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1947/07/10 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第2号
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1947/07/10 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第2号

#1
第001回国会 決算委員会 第2号
昭和二十二年七月十日(木曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 竹谷源太郎君 理事 大宮伍三郎君
   理事 島村 一郎君
      片島  港君    竹内 克巳君
      高津 正道君    辻井民之助君
      戸叶 里子君    馬越  晃君
      大上  司君    長尾 達生君
      西田 隆男君    中曽根康弘君
      岩本 信行君    冨田  照君
      水田三喜男君    齋藤  晃君
六月二日
 委員服部崎市君死去につき、その補闕として七
 月八日西田隆男君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
七月七日
 委員勝間田清一君、中崎敏君及び吉川兼光君辭
 任につき、その補闕として同月八日竹内克巳君、
 玉井祐吉君及び戸叶里子君が議長の指名で委員
 に選任された。
七月八日
 委員鈴木明良君辭任につき、その補欠として同
 日長尾達生君が議長の指名で委員に選任された。
 出席政府委員
        内 務 次 官 鈴木 幹雄君
        内 務 技 官 岩沢 忠恭君
        經濟安定本部建
        設局長     高野 與作君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 行政機構改革に關する件
    ―――――――――――――
#2
○竹山委員長 それでは開會をいたします。本日は行政機構の中で、さしあたり問題の内務省の解體の問題について、政府提案の前に、あらかじめ實情について、内務次官、それから國土局長、及び安本の建設局長、三人お出でをいただいて關係の立場で意見の交換をいたしたいと思います。初めに全般的に内務次官から御説明を願います。
#3
○鈴木政府委員 私内務次官をいたしております鈴木でございます。今般の内務省の解體問題につきまして、全般的な問題についての經過と、今後の方針につきまして、御説明申し上げまして、御了承を得たいと思います。いずれ近くこの問題は法案といたしまして、國會にも提案いたされ、皆さんの御審議を煩わすことに相なつております。委員長、ちよつと速記を止めていただきます。
#4
○竹山委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#5
○竹山委員長 速記を始めてください。
#6
○鈴木政府委員 それで建設院の機構として考えられておりますのは、先ほども申しますように、戰災復興院と國土局所管事項がこれにはいつてまいりまして、總裁を置き、この所管のもとにこの事項を處理をする。公安廳は公安廳の長官のもとにおきまして處理をするということに相なつておるのであります。
 これで今囘の解體の一應の目的は達せられるのでありますが、問題としてあとに殘つておる二、三の點があるのであります。一つは、先ほども申し上げましたが、いわゆる建設省の問題が、今囘は右のような次第でありまして、建設院ということに決定をみたのでありますが、あるいは將來におきましては、これが省としていくというようなことも、研究の餘地がある問題であるかと考えるのであります。
 さらに今般の改組におきましては、警保局の機構と申しますか、さらにその内容といたしまする警察制度の問題ということにつきましては、ただいまのところは措置をいたしておらぬのであります。これはそれぞれ關係方面におきましても現在研究中でありますし、また内務省自身といたしましても目下檢討をいたしておりますが、一應は今囘の改組にあたりましては、そのまま公安廳の方にもつてまいりまして、ここにおいて發足をいたす、かような建前にいたしておるような次第であります。さらにこれらの檢討を終りますならば、日本の警察制度全般にわたりまして、あるいは改革が加えられるのではなかろうかと豫想せられるような次第であります。
