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1993/08/26 第127回国会 参議院 参議院会議録情報 第127回国会 本会議 第5号
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1993/08/26 第127回国会 参議院

参議院会議録情報 第127回国会 本会議 第5号

#1
第127回国会 本会議 第5号
平成五年八月二十六日(木曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程第五号
  平成五年八月二十六日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#2
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る二十三日の国務大臣の演説に対し、これより質疑を許します。斎藤十朗君。
   〔斎藤十朗君登壇、拍手〕
#3
○斎藤十朗君 私は、自由民主党を代表して、さきの細川総理所信表明演説に対し、当面の重要課題について総理ほか関係大臣に若干の質問を行います。
 今回新しく誕生いたしました細川連立内閣の門出に対し、まず心から祝意を表するものであります。内外ともに多難な折ではありますが、どうか国民皆さんの期待にこたえていただきたいと存じております。
 さて、我が党は、過ぐる総選挙において過半数を割りました。我々は、国民の審判にあらわれました結果を厳しく受けとめ、出直し的党改革を進め、国民の信頼回復に努めてまいる所存であります。
 今回の連立政権誕生は、長く続いた自民党政権が交代し、政治の新しい場面転回がなされたということで高い支持率を得ておられます。
 しかし一方、連立政権内における政策の不一致というものが、政権の不安定さとして国民は大きな危惧の念を抱いていることも事実であります。これまでの自民党がとってきた政策の基本は継承するということで安心感を与えようとしておりますが、連立各党の政策には、憲法と自衛隊、日米安保条約、PKOへの対応、対朝鮮半島政策、原子力エネルギー政策、消費税等、数多くの相違点を持っているのであります。
 本来、選挙の前に一つの政党を結成し、統一した政策を示して選挙に臨み、国民の支持を得て政権を担当するのが憲政の常道ではないでしょうか。
 世界に類例を見ない数多くの政党による連立ということも一層前途を不透明にしているのではないでしょうか。七党連立を指して、七色のにじは美しいが消えるのも早いとか、八人のムカデ競走は倒れるのも早いなどと言う人がいるのも、八党会派による政策合意というものが、意見の異なる各党派の基本政策を棚上げして、理念も政策もない無責任な連立政権であると批判されてもやむを得ないところにあるのではないでしょうか。
 こうした細川連立政権の性格をどう位置づけるのか、その政治的意味は何か。また、党固有の政策を棚上げすることについて国民にどう説明されるのか、まず細川総理の所見をお伺いいたしたいのであります。
 所信表明演説をお聞きしますと、総花的に作文がつなぎ合わされているだけのように感じ、抽象的で具体的政策はほとんど見当たらない、まことに期待外れのものであります。
 以下、具体的事項について質問いたしますので、具体的かつ明確に御答弁願いたいと存じます。
 連立政権各党派の唯一共通の接着剤は、政治改革ということだと私は理解いたしております。
 そこで、まず政治改革からお尋ねしてまいります。
 政府は、政権の性格をみずから政治改革政権と規定され、「本年中に政治改革を断行することを私の内閣の最初の、そして最優先の課題とさせていただきます。」と述べられました。また、総理は記者会見において、実現できなかったときには政治責任をとることを明確に認められました。本議場におきましても確認の答弁を賜りたいと存じます。
 衆議院の選挙制度改革については、小選挙区比例代表並立制で合意されておりますが、その内容の細目についてはいまだ明確になっておりません。九月上旬に臨時国会を召集、法案として提出されるとおっしゃっておられますので、その内容の論議は臨時国会に譲りたいと存じますが、参議院の選挙制度との関連でただしておきたいと存じます。
 参議院は現在、都道府県を単位とする地域の代表たる選挙区選挙と職能、職域を代表する有識者を選出するための比例代表制から成っております。衆議院で導入されようとしている並立制は、小選挙区制による民意の偏力を是正、補完する比例代表制であり、重複立候補を認めることからいえば、小選挙区の落選者の救済を現実には意味しているものであり、理念が全く違うものでありますが、形式的には現行の参議院選挙と似た制度となります。
 我々は、衆議院が抜本的に改革された場合、二院制下における参議院の選挙制度はどうあるべきか、既に勉強を積み重ねてまいりましたが、いよいよ具体的かつ早急に結論を得るべく参議院自民党内に検討委員会を発足させたところであります。
 そこで申し上げておかなければならないのは、衆議院における並立制の内容について詰めておられるでございましょうが、二票制と比例代表区の単位を全国とする組み合わせについては容認することができません。参議院は与野党を問わず共通の気持ちであろうことを申し上げておきます。
 国会は二院制であり、衆参の選挙制度はワンパッケージで改革すべきとの意見がありますが、どうお考えになりますか。また、十三年間参議院に籍を置かれた総理として、参議院の選挙制度はどうあるべきか、具体的お考えをお聞かせ願いたいと存じます。
 次に、政治資金規制についてお尋ねいたします。保政治と金の問題を解決するためには、政治資金の透明性を確保することが最も基本的な要請であります。その中で、企業・団体による献金の扱いはまさに中心課題であります。企業・団体献金は政党を中心とし、政治家の資金団体は個人献金を中心とし、国民各位の御理解を得て公的な助成を導入することも必要と考え、我が自民党は、個人による献金、政党中心の政治資金、加えて公的助成という三本立ての改革方針により、さきの国会に改正案を提出したのであります。
 ここで、連立政権与党を拝見しますと、自民党から離党して新党をつくった皆さんと、社公民の旧野党の皆さんに大別できると存じます。私の質問をわかりやすくするため、以後あえて旧自民党の皆さん、旧野党め皆さんと呼ばせていただきますので、御理解いただきたいと存じます。
 旧自民党の皆さんは、今申し上げた自民党の考え方と同じでありましょう。しかし、旧野党の皆さんは、企業・団体献金の即時全面禁止を公約として選挙を戦ってこられました。与党内で検討中との御答弁になりましょうが、私は多分一部残すことになるのだろうと思いますが、一カ月前の公約との関係をどう調整、説明されるのですか。総理及び山花政治改革担当相にお伺いいたします。
 また、徹底した政治の腐敗防止のための連座制の拡大や罰則の強化を図るとしていますが、どのような方策をとろうとするのか明確ではありません。前回、与野党協議機関において合意された、いわゆる二十一項目の改正が実現したところでありますが、これに何を加えようと考えておられますか。政治改革担当相より具体的内容について御答弁願います。
 政治腐敗の防止は、究極、我々政治に携わる者が政治倫理を確立して、国民の負託にこたえる責任ある政治を実現することによって初めて実現できるものと確信いたします。その点、我が党に必ずしも自浄作用能力が十分でなかったことを率直に反省もいたしております。
 細川内閣は清新な内閣と評価を得ておりますが、今後万が一内閣に、また与党内に疑惑や事件が起きた場合どのように対処されるか、この際、総理の方針をお聞きいたしておきます。
 次いで、国会改革についてもお伺いいたします。
 細川政権の合意の第一段階となりましたのが、さきがけ日本新党の政治改革政権の提唱に合意されたことでありました。その合意項目の中で二点お伺いいたします。
 まず、政府委員制度の廃止の問題であります。私は、国会審議をスムーズに行うためには政府委員制度は必要なものと思っておりますが、与党内で合意している以上、今国会は解散後の特別国会という性格上、これまで政府委員の届け出はないようでありますが、自後の臨時国会以降においても政府委員の届け出はされないものと存じますが、総理にしかと確認しておきたいと思います。
 いま一つは、押しボタン投票の導入であります。この問題は、昭和六十一年に参議院改革協議会の場では基本了解されながら、いまだ実現を見ておりません。私たちは、国民の皆さんから強い御批判を受けた昨年のPKO国会の牛歩戦術の反省の上に立って、現在、参議院改革協議会で押しボタン投票の早期実現を提起しておりますが、残念ながら進んでおりません。社会党の皆さんに賛成いただければすぐ実現できるように思います。社会党委員長であり政治改革担当相であります山花大臣より、この合意を踏まえて積極的御賛同の御答弁を賜りたいと存じます。
