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1993/05/26 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第9号
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1993/05/26 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第9号

#1
第126回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第9号
平成五年五月二十六日(水曜日)
   午後二時四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         浜本 万三君
    理 事
                星野 朋市君
                藁科 滿治君
                横尾 和伸君
                立木  洋君
                萩野 浩基君
    委 員
                合馬  敬君
                岡  利定君
                佐藤 静雄君
                関根 則之君
                楢崎 泰昌君
                南野知惠子君
                矢野 哲朗君
                吉村剛太郎君
                大森  昭君
                庄司  中君
                深田  肇君
                吉田 之久君
                小池百合子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        秋本 達徳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (二十一世紀型産業経済構造への課題−労働力
 問題を中心として−に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○会長(浜本万三君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 産業・資源エネルギーに関する調査を議題とし、本調査会の産業問題についての初年度におけるテーマであります「二十一世紀型産業経済構造への課題−労働力問題を中心として−」に関する件につきまして、自由討議の形式で意見交換を行いたいと思います。
 議事の進め方といたしましては、まず各会派に配分いたしました時間内で意見開陳をしていただきます。そして、意見開陳が一巡いたしました後、各委員において補足意見等がございましたら御自由に御意見をお述べいただくという方法で行いたいと存じます。
 なお、会長といたしましても一言申し上げさせていただきますので、つけ加えさせていただきます。
 それでは、まず、意見開陳をお願いいたします。
 御意見のある方は順次御発言を願います。
#3
○藁科滿治君 当初、労働省の方から最後のまとめを兼ねた問題提起があるというふうに伺っておりましたけれども、国会情勢の事情で変則ではあるがという形でこういう論議の場が設定されたわけでございます。したがって、労働省の御意向を本来なら承って総合的な問題提起をしたいというふうに私ども考えておりましたけれども、そういう御要請もあったことでありますので、いずれまた改めて足りない点は補強するという前提で骨格の問題提起、意見提起をさせていただきます。
 項目的には六つで整理しておりますが、文章的に十分整理尽くされておりませんので、御了解をいただきたいと思います。
 まず第一に、労働人口減少への対応問題でございます。
 中長期的に見て、我が国の労働人口は減少傾向に推移するということが予測され、一方で一定の経済成長の確保と時間短縮の推進が見込まれております。このような事情のもとでの雇用政策については、旧来の需要主導型ではなく、供給量に対応する需要のあり方、そういう視点に立って対応することが必要であります。
 二、労働力の構造変化。
 労働力は量的制約ばかりでなく、三次産業の拡大、知識集約型産業の伸長などによる産業構造の変化と高齢化の進行によって労働力そのものの構造変化も急速に進んでおります。
 このような事情のもとで、高学歴化、女性の進出、パートタイマーの増加等が進んでおりますが、社会、企業、地域、各面においてその構造変化に対応する受け皿システムの整備ができていない。特に、女性の進出と高齢化の進行に対応するシステムの確立はこれからの労働力確保のキーポイントである。
 三、教育訓練制度の確立。
 産業構造の変化とモラールの面から労働力の質的向上と能力開発のための教育訓練制度の確立が必要である。特に高齢者対策としての教育訓練制度の強化、整備が重要である。
 四、時間短縮について。
 労働時間の短縮は生活大国五カ年計画の第一課題であり、その目標達成に向けて不退転の決意で取り組まなければならない。その必要性は、国際的な公正労働基準の確立と国民の生活意識、これは最近の総理府の調査結果でも出ておりますが、その両面から、改めて言及するまでもない。
 しかし、八七年に打ち出した「世界とともに生きる日本」、略称前川レポートとも言われておりますが、このデッサンは全くの計画倒れとなっており、九二年千八百時間実現、こういう国内外に対する公約であったわけでございますが、残念ながらその進捗状況は今申し上げたように計画倒れとなっており、今回の生活大国五カ年計画もよほどの決意と行動が伴わないと再び絵にかいたもちになりかねないと思います。ILOの批准状況も含めて、経済大国にふさわしい時間短縮、時間外割り増し率の改善を早急に実現しなければならない。
 ILOの批准状況をここで改めて申し上げる気もないわけでございますが、我が国の状況は先進国の中では最低、項目によっては途上国よりもおくれをとっている、こういう状況でございまして、論議の余地はないというような状況であるわけでございます。
 五、中小企業の時間短縮。
 我が国の場合、中小企業の時間短縮が最大の課題であり、それを促進するためには景気回復、親企業・取引企業の発注・納入システムの改革が不可欠である。しかし、一方で時間短縮の効用としての人材確保、モラールの高揚、むだの排除といった面を重視して成果を上げている中小企業も多くあることを忘れてはならないということであります。ここが非常に重要だと思います。この点は労使関係学会でも大変突っ込んで論議されているところでございまして、今回も不況ということで中小企業は時短困難という大合唱になったわけでございますが、やはり時間短縮のメリット部分を積極的に見ていくということが我が国の場合には特に必要ではないかということを重ねて強調しておきたいと思います。
 そうした意味では、今次労基法の改正をめぐる対応については、陰の面のみの視点であり、率直に言って遺憾の意を表明したい、このように思っております。