 ただいまこの機構の改革の問題につきましては、先ほども申しますように、G・H・Qの方にアプルーヴアルを得べく手續をいたしておりますが、大體内諾に近いものを得ておるのでありまして、いずれ成案を得ましたならば近く提案をいたしまして、この改革の趣旨にも鑑みまして、なるべく速やかに施行をいたしたい、かように考えておるような次第であります。以上ごく簡單でありましたが、一應の經過を申し上げ、これにつきましての御了解を得たいと思う次第であります。
#7
○竹山委員長 何か御質問なり御意見がありましたら――では引續いて、一應國土局長、建設局長見えておりますから、今お話のように問題が多少ありますから、もう少し具體的に内容にはいつて、問題になつている點等についてお二人から伺いたいと思います。國土局長。
#8
○岩沢政府委員 私は國土局長の岩澤であります。今次官から説明がありました通りに、今度の内務省の改編に伴いまして、國土局をどういうようにするかということは相當問題に相なつておるのであります。と申しますのは、この國土局竝びにいわゆる日本の各省にまたがつておる建設力を總合結集して、この敗戰後における日本の再建に邁進するということが最も時宜に適したのではないかというような聲が、前前議會から相當議題に上つておつたのでありまして、この内務省の改廢の機會においてこれを實現するのが、いい時期だというようなことも相當論議せられたのでありますが、しかしながら今度は内務省の解體のみに手を止めて、われわれが常に提唱しておる農林省の開拓關係とか、あるいは運輸省の港灣關係、また商工省の電力關係のようなものには一應は手を觸れないという根本方針に相なつたために、結局は同じ仕事をやつておる。しかも總理廳に合併せられるということになりますと、總理廳の中にある建設院、戰災復興院と、それから國土局とが一應合體して建設院という形にならざるを得ないような状態になつたのであります。しかしながら建設院の内容を檢討いたしますと、いわゆる土木が中心になつておるのでありまして、ただ理想的な建設省というのでなくても、やはり土木全體の建設の中心が今度の國土局と戰災復興院において構成せられておるのでありますから、理想的な建設省ではありませんけれども、この建設院を今すぐ建設省にしても、何ら實質上は違いはないとわれわれは考えておるのであります。そして將來これが實際の效果をあげて、ただいま申し上げたような、ほかの省の建設力をその中に包含していくというようなことも、一應は考えてよろしいのじやないかとも思つておるのであります。しかしながら閣議において建設院ということに決定になつたのでありますけれども、これは將來における建設省の第一歩を踏み出すという考え方もあるのでありますが、この際もう一歩踏み出して小さいながらもいわゆる建設の中核をなすものでありますから、それを掌理することも一應考えてよろしいのじやないかとも考えております。それから今度の建設院の内容でありますが、われわれといたしましては、少くともただいま申し上げたような土木建設の中核をなすのでありますから、戰災復興院の今の機構と、それから國土局の機構とをこの際解體して、全然白紙になりまして、そしてほんとうに能率よい機構に改變するのが最も理想的ではないかと考えておつたのでありますが、これも政府筋の意向によりまして、そういつたような内容には觸れずに現状のままにおいて兩者を合體するというような結論に相なりまして、ただ兩者が多少その仕事の内容において類似したり、あるいはまたオーヴアラツプするというような點を綜合するために、あらためて連絡調整の意味において、總務局をつくることに相なりまして、結局は現在における戰災復興院の四局と、國土局は改名いたしまして、土木局と總務局とこういうような六局の構成になることと考えております。以上申し上げたような大體の現在までの情勢でありますが、いずれ法案がこちらの方にまいりまして十分御審議に相なることと存じます。簡單でありますが、一應御報告申し上げまして御説明といたします。
#9
○竹山委員長 では建設局長。
#10
○高野政府委員 安定本部の建設局長高野であります。この問題につきまして、實は行政調査部と内務省と復興院との間で、主として話が進行しておりまして、安定本部といたしましては、實はこの内容に參畫しておらないわけであります。從いまして、私安定本部の建設局長としては、何ものも申し上げることはありません。ただいま國土局長から申し述べましたように、これから誕生しようとする建設院の内容が、やはりただ、今までのものを並べ合はしたというふうに承りましたが、この際はなるべく局を殖やさない。おのおの行政機構が段々大きくなりますので、できるだけ少い數のものにして、能率をよくしていく、人間も少くしていく。特に最近は國庫の都合によつて、事業もどうしても以前のように大きく手を擴げていくわけにいかぬ現状であると思いますので、機構もできるだけ簡素にすべきではないかと考えます。それからこれが將來建設省に發展していくのではないかといつたようなことにつきましては、ちようど私が安定本部へ參りましたとき、建設局は第四部と申しましたが、四部としての案として、建設省設置すべしという具體案を行政調査部あたりへ出していたようであります。從つて經濟安定本部の第四部として相當これを研究しまして、そういう結論に達した模樣であります。私どもといたしましては、將來、なおこれについては十分研究いたしたいと思つております。簡單でありますが、以上御説明申し上げます。
