くにさくロゴ
1993/10/26 第128回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第128回国会 環境委員会 第3号
姉妹サイト
 
1993/10/26 第128回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第128回国会 環境委員会 第3号

#1
第128回国会 環境委員会 第3号
平成五年十月二十六日(火曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 奥田 幹生君
   理事 中村正三郎君 理事 福永 信彦君
   理事 谷津 義男君 理事 岡崎トミ子君
   理事 笹山 登生君 理事 大野由利子君
   理事 小泉 晨一君
      野田 聖子君    橋本龍太郎君
      林  幹雄君    細田 博之君
      持永 和見君    与謝野 馨君
      金田 誠一君    田中 昭一君
      北村 直人君    松沢 成文君
      田端 正広君    竹内  譲君
      宇佐美 登君    高見 裕一君
      北橋 健治君    岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  細川 護煕君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 広中和歌子君
 出席政府委員
        内閣法制局第二 秋山  收君
        部長
        環境庁長官官房 大西 孝夫君
        長
        環境庁企画調整 森  仁美君
        局長
        環境庁自然保護 奥村 明雄君
        局長
        環境庁大気保全 松田  朗君
        局長
        環境庁水質保全 野中 和雄君
        局長
        国土庁計画・調 糠谷 真平君
        整局長
        外務大臣官房審 野上 義二君
        議官
        大蔵省主計局次 中島 義雄君
        長
        大蔵省主税局長 小川  是君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力局核燃料課原 川原田信市君
        子力バックエン
        ド推進室長
        外務省総合外交
        政策局外務参事 河村 悦孝君
        官
        文化庁文化財保 若松 澄夫君
        護部記念物課長
        通商産業大臣官 大宮  正君
        房審議官
        建設省建設経済
        局調整課環境調 馬渡 五郎君
        整室長
        建設省建設経済 河崎 広二君
        局宅地開発課長
        建設省道路局国 辻  靖三君
        道第一課長
        環境委員会調査 西川 義昌君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十六日
 辞任         補欠選任
  前田 武志君     北村 直人君
同日
 辞任         補欠選任
  北村 直人君     前田 武志君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 環境基本法案(内閣提出第五号)
 環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関
 する法律案(内閣提出第六号)
     ――――◇―――――
#2
○奥田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。橋本龍太郎君。
#3
○橋本委員 きょう総理が本委員会に出席されるということを先ほど聞きました。そして、総理が見えるまでつないでいろと言われましたので、しばらくの時間、皆さんの御協力をいただきたいと思います。
 と同時に、この委員会で質問させていただくことは、私にとりましては大変感無量のものがあります。昭和四十五年の秋、いわゆる公害国会と言われる臨時国会が開かれましたとき、私は、政府側の一人として答弁の責任者の中におりました。そして、その当時の議論というものが、今考えてみますと、大変真剣な議論でありましたけれども、お互いに随分欠落していたことが多かったなということをしばらく前から考えさせられるようになってきました。環境庁という役所、生まれてまいりましたプロセス、当初想定されました役割、そうした中でかなえの軽重を問われるような問題が生じてきた。その当時の我々の議論が、将来を見通すという点において随分欠落していた、しばらく前からそうした反省をする機会がだんだんふえてまいりました。
 今回、解散によって成立直前でありましたものが廃案という運命をたどった環境基本法、改めて国会に提出をされ、私自身も賛成でありますし、恐らくどなたも御反対の方はないと思います。環境基本法がこれからつくられようとしていること、大変感無量のものがあります。それだけ、公害対策基本法にいたしましても自然環境保全法にいたしましても、時代が大きく変わってきたということを考えざるを得ません。それだけに、基本的に我々は、この法案が一日も早く施行され、関連する各法律というものがこの環境基本法の精神によって見直され、より国民にとって望ましい姿のものになるように、そこまでのこれからの努力を政府に心から期待いたしたいと思いますし、また、そのプロセスにおいて我々が手伝えることがあれば積極的に手伝っていきたい、まずこのことを申し上げたいと思います。
 そこで、きょう私はお尋ねしたい問題点を三つに絞り込んでいきたいと思います。
 まず最初にお尋ねをしたいことは、環境アセスメントというものをどう考えていけばいいかということであります。
 調査室がつくってくださったこの資料を拝見しながら、その当時を改めて振り返っておりましたが、政府が環境影響評価法案を提出しようという努力を始めましてから提出までに随分の時間がかかりました。そして昭和五十六年四月、第九十四回国会に提出をされたわけでありますけれども、残念ながら、ほとんど審議がされないままに継続、継続という毎日を繰り返した。そして五十八年十一月、衆議院の解散に伴って審議未了、廃案という結果になりました。その反省の中から、五十九年八月に環境影響評価法案をいわば基本として「環境影響評価の実施について」の閣議決定が行われて、今日まで続いております。
 先般、たまたま環境関係のメディアのインタビューを受けましたときに、環境アセスメントの法制化というものについてどう思うかというお尋ねをいただきました。私は、この環境基本法の原案を政権与党として議論いたしておりましたときから、最近それぞれの分野において進められている環境アセスメントの実績というものはそれなりにきちんと評価したい、そして、これから先もそれぞれの分野におけるアセスメントというものがきちんと行われていくならば、強いて環境影響評価法案をつくらなければならない、あるいは環境基本法の中で環境影響評価法案をつくると明言する必要もないかもしれない、しかし、もし必要が生じれば、いつでもその環境アセスメントについて法制化ができる基礎になる条文は基本法の中に入っていますよということを申し上げました。
 私は、本来、それぞれの事業者がみずからの良心に照らして環境アセスメントというものは実施していかれるべきものだと思っています。それだけに、わざわざアセスメント法案をつくらなければならないような事態が来ないことが一番望ましい。しかし、これから、今我々が予測しない分野において新たな問題を生ずる可能性は常にあるわけであります。必要となればいつでも環境影響評価法案というものを提出できる準備を政府としては整えておかれるべきだ、そういう気持ちも持っております。
 我々がこの環境基本法案を自由民主党政権時代につくりましたとき、私はかかわった者の一人として、この基本法の中におけるアセスメントの位置づけを今申し上げたような観点でやってきました。国会における修正部分を踏まえて新たに提出をされました今回の法案でありますが、この部分についての考え方は共通であると思います。
 そうした認識について、これでよろしいかどうか。もし政府としてこれに対して異なるあるいは付加する御意見がおありであれば、この機会にぜひお聞かせをいただきたいと思います。
#4
○広中国務大臣 日本に公害がまき散らされていた時代から、環境庁設立に向けて、そしてさまざまな環境行政にお力を尽くされました、私にとっては政治の分野での大先輩から御質問を受けて、大変緊張しているところでございます。
 ただいまの御質問というよりは御意見を本当に心して拝聴したところでございますけれども、環境影響評価につきましては、政府としてはこれまでも閣議決定要綱や個別法に基づいて的確な推進を進めてきたところでございます。今後とも現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関し、関係省庁一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえ、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、法制化をも含め所要の見直しについて検討するというふうにしております。
 このことは去る八月二十七日の参議院本会議におきまして細川総理から答弁申し上げたところでございまして、その内容は前通常国会での環境基本法案の審議の際の総理答弁と同じでございます。
#5
○橋本委員 言いかえれば、必要があればいつでも環境影響評価法案をつくる用意は政府としてはある、しかしそれをつくる必要のない時代で、それぞれの事業者の良心において環境影響評価というものが行われていく状態の方が望ましい、そうした点では同じような考え方を持っていただいている。必要があればいつでもつくるという体制はできている、こう承って安心をいたしました。
 もう一つ、これはどうも質問というよりも、私も、自分の整理できていない部分をここで皆さんに聞いていただきたい。その上で長官の御意見も承れればと思うのは、環境税というものについてです。
 OECDの環境税に対する報告書あるいはECの炭素・エネルギー税法案、そしてアメリカのクリントン大統領が提案をされた新エネルギー税、こうしたものが次々に報道される中で、一時期大変日本の国内でも環境税というものについての議論が出てまいりました。そして、その環境税というものについての議論は、大変先進的なといいますか、非常に過激な意見から非常に消極的な意見までさまざまであったように思います。
 私は、地球環境という大きな視点までいかなくても、日本の国内の環境保全というものを考えていきますと、将来必ずどこかで本当に独立した財源が欲しくなる時期が来るだろうと思います。そしてまた、そういうものが必要になるだけの仕事をお互いにしていかなきゃなりません。しかし、言葉としての環境税というものは大変楽なんですが、一体どういう姿のものを組み立てていけば本当に国民にも納得していただけるものになるのか、自分なりに頭の体操をいろいろやってみましたけれども、うまくできませんでした。そして、その一番の原因は何かといいますと、汚染者負担原則と、一般的にすべての人々が何らかの財源を拠出する環境税というものをどう調和させればいいのかという部分であります。これはもう先に私が自分の悩んだ幾つかの論点そのままに御披露して、長官にも率直なお考えを伺いたいと思うのであります。
 今、OECDの環境税報告書あるいはECの炭素・エネルギー税というものを例示に挙げましたが、主として日本のメディアの世界から環境税というものを取り上げて議論がされましたときに、化石燃料に対する課税を頭に置いたものがその中心でありました。ところが、振り返って今我々が抱えている問題、果たして化石燃料課税で全部が対応できるんだろうか。ここが実は私自身が大変悩んだ、そして今も考えのうまくまとまらない部分です。
 例えば、現在も公害列島日本と言われた時期の被害を引きずっている。先般本委員会でも法案が可決されました水俣病の場合を見ましても、あるいはその他の場合におきましても、有機水銀あるいはカドミウムといった微量重金属による被害、その微量重金属を原因とする健康被害に化石燃料に財源を求めた補償はできるだろうか。全くその原因と違う。あるいは、だんだん生活排水等のために汚濁が進み、非常に真剣な対応を必要としている水の問題について、全く原因とは違う化石燃料課税でその対策を行うことが税の体系としていかがなものか。
 私がどうしてもうまくまとまらなかった、考えが整理できなかったポイントはこの点でして、そして同時に、それならば複数の税体系の組み合わせの中で環境税というものがつくれるかな、そう思って考えてみますと、まず一つは、水に対してどういう形で税という仕組みを持ち込めるだろうか。かつてのように、本当に工場排水というものが非常に問題だ、その水質が非常に全体を悪化させているということであれば、これは排出口を押さえていけば対策がとれた。そして、そういう状態に対する賦課をかける理由というのもあり得たと思います。むしろ、平均的に今そんな悪質な排水を捨てられるような社会ではありませんし、事業者もそれだけの良識を持っておられると思います。今やはり問題になるのは、実は生活排水。そうすると、生活排水に対してどういう対応策が税の世界で組み立てられるだろうか。なかなか実はうまい知恵が出てきません。
 あるいは微量重金属というものが、現在問題になっているもの以外に果たして問題を生ずるものはないか。さらに、新しい化学物質に対して、その環境に与える影響というものを税でとらえようとすればどうなるか。実は自問自答をここ数年繰り返して、きょうまで結論が出ませんでした。この環境基本法の中にも、国民の御理解、協力が得られる体制の中で将来環境税というものを考えるその基礎になる条項は含まれております。しかし、環境税というものをそのまま直接に目指した条文になっていないのは、まさにこの法律案をつくりますとき、我々自身がそうした自問自答を繰り返し、きちんとした体系がどうしても浮かばなかった結果、こうした複雑な条文を書くに至りました。
 当時、長官と我々は立場を異にしておったわけでありますけれども、今政府の中枢におられて環境庁というものを率いておられる広中長官のお立場として、この環境税というものをどのようにとらえておられるか、また将来に向かってどうした考え方を打ち出していかれようとするのか、この機会にお聞かせをいただければ大変幸いです。
#6
○広中国務大臣 環境税というのは、私は環境保全型社会をつくるための経済的手法の一つである、そんなふうに理解しております。事業者、市民など環境負荷を与える者に対しまして、その負
荷の部分に着目して経済的な負担を課すことにより、市場メカニズムを通じて環境への負荷の低減に努めるよう誘導する、そういう目的を持っております。
 一方、先ほどからお話に出ておりましたPPPの原則、つまり汚染者負担の原則に関しましては、汚染の原因者にその汚染の防除費用、汚染された環境の回復費用及び被害者の救済費用の各種費用を直接負担させるべきであるという考え方でございまして、環境基本法案第三十七条の「原因者負担」の規定は、この考えに立脚しているところでございます。
 このように、結果として両者とも環境負荷を生ずる者に負担を求めるという性格を有していることは事実でございます。しかしながら、汚染者負担の原則にありましては、汚染の防除費用などに着目して直接負担を求め、費用と負担の関係が非常に明確になっている。それに比べまして環境税は、市場メカニズムを通じまして環境への負荷を抑制することを主眼としている。したがって、諸外国の例にも見られますように、納税義務者をどのように仕組むかということ、あるいは課税に伴って生ずる税収をどのような使途に充てるかということに関しましては、別途の判断の余地があるのではないか、そんなふうに思っております。
#7
○橋本委員 私は、本当に政府としても今長官がお答えになられたところが現時点でお答えのいただける限界だと思います。
 そして、各国を調べてみましても、同じ炭素税といいますか化石燃料に対する課税でも随分な違いがある。そして、日本の国民的な常識からいくと考えられないようなケースもあるなということを、私自身が、全部を調べ切れたわけではありませんけれども、わかった範囲でもそうした印象を持ちました。
 例えばスウェーデンの場合に、全体に対するCO2税を一九九三年から引き上げを行っているわけでありますけれども、逆に、産業と商業園芸用の燃料については通常の四分の一にむしろ引き下げてしまった。あるいはノルウェーの場合には、原料として使用する場合の石油、石炭あるいは国際船舶のバンカーオイルは非課税にしてしまったとか、随分各国のやり方に差があるのですね。フィンランドの場合でも、例えば船舶、航空機の燃料は非課税だとか、あるいは原料として使えば非課税だとか、オランダの場合においても、原料や素材として用いられれば課税をしないというだけではなくて、大量消費者が使用する天然ガスあるいは鉄鋼業の余剰ガスなんというのは、一時的な措置というような名目ですが、期限がつけられないで非常に低い税率を固定してしまっている。同じ炭素関係の税でも随分ばらつきがあるな、そしてECが提案をされている案にしても、各国の合意が必ずしもとれていないのだなという感じを深く持ちました。
 そういう意味では、実は私はごみの有料化だってある意味での環境税だよということをt時々言いますけれども、やはり日本としても日本なりの環境に対するタックスというものをどこかで考えなければならなくなるでしょう。しかし、これについてはさまざまな角度から、どうすれば公平なものができるか、これは私は本当に党派を超えて本委員会でも議論をしてみたい、そう思っております。
 最後にもう一つお尋ねをしたいことがあります。それは、この基本法が通過、成立した後、環境庁そのものがどのような姿になっていこうとするのか、この点について私は政府の考え方をぜひお尋ねをしたい、同時に私なりの考え方も申し上げたいと思ってまいりました。
 本来なら、この議論は別の場でもっと時間をかけてすべき議論かもしれません。ただ、非常に気になっておりますのは、臨時行政改革推進審議会の最終答申が間近だと伝えられ、その中で、いわゆる大省庁制といいましょうか、各省庁を非常に大きく束ねるという構想が打ち出されると聞き及んでおります。しかし、私は、実はこれは環境行政にとっては大変問題があるという気がしてなりません。
 私自身がこの環境基本法の作成にかかわりながら、環境庁の将来というものについて考えておりました環境庁の組織・機構のあり方というものには幾つかの原則が必要だということでありました。そして、やはり何といっても総理の直轄下にある環境行政、その総理の直轄下にある今の庁という仕組みを変えるべきではない。環境省といった構想もよく取りざたをされますけれども、むしろ自然保護にかかる部分についてはもっと環境庁が抱える範囲をふやしてもらいたいと私は思います。そして、ただ単に国立公園あるいは国定公園といった守備範囲からもっと大きく抜け出して、既に抜け出しつつありますけれども、もっと大きく抜け出して、国土全体の環境に対して行動ができるようにしてもらいたい、そういう気持ちを持っております。
 しかし、他の部分で、環境庁が現業をなるべく抱えるべきではない、むしろ他省庁が異なる政策目的で実行しようとする施策に環境という視点からきちんとチェック機能が働くような仕組み、これが環境庁で必要だ、そう私は思ってきました。その意味では、庁という今の仕組みの基本は変えるべきではなく、総理直轄の姿を続けるべきだ。同時に、庁内をもう少し機能別に再編した方がいい。公害多発時代の大気、水といったくくり方より、今、もう少し違った視点でのくくり方があるんじゃないだろうか。
 それと同時に、地球環境問題担当大臣というものを今任命をされておるわけですけれども、これは法制上やはりきちんと位置づけた方がいい、明確にした方がいい、私はこんな感じを持っております。その上で、強化すべき機能としては、環境情報の収集とか解析の能力あるいは企画立案の機能、そして総合調整の機能、こうした分野を強化すべきだ、私はそう思います。
 そういうものをもう少し細かく言わせていただくならば、環境保全施策の立案とか他の施策との調整といった機能あるいは環境情報の収集、解析に加えて、提供といったものも必要になるでしょう。そして、当然のことながら、環境庁がスタートしたときに持ちました環境汚染の防止あるいは健康被害の補償といった業務は残るわけです。一番変わってもらわなければならないのは、地球環境施策というものについての総合調整機能を環境庁に持ってもらいたいということであります。
 我々のときには地球環境部というものを創設するまでが精いっぱいでありましたけれども、残念ながら今これではなかなか足りません。そして、私自身が、例えばヒューストン・サミット、ロンドン・サミットを通じ、あるいは日本とオーストラリアの定期閣僚会議における環境問題の御論議等を踏まえ、そうした場面で環境行政を説明するのは外交当局ではもう既に無理が来ているということをこの機会にぜひ申し上げたいと思います。
 ロンドン・サミットのときには、環境庁の諸君が苦労してまとめた日本の公害体験を英訳してもらったのですが、私は、政府部内の他の方々の反論を押し切って資料配付をいたしました。また、日本とオーストラリアの定期閣僚会議の際にはこれを使っていただきたい、日本の環境庁というものをつくったそのプロセス、現状における問題点。オーストラリアはちょうどその時期に環境庁をつくるかつくらないかの議論をしておられました。環境庁の諸君にお願いして、その資料すべてをオーストラリア側に渡してもらいました。今それを参考にして、オーストラリアは環境庁をつくられた。感謝の手紙が環境庁にも来ておったはずです。ところが、やはりそれは環境庁自身が国際会議において説明をするだけのウエートを持ちませんと、なかなかうまくいきません。
 総理がお見えになりましたし、あと一分三十秒で私の持ち時間は終わりですから、これ以上の議論はいたしませんけれども、こうしたことを考えてみますと、私は、細川政権のもとにおいても環境庁の機能をぜひ強化していただきたい。それはあくまでも総理の直轄機能のもとにおいて、他の省庁の行う政策目標に異なった視点からのチェックが働く機能であってもらいたい。同時に、我々には地球環境部までしかできなかったわけですけれども、地球環境部というものが独立した局として機能し、地球環境担当大臣というものの法制的な位置づけが明確になり、国際的な場において、他省庁が代行して環境行政を語るのではなく環境庁自身がその主役たり得る組織にしていただきたい。自分自身のできなかったことも含めて、私は、今願望を込め、あるべき姿についての私の考え方を申し上げました。
 その意味では、私は、行革審の答申が出ますと、これとは意見を異にいたします。しかし、その異にする理由は、今申し上げたような自分の体験から出てくることでありまして、折があればこれは政府と改めて別な場で議論をさせていただくことになりましょう。
 長官の、今、現時点でお話をいただけける範囲のお答えをちょうだいし、役割を終えたいと思います。
#8
○広中国務大臣 環境庁のあり方につきまして、御示唆に富む御意見、本当にありがとうございました。特に、環境庁のこれからの企画調整能力、機能を高めていくということにつきましては、私どもとしてはそれを応援の言葉として受けとめさせていただきたいと思います。
 人材の量、質ともの拡充、そして調整機能、能力を高めていきたい。特に、今おっしゃっていただきました地球環境問題に関しましては、本当に先生の御意見を受けまして、私も精いっぱい頑張らせていただきたい、そのように思っております。
#9
○橋本委員 総理、最後の部分、これだけ聞いていただけて、これにちゃんとこたえていただければ、私はこの問題については文句がありませんから、よろしくお願いします。
#10
○奥田委員長 これにて橋本君の質疑は終了いたしました。
 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷津義男君。
#11
○谷津委員 総理、ありがとうございます。
 いよいよ本日環境基本法につきまして採決ということになっておりますので、最後にこの基本法に対する総理の考え方を聞いておきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いをいたします。
 この問題については、さきの委員会の審議の過程におきまして宮澤総理にも御出席をいただきまして、環境の問題について、この基本法の問題についての考え方というのを聞かせてもらったところであります。
 まず最初にお聞きいたしたいのは、新内閣ができまして、環境問題につきましては総理の所信表明の中でも大きく取り上げられているところでありますが、この法案は我が自民党政府のつくられた法案と全く同じでございまして、衆参で二ところほど修正されましたが、それを修正されたまま提出をされたわけであります。総理は、この自民党法案とそっくりな今回の法案についてどのように考えておられるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#12
○細川内閣総理大臣 大変いろいろな論議の経過を経た上で、さきに前内閣の政府提案の法案として出されたものでございまして、私も、まだいろいろ御論議が環境団体その他の方々からなされていることも承知はしておりますが、しかし、まずまずいい形に落ちついてできているのではないかというふうに認識をいたしております。政府としても、現時点で考え得るベストの案だということで再度出させていただいたということでございます。
#13
○谷津委員 今総理のお話の中に、もろもろの意見もあるというお話でございますけれども、実はこの前の法案審議のときにも一つ問題になりましたのは、環境権ということでございました。この件につきましては、民間団体からも法案の中に入れるべきであるというふうなお話もございましたし、また細川内閣は生活者に視点を置く政策を展開するのだというようなことでやられておるわけでありますが、そうなってまいりますと、この環境権という問題も大きく取り上げられてくるのではなかろうかというふうに私は思うのですが、今回それを入れなかったのはどういうわけでしょうか。
#14
○細川内閣総理大臣 私も詳しくは存じませんが、環境権については定説もないというふうに承知をいたしております。また、法律上の権利として位置づけるのはなかなか難しいのではないかという御意見が大勢であるというふうにも承知をしておりまして、そうした意味でさきの法案にもこのことがうたわれなかったということでございましょうし、また今回も、私もその御意見がやはり妥当なのではないかというふうに判断をしているところでございまして、今回もそのように考えさせていただいたということでございます。
 法案の基本的な理念において的確にこのことも位置づけられているのではないかというふうに考えておりますので、まだまだその点については御論議もあろうと思いますが、法案としては、先ほども申し上げましたように、これがいい形なのではないかというふうに考えているところでございます。
#15
○谷津委員 現時点ではこれが最良の法案ということでございますけれども、それでは、将来にわたってはこの件についてはどういうふうに総理はお考えでありましょうか。
#16
○細川内閣総理大臣 将来、この点につきましてもいろいろ御論議はあるだろうと思いますが、今申し上げましたように定説にもいろいろございますし、御論議もいろいろあるところでございますから、将来にわたりまして十分御論議を尽くしていただくべきことであるという認識でございます。
#17
○谷津委員 次に、先ほど我が政調会長であります橋本先生から長官に対する質問があったわけであります。非常に高邁な御質問でありますので、私ごとき者があれするのはいささか申しわけないのですけれども、経済的手法ということでいろいろと今日まで議論がされてきたわけであります。この基本法の中にもこの経済的手法について云々ということはあるわけでありますが、経済的な手法の中にも、これは補助金とか減税とかいろいろなやり方があろうと思いますし、千差万別だろうというふうに思います。
 政府は、現在審議中の政府税制調査会の中で、所得税の減税ということが行われようとしておりますし、またこれが答申されようとしておりますし、また九五年以降に消費税のアップということも新聞等には報道されているわけであります。私は、この新聞報道等を見まして総理にまず一つだけ聞いておきたいのは、この所得税減税、そして九五年以降には消費税のアップを六、七%あるいはそれ以上というようなことの新聞報道がございますけれども、この辺については、もし政府税調からの答申があればそのままそれを実際に実行しようとしているのでしょうか、どのようなものでしょうか。まずその辺を聞いておきたいと思います。
#18
○細川内閣総理大臣 基本的なことでございますが、所得税の減税につきましては、当面の景気対策ということではなくて、税体系全体の総合的なバランスの中でどういうふうに考えていくかということの中で考えていくべき課題だと思っておりますし、今税制調査会におきましても御審議をいただいているところでございますが、今お触れになりましたように、税調の答申が出てまいりましたら、これも再三本会議、委員会等でも答弁をしておりますが、それを最大限尊重をしていくということでございます。
#19
○谷津委員 そこで、総理にお聞きしたいところでありますが、実は本法案の中でも、先ほど申し上げました経済的手法ということがうたわれているわけであります。既にOECDの報告書あるいはアメリカにおけるクリントン大統領の新エネルギー税あるいはEC等におきまして環境税ということにつきまして、先進各国はこれを議論し、また既に実施しておるところでありますけれども、細川総理はこの環境税についてどのようにお考えでありますか。まずお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#20
○細川内閣総理大臣 環境問題にかかる税制につきましては、私もつぶさに承知をしておりませんが、スウェーデンでしたかどこでしたか、北欧の国だったかと思いますが、炭素税とかいろいろな論議があっていて、既に導入したのかどうか、私もちょっと定かに覚えておりませんが、諸外国においてもさまざまな論議が行われていると承知をいたしております。そうした論議をよく参考にしなければならないと思いますし、また国内におきましても、それ以上にこの国会での御論議やあるいはまた国民各界各層のこの環境問題に絡めての御論議というものも踏まえながら、引き続きよく検討をさせていただきたいと考えているところでございます。
#21
○谷津委員 所得税減税に伴いまして、その不足分の、収入不足に対する対策として、消費税の税率アップというようなことが政府税調の中でも議論されているわけですね。こういうことを考えてみますと、私は消費税の税率アップというのはなかなか国民の中にも理解を得がたい面もあろうかと思いますけれども、これからこの辺につきましては総理の方でもいろいろな努力がなされるのだろうと思います。
 そこで、こういった時期に、次元は全く違うことではありますけれども、環境税というのもひとつ考えてみてはどうかなという感じを私は持っておるわけであります。今のお話によりますれば、いろいろな議論を経てということですが、こういう機会にそういった検討をしてみるということについてはいかがでしょうか。
#22
○細川内閣総理大臣 一般的に、目的税というものの考え方につきましては、やはりその使途が制限をされてしまうといったようなこと等々から、かなり慎重に判断をすべき問題であろうと思っております。
 直接この環境の問題との絡みの問題につきましては、おっしゃった環境税といったようなことにつきましては、先ほども申し上げましたように、国内外での御論議も踏まえて、また税調などでも今、この問題そのものではございませんが、税制全般のあり方について御論議をいただいているところでございまして、その御論議の推移を見守って、その成果というものを尊重させていただきたい、こう思っているところでございます。
#23
○谷津委員 次に、環境影響評価、いわゆるアセスメント法につきましてお聞きをいたしたいと思います。
 昭和五十九年以来、閣議決定要綱に基づいて環境影響評価については推進してきているのですね。そして、基本法の二十条は、「国は、」環境影響評価を進めるに「必要な措置を講ずる」というふうに明記されているわけであります。前の環境基本法案の審議に当たりましても、当時の宮澤総理は、この点を重視していく、そして法制化も含めて所要の見直しが大事だというふうに答弁をいただいたわけでありますけれども、細川総理は、このアセスメント法につきまして、法案化についてはどのようにお考えでございましょうか、お伺いをいたしたいと思います。
#24
○細川内閣総理大臣 アセスメントにつきましては、御承知のように、基本法でも法制的に位置づけるために明確に規定をしているところでございまして、政府といたしましても内外の制度の実施状況などにつきまして調査研究をやっているところでございますが、今お話がございましたが、社会経済情勢の変化なども踏まえまして、法制化も含めて所要の見直しにつきまして検討に着手しているという段階でございます。
#25
○谷津委員 実はこのアセス法については、前に提案をされたことがあるのですね。五十八年だったですか、よくわからないですが、解散によって廃案になってしまったといういきさつがあるわけです。そして、このアセス法につきましては、先進各国で既に法制化が進んでおりまして、法制化されておるわけです。特にサミット参加国等は日本を除いて全部このアセス法を持っているわけでありまして、これを考えてみますと、何か日本はおくれているのじゃないかというふうな感じは持つのでありますけれども、総理はその点はどういうふうにお考えでございましょうか。
#26
○細川内閣総理大臣 サミットの国全部ではなかったのではないか、イタリアもたしかしていなかったのではないかという感じが私はいたしましたが、それはちょっと勘違いかもしれません。
 しかし、いずれにしても、それをすることのメリット、デメリット、両方あると思いますし、今までもいろいろな御論議の中で、この点については慎重な御論議も大分強くなされてきたというふうに承知をしておりますので、先ほども申し上げましたように、今まで進めてきた線に沿って今後検討に、今後というか今既に検討に着手をしているところでございますから、その線でさらに進めさせていただくということでよろしいのではないかと考えているところでございます。
#27
○谷津委員 検討しているということでよろしいのではないかということでありますけれども、今我が国は、先ほど申し上げましたように、いわゆる内閣の閣議決定要綱に基づいて行政指導しているのですね。各県ごとにもまたそれなりのものを持ってみんなやっているわけであります。これにつきましては、賛成、反対、いろいろな議論がありまして、この法案をつくるときにも、恐らく橋本政調会長さんなんかも地方との調整あるいは団体との調整に大変な御苦労なされたんだろうと思うのです。しかし細川内閣は、先ほど申し上げましたとおり、生活者優先であるというようなことで政策を展開するんだということであるならば、私は、もっと踏み込んでこの問題について議論をし、また法制化するべきであるというふうに考えるわけでありますけれども、その辺のところは、総理、どのように考えておりますか。
#28
○細川内閣総理大臣 問題の重要性、また関心の高さということは私も重々認識をいたしておりますが、ただ、先ほど申し上げましたように、そのことについての賛否両論、私は両方の御意見を伺っておりまして、双方ともになかなか説得力のある御議論だなという感じがしておりますものですから、その辺については慎重に判断をさせていただきたい、こう思っているところでございます。
#29
○谷津委員 総理の考えもよくわかりましたけれども、この辺については私はやはり法制化を急ぐ必要があるであろうと思うわけでありまして、その辺をしっかりやっていただきたいと考えております。
 次に、ロシアの核廃棄物の投棄についてお伺いするわけですが、その前に、先ほど橋本政調会長からも質問があったのですけれども、環境庁長官はまた地球環境担当大臣でもあるわけであります。今回の一連の動きを見ておりまして、この担当は科学技術庁であるというふうに、それで進められているのですが、私は、この環境庁の仕事というのも大変なことであろうと思うのです。特に、地球環境問題については基本法の中にも前文において唱えられているところでありますし、そういう面からいくと、環境庁の位置づけというのが非常に、地球環境問題、こういったロシア等の問題について何かあいまいなような私は感じを持ったのです。もっと積極的に、やはり環境庁としても、表へ出るという言い方はちょっと言葉が違うかもしれませんが、主張があるであろうと思うのですが、総理、この辺のところ、地球環境大臣は環境庁長官でもあるわけでありますから、その辺の位置づけ、法的な位置づけというのを私は必要だと考えるのですが、総理大臣はその辺をどういうふうに考えますか。
