臣には閣議ぐらいで言ってもらいたいですよ。そういう問題まで環境庁がきちっと、自然保護をやるために環境庁が発言できるんだというようなシステムをぜひつくってもらいたい、こういうふうに考えているわけですが、大臣、何か御所見があったら伺いたいと思います。
#26
○奥村政府委員 まず事務的にお答えを申し上げたいと思いますが、自然海岸というのは大変景観上もすぐれておるわけですし、レクリエーション上も重要な場所であろうというふうに思っておりまして、できるだけ保全がされるよう環境庁としても努力をしていかなければいけないと考えております。
 具体的には、先ほど申し上げましたように、全国の自然海岸の約六四%は自然公園法等の網がかかっておりますので、まず第一に指定地域内について保全を図る努力をしていくべきものと考えているわけでございます。また、指定地域外の自然海岸についても、関係省庁や地方自治体と協力して各種の法制度を活用しまして極力保全を図るように努めてまいりたいと思うわけでございます。
 具体的には、公有水面埋立法は建設省の所管でありますけれども、大規模な埋め立てについては環境庁に協議がございますし、また、港湾区域の設定や港湾区域の開発については港湾審議会などにおきまして環境庁が参画して意見を述べるという場がございます。こうした各種の制度を活用しながら対応してまいりたいと思う次第でございます。
#27
○中村(正三郎)委員 今のお答えはわかるし、そういうお答えに皆さんがなっちゃうのはわかるので、私は個別の問題を、それじゃ建設省に言ってどうのということを申し上げているのじゃないのです。こういう問題が起こるので、それをカバーしていくためには政府自体の中の環境庁のあり方も見直していかなきゃできないんじゃないですかということを申し上げているのですよ。それを、今こういう法律体系でこうなっているからできません、ここはこういう法律でここはこういう法律で、港湾は運輸省で海岸保全は建設省でもって、自然公園のところだけ、自分たちはそこしか口を出せませんというのでは、それでうまく機能しないからそのままほっとくといったら、これは行政の怠慢ですよ。だから、そういうことを変えようとすると必ず省庁の縦割りの問題が出てくる、私はそういうことをやはり常に改善する努力をしなきゃいけないと思う。特に、私どもは立法府ですから、皆さんが法律が必要だと言えば、与野党で一致すれば法律を出したっていいですよ。そういう時代に入っている。だから、環境庁が何か口出すと邪魔するとか、そういう感覚じゃなくて、おれたちの海岸はここまでだ、自然公園の中だとか言わないで、それを、全体を、環境行政は政府の中の調整機関で企画機関なんだから、カバーできるようにしていく努力をするべきじゃないか、これを申し上げているのですね。そういうことについて、大臣の所見を伺わせていただきたいと思います。
#28
○広中国務大臣 大変貴重な御提言だと思います。ぜひ検討させていただきます。
#29
○中村(正三郎)委員 今度は大臣、非常に簡単なお答えでありましたけれども、ぜひ御期待を申し上げております。
 私は、こういうことはいろいろ抵抗があったら、閣議で発言しちゃうというのも手だと思うのですよ。こんなことを大臣に言うのは御無礼なこと、お許しをいただきながらしますけれども、いろいろ相談しますと、ああいう人たちが出ていって、向こうとこっちで、これ言っちやいけないとかなんとか、こういう話になりますから、そういうのは聡明な大臣が閣議で、今具体的なことは、さっきのは冗談ですよ、そんなことは全く関係なく、やはり環境行政というのは、国民のためを思い、全体の企画調整機関としてもっとやっていかなければいけないということをどんどん閣議で発言していただきたい、こういうようなことをお願い申し上げる次第であります。
 あと、NOxのこととか、これも大臣と随分御議論させていただいたことなんですが、時間も参りましたようなので、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#30
○奥田委員長 福永信彦君。
#31
○福永委員 先ほど長官の所信表明をお伺いしたところでありまして、そのことに関して幾つかの質問をさせていただきたい、かように存じます。
 まず第一に、我が国の環境政策の基本的認識についてでありますが、近年、環境問題が地球規模
でも問題視され、昨年六月、ブラジルでの地球サミットでは、長官の表明にもありましたように、持続可能な開発の基本原則であるリオ宣言が採択されました。こうした一連の動きの中、我が国の国際的地位にふさわしい役割を率先して果たしていくことの必要性を表明されたことは、大変心強く感ずる次第であります。
 また、地球的規模での環境問題の原因の多くは、我々の社会経済活動の拡大ととらえ、現在の企業活動や国民一人一人の生活のあり方に問題があり、こうした問題点の解決策として、政府と国民が一体となり、これまでの社会経済システムのあり方や行動様式を見直すことを目指すと示されておりますが、私もその考えには全く同感であります。ところで、今後の環境政策を考える上で最も基本となる長官の認識について、お述べをいただきたい。
 また、表明の中で使われた社会経済システムのあり方とは具体的にどの部分をどう変えていきたいのかの所信をお示しいただきたいのであります。また、今後一つの経済の指標になる可能性があるグリーンGNPについてと、その具体的導入に向けての目標をあわせてお聞かせ願いたい。
 公害問題では、改善の余地があるものの、我が党の努力によって世界有数のレベルに達したと考えられますが、しかしながら、自然環境保全に関しては、我が国の政策は大変おくれていると考えられます。長官の基本的な認識をまずお聞かせいただきたいと思います。
#32
○広中国務大臣 お答えいたします。
 都市・生活型公害や、地球環境問題を初めとする今日の環境問題に適切に対処し、環境の恵沢を現在及び将来の国民が享受できるようにするためには、政府と国民が一体となってこれまでの社会経済システムのあり方や、国民の行動様式を見直し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指すとともに、地球環境の保全に積極的に取り組んでいくことが必要である、このような認識に立って、所信を申し上げたわけでございます。この考え方に立ちまして、今後、環境基本法案をもう既に御提案申し上げているところでありまして、同法案を一日も早く成立させていただきまして、その枠組みのもとで環境政策の新たな展開を積極的にさせていただきたいと思っております。
 続いて、社会経済システムのどの部分をどう変えるのかという御質問でございますけれども、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築することで、そのためには我が国における大量生産、大量消費、大量廃棄型の国民生活や事業活動について、例えば生産と消費のパターンを見直すとか、これによって資源エネルギー等のより一層の効率化を図り、物の再利用、リサイクルでございますけれども、再生利用をさらに進め、また浪費的な使い捨ての生活習慣を見直していくことが必要である、そんなふうに考えております。
 また、グリーンGNPという大変刺激的なお言葉でございましたけれども、この指標というのは、いわゆる我々が日ごろ経済指標として使っておりますGNPとは別に、資源の損耗とか汚染等、環境への負荷を貨幣換算することによって新たな指標をつくる、それがグリーンGNPと呼ばれているようでございますけれども、このグリーンGNPといった環境と経済を総合的に評価する、単なる経済成長だけではなくて、そうした環境への負荷、そうしたものも総合的に評価する手法は、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築する上で極めて有用であると認識しておりまして、我が国でも平成四年度から環境庁、経済企画庁及び農林水産省において、国連やOECDの作業も踏まえながら共同研究を行っているところでございます。今後とも、国際的な研究の動向を踏まえ、関係省庁と提携をとりながら、環境資源勘定など、環境と経済の状況を総合的に評価する手法を開発し、これを施策に活用するように努めていきたいと思っております。
 次に、自然環境保全の政策が、いわゆる公害対策と比較しておくれをとっているというような御指摘でございましたけれども、それは公害対策の方が新聞などをにぎわすということで目立っていることでございまして、環境庁といたしましては、自然環境保全については、公害対策と並ぶいわば環境行政の両輪としてこれまでも政策を進めてきたところでございます。
#33
○福永委員 次に、ただいま長官のお話にございました環境基本法の制定についてお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 環境基本法の早期成立については、大臣の所信に同意するものでありますが、この成立後、先ほど中村元長官のお話にもございましたが、各省とのさまざまな調整について環境庁の強いリーダーシップが必要と考えられます。それについての大臣としての御方針があれば、お伺いをしたいと存じます。
#34
○広中国務大臣 成立をさせていただきました後の具体的な政策につきましては、環境基本法を成立した後に同法の枠組みのもとに積極的な政策展開を図っていくことになる。
 まず、環境庁といたしましては、政府全体の環境保全施策の基本方向を示すところの環境基本計画を策定することとしておりまして、そしてこの枠組みを活用いたしまして、各種の施策相互の有機的かつ効果的な連携を図りつつ、総合的かつ計画的な推進を図り、環境基本法に規定されている施策の方向を具体化させるように全力を尽くす、そういうお答えでございます。
#35
○福永委員 大変難しいお答えでよくわかりませんが、いずれにしても強いリーダーシップで頑張っていただきたいと存じます。
 次に、環境基本計画の策定についてお伺いをさせていただきます。
 環境基本計画の策定について、具体的に国の他の計画との関係について長官の考え方をお示しいただきたい。さらに、環境基本法案第三条の文面では環境は人類の存在の基盤であることなどが基本理念として示されている認識からすれば、当然環境の保全にかかわる人間の活動にかかわるすべての国の計画は環境基本計画を基盤とするようにならなくてはならないと考えるが、どうでありましょうか。
 さらに、環境基本計画の具体的内容をどうお考えをいただいているのか、目標としての基準があれば具体的に、何年までに何をどうするのか等、できますれば数値でお示しをいただきたいと存じます。これはどなたでも結構ですから。
#36
○広中国務大臣 環境基本計画と国の他の計画との関係はどうなるのかという御質問、そして他の計画はすべて環境基本計画を基盤とすべきそあると考えるかどうか、こういう御質問でございます。
 環境基本計画は環境の保全に関する政府全体の基本的な計画として政府内部での調整、閣議決定を経て策定されるものでございますから、国の策定する各種計画におきましては環境の保全に関して環境基本計画の基本的な方向に沿った内容のものとなるというふうに考えております。
 それから、環境基本計画の具体的な内容、どのように考えているか、一部後で企画調整局長からお答えいただきますけれども、環境基本計画においては、環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱として望ましい環境のあり方及び政府全体としての環境保全施策の全体像を記述するとともに、地方公共団体、事業者、国民といったそれぞれに期待する基本的な取り組みを盛り込むこととしているところでございます。基本計画の具体的な内容につきましては、中央環境審議会、これは今の中央公害審議会の名称を今後変えることになるわけでございますけれども、中央環境審議会の意見を聞き、閣議で決定することとしており、御指摘のような点を含めまして積極的に対応してまいりたいと思います。
#37
○森政府委員 ただいまお尋ねの環境基本計画の具体的な数値等についてでございますが、私どもまだその具体的な数値というのを準備いたしておりません。政府部内で環境基本計画をどういうものにしていくのか、その大きなフレームをどうす
るのかという内部の検討を開始しているという段階でございます。
#38
○福永委員 わかりましたらぜひ早くに教えていただきたいと思います。
 次に、環境影響評価についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 環境影響評価の法制化については与党内での足並みに乱れがあると感じられます。このことについてはお答えいただかなくても結構でございます。また、現在我が国で実施されている環境影響評価はいわゆる事業アセスと言われるものでありますが、本来的には計画アセスであるべきと考えられますが、環境庁のお考えをお聞かせいただきたい。先ほど中村元大臣からも似たような御質問があったわけでありますが、計画決定後ではなく計画の段階でいろいろ御指導があってしかるべきであるというふうに考えますが、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
#39
○広中国務大臣 計画アセスメントについてでございますけれども、現在行われている環境影響評価は事業の実施直前というのでしょうか、前に行われているのは御指摘のとおりでございます。これは環境影響評価を適切に実施するためには事業計画がある程度煮詰まった段階とならざるを得ないということによるものでありまして、またこれによって後に続く事業の実施に必要な免許等の審査に環境影響評価の結果が反映されることができるから、そういうふうに伺っております。
 御指摘のいわゆる計画段階での環境配慮については、このような現行の環境影響評価に対応するに当たって、従来から事業者によって自主的に適切に行われるよう努力がなされてきたものというふうに私どもとしては理解しているところでございます。
#40
○福永委員 次に、経済的手法の検討についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 社会経済活動に環境配慮を組み込み、民間における環境保全活動を促進するため、経済的手法の検討を行うと表明されましたが、その内容を具体的に御説明いただきたい。
 現在の我が国の社会構造は議会、行政、市民の三極構造で成り立っていると言われますが、先進民主主義国家においてはこれらに民間公益団体、つまりNGOを加えた四極の構造で成り立っていると思われます。そこで、今後日本においてもNGOの健全な発展が望まれます。しかし、そのNGOの存立の基盤の一つである財源問題が大きくクローズアップされております。
 そこで、NGOの財源について欧米に見られるような制度的な支援をすることが必要であると思われますが、長官の考え方をお聞かせいただきたいと存じます。
#41
○広中国務大臣 最初のお尋ねの経済的手法につきましては、この環境基本法成立を受けましていろいろ検討をする、そういう段階でございまして、いろいろ調査を始めているところもありますし、これから調査を始めるということもあるわけでございます。この経済的手法にはいろいろ形態があることは委員御承知のとおりでございます。
 NGOについてのお尋ねでございますけれども、今後の環境保全のためには社会経済のさまざまな分野において環境保全活動が自主的、積極的に行われていくことが肝要でございまして、このためには環境教育、環境学習の振興、自主的な民間活動の支援を総合的に講じていく必要がある、そういうふうに環境庁としては受けとめております。中でも、幅広い国民参加による環境保全活動を進める上で、NGOの期待される役割は非常に重要だということで、今後ともNGOのグループとは緊密な関係をとりながらやっていきたいと思っております。
 しかしながら、御指摘がございましたように、我が国におきましてはその歴史的、文化的背景の中で、欧米諸国に比べましてNGOの活動基盤が非常に脆弱であるということを踏まえまして、政府としては本年五月、地球環境基金を開設いたしまして、地球環境保全に取り組むNGOの活動に対し助成を始めたところでございます。
 NGO活動とはもともと国民的な参加と協力のもとに成り立つものでございまして、地球環境基金も国と民間が力を合わせて造成を図るべきものでございますので、環境庁としては今後ともNGO活動の重要性等について国民各界各層への広報、啓発に努め、その支持と協力が得られるように努力したい、そういうふうに思っております。
#42
○福永委員 大変力強いお話を承りました。どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、所信表明にもございましたが、環境教育についてであります。
 環境教育は、本来、学校教育の一環として取り組むべきことと考えますが、しかし、この分野におけるおくれがあるとの指摘が多くあります。文部省の政策との整合性について、いろいろあろうかと存じますが、最も基本的に大事な、小さいころから自然を愛するというような、そうした教育について具体的にお聞かせいただければありがたいと思います。
#43
○森政府委員 環境教育の重要性はまさに今お話しのとおりであろうと思います。
 私ども、環境教育を進めるという観点から考えてまいりますと、学校教育はもちろん、社会教育の場でもそれが必要であろうと思っております。私どもは環境庁としてできるだけのことをやっておりますが、その学校教育等を担当する文部省との協力連携というのが特に重要でございます。
 これまでも一生懸命に緊密な連携というような点で努力をしてまいりました。現に、去る数日前でございますが、各公共団体の環境教育担当者を環境庁にお呼びをいたしまして、集まっていただきまして、いろいろな情報交換等を行いましたが、その際にも、文部省からも御出席をいただき、国レベルでの連携に合わせ、公共団体レベルでもその連携がとれるようにという配慮もしてまいったところでございます。
 文部省の方におきましても、大変協力的といいますか、積極的に取り組んでおられるところでございまして、現に、平成元年三月の学習指導要領の改訂につきまして、環境に関する指導内容の充実を図る、あるいは教師用の指導資料をつくりまして、全国の学校に配付するというようなことをやっておられますし、このような資料の作成段階でも、環境庁の持っております情報を提供するというようなことをやってまいっておるところでございますが、さらに文部省との連携を重視して対処してまいりたいと考えております。
#44
○福永委員 ありがとうございました。
 次に、地球環境基金、先ほど大臣からお話がございましたが、現在までの地球環境基金は果たして満足いく額が集まっているかどうか。この基金を充実させる具体的な手法をお聞かせいただきたいと存じます。
#45
○森政府委員 地球環境基金は、ことしの五月に環境事業団法の一部改正後に創設をいたしたものでございます。その後、国と民間が力を合わせて充実していくべきであるという趣旨にかんがみまして、私どもも一生懸命に普及広報ということを環境事業団を中心にやってまいっておりますが、残念ながらと申し上げましょうか、これまでの実績では民間からの拠出はまだ九百万円程度ということでございます。しかしながら、この地球環境基金は、制度発足に当たりまして、国としてまず基金のベースに十億円、それから事業費補助として五億円を計上いたしておりますものですから、今年度の助成といたしまして八十一件、約三億円を決めたところでございます。もちろん、これからこれが本格的に稼働していくということでございますので、国、民間が力を合わせて充実していくという観点に立って、国民各位の積極的な協力が得られますように最大の努力をしてまいりたいと考えております。
#46
○福永委員 どうかよろしくお願いいたします。
 次に、地球温暖化防止行動計画についてお伺いをいたしたいと思います。
 地球温暖化防止行動計画、これは通産省で出しておるわけでありますが、その有効な実施が望まれます。そのためには経済活動の抑制も視野に入
れなければならないと言われております。しかしながら、急激な実施は経済活動の停滞を招くことが考えられ、地球温暖化防止行動計画の具体的推進の目標値があればお示しをいただきたいと存じます。
#47
○森政府委員 御承知のように、地球温暖化防止行動計画では、その抑制目標といたしまして、一人当たりの二酸化炭素排出量を、二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルで安定させるというのが一つでございます。さらに、二酸化炭素の排出総量が、二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルで安定化するように努めるというのがもう一つの目標でございます。
 この目標値を持っているわけでございますが、今お話しのようなこともございまして、この温暖化防止行動計画では、持続可能な開発の考え方に沿って経済の安定的な発展との両立を図っていくこと、それから地球環境への負荷の少ない社会を形成していくことということを対策の推進に当たっての基本的事項にいたしておるところでございます。
 こういうような大きなフレームのもとに具体的な推進を図っていくということでございますが、その具体的な施策は、行動計画に盛られましたそれぞれの施策別に、関係各省庁におきまして、それぞれの責任において実施をしていくということにしております。
 その進捗状況は、毎年度、地球環境保全に関する関係閣僚会議、これに御報告をし、明らかにしてまいるわけでございますが、環境庁といたしましては、関係省庁と連携を深めながら、一層の推進に努力をしてまいりたいと考えております。
#48
○福永委員 今の具体的な数値というのは、今のところ出ていないのですか。
#49
○森政府委員 ただいまのお尋ねは、恐らく個別施策におきます具体的な数値という意味ではなかろうかと思いますが、温暖化防止行動計画は、それぞれ施策をずっと列挙いたしておりまして、例えばその中で、電気自動車の普及を図るといったような目標を掲げておりますが、これにつきましては、通産省で電気自動車普及計画というようなものをつくられますし、また、大もとのエネルギーの供給という観点につきましては、代替エネルギーの数値目標というのをそれぞれ各省庁でお持ちということでございます。
#50
○福永委員 次に、生物多様性保護についてお伺いをしたいと思います。
 生物多様性条約を踏まえ、多様な生物種の保存を図るため、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく生息地の保護管理や、保護増殖事業を推進していくことが表明されましたが、生息地の保護管理を有効に進めるためには、生息地の公有化が必要であると考えられます。その財政的裏づけについて、具体的にあれば御説明を賜りたい。
 また、生物多様性条約では、生態系の多様性、種の多様性、種内遺伝子の多様性の保護がうたわれておりますが、本法における希少野生動植物の指定種の選定根拠をお聞かせいただきたい。
 さらに、生物多様性保護の具体的手法として、環境先進国と言われるドイツにおけるビオトープネットワークが有効と考えられますが、国内においても、民間レベルで研究やシンポジウム等の取り組みが注目されておりますが、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#51
○奥村政府委員 御指摘のありました二点について、まず事務的に御説明を申し上げます。
 一つは、絶滅のおそれのある野生動植物の生息地の公有化が必要ではないかという御指摘でございます。
 御案内のとおり、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、種の保存法というふうに略称しておりますが、この法律は、本年の四月に施行されまして、具体的な保護のための生息地を、生息地保護区ということで指定して、工作物の設置などの行為を規制することになるわけでございます。この指定は、これからの作業でございますので、今後先生のおっしゃったような公有地化の対応をしていくということになるわけでございますが、私ども、国立公園や国定公園、鳥獣保護区などについては民有地の買い上げ制度という制度を持っております。それで、生息地保護区が指定されますと、土地所有者から買い上げの要望が出てまいります場合には、この民有地買い上げ事業の中に新しい生息地を加えまして、指定をされた土地について土地の買い上げができるようにいたしたいということで、平成六年度の概算要求の中で生息地等保護区あるいは管理地区といったものを民有地買い上げ補助制度の対象にいたしますよう、現在、制度の拡充要求を行っておるところでございます。こうした制度も実現をいたしまして、公有化ができるように対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、二点目の種の指定根拠についてのお尋ねでございます。
 この種はいずれも審議会の意見を聞いて政令で指定することになっておりまして、現在作業中でございますが、具体的な指定方針として、国内の希少野生動植物と国際的に保護をする国際希少野生動植物の種と二つございますが、まず国内の種につきましては、個体数が著しく少なくなってきている、あるいは減少しつつある種という要件が一つ、それから、分布している地域の相当部分で生息地とか生育地がなくなりつつある種、それから、分布域が非常に限定をされておりまして、生息環境などが悪化いたしますことにより、その絶滅のおそれが懸念をされている種、この三つの要件のいずれかに該当する場合に指定することになっております。
 また、国際希少野生動植物種につきましては、ワシントン条約の附属書Tに掲載をされております、学術目的など例外はございますが、輸出入が原則的に禁止をされているもの、それから、日米あるいは日ロ、日豪などの二国間の渡り鳥条約で相手国から保護が求められている絶滅のおそれのある鳥類、こういうようなものを選定することになっております。
#52
○広中国務大臣 福永委員からビオトープですか、大変興味ある御指摘をいただきまして、私も目を開かれたようでございます。
 私が子供のころには、雨上がりなど庭の垣根のところにカタツムリを見つけて喜んだものでございますけれども、こうして都市化が進み、人間の活動が盛んになるにつれて生物の多様性が失われている、そういう中で、都市地域を含みましてさまざまな地域に生物の生息空間として身近なところに自然を保全する、そしてまた回復していく、それだけではなくて、さらにそうした空間をつなぎ合わせていく、面にはならないにしてもつなぎ合わせていって、そして全体としてはその中に生息する野生動物の生存空間を広げていこうというビオトープネットワークシステムですか、大変に興味のある大変すばらしいことだと思います。これらの考え方に基づきまして、地方自治体とか民間団体ですかで研究会やシンポジウムが開かれていると伺っておりますけれども、こうしたことを通じまして、原生的な自然の保全に加えまして、二次林や身近な川や池、さらには農地や草地を含め多様な生物の生息空間を日本におきましても創造し、広げていきたい、そんなふうに思っているところでございます。
 環境庁としても、ふるさといきものふれあいの星とか環境と文化のむら等の整備に努めているところなんでございますけれども、御指摘のこのビオトープネットワークの考え方にも、積極的に研究し、検討させていただきたいと思っております。どうもありがとうございました。
#53
○福永委員 ビオトープについて大変御理解をいただいて、ありがたい話で、ぜひこれからも積極的に推進をしていただきたいと存じます。
 次に、国立・国定公園についてお伺いをしたいと思います。
 現行の自然公園法では、観光的利用と景観保護の二つが自然公園の設置目的となっておりますが、自然生態系としての自然の質を低下させる観光開発的な利用を強く規制する必要があると思い
ますが、どうお考えか、お示しをいただきたい。また、環境教育の場としての利用を重視することを考えると、いわゆるレンジャーの人員が圧倒的に不足しているのではないかと考えられます。その増員が必要と考えられるところでありますが、具体的な策があればお聞かせをいただきたいと思います。
#54
○広中国務大臣 お答えいたします。
 自然公園法では、すぐれた自然の風景地の保護とその利用の増進を図ることを目的としておりまして、その趣旨を踏まえ、自然公園の中核となるすぐれた自然の風景地は適切にその保全を図るとともに、自然公園の利用に適した地域については、自然との触れ合い等が促進されるよう計画的な利用を図っているところでございます。こうした考え方に立ちまして、具体的な施設の整備に当たりましても、自然の質を低下させるのではなく、長い目で見て自然の恵みが最大限に引き出され、自然と調和したものにすることを基本としているところでございます。
 次に、国立公園を環境教育の場として利用することを考えると、いわゆるレンジャーの増員がもっと必要ではないかということでございます。
 国立公園の管理につきましては、環境庁の発足以来、国立公園管理官の増員に努めるほか、ボランティアを活用した自然解説や指導を推進するなど体制整備を図っているところでございます。最近は新たな制服もつくりまして、テレビなどで、けさのNHKなどでもやっておりましたけれども、そういう方たちが活躍するということで、取り組みには熱心にやっているところでございます。