#11
○竹山委員長 なお、この際次官がお見えになつておりますから、今の御説明に關連して、地方の府縣廳の方面から、このごろ中央の出先機關が非常に多過ぎて困るという聲が盛んに出ております。今度の機構改革と關連をして、その問題についてお伺いいたします。
#12
○鈴木政府委員 最近の問題の一つとして、自治行政の發達という點からみて、私どもに了承されますもつとも大きな問題は二つあるのであります。その一つは、ただいまお話しになりましたように、國の行政機構というものが、地方に澤山できております。さうしてそれがいずれも公共團體の長である知事の權限をとつて、國家機關の手によつてこれを行う。こういうような組織體ができておるのであります。ある縣の知事さんが言つておいでになりましたが、自分の縣には十三の統制その他の國家機關がある。こういうようなお話であります。まことにさような實情でありまして、經濟關係はもちろん、勞働關係においても、また諸般の國家事務というものが、いろいろとその國の出先機關によりましてやられておる。こういうような實情に相なつておるのであります。これは今日のように非常に國民の經濟が窮迫をいたし、國家の物資の面と言わず、財政の面と言わず、非常な缺乏時代におきましては、國家的統制をしなければならぬという必然性から出た、やむを得ざる機關の分布であろうと存じておるのであります。またこの意味におきまして關係方面におきましても、あるいはその機關の設置されることを認容し、あるいはこれを慫慂するというような傾向も、必ずしもないとは言われぬと存じておるのであります。しかしながらこれが大きな意味から申しまして、地方自治の發展、いわゆる府縣という公共團體の長の權限をそれだけ奪つて、國家機關の出先機關がこれを扱うということは、地方自治體が總合的な自治行政を行うという觀點からみますと、まさに逆行であることは疑いのない事實であります。これは地方自治の發達の上から申しまして、先ほど委員長からもお話になりました大きな一つの政治上の問題でありまして、これをどう處理していくかということは、今後に課せられた大きな問題であろうと思います。私はこの問題につきましては、少くとも、今のような經濟の實情、國家の統制、國家の計畫というものが、必要な限度におきまして、必要の最小限度の國家機關ができるということはやむを得ざるところであると考えておるのであります。しかしながらこれがかりにも、この傾向を今後とも助長するようなことがありますと、あるいはさらにこれが地方自治の根幹をゆすぶるような發展をしていくというふうになりますならば、せつかくの新しい地方自治法によつての地方自治體の發達というものが全然沒却され、ますます去勢されてしまうというような結果になるのでありまして、今後こういうような國家機關が地方に濫設されるということは、嚴に戒飭をしなければならぬ。さらに既設のものにつきましても、その必要の程度を勘案いたし、檢討いたし、あるいは國家經濟の進展に鑑みまして、整理すべきものは整理していくことによりまして、一元的な地方行政が運營できるような、自治行政が高度に發展を遂げるような方途を、構すべきではなかろうかと私は存ずるのであります。
 さらにもう一つの問題として、先ほど申し上げましたのは、いわゆる地方財政と申しますか、自治財政がもう涸渇をしておる現状であります。これはとうに皆さま方にも御承知を願つておると思いますが、今日府縣等の自治體における豫算の半分以上を占めておるものは教育費であります。さらに大きな分野を占めておるものは職員の費用であります。これらが今日のインフレの傾向に對應いたしまして、職員の待遇改善はどうしてもなさなければならぬ事項でありますし、また本年から實施をみました六・三制の施行に伴う教育制度の改革は、非常に尨大な豫算を要求しておるのであります。從つてこういう面からいきまする地方財政の逼迫、これはどこの府縣、どこの市町村を通じましても、ほとんど手をあげかけておると申しましても過言ではないのであります。現に私の存じておるある公共團體等におきましては、もう俸給の支拂にすらこと欠いておるような實情が、二、三出てまいつておるのであります。