#30
○細川内閣総理大臣 おっしゃるように、地球的な規模の問題について環境庁長官が非常に大きな責任、役割を果たされなければならない、これはもう当然のことだと思います。そのことについて強い関心を持って適切な対応をされなければならない、これもおっしゃるとおりだと思いますが、しかし技術的な問題になりますと科学技術庁のみならず他の所管の省庁もございますから、この問題に限らず、やはりその省庁間の境界線上の問題というものはいろいろあるわけであって、そこのところは各省庁お互いにしっかりと調整をしながらやっていっていただくということに尽きるのだろう、その辺で意思の疎通を欠くことがないように、しっかり政府としても対応してまいりたいと思っております。
#31
○谷津委員 そこで、海洋投棄についてお伺いするわけでありますが、ロシアは国際諸機関に連絡をとった、いわゆるIAEAにも連絡をとったし、それからロンドン条約の事務局にも二週間前には通告したということを向こうは発表しているわけでありますけれども、日本はこの点については全く知らなかったんですか、どうですか。その辺のところをまずお聞きしたいと思うのです。
#32
○細川内閣総理大臣 一言で言うと、知らなかったということでございます。確かにIAEAに通告はロシア政府からなされていたということでございますが、IAEAはこれを関係国に通報する義務はないということになっておりまして、したがって我が国に対してはそういう連絡はなかったということでございます。
 またもう一つ、IMO、IAEAと違ってIMOというものも御承知かと思いますが、国際海事機構でございましたか、そういうものがございますが、こちらの方は関係国から連絡があればそれをまた関係方面に連絡をしなければならないということになっておりますが、こちらの方に対しましては、ロシア政府から何の通報もなかったということでございまして、したがって我が方には結果的に何の連絡もございませんでした。
#33
○谷津委員 国際民間団体であるグリーンピースですらこの辺のところをしっかりと知っておって、しかも日本人がグリーンピースの船に同乗しておるということでもあります。こういう面から見ると、政府の情報のキャッチといいますか、こういう点が非常に貧弱ではないかというふうに思うのですが、その辺総理はどういうふうに考えますか。
#34
○細川内閣総理大臣 今のIAEAなりあるいはIMOでございましたか、そうしたところに、今後ともできる限りそのような動きがあったならばぜひ通報してもらいたいということは既に申し上げてあります。
 また、在外公館などを通じまして、できる限りそのような動きを迅速に察知するように努力をしてもらいたいということも申しておりますので、今後ともさらにその点については努力をしてまいりたいと思っております。
#35
○谷津委員 ロシアにおきましては、一時中止はしましたけれども、まだまだ原潜の解体等、こういった廃棄物が出てくるということでありまして、処理能力がない、しかも保管する方法もないということで、再開をされる可能性が十分にあるわけであります。そういうことを考えあわせますと、総理としましてこの問題に対しまして今後どういうふうに対処していくのか、再投棄ということは十分に考えられるだけに、総理の考え方を聞いておきたいと思います。
#36
○細川内閣総理大臣 今申し上げましたように、できる限りIMOあるいはIAEA等にそのようなことをお願いを申し上げて、こちらからも適切な対応ができるようにしてまいりたいと思っておりますが、近くロンドン条約会議もございますし、海洋投棄を禁止するという条約改正案が既に提案されていることは御承知のことと思いますが、そういう状況でございますから、それを支持する方向で検討していきたいというふうに具体的には考えているところでございます。
#37
○谷津委員 今総理のお話の中にありましたように、ロンドン条約の改定が間もなく行われようとしているわけでありまして、この低レベルである放射性物質も国際的な基準に合わせて今まで投棄できたのを、これを改正して禁止するという提案が出されていることは私も承知をしているわけであります。この辺につきまして、日本がイニシアチブをとって積極的に各国とも協調をしながらこれを進めていく必要があると思うのですね。その問題は国民こぞって大きな期待もしておるのであろうし、これからのことを考えあわせれば、この辺のところは必ずこれを通せるようにしなければいけないというふうに考えておりますので、もう一度お伺いしますが、この決意のほど、いわゆるロンドン条約改定に対する日本としての決意のほどを、どうしても通すんだというふうなところを、総理の再度のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#38
○細川内閣総理大臣 大変意味のある重要な条約でございますし、今申し上げましたように、それを支持する方向で検討していきたい、考えていきたいというふうに思っております。
#39
○谷津委員 時間が参りましたので、以上で終わります。どうもありがとうございました。
#40
○奥田委員長 福永信彦君。
#41
○福永委員 自民党の福永信彦でございます。
 総理、前置きは抜きにしまして、時間がほんのわずかでありますので、早速質問をさせていただきたいと存じます。
 まず初めに、我が国の環境保全を基盤とした土地利用政策についてお伺いをしたいと存じます。
 地球温暖化現象、酸性雨、オゾン層の破壊等、近年地球的規模での自然生態系破壊が多発し、人類歴史上これまでに遭遇してきた問題とは全く異なる新しい問題が表面化しております。そんな中、昨年六月のブラジルでの地球サミットにおいて持続可能な発展が基本原則として発表されたことなどにより、我が国でも環境基本法の早期成立に向けての動きが一生懸命されておるわけでありまして、まことに喜ばしいことであります。
 そこで、環境問題とは自然生態系の保全、活用によって解決され得ることが基本であり、自然生態系保全の基本は土地の適正利用であるとの認識が広まっていることは、改めて申し上げるまでもございません。したがって、環境問題の基盤となる国土利用に関する国の関連法律及び計画を環境保全の視点から見てどのように重視するのか、総理の基本的認識をお聞かせをいただきたい。
 特に、我が国の国土の適正利用に関する法律の中でも最上位に位置する国土利用計画法及び国土総合開発法に基づく全国総合開発計画、今後の日本の国土利用の指針となる第五次全国総合開発計画等に関して、環境保全の観点から具体的なお考えがあれば、お示しをいただきたいと思います。
#42
○細川内閣総理大臣 環境基本計画は、環境の保全に関する政府全体の基本的な計画として閣議の決定によって定められているものでございますので、国土利用に関する国の施策でありましても、環境の保全に関しましては基本計画の方向に沿って策定、実施されるということが担保されているものであるというふうに考えております。
 政府としては、環境基本計画の基本的な方向に沿いまして、政府一体として環境の保全に関する施策の推進に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
 それから、五全総のことに関しましてのお尋ねもございましたが、四全総を策定後、御承知のように社会経済の環境も大きく変わってまいりました。そういうことでございますので、国土審議会に調査部会を設けまして、今四全総の総合的な点検作業をしているところでございます。その点検の調査審議の中におきましては、持続可能な自然の利用を基本とした地域の活性化の方策、あるいはまた国土開発に求められる人と自然の望ましい関係、そういったことにつきましても御論議をいただいていると承知をいたしております。来年の春ごろをめどに最終報告を取りまとめていただく予定になっておりまして、新たな全総計画の策定につきましては、こうした総合的な点検作業の成果を得た上で判断をすることになるということでございます。
 国土政策と環境政策というのは、今お話でお触れになりましたが、非常に密接な関係を持っておりますわけで、国土計画は従来から環境の保全ということを計画の主要課題の大きなテーマとして位置づけてきたところでございます。今後とも、全総計画の策定に関しましては、環境ということを十分念頭に置いて、そのことに配慮しながら計画の策定に携わっていかなければなるまいというふうに思っております。
#43
○福永委員 環境に十分御配慮いただけるという。ことの御答弁でありました。どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、環境と経済についてお伺いをしたいと思います。
 環境問題の具体的解決策としてのさまざまな施策の中には、当然経済へも大きな影響を及ぼすと考えられる施策が必要と思いますが、具体的な考えとして、今後の経済活動と環境問題との関係について基本的な考え方をお示しをいただきたいと思います。
#44
○細川内閣総理大臣 経済と環境の関係という基本的な問題についてのお尋ねであったかと思いますが、環境基本法におきましては、環境と経済の関係について、地球サミットで示されました環境と経済の統合ということ、それからまた持続可能な開発の達成という考え方、それからまたこれを受けた中央公害対策審議会等におきます答申におきましても、「その内容の変化を伴う健全な経済の発展を図り、環境負荷の少ない経済社会を構築していく」ということが重要であるといったような指摘を踏まえまして、環境と経済とを対立したものとしてとらえない、基本理念におきまして、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築ということを規定をしているところでございまして、そうした精神がこうしたものにも盛り込まれている、それが経済と環境についての基本的なスタンスであろう。今幾つかの基本的なものの中に書き込まれているものを申し上げましたが、それが一言で申し上げれば基本的なスタンスだ、こう申し上げてよろしいのではないかと思います。
#45
○福永委員 次に、各省庁及び国の他の法律または計画との関係についてお伺いをしたいと思います。
 環境基本法の効果ある実施を進める上で、各省庁に対し環境庁による強いリーダーシップが必要と考えられますが、これは先ほど橋本政調会長も長官に御質問を申し上げ、あるいは今までの各党の御論議の中にもこうしたことがあるわけでありますが、それについての総理としての強い御方針があればお聞かせをいただきたい。
 また、本法の中に述べられております、環境は人類の存在の基盤であるという基本認識に立つならば、当然環境の保全にかかわる人間の活動にかかわるすべての国の計画は環境基本計画を基盤とするようにならなくてはならないと考えますが、この二つについてお答えをいただきたいと思います。
    〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕
#46
○細川内閣総理大臣 今日の環境問題に的確に対応していくために環境庁が、環境庁がというか政府全体が一体的な取り組みをしていかなければならない、これはもう当然のことでございます。そういう中にありまして、環境庁もそれなりに大きな役割を果たしつつあるというふうに認識をしておりまして、もちろんこれは先ほどもちょっと谷津委員のお尋ねにも関連をいたしますが、各省庁、他省庁との境界線上の問題等々もいろいろあろうと思いますが、しかしそうした中で、私は、環境庁はそれなりの役割を果たしてきたし、またこれからさらに地球的な環境問題等々あるいは地域の環境の問題等々も踏まえて、その役割というものはさらに大きなものになっていくであろうというふうに認識をいたしております。今後とも、その機能が十分に発揮をされていくように、環境問題の中枢的な役割というものを果たしていけるように、強く期待をしているところでございます。
 それから、国民の活動に係るすべての国の計画は環境基本計画を基盤とするようにするべきではないかという趣旨のお尋ねだったかと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、環境基本計画は施策の基本を示す重要な役割を持っているものでございますし、政府としては、実効ある計画を策定してまいりたいと思っております。環境の保全に関する政府全体の基本的な計画として環境基本計画というものは位置づけられているものでございますし、国の他の計画も、環境の保全に関しましてはこの基本計画に沿ったものであるというふうに認識をしているということは、先ほども申し上げましたとおりでございます。そういう基本的な位置づけのもとに、他のすべての国の計画というものも考えてまいりたい、このように思っております。
    〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕
#47
○福永委員 次に、環境影響評価についてお伺いをしたいと存じます。
 環境影響評価の法制化については、推進していく旨、環境基本法に含まれておりますが、現在我が国で実施されている環境影響評価は、開発を前提としたいわゆる事業アセスと言われるものであり、本来的には、開発計画そのものの適否を含めて検討が可能な計画アセスであるべきと思うわけであります。総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#48
○細川内閣総理大臣 現行のアセスは事業の実施前に行われておりまして、計画段階での環境への配慮については、従来から、事業者によって適切に行われるように努力がなされてきているというふうに私は承知をいたしております。環境基本法案では、事業者が事業活動を行うに当たっての環境保全のための必要な措置を講ずる責務というものを一般的に規定をしているわけでございまして、これによりまして、今後、計画段階での一層の環境配慮が図られるのではないか、このように期待をしているところでございます。
#49
○福永委員 最後に、財源措置についてお伺いしたいと存じます。
 今後、ますます重要施策となる各種環境施策の効果ある実施のためには、応分の財源確保が必要不可欠であります。また、本法にも示されております「地方公共団体の施策」についても、効果のある実施を促すためには、国から地方団体への財源補助を大幅に増大していかなければならないと考えます。
 そこで、今後の環境庁における財源確保について、一つには、各省庁への予算配分の見直しによって得るのか、あるいは、先ほど来橋本政調会長あるいは谷津委員からもお話ございましたが、環境税等の目的税を創設する意向があるのかどうか、お聞きをしたいと思うわけであります。先ほどの谷津委員に対する総理の御答弁でも、引き続きよく検討、あるいは使途が制限されているとか、ちょっとよくわからなかったもので、はっきりその点について見解をお示しをいただきたいと思います。
#50
○細川内閣総理大臣 政府としてはこれまでも地方に対する補助金なども含めまして、環境施策の推進に着実に取り組んできたということだと思いますが、そのための必要な財源の確保にも努めてきたというふうに私は理解をいたしております。五年度の環境保全経費というのは、これは関係省庁の環境保全関係予算の合計でございますが、五年度で一兆七千三百四億円、前年度比で一一・五%ふえております。しかし、環境保全のための施策というものは大変幅広いものでございますし、余り額の多い少ないだけで必ずしも決められる話ではないと思いますが、できる限り効果的に環境問題をめぐる時代の要請に対応できるように、今後とも最善を尽くしていく努力をしなければなるまいというふうに思っているところでございます。
 それから、税制の問題についてのお話は、先ほども申し上げたわけですが、国会における御論議、それからまた国民各界各層における御論議等も踏まえて、また諸外国における例なども参考にしながら、今後少し勉強をさせていただきたい、このように思っているところでございます。
#51
○福永委員 ぜひ環境庁への財源確保に引き続いて御努力を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
#52
○奥田委員長 岩佐恵美君。
#53
○岩佐委員 先ほどから議論になっておりますアセスメント法の制定につきましてお伺いをしたいと思います。
 総理は既にもう御存じだと思いますけれども、アメリカでは一九六九年に、環境汚染や自然破壊を未然に防ぐためにいわゆるアセスメント法がつくられ、それが世界に広がり、アセスメント法は先進国では今や常識となっています。環境アセスメント法を制定していないのは日本ぐらいなものです。現状の開発に当たっての閣議決定の環境影響評価実施要綱、これでは開発による環境破壊を防ぐことができません。だからこそ環境を守るための基本法制定への国民の期待が強いのだと思います。ところが、肝心の環境アセスメントを置き去りにしたものでは、まさに環境を守るということは絵にかいたもちになってしまうおそれがあります。ことし六月に釧路で開かれたラムサール条約締約国会議では、日本政府が条約事務局の提案した環境アセスの法制化による義務づけに反対をして、世界における環境後進国の姿を改めて浮き彫りにしたと言えると思います。国際国家あるいは国際貢献、こういうことを言うのであれば、環境アセスメント法を国内で制定して、国内はもとより国際的にも、環境を守る立場を明確にして役割を果たしていくべきだと思います。とりわけ経済大国として日本の行動は諸外国に与える影響が大きいのですから、総理は先ほどからアセス法制定化を含めまして検討に着手をしていく、そう御答弁されておられますけれども、アセスメント法の制定化をされるということで明確にお約束をされるのかどうか、それから、その場合いつごろまでに作業を詰められるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#54
○細川内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、環境の保全上の支障ということを未然に防止する上で、アセスメントというものは大変重要なものだというふうに認識をいたしております。そうした観点から、環境影響評価というものを法的に位置づけるために基本法案でも明確に規定をしているわけでございまして、そうした観点から、政府といたしましても、今後とも内外の制度の実施状況などをよく見ながら調査研究を進めてまいりたい、また社会経済情勢の変化などもよく判断をしながら、法制化も含めまして所要の見直しについて検討していきたい、こういうことを申し上げたわけでございますが、その時期等につきましては、まだ今のところ何とも申し上げられません。鋭意検討をさせていただいている、政府部内において既に調査研究に着手をしているわけでございますから、その調査研究が早く進むように見守ってまいりたい、このように思っております。
#55
○岩佐委員 調査研究が早く進むように見守るだけではなくて、ぜひプッシュをしていただきたいというふうに思います。
 九二年の六月、地球サミットで採択をされたリオ宣言では、各国は効果的な環境法を制定しなければならないとあります。私は、実りある環境基本法にまず欠かせないのは、憲法が保障する基本的人権としての、先ほどからも論議がありますいわゆる環境権の確立だと思います。その原則に立って、地球の緑と国民の今、健康を守る環境優先を貫くことだというふうに思います。また、大企業がかなり、私も後で環境委員会一時間、時間がありますのでいろんな論議をしたいと思いますけれども、無謀なやり方で開発を進めている、そういう行為があります。こういう行為を規制をしていくこと、またいろいろ汚染者としての大変悪い役割も果たしています。そういう責任を負わせる環境優先のこういう原則を打ち立てること、そのことがとても大事だというふうに思います。そういう意味では、事前事後のアセスメント法の制定あるいは環境保全に事業活動の方を調和させる、そういう規則だとかあるいは情報公開、住民参加、それを保障する措置だとかそういうことが非常に重要だというふうに思っています。まあ国民とすれば、内閣がかわったのだからいい環境基本法ができるのではないか、そういう期待が非常に強かったというふうに思います。こういう点、それこそ国民の立場に立って、どう受けとめられ、またこういう問題も作業していただけるのか、その辺について改めてこの問題も伺いたいというふうに思います。
#56
○細川内閣総理大臣 先ほど谷津委員でしたかの御質問にもお答えをいたしましたように、環境影響評価の問題について多くの方々が強い関心を持っていらっしゃるということは私も承知をしておりますし、またこのことについて賛成の立場から、あるいは慎重の立場からさまざまな御意見があり、それがまたそれぞれになかなか説得力のある御議論だということも先ほど申し上げて、私もこれは慎重に判断をしなければならない問題だというふうに申し上げたところでございまして、環境の側面からどのように考えるかということと、経済的な観点からどのようにそこの調和を図っていくかという点につきまして、これは確かに難しい判断を要することであろうというふうに思っておりますので、今後さらに引き続き検討をさせていただきたい、こう申し上げたところでございます。
#57
○岩佐委員 きょうはせっかくの総理質問の機会ですので、公害、環境問題で最重要課題となっています水俣病問題について伺いたいと思います。
 さきの通常国会で環境基本法案を審議した際、当時の宮澤総理は五月十八日の衆議院環境委員会で、水俣病問題について、「この問題が、いわゆる環境問題についての我が国の対処の仕方の上で国際的にも重くのしかかっているということは私もよく承知をいたしております。そして、これだけ長いこと問題が十分に解決せずにあるということも極めて異常なことだというふうにも考えております」と答弁しておられます。また、当時の林環境庁長官は、五月十一日の衆議院環境委員会で、水俣病の問題は「日本の環境行政にとっては最大の、そして最も根深いところにある大事な問題であろうと思っております。」「私は環境庁長官に就任いたしましてから、寝ても覚めてもこの問題は頭から離れません。」中略をします。環境基本法の今国会での成立、「それを追うようにして、水俣問題については、私は一つのそれなりの答えをどうしても出さなければならないという決意でおります。」と答弁しておられます。水俣病解決という問題は環境基本法成立という問題にまさるとも劣らないほどに我が国の環境行政にとっては最も重要で、かつ緊急を要する課題です。環境基本法成立という機会に水俣病解決についての政治的決断をすべきだと思いますけれども、総理のお考えを伺いたいと思います。
#58
○細川内閣総理大臣 私もまさに、この問題に長く直接の当事者としてかかわってきたわけでございまして、この問題が日本の公害問題の原点である、一刻も早く解決をしなければならない大きな課題であるというふうに認識をいたしております。今日におきましても環境行政の最も重要な課題の一つであるというふうに思っておりますし、この問題が早期に解決されることを心から願っているところでございます。
 和解についての話でございましたが、これも先般、本会議でございましたか、御答弁申し上げましたように、この問題は、水俣病訴訟の争点というものが法に基づく国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でございますし、いましばらく慎重に考えさせていただきたいということを申し上げたところでございますが、私としても、一刻も早く解決をしなければならないという思いを持ちながら、今申し上げたような一番基本的な国の行政のあり方にかかわる問題でありますだけに、大変苦しい胸のうちを申し上げたということで御理解をいただきたい、こう思っております。
#59
○岩佐委員 総理は行政の根幹云々と言われるんですけれども、水俣病で問われている問題の根本というのは、公害発生源であるチッソの垂れ流しをいかに規制するかということだったんです。そ
れを、国はチッソの垂れ流しを規制しできませんでした。ことし三月の熊本地裁の判決では、「被告国には、食品衛生法、水質保全法、工場排水規制法上の規制権限を違法に行使しなかったことによって、水俣病被害を拡大させた責任がある。」と明確に国の責任を述べています。国は何らの規制の策を打たないで、原因を隠し加害を擁護する行為を繰り返したからこそ、被害を拡大させてきたのではないでしょうか。水俣病で問われている国の責任はまさにここにあると言えます。
 原告団の平均年齢は今七十歳と、すごく高齢化しています。十日に一人が亡くなっています。被害者がますます高齢化している中で、和解による早期解決をしないで次の高裁の判決あるいは最高裁の判決、こういうことになると、これからも三年も五年も待てということになります。こういう状態に患者さんを放置することほど過酷なことはないというふうに思います。患者さんたちは「生きているうちに救済を」、悲痛な声を上げておられます。細川総理は、選挙前に行われた被害者・弁護団へのアンケートに、和解による早期解決が望ましい、そう述べておられます。また、九〇年九月の県知事として和解勧告を受け入れた記者会見では、たとえ総理大臣から罷免されても、水俣病問題の解決をこれ以上おくらせるわけにはいかないと決意を表明され、自民党離党の理由にもこのことを挙げておられるわけです。
 来年三月の福岡高裁判決以前の今の臨時国会中に国が和解に踏み切る、政治的な決断を行って被害者の早期全面解決を行う、そのことこそが今望まれているのではないでしょうか。しばらくお待ちください、この言葉ほど本当に被害者に残酷な言葉はない、私はそう思います。
 総理の率直な御所見をお伺いしたいと思います。
#60
○細川内閣総理大臣 私としては、一貫して同じような気持ちを持ち続けて今日に至っております。
 しかし、今申し上げましたような基本的な国の行政の運営という問題にかかわることでございますし、行政としてはとりあえず、認定はされないけれども健康上の問題がある方々に対して国と県と一体となって、医療費の問題、手当とか幾つかの施策を講じてきたところでございまして、今後ともできる限りの対応は国として考えていかなければなるまいと思っておりますし、また一刻も早くこの問題が最終的に解決をし、被害者の方々が安心をしていただけるように、そういう状況がつくり出されていくことを心から願いますし、またそのようにできる限りの努力をしてまいりたい、こう思っております。
#61
○岩佐委員 きっぱりとした御回答がいただけないのが非常に残念ですけれども、今国は患者を切り捨てる、そういう措置をし、そして裁判の場で救済されてもなかなかきちっとした、オーソライズされた、そういう形になっていかない。それで高齢化して、患者の皆さんは本当に悔しい思いの中命をなくされる、そういう事態に置かれているわけですから、細川総理は公約を守っていただいて、本当に今までの裁判の場では、国に責任があるということはきちんと明快に判示されている、そういう判決があるわけですから、そういう立場に立って対応していただきたい。そのことを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#62
○奥田委員長 これにて内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#63
○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。林幹雄君。
#64
○林(幹)委員 自民党の林幹雄でございます。
 初めにロシアの日本海における放射性廃棄物の海洋投棄の問題についてやりますけれども、この問題、午前中に我が党の谷津議員が総理に質問なさいました。若干の重複があろうかと思いますけれども、私はあえて大臣にお伺いをしたいと思います。
 申すまでもなく、我が国は唯一の被爆国でありまして、核に対しては特別の国民感情があるわけであります。今回のロシアの行為、すなわち、我が国の庭先である日本海への放射性廃棄物の投棄は、エリツィン大統領が来日して帰って直後というタイミングをとってみても、我が国の国民感情を逆なでするというばかりではありませんで、細川内閣の外交能力をも国民に疑わせてしまうというふうにまた言わざるを得ない。とりあえず再投棄は中止になったものの、またいつ再開するかわからない。もしグリーンピースが監視していなかったならば、細川総理もおっしゃっておりますけれども、我が国は全くわからなかった、気がつかなかった、そういうことに関しましては大いに懸念されるところであります。
 この問題については、我が党の谷津議員が十九日に大臣に対しまして、環境庁として環境問題として閣議の中で積極的に発言してほしい、何かアピールを出す考えはないかと提言されています。大臣は、環境庁として独自にそうしたことをすることが大切であるというふうに考えましたらぜひそうさせていただきます、このように慎重過ぎる感じで答えておられます。
 その後アピールが出されたとは聞いていませんが、地球環境大臣でもある環境庁長官がなぜアピールを出さないのか、そしてまた、なぜアピールを出す必要がないとお考えなのか、改めてお伺いしたいと思います。
#65
○広中国務大臣 お答えいたします。
 ロシアの海洋投棄でございますけれども、核廃棄物の海洋投棄は、汚染の大小、投棄の規模にかかわりなく絶対に行われるべきでないと認識しております。このことはロンドン条約の決議にもあり、特に日本海という狭い海域への投棄については、周辺諸国の人々の健康にとって不安を生む以上絶対に繰り返されてはいけない、そういうふうに考えておりました。
 そして、この前の委員会での御質問に対しまして、私は、政府全体の対応を見守りたいということを申し上げたわけでございますけれども、やはり仰せのように、またいろいろこの委員会の中からも御意見も出ましたように、当然環境庁長官として発言の機会をとらえるべきだ、そのように思ったわけでございます。
 実を申しますと、私は、日本海への投棄をテレビで知ったのは日曜日のことでございまして、早速グリーンピースからプレス発表の資料を入手するとともに、ロシア大使館とか科学技術庁とか外務省に事実関係を問い合わせております。その後、外務省等を通じた事実の把握に努めるとともに、科学技術庁等の対応を見守りつつ、そして二十一日に、これは木曜日でございますけれども、ロシアのダニロフ・ダニリァン環境大臣に書簡を書くことといたしまして、二十二日に外交ルートで送付したところでございます。
 書簡の内容についてでございますけれども、二回目の投棄を中止したことを評価するとともに、今回の投棄が我が国に引き起こした波紋の大きさを指摘し、投棄の規模、汚染の大小にかかわらず、今後とも投棄を停止することを求めております。
 さらに、ロシアの環境問題は我が国にとって非常に密接にかかわることでございますし、関心が高い。したがって、今後とも両国の環境問題に対してのコミュニケーションを図っていきたい、そういうことで、私はあちらの環境大臣との間でこのようなコミュニケーションをするように投げかけた、そういうことをいたしました。
#66
○林(幹)委員 大臣の答弁はちょっぴり残念に思います。
 と申しますのは、今回の海洋投棄の問題については、もちろん外交問題であります。しかしながら、加えて深刻な地球環境の問題でもございまして、ロシアが再投棄を中止した背景には、ただいま大臣から答弁ありましたように、我が国との外交関係を良好に維持したいというロシア政府の意向はもちろんあるでしょう。しかし、今回、世界的に著名な環境保護団体のグリーンピースが告発しておることでわかるように、ロシアの行為はまさしく地球環境汚染であります。そういうことから、地球環境への重大な脅威として巻き起こったといいますか、沸騰した国際世論にもロシア政府が配慮したという側面もあったと思います。
 我が党がロシア政府に抗議した党声明では、「人類共通の課題である地球環境問題の解決に向かって国際的努力が進行している中、国際社会全体の信頼を失う行為」と厳しく指摘をしておるわけであります。この問題を二国間関係のみでとらえてはいないわけでございます。放射性物質は科学技術庁の所管、そしてロシアとの問題は外交問題であって外務省の所管、だから後ろに遠慮していればいいというような、どうも地球環境問題担当大臣をいただいている環境庁としてはちょっと遠慮がちじゃないかな、ちょっと対応ぶりに首をかしげたくなるわけであります。
 午前中の質疑でも、我が党の橋本政調会長が、地球環境担当大臣を法制上明確にすべきじゃないかということをおっしゃっておられました。私、全く同感でありまして、この細川内閣においてぜひそういう意味では実現をしてほしいと願うものであります。
 大臣は政治家でありまして、しかも環境問題に関しましてはオーソリティーと聞いております。環境問題は、対応を誤ればそれこそ国民の生命、健康に直結するということでございまして、この環境問題に関しては、党利党略で環境行政を行っては絶対にならないと私も思っております。
 そこで、我が党は政権与党時代、この点を常に念頭に置いて、重要な環境関係の国際会議があれば自民党から各党に呼びかけをいたしまして、超党派の代表団の編成を常に心がけてまいりました。そんなようなときに公明党の代表として必ずすぐに名前が挙がるのが大臣の名前でありました。そのくらい環境問題ではオーソリティーだったわけでありますけれども、今回の対応に対しては、ちょっぴり残念だなと言わざるを得ないわけであります。
 細川内閣が地球環境問題担当大臣を軽んじている、あるいはその発言を重く見ないということであれば、それは我々は断じて容認することはできないわけであります。今後のこともありますので再度お伺いをいたしますけれども、地球環境問題担当大臣としての職責が機能している、そのように国民の目にはっきりとわかる、そんな行動をなさるつもりがあるかどうか、再度お伺いをしたいと思います。
#67
○広中国務大臣 御叱正は大変ありがたく受けとめているところでございます。ただ、政府全体としての対応ということもございますので、私は、まず事実関係を確かめたようなところから始まりまして、少し対応を見守ったということがございますけれども、今後とも地球環境問題にかかわることに関しましては、できるだけ機会をとらえて積極的に発言をし、また閣内でも発言していきたい、そのように思っております。
 どうもありがとうございました。
#68
○林(幹)委員 私がなぜ今回の問題に環境庁長官がリーダーシップを発揮してほしいということにこだわるのかといいますと、それは環境基本法に重大にかかわる問題だと認識しているからであります。
 私は、ここに読売新聞解説部の岡島さんという方が書かれました十九日付の記事を持っているわけでありますけれども、「衝撃、眼前の地球汚染」という大きな見出しの記事であります。この記事の内容に強く共感を覚えましたので、一部朗読をさせていただきます。「今回の海洋投棄の問題は、日本人の食卓に直接響いてくる問題だけに、国際的な環境問題、すなわち地球環境問題の存在を、国民に初めて強く印象付ける結果になった。」さらに「今回の事件がわが国の環境政策に大きな影響を与えるのは間違いなさそうだ。特にわが国の外交の政策に地球環境問題をどう位置付けるか。事件は新たな論議のきっかけを持ち込んだ。」と続いているわけであります。おやっと思ったのは、ここにあります「外交の政策に地球環境問題をどう位置付けるか。」「新たな論議のきっかけを持ち込んだ。」のところでありますけれども、我が国には地球環境問題担当大臣がちゃんといらっしゃる。つまり、環境庁長官であります。しかも、昨年地球サミットにおいて、世界の環境政策の枠組みを決める大きな外交の舞台に、当時の中村環境庁長官が政府代表として出席をされております。
 当時はPKO法案の国会で紛糾中でありました。総理やら外務大臣がこの地球サミットに参加できなかったという事情はありましたけれども、それにしても中村長官が政府代表として活躍をされたことは厳然たる事実でありまして、既に外交の政策に地球環境問題がちゃんとそういう意味では位置づけられている。にもかかわらず、なぜここに言う新たな論議と表現されているのか。その理由は、私は、地球環境の問題であるにもかかわらず環境庁が敏感に反応しなかったために地球環境問題担当大臣の存在がマスコミの目から隠れてしまったと言わざるを得ないのであります。大臣の存在がマスコミの目に希薄になっているというふうに思われるのです。そうだとすれば、環境基本法の立法の精神を国民に理解していただく上で極めて深い懸念を覚えざるを得ません。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、これは本年三月十二日に出されました環境基本法案に関する内閣総理大臣談話でございます。当時の総理は我が党の宮澤総理でございました。ここで言われている立法の精神でありますけれども、政権がかわってももちろんお変わりございませんね。