 それで、御指摘のように、環境教育の場といたしまして、また自然との触れ合いの場といたしまして国民のニーズがますます高まっていることを踏まえて、今後とも国立公園管理の一層の充実を図ってまいりたい、そのために人員もふやしたいし、ボランティアの方にも協力していただきたいし、予算もたくさんいただきたい、そういうふうに希望しているところでございます。
#55
○福永委員 まさにそのとおりであろうと思いますので、どうか大臣、頑張っていただきたいと存じます。
 次に、世界遺産条約についてでありますが、世界遺産条約登録を推薦している白神山地及び屋久島の保護管理に万全を期するとの所信表明に私もまさに共感を覚えるところでありますが、世界的に重要な亜熱帯雨林を擁する沖縄県山原や西表島を初めとするより多くの地域の登録が望まれておりますが、今後の本条約に関する方針をお聞かせをいただきたいと存じます。
#56
○奥村政府委員 世界遺産条約の候補地につきましては、現在、屋久島と白神山地を推薦いたしまして、ことしの十二月に遺産委員会が開かれ、決定をされる見込みでございますが、その登録に向けて現在のところは全力を挙げているという段階でございます。
 今後の候補地につきましては、先生御指摘のありました南西諸島地域、沖縄地域でございますね、それから、例えば富士山でありますとか、地元やNGOなどから幾つかの問題提起がなされているということは私どもは承知しておりますけれども、現在のところはもう少し広く専門家の御意見も聞きながら検討してまいりたいというふうに考えている段階でございます。
#57
○福永委員 次に、大気環境の保全についてお聞きをしたいと思います。
 大気環境保全についての長官の所信に加えて、EC等の諸外国では具体化が進められつつある車社会にかわる新交通システム等の研究をさらに進めるべきであると考えますが、長官のお考え方をお聞かせをいただきたい。
 ヨーロッパでは、約十年前から大気汚染による森林の枯死現象が、つまり枯れていく現象が起こっておりますが、我が国においても地理的に、生態的に弱い山岳地帯からこの現象が起こることが予想されているところであります。丹沢、赤城、日光等での森林枯死が報じられておりますが、ヨーロッパと同様の現象と考えられるところでありますが、果たしてそうであるかどうか、専門的で恐縮ですが、長官の見解及び研究、今後の対策等についてお聞かせをいただければありがたいと思います。
#58
○広中国務大臣 まず、車社会にかわる新交通システム等の研究を進めるべきではないかという御質問でございます。
 自動車に起因する大気汚染問題を解決するためには、御指摘のとおり、地域の実情を踏まえた上で新交通システム等の導入を図り、環境と調和のとれた交通体系を整備していくということ、これは非常に大変なことだと認識しております。
 環境庁におきましては、こうした方向に向けまして関係省庁に働きかけを行うとともに、新交通システムの整備を含め、交通公害防止型都市形成のための検討調査を進めてまいりたい、そんなふうに思っているところでございます。
 次に、大気汚染による森林の枯死現象、丹沢、赤城、日光等についての研究及び対策についてということで御質問いただきましたけれども、丹沢のブナやモミ、赤城、日光のシラカバ等が衰退、枯死している現象につきまして私ども認識しており、これまで環境庁を初め国立環境研究所、関係自治体等で調査研究をしているところなんでございます。
 これらの原因でございますけれども、大気汚染ガス、例えば硫黄酸化物、窒素酸化物、オキシダントなどによる影響あるいは酸性雨による影響かもしれない。害虫、細菌による影響、こういうことも考えられるかもしれない。あるいは乾燥化、積雪や寒さの害による影響、寒害というのですか、による影響、そしてこれらが複合したものかもしれない。そうしたものがいろいろ考えられるわけでございますけれども、現時点では十分解明されておりません。ですから、さらなる調査研究が必要でございまして、適切な対応を図ってまいりたいと思っております。
#59
○福永委員 ぜひひとつ、今後とも研究対策を怠りなくお願いを申し上げたいと存じます。
 次に、地球レベルでの環境研究についてであります。
 地球環境研究を強化するため、国立環境研究所の充実を図ることにもちろん異存はございませんが、例えば地域での種の絶滅の積み重ねが生物種の絶滅につながるという過程を見れば明らかなように、市町村レベルでも調査体制の充実が重要と考えられますが、今後のそうした対策等についてお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#60
○広中国務大臣 御指摘のとおりでございまして、環境問題の解決のためには科学技術の充実が必要不可欠であり、地域の環境保全分野で豊富な知見と経験を有するところの地方自治体の調査体制の充実を図ることが地域の環境保全施策を進める上で非常に大切だ、そういう認識を持っております。
 このため、国におきましては、従来から地方自治体の研究機関に対しまして、機器整備のための国庫補助を行うとともに、国立環境研究所を初めとする国立試験研究機関との共同研究の実施などを行ってきたところでございます。
 また、地方とそれから世界との学問的な交流、そういうものも大切だろうと思いますけれども、今後ともこれらの施策を通じまして必要な支援を環境庁としては行ってまいりたいと存じております。
#61
○福永委員 最後に、財源措置についてお伺いをしたいと思います。
 今までいろいろ御質問させていただきまして、各種の環境施策の効果のある実施のためには応分の財源が必要となるわけでありますが、今後の環境庁予算作成に向けた財源について、長官の基本的な見解をお示しをいただきたいと思います。
#62
○広中国務大臣 現下の厳しい財政事情のもとでございますが、私としては、環境行政の重要性を踏まえまして、新たな時代のニーズに対応した諸種施策の着実な実施に必要な予算を確保したい、そのために最大限の努力を払ってまいりたいと思
っております。
 平成六年度の予算要求でございますけれども、昨年度より六・六%増の要求をしているところで、実現が望まれるところでございます。
 どうもありがとうございました。
#63
○福永委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#64
○奥田委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#65
○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。谷津義男君。
#66
○谷津委員 先ほど長官の所信表明を聞かしていただきました。その高邁な考え方に敬意を表しているところであります。長官は所信表明の中で、「生活者の視点に立って質の高い実のある国づくりを目指す」、しかもこれは環境の視点から挑戦をしていくんだというような積極的な所信表明があったのでございます。そしてまた、先ほど中村委員の質疑の中にありましたように、自民党でやられたいわゆる前の政策も引き継いでいくというふうにおっしゃっておったわけでありますけれども、「生活者の視点に立って質の高い実のある国づくり」というふうなものは、今までの環境政策の中とどこが違うのか、どこに視点を置いていくのか、その辺のところをまずお聞かせをいただきたいと思います。
#67
○広中国務大臣 豊かさを実感できる社会を実現するため、生活者の視点に立った施策を推進していくこととしている細川内閣にとりまして、環境政策の推進は極めて重要な政策課題、そのように位置づけられております。
 そのため、まず、環境の保全の基本的理念とこれに基づく基本的施策の総合的枠組みを定める環境基本法の今国会における一日も早い成立を期するとともに、この環境基本法の枠組みのもとに環境基本計画の策定を初めとした環境政策の新たな展開に向けた取り組みを推進してまいる所存でございます。
 また、地球環境の保全、自然環境の保全と適正な利用、自動車排出NOx対策や水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策などの大気、水、土壌環境の保全、環境保健施策の推進等にも力を入れていく考えでございます。
#68
○谷津委員 生活者の視点という立場に立つならば、先ほど中村委員の質問の中にもありましたが、環境基本法を今国会に提出され、今委員会に付託をされているわけでありますが、生活者の立場であるならば、環境権あるいは環境影響評価、こういうものは当然入れるべきだと思いますが、なぜ入れなかったのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
#69
○広中国務大臣 法制化も含めましてこういうことは検討するというふうに書かれていると理解しております。
#70
○谷津委員 では、局長に聞くけれども、この生活者の視点ということを今度提出される環境基本法の中ではどういうふうに組み込んだのか、お聞かせ願いたい。
#71
○森政府委員 その生活者の視点という感覚、これはこれまでの環境基本法を考えていく中にも当然流れていた感覚であろうと思います。私ども、今国会に提出をいたしました環境基本法案では、これまでの考え方、それから御審議の経緯、こういうものを十分に踏まえた上で御提案申し上げております。したがいまして、これから先、法案が成立した後の運用の段階でも、今の生活者の視点ということは十分に頭に置いて対応していくべきものと考えております。
#72
○谷津委員 私は、長官の気持ちは前々からわかっていますから、この件についてはこれ以上突っ込むつもりはないけれども、少なくとも生活者の視点に立ってやられるということであるならば、そういうふうなものをやはりしっかりと打ち出していく必要があるであろうということだけは申し添えておきます。
 次に、開発と環境について、ちょっと長官のお考えをお聞かせ願いたいのです。
 開発と環境というのは場合によると相反するような話もありますし、また現実の問題としまして確かに開発することによって環境を破壊してきたということもあります。また、環境と開発の問題は、一定のルールのもとに行った場合はこれまた両立をするという意見もありますが、長官はどちらの立場で環境行政を実行しようとしているのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
#73
○広中国務大臣 大変歯切れの悪い言い方になるかもしれませんけれども、私は環境と開発というのは対立する概念ではなくて、両立が可能だと思っております。特に我が国のように公害防止技術が非常に発達している国におきましてはそれが可能であり、日本はそうした面で世界のモデルになる国ではなかろうか、そのように考えております。
#74
○谷津委員 私も両立するという立場に立つものであります。しかし、現実の問題としまして、この開発を行うとそのところでいろいろと問題が起きて環境破壊につながるという強い意見もありますし、現実にそういう問題もあります。そういうところからアセスの問題というのが大きなウエートを占めてくるのだろうと思います。ですから、今回の環境基本法の中に、アセス法というのは次でまた検討してつくられるということでありますからそれに期待をするわけでありますけれども、そういう立場に立って物を考えた場合に、このアセスがつくられなくとも、各自治体あるいは内閣においてもこれはやられるわけであります。各自治体においても今日までやってきているわけでありますから、この辺のところは今から、長官もかわったところでありますし、長官も高邁な理想のもとにこの環境の問題は長い間やられてこられた方でありますから、長官としてしっかりその辺は踏まえて、内閣の中におっても、あるいは各省庁に対して、あるいは自治体に対しても長官の考えというものを打ち出すべきだというふうに私は考えておるのですけれども、その辺は長官はどのように考えておられますか。
#75
○広中国務大臣 谷津委員の大変力強い応援を大変にありがたく思うところでございます。
 まず何よりも、私が環境庁長官になりましてさせていただきたいことはこの環境基本法を通すことであり、それに基づきまして、環境庁といたしましてはさまざまな施策をとろうとしているところでございます。そして、今環境と開発の問題であるとか、環境税というのでしょうか、環境と経済的手法、そうした問題などに関しまして、さらには環境アセスメント、それから環境監査の問題、調査費も要求しているところでございまして、どんどん調査をし、そして実行を図っていきたい、そのように思っております。
#76
○谷津委員 ただいま長官から環境監査のお話を出していただきました。実は、この環境監査につきましては、ヨーロッパ等先進国においてはかなりこういったものが法律化されて行動に移っている。しかし、まだ日本はそこまでいっていないのです。これはこれから企業その他においても非常に大事な問題であろうと思うのですね。この環境監査について法的整備をやって、この辺のところを早急に実施させるように義務づけるようにしていく考えはおありかどうか、これをお聞かせいただきたいと思います。
#77
○広中国務大臣 これから検討させていただくところでございます。
#78
○谷津委員 森局長、どうですか。
#79
○森政府委員 先ほどからの御議論にもございました、要するに環境のすべての面で環境に配慮をしていくという考え方が大変重要でございます。企業内においてもそれを周知徹底していくというその一つの道具立てとして、今お話しのような企業内にある環境監査セクションを設ける。それに一定の資格を与え、教育をした者がそれに当たる
という構想がいわゆる環境監査の構想ということになろうかと思うのであります。その重要性は私ども大変認識をいたしております。それを法的に整備をしていくかという点につきましては、まだ私どもそこまでの検討には至っておりませんが、考え方としては十分傾聴に値するものでありますし、国際的な動向も十分しんしゃくをしながら、慎重にかつ大胆に対応すべきものと考えております。
#80
○谷津委員 開発は環境破壊につながる、これはすべてではないのですけれども、今日までそんなようなことでいろいろと言われてきておりますし、また、そういったことは先ほど申し上げたとおり幾つか事例もあるわけであります。先進国は経済発展と人間の欲望を満たすために活発な開発が行われているというふうに言われておりますし、しかしまた一方では、環境破壊が生活に厚き影響も与えているということも事実であります。そこで、人間は生活の便利さを追求するということだけではいかぬというふうに考えるわけでありまして、そこに規制というのも大事な要素になってくると思うのです。
 そこで、細川政権は規制緩和ということで進めておるわけでありますが、環境庁はほかの省庁とは違いまして、許認可が比較的少ないというふうに言われております。百五十幾つだったですかね、そういうふうに私は記憶しているわけでありますが、十七日に総理府が発表されましたいわゆる生活環境といいましょうか、生活型公害に関する世論調査、これによりますると、生活環境づくりに向けた国や地方自治体への要望として、公害など環境悪化防止規制強化を挙げる人が四五%ある、いわゆる規制をもっとやれということのようでありますけれども、この点、長官はどのように考えておられますか。
#81
○広中国務大臣 御指摘のように、環境庁が所管している各種の規制は、国民の健康の保護、生活環境の保全、かけがえのない自然環境の保護等の観点から行っているという性格を有するところの社会的規制でございます。ですから、いわゆる経済的規制と同列に扱うべきではない、そのように思っております。もちろん、国民の負担軽減のために、事務手続の簡素化とか迅速化の観点から常時規制の見直しを行う必要がございます。しかし、環境悪化を防止するための規制強化を行うことは今後とも必要であり、そうした適切な規制のあり方というものを追求しでまいりたいと思っております。
#82
○谷津委員 そうしますと、細川内閣はできるだけ規制緩和をやっていきたいという方向で、過日も九十四項目だったですか、そういう規制緩和に踏み切っているわけでありますけれども、環境庁としては、必要があるならばそういうことには逆行しても規制をしていくんだというふうなことで、国民の生活の立場、生活者の立場に立ては、規制をしていくんだというふうな方針だというふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
#83
○広中国務大臣 結構でございます。
#84
○谷津委員 次に、持続可能な開発ということは非常に大事なことでありますし、またそうあるべきだろうと思うのです。それにはいろいろな条件が必要だと思っております。そこで長官、持続可能な開発に対する条件というのを、長官が考えていることを幾つか挙げてみてくれませんか。
#85
○広中国務大臣 突然の御質問でございましたので、ちょっととっさにうまく答えられるかどうかわかりませんけれども、持続可能な開発のためには、私は先ほど御指摘になりました社会的な環境の保護のための規制というものも非常に大切であろうと思います。そして、資源の有効利用という視点からのリサイクル、そういうものも大切でございましょうし、それから――よろしゅうございますか、後でつけ加えさせていただきます。
#86
○谷津委員 突然で本当に失礼だったのですけれども、非常にこれは基本的な問題になるものですから、長官のお考えをお聞かせいただきたいと思ったのです。
 環境と開発に関する世界委員会、WCEDですか、ここでいろいろな条件を提案しておりますね。これらの条件は持続可能な開発のための戦略的な条件というふうにも言われておりますが、その主要な条件というのは、人間のニーズと欲求を満たし得るだけの経済成長、そして各国内部及び相互間の成長、利益より公平な分配であるということを言っているのですね。この実現のためには、市民参加と政治システム、それから経済システム、特により柔軟な経済システムが不可欠であるというふうに強調しておりますね。この点について長官はどういうふうにお考えでしょうか。
#87
○広中国務大臣 そうした考えはすばらしいと思います。
#88
○谷津委員 考えというよりも、これは環境と開発に関する世界委員会がこういうふうなことを提唱しているということでございます。そういう中で、我が国もこういったものにのっとっていろいろな環境行政が行われているわけでありますけれども、長官が考えてみて今我が国においてこの辺のところでどこが不足しているのか、不足している点があったら御指摘をいただきたいと思います。
#89
○広中国務大臣 戦後、我が国というのはもう経済成長一本やり、三つの比ということをだれかが御指摘になりましたけれども、前年比どれだけ経済が成長したか、どれだけ売り上げが伸びたか、どれだけ給料が伸びたか、そういったような形で前年と比べて絶えず数字の伸びというものでしょうか、そういうもので我々の、経済成長というのでしょうか、豊かさをはかってきたという側面があると思います。
 先ほどの御質問に戻りますけれども、これからの持続可能な成長というものは、やはりある種の自制を持った、みずからを規制するというのでしょうか、足るを知るといったような、そういった側面も含んだ成長であろうと思いますし、実質的な豊かさということにつながってくるのじゃないかと思います。そして、自分たち一国が富むことだけではなくて、それを他の国々と公平に分かち合う、すみ分けをするといったようなことも必要でございましょう。広い意味での、それこそ細川内閣が言われているところの質の高い実のある国家、そういうものが私は基本的には持続可能な成長というものになるのではないかと思います。
#90
○谷津委員 本当に経済成長そして人口問題、こういうもの、世界の中でもろもろの問題がありまして、環境と経済の発展、あるいはまた環境と人口というふうな問題、非常に大きな問題をはらみながら人間の欲望を満たすために経済が発展をしているということにもなるわけでありますけれども、先ほど中村委員からも質問の中にありましたが、経済が発展し、あるいは企業が活発に動き、開発が行われるということになると、どうしても環境に与える影響が大きくなってくる。これをいかに規制するか、あるいはまた調和をとるか。あるいはまた、持続可能な発展をしていくためにはその辺のところを規制をしながら、あるいはまたそれを協力をいただきながら、なおかつ環境を破壊しないように、あるいはまた保全できるように、こういうふうにやっていくことが必要であると考えております。
 そういうことを考えますと、日本の現在の経済、そして発展の状況、今非常に景気が悪うございますけれども、いろいろな面で日本の国土というものが破壊をされてきた経緯もこれまた否定することはできない面も多々あります。それがために各省庁、特に環境庁が調整官庁としての機能を発揮しながら今日までやってきたわけでありますけれども、これから日本が経済成長を続けていく中で、環境庁として、こういう中で環境庁はこういうふうな面を位置づけて、場合によっては経済成長の、これはストップをかけるというわけにはいかぬと思うのですよ、その辺の調和をとりながら、非常にあいまいな聞き方で恐縮なんですが、どの辺のところに視点を置いて政策を進めていくのか。これは長官というよりも森さんに聞いておきたいのですけれども、森さん、どういうふうに考えておりますか。非常に大事なことであります
ので、お知らせいただきたいと思います。
#91
○森政府委員 まさに私どもの局で担当すべき、また環境庁として担当すべきことの本質であろうと思います。それだけにまた大変お答えが難しいわけでございますが、私はその責任者としまして、これから行くべき道といいますのは、すべての今の日本の行政の仕組み、それから、そういう仕組みになれ親しんできている国民性、こういったようなものをずっと考え合わせたときに、それぞれの行政のセクションの中で、私どもがこれまで主張し続けてまいりました考え方、これをまず広めることだろうと思います。それから、それを受けてといいますか、行政が展開していくわけでありますが、国民の中にもそれを理解してもらう幅広い風土をつくらなければならないと思っております。
 具体の手法は、環境教育という言葉で表現されることがあるわけでありますが、教育というよりももっと幅広の、国民各人が環境保全への熱意を持つという考え方を定着させていくこと、こういうことを環境庁が総体として旗を振るといいますか、責任を持って国民に訴えかけていくこと、一方で、出過ぎたところがあった場合には関係省庁に対してそれを抑えること。具体の手法はいろいろなことが考えられると思いますが、そういうことが大変大事でありますし、また、世の中の人が知らないことを知った場合には、それを教えること、警告を発するといいましょうか、そういう役割が大変重要になろうかと思っております。
 一つの仕組みの中に、関係省庁の中に埋没するのではなくて関係省庁をリードできるような、そういう実力を備えた環境庁、そして、そういう実力を備えた局をつくっていきたいなというのが私の気持ちでございます。
#92
○谷津委員 ただいま森局長のお話を聞いて、そのとおりだ、それには環境庁がもっと強い権限、と言ってはなんですけれども、行政力を発揮しなければならぬと思っているのです。
 そこで、長官にお聞きしますが、私は、環境庁を環境省にすべきだというふうな考え方を前々から持っているのですが、長官自身はどういうふうにお考えですか。
#93
○広中国務大臣 私もその点について少し考えたことはございますけれども、今私自身の考え方としては、総理府直属のこの環境庁という考え方でよろしいのではないか。ただ、おっしゃいましたように、環境庁はもっと権限なりなんなりを強く欲しいということはございます。
 なぜ庁でよろしいかといいますと、環境行政というのでしょうか、環境の問題というのは、各省庁にまたがるような幅広い問題を含んでおりまして、例えば省となって、縦割り行政と言われておりますように、一つの省になってしまいますと自分の持ち場だけでしか発言ができないといったような、あるいは行政ができないというようなことになっては、大変に国民のためによくないんではないか。むしろ、庁という調整企画機能を持ったままで、しかし、その権限を強めていただく、そして、各省庁には環境の視点に立ってそれぞれ行政をしていただくという形の方が、今の段階ではよろしいのではないかな、そんなふうに思っております。
#94
○谷津委員 ただいま長官から縦割り行政というふうなお話が出ましたので、ちょっと順序を変えて質問させてもらって恐縮なのですが、この縦割り行政の最たるものがちょっとあらわれておりますね、最近。それは水道水源保全法案についてであります。
 この件は、厚生省は、環境庁との協議の上で、本年二月の通常国会に、工場排水、生活排水、農業、ゴルフ場などの開発を規制する内容を込めた水道水源保全法案を提出しようではないかというふうに決めておったのですが、水質保全の一元化を主張している環境庁と対立したというようなことで、今年の通常国会への提出を見送ったという経緯がありますね。これは、私も詳しくこの辺のところは聞いておったわけであります。
 環境庁は主管する既存の法律強化で対応できるというふうなことで、新保全法には反対したということが原因だというふうに思っておるのですが、長官の所信の中で、九月二十九日に中央公害対策審議会に水質保全対策について諮問をしたというようなことが述べられました。そして、中公審の結論が出るまで待ってほしいということで、事業と規制は一体であるべきだという考え方が環境庁の中にあるので、そういう見解をしまして、今度厚生省が今国会に出すと言っているのは事業促進法案というのですか、そういうものへの反発を強めているのだというふうな新聞報道がありましたけれども、長官、これはどのようにお考えでございましょうか。
#95
○広中国務大臣 私は、前のいきさつは十分知らないわけでございますけれども、大内厚生大臣から直接、今水道水がおいしくないというようなことで、国民のニーズ、要望もあることだから、水道水源法といったようなものを考えている、どう思うかとおっしゃられましたので、大変結構でございます、そんなふうに申し上げたのが九月も最初のころだったと思います。それを受けまして、私どもといたしましては、中央公害対策審議会に諮問をいたしまして、この点について詳しくいろいろ調べていただく、調査をしていただくということをお願いしたわけでございまして、その結果が十一月末か十二月の初めに出ますので、その答申をいただいた後、総合的な対策、法案化も含めまして、そういうことができればいいというふうに私どもは思っているところでございます。さまざま誤解もあるのかもしれませんけれども、少なくとも私どもはそのような態度でお願いしております。
#96
○谷津委員 そうしますと、今国会に提出するという厚生省の方針のようであります。この辺についてはどういうふうにお考えですか。
#97
○広中国務大臣 水道水源法ではなくて事業促進法という形でお出しになるということでございますけれども、一年、二年おくれるということであればもちろん問題でございますけれども、あとちょっとお待ちいただければより総合的なものができるのではないかというふうに私どもは考えておりますので、そういうことも含めまして、両省庁で、厚生省と関係省庁、そして環境庁といろいろお話し合いをしていただければいいと私自身は思っております。
#98
○谷津委員 きょうの閣議後の定例記者会見で大内大臣はこの件について触れておりまして、広中長官の合意を得ているので提出するというふうに発言したやに聞いておるのです。先ほど長官のおっしゃった、九月の初句ですか、話し合ったというのがそれを指しているのかと思うのですが、厚生大臣は長官の了解が得られておるというふうな理解のもとに何か提出するようでありますが、その辺のところはどういうふうにお考えですか。
#99
○広中国務大臣 私としては、こうした対策を含んだ法案というものに原則的には賛成でございます。つまり、水道水源法的な法案には賛成でございますのでそういうことを申し上げたわけでございまして、それが厚生大臣のお言葉になったのだろうと思います。
#100
○谷津委員 そうすると、これは保全の事業促進法案ですから、今国会に提出してもよろしいというふうに理解していいのですね。
#101
○広中国務大臣 私どもといたしましては、事業だけを単独でお出しいただくよりは、総合的な施策を含めた、あるいはきちんとした基準というのですか、水質基準、排出基準、そういうものを含んだものの方が好ましいのではないか、そういう意見でございます。
#102
○谷津委員 厚生省の考え方として、これも私は新聞情報だけしかわからないのですが、環境庁の同意は得なくても事業促進法案は建設省や農水省や自治省などの協議を得た上で今国会の成立を目指すんだというようなことで、将来環境庁の同意を得られれば、水質保全法案というふうに名称を変えても、規制策を盛り込んでまたその法案の名称を変えてもいいんだというふうな考えのもとに法案を出すんだということのようでありますけれ
ども、これは先国会以来いよいよ、あれは二月だったですね、出すか出さないかというような議論をしたのが三月前だったですか。それを出さないでということで、環境庁はその間何をやっていたんですか。厚生省が今ここにきて出すということになったについて、私は環境庁の仕事が少しおくれているのではないかなという印象も受けたのですが、一方では環境基本法というでかい法律を持っていますから、これに精力をつぎ込んだと言えばそれまでかもしれませんけれども、今ここで厚生省に、こういうふうにこれを分離して別な名目のもとにいわゆる促進法というような形で法案を出されるということは、私はちょっと解せないのですよ。ですから、その辺について環境庁、これは水質保全局長ですか、ひとつその経緯を説明していただけますか。