 六、最後ですが、過労死の問題について。
 ジャパニーズ・カローシという熟語が世界的に知れ渡るというような大変恥ずかしい問題がある
わけでございます。しかも、これは例外の局部的な問題とは言えなくなっております。そういう意味で、この現状とその対策について当調査会でもぜひ突っ込んだ論議が必要ではないか、調査が必要ではないかということを痛感しております。
 ちなみに、六月十五日、父の日の寸前でございますが、これは昨年の統計でございますが、四十五都道府県単位で一斉に行われた過労死一一〇番の情報では、御案内のように相談件数百四十件、うち死亡八十一件という極めて深刻な状況が示されているわけでございまして、今触れたようにこの調査会としてもぜひ調査項目に追加していくべきではないか、こういう意見を申し上げておきます。
 以上でございます。
#4
○関根則之君 これからの労働力問題に対しましての対応策につきまして、私の意見を申し上げます。
 我が国経済は目覚ましい発展を遂げてまいりまして、国際的にも重要な位置を占めるようになりましたが、これはまさに長い間にわたります労働者、勤労者一人一人の努力の結晶でございます。これからは、こうした経済発展の成果が勤労者とその家族の暮らしにより厚く還元されることを政策の主眼としていかなければならないと思います。
 二十一世紀に向けて中長期的に労働力が不足してまいりますことが明らかであると思います。高齢化や技術革新の進展など経済社会のさまざまな変化に対応いたしまして、勤労者の意欲や能力が十分に発揮されるようにしていくことが大切でございますし、産業、経済の発展に必要な労働力の確保、職業能力開発の促進に努める必要があると思います。
 こうした課題に的確に対応して、雇用・能力開発対策、労働時間の短縮や福祉の増進など勤労者生活の充実に向けましての対策、高齢者や女性が働きやすい環境の整備等の施策を積極的に推進することによりまして、ゆとりと豊かさを真に実感できる働きがいのある社会の実現に努めなければなりません。
 このような基本的認識に基づきまして、以下数点にわたりまして具体的な政策について申し上げます。
 第一は、労働時間短縮の推進でございます。
 生活大国の実現を図るため、中小企業に対する配慮をしながら、完全週休二日制の普及促進、年次有給休暇の完全取得の促進、連続休暇の普及・拡大、所定外労働の削減等によりまして労働時間の短縮を推進するとともに、新たな労働時間法制に基づきまして業種ごとの実情に応じた取り組みを進めていくことが大切であると思います。
 第二は、本格的な高齢化社会の到来に向けました高齢者対策の推進であります。
 我が国におきましては諸外国に例を見ないテンポで高齢化が進展しております。経済社会の活力を維持していきますためにも、高齢者の雇用の場が確保され、長年にわたって培ってまいりました知識、経験を発揮できるような雇用環境の整備を図ることが大切でございます。
 このため、高齢者の多様なニーズに対応しまして六十五歳までの継続雇用の推進、再就職の促進、職業能力開発の促進が必要でございます。また、定年退職後等におきます臨時、短期的な就業の場の確保を図りますためシルバー人材センターの整備充実を図っていくことも重要でございます。
 高齢化が進展する中で、看護、介護を初めとする福祉分野のサービスに対します労働需要が増大をしてまいりまして、看護・介護労働力の育成、確保が重要な課題となってまいります。このため、公的職業紹介等の拠点施設の整備や看護・介護労働者の職業指導、職業紹介等総合的な支援事業の充実が必要でございます。
 第三は、女性の労働を支援するための総合的な施策の推進でございます。
 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を推進いたしますとともに、仕事と家庭生活の両立が可能となるよう育児休業制度の定着、介護休業制度の普及促進等就業環境の整備充実が必要です。また、出産、育児を終わりました後再び就業を希望する女性を援助いたしますため、レディス・ハローワークの増設でありますとか再就職準備のための支援等総合的な女子就業援助対策を進めなければなりません。
 近年大幅に増加し、重要な役割を担っておりますパートタイム労働者が安心して働くことができますよう労働条件等の改善、雇用の安定を図りますとともに、職業能力開発の推進等総合的なパートタイム労働対策を進めていくことが必要であります。パートタイム労働につきましては、単にそれを補充的な労働力としてとらえるのではなくて、基幹的労働力の重要な一翼を担うものとして真っ正面からとらえまして、パートタイム労働者の質と量両面からの労働に対する希望でありますとか意思、能力を十分に生かすことのできるような労働システムを構築することが大切であると考えます。
 第四は、障害者雇用対策の推進であります。
 障害者が雇用の場においてその能力を十分に発揮しながら活躍できるような社会をつくることは極めて重大な課題でございます。このため、障害者雇用促進法に基づく障害者雇用対策基本方針にのっとって、総合的かつ計画的な施策を推進しますとともに、重度障害者に重点を置いた職業リハビリテーションの充実や雇用の安定のための援助措置の積極的活用が必要でございます。
 第五は、外国人労働者問題に対する適切な対応でございます。
 国際社会における相互依存関係の深まりと我が国の国際的地位の向上に伴いまして、労働分野におきましても国際社会に対する積極的な貢献が求めもれております。外国人労働者問題については、合法的な外国人労働者の受け入れ体制の整備及び不法就労問題に対処いたしますため、総合的な対策を進めなければなりません。外国人労働者の我が国における研修及び実習につきましては、新しい制度の節度ある着実な定着を図りまして、諸外国に対する技術、技能の移転を通じまして、その国の労働の質の向上、社会経済の発展に寄与すべきでございます。
 我が国における将来の労働力不足の解決策を安易に外国人労働者に依存するようなことは厳に慎まなければならないと思います。
 以上でございます。
#5
○横尾和伸君 私からは大きく五つの点について御意見を申し上げたいと思います。
 まず第一に、経済成長に対する議論の提起という面でございますが、我が国の人口は今後伸び率が低下し、総数でも二〇一〇年の一億三千万人をピークに減少するものと見込まれている。労働需給もそのような人口の減少を背景に、出生率の減少、進学率の上昇等で労働力化率が長期的に低下していく見込みであること、今後、労働消費型産業であるサービス産業のウエートが高まること等により、二〇〇〇年までは全体として引き締まり基調で推移し、二〇〇〇年以降は労働力不足感が一層強まるものと考えられております。それゆえ労働生産性の向上が労働力供給減少を完全にカバーできないとき、経済成長を制約することになる。従来までは経済成長は最優先政策課題として考えられ、成長率の問題は議論されてきても成長の必要性については十分に議論されてこなかったというのが現状であります。