 また、連立内閣の誕生を受けて、新しく与党となられた本院同僚議員より大臣、政務次官につかれた各位に対し、お喜びを申し上げますとともに、その御活躍を期待いたしております。
 私は、現実、衆参をまたがった政党が与党である以上、与党として応分の責任を果たす意味からも、参議院から内閣に参画されるのはよいことだと思っておりますが、社会党、公明党、日本新党の参議院改革案には、大臣、政務次官の就任は自粛するとなっております。言行不一致でありますが、総理はどう説明されるのか、お伺いいたしたいのであります。
 次に、細川連立内閣の外交、内政について質問いたします。
 まず、外交政策についてであります。
 細川総理は十分御承知のことと思いますが、およそ一国の基本にかかわる外交政策は、その他の基本政策と同じく、一つの顔、一つの言葉によって明快に語られなければなりません。決してファジーであってはならないのであります。もし我が国の外交政策があいまいであったり、不統一の印象を与えたりすることがあれば、そのことは直ちに国際的な信用の失墜、予期せざる誤解などを招き、我が国の対外イメージを著しく損なうだけでなく、場合によっては国の命運さえ左右しかねないことになるからであります。政治指導者が国を誤るのは、国民受けをねらってパフォーマンスをやるときに多いという言葉を肝に銘じなければなりません。
 私は、総理は当然このような認識を持って事に臨まれると確信するものでありますが、まずお聞きしたいことは、この連立政権において目指すべき日本の国家像はどのようなものであるのか、その実現に向けてどのような外交政策を進めようとされるのか、基本姿勢を国民にはっきりと改めて示していただきたいのであります。
 細川政権は、外交、防衛、経済、エネルギー政策などの基本重要政策についてはこれまでの国の政策を継承すると述べておられます。つまり、私ども自民党内閣が三十八年間かけて築き上げてきた政策を引き継ぐと表明しておられます。これまで我が党が構築してきた政策が今日の我が国の安定と繁栄をもたらし、世界の平和と安全に多大の貢献をしてきたこと、そして何よりも国民の幅広い支持をから得てきたことを考えれば、継承されるのは至極当然のことであります。むしろ継承せざるを得ないということを率直に認めるべきでさえあります。私は、そのことに自民党の一員として強い誇りさえ感ずるのであります。
 次に、我が国の外交の基本にかかわる事項について具体的に質問いたします。
 まず、戦争への反省についてであります。
 所信表明で述べられたように、「多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことに改めて深い反省とおわびの気持ちを申し述べる」ことにつきましては、自民党の歴代総理もほぼ同様の認識を繰り返して述べておられることでもあり、私も賛成であります。
 私は、今後我が国がアジア・太平洋地域の諸国との関係増進を図り、かたい友好信頼関係に基づく外交を推進するためにも必要なことと考えます。しかし、そうした歴史の教訓を日本国民の日々の行動にいかに生かしていくかがより重要なことだと思うのであります。ただ、国会決議をするあるいは政府声明を出すということでけじめがつく問題ではないはずであります。
 細川内閣には、現時点で戦争責任問題を提起され、けじめをつけようとされる意味、また、具体的にどのような措置を講じようとされるのか、御説明願いたいと存じます。
 一兆円から二兆円規模のアジア・太平洋基金の構想が報道されておりますが、その内容についても御説明願います。
 また、細川総理がさきの大戦は侵略戦争であったと極めて断定的に述べられたことに対して各方面に大きな波紋を呼んでおります。この問題は基本的には後世の歴史家の判断にまつべきものと考えますし、さきの大戦は各方面での戦い、さまざまな側面を持った戦いであり、全体を一言で侵略と言いあらわすことは史実を見誤ることにもなりかねません。
 いずれにしても、内閣総理大臣が侵略と断言したことは、解決済み、未解決の問題を新しく惹起することを憂慮いたしますし、国家権力により赤紙一枚で召集された戦争犠牲者やその御遺族等の心情をもっと酌むべきであると思いますが、何か御所見があれば承りたいと存じます。
 次に、国際貢献のあり方、特にPKOについてでありますが、その前提として、憲法と自衛隊の関係をどのように認識されるのかお聞きいたします。
 細川総理を支える連立与党の間では、自衛隊を全面的に合憲とする党派から、専守防衛の範囲内で合憲とする党派、憲法の条文に照らして全く疑義がないとは言えないとする党派、そして、現在の自衛隊は違憲状態であるとする党派があると考えます。まさにばらばらの状態であります。細川内閣としての一致した見解はいずれにあるのか、国民にわかりやすく明快な答弁を求めます。
 国際貢献そのものについても全く同様のことが言えるのであります。細川総理は、記者会見でPKO参加五原則に基づいて協力を進めていくと述べておられますし、内閣として既に盛立し施行されているPKO協力法を遵守し、これを誠実に執付すべきは当然のことでありますが、社会党、民主改革連の皆さんのあの牛歩戦術、まさに体を張っての反対、一年前のこの議場であります。あれは何だったのか、政治ってそんなものでいいのだろうかということを思うのであります。
 私がきょうお聞きしたいのは、いわゆる別組織の問題であります。
 昨年、私たちは、PKO法審議の際、別組織について修正すべく当時の連合参議院の皆さんと詰めた話し合いをしましたが、なかなか具体化できませんでした。別組織とい三言葉だけが先行してしまうように思います。与党各党には別組織論があるように承っており、日本新党も別組織を提唱していますが、細川総理より別組織の具体案を例示で結構ですからお聞かせいただきたい。また、中西防衛庁長官から、いわゆる別組織論について賛成であるか、御答弁を賜りたいと存じます。
 次に、日米関係についてお尋ねいたします。
 細川総理が、日米関係は我が国外交の基軸であるとされ、日米安保条約の継承を表明されたことに安心いたしております。
 そこで、総理にお伺いしたいのでありますが、総理は今後、日米安保条約を基軸として中長期的に日米関係をどのような方向に持っていかれるつもりか、お考えをお示し願いたいのであります。
 また、さきにクリントン大統領が来日の際に明らかにされた新太平洋共同体構想に対する御見解、さらにASEAN外相会議で創設されたASEAN地域フォーラムを含め、アジア・太平洋地域の安全保障システムの構築に向けてどのような外交努力をされていくつもりか、御見解を伺っておきます。
 ところで、現在、日米間の最大の緊急課題は経済問題であります。アメリカは我が国に対して、黒字減らしと市場開放への具体的行動を迫っております。新しい駐日大使に就任されたモンデール元副大統領も、日米経済摩擦が続けば日米同盟関係への両国国民の支持を弱めることになると強い調子で警鐘を鳴らしたと伝えられるのであります。今後、日米間では、九月以降、新経済協議を皮切りにして黒字の減らない我が国にアメリカがいら立ちを表明してくることは確実であります。
 細川内閣が打ち出した生活者重視の経済運営がもはやスローガンの段階ではなく、具体策をいかに実行するかが求められていると言えるのであります。最近の急速な円高もそれを催促しているように思うのでありますが、この日米最大の課題に総理はどう取り組み、解決を目指すのか、具体的にお答え願いたいと存じます。
 次に、日ロ関係について簡潔にお尋ねいたします。
 ロシアのエリツィン大統領訪日はこの秋に実現するのでしょうか。その際、当然に領土問題が話し合われることと思いますが、細川内閣において、我が国国民の悲願である北方領土の返還要求は四島一括返還であると理解してよいのか。また、我が自民党は領土問題を解決して平和条約を締結することを方針としているわけでありますが、総理もこれと同じ方針で交渉に臨まれると承知してよいのか。さらに、政経不可分、拡大均衡の原則を堅持し、対日支援はこの原則にのっとって行われるものと理解してよいのか。総理の答弁を求めたいと存じます。
 次に、国連外交についてお尋ねいたします。
 総理は、九月の国連総会に出席する意向のようでありますが、今や冷戦終結後の世界で重要な機能を発揮している国連にいかなる役割を期待し、我が国としてこれにどう寄与していくつもりなのか。総理が国連総会で訴えようとされるビジョンとあわせ、明らかにしていただきたいと存じます。
 現在、国連は、戦後五十年近くを経て安全保障理事会の改組問題を含め、新しい時代に合った機構へと改革することが求められております。そうした改革と国連強化のため積極的に寄与していくと総理は述べておられます。
 私は、我が国が平和な世界を築くため汗を流していくことにより、国連においてより一層重い責任を果たしていく決意を新たにすべきであると思います。そのためには、我が国が安全保障理事会の常任理事国になり、国際政治をリードする役割を進んで担う覚悟が必要であると思うのでありますが、連立内閣の各党はいずれも我が国の常任理事国入りに否定的もしくは慎重であります。しかし、我が国は常任理事国入りの希望をはっきりと表明し、憲法の範囲内で国際的責任を果たす用意のあることを自信を持って訴えるべきであると思います。総理のお考えを承ります。