#103
○野中政府委員 厚生省の懇談会の報告が出されたのはことしの二月でございます。これは昨年の十二月に水道の水質基準の改正というようなことが行われたことも踏まえたものでございます。
 環境庁といたしましては、水道水質基準の強化の問題につきまして、人の健康に相当影響のあるようないろいろな物質等が基準に追加をされたわけでございますので、その点を受けまして、環境庁といたしましては中央公害対策審議会にも諮問をいたしまして、水道水質基準の強化に伴いますいろいろな人の健康に影響のあります項目の環境基準の改定等についてずっと審議をしてきたわけでございます。
 また同時に、要監視項目というような形で、さらに監視を続けるというような項目につきましても二十五項目つくったわけでございますが、そういうものの審議、それから環境基準が決まりますと、先生方御承知のとおり、それを排出基準というような形で具体的な工場等の排出を規制していくわけでございまして、その排出基準等をつくる必要があるというようなものも含めまして、その審議が現在も続いているわけでございますけれども、この辺につきまして、専門家の方々の意見を聞きながら審議を続けてきたというような状況でございます。
 また、それ以外の農業等の問題につきましては、厚生省から問題の提起がされましたので、関係省庁も含めまして事務的にそのデータの評価等を行ってきたところでございまして、私どもとしては、そういうような円滑な事務的な折衝といいますか協議を経て次期通常国会に向けた事務的な検討を進めてきたというのが私どもの、先ほど大臣が申し上げました諮問の時期までの経緯でございます。
 したがいまして、私どもとしては決してその間何もやらなかったということではなくて、幾つか提言された問題のうちから特に急ぎます問題につきまして鋭意詰めを行ってきたというような状況でございます。
#104
○広中国務大臣 ちょっとつけ加えさせていただいてよろしいでしょうか。
 おいしい水というふうに言われますけれども、おいしい水につきましては、まず浄水場ですね、浄水場における活性炭やオゾンを使った高度処理による対策が必要だということでございます。
#105
○谷津委員 ただいま野中局長から経緯の方を聞かしてもらったんですけれども、今お話を聞いてみると、環境庁も大変な努力をしてきたということがよくわかるわけであります。
 そういうふうに考えますと、私はこの法律というのは、厚生省が出そうとしている法案は上流の下水処理の高度な処理をしようとか、合併浄化槽の設置を決めよう、農業排水あるいは河川の新設工事などそういう事業も対象にして行いたいというようなことなんですね。それから、水域の設定は自治体に任せるんだというようなことも言っております。こういうことを考えると、補助金という形においていろいろとそういう助成策をやりながら良質な水を確保するという動きでありますから、当然先ほど申し上げました農水省とかあるいは建設省とか自治省とかというような各省庁にまたがっての話でありますから、これもしっかりと話をつけていかなきゃならぬということだろうと思うんです。
 私が気になるのは、環境庁を外してもこの促進法案だけは今国会に提案するんだということになりますと、私は今の説明からいきますと、当然待ってもらって一括して提案する方がむしろよろしいんじゃないかというふうに認識するんですけれども、長官どうですか、これちょっと待ってくれとストップかけたらどうなんですか。そしてよりよい法案にして通常国会がなんかに出してもらった方が私はベストだというふうに考えるんですけれども、長官の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#106
○広中国務大臣 私は谷津委員の御意見に大変賛成でございまして、ぜひその方向で話し合いを進めていきたい、そのように思っております。
#107
○谷津委員 長官、ぜひ頑張ってください。環境庁は調整官庁として今日まで積極的にやってきておられるんですから、まさにこれは調整をする必要がある法案なんですから、ひとつこの辺のところを頑張ってもらって、もう一度長官の決意をはっきり申し上げていただいて、そして各省庁との調整に環境庁がイニシアチブをとってやるんだというようなことは、どうでしょうか、その辺のところは長官。頑張ってくださいよ。
#108
○広中国務大臣 本当に応援をありがとうございます。
 今まで事務方でいろいろ調整をしてきたわけでございますけれども、時期が至りましたならば私も大内大臣と話し合いまして、ぜひそのような方向で進めさせていただきたいと念じております。
#109
○谷津委員 ところで、今度は論点を変えるわけでありますが、過日ロシアの核廃棄物の海洋投棄ということが行われまして、非常にセンセーショナルなものを今日本国民が受けているわけであります。十二日にエリツィンがこちらへ参りましたときのいわゆる細川総理とそれからエリツィンとの会談の中で、その後記者会見があって東京宣言ですかの中にこういうことが言われておりますね。「周辺諸国の環境に与える影響の見地から、深刻な懸念を惹起していることを確認する」というふうなことが東京宣言の中に盛り込まれておるわけであります。それを見て私どもはそのときに、これは投棄をやめてくれと言ったらばイエスというふうな感じの話のニュアンスを実は受けていたんですが、どうもそのようなこともなかったようなことで、申し入れはしたんだけれども、その辺は詰めてなかったような話も聞くのですが、長官の知っている限りでこの辺のところはどうなっているんですか。
#110
○広中国務大臣 今回のロシアの核廃棄物の海洋投棄問題につきましては日本政府への通告もなかった、また近く二回目の海洋投棄を行うということもロシア政府から表明されているということで聞いておりまして、私もこの週末、まずグリーンピースのプレスリリースというのでしょうか、それを取り寄せまして早速科学技術庁の方に事実の調査をお願いしていたところなんでございます。
 エリツィン大統領でございますけれども、本当に私が訪日のときにちょっとだけでございましたけれどもお話しいたしましたときには、この核廃棄の問題については日ロで調査をする、そういう合意ができたというようなことでございましたので、全く驚きであり大変遺憾なことだ、そんなふうに思っているところでございます。
#111
○谷津委員 八月の三十、三十一、一日、長官も出ておりましたGLOBEの会議の中に、ロシアから出席をなされたヴァレリー・メンシコフさん、宇宙飛行士で有名な方ですが、この方が核の廃棄物についてかなり詳しいデータをお持ちになりまして、私どももそれを手に入れているわけでありますけれども、それを見ますと、かなり前から計画的にソ連ないしロシアは投棄をし続けてきた。これは日本海もそうでありますし、オホーツク海もそうですし、また北極海に近いような方向にもかなりの量、見てみましてもすごい量がここにあるわけですし、また廃棄する位置もはっきりと地図の中に示しておりまして、ここへ投棄して
いくんだというようなことで、そういうような表明もあって、ロシアの方ですらこれは問題であるというようなことを盛んにあのとき会議の中でもおっしゃっておりましたですね、長官も一緒に聞いておったんじゃないかというふうに思うのですけれども。
 こういうことを考えてみますと、これは一日本だけの問題じゃない。周辺もさることながら、こうしたことをまだやるんだというようなことを言っているわけですね。しかも、これはロンドンの投棄条約にも私は違反するんではなかろうかというふうにも考えるんですが、ただそういう中で、通告をすれば低レベルのものは液体は捨てられるというようなこともあるわけでありまして、しかしこれが連続して日本海に捨てられていくということになると、太平洋岸はいずれにしましても、日本海側の漁業あるいはまたそこでとれる魚、そういうふうなものに対してみんな恐怖心を持ったり、あるいはとれた魚の販売というものに非常に大きな影響を与えると思うんですね。この問題はどちらかというと所管は科学技術庁でありますけれども、環境庁としてもこれはもう絶対的に取り上げなければならぬ。当然我々委員会もこれは取り上げて、積極的に対応あるいはアピールあるいはそれに対してロシアに対していろいろ申し入れをする、こういうことも環境庁としても必要でありましょうし、あるいはまた、これは外務省を通してやらなければならない面はわかっておりますけれども、こういった面で環境庁長官としてもこの辺はもっと積極的にアピールする必要があると思うんですけれども、この辺はどういうふうにお考えでしょうか。
#112
○広中国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。
 もちろん、この核廃棄物の問題、核燃料の問題、科学技術庁の所管でございます。しかしながら、環境庁といたしましても関心を持ち続け、そしてまた国内だけではなくて、国外におきましてさまざまな国際会議などがあるわけでございますから、折に触れましてロシアのそういう環境の代表の方にお目にかかったり、あるいは政府のお役人にお目にかかったとき、あるいはもっと幅広く国際的にこの問題について声を大きくしていくということも考えられるんじゃないかと思います。環境庁長官としての立場で内外でこの問題については関心を払い続け、発言をしていきたいと思っております。
#113
○谷津委員 実はこのロシアの投棄につきましては、今回グリーンピースがえらいこの辺について活躍をしたと言うとなんですけれども、そういうふうに受けるんですね。従来グリーンピースというと、私どもは鯨の問題を含めて、日本にとって余りありがたくないような存在もなきにしもあらずだったんですけれども、今回は何かグリーンピースが正義の味方みたいな感じを私どもは受けるんですね。積極的にこういうふうにやられているのですけれども、日本としてはいろいろな条約もあり、それから外交上の問題もあり、そういう面から考えると日本が積極的にこういうようなものに参加していくというのは難しい。しかし、民間団体としてのグリーンピースのこの活動というのは、今回は日本人にとって本当に大きな存在になったんだろうというふうに私は思うのですね。長官、このグリーンピースをどういうふうに評価していますか。どういうふうに考えますか。
#114
○広中国務大臣 グリーンピースの活動を私は全部承知しているわけではございませんけれども、かつて議員団の一人としてオーストラリアに参りましたときに、オーストラリアのグリーンピースを他の議員団と一緒に訪問したことがございます。非常にまじめに仕事をしていらっしゃるところですし、会員の数も多いし、そういうことで資金量も豊かな中で研究調査というものも十分にしている団体でございますから、そういう点では私は大変立派な団体だというふうに評価しておりました。
#115
○谷津委員 先ほど長官の御答弁の中にもまた投棄するという言葉がありまして、まさにロシアは継続的に投棄する。しかも、在庫と言ってはなんですけれども、相当その物が残っておって、継続的に投棄していかなきゃならない。しかも、投棄する場所というのは位置づけられているわけですね。この問題につきまして、長官の方として何かアピールを出して、やめてほしい、これは外務省を通してやらなきゃならないのだけれども、環境問題というのは、これはこれからの地球環境問題を含めていろいろな大きな問題になっておりまして、全世界が全力を挙げてこの問題に対処しようとしていますし、またしているのですね。そういうときに、それに逆らうような形の投棄ではなかろうかというふうに私は考えるのです。それを考えた場合に、この際日本の環境庁長官としてきちっとした形でアピールを出すべきだというふうに私は思うのですよ。そして、外務省なり科学技術庁なりをじゃんじゃん督促して、あるいは場合によったら、長官の立場は非常につらいでしょうけれども、閣議の中でもじゃんじゃん発言をしていただいて、そして環境庁として環境問題としてこれを大きく取り上げていくべきだと思うのですが、そのアピールを出す考え方はないですか。これはこれからの日本にとって非常に大事な問題である。というのは、国民の全体と言ってはなんですけれども、大多数の人はこの問題は科学技術庁じゃなくて環境庁だろうと思っているんじゃないかと思うのですよ。その意味で、環境庁長官としてその辺のアピールを出すことが私はいいんじゃないかというふうに考えるのですが、長官のお考えはどうですか。
#116
○広中国務大臣 けさほどの閣議後の懇談会におきまして、外務大臣でしたか、二度目の投棄が行われるということもあり、そして事実を確認した上で抗議の、遺憾の意を表する、そういう声明を出すというようなことも言っていられましたので、そうした政府の対応を見つつ、環境庁としても独自にそうしたことをすることが大切であるというふうに考えましたらば、ぜひそういうふうにさせていただきます。検討させていただきます。御提言、どうもありがとうございました。
#117
○谷津委員 次に、水俣病問題についてお伺いをしたいと思います。
 水俣病につきましては、長い間の懸案であります。そして、水俣病被害者・弁護団全国連絡会議は、国、県がチッソへの金融支援を継続し、充実することを明らかにすれば、国、県への訴えを取り下げて、そして被告をチッソだけにしてこれと和解するという方針で検討に入ったというようなことが新聞記事に載っておったわけでありますが、長官はこの辺をどういうふうに考えますか。
#118
○森政府委員 ただいま谷津先生からお読み上げがあった部分は、報道の部分だろうと思います。私どももその報道を十月八日付の地元の新聞が大々的に報道しているということは承知をしております。これは、一部そういうような動きがあるということが報道されたようでありまして、実は私ども、その状況を県からもあるいは原告団の方からも伺っているわけではございません。したがいまして、新聞報道だけでの議論になりますが、一方、朝刊で報道された後に、さらに原告団内部の動きというのもあるようでございます。したがいまして、私どもは報道を横から眺めているという状況でございまして、今それに対してどうこうという考え方までは至っていないということでございます。
#119
○谷津委員 チッソの会社、水俣というふうになりますと、これは細川総理が知事をやっておったその熊本県であります。しかも、細川政権は、先ほど所信表明の中に「生活者の視点に立って」ということでございます。そういうことを考え合わせますと、生活者優先の立場ということ、そして細川政権そのものの考え方、そしてまた細川総理が熊本県の知事ということで長い間このことに携わっておって、しかも熟知をしておる。細川総理は、知事時代に和解ということで方向を打ち出したこともございます。そういうことをあわせますと、長官、この辺のところをかみ合わせて長官はどういうふうにこれを持っていこうとしているのか、
その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#120
○広中国務大臣 和解の問題につきましては、確かに和解できればいいというふうに心情的に思うところはいっぱいございます。しかしながら、この問題につきましては、訴訟の争点が法に基づく国の行政のあり方の根幹にかかわる問題であるということでございまして、そういうことで今までは和解勧告に応ずることは困難であったわけでございます。いましばらく慎重に検討させていただいている、そういうのが現在の立場でございます。
#121
○谷津委員 せっかく生活者の視点を置くんだというお話でございますから、またそれを積極的に挑戦をしていくんだということであるとするならば、この辺のところを今までと違った方向を打ち出しても私はしかるべきものではないか、内閣がかわり、国の長官もかわってきたということであるならば、その辺のところも十分に踏まえてやってもよろしいんじゃないかと私個人は考える。
 しかし、今の長官のお話を聞くと、確かにわかりますよ、それは国もいろいろなことがありますから、そう簡単にはできないのもわかりますが、仰せこれは長い時間もかかってきているものでありますし、いろいろな立場でいろいろな問題が起きているわけでありますから、せっかくこの被害者側がこういうふうなことを、たとえ新聞報道にしろ報道されたということは、その動きがあったというふうに理解してもよろしいんじゃないかというふうに思うのです。
 そこで、森局長に聞くのですけれども、今お話を聞きましてこういう長官の立場、長官に聞くと失礼ですから、私は立場は有利じゃないと思いますから、事務方として、やはり長官の立場それから細川内閣の指針、方針あるいはまた姿勢、こういうふうな立場から考えた場合に、この辺のところはいま少ししんしゃくしたってよろしいんじゃないかなというふうに私は考えますけれども、全然だめですか。その辺のところを一回聞かしていただきたいと思います。
#122
○森政府委員 前からいろいろな考え方が錯綜しているこの問題でございます。
 問題の本質は、実は国それから県に行政上の不法行為責任があるということを前提にした損害賠償請求でございます。損害賠償請求でございますので、国としてそれに対応していくためには、やはり法的な責任というものが明らかになった段階でその責任をとるというのが行政としての筋論ではなかろうか。
 それから、もう一つ難しいのは、水俣病というのは一体どういう病気であるのかという病像論というところでありますが、国全体には公害健康被害補償法という法律制度がございまして、これも長い間いろいろな形で基準をつくり、運用をしてまいっております。そことの兼ね合いが出てきている問題でありますから、お互い話し合いをしてそこで手を握って済む、こういう話ではないというのがこの和解で解決をするというのが困難であるということを言ってきている状況でございます。これまで話し合いでそこのところが解決がつくものであれば、もうとっくにいろいろな議論でやってきていると思うのでありますけれども、これが筋論としてなかなかそうはまいらない、こういうことであります。
 一方、先ほど来お話しのように、いろいろな情勢が変化しつつあるということもまた行政官としてはよく承知をしております。しかし、そういう中で一体どうできるのだろうか、どういうふうにやれるのだろうかということはなかなかうまい考え方がまとまらないというのがただいまの状況でございます。
 一方、訴訟の進展でまいりますと、既に訴訟の場において、法廷の場において結審をしている法廷もございます。そういう法廷の状況もございますものですから、それなども見ていかなければならない、こういうのが現在の状況でございます。
#123
○谷津委員 そこで、チッソの問題を話してはちょっと、あるいは少し失礼かなと思うのですが、こういう景気の状況の中で、チッソの財政的な面というのが非常に厳しい状況になってきているのじゃなかろうかと思います。先ほど申し上げましたように原告団の方では、もし国、県の支援が継続的に充実したものであればというようなことでこれを取り下げるという話もあるということでありますが、この景気の極めて低い状況の中でチッソの経営というのは大変だというふうに聞いておるわけであります。今後とも財政的な問題については国は資金援助といいましょうか、これは熊本県を通してやることでありますけれども、こういうものを続けていくつもりであるのかどうか、こういうようなものも長官にちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#124
○森政府委員 ただいままでのチッソに対する金融支援を、ちょっと技術的なところがございますので、私から話をさせていただきますが、昭和五十三年以来、チッソが水俣病と認定をされました方々に対して補償金を支払う、その補償金を支払うについてチッソがお金がない、こういう状況になっておりますところでありましたので、チッソにお金を貸し付ける、貸し付けてそれを後から返していただく、その貸し付ける貸し付け方を、熊本県が県債を発行し、その県債を資金運用部それから民間の銀行が引き受ける、こういうことでやってまいりました。その仕組みでございますので、大もとは健康被害を受けているという認定を受けた認定患者の補償費の支払いということでございます。
 したがいまして、これまでも約二千四百名ばかりの方を認定いたしでまいっておるわけでありますが、その方に対する支払い上これからも資金が必要な場合にはこれまでとっております県債方式、こういうものの継続を考えていかなければならないのではなかろうかと思っておりますが、そのとるという点につきましては、県が県債を発行するということでございますので、手続上県議会の承認が必要ということになります。したがいまして、この場で、続けてやりたいけれども、やれるということを断言はできない、県議会の御意向などもございますが、状況としてはその認定患者に対する支払いは、どうもチッソのいわゆる利益だけでは到底間に合わない。平成四年度の状況で見ますと、年間の経常利益が約十五億円でございます。一方、患者に対する支払い額は三十四億円ばかり、こういうことになっております。さらに、これまでの借金の利払いというのがございまして、毎年約百億円近いお金を払わなければならない、こういう状況でございますから、大変財政状況は厳しい、そういうことを勘案いたしますと、これまでの県債方式に期待されるどころかかなり強いのではなかろうか、そういう状況にございます。
#125
○谷津委員 時間が参りましたので、最後にさせていただきますが、この後、きょうは水俣病認定業務の促進臨時措置法、議員立法でこれは四回目になりますが、こういうことを出すということになりますが、これは実は先月いっぱいで切れちゃったのですね。それで、この間もう二十日余りたつわけですが、この間に支障は何もなかったのですか、その辺のところだけ伺っておきたいと思います。
#126
○森政府委員 通常の時限立法という形ではございませんで、受け付けの対象者が限定されるということであります。実務的には支障がないと考えております。
#127
○谷津委員 長官、ひとつ頑張ってください。環境庁、これから非常に大変なお仕事がいっぱいあると思いますし、大きな問題が後から後から起こってきます。長官のこれからの御健闘を期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#128
○奥田委員長 金田誠一君。
#129
○金田(誠)委員 新人でございます金田誠一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、先般の八月二十三日の細川総理の所信表明に関しましてお尋ねをいたしたいと思うわけでございますが、総理は、小泉八雲の言葉を引用されまして、「美しい自然と環境を将来のた
めに残していくことが何よりも大切」というくだりも含めましてのいわゆる質実国家の理念を打ち出されたわけでございます。
 私も感動をしながら聞かせていただいたわけでございますけれども、大臣もこの言葉を受けまして、この課題に環境の視点から挑戦する、こう述べておられます。
 今回の連立政権、基本政策は前政権を継承する、こういうことにはなっておりますが、打ち出されました理念、質実国家、これはまた新しい理念であろうと思うわけでございまして、総理みずからも、一つの時代が終わりを告げ、二十一世紀へ向けた新しい時代が今、幕を開きつつある、このようにおっしゃっておられるわけでございます。
 そうした中で、今回この課題に環境の視点から挑戦をするということは、実際問題として、この環境行政、今までの単なる延長であってはならない、新しい時代をつくるにふさわしい環境行政になっていただきたいと思うわけでございますが、そうであるとすれば、当面は引き継いだわけでございますけれども、環境行政はどのような点でどのように、これから将来に向かってどういう変化をさせていくことになるのか、その辺についてお考えをまずはお聞かせいただきたいと思います。
#130
○広中国務大臣 今日の環境問題は、私は、所信の中で申しましたように、私たちの暮らしにかかわる身近なものから地球規模の問題にまで広がり、また、子供や孫など将来の世代にも影響を及ぼす大きな課題となっているわけでございます。
 さらに、これらの問題の多くは、私たちの社会経済活動の拡大に起因するところでございまして、大量生産、大量消費、大量廃棄といった現在の企業活動や国民一人一人の生活そのものに根差しているものでございます。このような今日の環境政策の対象領域の広がりに対しまして、地球環境時代にふさわしい新たな政策展開を図るために不可欠な環境基本法を再度提出させていただいたわけでございます。
 この法案は、前の宮澤政権のときにできたものでございますけれども、ともかく、宮澤政権のときから生活大国という形で、今までの経済成長から実質的な豊かさにというそういう転換の動きはあったわけでございまして、細川政権といたしましては、それをさらに質実という言葉を使いましてさらに強化していく、そういうようなことだろうと思います。
 この枠組みのもとに、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指して、国や地方公共団体はもとより、事業者、国民、それぞれの自主的な取り組みを踏まえ、経済社会のシステムのあり方やライフスタイルの変革を進めていくことによって、経済社会全体への変化を導いていきたい、そんなふうに思っております。
#131
○金田(誠)委員 この数年来、私ども日本人は、バブルに浮かれて使い捨ての生活に甘んじてきたと思うわけでございます。そうした中で、細川総理が質実国家という理念を打ち出された。
 引用されました小泉八雲の言葉でございますが、「日本にはすばらしい精神がある。日本精神とは、簡潔、善良、素朴を愛し、日常生活において無用の贅沢と浪費を憎む精神である。その精神を維持、涵養する限り、日本の将来は期して待つべきものがある」、この言葉を引用されての質実国家、まさに世界じゅうでも一番使い捨て、ぜいたくに甘んじてきたのではないかな、こう思う我々にとりまして、まさにこれからの環境行政の指針にふさわしい言葉だろうと思うわけでございまして、この質実国家の実現こそがまさに環境行政そのもの、こう思うわけでございます。
 内閣の中心的位置を占めるのが環境庁のお仕事ではなかろうか、こう思うわけでございまして、ぜひともひとつ大臣のこれからの御活躍を御期待申し上げる次第でございます。
 さて、次に各論に入って二点お尋ねをしたいと存じますが、一点目は、先ほども論議になりました水道水の汚染の問題でございます。
 私の選挙区は実は北海道三区、函館でございまして、こうした田舎から東京に参りますと、水道の水はどうも飲む気がしないというのが正直なところでございます。よくもこういうところに東京の方は住んでおられるものだなと常日ごろ思っておりましたけれども、厚生省、環境庁相次いで、相競い合って今対策を打ち出そうとされている。まあ、おくればせながらかもしれませんけれども、結構なことだ、こう思っております。
 しかし、それぞれ両省庁で対策を考えておられるわけでございますが、事態はもはや小手先では解決できないところまで来ているのではないかという気がしてならないわけでございます。つまり、人間の経済活動による汚染が生態系の浄化能力のキャパシティーを超えてしまった、ここにこの問題の本質があるというふうに私は思っておりまして、それだけに深刻な事態である、このように思っております。
 先ほどのこの所信の中で大臣は、「環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指す」、こう述べておられるわけでございますが、現実にはそうなっておらない。その証拠がこの水道水の問題である。大気汚染の問題も同じだと思うわけでございます。そういう観点からこの問題をとらえるべきだ、こう思うわけでございますが、この辺の御所見を賜りたいということが一つ。
 もう一つ、あわせてお聞かせをいただきます。
 この水道水の汚染は首都圏あるいは大阪圏、ここに集中をしておるわけでございます。このことは、この汚染が人口や産業の一極集中によって引き起こされた、少なくともこの一極集中が重要な原因の一つになっているということは論をまたないと思うわけでございます。したがいまして、この一極集中にメスを入れて地方分散型の国家を目指していく、これは細川内閣の重要な政策の柱でもございますけれども、そのことを抜きにしてはこの問題の解決はあり得ないのではないか、こう思うわけでございますが、いかがなものでしょうか。
#132
○広中国務大臣 具体的なことについては後ほど局長がお答えいたしますけれども、確かに、こうした環境問題、山積しているのを見ますと、私たちとしては手をこまぬいてしまうような、本当に不可能なような感じがいたしますけれども、問題の所在というものをきっちり分析いたしますと、例えばおいしい水といったときに、それは水道の浄水場におけるいわゆる高度処理、オゾンや活性炭などによる高度処理を行う、あるいは安全性に関しましては、どうした基準でやっていったらいいのかといったような問題、いろいろ分析しながら問題を解決できるんじゃないか、そんなふうに私どもは思っております。
#133
○野中政府委員 補足をさせていただきます。
 最近の水質汚濁の問題でございますけれども、先生御指摘のように人口の増加、あるいは産業の発展に伴いまして汚濁負荷が増加をする、あるいはそれに伴いましていろいろな化学物質の生産なり使用がふえてくるというようなことで、お話しのように自然の浄化能力を超えるようになってきているというようなことが大きな問題になるわけでございます。また同時に、集中の問題につきましても、大都市への集中によりまして大量の水需要が必要になるということで、いろいろなそのための水源施設をつくり、そこに富栄養化の問題が生ずる、あるいは人口の集中によって生活排水処理施設の設備の整備が追いつかないといったようなことから生じている面があるわけでございまして、まさにお話しのように、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を目指す、あるいは多極分散型の国土形成を目指すというようなことが必要であるわけでございます。