 時短に関しては、それが実施されると雇用者数に一人当たりの労働時間を乗じた労働投入量は減少することが予想され、経済成長に対する大きな制約要因になりかねない。しかし、公正な国際競争力という国際協調の観点、豊かでゆとりある国民生活の実現の観点という内外からの要請を受け、今それを政策的に推進していくことが求められている。時短が進み、万一それを補う労働供給及び労働生産性の向上が不十分なときは、経済成長は減速する。それは国際協調、豊かな国民生活の実現という見地からやむを得ないのか、それとも経済成長もある程度確保しながら漸進的に時短
を進めていくのが望ましいのか。経済成長に関して改めて各層において論議を盛んにしていくべきである。
 第二点に労働力希少時代の企業努力と中小企業対策についてでございます。
 労働供給が今後制約される状況下では、企業はこれまで以上に労働生産性向上に努力しなければならない。
 そのためには、第一に産業の高度化を図ること及びロボット、コンピューター等の導入によって労働代替化を進めることが重要である。同時に、労働多消費型の産業や部署の縮小や統合を図る必要が高まると考えられる。
 第二に、労働者の質的向上と仕事の効率化である。労働供給の量的減少を質的向上によってカバーすることである。単純作業の機械代替化により労働者に対するより高度な業務へのニーズが増すとともに、それに伴い新たな技術習得が必要となり、企業側の適切な研修の実施等各種の配慮が一層必要となります。さらに、今後の高齢化社会の到来に伴い、労働者側でも継続的に就業を希望する者もふえると予想され、自主的に自己啓発、技能獲得が行われるようになると考えられる。さらに、作業手順、人員配置の見直し等により、効率的に業務が行えるような体制づくりが必要である。
 第三に、中小企業対策である。中小企業の労働時間は総じて長い。それが人材確保の隘路となり、それがさらに時短を妨げるという悪循環に陥っている。これを断ち切るためには、中小企業の自助努力のみならず、親企業の協力や業界、地域全体の取り組みが必要であり、政府による環境整備と消費者の理解と協力が不可欠である。例えば、中小企業の時短を妨げている休日前発注・休日後納入や発注内容の変更等親企業からの受発注システムのあり方の見直し等が挙げられる。
 第三に、労働力の質的向上と職業能力開発の必要性について述べます。
 経済社会の厳しい変化の中、我が国の経済が活力を維持するには、産業の高度化、省力化という要請にも対応し得る優秀な人材の育成を図り、労働力の質的向上を図っていかなければならない。
 従来から企業は人材育成に熱心であったが、労働力供給制約状況のもと、国際競争力を維持するにはさらなる人材育成に努めなければならない。政府も企業の職業能力開発に対し、情報・ノウハウの提供、企業に対するカウンセリングの実施等を通じて支援していくことが必要である。
 企業の人材育成のほか、労働者が主体的に職業能力の開発に取り組む自己啓発が重要になる。職業・生活上の安定、充実を図るため、変化に対応する能力の習得が必要になるからである。したがって、企業、政府は労働者の自己啓発が推進されるようこれを支援すべきである。企業においては自己啓発に対する費用の負担、勤務時間の弾力化等が、また政府においては税制上の優遇措置等が検討されるべきである。
 なお、自己啓発は定年後に再就職を希望する者にとって、これを容易にする効果が期待できる。そこで、定年後の再就職に備えることができるよう、中高年齢のホワイトカラー層が自己啓発を望む場合、有給職業訓練休暇制度等を活用し、これを支援すべきである。
 以上が企業、政府、労働者個人というおのおののレベルでの当面の方策ということになりますが、これらとあわせて体系的、総合的な職業能力開発体制の整備も不可欠である。職業能力開発は各個人の生涯にわたり、体系的、総合的に行われる必要があるが、現状では学校教育での職業に関する教育、大学等で社会人に開議されている講座や課程、公共職業訓練施設における指導、企業内における研修等、これらは連携、役割分担等が不明確で内容も体系的になっていない面がある。したがって、政府は各省庁を超えてこの問題を総合的、体系的にとらえ、各教育機関の相互関連性に配慮した施策に取り組むべきである。
 四番目に、新しい労働力確保と就業環境の整備についてでございます。
 高齢者や女性の中には、労働意欲が旺盛で能力にすぐれているにもかかわらず、硬直化した雇用システム等により、労働市場に参入できない場合が少なからずある。政府は、働く意欲を持っている人々が一人でも多く希望に応じて働くことができる社会の実現に向けて支援を考えるべきである。
 その第一は、男女の雇用機会並びに待遇の均等確保である。昭和六十一年四月に男女雇用機会均等法が施行された結果、女性であることを理由として差別してはならないという意識が一般的に広まってきており、また女性を活用する企業も増加しているが、なお差別的に行われているのではないかとの声も聞かれる。そこで、参考人も指摘しているように、真の均等化に向け、現在努力義務となっている募集、採用、配置、昇進等の各条項を禁止規定に改めること、定年、退職、解雇等の禁止規定に罰則をさらにつけ加えること、差別を訴えた人に対する不利益取り扱い禁止条項を設けることなどが必要である。また、公的分野への女性の進出を推進するため、各種審議会、調査会等の委員会に、本来の均等を実現する過渡的対策として一定以上の女性が就任することを義務づけるべきである。
 第二に、介護休業制度の法制化と育児休業制度の充実並びに母子保健制度の充実である。
 我が党は、女性が職業生活と家庭生活を両立できるよう就業環境を整備する一環として、介護施設や介護サービスの充実と相まって、介護すべき家族を持つ労働者が雇用を継続しつつ介護を行うことを可能とする介護休業制度については、介護休業等に関する法律案を今国会に提出した。また、育児休業については、法制化されているがなお一層の普及を推進するため、育児休業期間中の所得保障問題などについて改善すべきである。さらに、育児等の家庭生活と職業生活を両立できる雇用環境を整備することが将来を担う子供を安心して生み育てる環境づくりに資すること、また長期的視点から労働力の健全な供給基盤を強固にすることにつながることなどから、我が党は母子保健法の改正等を国会に提出しているところである。
 第三に、高齢者雇用と定年延長の推進である。
 高齢者の生きがいや経済的自立の環境を整えるため、定年延長、再雇用制度の普及、事業者に対する高齢者雇用の一定割合の義務づけ、シルバー人材センターの積極的活用等を推進するとともに、高齢者雇用の特典として六十歳以上の雇用保険料を免除することを検討すべきである。また、短時間・隔日勤務など高齢者の健康、生活状況に応じた多様な勤務体制の確立を図るべきである。
 まだありますけれども、時間の関係で以上で切り上げておきます。
#6
○吉田之久君 労働力問題を中心とするテーマでございますので、民社党の平成四年度の政策大綱、今五年度につきましてはつくっている最中でございますが、一部抜粋をいたしてまいりました。御参考に伏すれば幸せと思います。
 なお、党の文書でございますので、一部自民党に対して失礼な表現があります点はお許しをいただきたいと思います。
 まず、大きな柱といたしまして、生きがいあるサラリーマン生活を目指して。