 次に、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおける米問題について伺います。
 このラウンドは、世界の自由貿易体制の中で新しい効果的な国際ルールの確立を目指した交渉であります。七年越しの長い時間を要しており、依然として合意に至る状況ではありません。私が気がかりなのは、遅々として進まない原因は日本が米の輸入を自由化しないからだという見方があることであります。
 しかしながら、ラウンドの農業問題の中には、もちろん我が国の米もありますが、アメリカにはウエーバーによって守られた農産物があり、ECには輸入課徴金の問題があって、各国とも自国の利益を主張し、ぶつかり合っている状況ではありませんか。
 さらに、農業問題のみならず、この交渉では知的所有権であるとかサービスといった新しい分野で、いまだ解決されない困難な交渉が続いているのであります。我が国が米について譲歩すれば、今すぐにでもラウンドがまとまるといった誤った見方は断じて容認できません。
 いよいよこの秋から本格的交渉が始まります。もとより、自由貿易体制のもとで最もその恩恵を受けてきた我が国でありますから、交渉の妥結に向けて精いっぱいの努力をしなければなりません。すなわち、米は関税化の例外とし、かつ、全体の合意を形成していく努力であります。五月の宮澤・クリントン会談でその道は開けたと私は認識しております。
 畑農水大臣は記者会見で、最終合意案をより改善された形にすることによってラウンド成功につなげたいと発言されております。高く評価したいと思います。しかし、日本新党は一粒たりともの対応を排し、国際的に公正なルールをとおっしゃっており、新生党は関税化受け入れに柔軟とも伝えられております。心配であります。連立内閣をつくるためだけに例外なき関税化に反対をうたわれたのでしょうか。
 総理、この際、この本会議場から国民に対しはっきりと宣言していただきたい。米の輸入自由化につながる関税化は絶対阻止すると。国民の皆さんを安心させてくださるよう明快な答弁を賜りたいと存じます。
 次に、内政について質問いたします。
 この夏、我が国は北海道南西沖地震、南九州を中心とした記録的な集中豪雨により、かつてない大きな災害をこうむりました。これらの災害によりとうとい命を失われた方々やその御遺族に対し、ここに深く哀悼の意を表しますとともに、被災された地域の方々に心からお見舞い申し上げます。
 前内閣の宮澤総理も早速現地を視察され、我が党もそれぞれの地域に対する災害対策本部を設置、いち早く党調査議員団を現地へ派遣、被害実態の把握に努めるとともに、万全の対策を期するため、被災者の救済、被災施設の早期復旧、天災融資法による資金の融資等、強力な災害対策を政府に要請してまいりました。
 新政府として、我が党の申し入れを受けて今回のたび重なった災害にどう対処されたのか、また今後の対応について伺いたいと思います。
 さらに、冷夏と農作物被害の問題についてであります。
 今回の異常気象に伴う冷夏は、国民生活や経済に大きな影響を及ぼしております。既に野菜の値段は異常に上がり、夏物衣料やエアコンなど家電製品の売れ行きが落ち込むなど、冷夏の影響が出ております。また、長雨と日照不足が稲作を含む農作物に深刻な被害を与えることも予想されます。こうした異常気象は混迷する景気の状況を一層深刻なものにしております。これらについても政府の早急な対策を求めるものであります。
 我が党は、これまで景気対策には適時適切に対処してまいったと自負しております。二カ年連続でおのおの史上最大の総合経済対策を打ち出したのを初め、五回にわたる公定歩合の引き下げ等、周知のとおりであります。これらにより、六月にはようやく景気底入れを見、先行きにやや明るさを感じ始めたと言われたのでありますが、その後の解散総選挙等、政局の混迷、加えて、先ほど申し上げた災害、冷夏、長雨、まことに深刻な状況に逆戻りしてしまったと認識しております。
 景気問題にさらに追い打ちをかけているのが円高であります。
 現在の日本の経済状況で円レートはどのくらいが適当と総理は考えておられるか、まずお聞きいたします。
 私は、一ドル百円を切るという事態になれば、日本の産業経済の死活問題と言っても過言ではないと考えます。報道で見る限り、政府は全く放任の姿勢であります。米国は細川首相が記者会見で否定的見解を示した景気対策、所得税減税といった内需拡大、黒字減らしのための政策への不満が引き金であると報じております。何か手を打たれますか。
 円高には規制緩和で対応とのことでございますが、今日青息吐息で苦しんでいる円高被害の産業や中小企業にそれは即効性がありますか。将来の円高対策ならともかく、差し迫った対策にはならないと思いますが、御答弁願います。
 規制緩和と言われますが、現実には大変難しい問題と思います。やるべきことはやってきた、これ以上は難しいというのが関係者の率直な気持ちではないでしょうか。中身こそ問題であります。具体的にどのような項目を念頭に置いておられますか、お伺いいたします。
 関連して熊谷通産大臣にお伺いいたします。
 通産大臣は、就任以来、日本市場は閉鎖的だと述べておられます。また、大企業の談合体質はすさまじいものがあると述べておられます。この場合、談合体質とは建設業以外のことを指していると思いますが、この二点についてそれぞれどのような現実があるのか、具体的にお教え願いたいと存じます。
 また、円高差益の還元への対処であります。電気、ガス等公益事業は、前内閣が進めてまいりましたように、その方向に動き出しているようでありますが、輸入品等の価格の引き下げという問題があります。私たちもこれまで取り組んでまいりましたが、流通システムの改善、規制緩和寺難しい問題もありますが、この際、内外価格差解消ということを含めて新しい取り組みをされたらいかがでしょうか。通産大臣にお伺いいたします。
 また、円高に苦しむ産業への対策は全く述べられておりません。対策を講じないでもよろしいのでしょうか、通産大臣にお伺いいたします。
 総理は、景気対策について、四月に決定した自民党内閣の総合経済対策の実施に万全を期し、規制緩和と円高差益の還元で対応すると述べておられますが、これでは新味もなく、不十分であり、即効性にも欠けており、事態の認識が全く甘いと思います。何といっても、金融、財政、税制の出動による迫力ある総合対策が必要であります。いかがお考えでしょうか。
 また、その場合、次の臨時国会に補正予算などの提出をされるのかどうか、お伺いいたします。
 次に、景気対策として所得税減税を実行されるか否かであります。
 旧野党の皆さんは、総選挙で所得税減税を公的として掲げられました。また、昨年来の国会論議、特に本年度本予算の衆参両院での予算審議では、赤字国債引き当ての減税実施という無理難題を自民党政府にぶつけてきたことをよもやお忘れではないでしょう。連立政権が発足すると手のひらを返すように押し黙ったり、政権についてみると赤字国債発行は言いにくいなどと、同じ政党とは思えないことを平気で発言することは許されないのではないでしょうか。これを実行するのが責任ある変革なのでしょう。うそつきと言われないよう、旧野党の皆さんが多数を占める連立政権としてやるのかやらないのか、総理から明確に御答弁願いたいと存じます。
 次に、税制の抜本改革について伺います。
 我が国税制は、所得・消費・資産の間にバランスのとれた税制を目標に昭和六十三年に実施した抜本改革以来数年がたち、さまざまな点で見直しの必要が生じております。特に、年収一千万円前後の中堅所得者層に重税感が広がっており、直間比率の見直しを含めた新しい税体系をどう再構築するのか、二十一世紀を前にして大きな課題に直面しております。細川政権のもとでの改革を強調されておりますが、しかし改革の具体的内容となりますと全く明らかになっておりません。総理、抜本改革を実施する内容、そしてその時期についてお聞かせ願います。
 また、その場合、年金等の社会保険負担についても総合的に改革されようとするのですか、あわせてお聞かせください。
 藤井大蔵大臣は、就任以来、景気対策における所得税減税の財源としての消費税率引き上げと、抜本税制改革の中における消費税率引き上げと、発言にぶれがあるように思います。本来、大蔵大臣に御答弁願うところでありますが、答弁大臣は五人というルールがありますので、ここで、まことに恐縮でありますけれども、整理して総理より明確に御答弁願いたいと思います。
 社会保険負担に関連して年金問題についてお伺いいたします。それは被用者年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げる問題であります。