 このため私ども、この水質の問題に限りましても、従来からいろいろな事業者の方々に排水の面でいろいろな御努力を求めることはもちろんでございますけれども、同時にまた、生活する者の立場におきましても、例えば日常生活における廃油を流さないようなこととか、それぞれ環境負荷の少ないようなライフスタイルを推進をするとか、あるいはいろいろな水質の問題の中で、大臣お答
えになられましたような高度処理といったような問題について利用者もどういう負担をしていくのか、あるいは生活排水につきまして生活者自体もどういった規制を受け入れていくのかというような問題まで、問題が広がってくるわけでございます。実は、そういうような新たな視点も含めまして、現在、中央公害対策審議会におきましてこの水質の問題につきましては、そういう点まで含めまして御議論をいただいているというようなことでございまして、そのために若干のお時間をいただいているわけでございます。
 まさに長期的な問題、また同時に、しかし安全で良質な水を求めるという国民の要請は現に強いものでございますので、これらの点を総合的に踏まえまして水質保全対策を早急に講じてまいりたいというふうに思っているところでございます。
    〔委員長退席、福永委員長代理着席〕
#134
○金田(誠)委員 一極集中による弊害ということもぜひ御検討の対象に加えていただきたい、お願いを申し上げておきたいと思うわけでございます。
 時間がございませんので、最後の一点だけ、北海道の日本海側を中心に広がっております磯焼けという現象についてお尋ねをいたします。
 この磯焼けとは、海底の岩や岩盤に石灰藻という藻が付着をいたしまして白いペンキを塗ったようになるわけでございます。昆布を初め一切の海草が生育できなくなる、着生できなくなるということで、したがってそれを食べるウニやアワビも、動物も一切また生育できなくなる。肉眼で見ますと真っ白い死の世界が一面に広がる、こういう状態でございまして、まさに海の砂漠化という状態が年を追って広がっているという、非常に深刻な問題があるわけでございます。
 この磯焼けについて、水産庁では一定の対応をされているようでございますが、原因は海の中だけの問題ではなくて、陸上部分、森林であるとか河川であるとかというところまでも含めた地球環境問題としてとらえるべきだと思うわけでございます。そういう意味で環境庁は、この磯焼けの実態についてどのように把握をされ、あるいはこれからどのように対応されていこうとなさっているか、一つだけ最後にお聞かせいただきたいと思います。
#135
○野中政府委員 御指摘のように、磯焼けと称します現象が北海道から東北地方の日本海側を中心に見られること、私どもも承知をいたしております。この原因といたしましてはいろいろな説があるようでございまして、ウニ類等によります食害とか、あるいは水温、塩分などの海域環境の変化といったような要因が考えられるわけでございますけれども、いずれにしてもまだ十分に解明をされていないというふうに承知をいたしております。
 この磯焼けの問題につきましての調査研究につきましては、現在、水産庁の方におきまして、水温などの要因を含めました発生機構の解明あるいは発生予測技術の開発、さらにはウニ類による食害が原因で磯焼けが起きていると考えられます海域での藻場の形成を図る調査等が実施をされているというふうに承知をしておるわけでございまして、環境庁といたしましては、まずこれらの調査研究の状況を見つつ、本件につきましての情報収集にも努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#136
○金田(誠)委員 時間になってしまいまして、全部半端でございまして、わずか十五分でございましたが、機会を改めましてまた質問させていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#137
○福永委員長代理 岡崎トミ子君。
#138
○岡崎(ト)委員 まず大臣御就任、心から歓迎をしているところでございます。環境庁長官としては初の女性大臣でありまして、あの地球サミットのときにも環境面での女性の役割ということが大いに話されました。環境問題に意のある人にとって、長い間待ち望んできたことと申し上げたいというふうに思います。生活者の視点から日々の環境を考えて、また子供を持つ母性として、生きとし生けるものを慈しみ、次の世代に限りある地球を残したいと願う多くの女性の気持ちを環境行政に反映できる資質と能力を持った広中さんに、熱い視線が注がれております。
 さて、百年に一度の凶作と言われておりますことしは、今実りの秋でありますのに、低温と長雨で実を結ばなかった田んぼを前にして農家の人たちは、あの宮沢賢治が「雨ニモマケズ」で書いたように、本当にあのような状況を強いられているというふうに思います。宮沢賢治が生きておりました一八九六年から一九三三年は、戦争や恐慌、また地震や津波に加えて凶作が続いて、貧しい農家の人たちの生活は大変厳しいものがございました。そのとき賢治は、農民の生活の指導面だけではなくて、多くの詩や童話を書いて、子供たちに心豊かな人間に育ってほしいと願い、希望を与えてまいりました。ことしは大変な冷害です。自然や環境問題、人間の生き方などエコロジーを最初に唱えた人として、私は宮沢賢治から学び取ることが非常に多いというふうに思っております。どうやらこの今の冷害というのは、今までの人間のツケを返して人間の生きざまを総括しているようにも思います。賢治の言った「地球の福祉」という言葉にありますように、地球規模で考えることが大事ということを申し上げて、私自身環境問題に取り組んでまいりたいと思います。
 そこで、まず環境問題に対する大臣の哲学というようなものをお話しいただきまして、次に、今大臣としての立場に立たれ、どのような感想をお持ちでしょうか。長官はこれまで、生活者としての立場に立って政府との交渉などさまざまな活動をなさっていらっしゃいました。どうぞ率直な御意見をお伺いしたいと思います。
    〔福永委員長代理退席、委員長着席〕
#139
○広中国務大臣 大変すてきなお祝いの言葉をありがとうございます。私は、女性の環境庁長官としてはたしか三人目だと思います。いずれにいたしましても、この大役を仰せつかりまして、一生懸命頑張らせていただきたいと思います。
 私の環境問題に対する考え方ということを聞いてくだすったわけでございます。細川内閣は、豊かさが実感できる国づくりを目指すとともに世界的な課題に積極的な役割を果たすこととしておりまして、私といたしましては、これらの課題に環境の視点から積極的に取り組ませていただきたい、そのように思っているところでございます。
 具体的には、これまでの社会経済活動や行動様式を見直し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指すとともに、世界への貢献の重要な柱として、国際的協調のもとに地球環境保全に積極的に取り組んでまいります。
 私は従来、一人の国会議員といたしまして、環境問題への取り組みに微力を尽くしてまいったわけでございますけれども、その当時から、環境問題への取り組みというのは党派を超えた問題であり、また環境庁の応援団の一人であるという気持ちを抱いてきたわけでございます。このたび環境庁長官に就任いたしまして、その考え、気持ちを肌で実感するとともに、その責任の重大さを感じつつ、そしてここに御出席の環境委員の各位の応援をいただきながら行政を進めていきたい、そのように思っているところでございます。
#140
○岡崎(ト)委員 ありがとうございます。
 さほど遠くない昔に、利用可能な資源と人口のバランスは保たれておりまして、生態学的に持続可能な暮らしの模範とされておりました。その利用可能な資源の状況でいればよかったわけですけれども、そうした暮らしを願う人々の資源へのアクセスが急激に侵害されつつありまして、残された森林あるいは農地への圧力も高まっている。持続可能な開発が世界的なスローガンとなってはおりますけれども、やはり先ほど長官がおっしゃったのを伺っておりましたが、絶えず数字の伸びと豊かさを図ってきたという、経済最優先といいましょうか、経済合理主義の社会から、もっともっと自然と暮らしを尊重する社会への転換も必要と
いうふうに強調されている人々もたくさんいらっしゃいます。
 そして、そうこうしておりますうちに、これは十月十六日の新聞でありますけれども、日本の環境政策のあり方を審査していただいた経済協力開発機構、OECDの報告書も明らかになっておりまして、この中に日本の二十年間の環境政策の成果と今後の方向ということで、環境負荷の軽減、生活の質の向上、環境に配慮した経済の意思決定のあり方、国際環境問題というふうに、四つの面から評価して、必要に応じて勧告をしているわけなんですが、こういった中での生活の質、自然保護の戦略づくり、あるいは森林保護面での林野庁の役割を見直して、環境に優しい消費生活を導入する方策というようなことも指摘されておりまして、かつて私も環境委員会の中で、森林を生かしていくために、労働者の皆さんたちが五十歳を過ぎた人たちが非常に多くて、しかし森の守り手、山の守り手というのが非常に必要だ、そして実はその森林文化こそ長い間自然の力というか、自然の働きかけ、人間たちが本当に必要としてきたことに貢献してきたというふうに考えております。どうぞこの経済最優先のところから、今荒れるに任されている状況になっている山の問題、経済効率を追うだけの開発が進んでおりますけれども、山村の社会もやはり自然が非常に衰退、荒廃しておりますので、自然との共生を願うという、自然を守り育てる人々と共生、手をとり合って森や海や川と一緒に共生できる社会づくりをぜひお願いしたいというふうに思っているところです。
 今の長官のお話を伺いまして、それでは、この所信表明の中にもたくさん課題が書いてありましたが、重点的に取り組む課題について具体的に御説明をいただきたいと思います。
#141
○広中国務大臣 環境庁といたしましては、まず環境基本法の今国会における一日も早い成立を期すとともに、この環境基本法の枠組みのもとで環境基本計画の策定を初めとした環境政策の新たな展開に向けた取り組みを推進してまいりたいと思っております。
 さらに、地球環境の保全のために、地球サミットの合意の実現に向けた国際的取り組みに積極的に貢献していくこととし、気候変動枠組み条約の発効に向けた準備及び本年十二月末に発効する生物多様性条約の円滑な実施への取り組みの着実な推進、アジェンダ21の国別行動計画の早急な策定などの取り組みを推進しているところでございます。このほか、自然環境の保全と適正な利用、自動車排出NOx対策や水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策などの大気、水、土壌環境の保全、環境保健施策の推進等、国内の環境保全にも力を入れてまいりたいと思っております。
#142
○岡崎(ト)委員 環境行政も国内でやるべきこと、環境基本法ができるということになりますと、さらに大きく一歩踏み出すことになるというふうに思いますが、国際的にも配慮しなければならないことが今たくさんあるというふうに思っておりまして、ぜひとも国が挙げて日常的に取り組むべきことの具体化を一日も早くお願いしたいと思います。
 次に、環境教育についてお伺いいたします。
 環境教育は、私たちのライフスタイルを循環型に変えていくための必要不可欠なものだというふうに考えております。とりわけ、次の世代を担います子供たちの教育は重要だと考えています。小中学校における環境教育については、環境庁も文部省と連携をした取り組みを行っているとは思いますけれども、さきの環境委員会の場でも申し上げましたが、ドイツでは人口規模による一定の人数の公務員を、単位を修得した環境教育の専門家として配置しております。環境庁としても、環境教育についてそのノウハウを生かして、環境のエキスパートとして教育の現場にも積極的に協力していくことで、より効果的になるのではないかというふうに思うのです。幸いなことに文部大臣も女性の赤松さんですので、子供たちの未来と環境を考える共通の認識とより身近な教育方法のために、一歩進んだ連携の努力をお願いできないでしょうか。
#143
○広中国務大臣 私も、環境の推進のためには教育というのが非常に大切だろうと思っております。それも学校教育だけではなくて、家庭の教育、社会全体の環境への取り組み、マスコミの御協力、そういうものが大切だろうと思っておりますが、ともかく、このたび環境庁長官にならせていただいてまず最初に知りたかったことは、文部省教育の中で環境がどのように扱われているかということでございまして、赤松文部大臣ともたまたま席が隣り合わせでございますので個人的にお伺いしたり、あるいは指導要領などを取り寄せて勉強してみたところでございます。
 環境教育の推進のために、環境庁といたしましては、これまでも基本的な教材を作成し、広く提供するとともに、地方公共団体における環境教育関連事業への支援も行ってまいりました。そして文部省との連携協力にも努め、文部省においても平成元年三月の学習指導要領の改訂の際には、環境に関する指導内容の充実を図ったほか、教師のための指導、資料の作成配付等に努力しておられる、そういうことが先ほど申し上げたことになるわけでございます。
 今後とも環境教育の重要性にかんがみまして、御指摘の趣旨も踏まえながら、文部省との間でさらに連携協力してまいりたいと思っております。
#144
○岡崎(ト)委員 ドイツの例を先ほどちょっと申し上げたのですけれども、ドイツと日本はGNPも人口も同じぐらいなんですが、認識の違いでこの五十年の間に随分違ってきてしまったなという思いがあるのです。そして、この二十年間のドイツの国と国民と政府、自治体で取り組んできたことの中に、例えばごみ減量運動をやってきたということがあります。また、大学で環境問題を専攻した人が自治体に入ってごみの相談員となっている、政策をつくる人が育っているというようなこともございます。
 一つ私が子供たちの教育ということで、ドイツではこんなことをやっていてすばらしいなというふうに思っていることがあるのですが、一つの例ですが、ドイツにはごみ経済科というのがあって、公害になるものは買ってはいけないと子供たちに指導しているんですね。小学校入学時にお母さんたちが教育を受けるわけです。それは、かばんの中から環境問題が始まりますというチラシをまずもらいます。そして学用品のサンプルとして、筆箱はプラスチックではなく革製、布製。ノートは一〇〇%再生紙のもの。消しゴムはプラスチックではなく天然素材。ただ、消すと破けますので、間違えたときには二本の棒線で消すように指導をしているということ。鉛筆には塗料がない。削り器には替え刃がついて木製であるということ。万年筆はカートリッジではなくスポイトで、インク瓶は非常に大き目のものである。ボールペンは軸は木、中はかえのきくもの。歯ブラシはブラシ部分が取りかえられるもの。こういうものが子供たちのかばんの中に入れられる。そして、デパートにはこういった商品が山積みになっている。社会の中でも子供たちがそういうところに行って育てられているという現状があって、ここをやはりもう一歩進んで文部省とやっていただけるようなことがあったら本当にいいなというふうに思います。
 さて、もう一つ私申し上げてよろしいでしょうか。これは日本ではきっとできないだろうなということを申し上げたら申しわけないのですが、ドイツだからできるのか、非常に驚きを持って聞いた話があるのですが、子供たちに真夜中のピクニックというのをドイツではやるというんですね。そしてそれは真夜中に森へ行って、そして休んでいる森の中から聞こえてくる動物たちの声、鳥の鳴き声、風のそよぎあるいはせせらぎの音、虫の鳴き声、そういうことを、思ったことを一応書きとめておいて、次の日、朝日に当たった森を帰ってくるときに、森にふさわしくない物を子供たちに持たせて、そして一週間過ぎた授業の中で、その持ち寄った物はなぜ森に必要ではないのかというようなことを先生を入れないで話し合わせる。
これは日本の中だったら、事故のことを気にしたり、なかなかできないことなんでしょうけれども、そうした肌で自然を感じ取るということを小さいころにしてしまうというなかなかダイナミックな教育が行われている。これも驚きを持って聞いたことでしたので、申し上げました。もしかしたら長官、もちろん御存じであったかというふうにも思っております。
 ところで、次にお伺いしたいことなんですけれども、これは自然の問題でございます。
 非常に自然が次々に消されているというような現状がございまして、どうしてもその環境を守っていくために私たちがしなければならないことがたくさんある。そういう点で、自然環境を残していくために今環境庁が取り組んでいらっしゃること、そのことについてぜひお聞かせいただきたいと思います。
#145
○広中国務大臣 お答えいたします。
 自然環境保全基礎調査等の結果によりますと、首都圏を初めとする大都市圏では、市街化の進行により、緑や身近な生き物の生息地の減少が進んでいることが明らかにされていることでございます。こうした都市地域における森林、草地、水辺など自然地域は、大気浄化、気象緩和や地域住民と自然との触れ合いの場などとして重要なものであることは論をまちません。
 環境庁といたしましては、自然公園や自然環境保全地域等の制度を通じまして、身近な地域に残されたすぐれた風景地や自然環境について適正な保全に努めているところでございます。
 さらに、ふるさといきものふれあいの里整備事業等を通じて、地方自治体が行う身近な自然の保護を目的とした施策に対して補助を行っているところでございます。今後とも身近な自然の保護を図る観点から、このような地方自治体における地域指定制度や保全事業の取り組みに対して支援を行ってまいります。
 それから、先ほどから大変いいドイツの例などを引きながら環境に対する思いを語っていただいたわけでございますけれども、日本におきましてもこれは文部省の学校教育の中で自然教室というのがありまして、真夜中に森の中に出ていくということは存じませんけれども、なるべく子供たちに自然と親しむ機会を与えたいというようなことをやっているわけでございます。
 また、私は環境庁に入らせていただいてから何回か体験したことでございますけれども、「熊野詣六百五十キロウオーク」、いわゆる歩け歩け運動などとか、それから先週の日曜日は高尾に参りまして、さまざまな環境庁が後援しているような、自然と親しむそういう運動というものに私自身も参加させていただいて、できるだけこうした行事がより多くの方々の参加を得て、そして全国的な広がりになってくるとすばらしいと思います。確かに、自然との触れ合いというのは本当にすばらしいものだというふうに私自身も感じております。
#146
○岡崎(ト)委員 緑はなくてはならないにもかかわらず、緑がどんどん減少しているという現状は大変憂慮すべきものがありますけれども、具体的な例を一つ申し上げたいと思います。
 特に都市の緑が減少著しいということですので、実は私が今持ってきておりますこの新聞は、九月八日の毎日新聞「記者の目」で取り上げられたものなのですけれども、相続税を物納するという場合についてということが問題になっております。土地は樹木を伐採して更地にしないと受け取らないということになっているのですが、それによって緑地の減少に拍車がかけられてしまっている。一度売ったからには開発は避けられないと言ってしまえばそれまでなのですが、自治体も環境庁も緑を守るためにさまざまな取り組みを行っております。予算をかけているのであれば、一方で目的も定まらない時点からどんどん伐採をしていくのでは、行政の効率からいっても問題が残るのではないかというふうに思うのです。とりわけ自治体が補助金を出していた場合はなおさらではないかと思うのですが、これも今指摘されております縦割り行政が生んだおかしな話だというふうに思うのです。
 先ほど長官の御答弁でも、自治体の取り組みを支援していくということでしたけれども、ぜひともこの辺について踏み込んだ取り組みができないものだろうか。少なくとも現状の実態の把握に努めていただく、あるいは大蔵省と、できるだけ緑を残した開発や、開発計画が決まるまでは伐採しないなどの協議ができないものかなというふうに私は思います。大変現実的には困難が伴うことはわかりますけれども、ぜひとも効果的な御指摘を環境庁からもしていただきたいというふうに思うのですが、この点について一言お願いしたいと思います。簡単にお願いします。
#147
○奥村政府委員 先生御指摘の問題は、相続税の物納に係る問題でございます。
 この問題は、徴税当局の立場に仮に立ちますと、財産価値に問題がある立木つきの土地を受けるという点に問題がありましょうし、また自治体の立場からいうと、またいろいろ苦慮されていると思うのですが、管理費の問題とか財産価値が下がるといったような問題がありまして、難しい問題ではないかというふうに考えられるわけでございます。
 いずれにしても、その物納制度は徴税体系の中の一環でございますし、都市緑地、保存樹林の問題については都市緑地保全法の体系の問題でございますので、そういった関係の省庁でいろいろな御検討がされるべき問題だと考えておりますが、環境庁といたしましても身近な自然を守る幅広い視点の中でいろいろ研究をする中で、御指摘のような問題についても十分な問題意識を持って考えてまいりたいというふうに思う次第でございます。
#148
○岡崎(ト)委員 せっかく市民の税金を使って残したのに、その財政効果が消えてしまうわけですから、これから環境庁の自然保護や、あるいは緑の保全の努力の課題として指摘をしておきたいというふうに思います。
 最後に、所信表明をお伺いしましても、環境庁の役割は非常に大きいというふうに思います。いろいろな方が御指摘もなさいました。そのときに、総合行政としての企画調整機能を十分発揮していただかなければいけないというふうに思います。大臣を初め大変な努力をなさっていると思いますが、緊急に取り組まなければならない問題も御指摘いただきました。中長期的に取り組む問題もさまざまでございます。環境庁の重要な役割である企画調整機能を十分発揮するために、この体制でやり切るのはとても大変ではないかというふうに思いますけれども、組織の強化はどうなんでしょうか。これが重要なポイントではないかと思いますが、長官、何とか頑張って環境庁の体制を強固なものにしていただきたい。最後にその御決意のほどをお伺いしたいと思います。
#149
○広中国務大臣 現在の財政事情の中で、私どもとしては、予算もふやしていただきたいし、人数もふやしていただきたいという思いはあるわけでございますけれども、現体制の中で一生懸命できるだけ頑張らせていただきたい。幸いにして、環境庁はすぐれた専門家の集団でございまして、皆様方の応援よろしきを得て力を発揮できるのではないか、そのように思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#150
○岡崎(ト)委員 環境庁そして各省庁と力を合わせて頑張っていきたいというかたい御決意を伺いました。今地球に生きる、生存しているすべての生き物の行く末を考えますと、環境庁の果たす役割は本当にはかり知れないものがあるというふうに思います。次々に問題が出てきてしまいますので、スケジュールに追われていては質の低下を招きかねません。私どもも思いは一つです。環境を守るために精いっぱいの応援をさせていただきますので、ぜひ大きな力を発揮していただきたいというふうに申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#151
○奥田委員長 笹山登生君。
#152
○笹山委員 本題に入る前に、先ほどお話の出ま
したロシアによっての日本海での放射性廃棄物投棄問題につきまして、外務省そして科技庁、水産庁等にお伺いしたいと思うのですが、ロシア側は当初日本側への通告はあったという発言を撤回しまして、実は今月の五日にIAEAにファクスで伝えたと言っておるわけですね。それが、その情報が本当だとしますと、IAEAと日本との情報連絡というのはあったのかどうなのか。きょうの午前にある政府筋は、まずはIAEAを通じての接触を始めるというようなお話がありましたようでございます。今週ですか、IAEAのハンス・ブリックス・ディレクターゼネラルというんですか、斉藤外務次官と北朝鮮の問題で会われる。また来週はロシアのミハイロフ原子力エネルギー相が来るか来ないのかわかりませんけれども、シンポジウムで来られるような話もございます。そのような場を通じまして、ひとつ外務省でも何でもIAEAにその辺の真偽の筋を確かめた方がいいのかどうなのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#153
○伊東説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のIAEAからの通報でございますけれども、これはロシア側が発表したことによりますと、ロシア側がIAEAに対して五日、そういったことを行うということを通告した由でございますけれども、IAEAの方から外務省にそういった事前通告というものは受けておりません。
 また、先生御指摘の今後の行動でございますけれども、IAEA等を含めて国際機関を通じて、こういったことが再発されないように、外務省としましても国際機関を通じてしかるべき対応をとっていきたい、こういうふうに考えております。
#154
○笹山委員 ロンドン条約の加盟国会議が来月ごろにも開かれる。その席で低レベル放射性廃棄物の全面禁止が打ち出されるのではないか。また、きのうアメリカのマカリー国務省報道官が低レベルの全面禁止を公式に表明したというような報道もございまして、その辺のロンドン条約加盟国会議の見通し、そしてその席におきまして日本国が何らかのアピールなり発言をするのか、その辺の見通しをひとつお伺いしたいと思います。
#155
○伊東説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の第十六回ロンドン条約締約国協議、これが来月の八日から十二日までロンドンにおいて開かれます。この締約国協議は毎年一回定期的に開かれているものでして、締約国がその条約をどのようにして実施しているかということについて協議を行うという趣旨でございます。そして、今回の会議におきましては、ロンドン条約は一九七二年に採択されましたけれども、昨年ちょうど二十周年ということで、同条約の趣旨、目的を強化しようという観点からこの条約を改正していくという方向になっておりまして、その問題について討議されることになっております。したがって、その条約改正の一環としまして放射性廃棄物の海洋投棄処分をいかに扱うかということも当然審議されることになっております。
 我が方の対応でございますけれども、これは関係省庁とも今後協議して、今回日本海においてロシアがこのような投棄を行ったということも十分念頭に置いて、我が方としてきちんとした対応をしていきたいというふうに考えております。
#156
○笹山委員 情報がいろいろ錯綜しておりまして、けさのウィーンからの情報ですと、IAEAは、これはロンドン条約に違反していないんだというようなそういう情報も入ってきていますね。一体これは条約に違反しているのか違反していないのか、現時点では何とも言えないでしょうけれども、その辺の何とも言えないなら言えないという御発言をお願いしたいと思います。
#157
○伊東説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の、今回のロシアによる海洋投棄がロンドン条約に違反しているかどうかでございますけれども、まず、ロンドン条約上は放射性廃棄物を含む放射性物質を、高レベルの放射性物質とそれ以外の低レベル放射性物質に分けております。そして前者の高レベルの放射性物質については、この海洋投棄をすべて禁止する、それから後者の低レベルの海洋投棄につきましては、事前の申請に基づき締約国政府当局がその都度判断して付与する特別許可にかからしめている、こういうことが条約の規定上、なっております。したがいまして、低レベルの放射性物質の海洋投棄は必ずしもロンドン条約の規定上禁止されているわけではございませんけれども、他方、一九八五年に開かれましたロンドン条約の締約国協議の場におきまして、放射性物質の海洋投棄に関する問題の検討がすべて終了するまで放射性物質の海洋投棄を停止するというモラトリアム決議が採択されました。したがって、事実上は各締約国が低レベル放射性物質についても海洋投棄は行わないというふうになっております。
 なお、この関係で、昨晩ですか、ロシア政府が昨晩記者会見で発表したところによりますと、今回投棄したものは低レベルの放射性物質であり、その投棄については政府省庁間会議を行った上、特別許可を付与したというふうに述べております。
#158
○笹山委員 水産庁に、今回の投棄以前にも投棄があって、その際、沿岸漁業家のコメントとしては、余り心配ないんだというようなコメントが載ったように記憶しているのですけれども、今回は同じようなコメントでございましょうか。