 一、サラリーマン総合政策の基本理念。
 歴代自民党内閣は成長至上主義、産業優先の施策をとり続け、国民生活をないがしろにしてきた。そのため、日本は世界的な経済大国となったものの、最大多数を占めるサラリーマンの生活は欧米先進国に比べて劣ったものとなっている。
 我々は、サラリーマンの生活向上を内政の柱と位置づける。サラリーマンが人生に積極的意義を見出し、みずからのライフスタイルを追求する。よき家庭人、よき住民、よき職業人としてバランスある人間として生きる。物心両面の豊かさを享受することを基本理念として、以下に総合的政策を提唱する。
 二番目、ゆとりある生活のための自由時間の充実。
 労働時間短縮・家庭時間の確保。
 今後の豊かな生活は金だけではなく、むしろ自由時間がどれだけあるかにかかっている。その意味で、サラリーマンの労働時間の短縮を最重要項目とし、これに取り組む必要がある。労働時間短縮のため、法定週四十時間、学校五日制、公務員も含めた完全週休二日制、五月一日の祝日化、中小企業に対する支援等の施策に取り組む。また、通勤時間短縮、過大な交際費支出抑制、家族誕生日等の残業禁止などにより、サラリーマンが家族と過ごせるトータルの時間を拡大する。
 リフレッシュ休暇制度の創設。
 最低二週間程度の長期休暇、バカンスの取得に向け環境整備を進めるとともに、社会人として例えば二十年動続した者に与えられる一カ月程度のリフレッシュ休暇制度の普及に努める。また、年末年始、お盆などに集中する連続休暇を他の時期に分散させるよう努める。
 サマータイム制度の導入等。
 サラリーマンの時間の有効活用、夏季の電力需要の抑制など省エネルギーの推進等の見地からサマータイム制度を導入することとし、政府内に具体策を研究するサマータイム制度調査会を設ける。また、通勤時の混雑回避やサラリーマンの時間の有効活用を促進するため、企業におけるフレックスタイム制度の普及に向け環境整備を図る。
 それから、二番目の大きな柱といたしましては、女性の能力が花開く社会づくり。
 女性がゆとりと豊かさを実感できる社会を築いていくことは、二十一世紀に向けて我が国が果たさなければならない大きな課題である。そのためには、今日までの固定的な性別役割分担意識を解消するとともに、女性が社会参加しやすい家庭、地域、労働、育児、保育、教育等の環境整備を図っていかなければならない。一九九一年五月に民間労働者対象、十二月には国家公務員対象の育児休業法が成立し、平成四年四月より施行されるなど、その環境は着実に進みつつある。
 我が党は、女性が社会や地域に参加しやすい環境整備を進め、男女がともに社会の発展と安定に貢献できるようにするため、一九九一年一月、「女と男でいきいきライフ」という女性政策を発表したが、そのうち本年は以下の政策を重点的に推進する。
 一、政策決定過程への参加促進。
 政策決定過程への女性の参加を促進するため、国、地方公共団体、審議会、民間、政党等において女性の割合を高めるよう積極的男女平等促進策をとる。めどとして、女性の割合三〇%、指導的地位につく女性の割合一五%を目指す。
 二、保育環境の整備。
 安心して子供を産める環境をつくり、子供を健全に育成していくことは極めて重要な課題である。さらに、女性の職場進出やライフサイクルの変化に対応して、保育の多様化が求められている。そのため、乳児保育、一時保育、夜間保育などの特別保育対策の助成措置を大幅に拡充し、これらの機能を有する保育所を少なくとも一中学校区に一カ所整備するとともに、保母の増員を図る。また、乳幼児を持つ家庭は、特別の育児経費がかかっているため、児童手当の拡充、育児控除制度を検討する。さらに、事業所内保育施設設置に対する助成措置の拡充を図る。
 三、男女雇用機会均等法の見直しと徹底。
 雇用における男女平等をさらに徹底するため、事業主の努力義務にとどまっている募集、採用、配置、昇進を禁止規定とする。独立の権限を持つ救済機関を設けるなどの見直しを行う。
 四、パートタイム労働法の制定。
 パートタイム労働者は、今日八百万人を超えるまで増加し、平均勤続年数も四、五年に延び、日本経済を支える基幹的な労働力となるに至っている。女性はその約七割を占めている。しかし、賃金その他の労働条件を見ると、通常の労働者とは不合理な格差が存在し、労働契約の内容が不明確であることによるトラブルも多発しているのが実情である。
 このような問題を解決し、短時間労働者であるがゆえの不合理な差別を是正し、パート労働者の労働条件の向上を図るため、本年二月、野党共同提案で通称パート労働法案を国会に提出したが、その早期成立を図るため全力を尽くす。パート労働法案の骨格は以下のとおりである。
 短時間労働者であることを理由として、賃金、休暇、その他の労働条件及び福利厚生について、通常の労働者と差別的な取り扱いをすることを禁止する。
 労働大臣は、中央労働基準審議会の意見を聞いて、差別的取り扱いの判断基準を定めるものとする。
 行政当局に指導、勧告、是正命令等の権限を付与し、是正命令に違反した場合について罰則を設ける。
 使用者に対し、短時間労働者にかかわる賃金等に記載した書面の交付及び通常の労働者を募集する際、現に雇用する短時間労働者の優先雇用を義務づける。
 あと、介護休業・休暇制度の普及促進と法制化、女性の地域の社会活動への参加促進、中間施設サイコロホームの建設、選択的夫婦別姓の検討等をまとめておる状況でございまして、今後とも一層各党の皆さん方と力を合わせて、よりよき労働力の確保と労働条件の発展のために努力してまいりたいと考えております。
#7
○立木洋君 私は、これまで調査してきた問題を踏まえまして、労働力の問題について全般にわたることはできませんけれども、今後さらに充実した点を今後の調査会の機会に述べるということをまず最初に申し上げておきたいと思います。
 中長期的な労働力の問題を考える場合に、やはり現在の労働力の問題あるいは雇用問題、これを離れて考えることができないと思いますものですから、その点についてまず一言述べておきたいと思います。
 今日の日本の雇用・失業状況は、一九九一年以降、それまで大きな問題となっていたいわゆる人手不足という状況から一転して雇用調整の時期に入りました。大企業では、中高年ホワイトカラーを中心とした人員の削減、そして新規採用の大幅抑制という状態が生まれてきております。
 これはバブル経済のもとで労働市場が膨張して、一九八七年から九一年にかけて雇用労働者は三千八百九十八万人から四千三百七十三万人へと四百七十五万人も増加したわけですけれども、バブルが破綻をし、過剰生産との結びつきによる複合不況によってこうした事態が生じたものであるということが言えるとしても、今日のいわゆる雇用調整については合理化できない面があるということを述べたいと思うんです。大企業では、売り上げが全く伸びなくなっても利益が出る経営体質への転換を図るとか、低成長下でも収益を確保できる経営体質づくりに取り組むとの目標を掲げて、固定費の削減、損益分岐点比率の引き下げに乗り出して、その中心的な課題が人件費の縮小に置かれております。製造業の雇用調整実施企業の比率を見てみますと、一九九一年第四・四半期が一八%、九二年第一・四半期が二五%、第二・四半期が三〇%、第三・四半期が三三%、第四・四半期が三九%というふうに上昇してきております。特に機械関連業種では五二%にまで増加しているというのが状況です。