 我々自民党政府は、平成元年にこのための法案を提出いたしましたが、旧野党の皆さんの強い反対に遭い、この点については成立しませんでした。私は、二十一世紀のピーク時においても揺るぎない年金制度を維持していくためにも、また、六十歳を過ぎても楽しく適度に働いていただけるような前向きの意味でも、緩和措置を加えつつ引き上げを行っていくべきと思います。シルバー雇用対策も進んでまいりました今日、来年の財政再計算期には再び法案を提出すべきと考えますが、大内厚生大臣のお考えを承りたいと存じます。
 関連して、来年春予定されます社会保険診療報酬の改定でありますが、財政の厳しい状況ではありますが、現下の医療を取り巻く状況を考えるとかなり大幅な引き上げが必要であります。その場合、社会保険の担当すべき分野の抜本的見直しを行いつつ対処すべきと考えますが、厚生大臣の所見をお伺いいたします。
 次いで、原子爆弾被爆者援護法案についてお伺いいたします。
 私たち自民党政府は、現行のいわゆる原爆二法により対応することがよいとして反対をしてまいりましたが、旧野党の皆さんの大変な意気込みでこれまで二度にわたり本院で可決いたしましたが、両院ねじれ現象の中で成立しませんでした。両院で旧野党の皆さんが多数を占める連立政権として、今度は政府提出として原爆援護法案を提出されることは当然と思いますが、厚生大臣はどのように取り扱われるか、お伺いいたします。
 私がこの質問をいたしましたのは、原爆援護法案は代表的な例でありまして、これまで旧野党の皆さんが強力かつ熱心に取り組んでこられ、我々がにわかに賛成しがたい法案がありました。すなわち、情報公開法、製造物責任法、ODA基本法等であります。旧野党の皆さんが多数の連立政権として政府立法としてどう取り組むのか。野党であったので無責任に取り上げていたというそしりを受けてはなりません。細川総理から御答弁を願いたいと思います。
 次に、平成六年度予算編成について若干お聞きいたします。
 概算要求基準を拝見しますと、変革と主張されている割には、固定化していると批判の強かった公共事業費の配分比率を変えるためと称して、生活関連重点化枠等、三つの特別枠を廃止した以外には従来のシーリング方式をそのまま踏襲しようとするもので、さして目新しいアイデアもなく、変革を期待した国民にとっては全くの期待外れだったと言わざるを得ません。特別粋を廃止すれば公共事業の配分比率の変更は本当に可能なのでしょうか。可能だと言われるのなら、どのような配分の変更をお考えですか、お伺いします。
 また、細川内閣の目指す新社会資本整備とは一体どのようなものでしょうか。新社会資本整備とは八本年、我が党の三塚前政調会長が提唱され運用されているものであります。自民党政権のアイデアとの違いをお答え願いたいと存じます。
 さらに、この概算要求基準をペースに予算を編成すれば、本当に生活重視の予算になるのですか。従来とほとんど変わらない概算要求基準の中からは、連立政府が言うような生活重視の予算の姿は今のところ全く見えません。連立政府が目指している生活重視の政策と、我々が進めてまいりました生活大国への施策とどう違うのか、明らかにしていただきたいのであります。
 また、連立与党の中には、近年の我が国の防衛費が伸び率は低下したものの依然増加しており、軍拡が続いていると自民党政府を攻撃してきた政党がありましたが、今回、概算要求基準で伸び率一・九五%の枠を設けたのは一体なぜですか。防衛庁長官はこれをどう評価しておられますか。加えて、来年度にAWACSの追加二機の予算計上への自信のほどを承りたいと存じます。
 これからの六年度予算編成に当たって、連立与党内にはこうした幾つかの基本政策についての政党間の政策の違いがそのままうやむやにされておりますが、それが国民に疑問と不安を与えております。細川内閣が真に国民の理解と信頼を得て内閣の顔である予算を編成しようとするならば、最低限これらの疑問に明確に答えると同時に、税収不足で厳しさを増している中で、再び特例国債依存に陥らないためにどのような方針と姿勢で六年度予算の編成に臨もうとされているのか、細川総理の明快な見解をお示しいただきたいのであります。
 以上、私は、連立政権の誕生に当たっての性格及び細川内閣が当面する政治改革、外交問題、災害対策及びその他緊急を要する内政問題に限定して質問いたしてまいりましたが、時間の関係上、これら以外の重要政策につきましては、引き続き明日同僚議員により政府の姿勢をただしたいと存じます。
 立党以来三十八年、我が党は政権の座から離れることとなりました。過ぐる総選挙において過半数を割りました。我々は国民の審判を厳粛に受けとめております。同時に、圧倒的な比較第一党としての支持をいただいたことも現実であります。我が参議院においても、昨年の選挙だけでは過半数を上回る支持をいただいたことも事実であります。
 我々は自覚と責任を持って、正しい政策には協力を惜しまず、悪しきはこれを正し、責任野党として行動してまいることを申し上げ、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣細川護煕君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(細川護煕君) 八党会派による政策の合意は基本政策を棚上げして無責任な政権ではないか、連立政権の性格をどう位置づけるのか、党固有の政策を棚上げすることについてどう説明をするのかというお尋ねでございましたが、八党会派による政策合意は基本政策の棚上げということではなくて、各党が主張すべきは主張をし、譲るべきは譲って、各党間の幅広いコシセシサスとしてまとめ上げたものでございます。したがって、この政策合意に基づく連立政権も、御指摘のような理念、政策のない無責任な政権ということではなく、むしろ各党の主張と持ち味を生かして、広範な国民の間に政策選択に関する合意をつくり出すことができる政権となるものと確信をいたしているところでございます。
 また、党固有の政策を棚上げすることを国民にどう説明するのかというお尋ねでございましたが、連立政権が国民に対して責任を持つのはあくまでも政権としての政策でありまして、各党においてはそれぞれの固有の政策の尊重と、その党が連立政権に御参加くださることによって国民にもたらされる福利との兼ね合いで御判断いただきたいものと思っております。
 私としては、この連立政権の成立によって日本の政治も政策をめぐる従来の硬直化した不毛な対立の時代を脱して、柔軟で現実的な対応を模索する成熟した民主主義の時代に入ったものと受けとめているところでございます。保それから、政治改革と政治責任の問題についてのお尋ねでございましたが、政治改革が実現できなかったときの政治責任につきましては既に申し述べているとおりでございまして、その決意は今でも変わっておりません。私としては、政治改革の実現に全力を尽くして取り組んでまいりたいと思っておりますので、何とぞ御協力のほどをよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、衆参の選挙制度はワンパッケージではないか、参議院の選挙制度はどうあるべきかというお尋ねでございましたが、参議院の選挙制度は衆議院の選挙制度ともとより密接に関連する問題と考えておりますが、まず、おおむね各党間の御認識が一致している衆議院の改革について御審議をいただき、結論を得ることが肝要であると考えております。
 また、参議院の選挙制度のあり方につきましては、衆議院の選挙制度との関連を念頭に置きながら、二院制の趣旨が生かされることを基本に検討すべきものと考えているところでございます。
 それから、企業・団体献金についてのお尋ねでございましたが、企業などの団体献金につきましてはさまざまな考え方がございますが、近年続発している政治腐敗事件が企業の団体献金に起因することを考えて、連立政権の樹立に当たりましては、公費助成の導入などの措置を講ずることによって廃止の方向に踏み切るということで与党各党の合意を得て連立政権が成立をしたところでございます。
 具体的な内容につきましては、現在、連立与党各党の間で検討作業が進められているところで、その結論を待ってできるだけ早急に国会で御審議いただけるように努めてまいりたいと思っております。
 それから、内閣及び与党内に疑惑などが発生した場合の対処方針ということでございましたが、そのような疑惑事件が内閣について発生した場合は、その内容や程度、態様に応じて、政治倫理を尊重する内閣にふさわしい厳しい対応をとることは当然のことと思っております。
 また、与党について発生した場合は、当然それぞれの党が同様の対応をおとりくださるものと考えているところでございます。
 政府委員制度についてのお尋ねでございましたが、政府委員の制度を廃止して議員同士の議論によって国会を活性化させるという考え方は、従来から多くの方々が言ってこられましたし、私もこの考え方に賛成でございます。