#69
○広中国務大臣 変わることはございません。
#70
○林(幹)委員 ありがとうございます。
 さきの国会、衆議院本会議で細川総理も社会党の赤松議員の代表質問に対しまして、「地球環境時代に対応した新たな環境政策の展開を図るために不可欠の法案」と答弁されているわけであります。つまり、環境基本法案の制定を急がなければならないのは、地球環境問題という新たな問題、しかも国際的に解決しなければならない重要な政治課題に対して、現行の法体系ではもはや的確に対応できないということになっているからであります。環境基本法案は、我が党が全面的に推進して、共産党も含めて参議院の環境特別委員会で全会一致、可決を見たわけでありますけれども、解散のあおりを受けて廃案になってしまいました。その内容については全く問題ないわけではございますが、一刻も早く成立をしなければならないわけであります。
 そういう意味からも、基本法を施行するときには責任を負うべき官庁は環境庁でございますが、地球環境問題担当という大臣の職責に対して、もっともっと神経を研ぎ澄ませてもらいたい、このように思います。国民に対して環境保全の義務をうたっている画期的な法律を制定しようとしている環境庁は、今後のことは地球環境問題であるのにそれは所管外だというような形では非常に困るのではないか。もっと敏感に積極的に対処、対応すべきだと思うけれども、環境庁事務当局はいかがお考えなのか、お聞かせをいただきたい。
#71
○森政府委員 地球環境問題担当大臣というよりも、地球環境問題担当を命ずるという形で内閣から長官が任命をされております。私ども、そのお立場を十分考えているわけでありますし、またその事務方としまして大臣を積極的に補佐をすべきであるということは、これまでも頭に置き、十分考えてまいったつもりでございます。
 現に、かつて湾岸戦争のあったときに、いろいろな議論がございましたが、環境庁がまず手を挙げ、現地に人を出し、その調査団を督励してやるというようなことをやった経緯もございます。今回の場合には、先ほど大臣がお話しになりましたような処方になったわけでございますけれども、いろいろ経験も重ねながら、ただいま御指摘のようなことを十分念頭に置いて、職責の全うに努力をしてまいりたいと思っております。
#72
○林(幹)委員 環境庁のやる気をぜひとも行動で示していただくよう、お願いをしておきます。
 クリントン政権が十九日に地球温暖化抑制策を発表なされました。世界の温室効果ガスの二〇%を排出しておりますアメリカが、具体的な目標を掲げて排出ガス抑制策を打ち出したわけであります。これで、地球サミットで調印されました気候変動枠組み条約が絵にかいたもちにはならないで目標実現に向けて動き出すことになったことは大変喜ばしい限りであります。
 我が国はどうか振り返ってみて、改めて誇らしく思ったわけであります。と申しますのは、自民党政権下、海部内閣のときにでありますけれども、平成二年の十月に地球温暖化防止行動計画を発表しているわけであります。しかも、先進国中最初でございました。経済大国日本、その経済活動を支えるエネルギー消費をみずから抑制する、抑える、犠牲を強いるということで世界に国際公約をいち早くしたわけでありますけれども、これを高く評価されたわけでありまして、この評価で我が国が環境先進国として位置づけられたものというふうに認識しているわけであります。地球環境問題に対する国際貢献でリーダーシップを発揮するよう世界が我が国に期待するようになった、こう思っておりますけれども、環境庁、私のその認識は違いますかどうか。
#73
○森政府委員 ただいま御指摘のとおりの認識を持っております。
#74
○林(幹)委員 ここで感心したのは、環境庁は通産省などの大官庁を向こうに回して、この行動計画をよく取りまとめたなということでございます。
 調べてみて納得したわけでありますけれども、地球環境保全に関する関係閣僚会議というのがございまして、環境庁の調整能力をバックアップする働きを有しておった。なぜならば、その会議の正式メンバーには、自民党側から党四役、幹事長代理、政務調査会の地球環境問題特別委員長らが常に出席、参加をしておる。党の力を背景として環境庁が調整能力のパワーアップをしたということは、また疑いもない事実ではないかなと思います。
 その地球環境保全に関する関係閣僚会議が八会派に支えられております細川内閣で今どのように機能しているのか。調べてみて驚いたわけでありますけれども、廃止されたまま復活はしていないわけでございます。細川内閣は発足と同時に、自民党政権時の影響力をそぐという意味もあったかと思いますけれども、すべての閣僚会議、懇談会を廃止する、そしてまた、必要に応じて復活し新設をする方針だということは承知しておりました。その後、緊急に対処しなければならない問題、つまり景気対策、物価問題など、そういったものの閣僚会議は復活しました。また、水俣病問題に関する閣僚会議はすぐにまた復活してございます。当然、地球環境保全に関する関係閣僚会議も復活したかと思っておったわけでありますけれども、残念ながらまだ復活しておりません。
 細川総理は所信表明で「地球環境問題は遠い将来の問題ではなく、いっときの猶予も許されない緊急の課題であり、私は、我が国の有する経験と能力を十分に生かしながら、地球環境問題の解決に向けた国際的な努力に対し率先した役割を果たしてまいりたい」と演説をしております。「いっときの猶予も許されない緊急の課題」という言葉と復活されないことは全く裏腹に映るわけであります。
 大臣、なぜ地球環境保全に関する関係閣僚会議が今もって復活していないのか。意思の疎通の欠きがちな八会派の連立政権ならばこそ、なおさら関係各省庁等を網羅した関係閣僚会議の存在は必要なのではないでしょうか。お聞きしたいと思います。
#75
○広中国務大臣 お答えいたします。
 今先生から御指摘いただきましたように、現内閣では、これまであった閣僚会議を一たん廃止して、必要に応じて順次復活させている、そういう状況でございます。
 地球環境関係閣僚会議は、政府一体として地球環境保全政策を推進するために大変重要なものと理解しているわけでございますが、政府といたしましては、アジェンダ21国別行動計画を策定することとしておりますので、この行動計画を地球環境関係閣僚会議の場において決定したいと考えておりまして、同閣僚会議の復活について調整してまいりたいと思っております。
#76
○林(幹)委員 前向きな御答弁を期待するわけでありますけれども、実はきょう午前中、総理自身が、我が党の谷津議員の質問、ロシアの海洋投棄問題に関連してでありますけれども、これにも各省庁がしっかり調整してやってほしいという答弁がここでありました。調整する場こそが今大臣がおっしゃられたこの関係閣僚会議ではないか、こう思っているわけであります。
 橋本政調会長も、サミット出席の経験を踏まえた上で、もう既に外交当局だけで地球環境施策を語ることに無理ができているというふうにも指摘しておりました。地球環境問題の総合調整機能を発揮するためにも、この関係会議はぜひとも必要だと私は思いますので、この復活を強く改めて総理に申し出ていただきたいと要望いたしておきます。
 そこで、今大臣から出ました昨年の地球サミットで決まりましたアジェンダ21国別行動計画をたしか本年中に策定しなければならないはずでありますけれども、時間が多少ありますけれども、最後に、この国別行動計画が今どうなっているのかお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#77
○森政府委員 ただいまお話にございましたように、昨年のミュンヘン・サミット、それからことしの東京サミットで、先進七カ国は地球サミットにおいて採択されましたアジェンダ21を実施するための行動計画を一九九三年末、すなわちことしの末までに策定し、公表するということにしているところでございます。
 我が国といたしましては、こういう国際的な合意がございますので、これを踏まえまして、行動計画を率先して策定して我が国国内の取り組みを推進するとともに、あわせて国際的な地球環境保全の取り組みの推進を図っていきたいということで、現在、関係省庁間で緊密な連携をとりながら作業を進めているところでございます。いましばらくその作業の状況を見守っていただきたいと思っております。
#78
○林(幹)委員 時間は余りましたけれども、私の持ち時間、もっとあるのですけれども、質問はこれで済みましたので、細田議員に譲りたいと思います。ありがとうございました。
#79
○奥田委員長 細田博之君。
#80
○細田委員 まず、広中長官、御就任おめでとうございます。
 伺いますと、環境庁長官に女性長官がなられたのは三代目だというふうに承っておりますが、森山長官はすぐに官房長官になられた関係で大変短かったわけで、実質的には二人目ということだそうでございます。特に長官はアメリカに長くお住まいになり、そうして向こうでのいろいろな環境問題にも接してこられたと思うわけでございます。
 そして、日本でももちろん環境問題というのは長い間さまざまに議論をされ、国内の議論はもとよりでございますけれども、アメリカそしてヨーロッパあるいは発展途上国を含めた環境問題というのが非常に大きな話題になっておるわけでございます。最近の核燃料のいわゆる廃棄物問題も大きな意味で当然環境問題でございますし、あるいはアメリカがやってきております核実験とか地下核実験やいろいろな問題も、環境問題に大きな影響を与えるわけでございます。
 最初に、長官から、アメリカの環境政策、そうして日本の環境政策というのはどのように違うのか、あるいは同じところがあるのかという総論について印象をお伺いいたしたいと思います。
#81
○広中国務大臣 私は最初は学生として、それからは結婚して一主婦として、生活者としてアメリカに長いこと暮らしていたわけでございます。
 アメリカから日本を見ますと、日本という国はアメリカの二十五分の一の国土、しかもその国土の七割近くが緑に覆われて、非常に平地が少ない。そこにアメリカの人口の約半分が非常に狭いところに住んでいるという状況、しかも戦後急速な工業化を行い、そして公害を多く出したわけでございますけれども、そうした厳しい状況の中で公害を克服してきたということで、日本の公害技術というのは非常に誇っていいものではないかなという印象を私は持っております。
 先ほど申しましたように、私はアメリカでは一介の主婦でございまして、専門的な環境の知識を持っていたわけではございませんけれども、後ほどいろいろ日本の環境を見る中でアメリカの環境政策などを見ますと、日本と米国は先進工業国として多くの共通の環境問題を抱えているということ、そしてその対応も基本的には同じような政策展開を図っているということが言えると思います。ただ、自然的、社会的条件の差異によりまして、先ほど申しましたように、例えば自然保護、土壌汚染対策などに違いがございます。
 日米間では日米環境保護協力協定等に基づきまして政策交流を進めておりまして、引き続き十分な協力を図ってまいりたい、そんなふうに思っております。
 個々の分野の詳細につきましては、もし御希望でございましたら政府委員に答えさせていただきます。
#82
○細田委員 今、総論を大臣から承ったわけでございます。
 主として事務方からいろいろ伺いまして、我々も勉強になりますし、大臣にもいろいろお勉強いただきたいと思いますが、まず大気ですね。硫黄酸化物、窒素酸化物あるいはその他酸性雨問題とか自動車排気ガスとかいろいろございますけれども、これについてはアメリカと日本というものはどういうふうに違いがあり、あるいはどういう歴史があるか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#83
○松田(朗)政府委員 お答えいたします。
 まず、先生御承知だと思いますが、現在我が国におきます大気保全関係につきましては、法的にはまず公害対策基本法というのがございまして、その中で環境基準というものを定めている。それを受けて、それを守るために今度は大気汚染防止法というのがございまして、そこで工場だとか自動車等に対するいろいろな排出基準等を定めている、こういう二つの法律で体制を整えておる。
 これに対しましてアメリカの方は、一九七〇年でございますが、大気清浄法というものを制定いたしまして、この法律一本で環境基準を定め、あるいは排出基準等を定めている、こういう仕掛けになっているわけでございます。これは、基本的に、内容的には先ほど大臣からお答えしましたように同じでございますが、特徴的なところをとらえますと、アメリカにおきましては、一九九〇年、最近でございますが、大気清浄法を大改正いたしました。
 その主なものを二つ申し上げますと、その一つは、従来大気汚染物質として指定した物質が七つあったわけですが、それを百八十九まで拡大しまして、それについていろいろ今後規制等を加える検討が今始められておるというところでございます。
 二つ目は、自動車の排気ガスにつきまして、特にカリフォルニア州におきまして、低公害車の導入等を図るために非常に厳しいプログラムがスタートをしているということでございます。
 具体的に申しますと、十年をめどに工場、自動車を販売している企業に対しまして、そのトータルの一〇%は電気自動車にしろとか、こういうような非常に前向きの厳しい努力目標を立てて進めているという特徴がございます。
 これに対しまして日本の方は、特に大気汚染の問題ではNOxが非常に問題でございまして、特に、このNOxもその主な元凶が自動車等でございますので、これを受けまして、この対策としましては、昨年六月、自動車NOx法というのを制定いたしまして、これに基づきまして特定の地域を指定し、あるいは閣議決定した対策、基本方針を打ち出し、それからその関係の自治体が独自の削減計画を立てる、こういうような体系で今作業が進められているわけでございます。
 このように両者それぞれ特徴がございますが、やはり両方同じような環境問題を抱えておりますので、日米環境セミナーというのがございますが、その場に環境庁も積極的に参加いたしまして情報交換をし、現状認識、あるいは対策等についても理解を深めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#84
○細田委員 アメリカは非常に厳しいものを九〇年以降はやっているということですが、その厳しい基準というのは、日本よりも厳しくなったのですか、やっと日本の水準に追いついたということなのか。アメリカは大陸で広いですから、そういった意味で自然の浄化作用もあることはあるのだと思いますが、NOxにしても、あるいはその他の自動車排ガス、大気清浄法一般について、概略言うとどちらがどのくらい厳しいのですか。
#85
○松田(朗)政府委員 お答えします。
 現在、両国で規制対象となっております大気汚染物質、NOx、SOxあるいは粒子状物質等ございますが、この数はほぼ一致しております。それに対します環境基準値というものは、一酸化炭素を除きましては日本の方が基準値としては厳しい基準になっている現状でございます。今申しましたアメリカの法改正で百八十九物質を指定した、これについてアメリカがどういうふうな基準値、規制を設けるかというのはこれからでございます。
 私どもも、大気の中に現在規制している以外の物質でたくさん有害なものがあるという認識がございますので、そういうものを未規制大気汚染物質というふうに私どもは考えておりまして、来年度も予算要求しておりますが、こういう未規制物質についても我が国もいろいろ洗い出しをして、必要があれば規制等を考えていかなければならないと考えております。
#86
○細田委員 大臣がアメリカにおられたころに、ある時期、日本はアメリカ人を笑っておったわけですね。それは大型車に乗ってガソリンをどんどん燃やしていろいろな有害物質を振りまいておる。日本は小型車をつくって、それがそういう環境上も競争力が強いからどんどん売れるんだ、こう言っておったら、いつの間にか向こうは一生懸命製造工程を改革しまして小さいものをつくる。今度は日本はどんどん大きいものをつくって、ガソリン一リットルで五キロか六キロしか走らないような車ばかりですよ、町に。
 これはやはり環境に対して非常に甘い認識になっているのですね。経済成長、バブル等も関係があるのでしょうけれども、非常に甘くなっている。しかも、それを引っ込めようと思うと、さまざまな生産体制がとられているのに支障があるとか、電気自動車をどんどんやれというと、今までの投資がむだになるというようなことがある。
 アメリカでは、先ほど言われたように電気自動車を義務づけてでもやれと言っているわけですが、どうも日本はそこまで踏み切れない。むしろ不況対策が大事だというようなことを言っておるわけですが、これからのいろいろな行政を通じられて、ひとつ大臣も大いに指導していただきたい、こう思っているわけでございます。
 第二に、水質問題はどうでございましょうか。
#87
○野中政府委員 アメリカの水質の問題でございますが、米国では通称クリーン・ウオーター・アクトと呼ばれる法律がございまして、工場、事業場排水に対する規制、さらには汚水処理施設の設置等の対策、また農地、市街地等からの汚染に対する対策などが進められているわけでございま
す。
 このうち排水規制につきましては、基本的に環境保護庁が水質環境基準のクライテリアや工場、事業場からの排出基準を設定いたします。同時に、各州が水域ごとの水質環境基準を設定いたしまして、上乗せの排出規制を行うというような仕組みになっているわけでございまして、体系としては我が国と似た面があるわけでございます。
 一方、米国におきましては、環境基準におきまして、人の健康保護に加えまして水生生物の保護のためのクライテリアが設けられております。また、環境保護庁が排水規制と下水道の整備とあわせて総合的に対策を実施しているといったような特徴も見られるところでございます。また、現在、法律全体の見直しも検討されているというふうに聞いております。
 また、水質に非常に関係の深い土壌汚染の分野につきましては、通称スーパーファンド法というのがございまして、費用負担者をかなり幅広くとらえまして、基金などによりまして浄化対策を進めているというような状況でございます。
 いずれにいたしましても、今後とも米国の取り組みの状況につきましては、私どもといたしましても情報収集に努めまして、必要に応じまして我が国の対策にも反映をさせてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#88
○細田委員 関連で、また追加してお尋ねしますけれども、アメリカは全体で下水道普及率というのはどのぐらいあるのでございますか。日本と比べるとどうなのか、調べて、もうちょっと何分か後に答えてください。あれだけ大きな国の割に非常に整備されておると私は思いますけれども、それが基本にあって、水質というのは特にこれから日本でも問題になることで、生活排水その他整備をしていかなければならない、こう思うわけでございます。
 第三番目に、自然公園あるいは生物の保護という観点からどうでしょうか。これは、私もいろいろな自然公園を訪ねたことがありますが、日本の国立公園以上に大変保護が進み、大きい国土でございますから、日本とは違う。住宅地と隣接しておるというようなことでは必ずしもありませんから、違うところはあると思いますけれども、いかがでございますか。
#89
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。
 まず、自然公園でございますけれども、その代表選手ともいうべき国立公園について比較してみますと、その数は米国が四十八カ所、我が国が二十八カ所でございますが、国土面積に占める割合で見てみますと、米国が二%、我が国が五%ということで、割合としては我が国の方が大きくなっております。
 制度として最も大きな違いは、土地所有形態のいかんにかかわらず我が国では国立公園に指定をしているというのに対しまして、米国ではみずから国立公園の土地を所有し管理している、ここに大きな違いがございます。
 したがいまして、米国では国立公園を管理しております内務省が直接公園を管理して、必要に応じて入園料なども徴収いたしました上で、充実した施設整備や利用者に対する自然解説などのサービスを行っているわけであります。これに対しまして、我が国ではすぐれた風景地であれば民有地でありましても指定をできるということで、広い面積が指定できるというメリットがございますが、他面、私権でありますとか他の公益との調整というようなことが重要な課題となってくるということでございます。
 このような制度的な違いについては一概にどちらがいいということは言えないかと思いますが、しかしながら、最近の国民のニーズの高まりということで考えますと、やはり施設整備や利用者サービスといったような面では米国に学ぶべき点が多いのではないかというふうに考えておりまして、今後とも情報の把握に努め、施策に反映をさせていきたいと考えておるところでございます。
 それからもう一点、野生生物でございますが、これは一般的な野生生物の保護区を設定いたしまして保護する制度と、絶滅のおそれのある野生生物の保護に関する制度と二つの体系になっております。この点では我が国も米国も同様でございます。
 ただ、制度的にはよく似ておるわけでございますが、米国においては全米各地に政府の野生生物研究センターが置かれましたり、民間団体でも大変積極的な研究活動が行われておりまして、こうした点では我が国として学ぶべき点が多いと考えておる次第でございます。
#90
○細田委員 国によって非常に差があるということがわかるわけですが、日本は、大臣、案外大変なんですよ、この野生生物というのは。田舎の方に行きますと、もう田んぼにイノシシが出て夜中のうちに全部なぎ倒して帰ってしまうわけですよ、米を食べたりしましてね。猿も出るし、カモシカも出るところもあるということで、動物というのは人間に相当害をもたらしている面もありまして、害は防ぎながら、そしてどうやってまた保護していくか、これは大きな二律背反の問題がありますので、そのことだけちょっとお耳に入れておきたいと思います。大変地方で大きな問題です。特に西部から南部にかけてですね。
 それから第四に、CO2あるいは地球温暖化の問題について、伺います。
 これは規制その他の現状を伺うとともに、私は、去年もサミットが行われたり、それに対してさまざまな政府のてこ入れをしようという動きはあったけれども、これが経済的発展の足かせになってはいけないということもあって、どうもアメリカなどは余り前向きではなく、人の後からついてくる、こういうような傾向があったわけでございますが、副大統領などは非常な環境論者で、何か変わるかなと思ったら余り変わらないという話もありますし、その辺の現状についてちょっと御説明願います。
#91
○森政府委員 大変大きな違いは、日本におきます、先ほど林委員からの御質問にもございましたいわゆる行動計画、この目標に対応する排出量の目標を設定をしてこれを計画化するという手法をとっていないということが続いたわけでございます。
 それで、今般ワシントンにおきまして十月十九日に、クリントン大統領、ゴア副大統領の連名で米国気候変動行動計画というのが公表されております。ここで初めてこれまでございませんでしたCO2等の排出量につきまして、二〇〇〇年までに一九九〇年レベルに戻すということが掲げられているわけでございます。日本は既に行動計画の中でこの目標を掲げているわけでございますが、その意味ではようやく並んだといいましょうか、そういう状況になってまいりました。
 そこに至った原因はいろいろ国内事情としてあろうかと思いますが、ようやくこういうような形になってまいりましたものですから、私どもは同じ先進国グループに属しますパートナーといたしまして、歓迎すべきことであろうと考えているところでございます。
#92
○奥田委員長 野中局長、先ほど細田先生お尋ねのアメリカの下水道の普及率については今調査中ですか。もう出ますか。
#93
○野中政府委員 今ちょっと調査をしているところでございます。
#94
○細田委員 それは、アメリカはかなりクリントン政権になってから変わり始めたということはわかるのですが、今なお国際的レベルから見て足りない面もあるのじゃありませんか。もうアメリカはこれで大体十分日本やヨーロッパに追いついた、考え方について、特に温暖化、CO2などについては追いついたと見ていいのですか。
#95
○森政府委員 先ほど申し上げましたのは排出量の目標値を定めたということでございまして、これをどういう形で実現をしていくか、これがこれからということでございます。日本は既にやりつつあるわけでございまして、その限りにおいてはまだ日本の方が進んでいるのではないかと私は思っておりますが、アメリカもそれなりの努力をこれから重ねていくであろう、こう思っております。
#96
○細田委員 大臣、まさにそういうことでございまして、今まで環境の関係者が苦労を重ねてきたのは、アメリカが非常に後ろ向きにやってきた、しかもそれが大きな長期的不況あるいは双子の赤字もあって、そんなに簡単につき合えないぞ、こういう態度を長く続けてきたわけでございます。
 特に、御経験の深い大臣でございますから、これからいろいろアメリカとお話しになるときに、アメリカをできるだけ速やかに、地球は一つでございまして、特にCO2、温暖化の問題というのは特定の地域だけやってもしようがありませんので、ひとつぜひ得意の英語も駆使されて、しかも説得力を駆使されて、国際的に足並みがどんどんそろっていくように御努力をいただきたいと思います。
 そこで、これとも関係するのですが、発展途上国との経済協力問題、特に環境問題にかかわりのある発展途上国の経済協力問題について、各国の取り組みぶりはどうですか。
#97
○森政府委員 アメリカの経済協力は、地域別あるいは分野別に戦略を立てていまして、大部分を贈与で実施していると承知をいたしております。環境分野も同じでありまして、公害防止あるいは生物多様性保全といった分野につきまして、私どものデータでは、一九九二年度約六億八千百万ドルの贈与を実行していると承知をいたしております。
 我が国の場合には、九二年度における環境分野のODAは約二千八百億円でございます。これは、うち八〇%が政府貸し付け、すなわち円借款という形で対応をいたしているところでございます。
#98
○細田委員 発展途上国に経済協力をして、できるだけ日本の経験のある、例えば大気汚染防止だとか、それがひいては日本の酸性雨対策にもつながるわけでございますけれども、例えば中国に対して、北朝鮮に対して、十分な公害防止施設を大いに拡充するように頼んでいかなきゃだめなんですね。私の選挙区などは、西日本ですから、現に風が少し中国で吹くともう黄色くなるわけですよ。それは黄河の砂じんが舞い上がって、九州から中国地方というのは空が黄色くなるぐらい影響があるわけですから、まして酸性雨などというのはどんどん降っておることは間違いないわけですね。
 したがいまして、この発展途上国経済協力というものを、これは、情けは人のためならずといいますか、自分たちのためにも本当に必要なことでございますので、まずその点を御認識を深くしていただきたいと思うわけでございます。
 フロンとかオゾンの問題はどうでしょうか。
#99
○松田(朗)政府委員 お答えいたします。
 ただいま細田委員が御指摘の地球温暖化問題と同様に、このオゾン層の問題も地球的規模の環境問題でございます。したがいまして、これに対するために、国際的ないろいろな協調がございまして、まず一つは、オゾン層の保護のためのウィーン条約、それから、この条約に基づきますオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書というものがございます。
 これに加盟している国々は、それぞれここで決められた約束事をそれぞれの国内において対応している。当然アメリカも日本もこれに加盟しておりますから、同じような方針で国内手続がとられている。先ほども申しました大気清浄法によりましてアメリカは対応しておりますし、我が国は、昭和六十三年にできましたオゾン層保護法によりまして、同じ物差しを用いて対策をとっているというところでございます。
#100
○細田委員 先ほどの下水道関係がわかったようですが……。
#101
○野中政府委員 アメリカの下水道の普及率でございますが、処理の程度が若干違うということで、厳密な比較ということは必ずしもできないようでありますけれども、いずれにいたしましても、一九八六年の米国の下水道の普及率は七三%でございまして、先生御指摘のように、日本よりはかなり高い普及率となっておる状況でございます。
#102
○細田委員 あれだけ広い国土で、しかも人は散らばって住んでいるのに七三%整備しているんですね。これは、直接は建設省だとか、いろいろな意味で各省庁があるわけでございますけれども、やはり我が国で一番おくれているのはこの問題であると思いますので、やはり総合的に環境庁としても進める、これが第一ですね。
 私の選挙区なども、宍道湖、中海などというのがありまして、どうしても生活排水で少しずつ汚れてくるわけでございます。そして、和歌山県と島根県が全国最低の下水道普及率なんだ、これは自慢じゃないけれども。それで、これから大いにやろうということなんでございますが、関係する省庁がやはり御協力をいただいて、大きな国民運動にしてもらわなきゃ困るんですね。御存じのように、自己負担額が大きいものだから、大都会の人にはなかなかわからないけれども、工事額が大きくなってなかなか進まないということが実態でございます。
 それで最後に、これからの環境問題についていろいろ大事な点のうち、特に私が重要だと思う点を申し上げたいわけでございますが、やはり国民に対する教育ですね。ごみといったって、全員が出すわけでございますし、あるいは生活排水もそれぞれの国民の自覚が必要だ。それがたまってきて大きな環境汚染をもたらすわけでございますが、企業に規制をしておるという時代はもう完全に過ぎ去りまして、国民一人一人の自覚と教育がなければ対応できないような状況になっているわけですね。したがって、これをどういうふうにして認識を高めていくかというのが第一点。
 それから第二は、その対策として、例えばリサイクル問題などについてもいいメカニズムがなければいけない。環境税の問題については先ほど質問がありましたけれども、どういうメカニズムで環境対策をやればいいかということが、なかなか答えが出ない。ああすればこういうマイナスがある、こうすればああいうマイナスがある、プラスだけじゃないということで、なかなかうまくワークしないようなことになっているわけですね。
 しかし、そこを乗り越えていかないと、どんどん廃棄物はたまるし、環境汚染が進むということでございますので、どういう観点からこれから考えをまとめていかれようとしているのか、お答えを願いたいと思います。
#103
○森政府委員 ただいまお話しの二点でありますが、今回御審議を賜っております環境基本法案の根底にある問題ともまたつながるわけでございます。
 これまでのような規制的な手法では、ただいまお話しのようなことに的確に対応できないということから、新たに経済的手法を検討しようではないかということを法律上規定いたしているわけでございます。
 さらに、国民に対する環境教育という観点からの事項につきましても、環境基本法の中でその重要性を明定しているということでございまして、私ども、この環境基本法が成立した暁には、ぜひ今申し上げましたような手法をいろいろ活用して、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 環境教育につきましては、これまでも文部省と連携をとりましたり、幅広な国民運動につなげるように、いろいろな知恵を出すということを考えてまいりました。環境事業団につくりました基金もまたその一つでございます。私ども、いろいろな形で今後ぜひ努力を重ねてまいりたいと思っております。
 また、経済的手段の問題でございます。これはいろいろまだ勉強をしなければならないことがございます。法律が成立した暁には、その規定の趣旨にのっとりまして検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#104
○細田委員 まさに今おっしゃいましたように、この環境基本法、大臣にとっては突然これが、参議院で御審議になったわけでございますけれども、冒頭から出てきて、すっと通ろうとしておるわけでございますが、これは終わりではなくてまさに始まりにすぎないわけでございまして、これが通過した後に、やはり国際的にどういうふうに協力し努力をしていくか、それが地球全体をどのように住みやすい世界にしていくかということにつながるわけでございます。
 また、国民的合意の形成という面ではまだまだ、今局長もおっしゃっておられましたが、どのようにして手を打っていけば本当によくなるのかという点は暗中模索の段階なわけですね。基本法はとりあえず通ったけれども、どうしていったらいいかということは、まだはっきりとはしていないわけでございます。
 したがいまして、これからも大いに政策を具体的に構築していっていただく御努力をお願いしたいと思いますが、最後に大臣の御決意のほどをお伺いします。
#105
○広中国務大臣 国際協力の問題でございますけれども、ロシア・東欧支援あるいは中国の工業化の中で、どのような形でその汚染を克服していくかという問題、そのほか他の発展途上国を支援していく際に、やはり我々先進国が、日本だけではなくて他の国と御一緒にこの環境問題を取り上げていかなければならないのではないか、そのように思っておりまして、できるだけそうした環境大臣などと連携をし、コミュニケーションを図りながらこの問題には取り組んでいきたいと思います。
 そして、この環境基本法を通していただいた暁には、今企画局長がおっしゃいましたような、そのような施策を検討しつつやっていくとともに、また新たに、例えばフランスとかそのほかアメリカなどでも、リサイクルなどにつきましてはかなり大がかりな民間レベルでの取り組みなどもあるように聞いておりますので、世界のあらゆるいい技術なども取り込みながら、我が国におきまして環境問題というのがこれからの経済の一つのフロンティアになるような、そういった形で進んでいけばいいな、そのように思っているところでございます。
#106
○細田委員 終わります。ありがとうございました。
#107
○奥田委員長 持永和見君。
#108
○持永委員 引き続き質問を申し上げます。
 さきの通常国会で、環境基本法、自民党と政府が提出をいたしましたけれども、残念なことに解散という憂き目の中で廃案になってしまいました。そこで、国会の審議の過程で議論されました修正の条項を織り込まれて、今回、前回と同様の内容の環境基本法が改めて提出されたわけでございます。
 この環境基本法というのは、これからの地球環境時代に対応した本当に新しい環境政策の基本的な理念あるいは基本的な枠組みを決めるものであるかと思っております。そのためには、これだけ環境問題が国際的にも国内的にも大きな関心を呼ぶ中で、できるだけ早く成立をさせたいというのが我々自民党としての願いでもございますから、そういう立場から、基本的な方向づけについて幾つか長官などにお伺いをいたしたいと思います。
 まず、この環境基本法が制定をされるということについて、どういうような意義を持っておるか、その辺を長官にお伺い申し上げます。
#109
○広中国務大臣 お答えいたします。
 今日の環境問題でございますけれども、地域の環境から地球規模にまで広がっておりますし、また、将来の世代にも影響を及ぼす大きな課題、人類が直面する最大の課題であるというふうに私ども認識しております。
 こうした今日の環境問題の多くは我々の社会経済活動の拡大に起因しておりまして、その解決のためには、社会経済活動そのものや国民の生活様式のあり方を見直し、社会全体が環境への負荷の少ない、いわゆる持続的発展が可能なものに変えていかなければならない、そのような認識を持っております。
 この環境基本法、前政権が本当に精魂を込めてつくられ、提出されたものでございます。そして、私どもも野党の場にありましても一生懸命これを通そうとして熱心に審議をさせていただき、満場一致で通過するという、そこまでいったわけでございますけれども、このような状況の中で、新政権といたしましては、そして環境庁といたしましては、この環境基本法をぜひ一日も早く通していただきたいということで今までやってきたわけでございます。
 こうした認識に立ちまして、この基本法では、限りある環境の恵沢を現在と将来の世代が享受できるように、社会のすべての者が公平な役割分担のもとに持続的発展が可能な社会の構築を旨とし、さらに国際的協調による地球環境保全を推進するという環境政策の新たな基本理念を明らかにしているわけでございます。