この問題はもちろん大きくは國家財政の問題にも關連をいたしておりますが、さらに最近とりました經濟緊急施策の一環といたしまして、地方税に移管をされておりました料理屋、飲食店の休業というようなことに關連して、收入減を伴つておりますが、これなどとも比較考量いたしまして、非常な深刻な問題があるのであります。この財政上におきますほんとうの非常手段と申しますか、抜本的な手段がとられざる限り、地方自治というものは完全な發達を遂げることが、その根底において崩れるというような結論になるのであります。私どもといたしましても、この點は十分に事實に立脚をいたしまして、對案を考えておるのでありますが、新しい收入の途につきましては、何としても國家財政からのある程度の委讓を受けることが一つ。さらにもう一つは支出の面におきまして、でき得るものを整理する以外には途はないのでありますが、この地方財政の收入を殖やすという點につきましてはどうしても非常手段が必要であると私どもは考えまして、目下檢討をいたしておる次第であります。この地方自治體の根幹をなしまする財政の現状が、非常に憂うべきものがあるということは、常に私どもも痛心をいたしておるところであります。大體以上簡單に申し上げた次第であります。
#13
○竹山委員長 地方行政委員會の運用はどういうふうになりますか。
#14
○鈴木政府委員 これは原案でありますから、今後あるいは變更をみるかもしれませんが、ただいま原案によりまして考えておりますところは、大體三名の委員をお願いする。これは執行機關として考えております。その委員の選出方法と申しますか、これは國務大臣でありまする委員が委員長の地位を兼ねまして一人、それから一人は國會から選出をしていただく、一人は公共團體の長が選出をする、こういうような三名の選出せられました委員によつて構成をされる委員會、これが合議制になるわけでありますが、この委員會によりまして、各種の方針が決定をされるのであります。地方財政の處理の問題であるとか、あるいは地方行政の根本的の要綱であるとか、あるいはさらに選擧の事務につきましても、この運營をいたしていく。かような構想を考えておるような次第であります。またこの委員の地位というものも、少くとも次官より上の大臣級というところに處遇をもつていきまして、これに實行機關としての權威と實力をもたしていく、かように考えておるのであります。こういうような行政機構にこういう執行委員會的な色彩をもつたものが出てくるというのは、これはただいまのところでは、教育委員會に考えられておりますのと、この地方行政委員會というものが嚆矢になるかと考えておる次第であります。
#15
○竹山委員長 その國務大臣が、ほかの公安廳、それから建設院の國務大臣を兼ねるのですか。どうなりますか。
#16
○鈴木政府委員 これは事實問題としてどういうふうになりますか私よく存じませんが、ただいまのところでは、原案では建設院も公安廳も國務大臣が總裁、長官になるという建前になつておらぬのであります。ただ、總理大臣につく、こういうことになりますが、あるいはその間の連絡というような意味で、所管の國務大臣ができるというようなことも、豫想せられるところであります。ただそれが同一人が地方行政委員會の委員をお兼ねになるかどうか、これは事實問題としてどういうふうになりますか、私もよく存じないのであります。
#17
○竹山委員長 警察問題はお話のように現在はそのままということでありますが、司法警察の問題もあるようですが、この際別に伺つておくようなことはありませんか。
#18
○鈴木政府委員 警察制度の問題に關連いたしましては、二つの方向に問題があるわけであります。一つは、現在の警察制度というものは、大きくわけますと、國家警察であるという觀念に出てきておるのであります。御承知のように現在の警察制度につきましては、昨年の暮ごろから警察制度審議會ができまして、ここでいろいろと御審議を願いまして、一應の答申が出ております。この中には國家警察というものを根幹といたし、さらに自治體警察をこれにつけて、ある一定以上の人口をもつております都市にも警察權を行使し、さらにこの上に國家警察として司法警察をもつ、こういうような方針になつておりますが、これに示されておりますように、現在はこの答申案通りには行つておらなくて、國家警察として一元的に運用するというのが現在の警察制度であります。そこで問題は、これを地方警察、自治體警察としていくかどうか、國家警察と地方警察とどこで調和していくか、こういう問題が一つあるわけであります。さらにもう一つの問題は、今も委員長からお話がありましたが、いわゆる司法警察と行政警察を分離するかどうかという問題があるわけであります。この司法警察と行政警察の分離の問題につきましては、終戰後の一つの動きとして、ちようど一昨年の暮に地方制度審議會ができまして、ここで朝野の意見を集めた答申があるのであります。これによりますと、この答申は、行政警察と司法警察というものを分離をすることはできないというような結論になつたように承知をしておるのでありますが、一應國内的にはそういうような經過をたどつておりますが、この意見は今日におきましてもまだ一部に唱えられておるところであります。それでこの二つの方向に副うた意見というものが、今日未だその一致するところがないわけでありまして、それぞれ關係方面とも連絡の上に今折角研究をいたしておるというのが現状であります。