 もっとも、全面的に政府委員制度を廃止するためには委員会の審査方式を現在のような質疑方式から討論方式に改めるなど、国会制度全般の見直しを伴う必要がございましょうし、秋の臨時国会から直ちに全面廃止ということはなかなか難しいのではないかと思っております。
 それでも、理想的な国会審議の姿に一歩でも近づけていくために、内閣としてはできれば次の国会からでも議員、大臣同士の議論というものを尊重し、できるだけ政府委員に依存しないように、そういう形にしていくことができればと思っているところでございます。そのためには、議員各位も政治家としての大局的なお立場からの御審議をいただくようにぜひとも御協力をいただきたいと思っております。
 参議院から大臣、政務次官を出すことについての是非についてのお尋ねでございました。この内閣では幅広く適材適所の人材を集めるということで、参議院からも大臣、政務次官に御就任をいただいたところでございます。しかし、確かに御指摘の各党の参議院改革案では、今後の理想的な参議院の姿として大臣、政務次官を出すことの自粛をうたっておられますし、その実現のためには全般的な参議院改革の中でその条件を整備していくことがまず必要であろうと思っております。
 次に、連立政権の目指すべき国家像と外交の基本姿勢についてのお尋ねでございましたが、現下の国際情勢は先進国経済の回復のおくれ、あるいはまた地域紛争など多難な状況にあることは御承知のとおりでございます。
 そのような中で、我が国としては平和と国際協調という憲法め精神を尊重しながら、世界的な諸問題の解決に積極的な責任と役割を果たす、背伸びをしない、諸外国からも信頼される国際国家を目指していくべきであろうと思っております。
 具体的には、世界経済のインフレなき持続的な成長を確保していくということもございましょうし、また世界平和の確保のために国連の強化や国連に対する人的な貢献、あるいはまた軍備管理や軍縮の一層の促進ということもございましょう。さらには開発途上国や旧社会主義国への支援など、また、そのほかにも地球規模の問題に対する解決といったようなさまざまな分野において主体的な外交を行っていく必要があろう、そのように考えているところでございます。
 次に、戦争責任問題について今けじめをつけようとする意味、具体的な措置をどう講ずるのか、アジア・太平洋基金構想についてのお尋ねがございました。
 戦後、約半世紀を経た今日、我が国が世界有数の平和と繁栄を享受している幸せをかみしめるとともに、過去を振り返り、歴史に対する認識を鮮明にするということは、我が国がこれから国際国家として正しい道を歩んでいく上で極めて重要なことであると認識をいたしております。
 所信表明は、さきの戦争についての私の認識をお示ししたもので、いわゆる戦後補償問題を前提としたものではございません。御指摘のアジア・太平洋基金構想につきましては、そのような構想を検討しているということはございません。
 さきの大戦は侵略戦争であったという発言は、解決済み、未解決の問題を新しく惹起させるのではないか、戦争犠牲者の心情を酌むべきではないか、こういうお尋ねでございましたが、所信表明演説でも申し述べましたとおり、我が国が現在享受している世界で有数の繁栄と平和というものは戦没者の方々のたっとい犠牲の上に築かれたものであることは改めて申し上げるまでもないことでございまして、犠牲者の方々を悼み、その御遺族の皆様方の心情を思う私の気持ちには切なるものがあることをぜひ御理解を願いたいと存じます。
 憲法と自衛隊の関係についてお尋ねがございました。
 与党各党内部にはさまざまな御意見がございますが、いわゆる連立八党派の合意に基づきまして、内閣としては、我が国憲法は我が国が主権国として持つ固有の自衛権までも否定したものではなくしたがって、この自衛権の行使を裏づける自衛のための必要最小限度の実力を保持することは我が国憲法の禁止するところではなく、また、自衛隊は我が国を防衛するための必要最小限度内の実力組織でございますから、憲法に違反するものではないという従来の立場を継承するものでございます。
 それから、PKOの別組織論についてのお尋ねがございましたが、既に申し上げておりますように、このたびの内閣は八党派によって樹立されたいわゆる連立政権であって、PKOの問題につきましても、与党各党の内部で別組織論を含めさまざまな考え方があるのは事実でございます。私も自分なりの意見を持っておりますが、しかしながら、こうした立場の違いを乗り越えて、PKO等の国際貢献などの主要政策課題について合意がなされたわけで、PKO参加五原則を含む平和協力法に基づいて協力の実績を積み重ねていくことが重要であると認識をいたしております。
 日米関係についてのお尋ねがございましたが、世界全体のGNPの約四割を占める日米両国の間の円滑な協力関係は、世界の平和と繁栄にとって不可欠であり、日米間で一層緊密な協力関係を構築すべく主体的に努力をしてまいらなければなるまいと思っております。
 具体的には、日米安保体制を堅持し、グローバルな協力の面では、国際社会が直面する諸問題についての協力関係を一層緊密にしていかなければなりませんし、また経済面では、七月に合意された協議の枠組みの合意を尊重して、そのもとで日米両国がともに協力をしていくということが重要であると考えているところでございます。
 そうした考え方につきましては、先般クリントン大統領と電話でお話をした際にも、私からも直接そのようなことをお話しをし、大統領も同じ考えであることを確認し合ったところでございます。
 それから、クリントン大統領来日時の新太平洋共同体構想に対する見解ということでございましたが、クリントン大統領は七月に来日された際に、早稲田大学での演説で、日米のパートナーシップとより開放的な貿易・経済体制、民主主義に対する支援、さらに、日韓両国を初めとするこの地域への米国の安全保障上のコミットメント維持を基礎とする新しい太平洋社会を創設する時期が来た旨述べられたと承知をいたしております。
 我が国としては、冷戦終結後におきましてもアジア・太平洋における米国の存在と関与がこの地域の平和と繁栄に不可欠であると認識をいたしております。クリントン大統領がこの構想において、米国のアジア・太平洋地域重視と積極的な関与の姿勢を明らかにされ、また、米国自身をも含め地域の一体感を増進するための指針を明らかにされたことを評価し、歓迎をしているところでございます。
 アジア・太平洋地域の安全保障システムの構築に向けてどう外交努力をしていくかというお尋ねがございました。
 アジア・太平洋地域での安全保障を考えるに当たって十分認識すべきことは、この地域の多様性であろうと思いますし、この地域の個々の紛争の解決についておのおのの状況に適した枠組みを通じて努力をしていくことが最も効果的であろうと考えております。
 同時に、アジア・太平洋諸国が政治・安全保障対話を深めて、政策の透明性とお互いの安心感を高めていくことが重要であろうと思っております。このような全域的な政治・安全保障対話につきましては、昨年からASEAN拡大外相会議を中心として本格化しているところでございます。七月の同会議では、ASEAN拡大外相会議参加国に中国、ロシアなど五カ国を加えましたASEAN地域フォーラムの設置が合意されたところでございまして、我が国としてはこのような域内での政治・安全保障対話により積極的に参加をしてまいりたいと思っております。
 また、我が国としては日米安保体制に裏打ちされたアジア・太平洋地域における米軍の存在がこの地域の安定要因として将来においても重要な役割を果たし続けるものと考えているところでございます。
 日米間の経済問題、黒字減らし、市場開放についてのお尋ねでございました。
 日米間の経済問題につきましては、九月にも日米包括経済協議が開始される予定でございます。この協議を通じまして、自由貿易主義や市場経済原則に従って日米双方が努力することによって対外不均衡の中期的な改善を図り、安定的な日米経済関係を築いてまいらなければなるまいと思っております。
 また、我が国の大幅な経常黒字が国際経済に与える影響を懸念する指摘が米国を初め幾つかの国々から出されておりますが、政府としては、さきの所信表明でも申し上げましたとおり、こうした指摘を真摯に受けとめて、良好な対外経済関係を維持するという観点だけでなく、国民生活の向上を図るためにも内需の拡大や市場アクセスの改善、あるいはまた内外価格差の是正でありますとか規制緩和の問題でありますとか、そうした消費者重視の政策を積極的に推進をし、経常黒字の縮小に向けて努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 各方面からの御意見も十分拝聴しまして、我が国の経済社会構造の変革も視野に入れた今後我が国がとるべき対応策につきまして早急に取りまとめをしていくつもりでございます。
 エリツィン大統領の訪日について、また北方領土の問題、対日支援の問題についてのお尋ねでございましたが、対ロ外交についてはこれまでの政府の政策を継承をするということで、まず領土問題を解決して平和条約を締結することにより日ロ関係の完全な正常化を図ることが第一の課題だと考えております。第二に、現在のロシアにおいて行われております改革を支持し、国際協調のもとでこれに応分の支援を行ってまいりたいと思っております。