 これは景気局面の悪化という状況があるものの、それによるだけのものではなく、この不況をてこに新たなリストラの推進にかかわっているということも見なければならないと思うんです。また、生産拠点の海外移転への増加は産業空洞化とも関連して重視されるべき問題だと考えます。
 日本では高度成長が終わった一九七〇年代初めから二十年間、経済は三回の大きな不況に直面してきました。第一次石油ショック、第二次石油危機、そして円高不況。そのたびに独占資本は、労働者に対する賃金抑制や雇用調整、さらに中小企業へのしわ寄せを進めて、ME化を基礎とした技術革新の導入と結びつけて不況に対応してきたと言うことができます。
 こうした日本経済は、将来の労働力問題とも深くかかわっているので述べたわけですが、問題はこうした労働者や地域経済へのしわ寄せで問題を解決するのではなく、大企業の内部留保を取り崩すことによって賃上げを進めたり、あるいは時間短縮の完全な実施によって国民的な購買力の向上と雇用確保の方向によって不況の克服を図ることが重要な点だということを指摘しておきたいと思います。
 さて労働力の問題は、長期的に見ますと、新規の追加労働力供給量は、出生率の低下の影響で一九九〇年代後半より年々減少していくことになると見られます。約百三十万から百万程度になるんではないか。他方中高年人口はふえ、また女子労働力人口も年々ふえていますので、労働市場に少なくない変化が生まれてくると考えられます。
 こうした展望に立って、企業本位を最優先とする雇用政策ではなく、憲法の基本的人権尊重の精神を踏まえて、勤労の権利、団結や団体交渉の権利、人種、信条、性別などによる差別の排除、これらを十分に保障する施策を具体化して、世界第二の経済力を有する国として当然、国際的にも認められているILO条約の早期批准、労働者の権利、健康・生命を守るのに役立つ立法が求められることを強調したいと考えます。こういう見地に立って、以下若干の見解を述べることとします。
 第一に、労働時間の短縮の問題についてです。
 日本の長時間労働の問題は内外の厳しい批判を受けてまいりました。歴史的に見ると労働時間は、オイルショックを境にして、西欧諸国は日本を下回り、八〇年代にはアメリカも日本を下回るようになったわけです。このことは、労働時間の長短は、労使間及び政治の対応にあることを示しています。
 政府の発表によりますと、三十人以上の事業所では一人当たり年平均千九百七十二時間とされていますが、これは実態を正しく反映しているのでしょうか。労働省と総務庁の調査の差から推計される統計上あらわれないサービス残業は、運輸・通信関係が三十一・八時間、建設関係が二十五・八時間、そのほか鉄鋼、電気機械などにサービス残業が存在していることは明らかであります。さらに問題は抽出調査をする政府の統計に対して、県で行う実態調査は政府の労働時間統計との間に差が生じているということであります。労働時間の調査は、国際的批判を免れるための数字の発表ではなく、正確な把握が問題解決の上で必要であると考えます。
 次に、時短について労働生産性向上が前提として不可欠との主張についても述べておきたいと思います。
 労働生産性の向上は社会の進歩であり、それ自体肯定されるものであります。しかし、時短に伴うコスト吸収困難という理由で時短が敬遠、遅延されるとするならば、それは道理に合わないことになると考えます。
 日本での労働生産性の向上と労働時間短縮との関係を見てみますと、一九六五年から七五年の十年間はほぼ相応してきたと見ることができますが、その後の十年間は生産性は九〇%近い伸びを示したのに対し、労働時間は短縮されるどころか、反対に長時間労働となっているわけであります。労働生産性が向上したら、それは当然時短になるという保障はないのであります。
 国際的に見ると、一九七七年を一〇〇とした時間当たりの産出量は、一九八八年、アメリカは一三六、フランス一四四、西ドイツ一二六、イギリス一五六となっていますが、日本は飛び抜けて一九〇になっています。ところで、これらの国の労働コストを同じように一九七七年を一〇〇として八八年を見てみますと、アメリカ一四二、フランス二一〇、西ドイツ一三六、イギリス二〇六と上昇しているのに、日本だけが低下をして九〇となっているのであります。これを見ても日本の施策上の問題は明白であり、労働時間の大幅短縮は可能だということを示しております。
 特に、この点で強調したいのは、中小企業の時間短縮の問題であります。
 日本の中小企業は先進諸外国に比べて高い比率を示しております。日本の中小企業は必ずしも生産性が低いわけではありませんが、経済構造上親企業の下請の比重は極めて高くなっており、特定親企業の下請は五五・九%ですが、親企業が数社にまたがる下請は七割を超えています。
 この中小企業における労働時間短縮を阻害している要因について、不況や労働生産性などの理由が挙げられておりますが、親企業にあるかんばん方式、多頻度少量配送、休日前発注・休日後納品、納検体制、罰金制度、下請単価の切り下げなどの強化が大きな問題になっています。中小企業庁から出されている通達によりましても、下請企業の時間短縮を図るための発注方式の改善が要請されておりますが、依然として改善されていません。この点での改善のための規制を強めることによって中小企業の状態が改められることは、時短を促進する上でも不可欠となっていると考えます。
 以上、時短については一日八時間、週四十時間、完全週休二日制、残業時間上限の厳しい規制と割り増し率の引き上げ、健康上行き届いた勤務時間、有給休暇の最低の引き上げを実行すべきであると考えます。また同時に、全国一律の最低賃金制の規定を初め、賃金引き上げが行われるべきであるということを強調したいと思います。
 第二に、高齢者の雇用問題について述べます。
 高齢者の雇用促進のための環境の整備は今日焦眉の問題となっています。確かに高齢者雇用安定法の改正によって六十歳定年制や六十五歳までの雇用への努力などが問題化されているものの、まだ若年層への依存体質は変わっておらず、五千人以上の大企業を見てみますと、中高齢者を対象とする早期退職勧奨制度が存在している企業は四一%を占めています。そのうち四十五歳以下が二九・七%も占めているという状況です。とりわけ、最近の不況の中で高中年齢層への勧奨退職がふえております。九一年三月時の調査ですが、小企業、百人未満では六十歳以上の従業員が五・五%。中企業が三・三%。千人以上の企業では〇・九%となっています。この傾向は今日でも基本的に変わっていません。
 高齢者の再雇用、雇用延長、継続雇用においては、高齢者の経験や技術を活用し、事実上高齢者に差別とも言えるような低賃金、長時間勤務などを持ち込むべきではないと考えます。
 次に、女性の雇用問題について、時間が来ましたので、ちょっと早口で述べさせていただきますので、会長にお許しをいただきたいと思います。
 女性の労働力人口を年齢別に見てみますと、最も働き盛りの二十五歳から三十歳代が低く、年齢別の労働力率の曲線がM字型になっていることは多く知られているところです。これは多くの原因が産児、育児にあると言われていますが、育児休業制度や保育設備など女性の働く環境に大きな問題があることを示しています。
