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1993/12/09 第128回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第128回国会 農林水産委員会 第5号
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1993/12/09 第128回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第128回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第128回国会 農林水産委員会 第5号
平成五年十二月九日(木曜日)
   午後六時三十三分開議
出席委員
  委員長 竹内  猛君
   理事 石破  茂君 理事 久間 章生君
   理事 中川 昭一君 理事 二田 孝治君
   理事 前島 秀行君 理事 仲村 正治君
   理事 錦織  淳君 理事 千葉 国男君
      赤城 徳彦君    稲葉 大和君
      菊池福治郎君    岸本 光造君
      栗原 裕康君    七条  明君
      中谷  元君    浜田 靖一君
      林  幹雄君    保利 耕輔君
     三ッ林弥太郎君    御法川英文君
      谷津 義男君    柳沢 伯夫君
      山本 公一君    石橋 大吉君
      遠藤  登君    田中 恒利君
      辻  一彦君    実川 幸夫君
      白沢 三郎君    広野ただし君
      井出 正一君    木幡 弘道君
      初村謙一郎君    上田  勇君
      長内 順一君    倉田 栄喜君
      小平 忠正君    藤田 スミ君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  畑 英次郎君
 出席政府委員
        農林水産大臣官 上野 博史君
        房長
        農林水産省経済 眞鍋 武紀君
        局長
        農林水産省構造 入澤  肇君
        改善局長
        農林水産省畜産 東  久雄君
        局長
        食糧庁長官   鶴岡 俊彦君
 委員外の出席者
        外務大臣官房審 朝海 和夫君
        議官
        農林水産委員会 黒木 敏郎君
        調査室長
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月九日
 辞任         補欠選任
  松岡 利勝君     柳沢 伯夫君
  松下 忠洋君     稲葉 大和君
  宮里 松正君     谷津 義男君
同日
 辞任         補欠選任
  稲葉 大和君     松下 忠洋君
  谷津 義男君     宮里 松正君
  柳沢 伯夫君     松岡 利勝君
    ―――――――――――――
十二月六日
 米輸入自由化阻止・生産者米価引き上げに関す
 る請願(藤田スミ君紹介)(第三〇三二号)
 米の輸入自由化反対・国民の主食を守る政策に
 関する請願(藤田スミ君紹介)(第三〇三三号
 )
 同(山原健二郎君紹介)(第三〇三四号)
 米の輸入自由化反対・国民の主食を守る政策へ
 の抜本的転換に関する請願(山原健二郎君紹介
 )(第三〇三五号)
同月七日
 米等の市場開放反対、日本農業の再構築に関す
 る請願(菊池福治郎君紹介)(第三一五四号)
 同(二田孝治君紹介)(第三一五五号)
 同(松岡利勝君紹介)(第三一五六号)
 同(御法川英文君紹介)(第三一五七号)
 同(宮里松正君紹介)(第三一五八号)
 異常気象による水稲等農作物の冷害対策に関す
 る請願(中島衛君紹介)(第三二九四号)
 同(村井仁君紹介)(第三二九五号)
 学校給食用の米及び牛乳に対する助成措置の堅
 持に関する請願(中島衛君紹介)(第三二九六
 号)
 同(村井仁君紹介)(第三二九七号)
 生糸価格対策に関する請願(中島衛君紹介)(
 第三二九八号)
 同(村井仁君紹介)(第三二九九号)
 米の市場開放阻止及び地域農業振興政策に関す
 る請願(中島衛君紹介)(第三三〇〇号)
 同(村井仁君紹介)(第三三〇一号)
同月八日
 米の市場開放反対に関する請願(桜井新君紹介
 )(第三六〇三号)
 米の輸入自由化反対等に関する請願(寺前巖君
 紹介)(第三六〇四号)
 同(藤田スミ君紹介)(第三六〇五号)
 同(山原健二郎君紹介)(第三六〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十二月八日
 異常気象による被害農家救済に関する陳情書外
 一件(東京都新宿区西新宿二の八の一奥山則男
 外十名)(第二六〇号)
 米の市場開放阻止等に関する陳情書外三件(佐
 賀市城内一の一の五九佐賀県議会内本山光二外
 三名)(第二六一号)
 基盤整備済み水田における義務転作率の緩和に
 関する陳情書(鹿児島市山下町一一の一森山裕
 )(第二六二号)
 農業農村整備事業に係る地方財政措置に関する
 陳情書外一件(徳島市万代町一の一徳島県議会
 内元木宏外一名)(第二六三号)
 繭糸価格の安定対策に関する陳情書外一件(甲
 府市丸の内一の六の一山梨県議会内中村正則外
 十名)(第二六四号)
 学校給食用の米及び牛乳に対する助成措置の堅
 持に関する陳情書外一件(東京都新宿区西新宿
 二の八の一奥山則男外十名)(第二六五号)
 松くい虫防除対策に関する陳情書(鹿児島市山
 下町二の一森山裕)(第二六六号)
 第九次漁港整備長期計画の促進に関する陳情書
 (鹿児島市山下町一一の一森山裕)(第二六七
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件
     ――――◇―――――
#2
○竹内委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柳沢伯夫君。
#3
○柳沢委員 本日は、一日参議院の予算委員会で補正予算の審議がありまして、その中でも、まさに最終局面を迎えておりますガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉につきまして多くの論議が闘わされたわけでありますが、それに引き続いて、この農林水産委員会、当然のことでありますけれども本問題について時間を割いて論議を交わすわけでありまして、大臣にはお疲れのところと思いますけれども、暫時おつき合いをお願いいたしたい、このように思います。
 私は、ガット農業交渉が始まって既に七年になりますけれども、途中から自民党の農林部会長ということで、本問題に多くのかかわりを持ってきたわけであります。もちろん、口幅ったい言い方になることを承知ではありますが、私も、この交渉が始まった以上、無傷で事が終わるというようなことは、これは当初から考えられないことだと
してまいりました。
 そもそもがこのウルグアイ・ラウンドと申しますのは、中曽根総理とレーガン大統領の間で、さらに自由貿易体制を拡大していこう、こういう主としてこの二人のリーダーシップによって始められたというのが実態であります。そして、その中に農産物交渉を入れようじゃないかという話がありまして、随分ECはこれに対して反対をいたしたのでありますけれども、何とかかんとかECもテーブルに着いてもらってこの交渉が始まったというのがいきさつでございます。
 そういうことを顧みますときに、我々が、今言ったように、何の痛みも感じないような帰結を迎えるということは、これは当初から考えにくいことでありました。それなりの覚悟をして私などもこのことに臨んでおりました。しかし、日本の農業の実態を考えますときに、この我々がこうむる痛みと申しますか、我々の農民が受けなければならない、耐えなければならない打撃というものを極小限、最小限にこれを抑えるということのために全力を挙げなきゃいけない、そういう考え方で我々は取り組んでまいりました。
 政変がありまして、この最終局面は、我々が執行権を持っている側でこの時期を迎えるということはかなわなかったわけであります。それだけにある意味で非常に複雑な感じがいたすわけでありますけれども、それだけに私は、正直申して、今回の終結の結果と見られるものに対して厳しい目を向けざるを得ない、そういう感じをいたしております。
 特に、私は、先般の衆議院予算委員会でも大臣に随分失礼なことを申したわけでありますけれども、やはり最終の局面で、それは交渉の段取りの仕方もあったでしょう。しかし、それは段取り自体、まさに大臣の政治的決断、現場において国を思い、国民を思い、なかんずく稲作の農家のことを思って、大臣が千々に乱れるような心の中で最終の決断をされる、こういう場面が何としても私は欲しかったというのが率直な感慨であります。
 我々の先輩で、随分条約だとか外交のそういうまさに追い詰められた局面でいろいろな決断を、厳しい、苦しい決断をしてきた先輩がたくさんおられるわけですが、畑農水大臣にも、今回の二千年来の歴史を持つ日本の米市場をいささかなりとも外国に対して開くというその局面では、そういう場面で大臣に決断をしてもらうということが私は欲しかったのであります。
 東京にいらっしゃって前線の塩飽審議官あるいは外務省の諸大使、こういう人たちを督励したことについて疑義は持ちませんけれども、しかし、それでは余りにも残念ではなかったか、私はそのように大臣の身の上を思ってすら思うのであります。本当にこれだけの歴史的決断をする場合として、大臣は今回のようなこういう対応でその時期を迎えられたということに対して、私は大臣自身だって残念な気がしているのじゃないか、こんなふうに勝手に思わせていただいておるわけであります。
 そういうことで、私は主として手続的に大変今回は不満足な感じを持っているわけでありますけれども、特に昨日政府の方から配られましたこのドゥニー議長の調整案の骨子というものにつきましては、私は正直申して国会をばかにしていると申しましょうか、軽視していると申しましょうか、そういう感を否めません。本日午後配られたそうでありますが、私どもはあるところから英語の原文を手に入れましたので、この調整案の原文というものをきょう一日眺めることができました。つくづく私は、これはばかにした話ではなかったかと思うのであります。
 なぜか。それは単に、国民に厳しいところを隠しておこうということではありません。私は、この第一日目に非常な作為を感ずるのです。もし政府が言うようにドゥニー議長の口頭の発言を単にメモにとどめたということであるならば、この原文の第四項でございますか、ノントレード・コンサーンズと書いてあるところ、このことが文章の一番上に来るなどということは考えられないのです。これは原文があってつくられたものであることはそのことからしても明白なのです。幾ら作為をするといえども、うそはついてはいけない。少なくとも国会に対してうそをつくことは、私は許されないと思うのです。こそくなんです、これは。私は、こういう作為がかつて、原文が手元にありながら、いとも白々しく外務大臣が特に発言を求めてそういうものが手元にないと言い切ったきのうの発言に対して、今ここで、農水大臣は御同席をなさっておりましたから、どういう釈明をなさるか、お尋ねいたしたいと思います、
#4
○畑国務大臣 先ほど来、柳沢先生の、本問題につきまして長年にわたって大変なお取り組みを願い、そしてまた御努力を賜ったいきさつを十二分に承知をいたしております私といたしましても、ある意味におきましてはいささか複雑な気持ちを持って対処させていただいておるわけでございます。
 まず一つ御理解をいただきたいと思いますのは、私自身も就任直後から本問題が最大の大問題、そういう中で、私なりの戦略、私なりの交渉スケジュール、そしてまた交渉のありようというものを念頭に置く中にございまして、今回の場合には、国会決議というものを軸に、これを踏まえてその枠組みの中でという交渉事であるわけでございますから、いわゆる歩み寄って我が方から、例えばこういうような自由化の云々、枠を広げるとか、そういうようなことを提案をなしてはならない、することのできない、そういう意味合いの中における姿といたしましては、いわゆる関係者に、従来の皆様方、先生方のお骨折りの話そのものを重ねて強く要請をしながら、まとめ役がまとめようとするならばまとめるという立場に立っての我が方の長い間の主張に対する何らかのアクションを我が方に示してもらいたい、それが出ないうちはこれがもう最後の交渉、接触の場であると言って、いわば席をけるような形の中で帰らせていただいた。そういうような取り組みをせざるを得ない、そしてまたすることが、国会決議を踏まえた中におけるありようとしまして、従来の交渉事の歩み寄りということが許されない中における一つの難しさということにつきましても、まことに勝手な言い分でございますが、いささか御理解がいただければありがたいと。しかしながら、先生の私に対するそのお気持ちは、私自身も事柄の重要性からいたしまして謹んで拝聴をさせていただいたような次第であるわけでございます。
 ただいまの、その文書がありながらその骨子が白々しいというお話であるわけでございますが、いわゆる実際の動きといいますものは、私が聞いた範囲におきましては、現地の遠藤大使等々がドゥニー議長の話、あるいはまた手元にある資料を見ながらの話であるかどうかは知りませんけれども、そういうものを伺いながらその骨子をまとめて外務省側に連絡があった、そういうことを踏まえて、いち早くお知らせすることが大切というような意味合いでの御披露を申し上げた、こういうように私自身は受けとめさせていただいておるわけでございます。
#5
○柳沢委員 細かいことを私、もうここでは繰り返しません。私は役所の経験がありますから、こういうものを見たら、どういう背景でこの文書ができたかすぐわかる、わかってしまうということでありますから、そういうことをここであげつらうつもりはないのです。ただ、大臣がおっしゃった前段については、大臣は一貫してそういうようなお答えを繰り返されているわけですね。国会決議があるから、自分は言うだけのことを言って、そしてあとばいわば裁定を待つしかないんだ、こういう交渉の方式しかなかった、こういうようにおっしゃるわけでありますけれども、確かにそれも一つの方法だったと思うのです。思うけれども、今大臣がいみじくもみずからおっしゃったように、自分自身が複雑な感慨を持つということに私は表現されていると思うのです。
 しかし、大臣も御存じの、為政三部書という中国の古典があります。その中に、任怨という言葉があるのですよ。怨みに任ずるのです。責めに任
する程度の話じゃないのです。しかし、政治家として一番厳しい局面に立ったときには、国民の怨みに任ずる気持ちすら持たなければ政治の道はやっていけないのだということを私はその為政三部書の中に見出して読んだことがあります。