#159
○吉崎説明員 今回の放射性廃棄物の投棄につきましては、ロシア側の発表した放射能レベルをこれまでの調査結果などに照らしてみますと、海産物摂取により我が国国民の健康に対して直ちに影響を及ぼすとは考えにくいレベルでございます。しかしながら、日本海は我が国にとりまして重要な漁場でございますので、海産物への影響が今後懸念されますので、かかる投棄の即刻停止を外交ルートを通じて強く申し入れておるところでございます。
 また、投棄海域における海洋調査につきましては、日ロ合同作業部会において日ロ共同海洋調査の実施が合意されて、先般の日ロ首脳会談においても確認されたところでございます。農林水産省といたしましても、関係省庁とともに、今回の投棄の影響の調査を含めまして本調査を早急に実現させるよう働きかけてまいりたいと考えております。
 なお、委員先ほど御指摘の、今までの投棄の放射能の調査の結果でございますが、八月に安全宣言を出しております。
#160
○笹山委員 まあそうでありましょうけれども、沿岸漁民の心配は相当なものでございますので、早急な対応というものをお願いしたい。
 また、環境庁さんに、ひとつ監視体制、共同調査、関係省庁と組んでやっていただきたい。きのうのテレビを見ておりましたら、いつまでもグリーンピース頼みでは困るというような、そういうコメントもございまして、ひとつ自前の監視体制、そして諸外国の環境団体とも十分に連絡をとった、そういう一つの情報交換もお願いしたいなと思いますが、いかがでございましょうか。
#161
○広中国務大臣 核廃棄物の海洋投棄問題につきましては、科学技術庁及び放射能対策本部を構成する各省庁において一体的に取り組んでおり、環境庁は放射能対策本部の幹事会のオブザーバーとして従来から参画し、情報収集に努めているところであり、今後ともその立場において取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
#162
○笹山委員 オブザーバーでは物足りませんので、ひとつもう少し踏み込んだ対応をお願いしたいわけでございます。
 次に、本論に入りまして、先ほど岡崎委員からもお話ございましたけれども、OECDの日本に対する環境政策審査等が出るようでございますけれども、当報告案で示されている日本の今後の環境政策の方向というものは、おおむね今回提案の環境基本法でカバーできるのか、またカバーできない部分は中期的にでもカバーし得る体制にあるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#163
○森政府委員 今お尋ねにございましたOECDの対日環境政策評価報告書でございます。これは、現在までのところ未公表でございます。今度
の十一月一日、二日に東京で行われますOECDの環境政策委員会の会合で検討される、こういうものでございます。したがいまして、政府としては、公式にはまだそれに対してどうこうという立場には立っていないというのが状況でございます。これからいろいろな事項が協議の上、盛り込まれていくということになると思います。
 しかしながら、ただいま御指摘がございましたような観点、すなわち、仮にいろいろな事項が指摘されたとして、それにうまく対応できるのか、こういうことでございます。これにつきましては大変重要な視点でございます。私ども、これからの対応に当たりまして十分に、ただいま御指摘の観点を入れながら、留意をして対応してまいりたいと考えております。
#164
○笹山委員 未公表と申しながら、一部報道に流れているというようなことでございますので、十分ひとつ管理をお願いしたいと思います。
 基本法後、私考えますに、これから、先ほどからのお話にもございますように、攻めの環境行政というものが必要ではないかなというふうに思います。攻めの環境行政とは何ぞやといいますと、私自身考えますに、やはり環境インフラの形成、社会資本としての環境資産の形成、そういうことが一つのキーワードになるのではないかなというふうに思っております。それにはおおむね二つの方向がございまして、一つは既存の社会資本を環境に優しいものにする、環境資産化していく。例えば、道路、橋等をエコロードとかなんとか言いまして環境に優しいものに変えていくとか、あるいは川の土木工法も多自然型、近自然型工法に変えていくとか、そういう既存の社会資本の環境資産化。もう一つは、やはり先ほど福永委員のお話にもございましたように、積極的にひとつ環境資産というものをつくっていく。例えば、ビオトープにしても何にしてもそういうものをつくる方向、こういう二つの方向でもって、いわば社会資本としての環境資産をふやしていくということが大事ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#165
○森政府委員 ただいまお話しのとおりであろうと私どもも考えております。
#166
○笹山委員 ただ、その場合懸念しなければいけないのは、各省庁、今回の概算要求を見ましても、いわばはやりみたいに環境に優しいとか環境創造型とか、そういうメニューをふやしているわけでございますけれども、例えば先ほどの福永委員のビオトープにしましても、建設省ではダムの周辺にビオトープをつくるとか、あるいは野生化した公園にビオトープをつくるとか、また農水省では土地改良事業にビオトープをつくる、ビオトープばやりで、私もこの問題はもう数年、日大の勝野さんとか石光さんとかああいう方と一緒になって推進してきた手前、どうもえせビオトープがふえているのではないかなという感じもしますので、これから基本法でもって各省庁をコーディネートする立場の環境庁さんとしては、やはりもう少し生態学的な裏づけを持った、そういう本当の一つのメニューをつくっていく必要があるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#167
○森政府委員 先ほど大臣からもちょっと申し上げましたが、環境庁はいわゆる専門家集団ということでございます。また、期待されているところもそういう目からの政策展開であろうというふうに思いますので、今お話しのようなところにつきましては十分留意して頑張ってまいりたいと思っております。
#168
○笹山委員 今諸外国では、景観構造を形成する一木一草に至るまでマッピングして、その移動までも地図上で指示するという、非常に綿密な景観図といいますか、それから景観構成構造図というものをつくって、びっくりするものがありますけれども、そういうものがまねできないにしても、ある程度の一つの論拠を持った、そういう推進をしていただきたいなというふうに思います。
 それで、やはり環境インフラ形成の大きな目玉が環境教育のフィールド、場づくりというふうに思います。もちろん環境庁さんもふるさといきものふれあいの里等をやっているわけでありますけれども、私思いますのに、原生的自然との触れ合い、人間との共生も大事でございますけれども、やはりある程度人手のかかった、ドイツでいえば文化的景観というのですか、人手の加わった自然と人間との共生あるいは民族との共生、そういうものを主体にした一つの環境教育の場づくりというものも必要ではないかなというふうに私は考えるのです。
 私今推進しておりますのは、自治体ベースでかなりはやってまいりましたけれども、エコミュージアム構想というものでございまして、開かれた博物館というようなことで、例えば化石の現場なら現場がそのまま野外で見られるとか、あるいは手づくりの職工さんの工房があればそこも一つの博物館になるとか、あるいは自然の特異な生態系の原生集落があればそれも一つの博物館とかなんとか、そういう開かれた、単に原生自然だけにこだわらない、人手の加わった自然あるいは民族との触れ合いというようなものも環境行政の中に取り入れていく必要があると思うのでございますが、その辺長官の方からちょっとお伺いしたい。
#169
○広中国務大臣 先ほどから非常にアイデア豊かな御提言をいただきまして、大変感心して伺っていたところでございます。
 民族博物館と自然と一体になったようなことをイメージしていらっしゃるのかもしれません。私は日本でそのようなものがどのくらい発達しているかよく実態を把握していないわけでございますけれども、確かに私が長いこと住んでいたアメリカなどでは非常にそういう自然博物館がいっぱいございまして、模型というとちょっと不自然な感じはいたしますけれども、ダイノソアの骨に始まりまして鯨の全体の模型があったりといったようなことで、非常に、何というのでしょうか、学ぶ場所としての博物館、自然を学ぶ場所としての博物館みたいなものもございましたし、そしてまた実際に自然の中に入っていくといったような自然との交わり方もある。やはりその両方が必要ではないかなと思いながら伺っておりました。
 どうも御示唆ありがとうございました。
#170
○笹山委員 いろいろ攻めの環境行政と申しましても、金がなくては話にならないわけでございます。財政当局に、環境資産なり環境インフラを形成すること自体が経済発展につながるのだという一つの説得材料を環境庁自体がモデル化しないと、やはりまだまだ、今回の景気対策にしましても、環境行政自身が景気対策に寄与するなんということをなかなか理解させるのが難しい。しかし、今の社会経済資本などのメニューを見ますと、まさにソフトインフラでございますから、それに環境庁のこういう施策が寄与する面というのは非常に大きいと思うのですね。
 いろいろ環境庁さんの中にも特異な方が、特異な方といってはおかしいですけれども、小野宏哉さんという方が「環境から見る社会資本整備の課題」などという非常に、国民所得の中に環境資本というものを計算するとか、あるいは環境資産勘定という中での一つのモデルを考えるとか、そういうことをされているようでございますが、そういう国民所得、社会資本、環境資源の評価体系というものをひとつ再構築して堂々と財政当局に必要を訴える、そういうことが必要かと思いますが、いかがでございましょうか。
#171
○森政府委員 我が国は、よく言われますように、積極的な公害防止投資によりまして、かつての激甚な公害を克服して、なお経済発展を実現してきたということの経験を持っているわけでございます。このことにつきましては、一昨々年、当方の若い諸君がいろいろなケースを計算いたしまして、小さな刊行物でございますがこれを公にして、それが中国でも中国語に翻訳されて、恐らく今出回り始めたのではないかということでございます。そういう芽は当方の中に芽生えてまいっております。
 ただいまお話しのような考え方は、極めて重要な考え方でございます。私ども、まだ経済理論モデルをびしっと構築をするというところまでの研
究には至っていないわけでございますけれども、さらにいろいろな研究を進めてまいりまして、勉強を重ね、お尋ねに沿うように努力をしてまいりたいと思っております。
#172
○笹山委員 あと、環境団体への民間資金の導入へのインセンティブを拡充しなくてはいかぬというふうに思うわけであります。今、公益信託のうちの認定特定公益信託、これについての税制改正の要望が参っているわけでありますけれども、これのうちの七号「自然環境の保全のための野生動植物の保護」、八号「自然環境の保全」に該当する件数と金額は幾らでございましょうか。
#173
○奥村政府委員 ちょっと、突然のお尋ねでございますので、数字を今調整して、後ほど御説明を申し上げます。
#174
○笹山委員 知っていて質問するのも悪いのですけれども、七号が一件で五億一千五百万、八号が四件で十一億二千百万、非常に対象が少ないのですよ。ですから、まずこういうインセンティブを広げることと同時に、既存のインセンティブを宣伝するといいますか、そういうこともやはり必要なのじゃないかなというふうに思います。
 あともう一つ、生息地の買収についての税制上の特例措置を設けるという要望がありますけれども、やはりこれもまだ第一段階では不十分、まあいいのでありますけれども。西欧の場合ですと、生息地をそのまま移転してしまうのですね。換地したりあるいは一つの第三セクターに預けたり、換地とか移転とか、そういうものへのインセンティブもやはり将来考えていかなくてはいけないと思いますが、いかがでしょうか。
#175
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。
 これまでの自然保護行政というものは、核となるすぐれたところを指定いたしまして、その地域について税制上の優遇措置をかけるというのが従来のやり方でございました。したがいまして、先生今御指摘のような換地の問題でありますとか生息地を移動させるといったような問題については、これまで十分な対応ができていないところでございますので、今後の課題としてぜひ勉強させていただきたいと思います。
#176
○笹山委員 これは、民間の生産者なり、なりわいを営んでいる人との摩擦をいかに解消するかということと、自然保護をいかに実現するかというそのはざまの問題ですから、やはりこれは非常に考えながらやっていかなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 次に、世界遺産条約に基づきまして、白神山地、先ほど質問が出ましたけれども、屋久島等の登録が予定されておりますが、見通しを簡単にもう一回。
#177
○奥村政府委員 遺産条約の登録でございますが、五月に条約事務局の方から現地視察がされております。その時点で幾つかの問題意識も提起されておりましたが、先般遺産事務局の方から登録地、白神山地の登録面積を広げるようにというような勧告も出されておりまして、これについては私どもの方で前向きの対処をする、今後の対応として前向きに対応するという返事もいたしておりますので、こうした経過等から見て、よい結果が出るのではないかと期待しておるところでございます。
#178
○笹山委員 最後の質問になりますけれども、これから地球規模の環境からだんだん身近な環境づくりどいいますか、そういうものに移行しておるという気持ちがします。その際、やはり環境ボランティアの充実というものがこれからの環境行政をバックアップする大きな役割になるのではないかなというふうに思っております。
 それには二つございまして、私考えますのに、一つ、日本ではトラストというような考え方がなかなか定着しない。しかし、定着したとしても、そういうナショナルトラスト的なものしか今のところは俎上に上っていない。やはりもう少しディベロプメントトラストといいますか、ひとつの開発型、提案をして、そして企業からお金を出してもらって、ランドスケープデザインは自分たちでして、そして地域と行政との整合性を保ちながら一つの地域としてのデザインを構築するというような考え方が必要なのではないかな。おととし、ロンドンのグランドワークのジェンキンスさんが日本に来まして、日本型のそういうグランドワークをできないかということで、私どもも前からその辺は協力しているのでありますけれども、なかなか実現に至っていないのが非常に歯がゆいのであります。そういう提案型のトラスト的考え方もこれから、もちろんこの財団の仕事の中にそういうものもあるようでございますので、ひとつ考えていただきたいなということと、もう一つは、余暇と自然環境保全というものをドッキングして、いわばボランティアが余暇を楽しみながら自然の遺跡の修復とか生息地の改善とか、そういうものをするひとつのシステムというものができないかというふうに私は思っております。ヨーロッパの例ばかり出して非常に恐縮なのでございますけれども、BTCVというトラストで、ナチュラル・ブレークというものをやっておりまして、泊まりがけでボランティアが生息地の修復に出かけて、そして遊びながら修復を終えて帰ってくるというような、そういうひとつの余暇ボランティアのシステムというものも必要なのではないかなと思いますが、その辺いかがでございましょうか。
#179
○広中国務大臣 すばらしいアイデアだと思います。検討の余地十分ありと伺っておりました。
#180
○笹山委員 時間がございませんのでこれで終わりますが、攻めの環境行政に向かって、ひとつ全力疾走していただきたいと思います。終わります。
#181
○奥田委員長 竹内譲君。
#182
○竹内(譲)委員 私は、公明党の新人の竹内譲でございます。一生懸命やらせていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 最初に、地球環境保全の推進についてお伺いをしたいと思っております。
 フランスの作家のアンドレ・モロアの言葉に、政治の役割は母と子を救うことであるという一説がございます。これは社会的弱者を擁護するのが政治の使命であるという意味だと私は思っておりますが、現代的に即して言うならば、政治の役割は母なる地球と未来の子供たちを救うことと言いかえることができるのではないでしょうか。私は、その意味で地球環境の保全が重大な政治の任務であると痛感いたしております。先ほどの所信表明におきましても、人類の生存基盤にかかわる緊急かつ重大な課題である地球環境問題に対して並み並みならぬ決意を述べられた広中環境庁長官に対しまして、改めて敬意を表するものでございます。
 そこで、まず地球温暖化の問題について最初にお伺いをしたいと思っております。
 九一年度のCO2の排出量は、炭素換算で三億二千四百万トン、一人当たりの排出量は二・六一トン、地球温暖化防止計画の基準年の九〇年度の排出量は、それぞれ三億一千八百万トン、また二・五七トンでありましたので、それぞれ一・九%、一・六%の増加になっております。その増加内容を見ると、運輸部門二百六十万トン、また民生部門においても二百五十万トンの増大をしております。私は、これは大変大きな憂慮すべき問題ではないかというふうに考えております。
 また、別の角度から見ますと、CO2の業界別の排出量は、八九年度の資料では電気・ガス業界が三五%、鉄鋼が三二%、自動車が一九%、民生が約一二%というふうになっております。電気、鉄鋼、自動車で実に八六%を占めており、またこの電気業界の約七割が火力発電と聞いております。
 私は、各業界におきましていろいろCO2排出抑制のために取り組んでおられることは非常によく存じておりますが、九一年度の各業界のCO2全体の排出量に占める割合、また対前年度比伸び率、その増加原因、そしてまた今後の対策につきまして、環境庁また通産省の方から御説明をお願いいたします。
#183
○森政府委員 一九九一年度の二酸化炭素排出総量、炭素換算をいたしますと三億二千四百万トンということでございまして、前年に比べまして六
百万トン、約一・九%の増加、ただいまお話しのとおりでございます。
 原因につきましては、この九一年度がエネルギー消費量が大幅に伸びたバブル経済の最終年であったというのが一点。それから、防止計画をつくりましたのが九〇年の十月でございますので、九一年度はその時点から比較的短期間でありまして、まだ防止施策効果が大きく出ていない、こういうことではなかったかと思っております。
 それから、部門別の排出シェアは、産業部門が四六・六%、運輸部門が一八・九%、民生部門が二三%、それぞれ前年度の伸び率は、産業部門では〇・三%の減少、運輸部門では四・三%の増、民生部門では三・五%の増ということになっていると承知しております。
#184
○藤野説明員 CO2の排出に密接に関連しておりますエネルギー消費の状況につきまして御説明申し上げます。
 今御指摘ございました九一年度の最終エネルギー消費、二次消費でございますが、原油換算で三億五千八百万キロリットルでございまして、前年度比二・六%の増加ということになっております。
 部門別に見ますと、全体の過半を占めております産業部門の伸びは前年度比で〇・七%で低うございましたけれども、民生部門、具体的には民生家庭部門あるいは業務部門がかなり高い伸びを示しておりまして、総体で四・九%増、家庭部門は二・七%、業務部門は七・二%という伸びでございます。もう一つの分野でございます運輸部門でございますけれども、九一年度は前年度化四・九%増ということで、三部門に分けますと相対的には最も高い伸びということになっております。これは一つにはOA化の進展とかそういった需要構造の変化、あるいはその当時の景気の動向及び豊かさとか利便さといった面で家庭面でのエネルギー消費ということが影響しております。
 なお、九二年度の消費状況でございますが、速報値でございますけれども、前年度比〇・五%ということで伸びは鈍化しております。産業部門はマイナス二%、民生、運輸部門はそれぞれ四%、二・三%ということで、まだ未確定でございますが、産業部門がかなり落ち込んでいる状況でございます。
 こうした状況で、対応策について御質問いただいておりますが、全体的に一層の省エネルギーの強化ということを進める必要があるという考え方のもとに、さきの通常国会で省エネルギーについての法的枠組みの整備ということでエネルギー需給構造高度化法、略称でございますが、及び省エネルギー・リサイクル支援法ということで、そうした枠組みを整備させていただくとともに、本年度予算から省エネルギー対策を石特会計の中に組み込みまして、財政面での整備も行ったところでございます。こうした法的枠組み及び予算制度をフルに活用いたしまして、着実に省エネルギー対策を推進していきたいというのが私どもの考え方でございます。
#185
○竹内(譲)委員 基本的にはバブルの状況であったということだと思うわけでございますが、バブルもはじけて恐らくややエネルギー消費の方もだんだん落ち込んでくるのだろうとしばらくは思うわけでございますけれども、毎年やはりきちっとこれをフォローしていただきまして、悪化の原因は何か、そしてまずこれをしっかり認識して、それに対してやはり抜本的な対策を打っていくということが大事なことであるというふうに私は思っております。
 前政権下で地球温暖化防止行動計画がつくられているわけですが、例えばその中でも電気自動車を西暦二〇〇〇年には大体二十万台つくると言っておられるわけですが、実際には千三百台くらいしかない。これはいろいろな理由があることは私もよく存じておるわけでございますけれども、やはり二〇〇〇年になってから、いやとてもCO2を抑制できませんでしたというようなことでは許されないと思いますので、やはりよくフォローをしていただきまして、改めて実効あるものにしていただきたいというふうに要望するものでございます。また修正すべき点は修正して、できないものはできないとはっきりさせる。また中間目標を設定するとか、思い切った対策を導入するとか、天然ガスとかいろいろあると思うのですけれども、そういう細川政権下としての斬新さを出していただきたいなというふうに思うわけでございます。
 そういう意味で、地球温暖化防止行動計画も海部内閣のときにつくられているわけでございますが、細川政権下としてリフレッシュしていただきまして、できれば新地球温暖化防止行動計画なるものをつくって関係閣僚会議等の場で発表されてはいかがかなというふうに思います。長官の所見をお願いいたします。
#186
○広中国務大臣 地球温暖化問題は生活や経済活動のあらゆる局面にかかわる問題でございます。したがいまして、社会経済システムや国民のライフスタイルを環境に配慮したものに改めていくことによって環境保全型社会に全体的に変えていくということが重要であるという認識を持っています。
 このような観点から、地球温暖化防止行動計画において既に幅広い対策のメニューが掲げられているところなんでございますが、今後とも一層の対策の強化を図ってまいりたいと思っております。
#187
○竹内(譲)委員 それでは、提案を一つしたいと思うのですが、平成九年に環境と開発に関する国連特別総会が開かれる予定になっております。九二年六月の地球サミットでは、宮澤総理は、九二年度から五年間に環境ODAを九千億から一兆円をめどに大幅に拡充するというふうに表明をされました。私は、新政権下での環境分野における国際貢献のあり方というものは、単にお金を出せばいいというだけではなくて、やはり人的貢献が最重要課題であるというふうに考えるわけでございます。
 そこで、私の提案として、国連内に例えば緑の平和部隊、グリーンPKOと別名呼んでおるわけですが、創設を提案したいなというふうに思っておるわけでございます。この緑の平和部隊は、グリーンと名づけておりますけれども、単に森林の回復を目的とするというようなものだけではなくて、砂漠の緑化とか農業指導、また環境破壊が著しい地域の景観の復元とか保護事業、また環境資源の管理、監視、それからタンカー事故等の油濁処理等の海洋浄化、生物保護など、そういうことを任務とする、そういう新しいPKO、グリーンPKOなるものをやはり創設することを日本として提案するのはどうだろうかというふうに申しておるわけでございます。急にはできない話だと思いますけれども、そのために調査検討をいろいろな課題について開始されることを提案したいというふうに思うわけでございますが、長官、いかがでございましょうか。
#188
○広中国務大臣 大変魅力的な御提案だろうと思います。我が国政府といたしましても、これまで外務省、JICAを通じまして青年海外協力隊、その多くの方々は広い意味での環境面に貢献なさってきたわけですけれども、我が環境庁といたしましても専門家の派遣なども行っておりますし、つい最近は通産省から環境専門員ですか、アドバイザー制度というのも発足するというようなことで、やはり政府一体として我が国としても積極的に取り組んでいく、そういう方向に向かっていると思います。
#189
○竹内(譲)委員 やはり新政権での一つの目玉というか、長期的なビジョンとして十分検討に値するのではないかというふうに私は思っております。検討されることを希望いたします。
 次に、琵琶湖の水質状況と水道水源の問題についてお伺いをいたします。
 環境庁長官も、また委員長も私と同じ京都にお住まいでございますので非常に関心がおありかというふうに思いますが、琵琶湖は我が国最大の湖沼として、滋賀県のみならず近畿一千三百万人の飲料水源として関係地域の産業、経済、交通、生
活等の上で重要な役割を果たしてまいりました。しかし、前から生活雑排水を中心とした水質汚濁による環境悪化が進行し、淡水赤潮の発生などが南湖の方で顕著となっておりました。そこで、これまで国による湖沼法の制定を初め、また滋賀県を中心として県富栄養化防止条例の制定、そしてまた下水道の整備拡大など水質保全がとられてきたことは御存じのとおりでございます。
 しかしながら、そうした努力にもかかわらず、平成四年度のCOD、化学的酸素要求量、また富栄養化状況を示す窒素や燐の状況は、環境基準を大幅に上回っているという状況でございます。また、平成三年度の厚生白書によりますと、近畿の水道水の異臭味の被害人口は何と千二百万人、全国の六一%、これは関東地域の二倍に上っているわけでございます。さらに最近では北湖の方でもアオコが出たり、大変重大な局面を迎えているというふうに思うわけでございます。
 そこで、琵琶湖の水質改善のために画期的対策を図ることが今必要だというふうに思うわけでございますが、環境庁の見解と対策をお聞かせ願いたいと思います。
#190
○野中政府委員 琵琶湖の水質の状況でございますけれども、お話しのように、最近窒素、燐の流入等に伴う富栄養化によりまして非常に藻類が発生をしているわけでございまして、それに伴いましてカビ臭が発生をしている状況でございます。
 琵琶湖の水質について申し上げますと、代表的な指標でございますCODの七五%値でございますが、お話にもございましたように、北湖では、昭和六十年度に二・四ミリグラム・パー・リットルでありましたものが平成四年度には二・七、それから南湖では、同じ年度比較でございますが、三・七であったものが三・八。
 それから、カビ臭との関連で富栄養化でございますが、これの要因物質である窒素、燐についてでございますけれども、窒素の年平均値が、同じ年度比較でございますけれども、北湖では〇・二六ミリグラム・パー・リツトルでありましたものが〇・二九、南湖では〇・三六のものが〇・三八。燐の方は、ちょっと数字ばかりで恐縮でございますけれども、同じ年度比較でございますが、北湖では〇・〇〇七ミリグラム・パー・リツトルでありましたものが平成四年度は〇・〇〇八、南湖では〇・〇二〇でありましたものが〇・〇二二というように、近年の水質状況でございますけれども、総じて言いますと、南湖の方はほぼ横ばい状態でございますけれども北湖の方はやや悪化の傾向にあるというふうな状況でございます。
 琵琶湖の水質保全対策につきましては、御指摘にもございましたように、湖沼水質保全特別措置法に基づく指定湖沼に六十年十二月に指定がなされているわけでございまして、湖沼水質保全計画というのがその後作成をされたわけでございます。さらに、その第二期の湖沼水質保全計画が平成四年度三月に策定をされまして、ここにおきましては、従来からのCODに加えて窒素、燐についての水質目標値を掲げまして、富栄養化の防止のための総合的な対策を図ることとしているわけでございます。
 そういうような状況でございますので、汚濁源につきましても各種規制の実施をいたしておりますのと同時に、下水道、集落排水施設、あるいはそれらの高度処理施設の整備、合併処理浄化槽の整備、あるいは底泥のしゅんせつ、内湖についての浄化対策等々の施策を総合的に推進をしているというような状況でございます。
 環境庁といたしましても、この琵琶湖の問題、近畿圏の重要な水源ということでございますので、この湖沼水質保全計画に盛り込みました各種の施策を着実に実施をいたしますように努力をしているところでございますし、また先ほども申し上げました水道に絡みました総合対策の中でも、これら浄水場におけるいろいろな高度処理等の対策もございますが、それと同時にまた水源地における対策というのも必要でございますので、それらの対策の強化につきましても検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#191