 現在、女子労働力率は五〇・七%になっており、このことは女性の働く環境の整備、充実がこれからの雇用政策にとって極めて重要になっていることを示していると言えます。
 この点で母性保護とともに育児施設、制度、費用の面での拡大、充実の強化、育児休業法を実効性あるものにすること、さらに労働条件における男女差別の排除を強めるべきであるということを強調します。
 最後に一言、高齢者と女性を安上がりの労働力としてのみ扱う、あるいは中小企業にしわ寄せをしてきた従来の大企業本位の雇用労働政策を根本的に改めない限り、新しい労働力の確保も日本経済の真の活性化もおぼつかないということを特に強調して、私の発言を終わります。
#8
○萩野浩基君 私、今までの二十一世紀型産業経済構造への課題としての労働問題、ここでいろいろ参考人の方々の意見を聞いたりしまして、そのときに大体述べてきましたので、それと重複するかと思いますが、もう一遍少し補足しながらかいつまんで申し上げたいと思います。
 いずれにしましても、今の一番最大の関心事というのが時短の問題が出ております。しかし、以
前も申したんですが、算定基準というものが定まっていない。確かに、ホワイトカラー、ブルーカラー、またはサービスワーク、そういうのを分けてみますと、算定基準というのは非常に難しいということはわかっています。しかし、これを最後には法律の中に結びつけていきますと、型罰法規で定められております。そこを見てみましても、その算定というのは明白でない。時短が実行されるとか、いろんな面においてもまず算定というものを我々は明白にしていかなければならないんじゃないかというのが一点です。
 それから、次の点としまして雇用調整の問題なんですが、長期的展望に私は重点を置いて見るべきだと思います。
 確かに今景気は悪いです。好景気、不景気、そういうものにとらわれるのではなくて、やはり二十一世紀ということを考えたときには、長いスタンスで雇用調整というものを行う必要が今大事だと思っております。そこで大事なのは秩序ある雇用管理というものがどうしても必要になってくる。そのときに大企業が率先してそういうものに対応してもらえば、それがやがて中小企業にも影響、そこで働く人たちにも影響してくる。この辺が大事な点ではないかと思います。
 次に、第三としまして、ちょっと私は労働力率から考えてみたいんですが、この労働力率というのはいろんなはかり方がありますから一概には言えないと思います。わかりやすく言っても、知的労働と肉体労働においても労働力率というのははかるスパンが違ってきます。だけれども、この労働力率から考えたときに、特に女性においてはどの辺が労働力率がピークかといいますと、以前も言ったかと思いますが、大体の学者の説によりますと四十代から五十代あたりがどうもピークだと。六十代から以降は徐々に下がってくる。男性とはまた違う一つの特徴を持っているということも十分頭の中に入れておかなきゃならないんじゃないか。そういう点から、特にこれから高齢社会を迎えるに当たって、特に福祉の実現ということを考えてみますと、女性の定年制というようなものは、これは時代に合ったものにすぐにでも変えていかなきゃならない。その再考の必要性というものを私は特に感じております。
 最近、外国でもフレックスタイムとか、ワークシェアリングだとか、そういうものを利用しながら、特に介護なんかの貯金制、労働の貯金というようなものも、日本でも二、三の自治体で実験的にやっております。こういうようなものを特に女性に適用することも考え、また女性の方に何を頼るわけではありませんけれども、女性の方が働きやすいように我々は考えていかなきゃならないと思います。
 代表質問でも私言いましたけれども、病気になったときにお医者さんに診てはもらいますけれども、入院してみますと、何のがんの言っても看護婦さんが大事です。特に福祉の面で介護の必要な方たちを見ていますと、こういう人たちのマンパワーが足らないということを言いますけれども、これは施設のハードを幾らふやしてもだめなんであって、給料を上げれば簡単に僕は解決すると思っております。だからその点での、給与面で言ったんだけれども、総理は全然その辺を答弁いただけなかったんで、予算委員会でやりたいと思いますけれども、この待遇面を我々は考えればすぐ解決できる、そのように考えております。
 それから、二十一世紀の労働力というものを考えますと、出生率問題がやはり重要になるだろうと思います。ナショナルユニオンの方の調査によりますと、これは建設委員会でも私は言ったんですが、なぜ子供を二人以上持たないかというその原因は六〇%は住宅にあるんですよ。だから、私は今回の優良賃貸住宅は大いに賛成の演説をぶちました。
 こういうぐあいに国がこれから手を差し伸べていかないと、二十一世紀の終わりには日本の人口はどうなるかというのを考えてみたときに、日本における状況というものを十分我々は考慮しなければならない。そういうので、住宅基本法なども消極的になるのではなくて、超党派的にこの問題は推し進めていくべきだ、そのように考えております。
 以上です。
#9
○小池百合子君 本日の議題にあります労働力問題を中心とした中長期的なこれからの流れにつきまして、若干の意見を述べさせていただきます。
 まず、これまで日本というのはとにかく資源がない、そして人が一生懸命働くことによってのみ栄えていくんだといったような、そういった感覚はある程度それは正しいとは思いますけれども、これまでの過労死を生み出すような社会構造、そして家族のためにと言いながら結局は会社のためだけに終わってしまうという、極端な言い方ですけれども、そういった例は枚挙にいとまがないということを考えますと、こういった精神論ではなく、ここで大きな発想の転換をしなければならないのではないかと思います。
 特に、先ほど来出ておりますように、超加速度的に進んでいる高齢化社会、そしてこれまで余り考えもしなかったけれども、現実となっている人生八十年という時代が既に来ているということ、それから出生率の大幅な低下といったようなこれまでにないフェーズを迎えているわけでございまして、ですからこそここで企業、働く側、それぞれが発想を転換していく必要があろうというふうに思います。そのためにも社会的な仕組み、そしてシステム的な問題の見直しをし、そしてさらにはどういったシステムが必要なのかを構築する、そのためのこの調査会だというふうに感じております。
 そこで、まず一つ、時短の問題でございますけれども、時短の目標を達成することが目的ではなく、時短を進めることによってゆとりある生活が確保されるということがついつい数字の方に走ってしまいますと忘れがちになってしまうのでございますけれども、時短を進めることによってゆとりある生活をということを改めていつも思い出すようにしていかなければならないと思います。また、世代交代によって、この時短につきましては余り多くの締めつけなどをせずにも進むものと思いますけれども、しかし日本人のこれまでの発想から考えましてそれがすぐに転換するということが難しければ、せんだっても本会議の方で話がありましたような環境の日であるとかそれから海の日であるとか、休日をふやすということもこれも一つの方法がなと。いろんな罰則を設けるよりも休日をふやした方がいいのではないかというふうに思います。