 私は、今言われたようなことは建前論でありまして、やはり大臣、正直申して、ミニマムアクセスというのはダンケルの最終合意案なるものに出ているわけですけれども、これは、現状で三%未満のものについてせめて三%にしましょうよというのがスタートなんですよ。これがミニマムという概念なんですよ。幾らそこに保障的なものをつけ加えられるとしても、このスタートの、三%未満のものを三%から始めようじゃないかということについて、やすやすとこれを応諾するような交渉態度は果たしてどうなんだ。そしてまた、その三%をまあ何とか五%ぐらいにしたらどうですかというのがミニマムアクセスの基本的コンセプトだと思いますよ。それを、これまたいともやすやす八%、八%というのは大臣のこの前の御答弁でも八十万トン、八十万トンだったら今の世界の農業貿易の中では米の輸入国として最大の輸入国なんですよ。それがどうしてミニマムと言えるのでしょうか。こういうことを簡単に受けてはいけないのです。そのためには大臣が政治家として、これは受け入れられないよと。政治家同士です、わかりますよ、それは。私はそういう場面がやはり欲しかったのですよ。こんな事務的な処理をいともやすやす、これが最終の試験官の採点でございますと。私は、そこに政治的な配慮がこの問題にふさわしく十分にあったとは到底思えない。だから我々は反対するのですよ。冒頭私どもも申したように、無傷でいられるなんて思いませんでしたよ。しかし、事が安直過ぎるのです。世界最大の輸入国に一遍になってしまうような、そういうものがどうしてミニマムなんですか。本当にそういう意味で、大臣の、国会決議を背負っていたからおれは交渉できなかったのだ、それは余りにも政治家として、先輩政治家に対して大変恐縮な物の言い方ですけれども、私は満足することはできません。いかがでしょうか。
#6
○畑国務大臣 御指摘のとおり、その国会決議があったから私は交渉できなかったということのはずがないわけでありまして、こういうことを柱に置いて、我が国の特殊事情、あるいは問題となっております農産物の置かれております実情、例えば農地面積が国土の一四%である、あるいはまた環境問題、国土保全の問題等々、そういうことを強く力説をし、やりとりをする姿の中から、おまえさんの方が最後は自分なりの歩み寄りをどこまでできるのか、願わくは我が方の意向を、包括関税化は拒否、この点についての理解を具体的に示せと言って、私はさような意味合いでの交渉をさせていただいたわけでございますが、今先生の御指摘、お気持ち、それは痛いほど私自身もわかります。さような意味合いでは、私自身が、自分の満足する交渉を十二分に果たし得たといったような気持ちを持ってこの内容を見ることのできる姿ではないということも、内容からいたしましても厳しく受けとめさせていただいておる、さような気持ちでありますことは間違いのないことでございまして、とりわけ柳沢先生の長い間にわたるこの問題への真摯なお取り組みを承知する私としましては、さような意味合いで改めて私の立場からも敬意を表し、いささかさような意味合いでは複雑な心境であると重ねて述べさせていただく次第でございます。
#7
○柳沢委員 我々がどうしてこういう交渉の仕方になったかということの一つに、関税化、これを今回、当時のダンケル事務局長が提案した。そして、これは羽田外相、音では名字が一緒でございますから紛らわしいのでありますが、羽田外相が予算委員会でも答弁されておったように、私もそれはもう何回となく論争しました。関税化は困る。本当の関税化ならいいのです。ところが、日本が今置かれているように、大幅な黒字を抱えているもとでの関税化を受け入れた場合には、必ず前倒しになっていってしまう。何回煮え湯を飲ませられたか。現に今回のガット交渉でも、ついせんだってまで木材の関税については五〇%でございましたですか、あれでいいんだと言っていたものが、もうガットの場に出たら、これはゼロゼロベースでなきゃだめなんだ、こういうことを言うのがアメリカの得手勝手なこの農業交渉におけるこれまでの態度なんです。ですから、我々は、これは断固危険な制度であるからこれを受け入れるわけにはいかないということでやってまいりました。そういう考え方から全力を注いだはずで、そして、それなるがゆえに、ミニマムアクセスについてとんだボーナスをいただくはめになりました。
 私は、これについては、今言ったような観点で到底満足できないのでありますけれども、しかし、今回のこの附属文書5に記せられた「第四条の二の下の特例措置」の第六項、これを見ますと、我々は本当に関税化を免れたのだろうか、そういう懸念を強く持つのであります、強く持つのですよ。確かにこれを直接制度として実施に移すということではない、関税化されたものは。しかし、何のことはない、七年目には突如これが顕在化してくる、そういう制度になっているのですよ。潜在的には関税化を受け入れた、それは現にガットの事務局長なぞも、今度の関税化は全く例外なく世界の百十六カ国の参加国に全部これは貫徹できたという声明をしておる由であります。確かにそのとおりだ。実際にしばらくの間は眠っているけれども、しかし、心臓は動いている、着々と一五%の関税、関税と申しましょうか、TE、タリフイクイバラント、関税相当額、第二次税率として払わなければならない高い方のものでありますけれども、これはガットのダンケルの方式にのっとって、少なくとも一五%この六年間に縮減する、そういう建前になっているのです。だとすると、一体我々は本当に関税化を免れたと言えるのだろうか。大問題です。
 ですから、我々は、けさからこの六項目について大きく問題視して政府に迫っているわけであります。大丈夫なんでしょうか。政府はそういうような質問をしますと、いや、大丈夫なんだ、まだ我々は関税化を幸いにして延ばすことができる、これは第四項ですか、追加的な譲歩をすれば、むしろミニマムアクセスを継続することができるのだからというようなことを言うのですけれども、一体ミニマムアクセスをどれだけ譲歩するのでしょうか。そんなことだったらずっと関税化の方がいいよ。定着したのだったらアメリカも簡単には前倒しを言ってこない、そういう想定だったら関税化の方がいいじゃないかというような局面も十分予想されてしまうのです、大臣。途中だってそういうことはあり得ますよ。この六年間のいわゆる実施期間と言われる間だって、それだって私はあり得ると思いますよ。ちゃんとそのとき生きているのですよ、この関税化の方式は。これでもって我々は本当に関税化を免れたなどと言えるのでしょうか。
 同僚の保利議員がきょう外務省の経済局長と個別にいろいろ話をしたそうです。国別表でこの架空のTEを出すのか出さないのか、出させられるのじゃないか、いかがでしょうか。これは事務当局かもしれませんけれども、答弁してください。
#8
○眞鍋政府委員 この関税化の特例というふうになっておるわけでございます。これは、締約国にミニマムアクセスの加重を条件に関税相当量、いわゆるTEでございますか、それの設定の義務を負わない道を設けた、こういう特例ということになっておるわけでございます。したがいまして、関税化の特例を実施する初年には、TE、いわゆる関税相当量は設定しないということでございます。
 それから、御指摘ございましたように、それでは七年目に関税化する場合にはどうするのかということでございますが、それは御指摘のように、初年度から関税化をしたと仮定をして、六年間で一五%引き下げた、その水準をベースに交渉をする、そういうことでございます。
#9
○柳沢委員 それでは、今の経済局長の答弁で、
決して今度の国別譲許表には、TE相当額を書き込むというようなことにはならないですね。それは日本国政府の意思としてはわかりますよ。しかし、この条約、このいわゆる裁定案ですか、調整案ですか、これをのんだということで、ガット事務当局との間で、いや、この国別譲許表は不満足だよ、この附属文書「四条の二の下の特例措置」、これについて、この六項の言うところはいわゆるすぐに実施されないまでも、予防措置としてこれはやはりちゃんと張ってもらわなければ困るのだ。こういうような交渉にはならないのですね。仮になったとしても、断固頑張って、そのことは受け入れられないということで姿勢を貫徹できますね。
#10
○眞鍋政府委員 初年度は、先ほど御答弁申し上げましたように、TE相当量、関税相当量は国別表に書かないわけでございます。そこで、もし関税化を何年目かにするということになれば、その関税化をする時点から関税相当量を書く、こういうことでございます。そういうことで、断固書くことを拒否するということでございます。御指摘のようなことでございます。
#11
○柳沢委員 今同僚から不規則発言にありましたように、書けと言われる可能性があるのですよ、これは。とにかく、本当の意味で関税化が拒否できたということで一貫させてもらいたい。これは要望しておきます。
 時間がありますから、先に行きます。
 もう一つここで確認しておきたいのですけれども、絶対にフライングはなさらないように、老婆心ながらこの点もお願いをしておきます。
 我々は、アメリカのウェーバーあるいはECの可変課徴金、これ以上の重みを持つのが日本の米である、こういう考え方でもってこれまでの交渉をやってまいりました。ウェーバーがちょっとばかり残っています、あるいはいろいろな工夫をして、実はECも巧妙に可変課徴金と同じ機能を持つものを残していました、日本の米だけがこういう立場に立たされました、こういうことをよもや言われないように対処できるのでしょうか。この点も、確約のお言葉をいただいておきます。
#12
○眞鍋政府委員 初めのTEの設定は、再度御答弁させていただきますが、それは書かないということでございます。
 それから、米国のウエーバーでございますが、これは既にアメリカ政府が、すべて関税化をするということで国別表に書いて出しておるわけでございます。そういうことでございますので、アメリカの中では関係団体等反対はございます。反対はございますが、政府としてそういう譲許をしておるということでございます。
 また、それが仮に国会といいますか議会に出されたときには、一括処理ということでございますので、そのウエーバー品目のところだけつまみ食いはできないということでございますので、一括して拒否をするかどうかということでございます。それが拒否をされた場合には、アメリカがこれに参加しないということになるわけでございますので、そこで各国ともこの合意、ウルグアイ・ラウンド合意自体が崩壊をするというふうになるわけでございます。
 それからさらに、ほかの国の譲許につきましても十分チェックをして、全体がバランスのとれた合意になるということを確認して判断してまいりたい。全体をよく見渡して、総合的に判断をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
#13
○柳沢委員 時間が参りましたので、最後に二点だけ申し上げます。
 自由民主党としては、ここまでの非常に短い私の議論にも表現させていただきましたように、この今回の結果には到底賛同するということにはまいらないのであります。したがって、私どもとしては、やはり今回の合意をなさるとすれば、その政府の責任を追及するという立場をここで明確に保留させていただきます。
 第二点は、私は本会議でも総理への質問で申しましたけれども、まさに農産物の交渉は、我々に得るもの、農業者側にとって得るものはほとんどありません。ただただ譲るだけ、こういういわば宿命のもとでの交渉でありました。それだけに、どういうことであろうともこの善後処理というものは万全を期していただかなければなりませんが、特に、今回のような結末を最終的に受け入れるということに当たりましては、この点について本当に心のこもった対処を私としてもお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#14
○竹内委員長 二田孝治君。
#15
○二田委員 ただいまは、私どもの柳沢先輩の附属特例措置に関する詳細な質問があったわけでございます。私も、今回のこのミニマムアクセスの承認ということにつきましては、大変危惧を持っている者の一人でございますので、特例措置とそしてまたこのガットの精神というものを中心にいたしながら質問をしてみたいと思います。
 畑大臣は自民党におりますときには私どもの大先輩でございまして、農政の部門では大変御指導を受けてまいったわけでございます。しかし、今は私どもは立場を別にしながら、大臣のいろいろな行為に対しまして異議を述べなければならない。そうでありますので、ひとつよろしく御理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
 すべて苦しいときには基本に帰れ、こう言います。そこでお伺いいたすわけでございますけれども、このガットというのは一九四八年に成立しておる、そしてその中では農産物に対しましては特別の措置をしておったのではないか、こう思います。十一条二項(a)、(c)、自国で生産制限をしている生産物に関しては特例措置を設けるということを明らかに記しておるわけでございます。そして、それがいつの間にか今日のような事態なってきた。その背景は何であったのかということをよく今また再び考えてみなければならない。元来ならば、これは工業製品分野に対する一つの貿易のルールではなかったでしょうか。そして、それがいつの間にか農産物、いわゆる生命の種ともいうべき食糧にまで及んできたというのはどこにあったのか、よく大臣にお考えいただきたい、そうわけでございます。
 一九八六年にウルグアイでプンタデルエステ宣言が行われました。そのときは農産物もこの検討対象にしよう、そういうことでそのときから始まった、こう思います。一九八〇年に入りますと、大変世界的な穀物の過剰状態にあった。そういう中でこの宣言が行われた。この辺に関しまして大臣はいかなる見解を持っているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#16
○畑国務大臣 二田先生御指摘のとおり、このガットそのもののそのときどきの、スタート時点のあるいは途中における物のとらえようといいますものは、やはり最初の基本的な考え方の中からその時代の問題点を、ある意味では世界の首脳の方々があるいは我が国の大先輩の総理等々が、絶えず世界の自由貿易の増進を図ることによって、それぞれの国の経済的なあるいはまた人的な交流等々を盛んにする中でお互いの繁栄を期そうというものをその時点時点で加味しながら今日があった。
 しかしながら、私のような立場にございましては、農業分野におきまして工業製品と同じような扱いにされるという点につきましては、従来から当然のことながらいささかの抵抗を感じながらも、大きく世界の流れの中における今日までの先輩の皆様方の取り組みであった。今回もさような意味合いでは、いささかは先ほど来申し上げましたような意味合いでの複雑な気持ちの中で、この問題に取り組みをさせていただいた、かような心境にあるわけでございます。
#17
○二田委員 大臣が今申しましたとおり、農産物それ自体がガットに組み込まれてまいりましたのは一九八六年以来ではなかったか、そう私は理解をいたしております。