○竹内(譲)委員 今詳しい御説明がございましたけれども、琵琶湖は前からずっとこの問題がありまして、武村官房長官が知事のときも相当いろいろなことでされてきたわけでございます。しかし一層悪くなるばかりだという状況でございまして、これはやはりもっと抜本的な総合的な対策が必要なんじゃないかなというふうに思うわけでございます。下水道とか合併処理槽とか、事業は実際はかなりやっているのです。でも悪いということは、やはりもっと規制と事業促進と両方合わせた総合的な対策が必要であるということを示している重大な事例だと私は思っておるわけでございます。
 先ほどから何回も議論は出ておりますけれども、トリハロメタンとか異臭味問題、非常に今社会問題になってきていることを考えますと、単に下水道事業やその他の事業だけを分離した単体の対策だけではなくて、やはり上流、下流の負担を公平にする仕組みを含んだ、また、先ほどから環境庁がおっしゃっておられるような抜本的な水道水源区域全体の総合的な対策をとることがやはり国として不可欠なんではないかというふうに私は思います。先ほどからお話が出ておりますが、改めて長官の決意をお願いします。
#192
○広中国務大臣 まさに御指摘のとおりでございまして、トリハロメタンやカビ臭の対策など、現在国民が求めている課題に適切に対処するためには、排水規制や生活排水対策を総合的に講じるとともに、負担を上流の事業者、農家、家庭等と下流の水道利用者との間でどのように分担するかを検討する必要があると思っております。
 このため、現在、先ほどから繰り返しておりますように、中央公害対策審議会に対して水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策のあり方につきまして御審議をお願いしているところであり、その答申を踏まえまして対策を総合的に行わせていただきたいと思っております。
#193
○竹内(譲)委員 次に、これは長官にお答えいただきたいのですが、国立公園におけるパークボランティアの育成についてお尋ねいたします。
 私は、先日、十和田八幡平国立公園の視察をしてまいりました。同公園では、この五年間で訪れる観光客の数は六〇%も急増しておりまして、自然を守るための保護策が追いつかず利用過多になっている。利用者がふえればごみや排水量もふえ、観光拠点となる施設や登山客のための避難小屋などの整備も必要になってきます。また、高山植物の盗掘や踏み荒らしによりまして貴重な自然が損なわれているとの報告も相次いております。
 これに対して、環境庁から公園に派遣されている職員は、これは全国の国立公園で百四十人とごく少数でございまして、この全国で二十八公園、二百五万ヘクタール、日本の国土の五・四%という広大な地域の管理運営といった具体的な美化活動は、専ら民間のパークボランティアの方とか自然公園指導員の方に負うところが多いというのが実情でございます。
 ところが、このボランティアの方々に対するコストとか、また国の補助は、必ずしも十分ではございません。再提出された環境基本法案でも、環境保全を推進する民間団体の活動を支援していくことが明記されております。ボランティアの方々に対する具体的な支援をお願いするものでございます。
 例えば、このようなボランティアの方々を勇気づける意味でも、環境庁長官から表彰制度のようなものを創設するといったことを希望する次第でございます。それが一点と、もう一つは、ボランティア活動を発展させるためにも、これはまあ文部省の管轄になるのかもしれませんが、国際バカロレア教育が実施しているように、社会奉仕活動を、例えば大学受験とか入学資格の単位の一つとして認定するような制度も考えていくことが必要なんではないかなというふうに私は思うのですが、その長官の表彰制度の問題を含めまして、いかがでございましょうか。
#194
○広中国務大臣 ボランティア活動を盛んにして
いくということで大変貴重な御指摘をいただいたと思っております。それからまた、パークボランティア活動についての評価、大変ありがとうございます。このボランティア活動は、自然保護思想の普及及び啓発や、国立公園の保護管理を推進する上で大変に重要な役割を果たしているというふうに理解しております。このため、パークボランティアの方々についても、この活動の重要性が広く理解され評価されますように、表彰制度を含めまして適切な方策を検討し、その活動の輪が一層広がりますように努力させていただきます。
#195
○竹内(譲)委員 大変前向きの御発言ありがとうございます。
 最後ですが、ガットと環境についてお尋ねをいたします。今日、環境問題が国際社会の重要な議題となっておりまして、貿易と環境はしばしば衝突するという状況になってまいりました。日本では余り知られておりませんが、今後大変な関心が寄せられてくるのではないかなというふうに思っております。
 九一年のマグロ・イルカ紛争に関するガット・パネルの裁定に見られますように、どうしてもガットは貿易促進的な傾向がある。ガットの例外規定がございますけれども、健康や資源の保護のために認められているこの例外規定は、この裁定に見られるようにかなり限定的な感じを受けます。そのために、将来の紛争において、環境と貿易が衝突するような場合に、やはりルールを見直していく必要があるのではないか、貿易協定そのものを見直しをしていく必要があるんじゃないかなというふうに私は思っておるわけでございまして、これは私自身の考えでございますが、例えばガット環境コード、環境に関する国際規約を取り決めることを今後提唱していくようなことは必要なんではないかなと。まあウルグアイ・ラウンドの次に恐らく環境に関するグリーンラウンドが世界的には必要性が出てくるだろうというふうに私思っておるわけでございますが、このあたりについての長官の御見解をお願いしたいと思います。
#196
○広中国務大臣 環境と貿易に関して重要なことは、貿易促進と環境保護を、相対立するものではなくて、アジェンダ21にもあるとおり、持続可能な開発の実現に向けて両者を相互補強的なものとする観点であると思っております。ガットにおいては、ウルグアイ・ラウンドの終結後、この問題が重要な課題となると考えられているのは御指摘のとおりでございますが、その際には、こうした観点から検討していく必要があると思っております。環境庁といたしましては、関係省庁と連携しつつ、環境政策を担当する立場から、国際的な議論に積極的に参加、貢献してまいりたいと思っております。
 自由貿易の促進と環境保全とを両立させるためには、環境費用を製品価格に内部化することが重要でございます。ただし、環境コストの内部化が一部の国のみに行われた場合には、貿易に影響を与えることが考えられることから、国際的な協調、まあバーモニゼーションを図ることが特に重要であると考えております。
#197
○竹内(譲)委員 大変賢明な御高察であろうかというふうに私は思います。環境保全的な貿易を促進するには、今おっしゃられましたように、やはり生産の中に環境コストを反映させるということが私は必要だと思うのです。その一つには環境税もありましょうし、それからまた、消費者が企業に圧力を加えるのを助ける環境ラベリングプログラムとか、そしてまた、より広範なコストの内部化を促進するための公平な方法は、やはり共通の環境政策を持って国際的に取り決めることではないかなというふうに私は思っております。
 地球環境問題に大変お詳しい、またGLOBE・ジャパンの事務総長としてこれまで活躍されてこられました広中長官のますますの御活躍を私どももバックアップして、地球環境保全のためにしっかりと頑張ってまいりたいというふうに思います。
 本日は、どうもありがとうございました。
#198
○奥田委員長 宇佐美登君。
#199
○宇佐美委員 新党さきがけの新人議員で、今回当選させていただきました宇佐美登と申します。広中長官には以前から大変環境面で御指導いただいております。本当にありがとうございます。
 まず、御存じのように、途上国の十億人もの人々が貧困と飢餓の中で生活しており、毎日四万人もの子供たちが貧困に関連する原因で死んでいると言われています。一方で、増大する人口、不適切な開発が将来の人々が依存すべき土壌や水資源、森林、海洋資源などの壊れやすい基盤を破壊している。生命形態のはかり知れない宝庫でもある熱帯林は衰退し、それと同時に砂漠化も進んでいます。これらの課題に対応するために、先ほど竹内先生もおっしゃったように、国際協調の中で新しい時代が緊急に必要とされていて、そのような時代を招来させるためにも重要な、主要な役割を日本が果たすべきではないかと私、認識しております。そのような新しい国際的な日本の任務というものは、地球と人類を存続させるいわば持続可能な開発のための協調行動を促進することに焦点を置くべきだと考えており、その機は熟しているのではないかと考えております。
 その中で、先ほども御質問あったように、ガット交渉のウルグアイ・ラウンドの中では、世界の貿易体制の規制が国内や地球規模での環境問題に与える影響を、残念ながらこれまで考慮することなく展開してまいりました。多くの貿易交渉者の方々が、環境規制を非関税貿易障壁ととらえ、貿易に与える影響に非常に懐疑的であったわけです。そして、ガット二十条なりの例外規定の中で、健康や安全のための貿易制限を許容しているにもかかわらず、環境の目的に対しての貿易制限というもの、これは明確化されていないわけです。しかしながら、スイス、オーストリア、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの国々が一九七二年、二十一年前に創設され、ほとんど一度も招集されることなく、その運営もされていなかったガットの中の貿易と環境に関するワーキングパーティーの再活性化というものを二年ほど前、九一年二月に提案したわけです。
 そして、私考えるに、これらのワーキングパーティーを活性化する、つまり会議をどんどん行っていくということを日本が主張していくべきであり、既存の環境貿易、環境保護対策の貿易と可能性のある貿易自由化対策への影響と同様に、貿易政策の中で環境に及ぼす影響というものを研究していかなければならないのかと思っております。
 重複した質問にもなるかと思いますけれども、改めて環境庁長官、広中長官、どのように考えていられるのか、御見解をちょうだいできればと思います。
#200
○広中国務大臣 私は、貿易と環境の問題、大変これから大切な問題だというふうに思っております。
 この問題で重要なことは、繰り返しになりますけれども、貿易促進と環境保護を相対立するものとして考えるのではなく、アジェンダ21にもあるとおり、持続可能な開発の実現に向けて両者を相互補完的なものとして見ることにある、そのように考えます。環境に配慮した貿易制度のあり方については、このような観点のもとにきちんとした枠組みをつくる必要があるというふうに思っております。
 環境は非常に大切でございますけれども、環境という口実のもとに貿易が保護主義的になってはならない、そういうことも含めまして検討することが大切だと思っております。
#201
○宇佐美委員 ありがとうございます。
 ぜひとも、欧州自由貿易地域の国々が提案した、貿易と環境に関するワーキングパーティーの再活性化というものを日本としても主張していただきたいと同時に、貿易の所轄官庁である、窓口である通産省の方からも、今後の通商政策に環境というファクターをどうやって組み入れていくのか、その御見解をちょうだいできればと思います。
#202
○鹿島説明員 お答え申し上げます。
 ただいま広中環境庁長官からもお話がございま
したとおり、私どもといたしましても、今後の世界経済の持続可能な開発を進めて行くためにも、貿易政策と環境政策というものは相対立するものではなく、お互いに補完し合うべきものであるというふうに考えております。
 このことは、長官からも御指摘ございましたけれども、昨年六月のリオデジャネイロで行われました地球サミットにおきましても確認されております。その際合意されましたアジェンダ21の中でも、貿易と環境の関係につきまして、ガット等の国際機関が必要な検討を行うべきであるということとされておりまして、現在ガットの、先ほど先生御指摘ございました環境と貿易に関するワーキンググループでありますとか、あるいはOECDの環境政策委員会等におきまして、広範な問題につきまして議論がただいま行われているところでございます。
 先生も御指摘ございましたように、私ども通産省、貿易それから環境、両方に関係する役所でございますので、そういった立場からこれまでもこうした機関におきます議論に積極的に参加してきておりますし、今後とも貢献してまいりたいというふうに思っております。
#203
○宇佐美委員 どうもありがとうございます。
 結局のところ、日本の未来というもの、言いかえてみると開発途上国の未来と複雑に結びついていると言うこともできます。というのは、今お答えいただいたように、ガットの中での貿易体制というものも重要でございますけれども、例えば開発援助に関する円借款の取り決め、これも非常に重要な問題になっており、昨年ODA大綱というものが発表されて以来、その中心施策として環境というものも取り入れられているわけです。
 その中で考えてみますと、世界の人口の五分の四弱、そして世界の経済生産高の六分の一を占める開発途上国というものが、我々の経済、環境、そして安全保障というものでも非常に強い影響力を持っていると言うことができるのではないでしょうか。
 そして、その円借款の取り決めに関して御質問したいと思うのですけれども、いわゆるこれはODA関係四省庁、経済企画庁、通産、大蔵、外務省の四つによって行われているわけです。開発援助に対する環境問題の取り組みの必要性は、OECDやアジェンダ21の宣言の中でうたわれているばかりでなく、我が国の、先ほど申しましたように、政府開発援助大綱の一つの柱にもなっているわけです。国際社会の流れや、国際的強調の重要性を考えたときに、この円借款の取り決めに関して現行の四省庁に環境庁も加えるべきではないかと思っております。これに関して、窓口、外務省の御見解をお願いします。
#204
○佐藤説明員 お答え申し上げます。
 今先生お話がございましたとおり、援助の世界の中でも環境の保全あるいは環境への配慮ということは非常に重要な問題になってきておりまして、先ほど御指摘がありましたように、昨年政府の中で制定いたしましたODA大綱の中でも、環境の保全あるいは環境と開発の両立といった問題が我々として心がけるべき重要な問題として指摘されているわけでございます。
 したがいまして、我々実際に援助の実施の過程でも、今円借款というお話がございましたが、円借款に限らず、その他のいろいろな援助を進める過程においても、環境への配慮、環境の保全の問題という点については、これは十分に重視し、一層の充実に心がけているわけでございます。
 円借款につきましては、今お話がありましたような四省庁を中心として実際の運営業務が行われているわけでございますけれども、他方、円借款の対象とする分野というのは非常に多岐にわたっておりまして、いろいろなこういった専門分野について、実際のところ円借款の業務を行う過程でそれぞれのいろいろな専門の省庁、専門の部門と常に御相談をしあるいは意見を伺っていくということは、これはぜひとも必要なわけで、現にいろいろなその専門分野につきまして、関係省庁のいろいろな御意見を伺いながら進めてきているというのが実態でございます。
 現在、まさにこうやって環境問題というものがますます重要になってきておりますので、そういった意味で、私どもとしても、その円借款のプロセスの中においても、環境庁との間ではますます従前にも増して十分にその連絡、協議を行っていきたいというふうに考えております。
#205
○宇佐美委員 どうもありがとうございます。
 ただ、続けて御質問したいのですけれども、今おっしゃったように、必要に応じて環境庁に環境配慮の面で助言を求められるのかと思いますけれども、例えばその四省庁の中で、正直に言って、環境庁に比べれば専門外と言ってもいい省庁がどのような判断基準を持ってその必要性を判断しているのか、そのような疑問点がわいてくるわけですが、いかがでしょうか。
#206
○佐藤説明員 お答えを申し上げます。
 これは実際に円借款、いろいろな検討のプロセスの過程において、例えば環境問題に関していろいろな調査団を出すとき、こういったときにも環境庁の方に加わっていただくといったようなこと、あるいは環境問題全般について、我々いろいろな援助の際の基準づくりといったものをつくる際にもいろいろな専門家の方、その中には環境庁の専門家の方も含まれるわけですけれども、そういった方々の意見、アドバイスを聞きながらそういった全体のベースというものをつくってきておるわけでございまして、そういったベースの上に立って、先ほどお話ありました四つの省庁が具体的には中心になって円借款の供与というものを行ってきているということで、その過程でまさにいろいろ意見を伺いながら進めてきているということでございます。
#207
○宇佐美委員 さらに御質問したいんですけれども、それでは、例えば先ほどからおっしゃっているのは、四省庁が中心に行っているということですけれども、私が質問というか御意見、御提案させていただいているのは、その四省庁体制に環境庁も参入して一緒に考えていくべきではないかということなんですけれども、その四省庁体制に環境庁の参入するデメリットというものがあるのかなとふっと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
#208
○佐藤説明員 先ほど来お話を申し上げておりますように、円借款の実施の過程で特に環境の問題について環境庁からいろいろ意見を伺うということは非常に大切なことであろうと考えておるわけですけれども、他方、実際のその実施のプロセスにおいて、先ほど申し上げましたようにいろいろなほかの専門分野の各機関ともその都度必要に応じて御意見を伺うということも行ってきておるわけでございまして、そういった全体像の中で、まさに必要に応じ御意見を伺うという体制が現状では実情に即しているのではないかなと我々としても考えておるわけでございます。
#209
○宇佐美委員 どうもありがとうございます。十五分という非常に短い時間なので、またこの問題に関しては追って御質問なり御意見を差し上げたいと思っておりますけれども、先ほどから十五分間使って御質問させていただいた内容は、おわかりのように、結局環境というものを保持していくために、地球環境というものを維持していくためには、以前から言われている持続可能な開発というものをいかに具体的に行っていくかということではないでしょうか。その中で、ぜひウルグアイ・ラウンドの中でも環境と貿易というものを取り上げ、同時に日本の政府開発援助においてもぜひ環境面にさらに重きを置いて御判断いただければと思います。これからも広中長官の環境面での積極的な御意見、施策というものを期待しております。
 どうもありがとうございました。
#210
○奥田委員長 高見裕一君。
#211
○高見委員 日本新党の高見でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 本日は、専ら長官にお伺い申し上げたいのですが、まず環境基本法についてでございます。
 非常に長年の、そして多くの皆様方の御努力を
多としながら、以下のことをちょっとお尋ね申し上げます。
 今日の世界が抱える問題を考えるときに、私は、東西問題、南北問題、人権問題、環境問題、民族問題、宗教問題、こういうような六つくらいの視点を大きくいつもとっておく必要があるのではないかと存じます。中でも環境問題は、二十一世紀を目前に人類が直面する最大の課題であります。環境基本法には我が国が世界に率先してこの課題に取り組んでいくための明確な指針が含まれていなければなりません。それは今日の環境問題をもたらした成長至上主義の考え方、そしてその根底にある豊かさと便利さの行き過ぎた追求という私たちの歩んできた道をどう変えていくかという新たなパラダイムであります。
 そこで、まず大臣に、今環境基本法を新たに制定することの意義について、ぜひ根本的なお考えをお尋ね申し上げたいと存じます。
    〔委員長退席、福永委員長代理着席〕
#212
○広中国務大臣 今日の環境問題の多くは我々の社会経済活動の拡大に起因しておりまして、その解決のためには社会経済活動や国民の生活様式のあり方そのものを見直し、社会全体を環境への負荷の少ない持続的発展が可能なものとしていく必要がございます。
 この環境基本法では、このような認識に立ち、限りある環境の恵沢を現在と将来の世代が享受できるように、社会のすべての者の公平な役割分担のもとに持続的発展が可能な社会の構築を旨といたしまして、さらに国際的協調により地球環境保全を推進するという環境政策の新たな基本理念を明らかにしているところでございます。
 環境基本法は、こうした基本理念とこれに基づく基本的施策の総合的枠組みを定めたものでございまして、今後の我が国としての環境への新たな取り組みを明らかにする大きな意義がある、そのように考えております。
#213
○高見委員 ありがとうございます。
 続きまして、環境基本法は、昨年世界百八十カ国が集まって開かれた地球サミットでの合意を実施していくための我が国の戦略と方向性を示すものであり、その対象とする領域は個々の環境汚染や自然の減少にとどまらず、地球という我々が生きている限りある環境の中で、将来の世界にまで健康で実り豊かな生活を営む基盤を保障することであると考えます。しかし、この巨大な現実は一片の法律で変わるようなものでは決してないだろうとも思います。私は、これはいわば環境革命という長い道のりの第一歩であるというふうに考えております。
 これを具体化していくに当たっては、単に技術論に終始して解決への道を目指すのではなく、環境問題の原因の根本にある経済社会のあり方、国際社会の構造自体をつくりかえていく意思というものが必要ではないのかと存じます。そのためにはさらにさまざまな障害を乗り越えて、社会のあらゆる主体が環境の保全に取り組んでいく必要があるというふうに考えておりますが、大臣の御決意のほどをぜひお尋ね申し上げたい。
#214
○広中国務大臣 高見委員の御発言に対しまして、敬意を持ちながら拝聴していたところでございます。
 また繰り返しになりますけれども、今日の環境問題の多くは御指摘のようにいわゆる大量生産、大量消費、大量廃棄といった現在の企業活動や国民一人一人の生活のあり方そのものに根差しております。こうした社会経済のシステムのあり方や行動様式を見直していくことが今求められているのでありまして、社会の構成員すべてが環境の保全に取り組んでいかなければならない、そういうことでございます。
 この環境基本法は、社会の構成員のすべてが公平な役割分担のもとに自主的、積極的に環境保全に取り組むことを基本理念において明らかにし、その実現に向けてそれぞれが果たすべき責務を定めているとともに、基本的施策の枠組みとしての多様な政策手法を規定しております。
 もとより、持続的発展が可能な社会づくりは、世界と手を携えながら息長く取り組んでいく必要がある大きな挑戦であり、環境基本法をそのための第一歩として、その早期成立に全力を尽くしてまいりたいと思っております。そしてこれは、環境革命というお言葉をお使いになりましたけれども、急激な革命ではなく、徐々に徐々に変えていくという息の長い革命である、そのように認識しております。
#215
○高見委員 ありがとうございます。革命という言葉を使いましたのは、ちなみに、今までの基本的な社会を支えていた考え方とは別の考え方に立たないと人類のサバイバルがない、そんなふうに私は感じているからでございます。ゆっくりと確かに進めていくということに心から賛同申し上げます。
 我が国におきます環境問題の調査研究、教育等は自然科学中心であると私はとらえております。しかし、今日の環境問題は我々人類に、近代文明を支えた進歩主義、物質主義の限界を提示しているということであり、世界が求める環境政策は新しい文明、新しい社会を支えるパラダイムの構築であろうと存じます。我が国が世界に通用する環境政策を発信できる、その底力を身につけるためには、理学、工学などの学問のみならず、文明史の展開を踏まえて、環境経済、環境倫理、環境法などの教育や研究が行えるような環境大学とでもいうようなものを設立することが必要ではないかというふうに考えておるのですが、長官のお考えをぜひお聞かせくださいませ。
#216
○広中国務大臣 新しい環境政策の理論的基盤を形成していくためには、御指摘のように自然科学系だけではなく、社会科学系を含めた総合的な研究、教育等の推進が必要である。つまり学際的な取り組みが必要であるというふうに理解しております。そのために、いわゆる環境大学の設立というお考え、大変示唆に富むものと思われます。
 環境庁といたしましては、さまざまな国立研究機関等の提携によって、今までも研究活動や各方面の専門家の御協力によって環境教育の推進に努めてきたところでございますが、御提案の点も含めまして、さらに考えを深めていきたいと思っております。
#217
○高見委員 ありがとうございます。環境大学というものが設立され、そこで学んだ人々が世界へ向けて環境政策を発信していく、それと同じく重要なことが国民参加型の環境政策の展開であろうかと思います。
 環境保全活動の国民的な展開には、ボランティアあるいはNGOなどの市民の協力が不可欠であると存じます。私自身もつい先日までその立場にございました。しかしながら、環境保全活動の必要性はわかるが、何をしたらいいのかがよくわからないんだ、どうぞそれを教えてほしい、そんな声をたくさん聞いてまいりました。環境保全活動に参加したいが、一人ではいろいろとやりづらいというのが正直なところ国民の皆さんの現状ではないかと存じます。
 市民の自覚と連携による環境保全のための国民的な運動が展開されることが今よりより一層必要である。そのために環境庁はどのように取り組んでいかれるのかをぜひお尋ね申し上げたいと存じます。
#218
○広中国務大臣 今日の多様な環境問題の解決のためには、環境保全活動の国民的な展開が不可欠でございますが、最近の世論調査の結果を見ますと、多くの国民が、環境問題の重要性について認識はしているものの、その具体的な行動についてはよくわからない。国民の多くが身近な行動のノウハウの情報、一緒に活動できる仲間などを求めている、そういうのが現状でございます。
 環境庁といたしましては、環境に優しいライフスタイル等に関する基本的な情報などの提供、地方公共団体における環境教育関連事業等への支援、地球環境基金を通じたNGOの活動への助成などについて努力しているところでございますが、国民運動的なものを目指していきたい。そのためには多くの方々の情報提供あるいは御協力、そういうものが必要ではなかろうかと思います。
 そういう意味で、環境庁はこれからもますます開かれた省庁といたしまして、皆様方のお声を吸い上げながらこうした国民的な運動を展開していきたい、そのように思っております。
#219
○高見委員 ぜひそのようにお願い申し上げます。
 また、NGOの皆さん方のような方々の声も、どうぞ積極的に聞く耳をお持ちくださいますようにお願い申し上げます。
 そして、環境面での国際的な貢献の件に関して御質問申し上げます。
 より国際的な環境面での貢献を進めるために、将来的には、例えば国連に緑のPKO、GKOですね、グリーン・キーピング・オペレーションのようなものを設けて、我が国も参加していくというようなことが考えられます。もちろん、単に国連の枠組みの中だけでなく、環境庁が一層のイニシアチブをとり、砂漠化防止、熱帯林の再生、環境面で従来の枠組みを越えた形での国際貢献を積極的に進めるべきだというふうに考えます。途上国での植林などの環境への貢献は、単に現地や地球環境の改善にとどまらず、人間的な交流を通して日本と世界とのつながりをより一層深めて、ひいては二十一世紀に向けての世界の平和と安定に大きく寄与するものだと私は確信します。
 緑のPKO、GKOに関する長官の見解をぜひお尋ね申し上げたいと思います。
    〔福永委員長代理退席、委員長着席〕
#220
○広中国務大臣 環境面での国際貢献というのは、我が国に最もふさわしい世界への貢献ではなかろうか、そういうふうな認識を持っているところでございます。今後、国際社会において我が国の貢献がますます求められるようになると考えておりますが、我が国としましては、こうした要請にこたえていくために、委員の貴重な御提案をも念頭に置きまして人的貢献を行っていきたい。そしてそのために関係省庁とも連携をとりつつ、長期的視点に立ちまして必要な施策を講じてまいりたいと思っております。
#221
○高見委員 最後に、環境保全の予算について一言お伺い申し上げます。
 現在、環境庁では、地球環境保全のための関係各省庁の予算を、地球環境関係予算として取りまとめておられます。また、地球温暖化対策については、平成二年に地球温暖化防止行動計画が、地球環境保全に関する関係閣僚会議で決定されておられます。
 ところで、平成六年度の地球環境関係予算を拝見しますと、総額五千六百六十二億円のうち、地球温暖化対策概算要求額が四千二百三十三億円あり、その実に六五%に当たる二千七百六十三億円が原子力の開発利用の推進となっております。原子力の開発利用については、二酸化炭素を排出しないエネルギーということで地球温暖化防止行動計画でも位置づけられており、そのこと自体を現時点で否定するつもりは全くありません。しかしながら、地球温暖化防止行動計画では、原子力の開発利用以外にも、例えば二酸化炭素排出の少ない都市構造の形成、生産構造の形成、さらにライフスタイルの実現を初め、極めて広範な施策が挙げられております。