 また、諸外国と比べて既に日本は休日が多いということではございますけれども、諸外国は既にゆとりある生活を行っているのですから、そういった休日の日数だけで比べることは余り意味がないんじゃないか。むしろ日本の時短を進めるに当たっては、こういった効果的な設定でもって休日を設けてもいいのではないかというふうに考えます。そして産業の高度化、つまり機械による合理化などによりましてさらにこの時短というのも可能でありましょうし、また経済成長が鈍化するのではないかというような問題、不安というのもございますけれども、しかし、これは経済のさまざまな波であったり、また全然別個の問題としても進むのではないかというふうに思います。
 それから、出生率の点でございますけれども、何よりもやはり女性が出産を望むような社会的な構造というのもつくらなければならないかと思います。そこで、先ほど来出ておりますM字型のカーブの就業の推移でございますけれども、それは若干変化は出てきていることは確実だと思います。それは、これまでは仕事か結婚かといったような流れでございましたけれども、最近は仕事か子供かという選択の方に向かっている。そして、仕事か二人目かというような選択もあるわけでございますけれども、その選択のときにやはり住宅問題であったり、それから将来の年金システムの破綻などを危惧する直観的なものがあったりといったような、そういった点を変えていかねばならないというふうに思います。
 それから、実際に雇均法などのさまざまな法律などもできましたけれども、現実とすれば三十歳以上の女性はとらないといったような、現場に行きますとそういった社会的なバリアというのもまだまだ存在しておりますので、このあたりもやはり発想の転換につながってくるところではないかというふうに思います。
 それから、高齢者、障害者、既に皆さん方が御開陳なさったのとほぼ同じでございますけれども、とにかくポイントとして個人の希望と能力に応じまして働き続けられるそういう可能性を太いにつくっていくということで、定年延長もしかりだと思います。それで、特に高齢者でございますけれども、高齢者が働き続けるということは、一つは生きがいという目標であったり具体的な仕事があるという張り合いといったようなことにもつながりましょうし、またそれは一方で老人医療の問題などもこれからかかわってくるわけでございまして、医療費にとりまして働きがいなどを感じている元気な老人がふえていただくことは両面でプラスになるのではないか、そのために定年延長、個人の希望と能力に応じてといっただし書きでございますけれども、これを可能にしていく必要があろうと思います。一方で、就業活動が年金の減額につながることのないような、そういった年金制度の整合性ある改革も進めていく必要があろうと思います。
 それから最後に、今後の新しい労働力、それから既に起こっている人材のミスマッチという点で教育の見直しということも必要になってくると思います。産業構造自身が変わり、またアナログからディジタルヘ、さらには高度情報化社会といったような転換点にある中で、教育がまだまだ新しい人材の育成に追いついていないという状況があちこちに見受けられると思います。
 そこで、六三三四制の改革なども含め、また一律の教育ではなくて、さらに個性が伸ばせるようなそういった教育行政なども含めまして、新しい日本に必要な教育とは何ぞやということを考えていかなければいけないと思います。そして、今申し上げた幾つかの点は、すべてこれから日本がどうあるべきか、そしてその担い手である働く人たちの生活、そして労働現場、すべてにかかわってくる問題でございますので、中長期的な部分、それから短期的に取り組める部分、早急に当たっていく部分などきっちりと分けた上で取り組んでいく必要があろうというふうに思います。
 もう一つ最後に、日本全体だけでなくて世界の中の日本ということを考えますと、最近しきりに言われております国際貢献においても、これはPKOのことではなくて全体的な国際貢献で、日本の例えばボランティアの方々が海外などにおきましても活躍の場がまだまだ諸外国と比べて少ないというふうに言われでおりますけれども、しかし実際にお勤めになっているビジネスマンの方々でも、時間さえあれば僕だって行きたいという方もおられる。しかし、その中で日本のさまざまな社会的な慣習であったり、それからそういうボランティアなどに行っている間にポストが奪われてしまうとか、それからお給料の問題であるとか、例えばスウェーデンなどがとっておりますように、一年間外に行ってもその間は保障されたり、それが企業にとりましては税金の控除に当たったりとか、そういうインセンティブなども含めた大きな意味でのボランティアを育てるような労働システムというのをつくっていくのも、日本全体とすれば大変メリットのある、そして海外で日本人がまさに文字どおりの貢献ができる道ではないかというふうに考えます。
 以上です。
#10
○会長(浜本万三君) ありがとうございました。
 以上で意見の開陳は終わりました。
 それでは、私の方からひとつ提言をさせていただきたいと思います。
 調査会の一つの目的は、調査をいたしました結果、緊急に提言するものがあれば、皆さんの御意見をまとめて提言をするというところに大きな意義があるんじゃないかと思っております。
 そういう上に立ちまして、何が提言にふさわしい課題かということをいろいろ考えてみたんですが、一つは、先ほどからお話のございました労働時間の短縮問題というのがあると思います。これはもう既に各委員から十分具体的なお話がございましたし、現に今、当参議院の労働委員会で労働基準法の改正の審査が行われておりますので、これは省略をいたしまして、一つだけ申し上げさせていただきたいと思いますのは介護休業制度の法制化と育児休業制度の充実という問題についてでございます。
 今は労働力はそんなに需給が逼迫しておるという状況ではございませんが、二十一世紀を考えますと、労働力の不足基調にあることはもう間違いないというふうに思います。そういう中で、頼れる労働力というのは高齢者であるし女性であるし障害者の方々であろうと思います。ですから、そういう方々の雇用が拡大できるような条件整備をするということが非常に必要になってくると思います。特に、女性の雇用拡大につきましてたくさん必要な条件整備がございますけれども、緊急に必要なものは皆さんからもお話がございましたような介護休業制度の法制化と育児休業制度の充実というところにあるんじゃないかと思います。
 そこで、その二つの問題について意見を述べさせていただきたいと思います。
 将来的に労働力人口の減少と、それによる産業経済の大きな影響が予想される中で、女子労働力が一層重要な役割を果たすことになると考えられます。そのため、女性が職業生活と家庭生活を両立できるよう環境整備を図る必要があります。厚生省等の調査によりますと、介護を要する寝たきり老人の数は二〇〇〇年には百万人に達すると見込まれており、介護施設の整備等が促進されるという前提のもとで、家庭における介護ニーズはますます増大すると考えられます。介護は女性だけの問題ではありませんが、現実には女性が多くの負担を強いられ、退職に追い込まれている例が少なくありません。