#19
○竹山委員長 地方財政の問題は、今度の殘つた方にあるように伺つておりますが、今お話のように、いろいろ根本的のむつかしい問題があるのですが、今考えられておる對策等について、何かありましたらお伺いいたします。
#20
○鈴木政府委員 實は地方財政の問題は、内務省の機構改革のときには一つの大きな問題であつたのでありまして、これは財政であるから、大藏省の國家財政の面に移管をしてしまつて、そうして一元的にやつた方がよいのじやないかというような意見と、地方自治を世話し、これを發達せしめるところの一つの機構の中にまとめていかなければ、地方自治というものは發達しないのだ、こういうような意見とが對立をしたわけであります。今囘の内務省の機構の改組の案には、この後者の方、すなわち地方自治全般としてこの地方財政を見ていかなければ、完全な世話なり發達を願うことができないというような意見に一致をいたしまして、この地方財政の機構も地方行政委員會に移る、こういうような經過をたどりまして、今日内定を見ておるわけであります。ただいまお尋ねになりました地方財政の解決方法といいますか、今日の困窮した状況を解決していくということにつきましては、實はこの問題は相當古いのでありますが、私どもの事務的方面から見ましても、正直に申しましてなかなかよい方法が見つからないというのが現状であります。姑息な方法でありますが、國家財政との調和をはかる點からいたしまして、非常的な措置というものはなかなか容易にとり得ない、この問題を解消するものは國家財政が起ち直つたときに、初めて地方財政も起ち直るということは結論的には申されると思うのであります。その間には非常によい方に少しでも解決の途を講じていくということで行かなければならぬかと思つております。そういう意味から行きますならば國家財政によりまして、非常に窮屈ではありますが、ある程度の財源が國家財政から地方財政に移るという方途を講じなければ、地方財政は伸びていかぬことは明瞭であります。もう一つは地方財政の非常な大きな負擔になつておりますところの部門を、節約、整備をしていく、こういう兩面からしなければ、どうしてもこれは確立することはできない、と同時に大いに考えなければならぬことは、何としても國家財政の基磯ができるということが、私は地方財政を確立していく上においては不可決の要件であり、必ず前提になる問題であると考えて、ただいまのところ折角研究をいたしておるのであります。
#21
○竹山委員長 建設省の問題について、技術者の言うておるように、まとめた方がよいというような考え方は一應わかるのですが、そうした方が資材の面とか、具體的に國家的に見てより以上によいのだという點が、どういう點にありますか、例示的にありましたけれども、建設省を考える場合においては、具體的にどういうものがはいるのがよいのですか。
#22
○鈴木政府委員 今までの建設行政は御存じの通り、各省ばらばらであつたために、結局セクシヨナリズムといいますか、非常に割據主議で、從つてその建設も總合的にやらないために、能率的には仕事はできていないというのが、今日までの状態であるのであります。ましてこの敗戰後におきましては、非常に國土も狹くなるし、從つてまた人口も非常に密になつてくる。こういうようなことで、今後日本を起ち上らせるためには、少くともその産業なり、あるいは經濟の基盤である建設ということについて、一日も早くやらなければならことは、常に私どもも痛心をいたしておるところであります。大體以上簡單に申し上げた次第であります。
#23
○竹山委員長 地方行政委員會の運用はどういうふうになりますか。
#24
○鈴木政府委員 これは原案でありますから、今後あるいは變更をみるかもしれませんが、ただいま原案によりまして考えておりますところは、大體三名の委員をお願いする。これは執行機關として考えております。その委員の選出方法と申しますか、これは國務大臣でありまする委員が委員長の地位を兼ねまして一人、それから一人は國會から選出をしていただく、一人は公共團體の長が選出をする、こういうような三名の選出せられました委員によつて構成をされる委員會、これが合議制になるわけでありますが、この委員會によりまして、各種の方針が決定をされるのであります。地方財政の處理の問題であるとか、あるいは地方行政の根本的の要綱であるとか、あるいはさらに選擧の事務につきましても、この運營をいたしていく。かような構想を考えておるような次第であります。またこの委員の地位というものも、少くとも次官より上の大臣級というところに處遇をもつていきまして、これに實行機關としての權威と實力をもたしていく、かように考えておるのであります。こういうような行政機構にこういう執行委員會的な色彩をもつたものが出てくるというのは、これはただいまのところでは、教育委員會に考えられておりますのと、この地方行政委員會というものが嚆矢になるかと考えておる次第であります。