 この基本法は、こうした理念とこれに基づく基本的施策の総合的な枠組みを定めるものでございまして、今後の我が国としての環境の新たな取り組みを宣言する大きな意義を持っている、そのように思います。
#110
○持永委員 今私どもが生活をしている中での地球の美しい豊かな恵み、そういった環境の保全というのは、これから人類が健康で文化的な生活を営む上では欠かすことができないものであろうと思いますし、また、これを現世代の人間が後世代の子供たちに伝えるという、それは私たちに課せられた務めではないかと思っております。
 そういう意味では、環境基本法がこういった我々現代人の務めを果たすための一つの大きなよりどころになる法律であってほしいなという気持ちがいっぱいでございます。
 そういった観点から、この法律が成立いたしました場合に、この中に盛られた理念、環境保全に関する理念なりをどうやって具体的に実現していかれるのか、その辺の長官の基本的な態度をお伺い申し上げたいと思います。
#111
○広中国務大臣 環境を保全していくのは国、地方自治体、事業者、並びに国民、つまり日本全体としての取り組みが必要でございまして、その各構成員の責務をこの環境基本法では明らかにしているわけでございます。
 さらに、この基本法が成立いたしました後は環境基本計画を策定する、そして、環境影響評価とか経済的措置とか環境教育や民間活動の支援など、さまざまな基本的施策を総合的に考えつつ取り組んでいきたい、そのように決めているところでございます。
 この実現のためですけれども、社会の構成員の公平な役割分担のもとに環境の保全のための取り組みが推進されますように、また、多様な施策を具体化し、総合的、計画的に実施していくために全力を尽くして頑張らせていただきたいと思います。
#112
○持永委員 今長官がおっしゃいましたように、この法律ができましたら早速やっていただきたいのが環境基本計画の策定ではないかと思っております。そういう意味で、この環境基本計画が本当に実効性のある計画であってほしい、そしてまた、この計画をこれからの環境政策の中核として実のある計画にしてほしいというのが私どもの気持ちでございます。環境基本計画につきまして、国とか地方公共団体が、いろいろな開発計画を持ったり、あるいは逆に公害防止のための計画を持ったり、経済のための計画を持ったり、いろいろな多様な計画をやるかと思います。
 その場合に、環境に関係のあることについて、この環境基本計画がどういう位置づけになっていくのか、その辺がこれからの環境行政の上で非常に大事なことではないかと思いますけれども、そういった点をどういうふうにお考えなのか、お伺いを申し上げたいと思います。
#113
○広中国務大臣 この環境基本計画は、環境の保全に関する政府全体の基本的な計画として政府内部での調整、そして閣議決定を経て策定されるものでございます。したがいまして、国の策定する各種計画におきましては、環境の保全に関して環境基本計画の基本的な方向に沿った内容になる、そのように信じております。
#114
○持永委員 今の長官のおっしゃったことで、例えば環境基本計画というのは、いろいろな各種の計画の中で環境の面にもし仮に計画策定が行われるとするならば、その環境基本計画との整合性がないものについては、計画に対して環境庁なり政府としてそれなりのきちんとした態度を示していけるんだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#115
○森政府委員 ただいま長官が御答弁を申し上げました趣旨は、まず、国全体としてつくられるものであるからその方向になると信じているということでありますが、一歩進んで考えてみますと、そういうふうに調整をすべく、あるいは誘導をすべく私ども環境庁が働くべきものと考えております。
#116
○持永委員 ぜひその点で環境庁の力を発揮していただきたいと思います。
 環境アセスメントの問題はいろいろな先生方から先に御質問がありましたので省かせていただきますが、次に、地球環境問題についてちょっとお伺いを申し上げたいと思います。
 今、限りある資源の地球の中で、環境問題というのが全体として大変深刻な影響を及ぼしておりますし、また、人類を含むすべての生物の生存基盤である地球環境の破壊というのは今大きな問題になっているかと思います。
 地球環境というのは、これは日本の国内だけの問題ではなくて、国際的な広がりの中でこの問題に対処していかなければならないことは当然なことでございますが、日本の立場として、先進国の立場として、あるいは今日までいろいろな産業公害を克服してきた日本の立場として、この環境保全のための国際的な枠組みづくりあるいは国際協力、そういった問題について、具体的にどのようにお進めになっていくのか、お伺いを申し上げたいと思います。
#117
○広中国務大臣 地球環境問題は人類の生存基盤にかかわる重大かつ緊急な課題である、そのような認識に立ち、環境保全に関するさまざまな経験と技術を有する我が国といたしましては、今後こうした経験や技術を生かしまして、その国際的地位にふさわしい役割を、国際協調を図りつつ積極的に果たしていきたいということでございます。
 特に、環境分野の国際協力に関しましては、昨年の地球サミットで我が国として環境ODAの大幅な拡充強化を図る旨声明を出し、さらに本年六月の政府開発援助第五次中期目標におきましても、環境政策の重視をうたっております。
 こうした方針のもとに、政府としては今後とも途上国の環境問題対処能力の向上を含めた環境ODAを積極的に推進していきたい、そのように思っております。
#118
○持永委員 地球環境の中でも、特に地球温暖化あるいは生物多様性の分野については、日本としてことしの五月に気候変動枠組み条約とか生物多様性条約を締結いたしました。この両方の条約にもそれなりの精神が盛り込まれておりますし、また新しく今度できる環境基本法の枠組みの中で、さらに一層こういった問題を推進していかなければならないと思っております。
 まず、日本が三年前に策定いたしました地球温暖化防止計画、これは具体的にどのように実施されておりますか、お伺いします。
#119
○森政府委員 平成二年の十月に、地球温暖化防止行動計画というのを我が国が世界に率先して定めたわけでございます。この計画は、CO2の排出抑制の目標を掲げるとともに、広範な施策を中に取り込んで、その施策はそれぞれ関係省庁が実施をしていくという構造になっておるわけでございます。
 その実施状況等につきましては、毎年地球環境保全に関する関係閣僚会議というもので報告をしていただいております。ことし六月の関係閣僚会議への報告によりますと、例えばことしの四月には改正省エネルギー法、それから省エネ・リサイクル支援法が施行されて、省エネ等の対策が強化された、あるいは地方公共団体が地球温暖化対策を推進するための地域計画の策定に対する補助制度が創設された、あるいは計画策定のためのガイドラインの整備が行われたということなどが報告をされております。
 私どもといたしましては、行動計画が着実に達成されてまいりますように、今後とも関係省庁と連携を深めながら、温暖化対策の一層の推進に邁進をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#120
○持永委員 では、生物多様性の確保の具体的な政策について御説明いただきたいと思います。
#121
○奥村政府委員 先生御指摘の生物多様性の確保の問題、大変重要な課題でございます。本年十二月に生物の多様性に関する条約が発効するような見込みになってきておりまして、国際的にも大変重要な課題になっておるところでございます。
 今般の環境基本法案におきましても、おのおのの施策の目指すべき方向性として、生物多様性の確保が図られることを旨とする条文が盛り込まれておるというところでございまして、これまで以上に対策を充実していかねばならないというふうに考えておるところでございます。
 これまでのところ、我が国では、多様な生物とその生息環境の保全につきまして、自然環境保全法や鳥獣保護法などによってすぐれた自然の地域や野生生物の生息地の保全を図っているところでございますが、今後は、さらに環境基本法案の方向に則しまして、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく生息地等の保護区の指定あるいは保護増殖事業の充実などを図っていきますとともに、生物多様性の確保の観点に立って、生物多様性の把握のための調査研究を充実いたしますとともに、調査結果を踏まえた各種施策の一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#122
○持永委員 環境保全の問題というのは政府が由心でなければならないと思いますし、これに付随して地方公共団体がさらに具体的な各地域の環境保全にふさわしい政策を展開していかなければならないと思いますが、環境問題というのは、今日特に指摘されておりますし、またこの環境基本法の中にも盛り込まれてもおりますけれども、やはり民間の人たちが環境保全の意識を持ってそういった活動を積極的にやるということは何よりも大事なことではないかと私は思います。
 特に、最近の環境問題というのが、通常の経済活動とか国民の生活に起因するそういった環境への負荷の積み重ねによって生じている面が多いわけでございますから、そういう意味で、たしか審議会の方でもこのような環境問題の解決のためには経済社会のシステムのあり方あるいは国民、事業者の行動様式を見直していかなければならないというところまで指摘されているのではないかと思っております。
 このためには、各事業者とか国民一人一人がそれぞれの事業活動あるいは日常生活の中で、自主的に環境保全のための取り組みを積極果敢に行うということが何よりも大事なことではないかと思っております。最近、我が国においても、そういった意味で積極的に環境保全活動に参加したい、あるいは参加をしているというような人たちがかなりふえてはきていると思うのですけれども、実際にこういう人たちがどういう環境保全活動ができるのか。情報がないとか仲間がいないとか、そういった問題点が指摘をされているのではないかと思います。
 民間による自主的な環境保全活動をさらに積極的にし、活発にし、やはりこれから国内として、あるいは地球全体として環境を守るためには、国民一人一人、事業者個々が環境意識に目覚めたそういう活動が何よりも大事なことだと思います。
 こういった民間の人たちの環境活動への取り組みをさらに積極的に推進するようなことについて、何か具体的な方策をもちろん環境庁としても考えていくべきだと思っておりますけれども、その点についてお伺いを申し上げたいと思います。
#123
○森政府委員 環境基本法案の二十六条では、国が講ずべき施策の中の一つに、「民間団体等の自発的な活動を促進するための措置」ということで、「民間の団体が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。」という規定を、これまでございませんでしたが、初めて置いたわけでございます。
 それで、ただいまお話にありましたように、今日の環境問題の解決、そのためには民間団体などの自主的、積極的な取り組みが不可欠であるということで、この条文もまたそういう役割を持ったものとして設けているわけでございます。
 環境庁といたしましては、もう既に環境NGO活動への支援を行うための地球環境基金の創設というのをこの法案に先駆けてやって、ことしの五月からもう動き出しております。その状況を見ますと、この支援を求めてまいりました団体は二百五十を超えます。金額にいたしましても二百億円を超える、こういうような応募状況がございました。
 私どもとしては、残念ながらそのうちのわずかしか御希望に沿えなかったわけでありますが、こういうものも一つの大きな道具立てになろうと思いますし、さらに、今お話がございましたように、広範な環境保全活動の促進について、情報の整備、提供の役割が大変重要であろうと思います。これまでこれは大体公共団体の役割としてかなり行われてきつつございますが、まだ十分ではございません。私ども、先般も公共団体のこういう担当者と連絡会議を持ちまして、いろいろ知恵を出し合おうということにしているわけでございます。
 いずれにいたしましても、この基本法案の成立が相なりましたときには、この趣旨を体し、よく公共団体、関係団体とも協力をしながら、この民間活動の促進に努めてまいりたいと考えております。
#124
○持永委員 ぜひひとつこの民間の活動の推進というのは、環境庁としても積極的にさらにお取り組みをいただきたいと思います。
 環境問題は、従来は産業公害問題ということが大変大きくクローズアップされてまいりました。産業公害問題については、それなりの政府の政策なりあるいは事業者、国民の努力によって相当の成果を上げ得たと思いますけれども、なおかつ大気汚染の問題あるいは水質汚濁の問題、もろもろの問題が多々ございます。
 こういった公害については、やはり人の健康に直接かかわりのある問題でございますから、こういった問題についてもさらに積極的な推進をお願いを申し上げたいと思いますが、きょうは一つだけ、特に水道水の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 特に、最近水道水から有害物質が検出されたり、あるいは水道水が大変臭いといったような問題が解消されておりません。逆に、最近はミネラルウオーターとかあるいは浄水器とか、こういったものが非常に売れ行きがいいというようなことが言われておりますように、国民の側から見ても水道水、飲料水に対する関心は大変高まっているということが言えるかと思います。
 こういった問題につきましては、規制項目を拡大するとか基準を強化するとか、そういったことも当然必要でございますが、あわせて社会資本の整備とか生活排水対策のための取り組みなど、幅広い政策の必要があるかと思っております。
 実は、厚生省が今度の国会に、まだ出ておりませんが、水道水源に関する法律案を提出しようじゃないかということで、そういう意向があるやに聞いておりますけれども、環境庁の方としては、今中央公害対策審議会に諮問をされておりますね。「水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策のあり方」ということで諮問をされております。
 水道水の浄化問題あるいは水源の問題について、これは実は長官に、ひとつ内閣としてどういうふうにこれから取り組んでいかれるつもりなのか、厚生省と環境庁の意見の問題、これはお互い調整をしながら、やはり国民の環境を守るという立場であるならば、積極的に進めることも私は必要であろうと思いますけれども、その点についてぜひお伺いを申し上げたいと思います。
#125
○広中国務大臣 環境庁といたしましては、トリハロメタン問題や異臭味の問題に対しまして、河川や湖沼の水質を改善するには、水域の水質保全に関する目標を設定し、汚濁負荷の削減のために規制を行うことと同時に事業も行う、この規制と事業とを車の両輪として総合的な対策を講ずることが必要だ、そのような認識を持っております。
 今御指摘いただきましたように、中央公害対策審議会の答申を踏まえまして、法制度も含む総合的な対策を考えたい、そのように思っておりまして、厚生省初め関係省庁と十分な話し合いを行い、国民の要請にこたえられるような、そうしたいい法律をつくっていきたい、法律を含めまして対策を講じていきたい、そのように思っているわけでございます。
#126
○持永委員 この問題は、各省庁がそれぞれ縄張り争いをするというようなことでは国民は大変不幸な目に遭いますので、水の浄化というのは今大変な大きな問題でございますから、そういう意味でぜひぜひお互い円滑な前向きな取り組みを特にお願いを申し上げたいと思っております。
 次に、自然環境の問題でございますが、自然環境の問題は大変大事な問題であると思います。将来の国民にやはり良好な自然環境を残していく、あわせて、今自然との触れ合いというのがこれから大事なことではないかな、特に自然との豊かな触れ合いを通じて国民のそういった自然に対する心というのを生み育てていく、そういったことが大変大事なことだと思います。
 自然環境の保全に関する問題というのは、ほかの公害防止対策に比べてややおくれぎみじゃなかったかなという気がいたしますけれども、こういった自然環境の保全につきまして、今度の環境基本法ではどういうような位置づけになっておるのか、長官にお伺いを申し上げたいと思います。
#127
○広中国務大臣 自然環境の保全に関する施策は、公害防止対策に比べておくれていたのではないかという御指摘でございますけれども、我が国としては深刻な公害問題を克服するために非常に努力を傾注してきたことは事実でございます。自然環境の保全に関しましても同様の努力をしてきた、つまり両方、公害対策と並ぶ、いわば環境行政の両輪としてずっとやってきたということを申し上げたいと思います。
 今回の環境基本法案におきまして自然環境の保全を重要な政策課題として位置づけておりまして、具体的には環境保全に関する施策の指針におきまして、自然環境の適正な保全、それから生物の多様性の確保と多様な自然環境の体系的な保全、そして人と自然との豊かな触れ合いの確保をうたい、各般にわたる自然環境保全の施策を推進している、そういうところでございます。
#128
○奥田委員長 持永先生、先ほどの企画調整局長の答弁の中で一部数字の訂正がございますから、お願いします。
#129
○森政府委員 先ほど地球環境基金への要請額が二百億を超えると申し上げたと思いますが、これは二十億を超えるということでございました。ちょっと言い誤りでございましたので、おわびして直させていただきます。恐縮でございます。
#130
○持永委員 もう余り時間もないかと思いますが、最後に、環境庁長官にこれからの環境行政についての決意をお伺い申し上げたいと思います。
 環境基本法というのは、この法律にもありますとおり、環境への負荷の少ない持続可能な経済社会を構築する、そういった大変大事な役割を担った法案であると思いますけれども、大事なことは、この法案が成立したときに具体的にどういうふうに政策を実施、実行していくかということであろうかと思います。
 そういう意味で、環境庁の任務というのは大変大きな任務を担っていると私は思いますし、また環境庁長官は、先ほど来からもお話がありましたとおり地球環境担当大臣でもございますから、国際的にも大きな役割を担っておられるというふうに私は思っております。
 そういう意味で、環境庁が金と力はなかりけりというのでは困るわけでございまして、金と力のあるような、金はともかくとして力のあるような環境庁にぜひぜひなっていただきたい。せっかくおいでいただいた広中環境庁長官の時代に、環境庁ここにありというようなことをひとつ内外にお示しをいただきたい、そういう強い気持ちを申し上げて、環境庁長官の決意をお伺い申し上げたいと思います。
#131
○広中国務大臣 大変ありがたいお言葉でございます。
 今日の環境問題は、大量生産、大量消費、大量廃棄といった現在の企業活動や国民一人一人の生活のあり方そのものに根差しているところでございます。こうした社会経済のシステムのあり方や行動様式を見直し、社会全体を環境への負荷の少ない持続的発展が可能なものとしていくことが必要でございます。このため、基本法の枠組みに沿いまして環境基本計画をつくり、環境影響評価とか経済的措置とか環境教育等の措置を積極的に推進していかなければならない、そのように思います。
 もとより環境に優しい持続的発展が可能な社会づくりというものは、日本一国だけではできるものではございませんで、世界と手を携えながら息長く取り組んでいくことが必要でございます、これはその大きな挑戦であり、環境基本法をそのための第一歩と位置づけまして、これから環境行政の一層の推進に取り組んでまいりたいと思っております。
#132
○持永委員 終わります。
#133
○奥田委員長 岡崎トミ子君。
#134
○岡崎(ト)委員 今、地球市民という立場で行動することが大切だという考え方が広がっており、すべての命が、また地球というすばらしい環境を再生、維持し続けるために共同の努力が始まっていると考えます。
 そして、環境基本法の成立は、これはもう本当に長い間市民の待ち望んでいたものと思います。限りある地球と自然を守り、そのことが人間の生活と健康を守ることにつながって、法案が成立した場合の効果ははかり知れないものがあると思います。
 そこで、まずお伺いします。
 大きなとらえ方で結構ですが、細川内閣の基本姿勢であります生活者優先の社会の形成にこの法がどのように貢献し、またどのようなことができるようになるのでしょうか。
#135
○広中国務大臣 まず最初に申し上げたいことは、環境行政はそもそも生活者の立場に立って各種の政策の推進をしてきた、こういうことを申し上げたいと思います。
 その上に、そうした中でこのたび環境基本法を通していただくわけでございますけれども、健全で恵み豊かな環境が人間の健康で文化的な生活に欠かせないものであるということ、そして、環境の恵沢を現在と将来の世代が享受できるように環境の保全を進めるべきことを環境政策の新たな基本理念として明らかにしているところでございます。
 こうした基本理念と、それに基づく基本的施策の枠組みを定めた同法が成立した暁には、環境基本計画、環境影響評価その他経済的手法、環境教育等を具体的に推進することによりまして、生活者の立場に立った環境に優しい社会の形成という大きな課題の実現に貢献できるものだ、そのように思っております。
#136
○岡崎(ト)委員 次に、地球環境の保全の視点から考えた場合はどのような効果が期待できるでしょうか。
#137
○広中国務大臣 この環境基本法は、国際的協調による地球環境保全の積極的推進の理念を明らかにするとともに、地球環境保全に関する国の内外の施策を一体的に講ずる観点から、国内施策のみならず国際協力等の施策も位置づけております。
 我が国としては、かねてよりオゾン層保護のための特定フロン等の製造の規制や地球温暖化防止行動計画の推進等、地球環境保全への取り組みを進めてきたわけでございますけれども、今後、環境基本法に基づく個別具体的な施策を総合的に推進することによって、地球環境保全の分野でも世界をリードしていきたい、そのように希望しております。
#138
○岡崎(ト)委員 この環境基本法によりまして、環境保全へ向けた取り組みがより一層前進するということを期待しております。その点で一刻も早く成立をしていただきたいという気持ちがあります。
 そして、その次の段階として、持続可能な開発を考え、実現していくためにも、重要な役割を果たしていくのが環境アセスメントの法制化だと考えております。そこで、その検討へ向けた九四年度の環境庁概算要求の環境影響評価特別調査研究費の概略の御説明をお願いしたいと思います。
#139
○森政府委員 環境庁では、来年度予算の概算要求に、今お話しの環境影響評価制度特別総合調査研究費というものを要求いたしております。
 この趣旨といたしますところは、関係省庁が一体となりまして、これまでやってまいりました環境影響評価に関します閣議決定の要綱、あるいは個別法によって行われているもの、それからさらに地方公共団体の条例や要綱等によってやられているもの、こういう実績が積み重ねられてまいっておりますので、我が国におきますアセスについての実施状況、その評価、それから諸外国のアセス制度の内容とかその背景、それから実施状況、問題点、こういうようなものにつきましてさらに調べるとともに、いわゆる技術的な手法、これも大変重要なポイントでございますので、これらにつきまして制度面、運用面から詳細な調査研究を行いたいということで、来年度の概算要求の額といたしましては二億三千四百万円を要求しているところでございます。
#140
○岡崎(ト)委員 今のお話の中で、制度面、運用面、実態面について触れておりまして、環境基本法案作成の際にも環境庁は大分研究をしてきているのではないかというふうに思います。少なくとも、国内外の制度面と環境行政の一環でもあります国内の実態面については、十分把握をしているというふうに私は考えております。
 また、環境影響評価技術検討会、これは二年前に発足しております。この中で現行制度の研究も行っているのではないかと思いますが、現在どのような状況になっておりますでしょうか。
#141
○森政府委員 まず環境影響評価技術検討会から御説明を申し上げますが、これは平成三年の十二月に、環境影響評価につきましての技術的事項について専門家の知見を活用して検討するということから設けられた勉強会でございます。
 これは、この環境影響評価に関します予測手法などの技術的な事項、これにつきまして幅広い観点から検討を進めてきているところでございまして、平成四年の九月には「ゴルフ場の建設及び運営に係る環境配慮指針」、こういったものも取りまとめていただいておるところでございますが、現在、閣議決定要綱に基づきます環境影響評価に関する技術的事項について検討をしていただいているところでございます。まだしばらく検討を重ねて御討議の取りまとめに至るということになろうかと思います。
 それから、先ほど法案を出す段階である程度のことがわかっていたのではないか、こういう御趣旨のことがございました。もちろん公共団体におきます条例でございますとか要綱でございますとか、どういう形で行われているかという基礎的なものは承知をいたしておりますが、さらにその運用面あるいは制度面での問題点といった点については、十分な知見をまだ私どもは持っていないというのが現状でございます。
#142
○岡崎(ト)委員 環境アセスメントは多くの人々の願いでありますし、また現行制度に対する不十分さも日弁連を含め多くの団体から指摘されているという現状がありまして、こういうことを考えますと、一刻も早い取り組みが期待されます。
 一年、二年、三年と期間をかけてじっくり研究することも大事なことだと思う一方で、少しでも早く市民の期待にこたえていただきたいというふうに願うわけなんですけれども、少なくとも制度、実態面、運用面の把握についてはもっと極力頑張っていただきまして、総合的検討を含めて期間を短くして短縮していただきたいというふうに思うわけです。せめて二年には短縮をしていただけたらというふうに考えるわけなんです。
 先日二十二日の環境委員会におきましても、環境庁には優秀なスタッフがいて頑張っているので現状で大丈夫という長官の御答弁もいただいておりますので、その頑張りを一歩進めていただきまして、積極的に検討を早める努力をしていただきたいというふうに思いますが、長官いかがでしょうか。
#143
○広中国務大臣 ただいま森局長もおっしゃいましたように、この調査研究というのは、内外の環境影響評価に関する詳細かつ深度のある調査を行うものでございまして、特に海外の調査研究については相当の期間を要する、そういう事情があるわけでございます。
 しかし、できるだけ早期に成果が得られるよう、早速今年度から関係省庁で必要な予備的な調査を開始することといたしまして、既に関連情報の収集に着手したところでございます。
 環境庁としましては、御指摘の点も踏まえ、関係省庁とも十分相談、協力しながら精力的に調査研究を行い、できる限り早期に成果が得られるよう努力させていただきます。
#144
○岡崎(ト)委員 ありがとうございます。
 次に、事業者の責務について伺いたいと思いますが、その前に、この法律の中には、八条に責務について、十条に環境の日、二十条にアセス、二十四条に物をつくるとき、販売するときに環境に配慮、二十六条に民間の自発的に行う行為、三十五条には国際協力というふうに事業者に関して触れております。まず、この事業者を概念として定義づけるとしたらどういうふうになりますでしょうか。
#145
○森政府委員 ただいま御指摘の条項で、例えば第八条第一項でございますと、「事業者は、基本理念にのっとり、」云々、こういうふうな表現がございます。それで、この「事業者」というのは法律的に御説明をいたしますと、これまでの公害対策基本法における事業者、これと同じ考え方でございまして、反復継続して一定の行為を行うことを業務とする者、こういうのが法律的な定義でございます。
 これをちょっと平たく言いますと、必ずしも営利を目的とする者ではないわけでございまして、公益事業を営む者でありましても一定の行為を反復継続をする、こういう者であれば事業者に含まれることになるわけでございますし、また、国、地方公共団体、これについても事業者と観念されることもあるわけでございます。例えば郵政とか林野とか印刷といった四現業、これなどは明らかに事業者、それから公共事業などの事業主体としての国、これも事業者、こういうことになるわけでございます。
    〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕
#146
○岡崎(ト)委員 八条では、事業者は、環境理念にのっとり、公害の防止と、環境の適正な保全のために「必要な措置を講ずる責務を有する。」とありますが、この規定をした意味ですね、責務違反となりますと具体的にはどんなことが挙げられますでしょうか。
#147
○森政府委員 これは今お話しのように、第八条で事業者の責務を定めておりますが、これは、基本理念を受けまして、事業者が環境の保全の上で果たすべき役割につきまして宣言的に規定をしているというものでございます。
 責務の具体的な内容といたしましては、事業活動に伴って生じますばい煙、汚水、廃棄物の処理など、事業活動から直接生ずる公害の防止のために必要な措置を講ずること、それから、工場の敷地内や事務所周辺の土地の緑化あるいは環境の保全に関する地域活動への参加など、広く環境の保全にみずから努める、こういうことで事業活動のあらゆる段階において環境の保全に配慮するということが含まれるものでございます。
 そこで、ただいまお尋ねの事業者の義務違反というのは、これらの責務の内容に反するような行為、すなわち環境の保全に配慮しない行為を言うことになろうかと思います。ただ、冒頭申し上げましたように、これは宣言的に規定したものでございまして、基本法でございますから、この責務違反のときの罰則とか、そういう感覚では構成されていないということでございます。
#148
○岡崎(ト)委員 国内の事業者についてはこの基本法の中に一定の義務が明記されているわけですね。一番問題なのが海外の事業活動だと思うのですが、例えばマレーシアARE社の放射性廃棄物の不法投棄に見られますように、日本企業の公害輸出は決して許されるものではないというふうに思います。
 また、きのう発表されました、産経新聞に書かれてあった環境庁の環境取り組み調査によりましても、タイ、インドネシアに進出した日系企業四百三十三社に、現地での環境保全状況について初めて聞いているわけですね。「平成四年度在外日系企業の環境保全活動調査」、この結果でも、回答は大変少なくて、八十二社、一八・九%だった、こういう結果が出ておりますと、環境意識はまだ低いなというふうに私どもでも思うわけなんです。
 そこで、やはりこれまでは事業者任せになっていた、事業者の努力以外にはなかったわけなんですけれども、海外での事業者に対しての責務についてはどのようになりますでしょうか。
#149
○森政府委員 事業者が海外におきまして事業活動を営むに際しましても環境保全に努めることは当然でございまして、これは、法律的には基本法案の第八条の第四項の事業者の責務、これに含まれていると考えております。
 それから、これを前提にいたしまして、基本法案の三十五条第二項におきましては、
 国は、本邦以外の地域において行われる事業活動に関し、その事業活動に係る事業者がその事業活動が行われる地域に係る地球環境保全等について適正に配慮することができるようにするため、その事業者に対する情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。こういう条項を置いておりまして、国は、海外の事業活動に関しまして事業者が環境保全に適正に配慮することができますように、情報の提供などの「必要な措置を講ずるように努める」、こういうことでございます。
 環境庁といたしましても、法律が成立した暁には、海外での事業活動における環境配慮ということの支援に努めてまいる必要がありますし、また、そういうふうにしたいと考えております。
#150
○岡崎(ト)委員 次に、ことし二月に、企業の行動指針として「環境にやさしい企業行動指針」が発表されておりますが、つくられて、今どのように活用されているでしょうか。企業への徹底はどのようになさっているでしょうか。
#151
○森政府委員 ただいまお話しの「環境にやさしい企業行動指針」でございますが、ちょっとその背景でございますけれども、経団連の「地球環境憲章」が制定されたのが平成三年四月でございます。また、海外でもヨーロッパを中心に、企業などの環境管理あるいは環境監査ということについていろいろな指針が定められております。
 こういうような動向を踏まえまして、「環境にやさしい企業行動調査」というものをやってまいりました。その成果をまとめるという意味で、我が国企業の参考に供するために、ことしの二月に「環境にやさしい企業行動指針」、こういうものを作成し公表したというのが経緯でございます。
 お尋ねは、これをどういうふうに使っているのか、こういうことでございます。もちろん私ども、つくりました後、新聞にはお話しをするとともに、経団連などの関係団体に出向きましてこの内容を御説明し、その普及を図るということをいたしましたし、地方公共団体の会合でもこれを配付し、その普及をお願いをするということをやってまいったわけでございます。
#152
○岡崎(ト)委員 さきの環境取り組み調査の国内版でも回答が二五・四%というのは、なかなかその取り組みが低いのだなということも考えられますので、ぜひ普及のために徹底されますようにお願いしたいと思います。
 さて、長官も世界への大きな貢献の一つとして環境保全のリーダーシップをとっていくと先ほど決意を述べられました。この姿勢を持つ日本の企業が、環境への負荷が大きい活動をしているのであれば、やはり環境先進国へ向けて努力が実っていかないということになってしまいます。アジェンダ21では、有害廃棄物と有害化学物質について、自国と同様またはそれ以下の基準を採用するという政策を導入することという合意事項が確認されております。また、経団連の地球環境憲章にも同様の内容が書かれております。
 海外の企業活動について、このようなガイドラインを徹底する必要があるかと思うのですけれども、いかがでしょうか。もしガイドラインがつくられた場合に、せっかくつくったものが守られないということになると大変ですので、悪質な企業については氏名を公表するなど、何らかの形で守らせる方策を考える必要もあると思うのですが、その二つの点についてお伺いしたいと思います。
#153
○広中国務大臣 私は、日本はいやしくも地球環境問題でリーダーシップを発揮しようとするのであれば、そうした海外でのODA活動あるいは企業活動におきまして、環境への配慮を十分にするということは非常に大切なことだと思っております。
 そして、経団連の地球環境憲章にも見られますように、今までは民間の自主的な取り組みが行われてきたわけでございますけれども、今後とも、先ほどいろいろ御説明がありました、環境庁が行いました日系企業についてのアンケート調査などをもとにいたしまして、そして先生の貴重な御意見を参考にしつつ、これからの取り組み、真剣にやらせていただきたいと思います。
#154
○岡崎(ト)委員 恐れ入りますが、先ほどの悪質な企業についての氏名の公表や努力以外に、例えば万が一という場合のその方策ということについてもお伺いしているのですけれども、いかがでしょうか。
#155
○森政府委員 環境庁といたしましては、先ほど来御説明申し上げましたように、民間の自主的な環境保全活動、こういうものを促進していくという形で対応をしていきたいと思っているわけでございますけれども、これから先それを守らせるというような観点から、どういうような措置を講ずるかという今お尋ねであろうかと思います。
 守らなければしょうがないと言えば大変問題になるわけでありまして、守らせるようにする必要があるということでございますので、今の先生の御意見も踏まえながら、関係省庁と十分協議をしながら検討を進めてまいりたいと思っております。
#156
○岡崎(ト)委員 より一層の指導強化というのが努力ということで表現されているわけですけれども、その点、本当に厳しくお願いしたいというふうに思います。
 さて、最後になりますけれども、環境における女性の役割の重要性について、さきの環境基本法の審議のときにもお伺いいたしました。政府は、二〇〇〇年に向けて男女共同参画型社会の形成を目指す新行動計画の中で、一九九五年を目標に、審議会等に女性委員の割合を一五%とする目標を立てております。大臣も御存じだと思います。