 私の率直な印象としては、地球温暖化防止一つを取り上げてみても、このような広範な施策を総合的に推進していかねばならない状況の中で、そのための予算の七割近くが一つの対策によって占められているのは、いかにもバランスが悪いのではないかということであります。このようなバランスの欠き方は、良識ある国家の政策としてちょっといかがかな。より健全で、世界に通用する予算のあり方というものを模索しなければならないのではないかというふうに率直に感じます。
 地球環境問題担当大臣というお役目もおありのはずでございまして、地球環境関係予算をより効果的に生かす観点から、現在の地球環境関係予算を見直す必要があるのではないかと考えますが、大臣のお考えをぜひお願い申し上げます。
#222
○広中国務大臣 地球環境保全関係予算は、地球環境保全を直接の目的とするものはもとより、地球環境保全に特に資すると認められたものを含めて、幅広く取りまとめたものなのでございます。
 原子力につきましては、十分な安全性の確保を前提にいたしまして、二酸化炭素等の排出量の削減に寄与する代替エネルギーの一つであるという認識から、広い意味での地球環境保全関係の予算に含めて集計させて出されたものでございまして、それが六五%を占めているということでございます。
 環境庁としては、今後とも地球環境保全経費の充実強化に積極的に取り組んでいきたいと思っております。
#223
○高見委員 このあたりの件は、きょうは時間がございませんので、またゆっくりと質問させていただきます。どうぞ環境政策をますますお進めくださいますよう、環境庁の皆さん、広中長官、頑張ってください。
 どうもありがとうございました。
#224
○奥田委員長 北橋健治君。
#225
○北橋委員 民社党・新党クラブの北橋でございます。
 長官、このたびは御就任まことにおめでとうございます。環境問題のエキスパートであり、そしてまた国際通でもあられる広中さんが長官に御就任をされまして、大変心強く思っております。御夫妻そろって世界の広中として今後御活躍されますように、微力ではございますが、与党の一員として最善のバックアップをさせていただきたいと存じております。
 実は私は、三年四カ月浪人をしておりまして、このたび捲土重来を果たして帰ってきた者ですが、やはりこの三年半のブランクの間に、すごく変わったなということを今感じております。何よりも、野党から与党に変わりました。まだ気分は野党と与党の中間のユ党のような感じでございます。そして、この与党の立場に立ってきょう一日質疑を聞いておりましてしみじみと思ったのは、環境庁長官並びにその背後でこの日の質疑のために寝食を忘れて準備をされた政府高官の方々が一日ずっとここに拘束されているわけです。きょうも次から次へと入れかわりの質問で、大変皆様お疲れだと思いますが、果たしてこういう国会運営で環境行政が推進されるのだろうか、このことは与党になって初めてきょう痛感をいたしました。
 今、政府与党内におきまして政府委員を廃止いたしまして、副大臣あるいは政務審議官を置くという構想を鋭意検討しているわけでございますが、やはりこういう制度に切りかえていかなければ、一日たりとも手を緩めることのできない環境行政の対応がまた難しいのではないか。先ほど教育の中に環境政策をどう盛り込んでいくのかというお話で、指導要領云々のお話がございましたけれども、むしろ長官が中学生や高校生の前で十分でもお話をされた方がずっと教育の効果があるでしょうし、そういった意味ではずっとここに拘束をされているという国会運営について、その矛盾をきょうは痛切に感じた次第でございます。
 そういう中で、あとしばらくの間、お疲れのところおつき合いいただくことは恐縮でございますが、よろしくお願い申し上げたいと思っておりますのでき得れば、きょうは官房長もお見えでございますので、果たしてこの副大臣、政務審議官構想が実現したときに日本の行政は遅滞なくうまくやっていけるかどうか、個人的な所見を例えればと思っておりましたけれども、この件につきましては、今総務庁初め関係官庁の関連の皆様方の間で鋭意御検討されているという段階でございますので、きょうは質問を控えさせていただきまして、早速本論に入らせていただく所存であります。
 三十八年ぶりに政権の交代が実現しました。あらゆる分野で一体何が変わるのだろうか、国民は注目していると思います。とりわけ今地球環境の問題は非常に多くの方々が深い関心をお寄せになっておりまして、そういった意味では環境行政が自民党時代と比べて一体どう変わるのだろうかと多くの方が注目をされているところでございます。きょうは自由民主党の委員の方からの質問に
対しまして、根本的な違いはございませんという答弁でございました。それと同時に、生活者の視点に立って今後環境行政に挑戦していきたいという決意の一端が述べられたわけであります。
 私どもは与党の一員といたしまして、生活者という視点をこれから極力協調していかねばならないと思いますが、例えば、水道水源の保全の問題にしましても、水にかかわる問題というのはたくさんの官庁が、官僚の皆さん方がテーブルに集まってくるわけであります。そこで水道だけの問題を先にやるということは大変難しい。しかし、生活者という視点が出ているときに、とりあえず何人もこの水道という問題から逃げられないわけでありますから、やろうじゃないか、こういうふうになってきた。そういった意味で、今後環境行政の上に立っては生活者の視点を重視するということは非常に大きな意義を持ってくると信ずる一人でございますが、長官、そのように理解してよろしゅうございましょうか。
#226
○広中国務大臣 まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、大変にいい御意見だと伺っておりました。
#227
○北橋委員 自民党時代と違ってどこが変わるのだろうか。まず一つは、生活者を重視しながら行政を進めていくという点があるわけでございます。それに加えて、新しい環境行政の理念といいますか手法というのでしょうか、その基本的な哲学において、私は地方分権という考え方をあらゆる角度から検証し、それを推進することが大事だと思っているのですが、環境行政の場におかれまして、長官、この地方分権という考え方、きょうの所信表明の中には文言のくだりとしましては詳しく触れられておりませんけれども、長官としてはどのようにこの考え方をお感じになっておられるでしょうか。
#228
○広中国務大臣 日本の環境、世界の環境をよくするために、国だけではなくて地方自治体、そして事業者、国民、すべての人が協力をしなければならないということが環境基本法でもうたわれておりますし、私の所信でも申し述べたところでございますけれども、こうした中におきまして、環境問題というのはまさに住民参加の、住民の声が一番届くところは地方自治体でございますので、地方自治体がすぐれた指導力を発揮しながら、地元のきめ細かな環境の保持というものにリーダーシップを発揮するということ、非常に大切なことだと思います。国といたしましては、地方自治体がやりやすいようなそうした枠組みとか規則とか、そうしたものをつくっていくところだ、そういう関係になるのではないかと思っております。
#229
○北橋委員 長官のお考え方に全く同感でございます。そもそも今連立政権になりまして、日本の経済社会をどう変革していくか、我々連立にとりましては、それぞれが今思案をし、試行錯誤しているわけでございますが、その中にありまして、今いろいろと行き詰まっている問題の根源というのは、近代では明治、帝国議会以来、天皇の官吏として発足をした中央のスーパーエリートの集団、官僚機構を中心に日本の社会というのは繁栄してきていると思います。そして、それは何も明治以降ではなくて、さかのぼりますと、古代大和朝廷、邪馬台国の時代から中央集権でございまして、都に非常に優秀な人材と、そこに予算と権限と情報が集中して、そして日本という国を導いていく、これが戦後の自民党政権においてもそうだったと思います。それ自体非常に大きな貢献を果たしたものと思いますけれども、それが非常に大きな規制、あるいは補助金その他におきまして地方自治体の自由闊達な運営というものを阻害している例が出てきた。そしてまた町づくりを見ましても、金太郎あめじゃありませんけれども、どこへ行っても同じようなビジョンでみんな入れかわり立ちかわり莫大な交通費を使って陳情、陳情と来ている。こういった構造を改めていくことが根本的な変革につながるものと思っております。
 そこで、きょうはその具体論の一つといたしまして、環境アセスメントという問題について環境庁の方にお伺いをしたいと思っているのです。といいますのは、まずはこの国会におきまして環境問題の憲法ともいうべき環境基本法を早期成立させることが我々に課せられた重要な使命であると思いますが、その中には、環境アセスメントについては法制化を含め必要な措置を講ずるということでございます。これについては同僚委員のこれまでの大変な御苦労があったものと思って評価をいたしております。ただ、今後各省庁一体となって議論を進める中にありまして、やはりこのアセスにつきましても法制化がいいか悪いかは別にいたしまして、地方自治体がこれまでガイドラインを築き、いろいろな要綱に基づいてすぐれた試行錯誤を積み重ねてきております。
 そこでまず環境庁にお伺いをしたいと思っておりますが、これまでも、平成五年の二月末現在におきまして、四十四の自治体において条例、要綱が定められまして、それぞれの地域の特性に応じたアセスメントを実施してきております。そして、それは一定の成果を上げていると言われておりますが、環境保全の成果はそれなりにあった、十分あったというふうな評価も一部にございます。今後検討を進めるに当たりまして、環境庁としては地方自治体のこれまでのアセスに対する取り組みを基本的にどう評価されているか、まずお伺いしたいと思います。
#230
○森政府委員 地方公共団体におきましても、ただいまお話にございましたように、条例あるいは要綱を持っているところが、ことしの七月一日現在、私どもの調べでは四十二団体というふうに承知をいたしております。
 それで、公共団体におきますこのような考え方、これはまさに地域の実情に応じて環境汚染の未然防止を図るということに主眼があるわけでございます。地方公共団体が持っております環境影響評価制度は、その対象事業の範囲あるいはその規模という点におきまして、地域の実情に応じているというところがまさに国のものと違うわけでありますし、またそこに特色があるわけでありますから、制度全体としましては、国の制度と相まって環境汚染の未然防止の観点から大変重要な役割を果たしてきていると考えているところでございます。
#231
○北橋委員 大変重要な役割を果たしてきているという評価をお伺いいたしました。今後この問題につきましてはまた国会で論議をする時間があろうかと思いますので、詳しくは述べないわけでございますが、基本的には県知事のもとには開発を進める権限と、それにまた環境その他の見地からそれに対して一定の規制をかけるという両方の権限をお持ちなわけであります。中央省庁が中心になって行政をやりますと、縦割り行政という問題もありますが、環境庁がもっともっと力があれば円滑な運営が望まれるところでございますけれども、そういった意味では自治体で、地域の住民の皆様方の身近なところで、非常に関心が集まっている議会において議論された、そういったガイドラインに基づいてやっていくということは、開発と規制の両方の権限を知事が持っているだけに、それなりの効果を期待できるのではないかと思っております。この見地から、また改めましてアセスメントの審議のときに移りたいと思いますが、ぜひとも環境行政に限らず、今後日本の改革に当たりましては、地方分権こそが新しい道を開拓するということをぜひ念頭に置いていただければ幸いだと思っております。
 さて、長官が御就任されまして、環境新聞のインタビューを見ておりまして、本当にいいことを言っていらっしゃるなと思ったことが一つございます。それは、通常環境問題といいますと、私どもはいろいろな開発に対して何か規制を加えるというようなイメージが先に来るのですけれども、長官のお考えによりますと、いや環境はそうではなくて、それが新しい投資のチャンスを生み出していくんだ、ですから環境問題に積極的に対応するというのは経済発展のフロンティアにつながるんだという、非常に前向きなお考えをお持ちだと聞いているのですが、よろしければ、今ちょうど公共事業の中身を見直すとか、これまでのあり方
を基本的に見直す作業が政府内で始まっておりますだけに、長官の御活躍を期待する一人でございます。その点につきまして、長官にもし御所見があれば聞かせていただきたいと思います。
#232
○広中国務大臣 環境対策は、ただ単に企業行動を規制するというだけではなく、結果的に見れば公害防止投資を誘発し、我が国の健全な経済発展を助長した面を持っております。それは私どもが経験したことでございます。このような環境に対する投資は、環境に負荷の少ない経済発展に不可欠なものであり、今日の環境問題も資源循環、環境に優しい商品の開発、企業の環境管理システムといった環境投資を生み、新たな産業化をもたらす効果があります。そして二十一世紀に向けまして、環境は投資のフロンティアと認識すべきである、そういうふうに考えております。健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受し、環境への負荷の少ない社会を構築するためには、このような民間部門における環境分野での投資のフロンティアを積極的に開拓していくとともに、環境の改善や創造に役立つ社会資本の整備が必要となってまいります。
 お尋ねの公共事業についても、環境の保全に関する公共的施設の整備やその他の事業を推進することが必要であり、環境基本法案第二十三条において環境の保全に関する施設の整備、その他の事業を推進することを定めております。環境庁としては、こうした観点に立ちまして、政府、民間における環境保全に関する施設の整備等の推進が図られるように努力してまいります。
#233
○北橋委員 ぜひその卓見を生かされまして、事務当局の皆様方が関係省庁に対して、ぜひそういう見地から新しい投資につながるような、そういった協議を行っていただきたいと念願をするものでございます。
 ちょうどこういったことで思い当たりますのは、中曽根総理のときに、家族という制度を見直すということを総理がおっしゃいまして、そしておじいちゃん、おばあちゃんと孫まで一緒に住みますと大変お金の張る建物になるのですが、それまで公的融資で対象になりにくかったものまでその際やってはどうかということで、新たな住宅投資のチャンスが開かれたことがあります。長官がおっしゃったように、今御指摘の哲学というのは、きっと大きな日本社会の新しいエネルギーにつながっていくように感じておりますので、ぜひそれを具体化していただきたいと希望を申し上げておきます。
 そういったことを今後お願いするに当たりましても、何といっても環境庁の皆様方の権限がもう少し強くならないものか、環境委員の一人として今痛感をいたしております。実は、民社党も野党時代は環境庁を環境省に格上げせよ、それを議論して書いたのはこの私だったのですけれども、今現実問題として庁を省に格上げするということはなかなか容易なことではございません。そこで、これもやはり与党になったんだなということをしみじみ感じながら質問しておりますけれども、できるところからやってみてはどうかなということを感じております。
 まず第一に、環境庁というのは局長クラスは他の省庁から来ておられると思います。非常に有能な、えりすぐりのスーパーエリートの人たちが環境庁を指導されているわけです。それはそれで結構であります。しかし、四十七年に一回生として入庁された方々は今課長クラスだと思いますけれども、これから急速に環境行政が重要性を増す中におきまして、ぜひ生え抜きの、プロパーの方々をどんどん登用していただきたい。
 それは、例えば私も北九州という政令都市に住んでおりますけれども、中央から局長がたくさん来られております。そして、プロパーの方に聞きますと、優秀だけれども、早くおれたちが中心になって役所を指揮するんだという、そういった悶々とした思いもまた一部にあるようでございます。他省庁との関係において非常に仕事がしにくいということはしばしば聞いておりまして、そういう意味もございまして、今後役所の人事政策におきましては、そういったどんどん育ってこられましたこの環境庁入庁一年組を筆頭にしまして、ぜひ内部からの登用を進めていただきたい、そのことを感ずるのでございますが、いかがでございましょうか。
#234
○大西政府委員 お答えを申し上げます。
 環境庁は関係省庁からの出向者で発足をいたした経緯がございまして、御指摘のようにこれまでその出向者の比重が高いという状態が続いてまいりましたが、しかしながら、その年次が過ぎまして、環境庁ができて二十二年、二十年過ぎたという状況になりまして、だんだん、いわゆるプロパーと言われる方々がふえてまいっております。
 ただ、ポイントといいますか問題になるとしますと、環境行政というのは政府全体が抱えます多くの行政分野にまたがっておりまして、そのためにT種行政官の専門職種で見ましても、全職種二十九職種のうちの二十三職種の職員が環境庁にいるということでありまして、ということはローテーションが非常に限られるという問題もございますが、いずれにしましても、しかし今後の環境政策の推進に当たって環境庁プロパー職員を登用するということは極めて重要なことでございまして、御指摘の方向を踏まえながら今後とも努力してまいりたいと考えております。
#235
○広中国務大臣 官房長のお答えで十分なんでございますけれども、しかし一言つけ加えさせていただければ、私は人事交流という意味におきまして、今いろいろな省庁から局長さんなどいらしてくださっている、これはそれで評価いたしますし、また環境庁からすぐれた人材が、プロパーの方が育ちましたらば、ぜひ建設省とか通産省とか他の省庁に出向いたしまして、そしてそちらの行政を環境の視点からやっていただきたい、そのような夢も持っているところでございます。
#236
○北橋委員 いろいろな人事の交流も大事だということはよくわかりますが、つけ加えまして、先ほどと若干矛盾するようでございますが、環境庁で修行されて立派な自然環境の専門家になられた方々を、逆に今度は地方自治体に出向されてはどうかと思うのです。
 といいますのは、局長クラスに行きますといろいろな問題が出てくるようでございますが、むしろ若いときに役所の地方自治体の課長クラスで行きますと、それは大変ないい刺激になって、地元の役場の人たちもいい勉強になりますし、インセンティブになります。また、環境行政は地方分権の視点から進めていくべきだと先ほど申し上げたのですけれども、これからどんどん有能な人材を地方自治体の方へも送り出して、そこでいい指導者を育てていく、そういう人事のシステムをお考えになってはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#237
○大西政府委員 御指摘のとおり、環境行政の第一線を体験するということは非常に大事でございまして、地域に根差した環境行政を強力に進めるという考え方に基づきまして、私どもも環境庁の若手職員をこれまで地方自治体に出向させてまいっております。現在十四名の職員が地方自治体で業務に従事しておられます。また一方、地方自治体からも人事交流という形で我が方に来ていただいておりまして、そういう方々が十一名でございます。
 いずれにしましても、その第一線で地域に根差した環境行政を学ぶということが、将来の環境庁の幹部として環境行政を引っ張っていく上で極めて重要な財産になるというふうに考えておりますので、今後ともその方向で自治体との連携強化に努めてまいりたいと考えております。
#238
○北橋委員 ぜひその面での推進をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。
 さて、環境基本法の早期成立を期した後に、それぞれ環境庁におかれましては具体的な作業に取りかかる段階になると思っております。その中で、時間が限られてまいりましたので一点だけお伺いいたしますと、リゾート法という法律がございます。これは過疎地域におきまして、地域の振興という意味におきまして一定の成果を上げ得た
法律であると思っておりますが、その反面におきまして、乱開発あるいは政官業癒着の何か利権といった問題も一部に出てきておりまして、ちょうどバブルが崩壊をしたということで中止になって、そのまま荒廃したまま残っているというところも出てきております。
 そういった意味で、この環境基本法が成立した後の話でございますので少々気が早い質問でございますけれども、このリゾート法につきまして、一度環境に優しいリゾートを進めるという見地から、思い切った見直しをされてみてはどうかと思うのでありますが、環境庁の方針をお伺いしたいと思います。
#239
○森政府委員 総合保養地域整備法に基づきますリゾート開発という観点でございます。環境庁といたしましては、本来良好な自然環境を生かすべきリゾート地の整備が環境を破壊するというようなことにつながらないように十分注意をする必要があるということは全く同じ感覚であろうと思っておりますが、実はこのリゾート法は、法律の所管という観点から見てまいりますと、国土庁、それから農水省、通産省、建設省、運輸省、自治省、こういう六省庁の所管法律で、環境庁の立場は、その基本構想をつくっていく段階でそれぞれの省庁の大臣が承認をする際に環境庁長官に協議をし、その協議を受けるというのが環境庁長官の法律的な形での立場でございます。したがいまして、今私どもから直ちに法律を改正するという発議をするような立場ではないわけでありますけれども、これまでの経験上、この協議を受けた際にはいろいろなことを申し上げてきておりまして、先ほども申し上げましたような、本来生かされるべき環境が破壊されてしまってはならないという観点から、いろいろ指導助言をやってきているところでございます。
 この目的に沿うようにこれからも的確に対応してまいりたいと思っておりますが、その中でも、特に環境の保全という観点からの検討ということについては、十分意を配ってまいりたいと考えております。
#240
○北橋委員 環境庁のこの法律にかかわっている権限からいたしまして、直ちに指導的な立場でリゾート法見直しを発議することは容易ではないということでございますが、しかし、だれかがやらなければこのままでございますので、それを私どもは大いにバックアップをしてまいりますので、ぜひともこのリゾートの問題につきましても、環境と開発が調和できるように法体系の見直しを御検討いただきたいと思っております。
 この所信表明の中には、「経済的手法の検討」という言葉が簡潔に書かれてあります。これは産業界、経済界にとりまして重要な問題であります。特にその重要性は近年スピードを増しておりまして、それぞれのサミットの会合でもこういった環境税といった発想についての議論が文言に残されてきておりますし、最近では、OECDにおきまして、実質的に環境税を導入している積極的なオランダ等の意見が強く出てまいりまして、基本的には環境税といった、こういったものを検討するような方向でOECDが中間報告を出してきている、そういう段階にあります。ただ、この問題は単に環境だけにとどまらず、いろいろなところに、日本経済全体に与える影響が絶大でございますし、何よりも環境問題の解決は国境を越えております。非常にグローバルな問題でございまして、アメリカやイギリスやフランス、そういった先進国との兼ね合いもまた重要であります。
 そこで、今回の長官の所信表明におきましては経済的手法を検討するにとどめておられますが、本音のところどうなんでしょうか、前向きに検討されるのでしょうか、環境庁の御見解を聞きます。
#241
○森政府委員 経済的手法といったときには、税の問題あるいはそれを賦課金として取るような問題あるいはデポジットの問題ということを広く含んだ言葉として用いていることは、御承知のとおりでございます。その中でもよく議論になりますのは、環境税という言葉で言われているように、これもまた中身は炭素税等といったようないろいろな考え方があるわけでございます。ただいまお話にございましたように、北欧の炭素税あるいはECの炭素エネルギー税、こういうようないろいろなことが動いているわけでございます。
 我々としましては、現在環境税を初めとして各種の経済的手法、これを引っくるめて、その環境改善効果あるいは経済に与える影響などにつきまして検討会を設けまして勉強を進めているところでございます。これからも、もう少し内外の研究成果あるいは外国におきます政策の実際などを参考に検討を進めていく必要があろうと考えております。
#242
○北橋委員 時間があればもっとこの問題について議論をしたいところでございますが、やはりグローバルな観点からの解決が望まれているわけでありまして、例えばオランダの国のように、やろうじゃないかというところもあれば、我が国と同じような、イギリスやフランスやアメリカ合衆国のように持続可能な発展を目指して悪戦苦闘しながら環境問題に取り組んでいる国々の例も、また大事なのであります。それらの欧米諸国におきましては、必ずしもオランダのような積極論ではありません。むしろ、どうすればそういった負担の問題が調和のとれた形になるのか、今悩み抜いている段階にございますので、その辺を十分参酌の上、検討を進めていただきたいと思います。
 時間が参りましたので、あと一問だけ長官にお願いしたいと思います。
 先般、私は内閣官房長官のお説を承ったときに、軍事的な面での国際貢献も大事であるけれども、むしろそれ以上に日本は、緑のPKOということに見られますように、環境問題での積極的な国際交流が望まれているのではないかというお話を聞きまして、大変感銘を受けた一人であります。その見地から、まず外務省の方には、地球環境問題において日本がリーダーシップをとっていく決意を再三長官は示されているわけなんですが、そのためにも、国連改革の一環になりますけれども、国連に地球環境の常任理事会をつくってはどうか、その中で、日本も大変なODAその他の負担をしているわけでございますから、胸を張って積極的にその新しい常任理事会において活動を展開していく、そういった場を設けてはどうかという提案でございますが、外務省の見解を聞くと同時に、時間がもう参りましたので、最後に環境庁長官に、話が飛んで恐縮でございますけれども、今後、環境基本法の成立後、各省庁との間の話し合いがたくさんふえてくると思います。そのときに、今のような環境庁の権限でいいんだろうか。ところが、その権限の問題を議論すると、役所の弱いところ、アキレス腱は縄張り争いでありまして、なかなかうまくいかないと思うのです。そういった意味では、総理も環境問題については非常に意欲を持ってお進めでございますから、環境庁長官の方から、ぜひとも総理と一心同体になられまして、そういった各省庁にまたがる権限についてはより強められる方向で努力をしていただきたいと思うのでございますが、以上二つをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#243
○金森説明員 国連におきましては、従来から、国連環境計画が環境に関する諸活動の総合調整を行ってきております。また、今般、昨年リオで開かれました国連環境開発会議、いわゆるUNCEDの成果を着実に実施するための政府間組織として、持続可能な開発委員会が設立され、実質的な活動が開始されたところでございます。
 我が国といたしましては、地球環境問題は全世界的な取り組みが必要であることから、国連が環境問題に対し包括的に対処し得る強力な体制を形成することが重要であると考えておりまして、国連環境計画あるいは持続可能な開発委員会といった、環境に関する国連機関の活動を引き続き積極的に支援し、またその強化に努めてまいりたいというふうに考えております。
 御指摘のございました環境理事会といったものの設置につきましては、このような改革の全体像の中でその必要性について考えていく必要がある
というふうに考えておりますが、当面は、先ほど申し上げましたような国連環境計画あるいは持続可能な開発委員会といった枠組みを通じて地球環境問題に全世界的に取り組んでいくということが先決であり、また、そうしたアプローチが適当であるというふうに考えております。また、そうした考え方が現在の国際社会の主流であろうというふうに理解しております。こうした点にかんがみまして、環境理事会の設置といったことにつきましては、現状、現実問題として困難でございますし、また必ずしも必要ないのではないのかというふうに考えております。
#244
○広中国務大臣 環境庁は、他省庁にもまたがりますさまざまな政策を環境面から十分チェックし、また政府と一体となって環境政策の展開に中心的な役割を今後とも担っていきたいと思いますので、どうぞ皆様方の御支援をよろしくお願いいたします。
#245
○北橋委員 どうもありがとうございました。
#246
○奥田委員長 岩佐恵美君。
#247
○岩佐委員 きょうは私は水問題に絞りまして質問をいたしたいと思います。