 政府としては、こうした基本的な立場を堅持しながら、国民の御支持のもとに、今後とも粘り強く日ロ関係の完全な正常化を目指して努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 当面、エリツィン大統領の十月半ばの訪日を目指してロシア側との間で調整を図っているところでございますが、二十七、二十八の両日には東京におきまして日ロ事務レベル協議が開催をされる予定になっております。
 それから、国連で訴えようとするビジ百ンは何か、また、安保理の常任理事国入りの問題についてのお尋ねがございました。
 冷戦終えん後の世界にありましては、国連が世界の平和と安定のために中心的な役割を果たすようになってきていることは改めて申し上げるまでもございません。我が国としては、平和と国際協調という憲法の精神を尊重しながら、国際国家としての我が国の立場と責任を十分に自覚して、国連を中心とする国際的な努力に対し人的な貢献を着実に展開していくことが重要であろうと思っております。また、国連改革、国連強化のために積極的に寄与していくことも当然でございます。
 また、安保理については、世界の平和と安全について責任を有する機関として一層の機能強化が必要となってきておりますが、そのためには世界の繁栄と安定のために貢献する能力を持っ加盟国の資源を積極的に活用していくことが必要であろうと考えております。我が国としても、今後とも安保理においてなし得る限りの責任を果たしてまいりたいと考えているところでございます。
 米の問題についてのお尋ねでございましたが、ウルグアイ・ラウンド交渉の最終段階を迎えている中で、各国とも農業問題に関してそれぞれ困難な問題を抱えておりますが、相互の協力による解決に向けて最善を尽くしていかなければならないと考えているところでございます。
 米については、その重要性にかんがみて、国会決議の趣旨を体し、国内産で自給するという基本方針のもとで対処してまいりたいと思っております。
 次に、災害の問題についてのお尋ねでございましたが、災害を受けやすい国土条件にある我が国におきまして、国民の生命、身体、財産を災害から守ることは政治の基本であって、我が内閣におきましても当然重要な課題として取り組んでまいりたいと思っております。
 北海道南西沖の地震や鹿児島を中心とする豪雨災害、あるいはまた雲仙岳の災害につきましても、地域の再建と復興に向けて、災害復旧の早期実施はもとより、農林漁業や中小企業に対する救済の措置、被災自治体への財政措置など種々の対策を取りまとめて実施をしつっあるところでございます。
 冷夏などの異常気象対策についてお尋ねがございましたが、我が国の経済は今調整過程にあって、各種の指標もまちまちでございますが、冷夏や最近の急激な円高の影響もおっしゃるように懸念されるところでございますし、今後の景気回復には予断を許さないものがあると認識をいたしております。そうした中で、今後景気の足取りをより確実なものにし、我が国の経済の先行きに対する不透明感を払拭することが重要な課題となっていることはもとよりでございます。
 そこで、本年度予算やこの四月に決定された新総合経済対策を着実に実施をし、その効果の十分な浸透を図ってまいりますとともに、早ければ九月中旬までに規制の緩和や円高差益の還元を初め、幅広い観点から現下の緊急状態に対応するための施策の取りまとめを行って実行に移してまいりたいと考えているところでございます。
 為替のレートの問題についてのお尋ねがございましたが、為替相場の水準につきましては、為替市場に不測の影響を与えるおそれもございますので言及することは差し控えさせていただきたいと思っております。我が国としては、為替相場が経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいと考えております。親制緩和につきまして、具体的な中身と即効性のお尋ねがございましたが、経済の活性化、内需の振興を図ることの重要性にかんがみて、現在各省庁におきまして早急かつ真剣な検試作業を行っているところでございます。実質的に意味のある結論を一日も早く得られるように努力をしてまいりたいと思っております。
 それから、景気の認識、あるいは金融、財政、税制の出動による対策が必要と思うかどうか、また、補正予算はどう考えるのかというお尋ねでございました。
 先ほども申し上げましたように、我が国の経済は、最近の急激な円高などの影響もあって回復に向けた動きにやや足踏みが見られますし、今後の景気回復には予断を許さないものがあると先ほども申し上げたとおりでございます。
 そこで、円高の国内経済への影響や景気の状況を注視しつつ、本年度予算やこの四月に決定された経済対策を着実に実施をするとともに、でき机はこれも申し上げましたように、九月の中ごろまでに規制の緩和や円高差益の還元を初めといたしまして、できる限りの対策を取りまとめてまいりたい、実行に移してまいりたいということを申し上げたところでございます。
 いずれにしても、経済情勢の変化に細心の注意を払いながら、適切な経済運営に努めてまいりたいと思いますし、我が国経済を内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路へ円滑に移行させてまいることが重要なことだと思っております。
 なお、補正予算につきましては、まだ云々し得る段階にはないと認識をいたしております。
 赤字国債引き当ての所得税減税についてのお話がございましたが、平成四年度税収が当初予算に比べて八兆円強も落ち込むといった深刻な財政事情のもとで、巨額な財源をどのように安定的に確促するのか、財源として赤字国債を発行できる状況であるかどうか、また、消費の現状から見て必要なコストと比べてどの程度の効果が期待できるのか、そういったことを考えますと、なかなか容易なことではないと判断をいたしております。
 特に、減税財源を赤字国債の発行に求めることにつきましては、後世代に元利払いという大きな負担を強いることになるわけでありますし、また、財政状況の急速な悪化への道を開くことになりかねないといったようなことを考えますと、慎重の上にも慎重に判断をしなければならないと考えているところでございます。
 いずれにしても、所得税減税の問題につきましては、当面の景気対策ということではなく、所得・消費・資産などの均衡のとれた税体系の構築ということについての総合的な検討の中で取り組んでいくべき課題ではないかというふうに考えているところでございます。
 税制の改革についてのお尋ねがございました。
 税制については、平成元年度に抜本的な税制改革を行って以来、約五年が経過をしておりますが、その間、バブルの発生とその崩壊あるいはまた高齢化の一層の加速などの事態が生じております。政府としては、このような経済社会情勢の変化に現行の税制が即応したものになっているのかどうかということを点検し、公正で活力のある高齢化社会を実現していくために、年金などの国民負担全体を視野に入れてバランスのとれた税体系の構築について検討してまいりたいと思っております。
 現在、税制調査会ではそのような方向で御審議をいただいているところで、政府としてはその検討の成果を尊重してまいりたいと考えているところでございます。
 社会保険負担についてもお尋ねがございましたが、社会保障負担については、例えば年金の保険料は将来の年金財政を見通しながら年金の財政再計算の中で改定することにいたしております。いずれにしても、社会保障負担につきましては、高齢化社会の進展によりある程度上昇していかざるを得ないものと思っておりますが、租税負担を含めた国民負担全体との関係なども念頭に置きまして、そのあり方を考えてまいりたいと思っております。
 次に、大蔵大臣の発言についてのお尋ねでございましたが、就任時の会見における大蔵大臣の御発言は、当面の景気対策の一つとして所得税減税の議論があるけれども、その財源として赤字公債を発行したり、消費税率を上げたりするようなことはしないという趣旨のものであったと承っております。
 次に、情報公開法、製造物責任法、ODA基本法等々についてのお尋ねがございました。
 まず、情報公開法につきましては、法制上の措置として行政手続二法案におきまして、国民の権利義務に直接かかわりのある行政庁の活動につきまして審査基準などの公開、処分理由の提示など、多くの面で情報公開規定の整備を図っておりますので、まずこの法案を早期に再提出して、その成立に努めてまいりたいと思っております。
 手続法に加えまして、さらに別個の一般共通法制としてのいわゆる情報公開法制の問題につきましては、その必要性の有無の問題につきまして、非公開とすべき情報の範囲でありますとか、あるいは訴訟手続など、関連する諸制度との調整などにつきましていろいろな観点から検討すべき課題もございますし、さらに調査研究を進めてまいらなければなるまいと思っております。