 環境問題にはとりわけ女性の感性や役割が重要だ、女性の貢献の大きな分野であるというふうに考えます。殊に、公害の問題が大きくなりましたあのときの最初のころでしたけれども、北九州では八十もの鉄工所がある中で、空が真っ暗になってしまった。その暗い空に向かって、女性たちが青い空を返せ、そういう運動を始めました。最初に立ち上がったのは女性たちだった。そして、その次に企業の男性たちが参加をしていったという経緯があります。
 水俣病などでは、やはり胎児性水俣の問題で、子供も苦しみましたけれども多くの母親も苦しみました。そして、今はそういうことの闘いのほかに、例えば合成洗剤の問題で、きれいな水を流そうということ、あるいはごみ処理の問題などで、日常の活動の中から女性たちは多くかかわって活動しているというふうに考えますけれども、女性の環境に対する貢献に関しての大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#157
○広中国務大臣 私は、委員のおっしゃるとおりだと思っておりまして、本当に女性のこうした審議会などへの参加、もっともっとふえたらよろしいと思っております。
 審議会の委員のうち女性委員の割合を平成七年度を目途に一五%とするということは、政府としての目標でございます。ですから、我々環境庁といたしましても、委員の人選に当たっては少なくともこれに沿うように対応していきたい、そういうふうに思っております。
#158
○岡崎(ト)委員 「明日の森林を考える女性フォーラム」で、こんなすてきなメッセージがございました。
 最近、森に職場を求める新しい女性たちが少しずつ増えてきました。都市の女性たちも森を守るために積極的な行動をおこしています。
 振り返ってみると、以前は森と女性たちは、今日よりずっと強く結ばれていました。女性は森を守り、森の恵みをうまく活用する森の文化の担い手でもあったのです。森を育てる仕事にも多くの女性たちがかかわってきました。そして、その女性たちが森から遠ざかっていったとき、森林の危機もすすんでいったのです。
 いうまでもなく森林は、私たちの環境を守り、水源や、川や、海や木の文化を守る重要な役割をはたしています。森を守ることのできる社会をつくる努力と未来にむかって豊かな森を残そうという気持は、子供たちに人間的で豊かな社会を残そうとする気持ともつながっています。抜粋して読み上げましたけれども、これは日本のことだけではなく世界にも通用することでございまして、私はこういう女性の環境の場での役割、貢献ということを考えますと、各種の審議会に女性の比率を多くしていただきたいというふうに考えております。
 殊に、国連でのことでありますが、二〇〇〇年に向けての女性の地位向上のための将来戦略の中でも、一九九〇年に、女性の割合を三〇%までふやしなさい、それも九五年度までに達成しなさいという勧告をしているわけなんです。
 政府の目標達成率一五%の確保は当然だと私は考えておりまして、環境問題に女性の果たす重要性にかんがみて、中央環境審議会、地方環境審議会を初めとする各種の審議会には、より一層女性の委員をふやす努力をぜひしていただきたいというふうに思いますが、一五%ではなく、国連の、つまり世界の流れに従う三〇%条項というのは、長官いかがですか。
#159
○広中国務大臣 私は、環境問題への取り組みは、女性、男性にかかわりなく両性とも頑張っていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。そういう中にありまして、例えば審議会のメンバー、女性が一五%というのは非常に少ないという御指摘、私も同感いたします。できるだけ先生の御趣旨に沿いまして、努力させていただきます。
#160
○岡崎(ト)委員 私は、この環境基本法が動き出すことがやはり世界に向けてのメッセージにならなければいけないと考えております。すべての女性と男性とともに、また自然と人間の共生、世界と日本の共生、北と南とともに生きるという、このために努力をすることが間違いなく環境や人権に貢献すると思って、私は活動してまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#161
○谷津委員長代理 松沢成文君。
#162
○松沢委員 新生党の松沢成文でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、この七月の選挙で国政に参画をさせていただく以前は、実は神奈川県の川崎市選出の神奈川県会議員を務めておりました。六年間の議員活動の中で二年間、県議会の環境常任委員ということで環境問題に取り組んできたわけですけれども、長官初め環境庁の皆さんは、県議会の経験はもちろんないと思いますので、今、地方議会が環境問題のどんなような問題で頭を悩ませているか、まず冒頭に少し御披露させていただきたいと思うのです。
 神奈川県の水がめといいますか、神奈川県民が飲んでいる水というのは、相模川上流の津久井湖、相模湖の水がほぼ半分以上を占めているわけなんですけれども、この二つの湖が夏になりますとアオコの異常発生で湖面一面黄緑のきれいな粉に囲まれてしまうわけですね。私の子供をドライブに連れていきましたら、きれいだきれいだと皮肉にも喜んでおりましたけれども、なぜこのアオコが異常発生してしまうかというと、相模湖、津久井湖の上流域の川にほとんど下水道が整備されておりませんので、生活排水が湖に垂れ流しになって、窒素や燐がたまって、そこにアオコが異常発生する、こういう状況なのですね。
 この神奈川県民の水がめを守るために県議会でもどうにかしたいということなのですが、実は相模湖、津久井湖の上流の川というのは県境を越えて、ほとんどが山梨県なのです。ここに下水道をしっかり整備しないと抜本的な解決にならないのですが、山梨県の中では山奥の山村ですから下水道誘致のプライオリティーは低いわけですね。ですから、ここに下水道を整備して、そしてアオコの抜本解決、水質、水源をよくしていこうとすると、何か神奈川県から援助でも出さないと山梨県ではとてもやってもらえる順番になっていないということなのです。そんな中で、神奈川県としては、知事さんが山梨県の知事さんに会いに行ったり、あるいは環境部長が山梨県の環境部長と会ったり、いわゆる二つの自治体にまたがる広域的なものの解決に向けて努力をしている、こんなところなのです。
 もう一点御披露させていただきたいのが、首都圏に比較的近くてまとまった緑といいますと、神奈川県には、国定公園に指定されておりますけれども、大山丹沢という大きな緑があるわけなのですが、この大山丹沢のモミの林、ブナの林、立ち枯れがひどいのですね。これは十年ほど前から目立ってまいりました。私も何度も現地視察に行きましたが、無残な骸骨のような木がふえている。
 そこで、どうしてこういうことになるのか調査をすべきだということで、私も県議会で何度となく訴えてまいりました。一つの有力な原因は、やはり京浜工業地帯あるいは首都圏の自動車の排気ガスや工場のばい煙、これが一度太平洋岸に出て、それがまた風に乗って大山丹沢にぶつかる、そこで酸性の強い霧あるいは酸性雨になっているのではないか、それが立ち枯れを呼んでいる。こんな因果関係が予測をされているわけなのです。神奈川県もようやくことしからかなりまとまった調査費をつけて、その因果関係を徹底的に調べて対応をつくっていこうということなのですね。私は先ほど言いましたように川崎市選出の県会議員でしたが、川崎というのは何十年も前から公害問題で大変にもめた都市なのです。自動車の排気ガスあるいは工場のばい煙でかなりの方が御苦労されたわけなのですね。
 地方議会で扱う環境問題、これを比較しましても、以前は公害問題中心に狭い地域での、加害者がだれで被害者がだれかというのが非常に明確になっていた、こういう環境問題が多かったのです。ところが、最近は、もう県の境を越えて、全員が加害者なんだけれども、また全員が被害者になってしまうというふうに、環境問題というのがかなり広域的になって、そして複雑化して多様化してきた。こういう地方議会の中の環境問題一つ取り上げても大きな流れというか特色があるかと思うのです。
 そんな中で、これまでの、公害対策基本法ですか、あるいは自然環境保全法、こうした規制的というか対症療法的な対策ではもう限界があるということで、今回、環境政策の基本理念や、あるいは個人や事業者や政府の役割を明確化する、さらには環境の施策のプログラムを具体的につくる、こういう大きな環境基本法というのが政府で考えられて、その審議に私も参加できるというのは非常にうれしく思っているのですけれども、県議会の方でも随分政府の方に意見書を出して、環境基本法をつくってくれと各都道府県議会から上がってきたと思うのですね。それがいわば実を結ぶ寸前に今あるわけで、私も大変うれしく思っております。
 そこで、最初に、このような認識に立って、私は、今日の環境問題に対処するためには社会システムの転換あるいは世界を視野に入れた環境政策が必要であって、大きな戦略を展開する必要があると思うのですけれども、このようなときに環境基本法を定める意義について、長官の方からまず御答弁いただければと思います。
#163
○広中国務大臣 今日の環境問題は、御指摘がございましたように、広域的であり、多様化しており、非常に複雑化している、そういうことでございまして、我々の社会経済活動の拡大に起因しておりまして、その解決のためには、社会経済システムや国民の生活様式のあり方を見直して、社会全体を環境への負荷の少ない持続的発展が可能なものに変えていくことが必要でございます。
 この環境基本法案では、このような認識に立ちまして、限りある環境の恵沢を現在と将来の世代がひとしく享受できるよう、社会のすべての者の公平な役割分担のもとに持続的発展が可能な社会の構築を旨として、さらに国際的協調による地球環境保全を推進するという環境政策の新たな基本理念を明らかにしているところでございます。この基本法案は、こうした基本理念とこれに基づく基本的施策の総合的枠組みを定めるものでございまして、今後、我が国としては環境への新たな取り組みを明らかにする大きな意義を有している、そのように思っております。
    〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕
#164
○松沢委員 次に、環境基本法の枠組みのもとでの環境政策の展開についてお伺いしたいと思うのです。
 環境影響評価、アセスメントについてはこれまで何人もの先輩委員が取り上げまして少し重複いたしますけれども、私も、環境アセスメントというのは環境保全政策の中でも特に重要で、法制化をすべきと考えている一人であります。
 今日では環境アセスメント法を持つということはもう先進国の常識であって、これまでにも議論がありましたように、OECD諸国の中で持っていないのはイタリアと日本くらいですか。また途上国でも、フィリピンやタイにはもう既にそのような法律ができていると聞いております。アメリカのクリントン大統領の環境政策を調査した報告書の中に、環境アセスメント法が日本にないということは、これから世界の環境問題のリーダーシップをとっていく上で問題であるという指摘もされているわけなんです。
 ただ、しかしながら、閣議決定に基づくアセスあるいはその他の個別法に基づくアセス、あるいは神奈川県でもそうですが、自治体の条例、要綱に基づくアセスと、現在の我が国の環境影響評価制度というのは非常に複雑になっておりまして、この上に環境アセスメント法をつくるというのは確かにいろいろと検討すべきことがあると思うのですね。私は、環境影響評価について国が必要な措置を講ずべきことを定めた今回の環境基本法案の第二十条ですか、これはこうした環境影響評価の重要性を一歩前進させるものとしてそれなりに意義はあるとは思っておりますけれども、この規定を踏まえて、きょうも総理が関係各省庁と一体となって調査を進めるというふうに答弁をしているわけなんですね。先ほどの岡崎委員の質問でも、調査研究を今後どのように進めていくか、これについては具体的に答弁がありましたのでもう繰り返しませんけれども、そうした答弁を受けて、大体の方向はわかりました。そこでもう一度長官に確認の意味で、今後のアセス法制化についての環境庁長官としての御見解をここでお伺いしておきたいと思います。
#165
○広中国務大臣 今、松沢委員の御発言をずっと聞いておりまして、もう既にすべてそこに盛られていることでございますけれども、環境影響評価につきましては、環境の保全上の支障を未然に防止する上で極めて重要だということを認識しておりますので、これを環境基本法案第二十条に明確に規定しているということでございます。政府としては、これまでも閣議決定要綱や個別法等に基づき、また地方でも条例などで明確な環境影響評価の推進に努めてきたところであり、日本に環境アセスがないというのは少し言い過ぎである、そういうふうに思います。
 今後とも現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関しまして関係省庁と一体となりまして調査研究を行い、その結果を踏まえ、社会経済清勢の変化等を勘案しつつ、法制化をも含めて、所要の見直しについて検討をすることとしておりまして、既に政府内部ではその調査に着手したところでございます。
#166
○松沢委員 次に、このたび環境基本法案第十五条として新たに定められることになる環境基本計画、これも非常に重要なものだと思いますが、他のいわゆる経済計画が具体的な数値を目標に掲げてその他の政策を引っ張ってきたというように、環境基本計画も、政府全体の環境政策をリードできるものをまず作成すべきだと思うのです。特に、環境基本計画を実効あらしめるためには、他の政府の計画に優先すべきだと私は思いますけれども、環境基本計画というのは具体的にどのようなもので、また他の政府の政策に対してどのような位置づけとするのか、お聞きしたいと思います。
#167
○森政府委員 環境基本計画は、ただいま御指摘のとおり、基本法案の第十五条に定められているものでございます。この基本計画にどういうことをどういう形で盛り込んでいくかということは、まだ定かになっているわけではございません。今いろいろ考え方を整理しつつあるところでございますが、全体としましては、広範多岐にわたります環境保全施策を総合的、計画的に推進するために、政府全体としての環境保全施策の基本的な方向を示す、こういう役割でございますのでございますから、地方公共団体、事業者、国民といったすべての主体ごとに期待されます基本的な取り組み、こういうものを盛り込んでいくことになろうかと思います。
 これがすべて他の政府の計画に優先すべきであると考えるかどうか、こういうお尋ねであろうと思います。先ほども長官から御答弁を申し上げましたように、この環境基本計画の策定手順は、環境の保全に関します政府全体の基本的な計画として定めるということでございまして、まず政府部内での調整を行い、それを閣議決定するという手順を踏んで作成する、こういうことにしておるものでございますから、国の策定をいたします各種計画におきましては、環境の保全に関しまして環境基本計画の基本的な方向と合わない、こういうことはないと考えております。
#168
○松沢委員 次に、環境基本法の成立を受けましてそれを施策に展開するに当たっては、その裏づけとなる予算を充実させなければいけないと思います。環境庁は、環境基本法を平成六年度予算要求にどのように反映をさせているのか、まず伺いたいと思います。例えば、社会資本投資についても環境に配慮をするというふうに法案にも盛られているわけですけれども、環境保全のための施設整備についてはどのように反映されているか、具体的に例えればと思います。
#169
○大西政府委員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、私ども、この臨時国会で環境基本法の成立をさせていただけるという前提で、来年度予算の概算要求をまとめております。
 その一つが、この基本法理念を踏まえました新しい方向づけといたしまして、今何度も出ております環境基本計画の策定というのがもちろんまずあるわけでありますし、それからアセス、環境影響評価制度についての特別調査の経費もお願いしております。それから、いわゆる民間の方々の協力を仰ぐという意味で、特に環境情報の提供ということが大きなテーマになっておりますので、環境庁におきまする環境情報提供システムというものを少し基本から再整備したいということで、そういう経費もお願いしております。また、これから環境と経済、環境と貿易という大きなテーマにメスを入れていく必要がございまして、そういう研究調査の経費もお願いをいたしております。
 それから、地球環境保全という観点では、引き続き地球環境基金の拡充を回らせていただいております。それから、アジア・太平洋地域環境の長期展望策定調査費というようなもの、温室効果ガスの関係の調査費あるいはライフスタイルにかかわりますCO2の排出削減手法を少し検討する経費など、地球環境保全的観点から、各般の新規経費をお願いいたしております。
 それから、基本法の中には、生物多様性の保全という新しい、言うならば法律上初めて登場する言葉でございますが、それから自然との触れ合いの増進という言葉が法律上の文言として入っておりますが、そういうものを踏まえまして、生物多様性調査でありますとか、生物多様性データセンターの設置調査費、それから自然公園の施設整備といったところをいろいろお願いしているわけであります。
 そこで、今お尋ねの施設整備の話でございますが、ただ、環境庁自身が独自で行います施設整備というのは限られてはおりますが、私どもとしましては、人と自然の豊かな触れ合いを推進するということで、例えば、キャンプ場が随分古くなっておりますが、こういうものを新しくするリフレッシュ事業でありますとか、小規模な市町村レベルでの自然歩道、ふるさと自然のみち整備といったような新しい事業も加えた施設整備費をお願いしております。また、国立環境研究所の関係で、環境研究推進のための施設整備もお願いしております。
 恐らく先生が念頭に置いておられるのはもっと大きな事業がと思いますが、これは関係各省が、もちろん環境基本法案というのは政府一体として取り組む環境政策の基本でございまして、各省庁ともそれぞれの基本法の趣旨を踏まえて、それぞれに必要な事業費を要求されていると思います。私ども、そういう経費をいずれまた取りまとめて御報告することもあろうかと思いますが、関係各省一体となって、基本法の趣旨を踏まえた要求を行っているというふうに御理解いただければありがたいと思います。
#170
○松沢委員 次に、環境教育について伺いたいのですけれども、基本法の中にも環境教育の必要性ということをうたっているわけですけれども、私、以前からこんなことを考えておりました。例えば、環境教育といっても、その理念をうたい啓蒙するだけではなかなか進んでいかない。やはり子供たち、大人も含めてですけれども、実体験として環境保護、環境保全の重要さを何か体験できる、そういうものを施策として打っていかなければいけないのじゃないか。
 その中で、よく考えていたのは、例えば小学校、中学校、高校、義務教育、中等教育の過程で、自然公園あるいは河川、湖沼、海岸、こういう公共スペースの、簡単に言えばごみ拾いですね。これを一年に一回でもいいから、義務教育過程、中等教育過程の中で義務として組み込むべきだ。そこで海岸のごみを拾い、ごみの余りにも無残な捨て方に怒りを覚え、きれいにすることの大切さを学ぶ、こういう現地での実体験を経ないと、やはり環境の大切さというのは身をもって知ることができないと思うのですね。幾ら講義をしても、教室で理論を勉強しても、それは無理だと思うのです。
 そういう意味で、この実体験としての環境教育が非常に必要だと私は思っているのですが、これから国民一人一人が環境を大切にするという心を養っていくために、環境庁は、文部省と環境教育の具体的な中身についてどのような施策を展開していくのか、もう話し合われているのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#171
○森政府委員 ただいまお話しのように、環境教育ということの重要性は大変高いものがございます。私ども、これまでも学校教育などを担当いたします文部省との協力連携というのが特に重要であると考えて、いろいろなことで緊密な連携などを進めてまいったわけでございます。
 具体的には、文部省の方でおやりいただきましたのが、学習指導要領の改訂の際に、環境に関する指導内容の充実を図るということで、これは平成元年から既におやりになっておられます。さらに、先生方のための環境教育指導資料をつくって全国の学校に配付をするというようなことも行われてきているということでございます。
 ただいま御提案のございましたアイデアといいましょうか、実体験に基づきます御経験のお話でございます。私も、その重要性、それからそれが与える児童たち、子供たちへの将来への効果というものを考えますと、本当に同感でございます。ただ、これを義務教育課程の中へ取り込んでいくということになりますと、義務教育課程全体の問題として、私どもの意向がそのままいくのかどうか、これは文部省においてまた御検討をいただかなければいけない問題でございます。
 幸いにして、私ども、文部省との間では大変緊密に協力連携を保っておりますので、ただいまお話のありましたアイデア、御提案といったものは文部省ともまた話をする際に持ち出してみたいと思っております。
#172
○松沢委員 やはり環境教育という言葉は非常に響きがいい言葉ですけれども、何かこのプログラムをつくるという辺で終わってしまっている気がしてならないのですね。ぜひとも今後文部省との交渉というか話し合いの中で、環境の日というのもつくるわけですから、何かそこで具体的にみんなで行動を起こす、そんな具体例をつくって環境庁の方から引っ張っていただきたいとお願いをしたいと思います。
 最後に、地球環境問題への対応についてお聞きしたいのですけれども、我が国がこれまでの経験やあるいは技術力、経済力、人材などを活用して地球環境保全に率先して取り組んでいくということは、ここまで大きくなった日本の国際社会に対する責務であるとも私は考えておるのですけれども、中でもいわゆる環境ODAはこれから日本の外交の大きな柱となるとも考えております。昨年行われました地球サミット、その中で途上国への環境協力ということで、五年間で一兆円の環境ODAをやっていくと、いわば国際公約をしているわけですよね。環境基本法案の三十二条において、地球環境保全等に関する国際協力の推進がうたわれていますけれども、この条文はいかなる意義を持っているのか、まず伺いたいと思います。
#173
○森政府委員 法案三十二条の国際協力の推進という条項についてでございますが、地球環境保全というものを考えますと、これはまさに人類共通の課題でございまして、日本だけでできるわけではなく、世界各国と手を携えて取り組んでいくべきことであることは申すまでもないことであろうと思います。
 それから、開発途土地域の環境の保全というのもまた大変重要なポイントでございまして、これも我が国のような先進国を含めた国際的な取り組みが必要な分野でございます。
 それから、もう一つ考えなければなりませんのは、南極地域の環境でございますとか世界遺産条約に言う自然遺産、こういったものも人類普遍の価値を持つものでございまして、我が国といたしましても、条約等に定められたところによってその保全に貢献をすべきであると考えております。
 こういうような三つのポイントがございますが、私ども国は、地球環境保全等の環境の保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずる必要があろうということで三十二条を書いたわけでございます。必要な措置でさらにどういうことが予想されるのだろうかということでございますが、国際的な枠組みづくりに参加することも一つでございましょうし、各国の取り組みに対する支援策を講じていくということもその必要な措置の中に含まれると考えております。
#174
○松沢委員 最後の質問ですけれども、環境庁としては、基本法の成立を受けて、環境ODAの充実を図る中でどのような役割を果たしていくつもりなのか。いわばODAの所管というのは外務省、大蔵省、通産省、経企庁でありますよね。こういう省庁との調整が非常に難しくなってくるかと思いますけれども、その辺いかがお考えか、最後にお聞きいたします。
#175
○森政府委員 環境ODAの充実につきましては、政府全体といたしまして、昨年、政府開発援助大綱に環境重視を盛り込むということにいたしたわけでございますし、我が国としても、昨年の地球サミットで大幅な拡充強化を図るということを表明いたしましたことは御承知のとおりでございます。こういうことがございますので、関係省庁におきましては、大変積極的な取り組みが進められていくことになるわけでございます。
 環境庁では、これまで開発途上国の環境問題に関する調査研究を実施するといったような、所管のODA予算の拡充強化はやってまいったつもりでございます。それからさらに、途上国自身の対処能力の向上というのが大変重要なことでございますものですから、外務省と協力をいたしまして、専門家の派遣あるいは研修員の受け入れ、それからタイ、中国、インドネシアにおきます環境研究研修センター設立、こういうようなことをやってまいっております。
 今回の基本法案が、三十二条に環境ODAの推進ということが含まれているわけでございまして、法案が成立いたしました後には、この規定の趣旨を踏まえまして、途上国との政策対話を強化をしていく、それから関係省庁との密接な協力をしながら環境ODAの着実な充実が図られるように、こういう点で努力をしてまいりたいと考えております。
#176
○松沢委員 どうも御答弁ありがとうございました。環境基本法は恐らく成立だと思いますけれども、この基本法を一つの契機として、環境政策の日本の中でのさらなる発展を念じつつ、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#177
○奥田委員長 田端正広君。
#178
○田端委員 公明党の田端正広でございます。初めて質問させていただきますが、どうかよろしくお願いいたします。
 環境基本法が環境憲法という非常に大きな使命を持って、またたくさんの期待を皆さんから寄せられているわけですが、問題は、実効性がどれだけ伴うのかということが一番大切だろう、こう思っております。第一条の「目的」を見ましても、「環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進しことありますが、あるいはまた「国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する」、こういった点で、この基本法の成立が新政権のスタートを飾るにふさわしいそういう大きな実績を上げることが大事ではないのかな、そういう感じを強くしている次第であります。
 そんなことからぜひ長官に、新しい政権であるからこそ、この環境基本法を契機に、ここから環境行政が変わったという流れを築く、そういった御所見を、また御決意をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#179
○広中国務大臣 環境基本法案は、環境の保全に関する新しい理念と施策の総合的な枠組みを国民的合意として定立しようとするものでございます。本法案の基本理念に示された持続的発展が可能な社会づくりは、世界と手を携えながら息長く取り組んでいく必要のある大きな挑戦でございます。今後の具体的な政策展開については、環境基本法を早期に成立していただいた後、同法の枠組みのもとに基本計画、環境影響評価、経済的措置、環境教育等、積極的な施策展開を図ってまいりたい、そのように思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
#180
○田端委員 かつて公害というのは産業型の公害であったと思いますが、今では生活型公害といいますか、都市型公害、こういう形に大きく変わりつつある、そういう中で、この法案の四条でも、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な経済社会の構築ということが強調されているわけですが、こういう方向へ社会を引っ張っていく場合、何といっても環境庁のリーダーシップというものが大変大事な時代に入ってきたんではないかな、こう思うわけです。今回、この六条から九条にかけて、国の責務、あるいは地方公共団体あるいは事業者、さらには国民の責務といったそれぞれの責務が明記されているわけでありますが、そのためにも、環境庁が中心の軸となって調整機能の権限を発揮していかなければ、幾らこの文章として、法律案として定めても実態が伴わないんではないかということを危惧するわけでございます。
 そういった意味で、事業者も国民も合わせて力を発揮していかなければ、協力していかなければならない、こういう意識変革をどうつくっていくかということが大切だろう。例えば企業にあっては、地域に貢献する地域貢献型あるいは地域密着型企業とか、そういうむだのない企業にしていく、あるいは国民生活の中でも、例えばむだなごみは出さないとか、マイカーの規制に対しては自主的に積極的にやっていくとか、こういうお互いの意識、行動の中での変革が要求される時代に入ってきた、ライフスタイルそのものが変わっていくんではないか、こう思うわけでございますが、長官の御感想をお伺いしたいと思います。
#181
○広中国務大臣 まさに田端議員御指摘のとおりでございます。本当に国も地方も企業も国民も、すべてが意識改革というんでしょうか、ライフスタイルを変えていく、そういう中で、私は環境保全型社会、持続可能な開発が可能な社会ができていくんではないかと思います。そういう中にありまして、環境庁としては、人員の質、量ともの拡充とか組織の強化を図りつつ、そして環境基本法案を通していただいた後は、さまざまなこの方針に沿いまして、さまざまな施策を行わせていただきながらリーダーシップを発揮していきたい、そのように思っております。
#182
○田端委員 この法律の大変大きな骨格の部分をなす環境基本計画についてでありますが、この文面の中では、例えば「総合的かつ長期的な施策の大綱」とか、こういう言葉が出てきますが、この「総合的」というのはどういうことを意味しているのか、あるいはまた「長期的な施策」という場合、この長期的という期間をどの程度に想定されているのか。そしてまた、例えば今国会でこの法律が成立しても、計画スタートの年度は来年度は非常に厳しいのではないか。再来年度、平成七年度ぐらいにスタートするんではないかと思いますが、そうしますと、その長期的ということになりますと、非常にまた先の先だなという感じもしないわけではありませんが、その辺のところはどういうふうなお考えでしょうか。
#183
○森政府委員 ただいまのお尋ねを環境基本計画というところに絞って考えてまいりますと、この環境基本計画では、今考えておりますのは、望ましい環境のあり方、それから政府全体としての環境保全施策の全体像、こういうものを施策相互の有機的な連携を図りながら記述する、こういうことを考えておりまして、これがまさに総合的なということに相なろうかと思います。さらに加えて、実はそれを行ってまいりますために、地方公共団体、事業者、国民、もちろん国、こういったすべての主体に期待をする取り組み、これも書くわけでございますから、その間の総合的なつながりということも、また一つ考えなければならないポイントでございます。
 いずれにいたしましても、その具体的な内容につきましては中央環境審議会の意見を聞いて定めていく、そして閣議で決定をする、こういう手順を踏むわけでございます。したがいまして、今いつから始まるのか、それからどのくらいの期間のものになるのか、こういうお尋ねでございますけれども、環境問題が中長期的な観点から取り組むべき問題だということから考えますと、計画期間というのはある程度の長さが必要になりましょう。それから、いつから始めるか、いつを初年度とするかという点でございますが、これはまさにこれから法律が成立した後の準備状況にかなり左右をされるということでございます。私どもはなるべく早くその作業を終えて、早く計画が策定されるように努めてまいりたいと考えております。
#184
○田端委員 その長期的というのはよくわかるわけですが、しかし逆に言うと、計画のあいまい性ということにもなりかねないわけで、したがって閣議決定という大変重い計画案になるわけですから、そういう意味では長期的な計画の中で途中で中間報告的なことをやらないことには、実態が伴わないケースが起こってくるんではないか、こういう心配をしているわけですが、その点はどうでしょう。
#185
○森政府委員 いわば計画のフォローアップということであろうかと思います。先ほども申し述べましたように、基本計画の具体的内容は中央環境審議会の意見を聞きながらこれからやっていくわけでございます。そのフォローアップ、これは大変大事なポイントでございまして、他の計画、いろいろなものがございますが、そういう計画の例も参考としながら、例えば毎年進行管理を行うための報告を求めるような仕組みでありますとか、あるいは一定の期間後に相応の見直しを行う、こういうような仕組みも考えられるわけでございます。中央環境審議会の審議の段階でまたその御議論が出てまいろうと思いますが、今お話しの点は大変大事なポイントとして押さえておくし、また押さえておきたい、審議会にもそのお話は申し述べたいと思っております。
#186
○田端委員 この中央環境審議会というものが非常に大事な立場になると思いますが、この構成メンバーがどういう形になるのか、もちろん学識経験者とか行政の専門家、こういった方が中心になると思います。しかし、生活者重視ということを環境行政の中で大きく推進していくには、市民の代表とか、そういう環境市民団体の代表の方の意見といった生活者サイドの声をしっかりと反映していく必要があるか、こういうことを感じるわけですが、長官いかがでしょうか。
#187
○広中国務大臣 同感でございます。
#188
○田端委員 環境基本法が成立して環境基本計画が閣議決定になるということになれば環境行政の中で一つの大きな骨格ができ上がる、こういう柱ができる、こういうふうになると思います。
 その場合に、既存の法律並びに政府の計画等との整合性といいますか、そういった点で、けさも総理は政府の計画に担保されているのだというお話がありましたが、それは見直し、修正というようなこともあり得るのかどうか。具体的に申し上げますと、例えば地球温暖化防止計画というふうな計画がありますが、この基本計画の方が一歩厳しい面を打ち出した場合には、温暖化防止計画の方を進めるためにそれに合わせてまた一歩見直していく、こういうことはあり得るのかどうか、環境庁にお伺いしたいと思います。
#189
○森政府委員 既に策定済みの計画につきましては、政府部内で所要の調整を経て策定されてまいっておるわけでございますから、その段階では環境庁もずっと関与してきておるわけでございます。閣議決定という形になりますと、その段階でも当然関与をしてきております。したがいまして、既存の計画について環境保全についての必要な配慮はなされてきていると考えてよろしいかと思いますし、また、これからつくる環境基本計画と矛盾するというようなことはまずないと考えております。しかし、仮に見直す必要がある場合、これはいろいろなケースがあるかないかちょっとよくわからないのでありますが、見直す必要がある場合には、例えば環境基本計画の策定後に改定が行われる際には、政府部内で調整が行われるわけでございますから、環境保全に関しましては環境基本計画に示された基本的な方向に沿って、その見直しの部分はあり得るということだろうと思います。
 それから、既存の計画の運用では、これは当然環境の保全に関して基本計画が閣議決定を経てつくられるということでございますから、その趣旨に沿いました運用がされると考えております。したがいまして、全体として見ますと環境基本計画と矛盾するような形のものは考えられないということでございます。
#190
○田端委員 この問題をもう少し拡大してみたいと思います。つまり、開発と環境保全という観点で、各省庁との間でどうなるのかということも大きな問題になるだろう。例えば、建設省には開発に絡む法律として道路法とか河川法とか都市計画法とかといったことがありますが、これらの法律には国土の保全ということは明記されていても、環境の保全ということがうたわれていない。その場合に、この基本法が成立した後に環境保全の精神がこれらの法律にどういった形で反映されていくのか、法律の中にそう規定していくのが本来あるべきではないのか、こんなことを感じますが、建設省の方にお答え願いたいと思います。
#191
○馬渡説明員 お答え申し上げます。
 環境基本法は今後の環境問題の取り組みの指針となるものであり、その役割と位置づけを重く受けとめております。基本法に示されている諸課題については、これをみずからの課題として積極的、主体的に取り組んでまいる所存でございます。