#25
○竹山委員長 その國務大臣が、ほかの公安廳、それから建設院の國務大臣を兼ねるのですか。どうなりますか。
#26
○鈴木政府委員 これは事實問題としてどういうふうになりますか私よく存じませんが、ただいまのところでは、原案では建設院も公安廳も國務大臣が總裁、長官になるという建前になつておらぬのであります。ただ、總理大臣につく、こういうことになりますが、あるいはその間の連絡というような意味で、所管の國務大臣ができるというようなことも、豫想せられるところであります。ただそれが同一人が地方行政委員會の委員をお兼ねになるかどうか、これは事實問題としてどういうふうになりますか、私もよく存じないのであります。
#27
○竹山委員長 警察問題はお話のように現在はそのままということでありますが、司法警察の問題もあるようですが、この際別に伺つておくようなことはありませんか。
#28
○鈴木政府委員 警察制度の問題に關連いたしましては、二つの方向に問題があるわけであります。一つは、現在の警察制度というものは、大きくわけますと、國家警察であるという觀念に出てきておるのであります。御承知のように現在の警察制度につきましては、昨年の暮ごろから警察制度審議會ができまして、ここでいろいろと御審議を願いまして、一應の答申が出ております。この中には國家警察というものを根幹といたし、さらに自治體警察をこれにつけて、ある一定以上の人口をもつております都市にも警察權を行使し、さらにこの上に國家警察として司法警察をもつ、こういうような方針になつておりますが、これに示されておりますように、現在はこの答申案通りには行つておらなくて、國家警察として一元的に運用するというのが現在の警察制度であります。そこで問題は、これを地方警察、自治體警察としていくかどうか、國家警察と地方警察とどこで調和していくか、こういう問題が一つあるわけであります。さらにもう一つの問題は、今も委員長からお話がありましたが、いわゆる司法警察と行政警察を分離するかどうかという問題があるわけであります。この司法警察と行政警察の分離の問題につきましては、終戰後の一つの動きとして、ちようど一昨年の暮に地方制度審議會ができまして、ここで朝野の意見を集めた答申があるのであります。これによりますと、この答申は、行政警察と司法警察というものを分離をすることはできないというような結論になつたように承知をしておるのでありますが、一應國内的にはそういうような經過をたどつておりますが、この意見は今日におきましてもまだ一部に唱えられておるところであります。それでこの二つの方向に副うた意見というものが、今日未だその一致するところがないわけでありまして、それぞれ關係方面とも連絡の上に今折角研究をいたしておるというのが現状であります。
#29
○竹山委員長 地方財政の問題は、今度の殘つた方にあるように伺つておりますが、今お話のように、いろいろ根本的のむつかしい問題があるのですが、今考えられておる對策等について、何かありましたらお伺いいたします。
#30
○鈴木政府委員 實は地方財政の問題は、内務省の機構改革のときには一つの大きな問題であつたのでありまして、これは財政であるから、大藏省の國家財政の面に移管をしてしまつて、そうして一元的にやつた方がよいのじやないかというような意見と、地方自治を世話し、これを發達せしめるところの一つの機構の中にまとめていかなければ、地方自治というものは發達しないのだ、こういうような意見とが對立をしたわけであります。今囘の内務省の機構の改組の案には、この後者の方、すなわち地方自治全般としてこの地方財政を見ていかなければ、完全な世話なり發達を願うことができないというような意見に一致をいたしまして、この地方財政の機構も地方行政委員會に移る、こういうような經過をたどりまして、今日内定を見ておるわけであります。ただいまお尋ねになりました地方財政の解決方法といいますか、今日の困窮した状況を解決していくということにつきましては、實はこの問題は相當古いのでありますが、私どもの事務的方面から見ましても、正直に申しましてなかなかよい方法が見つからないというのが現状であります。