 ことしの十月十二日発表の東京都のアンケート調査によりますと、東京の家庭の三割が浄水器を使っています。その理由に、「おいしい水にするため」という方が四五・五%、「臭いが気になった」三四・三%、「水に不安がある」三三・八%、こういう理由を挙げておられます。
 水道水の臭い水が問題になっておりますけれども、厚生省の調べでは、約二千万人の方々がカビ臭い、味が変と感じ、その数はこの七、八年で全国レベルでは三倍にふえています。関東地方では、五年前に比べて二・五倍から三倍にふえています。このような中で、安全でおいしい水を、の要望はますます強まっています。この点についての長官の御認識をまずお伺いしたいと思います。
#248
○広中国務大臣 国民が安全で良質な水の供給を望んでいることは十分認識しており、水質保全行政を預かる環境庁といたしましては、水道の水源となる公共用水域等の水質保全を図ることは大変重要な任務と認識しております。
 このため、トリハロメタンやカビ臭の対策など国民が求めている課題につきまして、中央公害対策審議会に御審議をお願いしているところでございまして、その答申を踏まえて対策を総合的に進めていきたい、そのように思っております。
#249
○岩佐委員 今、厚生省は水道水源保全のための法律が必要との認識に立って各省庁との詰めの作業を行っている。そう伺っています。なぜ総合的な規制法が必要と考えられたのか。また、厚生省の有識者懇談会の提言の基本はどういうものだったのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。
#250
○金子説明員 お答えいたします。
 最近の水道水をめぐる問題に対応するため、昨年の十二月に生活環境審議会の答申に基づきまして、水道の水質基準の抜本的改正を行ったところでございます。
 その際に、審議会の答申の中で、水源保全の対応を早期に講じるべきとの御指摘をいただいております。これを踏まえまして、専門家にお集まりをいただきまして御検討いただきました。その結果、本年二月にまとめられました報告書におきましては、公共用水域を全体としてとらえた対策が進んでいる中で、水道の水という人の健康に直結するものの水質としましてはさらに問題が残されており、その問題を解決するためには、マクロ的な対策に加えまして、水道が河川などから水を取り入れる地点に焦点を当てました各般の実効性のある対策をきめ細かく講ずることが必要であるといった趣旨の御報告をいただいております。
 これまで、水道水のもととなる水に特に着目をした制度がないために、水道が取り入れる水に特化した対策を効果的に講ずるための新しい法制度の検討を進めてきたところでございます。本年の十二月に新しい水道の水質基準が施行されますが、これを控えまして、関係各省の御理解と御協力をいただきながら、ぜひこの臨時国会に法律案を提出させていただきたいと考えておるところでございます。
#251
○岩佐委員 少し個別問題について伺いたいと思いますけれども、一般廃棄物処分場、八王子市の戸吹の問題について伺います。
 九一年から九二年にかけての環境アセスのための水質検査で異常に高いBOD、CODの数値が出ました。この処分場は八六年にゴムシートが破損して事故を起こしました。その後、地下水管の汚水も浸出水と一緒に処理施設で処理をして排水をする、そういうことになっていると承知をしていますけれども、その点、事実関係、いかがでしょうか。
#252
○三本木説明員 御説明申し上げます。
 先生御指摘のありました件につきましては、過去におきまして最終処分場のシートがいわば破損をしたということで、本来予定をしていなかった、シートの下のいわば敷いております集水管でそのシートの上にたまった水もあわせて集めていくというような改良工事を行ったところでございます。
#253
○岩佐委員 実は、九二年度のこの戸吹の水質分析結果では、浸出水のBODの最大値が三百四十ミリグラム・パー・リッター、CODが二百二十ミリグラム・パー・リッター、今の地下水、これについてはBODが三十六ミリグラム・パー・リッター、CODが九十ミリグラム・パー・リッターとなっています。
 先ほど琵琶湖のCODの値を伺っておりますと、この値というのは相当な汚染度だということがわかるわけですけれども、この数値から見ると、明らかにゴムシートから汚染が外に広がっている、そういうことを示しているのではないかというふうに思いますが、その点、いかがでしょうか。
#254
○三本木説明員 ただいま先生御指摘になりました件につきましては、まさに本来といいましょうか、当初予定していた、遮水シートのいわば下に敷設してあります集水管でありますが、この管は地下水をいわば排除するという考えでおりました。ところが、事故というのは、シートがいわば破損しているということから、そのシートの上にたまった水も地下水の集水管で集水をしております。現在それは、その意味からすると、遮水シートの上にたまりました浸出水は、当初地下水の排除を予定していた管に入っているというふうに考えざるを得ないと思います。むしろそれを前提にした形で、その後に汚水処理施設を設けて公共用水域への排除をしている、こういうような形になっております。
#255
○岩佐委員 非常に複雑な説明ですけれども、要するにゴムシートだけでは間に合わないということですね。それが漏れているから、だからそれだけのCODとかBODの高い値が出ていたということです。
 戸吹からの汚染水が流れ込んでいる大棚川というのは都民の飲料水である多摩川の支流に当たります。そして今、日の出町のごみの最終処分場、ここでも付近の井戸だとか川などの水質汚染が大きな問題になっていることは御承知だと思います。川の上流に、飲料水や地下水の源流、そういう部分に、プラスチックなど有害な化学物質を含んだごみを埋め立てる、そういう施設をつくるべきではないという、そのことをこの事例というのは示しているのではないかと思います。
 厚生省として、谷戸沢それから日の出、この処分場の水質汚染というのは非常に重大な問題ですので、ぜひ国としての厳重な調査、チェックをしていただきたい、そう思いますが、いかがでしょう。
#256
○三本木説明員 一昨年、廃棄物処理法を改正いたしました。その際に、先生御指摘の、水道水源に近いそういう最上流のところで処分場をつくること自体がいいか悪いかという議論がこの国会でも行われたわけでございます。その際に、法案を改正いたしまして、届け出制からいわば許可制に切りかえるという、権限としては極めて重い権限を都道府県知事に付与されたわけでございます。
現在そういったことで、立地自体を規制できるかどうかというところはかなりそのとき問題になりました。しかし、立地自体はなかなか規制はできないにしても、許可制をしくということで、その地域に配慮した形というものがとれるのではないかということで法律改正をしたわけでございます。
 そういったことで現在運用しておりますが、先生御指摘のような最終処分場のいわば遮水のあり方とかあるいは環境対策のあり方については、私ども現場についてもよく東京都を通じまして把握しておりますし、また遮水のあり方についても、現在検討会でもって検討しているというようなところでございます。
#257
○岩佐委員 同じ八王子市の川口町にある産業廃棄物処分場問題について伺いたいと思います。
 ここでは、ことしの八月に処分場から黒沢入川に汚水が流れ出しました。下流の集落に卵の腐ったような悪臭が漂い、住民から苦情が寄せられました。ここは安定型の処分場です。私は、この事故の後現地に調査に行きました。処分場の近く、百メーターぐらいのところに行きますと、硫化水素のにおいが強烈に漂うというようなことでございました。安定型の処分場だからといって水質を汚濁させないという保証がないことを今回の川口町の処分場の事故は示していると思います。安定型の処分場の基準の見直しを含めて、これを厳重に規制をしていくべきだと思いますけれども、その点についていかがでしょうか。
#258
○三本木説明員 御指摘の八王子市の産業廃棄物の処分場につきまして、経緯は先生御指摘のとおりだと思っておりますが、私どもといたしましては、現在この問題については東京都から事情を聞いております。必要によりましては、指導していくということも必要ではないかと思います。
 一般論といたしまして、安定型処分場については、確かに小さな処分場は現在許可の対象になっておりません。ある一定規模以上のものしか許可の対象になっておりません。許可の対象になっている大規模なものについては、御指摘のように構造基準とかもろもろの基準があるわけでありますが、したがって、その規模の小さいものについてどうするかということについては、近々でございますけれども、やはり安定型の産業廃棄物だけをきっちりと入れさせるということがまず第一に必要だろうというふうに考えておりまして、できれば近々安定型最終処分場のいわば搬入管理と申しましょうか、こういうものを徹底させるべく、必要によってはその指導をしていきたいなというふうに今考えております。
 根本的にこれで対応ができるのかという問題があるわけでありますが、今まで私ども全国調べたところでは、確かに十数件そういった事故はございました。それは現場、現場でまずは解決していくというような考え方で当面対応をしていきたいというふうに考えております。
#259
○岩佐委員 戸吹のごみ処理場についても、それから今の川口町の産業廃棄物の処分場につきましても、これは両方とも最終処分地の所有者はゴルフ場なのです。後者についてはゴルフ場の真ん中にある産業廃棄物の最終処分場でありまして、住民の皆さんはそこにそんな処分場があるというのは全く知らなかったというような事態になっていて、これが埋め終わると一体どうなるんだろう、持っているのはゴルフ場の方ですから、そうすると、ごみで汚して次はまたゴルフ場になるのか、農業で汚染されるのかというようなことで非常に住民の皆さんの疑惑の目が注がれているわけです。そういう意味では、本当に水道水の源流、水源に当たるそういう川については、あるいは地下水などについては、きちんとした配慮がされていかなければいけないというふうに思います。
 次に、長官に住民の皆さんが直接陳情されました八王子の天台峰の問題について伺いたいと思います。
 この天台峰は約百七十ヘクタール、五十一万坪の広大な丘陵地です。ここは現在公団が持っているわけですが、公団がこれを開発してハイテク産業の研究開発施設を誘致する、そういう計画です。
 この計画に対して、この計画を認める、そういう立場をとっている八王子市長でさえ意見書で、産業・研究所用地内施設から排出が予想される有毒ガス、悪臭及び有害排水等、工場排水系の汚水の量並びにこれらに対する防止対策についてのアセスを行うよう求めています。そして、汚水排水による漏水の発生や地下水の汚染を懸念して、下水道への接続の際の条件によって運転管理や放流水質への影響が想定されると、水質の汚染を懸念しています。また、処理水の浅川への放流、浅川というのは大変大事な水道水源の川ですが、こういう浅川への放流について、暫定汚水処理施設の流量及び汚濁負荷の与える影響が大きいと危惧しているわけです。
 ハイテク産業というのは、どんな化学物質を使用しているかを企業秘密と称してなかなか言わない、これはもう公知の事実でございます。私たちも何度がこれで苦労しています。このようなハイテク産業が水源水の上流部に誘致をされる、これは重大なことだというふうに思いますけれども、この問題について環境庁のお考えを伺いたいというふうに思います。
#260
○広中国務大臣 御指摘の工業団地は、八王子川口土地区画整理事業であると理解してよろしいでしょうか。――この土地区画整理事業によって具体的にどのような産業が立地されることになるかということはまだ明らかになっておりませんけれども、環境アセスメントを行った東京都では、有害物質による地下水汚染防止等の対策を講じる旨の評価書を既に作成しております。環境庁としては、東京都において水質保全の観点から適切に対処されている、そのように思っております。
#261
○岩佐委員 今、多摩の地域においては、あちこちの地下水からトリクロロエチレンなどの有害物質がかなり検出をされて、その量も箇所も一向に減らない、むしろふえる、そういう傾向にあるわけで、つくるときは大丈夫大丈夫と言うのですけれども、これが結果的には重大な問題を引き起こしているということですので、そういう施設を水道の源流部につくるというのは、本当に私たちはこれはもうやるべきではないというふうに思っています。
 ちょっと次の視点に移りたいのですが、私は先日、東京都の水源林を見てきました。これは奥多摩湖の上にある水源林ですが、東京府のころの一九〇一年から計画的に森林を買収、整備をし始めて、約九十年かけてつくられた天然林が主体の二万一千ヘクタールの水源林というのは本当に見事なものでした。二百万人の水がめの森林管理費というのは年間六億円です。それに比較して金町の浄水場というのは、もしかしたら行かれたことがあるかもしれませんが、私は前に環境委員会として現地に行って、余りの汚さにショックを受けたのですけれども、この金町の浄水場に高度の浄水施設がつくられました。それでにおいをとるとか、そういうことになったのですが、二百五十万人分の水がめの四分の一がそれで解決をされたわけですけれども、それに費やされたお金は百八十二億円です。このことから、上流部分できちんと規制をする、環境設備をしていく方がずっと経済効率がいいと私は思います。
 それから、森林はダムの四倍から五倍の貯水能力がある、そういう具体的な推計もあります。天台峰は二百九十九・九メーターと低山ですけれども、深い谷が幾つも入り組んでいて、水田もあったところで、年間降水量二百五十五万トンの小さなダムに匹敵をする、こういうふうに言われているところです。こういう豊かな森林を、本当に今国家百年の計に立って必要なときに守っていく、そういうことが孫子にとって必要なんじゃないか、そういうふうに思うのですけれども、長官の御意見を伺いたいと思います。
#262
○広中国務大臣 森林は自然環境の保全に役立っているとともに、水質を浄化するなど水質保全面でもその大きな役割を持っておりまして、御指摘のとおり、その保全が極めて重要でございます。
 環境庁といたしましても、農林水産省と連携を図り、その積極的保全を支援してまいりたいと思っております。
#263
○岩佐委員 天台峰の問題ですが、ことしの六月十五日に、この開発計画のちょうど真ん中にオオタカの営巣が確認されました。三羽のひなが巣立ちました。オオタカは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律で国内希少野生動物に指定されています。きょう長官の所信表明でも、この問題に取り組んでいかれるという決意があって、私たちも心を強くしているところですけれども、実は、この問題について、市議会では開発計画中止の請願が二万五千人分出されています。見解書への意見書というのは五万九千通にも上っています。天台峰の開発をやめてオオタカを守れ、豊かな自然を子供たちに残そう、そういう市民のかつてない大きな運動が広がっています。この所有者は公団です。そして東京都は、例えばこの土地を自然公園として残そうというために年間九十億円くらいの予算も持っていると聞いていますけれども、そういうことなども勘案しながら、ぜひ環境庁のお力添えで、都や公団に対してオオタカに関する適切な実態調査を行うように、あるいは生息地を保護するためにそっくり緑をそのまま残すようにというような御指導をいただきたい、そのことをお願いしたいと思います。
#264
○広中国務大臣 オオタカは、旧特殊鳥類法に基づく特殊鳥類に指定されておりましたが、本年二月に種の保存法の施行に伴い、国内希少野生動植物に指定されたところでございます。当該事業の予定地は、オオタカの営巣地が発見されたことから、地元におきまして学識者や住民代表で構成される検討会を設け、オオタカの調査及び保全措置の検討を行うこととしたと伺っておりまして、私もその代表の方とお目にかからせていただきましたが、環境庁といたしましては、これら一連の調査検討の状況を注意深く見守ってまいりたいと思っております。
#265
○岩佐委員 実は京都の事例だというふうに伺っていますけれども、オオタカの営巣木が見つかったら周りの木を全部切ってしまってひどいことになってしまった、オオタカの巣を壊すような調査がやられたというふうに伺っています。ちょうどこの計画地のど真ん中に巣が確認をされているわけですので、開発者というのはやはり開発の障害になるということで、半径五百メーターでずっと円をかくと、もう恐らくこの開発は不可能になるというところにちょうどオオタカの巣が見つかったということですので、実態調査についても本当に、ただデータをつくって、それも一年とかそういうことで、オオタカというのは毎年毎年つくるとは限らないというのですね。一年くらいでお茶を濁すとか、あるいはもうそういう巣をつくれないような状態にする調査をやるだとか、大変なことになっている、そういう事例もあるようですけれども、ぜひひとつ、一年じゃなくて、最低でも三年間くらいはウォッチをしなければいけないとかそういうようなことで強力な、本当にもうトキみたいになったり、あるいはイリオモテヤマネコみたいになってしまってからでは遅いわけなんですね。
 何かオオタカというのは非常にゆったりした鳥で、カラスなんかが来ても直接けんかしないで、戦えば勝てるのだそうですけれども、何といいますか、鷹揚に構えてすうっとかわしていくというような、本当にゆったりした鳥だそうですけれども、そういうオオタカを守るのは今環境庁しかないわけですから、そういう点で改めて環境庁なりの御決意も伺っておきたいというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
#266
○奥村政府委員 お答えをいたします。
 現在検討会が設けられておりまして、専門の学者の方々、それから地元でタカに詳しい方もメンバーに入っておられるというふうに承知しておりますので、私どもとしてもその検討を見守りたいと思っております。
#267
○岩佐委員 水の対策について、現状では不十分だから国民が不安と不満を持っているのですけれども、今安全で良質な水の確保のために早急に水源保全のための法律をつくるべきだと考えます。
 先ほど話があったように、厚生省は保護区域の指定だとか有害物質や農薬の規制、ゴルフ場や産業廃棄物処理現場等の開発規制を含む立法化をやりたいということで準備をして、今度の臨時国会の中に出したいということで作業をしていると聞いているわけですけれども、この問題について環境庁が先ほど中公審に諮問をしているということでしたけれども、ぜひ今度の国会に間に合わせるというくらいの決意でこの問題に取り組んでいただきたいと思います。
 これは、有害物質の場合いつも言われることですけれども、もとの汚染というものをそのままにして、幾ら下流でもってそれを処理しても間に合わないという実態だと思うのです。今度の水道水の場合でも、塩素消毒してトリハロメタンなどの有害物質が出てくるとかいろいろな問題があって、蛇口をひねりっ放しにしてぞうきんで幾らふいても、ぞうきんが何枚あったって足りないということですので、ぜひ環境庁としてこの問題に積極的に取り組んでいただきたい。
 報道によると、何か縄張り争いみたいだというような報道もあります。環境庁が規制にブレーキをかける、そういうふうに言われるようでは環境庁の名が泣いてしまうのではないかと私は思います。環境庁こそ本当に総合的に水の元、さっきずっと話をしましたけれども、例えば一般廃棄物の処分場だとか産業廃棄物だとか、あるいはハイテク産業の規制だとかゴルフ場だとか、あるいは農薬規制だとか、そういうものをやっていけるのは、私は環境庁だと思うのですね。あるいは森林保護も、大きな環境を守るという立場に立ってやっていくべきだというふうに思います。ぜひその辺の御決意を長官からしっかりと伺わせていただきたいと思います。
 それから、あわせましてちょっと、厚生省の報道によると、何か厚生省が下水処理施設だけ切り離すとか、何か家庭用雑排水を切り離して今度の臨時国会で何とかやってしまおうというようなことが報道されているわけですけれども、せっかく統一的にやろうというときに、ばらばらにやるのではどうしようもないというふうに思うのです。その点、最初にちょっと厚生省から伺って、後環境庁長官からその御決意を伺いたいというふうに思います。
#268
○金子説明員 厚生省といたしましては、本年十二月に新しい水道の水質基準が施行されますので、それまでに最善の措置をとる必要があるということで、今臨時国会に法案の提出を準備しております。法案の内容につきましては、現在、政府部内で調整中でございます。
#269
○広中国務大臣 水道水のトリハロメタンやカビ臭の対策など、現在国民が求めている問題に適切に対処することは、水道水源となる公共用水域等の水質保全行政を預かる環境庁といたしましては、非常に重要な課題と受けとめ、既に中央公害対策審議会に御審議をお願いしたところでございます。
 環境庁といたしましては、その答申を踏まえ、厚生省を初めとする関係省庁とも十分に調整、協力いたしまして、先ほど先生がおっしゃいました点を含めまして総合的な対策を進めてまいりたい、このように思っております。
#270
○岩佐委員 しつこいようですけれども、厚生省がその法律、関連のものだけを先にやってしまうということになりますと、では総合的にやるというものが後継になってしまう、そういうおそれがあるという、こんな危惧もされているわけですね。本当に国民は安全でおいしい水を望んでいるわけですね。それは私たちの世代だけではなくて、本当に孫子の世代まで大事な問題なわけです。
 そういう点について、中公審があるからというふうになると、総合的にと環境庁の方が言われても、今厚生省の話にあるように臨時国会の中で切り離してその部分だけ出しますということになりますと、一体総合的な部分というのがどういうふ
うになってしまうのか、非常に私たちとしては心配になってくるわけですね。その点、ちょっと環境庁の方のお話を伺いたいと思うのです。
#271
○野中政府委員 水道水の問題、いろいろございますけれども、トリハロメタンの問題とか異臭味の問題とか、いろいろな問題があるわけでございますけれども、この対策といたしましてはいろいろなものが実は考えられるわけでございます。
 例えば、トリハロメタンとなります原因物質の排出規制をどういうふうにしていくのか、それ以外の有害物質もいろいろございますけれども、その規制をどのように強化をしていく必要があるのか。それから、ゴルフ場の問題がございましたけれども、農薬につきましても現状のいろいろな措置で十分なのであるかどうかといったような問題もございます。それから、カビ臭の問題というようなことになりますと、浄水場における高度処理を行えばほとんど取れるということもございますが、そちらでどの程度対策を講じるのかということとあわせまして、特に湖沼等の対策が必要でございまして、これは現状でも対策がございますけれども、それをさらに強化していく問題。それから、生活排水につきましても、ある程度生活者の方々に排出を制限していただかなければいけない問題、あるいはそういう生活者の方にお願いをするということになりますと、一方で、規模の小さい事業場、現在は規制の対象となっておりませんけれども、こういうところに規制をお願いしていかなければいけないというような問題がございます。そういたしますと、実はそれに関連をいたしまして、そういうような規制を受ける方々というのは上流の方々あるいは上流の市町村ということでございまして、受益をするのは下流の方々というような問題もございますので、上流の方々にだけ負担をかけて下流の方が受益をするといったような問題をどういうふうに調整していくのかというような問題もございます。そういう中で、先ほども申し上げましたような下流の浄水場でどの程度対応できて、そこでの限界があるから上流でどの程度の規制を強化していかなければならないのかというような問題があるわけでございまして、実はこの問題につきましては、事業の推進と同時に規制の問題、規制の問題ということになりますと、それの負担を受ける方々のコンセンサスを得なければいけない、あるいは上流と下流で調整をある程度していかなければいけないというような問題も含んでまいりますので、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたような中央公害対策審議会の中で、それぞれの分野の方々あるいは科学的な分野に詳しい方々の御意見を伺ってやっていく必要があるのではないかということでやっているわけでございますが、同時に、国民の大変関心の高い問題でございますので、これらの審議につきましては、今のような中公審の審議をほとんど毎週のように開きまして、大臣御答弁ありましたように、でき得れば十一月末ないし十二月の答申を目指して今鋭意検討を行っているところでございます。
 そういう答申が得られれば、私どもは、今先生お話のございましたような問題を含めまして、総合的にこの水道水質の問題についてどういう対策を講じていくのか、そのうちで法律にする部分はどういう部分なのかというような全体像を、関係各省とも協議をしながら取りまとめられるのではないか、ぜひできればそういうふうにしていきたいというふうに思っているところでございます。
#272
○岩佐委員 伺った限りでは、厚生省が目指しているものも環境庁が目指しているものもそう変わらないというふうに思うのですね。ただそれが、何かどこかで足並みがそろわないでややこしくなって、そして片っ方が見切り発車で行くみたいな、そういうふうなことになってしまうと、それはそれで必要なことであるならば総合的な中のその一つだということになるのかどうか。その辺もはっきりしないまま見切り発車になってしまうということになるのでは、これはもう利用者にとっては大変不安なことですので、ぜひ、そういう縦割りを総合的にしようという考え方が今強まっているときですから、調整を強力に行って、これだけ課題が急がれているわけですからそれも大急ぎで作業していただくということで、しつこいようですけれども、最後に長官の御決意をお伺いしたいと思います。
#273
○広中国務大臣 御趣旨に沿いまして努力させていただきます。
#274
○岩佐委員 終わります。どうもありがとうございました。
     ――――◇―――――
#275
○奥田委員長 次に、園田博之君外七名提出、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。園田博之君。
    ―――――――――――――
 水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の
  一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#276
○園田議員 ただいま議題となりました水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 水俣病対策は環境行政の重要課題の一つであり、水俣病患者の迅速かつ公正な救済のためには、まず、その認定業務を促進することが求められております。
 この認定業務は、基本的には、公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる補償法に基づき、関係県知事等により行われておりますが、その促進を図るため、これまで熊本県において検診・審査体制の充実強化が図られる等の措置が講じられ、さらに昭和五十三年十月に本臨時措置法が制定され、翌昭和五十四年二月十四日から施行されました。その後、昭和五十九年、昭和六十二年及び平成二年に認定申請期限を延長する等の改正が行われ、現在に至っております。
 現行の臨時措置法においては、旧公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法、いわゆる旧救済法により県知事等に対し水俣病に係る認定の申請をしていた者及び補償法により昭和五十七年八月三十一日以前に同じく申請をしていた者で当該申請に関する処分を受けていないものは、平成五年九月三十日までの間、環境庁長官に対して認定の申請をすることができることとなっておりました。
 臨時措置法施行を含む国及び県の認定業務促進に係る努力の結果、一時は六千人以上を数えた未処分者数は平成五年九月末現在で約二千二百人にまで減少してきております。しかしながら、なお相当数の未処分者が存在する状況にあることから、長期にわたる申請滞留者を速やかに解消することにより水俣病対策の推進に資するため、この法律案を提出した次第であります。
 以下、法律案の内容を御説明申し上げます。
 第一は、認定の申請期限の延長であります。
 旧救済法または補償法による水俣病に係る申請者でいまだ申請に関する処分を受けていないものは、平成八年九月三十日まで環境庁長官に対して認定の申請をすることができることといたしております。
 第二は、環境庁長官に対して認定の申請をすることができる者の範囲の拡大であります。
 補償法による水俣病に係る申請をした者で環境庁長官に対して認定の申請をすることができるものの範囲を、昭和六十二年八月三十一日以前に補償法による申請をしていた者でいまだ申請に関する処分を受けていないものまで拡大することといたしております。
 なお、この法律は、公布の日より施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#277
○奥田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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