 先生御指摘の点については、開発と環境との調和を図るとの観点から、所管法令や計画を初め、建設行政分野全体にわたり今後の環境対策のあり方について検討を進めているところでございます。これを踏まえまして、建設行政分野における環境問題への取り組みの充実強化に一層努力してまいる所存でございます。
#192
○田端委員 私の言いたいことは、せっかく法律ができても環境庁がリーダーシップをとっていかなければ、この法律が実効面で大きな成果が上げられないのではないかということを危惧した上で、今のようなことを質問させていただきました。
 地球環境ということについて国際的な支援とか協力ということはこれから必要になると思いますが、先般のロシアの核廃棄物の海洋投棄の問題についてはまことに遺憾だったと思います。改めて広中長官の御所見をお伺いしたいと思います。
#193
○広中国務大臣 ロシアの核廃棄物投棄でございますけれども、大変残念な出来事であったと思います。今回のこの事件、国民に深い懸念を惹起するものでございましたので、日本政府の申し入れを受けまして直ちに投棄中止が決断されたことを一応評価するというところでございますが、私自身、科学技術庁や外務省の責任者に環境庁に来ていただきまして事情をお聞きいたしましたし、そしてまた、去る二十二日でございましたけれども、二回目の投棄中止の報を受けまして、一応ロシアの環境担当大臣に対しまして書簡を送ったところでございます。書簡は、今回の投棄中止は評価するものの、ロシアには国際的なコンセンサスや取り決めを重んじて放射性廃棄物の海洋投棄をやめてもらいたいと考えているということ、また、環境分野での協力関係が築けるようにロシアとの間の相互理解を深めていきたいと考えている、そういうことをしたためた書簡をロシアの環境大臣に送ったところでございます。
#194
○田端委員 伺うところによりますと、あすから日ロ共同海洋調査の専門家会議が行われるということで、こういう核廃棄物の処理の問題についてのロシアへの技術協力あるいは資金援助といったようなことがこれからも議論されなければならないと思います。
 ただ問題なのは、この核廃棄物というのがどこから出た廃棄物なのか。老朽原子力潜水艦の解体現場から出たものである、これが核軍縮という行程の中での廃棄物ということであればそれは理解はできるのですが、例えば、ロシア海軍の二百隻あるとも言われている原子力潜水艦の運航している、原子炉の冷却水にかかわる廃棄物である、こういうふうなことであれば、これは軍事協力的な面で非常に心配になる。ロシア海軍の核廃棄物そのものに協力するという形で、たとえ技術協力といえども軍事協力の側面が大きく出てくる、この点を私は非常に危惧しております。
 科学技術庁並びに外務省の方から御答弁願いたいと思いますが、この廃棄物というのは、そういう核軍縮という立場から起こってきた廃棄物なのか、それとも現在行われている、運航されている原潜の中から出ている廃棄物なのか。そして、これから技術協力とかということについては、その辺のところ、どういうふうにクリアしていくか。これは大変慎重にすべきだと思いますが、御答弁よろしくお願いします。
#195
○川原田説明員 お答え申し上げます。
 ロシアにおきます放射性廃棄物の処理、処分という問題につきましては、基本的にはロシアが責任を持って対処すべき問題というふうに認識しております。しかしながら、ロシアの海洋投棄の早期停止を求めるという観点からは、陸上における放射性廃棄物の処理、処分方策に関する協力の可能性というものの検討を行っておるというところであります。
 この協力につきましては、現在外務省を中心に関係省庁で協力しつつ検討を行っているというふうに承知しておりますけれども、先生おっしゃいましたように、実際出ておる廃棄物につきましては、いわゆる原子力潜水艦の解体に伴っておるものといったものも含めて詳細は不明でございますが、いずれにしましても、ロシア海軍の潜水艦から出てまいりました廃棄物であるということでございますので、いわゆる軍事にかかわる問題である、おっしゃるようなそういう点でございますから、この点を考慮しながら慎重に検討していかなきゃいかぬ、こういうふうに考えております。
 ただ、いずれにしましても、海洋投棄の詳細な実態でありますとか、あるいはロシアにおきます放射性廃棄物の管理の状況といったものにつきましての情報を、来る十一月十日、十一日と日ロの合同作業部会、第二回が開かれる予定でありまして、こういった場を通じまして、それらの詳細な情報を収集する、まず実態を収集してみるということが第一であろうと思っています。これを踏まえた上で、我が国が行い得る協力はどんなものがあるか、支援方策はどういうものがあるかといったものを慎重に検討を進めていきたい、こういうふうに考えております。
#196
○河村説明員 今の科学技術庁からの御答弁に尽きるわけでございますが、補足して申し上げますと、まさに先生のおっしゃいましたように、軍事協力であってはならないということは当然でございますので、もし協力を行うとしても、軍備に協力するという考えは一切ございません。
#197
○田端委員 ぜひ慎重によろしくお願いしたいと思います。
 次に、リサイクルの問題について一言触れたいと思いますが、地球環境という大きなテーマであっても、結局は私たちの身近な生活の中から考えていくことが大変大事ではないか。この法律で「国民の責務」ということを掲げられたことも新しい視点だ、こういうふうに感じます。一人一人の意識、行動の中にリサイクル型社会へのあるいは省資源型の社会へのそういう意識というものが必要になっていくのではないか、こんなことを感じているわけです。
 実は先日、私は大阪ですが、ある電炉メーカー、製鋼所ですけれども、見学いたしました。リサイクルに大変すぐれた企業であって、私も感動いたしました。
 鉄筋コンクリートの中の鉄筋の丸棒というのを生産している会社ですが、この企業では空き缶が月に一億個この原料に使用されています。全体の一五%だ、こう言っておりました。そして、一〇〇%近くが鉄くずのスクラップを材料にして、そこからそういう丸棒が生産されている。工場内もちり一つないような感じで、社員の訓練も非常に行き届いているということを感じました。この企業の生産工程をビデオにしたものがある小学校で上映されたところ、小学校の子供が感動していろんな反響を、これは社報ですけれども、子供たちが鉄くずからそういう製品ができるということに感動した文面を寄せて、この社報に載せられていました。
 そういった意味で、このリサイクルというのは大変大事であり、またいろんな業種の中あるいはいろんな地域の中で、リサイクルの実態としてすぐれたそういう点がたくさんあるのではないか、こう感じます。
 これは、所管は通産省になると思いますが、例えばこういうリサイクルのすぐれた企業とか団体に対して、通産省の方で何か表彰状の一枚でもあるいは感謝状の一枚でも出しているのかどうか、あるいはそういうことを積極的にこれからもやっていくのかどうか、簡単で結構ですから、お答え願いたいと思います。
#198
○大宮説明員 ただいま先生から御指摘ございましたように、通産省といたしましてもリサイクル問題は非常に重要な政策課題と考えておりまして、かねてより、御承知と思いますけれども、再生資源の利用の促進に関する法律、これは平成三年から施行しております。それから、ことしの五月には、エネルギーの使用の合理化及び再生資源の利用の促進に関する臨時措置法というのを前の国会で通していただきまして、五月から施行しております。
 こうした動きに加えまして、今お話にありましたような事業者、消費者、自治体等におきましても、全国各地で積極的なリサイクル運動が展開されておられるわけでございまして、通産省といたしましても、こうした活動を支援するためにいろいろな対策を講じております。
 具体的には、平成三年より、毎年十月をリサイクル推進月間といたしておりまして、産業界、消費者団体、自治体等にも御参画をいただきまして、先生御指摘の大臣表彰を含むリサイクル推進功労者等の表彰や各種シンポジウム、それから展示会等を開催しております。
 実は、このリサイクル推進功労者等表彰は本日行われまして、私、午前中参加してまいりましたけれども、この表彰におきましては、リサイクル運動に率先して取り組み、継続的な活動を通じて顕著な実績を上げている個人、それからグループの方、それから特に貢献の認められる事業所等を表彰する制度でございまして、今年度は各大臣表彰三十四件を含む、全体で二百二十四件が表彰されております。
#199
○田端委員 どうもありがとうございました。
 最後に一言だけお願い申し上げます。
 このリサイクルの延長線上ですけれども、環境庁を初め各省庁も書類等は再生紙を非常に使うようになって、大変すばらしいことだなと私も感心しておりますし、また私も環境委員にならしていただいて、早速再生紙、非木材紙で名刺をつくらしていただきました。
 何かうわさに伺いますと、広中長官も名刺は再生紙を使っていられるということも伺いましたが、ぜひこの新内閣として、この法律が一つのきっかけになって、閣議でも長官から提案していただいて、全閣僚が再生紙の名刺を持つようにしたらどうか、そんなことも感じます。それから、委員長に提案したいわけですが、我々環境委員のメンバーがまず率先して身近なことからということで、再生紙の名刺を私たちも使っていくようにしたらどうか、そんなことを思います。
 以上をもって質問を終わります。ありがとうございました。
#200
○奥田委員長 高見裕一君。
#201
○高見委員 長官、長時間御苦労さまでございます。環境基本法に対して幾つか御質問申し上げます。
 私、今日の環境問題の取り組みの推進を考えますときに、環境基本法の必要性を痛感している一人でございますが、まずこの環境基本法が成立した後、成立を受けた取り組みとして具体的にどのようなことが予定されておるのか、あるいは推進なさるのか、その具体的な当面のプログラムというものをぜひお教えいただきたいと存じます。
    〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕
#202
○広中国務大臣 まずこの環境基本法案、ぜひ通していただきたいと思います。そしてこの法案におきましては、従来の規制的手法のほかに、環境基本計画を策定すること、それから環境影響評価とか経済的措置とか民間活動の支援など、環境政策のさまざまな手法をこの法案の中に位置づけているわけでございまして、成立後直ちにこうした基本計画の策定あるいはさまざまな調査などを行おうとしております。それで、環境庁としましては、この基本法そのものと環境基本計画の枠組みを活用いたしまして、これから基本法案で規定されました施策が具体化されるように全力を尽くしてまいりたいと思います。
#203
○高見委員 今、なぜ私どもの社会の中で環境破壊というものが起こったのか、またここまでひどくなってきたのかということを考えてみると、それは人間がより豊かでより便利な生活を追い求めたからであります。豊かで便利な現代社会というものは、いい意味での人間の創造力あるいは向上心の結果でもあるわけでございますが、私たちは向上心や欲望のコントロールをどこかでちょっと間違った、そんな気がしてなりません。必要以上に地球から取り過ぎた、必要以上に地球に捨て過ぎたということであろうかと存じます。
 今求められておりますのは、せんだってもこのキーワードを申し上げましたが、環境革命という、あえてこういうきつい言葉を使わせていただきますが、環境革命だと言っても間違いはないだろうと存じます。私は、環境基本法においては、人類の持続可能な生存というものに対する明確な指針としての宣言が必要だというふうに考えております。しかし、近年の急速に深刻化する地球環境問題に対処するためにこの環境基本法が制定されることは、基本的には評価すべきことだ、その点は十分に考えております。この環境基本法は国の環境に関する施策の基本となるべきものであり、かつ環境の分野における世界への貢献という役割を果たすべきものでなければなりませんが、本法案で十分対応できるとお考えであるかどうか、そしてそのことについてはどう明記されているのか、本法案に言うところの地球環境の概念とそれに対するどのような取り組みができることとなっているのか、いわゆるこの法案の力というものがどういうものなのか、その辺をちょっとお伺い申し上げたいと存じます。
#204
○森政府委員 地球環境の概念というお尋ねでございますが、環境基本法案では地球環境保全というような概念でとらえております。これは定義のところに書いてあるようなことでございまして、「人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。」ちょっと長くなりましたが、全文を、定義を読ませていただきました。
 こういうような規定がございまして、その地球環境保全に向けまして、まず一つは、国際的協調による地球全体としての地球環境保全をするということの積極的な推進に寄与する。さらに具体としては、国際協力それから地球環境保全等に関しての監視、観測等が行われるわけでございますが、こういうような国際的な連携の確保、こういうことが条文に盛られているわけでございます。要約をいたしますと、冒頭で定義を置き、後ろの方で具体の施策を第六節として列挙しておる、こういう法律構造になっておるわけでございます。
 そこで、お尋ねのポイントは、これで環境の分野において世界への貢献が万全か、こういうことであろうと思います。私どもはこの法案で初めて地球環境あるいは地球環境保全ということに取り組んでまいったものでございます。これをこれから先、その規定がそれぞれ持ちます理念、趣旨、こういうものを十分にしんしゃくをしながら万全の対応で環境分野における世界への貢献ということを果たしてまいりたいと考えております。
#205
○高見委員 今の局長の御答弁どおりになります
ようぜひお願いを申し上げたいと同時に、私どもも精いっぱいお手伝いをしたい、そう思います。
 国際協力ということについて、海外青年協力隊というような形も含め、さまざま行われております。しかし、地球環境の危機、特に途上国における環境問題対策が非常に重要な課題となっていること、こういう観点から、ある意味では環境協力というものを集中した目的とした国際貢献、それを図るためのグリーンPKO、GKOですね、についての検討を環境庁が中心となって早急に進める必要があるというふうに私は考えております。緑のPKOのことは先日もお話し申し上げましたが、ぜひ環境庁が中心となって早急に進める必要がある、こう考えておるのでありますが、いかがなものでしょうか、長官。
#206
○広中国務大臣 環境面での国際貢献につきましては、我が国としては人的貢献を含めて積極的に推進していくべきもの、特に人的貢献、草の根に行き渡るような支援、そういうものが非常に大切だと思っております。
 今後、国際社会におきまして我が国の貢献がますます求められるようになる中で、我が国としてはこうした要請にこたえるために、先生が御提案になっておりますグリーンPKOといったような考え方を含めまして、何か体制を強化するためにいろいろ検討させていただきたいと思います。
#207
○高見委員 ぜひ前向きにお願いを申し上げたいと存じます。
 一九七九年に琵琶湖の水質汚濁を防ぐために燐を含む有隣合成洗剤の使用の禁止、工場、事業所に対する窒素、燐の排出規制などを柱とする琵琶湖条例が滋賀県において制定されました。この条例をおつくりになったのが当時滋賀県知事をされておられた、現在は内閣官房長官の武村正義さんでございます。また武村さんは、この委員会の理事としても活躍されておられたと伺っております。
 この琵琶湖条例について滋賀県の人々から非常に印象的なことを言われたことがございます。琵琶湖条例がもたらしたものは、単に美しい琵琶湖、琵琶湖の環境保全というよりも、滋賀県民がみずからの郷土に誇りが持てたということだ、これが琵琶湖条例の残した最大の効果、功績だったというふうな評価を聞いて、なるほどなと。地域の政治と環境問題、あるいはもちろんこれは国政も含めてでございますが、政治と環境問題というのはこういう観点で見ることができるんだなと非常に教えられた思いがいたしました。
 ちょうどこの琵琶湖条例がいろいろと取りざたされているころ、私は、京都の空き缶条例の件で、空き缶のポイ捨てをやめさせるためのデポジットを導入しようと、関西方面で市民運動を一生懸命やっておりました。ところが、産業界の側は、要は突き詰めると、そんなことをしたら小売業が迷惑をする、缶を回収したら店に置く場所がない、あるいは十円のデポジットをつけると売り上げが下がってしまう、そんなことより売り上げをどう上げるかということの方がずっと大事なんだというふうなことで、なかなかうんと言っていただけません。最終的には結局、健全な産業の発展を君たちは妨げるのかというような言われ方で、ジ・エンドということになりました。その割に、この間百十円にさっさと上げられましたので、何だこれはと思っておりますが。
 私は、産業の健全な発展は、整った環境があって、十分健康な人の命があって、美しい町があって、健全な生活があって初めて成り立つものではないのか、それがなくて、目先の利益だけを追うというようなものが本当の発展だとするのは、これは極めて偽りの発展ではないかな、そう考えておりました。
 また、日本のかつての環境保護運動というのは、公害に対する対策運動というふうな色合いのものが非常に強く、まさしく全体のトーンとしていえば、闘争、告発、反対、批判といったネガティブキャンペーンを中心とした、こぶしを振り上げるたぐいの運動が大変多うございました。しかし、運動が過激になればなるほど多くの国民の共感を失っていくというような非常に悲しいジレンマがありました。これは過渡的には仕方のないことであったというふうに思いますが、私が最初からイメージした環境保護活動というものは、そういう批判、闘争、告発というふうなものを超えて、ごく普通の市民が普通の暮らしの中で参加でき、そして共感していただけるシステムと場をつくること、そういう考えで私は個人的に十七年余り環境保全の活動に取り組んでまいりました。
 これこそが、市民の本当の意味での参加と共感を実現するという考え方こそが、新しい市民運動の基盤になるのではないかな、それこそが実は、先ほどの琵琶湖条例ではありませんが、暮らしの自治あるいは個人の自治、地域の自治というふうなものにつながっていき、やがて本当の意味での民主主義につながっていく動きになるのじゃないかな、そんなふうに考えでございます。
 さらに、現在私どもの経済システムでは、環境が提供する物質や恩恵の価値のすべてを考慮に入れているとは残念ながら申しがたいと思います。また、環境資源が減少あるいは損なわれた場合に、本来支払うべきコストも考慮されておりません。こうした社会が持つ、時代の持つ価値観体系では、環境とその機能には限界がなく、かつ無料で入手できるもののように扱われており、これが結果的に資源を枯渇させ、生態系を劣化させ、人の命を危うくしていくということにつながっていると思います。
 そこで、環境問題の新たな取り組みを展開しようというこの環境基本法の第四条に基本理念の一つとして、「持続的発展が可能な社会の構築」というものが掲げられておりますが、環境と経済との関係、及び持続可能な社会を構築するための基本的な政策手段の方向についてお伺いをしたい、こう存じます。
 また、こういった社会の構築のための方法の一つとして、第二十二条に経済的措置が規定されておりますが、先ほど申し上げました例えばデポジット制度というものは、国民の一人一人が環境に優しい社会の構築を意識し、社会のシステムづくりへの自発的な参加を求めていくためにも、その導入に非常に積極的に取り組んでいくべきものだと私は考えておりますが、いかがなものでございましょうか。当時の京都の空き缶闘争のころと比べて、大分社会的な環境も煮詰まってきているかと存じますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
#208
○森政府委員 環境と経済の関係につきましては、これまでも高見先生よく御承知のとおり、地球サミットにおきます環境と経済の統合の概念、それからさらに持続可能な開発の概念というのが打ち出されまして、世界的にはもうこれが定着をしてまいっていると考えております。この意味するところは、環境が人類を養う能力には、長い目で見ますと限りがある、そういうことから、人類の生存基盤であります環境を将来においても損なわない形で利用し、経済社会の発展を図っていく、こういう考え方でございます。
 したがって、こういう考え方に立ちますと、環境と経済を対立する、こういうとらえ方ではなくて、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築していく、こういうような考え方になるのが必然でありますし、またその考え方が必要であろうと私ども考えております。このことは今回の環境基本法案の一種の哲学とでも申しましょうか、基本を流れる大原則になっているところでございます。
 それからもう一つ、デポジット制度の導入に積極的に取り組んでいくべきではないか、こういうお尋ねでございます。
 このデポジット制度を含みますリサイクルのための経済的手法の問題、これは環境基本法の中での位置づけとは別に、私ども平成四年三月から専門家によります検討会を設けて調査検討を行い、ことしの七月には中間報告を出していただいております。
 中間報告はいろいろなことが書いてございますが、その中でも、一つはデポジット制度ということでございます。このデポジット制度を経済的手法の一環としてこれからやっていこうと考えておるわけでございますが、環境保全上の効果などの分析、それから関係する業界等や国民の理解を求めるという点についてまだ努力をなさねばならないだろうと思っておりまして、引き続き必要な調査検討をしながらいろいろな理解を求めていきたいと考えているところでございます。
#209
○高見委員 ぜひデポジット程度は早急な実施を実現できますよう環境庁の強力なイニシアチブを発揮していただければありがたい。また我々はそれに対して全面的に御支援申し上げる用意がある、こう申し上げておきたいと思います。
 デポジットと同様に経済的措置として考えられる、デポジットとは比べ物にならないぐらい重要なものに環境税というものの導入がございます。その導入についてはOECDにおいても検討が行われて、本年三月には報告書が公表されたところでございます。この環境税の導入を含めた経済的な負担を課す措置については、第二十二条第二項において、国民の理解と協力を得るように努めることと規定されておりますが、国民の理解と協力を得るためには具体的にどのような方法をお考えになっておられるのかをぜひお尋ね申し上げたく存じます。
#210
○森政府委員 経済的負担を課す措置はまさに国民に負担を求めるということになるものでありますから、今お話がございました環境基本法案の第二十二条第二項では、適切な調査研究を行うとともに、個別の措置を講ずる必要がある場合にはその措置に係る施策を活用することについて国民の理解と協力を得るように努めるということを特に規定をいたしているわけでございます。
 それで、この経済的負担を課す措置、具体には税でございますとか先ほどございましたデポジットでございますとか課徴金といったことが想定されますが、これを個別に措置をするというような場合には、その効果や影響等について十分に調査研究を行う。この研究主体、調査主体は役所側が中心になってやることがございましょうし、その段階でいろいろな御意見を承るということもございましょう。それで、さらに特別に、税でございますと立法措置が必要でございますから、国会での御審議ということが出てまいりますし、そういうことはもとよりでございますが、例えばシンポジウムを開催していろいろな御意見を賜る、あるいは広報を行うといったようなことも出てまいります。そういうことでそれぞれの個別措置に応じまして、要は国民の理解と協力が得られる適切な方策、こういうものを考えてとっていくということになろうと思っております。
    〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕
#211
○高見委員 まあ環境税というのは、価値はあるけれども価格のついていないものに価格をつける社会的な仕組みというふうに理解をしております。これももう五カ国もが既に、炭素税という形ではありますが、導入をしております。ぜひ具体的な検討に入っていただければありがたいと存じます。
 さて、環境アセスメントでございますが、事業者みずからが実施するとされていることの是非に関しては、第百二十六国会で廃案となった環境基本法案の審議の過程でも指摘され、議論となったところではございますが、私は、評価の公平性や透明性という観点から、将来的にはやはり環境アセスメントは第三者機関によって実施されるように義務づけられるべきであると明確に考えております。また、環境が破壊された場合、その影響を受けるのは現在及び将来の市民であることから、開発事業の環境アセスメントは、その情報が公開され、市民参加のもとに行われるべきものとも考えております。さらに、このことが環境の保全に効果あらしめるためには、計画段階での環境アセスメント、そして事業実施後のモニタリングと結果の報告義務及び第三者による査察の受け入れ等も十分に具体的に検討されるべき課題であると考えております。この環境アセスメントについては、同じくそのときの審議において、法制化することを含めて所要の見直しをしていくということが明らかにされております。
 そこで、環境アセスメント見直しの今後の具体的なスケジュールと、予定される見直しの内容についてお伺いを申し上げたいと存じますが、いかがなものでございましょうか。
#212
○森政府委員 けさほど来、幾つかこういうお尋ねがございました。若干重複して恐縮でございますが、環境影響評価の重要性というのは今回の法案で明らかにしておるわけでございますが、これから先、どうやってその重要性、具体的な措置というところを考えていくかということになるわけでございます。これまで閣議決定要綱等によってやってまいりまして、これを的確な形でやっていくというのは当然でございます。そして、今考えておりますのは、ただいま高見先生からいろいろな論点と申しましょうか、ポイントと申しましょうか、そういうのがぱっとお話にございました。それらが、まさに我々も、またこれから先検討をしておかなければならない問題であろうと思います。
 したがいまして、今内外の制度の実施状況等に関して調査をするということを申し上げましたが、まず事実をいろいろ把握をし、それを解析をし、そしてその中でいろいろな論点が出てまいる、そのものを詰めていく、こういう手順を踏むことになろうと思います。その手順の中で、ただいま先生お話しのようなことがポイントとしてまた浮かび上がってくるということは、十分予想されるところでございます。
#213
○高見委員 環境アセスメントももう世界の中の趨勢でございまして、実施していない国はごく例外的にしか存在しない、日本もそのうちの一つでございます。ぜひ速やかに実施されますよう努力をなさってくださいますようお願い申し上げます。
 今日の環境問題の多くは、国民生活や社会経済活動一般に起因する部分が非常に大きくなってきております。それを解決するためには、国民一人一人が環境保全のための取り組みを自主的かつ積極的に行うことが不可欠になってきております。そこで、国民一人一人が、人と環境のかかわりなど環境保全の重要性について理解を深めるとともに、環境保全のための望ましい活動がとられるようにしていくためには、環境保全に関する教育及び学習の振興が重要であると考えます。しかし、そのための指導者となる人材が極めて不足しております。早急な人材育成が課題でございます。また、環境という概念は、経済と同様に大変広いものであると同時に、今や社会経済活動における重要な要素となっており、環境に関する新しい学問の分野の確立が必要ではないかと考えます。こうしたことから、社会経済活動を支える学問の場としての環境大学の設立について、前回とあわせて再び御提案を申し上げたい。
 現在も既存の大学に環境に関する学部が新設されることはあるようでございますが、そういうものではなく、環境に関して総合的に研究、学問のできるシステムとしての環境大学の設立を、これも環境庁が主体となって検討されてはどうか、再び御提案申し上げますが、いかがでございましょうか。
#214
○森政府委員 新しい環境政策の理論的基盤の形成という観点から物を考えますと、総合的な研究、教育等の推進ということが必要であることは、私も同感でございます。
 そして、それをいわゆる環境大学といったような形で設立をしたらどうか、こういう御提言でございます。この考え方も大変示唆に富むお考えであろうと思いますが、またなかなか難しい点もいろいろあるということが、さっと考えましても浮かび上がるわけでございます。示唆に富む御提言として受けとめてまいりますが、現在、環境庁といたしましては、さまざまな国立研究機関等の連携による研究活動、それによりまして総合的研究ということが進むでありましょうし、また省方面の専門家の協力による環境教育の推進、この環境教育というのはちょっと次元が違うかもしれませんが、そういうところに意を用いているところでございます。
 ただいまお話しの環境大学の設立というのは、示唆に富む考え方として受けとめさせていただきたいと思っております。
#215
○高見委員 最後に、これはぜひ長官にお答えいただければありがたいのですが、今回の環境基本法に関しまして、環境アセスの法制化であるとか、情報公開の問題であるとか、市民参加の具体策やそれを保障する仕組みの問題でありますとか、環境基本計画はすべてに優先するという文言が欠けている点でありますとか、環境保全のための経済的なインセンティブが具体化されていないということであるとか、ODAに対する諸規定が十分ではないとか、価値観転換への具体的な方針が明示されていないとか、エコオーディト、外部環境監査の実施と環境報告書の公表の義務化とか、真に持続可能な農業に対する示唆であるとかがこの中に欠けているのではないかというふうな市民の指摘がいろいろとございます。
 が、私は、今回の環境基本法は出発点ではあってもゴールではないと考えております。これは日本の本格的な環境対応のプロローグだ、そんなふうに考えて、この環境基本法を前向きに受けとめようと考えておりますが、長官は御同感いただけるかどうか、ぜひお尋ね申し上げたい。繰り返しますが、出発点であってゴールではない、このことに御同感いただけるか否かをお答えください。
#216
○広中国務大臣 まさに高見委員御指摘のとおりだと思います。
 この基本法案、地球環境時代に対応して、新たな環境政策の総合的展開を図る上にも不可欠でございます。そして、まずはこの基本法を早期に成立していただき、その後さまざまな取り組みを行っていきたい、そのように思っております。まさにこれがスタートライン、今までもいろいろ環境政策については環境庁、他の省庁と御一緒に、そして国民の皆様と一緒に頑張ってきたわけでございますけれども、まさにこれから新たな展開が始まる、そのようにお考えいただければと思います。
#217
○高見委員 最後に、ぜひこの環境基本法が、二十一世紀へ向けての日本のすぐれた環境政策づくりの大きな第一歩となることを願っております。
 どうもありがとうございました。
#218
○奥田委員長 北橋健治君。
#219
○北橋委員 民社党・新党クラブの北橋でございます。先般の委員会質疑におきまして、環境庁長官の所信表明に対しまして、私どもの立場から若干の質問をさせていただいたところでございます。
 環境政策の今後の推進に当たりまして、憲法ともいうべき環境基本法がようやく成立に近づいてきたことを私ども、心から歓迎をするところでございます。この基本法の成立後に当たりましては、それに関係する環境関連の法律が二十数本あろうかと思いますけれども、ぜひともこの環境基本法の理念から抜本的な見直しをしていただきまして、来年の通常国会が環境国会と言われるほどに、皆様方の新しいアイデアと方針がたくさん提起されることを希望してやまないところでございます。環境基本法の制定に当たりまして、先輩委員並びに環境庁の皆様方のこれまでの御尽力に対しまして、心から敬意を表する次第でございます。
 限られた時間でございますので、きょうは、三つの問題に絞って政府の方針をお伺いしたいと思っております。
 その第一は、環境アセスメントの今後のあり方について、そして環境税の検討をされるというふうにお伺いしておりますので、そのあり方について、そしてまたNGO、民間団体の皆様方とのパートナーシップについて、この点について以下、御質問させていただくところであります。
 まず、環境アセスメントにつきましては、民社党・新党クラブといたしまして、前回の質疑で申し上げましたように、基本的にまことに重要な政策課題と認識しております。自治体のガイドラインあるいは閣議了解に基づきまして既に幾つかの試行錯誤が行われておりまして、相当程度の実効が上がっているものと私ども評価をいたしております。そういった意味では、基本法の制定を受けまして「必要な措置を講ずる」と明文化されておりますが、今後、この制度がさらに前進するように御検討を加えられることに対して、歓迎を申し上げたいと思っております。
 ただ、そのあり方につきましては、開発と環境保全を両立する見地からいろいろと懸念をされる材料もございますので、その点に立って政府の方針をただしてまいりたいと思っております。
 まず第一に、地方自治体がこれまで環境アセスメントについていろいろと努力をされてきた経緯がございます。前回も私申し上げましたように、これからの国家のいろいろな行政の推進に当たりましては、地方分権ということを私ども連立与党としても最も大きな政治理念の一つとして、生活者主権とあわせて見直していかねばならないと申し上げましたけれども、そういった意味からでも、地方自治体がやっていらっしゃる今までの業績というものは、大変大きな実績があるのではないかと思っております。
 とりわけ環境庁というのは、私ども、これからも、ぜひ許認可権を含めまして大きな官庁に発展していただきたいと念願しておりますが、現時点におきましては、残念ながら、他省庁に対する許認可権の扱いその他、実際の仕事をする上におきまして随分肩身の狭い思いをされていることも多々あったのではないか。その点、県知事部局におきましては、開発部門とそして環境保全の部門が両方あるわけでございまして、むしろ県知事のもとでのアセスというのは、他県にまたがる場合は別といたしまして、相当程度の効果を上げ得るのではないかと私ども思っております。
 そういった意味で、まず環境庁にお伺いしたいと思いますが、既に四十四自治体におきまして自治体主導の環境アセスメントが実施されてきておりますが、それらの地方自治体のこれまでの試みに対しましてどのような評価をされているか、お伺いしたいと思います。
#220
○森政府委員 地方公共団体では、環境影響評価の重要性が認識をされておりまして、地域の実情に応じまして、環境汚染の未然防止を図るための条例あるいは要綱による環境影響評価が制度化されて実施されてきている、ただいまお話しのとおりでございます。今私どもがつかんでおりますのでは、やはり都道府県、政令指定都市で四十二、それからそれ以外の市で二、合わせて四十四の公共団体におきまして、条例あるいは要綱でこういう制度を設けられておられるわけでございます。
 それぞれの地域におきます特徴を生かしながら、すなわち、その対象事業の範囲あるいは規模などについて地域の実情を酌み取りながらつくられたものでございまして、これはそれで大変な特徴を持っているというふうに評価できようと思います。こういうものが国の制度と相まちまして、環境汚染の未然防止の観点から、大変重要な役割を果たしてきている、こういうふうに考えております。
#221
○北橋委員 つまり、地方自治体のこれまでの環境アセスメントの制度というのは、閣議、省議決定のアセスメントの制度と相まって、環境保全の成果は十分上がっている、このように考えておられると理解してよろしいでしょうか。
#222
○森政府委員 ただいま申し述べましたように、国の制度と相まって、重要な役割を果たしてきているということでございます。
#223
○北橋委員 そこで、今後、我が日本政府としましても、法制化という問題に対してどういう方針で臨むかが問われてくると思うわけであります。
 私どもも、諸外国の例を見ますと、環境アセスメントが法律に基づいて的確に運営されている実情についても承知をいたしておりますし、そういう形でアセスメントが実効上がる措置として行われるのであれば、法制化について何ら反対するものではございません。ただ、環境保全と開発との相反する意見がぶつかったときに、もしも日本で
法制化された場合に、果たしてうまくいくだろうかという心配も厳然としてあることは事実であります。