 それはなぜかといいますと、当時農産物が非常に過剰状態にあった。そしてまた、これは日本じゃないですよ、アメリカとECでございますけれども、補助金つき輸出の増大が非常に顕著に行わ
れた。そしてまた、その結果農産物価格の大幅な低下があった。これはまさしく各国各国の農業政策の失敗に帰するものじゃないか、私はそう思うわけでございます。
 そして、その結果どういうことが起こってきたかというと、アメリカでもECでも農業予算の増大というものが非常にあったのは皆さん方御案内のとおりでございます。その状態がどういうものであったかといいますと、例えば一九八〇年を基準にして見ました場合に、米国では九二年には農産物予算が実に一七八%でしょう。またECにおきましては三三二%。三倍強、二倍近く。日本はその問どうであったかというと、八一%でしょう。いろいろな物価の上昇率から見ました場合に二割も減らしているのですよ。これはどういうことかというと、やはり農業に大きな犠牲を強いてきた、こう言わざるを得ない、私はそう思うわけでございます。
 そして、私どもは、自民党でございます。当時は政権党でございました。苦しい中でどういうことを言ってきましたかといいますと、私どもは、米の自由化というのは絶対阻止しなければいかぬのだ、それがゆえに皆様方に減反や価格、いろいろな苦しいことを我慢してもらわなければいけない、そう訴え続けてきたじゃありませんか。大臣もそれは同じじゃありませんか。
 そういういろいろな背景、そしてまたこのガットの精神、これは何でありましょうか。これは言ってみれば輸出国同士の調整じゃないか、そうもまた言えるわけでございます。何ゆえにそこにこの農産物を持ってこなければいけなかったのかというのは、私がただいま話したことに尽きるのじゃないか。言ってみれば、困ったから今度はほかの国に押しつけて輸出しなければいけない、日本という国にまだ一つ米があるからそれをやろうじゃないか、そんなばかなことが世の中に起こって、それを唯々諾々と、よろしゅうございますとのむことはできるのでございましょうか。
 大臣も今まで言ってまいりました。米の自由化だけは絶対に阻止しようじゃありませんか。木材にしてもそうでしょう。大臣の地元に行ったとき、大臣の地元に行ってウナギの刺身を食べてまいりましたけれども、農業についてのいろいろな要望というのは非常にございました。そういう中において、いかに大臣であろうとも、今までの思考と今度の思考を切りかえるということは、政治家としてそのかなえの軽重を問われるわけでございますので、その辺の見解というものをきっちり聞かせていただきたいと思います。
#18
○畑国務大臣 私は五十四年初当選でございますが、残念ながらいわば日本を代表する中山間地域、過疎地域出身のいわゆる三反百姓の中に育った私の立場にございましては、今日ただいまにおきましても、当然のことながら、いわゆる米の、農産物の自由化、こういうものをあらしめてはならない、その私の政治信条としましてはいささかも採るぐところはない、かような気持ちを持ってただいままで取り組みをさせていただいたわけでございます。
 そういう中にございましての、先輩の、そしてまた世界の大きな流れの中における、地球は一つといいますか、お互いの垣根を取り払ってというような意味合いのものが、大きな流れがただいま始まっておる。その中には、今先生御指摘のような、例えば財政的負担が余りにも大きくなったという意味合いの中における、いささか口が過ぎるかもしれませんけれども、問題ある取り組みの姿も大いにあった。そういう中で、公平、こういうものを期しながらも、やはり世界の自由貿易体制といいますものにはお互いが理解をせざるを得ない厳しい要素がある、そういうような認識の中での取り組みをさせていただいたという意味合いで御理解を願いたいと思っております。
#19
○二田委員 ただいまのお話には承服できない点がたくさんございます。
 財政負担といいますのは、アメリカやECが農業予算をどんどんふやして、自国の食糧生産をたくさんしてきたということでございます。先ほど申しましたとおり、日本はこの十年近い問に二〇%からの農業予算を減らしている、それは何ゆえであったのかということを言っているわけでございます。ですから、それは一つの理由の中で、米の自由化を阻止しなければならぬのだと私どもは言い続けてきたということは、これは紛れもない事実でございます。我が党といたしましても、それではミニマムアクセスというものの考え方はどうなのかということになるわけでございまして、このミニマムアクセスというのは自由化であるのか、自由化の第一歩であるのか、その辺の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#20
○畑国務大臣 ミニマムアクセスといわゆる自由化、この結びつきという点であるわけでございますが、私は、やはりミニマムアクセスといいますものは一つの自由化的な要素を当然のことながら、残念ながらと申し上げた方がいいと思いますが、含んでおる、こういうような受けとめ方をさせていただいております。
#21
○二田委員 大臣も御存じのとおり、衆議院で三回、参議院で三回、米の自由化反対の決議を上げております。そうしますと、大臣の今のお話によりますと、国会の意思を無視して自由化を行っていく、その先駆けとしてのミニマムアクセスを取り入れる、こういう解釈になりますけれども、それでよろしゅうございますか。
#22
○畑国務大臣 この交渉に当たりましては、あくまでも農産物の包括的関税化は阻止をしなければならないという姿勢をもって取り組まさせていただいて、我が方からミニマムアクセス云々という提案の中の今日の姿ではないことは御案内のとおりでございます。先ほど来申し上げましたように、国会決議を踏まえて、これ以上の枠組みの中で、いわゆるまとめ役の側の一つの歩み寄る姿が、ただいまの調整案という意味合いのものが今日出てきておる、我が方から求めてのミニマムアクセスでないことは御理解をいただきたい、かように考えるわけでございます。
#23
○二田委員 私はまだ不明な点がたくさんあるわけでございます。この特例措置の出てきている中にも疑問がたくさんあります、柳沢委員が尋ねておりましたけれども。
 それでは、ミニマムアクセスと関税化という関連は、明らかにダンケル合意案の中にちゃんと規定されておるとおりでございます。言ってみますれば、関税化とミニマムアクセスというのはセットなのでございまして、それが過日ダンケルが提示した案ではなかったでしょうか、私はそのように記憶しておりますけれども。
#24
○眞鍋政府委員 御指摘のとおり、ダンケル・テキストでは、関税化をし、ミニマムアクセスを設定をする、こういうテキストになっておるわけでございます。
 それで、先ほど来お話のございます自由化とミニマムアクセスの関係でございますが、自由化という言葉を使う場合に二つほどあれがあろうかと思います。一つは、輸入数量制限と対比するものとして自由化、要するに、数量制限を廃止するという意味の自由化という概念と、それからもう一つは、できるだけ貿易を自由にしていくというふうに、広い概念として関税を引き下げたりいろいろと自由にしていく、こういう意味があろうかと思います。
 そこで、今回のものにつきましては、輸入数量制限は維持をするわけでございまして、それを関税に置きかえるというふうなことはしないわけでございますので、輸入数量制限を維持をする。しかしながら、ミニマムアクセス、我が方はミニマムアクセスは受け入れられないということで主張をしてきたわけでございますが、これは数量制限、先ほども御指摘がございましたが、ガットの規定十一条二項(c)は生産調整をやっておる品目につきましては輸入数量制限が維持できる、こういうことになっておるわけでございますが、それとあわせて、一定の数量の輸入ということが盛り込まれておるわけでございます。我々はその二つを拒否するというふうなことで、大臣が先ほど来御答弁申し上げておりますように強く主張をし、
交渉をしてきておったわけでございますが、今回示された調整案では、関税化、要するに関税に置きかえるということは免れたわけでございますが、ミニマムアクセスは加重をして設定をすべし、こういう調整案が示されておるというふうに御理解いただきたいと思います。
#25
○二田委員 いかに言おうとも、私は、ミニマムアクセスと申しますのは自由化の先駆けである、こう言わざるを得ない。そういうふうに理解をしておりますので、その説には賛同できません。
 それから、今回のこの特例措置に関しまして、ECに私ども参りましたときに、フランスのシャロー生産貿易局長という人にお会いしました。そのときにこう言ったのです。日本は、細川総理とアメリカの大統領と密約を交わすのじゃないかという心配を一つしておりました。その心配、危惧したとおりになってきたわけでございますけれども、それからいま一つは、ECの妥結の条件の一つとして余剰農産物がある、この余剰農産物の扱い方によりましては、EC並びにフランスはそれをのんでもいいようなことを言っておったのですけれども、そうすると、このECの余剰農産物の扱いというのは、今回の輸出補助金との協議ではどうなっておるのでしょうか。
#26
○眞鍋政府委員 アメリカとECの協議でございますので、正確には把握がまだできてない、確認がとれてないわけでございますが、輸出補助金を削減する基準年のとり方を変えることによりまして、これまでの在庫といいますか、補助金を出せる量を若干ふやしておる、未確認ではございますが、そういう情報を得ておるところでございます。
#27
○二田委員 局長、他国と交渉し、こんな大事な決断をするときに、他国の情報をきっちり把握しないでそういう交渉をするなんというのは大変な間違いだ、私はそう思います。
 さらには、輸出補助金というのは貿易歪曲の一番の原因である、そう言われておる。そういう中で、ECの輸出補助金がどういう展望を遂げていくのか、どういう譲歩をしておるのか、その辺のところをきっちりとらえることなしに、我が国だけがミニマムアクセスをのんで、後は六年間の関税化を猶予してもらう、そんなようなことでは私は極めて外交姿勢というのは疑問である、こう思いますけれども、いかがでございましょうか。
#28
○眞鍋政府委員 ただいまの答弁でちょっと言葉が足りなかったわけでございますが、現段階においてそこが確認がとれておらない、こういうことでございまして、各国のものにつきましては、ダンケル・テキストの修正という格好で、我が方の包括関税化の特例でございますとか、あるいはブレアハウス合意の内容等々、ダンケル・テキストの修正につながる問題が一括して処理されるということになろうと思いますので、そこで十分チェックをした上で判断をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
#29
○二田委員 そう申しますけれども、そうすると輸出補助金の分野で、例えば在庫の面でもそうです、ECとアメリカのように大幅譲歩を重ねている場合、再度我が日本の国としてこれに対して譲歩を迫るという考えはおありですか。
#30
○眞鍋政府委員 そういうものも含めまして、これまでぎりぎりのいろいろな折衝を行ってきたということでございます。そういう中で、大臣が御答弁申し上げておりますように、いろいろな要素を加味して、その取りまとめ役が、こういうところが仲裁案といいますか調整案として適当であろうという各国のぎりぎりのところを取りまとめて、案として示されてきたということでございます。
 形式的には多国間協議の場があるわけでございますが、これから議論があるわけでございますが、実質的には、そういうふうな微妙なバランスの上で作成されておるというふうなことでございますので、変更をするということはなかなか難しいというふうに受け取っておるわけでございます。
#31
○二田委員 ただいまの話を総合しますと、もうミニマムアクセスを容認し、そして、この特例措置というものを容認するというふうに解釈していいような答弁なんですけれども、その辺はどうなんですか、大臣。
#32
○畑国務大臣 誤解があってはなりませんけれども、御案内のとおり、本問題につきましてはいろいろ厳しい御批判もあり、そしてまた御指摘もいただいておる姿であるわけでございまして、今他の分野のことを全部いわばチェックもしないままに事柄を進める、あるいはまたこれからの作業を進めるということは、私の立場におきましてもあってはならないこと。先ほどこのいわゆる調停案というものが示されまして、文書をもって先ほど夕方示された。そしてまた、逐次、ただいま他の分野の情報も入りつつある、そういうことを十二分に勘案の上、政府としましても最終的な判断を決めるのは、その辺の取り扱いにつきましては、今先生御指摘の要素といいますものを念頭に置いて取り組んでいかなければならない、かようにも考えます。
#33
○二田委員 どうも先ほどまでの答弁とまた今の答弁とちょっと食い違いがあるように思うのでございますけれども、そうすると、全分野がまとまらなければ、農業分野の方につきましても日本はミニマムアクセスというものを拒否する、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか、大臣いかがですか。
#34
○畑国務大臣 御案内のとおり、釈迦に説法でございますが、十五分野という問題の中におきまして、これから今ピッチが上がっての取りまとめ作業が進んでおる、それを十二分にチェックをしながら事柄の判断をやる、そういうような意味合いのことを申し上げたわけでございます。
#35
○二田委員 どうも理解に苦しむ答弁でございますけれども、それでは、例えばMTOにアメリカは反対しておりますね。それからサービス分野、金融問題でも独自の理論を持っておる。こういうことで、アメリカはアメリカとしての自分の主張というものを強烈に展開しているわけでございます。私は、やはりそれが国益にかなった外交じゃないかと思うわけでございます。
 そこで思うのですけれども、大臣、あなたよく御存じのとおり、自民党の政権の時代は、今日ここにこうして、あなたがもし大臣であったならばいらっしゃらないと思います。それぞれの専門家の方を、議員もまたお連れになってジュネーブに陣取って、言ってみれば役所をきちっと監視している、そして、間違った合意をしないように、間違った交渉をしないように、毎日交渉を受けていた、私どもはそうやってきたんじゃございませんでしたか。ですから、私から見ますと、まだまが政府のいろいろな努力も、そしてまた与党としての努力も足りないような感じがいたすわけでございますけれども、今ここにこうやって、あす、あさってもう大事なことが決まる、あなたがきょうもしジュネーブに行くならば、私どもはきょうこうやって委員会を開かなくてもいいわけでございます。その辺はどうなっているのでしょうか。今からでも遅くないから早く行って、断るものは断ってきてくださいよ。
#36
○畑国務大臣 この問題につきましては、先ほど来、なおまた先日も申し上げておるところでございますが、いわゆる一般的な交渉事と、いささか言葉が過ぎるかもしれませんけれども、例えば吊して二で割るというような意味合いの解決を、交渉をやる余地のない、あくまでも農産物の包括的関税化は拒否という国会決議を踏まえての交渉事ということを就任直後から考えました場合における戦略と申しますか、取り組みのあるべき姿と出しますか、そういうものをスケジュールに置いて、御案内のとおり十一月十五日というものが一つの大きな基軸でありましたことも御承知のとおりでございます。