 このような状況に対処するため、介護施設や介護サービスの充実と相まって、労働者が雇用を継続しつつ介護を行うことを可能とする介護休業制度については、行政指導による制度の普及を推進するとともに、その法制化に向けて検討を進めるべきであります。また、介護産業のように、二十一世紀の高齢化社会を迎え、著しい需要が見込まれるにもかかわらず産業として基盤が確立していないものについては、労働力需給調整システムを整備しつつ、労働力の適正配置に立った政策的対応措置が必要であります。
 次に、育児休業制度の充実についてでございます。
 昨年四月から施行された育児休業法を実効あるものとするために、育児休業を取得した労働者に対する経済的援助、これは労働省の方でそういう言葉を使っておりますのですが、私は休業期間中の所得保障というふうに申しておるわけです。そういう保障か経済援助は別といたしまして、職場復帰後の労働条件の不利益な取り扱いの禁止、小学校就学までの子を持つ労働者に対する勤務時間の短縮などについて、国民的コンセンサスに配慮しながら検討を進めるべきであります。
 さらに、女性の職場復帰を困難としている保育問題については、大都市圏のような人口増加地域におけるサービス不足への対応や乳児保育所、延長保育所等の特別保育の一層の整備など、これまでのような社会政策的観点に加えて経済政策的観点からの保育サービスの見通しが必要であります。
 その他の事項につきましては、また二年後の最終報告にまとめて提言をしていただければよろしいんじゃないかというふうに思いますので、緊急の課題として御検討いただきますように、御意見を述べまして終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは続きまして、各委員から補足意見等、御自由に御意見をお述べ願いたいと存じます。
 なお、発言される方は、私の方から指名させて
いただきますので、挙手をお願いいたします。どなたからでもよろしいですよ、言い足りなかった点がございましたらどうぞ。
#11
○横尾和伸君 私からは、単純な話ですけれども、先ほどちょっと時間の関係で最後もう一言言えなかったものですから、追加をさせていただきます。要旨だけ申し上げます。
 最後に申し上げたかったのは、総合的な労働時間短縮の推進についてでありまして、項目的に言いますと、完全週休二日制の早期普及と有給休暇の完全消化を推進すること、さらに超過勤務に対する割り増し賃金率の引き上げの問題、引き上げを図るべきであるという趣旨です。それから、勤続十年とか二十年、三十年といったライフサイクルの節目ごとにリフレッシュ休暇制度がとれるようにその制度を確立する、またフレックスタイム制度の普及を図る、こういった点でございます。
 以上でございます。
#12
○会長(浜本万三君) ありがとうございました。
 ほかに御意見、御発言の方はございませんか。
#13
○吉田之久君 今委員長からもお話がありましたが、介護制度をより確かなものにするためにいろいろと法制化の必要があると思います。同時に、先ほども各委員からお話がありましたが、だんだん労働人口が減っていく傾向にございます。現にこの間も自衛隊の八師団に行きましたが、婦人自衛官が随分いますね。警察にもいらっしゃる、役所にもいらっしゃる、もとより学校にもいらっしゃる。女性の方々が大いに社会に参加をしていただかないと日本の社会がもたない。しかし、そのことによって子供を産まなくなったらこれはもう日本の将来は大変なことになりますので、女性が社会にどんどん参加していただきながらなおかつ育児あるいは子供の教育、そういう点で万般の体制がとられないと日本の国家の将来というのは非常に危惧すべきものがあると思いますので、こういう点をまさに我々の当面の重要な課題として今から次々と手を打っていかなければならないのではないか。
 同時に、教育費が非常に今かさんでいます。だけれども子供は一人より二人、できれば三人産みたいけれども、とても三人最高の教育を完全に受けさせることは至難のわざだというので抑えている面がありますから、子供の教育、教育することは非常に大事でございますけれども、常識の範囲を超える出費をさせないように、こういう教育面に対して国家がどのように保護していくかという問題が一つのかなり大きい問題じゃないかというふうに思うわけでございます。
 それから時間短縮の問題でございますが、このままほうっておきますといわゆる数字合わせの時間短縮だけは進んでいくと思うんです。確かに千八百時間になったとか、それに近づいたとかということにしようと思えばできます。しかし実際は、例えばサービス労働と申しますか、残業時間には入っていないけれども、現に病院の若いお医者さんとか、ほとんど深夜まで働いてますね、看護婦さんもそうです、こういう傾向。あるいは大会社のいわゆる若きエリートたち、役所もそうだと思いますが、ほとんど深夜まで頑張っていますね。これ、ほとんど労働時間に入れていないと思うんです。そういう上っ面の数字だけは時間短縮できても、実態は全然それとは食い違ってくる傾向がふえれば、これは問題だと思います。
 それから、一番つらいのは中小企業だと思うわけでございまして、やりたいと思ったって大分条件が違います。私は、ほっておいたら将来日本の労働者が二つの階級に分かれてしまうんじゃないか。本当にきちんと時間短縮、労働条件の完備した一団と、そしてそこにあらわれない非常に苦しんで耐えて忍ぶ、そういう中小零細企業の労働者群とに分かれたら、これは国家的に大変な問題だと思うのでございます。この辺、中小企業の労働時間の短縮を実質的に促進するとするならば、よほどの政治的な対応や保護がないと難しいんじゃないかと思います。その辺についても一層ひとつみんなで知恵を出し合っていかなければならないときじゃないかというふうに考えます。
#14
○会長(浜本万三君) ありがとうございました。
 他に御発言ございませんか。――それでは、他に御発言もないようでございますから、「二十一世紀型産業経済構造への課題−労働力問題を中心として−」に関する件についての意見交換はこの程度といたします。
 各委員から貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。
 前回の資源エネルギー関係、本日の産業関係と二回にわたって意見交換を行ってまいりましたが、調査会は調査に関する中間報告書を提出することになっております。したがいまして、この中で述べられました委員の皆様の御意見は理事会で十分協議いたしました上、中間報告書に反映させていただきたいと存じます。
 本日の調査会はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後三時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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