 例えばどういうことかといいますと、実際問題、具体的な環境影響だとか権利の侵害と関係しない問題、例えば環境権のような抽象的法益の存在を争う抗告訴訟とか、あるいは民事上の差しとめ訴訟、あるいは手続上の軽微な瑕疵を殊さら理由とする行政訴訟の機会が増大するのではないか。つまり、ほんの一握りではございますけれども、反対のための開発に対する反対運動というものに一つの大きな手がかりを与えることになってしまって、これまで環境アセスメントがねらいとしております持続可能な発展、つまり環境保全と両立しつつ適正な開発を進めるという立場にとって果たしていかがなものか、そういう懸念がぬぐい去れないわけであります。
 環境庁も今後、各省庁と一体となって検討を進めるということでございますが、これまでの検討の過程におきまして、果たしてそのような心配はないのか、そういう懸念を持つ必要がないとお考えになっているのかどうか、お伺いしたいと思います。
#224
○森政府委員 環境影響評価につきまして、法律制定後、調査を行い、関係省庁と一体となっていろいろな検討をしていくということを申し上げてまいりました。ただいまお話しのようなポイント、これもこの調査研究の中で、いろいろな運用の実態を、外国におきます運用実態でございますとかそういうものを調べてまいります中で、よく見きわめてまいらなければならないポイントだろうと思います。そういう運用実態をよく見きわめた上で、さらにそういうものを検討の素材として提供をし、よく検討を進めていくということになると思います。
#225
○北橋委員 環境庁の今の答弁で理解をするものでございます。長官としてもし御答弁があればお聞かせ願えればありがたいと思っておりますが、今後、アセスメントについて法制化をする方向で検討されるかどうかについては、各界が大変大きな注目をいたしております。私どもは、諸外国のように、その法律が良識ある市民によって運営されているのであれば何ら反対するものではございませんが、いろいろな開発を見てまいりますと、反対のための反対の人たちというのが、いろいろと開発に対して、いたずらに大変な時間を費やしたり、あるいはいろいろな公益を侵害しているのではないかという場合にも間々遭遇してきている経験がございます。そういう見地も十分大切にされて、本当に環境アセスメントが具体的に、生き生きと、実効が上がるように御検討を進めていただけるように要望したいと思うんですが、長官の御答弁あればよろしくお願いしたいと思います。
#226
○広中国務大臣 先生御指摘のことを踏まえまして、また法制化を含みまして、今後真剣に、慎重に検討させていただきたいと思っております。
#227
○北橋委員 よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、環境基本法の二十二条におきましては、環境税と読めるのではないかというような条文がございます。「環境の保全上の支障を防止するための経済的措置」ということで、いわゆる環境税の導入について御検討を進められるというふうに受けとめられる条文がございますけれども、その中で、いわゆる「環境への負荷の低減に努める」に当たりまして、それにうまく誘導するようなそういう目的を持った施策、つまりこれは環境税のことだろう、環境税に限らず環境税を中心とする施策のことをお考えだと思うんですが、「国際的にも推奨されていることにかんがみことあります。条文には、そういう施策が有効性を期待され、国際的にも推奨されている点にかんがみ、その措置を講ずるというふうになってあるんですけれども、国際的にも推奨されているというお考えでございますが、確かに、最近のサミットあるいはOECDを初めとする国際会議におきまして、いわゆる環境税的な発想に立ったと思われる勧告が出てきていることは、私ども十分承知をいたしております。ただ現実には、いざ環境税を導入するとなりますと、国民経済に与える影響、いろいろ出てまいりますし、その効果についても、先進国の間にもいろいろな議論があります。
 そこで、条文には、国際的に推奨されているとお書きになっておられますが、私どもそれにあえて反対をするものではございませんが、例えば、イギリスやフランスにおいてこの環境税の導入についてどのような議論があると承知されているか。と申しますのは、OECDの中にそれらの国は入っておりますけれども、いざ環境税を導入するとなると、いろいろと難しい諸問題がある、それが相当程度政府あるいは議会において議論されていると聞いておりますが、もし情報をお持ちでございましたら、お聞かせ願いたいと思います。
#228
○森政府委員 イギリスにおきます状況でございますが、私どもの情報では、イギリスはEC委員会の提案によります炭素・エネルギー税とは異なりまして、環境保全を目的とした独自のエネルギー関連課税の増税を行っているというふうに承知をいたしております。すなわち、これまで付加価値税の対象外でございました家庭用燃料と電力に対する賦課を行ったり、あるいはガソリンなどの自動車燃料に関する税の引き上げ、こういうことでございまして、その目的とするところは、燃料の効率的な使用と二酸化炭素排出の削減を促進し、また歳入を上げること、こういうことを目的としているのがイギリス。
 それから一方、フランスにおきましては、EC型の炭素・エネルギー税の提案に対しまして、エネルギーの熱量を課税ベースにした税には反対をしているけれども、炭素に着目した国際的な税の導入は支持している、こういうことでございます。
 この条文上、「国際的にも奨励されている」というのは、ただいまお話がございましたように、国際的な機関、OECDといったものが具体の頭にあるわけでございまして、そういうところでは考え方は推奨されている、こういうふうに私ども考えております。
#229
○北橋委員 税制につきましては、それぞれの国において歴史的な経緯もございますし、外国の議論がそのまま日本に当てはまるとは思っておりませんが、いずれにしましても、いわゆるOECDの勧告が環境税の導入に非常に積極的なように書かれておりますけれども、条文において大変迷いといいますか、ためらいというものがある。それは、やはり経済に与える影響だとかいろいろな問題が背景にあるわけでございます。そういった意味では、条文では「国際的にも推奨されている」と書いてありますけれども、その辺の事情の十分御勘案の上で、今後検討を進めていただきたいものと思っております。
 そこで、まだこれから検討する段階でございますから、果たして環境税を考えるときに、いわゆる目的税的なものをお考えなのか、あるいはいわゆる一般財源的な性格になるのかというふうにお伺いしても御答弁はしにくいだろうと思いますが、私どもは、基本的に現在の大蔵省の行政を見ておりまして、ここで新たに目的税的な性格を持った負担を課するということは極めて難しいのではないか、こう思っているんですけれども、そういった意味では、いわゆる一般財源的な性格を持った新しい負担のあり方を検討される、このように理解してよろしいんでしょうか。
#230
○森政府委員 税というところに目的を絞ったお尋ねになりましたが、これまでの段階では、説あるいは課徴金あるいはデポジットといったような経済的手法という新たな考え方を環境基本法案の中に明示をし、これを盛り込んでいくというレベルに今あるわけでございまして、これをさらに税に収れんさせ、どういう形で、どういうふうにしていくかというのは、その法案に書いてございますような手続を得てさらに進めていかなければならない問題でございます。
 したがって、ちょっとお答えにならないかもしれませんが、どういう形でその税収を使うのかという点につきましては、まだまだ勉強段階でございます。外国におきましては、例えば減税財源に使います、あるいは一般財源に入れます、あるいは特定財源とします、いろいろなお考えがあるようでございまして、経済的手法というものの考え方から直ちに税の使途がこうなる、こういうものではない、そういう性質のものでございます。
#231
○北橋委員 私どもの調べによりますと、環境税を導入している国というのは、いわゆる環境に悪影響を与える行為を減ずるものという観点から導入しているものが多いと見ておりまして、いわゆる一般財源的な性格を持っていると思っております。そして、例えば今後環境を保全するために予算が必要だ、それを捻出するための税金をお考えとするならば、いわゆる目的税的な性格を帯びると思いますが、こういった国は私どもはないものと理解をいたしております。
 そういった意味で、今後環境税の検討に当たりましては、環境に負荷を与える行為を減ずるものという観点から検討が進むものと私どもは理解をいたしておりますが、その場合、大事なことは、諸外国におきましては実質的には新しい税負担を民間に対して課してはいないという点であります。例えば増税をするかわりに減税を一緒にするという形で、増税分は減税の財源に充てているということでございます。
 私どもも、基本的に今の国民経済の状況からいたしまして、新しい税負担を課するとするならば、到底国民の理解を得られないものと思っておりまして、その場合には、法人税か所得税の減税と相殺をする、その中で環境に対する新しい負担のあり方を考えるのが当然だと思っておりますが、そのように理解してよろしいでしょうか。
#232
○森政府委員 経済的手法の考え方をずっと進めてまいりますと、それを税という形で仮に仮定をしてまいりますと、その限りにおいて国民に新たな税負担を求める、こうでなければ全体が成り立たないわけでございます。したがいまして、税による経済的負担が価格に転嫁されて需要が減少し、それを意図してやっていくわけでございますから、その限りにおいて税が、負担がふえる、こういうことでございます。
 そして、ただいまお話しの部分はそういう事態が生ずることと、それから他の税制との全体の中で税負担をどういうふうにするか、いわゆるレベニュー・ニュートラルという考え方をどういう形で入れていくかという考え方でございまして、これはまだまだ勉強を進めなければならない部分と考えております。
#233
○北橋委員 この間もトラック業界の会合に行きました。軽油引取税の増税のために生きるか死ぬかという議論をしております。そこで、陳情書を見ましたら、「環境税の導入断固反対」と書いてあるわけです。これはたまたま一つの業界で出くわした例でございますが、環境税というのは非常に響きがいい、そういった意味では福祉目的税と並んで今後検討される可能性が大だと見ております。大事なことは、そこで新たな税負担を絶対に起こしてはいけない、それが私どもの率直なる要望でございまして、ぜひともその見地から御検討を進めていただきたいと要望しておきます。
 最後に、時間がなくなりましたけれども、NGO、民間団体の果たす役割、まことに重要だと思っております。その意味で、地球環境基金を通じましていろいろと支援をする措置も講ぜられておりますが、何しろ当初の発想からしますと、随分と経済不況が加わりまして予算規模が非常に小さくなっている。そういった意味では、大変苦しいと思いますが、民間からの拠出をふやすために、法人税、所得税における控除だけではなくて相続税の分野にまで広げていただいて、ぜひとも民間からの拠出をふやして、地球環境基金を大きくする努力をしていただきたい。そして、それをいろいろと上手に使って、NGOが日本において大きく育ち、そして日本の環境行政をリードしていくような、ぜひともそういうものに育てていっていただきたいのですけれども、それについて、地球環境基金をこれから拡充するということと、NGOとのパートナーシップを重視されて今後推進されるということについて、長官の御方針をお伺いいたしまして、終わらせていただきたいと思います。
#234
○広中国務大臣 今日の環境問題の解決のためには、NGOの参加というのが不可欠だというふうに認識しております。そうした国民一人一人の足元からの行動を促進し、あるいは草の根の環境協力を進める上で極めて重要な役割をしていただける、そういうことで、私ども一生懸命連携を図りながらやっていきたい。
 しかしながら、我が国におきましては、その歴史的、文化的な背景がありまして、欧米諸国、特にアメリカなんかと比べて非常に脆弱でございます。元来NGOというのは、政府からの援助というんでしょうか支援、金銭的なものですけれども、そういうものとは無縁なものであるはずなのでございますけれども、しかし、そうした脆弱な基盤でありますために、さきの通常国会で成立した環境事業団法の一部改正に基づき、本年五月、地球環境基金を設立し、地球環境保全に取り組むNGOの活動に対する支援を開始したところでございます。
 今後とも、これらの措置を通じましてNGOの活動への支援を強化する、そしてさまざまな会合などの機会を通じて情報交換を行うなど、NGOとの関係の強化のためにさらに意を用いていきたいと思います。それと同時に、地球環境基金、それが大きく育ちますように、私どもも一生懸命努力したいと思います。
#235
○森政府委員 大臣の御答弁にちょっと補足をさせていただきますが、相続税の免税措置の関係でございます。平成六年度の税制改正要望でぜひ実現をしたいと考えております。
#236
○北橋委員 ありがとうございました。
#237
○奥田委員長 岩佐恵美君。
#238
○岩佐委員 きょうは環境基本法に対する質疑ですけれども、この環境基本法は、前自民党政府が、財界や産業界あるいは事業官庁の強い要請を受けて環境アセスメントの法制化や情報の公開などを見送った法案に、さきの通常国会で修正された二カ所を加えただけで再提出されたものです。
 総選挙の際、市民グループが実施したアンケートで、現在の連立与党の各党の皆さんは、さきの自民党政府が提出した環境基本法案が不十分なものであるとして、社会、公明、新生、社民連の各党が環境アセスメントの法制化に賛成していました。環境基本法案の不十分さを認め、環境アセスメントの法制化などを約束していた連立与党とその内閣が、財界、産業界、通産省など事業官庁の圧力で、実効性に乏しいさきの環境基本法案をそのまま再提出してこられた、こういうことは、これまでの連立与党の各党の修正努力や抜本的な見直しを要望している国民の期待に背を向けた、そういうことになるのではないかというふうに思います。長官の御意見を伺いたいと思います。
#239
○広中国務大臣 この法案は前政権の御努力によってつくられたものでございますけれども、しかし、この基本法案は、地球サミットの成果を踏まえ、環境の保全に関する新しい基本理念とこれに基づく基本的施策の総合的な枠組みを定立するものでございまして、地球環境時代に対応した新たな環境政策の総合的展開を図るために不可欠なものだ、そのように認識しております。
 政府といたしましては、第百二十六回国会における御審議のいきさつを十分に踏まえまして、全会一致で可決されてきた法案でございますので、それを今国会に提出させていただいたところでございます。よろしくお願いいたします。
#240
○岩佐委員 先ほど総理にも伺ったところですけれども、ことし六月に釧路で開催されたラムサール条約締約国会議で、日本政府が条約事務局の提案した環境アセスメントの法制化による義務づけに強く反対して、世界における環境後進国の姿を改めて浮き彫りにしました。アセスメント法は、先進国では今や常識です。環境アセスメント制度を法制化していないのは日本ぐらいなものです。このままだと、ラムサール条約釧路会議のように国際的な流れから孤立するだけではなく、地球環境を守るという国際貢献に背を向け、世界の環境を守ろうという流れにさおを差すことになるのではないでしょうか。環境アセスメント制度の法制化をいつまでにやられるのか、お約束をできるのかどうか、国際的にも幅広く活動しておられる長官の御所見をお伺いしたいと思います。
 あわせまして、連立内閣になったのだから多少は国民の皆さんの今までの期待を受けとめてもらえるのじゃないか、そういう意見があちこちで聞かれるわけですけれども、そういう期待に対して長官としてどうおこたえになられるのか、伺いたいと思います。
#241
○広中国務大臣 確かに日本では環境アセスメント法案という法案はございません。しかしながら、これまでも閣議決定要綱や個別法等に基づきまして、的確な環境影響評価の推進に努めてきた、つまり実質的には環境影響評価というのを行ってきたわけでございます。今後ともこの現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、そうした制度の実施状況に関しまして関係省庁一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえて、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、法制化をも含めて所要の見直しについて検討することにしておりまして、既に政府内部において調査研究のための準備に着手したところでございます。
#242
○岩佐委員 要綱に基づくアセスが合わせメントである、だから国民の皆さんは今、本当に環境基本法の成立の際にこの問題について政府としてどう対応されるのか、そこのところに非常に関心を持っているわけですね。
 私が住んでおります東京の多摩の地域ですけれども、ここには豊かな自然が非常に多く残されています。国立公園もございます。そういう中で、今合わせメントによってどんどんと本当に環境が破壊をされていっている、そういう実態がございます。その一つ一つについて、具体的な問題でお伺いをしていきたいと思います。
 一つは、多摩ニュータウン開発計画の一・三倍、臨海部開発計画の九倍という約三千九百ヘクタールを開発する計画の秋留台地域総合整備計画、この問題です。そしてもう一つは、その秋留台開発計画のちょうど真ん中を通ります首都圏中央連絡道路、いわゆる圏央道の問題でございます。
 秋留台開発は、二市二町、青梅市、秋川市、五日市町、日の出町にまたがる丘陵と台地に、インテリジェントシティー構想を含む複合都市を建設しようとするものです。秋留台地を囲む丘陵地は、もはや都内の平たん地では見ることのできない雑木林の本来の生態系を今も保存している自然が豊かな地域です。
 圏央道計画は、総延長約二百七十キロメートルの計画のうち、国の委託により東京都が事業者となって八王子市から青梅市までの二十二・五キロを工事するものです。圏央道の計画路線が通過する場所には明治の森高尾国定公園、都立高尾陣場自然公園、都立秋川丘陵自然公園などがあって、この秋川丘陵公園が秋留台地の中にあるということになります。秋留台地や高尾山の地域は多摩国立公園の貴重な前山として、多くの都民が緑と憩いを求めて訪れるオアシスとして、貴重な生態系や文化遺産を今も保存している地域でございます。
 実は、恐縮ですけれども、私が一九八六年十二月十二日に当環境委員会で高尾山の問題について質問をいたしました。これは高尾山を紹介するのに非常にコンパクトに書いてありますので、そのときの議事録をちょっと引用させていただきたいと思います。「高尾山は温帯と暖帯の境界にあり、その微妙な自然のバランスの中で約千三百種の植物が生育し、約四千種もの昆虫、ムササビ、タヌキなどの小動物、さらにはキツツキなど野鳥もかなりの種類生息をしています。低山では珍しいイヌブナやブナの林」、ブナがあるんですね。標高六百メーターくらいの山ですけれどもブナがある。「林は有名で、昆虫の生息地としては日本で三大生息地の一つとなっています。この豊かな自然は、千二百年もの問いわゆる信仰の山ということもあって守られてきて」いる地域でございます。
 こういう秋留台の豊かな自然とかあるいは高尾山のこうしたすばらしい自然、これは私は、家に帰りますと本当に空気が違うんです。特に夏などは空気がおいしい、そう思います。二十三区の皆さんには申しわけないのですけれども、本当に違うんです。これは私たちは、この多摩の地域の自然があるから、豊かな水やあるいは豊かな空気、そういう浄化作用をしているというふうに思っております。その点について、長官のそうした環境の果たす役割についてお考えがあればお伺いしたいというふうに思います。
#243
○奥村政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように高尾山の周辺の山城、大変貴重な自然が残されているということでございまして、私どもとしてもそうした見地から保全に努めているというところでございます。
#244
○岩佐委員 この二つの計画をめぐりましてさまざまな問題が生じています。きょうは環境アセスにかかわる問題に絞ってお伺いをしたいと思います。
 まず、この間お伺いをいたしました八王子川口土地区画整理事業によるいわゆる川口リサーチパーク開発の問題です。これは事業者である東京都と住宅・都市整備公団がことし七月にアセスの見解書を提出し、七月二十九日より見解書の縦覧を始め、八月三日から見解書の説明会の実施を強行しようとしました。それに先立ちまして、六月十五日にオオタカの営巣が確認されたにもかかわらず、それまでの環境影響評価手続を続行し、オオタカの調査やその保護措置について全く付加的な調査で済ませようとしました。
 しかし、近隣の住民や自然保護団体の強い抗議が起こり、東京都は八月十九日になって、事業者が実態調査をすると言ってきたので、結果が出るまで環境影響評価手続を中断する、そういうことを明らかにせざるを得ませんでした。
 環境庁にお伺いしますが、八王子川口土地区画整理事業の環境影響評価書案及び見解書では、オオタカの評価の結論はどういうことになっているのでしょうか。
#245
○奥村政府委員 先生御指摘の八王子市の川口地区の開発問題でございますが、オオタカが発見をされた後、都が住宅・都市整備公団に対しまして、オオタカの生態と行動について調査の上、その保全を図るよう保全措置について検討するよう指示をし、それを受けた公団で現在学識経験者や鳥に詳しい地元の方も参画をされた検討会で検討が行われている段階というふうに承知しているところでございます。
#246
○岩佐委員 私が伺っておりますのは、評価書案及び見解書ではどうなっているかということを伺っているのです。
#247
○奥村政府委員 お答えをいたします。
 先生御指摘のように、評価書においては、オオタカが当時発見をされておりませんでしたので、それは記載をされていないということでございます。
#248
○岩佐委員 住民によって確認された後、東京都も住都公団もオオタカの営巣であるということを確認しました。東京都や住都公団は、評価書案では全くオオタカの営巣を欠落させていたのです。営巣が確認されても付加的な調査で済ませ、見解書の説明会を強行さえしようとしました。自然保護団体の強い抗議がなければそのまま環境影響評価手続を続行したかもしれない、そういう実態にありました。全くずさんな調査で、乱暴な手続だと思います。
 現在アセスの手続を中断してオオタカの営巣地を調査する、そういうことになっております。東京都などが適切な実態調査を行って、生息地を保護するための十分な対策を本当にとるのかどうか、住民の皆さんは今までの対応から見て非常に心配をしています。改めて環境庁にきちんと指導されるかどうかを伺いたいと思います。
#249
○奥村政府委員 先ほども御答弁を申し上げましたところでございますが、公団におきましては、鳥に関する専門家の学識経験者、それから地元で鳥に詳しい専門家の方々なども含めた検討会を設置をされ、既に第一回の会合を開かれたというふうに聞いておりますので、私どもとしてはこうした検討の状況を見守りたいというふうに考えているところでございます。
#250
○岩佐委員 ところで、オオタカですけれども、このオオタカは、尾崎洋さんという東京オオタカ保護連絡会の方のレジュメをちょっと引用させていただきますと、「オオタカは気品に満ちた勇壮な鷹で、古来鷹といえばオオタカを指すといってもよいほど珍重され、愛好されてきた。しかし、里山の雑木林を主な住処とするため、人間活動の影響を受けやすく、近年では密猟や開発によって繁殖や生息を妨害され生息数が減少しつつあるとされている。」
 そこで、オオタカは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律で国内希少種に指定をされています。猛禽類であるオオタカは、一次消費者と呼ばれる食植性動物の上に二次、三次と栄養段階を追って食肉性動物が重なり合い、複雑な生態系のピラミッドの頂点にいます。食物連鎖の頂点にいるということです。当然のことですけれども、キツネ、タヌキなどの哺乳類や猛禽類のオオタカ、フクロウが生息していくには莫大な数のえさとしての小動物が必要です。また、この小動物を養っていく多様な植物や昆虫類などの存在が求められます。
 国内希少種であるオオタカの生息地を保護するためには、今言ったような生態系が維持されている自然環境を保全することが必要であることは言うまでもありません。希少種が生きている環境をどんどん壊してしまえば、結局トキやイリオモテヤマネコ、シマフクロウのようになってしまいます。絶滅または絶滅に近い状態になってからあれこれ手だてを立てても、もう遅いわけです。
 だから、ここのところでしっかり環境庁に、見守ってまいりたいという消極的――それが強い態度なのかもしれませんけれども、しっかりと対応をしていただきたい、そのことを再度伺いたいと思います。
#251
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、現地におきまして具体的な方策についての検討会が開かれておるところでございます。私どもとしても、そのときどきの状況について説明を求める、受けるなどをいたしまして、今後ともその検討経過を見守りたいと思っております。
#252
○岩佐委員 そこで、もう一つ、このオオタカの問題で、毎年三から五つがいのオオタカの繁殖が確認をされている、こう言われる長渕丘陵の問題です。
 長渕丘陵は、東京の中で面として現在残された最大のまとまった丘陵地でありますけれども、今この地域、二百十ヘクタールの地域を開発する、こういう計画が進んでおります。秋留台開発計画では、圏央道やパークウェーと呼ばれる南北幹線道路でこの長渕丘陵が分断をされる、そしてそこに高層の集合住宅地や企業施設の建設が計画されています。こうなると、ちょうど真ん中を通るということですから、見事な雑木林はまさにずたずたにされてしまうという状況になることは明らかです。
 九三年三月、東京都が提出した秋留台地域総合整備計画では、「貴重な動植物の生息地などに配慮するとともに、丘陵部の視認性の高い斜面緑地や尾根をできる限り保全していく」こう言っているわけです。ところが、オオタカなどの生態系を保全していくためには、名目ほどにすぎない面積の尾根をアリバイ的に残しても保全できないのですね。また先ほどの例もあるわけです。川口リサーチパークの二の舞にならないように、オオタカなどの生息地が本当に保全できるようにきちんとした対応を環境庁にしていただきたい、そう思いますけれども、いかがでしょうか。
#253
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘の秋留台地区の総合整備計画は、東京都において今調査をして、そしてマスタープランとして策定をするという途上にあるものでございまして、職住近接の実現、それから自然環境の保全と魅力的な都市環境の創出を目的にしているというふうに承知をしているところでございます。
 ただいま申し上げましたように、現在まだ具体的な計画が策定中でございます。そしてその中で、今申しましたような自然環境の保全ということが一つの目標に掲げられるというふうに聞いておりますので、こうした計画の中で、そうした観点が取り込まれますとともに、また今後の具体的な個別の認可、それから事業主体ごとの環境影響評価が実施されるということになっておりますので、こうした手続を通じて当該地域の自然環境の保全が配慮されてまいるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 御指摘のオオタカでありますとか幾つかの大切な植物、動物もいるというふうに聞いておりますので、そうした点、環境庁としてもこうした状況を十分注意深く見守ってまいりたいと思います。
#254
○岩佐委員 ちょっと前後しますけれども、八王子の川口リサーチパーク計画の地域では、都の貴重種に指定をされているクロムヨウラン、黒い茎の、何か葉っぱがないランで、かわいい白い花が咲くランなのですけれども、関東では恐らくここしか見られない、高尾山にもない、そういう貴重種なのです。これがやはりアセスの段階では、確かに都の指定の貴重種なのですが、見つかったけれども、これは移植をすればいいのだというようなことを言っています。学者の意見では、クロムヨウランというのは腐植土壌しか育たないのだ、移植なんかできないのだということを言っているわけです。ことほどさようにいろいろと開発者の見解と、それから自然を守ろうという皆さんあるいは植物の専門家の皆さんの見解とが違う、食い違うということがありますので、ぜひ細かくこういう問題について監視をして対応していっていただきたいというふうに思います。
 さらに続けますけれども、小さなまとまりのある雑木林と多種の動物が生息をしている五日市丘陵の問題です。
 秋留台地域に当たる秋川市、青梅市、五日市町、日の出町の遺跡総数というのは、東京都教育委員会が刊行した「東京都遺跡地図」によりますと、百八十八カ所あります。秋留台地域は原始から近世の遺跡の宝庫と言われております。この五日市の丘陵二百二十三ヘクタールの地域で、地元の秋留台地域調査研究会が環境調査をしたところ、天竺山東尾根に、既に知られていた石切り場立て坑以外に、伊奈石と呼ばれる粗粒砂岩が延びている地層に人工的な石切り場の跡が東西一・六キロ、南北一・四キロの範囲に広がっていることがわかりました。伊奈石の遺跡の調査研究は多摩の産業と近世史を掘り起こすだけでなく、日本の土木史、鉱山史研究のモデルとなる遺跡だと言われています。
 私も現地に行ってきましたけれども、テラスがあっちこっちにあり、そして矢穴というのですか、石を削る、そういう跡があるという、とても大事なところだという感じがいたしましたけれども、文化庁、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、谷津委員長代理着席〕
#255
○若松説明員 東京都教育委員会からの報告によりますと、五日市町の横沢入地区にございます石切り場の跡につきましては、その地区にJR東日本によりますところの宅地開発が計画されている地域、そういう地域につきまして、町の教育委員会の委託によりまして調査団、団長は加藤晋平、国学院大学の教授でございますけれども、その調査団が、この八月から十月末にかけまして、その所在の状況につきまして現在調査を行っているという段階でございます。
 この石切り場につきましては、先生の方からもお話ございましたように、中世から江戸時代にかけまして多摩地域に供給された石うすでありますとか墓石などの石製品を製作したところとされておりますけれども、調査団によります調査の結果というものもまだ出ておりませんで、現時点でその価値がどのようなものであるかということにつきましては、明らかになっていないというふうに承知をいたしております。
    〔谷津委員長代理退席、委員長着席〕
#256
○岩佐委員 この横沢入地域は、今お話のように面積六十三ヘクタールの高級住宅地開発が計画をされています。この丘陵は、伊奈石などの遺跡だけではなくて、オオムラサキだとかゲンジボタルだとかキツネなどの多種の生物が生息をし、貴重な里山の自然環境がそっくり残されております。
 さきに挙げた東京都の秋留台地域総合整備計画では、秋留台地域内の文化財とか遺跡の保護が全く欠落をしているのです。開発計画が進んで文化財、遺跡がつぶされてからでは遅いと思います。開発計画に先行して伊奈石石切り場遺跡群の十分な調査が実施をされる、そして伊奈石石切り場遺跡群を初めとする横沢入の遺跡、文化財について、文化財保護法に基づく現状保存の保護措置をぜひ講じるべきではないでしょうか。横沢入の自然環境とともに保全するよう、東京都や開発事業者にぜひ指導していただきたいと思います。
 この地域の史跡というのは、中近世の史跡は全体として二割と少ないという意味で非常に貴重だ、それから産業遺跡、これは学問的にも文化財保護上も扱いが不当に今まで低かった、そういう意味では近世史や産業考古学、そういう面から非常に研究が進んできて伊奈石遺跡も今注目を集めている、こういうふうにも伺っております。今後の問題として取り組むべきではないかということです。しかもこの地域は――ちょっとこれは委員長、長官にこの図をお示ししたいと思うのですが、いいですか。
#257
○奥田委員長 どうぞ。
#258
○岩佐委員 これは住民の皆さんがつくられたのですが、この地域にぜひ都立の自然史博物館をつくってほしい、都立てなくてもいいですけれども、国立てもいいということですが、横沢入を自然と人々の触れ合いの里として生かしたい、そういう地元の方々の夢、希望があります。
 その図を見ていただきますと、田んぼがありますし、それからそこの地域で出た石から石うすができるのですね。その石うすで実際にそばなどをひいてそこで食味会などもやりたいとか、非常に楽しい夢が今皆さんの中でいろいろつくられているようですけれども、私は、本当に自然とともに環境を守り、そういう夢が実現できる、そうした方がどんなにかコンクリートと鉄筋で、あるいは鉄でああいうところを固めてしまうよりいいのではないかというふうに思うのですけれども、文化庁のお考えを伺いたいというふうに思います。そして、環境庁のお考えも伺いたいと思います。
#259
○若松説明員 石切り場跡の取り扱いの問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、宅地開発計画との関係の中で、この石切り場跡をどう取り扱うかということにつきましては、今後町の教育委員会、それから東京都の教育委員会が協議をしつつ方針を検討していくということになるものと考えておりまして、文化庁といたしましては、その検討結果を見ながら必要な指導を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
#260
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。
 文化財等につきましてはただいま文化庁からお答えを申し上げたところでございますが、先ほどのオオタカその他の自然野生生物については私の方で先ほど御答弁を申し上げたところでございます。
#261
○岩佐委員 ただ見守ったり、あるいは指導を報告を受けた上でということではなくて、積極的にぜひ指導をしていただきたいというふうに思います。
 次に、文化財、遺跡に関してもう一つの問題があります。圏央道計画、日の出インター建設予定地の三吉野遺跡群保護の問題です。
 私は先日、山梨学院大学の考古学の専門家の十菱駿我先生と御一緒に現地を調査してきました。十菱先生によりますと、三吉野遺跡群は塩野半十郎さんによって瀬戸岡古墳群に続く天神バケの遺跡として重要な発見がなされる可能性が指摘をされていたと語っておられました。また、現地の学芸員の方によりますと、ことし五月に確認調査を行って、七月一日にちょうど日の出インター予定地を含むおよそ十二万平米が周知の埋蔵文化財包蔵地として登録をされたと言っておられました。
 文化庁にお伺いしたいと思います。三吉野遺跡群について、簡単にその重要性あるいは登録の状況を説明していただきたいと思います。
#262
○若松説明員 東京都教育委員会の方からの報告によりますと、日の出町にございます三吉野遺跡群につきましては、ことしの三月そして五月、東京都及び町の教育委員会によりますところの試掘確認調査の結果によりまして二カ所の遺跡、ハゲ上・下モ原地区というところと清坊地区と、二カ所でございますが、これにつきまして、この七月二十一日に東京都教育委員会が周知の埋蔵文化財包蔵地ということで遺跡台帳に登載したというふうに聞いてございます。
 この三吉野遺跡群でございますけれども、縄文時代と古墳時代に属します集落等の遺跡というふうに考えられておりますけれども、まだ本格的な発掘調査が行われておりませんため、その詳細については不明でございまして、現時点でその価値がどのようなものであるかということについては、明らかにされていないというふうに承知をいたしております。
#263
○岩佐委員 周知の埋蔵文化財包蔵地域は、圏央道本線部とインターチェンジ部と全く重なります。その重なっている部分の面積は約四万平米あるわけです。実は、この計画地、圏央道計画の隣接地で、日の出町が今区画整理事業で道路建設を行っています。遺跡の確認調査のために一〇%試掘を実施した、そして遺跡がないということで工事をやっていたわけですけれども、その現場で住民によって二カ所の住居跡が発見されました。ところが、住民によって遺跡の存在が指摘されたにもかかわらず工事は続行され、そして、きのう私、東京都に行ってこの問題についていろいろ聞いたのですけれども、都への町からの遺跡の存在の報告も、二つのうちの一つしか報告がない。しかも、私たちが行ってからその報告をした。住民の皆さんが発見したのは今月の初めですから、どうもそういう点では、本当に遺跡がちゃんと出たということをまじめに誠実に報告をする姿勢があったのかどうか、こういう疑いさえ持たれかねない対応だったというふうに思います。