 また、製造物責任法につきましては、現在、政府部内において総合的な消費者被害の防止や救済のあり方についての検討を行っているところでございまして、年内に結論を得たいと考えております。
 それから、援助基本法の問題につきましては、今後とも、昨年閣議決定によって定められました政府開発援助大綱と現行の関係法令などの枠内で改善すべき点は改善しながら、効果的、効率的な援助の実施を図っていくことが適当と考えております。
 公共事業の配分比率の変更の問題についてのお尋ねでございましたが、本格的な高齢化社会の到来する二十一世紀を見据えて、今後、国民生活の質の向上に資する分野などへの重点化を図りながら社会資本整備を着実に推進する必要があると考えております。そのためには、従来の特別枠という限られた枠の中で対応するのではなくて、これを廃止して、予算全体を根底から洗い直して予算編成の自由度を増大させ、社会経済情勢の推移により弾力的に対応していく必要があるのではないかと認識をいたしております。
 平成六年度予算における公共事業の配分に当たりましては、今後の予算編成過程で検討していくことになりますが、社会経済情勢、産業構造の変化などを踏まえまして、国民生活の質の向上に資する分野に思い切って重点投資をするなど、従来の経緯にできるだけとらわれずに抜本的なシェアの変更に取り組んでいくことにしたいと思っております。
 新社会資本整備についてのお尋ねでございましたが、社会資本の整備に当たりましては、本格的な高齢化社会の到来する二十一世紀を見据えて、国民生活の質の向上に資する分野に思い切って重点投資をするなど、その着実な推進を図ってまいりたいと思っております。
 それから、連立政権の目指す生活重視と我々が進めた生活大国への政策とどう違うのか、こういうお尋ねでございましたが、現行経済計画におきまして生活者・消費者重視の視点への転換を掲げて、これまでもさまざまな取り組みがなされておりますものの、必ずしもそれを国民が実感されるまでには至っていないというふうに感じております。
 今後は、政策の重点の変化を国民が明確に実感していただけるように、豊かな生活環境を求め、また新たなライフスタイルを志向する動きが見られるということも念頭に置きまして、いま一度生活者・消費者の視点や環境の保全、男女共同参画型社会の実現といった視点に立って、従来の制度や政策についてできる限り見直しをしてまいりたいと考えております。
 防衛費の概算要求基準についてのお尋ねでございましたが、平成六年度防衛関係費の概算要求基準につきましては、東西対立の終結によって総じて言えば好ましい方向に推進しつつある国際情勢、一方でまた、まことに深刻な財政事情、効率的な防衛力の維持整備の必要性などを総合的に考えまして、対前年度伸び率一・九五%となったところでございます。
 これは、概算要求増加額に一定の基準を設けるようになった昭和三十六年以来最低の水準であって、この枠の中で人件費の増などの各種の増加要因に対応していくことを考えますと、実質的に厳しい概算要求基準となっているものというふうに考えております。
 来年度予算の編成の考え方についてお尋ねがございましたが、現在、国家財政は依然続く構造的な厳しさに加えて、バブル経済の崩壊に伴って深刻な状況に立ち至っております。そういう異例に厳しい状況のもとではございますが、今後二十一世紀をにらんで高齢化や国際化などに適切に対応してまいりますためにも、再び特例公債を発行しないということを基本として、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくということを目指して財政改革を強力に推進をしてまいらなければなるまいと思っております。
 将来の世代に大きな負担を残さず、健全な形で我が国経済社会を引き継いていくことこそ我々の責務であろうと思いますし、現下の異例に厳しい状況を乗り越えるべく、今後、歳出歳入両面にわたりましてあらゆる努力を傾けてまいりたいと思っております。
 特に、歳出面におきましては、社会経済情勢の変化に応じて、先ほども申し上げましたように、国民生活の質の向上に資する分野に重点投資をし、公共事業のシェアの抜本的な変更に取り組むなど。限られた財政資金の重点的、効率的な配分に努めて、また、制度の根本にさかのぼった見直しや優先順位の厳しい選択を行いまして、従来にも増して徹底した洗い直しを進めてまいりたいと思っております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣山花貞夫君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(山花貞夫君) 私に対しては三点の御質問をいただきました。
 まず第一は、企業・団体献金は残すべきであるという考え方と企業・団体献金の即時全面禁止の考え方についての調整はどうするのか、この点についてでございます。
 御指摘のとおり、企業などの団体献金のあり方につきましては、これまで各党それぞれの御意見をお持ちになっておったことについてはそのとおりです。社会党では、即時全面禁止の見地から、さきの国会では公明党とともに法案を提出したことについても御案内いただいているとおりでございます。
 今日、政治改革の実現を目指して連立政権が成立いたしました。この連立政権樹立に当たっての合意事項にも、公的助成などと一体となった企業・団体献金の廃止などの抜本的政治改革関連法案の成立が含まれているところであります。現在、連立与党一体となってこの問題に取り組んでいるところでございます。こうした観点に立って、これまでも各党間でその具体的な取りまとめが精力的に進められているところでございます。
 第二点は、政治腐敗防止のための施策についての御質問であります。
 国民に信頼される政治を取り戻すためには、いわゆる腐敗防止策を含めた選挙制度や政治資金制度の抜本的な改革を一体として実現しなければならないと考えています。このため、さきの緊急改革に関する各党間の協議におきましても、実現を見なかった寄附の公開基準の引き下げ、連座制の拡大、罰則の強化、公民権停止規定の強化等について関連法案の中に織り込む必要があると考えています。詳細については、現在、鋭意具体的に取りまとめの作業を行っているところでございます。
 押しボタンの導入につきまして、すなわち電子式投票装置の導入の問題につきましては、これまで参議院の皆さんが長い慎重な検討を続けてきたことについて承知をしているところでございます。いずれにしても、御指摘がありましたとおり、国会改革の一環としての参議院にかかわることであります。参議院の改革協議会の場で検討を進めていただきたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣中西啓介君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(中西啓介君) 私に対する質問についてお答え申し上げます。
 まず、PKOの別組織論についてでございますが、平和主義、国連主義を掲げる我が日本が、国連平和維持活動に積極的に参加するに当たりまして、自衛隊の部隊を活用することにいたしましたのは、この平和維持活動に適切かつ迅速に協力しで我が国の協力を実効あるものにしていくためには自衛隊が長年にわたって蓄積してまいりました技能や経験やあるいは組織的な機能、こういうものが不可欠であるものと判断をいたしました。そういう考え方は今日におきましてもいささかも変わるものではございません。
 また、カンボジア及びモザンビークにおきましても自衛隊の活動については大多数の国民の方々の御理解、御支持を得ておりまして、適切に実施されているところでもございまして、このことからも防衛庁長官といたしましては、いわゆる別組織論をとる必要はない、そのように考えておるところでございます。
 二番目の平成六年度概算要求基準に関する御質問についてでございますが、今回の概算要求基準は、厳しい財政事情などのもとでの効率的な防衛力整備の推進という観点から、財政当局との間でぎりぎりの調整を行いました結果、九百五億円の増、一・九五%増との結論を得たものでございます。これは、五年度の概算要求基準の伸び率三・六%増を相当下回っておりまして、また、三十三年ぶりの低い伸び率にとどまった五年度成立予算の伸び率一・九五%増と同じ水準でございます。概算要求増加額に一定の基準を設けるようになりました昭和三十六年度以来の低水準にございます。
 この枠の中で、人件費の増あるいは在日米軍駐留経費特別協定による負担増等の各種の増加要因に対応していくことを考慮すれば、実質的に非常に厳しい概算要求基準となっていると考えております。
 今回の基準の枠内で予算編成作業を行うことは容易なことではございませんけれども、創意工夫を懸命に凝らしまして、均衡のとれた防衛力の整備に必要な事業内容を盛り込んでいく努力をしてまいりたいと考えております。
 最後の御質問でございますが、AWACSについてであります。
 この早期警戒管制機に関する御質問は、専守防衛を旨とする我が国にとりましては、不断の情報収集能力ということが非常に大事なポイントでございまして、早期警戒監視機能の充実は非常に重要なことであると考えております。このことを考えまして、修正後の中期防衛力整備計画におきましては、防衛的性格の極めて強いこのAWACSを四機整備することにいたしております。
 これを受けまして、平成五年度予算ではAWACS二機の整備に係る経費を計上してございますが、残り二機につきましても平成六年度概算要求に織り込む方針でまいりたいと考えております。
 自民党におかれましては、力強い御支援を賜りますようにこの機会に心からお願いを申し上げて、答弁にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣熊谷弘君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(熊谷弘君) 私に対しましては三点の御質問がございました。
 まず第一点、日本市場の開放性等につきましての私の発言につきまして御質問でございますけれども、我が国市場は関税率や輸入制限等の基準で見ますと世界で最も開かれた市場の一つであることは事実でございます。しかしながら、他方で、ビジネスの現場では基準・認証等の種々の政府規制の存在や、また、仲間内志向の取引慣行の存在等によりまして新たな事業の創業や内外企業の市場参入が困難になっているという指摘が広く行われていることも事実でございます。
 我が国市場を内外の事業者に対し実質的に開かれたものとしていくことは、単に対外摩擦の解消ということだけではなくて、我が国経済自身の活性化のために極めて重要であると考えているのでございます。
 このため、制度面での一層の改善に加えて、民間企業の行動につきましても、独禁法等に抵触する行動についてはこれらの法律の厳格な適用が必要であることは言うまでもありません。
 ちなみに、最近時の独禁法の適用状況を見ますと数十件の摘発がなされておりますし、また伝え聞くところによりますと、公正取引委員会はこれすら氷山の一角であるという認識も持っている、こういうふうに聞いておるところでございます。
 また、法律違反に至らない行動につきましても、民間企業の取引が開放的、公正かっ内外無差別の形で行われるよう、調達方針や手続の整備等、民間企業の体制がさらに改善されることが望ましいと考えているのでございます。
 第二点、円高に苦しむ産業への対策はどうかということでございます。
 現在の急激な円高は、輸出産業のみならず、自
自動車産業等すそ野の広い産業を通じて直接輸出を行わない産業までも苦況に陥れ、景気にさらなる悪影響を与えるのではないかと懸念されているところであり、このため為替市場が投機的な円高相場から離脱し、安定に向かうことを強く希望しております。
 同時に、本年度予算あるいはこの四月に決定された新総合経済対策を積極的かつ着実に実行しているところでございます。特に、円高の影響を受けている中小企業者のためには、この対策の中で資金貸し付けの特別融資枠を創設するなどの措置を盛り込んでおり、引き続き活用されることを期待しております。
 これに加えまして、円高の国内経済への影響や景気の動向を注視しつつ、当面の対応策といたしまして、さきに総理が御答弁なされましたように、円高差益の還元、規制緩和はもとより内需主導の経済運営努力に全力を挙げるべく必要な対策の検討を行い、早ければ九月中旬にも方向を示したいと考えているところでございます。
 さらに、現在の円高の背景には我が国の大幅な経常収支の黒字があることは事実であり、こうした黒字体質を抜本的に改革することが過度の円高を是正する上で不可欠であると考えます。したがって、中長期的な観点から内需主導の経済運営を図りつつ、規制緩和や民間慣行是正を含む構造改革対策にも腰を据えて取り組んでまいりたいと考えております。
 第三点でございますが、円高差益の還元には流通システムの改善、規制緩和などを含め、内外価格差解消の新しい取り組みが必要ではないかという御指摘でございまして、まことにもっともな御指摘だと考えております。
 内外価格差の是正は、豊かな国民生活を実現するためのみならず、我が国産業の活性化の観点からも推進すべき重要な問題であるとの認識をしております。こうした認識のもと、従来から内外価格調査の継続的実施、消費者、産業界に対する情報提供、より開かれた流通システムの実現、輸入の促進等に積極的に取り組んできたところでございます。
 特に、最近では、我が国経済に存在する広範な内外価格差をこのまま放置した場合、国民がより高い生活水準を実感できないという議論に加えまして、我が国産業自体の空洞化が現下の円高も相まって急速に進むのではないかという問題が指摘されているところでございます。
 通産省としても、規制緩和や競争制限的な商慣行の是正の推進などを通じまして、我が国経済全般の一層の効率化を図るとともに、輸入促進に向けての努力を傾注することにより、内外価格差の是正を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣大内啓伍君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(大内啓伍君) 私に対してお尋ねの三点についてお答えをいたします。
 まず、被用者年金の支給開始年齢を引き上げるために再び法案を提出すべきではないか、こういう御指摘でございましたが、斎藤先生が平成元年の時点で大変この問題について中核的な御努力をされたこと、よく承知をいたしております。しかし、この問題について当時合意が得られませんでしたのは、言うまでもなく六十五歳年金と雇用保障との関係において大きな落差と不安があった。そして、あの元年の時点におきましては六十歳の定年制の定着率さえも実は五八%ぐらいしかなかったのであります。そして、やっと六十歳の定年制がこの平成五年度でやや定着してきた。こういうところに、年金とそして雇用保障との間に大きな不安があったためにこの合意がなされなかったことも御案内のとおりであります。
 私は、年金などの国の大事な政策を遂行するに当たって一番大事な視点というのは、国民の生活保障に断絶を引き起こさない、こういう配慮が一番重要だと思うのであります。
 したがって、当時の段階では、今申し上げたとおり、緩和措置があったとしてもその間に大きな落差と不安があった。しかし、今平均寿命が延びてまいりまして、六十歳以上の働く意欲を持った人も大変ふえてきております。しかし、雇用保障はまだ不透明でございます。特に、私は、年金制度はこれからの年金制度の先行きに不安を引き起こさないようにする、そういう視点に立ってこれから考えていきたいと思っているのであります。
 したがって、次期年金制度についてはこのような観点から取り組んでいく必要がありますが、特に御指摘の支給開始年齢の問題は、前回の改正の際に次期財政再計算において見直しを行うことが法律的にも決まっておりますので、次期改正の最も重要な課題の一つとして雇用と年金の連携に配慮しながら検討してまいりたいと思います。
 年金制度の改正につきましては、九月末を目途に、目下、年金審議会において審議がなされておりますので、その御意見等も踏まえながらその対応を図ってまいりたい、こう思っておる次第であります。
 二つ目の御質問は診療報酬の改定についてでございますが、現在、医療経済実態調査の結果をまとめておりますし、また中医協の御審議等をお願いしておりますので、それを踏まえながら、一つには良質な医療の提供、二つには医療機関の健全な運営、この二つの点に配慮しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 医療保険制度における給付の範囲と内容につきましては、高齢化の進展や国民の医療のニーズの高度化、多様化、そういう変化に対応していけるよう、そのあり方について、現在、医療保険審議会において検討が進められておりますので、この結論を踏まえて対応してまいりたいと思っております。
 三つ目の原子爆弾被爆者援護法案について、政府提案として提出すべきではないかというお尋ねでございますが、同法案につきましては、一般戦災者との均衡上基本的な問題があったり、また、現在の与党各会派のすべてが共同提案者であったものではありませんので、その取り扱いにつきましては今後与党内で慎重に論議をして結論を得たい。法案の提出の形といたしましては、それらの議論を踏まえてその結論を出したいと考えている次第でございます。
 以上、三点についてお答えいたしました。(拍手)
#9
○議長(原文兵衛君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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