姑息な方法でありますが、國家財政との調和をはかる點からいたしまして、非常的な措置というものはなかなか容易にとり得ない、この問題を解消するものは國家財政が起ち直つたときに、初めて地方財政も起ち直るということは結論的には申されると思うのであります。その間には非常によい方に少しでも解決の途を講じていくということで行かなければならぬかと思つております。そういう意味から行きますならば國家財政によりまして、非常に窮屈ではありますが、ある程度の財源が國家財政から地方財政に移るという方途を講じなければ、地方財政は伸びていかぬことは明瞭であります。もう一つは地方財政の非常な大きな負擔になつておりますところの部門を、節約、整備をしていく、こういう兩面からしなければ、どうしてもこれは確立することはできない、と同時に大いに考えなければならぬことは、何としても國家財政の基磯ができるということが、私は地方財政を確立していく上においては不可決の要件であり、必ず前提になる問題であると考えて、ただいまのところ折角研究をいたしておるのであります。
#31
○竹山委員長 建設省の問題について、技術者の言うておるように、まとめた方がよいというような考え方は一應わかるのですが、そうした方が資材の面とか、具體的に國家的に見てより以上によいのだという點が、どういう點にありますか、例示的にありましたけれども、建設省を考える場合においては、具體的にどういうものがはいるのがよいのですか。
#32
○鈴木政府委員 今までの建設行政は御存じの通り、各省ばらばらであつたために、結局セクシヨナリズムといいますか、非常に割據主議で、從つてその建設も總合的にやらないために、能率的には仕事はできていないというのが、今日までの状態であるのであります。ましてこの敗戰後におきましては、非常に國土も狹くなるし、從つてまた人口も非常に密になつてくる。こういうようなことで、今後日本を起ち上らせるためには、少くともその産業なり、あるいは經濟の基盤である建設ということについて、一日も早くやらなければならして、非常に低いということが實情でありまして、その最低限を維持していくというような建前から、全國的にあまり地域差――差はありまするが、あまり大きな差をつけられておらぬというような實情であると思います。これも將來の問題といたしましては、一面におきまして、その各公共團體の財政という問題もありますし、一面におきましてはその地方ごとにおける生活費の實體の相違、こういうような點も参酌をいたしました給與の基準が、できなければならぬと考えておる次第でございます。現在におきましては、地方の公共團體の職員の費用などは待遇改善待遇改善できておりまして、もうほとんど、殊に市町村なんかにおきましては負擔能力がないのでございますね。九割以上の補助、全額補助ということにならぬと手も足も出ぬ。こういうようなところに行つてしまつたようでございます。
#33
○竹谷委員 それからもう一つ、今のように、町村が九割までも人件費にとられて、何らその他の自治行政の仕事ができない。また府縣にあつても、經濟界の實情から、府縣の財政も容易でない。そうして相變らず現在の分與税制度によつていて、中央集權的な權力に財政的に縛られるということでは、府縣の自治というようなものの完璧は期せられない。そうなつてくると、府縣の區域を擴大して、少くとも人口三、四百萬以上に大きくして、實力も經濟力も大きなものにして、眞に經濟的に自主權の確立した自治體をつくるのでなければ、地方自治法は紙の上のものだけであつて、實質的な力のある自治體というものはできないと思うのであります。これは國土計畫的な國土再編成の見地からも、府縣、市町村の行政區域、あるいは自治團體としての範圍というようなものを考えてみなければならぬと思うのでありますが、これに關して何か内務省で考えられることがありましようか。
#34
○鈴木政府委員 ただいまの竹谷さんの御意見は、確かに一つの方向を示しておる考え方だと存じます。御承知のように、ただいまのところ内務省といたしましましては抜本的に府縣を統合するとか、あるいは市町村の區域を擴大していくとかいうようなことについて、確たる方針を立てたわけではないのであります。こういうような地方財政の現状なり、また新しい自治體の今後の發展に鑑みましては、いろいろな點を勘案しなければならぬと思います。ただいまの竹谷さんの意見は、一つの方向を示すものとして、私どもとして研究をいたしたいと思いますが、ただいまのところこれに對する具體案をもち合わせておりません。
#35
○大宮委員 ちよつと速記をやめていただきたい。
    〔速記中止〕
#36
○竹山委員長 それでは本日はこれにて散會いたします。
   午前十一時五十二分散會
ソース: 国立国会図書館
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