 それを踏まえて、重ねて、二回目の、サザーランド事務局長に対しまして、十一月上旬に現地に赴きまして、その節に、先ほど来申し上げます上うに、我が方としては国会決議の枠を出る歩み寄りという余地は全くない、これから先はまとめ役
のお立場での姿において、まとめるという立場で従来の長年にわたる自民党時代からの関係者の十二分な熱意を反映したものを出してもらいたい、そういうことが最後の話し合いであると言って、いわば席を立つようなことで帰ってまいったという姿の中にございましては、いわゆる就任以来の全体的なスケジュールを念頭に置いての取り組みであるということも御理解を願いたいと思います。
 なおまた、私の記憶では、十一月の十日過ぎからはサザーランド事務局長がTNC、いわゆる貿易交渉委員会におきまして、これからは各国首席代表の交渉官を中心として事柄を進めていきたい、そういうことを踏まえて十一月十五日には国別約束表を出してもらいたい、これが今日まで延びたという事柄が、我々の主張が、そしてまた各国の主張が、大きくその辺の難しい要素があったということの裏づけであろう、こういうように理解をいたしておるわけでございますので、この辺の事柄のありようが普通の一般的な交渉事とは違う。この辺を御理解いただきたいと思います。
#37
○二田委員 普通の交渉事と違うから、最高責任者である大臣に私は行ってもらいたい、こう言っているのですよ。大臣、今まであなたを一生懸命慕ってきた地元の農民も日本の農民も裏切ってはだめですよ、だめです。畑さんは農政のことを一生懸命考えてくださる方なんだ、みんな言っていますよ、そう言っています。そして、だれがどう言おうと、今のこのミニマムアクセスというのは自由化の一環なのですよ、それに移行するものなのです。これはどんな詭弁を政府が使おうとそうなのですから、みんなそう思っております。農業者もそう思っております。
 そうすると、どういうことになるかといいますと、経済的効果の点には私は言及しません。しかし、今あなたの地元でも私の地元でもみんなかたずをのんで見ているのです。私どもを政府は捨てるのか捨てないのか、農業を営んでいる方々は、日本国家は、日本の政府は農民を捨てるのか、それをかたずをのんで見守っているというのが今の姿なんですよ。大臣。あなたはその痛みも苦しみもわかるでしょう。あなたも私も山村に生まれ、山村に育ちました。その痛みや苦しみがわからなくて政治ができますか、私は心からそう思うわけでございます。
 そうすると、田んぼや畑を耕す人はいなくなります。いなくなったら東京に出ればいいだろう、都市近郊に出ればいいだろうというものではありません。地域をどうしますか、この日本国土をどうしますか、あらゆることを考えてやっていかなければならない。それは、政府も苦しゅうございましょう、外交担当者も苦しゅうございましょう。しかし、その苦しみを越えていくところにあすの日本というものが開けていくのではないでしょうか、あすの農業というものが開けていくのではないでしょうか。
 大臣、あなたは今まで私どもと一緒にやってまいりました。そして、今日この事態を迎えたのです。今こそ英断を持って、ミニマムアクセスは認められないんだ、声高らかに宣言していただくことを期待申し上げまして、私の質問といたします。
 大臣言ってくださいよ、最後に。できないならできないで。
#38
○畑国務大臣 ただいまの心のこもったお話につきましては、私自身も従来から御一緒に仕事をさせていただいたその間において、二田先生もよく御承知のところであるというように理解をいたしております。そういう中にございまして、先ほど来申し上げましたように、今示されております調停案、これをやはり厳しく受けとめさせていただいておるというのが現在の心境でございます。さように御理解願いたいと思っております。
#39
○二田委員 以上をもって終わります。
#40
○竹内委員長 石破茂君。
#41
○石破委員 限られた時間でございますので、手短にやらせていただきたいと思いますが、先ほど同僚の柳沢委員が質問いたしました中で、もう一回確認をしておきたい点がございます。冒頭御質問をいたします。
 本日配られましたペーパーの第六項ですね。そこには、「当該産品については、特例措置の適用が終了した年の初めから譲許表において譲許される通常関税が適用されなければならない。当該通常関税は、実施期間にわたって少なくとも一五%の削減が毎年同じ比率で行われた場合に適用されることとなる税率で適用されなければならない。これらの通常関税は、別添に示されているガイドラインに従って計算される関税相当量に基づいて設定されなければならない。」このように記されておるわけでございます。
 さて、その最初の年度に仮関税というものが設定されるかされないか。先ほど局長のお話では、それは拒否をいたします、こういうお話でございましたが、もしそれができるとするならば、それは努力をするという意味ではなくて、いかなる根拠、いかなる担保に基づいてそれが拒否をされるのか、その点について明確にお答えをいただきたいと存じます。
#42
○眞鍋政府委員 この同じペーパーの一項に、こういうものについては、本合意の第四条の二の規定は適用されない、こういうふうに書いてございます。これは、関税化、要するに関税に置きかえるということがこの四条の二に書いてあるわけでございます。したがいまして、輸入数量制限を関税に置きかえるということ、その規定が適用されない。そういうことで、一年目に関税相当量、いわゆるTEは書かないということは先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
#43
○石破委員 そういたしますと、それは条文上担保がある、根拠がある、したがって、努力目標ではなくて、当然のこととして仮関税は設定されない、そのように理解してよろしゅうございますか。
#44
○眞鍋政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#45
○石破委員 今こういう事態に立ち至りました。別に私どもは責任逃れをしようとも思っておりませんし、これは、もし仮にこういうことになった場合にはすべての者が責任を負わねばならないことだろうというふうには考えております。
 私は、政治改革特別委員会で総理大臣に質問いたしましたときに、連立政権の性格づけというのをお尋ねした記憶がございます。つまり、総理は本会議でもおっしゃったのですが、大義の前にはそれぞれの政党の政策、公約が抑制されることもそれはあり得べしたというような発言をなさいました。私はそのときからこのことが気にかかっておりましたので、よもやこういうことにはなるまい。確かに、柳沢委員が指摘しましたように、全く無傷で済むとは思っていない、何かはしなければならぬであろうということはある程度農政をやってきた者ならわかるはずであります。しかしながら、例外なき関税化は拒否したんだ、だから大丈夫なんだということを本当に言えるのか。これは公約違反ではないのかということであります。
 私も農水政務次官をやっておりましたとき、いろいろなことを問われた。しかしながら、選挙でお約束をした限りは、これは国民の意思が意思としてあらわれたものであるから絶対に守っていかねばならない、そういうようなお答えをし、答弁もしてまいりました。
 先般、ここで総理に申し入れをしましたときに、竹内委員長がミニマムアクセスという言葉は部分自由化の中に入りますということをおっしゃり、それがほとんどの人間の考え方だろうと思っております。まして、三%と思っておったものが四%から八%ということになれば、これは、ミニマムアクセスという言葉は言葉であるけれども、それは本質の異なるものになったのではないか。
 農民の方々が怒っておられるのは、おまえたちは約束をしたではないか。私の恐れるのは、これが消費税と同じ議論にならないかということなんです。つまり、あのときに大型間接税はやらないと言ったけれども小型間接税はやらないとは言わなかったよというような話があって、国民の恐ろ
しい怒りを買って我が党が壊滅的な打撃を受けたことは大臣もよく御高承のとおりでございます。包括関税化はやらない、例外なき関税化はやらない、しかしミニマムアクセスはやらないとは言わなかったよ、そしてミニマムアクセスというのは四ないし八、それもミニマムアクセスなんだよということが本当に通るのだろうか。私はそこを、大臣と同じように公約をしてきた議員として、そして公約を信じていただいて議席を与えていただいた者として大変に恐れ、懸念をするものでございます。その点につきましての御見解を承りたいと存じます。
#46
○畑国務大臣 私は、ミニマムアクセスをやらないとは言わなかったというような心境には全くございません。いわゆる例外なき関税化という問題を主張して今日までやってまいりましたけれども、かなり傷がついたなというのが実感であります。そういう中での取り組みをただいまの心境としましては申し上げざるを得ない、こういうことでございます。
#47
○石破委員 これは、私先ほど来申し上げておりますように、責任逃れをする意味で申し上げておるのではございません。国会決議に反するか反しないか、抵触するかしないか、そしてそれぞれの政党が掲げてこられた公約に反するか反しないか、つまり政治の世界というのは結果責任だと思っているのですね。おれはそんなことをやるとは言わなかったよということではなくて、人がやらないと思ったことをやった場合には、たとえそのつもりがなくても責任をとるのが我々のあるべき姿であろう。政治は、結果責任とはそういう意味であろう。実はきょう私は、自分の県の農民大会でも、責任はとりますということは申し上げてまいりました。大臣、その点の御見解はいかがですか。
#48
○畑国務大臣 今さような意味合いの厳しい調停案が出されておる。これを今これから最終的な右するか左するかという問題につきましての掘り下げた検討をやる、こういう段階であるわけでございまして、今先生のお考えになっております物事の考え方につきましては、私自身も、これがどの程度の傷であるかというように、私の判断もこれからさせていただきたいと考えているところでございます。
#49
○石破委員 これをこのまま受け入れるとしたらどうなりますか。
#50
○畑国務大臣 今そこまでの割り切った心境にはございませんので、お許しを願いたいと思います。
#51
○石破委員 それではお尋ねをいたしますが、有権者の皆さん方、国民の皆様方に御説明するときに、そこまでして守らなければいけないものとば一体何だということなのであります。つまり、日本の国は自由貿易の恩恵をこれだけ受けておるのである、したがって、ここで日本だけがぶち壊すわけにはいかないのである。確かに私もその輪には首肯できる面も多々ございます。我が国が自由貿易で恩恵を受けておることも事実でありますし、それがなくては我が国の繁栄はなかったということも事実でございましょう。しかし、我々が政治家として国民の皆さん方に御納得をいただくためには、これをけ飛ばした場合にはかかる不利益があるのであるということを明示しない限り、これは説明することは非常に難しい。これは与野党問わず同じことだと思います。かかる不利益があるのである、したがってこれは受認せざるを得ないのである、それを言わなければ、私自身説得する自信はございません。国会議員として出させていただいて、これが仮に受け入れられた場合に、農家の方々、国民の皆様、かくかくしかじかこういうことで受け入れたのである、なぜならばということを説明する自信がないのでございます。いかなる不利益を我が国がこうむるのか、具体的には何であるか。自由貿易を守るという抽象的なお言葉ではなくて、こういうような不利益があるということを明確にお示しをいただきたいと存じます。
#52
○畑国務大臣 これは細川内閣といたしまして右する左するが決まった、決めたという段階におきましては、今御指摘のあったような問題を広く国民に向かってきちんと申し上げるように私の立場からも求めてまいりたい、かように考えております。
#53
○石破委員 私は、それは政治の姿勢として、この期に及んでは納得ができないと考えるのであります。確かに、秘密交渉なりなんなり、いろいろなことを言われました。交渉事でございますからいろいろなことはあろうかと思います。いろいろと言えないと思う御苦労もあったと思います。しかしながら、今この時点で、本当になぜこれを受け入れるかというときに、こういう不都合があるのだからということが決まった後でなければ言えないということで、本当に国会という場所は一体何のためにあるのか。それを承って議論して、そのために国会があると私は思っている。そのために議員に出させていただいていると思っている。決まった後で説明します、それでは何のために国会があるかわからない。私はその議論をして、そして本当に受け入れねばならないということであれば、それは大臣と一緒になって一生懸命国民を説得いたしましょう、国益のためでありますから。それはやらねばなりません。しかし、それは決まった後でなければ言えないというのは、私はそれは首肯し得ない面がございますが、いかがですか。
#54
○畑国務大臣 今申し上げましたのは、これは事柄の重要性、大きさにかんがみまして、総理もそういうような意味合いのものをやらなくてはならないという気持ちを込めてのお話を申し上げたわけ、でございます。
 私の考えを申し上げれば、これは先ほど来申し上げておりますように、今まことに複雑な心境であるわけでございますが、今大方の流れが、この調停案についてその趣旨に沿った取り組みが進められつつある。こういう中において我が国だけがただひとり孤立化を招くという姿においては、これまた我が国の今日の与えられておる大きな位置づけ、あるいはこれからの日本民族の将来、そういうことに思いをかけての判断をせざるを得ない、こういうようにも考えているところでございます。
#55
○石破委員 私は、政治改革を唱えてきた人間として、こういうようなことでは困るのですよ。国民の前に論点を明らかにして説明をし、説得をし、国際世論がきちんと形成されるために政治改革というのはやらなければいけないのじゃないかということを申し上げて、大臣と一緒にいろいろな先生方の御指導をいただきながらやってきたはずなんです。そのことをなぜ明らかにできないのか。国民の不信がここまで高まり、そしてまたいろいろな憶測、懸念、何か裏があるのじゃないか、そんなことを言われながら決断をするということ自体が本当にあってはならぬのじゃないか。
 大臣の個人のお考えで結構です。これをまとめなければどのような不都合をこうむるのですか。そしてまたこれをまとめなければ、アメリカが例えばウェーバーを守り、そしてまたヨーロッパが可変課徴金を守ったままで本当に我が国は孤立をするのでありますか。孤立をする、それはなぜか。そしてまた、このような不利益がある、それも提示できないで国民に納得してもらおうと言っても、それは無理だと私は思うのであります。
#56
○畑国務大臣 先ほど来御指摘がございましたように、アメリカのウエーバー条項の問題あるいは食肉規制法の問題等々、これらの問題につきましても、私の今この時点で承知をいたしておりますものは、すべてそれを関税化をするというような意味合いの物事が進んでおるという前提にたちまして、先ほど申し上げましたように、我が国だけが孤立化ということにおきましての大きな問題意識を持たさせていただいておるわけでございます。
#57
○石破委員 納得はいたしかねますが、それでは仮に、いつとは言いませんよ、あしたなのかあさってなのか、とにかく十二月十五日までにそういうのは来るのでしょうから。そうしました場合に
は、かくかくしかじかこういうわけで、そういう説明はきちんと本会議においても委員会においても政府の責任としてやっていただけますね。そしてまた、それで国民の皆様方に納得いただくということでございますね。
#58
○畑国務大臣 さような努力は当然の姿としてやらなければならぬ、かような認識を持たさせていただいております。
#59
○石破委員 私は、これも初当選以来ずっとやらせていただいて、与党がどうの野党がどうの、だれの責任だの、それで責任のなすりつけ合いをしておって済む話じゃないと思うのですよ。政治家はそれで済むかもしれないけれども、実際にしんどい目に遭う農家の方々のことを考えた場合に、党利党略で論ぜられる問題ではない。したがって、そのことは明らかにしていただいて、本当に国民の間で真剣な議論をしたい。
 私ども選挙区へ帰って言われますのは、これをけ飛ばしたらどんな不利益があるのですか、自動車買ってもらえないのですか、コンピューター買ってもらえないのですか、スーパー三〇一でも発動になるんですか、しかしスーパー三〇一は、アメリカは、議会はガットを批准していないんですから、それはアメリカの勝手でしょうみたいな議論になってしまう。私ども、国会議員として本当に皆さん方を説得するときにこれではやれない。そして、このような結果が、四%ないし八%という、ミニマムアクセスとして我々が考えておった三%より大きく異なるものになったときになおさらやれない。多くの議員が、心ある議員がそのように思っておるということについて、大臣にはぜひ御認識をいただき、そしてまた総理にもお伝えをいただきたい。心からお願いを申し上げたいと存じます。
 さて、それでは、時間がありませんから話題を変えますが、米のお話ばかりしておりますけれども、それではほかのものはどうなるのでありましょうか。乳製品はどうなるんでしょうか。畜産物はどうなっていくんでしょうか。特に乳製品の場合にはことしも大変な議論がございました。私も答弁に立って、関税化はいたしませんというふうに農林水産省としてお答えをいたしました。これは一体どうなっていくのでありましょうか。私は、これもきちんと守っていかねばならぬと思っているんです。いかがですか。
#60
○畑国務大臣 私は、あるいはお気づきかもしれませんが、国会答弁等々におきましても、従来から農産物という表現をもって包括関税化は反対ということを終始言わさせていただいております。それにはやはりでん粉であるとか乳製品というものを絶えず念頭に私としては当然のことながら置いておかなくてはならない。
 そういう中にございまして、きょう手元にいたしましたあの調停案の中にございましては、残念ながら米だけが例外的な関税化を免れるというような内容に相なっておることからいたしますと、いわゆるでん粉、乳製品等におきましても、関税化というような姿にあの調停案の中では相なっておる。私は、今そういう中にございまして、さらに今協議や話し合いや交渉が進められておるわけでございますから、その傷を少なくする、例えば国家貿易の姿といいますものをその中にどういう姿でもって残し得る余地があるのかないのか、こういうことにつきましても、ただいま努力をさせておるという段階であるわけでございます。
#61
○石破委員 申し上げるまでもございませんが、牛肉関税化のときの悪夢というのをだれも忘れていないのであります。確かにあのときも私ども随分議論をした。万全の対策をやると言い、そしてまたかくかくの諸般の施策を講じた。しかしながら、ぬれ子の値段があんなに下がって、そして酪農家があれほど塗炭の苦しみを味わうということを本当に正確に予測をできた人間はほとんどいない。
 だとすれば、国家がそのような、仮に、ガットをのまなければこういうような不利益がある、それは国益であるからやむを得ない、だとすれば、そのことによって損害をこうむる人たちに対しては国家がきちんとした手当てをしていかねばならぬであろう。そしてまた、酪農家の方はほとんど専業でありますから、ある意味においては二種兼の多い米よりもすぐに打撃があらわれるということも大臣よく御存じのとおりであります。努力をするということだけではなくて、一体どのようなことなのかということをこれまたきちんとお示しをいただく義務があろうというふうに私は思います。
 そして、最後にお尋ねをいたしますが、新政策の中では自給率の向上というのをうたっております。これ以上下げないんだということを初めてうたったのは今回の新政策でありました。しかしこれで、米が入ってくる、乳製品がさようなありさまになるということになって、その中で自給率を高めていくというのはこれは並み大抵のことではない。政策を抜本的にもう一度新政策の線に立ち戻って、これをいかに推進するかということを考えていかなければ自給率の向上ということには決してならない。
 こういうときに、新聞のガセネタかなにか知りませんが、離農対策とかそういうようなことを考えられておるのはそれはもってのほかであって、どうやって自給率を高めていくのか、それについてどのようなビジョンがあるか。それはまだ決まった後ではないからお答えできないというようなお返事なのかもしれません。しかし、それに対して、単にうたい文句じゃなくて、このようなことで自給率の向上をやっていきますということがなければ、さっきのガットぶっ壊したらどうなるのという議論と一緒で、国民を説得することはこれは不可能であります。
 大臣、その点について、どのようにして自給率をこういうような状況の中で高めていこうという御決意であるか承りたいと存じます。
#62
○畑国務大臣 私の頭の中の自問自答の中では、最悪の事態の場合の問題点、あるいはまた対処方針、そういうものが私の頭の中にあることは当然のことでございますが、今、逆に申し上げますと、事後対策はこういたしますというような意味合いの力を入れた話をいたしますと、既におまえはそういうことを前提として交渉をしたんではないかと言われる厳しい立場でありますことも御理解をいただきたいというように考えるわけでございますが、最悪の場合のそういった問題におきましては、御指摘のとおり、現在四六%といったような、あるいは二九といったような数字の中におけるこの自給率という問題は、これからの大きな政治課題、農政課題としてきちっとやっていかなければならない、当然の姿ではないかというように考えておるわけでございます。
#63
○石破委員 これを受け入れた上で自給率を高めるというのがどれほど困難なことであるかということは、大臣が一番御存じのことであります。構造政策をどのように進めていくか。それが単にお金さえ出せばいい、デカップリングをやればよろしいでしょう、離農対策をすればよろしいでしょう、そうなった場合には、本当に農業というのは壊減をする。よもやそのような政策をお考えではなかろうと私は信じます。そのようないいかげんな役所ではないというふうに思っております。しかし、それをやります場合に、例えば財政審において農業についてはCになってしまったというような現状であります。本当にそれは歯を食いしばってやっていかねばならない。そのことにつきましても、もし仮に万が一このまま受け入れるということになったら、得心のいく御説明をいただきたい。そして、それがあらわされた場合には、我々も国家国民の存亡をかけて全力を挙げて取り組んでいかねばならぬ。党利党略ではなくて、本当に国家の将来のため我が事として受けとめておる、かように申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#64
○竹内委員長 田中恒利君。
#65
○田中(恒)委員 私はこの委員会にもう十八年ほどお世話になっておりますが、こんなに短い時間で質問をせにゃいけぬのは初めてであります。十分か十一分でやれというのだから、これはなかな
か大変であります。
 そこで、極めて要点について御質問をいたしますので、お答えをいただきたいと思います。
 一つは、ドゥニー議長と言われる人の調整案の骨子なるもの、これはどういう性格の文書なのか。外務省の方にちょっとお答えいただきたい。
 それから、大臣、この内容についての大臣の御所見をとりあえずお聞かせいただきたいと思います。
#66
○畑国務大臣 従来の交渉の我が方の主張がいささか取り入れられておる姿ということを感ずるものの、まことに残念ながら厳しい調停案である、こういう認識をいたしております。
#67
○朝海説明員 いわゆるドゥニー調整案骨子の背景でございますが、ウルグアイ・ラウンド交渉がいよいよ大詰めに差しかかり、そろそろドゥニー調整案が提示されるであろう、そういう時期に差しかかりましたので、現地の遠藤大使ほかが再三にわたってドゥニー議長と接触いたしておりますが、六日夜、改めて接触いたしまして、ドゥニー調整案はどういう内容のものになるかと聞き出しまし夫ところ、調整案そのものは今お渡しする立場にないけれども、それの骨子というものはこういうものであるということで、口頭で内々に説明があったものでございます。
#68
○田中(恒)委員 これは、この文書が来たからすぐ態度をどうこうせにゃいけないとか、あるいは外交文書として何か一定の位置づけを持っておるといったようなものではないわけですね。
#69
○朝海説明員 本日、日本時間の早朝になりますけれども、ジュネーブでは農業についての少数国の会議がございまして、その席上ドゥニー議長から正式に調整案として提示されたものが先ほど公表させていただいたものでございます。
#70
○田中(恒)委員 ちょっとざあっとしておるよ、これ、きょうあなたのところからもらった。口頭で来たようなものをちゃんとして、それで大変な騒動になっておるのだ、この文書で。単なる外務省の大使の経過はこういうことですというのを、電話か何かで口頭で来たのを文書にして配って、そしてこれだけの大問題にして、どういう回答をするんだといったような問題もあるんだ。
#71
○畑国務大臣 私の認識を申し上げて、外務省当局ではございませんでいささか出過ぎたかもしれませんけれども、ただいまお話がございましたように、いわゆるTNC、サザーランド事務局長が議長でやっております。その貿易委員会の一部の、市場アクセスの議長でありますドゥニー氏が大体こういうような内容でもって調停案を出そうということの話を聞いて、遠藤大使がいささかそれを骨子という立場でまとめたものが、今田中先生のお手元にある資料である。私は、それは外交的には何らの問題ある位置づけというものはない、権威のあるものではない。そういう中で、こういう方向に走りつつあるということの情報は、いち早くお示しをした方がよりいい姿ではないかという意味合いでの事の運びが今日まであり、先ほど夕方、この問題につきましてのドゥニー議長のいわゆる関係十七カ国に対するペーパーが配られたというのがただいまの段階である。このペーパーにつきましては、非公式な会合ではありますけれども、それなりの権威のあるものと私自身は受けとめさせていただいております。
#72
○田中(恒)委員 権威があるかどうかは別にして、この文書が来て、そしてこれを各党首に配られて、一両日中に総理が何か判断するというか国民に対して呼びかけていくといったような、そんな報道がざっと流れて、この二、三日来大変な関心事になっておって、よく調べておきましたら、なかなか足りないところがあったり欠陥があったり、おかしな、違ったのが出ておるということで、非常に混乱しておるというのが現状だと思うのだ。
 だから、この文書は、権威があるかもしれませんが、やはりこういうものをそんな正式の、公党の委員長のところへ、こういう状態になっておりますから判断してくださいなどと総理大臣が言うことがおかしいと思うのだ、私は。そんな取り扱いをしていてはだめですよ。まあいいです。それはそのくらいにしますが。
 大臣、今のあなたの御意見、非常に内容は厳しいと言われた。先ほどは、かなり傷ついた、こんな御発言もあったわけですが、もう少し具体的一に、それはどこですか。
#73
○畑国務大臣 いわば全般を流れております内容といいますものは、私にとりましては厳しいという受けとめ方をさせていただきました。特に、いわゆるミニマムアクセスの数字の問題等、これにつきましては、私が先ほど来申し上げておる意味合いの項目に当たる、こういう御理解をいただいて結構だと思います。
#74
○田中(恒)委員 大体言外に含まれる意味も込めてわかりますが、もう少し、えらい失礼ですが、お尋ねします。
 このミニマムアクセスの問題は、いわゆる四%、八%、四十万、八十万、大変な量の米ですが、これは今まで政府が一貫して我々に説明しておりました、国会の決議に則して、国会の決議に沿ってこの交渉をやりたい、乗り切りたい、こういうことをしばしば言われた。初めから終わりまで、きのう、おとついごろまで言われておった。そういう国会決議に反しておるとお考えですか、それとも反してないとお考えですか。
#75
○畑国務大臣 私は、国会決議の中の完全自給という言葉には残念ながら沿い得ていない、こういうように受けとめさせていただきますが、いわゆる従来の国会決議の精神、そういうものには沿う余地があり得る自給体制の堅持というような意味合いのものを私なりに受けとめさせていただいておるということでございます。
#76
○田中(恒)委員 そこのところがちょっとおかしいですね。
 私は、私自体は、実は三度の国会決議にそれぞれ立ち会っておりますし、二度の国会決議の文案の作成に加わった一人であります。
 皆さん御承知のように、この国会の決議というのは大体野党が原文を書くものでありまして、それを与党の自民党が修正をしてくれるのです。それでできるのですが、二度ほどは、韓国の場合と最後の琉球の米で混乱したときとは私自体も筆を走らせた男ですが、そのときの情勢は、やはり自由化は、外国から米は入れてはいけない、これはもう初めから終わりまで前提ですよ。参議院は「完全」というのを入れたが、あれは私らはよくやったと言った。我々も、衆議院でも入れたかったが、沖縄のあれがあったものだからちょっと無理かなというような配慮があって、ちょっと弱気だったと思っております。しかし、いずれにしろ、当時一貫しておったのは、米は入れない、入れてはだめだ、日本の農業はこれでおしまいになるということでありました。だからどうこうということではありませんが。
 それから全体を見ていただいて、しかも大臣、これは量が、先ほどもお話があったが、それは五千トンとか一万トンとか二万トンぐらいならあれですが、四十万トン、八十万トン。今の政府米、幾らですか。二百万トンと言っておるが、二百万トン集まらぬと言われておりますね。これは政府米の半分ぐらい集めるわけですよ。大変な量ですよ。これはどう見たって食糧の自給ということとは違うのですね。輸入依存の体制を強めるということですから、これはやはり国会決議に完全に反しておりますよ。
 その点、果たして大臣、ここまで来たら大臣は率先してその旗を振ってもらいたいと私は思いますが、いかがですか。
#77
○畑国務大臣 ただいま申し上げますように、いわゆる完全自給という姿には残念ながら沿い得なかった。しかしながら、私の頭にありますことは、いわゆる自給方針堅持、これからそれを守っていく余地はつくり得るというような意味合いでの、その精神に沿った内容のものがあり得るというように受けとめさせていただいているわけでございます。
#78
○田中(恒)委員 もう質疑時間終了いたしましたというのが来ましたから失礼しますが、一言だけ
お聞きします。
 この問題、何か一両日中に結論を出すと言っておりますが、そんな結論が出るような状況じゃないと思うんだ。今のいろいろな意見を聞いたって、わからぬことや疑問な点がたくさんある。私は大臣自体だってたくさんあると思うんですね。あなた自体だって出したくないと思うんだ。この際、もう少し慎重な、時間をとってもらって、我々も検討させていただきたいと思いますし、それからやはり、日本の国民が非常にこれに目を向けておりますから、国民が納得するだけの材料を我々も持たないと、これは済みませんよ。
 ですから、そういう意味では、時間をもう少しとっていただきますように特にお願いをして、私の質問を終わります。
#79
○畑国務大臣 田中先生の御意見を貴重な意見として受けとめさせていただきます。
#80
○竹内委員長 白沢三郎君。
#81
○白沢委員 白沢三郎でございます。
 先ほど来いろいろとお話をお聞きしておりますが、大臣のつらい気持ち、そしてまた野党である自民党さんも先般まで携わってきた問題でありますし、石破先生のいろいろな心境もお察しをするところであります。さらには保利先生もおられますが、私も実は今回国会に初当選をさせていただいて、この交渉において恐らくこれほど大きな農家の皆さん方の運動が、きょうも実は日比谷公会堂でもございましたし、あちこちであった。そして日本じゅうの農家の皆さん方あるいは農民の皆さん方がこれほど危機感を持って運動をしておる。関税阻止、反対、これを大臣、一体どう受けとめておられるのか、まずお聞きしたいな、こう思っております。
#82
○畑国務大臣 私は、昨日でございましたか、あるいはきょうでございましたか、五千人集会というような意味合いの、あの姿だけではなくして、全国津々浦々の農民の方々に本当の意味で御心配をいただいておる今日の姿である、さように受けとめさせていただいております。
#83
○白沢委員 まあごもっともでありますが、大臣、それと、今回のこの農家の皆さん方の危機感は当然でありますが、もう一点は、政治不信にあると私は思っているのですよ。と申しますのは、実はきょう御質問の二田先生あるいは錦織先生、それから辻先生等々と、私たちは十一月二日からでありましたか、スイスのジュネーブ、ガットに行った。大臣の後に行った。そして、いろいろと交渉をしてやってきたのですが、厳しかった。確かに厳しかった。そして、交渉というのはこういうものかなと、つくづく私自身も大いに勉強させていただいてきたのですが、それから帰国して間もなく、いろいろなことで、今回出ておるこの調整案、調停案ですか、このことがもう既に新聞、テレビ等々で毎日出ておる。おかしい、この情報源はどこなんだ。農水省に聞いても一向に知らぬ存ぜぬ。外務省も知らぬ存ぜぬ。ところが、テレビや新聞では毎日、この調整案のように決定した、合意した、こういうことが出ている。これが農民の皆さん方に不信を与えたのですよ。一貫していなかった。今も先ほど来、いろいろと田中先生からもお話が出たように、一体この調整案、いつもらったのかと言うと、ついさっきでありますという話でありますが、もう既にきのう、おとといからこうこう出ておる。さらに、それが出た途端、日本経済新聞あるいは朝日新聞等々も、今度は国内対策においては所得補償はどうだ、減反はどうだ、いろいろなことが出ておる。これは一体どこからこのニュースが、どうなっているのですか、実際。私はこれが初めて経験した、外交の交渉はこういうものなのかな、実はこう思ったのですが、こういうものなのですか、実際。これは保利先生もおっしゃっておった。お聞きをしたいのです。
#84
○畑国務大臣 御承知のとおり、ガット加盟国が百カ国を超える実態の中にございまして、幅広いいわゆる話し合い、やりとりが行われる。そしてまた、それぞれ自国に有利な、自分の主張を生かすというような意味合いでの情報を流す。いろいろな要素がそこにあろうか。これも私は一々チェックして確認したわけではございませんけれども、そういうことも考えられる。逆に言いますと、なかなか、そういったような意味合いでは、この情報をめぐってのお互いの、これは一つの戦略的な要素もそこにあるのかなということを、私自身も残念ながら、極めて遺憾な気持ちを持って受けとめさせていただいておるというのが実態であるわけでございます。
#85
○白沢委員 時間がございませんから次に進ませてもらいますが、じゃ大臣、ちょっとお聞きしたいのですが、時事通信からあるコピーをいただいております。そして、これを見ますと、これは「コメ関税化猶予交渉、宮沢政権時に決断」、こういうことが書いてある。そしてこういろいろと書いてあって、米の関税化猶予、ドンケル案何とかかんとか、ずっと書いてあります。宮沢政権の政治決断で方向が固まり、それに基づき日米交渉が水面下でスタートしていた事実が八日までに、複数の」いろいろなことであった。これはもう見ておわかりだろうと思うのですが、それで「宮沢氏も」、昨年の宮澤総理大臣でありますが、「十二月十二日の記者会見で、コメの関税化問題について「文字通りぎりぎりの折衝に入るので言うわけにはいかない」、これはミニマムアクセス、ということがずっと書いてあります。これ以上言いませんが、このものが、今回の細川総理がこれを引き継いでいるのではないかということをここにも書いてありますが、もう既にそういう事実がなっておって、そして交渉は関税化絶対阻止、これが二枚舌だと言われておるゆえんでもあるような感じが実はしておるのです。
 ですから、農家の皆さん方も、オレンジの件があった、そして牛肉の件もあった。農業の交渉は、農家の皆さん方はよくなったことが一つもないんだ。悪くなる一方じゃないですか。そして、農家の皆さん方は減反、減反に苦しまれて、さらに関税化、今のこのミニマムアクセス、四%から八%、八%といったら八十万トンです。私は新潟出身でありますが、八十万トンは新潟県の生産だ。この新潟県の農業が毎年毎年金部なくなるということを考えますと、これは本当に農家の皆さん方、大臣も大分ですからよくおわかりでしょうけれども、その気持ちを本当に今回のこの交渉では酌んでいただきたいんだ。
 この問題点はいろいろ予算委員会等でも出ております。これは承知をしておりますが、この農家の気持ち、農業の皆さん方は先祖代々日本を守ってきた誇りを持っているのです。誇りがあるために、土のために、その誇りで農家をやっているんだ。決して所得が高いからとかそんなことじゃないんだ。我々が日本をつくり上げたんだというこの気持ちがあるからこそ、農家の皆さん方は本当に苦しみながらやっているんだ。そして痛めつけられながらも――所得も低い、減反に苦しめられる、そしてまた米が余る、輸入する、復田をやりなさい、これじゃ猫の目農政なんですが、大臣、こういうことじゃなかなか納得しませんよ。御所見をお聞きしたいと思っています。
#86
○畑国務大臣 白沢先生おっしゃったとおり、新潟県の米の生産の数量と大体同じものが御指摘のとおりの数字に相なるわけでございます。私自身も日本を代表するような中山間地域の、過疎地域の出身者といたしまして、ただいま御指摘がございましたような意味合いにおきましては、やはり大きく農政不信、政治不信という中にございまして、何としてもその信頼回復を前提に、農業を二十一世紀につないでいかなければならない、そういう気持ちの中で今日の厳しい問題に対処させていただいておる。
 私は、あくまでも農民の、生産者側の、そしてまた厳しい農業実態、中山間地域実態といいますものを踏まえて、当然のことながらこれからもこの問題の収拾に当たってまいりたい、かように考えております。
#87
○白沢委員 もうあと二分だということでありますから、これは大変短い時間でありますが、それと心情的な問題であります。
 大臣、今、農家の皆さん方が本当に高い金を使って東京に出てきて、そしてこの寒いのに、暮れなのに東京でストをやっている、さらにはデモをやっている、さらにはスイスに行っている方もいる。この人たちの気持ちをよく酌んでいただきたいな。そして、今一番のすがる気持ちは、農林大臣あるいは細川総理から、あなた方心配するな、こういうような心強いその言葉が欲しいのですよ。そのことをよく御理解をしていただければ大変ありがたいな。
 それからもう一点なんですが、先ほどちょうど石破先生もおっしゃったように、もう新聞等々では、農林水産等々でもそうなんですが、国内対策をどうするこうするというようなことが出ておる。備蓄はどうの。ああだこうだ。土地改良はどうのこうの。ところが大臣、先般の財政審、これでABCのCじゃないですか。土地改良も、農道も、圃場整備も、生産基盤等々が全部C。そしてまた関税化、輸入、ミニマムアクセス。これじゃ農家の皆さんが立つ瀬がない。そして新農政プランどうのこうの。今こういう時期においては、これは万々が一の話でしょうけれども、あってはならないことでありますが、そのときにはこの財政審のこんなABCのCなんというのはとっくにひっくり返して、AのAのまたAにするぐらいの勇断の気持ちを実は持ってもらいたい。
 ところが、大蔵省ともこれは綿密にしていただきたいのですが、大蔵省も恐らく金を出さぬでしょう。なかなか厳しいことだろうと思う。でも、そのときに大臣の腹の太さを見せていただいて、そしてふんどしのひもを締め直して、農家の皆さん方に、あすの農業を本当に明るい農業、生きがいのある農業、そういうプランをぜひとも示していただきたい。これこそ今農家の皆さん方、農民の皆さん方を救える唯一のあれだと私は思っております。精神ですよ。気持ちですよ。
 私も農家の出でありますから、そういうことを、私自身は農業ではございませんですが、新潟県の出でありますから痛いほどよくわかる。さらに加えて言うならば、先ほどもお話が出たとおり、乳製品どうなるのですか。さらにはでん粉どうなるのですか。過去ではオレンジ・牛肉、絶対大丈夫と言って、私の町にもありますけれども、畜産農家はもうめためたじゃないですか。この二の舞を踏むのが私は心配でならない。どうか、ぜひとも大臣、御努力を心からお願いを申し上げまして、時間でありますので、終わらせていただきます。大変どうもありがとうございました。
#88
○竹内委員長 千葉国男君。
#89
○千葉委員 ウルグアイ・ラウンドが大詰めに来て、我が国としていよいよぎりぎりの選択が迫られているわけであります。ウルグアイ・ラウンド成功は、日本にとっても世界経済にとっても極めて重要である。しかしながら、その一方で、今回のミニマムアクセスを受け入れる、こうなった場合に、日本の農業、農業者に一段と厳しいしわ寄せをもたらすことが必至である、私はこう思っております。
 私も農業県、米どころ宮城の出身でありまして、ことし冷害で百年に一度の大凶作だ、もう大変な打撃を受けている。その上に、農業者にとってさらに二重、三重の今深刻な事態になろうとしているわけであります。その一方で、ただ反対しているわけにもいかない。長年にわたる自民党農政のツケとはいえ、我が国農政にとってはまさに正念場を迎えている、こう思っております。私は、ウルグアイ・ラウンド成功は必要だが、農業者の犠牲、しわ寄せによってこれが行われては相ならぬ、このように憂慮しております。
 そこで、大臣にお伺いしたいことは、今回の選択は日本の農業、農業者に対して厳しい選択である、こういう深い認識を本当に持っていらっしゃるのか。もしそうであるならば、これからの対策において、農業者に本当にこの苦しい選択の中で、何としても立ち上がっていただきたい、こういう思いで万全なる対策を期すべきである、こう思います。また、日本の農業の本格的なリストラに取り組まなければいけない、そういうときを迎えた、こう思っておりますが、大臣の認識はいかがでしょうか。
#90
○畑国務大臣 ただいま千葉先生から、まず一番目に、本問題に対する認識という御高問をいただいたわけでございます。先ほど白沢先生からも御指摘がございましたが、私自身も過疎地域の首長を三期やらせていただいて、さような意味合いでの気持ちを十二分に生かしての、当然のことながらベストを尽くしていかなければならない、かような気持ちを持たさせていただいておるような次第でございます。そしてまた、新政策につきましての、をめぐるお話をいただいたわけでございましたが、見直し、いい意味合いでの上積みあるいはこれを前倒し、積極果敢にダイナミックに展開を図る、こういう必要性がある、かように考えておるところでございます。
#91
○千葉委員 今大臣から新農政に対する決意も伺いましたが、私たち、農家の現場を歩いて新農政のことについて聞いてみますと、本当に現場ではまだまだ反対の意見、十分に認識が与えられていない、こういう段階で、またこうした大変な事態を迎えたということになれば、今おっしゃったようにこの新農政に対して本当に本格的な援助が必要だと私は思います。そういう意味で、ぜひ力を入れていただきたい、こう思っております。
 また、今回の選択によってこの農業政策の抜本的な改革がどうしても避けて通れない、こう思っております。基本となってきました食管制度の根幹を維持することは必要であると思いますけれども、このミニマムアクセスによって食管法の改正、どうしても避けて通れない、こうなった場合、この改正を考えているのかどうか。
#92
○畑国務大臣 仮に、受け入れ、ミニマムアクセスという問題になりました場合には、食管制度の従来の基本的な精神、位置づけからいたしまして改正あり得べし、かような認識を持たさせていただいております。
#93
○千葉委員 このミニマムアクセスの問題は当然、先ほどのお話もありましたように、初年度四%ということになれば四十万トン、そういうことになる。即これが八万ヘクタールという減反につながってくる、こういうことになります。そういう意味で、平年作であればもう減反が強化される、避けられない、そういう見通しになってくると思います。
 輸入枠と減反政策について、従来のようにまた減反だ、復田だというような猫の目農政が繰り返されるところに農業者の怒り、政治不信、農政不信というのがあるわけですけれども、もう一度この原則、政策を明確にして、農業者の納得が得られるようにしていかなければならない、こう思いますが、いかがでしょうか。
#94
○畑国務大臣 私は、二十一世紀の地場産業の魅力ある位置づけとしましての農業、そういうものを考えますと、先ほども申し上げましたが、さような意味合いでの新農政の前倒し、あるいはまたこの厳しい実態を踏まえてさらなる厚みを持たせること、そういうことにつきまして引き続きベストを尽くしてまいりたい、かような意欲を持たさせていただいております。
#95
○千葉委員 最後に、先ほどからこの関税化問題で、でん粉、乳製品の問題が大変心配をされております。酪農者への打撃は本当に深刻になる。これに対して、例えば別枠として万全な救済策をとる、このくらいの決意が本当にしっかりしていなければいけない、こう思いますが、いかがでしょうか。
#96
○畑国務大臣 そういう実態になりました場合には、当然のことながら今先生御指摘の気持ちを持って対処してまいらなければならぬ、かように考えております。
#97
○千葉委員 今回のこの政策の中で、選択の中で、本当に農業者の人が大変なしわ寄せ、犠牲を受ける。その中で、日本としてどうしてもぎりぎりの選択をしなければいけない。であるならば、今高齢化社会を迎えた、担い手もいない、こういう大変な時代を迎えているわけでありますけれども、将来に本当にそういう中で農業の足腰を鍛え
て厚みを持たせ、早急にこの対策を立てて頑張っていかなければいけない、こういうふうに強く要望して質問を終わります。ありがとうございました。
#98
○竹内委員長 錦織淳君。
#99
○錦織委員 時間が限られておりますので、大事な点のみに絞って質問をしたいと思います。
 しかしその前に、どうしても一点だけ強く抗議したい点がございます。それは、外交当局、行政当局の姿勢についてであります。先日、調整案の骨子が示されました。私は、この骨子の文書の性格が全く理解できない。そして、形式、全体構造、それがどうなっているのか、そういう当然の疑問を持ったわけであります。
 ところが、そういった肝心な点が、どういうわけかいつまでたっても明らかにされない。これはまことに遺憾なことであります。本日ようやく、この附属書5、英語でいえばアネックスファイブ、こういう文書が配付されました。この文書を見る限りにおきまして、当然、本体のアグリーメント、そういった文書が存在するわけです。しかし、それらはいまだに明らかにされていない。
 私は、この過程を見ますと、非常に屈辱的な思いにとらわれます。つまり、国会議員とは一体どういう存在なのか、政治家は一体どういう存在なのか、そういう疑問を持ったことをはっきりと申し上げておきたいと思います。我々は、結論の当否も大事だけれども、その国家的な決断をするに当たって、どういう資料をもとにして判断するのか、そのことは明らかにされる必要がある、これははっきりと抗議をしておきたいと思います。
 その上で、御質問をいたします。
 それは、私も、きょう十一時から開かれました日比谷野音の農業団体の集会に参加いたしました。そこで、公約違反であるとか、国会決議違反であるとか、そういった言葉が飛び交い、政治家はうそつきである、そういった激しい言葉が飛び交いました。つまり、問われているのは政治家の責任である。では、その責任の所在は一体どこにあるのか、そのことを私はまず明らかにする必要があると思います。
 そこで、これまでの経過の中で、その点をどのように考えるべきか、つまり、どういう選択肢とどういう選択肢がどういう考え方の中で行われたのか、この点をはっきりと、過去を振り返って政治責任を明らかにしておく必要があると思います。
 外交というのは継続性がある、連続性がある。細川政権が成立して四カ月であります。それ以前のこのガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉に臨む我が国政府の基本的な姿勢はどのようなものであったのか、このことを確認したいと思います。
 私は、平成四年三月四日の予算委員会の議事録を今手にしております。その中で日野委員が、次のように聞いておられます。ずばり、総理いかがですか、米は輸入するのかしないのか、このように聞いております。それに対して宮澤総理大臣は、「国会でしばしば御決議がありましたように、国内産で自給することを基本方針とするというのが政府の考え方でございます。」このように述べておられます。そこで、この基本方針という言葉はどういうことを意味するのか、そういうことからさらに日野委員の、一トンも入れないで頑張るといったって無理じゃないかというふうに外務大臣が言っておるのではないか、このような問いかけに対して、当時の渡辺大臣は、「一トンも入れないとかどうとかということにつきましては、これは世間の常識もありましょうし、我々は、米は自給を旨としてということで交渉をしておる」、このように述べているわけです。そして、さらに続けて、「交渉事というのは、何といいますか相手の出方を見ながらやっておるわけですから、相手国ですね、一方的なことだけ言っておってもだめだし、相手の方がどういうふうに出るのかというようなことを出方を見ながら一番有利な線で解決したいという交渉事をやっております」、このように明言をしております。
 そこで、私は、畑農林大臣にお聞きしたい。
 これまでの、つまり政権交代前のこのガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉についての政府の基本方針がどのようなものであったか。つまり、一粒たりとも入れない、一トンたりとも入れない、つまり、国会決議の基本的な考え方は完全自給であるからして、入れないという考え方であったのか。しかし、外交交渉を行う上においては、その原則の基本は維持するけれども、妥協もやむを得ない、こういう姿勢であったのかどうか。この点についてお伺いしたいと思います。
#100
○畑国務大臣 今先生の、いわゆるお気持ちといいますかお話そのものは、私も、心から耳を傾けながらお伺いをさせていただいたわけでございます。ただ、お尋ねの、いわゆる前政権時代の政府としての取り組みということに相なりますと、残念ながらと申し上げていいのかどうかわかりませんが、私は、政府側にはおりませんでしたので、その辺を申し上げるにはいささかぐあいが悪い立場ではなかろうか、かように考えるわけでございます。
 ただ、申し上げておきますことは、このガット・ウルグアイ・ラウンドの問題につきましては、七年間近い長い間にわたって、国会決議を踏まえて、国会決議に沿った結果を得たいという意味合いでの長い間にわたる先輩、関係の皆様方の努力が続けられてきたということについては、私自身もはっきり申し上げておかなければならない、かように考えております。
#101
○錦織委員 ただいまのお答えには納得できませんけれども、それでは申し上げます。
 先ほど白沢委員から、時事通信の報道の指摘がございました。その他の新聞の中にも、前政権のときから既にミニマムアクセスやむなしということを選択肢の一つとして事務レベルの交渉を進めていたのではないか、このような指摘がなされているけれども、それは前政権のことだから知らないなどということでは、政権というものは国民から見れば全く、だれが、どの政党がやろうが同じであって、私は、きちっと答えられる問題だと思いますので、お答え願いたいと思います。
#102
○畑国務大臣 先ほど申し上げましたような意味合いにおきまして、私は、当時の自民党代議士の一人としまして、事柄は、いわゆる党側のサイドから、やはり関税化あらしめてはならないという意味合いで取り組みをさせていただいた一員としましては、政府もその気持ちを酌んでの先ほど申し上げましたような意味合いの努力を賜っておった、かように受けとめさせていただいておるわけでございます。
#103
○錦織委員 それでは、時間がないので、もう一つ大事な質問に移ります。
 今問題になっているのは、このミニアムアクセス受け入れによって日本の農業が崩壊するかどうか、こういう強い国民の危機感であると考えます。それに対して、仮にそれを受け入れた場合にそれが関税化につながるかどうか、あるいはさらには、日本の農業そのものが大変な危機に立ち至るのではないか、このような危機感でございます。
 私は、今農民の間に、日本の農業の将来に対して、政府の言うことは信用ができない、このような強い不信感があるものと認識しております。私は、そのような農業従事者の方々の政府の考え方そのものに対する強い不信の存在というものを農水大臣として受けとめられるのかどうか、もしそのような不信が事実としてあるとすれば、それは一体どのような根拠によって生み出されたとお考えなのか、この二点についてお答えを願いたいと思います
#104
○畑国務大臣 私自身、農林水産大臣に就任をいたしましたときのいわゆる私の物の考え方のまず第一番は、残念ながら、今日ただいま、農政不信、政治不信、これを払拭すべく最大の努力をしなければならない、かような意味合いでの問題意識を持たさせていただいたわけでございます。
 農政につきましては、いわゆる気象条件といった難しい要素がある中におきまして、種々の生産
者側の御期待に反する事態のあり得たこともこれまた十二分に承知をいたしておるところでございますが、さような意味合いでも厳しく受けとめて、これからも努力を重ねていくのがあるべき農政の姿、かように考えておる次第でございます。
#105
○錦織委員 時間がないので一点だけお尋ねします。
 それでは、現在新農政というものが議論されておりますが、この新農政を展開すれば日本の農業は十分に立ち直れる、そのようにお考えなのか、それとももっと抜本的な再建策が必要とお考えなのか、この点だけお答え願いたいと思います。
#106
○畑国務大臣 関係の皆様方の御熱心な論議の中からいわゆる合意を見てスタートをいたしております、本年からスタートを切りました新農政、これにつきましては、積極果敢な展開が必要であることは言うまでもございません。しかし、物事はこの新農政だけですべてが解決といったような生易しい現在の姿ではないという意味合いにおきまして、例えば土地改良事業等々の前倒しをしながら厚みを持たせるというような万般にわたる努力が必要ではないか、かような考え方に立っておるわけでございます。
#107
○錦織委員 ありがとうございました。
#108
○竹内委員長 小平忠正君。
#109
○小平委員 畑農水大臣、大変なときに農水大臣をお引き受けになったと心から同情申し上げます。
 先輩であられる畑先生には、農政に精通した議員として今大臣の要職にございます。したがって、私どもは、先生がこの我が国の歴史に残る大臣になるか、その歴史もどういう点で評価される大臣になるか、そこのところが今問われておりますし、大臣もそのことを心痛深く、肝に銘じながらこの難局に対処している、私はかように存じ上げながら、私に与えられた時間の質問をさせていただきます。
 まず第一点目は、こういうときに細川総理は、今までの政権がかわったことによって新しい政治を国民各位は期待しておられる、したがって、今回のこのラウンドの問題についても新しい手法で、新しい形で国民各位に理解が求められる、そういう政治の手法をとられると私は期待しておりました。しかし、やっておりますことは従来の政府の行政、その継承にほかならない、こんなふうに思うのでありますが、まず大臣、これについてはいかがお考えですか。
#110
○畑国務大臣 八月、細川内閣がスタートをいたしまして、短期間の中におけるこの交渉事に当たりましては、先ほど来申し上げますとおり、国会決議を踏まえてと、いわゆるその間に選択のメニューを国民の皆様方に提示をして云々ということのない姿の中での取り組みであるという意味合いにおきましては、今先生御指摘のような意味合いでの期待に沿えなかった、あるいは残念な姿というものも御指摘をいただくのも、まことに私としましてはやむを得なかったかなという反省の気持ちを込めながら、引き続き今先生が御指摘ございましたような意味合いでの要素をつくり出していく努力をやらなければならない、かような気持ちを持たさせていただいているわけでございます。
#111
○小平委員 大臣、今やむを得ないという御答弁がございました。しかし、まだ遅くはありません。まだ時間が、短い時間でありますけれども、まだ時間があります。早速あしたからやり方を変えて、総理がもっと前に出て国民に訴えて、我が国が置かれた状況がそうあるならば、なぜ真摯に訴えないのですか。このままでは農業団体、農民初め国民各層は絶対的にこの手法を容認することはできない、私はこのように考えます。まあ御答弁できないでしょう。結構です、それはもう。(「与党ですから」と呼ぶ者あり)いや、与党じゃなくて。これは答弁できないと思います。
 そこで、私は大変おくれてまいりましたが、今ほどまで党本部において中執を開いて、この問題について緊急中執で真剣な論議をしてまいりました。結論は、けしからん、まず容認するかしないかの前にもっと事実を明らかにしろ、その一点に尽きました。
 先般、今同僚議員からの前の質問でも出たと思います、骨子が出されました。しかしこれが、不透明な部分、隠された部分があるということが露呈いたしました。そして、きょう新たにこの要旨というものが出された。これも私は拝見いたしました。
 そこで、これについてお伺いいたします。
 幾つかのポイントがありますけれども、私はやはり、仮定の話として、受け入れた場合に、七年後の問題であります。そのときに、この案文では、一年前からレビューが始まる、そして我が国は交渉権を持っている。このミニマムアクセスを継承するかあるいは関税化に置きかえるか、大きな岐路に立ちます。そのときに、この文書をどこからどう眺めても、またその説明をどう聞きましても、確かに我が国には交渉権があるようでありますけれども、それはテーブルに着くというだけの話であって、結論を我が国は持ってない。相手国が拒否すればそれで一発終わり。相手国が関税化しろと言ったら、そこで合意になれば別ですけれども、交渉が壊れたら関税化しなければならない、そこのところはどのようにお答えいただけますか。
#112
○畑国務大臣 私は、ただいまの点につきましては、よくこういう例えをもってお話をさせていただいております。いわゆる関税化問題について、六年間は関税化をしない、七年目になった場合に、よく世間様が使う言葉でございますが、あらかじめそのぺーパーにあぶり出しのような要素が入っておって、七年目には関税化という文字が出てくる、そういうことはありませんと、そういう仕組みにはいたしておりません、こう申し上げておるわけであります。
#113
○小平委員 それは詭弁というか、私は到底理解ができません。それは大臣の一方的な勝手読みというか、碁で言う勝手読みであって、自分が都合のいい解釈だと思うのです。しかし、交渉というのは相手がございます。しかも、こういう文章が一たび出されてそれを合意したら、六年後の交洪においてはこういうものをもとにして交渉しなければなりません。そのときに、大臣が幾らそう言われても、それは相手国には通用しないということは、もう明々白々であります。私はそのこと杉思うときに、まことにこのドゥニー案は危険きわまりない。もしこれを我が国が受け入れれば、将来に向かって大変な禍根を残すし、まずそのときに、今までの慣例からいえば大臣かわっておられるでしょう。新しい大臣はそのときに新たな苦労がありますし、また、大臣が違うということで、幾ら行政の継続性というものがありながらもまたうまく逃げることもあるやもしれません。
 したがって、今大事なことは、今この場で所管の農水大臣がこの問題についてしっかりと説明されて、それがしかもこの文書に合致する、そうであれば我々は安心して話しに行くことができます。
 その前に、私は基本的に、どうあろうと米の自由化は反対であります。例外なき関税化もしかり、部分自由化もしかり、私は反対でありますのでも、今政府が主張しているその立場においてのサイドに立って、今私は質問しているのでありますけれども、まことにこれは危険きわまりない。
 重ねてお聞きします。大臣の希望的な観測ではなくて、このことは本当に問題ないのでしょうか、重ねてお伺いいたします。
#114
○畑国務大臣 七年目におきまして関税化に自動的に移行するということはありません。
#115
○小平委員 自動的に、交渉ありません、そういうことですか。(畑国務大臣「移行することはありません」と呼ぶ)だれもそんなことを言っているのじゃないのです。自動的に移行じゃなくて、その一年前からいわゆるレビューが始まる。そこで相手国と交渉する。そのときに、交渉が日本と相手国とで合意になれば、その合意のもとで進めていきます。しかし合意が壊れた場合は、我が国は選択肢がない。相手国が言う主張に従わざるを得ない。これが、我々がこれを見て解釈するところで
あります。私はそこのところを指摘しているので、あります。
 私は連立与党の一員でありますけれども、同じ与党の大臣に大変失礼だと思うけれども、まことに大事な問題なので繰り返してこのことをお伺いいたします。
#116
○畑国務大臣 私自身の受けとめ方は、ただいま申し上げたお答えの中に私自身は信念を持って御回答を申し上げておるわけでございます。
 しかしながら、事務方の、またより要素を踏まえたお答えをしておくことも大切と思いますから、お聞き取りを願えればありがたいと思います。
#117
○眞鍋政府委員 大臣から御答弁申し上げておりますように、五年目といいますか、六年目において七年目以降継続するか否かということを交渉するわけでございます。その場合に、無条件でそういうことができるということではなくて、いろいろと条件が書いてございます。そういう条件について交渉をして継続ができるという規定でございます。
#118
○小平委員 そういう条件を規定したものがあるなら、それを提示していただきたい。私は、これが予算委員会でしたら、時間が十分与えられておりましたらここで審議をストップさしてもらいたいぐらいです。しかし与えられた時間が短い、後の質問者も待っております。したがってとめることはできませんけれども、そう言われるのでしたら、そのことをはっきりと文章にしたもので、しかも相手がそれを認めているものを提示していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 時間が終了したというメモが来ましたので終わりますが、最後に、このドゥニー案のことによって、今、米のことはこういうことで大きな問題を抱えておりますけれども、でも、待ったなしに打撃を受けるのは酪農製品、そしてでん粉であります。これは壊滅的な打撃を受ける。このことは大臣、それでその壊滅的な打撃を与える、その決める大臣になられる。よろしいのですか、そんなことで。
#119
○畑国務大臣 私は、先ほども申し上げましたが、今回の米という限定した対応でなくして、農産物、その中には当然のことながらでん粉、そしてまた乳製品、とりわけ北海道等におけるこの問題に対する従来からの情熱を込めた御指摘、こういうものを十分に承知をいたしておるところでございます。
 さような意味合いにおきましては、ただいまの調整案の中にございましては、残念ながら関税化ということに相なるわけでございますが、そういう中にございましても、ただいま御指摘のような実態を踏まえた交渉がただいま引き続き行われておるという段階にありますことも御承知おきを願いたい。少なくとも、そのこうむる被害といいますものをいささかでも少なくしていかなければならない。そしてまた、将来に向けてのプラスの要素を何としてもつくり出す私の責任もある、かように受けとめさせていただいておるわけでございます。
#120
○小平委員 納得できませんが、時間が来ましたので終わります。
#121
○竹内委員長 藤田スミ君。
#122
○藤田委員 米輸入自由化問題についてお伺いいたします。
 私はきょう、総理、外務大臣の出席を求めて質問通告もしておりました。にもかかわらず、きょうここに出席を願えないのは大変残念であり、まず最初に強く抗議をしておきたいと思います。
 ところで、政府が発表いたしました調整案の骨子なるもの、それに対して、私どもが要求をいたしまして、ドゥニ調整案の原文の要旨というこの二つが今私の手元にあります。
 二つを見比べて、実際驚きました。この中には、例えば政府の調整案にある第三項目には、国内の食糧不足の際に輸出制限を行おうとする国は、輸入国に与える影響について配慮を払うとともに、協議、通報を行う。この文言では何の保証もないということで、承知するわけではありませんけれども、しかしこの附属書、ドゥニ調整案の原文の要旨を見ますと、これさえも全くありません。この中には少なくともありません。そして、政府が発表した調整案の骨子では、「特例措置を七年目以降も継続するか否かについては、実施期間終了一年前のレビューにおいて交渉される。」というふうにされております。
 政府の一昨日の答弁では、七年目以降は白紙だと堂々と答弁されていました。今も大臣はそういう調子で一貫させようとするわけでありますが、しかし、調整案の原文ではとてもそんなものでないじゃありませんか。交渉で特例措置の継続を合意できた場合、交渉で決定した他国が受け入れられる譲歩を追加しなければならないということになっているわけであり、追加譲歩が義務化されているわけであります。
 さらに、交渉によって他国の合意が得られなければ、つまり交渉が決裂すれば特例措置の継続は受けられず、関税化の適用を受けることになるわけであります。ミニマムアクセスでも六年目は八十万トンにも及ぶのがさらに上積みされ、百万トン、百二十万トンにもなる、そして関税化の受け入れを無条件に、避けることもできない、とんでもない内容になるわけであります。
 なぜこのような重大な事実を隠して公表されたのか。知らなかったでは済まされない内容であります。大臣、いかがですか。
#123
○畑国務大臣 ただいま御指摘の点は、最初の骨子、それで、きょう示されたものとの違い、この観点からの御指摘であったわけでございますが、その最初の骨子といいますものは、現地の遠藤大使等々がいわゆるドゥニー氏のこれからつくり上げようとする物の考え方、そういうもののそれなりのぺーパーがあったというふうに私は考えますが、そういうものをお聞きして、その中でいわゆるとり得た情報をいち早くこちらの方に流してきた、さような意味合いでは、こういった段階でおくらせるということはいたずらに誤解をも招くという要素の意味合いの中でお示しをした、完全なものではない、それをよりきょうは完全なものが出てきたというような意味合いでの御理解をいただきたいが、かように考えるわけでございます。
#124
○藤田委員 完全なものであるとかないとかいっても、追加譲歩の義務化、このことは非常に重要な問題です。私は、あなた方はそのことを知らなかったというふうにはどうしても思いたくない。あなた方はそれを知っていて、そしてあえて国民にこういう発表をしたんじゃありませんか。こんな重大な事実を知らずに事の是非を判断するというようなことがあったとしたら、これはこれで大変な問題です。
 総理は、政府がこの調整案骨子を発表した直後、これがぎりぎりの案であり、日本は応分の負担を負わざるを得ない、もはや動かしようのないようなものとして言っていたんです。その中にはこの肝心な言葉がなかったじゃありませんか。
 農水大臣、追加譲歩の義務化は米の輸入の絶えざる拡大であります。また、相手国の意向によって関税化を押しつけられるものであり、その際の関税率は、関税化を初年度から受け入れた際の関税率で受け入れろ、こういうものでありますから、とんでもありません。まさに例外なき関税化と同様の性格を持った代物であります。こんなものでも、あなたはそれを認めますか。
#125
○畑国務大臣 先ほど来申し上げますように、その骨子をもってすべてを、結論を判断するというような意味合いの総理の発言は、私は聞いていないわけでございまして、追っかけて、これに伴う正式のものが入手次第、公表をしたい、引き続き判断材料を国民の前に明らかにしていきたい、こういう話を私は受けとめながら、対処してまいったということであるわけでございます。
#126
○藤田委員 私の質問に答えてください。こんな性格のものをあなたはそれでも受け入れるおつもりなのか。米の輸入の絶えざる拡大につながるものです。それでも受けられるんですか。
#127
○畑国務大臣 私の立場におきましては、先ほど
来申し上げておりますとおり、厳しい内容であるという認識の中で、ただいま本格的な、一言一句の分析を行わさせていただいておる段階でございます。
#128
○藤田委員 分析をするまでもなく、これは読めばすぐわかる話なんです。調整案は国会決議に真っ向から反しています。三度にわたる国会決議は国内の完全自給を求めていて、その点からは当然ミニマムアクセスも認められないことは言うまでもありません。その点、調整案が最終八%ものミニマムアクセスを設定していることは国会決議に真っ向から反することは言うまでもありませんが、大臣は、その点どのように認識していらっしゃいますか。
#129
○畑国務大臣 国会決議の完全自給云々の言葉には、私は、十二分に沿ったというような言葉で受けとめることはできない、かように承知をいたしております。かなり傷がついておるというような認識をさせていただいております。
#130
○藤田委員 かなり傷どころじゃないんです。これは、本当に真っ向から反するもの、国会決議をそれこそたたきつぶしたような内容なんです。ミニマムアクセス四%、八%がどれだけの量がということは、先ほどからもお話にありましたが、四十万トンから八十万トンになる。四十万トンといえば、四国全体の米の生産量をはるかに上回るものです。大臣の御出身の大分、そして皮肉にも、細川総理の御出身の熊本、その二つを合わせて四十一万トンです。二つともつぶすんです。そういうことになるんです。まして八十万トンということになったら、全国最高の米生産県である北海道の生産量さえも上回る、そういう量になるわけであります。これだけの米が輸入され、さらに追加譲歩の義務化で一層米の輸入量が拡大し、関税化になる、関税化になることもあるという中で、これが完全自給を求めている国会決議に真っ向から反していることは、子供でもわかる話じゃありませんか。違いますか。
 今回の調整案は、六年間の四%から八%のミニマムアクセスという点だけでも、日米秘密交渉の内容と全く同様のものであり、日米秘密交渉妥結案であることを事実で証明しました。しかし、細川総理は、日米秘密交渉が明らかになって以降、一貫して秘密交渉の事実を否定してきたばかりか、国会決議を踏まえ、国内で自給するという基本方針のもとにぎりぎりの交渉をしていると、これまた事実に反する答弁に終始してきたわけであります。
 さらに、ほんの一週間前の十二月一日の我が党の同僚議員の質問に対しても、武村官房長官は、国内自給を目標に、ミニマムアクセスものまないという原則に立って交渉に当たっている、そういうふうに答弁しているんです。まさに国会を欺き、国民を欺き、二枚舌の態度に終始してきたわけであります。このような、国会と国民を欺き通したその態度、これに対して大臣はどう責任をとるおつもりですか。
#131
○畑国務大臣 ただいま藤田先生の御意見は御意見として拝聴をさせていただきます。
 私どもにおきましては、いわゆる本格的な調整案が出てきた、ただいま。さような意味合いでの、各分野の検討を加えさせていただいておる、こういう段階でございます。
#132
○藤田委員 はっきり言ってください。結局、日米秘密交渉の合意の内容と全く一緒でしょう。違いますか。はっきり言ってください。それとも、そこのところはあくまでもごまかし続けるつもりですか。この間、十二月四日のテレビ報道でアメリカのエスピー農務長官が、日米合意があるのかという質問に対して明確にイエスと答えたんです。どうなんですか。もしそうでないと言うなら、大臣はエスピー農務長官と公開で対決されたらどうですか。これは国民にとって我慢のならないことなんです。明確にお答えください。
#133
○畑国務大臣 従来から申し上げておりますとおり、いわゆる日米合意というものは存在をしない、そういう中にございまして、まとめ役としてのガット・サザーランド事務局長のもとにかかるドゥニー議長の調停案が今日示された、こういう段階でございます。
#134
○藤田委員 全くいつまでも国会と国民をそんなふうに欺き続けられると思ったら大間違いですよ。国民は、それこそ命の大もとである米の問題だけについては絶対にだまされない、そういう思いをいっぱい持っています。今回の調整案が受け入れられたならば、乳製品、でん粉、二十品目の農産物が関税化の対象になって、日本の肉牛農家も、あるいはまた酪農家も、畑作物も壊滅的な状況になることは明らかであります。もちろん水もそうです。ことしの凶作で、それこそ本当に一家心中でもしてしまいたいという農家にとって一層のむちを加えるようなものじゃありませんか。こんな内容のもの、日本の農業を壊滅させていくようなものは決して許すことはできません。一体、アメリカやECはどんな譲歩をしたんですか。何にもしてないじゃありませんか。アメリカやECの輸出補助金はちょっぴり手直しをしただけですし、それもまた最後の煮詰まった話じゃありません。ましてアメリカのウエーバー条項に至っては、廃止される保証がどこにあるんですか。
 そういう中で、世界一の農産物輸入国である日本が、どうして今度は世界一の米の輸入国になって、そして何もかも譲り、明け渡さなければならないんですか。ガットというのは、もともと各国の経済主権を前提に紛争を処理する組織でもあります。どんな国でも、一国の食糧政策をみずから決める権利を持っています。国民の主食、米をどうするかはまさに日本の経済主権の根本に属する問題であります。日本政府がノー、それを貫きさえすればどんな大国といえども強制できるものではありません。今まさに日本の農業の運命は、大臣、あなたにかかっています。私たちは今ここに生きています。次の世代に責任を持たなければなりません。この国が次の世代に責任を持って譲り渡すことができるかどうか、そのことが今問われているんです。もう一度大臣の明確な御答弁を求めたいと思います。
#135
○畑国務大臣 御指摘のとおり、事柄の重要性を十分認識をして、引き続き取り組んでまいります。
#136
○藤田委員 引き続き取り組むと言っても、きっぱり拒否する、そういう立場で取り組まなければ何にもなりません。私はそのことをもう一度申し上げて、質問を終わります。
#137
○竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後九時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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