 お伺いしますけれども、遺跡にかかる部分は当然工事を中止して再調査をし、事業者と協議をして、どう対処するかを検討すべきだと思いますけれども、文化庁いかがでしょうか。
#264
○若松説明員 東京都教育委員会からの報告によりますと、御指摘の遺跡は三吉野遺跡群のうちの先ほど申し上げましたハケ上・下モ原地区に係るものでございます。
 この地区の遺跡につきましては、圏央道に隣接する都道計画に伴いまして、この五月に日の出町教育委員会が確認調査を行いましてほとんど遺構を確認できなかった、このために工事を実施したわけでございますが、その後、十月五日になりまして、町民が工事現場の切り土の断面に遺構らしいものを発見をいたした、それで十月十九日に町の工事担当部局に連絡をしたというふうに聞いております。それで、同日でございますが、町の教育委員会では専門職員を派遣いたしまして、遺構の断面を確認をして工事を停止させてございます。今後、現地の確認調査を行うということにしているというふうに聞いております。
 文化庁といたしましては、その状況を見まして、必要があれば指導等を行ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#265
○岩佐委員 工事を中止をしていたということは、それは当たらないと思います。私は現に現地に二十一日に行きまして、どんどんと工事が行われている。それから二カ所のうち一カ所の遺跡については、ここにあったはずだという現地で見た人が、そこに側溝をつくるということで土管か何かを埋める、そしてその遺跡も一緒に埋めてしまったということで、現場で非常に抗議をしました。しかも都に聞いたら、よく見えるわきにある部分は道路のへりになるのでしょうか、そこの部分は都に報告をしたけれども、二カ所あるのに埋めてしまった方は報告されなかったということですから、これは本当に不誠実な対応であるということを指摘をしておきたいと思います。
 次に、圏央道計画の問題なんですが、これに関連をしまして、八六年に東京都が提出をしました環境影響評価書案では、周知の埋蔵文化財包蔵地にはこの地域の埋蔵文化財が全く評価をされていない、こういう実態でした。しかも、評価書案に対する意見書では、埋蔵文化財の存在があるはずだというふうに指摘をされていたものです。
 東京都も圏央道建設予定地内での本調査が必要なことは確実と言っているわけですけれども、文化財の保護を優先すべきなのに環境アセスメントで欠落をさせる、そして、隣接地の道路建設現場の問題ではありますけれども、今言ったように確認調査段階で見落とした上に、遺跡が出ても誠実に対応していない、こういう実態は私は大問題だというふうに思います。
 建設省に伺いますけれども、この地域の圏央道建設予定地内には、今話があったように、多数の集落や住居跡があると推測をされています。東京都も遺跡の確認調査が必要だというふうに言っています。そして、事業者とそのための協議を行う必要があるというふうに言っているわけですけれども、この点についていかがでしょうか。
#266
○辻説明員 この三吉野遺跡につきましては、アセスメント当時はまだ周知文化財になっておりませんでしたけれども、この工事に当たりまして、日の出インター周辺の文化財につきまして、平成三年七月に東京都教育委員会あてに埋蔵文化財の所在について照会いたしましたところ、当地区において埋蔵文化財が包蔵されている可能性があり、確認する必要がある旨の回答がございました。これに基づき、平成五年三月から試掘確認調査が行われました。その結果、平井川右岸の河岸段丘の端から南側、道路方向で約四百メートルの範囲まで遺跡が存在することが判明いたしまして、平成五年七月二十一日に周知文化財として周知されたものでございます。
 なお、包蔵地につきましては、本調査を行った後、工事着手をすることとしておりまして、本調査の時期等につきましては、現在東京都と調整中でございまして、調査がまとまり次第調査を実施したいと考えでございます。
#267
○岩佐委員 この圏央道建設予定地内の四万平米にも及ぶ周知の埋蔵文化財包蔵地を調査をするには、恐らく調査日数というのは少なくても二年から四年かかる、こういうふうに見られているわけですけれども、建設省は今関係住民に対して工事計画の説明会も行わないで、来月十七日にこの予定地に近接したところで圏央道建設の起工式を行い、橋脚工事を行う、そういうふうに聞いているわけですけれども、この工事計画の説明は行われたのでしょうか。
#268
○辻説明員 現地で工事を実施いたします際は、関係者の方々に工事の実施方法、工事期間中の交通処理などの説明を行うこととしております。今回の工事につきましてはどのような方法が望ましいか、現在、日の出町及び関係町会と調整中でございます。
#269
○岩佐委員 全く住民が知らないうちに、私も起工式の御案内をいただきましたけれども、新聞には橋脚をこの部分につくる、そういうような発表がされている。これじゃ本当に工事計画の説明も行わないでどんどんと着工だけ強行するという図になるのではないでしょうか。
 圏央道の計画が公表されてから九年になります。東京都の圏央道建設事業の環境影響評価書案が提示されてから既に八年になります。しかも、八六年に提出された評価書案も、八八年に提出された見解書も、いずれも八〇年の国勢調査に基づいて作成されています。評価書案や見解書自体もずさんな計画となっていますけれども、八〇年の国勢調査のときの状況と、十三年、いわば一昔もたった現在の状況、これは非常に違ってきています。東京都の環境影響評価条例の第二十九条では、「知事は、」「縦覧期間が満了した日から五年を経過した後当該対象事業に係る工事に着手しようとする場合において、関係地域の状況が当該縦覧期間満了のときと比較して著しく異なっていることにより環境の保全上必要があると認めるときは、当該事業者に対し、既に完了している手続の全部又は一部を再度実施するよう求めるものとする。」と規定されています。なぜ建設省はこんなに工事を急ぐのでしょうか。今都条例にありますように、アセスの期限が来年二月二十一日に来るので焦って工事を一部着工しているのではないのでしょうか。もしそうだとしたら、なおさら現段階できちんとアセスをやり直すべきだというふうに思います。三吉野遺跡群の綿密な調査と保護を図ることが先決なのではないでしょうか。しかも、専門家は橋脚工事部分にも遺跡があると指摘をしています。起工式を強行すべきではないと思います。都も遺跡の調査のための協議を近々したいと言っています。東京都も、現地を調査する、包蔵地だけではなくてその周辺も見たい、こういうふうに言っているわけです。そうした協議も待たずに工事計画をどんどん進めるのはおかしいと思いますけれども、建設省に伺いたいと思います。
#270
○辻説明員 三吉野遺跡のことにつきましては、現在、東京都と協議をするべく準備をしておりまして、本調査について、発掘調査、どのような形でやるかも含めまして協議をしていきたい、都の御協力を得て早急にそれを終わらしたいということで、今後調整を進めてまいりたいと思っております。
 圏央道のこの区間につきましても、今回工事を実際に実施する箇所は、これまでの調査で発掘調査が必要ないということで、本調査の必要を認められてない区間でございまして、工事着手については支障がないものと考えでございます。
#271
○岩佐委員 膨大な遺跡群があるそのわずか、包蔵地からちょっと外れているかもしれませんけれども、わずかな鼻の先ですね、そこに橋だけ、橋脚だけつくる、こういうむちゃくちゃな工事があるのでしょうか。
 八〇年の国勢調査に基づいて行ったような環境影響評価、これは遺跡のこと一つとっても問題です。それにオオタカの希少種としての指摘、これもその当時にはないわけです。ですから、そういう意味で言えば、本当に有効性に著しく欠けるのではないでしょうか。環境の保全上改めて直近の国勢調査による環境影響評価の手続をやるべきだ。
 あるいは、今それだけのすごい膨大な遺跡群が出ている、もしかしたら大事なものが出るかもしれない。だからこそ橋脚部分をつくっちゃって、本当に一本だけ建てるわけですから、それでつくっちゃって、これはもう工事はやるんだぞというおどしといいますか、アリバイづくりといいますか、そういうやり方というのは本当に私は民主主義のルールに反すると思います。それが今の環境アセス法がない、そういう実態の中で生まれてきている、この問題をとても憂慮するのです。この点について環境庁、お考えがあれば伺いたいと思います。
#272
○森政府委員 首都圏中央連絡道路につきましては、閣議決定要綱に基づきまして環境影響評価が実施されました。建設省からは平成元年の一月に評価書が環境庁へ送られておりまして、同年二月に縦覧が行われているところでございます。
 ただいまお話がございました国勢調査の問題でございますが、この提出されました評価書では、地域環境の基礎的項目に関する調査は既存の文献または資料によって行われることになっておりますが、人口につきましては当時の最新資料として一九八〇年の国勢調査の結果が用いられております。この地域環境の基礎的項目に関する調査につきましては、この資料を用いているからといってこれをやり直すとかそういうことは必要がない、この一九八〇年の国勢調査結果で差し支えないと考えております。
#273
○岩佐委員 環境庁がそういう姿勢だから住民の非常に不信を買うのではないでしょうか。
 高尾山の問題でも本当に、私この委員会でやりましたけれども、環境アセスは非常にずさんでした。例えば、谷間であるところに大きなジャンクションをつくる、そういう大規模道路計画にもかかわらず大気汚染の影響については平たんな場所でのシミュレーションを使う。本当にひどい話です。それから水がれ、これがあるんじゃないか、こういう問題についても、水がれはありません、こういうような評価がされておりました。ちょうど私も、八六年の議事録をひっくり返してみて、稲村長官が、あのリクルートで有名な稲村さんが長官であったということを思って、本当にこういうのっていいのかなというふうに思っているのですね。
 どうしてこういうずさんな建設計画が次々と強行されるのか、その問題ですけれども、これは圏央道についても、秋留台地域でも既にディベロッパーによって土地の買い占めが進んでいます。例えば圏央道計画に伴って、都区内分だけでも三千ヘクタールも買収をされている、そういう状態になっています。秋留台地域の長渕丘陵は西武鉄道と大和ハウス、平井・川北丘陵は西東京開発、五日市丘陵は先ほどあったJR東日本、そして圏央道の裏高尾では熊谷組となっているのです。青梅地域だけを見ても大和ハウスが約百ヘクタール、西武鉄道は約四十六ヘクタール、山一土地が約八十四ヘクタール、フジタ工業約九十五ヘクタール、大林不動産が約百八十ヘクタール、こういう実態になっているわけです。
 ですから、このようなディベロッパーが買い占めた膨大な地域、これを何とか有効に生かしてやりたい、そういうことで秋留台開発計画だとか圏央道計画だとか進められているのではないか、こういうふうに考えるのは当然のことだというふうに思います。この秋留台開発事業に東京都は六千億円をつぎ込んでいます。日の出町は町予算の七倍にも上る四百六十九億円もつぎ込むことになっています。まさにディベロッパーの利益のために東京に残された豊かな自然を破壊する、そして町や市、都の税金を注ぎ込む、こういう計画なのではないでしょうか。環境行政を預かる環境庁の長官として、この問題にどう対処していただけるのか、その点を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、福永委員長代理着席〕
#274
○奥村政府委員 先生御指摘の秋留台総合整備計画は、そうした事態も踏まえた上で自然環境の保全と都市整備を両立させようということで、都でいろいろなマスタープランづくりが行われていると聞いております。そうした具体的な今後の計画づくりの過程あるいは事業の実施の過程で、適切な自然環境が保全されるよう、私どもとしてもいろいろな見地からこの事態に対して対応してまいりたいと思っている次第でございます。
#275
○岩佐委員 建設省に伺いますけれども、秋留台開発、圏央道建設による残土処理はどうされるのでしょうか。
#276
○河崎説明員 私の方から秋留台地域について答弁をさせていただきます。
 先ほど来出てまいりますように、秋留台地域につきましては、都のマスタープランがこの四月にまとめられたところでございまして、まだ具体的なプロジェクトについては、いろいろな構想がありまして調査が行われているわけでございますが、まだまだ具体化には時間を要するという段階でありまして、したがって個別具体の造成工事について現段階で言及するということはなかなか難しいということでございます。
 ただ、一般に宅地開発事業におきましては、山を切って、要するに切り土ですね、切り土の量と、それから平たく言いますと谷を埋める、その盛り土の量をバランスをとるような形で計画を策定するというのが一般的でございまして、特別な場合を除きましていわゆる工事残土、処理をしなければならない工事残土というものが発生しないようにしているところでございます。ただ……(岩佐委員「圏央道」と呼ぶ)圏央道はあちらでございますので。
 そういうことで、秋留台地域についてもそういった方式でやるということに今後なろうかと思います。
#277
○辻説明員 圏央道から発生します土砂につきましては、関係機関、関係市町村含めまして構成します首都圏中央連絡道路建設残土対策連絡協議会におきまして検討を進めることとしております。本事業及びその周辺における公共事業との調整を十分図りまして、極力有効利用に努める方針でございます。また、残土としての処理を生じる場合は、環境への影響を十分配慮しつつ関係法令に従い、適切に処理する方針でございます。
#278
○岩佐委員 四百万立米という膨大な量がこの工事計画で出てくるわけですけれども、私は秋留台開発で今進んでいるDECという開発計画を見ましたけれども、丘を削ってその残土を法違反の形あるいは条例違反の形で、本当に仮置き場という名称で積み上げている、そして爪やあるいは地下水を汚染している、その実態を見てまいりました。もう開発というのはどんなにか無残に緑が破壊をされていくか、それを目の当たりにしているわけでございます。
 きょうは私も持ち時間がもう終わりになってしまいまして、もうちょっと法律の中身、何条ということで伺いたいというふうに思っておりましたけれども、先ほどからお話をしているように、環境アセスが住民の皆さんが言っておられるように合わせメントという状況になっているからこういう事態というのが解決をされないでいる、それで地域住民の皆さんが被害を受け、また動植物も被害を受けているという実態ではないかというふうに思います。
 最後に、こうした問題について本当に積極的に解決をしていただく、そういう長官の決意をお伺いしたいと思います。
    〔福永委員長代理退席、委員長着席〕
#279
○広中国務大臣 今の開発の問題を大変興味深く拝聴いたしました。環境アセスメントにつきましては、たびたび繰り返しておりますように、現行の適正な執行も含めまして、今後法制化も含め対応させていただきたいと思います。
#280
○岩佐委員 終わります。
#281
○奥田委員長 谷津義男君。
#282
○谷津委員 環境基本法、前国会から続きまして今国会、四十時間を超える時間を要しまして、最後の質問者ということになりました。
 そこで、この法案につきましては、先ほど総理大臣にも申し上げたわけでありますけれども、我が自民党政府がつくり上げた法案でありまして、これにつきましてはほとんど修正なく尽くされてきているわけであります。衆議院で一カ所、参議院で一カ所ということで二カ所の修正のもとにこの法案が再提出されたというふうな形でございまして、しかも前国会においてはあと五時間ぐらいあれば成立をするというふうな状況の中にありながら、解散ということで廃案になったわけでございまして、最後の質問をするに当たりまして感慨無量のものがあるわけであります。
 この法案につきましては、きょう出席しております中村理事が当時環境庁長官時代に手がけた法案でもございますし、私どもとしましても、最後の質問者として、この点につきましてひとつ主に森局長に質問をしていきたいというふうに考えております。最後に環境庁長官の所見を聞きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、環境基本法を作成するに当たりまして、いろいろと各団体や各省庁からの意見があったというふうに聞いているわけであります。いろいろな異論が出たという話もありますし、いろいろまた御努力をなされたということで、それについてはまだ敬意を表するわけでありますが、どのような点が問題点として浮き彫りになってきたのか、そしてどのようにそれを調整したのか、森局長にお伺いをいたします。
#283
○森政府委員 この環境基本法案を立案するに至りましたのは、まさに公害という事態がどんどんと変化を遂げ、改善をされ、そしてすべての国民が加害者であり被害者である、端的に言えばそういうような状況に変化をしつつある状況下で、新たな視点から、すなわち対症療法的な規制を行うというよりも、もう少し別途の幅広い観点から環境保全を進めていく施策がないかという問題意識からスタートをいたしたわけでございます。そして、昨年中央公害対策審議会で大変精力的な御審議を得て、その過程で実はいろいろな御意見がございました。その御意見はいろいろな団体から出されまして、それを書面で委員会にお配りをし、そしてまたそれを審議の場に供し、議論をいただくということをやったわけでございます。
 そこで、今お尋ねの、どういう点がポイントであったかということでございます。
 一つは、環境権というものを明定すべきではないかという御意見でございます。もう一つは、アセスメント制度を法制化すべきではないかという御意見であります。それから三つ目は情報公開ということで、環境情報をすべて公開するような仕組みをつくるべきではないかという御意見であったと思います。
 大きくいいますとそういうところではなかろうかと思っておりますが、それを審議会の場でいろいろな御議論をいただきました。関係各省からも意見開陳がございました。また団体からも意見開陳がございました。それをいろいろまとめて、政府原案に書きましたような法案の条文につくったわけでございます。
 それを提出するに当たりましては、もちろん政府として提案をするわけでございますから、政府部内での調整が行われました。その結果が閣議決定され、本年三月十二日に国会に提出をした、こういうことでございます。
 したがいまして、どういうところで調整が行われたかというのは、今申し上げましたいろいろな段階でいろいろな御意見があり、それが集約されて政府案としてまとまった段階で一つが仕上がった。そしてそれを国会の御審議に供して委員会の場でまたそれを子細に御検討いただいた、その段階でも御意見があり、その御意見は総体としてはあの法案の形、草案の形で御異議がないものとして全会一致の可決を見た、それが次のステップの調整ではなかろうかと思っております。
#284
○谷津委員 環境に関する法律につきましては世界各国でいろいろな形でつくられておりますけれども、我が国のこの環境基本法案は、そういう中では世界の中で初めでつくられる画期的な法案であるというふうに私は認識をしているわけであります。
 今局長から御説明をいただきましたけれども、私が聞いている範囲におきましては、この基本法が制定されますとアセス法につながるものではないか、あるいは環境税等の増税につながるものではないかというようなことで、各団体からいろいろな強い反対の意見もあったというふうに聞いているわけでありますが、環境庁はこの問題についてどのように調整してきたのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
#285
○森政府委員 先ほどちょっと私、論点で、経済的手法の導入というところを一つ申し忘れておりましたが、今はまさに経済的手法、それをああいう二十二条の二項に書き込むことについてということであろうと思います。
 我々、議論の過程ではいろいろな御意見があったことは承知しております。例えば、あの条項が仮にできると直ちに環境税が導入されることになるのではないかという御意見が中心でございました。しかし、そういう条文構成にはなっていないことは条文をごらんいただければ明らかでございますし、今日の審議の中でもそのことは明らかになったのではないかと思います。
 今、調整というお尋ねでございますけれども、特段の調整ということではなくて、物の考え方を素直に書き込んだというふうに御理解をいただきたいと思います。
#286
○谷津委員 素直に書き込んだということだとするならば、私もこれ以上の質問は、その点についてはしないつもりでありますけれども、本委員会の当初に、我が党の橋本政調会長もこの点につきましては篤と聞いておったところでありますけれども、これからの問題を考えました場合に、こういった経済的手法ということについてはこの実施に当たってやらなければならない事態になってくるであろうということは、先ほどから幾人もの委員からの質問の中でもそういう面でお答えもいただいておるわけであります。国民的な合意を得なければなし得ないものでありますけれども、いずれこの問題は環境問題をきちっとやっていくためには必要なものであろうというふうに私は考えるわけであります。総理にもその点は聞いた次第であります。
 しかし、最後にこの質問をするに当たりまして、この問題については、環境庁としてもこれはいろいろとこれから議論をし、また勉強をしなければならないという再三にわたる答弁ではありますけれども、この辺のところは、やはりしっかりと方向づけというのはする必要もあろうかと思うわけでありますので、もう一度この点についてお伺いをしておきたいと思います。
#287
○森政府委員 二十二条二項で経済的負担を課す措置の導入を書いているわけでございます。法律が成立した暁には、当然のことでありますけれども、法律を執行していく行政府の立場として、その趣旨とするところを外し、正確かつ遺漏のないようにその法律の執行を図ってまいりたいと考えております。
#288
○谷津委員 法案が成立をしますれば、当然そういうことになるであろうということは十分にわかるわけでありますので、この辺のところはしっかりと勉強していただき、あるいはまた議論をしていただきまして、よろしく進めていただきたいというふうに考えるわけであります。
 次に、環境影響評価、いわゆるアセスにつきましてお伺いするわけでありますが、このアセスにつきましては、先ほどから何回も議論が出ておりますけれども、内閣におきまして、あるいはまた地方自治体におきましてもこれを実施されているところであります。特にこの件については、開発事業面についていろいろと議論がなされておるところでありますけれども、また一方、製品に対するアセスというものも必要ではなかろうかと思います。また、この基本法の中にもそのことについての法文がなされているわけでありますが、製品に対するアセス、この辺についてはどのように考えておるのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
#289
○森政府委員 今お話しのとおり、この環境基本法案では、製品アセスという点についても明示をいたしているわけでございます。この趣旨とするところは、もう申し上げるまでもないと思いますけれども、製品等の環境への負荷の低減に資する製品等の利用を促進する、こういうためには、科学的な知見に基づき、何が環境への負荷の低減に資するのかが客観的に判断をされるようにならなければならないこと、また何が環境への負荷の低減に資するかについての、国民に適切な情報が提供されるようになることが必要であろうと思っております。
 こういうようなことで、環境庁では、これから充実施をしていくについてどのような製品が環境への負荷の低減に資するかといったような点などをよく検討し、一つにはエコマーク制度の的確な運用ということもあろうかと思います。そういうことも通じまして、環境への負荷の低減に資する製品の利用が適切に行われるようにさらに努力をしてまいる所存でございます。
#290
○谷津委員 この製品に対する負荷という問題については、これから各省庁との関係も出てくるし、また団体との関連というものも出てくるということで、これからまた大変な作業が行われるであろうというふうにも思うわけであります。そういった面を考え合わせますと、これから環境基本法が成立後、この辺の施行に当たりまして、まだまだやらなければならない。いろんな法律もつくらなきゃならぬでしょう、あるいはまたいろんな政令も出さなきゃならぬでしょう。そういうことを考え合わせますと、これからの各省庁間との整合性を図るということは容易でないものがまだあるのではなかろうかというふうに考えるわけでありますが、その辺のところについての決意を聞いておきたいと思います。
#291
○森政府委員 先ほどもちょっと申し述べましたが、この環境基本法案でねらっております環境保全についての考え方、この考え方は実は関係各省庁が持っております行政の分野でも大変重要なポイントを含んでいるわけでございます。この基本法案を作成してまいります段階で、昨年の七月の状況を思い浮かべてみますと、実は徹夜を繰り返したのは環境庁だけではございませんで、関係省庁、これは本当に一、二の省庁を除いて全省庁と言っていいわけでありますが、その省庁の担当者も夏休みをほとんど返上し、集中して一つの点に向かって努力をしたわけでございます。
 そのことは、実は政府部内全体につきまして、この環境保全への方向づけというのが大変進んでまいりまして、共通の土俵が仕上がってきたと申し上げてもよろしいのではないかと思います。その土俵の中で、今回法案が成立いたしましたならば、次に続く作業を続けていくわけでございます。そういう作成に至る経過からかんがみまして、私ども、物理的には大変労力を要する問題があろうかと思いますけれども、意識の上での相互の理解は大幅に前進していると思っております。また、それに期待をして精いっぱいの努力をしてまいりたいと考えております。
#292
○谷津委員 しっかりと頑張っていただきたいと思います。この基本法が成立をいたしますと、環境庁は一層の機能を発揮しなければならないというふうに私は思うわけであります。先ほどの質問に対しまして、いろいろな予算面についての御説明がございました。そしてまた、高見議員への御答弁の中にありましたが、この法案の成立はスタートであるというふうな答弁もあったわけであります。この施策の展開をするのには、先ほどから申し上げておりますように、環境庁としての機能を十分に発揮し得る、そういうふうないわゆる位置づけもしなければならぬというふうに思うのでありますけれども、現在、先ほどロシアの核廃棄物の問題、その他いろいろ考えてみましても、どうも環境庁が現段階においてこれを十分に発揮し得るような位置づけがなされていないのじゃないかというような感じをひしひしと感じていたわけでありますが、局長は局長の考えとして、どういうふうにこの点を考えておるか、この辺をぜひお聞かせいただきたいと思います。
#293
○森政府委員 大変御期待の多さに比べてそのおこたえをするところが少ないというおしかりではなかろうかと思うのでありますが、国全体の今の行政の仕組みから見てまいりますと、二十二年前に環境庁ができたときには、法外規制に関する権限を一元化をするということからスタートをしたわけでございます。その効果はそれで十分にあったと私どもは思っておりますが、これから光やるべきは、各省庁もやっております環境保全に関する行政、それから私どもがやっております行政、これを政府一体となって機能的にやっていくということであろうと思います。
 そういう中にありまして、環境庁の役割といいますのはますます重要になるものと私ども思っておりますし、またそれにこたえるように私ども職員一同頑張らなければならないな、その先頭に立って私は頑張りたいと思っております。
#294
○谷津委員 現在の環境行政を見ますと、各省おのおのの立場で行っておるという実態でございます。例えばこの間のロシアの問題等を見ますと、科学技術庁が放射能対策についてはやる、それからごみの問題については厚生省がやるとか、いろいろ各省庁にまたがっておるわけであります。こうした個別の行政が行われておるということでございますけれども、前の委員会でも私質問させていただきましたが、例えば水道の水源の問題等におきましても、厚生省は事業促進法を出すというようなことで、環境庁と違った方向で、全体的には同じ方向にあるのですが、今国会に提出したい、こういうふうな問題も起こってくるわけであります。
 この基本法の成立を機に、環境庁はこういった問題を何とか一元化して、環境庁の中でこの行政が進められるようにすべきではなかろうかというふうに私は考えるわけでありますけれども、その辺のところはどのように考えておるか、局長の所見を伺いたいと思います。
#295
○森政府委員 環境行政の特性は、いろいろな分野にいろいろなものがあるわけでございまして、それをいかに一体として実施をしていくかというところがポイントになろうかと思います。
 それは、行政組織に照らし合わせてみますと、まさに調整機能の問題になるわけでございます。その調整機能を的確に果たしていくためにはどうすべきか、これは私もいろいろ考えてみておりますが、やはり環境に関します情報の的確な収集、そしてそれを科学的知見に基づいて正確に分析をし、評価をすること、そしてそれをさらに政策に結びつけ、関係省庁一体となり、政府一体感を出しながら処理をしていくこと、これが大変重要なポイントになろうと思っております。
 そういう意味で、これまでのこともいろいろ反省をすべきこともございますし、また我々の力を養わなければならない点もございますけれども、今申し上げたような方向に向かってやってまいりたいと思います。そういう中で、先ほど来お話にございました、一、二の政府内の調整が不十分ではなかろうかというような御指摘の点につきましても、吸収ができるのではないかと思っております。
#296
○谷津委員 先ほど、この基本法をつくるに当たりまして、各省庁あるいはまた団体とのいろいろな接点の中におきまして、三つのことを申しました。環境権の明文化、それからアセスメント制度の法制化、情報公開、もう一つ、後からお話がありました経済的手法ということでありますけれども、今お話の中で私は、情報の公開というのは非常に大事な問題だろうというふうに考えているわけであります。
 この質問については、当委員会において今回はなかったものですから、あえて質問をするわけでありますが、この情報の公開というのは非常に大事な問題だろうというふうに私は考えておりますが、この情報の公開について、局長の所見を伺っておきたいと思います。
#297
○森政府委員 今お尋ねは、情報の公開という言葉でお尋ねがございました。
 私どもは、その意味するところは一体どういうことなんだろうかという点でいろいろ議論をしたわけでございます。その情報の公開といい、あるいは情報の提供といい、その目的とするところは、環境に関します正確な情報を的確に国民に知らせるというところにポイントがあるわけでございます。論議になりました情報の公開という点につきましては、情報の公開という文言と、それから情報の公開に関する法律制度というところで論議があったわけでございます。
 環境基本法はごらんのとおり、所要の情報を提供するということで調整をいたしたといいますか、法案としてまとめたわけでございます。私どもは、その集めました情報、持っております情報を的確に国民にお話をし、また関係省庁にも情報をお渡しする、またいただく、こういうような仕組みを十分につくっていく必要があろうと思っております。
#298
○谷津委員 まだ時間はありますけれども、最後に長官に一言言っておきたいと思います。
 この環境基本法のいよいよ最後の採決に当たりまして、担当大臣としまして感慨もあろうかと思うわけであります。また、当委員会におきましても、前回から今日まで四十一時間を超える議論をやってきたわけでありますけれども、長官としての所見をお聞かせいただきまして、最後の質問とさせていただきます。
#299
○広中国務大臣 最後に、環境基本法をぜひ成立させていただきたい、お願いする次第でございま
す。
 そして、この法律が衆参両院で成立した暁には、これに基づく環境基本計画の枠組みを積極的に活用するとともに、環境影響評価、経済的手法、環境教育や民間活動支援等の多様な施策の具体化に全力を尽くしてまいりたい、そのように考えております。
 そして、きょう一日皆様方の、委員各位の御質問、御意見などを拝聴いたしまして、環境行政に対する皆様方の御期待の大きさをひしひしと感じ、大変にありがたく思った次第でございます。
 本当にどうもありがとうございました。
#300
○谷津委員 終わります。どうもありがとうございました。
#301
○奥田委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#302
○奥田委員長 この際、内閣提出、環境基本法案につきまして、岩佐恵美君から、日本共産党提案による修正案が提出されております。
 本修正案について提出者から趣旨の説明を聴取いたします。岩佐恵美君。
    ―――――――――――――
 環境基本法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#303
○岩佐委員 私は、日本共産党を代表して、議題となっています環境基本法案に対する修正案の趣旨を説明いたします。
 修正案は、既にお手元に配付されておりますので、詳細な説明は省かせていただきます。
 その内容は、第一に、基本理念に、良好な環境が人類共通の財産であること及びそのもとで健康かつ安全で文化的な生活を営むことは基本的な権利であることを明記するとともに、環境への負荷の少ない社会の構築、汚染原因者負担の原則、住民の意思の尊重、情報の公開、環境保全基準を確保するための環境管理計画の策定及び実施計画の策定等を規定することによって、原案が不明確にしている環境保全の諸基本原則を明確にしたものです。
 第二に、環境影響評価制度を確立するため、必要な措置を講ずるものとするとして環境アセスの法制化を規定し、あわせて地域住民の意思が反映される手続を措置することによって、原案が国民の願いに反し、実質上その法制化を見送った環境アセスメントの法制化を明確にしたものです。
 第三に、企業が負担すべきものを環境税として国民にしわ寄せすることを正当化するような経済的措置の条項を削除し、事業者の責務に基づいて事業活動を行う範囲を本邦の内外におけると規定すること及び事業者に対する指導を講ずるものとすることによって、原案があいまいにしている事業者の汚染原因者負担の原則を明確にし、大企業の無謀な環境破壊の海外活動に対するあいまいな規制を厳しくしたものです。
 第四に、企業の無過失責任制と立証責任制の制度を整備し、地方自治体の施策の尊重及びいわゆる上乗せ、横出しを規定すると同時に、新たに環境保全のために必要な調査及び監視を行う地方環境保全委員会の設置と、総合的見地に立った行政組織の整備及び行政運営の改善を明記することによって、原案が改善を図ろうとしない被害者救済を拡充強化し、不十分な環境庁と地方自治体の行政と権限を拡充強化したものです。
 以上、委員の皆様の御賛同をお願いして、趣旨説明を終わります。
#304
○奥田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#305
○奥田委員長 これより、内閣提出、環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに環境基本法案に対する修正案につきまして討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、環境基本法案及びこれに対する岩佐恵美君提出の修正案につき、採決いたします。
 まず、岩佐恵美君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#306
○奥田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#307
○奥田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、内閣提出、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#308
○奥田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#309
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#310
○奥田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時二十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト